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まどか「わたしが、わたしたちが、魔法少女だ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/11(月) 11:00:17.07 ID:pwMXCci00
あまりにも冗長が過ぎたので
こちらに移住させてもらいました

とりあえず前スレです
http://logsoku.com/thread/hibari.2ch.net/news4vip/1310003903

ttp://logsoku.com/thread/hibari.2ch.net/news4vip/1310044338/

http://logsoku.com/thread/hibari.2ch.net/news4vip/1310091519/

興味のある方はどうぞ

ガンダムOOネタは皆無と思って下さい

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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山形県) [sage]:2011/07/11(月) 11:20:48.76 ID:nTbjuCfXo
とりあえずVIPに建てたスレ使えば良かったのに
まあいいか
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/11(月) 11:24:45.97 ID:pwMXCci00
ほむら「何処かに本体が居るはず――あれを産み出している魔女が」

マミ「でしょうね。おそらく、魔女の居所は先ほどの駘蕩な丘」

ほむら「あそこに戻らないことには・・・美国織莉子。魔女になっても――いや、魔女になったら尚鬱陶しい女」

マミ「――ねぇ、暁美さん」

ほむら「何かしら、マミ」

マミ「魔法少女を魔女に戻す手段は・・・ないの?」

ほむら「・・・」

ほむら「知らない。成功した例を、私は知らない」

マミ「・・・そう」

マミ「なら――せめて安らかに、逝かせてあげましょうか」

ほむら「えぇ」


 二人は最悪の魔女に相対し、跳躍した。ほむらは迫撃砲を担ぎ、マミは宙に無数のマスケット銃を浮かべる。示し合わせることなく、ほぼ同時にそれらの息吹が轟いた。無数の金色の閃光に、光沢のある金属の塊が追随し、魔女に衝突すると爆音を立てる――魔女が、まるではりぼてのように倒れこんだ。
 再び景色はのどかな丘の上。ただ一つ違うこと、それは花畑の中央で何かが置きあがったということ。手縫いの人形のような、頭でっかちで顔が粗雑な造りの黒い猫。それは危なっかしく立ち上がると本のような物を担いで、一目散にログハウスへと逃げ出した。
 しかし黒猫は尻餅を着く。――目の前に立ちはだかった暁美ほむらに衝突して。ほむらは右手に持った拳銃の口を、黒猫に向けると、容赦なく引き金を引いた。

マミ「終わったの?」

ほむら「・・・」

 辺りが剣呑な空気に包まれる。森林はざわめき、草花は散り、花びらが宙を舞う。燦々としていた陽光は、急速に空を這う曇天に包まれて、周囲は一気に暗くなった。

ほむら「――来る!」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/11(月) 12:23:16.45 ID:pwMXCci00
 空に浮かんだ、淡く光る無数の粒。それは――どんどんと大きくなっていき――ほむらの体など押し潰してしまうほど――まさしくそれは、
美国織莉子が先刻学校の上空に浮かべ、一斉に浮かべた物と同じ球体だった。それは、雨のように、無数に、とめどなく、マミとほむらに降り注ぐ。

マミ「避けきれないわよこんなの!」

ほむら「迎撃するしかないわ!」

ほむら(くっ・・・あの不細工な人形が本体じゃない・・・それじゃぁ、本体は一体何処に・・・)

 銃弾は、あっけなく球体に呑み込まれる。迫撃砲、ランチャーであれば破砕することが出来るが、発射までのタイムラグが、球体の雨に追いつかない。また、球体は地面をバウンドし、破壊するまで存在し続ける。放置は出来ない。

ほむら(あの猫が魔女本体ではなく使い魔だとしたら・・・それじゃぁ、本体はまさか・・・)

 この滔々と降り注がれる光球は、深い悲しみが漏らした涙で、美国織莉子の存在は、あの、空?

ほむら「・・・試してみるしか!」

 ほむらは時間を停止させると、球体から球体へと跳び移り、空へと昇っていく。ほむらの体が通れないほど密集した、高度で、その隙間に時限爆弾を放り、着地すると、時間を解いた。上空で響く爆発音――そしてその衝撃によって加速した球体の数々が、他の球体に衝突し、その衝突を受けた球体も別の球体に衝突し、動きはより加速し、軌道は複雑なものへと変わる。

マミ「ちょっ、こんなの――ティロ・フィナーレ!!」

 マミは巨大な大砲を出現させ、砲撃を放ち、光球を焼き払う。――後方からの衝撃――前方の、地に落ち、跳ねる寸前の光球へのマミは飛ばされる――。

ほむら「マミ!」

 ほむらはマミを抱えて、地面に降りた。

ほむら「大丈夫!?」

マミ「えぇ・・・今、治癒魔法を使うから・・・」

マミ「全てが静止している・・・これが、貴方の力ね・・・」

ほむら「えぇ」

マミ「なるほどね・・・突然の消失の仕掛けはこれだったわけ」

ほむら「でも今は」

マミ「解かっている。感嘆なんてしている場合じゃない・・・これをどうにかしないと」

ほむら「魔女の正体が解かった?」

マミ「・・・空、ではないかしら」

ほむら「やっぱり貴方も・・・でも、無理よ。・・・貴方の砲撃も私の爆弾も、全部無為にされたわ」

マミ「それじゃぁ一体・・・」

ほむら「・・・敵が攻撃に飽きるまで、戦い続けるしか、ないのでしょうね」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/11(月) 12:31:11.08 ID:hiZmcTjGo
お、こっちにうつったか
いつも通り支援やな
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/11(月) 12:37:51.08 ID:pwMXCci00
まどか(戦っている・・・)

まどか(傷付きながら・・・二人は戦っている・・・)

まどか(・・・だというのに・・・どうしてわたしは此処で護られているしか出来ないんだ・・・)

まどか(・・・どうして・・・!)

QB「現状に満足出来ないんだね」

まどか「貴様・・・」

QB「君を護りながら傷付き続ける彼女達を、見て居られないんだね、君は」

QB「そうだろう、鹿目まどか」

まどか「・・・そのとおりだ」

QB「だったら、君が彼女達の受難を祓ってやれば良いのさ。君にはその資格がある」

QB「さぁ、願い事を言ってごらん?僕がどんな奇跡だって、君に叶えてあげるよ?」

まどか「・・・わたしは」

まどか「・・・わたしは・・・!」

まどか「・・・魔法少女だ」

QB「――え?」

まどか「わたしが、魔法少女だ」

QB「え?ち、違う――君は」

まどか「わたしが、わたしたちが、魔法少女だ!!」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/11(月) 12:53:41.05 ID:pwMXCci00
 いつの間にか、茫洋とした光の中に居た。

マミ『此処は・・・』

ほむら『・・・一体・・・』

まどか『・・・二人とも』

マミ『鹿目さん・・・?』

ほむら『まどか?』

まどか『・・・すまない、力を貸してほしい』

マミ『力を・・・?』

ほむら『・・・どういう、こと?』

まどか『・・・詳しくは解からない・・・ただ・・・』

まどか『わたしに、二人の力を、魔法少女の貸してくれ――きっと、美国織莉子の魔女を、駆逐してみせる』

まどか『わたしは、魔法少女になる』

まどか『わたしが――魔法少女だ』

マミ『え・・・?』

ほむら『・・・』

ほむら『・・・はぁ。解かったわ』

マミ『暁美・・・さん?』

ほむら『こうなったまどかは――梃子でも動かないわよ。諦めなさい、巴マミ』

ほむら『それに、いざとなったら――私が全てを終わらせるわ』

マミ『――そうね。どの道あのままじゃ、ジリ貧だわ』

マミ『鹿目まどか――貴方がこの悲劇にピリオドを打つ者なら――わたしの力、使いこなしてみなさい』

まどか『・・・ありがとう、二人とも』

まどか『行こう――絶望を排除する――それがわたしたち、魔法少女だ!!』
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/11(月) 13:06:51.40 ID:pwMXCci00
 次に意識が覚めた時、ほむらの視点は下がっていた。
 次に意識が覚めた時、マミの視点は下がっていた。

QB「こ・・・こんなことが、ありえるわけが・・・!」

 インキュベータの声。振り向こうにも、振り向けず、そして、口が自然と開いた。

「魔法少女――鹿目まどか――暁美ほむら――巴マミ」

 声は、鹿目まどかのものだ。

まどか「これより、介入行動に入る」

まどか「絶望を、駆逐する」

QB「どうして・・・魔法少女ではない君が・・・!」

まどか「わたしは魔法少女だ――わたしたちが、魔法少女だ」

 ほむらとマミは嘆息した。

ほむら『まどか』

まどか「なんだ?」

マミ『わたしたちの体は?』

 首が動き、視野が移る。暗紫色と金色の混ざった結界の中に、二人の体は安置されていた。

ほむら『・・・一体、何がどうなっているのかしら・・・』

マミ『・・・トランザム』

ほむら『・・・え?』

マミ『トランザム・・・ということに、しておきましょう』

ほむら『・・・』

ほむら『・・・まぁ、仕方がないわ』

まどか「・・・」

まどか「トランザム!!」

ほむら『気に入ったのね・・・』

まどか「あぁ!!」

マミ「ふっ・・・それでこそ魔法少女よ」

ほむら『十把一絡げにしないで・・・』
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/07/11(月) 13:58:10.56 ID:1rI76vl0o
ここでトランザムかw
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/11(月) 14:39:12.97 ID:MCd7G6GIO
今日の分は終わりかな?
終わりなら終わりと出来れば言っていただきたいでござる
乙っちまどまど!
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/11(月) 15:51:06.65 ID:pwMXCci00
多分今日は終わりです
さて、此処からどうなるのか
多分俺が一番解かりません
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/14(木) 14:32:23.95 ID:jh6R1Ytk0
まどか「二人とも、雑談は終わりだ」

マミ『そうね・・・さっさとこの魔女を倒さないと・・・外に被害が出るかもしれないわ』

ほむら『煮え切らないけれど・・・同意ね』

ほむら『――まどか!』

まどか「問題ない。鹿目まどか、敵の攻撃を回避した』

ほむら『いいえこのままじゃ埒が空かない――時間を、止めるわ』

まどか「頼む、ほむら」

マミ『これは・・・』

ほむら『これが、私の力よ、マミ』

マミ『そうか・・・これなら、貴方の虚を突いた動きに説明が着く・・・でも、使い勝手の悪い能力ね・・・』

ほむら『そうね、否定はしないわ。貴方のように固有な武器も量産出来ないし、身体能力も劇的な向上を有してはいない・・・だけど』

マミ『・・・だけど?』

ほむら『今は・・・その欠点が、全て補われているでしょう・・・マミ、貴方のお陰でね』

ほむら『まどか、マミの銃は出せる?』

 まどかは手を伸ばした。しかし、何も現れない。

まどか「・・・巴マミ」

マミ『・・・マミで構わないわ、鹿目さん』

まどか「マミ、力を貸してくれ」

マミ『――了解。巴マミ、一切の能力を鹿目まどかに譲渡します』

まどか「鹿目まどか――受領する」

 まどかの伸ばした手の先に、金色の光が浮かび上がって、やがてそれは銃の形を造りながら――黒く染まると、アサルトライフルに成り果てた。

マミ『・・・え?』

まどか「・・・これは」

ほむら『M4カービン・・・これは、私の力の余波かしら・・・?現代兵器ばかり使っていたものだから・・・』

マミ『え・・・そんなぁ・・・』

ほむら『まぁいいじゃない。それに、戦闘に単発式銃は・・・ちょっと』

マミ『何よ!ちょっと?何なのよ!?』

ほむら『――まどか』

マミ『無視!?』

まどか「なんだ、ほむら」

マミ『カッコいいじゃない!わたしのマスケット銃、格好良いじゃない!!』

ほむら『・・・おそらく、敵の本体は空・・・かもしれない。でも、試してみて。
とりあえず、今出した銃は収納し、停止した球体を跳躍して――マミの必殺で、一気に片を付けるわ』

まどか「了解した。鹿目まどかトランザム、出る!!」

ほむら『・・・』

マミ『うぅ・・・わたしのティロフィナーレまで・・・デザインレイプされているのかしら・・・』

ほむら『人聞きの悪い・・・』
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/14(木) 14:32:55.62 ID:4Vth5t5H0

SS速報に来ないのかなと心配してたのですが
安心しました。

あとはわくわくしながら見守るだけだ。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/14(木) 15:01:00.89 ID:jh6R1Ytk0
まどか「体が・・・軽い・・・」

ほむら『でしょうね・・・私も感じるわ・・・これが・・・マミの魔法少女としての能力なのね・・・』

マミ『アイデンティティーは汚されたけどね・・・』

ほむら『・・・カッコいいじゃない、現代銃』

マミ『ふん!気品がないわ』

ほむら『・・・気品?人殺しは高貴に行われなければ成らないの?私は其処までして見栄を張り続けるよりも、
己の深い業を荒涼に宿して沈黙した現代銃のデザインを支持するわ』

マミ『――わたしがしてきたことは人殺しじゃないわ!魔女退治よ!!』

ほむら『――魔女は元々――』

まどか「ほむら」

ほむら『――何、まどか』

まどか「最上層に到達した。これより球体が密集していて、進行は不可能だ」

ほむら『――そう、じゃぁ・・・此処で・・・』

まどか「・・・マミ」

マミ『・・・はぁ』

まどか「・・・」

マミ『・・・魔女は人間であった魔法少女の成れの果て、それを殺してきたわたしは、確かに人殺しね・・・』

マミ『・・・元より銃は人殺しの道具。品格を求めること自体が滑稽なこと――』

ほむら『そんなこと――言ってないわ』

ほむら『私は、貴方の銃も・・・好きよ。でも、貴方があまりにも私の力になってくれていた武器を侮辱するものだから・・・少し、腹が立った、ごめんなさい』

マミ『いえ――わたしの方こそ・・・つい。・・・これじゃぁ、どちらが先輩か解からないわ』

まどか「魔法少女だ」

まどか「わたしたちが、魔法少女だ」

マミ『・・・つまり?』

ほむら『・・・くだらないことで喧嘩をするなって、ことでしょうね・・・まったく』

ほむら『まどか。貴方は、とんでもない魔法少女馬鹿よ』
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/14(木) 15:02:05.99 ID:jh6R1Ytk0
>>13
ネタが思い付かなかったんだ、ごめんね
ちょくちょく投下していきます
今日はこれで終わりかも
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/14(木) 15:32:47.19 ID:jh6R1Ytk0
さやか「・・・」

 頭がぼやけている。背中が痛い。

さやか「・・・んっ・・・ん」

 散り散りになっていた意識が集まり始め、周囲に実感が芽生える。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 誰かの吐息。荒々しく、それは繰り返される。

さやか「・・・誰・・・?」

 闇の中で、うっすらと、目を開けて。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 首を、右に動かした。

さやか「・・・――あんた!?」

 隣には、暗闇で青白く照らされながらも解かる赤い髪の少女――佐倉杏子が、横たわっていた。

さやか「うあえああああああああっ!?」

 さやかは思わず上半身を起こし、尻を床に引きずって杏子から距離を取った。背中に、堅い物が当たり、振り向くと、それは木製の長椅子だった。

杏子「さやか・・・ふっ。ようやく・・・お目覚め・・・かな?」

 杏子が言う。気障ったらしい口調とは裏腹に、その声調は儚い。
 眦を搾り、薄い胸を上下させ、全身から大量に汗を流す彼女は、まちがいなく尋常ではない。
 さやかは目を見開き、杏子に近寄ると、彼女の体に治癒魔法を掛けた。しばらくすると、杏子の心拍は穏やかになり、うっすらと、瞼を開け、起き上がった。

杏子「・・・また、君に助けられた」

さやか「別に・・・助けてなんかいないよ。そんなこと、あんたになんかしないっつーの!」

杏子「・・・そうか。では、あたしが君に恩義を抱く義理はないというのだね」

さやか「――あぁそうだよ!勝手にしろよばーか!!」

杏子「・・・君は、どうやら正真正銘のさやかのようだな」

さやか「はぁ?あたしはあたしであたしだっつーの!!」

杏子「疑念の余地なくさやか――では・・・あれは一体・・・」

さやか「何あんた・・・変な夢でも見てたんじゃないの・・・?」

杏子「・・・夢・・・白昼夢であれば良いのだが・・・」

さやか「それよりも――此処何処よ?それに今日は何月何日何時何分何秒!?地球が何回回ったとき!?つうかもう夜!?なんで!?
あたし、さっきまで学校に居て、そんであのキチガイ黒服と――」

 さやかの脳裏に、ある光景が浮かぶ。黒い礼服の後ろ姿。やがてその礼服はぼとりと落ち――双眸から血を流す杏子と対面した。

さやか「・・・え?」

 全く記憶にない記憶に、さやかは戸惑う。思い出そうとしても、思い出せない。

杏子「此処は、あたしの実家だ。君が眠りに就いてから、日は明けていない。亥の刻を過ぎた頃だろう。そして・・・呉キリカは・・・」

さやか「・・・」

杏子「・・・あたしが殺した」

さやか「え・・・あんたが・・・?」

杏子「・・・あぁ」

 暗がりで、消沈した表情を浮かべるのは、それは彼女が自分で殺した人間の死を悔やんでいるからなのか、それとも何かを隠しているからなのか、さやかには判然としなかった。

さやか「・・・そっか」

 だから、解答から逃げ出した。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/14(木) 15:39:01.01 ID:jh6R1Ytk0
さやか「あたし・・・帰るわ」

 さやかは立ち上がった。杏子は、座ったままだ。
 一つだけ、訊きたいことがあった。どうして、自分は此処で寝ていたのか。どうして、杏子が自分を此処に連れてきたのか。
 でも、訊けなかった。
 訊いてはいけないような気がしたのだ。
 彼女の気まぐれだと決め付けて、忘れ去ってしまった方が良い。


さやか「じゃぁね」

杏子「――また会おう、さやか。そのときこそ、あたしとあんたの」

さやか「虚実生死の境・・・だっけ?嫌だ。お断りだって言ってんじゃん」

杏子「ふっ・・・逃れられはせんよ。あたしとお前は運命の赤い糸で繋がれているのだから」

さやか「言ってろばーか」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/15(金) 15:27:21.64 ID:kOTC2C3T0
マミ『わたしの・・・わたしのティロ・フィナーレが・・・ミサイルに・・・』

ほむら『それにしても・・・まさか、絵本が正体だったとは・・・』

まどか「鹿目まどかトランザム、魔女の駆逐に成功。ミッションの終了を確認。トランザムを解除する」


ほむら「・・・ふぅ。やっぱり、自分の体が一番落ち着くわ」

マミ「――あっ、良かった・・・どうやらわたし単体ならばデザインは変わらないのね・・・」

ほむら「マミ、魔力の無駄遣いは禁物よ――ただでさえ、・・・トランザムで、甚大に魔力を消費したのだから」

マミ「本当ね・・・二つのソウルジェムを掛け合わせる異例の力トランザム――強力だけれど、諸刃の剣のようね・・・」

ほむら「多用は出来ないでしょうね・・・何より、謎が多すぎる力だわ。魔法少女でもないまどかがこんな超常を」

まどか「魔法少女だ。――わたしが、魔法少女だ」

ほむら「御託は良いわ。とにかく、これは最終手段よ。・・・使わないに越したことはないけれど、今日のように強力な
魔女がこの後出ないとも限らない・・・それに、もしかしたらこの力ならば、誰一人失わずワルプルギスの夜を乗り越えるのも
難しくないでしょうからね・・・」

マミ「ワルプルギスの夜・・・まさか、それがもうじき?」

ほむら「えぇ・・・もう一ヶ月も経たないうちに奴はこの街に来る・・・その時、もしかしたらこの力が必要に・・・」

ほむら「・・・情報が欲しい。実戦は控えるけれど、何度か実験して、サンプルが欲しいわ・・・二人とも、手伝ってはくれないかしら?」

まどか「了解した」

ほむら「・・・即決ね」

まどか「あぁ。わたしの、わたしたちの力でワルプルギスの夜を駆逐する。奴は世界の歪みだ」

まどか「わたしたち魔法少女が、破壊すべき、悪」

マミ「まったく・・・貴方らしいわね」

マミ「えぇ。了解よ、暁美さん。僭越ながら、参加させてもらうわ」

ほむら「ありがとう二人とも――もう、外は夜なのね・・・でも、それにしては・・・」

マミ「・・・ちょっと、騒がしいわね」

まどか「――グラウンドだ」

マミ「行きましょう」

ほむら「一体、何が・・・」
19 :すまない修正 [saga sage]:2011/07/15(金) 16:17:04.42 ID:kOTC2C3T0
マミ『わたしの・・・わたしのティロ・フィナーレが・・・ミサイルに・・・』

ほむら『それにしても・・・まさか、絵本が正体だったとは・・・』

まどか「鹿目まどかトランザム、魔女の駆逐に成功。ミッションの終了を確認。トランザムを解除する」


ほむら「・・・ふぅ。やっぱり、自分の体が一番落ち着くわ」

マミ「――あっ、良かった・・・どうやらわたし単体ならばデザインは変わらないのね・・・」

ほむら「マミ、魔力の無駄遣いは禁物よ――ただでさえ、・・・トランザムで、甚大に魔力を消費したのだから」

マミ「本当ね・・・二つのソウルジェムを掛け合わせる異例の力トランザム――強力だけれど、諸刃の剣のようね・・・」

ほむら「多用は出来ないでしょうね・・・何より、謎が多すぎる力だわ。魔法少女でもないまどかがこんな超常を」

まどか「魔法少女だ。――わたしが、魔法少女だ」

ほむら「御託は良いわ。とにかく、これは最終手段よ。・・・使わないに越したことはないけれど、今日のように強力な
魔女がこの後出ないとも限らない・・・それに、もしかしたらこの力ならば、誰一人失わずワルプルギスの夜を乗り越えるのも
難しくないでしょうからね・・・」

マミ「ワルプルギスの夜・・・まさか、それがもうじき?」

ほむら「えぇ・・・もう一ヶ月も経たないうちに奴はこの街に来る・・・その時、もしかしたらこの力が必要に・・・」

ほむら「・・・情報が欲しい。実戦は控えるけれど、何度か実験して、サンプルが欲しいわ・・・二人とも、手伝ってはくれないかしら?」

まどか「了解した」

ほむら「・・・即決ね」

まどか「あぁ。わたしの、わたしたちの力でワルプルギスの夜を駆逐する。奴は世界の歪みだ」

まどか「わたしたち魔法少女が、破壊すべき、悪」

マミ「まったく・・・貴方らしいわね」

マミ「えぇ。了解よ、暁美さん。僭越ながら、参加させてもらうわ」

ほむら「ありがとう二人とも――もう、外は夜なのね・・・でも、それにしては・・・」

マミ「・・・ちょっと、騒がしいわね」

まどか「――グラウンドだ」

ほむら「グラウンド・・・さやかは、無事かしら?――そういえば、マミ、杏子はどうしたの?」

マミ「佐倉杏子は呉キリカとグラウンドで戦闘していたはず・・・さやかと呼ばれていた髪の青い子ならば、救出した後、保健室に寝かせておいたわ。目立った外傷はなかったけれど、念のためソウルジェムは浄化しておいたから、
焦る必要はないでしょう。復活すれば自力で壊せる簡易結界も張っておいたし」

ほむら「そう・・・感謝するわ、マミ」

まどか「わたしからもだ。さやかをありがとう、マミ」

マミ「同じ魔法少女だもの。当然のことをしたまでよ」

ほむら「・・・今の方が、貴方らしいわ」

マミ「・・・わたしらしい?」

ほむら「さて、それじゃぁグラウンドと保健室・・・どちらに先に行きましょうか・・・」

マミ「グラウンド・・・そいうえば、昼間の爆音と・・・まるで彗星でも落ちてきたような火薬臭いクレーターが出来ていたけれど・・・あれはまさか」

ほむら「・・・あ」

まどか「ほむらの仕業だ」

ほむら「まどか!」

マミ「なるほどね。なら、おそらくグラウンドが騒ぎになっているのはそれが原因でしょう。――それに美国織莉子の豹変と遺言・・・
おそらく、呉キリカの喪失を悟ったからと考えて、間違いないでしょうね・・・」

ほむら「なら、保健室にさやかの様子を見に行きましょう。もしも居なければ、念のため彼女の家に訪ねてみましょうか」

まどか「あぁ」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/15(金) 17:31:42.10 ID:kOTC2C3T0
 さやかは夜道を緩慢な足取りで進む。
自宅に向かっているのは解かるけれど、頭の靄が周囲の色合いを排他する。
ふと、虚心になろうと意識を緩めた瞬間に浮かんでくる記憶にない記憶。
思い出そうとしても現れるものではないのに、執拗にそれはさやかに来訪しては、嘲笑して去って行く。
その度に、さやかは憤慨と羞恥に苦悶した。頭を掻き毟って、地団駄を踏んだ。
だから、自分から頭に靄を起こした。思い出そうとしても思い出せないそれを思い出そうとすることで、
わざと精神を統一させていた。

 それでも、完全にその憂いを払うことは、叶わない。

 さやかは走り出した。早く家に帰って、お風呂に入ってベッドに臥したい。明日幼馴染に持って行くCDを考えて、大人しく
眠りに就きたい。それが、美樹さやかの日常だからだ。

さやか「・・・この気配」

 魔女の気配がソウルジェムを刺す。

 もう自分は今までの自分ではない。さやかの魂はこの宝石の中に閉じ込められて、体はただの器でしかなくなった。
奇跡の代償に、得たのは魔法少女の成れの果てである魔女を倒し、その死肉を食らい続けるしかないという宿命。
そして、それを実行することを求める、衝動。――その御馳走に、自分の魂が舌なめずりをしている感覚。

さやか「行くしか、ないんだよね」

 すこしだけ、胸のしこりが落ちたような気がした。


さやか「此処か・・・」

 唾を呑み、さやかは結界へと介入した。次々に現れる使い魔を撃退して、結界の中を進んでいくうちに、
魔女の存在が近くなっていくのが解かる。
・・・解かりたくもない、そんなこと・・・。

さやか「・・・着いた、かな」

 昂ぶる鼓動。それが恐怖なのか、それとも・・・さやかは、推し進められるように、先に進んだ。


「リーミティ・エステールニ!!」

 少女の叫び声。大気の鳴動。光の波。光の中に、ぽつんと黒い点が浮いている。やがて光が消失すると、その黒い点はゆっくりと地に降りたち、振り向いた。さやかは隠れる間もなく、その視線に捕まる。

「・・・あなたも、魔法少女?」

さやか「まぁ・・・一応」

 少女はさやかを品定めするような目で見ながら近付いてくる。その瞳冷たい。指に触れた氷が溶けるように、どんな情熱も感知してしまうような、魂胆を見透そうとする冷徹な視線だ。何かしなければと思うが、何をすれば良いのか解からず混乱する・・・彼我の距離が一足分になった頃、少女は立ち止まり――突然、微笑んだ。

「あなたは魔法少女狩りの犯人じゃないんだね?」

さやか「え?」
 
 さやかが唖然と唸ると、少女は両掌を合わせて、頭を下げた。

「このとーり!疑うようなことしてごめんなさい!あっ。あのこれ、お近付きの徴にクッキー、どうぞ!」

さやか「え、あ、ありがとう・・・」

「さぁ!食べて食べて!」

さやか「い、いただきます・・・――ちょっ、なんすかこれ!めちゃうまじゃないっすか!?あたし、こんな美味しいクッキー食べたことないよ!」

「本当!?いやぁ、それだけ美味しそうに食べてもらったら作った身としては嬉しいぁ♪」

さやか「えっ、これあんたが作ったの!?すっごっ、お店出せるレベルだよ!!」

「えへへー♪もぅ、おだてるのが上手なんだから!」

さやか「いやいや本当に・・・――ってゆーか、あれ?あたしらさっきシリアスやってなかったっけ・・・」

「あれっ?そうだっけ?」グゥゥゥゥゥ

さやか「いやっ、まぁいっか。ほら、残りはあんたが自分で食べなよ。それと、自己紹介が遅れたね。あたしは美樹さやか。成り立てほやほやの見滝原魔法少女、趣味はクラシック音楽を聞くことで嫌いなことは勉強です!以後よろしく」

かずみ「あぁ御丁寧にどうもどうも。わたしはかずみ。苗字はちょっと色々あって忘れちゃって、まぁ色々あって住所不定なんですが、故郷はあすなろ市ってゆーところです!見滝原には魔法少女殺しの件で来ました。よろしくね、さやか!あっ、あとクッキーは自分の分があるからさやかが食べて。食べ物を残したり粗末にしたら、エンドロールに出られなくなるんだよ?」

さやか「あっはっは!なんじゃそりゃ!でもまっ、お言葉に甘えて頂いておくよ。こんだけ美味いクッキーだから友達にも食わせてやろうかな・・・ん?あっ、えと、見滝原には、なんで来たって?」

 かずみの表情が変わった。無邪気な笑みから一転、凍結すると、冷酷にも見える微笑みを浮かべて言う。

かずみ「この街に、魔法少女殺しが起きているんだよね?わたしはね、それが絶対に、許せないんだ・・・だからさやか、知っていることがあれば、教えてくれないかな?この街で起きている、魔法少女殺しの情報をね?」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/16(土) 00:34:31.43 ID:83MWo33O0
しまった今日の分終わりダー
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/16(土) 00:50:25.90 ID:MzZFZ6J5o
乙っちまどまど!
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山形県) [sage]:2011/07/16(土) 00:51:16.10 ID:hqO7Lkbfo
このSSで気になって先日おりこ☆マギカを買ったばかりなのに
こんどはかずみのほうまで買えということとな
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/07/16(土) 04:45:55.17 ID:RdUZKqCAO
元凶は目の前の人ならぬ人が真っ二つに両断しました

まさかかずみまで絡んでくるとは思わなかった
聖団メンバー出すと大変な事になるが、このままかずみ一人ってのもなぁ
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/16(土) 12:38:10.56 ID:83MWo33O0
俺も絡める気はなかったけど
折角こっち来たからねぇ
もっともかずみの原作はあまり肝要じゃないから
オリキャラ出すのが面倒だっただけ
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/16(土) 12:39:54.40 ID:83MWo33O0
今日は多分ないです
また明日休みなんでゆっくり書こうかと思ってます
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/07/16(土) 12:51:59.53 ID:RdUZKqCAO
>>25
あすなろって大阪かどっかって予想されてんだっけ?群馬ってかなり遠くね?
その辺大丈夫なのか……

かずみ出すより先に出すべきキャラがいただろ
これから出すのか?それとも死んだのか
杏子があれだから出すの難しいのかもしれないが
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/16(土) 13:20:04.99 ID:83MWo33O0
さやか「ま・・・魔法少女、ころ、し?」

かずみ「そっ♪ 魔法少女殺し。わたしたちはね、そのわるーい魔法少女を退治しに此処へ来たんだ!」

さやか「へっ、へぇ・・・」

 魔法少女殺しと言えば真っ先に浮かんだのは呉キリカ。さやかと杏子の肉体を殺した張本人。
そして次に浮かんだのは人ではなく記憶。呉キリカの最期。最期に、自分がキリカを殺したと告げた杏子。
 目の前の少女には何を伝え、何を韜晦すべきか。自分でも判然としない事実を彼女に伝え、闘争心を煽げばよいのか?
彼女の戦闘を見たさやかは、可及的に戦闘を避けたい。

かずみ「さやかはさ、何か知らない?」

さやか「あ、あたしは・・・」

 引き攣り笑いを浮かべて、頭の後ろを掻いた。

さやか「ついこの間、QBと契約したばっかだからよくはちょっと・・・ごめん」

 さやかは俯き、唇を噛んだ。

かずみ「・・・何か、隠していない?」

さやか「え?」

かずみ「・・・隠しているよね、隠してる・・・さやか、あなたは悪い人じゃないよね・・・わたしのクッキー、美味しいって食べてくれたんだから」

 冷酷でも冷淡でもなく、寧ろ仄かに熱情を湛えた、少女のような憂愁を浮かべて、かずみはさやかを見る。

かずみ「教えてさやか・・・魔法少女殺しのこと」

さやか「あ・・・えっと・・・」

 思わず、口を開いた。

さやか「呉、キリカ・・・」

かずみ「・・・呉、キリカ?」

さやか「・・・そう。そいつに、あたしは一度殺されかけた・・・かずみの捜している奴がそいつなのかどうかは解からないけど・・・魔法少女を攻撃する魔法少女は、この街にそいつと、美国織莉子って奴だけ」

 織莉子は解からないが、キリカが故人なったこと。そして、魔法少女を攻撃する魔法少女であり、自らキリカを殺したと述べた杏子のことは、どうしてだか言及を避けた。

かずみ「呉キリカ・・・美国織莉子・・・そっか。正直に答えてくれてありがとう、さやか♪」

さやか「あ、あたしの方こそごめん・・・誤魔化すようなことして・・・」

かずみ「ううん。魔法少女に成り立ててで、突然こんなことに巻き込まれて、戸惑うのも仕方ないよ。――でも大丈夫!正義の魔法少女
のこのかずみが、必ず見滝原の平和を取り戻してあげるからね!」

さやか「ははっ。っても、此処にはあたしなんかよりずっと強い魔法少女達が居るから、世話になることは・・・」

かずみ「駄目だよ」

さやか「・・・!」

かずみ「魔法少女殺しの全ては――わたしが、狩るんだから」

 薄く開いた彼女の瞳に宿る威圧に、さやかは汗を噴出した。

かずみ「・・・わたしが、必ず」

さやか「・・・」

かずみ「それじゃぁ、ばいばいさやか!街で見掛けたら声掛けてね!」

さやか「あ・・・うん・・・またね、かずみ」

かずみ「まったね〜♪」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/16(土) 13:21:26.95 ID:83MWo33O0
>>27
問題ない
シナリオの都合省こうかとも思ったけど
かずみが入る事でいれられそう
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/07/16(土) 13:58:38.17 ID:RdUZKqCAO
>>29
そうか、それを聞いてる安心した
きっかけがないから、まだ契約前になるわけだが、どう絡んでくるのか楽しみだ

どうでもいいけどおりこ2巻のさやかあれ結界の一部持ってるよね
その後活躍シーンがなかったから結局不明瞭なままだけど
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/16(土) 22:42:10.99 ID:83MWo33O0
今日の分はおしまい
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/17(日) 01:01:44.86 ID:so6eWcGbo
乙っちまどまど!
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/22(金) 15:18:44.84 ID:YsW8PG+Z0
ほむら「居ないわね・・・・・・」

マミ「それにしても・・・・・・凄い人だかりね。グラウンドの成れの果てが浮き上がるほどのフラッシュだわ」

ほむら「・・・・・・それはもう良いでしょう。それより、念のためさやかに連絡を――」

まどか「――待て――誰か居る」

ほむら「――みたいね。出てきなさい」

マミ「逃げるようであれば、追い討ちをかけるわよ?」

 三者三様に保健室の入り口を睥睨する。しばらくして、そこから一人の少女が浮かび上がった。見掛けたことのない顔に、ほむらは
眦を搾った。

ほむら「貴方は・・・・・・?」

「魔法少女だ。おそらく、君達も、魔法少女でしょう?」

 苛烈な声音、険しい相好で少女は言い放った。

まどか「そのとおりだ」

ほむら「いや・・・・・・」

マミ「貴方は・・・・・・どうなのかしら・・・・・・?」

「・・・・・・?私は浅海サキ。拠点はあすなろ市だ。そして、此処には一つ案件があって来た。君達の縄張りを侵そうという気概はない」

サキ「出来れば、私達に協力してもらえてればとさえ思っているよ」

マミ「信用すると思って?」

ほむら「なら、どうしてこそこそしていたのか、その理由を先ず聞かせてくれないかしら?」

サキ「君達に対して露骨に姿を晒して、敵愾心を煽りたくなかっただけだ。魔法少女の中には、問答無用で襲い掛かるのもいるからね」

マミ「それは質問の答えに」

サキ「なっているよ。私は同族殺しはしたくないんだ。いや、魔女以外を魔法で殺すのは、御免こうむりたいのさ・・・・・・」

マミ「・・・・・・まるで、わたしたちが貴方よりも格下であるかのような言い分ね」

ほむら「マミ」

まどか「落ち着け、マミ」

マミ「・・・・・・ふん」

サキ「そうは言っていないよ・・・・・・ただ、言葉どおり私の魔法は少々強力なんだ・・・・・・つい度を越してしまうこともなきにしもあらずなんだよ」

ほむら「そう。とりあえず、そういうことにしておきましょうか」

サキ「そう言ってもらえるとありがたい・・・・・・・君が、このチームのリーダーなの?」

まどか「わたしだ」

マミ「いいえ、わたしよ」

ほむら「・・・・・・らしいわ」

サキ「・・・・・・すまない、とりあえず君と少し話がしたいのだけど、良いかな?」

まどか「わたしも参加する」

マミ「慎んで参加させてもらうわ」

ほむら「・・・・・・らしいわ」

サキ「・・・・・・そうか。なら、此処で少し話をさせてもらうよ。私がどうして、この街へ来たのかをね」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/22(金) 15:37:24.90 ID:YsW8PG+Z0
サキ「といっても、さっき言ったように此処を侵犯しようと訪れたわけじゃない。この街では今、魔法少女狩りが起きているのでしょう?私達はそれの収拾を付けに来たの。そして、君達が知っていることがあるなら、それを全て私に教えてもらいたいという訳だ」

ほむら「魔法少女狩り・・・・・・それは、誰から聞いたの?」

サキ「じゅうべぇ・・・・・・私達の契約主だ」

ほむら「じゅうべぇ・・・・・・聞いたことがないわ・・・・・・」

まどか「そいつも、インキュベータの一つか」

マミ「・・・・・・」

サキ「ともかく、それは今重要ではない。この場所で魔法少女狩りが行われていることは明白な事実だ――此処に来る前に、私は魔法少女の遺体を一つ見たのだからね」

ほむら「――それは――!」

まどか「――それを詳しく教えてくれ!」

 まどかはサキに詰め寄る。

サキ「――君は・・・・・・もしかして、魔法少女ではない・・・・・・・?魔力が全く感じられないけれど――」

マミ「その子は――魔法少女であって、魔法少女でない存在よ。ただ、魔法少女の事に関わる資格は有しているわ」

まどか「わたしのことはどうでも良い!ただ、その遺体の特徴を教えてくれ!頼む、それはわたしたちの友達かもしれないんだ!!」

ほむら「私からもお願い――浅海サキ」

サキ「サキで構わないよ・・・・・・仲間を思う君達の気持ちも理解出来る――その遺体は、肩口まで伸ばされた――黒い髪をしていた」

ほむら「黒い髪・・・・・・」

まどか「さやかじゃ・・・・・・ない」

マミ「・・・・・・」

ほむら「・・・・・・」

 安堵するまどか。しかし、マミとほむらは対して緊張した。

ほむら「そう・・・・・・それは、私達の友達じゃないわ」

サキ「そうか。こんなこというのもなんだけれど、良かった・・・・・・それで、なんだけど、君達の名前を教えてくれないかな?この街に居る内は、協力関係を結びたいと思っているんだ。どうだろう?」

ほむら「えぇ、構わないわ・・・・・・私は暁美ほむら。ほむらで良いわ」

マミ「・・・・・・巴マミよ」

まどか「鹿目まどかだ。よろしく、浅海サキ」

 まどかは手を伸ばした。サキは暫し驚いて微笑むと、その手を握った。

サキ「サキで構わないよ。私も、まどかと呼んで良い?」

まどか「あぁ、構わない」

サキ「ありがとう。それと、よろしく、ほむら、マミ」

ほむら「えぇ、よろしく、サキ」

マミ「・・・・・・」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/22(金) 16:01:48.60 ID:6bZyvQFI0
キタ━(゚∀゚)━!!!!!
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/22(金) 16:27:28.62 ID:YsW8PG+Z0
 サキと別れた三人。帰路を進む中さやかの安否を確かめると、ほむらは嘆息した。

ほむら「さやかは無事なようね」

まどか「そうか。良かった」

 無抑揚な声。でも、ほむらには心なしか彼女の表情が綻んだように思えた。対して、マミの方は難しい顔をしている・・・・・・
それは、魔法少女狩りについてなのか、それとも浅海サキに対するほむらには持ち得なかった反感からなのか、解からない。
 沈黙したまま、まどかを送り届け、二人きりになったのを皮切りに、マミがほむらの手を握った。


 すぐにマミはほむらの手を離す。二人はそれから一言も言葉を交わさず互いの帰路に順じて社交辞令を告げて別れた。

 その様子を、とあるマンションの頂上から合流したかずみとサキは眺めていた。

かずみ「・・・・・・何か聞こえた?」

サキ「いや・・・・・・テレパシーも行われていない」

かずみ「うん、わたしも何も聞こえなかった・・・・・・」

サキ「しかし・・・・・あの二人が、何かを隠しているのは確実だ・・・・・・おそらくそれは、魔法少女狩りの真実」

 かずみが大きなショルダーバックから何かを取り出す。それは、透明な袋に入ったクッキー。

かずみ「サキもいる?」

サキ「いや・・・・・・私は今は」

かずみ「駄目だよ、サキ。食べ物を粗末にしたらね、無事にエンドロールを迎えられないんだから」

サキ「・・・・・・解かったよ、いただきます」

かずみ「召し上がれ♪」

サキ「・・・・・・あの二人の能力が判然としない以上、迂闊に近寄るのは危険だな・・・・・・とりあえず、君が手に入れた情報から洗っていこうか」

サキ「呉キリカ・・・・・・か。簡単に情報を掴めれば良いけれど・・・・・・いや、明日、あの二人に訊ねれば良いか」

かずみ「そうだね・・・・・・さやかと知り合いなんだもん、知らないはずないよね・・・・・・それで、もしも隠すようだったらぁ」

かずみ「みんな纏めて、わたしが殺してやるんだから・・・・・・・魔法少女狩り、諸共・・・・・・みんなの、仇・・・・・・!」

サキ「・・・・・・」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/22(金) 16:53:05.44 ID:YsW8PG+Z0
マミ『呉キリカを殺したのは、どちらだと思う?』

ほむら『・・・・・佐倉杏子と考えるのが適切でしょうね』

マミ『えぇわたしも・・・・・・それから、あの浅海サキは、決して信用しては駄目』

ほむら『・・・・・・どうして?貴方は、随分と彼女に反感を抱いているようだけど、一体何が・・・・・・』

マミ『さぁ、ただの勘・・・・・・でも、わたしはこの直感を信じて行動するつもり。今までも、そうしてきたから』

ほむら『・・・・・・そう。くれぐれも、用心するわ』

マミ『・・・・・・信じてくれるの?』

ほむら『彼女が仲間の存在を隠したのが不意なのか故意なのかも解からない――第一、あんなところから私達を監視している人間を、そう簡単には信用出来ないわ・・・・・・』

マミ『気付いていたのね』

ほむら『貴方が私よりも先に手を取ったというだけよ』

マミ『そう・・・・・・貴方が仲間になってとても頼もしいわ』

ほむら『私もよ、マミ・・・・・・改めて、これからよろしくね』

マミ『えぇ、こちらこそ』



 マミも私と同意見だった。呉キリカを殺したのは佐倉杏子。さやかの力量では呉キリカには敵わない・・・・・・妥当な推測だ。
そして両者、これは浅海サキに韜晦することで結論が付いた。マミが同じ意見で良かった。此処で杏子という戦力、いや彼女の存在を失うのは快いことではない・・・・・・彼女はさやかの力になってくれるから。だとすれば・・・・・・彼女たちが真実を暴く前にこの街から出て行くように仕向けるか、排除しなければならないだろう。後者を可及的実現したい。サキは話していて、それほど融通が利かないという訳ではないだろう。自身の魔法が強力だと言っていたが、美国織莉子のように厄介な力ではないのだと高を括っても良いはずだ。問題はあの隣の少女・・・・・・彼女は何者だろうか?・・・・・・サキのように、話せるタイプであれば良いのだが・・・・・・一度、彼女たちに接触するのが妥当だろう。

ほむら「・・・・・・誰かしら?」

 インターフォンが鳴った。私は椅子から立ちあがって、扉の覗き口から外を窺った――。

ほむら「――まどか?」

まどか「あぁ」

 私は扉を開け、彼女を入れた。彼女は先日出ていった時のような大荷物を持っていた。

ほむら「まどか――それは・・・・・・」

まどか「ほむらはトランザムの資料が欲しいと言っていた。ならば、わたしがお前の傍に居た方が良いと思って此処へ来た・・・・・・迷惑か?」

ほむら「――」

 正直、目頭が熱くなるほど、嬉しい。

ほむら「――事前に一言くらい言ってくれれば用意もしたのに・・・・・・それに、こんな夜中に一人でなんて・・・・・・」

まどか「すまない」

ほむら「――良いわ。とにかく、入りなさい・・・・・・お茶でも用意するから」

まどか「ありがとう」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/22(金) 16:54:05.03 ID:YsW8PG+Z0
今日の分はこれで終わりかな

いや、更新停滞していて申し訳なかった

またちょくちょく投下していきます
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/22(金) 16:59:09.35 ID:6bZyvQFI0
ゆっくり書いていってね!!!
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/07/22(金) 23:08:58.69 ID:d/AiuXGAO
かずみ勢入ってきたからフォワード発売まで更新無しだと思ってたがやはりその通りだったな
サキさん(笑)そんなに強くないだろ
かずみ除く聖団全員でようやく一人前ぐらいだろ
かずみ勢で本編キャラに太刀打ちできるのってかずみだけだろ

リーミティ一撃で魔女倒せるし
というかリーミティの性能が異常
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/23(土) 02:24:09.99 ID:+pXJlzD1o
乙っちまどまど!
待ってるよ
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/24(日) 23:27:06.05 ID:JXqXn8wg0
>>40

全体的にインフレしてます
ありがとう。フォワードはさっき立ち読みしてきましたあいりちゃんマジあいり

43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/25(月) 00:06:15.27 ID:Q1HPZ14X0
 帰宅すると、母親が泣き付いてきた。戸惑うさやかに嗚咽を漏らしながら父親が叱責する。学校で起きた異常事態で行方不明になっていた娘。さやかは得心すると、母親を宥め、自室に入った。正直、それどころではないのだ。
 暗澹とした室内。暗闇の中、ベッドに横たわってオーディオを起動させて音楽を流す。気分が落ち込む時はいつもこうする。幼馴染の演奏を聞くのが、一番心休まるのだ。
 穏やかな反芻の中、携帯電話が容喙をしてきた。郷愁に浸りたい欲求と他人と交流したいという欲求がひしめきながらディスプレイを観る。相手はほむらだった。そういえば、ほむらが自分に電話を掛けてきたのは初めてだ。内容は魔法少女のそれだろうけれど、それでもその事態がなんだか嬉しくて、心を弾ませて電話に出た。虚勢を張るさやかに対し、ほむらは神妙だ。しかし、たださやかの安否を確認したというだけで、無粋な穿鑿はしてこなかった。それがさやかにとって尚の事、嬉しかった。
 出る時とは対し横溢した元気を振るって別辞を交わし、さやかはほむらとの通話を切った。携帯電話を枕元に放り。嘆息する。

さやか「あっ・・・・・・ほむらにかずみのこと、伝えてないや」

 どうしようか。折り返して、伝えようか・・・・・・いや、良いか。心からしこりが取れたような気がすると、急に睡魔が襲ってきた。オーディオを停止させ、胸を落とす。意識もまた、深い眠りの底までゆっくりと落ちて行く・・・・・・。


 ぼやけた視界。前には黒い影が浮かんでいる。人?人みたいだ。突き出たのは頭で、両側に広がっているのは肩――それが、突然落下した。次に浮かんだのは、赤い物。いいや、僅かに薄黄色も混ざっている・・・・・・?違う、赤だ。しかし、鮮烈な紅と、くすんだ黒赤が点々とした・・・・・・人の顔――驚きに満ちた――――杏子――!?


 さやかは跳び起きた。杏子の顔が連続して脳裏に浮かんでくる。それを払拭したくて、頭を掻いた。呻きを挙げ、がりがりと、痛みが、心地良かった。
 しばらくして、気息奄々と項垂れた。杏子の顔――自分は、彼女がそんな顔をすることを知らない。きっと、夢なのだろう。今までも、こういった夢は何度も見た来たじゃないか。これもその一つだ。くだらない、考える必要なんてない。顔を伝う汗。パジャマが溢れ出た汗で濡れたのを実感すると、着替えを持ってバスルームに降りた。熱いシャワーが心地良かった。
 バスルームから出て、用意した部屋着に着替えると、ふと洗面台の鏡を見た――正面に向こうとする後続の口角が、一瞬吊り上がったような気がした。でも、正面を向くと、特にそんな様子はない。気の所為だったのだろう。頬のマッサージをして、自室に上がり、鏡で身だしなみを整える。ふと、まどかのリボンが目に浮かんだ。

「あれ・・・・・・可愛いよね」

 自然と口に出した。そのとおりだ、可愛い。自分も、ピンだけでなくリボンを付けてみようか。そうだ、今日みんなでデパートの小物売り場にでも行こうか。胸を躍らせて、さやかは自宅を出た。
44 :修正 [saga sage]:2011/07/25(月) 11:52:25.31 ID:Q1HPZ14X0
 帰宅すると、母親が泣き付いてきた。戸惑うさやかに嗚咽を漏らしながら父親が叱責する。学校で起きた異常事態で行方不明になっていた娘。さやかは得心すると、母親を宥め、自室に入った。正直、それどころではないのだ。
 暗澹とした室内。暗闇の中、ベッドに横たわってオーディオを起動させて音楽を流す。気分が落ち込む時はいつもこうする。幼馴染の演奏を聞くのが、一番心休まるのだ。
 穏やかな反芻の中、携帯電話が容喙をしてきた。郷愁に浸りたい欲求と他人と交流したいという欲求がひしめきながらディスプレイを観る。相手はほむらだった。そういえば、ほむらが自分に電話を掛けてきたのは初めてだ。内容は魔法少女のそれだろうけれど、それでもその事態がなんだか嬉しくて、心を弾ませて電話に出た。虚勢を張るさやかに対し、ほむらは神妙だ。しかし、たださやかの安否を確認したというだけで、無粋な穿鑿はしてこなかった。それがさやかにとって尚の事、嬉しかった。
 出る時とは対し横溢した元気を振るって別辞を交わし、さやかはほむらとの通話を切った。携帯電話を枕元に放り。嘆息する。

さやか「あっ・・・・・・ほむらにかずみのこと、伝えてないや」

 どうしようか。折り返して、伝えようか・・・・・・いや、良いか。心からしこりが取れたような気がすると、急に睡魔が襲ってきた。オーディオを停止させ、胸を落とす。意識もまた、深い眠りの底までゆっくりと落ちて行く・・・・・・。


 ぼやけた視界。前には黒い影が浮かんでいる。人?人みたいだ。突き出たのは頭で、両側に広がっているのは肩――それが、突然落下した。次に浮かんだのは、赤い物。いいや、僅かに薄黄色も混ざっている・・・・・・?違う、赤だ。しかし、鮮烈な紅と、くすんだ黒赤が点々とした・・・・・・人の顔――驚きに満ちた――――杏子――!?


 さやかは跳び起きた。杏子の顔が連続して脳裏に浮かんでくる。それを払拭したくて、頭を掻いた。呻きを挙げ、がりがりと、痛みが、心地良かった。
 しばらくして、気息奄々と項垂れた。杏子の顔――自分は、彼女がそんな顔をすることを知らない。きっと、夢なのだろう。今までも、こういった夢は何度も見た来たじゃないか。これもその一つだ。くだらない、考える必要なんてない。顔を伝う汗。パジャマが溢れ出た汗で濡れたのを実感すると、着替えを持ってバスルームに降りた。熱いシャワーが心地良かった。
 バスルームから出て、用意した部屋着に着替えると、ふと洗面台の鏡を見た――正面に向こうとする後続の口角が、一瞬吊り上がったような気がした。でも、正面を向くと、特にそんな様子はない。気の所為だったのだろう。頬のマッサージをして、母から学校が臨時休校になったことを聞き、それじゃぁみんなで気分転換に外出しようかと胸を躍らせて、自室に上がり、鏡で身だしなみを整える。ふと、まどかのリボンが目に浮かんだ。

「あれ・・・・・・可愛いよね」

 自然と口に出した。そのとおりだ、可愛い。自分も、ピンだけでなくリボンを付けてみようか。もしもリボンを付けた自分を見たら、恭介はどう思うのだろうか?照れたり、誉めたりしてくれるのかな?
45 :修正 [saga sage]:2011/07/25(月) 12:31:11.36 ID:Q1HPZ14X0
ほむら「今日、学校休みですって」

まどか「そうか」

ほむら「・・・・・・どうする?マミを呼んで、トランザムの研究でもしましょうか?それとも、何処かに遊びにでも――」

まどか「遊んでいる暇などわたしたちにはない。ワルプルギスの夜出現まで、二週間を切った。有り余った時間は全て奴への対策に費やすべきだ」

ほむら「・・・・・・そうね。貴方の言うとおりだわ・・・・・・でも、一応私達は中学生なのだから遊ぶのもまた――」

まどか「それは、ワルプルギスの夜が終わってからでも出来ることだ、ほむら」

ほむら「――そうね」

ほむら「今度こそ・・・・・・乗り越えてみせる。そして、その後は目一杯遊びましょうね、まどか」

まどか「あぁ」

ほむら「絶対よ?まどか」

まどか「・・・・・・何故念を押す?」

ほむら「いつだって、無茶をしてきたのは貴方だからよ・・・・・・」

まどか「・・・・・・すまない」

ほむら「私こそ・・・ごめんなさい――自分から持ち挙げてなんだけど、こんな辛気臭い話はやめましょう。それよりも、マミを呼びましょう。トランザムのことをもっとよく知りたいわ・・・・・・コストが魔力の甚大な消費で済めば良いのだけど・・・・・・」

まどか「トランザム・・・・・・わたしはこの力で、ワルプルギスの夜を駆逐し、世界の歪みを破壊する」

まどか「わたしが、魔法少女だ」

 私の記憶にもない、インキュベータでさえ驚愕した超弩級のイレギュラー・・・・・・暫定名称トランザム・・・・・・動力源は双方大量の魔力を消費するから多用は禁物・・・・・・だけれど、この力が、私の乱麻を刈り取る快刀となる。・・・・・・やっと、私の長い放浪は終わるんだ。
 マミに連絡した後握ったままだった携帯電話が鳴った。ディスプレイに映った相手はさやか。出ると、昨晩のように空元気ではなく、揚々とした彼女が今日遊びに行かないかと誘ってきた。私はそれを丁重に断り、昨晩出来なかった新しい魔法少女の話、それらに対する振舞い方、そして間もなく出現するワルプルギスの夜についての会議を行いたいと呈したが、やんわりと断られ、一方的に通話を切られてしまった。

まどか「さやかか」

ほむら「えぇ・・・・・・遊びに行かないかって」

まどか「・・・・・・そうか」

ほむら「・・・・・・行きたかった?」

まどか「いや・・・・・・それよりも、トランザムだ」

ほむら「そうね・・・・・・正直、私もそっちが気になるわ」

ほむら「――さてと、マミが来たようね」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/25(月) 13:09:22.44 ID:Q1HPZ14X0
 さやかは結局一人で街を徘徊していた。ほむら、まどかは魔法少云々。仁美は習い事かんぬん。他の友人たちとはどうにも腹を割って話せないから、こう憂鬱な時にまで一緒に居たくはないようだ。先ほども何人かに会い、途中まで交流していたが、結局途中で抜けてばかりとなった。

さやか「ちぇっ・・・・・・なんだよ皆。折角の休みだっていうのにさっ」

 かと言って責める気にもなれない。仁美はもとよりだが、ほむらがこれまでどれだけの苦境の中で苦しみ続けてきたのかを知っているからだ。だけど、だからこそあんなことが在った次の日には日常に回帰すべきだとさやかは思うのだが・・・・・・しかしそんなことを考えていると、自分が既に日常から逸脱した存在だとどうしても心に彫られる――思考を止めた。妄想までもが、席巻してきたからだ。・・・・・・汗が噴き、立ち眩みがした・・・・・・地面を踏んでいる心地が、しばらくしなかった。

さやか「――・・・・・・あれ?」

 視線の先に、大きなボストンバックを持った少女がいる。何処かで見た、触覚のような、一本だけ先の丸まった頭頂の髪の毛が上下に揺れている。その少女は、喫茶店のショウケースに張り付いていた。

さやか「・・・・・・かずみ?」

 昨晩会った魔法少女だ。不思議な雰囲気の魔法少女・・・・・魔法少女というのが、さやかの心を落ち着かせた。
さやかは彼女に走り寄った。

さやか「おーいかずみー」

 しかし、返事がない。街で見掛けたら声を掛けろと言ったのは彼女の方なのに・・・・・・。しかし、このアホ毛は一体どうなっているのか。今日はそれほど風が吹いていないというのに、どういうわけぴょんぴょんと跳ねているではないか。さやかはこっそりと近付いて、それを抓もとうとしたが、逆に手にしっぺ返しを受けた。

さやか「ちょっ、何そのアホ毛、生きてんの!?」

かずみ「――あ、さやか!」

さやか「よぉかずみ、やっと気付いたか・・・・・・それよりも、ちょっと聞いて良いかな?」

かずみ「へ?」 

さやか「・・・・・・そのアホ毛、どうなってんの?」

かずみ「え?あぁこれ?これねー、魔女見つけるときのセンサーなんだー!」

さやか「いや、絶対意思持ってんでしょ!あたし触ろうとしたらぺって叩かれたけど!?」

かずみ「髪の毛がそんなことするわけないじゃん。そんな見え透いた嘘でわたしを騙そうとしているの?さやかって馬鹿だねー」

さやか「ば――まぁいいわ・・・・・・寛容なさやかさんはショウケースに張り付くお子ちゃまを許してあげるわよ・・・・・」

かずみ「なっ――み、見てたの・・・・・・?」

さやか「おうばっちり。てか、だからあんたに近寄ったんだけどね。ところでなんだい?このあたしを無視してまであんたの心を捉えるほどのトランペットでもあったのかい――って、なんだこれ、バケツパフェ!?こ、こんなものがこの街にあったなんて・・・・・・き、気が狂ってやがる・・・・・・あんた・・・・・・もしかしてこれが食べたいの・・・・・・?」

かずみ「・・・・・・うん。でも、お金がちょっと足りなくて・・・・・・下ろそうにも、友達が管理しているからさ・・・・・・わたしだったら、その日の内にご飯で全部使っちゃいそうだから、へへっ」

さやか「う、うぅんそうかぁ・・・・・・そりゃぁ、災難ですなぁ――ところでかずみ、今いくらくらい持ってるの?」

かずみ「・・・・・・五百円」

さやか「それじゃぁ無理だよなぁ・・・・・・バケパフェは――よ、ニ千円!?しょ、商売する気ないだろこれ製作者出てこいよ・・・・・・喫茶店の範疇を越えてやがるぜぇ・・・・・・――よしっ。このクレイジーに免じて、かずみ。残りはあたしが出してやる!」

かずみ「え――さやか本当!?」

さやか「おう!なんかもうこの舐めた商品見てたら店に一泡吹かせたくなったわ!絶対完食しろよ、かずみ!」

かずみ「――うん、任せて!食べ物を粗末にする人は無事にエンドロールを向かえられないんだから!」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/25(月) 15:18:31.08 ID:Q1HPZ14X0
終わります

48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/25(月) 16:49:08.19 ID:VAlo6iVBo
お疲れ様です!


今のところかずみキャラがメインで出てるのはここくらいかしら
頑張れパイオニア
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 17:07:04.71 ID:/8KUpLiIO
乙っちまどまど!
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/26(火) 00:01:43.27 ID:mgFu9zsV0
かずみ「まだかなぁ〜まだかなぁ〜♪」 

 体を弾ませてオーダーを待つかずみは年端いかない童女のように見える。そういえば彼女の年齢を聞いていなかった。幼い顔立ち、小さな身長からさやかよりも年少に見えるけれど、それなら親友のまどかだってかずみに負けていないくらい幼い。さやかは彼女に年齢を訊ねた。自分と同じだと言われても、さやかは驚かず、達観してその事実を呑み込んだ。かずみの方にも別段驚愕はない。というよりも、彼女の関心はバケツパフェ唯一つに根こそぎ奪われているのだろう。なんて天心爛漫なんだ――さやかはかずみに合わせて振動するアホ毛を見ながら、小さく笑った。かずみはそれに気が付いていない。

かずみ「いっただっきまーすっ!!」

 スプーンを拳を作って握り、かずみはバケツプリンに食らい付く。最初こそ微笑ましかったものの、その猛々しい食い様、鈍く光る眼光、顔中に塗れていく生クリームやカラメルソースを見て、さやかは唖然とした。彼女が食べ終わり、背もたれに深く沈みこむまで何も言えなかった。

かずみ「いやぁ食べた食べた〜・・・・・・!」

さやか「おぅ・・・・・・なんというか、雄雄しい食い様だったよ」

かずみ「えへへ・・・・・・♪」

さやか「いや別に褒めてねーし!!」

かずみ「え――おっと危ない危ない。底に生クリームがまだ残ってた――あ?あれ?ちょっと!?さ、さやかぁ!ぬ、抜けないよぉ!!」

さやか「はぁ、嘘!?あ、あんた一体何やってんのさ!?」

かずみ「さやかぁ!」

さやか「たっくもぉ・・・・・世話が焼けるなぁ・・・・・・」

 さやかが引っ張ると、なんとかかずみの頭はバケツから抜けた。さやかは呆れておしぼりを取る。きっと、かずみの頭は食べかすで大変なことになっているだろうと・・・・・・けれど、多少光沢を怯えているくらいで、目立った食べかすは見えなかった。どうやら、殆ど舐め取ったようだ。さやかは持ったバケツを見下ろした。いや、全てだ。

さやか「あんた・・・・・・何も此処までせんでも・・・・・・」

かずみ「駄目だよ、食べ物を粗末にしたら無事にエンドロールを迎えられないんだからね?」

 かずみは胸を張る。

さやか「口の端にクリーム付いてますよかずみさんや。エンドロール、良いんですかいな?」

かずみ「おっとと・・・・・・」

 かずみが拭ってそれを舐めたのを見て、さやかは笑った。

さやか「ははっ。案外生真面目なんだな〜かずみって。ていうかそれなんなの、エンドロールがなんちゃらってさ。家訓とか?」

 気安く考えてさやかは訊ねたが、かずみの表情に哀愁が浮かんだのを見て、笑みを凍りつかせた。

かずみ「・・・・・・そうだね、うん・・・・・・そんな感じ、かな」

 明らかに消沈かずみは薄ら笑い浮かべて答える。さやかはなんと言えば良いか解からなかった。

さやか「――ところでさ」

 口が動く。頭が回る。どうすれば良いか津々と発想が浮かんでくる。

さやか「かずみ、これから暇?」

かずみ「え――うん、まぁ・・・・・・暇、かな。今の内は」

さやか「そっか――じゃぁ、これからさ、デパート行かない?」

かずみ「へ――デパート?」

さやか「そっ。デパート。あたしちょっと見たいものがあるんだよねぇ。でも、一人でっていうのもあれだしさ」

かずみ「デパート・・・・・・か。うん・・・・・・行く、行きたい!行こう、さやか!!」

さやか「よしっ。じゃぁしゅっぱーつ!!」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/26(火) 00:18:35.03 ID:mgFu9zsV0
かずみ「此処が見滝原のデパート・・・・・・あすなろとは全然違うね!」

さやか「まぁ、そりゃそうでしょ」

 かずみの素っ頓狂な発言にさやかは苦笑した。さやかははしゃぐかずみを見て一息吐く。良かった、此処に連れて来たのは正解だった。・・・・・・今の彼女は、魔法少女狩りをその手で殺すとのたまった暴徒と同じとは思えない。ただの子どもだ。――隙は突ける。

さやか「は?」

 何故、どうして自分がかずみの隙を突く必要があるんだ・・・・・・――また、浮かんだのはあの記憶――さやかは立ちすくんだ。

かずみ「さやか?」

さやか「へっ?」

 顔がひきつり、声が抜けた。

かずみ「ど、どうしたの?汗、凄いけど・・・・・・」

さやか「い、いや・・・・・・ちょっとね。実はさ、朝から動き回っていて少し疲れてんだと思う。昨日もさ、色々在って」

かずみ「昨日――あぁ、そうだね。そういえば、わたしとさやかが会ったのは昨日なんだよねぇ・・・・・あははっ。なんだか、もっと前から知り合いだったような気がする、さやかって・・・・・・なんだろう、懐かしさ?っていうのが、あるんだよね・・・・・・だからちょっと馴れ慣れしくなっちゃうや、ごめんね」

さやか「いや、別に謝ることなんて・・・・・・あたしだって、かずみにはどうもさ、運命的なセンチメンタル的な思いがある的な?」

かずみ「何その変な喋り方的な!」

 二人で噴き出して、腹を抱えた。一頻り笑うと、さやかは目元に滲んだ涙を拭った。

さやか「――ねぇ、かずみ」

かずみ「ん――なぁに?」

さやか「――あんたのこと、教えてよ」

かずみ「え・・・・・・どうして?」

さやか「勿論――もっと仲良くなりたいからだよ」

かずみ「――・・・・・・うん、良いよ」

かずみ「でも、多分少し長くなっちゃうと思うから、何処か静かな所に」

さやか「それじゃぁ、屋上とかどう?あそこなら人も少ないだろうし、風もあるからのんびり出来ると思うけど」

かずみ「うんじゃぁ・・・・・・そこに行こうっか――あっ、その前に・・・・・・」

 かずみが後ろをちらちらと見る。そこに設けられたのはクレープショップ。さやかはそれを認めて、はにかんだ。

さやか「よかろう。好きな物を頼みたまへー!さやかさんが奢ってしんぜよぅ!」

かずみ「本当!?さやかありがとう!!」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/26(火) 00:30:57.10 ID:mgFu9zsV0
さやか「だからって全メニューチョイスしようとする奴があるかよ・・・・・・」

かずみ「だって、さやかが好きなの頼めって言うから・・・・・」

さやか「好きなだけとは言ってないでしょうが!」

かずみ「えへへ・・・・・・♪」

さやか「だから褒めてない!!」

かずみ「まぁまぁ。これ一口あげるから落ち着いてよ。ね?さやか」

さやか「良いよ要らないよ!納豆生クリームなんていう店員さえちょっと聞き直すレベルのゲテモノを食す勇気はあたしにはないっす!ていうかどうしてそれ頼んだのよ!?しかも買ってやった五個の内最期に持っていくし・・・・・・最初に持っていって他の奴を口直しにするとかさ、それよりもまず無難に美味いのがまだ在ったでしょうが!!」

かずみ「いや、あそこで退いたら駄目だって」

さやか「じゃぁ此処でも退くなよ!エンドロールがかんたらでしょ!?」

かずみ「一口毎にエンドロールが見える美味さなんだよ?勿体無いよ?一口食べない?」

さやか「あんたの青褪めた笑顔がその味の凶悪さを雄弁に物語っているでしょうが!!」

かずみ「正直、流石のわたしでも、これはちょっと・・・・・・」

さやか「つうか、バケツパフェなんて食った後によくそんなに食えるもんだよな・・・・・・どんだけ大食いなんだっつの」

かずみ「うんそうだね・・・・・・もう一回、バケツが必要になるかな」

さやか「エンドロールエンドロール!」

かずみ「エンドロール・・・・・・エンドロール・・・・・・!!」

さやか「イエスエンドロールノーロールアウト!!」

かずみ「イエスエンドロール・・・・・・ノーロールアウト・・・・・・!!」

53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/07/26(火) 00:42:50.17 ID:rSxpcs8AO
リバースかwwwwwwww
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/26(火) 15:34:29.13 ID:mgFu9zsV0
かずみ「――ごちそうさまでした」

さやか「なんで人がおやつ食べるの見るだけでこんなに神経使わないといけないのよ・・・・・・」

かずみ「えへへ・・・・・・でも、最期の方はなんかもう癖になってた感じ?」

さやか「聞いてねーよ・・・・・・!」

かずみ「さやかも今度食べてみなよ。案外はまるかも」

さやか「絶対に嫌よ!」

かずみ「えー」

さやか「えーってあんたねぇ・・・・・・」

かずみ「えへへ・・・・・・」

さやか「・・・・・・」

かずみ「・・・・・・」

 二人を涼風と日差しが包む。流れる沈黙を破ったのは、かずみだった。

かずみ「友達と、あすなろのデパートで買い物したな。あのときは、何でも好きな物買えって言われて吃驚したけど」

さやか「・・・・・・」

かずみ「記憶を失って初めての遊んだ思い出、かな?あのときは流石に納豆生クリームのクレープなんて食べなかったけど・・・・・・それでも、洋服を見たり、友達の買い物する姿を見るのは・・・・・・楽しかった記憶」

さやか「友達・・・・・・」

かずみ「うん。わたしと、海香とカオル、みらい、里美、リコ、サキでプレアデス聖団ていう魔法少女のチームを結成していたんだ。星座と、神話の七姉妹に準えてね」

かずみ「悲しいことや楽しいことがたくさんあって、それでも二人と、みんなが居てくれたからわたしは、生きてこれた」

かずみ「だけど」

かずみ「みんな・・・・・・殺された」

 かずみ声調は穏やかだ。それから、くすりと笑い、さやかの体が強張る。

かずみ「その街に来たソウルジェムフィリアの魔法少女に、みんなね・・・・・・」

さやか「そんな・・・・・・!」

かずみ「・・・・・・だからわたしは魔法少女殺しを許せない・・・・・・みんなを殺したわたしたち魔法少女の敵。何が在っても、どんな理由があろうとも、魔法少女殺しだけは絶対に許さない・・・・・・!」

 かずみは俯き、体を震わせて言う。膝の上に置かれた握りこぶしが目元まであがる。かずみは立ち上がり、赤い瞼を笑みで歪めて、さやかに振り返った。

かずみ「安心してね、さやか。この街に居る魔法少女殺しは必ずわたしが排除してあげるからさ」

さやか「あ・・・・・・うん、ありがとう・・・・・・」

さやか「そんな話させてごめんね・・・・・・あの、気分転換にさ、中、行かない?あたし、リボンとかちょっと欲しいんだよねぇ〜」

さやか「かずみにも、何か買ってあげるよ――あっ、でも、流石にあんたの友達みたいな大盤振る舞いは出来ないけどさ・・・・・・」

かずみ「――ううん、そんなの良いよ――あっ、そうだ!リボンが欲しいなら、へへっ。わたしがさやかに買ってあげる!あんまり高いのは無理だけど・・・・・・」

さやか「ん?あぁいやぁ良いよ別に」

かずみ「遠慮しないで!ほら、行こう?」

 ――何はともあれ、彼女の気分が晴れのは良かった。癇癪を起こされてはあの砲撃の餌食になるかもしれない。胸のしこりをもぎ取って、さやかは立ち上がった。考えたくないことは、考えるべきではないのだ。
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/26(火) 15:52:49.91 ID:mgFu9zsV0
ほむら『マミ、気分はどう?』

マミ『特別異変はないわ・・・・・・貴方は?』

ほむら『同じくよ』

まどか「鹿目まどか。トランザムを解除する」

 無気力に椅子に凭れて居たマミとほむらの体が動き出した。

ほむら「やはり、穢れの他に特別なコストは・・・・・・ない」

マミ「強いて言うのなら、発動でしょうね・・・・・・少し、斑があるように思うわ」

ほむら「そうね。まどかがただトランザムと叫ぶだけでは意味がない・・・・・・何かしらの仕掛けがあるんでしょう」

マミ「・・・・・・おそらく、わたしたちのシンクロ率」

まどか「シンクロ率・・・・・・!?」

ほむら「・・・・・・まぁ、そんな感じよね」

ほむら「もとより、あのとき私達が同調することによって実現したのだから、その表現は的を射ているのでしょう」

 でもちょっと恥ずかしい、

ほむら「ところでまどかは、体はどう?過剰な疲労とか、眩暈とか頭痛とかはない?」

まどか「問題ない」

マミ「術者への負担はほぼ零なのね・・・・・・本当に、不思議な力・・・・・・」

まどか「トランザム・・・・・・わたしの力・・・・・・魔法少女としての、力・・・・・・」

ほむら「・・・・・・というか、トランザムってどういう意味なの?昨日は聞く暇がなかったから保留にしておいたのだけれど」

 そもそも、どうしてあっさりとそのような単語を彼女は出せたのだろう。・・・・・・いや、そういう人間も居るのか。

マミ「えっと、それは――」

 インターフォンが鳴った。誰だろう?もしかして、さやか?私は少し浮き足立って玄関に行き、扉を開けた。

サキ「こんにちわ。君と少し話がしたくて訪ねさせてもらった」

ほむら「・・・・・・そう。それじゃぁ、中に入って」

サキ「お邪魔するよ」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/26(火) 16:07:06.36 ID:dhAfaswoo
プレアデスじゃなくてプレイアデス……らしいぜ
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/26(火) 16:37:02.56 ID:mgFu9zsV0
ごごごごごご誤字だもん!知ってるもん!そそそそそそんなこと言われるまでもないぜぜぜぜぜぜ

今日の分は終わりです
話がややこしくなってきたからまた更新停滞するかもしれないです
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/26(火) 17:37:58.41 ID:dhAfaswoo
おつかず



そんな事言っといてかずマギ本誌で追ってないから一部わからないのでしたー☆
ソウルジェムフィリアってなんぞね……
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/26(火) 17:52:24.91 ID:mgFu9zsV0
ほむら「魔法少女狩りのこと?」

サキ「昨日はあの後聞きそびれてしまったからね。今日は、可能であればじっくりと話がしたいな」

ほむら「・・・・・・えぇ、ごゆっくり」

 何故住所を知っているのか。この平日の時間に私が居る事を知っているのか、穿鑿するのは愚問だろう。監視してということを突いて余計な蛇も出したくない。我田引水だが強力な力を持つと言っていた浅海サキ、そして昨晩さやかが会ったという、おそらくサキの仲間だろうかずみという強力な力を持った魔法少女を刺激するのは利口ではない。此処は相手に融和した動きを見せるのが得策だ。余計な反感を持たせるのは愚の骨頂。

マミ「貴方は・・・・・・」

まどか「浅海、サキ」

サキ「お邪魔するよ、マミ、まどか」

ほむら「それじゃぁ、そこにでも座って」

 わたしは中央の一部が欠けたドーナツ型の椅子を指差し、自分はサキの正面に座るように椅子に向かった。

マミ「紅茶でも、用意するわね」

ほむら「えぇ。お願いするわ」

サキ「・・・・・・お気遣い、感謝するよ」

 わたしが座ると、そのすぐ隣にまどかが座る。想定外だが、幸運だ。
 程なくしてマミがお盆に紅茶の入ったカップを載せて持ってきた。私は彼女から受け取るようにして彼女の手に触れる瞬間、片方の手で膝の上にこじんまりと載せられたまどかの手に触れ、時間を停止させた。

まどか「?」

マミ「どうして彼女が此処に?」

ほむら「言葉通りの意味なら、良いでしょうね」

まどか「どういうことだ、ほむら?何故時間を停止させた?」

ほむら「まどか、よく聞いて。貴方は此処では迂闊に喋ろうとしないで。疑問も肯定も許さない。それから、呉キリカについても貴方は知らない振りをして。私達のこれからの会話は全て、聞かなかったことにしなさい」

まどか「・・・・・・了解した」

ほむら「マミ。おそらく、彼女は呉キリカに辿りついている。失言は許されない。この局面は、私に一任して」

マミ「・・・・・・」

ほむら「マミ」

マミ「・・・・・・了解したわ」

ほむら「ありがとう。それじゃぁ、時間停止を解くわ」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/26(火) 17:54:06.14 ID:mgFu9zsV0
>>58

さっき買ってきたフォワードに、新しく登場した魔法少女が居るんだよ
そいつがソウルジェムの収集が趣味だっつー腐った野郎でね
なんか面白い展開になってきたわ、かずみ
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage]:2011/07/26(火) 18:19:46.13 ID:mgFu9zsV0
 マミは平然と紅茶を各自に置き、自分は盆を持って後ろの椅子にさがった。露骨だけれど、あれくらい許容範囲だろう。

サキ「話を始める前に、折角淹れてもらった紅茶だ、飲んで良いかな?」

ほむら「えぇ、召し上がれ」

サキ「ありがとう」

 サキは紅茶を啜り、感嘆を遠くのマミに向けた。マミは穏やかな声調で謙遜を呈した。

サキ「・・・・・・その実、マミにはあまり好かれていないと思っていけれど、そんなことはなかったようで良かった」

ほむら「そう」

 彼女がこれをミッションだと処理してくれて良かった。

サキ「・・・・・・それじゃぁ、質問を始めて良いかな?」

ほむら「どうぞ」

サキ「・・・・・・魔法少女狩りが始まったのは、いつぐらいかな?」

ほむら「・・・・・・正確な日時は把握していないわ。私達が気が付いたのは、そうね、大体一週間から二週間前の間。実際に行われていたのは、きっとそれよりずっと前でしょうね」

サキ「・・・・・・どうしてそれまで気が付かなかったの?」

ほむら「気が付けなかったのよ。それまで、生還者が居なかったから」

サキ「・・・・・・つまり、君は生還者と知り合いなんだね?彼女と、会わせてくれないかな?」

ほむら「――えぇ、構わないわ」

サキ「今すぐ、でも?」

ほむら「それは解からないわ。連絡してみないことにはね」
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/07/27(水) 04:54:11.86 ID:8E4kYDqAO
フィリアってネクロフィリアのフィリアか

フォワード売り切れとかちょー↑びっくりだよ!
まぁ明日には入荷するはずだが
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/27(水) 10:21:50.32 ID:IfSMu66jo
乙っちまどまど!
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/08/29(月) 05:32:03.69 ID:ThLzcfgAO
フォワード発売したのにまだこないな
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2011/09/28(水) 15:08:48.52 ID:VQ0AuVjV0
あげ
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/09/29(木) 01:40:11.31 ID:1edZVWsS0
かずみ「こっちの方が良いんじゃないかな?」

さやか「・・・んー、でもそれだと髪の色とかぶっちゃいそうでね・・・」

かずみ「えー、似合うと思うんだけどなー」

 かずみがさやかに勧めているのは彼女の髪色に近い青いリボン。しかし今日さやかが買いに来たのは親友であるまどかの印象を魅力的にした濃いピンクのリボンだ。かずみには申し分けないと思うし、青いリボンに魅力が感じないわけでもない・・・しかし、自分が欲しいのは、ピンク色のリボン・・・それをした自分を是非とも幼馴染である上条恭介に見せて、自分がまどかから受けたような印象を、彼にも与えたいのだ。
・・・。

さやか「・・・じゃぁ、そっちにしようかな・・・」

かずみ「本当!?」

さやか「まぁ、こうやって友達が選んでくれた物だしね。この見滝原随一の美少女さやかちゃんなら何でも似合うだろうし!はっはっはっ!」

かずみ「うん!さやかなら絶対なんでも似合うよ!」

さやか「あ、あはは・・・そこは突っ込んで欲しかったり」

かずみ「?」

 ふと、仁美やほむらなら此方の性根を微塵切りにするほど無数の言葉の刃を浴びせたり、無視したりするだろう、とさやかは考え、そのとき、鞄に入れた携帯電話が鳴った。取り出し、ディスプレイを見ると、ほむらからだった。

さやか「ごめんかずみ、ちょっと」

かずみ「あぁうん、それじゃぁわたしはお会計済ませてくるね・・・いや、こっちのピンクの方が良いかな・・・?」

さやか「どっちでも良いよー!」

 さやかは店内を出て、渡り廊下の人々を縫い、吹き抜けを造る、木の手すりが付いた、透明なガラス製の柵に寄り掛かり、着信ボタンを押した。

さやか「もしもしー。今さやかちゃんとぉっても忙しいんですけどー」

ほむら『そう。それは悪かったわ』

 ほむらに悪びれている風はない。それがさやかの憤懣を増長させた。

さやか「で何さ。まさかまた魔法少女関連の勧誘っすか?昨日あんな事あったんだから今日は勘弁よ、あたし」

ほむら『えぇ、朝聞いたわ。でもごめんなさい、魔法少女が関連することよ』

 さやかは大きく嘆息した。・・・予想通りだ。魔法少女。魔法少女。魔法少女。思えばほむらと出会ってから魔法少女から離れた事が無い。いや、ほむら自身が魔法少女なのだからそれは仕方の無いことなのだけれど。だが、それだけというのには、不満を抱えずにはいられない。

ほむら『私の家に、貴方に会いたいという人が来ているの』

さやか「あたしに会いたい・・・それってきょ」ブチッ

 突然、通信が切れた。

さやか「・・・はぁっ!?」

 思わずさやかは叫ぶ。そして自分がしたことにより、衆目を集めている事に気が付くと、狼狽して、顔を伏せ、頬を赤く染めた。

かずみ「さやか、どうしたの?」

 顔を上げると、両手を後ろで組んだかずみがさやかの前に立っていた。

さやか「・・・んなもんあたしが訊きたいですよ・・・」

かずみ「?」

 何故いきなり電話を切られたのか・・・まるで意味が解からない。

さやか「あたしが何したってゆーのよ・・・」

 さやかは深く嘆息した。
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/09/29(木) 01:40:41.60 ID:1edZVWsS0
かずみ「・・・?あ、そうださやか!はい、これ!」

さやか「ん?」

かずみ「ぷれぜんとふぉーゆー!」

 そう言ってかずみは小さなピンクの紙袋を右手に持って、さやかに差し出した。

さやか「・・・ぉう。さんきゅー」

 さやかがそれを受け取ると、かずみは笑顔で言った。

かずみ「ゆあうぇるかむ!」

 そうして、二人は拙い英会話を交わすと、思いのまま笑った。

さやか「へったくそな英語ー」

かずみ「あははー」

さやか「開けて良い?」

かずみ「うん、どうぞ」

 さやかは丁寧に紙袋を開けて、中身を取り出した。

さやか「・・・あ」

かずみ「結局、そっちにしたんだ。さやかへのプレゼントなのに、わたしが押し付けるのも変だしね」

 そういってかずみは苦笑した。さやかは、かずみとピンク色のリボンを交互に見渡して、かずみに言った。

さやか「・・・ありがとう」

かずみ「ううん!こちらこそ、ありがとう、さやか!」

 さやかは微笑んで、リボンを握った。

かずみ「ところでさやか」

さやか「ん、何?」

かずみ「さっき、なんか言いかけてたよね。『きょ』って」

さやか「ん、あぁ、まぁ」

かずみ「誰かの名前ぽかったけど・・・友達?」

さやか「と、友達!?だ、誰があんな奴と!!」

かずみ「・・・違うの?」

さやか「当たり前だっつーの!あいつ、ええと、佐倉杏子って言うんだけど、あいつとあたしは友達でもなんでもない!ただの同業者よ、同業者!しつっこくて鬱陶しくて凶暴な、そんな厄介な魔法少女なのよ、そいつは!」

かずみ「ふぅん・・・そっかぁ」

さやか「あんな奴と友達になれる奴が居たら、是非紹介してほしいくらいよ・・・どんだけ心が広い変態なのか、是非拝みたいもんだわね・・・」

 かずみの言動に、一抹の憂いを覚えたものの、それを忘れる程に鬱積していた佐倉杏子への憤懣を吐露するばかり、さやかは、対して沈み、冷静な態度を取るかずみに気が付かなかった。

かずみ「・・・会わせてくれないかな、その人に」

さやか「・・・あいつに?会ったってどうしようもないから・・・」

かずみ「佐倉杏子って人に会わせてよ。ね?お願い、さやか」

 深く、落ち込んだ眼差しのかずみ。ふと、思い出されるのはこのかずみという少女の生い立ち・・・さやかはようやく、自分がどれだけの事をしでかしたのかに気が付いた。

さやか「・・・うん、良い、けど・・・」

 それが正しい。

かずみ「ありがとう、さやか。それじゃぁ、今からお願い出来るかな?」

さやか「・・・うん、解かった」

 ・・・これで良い。これが、一番正しい選択なのだから。
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/09/29(木) 01:50:31.32 ID:1edZVWsS0
ほむら「ごめんなさい、どうやら無理みたい」

サキ「そうか、それは残念だ・・・」

 ほむらは携帯電話を畳み、テーブルの上に置いた。サキは紅茶を啜る。まどかもマミも、じっと座っていた。

サキ「・・・此処で薀蓄の一つでも垂れる事が出来れば格好が付くのだけれど、生憎私はそういった事に精通していなくてね。精々これに美味しいと言う事しか出来ないんだよ」

マミ「それだけ言ってもらえれば、淹れた甲斐があったわ。寧ろ冗長された方が、気分が悪いというものよ」

サキ「ふふっ。そうか」

 そう言ってサキは紅茶を仰ぎ、中身を飲み干した。

サキ「ご馳走様」

マミ「お替りはいかが?用意するわよ」

 立ち上がろうとしたマミを、サキは制した。

サキ「いや結構だ、もう良いよ、本当に、ご馳走様でした。・・・それじゃぁ、そろそろ失礼させてもらうよ。訊きたい事は、聞けたからね」

ほむら「もう良いの?」

サキ「良いも何も、訊ける事は全て聞いてしまえたから、長居されても迷惑でしょう?」

 そう言ってサキは立ち上がり、ほむらとそれからまどかが玄関までの見送りをした。

サキ「わざわざ見送りありがとう。マミにもよろしく言っておいてほしい」

ほむら「えぇ。どうぞ、またいらっしゃい」

まどか「同じ魔法少女だ、歓迎する」

サキ「・・・ふふっ。ありがとう・・・それじゃぁ、お邪魔しました」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/09/29(木) 01:55:01.23 ID:1edZVWsS0
とまぁ、随分と更新が遅れて申し分けないです・・・
ネタが切れてVIPやら何やらで気分転換にss書いたり
連日のバイトでこういった長編にはどうにも時間が掛かってしまいます・・・
待っててくれた人がいたら本当にごめんなさい
下手の横好きですが、また期間は空くけれど投下はしていきますので
暇つぶしにでも見てやってください
今日の投下はこれで終わります
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/29(木) 01:58:57.00 ID:rUazoGzb0
キタ━(゚∀゚)━!!!!!

こっちものんびり待ってます。
あせらないでください。
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/10/03(月) 12:37:11.33 ID:zZe18Kso0
ほむら「くっ・・・!」

 ほむらは扉が閉まると、早足でリビングへと戻った。歯軋りを立て、こめかみには汗の粒が幾つも浮かび、そして垂れている。

まどか「ほむら、トランザムだ」

 まどかが言った。

ほむら「・・・そうね、お願い、出来るかしら・・・?」

 さやかが悪いのではない。咄嗟に携帯電話を切った自分が悪いのだ。あのような態度をとっては、自分から疑ってくれと言っているようなもの。これからサキは仲間とその情報の鑑識して、佐倉杏子へと辿り着くだろう。どの世界でも直情的で短絡的な彼女の事だ、自分から訊いてもいないことを名乗り出る・・・彼女が強力な魔法少女と言えども、二人の魔法少女・・・それも、魔法少女狩り狩りなどという酔狂な真似をしている連中が、弱いはずも無い。ほむらは強く歯噛みした。

まどか「あぁ」

 だがリビングに戻ると、既にマミの姿はなく、ベランダが開け放たれていた。

ほむら「マミ・・・!」

まどか「・・・ほむら、行ってくれ。お前の時間停止なら、まだ」

ほむら「・・・そうね、だけどまどか。貴方も一緒よ」

まどか「・・・良いのか?」

ほむら「当たり前じゃない。サキがどんな能力を使えるのかも不確定な今、手を抜いている暇は無い・・・まどか、貴方の力が私達にはどうしようもなく、必要なの・・・時間が無いわ。さぁ、私の手に、掴まって」

まどか「・・・ありがとう、ほむら」

 そう言って、まどかは笑い、ほむらの手を取った。・・・ほむらは思わず、その表情に見惚れてしまう・・・。

ほむら「・・・貴方が笑ったところ、初めて見たわ」

まどか「嬉しい事があれば、誰だって笑うさ」

ほむら「・・・」

ほむら「・・・そうね。そう・・・なのよね・・・」

まどか「・・・行くぞ、ほむら。マミが危ない」

ほむら「えぇ・・・行くわよ、まどか」

 そして時間が停止する。

まどか「鹿目まどか、出る!」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2011/10/03(月) 15:00:25.01 ID:ifJQoL2H0
キタ━(゚∀゚)━!!!!!
ってみてるの俺だけ(汗)
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/03(月) 18:21:52.56 ID:1h7pEwz00
見てますよー
というか、今日気づきました
これからも期待してます
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/10/04(火) 15:46:01.52 ID:y+L6PeSH0
かずみ「今日、さやかに会えて良かった」

 沈痛な雰囲気を破ったその一言で、緊張はほつれて、頭に昇り詰めていた血が再び体を巡り始める。じりじりと頬を這う汗を拭い、さやかは振り返って、言った。

さやか「・・・さやかちゃんに会えたのがそんなに嬉しかったのかー?可愛い奴めー!」

 こんなにも、自分らしく振舞うのに難儀するのも珍しい・・・。時間が遅く流れる。足が重く、頭も鈍い・・・元より優れた知能を持った訳ではないさやかだが・・・いや、だからこそこのような事になっているのだ。・・・どうする・・・どうすれば良いのだろう・・・。

さやか「・・・ねぇ、どうして杏子に会おうと思ったの?」

かずみ「わたしたちの目的が、魔法少女殺しの犯人を退治する事だからだよ」

さやか「・・・魔法少女殺しの犯人は、呉キリカだって昨日」

かずみ「それじゃぁ、どうして呉キリカは死んでいたのかな」

 ・・・。

かずみ「ニュースで見たんだ。呉キリカは、あの大惨事の中で唯独りだけの死傷者ってね・・・まさか、魔法少女が只で人間に殺される訳ないよね?発見されたって事は、結界の外だし・・・なら、同じ魔法少女が殺したとしか考えられない――いや、そうなんだよ」

さやか「・・・そうなの、かな・・・あたし頭悪いからそういうの全然解かんないやぁ!ははっ」

かずみ「・・・そうだね、さやかって、あんまり頭良さそうじゃないもんね」

さやか「な、なんだとー!」

かずみ「だってさやか、魔法少女殺しは呉キリカと美国織莉子だって言ったのに・・・さっきの言葉じゃ、殺された呉キリカが魔法少女殺しだって言ったようなものじゃない」

さやか「それは・・・!」

かずみ「それじゃぁ、呉キリカを殺したのは誰なの?」

 美国織莉子。と言い掛けて、喉が詰まった。その回答は正解か?本当に、それで充分なのか?或いは今そうであるように、いずれその迂闊な発言が自分を窮地に追い詰めるのではないだろうか?だが、自分は既に窮地に立たされている。自分は、どうすれば助かるのだろう――。

かずみ「・・・さやか、教えて・・・今ならわたし、あなたの事、許してあげる・・・だってわたしたち、友達だもん」

かずみ「ね、さやか・・・?」

 かずみは怜悧さを無くし、年相応の少女のように憂い、さやかを懇願の瞳で真っ直ぐに見つめる。・・・彼女が、嘘を言っているようには思えない。信じても良いのだろう・・・だがしかし、件の呉キリカを殺した犯人とは――真犯人は――!!

さやか「佐倉、杏子・・・」

かずみ「・・・」

さやか「・・・」

かずみ「・・・」

さやか「・・・」

かずみ「・・・ありがとう、さやか」

さやか「・・・どういたしまして」

かずみ「それじゃぁ、案内してくれるかな?」

かずみ「佐倉杏子のところに」

さやか「・・・」

さやか「うん」

 ・・・もう、どうでも良いや・・・。
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/10/04(火) 15:48:41.11 ID:y+L6PeSH0
単発更新すまん
今日もこれで終わりです
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/04(火) 16:01:11.61 ID:kgr2Gwuf0

さてさてどうなることやら。
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/04(火) 22:01:05.05 ID:PbA+ng/b0
乙です
次も楽しみにまっています
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/10/04(火) 23:11:08.88 ID:i+SL6K7AO

最後の一言が作者の心の表れのように思えて嫌だ
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/10/05(水) 23:20:25.38 ID:KUaXy9ql0
マミ「サキ、ちょっといいかしら?」

サキ「ん?マミ・・・か。まさか君から私に話し掛けてくるなんてね。というか、ほむらの家で言ってくれれば良かったのに」

マミ「二人だけで、少し話がしたかったのよ。時間、あるかしら?」

サキ「・・・・・・」

サキ「・・・あぁ。構わないよ」

マミ「それじゃぁ、近くの喫茶店にでも入りましょうか」


 マミはサキを連れて、近場の喫茶店に入った。店員の案内した席で二人は向かい合わせで座る。

マミ「わたしはミルクティーを。サキは?」

サキ「私は結構だよ。先ほど紅茶を満腹になるほど飲ませてもらったからね」

マミ「それでは、以上で」

 店員が踵を返し、去って行く。マミとサキは互いに腕を組んで、せもたれに埋もれながら微笑を湛えている。
そして、口火を切ったのは、マミだった。

マミ「どうして、貴方は魔法少女狩りにそこまでこだわるの?」

 サキはしばらく目を閉じて、言った。

サキ「かつて、私の仲間が魔法少女狩りに殺されたからだよ」

マミ「・・・仲間」

サキ「うん。プレイアデス聖団、なんてね、星座になぞらえてチームを組んでいたんだけれどある日・・・皆、殺されてしまった。相手は、ソウルジェムを集めるのが趣味なんていうとんでもなく気の狂った魔法少女にね」

マミ「・・・ごめんなさい、こんな事を聞いて・・・」

サキ「・・・いや、良いんだ・・・寧ろ誰かに聞いてもらった方が落ち着く・・・だから、私達は復讐を誓った・・・三千大千世界に遍く蔓延る魔法少女殺しをこの手で討つと・・・ね。これで、君の質問には十全に答えられたと思うのだけど、どうかな?」

マミ「・・・えぇ、納得が言ったわ」

サキ「それは良かった」

 そう言って、サキは水に手を伸ばした。
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/10/05(水) 23:33:55.91 ID:KUaXy9ql0
さやか「・・・ねぇ、かずみ」

かずみ「何、さやか」

さやか「・・・あのさ・・・あすなろ市って、どういう所なの?」

かずみ「・・・え?」

さやか「いやほら、今はこうやってかざみの市に向かってるけどさ・・・あたし、外国とか他県はちょっと色々あって行ったりするけど、そういや他の市とかってあんまり行ったりしないんだよねぇ・・・だから、どういうところなのかなって・・・」

かずみ「・・・」

さやか「・・・やっぱり、今話すことじゃなかった?」

かずみ「・・・うぅん。なんとなく、さやかっぽいね」

さやか「ちょっ、それどういう意味よ!?」

かずみ「あはは。ごめんごめん。ええと、あすなろの事だよね・・・うーん・・別に、此処とは変わらないよ、そんなに。あ、でも!テディベア博物館、なんていうのがあるかな」

さやか「テディベア博物館・・・?なんじゃそりゃ?古今東西のテディベアでも展示しているわけ?いや、なんか逆に興味湧くな・・・それ・・・」

かずみ「あはは。とは言ってもね、一応そこ、わたしたちの秘密基地だったんだけど」

さやか「秘密基地ぃ・・・?」

かずみ「さっき話した、わたしたちプレイアデス聖団のね」

さやか「あぁ・・・そういやそんなの、聞いたような・・・」

かずみ「さやかって本当に馬鹿なんだね!」

さやか「なんだとー!!」

かずみ「あはは!」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/10/06(木) 00:25:22.45 ID:asfaugnc0
マミ「それで、その魔法少女は」

サキ「・・・死んだよ。・・・跡形も無くね」

マミ「・・・跡形も無く?」

サキ「・・・あぁ」

マミ「・・・なら、一体どうやってそれが死んだと確かめたの?」

サキ「生きているわけがないんだ・・・」

マミ「だから、どうして」

サキ「・・・マミは、あすなろ市という街を知っているかい?」

マミ「あすなろ市――って・・・確か・・・昨年、大規模な火災が発生したあの・・・!」

サキ「そこが私達の拠点だった・・・そして、私達はそこで、双樹に出会った」

マミ「双樹・・・」

サキ「件の魔法少女狩りさ」

 話している間に、マミの元にミルクティーが運ばれてきた。マミはストローを差して、数口啜った。
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/10/06(木) 00:29:51.53 ID:asfaugnc0
さやか「テディベア博物館かぁ・・・ふぅむ、乙女としては心躍らせざるをえませんなぁ・・・」

かずみ「さやかって案外女の子っぽいよねー」

さやか「案外は余計よ!」

かずみ「あはは。・・・ねぇ、さやか!興味があるなら今度是非おいでよ!色々と案内してあげるからさ!」

さやか「うーん・・・そうだなぁ・・・行ってみよっかなぁ」

かずみ「おいでよ!そうだ、これが終わったら来ない?歓迎するよ!」

さやか「・・・うん」

かずみ「よし、そうと決まれば直ぐに処理しないとね!くぅー!楽しみだなー!」

さやか「あ・・・あはは・・・」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/10/06(木) 01:08:17.63 ID:asfaugnc0
サキ「双樹は強力な力を有した魔法少女だったよ。苦戦に苦戦を強いられて、時間が経つたびに、仲間は一人づつソウルジェムを奪われて、壊された・・・そして、残った私ともう一人で、双樹を討ったんだ・・・」

マミ「・・・――まさか、その火災は――!!」

サキ「・・・双樹の仕業さ」

マミ「――なんという愚かな行為!!」

 マミはテーブルを叩いた。周囲が沈黙し、視線がマミへと集中する・・・サキは、それに僅かに狼狽したが、マミは気にした風は無かった。

サキ「・・・怒ってくれて、ありがとう」

マミ「当然よ・・・!一体、あの火災でどれだけの人が死んだと思っているの!?いいえ、火災なんかじゃなかったのね・・・まさか、魔法だったなんて・・・!」

サキ「だから・・・私達は魔法少女狩りを狩るって決めた。たとえそれが矛盾を孕んでいようとも・・・必ず成し遂げる。全ての魔法少女狩りは、私達が駆逐するんだと・・・」

マミ「・・・」

サキ「・・・だからこそ、協力して欲しい・・・私達の悲願を、どうにかしてでも成し遂げたいんだ・・・友の無念を払いたい・・・マミ、今魔法少女狩りの最先端に居るのは、一体誰なの・・・?」

マミ「・・・貴女の気持ちはよく解かる。けれど、それとこれとは別問題なのよ」

サキ「・・・」

マミ「それは、わたしの仲間だから」

サキ「・・・そうか」

マミ「でも、彼女とて貴女達と同じ・・・護りたい者の為に、その魔法少女を狩ったのだという事を覚えて、決して忘れないで」

サキ「・・・同じ穴の狢、か」

マミ「貴女達が、彼女に手を出すのであれば、わたしは――いえ、わたしの仲間達は貴女達を悪と見做し、破壊する。それがわたし達見滝原の魔法少女だから」

サキ「・・・残念だ」

 サキは席を立った。マミはミルクティーを啜りながら目を閉じ、嘆息した。
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/10/06(木) 01:11:46.30 ID:asfaugnc0
まどか「お前は間違っていない」

マミ「・・・」

まどか「それでこそわたしたち魔法少女だ」

マミ「・・・」

 マミはもう一度嘆息し、向かいに座るまどかとほむらにじとっとした視線を送った。

マミ「・・・いつから居たの?」

ほむら「最初からよ。争いがあれば止めるつもりだったけれど・・・今日の所は特別何も起こらなくて良かったわ」

マミ「・・・はぁ。元はと言えば貴女の愚かな振舞い・・・いえ、それはわたしも同じか・・・」

ほむら「とにかく、事態が困窮したのだということは理解した・・・だけど現状、サキとそれからもう一人の魔法少女が杏子の存在に気付いているとは思えない・・・でも、いざ美国織莉子、呉キリカの時のように争いになれば、仕方ないわよ」

マミ「戦えるの?」

ほむら「当然よ」

 自身満々に返事をしたほむら・・・しかしマミが嘆息したのを見て、怪訝に思った。

マミ「貴女じゃないわよ・・・鹿目さん、貴女」

まどか「当然だ」

ほむら「・・・」

マミ「それでも、貴女は人間よ?トランザムがあるとはいえ、元はただの人間だわ――そして今度の相手は魔法少女なのよ?最初からね?」

まどか「わたしは」

マミ「貴女は魔法少女ではない・・・戦う権利はある。だけれど・・・罪を背負う義務はないわ」

ほむら「・・・マミ」

マミ「わたしの魂は石ころで、体は抜け殻、果ては怪物なのだから・・・もう、何をするにも憂いはない。何をしたって後悔はない・・・だけれど貴女は違う。貴女は、どうしようもないほど人間なのよ、鹿目さん・・・皮肉なものね。いっそそんな力なんて無かった方が良いのに・・・いつだって中途半端なのよ、神様は・・・」

 どうして自分の願いを叶えてくれなかった?どうして自分に本当の正義の宿命を与えてくれなかった?まどかの事だけではない・・・もしも神なんてものが居たのなら、マミには山ほど言いたいことがある・・・何故、こうも誰も救われないのか。

まどか「この世界に、神は居ない」

 まどかのその力強い返答が、何よりもマミの心を打った。

まどか「あのときトランザムをした時から、覚悟は出来ている。わたしはお前たちと共に戦うと決めた。相手が魔女であろうとも、魔法少女であろうとも・・・わたしは、魔法少女の力でこの世の絶望を駆逐する」

まどか「わたしが、魔法少女だ」

マミ「・・・心配するだけ、無駄だったようね・・・」

 言って、マミはミルクティーが無くなったのに気付いた。

マミ「貴女達、何か飲む?」

まどか「わたしはいい」

マミ「そう。暁美さん・・・は?」

 ほむらに視線を向けて気付く。俯いたほむら。その肩は僅かに震えている。

ほむら「・・・私も、良いわ」

まどか「ほむら、どうかしたのか?」

ほむら「・・・何でもないわ」

 髪を掻き揚げ、無表情を浮かべた。

マミ「・・・そう。それじゃぁ、出ましょうか?」

ほむら「えぇ」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/10/06(木) 01:12:47.57 ID:asfaugnc0
今日の分は終わります
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/06(木) 01:16:25.47 ID:CiccYR8E0

サキがさやか達の方に向かっているじゃないかと心配。
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/10/06(木) 03:51:28.50 ID:Lya8VrhAO

今月のフォワードまだ読んでないから意味がわからないがとんでもない事になってきたって事はわかった
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2011/10/12(水) 12:36:21.88 ID:TPpxEB1k0
なんかこのSSに関係ありそうだから貼っとく。

ファイナルミッション・マギカカルテット
ttp://pasta.rdy.jp/comic/madoka/madoka_fm0001.html
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/10/12(水) 23:10:59.77 ID:oLZc6q390
>>88
結構面白かったです。ありがとう
俺も絵が書けたら・・・ファッションセンスが先ず欠如しているもので、キャラの服装なんかを全く描写せず読んでいる人頼みにしているのは本当に申し訳ないです・・・トランザム状態は足して二で割った感じです・・・自分でも曖昧で本当に申し訳ない
更新なんですがかずみ2巻が手に入ったら予定しています・・・ごめんなさい
それとなるべく上げないでもらえると嬉しいです。あがってるのを見ると錯乱してしまうのでお願いします
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/13(木) 00:15:21.32 ID:a5CMTSol0
>>89
了解

なるべくみんなに見てもらおう
思っていたのだが仕方が無い。

更新はあせらなくていいよ。
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/10/15(土) 21:44:04.51 ID:U915bghAO
フォワード読んだらもっと凄い事になってた
ネタバレかと思ってたが違ったのな
まじであれどういう事だよ……
92 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/09(金) 14:56:40.54 ID:Ae7GXAM60
ピグレット「グラハム・エーカーの森である!!」


プーさん「会いたかったぞ、クリストファー・ロビン!!」

クリストファー・ロビン「俺に……触るな!」

プーさん「邪険に扱ってくれる」


投下……サキの詳細がもっと明かされたらになりそうです……
それと一つ提案なんですが……今更あぁあのシーンにこのコマを組み込めばよかったなぁと思うことが多々ありまして(書き溜めなし思いつき投下で本当に申し訳ない)、一度このスレを落として今頭にある分に合わせて改訂したものでスレ建て、というのをしてもいいですか……?もしも気に障るのであればとりあえず此処を一度完結させて、
その後に改訂版を、としますが……
まだ見ている人がいてくださるのなら次の月曜日までに意見を頂けたら幸いです
93 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 15:11:00.14 ID:9Gn8tOjno
◆【メカザウルス・サキプロフィール】  
 
第1話に登場したメカザウルスで、ゲッターチーム初陣の相手。
強力な尻尾による攻撃に加え、角をミサイルとして発射することもできる。
また、口から熱線をはくこともできる。
なかなか強力な戦闘能力を誇るメカザウルスで、いくら初陣とはいえプロトゲッターを難なく破壊し、ゲッターロボを窮地に陥れいれた。
その装甲はゲッタービームを全く寄せ付けない。




……なんて下らんボケはどうでもよろしい
僕個人としてはこのスレで一度完結を見たいかなぁと思います
やっぱりどうしてもテンポ悪くなるかなって。


ご自分のペースで最後まで突き進んじゃってください
94 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/09(金) 15:45:57.33 ID:Ae7GXAM60
じゃぁまずこっちで一度完結させます

そんでその後に劇場版風味で、初っ端からの今までの改訂版+新展開で別にスレ建て、とさせてもらってもいいでしょうか?
95 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/09(金) 15:48:03.51 ID:Ae7GXAM60
どうしても新展開の方をこっちで書こうとすると伏線が足りないんです……俺の過失です本当に申し訳ない……
96 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 15:48:24.04 ID:9Gn8tOjno
え、ちょ、月曜まで他の意見待たないんですかwwwwwwww
俺はそれでも良いけどwwwwwwww
97 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/09(金) 15:58:26.65 ID:Ae7GXAM60
あんまり多くの人が見てないというかひとり二人しか見てないと思ってたので……ひとり意見出たら良いかな、ぐらいに思ってたんです

途轍もなく遅筆で本当にすみません
内容に関してはすでに完結まで定まっていて、後は文章に起こすだけなんですが
即興故にどうしても張り忘れた伏線が多々ありまして、黙って改訂を流そうと思いましたがそれほど豪胆な人間でなく、どうしようかとそればかりが気がかりで執筆に取り組めず時間が過ぎ去ってしまったんです……

どうでもいいと思いますけど車の免許やっと取れたやったー
98 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/10(土) 00:25:17.24 ID:MGyEtt250
>>97
ども見てる人二人目です(笑)
実際の所は書いている人は2〜3人だから見てる人は
もう少し多いのかな。

進行については>>93と同じでこのスレで完結させてから
新スレでVIP分+SS速報分を合わせた新劇場版〜魔法少女だ
がいいのではないでしょうか。

ここから新スレだとその新スレの途中で力尽きそうで怖い(汗)

あとなぜか謝っているようですが私としては完結してくれれば
遅かろうが問題なく、かえって恐縮するので普通にしててくださいな。
99 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/10(土) 10:11:10.10 ID:2U3/P0Ro0
ありがとう

それじゃぁこのスレでは後出しじゃんけん的な展開が多々出現するでしょうが生暖かい目で見守ってやってください
100 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/10(土) 11:48:01.63 ID:D9FbucvO0
>>100乙!
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/06(金) 15:54:51.57 ID:2G7f7yxf0
>>88
機動魔法少女 ミキサヤカOO(ダブルオー) セカンドシーズン
ttp://pasta.rdy.jp/comic/madoka/madoka_oo_01.html
マギカカルテットの続きだと思う。

サキさんの事ってどこまでわかっているのかな?
フォワードあまり読んでないからよくわからない(汗)
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/01/07(土) 11:22:13.50 ID:ft8utIWx0
サキ「……」

マミ『護りたい者の為に、その魔法少女を狩ったのだという事を覚えて、決して忘れないで』

サキ「……」

マミ『貴女達が、彼女に手を出すのであれば、わたしは――いえ、わたしの仲間達は貴女達を悪と見做し、破壊する。それがわたし達見滝原の魔法少女だから』

サキ「……」

 サキの頭の中でマミの言葉が半数される。彼女の覚悟の表れを端的に表した言葉の数々。
そして、彼女がそれを実現するに足る人物であることを示した風格。
自分も、そしてかずみも、弱くはない。いや、むしろかずみは危険なまでに強いし、自分もまた、既に抵抗器を失ってしまっている。
だからマミ、そしてほむらに負けるはずがない(さやかは数えるまでもない)……魔法少女殺しの真犯人にさえも。

サキ「……」

 だが、それだけなのだろうか? 
今自分の胸の中で渦巻いて、鬱屈としている感情は、戦力計算によるリスクへの不安なのか……ふと、かつて彼女と共にいた仲間たちの顔が浮かんだ。
サキは歯噛みして、歩みを速めた。
そうすることで思考から逃げようとしたのだ。
けれど逃げても逃げても、マミの視線からは逃れられない。
あの強い視線、決死を覚悟しても尚揺るがないあの視線……――耳鳴りがして、サキの頭の中にまた別の映像が流れ込む……空は赤く、そして地面は黒く染められた光景……――ふと、甘い匂いがした……周囲を見ると、そこはサイケデリックな背景をした花畑だった。

サキ「え……」

 自分はそれまで街を歩いていたはずだ。
なのにどうして……考えが纏まらない。いつもであればその光景が何を意味しているのかを早急に理解し、瞬時に対処出来ただろう……だが、今のサキにはそれができなかった。
だからこそ、彼女は魔女に魅入られたのだ。

 全身が震えて、汗腺が決壊したように止めどなく汗が噴き出てくる。
すると視界が蠢いた。前方に広がる闇の中で何かが動いたのだ。
それが何かを認識する前に、それは大口を開けてサキに襲い掛かった――

「やれやれ……よもや素人だったとわな」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/01/07(土) 11:24:32.98 ID:ft8utIWx0
 落ち着き払った声。それは少女的な声質とひどく噛み合っていない時代掛かった口調をしていた。
と、それに気が付いた時にはもう、目の前の化け物は真っ二つに裂け、
中から真っ赤なドレスに身を包んだ長い赤髪の少女が現れた。

「ならば今すぐここから踵を返し、見滝原に戻ってその街で一番大きなマンションへと行くと良い。
そこの巴という表札がされた部屋を訪ねれば、良い教育者に出会えるだろう。
尤も、少々難がある人で、強いられる羞恥を覚悟せねばなるまいがな」

 呆然としたサキを尻目に少女は泰然とそう言って、翻った。

サキ「あ……」

サキ「……ありがとう」

 サキの動悸は治まっていた。

「……礼には及ばないさ。それに、これはしっかりとあたしが頂戴させてもらう」

 そう言って少女はグリーフシードを拾った。サキは構わなかった。助けてもらったサキに彼女を咎めることは出来ない。

「では、これで失礼させてもらう」

 変な少女だ。格好つけたような口調で、一挙手一投足が時代劇の武士のように思える。
あんなことがあった後だからか、サキの心は異常に朗らかで、だからつい、彼女に対して踏み込んだ。

サキ「あの、私は浅海サキ、君は?」

「……」

 少女は振り返って、言った。

杏子「佐倉杏子だ」

 サキはぶっきらぼうだけれど素直に答えてくれた彼女に感謝をこめて言う。

サキ「もう一度、お礼をさせてもらうよ。助けてくれてありがとう、杏子」

杏子「礼には及ばないと言った筈だ。では今度こそ、あたしは失礼させてもらおう、サキ。達者でな」

 そういって杏子は今度こそ、その場から立ち去った。サキはその後ろ姿を見ながら、ふと、思い出した。

杏子『今すぐここから踵を返し、見滝原に戻ってその街で一番大きなマンションへと行くと良い。
そこの巴という表札がされた部屋を訪ねれば、良い教育者に出会えるだろう。
尤も、少々難がある人で、羞恥を覚悟せねばなるまいがな』

サキ「……?」

 なんだろう、この胸騒ぎは。また、杏子の言葉が反芻される。

杏子『見滝原に戻ってその街で一番大きなマンションへと行くと良い。
そこの巴という表札がされた部屋を訪ねれば、良い教育者に出会えるだろう』

サキ「……」

 これ以上は……いや、駄目だ、絶対に……!
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/01/07(土) 11:25:48.30 ID:ft8utIWx0
杏子『そこの巴という表札がされた部屋を訪ねれば』

サキ「……!」

 止めてくれ。お願いだ、それ以上は……!

マミ『……巴マミよ』

 止めろ!

マミ『それは、わたしの仲間だから』

マミ『貴女達が、彼女に手を出すのであれば、わたしは――いえ、わたしの仲間達は貴女達を悪と見做し、破壊する。
それがわたし達見滝原の魔法少女だから』
 ……。

 サキは考えるのを止めた。
止めたい。
止めた振りをしてみた。
すると微弱だけれどテレパシーが来ているのに気が付いた。回線を繋いでみた。かずみだった。

かずみ『魔法少女殺しの犯人が解かったよ。名前は佐倉杏子。髪が長くて、それに赤いんだって』

サキ「……そうか、解かった。今何処?」

かずみ『風見野って街、解かる?』

サキ「あぁ……今私も丁度そこにいる」

かずみ『そっか。それじゃぁそこの外れにある教会に向かって。そこに、佐倉杏子が居るかもしれないから』

サキ「……」

 解かりたくなかった。
何も知りたくなかった。
どうしてそれをもっと早く教えてくれなかったのだろう。……恩人を手にかける? 
これまで自分は多くの魔法少女たちを手に掛けてきた。だから魔法少女殺し狩りというのを始めることにも抵抗がなかった。
躊躇いがなかったわけではないけれど、だが、自分もそれが正しいと思うことが出来ていた。
だが、恩人を手に掛けることは? 
それは自分が今まで一度も出来なかった行為だ。
 
 今までずっと一緒にいたかずみと、先ほど会ったばかりの杏子の顔が浮かんだ。

 サキは唇を強く噛んだ、噛んで、言った。

サキ「……かずみ」

かずみ『? 何、サキ?』

サキ「……」

かずみ『どうしたの……?』

 サキは拳を握り、いつのまにか、汗のほかに涙を流しながら言った。

サキ「佐倉杏子に、会ったんだ」
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/01/07(土) 11:28:12.39 ID:ft8utIWx0
 ジリリリリリリリリリリ。

さやか「ん……」

 ジリリリリリリリリリリ。

さやか「ん……もう……朝ぁ……?」

 布団の中でもぞもぞと蠢きながらそう呟いた。
先日は学校から特例で休日となったけれど、後日からは通常通りの運営となっている。
さやかは混濁した頭で、もう一日くらい休ませてくれよと思った。
そして思い出した。昨日、何があったのかを。

さやか「……」

 目が覚めた。
だが、気分は最悪だ。
自分のしたこと、吐いた思慮の浅い言葉が光景と共に頭に浮かんできた。
運よく見回りをしていた早乙女先生に見つかり、
かずみから逃げおおせたことはともかく、自分は杏子を売った……あいつとは因縁があるというだけで、
仲間とか友達とか、そういう関係ではないと思う……――本当にそうだろうか? 
杏子は自分が苦戦した呉キリカを倒し、自分を別の場所に連れて――
 違う。あれはあいつのエゴだ。あいつがさやかと戦いたいという理由だけでそうした。
同情なんて、する価値のない奴なんだ……。


 そのとぉり!
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/01/07(土) 11:29:09.32 ID:ft8utIWx0
さやか「え?」

 ふと、自分に賛同する声が聞こえたような気がした。
でも、周りを見ても誰もいない。空耳、幻聴……さやかは空笑いして立ち上がると、洗面所へ向かった。
顔を洗い、歯を磨き終えると、自分が少しだけだらしのない顔をしていることに気が付き――でも、一瞬だけ、ほんの一瞬だけ妖艶に微笑んだように見え――……しばらくして、両頬を両手で叩いた。自室に上がり、制服を着こんで髪を梳かす。

さやか「よっし! さやかちゃん完成!」

 といつも以上に自分を囃し立てる調子で言うと――


 リボンは良いのぉ?


さやか「え……?」

 また、声が聞こえてきた。

 さやかは周囲を見渡した。でも誰もいない……一体誰?


 折角かわいいリボンを買ってもらったんだからぁ、付けないと勿体ないよぉ? でないと恭介を誰かに取られちゃうかもぉ。


さやか「だ……誰……?」

 何処を見渡してもいない。
いや、そもそも声はどこからしているのだろう。いやに鮮明に頭の中に響いてくる。一字一句を逃さず自分は感じ取っている。



 そんなのどうでもいいじゃん。ほらぁ、リボン付けてぇ……そうだ、恭介を迎えにいってあげようよぉ! きっといつもと違うあたしたちを見てぇ、恭介ぇ、喜ぶかもよ?


さやか「は……? え……?」

 リボン? それどころじゃない。自分は今得体のしれない存在との対話を強いられているんだ、そんなこと気にしている場合じゃ……。

さやか「そう……かな……」


 そうだよぉ。ほらぁ、付けてみなってぇ。まどかみたいのも良いけどさ、あんたが可愛いと思うように付けてみなよぉ。


さやか「うん……」

さやか(恭介……喜んでくれるかな? いつもと違うって思ってくれるかな?)


 大丈夫だって! あたしが言うんだから間違いない!


 さやかは鏡に映る自分を丁寧に観察しながら、かずみに買ってもらったピンクのリボンを付け始めた。
付け終え、鏡に映った自分が、それなりによく似合っているのではないかと安堵し――

「へぇ、良く似合ってるじゃん。さすがはあたしぃ?」

さやか「うあぁ!?」

 急に、鏡の中の自分が喋った。

さやか「え……あ……」

「もう、そんなにびっくりしないでよぉ! さやかちゃんショックぅ〜」

 自分とは思えないほど甘ったるい声で鏡の中の自分は語る。
目元や口元まで、自分なのに妙に艶やかだから、さやかは別人が鏡に映っているのではないかとおもったけれど、それは紛れもなく自分だった。

さやか「あ……あんた誰よ!」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/01/07(土) 11:29:35.57 ID:ft8utIWx0
「あたしぃ? あたしは上条恭介が大好きな幼馴染の美樹さやかちゃんでーすっ!」キャピッ

さやか「はっははああああああああああ!?」

 鏡の中のさやかの言葉に悲鳴を上げた。

「ってそんなことよりもぉ! 早くしないと遅刻しちゃうよぉ? ほらぁ、恭介迎えにいってびっくりさせないといけないんだからぁ、早くぅ!」

さやか「い、いや、あの……」

 戸惑いながらも時間を確かめ、確かに、鏡の中の自分が言うとおり時間は押している。
でも恭介? 恭介の腕は完治したけれど、まだ足の怪我がある……退院はもう少し後じゃないのか?

「良いからぁ、ほらぁ、早く行こうよぉ」

さやか「う、うん……」

 どうしてか、鏡の中の自分が言う言葉には、逆らえなかった。
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/01/07(土) 11:32:27.59 ID:ft8utIWx0
あけましておめでとうございます>>1です
阿修羅をも凌駕する遅筆。
去年中に終わりませんでした。決して今年中に終わるペースでもありません。本当にごめんなさい
久しぶりに書いたら
ゆま枠がサキに取られ、ゆまは星になりました。ゆまはもう出せません。本当に申し訳ない
また、一か月後か、二か月後か、もっと早くに更新できたらなと思います。
では今日はここまでで
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage saga]:2012/01/07(土) 11:33:12.03 ID:ft8utIWx0
あとかずみですが
なんか面白くなってきました
里美んキレた
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/08(日) 03:29:21.10 ID:+FF8MJpi0
>>108
あけおめ。
いよいよ予防線を張り出したな(笑)

完結は来年でも再来年でもいいから
HTML化防止の為、2ヶ月に1回ぐらいは
SSが書けなくても顔出しぐらいしてくれ(汗)
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/01/26(木) 02:49:48.49 ID:nr9WEy0AO
かずみ凄い事になってきたな……
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2012/02/18(土) 00:00:07.67 ID:4jKLHmrx0
あげ
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2012/03/10(土) 03:02:54.34 ID:R7W/PYfV0
おーい2ヶ月経ったぞー
顔出しぐらいしてくれ〜
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/03/11(日) 16:44:12.86 ID:1Phno8UPo
動け、動いてくれ>>1



ここにはエクシアと!
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/03/14(水) 22:11:57.67 ID:0CJo42Ono
まだ〜?
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2012/03/15(木) 19:51:38.68 ID:0m8gcOs30
すまない
リアルが突拍子もなく忙しく
またなんだかまぁ性欲が止まらなくて構想に集中できておりません
先日買ったエクシアのイグニッションモードと共に来月こそ執筆できればと思います
今月はちょっと無理そうです
本当に申し訳ない
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/15(木) 23:33:52.84 ID:b5REbMvd0
作者キタ━(゚∀゚)━!!!!!
こちとらとしてはHTML化防止ができればよいので
気長にお待ちしております。
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2012/04/29(日) 04:49:39.49 ID:qyb9fgLq0
あげ
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2012/05/29(火) 18:55:37.10 ID:DF50MzqU0
おーい作者よずいぶんと経ったがどうする?
続ける気ならいいが無理だったら言ってくれ。

何にも反応が無いまま落ちるのは
去年から見てきた身としては辛いからな。
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