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少女「この鈴が、また二人を繋いでくれるから」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/06/23(木) 21:05:07.64 ID:LWzuQ+e+0
見切り発車だけど書いてみようかと思う。
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コナン「博士からメールが来たぞ」 @ 2025/07/23(水) 00:53:42.50 ID:QmEFnDwEO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1753199622/

4日も埋まらないということは @ 2025/07/22(火) 00:48:35.91 ID:b9MtQNrio
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1753112915/

クリスタ「かわいいだけじゃだめですか?」 @ 2025/07/19(土) 08:45:13.17 ID:AK1WfFLxO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752882313/

八幡「新はまち劇場」【俺ガイル】Part1 @ 2025/07/19(土) 06:35:32.67 ID:BGCulupRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752874532/

【安価・コンマ】力と魔法が支配した世界で【二次創作】 @ 2025/07/18(金) 23:44:57.84 ID:Xc8IdKRvO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752849897/

どかーんと一発 @ 2025/07/18(金) 21:10:10.35 ID:CEsRuBor0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752840609/

冒険者育成学校 @ 2025/07/18(金) 01:36:01.28 ID:PkrtUMnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752770160/

たてづらい部!! @ 2025/07/17(木) 23:24:46.15 ID:o3A0TqwG0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1752762285/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/06/23(木) 21:12:12.33 ID:Fl9Msy0AO
美少女と付き合いたい期待
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/23(木) 21:13:58.44 ID:LWzuQ+e+0
記憶なんてものは曖昧だ。
どうでも良いことをいつまでも覚えていたと思ったら、
どうしても覚えておきたい事を忘れたりする。

聞いた話によると、人は基本的に記憶をなくす事は無いらしい。
ただ、どの棚の何段目にしまったのかを『忘れ』てしまうから
結果的に物事を『忘れ』た、と認識するそうだ。

もし、記憶の棚を全て把握できる能力があったとするならば、
それはどれだけ過ごしやすい世界になるだろうか……
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/23(木) 21:27:07.94 ID:LWzuQ+e+0
――――――――――――――――――――――――――――――

男(さっぱりわからん。わからな過ぎて記憶について考え込んでしまった)カリカリ

男(だいたい、進級した初日に抜き打ちの実力テストってなんなんだ)ゴシゴシ...フー

男(しかも初回がよりによって社会科とか、積んでるとしか言えないな)カリカリ

男(よし、最終問題まで来たが…何々)

問「日本国憲法の3原則を書きなさい」

男(最後の最後でサービス問題か…これくらいはわかるぞ)カリカリ...キーンコーンカーンコーン

教師「では答案を回収する。伏せた状態で後ろから回すように」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/23(木) 21:33:25.17 ID:LWzuQ+e+0
男「どうだった?」

女「まぁまぁかな。男君は?」

男「正直、自身が無いな。友は?」

友「全くお前らときたら…日本国民たるもの『大日本帝国憲法』くらいは諳んじておくものだぞ」

男「それはそれですごいが…さっきのテストの中心は『日本国憲法』だ」

友「なんだと?それは面妖な…」

女「面妖なのは友の頭だよ……」

友「いやはやこれは手厳しいのぉ」

男「二人の漫談を聞いてるのは楽しいんだが、そろそろ席に戻れ。次は国語だそうだぞ」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/23(木) 21:44:19.66 ID:LWzuQ+e+0

(カリカリカリ...キーンコーンカーンコーン)

教師「よし、次は5分後に英語だ。席についておくように」ガラガラ

友「今度はどうであった?」

男「悪くは無いはずだ。まぁ例の如く自信は無いがな」

女「私は駄目かな―。矛とか盾とかそんなのどうでもいいじゃない」

友「はっはっはっ、もっと本を読む事だな。そうすれば先のテストは全部サービス問題だぞ」

女「大日本帝国憲法がいまだに適用されてると思ってる奴に笑われるとは…」

男「どっちの言い分にも一理あるが、そろそろ戻っとけよ」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/23(木) 21:53:47.64 ID:LWzuQ+e+0
(カリカリカリ...キーンコーンカーンコーン)


教師「では昼休みにするが、午後は理科と数学だ。今さら勉強なんぞ出来ないだろうから腹をくくって飯を食うように」


女「さっきのは自信があるよ!」

男「女は英語得意だもんなー。友はどうd……」

友「そもそも日本国民が敵性語たる英語を学ぶ必要など無いわけであって」ブツブツ

男「聞く必要もないくらい酷い結果だったようだな」

友「鎖国だ、鎖国で諸外国文化を排除すれば英語など不要に…」ブツブツ

女「それだケーキとか食べられなくなりそうで困るんですけどー」ツンツン

友「!……それは困る。今すぐ開国だ。ペリーを呼べ」

男「もうとっくに開国してるぞ。とりあえず落ちついて飯にするぞ」

友「そうだな。とりあえずは昼餉にしよう。腹が減ってはなんぞや…だ」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/23(木) 22:01:29.71 ID:LWzuQ+e+0

男「それにしても、進級してまた3人同じクラスか…」モグモグ

女「他の人はみんな違うクラスなのに、私たちだけそのままだね」ハムハム

友「まぁ腐れ縁と言うやつだろう。俺らは縁が深いと言う事か」パクパク

女「お、なかなか良いこと言うねー。」

友「詩人だからな」

男「はいはい、とにかくせっかく同じクラスなんだから今年度1年もよろしくな」

友「うむ、よろしく頼む」

女「よろしくね!ところで二人は放課後は暇?」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/23(木) 22:15:10.81 ID:LWzuQ+e+0
――放課後――


教師「それじゃあこれでHRを終了する。テストは明日には返すからな」

女「終わった終わった。それじゃあ行こう」

男「まてまて、俺らはまだどこに行くかを聞いてない」

友「うむ、昼休みに放課後は暇だと答えたがな」

女「ありゃりゃ…そうだっけ?じゃ、行きたいところ無い?」

男「決まって無かったのか?」

女「重要なのは『何をして遊ぶか』ではなく『誰と遊ぶか』なんだよ。二人と遊べればなんでもいーの」フフンッ

友「無い胸を張るもんじゃな…い゛」ドガッ

女「何か言ったかなー?友」ニコニコ

男「やれやれ、今のは友が悪いが…とりあえず行き先を決めようぜ?」

友「お、俺の身を案じてはくれんのか……とりあえず茶屋などいかがか」ゼーハー

女「よーし、じゃあ喫茶店で決定!ほら、寝てると置いてくぞー」ゲシゲシ

友「茶屋につく前に力尽きるかもしれん……」ヨロヨロ
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/23(木) 22:33:01.67 ID:LWzuQ+e+0

女「アイスティーとプディング」

男「アイスコーヒーとティラミス」

友「抹茶とあんみつ」

店員「かしこまりました。少々お待ちください」ペコリ

女「ん、メールだ」チリン

男「お前、まだ携帯に鈴つけてるのか?」

女「なんだかこの音聞かないと落ち着かなくてさー。中毒かもね」チリン、チリン

男「若い女学生がストラップじゃなくて鈴って…なんだかもったいない気もするぞ?」

女「良いの、良いの。私が好きでやってるんださしさ」カチカチ

友「確かに自由だが…そういえば何故(なにゆえ)鈴なんだ?理由でもあるのか?」

女「理由は…秘密かな。乙女足るもの秘密の一つや二つ持ってるものなのだ」フフンッ

友「また無い胸を……もとい、そう言えば男も小学生のころは鈴を持ち歩いてなかったか?」

女「そうだよ。なんでやめちゃったの?」ジトー

男「そう言えばそうだったな。確かに持ち歩いてたけど、変な音だったからな。からかわれるのが嫌でやめたんだよ」

男「持ち歩いてた理由はなんだろうな?誰かとの約束だった気がするけど、何せ昔の事だから覚えてない」

友「約束か…大切であれそうでなかれ、いずれ時期が来たら思い出すさ」

男「そうだな。思い出したいもんだ」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/23(木) 22:43:31.68 ID:LWzuQ+e+0

店員「お待たせしました」

女「お、きたきた。いただきまーす」パクッ

友「ふむ、しかし二人は鈴を持ってるのに俺だけ無いのも何となく嫌だな…」ズズッ

友「風鈴でも腰にぶら下げて歩くか…」

男「どこの歌舞伎者だお前は…」ゴクゴク

男「それに今は持ち歩いてないんだし」

友「言ってみただけさ。お前はお前だし、女は女。そして俺は俺だからな」

女「二人とも食べないの?もらっちゃうよー?」ソロソロ

男「女はマイペースだな。食べても良いぞ?」サシダシ

女「えへへー、ありがとう」パクッ

友「褒めてないんだがな…まぁ前向きなのは良い事だが」サシダシ
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/23(木) 22:52:24.80 ID:LWzuQ+e+0

男「さてと…そろそろ解散にするか」

友「そうだな。夕餉の時刻も近い事だし返らねばならん」

女「お腹いっぱいだから晩御飯いらないかも」

男「結局俺らの分まで食べてたからな。とにかく返るぞ。」


店員「ありがとうございましたー」


女「ん、二人の分のお金くらいだすよー。悪いし」

男「いいから奢られとけよ。とりあえず女を送ってやってくれ」

友「お前がやれ…と言いたいところだが、お前は逆方向な上に俺は近所だからな。承知した」

女「えー、男と帰りたいだけど」

友「本当に置いて行ってやろうか…」

男「まぁまぁ諦めろ。じゃあまた明日学校でな」スッ

友「うむ、ではな」スッ

女「また明日ねー。じゃあ友は送迎よろしく!」フリフリ

友「調子のいいやつだ」テクテク
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/06/23(木) 22:54:58.67 ID:0EbPDiuXo
期待
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/23(木) 22:55:53.65 ID:LWzuQ+e+0
プロローグくらいは終わらせようかと思ったがとりあえず初日終了で中断。
初投稿で右も左もわからない故、アドバイスや指摘とかもらえると喜びます。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/06/23(木) 23:47:29.23 ID:LWzuQ+e+0
――翌日 学校――


教師「さて、昨日のテストを返すぞ。私は嫌いじゃないが、アホな回答した奴が多すぎるな」

教師「ついでだから面白かった奴を読み上げてやろう」

問『英語:私は東京に行く…を過去形にしなさい』
答『A am go to the EDO』

問『社会:日本国憲法の3大原則を書きなさい』
答『退かぬ、媚びぬ、顧みぬ』

教師「次回からのテストでこういう回答したら、その場で追試が確定だからな。覚えておくように」


男「斜め上だが、江戸は無いだろう…」

友「帝王の三原則を書く人間に言われとうない」

女「二人とも…本当にわからなくて書いたでしょ…」ハァ

男・友「言うな」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/23(木) 23:56:10.52 ID:LWzuQ+e+0

女「それにしても、やっぱりグループ形成ってされるんだね」

友「まぁ去年からの繰り越しが大半だろうがな」

男「俺らも3人でまとまってるし、そんなもんだろ。自然に群れる」

男「女は他の女子と仲良くしておかなくて平気なのか?」

女「平気平気、あんまり合わせるのは得意じゃないし、二人といた方が楽しいしね」

友「たまには合わせるのも必要だけどな。目をつけられないように気をつける事だ」

男「まぁそんな事を言い始めたら俺らもだいぶ危ない気もすけどな」

女「心配し過ぎだっての。じゃ授業始まるしもどろっか」キーンコーンカーンコーン
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/24(金) 00:09:51.57 ID:YJmF7Bxs0

男「今日も無事に終わって放課後か…」

友「授業風景なんて面白くは無いからな」

女「なんの話?」

男「大人の事情さ」

女「? まぁいいや、今日はどうするの?」

友「俺は今日から部活だ。すまんな」

男「暇なのは暇だが、ちょっと探し物がしたくてな」

女「お、じゃあ手伝おうか?」

男「やめてくれ。見られたくないものもあるし」

友「主にベットの下にか?」

男「断じて違う。ついでに言うと我が家は布団だ。」

女「ちぇー、つまんないの。じゃあ私も部活に顔だそうかな」

友「もっと真面目に取り組むべきだと思うんだがな……」

女「いいのいいの。廃部みたいなものだしね。じゃそういうわけでまた明日ね。男君」

男「おう、二人ともしっかりな」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/24(金) 00:15:16.69 ID:YJmF7Bxs0

男「ただいま」

母「あら、おかえりー」パタパタ

男「ん、ただいま母さん。ちょうど聞きたい事があったんだ」

母「何かしら?」キョトン

男「俺が小学生くらいの時に持ってた鈴なんだけど、どこにあるかわかる?」

母「あの変わった音の鈴?懐かしいわねー。でもわからないわね。急にどうしたの?」

男「何となく懐かしくなってね。まぁ部屋を探してみるよ」スタスタ...ガチャ
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/24(金) 00:30:14.89 ID:YJmF7Bxs0

男「さてと、どこにしまったかな」

男「机の中では無いはずだから押入れか?」ガラガラ

男「お、懐かしい漫画だ。よく読んだっけかなー」

男「こっちは遊○王カードか。デッキが丸々残ってるとは思わなかった」

男「この箱は…?」ガサゴソ


――カラン――


男「あったあった。アルバムと一緒に入れてたのか。だいぶ埃まみれだな」フキフキ

男「うーむ、よく見ると不格好でやっぱり変な音だな。なんでこれが大切だったんだろう」カラン、カラン

男「誰かとの約束って誰だ?女か、母さんか、あるいは友か……」ウトウト

男「ん、眠いな。夕食までまだ時間ありそうだし少し寝ようかな。」バタッ
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/24(金) 00:45:41.17 ID:YJmF7Bxs0
――――――――――――――――――――――――――――――

少年「なんでいつも鈴を持ち歩いてるの?」

少女「よくわからないけど、持ってると落ち着くんだ。良い音するんだよ?」


――カラカラン――


少年「変な音ー」

少女「そうかな?私は好きだけどな。この音」

少年「じゃあ、変な奴」

少女「ひっどーい。全然変じゃないですよーだ!」ベー

少年「生意気な」ベシッ

少女「うー、仕返しだもん」ベシベシ

少女「逃げろ―!」バタバタ

少年「あ、待てー!」バタバタ

――――――――――――――――――――――――――――――
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/24(金) 00:55:01.07 ID:YJmF7Bxs0

男「夢……小さい頃の記憶かな?ん、そう言えばよく遊んでた子が居たっけ…」

男「うまく思い出せないな…まぁいっか」

母「起きてる?ご飯だよ」トントン

男「了解。今行くよ」ガチャ

母「どう?鈴は見つかったの?」

男「あぁ見つかったよ。相変わらず変な音だった」カラン

母「そっか、よかったわね」

男「そのうち思い出すだろ。夢に出てきた子やこの鈴の事もね」ボソッ

母「?」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/06/24(金) 02:00:35.98 ID:zj6DvTP8o
期待ワクワク
23 : ◆SuZuneLQ8k :2011/06/24(金) 21:39:21.63 ID:YJmF7Bxs0
不要かと思うけどトリップを付けとく
24 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/24(金) 21:47:16.63 ID:YJmF7Bxs0

男「失敗したな…中途半端に寝てしまったから眠くないぞ…」

男「本でも読むか。何があったかな」ガサゴソ

男「『弔鐘はるかなり』…どんな本だったかな」

...

..

.
25 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/24(金) 21:52:57.52 ID:YJmF7Bxs0

女「おはよう!」

男「朝から元気だな。おはよう…」

友「そういうお前は眠そうだな。探し物に苦労でもしたか?」

男「あぁ、見つかったよ。探すほどの事も無く出てきたんだが…本を読んでたら寝るタイミングを逃してな」

女「何やってるんだか…。で、何探してたの?」

男「探してたのはこの前喫茶店で話してた鈴だよ。持ってきてないけどな」

女「でも無事に見つかってよかったじゃん」ニコッ
26 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/24(金) 23:09:49.54 ID:YJmF7Bxs0

女「ところで、今日から転校生が来るらしいよ」

男「それでクラスがざわついてたのか…」

友「ふむ、それにしても半端な時期だな。あと数日早ければ初日からだったろうに」

男「急に決まった事なんだろうな」

女「ちなみに女の子だってさ」ワクワク

友「ちょっとまて、確か女は俺と一緒に登校して来て、一度も離れてないと記憶してるんだが…いつ調べた?」

女「へっへーん。ちょっとは見直した?」フフンッ

友「あまりの平らさに二度見ならs…」ドゴッ

女「朝のホームルールまで寝てていいよ」ニコニコ

男「お前はわざとやってるのか?」ハァ

友「愛が痛いな……」ガクッ
27 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/24(金) 23:19:22.13 ID:YJmF7Bxs0

教師「ではHRを始めるぞ。みんな静かにするように」

教師「すでに知ってる人も多いとは思うが、転校生が入る事になった」

教師「転校の理由は親御さんの仕事の都合だそうだ。じゃあ入って」

?「………」スタスタ

教師「こちらが件の転校生の転さんだ。みんな仲良くするようにな」

転「転と申します。これから一年間よろしくお願いします」ペコリ

教師「席は…男の隣が場所的には相手そうだな。男、隣の空き教室から机といすを運んできなさい」

男「なぜ俺が…と異議を申し立てたいところだが、しかたないな。友くらい連れてきますよ」

教師「いいだろう。では3分以内に戻るように」ピッ

友「俺の意思は無視か…是非もなし」スタスタ



生徒A「異議あり!転さんが男の隣なら席替えを要求する」

生徒B「右に同じ」

教師「却下する。黙って待つように」
28 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/24(金) 23:27:23.44 ID:YJmF7Bxs0

友「イスはこれで良いだろう。ガタついても無いし」ガタッ

男「机はこれだな。汚れもあまり無い」ガタッ

友「それにしても可愛い子だったな」

男「可愛いのは認めるがだからと言って何も無いぞ?」

友「そろそろ男は色恋の一つも体験しておくべきだと思うんだがな。別に転校生じゃなくてもだ」

男「なんでか興味が持てなくてな。何かを忘れてると言うか…別に大切なものがあるというか…」

友「なんだそれは?お前もほどほどに難儀な奴だ」

男「お前ほどではないと思ってるよ」


教師「2分48秒。上出来だな。じゃあ、転さんはあの席を使うように」ピピッ

転「………」ペコリ
29 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/24(金) 23:40:25.47 ID:YJmF7Bxs0
転「わからない事も多いですが、よろしくお願いします」ペコリ


――サラン――


男「空耳か……?」

転「あの……」

男「あぁすまん。男だ。頼りない隣人だがよろしくな。転さん」

転「こちらこそ。あと、机運んでくださってありがとうございました」

男「困った時はおたがいさまさ。むしろ礼なら手伝ってくれてた友に言ってやってくれ」ユビサシ

教師「席も決まったし今日の連絡事項はこれくらいだ。男はしっかりと彼女の面倒を見てやるようにな。ではHRを終了する。」
30 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/25(土) 00:03:44.72 ID:Q97eJ8r30

生徒A「前はどこの学校に居たの?」ワイワイ

転「―――高校――ら」

生徒B「じゃ、誕生日は?」ガヤガヤ

転「――――日」


友「質問は聞き取れても回答は聞こえないな」

男「盗み聞きは感心しないぞ?」

友「俺も人並みには興味があるからつい、な」

女「後でゆっくり話せばいいじゃない。今日一日じゃないしさ」

友「確かに、彼女にとっては二度手間かもしれが、改めてゆっくり聞けばいいな。」

女「そういう事だ。ところで―――」


生徒C「言葉遣い丁寧だねー」ワイワイ

転「いえ、そんなことないですよ」

生徒D「ねぇねぇ今日、お昼いss――」ガヤガヤ

転「あ……ちょっと失礼します。話しの途中なのにすみません」スッ
31 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/25(土) 00:15:32.78 ID:Q97eJ8r30

女「で、そのドラマでね…」

友「大河ドラマならわかるんだがな。バラエティーはさっぱり解らん」

男「友はとことん渋いな。たまには若者の文化にも触れたらどうだ?」

友「テレビすら見ないお前に言われたくは無いぞ」

女「もー、二人とも騙されたと思って見てみなって。感動するよ」

転「す、すみません…」

男「ん?どうかした?」

転「友さんに今朝のお礼をと思いまして」

友「俺にか?何か礼を言われる事をした覚えは無いのだが…」

転「今朝HRで机を運んでいただきましたよ。ありがとうございました」ペコリ

友「あれか。困った時はお互い様だろう。礼を言われるべきは男だと思うのだがな」

転「!」

友「鳩が豆鉄砲をうけた様な顔をしてどうした?」

転「いえ、男さんにお礼を言ったときにも同じ事を言われたので。お二人は仲がよろしいですね」

女「2人じゃなくて3人!私の事を忘れちゃ困るぞ転ちゃん」

男「紹介する。こいつは女、食玩で言うところのラムネに該当する」

女「これは酷い…。と、とりあえず私は女ね。だいたいこの2人といるからよろしく!」ニコッ

転「こちらこそ、よろしくお願いします」ニコリ
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/06/25(土) 00:28:56.51 ID:wVAfipDGo
ワクテカ
33 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/25(土) 00:36:57.86 ID:Q97eJ8r30

女「早速だけど、今日のお昼一緒に食べない?」

男「ナイスアイディアだな。彼女が良ければ…だが」

転「え…と、ご一緒させていただきます」

女「お、話が早くて助かる。じゃあお昼休みに席で待っててね!」

転「わかりました。では」スッ


転「すみません、今朝のお礼が言いたかったもので…」

生徒D「平気だよ。それでさっきの話なんだけど、お昼一緒にどうかな?」

転「あ……ごめんなさい。別の方からお誘いを受けてまして…」

生徒D「そっか…じゃあ仕方ないね」

生徒D「………」
34 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/25(土) 01:00:02.41 ID:Q97eJ8r30

教師「授業を終了する。号令」キリツ、レイ、チャクセキ


女「さーて、待ちに待った昼休みだよ」

男「待ちに待ったって…腹が減ってるのか?」

女「半分は正解だけど、どっちかって言うと転ちゃんと話すのが楽しみなのだ」ニシシ

転「そんな面白い事は話せませんけど、私も楽しみです」

男「あぁそうだ。初対面だから緊張してるかもしれないけど、敬語じゃなくて良いんだぞ?最低でも俺らにはな」

女「うんうん、対等に気楽にやって行こうよ」

転「他の方にも言われたんですけど、癖が抜けなくて」

男「おいおい直していけばいいさ。ところで友はどうした?」

女「昼休みになるなり出て言ったけど…どこだろ?」

男「弁当忘れて購買にでも行ったかな。転さんは弁当?」

転「えぇ家から持ってきますよ」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/06/25(土) 01:08:17.01 ID:wVAfipDGo
D…
36 : ◆SuZuneLQ8k :2011/06/27(月) 01:39:41.48 ID:5DhospNS0

友「またせたな」

男「それは何かのゲームか?」

友「大体あってる」

女「そんなことよりどうしたの?お弁当忘れた?」

友「いや、弁当はあるぞ。ちょっと野暮用だ。みんな待たせて悪いな」

男「まぁいいさ。じゃあ食べようか」

友「そこなんだが、たまには別の場所で食べないか?転さんはどうかな?」

転「あ…私はどこでも大丈夫です」

女「転ちゃんもこう言ってるし、じゃあ移動しよっか」

友「よしよし、ではついてこい」
37 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/27(月) 01:44:53.77 ID:5DhospNS0
――屋上――

友「ここだ」カチャカチャ...ガチャン

男「屋上は鍵がかかってるんじゃ…開いてる?」

女「もしかして開いてるの知ってたの?」

転「あれ、屋上に上がっても大丈夫なんですか?」

友「細かい事は気にするなよ。さてビニールシート広げるぞ」バサッ

男「なんでそんなに準備が良いんだよ…」

友「備えあれば憂いなしだ」

女「友にしては上出来だね。じゃあみんな座って食べよう!」

四人「いただきます」
38 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/27(月) 01:48:17.89 ID:5DhospNS0

四人「ごちそうさまでした」

女「さーて、ご飯も終わったところで質問ターイム!」ドンドンパフパフ

転「質問って言われても、面白い話は何もありませんよ?」

女「いいのいいの、私たちがもっと転ちゃんのこと知りたいわけだしね」

女「じゃあまずはね―――」


39 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/27(月) 01:55:10.71 ID:5DhospNS0

女「次は次は―――」

友「こらこら、さっきから矢継ぎ早に質問ばかりでは転さんが疲れてしまうぞ?」

転「だ、大丈夫ですよ」ニコッ

女「あらら、私とした事がヒートアップしちゃったか。じゃあちょっと中断」テヘッ

男「中断も良いがそろそろ教室に戻った方がよくないか?」

女「あ、本当だ。屋上からだし戻らないとまずいかもね」

転「片づけますね」テキパキ

友「いやいや俺らが片づけておくから二人は弁当箱だけ持って先に戻ると良い」パチッ

転「でも悪いですし…」

女「ん……大丈夫だよ。言いだしたら譲らないだろうし、ここは甘えて置いていいんだよ」パチチッ...スタスタ

転「………はい、わかりました。それではよろしくお願いします。」ペコリ...ガチャン
40 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/27(月) 01:59:16.74 ID:5DhospNS0

男「アイコンタクトね…。ところで屋上は立ち入り禁止じゃなかったか?」

友「野暮な事を言うなよ。教室じゃ彼女もおちおち食事なんかできないだろうさ」タタミ

男「確かに。話もし辛いしな」タタミ

友「さて終わったし戻るか」

男「鍵はどうするんだ?どうせ掏って来たんだろ?」

友「なんとか戻しておくさ。ビニールシートを俺のロッカーに入れておいてくれないか?」

男「了解。まったく、大した紳士だな」スタスタ...ガチャン

友「可愛い子にだけだけどな。ではまた後ほどな」スタスタ...ガチャン
41 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/27(月) 02:02:11.62 ID:5DhospNS0

男「ただいま」

女「お帰り、転ちゃんは戻るなり捕まっちゃったよ」ユビサシ


生徒A「―――?」

転「―――」


男「まぁしょうがないだろう。大変だとは思うけどやはりどうしてもな」

女「そだね。あれ、友は?」

男「旅に出るそうだ」

女「お土産頼んでおかないとね。メールしてみようかな」カチカチ

女「メール送る前にメールが届いたよ」

男「なんだって?」


友『アタックチャーンス!』
42 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/27(月) 02:06:05.39 ID:5DhospNS0

男「何を言ってるんだあいつは…」

女「アタックチャンスかぁ…何かしてみれば良いのかな?」ギリギリ

男「いや、握りこぶしを作りながら迫ってこないでほしいんだが……ん…」

女「あくびなんて珍しいね。疲れてる?」

男「昨日の夜うまく寝れなくてな。ちょっと寝ようかな…」

女「ぶー、つまんないな。まぁ良いんだけどさ」

男「あはは、今度埋め合わせをするさ」

女「ならばよし!じゃあ友とメールでもしてくるよ。おやすみー」フリフリ

男「悪い……おやすみ」バタッ
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/06/28(火) 15:44:26.42 ID:d3fYhBOXo
乙した
44 : ◆SuZuneLQ8k :2011/06/28(火) 23:08:52.88 ID:F0DuqzyQ0
――――――――――――――――――――――――――――――

少女「芝の上を走るのって楽しいよね」バタバタ

少年「公園に来るといつも言ってない?」バタバタ

少女「だってほんとの事だもん」

少年「はいはい、あんまり走ると転ぶよ」

少女「だいじょーぶだいじぃ……きゃっ!」ドテッ

少年「だから言ったのに…大丈夫?」

少女「大丈夫だよ。えへへ、ありがとう」

少年「ばーか、泣かれたら面倒なだけだよ」

少女「優しいところとか好きだよ」

少年「なっ、何言ってんだよいきなり」カアッ

少女「赤くなったー」キャッキャッ

少年「なってねーよ!」プイッ

――――――――――――――――――――――――――――――
45 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/28(火) 23:18:59.35 ID:F0DuqzyQ0

友「……こ………きろ。おい、起きろ」ユサユサ

男「………?」

友「目は覚めたか?ずいぶんよく寝てたみたいだが」

男「まだ少し眠いな」

友「ならば二度寝としゃれこめ…と言いたいが、残念ながら時間切れだな」

男「わざわざすまない。助かったよ」

教師「授業を始めるぞ。席につけ」ガラガラ


男(また夢か。鈴探しなんかしたから意識してるのかもしれないな)

男(あの女の子と一緒に遊んだのは覚えてるんだけど、名前はなんだったかな)

男(帰ったら調べてみよう…)
46 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/28(火) 23:19:25.69 ID:F0DuqzyQ0

友「……こ………きろ。おい、起きろ」ユサユサ

男「………?」

友「目は覚めたか?ずいぶんよく寝てたみたいだが」

男「まだ少し眠いな」

友「ならば二度寝としゃれこめ…と言いたいが、残念ながら時間切れだな」

男「わざわざすまない。助かったよ」

教師「授業を始めるぞ。席につけ」ガラガラ


男(また夢か。鈴探しなんかしたから意識してるのかもしれないな)

男(あの女の子と一緒に遊んだのは覚えてるんだけど、名前はなんだったかな)

男(帰ったら調べてみよう…)
47 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/28(火) 23:27:32.88 ID:F0DuqzyQ0

女「さーてと、今日も全授業終了!」ノビー

友「と言っても俺らは部活だがな」

女「まーね。そういえば、転ちゃんは部活とかはするの?」

転「いえ、あまり体が強くないもので、親に送迎してもらってますからなかなか…」

女「そうなんだ、じゃあ今日はここでサヨナラだね」

転「皆さんは何をされてるんですか?」

友「俺は文芸部で物を書いたり読んだりしてる」

女「私は手芸部で裁縫してるよ。といっても幽霊部員だけどね」

男「俺は何もしてないよ。去年は陸上部だったんだけど辞めたからさ」

転「そうなんですか。部活をした事はありませんが、なんだか楽しそうで少し憧れます」

友「体験入部はいつでも受け付けてるから、気が向いたら来てみると良い」

女「あ、抜け駆けだー。うちもいつ来てくれても良いからね?」

転「ありがとうございます。今度お邪魔しますね」ニコッ
48 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/28(火) 23:28:33.05 ID:F0DuqzyQ0

女「さーてと、今日も全授業終了!」ノビー

友「と言っても俺らは部活だがな」

女「まーね。そういえば、転ちゃんは部活とかはするの?」

転「いえ、あまり体が強くないもので、親に送迎してもらってますからなかなか…」

女「そうなんだ、じゃあ今日はここでサヨナラだね」

転「皆さんは何をされてるんですか?」

友「俺は文芸部で物を書いたり読んだりしてる」

女「私は手芸部で裁縫してるよ。といっても幽霊部員だけどね」

男「俺は何もしてないよ。去年は陸上部だったんだけど辞めたからさ」

転「そうなんですか。部活をした事はありませんが、なんだか楽しそうで少し憧れます」

友「体験入部はいつでも受け付けてるから、気が向いたら来てみると良い」

女「あ、抜け駆けだー。うちもいつ来てくれても良いからね?」

転「ありがとうございます。今度お邪魔しますね」ニコッ
49 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/28(火) 23:34:08.20 ID:F0DuqzyQ0

友「男も何か始めてみたらどうだ?」

男「そうだな。運動系はいまからじゃ辛いけど、文化系なら良いかもしれない」

友「そういうことだ。では俺は行くから、また明日な」

転「私も、そろそろ親が来てると思いますので行きますね。さような」ペコリ

男「じゃあ帰ろうか。女もちゃんと部活に行くんだぞ?」

女「んー、部活かー。なんだかなぁー……」ニヤッ

女「そうだ、私とデートしようよ!」

男「行くように言ったそばから何を言ってるんだ」ハァ

女「たまには二人で遊ぶのも良いかなぁーと思ってさ」

男「却下だ。ちゃんと部活をしてる以上はちゃんと参加しとかないとな」

女「ちぇっ、残念。じゃあまた今度遊んでよね。昼間の埋め合わせしてくれるんでしょ?」

男「はいはい、開いてる日なら遊んでやるから」

女「やったね。じゃあ頑張ってきますか」スタスタ

男「さてと…帰って探し物でもするかな」
50 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/28(火) 23:48:47.77 ID:F0DuqzyQ0

男「ただいまー」

男「買い物かな?まぁいいや…さっさと探してしまおう」


男「鈴の箱にアルバムが入ってたはずだな。まさかまた取り出すことになるとは…」ガサゴソ

男「あったあっあ。えぇとこのページは…小6の時かな」

男「友も女もあんまり変わらないな。大人びたけど面影が残ってるし」

男「まぁそれは置いといて小5、小4、小3…」

男「これ以前は…やっぱり無いか」

男「母さんに聞くのも気が引けるし何か他に手掛かりは…」ガサゴソ

男「絵本、図鑑、通信簿、小学校のころよく使ってたものばかりか」

男「他には何もなさそうだし、とりあえず手詰まりってことか」

男「なぁ、お前の持ち主は誰で、俺はお前にどんな約束をこめたんだ?」カラン、カラン

男「鈴が答えてくれるわけはない…か。」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/06/29(水) 10:18:37.24 ID:t8onqExto
52 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/29(水) 23:36:26.12 ID:jswip+6o0


男「ん…あのまま寝ちゃったのか…」カラン

男「時間は…いつもよりだいぶ早いな。二度寝も悪くないけどたまには起きるか」ガチャ

母「あら、ずいぶん早いのね。何かあるの?」

男「昨日だいぶ早く寝たから起きただけだよ。たまには早く学校行こうと思ってね」

母「あらそうなの。昨日は食べてないしお腹すいてるでしょ?すぐ用意するからね」

男「ありがとう。俺は着替えてくるよ。ところで父さんは?」

母「昨日はだいぶ遅かったみたいだし、まだ寝てるわ」

男「そっか。相変わらず忙しい人だね」

53 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/29(水) 23:42:41.89 ID:jswip+6o0


男「じゃあ行ってきます」

母「はい、行ってらっしゃい。気をつけてね」

男「子供じゃあるまいし、大丈夫だよ」ガチャン

男「ふぅ……」

男「我ながら馬鹿みたいだな。小さい頃の記憶に振り回されてる感じだ」

男「でも、なぜか大切なことな気もするんだけどな」


小学生「こんにちはー!」バタバタ

男「おっと、こんにちは。気をつけろよ」


男「ちょうどあれくらいの頃の記憶…か」
54 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/29(水) 23:46:02.70 ID:jswip+6o0


男「というわけで学校に着いたけど、まだ誰もいないな」

男「朝練の連中はいるみたいだけど、まぁそれは置いといて…」

男「本でも読むしかないな。」ガサゴソ

男「あれ、忘れたか?まいったな……」


――ガラガラ――

転「あれ?男さん?」
55 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/29(水) 23:48:24.79 ID:jswip+6o0

男「おはよう。ずいぶん早いんだね」

転「おはようございます。親に送ってもらってる都合がありますから」

男「なるほどね。昨日は休み時間も暇が無くて大変だった?」

転「転校したばかりは仕方ないですよ。皆さんが興味を持ってくれるのは嬉しいですし」

男「俺も昔、一度だけ転校した事があるんだけどさ、正直うっとうしかったイメージがあるよ」

男「同じ質問に何回も答えなくちゃいけないし、何より人と話すのがあんまり得意じゃないからさ」
56 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/29(水) 23:50:43.29 ID:jswip+6o0

転「そうだったんですか。ちょっと親近感がわきますね」ニコッ

男「それはよかった。前の学校の友達と会えなくなるのは寂しい?」

転「えぇと……」

男「?」

転「いえ、なんでもありません。そういえば、男さんは女さんや友さんとすごく仲が良いんですね」

男「まぁそうだね。腐れ縁ってやつかな」
57 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/29(水) 23:56:39.26 ID:jswip+6o0

男「俺はさ、小学校の3年に上がるときに転校したんだけど、その時に最初に仲良くなったのがあの二人なんだ」

男「中学も高校も同じで、今に至る」

転「少し違うかもしれませんけど、幼馴染…ってことですね。ちょっとうらやましいですよ」

男「じゃあ、転さんはこの学校で新しい友達を作れば良いんじゃないかな。」

男「付き合ってる時間が短くても、仲が良い友達が増えるのは良いことだし」

転「そうですね。はい、ありがとうございます」

男「女や友も転さんなら喜ぶよ。昨日も言った気はするけど、これからよろしく」

転「こちらこそ」
58 : ◆SuZuneLQ8k [sage saga]:2011/06/30(木) 00:00:36.61 ID:Q0sy6okW0

男「そうだ。よかったら連絡先交換しないか?」

転「え?あ、是非おねがいします」

男「じゃあ赤外線で……送信」

転「受信しました。こちらも送信しますね」

男「届いたよ。あんまりメールや電話は得意じゃないけど、何かあったら連絡するよ」

転「こちらこそ、得意ではないですけどよろしくお願いします。」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/30(木) 01:06:57.57 ID:Q0sy6okW0
この日の出来事がきっかけになったのかはわからないが…
転校生特有の質問攻めが終わると彼女は俺達と行動するようになった。
クラスでもある程度馴染めているようで、学校生活は良好のようだ。

そして数カ月が過ぎ…季節は夏を迎える。
60 : ◆SuZuneLQ8k :2011/06/30(木) 01:09:09.92 ID:Q0sy6okW0
おっと、トリップが……

というわけで、ようやくひと段落です。
思ってた以上にSSを書くのが難しく、読みにくい文面及びゆっくりな更新ではありますが
気長にお付き合いいただければと思います。
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/06/30(木) 03:29:38.22 ID:DwkWSYPKo
おつ、結構期待してるぞ
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/06/30(木) 20:18:20.14 ID:bAjcAZojo
一気に読んだ。
読むのが苦にならないから、とりあえずその調子で頼む。
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 20:19:01.96 ID:xgJ9wR0R0

―――夏休み―――

女「夏休みだねー」

友「そうだな。夏休みだ」

女「せっかくの長い休みだし、みんなでどこかに行かない?」

男「どこに行くんだ?プールくらいならいいが、海は流石に遠いぞ?」

友「同感だ。部活は基本的に無いから良いんだがな」

女「だよねー。良いアイディアだと思うんだけどなぁ……転ちゃんは何かない?」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 20:23:37.13 ID:xgJ9wR0R0

転「はぁ?私も特に思いつかないです」

男「だそうだが?どうするんだ?」

女「うーん……そうだ!」ポンッ

友「なんだ?何か思いついたか?」

女「そう言えば県内のN市って温泉有名だったよね?」

転「そうですね。そこそこに有名だったと思います」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 20:27:54.91 ID:xgJ9wR0R0

女「じゃあ、泊まりがけで温泉いこうよ!」

男「暑いのに温泉なのか?」

友「まぁ汗を流すって意味では悪くないかもしれないな」

女「そうそう。どうよ?」

男「急な奴だ……」

友「まぁ、たまにはいいんじゃないかな?」

転「電車で1時間くらいでいけますしね」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 20:31:20.72 ID:xgJ9wR0R0

女「決まりだね。日程は追って連絡するから」

友「言いだしたんだからちゃんと計画立てておけよ?」

女「わかってるってば、お姉さんに任せない」フフンッ

男「とりあえずそれは任せるとして、今日はどうするんだ?このままファミレスで涼んでるか?」

女「まさか、決まってるじゃない!」

友「つまり解散だな?」ドガッ
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 20:33:10.46 ID:xgJ9wR0R0

女「話の腰を折るとぶつよ?」

友「すでに事後じゃないか…」

女「この後はみんなでカラオケだよね」

男「この暑さで元気な奴…転さんはどう?」

転「もちろん、行きますよ」ニコッ
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 20:36:54.95 ID:xgJ9wR0R0

男「すっかり暗くなっちゃったな…」

女「だいぶ騒いだしね」

友「まったくだな。飯も中で食べる事になるとは…」

転「まぁまぁ、楽しかったからよかったじゃないですか」

友「まったくだな」

男「じゃあ帰るか。友は女をよろしくな?」

友「あいよ。いつもの事だ」

女「しょうがないから送られてあげよう」フフンッ

友「調子に乗るな」ペシッ
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 20:38:44.38 ID:xgJ9wR0R0

男「転さんは車?」

転「いえ、今日は歩きですよ」

男「そっか?よければ送るけど…」

転「いえいえ、悪いですし大丈夫です」

女「んー、夏は変なのも出やすいし一応送ってもらったら?」

友「同じく。こう言うときは甘えておくもんだぞ?」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 20:43:10.26 ID:xgJ9wR0R0

転「え…と、じゃあ…お願いします」ペコリ

男「どういたしまして。どのあたり?」

転「・・・・・・」セツメイチュウ

男「え?俺もそのあたりだよ。近かったんだな」

女「じゃあ大丈夫だね」

友「うむ、転さんをよろしくな?」

男「了解。じゃあまたな」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 20:46:39.68 ID:xgJ9wR0R0

―――その夜・自室―――

男「さてと…そろそろ寝るかな」

男「ん?女からメールか」

女『男くん、起きてる?宿の予約取れたから、3日後のお昼に駅集合ね』

男「相変わらず行動の早い奴だ…了解っと…」カチカチ

男「アイコンが消えないな。もう1通…誰だ?」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 20:49:23.01 ID:xgJ9wR0R0

転『今日は送っていただきありがとうございました。』

男「なんだ、転さんか。えぇと……」カチカチ

男『どういたしまして。それにしても結構近くに住んでたんだね』

転『ほんと、私もびっくりです。あと女さんから予定が届きましたね。楽しみです』

男『親御さんとかは平気なの?』

転『私があんまり友達と外泊したことないので、むしろ喜んで賛成してくれましたよ』
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 20:51:38.66 ID:xgJ9wR0R0

男『そっか。体調とかは?』

転『男さんはけっこう心配性なんですね。でもありがとうございます。大丈夫ですよ』

転『それじゃあそろそろ寝ますのでおやすみなさい』

男『心配性なつもりはないかもしれないけど、気を悪くしたらごめんな。おやすみ』


男「メールは苦手だ…」パタン

男「じゃあ、俺も寝るかね……」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 20:54:31.21 ID:xgJ9wR0R0

―――3日後―――

女「電車で揺られる事1時間。ようやく到着ですよ」

友「正確にはN市の駅にだけどな」

男「駅から近いのか?」

女「歩いて5分くらいだよ」

転「ず、随分近いんですね」

友「まったくだ。よく見つけられたな」

女「じゃあ張り切って行きましょう!」スタスタ
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 20:56:28.20 ID:xgJ9wR0R0

男「おー、立派な旅館じゃないか」

友「なぁ、本当に料金はメールの通りなのか?」アセッ

女「大丈夫だよ。1泊と夕食付きであの値段だって」ニコッ

友「安すぎて怖いな…」

転「とりあえずチェックインだけしちゃいましょうか」

女「そうだね。」

女「すいませーん。予約した………」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 20:58:27.89 ID:xgJ9wR0R0

友「うむ、立派な部屋だ」

男「で、ここが2人の部屋だとしたら俺たちの部屋はどこだ?」

女「へ?この部屋にきまってるじゃん?」

男「え?」ボーゼン

友「え?」ポカーン

転「え?」キョトン

女「……」ドヤァ
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 21:00:24.44 ID:xgJ9wR0R0

男「いやいやいや、流石に問題があるだろ」

女「大丈夫だ、問題ない」キリッ

友「お前が平気でも、転さんがダメだろ。今から部屋がないか聞いてくる」

女「当たり前のように満室だよ?」

友「なんてことだ……」

転「あ、あの。私も大丈夫…ですよ?」オズオズ
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 21:02:08.23 ID:xgJ9wR0R0

女「ほら見なさい」ドヤァ

友「やかましい」ゲシッ

女「うー。男くん、友がいじめよー」

男「いやお前が悪いな。慰めてやらん」ペシッ

男「まぁしょうがないな。何かありそうなときは俺達が廊下に出てれば良いだろ」

友「そうだな。そうしよう……」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 21:05:40.24 ID:xgJ9wR0R0



男「さてと…ようやくひと段落ついたし、飯まで時間あるな」

友「何かするか?」

男「俺はちょっと散歩してきたいな。」

友「いいねぇ。俺も付き合うよ」

女「私も行く―」

友「お前は留守番だ。たまにはボーイズトークをだな…」

男「なんだその誤解生みそうな単語は…」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 21:07:42.41 ID:xgJ9wR0R0

転「私は少し休みたいので残ってますし、3人で行ってきても大丈夫ですよ?」

女「うーん、やっぱり私も残るよ。転ちゃんとガールズトークするんだ」ニコニコ

転「いいんですか?」

女「いいのいいの。じゃあ行ってらっしゃい」

男「ん、飯までには戻るよ」

転「お気をつけてー」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 21:10:41.02 ID:xgJ9wR0R0



友「まったく、あいつに任せたの失敗だったかな」

男「部屋の事か?」

友「他に何があるんだよ。まぁ俺は別に良いんだがな」

男「もうどうしようもないし、転さんが平気なら大丈夫だろう」

友「そうだな。あるいは、ワンチャンあるかもしれんぞ?」

男「あるあ…もつかねーよ」
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/11(月) 21:12:49.41 ID:xgJ9wR0R0

友「真面目なこって…」

男「………」ジー

友「どうした?」

男「あの建物が気になってさ」ユビサシ

友「何かの施設らしいな。知ってるのか?」

男「いや、わからん。気になっただけだよ。」

友「なんだそれ?とりあえずコンビニ行こうか。あんまり遅いと怒られるぞ」

男「そうだな。行こう」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/15(金) 11:04:00.11 ID:2F77rVZvo
乙した
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/18(月) 21:22:27.44 ID:D+vGX+Cdo
続きをワクワクして待ってます
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