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ユーリ「絶対に突き止める」 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 00:19:55.70 ID:TpNEIM4Z0
・TOV×バーン・ノーティスの再構成もの
・原作設定を無視、ご都合主義の部分があります
・更新は不定期 2〜3日に一回できれば
俺の名前はユーリ・ローウェル。
国の騎士団をしていたが性に合わず、
飽き飽きしていたところを妙なおっさんにスカウトされた。
レイヴン「君ースパイやってみない?」
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
[
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]: ID:???
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。
小テスト @ 2024/03/28(木) 19:48:27.38 ID:ptMrOEVy0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/zikken/1711622906/
満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1711617334/
【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1711590867/
旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711498027/
にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/
にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/
にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/
にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:23:40.62 ID:AZ8P+2+I0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459420/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 00:20:35.79 ID:TpNEIM4Z0
「解雇通告」
数年後
新興都市 ヘリオード 騎士団宿舎 深夜
奥 騎士長室
ユーリ「おや?取り巻きは騎士様ではないんですね」
キュモール「彼らは僕の子飼いさ。今この宿舎にいるのは僕達だけ。さあちゃっちゃと済
ませよう」
ユーリ「では、これでカルボクラム周辺のブラスティア発掘利権を割譲させて頂きます」
キュモール「契約に異論は無いよ。お金さえちゃんとくれるならね」
ユーリ(ラピードうまくやってくれたな)
ユーリ「このケースに用意してあります。それではご確認を…」
ガチャ
ユーリ(…ん?)
ユーリ(これは新聞紙!?しかもこれは…)
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 00:21:33.95 ID:TpNEIM4Z0
ピラ
中に入ってたメモ『君はクビだ。任務は中止』
ビリッ
ユーリ「…」
キュモール「どうした?早く金をこちらに」
キュモール「…これはどういうことだい」
ユーリ「………」
ユーリ「………」
ユーリ「…………」ニコッ
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 00:22:35.30 ID:TpNEIM4Z0
ドカッドカッバキバキッボコッ
ユーリ「ぐはっ!ぐっうぐっ!!」
チンピラA「こいつっ!このっ!!」ドカッ
チンピラB「なめくさりやがってっ!!」バキッ
キュモール「まったく…とんだ茶番だよ。これがギルドのやり方かい」
ユーリ「俺はドン・ホワイトホースの部下だっ!お前達をここで足止めするように頼まれ
た!っぐ!うぐっ!」
キュモール「でまかせを……連れてけ」
チンピラA「こいっ嘘つきやろう!」
ユーリ「ぐっ」
バタン
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 00:23:23.47 ID:TpNEIM4Z0
チンピラB「こい。牢屋にいれてやる」
ユーリ「おい…待ってくれよ。その前にトイレ行かせてくれ」
チンピラA「ふざけるな。オラ来い!」
ユーリ「おまえら殴りすぎなんだよ…うっやべ…オゥェ」ビチャビチャ
チンピラB「…ちっ、こっちだ」
チンピラA「さっさと済ませろ」
ユーリ「ああ…ありがとさんっ!」ドカッ
チンピラB「ぐあっ!」
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 00:24:03.35 ID:TpNEIM4Z0
背を向けた相手にはどうしても油断をする。
声と気配を悟って、正確に肘を当てろ。
チンピラA「こいつっ!」
剣を抜こうとする相手にはすぐに距離をつめて、手を押さえつけろ。
お互いに手がふさがったらすかさず頭突きだ。
狙いは柔らかい鼻がオススメ。
ドカッ
チンピラA「あぐっ!」
ユーリ「」ダッ
チンピラB「ぐっ…追え!追ええ!!」
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 00:24:45.18 ID:TpNEIM4Z0
バンッ
ユーリ「ラピード逃げるぞ!」
ラピード「ワン!」
スパイの基本はなにがあってもいいように準備しておくこと。
特に逃走経路は命に関わる。
チンピラA「逃げんなゴラア!!」
馬車内
ユーリ「おいっラピード!お前がもってきたケース空だったぞ!」
ラピード「くぅうん…」
ユーリ(くそっなにがどうなってやがる)
ユーリ(ありえねえ。こんなタイミングでクビ!?)
ユーリ(…誰かが俺をはめたんだ)
ユーリ(ぐっ……けっこうやばいな…ホントに殴られすぎた…)
ユーリ(………)
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 00:25:47.01 ID:TpNEIM4Z0
場所 ???
ユーリ「……ん?」(馬車じゃない)
ジュディス「あら、起きた?」
ユーリ「…何でジュディがここにいるんだ?」イテテ
ジュディス「久しぶりの再会にそのいいぐさはないんじゃない?街を歩いてたら、ラピー
ドに連れてこられたのよ。そしたら馬車で気絶してるあなたを見つけて宿屋に運んだの」
ユーリ「ここどこ?」
ジュディス「ダングレスト」
ユーリ「ブラスティア壊すのに世界周ってるんだろ?タイミング良すぎないか?」
ジュディス「ダングレストは世界で一番ブラスティアが出回るところよ。自然ここにいる
時間が多くなるわ……元カノに会って他にいうことは無し?」
ユーリ「ありがとう。たすかったよ。もう行く」
ジュディス「外であなたのお友達が熱い視線を送ってたわよ。じゃあ私はもう行くわ」
ユーリ「…ああ。じゃあな」
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 00:26:59.21 ID:TpNEIM4Z0
ギルドの巣窟 ダングレスト
ユーリ(早いとこザーフィアスに戻って、真相つかまねえと)
ユーリ(…監視は二人か)
監視は相手に悟られてはならない。
相手を見逃さないように、周囲に溶け込むこと。
ただそこらへんのゴロツキ傭兵に扮しても、騎士剣は目立つ。
ユーリ「おっと、そこのお嬢さん」
パティ「ん?何かようかの?」
ユーリ「あそこの小奇麗な剣持ったおっさん二人に向かって、ちょっと騒ぎ起こしてくれない?」つお金
パティ「ん〜この倍だったらいいのじゃ!」
ユーリ「オーケイ。頼んだぜ」
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 00:28:32.53 ID:TpNEIM4Z0
パティ「うわ〜!ロリコンに襲われるのじゃ〜!!」
監視「なっなんだこいつ!」
オイナニヤッテル! ロリコンデスッテヨ・・・ サイテー トッツカマエロ!
ユーリ(まずは情報集めねーと…待てよ)
ユーリ(ダングレストならあいつがいるはずだ。さきに聞き出しとくか)
ダングレスト酒場 天を射る重星
レイヴン「いや〜そこでおっさんは言ってやったのよ!いるぜ!ここに一人な!」
女達「キャーかっこいい!!」
ユーリ「おーかっこいい(棒)」
レイヴン「」
ユーリ「よっ元気そうじゃねえか」
レイヴン「ちょ、ちょおっとなによ。ここにあんた顔出しちゃ駄目でしょ!」
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 00:29:17.14 ID:TpNEIM4Z0
ユーリ「まあまあ。愛弟子がはるばる会いに来たんだ。付き合えよ」
レイヴン「ゴメンネーオンナノコタチマタアトデネ、青年…おっさんはもう引退した身なんですけど」
ユーリ「知ってるよ。ちょっとトラブルがあってね」
レイヴン「そんなのバックアップに任せ ユーリ「クビになったんだよ」 …ハイ?」
ユーリ「任務中に突然な。しかも騎士団の暗部が監視についてる。まいたけどな」
レイヴン「ちょっと青年なにやったの?パパはそんな子に育てた覚えはありません!」
ユーリ「だれがパパだ。あんたが引退したあと引き継いだのはクルメスって奴だったな」
レイヴン「そりゃ偽名だわ。本名はクローム。表じゃアレクセイの秘書をやってる」
ユーリ「サンキュ。それだけ聞ければ十分だ」
レイヴン「ちょっとユーリ君。もしかして乗り込むつもり?」
ユーリ「当然」
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 00:31:12.03 ID:TpNEIM4Z0
今日はここまで。また続きは後日
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山口県)
[sage]:2011/07/02(土) 06:11:29.06 ID:T0WN1eHCo
期待
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 14:50:44.45 ID:TpNEIM4Z0
レイヴン「やめときなって。いいこと一つもないよ」
ユーリ「わかってる。けど許せねえ」
レイヴン「まあ聞きなさい。多分だけど青年をクビにしたのはクロームじゃないよ」
ユーリ「・・・・・・どういうことだ」
レイヴン「クロームにそんな権限はないってこと。昔と変わらないならね。あるとするなら暗部の支援者だったヨーデル擁立派の貴族だ」
ユーリ「貴族にヨーデル擁立派なんていたのか」
レイヴン「どこも一枚岩じゃないってことね」
ユーリ「じゃあ、その貴族様はどこにいるんだ?」
レイヴン「そこまでは知らないよ。長生きしたかったからね」
ユーリ「そうかい。じゃ世話かけたな」
レイヴン「待ちなさいって。その貴族を調べてどうすんの?せっかく拾った命また狙われることになるよ」
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 14:52:25.32 ID:TpNEIM4Z0
ユーリ「…あの時おっさんに拾われてからスパイになって、やっと自分が見つかった気がした」
ユーリ「世界を周り、世界を深く知って俺なりに世界を良くしようと誇りを持てた」
ユーリ「…それを虚仮にされた。いきなりクビだからハイさよならね、なんて引き下がれるか」
ユーリ「いったい誰がなんのために俺をクビにしたのか」
ユーリ「絶対に突き止める」
レイヴン「言っても聞かないねこりゃ……」
ユーリ「世話かけたな。もう消える」
レイヴン「はいはい待って待って!」
ユーリ「なんだよ」
レイヴン「協力しますよっと」
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 14:53:27.55 ID:TpNEIM4Z0
ユーリ「…はあ?あんたアレクセイとやっと縁切れたんだろうが。また心臓止められるぞ」
レイヴン「いいのいいの!先の短いおっさんが愛弟子に協力してあげるっての」
ユーリ「裏があんじゃねえのか?」
レイヴン「ないよ。おっさんが引退してからなにやってたか知ってるでしょ?」
ユーリ「…恩に着る」
レイヴン「いいってことよ」
レイヴン「さて、そうと決まれば色々と必要になってくるねえ」
ユーリ「監視の目もまだ光ってるだろうし、なんとかしねえとな」
レイヴン「青年用の偽の身分証とお金もね。多分ユーリ君貯金止められちゃってるよ」
ユーリ「……マジかよ」
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 14:55:03.25 ID:TpNEIM4Z0
レイヴン「スパイってのはやんやうるさいのよねえ。」
レイヴン「まっとりあえず、海を渡んないとね。ジュディスちゃん確かいたでしょ。カプワ・ノールにヒトっ飛びしてもらいましょ」
ユーリ「?なんでカプワ・ノールなんだ??そんままザーフィアスに行けばいいじゃねえか」
レイヴン「おっさんの用事があるの。協力するんだから協力してよね?」
ユ−リ「そういうことかよ…わかったよ」
ダングレスト 宿屋
ジュディス「あら、何のよう?」
ユーリ「カプワ・ノールに飛んで欲しいんだが」
ジュディス「随分と勝手じゃない?いきなり姿を消したと思ったら怪我だらけで現れて、で今度は便利な馬車扱い?」
ユーリ「わるかった、どうしても連絡が取れなかったんだ。そっちも繋がんなかったし」
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 14:56:28.18 ID:TpNEIM4Z0
ジュディス「……」
ユーリ「……ちゃんと話す、頼む」
ジュディス「貸し、一つよ。そっちの小汚いおじさんも乗るの?」
レイヴン「小汚いって……久しぶりに会ったのにおっさんの扱い酷くない?」
ジュディス「さ行くなら行きましょ。バウルを呼ぶわ。ラピードは外かしら」
ユーリ「ああ。行くぞ小汚いおっさん」
レイヴン「あぁんひどぅい」
港の街 カプワ・ノール
ユーリ「やけに活気がねえな」
レイヴン(噂は本当だったみたいだねえ)
レイヴン「さて、おっさんはちょっと別行動取らせてもらうよ。用事を済ませてくるから」
レイヴン「そっちは積もる話もあるだろうからねえ」
ユーリ「……」
ジュディス「……」
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 14:57:59.80 ID:TpNEIM4Z0
ジュディス「……話してくれるのでしょう」
ユーリ「宿屋についたらな」
カプワ・ノール 宿屋前
ガチャ
ユーリ「ん?」
フレン「あっ」
ユーリ「げっ」
フレン「ユーリっっ!!!!!!」
ユーリ「やばいっ!いでっ」ガシッ
ジュディス「どこに行く気かしら?ここが宿屋よ」
フレン「ユーリ!!今までどこに行ってたんだ!!騎士団をやめてから何年も連絡よこさず!みんな心配してたんだぞ!!!」
ユーリ「」(もうどうにでもなーれ)
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 15:00:11.72 ID:TpNEIM4Z0
カプワ・ノール 宿屋内
フレン「まったく…旅の便利屋だなんて。だけど手紙を書くぐらい暇はあっただろう!」
ユーリ「わるかったって……なかなか紙が手に入んなくてよ」
フレン「そんなわけないだろ!」
ガチャ
エステル「まあまあフレンも落ち着いて」
ユーリ「ん…あんたは?」
フレン「エステリーゼ様!」
ジュディス「あら、皇女様じゃない?」
ユーリ「」ヒュー
エステル「エステリーゼと申します。こんにちはユーリさん、ジュディスさん。ユーリさんのことはフレンからよくお聞きしてましたよ」
ユーリ「へえどんな?」
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 15:01:14.34 ID:TpNEIM4Z0
エステル「態度は悪いし生活もずぼらだけど、剣の腕前は一流で正義感の強い頼りになる奴だって」
ユーリ「ほう…」
フレン「ちょっちょっとエステリーゼ様!」
ジュディス「…どうして皇女様がこんなところにいるのかしら?」
フレン「それは答えられ レイヴン「それは私がお答えしましょう!」 誰だ!」チャキ
レイヴン「ストップストップ。俺はユーリ君の仕事仲間のレイヴン。騎士団と姫様はラゴウのことでここに来てるんでしょう?」
ジュディス「ラゴウ?」
エステル「ここの執政官のことです」
フレン「どうしてそのことを…」
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 15:02:26.72 ID:TpNEIM4Z0
レイヴン「ラゴウがやばいことしてるってのは、ここの子供だって知ってるよ。違法な税収に魔物の飼育……この人数の騎士団とお姫様がいるってことは相当やばいことみたいだねえ」
レイヴン「子供を連れ去られたって奴もいたみたいだし」
ユーリ「……」
エステル「フレン、ここはユーリさんたちに協力してもらいませんか?」
フレン「エステリーゼ様!?しかしここは騎士団が ユーリ「フレン」
ユーリ「協力させてもらえねえか。ラゴウって奴なかなか尻尾つかめない上に、評議会の目かあるから手が出しにくいんじゃねえのか?」
フレン「それは……」
ユーリ「フレン、俺も連絡取れなかったのは本当に悪かったと思ってる。だからって訳じゃねえが、お前が困ってるなら手を貸したい」
フレン「……」
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 15:03:47.33 ID:TpNEIM4Z0
エステル「フレン、ユーリさんもこう言ってますし」
フレン「…わかりました」
エステル「はいっ!よろしくお願いしますね。ユーリさん」
エステリーゼ・シデス・ヒュラッセイン
−依頼人ー
フレン「しかしこちらから出せる情報はあまりありません。機密に関わりますし」
エステル「というより出せるほど情報を掴めてないんですけどね」
フレン「……」
レイヴン「たしかにラゴウは怪しいが隠すのがうまい」
ユーリ「けど付け入る隙はあるんだろ」
レイヴン「おっわかる〜?ラゴウはほとんど警備はギルドから雇ってるからねえ」
エステル・フレン「「?」」
ジュディス「なるほど。そこから潜り込むわけね」
レイヴン「そゆこと」
エステル「どうゆうことです?」
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/02(土) 15:04:55.24 ID:TpNEIM4Z0
ここまで。続きはまた後日
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/03(日) 16:45:06.73 ID:Gq7FqNld0
ユーリ「誰かがギルドの人間としてラゴウの屋敷に入り込み、中から証拠を見つけ出すってこった」
フレン「しかし誰がそれを?」
レイヴン「頑張ってねー青年」
ユーリ「ああ?」
レイヴン「おっさんはまだ用事が終わってないの!いいじゃない得意でしょこういうの」
ジュディス「はぁ…話はまた先になりそうね」
フレン「…よろしく頼むよユーリ。僕は騎士の立場がある」
フレン「お願いしますユーリさん!住民の方々が苦しむのをもう見ていられません」
ユーリ「ユーリでいいよエステル。しょうがねえ……じゃいっちょやりますか」
エステリーゼ「エステル…」
フレン「おいユーリ!」
レイヴン「はいはい!じゃあさっそく準備に取り掛かりましょう」
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/03(日) 16:46:47.42 ID:Gq7FqNld0
レイヴン「ハイこれ、潜入用の身分証」
ユーリ「『マリク・シザーズ』?」
レイヴン「そっ各地を回ってて基本一人でなんでもこなす凄腕の傭兵。しかも『天を射る矢(アルトスク)』のお墨付き」
レイヴン「おっさんはあんま協力できないけど調べられることは調べとくわよ」
ユーリ「あいよ。ジュディ、屋敷の監視頼めるか」
ジュディス「わかったわ。昔を思い出すわね」
ユーリ「…そうだな。よしいってくるか」
ラゴウ屋敷内
ラゴウ「マリク・シザーズ…『天を射る矢(アルトスク)』では中々評判だったらしいな」
ラゴウ
−執政官−
マリク(ユーリ)「はっ光栄です」
ラゴウ「ではさっそく警備のシフトに入ってもらう。詳細は警備主任に聞け」
マリク(ユーリ)「了解」
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/03(日) 16:48:17.03 ID:Gq7FqNld0
ユーリ(警備には簡単に潜り込めたな)
ユーリ(てことは、裏の仕事を任されてるのは長くラゴウに従ってるベテラン)
ユーリ(入れる場所は少ないし、まずは警備のあらを探すか)
警備A「よう新入り、ここに来るってことはてめえも相当なワルだな」
マリク(ユーリ)「どういうことだ?」
警備B「あれ見ろよ」
住民A「くそおおお離せええ!!」
住民B「きゃあああ助けてええ!!」
警備A「刃向かった男は地下に送られ、女はラゴウの寝室にご招待て訳だ」
警備B「地下からは獣のうなり声が聞こえてくるってゆうぜ。全く何飼ってるのやら」
警備A「まっ俺達もそのおこぼれもらってんだがな!」
警備B「ラゴウのお古だがな!ハハハ!」
ユーリ(なるほどね…)
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/03(日) 16:49:53.43 ID:Gq7FqNld0
数日後
カプワ・ノール 宿屋
ユーリ「警備は完璧だ。常に入り口には二人いるようになってるし、金の入りがいいから賄賂も通用しない」
ジュディス「人の出入りは一日にニ、三回ほどね。連れられた住人が出てきたことは無いわ」
フレン「重要な証拠は何か見つかったかい?」
ユーリ「屋敷の中は今のとこゼロだ。が、故障で使用が禁止されている昇降機が一つあった。おそらくは地下にまとめられてる」
ユーリ「魔物を飼育しているのもそこだろう。常に誰かが見張ってたから入り込むにはまだ時間がかかるな」
エステル「なんとか入り込めないでしょうか」
レイヴン「それに証拠を見つけて捕まえたところで、評議会の力を使ってすぐに出てききちゃうんじゃない?」
フレン「それは…」
エステル「どうすれば…」
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/03(日) 16:51:03.67 ID:Gq7FqNld0
ユーリ「評議会を通さずに、騎士団がラゴウを裁くように仕向ければいい。住民に対しての問題なら評議会を通すが、騎士団に直接刃向かったなら評議会は通さない」
フレン「確かに…けどそんなことができるのかい?ラゴウだってそれはわかっているはずだ」
ユーリ「傭兵達に噂を流す。ラゴウが罪を傭兵達になすりつけて逃げようとしてると」
ユーリ「ラゴウには傭兵達が反乱を起こそうとしてると思わせる。お互いに疑心暗鬼にさせるんだ」
ユーリ「ラゴウから子飼いの兵を引き出したら後は……」
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/03(日) 16:52:13.72 ID:Gq7FqNld0
一日後
カプワ・ノール 酒場
ジュディス「あなた警備の人よね?」
警備A「ああ?何だお前?」
ジュディス「このファイルをお渡しするわ、よおく検討してね」
警備A「!!こいつぁ…!」
完璧な警備でも警備をする人間は完璧じゃない。
警備のシフトと配置情報、そして賄賂を複数の人間に渡す。
報告する奴としない奴がいれば、上は受け取っていない奴ですら疑ってくれる。
ラゴウ屋敷
マリク(ユーリ)「主任、妙な女がこれを…」
警備主任「お前も受け取ったか…くそっどこから…!!」
警備主任(応じた奴がいる可能性もある…!)
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/03(日) 16:53:36.91 ID:Gq7FqNld0
同日
ラゴウ屋敷
ラゴウ「どこから漏れた!くそっこれだから傭兵どもは……すぐに警備を切り替えろ!」
警備主任「はっ……!」
部下「ラゴウ様お客様が」
ラゴウ「なんだっ!今は誰とも会わん!」
部下「いえそれが…」
エステル「急な訪問に対応していただきありがとうございます」
ラゴウ「いえいえ。姫様のご来訪歓迎いたします。しかしどういったご用件で」
エステル「本日は次期皇帝の件について」ボソッ
ラゴウ「…!!」(これは…うまく懐柔できれば)
ラゴウ「部屋には誰も近づけるな!!姫様こちらへ…」
****************
エステル「本日は有意義なお話ができました」(うう緊張しました……)
ラゴウ「こちらこそありがとうございます」(くく……これでさらに安泰よ)
32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/03(日) 16:56:50.18 ID:Gq7FqNld0
マリク(ユーリ)「おい、大変だぞ」
警備A「あん?どうしたんだよ」
マリク(ユーリ)「噂で聞いたんだがラゴウはここでの悪事を俺達に押し付けて帝都に行く気らしい」
警備B「はあ!?そんな馬鹿な!」
マリク(ユーリ)「今日姫様が来てたろ…ラゴウは次期皇帝の補佐となるべく過去の悪事を清算するつもりだ」
警備A「確かに、今日の対談は側近も近づけさせなかった」
警備B「まさか……でもラゴウならやりかねねえ」
警備主任(最近警備の連中がよく密談している…)
警備主任(まさかあいつら……)
マリク(ユーリ)「主任!たっ大変です」
警備主任「どうした!」
33 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/03(日) 16:58:08.59 ID:Gq7FqNld0
マリク(ユーリ)「密談してるのを聞いたのですが、警備の奴ら今夜外のギルドの連中と集結して屋敷を襲うつもりです!」
マリク(ユーリ)「前の女はギルドの女です!ここの資産に目をつけて襲ってくる!」
警備主任「なんだとっ!ラゴウ様に知らせなくては…」(直属の兵が必要になる!)
警備主任「マリクお前も来い!今夜待ち伏せして返り討ちだ…!」
マリク(ユーリ)「はっ!」
深夜 ラゴウの屋敷
ラゴウ「馬鹿な奴らだ…飛んで火に入る夏の虫よ」
警備主任「!来ました」
???「何だ誰もいない??」
警備主任「いまだ打てい!!」
???「防御体制!!」
カカカッ!!
ラゴウ「なっなに!」
34 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/03(日) 16:59:16.85 ID:Gq7FqNld0
ここまで。続きはまた
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/04(月) 21:35:06.76 ID:9OdAY/p50
ルブラン「…これはどういうことですかなラゴウ執政官。強盗が入ったと連絡があって来たのですが我ら騎士団を待ち伏せ…これは重大な反逆 行為ですぞ」(さすがシュヴァーン隊長!予定通りだ)
数日前
シュヴァーン「久しぶりだなルブラン」
ルブラン「シュっ、シュヴァーン隊長!!お久しゅうございます」
シュヴァーン「元な、カプワ・ノール執政官ラゴウの悪行は知っているな」
シュヴァーン「はっ…悪事はわかっていながら証拠がつかめず、お恥ずかしい限りです…」
シュヴァーン「そうだ。だからやつをはめて確保する。協力してくれるか」
ルブラン「はっもちろんであります!!隊長殿!!!」
シュヴァーン「だから元だっての」
36 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/04(月) 21:39:08.94 ID:9OdAY/p50
ラゴウ「馬鹿な!強盗等うちに入っていない。そちらこそ不法に侵入している!」
ルブラン「いいえ警備から連絡があり正式に令状が取られました。なのに強盗はおらず我らを
待ち伏せするとは…ラゴウ執政官確保いたします!」
ラゴウ「たばかられたか…!!」
警備主任「っ!?マリクっ!マリクはどこだ!!」
ラゴウ「くっ皆殺しにしろ!!」
ルブラン「我ら騎士団をなめるな!!展開しろ!!」
アデコール「いくでアール!!」
ボッコス「よいしょお!!」
フレン「ソディア!ウィチル!行くぞ!!」
ソディア・ウィチル「はっ!」
37 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/04(月) 21:40:54.48 ID:9OdAY/p50
同時刻
カプワ・ノール 裏通り
警備A「おっ来たかマリク」
ユーリ「全員いるな」
警備B「ああ。まったく助かったぜ。お前が知らせてくれたおかげで騎士団にパクられずにすんだ」
警備A「俺達だけ美味しいところをいただいてトンズラって訳だ!」
ジュディス「それはどうかしら」
警備A「えっおまえはオグッ」ドサッ
レイヴン「悪は根こそぎってね」
警備B「ぐはっ」ドサッ
ユーリ「お仕事終了っと」
38 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/04(月) 21:44:53.85 ID:9OdAY/p50
宿屋
エステル「本当に、本当にありがとうございました」
フレン「囚われてた人たちは全て解放した。ラゴウは死ぬまで牢屋から出られないだろう」
ユーリ「俺だけの力じゃねえよ。エステルにも無理言ってもらったし、実際捕まえたのはフレンたちじゃねえか」
フレン「それでも今回全てうまく行ったのはユーリの計画あってこそだ」
エステル「はいっ!ユーリが協力してくれたからこういった結果が得られたのです!」
レイヴン「俺も頑張ったんだけどなー」
ジュディス「……」
エステル「非公式ではありますがユーリ達には謝礼を…」
ユーリ「いいよ。そういうのは被害者の人にやってくれ」
エステル「しかし……」
フレン「エステリーゼ様。ユーリはこういう奴なんです」
39 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/04(月) 21:47:14.97 ID:9OdAY/p50
レイヴン「じゃあおっさn ジュディス「なら一ついいかしら」
エステル「なんです?」
ジュディス「この街の高級レストラン、フルコースで予約したいのだけれどいいかしら?」
エステル「はい、すぐに手配します!」
ジュディス「ですって。いいわよねユーリ」
ユーリ「…ああ」
エステル(むっ)
フレン「?」
レイヴン(頼みそびれちった(´・ω・`)
40 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/04(月) 21:48:38.16 ID:9OdAY/p50
夜
カプワ・ノール 海鮮レストラン
ジュディス「相変わらずね。自分から厄介ごとに突っ込むところは」
ユーリ「ジュディも好きだろ?厄介ごと」
ジュディス「ええ。大好き」
ユーリ「……」
ジュディス「……」
ユーリ「ジュディ、俺はあの時……」
ジュディス「待って」
ユーリ「…はあ、監視か。窓辺の座席に二人かな」
ジュディ「いいえ三人よ。奥のウェイター」
ユーリ「ルブランのに混じってたみたいだな。仕事熱心なことだ」
ジュディ「やっちゃったら?そしたら向こうもおとなしくなるでしょう?」
ユーリ(怒ってるな…)
41 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/04(月) 21:51:26.40 ID:9OdAY/p50
ユーリ「いつもならそうするところだが、今はまずい」
ユーリ(貴重な情報源だ。俺から離れてもらったら困る)
ジュディス「そうね。せっかく無料でいただけるのだし」
ユーリ「……」
ジュディス「……」
ジュディス「不思議ね。またこうやって変わらず話せるなんて思わなかった」
ユーリ「俺の環境は変わったけどな。…いや変わったから話せるのかな」
ジュディス「元の仕事がそんなに大事?」
ユーリ「…ああ。必ず戻ってみせる」
ジュディス「そう。あの時あなたが突然私の前から消えて、私がどう思ったと思う?」
ユーリ「……」
ジュディス「生きてるか死んでるかもわからない、必死で探したわ。それこそ世界を飛び回って」
ユーリ「……」
42 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/04(月) 21:53:28.30 ID:9OdAY/p50
ジュディス「けどあなたにとっては、私のことそれほど重要じゃなかったみたいね。」
ジュディス「再会したときも今も気にしているのは別のこと。敵か味方か線引きに必死」
ユーリ「……」
ジュディス「美味しかったわ。ごちそうさま。お先に」スッ
タッ タッ タッ タッ タッ タッ
ユーリ「ジュディ」
ピタッ
ユーリ「…俺もずっと気にかけてた。謝りたかった」
ユーリ「突然で、なにもいえなくて」
………
ユーリ「また会えたとき本当に嬉しかった」
ユーリ「ごめん」
………タッ タッ タッ タッ タッ タッ
ユーリ「………」
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/04(月) 21:58:42.41 ID:9OdAY/p50
宿屋 ロビー
ガチャ
レイヴン「おお青年。ご飯美味しかったかい」
ユーリ「まあな」
レイヴン「……」
レイヴン「………もしかして、これから空飛べない感じ?」
ユーリ「……かな」
ガチャ
ジュディス「ただいま」
レイヴン「あれ?おかえり……」
ユーリ「……」
ジュディス「……」
レイヴン(な…なにこれ)
ジュディス「……」
ユーリ「……」
ジュディス「………執行猶予中よ」ニコッ
ユーリ「…了解」フゥ
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/04(月) 22:04:02.33 ID:9OdAY/p50
心にも無いことを言うのは簡単だが、言葉に心を込めるのは難しい。
けど言葉に心を込めることができれば、幾千の心にも無い言葉よりも効力を持つ。
特に相手に真摯に想いを伝えたいときは。
カプワ・ノール 宿屋 就寝前
レイヴン「はいよ青年、ルブランに持ってきてもらった資料」
ユーリ「サンキュ」パラッ
レイヴン「とりあえず騎士団の資金援助に協力的な貴族と、ヨーデル殿下にゴマすってると思われる貴族をリストアップしといたわよ。役に立ちそう?」
ユーリ「ああ充分だよ」
ここからだ。
ここから取り戻す。
「解雇通告」 終
馬車内
エステル「ふぅ…」
リタ「どうしたのよエステリーゼ、ため息なんかついて」
エステル「あっいえ、一仕事終えたなあって」
リタ「?」
エステル「そうだっリタ」
エステル「『エステル』って呼んでみてくれませんか♪」
リタ「…はぁ??」
To Be Continued
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/04(月) 22:05:21.76 ID:9OdAY/p50
今更ですがバーン・ノーティスのキャラは出ません。テイルズがベースで、バーン・ノーティスの要素を入れた感じです。
今日はここまで 見てる人いるのかな…
46 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/07/04(月) 23:14:27.95 ID:YEdfViOPo
もちろんいるさ
次回も楽しみに待ってる
やっぱジュディが一番好きだわ
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/05(火) 00:15:27.17 ID:xind3s5C0
ジュディとユーリが復縁するならチェックする
ヴェスペリアの面子の立ち位置とかわからん点が多い
それがどこか俺にはわからんがなんか読みづらい感がする
でも私は見てる
48 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/05(火) 08:17:03.45 ID:eFK78rO60
感想感謝。頑張ります。
とりあえず今のとこのキャラ立ち位置まとめ&あらすじ
始まりは原作ゲームと同時期。
帝国騎士団の諜報員として活躍していたユーリはある日クビを宣告される。
納得できないユーリはかつてユーリにスパイのいろはを教えた師匠レイヴンと、
スパイ時代に出会ったジュディスの協力を得てクビの真相を捜査する。
ユーリ
帝国騎士団の腐敗した内情に辟易していたとこまでは原作と一緒。レイヴンにスパイとしてスカウトされ、それから数年間世界を回る。がキュモールとの取引中に解雇通告される。
半信半疑だったユーリもかつての同僚に監視される実情を目の当たりにし、監視をうまくあしらいながら何故クビになったのか真実を探していく。
エステル
基本原作と一緒。原作よりもフットワークと帝国のしがらみが軽く、騎士団を護衛にカプワ・ノールを訪れる。フレン・リタ以外は今回が初対面。
フレン
基本原作と一緒。エステルの護衛を任されている。ユーリとはユーリが表向き騎士団を辞めて(スパイとして活動するため)以来、音信不通だった。そのため結構心配して今まで探してたりする。
ラピード
原作と一緒。ユーリに付き従っている。傍にいるというよりは偵察や尾行等でユーリをサポートしている。
カロル
後ほど。
リタ・モルディオ
エステルと同じ馬車に乗っていた。後ほど。
レイヴン
基本原作通りの経歴。ユーリをスパイとしてスカウトした。原作とは違いアレクセイとの縁が切れており騎士団稼業は引退、ダングレストで悠々自適の生活を送っていた。幅広いコネとフットワークをもつ。ユーリ・ジュディス以外とは今回初対面。
シュヴァーンとしては正式に退団が発表されており、その分ルブランが原作より出世している。
ジュディス
基本原作と一緒。かつてスパイ時代のユーリと出会い意気投合、パートナーとなるが突如ユーリが姿を消したため一人でまた世界を回る。レイヴンとはユーリの紹介で何回か会っている。他のメンバーとは今回初対面。
パティ
その辺をうろうろ。他のメンバーと面識なし。
49 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/06(水) 00:09:53.89 ID:+13Mbdt30
「ハード・カバー」
ギルドの巣窟 ダングレスト 郊外 賃貸住宅
ガチャ
レイヴン「おいっす青年。元気にやってる?」
ユーリ「まあな。そっちはどうだ」
レイヴン「もちろんよ。順調順調」
レイヴン「しかしザーフィアスに行ったと思ったらまたこっちに戻ってくることになるとわねえ」
ユーリ「場所は戻ったけど、ちゃんと目標に近づいてる」
レイヴン「ん。そうやね」
ユーリ(前もらった資料の中で俺がクビになったのと同時期に姿を消した貴族達がいた)
ユーリ(その貴族達には共通の支援者がいた。)
ユーリ(ギルド『紅の絆傭兵団(ブラッドアライアンス)』と『海凶の爪(リヴァイアサンのツメ)』)
50 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/06(水) 00:11:01.61 ID:+13Mbdt30
ユーリ(どちらもまともに生きてる人間なら手を出さない危険なギルドだ)
ユーリ(騎士団の暗部をギルドが牛耳ってたなんて笑えない話だが)
ユーリ(俺にとっては貴重な手がかりの一つだ)
レイヴン「でっいつからまともに調べんの、爆発物二つ」
ユーリ「…すぐにでもと言いたいが、もう少しばれない程度に調べてからだ」
ユーリ「また監視に見つかるとも限らないし、相手にするにはちゃんと準備がいる」
レイヴン「うん、同感」
コンコン
ユーリ・レイヴン「「!」」
ユーリ(ジュディなら窓を叩いてから入る)
レイヴン(いつでも打てるわよ。開けて)
ユーリ「……」ガチャ
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/07/06(水) 00:11:19.34 ID:sMLOezQXo
キュモールはやっぱり粛清されるのかな
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/06(水) 00:13:05.32 ID:+13Mbdt30
エステル「わっ」
ユーリ「なっ!…エステル!」
レイヴン「ちょっとちょっとお。お姫様が一人護衛もなしにこんなとこ来ちゃ駄目でしょう」
??「護衛ならいるわよ」
リタ「……」
レイヴン「……誰?」
リタ「……さっさといれてくれない」
ユーリ「…どうぞ」
フレン「僕もいるよ!」
ユーリ「あっいたの」
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/06(水) 00:14:42.12 ID:+13Mbdt30
エステル「急に訪問してごめんなさい。フレンにこの場所を聞いて…ご迷惑でしたか?」
ユーリ「いや、まあ歓迎するよ。けど暇だから合いに来た訳じゃなさそうだな」
フレン「それは… リタ「私が説明するわ」
リタ「私はリタ・モルディオ、学術閉鎖都市アスピオで魔動器(ブラスティア)の研究をしているわ」
レイヴン「へえ。アスピオでもこの人ありといわれた天才魔道士じゃない。あまり姿を見せないって聞いてたけど、こんなかわいらしいお嬢ちゃんだったとは…」
リタ「…」ギロッ
レイヴン「!うっ…なっなによ。なんかおっさん気に触ること言った?」
ユーリ「ユーリ・ローウェルだ…それで」
リタ「…仕事を頼みたいの。盗まれた研究資料を取り戻して欲しい」
ユーリ「そうゆうのは騎士団に頼めよ」
リタ「騎士団なんて役に立たないわ。頼むだけ無駄よ」
54 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/06(水) 00:16:04.53 ID:+13Mbdt30
フレン「……」
フレン「相手はギルドなんだ」
フレン「君の助けが欲しい」
ユーリ「……」
リタ「…こんなことするの初めてだけど」ザッ
エステル「リタッ!?」
リタ「エステルとフレンから話は聞いたわ。報酬はちゃんと払う…お願い」
ユーリ「顔を上げてくれ…聞くよ」
55 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/06(水) 00:17:54.44 ID:+13Mbdt30
エステル「じゃあリタをおねがいしますね」
フレン「ユーリ、体に気をつけるんだぞ」
ユーリ「余計なお世話だ」
エステル「リタ。ユーリなら絶対なんとかしてくれますよ!本当に凄いんですから!」
リタ「あんたは自分の心配してなさい」
レイヴン「じゃあね〜」
バタンッ
レイヴン「あのお姫様自由だね〜治安もそんなによくないってのに」
ユーリ「フレンも昔からよく無茶をするからな。写ったんじゃねえのか」
リタ「エステルはちゃんと自分の立場を考えてるわ。騎士団と一緒に行動することで政局のバランスを取ろうとしてるの」
レイヴン「やけに詳しいねえ。お姫様とどういう関係?」
リタ「エステルの世界視察の名目はエアルと魔導器(ブラスティア)の調査。私は研究者として同行させてもらってる」
56 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/06(水) 00:19:21.12 ID:+13Mbdt30
ユーリ「にしては、仲が良すぎねえか?わざわざ一人の研究者の問題に首突っ込むなんて」
リタ「……今それは関係ないでしょ」
ユーリ「そうだな。悪かった」
リタ「…『エステル』って呼び始めたのあんた?」
ユーリ「ん?それがなにか」
バンッ コンコン
リタ「?」
レイヴン「ジュディスちゃんだね。開いてるわよ〜」
ガチャ
ジュディス「あら、どなた?」
ユーリ「依頼人だ」
ユーリ「あっちは仕事仲間のジュディス」
ジュディス「こんにちは」
リタ「リタ・モルディオよ」
57 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/06(水) 00:20:44.70 ID:+13Mbdt30
ユーリ「じゃあ話してもらおうか、盗まれた研究資料って奴を」
リタ「…一週間前のことよ」
リタ「アスピオの自宅に戻ったとき、厳重に隠してた金庫が破られてたの」
リタ「中は空だったわ。入ってたのは…私が危険と判断して未完成のまま封印した研究資料」
リタ「市場にはほとんど出回らない上魔導器の中でも特異な出力を誇る、ヘルメス式魔導器の改造研究よ」
レイヴン「ヘルメス式……」
ジュディス「……」
ユーリ(ジュディ…)
ユーリ「…それで」
リタ「盗んだ奴らはすぐにわかったわ。私の研究をそのまま流用して武醒魔導器(ボーディブラスティア)を使い始めた…」
リタ「紅の絆傭兵団(ブラッドアライアンス)」
ユーリ「なるほどな…確かに騎士団は動けない」
レイヴン「というより動いたら動いたで戦争になっちゃう相手だねえ」
58 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/06(水) 00:23:20.56 ID:+13Mbdt30
リタ「あの研究は簡単に言えば、魔道器(ブラスティア)の出力をあげる変わりに消費するエアルも何倍にも膨れ上がってしまうの」
リタ「あんたたちは知らないかもしれないけど、世界のエアルには限りがある」
リタ「エアルが枯渇してしまったら、世界にどんな影響が出るかわかったもんじゃない」
リタ「魔導器(ブラスティア)の使用制限だって考えなきゃいけない時期に、あんなのが世界に出回ったら取り返しのつかないことになる!」
リタ「だから私は封印したの…けど」
ジュディス「盗まれて、出回ってしまった」
リタ「そう…私の責任よ」
リタ「自己管理ができてない…研究者として失格ね」
リタ「凄く、危険な相手だってのはわかってる」
リタ「それでも世の中に出回ってしまった以上最後まで開発者が責任を持たなくちゃいけない」
リタ「…エステルとフレンから聞いたわ。あなたたちが執政官を一網打尽にしたって」
リタ「協力してほしいの。盗まれた研究の全てを消さなきゃ…資料も既に改造された魔導器も全部」
リタ「報酬は…そちらの言い値で払うわ」
59 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/06(水) 00:24:53.36 ID:+13Mbdt30
ジュディス「引き受けましょ」
レイヴン「ちょちょっとジュディスちゃん!?そんな安請け合いするような内容じゃないでしょこれ!?」
ジュディス「どちらにしろ『紅の絆傭兵団(ブラッドアライアンス』は調べるつもりだったんでしょう?ならいい機会じゃない」
ジュディス「それに、大分懐も厳しいんじゃなくて?」
ユーリ「…そうだな、今んとこ『紅の絆傭兵団(ブラッドアライアンス』を掴む取っ掛かりが無かったし」
ユーリ「やってみるよ」
リタ「…礼を言うわ」
リタ・モルディオ
−依頼人−
60 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/06(水) 00:26:05.97 ID:+13Mbdt30
今日はここまで
次はちょっと日が空きます
61 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/07/06(水) 00:51:08.09 ID:WoYcU9Nwo
そう言えば、リタとジュディスは腹違いの姉妹なんだっけ?
62 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/07/06(水) 03:29:27.92 ID:1FWKuXyDO
だな。ジュディスだけヘルメスが残したメッセージで気づいた。
…なんでリタに言わなかったんだろ
63 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/07(木) 22:39:37.22 ID:L+9XBv9I0
ダングレスト 酒場『紅の流星群』付近
レイヴン「『紅の絆傭兵団(ブラッドアライアンス』。老舗の傭兵ギルドで『ギルド連合組合(ユニオン)』の中でも武道派の筆頭。反面強引なやり方と依頼主とのトラブルが問題視されてる。団員がほとんど強力な武器を持ってる事から魔道器(ブラスティア)の研究施設を所有してるんじゃないかと噂されてる。そしてあそこがひいきにしてる酒場『紅の流星群』てわけよ」
ユーリ「解説どうも」
ユーリ「そういやおっさん、なーんか最近羽振りよくないか。前俺の家に置いてった酒、ありゃかなり上等なもんだ」
レイヴン「おっ!青年もわかるようになったねえ!いや聞いてよ、この前ドンにあった時ちょっと青年のことを」
ガシッ
ユーリ「…俺はなんも聞いてねえぞ」グググッ
レイヴン「あだだだだだだっ!痛い!痛いって!大したことは話してないってばよ!青年の邪魔にはならないって」
ユーリ「…ったく、こっちは金止められて四苦八苦してるってえのに、弟子の情報売って酒つかんでりゃ世話ねえなおっさん」
レイヴン「んもう、ちょっと青年がダングレストで動きやすくしただけじゃない」
ユーリ「一言言えっての」
64 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/07(木) 22:41:11.42 ID:L+9XBv9I0
レイヴン「ごめんごめん。おお出てきたわよ。あの眼帯のいかにも厳つい男が『紅の絆傭兵団(ブラッドアライアンス』の首領、バルボスだ」
バルボス「…行くぞ」
バルボス
−紅の絆傭兵団首領−
ユーリ「まるで海賊だな」
レイヴン「どうやら、新型の武醒魔導器(ボーディブラスティア)を使い始めてるってのは他のギルドでも噂になってるみたいねえ。威力が段違いらしいよ」
レイヴン「だけど他の市場には出回ってないみたい。技術を独占するつもりなのかねえ」
ユーリ「それならいいことだな。あいつらが持ってる魔道器(ブラスティア)を壊すだけですむ。やるなら早い方がいい」
レイヴン「そうねえ。やっこさん、最近忙しいみたいよ。今新しい魔道器(ブラスティア)と研究員を探してる」
ユーリ「根城はわかってるんだろ?何とか忍び込めないか」
65 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/07(木) 22:42:30.42 ID:L+9XBv9I0
レイヴン「ダングレストを抜けて北にある、ガスファロストの塔だねえ…見晴らしのいいさら地にあるし、空からでも難しいと思うよ」
ユーリ「そうか…あとはジュディとラピードに任せよう」
ギルドの巣窟 ダングレスト 郊外住宅
ユーリ「奴らは研究を武醒魔導器(ボーディブラスティア)に使ってる。外には漏らさず自分達だけで使ってるみたいだな」
レイヴン「今、ジュディスちゃんとラピードに尾行してもらって動向を探ってる。それだけのことをするなら、人と物資が必要だろうからねえ」
リタ「そうね…私の研究を活用するなら、そこらへんの技術者じゃ難しいと思うわ。アスピオでもそれなりの奴じゃないと無理よ」
ユーリ「てことは、既に向こうに優秀な技術者がいるのか?」
リタ「いやそれは無いわ」
リタ「あの改造技術をただの武醒魔導器(ボーディブラスティア)に施すのはナンセンスよ。見た目こそ派手だけどすぐに劣化が始まるわ。ちゃんとした研究者ならヘルメス式か大型の兵装魔導器(ホブローブラスティア)や水道魔導器(アクエブラスティア)にやった方がいいって気づくはず」
66 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/07(木) 22:44:10.91 ID:L+9XBv9I0
レイヴン「実はねえ…『紅の絆傭兵団(ブラッドアライアンス』は新しい武醒魔導器(ボーディブラスティア)をお披露目する少し前にモルディオって技術者をやとったらしいのよ」
リタ「!?…そいつが盗んで持ち込んだってわけね…!あったまくるーっ!!」
ユーリ「現状を見る限り技術者としては三流だったわけだ」
ユーリ「よし、アスピオの研究員に成り済まして奴の根城に潜入し、研究資料を取り戻して魔導器(ブラスティア)を破壊する」
リタ「ちょっとあんた。魔導器(ブラスティア)の知識あるの?潜り込んだ後どうすんのよ」
ユーリ「ん?誰が一人で潜入するって言ったよ」
リタ「……は?」
レイヴン「…大丈夫?」
ユーリ「準備が整うまで時間があるだろう。それまで特訓だな」
レイヴン「了解。じゃあバルボスに紹介できるよう設えとくよ。頑張ってね〜」
リタ「えっあのちょっと…!待てこらぁ〜〜!!」ズルズル
67 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/07(木) 22:45:59.34 ID:L+9XBv9I0
数日後
数日後
ダングレスト 酒場『紅の流星群』
リタ「うう……」
ユーリ「大丈夫だ、奴と腹芸すんのは俺。ただ堂々としてればいい」
リタ「わっわかってるわよ!きき…緊張なんて…してないんだから…!!」
ユーリ(へましてくれんなよ…来たか!)
バルボス「バルボスだ」
ジェイド(ユーリ)「アスピオから参りました魔導器(ブラスティア)研究員、ジェイド・カーティスです。こちらは助手のアニス・タトリン」
アニス(リタ)ペコッ
バルボス「遠路はるばるすまねえな。まあ座れや」
ジェイド(ユーリ)「失礼します」
バルボス「でってめえの研究てのはどんなのをやってんだ」
ジェイド(ユーリ)「どんなのと聞かれれば全般ですかねえ。武醒魔導器(ボーディブラスティア)から兵装魔導器(ホブローブラスティア)まで、アスピオではより高い出力を産み出して活用する方法を研究していました」
68 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/07(木) 22:47:41.73 ID:L+9XBv9I0
バルボス「なるほどな…アスピオではそれなりの地位にいたみてえだが、なんで俺らみたいなギルドに来たんだ?」
ジェイド(ユーリ)「それは帝国が愚かだからです。私達の研究を規則と規律で縛り、時に危険と判断すれば向こうが理解しよともせず口出しし て研究をストップさせてくる。黙っていれば高い軍事力を持てただろうに・・・全く残念な連中ですよ」
敵に潜入するときは、相手の思考、思想、行動理念、現在置かれている状況をできる限り調べておくこと。
そうすることで相手の要望に答えた人間を演じることができる。
もっともダングレストなら、帝国のやり方にウンザリした優秀な技術者は少々怪しくても引く手数多だ。
バルボス「で、帝国の水に合わずギルドに来たってわけか」
ジェイド(ユーリ)「ええ。私の研究を邪魔せず支援してくださるのなら、例え世間を武力で闊歩する傭兵集団でも構いませんからねえ」
バルボス「ガハハ!度胸はありそうだ。オイッ!」パチンッ
69 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/07(木) 22:50:03.73 ID:L+9XBv9I0
ゴトッ……
ジェイド(ユーリ)「これは……」
バルボス「うちのやつがチューンした武醒魔導器(ボーディブラスティア)だ。こいつをどう思う?」
ジェイド(ユーリ)「フム…失礼。なるほど、今までに無い発想ですね。変換機のアタッチメントから出力配線へ直接繋いで、エアルの出力を上げている…これは画期的です。これを考えたのはかなり優秀な技術者でしょう。
しかし、おしい」
バルボス「なにがおしい?」
ジェイド(ユーリ)「確かに出力は上がっていますが武醒魔導器(ボーディブラスティア)の場合その負荷に耐え切れず、寿命が短くなってしまいま す。私ならばもっと協力な魔導器か、大型の水道魔導器(アクエブラスティア)や兵装魔導器(ホブローブラスティア)で活 用させますねえ」
バルボス「兵装魔導器(ホブローブラスティア)に転用できるのか?」
ジェイド(ユーリ)「見た限り…ですが。もちろん、具体的な技術プランがあれば可能だと考えます」
バルボス「…いいだろう。俺の根城へ案内する」
リタ(やった!)
ユーリ(まずは第一段階成功だな)
70 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/07(木) 22:52:26.74 ID:L+9XBv9I0
紅の絆傭兵団(ブラッドアライアンス)根城
ガスファロストの塔
ジェイド(ユーリ)「これは凄い…塔そのものが巨大なエアル転換器になっているとは」
リタ(!…よく一目でわかったわね。けどこれ、多分それだけじゃない…)
バルボス「よくわかったな。これは俺が10年以上かけて作り上げた代物だ。下は兵共の宿舎で、上が研究施設になってる。上に行くぞ」
上階 研究施設
バルボス「紹介する。今ここを仕切らせてるモルディオだ」
アニス(リタ)ビクッ
モルディオ?「モルディオです。ここの研究主任を務めています」
ジェイド(ユーリ)「ジェイド・カーティスです。こちら助手のアニス・タトリン」
モルディオ?「よろしくカーティスさん。タトリンさんも」
アニス(リタ)プイッ
モルディオ?「?」
ユーリ(互いに面識はねーみたいだな…)
バルボス「俺は少し席を外す。モルディオ、案内してやれ」
モルディオ?「了解しました。こちらへ」
ジェイド(ユーリ)「ここに来る前に改造した武醒魔導器(ボーディブラスティア)を見ました。あれはあなたが?」
モルディオ?「ええ。私が改造しました」
71 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/07(木) 22:53:43.92 ID:L+9XBv9I0
ジェイド(ユーリ)「素晴らしい!あれは魔導器(ブラスティア)に革命をもたらす画期的な技術です。あなたもアスピオで研究を?」
モルディオ?「ええ…アスピオではそれなりに通っていたのですが…モルディオという名前聞いたことありませんでしたか…?」
ジェイド(ユーリ)「あいにく研究に没頭していたもので外のことには疎く…いやあしかしあれだけの発想の持ち主ならアスピオで名が通るのも納得 できます!
優れた研究者と共に研究できるならば冥利に尽きるというもの。このジェイド・カーティス、粉骨砕身ご助力いたします!」
モルディオ?「ええこちらこそ。協力していきましょう」
信用を得る簡単な方法は、有能で扱いやすい馬鹿を演じること。
利用されるふりをしながら、情報と証拠を引き出す機会をうかがう。
モルディオ?「…と、あらかたこんなところです」
ジェイド(ユーリ)「ありがとうございます」
バルボス「どうだ。ここの研究施設は気に入ったか?」
ジェイド(ユーリ)「ええ。とても有意義な研究ができそうです。ところで一つ提案があるのですが」
72 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/07(木) 22:55:32.68 ID:L+9XBv9I0
>>67
誤字失礼
あとところどころスペースミスってますね。申し訳ない。なんでだろ……
今日はここまで
73 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/08(金) 20:15:18.28 ID:JZBMShN00
バルボス「言ってみろ」
ジェイド(ユーリ)「さっそくですが先の改造技術を利用した兵装魔導器(ホブローブラスティア)の開発に着手したいのです。
詳しい研究資料をお見せいただきたいのですが…」
モルディオ?「………」
バルボス「………」
ユーリ(……どうだ?)
バルボス「…長旅で疲れたろ。今日はゆっくりしていけ。詳しい話はまた明日する」
ユーリ(……相談か)
ジェイド(ユーリ)「わかりました」
バルボス「おいっ、部屋に案内してやれ」
74 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/08(金) 20:15:58.45 ID:JZBMShN00
ガスファロストの塔 上階宿舎 個室
ユーリ(研究者は基本全員個室…大事にしてるみたいだな)
ユーリ(壁は厚い。これなら盗聴される心配は無いが、逆も難しいな)
アニス(リタ)「…もう大丈夫?」
ユーリ「ああ。ここなら盗聴の心配は無い」
リタ「……っはー……しばらくここで暮らすわけぇ?」
ユーリ「ま、そうなるな」
リタ「よくあんたあんなべらべらと出てくるわね。元詐欺師?」
ユーリ「只の便利やさ」
ユーリ「俺達の印象はかなりいいはずだ。うまくすれば、明日にでも研究資料とご対面できるぜ」
リタ「つっても、どうやって盗み出すのよ」
ユーリ「ここに来る前に話したろ?まずは奴らの信用を得る。そうすれば研究資料を持ち出せる機会も増えてくるさ」
75 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/08(金) 20:17:11.85 ID:JZBMShN00
リタ「そのために未完成の研究技術の続きを完成しないよう小出ししていく…今更だけどうまくいくの?」
ユーリ「大丈夫さ。なんとかなる。ま今はゆっくりしようや」
リタ「……」
ユーリ「……つらいか?」
リタ「まさか。……ちょっと…ほんのちょっとだけ………怖いかも」ボソッ
リタ「…っ!?ほっほんとにっ、ちょっとだけよ!?」
ユーリ「…いざとなりゃあ、お前だけ資料を取りに行かせるとかでいつでもここを出れるぜ」
リタ「馬鹿、研究はどうすんのよ。………ごめんもう言わないわ」
ユーリ「ん……」
リタ「……」
リタ「……ねえ」
ユーリ「ん?」
76 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/08(金) 20:17:56.56 ID:JZBMShN00
リタ「あんた、一体何の仕事してたの?」
リタ「ジェイドの時のあんたは雰囲気もまるで別人」
リタ「偽のモルディオとの会話でも、研究技術の話に普通についていってた」
リタ「この部屋に仕掛けが無いか調べるのも妙に手際よかったし」
リタ「まさか……本当に詐欺師?…それとも」
ユーリ「……ちょっと最近まで色々世界を駆け回っててな」
ユーリ「普通の人より、ちょっと人生経験濃いだけさ」
ユーリ「人間誰しも言いたくない過去の一つや二つあるだろ?」
リタ「…そうね」
ユーリ「さてと、あんま夜更かししないで早く寝ろよ」
リタ「子ども扱いすんなっ」
77 :
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[sage saga]:2011/07/08(金) 20:19:01.32 ID:JZBMShN00
翌日
バルボス「これが研究資料だ」
ジェイド(ユーリ)「ありがとうございます。おお…!これは…!!アニスも見ておきなさい」
アニス(リタ)「……」
リタ(間違いない…私が書いたのをそのまま使ってる…!)
バルボス「これで開発はできそうか?」
ジェイド(ユーリ)「ええ!すぐにプランを組みます。お任せください」
バルボス「返却するときは他の研究者に言え。じゃあな」
ユーリ「どうだ?これは複写か?」
リタ「そうね。私が書いたやつそのままだけど…」
ユーリ「けど簡単に貸してくれたな。よっぽど信用してくれたのか、それともここから持ち出せるはずが無いと高をくくってるかだな」
78 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/08(金) 20:19:30.85 ID:JZBMShN00
リタ「後者じゃない?来るときの警備も凄い厳重だったわ」
リタ「…どうするのよ。複写がどれだけあるかわからないし。原本だって……」
ユーリ「複写ならどこかにまとめておいて、原本は厳重に保管しているはずだ」
ユーリ「複写がまとめてあるところは予測がつく。他の研究者も取り出しやすいとこにあるはずだからな」
ユーリ「原本の方はまだわからないが、単純に考えればバルボスの部屋にあるはずだ」
ユーリ「潜入さえできれば見つけられる」
リタ「ホントに大丈夫なの…??」
ユーリ(これだけの研究施設、必ず貴族の支援者がいるはずだ)
ユーリ(バルボスの部屋ならその資料もおそらくある)
ユーリ(それに上階層は研究のためか、兵の数も最低限だった)
ユーリ(奴らの注意を下にひきつけることができれば……)
79 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/08(金) 20:20:36.63 ID:JZBMShN00
ユーリ「…窓か」
ガチャ
リタ「ん…結構風強いわね…雲も出てきたし」
ユーリ(下は兵の宿舎と、あれは…)
ユーリ「…!!」
ユーリ「リタ…」
リタ「?」
ユーリ「今夜潜入する」
80 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/08(金) 20:21:13.23 ID:JZBMShN00
夜 研究施設
研究員「先あがるぜ」
ジェイド(ユーリ)「はい。お疲れ様です」
傭兵A「今日は雷雨か…」
傭兵B「ここの周りなんもねえからな。今夜はうるさいぜ」
ジェイド(ユーリ)「……」
深夜
ジェイド(ユーリ)「……」
傭兵A「ふあ…頑張るねえ」
傭兵B「外はガンガンうるせえし…早く交代なんねえかなあ」
81 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/08(金) 20:22:01.81 ID:JZBMShN00
ジェイド(ユーリ)「…それではお先失礼します」
傭兵A「うい…お疲れ〜ねむ」
傭兵B「そういえば最近よく飛んでる鳥、今日は来なかったな」
傭兵A「いやさすがに今日は来ねえだろ……」
ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアンン!!!!!!!
傭兵A・B「!!!!!」
傭兵A「なっなんだ!?」
ラクライダー バシャゴヤニヒガツイタゾー ヤバイヒロガッテルー
傭兵B「おいやばくねえか!?」
バルボス「なにがあったっ!!」
傭兵A「ボス!落雷です!馬車小屋で火事が起こったようです!!」
バルボス「兵達を叩き起こせ!俺も行く!!」
バルボス(ちょうどいい…こいつを使うか)
82 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/08(金) 20:22:36.62 ID:JZBMShN00
リタ「はっ…はっ…窓から狙い打つのに…はっ…この上級魔術…めちゃめちゃ疲れるわね…」
リタ「しっかりとってきなさいよ…!」
バルボスの部屋
ユーリ「……さてと」
ガサゴソ ガサゴソ
ユーリ「お…金庫発見」
ユーリ(雨も止んできてる…十分時間はあるな)
ユーリ「このタイプは…よし……」
ユーリ(あった!他に……こっこれは!?)
ユーリ(……マジかよ………!!!)
ユーリ(っ!?予想より鎮火が早い!!)
83 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/08(金) 20:23:35.08 ID:JZBMShN00
上階層 廊下
バルボス「クク…あの魔核…思わぬ収穫だったな。あれほどとは…」
バルボス「ん…?ドア閉めたっけか…??」
ズンッ ズンッ ズンッ ズンッ
ユーリ(足音…バルボスか!?)
バルボス「………」
ズンッ ズンッ ズンッ ズンッ
ユーリ(クッ………!)
ガチャ
84 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/08(金) 20:28:46.46 ID:JZBMShN00
今日はここまで。バーン・ノーティス地上波放送終わっちゃいましたね…
見たことない人は是非レンタルで見てみてください。お勧めです。
85 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/09(土) 23:42:31.92 ID:EPa3j9Pd0
リタ「はあっ……やっと拭き終わったわ…」
ガチャン
リタ「おわあっ!?」
ユーリ「………」
リタ「ちょっとあんた!!なんで窓から入ってくるのよ!てかどうやって…」
ユーリ「バルボスと鉢合わせないように壁伝いに逃げてきた」
リタ「この外壁を…?よくやるわね……」
リタ「そうだあんた!原本は!?」
ユーリ「あるよ…だがだめだリタ」
リタ「えっ…?」
ユーリ「計画変更だ」
86 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/09(土) 23:43:21.70 ID:EPa3j9Pd0
ガスファロストの塔
正門前
ジェイド(ユーリ)「それじゃあ、アニス留守を頼みますよ」
アニス(リタ) コクッ
ガラガラカッガラッ
馬車内
バルボス「ジェイド。てめえが来てから研究は着々と進んでる。今日はダングレストでしっかり羽を休めてくれ」
ユーリ(監視はつけるけど、だろ)
ジェイド(ユーリ)「ええ、さすがに研究者でも溜まるものは溜まりますからね。今日はたっぷりとはき出させていただきますよ」
傭兵A「ははっ!技術屋も言うじゃねえか!てっきり枯れてんのかと思ったぜ」
傭兵B「俺はあんな助手つけてるからそういう趣味なんじゃねえかと思ってたけどよオ!」
ジェイド「はっはー。面白いことを言いますね。しかし残念ながら弾力溢れるさわり心地のある方じゃないと、勤労意欲がそそられないんですよ」
傭兵A「ちげーねー!」
傭兵A・B「ギャハハハハハハハハ!!」
バルボス「フッ」
87 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/09(土) 23:44:06.66 ID:EPa3j9Pd0
ダングレスト 大通り
ユーリ(ラピード…頼むぜ)
ポトッ……
バルボス「どうしたジェイド。行くぞ!」
ジェイド(ユーリ)「ええ」
ラピード「………」ヒョイ
バルボス「明日の昼に出発する。夜には酒場に来い。それまではゆっくり英気を養え」
ジェイド(ユーリ)「そうさせていただきます。それでは失礼」
88 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/09(土) 23:45:12.90 ID:EPa3j9Pd0
ガチャ バタン
バルボス「……」
バルボス「……おい、わかってるな」
監視傭兵「了解…」ザッ
ダングレスト 娼婦街
ジェイド(ユーリ)「ふんふ〜ん♪お!そこのあなた…今からいかがです」
娼婦?「あなたも好きね…いいわ。行きましょ」
監視傭兵(こんな昼間から…ホントに溜まってたんだな)
とある宿屋 個室
ユーリ「…さすがにここまでは来てねえな」
娼婦?「大丈夫みたいね」
ジュディス「リタは元気にしてる?あの娘結構我慢とか苦手そうだけど」
ユーリ「やってることは研究だからな。大丈夫だよ」
89 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/09(土) 23:46:16.11 ID:EPa3j9Pd0
ユーリ「それよりもまずいことになった。作戦を変更する」
ジュディス「…なにがあったの?」
ユーリ「……」
数日前
バルボスの部屋 潜入時
ユーリ(この手紙…騎士団の紋章!?それにこっちは評議会…)
ユーリ(バルボスの野郎…野心の塊とは思ったがここまでとはな…!!)
ユーリ「あれはアレクセイが直々に送った手紙だった」
ユーリ「バルボスは騎士団と結託してユニオンを潰し、ギルドのトップに立つつもりだ」
ジュディス「魔導器(ブラスティア)の研究はその一環てわけね…」
ユーリ「マジで戦争する気だったとはな…内容からしてもう準備段階に入ってる」
90 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/09(土) 23:47:26.52 ID:EPa3j9Pd0
ジュディス「…どうするつもり?」
ユーリ「決まってんだろ」
ユーリ「戦争する前に『紅の絆傭兵団(ブラッドアライアンス)』を潰す」
*****************
ユーリ「……と、こんな感じかな」
ジュディス「わかったわ。準備しておく」
ユーリ「さて…夜まで時間はまだあるな。どうすっか……」
ジュディス「……ねえ」
ユーリ「ん?」
ジュディス「ここまで来て、なにもしないのかしら?」
ユーリ「…ああわるかったよ、監視をまくにはこれしかなかったんだ」
ジュディス「…監視が外で待っててくれる保証はどこにもないわよ。そうなると不自然に思われるんじゃないかしら」
ユーリ「なんだ、もう執行猶予は終わ」
チュ……
ジュディス「ん……」
ユーリ「……」
ジュディス「…あなた、次第ね」
ユーリ「………」
91 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/09(土) 23:47:56.96 ID:EPa3j9Pd0
夜
ダングレスト 酒場『紅の流星群』
ジェイド(ユーリ)「くぅあ〜飲みすぎましたかね〜」
バルボス「ははっいい飲みっぷりじゃねえか。酒の飲める奴は好きだぜ」
ジェイド(ユーリ)「帝国で研究していたときは堅苦しかったんですよ。あいつらは私を認めず急かすだけでなにもわかっちゃいない」
ジェイド(ユーリ)「それにくらべてここはいい!研究に集中できますし女も買えれば酒も飲める」
ジェイド(ユーリ)「帝国なんてさっさと見限って正解でしたよ。アスピオの連中はみなこっちに来ればいいのに」
バルボス「…帝国のやつらがそんなに嫌いか?」
ジェイド(ユーリ)「ええ、もちろん」
バルボス「…話してえことがある」
ジェイド(ユーリ)「なんですか?」
バルボス「天下取りよ」
92 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/09(土) 23:48:37.35 ID:EPa3j9Pd0
今日はここまで。ちょっと日が空くかもしれません。
93 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/07/09(土) 23:49:55.84 ID:IwSQVpTBo
あるぇ?
>>90
の続きが見えない?
乙!
94 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/12(火) 22:50:42.84 ID:7Wwt6sjQ0
*****
ジェイド(ユーリ)「…なるほど」
バルボス「下っ端の奴らにまでもう伝えてある。てめえで最後さ」
ジェイド(ユーリ)「…喜んで協力させていただきます。ちょうど設計が終わった兵装魔導器(ホブローブラスティア)がありましてね…
さっそく実戦投入できるとは願ったりかなったりですよ」
バルボス「そうかそうか!そいつぁ頼もしい。今日からが本当の同志だ」
ジェイド(ユーリ)「そういえば兵装魔導器(ホブローブラスティア)についてなんですが…う〜ん」
バルボス「どうした、言ってみろ」
ジェイド「威力は十分にみこめるのですが、エアルの充填に問題がありましてね…塔中央のエアル転換器を利用できれば…」
バルボス「ほう…」
95 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/12(火) 22:51:28.37 ID:7Wwt6sjQ0
ガスファロストの塔
上階 研究棟宿舎
ガチャ
ユーリ「帰ったぜ」
リタ「おかえり。頼まれた設計書作っといたわよ」
ユーリ「おおさすが天才魔道士。頼りになります」
リタ「…ねえ、ほんっっっっっっとに大丈夫なんでしょうね!?」
ユーリ「なんだよリタ自身が作ったんだろ」
リタ「そっちじゃないわよ!あんたの計画、しくじったら私たちまでお陀仏じゃない!」
ユーリ「ジュディなら大丈夫だよ。俺を信じろって」
リタ「うう…人生で一番の心配だわ…」
ユーリ「もうサイは投げられたんだ。なるようになるさ」
96 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/12(火) 22:53:30.25 ID:7Wwt6sjQ0
数日後
ガスファロストの塔
バルボス「皆のもの…今日全ての準備が整う!!」
ウオー!! ボスー!! ウヒョヒョ-!!
バルボス「この新型の兵装魔導器(ホブローブラスティア)は、塔全体のエアル転換器を活用することで爆発的な火力と射程距離を生み出し、 ここガスファロストからダングレストを狙い撃ちにすることができる!!」
スゲー!! コレナララクショーダゼ!!
バルボス「だがユニオンを潰すのは第一歩に過ぎん!そのあとは騎士団だ!!兵装魔導器(ホブローブラスティア)の砲門を増やし
火力で奴らを圧倒する!!」
バルボス「これこそわれら『紅の絆傭兵団(ブラッドアライアンス』の天下の足がかり!記念すべきこの日を讃えろ!!おまえら!!」
ウォーーーーーーーー!!!!!!!
ガスファロストの塔
最上層
ジェイド(ユーリ)「それでは海上への試験射撃を行います」
バルボス「おう。始めろ」
ジェイド(ユーリ)「砲門開け!充填開始」
ゴゥンゴゥン
キュイイイイイイイイン
97 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/12(火) 22:54:01.75 ID:7Wwt6sjQ0
バルボス「おお…」
傭兵「塔全体が光ってるぜ…」
リタ(……ここ!!)
キュイイイン
モルディオ?「ん…なんだ??」
リタ(よし…3…2…1…行ける!)
リタ「準備完了よ!」
ユーリ「よし…」
モルディオ?「おい…なんのことだ??」
バルボス「ん…?」
傭兵「なんかおかしくねえか…?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・
モルディオ?「…これは?エアルが逆流している!?まずい!!」
98 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/12(火) 22:54:37.47 ID:7Wwt6sjQ0
モルディオ?「おいすぐに止めろ!!実験は失敗だ!!」
ユーリ「失敗…どこが??」
リタ「大成功よ!!」ダッ
バルボス「おい貴様ら!どこにいく!!」
傭兵「ボス!空から何か突っ込んできます!魔物か!?」
バルボス「なにいっ!?」
ユーリ「リタ!手ぇ握れ!!」
リタ「!?うんっ!!」
バッ
モルディオ?「飛び降りた…??なっ!?」
99 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/12(火) 22:55:45.41 ID:7Wwt6sjQ0
ガシッ
ジュディス「時間通りね」
ユーリ「ナイスキャッチ」
リタ「死ぬかと思ったわ…」
ジュディス「バウル、全速力で離脱して」
バルボス「あいつら…!!俺をだましやがったなあ!!!」
研究員「装置に細工がしてあって止まりません!!」
モルディオ?「だめだ…爆発する!に…逃げるんだ!!!」
ウワー!! キャー!!
バルボス「許さんぞ……絶対に許さんぞおおおおおおおおオオ!!!!」
キュイイイイイイイイイイイイイイイイイイン カッ
100 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/12(火) 23:00:41.18 ID:7Wwt6sjQ0
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101 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/12(火) 23:01:33.50 ID:7Wwt6sjQ0
ドカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン
ジュディス「!?くっ!」
ユーリ「うおっ!?」
リタ「きゃああああ!!?」
102 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/12(火) 23:02:22.17 ID:7Wwt6sjQ0
ガスファロスト〜ダングレスト近辺 上空
ジュディス「派手にやったわね…塔が跡形もないなんて…」
ユーリ「全部暴炎に消えたな…魔導器の改造研究も、バルボスの野望も」
リタ「……」
ユーリ「リタ」
リタ「……ごめんちょっと…」
ユーリ「…リタのおかげで戦争一つ起こさずにすんだんだ」
ユーリ「割り切るのは難しいかもしんねえけど、お前がいなかったら街が一つ戦火に巻き込まれてたんだぜ」
ジュディス「よく、頑張ったわね」
リタ「………うん」
ユーリ「さてと…そんじゃかえr」
「待てええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」
ユーリ・リタ・ジュディス「「「!!??」」」
103 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/12(火) 23:03:47.40 ID:7Wwt6sjQ0
バルボス「逃がさんぞ……!!……絶対に逃がさんぞ!!!」
リタ「魔導器(ブラスティア)を利用して空を飛んでる!?」
ユーリ「体半分吹っ飛んどいて、タフな野郎だ…!」
ジュディス「どうするの?」
ユーリ「下で受け止めてくれ。リタ援護頼むぞ!」バッ
リタ「えっ!ちょっと飛んっ!?」
バルボス「馬鹿が!!串刺しにしてやる!!」
ユーリ「どうかな!?」
バルボス「死n リタ「ファイアーボール!!」ボボンッ ぐあっ!?」
ユーリ「ご苦労様!!」ザシュ!!
バルボス「ぐ…がっ……!!」
ヒュウウウウウウウウ……
104 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/12(火) 23:04:55.37 ID:7Wwt6sjQ0
パシッ
ジュディス「これ結構痛いのよ」
ユーリ「わりいわりい」
リタ「……これで…もうホントに終わりよね…?」
ユーリ「ジュディ、ちょっとバルボスが落ちたとこに着けてくれないか」
リタ「え!?」
ジュディ「…バウル」
ダングレスト近辺の森林
バルボス「」
ユーリ「……」
リタ「さすがに死んでるでしょ……」
ジュディス「生きてたら人間じゃないわね」
ユーリ「……」
105 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/12(火) 23:06:01.06 ID:7Wwt6sjQ0
バルボス「…ぐっ」
リタ「!!??」
ジュディス「!」
ユーリ「……タフすぎだぜ」
バルボス「……やら…れ…た……ぜ………最…初から………こ…の」
ユーリ「……」
バルボス「アレ…ク…セイ………やつ……さえ……やれば…うまく……いく……はずが」
バルボス「……ジェイド………貴様……ゆる…さ……」
ユーリ「…ジェイドなんてこの世界にいねえよ」
ユーリ「俺はユーリ…ユーリ・ローウェルだ」
バルボス「ぐ……かっ……」ガクッ
ユーリ(………ん?こいつの魔導器(ブラスティア)の魔核……)カチッ
ジュディス「…行きましょ」
ユーリ「…ああ」
106 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/12(火) 23:07:10.37 ID:7Wwt6sjQ0
数日後
ダングレスト カフェテラス
カロル「号外っ号外〜!!『紅の絆傭兵団(ブラッドアライアンス)』壊滅の速報だよー!」
リタ「一部ちょうだい」モグモグ
カロル「はいっ毎度!号外っ号外〜!」
ユーリ「…騎士団の動きの方は、おっさんがドンに頼んでうまく牽制してくれた。まあ向こうはあんまり乗り気じゃなかったみたいだけどな」
ユーリ「あの偽モルディオ、おっさんに特徴いったら一応調べてくれたよ。デデッキていう詐欺師だったらしい。ま、関係ねえか」
ユーリ「『紅の絆傭兵団(ブラッドアライアンス)』の残党も続々捕まってるし、もうあの研究が世に出ることはないだろうよ」
リタ「……」モグモグ
コトッ……
リタ「……ありがとう。本当に助かったわ。あんたたちがいなかったら、こうはならなかった」
リタ「あんな死ぬ思いすんのはもうごめんだけどね」
ユーリ「そうか?興奮したろ」
リタ「もう二度とごめんよ!」
107 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/12(火) 23:09:16.26 ID:7Wwt6sjQ0
リタ「はい…これ」つお金
ユーリ「おい、こんなに… リタ「いいの!」
リタ「あんた報酬の話一回もしなかったじゃない。これぐらいしなきゃ私の気が治まらないわ」
リタ「こうみえてそこらへんでのこのこ生きてる奴より稼いでるんだから」
リタ「お金…必要なんでしょ」
ユーリ「…サンキュ」
リタ「それと…これも受け取って」つ指輪
ユーリ「これは…?」
リタ「ソーサラーリングよ。近距離だけどエアルを打ち出すことができるわ。なんか向こうでちょっと形変わっちゃったけど…」
ユーリ「いいのか?貴重品だろ」
リタ「…そんだけ感謝してるってこと。うまく役立てなさい」
リタ「さて…私はもう行くわ。エステルに解決したって伝えてくるし」
108 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/12(火) 23:10:58.65 ID:7Wwt6sjQ0
ユーリ「そうだ、フレンにこれ渡してくれ」つ魔核
リタ「これ…バルボスが持ってた奴?水道魔導器(アクエブラスティア)用の奴ね…」
ユーリ「元々別の持ち主のものだ。フレンが知ってるから届けてくれる」
リタ「わかった。それじゃあ…」
ユーリ「またな」
リタ「ん…またねえ」ヒラヒラ
レイヴン「あれ?天才魔導少女はもういっちゃったか」
ジュディス「あら残念。お茶をご一緒したかったのに」
ユーリ「ついさっきな…でおっさん手に入れたのか」
レイヴン「おうおう手に入れてきましたよ、結構苦労したのよ?まったくおかげで女の子の友達減っちゃうし……て聞いてる??」
ユーリ(………『紅の絆傭兵団(ブラッドアライアンス)』顧客リスト帝国貴族…前にみたリストと被ってる名前は…)
109 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/12(火) 23:11:25.04 ID:7Wwt6sjQ0
パタンッ
ユーリ「おいっ」
ジュディス「まだ前の貸し…返してもらってないんだけど」
ジュディス「そういえば最近、ダングレストの東に新しいショッピングモールができてたわねえ」
レイヴン「仕方ない…付き合ってあg ドゴッ アいダぁ!?」
ジュディス「新しい服が欲しいのだけれど…付き合ってくださる?」
ユーリ「…よろこんで」
レイヴン(あれ?いつもより仲いい?)
「ハード・カバー」終
カロル「ふう…やっと売り切れだあ」
カロル「ん?あれは……ナン!?」
カロル(うう…顔合わせずらいなあ)
カロル(話してるのは誰だろ…?見たことない人だなあ)
ナン「それじゃあ…」
ゴーシュ「ええ、よろしく」
ドロワット「先に行ってるよ〜ん」
ナン「……絶対に…倒す!」
To Be Continued
110 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/12(火) 23:13:52.90 ID:7Wwt6sjQ0
今日はここまで。次は土日に更新になると思います。
ドロワットの口調がわからない…
111 :
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(チベット自治区)
[sage]:2011/07/12(火) 23:19:49.02 ID:97SmwtOqo
乙
大爆発のAAが使われるとはwwwwww
112 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/16(土) 23:32:55.14 ID:zty5BuNk0
俺の名前はユーリ・ローウェル。
最近までスパイだった。
『君はクビだ、任務は中止』
クビになったスパイは最悪だ。貯金も職歴も奪われて
ハイ、それまでよ。
どんな仕事でも食らいつく。
仲間も頼りない。
喧嘩っ早い元カノ。
ジュディス「やっちゃったら?」
俺をギルドに売る相棒。
レイヴン「スパイってのはやんやうるさいのよねえ」
そして親友。
フレン「君の助けがいるんだ」
とにかく最悪だ。しかし
一体誰が何のために俺をクビにしたのか
絶対に突き止める。
113 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/16(土) 23:33:45.69 ID:zty5BuNk0
「スパイの戦友」
ギルドの巣窟 ダングレスト 裏通り
ジュディス「ねえ、もっと恋人らしくしなくていいの?」イチャイチャ
ユーリ「これぐらいで十分さ」
スパイと聞くと、頭脳と頭脳の情報戦や潜入捜査や
時には暗殺を辞さないスリリングな展開を想像するかもしれないが
実際は待ってる時間がほとんど。
雨だろうが照りつける太陽の下だろうが
ターゲットを涼しい顔でひたすら待ってる。
ユーリ「けど珍しいな。ジュディが張り込みに付き合うなんて」
ジュディス「たまには…ね。それに」
ユーリ「?」
114 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/16(土) 23:34:27.08 ID:zty5BuNk0
ジュディス「こういうのも、悪い気はしないわ」ギュ
ユーリ「……そうかい。ん、来たか」
???「……」
ジュディス「あれが海凶の爪(リヴァイアサンのツメ) ね……」
ユーリ「の下っ端だけどな。しかし暑苦しそうな格好だな」
ジュディス「わかりやすくていいじゃない。あら?」
ユーリ「ん?」
カロル「…」コソコソ
ジュディス「尾行してるのかしら?」
ユーリ「バレバレだぜあれ……」
ジュディス「どうするの?」
ユーリ「見ちまったもんはしょうがねえな」ハア
115 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/16(土) 23:35:53.72 ID:zty5BuNk0
カロル(…おっ曲がった!よし……)
ジュディス「はい、そこまで」ムギュ
カロル「ムッ!?ムグーーーー!!!!」ジタバタ
ユーリ「静かにしときな。なんで尾行なんてしてるんだ?」
カロル「ぷはっー!お兄さんたち誰??」
ユーリ「聞いてんのはこっちだっての」
ユーリ「子供が追いかける相手にしちゃあ、ちょっと火遊びが過ぎるんじゃねえじゃか」
ジュディス「それにあなた。向こうにバレバレだったわよ」
カロル「えっ!!嘘お!?!?」
ユーリ「ま、気づいてないわな。そんで、なんであんな危険な連中追ってたんだ?」
カロル(…危険?)
カロル「いっ言えないよ……」
ジュディス「力になれるかもしれないわよ」
116 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/16(土) 23:36:41.10 ID:zty5BuNk0
ユーリ「おい」
ジュディス「いいじゃない。私達の知らないことを知ってるかもしれないわ」
カロル「お兄さん達も今の人を追ってるの?」
ユーリ「まあな。で、なんでそっちは尾行なんてしてたんだ?」
カロル「う……」
ジュディス「場所を変えましょ。確認しに来るかもしれないわ」
ユーリ「だな」
ダングレスト 大通り カフェテラス
カロル「……僕はカロル・カペル」
ジュディス「ジュディスよ」
ユーリ「ユーリだ。じゃあ聞かせてもらおうか」
カロル「その…僕の知り合いの女の子が『魔狩りの剣』に所属してるんだ」
ユーリ「ハンターギルドの筆頭じゃねえか」
カロル「うん。でもこの前ダングレストでたまたま見かけたんだけど……」
117 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/16(土) 23:37:35.07 ID:zty5BuNk0
数日前 ダングレスト
カロル「ナン!」
ナン「カロル?どうしてここにいるの?」
カロル「今新聞ギルドのお手伝いしてたんだ…さっきの人たちは?」
ナン「!!…カロルには関係ない」
カロル「けど、さっきの人たち『魔狩りの剣』の人たちじゃなかったよね?
それに倒すって…」
ナン「詮索しないで。あなたはもう『魔狩りの剣』人間じゃないわ。さよなら」
カロル「あ!まってよナン!!」
カロル「それで今僕なりに『魔狩りの剣』について調べてたんだ」
カロル「そしたら『魔狩りの剣』が違うギルドと提携しているって噂を聞いて」
ジュディス「どうしてそこまで調べたのかしら?あなたには直接関係ないように見えるけど」
カロル「う…その…以前に僕も『魔狩りの剣』に所属してて…どうしても気になっちゃって…」
118 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/16(土) 23:38:51.41 ID:zty5BuNk0
ジュディス「……」
ユーリ(魔狩りの剣と海凶の爪(リヴァイアサンのツメ)に関係が?)
ユーリ「その提携してるギルドってのはわかったのか?」
カロル「ううん。それがわからないから、さっきの人をつけてたんだ」
ユーリ「なるほどね…カロルっていったな。もう調べるのはやめとけ」
カロル「えっ」
ジュディス「そうね。危険だわ」
カロル「!?それならなおさら…!!」
ユーリ「子供1人にどうこうできる相手じゃねえんだ」
ジュディス「気になる女の子のことを知りたいなら、もっと別のアプローチの方がいいわよ」
カロル「う…けど…」
119 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/16(土) 23:40:07.25 ID:zty5BuNk0
ユーリ「今だって尾行ばれてたし、俺達が止めなきゃ殺されてたかもしれないんだぜ」
ユーリ「こそこそするよりは、その女の子のとこにいって何か力になれないか聞きに行った方が建設的なんじゃねえか?」
カロル「う…うん…そうだよね…」
ユーリ「じゃ、話は終わりだ。もうこんなことすんじゃねえぞ」
ジュディス「じゃあね。カロル」
カロル「えっ!もういっちゃうの!?」
ユーリ「俺達も暇じゃないんでな」
ジュディス「気をつけてね」
カロル「あっ」
カロル「…」ポツーン
*********************
ジュディス「…やっぱり後つけられちゃったわね」
ユーリ「処理するしかないか」
???「……」バッ!
120 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/16(土) 23:45:03.78 ID:zty5BuNk0
今日はここまで。
しかし難しいな…
121 :
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(チベット自治区)
:2011/07/17(日) 21:58:25.20 ID:B08wQ+t+o
乙
やっぱユリジュディ最高
122 :
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(チベット自治区)
[sage]:2011/07/17(日) 22:03:21.87 ID:kZqmUoOeo
強くてニューゲームなTOAみたいなのもあったな
途中で作者消えちゃったけど
123 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/18(月) 22:58:41.54 ID:pQyYnoI10
ダングレスト 郊外住宅
キイ…バタン
レイヴン「おっお帰りー。首尾はどうだったの?」
ユーリ「ちょっと邪魔が入ってな。また出直しだ」
レイヴン「あらー。でもちょうどよかったかな」
ユーリ「?」
レイヴン「知り合いに困ってる人がいてねー。ちょっと青年達に力を借りたいなーなんて思ってるわけよ」
ジュディス「ふふ退屈しないわね」
ユーリ「…暇じゃないんだがな」
レイヴン「ふふん。このレイヴン様をなめちゃあいかんよ。なんと今回のトラブルの相手はあの『海凶の爪(リヴァイアサンのつめ)』」
ユーリ・ジュディス「!」
レイヴン「どう?話でも聞いてみない?」
ユーリ「…わかったよ」
124 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/18(月) 23:00:54.10 ID:pQyYnoI10
ダングレスト カフェテリア
レイヴン「おっ来た来た」
カウフマン「ごめんなさい。ちょっと仕事が手間取っちゃって…!?」
ユーリ「!!」
ジュディス「?」
レイヴン「あれ?知り合い?」
カウフマン「お久しぶりね」
ユーリ「ああ…元気そうだな」
レイヴン「あれー?どういう関係よお二人さん。おっさん知らなかったわよ」
ジュディス「……」
ユーリ「仕事のときよく船に乗せてもらってな。移動には世話になったんだ」
カウフマン「元婚約者よ」
ジュディス・レイヴン「!?!?」
ユーリ「」アチャー
メアリー・カウフマン
−依頼人ー
125 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/18(月) 23:01:39.61 ID:pQyYnoI10
*****************
レイヴン「えーと、じゃあ、お仕事の話にいって…」アセアセ
ジュディス「……」ニコニコ
ユーリ「……」
カウフマン「いいわ。そのために来たんだから」
カウフマン「二週間前、『海凶の爪(リヴァイアサンのつめ)』から物資輸送の依頼を受けたの。カプワ・トリムからノードポリカへね」
ユーリ「!」
カウフマン「うちは信用商売だから、信頼できる客としか商売はしない…今回は部下が独断で取引したのよ」
カウフマン「まあこれは言い訳ね。私も忙しくてある程度部下に任せてたから」
カウフマン「仕事自体は普通に進んでたわ。運ぶのは武器と食料…ノードポリカに行くなら別段珍しい輸送じゃなかった」
カウフマン「けど部下が積荷を確認したときよ」
カウフマン「剣の柄の中、盾のカバーの中、果実の中…契約にない魔核がごろごろ出てきたわ」
126 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/18(月) 23:03:09.31 ID:pQyYnoI10
レイヴン「やけにお粗末な密輸だねえ。それぐらい少し確認すりゃばれるだろうに」
ジュディス「魔核ぐらいなら、自分達で運べばいいんじゃなくて?」
カウフマン「最近騎士団が輸送にやけに目を光らしてるのよ。個人の所有レベルを超える魔導器の輸送は制限されてる」
レイヴン(…妙だな。そんな話は聞いてないが)
カウフマン「密輸に気づいた部下はすぐに輸送を取りやめたわ。…しかし向こうはあきらめなかった」
ユーリ「…部下を人質に取られたか」
カウフマン「そう。部下の命が惜しければ、輸送を再会しろってね」
ジュディス「最低ね」
ユーリ「で騎士団や『天を射る矢(アルトスク)』に知らせても命はない、だから俺達のとこに来たと」
カウフマン「…その通りよ。レイヴンの紹介ってことで半信半疑だったけど、あなたなら安心して任せられるわ」
レイヴン「ちょっとそれどうゆう意味!?」
カウフマン「ユーリお願い。もちろん見合った報酬は出すわ。元婚約者のよしみで…ね」
ジュディス「やればいいんじゃない?元婚約者さん?」ニコニコ
ユーリ「…聞いちまったしな。やるよ」
カウフマン「人質にされた場所はカプワ・トリムよ。そこの輸送はチェックしてたから、まだ街のどこかにいるはず」
レイヴン「よし、じゃあ準備しますかね」
127 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/18(月) 23:03:53.99 ID:pQyYnoI10
ダングレスト〜カプワ・トリム バウルで移動中
レイヴン「にしても青年、まさかあんな婚約者がいたなんてどういうことよ?」
ユーリ「元だ。海を渡るのと情報集めるのに世話になったんだよ……過去の話だっての」
ジュディス「世話になっただけで婚約はしないわよね。向こうはあなたを見たときとても嬉しそうだったわ」
ユーリ「もう終わった関係だよ。向こうも納得してな」
ジュディス「そうかしら?自分の都合で突然姿を消して、なし崩しに解消したんじゃないかしら?」
レイヴン(い…いづらい)
ユーリ「だから…」
レイヴン「空が綺麗だねーバウル君」
バウル「?」
ラピード「ワンッ」
128 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/18(月) 23:05:01.54 ID:pQyYnoI10
カプワ・トリム
ユーリ「……」
ジュディス「……」
レイヴン「えーとお、あそこの女の子が今回の首謀者みたい」
ゴーシュ「……」
ゴーシュ
−海凶の爪所属−
ユーリ「大分若いな」
レイヴン「あいつはゴーシュだね。『天を射る矢(アルトスク)』でもマークされてた『海凶の爪(リヴァイアサンの爪)』の懐刀だ」
レイヴン「近くの孤児院に宿泊してる。出身地なのかね?」
ジュディス「どうやって人質を取り返すつもり?」
ユーリ「アジトを探るのが第一だな。人質さえ取り返せば終わりだ」
レイヴン「あいよ。じゃあ地道に尾行するとしましょうかね」
129 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/18(月) 23:07:54.23 ID:pQyYnoI10
一日後
ジュディス「大分警戒してるわね」
ユーリ「1日連絡を取り合ってるだけ。アジトを探らせない作戦ってわけか」
ユーリ「時間がない。直接情報を引き出そう」
レイヴン「ふふん、ここは目には目を歯には歯を作戦で行きましょ」
ユーリ「人質には人質を…だな」
レイヴン「一人になったところを狙うとして…ジュディスちゃんが適役かなあ、ここは」
ジュディス「?」
********************
ゴーシュ「!…誰!?」
ジュディス「ごめんなさい。驚かすつもりはなかったの。あなたがあそこの孤児院から出てきたものだから…」
ゴーシュ「……?」
ジュディス「ああ覚えてないわよね…あなたも小さかったし、私はすぐに引き取られたから…」
ゴーシュ「あなた…ぐっ!?」ドコッ
ドサッ……
ラピード「……」
ジュディス「ごめんね」
130 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/18(月) 23:15:48.72 ID:pQyYnoI10
今日はここまで。なんとか完結できるよう頑張ります。
131 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/07/18(月) 23:19:16.64 ID:QUtpS/m2o
乙
ユーリェ……
132 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/20(水) 23:18:28.30 ID:uYhhVDCK0
********************
カプワ・トリム 倉庫
ユーリ「やけに広い倉庫だな」
レイヴン「カウフマンが貸してくれてね。さあ準備といきましょ」
ユーリ「このコンテナを改造するか」
ユーリ「奴の様子はどうだジュディ」
ジュディス「組織に忠実ね。拷問でもなんでもどうぞって」
ユーリ「猿ぐつわで言ったのか?」
ジュディス「目でそう言ってた」
レイヴン「こっちの狙いが人質だと思われたくないし、組織を狙ってるギルドと思わせましょ」
ユーリ「そうだな」
捕虜から情報を引き出すとき、つい拷問器具を思い浮かべるが
それはサディストのすることだ。うまくはいかない。
情報を得るには相手に逃げ場も自由もない世界を作り出すこと。
食事も 寝場所も 昼夜の区別さえも
全てを支配下に置く
尋問の時には相手を混乱させ
何をされるのかと不安に陥れる
未来も命も自分が口を割ることにかかっていると
133 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/20(水) 23:20:00.43 ID:uYhhVDCK0
レイヴン「うん、上出来」
ジュディス「尋問部屋と拘置部屋はどうして分けるのかしら?」
ユーリ「リラックスできるスペースも必要だろ」
ジュディス「?」
ユーリ「後でわかるさ」
**************
バッ
ゴーシュ「くっ」(眩しいっ…)
レイヴン「やあゴーシュちゃん」
ゴーシュ「あんたどこの誰よ!?なんでこんなこと…」(顔がよく見えない…)
ゴーシュ「騎士団?ギルド?…まあなにをしたって無駄よ」
レイヴン「まあまあ。おっさんのことはおっさんと呼んでくれ」
レイヴン「おっさんお嬢ちゃんとのことが知りたくってさあ。お嬢ちゃんのことぜーんぶ話して欲しいのよ」
ゴーシュ「ばっかじゃないの?ロリコン!変態!」
レイヴン「地味に傷つくわね……まあおっさんもお嬢ちゃんのことをまったく知らないってわけじゃあない」
レイヴン「お前がただの雑魚だって事はな」
ゴーシュ「…!!」(雰囲気が変わった)
レイヴン「雑魚と大魚の違いは知ってるかい?」
レイヴン「大魚は捕まると食われるが、雑魚は捕まっても放してもらえる」
レイヴン「漁師を怒らせない限りはな」
134 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/20(水) 23:27:09.40 ID:uYhhVDCK0
レイヴン「ふう…お互いのために色々と仲良く慣れない?」
レイヴン「じゃなきゃ一生暗い密室で暮らすことになるよ」
ゴーシュ「…そう悪くないわ」
レイヴン「そういえば君あそこの孤児院出身?何の罪もない子供をどうにかしちゃうのは、おっさん気が滅入っちゃうよ」
ゴーシュ「っ!?……………」
ゴーシュ「好きにすれば?私には関係ない」
*******************
レイヴン「見かけによらず精神がタフだねえ彼女」
レイヴン「一ヶ月も監禁すりゃ話は別だろうけど、それじゃあ時間がかかりすぎ」
ユーリ「じゃ、ここは"同じ立場の友人"が必要だな」
レイヴン「おっさんは声で分かっちゃうだろうし、青年が適役かな」
ジュディス「女の子と二人きり?あなたがそういう人だと思わなかったわ」
ユーリ「好きでやるんじゃねえよ。口を割らせるためだ」
レイヴン「じゃ二人部屋の準備をしなくちゃね」
**********
ユーリ「じゃ、やってくれ」
ジュディス「…いくわよ」
メイクや血のりは残念ながら至近距離だとばれる。
拷問を受けた傷を演出するには
実際に殴られるしかない
ジュディス「ふっ!」ドゴッ
ジュディス「はっ!」バキッ
ユーリ「ぐっ!っつ!おいジュディ…気合が入りsがっ!」バキッ
ジュディス「舌、かむわよ」ニコニコ
レイヴン「おお怖」
135 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/20(水) 23:30:59.87 ID:uYhhVDCK0
カプワ・トリム 倉庫
レイヴン「今日はお仲間を連れて来てあげたわよー仲良くしてね」
ガチャン
信頼を得るには時間がかかる
まずは相手を疑って見せるのが効果的
???(ユーリ)「なるほど…てめえが裏切り者か」
ゴーシュ「!?…あんた誰?」
???(ユーリ)「口を割りやがったな…!!」
ゴーシュ「…何の話?」
???(ユーリ)「とぼけるな!…俺は黙ってた…なのにおまえはかすり傷一つない…!!」
ゴーシュ「っふざけないで!」
???(ユーリ)「やつらにいくらもらった!?」
ゴーシュ「落ち着きなさいよ…!」
???(ユーリ)「……」バッ!
136 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/20(水) 23:34:45.07 ID:uYhhVDCK0
ゴーシュ「くっ!」
戦い方には本性が現れる
徒手空拳でも騎士団流の戦い方をすれば一発でばれるし
ここは『海凶の爪』の独特の動きを真似るのが得策
もちろん勝たなければ元も子もない
ガシッ
ゴーシュ「ぐっ」ギリギリ
???(ユーリ)「何を話した…!?」ググッ
ゴーシュ「何も話してない…!!あっ…あぐう…!!」ギリギリ
???(ユーリ)「正直に言え!!」グッ
ゴーシュ「本当に話してない!!イエガー様に誓う!!」
???(ユーリ)「……」バッ
ゴーシュ「ケホッ!…ハァ…ハァ…ハァ…」
???(ユーリ)「…わかった」
ゴーシュ「ハァ…ハァ…ハァ…あんた誰よ」
137 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/20(水) 23:35:40.48 ID:uYhhVDCK0
スパーダ(ユーリ)「ヘリオード支部のスパーダだ…ゴーシュだろ?物資を輸送してた」
ゴーシュ「…!!」
スパーダ(ユーリ)「ヘリオードじゃ俺が騎士団に取り入って目を瞑らせてた」
ゴーシュ「……」
スパーダ(ユーリ)「だがへリオードの支部は潰された。カプワ・トリムにも手が伸びてる」
ゴーシュ「っ誰が!?」
スパーダ(ユーリ)「おそらく『天を射る矢(アルトスク)』の連中だ。お前はなんで捕まったんだ?」
ゴーシュ「…突然女に襲われたの…」
スパーダ(ユーリ)「俺達の本拠地の場所を?」
ゴーシュ「!何も話してない!!」
スパーダ(ユーリ)「奴らはお前の配達時間もボスの好きな酒も知ってた!!」
ゴーシュ「知らないわよ!!森の中なら隠れて監視ぐらいできるじゃない!ダングレストからも近いんだし!」
ゴーシュ「私は言ってない!!」
スパーダ(ユーリ)「……絶対に言うなよ…」
ゴーシュ「……」
138 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/20(水) 23:41:33.76 ID:uYhhVDCK0
今日はここまで。続きはまた後日
139 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/07/21(木) 23:19:17.70 ID:3jPfggapo
乙乙
スパーダwwwwww
140 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/22(金) 22:57:06.48 ID:g98I98k20
********
レイヴン「なるほどねえ。まあダングレストからそう遠くはないと思ってたけど」
ジュディス「人質はカプワ・トリムから出てないんでしょう?なら今は探しても無駄足ね」
ユーリ「いい傾向だ。あいつは狙いが人質だと思ってない」
いい尋問は相手に偽の世界を描いてやること
組織は崩壊寸前 友人は裏切り者 大事な情報は無益
レイヴン「ガム食べる?」
ゴーシュ「……」
レイヴン「そうだいい知らせよ!じきに全て片がつく」
レイヴン「お嬢ちゃんは用なしになるよー」
ゴーシュ「用なしなのに尋問してるの?ばっかじゃない?」
レイヴン「白状するチャンスをやるのさ」
レイヴン「来週背徳の館に踏み込む。情報をよこしな。手遅れになるぞ」
ゴーシュ「」プッ
レイヴン「…迷うのは分かるけどね。じっくり考える時間をやろう。知恵袋をかぶってね」
バサッ
ゴーシュ(くっまた何も見えない…!?なにっこの匂い!?)
ワンワンワンワンワンワン!!!
レイヴン「一人じゃ寂しいだろうから癒しのアニマル達も用意したよ!じゃあねー」
ガチャン
141 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/22(金) 22:58:31.66 ID:g98I98k20
ユーリ「落ちそうか?」
レイヴン「もう少しだろうね。匂いもきついだろうし。あラピード君はいい匂いよ」
レイヴン「何時間も放置すれば、青年に会えて大喜びするさ」
ジュディス「鬼畜の所業ね」
レイヴン「相手はああ見えて人質取るような相手よ?拷問するより大分紳士ですよおっさんは」
ユーリ「こっちもなりふり構ってられないからな。カウフマンに経過を報告してくるぜ」
ジュディス「私もいくわ。いいでしょ?」
ユーリ「ああ」
カウフマン「なるほど。うまくいきそうなの?」
ユーリ「今のとこはな。人質のことは向こうから接触あったか?」
カウフマン「いいえ」
ユーリ「わかった。じゃあまた連絡するぜ」
カウフマン「大分昔より頼もしくなったわね。危うさがないわ」
ジュディス「そうなの?」
ユーリ「おい」
カウフマン「ええ。子供っぽいところが抜けてるわ。昔ならこんな搦め手使わなかった」
ジュディス「ふーん。そうなの」
ユーリ「昔の話は好きじゃねえな」
カウフマン「信頼度が高いってことよ。手放すのはやっぱり惜しかったかしら」
ジュディス「あとで詳しく聞きたいわね。色々と」
カウフマン「ふふっ」
ユーリ「」ハァ
142 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/22(金) 23:03:05.61 ID:g98I98k20
*********
スパーダ(ユーリ)「何時間も尋問されて無傷か?」
ゴーシュ「頭に袋をかぶせられて放置よ!犬は臭いしうるさいし最悪」
スパーダ(ユーリ)「…そりゃ幸運なこった」
ゴーシュ「…なにが言いたいの?」
スパーダ(ユーリ)「毎日情報が漏れてる!!」
ゴーシュ「…わかってる。来週背徳の館に踏み込むって…」
スパーダ(ユーリ)「奴らおまえがギルドの奴を人質に取ったことも言ってたぞ!やはりお前が…」
ゴーシュ「違う!何も言ってない!!誰かが…誰かが私達を売ったのよ…」
ゴーシュ「それに人質の場所は私しか知らないわ…」
スパーダ(ユーリ)「だがボスとの関連を知られたら…」
ゴーシュ「ちゃんと部下に命じてあるわ」
ゴーシュ「私以外の誰かが来たら人質を殺せと」
ゴーシュ「………」
スパーダ(ユーリ)「……悪かったよ」
スパーダ(ユーリ)「あんたを疑うべきじゃなかった」
ゴーシュ「…大丈夫よ。人質は明日私が来なかったら部下が処理してくれる」
スパーダ(ユーリ)「……」
143 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/22(金) 23:06:36.60 ID:g98I98k20
短いですが今日はここまで。日曜にまとめて投下したいと思います。
144 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/24(日) 15:41:02.66 ID:tCvU8fTz0
*****************
レイヴン「そいつはまずいね。明日までにどうにかしないと」
ジュディス「本拠地はわかってもこれじゃあ意味がないわ」
ユーリ「…逃走させよう。解放じゃ奴が疑う」
レイヴン「少しギャンブルだね。大丈夫かい?」
ユーリ「やつは俺を信用してる。段取りを決めよう」
ユーリ「けりをつけるぜ」
*****************
ゴーシュ「なにウロウロしてるのよ」
スパーダ(ユーリ)「じきに片がつくといってた。その後は俺達を一生監禁しておく気だ」
スパーダ(ユーリ)「もし出られても殺される」
ゴーシュ「殺される?誰によ」
スパーダ(ユーリ)「イエガーにだよ!!奴は疑う!俺達が口を割ったと!」
ゴーシュ「互いの証人になれば大丈夫よ。黙ってたって」
スパーダ(ユーリ)「のどを切られた後にか?ここから逃げよう」
145 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/24(日) 15:41:46.42 ID:tCvU8fTz0
スパーダ(ユーリ)「人質を移動させてイエガーに知らせれば…」
ゴーシュ「そんな、逃げられるわけがないわ!」
スパーダ(ユーリ)「俺を信じるか?」
スパーダ(ユーリ)「……」コクッ
スパーダ(ユーリ)「お前に命を預けていいか?」
ゴーシュ「…ええもちろん」
スパーダ(ユーリ)「…尋問にしらを切って殴られたときにこいつを取った」つクリップ
スパーダ(ユーリ)「手錠さえ外せれば脱走できる」
スパーダ(ユーリ)「死んで元々だ。一緒に来るか?」
ゴーシュ「扉の外で捕まるわ」
スパーダ(ユーリ)「ここは本物の拘置所じゃない。あとで移動させる気だ」
コツッ コツッ コツッ
スパーダ(ユーリ)「やつらが来た。今決めるんだ。今!」
ゴーシュ「」コクッ
スパーダ(ユーリ)「壁に繋がれたら看守の気をそらせ。手錠を外すから」
「スパーダ!」
スパーダ(ユーリ)「いいな!」
ゴーシュ「わかった!」
146 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/24(日) 15:42:29.16 ID:tCvU8fTz0
レイヴン「少しは話す気になったか?」
ゴーシュ「こんなことしても意味ないわ!」
レイヴン「黙りな」
ゴーシュ「仲間は大勢いる。あんたたちがなにものだろうと必ず見つけ出して殺すわ」
カチッ カチッ
レイヴン「生きて出たいなら黙ってな」
レイヴン「行くぞ」
ドカッ
レイヴン「なっ!?うおっ!?」
偽の戦いを見せるのに難しいのは
致命傷を負わせずに本気に見せること
訓練で手加減は教わらない
効率よく相手を殺す技ばかりだ
パンチが当たる直前に拳を開けばダメージが分散される
スパーダ(ユーリ)「ルァッ!!」ブン
レイヴン「ガハッ!」バキャ
肩へのキックも派手だがダメージは少ない
スパーダ(ユーリ)「くっ!!」
レイヴン「ぐおっ!!」ドカッ
147 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/24(日) 15:43:12.47 ID:tCvU8fTz0
バキィィイイイ
ドサッ
ゴーシュ(牢の外に…!スパーダ…!!くっ見えない)
「待てやめろ!殺さないで!ああああ!!」
ズバンッ!!!
……………
ゴーシュ(………!!)
ザッ
ゴーシュ「スパーダっ!!」
ガチャン チャリィン……
スパーダ(ユーリ)「行くぞ」
*****************
ゴーシュ「あの男は?」
スパーダ(ユーリ)「息の根を止めた。確認するか?」
ゴーシュ「いや…いいわ。早くイエガー様に伝えないと」
スパーダ(ユーリ)「手ぶらじゃボスには会えない」
スパーダ(ユーリ)「忠誠を示さなきゃ。人質はどこだ?」
ゴーシュ「……」
スパーダ(ユーリ)「人質は!?」
ゴーシュ「…案内するわ」
148 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/24(日) 15:43:52.46 ID:tCvU8fTz0
*****************
スパーダ(ユーリ)「ここか?」
ゴーシュ「ええ。部下がいるから動いてないわ」
ドンドン
ゴーシュ「私よ」
ガチャ
部下「今までどこへ」
ゴーシュ「人質を移動させるわ」
部下「何?そっちの男は?」
ゴーシュ「スパーダなら大丈夫よ!早く!」
ゴーシュ「移動よ。早く動きなさい!」
トクナガ「ひいっ!?」
スパーダ(ユーリ)「移動先は?」
ゴーシュ「とりあえず武器を保管してる場所へ…」
スパーダ(ユーリ)「そこじゃ奴らに知られてる可能性がある!」
ゴーシュ「じゃあどこへ!?」
スパーダ(ユーリ)「港の近くに秘密の場所がある…」
ゴーシュ「そこは安全なの?」
149 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/24(日) 15:44:39.44 ID:tCvU8fTz0
スパーダ(ユーリ)「お前の部下を護衛に連れてく。あんたはイエガーに警告しに行け。ははっ俺たちヒーローになれるぜ」
ゴーシュ「ふふっそうね。スパーダの指示に従って!信頼できるわ」
ゴーシュ「…この恩は忘れないわ」
スパーダ(ユーリ)「お互い様さ」
ザッ
部下「場所は」
ユーリ「ここで十分さ」
ジュディス「月光!」
部下「?!?!」ドサッ
ラピード「ワゥオォオン!!」
レイヴン「は〜いみんな動かないでねー」チャキ
150 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/24(日) 15:45:23.85 ID:tCvU8fTz0
ゴーシュ「イエガー様!」
イエガー「ゴーシュ…?あなたはカプワ・トリムでミッションがあったはずですが?」
ゴーシュ「ユニオンに拘束されたんです!ヘリオードの支部も潰されたって…!ここにも奴らが攻めてくる!!」
イエガー「今ヘリオードでビジネスはしていませんよ?」
ゴーシュ「え・・・でもっスパーダが!」
イエガー「ワット?スパーダ?」
ドロワット「ゴーシュちゃん、人質は…!?」
ゴーシュ「……!!」
151 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/24(日) 15:46:21.75 ID:tCvU8fTz0
一日後 カプワ・トリム
トクナガ「ありがとうございました!ユーリさん達は命の恩人です!」
レイヴン「後は『天を射る矢(アルトスク)』が責任を持って護衛するよ」
カウフマン「ありがとね…これ取っといて」つ報酬
ユーリ「いらねーよ。それよりも調べて欲しいことがある」
カウフマン「あなたも変わらないわね。どう?私たちまたやり直せるんじゃないかしら?」チラッ
ジュディス「……」ニコニコ
ユーリ「生憎、もう隣は埋まってるんでな」
カウフマン「あら残念。でなにを調べてほしいの?」
ユーリ「ここ1ヶ月の海凶の爪と騎士団の渡航と運搬記録が欲しい。わかる範囲で構わない」
カウフマン「うちは信用商売なんだけどね…いいわ助けてもらったし」
カウフマン「さてと、じゃあ私は行くわ」
ユーリ「ああ」
カウフマン「…」
ジュディス「…」
カウフマン「頑張ってね。鎖でもまいとかないと逃げちゃうわよ」
ジュディス「ええ。そうしとくわ」
152 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/24(日) 15:47:08.65 ID:tCvU8fTz0
ダングレスト
ユーリ「カウフマンと会ったのは駆け出しの頃だ。最初はギルドに取り入るための付き合いだったけど、妙に気が合ったな」
ジュディス「そう」
ユーリ「しばらくはギルド・ド・マルシェを拠点にして利用してるギルドを調べあげてた。横領してる貴族とかも引っかかるし、そこで仕事の腕をあげた」
ユーリ「自然にカウフマンと過ごす時間も多くなって…それで、婚約した」
ユーリ「そんなときジュディに会った」
ジュディス「初めて会った時は、マイティ・コングマンだったわね。今よりもワイルドだった」
ユーリ「ノード・ポリカの時な。それは忘れてくれ……」
ジュディス「あら、あの時のあなたも素敵だったわよ。ちょっと馬鹿っぽかったけど」
ユーリ「…カウフマンとは、やっぱり立場が違った。あっちはギルドのボスで俺はスパイ。ずっと一つの場所にはいられない」
ユーリ「それになにより…他の人を愛しちまって、婚約は続けられなかった」
ジュディス「……最低ね」
ユーリ「そうだな。でも」
ユーリ「ジュディには知って欲しかった」
ジュディス「それに卑怯者」
ユーリ「ああ」
ジュディス「それと……」
ユーリ「……」
ジュディス「不器用な人」
153 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/24(日) 15:47:52.93 ID:tCvU8fTz0
カロル「ナン!」
ユーリ「おっ?」
ジュディス「あらっ?」
ナン「カロル…!?」
カロル「ナン…話を聞いて欲しいんだ」
ナン「何度いえば…ってどうしたの!?傷だらけじゃない!」
カロル「やっと倒せたんだ…ちゃんと約束を果たしたよ。これならナンも認めてくれるでしょ」つエッグベアの爪
ナン「これっ…1人で挑んだの?」
カロル「うんっ!」
ナン「馬鹿っ!!!」
カロル「」ビクッ
ナン「死んじゃうかもしれないじゃない!!しかも化膿してるし…これちゃんと手当てしたの!?」
カロル「え…あ、うん応急処置ぐらいはできるし…」
ナン「こんなのじゃ全然だめよ!ちょっときて!!」ガシッ
カロル「えっあのちょっとっ!」
ズルズル
154 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/24(日) 15:48:43.19 ID:tCvU8fTz0
ユーリ「前途多難そうだな」
ジュディス「人のこと言えるのかしら」
ユーリ「好きだぜジュディ」
ジュディス「今日は帰るわ」
ユーリ「ナチュラルにシカトするなよ」
ジュディス「ふふっ」
ユーリ「宿まで送ろうか?」
ジュディス「いいわ。そこまでか弱くはないもの」
ジュディス「変なしがらみもないし」
ユーリ「ジュディ」
ジュディス「なに?」
ユーリ「おやすみ、また明日な」
ジュディス「…おやすみなさい」
「スパイの戦友」 終
155 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/24(日) 15:49:35.75 ID:tCvU8fTz0
ダングレスト 郊外住宅
キィ…ガチャン
ユーリ「……っ!?誰だっ!?」チャキ
???「ブラーボ!実にブラーボ!!」
イエガー「ビューティフルな御手並みネ。完全にこちらが出し抜かれました」
ユーリ「……」
イエガー「安心してくださーい。ユーとバトルしに来たわけではナッシングね」
ユーリ「勝手に人の家に上がりこむやつの言うことじゃねえな。俺からバトル仕掛けることは考えねえのか」
イエガー「ノンノン。ユーにそのアクションはおこせませーん」
ユーリ「……」
イエガー「ミーの事は、ご存知ですか?」
ユーリ「『こちらが出し抜かれた』か……あんたがイエガーか」
イエガー「イグザクトリー!……全くバッドネスネ。損害と賠償を請求しマ−ス」
156 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/24(日) 15:50:33.93 ID:tCvU8fTz0
ユーリ「はっ。嘘つけよ」
ユーリ「あんなお粗末な密輸、阻止してくれって言ってるようなもんだ」
ユーリ「お前は乗り気じゃなかった…。だからあんな見え見えの手口で失敗することを望んだ」
イエガー「ハッハー。インタレスティングな推理ね」
イエガー「けど今は関係ナッシン。本題に入りマース」
ユーリ「のんきに家で待っててくれたって事は単純に仕返ししに来たわけじゃなさそうだな」
ユーリ(こいつ…どうやって俺のことを)
イエガー「グッド。話が早くて助かりマース」
イエガー「ユーとはビジネスの話があってきました」
ユーリ「ビジネスね。俺の身内の誰を使って脅すつもりだ?」
ユーリ「生憎、俺の周りには自分で解決しちまう奴が多くて心配できねえんだが」
イエガー「そう…ユーのフレンズはベリーストロング……バット」
イエガー「ザーフィアスのダウンタウン…」
ユーリ「!?」
イエガー「あそこのピーポーはベリーホット。シチューは実にデリシャスね」
ユーリ「てめえ…!!」
イエガー「…今日はもうゴーホームね。また連絡しマース」
ユーリ「……」
イエガー「オォウ。二つほどいい忘れてました」
157 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/24(日) 15:51:13.55 ID:tCvU8fTz0
イエガー「今度ミーをサーチしたり、妙なアクションをしたら命の保障はナッシングね」
ユーリ「ハッ」
イエガー「もう一つは」
イエガー「ユーのバーン・ノーティス(解雇通告)については…フォゲッツするほうが身のためデース」
ユーリ「…!!!」
イエガー「シーユー」
バタン
To Be Continued
158 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/24(日) 15:52:10.30 ID:tCvU8fTz0
今日はここまで。次はちょっと日が空くと思います
159 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/07/24(日) 22:21:22.62 ID:xCBmp7wmo
なかなかワクワクする展開になってたな!
乙!
あと、ユーリとジュディスの宿屋での仕事話以降の部分をkwsk
160 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/25(月) 00:20:38.33 ID:JiOfkVkk0
>>155
イエガー「イグザクトリー!……全くバッドネスネ。損害と賠償を請求しマ−ス」
損害と賠償ってなんだよ…
すいません 損害→謝罪 でおねがいします。
>>159
エロ描写って難しいorz
後回しになると思いますが頑張ってみます。
161 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/07/29(金) 22:12:15.65 ID:2Ih5Ru7e0
>>1
です
現在書き溜め中…もう少々お待ちを
162 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/08/03(水) 16:16:02.09 ID:aHfYUHJ2o
期待
163 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/04(木) 21:03:00.50 ID:9fUxMe830
「襲撃」
ダングレスト 新騎士団詰め所
エステル「わざわざお手伝いありがとうございます」
リタ「サボるんじゃないわよ」
フレン「じゃあ、その荷物はこっちにおいといてくれ」
ユーリ「あいよ」
フレン「…ありがとう手伝ってくれて。もう君は騎士団に関係ないのに」
ユーリ「気にすんな。前にも言ったろ。協力できることがあったらするって」
フレン「そうだったね…。あ、それを運んだら次はこっちを頼む」
ユーリ「ちょ、まだあんのかよ」
ユーリ「ふぅ…」
レイヴン「おっす!青年お疲れさん」つ飲み水
ユーリ「サンキュ。しかしホント、よくダングレストに詰め所なんて許したな。「天を射る矢(アルトスク)」は一体何をたくらんでんだ?」
レイヴン「まったくね。他のギルドはめちゃめちゃ反対してるし。ま、じいさんのことだ。なんか考えがあるんでしょ」
ユーリ「あ?おっさんも知らされてねえのか」
レイヴン「そ……予想はつくけどね」
ユーリ「そんじゃあ…… ???「おいお前」
ユーリ「なんだよ、またあんたか」
ソディア「騎士に向かってその態度はなんだ。フレン隊長の友人だからといって、怪しい行動をすれば即座に切り捨てるぞ」
ユーリ「いちいちしつけえな。俺はここの手伝いをしてるだけじゃねえか」
ソディア「地面に座り込んで談笑するのがお前の手伝いなのか?」
ユーリ「休憩するたびに突っかかってくりゃそうなるわな。騎士って結構暇なのか?」
ソディア「減らず口を…!!」
164 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/04(木) 21:03:58.06 ID:9fUxMe830
レイヴン「まあまあまあまあ!二人とも落ち着いて!」
ソディア「貴様もなんだ!作業員ではないな…!」
レイヴン「『天を射る矢(アルトスク)』からの使いだよ。責任者に合わせてもらいたいんだけど」つ書状
ソディア「む…話は通っている。少し待て」
レイヴン「彼女中々熱いねえ。いいなーおっさんもお仕事の合間に絡まれたい!」
ユーリ「喜んで譲るぜ。こっちはもうこりごりだってn ???「おいお前」
ユーリ「今度は…ったく」
ゴーシュ「…イエガー様がお呼びだ。ついてこい、"ユーリ・ローウェル"……!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
レイヴン「もてもてだねえ青年。フレン君に言い訳はしといてあげるよ」
ユーリ「」ハァ
ダングレスト 裏路地
コツ コツ コツ コツ コツ
ユーリ「よかったな。イエガーが優しい奴で」
ゴーシュ「……」
ユーリ「普通なら粛清されてもおかしくねえ。大失態だ」
ユーリ「よっぽどイエガーに気に入られてたみたいだな。ま、あんなずさんな密輸じゃ失敗するのも当たり前だ。」
ユーリ「イエガーか有能でも部下がこれじゃあ…」
ゴーシュ「黙れぇ!!」ブンッ
ユーリ「!」ガキンッ
165 :
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[sage saga]:2011/08/04(木) 21:04:54.72 ID:9fUxMe830
ゴーシュ「お前がっ…お前さえいなければっ…!!」ググッ
ユーリ「おいおい…イエガーは俺を利用したいんだろ…?また任務失敗しちゃうぜ…?」グググッ
ゴーシュ「くっ…!」キィン
ユーリ「……」
ゴーシュ「人質がいるのを忘れるな…次余計な事を言ったら手遅れになるわよ」
ユーリ「あいよ…」
ゴーシュ「入れ」
ユーリ「…」ガチャ
イエガー「グッドイブニングね。ご機嫌いかが?」
ユーリ「最悪だな。こっちの事情は無視ってことか」
イエガー「オフコース。ミーがユーのディスティニーを握っているネ」
ユーリ「一つ教えてくれねえか。一体どこから俺を突き止めたんだ?」
ユーリ「さっきの女から辿るにしてもいくらなんでも早すぎだ。別口から仕入れたか、元々マークしてなきゃあのタイミングで接触するのは無理だと思うんだがな」
イエガー「…」
ユーリ「解雇通告について探るなって言ってたな。なら俺がしてた仕事についても知ってるな」
ユーリ「なんでたかだかチンピラギルドの長がそんなことを知ってんだ?誰から聞いた」
イエガー「ユーには伝えたはずネ。これ以上サーチしないほうが身のためと」
ユーリ「…」
166 :
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[sage saga]:2011/08/04(木) 21:06:18.82 ID:9fUxMe830
イエガー「さて、ミッションの話ネ」
イエガー「ユーにはある物を取ってきてもらいまーす」
ユーリ「もの?」
イエガー「詳細はこのマップにある場所に行ってからネ。そこに男がいるので共同作業してもらいまーす」
ユーリ「…」
イエガー「ミッションは今からスタートネ。わかったらさっさとレッツゴー」
ユーリ「…」ガチャ
ユーリ(イエガーは解雇通告について知っていた。だが)
ユーリ(はたしてただ知っているだけなのか。それともなにか関わっているのか)
ユーリ(おそらくは…。カウフマンに頼んだリストがくればもっと確信がもてるんだが…)
ユーリ(…)
ユーリ(今は…従うしかないな)
ユーリ(場所は…)ピラッ
ダングレスト 騎士団詰所付近
ユーリ「またここか…」
???「…」
ユーリ(あいつ…)
167 :
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[sage saga]:2011/08/04(木) 21:07:07.35 ID:9fUxMe830
騎士団の詰所近くに立っている人間の職業は、そいつの身のこなしの仕方で判断できる
一般人なら暇潰しに道行く騎士を見物
騎士団の所属なら私服でも姿勢がよくなる
ギルドの人間なら見に覚えがなくても警戒するのが常識
サングラスで旅行マップなんて見てる奴は
スパイから見れば重要人物だ
ユーリ「おいあんた」
???「…」
ユーリ「あんたが俺のパートナーか?」
???「…」
ユーリ「なんかある物を取ってこいとか言われたんだが、パートナーってことでいいんだよな」
???「…お前がユーリ・ローウェルか。いいだろう、ついてこい」
ユーリ「おい待てよ」
???「なんだ」
ユーリ「一体どこで何を取るんだ?詳細はあんたに聞けって言われたんだがな」
???「…これから騎士団の第二宿舎に向かう。お前が騎士団の連中を引き付けてる間に俺が物をとってくる」
???「最近出入りしているお前なら騒ぎを起こすのも容易いだろう」
ユーリ「なるほどね…けど一体どこで何を盗むつもりなんだ。詳細を教えてくれよ」
???「貴様が知る必要はない」
168 :
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[sage saga]:2011/08/04(木) 21:08:24.96 ID:9fUxMe830
ユーリ「いいやあるね。一体どれだけの時間を稼げばいいのか。物は他人から見られても怪しまれないものなのか。特にどこにいる人間を引き 付けてほしいのか。不足の事態が起こったときの中止の合図はどうすんのか」
ユーリ「任務を成功させるには綿密な計画と情報の共有が不可欠、だろ。じゃなきゃ、俺は動こうにも動けないぜ」
ユーリ「あんたもそれは困るだろ」
???「…ふん」
???「同類…か」
ユーリ「?」
???「俺はあの勝手口から入る」
ユーリ「となると、付近の4、5人ってとこか」
???「五分あれば十分だ。俺は騎士服を着て入るから、中に入ってしまえば警戒されない。物も携帯できるものだ」
???「あとはそうだな、中止と成功の合図はこれだ」スッ
ユーリ「わかった。あと名前ぐらい教えてくれよ」
クレイ「…クレイと呼べ」
ユーリ「おいてめえ」
ソディア「おまえ…!なにしにきた」
ユーリ「よくも盗みやがったなこのコソドロ野郎がっ!!さっさと出しやがれ!」
ソディア「!!誰がコソ泥だ!言いがかりをいうな!」
ナンダナンダ ドウシタ ナニヤッテル
ユーリ「おかしいと思ったぜ!だから仕事をしてる最中おれに付きまとってやがったんだな!」
ユーリ「フレンにも同情するぜ。こんなコソ泥が部下なんてよ!」
ソディア「なっ!貴様取り消せ!!もう一度言ってみろ!!!!」チャキ
169 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/04(木) 21:09:39.65 ID:9fUxMe830
ユーリ「何度だっていってやるさ、この騎士の風上にも置けねえコソ泥女がっ!!」
ソディア「貴様あ!!!!」ブンッ
ユーリ「うおっ!!てめえやる気か!」
オイヤメロ ナニヤッテンダ ケンヌイテルゾ
エステル「どうしたんです!?」
リタ「何の騒ぎよ?」
フレン「おいっ何をしている!」
ソディア「フレン隊長!こいつが言いがかりで侮辱を!!」
ユーリ「てめえが認めねえだけじゃあねえか!フレンこいつを取り押さえろ!」
エステル「ユーリ!?」
フレン「二人とも落ち着け!!ソディアは剣を抑えるんだ!」
ユーリ(まだか…)
ソディア「しかし隊長!こいつがっ」
ユーリ「そうだ!てめえに剣を振る資格なんざねえ!」
ソディア「なっ!このっ!!」ブンッ
フレン「ソディアやめろ!ユーリも挑発するな!!」
ソディア「この男がっ!!」
ユーリ「この女が悪いんだっ!」
フレン「やめろと言ってるのがわからないのか…!!」チャキ
ユーリ(クレイまだかっ……!)
ソディア「くっしかし!!」
ユーリ「どうしたもう終わりか!騎士のくせに体力も」
フレン「黙れえ!!!!!」
ソディア「」ビクッ
170 :
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[sage saga]:2011/08/04(木) 21:10:27.27 ID:9fUxMe830
クレイ「…」スッ
ユーリ(やっとか…)
フレン「…ソディアは自室で待機。ユーリはここに残れ。僕が話を聞く」
ユーリ「…わりいちょっと頭に血が上っちまった。出直すよ」
フレン「いいや残ってもらう。これだけの騒ぎにしたんだ。ちゃんと話してもらうまで返すわけにはいかない」
ユーリ「…わかったよ」ハァ
リタ「……」
翌日
ダングレスト 郊外住宅
ユーリ「ふぅ」ガチャ
レイヴン「おうお帰り。また一騒ぎやったんだって?」
ユーリ「やりたくてやったんじゃねえよ。おかげで一晩フレンの説教だ。やれもう少し大人だと思った、思慮深い奴と思ったとかな」
レイヴン「青年完全にチンピラだったもんね。それは仕方ない」
ユーリ「仕方ないですんでよかったよ。…でそっちはどうだ」
レイヴン「ん…ラピード君がうまくやってくれたよ。ジュディスちゃんが今空から追ってくれてる」
ユーリ「あいつは名前をクレイといってた。ジェスチャーと身のこなしの仕方がザーフィアスのある剣術流派に似てる。調べといてくれるか?」
レイヴン「了解」
ユーリ「カウフマンからリストは来たか?」
レイヴン「もちろん届いてるよ。中身見たけど…青年の読みは当たりみたいだね」
ユーリ「どれ…」パラッ
レイヴン「魔道器(ブラスティア)の輸送制限と騎士団の輸送経歴…どうみてもきな臭い匂いがぷんぷんするねえ」
ユーリ「そして騎士団暗部の一斉解雇…か?」
171 :
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[sage saga]:2011/08/04(木) 21:11:49.81 ID:9fUxMe830
レイヴン「おっ気づいてたの」
ユーリ「渡航と荷物の記録とをみればわかるさ。あきらかに連絡が減ってる、一人や二人じゃない」
レイヴン「そうね…。こっちの新聞記事にもある」
ユーリ「これは…」
レイヴン「青年と同時期に魔道器調整員が変死。この死に方は見捨てられた感じだね、バックアップに」
ユーリ「なるほどな…イエガーの方はどうだ?」
レイヴン「そっちはまだ調査中。騎士団のつながりはまだ確証が ユーリ「嘘だろ」…なにっ?」
ユーリ「イエガー…名前を聞いたときずっと引っかかってた」
ユーリ「昔見た人魔戦争の戦死者名簿だ。キャナリ小隊…イエガー」
レイヴン「…死人じゃない」
ユーリ「生きてるじゃねえか。あんたも、ダミュロン」
レイヴン「…ふう、まさかそんな資料まで見てるなんてね。見掛けによらず勉強熱心ねえ青年」
ユーリ「おっさんの教え方が鬼だったんだよ。おかげでいらねえ知識もたっぷりだ」
レイヴン「生き残るため。役に立ってるでしょ?」
ユーリ「まあな。で、本当のとこどうなんだ?イエガーは」
レイヴン「よくわかんない」
ユーリ「おい」
レイヴン「おっさんがいたころはアレクセイと繋がってたよ。けど今はどうかねえ」
ユーリ「繋がってるなら色々しっくりくるんだがな」
レイヴン「アレクセイがやばいことしようとしてるってこと?」
ユーリ「ああ、輸送制限直前を狙った大量の『海凶の爪(リヴァイアサンのつめ)』の魔道器の輸送…このギルドが武器の受け皿になってるなら」
レイヴン「そして同時期の一部暗部の解雇…ね。けどそうなると」
172 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/04(木) 21:12:37.22 ID:9fUxMe830
レイヴン「イエガーはなんで青年に接触してきたのかねえ」
ユーリ「反乱の際信用できない暗部は解雇、けど腕は確かだから切り捨てるのもたやすいギルドで再雇用ってとこじゃねえか」
レイヴン「ふむ…じゃあ青年はもう復職できたってこと?」
ユーリ「殴るぞ」
レイヴン「そっそんな本気で怒んないでよ…冗談だって」
レイヴン「でもどうすんだい。いくら情報が集まったって人質がいるんじゃあ言いなりよ?」
ユーリ「イエガーのやろうとしてることを探って隙を見つけるしかない」
ユーリ「今は従うが、必ず元に戻るさ。イエガーに借りを返してな」
レイヴン「わかったよ。じゃこっちは調べ物に戻りますか」
ユーリ「サンキュ……なあ」
レイヴン「ん?」
ユーリ「こんなこと言うのもなんなんだが…なんでここまでしてくれるんだ?」
ユーリ「仕事を教わったつながりはあったが、おっさんは引退した身でこっちは首だ」
ユーリ「…あんたには何の利益もねえじゃねえか」
レイヴン「……」
173 :
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[sage saga]:2011/08/04(木) 21:14:05.18 ID:9fUxMe830
数年前…
レイヴン『ちょっと青年、いくらなんでも詰め込みすぎんのも体に毒よ。もう休んどきなって』
ユーリ『ハアハア…っそうかな……』ガクッ
レイヴン『そうそう。短い時間でちゃんと休むのもスパイのスキル。続きは十分後ね』
ユーリ『ハア…ハア…ちっくそっ……』バタン
レイヴン『どっこいしょ…ちょっと聞いていいかい?』
ユーリ『ハア…なんだよ』
レイヴン『いやね…青年を見てるとあんま、お国のために!って感じで頑張ってるとは思えなくてね。なにが青年をそうさせるんだい?』
ユーリ『………』
レイヴン『まっ、言いたくないならいいんだけどね』
ユーリ『…一回しか言わねえからな……誰にも言うなよ』
レイヴン『おう、口の堅さには定評あるのよ』
ユーリ『……俺は』
レイヴン「…青年の目があまりにも真っ直ぐだったからかな」キリッ
ユーリ「なんだそりゃ」
レイヴン「青年も知らず知らずの内にいろんな人に影響与えてるってこと。じゃあねー」ガチャ
ユーリ「…ごまかし下手すぎねえか?」
174 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/04(木) 21:14:45.19 ID:9fUxMe830
今日はここまで。ペースが遅くなって申し訳ない。
175 :
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[sage saga]:2011/08/06(土) 22:30:19.91 ID:gqkoa2HS0
ザーフィアス 貴族街
ジュディス「追ってたらこんなとこまで来ちゃったわ、退屈ねえラピード」ナデナデ
ラピード「ワオウ……」
ジュディス「あなたの主人は今何をしてるのかしら。色々とたらし込んだりしてなければいいのだけれど」
ラピード「クーン…」
ジュディス「やっぱり無理よね…自分のことも他人のこともちゃんと見えてるのに見ようとしない…そういう人」
ジュディス「なのにふとしたときに温かさを見せるのだから…普段抜き身の刃みたいなのにね」
ラピード「ワウっ」
ジュディス「ふふっ、あなたも負けず劣らずかっこいいわよ」ナデナデ
ジュディス「!」
クレイ「…」
ジュディス(貴族の格好?やけに様になってるわね)
???「…確かに受け取った。さっさと消えなさい」
クレイ「…」ペコッ
ジュディス(この家は…)
176 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/06(土) 22:31:11.16 ID:gqkoa2HS0
ダングレスト 郊外住宅
ジュディス「今クレイは空き家で宿を取ってるわ。アジトにしてるみたい」
ユーリ「ありがとさん。しかしキュモールねえ…」
ジュディス「知り合いなの?」
ユーリ「一回会ったことがある。まあ平民を見下してる典型的な下衆貴族だ」
ガチャ
レイヴン「おっジュディスちゃんも戻ってたの」
ユーリ「さっきな。おっさんはなんかわかったか?」
レイヴン「クレイの素性がわかったよ。ザーフィアスに居を構えてる貴族の長男だ。容姿も一致してる。青年が言ってた流派の師匠に弟子入りして貴族からは勘当同然、で今は行方不明扱いになってるね」
ジュディス「ふーん。だから様になってたのね」
ユ−リ「なにがだ?」
ジュディス「貴族の格好してたのよ」
レイヴン「もうひとつ情報。そのクレイの師匠は殺人事件の被害者で現在も捜査中、弟は数日前に変死。クレイの元婚約者が行方不明になってる」
ユーリ「クレイがやったのか?」
レイヴン「そこまではなんとも。もうちょっと調べてみるよ。クレイの痕跡はまだけっこうあるのよ」
ユーリ「わかった。…じゃ俺は行くかな」
レイヴン「イエガーかい?」
ユーリ「ああ、今度は何を言いつけられるのやらな」
ジュディス「…ねえどうしてそんな回りくどいことをするのかしら?」
177 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/06(土) 22:32:02.56 ID:gqkoa2HS0
ジュディス「イエガーを倒したらそれですむんじゃなくて?」
ユーリ「イエガーとアレクセイがなにをしようとしてるのかわからない。今は動くには情報がなさすぎだ」
ジュディス「あなたらしくないわね…」
ユーリ「ん?」
レイヴン(……)
ジュディス「そんなにやけになって戻るほどの仕事かしら。スパイの仕事って」
ジュディス「問題を解決するだけなら、もっと簡単な方法があると思うわ。フリーの何でも屋…なにが不満なの?」
ユーリ「……ある日、持っていた物を奪われた。だから取り返す。そんなに不思議か」
ジュディス「…そう」
ユーリ「…行ってくるぜ」ガチャ
ジュディス「………」
レイヴン「…そんなにスパイに戻ろうとするのが不思議かい」
ジュディス「私には、その価値がわからないわ」
レイヴン「そうだね…でも」
レイヴン「青年のことを思うんなら、聞かずに自分で考えてみたほうがいいんじゃない」
ジュディス「それぐらいわかってるわ」ガチャ
レイヴン「うん、青春だねえ」
178 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/06(土) 22:32:55.12 ID:gqkoa2HS0
数日後
ダングレスト 某所
マーカム「んありがとー」
ヨシュア「ありがとねー」
ユーリ(魔道器に普通名前書くか?)
ユーリ(けど『遺構の門(ルーインズゲート)』か…クリーンなギルドって話だが…『魔狩りの剣』もそうだし、パイプがあるのか?)
ユーリ「ふう…とりあえずこれで終わりか」
レイヴン「ちょいちょい青年っ」
ユーリ「ちょっとおっさん。ここじゃまずいだろ」
レイヴン「大丈夫。今監視はいないよ。緊急で伝えなきゃいけないことがあってね」
ユーリ「なにがあった」
レイヴン「キュモールが死んだよ」
ユーリ「!」
レイヴン「三日前、自宅に入ったところを頭から唐竹割りにされたらしい。犯人は不明。現在も調査中だ」
ユーリ「…イエガーか?」
レイヴン「いやわからない。けどイエガーとキュモールの繋がりは確実だ」
ユーリ「…」
レイヴン「ヘリオードでイエガーと密談してたのをルブランが見てた。問い詰めてもはぐらかされて、アレクセイに報告しても何もなかったらしい」
ユーリ「まさかルブランから確証が取れるとはな」
レイヴン「ああ見えて有能よ彼」
179 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/06(土) 22:33:41.29 ID:gqkoa2HS0
ユーリ「けどますますわかんねえな。イエガー、アレクセイと繋がってるなら誰がキュモールを?」
レイヴン「…調べるだけ調べてみるよ。ごめんねこんなもんで」
ユーリ「いや、わざわざありがとな。ジュディにも警戒するよう伝えてくれ」
レイヴン「あいよ」
ダングレスト 郊外住宅
ユーリ(…ん?)
スパイの殉職状況 第一位は潜入先で敵に発覚した時
第二位は尾行中に後ろからグサリ
そして第三位は つい気を抜いてしまう自分のアジトで敵が待ち伏せ
『自宅に入ったところを頭から唐竹割りにされたらしい』
ユーリ「…」ガチャ
ガキン!!
ユーリ「くっ!」キィン
???「ほぉう、今のを防ぐかぁ」キィン
ユーリ「……」
ザギ「はははっ!中々楽しめそうだなあ…ユーリ・ローウェル…!!」
180 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/06(土) 22:34:19.44 ID:gqkoa2HS0
今日はここまで。つづきはまた後日
181 :
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[sage]:2011/08/06(土) 23:46:56.70 ID:uEPn0X2DO
乙乙
182 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/09(火) 21:28:54.38 ID:/w+X3R1Y0
キィン ガキン! キィン
ユーリ「ちっ!」
ザギ「ははっ!!」
ユーリ「…やるな、誰に頼まれた」
ザギ「ははははっ!いいな!いいよお前!!ユーリぃ…ユゥゥゥリぃい!!」
ユーリ「聞く耳もたずかよ…!」
ガチャ
ジュディス「!ユーリ!!」
ラピード「ガウ!!」
ユーリ「来たか!」
ザギ「くくっ…また会おうぜ…ユーリぃぃ!!」バリィン
ラピード「ガゥゥ!!」ダッ
ジュディス「大丈夫?」
ユーリ「ああ…」
183 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/09(火) 21:29:29.98 ID:/w+X3R1Y0
********************************
レイヴン「…そいつはザギだね。その道じゃ名の知れた暗殺者だ」
ユーリ「キュモールをやったのもあいつか。手口が同じだ」
レイヴン「問題は誰が雇ったかだねえ…青年を狙ったってことはイエガーの線は薄そうだし」
ユーリ「だな…俺はまた今日の夜にイエガーに呼び出しだ」
ラピード「ワン」
ジュディス「あら、おかえり」
ユーリ「ラピード」
ラピード「クーン…」
ユーリ「…そうか、気にするな。お前が無事でよかった」
ジュディス「今度はザギを雇った相手?なんだか混乱しちゃうわ」
レイヴン「そうねえ。問題は重なるばっかりで解決してないから」
ユーリ「…クレイの方はどうだった」
ジュディス「いつもどおりよ。アジトの位置も変えてないわ」
184 :
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[sage saga]:2011/08/09(火) 21:30:02.31 ID:/w+X3R1Y0
クレイ『同類…か』
ユーリ(…同類)
ジュディス「なにか気になる?」
ユーリ「いや…」
レイヴン「じゃおっさんは仕事に行ってくるよ。最近サボりすぎてドンに睨まれちった」
ユーリ「うまくやれよおっさん」
ジュディス「……」
レイヴン「あいよ〜あ、新しい家手配しとくね。ここはもうまずいでしょ」
ユーリ「ああそうだな」
レイヴン「じゃあねー」ガチャン
ユーリ「…どうしたんだ、黙り込んで」
ジュディス「…死ぬところだった」スッ
ユーリ「…こんなのいつもじゃねえか」
ジュディス「はあ…心配するだけ損かしら」
ユーリ「そう簡単にやられっかよ。付き合い長いだろ?」
ジュディス「無茶をするところ、全然変わらないわ」
ユーリ「それはジュディも一緒だろ」
ジュディス「そうね…」
ユーリ「……」
ジュディス「クレイのこと、気になるの?」
185 :
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[sage saga]:2011/08/09(火) 21:31:31.10 ID:/w+X3R1Y0
ユーリ「まあ、な」
ジュディス「じゃあ、私がアジトに踏み込むわ」
ユーリ「おい…なにがあるかわかんねえんだぞ」
ジュディス「大丈夫よ、あなたはイエガーに会わなくちゃならないのでしょう」
ユーリ「……」
ジュディス「無茶はするな…なんて言わないわよね?」
ユーリ「わかったよ…気をつけてな、ラピード」
ラピード「ワン」
ジュディス「ふふっ心強いわね」
ユーリ「最近ジュディと一緒がおおいなお前」
ジュディス「あらっ焼きもち?」
ユーリ「まさか」
ジュディス「素直じゃないわね」
ダングレスト 某所
ユーリ「よう、浮かない顔してんな」
イエガー「……イエース、アクシデントがありましてね」
イエガー「今回のミッションはある人物の捜索ネ」
ユーリ「人探し、ね」
イエガー「こう見えて、ユーの腕は信頼していマース。」
イエガー「ミーのビジネスを邪魔している者を突き止めてもらえれば…ユーとのビジネスをラストにしても構いませーん」
186 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/09(火) 21:32:45.95 ID:/w+X3R1Y0
ユーリ(ほう…)
ユーリ「邪魔ってだけじゃ見当がつかねえな。どんな奴を探すんだ?」
イエガー「…詳細はここにありまーす」つ書類
ユーリ「……追加で、最近活動してる暗殺者のリストと武器の輸送経路をくれ」
イエガー「ワッツ?」
ユーリ「見つけるために必要なことだ。じゃなきゃ時間がかかる」
イエガー「ユーは立場をわきまえてますか?ビジネスパートナーならもう少し頼み方ってものがあるんじゃないですか」
ユーリ「…ビジネスパートナーね」
ユーリ「あんた昔騎士団にいただろ。アレクセイと組んで何やろうとしてるかしらねえが」
ユーリ「人質とるわ人を首にするわ、てめえ何様のつもりだ」
イエガー「元の職にリターンしたいのでショウ?おとなしく従えば、サポートして差し上げますよ」
ユーリ「ふざけんなよ…!。手前らがなにしようとしてるが知っちゃこっちゃねえが」
ユーリ「俺のっ!人生をっ!!返せっ!!!」
イエガー「……」
ユーリ「……」
イエガー「…ファイルは後日届けマース、シーユーネクストタイム」
187 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/09(火) 21:34:03.62 ID:/w+X3R1Y0
ダングレスト クレイのアジト前
ジュディス(誰もいないわね…)
ジュディス「見張り、お願いね」
ラピード「…」コクッ
ジュディス「……」キィ…
ジュディス(ドアにトラップ……)
相手の陣地に踏み込むときは常にトラップがないか警戒すること
ドアを開けると発動するブービートラップはまず真っ先に確認
バチン
ジュディス(大丈夫ね…)
コツッ コツッ コツッ コツッ コツッ
ジュディス「さて、私ならどこに隠すかしら」
188 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/09(火) 21:34:51.38 ID:/w+X3R1Y0
ジュディス(…あの額縁)ガコッ
ジュディス「……ビンゴ」
ジュディス(これは…ユーリの行動記録ね。イエガーの協力者をまとめてるのかしら)
ジュディス(…リュネ×…キュモール×…ユーリ…これって)
ジュディス「大当たりね、さて引き上げましょうか」
コツッ コツッ コツッ コツッ コツッ カチリ
ジュディス「!」
だが一流のスパイでも カーペットの下に仕掛けられた発火装置をみやぶるのは難しい
ボオオオオオオオオオオオ
ジュディス(!!!ドアが…くっ)
ジュディス「はっ!」ドン
ジュディス(窓も駄目!?退路がっ…!!)
ラピード「ガウ!ガアアウ!!!」
ジュディス「ユーリに伝えて!命を狙ったのはクレイよ!!」
ラピード「ガウ!!」
ジュディス「早く!」
ラピード「…」ダッ
ジュディス「ちゃんと行ってくれた…?」
ゴオオオオオオオオオオオオオ
ジュディス「……納め時かしら……」
189 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/09(火) 21:36:26.55 ID:/w+X3R1Y0
ユーリ「?…ラピード?」
ラピード「ガウ!ガアウ!!」
ユーリ(クレイがクロの合図………!!!)
ユーリ「ジュディになにかあったのか!!??」
ダングレスト クレイアジト付近
ゴオオオオオオオオ
ユーリ「こいつは……」
野次馬「うわ!すっげー火事!」
騎士「みなさん危ないですから下がって!!」
ユーリ「ジュディ…!!」ダッ
騎士「あっ駄目ですよ!!危険すぎます!!」ガシッ
ユーリ「くっ中に!中から人は出てきたのか!!?」
騎士「わかりません!いいから下がって!」
ユーリ「くそっ!ラピード、ジュディを追えるか!?」
ラピード「ガアウ!」ダッ
ユーリ「よしっ!」ダッ
ザアーーーーーーー
騎士「雨か!何とかなりそうだな」
190 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/09(火) 21:37:13.27 ID:/w+X3R1Y0
ラピード「くぅん…」
ユーリ「くっこれじゃあ匂いを追えないか!」
ユーリ「手分けして探すぞ!」
ユーリ(どこだ!どこにいる!ジュディ!!)
ザアアアアアアア…………
…………………
………………
……………
…………
………
……
…
191 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/09(火) 21:38:09.90 ID:/w+X3R1Y0
**************************
ザアアアアアアアアアア………………
ダングレスト 郊外住宅
ザッ…ザッ…ザッ…
ユーリ「……………」
ラピード「………」
ユーリ「…走り回って疲れたろ?よく休んどけ」
ラピード「…」
ユーリ「……」ガチャ
バタン
ユーリ「…」
「びっくりしたわ。あんなトラップがあるなんて」
ユーリ「…!!!!!!!!」
192 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/09(火) 21:39:06.67 ID:/w+X3R1Y0
ジュディス「床下にスイッチがあったみたい。ドアも窓もだめだったけど、通気口を蹴破ったら案外簡単だったわ」
ユーリ「」ザッ
ジュディス「あなたを殺すよう依頼したのはクレイだった…それだけじゃなくて色々とイエガーの邪魔してるみたいね」
ユーリ「」ザッ
ジュディス「資料は燃えちゃったけど、クレイを捕まえれば情報が得られそうよ」
ユーリ「」ザッ
ジュディス「……」
ユーリ「」ザッ
ジュディス「…」
193 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/09(火) 21:40:00.87 ID:/w+X3R1Y0
ユーリ「…………」
ジュディス「…死んだと、思ったの?」
ギュ
ジュディス「!………」
ジュディス「………」
ジュディス「……」
ジュディス「……」ギュ
ザアアアアアアアア………………
194 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/09(火) 21:40:54.90 ID:/w+X3R1Y0
翌日 朝
チュン チュン
ユーリ「ん…朝か」
ジュディス「……ん……」ゴロン
ユーリ「……」ナデナデ
ジュディス「んう……」
ユーリ「さて…」
ユーリ「…」ガチャン
ユーリ「」
イエガー「グッモーニン」
ユーリ「…このまま外で話すぞ」
イエガー「フゥム…ラストナイトはエンジョイメントでしたネ」
ユーリ「いいから早く渡せ。さっさと見つけてやるよ」
イエガー「オーケー」つ書類
ユーリ「フン…」
ユーリ「次はクレイ…か」
195 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/09(火) 21:41:34.36 ID:/w+X3R1Y0
今日はここまで。続きはまた後日
196 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/08/10(水) 01:03:38.44 ID:3fym5kDHo
朝
ノ\. /:::ヽ ま | /~ヽ /~~ヽアアアァ /
/:::. \,,,/:: ヽ た | | |i _∧ゝ ノ /_
/::::::::.. ○ \か | ノ ノ:´Д`) / /l⊆⊇`ヽ
/:::::::: ○ . | |( ノ ソ / (:´Д`)
|::::::::.. 厂| | ∧∧∧∧ / m=○=mノ) ≡もう朝ぽ。。
|:::::::: /\.| ,ノ< チ >./ _/_/(「_ノニコ ≡
\:::::::: l--ーl. . (. < チ ュ > ( (0)=(__)0) ≡(´⌒;;
―――――――― < ュ ン > ―――――――――
〆⌒ヽヽ < ン > ∧_∧
( Γ ,)) < の予感 > [( ・∀・)< 2ちゃん
ゝ__ノノ .∨∨∨∨\| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| 不眠だからな
∩_∩ | /∧_∧ ._\ ̄ ̄ ̄| |
(´Д`) | んぁ?/ (,;´∀`,)//2ch\ @ | |
(U U )_ / ( つ____//__/ \ | |
/(_(_)/ /今日も.┓| ̄| ̄ ̄| \|
乙!
197 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/17(水) 21:08:49.76 ID:/dPnjYJj0
>>1
です
現在書き溜め中…もう少々お待ちを
198 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/17(水) 21:09:17.52 ID:/dPnjYJj0
>>1
です
現在書き溜め中…もう少々お待ちを
199 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/08/20(土) 12:56:53.14 ID:gebIqE2ao
期待
200 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/26(金) 23:16:36.20 ID:w8NLOFTD0
************************
レイヴン「久々に見た顔だね。ま元気そうでなにより」
レイヴン「俺?俺はもう只のレイヴン。アレクセイとはもうなーんにもなしよ」
レイヴン「なんか馬鹿らしくなっちゃってね。そっちも言ってみたら?案外やっこさんはもう俺達に興味ないのかもよ?」
レイヴン「この心臓も引き続き使っていいみたいだしね…」
レイヴン「人生一度きりさ。あんたも好きに生きてみたらどうだい?」
************************
201 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/26(金) 23:17:31.17 ID:w8NLOFTD0
ダングレスト 某所
クレイ「…」
チャキ
クレイ「…誰だ。姿を表せ」
スッ
ユーリ「よう」
クレイ「…何のようだ」
ユーリ「言わなきゃわかんねえか?」チャキ
クレイ「なるほど。俺の家を燃やしたのは貴様か」
ユーリ「仕掛けたのはお前だろ」
クレイ「フッ…」
ユーリ「…」
クレイ「それでどうする?俺を殺しに来たのか?」
ユーリ「…理由が知りたくてね。なんで俺を殺し屋まで雇って襲ったんだ?」
クレイ「言うと思うか?」
ユーリ「だよなっ!」
ガキィン!!
クレイ「義翔閃!」
ユーリ「蒼破ァ!」
202 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/26(金) 23:18:17.00 ID:w8NLOFTD0
相手にするのに時間がないときは
戦いをあらかじめ順序だてておくこと
クレイ「フッ!」フォン
ユーリ「ちぃっ!」ギィン
相手のほうが上手(うわて)だと思わせる
クレイ「雇うまでもなかったか!」ガキン
剣が弾き飛ばされれば自然止めを刺しにくる
ユーリ「くっ!まずっ!」
クレイ「終わりだ!」
ただその止めの一撃の最中、指輪からエアルの固まりが顔に飛んで来たら堪ったもんじゃない
バシュ
クレイ「ぐあっ!」
ユーリ「」バッ
ドコッ
クレイ「ぐっ…!」ガクッ
ユーリ「…ふう」
203 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/26(金) 23:18:57.35 ID:w8NLOFTD0
ダングレスト 某所
ユーリ「さて、そろそろ起きたろ」
クレイ「…」
ジュディス「…」
レイヴン「…ふむ」
ユーリ「聞かせてもらおうか。なぜ俺を狙ったんだ」
クレイ「…」
ユーリ「だんまりか…まっ、自分の弟も殺すようなやつだ。血も涙もねえか」
クレイ「!…」
ユーリ「どうした?」
クレイ「…正義を貫いた。それだけだ」
ジュディス「安いお言葉」
レイヴン「まあまあ」
ユーリ「イエガーを邪魔するのも正義なのか?」
クレイ「貴様に話すことは何もない」
ユーリ「ふーん。そう、か。クレイ」
ユーリ「俺は今、イエガーから仕事を頼まれてんだ。キュモールを殺した奴はだれなのか、な」
クレイ「…」
ユーリ「同時期に家が燃えてその家主は行方不明。さらにお前は貴族街に明るい。あんたを引き渡せばイエガーは満足すると思うぜ」
クレイ「…どうかな。イエガーはもう少し慎重だと思うが」
ユーリ「別に生死は問われてねえからな。死人に口なしだ」
204 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/26(金) 23:19:28.57 ID:w8NLOFTD0
クレイ「…」
ユーリ「正直今迷ってるんだ…あんたをこのままイエガーに引き渡していいものか」
ユーリ「あんたがイエガーを金や名誉のために売ろうとしてるんなら別にいい。だが」
ユーリ「もしそうじゃないなら…俺たち協力できるんじゃないかと思ってな」
クレイ「…」
ユーリ「例えば、元婚約者を人質に取られてるから、とかな」
ユーリ「イエガーを一泡ふかす。協力してくれねえか、クレイ」
クレイ「…信用しろと?」
ユーリ「他に生かす理由はねえと思うんだかな。俺はあんたの人質解放に手を貸す。イエガーにムカついてんのは同じだ」
ユーリ「むしろ、あんたが信用を示す番だぜ。こっちは命を狙われたんだからな」
クレイ「…」
クレイ「…少し、時間をくれ」
ユーリ「いいぜ」
ガチャ
ジュディス「本気なの?」
ユーリ「ああ。イエガーを倒すには別方面のアプローチがいる」
レイヴン「ドンは今騎士団の事があるから動けないしねえ…」
ユーリ「奴は俺よりイエガーと付き合いが長い。そしてここにきてイエガーを裏切った。なにか切り札があるんだ」
ジュディス「…」
205 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/26(金) 23:20:21.65 ID:w8NLOFTD0
************************************
ガチャ
ユーリ「決まったか?」
クレイ「…ああ」
クレイ「二番通りと四番通りの十字路、北西方向の白い屋根の家だ。そこの二階、棚の後ろの壁を剥がせ」
ユーリ「頼めるか?」
レイヴン「あいよ」
ジュディス「私も行くわ」
ガチャ
ユーリ「それが゛信用゛か」
クレイ「そうだ」
ダングレスト 白い屋根の家
ジュディス「この壁ね」
レイヴン「ほいっ」
バコッ
レイヴン「これは…」
ジュディス「写真に…新聞記事?」
スパイをやっていると、他人を演じすぎて今自分が誰なのかわからなくなることがある。
人である以上、自分であることを保つためには心の拠り所が必要だ。
それが人によっては家族との写真だったり、想い人との思い出の花だったり、元いた職場で頑張る親友の姿だったりする。
206 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/26(金) 23:21:20.16 ID:w8NLOFTD0
レイヴン「クレイくん、本当に信用してくれたみたいだねえ」
ジュディス「婚約者はわかるけど、どうして弟の写真まであるのからしら」
レイヴン「さあねえ…そこは本人に聞いてみないと」
ダングレスト 某所
クレイ「弟を殺したのは…師父を殺したからだ」
ユーリ「…」
クレイ「俺のためとはわかっていた。だが師父にはなんの罪もない。弟は貴族の権力を使って捜査を中止させた」
クレイ「だから、俺が裁いた」
クレイ「本当はそのまま自首するつもりだった。だがそこでイエガーに出会った」
クレイ「あとはお前の言った通りだ。俺は元婚約者を人質にとられ、奴に飼い慣らされた」
ユーリ「俺のことはいつから知っていた」
クレイ「お前が騎士団をクビになったときだ。イエガーから情報をもらった。要注意人物としてな」
クレイ「お前を狙ったのは、俺の計画に邪魔になると思ったからだ。イエガーからの仕事をそつなくこなし、腕がたつ」
ユーリ「なるほど」
ガチャ
レイヴン「確認してきたわよ〜」
ユーリ「おう、お疲れ」
ジュディス「大丈夫みたいよ」
ユーリ「そっか。クレイ、話の続きだ」
ユーリ「あんたはどうやってイエガーをはめるつもりだったんだ?」
クレイ「…イエガーの後ろにいるのは、アレクセイだ」
207 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/26(金) 23:22:22.50 ID:w8NLOFTD0
クレイ「イエガーは魔導器を密輸してアレクセイに引き渡してる。アレクセイは一部の貴族と内応して革命を起こす気でいる」
クレイ「だがイエガーは違うらしい」
ユーリ「?」
クレイ「ここにきてイエガーは魔導器の輸出を渋ってる。それどころかアレクセイには黙って兵力を蓄えて帝都に配置させている」
ユーリ「…イエガーはアレクセイの反乱を止めようとしているのか?」
クレイ「さあな」
レイヴン「難しいねえ。反乱が計画段階ならイエガーに協力しても国賊はこっち。逆にアレクセイにたれ込んでも今度は反乱が早まっちゃう」
ジュディス「イエガーは人質を取るような奴よ。イエガーの目的がどうであろうと敵と見なすべきじゃなくて?」
クレイ「そうだ。だから俺はイエガーとアレクセイの反乱の証拠を、評議会に持っていく気だった」
ユーリ「だが帝都には持ち出せなかったか」
クレイ「…ああ。今は騎士団の検閲が厳しすぎる。イエガーの監視の目もあるからな」
ユーリ「ジュディ」
ジュディス「…無理ね。帝都までは行けても中までは」
レイヴン「右に同じ。おっさんも持ち物検査までは顔パスできないわ」
クレイ「くっ…」
ユーリ「…一つ渡す手があるぜ」
クレイ「なんだ」
208 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/26(金) 23:23:16.71 ID:w8NLOFTD0
ユーリ「皇女殿下だ」
レイヴン「それなら行けるね。今ちょうどダングレストにいるし、皇女殿下直々ならアレクセイを取り押さえる大義名分が成り立つ」
クレイ「…すぐに会えるのか?」
ユーリ「ああ、ちょっとコネがあってな。おっさん」
レイヴン「あいよっ!『天を射る矢(アルトスク)』から会える場を設えとくよ」
ユーリ「頼む。ジュディ」
ジュディス「帝都に飛んでイエガーの撹乱と人質の護衛ね」
ユーリ「悪いな…」
ジュディス「別にいいわ。あなたも気を付けてね」
ユーリ「よし。クレイ証拠の場所は大丈夫か?」
クレイ「ああ、ちゃんと隠してある」
ユーリ「じゃあ、あとはおっさんを待つか…」
*************************
ユーリ「行くぞ」
クレイ「ああ」
ザッザッ
ユーリ・クレイ「!」
209 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/26(金) 23:24:08.47 ID:w8NLOFTD0
ユーリ(6人…)
クレイ(囲まれてるな)
ユーリ(ちっイエガーに嗅ぎ付けられちまったみてえだな)
クレイ(どうするつもりだ?証拠を奴らに渡すわけにはいかない)
ユーリ(…)
ユーリ(俺が囮になる。お前は隠れてろ。合図をしたら裏から行け)
クレイ(わかった)
ユーリ「よう、また会ったな。まだそっちの依頼の途中なんだがどうした?催促にでも来たのかい?」
ゴーシュ「とぼけるな!やっとお前を気兼ねなく殺せる…。クレイを匿っているのはわかってるんだ。イエガー様を出し抜こうとした罪、命で払ってもらうわ」
ドロワット「高くつくよーん☆」
ユーリ「こっちの言い分は通りそうにないな…」
不思議なことに奇襲する側は、相手が待ち伏せしている可能性をあまり考えない
勝負するなら断然ホーム 至る所に準備はしてある
例えばエアル可動式のランプを改造して
過剰なエアルが送り込まれると即席の閃光手榴弾になるようにしたり
バシュ
カッ!!
210 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/26(金) 23:25:06.32 ID:w8NLOFTD0
ドロワット「なにっ!!?」
ゴーシュ「わひゃっ!?!?」
ユーリ「」ダッ
クレイ「」ダッ
ゴーシュ「にゃんも見えない〜」
ドロワット「くっくそ!追え!!」
**********************
ダングレスト郊外 空き家前
ユーリ「ここか!」
クレイ「ああ、大丈夫だ。今トラップを外す」
カチリ
クレイ「よし」
ユーリ「あとは運ぶだけだな」
パンッ
211 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/26(金) 23:26:12.02 ID:w8NLOFTD0
ユーリ「なっ!!?クレイ!!」
クレイ「ぐっ…」ズル
ユーリ(狙撃!?どこから…!?)
ユーリ「こっちだ!」ガチャ
イエガー「ヒットしたようですね。ゴーシュとドロワットは?」
部下「指示通り、ダングレストを出ました」
イエガー「グッド。配置に着いたら即アタックスタートネ」
『好きに生きてみたら?』
イエガー(障害は…デリートね)
空き家内
クレイ「ぐっ……」ドクドク
ユーリ(くそっ!腹をやられてる……すぐに治療しないとやべえ!!)
ユーリ(イエガーの野郎…だがどうする!?クレイを置いたまま突破はできねえぞ!)
部下「…」ザッ ザッ ザッ
イエガー「………」
ユーリ(やるしか…ねえか!)チャキ
212 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/26(金) 23:27:07.55 ID:w8NLOFTD0
ドスッ
ユーリ「!!」
イエガー「……この…矢は………」ドサッ
部下「イエガー様!?」
レイヴン「……街中で見かけてつけたかいがあったよ」
イエガー「……」
部下「早く治癒を!!」
レイヴン(もっと別のやり方なら、応援できたかもね…)
クレイ「どう…した…?」
ユーリ「おっさんがイエガーをやった!これなら突破でき…」
ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ
ユーリ「!!!???」
レイヴン「なっ………!?」
ユーリ「なんで」
ユーリ「なんで…こいつがここに…!!」
213 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/26(金) 23:28:09.33 ID:w8NLOFTD0
レイヴン(アレクセイ…!!)
アレクセイ「…………」
部下「…なっなにを!?ぐわああ!!」ザシュ
騎士「あの家のようです」
アレクセイ「……」
イエガー「」
アレクセイ「フン……部隊を展開させろ。整い次第制圧する」
騎士「はっ」
レイヴン(駄目だ!騎士が多すぎて狙撃できない…!!青年!)
ユーリ(くそっ!アレクセイ…証拠を確保するつもりか!)
クレイ「おいっ…!」
ユーリ「喋んな!傷が広がる」
クレイ「…俺を殺せっ!」
ユーリ「なにいって…!」
クレイ「すぐに…アレクセイがここにくる!…奴が確かめたいのは、お前が裏切りに加担した排除対象なのか、裏切り者を抹殺したエースなのかってことだ!ゴフッ…」
ユーリ「もう喋るな!」
クレイ「聞けっ!アレクセイは前から解雇した暗部をマークしていた…奴は裏切り者を2人殺したお前を向かえ入れる…!奴の元に潜り込むチャンスはここしかないっ!」
214 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/26(金) 23:28:47.76 ID:w8NLOFTD0
クレイ「お前なら…わかる…はずだっ」
ユーリ「…………!!」
クレイ「頼む……時間が…ない………!」
ユーリ「………………」
ユーリ「……………」
ユーリ「…………」
ユーリ「……」
ドスッ……………
クレイ「…!………」
クレイ「…………」
クレイ「……」
クレイ「…」
…………………
215 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/26(金) 23:29:38.92 ID:w8NLOFTD0
ユーリ「……」ザッ
兵士「!」チャキ
ユーリ「撃つな!裏切り者は始末した!!」
アレクセイ「…確認しろ」
兵士「はっ…」
アレクセイ「…よくやった。ユーリ・ローウェル」
アレクセイ「貴様のスパイとしての技量と騎士団への忠義…しかと見届けさせてもらった」
アレクセイ「認めよう。貴様の復職を…今日からお前は、このアレクセイ直々の部下となる」
ユーリ「はっ有難く…」プルプル
スパイは感情を表に出してはならない。
例え目的のために仲間をその手にかけた時も
例えその原因の相手を目の前にして、膝まづいているときも
アレクセイ「どうした…手が震えているぞ」
ユーリ「はっ…念願叶い…感極まってしまいました…」プルプル
アレクセイ「ふっ…うい奴よ…これから動乱の時を向かえる。貴様には励んでもらうぞ」
ユーリ「はっ」
レイヴン(こうなった以上、しかたないか…)
レイヴン「うまくやんなさいよ…青年」
「襲撃」 終
216 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/26(金) 23:30:23.48 ID:w8NLOFTD0
リタ(………やっぱりあいつが、あんな短絡的な事をするとは思えない)
リタ(なにか他に理由が…)
エステル「どうしたんです?リタ」
リタ「ちょっと考え事よ」
エステル「あ、ごめんなさい…」
リタ「気にしないで、大したことじゃないわ。…ん、なにかしら?鳥?」
エステル「わ、大きな鳥です。結界の外でしょうか?」
フレン「?……あれは魔物では?」
リタ「ちょっと!こっちに来るわよ!」
エステル「えっ!?」
フレン「危ない!!」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
To Be Continued
217 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/08/26(金) 23:31:26.12 ID:w8NLOFTD0
今日はここまで。続きはまた後日
218 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/09/19(月) 14:25:51.98 ID:vRpp1E5Ro
楽しみ
219 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/09/22(木) 18:29:16.31 ID:lWF7AtOz0
タイバニのルナ先生かと思ったら違った
220 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
:2011/11/18(金) 03:31:32.72 ID:+ZQ5zp8Io
わくわく
221 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/11/24(木) 01:24:03.87 ID:6SUqwKuT0
「明星」
騎士「くそっ!なんだこいつは!!」
フレン「非戦闘員は非難させろ!エステリーゼ様はこちらに!」
リタ「エステル早く!」
エステル「はっはい!」
ゴオ!!
エステル「え?」
フレン「危ない!!」
ガキン!
フレン「ぐっ!」
エステル「フレン!?」
フレン「大丈夫です!」
リタ「あの鳥の魔物……狙いはエステル!?」
???「世界の毒よ」
エステル「え……?」
フレン「なっ……!?」
リタ「喋った!?」
222 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/11/24(木) 01:25:07.71 ID:6SUqwKuT0
*********************
ユーリ「これは……」
アレクセイ「移動要塞ヘラクレスだ」
ユーリ(なんてでかさだ……突貫の箇所も見えるが火力は従来の兵器と桁外れ…しかも移動できるとはな)
ユーリ(騎士団の精鋭とこの要塞…今の情勢を見れば十分にクーデターは成立できる)
ユーリ(そうなれば……)
ユーリ(…………)
アレクセイ「貴様には任務を与える」
ユーリ「はっ」
アレクセイ「エステリーゼ・シデス・ヒュラッセイン殿下を誘拐しろ。ことがなるまで沈黙していただく」
ユーリ「"保護"ではなく"誘拐"?」
アレクセイ「貴様なら言わずともわかろう」
ユーリ(大義名分か。おそらくヨーデル殿下の身柄はおさえてる……エステルを暴徒の手に誘拐されたことにして他の騎士団を動かし、その間に帝都を制圧する)
ユーリ(王族が消えてれば反乱軍掃討の勅命は出せない。評議会を抹殺した後はヨーデル殿下を傀儡として実験を握るってとこか)
ユーリ「では……」
騎士「伝令!ダングレスト内に飛行する大型の魔物が出現!フレン隊以下騎士団とギルドの傭兵が迎撃中ですが苦戦中とのこと!」
アレクセイ「飛んで火にいる夏の虫よ。ヘラクレスを発進させろ」
騎士「はっ」
アレクセイ「ユーリ・ローウェル。任務はヘラクレスに身柄を移した時点で終了とする」
ユーリ(ヘラクレスに?)
ユーリ「」ペコッ
アレクセイ「いくぞ」
騎士「はっ」
ユーリ「……」
223 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/11/24(木) 01:29:21.66 ID:6SUqwKuT0
************************************************
ボカアアアアアアアアン!
魔物「!!」バッ
エステル「きゃあ!?」
リタ「今度は何!?」
フレン「あれは…!?」
アレクセイ「負傷兵を救出せよ。フレン、よくぞ守った」
フレン「閣下!あの兵器は…?」
アレクセイ「騎士団が開発した移動要塞ヘラクレスだ。状況は」
フレン「はっ、住民に被害はありません。ギルドの協力もあり、避難は迅速に行われました」
アレクセイ「ご苦労、魔物は引いたようだな」
リタ「一体なんだったのよ…」
エステル「世界の…毒?」
フレン「エステリーゼ様!お怪我は?」
エステル「あっはい、大丈夫です」
アレクセイ「一度兵舎に帰還しましょう。フレン・シーフォ、引き続き護衛を任せる」
フレン「はっ」
リタ「ほんとに大丈夫?」
エステル「ええ、ありがとうリタ」
224 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/11/24(木) 01:41:28.99 ID:6SUqwKuT0
夜
騎士団兵舎前
ユーリ「……」
テクテク
ラピード「……」
ユーリ「わざわざありがとなラピード。さて行くか」
???「」ザッ
ユーリ(人員が入れ替わってる。アレクセイ直属の部隊か…)
騎士A「止まれ、何者だ」
ユーリ「これを」つ書状
騎士B「…アレクセイ閣下直印の…どうぞお通りください」
騎士A「…」
騎士B「…部屋は北舎奥になります」ボソッ
ユーリ「!」
ユーリ(すでに部隊は掌握済み、か。エステルが消えれば、ヘラクレスはすぐに帝都に向かうと考えたほうがいいな)
ユーリ(あの部屋か、て)
ソディア「…」
ウィチル「…」
ユーリ(あの二人がいるってことはフレンもいるのか。どうやってエステルから引き離すか…)
225 :
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[sage saga]:2011/11/24(木) 01:44:48.92 ID:6SUqwKuT0
ガチャ
エステル「それでは…」
フレン「はい」
ユーリ(やっぱり。部屋から出てきたってことは後は部屋外から護衛か。さて)
ピシッ ←窓
ユーリ「ん?」
ガッシャアアアアアアアアアン!!
ユーリ「なっ!?」
フレン「!!?」
ザギ「くくはははははははははは!!!みぃつけたぞ!ユーリ・ローウェル!!」
ユーリ「マジかよ…!」
ダダダッ
フレン「なっユーリ!?これは一体…!?」
ユーリ「とりあえずこいつは敵だ。てぇ貸してくれ」チャキ
フレン「そのようだね…!」チャキ
ザギ「死ねえ!!」
ユーリ「当たるかよ!」
フレン「そこぉ!」
ユーリ(ん?)
エステル「これは…!?」
リタ「エステル下がって」
リタ「正義の意志、雷撃の剣となり咎ある者に降り落ちる……」
226 :
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[sage saga]:2011/11/24(木) 01:45:26.84 ID:6SUqwKuT0
フレン「!」チラッ
ユーリ(なるほど)
ユーリ「蒼破ぁ!」
フレン「魔神剣!」
ザギ「ははっ!なんだそれはっ!」バッ
リタ(飛んだところを)
リタ「サンダーブレード!!」
バリバリバリバリバリバリ!!!
ザギ「ぐわあああああああああああああああ!!!!」
ユーリ「一丁あがり!」ズバッ
ザギ「ハハッハ……」ドサッ
フレン「ふう、まずまずだったね」
ユーリ「よく合わせられたな」
フレン「リタとはたびたび共闘してるからね。パターンのひとつなんだ」
ユーリ「なるほどね」
リタ「っで、こいつはなに?あんたは何でここにいるのよ?」
フレン「ここは厳戒体制にある。どうやって入り込んだんだ」
ユーリ「人聞き悪い事いうなよ。これさ」つ書状
フレン「……これは!?騎士団に復帰したのかい!?しかも閣下直印の…」
ユーリ「まそういうこった。よろしくな」
フレン「信じられない……どうして」
227 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/11/24(木) 01:46:33.30 ID:6SUqwKuT0
ユーリ「どうもこうも「まあっ本当です!?」
エステル「よかったですね!フレン、やっぱりユーリはいい人じゃないですか」
フレン「え、ええ…しかし本当に…」
リタ「…であんたがいる理由はわかったけど、こいつは何なのよ」
ザギ「」
ユーリ「さあ?」
リタ「さあって……」
フレン「何も知らないのかい?」
ユーリ「俺は単に隊に復帰したからフレン達に挨拶しに来たんだよ。そしてらいきなりこいつが窓ぶち割って襲ってきやがったんだ」
エステル「…私を狙ってきたんではないでしょうか?」
ユーリ(騎士団の間諜が減ったせいで貴族が大分好き勝手やり始めたらしいしな。まこいつは俺を狙ってたんだが)
フレン「……とりあえずエステリーゼ様は部屋へ。僕たちが後始末をします。一応このものの素性も洗いますが……」
エステル「はい……」
ユーリ「あ、エステルちょっといいか?話をしたいんだが」
エステル「はい、なんです?」
ユーリ「いや部屋に戻ってからな。二人で話をしたい」ボソッ
エステル「え?」
フレン「ユーリ?」
ユーリ「ああ今行く」
228 :
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[sage saga]:2011/11/24(木) 01:47:14.42 ID:6SUqwKuT0
ユーリ「しかし腕は鈍ってないみたいだな、フレン」
フレン「君もね。それによくリタの撃つ術がわかったね」
ユーリ「前にそういうのがあるって教えてもらってたからな。実際にみたのは初めてだったが」
フレン「へえ。そういえば先日リタから君の事を聞いたよ。随分と感謝してたよ」
リタ「ちょっちょっと」
ユーリ「ほう、どんなふうに」
フレン「ププっ、それがねー」
リタ「やめろー!!」
フレン「そういえば」
ユーリ「ん?」
フレン「探し物は見つかったのかい?ほらソディアのときの」
ユーリ「あー」
フレン「リタが言ってたよ。いつも冷静だったあいつがあんなに怒るなんて」
ユーリ(……)
フレン「よっぽど大切なものだったんじゃないかい?」
ユーリ(ふう)
ユーリ「そのことはもう大丈夫だ。俺が全面的に悪かったよ」
ユーリ「あとでソディアの場所を教えてくれないか?わびいれてくるよ」
フレン「わかった。やっぱり変わったね」
229 :
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[sage saga]:2011/11/24(木) 01:49:02.32 ID:6SUqwKuT0
ユーリ「ん?」
フレン「素直にそういうことができるようになったこと」
ユーリ「ほっとけ」
*******************************
皇族部屋前
フレン「妙な真似はしないでくれよ」
ユーリ「しないってえの」
ユーリ(……)
コンコンッ
エステル「どうぞ」
ガチャ
ユーリ「よっ、すまなかったな。無理言って」
エステル「いえ、お気になさらないでください。それで話ってなんです?」
ユーリ「……」
エステル「ユーリ?」
*****************************
230 :
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[sage saga]:2011/11/24(木) 01:49:58.72 ID:6SUqwKuT0
数時間後……
オイドコダー サガセー
アレクセイ「何があった」
フレン「かっ閣下!」
フレン「それが、エステリーゼ様がユーリ・ローウェルにかどわかされました!現在全力をあげて行方を追っております」
アレクセイ「……なんという失態だフレン・シーフォ。なぜそのような者の進入を許した」
フレン「そっそれは……彼が騎士団長閣下直印の書状を」
アレクセイ「…見せてみろ」
フレン「はっ。これが部屋に残されていたものです」
アレクセイ「……」
アレクセイ「この印、よくできた偽者だ。私はこんなものは出していない……」
フレン「なっ……!!??」
アレクセイ「情報規制を直ちに敷け。なんとしてもかの者を捕らえるのだ!」
フレン「はっ!」
231 :
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[sage saga]:2011/11/24(木) 01:50:52.47 ID:6SUqwKuT0
移動要塞ヘラクレス内
アレクセイ「よくやった」
ユーリ「はっ」
エステル「……」
アレクセイ「手錠か……」
ユーリ「不要でしたか?」
アレクセイ「十分だ。このまま我らは帝都に向かう」
アレクセイ「貴様の容疑は事が成り次第晴らす。それまではヘラクレスに身を隠しているがいい」
ユーリ「はっ」
ユーリ(…やっぱり腑に落ちねえな)
ユーリ(ここまでの計画は完璧だ。なのになぜエステルと俺を手元に置く?目の見える場所に置きたいとしても、発覚したときに言い訳はできねえぞ)
ユーリ(リスクが高すぎだ、これだけが引っかかる)
ユーリ(……なにかあるんだ。エステルを近くに置かなければならない理由が)
???
レイヴン「さあ、これが最後だね」
???
ジュディス「会いに行きましょうか」
ラピード「ワンっ!」
???
フレン「……リタ」
リタ「……大丈夫よ」
リタ(……エステル……)
ユーリ(なんにしろ)
ユーリ(帝都に着けば、決着だ)
232 :
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[sage saga]:2011/11/24(木) 01:53:41.86 ID:6SUqwKuT0
ここまで詰まるとは……
待っていた方がいたら本当に申し訳ない&ありがとうございます。
今日はここまで
233 :
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[sage saga]:2011/11/30(水) 22:23:00.70 ID:ZsThmc+T0
***********************
移動要塞ヘラクレス
ゴゥンゴゥン……………
ユーリ「……」
ユーリ(もう少しで帝都か……)
ユーリ(……)
ユーリ(……今の評議会は腐ってる)
ユーリ(ラゴウやキュモールのようなやつがのさばり、バルボスのようなやつに金を渡す連中もいる)
ユーリ(……誰かが変えなきゃいけない)
ゴゥンゴゥン…………ガタン
ユーリ「……ん?」
ユーリ(なんだ?まだ帝都には早すぎるぞ)
キラン!
ユーリ(……あの光は!)
*******************
ユーリ(こんなもんか)
ユーリ「……」
騎士「ローウェル殿」
ユーリ「なんだ」
騎士「閣下がお呼びだ。姫様を連れて司令室へ」
ユーリ「わかった」
234 :
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[sage saga]:2011/11/30(水) 22:23:57.98 ID:ZsThmc+T0
*******************
アレクセイ「来たか」
ユーリ「はっ」
アレクセイ「ヘラクレスを降りる。これから船に乗り換えるぞ」
ユーリ「はっ……ここは海の真ん中ですがヘラクレスで帝都に向かうのでは?」
アレクセイ「ヘラクレスは既に役目を果たした……。所詮は戦術的な勝利を得るためのものにすぎん」
ユーリ(なんだ?)
アレクセイ「我らはこれから新たな力を手に入れる……何者をも敵としない世界の支配者たるに相応しき力をな……」
アレクセイ「ローウェル、殿下の手錠をはずせ」
ユーリ「はっ」カチッ
エステル「……」ガチン
ユーリ「なっ!?エステル!?」←手錠付けられた
アレクセイ「……何を戸惑うユーリ・ローウェル。当てて見せようか」
アレクセイ「貴様の飼っている犬の動き……見過ごすとでも思ったか?」
アレクセイ「埋伏の毒……しかし毒は転じて益にもなりうる」
アレクセイ「聖核(アパティア)と我が魔導の知を用いれば満月の子を手中に収めるなど容易きこと」
アレクセイ「帝都にてわが身をおさえる魂胆だったようだが、この海の真ん中では孤立無援……あてが外れたな」
エステル「……」
ユーリ「……」
235 :
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[sage saga]:2011/11/30(水) 22:24:37.67 ID:ZsThmc+T0
ユーリ「……」
ドカアアアアアアアアアアアアン!!!
アレクセイ「ぬうう!?」
騎士「なっなんだ!?」
騎士「敵襲!!敵襲っ!!!!」
ホワイトホース「船を取り付けろ!つづけい!!野郎共!!」
フレン「全員突入せよ!!」
騎士A「なぜ接近に気づかなかった!見張りは何をしていたっ!」
騎士B「そっそれがっ、東側の見張りが全員やられて……」
騎士A「内部のものか!?……この刀傷は?」ゴッ
騎士B「なっ!?」ドス
ドサッ……
ジュディス「ユーリに感謝しなくちゃね。バウルは待ってて」
ラピード「バウ!」
236 :
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[sage saga]:2011/11/30(水) 22:25:33.49 ID:ZsThmc+T0
******************
数時間前…
レイヴン「いい仕事したよーラピード君。ま、予想できたけどこんなに早いとはね」
ラピード「ワオウ」
レイヴン「ありがとねー動いてくれて」
ホワイトホース「へ、たいしたことねえよこれぐらい」
ヨーデル「本当に感謝しています。騎士団に軟禁されていた私を救ってくれて……」
レイヴン「クレイの残してくれた資料が役に立ってくれたわけ。怪しい場所さえわかれば後は『天を射る矢(アルトスク)』の人海戦術でお茶の子さいさいよ」
フレン「しかし信じられません……アレクセイ騎士長閣下が……」
ヨーデル「彼は……変わってしまったんです。この世界に絶望して……」
******************
アレクセイ「くっ状況確認っ!!」
奇襲が成功したときはとにかくたたみかけるのが有効だ。
勝負を決めることができる。
例えば姫様がいつでも逃げれるように鎖を脆い素材に替えた手錠を自分につけられて
ユーリ「」バキャ!
アレクセイ「貴様!」
237 :
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[sage saga]:2011/11/30(水) 22:26:23.15 ID:ZsThmc+T0
自分の間合に敵が入っている時とか
ジュディス「ユーリ!」ブンッ
パシッ
投げられた剣を受け止めるのは俺の得意分野だ
レイヴン「」ヒュン
ドス
アレクセイ「ぬあ!?」
ユーリ「はあっ!」
ザシュ!!
アレクセイ「く……ば……か」
ドサッ……
ユーリ「…………」
238 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/11/30(水) 22:26:52.17 ID:ZsThmc+T0
エステル「う……」フラッ
ユーリ「おっと」ダキッ
アレクセイ騎士「貴様ああああああああ!!!」
ジュディス「ふっ!」ドゴッ!
ユーリ「サンキュ」
ジュディス「いいえ」
エステル「あ……私……」
ユーリ「終わったぜ。全部な……」
アレクセイ「っぐっ……何故だ……」
ユーリ「……」
エステル「あっ……」
アレクセイ「腐敗した世界……再建するには……大いなる……力が」
ユーリ「……お前ほどの存在なら、クーデターなんてとる必要はないんだよ」
ユーリ「フレンやてめえの直属の騎士が盲目的にてめえを信じたように、王族を歯牙にもかけねえで政治的に決着をつける方法がてめえにはあった」
ユーリ「悪党に頼って、兵器に頼って、最後になんか隠してると思ったらあるかもわからねえ力にすがるとはな…呆れるぜ」
ユーリ「……どんな過去があんたを狂わせたのかは知らねえがな」
アレクセイ「貴様こそ……過去にすがり……スパイの地位を……求めたはずだ……」
ユーリ「俺が求めたのは過去じゃない」
アレクセイ「……」
239 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/11/30(水) 22:27:26.19 ID:ZsThmc+T0
ユーリ「ん、誰だ!」
クローム「……」
ユーリ「あんたは……」
クローム「……ありがとうございます。こちらを」つ『宙の戒典(デインノモス)』
エステル「これは紛失していた王位継承の……!」
ジュディス「彼は……なんて?」
クローム「見届けると」
ジュディス「そ……フェローにもよろしくね」
ユーリ「……いいのか?」
ジュディス「大丈夫みたいよ」
ユーリ「そっか」
ジュディス「さ、行きましょ」
ユーリ「ああ」
240 :
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[sage saga]:2011/11/30(水) 22:27:57.58 ID:ZsThmc+T0
数日後……
帝都ザーフィアス 王宮内
エステル「それにしてもびっくりしましたよ、あの時いきなり頭下げて誘拐させてくれって言うんですから」
ユーリ「……」プイ
リタ「なんか想像したら情けないわね……スパイと聞いて納得したとこなのに」
フレン「はあ全く……エステリーゼ様になにかあったらどうするつもりだったんだ!」
エステル「でも凄く安心できました。ユーリは常に励ましてくれましたし、身の危険を感じたら必ず盾になると言ってくれて……」
ジュディス「ふぅん」
ユーリ「なんだよ」
フレン「ユーリ逃げるな!まだ話は終わってない!!」
ユーリ「わーったよ……たく」
ジュディス「ちょっと友達思い過ぎね。ユーリ」
レイヴン「おっジュディスちゃんもわかった?青年のモチベーション」
ジュディス「光と影って、ことかしら」
レイヴン「今回の功績はほぼフレン君に回るだろうからねえ。青年が望む形に大きく前進ってとこか」
リタ「あんた」
レイヴン「あれ?どしたの?」
リタ「ユーリから聞いたわ、胸の魔導器見てあげるからこっち来なさい」
レイヴン「いや別に……あのちょっと!?」
キャーオカサレル バカイッテンジャナイワヨ!
ボカス!……ズルズルズル
241 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/11/30(水) 22:29:32.80 ID:ZsThmc+T0
ユーリ「さてと、一段落したところでスパイ家業再開としますか」
レイヴン「やったじゃない。今度は皇女直参だから裏切られる心配もなし!」
フレン「騎士団諜報部隊か…君にはそういうことのほうが合ってるのかもね」
ジュディス「あら?皇女直々の間諜なら騎士団ではないんじゃなくて?」
リタ「呼び方なんて別にどうだっていいでしょ」
エステル「それじゃあ新設部隊ということで…特別諜報隊『凛々の明星(ブレイブヴェスペリア)』なんてどうです?」
レイヴン「闇の世界に爛々と輝く一つ星…中々おつな名前じゃない」
リタ「スパイが輝いてどうすんのよ…」
ユーリ「そうか?俺は結構気に入ったぜ」
ジュディス「うん。いいんじゃないかしら?」
フレン「『凛々の明星(ブレイブヴェスペリア)』か…」
242 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/11/30(水) 22:30:30.34 ID:ZsThmc+T0
俺の名前はユーリ・ローウェル。
最近またスパイになった。
エステル『よろしくお願いしますね、任務開始です♪』
どんな任務でも食らいつく。
やばいときは仲間も頼る
喧嘩っ早い彼女。
ジュディス「やっちゃったら?」
俺をギルドに売るおっさん。
レイヴン「スパイってのはやんやうるさいのよねえ」
イけてる相棒。
ラピード「ワン!」
気難しい天才少女。
リタ「もう二度とごめんよ」
そして親友。
フレン「君の助けがいるんだ」
中々悪くない。それと
243 :
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[sage saga]:2011/11/30(水) 22:31:07.95 ID:ZsThmc+T0
数ヵ月後…
ガチャガチャ……ガチャ…キン
カロル「…よし!」
???「へえ…やるな。兵士のいない時間を見計らいピッキングでドアを開けるのに20秒…そして数々のギルドを渡り歩いてついた知識と技術、コネも豊富っと」
カロル「だっだれっ!?」
ユーリ「よっ」
カロル「あっ」
ユーリ「お前、スパイやってみねえか?」
パティ「う〜〜おなかすいたのじゃあ〜〜……」バタン
ユーリ・カロル「ん?」
せっかく掴んだ平和だ。もし脅かそうとするような奴がいるなら
絶対に突き止める
244 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/11/30(水) 22:32:44.15 ID:ZsThmc+T0
ダングレスト郊外 深夜
ジュディス「ただいま」
ユーリ「おかえり、首尾はどうだ」
ジュディス「上々よ。カロル達も明日町に着くわ」
ユーリ「わかった」
ジュディス「それで、今日はどこからあなたを援護すればいいのかしら?」
ユーリ「……いや」
ジュディス「?」
ユーリ「宿に部屋とってあるから」
ジュディス「え……」
245 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/11/30(水) 22:34:15.32 ID:ZsThmc+T0
ユーリ「奴らが来るのは早くても明日の昼だ」
ユーリ「用がなきゃ、呼んじゃ駄目か?」
クイッ
ジュディス「あっ……ん、ふふっ」
ユーリ「ん、なんだよ」
ジュディス「……ごめんなさい。凄く、嬉しくて、とても」ギュウ
ユーリ「……」ギュ
ジュディス「……」
ユーリ「……」
ユーリ「……先行っててくれるか?」
ジュディス「ええ」
*****************
ユーリ(二人か……)
ユーリ(まっ確かに俺のせいでイエガーが死んだようなもんだしな)
ザッ
ゴーシュ「ついに見つけたぞ……!!」
ドロワット「イエガー様の仇!」
ユーリ「退屈しねえな」チャキ
FIN
246 :
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(山口県)
[sage]:2011/11/30(水) 22:42:37.48 ID:ZMAOOqpfo
乙?
楽しかったよ
247 :
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(チベット自治区)
[sage saga]:2011/11/30(水) 22:44:07.15 ID:ZsThmc+T0
おしまいです。SS形式難しい…
HTML化依頼はこちらからいたします。
いろいろと拙い文でありましたが、読んでいただいた方、本当にありがとうございました。
最後に感想やら批評やら書いて頂けたら幸いです。これからの励みになります。
248 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
:2011/12/12(月) 08:28:55.69 ID:IVIlDJ8lo
最後まで面白かった
乙です
249 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/12(月) 11:03:26.01 ID:R19qhXUAO
いつの間に完結してたんだ…
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