このスレッドはSS速報VIPの過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

緋弾のアリア 群作集(チェント・コンテルツ) - SS速報VIP 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/06/21(火) 10:49:31.74 ID:uEfd688AO
某所に投下した作品をここでも書いていこうという試み

出てくるキャラに偏りがあるかも知れませぬ

基本は戦闘無しで。二次創作でくらいキンジさんにはゆっくりしてほしい

ご意見・ご要望などあればできるだけ答えていきたい所存

拙作が少しでもお楽しみいただけたなら幸いです
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/06/21(火) 10:53:28.52 ID:uEfd688AO
 第一弾 黄昏の花嫁(サンセット・メイデン)

 六月某日、私ことジャンヌ・ダルク30世はバスに乗り、とある場所へ友人と共に向かっていた。

 「……今日は悪いな。でも、こういうのならお前も嫌じゃないと思ってさ」

 ほら、とつきだされたディスプレイにはこんな文章が表示されている。

 『港区 ウエディングパーク「シーサイドハウス」の警備〈強襲科(アサルト)、探偵科(インケスタ)、他、応相談〉1.2単位』

 携帯のメールボックスから任務(クエスト)の資料を見せてくるのは遠山キンジ。
 武偵高での友人の一人で、今日一日限り私のパートナーになる男だ。
 私は今日、彼の単位稼ぎに付き合っていた。

 「……まあ、お前になら構わないか。確かに、私はフリルのついたドレスのような格好が好きだ。だから、今回の任務(クエスト)も……うん、悪くはない」

 間近でウエディングドレスを見ていられるからな、と私はそんな本音を遠山に語る。これは事実だ。私は可愛いものに目がなく、そんな私にとって今回の任務(クエスト)はうってつけのものといえる。
 それに……例え任務(クエスト)という形とはいえ、同年代の男子と丸一日行動を共にするというのは初めてのことだ。
 正直、その相手が遠山というのは……

 「……嫌ではない。むしろ嬉しくすらあるな」
 「え? なにがだ?」

 呟くような私の言葉に問いを投げる遠山。
 私はそんな遠山の台詞を無視しながら、彼の手を取り立ち上がった。

 「港区シーサイドハウス前……ここだな。遠山、降りよう」
 「あ、ああ」

 先導するようなかたちで遠山の手を引きながらバスから降りる。
 右手先に感じる彼の体温。初夏にもかかわらずその温もりは決して不解なものではない。

 「えっと……ジャンヌ、その……」
 「え、ああ。そうだな、すまない」

 遠山の視線が私の手に向いていることに気づき、私は遠山の手を離した。
 離した、のだが。

 「いや、いいんだ」

 そんな言葉と共に。

 「ここまできてはぐれたりしてもあれだしな。このままいこう」

 私の手を取り、指同士を絡めあわせる俗にいう恋人繋ぎをやってきた。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/06/21(火) 10:54:55.39 ID:uEfd688AO
 「…………」

 心拍数があがる。体温があがる。平静を保てない。顔が赤くなるのを止めることができない。嫌だな、こういう私は好きじゃないのに。

 「……ジャンヌ?」

 訝しげな表情で私の顔を覗きこんでくる遠山。その行為がかえって私の心をかき乱す。

 「ど、どうした遠山。早くいこう。依頼人を待たせるわけにはいかない」
 「あ、ああ。そうだな。そうしよう」

 遠山を握る手、そこに少しだけ力をこめる。このまま、手を繋ぐことを許可する私なりのサイン。
 それを心のどこかで理解したのか。
 目的地につき、依頼人に指摘されるまで、遠山が手を放すことはなかった。

        ■■■

 「二人には……モデルをやってもらおうかしら」

 依頼人であるウエディングパークの支配人。その彼女が、開口一番にそんなことをいってきた。

 「モ、モデルですか……?」

 支配人の言葉をあたふたとおうむ返しする遠山。その様子にクスクスと笑いを漏らしながら、彼女は一冊の本を差し出してきた。
 十数ページほどの薄い小冊子。純白のタキシードとドレスに包まれた男女が表紙に掲載されたそれは、式場のパンフレットのようだ。
 私達が依頼人に頼まれたのは護衛ではなくパンフレットに使われる写真のモデルらしい。

 「……二人みたいな美男美女がモデルをしてくれたなら、それなりにお給料はずんじゃうんだけどな〜」

 お給料、という単語に遠山の心が揺れたことが繋いだ手から感じられる。
 遠山は常に金欠みたいだからな。反応しても仕方ない。

 『どうする、ジャンヌ』

 遠山がマバタキ信号で私に訪ねてくる。モデル……か。ということは、私があのドレスを着るわけで……

 「お前がいいのなら、私は構わない」

 遠山の問いに答える。っと、マバタキ信号で返すつもりがつい口に出してしまった。

 「そっか……じゃあ、その依頼、お受けします」
 「ええ。ありがとう、二人とも」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/06/21(火) 11:05:11.40 ID:uEfd688AO
 明るい笑顔を浮かべ、遠山の言葉に依頼人が礼をのべる。

 「……いい予行練習になると思うわよ、二人とも」

 ウインクしながらそんなことをいってくる支配人。私と遠山はこの人は何をいっているんだ? といった風に互いに顔を見合わせる。
 その次の瞬間、支配人がとんでもない爆弾発言を投げてきた。

 「あれ? 二人は恋人同士じゃないの? 仲良く手を繋いでるからてっきりそうだと思ったのだけど」

 わ、私と遠山が恋人……か。支配人には私達がそう見えたのか。確かに……手の繋ぎ方こそ恋人同士がするものだが。

 「え、えっとですね……」

 言葉を濁す遠山。視線で私に助けを求めてくるがそれはあえて見なかったことにする。
 遠山は意外に思うかも知れないが、こういう勘違いも、相手が遠山なら悪くはない。
 まあ、こうしていてもらちが明かないし、そろそろフォローしてやるか。

 「支配人さん。私達はどうすれば?」

 あ、忘れてたというような表情を浮かべる支配人。まあ、確かに遠山をいじるのは面白いだろうな。

 「そうね。ジャンヌさんは私についてきて。遠山君は向こうの部屋でタキシードに着替えて、ホールで待っててちょうだい」
 「あ、はい。わかりました」

 そう支配人に答え、遠山はそこでようやく私の手を放した。
        ■■■
 「ジャンヌさんは遠山君のことが好きなの?」
 お色直し用の部屋で二人きりになったその瞬間、支配人さんがそんなことを聞いてきた。
 「……どうでしょうね」
 嫌いでないことは確かだし、好感を抱いているのもまた事実だ。だからといって、それが異性に対する好意かどうかまでははっきりしない。

 「少なくとも遠山君はそうでしょうね」
 そう……なのだろうか。確かに彼が私を嫌悪しているようには思えない。

 「……わからないなら、一度告白してみたら? どちらに転んでも自分の気持ちがわかると思うわよ?」

 告白…………か。
 まさか、私が異性にこんなことを考える日がくるとはおもわなかった。
 そういう機会を作ってくれたのが、遠山なんだよな……

 「……そうですね」

 当たって砕けろという言葉もある。
 一か八か。やって見るのもありだろう。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/06/21(火) 11:12:34.51 ID:uEfd688AO
 「うんうん。素直なのはいいことだ」
 そんな満足気な口調で手際よく私にウエディングドレスを着せてくる。

 遠山がタキシードで、私がドレス……
 つ、つまり……
 「私達が夫婦ということか……」
 さ、流石にそれは気恥ずかしいというか……
 意識すると……中々にくるものがあるな……

        ■■■

 結論からいうと、任務(クエスト)は大成功だった。
 支配人さんからは、今度はお客様としてきて欲しいとまでいわれてしまった。まったく、気が早いというものだ。

 「ジャンヌ、今日はありがとうな。おかげで助かったぜ」
 「そうか。それならよかった……遠山」

 帰りのバスを武偵高前で降り寮へと帰る道すがら、私は件の話を遠山に切りだそうとしていた。

 「ん? どうした?」
 「お前に、二つほど頼みたいことがあるんだ」

 立ち止まり、あらためて遠山と向きあう。夕暮れ時、夕日の逆光で私の顔は遠山にみえていないことだろう。
 私は今泣いているだろうか。それとも笑っているだろうか。
 できることなら、こいつにみっともない姿を見せたくないものだ。

 「ん、なんだ。お前には大きな借りがあるからな。俺に出来ることならなんでもするさ」

 笑いながら私の目を見てくる遠山。そんな彼に、私は今から告白―――

 「そのな、遠山。お前のことを、これからキンジと呼んでも構わないか?」
 「なんだ、そんなことか。別にお前がそう呼びたいなら構わないぜ?」
 「そんなとはなんだそんなとは。私にとっては……だ、大事なことなんだ」

 これから告白する人間を苗字で他人行儀に呼ぶのもおかしいからな。

 「そうなのか。で、二つ目の頼みはなんだ? もしもの時のためにとっておくか?」

 お前が俺を頼ることなんてありえないと思うけどな、などと自重げに呟く遠山。

 「―――」

 なるほど。
 今の言葉で、気づいてしまった。
 私は、遠山―――いや、キンジの、自分の実力を絶対に自慢しない一面に惹かれたのか。

 「キンジ。私は、お前が好きだ」
 「……え?」
 「私と……付き合ってほしい」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/06/21(火) 11:16:00.79 ID:uEfd688AO
 唐突な告白に驚きを隠せないキンジ。当然だろう。私も、こんなことをあっさりといえてしまう自分自身にびっくりしている。

 「……な、なんで俺なんだよ」
 「私はな、決して自分の実力を誇ったりしないお前が好きだ」

 いくら銃弾が切れようと。いくら氷を操れようと。
 そんなもの、誇らしげにするようなことではない。
 戦技を磨くのは悪いことではない。だが、それが何か人の役に立つものかと問われれば、答えは否だ。

 「ジャンヌ……」
 「私はお前が好きだ。ヒステリアモードを嫌悪し、普通の学生生活を望む、素の遠山キンジを私は愛している」
 「……わかったよ。ったく、お前も物好きだな」
 「まったくもって、その通りだよ」

 反論する気にもならない。

 「……俺は決してお前と釣り合う男じゃない」

 私はそんなこと気にしない。

 「でも、いつかお前の隣に立てるよう少しでも努力するから」

 そんな気遣いは必要ないのに。

 「だから、俺と付き合ってくれ」

 ……あのな。

 「告白したのは私のほうなんだが」
 「そ、そうだな……てことは……」

 ああ、お前が思ってるとおりだ。

 「今日から私達は、恋人同士だな」
 「……ああ、そうだな」

 とはいっても、いきなりすべてが変わるわけじゃない。
 まずは―――

 「キンジ。お前の手は温かいな」

 手を繋ぐことから始めたい。
 これは、昼間までのものとは違う意味を持つ―――私とキンジの最初の一歩だ。

 「そうか?」
 「ああ」

 この人肌のぬくもりが、銀氷の魔女と呼ばれた私には心地いい。
 この暖かさをもう少し味わうために、私はキンジの肩へと身体を預ける。
 夕日に伸びた赤い影が、一つになった私達をうつし出していた。

 第一弾 黄昏の花嫁(サンセット・メイデン) Fin.
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/06/21(火) 11:24:46.33 ID:uEfd688AO
今回の投下はこれにて終了です
お付き合いいただきありがとうございます

次のヒロインは中空知か風魔かジャンヌか……

できるだけ本編でピックアップされないキャラを出していきたいです

ご意見・ご感想などありましたらご自由にお書きください
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 11:29:51.94 ID://Weyc7DO
>>1
ワトソンも出してやって下さい
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 14:02:43.38 ID:IeVVPimv0
次に書く物語は一話のifなのかそれとも続編なんですか??
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage ]:2011/06/21(火) 15:41:15.14 ID:IQ8wzFlv0
超ナイスです!!
これからどんな話が投下されるのか楽しみ
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 19:17:43.21 ID:TnNfVs7IO
何と言う俺得wwwwww
頑張ってくれ!
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/06/21(火) 22:58:51.61 ID:uEfd688AO
>>8-9
基本的にキンちゃんが各ヒロイン達とのんびりまったりする話になるでしょう。ワトソンも出るかもです
今回みたいに恋仲になるほうが珍しいかもしれません
もし続編を書く場合は別途で告知しますのでその時をお楽しみに

>>10-11
ありがとうございます!
アリアは二次創作少ないので頑張りたいです

次回はあの忍者娘にキンちゃんが遊びに誘われて普段とのギャップにたじたじになっちゃうお話を予定しとります

近日中に発表するのでそれまでしばしお待ちをー
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/21(火) 23:21:17.14 ID:3TE4ZZXF0
期待
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/12(火) 01:07:46.86 ID:pxEfvw340
マダカナー
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/07/27(水) 00:28:56.20 ID:CkxjoOMAO
第二弾 群青色の休日(ネイビー・ホリデー)
「師匠! 某と夏祭りに行くで御座るよ!」

 夏休みも半ばをすぎたある日。呼んでもないのに風魔がやってきた。

「理由を十秒以内に簡潔に述べろ。はい、スタート」
「今日は夏休み最終日で御座る。某、今年の夏は修業が忙しかったゆえ、夏休みらしいことを何一つしていなかったので御座る。
 そうして迎えた夏休み最終日。偶然修業が休息日になり、さらに近くで夏祭りがあることを耳にしたので御座る。
 これは師匠と夏祭りをエンジョイしろという啓示に違いないと思い至り、こうしてお誘いに馳せ参じた次第に御座る」
「なるほど。ご苦労だったな」
「感謝の極み」
「もう帰っていいぞ」
「――なっ!?」

 ガビーンといった表情を浮かべる風魔。が、そんなもんはしったこっちゃない。
 というか俺の睡眠時間を返せ。せっかく気持ちよく眠れてたのにお前がやってきたせいで起きちまったじゃねえか。渡しといた合鍵で勝手に入ってきやがって。

「い、いつもにまして冷たいで御座るな師匠」
「……俺の寝起きの悪さはお前も知ってるだろ」

 何度か実習で寝食を共にしたからわかってるはずなんだがな。

「も、申し訳ないで御座る……師匠! 某に名案が!」
「なんだよ」
「某が師匠を寝かしつけて差し上げるで御座る!」
「ちょっとなにいってるかわかりませんね」
「そうと決まれば……さあ師匠、某の膝の上に頭を置くで御座るよ!」

 布団の上に正座した風魔が寝転がった俺の頭を持ち上げ自分の膝枕に乗せる。

「あー……」

 確かにいい感じの心地よさだ。ただ脂肪が柔らかいだけじゃなく、うっすらとついた筋肉の弾力がちょうどいい感じをしている。
 なるほど、枕にするには最適だな―――
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/27(水) 00:31:18.93 ID:hub7Nc5DO
久しぶりの投下キター
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/07/27(水) 00:31:49.98 ID:CkxjoOMAO
 響くような花火の爆裂音に意識が覚醒する。
 壁にかかった時計を見ると、すでに寮の門限である22時を越えていた。

「風魔。おい風魔。起きろ」

 正座したままソファーに頭を預けて眠る風魔の肩を軽く叩いて起こしてやる。

「ん……はっ、師匠!? 今何時で御座るか!?」
「22時15分で御座るよ」

 さてこれからどうするかな。まあ幸い朝五時から寮は開くから、今日はうちで泊めてやって朝一で女子寮に戻せばいいか。

「そ、某としたことが……今年最後の夏祭りを逃すとはなんたる不覚……!」
「いや、お前はだいたいそんな感じだろ」
「しかし師匠、安心してくだされ! 某こんなこともあろうかと着替えを持ってきていたので御座る!」

 夕方やってきた時に手からぶら下げていた紙袋から防弾制服・黒(ディウィーザ・ネロ)を取り出す風魔。七分丈のジャケットとチューブトップ、ショートパンツはきっとこいつに似合うだろう。

「そうか。なら問題ないな。今日はうちで泊まってけ。明日は一緒に学校でようぜ」
「了解で御座る。師匠、今夜の夕食は某が腕を振るうゆえ、楽しみにしてくだされ!」

 長い黒髪をポニーテールに束ねていた紐をほどき、その紐で紺地に赤い花柄がはいった浴衣の袖をたすき掛けに纏めた風魔が台所に立つ。

「おう、悪いな。かわりといったらなんだが、一番風呂貰っていいぞ。着替えのTシャツとジャージ置いとくからな」

 タンスから取り出した服を風呂場にある洗濯機の上に置きながら俺は風魔に声をかける。
 正直なところ。髪を下ろした風魔の姿にドキっとしたのはここだけの話だったりする。

 第二弾 群青色の休日(ネイビー・ホリデー) Fin.
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/27(水) 00:36:44.15 ID:6jCETTHP0
乙!
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/27(水) 00:38:21.32 ID:hub7Nc5DO
おちゅ!
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/07/27(水) 00:39:39.13 ID:CkxjoOMAO
今回の投下はこれにて終了です

最新刊が私的に風魔フィーバーだったので今回は風魔さんをヒロインにしてみました
キンジさんと風魔は休みの日に風魔がキンジの部屋に遊びに来て適当に話したり対戦格闘したりしながら夜はお互いにその辺で雑魚寝する色気のない関係だったら素敵だと思います

次のヒロインは今度こそ中空知かみんなのアイドル・カナさんか……

ご意見・ご感想などありましたらご自由にお書きください

お付き合いいただきありがとうございました
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/28(木) 02:30:31.22 ID:o1rRRrqB0
来てたのか

カナ様希望
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/08/25(木) 06:58:53.74 ID:Miz375zro
AAのライカ希望
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) :2011/10/24(月) 20:59:52.72 ID:IiO9M7x+o
ほしゅ
16.77 KB   
VIP Service SS速報VIP 専用ブラウザ 検索 Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)