このスレッドはSS速報VIPの過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

垣根「へヴィだぜぇ……」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/03(日) 22:22:14.36 ID:FUkSyzGvo
代理
ID:P7PIMWGm0
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:08:31.92 ID:A9RjOWcxo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421311/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:07:56.06 ID:9l741hD4o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421275/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:07:18.78 ID:XCIH42NJo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421238/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:42.32 ID:sMr/Yf+to
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421202/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:05.72 ID:A9RjOWcxo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421165/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:05:29.13 ID:9l741hD4o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421128/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:04:47.30 ID:XCIH42NJo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421087/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:04:05.72 ID:sMr/Yf+to
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421045/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 22:23:48.34 ID:4oK41QTL0
禁書とギルティギアシリーズとのクロスSSです。
舞台は禁書原作の15〜16巻あたりから。
メインはスレタイの人。

準備が出来次第、投下します。

>>1
代行ありがとうございました。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/03(日) 22:36:29.86 ID:AXNbuZIIO
ちょっと、連投対策に引っかかったようです。
携帯に切り替えるので、もう暫く掛かります。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 22:39:17.62 ID:AXNbuZIIO
学園都市──第七学区──窓の無いビル

ツカツカツカ……

結標「突然の呼び出し…、一体何の用なのかしら?」

土御門「知らん。…ったく、コッチは暗部抗争の後片付けで大忙しだってのに」

結標「傷の手当てだってロクに済んでないのに、……ねぇ、案内終わったし、私もう帰っていい?」

土御門「駄目だ。俺たち『グループ』全員にお呼びだ。残りの2人もあとで召集かけるぞ」

結標「ちぇー」

ツカツカツカ……

──


……コポコポ

結標「…」

土御門「そんなヒザを抱えた格好で……、どうした?アレイスター」


アレイスター「非常事態だ」プカー


結標(丸いわね……)

土御門(心なしか顔色が優れないにゃー…)

結標(白滝が生えたマリモみたいだわ)

土御門「ブフォッ!! ……ッンン!…非常事態…だと?(やめろwwww)」

結標(だってwwwwww)
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 22:40:58.62 ID:AXNbuZIIO
アレイスター「侵入者だ…」

結標「『ブロック』の連中が呼んだ兵隊なら、私達で阻止したはずだけど?」

土御門(一体、何に怯ている?)

アレイスター「帰還者というべきだったか……、奴は正規のルートで学園都市の入り口から入り込んだ」ソヨソヨ

結標「どういうこと?」

土御門「学園都市出身の人間が帰ってきた…、ということか?」

結標「学園都市の、元住人…?」

アレイスター「……なんでこんなタイミングで…これではプランが……」ブツブツ

土御門「いい加減に話せ、アレイスター。誰が、この学園都市へ帰ってきたというんだ?」

アレイスター「……『背徳の炎』……魔術師狩りの……ソル=バッドガイ」

土御門「んにゃっ!?」

結標「!?」

アレイスター「土御門よ。魔術師のお前なら、一度はこの名を耳にした事があるはずだ…」プカー

土御門「……」

アレイスター(『第二候補』と接触し、ここへやって来るのも時間の問題……)

アレイスター「恐ろしい……」

結標「…で、結局誰なの?」

土御門「詳しくは俺もよく知らんのだが……、何か、とんでもないのが学園都市に来ちゃったみたいだぜい……」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 22:42:48.73 ID:AXNbuZIIO
学園都市──某所──瓦礫に埋もれたオープンカフェ

…ッ!!

……ァッ!!

一方通行「…… オラ、ババァ! 起きろ! しっかりしやがれェ!」

黄泉川「ぅ…ん……」グテーン

一方通行「ダメだコリャ、完全にノびてやがる…」

ゴォン ゴォン



一方通行(クソッ…!一体何が起きやがッたァ?)


ゴゴゴゴ……


ソル「……」

垣根「……」

一方通行(あれは、第二位…と、もう一人…。真っ赤なジャケットのパンク野郎…スキルアウト、か?)


垣根「何だよ…」

ソル「……」

一方通行(……そうだ、 黄泉川が第二位の野郎にブッ刺される寸前、あのパンク野郎が割って来やがったんだ…)


垣根「今更ノコノコと顔出してきやがって…、何、俺の邪魔してくれやがんだ…」

ソル「……」

一方通行(何モンだァ……、第二位の…知り合い…か?)



垣根「何しに帰って来たのかって聞いてんだよ!! 親父!!!!」

一方通行「ハィイ!?」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 22:45:18.66 ID:AXNbuZIIO
ソル「……」

垣根「相変わらずムカつくツラしやがって…!」

ソル「……」

垣根「黙ってねぇで何か言ったらどうなんだよ!ぁあ!?」


ソル「少し黙れ……。声が響いてうるせえ」

垣根「」

ソル「…」

垣根「テメェは本当に…、ホント……最ッ高にムカついたぜ、今のは……ッ!」フルフル

ソル「ハァ……。やれやれ、デカくなったのは図体だけか……」

垣根「上等だぁッ!! まずはテメエからブッ殺してやるッ!」ダッ!!
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 22:46:36.80 ID:AXNbuZIIO
ソル「フン」

ガシッ!!

垣根「うおッ!?(未元物質が…!)」

ソル「ピーピーわめくな。鬱陶しい」

メキメキメキ……ッ!!

垣根(なッ…!んだッ!? ……この、馬鹿力!!)

ドゴォッ!

垣根「がっはッ……!!」

ズゥゥ…ゥン

一方通行「」

垣根「」グデーン

ソル「ガキが、オツムはちっとも変わっちゃいねえ……。手間かけさせやがって……」グィッ

ズル …ズル

垣根「」ズルズル




一方通行「……なンだァ、ありゃ…」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 22:48:51.85 ID:AXNbuZIIO
海原「ソル=バッドガイ。ちょっとした有名人ですよ。我々魔術師達にとってはね……」

一方通行「うォおストーカー野郎!?いるンなら言えよ!!」

海原「おっとこれは失礼」クックッ

一方通行「チッ……」

海原「土御門から召集のコールです」

一方通行「クソッタレが…、今日のお仕事はもう終わりじゃなかったんですかァ」

海原「わかりません…。が、何でも非常事態だとのことです」

一方通行「どォいうこった…?」

海原「さぁ、しかし、案外先程の事象に関与することかもしれませんね」

一方通行「あの、第二位が"親父"って読んでるヤツか…?」

海原「あるいは、全くの別件かもしれませんが……。さあ、行きましょう」

一方通行「……あァ」

黄泉川「…」

海原「彼女の事は、警備員に任せて……」

一方通行「わかってンよ!」

海原「ああ、それと。貴方の大切な"彼女"についても、心配及びません。『一方通行は隣の学区へ移動した』と、誘導しておきました」

一方通行「余計な事してンじゃねェよ…」

海原「それから、後姿のワンピースの隙間から覗かせた柔肌を、心ゆくまで堪能させていただきました」

一方通行「本ッ当に余計な事ばっかしてんなァオメェはァ!!」

海原「あ、ついでに第二位が持っていたピンセットと、彼女の首筋を伝う汗の回収は無論のこと…」

一方通行「死ね!!!!」スパァン!!

海原「ゴッふ!」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 22:50:34.01 ID:AXNbuZIIO
学園都市――某所――ホテルの一室

……ガチャ

心理定規「あら、案外早かったじゃな…?」

ソル「……」

心理定規「ええと…、お客さんかしら?今日の予約は、もう無かったと思うんだけど…」

ソル「…客じゃねえ。届けモンだ」

ゴトッ

垣根「」

心理定規「!?」

ソル「そいつの上着からこの部屋の鍵が見つかった。それでここまで届けた。…用はそれだけだ。じゃあな」

心理定規「そ、それは、まあ、…ご丁寧にどうも……」

ソル「また来る……、ソイツが起きたら伝えておいてくれ」

…ドス …ドス


心理定規「誰、だったのかしら…」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 22:53:11.54 ID:AXNbuZIIO
移動中──車内


海原「ソル=バッドガイは、ここ数年前から姿を現した、魔術サイドにとっても異端の存在です」

一方通行「どんなヤツなんだ?」

海原「世界各国を渡り歩き、賞金が掛けられた魔術師達を、聖人……化け物みたいな強さで片っ端から刈り続けてきたと聞いています」

一方通行「賞金稼ぎってヤツか?」

海原「そうかもしれません。ただ……」

一方通行「なンだよ」

海原「賞金つきの連中ばかりだけでなく、黒い噂の耐えない魔術結社や、横暴な魔術師の傭兵団などの殲滅にも意欲的だったそうです。…それもたった一人で」

一方通行「フン…、メルヘンクソ野郎の親父がヒーロォー気取りかよ」

海原「フフッ、彼の獲物に対する仕打ちは、英雄とはとても呼べたものではありませんがね…。むしろ、我々暗部に近しいのではないでしょうか」

一方通行「ふゥン…」


キキッ

海原「到着したようです」


ガチャッ

一方通行「チッ、メンドくせェな…。何の用か知らねェが、とっとと済ませて帰ンぞ」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 22:55:03.45 ID:AXNbuZIIO
学園都市――とある学区――ホテルの一室


心理定規「…いきなりだからビックリしちゃったわ。あなたの…お父さん? 」

垣根「…別に、血が繋がってる訳じゃねぇよ」ムスッ

心理定規「案外、あなたと雰囲気が似てるかも」クスクス

垣根「冗談じゃねぇ! 誰があんなヤツと!!」

心理定規「それにしては…、プッ…クック……」

垣根「…んだよ?」

心理定規「随分ご執心だったみたいじゃない。貴方、ファザコンの気でもあったのかしら?」

垣根「はぁッ!?」

心理定規「寝・言。ずっと、お父さんのこと呼んでたわよ」クスクス

垣根「なっ!…ウソだろ?」///

心理定規「ホントよ」

垣根「……マジかよ」

心理定規「うん、マジ」

垣根「…………なんて、言ってた?」

心理定規「……」

垣根「……」ゴクリ




心理定規「『父さん』 『冷蔵庫』 『ヤメテ』」
垣根「わぁあああ!!! わぁぁあああ!!!!」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/03(日) 22:56:05.66 ID:AXNbuZIIO
ちょっと一旦休憩します。
30分後に再開します。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 23:17:15.28 ID:AXNbuZIIO
学園都市──第七学区──窓の無いビル

アレイスター「……奴は、垣根帝督の能力開発の適任者だった。奴と垣根帝督とは…、そうだな、お前と木原数多との関係に近しいと言えば、分かりやすかろう」

一方通行「あァ…、何か釈然としねェが、スゲェ納得したわ」

結標「元は科学者だったんでしょ? それが何で、魔法使いの賞金稼ぎなんてやってたのかしら」

海原「魔術師です」

一方通行「ドッチも変わンねェだろ童貞野郎」

海原「童貞ですか……。フッ、今のは褒め言葉と受け取っておきましょう」

一方通行「キメェ」

結標「キモイわ」

土御門「魔術と魔法は似て非なるものですたい。まあ、ドッチが何だって説明すると長くなるから、説明は省くんだぜい」

一方通行「で、どうなンだ?」

アレイスター「……奴は、同僚だった科学者の裏切りに遭い、生体兵器に改造されしまった」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage sage]:2011/07/03(日) 23:18:49.37 ID:AXNbuZIIO
結標「改造……」

アレイスター「そう…。そして、無理やり改造させられた反動なのか知らんが、暴走してしまったのだよ。……研究所を巻き込んで、危うく一学区分のエリアを吹き飛ばされるところだった……」

土御門「初耳だな」

海原「同じく」

アレイスター「君らが、この都市に来る前の話だ」

一方通行「俺ァ、ガキのころからここに居るが、そんな事件があったなンて聞いた事もねェぞ?」


アレイスター「当時の統括委員会にバレないようにもみもみ消したの、…いろいろ大変だったんだからね!」プンプン

土御門「統括委員会にも公表できない事態とは…、そいつ等は一体何をしでかしたんだ?」

アレイスター「うーん。『あの男』の実験内容は、ワタシのプランに影響を及ぼすからねっ。あんまり表にだしたくなかったの☆」

一方通行「急転換してキャラ変えンじゃねぇよウゼェ」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 23:20:02.89 ID:AXNbuZIIO
アレイスター「フフフ……、怖いのだよ、この私ともあろうものが…」

結標「どんだけビビってんのよ」

アレイスター「……奴の暴走を止めるのに、……何度も殺されかけ、……霊装もへし折られ、……思い出すだけでも恐ろしい」フルフル


海原「理事長が先程おっしゃった、『あの男』とは?」

アレイスター「奴をGEAR……、生体兵器に改造した張本人だ。学園都市を去りどこぞの魔術結社へと身を隠したらしいのだが…」

海原「ほう……」

アレイスター「……ソル=バッドガイは復讐のため、今も"あの男"を追い続けている……」

土御門「成る程にゃー。合点がいったぜい」


ピンポーン

海原「おや、お客のようですね」

一方通行「客ゥ?」

土御門「結標」

結標「はいはい」ヒュンッ


海原「顔には出しませんが…、上機嫌でしたね。彼女」

土御門「トラウマ克服できて嬉しいんだろうよ」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/03(日) 23:23:05.68 ID:AXNbuZIIO
一方通行「……ンで、お前が俺らをここへ呼び出した理由は?」

アレイスター「万が一奴がここに来て…、私に暴力をはたらく様ならそれを阻止してほしい」キリッ

一方通行「馬鹿かオマエ。[ピーーー]」

海原「ハハッ、緑色の亀虫が何か言ってますよ」

土御門「第二位の超能力者を瞬殺して、噂じゃ聖人クラスに匹敵するような化け物で、そもそもお前みたいなのをボッコボコできるような奴に、俺達がどう立ち向かえってんだよ。無理ゲーすぎんぜい」

アレイスター「お願いお願いっ。第三位の秘蔵写真あげるから!><」

海原「いえ。そういう類は、自分で収集してこそなので」キリッ

アレイスター「借金帳消しにしてあげるから!><」

一方通行「そもそも、その借金は、俺を暗部に落とすのにお前が撒いた種だろうが。本気でブチ[ピーーー]ぞ」

アレイスター「全店、妹系メイド喫茶の学区つくってあげるから!><」

土御門「……」

アレイスター「つっちー?」

土御門「」ブルブルブル

海原「ベタですが……」

一方通行「効果は抜群だなァ……」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 23:25:07.44 ID:AXNbuZIIO
アレイスター(それに、…もしも『第二候補』の事がバレでもしたら……)ガクガク


ピンポーン


一方通行「ん? 帰ってきやがったか…」

結標「どうぞー」♪

ソル「……」




一方通行「」

海原「」

土御門「」ブルブルブルブル

アレイスター「oh…」

結標「え、何?」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/03(日) 23:32:20.99 ID:AXNbuZIIO

──

アレイスター「」フルフル

ソル「……」

結標(ち、沈黙が怖い……)

海原(空気が重苦しいですね……)


アレイスター「」チラッチラッ

一方通行(……ん? あの深海魚コッチ見て何か言ってンぞ)

アレイスター「」パクパク モグモグ

土御門(読唇術で何かを伝えたいようだにゃー)

結標(うざいほど必[ピーーー])

海原(えーと、何々…)

アレイスター「」パクパク モグモグ

一方通行 (ボ)

海原   (ス)

結標   (ケ)

土御門  (テ)

((((ボスはオメェだろうが……))))

アレイスター「」パクパク モグモグ;;


ソル「おい……」

アレイスター「ッ!!」ビクゥッ!!

ソル「コッチを向け……。そうだ……それでいい……」

アレイスター「……」プカー
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 23:34:07.35 ID:AXNbuZIIO
ソル「テメェに聞きたいことが二つある……。正直に答えろ」

アレイスター「はい……」

ソル「まず一つだ……。『あの男』は何処にいる?」

アレイスター「さあ……私には何のことやら……」

ソル「……」

ガンッ!!

アレイスター「ぴぃ!」

ソル「……嘘はついて無ぇんだな……」

メキメキ……

アレイスター(おぎゃwwwビーカー割れるのれすwwwwww)

ソル「どうなんだ? ……おい」

アレイスター「……あ、ああ、君と関わりのあった人間は垣根帝督を除いて、皆、も、もうこの都市にはいない……。そ、そ、それは確証済みなんだな」

一方通行(裸の大将かアイツは)

土御門(ある意味、間違ってはないにゃー)
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 23:35:59.50 ID:AXNbuZIIO
アレイスター「……あの」

ソル「もう一つ、コッチが本題だ」

アレイスター「はい……」

ソル「……」

アレイスター「な、何でしょう……?」ガクブル

ソル「……テメェ、帝督の野郎に何仕込みやがった…ッ!」ビキビキ


アレイスター「」




*・゜゚・*:.。..。.:*・゜ジョワワー゚・*:.。..。.:*・゜゚・*




一方通行(うお!?やりやがった!)

結標(黄色い! 股間周辺の液体が黄色い!!)

海原(あの、やり遂げたような表情がなんとも……)

土御門「……!……ッ!(お腹痛いwwwwww)」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 23:38:28.16 ID:AXNbuZIIO
ソル「……帝督に設定している"バックヤード"のアクセスコードが書き換えられていた。……テメェがやったんだな?」

アレイスター「はわわわっ」

ソル「何処のモンとも知れねぇ、ワケのわかんねぇモンを強制的に転送させやがって…」

アレイスター「あふぅん!」ドキンッ

ソル「テメェがやったのかって聞いてんだよ!!」ガンッ ガンッ

アレイスター「らめぇえええ」ビクンッ ビクンッ

ソル「何が『第二候補』だ!!! 俺が何も知らねぇとでも思ってんのか!!ぁあ!!!?」ガヅンンッ!!

ピキッ

結標「ビーカーがッ!!」

ピュー

土御門「おお!? マズイにゃ!!」

海原「……止めましょう!」

ソル「『あの男』の前に、先ずお前から殺してやる…ッ!! 出てくるつもりが無ぇなら、その中で茹で上げんぞクソッタレ!!!!」ガンッ ガンッ

アレイスター「ひぎぃいいい」ジョワワー


一方通行(うわァ……)
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 23:42:11.09 ID:AXNbuZIIO
土御門「にゃー!にゃー!! ストップストップ!!」ガシッ

結標「コイツさっき2回も漏らしたからっ! 尿混じりの液体なんて浴びたくないからっ!!」ヒシッ

海原「お気持ちは察しますが、どうかお鎮まりください!」ダキッ


ソル「やかましい…!!ガキ共はすっこんでろ!!!!」

土結海(((ひぃぃっ!)))



 ギャーギャー

一方通行(……)


    パリーン

ギャー モレテルー


一方通行(…帰ァーえろっかなァ)
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 23:43:55.36 ID:AXNbuZIIO

────

シュウゥゥ……

ソル「……」

エーン エーン

一方通行(アレイスターの野郎…、アレはまるで……)



アレイスター「」エーン エーン

結標(アフロだわ…)ゼェハァ

海原(アフロですね…)ゼェハァ

土御門(アフロですたい…)ゼェハァ


ブスブス……

ソル「チッ…、もういい……。だがこの落とし前は…、後でキッチリ付けさせてもらうからな……」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 23:46:03.08 ID:AXNbuZIIO
土御門「嵐のように過ぎ去ってったにゃぁ……」ハァハァ

一方通行「やれやれ、ようやく帰ってったか……。てこずらせやがって…」

海原「貴方ずっとそこで見てただけでしょう……」ハァハァ

結標「良いご身分ねぇ……」ハァハァ


アレイスター「堪忍やぁー仕方なかったんやぁー」エーン エーン


結標「泣きたいのはコッチよ…、うぅ……ちびっと濡れちゃったし……」ゴシゴシ

海原「あーあー……、片付けが大変ですね……これは」ガチャ ガチャ

土御門「おいコラ一方通行、隅っこで突っ立ってないでお前も手伝え」ガチャ ガチャ

一方通行「えー……ヤダ、何か臭いし…その、緑の…」

バゴォン!!!

「「「「「!!!!」」」」」ビクゥッ
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 23:47:24.34 ID:AXNbuZIIO
結標「なっなに!?」

海原「か、監視カメラの映像を……!」

ピッ

土御門「ビルの横っ腹に穴が開いてるぜい……」

一方通行「……ンだ…と? 俺が全力で殴っても傷一つ付かなかったビルに……」

結標「ああ、ここ、内側からの衝撃には結構脆いから」シレッ

一方通行「なにィ!!?」

海原「貴方の全力(笑)」

一方通行「うっせェ!!」

アレイスター(危機的状況は回避できたが…、ヤツがこの都市にいる当面は下手に動けん……か)エーンエーン

一方通行「テメェはいい加減泣き止めアフロ野郎ッ!!」スパァン!!

アレイスター「アフロらめえぇえ!!!!」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 23:50:14.89 ID:AXNbuZIIO
学園都市――とある学区――ホテルの一室

心理定規「──それにしては…、ちゃんと憶えてたんじゃない。お父さんのこと」

垣根「忘れようもねぇよ……。置き去りの施設から3歳のガキを引き取って、モルモット代わりにそいつを散々使い倒した挙句、そいつが9歳になる前に姿を消したクソ野郎さ」

心理定規「……そう」

垣根「実験に託けてトラウマになるようなこと目一杯植え付けやがって…」

心理定規「……うん」

垣根「鉛筆の持ち方がおかしいってだけでゲンコツ食らわせやがって…」

心理定規「……うん…、ん?」

垣根「風呂ん中で泳いだだけで熱湯の中で百まで数えさせやがって…」ワナワナ

心理定規「う、…うん」

垣根「毎日毎日『仕置き』と称して真っ暗な冷蔵室にブチ込みやがってぁああああクソッ! クソッ!嫌なこと思い出させてんじゃねぇよ、あのクソ親父ッ!!」ガッ! ガッ!

心理定規(可愛い……)
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 23:53:20.55 ID:AXNbuZIIO
ソル「…誰がクソ親父だ、このクソガキ」

垣根「うお!?父ぉ……お、親父……!」

心理定規「あら、お帰りなさい」


垣根「ていうか、なに普通に出迎えてんのお前!?バカじゃねぇの!?バカじゃねえのホント!!」

心理定規「プッ……クックッ……ッ」プルプル

垣根「笑ってんじゃねえ!!」

ソル「おい」

垣根「」ビクッ!


心理定規(…昨日までの第二位と比べてギャップが…、ダメ…可愛すぎるッ)プルプル


ソル「いつまで寝呆けてやがる。さっさと起きろ」

垣根「…親父ヅラすんじゃねえよ!さっきも言ったろうが!!」

ソル「黙れ」バキャッ!

垣根「げふぅっ」

ソル「ったく、テメエの成長の無さにはウンザリたぜ……」

垣根「だから保護者ズラしてんじゃねぇっつってんだろうが。マジぶっ殺すぞ」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 23:55:24.26 ID:AXNbuZIIO
ソル「…」ピキ

垣根「」ビクッ

ソル「……ほう」

垣根「な、なんだよっ」

ソル「見ものだな…。その貧相なオツムと腕っぷしで、どうやったら俺を『マジぶっ殺す』事ができんのか…」

垣根「テメェ…」ワナワナ

心理定規「……ッ!…!」プークスクスッ

ソル「丁度いい。俺もさっきからムカつきっぱなしで、そろそろ我慢の限界ってヤツだ…。覚悟はできてんだろうな?帝督」


垣根「…上等だよ。命乞いができねぇように、まずはその舌と目を引っこ抜いてやる」

ソル「表へ出な。その腐りきった性根を叩き直してやる。…おっと、手加減してもらおうなんざ、ハナッから期待してんじゃねえぞ」

垣根「言う事がいちいちウゼェんだよオラァアア!!!!!!!!!」

ガッシャーン!!!!!
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/03(日) 23:56:55.66 ID:AXNbuZIIO
……


心理定規「……あーぁ…部屋替えしなきゃ」

   オラオラオラァ!!

…ギンッ! …ギャンッ!

心理定規「請求先は……て、い、と、ク、ン、…っと」ピッピッ

    バンデッ…リヴォルヴァー!!

グホァア!!!!

心理定規「フフッ、お父さん…、かあ」

       タイラン…レイヴ!!

ギャァァァ
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/03(日) 23:58:33.62 ID:AXNbuZIIO
─────

もし、垣根帝督にとっての木原クン的な存在が、ギルティギアシリーズの主人公ソル=バッドガイだったら。といった内容のSSでした。

今日の投下は以上です。
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/07/04(月) 00:18:44.62 ID:UCTxsJ/po
乙!次回も期待
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/04(月) 01:38:30.39 ID:A0MiJP1IO
面白い、ソルも元々研究者だし意外と面倒見良いから自然に読めるわ
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 03:31:48.39 ID:8ZUYkwBIO
感想ありがとうございます。
励みになります。

投下再開します。
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 03:34:00.21 ID:8ZUYkwBIO

ほんの数日前は…
暗部の連中を出し抜いて…
ピンセットで滞空回線の情報を引っこ抜いて…
あとちょっとで総括理事長のツラが拝めるところまできて…
ついでに、あのクソッタレの第一位をもう少しで殺れるはずだったのに…

はずだったのに……

垣根「なぁーんで、俺はこんなアットホームな台所で、呑気に晩飯なんて作ってるんでしょうかねぇ……」

打ち止め「ねーねーサラダとスープの続きはまだぁーーってミサカはミサカはメインディッシュの出なさっぷりに猛抗議してみたりっ!」

芳川「そうね、大泉シェフだってこんな時間まで待たせないわよ……」

垣根「うるっせぇよ!! 毎日毎日食っちゃ寝してるクソニートどもが!!!!」


暗部の抗争があったあの日──
親父が俺の前に姿を現して以来……、この俺、垣根帝督の日常は大きく一転してしまった。

……とても最悪な方向に。

36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 03:35:17.29 ID:8ZUYkwBIO

───
──


ソル「……」

垣根「こんな辛気臭ぇ手術台に縛り付けて…、一体何のつもりだコラ?」

ソル「お前の演算能力を封印する……。二度と使えないようにな……」

垣根「…はぁ!? ふざけんなクソ親父!! 冗談じゃねぇぞ!!」

ソル「おい……」

垣根「ッんだよ!!」

ソル「テメェが使っている『未元物質』……、どういった代物なのかテメェで理解できてんのか?」

垣根「ハッ! コイツに常識が通用しねぇってのは自覚してんよっ! いいからさっさと……」

バキャッ!

垣根「っ痛ぇえ!何すん……」

ソル「テメェでその本質を理解してねぇようなモンに頼ってんじゃねぇッ!!」

垣根「……!」

ソル「……ったく、どんなリスクが有るかも想定せず、身体中にベタベタひっ付けやがって……。馬鹿かお前は…」

37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 03:37:36.93 ID:8ZUYkwBIO

垣根「…ちょっと待てよ」

ソル「学園都市第二位の肩書きがあるんなら、ちったぁテメェで考えてから行動しろ! 情けねぇ……」

垣根「……なぁ、親父……」

ソル「…なんだ?」

垣根「これは……この『未元物質』は……、"アンタ等"が、研究してて、俺に"くれた"モンじゃなかったのかよ……」

ソル「……違う」

垣根「……」

ソル「この『未元物質』…お前が名前付けたのか?……いちいちダセェな…」

垣根「うるせー」

ソル「まあいい…。とにかく、この『未元物質』ってのは……、本来"俺達"が研究していたものとは根本から違う……」

垣根「……!」

ソル「総括管理理事長の馬鹿が……、テメェの都合の良いようにお前の頭ん中を勝手にいじってやがった……」

垣根「ん…だと……?」

38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 03:40:17.07 ID:8ZUYkwBIO

ソル「ヤツがお前に何をさせるつもりだったのか知らねぇが……、コイツが未知の危険性を孕んだ"未元"の物質"である限り、お前の演算能力は完全に封印する……。いいな?」

垣根「……マジかよ……じゃぁ…今まで俺は……」

ソル「……」

垣根「なんだよそれ……冗談じゃねぇぞ……」

ソル「……」

垣根「……」

ソル「帝督」

垣根「……好きにしろよ、クソッタレ……」

ソル「フン、……まあ、テメェに拒否権なんざ最初っから無ぇんだがな……」

垣根「テメェは殺す……絶対殺す……」

ソル「殺れるモンならな……。おい、入っていいぞ……」

垣根「うるせぇよ。いいからさっさと……えっ」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 03:41:45.09 ID:8ZUYkwBIO

……「はいはい」

ガチャ…

垣根「えっ」

バタンッ

医者「オイッス!」

垣根「えっ」

医者「……」

垣根「……」

医者「もいっちょオイッス!!」

垣根「……」

医者「……」

垣根「……」

医者「声が小さい!!!」バシッ!!

垣根「図体デケェッ!!」ゴフッ
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 03:44:11.65 ID:8ZUYkwBIO

垣根「おい親父!! 何だこの全長3m超えてそうなバケモンみたいな医者は!……医者なの? 医者でいいの?ねぇ!?」

ソル「頼んだぞ……」

医者「頼まれました」グッ

垣根「ちょっ!おまっ!! 俺に断り無く何勝手に話進めてんだよ!! ……てゆーかよ…封印だの何だのって…テメェがやるんじゃねぇのかよ!?」

ソル「さっき腹括ったばかりだろうが……、何ビビってんだ……」

垣根「それよりまず俺の質問に答えろやぁ!!」

医者「ご安心ください。ウデは確かな医者です」ニュッ

垣根「ウデがどうとか聞いてねぇっつって…、ぅぁあああ腕が4本に増えたぁぁああ」

ソル「終った頃に迎えに行く……。じゃあな」

垣根「おっ、おい!? 何出勝手にていこうとしてんだコラッ!! 責任持って最後まで立ち会えよ!!!!」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 03:46:36.24 ID:8ZUYkwBIO

ソル「……」

ツカツカ…

垣根「おい! 待てよ親父ッ!!」

ソル「甘えるな……ッ!」

ガチャ…

垣根「親父! おっ……!」

バタンッ

垣根「……」

医者「……」

垣根「……」

医者「……」


医者「さて、と」

垣根「つーか怖ぇえんだよ!その紙袋被ったツラがぁッ!!何なんだよテメェは!!!?」

医者「子供には、結構ウケが良いんだすけどねー」

垣根「絶対ウソだッ!!」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 03:48:07.90 ID:8ZUYkwBIO

医者「さてさて、助手君。麻酔の準備をお願いしますよ」

助手「了カイ」プシュー

垣根「」

助手「うつぶせニ ナルノダ。尻ヲだセ」プシュー

垣根「おいおいおいおいおいちょっとまてぇ!!何だコイツ!!何だコイツ!!!?」

医者「私の助手です。とても素直で良い子ですよ」

助手「ワシノ手ニ カカル事ヲ 光栄ニ思エ」プシューン

垣根「発声ボイスがいちいちメカメカしいんだよテメェ!! 絶対人間じゃねぇだろ! …てか生モノですらねぇだろ!!!」

助手「失敬な小僧だナ!ちゃんと人間っぽく喋れるわイ!」プンスコ =3

垣根「うぜぇ!! 超うぜぇコイツ!!!!」

助手「いいから尻を出セ! 先生がお待ちかねダ!」

垣根「つか何でそんな尻にこだわんだテメェは!!!?……あっコラッ勝手に脱がすな!!何しやがる!? ///」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 03:51:08.64 ID:8ZUYkwBIO

助手「良かったナ小僧。先生の麻酔は一級品だゾ。……ココデ一句」

垣根「はぁ?」



梅雨入リヤ──

雨ニモ負ケズ──

気分爽カイ──

ラリアット──



」ジアマリ

垣根「わけわかんねーよ!! 五七五ですらねぇ!!」

助手「いちいちうるさいヤツだナ! ホラッ さっさとうつぶせになレ!」グイッ

垣根「おい! これ絶対麻酔の体制じゃねぇから!! 違うから!!」ゴロンッ

医者「準備できましたか?」シュッ シュッ

垣根「オメーは麻酔だっつってんのに、何古典的なカンチョーのポーズでキメてやがんだ!! 素振りしてんじゃねぇッ!!!!」

医者「……」シュッ シュッ

助手「5…、4…、4.2…」カチッ カチッ

垣根「だから無言でエアピストンすんの止めろやコラ!! そこの機械は意味不明なカウント計ってんじゃねぇ!!」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 03:53:03.91 ID:8ZUYkwBIO

医者「大丈夫大丈夫。すぐに終わりますからねー」シュッ シュッ

垣根「いいからその人差し指2本を今スグ下ろせぇ!!!!」

助手「…ああ、ちなみにさっきのハ『字余り』と『痔の余り』を……

垣根「時間差でつまんねぇボケ解説してんじゃねぇよ!! 何だよ『痔の余り』…って………ハッ!!?」

医者「いきますよー」シュッ シュッ

垣根「いっ…いやだ…!」

助手「天国行っとくカイ?」

垣根「やっ、やだって……やめろ…!! お願いだからやめっ……っ……親父っ…

助手「思春期ニ」

医者「ジャックイン」


アッ ──────────!!!!」


──
───
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 03:56:55.26 ID:8ZUYkwBIO

────『未元物質』は……、思い出したくもねぇが……、親父が連れてきたどこぞの闇医者(?)が施した手術(?)のお陰で完全に封印…、並みの演算ですら、今じゃすっかりできなくなっちまった……。

超能力者第二位の地位は、間もなく剥奪…。
奨学金も手元にあるもの以外は全部没収…。
大事にしてた……、ヴァ──も完全消失…。

あの日起きた出来事は、もう、二度と、絶対に、思い出したくねぇ……。

その後、親父 ── 何がソル=バッドガイだ…。ダッセェ偽名 ── にリベンジを果たそうとするもの、…ボッコボコに返り討ちされ、学園都市の全学区を引き摺りまわされ、俺がこれまで迷惑掛けた連中のもとへ、一軒ずつ土下座行脚と洒落込み──
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 03:59:53.28 ID:8ZUYkwBIO

暗部の抗争から数日後──

学園都市──第七学区──教員マンションの一室

ソル「……」

垣根「すんませんっしたぁッ!!」ドゲザ


黄泉川「」

打ち止め「あー!あの時あの場所で私の大切なあの人と乳繰り合ってたお兄さんだぁー!ってミサカはミサカは誤解なきよう一息で説明してみたりッ!!」

黄泉川「えっ」

垣根「テメッ…誤解を招くような…ッ痛!」ガスッ

ソル「この馬鹿が散々迷惑掛けた……」

黄泉川「ええっと…。アンタがこの子の保護者…じゃん?」

ソル「ああ……。キッチリ躾てやった。演算能力も封印した。……それでも足りなきゃ、後は好きにしてくれ」

黄泉川「…ううん、コッチは全然気にして無いじゃんよ。それに、ちゃんと侘びにくるなんて偉いじゃん」ニコニコ

垣根「いや…、侘びっつーか別に…あだだだぁ痛ぁあい」
グリグリグリグリグリグリグリグリグリグリ

ソル「迷惑ついでに、一つ頼みがあるんだが…」

黄泉川「うん?」

垣根「この体制でナチュラルに会話続けるのやめて下さいませんっ!?」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 04:02:33.54 ID:8ZUYkwBIO

ソル「生まれてこの方、世の中の常識って奴に一片も触れたことが無いコイツだ…」

黄泉川「うん…」

ソル「アンタからコイツへ、アンタの世界で通用する"ありふれた日常"ってやつを叩き込んでくれないか……タダとは言わねぇ」

黄泉川「私の世界ねぇ…」

垣根「テメェ!何勝手なこと言ってやがあぁぁん痛い痛い痛いごめんなさいごめんなさい」

グリグリグリグリグリグリグリグリグリグリ

ソル「口の利き方に気ぃつけろ…ッ!」


打ち止め「うわあ。お兄さんの背中に、お父さんのブーツのカカトがグリグリめり込んでるよって、ミサカはミサカは燃えるような眼差しで目の前の光景を実況してみたり!ヨシカワー!こっちこっちー!」

芳川「……騒がしいわね、どうしたの?」

ソル「……」

芳川「あら、貴方……」

ソル「……」

芳川「……もしかして、フレデリック?」

ソル「……」

黄泉川「ん? 知り合いじゃん?」

芳川「ええ…、ちょっとね。……でも、ずい分見違えたわ。別人かと思ったじゃない」

ソル「フン…、別人には違いねえ」

芳川「そう……」

打ち止め「どうしたのヨシカワ?ってミサカはミサカはどこか寂しそうなヨシカワを心配してみるの」

芳川「何でもないわよ」

垣根(コイツ等……)
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 04:05:00.35 ID:8ZUYkwBIO

ソル「悪ぃ、話が逸れたな。……で、どうする?」

黄泉川「うーん…、私は一向にかまわないんだけど…、その子の学校、どうするじゃん?」

ソル「大方、超能力者のポストに託けてロクに行ってねぇだろう…。勉強に関しては、……俺が面倒を見る」

黄泉川「オッケー。掃除、洗濯、ご飯の支度、打ち止めの面倒、キッチリできるまでウチで泊り込みじゃん」

ソル「悪いな……」

打ち止め「うわぁー何だか楽しそうかも!って、ミサカはミサカは新たな同居人に大歓喜!!」

芳川「言っておくけど、この子と私の相手…、大変よ」ニヤリ

垣根「アンタもかよ……」

黄泉川「気合で乗り切るじゃーん」

打ち止め「じゃーん」

ソル「今日の家事が一通り済んだら俺のところに来い。携帯も没収だ。代わりに宿題を出してやる」

垣根「勘弁してくれ……」


──てな具合で、暗部の活動から一転……。この瞬間から三食宿題折檻付きの地獄の様な日々が始まった。
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 04:06:39.64 ID:8ZUYkwBIO

朝──

打ち止め「おっきろー!!ってミサカはミサカは久々のダーイブ!!!!」ダッ!!

ボギッ

垣根「ぐ……ぉッ!!……っふ…」ビクンビクン

打ち止め「……あれぇー?」

垣根「」カク

打ち止め「あの人ならいつもはこれで起きてくれるのにーって、ミサカはミサカは白目を向いてるお兄さんへブーたれてみる」ブーブー

毎朝一番に、無邪気な笑顔で俺のアバラと首の骨をへし折りにやって来る打ち止め。
午前中の掃除だの洗濯だのは、いつもこのクソガキと格闘しながらだ……。
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 04:08:03.24 ID:8ZUYkwBIO

昼──

芳川「このツナサラダは出来損ないね。食べられないわ」

垣根「だったらテメェが作ってみろってんだクソッタレ」

芳川「いいわよ。こんな冷蔵庫の隅っこで干からびてるようなツナサラダより、ずっと美味しいのをご覧に入れるわ」ピッピッ

垣根「……」イラッ

とぅるるる

芳川「もしもし……」

垣根「……」

芳川「カリフォルニアスペシャルと、明太グラタンのハーフを、LLで頂きたいのだけれど」

垣根「分かっちゃいたが、サラダはどこ行ったぁ!!!!」

俺の、なけなしの小遣いから食べきれもしねぇ特上ピザを注文する芳川。
天性の自堕落っぷりをフルパワーで発揮するコイツを四六時中相手にするだけで、日に一度は胃に穴が開いちまう。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 04:13:41.55 ID:8ZUYkwBIO

夜──

黄泉川「たっだいまじゃーん♪」ウィー

垣根「声がデケェ。何時だと思ってやがる……」

黄泉川「おかえりのハグとチューが無いじゃーん。打ち止めはぁー?」ウィー

垣根「今、寝かしつけたばっかなんだから、起こしに行くんじゃねぇ!」

黄泉川「うー」ヒック

垣根「……ったく毎晩毎晩、フラフラで帰ってきやがって……」

黄泉川「……今日はコッチで我慢するじゃーん」ズィ

垣根「俺はこれから親父んトコ行かなきゃなんねぇから…って、んん?ぉお?はぃい!?」

ムチュー

垣根「……!!!!」

黄泉川「ん…」

垣根(ゲロ臭ぇええーーーーーーー!!!!)

いつも酒と汚物にまみれて帰ってくる不良教師の黄泉川。
言えた義理じゃねぇが、俺が来る前はコイツ等どんな生活送ってきやがったんだ。
何が"ありふれた日常"だ……。絶対ロクなもんじゃねぇ……。


──しかしこんな日々の出来事でさえ、今の俺にとっては些細な日常……。重要なのはこれからだ──
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 04:15:49.49 ID:8ZUYkwBIO

深夜──

垣根「……あの、今日も一日大変だったし…、明日の朝も早いし…、そろそろ帰って寝ないと本格的にキツいんですが……」

ソル「だったら寝不足で死ね」

垣根「非道!!」

ソル「それより、俺がテメェに渡したテキスト……。ちゃんと目ェ通してんだろうな?」

垣根「読んでるよ…。っつーか魔法科学論だの応用法力学だのサッパリ理解できねーんだけど何だあり…」

ソル「ガンフレイムッ!!」

シュバァアッ!!

垣根「熱ッぁあっぶねぇ!? 何しやがんだよ急に!!」

ソル「今のが法力だ……」

垣根「意味わかんねぇYO!!!!」

ソル「理屈は昼の間にでも頭へ叩き込め……。あとは実戦で慣れろ……」ジャキ

垣根「実戦って……ちょっ…」

ソル「死ぬ気で憶えろよ。さもなきゃ……消し炭だぜ?」ニィ

ドス黒いだろ?
コイツが学園都市に帰ってきて以来、初めて見せた笑顔なんだぜ?
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/05(火) 04:18:06.97 ID:8ZUYkwBIO

まあ、そんな訳で……、さっきコイツがやってみせた『法力』ってのを俺に習得させるって事だそうだ。

……俺が今、ゴム毬のように何度も空中で蹴り飛ばされてんのも法力なんだってよ。ふざけんなクソ。

一見、学園都市で開発する能力にも見えるが、原理は根本から違うらしい……。

……あ、ヤベ、ぶっきらぼうに投げられちまう。

魔法だか科学だか知らねぇが、未元物質に代わる新しい力……、絶対モノにしてやる……!!

…………その前に、親父に殺られなきゃいいが……

ソル「ヴォルカニックヴァイパァーッ!!」

ズバァア!!!!

垣根「ぎゃぁああああ!!!!!!」


……ああ、世界は、こんなにも優しくて……。

──

ソル「落ちろ……ッ!!」ヴンッ!!

垣根「追い討ちぃい!!?」

ベシャッ!


──そして残酷だ。
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 04:18:42.62 ID:8ZUYkwBIO
今日の投下は以上です。
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 07:36:12.98 ID:5/R2S9tDO

カエル医者の登場かと思ったら、ファウスト医師とロボカイでワロタwwwwww
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/07/05(火) 09:15:09.10 ID:I9w6L/MAO
Dループwww
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 09:34:17.47 ID:AnBrkugIO
実際こんな感じだろうなぁソルw
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 16:51:10.50 ID:dTbqfvcIO
スレタイ見て禁書×バックトゥザフューチャーかと思ったヤツは俺以外にもいるはず…
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/05(火) 17:48:24.59 ID:RYm/kIYh0
ファウストwwwwロボカイwwwww
ナチュラルに出て来てワロタwwww

他の連中は出て来るんだろうか?
チップやアクセルに期待
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/06(水) 11:10:25.69 ID:Txw44LrDO
>>1

期待してます
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/06(水) 11:19:38.61 ID:HlGVJnDDO
おっつ〜

スタンエッスタンエッ
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/06(水) 20:17:19.85 ID:2YXicj/IO
感想ありがとうございます。
テンション上がります。

投下再開します。
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/06(水) 20:18:42.32 ID:2YXicj/IO

学園都市──某所──スクールの隠れ家


心理定規「お外は雨がはしっとり止まないし」ダルーン

心理定規「暗部の仕事もめっきり減っちゃったし…」グデーン

心理定規「バイトもなんかやる気しないし」ゴローン

心理定規「彼からの連絡もすっかり無くなっちゃったし…」ミョミョーン

心理定規「あーもーひま暇ひまー」ゴロゴロ


心理定規「……あの人たち、今ごろ何してるのかしら……」

───
──

64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/06(水) 20:19:38.19 ID:2YXicj/IO




止まない雨──買い物帰りの昼下がり──

ぼんやり見つめた景色の向こう側──濡れたアスファルト/センターラインのど真ん中/そこから約30センチ奥の座標──ヨタヨタうごめく白くて丸い物体がポツリ。

その車線/10メートル先の景色を見るや──間もなく目の前を通り過ぎようとするトラックが接近──全身の毛が逆立つほどの悪寒。

「バ…ッカ野郎……ッ!!」──叫び=自分の声──何故?と、問われても皆目つかない──気がついたらガードレールを飛び越えて走り出していた。

ブレーキ音がけたたましく鳴響く/履いていたスニーカーが片一方抜け落ちる/買い物袋から食材がぶちまけられる。

何もかもを飛び越えて/飛び出して/得たものは──

触覚──濡れた毛が絡みつく気持ちの悪い手触り
視覚──どういう状況なのか、全く理解していないような間抜け顔。
聴覚──そして──
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/06(水) 20:20:24.55 ID:2YXicj/IO

「にぁあ」

──この、緊張感の欠片もない鳴き声──グシャグシャの泥まみれになって得たのは──ただそれだけ。

垣根「ニャーじゃねぇよ、クソッタレ……。ったく……どうしてくれんだこの有り様……」

そう、自分でぼやく割にはそれほど喪失感は無い──むしろ、『ざまぁ』とか『してやったぜ』とか、そんなセリフで締め括られるような達成感の方が大きかった。

そう、俺は今、とても充実している──

──笑えるだろ? ついこの間まで、平気な顔して誰も彼も殺しまくってたようなヤツが。

……だが──それでも──

雨は湿っぽく降り続けるが……、俺の心は──真夏の快晴以上に晴れやかだった──
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/06(水) 20:21:36.70 ID:2YXicj/IO


──
───


垣根「──って、どうよこの溢れる才能!! 俺って詩人じゃね!?」ボロッ


芳川「……」

黄泉川「……」

打ち止め「……」


学園都市──第七学区──教員マンションの一室

垣根「…………ね?」


打ち止め「『猫を助けるのに道路へ飛び出して車に轢かれそうでした』……って、素直に言ってくれたほうがよかったかもって、ミサカはミサカはメルヘンお兄さんへ軽くダメだししてみる」

垣根「」

芳川「反省の色が伺えないわね」

垣根「」

黄泉川「もういっぺんブン殴られたいのかクソガキ…」

垣根「…」ホッペタ サス サス
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/06(水) 20:22:16.44 ID:2YXicj/IO

黄泉川「ハァ……、今日はそっちに行けそうにないって、親父さんには私から連絡しとくから……」

垣根「はい……」

黄泉川「さっさと上がって、傷の手当てして、また玄関に戻って、そこで朝まで正座してろ」

垣根「はい……」

垣根「……えっ」

黄泉川「ほら、さっさと靴脱いで上がるじゃんよ」ムスッ

垣根「あの……」

黄泉川「何ッ?」イラッ

垣根「…晩飯……それに宿題が…」

黄泉川「あ・さ・ま・で・! …反省するじゃん」

垣根「はい……」

打ち止め「」ニヤニヤ
芳川「」ニヤニヤ

垣根(いつか殺す……)
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/06(水) 20:23:53.28 ID:2YXicj/IO

黄泉川「……まったく、…どんだけ心配かければ気が済むじゃんよこのガキは……!!」プンプンッ

芳川「『ごめんなさい』が言えないウチは…、まだ子供ね……」ヤレヤレ

打ち止め「今日は久々にヨミカワハンバーグだー!!って、ミサカはミサカはコドモだから盛大に喜んでみたり!!」トテトテトテ!

垣根「……」

……

< 中華ナベなんて…使うの久しぶりじゃんー

< ハンバーグッ♪ ハンバーグッ♪ 猟犬部隊もっ♪……

< 駄目よ…それ以上歌っちゃ……

……

垣根「……ヘヴィだぜ……」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/06(水) 20:27:00.01 ID:2YXicj/IO

学園都市──???──

───
──



『おう、フレデリック。ちょっとツラ貸せや』

…こっちも暇じゃねぇんだ。今スグここで用件を言え。

『テメェんところのガキ。大層な能力を開発してるみたいだが…』

(また始めやがった…)

『まさか、ウチの一方通行に敵うとでも思ってんじゃねぇだろうな?ぁあん?』

思っちゃいねえし…、アイツのは、テメェんとこのボウズ程の実用性を見込める能力じゃねえよ。

『だろ!? そうに決まってんだろ!?ワッケわっかんねぇ空間への干渉能力と、あらゆる物理法則へ精通するベクトル変換能力とじゃあ比べモンになんねぇもんな! ぎゃはははは!!』

(だったら聞いてんじゃねえよ毎日毎日毎日……)

『悪いが統括管理理事長の"第一候補"はウチのガキだって相場が決まってんだよ!白いし!カワイイし!ぽっぺたプニプニだし!

……。

『まさしく雪見大福ってヤツ!? 何? 一個欲しいって?? バーカお前になんかアイツをやれるかよ! じゃあなフレデリック!!』



70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/06(水) 20:28:56.33 ID:2YXicj/IO

……大気圏の摩擦で燃え尽きて死ね。

『とても詳細なリクエストだね。フレデリック』

ああ、いつか実行してやる……。いや、その前に顔面の左っ側ブン殴ってからだ……。

『やめておいた方がいいよ。彼の一族、この都市内で結構幅を利かせてるし』

構いやしねぇよ、顔の黒ズミを真っ平らに引き伸ばすだけだ。……んで、どうした?

『帝督を見なかったかな? そろそろ実験の時間なんだけど』

……。

『……どうしたの?』

…冷蔵室だ。

『えっ』

朝から聞き分けが無ぇから、奥の冷蔵室にブチ込んでおいた。

『大人気ないな君も……、──が聞いたら、後が怖いよ?』

ピー ピー

フン…、これも教育だ……。


──
───
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/06(水) 20:30:55.24 ID:2YXicj/IO

ソル「…………少し…、寝ちまったか…」

…ピー ピー ピー

ソル「電話…。帝督か」

ピッ

ソル「どうした……、黄泉川……、ああ…」

ガチャ……

ソル「……ああ、わかった。……済まんが、頼む」

ピッ

ソル「……あの、馬鹿が…。さっきの夢といい…最悪の目覚めだ……」

ガシャンッ!!

ソル「やれやれ…、コッチに専念するか……」

ガチャ ガチャッ

ソル「……」

ジャキッ!

ソル「……駆動率70…いや、66%ってところか…。出力の調整に大分掛かっちまったが…」

パシュゥウ……

ソル「……手間だぜ……」

ガチャ ガチャッ───

───
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/06(水) 20:32:28.60 ID:2YXicj/IO

学園都市──第七学区──教員マンション──

その玄関──


垣根「zzz」カクッ カクッ

垣根「…」

芳川「……起きて。起きて頂戴」ユッサユッサ

垣根「ウーン…」カクッ カクッ

芳川「……」

芳川「」フゥッ

垣根「ぁっ」ビクッ

芳川「……」

垣根「……」

芳川「ハロー」

垣根「……っうおぉ!? 顔が近ぇっ!!」ズサッ
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/06(水) 20:34:02.04 ID:2YXicj/IO

芳川「もう……夜中もとっくに過ぎてるんだから、静かにしニなさい」ボソッ

垣根「テメェ今小声で何っつったコラ……」

カチャッ

垣根「……ぉ?」

芳川「ご飯…、適当な時間になったら、あなたに出して頂戴って、ヨシカワは黄泉川にお願いされてたの」

垣根「そうかよ……てか、テメェもさっき言ってたが、今何時だと思ってんだよ。晩飯どころかそろそろ朝飯の時間帯だろうが」

芳川「時オカに熱中してたら適当な時間が過ぎちゃったって…、ヨシカワヨシカワ大失敗…」テヘッ

垣根「ムカつくからやめろそれ」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/06(水) 20:35:42.85 ID:2YXicj/IO

 チュン  チュン…

芳川「じゃあ、食べ終わったら、ちゃんと洗っておいてね」スッ

垣根「……待てよ」

芳川「何? 私はこれから虫取りで妖精を捕まえたり、ニワトリを投げ飛ばしたり、とても忙しいのだけれど」

垣根「とことん駄目人間だな……まあいい。テメェに聞きたい事がある…」

芳川「フレデリックの事?」

垣根「……」

芳川「私から話を聞いて、真実を知って、本当にそれでもいいの?」

垣根「どういう意味だ……」

芳川「交渉権」

垣根「…!? テメッ……」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/06(水) 20:37:02.78 ID:2YXicj/IO

芳川「彼と、あなたを取り巻く全てが忽然と消失したあの日、一体何があったのか……」

垣根「……」

芳川「上層部から直接真相を聞き出すために、今まで頑張ってたんじゃなかったの?」

垣根「……ハッ、そんなくだらねぇ理由で暗部なんかやってられっかよ……」

芳川「……」

垣根「それに、その暗部の活動も、俺が第二位のランクに上り詰めたのも…、結局は上の連中に踊らされてやってた訳だ……笑えるだろ?」

芳川「……」

垣根「だから、それはもういいんだ……ただ…」

芳川「……ただ?」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/06(水) 20:41:07.51 ID:2YXicj/IO

垣根「親父達は今まで何の研究をしていて…、俺に何をさせようとしていた? お前は何か知ってんのか?」

芳川「そうね……」

垣根「……」

芳川「彼らが行っていた研究については、当時の"一方通行"の能力開発以上に極秘な取り扱いだったの。その時の記録も資料も、今じゃ粗方抹消されたと聞いたわ」

垣根「……」

芳川「フレデリックが居なくなったのも、私が学園都市へ来て間もない頃の話だったし……、知り合いと言ってもお互い顔見知り程度の間柄よ」

垣根「……」

芳川「私が彼らについて知っているのはこの程度。…これで御満足いただけたかしら?」

垣根「ああ、充分だ……。引き止めて悪かった」

芳川「いつの日になるかわからないけど…、フレデリックから直接、真実を聞けるといいわね」

垣根「……」

芳川「それじゃ、おやすみなさい」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/06(水) 20:42:06.98 ID:2YXicj/IO





垣根「……」

垣根「……来る訳ねぇだろ、そんな日……」


そう、どれだけ日常が激変しようとも、俺が知りたい真実は闇の中……。

ただ、そんな変わり映えのない日々が続いていく中、俺に"とある"一つの出会いが巡ってくる。
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/06(水) 20:42:48.38 ID:2YXicj/IO
今日の投下は以上です。

舞台は禁書世界ですが、GG勢で出せれるキャラはなるべく出してみたいでね。


>>58ギクリ
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/07/06(水) 20:54:35.86 ID:RfnwFb/AO
乙!
アクセルがアレイ☆彡と顔見知りでもおかしくねーなwww
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/08(金) 22:13:31.90 ID:vNVAOCqIO
>>79
彼はどのくらい昔まで飛ばされたことがあるんでしょうね…

投下再開します。
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/08(金) 22:15:23.05 ID:vNVAOCqIO

???──???──

仮面の男「──では、ここまで大きな"ズレ"が生じたのは、お前が原因だと…そう言いたいのか?」

ギター女「そうよ。とっても刺激的な夜で…、冗談抜きで私もなり振り構ってられる状況じゃなかったの」

仮面の男「不測の事態だったという訳か。止むを得まい、『あのお方』の命に関わることだ。だが、しかし……」

ギター女「『魔術』がここまで一般的に普及して『科学』がこれほどまでに発展しているのは、私が知る"本来の"この時代では有り得ないわ。まあ、それも近いうちに全て終わってしまうのだけれども」クスクス

仮面の男「俄かに信じがたいが…、『あのお方』は、この件に関して何と?」

ギター女「放っておけと言ってたわ。…でも」

仮面の男「でも? ……あまりいい予感がしないな」

ギター女「これ以上 私 の 邪魔になりそうな因子は、なるべく排除しておきたいの。協力してくれる?」

仮面の男「またお前は勝手な<ドスッ>……ぬっほぉぉおおおおお!!!!!」

グリグリグリグリグリグリグリグリグリグリ

ギター女「タダとは言わないわぁ…。お礼にぃ、イッパぁイぃ、"イかせて"…ア・ゲ・ル」

グリグリグリグリグリグリグリグリグリグリ

仮面の男「ッんぁあああああッんギモッヂィィイイイイイ!!!!!!」

グリグリグリグリグリグリグリグリグリグリ

ギター女「前払いでもぉ…宜しくってぇ?」

グリグリグリグリグリグリグリグリグリグリ

ヒギィィー

  …ィー

    …ー

───
──

82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/08(金) 22:17:02.48 ID:vNVAOCqIO

学園都市──第七学区──道中──

垣根「財布落とした」

垣根「……」

垣根「……ありえねぇ、常識が通用しねぇどころじゃねぇぞオイ」ブルブル



垣根「考えろ、冷静になれ、どうすればこの危機的状況を打破できるか…ッ」ブツブツ

垣根「……」

垣根「無理だな」ハァ

上条「すみません…」

垣根「どっちにしろ…、クソガキに笑われクソニートに呆れられクソババァに殴られんだろうが……」

上条「あのー」

垣根「……死にてぇ……不幸だ」

上条「おーい」

垣根「んだよ…、さっきから……」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/08(金) 22:18:02.77 ID:vNVAOCqIO

上条「えっとですね……」

垣根「……何、半笑いで話しかけてやがんだよ。ぶっ殺されてぇのか」

上条「ああっ!ごめんなさい!ごめんなさいっ!(同類のオーラを感じ取ってちょっぴり嬉しいだなんて言えないっ)」

垣根「失せろ、今の俺に話しかけんじゃねぇ。さもなきゃ……」

上条「えっと…!コレ……」スッ

垣根「……ぁあ?」

上条「あなたの財布…ですよね…?」

垣根「」

上条「ですよ…ね?」

垣根「」

上条「もしもし?」

ガシッ

垣根「神様ッ!!!!」

上条「!?」
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/08(金) 22:20:44.86 ID:vNVAOCqIO

学園都市──第七学区──道中──


ソル「──で、どうやってここまで入って来た?」

快賊少女「えっとね、イタリア…で良かったのかな? そこからニホンまでの航海は山本さんと西田さんを乗り継いで、ここの壁を乗り越えるのに、五十嵐さんと佐竹さんと向洋さんで」

ソル「わかった。もういい……。侵入する際に警報鳴らしちゃ無ぇだろうな……?」

快賊少女「うん。あっちで"アマクサシキ"って人たちと知り合いになって、その人たちに裏口を教えてもらったから」

ソル「アマクサ…、ジャパニーズオンリーで構成された十字教の連中だったか……確か」

快賊少女「ジュージキョーってのはよくわかんないけど、みんなとっても良い人たちだったよ」

ソル「まあいい。そいつ等について追求するのは後だ。…それで、ここへ来たのはお前達の二人だけなんだな?」

快賊少女「うん。お留守番組は皆お店で待ってる」

ソル「そうか……。んじゃもうイッペン聞くが…、テメェ等は何が目的で、遥々海を渡ってジャパンまで来たってんだ……それもクジラだのシャチだの今のご時世で最もヤバい海の乗り物使いやがって……」

快賊少女「…ごめんね。あの子がどうしてもお父さんに会いたいって聞かなくって…」シュン

ソル「ハァ…、それでそのガキは今、お前から離れて、一体何処をほっつき歩いてやがる……」

快賊少女「それが到着するなり、"オレがオヤジを一番に見つけるんだぁー!"って訳わかんないこと言いながら飛び出しちゃって…それから……その…」




ソル「……ハァ……」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/08(金) 22:24:08.98 ID:vNVAOCqIO

快賊少女「ごめんなさいっ! ソルの他に、ここへ来てる皆にはもう事情を話してて、探すの手伝ってもらってるから…」

ソル「…いゃいい」

快賊少女「えっ」

ソル「放っておけ。二、三日放置してくたばる様には育てちゃいねぇ……」

快賊少女「でもっ」

ソル「その代わり…、お前んとこの親分には二度と近寄らせねぇからな……。ありゃ、ピュアなガキにはマジで猛毒だ」

快賊少女「うん…ホントごめん……」シュン

ソル「気にするな。俺が無理言ってお前に押し付けたんだ……」

快賊少女「でも……(うぅ…"テメェなんざハナっから期待しちゃいねぇ"オーラが……)」

ソル「ヤツを探すのは明日だ。そろそろ日が落ちる……。お前は早く他の連中と合流して、今俺が話した事を伝えておけ。携帯は持ってるな……。使い方は?」

快賊少女「うん、大丈夫。ソルは、一緒じゃないの?」

ソル「俺は別行動だ。他にやる事がある……」

快賊少女「ねぇ、ソル」

ソル「何だ……」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/08(金) 22:32:51.51 ID:vNVAOCqIO

快賊少女「えっとね。突然ワケも分かんないままこの時代に飛ばされちゃったのに…、それでも落ち着いて皆を引っ張ってくれてるソルをすっごく頼りにしてる…でも」

ソル「でも…、何だ?」

快賊少女「何か、ボク達に隠し事してない?」

ソル「……」

快賊少女「えっとねっ! 気負わないでって意味! ソルってカイと一緒で、一人で何でも背負い込む癖があるから…その」アワアワ

ソル「何も問題は無い……」

快賊少女「はっはひ!?」ビクッ

ソル「何も問題は…、無い…」ユラー

快賊少女「はわわわわわ」ブルブル

ソル「何も、問題は、無い」スッ

快賊少女「…」


快賊少女「ハイ。ナニモ、モンダイハ、アリマセン」〜゚



ソル「あのガキ共…。コッチは時間が無ぇってのに手間ばかり取らせやがって……」



 ダイジョウブ

   モンダイ ナイ

87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/08(金) 22:34:01.20 ID:vNVAOCqIO

学園都市──第七学区──とある公園の広場


垣根「……でさぁ、毎日毎日ババァとガキとクソオヤジ共の介護で大変なワケよ」ペラペラ

上条「ハハ…、大変そうですね……(かれこれ2時間以上喋りっぱなしですよこの人)」


キーン コーン

< 完全下校時刻、1時間マエデスノ…


垣根「おっともうこんな時間か…。悪ぃな、ずっと捕まえちゃって」

上条「いえいえ、こちらこそ。ジュースなんか奢ってもらっちゃって…」

垣根「いいって、いいって。そんじゃ、俺買出しの途中だったし、そろそろ行くわ」

上条「ああ、それなら…、ご一緒しません?」

垣根「おっ、上条君も自炊派?」

上条「はい。それと、今ならタイムセールで安いとこ知ってるんで」

垣根「いいね、いいねぇ。それなら、ご一緒しますか!」

上条「いいですとも!」キリッ

垣根「ハハッ、何だそりゃ──」


これが、上条当麻と初めて対面したときのこと。
そしてもう一人──
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/08(金) 22:35:01.49 ID:vNVAOCqIO

上条「ん?」

眼帯少年「……」ジー

垣根「あん? なんだボウズ、お前もジュース奢ってやろうか?」

チャリン ピッピッ

ガシャン


垣根「ほらよ。今日は特別だ」ポイッ

眼帯少年「?…??」

垣根「ハッ、何だよ。開け方も知らねぇのか?」

上条「外国の子?」

垣根「ホラ、ちょっと貸してみ」

プシュッ

眼帯少年「ッ!?」


89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/08(金) 22:36:19.67 ID:vNVAOCqIO

眼帯少年「……」ジー

眼帯少年「すっげーなんだコレ!? ちょーサイケデリックでフレーバーな味がすんぞッ!!」

上条「サイ…何?」

垣根「言ってる意味は全っ然わかんねぇが、とにかく美味いってことなんだな?」

眼帯少年「うん!!」

垣根「そっかそっか」ワシャワシャ

眼帯少年「へへっ。ニーチャンすっげーな! 魔法使いってヤツか!?」

垣根「そーだよ。ほら、そろそろ帰んな。もうすぐ完全下校だぞ」

眼帯少年「うん! オレもオヤジ探してっから!!」

上条(何となく会話が噛み合って無い……)

眼帯少年「じゃーなーニーチャンたち!」

タッタッタッタ……

上条「何だったんでせう…」

垣根「さあな」


この正体不明で不思議な少年。

思い返せば、この二人との出会いが、闇の中に埋もれた真実に辿り着くことができた切っ掛けの一つだったのかもしれない。
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/08(金) 22:37:07.30 ID:vNVAOCqIO
今日の投下は以上です。
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/07/08(金) 23:49:46.33 ID:6RiqrfrAO
GGキャラのパワーバランスってどうなってるんですか
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/07/09(土) 00:07:58.38 ID:CNV/QpuAO
たぶんスレイヤーが最強だと思われ
…いや全盛期クリフかな?
93 :>>2です [sage]:2011/07/09(土) 00:19:32.66 ID:b7GBP5uIO
基本ほのぼので書き進めているので、パワーバランスなどはあまり真面目に考えてはいないのですが、禁書勢とは拮抗した感じで書いていきたいです。

GGのキャラ同士は……どうなんでしょうね。とりあえず、このソルは寮監補正みたいなものが掛かってます。

>>92
姫神大勝利ですね。
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/09(土) 02:35:20.55 ID:egSrnWFIO
人類最強クラスって設定だけど出てるのが人外が多い作品という悲しみを背負ったチップ
扱いという意味ではアンジももう少しどうにかならなかったものか
ストーリー的には一番核心に迫るんだけど
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/07/10(日) 08:03:35.01 ID:mRt1tJyAO
GGキャラ同士なら、ソル、スレイヤー、ジョニー辺りが、最強クラスだと思う

GOLDカラーの時も、この三人だけ異様に強いし
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) :2011/07/11(月) 21:05:50.09 ID:LtJGpuV+0
金ジョニの開幕ミストファイナー終了には吹いた
金チップや金ミリアは自分でも操作しきれなかった
たしか速度8倍とか聞いたことあるけど実際はどうなんだろう
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/14(木) 22:39:44.08 ID:EZthkpWuo
カイは天才で神器も使いこなして強い、ジョニーは現状では人間最強クラス、クリフも人間最強クラスだったけど老衰後に死亡、
医者は人外の域に片足突っ込んでるレベルの法術を扱う、メイは怪力と無意識に召喚(高難度)を使いこなす辺りが底知れず、
チップは人類でNo.2の“スペック”がある、闇慈は神器を扱いそこそこ戦えるがパンピー、梅喧も暗器に長けるがパンピー、
紗夢は「気」が使えて髭にも褒められるレベル、ポチョはまだまだ師匠には及ばない、アクセルは無意識に火の法力使えたりする、
ミリアは禁呪を持つが特別強キャラ描写無し、ヴェノムは優れた暗殺者だがパンピー、ザッパ鰤はドパンピー。

人間キャラならこんな感じ。人外連中はなんかもうよくわかんねww
「○○は××より強い」とかって名言されることは少ないから解りにくい。
ストーリーモードもifが多いし、石渡の設定と微妙にズレがあったりもするし。
設定だけの存在も出すなら、ポチョやジョニーの師匠がチート。現在人類最強はポチョの師匠のガブリエル、だとさ。
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 01:31:57.37 ID:wDJxsWGIO
皆様いろいろと解説どうもです。
今後の参考になります。
投下再開します。
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 01:33:42.14 ID:wDJxsWGIO
学園都市──第七学区──


「──失礼」

垣根「ん?」

買い物帰りの道中、振り返ったその先には──

前ロン毛「人を探しているのだが、尋ねても宜しいか?」

垣根「……ぉお」

…としか言いようの無い強烈な特長を持つ"紳士"がそこに居た。


前ロン毛「ブロンドの髪で右目に眼帯を付けた、10歳程度の少年なのだが…」

垣根「ああ、ソイツならさっき、向こうの公園で会ったぞ」

前ロン毛「公園か…、さっき回ってきたばかりなのだが」

垣根「すれ違いじゃねぇの? もういいか?」

前ロン毛「手間を取らせて済まなかった。協力に感謝する」




前ロン毛「まったく、何故私がこのような……」ブツブツ

垣根「…前見えてんのかアレ」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 01:35:06.96 ID:wDJxsWGIO

学園都市──第七学区──教員マンション──

……

ガチャッ

垣根「ただいまー」

心理定規「おかえりなさい」

芳川「おかえりなさい。遅かったわね」

打ち止め「おかえりーってミサカはミサカは帰りが遅いお兄さんに猛講義!!」

垣根「悪ぃ悪い、ちょっと色々あってな……って…」


心理定規「おかえりなさい♪」

垣根「」


心理定規「お・か・え・り」クスクス

垣根「なん……だと…?」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 01:36:33.14 ID:wDJxsWGIO

キッチン──


心理定規「最近、ずっと顔出してくれなかったし、電話しても出ないし…。気になってたからお邪魔しちゃった」

垣根「悪かったな。金も携帯も取り上げられてんだよ」トントン

心理定規「ふーん」ジー

打ち止め「ふーん」ジー

垣根「んだよテメェまで」ズビシ

打ち止め「あう」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 01:38:10.05 ID:wDJxsWGIO

垣根「〜♪」トントン

心理定規「ねぇ、何か良いことあった?」

打ち止め「あった?」

垣根「えっ」ザクッ

心理定規「何だかとっても嬉しそーぉな顔してるから」

打ち止め「してるから!」


垣根「ええっ……と」///

心理定規「お父さんと、仲直りできた?」

打ち止め「できたー?」

垣根「バッカ違ぇし! 第一、んなことぁ絶対有り得えねぇし!!」

芳川「ご飯できたー?」

垣根「お前は働け!!」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 01:40:02.46 ID:wDJxsWGIO

……

心理定規「さて、と…」ガタン

芳川「あら、お帰り?」

打ち止め「お姉さん帰っちゃうの?ってミサカはミサカは大ションボリ…」ショボーン

心理定規「あははっ、アホ毛もションボリしちゃってる。カワイイー」ツンツン

垣根「メシ、もうすぐ出来んぞ?」

心理定規「ありがと。でも、バイトの前だし」ミョンミョン

打ち止め「はうぅ…」///

垣根「まだ続けてんのかよアレ」

心理定規「うん。本業がサッパリで暇だしね。貴方も今度、どう?」

垣根「は? おれが?」

心理定規「貴方と、貴方のお父さんの心の距離……気になっちゃって…」

垣根「やめろッ!!」

心理定規「ふふっ、お邪魔しました〜」クスクス

垣根「帰れ! とっとと帰っちまえ!!」

打ち止め「バイバイーってミサカはミサカはお姉さんにお見送りのご挨拶!!」

バタンッ
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 01:42:17.56 ID:wDJxsWGIO



ガチャッ

黄泉川「ただいまじゃーん」

打ち止め「おかえりーってミサカはミサカはヨミカワにお出迎えのご挨拶!!」

垣根「早ぇな、今日」

黄泉川「さっきそこで女の子とすれ違ったんだけど、お客じゃん?」

打ち止め「うん! さっきのお姉さんは、お兄さんの恋人なの…ってミサカはミサカは……キャー!!」///

垣根「違ぇよマセガキ」ズビシ

打ち止め「ぁうあ」

垣根「妹みたいなモンだよ。お前の姉ちゃんと同期だ」

打ち止め「お姉さまと?」

黄泉川「ふーん。中坊のワリには、結構大人びた感じだったじゃん?」

芳川「子供の癖にいやらしい雌の色気を醸し出してたわ……」

垣根「まあ、色々と裏の世界を知ってるからな。…何、君? 嫉妬でもしてるの?」
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 01:45:12.08 ID:wDJxsWGIO

───
──


ガチャ ガチャ…

助手「ちなみニ、さっきのは『お客さん』と『お客じゃん』を掛けた難カイで高度ナ……」

医者「なるほどー勉強になります先生」

ソル「黙ってろ……集中できねぇ……」

ガチャ ガチャ…

医者「それにしても」

ソル「……何だ?」

医者「その、対"GEAR"兵器…。本当に今の時代に必要なんですかねぇ」

ソル「いずれは必要になる……」

助手「そんなガラクタよリ、ワシを量産すれバ、"聖戦"なぞ一瞬でカイ決だゾ」エッヘン

ソル「テメェみてぇな産業廃棄物が何匹も戦線に投下されたら、指揮系統が一瞬で大混乱だ……」

助手「なヌだトー!!」プヒー =3

医者「"聖戦"……。果たして、こんな平和な世界で起こり得るものなのでしょうか…」

ソル「『あの男』が存在する限り、『ジャスティス』は必ず現れる……。ここが真っ先に狙われるのは、避けられない……」

医者「そうですか……」

ガチャ ガチャ…

プヒヒー =3
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 01:49:11.02 ID:wDJxsWGIO

学園都市──第七学区──とある公園広場


心地良い日差し──散歩帰りの昼下がり──

ぼんやり見つめた景色の向こう側──もういいやこれ/飽きた──怒られるし。

気分転換に外歩いてたら、昨日知り合った上条君が打ち止めの姉ちゃん──超電磁砲──に絡まれてましたよっと。
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 01:50:38.17 ID:wDJxsWGIO

「──ですから、上条さんは日々生活との戦いでアナタと勝負どころじゃ……」

「うっさい! 今日こそ決着をつけてやるんだから!!」


人生は楽しい事ばかりじゃない。
ケジメを付けなきゃいけない日ってのは必ず訪れる。今日がそんな日だ。


御坂「」キーキー

上条「」ギャーギャー


垣根「……ハァ。しゃあ無ぇ」
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 01:52:24.98 ID:wDJxsWGIO

垣根「よう、楽しそうじゃねえか。俺も混ぜろよ」スッ

上条「かっ垣根君!?」

御坂(しっ…自然な動作でアイツと肩組んじゃって…ッ誰!?)///


垣根「"君"はよせって、垣根か帝督でいいぜ……あーでも、"ていとくん"は勘弁な?」

御坂「垣根…帝督……」

上条「ん? ビリビリの知り合い?」

垣根「ビリビr……ブフーッwwwww」

御坂「ビリビリって言うな!! つーか笑うなそこ!!!!」

ズパァンッ!!


109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 01:53:48.63 ID:wDJxsWGIO

上条「うお!? 危ねぇ!!」

垣根「マジでビリビリしてやがんな!?」

御坂「黙れ!!!!」ビリッ

上条「おい! 一般人に向かって電撃は止めろ!!」

御坂「アンタ……」ハァッ ハァッ

上条「……ビリビリ?」


御坂「アンタ……、そいつがどんな人間か承知の上で付き合ってんの…?」

上条「えっ」

垣根「えっ」

110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 01:55:12.65 ID:wDJxsWGIO

御坂「……ちょっ違…ッ! "付き合うって"のは友達同士でのって意味で…っ決してそんなのじゃ…///」アタフタ

上条「おバカな上条さんでも、そのくらい分かってますよ…」

垣根(うわー耳まで真っ赤)


上条「……んで、垣根がどうしたって?」

垣根「……」

御坂「超能力者よ。学園都市第二位の……」

垣根「"元"第二位だ」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 01:56:29.25 ID:wDJxsWGIO

御坂「はっ?」

上条「えっ」

垣根「今は只の無能力者だ。演算能力はもう無ぇ」

御坂「ぇええッ!?」

──演算能力はな。

垣根「ま、そんな訳で、今度の能力審査結果の通知じゃあ、お前が繰り上がって第二位だ。良かったな、超電磁砲」

上条「垣根……」

御坂「どうして……」

垣根「色々あってな。……それとだ……」スッ

御坂「えっ…ちょっ!?」

上条「垣根!?(土下座!?)」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 01:57:38.93 ID:wDJxsWGIO

垣根「この間さ…、お前の小っこい妹を、くだらねぇ事に巻き込んで傷付けるところだったんだ……済まなかった」

御坂「……小っこい……?」

上条「ほら、この間セブンスミストで…」ヒソヒソ

御坂「あっ…」

垣根「……」

上条「なあ垣根…、それって『打ち止め』のことで間違い無いんだよな?」

垣根「ああ…」

上条「そっか……」

御坂「……」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 02:04:30.89 ID:wDJxsWGIO

上条「あのな、御坂。…横から割って入ってもいいか?」

御坂「……何よ」

上条「垣根とは昨日知り合ったばかりだし、こいつが今までどんな事に関わって、何をやってきたのかってのは全然知らない…」

御坂「えーと…、やっぱ後にして頂戴。終わってから聞いてあげるから」

上条「でも、こいつは悪い奴じゃない。正しい道をやり直したいってこいつの気持ちは…、俺はもう充分理解したつもりだ」

垣根(上条……)

御坂「いや、だからちょっと待っ

上条「だからこいつの事……ッ!!」

御坂「待てっつってんのよ! 今、頭ん中整理してるところなんだから……」ベシッ

上条「oh!」

垣根「……」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 02:07:19.47 ID:wDJxsWGIO


御坂「えっちょ、あにょさ(噛んだ…)、私はあの子の事情はよく知らないけど…、今はもう、あの子に危険は無いって事で良いのよね?」

垣根「(噛んだ?)…ああ、仮にあったとしても、今後は、俺と俺の周囲に居る連中が全力でアイツを護る」

上条「噛んだ?(ビリビリ……)」

御坂「うっさい!!!!///」

ズパァンッ!!

上条「ひぃっ」

パキーンッ!!

御坂「ほんっと肝心な時に限っていつもいつもアンタはぁっ!!!!///」バリバリバリッ

上条「まことに申し訳ございません!! 何卒お許し下さい!!!!」ドゲザッ

垣根(顔伏せて見れなかったけど、何かすっごい嫌な音が聞こえた……)ドキドキ

御坂「ちっ…。アンタ、後で顔貸しなさいよ」

上条「はい…(不k…いや、理不尽だ……)」

115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 02:10:02.14 ID:wDJxsWGIO

御坂「垣根帝督、顔を上げて頂戴」

垣根「……」

御坂「あの子に何も危険が無くて、あなたが何も危険でないってのなら……」

垣根「……」

御坂「私があなたを咎める理由なんて何も無いわ」

垣根「……」

御坂「ね? だからこの話は、もうこれでお終い」

垣根「ああ、済まねぇ……」


上条「……」

垣根「……えっ、何で上条君も土下座してんの?」

御坂「……そにょ(あぅー)///」

116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 02:12:43.70 ID:wDJxsWGIO

眼帯少年「あーーーーッ!!」ダッ

御坂「!?」ビクッ

垣根「お前…」

上条「昨日の…」

眼帯少年「そこの女ッ! ニーチャン達に何してんだ!!」ズザァッ!

御坂「なっ何!? この子」


眼帯少年「大丈夫かニーチャン!? キズは浅いぞ!」

垣根「いやちょっとおま

眼帯少年「俺が来たからにはもう安心だ! 女だからって手加減しねーぞッ!!」

垣根「聞けって!」

御坂「もー何なのよ…」

上条「ビリビリも俺には大概あんな感じなんですが…」

御坂「ビリビリ言うなっつってんだろうがぁッ!!」

ズパーァン!!

ビュンッ!!

垣根「!?」

御坂「!!」
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 02:16:33.90 ID:wDJxsWGIO

シュゥウウ……

眼帯少年「オマエ…」

御坂(電撃を放ってから避けた…)

垣根(それも上条ひっ捕まえて…)

上条「…えっ何? この上条さんイリュージョン?」オロオロ

眼帯少年「オマエ……、カイみたいでキライだッ!! ゼッタイ許さねー!!!」

御坂「カイって誰よ!?」

垣根「親父か?」

眼帯少年「違うッ! あんな奴オヤジなんかじゃねー!!!!」

垣根「親父か」

上条「親父なんだな」

御坂「お父さんなのね」

眼帯少年「ちぃ〜がぁ〜ぅのにぃ〜〜ッ!!」ジダンダ!!

垣根「いいからお前はこれ以上話をややこしくすんじゃねぇ」バシッ

眼帯少年「あうっ」

人付き合いってのは、裏の世界でも面倒なモンだったが、今じゃ不思議と悪い気はしない。

何となく、そう思わせてくれるがこの少年━━後に俺の弟分だと発覚するコイツの存在だった。
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 02:18:00.02 ID:wDJxsWGIO
━━━
━━




ニャー
  ニャー


「にゃんにゃんにゃーん♪」

ニャー

「にゃーんにゃんにゃん♪」

  ニャー
 ニャー

「にゃにゃにゃんにゃー♪ …ーん」

ニャー

「にゃーっ!!」ガバッ

御坂妹「……」

「」
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/15(金) 02:19:23.54 ID:wDJxsWGIO

御坂妹「……」

ニャー

「……えっ…と///」

御坂妹「…………フッ」ニヤ

「ッ!!」

御坂妹「さ、帰りましょう。とミサカは"いぬ"を抱きかかえ、目の前の"金髪美人"へ微笑みながらこの場を去ります」プゲラ

ニャー

スタスタ……

金髪美人「……///」フルフル


前ロン毛「組織のプロフィールに『猫を追い掛け回す』などとふざけた項目があったが、まさか本

金髪美人「ふぎゃぁあああああああ!!!!」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/15(金) 02:20:07.02 ID:wDJxsWGIO
今日の投下は以上です。
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/07/15(金) 12:42:55.54 ID:kAj3HOD+0
眼帯は旗男かそしてミリアwww
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/07/15(金) 13:07:56.10 ID:wwaY3rBAO
乙!

BBやめてGGやりながら、もってる
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 00:12:35.05 ID:i+O4KtPIO
投下再開します。
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:13:21.14 ID:i+O4KtPIO
──結局、上条当麻はあの後超電磁砲に手を引っ張られて姿を消し、あのガキといえば…

垣根「──そういや」

「うん!」


何かこう…、顔面をビッチリ前髪で覆ってた変態がお前の事探してたぞ」

眼帯少年「なにー!」

垣根「そいつがお前の…」

眼帯少年「他にもオヤジの事探してるヤツがいんだな!? こうしちゃらんねぇえ!!」

垣根「だから」

眼帯少年「んじゃーなーニーチャン! オレ急いでっから!!」ズドドドド…

垣根「聞けよ…」

──てな具合で飛んでいきやがった……マジで落ち着きが無ぇ…
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:16:06.46 ID:i+O4KtPIO
……

垣根「ったく、親の顔が見てみてぇz…」

ソル「…ッリヴォルヴァアッ!!」ブオッ!!

垣根「うぉあ何しやがんだ急にッ!!?」

ソル「……おい」チッ

垣根「今舌打ちしやがったなテメェどういう了見だコラ」

ソル「この辺で…、眼帯付けたガキを見かけたか……?」

垣根「…ぁあ?」

ソル「見たのか見なかったのか…ドッチだ」

垣根「見てねぇよ」

ソル「……ならいい。今日の"シゴキ"は無しだ。自主トレで空中戦の精度でも上げておけ…」ザッ


垣根「おい、待てよ」

ソル「何だ…」

垣根「その眼帯のボウズ。テメェの何だってんだ?」

ソル「……テメェには関係無ぇ」

垣根「あーそうかよ。だったらさっさと消えちまえクソッタレ」

ソル「フン……」ザッザッ



垣根「ハッ! ザマミロってんだクソ親父」

126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:17:10.30 ID:i+O4KtPIO

……

ソル「……オレは"ボウズ"だなんぞ言った憶えは無ぇぞクソガキ…嫌な予感しかしねぇ……ッ!」ザッザッ
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:18:33.86 ID:i+O4KtPIO

学園都市──第七学区──研究所エリア


結標「──それで、奴が根城にしている研究所ってのがここな訳?」

土御門「そっ。そして件の"ソル=バッドガイ"は、今現在出払っていると海原からの報告だ。その隙に奴がここで何をしているのか家捜しできるチャンスなんだぜい」

結標「監視カメラに録画された今までの映像は?」

土御門「不気味な位、誰も何も映ってないんだにゃー」

結標「……それって危険は無いんでしょうね?」

土御門「魔術的なトラップは特に感知しなかったが…、無いとは言い切れん。本当だったら一度、他の暗部に噛ませてから潜入するつもりだったんだけど…」

結標「けど?」

土御門「その"アイテム"のリーダーが現在使い物にならんのですたい」

結標「…ああそう」
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:20:02.35 ID:i+O4KtPIO

土御門「まあ、お前の座標移動なら大丈夫だろ。頼んだにゃん」

結標「気軽に言ってくれるわね…、帰ったら憶えてなさいよ」

土御門「いざとなったら、第二位の監視に出向いてる二人を呼んでやるから、骨くらいは拾ってやるぜよ」

結標「はいはい」ヒュンッ

──────

ヒュンッ

結標(はぁ…、自分を飛ばすのって、まだちょっと抵抗があるわね……)


医者「おや、今日の診察は終了ですよ?」

結標「」

医者「おやおや? お顔が優れないですねぇ。軽く診てあげますから、ちょっとこちらへいらっしゃい」

結標「けけけ結構ですっ!!」ガタッ

ガチャンッ!!

医者「お大事にー」

……
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:23:03.60 ID:i+O4KtPIO

結標「……疲れてるのかしら、私」

結標「……」

結標「まぁいいわ。気を取り直して…」ヒュンッ


──────

ヒュンッ

医者「きゃああああシャワー室はノックしてくださいぃ!」ジョワー

結標「失礼しましたぁあああああッ!!!!」ヒュンッ

──────

ヒュンッ

結標「……おかしい。さっきなら何なのよもう」ハァアァ

結標「……」




結標「……何、このピンクの照明……」

助手(王様ver)「ヨク来タ」プシュー

結標「」

助手「オマエは累計デ11人目の嫁候補ダ」

結標「…は?」

助手「我ガ伴侶とナレル事を光栄に思うがヨイ」ズイッ

結標「ちょっ!? …近い! 近いッ! カブトムシ臭い!!」

助手「今宵、我輩ト『夜の蜜柑畑』…トモに耕さないカイ?」ギュッ

結標「ひぃいいいいッ!!!!」

……
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:26:24.68 ID:i+O4KtPIO

学園都市──第七学区──窓の無いビル


アレイスター「はあぁ、ようやく全部元に戻って本当に…」

ソル「…ッブリンガァア!!」バゴォン!!

アレイスター「ぎゃああああああああああ!!!!!!」

ソル「…」ザッザッ…

アレイスター「なななななに何?」

ソル「テメェが"滞空回線"で撮った昨日からさっきまでの監視ログ……出せ」

アレイスター「はわわわわ☆」

ソル「チッ…、非常用端末はコッチか」バキンッ

ビーッ! ビーッ!

アレイスター「"非常用"を平然と抉じ開けないでぇえ!!!!」

ソル「黙ってろ……今スグ茹でられてぇか?」ダカダカダカダカダカダカダカ……

アレイスター「はぅぅ」

ソル「クソめんどくせぇ…」ダカダカダカダカダカダカダカ……

ピッ

131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:28:22.21 ID:i+O4KtPIO
────
ザッ
《シンー! もうすぐご飯だから、ボクと一緒に帰ろぉよー!》ザッ

──
ザッ
《あの、謎物体を乗りこなすメイド……是非とも組織に…》ザッ

──
ザッ
《ジャッッパニィィィイイイイイズゥウ!!!!!!!》ザッ

──
ザッ
《ハァ……どうにかトンズラこいて、めぐみに会いたいっす……》ザッ

──
ザッ
《にゃんにゃーんにゃーん♪》ザッ

────

ソル「コイツ等……」ビキッ

アレイスター「ひぃいいい」


ソル「…ッ」
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:30:28.19 ID:i+O4KtPIO

────
ザッ
《オレ、シンってんだ!! よろしくなニーチャン!!》ザッ

──

ソル「……」

──

ザッ
《シンね…》

《ねぇニーチャン。ニーチャンは? 何て名前?》

《俺か? 俺は……》
バゴンッ!!


アレイスター「壊すのらめぇえ!!!!」

ソル「……」

ブスブス…

ソル「予想は付いてたが…、実際目にするのはちょいとヘヴィだったぜ……」ハァ

アレイスター「メディーック! アパァアム!!」

ソル「うるせぇぞ海草」バゴッ!

アレイスター「ふぐぁ!」


ソル「やれやれ…どうしたモンか……」
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:33:54.90 ID:i+O4KtPIO

────

遠い未来──
イリュリア連王国──王の間──


カイ「──行方不明?」

衛兵「はい。彼らの周囲に居た数名と共に消息を断ち、依然として捜索中です。姿を消した者の中には、ジェリーフィッシュ快族団も含まれているとか…」

カイ「彼らが…」

衛兵「恐らくは王のご子息も…。我が国からも捜索隊を編成し、派遣させますか?」

カイ「いえ。この件は国際警察機構へ一任します。ご報告ありがとうございました。進展があれば、随時ご連絡下さい」

衛兵「はっ!ではこれにて…」

カイ「もう一つ、よろしいですか…?」

衛兵「はい」

カイ「妻には…、この件についてはどうか内密に…」

衛兵「はっ!心得ました」ガシャッ



カイ「…ソル、…シン」


134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:35:17.26 ID:i+O4KtPIO

────

現代──
学園都市──第七学区──教員マンション──


垣根「……ぁあ? どういうこった?」

芳川「──だからね、今日は打ち止めを病院へ連れて行くから、お昼はゆっくりしてて良いわよって言ったの」

垣根「ふーん。じゃあ、夕方まで帰ってこないって事でいいんだな」

芳川「自慰はいいけど、異性を連れ込んで交尾はしないでね。家主がうるさいから」

垣根「殺すぞクソニート」


芳川「まあ、滅多にない機会だし。ハメ外さない程度に羽でも伸ばすといわ……ぁ」

垣根「……んだよ」イラッ

芳川「ごめんなさい……、羽…w、もう…ww、伸ばせないんだっけwww?」ブフゥーッ

垣根(抑えろ…クールになれ…今のは予測できてたハズだぜ帝督……ッ)ギリギリギリ
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:36:26.87 ID:i+O4KtPIO

打ち止め「良い子でおるすばんしてるのよって、ミサカはミサカは優しく言いつけてみる!」

垣根「はいはい。ミサカワ、ミサカワ」ワッシワッシ

打ち止め「うにぃーっ! ミサカがお兄さんのおねえちゃんなのってミサカはミサカは主導権を激しく主張してみたりぃっ!」ジダンダッ!!

垣根「ケケっ、お子ちゃんだねぇー。オラさっさと調整にでも何でも行ってこい」

……

垣根「ハァ……やっっとうるせぇのとうッッとぉしいのが消えたぜ…」

垣根「親父の課題も終ったし…久々の安息だな……」ゴローン
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:40:02.51 ID:i+O4KtPIO

垣根「一人でゆったりテレビとか久々じゃね?」

ピッ

< …こちらが、今イギリスで話題の中華料理屋さん! とっても絶品で現地の人たちの行列が毎日絶えないとの事!!

垣根「……」

< それに料理だけでなく、とっても可愛らしいシスターさんが出迎えてくれると評判ですっ。さっそく入ってみましょう!

< ハーイ! イケメン大歓迎アr

ピッ ブツン!

垣根「……うぜえ」


137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:41:12.13 ID:i+O4KtPIO

グデーン

垣根「…………ゆっくりっつっても…、暇なのはいただけねぇな」ゴロゴロ

垣根「上条は学校だろうし……」

垣根「心理の奴は……何か会いたくねぇ……」

垣根「……親父んトコは……論外だ……うん……」

垣根「……」グデーン


とぅるるる

垣根「ん? 電話か?」

ガチャ

垣根「はい…」

《交尾はダメよ》


ガシャンッ!!!!

垣根「あんの…ババァ……ッ!!」ビキビキ

138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:43:44.00 ID:i+O4KtPIO


とぅるるる

垣根「……」イラッ

ガチャッ!!

垣根「んだよさっきからテメェはマジぶっ殺すぞ!!!!!」

上条《ッひぃいいごめんなさい上条さん間違えました!!!》

垣根「…って、ぁあちょっと待て!!…その声上条か?」

上条《えっと……垣根…さん。…ですよね?》

………
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:44:41.92 ID:i+O4KtPIO

……

学園都市──第七学区──とある高校


上条「……実はですね。上条さんの学校はテスト期間なもんで……はい…はい…そうそう、もう帰れるんです…」

上条「…それでですね…そのー、何と言いますか……大変、申し上げ難いのですが…はい…お願いしたいことが……」

上条「…はい…はい……いえいえ!めっそうもごぜざいません! その件は…はい!…はい……!」ヘコヘコ

上条「…はい! ありがとうございます! それでは指定の時間と場所でお待ちしておりますので……」ヘコヘコ


吹寄「アイツは営業中のサラリーマンか…」

姫神「素敵。」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:47:18.53 ID:i+O4KtPIO


土御門「なんにせよ、アポは取れたんだにゃー」

上条「ああ、勉強見てくれるってよ」

青髪「カワイイ? ロリっ子なん?」

上条「ちげーよ」

吹寄「貴様は次から次へと…」

姫神「最低。」

上条「だから誤解ですってば!!」

小萌「ちゃんとお掃除済ませて帰るのですよー」


ウウー

  カンカン

上条「火事…?」

小萌「珍しいですねー。あ、黄泉川せんせー」

黄泉川「おー」

吹寄「先生は、行かないんですか?」

黄泉川「うん、私は連絡係。能力者がらみじゃなさそうだし、現場の方は鉄装に任せといたじゃん」

上条「そうですか…」

小萌「みんなも気をつけるのですよー」

──
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:49:30.32 ID:i+O4KtPIO

学園都市──第七学区──とある公園


シン「──おーい! カキネー」

垣根「」

シン「ひさびさだなー! 昨日ぶりかー!」

垣根「オマエは、フルチンで、噴水に入って、一体何をしている…」

シン「水浴び! 気持ちいいぞー!!」

垣根「さっさと出ろ野生児!!」ボカッ

シン「あいてっ」

……

シン「キレイにしとかないとなー。オヤジがうるせーんだ」

垣根「んで、そのオヤジさんは見つかったのか?」

シン「ううん…でも今日こそはっ」

キュ〜

シン「あぅ…、ハラへった……」

垣根「昼メシまだ食ってねぇのか?」

シン「うん!」

垣根「つか、お前普段から何食ってんだ? どうせ金も持って無ぇんだろ」

シン「今日の朝はその辺に生えてる食えそうな雑草で、昨日の晩はその辺で獲れたヤモリとか」

垣根「人間様の食いモン食わしてやっから付いて来いクソガキッ!!」ガタッ
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/20(水) 00:50:48.57 ID:i+O4KtPIO
───
──



学園都市──第七学区──とある自動販売機


ガシャン…
    ガシャン…


エツァリ「ふぅ…、垣根帝督監視の為に用意したこの自販機型パワードスーツ。装着には多大な負荷を掛けますが…」

ガシャン…
    ガシャン…


エツァリ「労力に見合う価値は存分にありますね……」

ガシャン…
    ガシャン…


エツァリ「それにしても今日の御坂さんのハイキックは、ふう…また一段とお美しい……」


<センセー
<ミチャイケマセン

ガシャン…
    ガシャン…


前ロン毛「む……」ガシャ

エツァリ「ぬ……」


前ロン毛(怪しい奴…)
エツァリ(怪しい奴…)
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 00:52:40.33 ID:i+O4KtPIO
これでGG側のキャラは大体揃ったと思います。名前の方もサクサク明記していきたいです。

今日の投下は以上です。
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/07/20(水) 02:39:08.19 ID:+YhnxwqAO
乙!
安心のサバイバル特化教育だな
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/07/22(金) 22:03:49.79 ID:z7xckF6j0

さすがのソルも教えることが偏りすたって反省してたな
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/24(日) 00:46:10.12 ID:j4f+5AmIO
投下再開します。
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 00:48:08.22 ID:j4f+5AmIO

時間を少しさかのぼり────



学園都市──第七学区──とあるファミレス


忍者小僧「アメイジング……、あっちのコロニーじゃ絶対お目にかかれないメイドインジャパンの数々…」

バンダナ「…」

前ロン毛「…」


忍者小僧「SUSHI!!」ビシッ

バンダナ「それはエビピラフ」


忍者小僧「TEN-PURA!!!」ビシッ

バンダナ「これはエビフライ」


忍者小僧「GEI-SHYA!!!!」ビシッ

ウェイトレス「!?」ビクッ

バンダナ「あれはエビ…じゃなくてウェイトレス。少しは落ち着けっての」

忍者小僧「シャラップ!! 今まさに、本物のジャパニーズ文化に触れようとせん俺が…、この俺が落ち着いてられっかッ!!」

バンダナ「ですよねー」

前ロン毛「目立つ行為は成るだけ避けて欲しいのだが」

バンダナ「アンタはいい加減その前髪縛るか切るか剃るか何とかしてくんない? ソッチのが目立ってしゃーねー」

前ロン毛「む…済まないがそれは無理な依頼だ」

バンダナ「じゃねぇとアンタの名前ずっと前ロン毛で固定っすよ」

前ロン毛「不本意だが、止むを得まい……」
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 00:50:32.41 ID:j4f+5AmIO

忍者小僧「シワとシワを会わせて…今必殺のッ!イタダキマスッ!!」DO-GE-ZA!!

バンダナ「だーもおー目ぇ離した隙に何やってんすかアンタは! 恥ずかしいから止めて頂戴!!」


< ちょっとォ、さっきからうっせンですけどー

バンダナ「あ、すんません」ヘコヘコ

前ロン毛「失礼した」ペコリ

忍者小僧「…ッ!…ッ!」ハム! ハフハフ!


バンダナ「はぁああ。たかだかファミレスで何でこんなに気を使わにゃならんのよ…」

前ロン毛「…ところで」

バンダナ「なんすか?」

前ロン毛「先日から捜索している例の少年。見つかったのか?」

バンダナ「…あー、もう全然だわ。お手上げ」

前ロン毛「ふむ…」

バンダナ「すげーアホな分、行動力がハンパねーわあの子。マジで見つかんねー」

忍者小僧「今日も朝からメイの奴が探しに出たぜ?」ムシャムシャ
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 00:51:44.28 ID:j4f+5AmIO

バンダナ「ダンナに任せとけって言ってんのに……そういやミリアの姉さんは? 今日一度も顔見せてないけど」

前ロン毛「先日、出会い頭に色々あってな…。一応声は掛けたが、今日一日部屋から外に出る気は無いらしい」

バンダナ「おいおい、アンタ等お家に帰るまで休戦協定結んだんじゃなかったのかよ」

前ロン毛「私は何も悪くない」

バンダナ「勘弁してよ…、ダンナの言いつけでアンタ等のお守り任されてんだから。後から何てドヤされるか分かったモンじゃねぇ」

忍者小僧「つーかよ、こんな事になったのお前が原因なんだし、お前が俺達の面倒見るのは当然じゃね?」ムシャムシャ

バンダナ「へーへーわかってやすよ」
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 01:02:45.94 ID:j4f+5AmIO

前ロン毛「それで、少年の件は任せるとして…、我々はこれからどうする?」

バンダナ「んー…、まあ、予定通り」

忍者小僧「"タイムマシン探し"ってか?」ムシャムシャ

バンダナ「そ。ダンナから貰ったこの紹介状に書いてある…ええと『根腐研究所』…ってトコ? とりあえずここに突撃っすかね」

前ロン毛「旧世代の技術が、果たして当てになるのかは甚だ疑問ではあるが…」

バンダナ「まあ、実績はあるみたいよ? 服部半蔵だのチンギス・カーンだの歴史上の偉人さんと接触した記録があるらしいし。ついでに俺の体質も診てもらえたら儲けモンって感じ?」

忍者小僧「そのまま拉致監禁されてモルモットコースにご招待されなきゃいいがな」ムシャムシャ

バンダナ「ねーよ!! ……いやあるのか? あるのかもしれねぇ…うん」

忍者小僧「ってかハットリハンゾー!? マジで会えんのか!? 」ガタッ

バンダナ「うお!? 反応遅ぇよ!…つーか、まあ何となくそうじゃないかと思ってたけど…、よく知ってたな半蔵」

忍者小僧「おうよ! 師匠からシノビの中のシノビだったって聞いたぜ!」

バンダナ「あーそー。会えるかどうかは知らないっすけどねー」

忍者小僧「そんなキングオブニンジャに会えるなんて…生きてて良かった」グスッ

バンダナ「だからハンゾーに会えるかどうかはまだわかんねーって! もう泣くなよ…」

前ロン毛「何でもいい。目的が決まったのであれば、後は実行に移すのみだ。先を急ぐぞ」ガタッ

……
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 01:04:29.89 ID:j4f+5AmIO

学園都市──第七学区──雑居ビル周辺──

ウー ウウー
  カン カン カン……



鉄装「ご協力に感謝します!」ビシッ

ソル「別に…、人探しのついでだ……」

鉄装「いえ! 炎上中の建物にあなたが飛び込んでなければ…」


生徒「せんせぇー せんせぇー」ビェーン

先生「本当に良かった…、もう大丈夫だから……」


ソル「……」

鉄装「……あの子達の救出に間に合わなかったかもしれません。本当に──

──────

『ママせんせぇー』ビエーン

『こらフレデリック! また帝督をいじめて────

──────

ソル「……」

鉄装「…あの? どうかされました?」

ソル「……何でもねぇ」
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 01:06:45.39 ID:j4f+5AmIO

助手「怪我ハ無いカイ?」ヌッ

鉄装「うひゃぁっ!?」

助手「オマエは通算12人目の嫁デ…」

ソル「……」バキッ!

助手「ヲウッ!?」

鉄装「ロボッ…ト?」

ソル「簡易AIを搭載した二足歩行型支援ユニットだ……。出荷前の動作テストを兼ねて同行している。コイツに関する質問は答えられない……以上だ」メキメキ

鉄装「は、はぁ…」

助手「貴様ッ! ワシを愚ロウするカ……ガッ!?」グググ…

ソル(お前は、何も、喋るな…ッ!)メキメキメキ

助手「ッぁィィイイイ!!!!」ミシミシミシ

鉄装(ひぃいっ)ガクブル

ソル「フン……」

鉄装「ええっと、ひょっとして研究員の方…でしょうか?」

ソル「ああ……」

鉄装「(見えねーッ!)そうでしたか…。では後日、感謝状とその他諸々をお送りさせて頂きたいので、所属先を教えていただければ……」

ソル「いらねぇよ」
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 01:08:39.25 ID:j4f+5AmIO

鉄装「えっ…でも……」

ソル「事故現場の詳細な報告が欲しけりゃ、レポートを後日提出する……。それで良いな?」

鉄装「ぇえっと……その…」

ソル(面倒臭ぇ…)

ソル「謝状は俺の意思で勝手に突っぱねたんだ。断られたからって、別にお前のペナルティにはならん……、心配するな」

鉄装「いいえっ別にそういった訳では…あのっ!」

ソル「じゃあな。これでも急いでるんだ……行くぞ」グイッ

助手「こッっ壊レるッ1? 髪を引っ張ルナ!! 地毛だゾ!!」ズリズリズリ

ツカ ツカ…


鉄装「あのっ! ご協力…、本当にありがとうございましたぁっ!!」

鉄装「……」

鉄装「…地毛」
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 01:09:54.35 ID:j4f+5AmIO

学園都市──第七学区──とあるファミレス

イラッシャイマセー

シン「スッゲー! なんだなんだここスッゲー!」

垣根「騒ぐなよ。頼むから大人して…」


シン「あーっ! ツンツンのニーチャン!」

上条「おっ、垣根ー。こっちこっちー」

垣根「だから、急にデカイ声を出すな」グリグリ

シン「いででで」

上条「ああ、この子も一緒なんだ」

垣根「おう、バッタリ会ってな…って結構な人数じゃねぇかソッチは…」
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 01:13:41.45 ID:j4f+5AmIO

土御門「センセー! 今日はお願いシャッス!!(乗り気はせんが、コレも仕事なんだぜい)」

青髪「たのんますー(居残りして小萌センセとおった方がよかったわー)」

吹寄「あ、あのっ…お邪魔でしたら私たちは退散しますので…(背ぇおっきい…)」

禁書「ダメだよ!お腹いっぱいごはん食べるまで帰らないんだよっ(おかずもだよ!)」ムシャムシャ

姫神「……(何か。喋らないと。)」

シン「すげー人いっぱいだー」

垣根「」


上条「あー…、やっぱ迷惑だったか?」

垣根「…構わねぇよ、想定外な面子にちょっとビビッただけだ。まとめて面倒見てやる」


姫神「ぁ上条「あざっす!!!」ビシッ

土御門「ァリアッス!!!」ビシッ

吹寄「ありがとうございまぁす!!!」ビシッ

禁書「ちょわぁあっっす!!」ビシッ

青髪「ウィーッス」ッライ ッライ


シン「よろしくな!!」ズビシッ

垣根「ほら、お前はこっち座れ」グイグイ

シン「おー!」

吹寄(猫掴み…)

姫神(かわいい)
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 01:15:08.37 ID:j4f+5AmIO

上条「そういや、結局この子の親って見つかったの?」

垣根「いや…ただ、コイツ放っといたら体内で未知の病原菌精製しそうなんで連れてきちまった。ホラ、こっからテメェで食いたいモン選べ」バサッ

シン「オレ、まだ字よめねー」

垣根「ですよねー」


禁書「わたし読めるかも!」ビシッ

姫神「私も。読める」ビシッ

青ピ「ボクも!」ビシッ

吹寄「私も!」ビシッ

土御門「オレも読めるぜい! カミやんは?」

上条「えっと…俺は


青ピ「なんやー読めへんのかいなぁ…」ハァ

禁書「がっかりなんだよ…」ハァ

吹寄「これだから上条は…」ハァ

姫神「可哀想…」ハァ

上条「何ですか!? この上条さんイジリ!!」


シン「気にスンナ!! 一緒に頑張ろうぜ!」グッ

上条「ハハ…いですとも……」
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 01:17:10.93 ID:j4f+5AmIO

垣根「注文してやっから、写真見てどれが良いか指差せ」

シン「わかった!」

禁書「私も見る!」

上条「お前はさっき食ったばっかだろ」


土御門「垣根クンってどこの学校?普段何してるん?」

垣根「休学中で、今は職業訓練で老人介護の最中だ。あんま高そうなのは勘弁な」

シン「うん! これがいい!」ビッ

吹寄「高能力者の方で就職の事考えてるなんて、しっかりされてるんですね」

垣根「んな大層なモンじゃねぇよ。半ば強制的にやらされてんだ…っておいこらボウズ、俺が今言ったこと理解できてんのか?」

シン「バッチリだぜい!」

垣根「はぁ…」
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 01:18:38.30 ID:j4f+5AmIO

禁書「私も同じの!」

上条「お前はドサクサに紛れて便乗してんじゃねぇ!」

禁書「私も食べたい食べたい食べたい!!」

上条「お願いだからお店で駄々こねるのやめて!」

垣根「いーよ別に、ついでに頼んでやる」

シン「おお! 超ドテッ腹!」

禁書「ていとくは神様なんだよっ!」

上条「すみません…」


土御門「話が弾んでるとこ悪いが…、もう一個いいかにゃー?」

垣根「んだよ?」

土御門「幼女も同居してるって黄泉川先生に聞いたんだけどにゃー。やっぱ一緒にお風呂入ったりしてんの?」

青ピ「そら聞き捨てならんな!」
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 01:19:24.58 ID:j4f+5AmIO

垣根「質問の意図が全然見えねぇが…、日頃の家事で手一杯だってのに、んなクソ面倒くせぇ事できるか!」

青ピ「ホンマに!? 目の前に幼女がおんのにクンクンもスリスリペロペロもまだやなんて…」

垣根「……」バキッ

青ピ「あふん!」

シン「おおう! 何てサディスティックなストレート!」

垣根「すまん。無意識のウチにやっちまった」

上条「いいですよ別に」

吹寄「全然OK」

姫神「むしろGJ」

土御門「そっかそっかー、クンクンもペロペロもまだ実行に移してないっと」メモメモ

垣根「……」
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 01:21:50.30 ID:j4f+5AmIO

禁書「とーまとーま、お腹が空いた私はこのボタンを早く押したいのかも」

シン「これか?」ピンポーン

禁書「ああっ!? 私のレゾンデートルが!!」

上条「どんだけ役立たずなんですかアナタは…」

姫神「存在価値が。有るだけ。マシ」


垣根「俺とこいつの注文も一緒に頼むわ。グラサン君、俺と一緒にドリンクバーに行かね?」

土御門「おう、いいぜい。上やんと青ピ、何する?」

上条「あ、烏龍茶をお願いします」

青ピ「ボク、コーラで」


垣根「じゃあ、俺は女の子の分だな」

吹寄「えっと、じゃあオレンジジュースで」

禁書「わたしもオレンジっ!」

姫神「カフェオレを。」

垣根「オッケー、オレンジジュース3つね」

姫神「なぜ……」
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 01:24:48.46 ID:j4f+5AmIO

垣根「お前は炭酸でいいな…って、どうした?」

シン「うぅー…ションベン出そー…」モジモジ

青ピ「アカン、そんな表情でオシッコ我慢してる少年を見てると、ボク何かに目覚めてしまいそうや」

吹寄「死ね」バキッ

青ピ「ああん」

垣根「えーと…」

上条「ああ、俺が連れてくよ」ガタ

垣根「悪い」

土御門「ちゃっちゃと行ってこようぜい」




……

垣根「……テメェ、第一位が所属してる暗部の連中だろ」

土御門「ありゃ? バレてたか」ティヒヒ

垣根「ティヒヒじゃねぇよ。…ったく、人様の内部事情を根掘り葉掘り聞きだそうとしやがって……一体何のつもりだコラ?」

土御門「何のつもりでかというとにゃー……」チラッ

垣根「……ぁあ?」チラッ




一方通行「……」ズズッ


垣根「」
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 01:27:38.32 ID:j4f+5AmIO

土御門「そこでコーヒー啜ってる第一位様へ、俺が根掘り葉掘り聞いたことを報告せにゃならんからですたい……」

垣根(全然気づかなかった……)

土御門「ま、そういうことだ。詳細に話せとは言わん…。内容はコッチで適当にでっち上げとくから、当たり障りの無い回答で頼む。…打ち止めの事に関しては特に」

垣根「苦労してんなお前……」

土御門「そう思うんなら協力してくれい」

垣根「めんどくせぇな」

土御門「ああそうそう」

垣根「ぁあ?」
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 01:31:14.54 ID:j4f+5AmIO

土御門「"ソル=バッドガイ"の事、ウチらでも調べてるとこなんだけど……」

垣根「知らねぇよ。あんなクソみてぇな親父の事なんざ」

土御門「おやおやぁ? おたくの親父さんの事だなんてひとっっことも言ってないんだけどにゃー?」

垣根「チッ……」

土御門「おたくら親子が"人払い"の術式まで掛けて、夜な夜な二人で何の特訓に励んでるのか知らないが…」

垣根「…何が言いたい?」

土御門「まあ、統括管理理事長の事はあんまりイジメてやんないで欲しいんだぜい。なんか昨晩もビルまで乗り込んで来たらしくって…」

垣根「は?」

土御門「常時ドヤ顔だったのが何かもうすっかり鬱入っちゃって…、都市機能が麻痺しかかってるんですたい」

垣根「……」

土御門「次、親父さんに会ったときに伝えて欲しいって…聞いてる?」

垣根「あの野郎…、俺が奴に会うために今までどんだけ苦労したと思って…」プルプル
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/24(日) 01:32:56.93 ID:j4f+5AmIO

学園都市──第七学区──とあるホテルの喫茶店


ミリア「部屋の中で腐っててもしょうがないし、出てみたものの…」

ガヤガヤ

ミリア「たかだか喫茶店で結構な混み様ね…」


「お姉さまったら、またこんなところで無駄遣いなさって…」

「いいじゃない。ここのケーキもついでに食べたかったんだし」


ミリア(あの女の子達と相席だけど…しょうがないわね)

「それは結構。ですが、ホテルを物置みたいにホイホイ使われては常盤台女子としての…」

「はいはい、わかってるってば」


ミリア「隣、宜しいかしら?」

「…あら? お姉さま、如何なさいます?(超グラマス…)」

「ええ、私は構わないわよって…(すっごい美人…)」


ミリア「」

黒子「……えっと」ドキドキ

御坂「どうか…されました?」ドキドキ

ミリア「失礼しましたー」スタスタ


黒子「……」

御坂「……」


御坂「黒子…、私、何か変だった?」

黒子「いえ…、特には…」
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/24(日) 01:33:41.23 ID:j4f+5AmIO
今日の投下は以上です。
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/27(水) 02:14:30.39 ID:L9JcBxn6o
いい作品見つけた
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/30(土) 09:05:45.42 ID:WSfQQnFIO
>>166
ほとんど俺得なSSでそう言っていただけるのはありがたいです。
投下再開します。
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/30(土) 09:07:05.56 ID:WSfQQnFIO
学園都市──第七学区──とあるファミレス


青ピ「──ほな、そろそろボク帰るわ」

土御門「オレもボチボチ退散するぜい」

吹寄「私も帰ってから自習にするわ」

垣根「じゃ、今日は解散か?」

上条「みたいだな。助かったぜ今日は」

吹寄「色々とありがとうございました」ペコリ

姫神「感謝。」

垣根「いいっていいって」


禁書「ごちそうさまだったんだよ!」

シン「すっげーうまかった!!!!」

垣根「…テメェ等は俺の目ぇ離した隙に、メニューの端から端までバカスカ注文しやがって…」

上条「スンマセン…、ホントすみません…」ヘコヘコ
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/30(土) 09:08:02.82 ID:WSfQQnFIO

垣根「まぁ気にすんなって、おいグラサン君」

土御門「んー?」

垣根「(ここの支払い第一位にまわせ。打ち止めの情報料にしたって安いモンだろうが)」ヒソヒソ

土御門「(オッケー♪)」ヒソヒソ

垣根「(随分軽い返事だなおい)ヒソヒソ

土御門「(にゃっはっはっ、いつもの事ですたい)」ヒソヒソ

垣根「(なるほど)」ヒソヒソ


垣根「……」チラ

一方通行(……)チラッ

垣根「フッ」ニヤリ

一方通行(……あ?)

170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/30(土) 09:09:39.33 ID:WSfQQnFIO

青ピ「どしたん? 二人でコソコソして」

垣根「何でもねぇよ。それより……」

土御門「まあ、何だ」ズイッ

上条「どうした、土御門?」

土御門「今日は俺の奢りってことで」

上条「マジッ!?」

青ピ「ありえへん!」

姫神「何か怪しい。」

シン「金ピカのニーチャン太っ腹だな!」

土御門「ちょっと臨時収入が入りましてにゃー」ニヘラ

吹寄「ますます胡散臭いわね…」

禁書「…ってことは、もう一レーン往復して食べてもいいのかな!」

垣根「怖ぇえよオマエどっから来るんだそのみなぎる食欲は」

上条「お前はいい加減にしろ」
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/30(土) 09:11:12.08 ID:WSfQQnFIO

垣根「そうだ上条、買い物どうする?」

上条「そうだな。…セールまでまだ時間あるな」

垣根「じゃ、ここでもうちょい時間潰すか」

上条「おう。インデックス、お前も来るよな?」

禁書「ううん。お腹一杯だからこもえの家でまってる!」

上条「そうですか」

土御門「じゃあな上やん」

青ピ「また明日なー」

禁書「まってるんだよ!」

吹寄「垣根さんに迷惑掛けるんじゃないぞ」

姫神「さよなら。」

アリガトウゴザイマシター
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/30(土) 09:13:24.09 ID:WSfQQnFIO



垣根「……あれ?」

上条「どした?」

垣根「最後に挨拶した子って…、俺らが来た時からここに居たっけ?」

上条「ははっ、何を今更。姫神なら最初から……おや?」ハテ

シン「なーなー」グイグイ

垣根「何だ、オヤジ探し再開か?」

シン「うん!」

垣根「そっか…。おいボウズ」

シン「?」

垣根「今日も見つからなかったら、昼間の公園で待ってろ」

シン「なんでー?」

垣根「晩飯食わせにウチまで連れてってやる。そのあと俺も一緒に探してやるよ」

シン「……ほぇ」ホァア

上条「いいのか?」

垣根「家主の警備員様に相談してみるわ」

上条「ああ、黄泉川先生…」

垣根「下手したらコイツのオヤジもろとも不法侵入で叩き出されっかもな」ニヤリ

上条「アハハ(ウチの居候のこと考えたら笑えないっす……)」
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/30(土) 09:14:50.98 ID:WSfQQnFIO

シン「…」プルプル

上条「ん? どうした?」

シン「カキネすっげー良いヤツ! オレ、カキネのこと大スキ!!!」ダキー

垣根「お、おい! 恥ずかしいからやめろ!!」

シン「母さんとオヤジの次にスキ!!」ギュー

垣根「だからやめろって!…このっ離せ!!///」グリグリ

シン「オレ、オヤジが見つかっても一緒に待ってるから!」ギュー

垣根「いいから離れろっての!」グリグリ

シン「俺待ってるから! 絶対だからなー!!」ガバッ

ダダダダダダダ

垣根「コラァ! 店ん中は走るな…ってもう行っちまった…」

上条「すっかり懐かれちゃってまぁ」

垣根「うぜぇ……」ハァ
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/30(土) 09:19:10.81 ID:WSfQQnFIO

上条「でも、あの子すっげー嬉しそうだったぜ。垣根はいいアニキ分ってやつ?」

垣根「あんなアホな弟はいらねー」

上条「まぁ、確かにな…」

垣根「やれやれ、さっきからずっと叫んでて喉乾いちまった」

上条「そんじゃ、上条さんが飲み物でも取ってきますよ」ガタッ

垣根「ああ、頼んだ」


上条「ただいまー」

垣根「早ぇえなおいって…飲み物は?」

上条「どうしよう垣根さん」カクカク

垣根「…何があった?」

上条「ドリンクコーナーにすっごい綺麗な外人さんがいるんですけど」

垣根「ぁあ?…あー、ありゃ確かにスゲーわ。何、ああいうのがタイプなの?」

垣根(てか、さっきの真っ白シスターとか昨日の第三位とかは何なの? 何このリア充)
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/30(土) 09:20:46.66 ID:WSfQQnFIO

上条「どどどどうしよう? 何か困ってるみたいなんだけど、上条さん馬鹿だし英語も最近始めたばっかで全然わかんないし」

垣根「…うん、上条さん謙遜とかじゃなくてホントにバカだもんな。今日勉強教えた中で一番のサプライズだよ」

上条「ひどいっ!」

垣根「まぁいいから、当たって砕けてみろってヒーロー…あ、外人のネエちゃん席に戻ったぞ。どーすんだ?」

上条「何か、ホッとしたようなそれでいて寂しいような…」

垣根「んじゃ、店出る前にイッペン声掛けてみろよ。こんなチャンス二度と無ぇかもな」

上条「ええー……でもでも///」

垣根「てかジュース」

上条「あぁっ」

垣根「もういいや。俺行ってくる」ガタッ

上条「すみません…」

垣根「その間に…、アプローチの方法2,3パターンは考えとけよ」ニヤニヤ

上条「だから無理ですっってばYO!///」
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/30(土) 09:22:26.64 ID:WSfQQnFIO

……

垣根「…」チラッ


一方通行「……」

結標「……」


垣根「増えてやがる…」ツカツカ

垣根(第一位の席に居んのは『座標移動』か。さっきのグラサン野郎といい、暗部が揃いも揃って無能力者一人の監視にご苦労なこって)

< 今日の鯖は〜♪ 鯖味噌煮〜♪


結標「……」チラッ

垣根(いい加減、奴等にちょっかい出してやりてぇとこだが…、上条には気づかれたくは無ぇな)

一方通行「……」ギロ

垣根「ヘッ!」ファックサイン


< はぁ〜。結局、浜面が居ないときは一番下っ端な私って訳よ
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/30(土) 09:24:02.01 ID:WSfQQnFIO

垣根「奴等が視界に入って来んのもウゼーし、適当な理由付けてさっさと出るか…」

ドンッ

垣根「おっと悪ぃ…」

──ンダ「ちょっとぉ、どこに目ぇ付けてるって訳…」

垣根「あ…」

フレ──「……」

垣根「……」

フレンダ「……」


垣根「ょぅ、元気そうじゃn…

フレンダ「ほぁあああーーー!!!!!!」
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/30(土) 09:26:50.19 ID:WSfQQnFIO

……

その数分前──

上条「はぁ…アプローチと言われましても…」モジモジ



上条「……」チラッ



上条「無理! 無理です!! 例え英語ペラペラでも上条にそんな勇気はありません!……ッ」チラッ



上条「ぁあああ不幸だッ……いや、これは日頃の努力を怠ったせいだ…いやしかしっ!」ブンブン

御坂妹「さっきからずっと何を悩んでいるのですか? と、ミサカは挙動不審なあなたの頭を本気で心配しながら問いかけます」

上条「うぉビリビリ!?…じゃなくて妹の方か…全然気づかなかった」

御坂妹「…なるほど。周囲が見えなくなる程、あちらのロシアンでブロンドなビューティヘアに熱中していたのですね。と、ミサカは汚物を見るような目で命の恩人であるあなたを見つめます」

上条「えっええと…そ、それはですね…///」
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/30(土) 09:28:09.01 ID:WSfQQnFIO


< ホァアアアーーー!!!!!!

上条「うお! なんだ!?」ビクッ

御坂妹「…では、ミッションコンプリートしたミサカはこれにて失礼いたします。とミサカは名残惜しそうにこの場を去ります」

上条「(ミッション?)お、おう、あんまり相手してやれなくてスマン。…じゃあ、俺ちょっとあっちの様子見てくるからっ」ガタッ

御坂妹「……」

御坂妹「謝るくらいならもっと構って欲しかったのです。と、ミサカは人知れずションボリと拗ねてみます…」ショポン

ギャー
   ギャー

御坂妹「イライラするなー…イライラするなー…イライラするなー…。とミサカは行き場を失ったストレスをぶつける相手へふつふつと呟きながら進撃します…おっとその前に」スタスタ

180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/30(土) 09:30:17.09 ID:WSfQQnFIO

……

フレンダ「ここここれ以上近づいたらこの手榴弾のピンを抜いちゃうって訳よ!」ブルブル

上条「待て! 早まるな!!」

垣根「何もしねぇってさっきから言ってんだろうが! いい加減落ち着け!」

絹旗「もぉーさっきから超うっさいです」

垣根「」

絹旗「あ」

垣根「また面倒なのが…クソッ」

絹旗「…フッ、リーダーが絶賛超弱体中な私たちを、今ここで一気に片付けちまおうって腹ですか第二位?」

垣根「ちげーよボケ。引っ込んでろ」

絹旗「引っ込むのはアナタの方です第二位。前回の雪辱…ここで超晴らして見せます!」

フレンダ「来ないでぇえ!!」

上条「垣根さぁあん! この子どうにかしてー!!」

垣根「分かってるからちょっと待ってろ!」

絹旗「超スルーしないで下さい!!」

御坂妹「ちょいと失礼」スタスタ

垣根「いいからお前は黙って…おう、すまん」

ジャー コポコポォ

御坂妹「〜♪」スタスタ

ギャー
   ギャー
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/30(土) 09:32:32.83 ID:WSfQQnFIO

……

結標「騒がしいわね…」

一方通行「こっちはこっちで、外人女の電話が糞ウルセェし…」


──

ミリア「──だから、その"ドリンクバー"ってので、何をどうすればいいのか分かんないから、今こうして聞いてんじゃないの!」

ミリア「人類滅亡の危機だとか貴方の貞操の危機だとかそんな事は知ったこっちゃないの!!

御坂妹「……」スタスタ

ミリア「……何? 店員に聞け? そんなことできるわけ──」

コト…

ミリア「!」ビクッ

御坂妹「ご所望のドリンクバーですにゃん♪ と、ミサカは先日出会ったにゃんにゃん娘(笑)に甲斐甲斐しくご奉仕しますにゃん」

ミリア「…………う」プルプル

御坂妹「おや、これはお気に召さない? ですが、生憎ミルクは別料金なのですにゃん。と、ミサカは…」

ミリア「うわああああああん!!!!」ズドドドドド

< アリガトウゴザイマシター

御坂妹「フ。泥棒猫が人様の獲物にちょっかいを出すからです。と、ミサカはここに勝利宣言します」ニヘラ
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/30(土) 09:34:40.44 ID:WSfQQnFIO

一方通行「何やってンだお前…」

結標「あら、第三位……じゃなくてクローンの方…」

御坂妹「おやおやこれは白モヤシ、ハロー。と、ミサカは軽やかな挨拶と爽やかなローキックを一方通行のスネに目掛けてお見舞いします」スパンッ! スパンッ!

一方通行「あ痛っ……テメッ…あっ痛っ!!」

御坂妹「そして、クローン呼ばわりされる事ですら今はとても不愉快なミサカは、露出女の胸部にナイスなセクハラを実行します」ムニュリ

結標「うひやぁっ!!!!」

一方通行「なンだよテメェはさっきから!」サスリサスリ

御坂妹「ただのストレス解消ですが? と、ミサカは実を言うとこのけしからんおっぱいに病み付きなだけなのだと、本音を隠して揉みしだきます」ムニムニ

一方通行「…あァそォ…」

結標「ちょっやめ…///」

御坂妹「…ふう。そうそう例の件、上位固体の保護者伝いで連絡がついたそうなので、対象はまもなくこちらへやって来ると思われます。と、ミサカは端的な業務報告をここに完了させます」

一方通行「おォ、使いっぱさせて悪かったな」

結標「うぅ…サラシが……」クスン
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/30(土) 09:37:04.30 ID:WSfQQnFIO

御坂妹「これだけ都市が平和に機能していれば、上位固体のもとに帰ってもよいのでは? とミサカはこのロリコンもといロリコン紳士へ提案してみます」

一方通行「平和なんかじゃねェよ。今は上層部が機能してねェだけで、このゴタゴタが収まったらまたクソみてェな仕事がてんこ盛りだ。つーかロリコンって言うんじゃねェよブチ殺すぞ」

御坂「そうですか…、ではミサカはこの辺で。と、ミサカは"つっちー"から受け取ったこの会計と私の会計とさっきの女に出したコーヒー代を一方通行に押し付けてこの場を去ります…」スタスタ

一方通行「テメェはどさくさに紛れて……はァあああ!? なンですかこれは!!」

御坂妹「」スタコラー

一方通行「ドッチもファミレスで飲み食いしたってレベルの金額ねェぞおいコラ待ちやがれェえ!!!!」

<アリガトウゴザイマシター
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/30(土) 09:37:55.08 ID:WSfQQnFIO
今日の投下は以上です。
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [[saga]]:2011/07/30(土) 10:17:20.71 ID:6SRF6SMi0
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/07/30(土) 21:57:03.62 ID:GVXYz+lAO

ミリアかわいい
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/31(日) 21:51:00.44 ID:2ChMNxLIO
ちょっとこれから忙しくなるので、投下できる内にしておきます。
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 21:51:50.78 ID:2ChMNxLIO

上条「──まあ、この人たちが垣根と色々あったってのは何となく分かりましたよ」

垣根「んで、俺が最早、人畜無害な無能力者だっつーのは理解できたか小娘?」

フレンダ「うん…。思いっきり取り乱してお恥ずかしいって訳よ」

垣根「じゃあ、俺からも一つ聞きたいことがあるんだが……いいか?」

フレンダ「うん…」

垣根「……」チラッ

──
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 21:52:52.37 ID:2ChMNxLIO

麦野「……ねぇ、滝壺」

滝壺「なあに?むぎの」

麦野「今日のシャケ弁って、何かいつもと違うかも」パキュ パキュ

滝壺「むぎの、緑色のギザギザしたやつは食べちゃだめだよ」

絹旗「麦野、それ食べたら超お腹壊しますから。ペッしましょうペッ」

麦野「……うん、ごめんね、絹旗」ペッ

絹旗「……」

滝壺「はい、むぎの。よくできました」ナデナデ

麦野「……うん」デローン

──

垣根「どしたんアレ? いよいよヤバイ薬に手だしたか?」

フレンダ「いや…、アレは、何ていうか……」

上条「美人なんだけど…、見ててこんなに残念な気持ちになるのは何故でせうか…」

フレンダ「それはね…うん。結局、話せば長くなるんだけど──」
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 21:54:43.65 ID:2ChMNxLIO

───
──


数日前──

学園都市──某所──路地裏

──

フレンダ「……」フルフル

麦野「フレンダ、アンタ覚悟はできてんでしょうね?」

フレンダ「む、麦野……お願い……」フルフル

麦野「だーめ。…私達を裏切った落とし前、キッチリ付けさせてもうらうわよ」

フレンダ「麦野……っ!」フルフル

麦野「ぐだぐだウゼェんだよ、お使い一つ満足にできねぇゴミクズがッ!!!!」

フレンダ「…!」ビクッ

ソル「……」ツカツカ

フレンダ「む、麦野…待って……」

麦野「誰が待つかクソボケ! クズのテメェには、クズらしくお似合いの方法でブ・チ・コ・ロ・

ソル「……」タイランチョップ!!

ドゴス!
麦野「いっ痛っぇえー!!!!」

ソル「……」

フレンダ「?……!?」

麦野「……ぇえーなぁ何しやがんだコラァ!!」バッ!

ソル「……」

麦野「……んだよテメェ、何処のスキルアウトだ? ぁあ?」

ソル「……ハァ」ヤレヤレ

麦野「なに人の顔見て溜息ついてやがんだ! テメェもブッ…

ソル「……」タイランチョップ!!

ドゴス!
麦野「ってぇっ!!!!」
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 21:55:56.55 ID:2ChMNxLIO

ソル「シメもケジメもつかねぇガキが殺るだの落とし前だの……」タイランチョップ!!

ドゴス!
麦野「あだあ!!」


ソル「ハタから見ててムカつくんだよ……」タイランチョップ!!

ドゴス!
麦野「痛ぁっ…!!」


フレンダ「あわわわw」

麦野「フレンダぁ!!メテェ今笑……」

フレンダ「ちょっ違…!」

タイランチョップ!!

ドゴス!
麦野「はううっ…!!」

ソル「俺の話はまだ終っちゃいねぇ……。こっち向け小娘……」

麦野「!?…?……?」

フレンダ(えっ 何この状況?)


──
───

フレンダ「──で、何かよくわかんなかったんだけど、赤いジャケット着たスキルアウト?…のお兄さんが乱入してきたの」

上条「俺もよくわかんないんだけど、…その人スキルアウト違う……」

垣根(なんだかよくわかんないけど、……ごめん)

フレンダ「それからそれから!──」
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 21:57:10.99 ID:2ChMNxLIO

───
──


ソル「テメェ等にどんな事情があるのかは知ったこっちゃねぇ……が」タイランチョップ!!

ドゴス!
麦野「いぢっ…!!」


ソル「そこのソイツがテメェを売ったのは…、テメェに対してそこまでの信頼しか預けて無かったって事だ……」タイランチョップ!!

ドゴス!
麦野「ふみゅっ…!!」


ソル「テメェの甲斐性の無さを仲間に押し付けてんじゃねぇ……」タイランチョップ!!

ドゴス!
麦野「あいっ…!!」


ソル「おまけに口は悪い、品も無ぇ、素行は最悪……」タイランチョップ!!

ドゴス!
ソル麦野「やめっ…って」


ソル「テメェで恥ずかしいと思わねぇのかッ!」タイランチョップ!!

ドゴス!
麦野「はうぁっ…!!」


ソル「……」

フレンダ「あっあの、」スッ

ソル「…何だ」

フレンダ「結局…、そっ、それ以上は……」

麦野「…ぁぅぅ……」プシュー
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 21:58:09.03 ID:2ChMNxLIO

ソル「……」タイラン…

麦野「っひ!」サッ

フレンダ「麦野!」ガバ!


ソル「……」

フレンダ「……」

麦野「」プシュー

ソル「チッ…。後はテメェの好きにしろ……」

フレンダ「あ……」

ツカツカ……

……


フレンダ「麦野、大丈夫ですよ。あの人…もうどっか行っちゃいましたから…」ナデナデ

麦野「う…」グス

フレンダ「む、麦野……?」

麦野「うえぇ…」ポロポロ

フレンダ「ちょっ」

麦野「ふぇえええ…」ポロポロ

フレンダ(マジ泣き、…だと?)
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 22:00:19.29 ID:2ChMNxLIO

───
──


フレンダ「ッはぁーーぁあの日の麦野を思い返すだけでご飯一合は余裕って訳よ!!」ニラニラニラニラ

絹旗「喉に詰まらせて超死ねばいいのに」ムギノ ナデナデ

滝壺「泣いてるむぎのの手を引いてふれんだが帰ってきたから、びっくりしたよ?」

フレンダ「まあ、その甲斐あって急死に一生を得たどころか、結局、麦野と私の関係がより強固になったって訳よ!」フンス

絹旗「超イラつきますねその態度…」チッ


上条「……」チラッ
垣根「……」チラッ


麦野「絹旗……」ポケー

絹旗「な、なんでしょう?」

麦野「赤鮭と赤ジャケットって…、似てると思わない?」ポー

絹旗「……」


上条(無理だ……。そんな怖いお姉さんをここまで再起不能にさせるほどの説教は、上条さんには無理だ……)

垣根(ごめん……ホントごめん)

──

海原「首尾はどうです?」

一方通行「どうこもこうも無ェよ。さっきから第四位の連中とくっちゃべってるだけだ」

結標「それよりソッチはどうなの? もうすぐ来るみたいな事言ってたけど」

海原「もう間もなくですよ。ほら──」

──
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 22:02:02.41 ID:2ChMNxLIO

ウィーン

ウェイトレス「いらっしゃいませー。お客様は……お二人…さま、ですか?」

ソル「一人でいい。ツレが先に入っている。コイツはペットだ」

ウェイトレス「ブフォッ!!」

助手「ムキー! なにヲ笑っておるカ貴様ッ!?」

ソル「ハウスだペット。…表で大人しく待ってろ」

助手「グヌヌ……、憶えテオれヲ」

ウィーン

ウェイトレス「でっ、ではごゆっくりー」プルプル

ソル「チッ…」ツカツカ…


上条「ん?」

垣根「なんだ?」

上条「いや、誰かこっちに近づいて…」

ソル「……」ズカズカ

ゴスッ

垣根「いってぇな!! 何しやが…

ソル「おい…」

垣根「」

麦野「」

滝壺(おっきい)
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 22:03:37.52 ID:2ChMNxLIO


フレンダ「ああーーーーー!!」

上条「なっ、なんだ?」

絹旗「ウザイから超叫ばないで下さい」

フレンダ「この人! さっき話したスキルアウトのお兄さん!…って、超接近してるって訳よ!」

絹旗「キモイから超混ぜないで下さいっ!」ムキー


ソル「お前が帰ってこないと芳川から連絡が入った。いつまで遊んでやがる……」

垣根「お、親父っ? なんでここが…あ」


フレンダ「えっ」

絹旗「えっ」

上条「えっ」

麦野「ふぇ?」
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 22:05:02.38 ID:2ChMNxLIO

垣根「……」

滝壺「おとうさん?」

垣根「えっ 誰の?」

上条「いやお前の」

垣根「誰がそんなこと言った?」

絹旗「いや、ですからあなたがさっき──」

ソル「おい……」ゴスッ

垣根「あだっ!」

ソル「いいからお前はさっさと帰れ。……ったく、余計な労力使わせやがって……」

垣根「何度も殴ってんじゃねぇよバカになったらどうすんだ!」

ソル「これ以上バカにはなんねぇから安心しろ、保障してやる」

垣根「何でそういちいちケンカ売ってくるのかなぁーもう……」
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 22:07:32.22 ID:2ChMNxLIO

ソル「ああ、それからついでだ、今のうちに言っておくぞ……」

垣根「なっ、何だよ…」

ソル「昨日テメェが出したレポート…、舐めてんのか? コードの組み立てがどれもこれもてんでバラバラだ……」

垣根「ちょっ!?」

ソル「この間渡した公式を全然理解できてねぇ……、もういっぺんやり直して今日中に再提出しろ」

垣根「わかったから! ここでそういう事話すの止めろってってば!!///」

絹旗「」ニヤニヤ
上条「」ニヤニヤ
フレンダ「」ニヤニヤ

垣根「ちきしょう……」


滝壺「かきねのおとうさんですか?」

ソル「……ああ」チラッ

麦野「!」ビクッ

滝壺「むぎのとふれんだがお世話になりました」ペコリ

麦野「ふぇ…」プルプル

ソル「……ああ」

絹旗(どうしましょう…、さっきから小動物みたいに震えてる麦野が超カワイイです……)
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 22:13:26.33 ID:2ChMNxLIO

麦野「はわわわ…」プルプル

フレンダ「む、麦野。ほら、私が付いてるから!」ギュッ

麦野「///」ギュー

垣根(見てて可哀想になってきたよこの第四位……)

ソル「……ダチか? 帝督」

垣根「いや、友達っつーか……」

ソル「遊ぶのは良い…、ケジメは付けろ」

垣根「お、おう」

上条(割と良い人ぽい…?)

ソル「じゃぁな。俺は戻る……」

垣根「おい、ちょっと待てよ」

ソル「俺も暇じゃねぇ。手短に話せ…」

垣根「眼帯のボウズは見つかったのか?」
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 22:14:42.47 ID:2ChMNxLIO

ソル「……ああ、ソイツの事はもういい」

垣根「じゃあ、そいつのクソッタレな"オヤジ"に会ったら伝えておけよ。テメェのガキに首輪でも付けて縛っとけってな」

ソル「……」

垣根「……」

ソル「フン…」

ツカツカ…

<アリガトウゴザイマシター

……

垣根「チッ…、図体に似合わずコソコソしやがって……」

上条(垣根の…)ジー
絹旗(超親父…)ジー
フレンダ(って訳よ…)ジー
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 22:16:24.58 ID:2ChMNxLIO

垣根「な、なんだよテメェら…」

麦野「///」ポー

垣根「お前はどーしたよ第四位…さっきから人んちの親父の尻ばっかチラチラ見やがって」

上条  「ブフォッ!!」
フレンダ「ブフォッ!!」

麦野「みみみ見てるわけないわよお尻なんてそんなトコ馬鹿じゃないのアンタ!!!!///」

垣根「何動揺してんだよ」

麦野「してないもん!///」

垣根「おいおいまさか……」

滝壷「むぎのは、ひょっとすると」

麦野「かっ勘違いしないで!! 別に好きとかどーとかじゃなくて、……実の親に、自分の事で本気でちょっかい出された事が今まで無かったってゆーか…! そもそも年上なんて全っ然興味無いし!!!! ///」アセアセ

絹旗「好きとかどうとか、誰も超そんな事はも言ってませんが…」

麦野「∵」

垣根「うわぁ…」

202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 22:19:00.44 ID:2ChMNxLIO

フレンダ「恋する乙女って訳よ☆」

垣根「うわぁ…」

麦野「……プルプル」

滝壷「むぎの、ふぁいと」

麦野「フレンダぁああ!!!!」ガシッ! ボカッ!

フレンダ「スゥィーッ!!!」

絹旗「あ、麦野超復活しました」



垣根「引くわぁ…」

上条「え、ダメなの? お前の親父さん、見た目も全然若いし…」

垣根「…お前さ、自分の親に置き換えて、今さっきのシチュエーション想像してみ?」

上条「……。……」

垣根「な?」

上条「うん、ごめん。俺が悪かった」
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 22:21:30.26 ID:2ChMNxLIO

──

一方通行「……おい、呼んだのは良いがさっさと出ちまったぞあのオッサン」

海原「外で土御門が待機しています。後は彼に任せましょう」

一方通行「たかだか尾行だっつっても、下っ端共にあんなバケモンの相手なンざ無理だろ。一人でやれんのかよ」

海原「まぁ、応援の要請があればこの中から誰か一人…」

結標「嫌よ」

海原「おや、貴女に行けとはまだ言ってませんが…」

結標「絶対嫌。アイツの傍にあの機械がへばり付いてるウチは、近寄らないから」

一方通行「ああ、昨日の晩、あのロボットとチチくり合ってたっつってたなオマエ」

結標「言うな!!」

海原「自分が救出に向かった時には既に…ククッおっと失礼」プルプル

結標「テーブルとソファ、どちらと一緒になりたいのかしらね……」ジャキ

海原「すみません口が過ぎました」
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 22:24:52.13 ID:2ChMNxLIO

──

<イラシャイマセー

忍者小僧「風魔忍者すげぇ…爆裂すげぇ……」ブツブツ

バンダナ「ラスプーチンやべぇ……二度と顔会わせたくねえ…」ブツブツ

前ロン毛「あの仮面のシャーマン…我々の組織に是非…是非…!」ブツブツ

──

一方通行「うっせェのがまた来やがった…もういいだろ今日は。帰ンぞ」ガタッ

結標「私も」ガタッ

海原「土御門を待たないので?」

一方通行「知らねーよ。人の事を財布だと勘違いしてやがるようなクソ野郎なンざ」

結標「私を見捨ててさっさと帰ってったクズ野郎なんか気遣ってらんないわ」

海原「とことんギスギスしてますねアナタ達…」

< イラッシャイマセー

海原「おやおや、今度は可憐な少女と可愛らしい少年が入って来ましたね」

一方通行「……」

結標「……」

海原「…あ、どちらも第二位に接近してるみたいですよ?」

一方通行「ったくしょうがねェな」スッ

結標「残業とか勘弁して欲しいんだけど」スッ

海原(分かり易い…)
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 22:26:58.45 ID:2ChMNxLIO

< イラッシャイマセー

ミリア「こんな近くに居たのに気づかなかったなんて…一生の不覚だわ」ズーン

メイ「ほら、どの人にご飯食べさせてもらったのか、お姉ちゃんに教えなさい。ちゃんとお礼言わなきゃ…」


< あれっ、そこに居るのってミリアとメイちゃんじゃない? おーい!
< ガキも一緒だな。
< 見つかったようで何よりだ…。

シン「あー! アクセルとチップとヴェノムのにーちゃん!!!!」
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 22:30:34.80 ID:2ChMNxLIO

ツカツカ

垣根「だから…店の中でデケェ声出すなって言ってんだろうが!」ポカッ

シン「いって…ぇへへー。約束通り来てやったぞ!」ニヘラ

垣根「…え?」

シン「また会えて嬉しいぜ!」

垣根「…お前さ、さっき俺とどんな約束したのか憶えてるか?」

シン「えーとな……、忘れた!!」ニパッ

垣根「……ハァ。つーかお前頭にスゲーこぶができてんぞ…、どっかでぶつけたか?」

シン「さっきオヤジに会ったらタイランチョップ食らっちった!」エヘヘ

垣根「」

シン「どーしたあ? 元気ないぞ?」

垣根「なあ、お前にいっこ聞きたいだけどよ…」

シン「おう!」
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 22:35:10.67 ID:2ChMNxLIO

垣根「お前が探してた"オヤジ"っていうのは、ひょっとして…」

メイ「あの〜…、お取り込み中すみませんが…」

垣根「はい?」

アクセル「アンタ、どちらさん?」

垣根「えっ」

メイ「……」

アクセル「……」

ミリア(眠ぅ…)ファ…

垣根「えっと……」

シン「カキネのニーチャン! オレのトモダチ!!」


メイ  (誰…?)
アクセル(誰…?)

垣根  (何だよ今度は…)
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/07/31(日) 22:38:17.35 ID:2ChMNxLIO

学園都市──第七学区──道中──

ソル「……」

助手「ドウした、帰る道とハ違う方角だゾ?」

ソル「人の気配が無さ過ぎる……」

ツカツカ

ソル「……」

ピタ

ソル「……」ジー

助手「何だコリャ?」

ソル「人払いの術式だ、随分と広範囲に仕掛けてやがる……クソ、面倒な予感だ」

助手「何ダさっきからブツブツと」

ソル「お前はさっきの場所に戻れ。帝督と合流して状況を逐一俺に伝えろ」

助手「了ーカイ」ヘイヘイ

ソル「…寄り道しやがったら溶かすぞ」

助手「…ウッ ワカッておるワイ」ビクッ
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/31(日) 22:43:12.89 ID:2ChMNxLIO
今日の投下は以上です。

その昔、ワールドヒーローズという格闘ゲームがあったのですが…このSSにはもう絡んでくることはないので詳細は省きます。


メイの外見はそのままですが、シンの面倒見なきゃいけないし、そろそろいい年なので精神年齢が若干アップしてます。

バタバタと入れ替わりが激しかったファミレス編でしたが、ひとまずここで終ります。

次回以降の投下ですが、一ヶ月ほど間を開けるかもしれません。
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/08/01(月) 00:38:20.77 ID:QDCQi3+AO

ワーヒーのラスプーチンはマジでヤバいね。色々と…
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/08/01(月) 08:57:02.32 ID:ZmJmlx/AO


自分のペースでがんばってください
いつまでも待ってる
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/01(月) 10:09:36.63 ID:j7RS6LJm0


大丈夫ずっと待ってる
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/03(水) 10:57:11.02 ID:i0EldvLH0
一気読みしてきたけど面白いなこれ。
ところで霊感体質の彼は出ないのかっ!?
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/04(木) 18:25:07.59 ID:B/c1b/6so
ワールドヒーロズに確かDIOとシュトロハイムが出てたような(両方もどきで前者はどちらかというとカーズだけど)
何かとごっちゃになってるのかな
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/05(金) 06:19:41.37 ID:oFztHQ2DO
チップとアサシンが行動を共にするとはなあ
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/15(月) 15:25:02.17 ID:taq0UcrKo
一ヶ月は長いなぁ
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 00:42:02.61 ID:cXnemH5IO
ワーヒーのDIOは、色々混ざってるみたいで何が何だか…

遅くなりました。
とりあえず、書きあがった分だけ投下します。

前回でファミレスは終了、と書きましたが…、すみませんペース配分を間違えました。
もうちょっとだけ続きます。
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/17(水) 00:43:32.19 ID:cXnemH5IO

学園都市──第七学区──とあるファミレス


垣根「──じゃあ、アンタ等がこのガキの保護者……って事で良いのか?(妹とかじゃねぇのかこのチビッコ…)」ワシャワシャ

シン「」ニヘー

メイ「はいっ、ボクは…」

アクセル「(ちょっとちょっとぉ!)」グイグイ

メイ「(な、なに?)」

垣根「何だよ」

アクセル「スンマセン兄さん…この子らとちょーっと話がしたいんで……ちょこっとだけ借りてもいいスかね?」ヘコヘコ

メイ「アクセル…?」

垣根「あー… いいスけど?」

アクセル「ゲヘヘすいやせんねどうもヘヘ…こらボウズ! お前もコッチ来い!」

メイ「ちょっとー! 引っぱらないでよー」ズルズル

シン「またなーカキネー!」ズルズル

垣根「ぉ、おお……」



垣根「あの外人、すげー流暢に日本語喋ってたな…」

上条「垣根さん……」

垣根「ああ、悪ぃ上条。もういい加減出ねぇと…」

上条「お姉さん! さっきのお姉さんが今の人たちと一緒なんですけど!!」バシッ バシッ

垣根「そっちかよ!…痛ててコラ、腰に小パンチ当てんのやめろ!!」
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/17(水) 00:45:32.79 ID:cXnemH5IO

──

ミリア「──じゃあ、元の時代に帰れる当ては、見つかったのね?」

ヴェノム「ああ。旧世代の代物ではあるが、問題無さそうだ」

チップ「あんなゴミ箱みてーなのがなぁ……お、戻ってきたぞ」



メイ「──何だよアクセルったら、人の目もあるのにコソコソしちゃってさぁ…世間体ってものを考えてよね」

アクセル「お嬢ちゃんの口からそんな言葉が聞けるたぁ…お兄さん感激っすよ」

メイ「うるさいなあ、子供扱すんのはヤメテってばもー!」プンプン

アクセル「へいすんませーん。…で、話を戻すけどさ、メイちゃんさぁ…」

メイ「うん?」

シン「なんだー?」

アクセル「ダンナからのありがたぁーい『鉄の掟』…憶えてる?」

メイ「え? あぁー…」

チップ「んなモンあったか?」

アクセル「あったの! ほらメイちゃん、思い出したんなら復唱! …さん・はい!」
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/17(水) 00:50:31.74 ID:cXnemH5IO

メイ「ええーと…『この時代の人間とは…極力関わるな……』だっけ?」

アクセル「そそっ! 台詞の間の空き具合もそんなカンジ!」

ミリア「そんな事言ってたかしら」

アクセル「言ってたの! だからね、メイちゃん…」

メイ「うん。ごめん、無理」

アクセル「メイちゃんも今言ってたけど、世間様のね、人目もあることだし…は? 無理? なんでよ?」

メイ「お友達たくさん出来ちゃった」

アクセル「あらやだこの子、イルカだのクジラだのひっ捕まえて何言ってんのかしら」HAHAHA

メイ「失礼だね! 人間の友達だよ!!」プンプン

ミリア「イギリスの人達?」

メイ「ううん、イタリア…だったかな? 今は皆で一緒に、イギリスに住んでるっぽいけど」

チップ「"たくさん"っつったな今……」

シン「おー! たーっくさん!!」

メイ「えーとね、五和ちゃんでしょ、アンジェレネちゃんでしょ…100人はいるかな?」ケータイ パカッ

アクセル「」
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/17(水) 00:52:03.11 ID:cXnemH5IO

シン「タテミヤがいる! なっつかしーなー!」

メイ「えへへー。でしょでしょ?」

チップ「何の絵だコリャ?」

ミリア「あら、貴方知らないの?」ケータイ チラッ

ヴェノム「"撮影"という機能が、この通信機に搭載されているらしい。その場の風景をそっくり写し撮る事ができるようだ」

チップ「"殺影"っていうと…、あーアレか。うん、わかった」

ヴェノム「貴様と私で、ニュアンスが大分異なるようだが…?」

チップ「アレだろ? 複数の標的を分身で囲んで、真ん中のヤツを確実に仕留める術だ。師匠から聞いた事あるぜ?」

ヴェノム「……」

チップ「しっかし、そんな危なっかしいスキルで、何でこんな絵が出来上がるんだ? 意味分かんねぇぞ」

ヴェノム「もういい……」

222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/17(水) 00:54:09.08 ID:cXnemH5IO
ミリア「ほれほれ」チラッチラッ

メイ「わぁー 猫かぁいいーー!!」

シン「うまそー!」

ミリア「小僧…」

ヴェノム(どの画像の猫も全力で逃げ回っているように見えるが……)

チップ「…てか、メイの方、すげー人数だな。マジで友達100人いるんじゃねぇか?」

ヴェノム「シスターとジャパニーズが半々で…他の画像も合わせると、ざっとその程度はいそうだな」

メイ「えーと、シスターの方が"アニェーゼ隊"って人たちで、ジャパニーズが"アマクサシキ"って人たちだよ」

シン「みんなトモダチ!」



アクセル「だっはぁー!!!!」

メイ「うわっビックリしたぁ!」

アクセル「トモダチじゃねーっすよ!! 何やってんスかアンタ等!!!!」ガタッ

メイ「だってだって! アクセル達がいない間に、ジョニーがシン連れてどっか飛び出しちゃったり、ブリジットが誘拐されちゃったり、そのブリジットとついでに、今見せたアニェーゼちゃんも一緒に助けるのに、皆で氷のお船をばっきんドッカンいっぱい壊したりでもーぉ……っっっ大変だったんだからね!!」

シン「大変だったんだぞ!」

アクセル「友達助けっからって、元気一杯デストロイかましてんじゃねーよ!! 何やらかしてんのよマジで!!!!」

メイ「ボク悪くないもん! アレもコレも全部ジョニーがやらかしたんだもん!」

シン「でっかい十字架バシバシ斬ってるジョニーちょーカッコよかった!!」

アクセル「ギャーーーー!! やめて! これ以上聞きたくない!!!!」
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/17(水) 00:56:29.31 ID:cXnemH5IO

チップ「向こうの連中は元気でやってるみたいだな」

メイ「うん、元気でやってるよ? …あ、そうだ!」

ミリア「何かしら?」

メイ「今の話とは別なんだけどさ…イギリスに建ってる紗夢のお店に『てれび局』って人たちがやってきてね──」

アクセル「」

メイ「お店のこと宣伝してくれるって言ってたよ? 紗夢すっごい喜んでた!」

ミリア「そう、良かったわね」

アクセル「」

チップ「なんだ、その、何とか局って?」

ヴェノム「この時代でいう報道機関の事らしい。その"宣伝"の件も、今朝、映像で流れていた」

メイ「えー! ボク見たい!!」

シン「俺も!!」

ヴェノム「確か、"ワンセグ"なる機能にて、この通信機に録画しておいたのだが……」ゴソゴソ

チップ「何でお前らそんなに詳しいんだよ。俺にも見せろよ」

アクセル「じゃ、僕は見たくないんでこの辺で…」フラー

メイ「くぉら、どこ行くつもり?」ガシッ

アクセル「旅に出ます」

ミリア「貴方が言うとシャレにならないから止めなさい」ガシッ
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/17(水) 00:57:35.08 ID:cXnemH5IO

アクセル「離して! お願いっ!! 俺っちこのままだと、ダンナの焼きゴテ直火焼き確定なんすよ!」

メイ「チップ、ちょっと代わって」

チップ「おう」ガシッ

アクセル「oh モーレツ!!」

ミリア「気持ち悪い声出さないでよ…ホラ、アンタも代わりなさいよ」

ヴェノム「不本意だが」ガシッ

アクセル「アラヤダ!! こっちもイイ男!!」

ヴェノム(逆境に立たされると現実逃避が働くタイプだな……)

メイ「ほら、おいでシン。あんな駄目な大人にならないように、ちゃんとお礼が言える良い子でいなきゃね?」

シン「うん!」

アクセル「駄目な大人は確実にアンタ等っしょーー!!!」

メイ「ボクまだ未成年だもーん」ベー

シン「アクセル兄ちゃん! オレがんばってくる!」ベー

アクセル「焼き土下座は嫌ぁあッーーーー!!!!!!」
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/17(水) 01:00:55.34 ID:cXnemH5IO



ミリア「成長したわね…。ちょっと前までは、ジョニージョニーってやかましかった娘が」

チップ「そーだな」ウンウン

ヴェノム「いわゆる…『お兄ちゃんに甘えたいけど素直になれない、ちょっぴり遅めな二次成長期』…というヤツだな(ザトー様がおっしゃっていた)」キリッ

ミリア「……」
チップ「……」

ヴェノム「…む、どうした?」

ミリア「……」チッ
チップ「……」イラッ

ヴェノム(何故だ…今の発言の何が不味かった!? ザトー様ッ!!)


アクセル「……まぁ、そーいうアンタ達も、随分と丸くなったんじゃない? 特にミリアの……」

ミリア「変態ッ! 変態ッ!!」バシッバシッ

アクセル「いででででっ!! お約束だから予想ついてたけどさぁ! 姉さんの体系丸くなったって意味と絶対違うんだからね!?」

ミリア「言うなァ! 気にしてんだから!!」ガスッ ガスッ

アクセル「痛いから団扇みたいなブロンドヘアでどつくのホントやめて!くやしいけど痛い痛ぁい!!」ビクンッ ビクンッ


チップ「──俺は丸くなったつーか……、まぁ、罪を憎んで…ってヤツ? 俺の"ドリーム"を叶えるにゃ、いつまでも復讐だの何だのネガティブ思考にしがみ付いてる暇はねーんだよ」

ヴェノム「ふむ…、"夢"といえば、貴様が以前語っていた…アレか?」

チップ「おうよ! 今も猛烈修行中だぜ!」ビシッ

ヴェノム「殊勝だな、私が今の立場で無ければ…尊敬に値したであろう」

チップ「ハッ、見てろよ! いつか必ず、テメーらアサシン共も、俺がまとめて"救って"やるよ」HAHAHA

ヴェノム(連王国制度の導入で大統領制が廃止の方向になりつつあるのだが…、黙っておいた方が良いのだろうか)
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/17(水) 01:03:18.07 ID:cXnemH5IO


──

< テメェさっきから殴り過ぎなんだよウニ坊主!
ガスッ ガスッ
< ごめんなさい! 反省してます! 上条さん反省…


一方通行「──あのクソメルヘン野郎…三下相手に肩パン食らわせやがって……」イライラ

海原「」ニヤニヤ
結標「」ニヤニヤ

一方通行「……ンだよ」

海原「いやいや。先程の少女目当てかと思いきや…<幻想殺し>の彼に随分とご執心ですね」

一方通行「あァ?」

結標「…え、何? ロリはフェイクでソッチが本性な訳…?」ニヤニヤ

一方通行「黙ってろ真性。ガキのチ○コ見てニヤニヤすんなキメェんだよ」

結標「見てないわよ!!///」

海原「見てようが見ていまいが、今の笑顔が気持ち悪かったのは割とガチンk…<ガスッ>ふおっ…懐中電灯の縁は反則です……」

結標「どいつもこいつも……」
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/17(水) 01:06:54.53 ID:cXnemH5IO

海原「…イテテ。おっと失礼、土御門からメールを見逃していました…今から15分ほど前ですね」

結標「何て?」

海原「少々お待ちを……ふむ」

一方通行「あの野郎、しくじったか?」

海原「……そのようですね。ソル=バッドガイの尾行は中止…との事です」

結標「無様ね。死体が上がっても拾ってやんないから」

海原「残念ながら存命のようです。別件で最優先の任務が入ったので、そちらへ移行すると書いてあります」

一方通行「仕事と義妹に関しちゃクソ真面目なあのヤローが、俺たちに引継ぎも無しで他のバイトに回るってのは…腑に落ちねェな」

海原「よほど慌ててたみたいですね。ほら、予測変換が暴走したようで、"妹ラブな一文"がうっかり文末に追加されてますよ」クックックッ

結標「……」チラッ
一方通行「……」チラッ

結標(うわあ…)
一方通行(うわあ…)

海原「他にも、我々にこの場からさっさと撤退せよ…とも書いてありますね…」

一方通行「ンじゃァもういいだろ、撤収撤収。ンなトコさっさと…」

結標「ちょっと待って」

一方通行「ァあ?」

228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/17(水) 01:08:53.32 ID:cXnemH5IO



< カミやん…
< 上条さん…
< ふざけんな! お前ら置いて……



海原「話し込んでるウチに、向こうで何やら動きがあったようですね」

一方通行「何だ?…あの三下に絡んでる連中」

結標「見た感じ、堅気の連中じゃなさそうね…、土御門も混ざってるわよ」

海原「暗部の仕事…という訳でも無さそうですね。何があったのでしょうか」

結標「私たちも合流する?」

一方通行「いや、待て…」

海原「如何いたします?」

一方通行「まずは様子見だ…そっから作戦を考える……」

海原「了解しました。『ドキドキ "憧れのヒィーロォーとお友達になりたい"大作戦』ですね」

結標「『まずはメル友から"オペレーション:ho mo da chi"』かもよ?」

一方通行「うるっせェ!!!!」

──
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/17(水) 01:12:09.07 ID:cXnemH5IO

━━

麦野「何だか、急にあっちこっちで騒がしくなってきたわね…そろそろ出ようかしら」

滝壷「はまづらが帰ってこない」

フレンダ「あのパシリ、足探すだけでどんだけ時間掛かってるって訳よ」

絹旗「どうします? 超徒歩ですが、移動しちゃいましょうか?」

麦野「あのクソ面…帰ってきたらブチ殺……」

フレンダ「麦野! 口調、口調!」

麦野「ぁあ?…口調がどーしたって…何、滝壺?」

滝壷「かきねのおとうさんに、怒られちゃうよ?」ポツリ

麦野「ぅえっ??…それはだからぁ……違……ぁ///」アセアセ

フレンダ「い、良い子にしてなきゃ…おしおき確定…ってわけよ?」ドキドキ

麦野「……」

フレンダ「」ドキドキ

麦野「…ゃだぁ…いたぃのやだぁ……」ポロポロ

滝壷「むぎのは良い子」ヨシヨシ

麦野「ぅぇぇ…」グスグス

フレンダ(これは、使える…ッ!!)グッ

絹旗「超ロクでも無いこと考えてると、窒素でブン殴りますよ」

滝壷「はまづら、遅いね…」ナデナデ

230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 01:14:23.57 ID:cXnemH5IO

今日の投下は以上です。
待っていただいた方に感謝です。

スレイヤー主演のドラマCDを聞いた限りでは、聖戦中の時点でカメラや写真の類は無かったみたいですね。小さな村の話なので、他の大都市ではどうなのかは分かりませんが。

メイが色々ぶっちゃげてましたが、このSSが終り次第、前日談的な話でも書ければいいなと思います。
霊感体質の彼や他のキャラ達は、その時にでも……
231 :名無しNIPPER [sage]:2011/08/17(水) 01:34:04.86 ID:Ouv3LAoDO

さりげにビアージオォ…
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2011/08/17(水) 03:01:30.99 ID:PH/B47FAO
アクセルよく動いていい感じだwwwwww

俺たちの梅喧姐さんはまだかい?
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/08/18(木) 18:56:39.56 ID:38+K5Vjjo
おつおつ
アクセルの声の再現率がヤバい
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/19(金) 12:22:11.70 ID:Og9zjMSIO
おれの相棒たるアクセルが元気そうでよかった
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/20(土) 20:26:21.76 ID:Sp3irpZIO
アクセルは、気を抜いたらえらいホモ臭い口調になるので調整が難しいですね。


投下再開します。

今回から地の文が多めです。
かなりクセの強い地の文です。

台詞だけで済むところは、できるだけ台本形式で書いてます。

色々と手探り状態で書き進めているので、ここが見づらいとか、ここを改善してほしいなどの意見があれば、できる限り反映します。

また、クセとかどうとか以前に、日本語が怪しい箇所もあるかと思います。ご了承ください。
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 20:27:36.53 ID:Sp3irpZIO

……


学園都市──第七学区──無人の道路を走るミニバン──

その運転席──派手に染めた髪/教養の無さそうな面構え/鼻のピアス跡/街のチンピラの代表格といった風情──浜面仕上。

教師だか研究員だかの、見知らぬ"誰か"の車を盗難/逃走/上司である女達のもとへ合流する矢先──


「なんだよー…さっきから同じとこグルグル回ってるみたいじゃねぇか…」

不可解な事態に遭遇──街並みの様子──人影/対向車/盗難を知らせを受けた警備員のサイレン──"いっさい"無し。

不気味なほど静か──さながら上質なホラー映画のワンシーンそのもの──


「こんだけ凝ってると、絹旗はあんま興味なさそうだけどな…あークソ、何かの実験にでも巻き込まれたかぁ?」


平常心を装い──ぼやきながらカーナビで位置情報を確認──

「このままだと麦野……は今アレだからいいとして、残りの二人に殺されちまう」

余所見運転の最中/その直後──前方のバンパーに"バキン!"と鈍い音と衝撃。

「うおお!?」悲鳴──浜面。

カーナビの液晶画面に気を取られているうちに、ミニバンと<人影>が衝突──間抜けな悲鳴を上げて急ブレーキ。

「マジかよ…、やっちまった」

人身事故/正面衝突──"仕事中"であれば些細なイベントのひとつ──されど、今のは、暗部も何も関係ない一般人を"やってしまった"可能性が大。

どっと噴出す汗/血の気が引く感覚──心臓が締め付けられるような圧迫感を押し込んで勢いで外へ飛び出す。

237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 20:29:02.80 ID:Sp3irpZIO

「…クソッ、どこの馬鹿が飛び出してきたんだ!!」

小心者の心理──『俺は知らない』『俺は悪くない』──頭の中で何度も繰り返して周囲を見渡す──<人影>、ぶつかった形跡──共に無し──心地よいエンジンの熱気=左バンパーがかすかに凹んだミニバン。


「何か、当たった感じが鉄っぽかったよな……清掃ロボットだったのか…だよな?」──徐々に冷静さを取り戻す頭──


浜面──『俺は知らない』『俺は悪くない』──"小者"であるが故の疑い深さ──念入りにきょろきょろと周囲を捜索──不気味なほど静かな街。

「なんだだよ…、ビックリさせんじゃ──」ふいに肩を叩かれる感触。


「ヘイ、タクシー。ファミレス一丁」


陽気な電子的ボイス──浜面の肩に手を置いた主の声。

浜面──肩に冷たい"鉄"の感触──『ギ・ギ・ギ』と、油の切れたブリキ人形のように振り返る──その目で見たもの──

美男子を思わせるシルエット/金髪/青いラインが通った白装束──しかしながら、見た目とは対照的に、取って付けたように"のっぺりした鉄仮面のような顔"。

「うおおおお!!!???」絶叫する浜面。


浜面が"恐らく"ミニバンで跳ねたもの──

低俗なB級ホラー映画に登場するような、人の姿を真似ねたブリキ人形そのもの──浜面の上着の首もとをものすんごい力で掴んで離さない/逃がさない。

238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 20:30:08.87 ID:Sp3irpZIO

浜面「はっ離せ!! 何だテメェ!?」

ロボ「お客サマに向かっテ、てめぇトハ何ダ小僧!」

浜面「何が客だよ! ……マ、マジモンのロボットかコイツ!?」

ロボ「顔に似合っテ失礼な小僧ダ! いいからさっさと、ワシを乗せてファミレスまで送るガヨい」

浜面「オメーのが失礼だろうがよ! ブッ壊すぞ!! ファミレスだろうが何だろうがテメェで歩いて行きやがれ!!!!」

ロボ「ワシは歩き疲れてモウ足がパンパンなのダ…」フゥ

浜面「お前ロボットだろ! 金属だろ!? 燃料切れとかもっと気の利いた言い訳があんだろうが!!!!」

ロボ「ワシはお腹ペっコペコで…」

浜面「言い直してんじゃねぇ! いいから離せよ! 急いでるんだよ俺は!!!!」

ロボ「22カイ……」ポソ

浜面「はぁ?」

ロボ「オマエがワシの目の前を通り過ぎた回数ダ」

浜面「ちょっ、テメェ見てたのか!!?」

ロボ「急いでイると、言っテるワリには、余裕だナー。小僧ナー」ボウヨミ

浜面「こいつムカツク…、すっげぇムカツク」


ロボ「ホレ、さっさと乗レ。置いて行くゾ」ブッブー

浜面「お前が運転すんのかよ!」

ロボ「シートベルトは、締めたカイ?」

浜面「いいから黙って降りろやコラァ!!」
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 20:31:34.62 ID:Sp3irpZIO

ロボ「オイ小僧」

浜面「何だよ…、マジで急いでるんだからもうホント勘弁して…」

ロボ「この不思議空間。ワシならバ造作もナく抜け出セ無いコトはナイぞ」

浜面「はぁ…そぅ」

ロボ「ヘラクレスレーダー。スイッチ、ON!」ビカー

浜面「うおっ、まぶし…!」

ロボ「ダイタイ分かっタ。こっから数キロ先のファミレスが、ワシの目的地ダ」ビシィ

浜面「クソッ、目が痛ぇ…えーと、お前が指差してる方角は…わかったからスイッチ切れよ目光って怖ぇえんだよ!! …ハァ、麦野達の居る店だな…運が良いんだか悪いんだか……」

ロボ「恐れイッたカイ?」フフン

浜面「……」

浜面「とりあえず、お前バカそうで見るからに怪しいけど、人畜無害っぽいし…信用すっからな。妙なマネすんなよ?」

ロボ「にゃア」

浜面「」イラッ

ロボ「デハ発進!」

浜面「……」

ロボ「……」

浜面「…なんだよ、さっさと行けよ」

ロボ「どうスレバ動くのダ?」

浜面「もういい。お前降りろ」

ロボ「ワカッタ。この操縦桿みたいな棒ガ…あッ」バキャ

浜面「」

240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 20:33:05.12 ID:Sp3irpZIO

学園都市──第七学区──とあるファミレス/ぞろぞろ入ってきた4人の男女+土御門──入り口手前の席でたむろしている上条と垣根のもとへ。

「カミやん、禁書目録は?」土御門/仕事モード。

「土御門? それにお前ら──」上条──さっき別れたばかりの土御門の声に気付いて振り向く──目に映った光景──土御門の背後──

天草式の面々=建宮、五和、五和と同い年くらいの少女、自分より年下っぽい少年──誰も彼も慢心創痍な出で立ち/バツの悪そうな顔──所々衣服が裂け/傷を負い/ススや泥が付いた顔。


上条以上に面食らっておいてけぼりの垣根

「何だ、コイツ等……」

土御門──垣根を無視し、遮るように──「そういや、後は"別々"って言ってたな…なら好都合だ」

──禁書目録=インデックスがどんな存在なのか"わざと"濁す様な聞き方/言い方。


「好都合って…どういう意味だよ」嫌な予感が拭えない上条

「『神の右席』だ。今すぐ第七学区から出るぞ」めずらしく焦っている土御門。

「俺の問題だってのに…俺に黙って、お前らだけで戦ってたってのか…ふざけんなよ」

拳を振るわせる上条──土御門の予想通り怒り心頭といった面持ち。

「前にも言ったろ。これはもうカミやんだけの問題じゃあ無いって」

「グラサン野郎、俺にも分かるように話せ」上条に同調してイライラが募る垣根。

今にも破裂しそうな目の前の爆弾2つをどう処理するか、頭を悩ませる土御門。

241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 20:34:41.99 ID:Sp3irpZIO

バツの悪そうな顔で土御門の前に出る建宮──みっともない醜態を晒してしまったことに対して──許しを乞うように上条に論する。

「上条当麻、護衛について黙ってた事には謝るのよ。しかし、ここは女教皇の顔を立てて、俺らについて来てほしい…」

「神裂も一緒だってのか…冗談じゃねぇ! そんなの聞いて逃げられっか!!!!」上条──建宮が言い終わる前に激を飛ばす。

「カミやん」土御門──ダメもとで上条を制す。

「今も神裂が戦ってるんだろ!? だったら俺も──」

「やめてください!!」


「いっ!?」上条──五和の金切り声を聞いて、その場で飛び跳ねそうな勢い──それを阻止されるかの様に、五和が腰に抱きつく。

──膝から崩れ落ち/頭を垂れ/涙を流して懇願する五和──

「勝手な事だとは重々承知しています…、でも建宮さんも女教皇様もみんな"貴方"のために頑張っているんです! どうか、どうか分って下さい……」

「でも…、だからって……」上条──泣いて抱きつく五和に、どう接してやればいいのか分からない。



如々に周囲の熱気も冷めてきたころ──土御門にとっても、上条と垣根達にとっても、天草式にとっても、予想外な第三者──

建宮と五和を呼ぶ声──

242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 20:36:29.17 ID:Sp3irpZIO

「タテミヤ!」

「五和ちゃん…どうしたの?」

シンとメイ──二人で並んだその姿──まるで海賊兄妹。


シン──北欧系/金髪/眼帯/半ズボン/品の良さとわんぱくさを兼ねた、不思議な魅力を持つ少年。

メイ──アジア系/黒髪をすっぽり覆うバンダナ/船乗りが着る様な、夏仕様の本格セーラー服/童顔、低身長で見た目よりずっと幼い印象の少女。


シンとメイに呼ばれた二人──

「メイちゃん…そっか、学園都市に行くって言ってたもんね」五和──上条に抱きついた格好で──泣きべそ/力の抜けた返事。

「なんとまあ…奇遇にも程があるのよなホント…」建宮──やや疲れ/呆れ気味。


「どうしたのみんな?…そんなボロボロの格好して」──本当に心配そうに声をかけるメイ。

「どーしたイツワ。泣いてんのか?」シン──純真無垢な眼差し/心配し、しゃがみ込んで五和の顔を覗きこむ。

「ううん…何でもないよ」五和──空元気の返事/生気の抜けた笑顔。

「なー、カミジョー。怒ってんのか? イツワは悪いやつじゃないぞ?」

「えっとだな……うん、そうだな。うん、わかってるよ…」

すっかり熱の冷めた上条──五和を立たせて、頭を撫で──

「ごめんな、急に怒鳴ったりして」少し悲しそうな微笑み。

「上条さん……」五和──優しい声を掛けられて/謝られ──むしろ謝るのは自分の方だというのに──また泣きそう。
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 20:38:05.97 ID:Sp3irpZIO

「よかったなイツワ!」能天気そうなシンの声──二人が仲直りできてよかったと嬉しげ。

「よかねぇよ…」


ふいにドスの利いた声──

「う?」シン──背後から垣根の影。

「テメェ等…、誰でもいいから今の状況を一から十までキッチリ説明しやがれ、一体何がどうなってやがる?」

イライラが限界にきている垣根──とりあえず、手近にあったシンの頬っぺたを捏ねたり摘んだりしてストレス発散。

「はひねーほはんはひはほー」

「なーに言ってんのか分かんねぇよクソ坊主」

いじめっ子モードの垣根を見てあわあわうろたえるメイ/困惑する上条/混乱気味な五和──どうしたものかと考え込む建宮+土御門/後ろで様子を窺う他の天草式×2。

244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 20:39:47.56 ID:Sp3irpZIO


一時的な沈黙──それぞれの思案──



上条当麻──当の中心人物──事情は知っている、<魔術サイド>の連中も知っている──だが、自分にとっては"ほぼ"初対面のシンとメイ──誰と何がどうなって、これからどうすればいいのか、事情を知らない垣根にどこまで話せば良いか、足りない脳がフル稼働。



垣根帝督──胡散臭い暗部のグラサン野郎、抗争に負けたスキルアウトみたいな男女──そんな連中と訳知り顔な上条+シン──すっかり蚊帳の外で面白くない面持ち/苛立ち──家事も宿題もすっかり記憶の奥底。



天草式──その代表、建宮──『神の右席』=後方のアックアの撃退に失敗──その尻拭いを女教皇に任せ、断腸の思いで前線から離脱──上条当麻の安全確保に最善を尽くそうと必死。


天草式──五和──アックア攻略の要である『聖人崩し』に失敗──絶望のどん底に落とされる中──女教皇に叱咤され/建宮に手を引っ張られ、何とか気力を振り絞って上条のもとへ。



土御門──<科学サイド>と<魔術サイド>の中間管理職──偶然、天草式と神の右席の戦闘に遭遇──建宮から事情を聞き/肩をがっくり落とし/暗部の仕事を中断──貧乏くじを引かされた気分──"逃げろ"と言ったところで聞く訳がない上条を説得するため──胃が擦り切れる思いで建宮たちと同行。

245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 20:44:08.11 ID:Sp3irpZIO


メイ──アニェーゼ隊のシスターと勘違いされ、誘拐されてしまったブリジットを救出すべく、ローマ正教が誇る『女王艦隊』をデストロイ──その一件で知恵と力を貸してくれた天草式十字凄教──今度は彼等を助けるべく──しかし、散々シンが世話になったという垣根の事も気にかかる──

──遠くから感じるミリア、アクセルの視線──チップとヴェノムは向こうで<誰か>と話している。

──さきほど、移動中にばったり出会ったソルの言いつけ──「"帰る方法"が見つかった…今夜中に身支度しとけ……」


──もうそろそろ"帰らなきゃ"──<妹分>の大事な一人息子を預かった責任──きっとシンの"お母さん"も心配して待ってる。

──五和ちゃん達を助けなきゃ──その身に染み付いた『快賊』の性分──こんな姿の"友達"を放っておくわけにはいかない。

──私がしっかりしなきゃ──遅れてやってきた成長期──シンとの出会いによって目覚めた母性/自立心/自覚無き反抗心──みんなを絶対笑顔にしてみせる。それからジョニーしね。あの女ったらし。


──残り少ない時間の使い道を、一生懸命考え中。



一方通行──『9月30日』の出来事と、<幻想殺し>の武勇伝の数々を土御門から聞き、上条当麻を"ヒーロー"と崇め、称え、すっかり神格化──

246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 20:45:29.27 ID:Sp3irpZIO

海原「──以降、ロリコンからホモ属性にクラスチェンジし、いかにして<幻想殺し>とお近づきになれるか、我々の就寝中に夜な夜な計画──」

結標「やーね、キモい事ぶつくさ吐かないでくれる?」

一方通行「皮引っぺがして、厨房のミキサーに頭から突っ込ませンぞテメェ等……」


チップ「ヘイ、ジャパニーズ」

一方通行「ァあ?」

海原「…何か?」

チップ「お前ら以外に客もゲイシャもいなくなっちまった。スキヤキも来ねぇ…どういうこった?」

結標(ゲイ…何?)

海原「スキヤキは知りませんが…、言われて見れば確かに……(アイテムはまだいるようですね)」

一方通行「どうなってやがんだ…、つか、何だよテメェ…。それでちゃんと前見えてンのか」

ヴェノム「急に話し掛けて済まない。…我々は数日前にこの街へ来た観光客だ。怪しい者ではない。…前方の視界も良好だ。気遣いに感謝する」キリッ

海原(確かに、中身は紳士ですが……)

結標(外見が怪しすぎる……)

一方通行(その自信は一体どっから沸いてくンだ……)

247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 20:46:43.81 ID:Sp3irpZIO

チップ「一個、聞きたいことがあるんだが…いいか?」

海原「何でしょう?(こちらの方は、案外まともそうですね)」

チップ「俺等は、今のジャパンがどんな風習だとか、どんな文化があるとかは知らねぇ。だから……」

結標「だから…?(ジャパンだけやたら発音良いのが気になる…)」

ヴェノム「店内の人間が"いつの間にやら"消失、あるいは失踪したことについて、君らが何も気付かなかったというのであれば…、これは"異例の事態"ということでよいのだな?」

結標「……」

一方通行「……おい海原」

海原「土御門に知らせましょう…もう気付いているかもしれませんが」

一方通行「待て」

結標「どうしたの?」

一方通行「こ、これから作戦を…」ゴニョゴニョ

結標「ブー、時間切れ」ガタッ

海原「潔く、当たって砕けて下さい」ガタッ

一方通行「おっ…ォおおオマエ等っ!」

結標「てか、さっきのトモダチうんぬんってアレ、マジだったの?」

海原「マジです」スタスタ

結標「…引くわー」スタスタ

一方通行「ちょっとォーー!!!?///」ガタッ


チップ「…なんだ?」

ヴェノム「……(いいぞ、その粋だ少年!)」グッ


248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 20:48:52.19 ID:Sp3irpZIO

学園都市──第七学区──荒れ果てた市街


「だ…誰か……」呻き──意識を取り戻した天草式十字凄教の一員

灰色の景色──周辺には自分と同じく、傷付き倒れた仲間達/自分の他に立ち上がろうとする者は一人とて無し。

ひと気も無く、血の匂いもそれ程でも無いが、<戦場跡>と呼ぶに相応しい光景。──それも負け戦──自軍の敗色が濃厚であると認識せざるを得ない今の状況に、ただ歯噛みするしかなかった。


不意に足音──布を引き摺るような足どりでこちらへ近づいて来る。

「だいじょうぶ!?」──足音の主──"真っ白い"修道服を着た少女/気の抜けたような甘ったるい声──しかし本気で自分達を心配してくれているような気遣いを感じ、不思議と安堵。


そして同時に襲ってく戦慄──聞き慣れた声/見慣れた顔──


「みんな…どうしてこんなひどいケガしてるのかな」不安げな顔できょろきょろ/周囲を見渡す少女の正体──

決してここに居てはならない重要人物/護衛の対象である一人──インデックス


「早く逃げて下さい…ここは危険です」天草式──力無い声でインデックスに警告。

「まっててね。回復魔術はできないけど…軽い手当てなら、こもえに習ったんだから!」インデックス──聞く耳持たず──更に、傷付いた自分へ、健気で献身的な振る舞い。


ふいに声──

「ちょっと失礼♪」<正体不明>──飄々と陽気な声──インデックスの真後ろから。

「ひゃ!?」小さな悲鳴をあげるインデックス──振り向く間もなく──四角い<紙袋>を被った顔が"ぬっ"っと飛び出してきた。

249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 20:50:01.06 ID:Sp3irpZIO

天草式の思案/そして結論──

「ローマ正教…他にも居たのか……クソッ!」──残る気力で<紙袋>へ、何としても立ち向かおうとする。

その言葉に反応するかのように、<紙袋>が"ぐるんっ"と横に90度回転──卒倒するような光景/血の気が引くインデックスと天草式。

首の角度はそのまま──「言ってる意味は良くわかりませんが…、安心して下さい。"貴方で最後"ですから」──見た目も発言も"ぞっ"とするような<紙袋>の振る舞い。


「やめて! この人は何もわるくないんだよ!」堪らず叫ぶインデックス。

「ええ、それはわかっていますとも。だから"治療"するんですよ?」変わらず陽気な声。

「は…?」
「うぇ?」

天草式+インデックス=思わず間の抜けた声/さらに困惑/周囲を見渡す──そこには──


血止めをし、傷を消毒され、包帯を巻かれた天草式の仲間達が、道路の脇へ横一列に並べられてる。

インデックスと出会い、会話をしていたものの数分の間──信じがたい事にこの<紙袋>は、この場に居る数十名の患者の"治療"を既に完了させていた。


「うそ……」

「そんな…さっきまで全員……」

そして、インデックスと二人で呆けている間にも、最後の患者である自分の手当てはもうテキパキと進んでおり、"治療"はあっという間に終ってしまった。

「すごいかも…」インデックス──ただ、ただ感嘆。


「ま、軽い応急処置ですがねー。後でちゃんとした病院に行って、精密検査を受ける事をオススメしますよ♪」Vサイン──勝ち誇った様な<紙袋>の振る舞い。

250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 20:51:04.40 ID:Sp3irpZIO

「あんた…何者なんだ?」

天草式──歌うように喋くる<紙袋>へ──単純かつ明快な疑問を投げかける。


「医者ですが?」──究極かつシンプルな返答。


脱力する天草式──

何とか気力を取り戻したところで思案をまとめ、とりあえずこの<紙袋>改め<医者>については一旦保留にし、インデックスには包み隠さず今までの状況を説明する事を決意──

「テメェ等…、何モンだ?」

──したところで新たな<正体不明>がまた一人。

寡黙な佇まい/鋭い視線/どう猛な肉食獣を彷彿とさせる巨躯+装飾の数々──<医者>とはまた違うタイプの危険性を孕んだ人物が、自分達へ、静かに、問いかけている。


「わたしはインデックス。あなたはだあれ?」純真無垢な声色──インデックス。

「ただの通りすがりだ。もう一度聞くぞ…。テメェは何者で、一体ここで何をしている……」<男>──微かに篭った怒気。


短気そうな<男>の『何かのスイッチ』が入って爆発してしまわないよう、次にインデックスが何か言う前に、代わりに自分が応える。


「『神の右席』…"後方のアックア"が上条当麻抹殺のために学園都市へ侵入しました。今現在、我々天草式十字凄教が"総力"を挙げて…アックアの侵攻を食い止めているところです…が、しかし……」

「そんな…、みんなとーまのために…」インデックス/誰からも何一つ聞かされておらず──真っ青な顔。
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 20:52:06.77 ID:Sp3irpZIO

「奴がここを突破するのも時間の問題…、教皇代理ほか数名が上条当麻の下へ向かった所です。貴女も早く行ってあげて下さい」

天草式──インデックスを心配させてしまった事に対し、すこしばかり後悔。

「あなたはどうするの?」インデックス──恐る恐る。

「我々はここで少しでも時間を稼ぎます…ですから……」

「ぜったいダメだよ!!」インデックスの怒声。

「うん、駄目ですね。ていうか無理です」<医者>の断言。

「無理ではない!!」天草式──痩せ我慢だと自覚しつつも、叫ばずにはいられない。


「無理ですってば。だって他の人たち、私が処方した睡眠薬でスヤスヤして頂いてますから」

「な!?」

「今からだと…そうですねー、一時間くらいは動けないんじゃないでしょうか?」

問答無用な<医者>の啓示/無慈悲な宣告。そして──

「アナタも…ね♪」

"プシュ"と気の抜けた音と共に意識が遠のき、次第に重く、深く閉じようとする目蓋。
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 20:53:33.04 ID:Sp3irpZIO

朦朧とした世界で続く会話──


「"面倒な予感"…当たっちゃいましたねー…あ、そうそう」

「何だ……」

「アナタが作ってた<例のアレ>…、念のため助手君に持たせときましたから。…もう完成してたんでしょう?」

「……」

「本当ならアナタから直接手渡した方が良かったのですが、何やら予感めいたので……」

「好きにしろ…」

「ほえぇ」

<医者>と<男>──二人の間でしか理解できない会話──変な声で鳴いているインデックス。


「チッ…、この連中"アマクサ"って言ったか…」

ガシガシ頭を掻く音/心の底から面倒くさそうな<男>の声。


「そうですね。"私達の仲間"がお世話になった人たちです…私が行きましょうか?」

<医者>の声──陽気な割にどこか好戦的。


「いや、俺が行く……。テメェ等はここでコイツ等の面倒でも見てろ」

「あ、ありがとうなんだよっ…でも……でも」

「手ぶらで行くつもりで?」

「別に構わ…何やってんだテメェ?」

何やら袋を取り出しゴソゴソと中身を漁る<医者>。

「なっ、なっ、何がでるかな? ……ほいっ!」
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 20:55:26.48 ID:Sp3irpZIO

──ゴソゴソと紙袋を漁る音/袋から<何か>が飛び出し/風を斬る音。

「わっ! おっきい剣…なのかな?」インデックス──驚きと疑問が混じった声。

「テメェ……」

「どうぞ、見た目も中身も"アナタが持ってた"<本物>ですよ?」

「余計な真似を……」<男>──医者が取り出した<何か>を乱暴に取り上げる。

「なんか四角い…あんまり美味しそうじゃないかも」

「……味見するか?」

──"カチリ"と金属が擦れる音/空気が焼ける匂い/近くで感じる炎の熱気。

「わ!わっ!火がでた!!」

初めて文明に遭遇した猿のように仰天するインデックス。


「わたし知ってるかも…そう、これは『らいたー』!」

「……まあ、似たようなモンだ」<男>──もう心底"どうでもいい"といった感じの軽い溜息。

「素晴らしい! 正解! ご褒美の飴ちゃんです」空気を読まない<医者>の声/ごそごそと紙袋を漁る音──

手品のように取り出したもの──その紙袋には絶対入りきらない様なサイズの棒付き飴をインデックスへ。

インデックス──自分の顔よりも大きな棒付き飴を手に入れ歓喜の声を上げ──もはや幼児。

天草式──いつもの明るいインデックスの声が聞けて、どこかホッとしたような気分。

「じゃあな…」遠ざかる<男>の声/足音。

「ご武運を〜」

「私も後で絶対行くんだから!」


天草式──インデックスの発言に懸念しつつ、その意識は、静かに途絶える。

254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/20(土) 21:01:59.60 ID:Sp3irpZIO
今日の投下は以上です。

梅喧姐さんとか露出狂の人とか他の人たちも登場させたいのですが……すみません、これ以上人数が増えたら収集つかないので今回はお休みです。
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/20(土) 21:51:05.91 ID:ClI3tjsRo
ただよう菌糸類の香り・・・乙!
やっぱりちょっと読みにくいので、出来たら地の文は普通がいいなぁ〜
同じ文章でも少し書き方変えればもっとすっきり出来るかも

姐さんは無理か。無理なら仕方ないな
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/20(土) 23:29:54.37 ID:Sp3irpZIO
>>255
御意見ありがとうございます。

格闘ゲームの戦闘シーンを再現するのに、この文体に手を出してみたのですが…、そうですね、特に戦闘の無いシーンもこれで全部書く必要は無かったですね。

次回からは、もっと普通に書いてみます。
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/21(日) 20:39:31.42 ID:0Uskhn6IO
投下再開します。
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/21(日) 20:40:40.53 ID:0Uskhn6IO



アクセル「メイちゃん大丈夫かねぇ…」

ミリア「あのさ、今気付いたんだけど…」

アクセル「なんですかい?」

ミリア「ケータイのストラップ落とした…」

アクセル「そうですかい…」

ミリア「限定100個のレア物だったのに…もうやだ」グス

アクセル「姉さん…もう、すっかりアレっすね…、二一世紀でも充分やってけますね」

ミリア「嫌よ。帰るわよ。こんな可愛げの無い子供ばっかの時代……、アサシンどもに追いかけられてた方がまだマシよ」

アクセル(帰るんなら、ケータイも何もダンナに全部没ッシュートされるんすけどね…)


< 「おい、三下ァ!!!!」


アクセル「」ビクッ
ミリア「」ビクッ
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/21(日) 20:45:48.42 ID:0Uskhn6IO


学園都市──第七学区──とあるファミレス店内に響き渡る一方通行の叫び声。


上条「オマエ…! あの時の…!?」

一方通行「クカカカ、相変わらず間の抜けた面しやがってよゥ…前にも増して頭沸いてンじゃないですかァ?」

悪党全開のテンションで上条を罵る一方通行

その心境──『違う、そうじゃない』


垣根「おい、第一位。上条に何の用だ?」

上条「垣根…?」

垣根「下がってろ上条」


一方通行「ハッ! なンですかァ"元"第二位。学園都市の糞溜めを散々引っかき回しといて、…今更良い子ちゃン面してんじゃねェぞ」

垣根「何とでも言えよ…否定はしねぇ。だが、仮にも超能力者第一位を名乗るテメェが、"無能力者"のコイツに手ぇ出すってんなら…俺は黙っちゃいねぇ」

一方通行「……は?」

垣根「なんだよ…」

結標「(こ、こいつ…"幻想殺し"のこと知らない…?)」ヒソヒソ

海原「(驚きましたね…反乱を起こした時に、裏でしつこいほど暗部の情報をネチネチと調べてたような輩が……)」ヒソヒソ
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/21(日) 20:49:12.73 ID:0Uskhn6IO


土御門「」

建宮「…土御門、ねぇこれどういうこと?」ユッサユッサ

浦上「さっきからフリーズして動かないです…」プニプニ

香焼「そこの人が『三下ァ』って言った辺りからっすね」ツンツン


チップ「…で、俺たちは今から何をどうすりゃいいんだ?」

メイ「ボ、ボクに言われても……」

チップ「お前、組織のリーダーやってんだろ? 何とかなんねーの?」

ヴェノム「無茶を言うな。最早、話が纏まるような状況では無い」


五和「上条さぁん……」ユッサユッサ

上条「どうしませう…」グラグラ

261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/21(日) 20:51:24.57 ID:0Uskhn6IO

ふいに軽快な電子音声──自動ドアが開く音──




イラッシャイマセー

浜面「滝壷ぉー!!!」ダッ


フレンダ「浜面ッそぉい!!」

絹旗「超遅いです!!!」

滝壷「遅かったね、はまづら」

麦野「遅いよはまづらぁ…」

浜面「悪ぃ悪ぃ…。結局、三回も車乗換えてもう大変……」

上条「」

浜面「」

五和「上条…さん?」

上条「ぁああ!!! テメェあん時のスキルアウト!?」

五和「かっ上条さん!?」

浜面「ぉぉおお何でテメェがこんなトコにいんだよ!?」

滝壺「はまづら?」
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/21(日) 20:53:02.67 ID:0Uskhn6IO



イラッシャイマセー

ロボ「フぃー、つイタつイタ」

一方通行「何だァ…?」


結標「」ガクガク

海原(あ、第二のトラウマスイッチ)


垣根「ぅお!? テメェ、あの気持ち悪ぃ医者と一緒にいた機械じゃ…」

シン「ロボカイ叔父さん!!」

垣根「えっ」

ロボカイ「オー、甥っコよ。元気デやってるカイ?」

垣根「え? 叔父…甥…? 何? なんつったお前? えっ?」

シン「ロボカイ叔父さん!!」

垣根「」

メイ(あちゃぁ……)
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/21(日) 20:54:48.10 ID:0Uskhn6IO

ロボカイ「ヤレヤレ、ようヤくマトモな名前がツイッタか」

垣根「えっ…ちょ、待てよ……

じゃあこのガキの親父ってのがこの機械で…いやいや叔父さんっつってんだからよ…、元になったロボット…じゃなくて人間がいる筈で…そいつがきっと…いやいや、それじゃさっき、このガキにタイラン何とか食らわせた"オヤジ"ってのは……」ブツブツ

一方通行「おィー? 何一人で勝手にトリップかましてンだよ糞メルヘ…」

垣根「ご、ごめん!、ちょっと待ってくんない?」キョドキョド

一方通行「ざけンな。自分からツラ出しといて何言って……」

垣根「ゴメン! マジごめん! 頼むから五分だけ考えさせて!!」

一方通行「ァ、はい…」


シン「叔父さんは、今までドコ行ってたんだ?」

ロボカイ「円環の理に導かれテ…といったトコロか」フー

シン「何それ超ドラマティック!!」

チップ「訳わかんねーよ」
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/21(日) 20:59:01.62 ID:0Uskhn6IO

……

アクセル「あーあ…ぐっちゃぐちゃだわ……俺行きたくねー」

ミリア「決めたわ」ガタッ

アクセル「はい、何がでしょ?」

ミリア「ストラップ、もう一個買いに行く」キリッ

アクセル「ワオ、何つーベストで最低なチョイス」

ミリア「こうしちゃいられないわ。急がなきゃ」ダッ

アクセル「俺っちお供しまーす」ガタッ


イラッシャイマセー

御坂「──ホントに、ここにいるんでしょうね?」

御坂妹「行動パターンの算出の結果、高確率でこの店にリターンする可能性が高いとミサカは推測します、とミサカはお姉様の持っているニャンコストラップをガン見しながら説明しました」

ミリア「」

アクセル「おんやぁ、どったの姉さん?」

御坂妹「ほら、そこにロシア女が……お姉様?」



御坂「」

一方通行「」

麦野「」


265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/21(日) 21:02:19.63 ID:0Uskhn6IO


御坂「…えっ……と……」

上条「ビ、ビリビリ…?」

垣根「よ、ようビリビリ」

シン「ビリビリーー!!」

メイ「ビリビリ…?」


御坂「びっ……」

浜面「何だよビリビリって…」

五和「ビリビリ…さん…?」

土御門「にゃっはっはー! おいーっすビリビリィ!!」

香焼(壊れたっす)


御坂「ビリビリって言うなぁぁぁああああ!!!!!!」

バリバリバリバリバリバリバリバリ

ワー   ワー
  キャー
      ドコドコドコ
 キャー
パリーン
  マジデ ビリビリー
     ワー
       キャー
 ワー

    シッショー


────


レイヴン(飛び出すタイミングを逃してしまったではないか……)
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/21(日) 21:03:44.95 ID:0Uskhn6IO
今日の投下は以上です。
余裕があれば、また明日に投下します。
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/21(日) 21:22:45.00 ID:OZrMHUQDO


沖方丁すきですか?
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/21(日) 22:34:55.84 ID:t5xkPknDO
乙♪
カオス過ぎるだろこのファミレスwwwwww
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/21(日) 22:47:11.02 ID:FfWD8wP+o
乙です
地の文はあっても大丈夫だけど、
> 学園都市──第七学区──とあるファミレス店内に響き渡る一方通行の叫び声。
のような癖の強いのじゃなくて普通のにしてほしい。例えるなら作文、小論文を書くような

地の文使うときに少し考えてみてくれればいいな
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/22(月) 12:15:07.72 ID:V593vNow0
医者とインデックスの組み合わせがなんか和むなww
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/23(火) 02:01:44.17 ID:KB44H2EIO
>>267
大好き…です///

>>269
ご指南ありがとうございます。
先週以前に書いた分だったのですが、そこだけ直すのを忘れていました。申し訳ないです。


長い作文を書くのはあまり得意ではないのですが、できるだけ読みやすい文章を心がけつつ、自分のやってみたい事も挑戦したいと思います。

『そこは違うだろボケ』みたいな所があれば、またご指南いただければ幸いです。

投下再開します。

────

投下の前に一つ。
今回、色々と辻褄合わせするために、他所のゲームの設定を入れ込みました。
設定要素のゴッタ煮に抵抗のある方がいらっしゃるかもしれないので、前もってお詫びします。
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/23(火) 02:02:50.15 ID:KB44H2EIO

学園都市──

無人の市街を寡黙に歩く『ソル=バッドガイ』

その、頭の奥底で、断片的に繰り返される言葉の数々──



──俺は、お前で言うところの<未来>からやって来たらしい……

──だが、ここは、俺の記憶に残っている<過去>とは大いに"異なる"……

──『学園都市』だの『超能力』の開発だの憶えがねぇ……

──『垣根帝督』なんてガキも知らねぇ……

──宗教論争がここまでアグレッシブなのも興味深い…ソッチの分野は専門外だがな……

273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/23(火) 02:04:15.13 ID:KB44H2EIO

断片的な言葉の数々──

──この時代で色々と調べて、色々と面白いモノが見つかった……

──限りなく妄想に近いレベルの論文だったが、今、俺が体験している事象に照らし合わせてみれば、色々と辻褄が合う……

──その論文を書いた奴に言わせれば…、『世界線』というルートが、俺とお前で根本から"異なる"らしい…。パラレルとも違う……

──つまり、<今ここにいる俺は>、別の『世界線』の記憶を持った、<100年以上先の未来のお前>…という訳だ……メンどくせぇ考え方だ……


未来。それも異なる『世界』からやって来たという、"もう一人の自分"。

最初は半信半疑だったが──


今や、自分と『あの男』しか知らないであろう法力の理論。

『あの男』が今なお秘密裏に製造している"生体兵器"の存在の認知。

右手に持った<剣>と額の<ギア細胞抑制装置>。

そして、その身に宿らせた『あの男』への憎悪。

全てが"本物"だった。
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/23(火) 02:06:00.30 ID:KB44H2EIO

断片的な言葉の数々──

──いずれお前たち『三人』で研究していた"魔法科学論"が世間に知れ渡り、今の時代に現存する<科学>も<魔術>も淘汰されるだろう……

──そして、『あの男』が創った"ギア"共が世界を、文明を、人類を壊しに姿を現す……

──奴等は真っ先に日本を潰しにかかる……迅速に、徹底的にな……

──これは俺と、『あの男』と、『彼女』がいる限り確実に引き起こされる事態だ。絶対に避けられない……


"もう一人の自分"が言っていた、予言めいた忠告。

哀れみも同情も無く。静かに、淡々と。



そして、"もう一人の俺"から更なる提案──

──取引だ…、俺"たち"は、少なくとも元の時代に帰る方法を探している……

──そういった研究を行っている所があるなら、そこへ俺の"仲間"を寄こす。必要ならモルモットも一匹提供する…

──俺はその間、この時代にいる『あの男』について調べを付ける……

──…何、不満か? なら、コイツをオマケに付けてやる…。受け取れ……
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/23(火) 02:07:38.30 ID:KB44H2EIO

取引材料の一つとして手渡された何枚かの書類。以前、自分が製造した<対ギア兵器>第一号の設計図。

完成させてみたもの、出力の制御が非常に困難だったため、試行錯誤の末に解体。
後に、部品の一部を再利用して作り上げた法力補助ユニット──後に<封炎剣>と呼ばれているらしい。

手渡された図面は、ひと目で見れば違いが分かるほど、かなりの改良が施されている。


──コッチの時代にゃ、資材も施設もロクに無いモンでな…、結局完成させられなかった代物だ……

──取引は成立だな…。安心しろ、これ以上の手間は取らせねぇ……
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/23(火) 02:09:04.45 ID:KB44H2EIO

別れ際に、"もう一人の俺"から──

──ちょっとした"望み"くらい、残しても構わねぇだろう。後はテメェの好きにしてくれ……

手渡された図面の端に書かれた<HOPE>の四文字。
『変えられるモンなら変えて見せやがれ』とでも言いたげなメッセージ。


いろいろと思い出しているうちに思考と視界が現実に戻り──

辿り着いた戦場。その遠くで対峙する一組の男女。


ソル「何が手間は取らせねぇだクソッタレ…、面倒ばっか押し付けやがって……」


この世界、この時代に生きる『ソル=バッドガイ』に降り掛かった災難。面倒事の数々。


いずれ出会うであろう自由奔放な仲間たちの守りを押し付けられ──

顔も名前も知らない"知人"から預かった子供の守りを押し付けられ──

相も変わらず生意気で、全く言う事を聞かない帝督の守りに手を焼き──


煮えたぎる怒りを<封炎剣>に溜め、炎に変え、その先にいる男女に目掛けて思い切り放った。
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/23(火) 02:12:38.35 ID:KB44H2EIO

とあるファミレスで繰り広げられる、地獄の大覇星祭。

デスマッチ編──



まず、御坂美琴オリジナルがロケットスタート。

ファミレスに来店したと同時に浴びた『ビリビリコール』に憤慨し、ヤケクソ気味に放電。

巻き添えを食らった浜面、建宮、土御門、チップの四人が脱落。


麦野「ウチの浜面に何さらしぁがんだコラァ!!!!」

浜面を負傷させられた麦野がブチキレ。「ヤッチマイナ」の号令で、絹旗が先行して御坂に突撃。フレンダが後方から投げナイフで追撃。

御坂「……ッ!」

上条「バッカ…野郎!!」

海原「おっと、これは……」


上条。天性の危機的直感で絹旗の進路を遮り、立ち塞がる。

海原。御坂の死角から、リスクを惜しまず『原典』を展開。フレンダの投げナイフを"自殺"させる。

電撃で弾く前に、投げナイフがボロボロと崩れ落ちる。不思議がる御坂。


投げ損なったナイフは、そのまま軌道が逸れてミリア、アクセルへ。

アクセル「どわっとぉー!!!?」

アクセルの鼻先数センチを横切るナイフを、ミリアの"髪"が掴む。へし折る。じわじわと殺意を宿すミリアの目。

278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/23(火) 02:15:50.40 ID:KB44H2EIO

空中から上条目掛けて放たれる絹旗の超窒素パンチ。

絹旗「超邪魔です!!」

上条「止まれッ!!!」

上条が、絹旗の拳を"右手"で受け止める。"ペチっ"と蚊を叩くような音。

絹旗「はぇっ!?」

上条に覆いかぶさるように絹旗が"落下"。

上条が絹旗を受け止め、絹旗のワンピースの裾を引っ掛け、絹旗がおっぴろげて、いつものパターン。

"べちっ"と地面にタッチダウンされる上条。

上条を押し倒し、パンツ丸出しで気絶する絹旗。


アクセル「血ぃー! 姉さん!! 俺っち鼻が斬れて…ありゃ、姉さん?? どこ行ったのぉー!?」

わざとらしいジェスチャーで騒ぎ立てるアクセルを横目に…、土御門と建宮達を、面倒くさそうに介抱する浦上と香焼。

厨二病ばりに頭痛を訴える海原を、面倒くさそうに気遣う結標。

二人でおろおろと狼狽える五和とメイ。

やる気も興味も無いロボカイ。無人のドリンクコーナーで、神秘的な液体の精製に夢中。
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/23(火) 02:18:29.10 ID:KB44H2EIO

シン「オレもオレもーっ!!」

何かの遊びが始まったのかと勘違いしたシン。遊び盛りの1歳六ヶ月。

メイの目を盗んで単騎特攻。

麦野「おおっ…ちょっ…ッ!? どけ、クソガキ!!!!」

シン「およ?」

飛び出した先に、麦野が放った"原子崩し"の一閃。

メイ「シンッ!!!!」


ヴェノム。どんな道具も殺人武器に変える暗殺者。

その辺の椅子を引っつかんで、法力を込め、"得体の知れない爆弾"と化した椅子を、原子崩しの光線目掛けて放り投げる。

シンと麦野の中央で椅子と空気が爆散。衝撃で吹っ飛ばされるシンと麦野。二人揃って、頭をぶつけてノックアウト。


ケロっと起き上がるシン。

シン「いてて…」

メイ「何してんのよ!! ばか!!!!」ゴスッ

数十キロの錨を軽々と持ち上げる馬鹿力のメイ。その鉄拳を、シンの後頭部に目掛けて振り下ろす。

シン「ロマン…ティック……」カク

今度こそノックアウト。
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/23(火) 02:20:25.55 ID:KB44H2EIO

あっという間に仲間二人をやられ、あわあわと立ち往生するフレンダ。

フレンダ「あ…あわあわって自分で言ってりゃ世話ないって訳…」

ミリア「動くな」
御坂妹「動くな」

フレンダ「」

殺意を向けられたミリア。暗殺者の目。剃刀のような刃と化した髪を、フレンダの首筋へ当てる。

御坂妹。鞄から取り出したライフルの銃口を、"お姉様"を攻撃したフレンダのこめかみに当てる。


その奥のソファ席。

気絶した麦野の頬をぺちぺち叩く滝壷。眠そうな目。仕事中では無いためか、複数の処理が追いつかず、絶対絶命の危機に陥ったフレンダはそっちのけ。
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/23(火) 02:23:31.25 ID:KB44H2EIO

一方通行。

開幕で御坂が放電した直前、糸が切れた人形のように、垣根の目の前でパタリと崩れ落ちる。

さっきから動かない、というか息をしているのかも怪しい状態。

垣根が、気味悪げに一方通行の頭を足で突っつく。その少し前──


御坂妹が、事前にネットワークを通じて打ち止めに進言。

『代理演算の一時停止を申請します』

数秒経たないうちに受理、実行。ついでに、打ち止めから垣根帝督へのメッセージを受信。

『今日はオムライスがいいなってミサカはミサ──』

ウザい語尾はバッサリ切断。後ほど、垣根に口頭で面白おかしく伝える事に。

ニタリ──。

思わずこぼれた笑みに、ミリアとフレンダがドン引き。
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/23(火) 02:28:17.29 ID:KB44H2EIO

ふいに、"外"から<黒い影>が飛来。"ガシャン!"と、分厚い窓ガラスが割れる音。


垣根「何だ!?」

アクセル「ぉお!?」

フレンダ「なななな何、今度は!!?」

メイ「!?」

ミリア「……!」

(以下省略)


レイヴン「フゥゥッハッハッハッハッハ──」

特撮ヒーローを思わせるようなシルエットの、謎の『仮面の男』が、高笑いとともに現れた。


そんな緊急事態とは無関係に、継続して行われる不幸な少年のラッキースケベイベント。

上条「何だ…いてて…」

絹旗「うぅ……」

起き上がる上条。上に乗った絹旗を気にしつつ──それが仇となり。

絹旗の両足に挟まった右ひざを持ち上げ、力を込め──

絹旗「ぁ! …ゃぁ」ピクン

ファミリーなレストランにあるまじき乙女の喘ぎ声。


しん、と静まり返る店内──

合体中の上条と絹旗に、全員が注目。

レイヴン「……」

せっかく窓ガラスを破って、派手に登場した『仮面の男』。数分経たないうちに、誰にも見向きもされず。
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/08/23(火) 02:30:29.72 ID:KB44H2EIO


絹旗の声に反応して動揺する者。興奮する者。呆れる者。そして怒れる者──


御坂「ア・ン・タ・ってヤツわぁ……ッ!!」

御坂の右手が持つ物。ゲームセンターのコイン。バチバチと放電。


上条「わー! バカ! バカ! こんな所でレールガンはやめろ!!」

御坂「バカバカ言うな馬鹿ぁ!!!!」

垣根「おいおい…」

五和「だ、駄目ぇえええーー!!!!」

上条の命の危険を察知した五和。決死の覚悟で御坂に飛びつく。

御坂「ちょっ!? 待っ……ぃい!!?」

勢い余って御坂の半ズボンに飛びつく。そのまま勢いに任せてズリ下ろす。

五和のタックルで体勢を崩された御坂。転倒しながら、あろうことかレールガンを"発射"。

上条「おぃいいいーーーー!!!!」



音速の三倍で、あさっての方向に射出されたコインの弾丸は──


レイヴン「アヲッ!!!!」


テーブルの上で仁王立ちしていた『仮面の男』の股間にヒット。

ガラスの破砕片が撒かれた地べたに転げ落ち、のた打ち回る『仮面の男』。


その場に居る、意識のある男子全員が、その光景を見ながら股間を抑えて戦慄。
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/23(火) 02:30:59.75 ID:KB44H2EIO
今日の投下は以上です。
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/23(火) 13:10:23.81 ID:ChDGNjIDO
>>284
やっぱり好きでしたか
文体よくコピーできてる思います
クラッシュ文体スピード感あっていい感じです
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/29(月) 19:13:45.30 ID:cUO+aXS+0
>>1


そう言う手法?はちょち知らないけど慣れない人から見ると
視点がころころ代わって分かりにくいのと―や…が多くて説明過ぎる説明だからねっとり感がするかな
287 :>>2ですが [sage]:2011/08/30(火) 00:47:00.72 ID:FSImz2uIO
色々と立て込んでいて、書き溜めができておりません。できれば今週中に投下できれば良いのですが…、とりあえず生存報告まで。


>>285
ありがとうございます。
そう言っていただけると励みになります。
ただ、ディスプレイで読みやすくするのに、もう少し工夫が必要みたいですね。

それと、やっぱりこの文体に抵抗のある方もいらっしゃいますので、このスレでは多用は控えたいと思います。


>>286
そうですね。ほぼ全員が定位置に集まったので、今後はあっちこっち視点移動することはそれほど無いと思いますが、なるべく注意します。

「…」が多いのは、ソルのダンナが駒場さん並に多用しているので、他のキャラもついつられてしまっています。こちらも気をつけます。
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/21(水) 01:08:44.93 ID:qs+/X+qco
まだだね
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/06(木) 10:59:37.72 ID:Eq5jSKQao
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/24(月) 09:38:50.08 ID:F+R7z9Cjo
しゅ
200.54 KB   
VIP Service SS速報VIP 専用ブラウザ 検索 Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)