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愚地克己「……学園都市ぃ?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 03:15:08.35 ID:fdwndhSMo
バキ×禁書SSです

ピクル編の克己がかっこ良すぎたので立ててしまいました

日常パートと戦闘パートが交互な感じです
更新は最低限週に1回はしようと思っています
時系列は御坂妹達の辺からです
魔術サイドはあんまり出てこない予定です
文法には自信がありませんが、よろしくお願いいたします
克己はあんまり無双しません(克己の状態はピクル編の後)



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ワイ184cm95kgと嫁168cm50kg、某ファミレスへ入店→ @ 2025/07/28(月) 22:22:36.42 ID:7E/br4lG0
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【グラブル】ガイゼンボーガ「吾輩の、騎空団の一員としての日常」 @ 2025/07/28(月) 19:56:02.26 ID:1M+emLR40
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パンティ「ガーターベルト大丈夫かー」ストッキング「血が止まらないわー」 @ 2025/07/26(土) 02:27:49.65 ID:OmgbeFOdO
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うんち @ 2025/07/25(金) 23:18:36.55 ID:tsEvWZe2o
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天龍「イキスギィ!イクイク!ンアーッ!枕がデカすぎる!」加賀「やめなさい」 @ 2025/07/25(金) 19:40:58.85 ID:LGalAgLLo
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(安価&コンマ)コードギアス 薄明の者 @ 2025/07/23(水) 22:31:03.79 ID:7O97aVFy0
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ご褒美にはチョコレート @ 2025/07/23(水) 21:57:52.36 ID:DdkKPHpQ0
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 03:18:26.00 ID:fdwndhSMo
科学の象徴にして、実に200万人以上の人口を擁する学園都市

その都市の一角――

先日工事が完了したばかりのビルの、畳張りの一室で一人の男がたたずんでいる

男の名前は愚地克己、

身長186.5cm

体重116kg

ベンチプレス300kg、100mを10秒台で駆け抜けるという驚異的な体力の持ち主だ

だが、彼の恐るべきところはそれだけではない―――

"空手界の最終兵器"

"空手を終わらせた男"

その名が示す通り、彼のファイティングスタイルは空手、それも門下生100万人を誇る空手界最強と名高い神心会の現館長である

実の父、武神・愚地独歩を不意打ちの一撃で沈め、中国拳法の達人・烈海王をもってして、勝てるかどうかはわからぬとまで言わしめる武の化身

そんな男が学園都市にやってきたのは3日前、事の発端は愚地独歩の一言である
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 03:19:32.01 ID:fdwndhSMo
――

克己「何だよ親父……俺は今稽古で忙しいんだけど……」

独歩「克己ちゃんよぉ……学園都市って知ってるか?」

克己「科学の最先端ってやつだろ?夏恵さんと旅行にでも行くのかい?」

独歩「克己、実はお前に向こうのお偉いさんが熱烈なラブコールを送ってきててなぁ……」

克己「はぁ……?俺にぃ?断るわけには……?」

独歩「何でも、学園都市っつーのは案外治安が悪いって話じゃねぇか。そこでだ、まだ若えお前ならそういうやつの扱いにも慣れてるだろって事らしい」

独歩「そいつとは古い知り合いだし、御老公の友人でもある、頼む!俺の顔を立てると思って協力してくれや!」

克己「はぁ……わかったよ、親父」

独歩「ありがとよ、俺はいーい息子を持ったぜ」

独歩「それとな、ここだけの話――――」

―――
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 03:22:04.82 ID:fdwndhSMo
克己(超能力……ねぇ……んなもんがあるとは思えねぇが……)

独歩から聞いた話はにわかに信じられるものではなかった
能力をもった人間を育成――そんな物が教育プログラムに組み込まれているとはとても信じられなかった

実際、克己がこの学園都市に越してきて3日目、能力者どころか、治安が悪いと聞いていたわりには1回も絡まれる事すらない
克己は徐々に武者修行のつもりで自分がここに来たのは間違いではなかったのか、と思い始めていた

克己(親父に言って加藤か末堂と変わってもらうか……腕が鈍っちまうぜ……)

日課となったスーパーへの買出しを終え、克己が道場への帰路に着こうとしたとき――――

ピクルとの死闘を通じて大きく成長した克己の武道家しての勘が、異変を察知した
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 03:24:24.91 ID:fdwndhSMo
克己(おかしいぜ……強めの香水……乱れた頭髪……体臭……タバコ……垢のたまった爪……汚れた襟……無精髭……どこをどう見たって飲食に関わる人間じゃねェ)

克己(なのに……男から漂う不自然な―――)

―――脂と―――金属の匂い―――

重心から察するに―――ベルトの右側
歩き方から推理した物の大きさは恐らく刃渡り30センチは超えているだろう
更に、インクの強い香りが混じるのは刃を包む新聞紙からか

それ以上に克己が警戒していたのは、確信にも似た直感

克己(この男―――必ずどこかで抜く―――!!)

克己の背後には、帰宅中の少女が2人、キャイキャイと声を立てながら歩いている
男とすれ違い、殺気を感じ取った克己が素早く振り向いた時―――
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 03:25:46.33 ID:fdwndhSMo
克己「喝!!!!!」

女子中学生の頚動脈に向かい振られていた牛刀がその軌道をずらし、浅く肩を切りつけるだけに留まる

「さ、佐天さん!!」

驚きのあまり腰を抜かした中学生に、もう片方の少女が駆け寄っている

「でけぇ声ダシやがって……外れちまったよ……頚動脈を狙ったのによう……」

よほど邪魔をされた事がいらついたのか、男の殺気が完全に克己へと向けられていることを確認すると、克己の顔にうっすらと笑みが浮かぶ

克己「……アンタに手加減はしないぜ」

駆け寄った少女は牛刀を構えるその男の顔を見て、ある情報を思い出していた
男の名は三村雄希、LEVEL3の身体能力強化の能力者で、指名手配されている犯罪者―――罪状は連続殺人―――
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 03:27:25.45 ID:fdwndhSMo
――偶然現場に居合わせた風紀委員(ジャッジメント)の少女は語る

初春「ええ、驚きましたね、それと同時になんとかしなきゃって」

初春「相手は身体能力強化の能力者、それもLEVEL3ですよ?しかも凶器まで所持していたんです」

初春「対して、男性の方は丸腰で、能力者でも無さそうでしたから」

初春「ええ、圧倒的って言うのはああいう事を言うんでしょうね……」

初春「え?犯人のほうが圧倒的だったかって?」

初春「いえいえ、牛刀を持って襲い掛かった三村の腕を出すね、こう」

初春「はい、丸腰の男が打ち払ったんです」

初春「それで刃物を落とした瞬間にですね、正中線っていうんですかね?」

初春「膝、水月、喉……そ、それと、あの……金的を……あの片足でこうバキバキっと……」

初春「……ええ、凄かったですね。あれはもう人間業じゃ無かったですね」

初春「膝は変な方向に折れてるし、失禁していましたし、口からは血を吐いてるし」

初春「今は白井さん――ああ、ジャッジメントの同僚の方が取り調べを行ってます」

初春「そこまで悪い人には見えないんですけどねぇ……」

――――
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 03:30:21.13 ID:fdwndhSMo
黒子「はー……くたびれましたの……」

初春「あ、白井さん、お疲れ様です。何かわかりましたか?」

黒子「そうですわね、男の名前は愚地克己、しんしんかいという組織に所属しているそうですわ」

黒子「職業は……空手家らしいですの」

初春「空手家……いまどきそんな人っているんですねぇ……」

黒子「学園都市に来たのは3日前、学園都市に来るまでは東京にいたそうですわ」

初春「東京ですかぁー」

話し込む2人の少女の後ろで、キィーっと扉が開く音が響く

克己「もう帰ってもいいかい?」

ジャッジメント支部の奥、取調室から先程まで取り調べを受けていた男がぬっと姿を現す
元々大柄な男だが、膨張した筋肉により、より一層大きく見える

黒子「駄目ですの、取調べが終わるまではここに居てもらいますわ」

克己「マジかよ……」

黒子「さぁさ、早く何の能力者かお吐きになりなさいな。隠しても得はありませんわよ?」

克己「だからぁ、能力者って何なんだ?んなもん初めて聞いたぜ?」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 03:32:29.91 ID:fdwndhSMo
佐天「あのー……」

初春「あ、佐天さん、もう大丈夫ですか?」

克己「お、怪我は大丈夫かい?」

佐天「はい……あの、あ、ありがとうございました!」バッ

克己「矛を止めると書いて、武と読む。争いを止めることと解釈するってな」

佐天「へー……かっこいいです!すごく!」

黒子「そうですわね、言っている事は正しいかもしれませんわ。……ですが!」

黒子は目をカッと見開き、自身より数段大柄な克己へと抗議を開始する

黒子「右膝開放骨折、肋骨骨折、睾丸破裂!相手は能力者で武器持ち、緊急を要する事態だったといえ、明らかにやりすぎですの!いかなる理由があろうと犯罪行為は――」

黒子は半身になり、克己に見せ付けるように自身の服の袖をグイっと引っ張り――

黒子「ジャッジメントですの!!」

克己「……お約束ってやつ……?」

佐天「……言わないであげてください……」

黒子「とにかく、申し訳ありませんが何らかの指示があるまで帰すわけには行きませんわ」

克己「わかったわかった、悪かったよ。何日でも気が済むまで調べてくれまったく」

己の体を鍛えることで、髪の毛からつま先までを兵器とかす武術サイド
脳を解明することで新たな力を得る事を目的とする科学サイド
2つの道が交差するとき、新たな物語が幕を開ける――――!!

刃牙外伝 克己SAGA〜学園都市編〜 第1部完
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 03:35:51.41 ID:fdwndhSMo
先日の、三村の騒動から4日後
ようやく家に帰る事を許可された克己は、行きつけとなったスーパーで夕飯の買出しを終え、足取りも軽く道場へと向かっていた

克己(ったく……毎回こんな眼にあうんじゃあ、武者修行どころじゃねぇぜ……)

いつものように道場のドアを開け、屋内に入ろうとした時―――
克己は道場に何者かの気配を感じ取っていた

克己(気配は……1つ、そこまで強そうな感じじゃねぇ。場所は……)

克己は気配を感知した場所のドアを開け放つ
そこは、普段自分が鍛錬を積んでいる場所であり、克己にとっては自分の部屋とも呼ぶべき場所である

男「お待ちしておりました、Mr.克己」

部屋の中には、黒いスーツに身を包んだ男が一人
この黒服に身を包んだ男が誰なのか、何の用でここへ来たのか――
そんな事は今の克己にはどうでも良かった、ただ、克己は猛烈な怒りに震えていた
それは、勝手に道場に侵入したなどということではなく―――
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 03:37:51.46 ID:fdwndhSMo
克己「道場では靴を脱がんかぁ!!!」

空手家にとって、ある種の聖域とも呼べる道場に、土足で上がっていたこと
その事に克己は腹を立てたのだ

男「申し訳ありません……っと、これでよろしいでしょうか?」

克己「ああ……で、何の用だ」

男「私は、貴方をこの学園にお呼びしたものの使いでして、今日は貴方にあるお話を持ってまいりました」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 03:39:07.77 ID:fdwndhSMo
―――

克己「はぁ?教師ぃ?」

男の誘いに克己は露骨に嫌そうなオーラを醸し出す
もともと武者修行のつもりでやってきたのだ、下手な社会的な身分など無いにこしたことはないだろう、と考えていたためだ

男「はい、その通りです。もともとあなたをお呼びしたのはこの都市の治安の改善が目的だというのはお父上からお聞きになられましたか?」

克己「ああ」

男「では、この都市は学生が8割を占めているという話は?」

克己「……初耳だな、若いやつが多いとは思ったが」

男「ええ、神心会100万人を統べるあなたに是非、教師として教鞭をとっていただきたいと思いまして。
  スケジュールですが、そうですね、ある学校に臨時の教師として行っていただきたいと思っております。もちろん報酬はそれなりの額をお約束いたします」

克己「あのなぁ……悪ぃけど、断るぜ。正直言って今は強いやつと戦う以外、興味がねぇんだわ」

男「そうですか。ですがこちらとしては、是非あなたにしていただきたいのです。興味がわきましたらここにご連絡ください」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 03:40:48.19 ID:fdwndhSMo
男が差し出した名刺を克己は無言で受け取る

この時点で克己には、この話を受ける気など毛ほども存在していない

だが次に男が口から放った言葉――――

「このお話をうけていただけるならば、学園都市の誇る超能力者(LEVEL5)との戦闘の場を設けさせていただくことも可能である、と伝えておきましょうか……それでは……」

この言葉が、克己を大きく揺れ動かす事になる

そしてこの先、克己は大きな事件へと巻き込まれていくことになるが、今はまだ誰も知らない―――
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 03:43:43.84 ID:fdwndhSMo
翌日

克己は、普段は着ないスーツに身を包み、ある建築物の前で誰かを待っていた

理由は簡単

克己は昨日受け取った名刺に書かれていた番号に連絡をしていたのだ

彼が臨時で行く事になった学校は、現在彼の目の前に建っている棚川中学と呼ばれている学校

克己(棚川中学ねぇ……教える科目は……)

教える科目は体育となっている

これは克己の予想通りではあった

だが、さっそく今日から顔を出せ、これは予想外であった

だからこそ、彼はこうして慣れないスーツ姿で、学校からの迎えを門の前で待っているのだ
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 03:45:37.74 ID:fdwndhSMo
「すいません、愚地克己さんでしょうか?」

克己「あ、ああ、はい。そうです」

校長「私、この学校で校長をしております。以後お見知りおきを……」

克己「ご丁寧にどうも……」

校長「ささ、どうぞこちらへ」

校長と名乗る男につれられ、校舎内へと迎え入れられた克己は、道すがら校長に向かい、いくつかの質問をなげかける

克己「あの、俺はいったいどんな事教えりゃいいんですかね?」

校長「克己先生に一任するようにとの事でしたので、球技なんかを中心にやっていただければいいと思いますよ」

克己「はぁ……」

校長「克己先生には1年生を教えていただきます、担任にもなっていただくようにとの事でしたので……」

克己「はぁ……はぁ!?」

校長「ああ、着きましたここです、ではよろしくお願いしますよ、克己先生」

克己(まじかよ……聞いてねえぞ……つかこれ、結構やべぇんじゃないかい……?)
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 03:47:15.22 ID:fdwndhSMo
佐天「ねぇねぇ、初春ぅ、新しい先生ってどんな人なんだろうねぇ」

初春「どうなんでしょうねぇ……優しい人だといいですね」

佐天「初春の頭に毎日お水をあげてくれるような人ならいいね!」

初春「んなっ!!何言ってるんですか佐天さーん!!」

級友1「しっ!新しい先生が来たみたいだよ!」

耳を傾けてみると、確かに廊下を歩いてくる足音と話し声が聞こえてくる
初春と佐天はその声を聞いた時、どこかで聞いた事があるなとお互いに顔を見合わせた
緊張しているのか、その声の主は廊下で若干ドアを開けるのにもたついた後、勢いよくドアを開けて教室に入ってくる

克己「えー、どーも初めまして、今日から担任を勤めさせていただくことになりました、愚地克己と―――」

その顔と眼が合った瞬間、佐天は小さく「あ」という声を発し、初春は「い」と息を呑んだ
そして数秒の停止の後

佐天・初春「えええええええええええええええ!?」

克己(まじかよ……)

こうして克己のもう一つの戦いが今幕を開けた!
頑張れ克己!戦え克己!いけいけ僕らの神心会!!

克己SAGA〜学園都市編〜 第2部 完
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/07/20(水) 03:48:43.85 ID:W04rf1Eao
わりと期待出来るかも?
ちゃんと書ききってね
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/07/20(水) 03:49:05.64 ID:52lyR7Awo
誰も隻腕に触れないのはなんでなんだぜ
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 03:51:52.95 ID:fdwndhSMo
今日は眠いのでここまでで打ち切らせていただきたいと思います

ラストまでの構想は一応できてるので、完結目指して頑張りたいと思います

20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 03:52:46.26 ID:haEF02NIO
そこにはッッ学園都市の技術でリアル多関節になる克己の姿がッッ

克己「もう二度と自爆なんてしないよ」


期待してます
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 06:08:29.92 ID:VN9RW3l60
朝からおもしろいもん読ませてもらった
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/07/20(水) 06:43:30.15 ID:wLaFw+wAO
どーしても読みてースレに出逢っちまった
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 10:37:55.66 ID:XRCndabIO
多分ピクル戦直前とかなんじゃね
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 11:33:57.68 ID:5H41CQbIO
細かいこと言っちゃうと克己って養子だよね?

まあそんなことより期待してる!
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 12:36:39.07 ID:zpnwLlVDO
このカツミンは木原神拳使えんの?(中の人がひろし的な意味で)
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/20(水) 14:23:13.29 ID:v5L9UvQro
やろうと思えばできんじゃね
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2011/07/20(水) 14:45:55.35 ID:xCaeGlKAO
>>25
真マッハ打ちで…
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/07/20(水) 14:47:08.53 ID:Q2XGp/Jj0
ピクルにぶつけた「当てない打撃」とか、木原神拳の最終形態だろ。
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/07/20(水) 18:27:02.68 ID:VAzS2Hczo
サクサクで面白かった
完結まで頑張ってほしい

あと木原神拳の話題は経験上10割方荒れる
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 18:52:09.91 ID:cs6MZzX+o
HRが終わった教室の一角で、克己達3人はクラスの人間に取り囲まれ質問攻めにあっている
以前は何をしていたかや年齢、趣味、隻腕の理由なども聞かれたが、質問の中心になっているのはやはり

級友1「で、初春たちと克己先生はどういう関係なんですかぁ?」

佐天「だーかーらー!危ないところを助けてもらっただけって言ってるでしょー」

初春「そうですよー、私達も知らなかったんで驚いてるんですよう」

級友1「せんせー、ホントですかー?」

克己(中学一年なんて赤ん坊に毛が生えた程度だと思ってたが、最近の子供はませてんのかねぇ……)

克己「そーそー、んな事よりさっさと次の授業の準備した方がいいんでないかい?」

級友1「せんせー、次体育ですよー?」

キャー、エッチー!などという声が教室から上がる

克己「ああ、そうか。悪い悪い。着替えたら校庭に来てくれ」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 18:54:09.13 ID:VN9RW3l60
ktkr!
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 18:55:20.13 ID:cs6MZzX+o
――着替え中

級友1「いやー、しかしかっこいい先生だねー。ありゃー涙子達が惚れるのもわかる気がするよ」

女子更衣室では、いつものようにガールズトークが繰り広げられている

佐天「んな!何言っちゃってんのあんたはー!」

初春「確かにあんな助けられ方したら、惚れちゃってもしょうがないですよねー」ニヒヒ

佐天「違うって、ほんとにそんなんじゃないよ!ただ―――」

佐天(無能力者であそこまで強いのは、憧れちゃうなって……)

級友1「ただ?ただ何ー?」

佐天「ただあの筋肉はやばいでしょ……」

初春「……スーツの上からでもモコモコしてましたよね……」

級友1「……体育、厳しくなきゃいいけど……」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 18:57:05.55 ID:cs6MZzX+o
グラウンド

克己「改めてよろしくな。さてと、今日の授業は……体力測定、かな?」

クラス中からえー!というブーイングの声が上がる

克己「終わったら好きなことさせてやるから、今日は頼むよ」

生徒達は渋々といった感じで各自指示に従い測定を始める
そんな中で克己はある欲求に駆られていた

克己(……そういや、最後に100m走なんかを測ったのはもうずいぶんと前だな……今ならどれくらいのタイムが出せるか……)

あの頃から、克己は何度も敗北を知り、挫折し、そして己を磨き続けてきた
それの1つの結果として、タイムを持って推し量れるのなら――――

佐天「克己さん……一応、クラスの皆終わりましたけど……」

克己「そうかい……佐天さん、だっけ?一つ頼みがあるんだが―――」

今まさに、棚川中学に伝説が生まれようとしていた―――!!
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 19:00:19.37 ID:cs6MZzX+o
佐天「準備はいいですかー?」

クラスの全員が見守るなか、100m走のスタートラインに克己は立っていた
鍛え抜かれた、まるで鋼を思わせる肉体は隻腕であることに一切ハンデを感じさせないものだった

克己「いつでもいいぜ」

克己は、スターティングブロックに脚をかけ、クラウチングスタートの体勢をとる
ミシリ、と音速の蹴りを産む脚が軋み、よりくっきりと筋肉が体表に浮かび上がる―――

佐天「よーい!!」

パァンという火薬の炸裂する音と同時に、地面を揺るがすようなドンという音が辺りに響く
克己は――スタート地点のすぐ先でよろけるような体勢になっていた
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 19:03:04.96 ID:cs6MZzX+o
級友1「あはははははは!先生何やって――」

克己の姿に笑っていた生徒達だったが、スタート前とは明らかに違う、グラウンドの状態に気付いたとき、笑うものはいなくなっていた
スタート地点に杭で打ち込まれていたスターティングブロックはひしゃげて何mも向こうに弾き飛ばされている
更に眼を見張るべきは、スタート地点の惨状だろう
スタート地点には小さなクレーターのようなものが出現していた
後に棚川クレーター事件と呼ばれるこの事件、唯一の目撃者である生徒達は科学の町で起きた非科学的な出来事をただただ見つめる事しかできなかったという―――

克己SAGA〜学園都市編〜 幕間 完
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 19:04:38.60 ID:cs6MZzX+o
克己「ったく……やっと終わったぜ……」

夕方、本日の仕事を終えた克己は、誰に聞かせるでもないがそうぼやく

克己(さっさと帰って、今日のメニューをこなすかぁ)

慣れない仕事で若干気疲れはしているが、克己はそれでも日課の鍛錬を怠る気などはない
女や酒に現を抜かす事はあっても、他人にはない戦闘センスや才能を有していても、克己は根の部分、武術に対しては非常にまっすぐな男なのだ
ましてや、ピクルに敗北し、隻腕になってなお、以前より高みを目指す今の克己には鍛錬を怠るなど考えられない事である

「あ、あの!」

足早に校舎を後にした克己に、背後から声がかかる

克己「君は……」

佐天「こ、こんばんは」

声の正体は、佐天涙子
以前暴漢に襲われたところを克己が間一髪で助けた少女だ
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 19:07:35.76 ID:cs6MZzX+o
声の正体は、佐天涙子
以前暴漢に襲われたところを克己が間一髪で助けた少女だ

克己「佐天さんか、何か用かい?」

佐天「いえ、あの……一度、ちゃんとお礼を言いたいなぁと思って……」

克己「お礼……ああ、んなもん別にいいぜ、気にすんなよ」

佐天「ほんとにありがとうございました!」

長い黒髪が乱れるのも構わず、勢い良く頭を下げる涙子を見て、克己は苦笑する

佐天「それで、あの、よろしければ、ちょっとお伺いしたい事があるんですけど……」

克己「聞きたい事ねえ……ま、ここじゃあ何だ、場所を移そうぜ―――」

学園都市に最近建造されたビルの内部―――
神心会館学園都市支部道場の一室で、道行く会社員や学生を眺めながら克己は佐天涙子の話を聞いている
彼女の話した事は、自身が無能力者である事や、幻想御手の事、詳細を書くとかなりの量になるが―――

どうすれば、強くなれるか―――強くなりたい

この一言に纏められるだろう
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 19:09:57.63 ID:cs6MZzX+o
克己「なるほどねぇ……」

佐天「もう、嫌なんです。自分に力が無くて、誰かが傷つくのは……」

佐天「おかしいですよね、幻想御手に手を出して、あんな事になって……もうズルはしない、努力しようって決めたのに」

佐天「どんなに努力しても、能力測定の結果で0っていう数値を見るたびに自分が否定されてるような気持ちになるんです」

佐天「自分は……どんなに努力してもLEVEL1にすらなれない、最初から持たざる者なのかなぁ……なんて考えちゃって……」

克己「……それで、弟子入り―――うちに入門したい、ってことかい?」

佐天「……はい」

克己「そうだな……1つ言っておくが、武術は逃げ場所じゃねぇぞ?」

佐天「……え?」

克己「能力者になれないなら武術家でいい、そんな生半可な気持ちじゃ絶対続かねえ。それに、普段なら入門希望者を拒むような事はしねぇが―――」

克己「俺はここに営業で来てるわけじゃない、今は育成に裂いてやれる時間も、気もねえぜ?」

佐天「っ……」

さっきまでの悲痛な表情はさらに重たいものになり、目尻にはうっすらと涙が浮かんでいるように見える
そんな少女の様子に、少し罪悪感を覚えるがそれでも克己は続ける
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 19:10:50.43 ID:cs6MZzX+o
克己「なるほどねぇ……」

佐天「もう、嫌なんです。自分に力が無くて、誰かが傷つくのは……」

佐天「おかしいですよね、幻想御手に手を出して、あんな事になって……もうズルはしない、努力しようって決めたのに」

佐天「どんなに努力しても、能力測定の結果で0っていう数値を見るたびに自分が否定されてるような気持ちになるんです」

佐天「自分は……どんなに努力してもLEVEL1にすらなれない、最初から持たざる者なのかなぁ……なんて考えちゃって……」

克己「……それで、弟子入り―――うちに入門したい、ってことかい?」

佐天「……はい」

克己「そうだな……1つ言っておくが、武術は逃げ場所じゃねぇぞ?」

佐天「……え?」

克己「能力者になれないなら武術家でいい、そんな生半可な気持ちじゃ絶対続かねえ。それに、普段なら入門希望者を拒むような事はしねぇが―――」

克己「俺はここに営業で来てるわけじゃない、今は育成に裂いてやれる時間も、気もねえぜ?」

佐天「っ……」

さっきまでの悲痛な表情はさらに重たいものになり、目尻にはうっすらと涙が浮かんでいるように見える
そんな少女の様子に、少し罪悪感を覚えるがそれでも克己は続ける
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 19:11:45.14 ID:cs6MZzX+o
克己「……それに武術の、いや、戦いの世界に足を踏み入れるってのは――」

克己は、ピクルとの戦いで失った腕をポンポンと叩いてみせる

克己「こうなるかもしれないって事だぜ」

佐天「……すみません、今日はもう帰ります……ありがとうございました……」

克己「そうかい……もう遅いから、タクシーで家まで送ってくぜ」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 19:13:14.56 ID:cs6MZzX+o
―――車内

佐天「あ、ここです、あの……ありがとうございました、それにすみませんでした。貴重なお時間を頂いちゃって」

申し訳なさそうに微笑んではいるが、内心無理をしているのは嫌でも克己にはわかっていた
くるりと踵を返し、歩き出そうとする少女に――

克己「待ちな」

克己は声をかけていた
同情からではない、これは、彼女の話を聞いた時から克己が決めていたこと――

克己「漠然と力が欲しいじゃなくて、何のために力が欲しいか、力を得たら失うかもしれねえ物だって沢山あるだろ?そういうのを自分で考えて、それでもいいっつーなら――」

克己が渡したのは、自分のアドレスと電話番号がかかれた一枚のメモ帳

克己「武術をやっても一定以上には強くなれねえやつも沢山いる、ま、よーく考えて決めりゃいいさ。そんじゃあ、また明日な」

走り去っていく車を、涙子は渡されたメモ帳を握り締めながら見送る
頭の中はごちゃごちゃとした感情が渦巻いていたが、それでも彼女は少し前に歩き出せた気がしていた―――
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 19:14:34.41 ID:cs6MZzX+o
克己(かー……柄でもねーことしちまったな……)

道場に帰ってきた克己は、一人で晩飯の弁当をつつきながら今更どうしようもない事を考える
教える時間も気もない―――正確には無かったというのが妥当だ
だが、散々自分でも悩み、試行錯誤をし、それでも壁にぶち当たってしまった少女を、克己は見捨てる事はできなかった
己の性格の甘さには以前からほとほと嫌気がさしているが、どうにもこればかりは治らない
そんな反省会を繰り広げていると――
不意に克己の携帯電話が鳴り響く

克己(随分と決断するのが早いんだな……)

克己は、電話の相手を佐天涙子だと判断し、通話ボタンを押す
だが―――
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 19:16:28.46 ID:cs6MZzX+o
「はーい!クソどもヤロウども、こんにちはー!」

聞こえてきたのは、やけに明るいハイテンションな見知らぬ女の声

「今日は―――」

克己は、悪戯電話か間違い電話だと判断し、一方的に切るとまた食事を再開する
しかし、間髪入れずにまた電話がかかってくる
番号は先ほどと同じ

克己(めんどくせぇ……ほっときゃ切れるだろ……)

30秒――1分――2分―――

電源を落としても良かったが、一言文句でも言ってやろうと克己は渋々電話を取る

「こらー!何勝手に切ってんだこのヤロー!!」

克己「誰かと間違えてるんじゃないですかね?それじゃ、切るぜ」

「んなワケないでしょー!愚地克己、アンタに話があるから電話してんのよ!あっ、カツミンって呼んでいい?ていうか呼ぶから!」

克己「……誰だてめえ」

「電話にすごまないでよ、カツミーン!アンタの携帯に地図送っといたから、確認してそこに行ってねー!向こうの連中には話しつけてあるから」

克己「連中だぁ?」

「アイテムっていう連中、アンタの今日の仕事仲間だよー!資料も一緒に送っといたから確認しといてねー」

克己「はあ?」

「そんじゃー頑張ってねー!あ、怖くなかったらでいいよ。じゃーねー!」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 19:17:59.58 ID:cs6MZzX+o
一気にまくし立てると、電話の女は一方的に電話を切る
克己はよく状況が飲み込めていないが、とりあえず言われたとおりに携帯を確認してみる
添付資料つきのメールが2件
1件には、どこかのホテルの地図が記載されており、ご丁寧に行き方まで示されている
もう1件は、恐らくアイテムと呼ばれていた連中の資料だろう
歳若い女の資料が4人分送られてきている

克己(意味わかんねぇ……だが―――)

ここに行けば、強い獲物にありつけるかもしれない、いや、きっと自分の想像も及ばない人間がいる
克己は、何か確信めいたものを感じていた―――

次回――!武術家VS能力者の異種格闘戦の火蓋が切って落とされる!!

克己SAGA〜学園都市編〜 第3部 御坂シスターズ編開始
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 19:26:17.91 ID:cs6MZzX+o
今日はここまでです
もしかしたら夜にもうちょっと続きを投下するかもしれません
克己って独歩の事親父親父言ってるから養子って設定ですけど、この呼び方でいいかなーと
隻腕に触れないのはこう……気を使ってるというか……
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/07/20(水) 19:40:08.60 ID:VAzS2Hczo

本人かどうかわからないから鳥付けた方がいいよ
あとメ欄にsaga付けないと一部の単語が変換される。sageとも併用できる
[切腹]
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/07/20(水) 19:44:27.31 ID:i7OuwR4+0


カエル医師なら腕治せそうだけどな
もしくは高性能な義手
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 20:05:42.06 ID:dsndSi3xo
なにこれ面白い
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 20:46:16.75 ID:zpnwLlVDO
刃牙SSはあんまり数は多くないけどハズレが少なくて良いな
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 21:02:05.03 ID:SmwMRUZDO
再生治療ならともかく義手は絶対なさそう。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/20(水) 21:58:34.83 ID:kngYQIdk0
戦いの結果なわけだし再生治療とかも無いんじゃないかなぁ、と思ったけど、考えてみれば独歩はちょん切られた腕を繋ぎなおしたことがあったな。
その辺のアウトとセーフのラインは、割と個人個人で違いそうだ。
しかし、思いっきり暗部に名前を知られてるのね、克己。誰かの差し金だったりするのだろうか。
勇次郎ならアレイスターと知り合いでも驚かんけど克己にちょっかい出すとは思えないし、ご老公あたりか?
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/07/21(木) 00:34:57.42 ID:iAb75QNy0
>>1
 おいおい初春が烈さんポジかよ
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/21(木) 01:00:42.33 ID:R2U5ggruo
>>46
バキスレで「saga」という単語を目にするとなんかこう...
54 : ◆JUf5fVneqA [sage saga]:2011/07/21(木) 01:32:25.76 ID:Rl5ftmflo
とあるホテルのロビー
アイテムと呼ばれる組織のメンバーが、飛び入りで入った仕事に飛び入りで参加するという男の到着を待っている

絹旗「しかし、超急に助っ人が入るだなんて、いったいぜんたいどういうことなんでしょうね?」

アイテムの主要メンバーにして、まだまだ幼いという印象が拭い切れない少女、絹旗最愛が口を開く
外見とは裏腹に、彼女は「窒素装甲」という攻守を一手でこなせる強力な能力を保持している大能力者(LEVEL4)である

フレンダ「結局、使えるやつなら何でもオッケーって訳よ」

金髪碧眼の美少女、フレンダ=セイヴェルンが帽子を指でクルクルと弄びながら、適当な相槌を打つ

麦野「残念だけど、来る男はLEVEL0らしいわよ。ま、壁くらいには使えるんじゃない?」

フレンダ「LEVEL0かー、期待はずれって訳よ……」

しれっとした顔で恐ろしい事を言い放ったのは、麦野沈利
学園都市に7人しか存在しない超能力者(LEVEL5)の第4位、つまり学園都市で4番目に強いとされる能力者である
能力名は「原子崩し(メルトダウナー)」、原子を不安定な状態にし―――早い話がビームを放つ能力だ
彼女は普段から頼れる存在であり、この組織、アイテムのリーダーでもある

滝壺「北北東から筋肉が来ている……」

電波全開な事を口走ったのは、滝壺理后
彼女は、「AIM追跡」という能力の保持者であり、文字通り相手を地の果てまで追い詰める、アイテムにおいて換えのきかないキーメンバーでもある
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/21(木) 01:35:49.29 ID:Rl5ftmflo
絹旗「はぁ……滝壺さんは超相変わらず……でも、超使えないフレンダより超役立たずなやつだったらどうしましょうね」

フレンダ「絹旗、ひどくない?」

麦野「ま、あまりにもひどかったら、ブ・チ・コ・ロ・シ・カ・ク・テ・イ・ネ!☆」

絹旗(麦野は相変わらず超恐いですね……)

「悪い悪い、ちぃーっと道に迷っちまった」

アイテム「―――!!」

声のした方向に、アイテムのメンバーが一斉に振り返る
気配も何も感じなかった事にも一同は驚いたが、それ以上に驚いたのは―――

片腕は欠損しており、服装は胸に神心会の刺繍が施された空手の道着に黒帯を締めた時代錯誤ともコスプレともとれる克己の恰好に、である
56 : ◆JUf5fVneqA [sage saga]:2011/07/21(木) 01:37:42.59 ID:Rl5ftmflo
フレンダ(うわっ、結局使えなさそうって訳よ)

麦野(壁にくらいはなりそうじゃない、戦闘では使えなさそうだけど)

自身が持っていたイメージと大差が無かったので、麦野とフレンダは特に落ち込む事も無かった
しかし、絹旗最愛は―――

絹旗(超空手バカ一代って感じですね――それにあの超筋肉!超腕太え!超丸太ぁ!!超強そうじゃないですか!!)

キラキラとした目で克己を見つめていた

克己「アンタが、麦野さんかい?俺は愚地克己、よろしくな。……それでよぉ―――」

―――ここに来りゃあ、強えやつと戦えるって聞いたんだが、本当かい?―――
57 : ◆JUf5fVneqA [sage saga]:2011/07/21(木) 01:39:27.45 ID:Rl5ftmflo
アイテム「ッッッッッ!!!!」

アイテムのメンバーは、克己の放つ闘氣で、ぐにゃあっと景色が歪んだような錯覚を覚えていた
チリチリと肌を焼かれるような感覚
ホテルのボーイは不思議そうにこちらを眺めている

麦野「あんた……今ここで八つ裂きにされたいの?」

最初に動いたのは麦野沈利だった
克己の襟首を掴むと片腕で吊るし上げ、怒りを極限まで抑え込んで克己に話しかける

麦野「リーダーは私。勝手な事しないでくれない……?」

通常であれば、麦野の想定外の怪力と能力に恐れをなし、謝るか命乞いをするかのどちらかである
しかし、今相対している男は、武の化身、愚地克己―――!!
一見麦野に有利に見える状況だが、実はこの時点で彼女は大きなミスを犯している
彼女が仕掛けた場所は既に、愚地克己の技の射程圏内―――!!!!!
58 : ◆JUf5fVneqA [sage saga]:2011/07/21(木) 01:41:18.90 ID:Rl5ftmflo
麦野「何とか言―――」

ギリリッと音を立て、万力の如く力で麦野の細い手首が克己に締め付けられていた
ミシミシと骨の軋む音、麦野は堪らず克己から手を離す

麦野「グッ―――ッッッ―――!」

もう少し克己が力を込めれば、麦野の手首は簡単に潰れるだろう

克己「…………まだ、やるかい?」

克己には、今の状態から麦野を壊す事は非常に容易いことである
目潰し、膝の破壊、人中・水月などへの攻撃―――
思いつくだけでもざっと数百通りは羅列できる
強敵を求めここに来た彼にとって、電話の女が喚いていた仕事の事など実際問題どうでもいいのだ
確認をしたのは、問答無用で攻撃を加えなかったのは―――やはり彼の性格の甘さと、相手が能力者とはいえ女性である、という事に原因しているだろう

麦野「テ、メェ―――!!!」

麦野の能力は強力だが、演算に若干時間がかかる等の弱点がある
妙な素振りを見せれば、この男は躊躇無く攻撃を加えてくるだろう
そして、それはおそらく自身にとって致命傷になる―――
59 : ◆JUf5fVneqA [sage saga]:2011/07/21(木) 01:43:13.28 ID:Rl5ftmflo
絹旗「麦野!」

突然の出来事、自分達のリーダーがLEVEL0の男に圧倒されている状況に唖然としていた絹旗が正気を取り戻し
窒素装甲を発動させ、腕を大きく振りかぶり、克己を横から全力で殴り飛ばす

克己「――――ッッッッ!!」

鈍い音と、強い衝撃が克己の体を駆け抜ける
コンクリートをブチ抜く絹旗のパンチを直撃し、咄嗟にガードしたものの、克己の体は宙を舞いホテルの壁に叩きつけられた

フレンダ「あーあ、結局任務の前に殺しちゃったって―――」

克己「いって……花山さんほどじゃねぇが……いーいパンチだぁ」

克己はこの一撃で、完全に戦闘モードに切り替わった
眼前に立ちはだかるのは、自身が求めていた強者であると彼は認識したのだ

フレンダ「なっ……」

目論みが外れたフレンダは、目の前の人外とも思える人間に思わず後ずさりをする
絹旗も同様に、全力の窒素パンチをお見舞いしたはずが、立ち上がってくるLEVEL0の男に驚きを隠せない
それどころか、目の前の男は逆に闘志を燃やしているとさえ思える

克己「感謝するぜ親父、こんなおもしれー所に来させてくれてよぉ」
60 : ◆JUf5fVneqA [sage saga]:2011/07/21(木) 01:44:23.67 ID:Rl5ftmflo
アイテムVS愚地克己
すでに始まっていた戦闘を収めたのは、今まで静かに見守っていた少女の言葉だった

滝壺「むぎの、仕事しないと怒られちゃうよ」

滝壺「ふれんだと、きぬはたも」

麦野「ちっ……命拾いしたなぁ、この租チ○野郎!」

絹旗「麦野、超お下劣です」

克己「はぁ……もうやらねぇのかい?」

フレンダ「結局、ただの戦闘狂って訳よ」

アイテムの面々は、服についた埃をパンパンと払い、外に止めてあるキャンピングカーへと向かう
61 : ◆JUf5fVneqA [sage saga]:2011/07/21(木) 01:46:05.93 ID:Rl5ftmflo
克己(そういや、仕事の仲間だの何だの言ってたか……)

滝壺「大丈夫、あなたは強いから一緒に来て」

フレンダ「結局、人手は多いほうがいいってわけよ」

滝壺「いいよね?むぎの」

麦野「好きにしな」

絹旗「自己紹介や仕事の内容何かは移動中に超説明しますので、といっても資料を受け取っているでしょうが」

克己「なぁ、その仕事とやらについていきゃあ、あんたらより強いやつに会えるかい?」

滝壺「それは、わからない。でも、電波がきている」

麦野「ごちゃごちゃ言わずについてきなさいよ、行ってみればわかることでしょ」

克己(妙な雲行きになりやがったな……まぁ、いいかぁ。駄目ならこいつらに頼んで手合わせしてもらえばいいだろ)

能力者の力を実際に体感!!さらにアイテムの面々の仕事に同行する事になった克己!!
次回――!克己の前に、強敵は現れるのか―――!!

克己SAGA〜学園都市編〜 第3部 御坂シスターズ編 8月19日@ 完 
62 :>>61訂正 ◆JUf5fVneqA [sage saga]:2011/07/21(木) 01:47:08.51 ID:Rl5ftmflo
絹旗「何してるんですか、超早く着いてきてください」

予想外な絹旗の言葉に、克己は電話の女が喚いていた事を思い出す

克己(そういや、仕事の仲間だの何だの言ってたか……)

滝壺「大丈夫、あなたは強いから一緒に来て」

フレンダ「結局、人手は多いほうがいいってわけよ」

滝壺「いいよね?むぎの」

麦野「好きにしな」

絹旗「自己紹介や仕事の内容何かは移動中に超説明しますので、といっても資料を受け取っているでしょうが」

克己「なぁ、その仕事とやらについていきゃあ、あんたらより強いやつに会えるかい?」

滝壺「それは、わからない。でも、電波がきている」

麦野「ごちゃごちゃ言わずについてきなさいよ、行ってみればわかることでしょ」

克己(妙な雲行きになりやがったな……まぁ、いいかぁ。駄目ならこいつらに頼んで手合わせしてもらえばいいだろ)

能力者の力を実際に体感!!さらにアイテムの面々の仕事に同行する事になった克己!!
次回――!克己の前に、強敵は現れるのか―――!!

克己SAGA〜学園都市編〜 第3部 御坂シスターズ編 8月19日@ 完 
63 : ◆JUf5fVneqA [sage saga]:2011/07/21(木) 01:53:49.82 ID:Rl5ftmflo
今日はほんとにここまでです
この辺は時系列にある程度沿って進めていこうと思います
結構色んなキャラと絡ませて行く予定です
ていうかむぎのんの口調難しい……
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/21(木) 11:31:44.64 ID:J/6MF6sDO
乙です。
ピクル編の克己カッコいいよね。
普段は立ち読みで済ますけど、そこだけ単行本買ってしまった。
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/21(木) 11:35:21.91 ID:fBWZhRoA0


滝壺さん筋肉も受信するのか……
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/21(木) 23:49:31.79 ID:7pJ/EMwDO
なんだかんだで刃牙勢の中では克巳って数少ない良識派だよね。
刃牙は梢江とSAGAった辺りから露骨に性悪人間になっちゃったし
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/22(金) 01:09:09.93 ID:1SH64Pfs0
美琴相手の防衛戦か。
しかし、だれがなんだって克己を暗部送りにしたのやら。
戦った末に死ぬならともかく、[ピーーー]ために戦うってのを認めるタイプじゃないと思うけどな、克己は。
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/22(金) 18:05:53.08 ID:0BrSuqW10
死刑囚では不十分だった何でもありの実戦(喧嘩)の怖さを克己が覚える為に独歩が手配したのじゃないか。
ピクルと戦った後の賢者モードの克己だと他者に興味が無いとか無さそう。教えを乞われれば、相手が本気で学ぶ気なら教えそうな雰囲気がある。
それより暗部への配備はピクルの野生に当てられ発散する事も出来なかった独歩達の方に必要な気がする。奴等を放置していたら街の喧嘩自慢が絶滅してしまう。
69 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/22(金) 23:21:28.66 ID:5gDdsTe4o
学園都市の暗部の組織、通称"アイテム"の所有するキャンピングカー
その車内で、克己に対して本日上層部よりアイテムに依頼された仕事の説明が行われている

克己「なるほど……つまり、その研究所ってのをブッ壊してるやつから研究所を防衛しろ、っつー事かい」

絹旗「超大雑把に言えばそういう事ですね」

フレンダ「どこの誰だか知らないけど、いい迷惑ってわけよ」

麦野「そいつをブッ殺せば、今日の仕事は晴れて終了ってこと。理解できた?」

アイテムの面々は、さっさとこの仕事を終わらせて帰りたい、そんな感情が表情に滲み出ている
だが、克己は―――
70 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/22(金) 23:23:24.82 ID:5gDdsTe4o
克己「……悪ィが興味ねェな。それに、んな仕事やる気にもならねー」

滝壺「どういうこと?かつみ」

滝壺が不思議そうな表情で尋ねて来る

克己「そいつが、弱いやつ……力を持たねェヤロウでも、問答無用でブッ殺すのかい?」

麦野「当たり前でしょ?研究所をぶっ潰してる目障りな奴がいる、だったらそいつを消してしまうのが一番早いでしょ」

麦野が何言ってるんだこいつといった表情で、それが当たり前といった口調で、克己の問いに返答してくる

麦野「もしかして、人間なんて殺せませーんなんて言うつもり?ハッ!暗部に落ちたクソ野朗が、今更いい子ぶってんじゃねえよ気持ちワリィ」

克己「強い奴なら戦う、俺の空手をぶつけてみたい。俺が今日ここに来た理由は、それだけだ」
71 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/22(金) 23:24:34.18 ID:5gDdsTe4o
―――武術は突き詰めていけば、人体をいかに効率よく、素早く、的確に破壊するかに行き着く
その武術を極めんと鍛錬を続ける克己であったが、麦野沈利との考えは一線を画していた
誰であろうと手早く殺害する、言わば殺す事に特化した麦野の考え方に対し、克己のそれは、純粋に戦闘を求める考え方―――
己の肉体を、武を、技術を、克己の人生とも呼べるそれらをぶつけられる、ぶつけてもいい相手でなければ戦闘を行わない
その結果としてどちらかが死に至っても、それは仕方の無い事―――

麦野「ホテルでの事があったから少しは使えるかと思ってたけど、とんだ甘ちゃんが来たものね」
72 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/22(金) 23:25:18.06 ID:5gDdsTe4o
確かに、麦野の考え方の方が今回の仕事には適した、言わばプロの考え方といえるだろう
今回の仕事―――
両者の考えの相違は、置かれている状況にも少なからず起因している
研究所とやらが破壊されたところで、克己には痛くも痒くも無い、全くの無関係なのである
これが、例えば彼を育てた母である夏江、彼を産んだ両親、これらや己に対するものであったなら、克己は誰であろうと培った武を行使したはずである
73 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/22(金) 23:26:38.97 ID:5gDdsTe4o
絹旗「しかし、今回の仕事ですが戦力を超分散して防衛に当たる手筈です。克己さんは誰と組むべきですかね?」

麦野「私は一人で十分、滝壺とは絹旗が、となるとフレンダと組むのが妥当じゃない?」

フレンダ「私は、この新人には結構期待してるってわけよ」

克己「ここまで来たら一応付き合うけどよぉ、強ェやつじゃねェと多分俺は何にもしねぇぜ?」

麦野「ま、邪魔さえしなけりゃ何でもいいわ。もともとアンタは戦力に数えてなかったしね」

滝壺「待って、私に考えがある」

滝壺の発言に車内が静まり返る

絹旗「これは超気になりますね、滝壺さんの考えを超教えてください」

滝壺「うん。かつみには、この車で待っててもらう。もし手に負えないような相手なら、救援を頼めばいいと思う」
74 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/22(金) 23:27:31.35 ID:5gDdsTe4o
絹旗「なるほど、それはお互いにとって超いい考えですね……」

麦野「着いてこられてやっぱり殺すなとか言われて邪魔されても困るしね。それでいいんじゃない?」

克己「はいはい、それじゃあ俺はいっちょ待機させてもらうとしますか」

滝壺「大丈夫、強い人と戦うことしか考えてないかつみを、私は応援している」

ぼーっとしているように見えて、案外頭の切れる、鋭い子だと克己は少し感心する

フレンダ「結局、目的地まではもう少し時間があるってわけよ!これは恒例の―――」

絹旗「超スーパー質問タイムですね!」

気まぐれな少女の発言で、克己はこの後想像を絶する質問攻めにあうことになった
確かに彼の風体は、見る人間の興味を誘うものだろう
75 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/22(金) 23:28:43.52 ID:5gDdsTe4o
フレンダ「新人は普段何をしてる人ってわけよ?」

克己「空手だよ、見た事あるかい?」

フレンダ「あちょー!ってやつ?聞いた事はあるってわけよ」

随分と抽象的な解釈だと思うが、この科学の都市――
いや、武術を嗜まない若者の間ではそんなものなのかもしれないと一人苦笑する

克己「ま、大体あってるんじゃね?」

フレンダ「ブラックベルトは空手マスターの称号ってわけね」

絹旗「超甘いですねフレンダ、今度空手バカ一代でも読んで超勉強してください」

フレンダ「結局それは漫画ってわけよ!」
76 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/22(金) 23:29:38.86 ID:5gDdsTe4o
麦野「つーか、何で右腕ないの?」

絹旗(超聞きにくい事を……でも、確かに超気になります)

克己「あー、戦って、負けて、食われたんだよ。ピクルってやつに」

麦野「何だそりゃ、食われたって虎とでも戦ったの?馬鹿馬鹿しい」

克己「例えるなら、恐竜ってところじゃねぇかな」

滝壺「恐竜は、絶滅してるはず。いたの?」

克己「例えだよ、例え」

そう、ピクルはあくまで白亜紀の無法の世界において、襲い来る強敵を倒し、奪い続けてきた男
弱肉強食、絶対の法則、神の定めた唯一の法律に逆らい続けた戦士―――

克己は、この学園都市で自分をもう一歩成長させる相手に出会える、そんな予感がしていた―――

克己SAGA〜学園都市編〜 御坂シスターズ編 8月19日A 完
77 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/22(金) 23:32:17.32 ID:5gDdsTe4o
短いですが今日はここまでです
投稿してから気付きましたが、sage忘れてました
やっぱりsageた方がいいんでしょうか?
土日で頑張って御坂シスターズ編が終わらせられたらいいなと思っています
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/22(金) 23:37:42.43 ID:U+PIa6hp0
>>1乙っっっ
ageてくれた方がいい来たのが分かるから





上条さんにマッハそげぶ教えてやってくれ
もし腕もげてもまた生えてくるし
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/07/22(金) 23:38:26.95 ID:PAuaC89Lo
あれは幻想がないと出来ない技だろ
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/22(金) 23:40:47.38 ID:U+PIa6hp0
>>79
幻想じゃねえ、妄想だ
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/22(金) 23:50:10.85 ID:iU8diVCIO

マッハそげぶで説教を極限までカットしたそげぶを連想した
上条「いいぜ!ぶっ[ピーーー]ッッ」
みたいな
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/22(金) 23:57:32.68 ID:U+PIa6hp0
>>81
それはもうそげぶとは言えないぜ……
マッハの速度で説教があってこそマッハそげぶだろ!?
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/23(土) 00:00:31.28 ID:uMy/bLk20
上条さんがバキキャラの戦闘力を身につけたらLv5は確実だな

板垣絵の上条さんとか考えたくねえ
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/23(土) 00:34:27.43 ID:rA1odC/X0
滝壺「私にいい考えがある」
85 :>>73訂正、滝壺と組んでるのはむぎのんだった ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 00:39:29.68 ID:PEvo66vno
絹旗「しかし、今回の仕事ですが戦力を超分散して防衛に当たる手筈です。克己さんは誰と組むべきですかね?」

麦野「滝壺は私と組む、となると絹旗よりも肝心なとこで使えないフレンダと組むのが妥当じゃない?」

フレンダ「ひどい……でも、私はこの新人には結構期待してるってわけよ」

克己「ここまで来たら一応付き合うけどよぉ、強ェやつじゃねェと俺は何にもしねぇぜ?」

麦野「ま、邪魔さえしなけりゃ何でもいいわ。もともとアンタは戦力に数えてなかったしね」

滝壺「待って、私に考えがある」

滝壺の発言に車内が静まり返る

絹旗「これは超気になりますね、滝壺さんの考えを超教えてください」

滝壺「うん。かつみには、この車で待っててもらう。もし手に負えないような相手なら、救援を頼めばいいと思う」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/23(土) 01:47:30.10 ID:8ducvdKDO
基本、刃牙キャラが学園都市にやって来た系のSSでは禁書側のキャラがほぼ噛ませか引き立て役になる法則
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/23(土) 01:54:52.66 ID:eNU7JPMDO
>>86 一方通行が渋川の合気にやられた?やられかけた?スレでそれ思ったわ
88 :眠くなかったので続き投下 ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 02:01:57.72 ID:TrnIEgpfo
――
―――
――――

絹旗「それでは、超非常事態の時には連絡しますので」

滝壺「むむむ、北西から電波が……」

フレンダ「結局、連絡先教えてもらわなきゃって訳よ」

絹旗「フレンダのくせに超いい事言いますね、では赤外線で超受信するので超送信してください」

克己「っと、これでいいかい?」

絹旗「超大丈夫です、超克己……登録、っと。では全員分の連絡先をお渡ししますので、超悪用しないでくださいね」

滝壺「大丈夫、この人はいい人だから、多分」

麦野「ほらほら、やる事が終わったならさっさと行くわよ」

フレンダ「結局、呼ばなきゃいけない事態にならなきゃいいって訳よ」

克己「ま、そうかもなぁ」

――――
―――
――

アイテムの面々が持ち場に向かい、彼一人となった薄暗いキャンピングカーの車内

克己「……暇だ、やっぱついて行きゃあ良かったぜ……」

そう呟いた克己は、未だ連絡のこない自身の携帯と睨めっこをしている
今回の彼女達の仕事で、研究所とよばれる施設を潰しまわっている標的が強者であるなら、彼に連絡を入れる
アイテムのメンバーの一人である滝壺理后の提案を受け入れた克己は、彼女達が出て行ってかなりの時間が経っているが、仕方なくこうして待機しているという訳である
89 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 02:03:45.64 ID:TrnIEgpfo
克己(はぁ……まるで、恋人からの連絡を待つ女にでもなった気分だぜ……情けねェ……)

克己は、事実ピクルと戦った時に感じた灼熱の瞬間を感じさせてくれる強者を恋焦がれていた
まだ彼がこの地にやって来てそれほど時間は経過していないはずだが、自身の周囲に居た強者達の顔が随分と懐かしく感じられる
"拳雄" 烈海王
"日本一の喧嘩師" 花山薫
"武神" 愚地独歩
"史上最年少のチャンピオン" 範馬刃牙
etc―――
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/23(土) 02:03:50.75 ID:o/dMTjnKo
言いたい事はわかるが刃牙キャラはギャグ漫画補正が掛かるからな
91 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 02:06:19.60 ID:TrnIEgpfo
浮かんでは消えていく顔ぶれに、何故か学園都市で出会った人間の顔も浮かんでくる
学園都市で初めて武を行使した相手、その時助けた少女とその友人達、自身が教える事となった生徒達―――
中でも、克己に弟子入りしたいと言ってきた少女の顔が特に印象に残っている
幼少時代はサーカス、独歩に養子として引き取られてからは武術一筋の生活を送ってきた克己とは、全く違うの人生を歩んできたであろう少女
克己は思う、きっとあの少女は自分の言葉を考えた上で決断し、克己は彼女に武術を教える事になるだろう、と

克己(甘い自分への言い訳じゃねェが、本気でやりてぇ、っつーなら別に教えるのも―――)
92 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 02:07:31.48 ID:TrnIEgpfo
物思いに耽る克己の横で彼の携帯電話が小さく震え、彼の携帯に電話がかかって来たことを告げる

『新人、聞こえてる?ちょっとやばい相手ってわけよ。大至急現場に来て欲しいってわけよ!』

克己「……おぅ、そいつは強ェのかい?」

『襲撃の犯人は第三位、超電磁砲……結局、第四位の麦野より序列は上ってわけよ。場所はわかるでしょ?』

第三位、超電磁砲
顔も本名も能力も知らない相手だが、克己はその報告を受けた瞬間、喜びに打ち震えていた
麦野沈利の能力を直接見た訳でも食らったわけでもないが、230万人の4番目というからにはやはり相当強いのだろう
その麦野よりも強い、230万人の3番目――――
今日出会える一番強い能力者は、第四位なのだろう、そう思っていた
よもや、こんな美味しい状況に巡り合えるとは――――
93 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 02:08:44.52 ID:TrnIEgpfo
克己「オーケイ、わかった。すぐに向かう」

『結局、麦野達にも連絡は入れたから、早く来ないと戦えないってわけよ!んじゃ、切るね!』

克己「あっ、おい、そいつはどんな―――切れちまいやがった」

特徴を聞いておかねば、わからないのではないか、克己はそう考えたのだが、現場はよほど緊迫した状況だったのか―――

克己(ま、いっかぁ……アイツらが戦ってる相手が第三位ってやつだろ、それより――)

急がねば、せっかくの強敵とのデートにありつけないかもしれない
克己は、地図でフレンダのいる施設を確認する

克己(よし、ここかぁ……待ってろよ―――!!)

克己は駆ける
夜道を、ただ一心不乱に、自身が待ち焦がれた強敵のもとに向かい―――!!
94 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 02:10:10.81 ID:TrnIEgpfo
―――研究施設

克己「オホウゥゥゥ、すっげぇ……」

襲撃を受けているという研究施設に辿り着いた克己は、目の前に広がる惨状に思わず息を呑む
コンクリートでできている施設は、まるで怪獣でも暴れたかのように半壊、ところどころに穴のようなものがポッカリと空いている
遠くで聞こえる、爆発音のようなものは戦闘が継続されているという証か

克己(出遅れたか……?くそっっっ……ま、今後のために能力ってのを見学させてもらうとすっかぁ、チャンスはまだあるだろ)

そう割り切ると克己は携帯を取り出し、自身に報せをくれた少女に電話をかけなおしてみる
95 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 02:14:09.63 ID:TrnIEgpfo
10秒――20秒――40秒――

克己(今戦ってんのか?……それとも、やられちまったか……)

そんな心配をしていると、ようやく電話が繋がり、少女の声が聞こえてくる

『イタタ……結局、麦野達が先に来たってわけよ』

克己「そうかい……無事なんだな?で、今どこにいるんだ?どうせなら戦いを見てみたいんだが」

『ちょっと負傷しただけって訳よ、現在地ね……とりあえず音のする方に行けば、いるって訳よ』

克己「了解……ありがとよ」

『お礼なんていいから、仕事が終わったら見返りとして何か奢ってくれればそれでいいって訳よ!』

克己「へーへー……」

克己(音のする方ね……成程、わかりやすいッッッ!!)

克己は、まるで秘密基地を見つけた子供のように、嬉々として破壊された施設内へと足を踏み入れていく

克己(今日は、いい日になりそうだ……)

遂に現れた強者――!!第三位、超電磁砲との戦闘を希望する克己だが……
次回―――!!強敵との戦いを望む克己の前にアイテムのリーダー麦野沈利の意地が立ちはだかる!!その時、克己のとった選択は――

克己SAGA〜学園都市編〜 第3部 御坂シスターズ編 8月19日B 完
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/23(土) 02:17:40.89 ID:en6QZWUAO
克巳にとって超電磁砲は直線的すぎて余裕で避けれそう。
砂鉄剣は論外だし、怖いのは広範囲電撃くらいかな。
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/23(土) 02:18:47.26 ID:o/dMTjnKo
98 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 02:19:10.56 ID:TrnIEgpfo
いい感じに眠くなったので今日はここまでです
なるべく禁書側があっさり噛ませ役にならないようにしようと思っております
毎回短くて申し訳ないです
では、また明日にでもー
99 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 02:25:22.06 ID:TrnIEgpfo
やばい、やってしまっていた
克己→克巳に各自脳内変換してください、申し訳ない
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/23(土) 09:49:32.39 ID:c+8y7OVf0
というか、門下100万人の空手道神進館代表を暗部落ちとかさせて大丈夫なのだろうか。
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/23(土) 12:10:36.32 ID:8ducvdKDO
グラップラー刃牙→格闘マンガ
バキ→格闘ファンタジー
範馬刃牙→ギャグファンタジー
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/23(土) 12:13:53.47 ID:7iTGD4myo
最初から今まで料理ファンタジーですよね
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/23(土) 15:42:06.05 ID:rA1odC/X0
スッ…カパッ…バクゥ…モニュ…モニュ…
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/23(土) 16:31:08.48 ID:HYGQQaxIO
サクッサクッ
105 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 17:55:11.82 ID:eIXmzJu6o
施設内へ足を踏み入れた克巳は、麦野沈利と第三位が戦っていたであろう空間を目指し歩を進めていく
つい先程まで響いていた戦闘の音はピタリと止み、施設内はほぼ無音と化している

克巳(決着が着いちまったのかねぇ……ついてねェ)

走りながら少し肩を落とす克巳の耳に、先程までは聞こえていなかった音が飛び込んでくる

「―――は、―――を連れて――」

克巳(女の声……?こっちか)

声を頼りに進むと、克巳は少々開けた、ところどころが酷く破壊された空間に辿り着いた
そして、その空間で見知った顔の少女が2人、声の主は彼女達なのだろう
106 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 17:55:59.03 ID:eIXmzJu6o
克巳「よっ」

片手を上げ、克巳は少女達―――麦野沈利と滝壺理后に近づく
こちらに気付いた少女達は、思い思いのアクションを取ると、克巳の方へと近づいてくる
だが、どうにも滝壺の様子がおかしい

克巳「そっちの女の子……滝壺さんだったか、怪我したのかい?」

滝壺「大丈夫、ちょっと消耗しただけ」

克巳「そうかい、だったら―――」

克巳としては、ここで第三位の居場所を教えてもらい、2人の少女は下がらせて、自分が第三位と戦闘に入るつもりだった
1対1、何者の邪魔も入らぬ空間での決闘、いや、ただの喧嘩というべきか
この少女達もそれを認めてくれる、そう思っていた―――

麦野「そうね、だからあなたは滝壺とフレンダを連れて撤退、絹旗が捕らえた研究者の移送の護衛をしなさい」

麦野の口から出た言葉は、克巳のそれとは180度異なる意見
107 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 17:57:46.08 ID:eIXmzJu6o
克巳「はぁ?」

麦野「アイツとの決着は私がつける、邪魔するっていうなら、ここで殺すわよ?」

麦野の目には、明確な決意が見て取れる
おそらくここで自分が反対しようものなら、すぐさま戦闘が開始されるだろう
克巳としては、それでも良かったが―――

克巳「はァ……どーしても、かい?」

麦野「どうしても。ホテルでは不覚をとったけど―――私の能力、ここで試してみる?」

克巳「……わかったよ、出遅れた俺にとやかく言う権利はねぇ、今回はアンタに譲る。戦うのは、アンタでいい」

ここまでの拘り、恐らく以前になんらかの因縁でもあるのだろう
ならばそれを、一種の決闘のようなものを邪魔する権利は自分にはない
―――克巳はそう判断した、それに―――
108 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 17:58:36.98 ID:eIXmzJu6o
麦野「ほら、さっさと滝壺連れて行きなさい、フレンダの居場所は滝壺が知ってるから」

滝壺「うん、むぎの、気をつけて。かつみ、案内するから着いてきて」

克巳「了解、っと……」

少女の先導を受けながら、克巳はチラっと麦野の方を振り返る
戦闘準備は万端、獲物を狙う狩人のような目で第三位がいるであろう方向を睨んでいる

克巳(おっかねェ顔だぜ……だが)

第三位とは、そこまでの相手なのだろう

克巳(ますますヤってみてェ……)

負傷したフレンダを回収した滝壺一行は、アイテムの仲間の待つもう一つの施設へと向かう
既に本日の戦闘を終えたような気分になっているアイテム一行だが、克巳だけは来た時よりも更に目に闘志を燃やしている
――策は、ある。後は上手く行くかどうか
克巳は最後まで諦めない
何故なら、彼は今日ここに、戦うために来たのだから―――
109 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 17:59:54.62 ID:eIXmzJu6o
絹旗「皆さん、こっちです、こっち。超遅いですよ、全く」

一足先に合流地点へと到着していた絹旗が、到着した克巳達一行に頬を膨らませながら文句を言ってくる

滝壺「ごめんね、きぬはた」

フレンダ「吐きそうって訳よ……」

絹旗「はぁ、フレンダはまた超失敗したんですか、人に超迷惑をかけるなって小学校で習いますよ」

負傷をしたという事で、大事をとって克巳が背負って運んできた少女、フレンダを見て絹旗がいつものように小馬鹿にしたように言い放つ

フレンダ「ウップ……結局、新人の乗り心地は最悪って訳よ……」

克巳「わりぃな、さて―――」
110 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 18:01:16.05 ID:eIXmzJu6o
滝壺「?」

克巳「俺は、この仕事とやら、ここで降りさせてもらうわ」

絹旗「仕事はもう、超終わりかけですが?」

克巳「強ェやつがいたら、ヤってみてェ……それが武術家ってもんだ」

フレンダ「でも、今行っても麦野に八つ裂かれるだけって訳よ」

克巳「そうだな、邪魔をする気もねェ……っと、これだこれだ」

克巳は荷物を物色すると、一枚の地図を取り出す

克巳「第三位ってやつの目的は、あそこの破壊……だったよな。という事は、だ。目的を達成したにしろ、潰されたにしろ、今のヤツは撤退中、そういう事だろ?」

絹旗「……超納得しました。つまり、超待ち伏せして戦う、と」

フレンダ「そこまでして戦いたいなんて、結局ただの馬鹿って訳よ」

フレンダが呆れたように言う

克巳「これに命かけてるからなぁ……んー、逃走経路はどこが妥当かねェ……」

地図を見てしばし考える克巳の横で、少女達も同様に知恵を出し合う
111 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 18:02:41.36 ID:eIXmzJu6o
絹旗「そうですね……この辺りが超激熱だと私は思いますが……」

フレンダ「結局、どこでも可能性はあるって訳よ」

滝壺「……私にいい考えがある」

絹旗「おぉぅ……今日の滝壺さんは超冴えてますね……」

滝壺「かつみは、なるべく近くて施設の全体が見渡せる場所に行けばいい……地図で言うならこの丘になってる場所。施設はかなり壊れてるけど、電気とかは壊れてなかったし、施設の周りには外灯があるから見える……と思う」

克巳「出てきたやつを見つけたら全力で追いかけろ、って事か……」

絹旗「確かに、超一点張りをするよりは確率が高いかもしれませんね……」

恐らく、これ以上考えても、いい結論は出ないだろう
それに、もたついてまんまと逃げられましたでは、ここに何をしに来たのかわからない、ただの馬鹿になってしまう

克巳「よし……それで行こう。じゃ、気をつけてな」

フレンダ「第三位と戦いに行こうってやつが言う言葉じゃないって訳よ」

滝壺「気をつけてね、かつみ」

絹旗「骨は超拾ってあげますので、超安心してくださいね!」

克巳「あァ……じゃ、いろいろ世話になった」

フレンダ「最高級ランチを奢ってもらう約束があるから、死ぬのはそれからにするって訳よ」

絹旗「超フレンダァ!超何ですかそれは!一人だけ超ずるいですよ!」
112 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 18:06:15.92 ID:eIXmzJu6o
アイテムのメンバーそれぞれが、それぞれの言葉で克巳を送り出す
克巳は少女達に背を向けると、滝壺が指示をした場所に向かい、外灯に照らされた道を走っていく
車の発進する音、恐らく彼女達も残った仕事を終わらせるのだろう
天才空手家・愚地克巳
雄の体に、期待と興奮と、若干の緊張が湧き上がっていた

克巳(すっげ……まるで怪獣映画でも見ているよう――)

施設を近くで見渡せる小高い丘に到着した克巳は、目の前で起こっている不可思議な現象に目を奪われていた
施設内部より時折、天蓋を打ち破り青白い光を放つ光線が迸る
恐らくは、あれが麦野沈利の能力なのだろう
自身の知恵では到底理解できぬ……それを目の当たりにし、いや、それだからこそ、克巳はより一層ヤってみたい、そう感じていた
幼い頃に見た映画のような光景、それに心を奪われていた克巳を引き戻したのは、確かな異変
何が起こったかは定かではないが、克巳は一瞬で現実へと引き戻される
113 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 18:09:13.74 ID:eIXmzJu6o
―――克巳が知る由も無いが、それは紛れも無く、フレンダの置き土産を手負いの美琴が使用した証

しばしの空白、その間も研究施設の毛ほどの異変も見逃さぬよう注視していた克巳は、ある異変にいち早く気付いた
――――先程までは存在していなかった、施設より遠ざかっていく一つの影

克巳(見つけた――――ッッッッ!!!)

逃げられてしまわぬよう、見失ってしまわぬよう、それを捕捉した瞬間克巳は全力で駆け出していた
生徒も、アイテムも、仕事も、これからの事も、今はもうどうでもいい
今はただ、己の力を試してみたい
―――科学の都市・230万人の3番目に君臨する能力者にどこまで通用するのか

今はただ、ぶつけてみたい

―――俺の空手を―――

愚地克巳にとって忘れられない夜が、今幕を開けようとしていた―――

克巳SAGA〜学園都市編〜 第3部 御坂シスターズ編 8月19日C 完
114 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 18:10:24.79 ID:eIXmzJu6o
短いですがとりあえずここまで
これから用事があるので帰ってきたら続きを投下するかもしれないです
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/23(土) 18:16:12.52 ID:FXnuHpWO0


ついに戦闘か……
美琴の勝つ様が想像できない
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/23(土) 18:29:21.64 ID:zObWQxa/0
間合いを詰めずに遠距離からの飽和攻撃で範馬一族以外には勝てると思う。間合いを離されたら克己は打つ手が無くなる。克己が飛び道具の怖さを学ぶ回かも知れないぞ。
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/07/23(土) 18:29:32.43 ID:XkvmowLAO
美琴の眼球をくり貫け
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/23(土) 18:37:20.38 ID:ONWlN8xRo
美琴「とっくの昔に義眼じゃよ」
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/23(土) 19:02:41.92 ID:ITuCIvEDO
レールガンってどんだけ連射できるの?
弾幕はれるくらい?
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/23(土) 19:03:50.80 ID:0X1fXYD80
勇次郎や死刑囚ならいざ知れず、刃牙漫画で数少ない常識人っぽい克己が
疲労困憊の女子中学生に拳を向けるのが、そもそも想像が出来ないんだが…

実際に勝負になったら、美琴どころか上条さんやアックアあたりを相手にしても
普通に克己が勝ちそう…主に、作品の質というか属性と言うか、強さとは無関係な辺りが理由で
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/23(土) 19:22:34.81 ID:HYGQQaxIO
上条さんはチート補正だけだから技術には勝てないだろ
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/23(土) 19:39:07.94 ID:aiwpYEHro
とってもラッキーマンって漫画が昔あってな…結局チート補正が最強って訳よ
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/23(土) 21:11:14.83 ID:8ducvdKDO
結局主人公補正……だろ?
〜〜〜〜ッッッ!?
124 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 23:03:19.14 ID:s0oRxnYUo
美琴(危なかった……まさかあいつがいるなんて)

麦野沈利の圧倒的な攻勢を、フレンダの置き土産を使い上手く退けた美琴は、施設から随分離れた明かりの届かぬ闇の中を撤退しながらほぅっと息をつく
万全の体調であれば、ここまでの苦戦は強いられなかったのかもしれない
連日に渡る実験への妨害作戦が、予想以上に強かった金髪碧眼の女との戦闘が、美琴の能力を確実に弱体化させていた

美琴(くそっ……何としてでも、実験はブチ壊してやらないと……)

――――実験
正式名称「絶対能力進化」
樹形図の設計者の算出したプランに従い、現在の学園都市最強の能力者である一方通行をレベル6へと進化させる実験
実験内容は「20000通りの戦闘環境で量産能力者20000人を殺害する」というもの
上記だけでも、正気の沙汰とは思えない実験ではあるが、彼女――
第三位"超電磁砲" 御坂美琴がこの実験の妨害を行う理由は、良心以外の別の部分にもあると言える
それは、量産能力者が、彼女の体細胞を用いて作られたクローンである、という事に関係している
彼女は責任を感じているのだ、自分のせいで、クローン――妹達が殺害されて行く事に
125 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 23:04:49.39 ID:s0oRxnYUo
美琴(止めてみせる―――絶対に―――)

自身の決意を改めて確認し、闇に紛れて美琴がこの場を立ち去ろうとした時―――

「よお、やっと見つけたぜェ……"超電磁砲"ってーのはアンタだろ?」

美琴「!?」

美琴の背後から、見知らぬ男の声がかかった

克巳「お、その反応は、あってるって事かい?」

美琴「そうだけど、何か用でもあるの?ていうか、あんた誰よ」

克巳「俺は、愚地克巳、ここ風に言うと無能力者?ってやつだ。アンタ、強ェんだってな―――」

通常であれば、女性、しかも自分より遥か年下の少女に武を振るう。考えられぬ事だ
だが、克巳はホテルの一件と先程の戦闘を見た事で、この都市においてはそれは必要の無いこと、そう判断していた
全力で破壊するつもりは無い―――いや、きっと出来ないだろう
それでも克巳は、こう発言する
126 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 23:06:19.49 ID:s0oRxnYUo
―――俺と、喧嘩しようぜ―――

美琴「――――ッッッ!!」

美琴は感じ取っていた
男が構えた瞬間、明らかに雰囲気が変わったことを
この男が、牙を向いた事を―――

先に仕掛けたのは、美琴だった
克巳の風体から察するに、恐らく近距離での戦闘を得意とするパワーファイターと判断
後ろに跳び、大きく距離を取りつつ自身の能力を発動させる
127 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 23:07:36.22 ID:s0oRxnYUo
美琴(誰だか知らないけど、容赦はしない!)

疲労してはいるものの、無能力者であれば負けない、ある男を除いて負けるはずが無い―――!!
そう自負している美琴は、克巳に向かい数本の電撃の槍を放つ
光速で放たれるそれは、さながら闇を切り裂く光の槍が如く
美琴から迸ったその槍の内1本が――対峙する男・愚地克巳を貫いた
克巳の体が、青白い幾本もの光の柱に包まれ、軽く後ろに吹き飛ばされる

克巳「―――ガッ―――ッッッ!!」

美琴「―――やった、かな?」

美琴の電撃で吹き飛ばされた克己は、その威力もさる事ながら、とある事実を噛み締めていた
今まで、自身と同様に、武術家としか戦闘経験の無い克巳にとって、今宵の相手は全く異質―――!
ある程度まで接近する事ができねば、いくら鍛えぬいた武術家でも無力と化す
克巳は、それを認めた上で、克巳の才能は勝つための方法を模索し始めていた
128 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 23:09:14.84 ID:s0oRxnYUo
克巳(能力者か……怖ェもんだぜ、飛び道具ってのはよぉ……)

矢であれば、鉄砲であれば、克巳は受けきる、受けきってみせる自信がある
しかし、電撃は―――?
光速で放たれる電撃の槍、あれを掻い潜り、いかに接近するか
どんなに完璧に受けても、触れた時点でアウトなのだ
いかに自分の肉体を持ってしても、数秒は動きが止められる事は先程体験したばかりだ
それに恐らく彼女の能力はあれだけでは無い、少なくとも、あれが本気では無いはずだ
となると、どうすればいいか
―――撃たせない以外に方法はない
どんなに能力が強かろうと、撃たせなければどうという事は無いはず
129 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 23:11:05.90 ID:s0oRxnYUo
克巳(気配を断ち、闇に紛れ近づき、一瞬で決める――――)

―――能力者は、能力を使われる前に、できるだけ手早く倒してしまえばいい―――

この地に武者修行のつもりで来た克巳にとって、それは不本意な答えではあった
相手の能力を見て、その上で対処方法を決め、勝利する
それが理想の方法ではある
能力を使わせず、相手に本気を出させず、できるだけ一発で決める
眼前の少女に勝利するためのこの方程式は、学園都市、いや全ての戦いにおける最善の選択であるといえる

先程まで辺りを明るく照らしていた美琴の電撃は消え失せ、辺りにはシンとした闇が広がっている
放った電撃の槍は、全力には程遠い威力とはいえ、常人であれば動く事など不可能、悪くすれば致命傷になり得るという威力の代物
ただの無能力者があれを直撃し、立ってくるなど有り得ない
背を向けこの場を立ち去ろうとする、この時点で、美琴の中では勝負は決した―――筈だった
130 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 23:12:45.27 ID:s0oRxnYUo
「……よぉ」

後ろから、さっきよりも近くから、あの男の声が聞こえた
男の接近に気付くことが出来なかったのは、克巳の技量の高さにもあるが、美琴の油断にも原因があるだろう

美琴「―――な!?」

無能力者の筈だ、ただの命知らずの男のはずだ、あれを食らえば立ち上がる事はおろか、動く事などできないはず――――
だが現実に、自身の目の前に、あの男は立っている
黒ずんでしまった道着を身にまとい、平然とした表情で―――

美琴「―――っ痛ぅッッッッ!!」

振り向き、更なる攻撃を仕掛けようとした美琴の足に、克巳の拳が打ち込まれていた
夜光、伏兎、これらは両方大腿部前面に位置する急所である
この急所を克巳は、少女の細い足を壊してしまわぬよう、細心の注意を持って殴打した
足がしびれ、しばらくは歩く事もままならぬがそれに留まる、比較的安全と言えるこの急所を克巳が狙ったのは、彼ゆえの気遣いからか
女性の顔は殴れない、かといって胴には、男には無い重要な臓器がある
ましてや、相手はいくら能力者といえどまだ子供――――
131 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 23:14:13.60 ID:s0oRxnYUo
克巳「――――どうする?まだ――――」

予想外の展開――予想外のダメージ――予想外のこの男

それだけではない

一方通行に喫した完璧なまでの敗北――己の無力――止まらない実験――殺されていく妹達――

第三位といえど、まだ14やそこらの少女が抱えるには大きすぎた葛藤の数々
克巳がつけた、美琴のプライドへの小さな傷から、彼女が抱えていたそれらの感情が流れ出しだし―――

美琴に流れる血は、いとも容易くリミットを振り切った

美琴「―――ッッ何なのよ、アンタはああああああああああああああああああああ!!!」

克巳「〜〜〜〜〜ッッッッッッッ――――!!!!!!」
132 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 23:15:19.38 ID:s0oRxnYUo
10億ボルト
この数値は、美琴が発する事ができる最大出力の数値である
それは、雷の直撃にも匹敵する一撃
一瞬の眩い閃光と、電気が爆ぜる音
凄まじい光の奔流に飲み込まれた克巳の体に、今まで経験した事のないような電圧と、それに伴う膨大な熱、衝撃が襲いかかった―――

美琴「っはぁ……はぁ……」

美琴は、自身の行為を心の底から悔いていた
敵とはいえ、無能力者、生身の男である
あの電撃を直撃すれば、もう生きてはいまい―――
133 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 23:17:05.94 ID:s0oRxnYUo
ズチャ

ただでさえ疲労困憊、その上全力を出したせいで疲れきっていた美琴の耳にかすかだが、確かに足音のようなものが届いた

ズチャ

もう一度

ズチャ

更にもう一度
音は確かにあの男が吹き飛んでいった方向から聞こえてくる

美琴(嘘……でしょ?まさか……)

美琴は、電撃を発し、辺りを明るく照らし出す
そして―――
134 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 23:18:30.71 ID:s0oRxnYUo
美琴「―――ウ、ソ……」

克巳は生きていた
道着はすでに真っ黒になっており、全身に火傷を負い、口からは黒い煙を吐きながら、それでも確かに美琴の方角へと向かってきている
恐怖、だった
自身の全力をまともに受けたはずの、無能力者の男が、平然と行かないまでも立ち上がり迫ってくる
美琴は、ある男を思い出していた

『まじめにやっても、良いんかよ?』

美琴が始めて全力を出した人間
そして、平然と生き延び、敗北をも味合わされた男―――

美琴「っこの、化物ッッッッ――――!!」

汗ばんだ美琴の手はいつの間にかポケットに入れられており、その手にはコインが握られていた―――
135 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 23:19:50.61 ID:s0oRxnYUo
―――超電磁砲―――
御坂美琴が所持する能力にして、彼女の2つ名にもなっているもの
音速の3倍の速度で発射されるコインは、直撃した鉄橋表面を半壊させ、建設中のビルの鉄骨を20本程まとめて突き破って別のビルの壁にも亀裂を作り、
ビルに対して斜めに発射したものは弾道上にある壁や床や天井に直径2mの風穴を開けるなど、その威力は折り紙つきである

ピン、と親指で弾かれたコインは運動エネルギーを失うと万有引力に従い徐々に落下し―――
辺り一面に轟音を響かせ、克巳に向かい放たれる
通常であれば、反応する事などできない、出来るわけがない速度に達する超電磁砲に対し
克巳は破壊の流星と化したコインが放たれた瞬間、ある動きを見せていた―――
136 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 23:21:56.81 ID:s0oRxnYUo
―――蹴り足挟み殺し―――
克巳の持つ技術の一つであり、敵の打突を肘打ちと膝蹴りで挟み潰す、高等テクニックである

音速以上で飛来するコインを正確に挟み潰す、この行為に成功したのは、かなり両者の距離が開いていたことと、彼が常日頃から音速に親しんでいたためだろう
彼の体調が万全であれば、直線的な軌道を描くこの攻撃を、あるいは避ける事もできただろう
それでも、今の時点で克巳には、自身の身体もボロボロだが、それ以上にあの疲弊した少女に攻撃を加える自信は無い
彼女の限界が近い事を感じ取った克巳は、この勝負で彼女の全力の一撃を打ち破り、負けを認めさせる―――
それ以外に無い、と判断したのだ

美琴(ウソ!?止められ―――)

だが―――
137 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 23:23:26.71 ID:s0oRxnYUo
克巳(踏ん張りが――――ッッッッッ!!!!)

克巳は、コインを食い止めたものの、コインの持つ圧倒的な運動エネルギーにより大きく吹き飛ばされる
ようやく力の翻弄から解放された克己は、かろうじて意識を保ってはいるが、全身に襲う激痛からもはや動く事すらままならない

克巳(花山の打突―――ピクルの蹴り―――それ以上じゃねェか……はっ、すげェ―――)

敗れたことへの悔しさより、純粋に相手への尊敬の念が浮かんでくる
意識を失う直前、克巳の目には、電撃で辺りを照らし足をひきずりながらも自分を探す少女の姿が目に映る―――

克巳(いつもそうだ……俺って、肝心なところでいっつも、甘ェん……だ―――)

この夜、愚地克巳は敗北を喫した
しかし、これは学園都市における今後の彼の考えを大きく変える、価値ある敗北となる―――

克巳SAGA〜学園都市編〜 第3部 御坂シスターズ編 8月19日D 完
138 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 23:29:13.05 ID:s0oRxnYUo
この後また用事があるので今日はここまでです
克巳さんには今回は負けて学んでもらいました
色々おかしいかもしれませんが、そのへんは許してください
では、また明日ー
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/23(土) 23:31:35.82 ID:FXnuHpWO0
>>1乙っっっ

蹴り足ハサミ殺しとは予想外だった
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/23(土) 23:32:19.37 ID:aiwpYEHro
乙!佐天さんとの会話が楽しみなんだよ!
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2011/07/23(土) 23:36:58.75 ID:zYDBaq8L0
なんかバトルパート全般っつーか、克巳の行動がバキ本編のコピペにしか見えない
しかも克巳以外のキャラのも使ってるからか、凄い違和感がある(まだやるかい?とか)
禁書はSSしか見てないからどうこう言えないけど、クロスしてんだから、原作から無理矢理持ってくるってのはやめた方がいいと思うぞ
142 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/23(土) 23:48:27.16 ID:s0oRxnYUo
>>141
台詞は純粋に勘違いしてました
敗北を認めるかい、ですね克巳の台詞は
もう一度原作を読み直してこれからはご指摘いただいた所を気をつけたいと思います
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/24(日) 00:16:26.28 ID:J0YvtBJ+o
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [sage]:2011/07/24(日) 00:16:55.19 ID:Wa/imCMto
本編主人公補正とSS主人公補正、果たしてどちらが上か
145 :思ったより早く用事が終わったため続き投下 ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 01:12:05.87 ID:YVzb6IH0o
克巳(……あったけェ、ここはどこだ?)

先日、手痛い敗北を喫した克巳は見慣れぬ場所で目を覚ます
周りの風景や機械などから察するに、ここは病院だろうか

克巳(……はぁ)

克巳「あー、敗けちまったかぁ」

カエル医者「フフフ、どうやらそのようだね」

キィ、と扉を開けて入ってきた、着衣から察するに医者であろう人物が話しかけてくる

克巳「どうも……先生、俺はどのくらい寝てましたか?」

カエル医者「そうだね、君が運び込まれてきたのが、8月19日の夜だから、まる一日程かな。今は8月20日の夕方くらいだね」

ここで、克巳に一つの疑問が浮かぶ

克巳「運び込まれたって、誰が運んだんです?」
146 :思ったより早く用事が終わったため続き投下 ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 01:13:32.69 ID:YVzb6IH0o
カエル医者「さぁ……名前までは聞かなかったけど、茶髪で髪が短い女の子だったなぁ」

克巳(……あの子か……自分から吹っ掛けといて、負けた上に情けまでかけられるとはなァ……)

カエル医者「いやいやいや、しかし君の回復力は凄まじいものがあるね。確かにここの医療は発達しているけど、ここまでの患者は初めてだよ。打撲なんかはもう直りかけてる、あとは全身の火傷だね」

克巳「そうですか……あの、俺はいったいいつ頃退院できますかね?一応、仕事が……」

カエル医者「この調子なら、明日にでも一応は退院できるね。通院してもらうことになると思うけど」

克巳「明日かぁ……」

カエル医者「今日は安静にしといてね、それじゃ、僕は用事があるから」

克巳「どうも、お世話になります」

医者が出て行った部屋で、克巳は一人ボーっと何も無い空間を眺める
そういえば、教師として勤める事になった学校はどうなったのか、と他愛もない疑問が浮かんでくる

克巳(2日目から欠勤か……どうすっかなぁ……)

考えても仕方がない、今は寝て、体力を回復させよう
そう切り替えた克巳は、布団を被ると、すぐさま眠りへと落ちていった―――
147 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 01:14:40.27 ID:YVzb6IH0o
克巳(……何だ?)

睡眠から目覚めた克巳は、違和感を感じていた
誰かがいるような、見られているような、そんな感覚

克巳(……ま、あの先生だろ……ねみぃ……)

もう一眠りしようとした克巳の頬に、暖かい感触
そして――

「克巳さん……?」

聞いた事のある声に、克巳は慌てて上半身を起こす
148 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 01:16:36.04 ID:YVzb6IH0o
佐天「わっ……すみません、起こしちゃいましたか?」

克巳「あー、大丈夫大丈夫。それより悪かったな、今日休んじまって」

佐天「あ、いえ。爆発事故に巻き込まれて入院されたって聞いてたので。でも、あの、すごい怪我ですね……ほんとに事故、なんですか?」

克巳「随分男前になっただろ?ところで、どうしたいか決まったかい?」

昨日の出来事が、随分と昔の事に感じられる

佐天「……はい。私は教えて欲しいです、克巳さんに、空手を……」

克巳「そうかい」

佐天「考えました、何で強くなりたいんだろうって。……とても簡単な答えでした、私は守りたいんです、友達を、大事な人を」

佐天「私には、今は力もなければ、能力もない。それでも、私は守る力が欲しいんです」
149 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 01:17:54.44 ID:YVzb6IH0o
克巳「……俺は、今までの人生を武に費やしてきた、と思ってる。だが―――」

克巳「―――昨日、能力者にやられちまった。それでも……やるかい?」

佐天「……はい!」

克巳「そうか……じゃあ、能力者になるのは諦めちまったのか?」

佐天「能力者になれないから、武術家になる。そんなんじゃないんです、私は、能力者になる事も諦めません。でも、武術家にもなりたいんです」

克巳(……なるほどねぇ……)

逃げ道ではなく、同時に歩いていく道としての選択
克巳は少女が出した答えに、かなり関心していた

克巳「……佐天さんは、何でそこまで武術にこだわるんだ?」

佐天「え、えっと……その、……笑いませんか?」

克巳「笑わねェ、多分」

佐天「……かっこよかったんです、すごく」

克巳「…………フ、フハ、ハハハハハハハハ!」

佐天「ひ、ひどいですよ!笑わないって言ったじゃないですかぁ!」

克巳「ワリィ、うち―――神心会に入ってくるやつってのは、俺の親父、愚地独歩の伝説に惹かれて入ってくるってのが多いんだよ」

佐天「伝説……ですか?」

克巳「そーそー、虎殺しとか、そのへんな。最初は皆一緒だぜ、空手がかっこいいから、俺もそうだ。空手が一番だって思ってる」
150 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 01:19:25.46 ID:YVzb6IH0o
ふぅ、っと息をついて、改めて眼前の少女を見る
小さい肩――頼りない腕――細い脚――
それでも、目には何よりも強い決意が宿っている
この少女ならば、教えるに値するだろう、克巳はそう判断した

克巳「……よし、改めてよろしくな。そんで―――」

克巳「―――ようこそ、神心会へ」

両者の間でしっかりと握手が交わされる
元来、武術とは弱きものが強きものに対抗するための手段―――
この決断が、精神的に成長した佐天涙子を更に大きく成長させる事になるが、それはまた後の話である
151 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 01:21:07.65 ID:YVzb6IH0o
その日の夜遅く、殺風景な風景の部屋で、佐天涙子と、現在入院中の愚地克巳が会話をしている
今日はもう遅いので、涙子は特別に病院に泊まっていく事になった
そのため、就寝時間になるまでの間、こうして克巳と会話をしているのだ

佐天「あの……ところで、克巳さんが負けた相手って、どんな能力者だったんですか?」

克巳「そうだなァ……」

実際に見た情報、アイテムの面々から受け取っていた情報、それらを記憶から掬い取り、言葉にしていく

克巳「なんかこう、電気を使うやつだったな……」

佐天「電気……」

克巳「女の子で、茶髪で……髪が短くて……」

佐天「茶髪で短髪……女の子……」

佐天の頭には、この時点で一人の少女の顔が浮かびつつあった
そして、その疑問は、次の克巳の一言で決定的なものとなる

克巳「そうそう、第三位、確か超電磁砲って言ったか」

佐天「……え」

克巳「ん?どうし―――」

佐天「えええええええええええええええええええ!?」

その単語は、佐天涙子の親友であり、憧れの人間でもある、御坂美琴の2つ名―――
偶然か、それとも何者かが仕組んだ事か、どちらにせよ、克己は感謝せずにはいられなかった―――

克巳SAGA〜学園都市編〜 幕間 完
152 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 01:24:49.91 ID:YVzb6IH0o
今日はこれで寝させていただきます
クロスSSって難しいですね
おもしろくなるように努力していきたいと思います
ではー
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/24(日) 01:28:41.78 ID:XenCBp7A0
>>1乙っっっ


マッハ突きを体得しスカートに触れずに
初春のパンツを見る佐天さんか……腕が破裂するな
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/07/24(日) 01:28:48.53 ID:qPsRy/4AO
ソギーに空手習わせようずwwww
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/24(日) 01:31:08.49 ID:1DR95QFVo
独歩ちゃんなら電撃を廻し受けしちゃうんだろうなァ・・・
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/07/24(日) 01:42:50.74 ID:sm/vbROgo
電磁波レーダーは機能してなかったのか
気配を消してもどうにかなるようなもんでもないだろうに
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/24(日) 02:56:07.37 ID:/Naj6sSAO
疲労困憊かつ油断していたのだから別におかしく無いだろ
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/24(日) 03:22:15.63 ID:vgQL9hz90
電撃で照らして探すぐらいなら、電磁波レーダーの方がずっと…

まぁ、時々あるよね、美琴の電磁波レーダーが無いものとして扱われるSSってさ
その辺は、見なかった事にするのが人情ってものだろう
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/07/24(日) 08:18:31.29 ID:dtHawiRAO
見渡しのいい地下闘技場でガイアが消えるんだ…暗闇なら天才の克巳はレーダーに引っ掛からなくなるッ!

凄いね人体

そう考えて読んでます
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/24(日) 13:06:06.27 ID:weowBB7/o
レーダー使えるなら指向性マイクロ波照射すれば誰でも瞬殺…そう考えていた時期が俺にもありました…
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/24(日) 13:19:21.97 ID:w2mKsvvlo
レールガンも人間向けに手加減する為のものだったよな
何時の間にか最大火力みたいな扱いになってるけど
全力で電気出したら人体とか蒸発するレベルなのにな
162 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 13:45:03.64 ID:RRSi6SJno
佐天涙子が病室を訪れた、翌日
克巳は病室を後にすると、行く当てもなく適当に街をぶらつく
学校には一応、本日をもって退院すると連絡を入れたものの、今日は休んでくれて構わないという返答をもらったためだ

克巳(しかし、どうしたもんか……暇だぜ)

克巳は昨日、佐天涙子の携帯を介して行った、彼女――美琴とのやり取りを思い出す
163 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 13:46:08.23 ID:RRSi6SJno
――
―――
――――
佐天「あ、遅くにすみません……あの、今お時間をいただいても大丈夫ですか?」

『ええ、別に構わないけど……どうしたの?』

佐天「あのですね、私の知り合いで、どうしても御坂さんと話がしたいって人がいまして」

『ふーん……それってどんな人?」

佐天「えっと……あ、はい。今変わりますね」

克巳「よぉ」

『アンタ……!!何で佐天さんと一緒にいるのよ……!!』

克巳「色々あるんだよ、そんな事より、礼を言うぜ。昨日は世話んなったな」

『はん!仕返しがしたいってわけ?なら最初っから私のところに来なさいよ!』

克巳「そんなんじゃねェよ……随分勉強になったぜ」

『アンタ、佐天さんとどんな関係なのよ。言っとくけど、手ぇ出したらただじゃおかないわよ』

克巳「だから……ま、いいや。俺はアンタに聞きてェ事があるんだが、どっかで会えねぇかい?」

『へぇ……いいわよ、私もアンタに聞きたい事が沢山あるのよ』

克巳「どうも……いつならいい?」

『私はいつでもいいわよ?なんなら今からでもね』

克巳「そうだな、明日の……放課後はどうだい?」

『いつでもいいって言ってるでしょ。佐天さんから連絡先教えてもらって、都合のいい時に連絡してきなさいよ』

克巳「了解……悪いね、時間取らせちゃって」

克巳「……ふぅ、携帯、返すぜ。ありがとな」

佐天「いえいえ……あの」

克巳「?」

佐天「実は、最近御坂さん―――」

――――
―――
――
164 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 13:48:19.59 ID:RRSi6SJno
昨日の時点では、学校の仕事が終わってから連絡を取る予定だったが、随分とポッカリ時間が空いてしまった

携帯には、つい昨日佐天涙子から受け取った、御坂美琴の番号が映し出されている
だが、今かける相手は、御坂美琴ではない
克巳にはどうしても、美琴に会う前に確認しておきたい事があった、それは一昨日の仕事の目的―――
―――ではなく、その裏で見え隠れしていた、実験という単語の示すもの―――

克巳(……なるほどな、よし、次は……)

今度は、御坂美琴の番号へ電話をかける
もしかすると学校があるかもしれないという配慮のため、既に時刻は夕方を過ぎている

克巳(発信……っと)

1コール―――2コール目で電話が繋がる

『はい、もしもーし、どちら様で―――』

克巳「どうも……」

克巳の声を聞いた瞬間、明らかに電話の相手――御坂美琴の声の質が変わる

『アンタか……何?今からってわけ?』

克巳「そうして貰えるとありがたいが……学校はいいのかい?」

『私ほどの優等生になると、別にいいのよ』

ずいぶんと豪快な矛盾だと思うが、それならそれで克巳にとっては非常にありがたい

克巳「場所は……そうだな……えーと……」

『近くにある建物の名前言ってくれれば、こっちから出向くわよ、何があるの?』

克巳「えー、お、△△っつーでっけー建物があるぜ」

『△△ね……着いたらこっちからかけるから、じゃ』

そう言うと、電話はプツリと断絶する

克巳(まずは、誤解を解くところから始めなきゃいけねェのか……はぁ……)

嬉しいはずの再開を前に、克巳はどうしてもそれだけが憂鬱だった―――
165 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 13:49:41.87 ID:RRSi6SJno
ヴー……ヴー……ヴー……

克巳(……やべっ、つい居眠りしちまったぜ)

美琴から連絡が来るまでのしばしの間、そこら辺に設置されたベンチに腰をかけていた克巳は、夏にしては涼しい日だったという事もあり、ウトウトと居眠りをしてしまっていた
克巳を起こしたのは、一本の電話

克巳(相手は……御坂美琴……来たかぁ)

克巳「おっす」

『△△まで来たけど、どこに居んの?』

克巳「あー、近くにいるから、今から行くぜ」

『ふーん、あの日と同じ服着てるから見つけたら声かけてね』

克巳「了解」

すぐ目の前に指定した建物はあるが、このごった返している人間の中から彼女を見つけるのは骨が―――

克巳(……いた)

人よりも身長が高めの克巳は、案外簡単に美琴を発見する事ができていた
166 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 13:50:47.31 ID:RRSi6SJno
克巳「どーも……御坂美琴さん、ですか?」

こちらに気付いた美琴は、警戒心を剥き出しにして挨拶をしてくる

美琴「そうよ……っていうか、もう大丈夫なわけ?」

克巳「まあな……随分と男前になっちまったけど、それ位だな」

美琴「アンタ、頑丈な素材でできてんのね……」

美琴「っていうか、アンタ―――」

発言しようとした美琴を、克巳は指で制する

克巳「立ち話もなんだ……どっか適当な場所で話さないか?」

美琴「喫茶店、とか?」

克巳「人に聞かれて困る話じゃねェのかい?少なくとも俺はそういう質問をするぜ……っと、そうだ、そう遠くねェとこに俺の道場があるから、そこで話すか―――」
167 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 13:51:57.28 ID:RRSi6SJno
克巳の道場、先日佐天涙子と話をした一室で、今度は御坂美琴と話をしている

克巳「俺が淹れた玉露だ……中々ウマいぞ」

美琴「どーも……で、佐天さんとはどういう関係なのよ、アンタ何者?何であそこにいたの?」

克巳「……そうだな、佐天さんとは、教師と生徒ってところか」

この発言に、美琴は意味がわからないといった風な顔をする

克巳「学校の担任でもあるし、今度から武術を教える事にもなってる、わかったかい?」

美琴「……担任?……ふーん、ま、それは本人に聞けばわかることだし、別にいいわ。じゃあ、何であんたはあそこにいたの?」

克巳「あいつらの仕事に同行してたんだよ、ついて行きゃあ強いやつと戦えるんじゃねぇかって思ったからな」

美琴「だから、第四位とかと一緒にいたわけ?」

克巳「第四位……ああ、多分そうだ」

美琴「……じゃあ、最後の質問」

克巳「ちょっと待ってくれ、その前に1つ、俺の質問に答えてもらうぜ」

それは、一昨日の仕事に同行した時から、ずっと気になっていた事
アイテムの面々と行った際に小耳に挟んだ実験という単語

美琴「……何よ」

克巳「実験ってのは、いったい何だ……?」

美琴「……アンタには、何の関係も無い事よ」

克巳「……そうかい?一昨日の連中にも聞いてみた、だが―――」
168 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 13:53:44.54 ID:RRSi6SJno
――

麦野『へー、死んだかと思ってたけど、生きてたんだ』

克巳「そりゃどうも」

麦野『第三位には勝ったの?』

克巳「いや……負けちまったよ」

麦野『あっそ、で、何の用があってかけてきたの?報酬の相談?』

克巳「報酬ねぇ……報酬なんざいらねェが、ちょっと聞きてぇ事がある」

麦野『?』

克巳「実験てのは、あの研究施設で行われてたのは何だ?」

麦野『ハッ!それは教えるわけにはいかないねぇ!』

麦野『悪いことは言わないわ、これ以上首突っ込むのはやめときな。第一位が関わってる、本気で死ぬわよ?』

克巳「だったら、何であの女の子……第三位はあそこまで妨害に必死だったか位は教えてくれないかい?」

麦野『そうねぇ、妹達の事で責任でも感じてんじゃないの?』

克巳「妹達?」

麦野『これ以上言ったら、実験の事を言うのと同じだから言えないねぇ。でも、ほっておけばあの女はもっと苦しむでしょうね!アハハハハハ!』

克巳「そうかい……」

麦野『ハハッ!お前が正義の味方気取るつもりなら一つ言っといてやんよォッ!あのクソ売女に負けるようじゃ、第一位には相手にもならねえぞォッ!?
   ボロ雑巾みたいになるのが趣味のドM野朗っていうなら止めねぇけどなァッッ!!』

――
169 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 13:54:37.40 ID:RRSi6SJno
克巳「妹達―――実験―――第一位―――いったい何なんだ?」

美琴「……だからアンタには関係―――」

克巳「……佐天さんだ」

思い出されるのは、昨日の夜
美琴に電話をかけた後に、佐天涙子と話した内容―――

美琴「え?」

克巳「言ってたんだよ、最近、御坂さんの顔を見てないって。白井さんって人も、最近御坂さんに元気がないって言ってて心配だってな」

美琴「……はぁ……それを知って、どうするつもり?私にも勝てなかったアンタが、私が手も足も出なかった第一位に勝てるとでも思ってるわけ?」

美琴「ま、いいわ。アンタ、どうせ身体の半分くらい突っ込んでるようなものだし、教えてあげるわ。実験の事―――」
170 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 13:56:08.39 ID:RRSi6SJno
――――――――――

克巳「―――マジかよ、正気とは思えねェ」

美琴「この学園都市はね、能力者を作る事が目的なの、わかる?能力者の頂点に立つ第一位、そいつが更に上――レベル6になれるなら、そんな計画があるなら―――」

克巳「―――何で、相談しなかった?佐天さん、その他の子達、アンタはいい友人を持ってるじゃねェか」

美琴「無理に決まってるでしょう!アンタも少しでも関わったならわかるでしょ!?あの実験に関わってるのがどんな奴らか
   あの子達はみんな私の大事な友達よ?こんな危ない事に巻き込めるわけないじゃない!」

克巳「だったら、その妹達が全員で実験とやらを放棄すればいいんじゃねェのか?」

美琴「……あの子達はね、生まれた時から自分達の存在意義は一方通行に殺されること、そう教えられて育ってるの!
   わかる?自分の姉妹が殺されて、こともなげにしっかり殺されましたなんて言うのよ!?
   生まれたときから殺されるために生まれてきて、その目的以外の事なんて一切知らないの!
   ねぇ、あの子達が自分の事、何て言ってるか知ってる?実験動物、そう平然と言い放つの―――ッッ!」

目の前の少女――圧倒的な能力で、克巳を敗北させた少女が、悲痛な叫びをあげている
克巳には、どんな言葉をかければいいかすら浮かんでこない
171 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 13:58:00.65 ID:RRSi6SJno
克巳「だから、アンタは施設の破壊を?」

美琴「そうよ、たっくさん壊してやったわ、でも無駄だった……どんなに破壊しても、研究はどんどん鞍替えされていくの。
   遂に研究は外部の183もの研究所に引き継がれたわ、もう研究所を破壊して止めることは事実上、不可能になってしまった。
   グルなんでしょうね、理事会も研究所も、学園都市がこの馬鹿げた実験を主導してるのよ!学園都市っていう、巨大な相手を前に……私は、無力だった!
   今日も、妹達は殺されてるでしょうね。でもね!それをおかしいだなんて思ってるのは、それに心を痛めてるのは、私やその他本当に一握りの人間だけなの!」

美琴「だんだんね、こう思えてくるのよ、本当はおかしいのは私なんじゃないかって
   妹達がどれだけ殺されても、学園都市は平常運転、妹達ですら殺される事に何の疑問も感じてないの!
   気にしてる私が……おかしいんじゃないかって……
   どうすればよかったのよ……実験は止まらない!私は……どうすればよかったのよ……どうすれば……」

握り締めた手からは、血液がポタリポタリと滴っている
顔は俯いてしまっているため、確認することはできないが、恐らく泣いているのだろう
172 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 13:59:25.90 ID:RRSi6SJno
克巳「……その、第一位ってやつを、ぶっ倒す。それならどうだい?」

美琴「……それこそ、無謀ってもんだわ。アイツの能力知らないから言えるのよ。ベクトル操作って言ってね、こっちの攻撃は全て反射、とんだチート能力よ。でも―――」

美琴「この実験は、私が止める……とびっきりの方法があるの」

克巳は、美琴の目に見覚えのある決意を見ていた
その光は、女子中学生が灯すには、あまりにも悲愴な覚悟の証――

克巳「……死ぬ気、かい?」

美琴「……今日、施設に潜入して、気付いたの。この実験を演算した樹形図の設計者は既に失われている
   つまり、一度結論の出ている演算を狂わせてやれば?
   樹形図の設計者が演算ではじき出した結果より早く自滅してやれば、どう?
   再演算は不可能、演算の信憑性は地に堕ちる―――」

美琴「これはもともと、私のせいで始まった実験。なら、私が責任を持って止めてみせる―――どんな手を使っても、ね」

克巳「……」

美琴「……話し過ぎたわ、それじゃ、私は行くから。よく考えたら、アンタが何者かなんて、私にはもうどうでもいい事ね」

くすりと微笑んだ少女は椅子から立ち上がると、扉に向かって歩き出す
しかし、出て行く直前でクルリと振り返って―――

美琴「あ、それと……昨日はやり過ぎたわ、ごめんなさい。佐天さんの事、よろしくね。それじゃ」
173 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 14:03:46.49 ID:RRSi6SJno
美琴が出て行った道場には、克巳が一人取り残される
克巳の頭の中には、美琴の言葉が何度も反響している、だが―――

―――武術家にとって一番大切な事はなんだ―――??

独歩「そりゃお前、生き延びるってことだよ」

独歩「勝てる相手としかやらねぇ……って事よ」

ピクルと戦う少し前にかけられた、独歩の言葉が思い出される

克巳(……勝てねェ)

反射、そいつの能力を前に、美琴の光速の電撃すら通用しなかったのだろう、そんな相手に己の拳が届くのか
その能力は、武術家として、絶対に超えられない領域なのではないか、あの範馬の血ですら、もしかすると―――

克巳(勝てるからやる、勝てねェからやらない……親父も言っていた、当たり前の事だろ……ッッ!)

第三位にも不覚をとった自分が、それでも、それでも――!
気付けば、克巳は携帯を取り出し、御坂美琴へと電話をかけていた

『……何よ』

克巳「……実験場所ってのは、どこだい?強ェやつがいるんだろ―――?」

本当は、克巳も気付いている
今の自分にとっては強ェやつと戦いたい、それが詭弁、便宜上のスローガンである事に
死なせてしまっては、佐天涙子に顔向けができない
死なせてしまっては、再戦することすらできない
何より、死なせたくない、一人の武術家として、人間として、雄として―――
自分で喧嘩を吹っかけて、敗北した情けない自分の身を少しでも案じてくれた少女を―――

克巳(このままで、終われるかよ―――)

克巳「……よし、行くかァ―――ッッ!」

神心会館現館長・愚地克巳、全てを賭けて、第一位へと挑む覚悟を決める――!!
174 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 14:14:52.87 ID:RRSi6SJno
短くて申し訳ないですが、続きは夜に投下します
美琴戦は勢いでいっちゃったんで、ほんとに色々おかしいと思います
電磁波レーダーは……こう、油断してたのと、レールガンの後を辿っていけば簡単に見つかると思ったって事で……
全力の電撃受けて生きてたのは勇次郎の一件もあるし、バキ界の住人ってことで……
これからはちゃんと推敲します、はい。それではー
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/24(日) 14:18:42.48 ID:XenCBp7A0


意外に口の軽い美琴ちゃんでした
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/24(日) 14:29:14.14 ID:Vy+lO+nM0
克巳は当てない打撃のプロじゃないか
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/07/24(日) 14:30:37.90 ID:A8N2ehM/o
そういえば、神速で寸止め打ったら、木原神拳にならないだろうか
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/24(日) 14:33:47.49 ID:weowBB7/o
克巳の相性的には今の一位はやりやすいな(油断王的な意味で)
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/24(日) 14:36:21.57 ID:XenCBp7A0
>>177
克巳が使えたら一方さん
吹っ飛ぶだけじゃ済まないな
……もげるんじゃね?
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/24(日) 15:08:50.89 ID:yU/oZAVIO
反射から操作に切り替えられたら、木原以外は手も足も出なくなるんだよな。
ただこの時の一方通行は慢心王だから一撃で意識を刈りとればいけるかもしれん
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/24(日) 15:46:22.73 ID:6UGL4+hF0
ただ一撃必殺じゃないと勝ち目がないから戦闘シーンは間抜けな
一方通行が一撃でダウンして終わる情けない光景になるけどな
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/24(日) 16:24:02.03 ID:Q9K2yA3J0
一方通行がアホになるのはしょうがない
そうしないと無敵になっちゃう
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/07/24(日) 17:47:32.53 ID:Nxlgrpdbo
上条さんに右手でボコられ続けてるのにそれでも接近する頭脳明晰な一方通行がなんだって?
184 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:10:57.98 ID:6KqTmYoco
―――操車場

美琴(実験場所はここ……―――!?)

第一〇〇三二次実験の実験現場に黒猫とともに到着した美琴は目の前で起きている事態に目を疑っていた

一方通行「―――がァ――――ッッッ!!!」

彼女がよく知っているツンツン頭の男、上条当麻の右拳に学園都市の誇る最強の能力者、一方通行が殴り飛ばされていたためだ
克巳と別れた後、偶然鉄橋の上で会った少年
自身の計画を明かしたところ、計画を中止するために一方通行を倒すと宣言した少年が、一方通行に膝をつかせていた
185 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:12:10.46 ID:6KqTmYoco
条「いいぜ、お前が精一杯生きてるやつらを食い物にしていい、努力してる人間を嘲笑う権利がある、そう思ってるんなら――――」

一方通行「――――く」

美琴(あの一方通行が怯えてる……?)

上条「まずはその、ふざけた幻想をブチ殺す―――!!!」

美琴(―――違う、あれは――!!)

一方通行「くけこかきくくくこけかかかけきこえけかかけこきけかけ――――!!!」

ベクトル操作による、風向きの操作――
それにより、生じた突風が上条の身体を吹き飛ばす

上条「―――ぐおッッ―――〜〜〜〜ッッ!!」

そしてこの攻撃が、一方通行に更なる閃きをもたらす―――!!
186 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:13:39.87 ID:6KqTmYoco
一方通行「――ハハハ!!いいこと思いついたぜェ……!!!」

美琴(嘘でしょ……あれって―――!!)

上条(風を、集めてやがるのか……?なんで撃たねぇんだ……、白い光……?)

一方通行「いいぜいいぜいいぜェ!!!沸騰しそうな程サイッコーな気分だぜェ!!!
     回ってきやがったァ!今までにないぐれェ脳みそが回転してきやがったぜェェェェェェエエエ!!!
     まだだァ!まだだぜェ!!空気を圧縮圧縮圧縮ゥゥゥゥゥゥゥ!!」」

「よぉ、アンタが一方通行ってヤツかい―――」

一方通行「あァン?誰だてめェ……」

上条「……誰だ?」

御坂妹「……誰ですか?とミサカは見知らぬ男に尋ねます」

美琴(……まさか―――)

克巳「神心会館長、愚地克巳だ。さァ―――」

美琴「待ちなさい!」

克巳「……アンタか」

一方通行「チッ!!何だ何です何なンですかァ!?今日は随分と自殺志願者が多いじゃねェかァ!!
     クソ雑魚が群れやがって、いいぜェ、どいつもこいつも、こいつでまとめて消し炭にしてやンよォォォ!!」

白い光がより一層輝きを増す、もう時間が残されていないことは火を見るより明らかだろう
187 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:14:46.57 ID:6KqTmYoco
美琴「――――させない、絶対に」

上条「待、て。―――お前が手を出したら―――」

上条の制止に、美琴は笑って答える

美琴「―――知ってる。でも、最初からこうするつもりだったから」

美琴「私は、多分、アンタに死んでほしくないの。だから、これでシナリオ通りに―――」

克巳「待ちなァ……アンタが死んで、アイツがあれをやめる、本当にそう思うかい?」

美琴「……え?」

言われてみれば、そうだ
自分が死んで、実験が中止になって、それでも、第一位が攻撃をやめるという保証はない
思い込んでいた、実験が中止になれば、攻撃を加える必要性が無くなると
だが、今の一方通行の様子では―――

上条「オッサンの言うとおりだぜ……それに、お前が死んで助かったって、俺は嬉しくねぇんだよ!」

上条「お前も、御坂妹も、皆助けてやる!死ぬなんて選択肢は無しだろうが!」

克巳「……あれを、止める手段はないのかい?」

美琴「……ある。でも、時間が足りないかもしれない」

それでも、もしかしたら止められるかもしれない
この男、上条当麻の力があれば―――!
188 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:17:19.13 ID:6KqTmYoco
美琴「あんた達って、ネットワークで他の妹達と繋がってる、そうでしょ!?」

御坂妹「はぁ、ミサカネットワークの事をさしているなら―――」

美琴「じゃあ!あれをとめるの―――協力してちょうだい!」

御坂妹「―――そういう事ですか、了解しました、とミサカは現状を把握します」

美琴の思いついた作戦、それは、ミサカネットワークで繋がった妹達を利用し、学園都市に点在する風車を起動
それにより、高電離気体の発生を妨害するという作戦―――!!

一方通行「テメェら雑魚が何やっても無駄なンだよォ!!もうすぐ、もうすぐだぜぇ!ハハハハハハ―――」

一方通行「―――あァ!?」

一方通行(何だァ!?ばらけてきやがった―――演算しなお―――)

一方通行(できねェ……だと!?なぜだ、ミスはねェはずだァ!!―――まさか―――)

一方通行「―――このクソッタレがァ!!!」
189 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:18:43.93 ID:6KqTmYoco
克巳「なぁ、何をしたかわかるかい……?」

上条「……さっぱりわかんねぇ、でも、あいつの技が破れたってのはわかります……さて……」

克巳「フラフラじゃねぇか……行くのかい?」

上条「ああ……まだ終わってねぇ―――」

克巳「そうかい……なぁ、お嬢ちゃん」

御坂妹「何ですか、とミサカは聞き返します」

克巳「聞きてェ事があるんだが―――」

美琴「いくらアンタが優秀でも、学園都市中に点在する風車での風の生成―――演算できっこないでしょ?」

克巳の横で、一方通行に対し、美琴がそう言い放つ

一方通行「ハ、ハハ、最高に最悪な気分だぜェ……妨害された事がじゃねェ、テメェらが勝ち誇った面してンのが最高にむかつくンだよォ!!!」

一方通行「あの程度で俺の能力を打ち破った気にでもなってンのかァ!?夢見てンじゃねェぞ!?最強は俺だ!結局テメェらは三下なンだよォ!!
     お前も!あの実験動物も!!三下も!!ここにいるやつは全部だ!俺がきっちりブッ殺してやンよォ!!!」

美琴「―――やらせない!」

もう諦めない
死ぬためじゃない
生きて帰りたい、その決意を固めた美琴が、妹達に迫る一方通行の前に立ちふさがる――
190 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:20:12.52 ID:6KqTmYoco
上条「……俺に殴られたお前が、何ごちゃごちゃ言ってやがる……この三下が」

一方通行「……あァ?」

満身創痍の上条当麻が、立ち上がっていた

一方通行「はァ……どうしてくれンだよ……ただでさえ最悪な気分だったのによォ……そういや、てめェにはでっけェ借りがあったなァ!!!」

一方通行は目標を変更し、上条当麻を自らの手で殺すために接近する

上条(そうだ、近づいて来い……もう歩く力はねぇ……これを、確実に決める――!!)

一方通行「三下ァ―――!!」

上条「―――――おおおおおおおおおおおおおッッッ!!」

渾身の一撃
接近してきた一方通行に対し、限界を迎えつつある上条当麻の残った力全てをぶつける、だが―――

上条(避けられ――――)

一方通行「残念だったなァ、所詮テメェは三下なンだよォ!!!」

上条「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!」

拳はかわされ、逆に左手人差し指を粉砕される

一方通行「あばよ」

最後の一撃、上条に対しとどめが刺されようとしたとき―――

「待ちな―――」

一方通行の後ろから、かなりの速度で石が投げつけられる
本人は気付かなかったが、反射膜がそれを難なく反射する

一方通行「チッ……誰だよ、てめェはよ」

最強の能力者の前に、愚地克巳が立ちはだかった―――
191 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:21:42.01 ID:6KqTmYoco
―――――

美琴「びっくりしたわね、ホントに」

美琴「ヤバイ、助けなきゃ―――って、思った時には、あの男が割って入ってたの」

美琴「あの男―――ああ、愚地克巳っていったわね。これは後で知った事なんだけど、神心会っていう100万人の組織の頂点に立つ男なんだって」

美琴「でも、相手はあの第一位、230万人、単純に考えて2倍以上の人間の頂点に君臨している能力者よ?」

美琴「誰が考えたって正気じゃない、もちろん私もそう思ったわ」

美琴「……最初に動いたのは、あの男だった」

美琴「正拳中段突き――空手の象徴なんですってね、これ」

美琴「それを、第一位に向かって思いっきり打ち込んだの」

美琴「その時わかったわ、私は以前あの男と戦ったことがあるけど、その時の一撃は相当に手加減してたんだ……って」

美琴「……そうね、あんなパンチ見た事がないって位、すごいパンチだったわ」

美琴「……え?第一位は倒れたかって……?」

美琴「まさか、それどころか第一位に届いてすらなかったわ」

美琴「あの男のパンチが弱いとかじゃなくて、仕方無い事なのよ。それが第一位の能力なんだから」

美琴「でも、あの男は、純粋に強かったわ」

美琴「能力なんてない、片腕のハンデもある、攻撃は届かない、それでも、一方通行の攻撃を回避し続けたの」

美琴「一方通行の蹴りをよけて、パンチを避けて、攻撃を仕掛ける」

美琴「結局一発も届かなかったし、悪あがきに見えたけど……」

美琴「……ああ、そうね。それで、一方通行も意地になって、接近戦で仕留めようとしてたわ」

美琴「飽きたんでしょうね、ええ、そこから決着までそう時間はかからなかったわ―――」

――――
192 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:23:33.03 ID:6KqTmYoco
一方通行(チッ……だせェ……何熱くなってンだァ、俺は……?こンなの、あの三下以下じゃねェか)

先程までと同じようなパンチ、克巳は難なく回避する
だが――――

克巳「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!」

克巳は、得体の知れない衝撃に吹き飛ばされた

一方通行「ハハハハ!その顔じゃあ、何が起きたか理解できてねェって面だなァ!!俺の能力をただの反射だと思ってたのかァ!?
     ベクトル操作をすりゃあ衝撃を伝導する事くらいわけねェンだよォ!!!!!」

克巳「……まじかよ――!!」

克巳(予想以上の能力―――ッッ!勝てるのか、この愚地克巳が―――)

凄まじい衝撃、だが、立ち上がれる
防御に失敗したため、ダメージはかなり大きいがそれでも、まだやれる
骨が数本、ダメージを受けただろうか、それでも、克巳は立ち上がれる身体を持っている

一方通行「無様に足ガクガクさせてんじゃねェぞォ、もうイッちまいそうかァ!!?そうだァ、決めたぜェ!テメェは射的ゲームで殺してやるゥ!!
     暑苦しい身体してっから、通気性を良くしてやンぜェ!!ハハハ!オラッ、避けてみろよォ!!」

レール、コンテナ、鉄骨、それらが散弾銃の如く克巳に襲い掛かる
―――だが

美琴「ずいぶんご機嫌じゃない、第一位!私の能力、忘れたわけじゃないでしょ!?」

飛来していたそれらは、美琴の能力を受け、互いに引き寄せあい、一塊となって克巳とは全く違う方向に吸い寄せられる

一方通行「クソ雑魚ォ!!磁力とは随分小賢しいまねしやがンじゃねェかァ!!!
     我慢してりゃァ最後に殺ってやろうと思ってたのによォ!!そんなに先にやって欲しいかこの淫売がァ!!」
193 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:25:36.96 ID:6KqTmYoco
克巳にとって、これは好都合だった
一方通行を怒らせ冷静な判断を出来なくする
それこそが、勝利への第1ステップ――!

克巳「……無駄だってわかったかい?畑へお帰り、白モヤシ、ここは君の来るところじゃない」

一方通行「ほォ……おもしれェ事言うじゃねェか……最悪な気分が一周して、最高になってきやがったぜェ。
     てめェは顔面に風穴あけておしゃぶり上手な面にしてやろうと思ってたが、もうそンなンじゃ気が済まねェ
     決めたぜェ、じっくり気が狂うまで可愛がってやっから、せいぜいいい声で鳴いてくれよォ!!」

一方通行は、ベクトル操作を行い、まるで弾丸のように克巳のもとへと突っ込んでくる

一方通行(あいつは無能力者だ、攻撃は俺には一切届かねェ!こンなもン勝ちの決まった勝負なんだよォ!!)

一方通行「あは、ぎゃは!何だァ、そのやる気のねェ構えはよォ!誘ってンのかァ?どうぞお好きにしてくださいってよォ!!??」
194 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:28:06.78 ID:6KqTmYoco
―――折る
―――貫く
―――砕く
―――切る
―――潰す
―――弾く
―――跳ばす
―――響かせる

これらの結果には全て、当てるという過程が必要になる
だからこそ、スピードを、筋肉を、武術家は求め続けてきた
当てるため、当てて効かせるため、それだけを考えてきた
当たらなければ折れない、当たらなければ切れない―――
当たらないために、技術を磨き、当たっても耐えられるように肉体を鍛えてきた

武術家であれば、最強を目指すものであれば、誰しも一度は考えた事があるはずだ
そもそも、当てることができなければ―――?
神通力、科学、何でもいい、もしも敵の攻撃の一切を受け付けなければ―――?
そんな手段は存在しない、出来の悪い物語の主人公でも無ければ、持ち合わせていない能力
だからこそ己の技術を磨き、鍛えてきたはずだ
では、目の前の能力者は、何だ――?アイツが、世界最強なのか――?
195 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:29:14.65 ID:6KqTmYoco
――――

御坂妹「はぁ、第一位の弱点ですか、とミサカは少し考えます」

克巳「何でもいい、何でもだ」

御坂妹「ふむ、今までの戦闘データから読み取っても、これといった弱点は見受けられませんね、とミサカはお手上げといった感じで話します」

御坂妹「そもそも、触れないのですから倒しようがありません、とミサカは説明します」

克巳「触れないっつーのは?」

御坂妹「恐らく、自身の周りに反射が適用される空間をまとっているものと思われます、とミサカは今までの実験の結果から考察します」

克巳「適用……空間、なぁ、だったら、その適用される時に、例えば引き戻す動きをしてたらどうなるんだ?」

御坂妹「それならば、恐らく引き戻すベクトルが反射されて、第一位にダメージを与えられるのでは、とミサカはありえない話とは思いつつ相槌を打ちます」

克巳「なるほど……じゃあ、アイツは自分でその反射の範囲を操作する事はできるのかい?」

御坂妹「可能だと思います。自身の好きなものを、好きな方向に、それが可能だからこそベクトル操作と呼ばれているのです。しかし、普段は無意識に反射をしていると思います、とミサカは答えます」

克巳「……なるほど、わりぃな」

御坂妹「いえいえ、とミサカはお役に立てず申し訳無さそうに言います」

――――
196 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:30:46.84 ID:6KqTmYoco
反射される前に腕を引き戻し、第一位の身体から遠ざかるベクトルを反射させる
当てない打撃、そんな神業ともいえる武術が存在するのか―――?
―――克巳は、それに該当しそうな武術をたった一つだけ知っている
現在、最も進んだ武
克巳だけが使える、克巳だけの音速―――

膜の厚さを、反射の向きを計るため、無駄だと知りつつ幾度か悪あがきの攻撃を仕掛けた
一撃で決めなければ、克巳は戦闘不能に陥るだろう
作戦を読まれては、あらかじめ対策をとられるだろう
打つ手がない、絶対的に不利を演出し、策がある事を悟られてはならない
自分は圧倒的弱者、踏めば潰せる存在だと思わせねばならない
怒らせて、冷静な判断を奪わねばならない
第一位の慢心を突く以外に、方法はないのだ
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/24(日) 20:31:31.29 ID:211ISVCA0
マッハ突きクル−?
198 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:32:20.64 ID:6KqTmYoco
―――能力を使わせず、本気を出させず、一発で決める
あの日美琴との戦いで学んだこれこそが、唯一の勝利の手段

克巳(ここだ―――――!!)

20年先の技術と50年進歩した武術の――
自身の肉体を持って最強にアプローチする武術家と、脳の開発を通じ最強にアプローチする能力者のぶつかり合い―――!!

克巳(すげェと思う……だからこそ、俺の腕を差し出す、全力を出すぜ―――!!)

一方通行の眼前、脱力してる様に見えた男の片腕が、視界から消えうせる
想像により増やされた、実際には存在しない関節により、加速された克己の手刀は、音の壁を突破し一方通行の反射の膜に触れるか否かの瞬間
鞭の先端が向きを変えるかのように、一瞬で引き戻された―――
199 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:34:07.16 ID:6KqTmYoco
美琴「嘘―――でしょ」

美琴は、目の前で起きた出来事が理解できず、ただただ立ち尽くす
克巳が殺られる、そう思った瞬間、耳を聾する破裂音が辺りに響き――
自身が先日倒した男が、自身が先日倒された相手を吹き飛ばしていた

御坂妹「勝ったのですね、あの男が、とミサカは尊敬の眼差しで見つめます」

第一位は地面に崩れ落ち、ピクリとも動く気配すらない

美琴「―――ちょっと、アンタ―――ッッッ!!」

克巳に駆け寄った美琴だが、勝利したはずの克巳を見た瞬間、美琴の顔から血の気が引く

美琴「何よ、それ―――」

克巳の腕は、筋肉、腱、血管など、腕を構成するパーツが引きちぎれ、骨が剥き出しになっている

克巳(届いた―――俺の空手……感謝したい―――先人達に、俺を支えてくれた全ての人々に――)

病院の手配を進める御坂美琴を、止血を施そうとする彼女の妹を、素晴らしい根性を見せた少年を
そして、先程ぶつかり合った、強敵を―――
それらを視界に捉えながら、克巳は意識を失った―――
200 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:35:41.88 ID:6KqTmYoco
克巳「――――――ん」

克巳(ここは……)

カエル医者「やあやあ、また会ったね。それにしても、今回は随分とひどい壊れ方だったね」

克巳「あんたは……」

カエル医者「全く、あの状態の腕を繋げるのは苦労したよ、ほんとにね」

克巳(そうだ、俺はあいつとの戦いで―――)

克巳は、自分の腕を見る

克巳「治ってやがる……信じられねェ……あんたがやったのかい?」

握ったり開いたりを繰り返してみるが、問題なく動く、感覚もある

カエル医者「そうだね、患者がいれば治すのは医者の仕事だろう?でも、今回はしばらく入院してもらうし、次はどうなるかわからないよ?」

克巳「はぁ……余計な事を―――って言いてェけど、それがアンタの仕事ならしょうがねェよなぁ……」
201 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:37:11.43 ID:6KqTmYoco
カエル医者「余計な事だったかい?でも、君がいくら言っても、死なない限り僕は治してみせるけどね。そうそう、治療ついでに、君の片腕だけど――」

克巳「わりぃけど、この腕は戦いの結果なんだよ……治しちまったら、申し訳がたたねェ」

カエル医者「なるほどね、僕にはよくわからないけど、君がそう言うならそうなんだろうね」

克巳「それに、隻腕なら隻腕にしか辿りつけねェ境地ってもんがあると思うんだよなァ」

カエル医者「日常でくらい、義手をつけてもいいんじゃないかな?」

克巳「いや……その気持ちだけをいただきます」

カエル医者「患者の意見の尊重するのも医者の役目ってことかな?じゃ、僕は少し用事があるからもう行くね?」

克巳「どうも……」

医師が出て行った部屋で、克巳はベッドに仰向けに寝転がると、あの時の事を考える
実験はどうなったのか、第一位はどうなったのか―――
不意に、病室の前で女性がしゃべっているのが耳に入る
202 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:39:11.92 ID:6KqTmYoco
「御坂さん、何があったかは知りませんけど、一緒なら大丈夫ですって」

「お姉さま、まさか、惚れてるんですの?この中に居る男に!!」

「んなワケないでしょ!バカ黒子!」

「み、みなさん、病院では静かにしましょう、佐天さーん、笑ってないで止めてくださいよぅ」

「ほらほら、行きますよ御坂さん」

そんな声が聞こえると、病室の扉がゆっくりと開けられる

克巳「……よぉ」

佐天・初春「こんにちはー」

黒子「ずいぶんと学園都市を楽しんでいらっしゃるようですわね」

克巳「はは……」

御坂「……あの」

克巳「あぁ……悪い、ちょっと席を外してくれないかい?」

佐天「はい……ほら、初春!行くよー」

初春「あ、待ってくださいよう、佐天さん」

黒子「お姉さまに手を出したらブタ箱に30年はぶち込んでやりますの!」

克巳は苦笑しつつ、出て行く一同を見送る
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/24(日) 20:41:31.55 ID:ZJ0MvFSG0
あの虚弱体質でマッハ突き食らったら即死じゃねーのか?
204 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:41:38.52 ID:6KqTmYoco
克巳「――さて」

美琴「あの後の事でしょ?私も聞いた話だけど、実験は凍結、妹達は治療のために色んなところに送られるそうよ」

克巳「そうかい……そりゃ良かった」

美琴「ほんとにね……ほんとにありがとう」

少女は、立ち上がるとそう言って頭をさげる

克巳「らしくねェ……俺は、強ェやつがいたから戦った、それだけだぜ?礼なんていわれる立場じゃない」

美琴「それでも、ね。事実、助けられたもの」

克巳「そうか……それより、あのツンツン頭や第一位はどうなった?」

美琴「あぁ、上条当麻……ア、アイツはここに入院してるわ、第一位は、よくわからないけど多分生きてると思う」

克巳「なるほどねェ……んじゃ、その上条君のところには行ったのかい?」

美琴「う……まだ、だけど」

克巳(バレバレ何だけどなァ……言うのは野暮ってもんだぜ……)

克巳「俺は、もう大丈夫だ。あの子の方がこっぴどくやられてたみてェだし、行ってやりな」

美琴「……そうね、仕方ないけど、じゃあ行ってくるわ、仕方ないけど!」

克巳「はいはい……」

美琴「ああ、あと!」

克巳「ん?」

美琴「私にもあの変なパンチ教えなさいよ!またね!」

そう言うと美琴は病室を元気良く飛び出していく
ずっと悩んでいた事が解決されたからか、随分と晴れやかな顔をしていたと思う
205 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:43:13.70 ID:6KqTmYoco
佐天「どうしたんですか?御坂さん、随分と元気良く走っていっちゃいましたけど」

入れ替わりで佐天涙子が入ってくる

克巳「ちょっとな、それよりあの2人はどこに?」

佐天「あー、2人とも風紀委員の仕事があるって言って、もう帰っちゃいました」

克巳「忙しいんだな、風紀委員ってのは……」

佐天「治安があまりよろしく無いですからねぇ」

克巳「かもな……っと、そんじゃあ、いつから稽古始めるか決めとくかぁ」

佐天「私はいつでも大丈夫ですよー」

克巳「そうだな、じゃあ、俺が退院したら都合がつく日は毎日でもやるかい?」

佐天「いいんですか?じゃあそれで!」

克巳「おお、すげェやる気……厳しく指導するけど、構わねぇよな?」

佐天「はい!」

目の前の少女の様子に克巳は小さく笑う

克巳「神心会流の返事ははいじゃねェ、いいかい―――」

―――――――――

佐天「それじゃあ、私もそろそろ帰りますね」

克巳「おう、それじゃ、これからよろしくな、佐天さん」

佐天涙子は大きく息を吸うと、先程自身が教えた言葉をさっそく使用する

佐天「押忍ッッッッッ!!」

克巳「ハハ……ここ、病院だぜ」

佐天「……あ」

克巳にしばしの日常が訪れる―――

克巳SAGA〜学園都市編〜 第3部 完
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/24(日) 20:46:55.06 ID:VwN3i2Zw0


ピクルの突進を吹き飛ばしたマッハ突き返しの直撃を受けたモヤシって、それたけで代理演算必要な体になるんじゃ…
207 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/24(日) 20:47:48.41 ID:6KqTmYoco
今日はここまでです
克巳がもう少し成長する話と佐天さん成長編もできたらいいなと思ってます
ではー
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方) [sage]:2011/07/24(日) 20:49:05.54 ID:VVv9m34AO



一方さんよく死ななかったな
虚弱体質以前に普通の人でも内臓破裂とかしそうだが
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/24(日) 20:49:34.29 ID:XenCBp7A0


>>206
一方さん欠片も残らない気がする……
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/24(日) 20:51:01.83 ID:tOmkc7KC0
打った方の腕の筋肉がぶっ飛ぶレベルなのに喰らった方は常人の肉体じゃ比喩表現抜きで粉々だろww
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/24(日) 21:02:32.39 ID:Cau/8buDO
あのピクルがダウンだからな・・・・・・
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/24(日) 21:15:37.93 ID:hWDHx/yAO
続くッッ!!まだ続きがあるとはッッ!
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/07/24(日) 21:41:43.05 ID:4vdUuWRoo
ベクトル分ダメージ減!と言いたいが慢心の隙を突いた訳だし……
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/24(日) 22:04:12.87 ID:/CFVEQOSO
木原くンじゃないと正確な反射のタイミングはわからないし、全身骨折ぐらいですんでるよ!きっと!
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/24(日) 22:22:45.15 ID:vgQL9hz90

とあると刃牙のクロスながら、見事なパワーバランスの匙加減だぜ

一方さんってモヤシで虚弱体質ってイメージあるけど、
2m以上の上背を持つステイルを数m吹き飛ばして一発KOする
上条さんのそげぶパンチを数発食らいながらも立ち上がってたし
何気に体自体は結構頑丈なんじゃね、って今ふと思いついた
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/07/24(日) 22:40:09.23 ID:qPsRy/4AO
異世界の空手屋にまで白モヤシと呼ばれる一方さんが哀れでたまらない…
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) :2011/07/24(日) 23:35:48.48 ID:+Xw9JKvY0
俺マッハといえど引き戻す時はマッハじゃないだろうし
肝心の衝撃波は反射されるからたいしたダメージはないだろ
それでもモヤシには十分だけど
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/07/24(日) 23:57:57.45 ID:Nxlgrpdbo
逆に言えばパンチ食らってグチャグチャになったらギャグだろ
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 00:46:08.17 ID:x/txnHcM0
>>217
鞭は引き戻す時が一番強力なんだぜ…
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 01:00:03.91 ID:X70hjXKz0
>>215
上条さんのそげぶパンチは、体重×スピード×握力×補正=破壊力なので、威力は補正如何なのです。安定しないのです。
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 02:28:28.48 ID:MWJL2gIDO
CV藤原というのエスプリが効いた克巳にはやはり一方通行は相性が悪かった。
後は木原くン×かつみンの絡みをだな……
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/25(月) 08:05:11.95 ID:ZLMh0S1m0
>>220

なるほど、つまり
上条「俺の補正力でどうとでもなっちまうもんなぁ」
ってことか、把握した
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/07/25(月) 11:53:02.54 ID:VMyciRJY0
桁外れの補正力にモノ言わせて相手をそげぶするなンてねェ・・・
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/25(月) 12:00:52.16 ID:9dRQthJto
関係ねえよ!!カァンケイねェェんだよォォォ!! テメェら超能力者の幻想なんざ、右手だけで100回ブチ殺せんだよォぉぉぉぉッ!!
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 15:46:32.37 ID:+XhxLU0c0
>>217
引き戻す時が一番早くなるって理由で引き戻してるんだぞ
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 19:58:37.71 ID:457LF+sIO
上条さんから補正奪ったらステイルさんの段階で火葬されてるわ
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [sage]:2011/07/25(月) 23:26:48.97 ID:HPRWtO0So
引き戻した分がすべて打込まれたんじゃないく
その場の思いつきだし大した精度もないだろうから、極一部のベクトルだけ反射膜を通り抜けたんだと思う
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/26(火) 00:11:45.07 ID:uIrqVNk90
原作読んでないと克巳のマッハパンチがどういうのかが分からなそうだな
229 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/26(火) 00:50:12.51 ID:AX7oZ23Do
克巳「先生、ずいぶんと世話になりました」

とある病院の前で、克巳はカエル顔の医者に頭を下げる
8月21日に第一位との交戦、それにより負傷した克巳はこの病院に入院していた訳であるが、ようやく退院が許可されたのだ

カエル医者「まったく驚きの回復力だね。でも、これからは気をつけるんだよ?」

克巳「ハハ……肝に銘じときます。じゃ、俺はこれで」

カエル医者「お大事にね?」

医師に礼と別れを告げると、克巳は学園都市にある自分の道場に向かって歩き出す

克巳(今が9月1日……10日近く入院してたのか……)

自分の肉体が鈍ってしまったのではないかという心配もだが、学園都市で教師という肩書きを持っている克巳には、そちらのほうも少々気にかかる
初日に顔を出して以来、仕事をするどころか学校にすら通勤していないのだ
寛大な処置をいただいた結果、また明日からという話になってはいるが、はたして―――
230 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/26(火) 00:51:25.29 ID:AX7oZ23Do
克巳(忘れられてんじゃねェのか……それにまだ火傷の跡が残るこの顔……ま、いいかァ、しかしあの子も飽きずによくもまァ……)

克巳は、毎日のように見舞いに来てくれた少女、佐天涙子の事を思い出す

克巳(そういや、あの子に稽古をつけてやるのも明日からか)

克巳は頭の中で、初心者、それも女の子用の簡単なメニューを組んでみる
まずは正拳の作り方から、それが終われば正拳中段突きか―――

克巳(ま、それは話し合って決めればいいか……それより体を鍛えなおさねェと……)

肉体を鍛え直す手始めとして、克巳は道場までの道のりを走る事にした―――
231 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/26(火) 00:52:32.68 ID:AX7oZ23Do
―――学校

克巳(ひっさしぶりだぜ……)

棚川中学の、自身の受け持つ教室の前で、克巳は数回深呼吸をする
校長先生をはじめとした教師達は克巳を暖かく迎え入れてくれたが、生徒達はどうなのか

克巳(―――ビビってんじゃねぇよ……行くか―――ッッッ!)

教室に入った克巳を待っていたのは、生徒達からの冷たい目線―――ではなく

一同「先生、退院おめでとうございまーす!!」

たくさんの暖かな拍手で迎え入れられた克巳の目に生徒からの更なる祝福が飛び込んでくる

克巳(……はは)

黒板には様々な色のチョークで生徒からのお祝いの言葉が書かれている

克巳「―――アリガトウ、これからよろしくな。それじゃ、ホームルーム始めるかァ」

この後、生徒から火傷の跡や入院の詳しい経緯について、想像を超える質問攻めにあう事になるが、克巳はまだ知らない―――
232 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/26(火) 00:54:02.88 ID:AX7oZ23Do
放課後、学校終了後もしばしの間生徒に囲まれ質問をされていた克巳はようやく解放されると、フラフラと道場へ向かう

克巳(やっと終わった……17時から稽古か……道場の鍵は渡してあるし、佐天さんはもう着いてる頃か)

時計を見ると、16時30分を少しまわっている
克巳の道場は、第7学区と呼ばれる棚川中学と同じ学区に存在しているため、ここからそう遠くはない
急いで行けば、克巳の足なら15分もあれば十分到着できるだろう

克巳(ちょっと急ぐか……)

克巳は、革靴の靴底をキュッと生き物のように鳴らすと、道場への道を走り出した――――
233 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/26(火) 00:55:08.93 ID:AX7oZ23Do
―――克巳の道場前

克巳「着いたァ……って―――」

自分の道場、住居を兼ねるビルの前に辿りついた克巳は、見慣れた人影がビルの前にある事に気付く

克巳「佐天さん、もしかしてずっと待ってたのか?鍵、渡したろ?」

後ろから声をかけると、ビクッと肩が跳ね上がる

佐天「あはは……勝手に入るのはどうなのかなぁって思いまして」

克巳「別に構わねェ、次からは入って待ってな」

佐天「あ、はい。わかりました」

克巳「ついて来な……稽古、始めようやッッ」

―――道場

克巳「佐天さんのサイズは……これだな、多分」

佐天「あのー、これは……?」

克巳から、神心会の道着を受け取った佐天は、不思議そうに尋ねてくる

克巳「道着だよ、見た事あるだろ?ジャージでってわけにもいかねェ。俺も着替えてくるから、着替えて待っててくれ。更衣室はここ出て右だ」

克巳がそう言って、着替えに向かおうとした時―――

佐天「あの……着方、わかんないです……」

克巳(……ああ、ナルホドね)

克巳「わかった、今日はそこからだな」

佐天「お願いします……」

克巳「じゃあ、まず俺がやって見せるから、覚えててくれ。慣れりゃあすぐにできるようになる……まず、こうして―――」
234 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/26(火) 00:57:26.79 ID:AX7oZ23Do
――――――――

更衣室で、佐天涙子は初めて着る道着を相手に苦戦していた
先程克巳のやった事を再現し、何とか形にはなったものの、何かが足りないような気がする

佐天(うー、なんか違うような……でも、駄目なとこがあれば教えてくれるよね)

佐天はそう割り切ると、克巳の待つ道場へと向かう

佐天「すいません、お待たせしましたー」

克巳「おう――――」

佐天の言葉に克巳が振り向いた瞬間――――

佐天「―――へ?」

紐をきつく結んでおらず、帯で何とかずり落ちる事を防いでいた佐天の道着のズボンが、動きと重力に負け一気にずり落ちた――――

佐天「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!!!」

可愛らしい下着や、発育途上の太腿が露になる

克巳「……何にも見てねェから、気にすんな……」

まさに前途多難―――!佐天さんは強くなれるのか―――?
後に愚地克巳、佐天涙子両名に多大な影響を与える新たな物語が今、幕を開けた―――

克巳SAGA〜学園都市編〜 第4部 佐天さん入門編 完
235 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/26(火) 01:02:34.84 ID:AX7oZ23Do
短いですが今日はここまでです
ちょっとの間は電磁砲4人娘との絡みとか、日常編をできればいいなと思っております
一方サンも再登場予定です

>>228
どこかで説明しようと思ってて忘れてました……
確かに不親切ですね、申し訳ないです
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/26(火) 01:03:07.00 ID:RC+OOi9Lo
いいな、これ!いいよ!これ!
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/26(火) 01:20:19.59 ID:cX8OkZQG0


一方さん生きてたか……良かった
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/26(火) 02:04:13.54 ID:Pnbky0440
良かった、粉々に弾け飛んだ一方通行はいなかったんだね
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/26(火) 17:50:40.19 ID:no/g6CHl0
ああ、サテンサンに吸収されたのか
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/26(火) 21:46:34.46 ID:j7nLRp5IO
良かった、寿命がマッハな一方通行はいなかったんだな。

しかしこれからどう話が展開するのか楽しみだ
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/07/26(火) 21:49:26.31 ID:b97Gquoto
学園都市の勢力図が能力者vsスキルアウトvs神心会になる
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/26(火) 22:44:50.19 ID:dh6bXzaDO
「道着のズボン」ってなんか気になるから次書く時は「袴」ね。
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/26(火) 22:45:23.04 ID:dh6bXzaDO
乙ッッッッッ!!

「道着のズボン」ってなんか気になるから次書く時は「袴」ね。
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/07/26(火) 22:47:13.42 ID:b97Gquoto
書き込みに失敗したと表示されても書き込めていることはあるから一度確認してから再度書きこむといい
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/26(火) 22:55:28.53 ID:kEwRvMkM0
女子と柔道したことを思い出した
帯の結び方が分からないから教えてるときのTシャツ越しのおっぱいがねぇ…
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/26(火) 23:18:30.97 ID:/F+W8kvw0
>>241
軍隊と戦えるレベル5を相手取ったとしても神心会が負けるイメージが浮かばん

せいぜい窓の無いビル切断したら加藤が出てくるくらい
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/26(火) 23:40:54.59 ID:3L47SpOC0
風車に末堂が乗ってんだよな
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/26(火) 23:53:23.45 ID:wNc4wg8IO
窓のないビルのでっかい試験管に浮かぶ加藤
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/07/27(水) 04:22:52.24 ID:qBQDIMvAO
違和感ないのが不思議だな
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/07/27(水) 10:19:41.77 ID:o4koIMZB0
数ヵ月後、そこには小川程度なら走って渡る佐天さんの姿が
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/27(水) 10:56:06.23 ID:TFlgNN6AO
待て、それは烈さんだww
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/28(木) 00:31:11.50 ID:GTx5S0ZP0
初春「マワシ受け…見事な」

佐天「矢でも鉄砲でも超電磁砲でも持って来いってかァ」
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/07/28(木) 14:55:31.11 ID:wyOPq0YN0
>>240めッさりげなくブロントを混ぜてくるとはッッ

つか超電磁砲の最高出力が10億ボルトなら克巳と言えどヤバイ気がするんだが・・・
勇次郎なら余裕だけど。アイツ何故か服も焦げなかったし。
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/28(木) 18:21:24.96 ID:ynNrfH/7o
>>253
つ「マワシウケ」
255 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/28(木) 18:59:20.86 ID:EaSFa96eo
佐天「―――ん」

佐天涙子の一日は、午前5時30分にけたたましく鳴り響くタイマーを止める事から始まる

佐天「……ふわああああ、朝か……」

その後、洗顔、着替え、準備体操、柔軟などを済ませると、もはや日課となった走りこみへと向かう

佐天(しかし、慣れるもんだなぁ……)

佐天涙子が稽古を始めた次の日から始め、すでに1週間以上
師範である愚地克巳から何かを言われているわけではなく、これは彼女の自主的な鍛錬であり、少しでも早く愚地克巳のようになりたいという強い気持ちの表れだろう
走りこみの時間はおおよそ一時間程度であり、それを終えるとシャワーを浴び朝食、歯磨きをした後制服に着替え、荷物の準備をして学校に向かう
256 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/28(木) 19:00:29.04 ID:EaSFa96eo
佐天「おはよー、初春!」

初春「おはようございます佐天さん、今日も元気ですねえ……」

佐天「そう?あ、でも最近体の調子がいいんだよねー」

初春「そういえば、空手の方はどうですか?」

佐天「うーん、まぁ大変だけど楽しいよ。克巳さんは優しいし。最近体が柔らかくなってきてるんだよね。ほら!」

初春「おおー。でも、スカートで前かがみの体勢になるのは結構危ない気が……」

佐天「……初春の変態」

初春「な!教えてあげただけじゃないですかぁー!」

佐天「あはは―――って痛い痛い!冗談!冗談だからポカポカしないで!」
257 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/28(木) 19:01:48.97 ID:EaSFa96eo
初春「もう!佐天さんはほんとにもう!だいたい変態っていうなら、毎度毎度私のスカートを捲る佐天さんこそ―――」

級友1「おはよー、朝っぱらからあんたらはほんとに仲いいねぇ……」

初春「あ、おはようございます」

佐天「おはよー」

級友1「ところで、2人とも宿題やった?」

初春「もちろんです。ねぇ、佐天さん」

佐天「……」

初春「佐天さん?」

佐天「……えへっ☆」

初春・級友1「…………」

学校では、いつものように友人達と会話をし、半分寝ながらも授業を受ける
ちなみに、愚地克巳のもとで空手を習っているという事は、親友である初春飾利を含めた数少ない友人にしか教えていない
これは、愚地克巳が彼女の担任でもあり、広まれば迷惑がかかるかもしれないという事と、それをクラスメートに知られる事に少しの気恥ずかしさがあったからである
258 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/28(木) 19:03:05.73 ID:EaSFa96eo
「きりーつ、れい」

「「ありがとうございましたー」」

学校が終わると、佐天はすぐに神心会のビルへと向かう
鍵は克巳から渡されているため、ビルに着くと、仕事の処理などで佐天より少し遅れる克己が到着するまでに道着への着替えなどをすませてしまう

佐天「えーと、ここをこうしてこうして―――」

初日こそ不注意から失態を晒してしまった佐天だが、既に慣れた手付きで道着を着込んでいく

佐天「うん、完璧!」

道着に着替え終わると道場に入り、準備運動・柔軟などを始める
そして、それらがちょうど終わりそうな頃に―――
259 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/28(木) 19:04:15.09 ID:EaSFa96eo
克巳「スマン、遅れちまった。着替えてくるから続けといてくれ」

道場の主、いや、彼女が所属する神心会全体の大将である愚地克巳が道場に到着する

克巳「よーし、何から始めるか……とりあえず柔軟から始めるかァ」

佐天「押忍!」

克巳「佐天さん、結構柔らかくなってるじゃねェか。自分でも何かしてるか?」

佐天「重要だって言われてたので、お風呂上りとか、朝とかにこう……」

自分の努力が少しでも認められた事に、佐天のモチベーションは更に上昇する

克巳「体が硬ェ武術家はいねェし、筋力なんかと並んで柔軟性は重要なもんだからな。いい事だぜ」

佐天「えへへ……押忍!!」
260 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/28(木) 19:05:37.86 ID:EaSFa96eo
一人でやるよりも念入りな柔軟が終わると、次は正拳中段突きの鍛錬に入る

克巳「うん、だいぶよくなってる。ただ、足はもっと締めて、腕は引き手と突き手が背中越しに滑車で繋がってる事をイメージして―――こう」

佐天「こうですか?」

克巳「さっきよりは良くなってるぜ。もう一回」

佐天「えい!」

克巳「そうそう、良くなってる。だが―――」

その他にも、腕立て、腹筋、背筋など、中学生のまだ発育途上の体を考慮した器具を使わない筋トレや体幹の強化など、基礎的な体作りが現在の稽古の主な内容になっている
道場での稽古が終わると、道着からジャージに着替えて、克巳と共に体力づくりと送迎を兼ねた走り込みを行う
家に到着すると克巳と別れ、入浴の後にその日の稽古の事をノートにまとめ、食事を摂り、朝の自主練に備え睡眠する

これが、佐天涙子の一日である
だが今日は―――
261 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/28(木) 19:10:16.86 ID:EaSFa96eo
―――佐天さんの家

克巳「じゃ、佐天さん。また明日な」

佐天「いつもいつも遅くまでありがとうございます」

克巳「気にしなくていいぜ。あと、しっかり飯を食いな。それじゃ―――」

佐天「―――そういえば、克巳さんってご飯とかどうしてるんですか?」

克巳「まぁ、コンビニとか?」

佐天「え……体に悪いですよ?」

克巳「作るのはめんどうだし、時間がかかるしなァ」

佐天「……もし良かったら、あの、今度私が作りましょうか?」

克巳「別に気ィ使わなくていいぞ?稽古の後は疲れてるだろ」

佐天「い、いえ!一人も二人も大差ないですし、お礼とかもしたいですし……その、克巳さんがよければですけど……」

克巳「――わかった、今度食わせてもらおう。楽しみにしてる」

佐天「あ、はい!腕によりをかけて作りますね!えへへ……」

克巳「はは、それじゃあ―――」

佐天「押忍!ありがとうございましたー!」

佐天は手を振り、走り去っていく克巳を見送ると、いそいそと家に入っていく
だがこの時、二人に気づかれる事なく、事の一部始終を見ていた者がいた―――



級友2(うふふふふふふ、見ちゃった!聞いちゃった!おもしれェじゃねェか……これは真偽を確かめる必要があるッッッッッ!!)


克巳SAGA〜学園都市編〜 第4部 佐天さん入門編A 完
262 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/28(木) 19:12:56.09 ID:EaSFa96eo
短いですが今日はここまで
バトルまで早く行きたいけど時間が……
アホみたいに忙しくなる前に完結まで持って行きたいと思ってます
ではー
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/07/28(木) 19:36:08.50 ID:B0B9CpQv0
乙ッッッ

克巳爆発しろッッッッッッ
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/28(木) 19:43:04.73 ID:ZsOLbyiAO
爆発ッッ!!愚地克己爆発ッッ!!爆発ッッ!!
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/07/28(木) 20:02:53.85 ID:fHCjzS5AO
乙ッ!!

お蕎麦……いや……なんでもない……
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/28(木) 20:04:42.44 ID:8SJoA9MDO
一方通行「粉塵爆破って言葉くらい聞いたことあるよなッッ・・・・・・?」





上条「着・・・ッ!熱・・・ッ!今ッ・・・!!」
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/28(木) 20:09:26.48 ID:dcbCeKsIO
>>263
何回も爆発してるッッッ!!!
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/28(木) 23:39:11.32 ID:xofh7SUIO
>>267
お前はダメだな、なってねぇ
269 :一仕事終わったので寝る前に続き投下 ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/29(金) 00:58:08.68 ID:FvJFHTO3o
佐天(ご飯かぁ、何つくろうかなぁ……やっぱり、低カロリーで高タンパクなものがいいよね……うーん)

佐天「みんなおはよー」

級友1「あ、来た来た。涙子、ちょっと、ちょっとこっち来て」

級友2「ktkr」

佐天「え?え?な、なになに?」

級友1「いいからいいから〜♪級友2ー行くよー」

級友2「wktk」

初春(佐天さん……頑張ってください……)

チラリとこちらを心配そうに見てくる親友の姿に、佐天は嫌な雰囲気を感じていた―――
270 :>>269訂正 ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/29(金) 00:59:19.93 ID:FvJFHTO3o
―――次の日

佐天(ご飯かぁ、何つくろうかなぁ……やっぱり、低カロリーで高タンパクなものがいいよね……うーん)

佐天「みんなおはよー」

級友1「あ、来た来た。涙子、ちょっと、ちょっとこっち来て」

級友2「ktkr」

佐天「え?え?な、なになに?」

級友1「いいからいいから〜♪級友2ー行くよー」

級友2「wktk」

初春(佐天さん……頑張ってください……)

チラリとこちらを心配そうに見てくる親友の姿に、佐天は嫌な雰囲気を感じていた―――
271 :>>269訂正 ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/29(金) 01:00:06.80 ID:FvJFHTO3o
―――女子トイレ

佐天「で、いったいなんなの……」

級友1「単刀直入に言うよ……涙子、アンタ―――」

佐天「―――へ?」

級友1「だからぁ、克巳先生とどこまで行ってるの?」

佐天「な、何のことだか―――」

級友2「なははは、ゴメンね。盗み見るつもりはなかったんだけど、昨日見ちゃったんだ〜」

級友2『克巳先生……今度、私を食べてもらえますか?』

級友1『もちろんさ、涙子』

級友2『嬉しいですう……』

級友1『涙子……』

級友2『先生……』
272 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/29(金) 01:01:00.89 ID:FvJFHTO3o
佐天(え、何この小芝居……)

佐天「……」

級友1「……」

級友2「……」

佐天「……」

級友1「……ど、どう!?まだしらを切るつもり?」

佐天「……えっと、何が?」

級友1「な……これ以上させるつもり!?涙子のヘンタイ!」

級友2『さぁ、優しくするから服を―――』

佐天(配役が替わってる……)

級友1「ちょ、それはもういいから―――ひゃん!おいこら!スリスリすんな!」
273 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/29(金) 01:01:58.40 ID:FvJFHTO3o
佐天「はぁ……夜偶然会って、夕食は毎日コンビニって言ってたから、助けてもらったお礼も兼ねてご飯ご馳走しますよとは言ったけどさぁ……」

級友2「えー?それだけ?もっとめくりめく背徳の世界とかないのー?」

佐天「背徳の世界って……そんなのないって!」

級友1「ちぇー、やっぱり世の中そう上手くは出来てないかー」

佐天「何を期待してたの……っと、戻んないと、ホームルーム始まっちゃうじゃん!ほらほら―――」

級友1「やべっ、私今日当番だ!急がなきゃ!」

佐天「だよね!?だよね!?さ、早く行こー!」

級友2「へいへい……」

級友2(怪しい……)
274 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/29(金) 01:02:51.91 ID:FvJFHTO3o
―――教室

初春「……どうでした?」

佐天「何とか私が空手を習ってるっていうのはバレなかったかな……疲れた……」

初春「お、お疲れ様です……」

椅子にもたれかかり、先程の事を話していると教室のドアが開き、愚地克巳が入ってくる
いつもならさっさと挨拶やホームルームを終わらせるところだが、今日はどうにも様子がおかしい

克巳「おはよう。ところでみんな、質問がある―――」
275 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/29(金) 01:03:34.10 ID:FvJFHTO3o
――
―――
――――

教師1「いやー、そろそろあれの季節ですね」

教師2「そうですね、毎年のことながら、準備で忙しいですよ……」

教師1「まぁまぁ、今年はうちの学校はどうなりますかねぇ」

教師2「いつもと変わらず、中盤くらいにはなりそうですね―――あ、おはようございます克巳先生」

克巳「おはようございます」

教師1「いやー、そういえば愚地先生は初めてですよね?」

克巳「はぁ……?」

教師2「大覇星祭ですよ、大覇星祭」

教師1「ああ、もうこんな時間ですね。続きはまた話しましょう」

克巳(大覇星祭……?)

――――
―――
――

克巳「今日、聞き慣れない単語を耳にした―――大覇星祭ってのは何だ?」

佐天「え、えっとですね、大覇星祭っていうのは――――」
276 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/29(金) 01:05:08.52 ID:FvJFHTO3o
―――――――。

克巳「ふゥゥゥゥゥゥゥん、ナルホドね。皆は何かに出るのかい?」

初春「一応、学校対抗みたいな感じではあるので、棚川中学も出ますね」

級友1「って言っても、うちも結構能力者はいますけど、常盤台とかあの辺には勝てないですねー」

級友2「先生は何か出るんですかぁ?」

克巳「ま、考えとくよ」

克巳(ナルホド……学園都市が一般開放される、かッッッ―――)

毎年、能力者達の激しい戦いで観客を楽しませてきた大覇星祭
基本的に何でもありのこの祭り、今年のものは以後長きに渡り伝説として語り継がれる事となるが、今はまだ誰も知らない―――

克巳SAGA〜学園都市編〜 第4部 佐天さん入門編B 完
277 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/29(金) 01:06:42.70 ID:FvJFHTO3o
―――夜

いつものように稽古を終え、いつものように家まで走って帰った佐天と克巳だが、この日、佐天は克巳にある提案をしていた

佐天「ささ、どうぞ上がってください!今日は私がご馳走しますから」

克巳「いや……ホントに気ィ使わなくていいぜ?疲れてねェか?」

佐天「全然大丈夫ですよー。あんまり広くは無いですけど、どうぞ」

克巳「……わかった、アリガトな」

佐天「いえいえ、私の方こそ今までろくにお礼もできなくて……あ、完成するまで適当に座っててください」

克巳「ああ……」

佐天「〜♪」

克巳は言われるがままに適当な椅子に腰をおろし、適当に視線を泳がせる
部屋はきちっと片付けられており、女の子らしい、いい部屋だと素直な感想を抱く
278 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/29(金) 01:07:36.97 ID:FvJFHTO3o
克巳(どこ見てりゃいいんだ……)

あまり部屋をジロジロ見るのも失礼だと、しばらく料理を作る音が聞こえるキッチンを眺めた後テーブルに視線を戻した克巳の目が一冊のノートを捉えた

克巳(空手ノート……?)

克巳がそのノートに疑問を抱いた瞬間―――

佐天「お待たせしましたー」

キッチンから料理を持った佐天涙子が姿を現す

克巳「……いい香りだ……」

佐天「えへへ……これは鶏のささみです。やっぱり食べるなら高タンパク低カロリーなものがいいなぁって思ったんですよね。毎日食べてるから、レシピもいい感じに増えてきてましたし」

克巳「毎日作ってんのか……すっげ」

佐天「よければ今度教えますよー。ささみを観音開きにして、紫蘇と練り梅を挟んで巻いて、ようじで止めて焼くだけなんで、簡単ですよ?」

克巳「難しそうだな……ああ、運ぶのくらい手伝おう。……ん?、これは―――」
279 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/29(金) 01:08:41.81 ID:FvJFHTO3o
佐天「ホウレン草のお浸しと豆腐です。暑いのと栄養のバランスを考えればこれもいいかなぁ、って」

克巳「ナルホド……」

佐天「はい、ご飯とお味噌汁です。ささ、どうぞ召し上がってください」

克巳「あぁ……いただきます」

佐天「……どう……でしょうか?」

克巳「うまい……」

佐天「ほんとですか?……よかったぁー」

克巳「ああ、肉、ホウレン草、豆腐、味噌汁、どれもウマい」

確かにウマい、料理の腕もさることながら、克巳はもっと他のことに感心していた

克巳「すげェな、佐天さん」

佐天「えへへ……料理は得意―――」

克巳「料理の腕、それだけじゃない。ちゃんと体が作れるようなものを選んで食う、それも毎日。……佐天さんは、良い空手家になるぜッッッ」

佐天「……はい、頑張ります!」

克巳「……ところで、ちょっといいかい?……その空手ノートってのは……?」
280 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/29(金) 01:09:48.14 ID:FvJFHTO3o
佐天「あ……これは、その日克巳さんから聞いた事とか、自分で気付いた事とかをまとめたノートで……」

克巳「見せてもらっても?」

佐天「は、はい!どうぞ……」

佐天からノートを受け取った克巳は、パラパラとページをめくる

克巳(正拳中段突きの突き方、コツ、俺が教えた事、気づいた事……これは、自主練までしてるのか……)

そのノートからは、武に対するひたむきさが、強さを純粋に求める心が、ひしひしと伝わってくる

克巳(すげェな……まだ10やそこらの女の子が……)
281 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/29(金) 01:10:29.44 ID:FvJFHTO3o

佐天「あの、何かまずいところでも?」

克巳「いや――」

克巳「……佐天さんは、世界最強になりたいか?」

佐天「……私は、あんまり興味は無いです。ただ……友達を、大事な人を守れればそれでいい。世界最強の人が大事な人を傷つけるなら、その人よりほんの強ければいいんです」

克巳(―――ッッッ)

佐天「―――って、おかしいですよね。世界最強に興味ないなんて言っておいて、結局は最強になりたいなんて。―――克巳さんは、世界最強になりたいですか?」

克巳「……ああ、男なら誰でも、一度は目指すもんだ。俺達は、バカみたいにまだそれを目指して今も戦ってる……」

佐天「やっぱり、克巳さんはすごいですね。何ていうか、ちゃんと大きい目標みたいなのがあって」
282 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/29(金) 01:12:19.96 ID:FvJFHTO3o
目の前の少女に言われて考えてみれば、自分は何のために世界最強を目指すのだろう?
空手の最強を認めさせたい?神心会の門下生に自分の器を認めさせたい?親父の伝説を越えたい?それとも、小さい頃の夢を追い続けているのか?
きっとそのどれもが正解だろう
だが、考えた事もなかった
例え親兄弟といえど容赦をするな、武術家の本分をそう教えられてきた、最強になるにはそれが正しいと思っていた
だからこそ、誰かを守るために―――
他人のために世界最強になりたいなど―――

克巳「……いや、俺は――――」

佐天「……?」

なぜだか、目の前の少女がやけに輝いて見える
今の自分は持っていない、そんな強さを持っているように感じてしまう
この少女、佐天涙子は―――
283 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/29(金) 01:13:25.47 ID:FvJFHTO3o
克巳「……あ、これ、もう一つもらってもいい……?」

佐天「はい、どうぞー」

克巳「あ〜〜〜〜〜〜っっ、うまいね……これ」

佐天「えへへ……そういえば、克巳さんは大覇星祭の日って用事とかあります?」

克巳「いや、今のところ特には……」

佐天「じゃ、じゃあ、最終日にナイトパレードっていうのがあるんですけど、一緒に見に行きませんか?」

克巳「俺と……?友達と行った方が楽しいんじゃねェか?」

佐天「初春と白井さんは風紀委員ですし、御坂さんは多分大人気ですし、他の友達は、えっと、興味がないって言ってて……」

克巳「ナイトパレードかァ……わかった、その日は空けとく」

佐天「とっても綺麗らしいですよ、楽しみですよね!」

克巳(親父が見たら何ていうか……だが、悪くはねェ……かもな…)
284 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/29(金) 01:15:19.07 ID:FvJFHTO3o
―――同時刻・某所

???「むゥ……克巳さんからメールがきている……?」

from.愚地克巳
sub.なし
time,12:50
9月19日〜25日の間で暇なときがあったら学園都市に来ませんか?
学園都市を案内しますし、祭が開催されるそうなので……
もし都合がついたら連絡ください

???(学園都市……確かこの時は予定は何も無い……)
285 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/29(金) 01:16:29.15 ID:FvJFHTO3o
―――佐天さんの家

克巳「お、メールだ……」

from.???
sub.Re
time:23:05
私は一向に構わんッッッッ!!
先程アドレスの変更を行ったため、再登録を願う

克巳(ハハ……)

佐天「どうかしました?」

克巳「いや、何でもねェ、それじゃあ今日はアリガトな」

佐天「こちらこそ、ほんとにありがとうございました!それで、あの、これからもよろしくお願いします」

克巳「ああ、よろしく。でも、ホントにいいのかい?片付け手伝わなくて」

佐天「貴重な鍛錬の時間をいただいてますし、片付けなら大丈夫ですよー」

克巳「悪いな……それじゃ、25日、よろしくな」

佐天「は、はい!あの、大覇星祭の時も、稽古ってつけてもらっても……?」

克巳「ああ、時間があえばいくらでも。じゃ、また明日な」

佐天「はいー、また明日ー」

佐天(……25日……ナイトパレード……)

佐天(でも、こ、これはあくまでもお礼のためであって……)

佐天(……えへへ)

少しだけ近づいた佐天さんと克巳―――!
そしてあの雄が、大覇星祭で浮かれる学園都市に舞い降りる――!

克巳SAGA〜学園都市編〜 第4部 佐天さん入門編 終了

286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/07/29(金) 01:19:39.39 ID:f4Oo91/so
一向に構わない人きたwwwwww
287 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/29(金) 01:20:09.06 ID:FvJFHTO3o
次からは大覇星祭の話をちょっとしようと思います
暇なときにちょくちょく書いて投下しますが、バトルはしばらく先になりそうです、完結まではもっと……
ではー
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/29(金) 01:21:13.82 ID:tEd+NWxA0
れwwwwwwつwwwwwwさwwwwwwんwwwwww
メールでもそれかwwwwwwww
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/29(金) 01:22:42.46 ID:cizybT19o
サテンサンいい女になりそうですね
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/07/29(金) 02:08:13.22 ID:X7cGEMNT0
カイオ〜〜〜〜〜〜〜ッッッッレツッッッッッ
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2011/07/29(金) 04:30:50.97 ID:en1PNRE3o
更新乙ッッ!

できたら第7位とバキ勢の誰かとのバトルを希望するッッッ!
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/29(金) 04:35:20.69 ID:kQbivQgpo
わざわざ「ッ」を何度も変換している烈さんを想像してワロタ
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/07/29(金) 06:45:34.28 ID:zVFYUSkpo
追いついたー!おもしろいwwwwwwww
乙です!

>>292
やめろwwwwww
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/07/29(金) 08:28:34.05 ID:ZgOtdimP0
烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」カチカチ・・・

  私はいっこうに

烈「破ッッ」

  私は一向に

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」カチカチ・・・

  私は一向にかまわん

烈「あひゅっ!!」

  私は一向に構わん

烈「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」カッカチチカッカチチ


  私は一向に構わんッッッツ


烈「ぬぅッッッ」カチカチカチカチ


  私は一向に構わんッッッッ!!


烈「良しッッ」

295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/07/29(金) 09:27:21.68 ID:lbO+sQ11o
長い3行で
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/07/29(金) 10:01:37.22 ID:XJXp+wBAO
むしろこうだろ

付き人「烈海王、メールが届いたようです」

烈「気を練っている途中だ、読み上げたまえ」

付き人「克巳さんから…旅先で催しがあるから遊びに来ないか、とのことです」

烈「ふむ…今から言うとおりに返信してくれ」

付き人「はい」

烈「いくぞ…私は一向に構わんッッッッ!!」

付き人(今の長さは「ッ」四つかな…)


付き人は客員師範してる愚地の道場の奴か、バキに来る運転手みたいに徳川さんが派遣してる感じで
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/29(金) 11:19:12.07 ID:btuRBvbDO
烈さん、ボクシングはどうなったんスか・・・・・・・・・

正直あんな親子喧嘩よりよっぽど気になる。
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/07/29(金) 13:37:56.03 ID:lD4sdkkO0
>>297
バキが負けるでしょって板垣が言っちゃったからなぁ・・・
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/29(金) 15:57:28.12 ID:PeIHQe+DO
勇次郎は強くなりすぎて刃牙が勝てるビジョンが思い浮かばん。
初期の紅葉に握力負けしてたり独歩と手加減とはいえ互角に勝負してたころがまだ良かった
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/07/29(金) 16:54:26.48 ID:it0xrhcTo
もう麻酔銃じゃ眠らなそう
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/29(金) 17:18:57.46 ID:kQbivQgpo
むしろ睡眠中に麻酔銃くらわせたら起きそう
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/29(金) 20:06:58.10 ID:btuRBvbDO
麻酔銃を撃つ気配だけで起きそう。
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/07/29(金) 21:43:08.36 ID:ZgOtdimP0
つーかクロロホルムの海がピクルに対してほとんど意味を成さなかったように、勇次郎にももう麻酔効かないんじゃないか?
あのトンデモ生物二匹なら麻酔に対して抗体かなんか生成出来そう。
現にピクルは岩塩層に戻される前に拘束台ぶっ壊して脱走出来たし。
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/07/29(金) 23:37:16.71 ID:lmK9+DyKo
常に成長期だしな
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/30(土) 00:56:17.89 ID:tH3I6F/50
ギャグ補正も入るしな
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/07/30(土) 01:18:26.98 ID:qZeAS2C2o
>>303
キルアみたいなかんじか。
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/30(土) 12:05:28.28 ID:KHEMHZ/DO
もうピクルvs勇次郎でいいよ。
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/30(土) 12:57:18.91 ID:RgH6kig1o
>>307
バキと戦う前にいつかの夜叉猿みたいにされる立場だとずっと思ってた
309 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/30(土) 20:51:35.90 ID:jfoVk0Mqo
―――9月19日

―――学園都市某所

???「ふむ……学園都市、噂には聞いていたが随分と技術が発達しているようだ」

早朝、大覇星祭で一般開放された学園都市で、一人の男が感心したように言葉を漏らす
浅黒い肌に三つ編みの髪、筋肉質で片足が無く、何となく中国を連想させる着物を着ている
そんな、学園都市では珍しい風体の男を道行く人は物珍しそうに眺めている

???「克巳さんとの待ち合わせまでは時間がある……何処かで―――」

「おーい!危ないぞ!!」
310 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/30(土) 20:52:16.48 ID:jfoVk0Mqo
彼を学園都市に呼んだ同志との約束の時間まで、何処かで暇を潰そうと歩き出した彼の耳にそんな怒声が飛び込んでくる

???(むゥッッ何事だッッッ)

声のした方を見やれば、道路の真ん中にボールを持った子供が一人
状況から察するに、持っていたボールを落としてしまい追いかけていたのだろう
子供の前方を見ると、余所見運転をしているバイクが1台、猛スピードで突っ込んできている

???(いかんッッッッ!)

彼は咄嗟に不自由な足で道路に飛び出し子供の前に立ち塞がると、腰を落とし、迎撃するような構えを見せ――――
311 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/30(土) 20:53:04.21 ID:jfoVk0Mqo
―――――

偶然近くで目撃していた学生(以下Aとする)の証言

A「ええ、ふと道路を見たら子供がボールを追いかけて飛び出していたんですよ」

A「子供の前方からはバイクが迫ってきていました」

A「思いましたね、危ない、って」

A「気付いたら叫んでたんです、危ないぞー!って」

A[バイクに乗ってた人は全く気付いてない様子でしたね」

A「あ、これはホントにやばいぞと思ったら、男が飛び出してきたんです」

A[ええ、何ていうか中国人?って感じの男の人でしたね」

A「子供を抱えて逃げるのかな?って思ったんですけど、こう構えたんですよ」

A「ちょうど映画なんかで拳法家がやるような感じですね」
312 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/30(土) 20:54:00.26 ID:jfoVk0Mqo
A「そんな間にもバイクはスピードを落とさず突っ込んできます」

A「僕を含め、周りの人間は固唾を飲んで見守っていました」

A「きっと男の人は轢かれて、良くて大怪我、悪ければ―――」

A「中には携帯を取り出していた人間もいましたね、ホント何考えてるんだか」

A「……でも、僕も今になってムービーを取っておけば良かった、なんて思ってますね。それほど凄い事が起きたんです!」

A「あんなの映画でしか見た事がないですよ!ここは能力者がたくさんいますが、あれは本当に凄かった!」

A「……すみません、話が逸れましたね」

A「ええ、それでバイクと男の人の距離が縮まって」

A「あ!ぶつかる!!」

A「って思った瞬間にですね―――」
313 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/30(土) 20:54:53.39 ID:jfoVk0Mqo
事故当時、バイクに乗っていた少年(以下Bとする)は語る

B「そこから先は俺が話すぜ」

B「視線を戻したら、子供の前に男が立っててよう」

B「やべっ、轢いちまうって思ったら、男がバイクに向かって手を出したんだよ」

B「どうなったかって?」

B「見ろよ、これが俺のバイクだ」

B「……吹っ飛んだんだよ、バイクが、後ろ側だけ」

314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/07/30(土) 20:55:18.17 ID:2dN4Mv9Wo
構えてる暇があったら子供助けて避けろよwwwwwwwwwwww
315 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/30(土) 20:55:38.95 ID:jfoVk0Mqo
B「座席の後ろだけが、綺麗にバラバラにな」

B「俺も何が起きたかさっぱりだったぜ」

B「子供と男は無傷、俺も無傷、バイクだけが綺麗に壊れちまった」

B「呆然としてると男がこう言ったんだよ」

B「すまない、ここに連絡してくれればバイクは弁償しよう」

B「ってな」

B「人を轢かずに済んだのは感謝してるし、元は俺の責任だから連絡するつもりは無いが、あれは何者だったのかだけが気になるぜ―――」

――――

まさに神業ともいえる技術を披露した男は、何かを書いた紙を運転手に渡し、子供を安全な歩道に運ぶと、クルリと踵を返し雑踏へ紛れ消えていく
後に、学園都市の新たな都市伝説として語り継がれる事となる”乗り物殺し(ビーエクルブレイカー)”誕生の瞬間であった―――

克巳SAGA〜学園都市編〜 幕間 完
316 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/30(土) 20:57:09.21 ID:jfoVk0Mqo
―――”乗り物殺し”誕生より少し後、とある開会式場

学園都市の一大行事である大覇星祭
数多くある開会式場の一つで、各校の校長の長ったらしい話に退屈しこっそり携帯をつついていた佐天涙子が、隣で眠たそうにしている初春飾利にキラキラとした表情で話しかけている

佐天「初春ー!新しい都市伝説仕入れたよ!」

初春「はぁ……またですかぁ……?」

瞳を輝かせ話しかけてくる友人に、彼女の都市伝説好きも困ったものだと内心呆れながらも、初春は相槌を打つ
317 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/30(土) 20:58:40.85 ID:jfoVk0Mqo
佐天「まぁまぁ、これはできたてほやほやのやつみたいだよ」

初春「佐天さんのは眉ツバな情報が多いですからねぇ……」

佐天「んっとね、素手で走ってるバイクの真正面から、バイクの後ろだけを綺麗に!誰も傷つけずに壊す人がいるんだって!」

初春「そうなんですかぁ」

佐天「噂ではダンプカーも壊してたとか、いろんなのがあるね。ほうほう、”乗り物殺し”かぁ、会ってみたいなぁ」

初春「レベルアッパーも実在してたんで、あるかもしれませんけど……すっごい怪しいですねぇ……」

佐天「そう?特徴なんかもあるし、案外すぐ会えたりして!」

初春「特徴ですか?」

佐天「そうそう。三つ編み、筋肉質、中国っぽい服装、片足がない……」
318 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/30(土) 21:00:14.60 ID:jfoVk0Mqo
初春「そうなんですか……って、やっと開会式終わりましたよ佐天さん」

佐天「ほんとだ……長かったぁ……」

初春「それじゃあ、佐天さん。私は風紀委員の仕事があるので」

佐天「大変だねぇ……頑張って!」

初春「佐天さんこそ、競技に出るなら頑張ってくださいねー」

そう言うと彼女は、風紀委員の集合場所に向かって小走りで走り去っていく
それを見送ると、佐天はずっとつっ立っていたせいで強張った体を思い切り伸ばしながら、ふぅと息をつく
319 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/30(土) 21:01:09.12 ID:jfoVk0Mqo
克巳「よ」

佐天「あ、こんにちは。長かったですね、開会式」

克巳「そうだな。そういや、佐天さんは今日は何か出る競技あるのか?」

佐天「今日は特にないですね、多分」

克巳「ナルホド……っと、俺は今日ちょっと人と約束があってな。稽古は休みにしねェか?」

佐天「了解しましたー」

克巳「スマン。後で佐天さんにも紹介する」

佐天「あ、もしかして空手の同門の方とかでしょうか?」

克巳「ああ、同門っていうか、客員師範みてェなもんだな」
320 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/30(土) 21:02:19.29 ID:jfoVk0Mqo
佐天「客員師範……?」

克巳「まあ、詳しい事は紹介する時にでも話すわ」

佐天「はい!とっても楽しみです」

級友1「涙子ー!うちの学校が出てる競技見に行こうよー!」

佐天「あ、わかったー!」

克巳「ま、今は稽古とか考えずに楽しんできな」

佐天「押忍!」

ナニナニ?ナニフタリデハナシテタノ?
ジュギョウノコトダヨ
ウソダ!

克巳(さて、俺も行くかッッッ)

友人と連れ立って会場から去っていく佐天を見送った克巳は、自分が呼んだ男との待ち合わせ場所へと向かうため会場を後にした―――
321 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/30(土) 21:03:39.12 ID:jfoVk0Mqo
―――克巳の道場

誰もいない道場で、克巳は正座をしてある男の到着を待っている
外は随分と騒がしいが、道場の中は静まり返り、まるで壁一枚を隔てて向こう側は異世界というような感覚さえ覚える

克巳(道に迷っていなければいいが……)

なかなか姿を見せない待ち合わせの相手に、克巳が一抹の不安を覚えたとき、道場のドアがゆっくりと開けられる

「同志よ…・・・」

入ってきた男は間違いなく自分が学園都市に招待した人物
中国拳法の達人にして、現在はボクシングに進出中の男
拳雄・烈 海王その人である
322 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/30(土) 21:05:08.29 ID:jfoVk0Mqo
克巳「列さんッッ、ご無沙汰してます」

烈「うむ、元気そうでなによりだ、克巳さん。―――ところで、最近武の方はいかがかッッ?」

克巳「俺は―――」

烈「―――成程、どうやら良い門下生に巡りあったようだな、克巳さん。――――そういえば―――」

会ってしばらくは互いの近況を伝え合っていた二人だったが、次の烈の発言は、克巳の思いもよらぬ事だった

烈「――私以外にも、この学園都市に二人来る予定なのはご存知かッッッ?」

克巳「いや、それは初耳……いったい誰が?」

烈「一人目は、克巳さんのお父上、愚地独歩氏だ。今日ではなく、催し物の期間のいずれかの日に来るらしい。克巳さんの様子を見るためと、どうやら何らかの用事があるようだが……」

克巳「親父がねェ……強敵でも求めてるんじゃねェのかな―――で、あと一人は?」

烈「うむ、残る一人だが―――」

克巳「―――マジ?」

烈「――――刃牙さんから聞いた話だ、おそらく事実だろう。あちらも我々がいる事は知っているようだが――」

克巳「そうか……わかった。――だが、今はとりあえず学園都市を案内しよう」

烈「世話になるッッッ」
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/07/30(土) 21:05:55.69 ID:Lfl95J43o
奴か……
324 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/30(土) 21:06:21.51 ID:jfoVk0Mqo
――――同時刻・学園都市某所

男「遠いところからわざわざご足労いただきありがとうございました」

???「あァ……」

男「ここはなかなか良いところでしょう?」

???「そうだな……ちィとばかし退屈だが」

男「はは、貴方にとっては確かに退屈かもしれませんね。しかし―――」
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/30(土) 21:06:28.01 ID:umtXLdv2o
来てしまうのか
326 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/30(土) 21:10:41.69 ID:jfoVk0Mqo
―――――――。

男「本当に出口までお送りしなくてもよろしいので?」

???「ここには強ええやつらがいる、ちょっくら挨拶するだけだァ」

???(それに能力者とやらにも会ってみてェ……)

男「わかりました。それでは秋田様に○○が礼を言っていたとお伝えください―――」

???「わかった……」

男「―――では、くれぐれもお気をつけください」

男「花山さん」

克巳SAGA〜学園都市編〜 第5部 大覇星祭@ 完
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/07/30(土) 21:11:52.83 ID:Lfl95J43o
おろ?
328 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/30(土) 21:13:00.04 ID:jfoVk0Mqo
今日はここまでで
勇次郎はもう少し後で登場する予定です
前から花山は出す予定でしたが、要望のあった花山VS削坂もやってみたいなぁと思ったり
寄り道せずに進むのがいいのか……
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/07/30(土) 21:13:49.07 ID:Lfl95J43o
どんどん寄り道ってくれ
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/30(土) 21:16:59.30 ID:Sv2UCMtYo
>>328
331 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/30(土) 21:27:55.87 ID:jfoVk0Mqo
>>330
ご指摘ありがとうございます
削板、ですね。以後気をつけます
332 :時間ができたので続き投下 ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 00:50:54.91 ID:oBCd4Ipho
花山薫 19歳

身長 191cm

体重 166kg

白のスーツを着込み、眼鏡を着用した顔には幾つもの疵が走る、暴力団花山組2代目組長にして素手喧嘩の天才
肉体を鍛える事、武器を使用する事をよしとせず、生まれ持った天性の力のみを武器に戦うその姿から世界一の喧嘩師とも称される漢は、初めて訪れた土地で現在非常に困った事態に巻き込まれていた

幼女「うわああああああああああああん!」

原因は、目の前で泣き喚くまだ幼い黒髪ポニーテールの可愛らしい女の子にあった
考え事をしながら立ち止まっていたところ、この幼女が前からぶつかってきたのだった
今日は何やら祭りが開催されているらしく、父親にでも買ってもらったのであろうアイスはぶつかった拍子にコーンを飛び出し、今は花山の白いスーツをカラフルに彩っている
333 :時間ができたので続き投下 ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 00:52:01.83 ID:oBCd4Ipho
花山「……」

花山としては、スーツなどどうでも良く、一刻も早くこの場から去りたい限りではあるが、流石にこの幼女を放っておくのは気が引ける
かといって、何か気の効いた言葉をかけてやる事ができればいいが、何と言葉をかければ泣き止むのか皆目見当もつかない

幼女「ひっく……わたしのアイス……ぐすっ、ふええええええん」

どうやらこの幼女は、自分にぶつかった事ではなく、アイスを落としてしまった事で泣いているらしい
これは花山にとって都合がよかった

花山「……すまねェな……お嬢ちゃん、父親はどこだ?」

自分の見た目で泣かれているのではもはや手の出しようもないが、これならアイスを買ってやれば落ち着きそうだという結論に達した花山は、とりあえず彼女の父親に話をつけようとする
334 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 00:53:10.96 ID:oBCd4Ipho
幼女「パパ……?ぐすっ……パパ、……はぐれちゃった……ひっく」

花山(迷子か……めんどくせェ……)

「何あれ?」

「やだ、子供泣かせてるの?あんな大きい体してるくせに情けない……」

「警備員呼んだ方がいいんじゃない?」

先程から周りの人間は、花山の方を見てざわついている
この騒ぎに気付いた父親が出てくればいいが、どうやらその気配もなさそうである
これ以上この場に留まっては更なる面倒事に巻き込まれると判断した花山は、この幼女のご機嫌取りと父親探しをすることにした――――
335 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 00:54:24.11 ID:oBCd4Ipho
――――少し後、学園都市の路上

男「おーい、幼女ー!どこだー?」

男「はぁ……どこに行ったんだ……」

男「おーい!ようj」

削板「よう!何してんだ?人探しか?」

男「あ、はい……娘とはぐれてしまって……探しているのですが……」

削板「何だと!?そいつは大変だ!よし、俺も一緒に根性出して探すぜ!」

男「ああ、ありがとうございます!特徴は黒い髪を後ろで縛った5歳くらいの女の子で、アイスを持っているはずなので……」

削板「わかった!黒い髪のポニテで幼女でアイスだな、任せとけ、根性で見つけ出してやるぜ!」

女子高生「あのー、その女の子なら多分私見ましたよ?」
336 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 00:55:24.95 ID:oBCd4Ipho
男「本当ですか!?いったいどこに……」

削板「良かったじゃねぇか、親父さん」

女子高生「何かこう鬼のような男に絡まれてて、どこかに連れて行かれてました……てっきり兄弟か何かだと思ってて……すみません」

男「そ、そんな……」

削板「……男の特徴を教えてくれ!安心しな親父さん、娘さんは俺が絶対に取り戻してやる」

女子高生「えっと、身長は2m位で、白いスーツで、眼鏡をつけてて、顔にたくさん疵がありました」

削板「わかったぜ、もし見つけたらこれに連絡をくれ。その男はどっちに行ったかわかるか?」

女子高生「えっと、あっちの方に歩いて行きました」

削板「よし、わかった―――」
337 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 00:56:13.85 ID:oBCd4Ipho
――――アイス屋

花山は、先程の幼女を連れて、近くにあったアイス屋に足を踏み入れていた
先程、幼女に落とさせてしまったアイスの侘びに、新しいアイスを買ってやるためである

幼女「……ぐすっ……アイス……何でもいいの……?」

花山「……あァ、何でも好きなモン買いなァ……」

幼女「……3つのせてもいい……?」

花山「……あァ」

幼女「!」
338 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 00:57:33.24 ID:oBCd4Ipho
幼女が出してきた要求を花山が認めた途端に、先程までしょげていた顔がパッと明るくなる
現金なものだと思うが、泣かれているよりかは幾分かマシである

幼女「えへへ、おじちゃんありがとー!」

花山「…………俺はまだ、19だ」

幼女「?」

花山「……何でもねェ」

幼女の屈託の無い笑みと、全く嫌味の感じられない言葉故に、ほんの少しショックを受ける花山だった―――
339 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 00:59:29.60 ID:oBCd4Ipho
―――路上

花山(どうしてこうなったァ……)

学園都市にある事情で足を踏み入れた花山は、同じくこの地に来ているという烈海王と愚地克巳を訪ねる予定だった
しかし、今現在花山には先程泣かせてしまった幼女が肩車の状態で乗っており、美味しそうにアイスを舐め、楽しそうに頭をぽんぽんと叩いている
これは、彼女が足が疲れたといいだした事と、探すなら自分が肩車をすれば相手が見つけやすくなるのではと思ったためである

幼女「すっごーい!たかいたかーい!」

嬉しそうにキャイキャイはしゃぐ女の子を見ると、やはりどうしても溜息が漏れてくる
そもそも彼がこの都市の土を踏む事になった理由は、彼が若いときに亡くなった父親代わりでもある、藤木組5代目組長・秋田太郎から頼み事をされたためである
340 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 01:00:38.16 ID:oBCd4Ipho
――
―――
――――

花山「……ナルホド、学園都市にいる友人に届け物をして欲しいって事か」

秋田「あァ、俺の大事な友人でもあるが、こいつが滅法酒と喧嘩が強いやつが好きなやつでなァ」

秋田「ホントは俺が行けばいい話なんだが、俺が花山と懇意にしてるって知ってて、学園都市が一般開放されるこの機会に是非会いたいっていうもんでよ」

花山「……アンタの言う事だ、それに俺が行かなきゃアンタの顔も立たねェ。構わねェよ」

秋田「すまねェな……ほれ、この酒を届けてやってくれや」

花山「……あァ」

――――
―――
――
341 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 01:02:58.05 ID:oBCd4Ipho
その後、刃牙にこの事を話したところ、ちょうどその時、学園都市には烈海王とかつて苦汁を舐めさせられた愚地克巳も訪れているという情報を得る事ができたのだ
更に、以前敗れた愚地克巳がピクルとの戦いで気高い開花を遂げたという情報も得ている
秋田から頼まれた用事を済ませた後で一度会ってみたいと思い、彼らを探していたわけだが―――
―――今の状況は、強敵のかわりに幼女の父親を探しているのである

花山「………………」

自分の予定とは全く噛み合わない事態に、もう一度花山が溜息をつこうとした時――――

「見つけたぞぉぉぉぉぉおおぉぉおお!!!」

花山に突然、男の声がかけられる
342 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 01:05:29.92 ID:oBCd4Ipho
花山「………………」

花山は、突然声をかけてきた男を冷静に観察していた
見た目から察するに、この娘の父親という事はなさそうである

削板「お前がその女の子を、泣かせた上に連れ去ったって聞いたぞ!」

どうやら、あそこにいたギャラリーから話を聞いて駆けつけたようだ
めんどくさいから押し付けてしまおうかという考えが花山に浮かぶ
しかし、一度自分が面倒を見た以上、自分で言うのもおかしい話だが得体の知れない男に預けるような無責任な真似をするわけにもいかない

削板「……沈黙は肯定と受け取るぜ。どんな理由があろうと女、しかも子供を泣かせるようなやつは許せねぇ!さっさとその女の子を渡せば、軽い怪我位で見逃してやるぜ?」

花山「………………」

この時、削板が冷静に、花山を悪人と決め付けず父親から言われてこの娘を探しているたと言えば、花山はこの男についていき何事もなくこの一件は幕を閉じただろう
花山が反論しなかったのは、この男の言う事に一切の間違いも認められなかったためであり、言い訳とは無縁の花山の美学がこの時ばかりは災いしたのである
343 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 01:06:48.46 ID:oBCd4Ipho
削板「……渡す気もねぇ……か。わかった、お前の腐った根性ごとぶっ飛ばして、その子を連れて帰るとする」

花山の頭の上では、アイスを食べ終わった女の子が不思議そうに事の成り行きを眺めている

削板「俺の能力でその子まで巻き込むつもりはねえ、どっかに避難させろ。それとも、盾に使うような根性無しか?」

相手がカタギであれば、花山から暴力を振るうつもりはない
だが、秋田の友人から聞いた、能力者という耳慣れない単語
興味を持ってはいたところに、まさに渡りに船である
どうやら目の前の男はその能力者というやつであるらしい

花山「…………降りてな」

幼女「あ」

花山は少女を優しく掴むと、そっと地面に降ろしてやる
懐かれてしまったのか、幼女は花山のズボンの裾を掴んでいる
344 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 01:08:43.29 ID:oBCd4Ipho
花山「おい、わりィがこの子を見ててくれねェか?」

花山は、近くのベンチに腰をかけ談笑していた、カタギにしか見えない女学生の集団に声をかける

女学生「あ、はい。いいですよー」

花山「……すまねェな」

そう言うと、裾を掴んでいた幼女を女学生の集団に預ける
可愛いー、だの、やわらかいー!だのという台詞から察するに、どうやら歓迎されているようだ

削板「……ここじゃあ一般人に迷惑がかかる。路地裏に行こう、根性入れてついて来な!」

花山(………熱血漢ってやつか……?)

花山「…………………あァ」

祭りの最中とあってか、人通りが多い場所を避けるのは花山としても反対する理由はない
後ろからおじちゃん、と自分を呼ぶ声が聞こえてくる
ちらりと後ろを振り返るが、幼女は女学生の集団にがっちりと捕まっており、追ってくる気配はなさそうである

花山(……能力者か……楽しみじゃねェか……)

喧嘩師・花山は突如現れた熱苦しい男の後を追い、路地裏へと入っていった――――

克巳SAGA〜学園都市編〜 第5部 大覇星祭A 完
345 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 01:11:43.85 ID:oBCd4Ipho
今日はもう寝ます
明日は久しぶりに暇な休みなので、大覇星祭編が終わればいいなと思ってます
ではー
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/07/31(日) 02:40:56.76 ID:zImQeIwC0
範馬勇次郎じゃなくて本当に良かった。

つか削板アホかww
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/31(日) 03:38:27.43 ID:qjPJoLGAO
すごいパンチ対すごいキック
腕が破裂するな
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/31(日) 05:31:59.61 ID:unlWcIlIO
すごいパ……握力×体重×スピード=破壊力!……グファッ
となるのが見えるな、南無南無
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/07/31(日) 06:34:07.32 ID:+ht42qb2o
乙でした
wwktk止まらないwwwwww
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/31(日) 07:25:00.70 ID:npSphz5Vo
>>348
さすがにそれは削板バカにしすぎ、たぶんノーガードの殴り合いかな?
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/07/31(日) 09:10:16.83 ID:8QSS8ylMo
いや、さすがに花山でもすごパくらったら……と、思ったけど。
考えてみればすごパ喰らっても死なない無能力者は本編にもいるんだよなw
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/31(日) 11:30:59.33 ID:9bUzJLIA0
モツ鍋さんがすごパ10発まで耐えられるくらいなんだから、花山さんなら100発くらったって平気さ! といいたいが、なんかすごパってソギーのテンションで凄い威力が変動しそうだしな。
超能力×根性×テンション=破壊力、て感じ。

しかし、花山はどっからどう見てもおじさんにしか見えんよな。
ステイルさんじゅうよんさいやかんざきさんじゅうはっさいなんか目じゃないぜ!!
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/07/31(日) 13:14:42.63 ID:Q665NHzs0
削板と花山が決着した瞬間、勇次郎が乱入して来て

「 ど う や ら、ま だ 始 ま っ た ば か り の よ う だ な 」

花山・削板「!!!・・・・・・・・・ッッッッッ」

なんていう恐ろしい展開が100無いとは言い切れないのが、バキキャラを使ったSSの怖い所だな。雑魚奴同士の闘いにもすぐ顔出すからな奴は。
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/07/31(日) 14:33:26.53 ID:LrFyMoalo
予想はよそう
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/31(日) 14:40:15.87 ID:7gctYL0DO
遅れたけど乙ッッッッ!!!
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/31(日) 14:42:58.48 ID:fRDdCzYDO
勇次郎が出ると大抵の話が台なしになる罠。
板垣さんよォ……。勇次郎を強くしすぎだぜ?
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/31(日) 15:48:26.84 ID:sP75l3YG0
強くなったぶん優しくなった
358 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 15:53:07.13 ID:FZF4OVQMo
―――路地裏

人の気配が一切ない路地裏に踏み込んだ花山は、ポケットに手を突っ込んだまま自身の前方、向かい合うように立っている男を一瞥する

削板「さて、今から根性が腐ってるお前に、俺―――学園都市のナンバーセブン・削板軍覇が根性を注入してやる!」

花山「………………」

軍覇と名乗った男と花山の位置は遠く、飛び道具でも使わない限りは何も届きそうにない間合いである
故に、眼前の男に向かい花山が一歩踏み出した瞬間――――

削板「すごいパーンチ!」

花山「あ?――――ッッッッ」

随分と間の抜けた掛け声とともに、花山の体を衝撃が襲った―――
359 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 15:54:11.47 ID:FZF4OVQMo
学園都市の第7位・削板軍覇
原石の一人であり、世界最大の原石と呼ばれる彼の能力は、謎に包まれ詳細不明である
本人ですら、自分の力は大雑把にしか把握しておらず、それすらも合っているかどうか怪しいものである
そんな彼が、花山に放ったのは「念動砲弾」こと「すごいパーンチ」と呼ばれる彼の必殺技
原理は本人曰く、「あえて不安定な念動力の壁を作り、それを殴ることで壊して遠くまで衝撃を飛ばす」らしいがこれも詳しいことは不明である
だが一つだけわかっている事がある
それは、これを受けたものは、激しく吹っ飛んでいく、という事だ
スキルアウト程度なら、手加減しても立ち上がることなどできない
削板は、目の前の男もそのレベルだと思っていたのだが――――
360 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 15:55:19.53 ID:FZF4OVQMo
削板(決ま――――!!)

目の前の男は、衝撃で吹き飛ばされ地面に倒れているものの、すぐに起き上がると、何事もなかったかのような顔で削板を睨みつける
念動砲弾は確かに直撃したはず、それも削板が念動砲弾を放つ直前の、ポケットに手を突っ込んだガードなど不可能な体勢のまま、だ

花山(……今のが能力……ってやつか?)

花山「………………おもしれェ」

花山はポケットから手を抜き放つと、ゆっくりと削板に向かって歩き出す
まるで、俺の歩みを止められるものなら止めてみろ、とでも言いたげに、ゆっくりと一歩ずつだ

削板「―――どうやらさっきのは俺の根性が足りなかったみたいだな!根性入れなおして攻撃するぜ!!」

削板は、向かってくる花山に対し、念動力の壁を作っては拳で打ち壊していく

1発―――2発―――4発―――7発―――10発

衝撃が花山を襲うたびに吹き飛ばされてはいるが、それでも削板の眼前の男は倒れる事なく、念動砲弾の嵐が終われば立ち上がりゆっくりと近づいてくる
361 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 15:56:15.09 ID:FZF4OVQMo
削板「―――ナルホド、どうやらお前はすげェ根性の持ち主のようだ」

花山「………あァ?」

削板「敬意を表して、もう1段階上の根性を注入してやる――――超すごいパーンチ!」

相変わらずおざなりな掛け声だが―――

花山「――――――ッッッッッッッ!!!」

先程までとは、比べ物にならない衝撃が花山を襲っていた
足を踏み出そうとした、踏ん張りの効かない瞬間だったという事もあり、花山の巨体は大きく吹き飛ばされ、建物の壁に激突する
削板は、今度こそ決まったとあの幼女を父親のもとに送り届けようと踵を返す
しかし―――――

花山「…………待ちなァ」

削板「ッッッッッッッッッ!!」

スーツは衝撃でかなりの面積が破れ、褌と背中の刺青が露になっている
ぶつかった衝撃で頭から流血しているものの、花山は立ち上がっていた
それは根性で片付けるにはあまりにも凄まじい、一種の神懸り的な力
花山という雄を取り巻く様々な社会的事情を知らぬ削板が驚愕するのも無理はない
362 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 15:58:04.72 ID:FZF4OVQMo
削板(あれを直撃して、平然と立ち上がって来るだと?……すげぇ、すげぇ根性だぜ)

削板が驚いている花山のタフネスだが、それはやはり彼―――花山薫の事を知らないからだろう

まだ少年だった刃牙の攻撃を、最大トーナメントでは克巳の攻撃を真正面から受け止め反撃に転じた

東京にやって来た死刑囚・スペックには口内で弾薬を破裂させられた上、膝を撃ち抜かれ、耳を貫かれるなどの重傷を負いながらも最後まで倒れる事なく勝利した

現代に蘇った史上最強の雄・ピクルには、彼の突進を正面から受け止め、押し返し、全力を出してもいい相手と認識された

今までの長きに渡る喧嘩師としての遍歴で、一切の防御行動をとったことのない花山にとって、この程度は歩くよりも簡単な行為――――!

削板(何だ……?構えた、だと?)

それは、今までノーガードだった花山が見せた、特異な構え
極端にアップライトに構えた、一見するとボディーが隙だらけに見えるこの構え
花山がこの態勢を取るのは、相手を強敵と認め、全力で倒しにいく時のみである
つまり花山は、自分の巨体を容易く吹き飛ばし、まだ余力を残しているように見える削板を強敵として認めたということだ

花山「ふふ……能力だのなんだと随分ごたいそうな響きだが、それっぱかしじゃあんちゃん…………俺はやれねェよ―――」
363 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 15:59:38.97 ID:FZF4OVQMo
削板(……こいつにすごいパーンチは通用しなかった、なら近接戦で根性を注入してやるまでだ)

花山(――――あ?)

花山「――――――ッッッッッ!!」

一瞬の出来事であった
花山に近づいてきていた削板が凄まじい速度で懐に入り込んできたと認識した瞬間――――
花山は、削板に顔を掴まれ、地面におもいきり叩きつけられていた
その速度たるや、実に音速の二倍―――!
肉がアスファルトに叩きつけられる嫌な音が路地裏に響く
削板は今度こそ勝ったと思った
いかにこの男といえど、音速を超える速さで叩きつけられては―――
364 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 16:01:26.97 ID:FZF4OVQMo
花山「……………よォ、掴まえたぜェ……」

叩きつけた削板の片足を、叩きつけられた花山薫が両手で捕まえていた
眼鏡はひしゃげ、鼻骨を骨折したのか夥しい量の鼻血を流してはいるものの、目には闘志が爛々と輝いている

削板「――――なにぃ!?」

花山の脳裏には、かつて愚地克巳に打ち込まれた音速の拳が蘇っていた
あれよりも、削板の放った技はもっと早い攻撃だったが、それでも花山は意識を保っているどころか、今まさに反撃に転じようとしている
それが、花山薫なのだ
それこそが、男が憧れる漢、花山薫の生き様――

花山「………駄目じゃねェか……喧嘩の途中で気ィ抜いたらよォ……」

ミリミリと削板の足を掴む腕に力が込められる

削板「な――――」

削板の足の皮膚、血管、筋肉はみるみるうちに膨れ上がり、そして――――

削板「――――ッッッッ!」

パン、と小気味良い音を辺りに響かせ、破裂した
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/07/31(日) 16:03:29.86 ID:+ht42qb2o
握撃ktkr
366 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 16:03:52.12 ID:FZF4OVQMo
――――握撃――――

花山薫の代名詞とも呼べる代物であり、花山の強大な握力で相手の筋肉を挟み込み、皮膚、血管、筋肉などを破裂させるという必殺技でもある
重ねたトランプの一部分を引きちぎり、500円玉を指でひん曲げる事ができる彼の超人的な握力があってこそできる、まさに花山薫のために存在する技術である

削板は何が起こった理解できず、ただただ血を噴き出す自分の足を眺めている
頭には、筋肉が、血管が、皮膚が、締め上げられ破裂する瞬間の映像が鮮明に焼きついている
銃で蜂の巣にされようが、アイスピックで刺されようが、痛い程度のダメージしか受けない削板ではあるが、目の前の事態に凍りついてしまっている

削板「お前―――」

花山に目を向けた削板の目に飛び込んできたのは、異常な体勢だった
先程まで倒れていた花山薫は立ち上がり、背中しか見えなくなるほどの異常なテイクバックをとっている

削板「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッ!!」

圧倒的破壊力を誇る花山薫の渾身のストレートが、削板目掛けてぶち込まれた――
367 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 16:05:37.41 ID:FZF4OVQMo
握力×体重×スピード=破壊力

これは、パンチの威力を決めるとされる方程式であるが、この三つのどれもが異常な数値を誇る花山薫のストレートは、ガードをこじ開け、削板の体を数m以上吹き飛ばし壁に叩きつける

削板「がはっ―――!!」

花山「…………まだやるかい?」

壁に叩きつけられ、その衝撃で大きくバウンドした後また地面に叩きつけられた削板に、近寄ってきていた花山が問いかける

削板「俺の根性は、こんなもんじゃねぇ――――!!」

削板は握撃で破裂した脚で立ち上がると、ノーガードの花山に向け、息をつく暇もない密度のパンチやキックの雨をお見舞いする
その行動はすべて音速以上で行われており、顔面、胸、腹部、脚、花山の全身に削板の拳と蹴りが襲い掛かる
被弾した花山の体が押され、徐々に後ろに下がっていくほどの攻撃であり、普通のものであればこれで決まっていただろう
だが、削板の眼前に立ちはだかるは花山薫という超雄――――

削板「〜〜〜〜〜〜ッッッ」

瞬間、それらの猛攻を掻い潜り、花山の前蹴り、通称”ヤクザキック”が削板の腹部に叩き込まれていた
花山薫の全体重を乗せた蹴りは、雑で力任せではあるが削板を吹き飛ばしまたもや壁に叩きつける
368 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 16:07:07.86 ID:FZF4OVQMo
花山「………………まだ、やるかい?」

削板は、まだ負けを認めない
根性の男であるがために、どんな状況でも根性で打破しようとする男だ
それが削板の生き様なのだ―――

花山「………………そうかい」

花山は、眼前のこの男がまだやる気だと判断すると、削板の腕を掴み上に引き上げ、頭と地面との間にほんの少し空間を作ってやる
そして―――
369 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 16:08:01.32 ID:FZF4OVQMo
削板「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ」

グシャッともゴシャッとも形容できない異様な音が路地裏にこだました
―――石割、という武術家が行うパフォーマンスのようなものがある
拳で石を叩き、真っ二つに割る、というものであるが、これには多くの場合、あるトリックが用いられている
拳で叩く際に、石とテーブルとの間に若干の隙間を作ってやるのだ
そうすれば実際は拳ではなくテーブルで石を叩いている事になるので、簡単に割れるというものだが―――
花山はこれを、削板の頭を石に見立て、テーブルではなく地面で行ったのだ
かつてスペックに対して行ったように、何度も何度も何度も何度も何度も削板の頭を踏みつけ、その度に辺りに肉が潰れるような嫌な音が響く

削板「―――――がぁあああああああ!」

花山「―――――ッッッッッ!」

花山は、今までの戦闘からこの男の能力をあの妙な衝撃波だと思っていただけに、これは予想外の事態だった
ただひたすらに蹂躙され、あとは敗北を待つだけだと思われた削板を中心に変な爆発が起こり、花山はまたも大きく吹き飛ばされる
周囲にはもうもうと煙が立ち込め、削板からは様子を窺う事はできないが、あの男ははたして―――
370 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 16:09:51.69 ID:FZF4OVQMo
花山「…………まだやるか」

花山は、立っていた
かろうじて残っていたスーツは完全に破れ、全身には打撃痕が残り、体の至るところから流血、口からは煙を吐いているものの、それでも花山はゆっくりと近づいてくる

削板(まじい……これ以上は……だが、あの女の子を……)

削板「―――すごいパ――――!!」

花山に向けて念動砲弾を放とうとした削板は驚愕した
ゆっくりとこちらに歩いてきていた男の姿はあるべき場所になく、あの巨躯を持ってして空中高くに飛び上がっている
そして、空中で一回転しながら猛スピードで頭上へと迫ってきているのだ
いわゆる、胴回し回転蹴り、というやつだ
狙いは間違いなく削板の頭だろう

削板(やべえ……間に合わねえ……)

削板「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ」

花山の足が眼前に迫り、脳天に凄まじい衝撃が走った瞬間―――
削板軍覇の目の前は真っ暗になった
371 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 16:11:33.77 ID:FZF4OVQMo
―――学園都市のとある路上

削板「―――――はっ!」

花山薫にぶちのめされ、意識を失っていた削板は何者かに抱えられた状態で目を覚ました

削板「なっ!お前、何を――――がっ」

彼を小脇に抱えていたのは、彼を気絶させた本人である花山薫であり、削板が目を覚ましたと気付いた瞬間、削板を地面に放り出す

削板「あの女の子はどこにいった!おい、答えろ!」

花山「……さっき父親が引き取っていったぜ」

削板「はぁ?」

幼女「おじちゃーん、ばいばーい!」

男「本当にありがとうございました」

遠くの方で、父親に抱きかかえられた幼女が大きく手を振っている
幼女の父親もペコペコと頭を下げている
花山はそれらに向かい小さく手を振ると、くるりと踵を返して歩き出す
372 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 16:13:10.96 ID:FZF4OVQMo
花山「あばよ」

削板「ま、待てよ、待ってくれ!も、もしかしてお前、人攫いじゃなかったのか?」

花山「…………まァ、な」

削板「まじかよ……すまんかった、言ってくれりゃあ俺も……」

花山「………………気に―――」

黒子「ちょっとアナタ!そこのでっかいアナタですの!ジャッジメントですの!止まりなさい!!」

花山「俺か?」

黒子「そうですの!不審者がいると通報を受けて駆けつけてみれば、白昼堂々何て恰好してますの!」

言われてみると、確かに褌一丁で血がところどころに付着した体は不審者と呼んでも違和感のない風体ではある
373 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 16:14:45.56 ID:FZF4OVQMo
黒子「それに……まさか、喧嘩ですの?この大覇星祭の時期に――――」

花山「…………俺に原因がある……こっちの兄ちゃんは病院に連れて行ってやりな」

削板「お、おい!お前何言って―――」

黒子「確かに酷い怪我ですの、今病院を手配しますので動かないで……って言ってもその傷では動けませんの」

破裂した足、腫れた顔などを見た黒子はそう言うと、グリンと花山を睨みつけるように振り返る

黒子「あなたは私と一緒に来てもらいますの、異論はありませんわね?」

花山「…………あァ」

黒子「では、ジャッジメントの詰所まで連行しますの。腕を出しなさいな」

言われるがままに腕を差し出した花山に、手錠がはめられる

黒子「それでは行きますの」

花山(こっちは体中が痛ェってのに……めんどくせェ……)

そう言うと、彼女の能力である瞬間移動で、あっという間に二人は路上から消え失せ、その場には削板のみが取り残される
道行く人の視線と、遠くに救急車の音を聞きながら、溢れ出んばかりの花山の侠気と強さに触れた削板は思っていた

削板「うおああああああ!名も知らぬお方ぁぁぁぁぁぁぁぁ!俺と根性仲間に、いや!ド根性兄貴と呼ばせてくれええええええええええええ!」

削板軍覇が、更に自分を鍛え直す事を誓った瞬間であった――――
374 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 16:15:49.77 ID:FZF4OVQMo
―――花山が連行されたより少し後、学園都市某所

克巳「烈師範、ここのクレープはウマいだろう?」

烈「うむ、甘過ぎず、絶妙な塩梅だ……」

克巳「あァ……そうだ、門下生を紹介したい。観光はまた後ですればいいし、そろそろ行きませんか?」

烈「私は一向に構わんッッッッッ!」

克巳「っと、すみません、電話だ……」

375 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 16:16:52.64 ID:FZF4OVQMo
克巳「もしもし―――――――ああ、白井さんか。何の―――――」

克巳「―――――あァ!?」

克巳「わかった……今から行く――――」

烈「克巳さん、何があった?」

克巳「…………花山さんが、風紀委員―――ここの警察みたいなのに、連行されたらしい……」

烈「………………」

克巳「………………」

烈「……………………………………」

克巳「……………………………………」

克巳「…………行こうか」

烈「…………うむッッッッ」

克巳SAGA〜学園都市編〜 第5部 大覇星祭B 完


376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/07/31(日) 16:19:19.21 ID:+ht42qb2o


最後ワロタwwwwww
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/31(日) 16:20:21.08 ID:KC1gFRQvo
オチwwwwwwwwwwwwwwww
378 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 16:20:38.71 ID:FZF4OVQMo
多分今日はここまでになりそうです
日曜日で大覇星祭完結は無理そうです……すまぬ……すまぬ……
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/31(日) 16:46:36.17 ID:7o2N2VJDO
ちなみに花山は166sだから白井にはテレポート出来ません
380 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/07/31(日) 16:58:14.42 ID:FZF4OVQMo
>>379
やべぇ、すっかり失念してました、申し訳ない
ミスに気付いたり、指摘していただいたらそこを後からでも訂正した方がいいんでしょうか?
とりあえず設定をもう一度読み直してきます
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/31(日) 17:00:20.43 ID:7o2N2VJDO
いや白井が少しパワーアップしたとかそんなんでいいんじゃない?
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/07/31(日) 17:04:44.12 ID:xCjuQBkwo
私は一向に構わんッッッ!
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/07/31(日) 17:05:02.54 ID:8QSS8ylMo
改変するなら、
黒子と初春が同行。
削板を病院へ黒子が運ぶ。(テレポ)
初春が花山を歩いて連行。(今更抵抗する薫ちゃんじゃあるまい)

こんな感じか?
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/31(日) 18:01:06.58 ID:sCAuVsik0
>>383
問題は初春が花山を前にしてまともに動けるかだな…
白い褌一丁で全身から流血していてその全身には夥しい数の銃痕、切創…
そんな大男を見たら初春じゃ立っていられない気がするぜ
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/07/31(日) 18:01:25.37 ID:HbL1iCqK0
乙ッッッッ!!

最後の二人の沈黙wwwwww
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/31(日) 19:20:35.87 ID:qjPJoLGAO
贅沢な投下だった
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/31(日) 20:02:43.50 ID:HSPDgECAO
刃牙キャラの中でも中位クラスの花山さんが超能力者に勝ちやがったwwwwwwwwww
いや、そういや克巳がすでに1位に勝ってたなww

刃牙キャラに勝てそうなのは第2位と第5位くらいだな
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/31(日) 20:15:39.85 ID:68b7YS6go
>>387
みさきちがレックスに勝てるとは思えないんだけど
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/07/31(日) 21:35:41.26 ID:X1lAxmRF0
>>381
きっと花山さんもテレポート出来るんだよ。潜在能力の塊だから。

つか花山さんの石割トリック食らったら、普通は脳みそ出ちゃうだろ・・・
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/31(日) 21:50:30.61 ID:fRDdCzYDO
ソギーは刃牙勢に負けず劣らずのダメージ耐性持ちだぜ?
心臓に銃弾喰らっても生きてるとかマジキチだぜ。
まぁ、脳天にライフル弾ぶっ放されて生きてる上に直ぐに
病院抜け出した花山さんも相当のクレイジーだが
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/31(日) 22:47:19.09 ID:/uq31qE90
バキは自ら数十メートルの高さから飛び降りるやつだけどな
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/31(日) 23:08:46.23 ID:79qTs1cmo
花山が強くて何が悪い
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/31(日) 23:09:16.10 ID:7gctYL0DO
烈さんッッッwwwwww
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/01(月) 00:07:43.29 ID:IdpV/Qgpo
>>388
手懐けて味方にすることはできそう
能力で痛みを感じないようにしてやったり
ダンゴムシあげたり
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/08/01(月) 00:07:56.20 ID:u+E8pVP30
>>387
烈さんなら浸透剄(指定したレンガだけぶっ壊すやつ)応用すればダメージ与えれるんじゃないかと内心思ってる。
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/08/01(月) 02:07:43.42 ID:/IevbXNH0
>>395
あ、ていとくんにはで
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/08/01(月) 10:44:09.46 ID:DPcjT8MAO
学園都市の知識を鎬兄が吸収したらすごくね?
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/08/01(月) 11:05:31.74 ID:gpIx5P9h0
>>397
ちょwwカエルの存在意義が・・・ww
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/01(月) 12:08:54.38 ID:LwEyFnmdo
鎬兄から教えてもらって冥土帰しから冥土送りに名前が変わるんだろ
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/02(火) 21:34:08.63 ID:Bm3JGWY9o
マダカァー
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/02(火) 23:37:39.65 ID:OZc8aHvAO
黙って待たんかッッッ!!
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/02(火) 23:38:12.79 ID:OZc8aHvAO
黙って待たんかッッッ!!
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/08/02(火) 23:41:18.80 ID:c9ALca0Zo
大切な事だからな
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/03(水) 01:47:17.94 ID:2D8M2b5DO
リロードなりなんなりしてみな。
書き込めてたりするから。
405 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/03(水) 17:36:27.86 ID:qXyzGzLmo
―――風紀委員の詰所

黒子「で、いったい何が原因ですの?早くお吐きになりなさいな」

花山「……ただの喧嘩だァ、お嬢ちゃんが気にする事じゃねェよ」

黒子「お互い血塗れになるまでやりあっておいて、ただの喧嘩ですの?」

花山「あァ」

黒子「はぁ……わかったのは名前と年齢とここに来た理由だけ……被害届もないようですし、あとは知り合いの方に引き渡すとしますの……」

初春「白井さーん、トラブルですか―――」

初春「――――ひぃっっ!」
406 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/03(水) 17:37:45.63 ID:qXyzGzLmo
先程まで、通報を受け現地に出向していた風紀委員の初春飾利は、詰所に連行されてきたという男を見て悲鳴をあげ腰を抜かす
褌一丁という花山の恰好もさる事ながら、背中一面に彫られた刺青と、全身に刻まれた銃創、切創……ついでに花山の顔はどうやら一介の女子中学生には刺激が強すぎたらしい

初春(殺される……これは間違いなく殺される……お父さんお母さん佐天さん、さようなら……)

ここは自分達の領域のようなものだというのに、借りてきた猫のようにすっかりおとなしくなってしまった初春を見て、黒子は呆れたように口を開く

黒子「初春、気持ちはわかりますが失礼ですの……」

初春「白井さん、私生きて帰れますか……?」

黒子「心配しなくても、この後に及んで暴れるような殿方では無さそうですわ。はい、これが調書ですの」
407 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/03(水) 17:38:51.49 ID:qXyzGzLmo
黒子は、花山から聞いた事を簡単に取り纏めた書類を初春へと渡す
その書類に震えながらパラパラと目を通していた初春だが、ある項目に目がとまると、急に素っ頓狂な声を上げた

初春「うええええええええ!?克巳先生のお知り合いの方なんですかぁ!?」

黒子「らしいですわね。全く、揃いも揃って風紀委員の厄介になるなんて勘弁してほしいですの」

花山「…………」

どうやら、自分が探していた強敵、愚地克巳もこの少女達に捕まった事があるらしい
となると、この少女達は、先程の能力者のように相当な実力者なのか――――

固法「ただいまー……誤報なんて勘弁してほしいわ全く……」

初春「あ、固法先輩、お帰りなさい」

黒子「私は誤報のほうが良かったですの……」

固法「え?――――――って」
408 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/03(水) 17:40:14.53 ID:qXyzGzLmo
花山に気付いた固法は一瞬言葉を失う
初春と同じくあまりにも異常な風体に驚いているのかと黒子は予想したが――――

固法「も、もも、もしかして、花山薫さんですか!?」

花山「…………あァ」

黒子「――――はい?」

初春「えっ」

黒子「お知り合い……ですの?」

固法「何言ってるの!花山薫っていったら、世界一の喧嘩師じゃない!格闘技に興味があれば知ってて当然でしょ!?ああ、噂通りの素晴らしい侠客立ちね……」

黒子「えっ、私達が悪い雰囲気ですのこれ?」

何やら熱く語りだす固法に、初春と黒子は何も言えずただただ気圧される
二人がこの場から一刻も早逃げ出したいと思い始めたその時―――――
409 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/03(水) 17:41:04.62 ID:qXyzGzLmo
風紀委員「すみませーん、花山さんのお知り合いという方達がお見えになられてますけど、どうしますか?」

どうやらかなりいいタイミングで、先程連絡を入れた愚地克巳が詰所にやって来たらしい

黒子「上がってもらってくださいですの」

黒子はこれ幸いと、来客を詰所に招き入れるが―――

花山「……よォ」

克巳「何やってんの、大将……」

烈「全くだ」

黒子「……被害届も今のところありませんし、今回は厳重注意で済ませますの。ささ、どうぞお引取り――――」
410 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/03(水) 17:43:33.70 ID:qXyzGzLmo
固法「も、ももも」

黒子「――――え」

初春(これは……)

固法「もしかして、烈海王さんですか!?」

烈「その通りだが……」

固法「スモーキン・ジョーとの試合見ました!素晴らしかったです……」

黒子(えっ、これ墓穴ですの!?やってしまいましたの……)

初春「……有名な方達なんですねぇ」

克巳「烈さんは最近ボクシング界でも有名だしな、元は中国拳法の達人だけど。そういや、なんで花山さんは捕まったんだ?」

初春「かくかくしかじかで」

克巳「まるまるうまうま、ね」

克巳(よかった、歩いてただけじゃなかったか……)

初春「ところで……克巳先生は、そういうの無いんですか?」
411 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/03(水) 17:44:23.98 ID:qXyzGzLmo
克巳「俺は特に……親父は伝説がたくさんあるんだが……」

初春「お父さんですか?」

克巳「あぁ、愚地独歩っていって――――」

固法「愚地独歩!?あの虎殺しの!?」

初春「ひぃ!」

克巳「詳しいな……愚地独歩は俺の親父だ、義理だけど」

固法「独歩さんがお父上という事は……はっ!……まさかアナタは――――」

烈「その通りだ、彼は愚地克巳。現在の神心会館館長だッッッ」

固法「すごい、すごすぎるわ、こんな面子が一同に介してるなんて……もしや何か競技に出られる予定でも……」

一人で更にヒートアップする固法を見て、黒子と初春はもはや疲れた表情で苦笑いを浮かべる事しかできない
この後、固法が落ち着くまでかなりの時間を要したという―――
412 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/03(水) 17:45:45.84 ID:qXyzGzLmo
花山「もう行ってもいいかい……」

ようやく固法が落ち着きを取り戻し、解放された花山は溜息をつきながらそう尋ねる

黒子「ええ、構いませんの」

克巳「つーか花山さん、何で褌一丁なんだよ……」

花山「あァ……ちょっと、な。……んな事より、さっさと行こうぜ……喉が渇いていけねェや」

固法「あ、よろしかったらムサシノ牛乳どうぞ!ムサシノ牛乳しかありませんが!」

花山「すまねェな…………ぷはァァァ……案外いけるじゃねェか……」

固法が差し出した500mlパックに入った牛乳の意外な美味しさに驚きつつ、花山はそれを一息で飲み干す
いつもは、未成年でありながら酒を愛飲しているが、流石にそんなものを要求しては、またしょっぴかれかねない
413 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/03(水) 17:46:50.73 ID:qXyzGzLmo
初春「豪快な飲みっぷりですねぇ……」

眺めていた初春が素直な感想をもらしている
一見すると平和そうな光景だが、部屋の外ではたまに怒号が飛び交うなど非常に騒がしく、その様子から彼女達以外の風紀委員が対応に追われているのだろう

克巳「それじゃ、俺らはこれで……」

このまま留まり続けては迷惑になると判断した克巳は、他の二人にもそう言って引き上げるよう促す

烈「すまぬッッッお騒がせしたッッッ」

花山「…………じゃあな」

そう言うと、三人は連れ立って風紀委員の詰所から去っていく
その後姿を見て黒子は、あの三人はこれから何をする気なのかと一抹の不安を覚える
初春は、自分達の担任である愚地克巳が何者なのかという事に興味を抱き、未だに興奮が冷めやらぬ様子の固法に質問をする
414 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/03(水) 17:48:21.44 ID:qXyzGzLmo
初春「あのー、克巳先生ってそんなに凄い人なんですか?」

固法「そうね、空手を終わらせた男、とか空手界の最終兵器とか、かなり有名な武術家ね」

初春(佐天さん……いい先生を持ちましたね……多分)

固法「それにしても素晴らしい日だわ……あー、あの三人で何か競技に出てくれないのかしら……」

固法美偉は、後にこの日の事を思い返し、一生に一度あるかないかのラッキーな日だったと語っていたらしい―――

克巳SAGA〜学園都市編〜 第5部 大覇星祭C 完
415 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/03(水) 17:51:10.55 ID:qXyzGzLmo
短くて申し訳ないですが、今日はここまでで
固法さんはどうしてこうなった……何かそういうの詳しそうとか思って……
来週水曜日まで忙しいから、投下のペースが遅くなるかもしれません
寄り道せずに行かないと話が進まない……
ではー
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/08/03(水) 17:56:57.94 ID:C/MAVQHw0
乙ッッッッ!

じゃんじゃん寄り道しちゃってくださいな〜
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/08/03(水) 18:15:39.69 ID:e1xbIEef0
乙ッッッッ

ここの花山・・・喋るぞ・・・・・・
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/03(水) 18:37:59.03 ID:FANxSTUZo
>>417
漫画では一行一ページくらいのペースで書いてあると脳内補完するんだッ!
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/08/03(水) 18:50:31.95 ID:7j5O7pQZo
乙っしたー

何かいいなこのノリwwwwww
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/03(水) 19:44:13.35 ID:85IGbwVDO
疵面の花山さん何で目が赤くなるん?
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/03(水) 20:31:11.67 ID:hSCpWSFDO
オカマ野郎に殴られたから
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/03(水) 20:50:49.59 ID:WPFEDwDP0
花山さんの胸を大きくしてどうするんですかね…?
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/03(水) 20:57:20.21 ID:ELGHMwnD0
乙です。
烈さんボクシングデビュー後なのね。
というか、烈海王ボクシング編はどう収集つける気なんだろう、板垣先生。
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/03(水) 21:54:18.21 ID:62Q3uIFJ0
あれ、花山さん服着てなくね?
まさか侠立ちのまま風紀委員支部から出て行くのか…
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/08/03(水) 22:16:23.32 ID:KCTHmca30
>>424
マジだwwww木崎さん早くスーツ持ってきてくれwwwwww
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/04(木) 01:08:53.95 ID:vw55ahfk0
外伝じゃなぜか妙に無口だけど花山って普通にペラペラしゃべるよね
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/08/04(木) 01:13:12.34 ID:JYrzi1UYo
そら口が上手くなきゃヤクザなんてやってられんだろ
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/04(木) 01:46:27.83 ID:eNmmC25AO
アックアさんですら勇次郎に勝つビジョンが見えないんだがwwww
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/08/04(木) 10:34:55.93 ID:M5Rae2pV0
勇次郎の技パクリ技能は変態級だから、きっとこんな事も・・・

「範馬勇次郎が・・・幻想殺しを使っているッッッ」

マネたのか・・・・・・既に持っていたのか・・・・・・
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/04(木) 12:33:50.84 ID:OeXlpbuPo
勇次郎なら幻想殺し使ってから「だがこんなもんはガキのお遊戯みたいなもんだ」といって使わずに能力を破ってから鉄拳制裁だろ・・・
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/04(木) 22:19:17.17 ID:N3z0I09r0
勇次郎はすでに空間移動ってか範馬ワープするしな
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/04(木) 22:26:36.55 ID:FltNxLuDO
なんスか範馬ワープってwww
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/08/04(木) 23:25:41.36 ID:ckTblYQqo
勇次郎さんには全身の筋肉をなんたらして痛みに耐えつつ、
読者の笑いを誘うという究極の必殺技があるだろ
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/08/04(木) 23:45:56.57 ID:eyoXVnvPo
あれ、なんたらしてなかったら痛がってたってことだよなww
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/05(金) 00:40:59.85 ID:WMXgxWWk0
>>432
いつの間にか息子の家のちゃぶ台に座ってたり、扉も開けずに家から出てったりするだろ

似たようなのでいきなり道場に現れる海皇ワープがある
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/05(金) 01:03:49.48 ID:YEHpHJPIO
実はあれ、ストライダム大佐が座標移動で演出してんだよ

勇次郎「ストライダム、格好良く頼むぞ。バキが俺を尊敬するように」

スト様「わかったわかった、行って来い」シュン

\ウワッッ!!オヤジッ/   \エフッエフッ/

みたいな
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/05(金) 03:05:54.79 ID:qCAI9lZDO
つまんない書き込みすんな
痛過ぎ
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/08/05(金) 14:50:27.23 ID:Q0qp45dA0
勇次郎って範馬ワープという名の次元移動を使いまくってるけど
やっぱり11次元とかって見えてるのかな?
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/08/05(金) 16:17:53.64 ID:me/HLscAO
使いまくってるってそんなことしたら人工衛星がストレスで爆発しそうだな
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/05(金) 16:28:54.33 ID:cOh6Iv3AO
ってか、勇次郎は基本的に五体以外使わないだろww
戦争時は別として
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/05(金) 17:44:09.37 ID:HJEtmREIO
>>437初心者か?もっと脱力しようぜ?

自治厨は雑談より受けが悪いし、そういう判断は基本的に>>1がするもんさ
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/08/06(土) 02:49:42.57 ID:J7UT9tNAO
2ヶ月前脱力から腕を振ったら肩外れた…脆いね…人体…
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/08/06(土) 03:12:05.65 ID:pDF9W0h3o
>>441
ふと思ったが>>437みたいな発言はどこの作者もしないだろ
なら誰かがはっきり言ってやった方>>436のためになるんでね
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/06(土) 03:36:56.46 ID:fq3Co5rIO
荒らしてるならともかくネタを書き込んだだけでしょ
面白いかつまらないかなんて完全に個人の主観やん
そんなことでいちいち「はっきり言われる」んならスレの空気もギスギスしちゃうよ?
445 : ◆jZWXi8L9Ck [sage]:2011/08/06(土) 05:32:57.61 ID:ij7QMR9IO
いやぁ、俺のつまらないギャグで空気を乱してしまってすまんかった
荒らそうと思って投下したんじゃないんだ許してくれ
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/06(土) 07:32:04.70 ID:ij7QMR9IO
酉外すの忘れてた
俺ってほんとバカ
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/08/06(土) 10:07:48.90 ID:HyXWTsyR0
大切なのは消力の心
448 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 01:03:29.44 ID:Mc6bD5/Lo
風紀委員の詰所を後にした三人は、たいした目的ももたぬままぶらぶらとその辺を歩いている
片足の無い男、片腕の無い男、そして何故か褌一丁に傷だらけの刺青男
嫌でも目をひく構成に、道行く人々は二度見したり、ヒソヒソと小声で話したりをしている

克巳「とりあえず、褌一丁はまずいんじゃねェかな……?」

花山「日帰りの予定だァ……替えのスーツなんざ持ってきてねェ」

烈「……花山さんがこの姿のままでは、また連行されかねん。とりあえず克巳さんの道場に行ってはどうか?」

克巳「それしかないかァ……」

烈の提案以上にいい案など浮かびそうにもなかったため、とりあえず三人は克巳の道場に向かって歩き出す

克巳(そうだ、ついでに佐天さんにも来てもらえば、紹介もできるじゃねぇか……)

克巳「ちょっと電話……」
449 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 01:05:56.06 ID:Mc6bD5/Lo
―――とある競技場

佐天「いやー、うちはだいたい今真ん中くらいの順位かぁ」

級友1「皆頑張ってたけどねぇ……」

級友2「はー、疲れたー……」

佐天「おつかれー」

級友1「おっつー、もうちょっとだったのに、惜しかったね」

級友2「いやー、ぶっちゃけ常盤台とか、あの辺はチートっすよ」

級友1「そうだねー……っと皆はこの後どうする?」

級友2「あー、私は友達が出てる競技見に行こうかなーと思ってるけど」

級友1「私もそうしよっかな……涙子はどうする?」

佐天「そうだなー……私は初春のところにでも行ってみるよ」

級友1「りょーかい。ほんじゃ、いったん解散だね」

級友2「ほいほい、んじゃまた明日ー」

級友1「ばいばーい」

佐天「じゃあねー」
450 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 01:07:12.16 ID:Mc6bD5/Lo
佐天は友人に挨拶をすると、初春飾利に今空いているかどうかを確認しようと携帯を取り出す
すると、ちょうどその時電話がかかってくる

佐天(克巳さんからだ……)

佐天「もしもしー」

克巳『よ、今暇かい?』

佐天「あ、はい。暇ですけど……」

克巳『道場来れる?』

佐天「はいー、大丈夫ですよー」

克巳『良かった、紹介したい人がいるから悪いけど来てくんないかな』

佐天「わかりましたー!急いで向かいますね」

克巳『よろしくな』

佐天「克巳さんの知り合いかー、どんな人だろ……楽しみだなー」
451 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 01:09:15.54 ID:Mc6bD5/Lo
―――道場

烈「ふむ……あとは克巳さんの弟子が来るまで待機、ということか」

花山「そいつは強ええのかい?」

克巳「まだ入門して一ヵ月位だしなァ……でもあの子は強くなるぜ」

花山「ほォ……」

克巳「そういや日帰りって言ってたけど、烈さんは今週一杯泊まっていくそうだが、アンタはどうする?泊まる場所なら提供するが」

花山「そうだな…………遅くても4日後には帰らなきゃいけねェが、それまで世話になる…………」

克巳「オーケー、わかったぜ」

道場に到着した三人は、花山が着ることができそうな適当な服を見繕うと、佐天が到着するまでの少しの間、他愛もない話で時間を潰す
452 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 01:10:43.71 ID:Mc6bD5/Lo
克巳「白いスーツなんざ常備してねェから、スマンが今日はアロハと適当なズボンで我慢してくれ」

花山「構わねェ……」

花山(明日にでも持ってこさせるか……)

克巳「しっかし、よく通報されなかったなァ……」

花山「今日は祭りだァ、誰も気にしちゃいねェよ…………」

烈「奇妙な理論だと思うが、そのようなものなのか……」

克巳「いや、それはおかしい――――お?」

すっかり話し込んでいた克巳達の耳に、ビルの通路を歩く足音が届く
その足音は、パタパタと急ぎ足で克巳達のいる部屋の前まで来て、一旦ピタリと停止する
烈と花山、二人の超雄は警戒するようなオーラを出しているが、次の瞬間1ミリの躊躇もなく元気よく扉が開かれる
453 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 01:12:01.92 ID:Mc6bD5/Lo
佐天「こんにちはー」

克巳「おう、こっちこっち」

烈「若いな……この少女が、克巳さんの言っていた、学園都市初の門下生か?」

克巳「そうです。っと、紹介するぜ、この人が烈海王師範。神心会で師範をやっていただいている中国拳法の達人だ」

烈「烈と申す。短い期間ではあるが伝えられる事があったら伝えるつもりだ、よろしく頼むッッッ」

佐天(三つ編み、色黒、片足、中国っぽい…………まさか………)

克巳「どうかしたか?」

佐天「あ、いえ、私は佐天涙子っていいます。こちらこそよろしくお願いします」

佐天(いきなり確認するのは失礼だよね……)
454 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 01:13:42.13 ID:Mc6bD5/Lo
克巳「んで、こっちの人が――――」

花山「花山だ…………」

佐天(で、でかいとは思ってたけど……間近で見るとすごい迫力……)

克巳「花山さんは神心会とは関係ねェが、学園都市にちょうど来てたって事で」

佐天「よろしくお願いします、花山さん」

花山「…………あァ」

克巳「稽古は今日は休みとして、さてこの後何をするかだが…………」

烈「ふむ……まだ何をするにも時間は十分にあるな…………」

佐天「あ、それなら――――」

1.学園都市を案内しますよ!

2.競技を見に行きませんか?
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/08/08(月) 01:15:09.72 ID:3wwfvrrJo
2
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/08(月) 01:15:39.18 ID:1qRHhbndo
安価か?安価なら2で。
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/08(月) 01:16:09.46 ID:QgFNc0NAO
2!
バキ勢が大覇星祭で暴れ回ってほしいww
458 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 01:16:44.65 ID:Mc6bD5/Lo
短いですが、今日はここまでで
これは、安価っていうか、集計っていうんでしょうか?
>>465までで多かった方の展開で書きたいと思います
465までいかなかった場合はその時点で多かったほうで
多分、遅くても2日後くらいには投下できる予定です
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/08(月) 01:17:27.25 ID:1qRHhbndo
乙でした。次回も期待してまっす。
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/08/08(月) 01:28:17.09 ID:PDqoHhJmo
2。理由は>>457でww
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/08(月) 01:28:42.01 ID:FOrN3JwAO
弐ッッ!!
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/08(月) 01:44:40.99 ID:QgFNc0NAO
冷静に考えたら学園都市で(恐らく)身体能力最高の削板と競り合ってる花山さんヤバいよなww
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/08(月) 01:47:08.98 ID:d6SKhg2S0
既に決まっているし2を選ぶ
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/08/08(月) 01:58:20.33 ID:3/woQJSko
2だな
465 :2が多いため465まで行っていませんが2で進めたいと思います ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 03:13:41.49 ID:u83/5HNvo
佐天「――――競技を見に行きませんか?」

烈「む……競技とは?」

佐天「はい、今は大覇星祭っていうお祭りっていうか、学園都市の運動会みたいなものなんですけど―――――」

―――――――――。
466 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 03:15:42.22 ID:u83/5HNvo
烈「成程、能力者か……確かに暇は潰れそうではあるが……」

克巳「能力者ってのはなかなか強い連中ですよ」

花山「……あァ」

佐天「どうします?行きますか?」

烈「うむ……そうさせてもらおうッ」

克巳「俺もいいぜ」

佐天「わかりました。えーと……友達がいる競技場は……」
467 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 03:17:13.17 ID:u83/5HNvo
―――とある競技場

克巳「ハハ、すっげ」

烈「不可思議……」

花山「へっ」

競技場に到着した克巳達は、目の前で行われている競技を観戦し、思い思いの感想を漏らす
現在行われているのは玉入れであるが、能力者達の能力使用により、フィールドはまさに戦場の様相を成している
火炎や電撃が飛び交い、念動力による妨害が行われる等、克巳達の知る一般的な玉入れとはまさに異質の競技と化していた
468 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 03:18:45.93 ID:u83/5HNvo
佐天「あちゃー……うちの組は随分やられてるなぁ…………」

克巳「組?組ってのは?」

佐天「大覇星祭って、学園都市の中の学校を実力が釣り合うように紅組と白組の2組にグループ分けするんです」

佐天「競技の勝敗なんかで得点が加算されていって、大きな勝負としてどっちの組が勝つかがあって、後は学校毎の順位とか、個人での種目の成績とか、そういうのが色々あるんですよー」

克巳「ナルホド、うちはどっちのグループなんだ?」

佐天「うちは白組ですね。玉入れっていうか、個人種目以外はだいたい、紅組と白組の学校が戦うようになってるんですけど――――あ、白が負けちゃった」
469 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 03:19:52.58 ID:u83/5HNvo
花山「…………おもしろそうじゃねェか、俺達は出れねェのかい?」

佐天「安全面での配慮とかで、原則的に一般の方の参加は無理らしいですね。克巳さんはうちの先生なので競技に出られると思うんですが…………」

花山「…………ちょっと行ってくらァ……」

そう言うと、花山は席を立ち、この祭りを運営しているであろう団体のテントへと歩いていく

克巳「ま、駄目でもともとってやつかァ……」

烈「その通りだ、私も一緒に行こう」

花山に続き、克巳と烈も競技への出場を認めるよう交渉するために席を離れる

佐天「あ、私も行きます!待ってくださーい!」
470 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 03:20:46.78 ID:u83/5HNvo
――――本部テント

係員「そう言われましても……」

テントで競技の進行などを務めている係員は、かつてない事態に困惑した表情でそう呟く
男が三人、競技への参加を認めて欲しいと言い寄ってきているのだ
今までは、熾烈を極める競技の様子を見て、参加したいなどという外部の人間はいなかった
だが、男達はこの競技を直で見て参加の意思を固めたというのだから困ったものだ
危ないからと言っても、承知の上だと返答され、規則だからと言ってもそこを何とかと食い下がられる

係員「危ないですし、規則ですので――――」
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/08(月) 03:20:53.78 ID:QgFNc0NAO
玉入れをする花山…ッッッ
472 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 03:21:52.58 ID:u83/5HNvo
オウムのように何度も繰り返した言葉を口に出した時、今まで静かだった一番大きな男、花山薫が動きを見せた

花山「おゥあんちゃん……見てなァ……わりィが――――」

克巳「あ?――――ああ、ナルホドね。ほらよ」

そういうと克巳はポケットからコインのようなものを取り出すと、花山に渡す
花山は、渡されたそれを自身の親指と人差し指で軽く挟むようにもち、係員の目の前に持っていく

係員(500円硬貨……?何を――――!?)
473 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 03:22:53.98 ID:u83/5HNvo
花山が少し力を込めると、つままれた硬貨は軽快な音を立て、まるで蒟蒻のようにクニャリと曲がった
花山の後ろにいる佐天も、係員の男と同じように驚愕の表情を浮かべている
無論、以前の花山ならいざ知らず、今の花山には堅気の男に危害を加える気などは毛頭ない
ただの自分達の力量を示すパフォーマンスのつもりで行っただけであるが―――

係員(やばいやばいやばい、警備員に……いや、そうだ―――)

もはや自分の手には負えない事態だと判断した係員は、花山達を帰らせるとびっきりの方法を思いつく

係員「わかりました、運営委員会に確認してみます。それで駄目なら……」
474 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 03:23:57.05 ID:u83/5HNvo
烈「承知した、よろしく頼む」

係員「はい、ではちょっと待っててくださいね……もしもし、あのですね……」

係員の男が事情を説明し、指示を仰いでいる間、手持ち無沙汰となった花山達に佐天涙子が話しかける

佐天「あ、あの、握力とってもすごいですね!何かトレーニングとかされてるんですか?」

花山「いや……」

佐天「え……されてないんですか?」

花山「こいつは生まれつきだァ……」

佐天「生まれつき……」

克巳「んな事できるのは花山さんくれェだ、気にすんなよ」

烈「うむ、花山氏の肉体は天が与えた才能と呼べる代物だ、気に病む事はないッッ」

佐天「…………はい」

テントの前でそんな話をしていると、後ろから克巳達に声がかかる
475 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 03:32:17.27 ID:u83/5HNvo
係員「あのー、運営委員会からの返答ですが、皆様の参加が特別に認められたそうです。ただし――――」

係員「――――競技に出場する際は、白組の棚川中学の一員として出ていただく事と、相手の生徒を破壊しない事が条件だそうです」

佐天「よかったですね――――って、ええ!?」

烈「棚川中学とは?」

克巳「……俺が教師として勤めてる学校で、佐天さんの通ってる学校です、烈師範」

花山「……何でもいいじゃねェか、さっさと行こうぜ…………邪魔したな」

そう言って出て行った花山に続いて、克巳達もぞろぞろとテントを後にする

佐天「あ、じゃあ、確かうちの中学もこの後競技があるはずなんで、今のうちに学校の皆に会いに行きませんか?」

烈「承知したッッ」

花山「…………あァ」

意気揚々と歩き出した花山達を先導しつつ、佐天は小さな、すぐに消えてしまいそうな溜息をつく

佐天(才能、か……)

吐き出した溜息は、観客の声援にかき消され、誰にも届くことなく、空気と混ざって溶けていく
様々な思いが交差する中、今、真の祭りが幕を開けようとしていた―――
476 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 03:34:27.09 ID:u83/5HNvo
今日は寝ます
久々の投下ですが、短くて申し訳ありません
ではー
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/08/08(月) 03:34:57.96 ID:PDqoHhJmo
乙でしたー
波乱の予感ww
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/08(月) 03:37:01.68 ID:TQ/ht2eDO
乙です。
さあ次は誰がインタビューをうけるのかw
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/08(月) 03:42:17.06 ID:QgFNc0NAO
もし騎馬戦で目の前にこの3人がいたら戦力で逃げ回る自信がある。
フロントはたぶん花山さんだしww
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/08(月) 06:34:45.78 ID:FOrN3JwAO
×遅くても2日後 ○遅くても2時間後
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/08(月) 09:55:02.55 ID:SZbyieNpo
柵川中学校な。
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/08(月) 10:00:01.54 ID:+StyCKgIO
>>479
|克巳 烈
| 佐天
↓ 花山

この陣形で突っ込んで来られたら誰でも逃げるわwww
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/08(月) 10:17:10.93 ID:d6SKhg2S0
|克己 烈
| 勇次郎
↓ 花山

この陣形なら競技始まった瞬間に味方の方に襲撃かけるわ
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/08(月) 10:42:18.21 ID:KfERi4jjo
>>483
↓オリバ 花山
渋川
勇次郎
の方が良く無いか
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/08(月) 10:56:44.46 ID:7MxENylIO
↓ジャック

↓勇次郎 バキ

この陣形で始まったら親子二人三脚でジャックがぼっちになるわ
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/08(月) 15:02:21.82 ID:SdBF1DSV0
>>484
渋川さん会場にたどり着けないよwwwwww
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/08/08(月) 16:59:39.22 ID:lZy/lBs10
いずれにしろ観客が「〜〜〜〜〜ッッッッッッッッッッ」になるな。
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/08/08(月) 19:46:54.56 ID:6+eNOscgo
あれだろ、体重×(ryで玉投げると玉が燃えるんだろ
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/08(月) 19:48:50.05 ID:+7nmOgh1o
握撃でプラズマ化するんだろ
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/08/08(月) 20:07:13.79 ID:5SKXX4Z1o
自然に生徒を「破壊」なんて表現使うなよ係員さんwwwwwwwwww
491 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 21:00:57.50 ID:ZruVBkF9o
――――柵川中学の待機所

級友2「うーん…………どうしよっか…………」

級友1「次の対戦相手に常盤台がいるっていうのがまた……」

級友2「しかも紅組って妙に体力自慢の学校が多いんだよねぇ……」

級友1・2「はぁ……」

佐天「よっ、どしたの?」

級友2「おお、涙子、来てたのかー」

佐天「さっき来たとこだよー、お通夜みたいだけど何かあったの?」

級友2「次の種目さぁ、組対抗の大玉転がしなんだけど、ぶっちゃけ負けたわこれ」
492 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 21:02:12.36 ID:ZruVBkF9o
級友1「相手に常盤台とかがいるっていうのがなあ……超電磁砲は出て来ないって話は聞いたけど」

佐天「そうなんだ……実はさあ、うちの中学に助っ人がいるんだよね」

級友1「助っ人……?」

佐天「うん、あそこの克巳先生と一緒にいる人達なんだけど――――」

級友1・2「!?」

級友1「駄目だって!黒い人はともかく、もう片方完璧にヤクザじゃん!」

佐天「まあ見た目は怖いけど、いい人だと思うよ、多分。すいませーん、こっちですこっちー!」

佐天の声に気付いた三人はゆっくりと人ごみを掻き分けて近づいてくる
正確には、三人が通る際にはモーゼが海を割るが如く、人ごみが2つに分かれて道を譲っているのだが
こうして、柵川中学に超強力な助っ人が三人加わったが、人々が雄達の実力に気付くのはもう少し後になってからである
493 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 21:03:14.29 ID:ZruVBkF9o
―――大玉転がし―――
紅組と白組の各数校ずつがチームを組んで争われるこの種目のルールはいたって単純である
左右両サイドに配置された25個ずつ合計50個の大玉を転がし、相手の後方にあるゴールラインに押し込む。
それを繰り返し、相手より先に半分以上を押し込めば勝利というものだ。

烈「成程、では我々が出場しても問題ない、ということか」

級友1「人数足りないんで出てもらえるならありがたいですけど……」

烈「是非ッッ」

花山「へっ…………」

克巳「話が早くて助かるぜ」
494 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 21:05:05.95 ID:ZruVBkF9o
―――競技場―――

あまり広くは無い競技場の両端に、入場を終えた能力者達が整列し、さながら合戦を目前に控えた武士のようににらみ合っている
選手達の前には2メートル弱はある大玉が設置してあり、皆一様にその大玉に手を沿え、開始の合図を今か今かと待ちわびている
克巳達が任された大玉は3個
それぞれの大玉には超雄が一人ずつ散らばっている
正確に言うと、花山薫だけはただ一人で大玉の前に仁王立ちをしているのだが――――
495 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 21:05:51.50 ID:ZruVBkF9o
――大玉1

佐天「花山さん、大丈夫なんでしょうか……」

克巳「心配ないさ、駄目でも死ぬわけじゃねェしな」

――大玉2

級友1「うわー、私らの前強そうな集団じゃん……」

級友2「大丈夫大丈夫、この競技はそこまで危なくないから!たぶん」

烈「…………」

烈は隣で行われる会話を聞き流しながら、静かに気を練っていた
勝負事であるなら、相手を壊すとまではいかないものの手を抜くつもりは一切ない

烈(勝たせてもらうッッッ)

――大玉3

花山は大玉に軽く片手を沿え、もう片方の手はポケットに突っ込むというスタイルで立っている
本来なら天皇誕生日以外に運動をするつもりはないのだが、相手が能力者というのなら話は別だ
今日倒したあの男よりも強いやつがいるかもしれない、その期待が今は花山を突き動かす
496 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 21:07:09.13 ID:ZruVBkF9o
みなさん、用意はいいですか?それでは、用意…………はじめ!」

甲高いホイッスルが鳴り響くと同時に、両陣営から一斉に大玉が転がり始める
克巳達の担当する大玉も同様に、押されてゴロゴロと地面を転がっていく
順当に進めば、競技場の中ほどで相手の大玉とぶち当たる事になり、そこでいかに相手を妨害し、自分達の大玉を通すかがこの勝負の肝だ
克巳も烈も、この程度の重量の物体であれば楽に運べるが、周りの人間と歩調を合わせ、仲間がついて来られるスピードで進んでいる
そのため最初に敵とぶち当たったのは、ただ一人で大玉の前に陣取っていた花山薫だった
497 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 21:08:20.83 ID:ZruVBkF9o
――大玉3

皆がゴロゴロと大玉を転がす中、花山薫だけは、まったく異質の行動に出ていた
大玉を片手で鷲掴みにし、肩に担ぐようにして持ち上げ、敵陣へと走りこんでいたのだ
何の防御行動もとらず、ただ自身の前に転がってくる大玉に向かい一直線に突っ込んでいく

大玉の重量×花山の体重×スピード×相手の大玉の速度=破壊力

166kgに大玉の重量を足し、全力で突っ込んでいく花山に全力で突っ込んだ相手の生徒達は為す術もなく、自身の大玉ごと吹き飛ばされる
いかに能力者といえど、白亜紀最強のピクルと押し合いをして勝てるものがいるのだろうか
そのピクルを相手に、かつての強敵トリケラトプスを連想させた花山と押し合いをして勝てるものがいるのだろうか
自身の眼前に行く手を阻むものがいなくなったことを確認した花山は、またも異質の行動に出る
498 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 21:09:43.46 ID:ZruVBkF9o
花山「…………ほらよ、一点だ」

大きく振りかぶり、大玉を思い切り相手の陣地に向かい放り投げたのだ
無事大玉がゴールラインに押し込まれた事を確認すると、花山は踵を返し、自陣へと戻っていく
文字通り、力技でゴールに大玉が押し込まれた光景に、観客席はただただ唖然としていた―――

その頃、ようやく敵とぶち当たった烈達の大玉でも、ある異変が起こっていた
ちょうど中心あたりでかち合った敵の大玉と押し合いになったその瞬間
499 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 21:10:55.00 ID:ZruVBkF9o
烈「覇ッッッッ!!」

烈が自分の大玉に向かい掌打を放つと、大玉に触れていた相手の選手が吹き飛んでいく
それは、浸透剄と呼ばれる技術
並べられたブロックの指定された番号のみを正確に破壊する人間業とは思えない繊細な技術を持って、烈は相手にのみ衝撃を伝えたのだ
一緒に転がしている者は、何が起きたかわからず足を止めている

烈「さあッッ、敵陣までもう一息だッッッッ」

そう言って大玉を転がそうとした烈達の横を、今度は猛スピードで愚地克巳達の大玉が横切っていく
相手の大玉を妨害するという点では、烈も花山も間違ってはいなかった
克巳が選んだのは、相手の大玉ごと押し返しゴールにぶち込むという、至極当たり前の選択
この局面で、ラガーマン数人を楽に引きずりまわす克巳の脚力が存分に発揮されていた
500 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 21:12:12.70 ID:ZruVBkF9o
そんな息を呑む展開で幕を開けた大玉転がしだったが、フィールドでは、今もなお風神が如く超雄達が暴れまわっている
味方のゴール間近まで押し込まれていた大玉を、克巳が加わっただけで簡単に押し返していく
猛スピードで迫る大玉を、ヤクザキックで花山が相手ごと吹き飛ばし相手ゴールに送り返す
烈が掌を添えただけで、綺麗に大玉の後ろ側だけが弾け飛ぶ
その横では、他の生徒達が懸命に大玉を相手の陣地に押し込んでいる

佐天「やばっ……押し込まれる―――」

そんな中、今まさに佐天達が押している大玉が自陣に押し込まれようとしていた

級友2「ファイト!……やっぱこれ無理かも」

級友1「うーん――――あれ?」

突如として、大玉が停止する

克巳「手伝おうッッ」

烈「行くぞ克巳さんッッッッ」

花山「…………こいつで終まいだ」

この種目で初めて、超雄達が1つの大玉に集っていた
得点を見ると、白組が既に24点分大玉を放り込んでいる

克巳「ッッッ!」

烈「噴ッッ!!」

佐天「ちょっ―――――」

克巳達が押している大玉は、何者をも寄せ付けぬスピードとパワーで食い止めようと進路に出てきた選手を吹き飛ばし、某サッカー漫画のシュートのように相手陣地に一直線に突き刺さった
その瞬間ゲームセットのホイッスルが鳴り響く
こうして、克巳達は大覇星祭の初戦を勝利で飾ることに成功した――――
501 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 21:13:15.81 ID:ZruVBkF9o
―――柵川中学の待機場所

級友2「やったああああああああああ、勝っちゃったあああああああああああ!」

級友1「見たか常盤台!待ってろ長点上機!今年は柵川が優勝しちゃうかも?」

佐天「そこは疑問系なんだ……あ、お疲れ様です皆さん」

克巳「お疲れ……」

烈「ふむ……少々期待外れではあったが、中々楽しめた。礼を言おう」

級友1「いやほんとすごいですよ!もう相手の人とかポッカーンってしてましたもん」

級友2「今年はいけるよ!目指せ優勝!えいえいおー!」

佐天・級友1・その他「おー!」

「随分と盛り上がってるみたいね、佐天さん」
502 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 21:14:49.05 ID:ZruVBkF9o
美琴「やっほー」

佐天「あ、御坂さん。こんにちは」

美琴「こんにちは、克巳さんも元気そうじゃない」

克巳「まァな」

ザワザワと柵川中学の生徒がざわめきだすが、それを無視して美琴は続ける

美琴「さっきの種目は正直アンタ達にしてやられたわ。それで、常盤台のリベンジといっちゃなんだけど――――」

この時美琴が差し出した言葉は、競技という名のもとに行われる決闘への招待状

美琴「アンタ達も、騎馬戦無差別級に出ない?あれが一番良い競技だと思うから」

級友1「騎馬戦無差別級……!?まさか……」

克巳「…………わかった、別に構わねェだろ?烈師範、花山さん」

烈「承知したッッッ」

花山「あァ……」

美琴「そうこなくっちゃおもしろくないわ。あ、予選なんかで消えないでよね?アンタ達の学校と常盤台は順当に行けば決勝で当たる組分けだし、私は結構楽しみにしてるんだから。それじゃ佐天さん、またね」

佐天「あ……行っちゃった」

克巳「…………ところで、騎馬戦無差別級ってのは……」

級友1「……大覇星祭で最も能力使用とかに関する規則が甘い競技の事ですよ、怪我人が出るのは当たり前、組対抗の勝ち抜き戦……らしいですね」

級友2「大覇星祭の中でもその過激さから、ナイトパレードの次くらいに盛り上がる競技らしいですけどねー」

佐天「ちなみに予選は明日ですね、出られますか?」

克巳「あァ、そうさせてもらおう」

佐天「了解です。あ、でも、今日はもう競技とか無いんですけど、どうしますか?」

克巳「適当にルールとか、これからある競技とか教えてくんないかな」

烈「うむ、作戦も立てておくべきだろう」

佐天「そうですね、それじゃあ――――」
503 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 21:16:55.59 ID:ZruVBkF9o
今日はここまでで
そろそろ大覇星祭も終わらせないと……

>>481
指摘ありがとうございます
勘違いしてました……以後気をつけます

ではー
504 :>>495訂正 やってしまった…… ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/08(月) 21:18:56.07 ID:ZruVBkF9o
――大玉1

佐天「花山さん、大丈夫なんでしょうか……」

克巳「心配ないさ、駄目でも死ぬわけじゃねェしな」

――大玉2

級友1「うわー、私らの前強そうな集団じゃん……」

級友2「大丈夫大丈夫、この競技はそこまで危なくないから!たぶん」

烈「…………」

烈は隣で行われる会話を聞き流しながら、静かに気を練っていた
勝負事であるなら、相手を壊すとまではいかないものの手を抜くつもりは一切ない

烈(勝たせてもらうッッッ)

――大玉3

花山は大玉に軽く片手を沿え、もう片方の手はポケットに突っ込むというスタイルで立っている
本来なら体育の日以外に運動をするつもりはないのだが、相手が能力者というのなら話は別だ
今日倒したあの男よりも強いやつがいるかもしれない、その期待が今は花山を突き動かす
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/08/08(月) 21:19:27.96 ID:PDqoHhJmo
ワクワクしてきたwwwwwwwwwwwwww
乙ww
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/08/08(月) 21:23:41.69 ID:vgkGskgB0
あれ、今更だけど克巳って烈海王の事を死刑囚編では「烈」って
呼び捨てにしてたけど最近はそうじゃなくなったのかな
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/08(月) 22:51:25.19 ID:QgFNc0NAO
あえて

   佐天 ↑進行方向
   花山
 克巳   烈


この騎馬を推すッッッ!
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/08/09(火) 00:46:26.18 ID:F+AP7vp00
乙ッッ
天皇誕生日ってお前体育の日じゃねーかww
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/08/09(火) 01:07:42.60 ID:T2z8kc3DO
克巳も一応天才だからなぁ

努力の天才て意味では独歩を佐天さんに会わせたいな
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/08/09(火) 01:18:41.24 ID:CXddwev1o
もう父親に引き合わせるとか関係進みすぎだろww
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/09(火) 02:09:35.67 ID:tKu0lw3Co
>>509
確かに年月経て達人になった独歩や渋川先生の方が
佐天さんもコンプレックス刺激されなそうだ
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/08/09(火) 12:35:30.52 ID:v8itj+9AO
柴千春出してほしいな
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/08/09(火) 13:21:39.59 ID:4ORoT0iSo
根性さんとマブダチになる展開が脳裏に浮かぶwww
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/09(火) 14:07:43.95 ID:uUwCieDAO
競技職員「…エフッ…エフッエフッ…」
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/09(火) 17:34:47.62 ID:QR8u58KAO
グラウンド整備「ふしゅる…ふしゅる…」
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/08/09(火) 18:00:43.40 ID:Pa19tMZH0
競技職員「遅れてるな。ロシアの整備技術はよ。」ニヤァ
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/08/09(火) 18:18:41.00 ID:T2z8kc3DO
ジャックに会ったら佐天さんレベルアッパー使いまくりそうだ
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/08/09(火) 19:45:08.40 ID:C7z+4JnAO
バキにあったらセクロスしまくるのか?
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/09(火) 22:38:14.48 ID:V73JgA4/0
オリバにあったら10万キロカロリー摂取するようになります
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/08/10(水) 10:39:49.87 ID:Vza59qBx0
上条「それはインデックスが2日前に通過した場所だッッッ」
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/10(水) 11:19:08.61 ID:fxiDRD/AO
神裂火織VS本部以蔵

in公園ッッッッッッ!
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/08/10(水) 11:23:13.21 ID:gfP2V+s40
独歩に会ったら一日空手の基本の型1000本か…
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/08/10(水) 12:38:45.92 ID:mygNeroMo
>>521
その組み合わせじゃ試合にすらならねーよとおもったらまさかの公園、これは波乱のヨカン・・・
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/10(水) 12:46:50.26 ID:iN11lPBMo
天内悠にあったら「愛」ゆえのいかなる場所でもスカートめくり習得か・・・
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/10(水) 12:59:51.79 ID:34fAZ8tDO
本部さんの公園補正はやばいよね。本部さんと柳がどれだけ
力量に差があるかは分からんけど加藤・末堂がガーレン辺りに
勝つようなもん?
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/08/10(水) 13:25:28.43 ID:IRoOAIC7o
本部が強くて何が悪い
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/08/10(水) 14:30:42.73 ID:rqFqTS3AO
あれは本部に補正じゃなくて柳に逆補正がかかってたんだろ、敗北を知ってしまったのに認めないから。
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/08/10(水) 16:31:48.16 ID:yyLJQ4nK0
初期本部のオーラなら別に倒しても不思議じゃないと思うけど
勇次郎はまだしも金竜山の事があるからよく議論を呼んじゃうのよね
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/10(水) 17:59:19.51 ID:29rfHEDYo
卑怯とは言うまいね
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/10(水) 18:00:05.29 ID:29rfHEDYo
卑怯とは言うまいね
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/10(水) 19:02:11.80 ID:StF79bbDO
言わないから落ち着きたまえ。
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/10(水) 22:24:14.69 ID:tdlO1cFEo
わろた
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/08/11(木) 00:01:42.15 ID:+yF9eQAz0
>>518
佐天とバキのセクロスか・・・・・・背中に鬼が出るな。
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/11(木) 01:44:58.92 ID:lanL/tQQo
左天さんの身体が壊れちゃうよ。ボコォッってなっちゃうよ!
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/08/11(木) 02:59:26.56 ID:8fRdXgreo
アンチスキルの頭だったあいつとかだったら瞬殺だろうな。
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/11(木) 12:45:15.11 ID:9QPbcRhAO
刃牙キャラはあわきんとか黒子には相性悪そうだなww
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/11(木) 17:32:16.12 ID:xqePwGEAO
オリバの出番はまだですか?
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/11(木) 19:43:34.85 ID:fJ9eqi0DO
花山さんは先週のチャンピオンで「幽霊」を殴り殺してたよな…
オフェンスに限り幻想を殺せるようだ
そりゃ削板にもダメージが通るわ
一方さんにも攻撃が通じるんじゃないか?
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/11(木) 19:48:13.72 ID:bAopr69IO
>>534
もうピクルとヤれば良いと思うよ
540 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/12(金) 00:31:49.90 ID:WP9ceH9do
――――――――――――

――――大覇星祭2日目

克巳「ふあああァァァ…………ねみィ……ん?」

まだ眠い目を擦りながら道場へと向かった克巳の鼻腔を、普段はしない香りがくすぐる
道場を覗いて見ると、昨日この道場に宿泊した烈海王と花山薫の姿、そして見慣れぬ料理が眼に入った
花山は昨日のアロハから、いつ持ってこさせたのか、いつもの白いスーツへと着替えている

克巳「おはよう……これは?」
541 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/12(金) 00:33:16.95 ID:WP9ceH9do
烈「起きたか。私が作った朝食だ。さッ、食うんだッッッ」

花山「…………随分と豪勢じゃねェか……」

烈「決して美味くはないぞ」

克巳「いや、どれもウマそうだが……」

烈「…………食うんだッッッ」

照れている烈の様子が少しおもしろいが、勿体無いので冷めないうちにまだ湯気の立つ料理を頬張っていると、烈の口から質問が飛び出す

烈「今日の予定は?騎馬戦とやらの予選は午後からだと聞いているが」

口に含んでいた料理を急いで咀嚼し、胃袋に収めてから、その質問に克巳が答える

克巳「そうだな……朝は準備運動も兼ねて適当な競技に出てみればいいんじゃねェかな……」

花山「……いいんじゃねェか?それで」

烈「承知した、では食事が終わり次第出発するとしよう」
542 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/12(金) 00:34:04.93 ID:WP9ceH9do
――――とある競技場

佐天「おはようございまーす!」

級友・その他「おはようございます」

昨日と同じ会場に到着した克巳達を待っていたのは、柵川中学の生徒達
相変わらず競技場は広くはないが、朝だからか観客もまだ少ない分、昨日よりは広く感じられる

佐天「予選まで時間がありますけど、どうされますか?」

克巳「適当な競技に出て時間を潰そうと思ってる、一緒に出るか?」

佐天「あはは、考えときます!」

級友1「あ、それならそろそろ競技が始まりますよ?まずはえーと――――」
543 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/12(金) 00:35:33.38 ID:WP9ceH9do
―――予選までの様子はダイジェストでお送りします――――

――10km走in市街地

烈(距離にして、およそ700〜800踏みッッ!一人なら沈まずに行けるッッッッ!!)

ギャラリー「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッ」

実況『走っている!流星鋲を用い圧倒的なショートカットを見せ続けた烈選手が、今度は水上をショートカットしているッッッッ!』

解説『あれは右足が沈む前に左足を高速で出す事によりですね(ry』

実況『ゴール!!2位に圧倒的差を見せ、柵川中学・烈海王が一位でゴールッッッ!』

烈「お騒がせしたッッッ」
544 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/12(金) 00:36:25.25 ID:WP9ceH9do
――障害物走

実況『さぁ、最難関の迷路にさしかかりました、現在単独2位の花山選手。というより、彼と1位の選手以外は既に全員がリタイアしています』

解説『選手への妨害が何でもありの競技だというのが運の尽きでしたね』

実況『まさに波乱の展開でした、しかし力だけでは抜けられないのがこの障害です』

解説『そうですね、厚さ数十cm以上のコンクリートの壁に覆われた迷路です。地図がほんの一瞬だけ表示されますが、あれで覚えるのはとてもとても』

実況『過去、何人もの身体能力強化の能力者がここで手間取り、優勝を逃している、まさに最大の障害です』

解説『鉢合わせになれば戦闘も避けられないですからね。ここで潰される選手も多いですよ』
545 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/12(金) 00:37:00.94 ID:WP9ceH9do
花山(めんどくせェ……ゴールはここからまっすぐだったか……なら、一直線に行くのが一番はえェだろうが)

実況『どうした花山選手!?大きく振りかぶって――――』

解説『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ』

実況『砕けたッッッ!コンクリートの壁に大穴が空いたッッッッ!そのまま一直線に壁を壊しながら突き進んでいくッッッッッッッッ』

解説『データによると彼は無能力者ですよ!信じられないッッッッ!』

現在1位の能力者「よし、この迷路は抜け――――何だ?変な音が……〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ」

実況『あーッッ!間もなく迷路を脱出する寸前だった1位の○○選手、巻き込まれてしまったーッッッッ!動けない、リタイアだーッッッッ!!』

解説『ということはですよ、この時点で彼の優勝は決定という事になりますよね』

実況『優勝は柵川中学、花山選手だーッッッ!!』
546 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/12(金) 00:37:54.23 ID:WP9ceH9do
――吹奏楽部によるパレード

佐天「ふわー、何だか軍隊みたいですね」

克巳「せめて、音楽隊って言ってやった方が……」

佐天「あ、チアリーダーまでいる。すっごい本格的だなー」

克巳「でも一緒に行くナイトパレードってのはもっとすげェんだろ?」

佐天(覚えててくれたんだ……)

佐天「はい!もうほんとにスゴイらしいですよ!」
547 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/12(金) 00:39:07.82 ID:WP9ceH9do
―――予選前

級友2「やばいって!ウチの順位がグングン上がってるよ!」

級友1「今は常盤台がトップだけど騎馬戦はポイントが高いからね、優勝したら優勝も夢じゃないよ!」

佐天「あ、あっちに一緒のチームになる学校の選手の人たちがいるみたいだね」

烈「事前に打ち合わせも必要だ、合流しよう」

―――騎馬戦無差別級予選Aブロック・白組Aチーム待機場所

男「ん?アンタ達は――――」

烈「君達と同じチームの柵川中学だ」

女「ああ、待ってたのよ。これで揃ったわね」

男「そうだな、それじゃあ、打ち合わせを始めようか―――」
548 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/12(金) 00:42:19.16 ID:WP9ceH9do
久しぶりの投下なのに短くて申し訳ありませんが今日はここまでで
あと2〜3回の投下で大覇星祭は終わらせる予定です
次回も1週間以内には投下できる予定です
ではー
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/12(金) 00:48:52.01 ID:sY4SE5mAO
勇次郎なら振りかぶりもせずにスタスタとゴールまで歩きそうだな、ピクルガラスの要領で
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/12(金) 00:53:48.00 ID:DtGbu/lF0
乙ッッッッッッ!

しかし、柵川中の生徒は他所の人間の助力のおかげで勝ったところで
それほど嬉しい物なのだろうか?
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/08/12(金) 00:55:46.46 ID:gHUc3Buq0
これで無能力とか人間じゃねェッッッッ
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/08/12(金) 00:55:54.13 ID:XpnoGDzXo
乙wwwwww
もう笑うしかないわwwwwww
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/08/12(金) 02:01:26.47 ID:txauOx8DO
〜〜〜ッッッッwwwwwwww
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/12(金) 03:47:28.85 ID:PRDPcBdAO
敗北は死を意味するッ
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/12(金) 09:20:52.72 ID:82PWiIlvo
>>550
無能力で勝ってんならいいんじゃね
体育の授業のサッカーと同じでサッカー部無双してても楽しかったろ?
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/08/12(金) 20:43:25.17 ID:E4MBttKQo
バスケだと初心者のファールが激しくて悔ビクしてました
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/15(月) 21:51:58.65 ID:awtPOBsDO
てかバキクロスだと一方通行とかモアイとかのアイデンティティがあれだよな
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/08/15(月) 22:06:24.83 ID:TTUPw3eAO
鎬兄とか、カエル医者に会いに来ないかな
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/08/15(月) 22:48:06.02 ID:mVrGi6uRo
カエル顔の鎬紅葉
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/08/16(火) 02:41:46.02 ID:U60hAkqyo
人体の破壊をレクチャーするね?
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/16(火) 23:45:36.56 ID:ymbnLvMv0
>>555
体育の授業のサッカーで、体育の先生に無双されても全然面白くなかっただろ?
ましてや、見知らぬおじさんが入って来て無双されても…なぁ
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2011/08/17(水) 01:20:58.75 ID:vjnN0F2Co
どんな勝ち方でも高レベル能力者達の鼻をあかしてやったという喜びのほうが大きいんじゃね?
この大会では低能力者のコンプレックスが刺激されてそうだし
何回も続いたらふと空しくなる瞬間があるかも知れんが
563 :1 [sage]:2011/08/17(水) 14:14:34.08 ID:0nfxEnlDO
なかなか書き込めなくて申し訳ないです。

柵川中学の生徒達もいろんな競技で好成績を収めてる描写を入れようと思って、すっかり忘れてました……
すみませんが、投下はもう少し待ってください
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/08/17(水) 14:37:46.65 ID:ij1Cf7TM0
>>563
一向に構わんッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/08/17(水) 23:33:34.74 ID:Zs49XQU00
>>563
私も一向に構わんッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/18(木) 00:12:06.10 ID:uEbrxjMh0
待ちの時無くして投下のカタルシスはありえねェ
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/19(金) 02:21:51.31 ID:/2ijzQPYo
>>550
自分のチームに能力者以前に人間とはとても思えないオッサン共が現れて
勝つこととか絶対に無理と思ってた連中を能力なしなのにギャグみたいな勢いで圧倒してるんだぞ

もう勝って嬉しいとかよりワクワクと爆笑が止まらんだろwww
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/08/19(金) 09:46:32.29 ID:QXcObBQwo
それ、恐怖じゃね?
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/08/19(金) 14:13:41.42 ID:RngkxLti0
敵味方問わず「ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ」になるな。
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/08/19(金) 19:51:00.19 ID:Em7DDMG/o
笑えよレールガン!笑えないのかいレールガン!ハハハハハハハハハ!!!
571 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/19(金) 22:52:17.36 ID:3Jmrs1ZMo
―――騎馬戦無差別級―――

紅組と白組、両組共に実力が均等になるように振り分けられた数校で形成されるいくつものチームが優勝を目指して争う、大覇星祭でも1・2を争う過激な競技
能力の使用に関しては最も規則が緩い反面、それ以外の面では厳密なルール設定がなされている
例えば、チームとして騎馬の上限数は30組、人数にして120人までの参加が限度である
能力者のレベルの合計値は、1チーム150以下にしなければならない
あまりにも強力な能力者には個別に干渉数値の制限が定められている
また、騎手は最も自由度が高い反面、能力の使用には若干の干渉数値の制限が定められている等、身体能力はもちろん、戦略性をも必要とする競技である
また、騎手は鉢巻を装着しており、それを奪われるか、地面に騎手の足がつけばその騎馬は戦闘不能となる
勝利条件としては相手を全滅させる事、それが絶対にして唯一の条件となっている

男「と、こんなところが無差別級の詳しいルールってとこかな」

女「うちはどうする?能力者を分散させてチームの力を分散させるか、それともとびっきり強い騎馬を数組作るか。作戦を立てましょ」

克巳「適当に決めてくれ。俺達は参加する2組の騎馬を認めてくれれば言う事はねェ」

男「ん、そうか。ところでどんな騎馬を作ったんだ?」

烈「うむ、レベルとやらの合計値は2組で3だ、構成は―――」
572 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/19(金) 22:54:08.72 ID:3Jmrs1ZMo
――――先日、競技終了後

克巳「――――ナルホドね。結構厳しいんだな、ルール」

級友1「ですね、バランスをどうするかが大切だと思います」

克巳「馬は俺と花山さんと烈師範で一組にすればいいと思うが、騎手は――――」

佐天「うーん、私は級友1の能力なんて、結構いいと思うんですけど」

烈「聞かせてもらえないだろうか」

級友1「はい、私の能力はレベル3の精神感応で、半径100m以内の指定した5人までにテレパシーできるんです。レベルが低いので一方的に送る事しかできませんけど……」

花山「騎手として、他の騎馬にも指示を出させるってとこかァ」

級友2「なるほどー、馬に克巳先生達がつけばかなり強い騎馬に――――」
573 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/19(金) 22:55:06.20 ID:3Jmrs1ZMo
克巳「いや、俺達の騎手は佐天さんにさせてやりたいんだが、駄目か?」

佐天「はい――――はい!?」

烈(フム、どんな形であれ、実戦の経験を積ませてやりたい、といったところか)

花山「……俺はどうでもいいぜ」

克巳「それに俺達の騎馬は間違いなく最前線に行くぜ。司令塔がそんなとこにいるってのは危ねェんじゃねェの?」

級友1「うーん、私達は涙子がいいなら賛成ですけど」

克巳「どうだ?やってみねェか?」

佐天「…………が、頑張ります」

柵川中学、騎馬

  花山
  佐天
 烈  克巳
      合計レベル0


  級友2
  級友1(精神感応レベル3)
 男  男
      合計レベル3
574 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/19(金) 22:57:01.89 ID:3Jmrs1ZMo
――――待機場所

男「ナルホド、その女の子の騎馬が俺達のチームの司令塔ってわけか」

女「確かに、それならより戦術的な動きができるかもしれないわね」

烈「うむ、遊撃隊として動く組と、彼女の騎馬を護衛する組、少し離れたところで戦闘しつつ呼びかけに応じてどちらにも援護に行く組に分かれればいいと思うが」

男2「だがあまりおおっぴらに護衛するのも、彼女が重要人物だとバレるんじゃないか?」

克巳「いや、予選のバトルロワイアル形式の騎馬戦は少なくても大丈夫なはずだ」

女「っていうと?」
575 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/19(金) 22:57:43.74 ID:3Jmrs1ZMo
克巳「ごちゃ混ぜの戦闘でそこまで気がつくやつはそんなにいねェ筈だ。もしいたとしても、護衛に阻まれている間に彼女の能力で呼びかけて挟撃してやればいい」

烈「相手にとって敵は我らだけではないのも理由としてあげておこう」

花山「……俺らが暴れて注目集めりゃいい話だァ、気がつきゃしねェよ」

男「それもそうか……じゃあ、護衛につくのは遠距離攻撃がある強めの騎馬がいいか」

女2「接近された時のために近接型の能力者もいるんじゃないっすか?」

男2「いや、接近されないようにだな――――」

女「万が一を考えて――――」

一向に意見が纏まらない喧々諤々な話し合いにも一応の決着がようやく着いた時、男が話しかけてくる
576 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/19(金) 22:58:57.20 ID:3Jmrs1ZMo
男「はぁ、既に疲れた……そういやアンタ達無能力者だろ?競技見てたから強いのは知ってる、期待してるよ。ちなみに俺はレベル4の身体能力強化な、よろしく。で、おーい!」

女「はいはーい、私はレベル3の電撃使いよ。よろしく」

克巳「あァ、よろしく」

『そろそろAブロックの予選が始まります。各チームの選手の方は競技場に入場してください』

男「よし、行くか」

女「予選は勝たないと。よろしくね、司令塔さん」

級友1「は、はい!頑張ろうね、涙子、級友2!」

佐天「もちろん!」

級友2「へいへーい、振り落とされないように掴まってなーってね」

佐天「あの、すみませんけど、よろしくお願いします」

克巳「任せな」

花山「あァ」

『さあ、それでは騎馬戦無差別級を戦う若き選手達の入場です!皆様、盛大な拍手でお迎えください!』

そのアナウンスがかかると、競技場が割れんばかりの拍手喝采が巻き起こる
それだけで、この競技がいかに注目を集めているのかが窺い知れた

佐天(勝ちたい、勝てる、勝つ!御坂さん達のチームを倒してみせる!)

騎馬戦無差別級Aブロック予選、開幕――――!!
577 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/08/19(金) 23:04:08.21 ID:3Jmrs1ZMo
久しぶりの投下、短くて申し訳ないです
予選はさくっと行って決勝で何やかんややって、ナイトパレードやって大覇星祭は終わりかなと
大覇星祭のこの辺は勢いでやってるので、多少のご都合主義は許してください……
それではー
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/08/19(金) 23:07:01.93 ID:ZxRHE12Lo
乙ッッッッ
次回も楽しみだ
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/08/19(金) 23:37:27.44 ID:oWe0XcEDO
乙ッッッッッ

花山さん饒舌じゃないか?
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/08/19(金) 23:51:25.53 ID:RngkxLti0
100年は無かったぞ・・・・・・ここまでのワクテカは・・・・・・

こんなに圧力を感じるレベル0チーム無いぜwwww
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/08/20(土) 00:56:17.34 ID:srmdgmQAO
乙ッッッッ!

この騎馬戦を固法先輩が見てたら佐天さんへの対応が激変しそうwwwwww悪くなるか良くなるか分からんがwwwwww
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/20(土) 03:18:49.79 ID:6UjzkhTAO
にぜか相手チームにいる勇次郎
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/20(土) 04:13:16.62 ID:4GDB4mmyo
この化け物集団とすぐ打ち解けられたあたりこいつらただの中学生とは思えねえwww
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/20(土) 11:36:50.20 ID:6UjzkhTAO
傷だらけの筋肉ヤクザ
片足がなく、肌が浅黒い中国人

ダメだ、不審者だwwww
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/08/20(土) 11:55:21.86 ID:6Uwd3b6J0
>>582
勇次郎「離れてな客の衆・・・・・・餓鬼が飛ぶぜ・・・」ニヤァ・・・


次回ッッ!! 範馬勇次郎戦争大運動会!!緊急開戦ッッッ!!
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/20(土) 16:15:03.92 ID:dtX8j/Gwo
>>585
学園都市vs範馬勇次郎

いくら勇次郎でも勝てない…と信じたい…
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/08/20(土) 16:15:40.85 ID:SCUfjxeko
いくら学園都市でも荷が重いな……
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/08/20(土) 21:27:38.89 ID:Cmodb/I4o
投下ごとに勇次郎勇次郎言うのもちょっとマンネリだな
ここは梢江が出てきて「私の事舐めてんじゃん」で花山の足が木っ端微塵と予想
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/08/20(土) 22:42:52.17 ID:ed0BhyaE0
俺はオリバが出てきて絹旗あたりをジャガると予想
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/08/21(日) 00:59:03.05 ID:A5KE2sXAO
「超能力による身体強化ッ!」
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/21(日) 03:16:49.71 ID:WuekFT8AO
超能力なんぞ所詮は女子供の護身術
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/21(日) 06:45:08.48 ID:O4C64p31o
ここで夜叉猿一家騎馬隊が颯爽と入場
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/21(日) 09:51:50.09 ID:N+Ukf8s4o
郭春成が登場し佐天さんにボコられ二秒で退場
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/21(日) 10:00:49.33 ID:x2YcT9EAO
一方通行と渋川さんの投げ合戦
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/08/21(日) 10:07:04.33 ID:6zF1bEfYo
そういえば御坂が握撃されるSSの中で独歩並に回されて頭から落ちた一方通行を見たことがある
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/08/21(日) 10:11:30.55 ID:UpBXi5gQo
>>594
渋川が神拳てきなものつかっちゃうのはみたことある。
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/21(日) 15:33:28.29 ID:VLiUikaDO
渋川さんならやると思う。
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/08/21(日) 20:42:54.48 ID:0ovzVbAJ0
渋川さんならやかんで先手を取ると思う
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/24(水) 22:15:08.58 ID:wo5B1ueS0
てか渋川さんちょっとでも危険だったらたどり着けないだろ
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/08/24(水) 22:25:01.29 ID:cHjZ3R2H0
>>599
ジャックと勇次郎がちょっとだと申すか。
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/08/25(木) 10:46:16.01 ID:R6FAvH/Zo
渋川さんの技量をちょっとでも超えるとアウト
学園都市なら大丈夫だな
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2011/08/26(金) 22:59:57.90 ID:5VrjkSyyo
金曜ロードショー見て改めて気付いたが
精神をシンクロさせてるだけなのに肉体的にも傷つくのってリアルシャドーの応用だろうな
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) :2011/08/28(日) 21:23:05.67 ID:02RS7v4qo
↑何気に誤爆だったけどまあいいか
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/28(日) 21:30:35.92 ID:kt20BVG8o
つまりスタンドだ
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/08/28(日) 22:22:58.47 ID:EfMfNW+50
>>603
お、おいsageろって・・・
次から頼むぜ。
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/08/31(水) 09:54:09.74 ID:uIp8ufBAO
まだかなぁ…
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/08/31(水) 10:57:47.69 ID:uiZGIT1W0
来ました自治スレ宣伝

こりゃ改行で乗り切るか





自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/07(水) 19:20:07.40 ID:XpcN6nB+0
宣伝消えたね
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/08(木) 06:56:44.80 ID:we6ymXFAO
>>1も消えたけどね
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/09/08(木) 22:58:33.55 ID:j4rRD5lp0
何故だ・・・
611 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/10(土) 23:38:28.61 ID:FTueVjhco
続きを書こうと思っていたら、仕事で修羅場が続き気付けばもう9月中盤に……
もうしばらく修羅場が続きそうなので、本当に申し訳ないですが少しお待ちください
できれば一週間以内に少し時間を作って投下に来ようと思います
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/09/10(土) 23:40:19.89 ID:FmxM1odeo
うぇい
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/09/10(土) 23:52:41.06 ID:RfINMVRCo
ゆっくり待ってるぜー
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/09/11(日) 01:10:14.07 ID:PktinWgu0
タントウしながら待ってる。
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/11(日) 02:20:29.53 ID:GdYjblyAO
生存報告だけで十分だから、せめて週に1回何か書いてっておくれ
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/09/11(日) 21:40:04.62 ID:mKIimp7U0
無呼吸運動しながら待ってる。
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/12(月) 02:57:26.45 ID:hqYempe2o
0.999...が1になるまで待ってる
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/12(月) 10:16:30.05 ID:0XjqbxfWo
毎日100本正拳突きしてまってる
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/12(月) 12:00:43.31 ID:cEnGimeIO
無呼吸で待ってる
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/09/13(火) 09:56:31.95 ID:k3JI92HAO
エラ呼吸するから待ってろ
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/13(火) 16:49:37.83 ID:rrEMQxiV0
背中に鬼の顔出しながら待ってる
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/14(水) 00:07:32.09 ID:tgcSSYpAO
一日に30時間待つという矛盾ッッッ!
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/14(水) 13:55:06.72 ID:zHlM+EeIO
待たない打撃だったなんて…
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/09/15(木) 19:40:49.71 ID:x1JHGwF20
待ちなくして投下のカタルシスはありえねぇ・・・
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/21(水) 19:30:33.07 ID:Okmmn43IO
超雄が集うインターネッツはここですか?
626 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/21(水) 22:27:46.53 ID:EjS5zN2no
今週末にやっと休みがとれそうなので、3連休に一度投下に来ます
そこからは以前に近いペースで投下していけると思いますので、もう少しだけお待ちください……
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/09/21(水) 22:31:27.06 ID:+os2Q3Xno
よっしゃ了解
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/21(水) 22:42:12.07 ID:X/9Csx2IO
おー
待ってたぜー
629 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/22(木) 03:55:17.47 ID:FnBTzwhyo
『本日のコンディションは晴れ、絶好の騎馬戦日和となっております。この試合の実況はジョン・カピーラがお送りいたします。さあ、Aブロック予選各チームの選手達が出揃いました。ここで観客の皆様に簡単に予選のルールについて説明させていただきます』

『予選は、各ブロック毎にバトルロワイアル形式での戦いとなります。本選へと駒を進めるのは最後まで生き残った1チームのみ!』

『この会場では、Aブロックの予選が行われます。おっと、そろそろ開始の時間が近づいて参りました―――』

大覇星祭で最も過激な競技とあって今までにない人数の観客が押しかけ、異様な熱気に包まれた競技場
数100組はくだらない騎馬の中でも、特に目を引く騎馬の上に、佐天涙子は騎手として鎮座している
フロントに喧嘩師・花山薫
バックには神心会の若き館長・愚地克巳と中国拳法の達人・烈海王が配置されたその騎馬は、学園都市最強の無能力者集団と呼んでも過言ではないだろう
そしてその周りには、佐天達と同じチームの騎馬
開始の合図がおりれば、能力者同士の壮絶な戦闘が繰り広げられる事は想像に容易いこの状況
そんな中で、一介の無能力者に過ぎない佐天涙子は不思議な感覚を抱いていた
競技場の熱気にあてられたのか、心も身体も熱くなるような、何だかわからないけど、そんな感覚――――
630 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/22(木) 03:56:01.56 ID:FnBTzwhyo
克巳「ぼーっとしてるみたいだけど、大丈夫か?」

佐天「――――はい!」

克巳「よし、佐天さんにとって初めての実戦だ。気合入れていこうや」

佐天「押忍!」

男「おっ、始まるみたいだな。作戦は事前に打ち合わせた通りでいこう、頼んだぜ」

級友1「は、はい……」

級友1(逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ……)

『さぁ、若き血潮を燃やせ!それでは騎馬戦無差別級Aブロック予選――――開始!』
631 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/22(木) 03:57:13.06 ID:FnBTzwhyo
『さぁ、若き血潮を燃やせ!それでは騎馬戦無差別級Aブロック予選――――開始!』

試合開始の合図が鳴ると、競技場には選手達の咆哮と、砂埃を巻き上げ、地を踏み鳴らし進軍を開始する足音が響き渡る
手当たり次第に戦闘を始める組、陣形のようなものを構成する組など作戦はさまざまだが、
佐天達の組は打ち合わせ通り司令塔となる騎馬の周りに戦力を残しつつ、残りの騎馬が競技場に展開する形をとっていた
ディフェンスに多数の騎馬を置き、オフェンスを佐天達を含む数騎が担当する陣形で、次々に他組の騎馬を撃破していく
オフェンスに蹴散らされる騎馬、司令塔の指示によるディフェンスの連携プレーで崩される騎馬
あちらこちらで炎や雷が飛び交う中、佐天達の騎馬は

『おーっと、白組Aチームの騎馬が中央を駆け上がっていきます!』

『誰もこの騎馬を止められないー! そしてそのままタックル! 決まった! 場内が騒然としています!』
632 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/22(木) 03:58:23.65 ID:FnBTzwhyo
男「はは、すげえすげえ」

級友1(右から来てます!気をつけてください!)

男「よっと……予選は思ってたより楽に勝てそうだな」

女「このブロックには強い学校ってあんまいないからね」

バトルロワイアル形式とあって競技場のいたるところで戦闘が起こり、騎馬はみるみるその数を減らしていく

克巳「ここまでくれば大丈夫か……佐天さん」

佐天「は、はい!」

克巳「あそこに一騎騎馬がいるだろ?」

佐天「はい……いますね」

克巳「真っ向勝負であの騎馬を倒すんだ、佐天さんがな」

佐天「はぁ。……え!?」
633 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/22(木) 03:59:15.88 ID:FnBTzwhyo
花山「向こうも気付いたみてぇだぜ……」

克巳「勝てる勝てねぇの問題じゃねぇ、やる事に意味があるんだ。今は実戦の雰囲気を感じるだけでいい」

佐天「……押忍!」

相手の騎馬は既に覚悟を決めたのか、花山達を見ても怯む事なく向かってくる

佐天「うわっと!くっ、あぶなっ!」

相手の騎手が伸ばしてくる手をかわしつつ、佐天は反撃のチャンスを窺っていた

佐天(見える……克巳先生に比べれば遅い攻撃だ……)

身体も心も燃えそうな程熱いのに、不思議な程に頭は冷静に働いている

佐天(隙ができるのは……これだ、花山さんがいるから相手は身を乗り出すしかない。乗り出した身体を戻す瞬間、その瞬間を狙えば……)
634 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/22(木) 04:00:31.41 ID:FnBTzwhyo
相手「くっ、ちょこまかちょこまかかわしやがって」

佐天(――――ここだ――――)

克巳(おっ)

烈(ほう)

佐天の狙いは、その状況においてほぼ満点に近い選択だっただろう、だが

相手「――はっ、残念だったなぁ!」

速度が不足していたのか、それとも事前に察知されたのか
必殺の一手をぎりぎり回避され、今度は佐天がピンチに陥ってしまう

佐天(やばい、やられる!)

相手「これでおわ―――ッッッッッ!!」
635 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/22(木) 04:01:33.55 ID:FnBTzwhyo
佐天の鉢巻に手がかかろうとした瞬間、相対していた騎馬が横合いからの一撃を受け吹き飛んでいく

男「はー、間に合ってよかった」

女「級友1ちゃんが見つけてね、最初は観戦してたんだけど危なそうだったって事でね」

佐天「観戦って、他の組は――」

『試合終了!この試合を制し本選出場を決めたのは白組Aチームです!おめでとう!』

男「こういう事」

級友1「涙子ー!大丈夫だった?」

級友2「はー、既に疲れた……涙子?」

佐天「ん、大丈夫。ぴんぴんしてるよー」

『各ブロックを勝ち抜いたチームが競う本選は午後、特設の競技場で開催予定です!ご期待ください!』

佐天(私、あのままなら間違いなく負けてた……)

佐天「ちくしょう……」
636 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/22(木) 04:03:07.71 ID:FnBTzwhyo
――――別会場――――

「ぐあああああああああ!」

「ぐはっ」

『圧倒的!全く相手を寄せ付けません!これがレベル5の実力なのかぁー!』

『一方的な展開のまま試合終了!勝者は超電磁砲が率いる組だぁー!』

美琴「ふん、準備運動にもならないっての……」

『さぁ、これで全ての本選出場チームが出揃いました。本選出場チームはこちらです!』

美琴「へぇー、やっぱり上がってきたのね、佐天さん達」

掲示板に映し出された本選のトーナメント表を見て、美琴の顔に安堵の笑みがこぼれる

『それでは皆さん、本選でお会いしましょう!』

美琴(おもしろくなってきたじゃない、この競技も)

美琴は会場を後にし、本選が行われる競技場へと向かい歩き始めた――――
637 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/22(木) 04:05:06.55 ID:FnBTzwhyo
明日も仕事なので、今日はここまでで
散々お待たせしてしまい申し訳ありません
これからはコンスタントに投下できるよう気をつけていきたいと思います
ではー
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/09/22(木) 08:10:44.69 ID:8DN9SEpSo
乙ッッッ!!!
相変わらずおもしれぇ
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/09/22(木) 09:18:56.83 ID:4AdDGRIf0
花山さんを相手にしても怯まず突っ込んだ相手選手に拍手をを送りたい。
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/22(木) 09:20:51.45 ID:T0gp2uIAO
やっぱ面白いなww

投下無理しないでねー。
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/09/23(金) 16:13:09.10 ID:K6Fp/Eda0
乙ッッ

カピラって確実にあのry
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/23(金) 21:06:19.84 ID:lYWi0z3w0
おちゅ

今思った
花山たちは体操服なのかと
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/09/24(土) 03:29:26.87 ID:vRd3I5aXo
ああ、ブルマだ
644 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/24(土) 20:36:34.75 ID:zP4/o1npo
――本選会場――

佐天「はぁ……」

本選開始に向けて着々と観衆が集い、徐々に期待と熱気に包まれ始めた競技場で、佐天涙子は一人浮かない表情を浮かべている

佐天「結局私、何の役にも立ってないよ……克巳先生達はすごいなぁ……」

佐天(私にも、何でもいいから才能があればなあ……)

克巳「おっ、いたいた。そろそろ始まるぜ……って何かあったか?」

佐天「あ、いえ……私、あのままいけばあの騎馬に負けてたなぁって……」

克巳「ああ、そうだろうな」

佐天「ですよね……」

克巳「でもな、烈師範も褒めてたぜ。目のつけどころは良かったってな。俺もそう思う」

佐天「え?」

克巳「ちっとばかしスピードが足らなかったが、それはこれから鍛えていきゃいいしな……まぁなんだ、気にしすぎんなよ」

佐天「は、はい!」

克巳「じゃ、俺は先に――――」
645 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/24(土) 20:37:19.96 ID:zP4/o1npo
美琴「無事上がってきたみたいで安心したわ、2人とも」

克巳・佐天「!!」

佐天「御坂さん……」

美琴「ま、予選で消えられちゃ私も参加した意味がわかんないからね。せめて決勝までは来なさいよ?」

克巳「随分な自信じゃねぇか、優勝は自分達だとでも言いてぇのかい?」

美琴「どうかしら?でもそうなる確率は高いと思うわよ?」

美琴の言葉には挑発の意思などは見受けられず、事実を事実のまま言ったという感じだった
そして、それがはったりなどではない事は、一度対峙した克巳には身に染みてわかっている

美琴「ま、そんな事どうでもいいじゃない。最初が私達の試合だから、それを見て作戦なりなんなり立てておくことね」

美琴「決勝で戦える事を祈ってるわ、それじゃ」

美琴はそれだけ言うと、背中を向けて歩き出す
先程まで整備のためにグラウンドを走り回っていた大勢のスタッフは忽然と姿を消している
競技場には各会場で予選を見た観衆がこぞって詰め掛けており、地下闘技場を彷彿とさせる熱気に包まれていた
646 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/24(土) 20:38:46.69 ID:zP4/o1npo
佐天「うわあああ、いつのまにかとんでもない観客の数ですね」

克巳「緊張してるかい?」

佐天「あはは、かなり緊張してます……グラウンドに立ったら死んじゃうかも」

克巳「はは、まあ何とかなるさ」

『お集まりいただいた皆様、大変お待たせいたしました。これより騎馬戦無差別級本選を開始したいと思います!』

佐天達が雑談をしていると、不意に本選の開始を告げるアナウンスが鳴り響いた
それと同時に会場の盛り上がりも加熱していき、あちらこちらから歓声が上がる
克巳達にとってはここが対超電磁砲の対策を練る数少ないチャンスでもあるわけだから、周りと同じように盛り上がるというわけにもいかず、真剣な表情でグラウンドを見つめている

『本選は予選と違い、勝ち上がりのトーナメント形式で行われます。さぁ、注目の第一試合を戦うチームの入場です』

『予選ではCブロックを戦い勝ち上がってきました。騎馬同士の連携プレーにはキラリと光るものがあります! 白虎の方角よりCブロック代表、紅組「モブの集い」チームだー!』

『きたきたきたきた!!! 青龍の方角より入場しますは圧倒的な力でただの一騎も失う事なく予選を突破した、まさに優勝の大本命!』

『学園都市の第三位、超電磁砲率いるFブロック代表紅組「ゲコゲコゲコ太ーズ」チームです!』

男「おっ、ここにいたか。恐らくやつらは決勝まで勝ち上がってくるチームだ。しっかり対策をたてないとな」

声のした方向にチラリと視線を送ると、共に戦うチームメイトが勢ぞろいしている

烈「あのチームはそんなに強者がいるのか」

男「ああ、できれば戦いたくはない能力者がいるんだ」
647 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/24(土) 20:39:39.06 ID:zP4/o1npo
――――説明中――――

烈「ふむ……克巳さんが敗北する程の相手がいるとはッッ」

花山「おい、始まるみてぇだぞ……」

――――

烈「むぅ……!」

佐天「うわぁ……」

『つ、強い! 強すぎるぞゲコゲコゲコ太ーズ! 圧倒的実力で初戦を突破!わずか数騎の犠牲で勝利を収めました!』

『勝利の立役者はやはりこの選手!超電磁砲こと御坂美琴選手だぁー!攻守共に今大会、いやこれまでの大会史上最強の騎馬と呼んでも過言ではないのでしょうか!』

『おーっと!御坂選手、観客席に向かって何かを撃つような真似事をしました!何か意味があるのでしょうか?』

佐天「私達に向かって……?何かのおまじないなんですかね?」

克巳「挑発してんだろ、怖くなかったらせいぜい決勝まで上がってきなってとこか」

花山「へっ」

級友1(何で嬉しそうなんだろう……)
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/09/24(土) 20:40:04.54 ID:47SmNlSbo
キター
649 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/24(土) 20:40:21.19 ID:zP4/o1npo
――――

美琴「ふふっ、手の内を明かさずに済んで良かったわ。ねぇ?」

???「そうですわね、御坂さん」

美琴「あの作戦は使わずにいけるかもね」

???「だといいですわね、下手すれば反則ととられかねないですから」

美琴「ルールの裏をつくのよ、問題ないわ」

美琴(見てなさい、優勝は絶対私達のものよ)
650 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/24(土) 20:41:41.40 ID:zP4/o1npo
――――しばらく後、控え室――――

女「緊張するなぁ、いよいよ次じゃん」

男「そうだな……っと、俺達は作戦どうするんだ?予選通りでいくか?」

克巳「下手に変更して敗北しましたじゃ笑えねえからな、今までどおり行こうぜ」

男「オーケイ、司令塔を守りつつ戦闘ね」

克巳「ああ、出し惜しみすんなよ。読まれたら読まれたでまた考えりゃいい話だからな」

『さぁ、本選の第一回戦、最終組の選手達が入場します!』

克巳「よし、行くかぁ」
651 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/24(土) 20:42:21.01 ID:zP4/o1npo
――――グラウンド――――


『青龍の方角より、Aブロックの覇者、白組「Aチーム」の入場です!』

『予選では非常にいい動きをしていたこのチーム! 優勝の大本命がゲコゲコゲコ太ーズなら、こちらはダークホースといったところでしょうか!』

『構成は非常にレベルのバランスの良い構成となっているようです。さぁ、間もなく開始されようとしています』

???「御坂さんは随分とあのチームに期待していらっしゃるみたいですが……」

美琴「そうね、多分決勝であたることになるから、しっかり見ておくべきだと思うわ」

???「ですが、あの作戦なら万に一つも負けはないでしょう?」

美琴「ええ、優勝は私達ゲコゲコゲコ太ーズのもの、間違いないわ」

『第一回戦最終組、レディーーー、ゴッッッッ!』
652 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/24(土) 20:42:59.00 ID:zP4/o1npo
――――決勝までの様子はダイジェストでお送りいたします――――

第一回戦最終組

敵「化物め、せめて貴様達だけでも崩してやる!」

敵「うおおおおおおお!」

花山「……こんなもんかい」

敵(馬鹿な! 俺はレベル3の身体能力強化だぞ!? 怯ませる事すらでき――――)

敵「〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!!!」

『決まったー! 彼らはダンプカーか何かの生まれ変わりでしょうか!? 素晴らしいチームワークでAチームが勝利しました!』
653 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/24(土) 20:43:40.54 ID:zP4/o1npo
第2回戦

ゲコゲコゲコ太ーズ 対 突撃ゴブリンズ

『素晴らしい! 攻撃性においては今大会No.1との意見もあった突撃ゴブリンズを一蹴しました!』

『勝者、ゲコゲコゲコ太ーズ!』

Aチーム 対 チーム世紀末

「ヒャッハー!」

「兄貴ィー! 鉢巻でっせぇ!」

「こんな鉢巻ケツを拭く紙にしかならねぇって――――あべしッッッッ!」

「兄貴ィィィィィィィィィィ!」

『強い! 見た目なら今大会No1のチーム世紀末を下し、Aチームが準々決勝へと駒を進めたー!』
654 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/24(土) 20:44:30.36 ID:zP4/o1npo
準々決勝

ゲコゲコゲコ太ーズ 対 アロハファイターズ

『誰もこのチームを止められない! まさに暴君! ゲコゲコゲコ太ーズ、危なげもなく準決勝に駒を進めました!』

Aチーム 対 学園都市アタッカーズ

『うーん、素晴らしい! まるで示し合わせたかのような連携プレーの数々! Aチームが準決勝に進出しました!』
655 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/24(土) 20:45:25.20 ID:zP4/o1npo
準決勝

ゲコゲコゲコ太ーズ 対 ブートキャンプス

「ぐわあああああああああ!」

「Nooooooooooooooooo!」

『何という、何というチームだ! 長い間実況を勤めていますが、こんなチームは見たことがない!』

『決勝に駒を進めたのはゲコゲコゲコ太ーズだッッッ!』

Aチーム 対 ガチムチエンジェルズ

「あの中心の騎馬を狙え!」

「いいか! 絶対に2組以上で行動しろ!」

男「まっじい、完璧にばれてるぞ」

女「フォローに行くの! ほら、急いで急いで!」

味方「くそっ!こいつら統率がとれて――――ぐはっ」

『Aチーム、ガチムチエンジェルズのチームプレイに大苦戦しています! 状況は5分といったところでしょうか」

克巳「おいおい、ちょっとあっちに戻った方がいいかもな」

烈「うむ、その方が良いだろう」

「行かせるか!」

「左右からの一斉攻撃だ、かわせるもんなら――――」
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/09/24(土) 20:46:48.87 ID:47SmNlSbo
敵チーム名ワロスwwwwww
657 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/24(土) 20:46:58.86 ID:zP4/o1npo
烈「破ッッッ!」

克巳「よっと」

「グハァッッ」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」

『激戦! 今大会一番の激戦となっております! どちらが勝ってもおかしくありません!』

級友2「やばいやばい、ちょっと後ろに行った方がいいかも」

級友1「そうだね、ここで私達が崩されたらそのまま一気に負けちゃうかもだし」

男「一組行ったぞ!気をつけろ!」

級友2「うわっ、急げ急げ」

男2「これ以上行かせるかよ!さっさと逃げろ!」

「はっ!邪魔くせぇ!」

男2「ッッッッッッッ!」

「俺らがこのチームのエースだぜ?てめーらにゃとめらんねーっつーの!」

級友2(やばっ、これ、当たられたら間違いなく崩される――――)

「観念し――――〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッッッ」

花山「へっ……ベラベラとよく喋る野朗だぜ……」

『吹き飛んだ! ガチムチエンジェルズの騎馬が4人まとめて宙に舞った〜〜〜〜!!! まさに力こそパワー!』

克巳「もう一息だな、さっさと決めちまおう」

『エースを失ったガチムチエンジェルズをAチームが押し切り試合終了!! 激戦を制し決勝に駒を進めたのはAチームだッッッッ!』

『決勝戦の開始まで一時間ほどお待ちください、それでは皆様ごきげんよう』
658 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/24(土) 20:48:19.51 ID:zP4/o1npo
――――同時刻・風紀委員詰所――――

初春「〜♪」

目の回るような忙しさも一段落した風紀委員の詰所で、初春がコーヒーを片手にパソコンのモニターを眺めている

黒子「初春、何を見ていますの?」

すると、それに気付いた黒子が後ろに回りこみ、モニターを初春の頭越しに覗きこみながら質問をした
画面には何やら、競技場のような場所を所狭しと駆け回る大勢の人物が映し出されている

初春「騎馬戦無差別級の本選の動画です。近くの競技場でやってるので1時間後の決勝は見に行く予定なんですけど、ハイライトが配信されているみたいなので……」

黒子「相変わらず野蛮な競技ですこと……って、こ、このお姿はまさか……」

初春「そうですね、御坂さんですね」

黒子「お姉様ぁぁぁぁぁああ!決勝は黒子がしっかり応援してさしあげますわ!そして優勝のお祝いには黒子を、黒子の身体をプレゼントしますの!」

初春「いいところなので静かにしてください……決勝に進んだのは御坂さんのチームと……Aチーム?」

黒子「ふっ、どんなチームであろうとお姉様の敵にはなりえませんわ」

初春「そうですね……あれ?この人達、すっごい見覚えがあるんですけど……」

黒子「ええ、間違いなく花山とかいうヤクザとその引取り人達ですの。上に乗ってるのは佐天さんですわね……え?」

初春・黒子「えええええええええええええええ(ですの)!!??」
659 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/09/24(土) 20:52:17.05 ID:zP4/o1npo
今日はここまでです
決勝までの工程が強引過ぎた感じもしますが、一戦ずつ書いてると時間がいくらあっても……
あと4回くらいの投下で大覇星祭が終わる予定です、早く次に進めないと……
ではー
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/09/24(土) 20:55:15.74 ID:47SmNlSbo
乙でしたッッッ
今からワクワクが止まらん
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/24(土) 21:53:28.55 ID:Z1Y8vXwIO
いい男たち善戦しすぎワロタ
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/24(土) 23:23:04.14 ID:0Rak3tGDO
ふと思ったんだが、烈さんが空砲で馬の目潰していけば余裕じゃね?
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/24(土) 23:37:18.60 ID:AVp+2aKGo
あれは予備動作に時間がかかるから集団戦では使いにくい
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/25(日) 11:33:59.53 ID:7BOLeIQDO
克巳戦のじゃなくてバキの時に使ったのなら、と思ったんだけど駄目かぁ
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/09/25(日) 21:30:20.77 ID:yiUAJREv0
圧倒的ワクテカッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ
666 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/01(土) 21:13:28.57 ID:F2SRX2t+o
――――本選会場――――

佐天「あのー……」

克巳「どうした?」

佐天「さっき、御坂さんと何をお話されてたんですか?」

克巳「あぁ、あれは――――」
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/01(土) 21:14:07.43 ID:F2SRX2t+o
――
―――

美琴「ずいぶん危なかったみたいだけど、とりあえずおめでとうって言っとくわ」

克巳「どうも……あんたらは随分余裕そうだったな」

美琴「当たり前でしょ?あんな雑魚に手間取ってるようじゃ困るわよ」

克巳「はは……」

美琴「そうそう、あんた達のあの作戦、もう見破ってるからね?準決勝の時点でも見破られてたからわかってるだろうけど、何か新しい作戦でも考えとくのね」

克巳「ああ、わかってる」

美琴「ならいいわ。楽しい決勝になるといいわね、克巳さん」

克巳「アンタ達が勝つ展開が楽しいっつーなら、ちょっとその期待には応えてやれそうにねぇな」

美琴「……ふん、言うじゃない。言葉を変えたほうがわかりやすい?」

美琴「せいぜいまともな試合をさせてちょうだい、一方的な展開じゃ試合なんて呼べないから」

克巳「そうこなくっちゃ……」

―――
――
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/01(土) 21:15:55.39 ID:F2SRX2t+o
佐天「やっぱり、作戦ばれてたんですね……」

級友1「そうみたいだね……ど、どうしよう」

克巳「……今までの試合を見た限り、あの騎馬を抑えねえと勝ち目はねぇな」

烈「うむ。問題は誰が抑えるかだが――――」

男「……よし、その役目は俺達が引き受けよう」

克巳「できるのかい?」

男「俺はレベル4の身体能力強化だ、それに女はレベル3の電撃使い」

女「電撃使いは電撃への耐性があるから、多分ある程度なら耐えられると思うし……」

克巳「わかった、できれば他の騎馬を俺達が全部倒すまでの間その騎馬を抑えてくれ……確かにあの騎馬は強い、逆にそれがあのチームの弱点でもあるわけだしな」

級友2「弱点でもあるって、どういう事ですか?」

克巳「あの子の学校、常盤台って言ったか。その学校は全員レベル3以上の能力者のわけだろ?」

佐天「……そうか、騎馬を組めるのは原則同じ学校内だけ……御坂さんの騎馬だけで最低でも150の制限のうち14を占めている……」

克巳「ああ、他の騎馬はレベルを抑え目に組むしかなくなる。あとは立ち回りだ、どうやって他の騎馬からあの騎馬を引き離すかを考えよう」

男「ああ、それも任せてくれ。挑発しまくって怒らせてやるさ。それに、恐らく成功するであろう作戦もある」

克巳「……わかった、アンタに任せるぜ」

男「おう、せっかくここまで来たんだ、優勝しようぜ」
669 : ◆JUf5fVneqA [sage]:2011/10/01(土) 21:16:46.88 ID:F2SRX2t+o
――――観客席――――

初春「ひゃああああああ、すっごい人ですね、白井さん」

黒子「そうですわね。それにしても、まさか初春が私を足に使うとは思いませんでしたわ……」

初春「白井さんがずっと御坂さんの試合のハイライト見てて、試合開始に遅れそうになったからじゃありませんかぁ!」

黒子「それは申し訳ありませんでしたの……」

固法「ちょっと2人とも、ホントに花山さん達がこの試合に出てるの?」

初春「はい、間違いないと思います」

固法「ああ、ワクワクするわ。敵チームなんてきっと紙屑みたいに飛んでいってしまうのね……」

黒子「お姉様がそんなに簡単に負けるわけありませんの!優勝はお姉様のチームで決定してますの!」

固法「えっ、敵には御坂さんがいるの?……それでも、花山さん達が優勝すると思うわ、ムサシノ牛乳飲んでたから」

黒子「なんですのその理由は……初春はどっちが勝つと思ってますの?」

初春「うーん……私的には佐天さんを応援したいですねぇ、なんて」

固法「あら、花山さん達のチームに佐天さんもいるの?」

初春「あ、はい。実は――――」
670 : ◆JUf5fVneqA [sage]:2011/10/01(土) 21:18:35.38 ID:F2SRX2t+o
固法「な、何ですって……佐天さんが神心会、それも愚地克巳に直接弟子入りしていたなんて……」

初春からそう伝えられた固法からは、ひどく驚いた様子がうかがえる

初春「あー、できれば内密にしておいてくださいね」

黒子「それだけではありませんの、佐天さんは花山さん達の騎手をしているはずですわ」

固法「そ、そんな、佐天さん、羨ましすぎるわ……」

初春「あはは……っと、そろそろ始まるみたいですねぇ」
671 : ◆JUf5fVneqA [sage]:2011/10/01(土) 21:19:31.78 ID:F2SRX2t+o
『大変長らくお待たせいたしました!間もなく騎馬戦無差別級、決勝戦が行われようとしています!』

『さぁ、天気は晴れ、気温は24度と絶好のコンディションとなっております。実況は私、ジョン・カピーラがお送りします』

『解説に柔術家の本部さんをお呼びしています。本日はよろしくお願いいたします』

『どうも……』

『さぁ、選手の入場です』

『きたぁー! 白虎の方角より、今大会最強のチーム! ゲコゲコゲコ太ーズの入場です!』

『本選ではその全てを一方的な展開で勝ち上がってきました! 注目はもちろん超電磁砲率いる騎馬です! すでに予選を含めますと、この騎馬だけで100騎以上の騎馬を潰しています!』

『そして、青龍の方角よりAチームの入場です!』

『バランスの良い構成! 統率のとれた騎馬同士の連携プレー! そして何より見ていて非常におもしろい試合をしてくれます!』

『どちらが勝ってもおかしくない、まさに今大会1番の好カードでしょう!』
672 : ◆JUf5fVneqA [sage]:2011/10/01(土) 21:21:01.69 ID:F2SRX2t+o
――

克巳「作戦は、話し合った通りだ。頼んだぜ」

男「任せとけ」

女「はぁ、超電磁砲か……怖いけどやるしかないかぁ」

――

美琴「ふふ、何度も言うけど優勝は私達のもの。そうでしょ?」

???「そうですわね、まず間違いなく」

『騎馬戦無差別級決勝、レディ〜〜〜〜〜ッッッッ、ファイッッッッッ!』

美琴「さぁ、どこからでも――――」

カピーラ『おーっと! Aチームが早速必勝の陣形に入ったぁー! 予選と本選を勝ち抜いてきたあの陣形だ!』

美琴(なっ……ふふ、せっかく忠告してあげたのに、馬鹿にしてくれるじゃないの……!)

美琴「そんなに潰して欲しいなら、お望みどおりに――――」

男「おっとっと、ここは通行止めですってな。悪いが俺達の相手になってもらうぜ」

美琴「はっ、足止めってわけ? 上等じゃない……! ぶっ潰してやるから覚悟しなさい……」

騎馬戦無差別級、決勝戦――――開始
673 : ◆JUf5fVneqA [sage]:2011/10/01(土) 21:22:46.64 ID:F2SRX2t+o
本日はここまでで
次はもう少しまとまった投下をする予定です
本部が出てきて何が悪い、ではー
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/01(土) 21:28:58.55 ID:82erhbmAO
乙。
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/10/01(土) 21:45:01.96 ID:aH2M2cNe0
乙ッッッッ
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/01(土) 22:47:12.49 ID:mWMM7c7Zo
当然のように本部登場ッッ
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/02(日) 10:01:51.82 ID:hOD18mqDO
道場暇なんかw
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/02(日) 14:42:32.49 ID:OVSuLjrFo
乙ッッ!!
次回にwwktk

そしてさりげなくいる本部wwwwww
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/02(日) 14:43:29.74 ID:OVSuLjrFo
乙ッッ!!
次回にwwktk

そしてさりげなくいる本部wwwwww
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/02(日) 14:45:01.03 ID:OVSuLjrFo
2重投稿スマン
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/10/02(日) 23:18:00.63 ID:8JAh0c2q0
>>671
バランスの良い・・・・・・山本選手かッッッ
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/03(月) 13:21:51.71 ID:toejgccJo
本部さんなんでいるんだよwwww
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/10/03(月) 20:26:05.43 ID:3NIq7VsAO
バランスのいい解説に定評のある本部が居て何が悪いッ!
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/10/04(火) 10:24:56.29 ID:A604sHJx0
も、本部ッッッッッッ
685 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/05(水) 02:29:38.34 ID:bwfajFquo
克巳「よし、向こうは作戦通りに動き出したみてぇだな。俺達もやるか」

カピーラ(以下、カと表記)『な、何だ!? Aチームが必勝の陣形を崩しました!』

カ『予選、本選と勝ち抜いてきた陣形を崩し、大きく左右に展開! 三角形のような陣形をとっています!』

本部『む! あれは愚地独歩の倅ではないか! 加えて喧嘩師花山に烈海王だと!?』

カ『愚地独歩?』

本部『うむ……人食い愚地とまで呼ばれた空手家……その独歩をもってして自分より強いといわしめる、空手界最強の男だ……』

カ『何という事でしょう! 学園都市にそのような人物が招かれていたとは!』

本部『それに日本最強の喧嘩師と呼ばれる花山薫に、達人・烈海王、まさに武術界のオールスターといっても過言ではない』

カ『それはすごい! ところで本部さん、何故Aチームはあのような陣形をとったと思われますか?』
686 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/05(水) 02:31:20.25 ID:bwfajFquo
本部『予選本選とVTRを見たが、恐らく作戦が事前に相手にバレていると知っていての作戦だろう』

カ『と言いますと――――』

敵「おい! あいつらが作戦を変更するなんざ聞いてねぇぞ!」

敵「構う事ねぇ! 司令塔はわかってるんだ、さっさと潰しちまおうぜ!」

カ『おーっと、ゲコゲコゲコ太ーズ! 一斉に中央の騎馬へと突撃していきます!』

本部『やはりな……質問をしよう、戦場でもっとも重要なものは何だかわかるか?』

カ『重要なもの……兵士でしょうか?』

本部『情報だ。情報こそが戦場での最も重要な要素だ。第2次世界大戦では兵力・物資の差もさる事ながら、情報戦で敗れ続けていた事が日本の敗戦を加速させたともいえる』

本部『暗号であったり兵器の情報であったり、その時によって重要な情報は色々だが、今回ゲコ太ーズは事前に作戦とその作戦の司令塔が誰なのかを把握し作戦をたてていたのだろう』

本部『だが、その事が事前に察知されていたとしたら? ゲコ太ーズに対し同じ作戦で挑むような馬鹿はまずいないはずだ』
687 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/05(水) 02:32:21.07 ID:bwfajFquo
カ『なるほど、そのような情報戦が事前に行われていたとは驚きです』

本部『そして綿密に立てていた作戦が駄目になった時、優秀なまとめ役がいないと――――』

敵「うおおおおおおおおおお!」

カ『おーっと、これはきつい! ゲコ太ーズ、凄まじい勢いで先頭の騎馬へとタックルをぶちかまし……倒れない! それどころか一歩も動きません!』

敵「ぐわああああああああああああ!」

本部『混乱して全滅の憂き目にあうか、がむしゃらに目標に特攻を仕掛けるか……どうやらこのチームは後者のようだな』

カ『ゲコ太ーズの騎馬が中央に集中しています! しかし守備隊に阻まれなかなか司令塔と思われる騎馬に辿りつけない!』
688 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/05(水) 02:33:50.49 ID:bwfajFquo
本部『見ろ、中央の騎馬が後退し左右の騎馬が前進を始めたようだ』

カ『た、確かに! Aチームの騎馬が動き始めました!』

本部『包囲作戦だ。この作戦により実質的に戦闘している人数はAチームの方が多数になる。その上密集している状況であれば動きもある程度制限することができる。単純だが非常に効果的な作戦といえるだろう』

敵「くそっ! こいつらのせいで進めやしねえ!」

敵「……おい、なんか囲まれてないか?」

敵「おいおいおい!……うお!」

本部『見事だ、これほど完璧に作戦を決めるとは……』

カ『しかしゲコ太ーズには学園都市の第三位が所属しているはずですが……』

美琴「このっ……ちょこまかちょこまか動いてんじゃないわよ!」

男「うおっ、危ねえなぁ」

放たれた電撃を大きく跳んでかわし、美琴の騎馬の周りを捉えられないよう高速で移動する
通常の戦闘であればかなうはずのない相手だが、この騎馬戦という状況が美琴の機動力を奪い、熱くなりやすい美琴の性格も幸いして結果的に封じ込めることに成功しているのだ
689 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/05(水) 02:34:54.39 ID:bwfajFquo
カ『おっと、こちらはこちらで激しい戦いを繰り広げております!』

本部『木を見て森を見ず、か。あの娘は相当な実力者のようだがまだまだ青いな』

美琴「ていうか馬が一人しかいないじゃない!ありなの!?」

美琴の言う通り、男の騎馬はすでにバックの2人は脱落しておりフロントと騎手だけを残す形となっている

カ『確かに、これはセーフなのでしょうか!?』

本部『この騎馬戦、騎馬の敗北条件は鉢巻をとられるか、騎手が地面に着くかだったな?』

カ『その通りです!』

本部『ならば何も違反などしていないだろう。ゲッ○ーロボのように一度ばらけて元に戻ったというなら話は別だろうがな』

美琴「へぇー……ま、どうでもいいけどね。所詮雑魚の悪あがきなんだしね」

女「その雑魚に手間取ってる癖に、言うじゃない」

美琴「あはっ、待ってあげてるだけよ? アンタ達の強ーいお仲間が来るのをね」

女「このっ……」

男「俺達の役目は足止めだろ、あっちが待ってくれるって言ってるんだ。無理することはないさ。あっちももう片付きそうだしな」
690 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/05(水) 02:36:28.20 ID:bwfajFquo
カ『つ、強い! Aチーム、見事な作戦をもって、最小限の犠牲でゲコ太ーズの騎馬を壊滅させてしまいました!』

カ『しかし、残る騎馬はあの超電磁砲率いる最強の騎馬! 今大会の撃墜王の座は確実となっている、一騎当千の騎馬です!』

美琴(ひーふーみーよー……ふふっ、わざわざこっちが作戦を知っている事までリークしてあげたんだからこれくらい残って当然よね)

克巳「ちっ……厳しい戦いになりそうだなこりゃ……」

烈「願ってもないだろう克巳さん、強敵と形はどうであれ手合わせできるのだからな」

克巳「確かに……」

佐天「勝ちましょう、私も精一杯やります。ここまで来たなら絶対に勝ちましょう!」

花山「へっ……」

烈「うむッッッッ」

克巳「押忍ッッッ」

美琴「あー怖い怖い。私達はあの作戦で行きましょ、大丈夫だって事が証明されたから」

???「皮肉ですわね、必勝の作戦のつもりだったのでしょうけど、それが私達の利益になるなんて」

美琴「勝負なんてそんなもんよ。まぁ、奇跡の逆転勝利ってやつっぽくていいじゃない?こういうのってお約束の展開だけど、実際やると燃えるわね」

佐天(あれ……?よく見たら何かあの騎手の人、見覚えが……)

男「長引かせたら何があるかわからん、さっさと決めちまおうぜ」

美琴「さぁ、どこからでもかかってきなさい。なんならまとめてでもいいわよ」

カ『すごい光景です! 20騎を超える騎馬に対し、対峙しているのは1騎のみ! しかし、この騎馬であれば何かやってくれる、そんな期待に競技場が満ちております!』

カ『どちらが勝ってもおかしくない状況、いったい勝つのはどっちなんだぁー!』

美琴(もちろん)

佐天(勝利は)

美琴・佐天(私達のもの!)
691 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/05(水) 02:39:24.65 ID:bwfajFquo
本日はここまでで
全然まとまった投下じゃないっていう……でも次で騎馬戦は終了します。まだいろいろやりたいこともあるので……
次に一番輝くキャラは本部にはならないはず……ではー
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/05(水) 09:24:34.61 ID:nbSL0tHDO
乙ッッッッ
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/10/05(水) 09:49:07.10 ID:aUvLZnm+o

漫画・動画を想像してみたが
確かに今回一番目立ってるのは本部な気がしたww
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/10/05(水) 10:00:32.91 ID:51aks16AO
本部が目立って何が悪いッ!
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/05(水) 10:02:50.35 ID:coMgutHIO
こうなると加藤のような驚き要員も欲しくなってくるな
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/10/05(水) 10:25:39.47 ID:zg+9wdKB0
ん? 美琴の電撃が観客に向かって飛んで行ったが……まさかッッッ!?
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/05(水) 12:03:35.33 ID:HJOFFMylo
まあ観客席に電撃が飛んでも
最悪ドラゴンボールで生き返らせられるからな
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/05(水) 19:21:15.14 ID:jj3KR0p9o
観客席に、雷が向かうほどとんがってる奴がいるわけだろ?だれか麻酔銃のおっさん呼んでこい
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/05(水) 21:33:13.26 ID:2W6HBva+o
乙ッッ

本部、○ッターロボ知ってるのかwwwwwwww
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/05(水) 23:32:23.71 ID:tkhfDhFAO
御坂って本編でもSSでも性格がゲスになりやすいよな
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/10/06(木) 02:15:39.95 ID:6phIi06y0
ズチャ・・・
          ズチャ・・・
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/06(木) 02:30:58.52 ID:Xwh3k5Too
御坂は敵側にまわるとなぁ…
途端に魅力ゼロになるからな
703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/10/07(金) 00:16:11.69 ID:RbFN1QO20
ジャックハンマー出てくれないかなぁ・・・
他のスレと被るけど・・・

あのスレの>>1どうなったんだろ
704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/10/09(日) 12:34:28.79 ID:A1hrhXLZo
あ、あっち落ちてたのか。
そろそろ本格的に戦闘が始まるかと期待していたんダガ
705 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 03:17:25.38 ID:dijqp+EDo
佐天「……よし!克巳さん、作戦はどうしますか?」

克巳(遠距離でも近距離でも、広い範囲をカバーできる電撃が厄介だな……仕方ねぇ)

克巳は美琴達に見えないように、自身の後方に位置している司令塔の騎馬へとサインを送る
サインの内容は、あらかじめこの状況を想定して練っておいた作戦の起動を指示するもの

級友1(作戦B……了解です)

そのサインを確認すると、仲間の騎馬へとテレパシーで指示を飛ばす
作戦Bの内容は、多数の騎馬による前後左右からの一斉攻撃、格上の敵を相手取った際に有効な作戦といえるだろう
克巳達の騎馬はともかくとして、こちらの騎馬とは絶対的に地力で差がある騎馬が相手なのだ
長引かせていたずらに戦力を消耗し続けるのは望ましくないとの判断からの作戦であった

カ『あーっと! 残った1騎の騎馬に容赦のない一斉攻撃! 10騎近い騎馬が前後左右から襲い掛かります!』

常盤台の生徒「御坂さん、敵がすごい来てます!」

美琴「落ち着いて、まだ慌てなくていいわ」

カ『動かない! 御坂騎、敵が迫っても一向に動く気配がありません!』

味方「余裕かましてんじゃねぇ! くらいやがれ!」

カ『ほ、炎です! 御坂騎に向けて炎が撃ち出されました! パイロキネシスか!?』
706 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 03:18:11.86 ID:dijqp+EDo
常盤台の生徒「こんなもので倒そうだなんて、甘くみすぎですって」

カ『御坂騎からも炎が! そうでした! 常盤台中学校は所属している生徒全員がレベル3以上という超名門! この騎馬は御坂美琴だけではありません!』

撃ちだした炎は、炎でいともたやすく相殺されてしまう
だが、真の目的は炎で倒す事ではない

味方「へっ、炎は目くらましってやつだ! もらったぜ!」

カ『御坂騎、大ピンチです! 前後左右、果ては上からも敵が迫っております!』

美琴「はん、甘くみすぎって――」

刹那、美琴の周りにパチパチと爆ぜるように青い光が走り出す

美琴「言ってんでしょうが!!」

味方「〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!!」

カ『出た〜〜〜〜〜〜ッッッッ、電撃ッッッッッ! 電撃で迫っていた騎馬全てを吹き飛ばしました! やはり強い!』

男「……まじかよ」

級友1「ひぃ……」
707 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 03:18:40.83 ID:dijqp+EDo
美琴「ちょうど半分……ってとこかしら。 でも手加減はしないわ、あれをやりましょ婚后さん」

婚后「わかりましたわ、御坂さん」

カ『な、これは何だぁ!? 騎手が……騎手が浮いているッッ!?』

御坂「ルール違反じゃない……そうでしょ?」

カ『し、しかしこれは……』

本部『ルールには反則の記述はない……こういう事態を恐れるなら事前に定めておくべきだぜ』

本部『それに騎馬戦のルーツは組を分けて戦うなど、遡れば実際の合戦にあるとされている』

本部『何でもありのこっちの方が、実際の合戦ぽくていいじゃねぇか……』

男「馬を崩すには第三位が……かといって鉢巻を狙うにも騎手は空中……やべぇんじゃねぇか?」

佐天(私が……私に能力があれば、空中の騎手を仕留められるかもしれないのに……)

克巳「……佐天さん、列師範、花山さん、皆……作戦がある。 といってもかなり一か八かだが――――」
708 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 03:19:39.06 ID:dijqp+EDo
――――

烈「ナルホド……確かに可能性は少なからずある。 だが……」

花山「乗るか乗らねぇかはお嬢ちゃんが決めな……」

佐天「……私、やります。 皆で御坂さん達をやっつけましょう!」

克巳「ハハ、そうこなくっちゃ。頼んだぜ」

級友1「涙子……」

級友2「気をつけてね、涙子!」

佐天「うん、みんなもね!」

克巳「さて……行くかぁ」

味方達「応ッッッ!」

カ『動いたぁー! Aチーム、またしても一斉に御坂騎に挑みかかります! 今回は正真正銘、全軍での突撃です!』

美琴「無駄だって言ってんでしょ!」

級友1「きゃああああああ!」

級友2「ふぎゃ!」

またしても、御坂騎に触れる前に多数の騎馬は吹き飛ばされてしまう
だが――――
709 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 03:21:40.33 ID:dijqp+EDo
男(いける! 周囲から飛び掛った時後ろの2人は左右、第三位は前方を警戒している! そして――――)

男「今だ、やってくれ!」

女「任せて!」

発電能力と一言であらわしても、その種類は多岐にわたる
例えば、電流を用いた遠距離攻撃を得意とするものもいれば、生体電流の操作を得意とするものもいるといったようにだ
彼女の得意分野は電撃の放出
それも、白熱電球やネオンのように、放出した電撃を光に変換する事に長けた能力者である

御坂「このっ……」

婚后「くっ」

カ『フラッシュ! 凄まじい光です!』

男「これで騎手の目は潰し――――〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!」

女「ッッッッッッ!」

美琴「借りは強めに返したわよ……にしても、ちょっと視界を奪ったくらいで、勝った気になるなんて、やっぱり甘すぎるわ」

カ『崩された! 彼女は敵の姿が見えていたのでしょうか!?』

本部『レーダーだ』

カ『レーダー?』

本部『レーダーは基本的に電磁波を放出し、反射してきた電磁波を解析することによって物体までの位置などを検出するものだ』

本部『あの少女が電気の能力のプロフェッショナルだというのなら十二分に考えられる話……』

カ『それでは、打つ手なしなのでしょうか?』

本部『うむ……いや、そうか!その手があったか!』

カ『と、申しますと……』
710 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 03:22:37.16 ID:dijqp+EDo

美琴(くそ……油断し――――ッッッッッッ!)

常盤台の生徒「御坂さん! 前です!」

カ『一騎打ち! 両チームのエースによる一騎打ちです! 最高の展開になっております!』

美琴「くっ……こんのおおおおおおお!」

花山・烈・克巳「〜〜〜〜〜〜ッッッ!」

克巳(頼んだぜ、佐天さんッッッ)

カ『何という無慈悲! Aチームの騎馬はぜんめ――――』

克巳達の騎馬が崩れ、会場の誰もがAチームの騎馬は全滅したかのように見えただろう
だが、それすらも作戦のうちだと誰が気付いただろうか
すべては勝利のためのたった一つの希望に繋げるための、勝負の全てを彼女に託す、そんな作戦の――――

カ『いや、騎手がいない! 騎手はどこに……』

本部『上だッッ』

カ『なんと! Aチームの騎馬は電撃が直撃する寸前に騎手を御坂騎の騎馬に向けて投げていたようです!』

佐天(場所とタイミングはどんぴしゃ……あとは、私が決めるだけ――――)
711 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 03:23:18.16 ID:dijqp+EDo
――観客席――

初春「ひゃあああ! 見てください白井さん! 佐天さんが! 佐天さんが飛んでますよ!」

白井「これはもしや、お姉様が敗北……」

初春「どうですか、やっぱり佐天さんはすごいでしょう!」

大親友の雄姿に初春飾利が、ふんすと無い胸を張って得意気に白井黒子に話しかける
かたや、敬愛する御坂美琴が敗北するのではないかとひやひやしながら白井黒子は競技場を見つめている
決戦を迎え、最高潮に達した盛り上がりの中で、ある事に気付いた固法だけが青い顔で初春達を振り返ってきた

固法「ちょ……ちょっと、まさか、御坂さん……」

白井「ああ、お姉様……げっ」

初春「あわわわわわわわわ」

御坂美琴のまわりに、青白い火花が散っている
そして、それは空中の佐天涙子めがけて――――
712 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 03:24:33.26 ID:dijqp+EDo
――競技場――

美琴(勝負なの……悪く思わないでね、佐天さん!)

佐天「とっ――――〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!」

鉢巻に向かい手を伸ばした佐天の体を、突如衝撃が襲った
身体中を駆け巡った電撃に一瞬にして体の筋肉が強張り、意識が刈り取られそうになる

カ『電撃! やはり最後にたちはだかったのは超電磁砲だ!』

本部『……ああ、決まったな。意外と早い決着だった……』

佐天(くそっ……身体、動かないや……)

(乗るか乗らねぇかはお嬢ちゃんが決めな)

佐天「!」

(頼んだぜ)

佐天(そうだ、私が覚悟してこの作戦を選んだんだ……勝つって決めたんだ)

初春「佐天さん!頑張ってー!!」

佐天(ああ、初春……見に来てくれたんだね……ふふっ、白井さんも固法先輩も、なんて顔してるの……)

佐天(お願い……ここだけでいい……動いてッッ、動けッッッ! 動け〜〜〜〜〜ッッッッッ!!)

カ『……決まりました! 騎馬戦無差別級、優勝は――――』

鳴り止まぬ歓声と身を打つような熱気の中、佐天涙子の意識は優勝したチームを聞く事なく空中で途切れてしまった――
713 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 03:26:44.81 ID:dijqp+EDo
本日はここまででー
明日もう一回投下に来ようと思います
想像以上に大覇星祭に時間をとってしまった……でも、そろそろ次のやりたい事に進みたいと思います
ではー
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/10(月) 03:27:23.08 ID:jSPelu5Ho
乙ッッ

熱いッッ
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/10(月) 03:42:40.20 ID:Qe8md//no
佐天vs美琴は例外なくアツくなるねw
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/10/10(月) 09:40:49.72 ID:HckwvHXA0
乙ッッッッッ
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/10/10(月) 10:07:45.31 ID:C3lWPR+u0
乙ッ

観客席に場面が移った時、緊張したのはオレだけじゃないはずだ。
718 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 15:59:18.04 ID:40Jg/5Q8o
――医務室――

佐天「――――ん」

決勝より一時間ほど経過した頃、佐天涙子はようやく意識を取り戻した
見上げた視線の先には、無機質な白い天井が広がっている

初春「あ! 佐天さん、おはようございます!」

佐天「ここ……っ! そうだ、試合は? ねえ、どうなったの!?」

初春「……今、ちょうど閉会式が行われてますから……行けばわかります」

佐天「行けばって……」

初春「さ、行きましょう。 皆が待ってますよ」
719 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 15:59:54.57 ID:40Jg/5Q8o
――競技場――

佐天「うわぁ、まだ人がいっぱいいる……」

初春飾利に手を引かれ競技場までやってきた佐天は、競技場に残る観客の多さにしばし唖然とする

初春「あっ、そろそろ始まるみたいですね。 多分、皆これが目当てなんですよ」

佐天「へ?」

詳細を尋ねようとした時、試合中に聞きなれた声が会場に響く

カ『皆さん、お待たせいたしました! それではこれより、個別賞の受賞者を発表したいと思います!』

佐天「個別賞……?」

初春「はい、この競技では特に分野ごとに優秀だった騎馬に個別に賞が送られるんです……っとここですここ」

克巳「おっ、もう大丈夫か?」

佐天「はい……あの、試合はどう……」

克巳「ははっ……ま、今は気にすんなよ」

佐天(やっぱり、駄目だったのかな……皆の期待、裏切っちゃったのかなぁ……)
720 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 16:00:27.43 ID:40Jg/5Q8o
カ『さぁ、まずはもっとも多くの騎馬を撃墜した騎馬に送られる撃墜王の発表です! これは文句なし! ゲコゲコゲコ太ーズ所属! 御坂美琴騎です!』

カ『続きまして、もっとも多くの鉢巻を奪った騎馬に送られる――――』

様々な分野で優秀な騎馬が続々と発表されていく
その半分以上を御坂美琴率いる騎馬が総なめにしているというのが現状だが、佐天はそんな事はどうでも良かった
ただただ試合の結果だけが気になる、勝ったのか、負けたのか、自分は動けたのか、それだけが――――

カ『さぁ、次は今大会、全ての分野で最も優秀だった騎馬に送られる最優秀選手賞です!』

カ『これは勿論、走・攻・守と三拍子が頂点だった御坂美琴騎! 文句のあるやつはかかってこーい!』

壇上で大きな光り輝くトロフィーを御坂美琴が受け取る
観客もどうやら異論はないらしく、惜しみない拍手と歓声が送られている
721 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 16:02:17.72 ID:40Jg/5Q8o
カ『次が最後の賞です! 会場をもっとも沸かせた騎馬に送られるファンタジスタの発表です!』

カ『これはもう、この騎馬しかいないでしょう! 決勝戦、味方の騎馬を全て失った状況から20騎を超える相手に対したった1騎で敵チームを撃滅!』

カ『まさに今大会あらゆる分野で無敵の強さを誇った一騎当千の騎馬、御坂美琴騎!』

佐天(ああ……私、負けちゃったのか――――)

カ『――――そんな騎馬を、とっさの機転と、目を見張るような連携と、そして最後は根性で撃破した――――』

瞬間、会場が試合中にも経験した事のない熱気に包まれる
会場中がメーターを一瞬で振り切って、今まさに何かが爆発しようとしているような、そんな錯覚に襲われる

カ『さて〜〜〜〜〜〜んッッッるいこ〜〜〜〜〜ッッッッッ!! おめでとう! まさにファンタジスタ! 優勝は君達のものだ〜〜〜ッッッッ!!』
722 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 16:03:42.39 ID:40Jg/5Q8o
佐天「……え? ってうわぁ!」

初春「すごかったですよぅ佐天さん!」

初春が飛び掛るように抱きついてくる

佐天「ってイタイイタイ!」

女「最高! ほんっと最高だったわ!」

男「あんたすげえよ、やってくれると思ってたぜ!」

級友2「やるじゃん!」

級友1「最高だったよ、涙子!」
723 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 16:06:22.70 ID:40Jg/5Q8o
チームメイトは手荒い祝福だが、皆笑顔で褒めてくれる
観客席を見ると、同じように拍手で祝福してくれる白井黒子と固法美偉の姿が、更に友人であるアケミ、むーちゃん、まこちん達の姿も目に飛び込んでくる

克巳「おめでとう……ほら、前でてあれを受け取ってきな」

壇上を見やると、見たことのないような大きなトロフィーが準備されている
歓声と拍手の中を前に進み出て、この競技の競技長の前で静止する

競技長「あなた達の騎馬は今大会において――――」

競技長「おめでとう!」

両手で抱えるように持ってもまだ大きい、そんなトロフィーが手渡される

佐天(勝ったんだ、私……私……)

佐天「やったー!!!」

嬉しさを抑えきれず、トロフィーを上に掲げてみせる
より一層強くなった歓声と拍手の中、自分の努力が何かほんの少しだけ形になった
優勝した事より、賞を貰った事より、そんな少しの達成感が佐天の心を満たしていた――――

克巳SAGA〜学園都市編〜 第5部 大覇星祭D 完
724 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 16:10:37.72 ID:40Jg/5Q8o
本日はここまでで
あと多分2回で大覇星祭は終わりです
そして原作を読み返していたら、ナイトパレードは初日だったという罠……
それでは、次回はなるべく早くに投下に来たいと思います、ではー
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/10(月) 16:36:09.37 ID:jSPelu5Ho
おぉお!!よかった!
乙!
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/10(月) 16:43:58.29 ID:P5lQIsVwo
??「佐天さん…レベル0でありながらの素晴らしき活躍!私と組んで学園都市の若者を共に導いてくれないかッッ!」
727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/10(月) 18:11:41.54 ID:CGrO8aUDO
寂海王帰れw
728 :予定より早く用事が終了したため少しだけ投下します ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 20:07:59.23 ID:40Jg/5Q8o
――競技場――

閉会式が終了してもなお、大勢の友達やチームメイトに囲まれて祝福を受ける佐天を遠目に、花山がある事を言う

花山「さて……ちっとばかし予定より早ぇが、俺は帰るぜ……」

克巳「まじ?」

花山「あァ……強ぇやつとも一応やれたしな……アンタにゃ随分世話になった」

克巳「そうか……俺としてはアンタとももう一度やり合ってみたかったがな」

花山「へっ……何なら今すぐでもヤルかい?」

両者から発せられた闘氣のようなもので、向こう側の景色がグニャリと曲がったように見える
まさに一触即発と思われる状況だったが

克巳「……いや、やめておこう。 このムードに水を差すのは野暮ってもんだ……それに白井さんがいるしな……」

克巳のこの一言で、両者ともに闘氣を収める

佐天「見てくださいこれ! こんなトロフィー初めて見ました……ってあのー、どうかされたんですか?」

克巳「あぁ、花山さんがそろそろ学園都市を出るって」
729 :予定より早く用事が終了したため少しだけ投下します ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 20:08:47.63 ID:40Jg/5Q8o
佐天「これから打ち上げに行くらしいんですけど、帰っちゃうんですか?」

花山「……あぁ」

佐天「そうですか……あの、良かったらなんですけど」

佐天「もし、もし私が強くなれたら……私、絶対強くなりますから……その時は私と戦ってもらえますか……?」

花山「……へっ、いつでも来な。 こちとら喧嘩師、いつでもたぎってるぜ」

佐天「……はい!」

級友1「涙子ー! 克巳先生も烈さんも花山さんも、皆が待ってますよー!」

克巳「はは……さ、烈師範、俺達は打ち上げにでもいきますか」

烈「うむッ」

級友1「ってあれ? 花山さんは来ないんですか?」

克巳「あー、用事があるってさ。 ま、俺達だけで行こうぜ」
730 :予定より早く用事が終了したため少しだけ投下します ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 20:09:53.32 ID:40Jg/5Q8o
――とある打ち上げ会場――

「えー、それでは皆様グラスをお持ちください」

「騎馬戦無差別級、好成績を収めた事を祝しまして――――かんぱーい!!」

「「「かんぱーい!」」」

美琴「佐天さん、おめでと。 今回は私の負けよ」

佐天「いえいえ……干渉制限がなかったら私なんて一瞬でやられてますって」

美琴「そんな事ないわよ、もっと自信持たなきゃ!」

佐天「そう言ってもらえると――――って……これ、お酒じゃないですか!?」

初春「えへへへへ、しゃてんしゃーん……かっこよかったれすよ〜?」

佐天「のわ!? 酔うのはっや! こ、こら、初春! 胸にスリスリしちゃ駄目だって!」

初春「あったかあったか……zzz」

佐天「寝やがった……なんて酒に弱いんだこの子は……はっ!」

背後に不穏な気配を感じた佐天は、恐る恐る振り返る
731 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 20:11:18.96 ID:40Jg/5Q8o
級友1「ういはるばっかりずるーい! 私もるいこにあまえる!」

級友2「私も!」

アケミ・むーちゃん・まこちん「私も私も!」

佐天「ちょっ、待って! くすぐったいって! 御坂さん、助けてくださ――――」

御坂「へへ……佐天さーん」

佐天「ちょっ、御坂さんまで……助けて風紀委員!」

固法「固法美偉、脱ぎます!」

佐天の目に、着ているものを脱ぎ捨てようとして静止に入った女性陣に連れて行かれる頼れる先輩の姿が映る

佐天(ああ……固法先輩まで……白井さんは……)
732 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 20:12:31.62 ID:40Jg/5Q8o
黒子「ちょっと! 何をやっていますの!」

佐天はその様子を見て、また落胆する

黒子「貴方という人は学校の教師という立場についておきながらまたこのような事件を起こして風紀委員に連行されるなんてもうこれは――――」

佐天(コップ相手に説教してる……)

黒子「はいいいい? もうこれはジャッジメントですの、ジャッジメント! 豚箱に500年はぶち込んでやりますから覚悟なさいな! なんですのその反抗的な目は、だいたいそれというのもあなたが――――」

佐天(克巳さん達は……)

克巳「ふぅん、ボクシングも楽しそうだな」

烈「うむ、グローブの扱いというものに慣れるまでに少し時間がかかったがな」

克巳「それにしても脳震盪を殴って止めるって……」

佐天(良かった! やっぱりお酒には強いんだ)
733 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 20:14:36.98 ID:40Jg/5Q8o
御坂「んー、ここあったかーい……」

佐天「ちょ、服の中に手突っ込まないでください! ああもう、直は駄目ですって!」

佐天(よ、呼ぶに呼べない!)

黒子「なんですのこれはー! 何も見えませんの! 何の能力ですの!?」

佐天(ツインテールが張り付いて目隠しみたいになってる……)

固法「あ! 佐天さん、このムサシノ牛乳美味しいのよ! 見てて!」

佐天「って、それロックで飲むものですよ!? しかも一気飲みは危ないから駄目ですって!」

固法「むぅ……わかったわよ、脱げばいいんでしょ脱げば!」

佐天「何で!? 誰か! 止めて止めて!」

固法「脱ぐのも駄目なの!? じゃあ佐天さんが脱げばいいじゃない!」

佐天(めんどくさっ! 酔うと皆めんどくさい!)

佐天「って、ほんとに脱がそうとしないで!」
734 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 20:15:38.77 ID:40Jg/5Q8o
初春「zzz」

佐天「初春も寝るなら座布団で寝て! 御坂さんは服の中から手を出してください! 皆も離れて!」

男「……随分騒がしいけど、止めなくていいのか?」

克巳「まだ若いんだし、こんなもんだろ」

烈「うむっ、ところで君もこっちで一杯どうだ?」

男「お、それじゃちょっとお邪魔します」

美琴「zzz」

初春「zzz」

固法「zzz」

黒子「見えませんの……zzz」

アケミ達「zzz」

佐天(何だこの状況……)
735 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 20:50:14.77 ID:40Jg/5Q8o
婚后「あら、貴方は……」

佐天「あ、どうも」

婚后「ずいぶんな大所帯だこと……」

佐天「皆さん離れてくれなくって……」

婚后「ふふっ、決それはさておき勝では見事にやられましたわ。 よかったらこれから2人で飲みません?」

佐天「喜んで! いやー、暑苦しくて寝るにも寝れなくて……」

克巳「はは、懐かしいな」

男「トーナメント……そんなのが日本でなぁ……」

烈「うむ、知らぬのも無理はないだろうがな」

こうして夜は更けていく――――
736 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 20:56:32.80 ID:40Jg/5Q8o
――朝――

佐天「――ん」

克巳「よぉ、おはよう」

佐天「あ、どうも……って、もしかしてずっと起きてたんですか?」

克巳「あ? あぁ、烈師範達と話が弾んでなぁ、結局徹夜って感じかな」

佐天「あれ……烈さんは……」

克巳「あぁ、朝一で帰った。トレーナーに無断で来てたらしくてな……」

佐天「あはは……そういえば結局何も教わってないなぁ」

克巳「まぁ、いずれ会えるさ。 ずいぶん休んじまったけど、今日から稽古始めるかい?」

佐天「そうですね……でもその前に」

黒子「zzz」

初春「zzz」

美琴「zzz」

大勢「zzz」

佐天「この惨状をどうにかしないと……」

克巳「……そうだな」
737 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 20:57:09.62 ID:40Jg/5Q8o
――同時刻・窓の無いビル――

アレイスター「……来たか」

???「よっ、ご無沙汰ぁ……」

アレイスター「まったくだ、愚地独歩……」

今、克巳達の知らないところで静かに、しかし確実にとある計画が始まろうとしていた――――
738 :>>735 訂正 ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 20:58:08.98 ID:40Jg/5Q8o
婚后「あら、貴方は……」

佐天「あ、どうも」

婚后「ずいぶんな大所帯だこと……」

佐天「皆さん離れてくれなくって……」

婚后「ふふっ、それはさておき決勝では見事にやられましたわ。 よかったらこれから2人で飲みません?」

佐天「喜んで! いやー、暑苦しくて寝るにも寝れなくて……」

克巳「はは、懐かしいな」

男「トーナメント……そんなのが日本でなぁ……」

烈「うむ、知らぬのも無理はないだろうがな」

こうして夜は更けていく――――
739 :>>735 訂正 ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/10(月) 21:00:34.53 ID:40Jg/5Q8o
途中鯖の不具合?のせいでだいぶ時がかかりましたが、今日はこのへんで
急展開とご都合主義はもうしばらく続きそうです、ではー
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/10(月) 21:08:11.42 ID:jSPelu5Ho
乙乙ッッッ

独歩ちゃんとアレイスター……すごい展開の予感
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/10/10(月) 23:38:29.97 ID:1zFVLPys0
遂に来た独歩ッッッ
乙ッッ
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/10(月) 23:41:55.03 ID:XOh9+ZJd0
乙ッ!

☆と独歩が知り合いってことは…
勇次郎のことも☆は把握ずみかねぇ
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/10/11(火) 10:15:55.00 ID:PHQO4YT40
徳川「勇次郎よ、アレイスターとやってみたくはないか?」ニッ
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/11(火) 15:23:09.20 ID:3HYuvsXBo
嘘みたいだろ…☆のガラス、顔で割られたんだぜ…
745 :>>735 訂正 ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/11(火) 18:34:46.70 ID:0EYKU9x1o
――窓の無いビル――

独歩「プランプランって変わってねぇなぁ、おめぇは……ま、いいや。 愚息・克巳のために色々とすまねぇな」

アレイスター「クク、愚息か……とんでもない。彼は実に優秀な戦士だ。 それに、すべては私のプランに必要な事……」

独歩「そうそうとっておきの情報をやるぜ……」

アレイスター「何だ?」

独歩「近いうちに、恐らく”やつ”がここに来るぜ……」

アレイスター「ほぉ……願ってもない……」

独歩「それだけだ。 じゃ、俺は息子の顔でも見て帰るわ」
746 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/11(火) 18:35:31.93 ID:0EYKU9x1o
アレイスター「貴様も大概、親馬鹿というやつだな。彼なら25日にナイトパレードを見に行くという情報が入っている。 せっかくだ、見ていくといい」

独歩「ありがとよ。 それとよぉ、おめぇの無茶な頼みを聞いてやったんだ。 こいつは貸しにしとくぜ」

アレイスター「ふっ、いいだろう。 頼みついでにもう一つ、せいぜいやつによろしく言っておいてくれ。 貴様を殺すのは我々だとな」

独歩「……あぁ」

独歩が出て行き、再び静寂が訪れた窓の無いビルでアレイスター=クロウリーは不敵に微笑む

アレイスター「私のプランのために消えてもらうぞ……」

アレイスター「オーガ……いや、範馬勇次郎よ」
747 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/11(火) 18:36:16.70 ID:0EYKU9x1o
独歩(さぁて……25日まで何すっかなぁ……どうせなら克巳の野朗を驚かせてやりてぇしな……)

独歩(ま、ホテルでゆっくり考えりゃいいかぁ)

各自が残り少ないお祭り騒ぎを思うように満喫して、楽しい時間だけが過ぎていく

克巳「よーし、まずは正拳中段突き100本からいくかぁ」

佐天「押忍ッッッ!」

そして遂に

美琴「あいつはどこにいるのよ……」

待ちに待った

黒子「ジャッジメントですのー!」

ナイトパレード当日がやって来た――――!
748 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/11(火) 18:36:58.45 ID:0EYKU9x1o
佐天(うん、服は動きやすそうなこれでいいかな……いつも制服か道着だからどんな服が好みかなんて……って、ただのお礼なのに何張り切ってるの私!)

鏡の前で着ていく服と格闘していると、呼び鈴が克巳が訪れた事を報せる

佐天「す、すみません、お待たせしましたー」

克巳「はは、気にすんなよ。 さ、行こうぜ」

佐天「は、はい!」

克巳「ところでナイトパレードってのは、結局何をするんだ?」

佐天「何かこう、何ていったらいいですかね……パレードのすごいやつ、らしいですよ」

克巳(全くわかんねぇ……)

佐天「…………」

お互いの間に沈黙が訪れる
別に何か話していなければいけないというわけでもなかっただろうが、このままでは佐天が気の毒だと思った克巳が沈黙を破って口を開く

克巳「あー、まあ何ていうか、あれだ。 似合ってるね、その服」

佐天「え……あ……あ、ありがとうございます」
749 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/11(火) 18:38:08.31 ID:0EYKU9x1o
佐天の服は、秋物のどこにでもありそうなパーカーに同じくどこにでもありそうなデニムをあわせたものだったが、どうやら気に入ってもらえたらしい

克巳「まあ、佐天さんなら何着ても似合いそうだもんなぁ」

佐天「え、あ、いや! そ、そんな事ないですよ!」

克巳「はは……俺も花山さんやジャック程じゃないが、結構サイズ合わせるのが大変でなぁ。 基本道着とかしか着ないからあれだけどな」

佐天「あ、あの……良かったら私、大きめの服が売ってる場所知ってるので、今度行ってみませんか?」

克巳「んー……ま、今度な」

佐天「絶対ですよ?」

克巳「あー、わかったわかった。 っと、なんだか騒がしいと思ってたが、近いんじゃねぇか?」

佐天「うわぁ、すごい人……あ! 何かすごい明るいですよ! 克巳さん、早く行ってみましょう!」

克巳「元気だこと……」

佐天「うわあああああああ! きれー……」

克巳「っと、こいつはすげぇ……滅多にないぜ、こんな規模のパレードは」
750 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/11(火) 18:39:17.07 ID:0EYKU9x1o
佐天「……私、克巳さんに会えて、本当に良かったって思ってるんです」

克巳「へ?」

佐天「克巳さんのおかげで、私なんだか変われたような……変われるような気がするんです」

佐天「だから……これからも――――」

克巳「……俺はほんの少しきっかけを与えただけだぜ。 そこから成果を実感してるのは佐天さんの努力だ、間違いねぇ」

佐天「そう……なんでしょうか」

克巳「そうそう。 だから――――」

克巳「さっきからそこで見てる連中はさっさと出てきた方がいいんじゃねぇか?」

「!」

佐天「……へ?」

美琴「いやー、あはははははは……まさか気付かれてたなんて……」

初春「ごめんなさい、佐天さん」

黒子「だから早く逃げましょうと言いましたのに……」

佐天「ど、どどどどどど、どういうことですか!?」

克巳「ったく……こんなこったろうと思ってたけどよぉ」

美琴「3人で歩いてたら偶然2人がいたから……ねえ?」

黒子「事件の匂いがしましたので、後をつけてたんですの」

佐天「そ、そんな偶然って――――」
751 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/11(火) 18:41:04.64 ID:0EYKU9x1o
「きゃああああああああ!」

佐天が抗議しようと口を開いた時、すぐ近くで悲鳴があがった

黒子「申し訳ありません、佐天さん。 謝罪は後でしますので、少し失礼いたしますの」

美琴「私も行く」

初春「ナイトパレードの日くらい、治安がよくなっても良さそうなものですけどねぇ……」

克巳「お祭りだから騒ぎたいやつがいるんじゃねぇの?」

初春「そうかもしれないですねぇ……」

黒子「初春ー! 取調べをしますの! 手伝ってくださいまし!」

「おーイテェ……あん?」

克巳「……あっ」

独歩「よっ、克巳……どうにかしてくんねぇかな、これ」

美琴・佐天・黒子・初春「へ?」

克巳「……何やってんだよ、親父ッッッッッッ!」

美琴・佐天・黒子・初春「えええええええええええええええええええええ!?」
752 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/11(火) 18:43:18.32 ID:0EYKU9x1o
本日はここまでで
女の子の服なんて詳しくないから自分が好きな感じのを適当にでっちあげてしまった
やっと大覇星祭がひと段落したので、次からは本編に戻る感じです。 ではー
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/11(火) 20:21:08.55 ID:eOmpaQFxo
乙ッッッ
独歩ちゃん合流ッッ!!
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/10/11(火) 22:49:00.56 ID:PHQO4YT40
独歩さん乙ですッッッッ
そういや禁書に眼帯キャラって居たっけ?
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/10/11(火) 23:59:25.90 ID:DSIhVvHr0
人食い愚地合流ッッ

そしてやはりヤツが来たか・・・
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/10/12(水) 21:22:23.97 ID:YNKn4V8AO
>>754
たぶんいない。目が隠れているという点ならサーシャ。
757 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/13(木) 00:05:23.77 ID:QUmT9dMHo
――ジャッジメント支部――

黒子「はぁ、絡まれていた女性を助けた……と」

独歩「おう」

パレードを鑑賞するのを早々に切り上げた克巳達は、ジャッジメント支部で独歩の取り調べが終わるのを待っている

初春(何で最近こんな怖い人達ばっかり白井さんは捕まえるんでしょうか……)

確かに、独歩の見た目は彼女の言う普通とは少しだけ違った
片目にはかつて勇次郎とやり合った際に負った傷のために、眼帯が巻かれている
独歩の顔面はドリアンに爆破された際の傷が今なお残っており、スキンヘッドという髪型がただでさえ強面の顔を更に強調しているのだ
そんな、前方から歩いてきたら少なくとも目をそらしてしまうような容姿とともに、以前聞いた異名の数々が現在初春の頭の中では繰り返されていた

虎殺し、人食い愚地、武神……

独歩「それでよぉ、俺はいつになったら帰れんだ? 人を待たせてるんだがよぉ」

黒子「はいはい……ですが、これからはあまり手荒な真似は控えるようにお願いしますの」
758 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/13(木) 00:06:36.36 ID:QUmT9dMHo
独歩「おう」

一緒に独歩にまつわる逸話のようなものを、彼女も半ば強引に固法に聞かされていた筈だが、それでも全く物怖じする様子がない黒子に初春はかなり感心する

黒子「お姉様は人を探すと言ってどこかに行ってしまいますし……」

初春「元気出してください! ほら、まだ書類がこんなにあるんですから」

黒子「くぅ……」

繰り広げられる少女達の会話を背中で聞きながら、独歩は克巳の方へと歩いていく

独歩「おう、克巳ぃ。久しぶりじゃねぇか」

克巳「自分で送り出しといて何言ってんだよ……」

独歩「そう邪険にすんなよ。どうだ、いっちょ組み手でもしてみねぇか?」

克巳「おやおや……」

独歩と克巳、神心会のTOP2の間に不穏な空気が流れる
学園都市に来る前の克巳なら、ここで早々に組み手を始めていたかもしれないが――――
759 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/13(木) 00:08:15.00 ID:QUmT9dMHo
克巳「……いや、せっかくだけどやめとくぜ。俺も、今日は人と約束があるんでな」

そういうと、克巳は佐天の方をチラリと見る

独歩(ほぉ……)

独歩「そうかい、そりゃ残念だ」

克巳「ゴメンな親父……そうだ、せっかくだから紹介しておこう。この子は神心会学園都市支部初の門下生、佐天さんだ」

佐天「佐天涙子っていいます。よろしくお願いします!」

独歩「何でぇ、おめーにもようやく彼女の一人や二人できたかと思ったんだが、門下生か」

克巳「あのなぁ……」

独歩「っと、俺ァ愚地独歩っつーんだ。こちらこそ、馬鹿息子をよろしく頼むぜ」

佐天「はい!……って、あ」

克巳「親父……組み手、するかい?」

独歩「冗談だって、怒んなよ克巳ぃ」

克巳「ところで」
760 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/13(木) 00:09:37.70 ID:QUmT9dMHo
克巳はずっと気になっていた疑問を独歩に投げかけてみる

克巳「親父が学園都市に来た理由ってのは、何だ?」

独歩「……」

独歩の動きが一瞬止まる
それは、一般人には絶対に見分けることのできないような硬直だったが、克巳はそれに気付いていた

独歩「……ちーっと古い友人にな。なぁに、おめぇの気にする事じゃねぇよ」

克巳「はぁ……わかったよ。佐天さん、どうする? もっかい見に行くかい? 帰るってんなら送ってくぜ」

佐天「えーと……」

初春「佐天さん、私達はちょっと仕事が入っちゃいましたから、気にしなくて大丈夫ですよー」

黒子「そうですの。先ほどは邪魔してしまいましたし、是非楽しんできてくださいまし」
761 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/13(木) 00:10:11.96 ID:QUmT9dMHo
佐天「……じゃあ、もう一回いろいろ回りたいなーって……」

克巳「決まりだな。じゃあな、親父。組み手はまた今度しようぜ」

独歩「へっ、いっぱしの口きくようになりやがって……」

以前なら、独歩は克巳に真っ向からの組み手で負ける気はしなかった
しかし克巳がピクルとの戦いで化けてからは、正直なところ勝てるかどうかはわからないというのが独歩の心境ではあるのだが

独歩「さて……世話ンなったな。俺も帰るわ」

初春「はい、お気をつけてー」

黒子「もう事件を起こさないでくださいましね」

少女達に見送られた独歩は、ジャッジメント支部を後にすると待ち合わせの場所へと向かう
それは以前からの武術家仲間で、名の知られた人物との――――
762 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/13(木) 00:12:12.26 ID:QUmT9dMHo
本部「遅かったな、愚地独歩」

独歩「本部……元気そうじゃねぇか。どうしてここに?」

本部「ふふ……色々あってな。ところで息子との再会はどうだった」

独歩「……相変わらずだったぜ、あの野朗。ところでいったい何の用でい」

本部「古い知り合いの武術家が2人……やる事は決まっているだろう、独歩よ」

独歩「へっ、いいぜ」

本部「ふふ……柔術家相手にコンクリートの床は恐ろしかろう……それに今の貴様なら1分で殺せる……」

独歩「空手家潰し・本部以蔵の異名は伊達じゃねぇって――――」

本部「だがッッッッッ」

独歩「あん?」

本部「飲みに行くぞ、独歩ッッッッッッッ」

独歩「……はしゃぎすぎは体に悪ィぜ、アンタももういい歳じゃねぇか」

独歩(変わっちまいやがったな、克巳の野朗……ふふっ、あの野朗、また化けるかもな……)

独歩は我が子に、2度目の開花の予感を感じていた――――
763 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/10/13(木) 00:15:38.11 ID:QUmT9dMHo
本日はここまでで
微妙なアレですが、大覇星祭編はようやく終了しました
これからの話は若干オリジナル要素が入ってくるのであれですが、板垣のとんでも理論を再現できるように頑張りたいと思います
ではー
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/13(木) 00:19:38.20 ID:YvV5wMxxo
乙ッッ

>>ふふ……柔術家相手にコンクリートの床は恐ろしかろう……それに今の貴様なら1分で殺せる……
頼りなさ過ぎるwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/10/13(木) 00:21:37.97 ID:R10tmyWV0
イチモツッッッ
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/13(木) 00:57:38.30 ID:GA4k5mnao
待ち合わせ場所が公園であればあるいは…ッッ
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/10/13(木) 01:20:00.13 ID:8fNjp1HE0
独歩「相手がたまたま持ってた刀で斬っちまった」
って言われる可能性の方が高いぞ
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2011/10/13(木) 10:29:52.39 ID:5/PQmyqAO
本部が酒豪で何が乙ッッッッッ!
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/10/13(木) 19:51:28.27 ID:Jsqi7eDO0
エヴァ・まどマギ・学園都市・・・・・・
最近のバキSSの近代化は目覚ましいものがあるな。
この流れを止めてはならぬ・・・・・・ッッ
770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/10/13(木) 20:10:42.78 ID:4Tngxu6Zo
エヴァって烈さんのやつか?
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/10/13(木) 22:26:21.88 ID:QC/PP8fT0
>>770
今やってるグラップラー大集合なヤツかと思われ
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/13(木) 22:49:51.68 ID:K2BkVJ+fo
>>771
馴れ合い0のあのスレか
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/15(土) 00:47:11.36 ID:GYPfY0X20
ジャックハンマースレが落ちたのが悲しい
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/10/15(土) 12:42:43.02 ID:JAywir6b0
ジャックさんはこっちに引っ越してくるから、向こうを畳んだんだ
俺はそう信じてる
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/16(日) 23:53:29.31 ID:ALbepkyDO
>>769
まどかって、ドイルさんのやつ?
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2011/10/23(日) 23:41:12.98 ID:W/2uHTl80
>>775
それッッッ

それより>>1はまだか?ジャックスレ消滅の瞬間を見てしまった俺が不安でおかしくなりそうなんだが。
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/23(日) 23:59:20.86 ID:YtRtGPlWo
深刻になるほど日はたってないし、少し気長に待とうぜ
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 10:44:10.32 ID:bHBj8LuDO
もう11月だよ…
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東日本) [sage]:2011/11/03(木) 13:29:33.30 ID:MzGzPzVPo
半年音沙汰なしで復活したスレもあるんだしまだ待てる
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府) [sage]:2011/11/04(金) 03:53:52.35 ID:+HQsebfZo
3か月で切られるんじゃなかったっけ
781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(空) [sage]:2011/11/04(金) 21:59:49.14 ID:z1GUr9wF0
一ヶ月間作者による書き込み無し=削除対象だったはず
782 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(中国地方) [sage]:2011/11/04(金) 22:33:36.31 ID:PU7gOEabo
キチガイスレ化してるが一応LR変更の案内スレがあるぞ
誰かがレスを続けていても作者逃亡なら頑張っても2ヶ月が限度らしい
質問事項があっても完全放置で荒らし続けてるだけだしこれ以上の情報は貰えないだろうな・・・

<変更点>
・1ヶ月書き込みなしで自動HTML化が追加
・3ヶ月ルールが2ヶ月に変更
783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(広島県) [sage]:2011/11/05(土) 08:32:53.67 ID:hjbUfbR9o
変更されたローカルルールの適用は変更以降立てられたスレから
それ以前に立てられたスレは前のまま
784 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/18(金) 21:56:30.02 ID:OAZkaAqDO
>>1はどこにいったんだ…
785 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/19(土) 00:31:02.90 ID:XUdXuNRoo
ジャガッタされたんじゃね
786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(空) [sage]:2011/11/19(土) 22:22:32.97 ID:XHAaejYw0
それでも>>1ならあるいはッッッ
787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) :2011/11/24(木) 17:32:20.41 ID:j3Yol2q80
まだですか?
788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/24(木) 20:30:37.79 ID:zt8VYhgDO
>>787
ageんな
789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(空) [sage]:2011/11/24(木) 21:17:20.29 ID:J7gF1B7J0
>>788
作者を呼ぶためのageだろ
オレはsageるけど
790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/25(金) 15:43:51.66 ID:XjtigqYXo
今週のバキで虎王なんて使うから>>1がやられてしまったんだな…
791 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/11/28(月) 01:12:40.41 ID:qdqEpu4bo
大覇星祭が終了して既に一週間近くが経過し、すっかり日常を取り戻した学園都市。

――――1大イベントが終了し、学園都市は平和そのもの――――

となれば良かったのだが、近頃学園都市、とりわけ教育機関が集中して存在している第7学区では、教育者達の頭を悩ませる出来事が起こっていた。
その一角に校舎を構える柵川中学校も例外ではなく、愚地克巳に最近頻発している事件について校長からとある相談が持ちかけられていた。

克巳「ナルホド……最近、この辺りで生徒を狙った事件が多発している……と」

校長「ええ、まことにけしからん事です……特に自衛手段をあまり持たない無能力者の生徒が数多く被害にあっていまして……」

克巳「で、俺に相談って訳ですか」

呼び出しの理由について一切聞かされていない克己は、校長にそう尋ねる。

校長「ええ、噂では克巳先生は空手の達人と聞き及びますので……」
792 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/11/28(月) 01:13:24.10 ID:qdqEpu4bo
生徒達に自衛の手段として空手を教えて欲しい、とでも言うのだろうか。
そう思った克巳は、校長に一応確認してみる。
もし予想があたっていた場合は、他ならぬ生徒達のために丁重にお断りするつもりだ。
生兵法は怪我のもと、中途半端にやる位なら逃げた方が100倍もいい判断だからだ。

克巳「はぁ、俺は何をすれば……?」

校長「ああ、いえいえ。生徒達に空手を教えろ、とかそんな事でお呼びしたのではありませんよ。生徒達には危ないところには近づかず、早めに集団で帰宅するよう呼びかけておきます」

校長から返ってきた言葉を受けて、克巳の頭に疑問が浮かぶ。
いったい、それでは自分になんの相談があって呼び出したというのか。

校長「単刀直入に言います。克巳先生に、是非警備員に入っていただきたい」

警備員、アンチスキルと呼ばれる集団が存在している事は、似たような組織に所属している初春飾利や、白井黒子といった面々から聞いた事はあった。
教員のボランティアで構成された、次世代兵器の使用をも許可された集団だとかなんとか。
といっても、克巳が知っているのはそんな浅いところであり、実際にどのように活動しているかは一切知らないし、これといった興味もなかったため知ろうともしなかったのではあるが。
793 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/11/28(月) 01:14:22.94 ID:qdqEpu4bo
克巳「……」

妙な事を頼まれたものだと、克巳は心の中で大きな溜息をつく。
だが、確かに話に聞く限り事件を引き起こしている輩を野放しにしておくわけにもいかない。
教師という役回りを引き受けてしまった以上は、それなりの責任が生じる事も覚悟していた。
それに、どうやら警備員では、悪事行った能力者をどつきまわしても、職務であれば正義のための一言で片付けれられるらしい。

克巳「……わかった、引き受けましょう」

一つは、生徒達のため、もう一つは自分のため。
警備員へ所属する事を決定した克巳は、門下生である少女に、鍛錬に付き合う時間が減ることを後で詫びておく事にした――――
794 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/11/28(月) 01:15:47.22 ID:qdqEpu4bo
――――警備員 第七十三支部――――

警備員の活動の拠点として、学園都市中に数多く存在している支部の1つ。
愚地克巳が配属される事になった第七十三支部では、2人の女性がコーヒーを片手に雑談に興じている。

黄泉川「聞いた? この支部に新人が配属されるって」

いつものように緑色のジャージに身を包み、いつものように髪を後ろで適当にまとめた黄泉川愛穂が、気だるそうに対面に座る女性に話しかける。
彼女は、かつて一方通行と克巳がやり合った際に共闘した上条当麻の所属する高校の体育教師という、微妙な接点が克巳とはあるのだが、勿論今の段階では知る由もないだろう。

鉄装「まあ、はい」

それを受けて、黄泉川と同じ支部に所属する鉄装綴里が返事をする。
眼鏡をかけた、一見すると普通の女性である鉄装だが、格闘ゲーム、とりわけ激拳シリーズでの強さには定評があり、
第9シリーズに登場した隠しキャラ「ジェイミー」を使いこなすその姿から、大宮ジェイミーなどという通り名が付けられるほどの腕前の持ち主だ。
795 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/11/28(月) 01:16:27.51 ID:qdqEpu4bo
黄泉川「まあ、最近の事件の起き方は異常だし、なんにせよ人が増えるのはありがたい事じゃん」

教員で構成される集団だけあって、やはり彼女達の悩みの種も最近頻発している事件が主となっている。
学校、プライベート、その双方で悩まされてはたまらない。
一刻も早く犯人を捕まえたいのだが、なかなか尻尾を見せないため、被害者もストレスもたまっていく現状に、自然と溜息が出てくる。

鉄装「でも、目撃情報も証言も増えてますし、逮捕は時間の問題ですよ。そうしたら、小萌先生も誘って飲みに行きましょうよ」

黄泉川「あっはっは! いいねぇ、パーッとやりたいじゃん」

久しぶりの明るい話題に、俄然やる気が沸いた黄泉川が笑いながらそう言った。
鉄装は、その態度に少し笑いを浮かべながら、今朝方届いた新人の資料に何となく目を通そうとした、その時

「えーと、警備員第七十三支部ってのは、ここかい?」

突如聞こえてきた聞きなれないその声に、黄泉川と鉄装はほぼ同時に入り口に視線を送る。
そこには、片腕のない男が困ったような表情で立っていた。
796 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/11/28(月) 01:17:00.14 ID:qdqEpu4bo
克巳「あってんのか……? ま、いっかぁ。今日から警備員の一員になった愚地克巳っつーもんだ、よろしく頼む」

克巳の自己紹介を受けて、黄泉川が机の上に無造作に放り投げていた資料を手に取り、さっと目を通す。

黄泉川「愚地克巳、ね。私は黄泉川愛穂、よろしくじゃん」

名前と顔を資料と照らし合わせ、間違いがないことを確認した黄泉川が軽く挨拶をする。

鉄装「私は鉄装綴里、よろしくお願いしますね」

克巳「黄泉川さんに、鉄装さんね。ところで、警備員の詳しい仕事ってのはいったい……」

自己紹介と挨拶が終わったところで、克巳は申し訳無さそうに頭を掻きながら2人の女性に尋ねてみる。
黄泉川と鉄装は驚いたような様子でお互いに顔を見合わせると、克巳に対して逆に質問をしてくる。
797 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/11/28(月) 01:17:56.59 ID:qdqEpu4bo
鉄装「詳しい仕事を知らないのに警備員に志願したの?」

克巳「志願……? いや、校長に頼まれて引き受けたらここに行けと……」

黄泉川「……っぷぷ、あっはっはっは! おもしろいじゃん! わかった、仕事について教える。鉄装、悪いけどコーヒーいれてほしいじゃん」

この後、彼女達から仕事の内容を聞いた克巳は意外な仕事の多さに、やっぱり今からでも断ろうかと悩むことになった――――
798 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/11/28(月) 01:19:41.66 ID:qdqEpu4bo
克巳「はぁ、ナルホドねぇ。風紀委員ってのより、職権は強いわけか」

用意してもらったコーヒーを飲みながら、克巳がさほど興味もなさそうに言葉を発する。

黄泉川「そうじゃん。警備員の方が危険な仕事もこなすし、それ位認められてないと危ないじゃんよ。ところで、次世代兵器を扱う訓練とかは受けたのか?」

黄泉川は克巳の言葉を肯定しつつ、何も知らずに警備員に入った克巳に対してそんな質問をした。

克巳「兵器ねぇ……空手家にとっちゃ、鍛えた肉体が最高の武器だって教わったからなぁ」

克巳は、かつて自分が愚地独歩に言われた事を反芻するように口にした。
鍛えた拳は鈍器となり、やがて刀剣のような鋭さを帯びる。
次世代兵器を使わないというのが、ドリアンに復讐する際に犯した失態を繰り返してなるものか、という思いが若干あったためでもあるのだが。
799 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/11/28(月) 01:20:19.95 ID:qdqEpu4bo

鉄装「空手家なんですか? でも、能力者相手に武器なしなんて、私は一人しか心当たりが……」

鉄装は言いながら黄泉川の方をちらりと見やる。

黄泉川「子供に銃を向けるわけにはいかないじゃんよ。まあ、レベル3くらいなら何とかなるしね」

克巳「はは……女傑ってやつか、すっげ」

克巳は、感心したような様子で呟くと、入れてもらったコーヒーを一気に飲み干した。
そうして、空になったカップを机の上に置くと、黄泉川と鉄装に聞いてみたかった質問を投げかける。

克巳「ところで、お2人とも教師なんだよな? 今回の事件ってのはいったい……」

黄泉川「ああ、最近多発してる能力者による恐喝だったり傷害だったり、とにかく性質の悪い犯罪じゃんよ。しかも頭が切れるやつがいるっぽいから余計に」

鉄装「強姦されかけた生徒まで出る始末ですし、早く何とかしないと……」

2人の様子から察するに、今回の事は克巳の思っている以上に深刻らしい。
もう少し詳しく聞こうと、克巳が口を開こうとした時――
800 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/11/28(月) 01:25:13.14 ID:qdqEpu4bo
『こちら本部。諸君らの支部の近くで襲われているから救助を求む、との通報が入った。位置はすぐに送る、至急現場に向かってくれ』

この通報を受け、黄泉川と鉄装が勢い良く席を立ち上がり

黄泉川「願ってもない、さっさととっ捕まえてやるじゃん。ほら、新人も早く準備するじゃん!」

克巳に指示を飛ばす。
配属されて初日の克巳には、何を準備していいのかすらわからないのが現状なのだが、とりあえずベテランの黄泉川達の後を急いでついていく事にする。

鉄装「下に車がありますから、ついてきてください。位置は把握しましたので」

年齢が低い風紀委員と違い、ここにはどうやら専用の車まであるらしい。
もっとも、克巳が知ってい風紀委員の支部には、白井黒子という瞬間移動を用いる能力者が存在するため特に不便もなさそうだったのだが。

克巳(はぁ……引き受けちまった以上はしょうがねぇ。強ェやつだといいが)

克巳SAGA〜学園都市編〜 第6部 @ 完
801 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2011/11/28(月) 01:28:47.69 ID:qdqEpu4bo
うおおおおおお……気付いたら一ヶ月以上も間が空いてしまった……
申し訳ありません、これからは忙しくなるときはしっかりその旨を報告したいと思います……
それでは、次回の投下はできれば一週間以内に来ようと思います。
読んでくださりありがとうございましたー
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(兵庫県) [sage]:2011/11/28(月) 01:33:09.25 ID:1ffB8W41o
楽しみにしてる乙
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) :2011/11/28(月) 01:34:00.14 ID:svWmr84w0
おおおお!!
待ってました!!
804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(空) :2011/11/28(月) 01:53:37.57 ID:lmn59r8H0
復ッ活ッ

>>1復活ッ >>1復活ッッ >>1復活ッッッ
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/28(月) 09:17:11.83 ID:MzDZIBLDo
>>1

おかえり!消力な勢いでお待ちしております。
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(岡山県) [sage]:2011/11/28(月) 09:56:33.86 ID:A0UvgaYQ0
遅いッッッッ
一月タントウは長すぎるッッッッ
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東日本) [sage]:2011/12/02(金) 19:10:32.23 ID:yLKarjE4o
投下キテター!!!乙です!!!
808 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 04:47:21.98 ID:w2f9NwXYo
元気か>>1ッッ
809 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 22:46:06.67 ID:Hvx9cm67o
俺は元気だ!え?1?知らんッ!!
810 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 23:03:55.98 ID:AzdwGufx0
もうすぐ新年に成っちまうぞッッッ
811 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 00:31:20.35 ID:RVG2tE2J0
新年なっちまったぞッッッッ
812 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 00:36:38.73 ID:IsfkWdqio
明けましておめでとうッッッッッッッ
813 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 06:19:09.25 ID:yKzKr9bNo
9時間睡眠という暴挙ッッ
あけおめ
814 :以下、あけまして、おめでとうございます [sage]:2012/01/03(火) 00:11:54.07 ID:noir0xtDO
ことよろッッッッッ!!
815 :以下、あけまして :2012/01/04(水) 18:43:49.63 ID:NPHjI3HQ0
とりあえず上段正拳突き!けいっ!
816 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 22:03:06.81 ID:W4CFdeKDO
チェリァ!
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/01/06(金) 21:07:35.52 ID:q0cqdur60
ダヴァイッッッ
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/01/10(火) 22:33:10.10 ID:IYitYUou0
最強☆とんがりコーン
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/24(火) 18:14:25.01 ID:mfSVD5gDO
まだか
820 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2012/01/25(水) 01:33:17.40 ID:8TVFPFVso
克巳「暴漢を見つけたら、倒しちまえばいいのか?」

現場に急行する車内で、克巳は同乗する2人の女性に仕事の内容を問いかけてみる。
この問いには、運転席に座る鉄装からすぐに、

鉄装「いえ、アーマー等を身に着けていない状態での交戦は危険です。見つけ次第連絡をお願いします」

一般的に考えると至極まともな意見が返ってくる。
助手席に座るもう一人の女性、黄泉川もその意見には賛成らしく

黄泉川「急なことで用意できなかったのは申し訳ないが、本当にやばそうな場合以外慎重に行動してほしいじゃん」

鉄装と似たような返答をされてしまった。

克巳「ナルホド……つまり、緊急を要する場合はヤってもいいって事か」

黄泉川「張り切るのはわかるけど、能力者相手に生身は最悪死ぬかもしれないじゃん。今回は私達に任せろ」

まるで、武術をかじって強くなったと勘違いしている人間に送る遠まわしの言葉のようだと、克巳は内心苦笑いをする。
だが、ここでのキャリアは彼女達の方が上なのは変えようもない事実なのだ。
故に、己の実力を示すには実績を挙げてみせるのが手っ取り早い方法だと思った克巳は、

克巳「わかった、緊急を要する場合以外、アンタ達に連絡する」
821 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2012/01/25(水) 01:33:57.85 ID:8TVFPFVso
真剣な表情でそう答える。

黄泉川「そうしてくれるとこっちも助かるじゃん。ところで、無線の使い方は知ってるか?」

克巳「いや、さっぱり。教えてもらえると助かるんだが……」

連絡をとるために、黄泉川から支給品である無線の使い方を習っていると、

鉄装「この通報があったのはこの付近ですね。どうやら追いかけっこをしているらしく詳細な位置は不明。手分けして探しましょう」

目的地に到着したらしく、降車しながら鉄装が言った。
その手には暴徒鎮圧用とみられる武器が握られており、この都市での警備員の権限の強さを端的に表している。

黄泉川「私はあっちを探すじゃん。新人はあっち、鉄装はこの付近で待機しとくじゃん」

克巳「了解、んじゃ見つけたら連絡するわ」

克巳はそう言うと、指示された方向に走りだした。
薄暗くなってきた路地裏にほとんど人の影はなく、行く手を阻む障害物がない事を考慮しても、克巳のスピードは凄まじいとしか言いようのないものだった。
100mを10秒台で駆け抜ける俊足に、常人とは比較にすらならない体力を持っている克巳を目の当たりにして、

黄泉川「アイツ、むっちゃくちゃ速いじゃん……」

鉄装「……車とどっちが速いんですかね……」

2人は同時に感心したような言葉を漏らした――――
822 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2012/01/25(水) 01:35:25.21 ID:8TVFPFVso
路地裏を駆けながら克巳は、どうやら自分の向かった先が正解だったと確信を持っていた。
路地裏のいたる所に、いまだに熱を少しだけ持っている焦げ跡のようなものが残されているためだ。
痕跡さえ見つけてしまえば、あとはそれを追いかけていくだけでいい。
入り組んでいようといまいと、こうなってしまえば最早追いつくのは時間の問題なのだ。
そして、今はその時間こそが唯一の心配する点でもあった。

克巳(支部を出発してからおおよそ10分……通報があってからの事を考えると、時間がかかりすぎだ)

もしかしたら、自身の生徒かもしれない。
神心会の館長としての責任も、教師としての責任も、克巳にとってはどちらも果たすべき責任なのだ。

克巳(間違いない、跡から感じる温度も随分高くなってやがる……この先か――――)

勢い良く曲がり角を曲がった克巳の目に、どうやらビンゴらしい光景が飛び込んできた。
目一杯抵抗したために、恐らく殴られるか何かで気絶してしまったのだろう。
高校生くらいの少女を取り囲むように、5人の男達が立っている。
どうやら、今から男達のお楽しみが始まる直前だったようだ。
その証拠に、一人の男が少女の衣服に手を掛け、それを剥ぎ取らんとしている。
同じ男として、非常に嘆かわしい光景だった。

克巳「おう、その辺にしときな」
823 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2012/01/25(水) 01:35:53.10 ID:8TVFPFVso
同じような行為を目覚めたばかりのピクルも行っていたが、あの戦士と彼らとでは事情が違いすぎる。
並外れた野性でもなければ、この現代である程度の教育を受けてきた、つまり、知っているはずだ。
自身のちっぽけな野性を収める術を。
自分より力の弱い者、あまつさえそんな相手に対し複数で挑み弄ぶなど、克巳には全くもって理解できぬ事であった。

「あ? お兄さん、俺らはこの娘が倒れてたから介抱してあげようと思ってただけだぜ?」

克巳「そうかい、なら俺に任せな。警備員の連中に連絡してすぐに搬送してもらう」

白々しい嘘をついてきた相手に対し、克巳は淡々と意見を述べる。
勿論素直に従っても、反抗しても、参考人としてしょっぴく予定ではあるのだが。

「はぁ……あのさぁ、俺ら何人いるかわかってる? しかも俺、能力者だぜ? 痛い目にあいたくないっしょ?」

克巳「断る、って言ったら、どうするんだ?」

「へっ……残ってる腕でももらうぜ! おい!」

リーダー格であろう男が指示を飛ばすと、少女を取り巻いていた男のうち、金属バットを持っている男が克巳めがけて振り下ろしてくる。
緊急事態、黄泉川達との約束では、こうなる前に連絡を入れるべきだったのだろう。
ボグッ、という肉が硬いものに打たれる音が路地裏に響いた。

克巳「危ないなぁ」

克巳を数で圧倒する男達は、克巳の見せた技に皆等しく言葉を失った。
金属バットを受けたと同時に放たれた克巳の足刀は男の腹部に深く突き刺さり、男の胃の中に入った消化されかけの内容物を逆流させる。
目にも止まらぬ一瞬の早業、まさに極限ともいえる技に見入ってしまった一瞬の隙に次の異変は起こっていた。
824 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2012/01/25(水) 01:36:42.26 ID:8TVFPFVso
「ぎゃう!」

「げはぁ!」

地面を強く蹴り、高く跳躍した克巳により、同じ場所にいた2人が蹴り倒される。
常人の喧嘩であれば、急所に当たったわけでもない一発の攻撃でダウンする事など、滅多にありはしないだろう。
しかし、克巳の蹴りを受けた2人は少し吹き飛んだあと、揃ってピクリとも動かなくなった。

「て、てめえ! 何なんだ! 何なんだてめえ!」

リーダー格の男が叫ぶと、男のまわりが明るくなり、オレンジ色の炎が空中に出現する。
やはり読み通り、男の能力はパイロキネシスだったかと、別段焦るでもなく克巳はそれと対峙していた。
こんな戦いにも慣れたものだと、自分でも自分が少しだけおかしく感じる。

克巳「何なんだって……この都市風に言うなら無能力者ってやつか?」

「無能力……? へっへへ、じゃあてめぇは俺には勝てねぇな。なぜなら俺はレベル3の火炎使いだからなぁ!」

周囲に熱を振りまきながら、男の放った炎が克巳目掛けて蛇のように襲い掛かる。
リーダー格の男の経験では、能力を持たぬ相手はこの能力を見せれば、黙って言う事を聞くはずだった。
今まで出会った無能力者の連中はそうだったのだ。
だからこそ、自分より下の存在だと、自分に蹂躙される存在だと、甘く見ていた――――

「ぐへぁ!」

前方に大きく跳躍し容易く火炎を回避した克巳の手刀の一閃により、男は白目を剥きその場に崩れ落ちる。
残る一人、幸運な事に未だ無傷の男の方へと克巳が視線をスライドさせた。
825 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2012/01/25(水) 01:37:03.40 ID:8TVFPFVso
「ひ、ひいいいいい!」

既に戦意を喪失しこの場から逃げ出そうとしていた男の脚に、克巳は軽いローキックをお見舞いする。
厳しい修行により鋼と化した脚による一撃、何の訓練も積んでいない男はうめき声をあげてその場にうずくまってしまった。
この場を鎮圧したことを確認した克巳は、ポケットから無線を取り出すと待機している鉄装と、恐らくそこら中を走り回っている黄泉川に連絡を入れる。

克巳「あー、犯人確保したぜ。怪我人がいるからなるべく早く来てくれ。以上だ」

無線の向こうでは、状況の説明を求める2人の声がキンキンと鳴り響いている。
この状況を説明するのもめんどくさいと思った克巳は無線を切ると、警備員の車両が到着するのを待つ事にした――――

黄泉川「こ、これは……」

鉄装よりも一足先に現場に到着した黄泉川は、その光景に己の目を疑う。
狭い路地裏の少しだけ開けた土地には、折り重なるようにして倒れる男が4人と、観念したような目で座りこんでいる男が1人。
その男達から離れた場所には、今回の通報者であろう少女が寝かされている。
その様子を見てなお、約束を守らず連絡の一つもいれなかった克巳に対し、黄泉川は抗議的な目を向けてくる。

克巳「誰がどう見たって緊急事態だったぜ、俺が手を出さなきゃあの子がもっとひでぇ目にあってるところだ」

一応弁解のような言葉を克巳が発した時、鉄装から現場のすぐ近くに応援部隊が到着したと連絡が入った。
話は後で聞く、黄泉川はそう克己に言うと、男達を連行するために無線に向かって指示を飛ばし始めた――――
826 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2012/01/25(水) 01:38:24.65 ID:8TVFPFVso
克巳(……どうしてこうなった……)

深夜の住宅街に佇むマンションの前で、克巳は酔い潰れた黄泉川を背負いながら溜息を一つ漏らす。
こうなってしまった事の発端は、夕刻の犯人確保より数時間後、同僚となった黄泉川達に飲みに行こうと誘われた事が原因であった。

――――

黄泉川「あっはっはっは! 空手ねぇ、空手。超期待の新人じゃん、まぁ飲め飲め!」

どこにでもありそうな居酒屋で、黄泉川が空になった克巳のグラスにビールを注ぐ。
自身の経歴と犯人とやり合った際の出来事を適当に話したところ、何が受けたのかは知らないが克巳は妙に黄泉川に気に入られてしまい、こうして歓迎会を兼ねた飲み会にまで引っ張り出されてしまっていた。

小萌「黄泉川先生は飲みすぎなのですよ……」

向かい合った席で、どう見ても子供にしか見えない女性が克巳の肩をバシバシと叩く女性を諌める。
最初に見た時は鉄装か黄泉川どちらかの子供かと思ったが、どうやら立派な大人の女性で克巳よりも年上らしい。
この事実は、克巳が学園都市に来て5本の指に入るくらいの衝撃であった。

鉄装「先輩……前みたいに吐いても知りませんよ?」

黄泉川「大丈夫、だーいじょうぶに決まって…………あ、これまずいじゃん……」

小萌「よ、黄泉川先生、吐くならトイレで吐くのです!」
827 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2012/01/25(水) 01:38:57.64 ID:8TVFPFVso
青い顔をした黄泉川が、小萌に付き添われトイレへと歩いていく。
それを見送った克巳は、目の前のグラスに先程黄泉川によって並々と注がれたビールを一息で飲み干した。

鉄装「克巳先生、お酒に強いんですね」

そういえば、これは何杯目だっただろうか。
黄泉川に勧められるがままにあおっていたため、もうかなり飲んでいるのは確かだが……

黄泉川「あー……吐いたらスッキリしたじゃん……さ、もう一軒行くじゃん!」

フラフラと帰ってきた黄泉川が、楽しそうにそんな事を言う。

鉄装「先輩酔いすぎですって、明日仕事ですよ?」

小萌「そうなのです、続きはまた休日にでもすればいいのです」

2人に反対された黄泉川が、ふてくされたように唇を尖らせて反論する。
ただ、克巳も小萌と鉄装の意見に賛成だったので、伝票を掴むと次の飲み屋に行くか行かないかで揉めている女性陣を置いて支払いを終わらせる。

克巳「まぁまぁ、んな話は外でやろうぜ……」

鉄装「それもそうですね……あ、すみません、いくらでしたか?」

克巳「あー……いいぜ別に」

それほど大した金額でもなかったので、克巳は鉄装達に財布をしまうように促す。
828 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2012/01/25(水) 01:39:30.74 ID:8TVFPFVso

黄泉川「お、新人太っ腹じゃん! 今度また何か夕食でもおごってやるじゃん!」

小萌「黄泉川先生はやっぱり酔いすぎなのですよ……」

克巳の提案にあっさり乗っかった黄泉川に鉄装と小萌が呆れたように呟く。

克巳「んじゃ、俺は帰るわ。これからよろしくな」

黄泉川「あれ、新人は家そっちなのか?」

そう言って歩き出した克巳に、後ろから黄泉川の声がかかった。
克巳は振り向くと、適当な言葉でそれを肯定する。

黄泉川「ちょうどいいじゃん! タクシー呼ぶから一緒に乗ってけばいいじゃんよ」

酔いがさめてきて、若干の気持ち悪さを感じていた克巳は、その言葉に甘えることにする。
そして鉄装と小萌を見送り、タクシーに乗り込んだまでは良かったのだが――――

――――
829 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2012/01/25(水) 01:39:57.47 ID:8TVFPFVso
克巳(はぁ……途中で爆睡しやがるんだから手に負えねえよなぁ……)

黄泉川の告げた目的地で一旦降車した克巳は、こうして眠っている黄泉川を背負って入り口のロックを解除する方法がわからず立ち尽くしているというわけである。

克巳「おい……着いたぜ、おい、おーい!」

呼びかけてみるが、あまり起きる気配がない。
かといって、自分の自宅に連れて帰るのも若干気が引けた克巳は、諦めずに黄泉川を起こそうと試みる。

黄泉川「ん……うるさいじゃん……」

克巳「おっ、起きたならロックを解除するか誰かに電話するかしてくれ」

黄泉川「ロック……そこに音声認識と顔認識があるから連れて行ってくれれば解除できるじゃん……」

言われてみると、確かに入り口にはそれっぽい機械が設置されている。
克巳はそこまで黄泉川を連れて行くと、背中から降ろして立ち去ろうとする。
カチリカチリというロックが解除される音が静かな住宅街に響き、続いて人が倒れる音が響く。
驚いて音のした方角を振り返った克巳の目に、ロックを解除して力尽きたのか、その場で眠り始めた黄泉川の姿が映った。
830 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2012/01/25(水) 01:40:56.80 ID:8TVFPFVso
克巳(め……めんどくせぇ……)

放置して帰るわけにも行かないので、ロックの解除されたマンションに黄泉川を背負って入場する。

克巳(もう起きそうにねぇな……部屋は……探すしかねぇか……)

克巳「あった……黄泉川、ね。ここで間違いなさそうだ」

しばらくマンション内を徘徊していた克巳は、ようやくお目当ての表札を発見した。
背中の黄泉川は、気持ち良さそうに寝息まで立て始めている。

克巳(さっさと帰りてぇ……インターホンはこれか……)

扉の横に据え付けられているインターホンを1回鳴らすと、インターホン越しになんだか妙に聞き覚えのある声がかかる。

『あァ? 誰だ、黄泉川かァ?』

克巳「黄泉川先生の同僚の克巳ってもんだ。酔っ払ってるから連れてきたんだが、開けてくれねぇかな……」

『チッ、待ってろ』

ガチャリという音のあとに、扉が開かれる。
出てきた人間を見た時、克巳に本日2度目の衝撃が走った。

一方通行「世話かけ……アァ!?」

克巳「……よぉ……」

そこには、かつて自分が倒した相手。
学園都市200万人の頂点、第一位、一方通行の姿があった。
831 : ◆JUf5fVneqA [saga]:2012/01/25(水) 01:42:22.87 ID:8TVFPFVso
ヒィ、むちゃくちゃ時間が空いてしまいました、申し訳ない
4月の始めにはまた忙しくなるので、それまでに更新を頑張りたいと思います
それではー
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/25(水) 01:43:21.28 ID:a5Psk5iLo
乙〜
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/25(水) 01:46:46.89 ID:jgk7edT8o
範馬乙一郎
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/25(水) 02:06:40.53 ID:oXyv3fSUo
ひゃっほい
835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/25(水) 09:29:34.27 ID:Ys3akytDO
カツミンまじ紳士
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2012/01/25(水) 13:41:01.63 ID:YDxBxkPH0
復ッッッッ……もういいか。
お帰り乙。
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/01/25(水) 21:39:14.23 ID:gymcADXv0
結局脳に弾丸食らっちゃったか…
モヤシ君に花山ばりのタフネスさえあれば…
838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2012/01/26(木) 01:16:34.28 ID:NJpZcdYvo
来たああああああああ!!乙ッッッッ!!!!!!
次回も楽しみにしてます!!
839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/01/26(木) 07:23:06.04 ID:u+k2Ly2N0
乙ッッ

一瞬、黄泉川襲っちゃえって思った自分が恥ずかしい。
840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/29(日) 17:42:05.35 ID:NM/YuGh2o
うっひょう
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/01/31(火) 22:29:10.39 ID:sy2N3CPAO
ここでボディビルに目覚めた某所の一通さんに変身!

ないな・・・
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/16(木) 02:58:16.98 ID:9WoYjcZBo
期待
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/17(金) 20:09:25.71 ID:kUQAe3KDO
まだ〜?
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/17(金) 21:09:40.69 ID:Sa0nmBz0o
まだかなー
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/02/20(月) 20:49:25.05 ID:Uc084uVT0
これを言って復活したバキSSは見た事無いが
あえて言わせてもらう


ダヴァイッッッッ
846 :!ninja [sage]:2012/02/23(木) 09:49:29.75 ID:zP91MDeXo
まだか
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/26(日) 22:59:59.20 ID:6IR55A9DO
ここまで来たんだから完結させてくれ
848 :鬼範魔 [sage]:2012/02/27(月) 04:07:39.28 ID:7FFM6053o
バキ×エヴァスレでも書いたが
刃牙勢の棲息速度域はこんなものではないはずだッッ!!
もっと速く書いて頂きたいッッ!!
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/27(月) 09:08:49.05 ID:oliWwyMKo
まさか>>1も勇一郎に愛想を尽かしたのか…?
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/27(月) 09:46:35.18 ID:iUYoVyqn0
PC相手にドレスしながら舞ってる
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2012/02/27(月) 15:34:59.55 ID:HhpEj3fMo
PC壊れるwwwwwwwwwwww
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/02(金) 01:30:51.34 ID:TXXYVFo0o
まだか!!!!!!!
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/07(水) 10:55:43.81 ID:6FOpTBQWo
>>1ちゃんよぉ・・・お前、書けるぜ?
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2012/03/13(火) 02:10:05.10 ID:dQKKeW+2o
更新はまだか!!
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) :2012/03/14(水) 18:54:44.99 ID:0a1Accla0
>>1来いッッッ
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2012/03/19(月) 03:00:43.31 ID:1F8mQKo7o
いつまでも待ち続けるぞ>>1よッッッッ!
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/25(日) 17:21:44.51 ID:+nJAeQsmo
まじで間に合わなくなってもしらんぞー!
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/29(木) 21:31:31.47 ID:dYG5nmujo
追いついてしまったッッッッ!
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/04/06(金) 00:03:39.68 ID:69ePbTe50
せめて生存報告を・・・
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) :2012/04/07(土) 04:26:45.69 ID:n/MXNJWp0
おやおや未完か
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/07(土) 16:02:05.14 ID:zO4OatQDO
追いついたんだよ。
おもしろいッ
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/04/08(日) 15:58:28.04 ID:BOcUVEql0
邪ッッッッッッッッ!!!!
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) :2012/04/09(月) 02:41:02.55 ID:FRCFuZp90
破ッッッッッッッッッッッ!!!!
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/09(月) 12:32:33.72 ID:wBpQkPgDO
>>863
期待しちまったよッッッッ!
865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/04/10(火) 23:25:37.01 ID:tF1ovtsBo
あと少しで3ヶ月か…
もう駄目かも分からんね
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/04/19(木) 00:22:55.50 ID:aa+Z9FpZ0
運命の25日まであと6日か・・・
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/04/22(日) 14:40:23.10 ID:Cztmpci0o
お願いだ
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/04/23(月) 07:58:42.73 ID:qsp3NhG50
我々は狂ったようにageるべきだったのか・・・?
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/23(月) 14:15:26.70 ID:uuwMeN+Uo
最終決戦の玉座の間で
裏切り者「魔王様、それで約束のご褒美は頂けるんでしょうかね」

魔王「うむ、見事な働きだったな裏切り者よ。其方には土地と重要な任務を与えよう」

裏切り者「ぐへへ、我が身に余るありがたき幸せ」

魔王「其れでは早速城の北の墓地2m四方の土地と、其処を永遠に守るという任務を与えよう」

裏切り者「まっ、魔王様一体を……ぐあああああああ」


という展開になるに100ペリカ
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/24(火) 09:37:17.60 ID:froIKOnFo
なにがどうなってそうなったんだwwww
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