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勇者「世界を滅ぼしに行く」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/07(木) 21:41:15.69 ID:bQwteXCM0
勇者「僕の仲間になってください」

魔女「おことわりだ、おとといきやがれ」

勇者「一週間前からずっと通ってます」

魔女「こんな山奥まで、よくやるよね」

勇者「根性だけはあるので」

魔女「帰った帰った」

勇者「まだ返事をもらってません」
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
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エルヴィン「ボーナスを支給する!」 @ 2024/04/14(日) 11:41:07.59 ID:o/ZidldvO
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/07(木) 21:41:48.88 ID:bQwteXCM0
魔女「なんの為に旅するの」

勇者「魔王を倒しに行くんです」

魔女「ふうん」

勇者「この世界を滅ぼしたいんです」

魔女「ふうん」

勇者「僕をこっちの世界に連れてきたのが奴なら、倒せば帰れる気がするんです」

魔女「ふうん」

勇者「僕、異世界人なんですよ」

魔女「丁度研究材料が足りなかったんだ」

勇者「仲間になってくれますか」

魔女「考えてみる」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/07(木) 21:42:34.89 ID:bQwteXCM0
魔女「と言ーうか。魔王って、もう、いないよ」

勇者「こう言えばよかったでしょうか。世界の創造主」

魔女「魔王じゃねえじゃん」

勇者「よく言われます」

魔女「ぷーくすくす」

勇者「よく言われます」

魔女「別に世界を滅ぼさなくても、元の世界には帰れる」

勇者「なんと」

魔女「一度[ピーーー]ばいい」

勇者「なんだと」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/07(木) 21:43:00.79 ID:cdywE7wZ0
勇者じゃないね
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/07(木) 21:44:02.73 ID:bQwteXCM0
魔女「私のこの“虚影の引き金”を引けば君は楽に[ピーーー]る」

勇者「右手をピストルの形にして得意げになってるロリータにしか見えません」

魔女「魔翌力の媒体を私は右手で代替してるんよ」

勇者「魔翌力増幅しないと思うんですが」

魔女「しないけど魔法の高速連射は可能」

勇者「ロマンですね」

魔女「日常的にガンマンごっこが出来なくなるのが残念」

勇者「見た目どおり子どもっぽい」

魔女「BANG」ドォォォオオンッ!
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/07(木) 21:44:52.98 ID:bQwteXCM0
勇者「痛かった」ヒリヒリ

魔女「死ななかったか」

勇者「戻りませんでした」

魔女「死ねなかったか」

勇者「戻れませんでした」

魔女「もう一発やるか」

勇者「仲間になってくれませんか」

魔女「良かろう」

勇者「やった」

魔女「一日一回研究に付き合うこと」

勇者「性的な意味で」

魔女「女になりたいのか」

勇者「すみませんでした」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/07(木) 21:45:48.34 ID:bQwteXCM0
魔女(さて)

魔女(勇者と魔王の激突による世界崩壊と再生から十五年)

魔女(いいタイミングか)

魔女(それでも)

魔女「どうせ君が頑張らずとも」

勇者「はい」

魔女「じきに世界は滅ぶよ、君以外の人間か、それに準じた“意志”の力で」

勇者「そうですか」

魔女「うん」

勇者「でも、会わないと」

魔女「ふうん」

勇者「会って、話がしたいんです」

魔女「あっそ」

――――――――
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/07(木) 21:47:14.16 ID:bQwteXCM0
注意書き。

・そこそこ長編です
・ファンタジーしてます
・会話はシュール(笑)ですが物語自体は大分アレです
・エロ無し 会話でちょこっとネタにされる程度
・多分グロ無し

変な奴らが世界の為に仲良く喧嘩するだけですがよろしければお付き合いください。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/07(木) 21:59:18.05 ID:bQwteXCM0
――麓の街

魔女「ここまで降りてきたはいいが」

勇者「行くあてはありませんよ」

魔女「そういうと思ったさ」

勇者「何処行くんです」

魔女「友人の家」

勇者「友人いたんですね」

魔女「研究、一日二回」

勇者「これで男に戻れる」

魔女「一日三回」

勇者「薮蛇だった」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/07(木) 22:00:12.91 ID:bQwteXCM0
魔女「女、来たぞ」

女「久しぶりね。その人は」

魔女「研究材料」

勇者「どうも」

女「成程。で、何の用」

魔女「創造主の居場所教えろ。後金目のものを置いていけ」

女「事情説明しなさい」

勇者「世界を滅ぼしに行くんです」

女「……」

魔女「この程度で絶句するとは、腕が落ちたな」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/07(木) 22:01:33.15 ID:bQwteXCM0
女「創造主は世界の中心にいるわ」

魔女「首都か」

女「核だからね」

魔女「そうか。後は金だ」

女「駄目」

魔女「えー」

女「依頼でもなんでもいいからこなしなさい。世界を滅ぼすつもりなら、腕に自信はあるんでしょ」

勇者「そこそこは」

魔女「面倒くさい女め」

女「いい人生経験でしょ」

魔女「私は人間じゃねー」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/07(木) 22:03:19.51 ID:bQwteXCM0
勇者「追い出されてしまいました」

魔女「相変わらずしけた奴だ」

勇者「一体どういう関係で」

魔女「かつての敵」

勇者「あなた一体何歳なんです」

魔女「二千と十五歳」

勇者「と言うと」

魔女「二千歳で一回転生して今に至る」

勇者「成程」

魔女「あいつも転生の身だ」

勇者「同い年なんですね」

魔女「あいつは二十五と十五歳だ」

勇者「ややこしい」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/07(木) 22:05:46.46 ID:bQwteXCM0
魔女「依頼やったろうじゃないか」

勇者「情報収集も兼ねて護衛依頼でも受けましょうか」

魔女「それが良い」

――ギルド

勇者「それらしい依頼が一つもない」

魔女「平和になったもんだ」

勇者「困りましたね」

魔女「魔物の一つでも放ってやろうか」

勇者「止めてください」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/07(木) 22:08:05.05 ID:bQwteXCM0
勇者「これなんてどうです」

魔女「なになに」

勇者「シムナフ村のご老輩にお薬の配達」

魔女「完全に慈善事業じゃないか」

勇者「平和な世の中ですから」

魔女「異世界人の癖して分かったような口を」

勇者「受けてみましょうか」

魔女「人の話は聞かないタイプか」

勇者「貴女人間じゃないんですよね」

魔女「BANG」ドンッ!
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/07(木) 22:10:29.89 ID:bQwteXCM0
勇者「零距離は酷い」

魔女「研究だ耐えろ」

勇者「これが後二回ですか」

魔女「次は股間にでも」

勇者「やめろおおおお」

魔女「依頼主の所に行くぞ」

勇者「人の話は聞かないタイプですか」

魔女「人じゃないからね」

勇者「会話になってないんですよね」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/07(木) 22:12:44.96 ID:bQwteXCM0
――

依頼主「貴方方が依頼を?」

勇者「はい。勇者といいます。こちらは魔女」

魔女「どうも」

勇者「……もう少し礼儀正しく」ヒソ

魔女「……よろしゅー」

依頼主「はいな、はいな。お二人とも、依頼の経験は?」

勇者「ありません。ですが、危険な事に関して言えば、そこそこの場数は踏んできているつもりです」

依頼主「そぉかい。ま、シムナフ村は平和な所だけど、道中は何があるか分からないからね。
    十分気をつけていくんだよ」

勇者「分かりました。契約書、書きますね」

依頼主「はいな、はいな。しっかりしてるねえ」

勇者「これも仕事の一部分ですから」

魔女「……ふうん」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/07(木) 22:14:57.56 ID:bQwteXCM0
――

魔女「トイレ我慢してたの?」

勇者「なんですかいきなり」

魔女「えらく馬鹿丁寧だったから」

勇者「仕事は仕事です」

魔女「あっそ」

勇者「見直しましたか」

魔女「うるせー」

勇者「シムナフ村はこの街から歩いて半日。頑張りましょう」

魔女「ちょい待ち」

勇者「なんです」

魔女「“呼び出す意志”」ボォン

勇者「……おお」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/07(木) 22:16:24.17 ID:bQwteXCM0
魔女「歩くとかマジ勘弁」

勇者「箒だ」

魔女「魔法だよ。序列としては上位かな」

勇者「序列ってなんです」

魔女「説明面倒だから省く」

勇者「酷い人ですね」

魔女「だから人間じゃねー BANG」ドゴォオッ!!
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/07(木) 22:18:56.64 ID:bQwteXCM0
勇者「思ったのですが」ヒリヒリ

魔女「うん」

勇者「“意志”ってなんですか」

魔女「魔法、と言うかこの世界の源」

勇者「ここは意志の世界と」

魔女「間違ってはいない」

勇者「……成程。よく分かりませんね」

魔女「分からなくていい」

勇者「じゃあ、使う意志があれば、僕にも魔法が使えますか」

魔女「出来るけど、下位の物に限られるだろうね」

勇者「どうしてです」

魔女「君には無理だからさ」

勇者「個人レベルで否定された」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/07(木) 22:20:53.33 ID:bQwteXCM0
魔女「魔法は魔法を信じる者にしか使えない」

勇者「“信じる意志”ですね」

魔女「飲み込みが早いね」

勇者「口からでまかせです」

魔女「そうだろうと思ったさ」

勇者「時間が経てば、僕にも信じる意志が芽生えるでしょうか」

魔女「時間があればね」

勇者「まあ、そもそもあった所で」

魔女「うん」

勇者「この世界は滅ぶのですが」

魔女「君がそう信じたいなら、それでいい」

――――――――
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/07(木) 22:24:38.38 ID:bQwteXCM0
短いですが今日の投下はここまで。

こんな感じでちゃらちゃらと進んでいきますすす
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/07(木) 22:40:07.74 ID:yWCYUeKDO
次回、更新したら、上げといて下さい、
読むと思いますから!
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/07(木) 22:59:17.50 ID:2/LFn7iKo
上げなくていい
期待してる
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2011/07/08(金) 20:10:19.30 ID:SajefAW90
おはようございます。
ちゃかちゃか投下していきます。
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:11:11.88 ID:SajefAW90
――シムナフ村

勇者「着きました」

魔女「寒々しい村だが」

勇者「あれ、なんでしょう」

魔女「塔だね」

勇者「シンボルかなんかですかね」

魔女「さてね」

勇者「ともかく、届け人の家に向かいましょう」

魔女「ちょい待ち」

勇者「なんです」

魔女「“察知する意志”」ボゥン
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:12:10.81 ID:SajefAW90
勇者「今のはなんです」

魔女「私と君の半径数十メートル内にレーダーを張り巡らせた」

勇者「はあ」

魔女「このレーダー内に入った人間の心理を察知する事が出来る」

勇者「ただの嫌がらせじゃないですか」

魔女「うるせー」

勇者「それ、僕の考えてる事とかも分かるんですか」

魔女「うん」

勇者「うわ」

魔女「研究、一日一時間延長」

勇者「うわああああ」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:13:18.80 ID:SajefAW90
――

届け人「麓の街からいらっしゃったのですな。わざわざご苦労様です」

勇者「いえいえ。進んでやってる事ですから」

届け人「これは報酬です。お納めください」

勇者「ありがとうございます」

魔女「ありゃりゃした」

届け人「機会があれば、またよろしくお願いします」

勇者「はい。それでは」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:14:38.91 ID:SajefAW90
勇者「銀貨十枚が手に入った」

魔女「三日は生き延びられるな」

勇者「こんなものでしょう。ひとまず、街に戻って宿を取りましょうか」

魔女「ちょい待ち」

勇者「なんです」

魔女「“解除”」ポーン
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:15:58.89 ID:SajefAW90
魔女「レーダーを解除した」

勇者「もういいんですか」

魔女「うん」

勇者「そもそも何故つけてたんです」

魔女「シムナフ村民度調査」

勇者「つまりは暇つぶしですか」

魔女「魔女魂と言ってほしい」

勇者「清清しい外道」

30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:17:17.19 ID:SajefAW90
勇者「で、どんな感じでした」

魔女「知ると言う事は罪を被ると言う事と同義だけど」

勇者「罪って自覚してるんですね」

魔女「80%、不審」

勇者「でしょうね」

魔女「15%、歓迎」

勇者「届け人さんですかね」

魔女「5%、救援」

勇者「……」

魔女「私たちが歩いてる間にね」

魔女「子どもが一人死んだよ」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:20:33.07 ID:SajefAW90
勇者「言ってる意味がわかりません」

魔女「分からなくてもいいけど」

勇者「つまりは僕らがここを歩いている間に、事件が起こったと言う事ですか」

魔女「事件かな。習慣かもね」

勇者「んな馬鹿な」

魔女「この村に入ってから、一度も子どもの姿を見てないんだよ」

勇者「ひい」

魔女「中々愉快な状況だ」

勇者「舌なめずりしてる場合ですか」

魔女「久々に人間の悪意と対峙出来そうだ」

勇者「スイッチ入ってますね駄目だこりゃ」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:23:50.10 ID:SajefAW90
――

魔女「居留守か」

勇者「此処は」

魔女「この中で子どもが死んでる」

勇者「そりゃまた」

魔女「BANG」ドォンッ!!

勇者「なんつー」

魔女「扉は開かれた」

勇者「木っ端微塵に」

魔女「行くぞ」

勇者「ノリノリだなあ」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:25:42.54 ID:SajefAW90
勇者「誰も居ませんね」

魔女「“把握する意志”」ポォン

勇者「今度は一体」

魔女「把握する」

勇者「把握した」

魔女「微量な魔素が漂ってる」

勇者「貴女の魔法のせいじゃ」

魔女「私の魔法は魔素を残さない」

勇者「犯罪に使えそうですね」

魔女「端から見たら今の状況が犯罪だ」

勇者「全くです」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:27:39.24 ID:SajefAW90
魔女「どうやらどっかにテレポートしたようだ」

勇者「転移する意志」

魔女「そう」

勇者「後は追えないんですか」

魔女「出来る、が」

勇者「はい」

魔女「現状を報告した方がいいだろう」

勇者「誰にです」

魔女「届け人」

勇者「上手く行けば事情が聞けるかもしれませんね」

魔女「うむさあ行くぞ」

勇者「ラデュ」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:30:17.87 ID:SajefAW90
――

届け人「何故その事を?」

勇者「こちらの方が魔法使いでして」

魔女「やー」

届け人「……成程。これは大変な事になりました」

勇者「事情を教えていただけると、嬉しいのですが」

届け人「……良いでしょう。しかし一つだけ約束してほしいのです」

魔女「内容による」

届け人「……事情をお話しする以上、中途半端に外に出て行かれても困ります」

魔女「ふん」

届け人「……この村を救って欲しいのです!」

魔女「だってさ」

勇者「いいでしょう」

魔女「だってさ」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:32:21.83 ID:SajefAW90
勇者「――生贄ですか」

届け人「はい。数ヶ月程前の事でしょうか、長くて大きな杖を持った男が突如現れ、この村の宝物を奪い去ったのです!」

魔女「杖。ふん」

届け人「宝物を奪った犯人はあの尖塔を根城にし、月に一度、生贄を求めています。
    宝物を壊されたくなければ、子どもの死体を渡せと言うのです!」

勇者「宝物とは」

届け人「“法石”と呼ばれる、人の握りこぶし程の大きさの白い石です」

魔女「マジックアイテムの一種かな」

届け人「我々が今まで平和でいられたのも法石のおかげ。そして子どもたちは、次の世代を担う大事な資産です」

届け人「お願いです、お二人方。尖塔に潜む男を倒し、“法石”を取り戻してください!」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:33:50.55 ID:SajefAW90
魔女「変な事に巻き込まれたな」

勇者「貴女のせいですけどね」

魔女「君がこんな慈善事業を引き受けなければこの村に来る事も無かった」

勇者「銀貨貰えたしいいじゃないですか」

魔女「まあとびきりの悪人が潜んでいる事を期待しよう」

勇者「だから舌なめずりやめてください」

魔女「上手く行けば旅の一員に出来るかもな」

勇者「その発想は何処から来るのか」

魔女「冗談だ」

勇者「言われなくても分かってます」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:38:56.29 ID:SajefAW90
――尖塔

魔女「“把握かつ察知する意志”」ポォン

勇者「複合魔法ですか」

魔女「面倒だから同時に唱えただけだよ」

勇者「ごり押し魔法ですね」

魔女「杖使わないからね」

勇者「色々不便だと思うんですけどね」

魔女「使った事無いから不便も何も無い」

勇者「無知は罪と言います」

魔女「口は禍の元だがね」ドォオオオオン!
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:40:17.98 ID:SajefAW90
勇者「これから討伐なんですけど」ヒリヒリ

魔女「尖塔で戦闘。くひひ」

勇者「……」

勇者「把握と察知の結果はどうなんです」

魔女「トラップも目に見えた殺意も無い」

勇者「分かりました」

魔女「随分迷いが無いね」

勇者「貴女が居ますからね」

魔女「ふうん」

勇者「嬉しいですか」

魔女「ふうん」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:42:37.27 ID:SajefAW90
魔女「ニエを探すか、犯を探すか」

勇者「精神的に考えて犯人でしょうね」

魔女「この意気地なしめ」

勇者「どうして後ろに隠れるんです」

魔女「魔法使いを前衛に立てるパーティがあるか」

勇者「そりゃそうですけど」

魔女「安心しろ、後方支援は任せた」

勇者「死んだら墓は花畑の中にお願いします」

魔女「おーいぇ」
5
41 :↑の5はミスです [sage saga]:2011/07/08(金) 20:44:17.32 ID:SajefAW90
勇者「ん、これは」

魔女「それトラップ」

勇者「危なかった」

魔女「嘘だよ」

勇者「貴女と一緒に居る方がトラップのような気がしてきた」

魔女「おかげさまで」

勇者「褒めてませんよ」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:46:52.17 ID:SajefAW90
魔女「そう言えば、君」

勇者「なんでしょう」

魔女「君の得物はなんなんだ」

勇者「どう言う事です」

魔女「武器はあるのかと聞いている」

勇者「ああ」

魔女「見たところ剣を持っているようには見えないが」

勇者「勇者だから剣士と言うのは早計ではないでしょうか」

魔女「ふん。で、どうなんだ」

勇者「これです」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:48:54.51 ID:SajefAW90
魔女「なんだこれは」

勇者「六面体のルービックキューブです」

魔女「見れば分かる」

勇者「これが武器です」

魔女「投げるのか」

勇者「違います」

魔女「マジックアイテムなのか、これは」

勇者「そんな所です」

魔女「そうかそうか」ブゥン
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:51:13.68 ID:SajefAW90
魔女「魔物が現れたぞ」

勇者「今魔法使いませんでした?」

魔女「魔素が残って無いから分からないな」

勇者「理不尽な」

魔女「ほら、君の武器のお披露目だ。がんば」

勇者「仕方ありませんね」カチ カチ

クイッ

勇者「赤の面」ボォオオオッ!

魔女「ほお」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:52:53.27 ID:SajefAW90
勇者「こんな所です」

魔女「成程。炎を出すのか」

勇者「他にも色々出せますけどね」カチ カチ

勇者「白の面」

魔女「炎が消えたな」

勇者「このルービックが生む現象は特殊でして。一々自前で消去しないといつまでもそこに残り続けるんです」

魔女「めんどくせえ」

勇者「まあ役に立つ時もありますよ」

魔女「例えば」

勇者「野宿の時とか」

魔女「野宿するのか」

勇者「予定は無いです」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:54:50.59 ID:SajefAW90
魔女(あの炎)

魔女(魔素を感じなかったな)

魔女(やはり、この世界の要素では無いのか)

魔女(ふむ、興味深い)

魔女「勇者よ」

勇者「なんです」

魔女「そのルービックを貸して欲しい」

勇者「いいですけど」

魔女「やった」

勇者「面は揃えられるんですか?」

魔女「甞めるなよ若造」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:56:17.73 ID:SajefAW90
……

魔女「むう」カチ カチ

勇者「魔女さん、魔女さん」

魔女「うむううう」カチカチカチカチ

勇者「聞いてますか、魔女さん」

魔女「なんだね」

勇者「なんだか怪しげな扉の前に来ました」

魔女「今私は忙しい」カチカチ

勇者「ぼっしゅー」

魔女「あー」

勇者「今何をしているのか思い出してください」

魔女「Rubik's!」

勇者「Be look!」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 20:59:36.26 ID:SajefAW90
魔女「扉だな」

勇者「さっきからそう言ってるでしょう」

魔女「中から魔素の反応がする」

勇者「此処に居るのでしょうか」

魔女「ニエがね」

勇者「他をあたりましょう」

魔女「待て臆病者」

勇者「なんですかぶきっちょさん」

魔女「生きている人間の反応がある」

勇者「……」

勇者「他を」

魔女「お前はそれでも勇者か」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 21:01:20.64 ID:SajefAW90
ガチャ

勇者「……」

魔女「早く入りたまえよ」

勇者「トラップは」

魔女「無いと言ってるだろう」

勇者「うう、仕方ない」

魔女「へいへーい」

勇者「……」

魔女「きょろきょろするな、不愉快だ」

勇者「此処は、牢獄ですか」

魔女「そのようだね」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 21:03:27.25 ID:SajefAW90
勇者「生きている人間なんて、何処にも……」

魔女「……間違いなくいる筈なのだけど」

勇者「もう少し、詳しく――」

ガチャン!

勇者「……」

魔女「……」

勇者「現状」

魔女「トラップ」

勇者「なめてんですか」

魔女「すまんかった」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/08(金) 21:04:40.02 ID:SajefAW90
本日の投下はここまでですっす
書き溜めの消費っぷりがヤベェー
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/08(金) 21:10:48.65 ID:1P7m77JDO
勇者、魔法使い、2人では画面が寂しいです。単調になります!
出来たら、人の追加を、お願いします!
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/08(金) 21:19:33.98 ID:j2bR8TOco

二人のままでもいいから、ちゃんと完結してくれよ
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/08(金) 23:31:07.60 ID:aGnoCkx80
妹スレから期待
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/07/09(土) 21:52:04.66 ID:dneVtUJHo
まだ注意書きまでしか読んでないけど今回はエロ無しか

あと目欄がsage2個になってるよ
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/07/10(日) 15:45:42.33 ID:YOwdVwy2o
妹スレからやってきた
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2011/07/10(日) 17:34:42.08 ID:zLPJO0/u0
>>52
行く先々で色々な人が出ますが、暫くは二人旅です。ご了承ください。

前スレからご覧の方々、ありがとうございます。
不定期になりがちですが、今回もよろしくお願いします。

投下開始っし
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 17:35:38.94 ID:zLPJO0/u0
魔女「……人間の反応を模したフェイク、か」

魔女「この程度も見破れないとは、私も思った以上に力が衰えているようだ」

勇者「こう言う状況でそんな事言っちゃいますか」

魔女「ああうん。言った言った」

勇者「憤懣やるかたないですが、とりあえず脱出方法を探しましょう」

魔女「それより先に、牢獄の調査と行こう」

勇者「勘弁してください」

魔女「BANG」スチャッ…

勇者「フェイントとか」

魔女「BANG」ドォォオオンッ!
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 17:37:44.68 ID:zLPJO0/u0
勇者「あのですね」ヒリヒリ

魔女「なにか」

勇者「僕たちが頼まれたのは犯人の撃退と法石の回収です」

魔女「そうだね」

勇者「身内同士での戦いは望まれていない筈です」

魔女「身内」

勇者「パーティ」

魔女「ふん。まあいい。勇者なら勇者なりに、もっとシャキッとするんだね」

勇者「くそう」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 17:38:48.06 ID:zLPJO0/u0
魔女「ふむ」

勇者「牢獄と言う割には」

魔女「何も無いな」

勇者「これ、なんでしょう」ピラ

魔女「布切れ」

勇者「……。うわっ」

魔女「へたれめ」
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 17:40:52.77 ID:zLPJO0/u0
魔女「ふむ」ピラ

勇者「ばっちいですよ」

魔女「黙っていろエセ勇者」

魔女「……成程」

勇者「何が」

魔女「この布切れに宿った残留思念を読み取った」

勇者「えげつねえ」

魔女「この程度で恐れていちゃ、この世界は旅できないぞ」

勇者「なんつー」
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 17:42:24.68 ID:zLPJO0/u0
魔女「さてまあ」

勇者「はい」

魔女「この服の持ち主は殺された子ども……今日死んだばかりの子の物ではない様だが」

勇者「はい」

魔女「死を恐れてはいないようだな」

勇者「は」

魔女「正確に言えば。法石の為なら死んでも構わない、進んで生贄になりましょう」

勇者「……」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 17:45:07.37 ID:zLPJO0/u0
魔女「あの村の子どもはそういう教育を受けてきているのだろう」

勇者「洗脳ですね」

魔女「ふん。ま、悪い事だとは思わんけどね」

勇者「そうでしょうか」

魔女「常識なんてそんなもんだよ」

勇者「そうかもしれませんね」

魔女「うん」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 17:46:41.57 ID:zLPJO0/u0
勇者「……でも、ちょっと待ってくださいよ」

魔女「うん」

勇者「魔女さんは救援の信号を受け取ったんですよね」

魔女「そうだね、そこが問題だ」

勇者「その救援は確かに子どものものだったんですか」

魔女「察知の結果に、魔法的妨害でもかけられていない限りは」

勇者「ぶっちゃけそこらへんどうなんです」

魔女「なんとも言えないな」

勇者「ううむ」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 17:49:33.05 ID:zLPJO0/u0
勇者「そう言えば」

魔女「ん」

勇者「村に入って一度も子どもを見ていない、と言いましたよね」

魔女「うん」

勇者「もし、既に村の子どもが全滅しているとしたら」

魔女「うん」

勇者「村の住民は、自然と生贄を他の土地から連れてきた子どもに頼らざるを得なくなる」

魔女「素敵じゃないか」

勇者「不敵ですね」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 17:51:36.44 ID:zLPJO0/u0
勇者「もし仮説どおりなら――まずいですよ」

魔女「ふん。ふふん」

勇者「笑ってる場合ですか」

魔女「いや、予想通りの展開になってきてくれて嬉しいよ」

勇者「……えぐい性格してますね」

魔女「性分でね」

魔女「まあ――行こうか」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 17:53:41.58 ID:zLPJO0/u0
勇者「どうやって脱出しましょう」

魔女「“解錠の意志”」カチンッ

勇者「なんでもありですね」

魔女「意志が強いからね」

勇者「こちらとしてはありがたいです……でも最初からやって欲しかったですね」

魔女「うるさい」

勇者「もしかして」

魔女「うるさい」

勇者「さっきまで脱出方法が分かってなかったり」

魔女「あーあー」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 17:56:25.74 ID:zLPJO0/u0
魔女「さて、何処に行くかな」

勇者「なんだか元気になりましたね」

魔女「人間の悪意を垣間見るとね、こう、色々と滾る」

勇者「駄目だこの魔女」

魔女「くひひ」

勇者「とりあえず上に向かいましょう」

魔女「素敵理論」

勇者「行きますよ」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 17:59:35.75 ID:zLPJO0/u0
スタスタスタ

魔女「おーおー」

勇者「どうしました」

魔女「強くなってきたよ」

勇者「なにが」

魔女「魔素の反応」

勇者「つまりは、この上に」

魔女「犯人はいる」

勇者「急ぎましょう」

魔女「くひひ……楽しみだ」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 18:01:14.11 ID:zLPJO0/u0
バンッ!

勇者「こんにちは勇者です」

魔女「颯爽登場マジカルウィッチ」

男「……来たか」

勇者「貴方が件の犯人ですね」

男「いかにも」

魔女「大人しく法石を返してもらおうか」

男「いいだろう、だが」

勇者「なんです」

男「俺の話を聞いてからにしてもらおう」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 18:03:12.49 ID:zLPJO0/u0
魔女「ほう、いいだろう」

勇者「ちょっと、魔女さん」

魔女「なんだ」

勇者「罠だったらどうするんです」

魔女「安心しろ、今の私なら大丈夫だ」

勇者「なんですかそれ」

魔女「くひひ」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 18:06:51.33 ID:zLPJO0/u0
男「まず、初めに――この法石」スッ

勇者「綺麗な石ですね」

魔女「……」

男「そこの魔女、これをどう思う」

魔女「偽物か?」

男「違う、本物だ」

魔女「ふむ。成程」

勇者「はい?」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 18:08:25.13 ID:zLPJO0/u0
勇者「どういうことです、一体」

男「法石に、力は無い」

勇者「……え」

魔女「シムナフの住人は今まで何の力も無い石ころを信仰してたってことだ」

勇者「嘘ですよね?」

魔女「ふん。信じたくなければ信じなくてもいいさ」

魔女「常識なんて、そんなもんだからね」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 18:10:19.54 ID:zLPJO0/u0
男「お前達は――村に依頼を受けたんだろう。俺を殺し、法石を取り返してこいと」

勇者「その通りです」

男「だがどうする? この法石に力は無い。そんな物が無くたって、彼らは生きていける」

魔女「それとこれとは別問題」

勇者「それに、貴方が罪無き子どもを生贄として要求した事は事実」

男「どちらにせよ生かしておけない、と。成程」

男「……ふん」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 18:14:06.47 ID:zLPJO0/u0
男「そこの男。勇者と言ったな」

勇者「はい」

男「愚かだとは思わないか」

勇者「何がです」

男「あの村さ。有り得る筈もない力に縋り、守られていると妄信してきた」

男「俺が試しに石を奪ってやったらこれだ――何も疑わず、生贄を出してくる。こんな石ころの為に」ゴロン

男「石に何の力も無いと言ったら、どうなるかね? ふん、それでも奴らは信じるだろうがな」

勇者「……」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 18:16:09.06 ID:zLPJO0/u0
男「感謝しているよ、この石には。おかげさまで大分研究が進んだ。ある意味、俺の為にあったのかもしれないなあ」

勇者「……言いたい事は」

魔女「くひひひひ」ジュルリ

勇者「それだけ……って、魔女さん?」

魔女「くひひ、くひひひ……素晴らしい。全く素晴らしい人間だ」

勇者「ちょ、ちょっと」

男「……」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 18:18:19.64 ID:zLPJO0/u0
魔女「その思想。行動理念。価値観。やあ、勿体無い。是非とも私の時代に生きていてほしかったよ」ゾゾゾゾゾ

勇者「……あ、あの」

魔女「でも」

魔女「いいね」

魔女「その魂」

魔女「私が」

魔女「有効に活用してあげよう」ズズズズズ

男「――ッ!?」


魔女「“搾取する意志”」ドォンッ!!

78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 18:20:42.18 ID:zLPJO0/u0
男「――が、あ」

勇者「……!? ちょ、ちょっと、魔女さん」

魔女「……くひひ。ご馳走様」

勇者「……貴女、ねぇ」

魔女「ああ。なんだ、勇者」

勇者「結局この男を、どうにかする必要はありましたけど――今のは」

魔女「魔女にとって、人間の魂は貴重な資源だ」

魔女「純度が高ければ高いほど」

勇者「……」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 18:22:35.42 ID:zLPJO0/u0
魔女「ふん。今更私を旅に誘ったことを、後悔しているのか」

勇者「そんな事はありません……」

魔女「そうかい」

魔女「でも、驚いてはいるんだろう」

勇者「まあ、そこそこ」

魔女「ふん」

勇者「……法石、どうしましょうか」

魔女「依頼をこなして金を得る。当然の摂理だ」

勇者「貴女がそれを言いますか」

魔女「くひひ」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 18:24:25.78 ID:zLPJO0/u0
――シムナフ村

届け人「……成程。そんな事が、あったのですね」

勇者「はい。生贄となった子どもたちは、見つかりませんでしたが……」

届け人「いいのです。何はともあれ、宝物は取り返せたのですから」

勇者「……」

届け人「本来なら、祝いの席を用意したいのですが――すみません。今はその他の事に手を廻すのにいっぱいで――」

魔女「私たちは金を貰えれば満足さ。そうだろう」

勇者「はい」

届け人「重ね重ね申し訳ございません……どうぞ、お納めください」

勇者「ありがとうございます」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 18:26:28.28 ID:zLPJO0/u0
届け人「貴方方はこの村の英雄です。いつかまた、尋ねてきてくださいね」

――

勇者「……金貨十枚、ですね」

魔女「銅貨十枚で銀貨一枚、銀貨十枚で金貨一枚の価値になる」

勇者「これで暫く旅費には困りませんね」

魔女「どれもこれも私のおかげだな」

勇者「こつこつ依頼をこなす方向でも、僕は良かったんですけど」

魔女「時間の無駄だ」

勇者「ばっさりだ」
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 18:28:41.50 ID:zLPJO0/u0
勇者「さて、首都を目指すわけですが」

魔女「南下するぞ」

勇者「ここからどのくらいなんです」

魔女「分からん」

勇者「やれやれ」

魔女「ま、地図を買うしかないようだな」

勇者「そうですね」

魔女「面倒な旅だ」

勇者「仕方ないでしょう」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 18:31:38.70 ID:zLPJO0/u0
勇者「……しかしまあ」

魔女「あれで良かったんだよ」

勇者「早速ですね」

魔女「ふん」

勇者「でも、彼らの妄信は、非常に危ういバランスで成り立っているんだと思います」

勇者「今回みたいに、また法石を奪われるような事になったら……内だけでなく、外にも被害が出てしまう」

魔女「その時は、その時。いずれあの村には制裁が下る」

勇者「予言ですか」

魔女「事実だ」
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 18:33:14.87 ID:zLPJO0/u0
魔女「私らが彼らの妄信を否定する事は出来ない。
   それもまた、私たちの常識のうちの言葉に過ぎないから」

勇者「……はい」

魔女「この世界はね。そんな土地ばかりだよ」

魔女「全てが全て、ルールによって縛られる」

魔女「何度やり直しても、同じ事を繰り返す」

魔女「馬鹿どもの集まりだ」

勇者「……」

魔女「君がそれを否定し、滅ぼそうとするなら、私は手を貸そう」

魔女「その先に――新しい物が待っているとは、思えないけどね」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [saga sage]:2011/07/10(日) 18:35:26.09 ID:zLPJO0/u0
勇者「新しい物なんて、待っていません」

魔女「ほう」

勇者「やり直させもしません」

魔女「……」

勇者「僕は、世界を滅ぼしに行くんです」

勇者「この世界を、二度と存在させない為に」

魔女「無茶な事を言うもんだぁーな」

勇者「今更ですよ」

魔女「まあいいよ」

魔女「私も、この世界をどうにかしたかったからね」

勇者「……これからよろしくお願いしますね」

魔女「よろしゅー」

――――――――――――――――――――――――――――――
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2011/07/10(日) 18:37:08.68 ID:zLPJO0/u0
投下終了です!
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 18:57:27.34 ID:dtwLVtN2o
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/10(日) 21:38:07.89 ID:lkzg26bEo
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/11(月) 01:28:24.25 ID:CykV9WUIO
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/07/11(月) 15:32:09.90 ID:dwHwq7A7o
他の作品を教えて欲しいな
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/07/12(火) 00:30:23.81 ID:20zxdipVo
読みはじめようとしたら終わってた
今から読ませていただきます

ひとまずは、いちおつでした
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/16(土) 12:17:54.03 ID:5SmhBjjpo
これで完結なのかしら
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/19(火) 02:25:53.76 ID:XpxjapXHo
なんか寂しいわね
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/19(火) 02:37:12.48 ID:O+Q/HuPY0
まぁ仕方ないわね
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/19(火) 16:05:32.39 ID:8v+idOti0
気付いたら一週間以上経ってた
なんのことだかさっぱりry

すみません。大分忙しく、続きを書けない状況に有ります。
書き溜めは少しずつ進んでいますので、もう暫くお待ちください。
……実際まだ続くよ!
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2011/07/19(火) 16:51:38.50 ID:tsPvfoiIo
わーいがんばって
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 01:43:29.95 ID:TtQ97+a9o
>>1応答しろ>>1
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2011/07/25(月) 15:29:12.77 ID:y2MamPUl0
うっへうっへ一日が早いよ

そこそこ進んだので、投下しまする
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/25(月) 15:29:43.51 ID:y2MamPUl0
――麓の街

売り子「世界地図、ですね。銅貨五枚になります」

勇者「はい」

売り子「お買い上げありがとうございます! ……ところで、貴女!」

魔女「にう?」

売り子「あの山の上に住んでいた魔女さん、ですよね?」

魔女「もしやファンか」

売り子「いえ! よく女さんがお話してくれるので!」

魔女「あいつめ」

勇者「仲がいいんですね」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/25(月) 15:30:38.84 ID:y2MamPUl0
――

魔女「くそっ、あいつの事だ、きっとなんの事実も伝わって無いぞくそっ」

勇者「別にいいじゃないですか、どうせ世界滅びますし」

魔女「そのポスト・アポカリプティアな考えは止めたほうがいい」

勇者「さて、どうします」

魔女「世界地図を広げろ」

勇者「がってん」

パララ

勇者「広いな」

魔女「懐かしい懐かしい」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/25(月) 15:34:01.33 ID:y2MamPUl0
魔女「かつてはこの世界をまたにかけたこともあった」

勇者「何年前の話です」

魔女「千年くらい前か」

勇者「大分前じゃないですか」

魔女「まあね」

勇者「えーと、首都に向かうんでしたっけ」

魔女「ひたすら南下するよ」

勇者「うわ、遠い」

魔女「ふん、この世界の事をよく知るいい機会だ」

勇者「ううむ」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/25(月) 15:34:43.32 ID:y2MamPUl0
魔女「ここから南に数時間行くとミカオー王国の領土に入る。その南端で船に乗って、中央大陸を目指す」

勇者「中央大陸北部は、砂漠のようですね」

魔女「そのようだな」

勇者「それなりの対策が必要ですかね」

魔女「うむ」

勇者「……チラッ」

魔女「なんだ」

勇者「魔法でどうにかならないかなって」

魔女「出来るよ」

勇者「やったー」

魔女「研究回数は増えるけど」

勇者「……前向きに検討しましょう」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/25(月) 15:35:57.10 ID:y2MamPUl0
――麓の街南部の草原

勇者「平和ですね」

魔女「魔物がいなくて残念か」

勇者「こちらとしては楽です」

魔女「こちらとしては面白くないな」ブゥン

勇者「なにしてんですか」

魔女「魔物が現れたぞ」

勇者「人の話を聞け」

魔女「あァ?」

勇者「ごめんなさい」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/25(月) 15:37:00.38 ID:y2MamPUl0
勇者「はあ、はあ」

魔女「お疲れさん」

勇者「貴女も戦ったらどうなんです」

魔女「私はレベルカンストしてっからいいの」

勇者「この前トラップにひっかかってたじゃないですか」

魔女「あれはレベルとは関係ない」

勇者「案外雑魚いんですね」

魔女「BANG」ドォゴオオオッ!!
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/25(月) 15:37:56.67 ID:y2MamPUl0
勇者「その力を借りたくて、僕は貴女に声をかけたつもりだったんですが」ヒリヒリ

魔女「どんまい」

勇者「まあ、そろそろ慣れてきました」

魔女「“弱化させる意志”」

勇者「ああ言えばこう言う!」

魔女「君が何も言わなければいい」

勇者「そのうち喋れと強制するくせに」

魔女「その時はその時」

勇者「理不尽な」

魔女「くひひ」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/25(月) 15:38:50.68 ID:y2MamPUl0
魔女「む、見えてきた」

勇者「なんです、あれ」

魔女「関所」

勇者「げえ、面倒な」

魔女「ここらへんは都合よく山々に囲まれている。ミカオーの領土に入るには、あの場所を通るしか無さそうだな」

勇者「何事も無ければいいのですが」

魔女「無理だな」

勇者「ですよね
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/25(月) 15:40:27.67 ID:y2MamPUl0
――関所

兵士「何者だ、お前達」

勇者「僕は勇者といいます」

魔女「プリティーラッキー魔女っこ魔女さんとは私のことだ」

兵士2「怪しい奴らだな。何が目的で入国するつもりだ?」

勇者「今時の国はそんな事まで聞くんですか」

兵士2「いいから答えろ!」

勇者「あー。中央大陸行きの船に乗りたいので、国を通らせてもらいたいのですが」

魔女「見ての通り、怪しいものではございません」

兵士2「……ふむ、よかろう。所持品は回収させてもらうぞ」

勇者「……厳重なんですね」

兵士1「大人しく従え」

魔女「やれやれ」
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/25(月) 15:41:53.47 ID:y2MamPUl0
兵士2「……これで全て、か?」

勇者「はい」

兵士2「そこの女。お前は魔法使いだろう」

魔女「いかにも」

兵士2「術具は持っていないのか」

魔女「あー、うん。無いんだよね、それが」

兵士2「まさか……“引き金持ち”なのか?」

魔女「ふん。そういやそんな名前で呼ばれる事もあったね」

兵士2「……」

魔女「……他になんか用?」

兵士2「――いいや、なんでもない! では、行くぞ!」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/25(月) 15:43:43.71 ID:y2MamPUl0
――

ガタンガタン…

勇者「……ご丁寧に馬車を用意してもらえるとは」

魔女「ここのやり方なんだろう。一時的とは言え……所持品を取られたのは、まずかったが」

勇者「そうでしょうか」

魔女「まあ、いい。なんとでもなるだろう」

勇者「いざとなったら貴女の出番です」

魔女「金は取るよ」

勇者「僕達ってパーティですよね」

魔女「研究とどっちがいいんだ」

勇者「何と言う苦渋の選択」
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/25(月) 15:44:55.36 ID:y2MamPUl0
勇者「ところで」

魔女「ん」

勇者「魔女さんはなんだか特別扱いされていたような気がしますが」

魔女「うん、そりゃね」

勇者「“引き金持ち”でしたっけ」

魔女「手を使って術具を代用する魔法形式。そうメジャーな分野でも無いから、自然と特別視される」

勇者「凄いんですね」

魔女「単に扱える奴が少ないって意味もあるけど」

勇者「うへえ」
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/25(月) 15:46:39.40 ID:y2MamPUl0
――ミカオー城下町

兵士「ついたぞ! 降りろ!」

魔女「ふん。随分だね」スタスタ

勇者「おおー」

魔女「見るのは初めてかい?」

勇者「当たり前でしょう」

魔女「まあ、そうか」

兵士「何を話している。着いてきてもらうぞ」

魔女「あァ?」

勇者「どういうことです」

兵士「“引き金持ち”をそう易々と離せるか」

兵士「王と謁見してもらうぞ」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/25(月) 15:47:54.08 ID:y2MamPUl0
魔女「くひひ。さっきからえらく一方的だね」

魔女「……全員纏めて、有効に活用してやろうか」

勇者「魔女さん、抑えてください」ヒソ

魔女「黙れ」

勇者「黙りません。こんな所で犯罪者になりたくありません」

魔女「……ふん。忌々しい」

勇者「いいじゃないですか。異文化訪問です」

魔女「……その能天気さは、いつか身を滅ぼすよ」

勇者「……昔、貴女に似た人にそう言われましたよ」

魔女「あっそ」

――――――――――――――――――――――――――――――
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/25(月) 15:49:08.72 ID:y2MamPUl0
短いですがここまでです。
長さはどうあれ、もっと短い間隔で投下したいものです。善処します。
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 17:13:40.22 ID:yTHoGeyfo
期待
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/07/25(月) 19:10:43.05 ID:CIf4SFSAO
いいなぁこの緩さ
ゆっくりとシリアスが近付いて来る感じが何とも不気味
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 20:20:16.82 ID:zTWk28xvo
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2011/07/27(水) 16:31:23.79 ID:35i5mcvt0
おはようございます
レスありがとうございますっす!
投下しますっす!
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/27(水) 16:32:42.48 ID:35i5mcvt0
テクテクテクテク

兵士「……」

魔女「何処まで行くやら」

勇者「そりゃ王城じゃないですかね」

魔女「ふん、ミカオーの王か……どんな奴だったかな」

勇者「面識あるんですか?」

魔女「無い」

勇者「だと思いましたよ」

ヒソヒソ ガヤガヤ

勇者「……」

魔女「やっぱり有効に」

勇者「沸点低いですね貴女」
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 16:33:35.57 ID:35i5mcvt0
――ミカオー王城

兵士「門を開けよ! “引き金持ち”及びその従者の来訪だ!」

勇者「従者……」

魔女「勇者と従者、響きは似ているね」

勇者「そういう問題でしょうか」

魔女「違うと思う」

勇者「発言には責任が生じます、知っていましたか」

魔女「誰と話してるんだい」

勇者「ああああああ」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 16:34:33.21 ID:35i5mcvt0
魔女「……」

勇者「どうしたんです、突然押し黙って」

魔女「君は空気が読めないのか」

勇者「ああ、まあよく言われますね」

魔女「そう言う意味で言ったんじゃないんだけどね。まあいい、どうせ君だ」

勇者「今僕馬鹿にされましたよね」

魔女「だって君は馬鹿だ」

勇者「ひっでえ」

魔女「ふん。ともかく、静かにしておいた方がいいよ。この城の雰囲気、明らかに普通じゃない」

勇者「と言うと」

魔女「何処かに、人外でもいるんじゃないか」

勇者「……」

魔女「へたれだなあ」
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 16:35:43.49 ID:35i5mcvt0
――王室

王「よく来た、“引き金持ち”よ。ミカオーは諸君らを歓迎する」

魔女「そりゃどーも」

勇者「良かったですね」

王「そこの男。お前は何者だ?」

勇者「そうですね。僕は――」

魔女「……」ギロ

勇者「……訳あって、この人の旅に同行しています。これと言った不思議な力は持ち合わせていません」

魔女「……」フンス

王「そうか。なら良い。さて、“引き金持ち”の少女よ……折り入って頼みがあるのだが」

魔女「お断る」

勇者「おま」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 16:37:23.34 ID:35i5mcvt0
王「はっはっは、気が早いな。まだ何も言っていないのだが」

魔女「私たちは旅人なもんでね。一箇所に留まるって事は、あまりしたくないのさ」

王「それは分かっておる。しかしね、“引き金持ち”よ。
  その能力がどのような利益を――そして混沌を。
  世界にもたらして来たか、考えた事はあるか?」

魔女「ふん」

王「かの魔王も“引き金持ち”であったと言う。
  奴の働いてきた悪事を、聞いたことが無いとは言わせない」

魔女「はぁん、歴史の偉人を引き合いに出すのかい。
   確かに魔王は尊大で偉大で――そして非常に懲りない奴だったがね」

王「ほう、魔王に肩入れするつもりか?」

魔女「くひひ、勇者は正義か? 魔王は悪か?
   世界を滅ぼす事が正義だと考える勇者も、この世界にはいるんだよ」

勇者「……」
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 16:39:19.38 ID:35i5mcvt0
魔女「話がずれたね。まあどうあれ、あんたに協力するつもりは、ない」

王「……ふむ、そうか。ならば仕方ないな」

勇者「……どうするつもりですか」

王「あまり、この手は使いたくなかったのだが……な!」スッ

魔女「――」スッ

パチンッ!

魔女「BANG――……」

王「無駄だよ。結界を張らせてもらった」

勇者「結界」

王「そう。我が国が作り上げた対魔法用結界。
  いかに“引き金持ち”と言えど、この結界の中で魔法を行使するのは不可能だ」

魔女「……小賢しい真似をするね」

勇者「またありがちと言いますか」
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 16:41:13.55 ID:35i5mcvt0
魔女「で。何がお望みさ」

王「君の力を、我が国の発展の為に活用させてもらう」

魔女「……図に乗るなよ人間。お前らが私無しで力を制御出来ると思っているのか」

王「思って無いさ。だから、君には何が何でも協力してもらわなければならない」

王「……こい!」

兵士「ハッ!」ダダダダ

勇者「ちょっとっと、なんですかなんですか」ガタンッ!

兵士「大人しくしろ!」シャキンッ!

勇者「はいすみません」

魔女「……」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 16:42:36.93 ID:35i5mcvt0
魔女「……人質のつもりか?」

王「人聞きが悪いな。交渉材料だよ」

勇者「それじゃ人扱いされてませんよ」

兵士「黙っていろ!」ジャキン!

勇者「すみませんすみません」

魔女「くひひ。流石だね人間。全く、その脆弱な頭を今すぐに撃ち抜いてやりたいよ」

王「おやおや。いいのか、そんな事言って。交渉と言ったが……選択肢はあって無いようなものだ」

魔女「ふん。勇者」

勇者「なんでしょう」

魔女「どうしたい」
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 16:43:45.69 ID:35i5mcvt0
勇者「……何言ってるんです」

魔女「簡単な質問だ。生きたいか、死にたいか」

魔女「この場を切り抜ける事は難しいだろうけどね」

勇者「……そんなの、決まってるでしょう」

勇者「僕は会わなくちゃならない。創造主に」

勇者「その為には――生き続けないと」

魔女「ふん」

勇者「……勿論、貴女も一緒にですよ」

魔女「ふん。ふん……ふふふ。ああ、いいよ勇者。そう答えると思っていた」

魔女「そういう泥臭さは大好きだ。そうするとしよう」ニヤリ

勇者「……やれやれ」
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 16:44:45.08 ID:35i5mcvt0
王「話し合いは終わったか」

魔女「協力させてもらおうか」

王「流石は“引き金持ち”。そう言ってくれると信じていたよ」

王「彼女を部屋へ案内しろ!」

兵士B「はっ!」タッタッタッタ

勇者「あの、僕はどうなるんですかね」

王「牢屋にでも入れておけ!」

兵士A「はっ!」ダダダダダ

勇者「うわひでえ」

王「案ずるな。望めば面会の手筈は取ってやる」

勇者「そうですか、なら」
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 16:46:02.40 ID:35i5mcvt0
――牢獄

勇者「初めての牢屋体験」

兵士A「何をぶつくさ言っている」

勇者「なんでもありません」

兵士A「……我が国の王は寛大なお方だ。下手をしない限り、命を奪うような事にはならん」

勇者「ああそうですか」

兵士A「……定期的に見回りに来る。くれぐれも脱走など考えないようにな!」テクテク

勇者「はいはい」

ガチャン!

勇者「……」

勇者「ううむ」
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 16:46:57.85 ID:35i5mcvt0
勇者「まさかこんな事になるとはなあ……」

勇者「魔女さんの事ですから、どうにかしてくれるでしょうけど」

勇者「でも……僕も何かしないと、勇者の名が廃れてしまいます」

勇者「どうしたものか……」ゴロン

勇者「……」

“その能天気さは、危ういね”

勇者「あー……」

勇者「いやもう全くその通り……」

勇者「君の言う事は、いつだって大体正しい」
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 16:48:24.82 ID:35i5mcvt0
勇者「……」

少女「はろー」

勇者「……はろー」

少女「新入りさんかな?」

勇者「そんな所です」

シエ「ん。私ね、シエって言うの。よろしく」

勇者「僕は勇者です。よろしくお願いします」

シエ「あんまり驚いてないみたいだね」

勇者「連れがなんでもありな人だったので、今更壁抜けする人間が現れても特に」

シエ「あはぁ、凄いね」ニコニコ
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 16:49:59.91 ID:35i5mcvt0
シエ「……それで? あなたはどうしてここに?」

勇者「色々ありまして。元々は旅人だったんですが。
   まあ近いうちに連れが助けに来るかもしれません」

シエ「へえ。色々、ね」

勇者「……君は? まだ年若いように見えますが。犯罪を犯したようにもみえない」

シエ「んー。私の顔、見覚えない?」

勇者「……残念ながら」

シエ「あ。そっか。旅人だもんね。なら私の事知らなくても当然か」

勇者「すみません」

シエ「別にあやまらなくてもいいよ」

シエ「んーっと。それじゃあ、ねえ……」

シエ「“パンドラ”って、知ってる?」
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 16:51:41.15 ID:35i5mcvt0
勇者「……パンドラの箱、ですか?」

シエ「そう呼ばれることもあるのかな。でも普通はパンドラ、って呼ばれるね」

勇者「はあ」

シエ「箱の中に秘められた1つの絶望と99の希望。それが解き放たれて、世界中に希望が――」

勇者「……? ちょっと待ってください」

シエ「なあに?」

勇者「99の希望? 絶望じゃなくて?」

シエ「あはは、そんな訳無いよ。勘違いしてるんじゃない?」

シエ「大体99も絶望が飛び散ったら、世界中が大混乱に陥っちゃうでしょ?」

勇者「……ふむ、それはそう、ですね……」

勇者(……詳しく考えるのは、止めたほうがよさそうです)
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 16:52:54.93 ID:35i5mcvt0
――客室

兵士B「ここが貴女の部屋になります。備品は好きにしてもらっても構いません」

魔女「ふん。ご苦労」

兵士B「何か用がありましたらなんなりとどうぞ。では」バタン!

魔女「……ふう」

魔女「奇妙な事になった」

魔女「まあ、いい……どうとでもなるだろう」

魔女「……」

魔女(どうやらここも対魔法結界とやらが張られているようだが)

魔女(おかげで、奴らの監視する意志も働いていないようだな)

魔女「さて……どうするかな」
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 16:55:06.74 ID:35i5mcvt0
魔女「……」スタスタ

魔女「この本の量……私が来る事を想定して設置されたのか」

魔女「いや、無いな……」

魔女「以前この部屋を、誰かが使っていたのかもしれない……」

魔女「そう考えるのが、妥当か」

魔女「……? これは」スッ

“パンドラとその伝承”

魔女「“パンドラ”。懐かしい響きだ」

魔女「……どれ」パラ
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 16:57:32.36 ID:35i5mcvt0
“パンドラは世界創造と共に作り出された禁忌の箱である”

“その箱の中には1の絶望と99の希望が詰まっている”

“この箱を開ける事が出来るのは創造主とその血を引き継ぐ者だけとされる”

“かつてパンドラは一度開かれ、希望は世界へと散らばった。
 解き放たれた希望はそれぞれ99人の人間にとり憑き、力を与えた”

“希望に取り憑かれた者を、『パンドラの忌み子』と呼ぶ”

魔女「……」パタン

魔女「成程。この城に漂う空気、何処か懐かしいと思っていたんだ」

魔女「くひひ。面白くなってきたじゃないか――」
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 16:58:39.27 ID:35i5mcvt0
――

勇者「――はあ。パンドラの忌み子、ねえ」

シエ「かっこいい名前だよね」

勇者「忌みってのは不吉ですけど」

シエ「んふふ。かっこいいのはそれだけじゃなくてね」スルッ

勇者「……なんですか、そのタトゥー」

シエ「タトゥー? 違うよ、これがパンドラの痣」

勇者「パンドラの……痣?」

シエ「パンドラの忌み子はねえ、みんなこの痣を持ってるんだよ」

勇者「……それって」

シエ「うん。隠す事も無いね。私がその、99人のうちの一人」

シエ「パンドラの忌み子なんだ」

――――――――――――――――――――――――――――――
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 17:00:36.91 ID:35i5mcvt0
そんなこんなで投下終了。ミカオー編は後半分くらいです(多分)。

また奇妙な設定が出てきましたが、なにか質問等あればいつでもどうぞ。
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/07/27(水) 17:03:44.97 ID:+JT2Syduo
本日もお疲れさまです
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/07/27(水) 17:08:15.95 ID:Xy7dat6AO
どうでもいい質問だが、勇者らの好きな食べ物ってなに?とか聞いて出身地域を割り出そうとするテスト

乙でした
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:32:42.35 ID:35i5mcvt0
>>139
勇者はパンが好きです
魔女は納豆ご飯が好きです
でも魔女は人間じゃないので実際何も食わなくても生活できたりします
二人の明確な出身とかは、ネタバレになるのでまたいずれ。
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/08/09(火) 14:46:39.40 ID:bTEpnOuro
まだかなまだかな
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/08/24(水) 00:59:19.83 ID:mqGrsnYKo
にじゅうよっか
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/08/25(木) 23:58:22.26 ID:cucQP1lVo
見てる人いる?
144 :sage :2011/08/26(金) 01:26:31.63 ID:yoTbBN180
俺は待ってるぞ
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2011/08/26(金) 01:28:21.31 ID:yoTbBN180
何してんだ俺恥ずかしい
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/26(金) 01:32:03.27 ID:dusN13KSO
俺もだ
…ごめん。本当はそろそろ記憶から消えそうだった
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/26(金) 14:59:34.10 ID:zC0mhbTDO
待ってる
まさか忘れちゃいないだろうな?
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/09/07(水) 20:20:27.26 ID:z7+tYNyNo
まってるよー
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/14(水) 16:06:41.49 ID:yavq71nDo
時は、まだ満ちぬか
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/18(日) 04:56:27.95 ID:SD2QNHWIO
なんでいつも失踪なんだろうな
やめるなら一言やめると言えばいいのに
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/18(日) 10:59:04.75 ID:2FDxZP9fo
そうねぇ
一言忙しいからしばらく来れない とかでもいいのにね
ゲーム制作のあれもそうだけど
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2011/09/26(月) 13:45:56.24 ID:vr4T0CqJ0
今北
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/11(火) 00:58:03.22 ID:KA9cYwlIO
もう少しで3ヶ月か
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/25(火) 13:25:55.48 ID:yosLi/0Eo
もうあきらめるしか無いのか
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 10:44:31.52 ID:BiLauj4IO
前作は最後まで書いてたから期待したんだけどなぁ
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