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ミサカ9982号「ようこそ『死んだ世界戦線』へ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/21(火) 18:22:37.08 ID:+F9a2npDO
とある系とAngel Beats!のクロスSSです。

このSSでは、『天上学園サイド』と『学園都市サイド』の2つの世界で構成されています。サイド変更の際には必ず表示されますが判りづらいかもしれません。

〜以下注意点〜
『学園都市サイド』
一巻、上条さんが「竜王の殺息」により死亡した後の世界、という設定になります。
【鬱展開注意】
上条さんがいないため、世界観は暗く、死者も多く出ます。
【独自解釈注意】
人物の能力及びアレイスターのプランに対する解釈が変わります。

『天上学園サイド』
Angel Beats!の最終回後の世界となります。
【登場人物注意】
卒業式後なのでこちらサイドでは、基本的にある人以外は出てきません。
【鬱展開注意?】
人が死にます。が、すぐに復活します。そういう世界なのでご容赦を。どちらかというとグロ注意。
【独自設定注意】
こちらサイドに来ている妹達に少し個性をつけます。ただしあくまで少しだけです。……多分。

以上が注意点となります。それでもよろしければどうぞお楽しみ下さい。
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VIPでTW ★5 @ 2024/03/29(金) 09:54:48.69 ID:aP+hFwQR0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711673687/

小テスト @ 2024/03/28(木) 19:48:27.38 ID:ptMrOEVy0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/zikken/1711622906/

満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1711617334/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1711590867/

旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711498027/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/21(火) 18:23:50.18 ID:+F9a2npDO
【学園都市サイド】

あるところに少年がいた。

その少年の名は上条当麻。彼は『存在するだけで不幸な現象が起きる』という特殊な体質を持っている少年だった。

しかし、彼は他人の笑顔のために動き、見返りすら求めない心優しい少年でもあった。

ある日、彼は一人の不幸な少女と会い、彼女を助けることを決意する。

それが自分の、そして周りの世界の不幸に繋がることになるとは誰も知らなかった。

これは、彼が自らの命を犠牲にして少女を助けた事で始まる物語である。

3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/21(火) 18:24:58.17 ID:+F9a2npDO
【天上学園サイド】

とある深夜、上条当麻は意識を取り戻した。

うっすらと目を開けたそのさきには雲ひとつない夜空がみえ、数多の星が光る。真円に近い月も今日はとても綺麗に見ることができた。

さて、まだ夜中だしもう少し寝るか……。

そう思いながら意識を手放そうとした時、嫌な違和感を感じた。

(部屋のベッドにいたのに天井がない………?)

そう考えた上条は一気に目覚め、上半身をおこしながら周囲を見渡す。

やはり全く見覚えのない。そこは何処かの建物の屋上の様である。

「………ここはどこでせうか?」

上条は思わず小さな声でつぶく。

すると誰もいないはずの背後から返事が返ってくる。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/06/21(火) 18:26:25.39 ID:+F9a2npDO

「ここは、天上学園にある寮の屋上ですよ」

「とミサカは答えます」

(ありゃ?こんな場所、こんな夜中に人がいる?)

疑問を持ちながら振り返ると、そこには最近よく会う少女の姿があった。

学園都市の誇るレベル5、その第3位の人物。常盤台の超電磁砲、御坂美琴。上条に縁のある電撃娘である。
まぁ、縁といっても会えば必ず電撃を撃ちながら追いかけられるので、上条としてはあまりいい縁とは言い難いところではある。

「げっ!ビリビリ中学生?」

「ビリビリ中学生とは何ですか?とミサカは尋ねてみます。」

(……ありゃ?いつもの御坂なら「誰がビリビリ中学生よ!」とか言って電撃撃ってくるよな?そういえばいつものビリビリとは雰囲気か違うような……?)

そう考えつつ、よく観察してみるがやはり御坂美琴にしか見えない。
いつもと違うところといえば頭には変なゴーグルつけ、手には彼女には相応しくないサブマシンガンを持っているところ位だ。

「……あのー?御坂美琴さんでいらっしゃいますか?」

「おや、お姉様をご存知ですか。とミサカは確認をとってみます」

「お姉様?ってことは御坂の妹さんか?」

この会話から察するに、どうやらこの少女は御坂美琴の妹らしい。

上条は彼女と話していくうちに、少しずつではあるが落ち着きを取り戻していた。

しかし、次の言葉でせっかく取り戻した落ち着きを手放すこととなった。

5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/06/21(火) 18:27:35.68 ID:+F9a2npDO

「いいえ、正式には妹ではありません」


「私はお姉様である御坂美琴のクローン体」


「検体番号は9982号です」


「とミサカは胸を張って答えます」


(クローン体?9982号?…………訳がわからない)
上条は頭を抱えてしまう。


「混乱しているところにわるいのですが」

しばらくすると先程の少女から話しかけてくる。

「唐突ですが、『死んだ世界戦線』に入りませんか?とミサカはあなたを戦線に勧誘します」

「……………は?」

急な展開が多すぎて、もはや上条には理解することができない。
上条はしばらくの間、頭を抱えてうずくまっていた。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/06/21(火) 18:28:23.70 ID:+F9a2npDO

「ところで『死んだ世界戦線』ってなんだ?」

時間をかけて落ち着きを取り戻した上条は目の前の少女に質問する。

「文字通り死んだ世界で戦う人の集団です。とミサカは答えます」

「何と戦っているんだ?」

「天使やその後ろにいる神様とです。とミサカは答えます」

「天使?神様?なんかうさんくせーなぁ?本当にいるのか?」

「神様は知りませんが天使とはすでに何度も戦っていますよ、とミサカは驚愕の事実を述べます」

「……上条さん的にはは全く信じられそうにありません」

「まぁ、天使にはすぐに会えますよ、とミサカはまたもや驚愕の事実を述べます」

「…………ところでさぁ、その『ミサカは〜』っていう語尾はなんでつけてるの?」

「これはミサカ達のアイデンティティです。とミサカはそれを奪われまいとあなたを睨み付けます」

「はぁ、そうですか……まぁ上条さんとしてはどうでもいいのですが……。ところで一番気になってるんだけど死んだ世界ってどういうことでせうか?」

あぁ、なんとなく不幸なオーラを感じる…………。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/06/21(火) 18:29:32.80 ID:+F9a2npDO
「文字通りの意味ですよ。ここが死後の世界だから死んだ世界なのです。とミサカは答えます」

「はぁ?え?どういうこと?上条さんは死んでるのでせうか?」

「その通りです。とミサカは答えます」

「いやいやいやいや、上条さんは今生きてますことよ?足あるよね?あれ?どういうことでせうか?」

「だからあなたは死んでいるのです。足があろうが、背中の羽がなかろうが天使の輪がなかろうがすでにあなたは死んでます。とミサカは理解のついてこないウニ頭にイライラします」

「…………ウニ頭は余計なお世話だ!じゃあ、上条さんが死んでるって事を証明できるのかよ?」


急に会話が途切れる。ミサカは急に何かを考えているようだ。

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/06/21(火) 18:30:27.10 ID:+F9a2npDO
沈黙に耐えきれなくなった上条が少女に向かって話し出す。

「やっぱり説明できないんじゃねーか!まぁ、上条さんとしてはほっとしましたよ。」

「いえ、出来るといえば出来るのですが………」

「ならはやく証明してくれよ。もう上条さんはいっぱいいっぱいですよ?」

「…………本当に宜しいのですね?とミサカは念を押します」

「あぁ、証明してくれるなら何でもいいよ。どんとこい!」

その言葉を聞くと9982号はあきれながら上条に銃を向けてきた。

「………あれ?ミサカさん?なんで銃をこちらに向けるのでせうか?上条さんは不幸オーラを感じるのですが……」

「それでは証明します。とミサカはウニ頭に向かって引き金を引きます」

「え?ちょ?待っ……」

上条が言い終わる前に銃は高速の鉛弾を大量に吐き出す。その熱い金属は上条の身体に次々と穴を開け、中の赤い液体をとびちらせていく。

全身に拡がる激痛と薄れゆく意識のなか、上条はたしかにその言葉を聞いた。

「あぁ、カ・イ・カ・ン!とミサカはとある映画のまねをします」

(この…やろ…う 覚え……て………や…………がれ)

ふざけた台詞をはく少女に対し膨大な怒りを覚えつつ上条の意識はそこでとぎれた。

9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/06/21(火) 18:31:13.99 ID:+F9a2npDO

眩しい朝日を全身に受け、上条は目を覚ました。

自分の部屋ではないが、昨晩とは違ってちゃんとベッドに寝ている。消毒液の匂いがすることからおそらく病院だろうと勝手に解釈し、ベッドから立ち上がった。

ふと昨晩の事、あの訳のわからない出来事を思い出しながら身体を見てみる。

やはり撃たれた穴どころかかすり傷ひとつすらない。

上条は心の底から安心した。

(あたりまえだよな……。あぁ、変な夢を見てしまった……)

着替えるためにベッド脇投げてあるシャツに手を伸ばした時に妙な違和感を感じる。

白かったはずのシャツが真っ赤に染まっている……。

(……いやいやいや、いくら上条さんでもあれが現実じゃないことはわかってますよ?)

それでも確認をとるために赤いシャツを拡げてみる。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/06/21(火) 18:32:07.16 ID:+F9a2npDO

鼻をつく鉄の匂い

穴だらけのシャツ

滴る赤い液体

それら全てが昨晩の事が夢ではないと物語っている。

さらに枕元には

『起きたら校長室に来るように ミサカ9982号』

と書いたメモと新しい制服が置いてある。

(これはきっと幻想ですね、ほら幻想殺しをあてると現実に……あれ?)

右手を頭に乗せてみる。残念なことに幻想殺しは全く反応しない。

(……昨晩のことは現実だったのかよ)

信じたくはないがこれが現実である。今は少しでもこの状況を打ち破る情報を集めたいと上条は考える。

正直、気は進まないのだが、上条はメモにかかれている通りに校長室に行くことを決心したのだった。
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/06/21(火) 18:32:58.67 ID:+F9a2npDO

校長室には思っていたよりも簡単に到着した。

上条は考えていた。ここは死後の世界なのだからもっと地獄の様な場所なのだ、と。

しかし、いざふたを開けてみると考えていたのとは全く違う、いたって普通の平凡な学校であった。

鬼もいなければ閻魔大王もいない。普通の人間が歩いてたり廊下でしゃべったりしている。

(この人達にはこちらが見えないのかな?)

とも考えたが、肩がぶつかった際に謝られたり、校長室の場所を聞いたら丁寧に教えてくれたりもする。
しばらく観察していると学校のチャイムが鳴る。
すると廊下にいた人達は教室に戻り普通に授業を受けて始めた。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/06/21(火) 18:33:58.25 ID:+F9a2npDO

少し教室を覗いてみると普通に授業を受けている者が多いのだが、なかには真面目に授業を受けていない者や眠そうな者、机に突っ伏して完全に寝ている者もいる。
やはりどこにでもある学校の風景だ。


先程もいった通り、拍子抜けするぐらい、いたって普通の平凡な学校なのである。

そう考えているうちに校長室の前に到着していた。

部屋の中では人の気配があり、少しだが話し声も聞こえる。
上条は、少し落ち着こうと深呼吸をしてドアをノックし、一呼吸おいてから挨拶をしつつ扉を開く。

「失礼し…………なにこれ??」

扉を開けるとそこは異世界だった。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/06/21(火) 18:34:34.35 ID:+F9a2npDO

校長室の中には大勢の同じ顔があった。

校長の席に座るミサカ
ソファーに寝ているミサカ
銃の手入れをするミサカ
刀を持っているミサカ
でかい斧みたいなのをバトンの様に回しているミサカ
部屋の隅にいぬの人形を抱いてご満悦のミサカ……うん、普通に可愛らしい。

とにかく部屋のどこを見ても同じ顔なのである。

「やはり夢だ、これは夢なんだ夢なんです」

と、上条は現実逃避を始めた。

突然、夢ではないことを証明するかの様に、巨大なハンマーが横から上条を襲ってきた。その凄まじい衝撃をまともにくらい、彼の身体はピンボールの様に吹き飛んでいく。勢いのついたその身体は、窓を突き破り、数十m先のグラウンドまで飛ばされた。

上条は久しぶりに、そしてこの世界初であるいつものあの台詞を叫んだ。

「ふ、不幸だ〜〜〜〜っ!」

グラウンドに響く叫び声の直後、何かが潰れたような不快な音がした。

上条当麻。本日2度目の死亡である。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/06/21(火) 18:35:29.96 ID:+F9a2npDO

「うわぁぁぁぁァァァぁぁァ…………あれ?」

上条は叫びながら眼を覚ます。

「おぉ、もう生き返りましたか。とミサカは驚きを隠せません」

「時間は?」

「5分23秒です。とミサカは目を丸くします」

「……、もはや人間ではありませんね。とミサカは彼を称賛します」

「それをいったらミサカ達も不老不死だし、そう言えますよ?」

「それもそうですね。とミサカは納得します」

……同じ声だと独り言のようだ。
しかし、さきほどは同じ顔が20人ほどいたのだが、今は5人になっていた。
話しているのは4人で、1人はソファーの上でぬいぐるみを抱いてねているようだ。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/06/21(火) 18:36:31.71 ID:+F9a2npDO

「さて、起きたところで自己紹介から始めますか、とミサカは提案します」

「その前に戦線加入の是非を聞くべきでは?」

「それもそうですね。とミサカは納得します」

4人は一斉にこちらを見てくる。

(……同じ顔がこちらを凝視してくる。)

上条はこの状況に少しは慣れてきてはいたのだがやはり怖いものは怖い。まるでホラー映画のみたいだ。

校長席に座っているミサカが話始める。

「昨晩も聞きましたが
「「「『死んだ世界戦線』に入りませんか?」とミサカは口を揃えて聞いてみます」」」


上条は、この状況に慣れ始めたのか楽観的にこんなことを考えていた。

(おぉっ!見事な連携プレイ!)

……現実逃避して今の状況を考えないようにしているだけかもしれないが。
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/06/21(火) 18:37:39.48 ID:+F9a2npDO

(……っていかんいかん!何考えてんだ俺!)

我に帰った上条は勧誘を受けるか断るかを考え始めた。

しかし、判断するには情報が足りない。

そこで彼は、まず彼女達に質問をすることにした。

「質問していいか?」

「どうぞ。とミサカは答えます」

「この戦線に入ることで、こちらに利益はあるのか?」

「衣食住の確保とこの世界の情報を提供します。とミサカは簡潔に説明します」
「じゃあ、入らなかった場合は?」

ミサカ達は口角をあげ、ニタリと笑う。

「先程のようなトラップの場所等の危険なエリアも教えられませんし、作戦行動に支障がでる場合、あなたを排除させていただきます。とミサカは遠回しに脅します」

(……つまりは邪魔なら昨日みたいに撃たれるってことか?)

上条は考える。もちろん戦線に加入した方がいいのはわかる。しかし、何か裏がありそうだ。そうでなければ彼女の言う「脅す」意味がない。
上条は今、少し冴えていた。

「さぁ、どうしますか?とミサカはあなたを急かします」

「………上条さんとしては少し考える時間をいただきたいのですが?」

おそらく勧誘を受けることになるだろうが、まだ考える時間が欲しかった。
上条はとりあえずそう提案してみるのだった。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/06/21(火) 18:39:24.56 ID:+F9a2npDO

「どうぞごゆっくり。とミサカは答えます」

上条は、とにかく考える時間、そして落ち着く時間が欲しかったので心から安心した。

「ただし」

べつのミサカが続ける。

「ここではない別の場所でお願いします。とミサカは暗に出ていけと伝えます」
また、別のミサカが言う。
「ここは、校長室としては機能していません。対天使対策本部として機能しています」

さらに別のミサカが続ける。

「まぁ、ここから出ていったら帰ってこれる保証はありませんが、とミサカは外は危険地帯なのを伝えます」

(はぁ…………不幸だ。でもまぁ、勧誘は受けることになっていただろうししょうがないか)

18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/06/21(火) 18:40:13.58 ID:+F9a2npDO

「分かった。戦線に入れてくれ」

上条は力強くいい放った。

「戦線に加入してくれますか、よかったです。とミサカはほっとします」

校長の席に座るミサカが話し出す。

「昨晩にもいいましたが、ミサカの検体番号は9982号です」

「一番最初にこの世界に来たミサカであり、作戦時には総指揮をとります。とミサカは胸を張ります」

「全ミサカを代表してあなたに言いたいことがあります」

「ようこそ、『死んだ世界戦線』へ」

「とミサカ達はあなたを歓迎します」

「こちらこそよろしくな、ミサカ達!」

こうして上条は『死んだ世界戦線』に参戦した。
彼はまだこの世界の本当の意味など知らない。
彼は知ることができない。彼が死んだことで学園都市が大きく動き出すことを。

そして彼は知ることとなる。

世界は残酷に作られていることを。


第1話 完
19 :次回予告 [saga]:2011/06/21(火) 18:41:11.67 ID:+F9a2npDO

とある世界 料理王決定戦準決勝まで駒を進めたステイル

準決勝の相手は「電撃使い」御坂美琴、さらに料理の対決内容が「IH対決」になってしまった

妹達をフルに使い料理を作っていく御坂美琴

得意の炎を使えず苦戦を強いられるステイル

果たしてステイルに勝機はあるのか?

次回の『炎の料理人 ステイル=マグヌス』は

「唸れ札束!ステイル、渾身の裏金工作」

札束と審査員が交差するとき、なにかがおこる!

ステイル「これが僕の全力さ」

続かないぜい!
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/21(火) 18:42:22.90 ID:+F9a2npDO
以上で今日の投下は終了、次回は1週間以内には来る予定です。

皆様のご意見、ご指摘等々ございましたら是非教えてください。お願いします。

次回は、原作でもある意味不幸なあの人が登場します。

でも、あの人にとって天上学園は地獄なのかもなぁ……。

ではまた次回!
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/21(火) 18:48:21.65 ID:+F9a2npDO
すいません!次回予告ミスりました。

なぜ小ネタ……しかもそのネタの後半部分だし……本当にすいません!

次のが本当の次回予告です。
初回からこれで大丈夫なのか?オレ?
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 18:49:00.81 ID:S4PrOqwG0
なにやってんだよミサカ…せっかく音無が終わらせたのに……
これにいらついたのは俺だけじゃないよな?
てか天使いないよな?まさか奏をまた天使にするなんてふざけたことはしないよな!
このクロスは面白いけど死んだ世界戦線はいらないと思うんだが…

23 :本当の次回予告 [saga]:2011/06/21(火) 18:49:29.71 ID:+F9a2npDO

『死んだ世界戦線』にはいることを決意した上条

ミサカだらけの戦線の目的とは?

そしてこの世界とは?天使とは?

様々な疑問のなか、あらたに人間がやって来る。

次回、天上学園サイド

「MEMORY」

上条と天使が交差するとき、なにかがおこる!…かも
24 :本当のあとがき [sage]:2011/06/21(火) 18:55:37.60 ID:+F9a2npDO
>>22
奏さんは卒業してますので【天上学園】にはいません。

質問等は気づいたらなるべく答えていきます。

まぁできる範囲で、の解答になりますが…

なんかしまらない最後ですいませんが、また次回に!
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 19:00:42.00 ID:S4PrOqwG0
まさか天使って大天使か?
だとしたら勝ち目なさすぎる…
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 19:10:07.63 ID:KEjKZDgDO
妹達なら普通に学園生活して普通に成仏しそうだけど。
妹達に未練があるとしたら普通の生活だろ。
それとも成仏してった妹達を見て恐くなったのが残留してんのか?
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 19:52:00.47 ID:+F9a2npDO
>>25
あの大天使ではありません。無理ゲーです。
>>26
それについては後程解明されますのでお待ち下さい。未練については少しヒントを…。

ヒント なぜ1号が始めでなく9982号なのか?

28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/21(火) 21:29:45.73 ID:6OS/OYKT0
なるほど、だから9982号からなのか
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/06/21(火) 22:34:05.55 ID:rDKWJ9bLo
これは期待だ
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/21(火) 23:30:18.93 ID:OeIIALqso
9982号好きとしては続きに期待せざるを得ない。
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage ]:2011/06/22(水) 10:14:15.72 ID:2hbOWzzO0
うむ期待!!
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 19:43:00.14 ID:cV/YOfnDO

どうも>>1です。

今から投下します。

その前に注意事項
【鬱展開注意】
【オリジナルミサカ注意】
ちなみにオリジナルミサカはなぜそうなったかは次回明らかに!

さらに、9982号好きの皆様、今回は彼女あまり出てきません。ごめんなさい。


それでもよろしければ開始です。
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 19:44:06.18 ID:cV/YOfnDO

【天上学園サイド】

「ではまずは自己紹介から始めますか?とミサカは提案してみます」

「そうだな。俺は上条当麻、レベルは0だ。よろしくな」

そう言ったとたん、ミサカ達から落胆のため息が漏れる。

「レベル0ですか?」
「お姉様と知り合いと聞いていたから」
「高レベルだと思っていたのですが」
「「「「残念です。」とミサカはガッカリします」」」

「ひどい!さすがの上条さんでもそれは傷付きますよ?」

さすがに全員から、しかも息のあったチームプレーで言われると、上条は心にズシリとくるものがあるようだ。

「まぁ、仕方ないでしょう。とミサカはあからさまにがっかりしながら……はぁ」

「ひどい!上条さんのライフはもう0ですことよ!?」

上条の心はミサカの追い討ちによりさらに深く傷を負った様だ。
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 19:44:57.41 ID:cV/YOfnDO

「まぁいいでしょう。私は9984号です。近接戦闘班の長をしています」

変な斧を持ったミサカが話す。そういえば彼女はずっと語尾がなかった気がする。

「ミサカの検体番号は9985号です。後方支援班の長をしています。とミサカは胸を張ってみます」

銃を持ったミサカが話す。こちらは語尾がある様だ。

「ミサカの検体番号は9988号です。情報収集班の長をやってます。とミサカは握手をしようと手を出してみます」

また銃を持ったミサカが話す。しかし、ゴツい銃を持つ前の彼女とは違いこちらは拳銃の様だ。

「ああ!よろしくな!」

差し出された手を握る。

(暖かい、柔らかい小さな手だ………)

そう思った。

握手を終えたあと、彼女達を見る。

御坂美琴と同じ、中学生位の姿だ。

だからこそ上条の心が痛む。

(なぜこんな手で、こんな子達が、人を傷つけるモノを普通に持ってなきゃならねえんだ?)

疑問を口にしようとしたとき、9982号がいきなり校長席から立ち上がった。
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 19:45:54.77 ID:cV/YOfnDO

「やることができました。私は席をはずします、とミサカは急いで現場に向かいます」

そういいながら彼女は昨晩持っていた銃を取りだし、なにやら小さなこえで呟いている。

「何があった?」

「新しい人間が2人来ました。1人はミサカなのですが……」

慌てた表情で彼女は続ける。

「1人は違うようです。とミサカは答えます」

そういいながら斧を持つミサカに目を移す。

「戦闘班長!」

「はい」

「あなたは残って彼にこの世界の仕組みと手続きを、とミサカは指示を出します」

「わかりました」

そう言うと、3人のミサカは小走りで出ていった。
後に残されたのは斧ミサカにぬいぐるミサカ(上条がそう思っているだけだが)、そして上条であった。
それを見ていた上条に9984号が話しかける。

「さて、この世界の仕組みについて説明しましょう」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 19:46:26.07 ID:cV/YOfnDO

「いいのか?行かなくても?」

上条は彼女に聞いてみる。

「大丈夫です。初めから戦闘になることはありませんし、なったとしても後方支援班がいます」

「それなら良いが……、なぁ、お前ら以外がくるのはそんなに珍しいのか?」

「はい、ミサカ達が来てからはあなたが初めてです」

「そうか、でもいつ連絡が来たんだ?」

「先程、リーダーが席をたつ直前です。ミサカ達にはミサカネットワークがあります。これは情報や感覚を共有するためのものです」

「何か便利そうで上条さんは羨ましいです」

「そんなにいいものではありませんよ?『死の感覚』すら共有されますから」

「……前言撤回。絶っっ対にその能力はいらない」

「そういえばあなたは何で死んだのですか?」

上条は答えられなくなる。

(そういえば何で死んだんだろう?)

思い出そうと頭を捻るがどうしても思い出せない。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 19:47:03.95 ID:cV/YOfnDO

「思い出せないのはよくあることです。頭にダメージを受けたのでしょう」

「思い出せないのか?」

「それも大丈夫です。今からすぐに思い出せますよ」
そう言いつつ彼女は入り口に向かう。

「ついてきて下さい。先に手続きをやりましょう」

「あ、あぁ。わかった」

言われるままに上条は彼女のあとをついていく。

校長室を出る前に上条は前をいく彼女に対してこう訪ねる。

「なぁ、あそこにいるぬいぐるミサカは放っておいていいのか?」

前の彼女は足を止めて振り向き、不思議そうな顔をしている。

38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 19:47:39.48 ID:cV/YOfnDO

「ぬいぐるミサカ?あぁ、あの個体なら大丈夫です。こちらに来たばかりで疲れているのでしょう」

また歩き出しながら彼女は答える。

「そっか、ずっとあんな感じだったから少し気になっててな」

「ところで」

校長室を出た彼女は振り向きながら言う。

「『ぬいぐるミサカ』ですか……かわいらしい呼び名ですね?」

「そうか?まぁ言われてみればそうだな」

校長室を出ながら上条は答える。

「それでしたらこのミサカは何と呼んでくれますか?とミサカは期待しながら聞きます」

ミサカ9984号は目をキラキラさせている。語尾が復活している事に本人は気づいていない様だ。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 19:48:26.26 ID:cV/YOfnDO

その様子に気づいていない上条は答える。

「う〜む?そうだな、じゃあ斧ミサ…ガァァァ!!? あっぶねえ!!!」

斧ミサ、まで言った上条の首筋に向かって、彼女は横薙ぎに切りつけてきた。

上条はなんとかギリギリでかわせた。

「なんですか、その可愛くもない名前は!?そもそもこれは斧ではなくハルバートです!!とミサカは訂正を要求します!!」

「上条さんを殺す気ですか?」

「殺す気ですが?」

ハルバートを構えてそういい放つ。

「す、すいませんでした隊長殿!この通り!」

そういいながら上条は土下座の体勢をとる。しかし、その言葉を聞いた彼女は動きを止めていた。
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 19:48:57.56 ID:cV/YOfnDO

「隊長ですか…まぁ、いいでしょう」

上条は無意識に『隊長』と言ってしまっただけなのだが、彼女は納得したようだ。隊長はハルバートを肩に担ぐとまた歩き出した。

「気に入ってもらえて上条さんはうれしいですことよ」

そういいながら彼女の後をついていく。心のなかでは

(あっっっぶねえぇぇぇ!!上条さんギリギリでしたよ!!ビリビリ中学生の凶暴性は遺伝子レベルだったのかよ!!)

とかなり焦っていた。
もう二度と怒らせない。上条は、そう心に誓うのだった。

41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 19:49:30.63 ID:cV/YOfnDO

「さて、着きましたよ」

隊長ミサカが扉の前で足を止めた。そこには『生徒会室』と書かれていた。

「生徒会室?」

「あなたにはここで天上学園への編入手続きと記憶を取り戻してもらいます」

「編入手続きって普通教師とかにするんじゃねえの?」

上条はそう聞いてみる。

「?普通はそうなのですか?」

彼女は首をかしげている。すると横から

「『生徒の生徒による生徒のための天上学園』だからさ」

横から答えが帰ってくる。
いつの間にいたのだろうか?『生徒会室』の扉をあけ、ひとりの青年が立っていた。
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 19:50:19.13 ID:cV/YOfnDO


青年はどこにでもいそうな顔立ちで髪は茶色でいかにも若者といった感じである。しかし、目はまるでいくつもの修羅場をくぐり抜けたかの様に力強い。

「廊下で話すのも何だし、とりあえずなかにはいってもらってもいいかい?」

彼はそういうと部屋のなかにはいっていく。

上条とミサカは彼に習い部屋のなかに入っていった。


「なんです?さっきのへんな『生徒の生徒による生徒のための………ってやつは?」

青年に進められるままソファーに座り、お茶を飲んだあとに上条は聞いてみた。

「要は生徒でできることは生徒でやれ、ということさ。転校手続きやらイベントの企画やら色々なこと、特に雑用が多いかな?それらを生徒で全て行わなきゃならない。
まぁ、生徒では出来ないことはやってくれるようだけどな」

そういうと彼は苦笑いを浮かべた。彼も相当苦労しているのだろう。
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 19:51:07.48 ID:cV/YOfnDO

「ただ、色々自由にイベントを作れるからそれはそれで楽しいけどね」

「はぁ、なるほど………」

「さて、さっさとつまらない手続きは終わらせよう!……え〜と、そう言えば自己紹介がまだだっけか?」

「そうですね、俺の名前は上条当麻です」

「上条当麻くん、ね。俺は音無結弦、この天上学園の生徒会長をやっている。なにかわからないことがあれば遠慮なく聞いてくれ!」

そういうと彼は右手を出してくる。

「よろしくお願いします」

そういいながら右手で握手をしようとした。
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 19:51:48.61 ID:cV/YOfnDO

バキン

『幻想殺し』が何かを壊す音がした。上条は思わず右手を戻そうとした。
そんな上条を音無は不思議そうな顔をしてこちらを見ている。

上条が握手をするのをためらっていると、音無は諦めたように右手を引っ込めた。少し悲しげな顔をして……。

「あっ……」

上条は思わず声を漏らした。たとえ初めて会う人でもそんな顔をさせたくなかった。

「まあ仕方ないさ。初めて会う奴に警戒するのはあたりまえだし、それに……」

彼は言葉を切り窓の方を見てどこか遠い目をする。

「この天上学園に来る人は何かしらの問題や負い目、いいたくもない過去をもっていたりするからな…」

悲しげに、そしてどこか懐かしむ様に彼はいった。
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 19:52:32.03 ID:cV/YOfnDO

「彼も少しわけありなのですが?」

そうミサカはいった。そういえば彼女はここに来てから一言も話していなかった。彼女の声は先程上条と話していた時とは違い、冷たさを感じた。

「なにかあるのか?」

それとは対照的に音無の声は優しさを感じる。

「彼は記憶の一部が欠落しているようです。できれば協力して頂けないでしょうか?」

「そうか、それは大変だな……」

そう言うと音無は上条を見る。

「一部と言うと?」

「ここに来る直前の記憶がないようです」

そうミサカが続ける。

「……そうか」

音無は真剣な表情で上条を見ていた。
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 19:53:18.41 ID:cV/YOfnDO

「俺は、その記憶を戻してやれるかもしれない」

「本当ですか?じゃあ「しかし!」」

上条の言葉を音無は遮る。

「思い出して後悔するかもしれない。知らなきゃよかった、と思うかもしれない」

音無の表情は真剣なままだ。一呼吸おいて言葉を続ける。

「それでもいいなら協力させてくれ」

そういいながら少し表情が柔らかくなる。そんな音無をみた上条は、彼に対して信頼の置ける人物だと感じた。

「お願いします。なぜここに来たかわからないのはイヤなんです!」

上条がそういうと、音無は優しく微笑んだ。

「では、さっさと手続きをすますか!」

そういうと音無は席を立ち、なにやら書類を持ってきた。
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 19:54:06.15 ID:cV/YOfnDO

手続きはすんなりと終わった。

音無から説明をうけたあと、一枚の書類にサインをした。それで終わりだった。

「では、これが寮の部屋のカギと奨学金ね」

(死んだのに何にお金をつかうんでせうか?)

「あの……、このお金って「基本は自由に使っていいぞ。まあ、ほとんど飲み食いにしか使えないけどな」はぁ、そうですか……」

上条が聞きたかった事を音無に途中で答えられる。

(……この人は読心能力者かなにかでせうか?)

上条はそう思っていたところに、音無から質問が来た。

「そういえば学園都市からきたんだっけか?どんな能力が使えるんだ?」

そういう音無の目はどこか期待に輝いているように見える。

「……上条さんはレベル0の無能力者です」

「……そっか、……なんかごめんな?」

「いえ、気にしないでください。上条さんもきにしていないので」

「そうか……」

そういう音無の顔は申し訳無さでいっぱいだった。
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 19:54:46.81 ID:cV/YOfnDO

「そ、そういえば音無さんってカウンセリングができるんですか?」

上条はなんとかこの空気を変えたかった。そこで、さきほどの記憶喪失の話に戻したのだった。

「カウンセリング?似たようなのならできるが……あぁ!記憶のことなら使うのは催眠術だぞ?」

「さ、催眠術ぅ?」

「そう、催眠術。その中の『退行催眠』を使うんだ」

「上条さん的にはとても胡散臭く感じるのですが……」

「まあ、やってみればわかるさ。タブン大丈夫だぞ。それよりも……」

「小さな声で多分って「ミサカさんはどうする?ここにいてもいいのか?」………いてもらった方が上条さんは安心です」

「じゃ、始めますか!」

そういうと音無は真剣な表情で上条を見る。
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 19:55:37.03 ID:cV/YOfnDO

「じゃあ、俺の目をみろ」

上条は音無の目を見た。



『さあ、おれのめをみて』




上条は、音無の目が薄く、赤く光っている様に感じた。


そこから目が放せない。



どこか遠くから声がする。




サア、

キミガナゼ

ココニキタカ

オモイダセ!





さらにどこか遠く、別の方向から話し声が聞こえるような感じした。
50 :更に注意 [saga]:2011/06/23(木) 20:00:49.87 ID:cV/YOfnDO
一レス投下中断

もう一度注意事項

【鬱展開注意】

【鬱展開注意】

上条さん好きには少し辛い。結構ツラい。やっぱりつらい。

飛ばして読んでも大丈夫かも
順調に進めば7レス後に鬱展開終了です。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 20:01:38.33 ID:cV/YOfnDO

【上条当麻の記憶〜学園都市〜】



「お腹すいた」




白いシスターがベランダに引っ掛かって、そんな事をいっている。


あぁ、彼女はインデックス。魔術師に追われていた少女だ。


「じゃあ、私と一緒に地獄の底までついてきてくれる?」


彼女は俺より不幸だ。よりによって俺のベランダに引っ掛かっていた。他の場所なら霊装『歩く教会』は壊されなかったろうに……斬られて血塗れにはならなかっただろうに………




「うん?僕達『魔術師』だけど?」




そうだ。赤髪バーコードのこいつはステイル=マグヌス。炎を使う魔術師だ。




「私はまだ魔法名を名乗ってすらいません」




そう、この露出の多い女性は神裂火織。こいつらには大怪我させられて色々教えてもらったんだ。


インデックスと彼らは同じ所属であること

彼女を殺す気はなく、むしろ保護をしたいこと

完全記憶能力

10万3000冊の魔導書


1年毎の記憶消去


それをしないと死んでしまうこと



その期日が迫っていること
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 20:02:09.39 ID:cV/YOfnDO


気づけば病院


走った

時間がもうない
インデックス……



小萌先生が教えてくれた


記憶に関する情報、矛盾

なぜ嘘をつく、魔術師?仲間じゃねえのかよ?



元凶、のどになにかある


俺一人でもお前を助けてやる。助けてやりたい。


インデックス

今、地獄の底から引き上げてやる!絶対に助けてやる!
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 20:02:47.92 ID:cV/YOfnDO

壊す
右手が痛い!?吹っ飛ばされた?


インデックスッ!

……インデックス?

これは…………殺意?

異常、異常異常異常危険異常危険危険



インデックスから攻撃

なぜなぜ何故?

消す、消しきれない?やばいやばいやばいやばいやばい!



攻撃逸れる。……神裂?光の柱が空に掛かる。
今しかない!

インデックスがまたこちらを向く。危険!間に合う?やばい!回避?まずい!逃げたい!インデックス!?助けたい!助ける!絶対に!!!!

壊れる音、ひめい?
あぁ、なんとかたすケられた、よかッた……




そレにしテモ名ゼ








混ナにアタまガいたイん打?


54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 20:03:23.47 ID:cV/YOfnDO

病院


よかった……生きてる。

インデックス!あぁ、生きててくれた。


……なぜ?

……なぜそんなに悲しい目をしている?

大丈夫だぞ?……あれ?声が出ない?からだがうごかない?なぜ?


夜?いつの間に?

父さん?母さん?


なぜそんなにかなしそうなかおをしているんだ?


あれ?夕方?インデックス?父さんと母さんは?

「私はイギリスに帰ることになったんだよ」

そうか、良かったな。でも、なぜ泣いているんだ?

「ごめんねとうま。地獄の底に引きずり込んで。ごめん…グスッね……ヒクッとうグスッまぁ。う、うわあぁぁあぁあん!」

泣くなよ、違うだろ?ありがとうじゃないのかよ!泣かすために、……泣かすためにたすけたわけじゃねぇよ!
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 20:04:02.35 ID:cV/YOfnDO

今度は昼か?ビリビ……御坂?

「ねぇ、なんでアンタがここでこんなにボロボロになってんのよ?」

なにいってんだよ!お前、ボロボロじゃねえか!なにがあったんだよ?

「ねえおきてよ、いつもみたいに『ビリビリ中学生』って呼んでよ………」

どうしたんだよ御坂?髪はボサボサだし目の下の隈がすごいぞ?なにがあったんだよ?

「ねえ……おきてよ?私、もうビリビリしないから………顔も見たくないならもう会わないから………」

そんなことあるわけねえだろうが!御坂となら毎日会ってやる!だからそんなこといってんじゃねえぞ!!

「ねえ…………おきてよ?………起きて…………私を助けてよ!!」



……………御坂?

56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 20:04:35.52 ID:cV/YOfnDO

「ごめんね、いつもビリビリして」

「ごめんね、年下なのにいつも生意気なことばっかりいって」

御坂?

「ごめ…グスッんね、グスッさい……グスッごまでいられなく………グスッて」

どうしたんだよ御坂?

「グスッごめんね、後になるか先になるか分からないけど、私、もういくね?」

どこに行く気だよ!おい?いくな!いくんじゃねえ!御坂ぁ!!!



なんだよ?なんで皆泣いてんだよ?くそっ!なんだよ?うるさいな!

なあ、青ピ?土御門?なに泣いてんだよ?うるさいな!なんだよこの音?

父さん、母さん、なに泣いてんだよ?なんだよこの電子音?誰か止めてくれよ?

皆?泣いてないでこの音止めてくれよ!あと暗くなってきたから電気つけてくれよ?


なぁ、頼むよ


泣かないでくれよ

お願いだから

頼むから

皆泣いてないで誰か!



誰か俺に笑顔をむけてくれよ!!!
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 20:05:39.73 ID:cV/YOfnDO

【天上学園〜生徒会室】


「……み…う!かみじ……!しっか……ろ!」

あぁ、遠くから声がする。
「上条!!!!」

音無の声でやっと意識がはっきりとする。

「………お……とな…しさん?」

音無は上条にハンカチを渡す。

「いいから涙を拭け。ここに飲み物をおいてあるから、好きなだけ飲め。それと……」

音無は席をたち扉に向かう。

「すまないが用事ができてね。少しここにいてくれ。そのかわり、テーブルの上にあるお菓子は、全部君にあげるよ」

音無は、そういうと部屋を出ていった。

58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 20:06:13.36 ID:cV/YOfnDO


「ありがとうございます。音無さん……」

上条は音無に感謝した。

今、上条はひとりになりたかった。

たぶん、音無はそれを察して出ていったのだろう。

部屋にはミサカもいなくなっている。催眠にかけられる前にはなかったお茶うけのお菓子と、かなり大きめのコップに先程淹れたと思われる氷の入った麦茶がテーブルの上にある。さらには『麦茶は冷蔵庫にたくさんあるから飲んでくれ。』と書いてあるメモがある。

上条は、それら全てから音無の優しさを感じていた。

麦茶を飲み、お菓子を食べる。

59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 20:06:46.98 ID:cV/YOfnDO

「音無さん……これ全部しょっぱいですよ、上条さん的にはなんで塩味にしたかすごく疑問におもいますよ?」

ふと、独り言を言う。

「しょっぱいですことよ?なんでせうかこれ?」


上条は自嘲しながら食べる。飲む。


涙を流しながら


ふいに上条の動きが止まる。

「……インデックス、神裂、ステイル」

「……御坂、父さん、母さん、青ピ、土御門、吹寄、小萌先生、……皆」

呻くように、絞り出すようにただ名前を言っていく。

そして最後に上条はこの一言をいい泣き崩れた。




「……………ごめん」





その一言は正に蚊の哭くような小さな、とても小さな声だったが、たしかに生徒会室に響き渡った。
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 20:07:32.18 ID:cV/YOfnDO

あれから30分はたっただろうか?

上条はさすがに泣き止み、落ち着きを取り戻していた。

音無の心遣いがとても嬉しいのだがそろそろこの生徒会室から出たくもあった。

上条は、まだこの世界のことを知らない。

ミサカにそれを聞く前に来たのだから当たり前ではあるのだが。

ミサカを考えたとき、ふと御坂美琴を思い出す。

いつもとは違いボサボサの髪、痩せた頬、目の下の隈も凄かった。

そしてあの最後の言葉

(後になるか先になるか分からないけど、ってどういうことだ?)

そう考えたとき、ノックの音が生徒会室に響き、扉が開かれた。
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 20:08:00.29 ID:cV/YOfnDO

「失礼します。転入生を2人連れてきました。とミサカは報告します」

入ってきた人を見るなり上条は戦慄を覚える。


(なぜこいつがここに?)



それに気づいた1人が話始める。

「初めまして、ミサカの検体番号は10031号です。とミサカは自己紹介をします」

いや、こちらではない。

まぁ、驚きはするがさすがに慣れた。

それよりもあともう1人が問題だ。

そいつは、燃えるような赤髪にハデなアクセサリーをつけている。身長は2mを越えており、黒いローブを着ている。特徴的な目の下のバーコードに煙草を……今は吸っていない様だ。

「なぜおまえがここに?


ステイル=マグヌス!!」
それは、インデックスを追っていた魔術師、ステイル=マグヌスであった。

第2話 完
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/23(木) 20:09:01.38 ID:cV/YOfnDO
ついでに人物紹介


上条当麻
今回の鬱要員。いつにもまして不幸です。音無を少し尊敬している。

音無結弦
天上学園の生徒会長。催眠術が使えるが、本人はあまり使いたくない様子。
色々やることが多すぎて過労死しそう。すぐに復活するけどね。
彼の正体を知っててもいっちゃダメだぞ☆

ステイル=マグヌス
かわいそうな人。更に不幸をプレゼント藻゙の最後は次回明らかに!煙草が………吸いたいです。

ミサカズ

9982号
今の『死んだ世界戦線』リーダー。今回はステイルの勧誘に成功した功労者。最後に2人を連れてきたのも彼女です。

9984号
近接戦闘班の長。なぜ語尾がないか?なぜ『隊長』で納得したかは次回明らかに!興奮すると語尾が戻ります。

各班長省略、まだ見せ場なし。ただ、影では活躍してますよ。多分。

????号
上条曰く『ぬいぐるミサカ』。只今ぬいぐるみを抱きながら、校長室のソファーで寝ています。笑顔です。このミサカもなぜこんな感じなのかは次回明らかに!

以上です。
63 :名無しNIPPER [sage]:2011/06/23(木) 20:11:15.76 ID:rMaZ144DO
乙!
しかしステイルェ…
64 :次回予告 [saga]:2011/06/23(木) 20:16:09.67 ID:cV/YOfnDO
この世界にきたステイル=マグヌス。

彼はなぜここにきたのか?

そしてこの世界の謎について明らかになる。

なぜ『死んだ世界戦線』にいなかったはずのミサカがそれを知っているのか?

なぜ9984号に語尾がないか?作者の手抜きではないのか?

そしてあの『ぬいぐるミサカ』の秘密も明らかになる。

次回『Answer』

ミサカと世界の秘密が交差するときなにかが起こる。かも?
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/06/23(木) 20:16:39.33 ID:XWZ9o2EIo
クロスだから音無が出てくるのは必然か
66 :あとがき [saga]:2011/06/23(木) 20:17:51.08 ID:cV/YOfnDO

以上で今回の投下は終了です。

原作での不幸な人、素人に殴られて負け、負け犬ポジションが板に付くステイル=マグヌスさん登場です。

いや、天才なのですよ?彼は?

さて、そんなステイルさんには不幸をプレゼント!

これから次次回の彼の台詞を皆さんに決めてもらいます。

まずは1

「煙草を売ってない、そもそも吸えないとはどうしてだ?ここは地獄なのかい?」

次は2

「な、なぜだ?なぜイノケンティウスが出ない?」

一方はギャグ路線、もう一方はシリアス路線。

さあ、どちらにしますか?

明日の昼12時までの集計結果がステイルの運命を変える!皆さんの忌憚なきご意見も添えてくれたら凄く嬉しいです。

ちなみに同一IDは1票とさせていただきます。

ではまた次回。1週間以内には来ます。

67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 20:22:32.76 ID:cV/YOfnDO
>>65
この話は13話アナザーエピローグを元に作りました。

音無さんの苦労は続きます。

因みに催眠術は直井が使ったものです。あの世界にX年いるので色々成長?してます。
68 :名無しNIPPER [sage]:2011/06/23(木) 20:23:15.20 ID:rMaZ144DO
何にしろシリアスになりそうだからとりあえず始めは1で
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 20:27:24.73 ID:zuBvW1KDO

音無はあの世界に残るのは間違った選択だよな。
正ルートだと卒業したわけだし。
上条がいなくなったことで何人かこっちに来そう。
とある世界は残る二人のヒーロー頑張れ
70 :お礼を…… :2011/06/23(木) 20:33:54.51 ID:cV/YOfnDO
そういえば皆さんにお礼をいい忘れていました。

前回の間違った次回予告

スルーしてくれてありがとうございました。

因みにあれは【成仏】させました。だって、あまりにネタバレだし……

指摘されたらどうしようかとハラハラしてました。

本当にすいませんでした。
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/06/23(木) 20:59:04.35 ID:L1i28h1S0
ステイルといったらタバコなので1。
タバスコで代用とかでも可
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 21:00:34.36 ID:71PwMWSIO

とりあえず1だな。
だがステイルには同情するよ。
73 :>>1です :2011/06/24(金) 12:51:04.09 ID:VUjkW0/DO

うにゃー!皆さーん、土御門だぜい!

昨日からのアンケートの集計結果は、圧倒的な1だったにゃー。

まぁ、作者が言うにはこっちの方が話は作りやすいらしいにゃー。

因みにもし、2を選んだら大変な事になってたらしいぜい。

まぁ、魔術の使えないステイルなんて、麺のない焼きそば、エプロンのないメイドさんだにゃー!

ちなみに作者は
「『異世界の技術を無理矢理現世の法則に当てはめて様々な奇跡を起こす技術』である魔術が【天上学園】という異世界じゃあ使えないんじゃね?でもステイルが無力すぎ………」
って考えてたらしいぜい。

まぁ、もしそちらサイドに逝っても俺は絶対使わないから大丈夫だぜい!生き返るから大丈夫?あれはスゴく痛いんだにゃー……。

おおっと!舞夏との約束の時間だにゃー!また次回に会おうぜい!


以上、結果発表と土御門の台詞練習でした。
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/06/24(金) 20:56:57.92 ID:EBmJMKOAo
麺の無い焼きそば……何も残らないな
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/06/25(土) 02:03:31.90 ID:5saXVdgOo
>>74
つ 青のり
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/06/25(土) 17:21:33.00 ID:PZ1k4QtHo
>>74
つ紅ショウガ
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/25(土) 18:44:52.39 ID:LA7LeSEAO
焼きそばのメインはキャベツだろうが!
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage ]:2011/06/25(土) 21:54:07.12 ID:uzDrylkU0
原作上条家では、焼きそばはもやしの割合が多いと思われ

これ、上条さんもインデックスもビリビリも不幸すぎる……
79 :1です [sage]:2011/06/26(日) 00:25:29.69 ID:azVox1ODO
>>78
私はモヤシを2回に分けて入れてますよ。1回目は一番始めに炒め始め、2回目は麺を入れた後に蒸し焼きにするように入れます。
そうすると2つの食感があっていいのですよ。モヤシ最高!!

次のは出来てはいるのですが、あまりにステイルが………少し改変中です。
おそらくあさってには来れると思います。ではまた!
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/06/26(日) 15:49:15.15 ID:b+QCvhAR0
豚肉や牛肉もある

第2・第3主人公の2人は上条さんに会ってすらいないんだよな……
81 :1です [sage]:2011/06/27(月) 18:20:08.58 ID:z3E4t2yDO
すいません。

今日用事が入ってしまいました。

明日は必ずきます。

本当にすいません!
82 :1です :2011/06/28(火) 19:44:06.15 ID:NlFfzpCDO
投下します

とりあえず
【かなり鬱注意】
です。
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:44:53.65 ID:NlFfzpCDO

時は少し遡る。

【学園都市サイド〜学園都市近郊〜】8月21日18:13

ステイル=マグヌスは怒り狂っていた。

彼が所属していたのはイギリス清教。そこは彼を、そして彼の大切な少女を裏切った。

イギリス清教は彼に裏切者の烙印を押し、彼女を『保護』するために大勢の魔術師を送り込む。

しかし、彼に向かっていった者逹は灼熱の焔に焼かれ、灰を残すことすら許されなかった。

彼の傍らには銀髪の少女がいた。少女の名前はインデックス。

あの『幻想殺し』の少年が命を懸けて護りきった少女。

少年が少女を救ったあの夜、ステイルの『少女への誓い』は『幻想殺し』により殺された。
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:46:04.53 ID:NlFfzpCDO

その『幻想殺し』である少年の名は上条当麻。

あの夜からとある病院のベッドで眠り続ける少年。

彼女の心の中心近くにいる少年。

そして彼は

ステイル=マグヌスにとって

何も事情も知らないくせに、彼女との一件に首をつっこんで大怪我を負った愚かな奴であり、

大事な彼女の心を奪った憎むべき相手であり、

大事な彼女を泣かし続ける許されざる人物であり、



自らの誓いが霞むほどに強烈に彼女を護りきった


認めたくはないが


尊敬し、憧れる『ヒーロー』の様な存在である。
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:46:37.05 ID:NlFfzpCDO

あの夜のあの時、自分は何も出来なかった。

自らの誇る『イノケンティウス』も『吸血殺しの紅十字』も『炎の魔術』すらも使わなかった。…………使えなかった。

ただ、想定外の出来事に驚き


ただ、豹変した彼女の力に手も足も動かせず


僅かな隙に特攻していく彼の背中に目を奪われ


右手の指のほとんどは吹き飛び、『竜王の殺息』により頭部の一部が欠け、身体中が傷つき血に染まっている状態にも関わらず


『竜王の殺息』の余波である光の羽根に囲まれ今もなお傷つき続けているにも関わらず


彼女を護るかのように胸に抱き、やり遂げた達成感からか眩しいほどの笑顔である少年、上条当麻のその存在に心を奪われた。



それしか出来なかった。
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:47:07.38 ID:NlFfzpCDO

その光景はステイルの心に深く刻み込まれた。


『彼女のために生きて死ぬ』

ふと、彼女の記憶を消去した際に誓った言葉を思い出す。


(何が生きて死ぬだ、愚か者め……)

目の前の光景を作り出した少年は、まさに彼女のために命を懸けて救いだした。

(僕はなにをしていたんだ?)

別れが辛くなると彼女の敵を演じ、彼女を追い回し傷つくことがないからと攻撃し、


常に彼女を孤独に追いやった。

(それのどこが『彼女のため』だ)

少年を見る。

(本当に僕が『彼女のために』と思うなら、こうすべきだったのではないか?)

自らに対して殺意が湧く。

(本当なら僕がああなるべきではないのか?)

血塗れの少年は、たった数日で答えを探しだした。そして彼女のために命を懸けて救いだした。

(僕の、本当のあるべき姿は……僕の本当にすべき事だったのは………)

少年と少女。ステイルにとってはあまりに眩しく、完成された絵画の様に美しく見える。

(彼とその行動そのものではないか!)

87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:47:36.23 ID:NlFfzpCDO

「ステイル!!!!」

頬に衝撃を感じた。いつのまにか神裂が目の前に来ていた。

「呆けるのも後悔するのも後で出来ます。今は……」

彼らを見る。

「少年を助けるのが先です!彼はここで死んではいけない!!」

その言葉でようやく動くことができた。

少年と少女を神裂とともに病院へと運ぶ。



病院の医師が言うには『生きているのが不思議』な状態であることを知る。

そして、手術室に運ばれた彼を次に見たのは、日が落ちる直前であった。


手術中のランプがきえ、最初に出てきたのは疲れきった顔の医師だった。
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:48:36.37 ID:NlFfzpCDO

「先生!!!彼は………あの少年は助かりましたか?」

必死な形相の神裂がその医師に尋ねる。

手術室前で待っている間に医師のことを聞いた。

『冥土帰し』

この学園都市最高の名医であり、その名の通り彼に救えなかった患者はいないらしい。

少年は助かる

ステイルはいつからかそう信じていた。


だが

その幻想は無惨にも破壊された。
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:49:18.81 ID:NlFfzpCDO









「…………すまないね」








90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:49:55.17 ID:NlFfzpCDO



それからあと、ステイルは何をいったか何をしたかはほとんど覚えていない。

ただ、これだけは覚えている。

その名医から、少年はもう目覚める可能性がほとんどないこと。

そして手術室から出てきた少年の姿。

頭部に包帯を巻き、虚ろな目で虚空を見る、先程とは似ても似つかない彼の姿を。
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:50:29.75 ID:NlFfzpCDO

次の日、少年の病室にステイルの姿はなかった。彼等は違う病室にいた。

そこはインデックスの病室。彼女は検査のために入院中であった。記憶消去の必要がなくなった様子だが、やはり安心は出来ない。

「なにしにきたのかな?」

彼女の冷たい声が心を抉る。明らかな拒絶の声だった。

「………インデックス」

彼は決心していた。

彼女にいやがられようと

彼女に嫌われようと

彼女に疎まれようと

彼女にさげずまれようと

彼女にその存在を拒絶されようとも

『あの少年の様に』少女の為に生きて死ぬことを。


「すまなかった、インデックス」

その為にまずは誤解をとき、少しだけでも信用されなければいけないと考えた。

ステイルは今までのことを全て包み隠さずに話した。彼女の信用を少しでも得るために。




それが、彼女にとってどんなに残酷なことであるかも考えずに。
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:51:01.73 ID:NlFfzpCDO

「……そうだったんだね、知らなかったんだよ」

彼女はあっさりと納得した。

「……君は、僕が嘘を言っているとは思わないのかい?」

「前からおかしいとは思っていたんだよ。わたしを捕まえるならもっと効率的な方法がいくらでもあるのに、それを使わないのはやっぱりおかしいと思うんだよ!」

「そうだったのか……」

「ねぇ、ステイル……正直に答えてほしいかも」

「ああ、何だい?インデッ……」

その時、ステイルは気づく。

インデックスの表情が見たことがないほど暗いことに


とても深く暗い、悲しみと絶望をその瞳に宿していることに。

そして彼女はこういった。


「とうまがああなったのはわたしのせいなんだね?」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:51:48.48 ID:NlFfzpCDO

「それは違う!!!!」

ステイルは声を大きくして否定した。

「違わないんだよ。ここに逃げ込んだのはわたし。とうまのいた所に逃げ込んだのはわたしなんだよ」

「違う。追い込んだのは僕たちだ。」

また否定する。今度は力任せではなく、ゆっくりと、諭すように。

「まだ否定するんだね?でも、とうまを捲き込んだのはわたし。とうまの差しのべた手をとったのはわたしなんだよ」

「それも違う。僕が彼を攻撃したから参戦を決意した」

(そうだ、もしあの時事情を話していれば……)

少年はこうはならなかっただろう。

「……ステイルはやさしいんだね。でも、もういいかも。わかってるから………」

少女は、一層悲痛な顔をする。今にも泣き出しそうな顔でこういった。
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:52:24.53 ID:NlFfzpCDO







「………わかってるから、とうまを……とうまをあんなに傷つけたのはわたし。




とうまを死の淵に立たせたのは他でもない…………わたしなんだよ」




「そんな……こと………は」

予想外の言葉を即座に否定することができなかった。

95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:53:04.91 ID:NlFfzpCDO

突如、病室の扉が乱暴に開かれる。
インデックスは項垂れたままであったが、ステイルはそちらを見る。

そこには神裂が立っていた。しかし、様子がおかしい。

いつもなら常に凛とした表情の彼女だが今はその面影すらない。目には涙が溜まり光がない。顔も神に見捨てられた罪人の様な表情である。

浮かぶ感情は絶望と後悔、それしか感じなかった。

彼女はインデックスを見るや直ぐに彼女の元に歩み寄り、抱きしめて泣き始めた。

ステイルには聞こえなかったが、彼女は小さな声でインデックスに対して謝り続けていた。


懺悔と後悔、そして絶望。

この病室にはそれしかなく、ただ神裂の啜り泣く声だけが響いていた。
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:53:37.59 ID:NlFfzpCDO

あれから数日。インデックスは毎日、上条当麻の病室に行って祈りを捧げ、看護師の補助をしていた。

ただ、彼の見舞い客が来たときは、邪魔にならないように席を外し、外で待っている様だ。

しかし、彼は起きるどころか回復の兆しすらない。むしろ彼の身体は痩せ細り、悪化を続けていた。

それを見続けるインデックスもまた、少しずつ元気をなくしていった。

そんな生活が続いていたが、とうとうイギリスから彼等に対して『帰還命令』が届いた。帰らざるを得なくなった。

そして8月7日

彼女を1人、彼の病室に残し、彼に挨拶をさせたあとに彼女を連れて学園都市を離れた。

イギリスに着いたステイルは、同僚たちにインデックスを預け、最大主教に会おうとした。

ステイルはイギリス清教に対して聞きたいことがたくさんあった。
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:54:10.83 ID:NlFfzpCDO

ステイルの上司に当たるその男は答えた。

「最大主教はいないよ」

「ではどこにいる!!?」

ステイルは声を荒げる。

男はそんなステイルの声に反応すらせず、質問で返してきた。

「なあ、ステイル?




なぜ、禁書目録の記憶を消さなかった?」

ステイルは驚愕し、言葉がでない。男は続ける。

「お前らに与えた命令は『禁書目録の保護』と『記憶の消去』。しかしお前らは『首輪』『自動書記』の破壊の命令に関係すらないことしかしていないではないか?」

「貴様っ!!!」

ステイルの頭に血が昇る。唇を噛みきった様で口の中に鉄の味が拡がる。

そんなステイルに対して男は更に絶望的な言葉を投げ掛けた。
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:55:40.97 ID:NlFfzpCDO








「まあいいさ、ステイル。


その件については今、










こちらで処理している所だ」



99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:56:10.43 ID:NlFfzpCDO

ステイルは、何をいっているのかがわからなかった。

処理?何を?任務?命令?『禁書目録の保護』?違う!『記憶の消去』!

気がつくと彼はインデックスの名前を叫びながら走っていた。


しばらく走ると、ふいに魔力の気配を感じる。ステイルはそこに向かい走り、扉の前に到着すると、扉を力一杯開け放った。



そこには儀式に使われる魔方陣や霊装があり





気を失ったインデックスが部屋の中央にいた。






(なぜ、インデックスがこんな目に……)


彼女の周りを見る。

周りには笑いながら作業をする人々。


それを見た瞬間、ステイルはブチ切れ、


彼の『信仰』は崩壊した。
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:56:36.94 ID:NlFfzpCDO

ステイルにとって、そこは幸いにも彼の本拠地。『拠点防衛』のため、ルーンは張り巡らしてあった。

彼は、呪文の詠唱を始める。

「『世界を構築する五大元素のひとつ、偉大なる始まりの炎よ―――――」

(ああ、神よ……)

「―――――それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり。―――――」

(彼女が……インデックスが何をしたと言うのだ?)

「―――――それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり。――――――」

(なぜ彼女はこんなにも不幸にならなければならない?)

「―――――その名は炎、その役は剣―――――」

(これが貴方の……神の意思だと言うのなら――――)

「―――――顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ』」

(―――――僕は貴方を許さない!!)

「焼き尽くせ!!イノケンティウス!!!」

(絶対にだ!!!!!)
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:57:02.77 ID:NlFfzpCDO

ステイルにとって、そこは幸いにも彼の本拠地。『拠点防衛』のため、ルーンは張り巡らしてあった。

彼は、呪文の詠唱を始める。

「『世界を構築する五大元素のひとつ、偉大なる始まりの炎よ―――――」

(ああ、神よ……)

「―――――それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり。―――――」

(彼女が……インデックスが何をしたと言うのだ?)

「―――――それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり。――――――」

(なぜ彼女はこんなにも不幸にならなければならない?)

「―――――その名は炎、その役は剣―――――」

(これが貴方の……神の意思だと言うのなら――――)

「―――――顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ』」

(―――――僕は貴方を許さない!!)

「焼き尽くせ!!イノケンティウス!!!」

(絶対にだ!!!!!)
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:57:54.08 ID:NlFfzpCDO

その部屋にあるものを全て焼き尽くした。

「……んっ」

インデックスが目を覚ます。

ステイルは彼女に駆け寄った。そして彼女に問いかける。

「インデックス。大丈夫かい?」

「あなた、だれ?」

目の前が暗くなる。

「……ぼ、僕は………」

瞬間、彼の脳内にあの少年が浮かぶ。あの光景が甦る。

「僕はステイル」

(そうだ、そうだった)

「君を救いに来た者だよ」

(僕はこの少女の為に生きて死ぬんだった)

「さあ、ここから出よう」
(あの少年のように!あの少年の分まで!!)

「すている、どこにいくの?」

建物を出たあと、彼女はきいてくる。

「そうだね……」

ステイルは考える。

世界中に魔術結社がある。

しかし、唯一の例外

あの少年がいた世界

そうだ、そこにしよう。

「学園都市に行かないかい?」

こうして彼等は学園都市に向かった。
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:58:35.05 ID:NlFfzpCDO





「すているっ!!!」




………どうやら過去を振り返り呆けていた様だ。各地で追っ手を倒して、やっと学園都市の目の前に着いたというのに。

「すまない、少し疲れた様だ」

「それはすているらしくないかも………、ところでどうやってあの壁を越えるのかな?」

彼女はそう聞いてくる。

「お困りのようだにゃー!ステイル!インデックス!」

場に似合わない明るい声が響く。

ステイルは急いでそちらの方を向き、臨戦体制をとる。

そこにいるのはステイルの『元』同僚、土御門がいた。

即座に炎剣を作り、攻撃しようとする。
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 19:59:16.64 ID:NlFfzpCDO

「わーーっ!まてまて!待つんだにゃー!今回の俺は『科学サイド』として来てるんだにゃー!!」

土御門は慌てながらそう言う。

ステイルの動きが止まった。

それを見た土御門はニヤリと笑うと、

「インデックス。君を『学園都市』に招待するぜい!!」

「私を?」

彼女は不思議そうな顔をする。

「そうだぜい。もう、迎えも来ているにゃー!」

そういいながら後ろを指差す。

そこには路地裏には相応しくない、黒塗りの車がある。

「……信用していいのか?土御門?」

「インデックスの安全は学園都市が保証する。だから安心するにゃー!」

前半は真面目に、後半はおどけて言う土御門。それを見たすいません少し表情を柔らかくした。

「では頼むよ、土御門」

「わかっ「ただし!!!」」

「彼女を少しでも傷つけてみろ?僕が全てを焼き払ってやる!!」

「わかってる。安心しろ」

土御門は今度こそ最後まで真面目に言う。

105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/06/28(火) 19:59:54.46 ID:NlFfzpCDO

「決まりなんだよ!さぁ、いこ!すている!」

そういいながら車にかけていくインデックス。しかしステイルはそこを動かなかった。

「すている?」

「僕にはやることがある。先にいっててくれないか?」

インデックスは少し考えたあと、

「 分かったんだよ、すている。すぐ来てくれなきゃ寂しいかも」

「ああ、なるべく早く終わらせて行くよ」

そう言われたインデックスは車の中にはいっていった。

「じゃあ、いくにゃー!」
土御門がそう言うと車は音もなく発車する。

「さよなら、インデックス」

そう小さい声でいい、遠ざかる車を見つめていた。
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 20:00:23.09 ID:NlFfzpCDO

「じゃあ、ステイル。お前も魔術師の来ない場所にあんないするぜい!」

「そんなところがあるとは思えないがね?」

「それがあるんだぜい!じゃあついてくるにゃー!」
そう言うと、土御門は先ほど車がいった方向とは逆を向き歩き始める。ステイルはそのあとをついていった。

4、5m歩いたところで土御門がこける。

「いたたっ!恥ずかしい所を見られちまったぜい。この先に車があるからそこで待っててくれにゃー!」

「やれやれ、仕方ないな……」

そういいながら土御門を追い越す。

「そういえば、ステイル。俺の魔法名は知っているかにゃー?」

「そういえば知らないな?なんと言うんだい?」

そういいながら歩いていく。

「なら教えてやるぜい!俺の魔法名は…………」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 20:01:02.75 ID:NlFfzpCDO







「Fallere825だ」





刹那、銃声が3回。

ステイルは地に伏せ、意識を失った。
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 20:01:53.50 ID:NlFfzpCDO
【天上学園〜裏庭〜】

目が覚めたら全く知らない場所で知らない少女が銃を携えてこちらを見ていた。

彼女が言うにはここは、死後の世界らしい。

(土御門め……)

そう思いながら、歯噛みする。

「その表情……貴方は何か未練をのこしているのですね?とミサカは推測します」

「ああ、未練が強すぎてどうやって神に復讐するか考えているところだ!」

彼女の口角が上がる。

「ならば我ら『死んだ世界戦線』に入ってください。とミサカはブレザーを投げます」

受け取ったステイルはそれを見る。

(これになんの意味が?)

「ワッペンをご覧なさい。とミサカは指示します」

言われた通りワッペンを見てみる。そこには、3つのSの下に

『rebels against the god』

と刺繍されていた。

(神への反逆者、ね……)

「まだ、神様に対する手掛かりすら見つかってはいませんが、協力してくれませんか?とミサカは懇願します」

「ああ、よろしく頼むよ」
それを聞いた少女は少し微笑むと、

「ようこそ『死んだ世界戦線』へ、とミサカは貴方を歓迎します」

といった。

109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 20:02:32.77 ID:NlFfzpCDO

このあと、手続きの為に訪れた生徒会室であの少年、上条当麻に会い、今に至る。

(たのしみだね)

ステイルは思う。

これからこの世界で起こることも

くそったれな神に復讐することも

彼らと共闘することすら楽しみだ。


(待っていろ!残酷な神め!)

彼は楽しそうに笑いながら

(いつか、貴様を焼き尽くしてやるからな?)

ミサカ達と上条当麻の待つ集合場所へと向かっていった。
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 20:03:41.38 ID:NlFfzpCDO

「さて、それではこの世界の説明をしましょう」

9984号が話始める 。

「まずはこのレポートを見てください。質問は最後にまとめて受け付けます」

そういいながらプリント用紙を数枚わたされた。



そこにはこんな事が書かれていた。
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 20:04:33.63 ID:NlFfzpCDO

1 死んだ世界戦線について

命名は初代リーダーである『仲村ゆり』がつけたものであり、彼女の代ではよく組織名は変わったらしい。
この戦線の目的は『天使を倒して後ろにいる神を引きずり出すこと』であり、その為のオペレーションを行っていた。

戦線には、戦う者達の他に陽動班、武器の管理を行うギルド班に分けられた。
ギルド班は、地下にあるギルドにいることが多かったようだ。

(ギルドの出入り口は発見したのだが、理解不能な物質で塞がれており、その物質を破壊、除去が不可能なため侵入不可能)

これらの事は初代リーダーが残したノートで確認。今は1冊あるが続編については所在不明。

この戦線の最後がどうなったのかも今のところ不明。
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 20:05:02.63 ID:NlFfzpCDO
2 死後の世界について

この世界では前の世界とは違う点が多く存在する。

(1)不老不死
但しそれ相応の痛みはあるので注意

(2)時間
体感時間は同じだが、現世とこちらの世界では時間の流れ自体が全く違う。
例1 自分より先に死んだ者があとから来る
例2 9982号と10031号の死亡時刻の差は前の世界では5日だがこちらでは3年が経過していた。※ 最近、その傾向は薄れており、死亡時刻の差も最大で3倍位となった。

(3)土から様々な物を作ることができる。

後でデモンストレーションあり

(4)NPCの存在

この学園には大勢のNPCがいる。彼らは人間と比べても見分けがつかなく、不老不死でもある。個性すら存在する。

彼らは全体的にミーハーでお祭り好き(騒ぐのが好き?)であり、それを『トルネード作戦』等では利用出来る。

(5)消滅
ある行動をきっかけに文字どおり消滅することがある。初代は『模範的な行動をとると消滅』と考えたが、我々は『人生に満足』した際に消滅(成仏?)すると予測。
ただし、双方予測の域は出ないので授業は出ない方が良い。
また、ミサカ達の中で消滅した個体数は23名である。
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 20:06:06.82 ID:NlFfzpCDO
3 神、天使について
神については一切情報なし。
天使は存在する。それは初代から存在しており、たびたび戦闘をしていたようだ。
ただし、初代の天使と現在の天使については違うようで、今の天使は基本的には穏和で、戦闘でもあまり命は奪われない。

また、天使には能力がある。以下天使の能力

手から剣を出す(数パターンあり)

弾を受け流す(弾道を変える)

大きな音をだし、気絶させる

以上

また、何かわかり次第追加報告する
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 20:06:42.66 ID:NlFfzpCDO

全てを読み終えた上条は、ミサカの方を見る。ミサカとステイルは何やら話している。

話しかけられずにいる上条をミサカが気づいて、

「やっと読み終わりましたか?では、質問の前にデモンストレーションからいきましょう」

そういいながら土の上に移動する。

「さて、『土からの物質作成』ですが、これは作りたいものをしっかりと『理解』することで……」

彼女は土に手を当てている。すると、手元には拳銃が作られていた。

「この様にしっかりとしたものが作れます。ただし、しっかりと理解しないで作ると『形だけのもの』となるので注意しましょう」

「少しやってみてもいいかい?」

そういいながら土に手を置く。

出来たのはカード。ステイルはそれを見たあと、満足してポケットにしまう。
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 20:07:21.55 ID:NlFfzpCDO

「さて、質問は?」

「なぁ、ミサカ?」

上条は質問する。

「くだらないことだが、何でお前の語尾はないんだ?」

「確かに気になるね、ついでにソファーで寝ていた彼女のことも教えてもらえるかな?」

彼女は少し困った顔をしたあと話始めた。

「実はミサカは特べ「嘘は駄目ですよ、とミサカは釘を指します」」

「9984号は戦闘中、語尾をいっている際に、よく天使に攻撃されたためにとらうまになって語尾をいえなくなったのです。とミサカは暴露します」

「ソファーに寝ていたミサカは殺された際のダメージとトラウマでああなっているようですと急ぎながら説明します」

「こんなときに申し訳ありませんが急いで【校長室】に来てください。とミサカはあなた方を急かします」

(なにがあったんだ?)

そう思いつつ、上条達は【校長室】へと走りだした。
第3話 完
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/06/28(火) 20:08:09.24 ID:NlFfzpCDO
以上で今日は終了です。

今回はこの一言にしかいえない


ごめんステイル!


また次回!
117 :名無しNIPPER [sage]:2011/06/28(火) 20:32:50.25 ID:tXGXapvDO
乙!
大分原作から剥離してきたな。
この分だと上条さんとあってないから一方通行は善人化しないし、浜面もどっかの段階で死ぬんじゃ…
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/06/28(火) 23:37:21.14 ID:lCk2YCWO0
乙乙! 戦闘パートに入るのが楽しみになってきた。
現世じゃフィアンマのドヤ顔が目に浮かぶわww
119 :1です :2011/06/29(水) 01:03:32.47 ID:a8eAfx5DO
どうも、投下を終えた直後から夢のくににいっていた1です。

ステイルの死に方はいかがでしたでしょうか?かなり力を入れて書いてはやり直し書いてはやり直しと何回もやり直しています。

あぁ、それがまずかった。

起きてから読み直してみたら、気がついたことが……

あれ?神裂さん、どこいったの?

やっちまいましたよ、どうしよう……
ちなみに彼女は『ある用事』で日本にいました。せっかくの伏線が……

まあ、それはおいといて次次回アンケートです。

ある女の子が待ち合わせの場所に行きます。

そこにはあと2人は最低でも来る予定です。

さあ、彼女が着いたのは

1 2番目に少し早く

2 一番最後に少し遅れて

さあどちらでしょうか?

ちなみに少女の運命は変わりませんが、周りの運命が少し変わります。

今日の24時までの集計、同一IDは1票とします。

ついでに感想もいただけると嬉しいです。

ではよろしくお願いします
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/06/29(水) 02:08:27.65 ID:0nAm5FNbo
あまり人のいないSS速報で集計だなんて勇気のあるやっちゃな、嫌いじゃないぜ(キリッ

121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/29(水) 02:41:22.60 ID:8Wa7M44h0
2 としておこうか
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/06/29(水) 09:46:24.87 ID:8hJ6fLiAO
1に一票

Howlingがあるから赤目天使か?
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/29(水) 22:35:30.56 ID:GRMXKde30
1desu
124 :1です [sage]:2011/06/30(木) 00:35:15.16 ID:+1LpkMcDO

どうも1です。

また……またやっちまいましたよ。

集計結果 2対2

同票の場合……決まりなし

やっちまった――――っ!

さて、どうしましょう?


延長するのも変だし、安価もダメ。どっちかを決めなきゃ進まない。

すいません。勝手ですが、先に投票して下さった2を選ばせていただきます。1を投票した方すいません。

お詫びとして、次次回終了後、IFルート(1)を投下しますのでどうかお許しください。

それではまた次回!1週間以内には来ます。
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) :2011/07/06(水) 04:25:40.87 ID:UANk1tVco
どうするよ
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/07/06(水) 11:02:15.14 ID:x3TjVQbW0
明日には来るかな?
127 :1です [sage]:2011/07/07(木) 01:48:56.35 ID:QjIkDrLDO
遅れて申し訳ないです。

それでは投下します。
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/07(木) 01:49:32.04 ID:QjIkDrLDO

【天上学園〜校長室前〜】

「上条当麻、何をもたもたしている!はやくこい!」

そういいながら前を走るステイルに対して、上条は少し後ろを考えながら走る。さらに後ろにはミサカ達が走っている。

(何かが引っかかる……)

そう考えていると、ステイルは校長室の前に着き、扉を開けようとしていた。

「……あっ!」

上条は思い出す、忌まわしい記憶を。あの数秒間の空中浮遊、死への片道切符を。

上条は止めようと大きな声を出すが、

「待て!!ス「僕だ。入るよ」」

そういいながらステイルは扉を開ける。

突如、天井が開き、巨大なハンマーが勢いよく出てくる。そして、その勢いのままステイルに激突した。

「ぐはああぁぁぁあぁぁぁ………ゴフッ」

鈍い音をだし、まるでドライバーに打たれたゴルフボールの様に飛んでいったステイル。
飛んだ先を見てみると、校庭にいる。まるでバックドロップをくらった人の様な格好をしており、ピクリとも動いていない。
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/07(木) 01:50:06.06 ID:QjIkDrLDO

「あぁ、やはりこうなりましたか。とミサカは溜め息をつきます」

「色々あって教えてませんでしたからね。すいませんでした」

そういいながらミサカ達は追いついてきた。

「ヲイヲイ、上条さんを殺す気ですか?」

「先に走っていくのが悪いです。とミサカは言い訳をします」

「まあ、彼にはある程度話したあとに席をはずしてもらうつもりでしたし、いいのでは?」

「ん?なんで?」

「緊急事態というのは、お姉様………御坂美琴のことです」

「みさ……美琴がどうかしたのか?」

「先に校長室に入りましょう。とミサカは入室を促します」

そういいながらミサカ達は校長室の前に立つ。そして、声を揃えてこう言う。

「「神も仏も天使もなし」」

そういい、扉を開けた。

今度はハンマーは出てこなかった。

「今のが合言葉でせうか?」

「その通りです。とミサカは答えます」

そういいながら校長室に入る。

そこには大勢のミサカ達がいた。
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/07(木) 01:50:43.86 ID:QjIkDrLDO

25の同じ顔と50の瞳が一斉にこちらを見る。

「さて、では始めましょう。とミサカは開会宣言をします」

校長席に座る9982号が話始めた。

「まずは業務連絡から、今日予定していた『トルネード作戦』は中止です。天使に会える機会だったのですが、申し訳ありません。とミサカは素直に謝ります」

「そんなことよりも、美琴に何があった?」

上条は思い出す。戻った記憶の中の美琴の悲痛な顔を。彼女の言葉を。その意味を。

上条の言葉を聞いたミサカ達があきらかに暗い表情となる。その中でも特に表情の変わった9982号は、溜め息をつき、先程よりも幾分か低い声で話始めた。

「では、まずはおそらくあなたにとって信じられないと感じる、衝撃的な真実から………

そう言い、彼女は話を進めた。

『量産能力者計画』のことを

『絶対能力進化計画』のことを

その計画のおぞましい内容を

131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/07(木) 01:51:26.33 ID:QjIkDrLDO


……以上が私達の関わった実験の内容です。とミサカは話を終わります」

そういい終えた9982号は上条を見つめる。その目には少しだが悲しみと恐怖、そして不安が宿っていた。

「なぁ、ミサカ。周りの人達は誰も助けてくれなかったのか?」

「ええ、周囲の人達はミサカ達を実験のための道具としか見ませんでした。……ただ一人を除いてですが、とミサカはお姉様の事を考えます」

「……そうか、美琴はお前達を助けようとしているのか……」

上条は、最期に見た美琴の姿を思い出す。彼女はボロボロになりながら、たったの独りでこの『不幸』と戦っていた。

「すごいな、お前らの『お姉様』は……」

「はい、素晴らしい人です。とミサカは胸をはりながら答えます」

9982号はそうは言っているが、どこか表情が暗く、声にも元気がない。
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/07(木) 01:52:13.95 ID:QjIkDrLDO

「ミ、ミサカ達はお姉様に嫌われてしまったかもしれません。とミサカは不安を吐露します」

上条のすぐ近くにいたミサカが話始める。

「何でそう思うんだ?……えーっと「その個体は10031号です」……10031号?」

フォローしてくれた9984号に感謝しつつそう問いかける。

「ミサカは最後の日の朝、お姉様に会いました。とミサカは説明を始めます」

「お姉様は疲れている様子で、声をかけるか迷っているとお姉様の方から話しかけてくれました。とミサカは嬉しく感じたのを思い出します」

「その時、お姉様から実験について聞かれたので答えたのですが………」

「大丈夫か?10031号?」

「……大丈夫です。その話の途中からお姉様の顔色が悪くなっていったので、少しでも喜んでいただこうと『毛玉のような小さい四足歩行動物』を見つけてお姉様に伝えようとしたのですが……」

「拒絶されて、そのまま何処かへ行かれてしまいました。とミサカは悲しみながら言います」

133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/07(木) 01:52:52.17 ID:QjIkDrLDO

「なぁ、美琴が知りたかった実験内容って何だ?」

「実験が継続しているかと研究施設がどうなったか、です。とミサカは思い出しながら答えます」

「それでどう答えたんだ?」

「研究施設はお姉様が全て破壊したので、学園都市外部の施設がその研究を受け継いだことを伝えました。とミサカは端的に答えます」

「……そうか、10031号。ただ、これだけは言わせてくれ」

上条はゆっくりと10031号に近づく。

「美琴がお前を、ミサカ達を嫌うなんてことは絶対にあり得ない。俺が保証する」

そういいながら小さい子供にするように頭を撫でる。
「あなたに保証されても信用できません。とミサカは少し意地悪を言います」

少し表情が明るくなった10031号がこちらを見る。

「その時は上条さんをどうしようといいですよ?煮ようが焼こうが好きにしちゃって下さいな」

そう言うと場が、そしてミサカ達の表情が少しだけ和んだ気がした。
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/07(木) 01:53:24.57 ID:QjIkDrLDO

【天上学園〜男子寮、上条の部屋〜】

そのまま会議は終わり解散、結論としては『2〜3日は各自行動』となった。

上条は寮に帰ってきていた。

(結局、緊急事態って『お姉様にきらわれたかも』か?)

そう思いながら彼女たちの関係を思い出す。

(まあ、仕方ない、か……)

ミサカ達にとって、美琴は自分達の産みの親にして、あの実験での唯一の味方だった存在だ。

(そんな『お姉様』に嫌われたら、って考えたらキツいわな)

そう思いながらベットに腰掛ける。

135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/07(木) 01:54:03.32 ID:QjIkDrLDO

「……そういえば、何か忘れているような気がするのでせうが?」

そう独り言を言いながら上条は頭をひねる。

すると部屋の扉が勢いよく開いた。

「上条当麻!!!!」

そこには鬼の形相をしたステイルがいる。

(忘れてた〜〜〜っ!)

そう、上条はすっかりステイルの事を忘れていた。

「何だ、僕たちは仲間じゃないのか?上条当麻!!」

そういいながら上条に近寄ってきた。目が血走りすごく怖い。

「いや……ほら、あれですよ、上条さんも止めようと「ではなぜもっと早く止めなかった?」……上条さんも忘れてて……」

しどろもどろになりながらも上条は説明しようとするが、ステイルは聞く耳を持たないようだ。

「君にわかるか?あの痛みを?起きた時には誰もいないし、話はおわっていると聞かされるし、これでは完全に茅の外ではないか?大体君は……………

ステイルの愚痴は夕食時まで続き、夕食もなぜか上条のおごりと決まっていた。

その日、食堂でとある少年の魂の叫びが響いたそうだ。
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/07(木) 01:55:02.53 ID:QjIkDrLDO

【天上学園〜翌朝の売店〜】

「はぁ……不幸だ」

上条は買い物をしに授業をサボり、売店まで来ていた。

理由は2つ

ひとつめは部屋に備え付けの物がかなりの確率で壊れていたこと。

もうひとつはステイルに会わないようにすること。

ステイルはかなりイライラしていた。

朝食を食べに行こうと誘いにいったのだが、なぜかステイルから八つ当たりをされて、朝食を取りにいけなかった。

その後も廊下で見たのだが、あからさまに不愉快オーラが出ており、近寄りがたかった。


そして、なぜ上条は今、不幸なのかというと……

「なぜその商品がないんだ?僕には理解できないよ」


目の前に売店の人に文句をいっているステイルがいるからである。
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/07(木) 01:55:36.38 ID:QjIkDrLDO

売店の人は困りながら対応していた。

「申し訳ありませんが、こちらではタバコはお売りしていません。そもそも学生さんは吸うのも買うのもだめですよ!」

「タバコを売ってない、そもそも吸えないとはどうしてだ?ここは地獄なのかい?」

「…………た、タバコ?」

上条は一人呟く。ステイルはこちらに気づいていないようで、まだ文句を言っている。

(はぁ………仕方ないか)

そう思いながら上条はステイルに近づく。

「おい、ステイル!!」

「なんだ?上条当麻!いまいs「いいからちょっと来い!」」

そういいながらステイルの腕を掴むと、強引に引っ張って外に出ていった。
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/07(木) 01:56:09.62 ID:QjIkDrLDO

【天上学園〜校舎裏〜】

「一体どういうつもりだ、上条当麻?」

ステイルは上条にいい放つ。

「……あのなぁ、ステイル。タバコを売る学校が存在するとおもってるのか?」

上条はあきれながらそういった。

「………ないのかい?」

「ない。と上条さんは断言しますよ」

「そんな………ばか…な」

そういったステイルは絶望しきった顔となっていた。
「そんなに吸いたいなら作ればいいと上条さんはおもいますがね?」

上条は軽い冗談のつもりだった。しかし、ステイルは違っていた。

それを聞くとすぐに土を触り、『ルーンカード』と『タバコらしきもの』を作り上げた。
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/07(木) 01:56:42.42 ID:QjIkDrLDO

「よし、これで……」

そういいながらタバコにルーンカードで火をつけて吸い始めた。しかし、

「ゲホッ……ゲホッ…なんだこれは?」

どうやら失敗したようだ。
ステイルは涙目になりながらせきこんでいる。

「駄目か………、ならタバコの葉を見つけるしか………なんでこちらを見てるのでせうか?」

ステイルがニヤリとしてこちらを見ていた。

「手伝ってくれるね!上条当麻!」

こうして上条の不幸な1日が始まった。

140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/07(木) 01:57:08.46 ID:QjIkDrLDO

【天上学園〜近隣の森〜】
(はぁ……なんでこんなことに…)

あれから図書室に行き、タバコの事について調べた。葉っぱの形や大きさ、栽培方法、タバコの作り方等を学んだあと、タバコの葉を求めて学校の外まで来ていたのだ。

(本当になんでこんなことになったのでせうか?)

上条にとっては全く無駄な時間である。タバコに興味がないし、吸いたいとも思わなかった。

こうして3時間位は探したのだが、成果は0。

「なあ、ステイル?今日は引き上げないか?」

「駄目だ!僕は一刻も早くタバコを吸いたいんだ!」

これで何度目だろうか?このやり取りがなされるのは?

ため息をついて諦めたその時、妙な臭いに気がつく。

「なあ、ステイル?「まだやめないぞ、上条当麻!」……いや違う、なんか獣臭くないか?」

「そういえばそうだね……」

2人は、同時にその臭いの方を向いた。
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/07(木) 01:57:59.29 ID:QjIkDrLDO

「あれはなんでせうか?」

「奇遇だな、上条当麻。僕も同じことを聞こうと思っていたところだ」

数十m先に軽トラック位はありそうな猪がおり、いまにも突進してきそうである。

「なあ、ステイル?帰ろうか?」

「そうだね、僕も賛成だ。一刻も早く帰ろう」

そういいながら踵を返し、一目散に走り出した。

ドドドド

後ろから嫌な地響きがする。振り返ると猪が追ってきていた。

「なんでこんなことにぃぃぃ!!」

「僕が知るかぁぁぁぁ!!!」

彼らは全力で走った。するとステイルがどんどんと遅れてきた。

「くっ!!『巨人に苦痛のおぐっ……があぁぁ………」

交通事故の様な凄まじい音がした。

「大丈夫か?ステ……こっちに飛んでくるなぁぁぁ!!ぐはっ!」

猪に吹き飛ばされたステイルは不幸にも振り返った上条の方に飛んできていた。

ステイルの下敷きになり動けなくなる上条。

猪はそんな2人を押し潰そうと迫ってきていた。

「ふ、不幸だ〜〜〜!」

そういいながら目を閉じ、覚悟をきめた。


また、凄まじい音が辺りを包んだ。
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/07(木) 01:58:40.66 ID:QjIkDrLDO

「……あれ?生きてる?」

あの音の後、しばらく目を閉じていた上条は、目を開けてみた。

そこにはすでに猪はいなかった。

(一体なんなんだ?上条さんは理解できませんよ?)

そう思いながら辺りを見回す。

すると、10m程先に何かがある。

目を凝らして見てみると、それは先程の猪だった。

ただ、それはすでにぐったりとしており、恐らくは死んでいるようだ。

(一体なにが?)

そう思っていると、猪の影から人が出てきた。

その人は服装こそ天上学園の制服だが、頭には布を巻き、誰かはわからなかった。

その人は唖然とする上条に気づいてないように軽トラック位はある猪を『肩に担ぎ上げ』、『すごいスピードで』天上学園に向けて走り去った。

上条はもはや驚きすぎて声も出なかった。
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/07(木) 01:59:37.20 ID:QjIkDrLDO

【天上学園】

あれから上条は、気絶したステイルを担いで天上学園に戻ってきていた。

気がついたステイルに先程のことを話すと、信じられなかったばかりか、

「とうとう夢と現実の区別もつかなくなったのかい?」

とバカにされた。

さすがにはらのたった上条は、ステイルを殴るか考えていると、

「おーい、ステイル君、上条君」

そういいながら音無が近づいてきた。

「やっと見つけたよ。ステイル君、君は今朝、売店でもめていたそうだな」

「あ、あれは「ああ、責めに来た訳じゃないぞ。たまにいるからね」」

「ということで君にはこれをあげよう」

そういいながらステイルに紙袋を渡す。

「中身は電子タバコとニコレットガムだ。タバコはないけどこれならある。なくなったらまたいってくれ」

そう言うと、音無は校舎へとあるきだした。

「これで我慢しろよ、ステイル」

「ないものは仕方ない……はぁ…」

ステイルはそういいながらすでに電子タバコを吸っている。
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/07(木) 02:00:48.33 ID:QjIkDrLDO

「ああ、そうそう」

校舎の前まで歩いていた音無が振り返る。

「なんですか?音無さん?」

そう聞く上条。

「今日の夕食は猪らしいぞ。聞いた話では近くででかい猪がいて、そいつを捕ったらしい。楽しみにしておいてくれ」

そう言い残し、音無は校舎の中に消えていった。

「ステイル……」

「……いや、偶然の一致だろう?」

「タイミングがよすぎると上条さんは思うわけですよ」

「……」

こうしてステイルはタバコを手にいれることが出来た。電子タバコではあるが……。

ついでに夕食の猪はとても旨かったそうだ。

第4話 完
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/07(木) 02:03:18.38 ID:QjIkDrLDO

上条当麻
あいかわらずの不幸体質。ステイルには禁煙を進めたい。

音無結弦
ほとんど出番なし?ステイルのために電子タバコを用意した苦労人

ステイル=マグヌス
今回はギャグ要員。
本物の煙草が………吸いたいです。

ミサカズ

9982号
『死んだ世界戦線』リーダー。口調がめんどくさい。裏ではミッションを考えているらしい。

9984号
あれ?今回影薄い。しかし彼女はいつもどおりです。

各班長省略、まだ見せ場なし。ただ、影では活躍してますよ。多分。

10030号
上条曰く『ぬいぐるミサカ』。実験で頭をやられちゃったミサカ。只今ぬいぐるみを抱きながら、自分の部屋で寝ています。

10031号
この前来たニューミサカ。最後にお姉様にあっており、嫌われたとかんちがいしている。優しく撫でてくれた上条に少しだけ好印象を持っている。

謎の覆面
顔に布を巻いた謎の人。
誰でしょうか?まだ詳細不明。少なくとも幻海ではない。霊ガン撃たないし……

以上です。
146 :あとがきのようなもの(言い訳コーナー) [saga]:2011/07/07(木) 02:07:07.77 ID:QjIkDrLDO

どうもです。

今回の話はいかがでしたか?

ステイルには電子タバコを装備させました。そうしないと彼らしくなくなるので……

あと突然の猪。あれはタバコを探しに行かせたときにふと思い付いた話です。

まあ、川にあんな化け物がいるなら森にもいるんじゃね?という安易な気持ちでしたが……オリジナル設定です。すいませんでした。

イメージはドスファンゴ。おや、ステイルの炎剣で勝てそう……いや、ステイルだしなぁ……。

そんなこんなで次回、鬱展開です。鬱を書くのはきついけど頑張ります。

さあ、恒例(?)の次次回アンケート!

今回は作戦名を決めてください。

1 トルネード作戦!

2 モンスターストリーム!

さて、どちらにしますか?
同一IDは1票扱い、同数の場合は先にその票数になった方を選択します。

時間は今日の24時まで!

ということでよろしくお願いいたします。
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 02:30:56.07 ID:WtkTykrIO
そぎークルー?


1でオナシャス!
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 02:50:47.92 ID:QjIkDrLDO
>>147
ソギー……一番連れてきたい人。この人にバカをやらしたいです。
でも、どんなにイメージしても死なない。なんで?
ってことでしばらくは来ません。ごめんなさい
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/07/07(木) 05:54:13.22 ID:6ARIy3nH0
2
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/07/07(木) 07:10:30.91 ID:YUpjgbyAO
2に一票
151 :名無しNIPPER [sage]:2011/07/07(木) 08:06:32.51 ID:GwiHE4yDO
2で
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 13:47:45.04 ID:OMV2MQ2R0
2 を推しておく
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 14:24:54.86 ID:fr9OkF7SO
に!
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 16:47:30.34 ID:OWtUoB2U0
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/07/07(木) 16:49:22.34 ID:WBnv/zMVo
1を推すがこれは2になる予感
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 19:38:17.55 ID:vmFz0zoS0
名前が格好良かったので1
157 :結果発表 [sage]:2011/07/08(金) 00:21:32.56 ID:Fb4rNXeDO

どうも1です。

今回の結果は……

2のモンスターストリームに決定です。

皆様、ご協力ありがとうございます。

ちなみに1は防衛戦の得意なステイル君の見せ場でもありました。残念!

まあ、川じゃあ……ねぇ?

ということで次回もよろしくお願いいたします。

次は遅くとも1週間以内には来る予定です。
158 :1です :2011/07/12(火) 17:29:10.55 ID:kGuwusYDO
投下します。
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:29:42.17 ID:kGuwusYDO

【天上学園〜男子寮の屋上〜】

上条は夜空を見ていた。

(……星が綺麗だ)

学園都市の夜景が明るすぎて、見えなかった星もここでははっきりと見える。

ふと御坂美琴と戦った夜を思い出す。

(夜通し追いかけまわされたっけ)

上条はあの日を思い出す。電撃を撃ち込まれ、砂鉄剣で斬られそうになり、直接電撃を流されそうになった。

(不幸だったけど、上条さん的には楽しかったといえなくもないのでせうか……)

ふと最後に見たあの悲痛な顔を思い出す。

「……無事でいてくれよ、御坂」

上条はそう呟く。

その言葉は夜の闇にとけ、誰にも聞かれることもなく消えていった。
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:30:11.20 ID:kGuwusYDO

【学園都市〜とある鉄橋〜】

(どうしてこんなことになっちゃったんだろう?)

御坂美琴は月を見ながらそう思っていた。

そこには彼女以外誰もいない。

ただ、月だけが彼女を照らしていた。



美琴が今よりもっと幼かった頃、彼女は筋ジストロフィー研究のために自分のDNAマップを提供した。

彼女はただ、病気の人が治る手助けが出来ればそれでよかった。

しかし、それが彼女自身を苦しめ、死の縁まで追い詰めることとなる。
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:30:42.19 ID:kGuwusYDO

9982号

美琴が初めて会った自らのクローン体。それまでは自らのクローン体がいることは噂でしかない、と思っていた。本当にいるとは思わなかった。

初めて会ったその子と話し、一緒にアイスを食べたりお茶を飲んだりした。バッチをあげたら文句を言われたが、嬉しそうにそれを見ていた。

まるで妹が出来たみたいで本当に楽しかった。



しかし、彼女は殺される。

その夜、白髪の少年に。

美琴の目の前で。

162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:31:11.51 ID:kGuwusYDO

美琴が駆けつけた時、9982号は列車に潰された。
9982号が目の前で殺され、我を忘れた美琴は白髪の少年に襲いかかる。

その少年を殺すために

しかし、どんなに能力を使っても傷ひとつつけられない。

電撃の槍も

砂鉄の剣も

超電磁砲すらも

全て無力化、反射された。

戦いの途中、たくさんのクローン体が現れた。彼女達は戦いをやめろ、と言い白髪の少年はそれに従い帰っていく。

美琴の完全敗北だった。

彼女は死んでいった9982号に誓う。

この狂った実験を止めることを。

たとえどんな手を使ってでも、止めて見せる、と。
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:31:38.78 ID:kGuwusYDO

次の日から美琴は『絶対能力進化実験』に関わった全ての研究施設を破壊して回った。

そして、20日の明け方に全ての研究施設を破壊し終えた。

(これで終わった……)

美琴は疲れはてていた。

遠目に『妹達』のひとりを見つける。彼女を呼び止めて今の状況を聞く。

美琴は実験の中止を確信していた。

『実験は中止しましたよ』

そういってほしかった。

だが帰ってきた答えは違っていた。
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:32:21.06 ID:kGuwusYDO


実験は継続しており、第10020次実験まで終了



既存の研究施設が破壊されたため、実験は外部の研究施設を含めた183の施設に引き継がれた


彼女はそう言った。



美琴は彼女の言葉が信じられなかった。




信じたくなかった。





165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:33:01.16 ID:kGuwusYDO


あれから、美琴はどうやって彼女と別れたか覚えていなかった。

気がついたら公園に来ていた。

虚空爆破事件の後、アイツとあった、自動販売機のある公園に。

(……アイツに会いたいな)
ふとそう思った。

アイツを追いかけまわしたり、勝負を挑んだり、そういえば虚空爆破事件の時には助けられた。

(楽しかったなぁ……)

あんな日には戻れないのだろうか?

ふとそんな疑問が湧く。

(……どうすればいいのよ)
研究施設の破壊も結局は無意味だった。

でもあの憎い『一方通行』には全く歯が立たない。

(どうすれば………)



その時、美琴の脳内で悪魔が囁いた。
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:33:54.33 ID:kGuwusYDO



御坂美琴、お前が死ねばいい。




一方通行と超電磁砲の戦いは『樹形図の設計者』が導きだしている。

『185手』で超電磁砲の死亡により終了

ではそれを変えれば?

『1手』で死ねばお前自身の評価が下がり、実験の根底を覆せるはずだ。




さあ、どうする?
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:34:27.57 ID:kGuwusYDO

(そんな……)

頭の中に9982号の死の瞬間が浮かび上がる。

そして先程あったあの『妹達』のひとりを思い出した。

(やるしかないの?)

そう思ったときだった。

「みさかー、なんでこんなところにいるんだー…?」

そう声をかけられた。

声の方を振り向くと、そこには土御門舞夏がいた。

しかし、いつもの彼女とは違い、元気が全くない。

「そっちこそどうしたのよ、土御門?」

美琴は精一杯元気なふりをしながら答えた。

「兄貴の友達がなー、大怪我をおって半月も入院しててなー、今からその人の親御さんとお見舞いに行くところだー…」

「最後の挨拶をしにいくんだ……」

そう舞夏は言った。最後の方は声が小さく、聞きづらかったが、なんとか聞きとることが出来た。
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:35:24.21 ID:kGuwusYDO

「最後?その人、外の病院に転院でもするの?」

美琴は不思議に思った。

ここは学園都市。世界でもっとも科学技術が進んだところ。

なぜ外に転院する必要があるのか、と。

しかし、美琴の予想は全くもって的外れだった。

「医者がいうには、その人はもって今日か明日まで……今までもったほうが奇蹟だそうだぞー…」

「そう……なんだ……。ごめん土御門、つらいこと聞いちゃったね?」

まさかそんな答えがかえってくるとは思わなかった。

「いいんだぞー…、でも何で人助けをしても見返りを求めない、そんないい人が死ななきゃいけないのかがわからないんだぞー…?あんなにあの人を不幸にしながら……神様は不公平すぎだぞー…」

169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:36:26.23 ID:kGuwusYDO

「……ねぇ土御門、その人の名前ってなんていうの?」

美琴は凄くいやな予感がした。どこかアイツを感じさせる。

「みさかは知らないと思うがなー、その人のなま「すまないな舞夏くん、待たせてしまったかい?」」

そういって夫婦と思われる2人組が近付いてくる。

先程まで泣いていたのか目の回りは赤く、目は充血していた。

「あらあら、この子は舞夏さんの友達ですか?」

優しそうな女性がそう聞いてくる。

「はい、土御門の友達の御坂美琴といいます」

この夫婦、アイツに似ている。男性の方はどこかアイツに似た顔立ちだし、女性の方は目が凄く似ている。
(……まさか)

そんな美琴の疑問を解決する。美琴が聞きたくないであろう言葉が男性から放たれた。
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:36:59.17 ID:kGuwusYDO




「はじめまして美琴さん、




私は上条刀夜といいます」





「妻の詩菜と申します。



もしかして、当麻さんの知り合いかしら?」



「…………………え?」


どこかでだれかの声が聞こえる。


モウ、ニチジョウニハモドレナイ


美琴にはその誰かの声は、そう言っている様に聞こえた。
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:37:57.12 ID:kGuwusYDO

その後、上条夫妻に連れられて、病院に着いた。

そして、ある病室の前で止まった。

そして刀夜がその重い口を開く。

「美琴さん……貴女が当麻と知り合い、というだけならここから先はみない方がいいと思う」

「でも、知り合いではなく、友達と言ってくれるのなら息子に会って話をしてあげてくれないか?私達はここで待っているから………」

やさしく微笑みながらそう言った。

「あい……当麻さんがどうかは分かりませんが、私は友達だと思っています」

そういって、美琴は病室に入っていった。
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:38:46.60 ID:kGuwusYDO

病室に入った美琴は我が目を疑った。

ベットに寝ているアイツは最後に会った時とは全く違っていた。

頬は痩せこけ、目の下は窪んでいる。目線は定まらず虚空をさ迷い、特徴的だったあのツンツン頭は包帯に隠れてほとんど見ることが出来ない。

そして彼は多くの機械に繋がれていた。

(これがアイツ?)

少しずつ彼に近寄る。

近付けば近付くほどに間違いなく彼は上条当麻だと分かる。

(………な…んで)

手を伸ばせば触れるくらいまでの距離まできたとき、土御門の言葉が蘇る。

『最後の挨拶をしにいくんだ……』

173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:39:26.39 ID:kGuwusYDO

気がつけば彼の両肩に手をかけて叫んでいた。

助けを求めていた。

だが彼は全く動かなかった。

聞こえているのかさえわからなかった。

今までの彼とのやり取りを思い出す。いつも私からアイツに突っかかっていった。彼にとっては迷惑だったかもしれないが、私にとっては全力で彼に当たることができて楽しかった。

何一つ気兼ねすることなく接することができる相手ができて嬉しかった。

(もう、戻れないのね……)

そう思ったら涙が出ていた。

せめて彼の最期を見とりたい、とも思ったが、ここにいればいるほど『妹達』が死んでいく。

もはやそれも叶わなかった。

美琴は彼に今までの事を謝罪した後、泣きながら病室を出ていった。

174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:39:55.52 ID:kGuwusYDO

それから、何をしたか美琴ははっきりとは覚えていない。

あんな実験結果を導きだした『樹形図の設計者』を憎み、破壊しようと23学区までいったが、それはすでに破壊されていた。


無駄だとはわかっていたが、あの実験を引き継いだ研究施設を破壊した。

ただ、これだけは覚えている。

破壊した研究施設で見た『妹達』の最期と

舞夏が電話で泣きながら知らせてきた



上条当麻の死

それだけははっきりと覚えてしまっていた。

そして今、彼女はある鉄橋にいる。

(どうしてこんなことになっちゃったんだろう?)

彼女は月を見ながら思っていた。

175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:40:27.95 ID:kGuwusYDO

彼女はこれからすることに恐怖を感じていた。

一方通行と戦い、1手目で死ぬ。死ななければならない。

14歳の少女には重すぎる現実であった。

彼女は絞り出すようにこう呟く。

「誰か………誰か私を助けてよ!」



その時、ふと橋の向こう側に誰かがいる気がして、そちらを見た。

しかし、そこには人どころか猫1匹もいない。ただ、暗闇と静寂がひろがっていた。

(……アイツがいたような気がした)

彼女はそう思った。

(そんなわけないじゃない)
彼女は自嘲する。

(アイツはもう死んじゃったじゃない……)

そう思いながら、また月を見た。
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:41:07.82 ID:kGuwusYDO

先程まではっきりとした形であった月の輪郭がぼやけていた。

(死んだらアイツに会えるかな……)

(アイツに会えたらまた勝負したり、追いかけ回したりしていいのかな……)

そんな考えが頭をよぎる。
(無理……よね。私がいくのはきっと地獄よ)

(私のせいで1万人も死んでいるんだから当たり前よね……)

水面に映る月を見る。それは、今の自分の心を映し出すかの様に揺れ動いていた。
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:41:35.95 ID:kGuwusYDO

月を見ながらどれだけの時がたっただろうか。

美琴ははっと気付き、携帯を開けた。

(しまった!!)

彼女は走り出した。

今から走っていっても実験に間に合うかは微妙であった。

(なにやってんのよ、私!)

彼女は走った。

そして操車場の近くまで来た。

(あと少し!)

ちらりと時計を見る。

実験の始まる時間だった。

(お願い!まにあって!)

そう思いながら全力で走り、操車場に入っていった。

そこにいたのは、

血まみれになり、地面に伏した少女と

それをニタリとした笑みで見る白い悪魔だった。
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:42:19.27 ID:kGuwusYDO

それを見た瞬間、美琴の頭に血が登る。

白い悪魔である一方通行がゆっくりと少女に近づいた。

「待ちなさい!!」

そういいながら一方通行の前に電撃の槍を落とす。

「あァ?」

そういいながら一方通行がこちらを見る。

美琴の姿を見つけると彼は、

「誰かと思えば負け犬の第三位じゃねェか。なンの用だァ?まさかてめェのクローンの解体ショーでも見に来ましたかァ?」

といい、またニタリと笑う。

(このやろう!!)

怒りに身を任せて攻撃しようとした時、

「おね……さま、や……めて…くだ……さい」

血まみれになっていた少女が顔をあげ、こちらを見ていた。
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:42:50.71 ID:kGuwusYDO

(そうだった、この子達を助けなきゃ!)

そう思い、少し冷静になれた。

美琴は、彼女に微笑み、

「大丈夫よ。私はあんた達を救ってみせる!!」

そういったあと、一方通行を睨み付けた。

「あァ?『妹達』を救うだァ?俺に勝てねェ奴がどうやって救うつもりだよ?」
そういった一方通行は美琴の方を向いた。

「あんたには分からないでしょうね」

そういいながらポケットからコインを出し、上にはじく。

「私には私なりの……」

コインは重力に従い、彼女の指に落ちてきた。

「救い方があるのよ!!」
刹那、彼女の指からオレンジ色の光が一方通行に向けて放たれる。

『超電磁砲』

彼女は渾身の一撃を放った。
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:43:43.65 ID:kGuwusYDO

その一撃は一方通行を捉え、彼に当たった。

当たったはずだった。

その瞬間、超電磁砲は逆方向へと進路を変えて今度は美琴に向かって牙をむいた。

「全く効かねェよ!!第三……い……」

一方通行は彼女なら避けると考えていた。

避けて反撃が来ると考えていた。

避けれるはずであった。


しかし

そこには、胸部に大きな穴を空け、崩れ落ちる御坂美琴の姿があった。

「お姉様!!!」

彼女を叫びながら呼ぶ声がいくつも聞こえた。

崩れ落ちながら、薄れゆく意識のなか、美琴は最後に空を見た。

(月が…綺麗だな……)

そう考えたあと、彼女の意識は闇に落ちた。
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:44:13.51 ID:kGuwusYDO

【天上学園〜男子寮の屋上〜】

上条は、あれから十数分は星を眺めていた。

手を伸ばせば届きそうな星空は飽きることがなく、上条の心をつかんでいた。

だが、いつまでもここにいるわけにはいかないので、目線を上から前に戻した時、異変を感じた。

天上学園の敷地外、森の奥の方に街が見えた。

その街は、まるでそこが浮かびあがっている様に明るく見えて、少し揺らめいて見えた。

上条は目を擦ってもう一度見ようとしたが、その時には街はどこにもなく、いつもの暗い森が拡がっていた。

(今のって……なんでせうか?)

もう一度、目を擦ってみたが、何も変わらなかった。

(寝惚けていたのでせうか?)

そう思い、部屋に戻るために屋上への入口の方を見た。
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:44:47.02 ID:kGuwusYDO

そこには、一人の少女が倒れていた。

(また……『妹達』が殺されたのか?)

上条の心がズキリと痛む。

(とりあえずここに寝かせておくのはまずいな……)

そう思い倒れている少女に近寄る。

その少女の顔を見た時、上条は違和感を覚えた。

頭にゴーグルがない。

髪はぼさぼさで

目の下のくまがひどかった。

(まさか…………美琴か?)

少女は、上条が最後に見た御坂美琴にあまりにも似ていた。

(と、とりあえず校長室に運ぼう!)

ここは男子寮。しかも夜中だ。少女と屋上で二人きりの状況を他者に見られるのはは非常にまずい。

上条は少女を抱き抱えると校長室に向けて走り出した。

183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:47:12.04 ID:kGuwusYDO

【学園都市〜操車場〜】

一方通行は茫然としていた。

目の前には、胸に穴の空いた御坂美琴が倒れていた。

殺すつもりはなかった。

学園都市のレベル5の中でも特に有名である彼女を殺せば統括理事会はだまっていないだろう。

だから黙らせたあと、目の前で彼女の大事な『妹達』を殺し、心を折るだけのつもりだった。

「お姉様!!」

声の方を振り返ると、先程まで倒れていた10032号が足を引き摺りながら彼女のもとに進んでいた。

「……お姉様……」

彼女のもとまでたどり着いた10032号は力なく呟き膝から崩れ落ちた。

184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:47:46.33 ID:kGuwusYDO


「一方通行……なぜお姉様を殺したのですか?とミサカは怒りを抑えて尋ねます」

後ろから声がする。

「お姉様が死ぬ必要がどこにあったのですか?とミサカは再度尋ねます」

今度は右から声がした。

「ミサカ達は「一方通行、あなたを「絶対に「「「「許さない!!!!!」」」」」」」

目の前の10032号がユラリと立ち上がった。

「今は出来ませんが一方通行、あなたを絶対……」

「殺してやる!!!」

そういった10032号の目には怒りと殺意が宿っていた。
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:48:46.51 ID:kGuwusYDO

一方通行は困惑する。

今まで『妹達』は実験動物としか考えていなかった。
死を前にしても何も感じない人形だと考える様にしていた。

その様な存在であるはずの『妹達』が怒りと殺意を持ちこちらを見ている。

その表情は完全に人間のものであった。

一方通行はイライラしていた。

(いまさら人間らしい表情してンじゃねェぞ!クソッタレが!!)

突如、煙幕が張られる。

「あァ?こンなもの……」
一方通行は八つ当たりのように足元を蹴り、爆風を起こす。

「無駄だって知ってンだろうが!!!」

力が強すぎたのか土煙が辺りを包んだ。

「チッ」

彼は舌打ちをし、とりあえず10032号の方へ向かう。

しかし、そこには血の痕があるだけで誰もいなかった。

186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:49:33.81 ID:kGuwusYDO

「何なンですかァ、これは……」

一方通行は気に入らなかった。

死んでいった第三位も

人形であるはずの『妹達』が自分に人間の様に敵意を向けたことも

それにより、彼女達がいなくなったことも

「気に入らねェ」

近くにあるコンテナに拳を構える。

「気に入らねェぞ!人形どもがァ!!!」

そういって拳をコンテナにぶつけた。

コンテナはものすごい勢いで吹き飛んでいき、別のコンテナに当たる。凄まじい衝撃音の後、中のものをはきだした。

「一方通行」

後ろから声がした。

「あ゛ァ!?」

振り向くといつの間にか車が数台と黒服の男が数人いた。

「統括理事会からの要請です。一緒に来てください」

「チッ、わかったよ」

そういって黒服に従う。統括理事会ではさすがに従った方が賢明である。

一方通行が乗った車は、そのまま街中へと消えていった。
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:50:11.87 ID:kGuwusYDO

【学園都市〜研究施設〜】

「一体どういう事だ?なぜ『妹達』は逃げた?なぜ統括理事会がでてきたのだ?」

その施設は混乱の中にあった。

実験は失敗。

そして実験動物の『一方通行』と『妹達』はいなくなった。

人々が怒号をわめき散らすなか、その部屋の扉は静かに開き、数名の少女が入ってきた。

そして突如、銃声が辺りに鳴り響いた。

静まり返る室内。研究者達はその扉の前にいる少女達を見ていた。しばらくしてその中の一人の少女が話始める。

「あなた達は『絶対能力進化実験』の研究者達ですね?とミサカは尋ねます」

「あ、ああその通りだ」

するとあとの少女達が皆一斉に話始めた。

「あなた達のせいでお姉様が亡くなってしまいました。「どうして止めてくれなかっ「あなた達を恨みます。とミサ「死んでお姉様に謝ってください。とミサカはあなた達に銃口を向けます」」」」

「…………えっ?」

次の瞬間、銃声と悲鳴が辺りを包んだ。

数分後、突然銃声が止んだ。

そこには薬莢と硝煙の匂い、そして数多くの紅い華が咲いていた。


これと同じ事がいくつもの研究施設で起こり

『絶対能力進化実験』は中断を余儀なくされることとなった。
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:51:05.13 ID:kGuwusYDO

【天上学園〜校長室〜】

上条は少女を校長室に運んだ。ソファーにねかせてやり、そして自分の上着を彼女にかけてやった。

(起きたら何かのむかな?)

そう思って辺りを見回すが、飲み物は見当たらなかった。

(買いにいきますか……)

そう考えて校長室を出ていった。


【自動販売機前】

(どれがいいのでせうか……)

上条は悩んでいた。ここは学園都市ではない。自動販売機にはごく普通のものしか入っていないのだが、学園都市で育った上条にとっては逆に選びにくかった。

「ああ、もうめんどくさい!」

そういってコーラ、お茶、コーヒー、果汁ジュースを買う。

ジュースを取り出し口からとっているとミサカ達数人が走ってこちらへ向かってくる。

「よう、ミサ「倒れているミサカを見ませんでしたか?とミサカは焦りながらたずねますっ!!!」」

一人のミサカがものすごい剣幕で話す。

「あ、あぁ、さっき校長室に運んだけど……」

「あぁ、やはり……」

そういってその場にぺたりと座り込む。

「あのミサカってやっぱり……」

「ええ、まだ10032号も来ていませんし、この強い電磁波は……お姉様のものです。とミサカは断定します」
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:51:38.43 ID:kGuwusYDO

それからミサカ達は全員集合したあと少しみなで話し、上条を含めた3人(9982号、9984号)で校長室に向かうことになった。

その道中は皆無言であった。

「実はですね……」

9984号が話始めた。

「ミサカ達はお姉様に会うのが怖いのです。10031号の記憶を皆、持ってますから……」

10031号、彼女はお姉様に嫌われたと言って悲しんでいた子である。

「そうか……、でも誤解じゃないか?俺はどうしても美琴がそんなことするとは思えないんだが……」

「ですからまずはあなただけでお姉様に会ってはもらえませんか?とミサカはあなたに提案します」

こんどは9982号が話しかけてきた。

「お前らはそれでいいのかよ?」

「ええ、構いません。お姉様の死因が死因ですから」
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:53:02.98 ID:kGuwusYDO

「うん?死因?なんでわかるんだ?やっぱり美琴もお前らのネットワークに繋がるのか?」

その質問を聞いた9982号は少し困りながらも話始めた。

「じつは先程、ネットワークで異常が発生しました。とミサカは話し始めます」

「その異常とは、勝手にここにいるミサカ以外から情報を受信するおかしなものだったのですが……」

「その情報がお姉様の胸に穴が開いて倒れる姿、一方通行に対する怒りや憎悪、殺意でした。とミサカは信じられない様な話をします」

「じゃあ……美琴は」

「ええ、おそらく私たちの前で一方通行に殺されたのだと思います。とミサカは予想します」

「そうか……」

それから校長室につくまでだれも話さなかった。

191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:53:34.02 ID:kGuwusYDO

「ではここで待っていますので何かあったらお呼びください。とミサカは待機します」

「ああ、わかった」

上条はそういって校長室に入っていった。

美琴はまだソファーで寝ていた。

上条は買ってきた缶ジュースをテーブルに置いてしばらく待つことにした。

手持ち無沙汰なので辺りを見回してみると棚の上に何かあるのを見つけた。

(……なんだあれ?)

見に行くとそこにあるのはクナイだった。右手で触ってみると結構重く感じ、切っ先も鋭そうだ。

(忍者でもいたのでせうか……)

そう思い元の場所に戻した。

すぐ横には拳銃が置いてあった。

(まさか本物じゃないよな)

そう思いながら銃を構えてみる。重量感があり、まるで本物だ。

そこで上条は思い出した。

(ミサカ達は本物もってたじゃねえか!)

上条は手の中の銃を元の場所に戻す。

すると美琴が少し動いた。
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:54:13.64 ID:kGuwusYDO

(そろそろ起きるかな?)

上条はそう思いながら見ていると、美琴は目を擦りながらゆっくりと上半身を起こした。

その後、辺りを見回している。どうやら上条は死角にいるようで気づいていないようだ。

なので上条から声をかけた。なるべく明るく、いつも通りにふるまいながら。

「よお、ビリビリ中学生」「だれがビリビリ中学生よ?」

そういいながら上条にむかって電撃の槍を放ってきた。それを上条は右手でかき消す。

「おわっ! 危ね「私には御坂美琴ってな……まえ………」

そういいながらこちらを見て固まっていた。

「あ、あれ? どうしましたか御坂さん? おーいビリビ……グハッ」

今度は上条の胸に向かってタックルをしてくる。
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:54:55.95 ID:kGuwusYDO

「いて「アンタ!死んじゃったと思ったじゃない!!!あんなに!病院で、ぼ、ボロボロに、なっ、てて、死に、そうで」

上条は美琴の肩がふるえているのに気づいた。

「御坂……泣いてるのか?」

「泣くわけないでしょ!私は『常盤台の超電磁砲』御坂美琴よ!!」

そういいながら美琴は上条の胸に顔を押し付けぎゅっと抱きつく。

「そっか……、ごめんな」
そういい、頭を優しく撫でてやる。

「よかった………本当によかった……」

美琴はそういいながらしばらく上条から離れなかった。

上条もそんな美琴をずっと撫でてやっていた。
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:55:28.42 ID:kGuwusYDO

数分後、美琴が落ち着いたのでソファーに座らせてジュースを差し出す。

「これでいいか?」

「う、うん。ありがと……」

そういってジュースを受け取った。

(何をしてたのよ、私はーっ!!)

先程の事で美琴は上条を正視できくなっていた。

「ところでさ、御坂」

「な、何よ?」

「御坂は覚えているか?……その………最期の事とか……」

上条はひどく言いづらそうに話す。

「……最期の事?………あっ!」

美琴の脳内に自分の最期の光景がよみがえった。

(そっか……私)

「死んじゃったんだ……」
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:55:59.82 ID:kGuwusYDO

「そうだ!! 実験は!? あの子達は!?」

勢いよく立ち上がった美琴は上条に詰め寄る。

「ご、ごめんなさい! 上条さんにもそれはわからないです」

「そう……なんだ……」

そういってまたソファーに座った。

「さてと……御坂。少しは落ち着いたか?」

美琴は首を縦に振る。

「じゃあ、後の説明はあの2人にまかせますか」

そういって席をたち、扉に向かって歩こうとする。

「あの2人って誰?」

「『妹達』の2人。たしか9982号と9984号だぞ」

そういいながら扉へと歩いていく。
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:57:09.21 ID:kGuwusYDO

「待って!!」

扉へ向かっていた上条を美琴は止める。

「どうした、御坂?」

そういって振り返る。

「私、あの子達に会う資格あるのかな……」

そういいながら美琴はうつむく。

「私のせいで1万人も死なせちゃった……。きっと……あの子達も恨んでるわ」

「そんなことはないぞ」

そうあっさりと言った上条を美琴は睨み付けた。

「アンタに何がわかるっていうのよ!!」

「はあ……、上条さんはすでに『妹達』にあっているから誰も恨んでないことがわかるわけですよ」

「でも……」

「それに実験の事はあいつらに聞いた。上条さん的にはあんな事をさせるためにお前がDNAマップを提供するとは思えないのですが……」

そういって美琴を見ると僅かに首を縦に振った。

「やっぱりな……。まあ、たしかにあんな実験のせいで1万人殺されたのは悲劇だと思う。でもな……」

上条は真剣な表情で言う。

「お前は全く悪くないじゃねえか。むしろ経緯がどうであれ、お前のおかげで2万人も産まれることができた、それは誇っていいと思うんだ。だからこそ……」

「お前は胸を張って、笑いながらあいつらに会うべきだと上条さんは思うのですよ」

今度はニカッと笑いながら話した。
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:57:52.17 ID:kGuwusYDO

「うん……そうか……そうよね」

美琴はそういいながら顔をあげた。目尻には少し涙がたまっていた。

「さーてと、じゃああいつらを呼ぶぞ?」

「ち、ちょっと待ちなさいよ」

「上条さんはさっさと誤解を解いてほしいので待ちませんよ」

そういいながら扉のまえに立ったとき、その扉が勢いよく開き、何かが美琴に向かって突進していった。


「がっ!?いってええぇぇぇ!!」

上条は扉におもいっきりぶち当たり、床を転がりながら悶絶していた。

「「お姉様!大丈夫ですか?」とミサカはお姉様の身を心配します」

そういいながら廊下で待っていたミサカ達も入ってきた。

「いててて、いったい何が?」

そういって美琴のほうを見た。

……ミサカが御坂に頬擦りしながら抱きついている。
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:59:02.77 ID:kGuwusYDO

「えーっと、あれは……10030号?」

「そうです。なんとか止めようとしたのですが突破されました」

9984号はタメ息をつきながら答える。

「まあ、いいんじゃねえの? おーい、御さ……美琴ー」

「な、何よ!」

「上条さんは帰るので後は姉妹仲良くしてください」

そういって上条は部屋を出てこうとする。

「ちょっと待ちなさいよ!」

そういって美琴は上条を呼び止めた。

「えっと……その………ありがとね」

小さな声だったがはっきりと聞こえた。

「ああ、じゃあおやすみ」

そういって部屋をでて扉を閉めた。

199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/12(火) 17:59:48.50 ID:kGuwusYDO

(御坂も死んだのか……)

寮への帰り道、満天の星空を見ながらそう思う。

(どうなっているんだよ! 学園都市は?)

そう思ったとき、恩師や友人の顔が思い浮かんだ。

(お前らは死なないでくれよ)

そう思いながら上条は夜空を見上げた。

その夜空は、とても美しい光景だが、どこか不吉なものをはらんでいるように、上条は感じていた。

第5話 完
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/12(火) 18:01:12.95 ID:kGuwusYDO

以上で今回の投下は終了です。

美琴死亡回。

美琴ファンの方達、すいませんでした。

そしてIFルートはアンケート後にsage進行で投下します。

さて今回の次次回アンケートですが……本気で悩んでます。

今回はある少女の行動を選択してください。

少女の名前は、白井黒子。御坂美琴を敬愛していた少女の話。

学園都市から正式に発表された死因に疑問を感じた彼女は自分で勝手に調査をし、犯人はわからないが、殺害されたという真実まで到達します。

その時、彼女の中で葛藤が起こります。

自分の正義をとるべきか

お姉様の復讐をとるべきか

彼女は悩みます。

正直、自分の手で犯人を八つ裂きにしてやりたい……しかし、自分はそれを取り締まる『風紀委員』だ。

彼女は悩みぬいた末、結論を出しました。それは、

1 『風紀委員』として犯人を追いますわ!闇に隠れているのでしたら闇ごと捕まえて見せますわ!それこそがわたくしの正義ですの!

2 死因を隠した学園都市など信用できませんわ!
わたくしの手でお姉様の無念をはらしますわ!絶対に犯人を八つ裂きですの!!

さて、どちらでしょうか?
ちなみに片方は死亡ルート、片方は生存ルートです。

同一IDは1票扱い、もし同数ならば先にその票数に到達した方を採用します。
締め切りは明日の24時までとします。

ではよろしくお願いいたします。
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/12(火) 18:25:11.60 ID:Ttq+bkxSO
2しか見えない
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/12(火) 18:30:34.62 ID:5wZV0d4u0
1にするぜ
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/12(火) 18:40:14.93 ID:UksuLL4IO
11111
204 :名無しNIPPER [sage]:2011/07/12(火) 18:54:19.01 ID:c20A1tkDO
乙。
一方通行はこれ原作以上に救いようがない結末になりそうだな…
あ、アンケートは1で
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/07/12(火) 19:53:19.94 ID:AqBT8fWO0
乙乙! 覚悟していたとはいえ、やっぱきついっすなー。
一方通行と打ち止めの運命やいかに! ついでにボイン天使も。
ところで闇咲はやっぱりスルーなのか。

1だな

206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/12(火) 20:46:59.69 ID:06uxLRh10
例え相手が美琴であろうとも、治安を脅かすならやることは変わらないと言い張った黒子なら
選択肢は、1しかないんじゃないかな?

それに、生きて美琴の事を想う、そんなキャラが居ても良いと思う…生存ルートとは限らないけどさ
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/07/12(火) 21:06:39.37 ID:Kd/t3SUAO
どっちがどっちかわからんが2にしとく
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/12(火) 21:57:17.92 ID:kGuwusYDO
>>205
私としてはスルーするつもりはないです。

あれ?姫神?だれそれ?
209 :LX [saga sage]:2011/07/12(火) 22:15:30.91 ID:XOIWWCEW0
着想がいいですね。
ただ、どこかで風呂敷をたためるようにしておかないと……

1を選択します。
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/07/12(火) 22:36:46.03 ID:r4TNCwRAO
おいおい……1以外なにがあるんだよ


で、スフィンクスどうなったん?
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/13(水) 00:10:04.60 ID:98YWxIHDO
1かな
212 :1です [sage]:2011/07/13(水) 00:29:53.08 ID:CoI6QhSDO
>>210
スフィンクスはある人に拾われておそらく幸せに暮らしてます。

後々ちらりと出てくる予定です。
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/07/13(水) 01:13:17.27 ID:vDMcKD1q0
1以外の黒子の姿が想像できない
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/07/13(水) 01:20:46.68 ID:Vj35A5Qko
2が死亡で1が生存か
あえて殺してもいいかな
2で
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/13(水) 01:32:51.26 ID:CoI6QhSDO
>>214
いやそうとは限りませんよ?

1が死亡で2が生存かも……

まあ、私は決めてますけど……
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/13(水) 05:38:45.02 ID:5dMUPQq8o
黒子の性格だとまず1で行くだろうけど行き詰ったら2に行きそう
とりあえず死亡ルートの方で
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/13(水) 06:31:36.16 ID:CoI6QhSDO
>>216
申し訳ないですが番号でお願いします。m(__)m
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/14(木) 15:25:50.37 ID:srPjiaIDO
よるにきます
219 :結果発表 [saga]:2011/07/14(木) 18:05:46.19 ID:srPjiaIDO

〜旧『死んだ世界戦線』による結果発表〜

ゆり「みなさんはじめまして。私は旧『死んだ世界戦線』のリーダー、仲村ゆりよ!」

日向「同じく、日向秀樹だぜ!」

音無「現生徒会長、音無結弦だ。よろしくな!」

??「ふっ、僕は神だ」

日向「……相変わらずぶれないな、お前。こいつは直井。ただの人間な」

直井「貴様!神を愚弄する気か!」

音無「やめとけ、直井。とりあえずゲストから紹介するぞ」

直井「……わかりましたよ、音無さんがそういうなら……」

ゆり「ではゲストの紹介をします。えーと、『常盤台の変態風紀委員』?なにこれ?」

黒子「……それを書いたのは誰ですの?」

ゆり「あっちにいる≫1よ」

黒子「そうですの……皆様、少し時間を戴きますわ」スタスタ

黒子「≫1!ジ ャ ッ ジ メ ン ト で す の!!!」ジャキン

ギャアアァァァ……

椎名「あさはかなり……」

ゆり「そうそう!昨日はサーバの調子が悪かったみたいで来れなくてすいませんでした!あとサーバ復活おめでとう!」

日向「……さすがゆりっぺ」

音無「隣でおこっている惨状を完全に無視してやがる……」

ゆり「あなた達、そう言うなら止めてきなさいよ!」

日向「……いや、あれは無理だろ……」

〜〜黒子の気がすむまでしばらくおまちください〜〜

220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/07/14(木) 18:06:53.69 ID:srPjiaIDO

〜〜再開します〜〜

≫1「」ハリダラケ

黒子「皆様、お待たせいたしました。『風紀委員』の白井黒子ですの」

日向「おいおい、あれはやりすぎじ 黒子「何か言いましたか?」」ギロリ

日向「……いいえ、なんでもありません」

ゆり「それじゃ、結果を発表しちゃいましょう!今回の結果は………1に決定です!これについては白井さん、どう思う?」

黒子「結果もなにも、当たり前ですの」

音無「ふーん、それはなんでだ?」

黒子「前にお姉様にいった通り、わたくしは『風紀委員』ですの。学園都市の平和を乱すのなら、例えお姉様でも捕まえますわ」

黒子「お姉様が殺されて、確かに犯人を八つ裂きにしたい、という気持ちはありますが、それを堪えて犯人を法により罰する。それがわたくし白井黒子であり、わたしの『正義』ですの!」キリッ

ゆり「ということで結果は1でした」

音無「2を選んだ皆さん、ごめんな!」

日向「はぁ……これで当分出番なしか……」

直井「当たり前だ。貴様らのようなゴミ虫が出れると思っていたのか? あっ、見目麗しい音無さんは別ですよ?」

音無「どうでもいいがお前も出番ないぞ、直井」

直井「」



以上、結果発表でした。

鯖復活おめでとうございます。

あと、こういったふざけた結果発表が嫌いな人もすいませんでした。

この後、IFルート1を投下します。

本編とは関係ないのでそれはご了承ください。
221 :ifルート [saga sage]:2011/07/14(木) 18:10:51.77 ID:srPjiaIDO
>>177より分岐


【学園都市〜操車場〜】

(……よし、ここにもいないわね)

そう思いながら美琴は操車場を捜索していた。

彼女はなるべく誰にも自分が死ぬ姿を見せたくなかった。それは『妹達』に対しても同様であった。

そのために早めに実験場所に来ており、辺りを捜索しているのだ。

そして、コンテナの裏を探していた時、後ろから声がした。

「よォ、先に来て小細工たァ弱いやつは大変だなァ?」

振り向くとそこには、白髪の少年、一方通行がいた。

「小細工なんてしてないわよ」

そういいながら一方通行を正面から見据える。怒りのためか美琴の周りに蒼白い電気が走る。

「てめェ……第三位か?」

一方通行が顔をしかめながらそうつぶやいたあと、口角をあげ、ニタリと笑う。

「そうかそうか!あいつらのオリジナルかァ!何だ?また負けに来たのかァ?それとも、今から始まる殺戮ショーを見にでも来たンですかァ?」
222 :ifルート [saga sage]:2011/07/14(木) 18:12:16.79 ID:srPjiaIDO

そういった一方通行を睨みながら、美琴は唇を噛んで怒りを堪えていた。

怒りに任せて戦い、普通に負ける。これでは意味がない。

「いいえ、私は負けに来たわけじゃないわ! ましては殺戮ショー? そんな事絶対にさせやしない!」

「あァ?」

一方通行は笑うのをやめ、今度は眉をひそめた。

「私はあの子達を助けるために来たのよ!!」

そういいながらポケットからコインを取り出した。

「『妹達』を助ける?お前は俺には勝てねェ。この前からお前がやっている研究施設つぶしも意味がねェ。それでもあの人形達を助けますだァ?………夢みてェなこと抜かしてンじゃねェぞ! くそガキがァ!!!」

一方通行はそういって怒りの表情となる。
223 :ifルート [saga sage]:2011/07/14(木) 18:12:49.10 ID:srPjiaIDO

「ええ、たしかに夢みたいな話かも知れないわね……」

そういいながら美琴はコインを上に弾く。

「でも、もう私には……」

弾かれたコインは重力に従い美琴の指に落ちてくる。

「これしかないのよ!!!」


突如、オレンジ色の光が一方通行に向けて放たれた。

超電磁砲

彼女の最大最強の必殺技である。

それを見たはずの一方通行は身じろぎひとつせずにただ立っていた。

そして彼女の必殺技は確実に一方通行に当たる。

いや、当たったはずだった。
224 :ifルート [saga sage]:2011/07/14(木) 18:13:26.13 ID:srPjiaIDO

彼女の超電磁砲は、一方通行に当たると同時に向きを変え、今度は美琴に牙を剥く。

刹那、自動車の衝突実験の数倍はある凄まじい音が辺りに響き、白い粉塵が辺りを包む。超電磁砲はコンテナに当たり、その中身を撒き散らした様だ。

(これにまぎれて攻撃するつもりかァ?)

だがそんなものは一方通行には関係がなかった。

「どうした第三位!!人形達を助けるンじゃなかったのか?」

直後、先程美琴がいた位置から、ドサリと何かが倒れる音がした。

「あァ?」

そういいながら一方通行は、その音の方に歩みを進めた。
225 :ifルート [saga sage]:2011/07/14(木) 18:14:29.95 ID:srPjiaIDO

「おいおい、こりゃあなンの冗談ですかァ?」

そこにあるのは一方通行が見慣れた光景だった。

ある少女の死体。

しかしそれはいつもの人形ではなく

学園都市の誇るレベル5の第三位 御坂美琴のものであった。

「お前、『妹達』を助けるンじゃなかったのかよ?」

呟くように問いかけるが、死体は喋らない。

「お前が死ねば実験は終わるとか本気で考えたのかよ?」

先程よりは大きな声で問いかけるが、死体は答えない。

「くっだらねェ、俺は実験を辞めねェからな!!」

そう叫びながら死体に背を向ける。

「……もう辞める訳にはいかねェンだよ。……クソッたれが!」

一方通行は自分に言い聞かせる様に小さな声でそう呟き、実験で指定された位置に向けて歩きだした。
226 :ifルート ラスト [saga sage]:2011/07/14(木) 18:15:11.64 ID:srPjiaIDO

(チッ、胸くそわりィ!)

一方通行は指定された位置に立ち、実験開始を待っていた。

しかし、いつもなら早めにくる『妹達』がまだ来ない。

「なンなンですかァ?一体?」

一方通行はそう呟く。実験開始時刻はもうすぐであった。

突如、数台の車がすごいスピードで操車場に入ってきて一方通行を取り囲む。

「あァ?」

車のドアが開き、中から数名の黒服が出てきた。

「一方通行、我々と一緒にきてもらおうか」

「はァ?なンで俺が「統轄理事会からの呼び出しだ。理由は君自信もわかっているだろう?」」

一方通行はちらりと死体がある方を見た。一人が死体袋を持ち、運んでいる。

「チッ、わかった」

そういいながら車に乗り込む。一方通行を乗せた車は静かに走りだし、街中に消えていった。
227 :あとがき?のようなもの [saga sage]:2011/07/14(木) 18:18:40.23 ID:srPjiaIDO

以上でIFルート1は終了です。5話中でこれから後に変わるのは、

『妹達』による研究施設襲撃はなし

天上学園側ミサカの謎データ受信がなし

会話が微妙に変化

ぐらいなので割愛させていただきます。

この選択肢での変化は

妹達の一方通行に対する好感度変化

が大きな違いとなります。

これによって妹達の行動が大きく変わり、一方通行がある場所に行くか行かないかの分岐点となりました。

結果は『行く』。

これでどうなるかは今は言えません。

以上で終了です。

最後に……

アンケートで1を選択してくださった皆様、すいませんでした。m(__)m

今後この様なことがないよう注意しますので何卒お許し下さい。m(__)m

ではまた1週間以内にきます。
228 :人物紹介出すの忘れてた [saga sage]:2011/07/14(木) 18:36:03.58 ID:srPjiaIDO
【天上学園側】

上条当麻
今回は主人公なのに影が薄かった人。まあ、美琴回なので仕方なし!
ちなみに扉が当たったときに小さな声で「不幸だ……」といっていたらしい。

御坂美琴
今回の不幸な人。上条のことが大きな存在になりつつも、まだ気付いていない模様。
今晩は校長室のソファーで抱きついたまま離れない10030号と共に就寝しました。

ステイル=マグヌス
出番なし。よい子はねる時間なのですよー。

音無結弦
AB!側主人公なのに出番なし。寝ているのかも?

妹達(出ている人のみ)
9982号
お姉様に再会し、嬉しい反面悲しくもある複雑な心境。
お姉様に抱きついている10030号が羨ましい。とミサカは嫉妬を露にします。

9984号
最近、9982号の補佐までし始めた頑張り屋さん。初めて生お姉様に会い、実は緊張していたそうな。

10030号
お姉様に抱きついていった猪突猛進で幸せそうなミサカ。
お姉様が「離れて」と言おうが9982号から引っ張られようがお姉様に抱きついたまま離れず、そのまま寝てしまう。
実はそれは寝たふり。本当は美琴が寝るまで起きていて、彼女の寝顔を見たあと満足そうな笑顔を見せて……
229 :人物紹介忘れててごめんなさい [saga sage]:2011/07/14(木) 18:37:17.57 ID:srPjiaIDO

【学園都市側】

一方通行
こちら側の主人公。今は統轄理事会に呼ばれてそこに向かっている。

妹達
10032号
実験のために瀕死の重傷を負っている彼女は、現在冥土帰しの病院で治療中。
一方通行に対する怒りが最も深い個体でもある。

他の妹達
一方通行……絶対に殺す!!

上条夫妻
唯一無二の息子に先立たれ、悲しみの中にいる。
現在は学園都市におり、葬式もこちらで行っている。
以上
230 :名無しNIPPER [sage]:2011/07/14(木) 18:59:15.15 ID:hdVsNuEDO
乙。
そういえばこの話では樹系図の設計者って破壊済み?それによっては今後にも影響がでそうな気が
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/14(木) 19:06:20.41 ID:srPjiaIDO
>>230
ペンデックスさんが破壊してます。

上条さんの記憶わかりにくいしな……
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/14(木) 19:20:11.49 ID:JRq1u3iR0


できれば分岐点にナンバーを振って貰えるとありがたいです
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/14(木) 19:24:32.07 ID:9bnw0Us00


妹達全員で木原くンに弟子入りですね分かります
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/07/14(木) 19:50:04.89 ID:R56XWOBh0
ミサカ神拳爆誕か・・・胸が痛くなるな、経緯が経緯だけに
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/14(木) 21:15:30.58 ID:srPjiaIDO
>>232

>>176終了からの分岐です。
まあ、今回は特例なので至らない点はご容赦ください。

>>233、234
ミサカ真拳はとあるのスレで美琴Verをしたので多分ないかと。
あぁ、黒歴史が……
展開次第ではするかも?
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 05:30:52.43 ID:SsKZXhnP0
>>235
自転車に乗った木原くンに追われながら大勢で走る妹達まで想像した
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/17(日) 18:00:08.66 ID:OsiGjR2IO
みこにゃんみこ・・・にゃん・・・




まぁ、かみじょーさんと再開できて幸せそうだからいいか。
238 :1です。 [sage]:2011/07/21(木) 19:53:22.91 ID:G1I6o0tDO

皆様1週間ぶりです。1です。

先程今日投下分を見直していたのですが、操作ミスでオペレーション部分を消してしまいました。

急遽書き直していますが、どうしても今日に間に合いそうにありません。

また、明日、明後日は書ける状態にないため、どう考えても日曜日までは投下出来そうにありません。

言い訳がましいですが、今日は前半partを投下させていただきます。

本当に申し訳ありません。

それでは投下します。

239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagasage]:2011/07/21(木) 19:54:01.16 ID:G1I6o0tDO

【天上学園〜校長室前〜】

今はまだ早朝。

上条は扉の前で考えていた。

別に『合言葉』を忘れたわけではない。

扉をノックしても何の反応もないためにどうしようか悩んでいるのだ。

(……ビリビリは寝てるのでせうか?)

そう考えてはや十数分、ノックをしようが名前を呼ぼうが一向に変化がない。

(いい加減、待つのもツラい……しかし、入って寝顔を見たらビリビリは確定、最悪は超電磁砲の連発……)

「……不幸だ」

しかし、待つのも飽きた上条は大きな声で、

「ああもう!『神も仏も天使もなし』!!!入るぞビリビリ!!」

そういって扉を開けた。

そこには、




だれもいなかった。

(俺の待ってた十数分はなんだったのでせうか……)

「ふ、不幸だ……」

そういって上条は肩を落とすのであった。

240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagasage]:2011/07/21(木) 19:54:51.73 ID:G1I6o0tDO

(あいつは金持ってないだろうから、朝食誘いにきたのですが……余計な気遣いだったのでせうか?)

そう思ったが、少し席を空けているだけかもしれないのでしばらく待つことにした。

〜5分経過〜

(もうちょっと待つか……)

〜10分経過〜

(ウーン、もしかして女子寮かな?まあ、あと少しだけ……)

〜15分経過〜

「よし、流石にもう大丈夫だろ! 上条さんは朝食を食べにいきますよっと!」

そういって扉を開けた。

目の前にいきなり肩を落としている御坂美琴がいて、目が合う。

「お、おはようビリb「あ、アンタあの子見なかった?あの子帰ってきてない?」……はい?あの子って誰?」

目の前に美琴がいたことに驚く上条に対し、美琴はそういいながら狼狽していた。
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagasage]:2011/07/21(木) 19:55:27.97 ID:G1I6o0tDO

「昨日私に抱きついてきたあの子よ!アンタ達が10030号って言ってた子!昨日一緒に寝てたのに朝起きたらいないのよ!」

美琴の困惑した表情を見て、上条も真剣になる。

「……女子寮は?あいつの部屋には行ったのか?」

「女子寮には行ったけど、あの子の部屋がわからないのよ!どうすれば……」

そういって美琴は泣きそうな顔になる。

「落ち着け御坂。……そうだな、とりあえず朝食に行かないか?」

「アンタっ!あの子に何かあったかもしれないのよ?」

美琴は涙目のまま上条を睨み付けた。

「だから落ち着け御坂。今ならきっと『妹達』も朝食に来てるはずだ。あいつらなら何か知っているはずだ。それに……」

「それに?」

「案外10030号もめし食ってるかもしれないぜ。だから行ってみようぜ?」

上条はそういって食堂の方へあるきだした。

「ち、ちょっと待ちなさいよ?私を置いていくなっ!」

美琴もそういって上条の後についていくのだった。
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagasage]:2011/07/21(木) 19:56:10.79 ID:G1I6o0tDO

【天上学園〜食堂〜】

「さてと、あいつらはどこにいるのでせうか?」

そういって見回す上条と美琴。しかし、『妹達』は見当たらない。

「おはようございます、お姉様と上条さん、とミサカは朝の挨拶をします」

後ろからミサカの声がする。振り返るとそこには9982号がいた。

「おはよう、9982号。聞きたいことがあるんだけど……」

用件を話そうとすると、ミサカは手を前にだしそれを静止させる。

「ええ、知ってます。10030号の事ですね。とミサカは答えます」

「あの子はどこ?寮に帰ってたの?」

そう言う美琴を見たミサカは少し困った顔になり、

「……立ち話もなんですし、それについては朝食後ではいけませんか?とミサカは券売機を指差します」

と言う。

「まあ、そうだな。お前らが焦ってないところをみると大丈夫みたいだし……」

「……そうね、そうしましょう」

皆意見が一致したのでまずは朝食をとることになったのだった。

243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagasage]:2011/07/21(木) 19:57:04.55 ID:G1I6o0tDO

〜朝食終了〜

「そろそろ話してくれないか9982号?」

食後のお茶を飲んだあと、上条はそうきりだした。

「そう……ですね、では話したいと思います。とミサカは覚悟を決めて話始めます」

そう言い、9982号の顔が真剣になる。

「彼女は『消滅』しました。とミサカは単刀直入に言います」

「「……えっ?」」

上条と美琴はそのあまりにありえない答えに一瞬固まる。

そして一瞬の後に美琴が机を叩き勢いよく立ち上がる。
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagasage]:2011/07/21(木) 19:57:34.05 ID:G1I6o0tDO

「どういう事よ!!!なんであの子が消滅しなきゃなんないのよ!!!」

立ち上がった美琴は9982号を睨み付ける。

「お姉様、とりあえずお座りください。とミサカは着席を促します」

それを聞いた美琴はドカリと席に座った。しかし、まだ9982号を睨み付けたたままである。

「……上条さんは『消滅』について知っているはずですが覚えていませんか?とミサカは問いかけます」

「『消滅』か……あっ、あれか」

上条が思い出したのは初日の事。あの時たしかに『消滅』のことを聞いていた。

「という事はあいつは満足して消えたんだな?」

「……えっ?な、何をいってるのよ……?」

美琴は話がわからずおろおろし始める。

「ええ、彼女はいままで『消滅』した者の中では最も幸福を感じて消えていきました」

「……そっか。ならいいのかもしれないな」

そういって上条は少しだけ微笑んだ。

245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagasage]:2011/07/21(木) 19:58:11.57 ID:G1I6o0tDO

「なんであんた達は普通でいられるのよ?私にも説明しなさいよ」

美琴は困惑しながら2人に向けてそういった。

「なあ、美琴。俺達だからわかると思うが、人生に満足するって凄いことだと思わないか?」

上条は美琴を見ながら話始めた。

「何よ急に?確かに凄いと思うけど……」

彼女の脳裏に自分の人生が蘇る。正直、満足できない内容だ。

「そうなんだよ。凄いことなんだよ。それをあいつは……10030号はやってのけたんだ。自分の人生に満足したんだ。だから『消滅』……いや『成仏』したんだよ」

「……本当に?」

「ええ、あの個体は間違いなく満足していました。とミサカは答えます」

246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagasage]:2011/07/21(木) 19:58:44.52 ID:G1I6o0tDO

「でも、何もすぐに消えることないじゃない……せっかく……会えたのに……」

美琴はまた泣きそうな顔になり、うつむく。

「なあ、ミサカ。あいつは最後は笑っていたんだろ?」

「ええ、あの個体のことです。ミサカ達にはまだできない程の笑顔だったのではないかと思います。とミサカは予測しながら答えます」

「そっか……なら俺達が泣くわけにはいけないと上条さんは思うのですよ。俺達も笑って送り出さなきゃな……そうは思わないか、美琴?」

「それでも……悲しいわよ……」

美琴の目からはとうとう涙がこぼれた。一筋の涙が彼女の頬を濡らしていく。

「そりゃあ俺だって悲しいさ。でも、もう会えないって決まった訳じゃないだろ?『死後の世界』がある位だ、『転生』があってもおかしくないだろ?」

「だったら次に会ったときにたくさん遊べばいいじゃねえか、たくさんあまえさせてやればいいじゃねえか、長い間一緒にいてやればいいじゃねえか」

そういって美琴にハンカチを渡してやる。

247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagasage]:2011/07/21(木) 19:59:17.92 ID:G1I6o0tDO

「何いってんのよ……覚えてる訳ないじゃない!」

美琴は涙を拭いながらそういった。

「いいや、きっと覚えてるさ……来世で会うときには今日の事は思い出せないかもしれない。でも、きっとどこかで覚えてるんだよ。」

「何よそれ……どこで覚えてるって言うのよ?」

美琴はそういった上条の方を見る。どうやら涙は止まった様だ。

「心に……じゃないか?だから人は優しくなれるのかもしれないな……」

「………バカじゃないの?」

「上条さんはバカなりに一生懸命考えたのですが…………不幸だ」

美琴の言葉を聞いた上条はガックリと肩を落とした。

「でも、その考え方は嫌いじゃないわ。よーし、見てなさい、『来世』で会ったらとことん甘えさせてやるんだから!」

そういった美琴の顔には、いつもの元気が戻っていた。
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagasage]:2011/07/21(木) 19:59:54.24 ID:G1I6o0tDO

「話も終わった様ですし、この後の話をしませんか?とミサカは話の途中から蚊帳の外だったのを恨みながら提案します」

少しだけ不機嫌そうな9982号はそう言った。

「この後?何かするのか?」

「午前中はお姉様の手続きをしますが午後は……」

「オペレーションを発動しようかと思っています。とミサカは意気込んでみます」

「「オペレーション?」」

「詳しくは……そうですね、12時50分に『対天使用作戦本部』で話ましょう。とミサカは話を区切ります」

9982号はそういって席を立った。

「行きますよお姉様。とミサカはお姉様を置いて行こうとします」

「えっ?ちょっと待ってよ?」

美琴は急いで席を立ち、あわてて9982号の後を追っていった。

(まるで仲のいい姉妹だな……)

仲良く食堂から出ていく美琴達を見て、上条は微笑ましく思うのだった。
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagasage]:2011/07/21(木) 20:00:21.44 ID:G1I6o0tDO

【天上学園〜植物園〜】

「す、すごいなここ……」

上条はただぶらぶらと歩いていた。

要するに彼は暇なのだ。

そして植物園の前に来たとき、上条は感嘆の声をあげた。

そこには色々な花が見事に咲き誇っていた。

「綺麗だな……」

「おや上条くん、どうしたんだい?」

唐突に後ろから声がする。
振り向くとそこには麦わら帽子をかぶった音無がいた。

「お、音無さん? 授業中じゃ……」

「今日も転校生がいてな、さっきまで書類と格闘してたところだよ」

「……大変そうですね」

「さすがに慣れたよ。ただ最近多くてここの手入れが出来なくてな……」

上条は花壇を見た。よく見ると確かに草がたくさん生えていた。

「そうですか……俺今暇なんで手伝いましょうか?」

「いいのか?じゃあお願いするぜ!」

こうして上条達は草むしりを始めた。

250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagasage]:2011/07/21(木) 20:00:52.33 ID:G1I6o0tDO

「そういえば音無さんは生徒会長ですよね?」

上条は草むしりをしながら音無に問いかける。

「ん?そうだけど?」

「授業に出てない俺を注意しなくていいんですか?」

「お前はクラスSSSだからな」

「クラスSSS?」

上条は聞き覚えのない言葉を聞き、音無に問いかけた。

「なんだ、知らなかったのか? 前にもいったがここにはわけありの人間がよく転校してくる学園だ。だからそういう人間はクラスSSS所属になる」

「クラスSSSの人間は基本どこの授業でも受けられるし、授業にでなくてもいいことになっている。もちろん出たほうがいいんだけどな」

「ふーん、そうだったんですか……」

「まぁさっさと終わらせようぜ?」

そういって音無は草むしりを再開した。上条もそれにならって草むしりを続け、終わる頃には12時前になっていた。

251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagasage]:2011/07/21(木) 20:01:24.66 ID:G1I6o0tDO

【天上学園〜食堂〜】

お礼をいう音無と別れた後、上条は食堂に来て券売機の前で悩んでいた。

「あっ、いたいたアンタ!」

上条の後ろから声がする。が……

(さて、何を食べますか……)

「ちょっと聞いてるの?」

「やっぱりトンカツ定食……いや、ハンバーグも捨てがたい」

上条はぶつぶついい、気づく様子もない。

「ねぇちょっと……」

「間をとってしょうが焼きもありだな、うんそれにすっか?」

「あ、アンタねぇ……」

美琴のこめかみに青筋ができ、頭付近に青い雷光がはしる。

「ん?」

「いい加減気づけやコラー!!!」

美琴は能力で電撃の槍を作り上条に向けて放った。

252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagasage]:2011/07/21(木) 20:01:51.22 ID:G1I6o0tDO

襲いかかる電撃に対し、上条は右手で打ち消す。

「な、何しやがるビリビリ中学生!」

「何よ! アンタが無視すんのが悪いんでしょ? それにビリビリいうな!」

「無視なんてしてねえよ! それにお前は無視した相手全員に電撃を撃ち込むのかよ?」

「そんなわけないでしょ? アンタに対してしかしてないわよ!」

「お前なぁ……ったく、そういえばあの時、お前はビリビリしないって言いませんでしたっけ?」

「はぁ? いつの話してんのよ?」

繰り返すがここは食堂。しかも昼食を食べに大勢の生徒が来ている。

また、美琴の電撃を見た生徒達はもう一度見ようと席をたち、上条達の周りまで来ていた。

さらに上条と美琴がいるのは券売機前。食券を買いに来た生徒が彼らを中心に人垣を形成していた。

しかし、上条達はそれに気づかずにまだ言い争っている。

253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagasage]:2011/07/21(木) 20:02:27.81 ID:G1I6o0tDO

「あ、あのー、お姉様? 上条さん?」

その言い争いに割り込む声がした。

「なんだよ!」

「なによ!」

2人とも同時に振り向く。そこには御坂美琴そっくりの少女がいた。

「よう、9984号か。どうした?」

上条はこの少女の語尾がないことで9984号と判別した。

「とりあえず周りを見てください」

そう言われた上条と美琴は辺りを見回し、大勢の野次馬に気付いた。

「あとそれを見てください」

9984号が指差す先を見ると、煙を出し、明らかに壊れている券売機がある。

254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagasage]:2011/07/21(木) 20:03:19.26 ID:G1I6o0tDO

「「あ、あはは……」」

当事者である上条と美琴はぎこちない動きで顔を合わせ、力なく笑った。

少しの間、そのまま固まっていた2人だったが、突如上条は美琴の手を引き走り出した。

「えっ? 何? ちょっと待って?」

「何でこんな目に……あぁもう不幸だーっ!」

上条達はすごい速さで食堂を出ていき、教員棟の方へ走っていった。





「はぁ……あの2人は何をしてるのでしょうか?」

9984号はあきれながらそう呟いた。

「 それにしても先程の現象は何だったのでしょうか? お姉様の電撃をかき消した様に見えました……が………」

そう独り言をいいながら周りの変化に気づいた。

先程の騒ぎを起こした張本人がいなくなったことで、今はその張本人と話していた9984号に野次馬の視線が集中していた。

「あっ、えーっとその……し、失礼します! とミサカは………ミサカは―――っ!」

大衆の視線に耐えきれなくなった9984号は回れ右をして上条達を追っていくのだった。
255 :すいませんが今日は以上で終了です。 :2011/07/21(木) 20:06:08.87 ID:G1I6o0tDO

以上が前半partになります。

また書き終わり次第投下させていただきます。

誠に申し訳ありませんがご了承いただけないでしょうか?

最後に

なぜSDコピーと削除を間違ったんだよ……せっかく書き終わったのに。と作者は操作ミスに後悔をします……。

以上、言い訳でした。

本当にすいませんでした。

ではまた出来次第、もしくは日曜日にお会いしましょう。
256 :あれ、上がってない? :2011/07/21(木) 20:10:20.19 ID:G1I6o0tDO
上がらなかったのでもう一度あげてみます。

もし、これで上がらなければこれも運命として今回はあげずにいようと思います。
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/07/21(木) 20:31:01.46 ID:A+H2D/iAO


きちんと上がってるっすよ〜
258 :1です :2011/07/24(日) 02:01:06.38 ID:PmP/gwmDO

どうも、1です。

今回の更新が遅れて申し訳ありません!

とりあえずできた分を更新します。

259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/24(日) 02:01:40.83 ID:PmP/gwmDO

【天上学園〜校長室〜】

「ったく、ビリビリ! お前のせいでメシ食いそびれたじゃねえか!」

「だからビリビリいうな! そもそもあんたが無視しなければあんなことにはならなかったわよ!」

「だから無視なんてしてねえよ!」

上条と美琴は食堂の一件のあと校長室に逃げ込んでいた。そしてまた口喧嘩が始まろうとしていた。しかし、それも……

「2人ともいい加減にしてください!」

校長室に入ってきた9984号により遮られた。

「まったく……上条さん!」

「な、なんでせうか?」

9984号のあまりの勢いに圧倒された上条はどもりながら返事をする。

「最初から見ていましたが、お姉様は何度も貴方に呼びかけていましたよ?」

「えっ? そうだったのか?ごめんな御坂」

「まったく、だから私もそう言ってたじゃない!」

そういう美琴に対して9984号は話始める。

「お姉様、貴女も『あんた』としか呼んでなかったのに気づけ、というのはどうでしょうか?」

9984号は話を続ける。

「それに無視されからといっていきなり致死クラスの電撃を放つのはどうかと思います。 肩を叩いてみるなり前にいって話しかけるなり色々方法があるはずです」

「だって 「だって、ではありません! 無視したから相手を殺せるレベルの攻撃をするなんてどこのマフィアですか?」 ……確かにそうだわ。ごめんなさい」

「まだ3年しか生きてない私ですらわかることですよ。 上条さんももっと周りに気を付けてください。 おかげで私も昼食ぬきですよ?」

「「……本当にすいませんでした」」

終始圧倒し続ける9984号に対し、上条と美琴は同時に頭を下げるのであった。

260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/24(日) 02:02:05.72 ID:PmP/gwmDO

「そのくらいにしてあげたらどうですか?とミサカは9984号をたしなめます」

と今度は9982号と他の妹達が校長室に入ってきた。

「それもそうですね。ところで上条さん、先程お姉様の電撃を消した様にみえたのですが……」

と9984号は上条を見ながらそう聞いてきた。

「あぁ、それは俺の右手に『幻想殺し』があるからだ。こいつは異能の力ならなんでも消すことが出来るんだ」

上条はそういって右手に視線を落とした。

「その能力は右手にしかないのですか? とミサカは上条さんに質問をします」

今度は別の妹達が質問してくる。

「そうだな、だいたい右手の手首くらいまでしかないみたいだぜ」

「へぇ……そうだったんだ? って事はそこ以外に当てたら私の勝ちね?」

とニヤニヤしながら美琴が言う。

「あのー、み、御坂さん?上条さんとしてはもう勝負はやめて欲しいのですが…… 「却下! 私が勝つまではやめないわよ!」 ……ですよねー。わかってたさチクショー……」


そういった上条は肩を落とした。
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 02:02:50.59 ID:PmP/gwmDO

「……上条さん、ちょっとこれを持ってくれませんか? とミサカは拳銃を貴方に渡します」

先程まで何かを考えていた9982号は、拳銃の銃把を上条に向けて手渡そうとする。

「ん? いいぜ」

上条はそういって拳銃を持とうとした。が……

バキン

と音がして銃はただの土になってしまう。

「あ、あれ?」

「やっぱりですか。とミサカは悪い予想が当り、がっくりします」

「ど、どういう事だ?」

9982号はため息をつき、上条に対してこういった。

「貴方は私達が作る武器を使うどころか持つことも出来ないのです。とミサカは貴方に戦力外通告をします」

「……でも、こいつには右手があるわよ?」

美琴が上条をかばう発言をする。しかし、

「その右手は私達の武器や弾を消してしまいますので遠距離狙撃はもちろん、武器輸送等にも適さないのです。とミサカは残念に思います」

とあっと言う間に否定された。しかし美琴はさらに言う。

「じゃあ近接戦闘は? 私の電撃を打ち消せる位だから反射神経はいいわよ?」
それに対しても9982号は否定する。

「それも難しいでしょう。武器を持たない上条さんは天使に対抗する術がありません。とミサカは……」

「なぁ、9982号。 武器があればいいのか?」

9982号に対して上条はそういった。

262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 02:03:22.68 ID:PmP/gwmDO

「ええ、もちろんです。とミサカは貴方に同意します」

「あそこにある拳銃ならもてるんだけどあれは本物じゃねえのか?」

上条はそういって棚の上の銃を指差した。

「いえ、本物ですよ? 触ってみてください」

棚のそばにいた9984号は拳銃をとり、上条に渡した。今度は土に戻らずにそのままである。

「……なぜでしょうか? とミサカは疑問に思います」

妹達の1人がそう呟いた。

「おそらく、元からこの世界にある物は消せないのでしょう。とミサカは結論付けます」

9982号はそう言った。それに続いて9984号が言う。

「9982号とここを見つけた時にあったのは、クナイと貴方に渡した拳銃、私のハルバートと……」

日本刀みたいなのを持った妹達を指差す。

「その長ドスと……」

そしてナイフを2本取りだす。

「このナイフですか……これは貴方が持ってください」

と上条にナイフを手渡した。

263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 02:05:09.62 ID:PmP/gwmDO
ませんよ!」

「み、ミサカの長ドスも渡しません!とミサカは貴方からこれを死守します」

「いやいや、上条さんはこれだけで充分ですよ?」

武器を大切そうに抱き抱える妹達に対して上条はそういう。

「声の大きさを落とせ。外まで声が届いているぞ、上条当麻。……僕が最後かい?」

扉からステイルが入ってくるなり上条に対してそういった。

「そうですね、ではミーティングを開始します。とミサカは開会宣言をします」

9982号が発言するとカーテンが閉められ辺りが暗くなる。校長席の後ろにはスクリーンが出てきて、そこに『死んだ世界戦線』のシンボルマークが映し出された。

264 :何やってんだろ俺……コピーミス :2011/07/24(日) 02:06:49.95 ID:PmP/gwmDO
>>263
間違いです。


「これはお前が使ってたんじゃないのか?」

上条は9984号に問いかける。

「もちろんです。ただしこのハルバートは絶対に渡しませんよ!」

「み、ミサカの長ドスも渡しません!とミサカは貴方からこれを死守します」

「いやいや、上条さんはこれだけで充分ですよ?」

武器を大切そうに抱き抱える妹達に対して上条はそういう。

「声の大きさを落とせ。外まで声が届いているぞ、上条当麻。……僕が最後かい?」

扉からステイルが入ってくるなり上条に対してそういった。

「そうですね、ではミーティングを開始します。とミサカは開会宣言をします」

9982号が発言するとカーテンが閉められ辺りが暗くなる。校長席の後ろにはスクリーンが出てきて、そこに『死んだ世界戦線』のシンボルマークが映し出された。

265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/24(日) 02:07:38.62 ID:PmP/gwmDO

「お姉様、上条さん、ステイルさん、まずはこの『死んだ世界戦線』に入ってくれてありがとうございます。とミサカは始めに挨拶から始めます」

「これからオペレーションをしますが無理はしないでください。と初任務のあなた方を心配します」

そういった後、いつの間にか白いベレー帽を被った9982号は校長席にあるパソコンのキーを叩く。

「今回は『オペレーション・トルネード』とします」

「と、トルネード?」

上条は頭のなかで周囲のものを吸い込み、巻き上げる竜巻を思い浮かべた。内容はまだわからないが、凄そうである。

「それはどういった内容だい?」

ステイルが電子タバコをふかしながらそう聞いた。

「それは……」

「「それは?」」

上条と美琴は同時に呟いた。

「生徒から食券を巻き上げます!とミサカは握りこぶしを作り力説します」

「その巻き上げるかよ!? この武器と人数でそんなことすんのかよ? いじめじゃねえか!」

上条が即座に突っ込みを入れた。

「だめよ! 人から物を奪うなんて絶対にダメ!」

美琴からも否定される。

「上条さん、お姉様、しかしですね……」

「しかしも何もないわよ!絶対にだめよ!」

「そうですか……残念です。とミサカはしょんぼりします。しかし、ミサカ達は数や力で一般生徒を脅かしたりしません。これだけは信じてください。とミサカは懇願します」

そういって妹達は美琴の方を見る。

「……わかったわ。信じてあげる」

「ありがとうございます、お姉様。とミサカは頭を下げます」

9982号はそういって頭を下げる。

266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/24(日) 02:08:26.16 ID:PmP/gwmDO

「……ではどうしましょうか? とミサカは作戦が中止になりガッカリしたのを隠しながら問いかけます」

「隠れてないわよ、それ……」

「……では『オペレーション・モンスターストリーム』はどうでしょうか?」

9984号がそういったとたん、妹達にざわめきが起こる。

「あ、あれをやるのですか「最悪です。とミサ「あれはトラウマで「反対です!とミサカは「しかしこの前は「静かにしなさい!!」……」」」」

9984号が一喝すると妹達は静かになる。

「あの時の失敗の理由はわかったではないですか! 今がリベンジの時です!」

「な、なぁステイル。まさかあれじゃないよな?」

上条は昨日の化物いのしし事を思いだしステイルに耳打ちした。

「……それはないだろう。君の話が本当ならあの時のいのししはいないはずだろう?」

「ここは死んだ後の世界だぞ? 俺達が復活するならあれが生き返っても不思議じゃないんじゃ……」

「……確かに」

ステイルが少し顔をひきつらせて答える。

267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/24(日) 02:08:53.30 ID:PmP/gwmDO

「な、なぁ……森にいってでかいいのししでも狩るのか?」

「? そんなことはしませんが?」

上条の問いかけに9984号は首をかしげた。

「じゃ、じゃあこの世界には化物がほかにもいるのか?」

「? ええ、川の主です。とミサカは答えます」

「川の主?」

上条は恐る恐る聞き返す。

「少し歩いたところに川があるのでそこで食料の調達をします。とミサカは作戦の概要を説明します」

「ねぇ、それってもしかして……」

「単なる川釣りではないのかい?」

「その通りですが、それがなにか?」

「……俺のドキドキを返してくれ」

上条はそういって頭をたれた。

268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/24(日) 02:09:25.93 ID:PmP/gwmDO

「では今日は『オペレーション・モンスターストリーム』をしましょう。とミサカは結論をだします」

「わかりました。では上条さん、釣り道具を取りにいくのでついてきてください」

「おう、わかった。また後でな、みんな」

「ステイルさんはその他の物を準備するのでこちらに来てください。とミサカは招き寄せます」

「了解」

「ミサカ達はお姉様と先に行ってます。とミサカはお姉様の手を取り歩きだします」

「ま、待って? 私も釣り道具を運ぶの手伝うわよ?」

「わかりました。では皆でさっさと運びましょう。とミサカは釣り道具の隠し場所に向かいます」

オペレーションが決まったら皆一気に自分の役割を見つけて動き出した。

やがて皆いなくなり、ただ1人、9982号が残った。

「さて、皆準備を始めましたか……。とミサカは指示を出す前に動かれて少ししょんぼりします。しかし……」

9982号はベレー帽をかぶり直しながら呟く。

「モンスター……川の主とは一体何なのでしょうか? とミサカは首をかしげます」

そういいながら彼女はノートを捲る。

そこには

危険! 川の主が出現したら即離脱すること!

と目立つように書かれていた。

269 :1です [sage]:2011/07/24(日) 02:12:00.24 ID:PmP/gwmDO

以上、今できている分でした。

多分今日の夜にまた投下します。

ではまたノシ。
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/24(日) 20:54:17.86 ID:8uucSDCAO
また、深夜かな
271 :1です。 [saga]:2011/07/25(月) 04:16:58.94 ID:Q9S+ArUDO

どうも、完全にね落ちしていた1です。

本当に今回はすいませんでした。

言い訳コーナー

夕方に少しうとうとしてたので少し横になった瞬間に寝て、今起きました。

一瞬で真っ暗になったので、少しの間何が起きたか理解できませんでした。


まぁ、言い訳はさておき、投下します。
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/25(月) 04:17:27.00 ID:Q9S+ArUDO

【天上学園〜河原へと続く道〜】

「ところで何でさっきは反対したやつらがいたんだ? 上条さん的にはただの釣りとしか思えないのですが……」

上条はリヤカーを引きながら9984号に問いかける。

「そうですね……確かにあれは地獄でしたから……」

そういって彼女は何かを思い出すように遠い目をする。

「な、何? 川の主ってそんなにやばいの?」

今度は美琴が妹達に問いかけた。

「いえ、見たこともないですね。とミサカはお姉様の問いかけに答えます」

「地獄だったのは魚が目の前にたくさんいるのに魚が釣れるどころかあたりもなく、1日ずっとただ釣糸を垂らしていたことです。とミサカはあの絶望を思い出します」

「た、確かにある意味地獄ね……」

あまりに予想外の言葉に美琴は苦笑いを浮かべた。

273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/25(月) 04:17:53.10 ID:Q9S+ArUDO

「でも何で釣れなかったんだ? 魚がいるなら少し位釣れてもいいんじゃないか?」

「………エサをつけるのを知らなかったんです」

「それは絶対釣れないわね……」

「何で知らないんだよ?」

「そんな情報、学習装置のデータにはありませんでした。とミサカは学園都市を思い出します」

「今回はルアーも生き餌も準備は万端です!多分釣れるでしょう」

そういって9984号は握りこぶしを作った。

「そうだな。おっ、川が見えてきたな。あそこにするか?」

「そうですね。では準備をしておきましょう」

河原に着くと上条と美琴、妹達はリヤカーから荷物を降ろして準備を始めるのだった。

274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/25(月) 04:18:38.05 ID:Q9S+ArUDO

【天上学園〜河原〜】

「さて、先に始めましょうか」

リヤカーの物を降ろして皆の釣竿の準備を終えたのを確認した9984号が言った。それを聞いた上条は釣り針に餌であるミミズをつけ始めた。

「……皆さん、なぜ私を見るのですか?」

目の前には同じ顔がずらりと並んでいる。慣れてきたとはいえさすがに気になる。

「皆、餌の付け方がわからないのです。とミサカは答えます」

「そ、そうか。これをこうして……こうするんだ」

上条は美琴達の前で実演する。

「すいませんがこちらは見づらかったのでもう一度お願いします。とミサカは貴方にお願いします」

「そうか、じゃあその竿を貸してくれ。………こうするんだ」

「ありがとうございます。とミサカはお礼を言います」

そういってそのミサカは嬉しそうに川に向かって歩いて行った。

「ちょ、ちょっとアンタ」

今度は美琴が話しかけてくる。

「なんだ美琴、お前も付け方がわからないのか?」

「そうじゃないわよ! ……私、昔からちょっぴり虫が苦手でね。えっと……それつけてくれないかなーって思ってね?」

それを聞いた妹達が一斉にこちらを見る。

275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/25(月) 04:19:58.93 ID:Q9S+ArUDO

妹達が手に餌であるミミズを持ち、一斉にこちらに来た。

「お姉様、ミサカがつけます! とミサカはお姉様に近付きます」

そういって一人のミサカは美琴の前に来た。

「いえ、ミサカがつけます!」

そういって一人のミサカは美琴の後ろに来た。

それからもどんどん増えてついに美琴は妹達に囲まれた。

「あ、あはは……」

美琴はひきつった顔で力なく笑った。周りには何匹ものミミズがいる。そのために逃げることも出来ないのだ。

「人気者だな、美琴」

「そんなこと言わないで助けなさいよ!」

「はいはい。ほらミサカ達、美琴には俺が餌をつけるからお前らは楽しんでこいよ」

「……仕方がないですね。とミサカは恨みながら貴方に任せます」

そういってミサカ達は元の場所に戻っていくのだった。

276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/25(月) 04:20:49.06 ID:Q9S+ArUDO

「ま、また釣れました!とミサカは歓喜の声をあげます」

「こちらもです!とミサカは楽しさを隠さずに言います」

全員合流し、皆で釣りを始めたあと、すぐにミサカ達から喜びの声が聞こえた。

「……釣りたては旨いな」

ステイルは釣れた魚を串に刺し、焼いて食べている。

「……うらやましいです。とミサカは涎を堪えて 「一緒に焼くから持ってくるといいよ」……いいのですか? とミサカは急いでそちらに魚を持っていきます」

「……魚がおいしいです。とミサカは感想を言います」

「………焼きすぎてコゲが苦いです……とミサカは……グスッ 「こっちのをあげるから泣くな、全く……」 ……ありがとうございますステイルさん」

「確かにおいしいわね。ありがとうございます、ステイルさん」

「礼を言われるほどのことではないよ。ところで上条当麻にこれを持っていってくれ」

「……いいんですか?」

「あいつは不幸体質らしいからね。僕があげないと食べれないだろう?」

「………そうですね」

皆、楽しんでいるようだ。

一方、上条はというと……

「ま、また釣れた……不幸体質の俺が!」

いつもの不幸体質が嘘のように釣ることが出来ていた。

「う、うそ……」

焼けた魚を持ってきた美琴が呟く。

「うそじゃないですよ美琴さん。不幸体質の上条さんもやるときはやるのですよ!」

上条は嬉しそう笑ってそういった。

上条もまた、楽しんでいるようだ。

277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/25(月) 04:21:47.78 ID:Q9S+ArUDO

「ねぇ、なんか引っ掛かったみたいなんだけど……」

上条は、近くでまた釣り始めた美琴から声をかけられた。彼は美琴の竿を受け取りそれを引いてみる。

「少し引いてるから魚か? それにしては動かないな……」

そういって上条がおもいっきり引っ張ってみる。すると先程までとは全く違うレベルの力で、体ごと川に引っ張り込まれそうになる。

慌てて上条は踏ん張るが、それでも川の方に引き摺られていく。

「と、とうまっ?」

美琴は上条の体に腕を回して一緒に踏ん張るがそれでもどんどん引き摺られ、川に近づく。

川の方を見ると、釣糸の先の方から霧が発生し、水は渦を巻いている。

「いけない! 助けなければ!」

9984号がそういって走り出す。それに続いて妹達は上条や美琴の体に腕を回して一緒に踏ん張るがそれでも引き摺られ、とうとう足が川に浸かり始めた。

「………まさかこれが『モンスターストリーム』? とミサカは銃を取り出します」

9982号は銃を取り出し何かに狙いをつけた。

ダァン

銃声が響き、一発の銃弾が上条の持つ竿を撃ち抜いた。

「全員即時撤退準備! 武器を持つものは霧の中心点を狙え! 動きがあり次第発砲せよ!とミサカは……撃て!!」

上条達が慌てて川から上がったと同時に背後の水が盛り上がり、巨大な魚が顔を出した。

「のわぁっ!」「きゃあ!」

一番前にいた上条と美琴だったが、ギリギリではあるがなんとかかわしきれた。

辺りは銃声に包まれ、川の主に何発も着弾したが、全く効いておらず、川の主は悠々と川の中に戻っていった。その後、辺りの霧は徐々にきえていった。

278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/25(月) 04:22:16.63 ID:Q9S+ArUDO

【天上学園〜帰り道〜】

あのあと上条達はすぐに帰り支度を整え、学園に向けて出発した。

「………失敗ですね。とミサカは肩を落とします」

リヤカーを引いている上条の横で9982号は呟いた。

「ん?何で失敗なんだ?」

「上条さんやお姉様を危険な目にあわせてしまいました。とミサカは後悔します」

「うーん。上条さん的には大成功だと思うのですが……みんな釣れたし、魚も旨かった。言うことねえじゃないか?」

「しかし 「お前は楽しくなかったのか?」 ……楽しかったです。とミサカは結論をだします」

それを聞いた上条はニカリと笑い、

「じゃあ成功じゃねえか。よかったな、リーダー。あの時はかっこよかったぜ?」

「……ありがとうございます、上条さん。とミサカはお礼を言います」

そういって9982号はやさしく微笑む。

河原から学園にむかう道のりは、前回の『オペレーション・モンスターストリーム』とは違い、皆が笑いながら帰っていくのだった。


第6話 完
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/25(月) 04:23:57.53 ID:Q9S+ArUDO

以上です。

この話はどうだったでしょうか?

反省としては書いたものを一回、全て消してしまったことですね。バックアップはほんとうに大切です。


さて、恒例(?)の次次回アンケートです。

今回もやはり作戦名を決めてください。

1 オペレーション・トルネード!

2 オペレーション・モンスターストリームリベンジ!

さて、どちらにしますか?

同一IDは1票扱い、同数の場合は先にその票数に到達した方とします。

時間は今日の24時まででよろしくお願いします。

最後に……

今回は遅くなり本当にすいませんでした。

280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 05:51:24.43 ID:Q9S+ArUDO
ついでに今後は

A いつもどおり1話全てが出来てから投下

B きりのいいところまで出来てから投下

どちらがいいのでしょうか……それも答えてくれると嬉しいです。
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/07/25(月) 07:07:37.55 ID:1CMEmxhn0
乙です。

アンケートは1のBでお願いしたい。
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/07/25(月) 07:25:21.48 ID:qpXNA8+AO


1のAでよろしく
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 07:39:03.45 ID:xe0H4PNI0

一気に読みたいんで 2のAで
リベンジリベンジ!
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 07:57:31.00 ID:o9cdZaUS0


1のAかな
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/07/25(月) 09:29:27.69 ID:JSd5lkZt0

1‐A
ミサデモに期待

>>1が来るまで録画した(AB!の)再放送見てよ
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 13:06:04.69 ID:QENX/dyno
1-Bがいいだす
287 :結果発表 [sage]:2011/07/26(火) 00:10:51.04 ID:tJuCpjTDO

こんばんは、1です。

今回の結果発表も前回のようなものにするか迷いましたが、普通に結果発表のみとしました。

前回と今回の結果発表をくらべたらどちらがいいのかな……とか思っています。

アンケート結果は1ーA。やはり1話まとめた方がいい、という人が多いのでそうさせていただきます。

『オペレーション・トルネード』がやっと発動します。長かった……。

天使の能力については各種考察がありますが、その話終了後にまとめて説明させていただきます。

ではまた1週間以内にきます。m(__)m


PS 酉はつけた方がいいのかな……でもつけかたが分からないのです。
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/26(火) 08:42:09.59 ID:/68RIvieo
わたしまーつーわ
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/26(火) 16:55:39.79 ID:cX8OkZQG0
>>287
名前欄に"#"(#は半角)を入力し、続けて好きな文字列(パスワード)を入力する

その際文字列(パスワード)は、半角で8文字、全角で4文字まで(「#abcあいd」のように半角と全角を混ぜることももちろん出来る)

"#"はShiftキーを押しながらキーボードの3を押せば出すことができる(間違ってもテンキーではないし、"♯"でも"井"でもない)



これでできるはず
290 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/07/26(火) 18:20:15.07 ID:tJuCpjTDO
>>289
ありがとうございます。

これで出来たかな?

では失礼します。
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/27(水) 21:09:50.31 ID:MnIzhr+ro
+
+
   ∧_∧  +
   (0゜・∀・) ワクワク
  oノ∧つ⊂)     +
  ( (0゜・∀・) テカテカ
  ∪(0゜∪ ∪+
    と__)__) +
292 : ◆epRap4Mug. :2011/07/28(木) 09:01:56.63 ID:r8IONFlDO

どうも、1です。
今から投下しますが、久しぶりに注意書を
【鬱展開注意】
【原作からかなり離れます】
それでも宜しければ御覧ください。

では、始めます。

293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/28(木) 09:02:26.24 ID:r8IONFlDO

【学園都市〜常盤台中学学生寮208号室〜】

8月25日 未明

(なぜこんなことに……)

白井黒子は眠れないでいた。理由ははっきりとしている。御坂美琴の死が原因である。

彼女の死が白井に伝えられたのは22日の朝、常盤台中学の臨時朝礼での事であった。

17学区操車場での『事故死』。それ以外は何もわからないとの事である。

その後も校長の話が続いたが白井の耳には届かなかった。

白井はその時は泣かなかった。

それどころか皆の前での彼女はいつも通りであった。

いつもの様に『風紀委員』として活動していた。

そしてその活動の合間を使い、操車場の事故について調べていた。

しかし、そこには監視カメラがあるにもかかわらず、事故の映像がなくなっていた。

(どういう事ですの?)

御坂美琴の死因について調べても、ただの事故死としてしか書かれていない。

まるで誰も調べていないような印象を受ける。

(まさかお姉様が……?)

御坂美琴はハッキングも出来た。彼女なら簡単に書き換えれるかも知れない。

(……ありえませんわね)

自分が死んだ事にする意味がない。それにここには収容された病院も載っている。それではすぐに判明するだろう。

「あっ……」

ある一文を見たときに白井は声を漏らした。

そこには『理事会の決定により捜査終了』の文字が書いてあった。

294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/28(木) 09:02:52.71 ID:r8IONFlDO

やがて時刻は最終下校時刻を過ぎ、白井もしかたなく自分の部屋に戻ってきた。

部屋の鍵を開けようとするが、鍵はすでにあいていた。

(おかしいですわね? 確かに閉めたはず……まさかお姉様?)

「お姉様っ!」

ないとわかっていながらも淡い期待とともに部屋に飛び込んだ白井を待っていたのは、

整理されている御坂美琴の荷物とその作業をしていた寮監であった。

「な、なにをしてますの……」

「すまないな、白井。御坂の荷物整理のために入らせてもらったよ」

「に、荷物……せい……り? お、お姉様……の?」

「明日、親御さんが荷物を取りに来るそうだ……白井?」

御坂美琴の死を完全に受け入れられずにいた白井は、整理され箱に詰められた荷物を見て始めて彼女が帰って来ないことを完全に悟った。

そして、精神的に限界に達した彼女は、意識を失いその場に倒れた。

その後、入院した白井は現実を拒絶するかの様に眠り続け、次に目覚めたのは24日の昼になってからである。

「白井、あまり無理はするなよ」

「わかりましたの……」

寮監の言葉に、彼女は力なくそう答えるとおぼつかない足取りで自らの部屋に入っていった。

295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/28(木) 09:03:19.33 ID:r8IONFlDO

部屋の中にはすでに御坂美琴の痕跡すらなくなっていた。

ただ、机の上の花だけが彼女がいて、そして死んだことを物語っていた。

「お…ねえ………さま……」

白井は呟く。

その呼び掛けに答えるものはいない。

なぜなら、彼女が呼び掛けた相手はもはや存在しないのだから……

彼女の目からついに一筋の涙がこぼれた。

たった3ヶ月半の付き合いだった。

ただ、様々な出来事があった。

銀行強盗を協力して逮捕した。

虚空爆破事件を解決した。

幻想御手事件では大変な目にあった。

ポルターガイスト事件でも彼女がいなければ解決できなかっただろう。

普段はたわいのないことで一緒に笑い、口論し、ケンカもした。

毎日が楽しかった。

それがずっと続くと思っていた。

しかし、もう彼女はいないのだ。

もう永遠に話すことも出来ない。

口論し、ケンカすることも、会うことすら出来ないのだ。

白井の目から涙がとめどなく溢れる。

御坂美琴がいない。

それが悲しくて

その事実が重く、つらくて

その喪失感が苦しくて

白井は自分のベッドの上で1日中ずっと泣いていた。

296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/28(木) 09:03:59.60 ID:r8IONFlDO

(なぜこんなことに……)

白井は、彼女が死ぬ前になにかに悩んでいたのを知っていた。

いつか相談してくれると思っていた。

しかし、彼女は話さずに逝ってしまった

「わたくしは一体、どうすればよかったんですの?」

彼女のベッドを見ながら呟いた。

すると、ベッドの下に何かあるのを見つけた。

彼女が大事にしていた熊のぬいぐるみであった。

「寮監もうっかりすることが……?」

それをベッドの下から出した白井は、そのぬいぐるみから数枚の紙が覗いているのを見つける。

「な、なんですの? これ……」

白井は呟く。そこには信じられない事が書かれていた。

量産能力者計画

絶対能力進化計画

そして、そこにははっきりと御坂美琴の名前が載っていた。

「……何があったのですか、お姉様」

ふと彼女の問いかけを思い出す。

自分が学園都市の敵になったらどうするか

わたくしがお姉様を捕まえて、止めてみせる

そう白井は答えた。

今になってその問い掛けの意味がわかった。

このレポートをみる限り、彼女はこの計画止めようとしている。そして、それは学園都市の敵になることだったのだろう。

そして、彼女はおそらく消されたのだ。

よりにもよって学園都市の手によって。

だから『事故死』以外はわからないまま、理事会は捜査を止めさせたのだろう。

白井はそう結論づけた。

297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/28(木) 09:04:32.82 ID:r8IONFlDO

「許せませんの……この実験の計画者も、お姉様を殺した人間も、それを隠す学園都市も!」

彼女の心は怒りに満たされた。

白井は制服に着替え、自らの武器である鉄矢を取り出す。

「まずは研究員から……絶対に許せませんの……八つ裂きにしてやりますわ!」

空間移動をしようとした瞬間、携帯電話が着信を知らせる。

「誰ですの? こんな夜中に……」

着信者は初春飾利である。

「もしも 「白井さん、すいません! 今すぐに支部まで来てください!」」

初春は悲痛な声でそう叫ぶとすぐに切れてしまった。

「一体なにが……」

そう呟いた白井は、急いで支部に向けて空間移動を開始した。



「初春っ! 一体なにが……」

支部についた白井は言葉につまる。

そこには初春だけでなく、佐天や固法もいたからだ。

298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/28(木) 09:05:03.95 ID:r8IONFlDO

「まずは貴女に謝っておくわ。ごめんなさいね、白井さん」

「一体何を……」

白井は意味がわからなかった。

深夜にいきなり呼び出され、さらには謝られる。

しかし、固法は話し続ける。

「貴女には今、盗聴機がついてるの。本当にごめんなさい」

「と、盗聴機? 一体なぜですの?」

「白井さんが心配だったからですよ!」

佐天がいきなり叫ぶと白井に近づいていく。

「御坂さんが亡くなってから、白井さんの様子がおかしいから……もし、自殺でもしたらどうしようって思って……」

佐天が涙を流しながら白井を睨み付けて近づく。

「でも、許せないとか研究員を八つ裂きにするとか聞こえたので慌てて来てもらったんです。一体なにがあったんですか?」

「……言えませんの」

白井は目をそらして答えない。それに対して佐天はいう。

「……少し前に御坂さんにいった言葉ですが、今の白井さんにも言います。……白井さん、あなたの目には今、何がみえていますか?」

その言葉に白井は周囲を見渡す。皆、心配そうな顔で自分を見ている。

299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/28(木) 09:05:34.93 ID:r8IONFlDO

しかし、白井は皆を自分の復讐に巻き込みたくはなかった。

「……それでも言えませんの!」

「白井さん!」

突然、初春が飛び付いてきた。

「う、初春何を……」

初春は白井の胸に飛び付いて泣いていた。

「白井さん……だめですよ……絶対にだめです……」

「し、しかし……」

「私達は『風紀委員』です……私達が犯罪に走ったら誰が皆を守るんですか?」

白井ははっとする。お姉様の復讐にとらわれて、自分の立場を忘れていたのだ。

「……そうでしたわね、わたくしは『風紀委員』でした。忘れていましたわ、初春」

そういって初春を抱き返す。

「そうですよ! 私達は『風紀委員』です。もう忘れな「『眠れ』」………」

「……う、初春?」

誰かが一言声を発した。

それだけで白井以外の皆が地に伏せ、眠っている。

「だ、誰ですの?」

白井は辺りを見渡した。しかし、そこには誰もいない。

「貴様に問おう。私達と共に来る気はないか? 白井黒子」

またどこかから声がする。

(一体どこから……)

白井は考える。声は近くから聞こえる。しかし場所がわからないままなのだ。

「ふざけないでくれますの? 顔も見せない相手に答える言葉はありませんの!」

300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/28(木) 09:06:00.67 ID:r8IONFlDO

「『こちらを見ろ』」

視線が勝手にそちらに向かう。

そこには長い針を持った長身で緑色の髪をした男がいた。

「い、いつの間に……」

瞬間的に鉄矢を構えて彼に空間移動させた。

それは彼の肩に命中する。

「ぐっ……『我以外の能力使用を禁ずる』」

「何をバカなことを……」

首に針を刺しながらいう男に対して、白井は続けざまに鉄矢を送ろうとした。が、できなかった。

「な、なぜですの?」

白井は狼狽した。自分の最大の武器である『空間移動』ができないのだ。

「再度問おう。我らと共に来い。そうすれば貴様の復讐も手伝ってやる」

その男はこちらに冷たくそういい放つ。

「……復讐を手伝う? 貴方犯人を知っていますの?」

「当然。私達が知らぬことはない」

「……」

白井は考える。お姉様の殺した犯人を知っているものが目の前にいる。
彼と共に行けば確実に復讐することが出来る。
しかも彼らは手伝うといっているのだ。
正直、白井にはかなり魅力的に感じた。

301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/28(木) 09:06:29.46 ID:r8IONFlDO

ふと先程の皆の顔を思い出す。

『私達は『風紀委員』です……私達が犯罪に走ったら誰が皆を守るんですか?』
初春の言葉を思い出す。

(……そうですわね、初春)

白井は男を睨み付ける。

「大変魅力的な提案ですわね……ですがお断りしますの!」

しん、と静まり返る支部内。僅かに少女達の寝息のみが聞こえる。

「わたくしは『風紀委員』。治安を守るものですの!」

白井は続けざまに話す。

「わたくしはお姉様を殺した犯人を捕まえて必ず法によってさばいて見せますわ! 例えそれが学園都市そのものであってもですの!」

また静寂が拡がる。

「考えを改める気はないか?」

男は静かにそういった。

「死んでもお断りしますの!」

白井は男を睨み付ける。

男はため息をつきながら呟いた。

「そうか……ならば……」

そしてまた針を首に刺す。


『[ピーーー]』



彼の言葉を聞いた瞬間、白井の心臓の鼓動が消えた。

「な………」

言葉にならない声を発しながら彼女はまるで糸の切れた操り人形の様に崩れ落ちた。
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/28(木) 09:07:20.53 ID:r8IONFlDO

【学園都市〜とある研究施設〜】

8月25日 昼頃

「君達、協力ありがとう」

若い研究員に見送られながら固法、佐天、初春の他に十数名の生徒が研究施設から出てきた。

「うーん、やっぱり何も思い出せない。すごいね精神系能力って!」

佐天は笑いながらそう言う。

「そうね佐天さん。私も全然思い出せないわ」

「しかし、いつ実験を協力するなんて言ったんでしょうか?」

「やだなー初春、さっき聞いたじゃん。23日に通知が来て私達はその書類にサインしたんでしょ? ほらこれもあるし」

佐天は一枚の紙を取り出した。

そこには実験の内容が書かれていて、一番下に佐天のサインが書いてあった。

「今回の実験で私達の記憶を数日分消したんでしょ? 本当は1日分だけの予定だったらしいけど……」

「精神系能力者の力が暴走して4〜5日分消えたらしいわね……」

「まぁ、慰謝料としてかなりのお金を貰えましたけどね?」

「そうでしたね佐天さん」

「臨時収入もあったし、パフェでも食べようか? もちろん初春の奢りでね?」

「もーっ、佐天さんったら! 自分の分は自分で出してくださいよ?」

そういいながら彼女達はいつものファミレスに向けて歩き出していた。

303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/28(木) 09:07:48.14 ID:r8IONFlDO

【学園都市〜常盤台中学学生寮208号室〜】

誰もいない部屋にノックの音が響き、扉が開く。

「やはりうるさいのがいなくなると寂しいな……」

部屋に入ってきた寮監が呟いた。

「まさかあの白井が退院と同時に実家に帰ることになるとは思わなかったよ……」

部屋を見回すが、そこにはもはや何もなかった。

「この部屋も来年までは空き部屋か……」

寮監は戸締まりを確認して扉を閉めた。

「……おかしいな……」

鍵を掛けようとするが、上手く鍵穴に入らない。

震える鍵を両手で持ち、ようやく鍵を閉めた。

「………じゃあな御坂」

そういった寮監は涙を流してその場を去っていった。

部屋に残されたのは花をいれていた花瓶のみ、ただそれだけが存在を主張していた。

304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/28(木) 09:08:14.68 ID:r8IONFlDO

【学園都市〜窓のないビル内】

「おかえり、上手く言ったかい?」

「当然。私を誰だと思っている」

薄暗い中、誰かの声が響く。

そこには2人の人間がいた。

一人は昨日、白井と対峙していた人物である。

そしてもう一人は、男にも女にも子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見え、生命維持槽内に逆さまに浮かんでいる。

「……いいかげんその口調とその姿をやめろ。魔術側に正体をつかまれるぞ?」

「……わかっている。『変化せよ』……これでいいかい?」

突然、一人の男は姿と声が変わる。緑色の髪から長い金髪に、若者から中年に、そして髭を生やした姿へと変わっていた。

「名前も変えるべきだろう。……そうだな、フォン=ホーエンハイムと名乗るがいい」

「……パラケルススか、私には似合っているな」

「身体能力は聖人以上にしておけ。あと、今後は私の許可なく『黄金錬成』の使用はするな」

「なぜだい、アレイスター」

「まだ私達の計画を知られてはいけない。私のためにも、そしてあの少女のためにもね?」

「……ああ、わかっているさ」

「さて、次はその少年に会い、ここにつれてきてくれ」

「……この少年は?」

「一方通行という少年だ……念のために最初から『黄金錬成』を使え。しかし油断はするな、殺されるぞ?」

「……強いのかい?」

「君なら大丈夫だよ?」

「わかった」

そういうなり針を取り出して首に刺した男は、『移動せよ』というなり、その姿があっという間に消えた。

「……ふむ、『幻想殺し』は失ったが駒はそろいつつある、か」

アレイスターと呼ばれた男が呟く。

「やはり『幻想殺し』がいないのはつらい、か? しかし、もはや止まるわけにはいかないのだよ」

そういった彼はあるモニターを見た。

「一方通行にアルレオルス……彼らには今よりはるかに成長してもらわねばなるまい。私のために……ね」

誰もいない部屋に声が響く。

その声は誰にも聞かれることなく闇にとけ、消えていった。

第7話 完
305 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/07/28(木) 09:09:22.27 ID:r8IONFlDO

以上です。

学園都市側に大きく変化がありました。

黄金錬成の彼が参戦。アレイスターと共闘します。ホーエンハイム……ハガレンではないですよ?

学園都市側はどんどん原作とは違う道にいきはじめます。

アレイスターの計画

これが何を意味するかは今後明らかになります。

さて、恒例(?)の次次回アンケートです。

一方通行はとある理由である場所に行くことになります。

そこでは一方通行が今まで見たことのないものが待っています。

さて、そこに行くにあたり、ある人物を共に行かせようと思います。それは……

1 禁書目録

2 ホーエンハイム

さて、どちらですか?

同一IDは1票扱い。同数決着の場合は先にその票数に到達した方を選択します。

期間は明日の24時までとします。

ではまた次回。
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/28(木) 09:51:15.53 ID:iV0lEj3do
1
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/28(木) 10:07:09.69 ID:fGjnK94To
1

メル欄に「saga」って入れると[ピーーー]を回避できるよ
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/28(木) 10:15:09.94 ID:r8IONFlDO
>>307
すっかり忘れてました。

一番大事な所で………

すいませんでした。
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/28(木) 10:33:30.70 ID:8Rvv2u900


幸か不幸か、どちらに転ぼうとも
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/28(木) 10:43:39.35 ID:5Gc01PoU0
1
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/07/28(木) 11:09:22.11 ID:obl7IQAAO
1で

今の一方通行に対して何か出来るかなぁ
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/07/28(木) 17:50:34.99 ID:2TV73mcno
1
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/07/28(木) 18:27:06.80 ID:ED2AnrVTo
1
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/07/28(木) 18:40:16.12 ID:7UQSJdq0o
1
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/07/28(木) 21:09:18.82 ID:tB1nuxgn0
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/29(金) 17:00:37.21 ID:jnzkFSIAO
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/29(金) 17:02:03.01 ID:jnzkFSIAO
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/29(金) 23:37:44.96 ID:JL1XGdRE0
空気的に1で
319 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/07/30(土) 01:39:14.26 ID:RB7O2X6DO

どうも1です。

なんか最近ミス続きで落ち込んでます。

saga忘れとかありえないよ……

明日の24時って長いよ……

気を取り直して、今回のアンケート結果は圧倒的、完全試合の1。さすがメインヒロイン!アウレオルスさんとは違います。

……また誤字があった。だめだめですね……。

ちなみに>>200で2を選ぶと『暗部(案内人のみ)+一方通行に復讐ルート』でした。

流れとして……
アウレオルスに会い、仲間になることを承諾

アレイスターに会う。統括理事長と知り、黒子怒る。

アレイスター研究員(天井)と統括理事の暴走と弁明、クローンの保護と延命処置を約束→怒りを抑えて承認

黒子、一方通行が犯人と知るが今倒すのは絶対に無理と言われ、黒子がまた怒る。→能力の向上補助を約束、一方通行に隙を作るから絶対に待つように説得。→黒子しぶしぶ了承。

それまでは協力体制となる。→案内人となる。(一方通行には接触させないようにする)

といった流れになりました。その後は自分の中の正義との葛藤、そして友人との離別等彼女はかなり悲惨な状態になるはずでした。

最終的に彼女の望みが果たされるかはわかりませんが、その望みの達成すら彼女には悲劇になったでしょう。

今、彼女が退場したのは案外良かったのかもしれませんね。

ではまた来週位には来ます。

PS ホーエンハイムにはかなり批判が来ると思っていました。少しほっとしています。
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/07/30(土) 08:31:32.39 ID:SM2y4/3z0
黒子もSSSに入るのか
そして初春達の記憶を消したのはあの人(常盤台生)かな?
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/08/01(月) 01:18:27.59 ID:6Jde8JXAO
果たしてこれは木原生存ルートかそれとも死亡ルートなのだろうか…
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/04(木) 16:41:39.79 ID:qqlVDI10o
+
+
∧_∧  +
   (0゜・∀・) ワクワク
  oノ ∧つ⊂    +
  ( (0゜・∀・) テカテカ
  ∪(0゜∪ ∪ +
    と__)__) +
323 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/08/06(土) 08:24:33.48 ID:Mqj4p/PDO
投下します。
324 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:25:15.75 ID:Mqj4p/PDO

【天上学園〜校庭〜】

ダァン ダァン ダァン

静かな河原に銃声が響く。

「ふぅ……ようやく当たり始めたな」

そういいながら上条は左手で弾を弾倉にこめる。ちなみに銃弾は妹達が作っているので右手で触ると消えてしまう。

「よし、もう一回!」

「……なにやっているんだい、上条当麻?」

後ろから声がする。振り返るとそこにはステイルがいた。

「銃の練習だよ。俺はお前らの様な能力は持ってないしな」

「……君の右手の方が凄い力だと僕は思うけどね」

ステイルは電子タバコを吹かしながらそう言った。

「そうか?」

上条は右手を見ながらそう答えた。


「そうだとも。『歩く教会』を一撃で破壊し、『竜王の殺息』に耐えられるんだ。僕にはとうてい考えられない力だよ」

「そうなのかな?」

上条は右手を握ったり拡げたりしながら答える。

「もしかしたら死んだことで新しい力がそなわっているかもしれないね。日本アニメーションの……そうだね、ロケットパンチなんか面白そうだ」

ステイルは黒い笑みを浮かべながらそう言う。しかしながら上条は気づいていないようだ。

325 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:25:45.66 ID:Mqj4p/PDO

「そうかな? よし、試してみるか?」

おだてられて調子に乗った上条は真面目な顔をして土手にかいた的に右手を伸ばすとこう叫んだ。

「ロケットパ――ンチ!!」





辺りはしん、と静まりかえり、ただ僅かに川の水が流れる音だけが聞こえる。もちろん上条の右手はそのままで的にもなんの変化もない。

「…………まさか本当にやるとは……おめでたい頭をしているね、君は」

ステイルも流石に乗ってくるとは思わなかったのだろう。彼はため息まじりにそう呟いた。

「…………まぁ、上条さんもわかってたけどね?」

上条はひきつった笑みを浮かべながらそう答える。すると後ろから笑い声が響いた。

「あっはははははっ!! な、何やってんのよアンタ。ばっかじゃないの?」

「み、御坂さん? いつからそこに?」

そこには腹を抱えて笑う御坂美琴がいた。

「あ、アンタが真面目な顔して「ロケットパーンチ」って言った時よ。あーもうダメ、笑いすぎてお腹が痛いわ!!」

「…………不幸だ」

上条はがっくりと肩を落として地面に突っ伏した。

「ところで君は何をしに来たんだい?」

「こいつと勝負をしに来たんだけど……こいつがこんなんじゃ無理ね」

美琴が指差した方には体育座りをして地面に『の』の字を書く上条がいた。

326 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:26:18.01 ID:Mqj4p/PDO

「お、お姉様! た、助けてください! とミサカは…ミサカはっ!」

天上学園の方からベレー帽を被った妹達の一人、9982号が走ってきた。後ろには何やらツインテールの少女が彼女を追ってきている。

「お待ちになってくださいな、おっねえさま〜〜っ?」

「く、黒子?」

それは白井黒子であった。白井は二人目の御坂美琴を見つけると、その場に立ち止まり二人を見比べる。

「お、お姉様が2人? も、もしや神様がいつも頑張る黒子の為に? うっふっふ……えっへっへっあっはーっ!」

白井は何かブツブツと呟いた後、山賊の様な笑みを浮かべる。

「な、何なのですか? この変態は? とミサカは恐怖を覚えながらお姉様に聞きます」

美琴に隠れた9982号は怯えながらそう美琴に問いかける。

「ここでひいては淑女が、そして白井黒子の名が廃りますの! さあお姉様、一緒に行きましょう! 2人、いえお姉様方とわたくしだけの愛の楽園、アヴァロンへと……」

「誰が行くかっ!」

怒りのためかいつもよりもはるかに強い電撃が白井を襲った。真っ黒子の出来上がりである。

「ひ、ひろいでふの……ほねえさば……」

彼女はそう言い残すと地面に崩れ落ちた。

327 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:26:55.89 ID:Mqj4p/PDO

「……これは生きているのかい?」

「……さあ? とミサカは首を傾げます」

ステイルと9982号は目を合わせた後、同時に肩をすくめる。

「まったく、この子は死んでも直らないのかしら?」

美琴はため息まじりにそう言って頭を抱える。

「…………レズなのか?」

「違いますの! わたくしの愛はお姉様だけのものですわ!」

上条の言葉に体を持ち上げて白井は訂正を求めた。

「……生きているね」

「……生きてますね。とミサカはそれがレズだろ? と心の中で突っ込みをいれます」

ステイルと9982号はまた目を合わせた後、同時に肩をすくめる。


「……隠せてねーぞ、それ」

上条は9982号に対してそう突っ込みをいれていた。
328 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:27:27.71 ID:Mqj4p/PDO

「ところで君はどうして死んだんだい?」

ステイルは電子タバコを吹かしながら白井に問いかける。

「そ、そうよ黒子! アンタ何で死んだ後の世界にいるのよ?」

美琴もそう言って白井を見つめる。

「へっ………………死んだ後の世界? わ、わたくし、死んだんですの?」

白井は予想外の言葉にきょとんとした表情を浮かべた。

「自覚もなし、か……」

ステイルは煙を吐き出しながら呟いた。

「黒子……あんたまさか……」

美琴は悲痛な表情をして白井を見る。その言葉と表情を見て、白井は自分がなぜ死んだかを思い出した。

「ち、違いますの! ええと……ほら、あれですの!」

「あれ、って何だ?」

慌てて否定しようとする白井に対して上条が問いかける。

「ち、小さい子をかばってダンプカーに轢かれましたの!」

あたりは時が止まったかのような静寂に包まれた。

白井が咄嗟にだした言い訳は、空間座標を瞬時に3次元から11次元に特殊変換できる程の脳ミソを持つ『空間移動能力者』とは微塵にも思えない、とても稚拙でベタなものであった。

329 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:28:42.14 ID:Mqj4p/PDO

「……ベタですね。とミサカはあからさまに嘘だと言いたいのを抑えます」

「それに黒子、アンタ『空間移動』の大能力者じゃない……ダンプカーに轢かれた、ってもっとましな嘘を……」

美琴と9982号はあきれた表情で白井を見た。

「ほ、本当ですの! 信じてくださいお姉様!」

白井は涙を浮かべて美琴を見る。

「…………まぁいいわ。ところでアンタ、言いたいことがあるんじゃない?」

美琴はため息まじりにそう言って今度は9982号を見た。しかし彼女は、

「い、いや……レズはちょっと……とミサカは身の危険を感じながら遠回しに否定します」

と美琴から目を逸らしてぼそりと呟いた。

「だ、大丈夫よ。とりあえず今のところは襲われたりはして……な…いし………多分大丈夫だと思いたいわ?」

「全くフォローになってませんよ。とミサカはだんだん自信をなくして最後には疑問形になったお姉様の発言に、やはりレズだと確信をもちます」

「あーっ、もういいわ! 黒子!」

「は、はい? なんですのお姉様?」

何かを吹っ切るかのように美琴は大きな声を出して白井を指差した。

「アンタ、『死んだ世界戦線』に入らない?」

「もちろん入りますわお姉様!」


それは、今までで最速の戦線加入であったという。

また、今までの行動や言動により『白井レズ疑惑』はミサカネットワークにおいて『白井=レズ』となり、天使につぐ要注意人物となっていた。

330 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:29:41.83 ID:Mqj4p/PDO

「……まぁ、お姉様のご友人みたいですし仕方ないですね。とミサカは苦笑いを浮かべます」

9982号はそう言って白井に近づき、右手を差し出す。

「『死んだ世界戦線』にようこそ、私が戦線リーダーの9982号です。とミサカは簡潔に自己紹介をします」

「……リーダーはお姉様ではないのですか?」

「ええ、今のところはミサカが務めております。とミサカは胸を張って答えます」

「そうですか……わたくし、白井黒子と申します。よろしくお願いしますの」

そう言って白井は差し出された手を握り握手をする。

「では手続きがありますのでこちらへ、行きましょうお姉様。とミサカはお姉様が一緒に来てくれることを望みます」

美琴は上条の方をちらりと見た後、ため息をつきながら9982号の方を見た。

「……まぁいいわ。行きましょ」

「あと上条さん、ステイルさん、今日はオペレーションをしたいので12:50に対天使対策本部までお願いします。とミサカは用事を伝えます」

「おう、わかった」

「あちらに行けばいいのですね? では参りますの」

白井は9982号と美琴の手を掴むとヒュンと風を切るような音を残して消えてしまった。


「……ところでステイルはこれから何するんだ?」

「煙草の葉を探すつもりだったが今日は止めておくよ。何があるか分からないしルーンカードを作っておくとしよう」

「……まだ諦めてなかったのか? まぁ今度また手伝ってやるよ」

「それは助かるよ。じゃあまた後でな、上条当麻」

ステイルはそういうと学園の方へと歩き出した。

「さて、上条さんはまた銃の練習でもしますか」

上条はそういうとまた銃の練習に戻ったのだった。

331 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:30:15.84 ID:Mqj4p/PDO

【天上学園〜校長室〜】

ー12:50ー

指定の時間となり、まさにミーティングが開始されようとしていた。皆がリーダーである9982号の指示を待ち、それに答えるかの様に9982号は口を開いた。

「さて、今日のオペレーションについてなのですが「オペレーション・トルネードをしましょう! とミサカは力説します!」」

9982号の話の途中であるミサカが割り込む。皆は一斉にそちらを向いた。

「……9995号ですか、その作戦は昨日お姉様達に否定されたばかりです」

9984号が9995号に釘をさした。しかし、

「ではミサカ達はなんのために練習していたのですか? もしやらないのであればミサカ達は勝手にオペレーションをさせていただきます! とミサカは言い切ります!」

そういった9995号は真剣な目で9982号を睨む。

「……お姉様はどうおもいますか? とミサカはお姉様に決定権を委ねます」

皆の視線が美琴に集まる。美琴は9995号を見てから9982号に問いかける。

「……『死んだ世界戦線』は他の人を傷つけないのよね?」

「もちろんです。とミサカは肯定します」

9982号ははっきりと答えた。

「……いいわ、やりましょ?」

「ありがとうございますお姉様!とミサカは喜びます」

その言葉を聞いた9995号は喜びのあまりに美琴に抱きついていた。

そんななか、9982号は静かに考えていたが、やがて席をたち皆に向かってこう言う。

332 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:31:13.84 ID:Mqj4p/PDO

「では9995号以下『Girls Dead Monster』は準備を、また近接戦闘班は警備場所の確認、後方支援班は会場の準備、情報収集班はその手伝いと噂を流すこと。オペレーション開始は19:00とする。以上、解散! とミサカは指示を出します」

その言葉を聞いた妹達はすぐに校長室から出ていき、後にのこったのは上条、美琴、ステイル、黒子、そして9982号と9984号である。

「なぁ9982号、俺達はどうすんるんだ?」

上条は9982号に向かってそういった。それを聞いた9982号は上条に向かってこういった。

「ああ、そういえばいってませんでしたね。あなた達は『遊撃班』、今日は近接戦闘班についてくださいとミサカは指示を出します」
「わかった。近接戦闘班だな!」

上条はそういうと9984号の方を見る。

「ではお姉様方はこちらに……」

9984号はソファに座り、地図を拡げる。

「それではミーティングを始めます。……とはいっても5人だけですが」

「あれ? そういえば他の子達とは話さなくていいの?」

「ミサカ達にはミサカネットワークがありますのでミーティングは必要ないですから」

「やっぱり便利だなそれ……」

上条は小さく呟いた。

333 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:31:44.47 ID:Mqj4p/PDO

「話は簡単です。あなた方にはペアを組んである場所で待機してもらいます。……そうですね、お姉様と上条さん、ステイルさんとさ白井さんで組んでください」

「嫌ですの! わたくしはお姉様とがいいですわ!」

黒子はその案に反対するのだが、9984号はそちらを向きもせずにこういう。

「これは命令です。貴女はお姉様と一緒にいると先程のように黒焦げになり行動不能になる可能性があります。それに上条さんはレベル0、お姉様といるのが一番いいかと思われます」

「……やっぱり俺は戦力外扱いかよ」

上条はがっくりとうなだれた。

「そして天使に遭遇したらまずは足を狙ってください。銃はこちらです」

9984号は4丁の拳銃をテーブルの上に置く。それを上条を除いた4人が1丁ずつ手に取る。

「……やっぱり重いわね。ねぇ、本当にこれを使わなきゃ駄目なの?」

美琴は不安そうに9984号を見る。

「それはあくまで銃声を出すために渡しました。攻撃自体は能力でも構いませんよ。その銃声を聞いたら皆がそちらに向かいます。また、お姉様達も銃声を聞いたらそこに向かってください」

「なんでですの? 一人では撃退も出来ないほど天使というのは強いんですの?」

「その通りです。しかも銃では足止め程度にしかなりません。おそらくお姉様の電撃も効かないと思います」

9984号は淡々と話していく。

「天使ってどんなやつなんだい?」

「格好はNPCと変わらないのですが、顔には布が巻かれて誰だかわからないようになっています」

「そいつの足止めをすればいいんだな?」

「そうです。あくまで足止めです。場所は……そうですね、お姉様達はここに、ステイルさん達はここに開始時間の10分前には来てください。ではよろしくおねがいします」

9984号は席をたち、扉に向かって歩いていく。扉を開けて出ていく前にピタリと止まり、

「いい忘れてましたが夕食は摂らないでください。ではまた後で……」

そう言い残して校長室を去っていった。

334 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:32:24.58 ID:Mqj4p/PDO

【天上学園〜第二連絡橋〜】

ー18:40ー

(こんな作戦でどうやって食券を平和的に巻き上げるっていうんでせうか?)

上条は考えていた。

今、そこは生徒も通っていない。遠くからは人の声が聞こえる

(……天使ってなんなんだ? 本当に俺達の敵なのか?)

ふいに肩を叩かれる。

「どうかしましたか上条さん?」

振り返ると9984号と怒る美琴がそこにいた。

「駄目ですよ、ちゃんと周りにも気を配らないと……お姉様の怒りが爆発寸前ですよ?」

「す、すまん美琴! ちょっと考えてて……」

「もういいわよ! まったく」

「ではここはお願いします」

そういうと9984号はまた食堂の方へと歩いていった。
335 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:32:52.43 ID:Mqj4p/PDO

「ところで何を考えてたの?」

「ちょっとな……なぁ美琴、お前は何で戦うんだ?」

上条はちらりと美琴の方を見る。

「『死んだ世界戦線』に入った動機ってこと? あの子達がいるのもおおきいけど……」

美琴は空を見ながら呟く。

「もし神様がいるなら聞いてみたいの……なんであの子達があんなひどい目にあわなきゃいけなかったかを……」

空を見る美琴の瞳はとても悲しそうだった。

「………ごめん」

「な、なんでアンタが謝るのよ?」

美琴は慌てて上条の方を見た。上条は悲しそうな、そしてすまなそうな顔をしていた。

「……もし俺が生きてたら、って思ったらな」

「……そうね。アンタなら助けてくれたかもね」

美琴はそう言って上条に微笑んだ。

「……そろそろ時間だな、何が始まるんだ?」

少し赤面した上条は食堂の方を見る。しかし、まだ動きはないようだ。

336 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:33:30.33 ID:Mqj4p/PDO

【天上学園〜大食堂内〜】

ー18:55ー

「一体何があるんだ?」

「さあ? わからないわ」

食堂内は人で賑わっていた。食事をするもの、話をするもの。しかし、いつもとは違うことをしている者もいる。

その者達はただ立って何かを待っていた。「何かがある」という噂を聞いてきた者たちである。その者たちは何かが始まるのを待っていた。

(200人程でしょうか……時間も迫ってますし、そろそろ頃合いです。とミサカ9988号は開始を促します)

(了解です。とミサカ9995号は演奏の準備を始めます)

ミサカネットワーク内でやりとりがなされて9995号は他のメンバーと目配せした。

「さて、始めましょう!」

彼女たちは席をたつ。そして自分たちの戦場へと向かっていった。

337 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:34:06.87 ID:Mqj4p/PDO

突如、食堂内は暗闇に包まれる。

暗闇のなかでざわめく生徒達。そしてそんなざわめきの中、スポットライトが暗闇を切り裂き、9995号達だけを照らした。

彼女達は自らの武器であるギターやドラムを用いて、または自らの声を使って、食堂内にいる生徒達に向かって演奏を始める。

その演奏にある者はただ驚き、またある者は聞き入り、そして次第に食堂内は熱狂の渦に包まれていった。


【天上学園〜第二連絡橋〜】

「これは……音楽?」

「これでどうやって食券を平和的に巻き上げるっていうの?」

上条と美琴はその音を聞いて呟く。

食堂の方からは彼女達が奏でる音と僅かではあるが9995号と思われる声が聞こえる。

「……なんていうか、いいなこの歌」

「まぁ、私の妹みたいなものだしね。私だってヴァイオリンは人並みには弾けるわよ?」

そういって美琴は胸を張って自慢する。

「へぇ……上条さんはビリビリからそんなお嬢様のようなものは考えられないのですよ」

上条は呆れた顔で美琴を見た。美琴は怒っている様で帯電している。

「言ったわね! いいわ、今度アンタの目の前で弾いてあげるわよ」

「へいへい、楽しみにしてるよ……! あ、あれは?」

上条は橋の反対側を指差した。そこにはいつのまにか一人の生徒が立っていた。
338 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:34:35.19 ID:Mqj4p/PDO


その生徒は顔に覆面をしている。

「あれが……天使?」

思わず美琴は声を出した。見た目はただの人間、これのどこが『天使』だと言うのか?

しかし、上条の反応は違った。彼は一度、あの覆面の男にあっている。

大猪を一撃で吹き飛ばし、その猪を担ぎ上げて凄まじいスピードで走り去る程の力を見ているのだ。

その天使である覆面の男がこちらに向かいゆっくりと歩いて始めていた。

「くそっ!」

上条の手は震えていた。天使が怖いからではなく『人を撃つ』という行為に対して恐怖を覚えていた。

「ほ、本当に撃つの?」

(そうだ、こいつがいるんだった)

あんな力で襲われたら美琴も無事ではすまないないだろう。

そう思った上条は震える手で引き金を引いた。

パァァン

辺りに銃声が響いた。

「あ、当たった?」

美琴が呟く。みると覆面の男の腹には赤い色が広がっていた。

覆面の男はその部分を手で触ると、

「Guardskill HandSonic」

そう呟いた。

すると彼の右手辺りが白い光に包まれ、袖口から一本の剣が伸びていた。

339 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:35:41.86 ID:Mqj4p/PDO

その剣を一振りするとまたゆっくりと歩き始める。

「くそっ!」

上条は続けて2発、覆面の男に向けて発砲する。

しかし、銃弾は覆面の男を貫くことはなかった。

辺りに金属が衝突する音が響き、覆面の男の前に火花が飛び散った。

「う、うそ……弾を弾いた?」

「お姉様! 遅くなりましたわ! どこですの天使は?」

風を斬るような音がして、白井が現れる。白井の質問を聞いた美琴は、覆面の男を指差した。

「あっちよ!」

再度銃声が響き、その後また金属が衝突する音が響く。覆面の男の前に火花が飛び散る。

「た、弾を弾いていますの?」

「白井、美琴を連れて食堂まで下がれ!」

さらに銃弾を撃ち込みながら上条は白井に指示を出す。

「貴方はどうしますの?」

白井にそう言われて上条は無理矢理に笑顔を作った。

「俺も撃ちながらそこまで後退するつもりだ。早く行け!」

そういってさらに銃弾を撃ち込む。しかし、覆面の男は当たり前のように弾を剣で弾いている。

340 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:36:08.43 ID:Mqj4p/PDO

「わかりましたわ。さあ、お姉様!」

「ちょっとま……」

美琴が話を終える前に白井は空間移動をし、その場から消えていた。

上条は撃ちながら少しずつ後ろに下がる。

覆面の男は事も無げに弾を弾き続けていた。

時折、月明かりに照らされて見える紅い瞳が血のように思え、上条は恐怖を覚える。

ガチッ

引き金を引いた時、いつもとは違う音がした。

「弾切れ? や、やばい!」

上条が持つ銃はグロック17。拳銃には18発の弾が込められていたが全て撃ち尽くしてしまっていた。

上条は覆面の男を見た。

覆面の男はいまだにゆっくりと歩を進めており、紅い瞳が冷徹に感じる。

上条は後ろを向き全力で走り出した。銃なしでは勝てない、と本能が告げていた。

ちらりと後ろを振り向く。

覆面の男の歩く速さは変わらない。ただゆっくりと歩を進める。

(……何で追ってこないんだ?)

そう思いながらも上条は皆がいる食堂へと走っていく。

341 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:37:30.68 ID:Mqj4p/PDO

【天上学園〜大食堂前広場〜】

「ハアッ………ハアッ……ここまで来れば大丈夫か?」

上条は後ろを振り向く。

覆面の男との距離は70m程離れているが、確実にこちらに向かってきている。

「上条さん、こちらです!」

前方を見ると妹達と美琴、ステイル、白井が横一列に並んでいる。

上条は急いでその列に加わった。

カツ………カツ………

曲の合間なのかやけに静かになり、覆面の男の足音が響く。

「くそっ!」

上条は弾倉に弾を込めて足音のする方へと銃口を向けた。

「天使がこの広場に入った瞬間に後退しながら各個射撃、お姉様、ステイルさん、白井さんは能力を使って攻撃を!」

「わかったわ!」

静寂の中に緊張が走る。天使はもう広場のすぐ先にいる。




「撃て!!」

「Guardskill Distortion」

突如響くエレキギターの音とほぼ同時に9984号と覆面の男の声がした。

妹達は銃弾を覆面の男に向けて撃ち込む。しかし銃弾はなぜか当たる直前で曲がり全く当たっていない。数発に1発混ぜられている曳光弾がそれを証明するかの様に角度を変えて彼の後ろへと流れていく。

「これでどうですの?」

白井は鉄矢を覆面の男に送り込むが、それは彼の直前に現れて地面に落ちた。

「な、なぜですの?」

能力が効かないことを知った白井は、慌てて銃口を覆面の男に向けて発砲する。

342 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:38:36.13 ID:Mqj4p/PDO

「じゃあこれはどうよ!!」

美琴から『超電磁砲』が放たれる。オレンジ色の強烈な光が覆面の男に向かって伸びていくが彼の剣の一振りで軌道を夜空へと変えてやがてきえていった。

「やれ! イノケンティウス!!」

今度はステイルがイノケンティウスを駆使する。イノケンティウスは覆面の男の目の前に現れて彼に攻撃しようとする。

「ば、馬鹿! そこだとこっちの攻撃が出来ないだろ?」

「いちいちうるさいな君は、これで終わりだよ!」

イノケンティウスは手に持つ十字架を振り下ろした。

「Guardskill AngelWing」

十字架が当たる前に覆面の男は呟く。

ドガァッ

地面にイノケンティウスの十字架が振り下ろされ、大量の土煙が舞った。
それと同時にイノケンティウスがかき消され、土煙が飛ばされる。そこには純白の翼をその背中ではばたかせる男が立っていた。

その翼は美しく、見るものを圧倒する。

「こ、これが……天使なの?」

皆がその翼に見とれるなか、ぼそりと美琴が呟く。

「くっ! まだだっ!」

「もう大丈夫ですよ、ステイルさん。とミサカは上を指差します」

ステイルは再度イノケンティウスを出そうとした。しかし、横にいた妹達の一人に止められる。

指差された方を見るとすごい数の紙片が大食堂から吹き出してこちらに落ちてきた。

「……なんだこれ?」

上条は左手でその紙をつかまえる。それは『ハンバーグ定食』と書かれた食券だった。

「各自食券をとって食堂へと移動。あ、あと上条さんは右手で触らない方がいいと思いますよ」

上条は首をかしげて右手で宙に舞っている食券を触る。するとバギンと音をたてて消えてしまった。

「ほらアンタ、早くしないと置いてくわよ?」

美琴が話しかけてきた。周りを見るともう皆は大食堂へ走って移動を開始している。

上条も大食堂へ向かって走り出した。

食堂へ入るとき、上条はちらりと後ろを振り向く。

そこにはすでに翼も剣もなくなっている覆面の男が一人ぼっちでたたずんでいた。

343 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:39:22.80 ID:Mqj4p/PDO

【天上学園〜大食堂内〜】

「はいよ、ハンバーグ定食お待ち」

食堂のおばちゃんが上条のお盆の上に皿を乗せていく。皿の上には大きなハンバーグが、人参やポテトと供に乗っている。また、お椀に盛られた白米はとても上手く炊けている様でとてもふっくらとしている。

上条は『死んだ世界戦線』のメンバーがいるテーブルへと向かい、真ん中付近に座る。

周りには右に9984号、左に美琴と白井、正面にはステイルが座っている。

「……こんなに堂々としてて大丈夫なのか?」

上条は9984号に向かって質問をする。

「大丈夫ですよ、ミサカ達はただ食事をしているだけですから」

「そうなの?」

「そうですよ、お姉様」

「では安心だな、しかし日本のヌードルは美味しいな……」

そういいながらステイルは肉うどんを食べている。

「……このカレー、美味しいわね」

「わたくしはカツカレーですの。カツの衣がサクサクですし、中の肉もとても美味しいですわ」

美琴と白井はカレーらしいが美琴はただのカレーで白井にはカツが乗っている。
344 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:40:27.72 ID:Mqj4p/PDO

「………麻婆豆腐が……辛いです………と……ミサカは………グスッ」

声の方を見ると9984号が真っ赤な顔で涙目になっている。

彼女のお盆を見るとそこには赤く、見るからに辛そうな麻婆豆腐が置いてある。

「………これを取ったのか9984号」

「………とっさに取ったので……少し食べてみますか?」

「………少しだけな」

すると9984号は上条の白米の上に蓮華1すくいの麻婆豆腐をかける。

「……いただきます」

上条はその白米……麻婆豆腐がかかっているので今は白くはないが、それを口に入れる。

「か、辛い! っていうか痛い!…………でもあとから来るこの風味……上条さんは好きですよ、この味わい」

口に入れて少し悶絶した上条であったが、そのあとにくる独特の風味は味わい深く、上条には美味しく感じた。

「なら変えてくれませんか?」

9984号は上目遣いで上条を見る。先程辛いものを食べたために少し涙ぐんでいるため、上条に対する破壊力は抜群である。
345 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:41:07.17 ID:Mqj4p/PDO


「あ、ああいいぜ? ただ上条さんから一つお願いがあるのですが……」

「なんでしょうか?」

「……少しだけでいいからハンバーグを食べたいのですが……」

「いいですよ。トレード成立ですね」

上条と9984号はお盆を交換した。そして9984号はハンバーグを1/4ほど切り、さらにハンバーグの皿にご飯を半分移しかえる。そしてハンバーグと白米が入ったお椀を上条に差しだした。

「はい、どうぞ」

「えっ? いいのか? ありがとな」

上条はお礼を言ってお椀を受け取った。そしてハンバーグを少し切り、口に頬張った。

「おっ、ハンバーグも上手いな!」

ふと視線を感じて左側を見る。

すると不機嫌そうな美琴が上条をにらんでいた。

「な、なんでせうか? 美琴さん?」

「……なんでもないわよ!」

そういってプイと横を向く。

上条はそんな美琴を見て不思議に思い考えた。そしてあることに気づいた。

「………ほら、これでいいか美琴さん?」

そういってハンバーグを一口分美琴のカレーの白米部分に置く。

「……」

「あ、あれ? 違いましたか?」

上条は恐る恐る美琴を見ている。

「……ありがと」

そういって美琴は上条に向かって少し微笑んだ。

「よかったー。上条さんは間違えたかと思いましたよ」

上条は美琴に対して笑顔を返すと食事を再開する。

(違うけど……今はこれでいいわ)

美琴はそんな上条を見てため息を一つつき、また食事を再開した。

第8話 完
346 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/08/06(土) 08:42:00.59 ID:Mqj4p/PDO

以上で今回の投下は終了です。

……音無さんが出番なさすぎですね。そろそろ活躍……してほしいな。

ちなみに天使能力については私の偏見が入っています。

特にディストーションとエンジェルウイング。

ディストーション
使用者の周りに空間の歪みを発生させるスキル。空間の歪みだから黒子のテレポート攻撃は届かない。
また、AB!1話にて天使に対する攻撃中、
野田の発言「これだから銃は!」
椎名のクナイは剣ではじく。
松下のバズーカ攻撃で倒れる。(怪我はない)
あれだけの攻撃を受けながら一歩も動かない。
第2話
発動後に足の傷がすぐに治癒する。
手榴弾ははじいていたが爆発後は倒れている。
第8話
ゆりのナイフで倒せている。

以上のことから
飛んでくる攻撃(銃弾)には有効だがある程度重さを持つものには意味なし(1〜2キロが限界?)また直接的な攻撃にも意味なし。また、風(爆風など)も通す。
位相空間を作る以外にも治癒能力の向上することが出来る。
発動中は動くことが出来ない。

とここでは定義させてもらいます。

エンジェルウイング
文字通り羽を生やすだけの能力っぽいが
第12、13話
飛び降りる際の衝撃緩和
滑空能力(飛行は出来ない?翼の数で何とかなるかも)
ある程度自由に動かすことが出来る。
影の群れに突っ込んだ後の翼のようなもの?

以上から
攻撃にも使える翼。飛行は出来ないが落下時の衝撃緩和は可能。滑空も出来る。また、攻撃翌力は爆撃機並み? ただしその攻撃翌力を得るには翼を分解or構築中でなければならない。
とここでは定義させてもらいます。

以上で能力説明終了です。
347 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/08/06(土) 08:42:36.50 ID:Mqj4p/PDO

それでは恒例の次次回アンケート。今回はやることが決まっているのでおまけ的な要素です。基本的にルートは変わりません。

1 上条とステイル、釣りをしながらの一幕

2 上条と美琴、今回の作戦後の一幕

どちらにしましょうか?

同一IDは1票扱い、同票なら2つともします。

期間は今日の24時とします。

ではまた次回。
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/06(土) 09:25:14.02 ID:y+PBMqP50
>>347乙!!
ここはあえて1ですかね
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/08/06(土) 09:28:08.57 ID:WJG2itePo

では王道らしく2を
350 :名無しNIPPER [sage]:2011/08/06(土) 09:53:36.85 ID:4qXy6RVDO
乙!
これは2で
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/08/06(土) 12:21:28.49 ID:TmWwMj6AO
乙!

同票狙いで1を
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/06(土) 13:20:34.65 ID:XrPv+i0+0

1を推しておきます
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/06(土) 14:30:39.86 ID:kET9JcIy0
乙です
1ですね
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/06(土) 15:37:37.25 ID:byzeeXRVo
おつん
1でお願いします
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/06(土) 15:54:26.02 ID:B5TD+/bxo
乙です
2に一票
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/08/06(土) 16:18:41.78 ID:Qbt0lRKB0
2を所望する
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/08/06(土) 16:25:49.10 ID:fRbdNxxu0
1が多いがあえて2を
やっぱり王道が読みたい
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/06(土) 16:41:30.59 ID:YVy7QTA/o
1で
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/06(土) 17:22:43.53 ID:nB31ODQu0
2だな
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/06(土) 17:24:53.93 ID:ZAgDLEr3o
1がいいです
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/06(土) 19:00:13.42 ID:6lVp+hqf0
2で
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/08/06(土) 19:02:51.79 ID:njtjugYbo
1希望
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/08/06(土) 19:13:45.90 ID:qPi+B4CAO
乙、1を所望する
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/06(土) 20:10:00.84 ID:sq8pWBZAO
2で
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/06(土) 20:46:28.81 ID:XAwrCNPoo
2がいいな
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/08/06(土) 22:38:05.30 ID:fTM255ZDO
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/06(土) 22:41:32.44 ID:zrlrdDFyo
1で
上ステの話がもっと見たい
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) :2011/08/06(土) 23:38:17.88 ID:rB7t/Vbw0
乙ッス!
ここは王道の2よりも敢えて1を選んでみますw
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/06(土) 23:41:23.74 ID:rf3wtWAb0
少ない2を応援するか…2で
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/08/06(土) 23:50:38.92 ID:OzBBdoj5o
1で
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/06(土) 23:55:34.25 ID:l5/IPAJDO
じゃー、2に一票
372 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/08/07(日) 00:32:13.23 ID:4tJnH0EDO

こんばんわ、1です。

今回もたくさんの投票ありがとうございます!

さて、結果は、

1 12票
2 12票

同票決着でしたので「両方やる」になりました。

……予想外でした。

いがいとステイルが人気者ですね。昔「麺のない焼きそば」扱いだったのに……。

ということでまた次回!たぶん4〜5日後くらいになると思います。

373 :おまけで次回予告 [sage]:2011/08/07(日) 00:36:01.77 ID:4tJnH0EDO

「よろしくね、一方通行」

「彼には成長してもらわなければならない」

「土御門、どういう事ですか?」

「今はそんな事話してる場合じゃないにゃー」

「第一の質問ですが貴方はだれですか?」

「過去はどうであれ、君は後悔してるんじゃないか?」

「なンだよ……これは?」

「『Salvere000!!!』」

「エンゼル様ぁ! こいつを殺せばいいんですねぇ?」

「なンでこいつが死ななきゃなンねェンだよ!」

次回 「Angel Fall」

「く……そっ…………ま……舞夏ぁ……」

374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/08/07(日) 01:29:00.64 ID:R0ecJc+ro
おめぇら実は数えながら投票しただろwww
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/07(日) 07:37:34.01 ID:esdtW2+Do
土御門ォォォォォォ!
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/08/09(火) 02:49:35.91 ID:HAyPAcN7o
まさかの同数

両方やってくれるのは嬉しいですな
377 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/08/12(金) 15:30:29.07 ID:JeZbAuq70
こんにちは、1です。

皆様にお知らせしたいことが……




携帯壊れました。

データ死にました。

書き溜めすべて死にました。

申し訳ないですが、今日の更新はできなくなってしまいました。

また、書き終わり次第投下します。

本当にすいませんでした。

378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/08/12(金) 17:46:26.55 ID:u1TQHh/Bo
バックアップとれるスマホマジお勧め
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/08/12(金) 17:49:36.60 ID:hFS2r1qx0
fucking monkey
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/08/12(金) 20:52:25.73 ID:z9CT34IA0
両方好きな俺に死角は無かった!
応援してますぜ!
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/12(金) 23:00:48.19 ID:diIXfQTSo
なんと…ドンマイ…
382 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/08/13(土) 06:59:14.40 ID:jSQUl01Z0

一晩あけたので少し落ち着きました。

携帯が壊れた原因は事故っす。

ちょっと川沿いの道を歩いていたのですが、そこに後ろから車が来まして……

軽く当てられました。かるーくですがね。

それで川に落ちました。ポケットにいれてた携帯と一緒に……

どうやら最近、神様は私のことが嫌いのようですね。

1週間以内で

事故にあいかけること 2回(あと1回は深夜にトラックに轢かれかけた)

財布を落とす     1回(財布はあったけど全額入ってなかったよ)

揚げ物が傷んでる   1回(はら壊した)

扇風機もなぜかお亡くなりに……

だれか……助けてください。

とりあえずまた4日後位にできると思います。

申し訳ありません。また今度お会いしましょう。<(_ _)>
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/08/13(土) 09:50:36.39 ID:qB9a3Y6uo
お前幻想殺し持ってるんじゃね?
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/13(土) 11:14:33.22 ID:iLjiDvNCo
お前…上条さんだったのか
ドンマイなんだよ!
385 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/08/14(日) 07:36:05.45 ID:UvnNRqmt0

上条さん的な不幸を入れると

鳥の糞直撃 1回
買ってきた野菜に虫食い 1回
家の中にスズメバチ来襲 1回
靴ひもぶった切れる 1回
ウエイトレスに水こぼされる(テーブルに) 1回

そして先ほど

駐車場で急発進でバックしてきた車にぶつかる 1回←NEW
ついでになぜか運転していた爺さんに「気を付けて歩け!!!」と怒鳴られる。

だれか……この幻想を殺してください。

というよりふとももの青あざをどうにかしてください(泣)。いてえよ。

死んでなければまた後日お会いしましょう。

死んで……なければいいな……。

ちなみに当たり前ですが一週間以内にあった現実です。
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/14(日) 09:53:46.48 ID:zRn+agEIO
おま…マジで大丈夫か…
気をつけてね
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/08/14(日) 10:48:45.00 ID:ooVvOo780
>>1が天上学園行きそうな勢いだな
>>1「死んでなければ……」→死亡フラグを立てるなよ……
ちゃんとバキバキのボキボキに旗折しておけよ
異能力を無効化し出したらいよいよやばいかもな
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/08/14(日) 13:05:15.74 ID:lGe8IgmZo
もう>>1のことを上条さんって呼ぶことにしたよ
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2011/08/14(日) 15:13:51.27 ID:YBjHXWt7o
お祓いを勧める
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/14(日) 15:45:02.91 ID:m2Tw2Lrfo
上条さん頑張って!
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/08/14(日) 16:10:31.82 ID:ddXpMOwyo
ちょっwwwwww不幸すぎワロタwwww
もはや上条さんレベルだろwwwwww
気をつけろよ
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/08/14(日) 16:36:51.70 ID:U28dMQzAO
書き条さん(>>1)気を付けろよ…この世界にはマンションからプランターが落ちてきたり、公園の木の枝が槍みたいな形で落下するなんて事があり得るからね!…あれフラry(実話)
393 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/08/14(日) 16:44:38.99 ID:UvnNRqmt0

やっと病院から帰ってこれました。

朝いちばんで行ったのですが、やっと生還できました。






バス停でバス待ちしてたら(まあ一回バスにスルーされましたけどね)ぶっ倒れたみたいで気づいたら病院。

「知らない天井だ……」を体感してきました。

原因は脱水症状らしいです。

点滴を打って痛恨の治療費を払ってさらには通報してくれた人に菓子折りを持っていきやっと帰って来れました。

財布はの中身はなくなりましたが生きてるんでOK。生きるって素晴らしい。

ちなみに倒れた後に懐かしい人(故人の元恋人)と夢で逢えたのでよかったかも。

夢の中身は内緒。18禁ではありませんでした。

さて、まだ頑張れる。そう思えた夏の一日でした。

今日は体調もやばいのでもう寝ます。

では皆様、ご心配をおかけしました。

ついでにもう一つの不幸。家庭菜園を見たらカラスにトマトを食われてました。今日の晩飯が……。
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/08/14(日) 16:46:17.03 ID:qVs2zSOpo
おお無理せず余裕ができるまで休んでろよ
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/08/14(日) 20:26:00.07 ID:ddXpMOwyo
>>1大丈夫かよ
水分は水だけじゃなくて塩分もとった方が良いぞ
無理しない程度に頑張ってくれ
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/14(日) 21:04:39.86 ID:zRn+agEIO
今日も中々の不幸ぶりだwwwwww
ゆっくりたくさん休めよ!
水分と塩分取るんだぞ!
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/08/14(日) 21:51:28.54 ID:lGe8IgmZo
書き条さんめげずにがんばれ
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/08/14(日) 22:09:31.83 ID:ooVvOo780
熱射病か……ドンマイ
よく川渡らずに帰ってきたな
ああ、不幸(幸運)にも通行料が足りなかったのか
さすが書条現実(カキジョウ・リアル)さん
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/08/15(月) 09:30:41.48 ID:i3LYtPhAO
主人公補正がない不幸体質か…

待てよ、1が鈍感なだけで実は第一級フラグ建築士だったりして

うん、現実は非情だけど夢ぐらい見てもいいよね
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/16(火) 20:05:48.37 ID:oAK+bhJk0
まあ...なんだ...>>1頑張れ!
そのうちベランダに人が干されてそうで怖いな
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/08/17(水) 20:31:30.67 ID:nZ9YrTEso
>>1の場合ベランダから泥棒に侵入されそうだが
402 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/08/22(月) 21:51:08.56 ID:RMB8wiNDO

申し訳ない

只今ある事情で入院中です

病室に携帯も持ち込めないっす。というより見つかって看護師に没収されてます。(今は連絡用に返してもらったのです)

あと一週間位で退院かも?解らないけども……

すいませんがご了承を

ちゃんと日本語になってるか不安。大丈夫かな?

ではまた退院したら連絡します。

記憶にないレスがある……気持ち悪い。
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/22(月) 21:53:59.93 ID:hN35JUDfo
書き条さん記憶喪失か……
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/08/22(月) 21:56:44.76 ID:/QXB6Pcao
なんかしゃれにならない事態になってるな
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/22(月) 22:05:43.79 ID:NAZ8bFZ2o
やっぱベランダにシスターが……

全快するまではゆっくり休んでくれ
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/22(月) 22:23:59.88 ID:30/GeOO9o
お前さんどこまで上条さんなんだよ…
本当に大丈夫か心配だよ( ´・ω・`)
とりあえずゆっくり休んでね!お大事にね!
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/08/23(火) 13:36:43.14 ID:wDOd0FRg0
流石書条さん、記憶喪失だから某クロススレでも更新忘れてたんですねわかります
408 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/08/25(木) 16:11:55.83 ID:UI2eZkdDO
どうも、1です。

携帯取り返したので経過報告です。

あれから骨折発覚。左手手首の骨が折れてました。シュウジョウコツ?なんだそれ?全治八週間位

風邪なのか微熱が下がりません。入院は伸びそうです。

今日、いろんな結果がわかるはずなのに医者に呼ばれたのは親だけ。しかもすでに1時間位帰ってきてない。

なにこれまたフラグ?死ぬの俺?

不安な気持ちでレス書き中。はやく結果を教えてくれ。マジで!

ちなみに記憶は2週間位がない。なぜ頭に怪我してるのか、骨折したのかはわからない。もやっとする。

ではまた。次は本当に退院後になります。携帯は親が持ち帰るから見たくても見れない。AB!のSSが増えてるのに……不幸だ。何よりも不幸だ。
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/25(木) 17:32:47.08 ID:OLq4aYjjo
2ヶ月待ち続けてやるぜ!
楽しみにしてる!
お大事に!
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/25(木) 18:08:54.11 ID:nqcXFP1+o
>>1が帰って来るまで待ってるぜ!

今はゆっくり休め!お大事に!
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/08/25(木) 18:59:46.36 ID:TEvDcMDDo
私はそんな書き条さんをずっと舞ってる
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/25(木) 20:02:09.65 ID:tshO0Urpo
骨折かぁ…大変だな…
ゆっくり養生してくださいな
お大事に!
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/08/26(金) 23:23:18.53 ID:qBjtDEDa0
ヒーロー(書条)!!死ぬなァ!!
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/30(火) 21:51:03.51 ID:5yCcG6pDO
最後の手段は帝凍庫……
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
415 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/01(木) 13:43:16.22 ID:QC2cB0fDO

お久しぶりです。先程やっと退院しました。

レスを読ませていただきました。皆様の温かい言葉に感謝感激です。

本当にありがとうございます。

今から書きはじめたい所なのですが半月ほど部屋を開けていたため、掃除をしないとヤバい状態になっています。

しかし、話はすでに出来ているので明後日には投下できそうです。

ただ、今回「Angel Fall」ではなく、学園都市側の話になります。これを終わらせないと次に進めないのです……本当にすいません!

重ね重ねお待たせして本当に申しわけありません。

ではまた明後日





PS 血が床に……壁や扉にはには血の手形が………一体ここで何があったのだろうか?

自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
416 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/01(木) 13:44:39.92 ID:QC2cB0fDO
……何か変なのがついてる。
いつの間に?
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/01(木) 14:12:17.04 ID:iMwFILqno
焦らず落ち着いてからで良いよ

自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/01(木) 14:20:06.45 ID:nPTwyKGeo
おかえり
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/09/01(木) 14:21:22.87 ID:2ry3rNIyo
なんかルール変わるみたいだし目とおしとくといいぞ
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/01(木) 15:01:19.14 ID:qIhORi7io
血とか怖いよおおお!
ゆっくりでいいからな!
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421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/01(木) 23:07:19.01 ID:P/B4h9mv0
それってもしかしたらさ>>1が家にいる時に強盗が入ったとか?
そのときに頭をおもいっきりやって記憶がとんだとか?
血の手形とかは攻撃されたときに>>1が逃げ回って付いたとか?

...実際は違うよね?違うよね?
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422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/01(木) 23:16:50.18 ID:iMwFILqno
>>421
なら『記憶に無いレス』は>>1が忘れてるんじゃなくて……
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423 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 14:48:06.61 ID:U6DKSwYDO

どうも、1です。

>>421さん

強盗の線はないようです。
あれから部屋を見てみたのですが無くなっているものはありませんでした。
机の上に財布があったので間違いないと思われます。

手形も自分のものですし、電話にも血がついていたので自分で119にかけたものと思われます。……掃除が大変でした。

心配かけて本当にすいませんでした。

では約一ヶ月ぶりに投下します。




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424 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 14:48:47.69 ID:U6DKSwYDO

【学園都市〜ある裏路地〜】

「クソが! なンで俺が逃げなきゃなンねェンだ!」

一方通行は誰もいない空間に向かって叫ぶ。

彼は路地裏を歩いていた。顔には疲労が色濃く現れている。

とにかく休みたかった。

出来ることなら寝たかった。

しかしあの日、21日の夜以降は休むことも満足に出来ていない。

一方通行は座れる所を見つけて休もうかと立ち止まった。

(今なら大丈夫か?)

そう思った次の瞬間、四方八方から焼夷弾と可燃ガスの缶が一方通行の周りに投げられた。

たちまち辺りは火の海になり、その真ん中に一方通行は立っていた。

「ちっ………くそ共がァ!」

この攻撃は一方通行を傷つけるためのものではない。

彼の周りから酸素を奪う。それが目的である。

彼は炎の中から脱出し、能力を駆使してまた逃走を開始する。

後には焦げた後と頭に軍用ゴーグルを着ける無表情の少女達が残されていた。


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425 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 14:49:15.57 ID:U6DKSwYDO

一方通行がなぜ彼女達『妹達』から逃げているか?

なぜ反撃しないのか?

それには理由がある。

それが統括理事会からの命令だからだ。

学園都市の第三位である御坂美琴を殺してしまった後、一方通行は統括理事会に呼ばれた。

ある建物の一室に連れていかれたが、中には誰もいなかった。

『大変な事をしでかしてくれたな一方通行』

どうやらスピーカーごしに話しかけられるらしい。

『御坂美琴は学園都市の広告塔の役割もあった。君とは違ってね』

『君はそれを破壊した。どう責任をとるつもりだ?』

「……」

一方通行は沈黙を続ける。

『……まあいい。とりあえず君にはしばらく大人しくしてもらう。実験もその間は中断させてもらう』

「……わかった」

『……ちょっと待っていろ。緊急連絡が入った』

それから数分間、静寂が続く。




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426 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 14:50:00.62 ID:U6DKSwYDO

『……待たせたな、一方通行。事態はより深刻になったよ』

先程より低く、暗い声がスピーカーから流れる。

「あァ? どういう事だ?」

『『妹達』が君の実験に関与した研究所を一斉に攻撃した。逃げた研究者もいるようだが大半は殺されたようだ』

『……人形の分際で我らにたてつく気か? その後実験動物達はどこへ行ったのだ?』

実験動物。その言葉を聞いた瞬間に一方通行の心はざわつく。

「……チッ」

無意識に舌打ちをしていた。

『研究所にあった武器等を持ち出し、学園都市全体に散らばった様だ』

『何故その様なことを?』

スピーカーの声はもはや一方通行を無視して話を進める。

『実験動物達から我々に「私達はお姉様を殺した一方通行を許さない。よってここに復讐を宣言する。
学園都市側は私達の行動に一切関与せず、身の安全を保障せよ。
また、一人でもこれに従わない場合は学園都市全域を戦場へと変える」との脅迫文が来た』

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427 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 14:50:49.83 ID:U6DKSwYDO

『……厄介だな、対策は?』

『あるが今すぐには実行できん。しばらく様子を見る他はない』

しばしの沈黙。そして一方通行に対して咎める様に話しかけられる。

『一方通行、そういう事だ。妹達を傷つける事、ましてや殺すことは絶対にするな』

「……攻撃されてンのにやり返すなって言うのかよ?」

一方通行は低く、絞り出す様にここにはいない人間に質問する。

『その通りだ。もし実験動物達が傷ついたら関係ない人間が死ぬことになる。それは学園都市にとって非常に不利益につながる事になる可能性が高い』

『君ならそれくらい出来るだろ?期待しているよ』

ブツリと何かが切れる音がして辺りには静寂が戻る。一方通行はしばらく無言のまま立ち尽くしていた。




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428 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 14:51:28.14 ID:U6DKSwYDO

22日 未明

「……なんでこうなンだよ。クソッタレが……」

暗い部屋で一方通行は呟いた。

統括理事会との会話の後、彼は部屋に帰って来ていた。

電気もつけずにベッドに寝転がり、ただぼんやりと天井を見る。

「……………」

ふいに先程の妹達の顔を思い出した。殺意と怒りが見える、いつもの無表情からは想像もつかない顔をしていた。

「…………クローンは実験動物じゃねェのかよ」

彼はぼそりと呟く。その途端、彼の心がすさまじい痛みを訴える。

「………なンでいまさら人間の表情が出来る様になってンだよ」

少し声に怒りが混じる。

「ふざけンじゃねェよ。……今更遅ェンだよ!」

彼の言葉が部屋に響いた。

「………今更……遅ェンだよ……」

誰も聞こえない位に小さな声で呟いた。その言葉は闇に溶けて消えていった。





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429 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 14:52:29.96 ID:U6DKSwYDO

「何故ミサカを殺したのですか? 一方通行?」

「何故ミサカはこんな目に会わなければいけないのですか?」

「痛いです、一方通行とミサカは痛みを訴えます」

「私の足を知りませんか、一方通行。とミサカは尋ねます」

(やめろ……来るンじゃねェ!)

彼は暗闇のなか走り出した。だが、足がもつれて上手く走れない。

「どこに行くのですか、一方通行?」

「実験を始めます。とミサカは「殺して「痛い「助け「ミサカは「生きた「どうして「ミサ「ミサカは生きたかったと呟きます」」」」」」」」」

ふいに足を掴まれて盛大に転んだ。急いで能力を使い立とうとするが全く体が動かない。

(ベクトル操作が出来ねェだと?)

彼は足元をみた。そこには胸に穴の空いた御坂美琴が足を掴んでいた。

「私はアンタを許さない!」

胸から血を流しながら彼女は叫ぶ。

「絶対に………」

「「「「「「「殺してやる!!!!!」」」」」」」




「うわあああァァァァァァっ!!!!」






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430 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 14:53:38.70 ID:U6DKSwYDO

22日 朝

一方通行は悪夢にうなされて飛び起きた。

あたりはもう明るくなっていた。

悪夢のためか息苦しく、とてもじゃないが二度寝する気分でもない。

しかし、何かがおかしい。
いくら深呼吸をしても息苦しい。

そして何か変な匂いがしていた。

(………この匂いはオゾンかァ? まさか!)

こうしているうちにもどんどんと息苦しさが増していく。

一方通行は急いでベクトル操作をし、窓を突き破り外に飛び出した。

近くのビルまで飛翔し、自分の部屋をみた。

そこには

悔しそうな顔をして一方通行を睨む数名の『妹達』がいた。

「失敗ですか……とミサカは肩を落とします」

「まだ始まったばかりです。とミサカはなぐざめます」

「では撤収しますよ。とミサカは走り出します」

その数名の『妹達』はすぐに散開していなくなった。







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431 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 14:55:54.65 ID:U6DKSwYDO

話は冒頭へと戻る。

一方通行はその時からずっと妹達からの襲撃を受け続けていた。

ある時は食事中

ある時はトイレに行ったとき

ある時は休もうと足をとめたとき

『妹達』の襲撃は決まって一方通行が休もうとした時であり、その攻撃方法は『一方通行を殺す』事ではなく『一方通行をその場にいられなくする』事に重点をおいている様である。

正直、一方通行にとって『妹達』を殺すことは簡単である。

しかし、彼は反撃することも攻撃することも許されていない。

一方通行のストレスは溜まる一方であった。

そして襲撃が始まって二度目の夜、彼はついにキレた。

「ふざけンじゃねェぞ、クソッタレ共がァ!」

全てがどうでもよくなった彼は、殺意をばらまきながら一人の『妹達』に襲いかかる。

触れる。それだけの行為で『妹達』を殺す。破壊する。






はずであった。







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432 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 14:57:32.71 ID:U6DKSwYDO

一方、『妹達』は怒り、わめき散らす一方通行を見て歓喜する。

2日に渡る攻撃。これは一方通行を殺すものではない。

一方通行の精神を削る戦いであった。

そして一方通行を学園都市の庇護から切り離す戦いでもあった。

彼が我々『妹達』を攻撃すれば、学園都市に攻撃が出来る。そうなれば統括理事会も一方通行に対して何らかの責任を負わせるだろう。

そうなれば両者との間に軋轢が生まれる可能性が高い。

更には『お姉様』を見捨てた学園都市に対する復讐、学園都市の暗部の象徴である『妹達』の存在の露呈等、様々な事柄が発生する。

(これで本格的に復讐が始められる……)

彼女らは様々な場所で銃等を構え、近くの人や建物に狙いをつけた。

そして一人の『妹達』が死ぬ事で学園都市は血で染められる






はずであった。







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433 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 14:59:30.89 ID:U6DKSwYDO

一方通行が『妹達』に触れようとした瞬間、彼の脳内に今まで行った10031回の実験や御坂美琴、『妹達』の恨みのこもる目等、様々な事がフラッシュバックする。


ペタリ


一方通行の必殺の手が触れたが何も起こらなかった。

「……」

「……な、何をしているのですか? とミサカは混乱しながらも聞いてみます」

「……」

一方通行は答えない。

「…………なぜ泣いているのですか? とミサカは再度聞いてみます」

「……………すまねェ」

一方通行はとても小さく呟くと能力を使いあっという間にどこかに行ってしまった。

「一方通行……なぜですか? 何に謝っているのですか? とミサカは……」

『妹達』は今までみたことのない一方通行を見て混乱し、誰一人彼を追うことができなかった。

それ以降、『妹達』の『タイムリミット』まで彼の姿は発見できなかった。





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434 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 15:00:25.87 ID:U6DKSwYDO

【学園都市〜とある廃ビル〜】

〜8月25日夕刻〜

「こんな所にいたのか、一方通行」

廃ビルの一室に声が響く。その部屋の隅には白髪の少年がいた。暗くて表情が見えないがかなり憔悴しているようだ。

「一緒に来てくれないか? 僕らの計画には君が必要なんだ」

金髪の男、ホーエンハイムは一方通行に対して問いかけた。

「……断る」

白髪の少年が絞り出すように声を出す。

「もうテメェらには利用されたくねェ……もう……実験はこりごりだ」

「……」

「あいつら……『妹達』にも酷いことをしちまった。……あいつらも俺と同じだったンだよ。俺と同じ……人間だった。……いや、俺はもう人間じゃねェな、人間を捨てて化け物になりさがっちまった」

ボソボソと話す一方通行を見てホーエンハイムは嘲る様に笑い、こう言う。






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435 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 15:01:23.36 ID:U6DKSwYDO

「化け物?私には君はただの……いや、かなり弱い部類の人間に見えるがね」

「……テメェに俺の何がわかる?」

一方通行は低く、怒気の篭る声を発し、目の前の男を睨み付けた。だが、それを気にもとめずにホーエンハイムは話続ける。

「君は弱い。弱すぎるよ、一方通行。そんなに後悔するのなら、なぜ初めから実験を止めなかった? なぜ途中で止めようとしなかったんだ?」

「…………」

男を睨み付けたまま一方通行は沈黙を続けた。

「なぜ答えない? 君もわかってるんだろう? ただ単純に君から止める勇気がなかっただけだと」

「……黙れ」

一方通行は先程よりも怒気の篭る声で呟く。

「自分の罪を増やすだけなのに止めれないとは……君は弱い。はっきり言ってそこらへんの学生よりもはるかにね」

「黙れっていってンだろうが!!」

自分の周りのベクトルを操作し、目の前の男に向かっていく。そしてあと1mまで近づいたときにそれは起こった。

「『動くな!』」

男は針を自らの首に刺す。そして言葉を発しただけだった。

だが、その言葉の通りに一方通行はピタリと止まり、その場から動けなくなった。





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436 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 15:02:14.21 ID:U6DKSwYDO

「あァ?……動けねェだと? テメエ何しやがった?」

僅かに動く口を使い彼は話す。

そんな中、いつの間にかホーエンハイムは嘲る笑みをやめて、真剣な目で一方通行を見ていた。

「……何でもいいじゃないか。私は君を救いに来たのだから」

「な、何をいってやがる? 俺は救われる事なンざ望んでやしねェし、そもそも出来る訳が……」

「出来るさ。これ以上の話はここでは出来ないがもし私達と来るのなら……」

ホーエンハイムは一方通行に対して手を伸ばした。

「この手をとれ。一方通行」

いつの間にか体が自由に動かせる様になっていた一方通行は考える。

ホーエンハイムの言動や行動を嘘と感じなかった。

だが、自分を救う事など出来るわけがない。自分が作り出してしまった過去を覆すことなどどう考えても出来るわけがないのだ。

だが、もし目の前の男が自分を救う事が出来るなら……

一方通行は迷っていた。





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437 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 15:03:02.78 ID:U6DKSwYDO


「……もし出来なかったらどうするンだよ」

一方通行は目の前の男に向かって問いかけた。

「その時は私の命をやる。好きにするといい」

やはりこの男は嘘を言ってはいない。

そう感じた一方通行は決断する。

そしてその決断に従い、自らの能力の一部である『反射』を解き、目の前の男の手を握った。

「……わかった、協力してやる。ンで詳しい話はどこで聞けばいいンだ?」

ホーエンハイムは優しく微笑むと、

「では私達の主導者の所に行こうか、『移動せよ』」

そう言った。

ただ、そう言い終わる前には彼らの姿はそこにはなく、声の残響があるだけだった。





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438 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 15:03:56.09 ID:U6DKSwYDO

【学園都市〜窓のないビル〜】

ー30分後ー

「話は終わったか、アレイスター」

音もなく金髪の男、ホーエンハイムが出現し、アレイスターに問いかける。

「ああ、それでは予定通り彼女を連れてきてくれ」

「わかった。『移動せよ』」

そういうなりまた一瞬にして消えたホーエンハイムを見て一方通行は呟く。

「アイツは一体何の能力なンだよ、空間移動か?」

「違う。あれは魔術と呼ばれるものだよ」

その独り言に対してアレイスターは答える。だが一方通行は呆れた顔をしてアレイスターを見ていた。

「魔術だァ? そりゃあありえねェだろ?」

「……まあいい。さて、君には今から連れてくるインデックスという少女を護ってもらう」

アレイスターは一方通行の発言に残念そうな笑みを浮かべた後、彼に対してこう告げる。




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439 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 15:06:18.60 ID:U6DKSwYDO

「連れてきたぞアレイスター」

いつの間にかホーエンハイムが帰ってきていた。その傍らには白い修道服を着た銀髪の少女がいる。

「俺はこのガキを護ればいいンだな?」

その発言を聞いたインデックスは少し膨れっ面になり白髪の少年を睨み付ける。

「ムッ、ガキは失礼かも! 私には「あァ、知ってるから黙れ、インデックスでいいンだろ?」……わかってるなら最初から名前で呼ぶべきなんだよ……えっと」

インデックスはすねた顔をしていたが、何か疑問があるのか少し首をかしげる。

「あなたの名前はなんていうの?」

「彼の名前は一方通行だよ。今日から彼は君の護衛だ」

インデックスの問いかけに対してホーエンハイムが答える。

「ふーん、そうなんだ……」

インデックスは一方通行の方を向いて近づいていく。

そしてすぐ近くまでくると手を伸ばし、満面の笑みでこう言った。

「よろしくね、あくせられーた!」

一方通行は差しのべられた手を見て、そして目の前の少女の笑顔を見て動揺する。

そしてその手をとらずにインデックスに対して背を向け、こう言った。

「………あァ、よろしくな。インデックス」

それは少女にも届かない位に小さな声だった。




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440 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 15:07:04.47 ID:U6DKSwYDO

「彼らは部屋に案内したよ。しかし、彼は本当に必要なのか?」

ホーエンハイムはアレイスターに対して問いかけた。

それに対してアレイスターは涼しい顔をしてこう答える。

「もちろん必要だ。ただ、今は世界の広さを知らないだけだよ。それを知れば彼は何倍にも強くなれる」

「そのためにインデックスをそばに置かせたのか?」

今度は声を荒げてアレイスターを睨み付けた。

「その通りだよ、アウレオルス」

「インデックスを狙って様々な魔術師達が襲ってくるだろう。そしてそれは彼を成長させるのに役に立つ」

ホーエンハイムはアレイスターを睨んだまま動かない。

「彼には成長してもらわなくてはならない」

「私達のプランのためにも、インデックスのためにもね」

アレイスターはホーエンハイムに向かってそう言うとニヤリと笑う。

「……インデックスに何かあったら許さない。それだけは覚えておけ!」

そう言うなりホーエンハイムは空間移動をする。

後にはアレイスターのみが残された。

「許さない、か。どう許さないというつもりなのか……」

「彼では私には敵わないというのにな」

アレイスターは口角をあげてニタリと笑う。

まるでその邪悪な心を写すかのようであった。


第9話 完




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441 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/03(土) 15:07:49.99 ID:U6DKSwYDO

以上です。

約一ヶ月ぶりに投下しました。クオリティが落ちてそうでかなり不安です。

しかし、一ヶ月前の俺って何考えてんだろ……理解不能。まぁ、いいんですけどね。


では恒例の次次回アンケートです。

でもやるものがない……どうしよう。

ならおまけをつければいいじゃなイカ!

ということで今回はおまけ要素。

そして次次回はながーい予定なので次回につけさせていただきます。

1 とある死後の9982号

2 とある転生の死んだ世界戦線

3 どっちもいらない

今回、あえて説明は省きます。

さて、どちらにしましょうか?

同一IDは1票扱い、同数なら……今回は先にその数に達した方を選択させていただきます。さすがに二つは少しキツいのです。

期間は明日の24時までとします。

ではご協力お願い申し上げます。




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442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/03(土) 15:16:14.16 ID:VJefn6Ljo
乙!

復活おめでとう
アンケートは2で

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443 :名無しNIPPER [sage]:2011/09/03(土) 15:20:17.45 ID:hlQjhYzDO
復活!復活!
アンケートは2で
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444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/09/03(土) 15:30:41.55 ID:WRnv7ewC0

1で
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445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/03(土) 15:43:53.82 ID:nwCZHNu9o
いちがいいんだよ!
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446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/03(土) 16:43:29.15 ID:k3WZi8koo
2がいいな!
乙ー
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447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/09/03(土) 17:13:31.43 ID:v6K/ZjcO0
2に一票

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448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/09/03(土) 18:33:05.54 ID:xxDTi+pqo

1

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449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/09/03(土) 18:47:16.92 ID:CNOIvF8To
2
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450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/03(土) 19:20:51.95 ID:4RIWpY4fo
1
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451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/09/04(日) 00:07:31.22 ID:wkqPqm5To
2
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452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/04(日) 02:54:25.62 ID:DjEya+mV0
乙です
強盗ではなかったとはいえ家で>>1さんに関わる何かが
あったのはおそらく事実。とりあえずは気をつけておすごしください
2でお願いいたします
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453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/09/04(日) 06:07:41.78 ID:+BSiFOcM0
リアル上条さんがこんな所にいたとは…。
自分は2でお願いします。
無理はなさらずにゆっくり書いて行って下さい。
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
454 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/04(日) 07:00:41.17 ID:yMX/Tw8DO
>>442、443、452、453

ご心配かけてすいませんでした。

そういえば事故?についてわかったことがあるので一応報告を……

あくまで自分で推測したものなのであたっているかは不明ですが、おそらく

階段から落ちる(今までなかったへこみがあり)
↓頭部をうち裂傷
痛みによりしばらくうごけなくなる
↓階段下に血溜まり発生、手に血が付着
立ち上がり直接圧迫止血法を実施

ふらふらと壁に手をつけながら家電話までいき119
↓壁、床に血が付着
電話して洗面所へタオルをとり頭に押し付ける。

玄関から外へ出て鍵を掛ける。
↓携帯はポケットに入れていた模様。
待っている間に意識失う。

病院行き

おそらくこんな感じだと思います。

ただ……不可解な点がいくつかあるんですよね……理解不能な事がいくつか……

まぁ、事件ではないのは確定的かと思います。

ご心配かけて申し訳ありませんでした。

あれから不幸な事も収まりつつありますのでもう大丈夫だと思います。

多分



自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/09/04(日) 11:14:26.71 ID:Nmmn9dfz0
油断禁物だぞ書条さん


不幸とは 忘れぬうちに やって来る

                   上条 当麻
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
456 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/04(日) 12:10:17.68 ID:yMX/Tw8DO
>>455
了解です。気をつけておきます。





自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
457 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/05(月) 00:25:26.23 ID:LOgDWaBDO

皆様いつもレスありがとうございます。1です。

少しうとうとしてたので昼寝をしたら今起きた。寝すぎだろ……

さて、アンケート結果は……

2 とある転生の死んだ世界戦線

に決定です!

時間は遡って8月20日、ある少女との出会いから始まります……(全3回予定)

第一回出演

ゆり かなで 日向 ユイ

でお送りし、また機会があるときに第2回をやろうと思います。こちらは本編と繋がるため、なるべく早めに

ではまた次回。



458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/09/05(月) 02:53:31.27 ID:CN/M3lZqo
事故のときは無意識だったということか……







459 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/05(月) 04:34:32.41 ID:LOgDWaBDO
>>458
うーん……確かに無意識だったのかもしれませんね?

階段のへこみっていうのも上から4段目でかなりへこみが激しいんですよ……

だから階段前で意識を失って前に倒れた? そしてなんの抵抗もなくぶち当たったとしか思えない位なのですよ。

さらに家からは2回の119(前日と入院日)通報?

さらには友人(2人で別の場所にいる)が入院前日に私を見たらしいのですが髪の長い女の人といたらしいのです。 だれそれしらないんだけど?

1人は病院前、もう1人はスーパーで同じ人を見たそうです。

さらには退院後には洗面所に長い髪があり、もしかしたら人がいたのかもしれませんが知り合いに該当者なし。うーん、だれなんだろ?

そもそも私はあまり家に人を上げない人間なので知らない人を上げるとは考えづらいし……やはり考えても該当者なし。本当に誰なんだろ?

正直かなり不安です。一体私に何があってあんな怪我をしたのだろうか?

謎の女の人はだれ?

なんで記憶が戻らないの? 脳には一応損傷なしだったはずなのに?


なんかすごく不安ですね……はやく明るくならないかな……


勢いで書いてしまいました。少し反省。でも不安で仕方ないのですよ。

すいませんでした。


460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/05(月) 08:35:13.00 ID:HOGNoCLyo
長い髪の女とか怖すぎる…
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/05(月) 11:01:29.50 ID:59ijvB+Qo
ガクブル((((;゚Д゚)))))))
怖い怖い!一体何が起きたの…
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/05(月) 17:17:20.65 ID:eMlijWmko
なんかその話でSS書けそうだなwww
お大事に
463 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/05(月) 19:36:41.21 ID:LOgDWaBDO

※少し怖い話になるかも……耐性のないかたはこのレスを見ないでください。





>>461
何があったかは私もわかりません。ただ……なんかやばかったっぽいですね……

今日、最初に書いていた事故(川のやつです)の運転手が家に来たのですが……その人が言うには

「急にグイッとハンドルを取られた」

そうです。私はそれを回避しようとしたが間に合わずにあたり、土手を転がり落ちた? らしいのですが……

まぁ、覚えてませんし状況は掴めませんね?

ただ怪我はなく、笑っていたそうです。そして

「なんか最近こんなこと多いんですよね……」

とか言ってたそうです。こんなこと多いって……何があったの?

うーん……謎が深まっていきます。

あともうひとつ、入院した日の朝早くに友人に変な電話をしたみたいなんですよね……内容は今日教えてもらいましたがあまり話したくないです。

というより現実逃避。そんな事あるわけがない。

今は何もないしもう大丈夫なのか?

不安でやばい。すごくやばい。

もう話を聞かない方がいいのかもしれませんね。女の人の話も……なんか異常な感じがします。普通じゃない。

このレス書いてたときにふとある事を思い出した……もうホラー小説読めない。笑えない。

ではまた……もう怖いのはやだよ……

464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/05(月) 21:10:52.61 ID:SkD9/kgIO
よし、お祓いにいこう
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/05(月) 21:27:17.01 ID:3sMQ2Yeco
ポジティブシンキングだよ!いいことを考えるんだよ!
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/05(月) 21:35:45.04 ID:mU05MM1So

そうだ、神社に行こう


・・・お寺とか
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/05(月) 22:38:19.36 ID:HOGNoCLyo
何か>>1に元気が出る物を送りたい
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 06:42:00.19 ID:LeaXx5nao
神社とお寺は違うものな気がする
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 13:04:14.90 ID:V7Sga/VIO
髪が長い女性って……インさんじゃ無いよな
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/09/06(火) 16:24:40.59 ID:FRdcbQBa0
まさか…■■さん…?
いや、それは無い、よね…?
ただ、非常によろしくないと思います。
>>464さんが仰るとおり御祓い等をされてみてはいかがですか?
471 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/06(火) 18:18:12.07 ID:Q9uB6q1DO

皆様、ありがとうございます。1です。

>>467
皆様のレスですごく元気をもらってます。これ以上元気を貰える贈り物はこの世にはないと思われるので大丈夫ですよ。

>>469、470様
ああ、インデックスや■■だったらどんなにいいだろうか……
でも残念ながら「黒い髪で全身黒の服」らしいので違うのです。いや、まさか■■黒服バージョンなのか? ならよし!

冗談はさておき、お祓いですか……今は何もないから大丈夫だと思うのですが、したほうがいいですか?でも出費が……

友人からの電話の話、した方がいいですか? かなりヤバイ内容なのですが……需要があればまとめてみます。

ただ、私はそれを聞いたあと

鏡が怖い
深夜が怖い
インターホンが怖い

正直ヤバイ位に怖いです。

そういえば……その電話の話の中で普通の水だったのに数分後に異常に味が変わって飲めなくなった(苦く、臭くなったらしい)という事があったらしいのですがそれはなんでしょうか……何かわかる人は教えていただけると幸いです。

ではまた。あぁ、退院後から夜が来ると何か空気が重いんだよな……不安だ。

472 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/06(火) 18:26:38.60 ID:Q9uB6q1DO
おおぅ……見落としてた。

>>465
いいことですか……えっと、
知らない間にAB2巻が家にあった。(血付き)

知らない間にPSPが新しくなった。(事故で弁償してもらったそうです)

……うわぁ、少なっ! いやいや今生きてることが最大の幸福。皆様のレスを見れて幸福です。

ポジティブシンキングで頑張るぜぃ!
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 19:05:26.92 ID:LeaXx5nao
簡単なペットを飼ってみたらどうだい?
夜中に何かと一緒にいると少しは不安じゃなくなるかも
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 19:11:55.33 ID:D1JjJmx40
>>1
あくまで個人で素人の意見なので流し読み程度でいいですが、
お祓いはやはり受けた方が良いと思います。
安かろうと高かろうと>>1の心を落ち着ける為にも必要だと私は思います
それと黒い人ですが、それが普通の人間だというなら周りに話を聞いた後で
引っ越すか片をつけるかするべきだと思います
普通じゃない場合は...お祓いのあと引っ越しを進めます
475 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/06(火) 19:45:02.27 ID:Q9uB6q1DO
>>473
ペットですか……今はむりですね。ただ買うとしたら

ジョルジュ………ジュルリ

ですね。陸亀がいいです。

>>474
やはりそうですか……
ちなみに黒い女の人は間違いなく普通ではありません。

というより電話の話で聞いたところによると私も見たみたいですね。

うーん、引っ越しはしたくないし……まぁ、なんとかなるかと思います。

476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 22:02:14.57 ID:bQZ8lNg2o
出来れば電話の話kwsk
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/09/06(火) 22:56:14.06 ID:rtg30ckc0
自宅に結界でも張ったら?
日本の場合は国土自体が馬鹿でかい龍脈と言うかパワースポットみたいなものだから風水とかが適してると思うぞ
塩撒くだけでも大分違う
幽霊とかと達公になりたいなら別だけどな

余談だが、もし四谷[ピーーー](おi[ピーーー])の話演じるならその前に御祓いしろ
独り言や誰かとの会話で出た場合はその場でガチで誤ると良いらしい
死にたくなかったら実行しとけ
マジでやばいぞ
478 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/07(水) 02:29:36.74 ID:dEWnB3YDO

うたた寝してた……寝ます。

>>476
では明日の朝にまとめてみます。夜にやるのはちょっと……

>>477
四谷……の話ってなんでしょうか? 詳しく教えていただけると嬉しいです。
塩は昨日まいときました。玄関には盛り塩を……家庭用でいいのかな?

ただ、昨日の夕方感じていた重苦しい空気はなくなってます。うーん、なんだったんだろ? いや、安心したところに来るのか? やっぱり定番なのか?

とりあえず眠いし寝ますね。

ではまたノシ
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/09/07(水) 02:31:45.58 ID:LP8vbP5Ko
>>478
まあ、何もなければいいが……
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/09/07(水) 09:39:37.11 ID:3Ghmf94y0
>>478
あんまり詳しく話をしない方が身の為ではあるのですが……
四谷怪談って知ってるか?(←ねぼし風)

実際にあった事件を元に創作された有名な怪談話で、江戸の雑司ヶ谷四谷町(現・豊島区雑司が谷)が物語の舞台らしい
内容は、岩(お岩さん)という人が夫である伊右衛門に惨殺されて、岩が亡霊となり復讐する話だ
だだし、この話が有名な理由は↓である可能性が高い
この話を歌舞伎でやろうとした時に、役者やその他関係者が次々と不幸に見舞われた
これはお岩の呪いとして語り継がれることになった
その後、現代においても度々ドラマや映画等の題材として取り上げられるが、呪われたとされる役者等はかなりいるようで、芸能界では事故等を未然に防ぐ為、お岩稲荷という神社に御参りするのが伝統である

大体こんな感じだったと思う
間違ってたらスマソ
481 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/07(水) 13:36:55.83 ID:dEWnB3YDO
>>476
まとまったので見てください。よく見たらB級のホラーだな、これ





※ 怖い話になります。耐性のないかたはスルー推奨。

友人との電話の話です。深夜に私が電話をかけるところから始まります。


友「なんだよ、1。こんな深夜に!(午前2時くらい)」

1「ごめんごめん、ちょっと聞きたいことがあってさ」

友「俺に聞きたいこと? 珍しいな」

1「お前、俺んちの前に来てない? 前やった『突撃! 深夜の大訪問!』とかいってさ」

友「はぁ? ないない。あれは酔っぱらってたからやっただけだぜ?」

1「あれ? 違うの?」

友「違う違う。今、寝ようとしたところだよ」

1「……じゃあ誰だろ?」

友「何が?」

1「いや、さっきからインターホンがなってんだよね。かれこれ5分位」

友「はぁ? こんな深夜にか?」

1「お前だと思ってさ。悪い」

友「い、いやいいけど何でこんな時間に?」

1「(階段を降りる音)さぁ? とりあえず急用の人だったら困るし……出てみるわ」

友「面白いから繋いでおけよ?」

1「わかった。(カチャッ)はい、1ですが…………もしもーし」

友「どしたん?」

1「返事なし」

友「帰ったんじゃねえの?」

1「(カチャッ)そうかもな。(ジャーッ キュッ)じゃあ俺も寝るわ。悪か……またなった」

友「は? 聞こえなかったけど?」

1「(カチャッ)はい、1ですが………やっぱり出ないわ(カチャッ)」

友「インターホン前じゃなくてもう扉の前にいるんじゃないか?」

(うちはインターホンと扉が3m位離れています)

482 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/07(水) 13:37:38.78 ID:dEWnB3YDO

※ 怖い話になります。耐性のないかたはスルー推奨。





1「かもな……(ジャーッ キュッ)……行ってみるか」

友「さっきから何をしてんだよ?」

1「ああ、ちょっとのどがかわいたから水を飲んでペットボトルに水を入れてた」

友「電話中になにしてんだよ」

1「固いこと言うなよ? (ガチャガチャ カチャッ)………あれ? 誰もいないや」

友「寝ぼけてたんじゃねえの? もしくは帰ったか?」

1「……そういえばさ、昨日、頭打ったんだよね……たしか幻聴って脳にダメージあったらきこえやすいんだっけ?」

友「ああ、聞いたことあんな。あとは幻覚があれば完璧だね」

1「(階段を上がる音)お前なぁ、少しは心配しろよな? 友達やめ うわあっ!!」

友「な、何だよいきなり!」

1「い、いや、鏡になんだけどさ、女の人が写ってた気がしたんだよ。髪が長くて……黒い服着てた」

友「おっ、幻覚か? よーし、病院に行ってこい! 今すぐだ!」

1「そうだな、なんかおかしいし行ってくるわ。……ブッ! なにこれ?」

友「今度はなんだよ? ガチホモでもいたか?」

1「さっき飲んでた水が……なんていうんだろ、苦くてすごく臭い。どぶ水みたいだった。味覚障害?」

友「……大丈夫かよ?」

1「今のところはな。ちゃんとろれつも回ってるし、足や手にしびれもないし……なんなんだろ?」

友「……酒は?」

1「俺飲めない。あれは人の飲むものじゃない……酔うの怖いし」

友「一回検査を受けた方がいいんじゃないか?」

1「そうだな……そうする。明日の朝に行ってくるわ。悪かったな、こんな時間に」

友「おやすみー、またな」

この後、20分後に家の電話で119通報。救急隊員が来たときには家の鍵を閉めて玄関で倒れた俺がいたそうです。

おわりんこ

483 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/07(水) 13:47:53.26 ID:dEWnB3YDO
>>480
なるほど……あれでしたか。すいません、わざわざ伏せ字にしてまで教えてくれたのに。

多分別物かと思います。そもそも演劇なんて出来ないし、土地的にも遠いです。

昔、四ッ谷に住んでいた事があったのでドキッとしました。

さて、これで怖い話は終わります。どうやらうちの方もなくなったみたいです。よかったよかった。

さて、本題の話の続きは……おまけは全部出来ているのですが肝心の本編が出来てなくて……まだかかりそうです。

ただ、多分土曜日までには出来るのですいませんが暫しお待ちください。

ではまたノシ
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/07(水) 14:16:09.97 ID:ZKQavSgBo
すげえ怖かった……鳥肌立ったわ
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/09/07(水) 14:38:29.28 ID:osq/FMT3o
なんだかしらなけど俺もとりはだたったな
ちょっとお払いしておくか
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/09/07(水) 18:53:32.45 ID:zkkGwEJko
このスレだけ空気が違いすぎるwww
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/09/07(水) 21:25:16.39 ID:dhMjEQb2o
水が不味いのは霊のせいってばっちゃんが言ってた
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/07(水) 22:14:24.30 ID:qWMxdnx50
若干宗教の人っぽい文章なのは見逃して栗
>>1
まず間違いなくあなたにとってかなり有害なものが着いてると思われます
呪いかモノホンのゴーストかどうかは解りませんが
軽いお祓いではなく信用のできる霊媒士などのほうが良いと思われます
本気で命をとられる前に実行したほうが良いでしょう

山本まゆり?だったっけ?漫画でしか見たことないけどさ
そのへんに手紙だしてみるとか?
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/07(水) 22:53:32.25 ID:qWMxdnx50
おっとそういえば電話の話は入院前だったか
また似たような、もしくは兆候でもあったら気をつけてください
それと>>488は空気読めてなかったです
すみませんでした
490 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/08(木) 00:20:45.86 ID:6LBRTDSDO
>>489
アドバイスありがとうございます。次に同じようなのがあったらそうさせていただきます。

さて、このスレの空気がおかしくなっているので少しほんわか? させたいのです。

ということでこの前のアンケートであった『とある転生の死んだ世界戦線』を投下します。

では転生後の死んだ世界戦線メンバーをお楽しみください。

491 :とある転生の死んだ世界戦線 [saga]:2011/09/08(木) 00:21:45.74 ID:6LBRTDSDO

【学園都市〜セブンスミスト前〜】

「遅いなぁ……」

ため息をつき少女は呟く。

彼女の名前は立華かなで。霧ヶ丘女学院に通う1年生である。

彼女はちらりと時計を見た。すでに待ち合わせ時間をすぎていた。

またため息をつき、少しうつむく。

風がさらりと少女の髪を揺らす。その光景はまるで絵画のようで、いつもはナンパをしてくるであろう野郎達も声をかけられずにいるほどであった。

「かっなでちゃーん」

突然、後ろから声をかけられ、抱き締められる。

びくりとした後、その声の主が待ち合わせ相手だとわかってまたため息をついた。

「おそいよ、ゆり」

抱きついている少女は仲村ゆり。とある高校に通う2年生である。

「ごめんごめん。ちょっと来る途中にガルデモのみんなにあってさ」

そういって笑いながらかなでをまたきつく抱き締めた。

492 :とある転生の死んだ世界戦線2 [saga]:2011/09/08(木) 00:22:30.06 ID:6LBRTDSDO

「おーい、ゆりっぺ。さすがに道の真ん中でそんなことすんのはどうかと思うぞ?」

ふいに右から声がかけられた。そちらを見るととある高校の制服をきた少年が少女が乗った車椅子を押してこちらに歩いてきていた。

「あら、日向くんじゃない? 久しぶり。あとどうしたのその子、まさか人さらい?」

ゆりはそういうとジト目で日向を見ていた。

「するかっ! こいつは「フィアンセのユイにゃんです!」違う! 幼馴染みのユイだ」

日向は割り込まれた言葉に対して必死に訂正する。

それを聞いた車椅子の少女、ユイは少しむくれていた。

「初めましてユイさん、私の名前は立華かなでよ」

かなではゆいに対して微笑みかけ自己紹介をする。

「そ、その制服は霧ヶ丘女学院っ? もしかしてかなでさんは高位能力者ですかっ?」

「ええそうよ。かなでちゃんはレベル4、能力は……」

ゆりはちらりとかなでの方を見る。

かなでは必死に首を横に振っていた。

「……内緒ってことで!」
そういってゆりは強引に話を終わらせようとする。

493 :とある転生の死んだ世界戦線3 [saga]:2011/09/08(木) 00:23:09.96 ID:6LBRTDSDO

「そりゃそうだよな〜。こんな人前で能力名が『天使乃翼』《エンジェルウイング》なんて言えないよな……あっ……」

慌てて口を押さえる日向であったがすでに遅かった。

目の前には涙目でプルプル震えるかなでと怒りで震えているゆりがいた。

「……日向くん?」

ゆりは空気の読めない男に制裁を加えるためにゆらりと動く。

かなでは危機を感じて、すかさず車椅子を日向から奪う。

「夢見る乙女をこんな所で辱しめるなっ!」

そういいながら放った右上段蹴りは日向の頭にクリーンヒットしたのだった。

日向は数m吹き飛ばされ、ようやく止まった。

「今のは自業自得ですね♪ ひなっち先輩♪」

かなでに押されて近くまできたユイは、日向に対して痛烈な言葉で攻撃をする。

「いてて……幼馴染みとしてせめて心配くらいはしてくれよ」

日向はそういいながらヨロヨロと立ち上がると回りを見渡し凍りついた。

「どうしたのよ日向くん?」

ゆりはそういって回りを見渡し同じく凍りついた。

ここはセブンスミスト前。人通りも夏休み期間中なのでかなりある。

つまりはかなりの人数の注目の的となっていたのだ。

「やばっ……走るわよ、かなでちゃん!」

そういってゆりは走り出した。

後に続いて車椅子を押したかなでが続く。

「お、おい待ってくれよゆりっぺ!」

「今名前を呼ぶなーっ!!!!」

そういいながら4人はあっという間にその場からいなくなるのだった。

494 :とある転生の死んだ世界戦線4 [saga]:2011/09/08(木) 00:23:44.25 ID:6LBRTDSDO

【学園都市〜路地裏〜】

「ハァ……ハァ……ここまで来ればいいだろ……いい加減止まろうぜゆりっぺ!」

少し遅れていた日向が息も絶え絶えに叫ぶ。その声を聞き、前の二人も足を止めた。

「あら、ここら辺って秘密基地の近くじゃない?」

「なんで……息ぎれして……ないんだよ……」

肩で息をする日向に対してゆりとかなでは全く息切れすらしていなかった。

その問いかけに対して彼女らはこういい放つ。

「鍛え方が違うのよ、き・た・え・か・た・が!」

「オーバードライブはパッシブだから……」

「……そうかよ」

日向はがっくりと項垂れる。

「これからどうしよっか……あそこにはもう戻りたくないし……」

「今日はゆりとショッピングしたかったのに……」

ゆりの言葉を聞いたかなではしゅんとして元気なくつぶやいた。

「ま、まぁ、また今度にしましょ? 今日は秘密基地で遊びましょ? ねっ、かなでちゃん?」

落ち込んでいるかなでをなんとか元気付けようと慌てるゆり。だがその言葉に別の人間が反応する。

495 :とある転生の死んだ世界戦線5 [saga]:2011/09/08(木) 00:24:19.10 ID:6LBRTDSDO

「こんな路地裏に秘密基地って……もしかしてゆりさん達はスキルアウトなんですか?」

ユイは少し怯えた目をしてゆりを見ていた。

ゆりは目を丸くしたあとに盛大に笑い始める。

そのうしろでは仔猫を見つけたかなでがそちらに歩いていった。

「あっはははっ! 私達がスキルアウト? 違うわよ」

「違うんですか?」

「私達はSSS。『青春を精一杯楽しむ戦線』よ。いわばただの遊び仲間なだけよ」

「大がかりな事もやったりするけどな?」

それに同意するように日向がユイの頭を撫でながら言った。

「そうだったんですか〜。ひなっち先輩が不良になってなくて安心しましたっ♪」

「お前なぁ……」

嬉しそうに言ったユイの言葉に日向がため息を吐き、肩を落とした。

496 :とある転生の死んだ世界戦線6 [saga]:2011/09/08(木) 00:24:54.97 ID:6LBRTDSDO

「メンバーは皆どこかにこのワッペンかバッチをつけてるわ」

かなでは少し離れた所から仔猫を撫でながら自らの腕についているワッペンを指差した。

「さて、立ち話もなんだし秘密基地に行きましょ?」

そういってゆりは歩き始めた。日向も後に続こうとユイの車椅子に手を伸ばした時にユイが少し元気のないことに気づいた。

「……秘密基地もいいんですけど……」

ユイは呟く。

「ん? どうしたユイ?」

日向はユイの顔をのぞきこんだ。

「ガルデモ、見たかったなーと思って……」

残念そうにそうつぶやく。おそらく、かなり楽しみにしていたのだろう。

「ガルデモ? さっき会ったけど今日は秘密基地で練習するっていってたわよ?」

「……はいぃ?」

予想もしていなかったゆりの言葉にユイは少し裏返った声で返した。



497 :とある転生の死んだ世界戦線7 [saga]:2011/09/08(木) 00:26:03.88 ID:6LBRTDSDO

「ガルデモも我がSSSのメンバーよ? 日向くんから聞かなかった?」

ユイの驚いた表情がおかしかったのか、ゆりはくすりと笑いそう言った。

「なんですと〜っ! 聞いてないっすよ! どういうことですか? 日向先輩?」

それを聞いたユイは手足をバタバタさせながら日向に抗議していた。

日向はそう言われて少しオドオドしながら弁解をする。

「い、いやユイは昨日退院だったから学園都市を案内しながら探せればいいかなって……」

「最後にSSSに来たのはたしか3月位だっけ? それからは学校でもすぐに帰っちゃってたし、多分ユイちゃんの所に行ってたからじゃないのかしら?」

ゆりはすかさず日向のフォローに入った。

その言葉を聞いたユイは頬を赤く染め、嬉しそうな表情をした。

しかし、その表情をニヤニヤしながらゆりが見ていた為、慌てて顔を背けると、

「……今日はゆりっぺさんに免じて許してあげます」
と言った。

「お、おう、ありがとなユイ」

そういいながら日向はまた頭を撫でる。

後ろにいる日向からは見えていないが、ユイの顔は真っ赤になっており、幸せそうに笑っているのだった。

498 :とある転生の死んだ世界戦線8 [saga]:2011/09/08(木) 00:26:33.75 ID:6LBRTDSDO

「ゆりさん、本当に岩沢さん達に会えるんですか?」

しばらくして少し落ち着いたユイはゆりに対してこう質問をした。

「もっちろん! きっとみんなが歓迎してくれるわよ?」

ゆりはそういってニコリと笑いかけた。

「ねえユイさん、私達の戦線に入らない?」

いつの間にか黒い仔猫を抱いて近くに来ていたかなではユイに向かって問いかける。

「えっ? いいんですか?」

ユイは驚いた表情でゆりを見る。

それを見たゆりはニッコリと笑いこう答えた。

「もちろんよ! 歓迎するわよ?」

「入ります! ぜひ入らせてください!」

ユイは片手を挙げて元気よく言った。

かなではクスリと笑うとゆりの方を見る。

ゆりは財布と携帯を取り出して日向に向かって財布を投げる。

「日向くん、今からユイちゃんの歓迎会するからそれでジュースとおかしをたくさん買ってきて?」

「えぇーっ? 俺かよ?」
財布を受け取った日向はそうぼやいた。

だが、顔は嬉しそうだった。

「野田くんと藤巻くんにも頼むわよ。いつものスーパーにいかせるからはやく行って待ってなさい?」

「ったく、仕方ねーな!」

ニヤニヤする顔でそう言った日向はスーパーに向かって小走りで駆けていった。

499 :とある転生の死んだ世界戦線9 [saga]:2011/09/08(木) 00:27:18.08 ID:6LBRTDSDO

「ゆり、いつもの言わなくていいの?」

仔猫を抱いたかなではそういって首をかしげる。

「そうね。かなでちゃん、安全ピンでつけるタイプのワッペン持ってない?」

「あるわよ? はい、ゆり」

かなでは一旦、猫を下ろすと鞄からワッペンを取り出した。

それを受け取ったゆりはユイの左腕の袖にワッペンを丁寧につけると

「ようこそ、SSSへ。よろしくねユイちゃん!」

ニコリと笑ってこう言うのだった。

「よろしくお願いします!」

ユイはそういって笑顔で答えるのだった。

日付は8月20日。夏休みも終わりに近づいた時期にユイはたくさんの友人が出来た。

「じゃあ行きましょっか?」

そういいながら車椅子を押してくれるゆりを見ながらユイは思う。

初めて会ったはずなのにゆりやかなでの事をなぜか昔から知っている気がする。

その不思議な感覚に少し戸惑いながらもユイはうれしく思うのだった。


to be continue!

500 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/08(木) 00:35:50.66 ID:6LBRTDSDO

以上です。

……実はこれ、違うスレを作ろうと思ってたんですよ。

ただ、似たような感じで私よりも上手いSSがあったので没にしました。

そして、今のところはそんな余裕なしでさらに書きたいのがたくさんあるのです。

焔の料理人ステイルさんのやつとか
ハルヒちゃん×禁書とか
上条さんのクローン話とか
一方さんと上条さんが料理でみんなと仲良くなる話とか
勇者を鍛える平和主義な魔王の話とか

まぁ、現状書けませんけどね。いつかは書きたいのが本音です。

これでスレの流れはよくなればいいのですが……

ということでまた次回。

予告通り土曜日かと思います。

501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/09/08(木) 01:38:48.64 ID:L7Kjpo5t0
良いなこれ、ただ、その後の展開があれだから諸手を挙げて喜べないこのもどかしさ。

流れは良いと思いますよ。
無理はせずゆっくりお願いします。


コノハナシノツヅキガミテミタイナー(チラッチラッ
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/08(木) 06:40:41.04 ID:hc1rIYzto
乙!
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/08(木) 09:31:21.34 ID:sH9B0swmo
こう言う雰囲気も悪くない
没にするのは勿体無いなー(チラッ
乙です
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/08(木) 13:34:36.24 ID:jBipjlCIO
良いじゃんこれ!
本当にボツじゃもったいないなぁ(チラッ
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/09/08(木) 19:23:35.65 ID:Kr8GoHUz0


何本も手を出して全部放置スレになった人もいるから終わるまではメモ帳とかに貯めといた方がいいよ
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/09/08(木) 23:19:34.19 ID:Mn+p3LYi0
乙乙! 同じスレで2本同時よりも別スレたてるんだよね(チラッ
507 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/10(土) 18:02:03.58 ID:eVrVnazDO

どうも、1です。

>>501、503、504、506様
少しいい間違えました。ボツと言うよりそれを元に書き直した、が正しいですね。

元は主人公に音無でメンバーとの再会やらかなでとの出会いやらを書いたものでした。

しかし自分のスレや違うスレでの設定かぶりが多く、どうしようと考え、じゃあこちらに繋いでしまおうと思い、書き直したものが『とある転生の死んだ世界戦線』にあたります。

ですから新しくスレは作らないと思います。期待してくださった方、すいませんでした。

>>505
そうさせていただきます。ただ、今書いてるのもいっぱいいっぱいですので書く暇が……

さて、言い訳はさておき投下します。

508 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:02:41.55 ID:eVrVnazDO

【天上学園〜男子寮屋上〜】

「なんか毎日ここに来てる気がするな……」

上条は星空を見ながら呟いた。

寝る前に屋上で星を見る。

上条は最近、日課のようにそれを繰り返していた。

上条は別に星空が好きで毎日見ているのではない。

悩みや考え事があるためここに来るのだ。

いつもは現世にいる家族や友人がどうなっているのかやあの時助けた少女、インデックスがどうなったかという事を考えていたのだが今日は別の事を考えていた。

「………天使か」

上条は呟く。

彼は『天使』の事をで悩んでいた。

あの『天使』と呼ばれる人物をみるのは2回目である。

1回目はオオイノシシ(上条命名)から助けてくれた。

2回目は自分の敵として現れた。

味方なのか?

敵なのか?

上条は判断に迷っていたのだ。

上条は持ってきていたKeyコーヒーをチビりと少し口に入れる。

それは口のなかに苦味と少しの甘味を残して喉の奥へと消えていった。


509 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:03:17.11 ID:eVrVnazDO

「こんな時間に何やってんのアンタ?」

突然後ろから声をかけられる。

驚いて後ろを振り向くとそこにはシャツと短パンというラフな格好をした少女が立っていた。

「び、ビリビリか? 何でこんな所に? そもそもここは男子寮だぞ?」

「ビリビリ言うなっ! 私も好きでこんな時間にうろうろしてる訳じゃないわよ!」

美琴はそういいながらもビリビリと放電する。それがあだ名の原因であるのだが……

「じゃあ何でこんな所にいるんだよ?」

上条がそう言うと、美琴は何かを思い出して大きくため息をついた。

「………寝ようと部屋に戻ったら変態が私のベッドにいたのよ……今そいつから逃げて来たところよ」

「女子寮には変態がいるのかよ? 上条さんは信じられませんのですが……」

上条は首をひねった。女子寮に変態がいるなんてあり得ないことだ。もしいたらそれは大変なことであり、誰もが安心して眠りにつけないだろう。

だが、美琴から帰ってきた答えは上条の予想の斜め上をいっていた。

「本当にいるのよ……というより今日からいるの。空間移動が使えるから鍵閉めても意味ないし……不幸だわ」

美琴はそう言うとまた大きくため息をついた。


510 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:03:46.05 ID:eVrVnazDO

「空間移動?……もしかして白井の事か?」

「正解……慕ってくれるのは嬉しいんだけどね? あの変態癖さえなければ……」

そういいながらまたため息をつく。

「……大変だなお前も」

ここまで落ち込む美琴を初めて見た上条はさすがに同情をした。

「はぁ……先が思いやられるわ。それで逃げてたらアンタがここにいるのが見えて来たのよ」

「なるほどな……でもここまでどうやって来たんだよ?」

上条は疑問に感じた。

ここは男子寮の屋上である。普通の人なら男子寮の中を通らなければ来ることは出来ない。

確かに美琴は超能力者ではあるが、彼女の能力は『電撃使い』。それでは男子寮の中を通らずにここには来れない。と上条は考えた。

「それなら簡単よん♪」

そういいながら彼女は屋上を囲う手すりを乗り越えてその外側に立った。

「お、おい御坂? あぶねえぞ」

動揺しながら心配する上条に対して美琴は悲しそうに笑うと

「……さよなら」

と言ってそこから飛び下り、屋上から姿を消した。



511 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:04:25.09 ID:eVrVnazDO

「おいみさっ……」

そういって下をのぞきこむ上条。そこには予想もしていなかった光景があった。

怒りをこらえながら上条は声を出す。

「…………何してやがるテメエ」

美琴は壁に立った状態で制止していたのだ。

「どう、ビックリした? こうやって磁力を使って登ってきたのよ」

美琴は上条の焦った顔を見て満足したのか、ニヤニヤ笑いながらまた屋上に戻ってくる。

「……………お前なぁ!」

「あ、あれ? 怒ってる?」

怒りの表情を見せる上条を見て、美琴はかなり焦る。

「当たり前だ!!! あんな言葉を言っていきなり飛び下りやがって! やっていい冗談と悪い冗談があるだろ!」

「ごめんごめん! まさか怒るとは思わなくてさ?」

怒る上条に美琴は手を合わせて謝る。

美琴の謝る姿を見た上条は大きくため息をつくと

「ったく、心配して損したぜ」

誰にも聞こえない位に小さな声で呟いた。



512 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:05:02.46 ID:eVrVnazDO

「それで、アンタはなんでここにいるのよ?」

謝るのをやめた美琴は上条に対して質問をする。

「上条さんは星を見てたのですことよ?」

「星? アンタが? 似合わないわね」

美琴はバカにした笑いを浮かべると上を見上げる。

「きれいね……」

美琴は思わず声を漏らした。

そこには見たことのない程の星が夜空に煌めいていた。

「こんなの学園都市じゃ見れなかっただろ?」

上条はそういって手すりに肘をのせて夜空を見上げた。

辺りは心地よい静寂に包まれており、上条と美琴はしばらくの間、夜空を眺めていた。


美琴は夜空を見上げるのに疲れ、ふと上条の方を向いた。

上条は美琴が見ていることに気付いてないのか、心底リラックスして、穏やかな笑顔を見せて夜空を見ていた。

その表情を見て、美琴は自分の心臓が早く動くのを感じる。

だが、それを気持ち悪くは感じない。むしろとても心地よく感じていた。

(やっぱり……コイツと一緒にいると安心するし、たのしいのよね……)

美琴は素直にそう感じた。
(もっと一緒にいたい……)
そう思った美琴はゴクリと唾を飲んで上条を見る。


513 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:05:35.18 ID:eVrVnazDO

「そ、そうだ。アンタ明日は暇?」

ドキドキしながら美琴は上条に問いかける。

「明日か? オペレーションがなければ予定はないけどな」

上条は美琴の方を見るとそう答えた。

「じゃ、じゃあわた……」
勇気を出して上条を誘おうとした時、1つの影が上条の後ろに現れた。

「こんの類人猿があああぁぁぁぁっ!!!!」

その影の名前は白井黒子。黒子は上条に対して盛大にドロップキックを喰らわした。

「ぶふぉっ!!」

いきなり後頭部にドロップキックを喰らった上条は手すりを越えて前方へと吹き飛ばされる。

「へっ!?」

「えっ!?」

上条は間抜けな声を出して美琴は目を丸くした。

「嘘だろおぉぉぉ!?」

手すりを越えて空中へと投げ出された上条の体は自由落下を開始した。

グシャリ、そんな音が辺りに響いて静かになる。美琴はそれを聞いて凍りついていた。


514 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:06:06.07 ID:eVrVnazDO

「お姉様、こんな所にいましたのね?」

それに対して上条を突き落とした張本人である白井は平然としていた。

「く、黒子……アンタ今……」

震える声、震える体で白井を見る。その眼には少し涙がたまっている。

「ああ、あの類人猿の事なら大丈夫ですね。ここは死んだ後の世界。すぐに治りますわ。それに……」

白井に黒い笑みを浮かべて上条が落ちた方へと顔を向ける。

「わたくしの怒りはこんなものでは済みませんわ! これは天誅ですの!」

「……」

白井の圧倒的な黒いオーラに恐怖を感じた美琴は何も言えなくなっていた。

「さてお姉様、帰りましょう」

そういいながら美琴に触れた白井は女子寮に向けて空間移動を開始した。

そのあと、白井に押し倒されそうになった事で我にかえった美琴は、白井にキツい電撃を浴びせながら上条を心配するのだった。



515 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:06:50.59 ID:eVrVnazDO

【天上学園〜河原〜】

ー10:00ー

「ふぅ、そろそろやめるか」

上条は呟き、額の汗を拭った。

右手には拳銃、足元には大量の薬莢が転がっている。

上条は白井に突き落とされた後、何となく眠ることが出来なくて朝はやくから銃の練習に励んでいた。



「相変わらずだね、上条当麻」

「ステイルか、何か用か」

いつの間にか後ろにステイルが立っていた。彼は電子タバコを燻らせながら上条を見ていた。

「特に用はないさ。ただ、ルーンカードを作っていたら銃声がしたから見に来ただけだよ」

そういいながら肺に溜まっていた煙を吐き出した。

「まぁ、今日はもう終わりにしようと思ってるけどな」

「そうか……君はこれから何か予定でもあるかい?」

「上条さんは魚釣りでもしようと思ってますよ」

そういいながら右手で足元の薬莢に触れる。触れた薬莢は土に戻っていった。

「ほぅ、魚釣りか……僕もやっていいかい?」

「いいんじゃないか? 竿も2つ持ってきてるし……でもルーンカードはどうするんだ?」

足元の薬莢を全て土に戻し終わった上条はステイルに問いかけた。

「今は2,500枚程あるから大丈夫だよ。作戦本部にも目立たないようにかなりの数を張ってあるしね」

「……そんなに作ってたのかよ。まぁいいか、さっそく始めようぜステイル」

そういいながら釣竿をステイルに渡すと川に向かって歩いていった。


516 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:07:53.82 ID:eVrVnazDO

ー1時間後ー

「……」

「……」

「……平和だな」

「そうだな、上条」

両者ともすでに数匹の魚を釣りあげ、ステイルは釣りをやめて河原に寝そべっていた。

「……」

「……」

心地よい静寂が辺りを包んでいる。

「なぁ、ステイル」

上条は後ろを振り返りステイルを見た。

「なんだい?」

それに対してステイルは空を見たまま答える。

「インデックスはあの後どうなったんだ?」

ステイルは少し悲しそうな眼をして上条の方を向く。

「……今は学園都市で幸せに暮らしているよ」

「学園都市?イギリスじゃないのか?」

「一度イギリスに帰ったがイギリス清教は信用できなくてね。学園都市の知り合いに預けたんだ」

「へぇ、そっか。よかったな」

上条は満足そうな笑顔を見せるとまた釣りを再開した。


517 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:08:34.82 ID:eVrVnazDO

「……少し独り言を言ってもいいかい?」

「……上条さんは釣りに夢中で気づかないと思いますよっと、……おおまた来た!」

上条の竿がしなる。また魚が釣れた様だ。

「………上条当麻、君には感謝しているんだ。僕たちは何の関係もなかった君を捲き込んだのに、君は僕たちを救ってくれた」

「インデックスの『首輪』を外し、彼女を負の連鎖から解き放ってくれた。……ありがとう。……そしてすまなかった」

ステイルは泣きそうな声を出して上条に謝罪する。

上条は背中を向けながら聞いていた。

「…………気にするなよ、済んだことじゃねえか」

ボソリと上条が呟いた。

「しかし君はそれで……」
「ステイル、ごめん。火を忘れたから魔術で出してくれねえか?」

上条はステイルを見ずに魚を捌いて串に刺していた。

「……わかった」

そういいながらルーンカードを取り出して持ってきていた薪に火をつけた。

「………俺はあいつが笑ってくれているならそれでいいんだ。さて、独り言は終わりだな?」

上条はようやくステイルを見てニカリと笑う。

「ああそうだね、魚も釣れたし早く食べてタバコの葉を探しに行くとしよう」

ステイルも同じように笑い自分が釣った魚を調理し始めた。

「そうだな。上条さんも手伝いますよ。今日こそ見つかるといいな」

「見つけてみせるさ」

そういって焼けた魚を口に運んだ。

この二人は知らない。

今日もタバコの葉っぱは見つからない事を。

そしてまたオオイノシシに遭遇して今度は二人とも撥ね飛ばされる事を。

そして上条は知らない。

1日中上条を探していたビリビリ中学生に文字通り雷を落とされることを。

彼らの1日はある意味始まったばかりであるといえる。


518 :ちょっと書き方が変わります。 [saga]:2011/09/10(土) 18:09:21.47 ID:eVrVnazDO

【天上学園〜校長室〜】

ー19:00ー

カチャカチャと鉄を合わせる音が室内に響く。上条が銃を手入れしている音である。

「………ふぅ」

ため息をつき、顔を上げる。その手には組み上げられたばかりの拳銃が握られていた。

ふと辺りを見回すと、いつの間にかかなりの人が校長室に集合している。

上条の横には銃を手入れするのを見ていた御坂美琴がいる。

また、正面にあるソファーにはルーンカードを一枚一枚確認しているステイル=マグヌスと、先程からブツブツといいながら鉄矢を黒い笑みで磨いている白井黒子がいる。

また、校長席では先程まで『妹達』による話し合いが行われていたが、どうやら終了したらしく、今は静かにお茶を飲んでいるようだ。

「そういえば、この天上学園に伝わる七不思議はなんなのでしょうか?」

静かな部屋に9984号の声が響く。

※ ここからは動きがほとんどないため会話のみでお楽しみください。

9982号「七不思議ですか……そういえばそんなのもありましたね。とミサカは話を思い出します」

美琴「へぇー、そんなのあるんだ。佐天さんが好きそうな話よね?」

白井「そうですわね、お姉様」

ステイル「それで、どんな話だい?」



519 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:09:58.75 ID:eVrVnazDO

9984号「そうですね、まず1つ目は『消える生徒』です」

白井「き、消える生徒ですの? まさか人拐い?」

9984号「いえ、目の前でいきなり消えてしまうそうです」

上条「な、なんか怖いな……」

「な、何? あ、アンタびびってんの?」

ステイル「……それは僕らのことじゃないかい?」

9984号「その通りです。満足して成仏したところを見られたのでしょう」

ステイル「やっぱりそうか……」

9984号「ただ、昨日の夜から「お姉様」と呟きながら女子寮を徘徊する人物も目撃されております」

9984号「その人物は髪を振り乱して一瞬のうちに廊下の端から端まで移動したそうですよ。中には部屋のなかにいきなり現れたと言う証言もあります」

上条「……それは白井じゃねえか?」

美琴「黒子……アンタねぇ……」

白井「ご、誤解ですのお姉様! わたくしはただお姉様を探してただけで……」

9982号「夜中に何してるんだよ? とミサカは本気で貞操の危機を感じつつ、突っ込みを入れます」


520 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:10:26.65 ID:eVrVnazDO

白井「心配なさらずともわたくしはお姉様一筋ですの。例えそっくりでも貴女達に興味はありませんわ」

9984号「……今晩、私がお姉様のかわりに慰めてあげましょうか?」

白井「ブッ!」

上条「……白井、鼻血と涎がでてるぞ……」

白井「ウェヘヘヘ……はっ!わたくしとしたことがっ!」ダラダラ

9982号「……本気で心配になってきました。とミサカは今日はミサカ達でまとまって寝ようと心に決めます」

白井「よ、寄り添うお姉様方……ウェヘヘヘ」

美琴「……こんな後輩でごめん……これには本気の電撃をくらわせていいわよ?」

白井「お、お姉様? これ扱いは酷いですわ!」

9984号「でも電撃には耐性があるのでは? とミサカは不安で一杯です」

美琴「ならそうね……銃で撃つとか……いや、いっそのこと爆弾で吹き飛ばしても……」

上条「ヲイヲイ……洒落になってねーぞ?」

美琴「あら、私は本気よ? 妹達に手を出したら……」

白井「わ、わかりましたの! この白井黒子、お姉様の妹様達には絶っ対に手を出しません! 誓わせてもらいますの!」

521 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:11:10.03 ID:eVrVnazDO

9982号「話もついたので次にいきましょう。とミサカは指向性爆弾を準備させながら話を進めます」

白井「わたくしが何をしたというんですの……」

美琴「変態行為ね」

上条「変態行為じゃねえのか?」

ステイル「変態行為じゃなかったか?」

9982号「変態行為です。とミサカは卑下した目を白井さんに向けます」

9984号「ミサカネットワークでも満場一致でした。とミサカは皆さんに知らせます」

白井「ひ、ひどいですの」

白井「せ、せめてお姉様の慎ましい胸で泣かせてくだあbbbbbb……」

美琴「慎ましい胸っていうなっ!」バチバチ

9984号「変態も駆逐できましたね。次は『二人いる生徒会長』です」

上条「はい? 生徒会長がふたり?」

ステイル「にわかには信じられない話だね」

9984号「これはただ生徒会長が働きすぎなためと思われます。イベントの企画に準備、さらには生徒会としての活動や園芸までやってますから」

9982号「この前は校庭の掃除をしてましたね。とミサカはあの人の働きっぷりに感動すら覚えます」

上条「働きすぎじゃねえのかそれ」

ステイル「……彼はNPCなのか?」

美琴「確かにそうね……特殊すぎない?」

9984号「その通りです。彼は特殊すぎます。そして前の『死んだ世界戦線』が残したノートにはっきりと『生徒会長は天使』と書かれています」

上条「じゃあ……音無さんが天使?」

9984号「結論から言えばNOです。天使が出没している時に生徒会長が別の所にいることを確認したことがあります」

9982号「ですから彼は『生徒会長という役割を持つNPC』なのだと思います。とミサカは結論づけます」

ステイル「なるほど役割を与えられたNPCか……それなら納得がいくね」



522 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:11:56.18 ID:eVrVnazDO

9984号「では次は『覆面をつけた生徒』……まんま天使ですね。彼は悪いことをするものを罰するということしかわかりませんね」

白井「まるで風紀委員のようですわね」

上条「し、白井ぃ? いつの間に復活したんだ?」

白井「もともと死んではいませんの」

美琴「だんだん電撃の耐久性がつよくなってきてるわね……」

9982号「私達に倒せるのでしょうか? とミサカは不安で押し潰されそうです」

白井「それで……次はなんですの?」

9984号「え、ええと……次は『カゲ』なんてどうでしょうか? とミサカは動揺しながら答えます」

上条「『カゲ』? なんだそれ?」

9982号「『カゲ』は私達も確認出来てません。とミサカは知らないことをアピールします」

9984号「そして噂によるとそれはいきなり現れて生徒を地面に引き摺りこんで魂を食べるそうです」

「ふーん、そんなのがいるのかな……どうした美琴? 服を引っ張ると伸びるのですが……」

美琴「い、いや、何でもないわよ?」カタカタ

上条「そんな涙目で言われても説得力ねーと上条さんは思いますよ」

白井「……類人猿コロスッ!!!!」

9982号「まぁ、ただの噂話だとは思いますけどね。とミサカは話をまとめます」


523 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:12:22.89 ID:eVrVnazDO

9984号「次は2つまとめて話します。1つは『謎の転校生』、もう1つは『陽炎の町』です」

ステイル「なにか関連性があるのか?」

9982号「その通りです。とミサカはステイルさんの推測に同意します」

9984号「実はこの噂の目撃者はたくさんいるのですよ。そして、一方の噂が立つときはもう一方も噂であがります」

美琴「ふーん。それでどんな話なの?」

9984号「1つ目の『謎の転校生』は誰も知らない制服を着た人物が学校内を歩いている、という話です。その人物はいつの間にか消えているそうですよ」

上条「うーん、まるで俺達じゃねえか?」

9984号「ただ、その人物は毎回同じ人物なんです。眼鏡に長い髪、胸が大きく、どこかのんびりした雰囲気の生徒です」

ステイル「会ったことはあるのか?」

9982号「2回程あります。とミサカは過去ログを参照して答えます」



524 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:12:48.86 ID:eVrVnazDO

美琴「あ、会ったことあるの?」

9984号「ええ、そのうち1回は話してもいますし、1回は目の前でいなくなってしまいました」

白井「まるでお化けですわね……」

上条「お、おい美琴? あまりくっつかないでくれると上条さんはうれしいかなーと思うのですが……」

美琴「な、何よ? くっついてなんかないわよ?」

上条「はいはいわかりましたよ。んで、『陽炎の町』ってのはなんだ?」

9984号「『陽炎の町』は……申し訳ないですが未確認です。学校外れの森の中に町が浮かば上がる、というものらしいのですが……」

上条(あ、あれ? どこかで見たような……)

「まぁ、わからないものはわからないので次にいきましょう。最後は『謎の地下施設』です。とミサカは答えます」

美琴「地下施設? なんか聞いたような……」

白井「最初の説明にあった『地下のギルド』の事じゃありませんか?」

ステイル「ああ、確かに聞いてたな。でも今は中には入れないんじゃなかったか?」

9982号「それについては心当たりがあります。とミサカは上条さんの方を見ます」

上条「へっ? 俺?」


525 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:13:22.57 ID:eVrVnazDO

9982号「はっきりしたことはオペレーション開始時に説明させていただきますよ。とミサカは説明を省きます。さて、そろそろ自分の部屋に帰りませんか? とミサカは解散を促してみます」

ステイル「……そうだね。そろそろ帰ろうか」

白井「わたくしは少し寄りたいところがあるので……お先に失礼しますわ」

9982号「ミサカは次のオペレーションの作戦を作っていますので先に行っててください。とミサカは書類の作成に戻ります」

上条「じゃあ悪いけど先に帰るな」

美琴「……」

上条「…………あのー美琴さん? 袖を離してくれませんか?」

美琴「暗いんだし……お、送っていきなさいよ」

上条「はぁ、仕方ねーな。ほらいくぞ美琴?」

美琴「う、うん……」


※ ここからはまた地の文がつきます。


526 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:14:30.98 ID:eVrVnazDO

(………なんですかこの可愛い生き物は?)

上条は後ろにいる美琴をみながらそう思った。

辺りはもう暗闇に包まれており、所々にある街灯が2人を照らす。

先程から少しの物音で驚き、怯えている美琴は涙目で上条の服をつかんで後ろをついてきていた。

「ど、どうしたの?」

上条が自分を見ていることに気づいたのか、美琴は上条の方を見る。

上条は美琴の表情(涙目+上目遣い+首かしげ)を見て、自分の心音が速くなるのを感じた。

慌てて顔を背けた上条は、

(お、おちつけ上条当麻。相手は中学生、相手は中学生、相手は中学生……)

そう心の中で唱える。

「あ、あのー」

「ひっ!!!」

突然声をかけられて驚いた美琴は、上条に抱きついてくる。

「す、すいません! 驚かしてしまって……」

その声の主は慌てて謝ってきた。

「………こちらこそごめんなさい」

その人がお化けでないことを確認したのか、上条から離れ、その人物にあやまる。

「え、えっと……それで何でせうか?」

美琴に抱きつかれて動揺した上条は少しどもりながらもその人物に質問をするが、

「い、いえ、やっぱり自分でなんとかしてみます。失礼しますっ!」

と断られてしまい、その人物は小走りで行ってしまった。

527 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:15:02.06 ID:eVrVnazDO

「……何だったんだろ?」

止める間もなく行ってしまった人物を見ながら上条は首を捻った。

「そういえばあの子ってさっきの話に似てたわね」

ぼそりと美琴は呟いた。

確かに先程話に出てきた『謎の転校生』の情報に当てはまっている。

「ひょっとしたらあの子だったりしてな」

ぼそりと呟いた上条。一方、美琴は

「いやいやありえないわよ? うん、絶対にないわよ」

自分に言い聞かせるように否定し続けていた。笑顔を無理矢理作ろうとしているが完全にひきつっている。

「そうだよなー。それにまだあそこ……に………?」

上条はその人物がいるであろう方向を見る。

彼女が走っていった方向は一本道であり、回りにも隠れられる場所はない。

だが彼女の姿は確認できなかった。

528 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:15:47.82 ID:eVrVnazDO

「あ、あれ? どこいったんだ?」

少し震える声で言った上条は辺りを見渡す。やはり回りには自分達以外誰もいなかった。

「ま、ま、ま、まさか……本物の幽霊?」

美琴はへたりと腰を落とした。

「と、とりあえず帰るぞ?」

「だ、ダメ。腰が抜けて……」

「しかたねーな。ほら乗れ御坂!」

上条は美琴の近くまで来て背を向けて屈んだ。美琴はそれを見て上条の背に乗ろうとするが……

「ち、力が抜けてて……」

うまく乗れないようだ。

「ああ、もうまどろっこしい!」

上条は向き直り、美琴を両手で抱えた。俗に言う『お姫様だっこ』というものだ。

「ちょっ……アンタ!」

「いいから掴まってろ! 落ちても知らねーぞ?」

「う、うん……」

美琴が自分に掴まったのを確認すると、上条は女子寮に向けて走り出した。


だが、二人は大きな間違いをしている。

ここは死んだあとの世界。いってしまえば自分達も幽霊のたぐいである。

上条は恐怖と戦いながら走る。

美琴は恐怖と恥ずかしさと少しの幸せを感じながら上条に掴まる。

女子寮に着き、ある『妹達』に会うまで後4分。

その『妹達』に突っ込まれてその事に気づくのは、たったの5分後である。


529 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:16:30.10 ID:eVrVnazDO

【天上学園〜女子寮〜】

ー01:00ー

暗闇のなか、少女は音を立てずに走っていた。

彼女は白井黒子。御坂美琴曰く、変態である。

白井はあるものを作り、先程女子寮に帰ってきた。

そのあるものとは『暗視ゴーグル』。どこでその技術を知ったのかは不明だが、それは確かに起動していた。

白井はある部屋の前で足を止める。

そこはあるひとりの『妹達』の部屋。ネームプレートを見た白井は黒い笑みを見せた。

彼女は扉にそっと耳を近づけた。複数の寝息が聞こえる。

「やっと……やっと見つけましたの……わたくしの天国……幸せの青い鳥っ」

彼女は呟いた。その声は歓喜にうち震えていた。

「先程はお姉様に釘を刺されましたが、ここで行かねば……」

キッと扉を睨む。

「白井黒子ではありませんわ!」

そう言うやいなや彼女は空間転移をして部屋の中へと入った。

そこは白井にとっての桃源郷。何人もの『妹達』が集まり静かに寝息を立てていた。

「待っててくださいましたのね、お姉様方……」

いや、誰も待ってはいない。

「そんなに黒子を求めてくださるのでしたら……」

いや、誰も求めてはいない。

「ご期待に答えてみせますわ!」

……とうとうおかしくなったのかこの娘。という突っ込みはさておき、白井は『妹達』に向かってルパンダイブした。


530 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:17:00.93 ID:eVrVnazDO

だが、悪は遅かれ早かれ必ず滅びるものだ。

ブシュッ

そんな白井に向かってあるものが吹き付けられる。

それは『催涙スプレー』。痴漢や変態を退治するために有効な武器である。

「やはり来ましたか。とミサカはため息をつきます」

激痛のために目は開けられないが、そこにいる全員が立ち上がる気配を感じる。

「作戦を立てて正解でしたね。とミサカはリーダーに称賛を述べます」

「さて、はやく移動しましょう。とミサカは足早に部屋を後にします」

そういいながら去っていく気配。白井にとっての幸せの青い鳥。彼女は唇を噛み締めて悔しがる。

「これに懲りないことはもはやわかっています。とミサカは変態の口にあるものをいれ、ガムテープでふさぎます」

「??? フムーッ!!!」

白井は少しの沈黙の後にのたうち回る。

9982号が白井の口に入れたのはマスタードとワサビの固まり。それは彼女の舌を、のどを、鼻を刺激し激痛を与える。

薄れる意識の中、それでも白井は諦めていない。

今日は失敗したが、次こそは……と考えていた。

「さて、後は……これでよし。白井さん、おやすみなさい……よい夢を。とミサカは足早にその場を去ります」

パタンと扉が閉まる音がした。


531 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:18:12.86 ID:eVrVnazDO

次の瞬間

ドゴオオオォォォォォォォン

凄まじい爆発音が天上学園中に響き渡った。

「……悪は滅びた。とミサカは決め台詞をいいます」

そういって9982号は自分の部屋に戻っていくのだった。



「な、なに? 今の音?」

別の部屋では美琴が爆発音で起きてしまっていた。

「いや、ただのゴキブリ退治みたいですよ」

そういって目を擦りながら美琴の質問に答える9984号。

「えっ? ご、ゴキブリぃ?」

「はい。それもかなりの大型のゴキブリです。とミサカはお姉様に説明をします」

そういってまた布団に潜る9984号。

「まぁ、これでしばらくは出ないのでは? とミサカは眠いのでおやすみなさい……」

と9984号はまた寝息をたて始めた。

「まあいいわ……おやすみなさい」

美琴もそれにならってまた夢の中へと戻っていった。

さて、白井はというと…………もはや語る必要はないだろう。

それからしばらく、その深夜徘徊する変態はいなくなったため、美琴や『妹達』は安心して寝ることが出来るようになったという。


第10話 完

532 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/10(土) 18:19:06.88 ID:eVrVnazDO

以上です。

なぜ、私の話では白井さんは変態になるんだろう……

という反省はともかく、いかがだったでしょうか?

天上学園側は書いてて楽しいです。殺伐としてないし、まだ動きないし……

まぁ、次は暗い話が待ってはいますがね。

さて、今回の次次回アンケートは少し内容がかわります。

次次回は学園都市側。8月31日の話になります。

この日はある意味盛り沢山な日。エツァリはいませんがそのかわりにある人達が本編に登場します。

ルートは3つ。

1 インデックスルート(ホーエンハイム付き)
2 佐天ルート
3 一方通行ルート

この選択に応じて時系列を変えます。

つまりは朝、誰を動かすかを選んでもらいます。

選択肢によってはある人が出なかったり、ある人が死んだり、ある人が怪我しなかったりします。わりとあっさりと終わるのもあります。

どの時間帯に誰を動かすか、それが運命を変える!

ついでにおまけの選択肢

4 番外編 とある死後の9982号

これは時間に関係なしです。完全にただの余興です。

ということでご協力おねがいします。

アンケートルールは前回と同じ、時間は明日の24時までとさせていただきます。

ではまた。

533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/10(土) 18:24:53.21 ID:3TGuYrYJ0
乙でござる
三を選択するでござる
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/09/10(土) 19:46:16.30 ID:BYWYXFQAO
2を見たい
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/10(土) 20:08:18.03 ID:Q449yvRVo
涙子ルート
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/10(土) 20:14:07.89 ID:cveLXGXS0
乙!
2の佐天さんで
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/10(土) 20:14:42.24 ID:PqnTtPMLo
おっつー
3に決まってンだろォ!
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/10(土) 20:27:09.14 ID:CXt9tOgNo
さんがいいんだよ!
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/10(土) 20:31:24.60 ID:EDUV2npwo
乙です
3だと嬉しい
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/10(土) 22:12:24.67 ID:RABgFn/Z0
2で
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/10(土) 23:50:58.87 ID:MbyCvaAeo
乙です。3がいいなー
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/11(日) 00:12:21.06 ID:Cihb5NWjo
乙です
選択は2で
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/11(日) 00:56:13.26 ID:eskpBRXao
3
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2011/09/11(日) 01:56:14.74 ID:/r1ZzL2S0
2かなぁ・・・
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage saga]:2011/09/11(日) 07:10:07.69 ID:qPsFMsI20
3と4と欲張ってみる
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/11(日) 09:41:44.17 ID:8DB8b9wx0
2がいいな
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/11(日) 11:01:13.74 ID:UERqFsWco
3が良いな
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/11(日) 11:06:15.59 ID:cB/KPiH7o
これよく考えたら自演しほうだいだよな
そんなことするやついなおと思うが…
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/11(日) 11:08:47.84 ID:M1MM9nqZo
2だな
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/11(日) 16:49:33.50 ID:QKPrF8kIO
2
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/11(日) 17:52:50.92 ID:tcHhIwC5o
乙です
3でお願いします!
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/11(日) 22:45:20.52 ID:zpA48TYR0
3をば
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/09/11(日) 22:46:52.25 ID:u+64eIZS0
2
554 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/12(月) 04:43:24.41 ID:kvEEPiEDO

どうも、最近ショックなニュースを聞いてしまった1です。

聞かなきゃよかった……と思いながらも今の現状に感謝、感謝です。

それはおいといて今回のアンケート結果は……

1 驚きの0票
2 10票
3 10票
おまけの
4 1票

という結果になりました。

また同票決着。今回は先にその票数となった3を選択とさせていただきます。

インデックスさん……人気ないのかな? 佐天さんに負けるとは……

また、>>545様の3、4の2票は今回は4がおまけだったのでありの方向で……ただ今後はなしでお願いします。

ということでまた次回……といいたい所ですが、次回投下前に多分『とある転生の死んだ世界戦線』を投下するかと思います。

ではまたノシ
555 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/15(木) 04:50:22.25 ID:O4NbVbxDO

どうも、1です。

しれっと内緒で『とある転生の死んだ世界戦線』投下します。

556 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/15(木) 04:50:59.02 ID:O4NbVbxDO

【学園都市〜第7学区〜】

ー8月21日ー

「……日向先輩の馬鹿」

車椅子の少女、ユイは明らかに落ち込んでいた。

昨日、ユイはたくさんの友人が出来て、とても楽しかった。

憧れの岩沢先輩からギターを教えてもらって誉められて嬉しかった。

そして、寝る前に明日も日向先輩と遊べる、とウキウキしながらベッドに入ったのだ。


ところが朝になって日向先輩から

「悪りぃ、用事が入った! 夕方にはユイの所に行くから!」

とメールが届いた。

用事があるのなら仕方ない。そう思う半面、自分を優先してくれなかった事を腹立たしく感じた。

そして、今はそんな自分に自己嫌悪している。

はぁ、と何度目になるか分からないため息をつく。

「……ユイの馬鹿」

そうつぶやいてまた車椅子をこぎ始めた。


557 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/15(木) 04:51:27.33 ID:O4NbVbxDO

ユイは気分転換をするために買い物に出掛けていた。

まだ退院して間もなく、更には学園都市に来てからずっと入院していたので部屋には何もなかった。

じゃあ何か買いに行こう、とほとんどノープランで部屋を飛び出した。寂しい想いを少しでも忘れればいいな、と思いながら。

結論としては大失敗。

横断歩道で四苦八苦したり、階段を迂回するたびに

「いつもなら……」

といつの間にか日向の事を思い出して、また落ち込むのだった。

それを繰り返しながらもやっとセブンスミストの近くまでやってきた。

「うっ……ここは確か……」

ユイの目の前に横断歩道が立ち塞がる。

この横断歩道は青から赤に変わるのが早く、車椅子のユイにとってかなりの難所である。

更にはここはセブンスミストの近くで周りにはたくさんの人がいる。これでは車椅子が動かしづらい。

信号が赤から青に変わり、周りの人達はユイを置いて歩き出す。

あまりの人混みの中で車椅子を動かすことすら出来ずにいると、信号が赤に変わってしまう。

(いつもなら……)

また同じ事を考えてため息をつく。

(……帰ろうかな)

また信号が赤から青に変わった。


558 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/15(木) 04:52:03.81 ID:O4NbVbxDO

「にょわぁっ!?」

突然、自分の意思に反して車椅子が動き出した。

(えっ? なんで?)

そんな事を考えている間にユイの乗った車椅子は信号を渡りきっていた。

「ヤッホー、ユイちゃん!」

「こんにちは、ユイ」

後ろから自分を呼ぶ声がする。

慌てて振り向くとそこには車椅子を押しながら笑いかけるゆりとかなでがいた。

「ゆりっぺ先輩とかなでさん?」

ユイはすっとんきょうな声を上げて驚いていた。

「どう? ビックリしたでしょ?」

「全く、ゆりったら……」

いたずらが成功してニシシと笑うゆり。

それを見てかなでは困った様な顔で苦笑いをうかべている。

「ところでユイはどこに行くの?」

ゆりからユイに視線を移したかなではそう言う。

「えっと……セブンスミストでしたっけ?」

しどろもどろになりながらもユイは答えた。

「じゃあ一緒に行きましょ? レッツゴー!」

ゆりはそう言っていきなり走り出した。

「にょわぁぁっ! はやいですってゆりっぺ先輩ぃ!」

「あははははっ! まだまだぁっ!」

「にゅわああっ? 助けてくださいかなでさぁぁん!」

ユイのその願いは残念ながら通じなかった。

ゆりは猛スピードで車椅子を押し続けてあっという間にセブンスミストの中へと入っていった。

「全くゆりったら、相変わらずね……」

かなではそういいながらも楽しそうに笑うと後を追いかけていくのだった。


559 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/15(木) 04:52:35.34 ID:O4NbVbxDO

【学園都市〜オリャ・ポドリーダ〜】

ー13:30ー

「おいしいですね、これ!」

無事に買い物を終えたゆり一行はスペイン料理に舌鼓を打っていた。

「うーん、かなでといると中華ばっかりなんだけどたまにはいいわね」

「……麻婆豆腐はないのね」

かなではそういってしゅんとなっていた。

「ところで日向くんとはどこで出会ったの?」

ゆりはスペイン料理を口に運びながらユイに訊ねる。

「そうね、私も聞きたいわ」

それに同調し、期待のまなざしを送ってくるかなで。

「え〜っとですね、確か日向先輩が野球ボールを私の部屋に打ち込んできたんですよ」

「……何か『運命の出会い』って感じじゃないわね。まぁ、日向くんらしいわね」

ドラマチックな出会いを期待していたゆりはがっくりとする。


560 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/15(木) 04:53:13.24 ID:O4NbVbxDO

「いえいえ正に『運命の出会い』でしたよ?」

それに対して少し頬を赤らめてユイは言った。

「えっ? 何で?」

意外そうな顔を向けてくるゆり。かなでも期待するまなざしを向けたままである。

だが、ユイは突然言いづらそうにする。

しばらく沈黙のまま時は流れる。

「その頃の私は全身麻痺で……動けなかったんです」

ようやく口を開いたユイが言った言葉は、ゆりやかなでが予想していたものとは全く違い、とても重いものだった。

「…………ごめんなさい」

すまなそうな顔をして頭を下げるゆり。かなでもそれに習って頭を下げていた。

「気にしないでください、ゆりっぺ先輩! 今はこうして動けますし、あともう少しで歩けるまで回復してるんですから!」

そういいながら手足をブンブンと動かすユイ。さらには

「それに……こんな私にいってくれたんですよ。『お前がどんなでも俺が結婚してやんよ』って……」

と恥ずかしそうにそう言うのだった。

「へぇ……やるわね日向くん。私もそんな彼氏欲しいなー」

羨ましそうに呟くゆり。

「ま、まぁまだ小さい頃だったんで日向先輩は忘れてるかもしれませんけどね」

それを聞いたユイはとても照れくさそうに笑う。

そんな表情を見たゆりとかなでは幸せそうだな、と思うのだった。


561 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/15(木) 04:55:17.61 ID:O4NbVbxDO

【学園都市〜第7学区〜】

「さーて、じゃあ今からユイの部屋に行くわよ!」

「ええっ! わ、私の部屋ですかぁ?」

ゆりの突然の提案にユイは焦る。

今日は夕方から日向先輩が来る予定である。日向先輩との関係を話してしまった今、一緒にいられる所を見られるのが恥ずかしく感じた。

「大丈夫よ、ただ部屋に送るだけ。愛の巣を荒らす真似はしないわよ?」

いたずらをする少年の様にニヤリと笑うゆり。

それを聞いたユイは顔を真っ赤にしている。

そんな中、不意に音楽が流れ始めた。

「ごめん、ちょっと待ってて?」

そう言ってゆりは携帯を取り出し通話をし始める。

しばらくたってゆりは携帯をポケットにしまうとため息をついた。

「ごめん。ちょっと用事が出来ちゃった……」

「何かあったの、ゆり?」

首を傾げながら問いかけるかなで。少し不安そうな顔をしている。

「うん、何かメンバーから話したいことがあるらしくて……かなではユイと一緒に行って?」

「分かったわ」

かなでが頷くのを確認したゆりは、ユイの前に行くと、手を合わせながら言う。

「ごめんユイちゃん。また今度ね?」

「また遊びましょう! ゆりっぺ先輩!」

「またね!」


ゆりはそう言い、手をふりながら人込みの中に消えていった。


562 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/15(木) 04:56:17.32 ID:O4NbVbxDO

かなでがゆりを見送っていた時、ユイはあるものを見つけていた。



見つけてしまっていた。

「あっ……」

ユイは思わず声を漏らす。

「どうしたの、ユイ?」

かなでがユイに声をかけたが届いていないようだ。

(何があったの?)

かなではそう思って周りを見渡す。そこには……

楽器店の前で楽しそうに笑う岩沢と

同じく嬉しそうに、照れくさそうに笑う日向がいた。

「……行きましょう、かなで先輩」

そういいながらユイは自分で車椅子を漕いで進んでいく。

その顔には先程の様な照れや喜びはない。

悲しみを帯びたその目には涙が溜まっていた。

(……)

そんなユイを見た後、かなでは今度はじっと日向の方を見ていた。

そのまなざしは真剣であり、何かに集中しているようである。

「……ふぅ」

かなではひとつ、ため息をつくと少しだけ微笑んだ。

「これは……言わない方がいいのかな……?」

かなでは首を傾げながらそう呟くと振りかえってユイを追っていくのだった。

563 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/15(木) 04:56:55.65 ID:O4NbVbxDO

帰りの道中、かなでとユイはほとんど無言であった。

そして、ユイが住む部屋につくと

「ありがとうございました、かなでさん」

そういいながらユイは笑顔を作る。

だがその表情は笑顔からはほど遠く、痛々しいものである。

そんな表情をするユイをかなでは抱き締めていた。

「大丈夫よ、ユイ。日向くんを信用してあげて?」

優しくそう言うかなで。

「でも……日向先輩が……岩沢さんと……」

ユイは今にも不安で押し潰されそうな声をだす。

その瞳からは涙が溢れて一筋、また一筋と頬を、そしてかなでの服を濡らしていく。

「大丈夫だから……」

そういいながら頭を撫でるかなで。

かなではユイが落ち着くまでしばらくそうやって抱き締め、なで続けていた。



564 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/15(木) 04:57:47.25 ID:O4NbVbxDO

【学園都市〜ユイの学生寮〜】

かなでと別れた後、ユイはベッドに寝転んでいた。

空調をいれて間もないため部屋は蒸し暑く、まるでサウナの様になっている。

だがユイは全く気にならない。深い悲しみで囚われているためである。

「日向先輩……なんで?」

今日は朝から一緒にいるはずだった。

だが、その約束は果たされなかった。

それどころか今日、日向の横には自分ではなく、憧れの岩沢先輩がいた。

「そんなの……勝ち目なんてないよ……」

ユイの瞳から涙がまた溢れそうになる。

『日向くんを信用してあげて』

先程のかなでの声が脳裏によぎる。

だが、ユイの心は負のスパイラルから抜け出せそうになかった。

「日向先輩……」

ユイはまた呟くと、涙が溢れそうになるのを堪えるように目を閉じた。


565 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/15(木) 04:58:30.07 ID:O4NbVbxDO

トントントントン

どこかリズミカルな音が響く。

どこからかいい匂いもしてくる。

ユイは微睡みながらもベッドから体を起こした。

窓からは西日が射し込み、あたりは少し薄暗くなっていた。

(……あれ? タオルケット?)

いつの間にかユイにはタオルケットがかけられていた。眠気眼をこすりながら頭を整理させていく。

「おっ、起きたか?」

そういいながら日向がキッチンから顔をだす。

その顔を見てユイは全てを思い出した。

「今日はごめんな、急に用事が入ってさ?」

「……用事って何ですか?」

「補習だよ。急に電話が来てさ……ユイ?」

「嘘……今日見たんだ……岩沢先輩と一緒にいるところ……」

「見られたのか……はぁ、まだ内緒にしときたかったけど仕方ねーか」

そう言って玄関に歩いていく日向。

(行かないで! 日向先輩!)

そういいたかったが声が出ない。体も鉛で出来たように全く動かなかった。

日向が見えなくなって体から力が抜けた。まるで電池が切れた人形の様にベッドに崩れ伏せた。

(なんで……?)

ユイは涙をながしながらそう思う。

なんで声がでなかったの?

なんで体が動けなかったの?

なんで今からでも追いかけないの?


だが、もう体に力が全く入らない。

「日向先輩……」

涙をながしながらユイは呟く。


566 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/15(木) 04:59:03.92 ID:O4NbVbxDO

「なんだ、ユイ」

「へっ?」

ユイは顔をあげる。その声が幻想でないことを確認するために。

そして、目の前には


日向が心配そうな顔をしてたっている。

「なっ、なんで泣いてんだよ!? どっか痛いのか?」

慌ててユイに近づく日向。

その表情を見て呆気にとられるユイ。

「日向先輩……なんで?」

「大丈夫か? どこが痛いんだ?」

目の前でわたわたとしながら心配する日向。

そんな彼がいとおしく感じて……

そんな彼を誰にも渡したくなくて……

ユイは目の前の日向を強く抱き締めていた。

「お、おい、ユイ?」

「大丈夫です……日向先輩。でも……しばらくこのままで……」

そう言ってまた抱きつく力を強めるユイ。

「ったく、仕方ねーな」

いきなり抱きつかれてかなり動揺していた日向だったが、とりあえず彼女を優しく抱き止め、しばらく頭をなで続けるのだった。


567 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/15(木) 05:01:02.86 ID:O4NbVbxDO

「あはははっ! 俺が? 岩沢と? ないない! 全くの誤解だ」

しばらくして落ち着いたユイから事情を聞いた日向は笑っていた。

一方のユイは笑われてばつの悪そうにしている。

「でも見たんですよ! 岩沢先輩と仲良くいるところ!」

顔を赤くして、頬を膨らましておこっているユイ。目に涙が溜まっているのでまるで小動物のようである。

「ああ、それでか。なるほどな」

そういって足元にある物をユイに差し出した。

「日向先輩……これは?」

それはギターケースだった。ユイは恐る恐る日向に聞いた。

「退院祝いって言うのか? お前昨日楽器をもって嬉しそうに笑ってたからこれを渡そうと思ってな」

はにかむように笑う日向。それを見たユイは幸せをかんじていた。

「……開けてもいいですか?」

「当たり前だろ?」

ユイは許可をもらってギターケースを開けた。

中にはどこかで見たことのあるギター、Gibson SG Special Faded が入っていた。

「たまたま会った岩沢に色々聞いたんだけどユイはこれをもってるのが合ってる気がして……」

話している途中でユイがまた抱きついてくる。

「ありがとう……日向…さん」

「ユイ……」

至近距離でみつめあう二人。

その影がゆっくりと近づいて触れそうになる。


その時、それは起こった。


568 :とある転生の死んだ世界戦線〜日向とユイ〜 [sage]:2011/09/15(木) 05:03:09.89 ID:O4NbVbxDO

ガチャッ ドタドタドタッ

「ヤッホー、ユイちゃん! ガルデモに入ら……な……い…………?」

空気をぶち[ピーーー]影が2つ、ユイの部屋に入ってきた。

ゆりとかなでである。

元気一杯に突入してきた二人であったがその場で凍りついた日向とユイを見るとゆりは固まった。

その部屋の時はDIOもビックリするほど完全に止まっていた。

隣の部屋の声が聞こえる。どうやらテレビではお笑いをやっているようで笑い声が響く。

そして、一番はやく時が動き出したのはかなでであった。

「ここは邪魔だから帰りましょ? ゆり」

そういってゆりを引っ張って玄関まで行くと、

「お楽しみの最中にごめんなさい……」

そういって扉を閉めた。

あとに残ったのは今だに凍りつく日向とユイ。そしてぶち殺された空気。

この後の二人がどうなったかは皆様の想像どおりである。

ただ、次の日にゆりに噂を流されて文句を言う日向とユイの姿が秘密基地にあったという。


to be continue


569 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/15(木) 05:06:46.31 ID:O4NbVbxDO

以上です。

あとで読み返して思った事。

私にはラブコメ系は無理なんだな……

後悔はしてないが反省はしています。

さて、次でこのシリーズもラスト。次は本編との繋ぎになります。

ではまたノシ 次は本編で……まだまだかかりそうなのでのんびりお待ちください(泣)

すいません……
570 : ◆epRap4Mug. [saga]:2011/09/15(木) 05:09:40.59 ID:O4NbVbxDO
やってしまった……

>>568

空気をぶち殺す影が2つ、ユイの部屋に入ってきた。

です。saga忘れてた……

すいません
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/09/15(木) 22:01:53.67 ID:7jwkS4bx0
>>1
age ちゃってるんで内緒になっていませんよ……
本編との繋ぎとな!?
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/15(木) 23:27:47.46 ID:biMn7lFp0
お?いつのまにか投下されてた
>>1乙っス
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/09/20(火) 22:37:42.68 ID:iIXL8W0Z0
書条さん高熱だそうですね。お大事に(あっちのスレでもレスしましたが一応こちらでも)
はぁ、また入院か……
574 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/21(水) 00:28:50.43 ID:53sk8YXDO
いや、今回は大丈夫ですよ。

怪我してる訳でもありませんし、なにより本人は結構元気だったりします。

熱は引いてないけど書く時間はあります。ただ解熱薬のせいかかなり眠いだけです。

ではおやすみなさい。

皆様が良い夢を見れることを祈ってます。
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/09/21(水) 02:02:54.55 ID:NYxkWG+so


夢よりいいもの見られたぜ!!
576 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/21(水) 09:49:32.18 ID:53sk8YXDO

【天上学園〜ステイルの部屋〜】

「……」

ここは魔術師、ステイルの部屋。彼は真剣な目をしてカードを見つめている。

真剣な空気が辺りを包み、彼の額には汗が滲み出ていた。

もういいのではないか?

いや、まだだ。せっかくだからもう少し……

相反する気持ちが彼の心で闘い、精神を揺さぶる。

必然的に彼の指先も震える。彼はそれを押さえようとカードを持つ手にもう一方の手を添えていた。

彼はまるで繊細な飴細工を扱うが如くゆっくりと、そして慎重にカードを置こうとする。

窓の外ではとある生徒達の声が騒がしい位に響いているが彼の耳には全くといっていいほど聞こえてこない。

それほど彼は集中していた。

額の汗は大粒のものとなり、重力に従って彼の頬を流れている。

彼はそれを拭おうともせずにカードを置く。

そしてゆっくりと、慎重に手を離した。

まだだ、まだ気を弛めるな……

彼は前にもここまでして失敗したことがある。その時の悔しさが、虚しさが彼の脳裏に甦った。

あの時の悔しい思いを今、また繰り返してなるものか!

そう思った彼は慎重に、ゆっくりとカードから離していく。

577 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/21(水) 09:50:25.44 ID:53sk8YXDO

やがて彼は満足げに微笑む。

彼は見事にやりきったのだ。

彼には珍しく小さくガッツポーズをし、気を弛める。

その時だった。

ズガアァン

雨でもないのに雷鳴が轟き、少しだけ地響きがした。

そう、揺れてしまったのだ。

それが彼の今までしていた作業にとって致命的である。

「あ……」

彼の口から切なそうな声が漏れた。

目の前には彼が作っていたものの残骸。カードが虚しく散らばっていた。

「……」

遠くから上条当麻の声と御坂美琴の声が聞こえる。

おそらく先程の地響きの原因は彼らなのだろう

「……」

彼の心には虚しさが広がっていた。

そして怒りの色に染まっていった。

先程は緊張のために震えていた指先は怒りにより震える。

「……か」

そしてその怒りは

「上条当麻ああああぁぁぁぁぁあ!!!!!」

上条当麻に向けられた。

彼はその場にあるルーンカードをありったけ掴むと部屋を飛び出して駆け出す。

「もう少しで……もう少しだったというのに!!!!」

彼は暇潰しにカードタワーを作っていた。

3段、4段と積み上げ、新記録である5段目ができそうだった。

それを上条当麻が崩してしまったのだ。

「許さん!!」

ただ、上条にとってはえらいとばっちりだ。

ぶらぶらしていたらいきなり殺人クラスの電撃をあびせられそうになり、

今は御坂美琴に追いかけられている。電撃とともに。

そして今、さらにステイルの八つ当たりまでそれに付加される事となった。

そして今日も天上学園に彼の悲鳴が響いた。



終わり。
578 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/21(水) 09:52:39.73 ID:53sk8YXDO

暇潰しに作っていたものをしれっと投下。ステイルさんの話でした。

さて、病人は寝ます。はやく退院したい……

579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/09/21(水) 10:33:55.22 ID:yUlCfo9D0
>>1

本当にしれっとだなwwwwww
あんまりやってるとまた携帯をぼっしゅーとされますよ
お大事に
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/21(水) 16:34:54.56 ID:GWd2X2sBo
ステイルさんかわいそう…
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/22(木) 19:37:45.64 ID:neeqkMrDO
>>579
携帯ボッシュート

咳き込んでるにも関わらず大爆笑

喉切れて腫れ上がる

しゃべれなくなり、熱上がる

医者と筆談、入院伸びる

俺「携帯の方が書くよりはやいのですが……」

携帯帰ってくる←今ここ

うぅ……ハルヒちゃん読まなきゃよかった……
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/22(木) 19:43:50.25 ID:phTDPNnEo
本当に不幸過ぎるだろwwww
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/22(木) 20:06:20.29 ID:neeqkMrDO
>>582
これで今度落ちてくる人工衛星に当たったらもう笑うしかないね。

たしか20兆分の1だったような。あれ? 当たる気がしてきた。

笑うの怖くてせっかく買ったハルヒちゃん読めない。

泣きそう……

584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/22(木) 21:00:49.52 ID:phTDPNnEo
3200分の1と聞いたんだが……
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/22(木) 21:12:32.51 ID:LTk+geqao
それは言っちゃダメだ!
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/22(木) 22:25:13.12 ID:zIKAlYEgo
>>584
それはたしか陸におちる確率じゃなかったっけか?もしくは日本に落ちる確率だっけか?
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/22(木) 22:29:52.28 ID:1RFgncwvo
>>586
地球上の誰かに当たる確率がそれだったと思われ
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/09/22(木) 22:30:13.24 ID:DN1wBSOro
どこかの人に落ちる確率だな
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/09/22(木) 23:59:01.04 ID:efGyw85h0
大丈夫だろ
数年位前に大騒ぎしてたとある小惑星が地球と衝突する確立5%よりだいぶ確率低いから
因みにその小惑星が地球に当たった場合場所によっては一、二個国が無くなるらしい
590 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/23(金) 00:26:33.75 ID:gYFTvDnDO
酉つけ忘れてた……朦朧状態なので気がつかずすいませんでした。

>>589
確かアポフィスでしたっけ? 今なら引き寄せられる気がします。不幸限定で……

今看護師に怒られた……寝ます。

皆様が良い夢を見れるよう祈っております。

でまはた
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/23(金) 00:53:50.82 ID:OYOfdGXAo
言霊って知ってるか?
592 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/24(土) 03:05:44.34 ID:OMblXgzDO
なぜか目が覚めたので……

さて、かきだめが全くない状態ですがせめて何かをと思いまして……

このレスの+2の人にアンカをします。

『とある死後の9982号』、投下しますか?

するなら今日中にしれっと投下。しないならそのまま寝てます。

ではまた
593 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/24(土) 03:07:11.14 ID:OMblXgzDO
おおぅ……1日寝てたのか……

枕元にメモがある。

とりあえずナースコールします。

594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/24(土) 05:59:23.86 ID:WbuGjZrXo
してほしいんだよ!
595 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/24(土) 12:41:43.09 ID:OMblXgzDO
了解です。それでは投下します。
596 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/24(土) 12:43:11.01 ID:OMblXgzDO

【天上学園〜校長室〜】

「そういえば9982号、お前らってどうやってここに入ったんだ?」

ある日の午後、いつの間にか全員が集合していた校長室で上条が質問した。

「あぁ、確かに興味あるぜい。特にあのトラップをどうやって避けたのかが聞きたいにゃー」

それにすぐ土御門が反応を示し、ステイルはあの苦痛を思い出したのか苦虫を噛み潰した

「えっ? トラップって何?」

美琴と白井はトラップの存在を知らず、首を傾げている。

「そういえばお姉様は知りませんでしたね。とミサカは思い出します」

それを見た9982号はそういいながら少し笑っていた。

「あのトラップ、ミサカは引っ掛かりましたよ」

9984号はそういいながらため息をついた。

「そういえばここを見つけた切っ掛けは9983号を探していたときでしたね。とミサカは遠い目をします」

「そういえばお前らはここに3年いるんだっけか」

「そうだったわね。そうだ、どうせ暇だしアンタ達の昔話を聞きたいかな?」

「いいですよ。とミサカはお姉様の言葉に賛同します。……そうですね、それではミサカ達が来た日の事から話そうと思います……


こうして9982号の話は始まった。

597 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/24(土) 12:44:38.49 ID:OMblXgzDO

「……ここはどこなんでしょうか? とミサカは不安で頭が混乱しそうです」

9982号は混乱しながら歩いていた。

ここは一体どこなのか?

なぜミサカネットワークに接続できないのか?

訳もわからずさ迷っていた。

「見たところ学校のようですが……なぜこんなところにいるのでしょうか? とミサカは疑問を呟いてみます」

「あっ、いたいた」

急に後ろから声がかかる。9982号はそちらに振り向いた。

「……あなたは誰ですか? とミサカは目の前の人に問いかけます」

そこには学園都市では見たことのない制服を着た青年が立っている。

「俺は音無、この学校の生徒会長だ。よろしくな」

音無と名乗った少年はそういって微笑んだ。

「とりあえず手続きがあるから来てくれないか?」

音無はくるりと方向を変えるとゆっくりと歩きだす。

(……とりあえず情報は必要ですね。とミサカはついていくことを選択します)

そう思った9982号は音無の後について歩き出した。

それが9982号がこの世界に来て初めて音無に会った時の出来事である。

598 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/24(土) 12:45:18.97 ID:OMblXgzDO

ー1時間後ー

「……いつの間にか学校の生徒になってますね。とミサカは展開の早さについていけません」

音無から説明を受け、ここが天上学園という所だというのはわかった。

しかし、なぜ自分がここにいるのか、なぜミサカネットワークに接続できないのかは全くわからないのだ。

トボトボと歩きながら9982号は考えていた。

その時、おなかがクゥ〜となる。

9982号はその音で空腹であることを認識した。

「おなかが減りましたね。とミサカはお腹をさすります。奨学金? というのももらいましたしとりあえずご飯を食べに行きましょう。とミサカはパンフレットをめくります」

パラパラとパンフレットをめくり、目的の建物の場所を確認した。

「あれですね。とミサカは食堂を目指して歩き出します」

空腹感が限界に達しそうな9982号は食堂に向けて歩き出す。

599 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/24(土) 12:45:49.49 ID:OMblXgzDO

【天上学園〜大食堂〜】

「……これが肉うどんですか? とミサカは初めての食べ物を前にドキドキします」

目の前の肉うどんを見ながら9982号はため息をつく。

思えばここまで来るまでが長かった。

食堂に入ったのはいいがどうすればいいか分からずに食堂を出たり入ったりしてうろうろする。

5分ほどそうしていると、それに気づいた通りすがりの人が券売機で食券を買うことを教えてくれた。

改めて食堂に入り、券売機を見つけた。

しかし今度は券売機の使い方が分からずに戸惑っていた。

辺りに漂ういい匂い。その匂いに反応しておなかはクゥとなり、はやく何かを食べさせろと急かす。

そうして券売機の前でオロオロとすること10分。ようやく食堂の人が気づいて券売機の使い方を教えてくれた。

しかし、券売機の使い方を知ってもこれがどんな料理かがわからないのだ。

どうせなら美味しいものが食べたい。だがどれが美味しいかが分からない。

9982号は迷うこと5分。ようやく『肉うどん』を選んでボタンを押した。

券売機から食券が出てくる。

また9982号は迷う。これが肉うどんではないことは分かる。だがこれをどうすれば肉うどんになるのだろうか?

券売機の前で迷うこと3分。ふと気づくと先程の食堂の人が手招きしている。

そちらに行き、食券を渡してようやく手にいれた肉うどん。9982号の汗と涙……いや涎の結晶である。
600 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/24(土) 12:47:21.10 ID:OMblXgzDO

9982号は箸を使い、肉うどんを口に運んだ。

口にいれた途端、肉うどんの香り、だしの旨みが9982号の味覚を刺激する。

「……おいしい!すごくおいしいです!とミサカはムシャムシャ箸がムシャ止まりまムシャせん」

9982号が言うように箸は止まらない。あっという間に半分を食べ終えていた。

その時、9982号の脳内にある信号が流れた。

「……ミサカネットワークにムシャ接続者? これは9983号ムシャですね。とミサカはムシャムシャ肉うどんがおいしいです」

それでも構わずに箸を進める。9982号の中ではとりあえず今は肉うどんが優先である。

(9982号? あなたは死んだはずでは? とミサカ9983号は混乱しそうです)


ピタリと箸が止まった。9982号はミサカネットワーク、とはいっても今は2人だけなのだが問いかけた。

(? ミサカは死んだのですか? とミサカ9982号は確認します)

(間違いありません。あなたは私の目の前で死んでいます。とミサカ9983号はあなたに記憶を送ります)

……9983号の記憶によると、たしかに自分が機関車に潰されている。

(……確かに死んでいますね。とミサカ9982号は確認します。しかし……)

(という事はあなたも死んでいるのでは? とミサカ9982号は問いかけます)

そういっている間にまた新たな接続者が現れた。

(ここはどこですか? とミサカ9984号は問いかけます)

(……とりあえずこちらに来てもらえませんか? とミサカ9982号は現在地を教えます)

このままでは埒があかない。そう判断した9982号はそう提案した。

(わかりました。とミサカ9983号は走ります)

(了解しました。とミサカ9984号は混乱しながらも走ります)

ミサカネットワークの会話が途切れた事を確認すると9982号は食事を再開した。

「……さっきよりもおいしくありませんね……とミサカは肉うどんを頬張ります」

9982号は首を傾げながらも肉うどんを頬張り、全て食べ終わる頃にようやく2人が到着した。


601 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/24(土) 12:47:48.03 ID:OMblXgzDO

「ではここはあの世なのですか? とミサカはモゴモゴ」

「行儀が悪いですよ、9984号。とミサカはムシャムシャ」

「……これが食後の珈琲というものですか。とミサカはゴクゴク……に、苦いです……」

非常に行儀が悪いのだが、食事をしながら話が進んでいた。

とりあえずわかったことは

1 9982号と9983号は確実に死んでいる
2 ということはここはあの世? と呼ばれる場所である
3 今食べているものは9982号の財布からお金を出している
4 珈琲は苦い

という事である。

要はさっぱり何にもわからない状況なのだ。

「お姉様と飲んだ紅茶はとても美味しかったなぁ……とミサカはあの味を思い出します」

「「……」」

ぼそりと呟く9982号。それを聞いた9983号、9984号は9982号をじっと見ている。

「どうしましたか? とミサカは訪ねてみます」

「……貴女だけずるいです。 とミサカは9982号を非難します」

「珈琲が飲みたいのですか? とミサカは飲みかけのものを渡します」

「いやいやちげーよ、とミサカはそれを受け取って……うぅ……に、苦いです」

コントを繰り広げるのを見ながら9983号は考えていた。

そして呟く。

「しかし……これからどうすればいいのでしょうか……とミサカは不安を吐露します」

9982号の言葉に他のミサカ達も考え込む。

死んでいるという事は自分達の実験は終わったのだろう。

では、自分達は何をすればいいのだろうか?

答えは出てこない。

自分達は実験のために生まれたのだから何をすればいいのか分からないのだ。

「……とりあえずは一緒に行動しましょうか? とミサカは不安を感じながら提案します」

9984号がそう提案した。もはやそれしか考えられなかった。

それに他の二人も同意し、手探りの学園生活が始まった。

602 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/24(土) 12:48:40.24 ID:OMblXgzDO

1日目 とりあえず学園内を探索してみる。色々な施設があるが使用方法が分からないものが多い。

途中で生徒会長と会い、転校の手続きをとる。

奨学金を貰い、ごはんが食べれるようになった。


2日目 なんとなく教室へ行く。

知らない人達から「ミサカさん」と呼ばれる。少し気味が悪い。

授業というものを受けたがなぜこんなことをするのか分からない。生きてく間に使うのだろうか?

3日目 今日は散歩をしていたら声をかけられた。

「おはよう、ミサカさん達!」と言われたので「おはようございます。とミサカは挨拶を返します」と返すと「変な口調ね?」と笑われた。

少し悲しかった。

4日目 今日は少し体が鈍っていたので三人で運動をした。

格闘の練習をしていたらいつの間にか周りに人がたくさんいた。やめるとなぜか拍手をされた。

少し嬉しかった。

そんな感じで三人で過ごしていた。

そして5日目、生徒会長と会い、あるイベントの事を聞く。




それが9983号との最後の思い出となる。

603 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/24(土) 12:52:09.47 ID:OMblXgzDO
とりあえず今回は以上です。

そしてお知らせが……

すいません、また1週間ほど留守します。

今回はしばらく完全にこれません。申し訳ないです。

ではまた今度。

604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/24(土) 12:56:41.04 ID:fYiUHpeBo
土御門いつの間に死んだの?
605 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/09/24(土) 13:05:01.43 ID:OMblXgzDO
>>604
………………消し忘れてた

606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/24(土) 14:25:56.62 ID:WbuGjZrXo
おつおつ
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/24(土) 18:28:01.15 ID:Mj0r4I/eo
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/24(土) 20:03:19.50 ID:ty88jEkWo
ゆっくりなおしていってね!
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/24(土) 20:07:26.77 ID:JZb6mYOLo
身体を大事にしてネ!
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/09/24(土) 23:51:01.58 ID:vH1Rt1IAO
乙、肉うどんは不滅
611 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/10/10(月) 12:31:40.96 ID:fT4UcKoDO

どうも、久々の1です。

最後にレスしてから何度死にかけたか分かりませんが一応生きています。

肺炎って怖い……うんまじで

そして明日退院となります。

今まで迷惑をかけてしまった皆様、すいませんでした。

次の投下は土曜日にしたいと思っております。

その前に9982号過去編もおわらせなきゃな……

ということでまたノシ

PS 入院中、私が寝てたときに枕元にジョークグッズを置いて帰ったSさん、君だけは絶対に許さない。

あれからしばらく看護師からの視線が怖かったんだぞ!

テロ行為はダメ!絶対!
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/10(月) 12:51:01.50 ID:RIRCSQKpo
報告乙!
何回入院するんだよ……マジで>>1の体が心配だ
613 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/10/10(月) 13:49:36.95 ID:fT4UcKoDO
>>612
ご心配かけて申し訳ありません。

どうやら死神? 疫病神? に好かれたらしく、今年は多くの不幸にあいました。

おかげで8月、9月と心臓が3回ほど止まってますが、生きてるのである意味強運ですね。

しかし、入院のために犠牲となったアルフォンス、ブラボー、ちょぷっちょには申し訳なく思います。栽培していたトマトの苗ですけどね。

特にちょぷっちょはよく実をつけてしかも美味しかった。感謝しています。

ていうかちょぷっちょの元ネタって何だっけ? 思い出せない……

ではまた
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/10/10(月) 15:54:52.26 ID:pePFd0vGo
それにしてもよく入院とかで逃げる奴いるけど
これマジだもんなちゃんと報告もしてるし
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/10/10(月) 22:54:09.02 ID:gilmh+mH0
お久!書条さんまた不幸(幸運)にも通行料足りなかったんですね分かります
ちょぷっちょwwwwwまさかのちょぷっちょwwwww
元ネタは多分あの変体アホスレ四天王の一角に出てくる黒子の友達でしょう

http://blog.livedoor.jp/toaru_ss/archives/220219.html
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/10(月) 22:55:58.96 ID:cmcpqSAE0
何を置かれたのか詳しく聞きたいところだけどお帰りー

http://2chnull.info/r/news4vip/1268709258/642
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/10(月) 23:35:22.64 ID:UG9wMGdbo
おかえりー
618 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/10/11(火) 19:00:16.75 ID:ExQVvS3DO

退院! そして部屋掃除完了! 今回は血痕ないから楽だった!

>>615
なるほど……椅子の名前でしたか。もやっとが解決しました。

因みにジョークグッズは尾名帆ー留(なぜか複数)と炉尾書ンでした。

のどが潰れてたから言い訳すらできなかったンだぞ! どォしろってンだよ!

とりあえず奴にはあった瞬間に飛び蹴りをしようと思っております。まじで。

さて、鬱憤ばらしに書くぞ!

ではまたノシ

619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/10/12(水) 23:48:06.60 ID:TIzXSKSv0
退院おめでとー、更新待ってるぜよ
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/13(木) 05:53:33.03 ID:nUTx/9uKo
マダカナー
621 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/10/13(木) 15:25:25.49 ID:KBy3U98DO

最近恒例のしれっと投下します。

今回はとある死後の9982号の続き(完結)です。

622 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/10/13(木) 15:26:30.86 ID:KBy3U98DO

「テストですか? とミサカは首をかしげます」

「ああ、なるべく出てくれないか?」

「わかりました。参加します。とミサカは返事をします」

「じゃあよろしく!」

そういって生徒会長は去っていった。

ミサカ達は顔を見合わせている。

「テストとはなんでしょうか? とミサカは首をかしげます」

「なぜ参加すると言ったのですか? とミサカは9984号を非難します」

「どうせ暇だしいいのでは? とミサカは9984号をフォローします」

同じ顔、同じ声で話をする『妹達』。端から見れば怖い光景ではあるが、ここにその違和感を感じる人物はいない。

そしてある生徒が近くを通りかかったときにあることを言っていたのを耳にする。

「なあ、今度のテストで賭けをしない?」

「よーし、乗った。負けた奴が昼飯奢りな?」

「いいわよ、やってやろーじゃない!」

そんな事をいいながら近くを通る男女。ミサカ達は自然に目でおっていた。

「テストとは賭け事なのでしょうか? とミサカは首をかしげます」

「……」

「おや、どうしましたか9983号? とミサカは問いかけます」

「ミサカ達もやりませんか? とミサカは提案します」

「ミサカ達はベースが同じで考えも同じ。決着がつかないのでは? とミサカは疑問に思います」

「それにミサカネットワークもあります。とミサカは暗に無理じゃね? と9983号に伝えます」

「ですから今からミサカネットワークを切ってやりませんか? とミサカは再度提案します」

「……いいですね。やりましょう。とミサカは賛成します」

「仕方ないですね。とミサカはネットワーク接続を切りながら答えます」

「それではまずは『テスト』とは何か調べましょう。とミサカは職員室に向けてあるきだします」

こうしてミサカ達の『試験』が始まる。

各人が別々に勉強をし、試験に臨んだ。

ミサカ達は他の個体に負けたくないと一生懸命に頑張り、試験結果がわかるまで個別に行動した。

そして結果発表、運命の瞬間がやってきた。
623 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/10/13(木) 15:26:57.13 ID:KBy3U98DO

「いよいよ結果発表ですね。とミサカはドキドキしながら……うぅ、緊張する」

「ふっ、姉に勝る妹など存在せん! とミサカはいい放ちます」

「? なんですかそれ? とミサカは首を傾げます」

「図書館にあった漫画にそう書いてありました。とミサカは答えます」

「! そろそろみたいですよ。とミサカは興奮ぎみに言います」

「ではミサカネットワークを繋ぎましょう。とミサカはネットワーク接続を開始します」

「ネットワーク接続を確認、なぜか懐かしく感じます。とミサカは密かに思います」

(これだけ長い間接続を絶ったことはありませんからね。とミサカ9982号は考えます)

(さて、ミサカに肉うどんを奢る準備は出来ましたか? とミサカ9984号は勝利宣言をします)

(そちらこそミサカにカレーライスを奢る準備は出来てますか? とミサカ9982号は9984号に問いかけます)

(……なぜカツカレーではないのですか? とミサカ9983号は疑問に思います。しかし、やはり麻婆豆腐が至高です。とミサカは涎を流しながら……)

((いやいやねーよ。とミサカ9982(4)号は否定します))

そうこうしているうちに教師が来て試験結果が張り出された。

ちなみに天上学園では各クラスに結果が張り出される。各人の名前の横にクラスで何位、学年で何位と出ている。

そしてそれを見ようと生徒達はそこに集まっていった。

もちろんその生徒の中にはミサカ達も含まれている。

624 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/10/13(木) 15:27:30.55 ID:KBy3U98DO

【9982号】

(まぁ、見なくてもミサカが勝つでしょう。とミサカは……クラスで3位ですか、とミサカはお姉様と同じ順位で少し嬉しく思います)

(さて、他の個体は……)

「なん…………だとっ?」

【9983号】

(うぅ……他の個体は自信満々のようです。とミサカは不安に思います)

(し、しかしミサカもしっかりと勉強をしてます。自己採点ではかなりよい結果でした。とミサカは……でも……)

(しかしここで見ないわけにはいきません! とミサカは勇気をだして……)

「まさか……そんなっ!」

【9984号】

(……先程は少し見栄をはりましたが……毎晩徹夜で勉強をしていたために試験中、集中力が持たなかったんですよね。とミサカは……はぁ)

(いえ、まだ結果はわかりません! とミサカは空元気をだして……)

「…………やっぱりですか……とミサカはがっかりします」


さて、その結果は……


625 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/10/13(木) 15:28:01.25 ID:KBy3U98DO
※ 今回は5教科のテストです





名 前 点 数 クラス 学 年

ミサカ9982号 475点 3位 15位

ミサカ9983号 488点 1位 2位

ミサカ9984号 450点 8位 85位

「ま、負けた……とミサカは……」

「や、やりました! とミサカはガッツポーズを取ります!!」

「寝不足さえなければ……とミサカは悔しがります」

二人のミサカはがっくりと肩を落とし、9983号は笑顔で小さくガッツポーズを取っていた。

その9983号の表情を、その行動を9982号と9984号は羨ましく感じた。

その時、チャイムがなり昼食の時間が来た。

チャイムを聞いた生徒達は食堂に向けて歩きだし、後にはミサカ達だけが残された。

やがて9982号と9984号がため息をついて教室の出口に向けて歩き出す。

しかし、9983号はまだ結果発表の紙を嬉しそうに見ている。

「食堂に行きませんか? とミサカは9983号を誘います」

9984号が不機嫌そうにそう呟いた。

「先に行っていてください。とミサカは……」

「どうしましたか? とミサカは9983号に問いかけます」

「なんでしょう……こう……ここの食堂で初めて食べた食事の感動を何倍にもしたような感じが……ミサカはこの感情がなんなのかわかりませんが……」

「……」

9982号と9984号にも9983号の感情が流れ込んでくる。

それは温かく、そして心地よい感情であった。

「一生懸命に勉強をして、試験をして、結果がでて、なんというのでしょう……こう、努力が報われたというのでしょうか? とにかく嬉しくて……」

「……9983号?」

「もしかしてこれが幸せというものなのかもしれません。実験のために生まれて、実験のためだけに生き、死んだミサカにこんな幸せがあったのですね? それだけでミサカは……

そういいながら、9983号は9982号と9984号の見ている前で光の粒子となり消えていった。

「……えっ? 9983号が……消えた? とミサカは……」

9984号がそう呟き、呆然とする。9982号も同じく呆然としていた。

そんななか、9983号であった光の粒子はゆっくりと空へと登り、やがて消えていった。

626 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/10/13(木) 15:28:30.80 ID:KBy3U98DO

【天上学園〜校長室前〜】

9983号が消えてからミサカ達は彼女を探していた。

校舎内や運動場、職員室や食堂や寮も探したが、とうとう9983号は見つからなかった。

ミサかネットワーク上で何度9983号に呼び掛けても彼女が答えることはなかった。

そして日が傾き、星が見える頃にミサカ達は校長室の前に来ていた。

「……最後はここですね。とミサカはゴクリと唾を飲みます」

「では9984号が開けてください。とミサカは9984号をせかします」

「な、なんでミサカが……」

9984号は狼狽えた。先程の職員室で彼女達は教師に怒られた。それが心に残っていた為に、躊躇いが生じたのだ。

「先程の職員室はこのミサカが開けました。次は貴女の番です。とミサカは9984号に仕事を押し付けます」

9982号はニヤリと笑う。完全に9984号に押し付ける気である。

9984号はやれやれとばかりため息をつき扉の前に立った。

「仕方ないですね。とミサカは扉を開けて失礼しまぶっ!?」

一瞬の出来事であった。

9984号がいたはずの場所にはすでに9984号がいない。まるで瞬間移動でも行ったかのようである。

かわりにそこにあるもの。それは巨大なハンマー。それが振り子状に揺れるのをみて、9984号を吹き飛ばしたのだと9982号はようやく気づいた。

「と、トラップですか? とミサカは驚きます」

一体誰が? 何のために? 様々な疑問が頭のなかをよぎる。そして9984号の事を思い出すと慌ててミサカネットワークに信号を送る。

(大丈夫ですか? とミサカ9982号は9984号の安否を確認します)

(暗く……深い……海の底に沈むような感覚……あぁ…また死ぬの…ですね……とミ……サカは……)

それが9984号の最期の言葉。それきりネットワーク上からは9982号の信号しか流れなくなった。

後に残るのは孤独感。それはこの世界に初めて来たときよりも遥かに強く、そして暗いものとなっていた。

「……9984号も死んでしまいました。とミサカは孤独感を覚えます」

そして9984号を葬ったハンマーを憎々しそうに見る。

そこでふと疑問に思った。

このようなトラップは侵入者を傷付け、葬るものである。それが学校に、そして校長室にあるのはおかしいのではないか?

「とりあえず入って見ましょう。とミサカは勇気を振り絞って校長室に入ります」

9982号は勇気を出して足を踏み入れる。

627 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/10/13(木) 15:29:30.31 ID:KBy3U98DO

「こうして見つけたのがこのノートや上条さんが持っている銃等です。とミサカは話を一旦終えます」

そう一気に話した9982号はふぅ、と一息はいて飲み物を飲んだ。

「ちょっと待ってください! ミサカは死んでません!」

この話に9984号が文句をいった。

「死んだではないですか、9984号。それに……」

「それに?」

美琴が首を傾げる。

「あのトラップにかかったのは御坂遺伝子を持つものの中では貴女だけですよ。とミサカは9984号をけなします。プークスクス」

「うぅ……で、でもそれは9982号が……」

「結果は結果です。とミサカはニヤリと笑います」

「そ、それを言うならそのノートを見つけたのはこの9984号ではないですか! それを9982号は自分の手柄の様に……」

「いやいやそんなことは……」

「大体ですね!……」

9982号と9984号の姉妹喧嘩が始まる。

それは彼女達の過去を知るものにとっては少し微笑ましく思えるものである。

「でも、何で9983号は成仏したんだ? やっぱ点数がよかったからなのでせうか?」

上条の言葉に姉妹喧嘩がぴたりとやむ。そして9984号が答える。

「それもあるでしょうが、やはり一番大きかったのは『達成感』だったのではないでしょうか?」

「達成感?」

上条が首を傾げる。

「ええ。ミサカ達は死ぬために作られてますから目標や夢がなかったのです。当たり前の様に一方通行に殺されていましたし、それを疑問にも思いませんでした。もちろん今は違いますよ」

その言葉を聞いた美琴が顔を曇らせたのを見て、9984号は慌ててフォローをいれた。

「そんなミサカ達ですから例え小さな目標でもそれを幸せに思えるのです」

「なるほどな」

上条がうなずく。

「さて、何故か全員来てしまったようですしオペレーションをしてみますか? とミサカはベレー帽をかぶります」

その言葉を発した瞬間、部屋は先程までとは違う、ピリッとした空気に包まれる。

「さて今日は……」

こうして天上学園の日常が始まる。


とある死後の9982号 完

628 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/10/13(木) 15:30:59.79 ID:KBy3U98DO

以上です。

ついでなので天上学園から旅立ったメンバーも紹介します。

9983号試験で9982号9984号と勝負し勝利。結果を見て成仏
9986号おいしいご飯で感動。
9987号皆(NPC)と遊びながら満足して成仏
9989号同上
9990号ガルデモにて成仏

9991同上
9992同上
9993同上
9994同上
9998生徒会長と話したあと成仏。(会話内容は不明)

9999野球大会において優勝
10000同上
10001同上
10002同上
10003同上

10004同上
10005同上
10006同上
10007同上
10008同上(補欠)

10009同上(補欠)
10010同上(監督)
10012なんとなく成仏(ここの生活に満足して?)

10030号憧れのお姉様に抱かれて成仏。

以上です

勘がとりもどせなくて四苦八苦中です。

とりあえずまた土曜日。

出来るかな……

629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/10/13(木) 15:40:39.47 ID:ijEVTm130
乙!
まとめて成仏っぷりがパネェwww

上条さん達も辿り着けますかね…それに音無…。

心臓止まって生きているとは…、もしかして止まっている間にイン何とかさんに天使呼んでもらったんじゃないでしょうね?(笑)
そして友人はツームストンパイルドライバーしてやりなさい、私が許す。

では。
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/13(木) 15:42:50.57 ID:NV31OCN2o
乙!

成仏し過ぎwwwwwwwwwwwwwwww

なんとなく成仏って……
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/13(木) 17:52:05.54 ID:vRGkmeIIO
おかえり!乙

>>630
普通の学園生活でさ彼女たちにとっては特別なのかもな
元の生活考えればさもありなん
というかAB原作でもそんな設定だったしね
632 :確かになんとなくは酷いので作ってみました [saga sage]:2011/10/13(木) 18:46:37.06 ID:KBy3U98DO

10012号の成仏

【天上学園〜屋上〜】

「あぁ……いい気持ちです。とミサカは伸びをします」

ここはミサカのお気に入りの場所。陽当たりもいいし、誰もこない。ミサカだけの場所です。

もちろんこの場所を秘密にしておきたいのでネットワークからは離れていますよ。

「……」

頬を、そして髪を優しい風が撫でていきます。

それがとても気持ちいいのです。

「いい天気ですね……これはお昼寝日和です。とミサカは…ふぁっ……あくびをします」

そういえばミサカが死んだ日もこんな天気でした。

こちらの攻撃は全く通じなくて、一方通行から逃げようともがいて、地をはって、じめじめした路地裏を転げまわって……

「そして気づいたらこの世界に来てました。とミサカは眠気眼をこすりながら独り言を……」

そういえば何故逃げていたのでしょうか?

死は怖くなかった。

生に執着している訳でも、一方通行に勝てる策を考えているわけでもなかった。


あぁ……お姉様に会いたかったんだ。

9982号の様にお姉様と話をして、一緒にお茶を飲んで、笑いたかったんだ。

「でもそれはもう不可能ですね。とミサカは諦めます」

いや、正式には『諦めていた』ですね。

お姉様はここに来てはいけません。ここは未練がある人間が来る世界。

だからこそお姉様には来てほしくないです。

「一番の夢は叶いませんでしたが……」

こちらの世界に来てからは色々なことをした。

毎日が楽しかった。

皆でご飯を食べて

運動したり

野球の試合にでたり

釣り……は地獄でしたが

「それでもミサカはとても楽しかったです。とミサカは振り返ります」

そう、こちらに来てからの毎日はまるで宝物の様に感じます。

「幸せ……ですね。とミサカはお昼寝体勢へと移行します」

あぁ、きっと明日も楽しいんだろうな……

「風が……気持ちいいです。とミサカは……」




「おや、10012号は? とミサカはネットワークを介して呼び掛けます」

「……おかしいですね、部屋にもいませんでした。とミサカはとりあえず9982号に報告をします」

「それではやはり……とミサカは9982号の言葉に同意します」

「……さようなら、10012号。次は現世でも幸せになれるといいですね。とミサカは消滅したばかりの10012号に心からエールを送ります」


〜おわり〜
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/10/14(金) 14:47:30.40 ID:+7qjxpba0
昼寝で成仏したー

>>1
しれっとシリーズ乙です
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/14(金) 16:03:46.19 ID:xcLwNvkbo
10012号……
635 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/10/15(土) 16:29:43.83 ID:EwO3QZoDO
どうも、1です。

今日、投下しようとおもっていたのですが、色々会ってちょっち無理になりました。

すいません。

昔、レスしてくれた様に『不幸とは忘れる前にやってくる』、その通りです。

もうね、キツイの。何て言うか精神にくるの。

何で病み上がりで1週間は安静を条件に退院したのに2時間近く宗教の人に捕まらなきゃならないんだ?


話を切り上げて帰ろうにも帰れないし……いや、入信はしませんでしたけどね。

何が「悪霊が……」だ!
何が「貴方はこのままだと死にますよ」だ!

それよりも昼飯に作っていたカップ焼きそばを返してくれよ! デロンデロンのドロドロになってたじゃねえか!

帰ってきたら冷蔵庫は壊れてて冷食全滅してたし、散々です。

ただ、いいこともありました。

今日、友人が生還記念にパーティじゃ〜、と沢山の食材を持って来てくれました。

うれしい。のですが……

うれしいんだけど……



お前ら料理出来ねえだろ! 作れってか? こんちくしょうが!

まあ、うれしいから作るんですけどね。友人に恵まれて幸せです。

さて、連中をこきつかいながら作るか……

PS 復讐完了しました。ただ、まだやり足りないので唐揚げに激辛を作って混ぜときます。

ではまた。

ちなみに進捗状況は半分出来た位。まだかかりそうです。

636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/15(土) 16:46:00.37 ID:KNt9rYMwo
私は幻想殺しを持っているので問題ありません(キリッ
って言ったら宗教の人も退散してくれるんじゃないか?
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/15(土) 16:53:16.99 ID:rJES9PBRo
報告乙です
悪霊なんて居ない居ない!

友人にはもっと復讐してやれwwwwwwwwwwww
638 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/10/15(土) 17:23:39.43 ID:EwO3QZoDO
>>636
宗教の人って怖いですよ。

話をしていた時にヤカンがなっていたので

「とりあえず興味ないんで失礼します」

って言って家に入ったの。そして焼きそばにお湯淹れてた時に鍵閉めてないな〜と思って玄関に行ったら……



玄関を少し開けて覗いてやがる。

ビクゥッとした。うん、マジで怖かった。

しかもその人、近所の人だしあまり無下には扱えない。あぁ、困ったな〜と約2時間。相手をしてなんとか帰ってもらいました。こんな人じゃなかったはずだけどな……

さて、今友人達は買い忘れたものを買いに行ってます。私は下拵え中。

激辛作るのたのすぃ〜です♪

そろそろ帰ってきそうなのでまた。

最後に『怒りのパワーを右腕に!!』『チャーグル!!』とかいいながら激辛を作っている私って一体……

あはは……
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/10/15(土) 23:21:34.15 ID:keR2TBFu0
[『怒りのパワーを右腕に!!』『チャーグル!!』とかいいながら激辛を作っている私]
→その程度俺の友人の激不味に比べればどうという事はない
激辛は口内が痛くなるだけですむが、激不味の場合吐気・下痢・頭痛・悪寒・変な汗等に悩まされる事に……、激辛(ゲキツラ)料理なんだよ……orz
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/15(土) 23:48:09.92 ID:XVOk+67uo
ブルァァァァァ!
ベリーメロンだ
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/16(日) 00:08:29.79 ID:GhidTaH5o
最後に『友人の体、撃沈!』で完璧だな
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/17(月) 20:47:01.63 ID:dfPc4wZIO
>>639
むしろ食い物でそこまで出来るって天才だろwww
643 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/10/23(日) 04:20:15.36 ID:P1sT0dlDO

精神的に追い込まれた。まずい。頭のなかが怒りしかない。

しばらく無理書く余裕ないです。

今も考えるのが無理なくらいギリギリ、とりあえず報告のみです。

もしかしたらもう書けないかも。その時は設定のみ上げます。

すいません。本当にすいません。

644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/23(日) 08:15:24.55 ID:x27M6Kt/o
何があったか知らんがゆっくり休んでくれ
書けるならたまに生存報告してほしい
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/10/23(日) 18:03:37.42 ID:Obankieso
のんびり休め
ただでさえ、病み上がり?なんだし
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/24(月) 00:04:56.50 ID:abZDnV290
無理かもしれんが落ち着け
冷静になれ。Koolになれ
落ち着いて素数を数えろ、落ち着いたら頭の中を整理しろ
そして冷静に考えて法に引っかからないように復讐するんだ
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/31(月) 21:28:05.78 ID:wfJhg40vo
ワクワク
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府) [sage]:2011/11/01(火) 23:53:19.65 ID:XR32Hsnbo
テカテカ

サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長野県) [sage]:2011/11/13(日) 00:16:20.12 ID:ojXqabBVo
だいじょうぶかな
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/13(日) 09:24:14.40 ID:I83M0fmIO
俺は信じてる
651 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/11/13(日) 15:19:06.27 ID:eyGOVkuy0
皆様お久しぶりです。神様からも死神からも嫌われている>>1Death。

あれから数週間がすぎ、いろいろありましてやっとひと段落といったところです。

昨日、あれやこれやと終わらせてようやく自分の家でゆっくりとしています。

おもえばいろんなことがありました。が、あえて割愛。だって思い出すのも嫌なんです。

この問題、本当の終了まではおそらくあと2か月くらいはかかるでしょう。

はぁ、きついな……

さて、今回は途中までですが本編のほうを投下。いい加減投下しないと書いたことも忘れそう。

というわけでどうぞ。

最初2レスは携帯から、残りはパソコンからとなります。

では投下〜。
652 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/11/13(日) 15:20:32.13 ID:r7BW3yiDO

【神奈川県某所〜上条家〜】

8月27日 深夜

「結局はこれも無駄になってしまったか……」

「……そうですね、刀夜さん」

ある物の前で上条夫妻は呟く。

それはお土産の山、たくさんの御守り。上条刀夜が愛するわが子の幸せを願いずっと集めていたものだった。

いつか渡そう。そう思っていた。

そしてそれはついに叶うことがなく、願望として終わった。

そう、自分の子供である当麻は先日死んでしまったのだから……

「当麻は幸せだったんだろうか……」

刀夜は呟く。詩菜は黙って聞いていた。

「当麻を学園都市に送ったのは本当に正解だったんだろうか……もしかして私は間違えてたのかもしれないな」

刀夜の目から涙がこぼれた。

「刀夜さん……」

詩菜は優しく刀夜を抱き締める。その目には刀夜と同じく涙が流れる。

「近くにいてやればよかった……近くで守ってやればよかった……」

「もっと当麻の……成長を見たかったっ!」

それはもう叶わない願い。

それはとても悲しく、そして虚しい叫び声として家に響くだけだった。

653 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/11/13(日) 15:21:08.34 ID:r7BW3yiDO

やがて落ち着きを取り戻した刀夜は手に持っているお土産を置いていく。

コトリ、コトリと音をたて、やがて1つを除いて全てを置き終わった。

「母さん、最後だし一緒に置かないか?」

「……そうですね」

そういって刀夜に近付いて横にたつ。

「母さん……」

刀夜は妻である詩菜の肩を抱き寄せた。

「当麻……ありがとう」

「当麻さん……私達の所に産まれてくれてありがとう」

コトリ

最後の御守りがそこに置かれた。

「……」

「……」

上条夫妻はまた涙を流す。

そして願う。

もし、次に産まれてくるのであれば、今までの分を取り戻す位に幸せに……と

時刻は深夜。

この日、上条家に世界を揺るがす『魔方陣』が完成した。

上条夫妻は知らない。

このお土産の山がどんな意味を持つかを。

そしてそれがどんな不幸を呼び寄せるかも彼らは知らない。

知らない。そう、誰も知らない内に世界が大きく変わろうとしていた。

654 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/11/13(日) 15:21:33.86 ID:eyGOVkuy0

【学園都市〜窓のないビル〜】

−27日 朝−

「こンな朝っぱらから何の用だってンだ、クソッタレが……」

「うーん、まだ眠いんだよ……」

一方通行とインデックスは窓のないビル、その中のアレイスターがいる部屋にいた。

時刻はもう8時を過ぎているが、この2人はまだ眠そうであった。

その理由は一つ、インデックスの夜更かしである。

彼らは基本、この窓のないビル内部の一室(同部屋)にいる。そしてその中でただ暇を持て余していた。

そんな彼らをみた同じく同部屋のホーエンハイム(アウレオルス=イザード)が彼ら、というよりインデックスに買い与えたもの。それが原因である。

それはカナミンというアニメのDVD-BOXであった。これにインデックスは大いに喜び、夢中になってみていたのだ。

それこそ昼夜を問わずにずっと見ていた。寝るとき以外ではあったが。

こうして生活リズムを完全に崩した彼らにしては「もう朝8時」ではなく「まだ朝8時」なのである。

そんな2人を見てホーエンハイムはため息をつく。そして買い与えたものを後悔していた。

「……まあいい、ホーエンハイムに一方通行、君達は何か異変を感じないか?」

だらけきった空気がアレイスターの言葉で一気に引き締まった。

「私は何も感知していないな。一方通行、君はどうだい?」

「俺も何にも感じねェな。何があったってンだ」

先ほどまでとは打って変わり、ホーエンハイムと一方通行は緊張した顔つきになる。
655 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/11/13(日) 15:22:16.25 ID:eyGOVkuy0

「そうか、ではこれをみてくれ」

目の前に半透明のスクリーンが出てきて映像を映した。

それは第7学区のどこかであろう映像、時間が時間のため、学園都市の生徒たちが登校している映像である。

「あァ? これのどこが異変だっていうンだ?」

一方通行はそうつぶやいた。実際、平和そのものの映像ではあった。

「なんなの……これ? 気持ち悪いかも……」

「どこが変だというんだい?」

異変に気付いたインデックスにホーエンハイムは尋ねた。

「何で男の人が女の人の格好をしているのかな? さすがにありえないんだよ!!」

一方通行とホーエンハイムは改めてスクリーンを見る。確かに男装や女装をしている人がいる。それもかなりの数である。

「見ての通り、これが異変の内容だ。おそらく人の中身……魂の入れ替わりが発生している」

アレイスターはそう言う。それに一方通行は反論する。

「待て、『魂』なンて科学的にありえねェだろォが」

「では君はどう予想する、一方通行?」

「精神操作系統の能力者の仕業じゃねェか?」

一方通行はさも簡単な問題であるかのようにそう言い捨てた。

「ほう、確かにその可能性もあるかもしれないな、ただ……それが全世界規模でなければね」

そういってアレイスターはにやりと笑った。

「なっ?」「全世界規模だとォ?」「あ、ありえないんだよ?」

3人はそれぞれ驚き、声を上げる。
656 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/11/13(日) 15:22:46.85 ID:eyGOVkuy0

「そう、全世界規模だ。これを一方通行とインデックスに調査をしてもらいたい」

そんな3人を無視するかのようにアレイスターはそういった。

「待て、アレイスター!!」

「どうしたホーエンハイム?」

「何故インデックスと一方通行なんだ? 何故私じゃない?」

ホーエンハイムは異論を唱えるが、すぐに答えられた。

「簡単なことだ、君が魔術サイドに追われているからだよ。今、君が見つかることは我が方に大きな痛手となるのでね」

「それに一方通行だけではこの現象の糸口すら見つけられないだろう。もちろん他の協力者も向かわせる。優秀な人物をね」

「チッ」

その言葉を聞いて一方通行は舌打ちをする。それを無視してアレイスターは話を続けた。

「だからこその布陣だ。わかったかい、インデックス?」

「わかったんだよ」

「では行ってきてくれ。場所は……」

こうして一方通行とインデックスはとある場所に向かった。
657 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/11/13(日) 15:23:22.36 ID:eyGOVkuy0

【神奈川県某所〜とある海〜】

「はァ……何で俺がこンなことしなきゃなンねェンだよ」

一方通行はパラソルの下でそうつぶやいた。

あの後すぐここに転送されたのだが、そのあとに来たホーエンハイムに協力者が遅れると言われた。そして、彼はこう言って帰って行った。

「協力者が来るのは昼過ぎになるからそれまで海にでも入っていればいいんじゃないか?」

そして一方通行とインデックスはここに取り残された。ホーエンハイムがおいて行ったさまざまな遊具とともに。

「やってられねェな……」

そういって寝返りを打つ。遠くからはインデックスのはしゃぐ声が聞こえる。

彼女は海に膝までつかり、楽しそうに海と戯れていた。

ため息をついて太陽を見つめる。

一方通行には今日の暑さ、太陽の日差しは感じない。『反射膜』は有害なものを自動ではじき出し、常に快適な環境にする設定となっているからだ。

だから彼には太陽の日差しがどのようなものかはわからない。

(……反射切ってみるか?)

そう思い、彼は能力を解除した。

とたんに太陽は彼に牙をむき、周りの空気がスチームのような熱気を持つ。

「……あちィ」

だが、悪い気はしない。苦しいこと、それが彼を慰める。

実験で10,032人殺した。

それが彼を常に苦しめていた。

どうすれば救われるのか?

そもそも救われるのか?

今も彼は考えている。そして答えは出てこない。

ただ、今はアレイスターの計画に乗るしかない、それだけが彼を支えている。

たとえその内容が眉唾物で、信用できなくて、馬鹿げていてもそれにすがるしかない。

彼は太陽を恨めしそうに睨みながらそう考えた。
658 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/11/13(日) 15:23:54.42 ID:eyGOVkuy0

「ねえ、あくせられーた」

近くで声がする。いつのまにかインデックスが海から上がりこちらに来ていたようだ。

後ろになにか隠しているが、一方通行は気づかない。

「かわいい帽子を拾ったからあくせられーたにあげるね?」

そういって彼女は一方通行に何かをかぶせた。

それは毒々しい色をしたクラゲ。彼は顔にそれをかぶせられた。

いつもの彼ならすぐに反射して、クラゲは木端微塵になっていたであろう。

そうならなくても彼には無害であるはずだ。しかし……

「痛ってえええェェェェェェェェっ!!!!」

彼は先ほど反射設定を切っていたのだ。顔には容赦なくクラゲの触手が刺さり、悶絶する。

学園都市最強の第一位、一方通行。

この夏、彼の体に一番痛みをあたえたのはいまのところ実験でも第三位でもなく、クラゲである。
659 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/11/13(日) 15:24:31.30 ID:eyGOVkuy0

【神奈川県某所〜民宿わだつみ〜】

一方通行は治療のために近くの民宿で部屋を借りた。部屋を取るなり学園都市から連絡が来たのは驚いたがおそらく監視されているためだろう。

「それは災難でしたね……クラゲの季節には早いんですけどおかげで客足がねぇ……」

そこまで聞いて従業員が話す声を反射する。どうせくだらない愚痴が始まるだけだ。

彼は薬を塗りながらそう思った。顔には数本の赤い線が出来ている。それが元からの白い肌と相成って目立っている。

「ごめんねあくせられーた、私クラゲを見るの初めてだったから……」

「初めて見たもンを人の顔に乗せンじゃねェよ!!」

そういったらインデックスはしゅんとなってしまった。

ちっ、と彼は舌打ちをしてインデックスの頭を乱暴になでる。

「次から気をつけりゃいいンだよ、わかったかクソガキが」

「……ありがとね、あくせられーた」

「……あァ」

ようやく笑顔を見せたインデックスを見て少し安心する。

ようやく和んだ空気だが、それをぶち壊す人物が部屋に入ってきた。
660 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/11/13(日) 15:25:01.86 ID:eyGOVkuy0

「いやー、遅れてすまなかったにゃー」

2人とも勢いよくそちらに振り向いた。そこには金髪、サングラス、アロハシャツという何とも胡散臭い青年がいた。

「誰だてめェは?」

一方通行はインデックスの前に立ち、敵意をむき出してそういう。

「アレイスターが言ってた『協力者』、といえばわかるかにゃー? 土御門っていうんだぜい、よろしくな一方通行」

そういって手を差し伸べる。だが、彼はそれには応じなかった。

「……はぁ、嫌われたかにゃー。残念だぜい」

そういって土御門は肩をすくめる。

「まぁ、仕方ない。他の勢力も近くまで来ているしさっさと調査をしにいくぞ」

いきなりまとう空気が変わる。サングラスから覗く眼光は鋭く、只者では無いことを認識させられる。

「あァ」

「わかったんだよ」

そういって一方通行、インデックスが部屋の外に出ようとすると、

「インデックスはここに残れ、お前は足手まといだ」

と土御門が制止する。

「そ、そんなことないかも! 私だって役にたつんだよ!」

「この周りには魔術側の勢力が大勢いる。お前を守りながら探索する余裕はない

もちろんお前が役に立つのはわかってる。だからこそその場面が来るまではここで待機しろ」

その言葉を聞いて少し考えたインデックスはしぶしぶその場に座った。

「じゃあ一方通行、いくぜい」

そういいつつ部屋を出ていく土御門に一方通行はついて部屋を出て行った。
661 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/11/13(日) 15:25:41.23 ID:eyGOVkuy0

【神奈川県某所〜とある街中〜】

一方通行と土御門はとある街中を歩いている。

インデックスと離れ旅館を出てからはや1時間、土御門は前を歩き続け、一方通行もそれに続いていた。

インデックスのいる旅館からはかなり離れ、ある住宅街に入ったときようやく土御門の足が止まった。

「おい、ここに何かあるのか?」

「……」

一方通行の問いに土御門は答えない。ただ、前を見つめて何かを警戒しているようだ。

前にいるのはシスター。それも一人や二人ではなく十数名いるようだ。

その中心には仰々しい杖を持つ赤毛の少女が何やら指示を出している。

それはこの閑静な住宅街において明らかに特異点であった。

一方通行が疑問に思いながら見ていると、土御門はくるりと背を向けて今来た道を戻り始める。

そして彼女らが見えなくなったときにようやく一方通行にこういった。

「一方通行、あれが何だか判るか?」

「お前らが言ってる『魔術師』ってやつじゃねェか?」

「正解だにゃー。あれはローマ正教所属のシスター部隊だぜい」

「教会所属の魔術師だァ? 一体どうなっていやがる?」

「……まあいろいろあるんだにゃー」

そういいながら先ほどの道を迂回しつつ目的の方向へと進んでいく。

「アイツらと協力した方がいいンじゃねェのか?」

「いや、アイツらと俺達では目的が違うんだぜい」

「目的が違う? どォいう事だ」

「アチラさんは世界中に広がったこの術式の解除、俺達はこの術式の調査だ」

「……なるほどな、じゃあアイツらより早く見つける必要があるわけだな」

「まあ、その点は大丈夫だろう。だいたい目星がついているから、な」

そういった後に土御門が当たってほしくはないがな……とつぶやいたのに一方通行は気づかなかった。
662 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/11/13(日) 15:26:15.69 ID:eyGOVkuy0

【神奈川県某所〜上条家前〜】

土御門と一方通行はシスター部隊に見つからないように迂回しつつ、ようやく目的の場所へとたどり着いた。

そこにつくと、土御門はため息をつく。

「やはりここか……」

「ここか、さっさと終わらして帰るぞ。あのクソガキが待ってるしな」

そういいながら一方通行は玄関のインターホンを押す。

「ば、馬鹿野郎!! お前どうする気だ?」

「? 家の中を見せてくれ、っていえばいいじゃねェか?」

そういう一方通行を見て、土御門は頭を押さえてこういう。

「見ず知らずの他人がいきなり来て家の中を見せてくれって言って誰が見せるんだ? 少しは考えろ!!」

「じゃあどうすンだよ、それこそ忍び込もうっていうのかよ?」

「幸いなことにこの家の住人と俺は知り合いだ。だから話をして家の中を見せてもらう」

「結局同じじゃねェか!!」

「ものには順序があるんだよ!! まずは電話で相手の予定を聞いてだな……」

「じゃあ早くしやがれ!!」
663 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/11/13(日) 15:26:57.76 ID:eyGOVkuy0

「……いや、その必要はないようだ。インターホンを押してこれだけ騒いでいるのになぜ出てこないんだ?」

「ってことは留守かよ!! どうすンだよ、帰ってくるまで待つのか?」

「時間もないし、仕方ないにゃー……おい一方通行、お前の能力でカギを開けられるか?」

「……はァ、ちょっと待ってろ」

そういって扉の前まで来た一方通行はカギを触る。するとガチャリと音がして扉が開いた。

「一方通行、お前はここで待っててくれ。俺は中を調べてくる」

「おィおィ、俺は見なくていいのかよ」

「お前に魔術のことがわかるのか?」

「……ちっ、わかったよ」

「お前はシスター部隊に気を付けていてくれ。もし何か異変があったらその時は俺を呼べ、いいな」

そう言い残し、土御門は家の中に入っていき調査を始めた。

こうしてしばらくの間、中で調査をした土御門は10数分後にようやく出てきて

「よし、旅館まで帰るにゃー」

といいながらまた元の道へと帰っていった。
664 : ◆epRap4Mug. [sage saga]:2011/11/13(日) 15:29:33.50 ID:eyGOVkuy0
今日は以上です。スレのほうはこの話が終わった後に上げようと思います。

長々と遅れてすいませんでした。

後編は……たぶんまだかかると思います。

ではまた。今度はなるべく早く。
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/11/13(日) 20:54:02.36 ID:pZMcLneFo
おつ
まってるよ
666 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/14(月) 19:05:39.41 ID:Q4KKbx/F0
昨日眠れなかったので作った中編を投下します。
667 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/14(月) 19:06:23.25 ID:Q4KKbx/F0

【神奈川県某所〜民宿わだつみ〜】

「さて、分かったことから説明していくにゃー」

土御門はそういってテーブルの上に写真をばらまく。

「今回の術式は『天使の魂を天界から人間界へ降ろす』効果があるんだにゃー」

「おィ、それと今起こっているものは別物じゃねェのか?」

土御門はため息を吐いて一方通行を見た。

「はぁ、これだから素人は……生命の樹(セフィロト)は知っているかにゃー?」

「……知らねェな」

「まぁ詳しい説明は省くとして生命の樹は10のセフィラで形成される四界成り立っているんだにゃー」

「そして今回の術式では上位セフィラに位置する天使が俺達の下位セフィラに強制的に移動させられているんだにゃー」

「いきなり下位セフィラに移動させられた天使は肉体を持たないんだぜい。なにせ俺たちの物質世界の住人ではないからにゃー」

「そこで天使は人間の肉体へと入るんだ。もともと人間の肉体には魂が入っているからそれを追い出してな」

「そこから先は魂の椅子取りゲームだにゃー。ただ、この椅子取りゲームは生命の樹のような抽象概念内で起こるために距離なんてものは関係ないんだぜい」

「つまり地球の裏側でも肉体の交換は行われるし、精神は移動しないからかわいーい女の子が朝起きたらごっついガチホモの姿に!! なんてこともあるんだにゃー」
668 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/14(月) 19:07:36.98 ID:Q4KKbx/F0

インデックスと一方通行は頭の中でその情景を思い浮かべた。頭の中で悲惨な光景が浮かんできた。

「……うわぁ、それは悲惨かも。一気に友達がいなくなりそうなんだよ」

「そこは大丈夫だにゃー。俺達みたいに術式から逃れられたもの以外からは『肉体側ではなく精神側の見た目』になるにゃー」

「つまりはさっきの女の子も俺達から見ればヤバい人物に見えるが術式にかかった人間から見ればいつものかわいい女の子、ってわけだぜい」

「ンで、どうやったらこの術式は解けるンだ?」

無駄話をやめたい一方通行はそうきりだす。これらのことを今理解する必要はない。打開策を話し合う方が何倍も重要である。

「選択肢は二つ、一つ目はその術式を解除、破壊する事。ただ……これがやっかいなんだぜい」

土御門は再度ため息をついて肩をすくめた。

「どうしてなのかな? 私がいればそんなことないかも」

インデックスは頬をふくらましてそういった。

「この写真と見取り図を見てもらえばわかるとおり、この術式はかなり複雑なものなんだぜい。もし間違って動かそうものなら……」

そういってインデックスに写真と見取り図を見せる。

それを見たインデックスはとたんに表情が曇った。

「……新しく別の魔術が発動するかも。こんな複雑な術式、私でも解除するのに相当時間がかかるんだよ」

669 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/14(月) 19:08:10.34 ID:Q4KKbx/F0

「ンで、二つめはなんだ」

こちらの方法では無理だと思った一方通行はそういう。

「……この術式を使用した術者を殺すことだ」

「そ、それはダメなんだよ!! 人を殺すなんて……」

インデックスが即座に否定する。目には少し涙がたまっている。

「もちろん俺だってやりたくはない。だが、もし天使が元のセフィラに帰るために暴走したら? 俺達人間はあっという間に全滅だ」

「この二つ以外に方法は?」

インデックスはほかの解除方法がないか土御門に問いただすが、彼はいいづらそうにその解答を口にした。

「今のところない」

「じゃあ決まりじゃねェか。その術者を殺して終わりだな」

その言葉を聞いて土御門の眼光が鋭くなる。
670 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/14(月) 19:08:38.00 ID:Q4KKbx/F0

「おい、一方通行」

先ほどまでとは違う低い声が一方通行に突き刺さる。

「お前がこの術者に危害を加えることは許さない。それどころか触れる事、話すことすら許さん」

「許さなかったらどォするってンだ? お前が俺を殺せるとでも」

一方通行はそういい、土御門に相対する。

「別にお前を殺さずともお前に地獄を見せる方法はいくらでもある」

さも当たり前のように土御門は言ってのけた。

その言葉に嘘は感じられない。それほど力強い言葉だった。

「……ちっ、わかったよクソッタレが!!」

一方通行は頭をガシガシと掻き、窓の方を見た。

今、自分は『妹達』の保護を学園都市に依頼している。土御門はそれを知っているのだろう。

また、こいつは多分自分を殺す術を知っているのだろう。すべて推測だがそれを確信づける力が先ほどの言葉にはある。

こいつには逆らえない、一方通行はそう感じ取っていた。
671 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/14(月) 19:09:04.36 ID:Q4KKbx/F0

「ところでつちみかどはその術者と知り合いなのかな?」

その空気に耐え切れなくなったのかインデックスは話題を変えようとする。

「会ったのはつい先日だにゃー。ある病院で……お前もあったことがあるはずだぜい」

そういう土御門の言葉にインデックスは首をかしげた。

それもそのはず、『今』のインデックスには病院に行ったことはない。

「この術式の術者は上条刀夜か上条詩菜、お前の恩人、上条当麻の両親だ」

恩人、その言葉を聞いてインデックスは胸を締め付けられる気がした。

記憶をなくす前、私はどれだけの人に世話になり、どれだけの人に迷惑をかけたのだろうか?

それを覚えていないとその人たちが知ったのならば、どういう気持ちになるのだろう?

インデックスはしゅんとしながらつぶやく。

「……ごめんなさい、覚えてないんだよ」
672 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/14(月) 19:09:32.59 ID:Q4KKbx/F0

その言葉に土御門は激昂する。自らの友人である上条当麻の人生を否定されたような気がした為だ。

「なっ、なんだと!!! テメエ、お前を救った恩人の名前を忘れたのか!!!」

声を荒げながらインデックスに詰め寄った。いきなり詰め寄られたインデックスは身を小さくしてつぶやく。

「ごめんなさい……」

その言葉は土御門に届かないのか、さらに胸倉をつかみ怒鳴りつける。

「文字通り命を懸けて救ってもらったっていうのに忘れたのか!!!!」

涙目になりながら謝るインデックス。

「ごめんなさい……ごめんなさい」

とただ謝るしかなかった。

「テメエっ!!!」

そんなインデックスを見て完全に頭に血が上った土御門は右手で握り拳をつくりインデックスを殴ろうとした。
673 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/14(月) 19:10:03.08 ID:Q4KKbx/F0

だが、その拳はインデックスに届くことはなかった。振り上げたその拳を一方通行がつかんでいるためだ。

「やめとけ土御門、こいつは『完全記憶能力』の持ち主だぞ。意図して忘れられるはずねェだろうが!」

土御門ははっ、としてインデックスをみた。その少女が記憶をなくすときは人工的なものだ。

そして恩人の記憶を失うことを彼女はよしとしないだろう。

つまりそれは、誰かに記憶を消されたという事になる。

ギリッ、と奥歯をかむ。そんなことをするのはおそらく魔術側。イギリス清教だろう。

不安と絶望を瞳に宿した彼女を離すとその襟元を直しながらこういった。

「そうだったな、すまなかった。だがインデックス」

真剣なまなざしで彼女を見る。サングラスに隠されたその眼には悲しみを帯びていた。

「本当に忘れたというならば彼らに会うな! 息子が命を張って救ったやつがその息子のことを忘れているなんていいだせないだろう?」

きっとそれはインデックス、上条夫婦双方を傷付けることに成る。

だからこそ、優しい口調でインデックスを諭すように言った。
674 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/14(月) 19:10:30.15 ID:Q4KKbx/F0

インデックスは考える。

もし、息子が救った人物がそのことを忘れていたら? きっとそれは悲しいことだろう。

ましてやその少年は彼女を救うために死んでいるのだから……

「わかったんだよ……ごめんなさい」

インデックスは涙をぽろぽろとこぼしながらそういった。

「記憶の問題はお前のせいじゃない……こちらこそ悪かった」

そういってインデックスに頭を下げる土御門。

旅館の部屋は重い空気に包まれている。

誰もが視線を合わせようとしない。話そうともしないまま数分がたった。

そしてようやくある人物が口を開いた。
675 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/14(月) 19:10:58.20 ID:Q4KKbx/F0

「じゃあそろそろ『術式の破壊』について説明するにゃー」

その重い空気にあまりに似つかわしくないその言葉、その内容に二人は絶句した。

「ん? どうしたんだにゃー、二人とも? そんなに目をまるくして?」

その言葉でようやく我に返った二人。各々に土御門に掴み掛る。

「てめェ、さっき『解除、破壊はやっかいだ』っていってただろうが!!!」

「なら最初からそれを説明するべきなんだよ!!」

両者から襟首をつかまれてたじたじとなる土御門、笑顔をひきつらせながらこういった。

「ま、まぁまぁ二人とも、おちつくにゃー。さっきは解除のことしか話してなかったし、そんなこと言われても次に話をもってったのは一方通行だにゃー」

「ふっざけてンじゃねェぞ、くそ野郎がァ!!」

「さっさというんだよ!!」

完全に怒っている一方通行

さきほどまでの涙も消え、怒った表情で土御門に掴み掛るインデックス

その二人から攻められてたじたじとなる土御門

この三人、後々旅館の従業員から苦情が来るまでぎゃあぎゃあと言い争っていたという。
676 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/14(月) 19:15:04.47 ID:Q4KKbx/F0
とりあえず以上です。

書いた分は投下しとかないと次にいつできるかわからないので今回は少しずつでも投下していきます。

あぁ……早く天上学園側もしくは転生側を書きたい……。

ではまた今度。
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/11/15(火) 06:36:30.16 ID:CT8WcSVLo
おつなんだよ!
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/15(火) 16:44:26.61 ID:i4pCMKsSO
まぁ、ぼちぼちいきなさい
無理せず・・・
679 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/15(火) 19:33:38.95 ID:5sf7Bsaj0
どうも、1です。

これだけ書いて、まだ最後までいかないだと?

と、とりあえず投下。
680 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/15(火) 19:34:10.25 ID:5sf7Bsaj0

【神奈川県某所〜民宿わだつみ近くの海〜】

〜夜〜

あれから数時間、食事をってああと一方通行は浜辺に来ていた。

特に理由があるわけでもない。ただ夜風に当たりに来ただけであった。

結局あの後、土御門が

「とりあえず上条氏に連絡をとってからだにゃー」

と電話を頻繁にかけているがまったくつながらないらしい。

彼らがどこにいるのか、それはまだわかっていない。だから連絡が取れないと動きようがない。

なにせその術式を破壊するためには家もろともでないといけないらしい。

息子を失い、家も失う。上条夫婦にとっては踏んだり蹴ったりどころの騒ぎではないだろう。

一方通行はゴロリと寝返りを打つ。彼の能力ならついた砂など一瞬で取り除くことが出来るため、あまり気にしていないらしい。

またゴロリと寝返りを打つ。
681 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/15(火) 19:34:45.99 ID:5sf7Bsaj0

一体自分がここに来た理由は何だったのだろうか

魔術に詳しいわけでもなく、インデックスの護衛をしたわけでもない。

学園都市第一位が居ても居なくても変わらない存在であった。

一方通行は夜空を仰ぎ見る。

そこには学園都市では見えなかった多くの星たちが煌めいていた。

「こんな時間に子供が出歩くのは感心しないな」

後ろから声がかかる。そこにはいつの間にか一人の男が立っていた。

「君はわだつみに泊まってる子かい? さっき旅館の人が君のこと探してたみたいだよ」

そういって近くまで歩いてきた。

その男は無精ヒゲを生やし、精悍だがどこか理知的な雰囲気が漂っている。

目には大きな隈を作り、どこか疲れてるようである。

「……分かった」

そういうが立ち上がろうともしない一方通行を見てその男は一方通行の横へと座った。
682 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/15(火) 19:35:17.28 ID:5sf7Bsaj0

「……何か俺に用でもあンのかよ?」

「君は何か悩みを抱えてるんじゃないか?」

男は優しい声でそう言った。

「……」

確かに一方通行には悩みがある。それはあの日からずっと自問自答し続けている悩み。

ただ、それを話していいものか?

だが、目の前にいるその男はすべてを受け入れてくれそうな感じがあり、

そして答えを教えてくれそうな予感すらある。

迷っているうちにその男はこう言う。

「見ず知らずの他人だからこそ、打ち明けられる悩みもあるものだよ」

そういいつつニコリと笑う。その言葉に、その表情に、一方通行はどこか安心を感じた。

だが、一方通行が悩んでいることは一般の人間には受け入れられることではない。

10,032人も殺して救われたい、そんなこと口にできるはずがないのだ。
683 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/15(火) 19:36:07.10 ID:5sf7Bsaj0

しばらく沈黙が続いた。

やがてその男は立ち上がるとさびしそうな顔で、

「まぁ、無理にとはいわないよ。見ず知らずの他人は信用できないだろうからね。

そろそろ私も帰るよ。君も早く帰った方がいいんじゃないかな?」

と言って旅館の方へと歩き出した。

「俺はよォ、どうしても許されないことをしちまったンだ!!」

一方通行の口が勝手に言葉を噤む。

「許されないこと? それは何をしたんだい?」

優しい声で振り向きながらそう答える。

一方通行とその男の視線が合う。

その男の眼はどこか嬉しそうで、しかしどこか一方通行を見ていないようでもあった。

「俺はとンでもねェことをしちまったンだ。それは――――」

そう言いかけた時、旅館の方から声が聞こえる。
684 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/15(火) 19:36:49.46 ID:5sf7Bsaj0

「おーい一方通行、こんなところにいたのかにゃー。探したぜい」

胡散臭い笑顔で登場したのは土御門だった。

明るい声で場を壊された一方通行は、少しほっとし、少し悔しくも感じた。

「今回の作戦で協力してくれる面子がそろったからお前にも紹介しと来たいんだがにゃー」

「おお、その声は」

男が土御門の方を振り向いた。その途端、土御門の笑顔がひきつった。

「たしか土御門君だったね? この間は息子の葬儀に来てくれてありがとう」

そういって少しだけ頭を下げる。

「上条刀夜さんじゃないですか!! なぜここに?」

土御門らしくない敬語で答える。

「ああ……あの家にいると気が滅入ってしまってね……」

「そう……ですか……」

そういって双方とも黙り込む。

「おィ、土御門! 早くしねェとまずいンじゃねェのかよ!!」

その言葉に土御門はハッとする。時間が無いのは確かである。

685 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/15(火) 19:37:26.05 ID:5sf7Bsaj0

「すいません、重要な話があるので旅館わだつみまで来てもらえませんか?」

そういって刀夜の手を取って旅館へと歩き出した。

「お、おい。少し待ってくれないか? ほんの少しでいいんだ」

その言葉に土御門の歩みが止まる。そしてつかんでいた手を放した。

「ええと、確か一方通行君……いいのかな?」

そういって一方通行の方へと近づいていく。

「君は許されない事をした、と言ってたね。でも君は許されたいのだろう?」

「そンな資格……俺にはねェよ」

上条刀夜のまっすぐな視線に耐え切れずに一方通行は視線を違う場所へと移す。

それを見た刀夜は少しだけ悲しそうな表情になるが、また話し始めた。

「そうかもしれないな。だがそこで止まってしまったら永遠に許されないままだ」

「そォだな……」

ぶっきらぼうにそう答える。それはわかっていることだから。
686 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/15(火) 19:37:54.61 ID:5sf7Bsaj0

「だったらあがけばいい。許されるために足掻いて足掻いて、足掻ききればいい」

「それを自分の命を懸ける位の気持ちでやってみなさい。そうすればきっと君は報われる」

「……」

一方通行は答えなかった。答えられなかった。

「さあ、行こうか土御門君。きっと何かあったんだろう?」

そういうと旅館の方へと歩き出す刀夜。

それに土御門が続いた。だが、一方通行はそこから動かなかった。

足掻けばいい。

許されるために足掻いて足掻いて、足掻ききればいい。

そうすれば君は報われる。

その言葉が一方通行の脳裏で幾重にも反響する。

やがて、それが収まると一人呟いた。

「命を懸けて許されるために足掻く、ね。やってやろうじゃねェか」

そういって旅館へと動き出した。

687 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2011/11/15(火) 19:40:57.70 ID:5sf7Bsaj0
短いですが今日は以上です。

とりあえずこの話の書きダメはこれですべて消化しました。

次がいつになるかは少しわかりません。たぶん1週間後くらいでしょうか?

待っていてくださる皆様、本当に申し訳ありません。

ではまた今度。
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(福岡県) [sage]:2011/11/16(水) 01:21:52.86 ID:YXAT6QoAo
乙!
俺……舞ってるぜ


タンゴで頼む!
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/11/16(水) 06:07:19.28 ID:aDS48UTto
ワクワク
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/23(水) 21:40:52.02 ID:XrdFk7TIO
ワクテカ
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(愛知県) [sage]:2011/11/29(火) 18:53:29.70 ID:XWoKR/tGo
また作者は不幸…?
692 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/11/30(水) 02:01:12.34 ID:FpO8EQ9DO
>>691
すいません。今回は不幸ではありません。

とある問題を決着させるべく全力で行動中です。

今は色々な状況を想定して各種の書類を作成中です。持つと便利な弁護士の友人。マジで感謝です。

しかも友人宅に泊まり込みです。家事は俺が担当……何故だ?

さて、息抜き終了。もうちょっと頑張ります。

決戦は土曜と日曜日! いくら優しい(甘い)俺でも流石に今回は絶対に許さん!

ではまた。うふふフフ……

693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/11/30(水) 09:03:20.27 ID:+yZTqmLQ0
この>>1は本当に大丈夫なのだろうか……?
694 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/12/02(金) 02:12:43.01 ID:YC2bXhvDO
>>693
身体も心もボロボロみたいです。もう駄目かもしれませんね。

夏の事故で脳ミソ少し凹んでたし(後遺症はなし)、その時にお金を親に盗られてるし、同僚に「宇宙人成分(?)増えてね?」って言われたし……

なにより今日の夕飯(ミートスパ)作ってる時になぜか蕎麦茹でてるし……いや、食べましたよ。蕎麦にミートソースは美味しくないです。

しかし、これも明日明後日までで終わると思います。

やっと色々な事が終わらせられる。

おそらくそれさえ終われば元の生活に戻れるはず! 書ける時間も増えるはずです。

なのでもうちょっとお待ちくださいませ。申し訳ありません。
695 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/12/02(金) 06:19:09.72 ID:YC2bXhvDO
何でこんなこと書き込んじゃったんだろ……

忘れてください。
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(愛知県) [sage]:2011/12/02(金) 11:01:28.05 ID:wMzAZ+QTo
弱気になるなよがんばれ
明日以降の報告楽しみにしてるよ
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/12/03(土) 07:54:24.46 ID:9A3+LBSDo
ミート蕎麦てwww
頑張れよ
698 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/12/05(月) 09:55:40.52 ID:7CxJC2gDO
とりあえず報告のみ。あと少しお願い事を

大目的…達成
中目的…達成できず

さらに知らずにいたかったことを聞かされてかなり参りました。薄々は感じていたけど言わなくていいじゃないか……

「お前なんか産まれなきゃよかったんだ」

うん、知ってた。昔、ある親戚から私の出生の話を聞いた。でも結局は二人と血はつながってたはずだよね?

「あの時に死んでいればよかったのに」

それはどの時? この前? それともまだ赤ん坊の頃のはなし? やっぱり又聞きとはいえ不自然な事が多すぎると言われていたあの事故は私を[ピーーー]為のものだったのですか?

「この親不孝ものが!」

私が産まれたから? 生きてたから? それともお金を返せと言ったから?

まだ沢山言われたのですが、思い出すのも限界です。限界なのです。お金の事はもういい。でも祖父母が他界したことも知らなかった。なぜ言ってくれなかったのですか?

あなたたちが知らない所で私を助けてくれた祖父母。そのおかげで私は高校に行けました。祖父母が助けてくれたおかげで高校を卒業出来ました。

せめて、最期くらいは会いたかった。会わせてほしかった。

そう思うと涙が止まりません。大の男がですよ?

何かこう、情けなくてつらくて悔しくて納得できなくて理解したくても理解できなくて頭がぐちゃぐちゃです。

とりあえず友人に感謝。1週間も迷惑をかけたのに休みにわざわざ私についてきてくれて本当にありがとう。

何かもう色々ありすぎて疲れました。

そこで皆様に少しお願い事があります。

もし、このレスから1ヶ月、連絡がなかったら削除依頼をお願いできないでしょうか?

本心では書き上げたい。最後まで作り上げたいのですが、今はどうしても何もしたくないのです。何も考えたくないのです。

申し訳ありませんがお願い申し上げます。

とりあえず今から1週間はここに来ません。

取り戻したお金、といってもほんの少し(五十分乃一程度)ですがそれを使って自分に縁がない所へ旅行に行ってきます。

では

699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/12/06(火) 07:38:48.16 ID:vPz9yREbo
何があったか分からんが
1ヶ月待ってるよ
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/06(火) 19:08:39.63 ID:13WxpuNM0
大丈夫、>>1の近くには二組の戦線がいるだろうから………
701 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/08(木) 20:58:38.24 ID:3yOgYgnIO
所詮便所の壁といわれても
俺の食堂なんだ

ゆっくり休んでこいや
俺たちはここにいるぜ
702 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/12/09(金) 21:09:59.96 ID:e+vir4wDO
test
703 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 21:12:03.94 ID:e+vir4wDO
ごめんなさい、私は本人ではないです。気にしないでください。
704 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 21:23:00.49 ID:F93tnoIIo
酉割れたのか?
705 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga sage]:2011/12/09(金) 22:51:12.25 ID:a5E3OE2Y0
>>702さん自重しようぜ
あと>>1さん、勝手な言い分ではあるけど頑張れ!
頑張らなくても良いけど頑張れ。
戦線の活躍をいつまでも待ってるぜ b
706 : ◆epRap4Mug. [sage]:2011/12/11(日) 02:15:01.65 ID:AZNfOIPDO
皆様、ありがとうございます。なんとか立ち直ってきた1です。

>>702については私の友人、例の弁護士の子です。今回の旅行に半ば無理矢理ついてきました。

私が思い詰めた顔をして携帯を操作していたので心配だったようです。私から携帯を借りて色々探したようです。

その際に酉とここのブックマークを見つけて試したそうです。

皆様、心配かけて申し訳ありませんでした。皆様と友人のおかげもあり、少し持ち直しました。

以下、私事




特に友人よ、本当にありがとう。君がいなければ3日前に清水の舞台から飛び降りていたかもしれない。あの時、精神的に本当に危なかった。

そして君を泣かしたのは私が悪い。そこまで心配してくれてありがとう。

だけど昨日一昨日みたいなことはやめてくれ。非常に心臓に悪い。

友人は多分見ないと思うけど、言うのは照れくさいのでここで吐き出しときます。もし見てもスルーでよろしく。

さて、そろそろ部屋に戻ります。ではまた、皆様によい夢を。
707 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 21:56:28.49 ID:RZ1e9yw2o
待ってるよ
708 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga sage]:2011/12/12(月) 02:18:09.19 ID:iVCRFr730
お疲れ。

それにしてもその友人はどんな心臓に悪いことをしたのやらwww
709 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/13(火) 19:26:37.61 ID:3cYZCaJIO
お疲れさん

あと清水の舞台から飛んでも生存率は高いぞ
是非お試さないで下さい
710 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/30(金) 02:03:27.63 ID:QTBYZideo
待ってます
心配なので生存報告だけでもおくれ
711 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 08:42:33.53 ID:wiWjEjQIo
生存報告はありがたいがこっちまで不安になる書き込みは…
>>1のssは楽しみにしてるが>>1のプライベートには正直興味がない
712 : ◆epRap4Mug. [sage]:2012/01/02(月) 13:43:43.92 ID:8lihxenDO
またしれっと投下。今回は一方さんと土御門さんの話になります。

では投下。
713 : ◆epRap4Mug. [sage]:2012/01/02(月) 13:44:11.31 ID:8lihxenDO

【神奈川県某所〜民宿わだつみ周辺〜】

「……どォいうことだ?」

一方通行は訳がわからず呟いた。

動き出してはや30分はたっただろうか。だが一方通行はいまだに目的地である民宿までたどり着けずにいた。

目的地は目と鼻の先である。歩いて数分しかないその距離を未だに縮められずにいる。

そして、今は後1つの懸念事項がある。

(……誰かが俺を見ていやがる。それも結構尾行に慣れていやがンな)

その追跡者の居場所は未だに分からない。というより存在すらも気づけない。

ただ、僅かにではあるがある匂いがその存在を仄めかしていた。

そう考えている時に、民宿の方から誰かがやってきたようである。一方通行は警戒をして身構えた。

「いやーこんなところにいたのかにゃー、探したぜい」

その言葉を聞いて一方通行は警戒を解き、こう土御門に対して言う。

「探したなンて白々しい嘘を言ってンじゃねェよ」

「おいおい一方通行、何を根拠に嘘なんて……」

「俺はさっきまで海の方にいたンだぞ? それなのにオマエは民宿の方から来たじゃねェか。探してたっていうならおかしくねェか?」

714 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2012/01/02(月) 13:44:50.26 ID:8lihxenDO

「いやいや、海に居なかったから一度民宿まで戻ったんだにゃー」

「そのわりにはそンなに汗をかいてねェな。それに大分道をそれてるはずの俺にこンな短期間で見つけられるのか?」

「それはたまたま……」

「さらに言っちまうと夜中に人探しをする奴がサングラスはかけねェよなァ?」

「……降参だにゃー」

土御門は肩を竦めてそう言った。

「監視をつけてンだろ? バレバレだってンだ。学園都市第一位をなめンなよ」

「やはり気づかれたか。まあ気にするな、お前が『外』に出るには上層部の許可が必要だ。それをとるための処置だ」

そう言った土御門は辺りを見渡した後に呟く。

「匂い、か」

「そォだ」

一方通行は驚くと同時に感心した。自分は数回同じ匂いを違う場所で嗅いだというわずかな違和感からなんとか判別できた。

それほどの、それも一方通行が嗅いだときよりも遥かに薄くなっている匂いをこの土御門は一回で気づいていた。

「お前ら、出てこい!!」

その言葉を引き金に4人の男が違う方向から現れた。

(ちっ、こンなにいたのかよ)

そう思っている間に土御門はある一人に近づいていく。

715 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2012/01/02(月) 13:46:23.15 ID:8lihxenDO

「お前だな」

「い、いえ自分では……」

「言い訳はいい」

そう言ってその男のポケットにすばやく手を入れ、あるものを取り出した。

それは煙草。男はそれを見て青くなった。

「……お前、尾行している自覚はあるのか?」

土御門はくしゃりと握りつぶし自分のポケットに入れながらそう言った。

「いえ、ですが今回は……っ!!」

男は口にあるものが入れられ、顔色がさらに青くなる。

それは黒い鉄の塊、指の力だけで対象の命を奪うもの、土御門がタバコを入れたポケットから取り出した拳銃である。

「なんだ? 今回は? 甘ったれたこと言ってんじゃねえぞ!!」

土御門の怒号が辺りに響く。

「『敵対組織』じゃないから大丈夫だと思ったのか? 対象が素人だから油断したか? だがなぁ……テメエのその考えがこの部隊を、組織を潰すことだってあり得るんだよ!!」

土御門の鋭い眼光に囚われたその男は、見るに耐えない位に狼狽し、怯えていた。

「お前……死ぬか?」

そう言った土御門の指に力が篭る。撃鉄がゆっくりと持ち上げられる様子から男は目を離せないでいた。

やがて撃鉄は持ち上がりきり、すばやく元の位置に戻る。

カチン

異様に静まっている街に鉄と鉄の激突音が響いた。

716 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2012/01/02(月) 13:47:47.01 ID:8lihxenDO

「にゃはは驚いたかにゃー? この銃にはもう弾は入っていないぜい?」

「あ……っ!」

男は力なくその場にへたりこんだ。

「ああそうだ。こっちはもう大丈夫だからインデックスの方に言ってほしいにゃー。まあ、何もないだろうから煙草でもなんでも吸うといいぜい?」

そういいながら土御門は海の方へと歩き始める。

「そうそう、お前……次はないぞ? さあ、いくぜい一方通行」

そういいながらひらひらと手を振り歩き続ける土御門に一方通行はついていった。

「オマエ、何もンだ?」

歩きながら一方通行が土御門に問いかける。

「……」

「なぜ魔術師とやらの知識がある? なぜ尾行していた奴等に命令出来ンだよ?」

「はぁ……仕方ないにゃー。まあゆくゆくは教える予定だったことだし、いいかにゃー」

そう言った土御門は歩みを止めて一方通行に向かい合った。





「一方通行、お前……俺が『魔術師』だ、って言ったら信じるかにゃー?」






一方通行は頭を掻きながらため息をつく。そしてこう言った。

「まァた魔術師かよ? なら証明してみやがれ」

「それは無理だにゃー、今の俺はうかつに魔術を使えなくなってしまったんだぜい」

「じゃあ信じられねェな」

「ま、それが当たり前だぜい」

おどけるように言うとくるりと一方通行に背を向けて歩き出す土御門。

717 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2012/01/02(月) 13:48:44.97 ID:8lihxenDO

「まァ待てよ、まだ信じねェとは言ってねェだろ? まずは質問に答えてくれねェか?」

「歩きながらならいいぜい」

土御門はその歩みを止めることはない。海岸へ向かい進み続けた。その後ろに一方通行は続いた。

「俺はもォ魔術は存在しねェとは考えねェよ。その力が俺に牙を剥くってンなら叩き潰せばいいだけだ。だがよォ……」

「死ンだ奴を蘇らせる魔術ってのは存在するのか?」

「ハハハッお前、妹達と御坂美琴を蘇らせる気かにゃー?」

「……さァな」

「まあいいぜい。ただ、俺の知る限りではない。そして恐らくだが禁書目録も知らないと思うぜい」

「ちっ……そォかよ」

一方通行は苦虫を潰したような表情となる。彼の脳裏にあの妹達の憎しみが顕となった顔が現れていた。

「だがな」

その土御門の言葉に一方通行は反応する。彼は睨むように土御門を見た。

「出来る奴はいると思うにゃー。現在に存在する魔術の半分近くに影響を与えた奴……アレイスターなら多分出来ると思うぜい?」

718 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2012/01/02(月) 13:49:45.12 ID:8lihxenDO

そう、土御門には心当たりがあった。

魔術の中には神話や伝承を元にした物が多く存在している。

そして、その神話や伝承の中には黄泉の国に行き、死者を連れ戻すといった話も存在している。

有名な所ではイザナギやオルフェウス、帰ってきた者は少ないがゼウスと農業の神様の子であるペルセポネは完全ではないが黄泉帰りをはたしている。

また、黄泉の国に行くの話も存在する。中でもダンテが編纂した『神曲』は特に有名であり、彼はその中で地獄、煉獄、天国へと行っている。

そう、これだけ多くあるのだ。魔術師の頂点となり、半分近くの魔術に影響を与えたアレイスターが知らないはずはなく、おそらくだがそれを使えないはずはないだろう。

「……それは学園都市にいるアイツか?」

一方通行は半信半疑な面持ちで問いかける。

それはそうだろう。彼のなかのアレイスターは学園都市の統括理事長であり、魔術とは全く関係ない存在である。

だが、一方通行はすがれるなら藁にでもすがりたい心境である。

彼は自らがおかした取り返しのつかない罪を消すためには、御坂美琴を含めた妹達を蘇らせるしかないと思っていた。

複雑な心境のまま一方通行は土御門の言葉を待った。

719 : ◆epRap4Mug. [saga sage]:2012/01/02(月) 13:50:18.78 ID:8lihxenDO

「その通りだにゃー。ただ、アレイスターは魔術側の大犯罪者で今も魔術師に嫌われてるんだぜい。何せ魔術師の頂点だったやつがそれを捨てて科学に鞍替えしたからにゃー。ま、はたから見れば只の逆恨みともとれるぜい」

土御門はそう言った後に少し真面目な顔となる。そして続けて

「だから今から会う奴等にアレイスターの事は話すなよ。下手をすれば世界中の魔術師が学園都市に攻めてくることになる。そうなるとお前の目的も達成出来ないだろうよ」

と言った。

「あァ、分かった」

やがて視界は開け、海岸近くの道路に出る。するとすぐに

「遅いぞ土御門。上条刀夜氏と女教皇達には先に行ってもらったぞ」

と車に乗った特長的な髪型をした男に呼び掛けられた。

「いやーすまんにゃー、建宮」

「いいからはやく乗るのよな。なるべく早く追いつきたいからな」

そういった時だった。土御門と建宮はぞわりとした悪寒を覚える。そして同時にある方向を向いた。

その行動を見た一方通行も土御門達が向いた方向を見る。

「……何だってンだよ、これはっ?」

あり得ない光景が広がっていた。

土御門達が見たのは空。そこには夜空を使った魔方陣がある方向から展開されていた。

「これは……」

呆然とそれを見る土御門達であったが、

「急げ土御門っ!」

建宮のその言葉を聞いて慌てて車に乗り込んだ。

「しっかり捕まるのよな!」

そう言った後に車は猛スピードで発進した。

目指すは上条刀夜の家、それは魔方陣が展開されている方向でもあった。

720 : ◆epRap4Mug. [sage]:2012/01/02(月) 13:58:02.37 ID:8lihxenDO
今回は以上です。

言い訳ではありますが思ったよりも時間がとれずにこの量になってしまいました。

さらに新訳3巻の一方さんのある言葉でキャラが異常にぶれてしまい、なかなか思うように進まなかったのもあります。

さらにろーらさんの喋りが難しく、進まないのも一因ではあります。あの馬鹿な喋りは私には再現が難しいのです。

ではまた次回。な、なるべく早く来ます。

いい忘れてたので最後に……

明けましておめでとうございます! 今年こそはよい年でありますように!

721 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [saga sage]:2012/01/02(月) 16:07:00.00 ID:Ow29MJRx0
よかった、ついに復活か。
いい年になるぜ!乙だ!
去年色々あったんだから今年はいい年になる!そう思えばなる!
では。
722 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 18:51:40.66 ID:OOLKW2gW0
あけおめ!
>>1乙!
723 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 21:33:04.99 ID:cuKaPqhAO

あけおめ
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 23:49:34.66 ID:TF/8UdJ4o
ワクワク
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/30(月) 02:12:34.62 ID:tGMMqIKDO
てかてか
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2012/02/21(火) 22:27:30.64 ID:d4hiXlh40
2月も20日過ぎたんだよ
727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/22(水) 19:11:49.53 ID:7PWCTosi0
気長に、な
728 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/26(日) 02:04:12.86 ID:bqWFcKpk0
ここの>>1の場合失踪したかじゃなくて生きてるかが心配だわ
729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/26(日) 06:39:03.43 ID:/63HsoVDO
やつの居所も分かったしとりあえずこの携帯持って殴ってくる。
730 : ◆epRap4Mug. [sage]:2012/03/04(日) 01:46:54.75 ID:hGU6bYQDO
病床よりこんばんは、どっこいギリギリイッパイイッパイで生きてる1です。

>>728
ですよねー。でも年越してから不幸なことが減っているんで大丈夫なのかな? とも思えます。うん……多分。

今回は予定されていた入院なので不幸といえば不幸なのですが、まあまあましな方だとは思います。





1ヶ月入院して全く快方には向かってないんですけどね……むしろ悪くなってます……

入院=暇と思っていた過去の自分を殴りたい。そして入院日に携帯を忘れた自分をデンプシーロールで殴りたい。

昨日一時帰宅して携帯をゲット。ようやく書ける。

待たせている皆様、本当に申し訳ありませんでした。

これからは体調が許す限り書いていきますので御許しください。

とはいうものの、月曜日に手術するか決まるのでもしかしたらまだまだ先になるかもしれません。最悪落ちるかもしれません。

本当にごめん。そして待ってくれた方々、ありがとう。

頑張ります。

731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/04(日) 09:45:48.52 ID:D1bI0Pyw0
大丈夫、スレは落ちてもまた立てればいい。命を落とさなければまた書ける。>>1、まだ死なないで……、あまり頑張り過ぎないで……
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/04(日) 17:17:10.17 ID:YQwFSo/bo
入院してるのならゆっくり休んでください。
たまに生存報告してりゃ落ちないし、落ちてたら立てればいいだけです。
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2012/03/04(日) 20:29:37.87 ID:vXJrhuwRo
だからリアル話は勘弁してくれ
作品には期待してるが、そんな話されても気分が悪い
734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/04(日) 23:04:33.27 ID:FqaIsleSo
お大事に。
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/09(金) 00:19:47.56 ID:nM30PQf00
生きててよかった>>1!!
心配したぜ畜生!
体優先で頑張ってください
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/03/09(金) 16:26:20.32 ID:yuVhsds70
いつまでも いつまでも 待ってるよ
737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/03/09(金) 17:21:15.12 ID:6tQuWEmAO
作者の健康が一番だからな

無理しないように
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [saga sage]:2012/03/09(金) 18:39:06.72 ID:v+npGFEF0
>>1無事オメ

作者自身のカキコがあったので、5月GWまで落ちないから筋書きでもゆっくり考えていてくれ
739 : ◆epRap4Mug. [sage]:2012/03/17(土) 03:45:04.21 ID:pnq17d1DO
いってきます
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/17(土) 08:39:29.82 ID:0CO5ZotBo
行ってらっしゃい
741 : ◆epRap4Mug. [sage]:2012/04/05(木) 17:44:42.73 ID:jcK4JIwDO
ごめんなさい。打ち切る可能性がかなり高くなってしまった

もし、打ち切り確定の時には本人なり代理なりで連絡はいれます

本当にごめんなさい
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/06(金) 07:13:11.48 ID:VkzJI2YNo
また戻ってくるなら打ち切りでも俺はいいさ
今は作者の都合を優先させてくれ
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2012/05/31(木) 21:57:02.38 ID:hHUsa7+/o
このぶんだと無理っぽいかな」
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/06/02(土) 01:03:27.01 ID:NgW5vmaAo
ゆっくり待つさ
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/06(水) 07:24:45.63 ID:YsK8L+020
真実を知りたい? それとも?
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/08(金) 08:13:48.15 ID:fUqmug1e0
報告させてもらいます

1は5月の中頃に帰らぬ人になりました

その前に彼から「代わりに書いてくれない?」と云われましたが私には無理です

なのでこれで打ち切りとさせてもらいます。待っていてくださった方、申し訳ないです

本当にすいません
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/08(金) 19:31:06.80 ID:Fm7LKwTDO
うそ・・・だろ・・・
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/08(金) 20:22:04.20 ID:ZBEuV92+0
………
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/06/08(金) 23:32:57.84 ID:QJRPdfyJo
まだ待ってみる
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/09(土) 01:03:24.23 ID:LQDM66eDO
>>1の酉知ってる友人もいるんだし
何かあればしっかり報告くるだろ
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/10(日) 00:46:48.20 ID:Kgiks2Seo
え?




え?
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/10(日) 02:26:00.35 ID:mFtFNE+Jo
コテ知ってる友人が報告してるならコテ書くはず
釣りだ馬鹿野郎共、大気待機
753 : ◆epRap4Mug. [sage]:2012/06/17(日) 22:10:06.61 ID:YvumGAAe0
酉を付け忘れてました。これで信じてもらえますか?

そういえば彼が設定を書いたノートを遺しているんですがまとめてこちらに投稿したほうがいいですか?
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/18(月) 18:35:00.31 ID:qHha4JAl0
可能なら教えて下さい
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/18(月) 20:20:01.95 ID:6J7X70oDO
もうすぐで一年だったのにな
>>1
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/19(火) 18:45:30.58 ID:k+bmV3zW0
Get chance and luck.
>>1
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2012/06/29(金) 22:46:04.78 ID:cXl1uDx50
マジか…、何も言えねぇ…。
>>1乙でした。

もしできるなら>>753の人が残りの設定だけでも投稿してもらいたい。
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/02(月) 20:59:38.14 ID:r0otTEil0
久しぶりに来てみたら……マジですか……?
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 21:15:32.42 ID:lmodVs5DO
暇潰しに最初から読んできたらこんな結末だったなんて…


>>1よ、安らかにm(__)m
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/07/23(月) 23:24:33.49 ID:pmTRRZgk0
>>1乙でした。
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2012/07/29(日) 17:59:29.14 ID:Em5a3RbP0
>>1は死んだ世界で戦線メンバーとして戦ってるよ…
最後までかけなかった…っていう思い残しがあるから…さ
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/30(月) 20:38:21.92 ID:rNdEoe3F0
今日見つけて、今追いついた
>>1乙です。ご冥福お祈りします。
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/31(火) 20:47:19.94 ID:hTWu9DJv0
>>753
今も見てるのかわからないけれど、もし、まだその気があるなら是非ここへ載せてあげて欲しい。
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大気圏) [sage]:2012/08/12(日) 22:01:02.65 ID:XgtqFW5d0
何でだよ....何でこうなったんだよ! これを見越してこのスレを書いたのか?冗談きついで.....。
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/08/20(月) 00:46:23.56 ID:sC+m3xEC0
まさかこんな形で終わってしまうとは
>>1乙です
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/11(火) 21:57:58.49 ID:GX8y7qqIO
最初の頃は不幸体質とかでネタになってたのにな……

まず、ありがとう
そんで乙
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