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ポケットモンスターゆい その2 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/21(木) 06:58:28.24 ID:tWnhOyGT0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ ガルーラ ハクリュウ ポリゴン2 プテラ ラプラス

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー

前スレ

ポケットモンスターゆい
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/22(金) 17:04:11.22 ID:1zUAUxBko
グレンタウン編B 「思い出」 以下、投下

今回のメンバー ゆい ハッサム イーブイ ハクリュー プテラ  ラプラス
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:07:38.66 ID:1zUAUxBk0
「どこまで、見渡しても青い海、青い空。なんか、楽しい気分になるよね」

「言ってることは分かりますけどね」

「なんか、テンション低いよ、あずにゃん」

「それは、まあ、あげる理由もありませんし」

「私と一緒にいるんだよ。もっと、あげていこうよ」

「そう言われても……」

私達はセキチクシティを出発し、ラプラスに乗って、グレンタウンに向かっているところです。

「だいたい、何をやってるの?」

「新しく、仲間になったラプラスの技とか能力とかを調べたんですよ。後、どんな戦術で戦うべきかとか」

「そんなの夜にでもやればいいよ。ポイしちゃいなさい」

「そんなことしたら、もう二度とゆい先輩とは口をききません」

「ごめんなさい」

素早く謝る、ゆい先輩。

「やれやれですね。分かりました。何か、お話しでもしますか」

ラプラスの背中では狭いですしね。

「うーん、特にこれといってお話しすることもないんだよね」

毎日一緒にいますからね。

「だから、ここはいちゃつこう」

「はい?」

また、突拍子もないことを。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:08:29.27 ID:1zUAUxBk0
「いちゃつくというのは?」

「だから、私を抱っこしたり、頭をなでたり、もし、あれだったら、キ、キスでも……」

「最後のは却下で」

「あう〜。……まあ、いいや。あ〜ずにゃ〜ん」

ゆい先輩は私の胸の中に飛び込んできます。

「にゃっ。……もう」

「すりす〜り」

ほっぺをこすりつけてきます。

「……くす」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:09:33.89 ID:1zUAUxBk0
1時間後

「いくらなんでも長すぎですよ」

「あずにゃんも止めなかったじゃん」

「まあ、そうですけど」

「ラプ(仲がいいなあ)」

「後、どれくらいだろうね」

「まだまだですよ。気長に待ちましょう」

「頑張ってね、ラプ太」

「ラプ」

「ところでさ、あずにゃん」

「なんですか?」

「私と出会う前に、オーキド研究所で澪ちゃん達と助手をしてたんだよね」

「はい」

「その時のお話を聞きたいな」

「別に面白くありませんよ」

「そんなことないよ。私は私と出会う前のあずにゃんがどんな感じだったか知りたいし」

「知っても、特になることはないと思いますけど」

「いやいや、あるよ。もっと、あずにゃんのことが好きになるかもしれない」

「……分かりました。少しだけですよ」

「わーい」

「それじゃ、どこから、話しましょうか」

「とりあえず、助手になった頃とか」

「分かりました。それじゃ……」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:10:49.70 ID:1zUAUxBk0
回想

「ここが、オーキド博士の研究所……」

オーキド博士とは、ポケモン研究に関する第一人者で、マサラタウンに自分の研究所を持つ有名な人で、この人に憧れているトレーナーも多い。

「ここで、頑張って、私もポケモンマスターになろう」

私は気合を入れて、ドアを開ける。

「すいませーん。助手希望なんですけどー」

ドアを開けて、中を見ると、カチューシャをした女の人や黒い髪のロングヘアーの女の人、そして、金髪のウェーブのかかったロングヘアーの
女の人の3人の人がお茶を飲んでいました。

「えーと、何だっけ?」

「助手希望なんですけど、オーキドはか……」

「確保だー!!」

「にゃーー」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:11:15.91 ID:1zUAUxBk0
「そんな感じで、皆さんに出会いました」

「楽しそうだね」

「まあ、つまらなくはないですけどね」

「で、続きは、続きは?」

「そうですねえ」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:11:59.63 ID:1zUAUxBk0
回想

「名前はなんていうんだ?」

「えーと、中野梓です」

「年齢は?」

「年は15歳です」

「好きなポケモンは?」

「それは……」

「尊敬するトレーナーは?」

「えーと」

「とりあえず、落ち着け」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:12:49.42 ID:1zUAUxBk0
私を質問攻めにする、カチューシャの女の人と金髪のウェーブのかかったロングヘアーの女の人を黒い髪のロングヘアーの女の人がなだめます。

「ごめんな」

「あ、いえ、大丈夫です。えーと……」

「私は秋山澪だ。年は16歳だから、中野さんの一個上だな」

「私は田井中律。年は澪と同じ、16歳だ。よろしくな」

「私は琴吹紬よ。年は澪ちゃんとりっちゃんと同じよ」

「皆さん、よろしくお願いします。ところで、オーキド博士は?」

「騒がしいのう、お客さんかの?」

奥から、初老の白衣を着た人……オーキド博士が出てきました。

「あ、博士。助手希望の人が来たぞ」

「またかのう。助手はお前さんだけで十分なんじゃが」

「まあ、そう言わないで、選考だけでも……」

「仕方がないのう。では、簡単な試験じゃ」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:14:02.68 ID:1zUAUxBk0
「し、試験ですか?」

「うむ。律君」

「なんだ?」

「このポッポを使って、この子……すまない、名前はなんだったかのう」

「中野梓です」

「そうか、梓君でいいかの。わしはまあ、知ってると思うが、オーキドというんじゃ」

「よろしくお願いします」

「うむ。それで、律君。君はポッポを使って、この梓君と戦ってほしい」

「おー、分かった」

「でも、私にはポケモンは……」

「安心せい。梓君にはこれを貸そう」

そう言って、博士が渡してくれたのはコラッタです。

「これで戦うんですか?」

「そうじゃ」

「勝てばいいんですか?」

「なんだ〜、随分、自信があるじゃないか」

「べ、別にそんなわけでは……」

「勝てば、問題なく、合格じゃ。じゃが、負けても、合格になることもある。とにかく、頑張るんじゃな」

「わ、分かりました」

「それじゃ、外に行こうかのう」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:15:00.90 ID:1zUAUxBk0
「というわけで、テストを受けることになりました」

「合格したの……って、してなかったら、私と出会ってないよね」

「くす。そうですね」

「それで、りっちゃんと戦ったんだよね」

「ええ、まあ」

「それにしても、私達が旅に出る時も、初めて戦ったのも、りっちゃんだし、いろいろと、縁があるんだね」

「不思議な縁ですよね」

「私ももっと早く、あずにゃんに出会いたかったよ。そうしたら、一緒に博士の助手で頑張れたのにね」

「そうなってたら、どうなってたんでしょうね」

「想像も出来ないよ」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:15:34.98 ID:1zUAUxBk0
「でも、私はこれで良かったと思いますよ」

「そうかな?」

「そうですよ。……だって」

「?」

「早く出会ってたら、他の人のポケモンになっちゃうかもしれないじゃないですか」

「あう〜、あずにゃん」

テレテレと顔を赤らめるゆい先輩。

「プイ」

「ふふふ、あずにゃん、顔真っ赤」

「う、うるさいです」

「でも、大丈夫だよ。早く出会ってても、私はあずにゃんのポケモンになるよ」

キリッとした、顔でいうゆい先輩。私の腕の中にいるので、距離が近いですね。

「……とにかく、続きを話しますよ」

「そうだね、お願い」

「では……」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:16:47.39 ID:1zUAUxBk0
回想

オーキド研究所・外

「では、戦いを始めよう。準備はいいかのう?」

「おう」

「ちょっと、待って下さい」

「どうしたんだよ。私にびびったなら、手を抜いてやってもいいぜ」

「そうじゃ、ありません。今、初めて、コラッタを使うので状態だけでも見たいので」

「ほう……」

「へえ」

「なるほど」

オーキド博士達はなにか、珍しいものを見るように私を見ます。あれ、なにか、おかしなこと言ったかな?

「あのお……」

「おっと、すまんすまん。好きにしてくれてかまわん」

「は、はい」

私はボールから、コラッタを出します。

「コラッ」

可愛いなあ〜。

ナデナデ

「コラッ」

コラッタは私が優しく頭をなでると、気持ちよさそうな顔をします。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:17:17.67 ID:1zUAUxBk0
「むう〜」

「何で、急に機嫌を悪くするんですか?」

「だって、……だって、ただ、撫でたかっただけじゃん」

「別にそれだけのためじゃないですけどね」

「私も撫でて〜」

「はいはい」

ナデナデ

「えへへ〜」

「それじゃ、続きを」

「うん!」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:18:45.58 ID:1zUAUxBk0
回想

さて、周りの状況は……っと。周りは平地。地面には中央部分は土で、特に草とかが生えてはいません。ただ、周りには草が生い茂っています。そして、大きな木が一本生えています。お父さんの話とかを聞くと、周りの環境を利用しろって、言ってましたからね。この状況をどう利用していきましょうか。

「さっきから、中野さん、一生懸命コラッタを撫でてるわね。そんなに可愛いのかしら」

「それはどうかな?」

「え?」

「中野さんの視線を見てみろ。コラッタではなく、周りの、戦う場の様子をしきりなく、見ている」

「たしかにそうね」

(相変わらず、いいところに目をつけるのう)

「じゃあ、澪ちゃんなら、どう戦う?」

「そうだな。……相手はポッポだからな。草むらに隠れて、攻撃するために近づいてきたのを地道に攻撃だな。ムギは?」

「私は澪ちゃんと同じで、草むらに隠れるわね。それであなをほるをさせるわ」

「でも、ポッポはひこうタイプだぞ」

「そうね。でも、草むらにいると思って、地面に近づいてきたところを背後から、攻撃を仕掛けるのよ」

「なるほど」

(ふむふむ、いい戦略じゃ)
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:19:17.92 ID:1zUAUxBk0
「ただな。この戦略には一つ大きな問題がある」

「ええ」

「まあのう。律君もそこをついてくるだろうからのう」

「なあ、中野さん、まだー?」

「あ、はい。もう、大丈夫です」

「では、両者、準備はいいかのう」

「はい」

「ああ」

「では……」

「「「バトルスタート」」」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:20:03.55 ID:1zUAUxBk0
「コラッタ、草むらに逃げ込んでください!」

「コラッ」

コラッタはスタコラサッサと草むらに逃げ込みます。

「これから、どうなるかだな」

「ええ」

「やはりそうきたか。ポッポ、かぜおこしだ!」

ポッポはコラッタの逃げ込んだ草むらに翼で風を起こし、攻撃を仕掛けます。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:20:58.09 ID:1zUAUxBk0
「まあ、そうくるよな」

「ええ」

「たいあたりで近づくよりも、かぜおこしで空から攻撃の方が明らかに有利だしのう」

「これをどう乗り越えるかだな」

「博士の野望のためにもね」

「それはまあ……いいんじゃがな」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:21:38.54 ID:1zUAUxBk0
ポッポの攻撃を受けた草むらは風の衝撃で全部、抜けてしまいました。

「これで隠れるスペースが減ったな」

「いえいえ、ここまでは予想通りです」

「ほほう、ならば、もういっちょだ。ポッポ、かぜおこしだ!」

ポッポはコラッタの隠れている、草むらに再び、かぜおこしを仕掛けます。

「コラッタ、逃げてください」

ポッポの攻撃を受けた草むらは風の衝撃で全部、抜けてしまいました。

「逃げてばかりじゃ勝てないぜ」

「……」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:22:42.10 ID:1zUAUxBk0
「一体、何を考えてるんだ」

「といっても、逃げるしかないけどね」

「それはどうかのう」

「「え?」」

「梓君の狙いは逃げることではないと思うがのう」

「でも、この状況では……」

「……いや、ある。1つだけだけどな」

「分かったの、澪ちゃん」

「ああ。だが、これは賭けに近いぞ」

「それは一体……」

「それは……ゴニョゴニョ」

「な、なるほど。でも、それはコラッタにも能力がないと」

「うむ。ポケモンを信じてなければ、できん戦略じゃな」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:27:49.91 ID:1zUAUxBk0
「くそ。どこまで、逃げんだよ」

コラッタは木の近くまで、追い詰められました。

「だが、もう、隠れられる、草むらはない」

「……」

「トドメだ。ポッポ、かぜおこし!」

「……今です!コラッタ、木を駆け上ってください」

ポッポの攻撃と同時に、コラッタは木を駆け上ります。

「一体、何をする気だ」

コラッタは上まで、駆け上り、ポッポに向かって、飛び掛ります。

「コラッタ、ひっさつまえば!」

コラッタはポッポの首筋に鋭い前歯を使って、噛み付き、落下していきます。

バーン

2匹は落下し、煙が巻き起こります。

「どっちが勝ったんだ」

「……」

煙が晴れると、コラッタとポッポは両方目を回して気絶しています。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:28:50.68 ID:1zUAUxBk0
「さっするに、ポッポはコラッタの攻撃で、コラッタは落下の衝撃で気絶したんじゃろう」

「そうでしょうね」

「そもそも、今の戦略はコラッタがポッポの攻撃をよけ続けて、木の所まで誘導しなくてはいけないわ」

「ああ。それだけじゃなく、ポッポよりも高い位置まで、木を登っていくのも重要だ」

「そのうえで、ポッポのいる位置まで、飛んで、ひっさつまえばをポッポに当てる。コラッタの能力を信じてなければ、できんことじゃ」

「で、博士。結果は?」

「もちろん、引き分けじゃ」

「引き分けですか」

「ああ」

「どうした、お互いに不満そうだな」

「あ、いえ、別にそんなことは……」

「なんだよ、不満はないのかよ。私は不満だぜ」

「え?」

「なあ、博士の助手になれよ。決着をつけようぜ」

「そう言われても……」

「な、いいだろ、博士」

「うむ。この実力なら、十分じゃな。合格じゃ」

「え……!?」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:29:46.28 ID:1zUAUxBk0
「おめでとう、梓」

「あ、はい。……梓?」

「嫌だったか?」

「いえ、そうじゃなくて、急に呼ばれたので」

「今日から、仲間だしな」

「よろしくね、梓ちゃん」

「あ、よろしくお願いします」

「よろしくな、えーと、梓」

「はい、よろしくお願いします」

「では、明日から、頑張ってもらうかの」

「よろしくお願いします!!」

「その前に、1つ約束じゃ」

「何ですか?」

「目標はポケモンリーグで優勝すること、という気持ちで頑張ってくれ」

「は、はあ」

「梓ちゃん、梓ちゃん」

「はい?」

「博士は近年、マサラ出身の人が優勝してないから、怒ってるのよ」

「ああ」

「では、これから、歓迎会といくかのう」

「おし。もちろん、博士のおごりだろ?」

「こらっ、律」

「かまわんかまわん。どれ、いっちょいくかのう」

私達はその後、近所のレストランに行きました。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:33:37.52 ID:1zUAUxBk0
「以上です」

「……」

「どうしたんですか?やっぱりつまらなかったですよね」

「……楽しそう」

「はい?」

「楽しそうだね。もっと、お話し聞きたいな」

「それはかまいませんけど……もう、無理ですね」

「何で!?」

「だって、ほら」

私が指差す方向にはグレン島が見えてきました。

「あう〜、仕方がないね」

さて、グレンタウンのジムリーダー、カツラさんをどうやって倒しましょうか。私がそんなことを考えていると、

「あずにゃん」

ゆい先輩が声をかけてきます。

「あずにゃんは私と冒険できて楽しい?」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:34:49.11 ID:1zUAUxBk0
「……」

「ドキドキ」

「……どうでしょうね」

「……あずにゃんの意地悪」

顔をプイッと背ける、ゆい先輩。

「くすっ。冗談ですよ」

「むう〜」

頬を膨らませるゆい先輩。

「いいもん、いいもん。プンプン」

「怒らないでくださいよ。グレンタウンに着いたらアイスを買ってあげますから」

「アイス!?じゅるり。……ハッ、私はアイスなんかには釣られないよ」

「じゃあ、どうすればいいんですか?」

「私を抱っこしたり、頭をなでたり、もし、あれだったら、キ、キスでも……」

「最後のは却下で」

「でも、さっきから前二つはやってるね」

「そうですね」
「ということは必然的に最後に……」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/22(金) 17:38:53.50 ID:1zUAUxBk0
「……」

「ドキドキ」

「……さて、次のジムはどういったメンバーにしましょうか」

「無視はやめてよ〜」

「勘弁してください」

「まあ、仕方がないかな。じゃあさ……」

「何ですか?」

「もっと、ぎゅ〜って、して」

「まあ、それくらいなら」

「えへへ〜」

私はゆい先輩の頭を抱っこしながら、ナデナデします。

「あずにゃん、あずにゃん」

「何ですか?」

「こんな風にもっと、のんびりしていけたらいいね」

「そうですね」

ゆい先輩のそんな願いが近いうちに打ち砕かれることになるとはこの時の私達は知る由もありませんでした。
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/07/22(金) 17:39:30.90 ID:1zUAUxBk0
グレンタウン編B 「思い出」 終了
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/22(金) 18:10:25.94 ID:dVTODIKDO
乙!!

だがラストの言葉・・・気になって仕方ないじぇ



あ、そうそう
前スレhtml依頼出したほうが良いと思うよん
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/23(土) 00:48:44.52 ID:PNLjyUWvo
乙〜
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:09:12.68 ID:pLulvVGw0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ  ガルーラ ハクリュウ ポリゴン2 プテラ ラプラス

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー

グレンタウン編C 「VSカツラ」 以下、投下
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:09:44.32 ID:pLulvVGw0
「そろそろ、グレンタウンですけど……」

「この水、汚いね」

私達がグレンタウンにもう少しで到着というところなんですが、ゆい先輩の指摘どおり、海がだいぶ汚れています。

「なにがあったんでしょうか?」

「そんなことより、これいじょうラプ太に行かせるのは可哀相だよ」

「ですね。ここからはプテラに任せましょう」

私は一旦プテラを出し、上に乗って、ラプラスを戻し、グレンタウンに向かいました。
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:10:48.52 ID:pLulvVGw0
グレンタウン・某所

『随分、汚れている海ね』

和はAYUに話しかける。

『せっかくの綺麗な海が台無しだよね』

『それにしても、どうして……』

『あれだよ』

AYUが指差すところにはポケモン屋敷と呼ばれる、家が壊されていた。

『私達がミュウツープロトタイプを作るためにここの資料とかを荒らしたでしょ?それで、ちょうどいい機会だから、ここを壊して、ホテルとか観光施設を造るみたい』

『嘆かわしいわね』

33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:11:14.74 ID:pLulvVGw0
『もともとは私達のせいだけどね』

『きっかけはそうでしょうけど、やったのは私達じゃないし』

『そうだけどさ』

『それよりも、明日よね。実行日は』

『そうだよー。ヤマブキでの占拠が始まったらね』

『むこうは大丈夫かしらね』

『大丈夫だよ。伝説のポケモンが2匹もいるんだもん。誰も止められないよ』

『唯一止められる可能性があるあの子達もここで足止めというわけね』

『そういうこと。万が一、負けても、私が迅速にヤマブキにサンダーを届けるよ』

『嬉しくないわね。その時は私も始末するんでしょ?』

『……アハッ』

『……いい笑顔ね。それじゃ、私はもう寝るわ』

『おやすみー』

『おやすみ』
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:12:08.08 ID:pLulvVGw0
グレンタウン・ホテル

「さて、どうしたものでしょうか」

「どうしたんだい、あずにゃん」

「次のメンバーをどうしようかと思いましてね」

「たしか、もっていけるのは6匹までだったけ?」

「はい。だから、ゆい先輩を除いて、後、5匹を選ばなきゃいけないんですが」

「うーん、難しいところだね」

「ええ。しかも、今回はハッサムは厳しいですしね」

「どうして?」

「ハッサムはむしとはがねタイプ。どっちのタイプの弱点でもある、ほのおタイプを使うグレンタウンのジムリーダーには厳しいんですよね」

「なるほど」

「とりあえずはメンバーには入れときますが、今回は出番がなさそうですね」

「私の次にあずにゃんとのつながりが強いからね。手持ちに入れるのはいいと思うよ。それに、サムちゃんなら、弱点ももろともしないよ」

「そうですね。次に、入れるとしたら、ラプラスですかね。弱点ですし」

「そうだね。私としては最近出番のないヘル太やニュー太、ポリ太も入れてほしいなあ」

「うーん、そうですねえ。ニューラはきついですけど、ゆい先輩がそういうなら、今回のメンバーに入れましょう」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:12:53.08 ID:pLulvVGw0
「だとすると、今回のメンバーは……」

「ゆい先輩、ハッサム、ラプラス、ヘルガー、ニューラ、ポリゴン2ですね」

「……なんとなく、頼りない、っていうのは失礼だけど、そんな感じがする」

「そんなことありませんよ。結局、戦い方しだいなんですから」

「そうだよね」

「それに、私のポケモンにはゆい先輩もいますからね。期待してますよ」

「任せてよ〜」

「それじゃ、明日もあるから、寝ましょうか」

「おやすみ〜」

「おやすみなさい」

今回のメンバー ゆい ハッサム ラプラス ヘルガー ニューラ ポリゴン2
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:13:39.42 ID:pLulvVGw0
次の日・グレンジム

「さて、早速、挑戦しましょう」

「そうだね!」

私はグレンジムの扉に手をかけます。

「失礼しまーす」

中に入ると、普通のフィールドがありますが、誰もいないようです。

「誰もいないね」

「そうですね。もう一度、呼びかけてみましょう。すいませーん」

私がもう一度呼びかけると、奥から、白衣を着た初老の男の人が出てきました。

「なんじゃ、お前さん達は」

「私達はジムリーダーに挑戦しに来たんですけど」

「ジムリーダーにか。つまり、ワシに」

「そうで……あなたがジムリーダなんですか!?」

「ほっほう、そうじゃ。ワシはカツラというんじゃ。よろしくな、梓君」

「よろし……え、どうして、私の名前を」

「お前さん達は有名じゃぞ。知らんのか?」

「まあ、そんな話は聞いたことがありますけど」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:14:39.37 ID:pLulvVGw0
「なんでも、その幼女のようなポケモンにラブラブなロリコンレズ少女という噂だったかな」

「えへへ、ラブラブだって」

クネクネと照れるゆい先輩。

「まったく、嬉しくない噂ですね」

「ええっ!あずにゃんは私とラブラブなのが嫌なの!?」

「いえ、そこではなくてですね」

「ほっほ、冗談じゃよ」

「悪い冗談はやめて下さい」

「ただ、ラブラブなという噂は本当じゃがな」

「えへへ」

「そ、そんなことはどうでもいいです。いいから、勝負しましょう」

「そうじゃな。早速始めようかの。ルールは3対3の点取り試合じゃ」

「分かりました」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:15:23.45 ID:pLulvVGw0
それぞれ、フィールドにつきます。

「さて、梓君」

「何ですか?」

「お前さん達はバトル中もイチャイチャするのかのう」

「もちろんだよ〜」

「し、しませんよ、そんなこと」

「ええー」

「何、がっかりしてるんですか」

「ほっほ、それじゃ、行くかのう」

「くっ、なんか、調子が狂いますね」

「それでは両者、準備はよろしいですか」

「ええ」

「いつでもよいぞ」

「では」

「「「バトルスタート」」」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:16:10.87 ID:pLulvVGw0
「まずはギャロップじゃ」

「来て下さい、ラプラス」

カツラさんが出したのはギャロップ。ほのおタイプなので、ラプラスでも十分に戦えます。

「ラプラス、ハイドロポンプ!!」

「やはり、そうくるか。……ギャロップ、とびはねるのじゃ」

ギャロップはラプラスの口から放たれる、激しい勢いの水をかわし、上へと跳んだ。

「かわされましたけど、空中にいては自由に動けないはず。だから、こっちが有利です。ラプラス、空中にいる、ギャロップにハイドロポンプです!」

ラプラスは空中を飛んでいる、ギャロップに再び、ハイドロポンプを発射しようとします。

「くっくっくっ」

「何がおかしいんですか?」

「浅はかじゃな」

「!?」

ギャロップはラプラスと目を合わせます。すると、ラプラスは

「Zzzz」

と寝始めました。
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:17:35.94 ID:pLulvVGw0
「これはさいみんじゅつ!?」

「フォッフォッ。弱点をつけたと油断したかな。フィールドもごく普通じゃしな。フィールドを利用していくことも出来ないとなれば、弱点を突いていれば、いいと安心したんじゃろう」

「くっ!?」

たしかにそんな部分もあったと思いますが……。

「寝てしまえば、こっちのもんじゃ。ギャロップ」

落下してくる、ギャロップはラプラスの上に着地します。そして、ラプラスを何度も、踏みつけます。

「ラプラプ」

ラプラスはようやく目を覚ますも、だいぶダメージがたまっています。

「今頃、目を覚ましても遅いぞ。ギャロップ」

「ロップ」

ギャロップは少し、距離をとり、炎をまとって、ラプラスに突進を仕掛けてきます。

「ギャロップ、フレアドライブ!」

ラプラス、ハイドロポンプで応戦です!」

ギャロップは炎をまとい、突進をしつつ、ラプラスの攻撃をかわし、ラプラスに命中し、そのまま、ラプラスは気絶しました。

「ラプラス戦闘不能。ギャロップの勝利です。カツラに1ポイント。1対0」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:18:08.98 ID:pLulvVGw0
「どうじゃ、わしのギャロップは」

「……」

「驚きで、声も出ないか」

「す、すごいですね」

「ん?」

「あそこから、さいみんじゅつを出すなんて、びっくりしました」

「……ほう(こやつ、動じてないな)」

「次は負けませんよ」

「楽しみにしてるぞ」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:18:48.17 ID:pLulvVGw0
「では、次のポケモンを」

「はい。来てください、ポリゴン2」

「次はこいつじゃ、キュウコン」

相手はキュウコンですか。しかし、カツラさんのさっきのポケモンから、考えても、さいみんじゅつには気をつけるべきですね。とりあえずは、様子見ですね。

「どうした、かかってこないのか」

「……」

「まあ、さっきのギャロップを見て、とりあえず、様子見といったところか」

くっ、読まれていますね。

「そっちがこないなら、わるだくみでもするかの」

「あずにゃん、あのおじいさん、悪いことする気だよ」

「違いますよ。わるだくみというのは自分の特殊攻撃力をあげ……しまった!?ポリゴン2、攻撃を……」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:20:16.02 ID:pLulvVGw0
「遅いぞ、キュウコン、だいもんじ!」

キュウコンは大の字をした炎をポリゴン2に向けて、発射し、ポリゴン2は真っ黒に焦げてしまいました。

「ああ〜、ポリ太〜」

「くっくっくっ、いちゃついてる間に、ポリゴン2がやられてしまったな」

「べ、別にいちゃついてなんか……」

「じゃが、さっきの言葉に反応しなければ、まだ、ポリゴン2はやられなかったぞ」

「ま、まだ、ポリゴン2は負けてません」

「時間の問題じゃがな。じゃが、いずれにしても、今のは大きいなあ」

「ご、ごめんね、あずにゃん、ポリ太〜。シクシク」

「別にゆい先輩のせいじゃありませんよ」

「(ふう〜。別にこんなことをしたくはないんじゃが、最後のゆい君にまわすのは、得策ではない。こうやって、精神に揺さぶりをかけて、こ
の戦いを勝てばいいのじゃ。仮に負けても、ゆい君を動揺させれば、まだ、勝てる可能性があるしのう)ほれほれ、じゃれている場合じゃないそ、キュウコン、オーバーヒート!」

キュウコンはフルパワーで、ポリゴン2に向かって、突撃してきます。

「ポリッ」

ポリゴン2はその攻撃を受け、飛ばされて、倒れます。

「ああ、ポリゴン2!」

「また、ゆい君のせいで、指示が遅れてしまったのう。まあ、これで、終わりじゃ。勝負はまた……」

「あうう〜」

「……まだ、終わってませんよ」

「ポリ!」

「……ほう。あの技を受けて、立ち上がるか」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:23:32.83 ID:pLulvVGw0
「それはそうですよ。だって、ほのおタイプの技の威力は……半減しますから」

「? そのポケモンはポリゴン2じゃろ。そんなはずは……まさか……」

「そうです!さっきのだいもんじの後で、テクスチャー2を使っていたんです!」

テクスチャー2は最後に自分の受けた技に抵抗できるように自分のタイプを変化させる技です。だから、今の炎の攻撃の威力も減ったわけです。

「くっ。だが、まだ、こちらが有利じゃ。キュウコン、だいもんじ」

「ポリゴン2、まもる!」

キュウコンのだいもんじを一度だけ、壁を張り、無効にします。

「そして、十万ボルト!」

ポリゴン2は自分の体から電気を放出し、キュウコンを攻撃します。

「キュ〜」

キュウコンは体がビリビリとしびれているようで、動きが鈍くなっています。

「キュウコン!」

「今です!ポリゴン2、はかいこうせん!」

ポリゴン2はエネルギーをため、動きの鈍い、キュウコンにつよいこうせんを発射します。

「グハッ」

キュウコンはそれを直撃し、気絶しました。

「キュウコン戦闘不能。ポリゴン2の勝利です。梓に1ポイント。1対1」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:29:19.98 ID:pLulvVGw0
「どうですか、これで、ゆい先輩のせいで負けじゃありませんよ」

「あずにゃ〜ん」

「やりおるな」

「さあ、いきますよ、ゆい先輩」

「うん!私、頑張って、名誉を返上するよ」

「それをいうなら、名誉挽回です。名誉を返上してどうするんですか」

「おお、そうだった」

「ならば、ワシはブーバーを出すかのう」

相手はブーバー。ゆい先輩なら大丈夫でしょう。

「さて、今日はどうしようかな」

う〜ん、と悩みこむ、ゆい先輩。

「今のうちに先制じゃ、ほのおのパンチ!」

ブーバはゆい先輩に炎をまとった拳を叩き込もうと、ドシドシと走ってきます。

「う〜ん」

「ゆい先輩、ブーバーが来ますよ!」

「仕方がない、今日はこれでいこうかな」

「ゆい先輩!」

ブーバーの拳がゆい先輩に迫ります……が

ガシャーン

ゆい先輩はブーバーの拳をギー太で受け止めました。
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:30:28.44 ID:pLulvVGw0
「ああ、ギー太。よくも、ギー太を……えいっ!!」

ゆい先輩はギー太をブーバーのおなかに叩き込みます。

「グバッ」

ブーバーはその攻撃で、1メートルくらい飛ばされ、尻餅をつきます。

「まったく、プンプンだよ」

「いや、今のは、ゆい先輩のせいじゃ……」

「とにかく、始めるよ。ゆいちゃん真拳奥義『テニスのお姫様』」

「なんか、いろいろと問題のありそうな名前ですね」

ゆい先輩は手から、光の玉を出します。

「これは私の体内から、あずにゃん分を取り出した、エネルギーの玉。これを相手に当てることでダメージを与えることが出来るんだ」

「へー、それはすごいですね」

「そのかわり、私の活動エネルギーの減りも早くなるのが難点なんだけどね。さてと」

ゆい先輩はその玉をパンパンと地面にバウンドさせ、ギー太を構えます。

「いくよ、ギー太」

ゆい先輩はその玉を上に投げます。

「いくよ、トリャーー」

ゆい先輩はギー太に光の玉を当てブーバーに向かって、飛ばします。しかし、その玉はブーバーの手前に落下しました。

「残念じゃが、その技はしっぱ……」

「まだだよ」

その光の玉はすごいスピンにより、ブーバーの顔面に向かっていきます。

「これぞ、ツイストサーブ」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:31:07.29 ID:pLulvVGw0
フンスと胸を張る、ゆい先輩。そして、ブーバーの顔面に当たった光の玉はやまなりにゆい先輩の方に飛んできます。

「そして、ダンクスマッシュ!!」

その光の玉を思い切り叩きつけるように、ブーバーに飛ばします。

「グハッ」

その玉はブーバーのおなかに直撃します。

「これがゆい君の実力か」

「すごいでしょ〜」

「あと少しですよ、ゆい先輩」

「任せなさいな。出てきて、ゆいぐるみ〜」

ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:32:30.11 ID:pLulvVGw0
「さてと。実は前回のサムちゃんの戦いで、一つ、覚えた技があるんだよね」

「へー、ゆい先輩でも、そういうのを考えてるんですね」

「失礼だよ、あずにゃん」

「そうですね、すいません」

「では、……皆ー、踊ろう。うんたん♪うんたん」

ゆい先輩の掛け声で、ゆいぐるみはカスタネットとともに踊りだします。

「へー、たくさんの数でやるのも、かわい……じゃなくて、これのどこがハッサムから、学んだんですか」

「まあまあ、落ち着いて。これはつるぎのまいだよー」

そんなことをしてる間に、ブーバーは起き上がります。

「ブーバー、今のうちじゃ、もう一度、ほのおのパンチ!!」

「ブバ!……ブバ!?」

ブーバーはほのおのパンチをゆい先輩に与えるべく、突撃しようとしましたが、足元にはゆいぐるみがたくさんいました。

「皆、いっせいの……」

ゆいぐるみはブーバーの足を持ちます。

「せー!!」

ゆい先輩の掛け声で、ブーバーの足を持っていた、ゆいぐるみはブーバーを上に放り投げます。

「次は私を頼むよー」

ゆいぐるみはゆい先輩を持ち上げます。そして、ブーバーの落下に合わせて、ゆい先輩を落下する、ブーバーに向かって、投げます。

「ひゃー、これに回転も加えるよー」

ゆい先輩はゆいぐるみに弾丸のように投げられ、そのうえ、自分で回転を加えて、ブーバーの背中に向かって、突撃します。

「くらえ、。ゆいちゃん真拳超奥義『ゆいちゃん☆マグナム』」

「グバッ」

ゆい先輩は頭から、ブーバーの背中に激突し、壁まで飛ばされ、壁に激突した衝撃で、煙が巻き起こります。
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:34:25.77 ID:pLulvVGw0
「目が回ったよ〜」

煙の中から、眼をグルグル回しながら、ゆい先輩が出てきました。

「ブバ」

その後に、ドサッという音ともに、ブーバーが倒れました。

「なるほど、つるぎのまいで、ゆいぐるみの攻撃力も上がっているから、ゆい君を飛ばす勢いも上がっている。それに加えて、ブーバーを攻撃
した、ゆい君の攻撃力が上がって、ブーバーに与えるダメージも倍になる。つまりは4倍以上の力を引き出したわけじゃな。あっぱれじゃ」

「ブーバー戦闘不能。ゆいの勝利です。 梓に1ポイント。2対1。よって、梓の勝利です」

「ハラホロヒヘ〜。あずにゃん、私、頑張ったよ〜」

「まずは落ち着いて下さい。というか、まだ、目を回していたんですか」

それにしても、初めて出会った時から、比べて、だいぶ強くなりましたよね。一体、この成長は何なんでしょうね。才能なんでしょうか。

「あずにゃ〜ん、抱っこ〜」

「はいはい」

……とても、才能があるようには見えませんが。

「すまんのう、梓君」

「何がですか?」

「いや、最初の方にいろいろと言ったことじゃ。すまん」

「そ、そんなに謝らなくてもいいですよ。気にしてませんし」

「本当はあれで動揺してくれれば、と思ったんじゃがな。お前さん達はすごいトレーナーじゃ」

「ありがとうございます」

「それじゃ、クリムゾンバッジをあげようかのう」

カツラさんは私にバッチを手渡します。
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:35:58.27 ID:pLulvVGw0
「これで、後1個だね、あずにゃん」

「はい!」

「どうじゃ、ちょうどいい時間だし、昼飯にでもせんか?奢ってやるぞ」

「それはわ……」

「え、いいの!?」

「ちょ、ゆい先輩」

「どうしたの、あずにゃん」

「少しは遠慮というものを」

「でも、奢ってくれるって言ってるし」

「それはそうですけど」

「まあまあ、遠慮するでない。そのかわり、今までの旅のことを話してくれればいいんじゃ」

「それくらいなら、お安い御用だよ。だから、美味しいものを……」

「もう、ゆい先輩ったら。分かりました。お付き合いします」

私達がジムの外に出ようとすると、

「待って下さい、カツラさん」

というジムの職員の声がありました。
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:36:50.77 ID:pLulvVGw0
「なんじゃ。お前さんも奢ってほしいのか」

「そうじゃありません。緊急の電話です。今、大変なことになっているので」

「大変なこと?」

「とにかく、電話に出てください」

グレンジムのメンバーさんがカツラさんに電話を渡します。

「何だろうね」

「とにかく、まちましょ……ん?」

私の携帯にも着信がありました。着信名は……エリカさん?

「もしもし、どうしたんですか、エリカさん」

『大変なんです。今、どこにいるんですか?』

「今ですか。グレンジムに……」

「何じゃと!!」

突然、カツラさんが大きな声を出します。

『今の声は何ですか?』

「カ、カツラさんにも電話があって……」

『カツラさんがいるということはグレンジムにいるんですか』
「ええ。それよりも、何があったんですか?」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:38:02.86 ID:pLulvVGw0
『ヤマブキシティにロケット団が攻めてきたんです』

「ロケット団が!?」

『はい。それで、今回はジムリーダの私達にも、出動要請が出ているので、よければ、協力してほしいんです』

「でも、私なんかが行っても……。警察とかの方が……」

『今回はロケット団の人数も違いますし、幹部などの強い連中も来ています。敵も本気ということでしょう。なので、1人でも多くのトレーナーが必要なのです。それにこれはロケット団よりも、恐ろしいのですが……』

エリカさんは一息ついて、こう言いました。

『実はロケット団の他に伝説のポケモンの2匹、フリーザとファイヤーが出て、暴れているんです』

「伝説のポケモンですか!?」

『ええ。それを止めるためにも、強いトレーナーの力が必要なんです』

「なるほど、分かりました。すぐに……」

ん?ちょっと、待って下さい。伝説のポケモンはフリーザ、ファイヤー、そして、サンダーの3匹のはずです。もう1匹はどうしたんでしょうか。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:38:55.49 ID:pLulvVGw0
『どうしたんですか、梓さん。私も行かなければならないので……』

「あ、いえ、大丈夫です。それでは私もすぐに行きます」

『よろしくお願いします』

私は携帯をきります。

「どうしたの、あずにゃん」

「実はかくかくしかじか」

「なるほど」

「梓君にも電話があったか」

カツラさんも電話が終わったようで、私に話しかけてきます。

「はい」

「では、理由は分かっていると思うが、残念ながら、食事はなしじゃな。お前さんはどうするんじゃ?」

「もちろん、行きます」

「ではポケモンセンターで回復やメンバー調整をしてから、ヤマブキシティに向かおう」

「そんな、悠長にしていて大丈夫ですかね」

「慌てて行っても仕方がないじゃろ。万全の準備をしておくべきじゃ」

たしかに、そのとおりですね。

「では、早速ポケモンセンターに……」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/25(月) 06:39:49.06 ID:pLulvVGw0
その時、事務のドアがバンッと勢いよく開かれました。そこには、何人かの男の人が入ってきました。

「どうしたんじゃ。悪いが、挑戦者はおことわ……」

「大変だ、こ、この島にロケット団とサ、サ、サンダーが」

「え!?」

「なんじゃと!?」

私達が外に出ると、そこには、黄色と黒の鳥ポケモンが飛んでいました。

「ど、どういうことですか、なんでここにサンダーが……」

「まあ、なんにしても、敵も本気だということじゃな」

「そうですね」

私はこの戦いがロケット団との最後の戦いになるでしょうね。そんなことを思いながら、サンダーのいる空を見上げました。
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/07/25(月) 06:40:39.32 ID:pLulvVGw0
グレンタウン編C 「VSカツラ」 終了
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/25(月) 18:34:43.70 ID:L/YC1kBDO
乙!!

次回が楽しみだ
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/26(火) 00:36:22.52 ID:/6hbmEB+o
乙ー
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:05:53.21 ID:ItQ3i7dY0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ  ガルーラ ハクリュウ ポリゴン2 プテラ ラプラス

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー

VSロケット団編@ 「ポケモンセンターへ」 以下、投下
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:06:58.69 ID:ItQ3i7dY0
今回のメンバー ゆい ハッサム ラプラス ヘルガー ニューラ ポリゴン2

「とにかく、まずはポケモンセンターに行かないといけませんね」

私の手持ちのうち、ゆい先輩を抜いても、ラプラスとポリゴン2は厳しいですし、ここを抜けるにも、プテラが手持ちにいませんしね。

「じゃが、問題は……」

「ええ」

上空にいるサンダーと下に迫ってきている、ロケット団ですね。今はなんとか、他のトレーナーの方々が進行を止めてくれているので、何とかなっていますが。

「それにしても、どうして、サンダーがここに。ヤマブキで一気に攻めた方が……」

「たしかにのう。思うに、お前さんをここに足止めしときたかったんじゃないかな」

「どうしてですか?」

「シオンの事件を解決したのはお前さん達じゃないのか?」

「まあ、そうですけど」

「じゃから、ここで足止めをしておくのが無難な選択じゃ。もし、倒せれば、それはそれでいいじゃろ」

「たしかに。でも、そこまでして、私を止める意味はあるんですかね」

「梓君を止めたいんじゃなくて、ゆい君を止めたいのかもしれんのう」

「ほえ、私?まっさか〜」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:08:03.51 ID:ItQ3i7dY0
「いやいや、ゆい先輩はそれに値するポケモンですよ」

「あずにゃんまでそんな〜。照れますな〜」

クネクネと顔を赤らめるゆい先輩。そりゃ、何をしてくるか、トレーナーの私ですら、分からないんですから、相手なんか、もっと分からないでしょうし、警戒は当然でしょうね。

「いたぞ!ツインテールのガキと幼稚園児のクソガキだ。捕獲しろ」

私達がグレンジムの前で、そんな話をしていたら、ロケット団の連中の姿が見えました。

「やばい、のんびりしすぎた。こっちから……」

逆のほうを見ると、そっちからもロケット団の連中の姿が。

「くっ。一旦、ジムに戻るんじゃ」

私達はジムの中に逃げ込み、カツラさんはドアに鍵をかけます。

「さて、梓君」

「なんですか」

「ドアに鍵をかけても、おそらく、すぐに突破されるじゃろう」

「……」

「じゃから、ここはワシ達が囮になる。その間に、裏口から逃げるのじゃ」

「それじゃ、カツラさんは……」

「大丈夫です!」

私の後ろにカツラさんのジムに所属するトレーナーの方々が話に入ってきました。

「安心してください。私達も戦います」
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:08:48.92 ID:ItQ3i7dY0
「でも、私のために皆さんが危険に……」

「これは梓さんのためだけじゃありません。僕はこの島の出身なのですが、あんな連中にこの島やジムを好き勝手にされたくないだけです」

「ほっほう、頼もしい言葉じゃ。どうじゃ、梓君。こやつを彼氏に……」

「駄目だよ!あずにゃんは私のなんだよ」

「そうか、そうか。残念じゃ、もう、振られてしまったのう。これで、何連敗じゃ?」

「も、もう、カツラさん」

ジムに所属するトレーナーさんとカツラさんに笑いが起きます。

「こら!!サッサと開けろ!!!」

ドアをドシドシと蹴る音がします。

「おっと、のんびりしてる場合じゃないな。これで分かったじゃろう。ワシ達は大丈夫じゃ」

「……カツラさん。分かりました。皆さんを信じます」

「うむ。では、裏口まで案内してやれ」

「はい。……こっちです」

「カツラさん」

「なんじゃ」

「もう一度……戦いましょうね」

「……ああ。頑張るんじゃよ」

「はい!」

私はカツラさんに背を向け、駆け出しました。
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:09:33.33 ID:ItQ3i7dY0
梓が裏口に駆け出した後、ドアがガチャンとドアが蹴破られた。

「これはこれは、ジムリーダーのカツラさん。ツインテールのガキはどうした?」

「もう、ここにはいないぞ」

「そうかい。まあ、いないなら残念だが、カツラのじいさんだけでも、潰しておくか」

「……すまんのう」

カツラはロケット団ではなく、自分のジムに所属するトレーナーに言う。

「こんなジジイと心中は嫌かもしれんが、悪く思わんでくれ」

「……思う必要はないでしょう」

「そうですよ、勝つんですから」

「フッ。ではいくかのう」

カツラを先頭にトレーナー達は自分達の倍以上もいるロケット団に向かっていった。
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:10:33.21 ID:ItQ3i7dY0
「大丈夫かな、カツラさん達」

「今はそれを信じましょう」

私達はヘルガーにまたがり、ポケモンセンターに向かっています。

「それよりも、私達のすべきことです」

「えーと、なんだっけ?」

「まったく、ゆい先輩は。私達はサンダーを倒すんですよ」

「いつも、思うけど、無茶だよね。ただの女の子なのにさ」

「それは思いますけどね。……ヘルガー、止まってください!」

私はヘルガーを止めます。というのも、前には……。

「ロケット団!」

ロケット団が5人くらいいて、それぞれ、ニドキング、ニドクイン、オコリザルが10匹くらいずついて、私の行く手をさえぎります。どうしますか、中央突破か、迂回して逃げるか。でも、ノロノロしてるとポケモンセンターもやばいですし。

「ここは中央突破です。皆、来てください!」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:11:30.62 ID:ItQ3i7dY0
私は手持ちのハッサムとニューラ、そして、さっきの戦いで体力が万全ではないポリゴン2を出します。

「くくく、たった、5匹で30匹もいる俺達を突破できると思っているのかな?」

「やってみなければ、分かりませんよ」

「上等だ。こっちは力押しでいくぜ。いけっ、お前ら」

その言葉を合図にオコリザル達が突撃してきます。

「こっちも、迎え撃ちます!」

「私も応援するよ!」

皆、いつでもいいとばかりにやる気を見せています。

「ザルザル!」

オコリザルが足に力をため、メガトンキックをニューラに繰り出します。

「ニュラ(サルの癖に生意気な奴だ)」

ニューラはそれをひらりとジャンプで避けて、オコリザルの背後に回り、オコリザルの背中を切り裂きます。

「ザル!」

オコリザルは背中から、血を噴出し、倒れます。

「ニュラ(さあ、次はどいつだ)」

ニューラはオコリザルのほうを向き、挑発をしているようです。
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:12:41.49 ID:ItQ3i7dY0
「さすがはニューラですね」

「そうだね」

「ゆい先輩も戦いましょうよ」

「私は切り札だもん。それよりも、早く、ここを出発しなきゃね」

「そうですね、敵も集まってくるかもですし。……やっぱり、ゆい先輩が戦った方が早い気もしますが」

「無理だよ」

「なら、仕方がありませんね」

「ポリ!」

その時、バシンという音ともにポリゴン2が飛ばされてきます。

「ポリ太!」

「戻ってください、ポリゴン2!」

やはり、カツラさんとの戦いのダメージが大きいですね。

「クイン!」

ニドクインは咆哮を上げ、こちらに向かってきます。

「ヘル!」

ヘルガーは私に向かってなにやら、ほえ始めます。

「どうしたんですか?」

「私が戦うから、いったん、降りてだって」

「……分かりました。頼みましたよ、ヘルガー」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:13:40.07 ID:ItQ3i7dY0
私はヘルガーから降りて、急いで、その場を離れます。

「このままじゃ、不利ですね」

皆、頑張ってくれていますが、そもそもの数が違います。

「サム!」

私が不安そうにしていると、ハッサムが2匹目のニドキングを倒しました。

「おおっ、さすがはサムちゃん。あずにゃん、不安そうにすることないよ。皆、とっても、強いもん」

「ですね」

「たしかに、あのハッサムは強いな」

「ああ。……だが、これまでだな」

「強がりですか?一体何を言って……」

んです?と言おうとしたところに、ハッサムに向かって、ビシャーっと、稲妻が落ちます。

「サムーーーー」

鋼鉄の体を持つ、ハッサムも黒焦げになり、膝をつきます。

「い、一体何が……」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:14:52.26 ID:ItQ3i7dY0
「上を見てみな」

私が上を見てみると、そこには……。

「サンダー!!」

上空には無差別に雷を落としている、伝説のポケモン……サンダーがいました。

「今の攻撃はサンダーの……」

「そのとおりだ。お前が無駄な抵抗をするから、サンダーは無差別に雷を落としているんだ」

「……サム」

なんとか、立ち上がろうとする、ハッサム。

「無駄だ。さっきまでの仕返しをしてやれ、ニドキング」

「キング!」

ニドキングはハッサムを上に放り投げ、その大きくて硬いツノで思い切り、突き刺す技、メガホーンを放とうとします。

「このままじゃ……」

「私に任せ……ひゃー」

ハッサムを助けに行こうとしたゆい先輩は他のニドキングに摘み上げられます。
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:16:03.37 ID:ItQ3i7dY0
「は、離してー」

ジタバタと暴れるゆい先輩。

「お前はこれから、ご主人様のあられもない姿を見ることになってんだよ」

いつの間にか、ロケット団の連中が私に近づいてきます。

「あ、あずにゃんに何をする気だー。変なことしたら許さないぞー」

ジタバタ

「おお。怖い、怖い」

「うう、サムちゃーーん」

ゆい先輩は大きな声で叫びます。

「……サム!」

突如として、やられるのを待っていた、ハッサムの目に光が戻り、その硬いハサミで敵を攻撃する技、メタルクローを落下を待っている、ニドキングに攻撃します。

「キング!」

ニドキングもメガホーンで対抗します。

ガッシーン

お互いのハサミとツノが激突します。
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:17:02.25 ID:ItQ3i7dY0
「……キング」

ニドキングのツノがガラスのようにビキビキとひび割れ、粉々になり、倒れました。

「……サム!」

ハッサムは怒りの目で私達の方……ロケット団とニドキングを睨みます。

「ひっ」

「落ち着け。まだ、こっちには7匹のニドキングがいる。あんな手負いのハッサムごときでは相手にはならん」

「じゃあ、私のサワムラーはどうだ?」

そんな声とともに、私に一番近づいていた男が何かに蹴り飛ばされます。

「り、律先輩」

私がその方向を見ると、律先輩とサワムラーが立っていました。

「あ、りっちゃん。こっちも助けてよー」

「くそ。ニドキング、そいつをサッサと倒せ」

「ええっ!?」

ニドキングはさっきのハッサムにやったように、ゆい先輩を放り投げます。

「ひゃー、あずにゃーん」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:18:01.19 ID:ItQ3i7dY0
「ゆい先輩!!律先輩、ゆい先輩を助けなきゃ」

「落ち着けよ、梓。ゆいがあれくらいでやられるか?」

「……それもそうですね」

「ええっ!?ひどいよ、2人とも!」

そんなことを言ってるうちにニドキングまで、落下してきます。

「もう!こうなったら、ゆいちゃん真拳奥義『アイス☆ミサイル』」

ゆい先輩はアイスをどこからか取り出し、ニドキングの目に向かって、落とします。

「キング!」

ニドキングは目を押さえて、うずくまります。

「律先輩!」

「はいよ」

律先輩はサワムラーに命令し、サワムラ−はうずくまっているニドキングを蹴り飛ばし、ゆい先輩を回収します。

「わーん、怖かったよー」

「よしよし」

私はゆい先輩の頭をなでてあげます。

「くそが。こうなったら、ニドキング6匹、全部で……」

「それは無理だろう」

「は!?」

「後ろ」

「……キング」

背後で、5匹目のニドキングがハッサムによって、倒されました。
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:19:02.37 ID:ItQ3i7dY0
「何だと!?」

「すごいです、ハッサム!」

「だが、まだ、オコリザルが……」

「……ザル」

その言葉と同時に8匹目のオコリザルが倒れました。

「おおっ!ニュー太もすごい!」

「ならば、ニドクイン!」

「クイン」

ヘルガーも頑張って、4匹は倒し、1匹と戦っていますが、残りの5匹のニドクインがこちらに向かってきます。

「でも、5匹じゃ足りないだろ。その程度の強さじゃ」

「う、うるせえ!」

「だが、ここは退いた方がいい」

「ああ。ツインテールのガキなら、このまま、押し切れるがもう1人はさすがに」

「たしかに」

「応援はどうした」

「今、ここにいるトレーナーの妨害にあっている」

「なら、一旦、退くぞ」

「おお!」

ロケット団の連中はポケモンを回収して、逃げていきました。
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:21:06.37 ID:ItQ3i7dY0
「まったく、腰抜け共だな」

私がハッサム達をボールに戻している時に、律先輩が話しかけてきます。

「ありがとうございます、律先輩。危ないところでした」

「ん?気にするなよ、ピンチの時はお互い様だろ」

「……そうですね」

「ところで、梓達はどうして、ここに?」

「私達はグレンジムに挑戦に来たんです。律先輩は?」

「実はあずにゃんの様子を見に来たとか、だったりして〜」

「まさか〜」

「実はそうなんだ」

「はい?」

突然、律先輩は私を抱き寄せます。

「!?」

「ちょ、律先輩」

「嫌か?」

「嫌とかじゃなくて……」

「会いたかったよ、梓」

「わ、私は……えーと」

というか、顔が近すぎですよ、律先輩。

「駄目だよ!!」

バーン、とゆい先輩に体当たりをされます。

「な、な、な、なんのつもり、りっちゃん!!」

「何って、冗談だよ、冗談。大体、ゆいが変なことを言うからそれにのっただけだよ」

「のりすぎだよ!」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:22:06.98 ID:ItQ3i7dY0
ふう〜、ゆい先輩のおかげで助かりました。まだ、心臓がドキドキしてます。まったく、律先輩は…。

「本当はふたごじまに伝説のポケモンの1匹、フリーザを見に来たんだよ。もう、ポケモンリーグにエントリーして暇だったし」

「……」

「でも、いなくてな。やっぱり、伝説のポケモンはなかなか見つからないもんだな、と思って、カツラさんともう一度戦おうかと思って来たん
だが、こんな状況だったんだ」

「……」

「一体、何があったんだ?」

「実は……」

これまでのことを律先輩に説明します。

「なあ、1ついいか」

「なんですか?」

「この大馬鹿野郎」

「なんですか、突然。それに、律先輩に言われたくありません」

「その話なら、こんなところでのんきに話してる場合じゃないだろ」

「まあ、そうですけど……って、早く、ポケモンセンターに行かなきゃ」

私はヘルガーにまたがります。
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:23:37.22 ID:ItQ3i7dY0
「私も行くよ」

律先輩はリザードンを出します。

「律先輩。上空に出ると、サンダーに……」

「低空飛行で行くに決まってるだろ」

「そうですよね。さあ、行きますよ、ゆい先輩」

「ムスー」

ゆい先輩はほっぺを膨らませて、ご機嫌斜めのようです。……そんな姿もかわ……いやいや、今は見とれてる場合じゃないです。

「ほら、行きますよ、ゆい先輩」

私はゆい先輩を抱き上げ、ヘルガーにまたがり、出発します。

「なにさ、なにさ。プンプン」

「機嫌を直してくださいよ」

「つーん」

「すっかりご機嫌斜めだな」

「誰のせいだと思ってるのかな」

「すまんすまん。……それより、ポケモンセンターだぞ」

「ええ」

私達がポケモンセンターに到着すると、ロケット団とトレーナー達との熾烈な争いのあとがありました。今は何もなく、静かなようですが……。

「やはり、ロケット団もここも狙ってきたんだな」

「そうみたいですね。大丈夫でしょうか」

「外にロケット団もいないし、大丈夫だろ」

「でも、シャッターが閉まってますから、入れなさそうですね」

「そうだな。……ここは呼びかけてみるか」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:25:56.04 ID:ItQ3i7dY0
律先輩はそう言うと、ドアを叩きます。

「おーい、中に誰かいるかー」

ガシャンガシャンとシャッターが揺れますが、中から誰か出てくる気配はありません。

「つーん」

「いい加減、機嫌直してくださいよ」

「なんだ、ゆい。まだ、機嫌直ってないのか」

「誰のせいだろうねー」

「まったく……、おい、梓。かわりに呼びかけてくれ」

「はい」

「さてと。……ほれ」

律先輩はゆい先輩を抱き上げます。

「わっ、り、りっちゃん」

「これで平等だろ」
「……」

「うーん、たまにはあずにゃん以外に抱かれるのもいいね」

「!?」

「だろ?どうだ、私のポケモンにでもなる……」

「ここまでです!!」

私は律先輩から、ゆい先輩を取り上げます。

「いつまでも、遊んでいる場合じゃありません。サッサと中に入らないと」

「……」

「どうしたんですか、ゆい先輩」

「あずにゃん、やきもち?」

「なっ!ち、違います。そんなわけありません!」

「ええー、私はさっきやきもち焼いてたのに、あずにゃんはやいてくれないんだー」

「うっ、さっきのはやきもちですか」

「うん!あずにゃんとお揃いだね!」

「わ、私は違います」

「えへへ〜、でも、顔真っ赤〜」

「もう!」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:26:58.93 ID:ItQ3i7dY0
「……」

「どうしたんですか、律先輩」

「……いいや。それよりも、ポケモンセンターには入れないみたいだし、どうするか」

「?そうですね〜」

なんだか、一瞬、律先輩が寂しそうな顔をしていたんですけど、気のせいでしょうか。まあ、それはともかくとして。

「なんとか、ここに入らないと、律先輩はともかく、私は何も出来ません」

「さっき以外には手持ちのポケモンはないのか?」

「ええ。カツラさんとのバトル後でしたし。今、戦えるのはニューラとヘルガーとゆい先輩だけですね。ハッサムも戦えるでしょうけど、無理
はさせたくありません」

「じゃあ、どうするか。このまま、シャッターを壊すか」

「それは最終手段で」

その時、シャッターがガチャガチャと上に上がりました。

「あなた達、すぐに中に入って」

「は?」

「早く!」

私達はすぐに中に入りました。そして、すぐにシャッターが下ろされました。

「慌しいな」

「まあ、仕方がないですけどね」

「あなた達はどうしたの?」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:28:08.42 ID:ItQ3i7dY0
私達を中に入れてくれた人……ジョーイさんが話しかけてきます。

「実はかくかくしかじかで」

「なるほど。グレンジムから逃げてきたのね」

「はい。早速ですけど、私のポケモンの回復お願いします」

「任せてちょうだい」

ジョーイさんはゆい先輩を含めて、回復させに行ってくれます。

「ところで、ここにはジョーイさんだけですか?」

「いいえ。こっちに来て」

私達は奥に連れられて行くと、何十人かの人達がいました。

「ロケット団が攻めてきた時、あそこは広いから、戦闘場所にしたいから」

たしかにあそこに人がいたら、戦いづらいですからね。

「それじゃ、回復も終わった頃だろうし、戻りましょう」

私達は回復させたポケモンを受け取り、パソコンに向かいます。

「さて、メンバーをどうしますか。律先輩は?」

「私はこのままでいいよ。じっくりと考えて頂戴な」

「それじゃ、遠慮なく」

さて、どうしましょうか。まず、ゆい先輩は当然として、残りの5匹です。当然に、ハッサムを入れます。サンダーとの戦いもありますから、
プテラも必須です。後は……いろいろなタイプに対応できるイーブイに、素早く動いてくれる、ニューラ。最後の1匹は……。

「うーん」

「じっくりとは言ったけど、なるべく早くしろよー」

「分かってますよ」

最後の1匹は……ハクリューにしましょう。
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:30:02.38 ID:ItQ3i7dY0
今回のメンバー ゆい ハッサム プテラ ハクリュー ニューラ イーブイ

「よし!では、行きましょう、律先輩」

「おう!」

「あなた達はどこに行くの?」

ジョーイさんが私達に聞きます。

「危険なことをするなら、私はあなた達を止めます」

「……なら、戦うしかないな」

「ちょっと、律先輩」

「……本気?怪我とか、もしかしたら、死ぬかもしれないのよ」

「たしかにそのとおりだな。でも、どっちにしても、このままじゃ死ぬんだ」

「……」

「カツラさん達だって、戦ってるんだ。私達だけ、安全な場所に逃げてられるか。それに相手はロケット団だけじゃなく、伝説のポケモン、サンダーもいる」

「……倒せるの?」

「倒せるかはわかんないけど、倒す。私達、2人……いや、3人か、の力で」

「……律先輩」

「……りっちゃん」

「……分かったわ。頑張ってね。無理はしないようにね」

「もちろんだ」

「はい!」

「私に任せてよ〜」

ガシャーン
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/27(水) 19:33:06.27 ID:ItQ3i7dY0
私達が決意を固めていると、ホールの出入り口から、大きな音があり、ドアが破壊され、そこにはロケット団やニドキング、ニドクインなどの姿がありました。

「ロケット団!」

「てこずらせやがって、このガキ達」

「さっきは5人で負けたからな。今度は倍の10人で来た。これで、60匹だ。それに……」

「!?危ないです、ジョーイさん」

私はジョーイさんを庇うように倒れこみます。

ドカーン

ジョーイさんがいたところには雷が落ちてきました。

「まさか、この上空には……」

「そうだ、サンダーは上空にいる。もっとも、屋根で見えないがな。町は大変だぞ。なにしろ、無差別に雷を落としまくってるからな」

「くそっ」

「……律先輩。行きますよ」

私はハクリューを出します。

「おう。足を引っ張るなよ」

律先輩はサワムラーを出します。

「そっちこそ」

「2人とも、頑張ってー」

「ゆい先輩も後で戦うんですよ」

「分かってるよー」

「それじゃ、いくぜ、梓」

「ええ」

私と律先輩はそれを合図に、一歩を踏み出しました。
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/07/27(水) 19:33:58.12 ID:ItQ3i7dY0
VSロケット団編@ 「ポケモンセンターへ」 修了
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/28(木) 19:18:58.30 ID:x11DFszDO
乙!!!
今回の唯がどんな戦い方するか楽しみだ
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/28(木) 23:39:31.76 ID:Giy0eVSso
乙ー
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 16:47:20.50 ID:JfKg9qyB0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ  ガルーラ ハクリュー ポリゴン2 プテラ ラプラス

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー

VSロケット団編A 「夢」
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 16:49:18.63 ID:JfKg9qyB0
今回のメンバー ゆい ハッサム プテラ ハクリュー ニューラ イーブイ

真鍋和

私の父はポケモンを研究する科学者だった。ただ、オーキド博士みたいにポケモンの生態を研究するんじゃなく……。

『これでうまくいけば、新しいポケモンが出来るぞ』

ポケモンの遺伝子操作を研究するものだった。
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 16:50:25.68 ID:JfKg9qyB0
「ここが、父の研究していた場所か」

私はポケモン屋敷跡地を見る。ここにはミュウツーを研究していたポケモン研究家……私の父が暮らしていた。

「昔が懐かしい?」

「……懐かしむような思い出はここにはないわ」

私はAYUの問いに答える。

「ところで、何をしに来たの」

「忘れ物だよ」

「ピカチュウ♪」

家に置いてきたはずのピカチュウが私に飛び込んでくる。

「駄目だよ、お父さんのプレゼントを置いてきちゃ」

「……どうして、こんなことを」

「だって、今日で終わっちゃうかもしれないじゃない」

「……あなたは一体、何がしたいの」

「……詳しくは言えないけど」

AYUは一息入れて、こう言った。

「家族との絆は大切にしなさいな」

絆か。私は再び、昔を思い出した。
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 16:51:26.44 ID:JfKg9qyB0
真鍋和・幼少期

ジョウト地方・ワカバタウン

『お父さんな。カントー地方のグレンタウンで、ミュウの遺伝子を使ったポケモンを作る研究に参加することになったんだ』

『すごいねー』

『だから、寂しいかもしれないけど、ここで待ってるんだぞ』

『うん!』

『それからな、プレゼントだ』

『ピカチュウ♪』

『わー、ピカチュウだー。可愛い』

『お前はポケモンマスターになるのが夢だったな。これで頑張るんだぞ。夢は頑張れば、叶うんだ』

『うん!』
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 16:52:21.48 ID:JfKg9qyB0
『わー、和ちゃん、いいなー。』

『お父さんに貰ったの』

『私もプレゼントしてもらおうかなー』

『無理じゃないかしら、唯には』

『ぶー、私だってもらえるよ』

『まあ、頑張ってね』

『うん!』

それから、数年後、ポケモン屋敷で何かが、暴走し、たくさんの死傷者が出たと報道された。
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:06:12.79 ID:JfKg9qyB0
『私の所で、ポケモンの研究をしないか』

サカキに誘われたのは、私が15歳の時だ。

『お前の父はポケモン屋敷で、ミュウツーの研究をしていただろう。私のところでもしてほしい』

『私にそんな技術はないわ』

私はその場を去ろうとする。

『……お前の家には莫大な借金があるだろう』

『!?』

その言葉に私は足を止める。父は研究をしていて、研究機材などの借金がまだ、たくさんあった。母親が頑張って返しているが決して楽な話ではない。

『それを私が代わりに返してやろう』

『……どうして、そこまで』

『ミュウツーにはそれだけの価値がある。それだけだ。それにお前も興味があるだろう。お前の親父さんがやっていた研究が』

『……』

『で、どうする?』

『……分かったわ』

私はそれを承諾した。
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:06:46.06 ID:JfKg9qyB0
『そっかー。和ちゃんはカントーに行くんだー。寂しくなっちゃうな』

『そうね』

『でも、また、会えるよね。なら、寂しくないかな』

目に涙を浮かべながら、そんなことを言う、唯。おそらく、強がっているのだろう。私が寂しくないように。多分、もう、会う機会もないだろうけど。
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:08:42.20 ID:JfKg9qyB0
「もう、昔を思い出すのはいいかい?」

「……ええ。それで、用は?」

「あの子達が見つかったって。場所はグレンジムの近く。おそらく、ポケモンセンターに向かってるんだろうね」

「……分かったわ。私も向かうわ」

「その子はどうするの?」

「ピカチュウ?」

「……連れて行くしかないじゃない」

「フフフ、頑張ってね」

「あなたは来ないの?」

「私はまだ早いから」

「そう」

私はそう言って、ロケット団の基地に向かった。
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:09:56.66 ID:JfKg9qyB0
ポケモンセンター

「……キング」

サワムラーはメガトンキックをニドキングのおなかに叩き込み、ニドキングは倒れる。

「くそ。一体、何匹いるんだよ」

「知りませんよ。ハクリュー、アクアテール!」

ハクリューは自分の尻尾をニドクインにあらぶる波のように振って、叩きつけます。

「クイン!」

ニドクインはその衝撃で後退しますが、次のニドクインが迫ってきます。

「私達のポケモン2匹じゃ足りませんよ。もう、1匹出しますか」

「そうだな。でも、まだ、強いのは出すなよ。まだ、敵は増えるかもしれないからな」

「分かってます」

「あずにゃん、もう1匹は任せて〜」

「では、これを……」

私はイーブイといしをゆい先輩に渡します。そして、ゆい先輩はボールから、イーブイを出します。

「ブイ太、一緒に頑張ろうね」

「ブイ!」

「今日はこれだよ」

ゆい先輩はみずのいしをイーブイに当てて、シャワーズにします。

「ちぇ。いいな、梓は。こっちは1人で、2匹を操るんだからな。こい、ニョロボン!」

「ニョロ」

「ハイドロポンプだ!」

「ブイ太も負けずにハイドロポンプ!」

2匹のハイドロポンプがニドキング、ニドクイン達に襲い掛かります。

「あの2匹はじめんタイプですから、有効な技ですね」

「だけど、この数が相手じゃな」

あっちを見ると、まだ、15匹くらいいるみたいです。
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:10:51.79 ID:JfKg9qyB0
「これは骨が折れますね」

「しかも、まだ増えるかもしれないからな。どうしたもんか」

「う〜ん……あ、そうだ!!りっちゃん、ニョロボン、借りるね」

「それはいいが、何をするんだ?」

「それは後のお楽しみ!!」

ゆい先輩はニョロボンとシャワーズを近くに呼び寄せます。

「さて、やるよ、ギー太、ブイ太、ボン太」

「いや、ボン太はやめろよ」

「それじゃ、いっくよ〜」

ゆい先輩はギターを鳴らし、衝撃波をニドキング達に繰り出します。

「シャワ」

「ボン」

その後ろから、シャワーズとニョロボンがハイドロポンプをゆい先輩の衝撃波に乗せて、発射します。ゆい先輩の衝撃波にシャワーズ達の水が乗り、ニドキング達にダメージが加わります。その攻撃で、半数近くのニドキング達を倒しました。

「やったね♪どんなもんだい」

フンスと得意げになる、ゆい先輩。
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:11:24.84 ID:JfKg9qyB0
「くそ。やはり、あのガキが問題か」

「どうする」

「いや、あのガキには欠点がある。」

「欠点だと」

「ああ。……ゴニョゴニョ」

「なるほどな」

94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:12:23.38 ID:JfKg9qyB0
「いい加減、しつこいぜ」

「キング!」

律先輩のサワムラーはニドキングを蹴り飛ばします。

「もう、降参しろよ」

「そうですよ」

「私がいるから、あなた達じゃ勝てないよー」

「うるせえ、奴らだ。……さて、次の部隊だ」

ロケット団は残りのニドキング、ニドクインに加え、新しいポケモン、オコリザル、ゴーリキーを加えます。

「チッ、まだ増えんのかよ」

「ふん。増えても問題ないよ。さあ、頑張ろう、ブイ太、ボン太」

「だから、それはやめろよ」

「それはどうかな。お前ら、狙うのは、あのツインテールのガキだ!」

「!?」

ニドキング達は今までは私と律先輩に分散して攻撃してきましたが、今の命令で、全てのポケモンが私に向かって、突撃してきます。
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:13:13.50 ID:JfKg9qyB0
律視点

「あずにゃん!!」

敵は梓に向かって、突撃してくる。一点集中自体は悪くないが奴らの狙いは一体何なんだ。

「落ち着け、ゆい!!冷静にこうげ……」

「あずにゃん、今、助けに行くよー」

ゆいはピョコピョコと、攻撃を放棄し、私に向かって、走っていく。そうか、敵はゆいの動きを封じにきたのか。

「ちょ、ゆい!サワムラー、ニョロボン、ついでにシャワーズ、ゆいを援護だ!」

「「「ムラ(ボン、シャワ)」」」

サワムラーがゆいを援護するべく、横を向いた時、

「キング!」

ニドキングがサワムラーに体当たりを仕掛けてくる。

「サワムラー、くそ。ニョロボン!」

「ボン!」

ニョロボンはゆいの方に向かっていたのを転換し、サワムラーに攻撃していたニドキングにハイドロポンプを繰り出します。

「まったく、あいつらもなかなかやるな。梓への集中攻撃で、バランスが崩れちまった。サワムラー、ニョロボン、頼むぞー」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:14:27.49 ID:JfKg9qyB0
梓視点

「ハクリュー、アクアテール!」
「リュー」
「ザル!」
ハクリューの尻尾で、オコリザルに攻撃し、オコリザルはダウンします。
「ハア……ハア……」
もう、ハクリューも疲れてきてます。そろそろ、交換すべきでしょうか。
「あずにゃ〜ん」
「ゆい先輩!」

ゆい先輩は小さい体で、ピョコピョコとこっちに向かって、走ってきます。

「今だ、ニドキング!」

「ニド!」

ニドキングは方向を転換し、私に向かってくるゆい先輩を横から、襲い掛かります。

「ゆい先輩、横です!」

「横?ほわっ!」

ゆい先輩が横を向いた時にはニドキングの鋭い爪が迫ってきます。

「ゆい先輩!」

「ひゃー」

「シャワ!」

ゆい先輩に襲い掛かろうとしたニドキングは突如として横から、激流のような水に飛ばされます。

「シャワーズ!」

「ブイ太!」

「シャワ(背中に乗ってください)」

「うん!」

ゆい先輩はシャワーズの背中に乗って、こっちに向かってきます。

「あずにゃ〜ん、無事だったかい。心配したよ〜」

ゆい先輩が私に抱きつき、シャワーズはハクリューの攻撃に加勢します。

「まあ、見てのとおり無事ですが」

「梓!油断するな!」

「ザル!」

オコリザルがハクリュー達の攻撃を避け、横から突撃してきます。

「しまった!」

オコリザルは両手を交差させる技、クロスチョップの体勢で私達に向かってきます。
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:15:48.49 ID:JfKg9qyB0
「リュ!」

「キャッ!」

ハクリューは私を突き飛ばし、オコリザルの攻撃を代わりに受けます。

「ハクリュー!」

「ザル」

オコリザルはこちらに標準を向けます。

「このサルが!サワムラー、とびひざげり!

律先輩のサワムラーのとびひざげりがオコリザルの横に命中し、壁まで飛ばされます。

「大丈夫か、梓」

「はい」

「りっちゃん、かっこいい!」

私はハクリューのところに駆け寄ります。

「よくやりましたよ、ハクリュー」

私はハクリューの頭をなでてあげます。すると、ハクリューの体が光り輝きました。こ、これは……。

「進化か、梓!」

「そうみたいです」

光が収まると、そこには進化した、カイリューの姿が。

「リュー」

「やりましたよ、ゆい先輩!!カイリューに進化しました」

「サファリの園長さんが持っていたのと同じだね」

「リュー!」

カイリューはロケット団の集団の方を向き、口にエネルギーをためます。この技は……。

「リュー!!」

カイリューはロケット団に向かって、はかいこうせんを発射します。

「かわせ!」

ロケット団の連中は横に飛び、なんとか避ける事ができましたが、ほとんどのポケモンは今の攻撃で全滅してしまいました。
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:16:59.99 ID:JfKg9qyB0
「くそ。一旦、退くぞ」

ロケット団の連中はそそくさと逃げ出します。

「リュウ〜」

「あれれ、動きが鈍くなってるよ、リュウ太」

「はかいこうせんを出すと、反動で動きが鈍くなるんですよ。戻ってください、シャワーズ、カイリュー」

「へー」

「なあ、梓。今の攻撃はよかったんだが、これはやりすぎだ」

律先輩の目線の先には跡形もないポケモンセンターの玄関が。

「……ですよねー」

「さて、サンダーを倒しに行くか」

「……楽しそうですね」

「そりゃ、伝説のポケモンと戦える機会なんて滅多にないしな」

「……そうですね」

「待ちなさい!」

ジョーイさんが私達を止めます。

「何ですか?」

「最後にもう一度、回復していきなさい。これがあなた達に出来る最後の協力だから」

「……ジョーイさん」

「そうだな。ほら、早く、梓も出せ。また奴らが来るぞ」

「分かってますよ」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:17:59.48 ID:JfKg9qyB0
回復後

「とりあえず、カツラさんのところに行くか」

「ですね」

グレンジムの様子も気になりますし。

「それにしても、サンダーの奴。無差別に暴れてやがるな」

「ええ」

町は落雷の跡が無数にあり、火が出てるところも無数にあります。

「先を急ごう」

「はい」

私達はグレンジムまで、走っていきました。
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:19:03.29 ID:JfKg9qyB0
和・カントーへの出発の日

『お別れだね、和ちゃん』

『そうね』

『絶対、すごいトレーナーになってね。夢だったよね、ポケモンマスターになるの』

昔の話だけどね。その言葉を胸にしまい、

『唯も頑張んなさいよ』

『まあ、ぼちぼちにね』

『……じゃあね』

『うん。バイバイ』

101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:20:11.27 ID:JfKg9qyB0
「和隊長」

「……何?」

また、昔を思い出して、ボーっとしていた。

「チュウ?」

きっと、あいつがこの子を連れてきたからだろう。

「連中、ポケモンセンターを逃げ出したみたいです」

「……そう。どこに向かってたか、分かる?」

「まだ、詳しくは」

「……至急探させなさい」

「はい」

ポケモンマスターか。たくさんのポケモンを実験材料にしてきた私が何を今更なことを。

「チュウ?」

「……あなたはのんきでいいわね」

私はピカチュウの頭をなでる。……今回の相手の中野梓。ミュウツーを撃破し、伝説のポケモンの1匹、ファイヤーをも、倒したトレーナー。
実力としては申し分ないだろう。

「何を考えているのかしらね」

戦ってみたいって、思うなんてね。私にはそんな資格もないのに。私はそんなことを思いながら、考えをめぐらせる。
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:20:43.87 ID:JfKg9qyB0
「……ねえ」

「何でしょう」

「たしか、梓はジムに挑戦していたのよね」

「はい。その後、カツラ達の妨害を受け、逃げられました」

「現在、ジムには?」

「グレンジムに所属する、トレーナーは何人かは捕らえましたが、カツラとその一部の仲間は逃げました」

「……おそらく、梓達はグレンジムに来るでしょうね」

「どうしますか?」

「そうね。じゃあ……」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:21:58.66 ID:JfKg9qyB0
「くそ!どこに行った」

「そっちにいたか?」

「いない。あっちを探そう」

「まったく、数が多すぎだよな」

私達は物陰から、様子を伺っていますが、相当な数のロケット団がいます。

「どうしましょうか。この数では見つからずに、ジムに行くのは……」

「ねえ、あずにゃん、こっちの道にはロケット団の人達が少ないよ」

「え?」

ゆい先輩の指差す方を見ると、たしかに、ロケット団の人があっちの道より、少ない気がします。

「たしかに、少ないですね」

「こっちの道から、行こうよ」

「そうだな。今は考えるより、ジムに行って様子を見ることだな」

「でも、あまりに不自然な気がするんですけど」

「まあ、何かあったら、その時はその時だ」

「そうだよ」

「そんな、行き当たりばったりな」

「じゃあ、どうすればいいんだよ。あの人数を倒していくか?」

「……それも辛いですよね。分かりました。こっちの道に行きましょう」

私達はロケット団の少ない道を通っていきました。
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:23:18.30 ID:JfKg9qyB0
そんなこんなで、ジムの近くに到着しました。

「それにしても、ジムに通じる道のところだけ、ロケット団の数が少ないなんて、ラッキーだね」

ゆい先輩は私の頭の上でそんなことを言います。

「そうだなー」

「そうですねー」

私達は物陰から、ジムの様子を伺います。

「近くに行かないの?」

「迂闊に近づかない方がいいだろ」

「何で?」

「不自然すぎるだろ。まるで、ここに誘導するようにロケット団の数が調整されてたしな」

「まるで、ここに来させられたみたいな感じでしたよね」

「???」

「……つまり、私達がここに来るように、ここまでの道のロケット団の数を少なくし、通りやすいようにしたんですよ」

「おお、なるほど!……ってことはこれって罠!?」

「でしょうね」

「だが、ここでじっとしてるわけにもいかないな」

「ですけど、ジムに特に異常も見られませんし、カツラさんも逃げ出したと思うんですけど」

「中に隠れているかもしれないだろ。とにかく、一度は中を見ないとな」

「危険ですよ」

「どっちにしろ、この島に安全な場所なんかないよ。それに、室内なら、あれの電撃にも耐えられるだろ」

律先輩は上空のサンダーを指差します。
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:24:08.36 ID:JfKg9qyB0
「しかし、どうして、無差別に攻撃をしてるんでしょうね」

「これは私の勘だけど、あのサンダーはロケット団でも完全に操れてないんじゃないか?」

「?」

「つまり、捕まえたはいいけど、全然、命令を聞かないんじゃないか?だから、無駄に操ろうとするよりも、自由にさせてるんだろ」

「じゃあ、なんで、サンダーは逃げ出さないんでしょうか?暴れてる理由が分かりません」

「それは私にも分かんないよ。あくまでも、勘だから」

「ねえねえ。結局、どうするの?」

「……仕方がありませんね。虎穴に入らずんば虎子を得ずといいますからね。行ってみましょう」

「よし!じゃあ、梓も納得したから、中に入るか」

「頑張ろうね!」

私達は慎重にジムに潜入します。中はポケモンの爪で破壊された後や焦げた跡など生々しい戦闘の後が残っています。

「ひどいな」

「ええ」

私達はフィールドの中央に来て、止まりました。

「それにしても、カツラさん達がいませんね。やはり、ロケット団に……」

「いや。カツラさんは強いから、大丈夫だろ。たとえ、梓との戦闘の後でもロケット団には負けないさ。……まあ、今はカツラさんの心配をしてる場合じゃないけどな」

その言葉を合図に周りから、私達を取り囲むようにロケット団が現れました。
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:25:23.45 ID:JfKg9qyB0
「久しぶりね」

ほとんど、男の人の中で、眼鏡をかけた女の人が話しかけてきました。

「タマムシシティ以来ね」

「たしか……和さん」

「覚えてくれて光栄ね」

「ピカチュウ」

和さんの下に可愛らしいポケモン……ピカチュウがいました。

「わ〜、可愛いね〜、こっちにおいで〜」

ゆい先輩はピカチュウをこっちに呼び寄せようとします。

「ゆい先輩!すこしは緊張感を持ってください!」

「えー、でも、可愛いよー」

「ピカチュウ♪」

「……それは否定しませんけど」

「もういいかしら」

「す、すいません」
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:26:30.71 ID:JfKg9qyB0
「それにしても、あの時でやめておけばいいのに、とことん、私達に絡むのね、梓ちゃん」

「好きで絡んでるわけじゃありませんけどね」

「……あなたはなんで旅をしているの?」

「はい?なんですか、突然」

「私達にかかわらなければ、もっと、快適な旅になったと思っただけよ」

「まあ、それは私も思いますけどね」

「あずにゃん、あずにゃん」

「何ですか?」

「そこは『私はポケモンマスターになるために旅をしているんです。ポケモンを悪用するあなた達になんか負けません!!』っていうところだよ」

「なんですか、それ」

「うむ、熱いな」

「さすが、りっちゃん。分かってるねー。りっちゃんはなんて言うべきだと思う?」

「そうだな。こういうのはどうだ。『私は最強になりたいから旅をしているんです。あなたも、私が最強になるための礎になってもらいます』」

「いい感じに厨二だね」

「だろ?」

「……少しは緊張感を持ってくださいよ」

「はーい」

「ほーい」
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/07/29(金) 17:28:10.88 ID:JfKg9qyB0
「……あなたはポケモンマスターを目指してるの?」

「まあ、一応目指してますけど」

「……そう。あなたみたいなちんちくりんでもポケモンマスターを目指せるなんて、いい時代ね」

「なっ!!」

「ぷっ。そりゃ、そうだな」

「お子様は家で、ママの乳でも吸ってろ」

今の一言で、ロケット団の連中が下品な笑い声を上げます。

「失礼な人達だね。あずにゃんはこのお子様体型だから、いいんだよ!」

「そうだ。ゆい、良い事言った。梓がこ○亀に出てくる、秋○麗○みたいにスタイルが良かったら、それはもう、梓じゃない」

「りっちゃんの言うとおりだよ!」

「律先輩達は私に恨みでもあるんですか!」

「……いいわ。私が戦ってあげる。あなたに実力の違いを見せてあげる」

「え?」

「あなた達は下がってなさい」

「し、しかし……」

「あなた達が戦っても、無駄に戦力が削られるだけよ。だから、下がってなさい。……で、どうするの?」

「……律先輩」

「なんだ?」

「周りのロケット団の人達を頼みます」

「……任せろ」

「ありがとうございます。では、和さん。その勝負、受けます。やってやるです!!」

「じゃあ、ルールは6対6で全滅させた方が勝ちでいいかしら」

「もちろんです」

「(夢破れた者と夢を追う者の戦いね。これも若干、厨二くさいけど)では、始めましょうか」

「いつでもいいですよ」

「では……」

「「バトルスタート!」」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/07/29(金) 17:29:18.97 ID:JfKg9qyB0
VSロケット団編A 「夢」 終了
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/29(金) 18:06:44.96 ID:A8V9PJ8DO
乙!!!

むぅ・・・唯は唯として存在しているのか・・・
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/07/31(日) 13:35:55.84 ID:UgcKCHZto
乙ー
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 20:48:55.38 ID:EV8HfC7I0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ  ガルーラ カイリュー ポリゴン2 プテラ ラプラス

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー

VSロケット団編B 「VS和」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 20:50:08.35 ID:EV8HfC7I0
今回のメンバー ゆい ハッサム プテラ カイリュー ニューラ イーブイ

「「バトルスタート」」

私のデータはおそらく、和さんに知られているでしょう。とすると、私のメンバーの弱点をついてくるでしょう。その上で、最初のポケモン
は……。

「行きますよ、ニューラ!!」

「来なさい、バタフリー!!」

相手はバタフリーですか。もっと、強いポケモンを出してくるかと思ったんですけど。

「なにか、意外そうな顔をしてるわね」

「いえ、別に……」

「ポケモンは戦い方しだいよ。今、それを見せてあげる」

「ふん、見せてくださいよ。ニューラ、こおりのつぶて!」

ニューラは氷の塊を一瞬で作り上げ、バタフリーに向かって、投げつけます。

「バタフリー、ちょうのまいでかわしなさい」

バタフリーは美しい舞を舞ってるかのようにこおりのつぶてを避けます。

「くっ」

「ちなみに今のは避けるためだけの技じゃないのよ」

「!?」

「バタフリー、むしのさざめき!」

バタフリーは羽の振動から、超音波を発生させ、ニューラに攻撃します。

「ニュラ!?」

ニューラはその攻撃を受け、まるで、弾丸のような勢いで、私の横を通過し、壁に激突します。

「ニューラ!?どうして、あのバタフリーでそこまでの威力が……」

「フフフ。ちょうのまいはとくこう、とくぼう、すばやさを強化する技。だから、むしのさざめきの威力もアップする。そのうえ、あくタイプ
にむしタイプの技はこうかばつぐん。それだけのことよ」

「……」

「どうしたの?もう、降参かしら」

「そんなことはしませんよ。ただ……」

「?」

「あなたみたいな人がどうして、ロケット団にいるのかなって」

「……あなたにはどうでもいいことよ」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 20:51:30.16 ID:EV8HfC7I0
「今がチャンスだ。あの、ニューラに追撃を加えるぞ」

「し、しかし、隊長からの命令が……」

「そんなもん関係ねえ。今、追撃しないでいつするんだ。さあ、いけ、ニドキング!」

「ニド!」

ロケット団はニドキングを出し、ニューラに迫ろうとする。

「大人しくしててくれないか?」

そのニドキングに大量の水が濁流のように迫り、その行く手が閉ざされる。

「邪魔すんなよ、楽しい戦いをさ」

私はニョロボンを出し、ロケット団を牽制する。

「くそっ。お前、1人くらいならすぐに突破してやる」

「へっ」

相手は50人くらいか。あるいはそれ以上か。正確には分かんないが、ここで対決すると梓達の戦いの邪魔になるな。

「外で相手してやるよ」

「は?」

「外で相手してやるから、外に出ろよ。ここじゃ、2人の邪魔だ。もっとも、私に負けるのが怖いなら、いいけどな」

「くっ、上等だ。てめえから倒して犯してやる」

ものすごく単純な奴らだな。皆外に出て行く。

「勝てたら、好きにしていいぜ」

私も、それに続く。
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 20:53:20.00 ID:EV8HfC7I0
「律先輩!」

「りっちゃん!」

私達はロケット団と外に出ようとする、律先輩を止めます。

「心配するな。私はあいつらになんか、負けないよ。今はそっちに集中しろ。どうしても心配なら、サッサと降参するか、サッサと倒して加勢してくれ。ちなみに、前者だったら、ぶっ飛ばす」

「……ぶっ飛ばされるのは嫌なので、後者にします」

「なら、早くしろよー」

律先輩は手を振りながら、外に出ます。

「まったく、あいつらは……。それにしても、余裕ね。もう、1匹、負けているのに」

「私はポケモンを悪用するような連中には負けません。それに……」

「ニュラ!」

壁にめり込んだ、ニューラは立ち上がり、フィールドに戻ります。

「私のニューラはまだ、負けていません」

「……上等よ!!」
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 20:54:53.96 ID:EV8HfC7I0
「やれやれだな」

私は10匹以上のニドキングが私を取り囲むのを見る。

「もっと、他にポケモンはいないのかね」

さて、梓に格好つけたのはいいが、この数どうしようかね。正直、どうしようもないが。

「この数、相手にどう戦う?」

「まあ、やれるだけやるしかないか」

「お困りのようだな。貧乳デコ娘」

「だ、誰だ!」

「……うるせー。今日はジム戦じゃねーから、私に心理戦を仕掛けてどうするんだ」

私は突然の来訪者……カツラさんに話しかける。

「もっと、命を大事にしようぜ。この戦いの後はカツラさんだからな」

「すまんすまん。怒らないでくれ」

「カツラだと!?」

「慌てるな。あいつらが出た後、ポケモンセンターは破壊したはずだ。回復されるようなことはない」

「破壊した!?ジョーイさんとかはどうしたんだ!」

「今頃はご奉仕で忙しいんじゃないか。くっくっくっ」

「……お前ら!!」

「まあまあ、落ち着くんじゃ。ところで、そのジョーイというのはあの人のことかな?」

カツラさんが指差す方にはジョーイさんやポケモンセンターに隠れていた人達がいた。

「……何だと」

「実はさっき、ポケモンセンターを襲撃してきたよわっちい集団を倒してきたんじゃ。あれはお前さん方の仲間じゃったのかな?」

「……貴様!」

「さすがだぜ、カツラさん!さっきのは夕食の奢りで勘弁してやるぜ」

「……仕方がないのう」

「まあ、いい。ここで、カツラもろとも始末してやる」

「ふん。上等じゃ。いくぞ、ウインディ」

カツラさんはウインディを出す。

「足を引っ張るなよ、律君」

「そっちこそな、カツラさん」

私のニョロボンとカツラさんのウインディはその言葉を合図に跳躍した。
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 20:57:54.22 ID:EV8HfC7I0
「いけ、ニューラ、みだれひっかき!」
「バタフリー、かぜおこしで、接近させないで!」
ニューラは接近しようとするも、バタフリーはその羽で、激しい風を起こし、接近を防ぎます。このバタフリーは……強い!
「ならば……ニューラ、戻って」
私はニューラを一旦、ボールに戻します。

梓 ニューラ 

和 バタフリー

「来て下さい、イーブイ!」
「ブイ♪」
「イーブイ……!?」

梓 ニューラ イーブイ

和 バタフリー

私がイーブイを出すと、和さんは表情を歪めます。
「どうしたんですか?」

「……一つ、いいことを教えてあげるわ。そのイーブイの力は私が宿したのよ。たくさんの実験でね」

「!?」

「(本当はミュウツーのための過程だけどね)今よ、バタフリー、むしのさざめき!」

「ブイ〜」

和さんの言葉で、一瞬の隙をつかれ、再び、弾丸のような勢いで、私の横を通過し、壁に激突します。

「イーブイ!」

「油断はいけないわよ」

「くっ」

バタフリー自体は強いポケモンでは決してない。だけど、現実問題、私はバタフリーに苦戦している。むしろ、追い詰められている。やっぱり、この人はすごい。

「だけど、私のイーブイは負けません!」

「……なら、来なさい。私が創ったイーブイで」

「……イーブイ、かみな……」

「やっぱり、いしを使うのね。私の実験も無駄じゃなかったでしょ」

「なっ……!?」

「そうよね。所詮、ポケモンは戦うための道具。便利な方がいいでしょ」

「ち、違います!ポケモンは道具じゃありません!」

「でも、自由に進化する能力は便利でしょ?実際、私が創った人工的な力をあなたは利用している。今もね」

「……」

「それにその能力は体に負荷がかかるのよ。本当に仲間として扱ってるなら、使わないわよね、その力」

「……」

私はかみなりのいしを当てようとした手を下げる。

「あら、進化させないの?サンダースに進化させれば、有利に戦えるわよ」

「……くっ」

「来ないの?なら、こっちから、いくわよ。バタフリー、もう一度、むしのさざめき!」

バタフリーは羽の振動から、超音波を発生させ、イーブイに攻撃します。

「……ブイ!」

イーブイの体が光り輝きます。まさか、これはシオンタウンでロケット団のマコトさんと戦っていた時に見せた……。
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 20:58:57.35 ID:EV8HfC7I0
「駄目です、それをするのは!」

「ブイ!」

バタフリーの攻撃を光り輝きつつ、かわす。そして、光がなくなり、サンダースの姿が。

「な!まさか、いしを使わずに進化を……」

「あずにゃん、今がチャンスだよ」

「でも……」

「ここで躊躇したら、それこそ、ブイ太に申し訳ないよ!」

「……そうですね。サンダース、十万ボルト!」

サンダースの電撃がバタフリーに命中します。

「フリーー」

「バタフリー!」

「サンダース、こうそくいどうで、相手に接近してください!」

「ダース」

サンダースは体が痺れている、バタフリーに一瞬で接近します。そして、再び、強力な電撃を浴びせる技、十万ボルトをバタフリーに浴びせます。

「……フリ」

バタフリーはそのまま、気絶してしまいました。

「やりました、サンダース」

「……ダース」

サンダースの体が光り、イーブイに戻り、倒れました。

「あ、ブイ太」

「やっぱり、体の負担が……」

「それでも、あずにゃんのために一生懸命頑張ったんだよ。それは褒めてあげなきゃ」

「……ですね」
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 21:00:22.90 ID:EV8HfC7I0
梓 ニューラ イーブイ ひん死

和 バタフリー ひん死

「やるじゃない」
「別に褒められても、嬉しくないです」
「素直に人の好意は受け取りなさい」
「ふん。その余裕も今のうちです!来てください、ニューラ!」
「……一つ、いいことを教えてあげるわ」
「?」
「さっきのバタフリーは私の手持ちでも一番弱いのよ。そのバタフリーに勝てないニューラじゃ勝てないわよ」
「……御託はいいです。サッサと、次のポケモンを出して下さい」
「では……来なさい、ベトベトン!!」
「ベトベトン!?」

梓 ニューラ イーブイ ひん死

和 バタフリー ひん死 ベトベトン 

また、めずらしいポケモンを。

「あまり、舐めないほうがいいわよ。ベトベトン、ダストシュート!」

ベトベトンは汚いゴミのようなヘドロをニューラに投げつけます。

「ニューラ、かわして、こおりのつぶて!」

ニューラはそれをさらりとかわし、氷の塊を一瞬でつくり、ベトベトンに投げつけます。

「よし!いいですよ、ニューラ」

「そんな攻撃が通るとでも思ってるの?」

「!?」

「ベトベトン、かえんほうしゃ!」

ベトベトンの口から炎がでて、氷の塊が溶かされます。

「なら、ニューラ、メタルクロー!」

ニューラは身軽に跳ねながら、ベトベトンに接近し、自分の硬いツメで切り裂きにいきます。

「よし!これなら……」

「ベトベトン、かたくなる」

「ベト」

カキーン

ニューラの硬いツメが硬くなった、ベトベトンの体にはじかれます。

「ベト」

ツメをはじかれ、驚いている、ニューラの一瞬の隙を突き、ベトベトンは口から炎を発射してニューラはその炎を浴び、ダウンしました。

「ニューラ!」

梓 ニューラ ひん死 イーブイ ひん死

和 バタフリー ひん死 ベトベトン
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 21:01:21.42 ID:EV8HfC7I0
「あなた、本当にポケモンマスターを目指しているの?それにしては弱いわね」

「くっ……」

悔しいですけど、この人は強いです。例えるなら、澪先輩くらいの実力です。今の私では勝てないかもしれません。でも、勝たないと、外で1
人で頑張っている律先輩が……。

「あずにゃん、あずにゃん。あの人、めちゃくちゃ強いね」

「……そうですね」

私は自分の手持ちのポケモンを見る。……駄目だ、どれも、和さんに勝てる気がしない。

「あずにゃん、あずにゃん」

「今度は何ですか?」

「ニコー」

「はい?」

「だから、ニコー」

「意味が分かりません」

「笑って、ってことだよ」

「余計に分かりません」

「泣きそうだよ、あずにゃん」

「うっ……」

「もっと、楽しそうにしなよ。ポケモンバトルっていうのは、楽しいものだよ。だから、楽しそうにしなきゃ」

「楽しそうに……」

「それに、こんなに強い人と戦える機会なんて、滅多にないんだしね。負けたら、負けたらでその時だよ。まあ、あずにゃんには私がいるから、負けないけど」

「……ゆい先輩。そうですね!たしかにこんなに強い人は澪先輩以来です。つまり、この人に勝てば……」

「澪ちゃんに近づけるね!私にとっては複雑だけど!」

「そうと決まれば、次のポケモンを出さなくちゃです!」

「あずにゃんが元気になってよかった。ものすごく、複雑だけど!」
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 21:02:05.93 ID:EV8HfC7I0
「……ポケモンバトルは楽しいものか」

回想

『和ちゃんはピカチュウを進化させないの?』

『可愛いからだよね、和ちゃん』

『違うわよ、唯。憂、どうして?』

『だって、進化させた方が強いから。……和ちゃんはポケモンマスターを目指してるんでしょ?なら、強い方が……』

『そうだけど、こっちの方が面白いでしょ?』

『面白い?』

『皆、強いポケモンを使ってくるのをあまり使わないポケモンで倒すのが』

『だから、和ちゃんはマイナーなのを使ってるんだね!』

『そうよ』

『和ちゃんはすごいなー』

『ありがと』

『憂は和ちゃんが好きだからねー』

『お、お姉ちゃん!』

あの頃は楽しかったな。……・何を考えてるんだ、私は。今は目の前のバトルに集中しなくちゃいけないのに。
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 21:03:31.73 ID:EV8HfC7I0
「さて、次のポケモンはこれにします!来てください、カイリュー!」

「……カイリューね。なら、戻って、ベトベトン。来て、パルシェン」

梓 ニューラ ひん死 イーブイ ひん死 カイリュー

和 バタフリー ひん死 ベトベトン パルシェン

「カイリュー、ドラゴンダイブ!」

カイリューは相手を威圧しながら、体当たりを仕掛けます。

「パルシェン、からにこもる!」

パルシェンは殻を閉じ、攻撃に備えます。

ガッシーン

カイリューの攻撃はパルシェンによって受け止められます。

「カイリューの攻撃が……」

「パルシェンの防御力を舐めない方がいいわよ。パルシェン、れいとうビーム」

「リューーー」

カイリューに冷気のビームが命中し、カイリューは苦痛の表情を浮かべます。

「カイリューは強力なポケモンよ。でも、そんなカイリューにも弱点はある」

「くっ」

こおりタイプの技はドラゴンタイプとひこうタイプのカイリューにはまさに天敵といっていいほどの弱点です。やっぱり、この人は強いです
ね。こんなに強い人と戦えるなんて……。

「……フフ」

「なにがおかしいのかしら?それとも、絶望で気でも狂ったのかしら?」

「いえ。……こんなに強い人がロケット団にもいたなんて、とびっくりしているだけです」

「それは光栄ね」

「でも、私は負けません!カイリュー、パルシェンを掴んで、十万ボルト!」

カイリューはれいとうビームを受けつつも、パルシェンの体を掴みあげます。そして、体から、電気を発生させ、パルシェンに浴びせます。

「どういうつもり?」

「あなたのパルシェンのれいとうビームでカイリューがやられるか、カイリューの十万ボルトでパルシェンが潰れるかの我慢比べですよ」

お互いの攻撃を互いに受け続けるという状況がしばらく続きます。そして、……

「シェン」

バタンとパルシェンが倒れました。

「パルシェン!」

「やりました、カイリュー」

「……リュー」

その後で、カイリューもバタンと倒れました。

「あ、カイリュー!」

「……引き分けね」

和さんはパルシェンをボールに戻しつつ、言います。

「でも、よくやりました。戻ってください、カイリュー」

梓 ニューラ ひん死 イーブイ ひん死 カイリュー ひん死

和 バタフリー ひん死 ベトベトン パルシェン ひん死
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 21:04:45.56 ID:EV8HfC7I0
「なかなかやるわね。では、こっちはオコリザルよ」

和さんはオコリザルを出しました。

「心配しないでね。あいつらみたいな弱いオコリザルではないから」

「……でしょうね」

でてきた、オコリザルは軽く、ジャンプし、私がポケモンを出すのを待ってます。

「……出てきてください、プテラ!」

それに対し、私はプテラを出します。

梓 ニューラ ひん死 イーブイ ひん死 カイリュー ひん死 プテラ

和 バタフリー ひん死 ベトベトン パルシェン ひん死 オコリザル

「プテラね。でも、私のオコリザルの前では無力よ」

「やってみなければ、分かりません!プテラ、すてみタックル!」

プテラは勢いよく、オコリザルに突進していきます。

「よし!今度こそ……」

「それはどうかしら?」

プテラがオコリザルに激突する瞬間、その姿が消えました。

「かげぶんしん!?」

「ふ、終わりよ」

突進してきた、プテラの横から両手をクロスさせ、攻撃を仕掛けます。

「テラ!」

その攻撃を受け、プテラは壁まで飛ばされ激突し、壁にめり込みます。

「プテラ!」

「所詮、あなたはそのチビポケモンが強かっただけのトレーナーでしょ?早く、そのポケモンを出して、サッサと負けた方が、あなたのポケモンも傷つかずにすむでしょ?」

「どういう意味ですか。ゆい先輩を倒しても、私の負けじゃないですよ」

「いいえ、あなたの負けよ。その子を倒せば、あなたは精神的ショックで何もできないだろうから」

「えへへ〜。それだけ、あずにゃんにとって、私の存在が大きいってことだよね」

「別に私は……」

「それに、他のポケモンじゃ、私の相手にならないでしょ」

「くっ……」

言い返せない自分が辛いです。

「プテラ!」

プテラは壁から脱出し、飛び立ちます。

「やるじゃない。戻って、オコリザル。来なさい、ピジョット!」

和さんはオコリザルをボールに戻し、ピジョットを出します。
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 21:05:30.39 ID:EV8HfC7I0
梓 ニューラ ひん死 イーブイ ひん死 カイリュー ひん死 プテラ

和 バタフリー ひん死 ベトベトン パルシェン ひん死 オコリザル ピジョット

「ピジョットですか」

「空中戦でも私のほうが上だということを見せてあげるわ」

「……」

「どうしたのかしら?」

「いえ。……随分、楽しそうだなって」

「は?」

「冷静に見てみると、和さんは私とのバトルをとても、楽しそうにしてるなって」

「……別に私は」

「何で、ロケット団なんかに。あなたほどのトレーナーなら、もっと、別な道も……」

「うるさい!!」

突如、和さんは大きな声を上げてます。

「何も知らないくせに……」

「す、すいません」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 21:08:46.01 ID:EV8HfC7I0
和・回想

カントー出発・一週間前

『ねえ、和ちゃん。なにか、悩んでいるの?』

『え?どうして?』

『だって、何か考えてるような顔をしてたから』

『別にないわ』

『私じゃ、力になれないけど相談に乗るよ』

『だから、何もないわよ。憂は私よりも、唯の心配をしなさいよ。普段から、ボーっとしてるんだし』

『ははは。お姉ちゃんのことも心配だけど、今は和ちゃんの方が心配だよ』

『私は何も問題ないわ』

『でも……』

『うるさい!』

『ビクッ』

『何も知らないくせに……』

『ご、ごめんね。怒らないでよ』

『……あなたには唯がいるわ。唯を大切にしてればいいの』

『お、お姉ちゃんも大切だけど、それと同じくらい、和ちゃんのことも心配だよ。だって、私は……』

『もう、それ以上、しゃべらなくていいわ』

『でも、和ちゃんはもう、カントーに行くんだし、せめて、私の気持ちくらい……』

『……憂だけには教えてあげるわ。私はロケット団に入りにカントーに行くの』

『……え、どうして?』

『どうして?別に理由はないわ』

『もしかして、家の借金のためとか……』

『……』

『そうなの?そうだよね。和ちゃんはポケモンを悪巧みに利用なんかできないよね』

『……いろいろなポケモンを実験できるからよ』

『へ?』

『私も科学者の娘だからね。いろいろなポケモンを自由に実験できる、ロケット団に入るの』

『そ、そんな……』

『だから、私のことは忘れなさい』

私は席を立つ。

『……嘘だよね、和ちゃん』

憂の泣きそうな声を聞きながら、その場を去っていく。


今のやり取りで昔のことを思い出してしまった。まったく、なんて日よ。それにしても、私は憂を傷つけ、そして、今までたくさんのポケモンを傷つけてきたんだ。そんな、私にポケモンバトルを楽しむ権利なんかないんだ。
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 21:13:56.50 ID:EV8HfC7I0


「……いいわ。ごめんなさい、大きな声出して」

何かを考えてた、和さんは言います。

「いえ。……って、これ、敵とのやり取りじゃないですね」

「……そうね」

「全力でいきますよ、和さん」

「受けてたつわ」

「プテラ、アイアンヘッド!」

「ピジョット、ぼうふうで接近を封じなさい!」

プテラは接近し、鋼のように固い頭をぶつけようとするも、ピジョットの発生させた、強烈な風をプテラの周りに包み込むように発生させ、動きが封じられます。

「頑張れ、頑張れ、テラ太!」

ゆい先輩も声を大きく出して、応援します。

「プテラ、その攻撃を気にせずにこうそくいどうで突破してください」

プテラはその素早い飛行で、その風を突破し、ピジョットに鋼のように固い頭をぶつける、アイアンヘッドをピジョットにぶつけます。

「ピジョー」

「今です、かみなりのキバ!」

プテラはそのままの勢いで、電気がたまった牙でピジョットに噛み付きます。

「ピギャー」

ここまではほぼ順調。でも、この後、和さんはどんな戦術で返してくるのか、と思って、和さんを見ると、

「……」

何かを考えているかのように下を向き、うつむいています。上空ではそのまま、ピジョットが気絶し、落下しました。

「……あ。戻りなさい、ピジョット」

「どうしたんですか、和さん。ボーっとして」

「きっと、お昼寝の時間なんだよ」

「ゆい先輩じゃないんですから」

「……ねえ、今まで、たくさんのポケモンを犠牲にしてきた、私にバトルを楽しむ権利ってあるかしら?」

突然、和さんがそんなことを言い出しました。

127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 21:14:29.26 ID:EV8HfC7I0
「……」

私が答えあぐねていると

「何でもないわ。変なこと言って、ごめんな……」

「あるよ」

その言葉をゆい先輩が遮る。

「だって、こんなにポケモンを大事に育ててるもん。そりゃ、たくさんのポケモンさん達を犠牲にしたかもしれないけどさ。それでも、楽しむ
権利はあるよ、きっと。まあ、私には難しい事は分からないけど」

「……」

「和さん。私はあなたがなんで、ロケット団に協力してるかは分かりません。だから、なんで、あなたが苦しんでるのかも分かりません。それでも、あなたとのバトルはとっても楽しいです。和さんはどうですか?」

「さっきまで泣きそうだったけどね」

「う、うるさいです!」

「あずにゃんが怒った〜」

「……私は」

「もっと、素直になればいいんだよ〜。私みたいに。あずにゃ〜ん、好きだよ〜」

ギュッと、抱きついてくるゆい先輩。

「ゆい先輩はもっと、遠慮してください」

「……ふう。あなた達を見てたら、こんな考えをしていた自分が馬鹿みたいに見えてきたわ。……だから、この戦いだけでも、全力であなた達とぶつかってあげる」

「……和さん」

「悪かったわね。もう一度、バトル再開よ」
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 21:15:59.71 ID:EV8HfC7I0
梓 ニューラ ひん死 イーブイ ひん死 カイリュー ひん死 プテラ

和 バタフリー ひん死 ベトベトン パルシェン ひん死 オコリザル ピジョット ひん死

「はい!行くよ、プテラ!」

「プテ!」

「来なさい、オコリザル」

「今度はさっきみたいにいきませんよ。プテラ、アイアンヘッド!」

プテラは接近し、鋼のように固い頭をぶつけようとします。

「今度こそ……」

「無駄よ」

また、プテラの攻撃が当たろうとする瞬間、オコリザルの姿が掻き消えます。

「やはり、そうきましたか。プテラ!」

「ザル!?」

プテラは素早く方向転換し、横から攻撃をしようとする、オコリザルに攻撃を加えようとします。

「どんなもんです!!」

「やるじゃない。でも、私の方が上よ」

オコリザルはプテラの攻撃に合わせて、上に高くジャンプし、オコリザルのいた場所を通過しようとプテラの背中をオコリザルは拳を叩きつけるようにパンチを繰り出し、プテラは地面にめり込み、気絶します。

「プテラ!」

「まあ、あなたが対策をするのは分かってたことだわ。さあ、あなたは後2匹よ」

「分かってます」

梓 ニューラ ひん死 イーブイ ひん死 カイリュー ひん死 プテラ ひん死

和 バタフリー ひん死 ベトベトン パルシェン ひん死 オコリザル ピジョット ひん死

「さて、ゆい先輩。今回はたくさん頑張って下さいね」

「任せなよ。フンス」

「じゃあ……」

「私の出番だね!」

「来て下さい、ハッサム!!」

「あり?私の出番は〜?」

「まあまあ、慌てないで下さい。物事には順番があるんですよ」
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 21:18:01.36 ID:EV8HfC7I0
梓 ニューラ ひん死 イーブイ ひん死 カイリュー ひん死 プテラ ひん死 ハッサム

和 バタフリー ひん死 ベトベトン パルシェン ひん死 オコリザル ピジョット ひん死

「来たわね、あなたのもう一つの切り札」

「今度はさっきまでのようにはいきませんよ。ハッサム、バレットパンチ!」

ハッサムはオコリザルの懐に素早く、接近し、弾丸のようなパンチを繰り出す。

「ザル!」

オコリザルはそれを防御するも、反動で、後ろに押されます。

「ハッサム、とんぼがえり!」

ハッサムはオコリザルに追撃のパンチをした後、私のモンスターボールに素早く、戻ります。

「さあ、ゆい先輩。出番ですよ」

「うん、まかせ……って、ええー!無理だよ、私はあそこにいる、あの黄色の……」

「ピカチュウ♪」

「ピカチュウとどっちが、可愛いかを決める戦いを期待してたのに!」

「さっきは出る気満々だったじゃないですか。……それにそんなことしなくても、ゆい先輩のほうが……」

「ん?」

「なんでもありません。さあ、頑張って下さい」

「分かったよ〜」

ピョコピョコっと、フィールドに出る、ゆい先輩。

「えとえと、よろしくお願いします」

ぺこりと頭を下げるゆい先輩。

「だから、その〜、お手柔らかにね」

「ブヒブヒ(無理だな)」

「ですよね。キャー」

ゆい先輩はきびすを返して、逃げ出します。

「オコリザル、ジャンプして、進路を防ぎなさい!」

「ザル!」

オコリザルは高く、ジャンプをし、ゆい先輩の退路を防ぎます。

「ひゃー、こうなったら、ゆいちゃん真拳奥義『ゆい☆チェンジ』」
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 21:20:48.79 ID:EV8HfC7I0
その声とともに、ゆい先輩の雰囲気が変わりました。

「オコリザル、気にすることないわ。インファイトよ」

オコリザルはゆい先輩の懐に入り、拳を叩き込もうとします。

「ふむ、遅いな」

ゆい先輩はさっきまでの口調とはまったく、別の口調で、その攻撃を素早くかわし、オコリザルの背後に回ります。

「断罪の時間だ」

ゆい先輩はいつのまにか持っていた、日本刀(?)のようなものをオコリザルの背中を切りつけます。

「……ザル」

その一撃でオコリザルは倒れました。

「やりました、ゆい先輩!」

「うむ。時に、梓君」

「はい?梓君?」

「私のことは来ヶ谷先輩と呼ぶがいい」

「は?もう。訳の分からないことを言ってないで、戻ってください」

「ほーい」

「あ、戻った」

「やるじゃない」

「どうもです。来て下さい、ハッサム!」

梓 ニューラ ひん死 イーブイ ひん死 カイリュー ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ゆい

和 バタフリー ひん死 ベトベトン パルシェン ひん死 オコリザル ひん死 ピジョット ひん死

「これで、残りは互いに2匹ね。来なさい、ベトベトン!」

和さんはピカチュウではなく、ベトベトンを出してきました。

「ベトベトン、かえんほうしゃよ」

「!?」

「知ってるでしょ。ハッサムにほのおタイプの技は天敵だってことを」

ベトベトンは口から、炎を出し、ハッサムに浴びせようとします。

131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 21:21:41.18 ID:EV8HfC7I0
「ハッサム!」

「サム!」

ハッサムは自ら、炎に突っ込んでいきます。

「な!?死ぬ気なの!?」

「問題ありません。ハッサム、シザークロス!」

ハッサムは炎の中を突っ込み、両手をクロスさせ、ベトベトンを切り裂きます。

「ベドー」

ベトベトンの胸にXの文字が刻まれます。

「……サム」

同時に、ハッサムはひざを突きます。やはり、さっきまでのダメージは大きかったですね。

「ハッサム、最後の力を振り絞って、つじぎり!」

「ベトベトン、かえんほうしゃを続けて!」

ベトベトンは火炎を口から出し、ハッサムに浴びせます。

よし!」

「……」

和さんもベトベトンも、一瞬、気が緩んだ瞬間、ハッサムがベトベトンを斬りつけます。そして、ベトベトンは倒れ、同時に、ハッサムも倒れます。どうでもいいですけど、今回は引き分けが多いですね。

「な!?」

「やりましたよ、ハッサム!」

私はハッサムをボールに戻します
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 21:26:34.07 ID:EV8HfC7I0
「……訂正するわ。あなたは強いわね。ここまで、追い詰められるなんて、思いもしなかったわ」「

「ありがとうございます」

「いよいよ、最後のポケモンね。……頼むわよ、ピカチュウ」

「ピカチュウ♪」

「こっちはゆい先輩です」

「任せて〜」

梓 ニューラ ひん死 イーブイ ひん死 カイリュー ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい

和 バタフリー ひん死 ベトベトン ひん死 パルシェン ひん死 オコリザル ひん死 ピジョット ひん死 ピカチュウ

「頑張ってくださいね、ゆい先輩」

「うん!でも、可愛いよね、君」

「ピカチュウ(ねえねえ)」

「なんだい?」

「ピカチュウ(頭なでて〜)」

「任せて〜」

ゆい先輩はピョコピョコっと、不用意にピカチュウに近づいていきます。

「ゆい先輩、不用意に近づかないで下さい!」

「大丈夫だよ〜。だって、こんなに可愛い……」

「ピカ(にやり)ピカチュウ!(くらえ、十万ボルト!)」

ピカチュウの頭をなでようとする、ゆい先輩に電撃を浴びせる、ピカチュウ。

「あぶぶぶ」

「ピカチュウ、でんこうせっか!」

ピカチュウは電撃で痺れている、ゆい先輩に素早く、体当たりを仕掛けます。

「キャー」

コロコロと転がる、ゆい先輩。

「う〜、卑怯だよ、もう、許さない」

ゆい先輩は目を瞑り、神経を集中させます。

(落ち着いて、集中するんだ。心を無にするんだ。そうすれば、達することが出来る。新たなる伝説の境地に。あの時の感覚が蘇る。さて、や
るよ。……アズサマインド)

ゆい先輩の体が光り輝きます。

「これはミュウツープロトタイプを倒した技。ピカチュウ、先制攻撃で、けん制を……」

「遅いですよ」

ゆい先輩は一瞬の間に、ピカチュウの背後に回ります。

「な!?」
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 21:30:12.29 ID:EV8HfC7I0
「アズサマインドは私の中のあずにゃん分を活性化させ、身体能力を10倍にするんですよ」

ゆい先輩はピカチュウの尻尾を掴み、上に投げます。

「ふん!」

そして、ゆい先輩も一瞬で姿を消し、上に飛ばしたピカチュウの上に現れます。

「くらえ、 ゆいちゃん真拳奥義『ヒップ☆ドロップ』」

ゆい先輩はお尻をピカチュウの腹部に乗せ、そのまま、勢いよく、落下してきます。

「ピカチュウ、かみなり!」

なるほど。このまま、電撃を浴びせて、ゆい先輩を下に着く前に倒す気ですか。

「あぶぶぶぶぶぶぶ」

ゆい先輩は電撃に痺れながらも、落下し、地面に激突、衝撃で煙が巻き起こります。

「「どっちが勝ったの(んですか)」」

煙が晴れ、そこに立っていたのは、

「あぶぶぶぶ、痺れちゃったよ、あずにゃ〜ん」

と、体をバチバチと痺れさせながら、私に向かって、歩いてくる、ゆい先輩。

「ピカチュウは!?」

ピカチュウを見ると、グルグルと目を回して気絶しています。

「……これは」

「私の負けね」

梓 ニューラ ひん死 イーブイ ひん死 カイリュー ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい

和 バタフリー ひん死 ベトベトン ひん死 パルシェン ひん死 オコリザル ひん死 ピジョット ひん死 ピカチュウ ひん死 
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 21:31:46.15 ID:EV8HfC7I0
「やったよ〜、ビリビリ、あずにゃ〜ん、ビリビリ」

「とりあえず、落ち着いてください」

「……まさか、あなた達に負けるなんてね」

和さんはピカチュウを抱き、きびすを返そうとします。

「待って下さい!」

「……何」

「まだ、ロケット団で、実験とかをするんですか」

「……」

「私、あなたとポケモンリーグで戦ってみたいです。たしかに、和さんはポケモンにひどいことをしてきたと思います。でも、今の戦いで本当にポケモンを好きだということを感じました。だから、もうそんなことをやめて……」

「……一つ、約束しなさい」

「はい?」

「チャンピオンになりなさい。私ともう一度戦うまで、勝ち続けなさい。そして、あなたを最初に倒すのは私になるわ」

「……はい!!」

「……じゃあね」

「あ、後、サンダーは……」

「あれは私には止められないわ。別の管轄よ。あれを止めるには倒すしかないわね」

「そんな……」

「それじゃあね」

今度こそ、和さんはきびすを返し、その場を去っていった。

グレンタウン・郊外
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/01(月) 21:33:58.51 ID:EV8HfC7I0
グレンタウン・郊外

「『私ともう一度戦うまで、勝ち続けなさい』ね。もう、あなたにそんな機会はないのにね。どうして、そんなことを言ったのかな」

私の前で、AYUはそう言った。

「私に勝った人が詰まらない奴に負けるのは嫌だからよ」

「なるほどねー」

「もう、未練はないわ。サッサとしなさい」

それが、私が傷つけてきた、

「ポケモン達への報いだからかい?和ちゃんは優しいねー。普通はそんなこと、思わないのに」

「……なんでもいいから、早くしなさい」

「分かってるよー」

AYUは手にエネルギーを溜めて、私に向ける。一体、この子は何者なんだろうか。

「じゃあね、元気で生きるのよ」

私は抱いていた、ピカチュウを地面に置く。

それじゃ、いくよ」

「いつでもいいわ」

私は目を瞑る。

(覚悟はした。いつでも来なさい)

そう思って、最後の一撃を待っているのに、いつまでもこない。

「どうしたの、はやくしな……!?」

私が目を開けると、傷ついたピカチュウが私の前に手を広げて、立っている。

「ふーん。やーめた」

「は?」

「あなたがいなくなったら、この子がかわいそうだからね」

AYUはきびすを返す。

「あ、あなたは一体何がしたいの」

「……それを答える義務は仲間でもないあなたに言うことじゃないよ。これが最後だよ。次に会う時には敵だからね」

「……ありがとう」

「……ふん」

AYUは去って行った。

「ありがとね、ピカチュウ。これからも、よろしくね」

「チュウ〜」

「……頼むわよ、梓」

私はこれから、今までやってきたことをどう償っていけばいいのかを考えながら、サンダーを見つめた。

136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [ saga]:2011/08/01(月) 21:38:32.48 ID:EV8HfC7I0
VSロケット団編B 「VS和」 修了
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/02(火) 01:13:53.37 ID:IzEnwzXHo
乙ー
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2011/08/06(土) 01:10:47.26 ID:Z7Gdf/PAO
イ呆
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 04:55:11.98 ID:Ex4FfjM30
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ  ガルーラ カイリュー ポリゴン2 プテラ ラプラス

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー

VSロケット団編C 「VSサンダー」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 04:57:14.98 ID:Ex4FfjM30
今回のメンバー ゆい ハッサム プテラ カイリュー ニューラ イーブイ

梓「さて、律先輩達を助けに行かなくちゃ」

ゆい「そうだね。ビリビリ。でも、手持ちの。ビリビリ。ポケモンで無事なのは。ビリビリ。私だけだよ」

梓「……まひは大丈夫ですか?」

ゆい「大丈夫、大丈夫。ビリビリ。すぐに治るよ。ビリビリ」

梓「……ちょっと、気に入ってますよね。そのビリビリって」

ゆい「分かる?ビリビリ」

梓「……ビリビリっていうのをやめて下さい」

ゆい「ほーい」

その時、グレンジムの壁がどこかの野球少年が窓ガラスを割ったかのように粉々になり、ニドキングが倒れてきました。

律「これで最後か。おーい、あずさー。無事かー」

そんな声とともに、律先輩が現れました。

梓「律先輩!」

律「おお、梓。和はどうした?」

ゆい「私達が倒しました!」

律「そうか。よくやったな、梓」

ナデナデ

梓「えへへ」

ゆい「え、なに。この扱いの差」

律「冗談、冗談。ゆいも頑張ったな」

ゆい「まあね!エッヘン」
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 04:58:33.02 ID:Ex4FfjM30
カツラ「おお。梓君も無事じゃったか」

梓「カツラさん!」

ジョーイさん「梓ちゃん、怪我はない?」

梓「ジョーイさんまで。一体、どうしたんですか?」

律「実はかくかくしかじか」

梓「なるほど。皆さん、無事で良かったです!」

私達はサヨナラ勝ちを収めた野球チームのように騒ぎます。

律「まあ、こんなところで和んでるわけにもいかないんだけどな」

梓「ええ」

今も上空ではサンダーが縦横無尽に雷を落としていますし。

ゆい「でも、私も含めて、回復しないと戦えないよ」

梓「そうですね。ポケモンセンターも使えないし、一体どうしたら……」

突如、ゴロゴロビシャーンという音ともに外が暗闇で急に電気がついたかのようにまぶしく光ります。

律「奴が来たのか」

梓「どうしましょう。私に戦えるポケモンがいません」

ゆい「私がいるよ〜」

梓「まともな状態でも勝てるか分からないのに、そんなまひ状態だとボロ負けならまだましで、最悪、死にますよ」

カツラ「ポケモンセンターの回復させる機械があればいいんじゃが」

ジョーイ「だけど、ロケット団に壊されてしまったわ。残ってるのは簡易のパソコンだけよ」

律「そうか。……って」

梓「そうですか。……って」

律・梓「それだー(です)!!」
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 04:59:42.89 ID:Ex4FfjM30
ジョーイ「え、何が?」

梓「このパソコンで博士にポケモンを送って……」

律「回復させてもらえば、まだ戦える」

梓「じゃあ、早速ポケモンを転送しましょう。さあ、ゆい先輩。ボールに入ってください」

ゆい「えー。まあ、仕方がないか。博士のところでゆっくりお茶でも飲んでくるよ」

梓「すぐに戻ってきてくださいね」

ゆい「あー。私がいなくてさび……」

ゆい先輩をボールに戻し、パソコンにセットする。

律「とりあえず、博士に連絡をしよう」

ピ、ポ、パ、ト

オーキド『なんじゃ、この一大事の時に』

律「今から、私たちのポケモンをそっちに送るから、すぐに回復させて戻してくれ」

オーキド『律君は一体、どこにいるんじゃ……っと、送られてきたのう。場所はグレンタウンじゃと!?しかも、梓君のポケモンまでいるとい
うことはそこに梓君もいるのじゃな!?』

律「訳は後で話すから、頼むよ」

オーキド『……分かった。じゃが、これだけは言わせてくれ』

律「なんだよ」

オーキド『死なないでおくれ』

律「縁起でもないこと言わないでくれ。じゃあ、頼んだぞ」

オーキド『任せるのじゃ』

ガチャと電話を切る。

梓「どうでしたか?」

律「すぐにやってくれるってさ」

ピシャーゴロゴロ

律「やばいな。こっちにどんどん近づいてきている」

梓「ええ」

その時、雷がドガーンという音ともにグレンジムに衝撃が起きて、地震のように揺れ、天井が落下してきます。

カツラ「危ない、梓君!律君!」

カツラさんは私と律先輩、そして、パソコンを庇うように楯になってくれます。そして、天井が落下して出来た穴から、黄色と黒の体で鋭いク
チバシを持った伝説のポケモンの1匹、サンダーの姿が現れました。しかも、親の敵を見るように私達のことを睨んできます。
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 05:03:08.94 ID:Ex4FfjM30
律「くそ。こんな時に。まだ、送られてこないのか」

梓「あと少しです!!」

カツラ「仕方がない。来い、ウインディ!」

カツラさんは弱りきっている、ウインディを出します。

カツラ「すまんのう、ウインディ。ちょっとの間、頑張るんじゃよ」

カツラさんのウインディは今にも崩れ落ちそうな中でも、なんとか立ち、サンダーと対峙します。

カツラ「おそらく、ワシのウインディでは時間つぶしも出来んじゃろう。じゃが、サンダーにダメージを与えることは出来るはず。ウインディ、フレアドライブ!」

ウインディはどこから力がわいてくるのか、炎の弾丸のようにサンダーに突撃していきます。

律「よし!この攻撃が通れば……。なんだ、あの体制は!!」

サンダーは体を横向きにし急速に回転させ、ウインディに向かって、こちらも銃弾のように素早く突撃していきます。ただ、ウインディは普通の銃弾なのに対し、こちらはマグナムを射撃したような威力の違いがありそうな感じですね。

カツラ「これは、ドリルくちばし!?」

律「くそっ。このままじゃ、ウインディが……」

梓「来ましたよ、律先輩!」

律「何!?よし、来い、サワムラー!」

律先輩は迷わずに、サワムラーを選びます。ここらへんはさすがですね。

ブルブル

私のボールの一つが携帯電話のバイブのように振動しています。まあ、なんだか、分かりますが。

梓「やれやれです」

私はそのボールを手に取り、ボールから出します。

ゆい「わーん。寂しかったよ、あずにゃ〜ん」

梓「よしよし」

ナデナデ

ゆい「えへへ〜」

律「サワムラー、ウインディを蹴り飛ばせ!」

サワムラーはそのゴムのように伸びた足でウインディを蹴り飛ばします。そして、攻撃をかわされて、そのまま、突撃したサンダーはグレンジムの壁に激突し、壁はまるで発砲スチロールのように粉々になります。

カツラ「すまん、律君。危なく、ウインディが…」

律「気にするなよ。困った時はお互い様だろ」

梓「カツラさんはジョーイさん達を避難させて下さい」

カツラ「じゃが、律君達は……」

律「私達なら大丈夫だよ。それにカツラさんがいても、ポケモンが回復できてない状態なら、正直いても何も出来ることないよ」

カツラ「……分かった。頼んじゃぞ、2人とも。行くぞ、皆」

カツラさんは皆をまとめて、一緒に避難していきました。
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 05:04:33.23 ID:Ex4FfjM30
サンダー「ンダー!!」

サンダーは私達を睨んでいます。

律「どうした、梓。怖いのか?足が震えてるぜ」

梓「律先輩こそ、手が震えてますよ。逃げるなら、今のうちです」

律「ふん。ちっこいくせに無理すんなよ」

梓「律先輩には言われたくありません」

律「私達の戦績は出発した時とマサキさんとこのを除けば、どれくらいか知ってるか?」

梓「さあ?」

律「450勝450敗だ」

梓「そうでしたっけ。もっと、私が勝ってるかと思ったんですけどね」

律「だから、1001戦目をして、決着をつけなきゃいけないんだ」

梓「何が言いたいんですか?」

律「死ぬなよ」

律先輩はモンスターボールを構えます。

梓「……そっちこそ」

私もモンスターボールを構えます。

ゆい「2人とも頑張ってー」

梓「ゆい先輩も頑張るんですよ。ほら」

ひょいとゆい先輩を抱き上げます。

律「さあ、いくぞ」

梓「いつでもいいですよ」
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 05:06:41.65 ID:Ex4FfjM30
律「オーケー。来い、ニョロボン!」

梓「来て下さい、ニューラ!」

律「ニョロボン、右かられいとうパンチ!」

梓「ニューラ、左からブレイククロー!」

ニョロボンは冷気をこめた、鋭いパンチをサンダーの右から仕掛け、ニューラは自慢のツメをサンダーの左から切り裂くべく、飛び掛ります。

サンダー「…サンダー!!」

サンダーはその攻撃に対し、その両方に対し十万ボルトを繰り出します。

ニョロボン「ニョロー!!」

ニューラ「ニュラー!!」

その攻撃を受け、2匹はアニメで十万ボルトを受けて、黒焦げになるロケット団のように黒焦げになり、気絶します。

律「くそ。あいつは左右同時に攻撃できるのかよ」

梓「さすがは伝説のポケモンですね」

私達がニューラ達をボールに戻している時に、サンダーはさっきのウインディに仕掛けたドリルくちばしの体制に入ります。

律「ちっ。どうすんだよ、あの技」

梓「あの技を受けたら、私達跡形もありませんよ」

律「仕方がない。梓、1匹、囮にしてくれ」

梓「何をする気ですか?危ないことなら嫌ですけど」

律「梓が1匹、奴の注意を引き付けている間に横からサワムラーのキックを、反対側からゴローニャがすてみタックルを仕掛ける」

梓「それは名案ですね!律先輩には珍しく!」

律「おう、ありがとう。お礼に後で説教な」

梓「では、来て下さい、カイリュー!」

カイリュー「リュー!」

律「随分でかいのを出したな」

梓「他のを出したら、下手したら殺されちゃいますよ」

律「まあな」

ゆい「私は何をすればいいの?」

私の腕の中でゆい先輩は聞いてきます。

梓「とりあえず、大人しくしていて下さい」

ゆい「分かったー。お口、チャック」

ゆい先輩は口を小さい子がやるみたいにチャックを閉めます。その仕草は実に可愛いです。サンダーは体を横向きにし急速に回転させ、私達にに向かって、こちらも銃弾のように素早く突撃していきます。

梓「カイリュー、頼みますよ」

律「来い、サワムラー、ゴローニャ!」

律先輩はサワムラーとゴローニャを出します。カイリューはその間にサンダーのドリルくちばしを受けます。

カイリュー「……リ、リュー」

カイリューはその攻撃を受け、おなかに鋭利なくちばしが刺さり、血を流しながら、膝を突きます。その両手でくちばしを握りながら。

梓「カイリュー!律先輩、今のうちです!」

律「サワムラー、右からメガトンキック!ゴローニャ、左からのしかかりだ!」

律先輩は予定通りの指示を出します。サワムラーはサンダーに向かって、鉄球のような重く、力をこめたキックを繰り出します。その反対側からは、300kgの体重を持つ、ゴローニャが体当たりを仕掛けます。

律「今度はかわせないはずだ」

サンダー「……サンダー!」

サンダーはカイリューの手を振り切り、体を回転させ始めます。それと同時に回りに電撃を放ちます。
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 05:08:46.51 ID:Ex4FfjM30
サワムラー「ムラー!!」

サワムラーはその電撃で、キックを当てる前にダウンします。その間にも体を回転させ、カイリューの体にネジを回すかのようにめり込んでいきます。

梓「カイリュー!」

律「サワムラー!だが、ゴローニャに電気タイプの技は……」

ゴローニャ「ゴローーーーー!」

ゴローニャも電撃を喰らい、体が黒焦げになります。

律「馬鹿な!」

梓「それだけ、相手の威力が強いってことですよ。それよりも、戻って、カイリュー!」

私はカイリューをボールに戻します。

律「どうしろってんだよ、あんな奴相手に。もう、私のポケモンは3匹しかいないし」

梓「私も実質3匹ですし」

ゆい「ンーンー」

梓「しゃべっていいですよ」

ゆい「私もいるよー」

梓「やっぱり、黙ってください」

ゆい「ひどっ!」

梓「冗談です。何かいい方法はありませんかね」

ゆい「空で戦おう」

梓・律「は?」

ゆい「だって、地上だと向こうの方が有利だよ。なら、空中の方がいいよ」

梓「たしかにそうですが……」

律「とは言っても、空を飛べるのはリザードンだけだ」

梓「私はプテラだけです」

律「だが、悪い案じゃないな。だって……」

サンダーは私達の方を睨み、またもや、ドリルくちばしの体制に入ります。

律「地上じゃ、あれを避けるのも辛いしな」

梓「じゃあ、早速……プテラ、君に決めた!」

律「来い、リザードン!」

私達は背中に乗って、空中に出ます。

サンダー「ンダー!」

サンダーはそれを見て、ドリルくちばしをやめて、上空に向かってきます。

梓「来て、イーブイ」

イーブイ「ブイ♪」

梓「体に負担をかけちゃうかもしれないですけど、ごめんね」

私はイーブイにみずのいしを当てて、シャワーズに進化させます。

シャワーズ「シャワ」

梓「シャワーズ、れいとうビーム!」

シャワーズは冷気のビームを上空に向かってくる、サンダーに発射します。
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 05:10:51.71 ID:Ex4FfjM30
律「よし!サンダーはとりタイプだから、この攻撃は有効のはずだ」

しかし、サンダーは体を回転させて、そのビームをはじきます。

律「またかよ。強すぎだろ、あのサンダー!」

梓「まあ、こうなるとは思ってましたけどね」

律「くそ。来い、レアコイル、ゴルダック!」

梓「来て下さい、ハッサム!」

律「おいおい。ハッサムでどうするんだよ」

梓「でも、私の手持ち、これしかいませんし」

ゆい「大丈夫!私に任せなさい!」

梓「どうやってですか?」

ゆい「もう!忘れたの?プテラとの戦いを」

梓「ああ。なるほど」

律「なんだ、一体」

ゆい「見てれば分かるよ。いくよ、ギー太、ハッサム。ミュージックスタート!(翼をくださいを想像してください)」

ゆい先輩の音楽とともにハッサムの背中から天使のように白い羽が生えます。そして、空を飛び始めます。

律「おお。これなら、戦力になるな。他のポケモンには出来るか?」

ゆい「悪いけど、1匹が限界なんだよ〜」

律「なら、仕方がないか。……よし、とりあえず、近距離はハッサムに任せて、私達が遠距離でサンダーを攻撃していくしかないな」

梓「それが理想ですね」

律「じゃあ、いくぜ。ゴルダック、れいとうビーム!レアコイル、マグネットボム!」

梓「シャワーズ、れいとうビーム!」

ゴルダックたちはサンダーの逃げ道を防ぐべく、左右に発射します。

梓「ハッサム、まずはつるぎのまいで攻撃力アップです!」

ハッサムはあらぶる踊りを踊り、攻撃力をあげます。

律「おし。リザードン、かえんほうしゃだ!」

左右に攻撃をして、動きを封じている中央にリザードンのかえんほうしゃを発射し、サンダーはそのかえんほうしゃを直接浴びます。なるほど、これならよけるのは厳しいですね。

律「やったか!?」

サンダー「……サンダー!!」

サンダーはドリルくちばしの体勢で体を回転させ、炎を弾き飛ばします。

律「またかよ。それしか、技がないのか」

梓「絶対の自信があるんでしょうね。律先輩、リザードンを下げてください。頼みますよ、ハッサム!」

律「正面から受けきる気かよ。無茶だぜ」

梓「大丈夫です、私のハッサムなら!」

律「どっから、そんな自信が出てくんだよ」

梓「とにかく!ハッサム、おんがえしです!」

ハッサムはハサミにエネルギーを溜めて、サンダーに対抗するべく、突撃していきます。
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 05:11:59.78 ID:Ex4FfjM30
梓「いっけー、スクラップフィストー!!」

サンダーのドリルのような一撃とハッサムの鋼鉄のハサミが激突し、その振動が私達のところまで風になって、伝わってきます。

律「やったのか!?」

ピキ……ピキピキ。

ハッサムのハサミがひび割れる音が聞こえ、ハサミだけでなく、体中にひびが入り、羽を失って、落下していきます。

梓「ハ、ハッサム!プテラ、急いで下さい」

私はハッサムを助けるべく、プテラとともに救助に向かいます。
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 05:12:27.90 ID:Ex4FfjM30
律「化け物かよ、あいつは……」

梓はハッサムを助けに下に向かっている。まあ、梓がいても無駄だけどな。梓が弱いとかじゃなく、こいつは強すぎる。

律「けど、やるしかないか。頼むぞ、皆」

私は残りのメンバーに望みを託した。
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 05:13:16.02 ID:Ex4FfjM30
私はハッサムが落下したところを見つめる。私がここにいるのはただ、自分のやったこことの行く末を見るためだ。それにしても、やはり、伝説のポケモン……私を倒した梓がまったく歯が立たない。おそらく、ゆいでも勝てないだろう。

和「なのに、あのハッサムはどうして、立ち上がるの……!?」

ハッサムはまだ諦めていないのか、上空を見上げ、サンダーを悔しそうに見つめる。なんていう精神力だろう。上空からは梓達が向かってくる。多分、ハッサムを助けに来たのだろう。

和「私に勝った以上、負けたら許さないわよ」

そう呟き、様子を見た。
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 05:14:52.75 ID:Ex4FfjM30
梓「ハッサム!!」
ゆい「サムちゃん!!」
私達が地上に着くと、ハッサムは傷だらけになりながらも、上空を悔しそうに見つめています。
梓「待っててください。今、ボールに戻し……ッ!?」

私はボールに戻そうと構えた手を止めます。というのも、ハッサムの目はまだ戦いという、戦意のこもった目をしています。さらに、体からも

そんなオーラが流れています。

ゆい「……サムちゃん」

ハッサム「サム(俺はまだ、戦える)」

梓「……もう、いいですよ。これ以上、傷ついたら、ハッサムの命が……」

ゆい「そうだよ。サムちゃんは頑張ったよ。だから、少し、休んで……」

ハッサムはそんな私達の言葉を無視し、プテラに向かって歩いていきます。

ハッサム「ハッサム(サッサと俺を上に乗せて戦わせろ)」

プテラ「プテラ、テラ(俺は死に掛けを上に乗せる趣味はないんだ。それに、お前を倒すのは俺だ)」

梓「ハッサムは戦いたがってる。でも、もう勝つための手段がない……」

和「諦めるの?」

突如として、さっきまで私と戦っていた相手……和さんの声がしたので、その方向を見ます。

梓「和さん!どうして、ここに……」

和「別に深い理由はないわ。それよりも、諦めるの?ポケモンよりも先にあなたが諦めるの?」

梓「でも、勝つ手段がなくて……」

和「たしかにあいつは強いわ。でも、相手も所詮はポケモン。上を見なさい」

上を見ると、律先輩がサンダーの攻撃を避けながら、ハイドロポンプなどを当てています。

和「サンダーを見なさい」

私は言われたとおりにサンダーを見ます。

サンダー「……はあ……はあ」

サンダーは息遣いを荒くしています。

和「サンダーだって、ポケモン。体力は無限じゃないのよ。無限じゃないなら、勝つ手段は絶対にあるはずよ」

梓「……そうですね」

体力が無限ではない。当たり前のことだけど、サンダーの強さを見て、失念していました。

梓「ありがとうございます、和さ……あれ?」

私がもう一度、和さんのいたところを見ると、和さんはいなくなってました。

梓「……ありがとうございます、和さん」
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 05:15:53.10 ID:Ex4FfjM30
梓「さてと。どうしますか」

私の手持ちでまだ、戦えるのはシャワーズ、プテラ、ゆい先輩。……そして、

ハッサム「……サム!」

ボロボロだけど、戦う意思の消えないハッサム。どう戦うべきでしょうか。

ゆい「……よし!私いい方法を思いついたよ」

梓「どんな方法ですか?」

ゆい「それにはサムちゃんの協力が不可欠なんだけど……いけるよね?」

ゆい先輩はハッサムに問いかけます。

ハッサム「……サム!(もちろん!)」

ゆい「なら、大丈夫かな。方法はね、シオンタウンでバンギラスにやった、サムちゃんをプテラの口にくわえて、はかいこうせんとともにサムちゃんを発射して、その勢いでサンダーにぶつけるの」

梓「……たしかに、悪い作戦ではないですけど、ハッサムは大丈夫ですか?」

ハッサム「サム(もちろん)」

ゆい「問題はサンダーが避けられたらなんだけど……」

梓「それは問題ないですよ」

ゆい「何で?」

梓「だって、あのサンダー、避けられる場面でも力押しできましたからね。多分、避けずに向かってくると思います」

ゆい「なるほど。王者の驕りって奴だね」

梓「それは知りませんけど……。とりあえず、シャワーズは援護をお願いします。では、それで頑張りましょう!」
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 05:16:49.41 ID:Ex4FfjM30
律「リザードン、避けろ!」

サンダーの十万ボルトを横にかわす。

律「ったく。なんてポケモンだよ」

レアコイルやゴルダックの技はちょくちょく命中はするんだが、まったく効いている様子がない。

律「どうしろってんだよ、まったく」

梓も戻ってこないし。いつやられてもおかしくない展開だし。

律「ん?」

サンダーの背後に梓達の姿が見えた。しかも、プテラはハッサムをくわえている。

律「一体、何をする気だよ……」

呆れ半分、期待半分で梓の様子を見つめた。
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 05:18:15.34 ID:Ex4FfjM30
梓「シャワーズ、サンダーにれいとうビーム!」

シャワーズは冷気のビームをサンダーの背後に向かって発射し、サンダーの背中に命中します。

サンダー「……ンダー!」

サンダーは怒りの眼で私達の方を見ます。そして、ドリルくちばしの体勢になります。

梓「来ましたか!頼みますよ、プテラ、ハッサム!!」

プテラ・ハッサム「「テラ(サム)!!」」

梓・ゆい「「いっけー、『レッド・シューティングスター』」

プテラの口からはかいこうせんとともにハッサムが発射されます。そして、サンダーも体を回転させ、それに対抗します。さながら、赤い弾丸と黄色の弾丸のようです。

ガッキーン

口ばしとハサミが激突し、ハッサムは下に、サンダーは上にはじかれます。

ハッサム「……サム」

ハッサムのハサミがひび割れて、砕け散りました。

梓「ハッサム、戻ってください!」

私はハッサムをボールを戻します。

梓「ありがとう、ハッサム」

ゆい「あずにゃん、サンダーが……」

ゆい先輩がサンダーを指差します。

サンダー「ンダーーーーーーーーーーー」

サンダーの口ばしがひびが入り、血が噴出します。そして、怒りの表情で私達を睨みます。

律「レアコイル、だいばくはつだ!!」

私達を親の敵のように睨むサンダーの背後で、レアコイルがだいばくはつを仕掛け、黒い煙に覆われます。

梓「やりましたか!?」

ゆい「多分、まだ無理だよ。それより、あずにゃん。私を抱っこして」

梓「後にして下さい」

ゆい「これはサンダーを倒すために必要なんだよ!」

梓「……分かりました」

私はサンダーの方を見て、ゆい先輩を抱きます。

ゆい「えへへ。あずにゃんのちっぱいだ〜」

梓「さて、シャワーズでも、抱っこを……」

ゆい「冗談だから怒らないでよ」

そうこうしているうちに煙が晴れます。そこには大ダメージを受けながらも、まだ敵意を放っている、サンダーの姿がありました。
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 05:19:21.86 ID:Ex4FfjM30
律「本当に不死身かよ」

ゆい「よし!あずにゃん分、補充完了。いくよ、ギー太。ゆいちゃん真拳奥義『ゆいちゃん☆ビーム』」

ギターの先端に高エネルギーがたまり、サンダーに向かって発射します。

シャワーズ・プテラ「シャワ(プテ)!」

そのビームにあわせて、シャワーズのれいとうビームとプテラのはかいこうせんも加わり、サンダーに命中します。

サンダー「ンダーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

サンダーは断末魔の叫び声をあげて、グレン島を見渡せる火山に激突し、気絶しました。
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 05:20:04.72 ID:Ex4FfjM30
ゆい「やったーーーーーーーーーーーーーーーーー」

ゆい先輩は小さい体をピョンピョンと跳ねて、喜んでいます。実に可愛いらし……おっと、誰か来たようです。

律「やったな、梓」

梓「やりましたよ、律先輩」

私達は空中で手をパンと叩きあいます。

律「とりあえず、地上に戻るか」

梓「ええ。さすがに疲れましたよ」

私達が地上に戻ると、カツラさん達が話しかけてきます。

カツラ「やあ、律君。梓君。よくやってくれたよ」

梓「ロケット団の奴らは?」

カツラ「だいぶ、沈静化しているから、安心せい。たぶん、奴らはヤマブキシティに戻っているんじゃろう」

律「そういえば、ヤマブキシティは大丈夫か?」

カツラ「正確な情報が出回ってきてはいないんじゃが……とりあえず、ヤマブキに向かうぞ」

梓「ですが、私達のポケモンの体力が……」

ジョーイ「それなら、安心して。なんとか、応急処置的に直すことができたわ」

ゆい「なんていうご都合主義」

梓「ではパソコンを貸してください。少し、モンスターもチェンジします」

カツラ「うむ。万全の状態で行こうじゃないか」

律「カツラさんも行くのか?」

カツラ「当たり前じゃろう」

梓「さて、カイリューのダメージが大きかったですから、ここは……これでいきましょう」
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 05:21:17.14 ID:Ex4FfjM30
今回のメンバー ゆい ハッサム プテラ ヘルガー ニューラ ガルーラ

梓「では、早速ヤマブキに向かいましょう」

律「きっと、澪達もいるはずだ」

カツラ「ふむ。あのデカ乳のお嬢さんか。あれは実に……」

ゆい「お口、チャック!」

私達はヤマブキに向かうべく、グレンタウンに向け、出発しました。
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/06(土) 05:21:49.35 ID:Ex4FfjM30
AYU「負けちゃったか……」

AYUはサンダーを見つめる。

AYU「でも、ゆっくりしてる場合じゃないね。君にはまだ出番はあるからね」

AYUはサンダーをモンスターボールに戻す。

AYU「早く、届けてあげなきゃね」

AYUはある人物に届けるために全力でヤマブキシティを目指した。
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/08/06(土) 05:22:40.76 ID:Ex4FfjM30
VSロケット団編C 「VSサンダー」 終了
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/06(土) 05:59:08.08 ID:B6OA/wLDO
朝起きたら行進されててちょっとうれしい乙!!

んで、気になったんだけど450勝450敗だったら
次の対戦は901戦目じゃね?
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/08/06(土) 06:08:03.42 ID:Ex4FfjM30
>>160
ごめんなさい。計算間違えた

>>144
訂正
450勝450敗→500勝500敗
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/06(土) 09:25:44.47 ID:KVd2KwYIo
おつん
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/08(月) 10:13:10.50 ID:u4koPRllo

164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:09:26.89 ID:2eZc6/4r0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ  ガルーラ カイリュー ポリゴン2 プテラ ラプラス

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル ゴローニャ ゴルダック

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー

注意 今更だけど、曽我部はオリキャラ扱いでお願いします。

VSロケット団編D 「伝説のポケモン強襲」
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:11:17.47 ID:2eZc6/4r0
ヤマブキシティ・シルフカンパニー

サカキ「感慨深い光景だな」

曽我部「ええ」

シルフカンパニーの社長室から夕日の中ファイヤーとフリーザーによってボロボロになっていく町を見る。

サカキ「これでロケット団の天下を取れる」

曽我部「そうですね。……このまま順調に事が進めば、ですけど」

サカキ「どういう意味だ?あの、お前が警戒していた少女達のことなら、大丈夫だろう。フリーザーとファイヤーの2匹を同時には相手にはできまい」

曽我部「いえ、違います」

きっぱりとした否定にサカキは曽我部を見る。

サカキ「では、お前は何を心配しているんだ」

曽我部「心配?そんなことはしてませんよ」

サカキ「では、さっきの言葉は何なんだ」

曽我部はサカキの言葉を無視し、携帯電話を取り出し、どこかに連絡をする。

曽我部「……そうですか。ありがとうございます。……はい。では」

サカキ「誰に電話をしていた」

曽我部「……うるさいな」

曽我部が今までとは違った対応にサカキは驚く。

曽我部「あなたにはお礼を言っておきます。『私の』野望のために協力していただき、ありがとうございます」

サカキ「野望だと……!?」

曽我部「もう、舞台は整いました。あなたにはご退場願いましょう」

サカキ「なんだと!?」

曽我部「本来なら、あなたは私に感謝すべきですよ。『本来の歴史』なら、あなたはここまでのこともできずにあの少女達にボロ負けしていた
んですから」

サカキ「……お前は何を言ってるんだ」

曽我部「あなたには分からないでしょうね。まあ、これまで、世話になりましたから、自分で投降するなりなんなり、好きにして下さい」

サカキ「……何でもいいんだな?」

曽我部「ええ」

サカキ「では、お前を倒す!」

サカキはサイドンを出す。

曽我部「そうきますか。でも、めんどくさいので持ちポケモンを全部出してください。もっとも、それでも私には勝てませんが」

サカキ「……舐めるのもいい加減にしろ」

曽我部「これは正当な評価ですよ。まあいいです」

曽我部も構える。

曽我部「後悔しないでくださいね」

サカキ「……お前がな!」

その言葉をきっかけに2人の戦いが始まった。
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:13:25.75 ID:2eZc6/4r0
今回のメンバー ゆい ハッサム プテラ ヘルガー ニューラ ガルーラ

上空

ゆい「急げや、急げ」

私達は全速力で、ヤマブキシティに向かっています。綺麗な夕日も出ていてゆっくり観賞したいんですけど、そんな場合じゃないのが辛いですね。

梓「律先輩。澪先輩達と連絡つきましたか?」

律「ああ。一旦、クチバシティ側で落ち合うことになった」

梓「町の様子とかは?」

律「……聞かない方がいい」

梓「……そうですか」

ロケット団の連中は一体、何を考えているんでしょうか。こんなにも犠牲を出して、何がしたいんでしょう。

ゆい「あずにゃん、スマイ〜ル」

梓「はい?」

ゆい「また、顔がむっとなってたよ。そんなんじゃ冷静な判断できないよ。だから、スマイ〜ルで落ち着こう」

梓「……はあ。いつも、かわりませんよね、ゆい先輩」

ゆい「なんか、あきれられてる!?」

梓「感心してるんですよ」

ゆい「私の目を見て、言おうよ」

梓「こんな緊迫してる状態で笑えませんよ」

ゆい「そうだけどねー」

ゆい先輩はうつむきます。

ゆい「悲しいよねー。ポケモンを争いの道具に使うなんてね」

梓「……そうですね」

なんとなく、人間側として、申し訳ない気持ちになります。

ゆい「ポケモンと人間さんも仲良くなれると思うんだ。それこそ、私達みたいに恋人同士みたいにさ」

梓「(仮)です」

ゆい「いい加減、素直になろうよ」

梓「私はロリコンではありませんので」

ゆい「恥ずかしがらなくてもいいのに」

167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:14:10.20 ID:2eZc6/4r0
梓「……とりあえず!!この話題はこっちにおいておきましょう。今は伝説のポケモン、フリーザー、ファイヤーをどう倒すかです」

ゆい「それは厳しいよね、現実問題として。サンダー相手でもこれだけ苦労したんだし」

梓「たしかにそうですね」

ゆい「まあ、希望がないわけじゃないんだけどね」

梓「そうですね。あの時は律先輩と2人だけでしたけど、今度は澪先輩達もいますし、ジムリーダーの人達、他のトレーナーの人達もいますし」

ゆい「それが希望だよね。でも、現段階で騒ぎが治まってないところをみると……」

梓「厳しいですよね」

ゆい「まあ、私達がいれば、大丈夫だよ。あずにゃ〜ん」

梓「にゃっ!!」

ゆい先輩は私の胸に飛び込んできます。

ゆい「あずにゃん分補給〜」

私の胸でほっぺをすりすりしてきます。

梓「や、やめてください」

ゆい「これは私のエネルギー源なんだよ〜。ポケモンセンターでも補給できないんだよ〜」

梓「な、なら、仕方がないですね」

ゆい「そう。仕方がないの」

梓「って、そんなわけないじゃないですか!!」

律「仲良いな、お前ら」
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:15:32.14 ID:2eZc6/4r0
ヤマブキ・クチバシティ側

澪「遅いぞ、律、梓」

梓「すいません」

律「無茶言うなよ。これでも、全速力できたんだぞ」

カツラ「久しぶりじゃのう、澪君、ムギ君」

澪「お、お久しぶりです」

紬「お久しぶりです」

カツラ「他のジムリーダーは?」

ムギ「タマムシシティ側で戦っています」

カツラ「それじゃ、ワシも行って来るかのう。ではまたな」

カツラさんはギャロップにまたがり、走っていった。

律「それで状況は?」

紬「あんまり芳しい状況ではないわね。ジムリーダーの人と協力してるけど、フリーザーとファイヤーの相手は辛いわ」

梓「他のトレーナーの協力はないんですか?」

澪「皆、自分の命がほしいからな」

つまり、逃げたってことですか。まあ、間違った判断じゃありませんけど。

梓「これから、どうしますか」

澪「現在、エリカさん達がフリーザーを相手しているが……現実問題厳しいだろうな」

律「私達だって、2人でサンダーを倒したんだから、フリーザーとファイヤー、2匹でも倒せそうだけどな」

紬「その2匹だけじゃなくて、ロケット団の相手もしなきゃいけないから」

澪「それにあの2匹は協力して攻撃してくるからな」

梓「それは辛いですね」

ゆい「ロケット団の本拠地みたいなところは?」

紬「シルフカンパニーにボスがいるみたいね」

律「じゃあ、そこに潜入して、サッサとボスを叩いちまおうぜ」
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:19:03.41 ID:2eZc6/4r0
澪「無茶言うなよ」

律「でも、頭をサッサと倒した方がいいだろ?」

紬「そこまで行くのが大変よ。シルフカンパニーはヤマブキシティの中央にあるし」

澪「それまでに上空のあの2匹やロケット団を倒していかなくちゃいけないし」

律「ロケット団員をいちいち相手にする必要もないだろ」

澪「それはそうだが……」

律「上の2匹だって、他が囮になれば、その間に潜入できるから問題ないしな」

紬「結構厳しい気がするけど……」

律「とにかく!!このままじゃ、埒が明かない」

澪「それはそうだけど、このままこう着状態が続けばあの2匹の体力も尽きてくる。そこをつけば、もっと楽に勝てるんじゃないか?」

ムギ「ジムリーダーの人もそう考えてるわ」

ゆい「駄目だよ!」

突然、大きな声を出す、ゆい先輩。

澪「何が駄目なんだ、ゆい」

ゆい「それじゃ、犠牲になる人とかがたくさん出るよ」

澪「ただ、こう着状態を続けるわけじゃない。そうならないように守るようにする」

紬「こうやってジムリーダーの人達が戦っているのも、早く体力が無くなるようにするためよ」

ゆい「でもでも、建物とかは?」

澪「この騒動が治まってから、復興できる。命には代えられないしな」

ゆい「……う〜」

ゆい先輩はまだ、何かを言いたそうに口をつぐみます。

梓「……ですが」

私は一呼吸おいて、言います。

梓「敵はそんなことを許すでしょうか」

紬「どういうこと?」

梓「敵がファイヤーやフリーザーの体力が尽きるまで、何の対策もしてないこともないと思うんですけど」

澪「たしかに。だけど、あの様子を見るとロケット団にあのポケモン達を完全にコントロールし切れてない。だから、対策をしようもないだろ。命令も聞かないんだから。ボールに戻したら、こっちのチャンスのわけだし」

澪先輩の言うことも分かります。ですが、私は一抹の不安を感じていました。今は闇雲に暴れているあの2匹が、もしあの2匹を完全にコントロールできるトレーナーが現れたら、どんな被害が起きるのかと。
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:19:59.14 ID:2eZc6/4r0
ヤマブキシティ・シルフカンパニー

AYU「やっほー、お届け物だよー。……あれ?」

サカキ「……」

AYUが部屋に入ると、サカキが壁にめり込み、血を流しながら気絶している。サカキの手持ちポケモンも無残に全匹やられている。

AYU「アチャー。これはやりすぎだよ」

曽我部「申し訳ありません。手を抜ける相手ではありませんので」

AYU「それは分かるけどねー。まあいいや。はいこれ」

AYUはサンダーの入ったボールを曽我部に手渡す。

曽我部「ありがとうございます」

AYU「頑張ってね」

曽我部「任せて下さい」

曽我部は社長室を出る。

AYU「さて。じゃあ、ショーを見せてもらうよ」

AYUも社長室を出る。そして、この部屋にはボロボロになった、サカキだけが残された。

ヤマブキシティ・シルフカンパニー・屋上

曽我部「さあ出てきなさい、サンダー」

曽我部はサンダーを出す。

曽我部「さあ、ショーの始まりよ。これから、カントー地方が生まれ変わる」

曽我部はほくそ笑み、そう呟いた。
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:20:55.61 ID:2eZc6/4r0
ヤマブキシティ・タマムシ側

カスミ「スターミー、ハイドロポンプ!」

スターミはハイドロポンプをファイヤーに向かって発射する。

ファイヤー「ファイヤー!」

ファイヤーはその攻撃を片羽で受け止め、はじき返す。

カスミ「弱点なのに、まったく効かないなんて……」

フリーザー「フリー!!」

フリーザーは羽を振り、激しい吹雪を発生させて攻撃してくる。

ナツメ「バリヤード、ひかりのかべよ」

バリヤードはひかりのかべを張り、その攻撃を耐える。

タケシ「強すぎるな。これで、サンダーまでいたら、お手上げだな」

エリカ「もう、すでにお手上げ状態ですよ。体力が尽きるまで、この町に止めるようにするのが限界なんですから」

タケシとエリカはロケット団員を相手にしながら話す。

キョウ「上を見ろ!」

突然のキョウの叫びで皆は上を見る。

マチス「ば、馬鹿な……」

エリカ「……カツラさんからの連絡によれば、梓さん達が倒したはずなのに……」

上空には黄色と黒の鳥、サンダーが現れた。
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:22:26.18 ID:2eZc6/4r0
ヤマブキ・クチバシティ側

澪「どうなってるんだ!律達はあいつを倒したんだろ!?」

紬「落ち着いて、澪ちゃん。おそらく、ボールに戻して、回復させたんでしょうね」

律「確認を怠った私達があまかったか」

澪「……ここで皆に聞いておきたいことがある」

律「なんだよ、突然」

澪「これはジムリーダーの人達に言われたんだが……これから、どうする?」

梓「え?どういう意味ですか?」

澪「つまり、このまま、逃げるか戦うかだ」

律「逃げるわけにもいかないだろ」

紬「ええ。でも、このまま戦えば、死ぬかもしれないわ」

律「それは逃げても同じことだろ?」

紬「たしかにそうね。でも、戦うよりも生き残る可能性がある」

律「……まあ、そうだな」

澪「そういうわけだから、ちゃんと考えて判断しろって」

紬「といっても、時間はもうないけどね」

逃げるか、戦うか、そんなことはもう決まっています。

梓「戦いましょう!」

紬「危険よ」

梓「覚悟の上です」

律「よし!!それでこそ、梓だぜ」

律先輩は私の頭を乱暴になでます。

梓「や、やめて下さい」

ゆい「あずにゃんがやるなら、私も頑張るよ!!」

紬「私も。皆で頑張りましょうね」

律「もちろん、私も戦うが……。澪は?」

澪「……皆が戦って、私が逃げるわけにもいかないだろ」

律「じゃあ、皆で頑張ってこの戦いに勝利して、その勢いでポケモンリーグでマサラ旋風を巻き起こそうぜ」

ゆい「お、いいねえ!!」

澪「いや、そこまでうまくいかないだろ……」

梓「そうですよ」

ムギ「でも、夢があっていいじゃない」

ゆい「じゃあ、皆、頑張ろう!」

皆「「「「オー!!!」」」」
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:23:43.88 ID:2eZc6/4r0
ヤマブキシティ・シルフカンパニー・屋上

曽我部「手ぬるいわね」

伝説のポケモンの戦いを見て、曽我部は呟く。

曽我部「……ファイヤー。そんな雑魚達はどうでもいいわ。狙うべきなのは……」

タマムシデパートを見る。

曽我部「やりなさい、ファイヤー」

ヤマブキシティ・タマムシ側

カツラ「待たせたのう、皆」

タケシ「カツラさん!」

カツラ「どうじゃ、様子は?」

タケシ「なかなか、厳しいですね」

カツラ「どれ。のん気に話してる場合じゃないし、ワシも頑張るか」

カツラはブーバーを出す。

カツラ「とりあえず、フリーザーの動きを……ファイヤーの様子が変じゃぞ?」

ファイヤーは戦っている、カスミ……ではなく、もっと遠くの方を見る。

カツラ「あの方角は……まずい!?」

タケシ「カスミさん、ファイヤーの動きを!」

カスミ「分かってるわ」

カスミはスターミーとヒトデマンに標的をあわせて、ハイドロポンプを発射する。しかし、それをフリーザーのふぶきによって、凍らされる。

カスミ「なっ!?」

キョウ「3匹そろうと厄介だな」

キョウはロケット団員をあしらいながら、喋る。

マチス「ライチュウ、フリーザーに十万ボルト!」

ライチュウの十万ボルトがカスミの邪魔をするフリーザーに迫ると、サンダーの電撃が邪魔をする。

ナツメ「嫌になるわね」

エリカ「そんなことより、ファイヤーが……」

ファイヤーの口に炎がたまり、まるで、ビームのようなかえんほうしゃがタマムシデパートに向かって発射され、バーンという音ともに、オレンジ色の炎がろうそくのように。

エリカ「タマムシデパートが……」

カツラ「避難は終わってるのか!」

タケシ「連絡では誰もいないはずです」

カツラ「なら、まだましか。……それにしても、どうして急に標的を……」
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:26:19.87 ID:2eZc6/4r0
ヤマブキ・クチバシティ側

律「あれはタマムシデパートか?」

紬「多分、そうだと思うわ」

澪「早く、行ったほうがいいな」

梓「そうですね」

律「じゃあ、どんな組み合わせでいくか」

ゆい「どういうこと?」

律「これから、あの3匹を倒すためにジムリーダーに加勢する役とシルフカンパニーに潜入する役割だな」

澪「シルフカンパニーに潜入する必要があるか?」

律「さっきまではジムリーダーの相手をしてたんだろ、あの3匹」

ムギ「ええ」

律「それが急に建物を狙い始めたわけだ。これはおかしいだろ?」

澪「たしかに」

ムギ「そうね。ロケット団の本拠地がシルフカンパニーだとすると、なるほど。潜入する価値はあるわね」

ゆい「???」

梓「つまりですね。今まではただ闇雲に戦っていた3匹が急に狙いをつけて、建物を攻撃し始めたということは、あの3匹の考えが変わったか、誰かが指示をしたのどちらかです。でも、前者は考えづらいので、必然的に後者になります。じゃあ、どこから指示を出すのかというと,ロケット団の誰かですが、シルフカンパニーを本拠地にしてるようなので、シルフカンパニーから指示してる可能性が高いということです」

ゆい「おお!なるほど」

律「といっても、他のところにいる可能性もあるけどな」

澪「それは仕方がないと割り切るしかないな」

紬「じゃあ、組み合わせだけど……」

律「じゃあ、私がジムリーダーの支援に行くよ。ムギ達はシルフカンパニーに向かってくれ」

澪「1人で大丈夫か?」

律「場所まで行けば、ジムリーダーの人がいるし、大丈夫だよ。それよりも、澪達の方が心配だけどな」

ゆい「何で?」

梓「私達は3人だけで、ロケット団のいるところを行くからです」

紬「それは大丈夫だと思うけど……」

律「なら、さっさと行動した方がいいな。来い、リザードン!」

律先輩はリザードンをボールから出します。
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:27:01.13 ID:2eZc6/4r0
律「じゃあ、皆。後は任せた」

そう言って、律先輩はヤマブキシティ・タマムシ側に向かいました。

澪「それじゃ、私達も行くか」

紬「ええ」

梓「はい」

私達はシルフカンパニーを目指すべく、ヤマブキシティに潜入しました。
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:28:55.61 ID:2eZc6/4r0
ヤマブキシティ・シルフカンパニー・屋上

曽我部「いい働きよ、ファイヤー。次は……そうね」

曽我部は次の標的を考える。

曽我部「ハナダの町を火の海にしましょうか。頼むわよ、ファイヤー」

ヤマブキシティ・タマムシ側

律「皆、加勢しに来たぜ」

タケシ「律さん!」

エリカ「お久しぶりですね」

律「まあ、積もる話もあるが今はそんな場合じゃないな」

律は上空にいる3匹を見つめる。

エリカ「ええ」

律「では、早速やるか。……ん?」

ファイヤーは今度はハナダシティに目を向けている。

律「何で急に見る方向を……まさか!?」

カツラ「ファイヤーを止めろ!」

ジムリーダーと律のポケモンで攻撃を仕掛けるも、フリーザーとサンダーによって、邪魔される。

律「やめろーーーーーーーーーーー」

そんな叫び声を無視し、ファイヤーはハナダシティに向かって、かえんほうしゃが発射され、ここからでも、分かるくらいに赤い火が燃え上がった。
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:30:21.55 ID:2eZc6/4r0
ヤマブキシティ・シルフカンパニー前

澪「律の言ったとおりだな。おそらく、誰かがあの3匹に指示してる」

梓「でも、さっきまで手に余ってた状態だったのに、一体誰が……」

私達は物陰に隠れて、移動しながら言います。

紬「それにしても、うようよいるわね」

澪「やっぱり、それぞれ相手していたら、めんどくさいことになってたな、うん」

梓「大丈夫ですか?足、震えてますよ」

澪「……気のせいだ」

紬「まあ、それはともかくとして、早く移動していかないと……」

澪「そうだな。うん、そのとおりだ」

ゆい「ごまかしたー」

梓「そこはスルーして下さい」

澪「後、ちょっとなんだけどな」

梓「さすがにたくさんいますね」

紬「……よし!」

ムギ先輩は何かを決意したかのように言います。

紬「私が囮になるから、その間にシルフカンパニーに潜入して!」

梓「え?」

澪「無茶だぞ、あの人数で」

シルフカンパニーの前には10人くらいのロケット団員の姿があります。

紬「でも、それしか方法がないわ」

梓「全員で強行突破という方法もありますよ」

紬「突破できなかったら、持久戦になるだけよ」

澪「……分かった。私も囮になる」

梓「澪先輩まで!?」

澪「1人じゃ辛いからな。それに2人で盛大暴れれば、中のロケット団員も出てくるかもしれない」

梓「ですけど……」

紬「じゃあ、早速やりましょう。ここでのんびりしてて、見つかったら、終わりよ」

澪「よし!梓、後は任せたぞ」

そう言って、私が制止する前に2人は行きました。
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:31:10.02 ID:2eZc6/4r0
紬「大丈夫、澪ちゃん。怖いなら、逃げてもいいのよ」

澪「大丈夫だ。……っていうか、何だ、その主人公のライバルみたいな台詞は」

紬「一度、言ってみたかったの。来て、カポエラー!!」

澪「来い、エビワラー!」

紬「梓ちゃん達は大丈夫かしらね」

澪「大丈夫じゃなくても、やってもらわなくちゃな」

ロケット団員「なんだ、お前らは?ポケモンなんか出して……まさか、おれ達と戦う気か」

紬「そのまさかよ!どこからでもかかってきなさい!」

澪「あんまり挑発するなよ」

ロケット団員「上等だ、行くぞ、お前ら」

その言葉をきっかけにバトルが始まった。



梓「どうしましょう」

ゆい「とりあえず、潜入しないと。澪ちゃん達の思いを無駄にしないためにも」

梓「ですね」

私達は派手に戦いを繰り広げ始めた、澪先輩達を尻目にシルフカンパニーに潜入しました。
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:32:19.99 ID:2eZc6/4r0
シルフカンパニー・内部

ロケット団員「女2人が玄関先で暴れている。至急、応援を!」

隠れている私の前で、携帯で連絡をしながら、通り過ぎていきます。

梓「ロケット団の数が多すぎですね」

ゆい「そうだね」

梓「とりあえず、階段で、最上階に……むぐ」

ゆい「あず……むぐ」

???「静かにして、お姉ちゃん」

???「いい?今から、手を離すけど、大きな声を出さないでね」

私はこくりとうなずく。そして、手が離され、振り返ると……。

梓「純!」

ゆい「うい!」

ロケット団の制服を着た純と純の胸に隠れている、ういの姿がありました。

うい「静かに」

純「ここじゃ、のんびりとしてられないからね。ちょうど、もう1着あるから、トイレで着替えてましょう」
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:34:29.31 ID:2eZc6/4r0
シルフカンパニー・トイレ

純「いやー、まいった、まいった」

梓「どうして、純がここに?」

純「それが聞くも涙、語るも涙なんだよ」

回想

純「バッチも全部集まったから、シルフカンパニーでも見学しますか」

うい「そうだね」

ロケット団員「オラー!今から、ここはロケット団の本拠地だー」

純「え?隠れなきゃ」

うい「急いでー」

私達は急いで、トイレに隠れた。


純「以上!」

梓「……え?それだけ?どこに涙とかの要素が?」

純「普通に観光してるだけで、こんなことに巻き込まれるなんて涙もんよ」

梓「間違ってはないですが……その格好は?」

純「適当に襲って奪った」

梓「……それはすごいね」

純「で、あんたは何しに来たの?」

梓「それは……」

ゆい「もちろん、ロケット団を倒しにだよ!」

私が言うよりも前にゆい先輩が答えます。

純「……やっぱりね」

あきれたように言う、純。

純「あんたも面倒なことが好きね」

梓「別に好きってわけでもないけどね」

純「まあ、ここまで来たら、私も手伝うよ。ボスはここの社長室にいるみたいだし」

梓「よく分かったね」

うい「普通に会話してるからね」

梓「……よくばれないね」

純「堂々としてれば、ばれないもんよ」

梓「そんなもんかな」

純「とにかく、上に行きましょう」

梓「分かってるよ」

私はサッサと着替え始めました。
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:37:34.89 ID:2eZc6/4r0
シルフカンパニー・社長室前

純「ここがボスのいる部屋よ」

梓「見張りはいないね」

純「聞いた話だけど、曽我部っていう人が見張りはいらないって、言われて、誰もいないんだってさ」

梓「……すごいね、いろいろと」

うい「純ちゃんだからね」

梓「……まあ、いいです。とりあえず、中に入りましょう」

ゆい「大丈夫かな」

梓「ここまで来て、罠とか警戒しても仕方がないですし」

私は社長室の重苦しいドアを開けます。

梓「さて、中は……なんですか、これは」

私が中の様子を見ると、そこには無残に倒れているポケモン達と1人の男の人がありました。

梓「大丈夫ですか」

その男の人は頭から血が出てるみたいですけど、たいした傷ではなさそうです。

サカキ「……うう」

純「あ、目を覚ましたみたい」

梓「大丈夫ですか?」

サカキ「……うう、オマエ達は?」

梓「私は、えーと……」

果たして、ここは名乗るべきかと考えていると、

ゆい「私はゆいだよー。こっちは中野梓ちゃんであだ名はあずにゃん。それで、こっちは鈴木純ちゃんで、最後に妹のういだよー」

ゆい先輩が代わりに答えました。

梓「ちょ、ゆい先輩」

サカキ「……そうか。オマエ達が例の……」

梓「それで、あなたは一体……」

サカキ「私の名はサカキ。一応、ロケット団のボスだ」

梓「へえー、そうなんですか。……ってえー!!」

純「それがどうしてこんなところで、気絶してるんですか?」

サカキ「……さあな。こっちが聞きたい。一つ分かることは俺は道化のピエロとして利用されたということだな」

梓「はい?」

サカキ「屋上に行けば、分かることだ。そこに『奴』はいる」

梓「奴?一体、誰が……」

サカキ「私にも分からない」

純「じゃあ、とりあえず、上に行く?」

梓「そうだね。サカキさんは……」

純「まだ動けないみたいだし、誰かが近くにいなきゃいけないほどひどい怪我でもないし。それにロケット団のボスをこれほどの力で倒す敵を

1人で相手にするのはね」

梓「……そうだね。じゃあ、上に……」

サカキ「待て!!」

サカキさんは何とか立ち上がり、私を制止します。
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:39:49.33 ID:2eZc6/4r0
梓「何ですか?」

サカキ「これを賭けて勝負だ」

サカキさんは何かのバッチを投げる。

梓「これは……グリーンバッチ!!」

純「じゃあ、この人が本当のジムリーダー!」

ゆい「どういう意味なの?」

うい「私達が戦ったのは代理の人で、本当のジムリーダーは別にいるって噂だったんだよ」

梓「……でも、私達には時間が……」

サカキ「長くは取らせん。ルールは1対1だ」

梓「分かりました」

私とサカキさんは距離をとります。

ゆい「見ててね、うい。私の大活躍を」

うい「うん。頑張ってね、お姉ちゃん」

梓「では私のポケモンは……」

ゆい「さあ、頑張るよ。フンス」

梓「出てきてください、ニューラ!!」

ゆい「よし!!……ってあれ?」

サカキ「……そいつじゃないのか?」

梓「ええ」

ゆい「えーー!何で、何で!」

梓「これから、上で最後の戦いがあるんですよ。その時のための温存です」

ゆい「そっかー。なら、仕方がないね」

シュン

うい「ど、どんまい、お姉ちゃん」

サカキ「……なら、俺はペルシアンだ」

サカキさんはボロボロのペルシアンを出します。

梓「それでいいんですか?」

サカキ「油断してると負けるぞ」

梓「分かってます」

純「では……」

「「「バトルスタート」」」

その言葉と同時に互いのモンスターが交差する。しばしの沈黙の後、ペルシアンは倒れた。

サカキ「やはり、強いな。これを受け取れ」

サカキさんはグリーンバッチを私に渡します。

梓「できれば、ちゃんと勝負したかったんですけどね」

ゆい「まあ、ゲットできたんだからいいじゃん」

純「じゃあ、サッサと行こうか」

サカキ「……待て」

サカキさんは再び、私達を制止します。
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/08(月) 21:42:00.20 ID:2eZc6/4r0
梓「今度はなんですか?」

サカキ「老婆心ながら、忠告してやる。上にいる奴はお前らのポケモン全てで戦っても、勝てない。たとえ、ジムリーダー全員と戦っても、おそらく勝てない。それくらい強い。それは覚えておけ」

梓「……分かりました。一応、お礼は言っておきます」

私達は今度こそ、屋上に向かいました。

ヤマブキシティ・シルフカンパニー・屋上

梓「ここが屋上……」

私は屋上に続くドアの前に立つ。

純「まあ、気楽にいきましょうよ」

ゆい「そうだよ。笑顔、笑顔」

梓「ですけど、ここには今まで戦ってきた中でも、一番強い敵が……」

ゆい「大丈夫だよ。あずにゃんには私がいるし!」

梓「……はあ」

ゆい「え、何、その溜息」

梓「まあ、悪ふざけもここまでにして、屋上に行きますか」

私は屋上の扉を開く。そこには髪の長い、女の人が燃えゆく町と伝説の3匹のポケモンを見ていました。そして、私達が来たことに気づくと、私達の方に振り返りました。

曽我部「初めまして、梓さん、ゆいさん。それと……たしか、純さんとういさん。楽しいショーにようこそ」

目の前の綺麗な女の人がまるでこれから、ショーが始まる手品師のように綺麗にお辞儀をしました。
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/08/08(月) 21:42:42.74 ID:2eZc6/4r0
VSロケット団編D 「伝説のポケモン強襲」 終了
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/09(火) 00:43:14.14 ID:jvcdvxF5o
乙ー
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 20:40:30.78 ID:CBnLOVZ30
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      

梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ  ガルーラ カイリュー ポリゴン2 プテラ ラプラス

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル ゴローニャ ゴルダック

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー

VSロケット団編E 「VS曽我部・前編」
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 20:41:45.51 ID:CBnLOVZ30
今回のメンバー ゆい ハッサム プテラ ヘルガー ニューラ ガルーラ

梓「あなたは一体、何者なんですか?」

曽我部「これは失礼しました。私の名前は曽我部恵と言います」

純「曽我部さんね。それで、あなたはここで何をしてるの?危険だよ、ここにはサカキっていうロケット団のボスを倒すほどのトレーナーがい
るみたいだから」

曽我部「それは大変ですね」

梓「ちょっと、純。ここにいるのはこの人だけだし、そのトレーナーって、この人なんじゃ……」

私は純に耳打ちをします。

純「でも、こんな人がとてもじゃないけど、サカキさんを倒せるとは思えないけど……」

梓「それはそうだけど……」

曽我部「どうしたんですか?」

梓「いえ、別に。それよりも、あなたは何をしてるんですか?」

曽我部「私は見物してるんですよ」

梓「何をですか?」

曽我部「崩れゆく町並みを」

曽我部さんが指差す、方向を見ていくと、赤い炎に燃えるタマムシシティ、ハナダシティ、クチバシティ、シオンタウンの光景がありました。タマムシシティの攻撃は見ましたが、他のところの攻撃を見ていなかったので、私がシルフカンパニーに入っている間におこなわれたんでしょう。

梓「……どうして、そんなことを?」

曽我部「面白いからです」
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 20:42:41.87 ID:CBnLOVZ30
純「面白い、ですって……」

純は顔を真っ赤にして、怒りの目を曽我部さんに向けます。

純「人が犠牲になってるかもしれないのに!」

梓「まあまあ。あなたがサカキさんを倒したんですか?」

曽我部「ええ」

梓「あなたが伝説のポケモンを操ってるんですか?」

曽我部「ええ、そうよ」

梓「どうして、こんなことをしたんですか?」

曽我部「あなたはポケモンを好き?」

曽我部さんは私の問いかけに答えずにそんなことを聞いてきます。

曽我部「どうなの?好きなの?」

梓「それは……好きですよ」

ゆい「えへへ〜」

梓「何で、ゆい先輩が照れるんですか?」

ゆい「私もポケモンだもん。だから、私のことも好きなんだよね」

梓「……少し、黙っててください」

曽我部「なるほどね。思うんだけど、ポケモンにとって、人間って何なんだと思う?」
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 20:44:30.96 ID:CBnLOVZ30
梓「え、えーと、一緒に生きていくべき、仲間というか友達です!!」

曽我部「プッ、ククククククク」

私の答えを聞いて、笑い始める曽我部さん。

梓「何がおかしいんですか!!」

曽我部「ごめんなさい。なんか、小さい子みたいな答えだったから。体とよくあってる答えだと思うと、笑えてきちゃって」

ゆい・うい・純「「「あー」」」

梓「何で私の体を見て、皆で納得するんですか!!」

曽我部「冗談はともかく、人間の立場らしい答えだと思ってね」

梓「……どういう意味ですか?」

曽我部「ポケモンにとって、人間は害虫に等しい存在ということよ」

ゆい「そんなことないもん!!私もポケモンだけど、あずにゃんのことは大好きだし、純ちゃんやりっちゃん達に会えてよかったと思ってるよ!」

曽我部「あなたはそうでしょうね。でも、そうじゃないポケモンもいるのよ。例えば……あなたの持っているヘルガーはどうやってゲットした
のかしら?」

梓「それは捨てられていたのを……!?」

曽我部「フフフ。あなたは自分を捨てた存在達を友達と呼べるのね」

ゆい「でも、あずにゃんに拾われて、ビル太も考えが変わったはずだよ」

曽我部「そうかしらね」

梓「……そんなことより、どうしてこんなことをするのか答えてください!」

曽我部「どうして、こんなことをするのかね。……まあ、いいわ。話してあげるわ。あれはちょうど、私が小さい頃の話よ」
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 20:45:18.65 ID:CBnLOVZ30
曽我部・小学1年生

私は自然豊かなところに育った。そこは緑豊かな森に囲まれた綺麗な湖があって、私のお気に入りの場所だった。

曽我部「う〜ん、今日もいい天気。今日は何して遊ぼうかな」

私はそこで遊ぶのが楽しみだった。いろんなポケモンもいたし、綺麗なお花もあったし、小さい頃の私にとっては格好の遊び場だったから。

曽我部「ん?」

私がいつものようにその湖に来ると、傷ついたミニリュウがいた。

曽我部「大変だー」

私はそのミニリュウを家に持って帰って治療した。

曽我部「よかったねー」

ナデナデ

ミニリュウ「リュー」

その日から、私はミニリュウと友達になった。他の人から見れば、初めてゲットしたポケモンとでも言うべきかもしれないけど、私にとっては初めての友達だった。唐突かもしれないけど、私には友達がいなかった。いや、作りたくなかった。
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 20:46:28.88 ID:CBnLOVZ30
ある日の下校途中にトランセルを持った男の子達がいた。

男の子A「トランセルの中身ってどうなってるんだろうな」

男の子B「ちょっと、見てみようぜ」

私の近くでそんなことを語ってる男の子達。子供っていうのはある種大人よりも冷酷な部分があるからね。

トランセル「トランセル、セル」

トランセルは嫌だ、嫌だと体を震わせている。それでも、男の子達はかまわずに、カッターでトランセルの体を傷つける。

男の子C「うえー、気持ち悪い。捨てちまおうぜ」

そして、死体となったトランセルを置いて、どこかに行ってしまった。私がそれを見ていると、今度は女の子達が来た。1人はもう下校していたのか、ガーディを連れていた。そして、トランセルを見て、

女の子A「うえー、気持ち悪い」

女の子B「こんなポケモン、いなくてもいいのにね」

そんなことを言い合っていた。

曽我部(可哀想とか、そんな感覚はないのかな?)

今にして思えば、逆にその子達の感覚の方が正しいかもしれない。でも、その当時の私にとってはそんな疑問を持った。

女の子C「こんなの燃やしちゃおうよ。ガーディー、ひのこよ」

その命令にガーディーは躊躇した。それはそうでしょうね。同じポケモンをバトルじゃなく、しかも、死んでるのに技を出せと命令したんだから。

女の子C「どうしたの?ちゃんと、やらないとご飯抜きよ」

その言葉に、ガーディーは躊躇しつつも、口から炎を出し、トランセルを燃やした。

女の子C「よしよし。よくやったよ」

女の子A「いい子だね」

ガーディーは女の子達に褒められてたけど、まったく嬉しそうじゃなかった。そんなことをしている人達と友達というか、学校だけの付き合いもしたくなかった。
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 20:47:06.32 ID:CBnLOVZ30
そんなわけで、私は小学校で友達をつくろうとは思わなかった。

曽我部「今日はどこで遊ぼうか」

ミニリュウ「リュー」

私はミニリュウに連れられて、森の中にある湖に来た。そこにはたくさんのミニリュウがいた。ミニリュウは一部では幻のポケモンといわれてるくらい珍しいから、ここは貴重な場所ってことになるわね。もちろん、当時の私には分からなかったけど。

曽我部「わー、ここはミニリュウの楽園なんだね」

ミニリュウ「リュウ!」

ミニリュウは自慢げに胸を張った。今にして思えば、この頃が一番楽しかったのかもしれない。そんな風に思えるほどの時間が流れていた。でも、楽しい時なんて、それこそ一瞬で終わるのよね。
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 20:48:06.11 ID:CBnLOVZ30
それから、1年後。私が2年生になった時のこと。

曽我部「あの森を伐採するの!?」

父「ああ。そして、ホテルとかを建てるみたいだぞ」

母「それで観光客を呼び込むのね」

父「それに伴い、ポケモンの一斉駆除が始まるらしい」

曽我部「駆除!?何で!?」

父「観光客に危険が及んでは大変だからな」

母「そうね。観光地は評判が大事だから」

両親の言うことも今にして思えば、分からないことではない。でも、当時の私には理解できなかった。

曽我部「どうして!ポケモン達が可哀想だよ」

父「確かにそのとおりだけど、お父さん達に言ってもな」

曽我部「じゃあ、誰に言えばいいの?」

母「そうねえ……議員さんじゃないかしらね」

曽我部「議員さん?」

父「そう、議員さん。この計画を進めてた人だからね」

曽我部「分かった。私、この人にお願いしてくる。どうすればいいの?」

父「その人は忙しいからなー。厳しいだろうなー」

母「そうね。それよりも、もういい時間だし、そろそろ寝なさい」

私は納得できなかったけど、母の言うこともあり、眠りについた。
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 20:49:21.49 ID:CBnLOVZ30
曽我部「ここも荒らされちゃうのかな?」

ミニリュウ「リュウ〜」

私はミニリュウと一緒に、森で遊んでいたんいた。すると、大人の声が聞こえてきた。私とミニリュウは慌てて、森に隠れた。

議員「ここはいい場所だな。ゴルフ場にはぴったりだ」

取り巻き「そうですね。さすがは●●先生」

議員「ところで、どれくらいから、工事に着手できるんだ?」

取り巻き「それはもう、いつでも大丈夫です」

議員「結構。さて、ポケモンの駆除についてはどうかね」

取り巻き「それも大丈夫でございます」

曽我部(ポケモンの駆除!?)

私はその言葉に反応して、私達は飛び出した。

取り巻き「わ!?な、なんだ、子供か。なんだい、こんな所で……」

曽我部「ねえ、おじさん達はこんな所で何をしてるの?」

ミニリュウ「リュー」

議員「!!」

取り巻き「おじさん達はね、えーと、ここを観光地として、アピールしていくって話を知ってるかな?」

曽我部「お父さんとお母さんが言ってた」

取り巻き「そうかい。おじさん達はその下見だよ」

曽我部「ポケモンを駆除するって聞いたけど、そんなことしないよね?」

取り巻き「それはね……仕方がないことなんだよ。もし、観光客に危害が加わるとね……」

曽我部「ポケモン達はそんなことしないもん!!」

取り巻き「とは言うけどね……」

議員「待ちなさい、君」

取り巻き「あ、先生」

議員「君、そのポケモンはどこで見つけたんだい?」

曽我部「え?」

議員「それを教えてくれたら、ポケモンの駆除をやめてあげるよ」

曽我部「本当!?」

議員「ああ。おじさんは嘘をつかないよ」

今にして思えば、そんな言葉を信じるべきではなかったかも知れない。でも、当時の私にとっては救いの言葉だった。

曽我部「でも、何で?」

議員「実はね、私もミニリュウが好きでね、それで見たいと思ってね」

曽我部「そっかー。分かったよ。今、案内するね」

私はその人達を楽園――当時の私はそう呼んでいた――に案内した。それが間違いだったわけだけどね。
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 20:50:23.80 ID:CBnLOVZ30
それから、しばらくして。

曽我部「今日は楽園に行こうね」

ミニリュウ「リュウ!」

私達は楽園に向かったけど、そこには……。

曽我部「う、嘘……」

そこには誰かに荒らされた、湖があった。そして、ミニリュウは一匹もいなかった。

曽我部「み、皆、どこにいっちゃたの?」

私達はそこらへんを一生懸命探したけど、ミニリュウの影も形も発見することが出来なかった。そのうえ、しばらくしてから、ポケモン駆除が始まった。
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 20:51:21.45 ID:CBnLOVZ30
曽我部「そ、そんな……約束したのに」

私は大人達が駆除したポケモンの死体を見て、呟く。

曽我部「ひ、ひどいよ。ミニリュウ達だけじゃなくて、他のポケモン達まで……」

ミニリュウ「リュ、リュウ」

取り巻き「ご覧下さい。順調に作業は進んでいます」

議員「うむ」

曽我部「あ、あの人達は……」

私は駆け出した。

曽我部「おじさん達!」

取り巻き「ん?げっ、君はあの時の……」

曽我部「約束したよね!あの場所を教えたら、やめてくれるって。それに、ミニリュウ達はどうしたの!?」

取り巻き「そ、それは……」

議員「私達が適切に処理したよ」

取り巻き「先生!!」

曽我部「適切……!?」

議員「ミニリュウは世間的にみても、価値のあるポケモンだ。だから、ポケモン駆除の時に巻き込まれてはいけない。そう思って、避難させて
たんだよ」

曽我部「そもそも駆除する必要がないんだよ!皆、優しいのに!」

議員「そうは言ってもね。やっぱり、ポケモンは危険だからね」

曽我部「だから、危険じゃないのに……」

まあ、今の私なら、分かるわ。ポケモンが危険な存在ってことにね。結局、平行線のまま、その時は帰された。

曽我部(でも、ミニリュウ達は安全だったんから、まだいいよね)

これも馬鹿な話よね。一度、騙されているのに。
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 20:52:06.85 ID:CBnLOVZ30
それからはひどかったわね。木をどんどん伐採して、ゴルフ場を造ったり、ホテルを造ったりね。後は道を整備したりしてね、トラックとかの
排気ガスもひどかったわね。まあ、そんなことよりもひどいことがあったわ。

曽我部「……う、嘘……」

その観光地をPRする材料としてのイベントとして、ミニリュウのゲットイベントが行われた。

曽我部「ど、どうして……」

私はイベントで来ていた、議員さんに掴みかかろうとした。

曽我部「ミニリュウ達を利用するなんて許せない……」

警備員「誰か、捕まえろ!」

議員「君は何を怒ってるんだい?これもこの町の繁栄のためだよ」

曽我部「ミニリュウ達を犠牲にしてまでの反映って何よ」

議員「君には分からないかもしれないがね。ポケモンだって、本望だろうよ。人間様のために役に立ってるんだからね」

曽我部「!?殺してやる……」

議員「やれやれ。危険な子供だ。早く連れて行きなさい」

私は強制的に警察に連れて行かれた。そして、近所からは危険な子ども扱いされ、引越しを余儀なくされた。
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 20:53:10.75 ID:CBnLOVZ30
引っ越してきたのは都会だった。排気ガス臭くて、空気が悪いところだったけど、ミニリュウがいたから、よかった。私はミニリュウを一生懸命に鍛えた。さらに、引っ越してから、私は一生懸命頑張って勉強をした。理由は

曽我部(偉くなって、いつかポケモンと人間が一緒に仲良く暮らせる世界を創るんだ)
そんな夢を叶えるためだ。前者は仲良くなった世界で楽しくバトルをするための準備で、後者は偉くなるためだ。子供ながらに単純な理由だったけど、死に物狂いで頑張った。けれど、勉強をしていくうちにそんなことは不可能なんじゃないかと思えてきた。だって、ポケモンを捨てていく人は多いし、自然はどんどん開発と称して、破壊させていくしね。そして、私が思ったことが間違いじゃないのを決定づけたのは大学生2年生の時だった。

それはある雨の日のこと。私は1人暮らしをしている――大学生になって始めたのよ――自宅に帰宅途中にあるゴミ捨て場の前を通った時に、魚のはねるような音がした。それと、

???「コイ、コイコイ」

という、鳴き声が聞こえてきた。私がその鳴き声のした方を見ると、ゴミ捨て場にコイキングが捨てられていた。その通りは人通りも多いんだけど、誰も見向きもしなかった。私はその子を介抱しながら、思った。所詮、ポケモンと人間が仲良く暮らしていくことは不可能なんだと。一方的に人間が支配していくしか道がないんじゃないかと感じた。そして、私は絶望した。自分のやってきたことは無駄だと思ったから。そんな絶望感に襲われながらも、大学に通った。その時に私の人生を変えたであろう、人に出会った。
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 20:54:26.72 ID:CBnLOVZ30
???「君はいい目をしているね」

その人の姿はフードのついたローブを着ていて顔が見えないけど、声から察するに女の人だろう。

曽我部「あなたは誰?どこかで会ったかしら?」

???「あなたの夢を教えてくれない?」

そのフードの女は私の問いには答えずに逆に変な質問をしてきた。本来なら、そんな質問に答えるべきではないのだろうけど、気がついたら、私はそれに答えていた。

曽我部「偉くなって、いつかポケモンと人間が一緒に仲良く暮らせる世界を創ること……」

???「……そっか。いい夢だね。じゃ、がんば……」

曽我部「……だった」

???「てね。……あれ?だった?」

フードの女は初めはあきれて帰ろうとしてたけど、急に足を止めた。

???「だった?どういうこと?」

曽我部「どんなに頑張っても、不可能だと感じたので……」

???「じゃあ、今の夢は?」

曽我部「そうですね……特にないんですけど、しいて言えば……」

???「言えば?」

曽我部「ポケモンが暮らしやすい世界にしていくことですかね。……例え、どんなことをしてでも」

私がそう言うと、フードの女が感心したような顔をした。

???「へー。いい夢だね」

曽我部「ありがとうございます。それでは」

???「それを叶えられるチャンスをあげようか?」

さっきとは逆に今度は私が足を止めた。

???「どんなことをしてでも、叶えたいんだよね」

曽我部「そんなことをどうやって……」

???「そうだねー。まずは私達の仲間に入りなよ。私の他にも仲間はいるしね」

曽我部「仲間……」

???「どうするー?」

私はその勢いのままに仲間になることを承諾した。それは今から4年前のことだった。
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 20:55:54.80 ID:CBnLOVZ30
回想終了

曽我部「それから、私は1年後にロケット団に入って、偉くなるために順調に実力を見せて、偉い地位まできたのよ」
私はたくさんまだ、聞きたいことがあったけど、一番の疑問をぶつけた。

梓「どうして、あなたはポケモンを悪用するロケット団なんかに入ったんですか?」

曽我部「全ては今日のためよ。ロケット団の組織力を利用してね」

純「それで、あなたはこれから、一体何をしようというの」

曽我部「言ったでしょ、ポケモンが暮らしやすい世界にするって。そのために人間は邪魔なの。だから、人間を滅ぼすの」

純「人間を滅ぼす!?」

やはり、そんな目的でしたか。タマムシシティとかも攻撃をしていたし、今の話を聞いた後だと、考えられないことではありませんでしたが。

曽我部「ここはいい眺めね。しっかりとした建物だし。下もコンクリートだしね。……でも」

曽我部さんは一息入れる。

曽我部「こんなコンクリートや建物がいくらできても、喜ぶのは人間だけ。ポケモンにとっては喜ぶべきことじゃないわ」

梓「だからといって、滅ぼすとかは……」

曽我部「よく、民家に野生のポケモンが乱入してきて、射殺したって話があるでしょう?あれは人間の命を守るために射殺したりしてるって主
張しているわよね。それと同じ。人間はポケモンの命を脅かすから、人間を駆除するの。人間だってしてきたことだもんね。自分がされて、嫌ってことはないでしょ?」

梓「そんな権利はあなたにはありません!!」

曽我部「そうね。でも、ポケモン達を駆除する権利も人間にはないわよね」

梓「くっ。ああ言えば、こう言う……」

曽我部「それに私は自分が正しいなんて思っていないわ。間違ってるかもしれない」

ゆい「そうだよ、間違ってるよ!!」

曽我部「でも、同時にあなた達が間違ってるかもしれない。ようは、絶対的な正義なんてないのよ。もし、自分達が正義だと主張するなら、ト
レーナーのあなた達なら、分かるわよね」
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 20:56:36.75 ID:CBnLOVZ30
梓「勝ったほうが正義ということですか」

曽我部「そういうことね。ちなみにどうして、私が無駄話を長々と続けていたのかというと私のことを分かってほしいんじゃなくて……」

うい「お姉ちゃん、純ちゃん、梓ちゃん!!何か、向かってくるよ!」

曽我部「伝説のポケモン、3匹が来るまでの時間つぶしよ」

梓「ですが、これで他の方々もここにやってきます。状況はまだ、こっちの方が有利です」

曽我部「たしかに、フリーザーたちの動きを見て、ジムリーダーやあなたの仲間がやってくるでしょうね。そうなれば、この3匹だけなら辛いでしょうね」

曽我部さんは新たにボールを2個取り出す。

梓「新たなモンスターですか……」

曽我部「下の連中程度なら、この2匹で十分でしょうね」

曽我部さんはボールを下に落とした。
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 21:00:03.43 ID:CBnLOVZ30
シルフカンパニー前

澪「これで最後だ!」

エビワラーのパンチがマタドガスを殴り飛ばす。

ロケット団員「ひ、ひいい」

ロケット団は慌てふためいて、逃げ出した。

澪「これで最後だな」

紬「早く、梓ちゃんのところに行かないと……」

澪「ああ」

上空にはフリーザー達が飛んでいる。きっと、屋上にいる誰かが呼び寄せたんだろう。

律「澪!ムギ!大丈夫か」

律がジムリーダーの人達と一緒にやってきた。

澪「ああ。それよりも、今は梓達……ん?」

私達の上空から、何かが落ちてくる。

律「危ない、澪、ムギ!!」

私達はその場を離れた、と同時に、バーンと隕石でも落下したのかというような衝撃とともに何かが、落ちてきた。

ムギ「何かしら……」

カスミ「何かは分からないけど、うかつに近づくのは危険ね」

律「ああ」

澪「だけど、早く上に行かないと梓達が……」

タケシ「そうだな。……煙が晴れてきたぞ」

タケシさんの言うとおり、煙が晴れて、2匹のポケモンが見えてきた。

律「……あれはカイリューとギャラドスか」

ムギ「何で、いきなりこんなところに……」

律「まあ、いいさ。サッサと倒して、梓達のところに行こうぜ。来い、リザードン!」

律はリザードンを出す。一気に倒したいのだろう。もっとも、あの2匹にリザードンは不利なだけだが。

澪「まあ、たった2匹だし、大丈夫だろう……ん?」

カイリューの口にエネルギーが溜まっている。これは……!?」

澪「律、避けろ!!」

律「え?」

カイリューの口から、はかいこうせんが発射された。

ムギ「危ない、りっちゃん!」

203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 21:01:10.02 ID:CBnLOVZ30
ムギはカポエラーを使って、律を救出し、私はカメックスを使って、リザードンをはかいこうせんのコースから、はじき出す。
ガシャーンっという音ともに、そのはかいこうせんはヤマブキシティのビルをここからじゃ、正確な数は分からないけど、とりあえず二桁のビルを貫通する威力だ。

律「ありがとな、ムギ」

紬「気にしなくていいわ」

律「それにしても、化け物かよ。この威力は……」

澪「だが、今がチャンスだ。はかいこうせんを撃った後は動きは鈍るからな」

カツラ「そのとおりじゃ。ウインディ、ワイルドボルト!」

カスミ「スターミー、れいとうビーム」

カツラさんのウインディとカスミさんのスターミーの攻撃が動きの鈍っている、カイリューに迫る。

ギャラドス「ギャラ」

ギャラドスはスターミーのれいとうビームを尻尾で受け、その尻尾でウインディにアクアテールを仕掛けてきます。

ウインディ「ディー」

ウインディはその攻撃を受け、ビルの壁に叩きつけられ、気絶します。

カツラ「疲れているとはいえ、ウインディを一撃か……」

律「訂正だ。化け物たちかよ、この威力は……」

紬「2匹でこの強さよ。トレーナーまでいたら、まだ力が上がるんじゃないかしら」

律「勘弁してくれよ……」

澪「だが、こいつらをサッサと倒さなきゃ、梓が……」

紬「誰かが囮になるとかは?」

澪「悪くはないが、あいつらがそれを許すとは思えない」

律「たしかに」

タケシ「だけど、やるしかないな」

キョウ「ああ」

澪「待ってろよ、梓、ゆい」

私達はその2匹に戦いを挑んだ。
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 21:03:44.83 ID:CBnLOVZ30
シルフカンパニー屋上

曽我部「さて、はじめましょう。ポケモンと人間の戦いを」

伝説の3匹は私達二人を睨みつけてきます。

ゆい「ひいい」

梓「1匹ずつでも厳しい戦いだったのに、3匹も相手とは……」

純「でも、大丈夫でしょ?あんた達、ファイヤーを倒したことがあるんだし」

梓「今度は3匹だよ。無茶言わないでよ。……でも、やるしかないね。来て、ヘルガー」

純「そうこなくっちゃ。来なさい、エレブー!」

曽我部「その2匹で勝てるかしら」

梓「やってみなくちゃ分かりません!!ヘルガー、フリーザーにかえんほうしゃ!」

フリーザーにヘルガーの口から出された、激しい炎が迫ります。

純「こおりタイプのフリーザーにヘルガーのかえんほうしゃは弱点のはず。これが通れば……」

曽我部「ファイヤー」

ファイヤー「イヤー」

ファイヤーはフリーザーの盾となり、ヘルガーのかえんほうしゃをその炎の羽で受け止めます。

曽我部「その程度の攻撃で勝てるなら、とっくにジムリーダー達に負けてるわね」

梓「たしかに……」

純「まだ、終わってないわ。エレブー、十万ボルト!!」

純のエレブーの十万ボルトが私のヘルガーのかえんほうしゃを止めた、ファイヤーに向かって迫ります。

曽我部「サンダー」

サンダー「ンダー」

その攻撃を今度はサンダーの電撃によって防がれます。

梓「あの3匹がうまく連携することによって、弱点を補っていますね」

純「どうやら、そのようね」

曽我部「諦めた方が利口じゃないかしら?」

梓「私は諦めません!あなたのようにポケモンを利用してこんなことをするなんて……絶対に許しません!」

曽我部「フフフ。なら、絶対的な力の差を見せてあげるわ。ファイヤー、かえんほうしゃ!」

ファイヤーのヘルガーとは比べ物にならないほどの火力を持った、かえんほうしゃが迫ります。

ヘルガー「ヘル!!」

私達とヘルガーとエレブーはなんとかその攻撃をかわします。

梓「あつっ!なんていう火力ですか。ここにいても、熱が……」

曽我部「仮にも伝説といわれるポケモンよ。その力はあなた達のポケモンの比じゃないわ」

たしかにそのとおりですね。でも、どうして伝説のポケモンを私達にぶつけるんでしょうか。下の2匹で戦わずに。

曽我部「何か疑問があるみたいね。いいわ、答えてあげるわ」

ゆい「へー、あの人親切だね、うい」

うい「え、えーと、それはどうだろうね」

梓「随分と余裕ですね」

曽我部「子供には優しくしないとね」
梓「……」

ゆい「ああ!あずにゃんの顔が修羅になってる!」

純(相手を挑発して、正常な判断能力を失わせる。相手はそれをうまくやってるわね。まあ、こっちがのりすぎなだけだけど)
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 21:06:13.27 ID:CBnLOVZ30
曽我部「それで、何が聞きたいのかしら?」

梓「……どうして、私達に伝説の三匹を使うんですか?ジムリーダーの人達に使ってればいいのに」

曽我部「だって、怖いじゃない、その子達」

曽我部はゆい先輩とういを指差します。

曽我部「力が未知数だもの。正直な話、ジムリーダーよりも対策ができないわね」

梓「なるほど」

曽我部「まあ、この3匹の前じゃ、何もできないでしょうけどね」

ゆい「そんなことないもん。私頑張るよ、あずにゃん!」

梓「そうですね。頑張ってください!」

純「いつもは出し惜しみしてるのに今日は乗り気ね」

梓「出し惜しみしてたら、負けるからね!」

純「私はてっきり、相手に馬鹿にされた腹いせじゃないかと思ったんだけどね」

梓「……そんなことないもん」

純「……まあ、いいわ」

ゆい「とにかく!私はやるよ!出てきて、ゆいぐるみ!」
ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン
いつもどおりにゆいぐるみがたくさん出てきました。

ゆい「さあ、やるよ。ゆいぐるみのみん……」

曽我部「フリーザー、ふぶきよ」

フリーザーはその羽を振り、そこから激しい吹雪がゆいぐるみを襲い、凍らされてしまいました。

ゆい「ああ、ゆいぐるみ達!」

曽我部「サンダー、かみなりよ」

突如として、空からはげしい雷が私達に向かって落ちてきました。

ゆい「ひゃー」

梓「大丈夫ですか、ゆい先輩!」

純「あぶなっ!」

うい「大丈夫、純ちゃん」

曽我部「戦力差は歴然ね。サンダー、ドリルくちばし」

梓・ゆい「!?」

梓「ここはあんまり広くない場所……」

ゆい「こんな場所であんな技をやられたら……」

純「何よ、一体」

そうこうしている間にサンダーは体を回転させて、私達に向かって突撃してきます。

梓「純、よけて!」

純「言われなくても!」

私はゆい先輩を抱っこして右に、純はういを抱っこして、左によけました。

曽我部「頑張るわね。いっそのこと、抵抗しなかったら楽になるわよ」
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 21:07:18.56 ID:CBnLOVZ30
梓「そんなわけにもいきませんよ。来てください、ガルーラ!」

純「そんなでかいの出してどうする気よ」

梓「……どうしましようか」

純「考えてないの!?」

梓「そんなことありませんよ」

純「どっちなのよ」

梓「とりあえず……ヘルガー、ファイヤーにかみつく攻撃です!」

ヘルガーはファイヤーの首筋に噛み付くためにダッシュで接近していきます。

曽我部「ファイヤー、ゴットバードの体制よ」

ファイヤーはヘルガーの弱点を舐め回すように見て、攻撃に体制に入り、ロケットのようにヘルガーに向かって、突っ込んできます。

梓「今です!!」

曽我部「!?」

ヘルガーに突っ込んできて、横ががら空きになってるファイヤーの横にガルーラが現れます。

梓「かみなりパンチ!」

ガルーラの電気を帯びた拳がヘルガーに激突しようとするファイヤーに迫ります。

曽我部「やるじゃない。……でもね」

ガルーラ「ガル!?」

ガルーラの電気を帯びた拳が何かのビームで突如として、氷付けになりました。

フリーザー「フリー」

梓「フリーザー!!」

ヘルガー「ヘルー」

梓「ヘルガー!」

ガルーラの攻撃がなかったので、そのままヘルガーは上に飛ばされて、落下して気絶してしまいました。

曽我部「考えはよかったんだけどね」

梓「くっ……。戻ってください、ヘルガー」

私はヘルガーをボールに戻します。
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 21:08:15.22 ID:CBnLOVZ30
曽我部「もう、遊びはいいわ。サッサと、その小さい2匹でかかってきなさい」

ゆい「ええっ!!無理だよ……」

曽我部「そう。……なら、死んでもらおうかしらね、梓さんに」

ゆい「ええっ!!そんなの駄目だよ!」

純「ねえ。どうしてあの人、あんなにういのお姉さんを標的にするの?」

梓「それほど、脅威なんでしょうね。何を仕掛けてくるか分かりませんし」

純「それは分かるんだけどさ」

ゆい「ど、どどどしよう、うい〜」

うい「落ち着いて、お姉ちゃん」

純「あれで脅威って……」

梓「あ、あれでもやる時はやるんだよ!!」

純「そう信じたいけどね……」

曽我部「サンダー、かみなりよ」

夕闇から、激しい光とともに雷が私に向かって落ちてきます。

純「危ない!!」

純は交通事故で子供を助けるように私を抱いて、その雷をよけます。

梓「ありがと、純」

純「お礼なら、無事に帰ったら、ケーキでも奢ってよ」

梓「無事に帰ったらって、縁起でもないこと言わないでよ」

曽我部「フリーザー、れいとうビームよ」

フリーザーの全てを凍りつかせそうな、冷気のビームが私達に迫ります。

ガルーラ「ルーラ!!」

その攻撃をガルーラが盾となって防いでくれます。しかし、

梓「ガルーラ!!」

ガルーラはまるで石像のように氷漬けになります。

曽我部「フィニッシュよ」

梓・純「!?」
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 21:09:59.23 ID:CBnLOVZ30
ゆい「あずにゃん、純ちゃん、上だよ!!」

上空を見ると、ファイヤーが口に炎をためて、私達に向かって、炎を出そうとします。

梓「よけないと……」

純「そうね。……いてっ」

梓「純?」

純「どうやら、足をひねったみたいね。梓だけでも、行きなさい」

梓「そんな……」

純「まったく、こんな少年漫画みたいな展開に巻き込まれるなんてね。あんたに出会ったのが運の尽きよ」

梓「……」

純「だから、少年漫画みたいにサッサとあいつを倒しなさい」

梓「……純。グスン」

純「何を泣いてんのよ」

曽我部「お別れはすんだ?ファイヤー、かえんほうしゃよ」

ゆい「あずにゃん!」

うい「純ちゃん」

ういは私達を助けに行こうとするもゆい先輩に止められます。

ゆい「危ないよ、うい」

うい「でも、純ちゃん達が……」

梓「こうなったら、プテラで盾に……」

純「……梓」

梓「何?今、いそがし……」

純「ういを頼んだわよ!!」

梓「にゃーーーー」

純は私を力一杯投げ飛ばします。そして、その瞬間にファイヤーのかえんほうしゃが辺りを包みます。

梓「じゅーーーーーーーーーーん」

ゆい・うい「じゅんちゃーーーーーーーん」

曽我部「フフフ。安心していいわ。これから、すぐにあなた達も行くことになるんだから」

ゆい「どうして……ポケモンを使ってこんなひどいことをするの……ポケモンと人間はもっと仲良く暮らすことができるのにそんなに争いの道具にするの?こんなのおかしいよ」

ゆい先輩は涙をぽろぽろと流し、泣き始めます。

梓「純、純……じゅーーーーーーーーーーん」
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 21:10:45.07 ID:CBnLOVZ30
純「……うるさいわね」

梓・ゆい・うい「!?」

炎が弱くなると、黒い塊ようなものの下から、純が出てきました。

梓「あれは……カビゴン」

純「カビゴンの特性であるあついしぼうのおかげで、このカビゴンもまだ戦えるわね」

梓「それよりも、どうして、無事なの?」

純「カビゴンをとっさに出して、ちょうどめり込んだ隙間に入ってその上にカビゴンに乗ってもらったのよ」

梓「あれだけの中でよくそんなことができたね」

純「火事場のなんとやらよ」

ゆい「ぐすぐす。よかったよ、ビエーーン」

うい「本当によかった。……お姉ちゃんを泣かせて、梓ちゃんや純ちゃんに危害を加えるなんて…」

ういは曽我部さんを親の敵のように睨み付けます。

曽我部「いい目をするわね。その挑戦的な目はいいわね」

うい「そんなに戦いたいなら……いいよ、受けて立つよ!」

曽我部「いい度胸ね。でも、無駄……!?ファイヤー、防御……」

して!、と言おうとしたであろう、曽我部さんが言い終わる前にファイヤーがういに殴り飛ばされ、向かいのビルに激突しました。

うい「これからが本番だよ」

ういのそんな声が屋上に静かに響きました。
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/12(金) 21:12:01.08 ID:CBnLOVZ30
VSロケット団編E 「VS曽我部・前編」 終了
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/13(土) 00:57:30.12 ID:z1bFbVrho
乙ー
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/08/13(土) 01:38:22.21 ID:fpIeBqVAO
乙!
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 13:15:52.43 ID:bsB1nekY0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      

梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ  ガルーラ カイリュー ポリゴン2 プテラ ラプラス

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル ゴローニャ ゴルダック

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー  エレブー

VSロケット団編F 「VS曽我部・後編」
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 13:17:06.88 ID:bsB1nekY0
今回のメンバー ゆい ハッサム プテラ ヘルガー ニューラ ガルーラ

曽我部「やるじゃない」

曽我部さんはまるで、どこかのサ○ヤ人のような気を発しているういを前にして、クスクスと笑っています。

曽我部「来なさい、ファイヤー」

隣のビルの中から、ファイヤーが再び、舞い戻ってきます。

曽我部「この3匹の前でどこまで戦えるか、見せてちょうだい。もっとも、空を飛べないあなたじゃ、厳しいでしょうけどね」

3匹はういを挑発するように睨んできます。

うい「じゃあ、楽しもうか」

その言葉とともにういの姿が消えます。

曽我部「!?」

そして、次の瞬間にはフリーザーの背後に回っていました。

梓「はやっ!?」

フリーザー「フリ!?」

うい「ほのおのパンチ」

ういの炎を纏った拳をフリーザーに叩きつけます。

フリーザー「フリーーーーーーーーーーーーーーーーー」

フリーザーは体を炎を纏って、反対のビルまで、飛ばされていきます。

曽我部「チッ。ファイヤー、ほのおのうずでそいつの動きを封じて。そして、サンダーは十万ボルト!」

ファイヤーはういの動きを止めるべく、炎をういの周りに吐き出します。

うい「……この程度なの?」

ういは体を回転させて、風を発生させ炎を吹き飛ばします。

曽我部「馬鹿な!?」

サンダー「サンダー!」
サンダーは高圧の電撃をういに向かって発射してきます。

うい「ひかりのかべ」

ういは片手を構えて、壁を作り、サンダーの十万ボルトを防ぎます。

うい「この程度なの?伝説のポケモンって」

曽我部「くっ……」
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 13:17:55.65 ID:bsB1nekY0
梓「……強すぎでしょ、あれ?」

純「……私もびっくりだよ」

ゆい「ほへー」

純「えらい違いね、随分と」

梓「ゆ、ゆい先輩は別の意味でういよりすごいよ!!」

純「別の意味って……例えば?」

梓「え、えーと……可愛さとか?」

純「完全に好みの問題じゃない」

梓「じゃ、じゃあ、何をするか分からないとか」

純「それ、いい意味じゃないよね」
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 13:19:11.73 ID:bsB1nekY0
曽我部「調子に乗らないほうがいいわよ。フリーザー、ファイヤー、サンダー」

伝説の3匹はういの動きを封じるように取り囲みます。

曽我部「全員で、そのチビに攻撃よ!!」

フリーザーはれいとうビームを、ファイヤーはかえんほうしゃを、サンダーは十万ボルトをういにむかって、一斉に発射します。

ゆい・梓・純「「「うい!」」」
うい「……ふん」


3匹の技がういに激突する寸前にういの姿が消えました。

バーン

3匹の技が激突し、爆発が起こります。

梓「ういはどこに……」

曽我部「!?ファイヤー、後ろ!」

ういはファイヤーの後ろに手に電気を込めて、空中に浮かんでいました。

うい「まずは純ちゃんを殺しかけたあなたから……」

ういの力のこもったかみなりパンチがファイヤーに叩き込まれ、私達に向かって落ちて……って。

梓「避けなくちゃ!」

私は純を担いで、ゆい先輩とその場を離れます。

曽我部「くっ」

曽我部さんもその場も離れます。

バーーーーン

という、すごい衝撃とともにファイヤーは気絶しました。

曽我部「戻りなさい、ファイヤー」

ゆい「おお。やったね、うい!!」

梓「ですけど、もう少し考えてほしかったですね。危なく死ぬところでした」

純「まあ、無事だし、結果的にはよかったじゃない」

うい「次は……」

ういはフリーザーに目を向けます。

うい「あなただよ」

ういは一瞬でフリーザーの懐に飛んでいきます。

うい「インファイトプラスほのおのパンチ!」

フリーザーの懐でそのまま、フリーザに炎を纏ったパンチを命中させ、フリーザーは再び、隣のビルに叩き込まれ、気絶しました。

梓「後、1匹です!」

ゆい「このまま、一気に決めちゃえー」

うい「後、1匹……謝ったら、許してあげるよ」
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 13:19:58.88 ID:bsB1nekY0
曽我部「……調子に乗るなーーー!サンダー、ドリルくちばし!」

サンダーは体を回転させて、くちばしをドリルのようにういに突き刺すべく突撃してきます。

うい「……ぐっ」

その攻撃がういのおなかを貫いた。

ゆい「ういーーーーーー」

純「避けられたのに、どうして……」

梓「待って下さい!あれをよく見て下さい!」

サンダーが貫いたのはうい……の形をした人形です。

曽我部「みがわり……だと!?」

梓「じゃあ、本物は……」

ゆい「下だよ」

ゆい先輩が指差す方向にういが拳を構えています。

うい「いくよ、スカイアッパープラスれいとうパンチ」

サンダーの下から、滝を登る龍のように綺麗で冷気に包まれた拳のアッパーがサンダーを下から突き上げます。サンダーは跳ね上がり、隣のビ
ルの屋上に落下し、気絶します。

うい「ふー。私達の勝ちだよ」

ゆい・梓・純「「「うーい、うーい」」」

うい「あ、ありがと」  

曽我部「……」

曽我部さんはサンダーをボールに戻します。

梓「さあ、これで私達の勝ちですよ」

純「全部、ういのおかげだけどね」

曽我部「フフフ、ハッハハハハ」

突如として、笑い出す曽我部さん。あまりのショックでちょっと頭の方に問題が生じたんでしょうか。

曽我部「これで勝ったと思ってるのかしら」

ゆい・梓・うい・純「「「「え?」」」」
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 13:20:56.37 ID:bsB1nekY0
ちょっと用事が出来たので、また後で続きを投下します。
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 14:45:56.62 ID:bsB1nekY0
シルフカンパニー・前

律「はあ……はあ……。何なんだよ、こいつの強さは」

ムギ「伝説の3匹の鳥ポケモンが可愛くみえるわね」

伝説のポケモンとロケット団との戦いである程度疲れているとはいえ、相手は2匹、こっちのほうが有利なはずだ。それなのに、こっちのメンバーで無事なのは、私のカメックス、律のリザードン、ムギのフシギバナだけだ。

澪「カメックス、れいとうビーム!!」

甲羅から生えているロケット砲で、カイリューに向かって、れいとうビームを発射する。

カイリュー「リュー!」

カイリューはそれをでかい図体に似合わず、ひらりと空中にジャンプしてかわす。

澪「今だ、律!」

律「任せろ!」

律のリザードンは上空にジャンプしたカイリューに向かって、空気の刃で攻撃するエアスラッシュを発射する。

カイリュー「リューーーーーー」

カイリューはそのまま、リザードンに鋭い殺気を放ちながら、エアスラッシュをも粉砕し、リザードンにドラゴンダイブを仕掛けてくる。

律「リザードン、かわ……」

律が命令を出す前にリザードンにカイリューの攻撃が命中し、律に向かって、リザードンが飛ばされてくる。

澪「律!」

律「分かってるよ」

律はなんとか、それを横にかわす。しかし、リザードンは気絶してしまった。

澪「大丈夫か、律」

律「馬鹿!奴から、目を離すな!」

カメックス「カメ!」

私がカメックスを見ると、カメックスはカイリューに持ち上げられている。

澪「カメックス、こうそくスピン!」

カメックスは体を回転させて、自分を叩きつけようとするカイリューから解放しようとする。

カイリュー「リュー!!」

カイリューは腕の力を強めて、その動きを強引に止めてくる。そして、力任せにカメックスを叩きつけ、カイリューの巨体で力任せにガシガシ
っと踏みつけてくる。

澪「カメックス、ハイドロポンプの勢いで脱出しろ!」

カメックスはロケット砲から勢いよく水を発射し、その勢いで、甲羅で滑って逃げる。

カイリュー「カイリュ」

カイリューはそのカメックスを素早くジャンプし、追いかける。しかし、滑ってるカメックスを邪魔したのは、カイリューではなく……、

220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 14:47:15.15 ID:bsB1nekY0
紬「フシギバナ!」

ギャラドスの相手をしていたムギのフシギバナだった。その衝撃で、2匹は気絶した。

紬「ごめんなさい、澪ちゃん」

澪「気にするな……」

ギャラドス「ドス」

カイリュー「カイリュ」

ギャラドスとカイリューは私達を睨み付けます。

タケシ「ここは俺達が食い止めるから、女性とカツラさんは逃げて下さい」

律「いや、無茶だろ、人間の力じゃ……」

その時、カイリューは突然上を向き、屋上に向かって飛んで行った。

律「どうしたんだ、突然……」

紬「そういえば、あの3匹がいないわ」

澪「梓達が倒したのか」

律「だから、カイリューが戻されたのか。これで、こっちはギャラドスだけになったわけだけど……」

ギャラドス「ドス!!」

律「こっちに手持ちがいないからな」

澪「どうしようもないな……」

私達は絶望な気持ちで、ギャラドスを見上げた。
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 14:48:52.07 ID:bsB1nekY0
シルフカンパニー・屋上

曽我部「来なさい、カイリュー」

その声とともに、下から何かがロケットのような音を立て、カイリューが現れました。

曽我部「ごめんね、いきなり呼んで」

曽我部さんは優しくカイリューを撫でます。きっと、さっき話していたミニリュウが進化した姿なのでしょう。

梓「でも、こちらには伝説のとりポケモンの3匹を圧倒したういがいます!!」

純「あんたのポケモンでもないのに、何でそんな強気なのよ」

ゆい「私はー?」

梓「……とにかく!!こっちの方が有利です。頑張って下さい、うい!!」

純「だから、あんたのポケモンじゃないし、勝手に命令しないでよ」

ゆい「あずにゃん。私はどうすればいいのー」

梓「……むー!」

純「何で、人がいい気持ちで敵に向かっているのに邪魔するのって、目で見られても……」

ゆい「駄目だよ、純ちゃん!あずにゃんの邪魔しちゃ。めっ!!」

純「思わぬところから、援護が来た!?」

うい「ははは。……もう少し、緊張感を持とうよ」

ゆい・梓・純「「「はい」」」

曽我部「そのチビが私のカイリューより強いかで試してみる?」

純「頑張って、うい!」

ゆい・梓「頑張って、うい!」

うい「や、やれる範囲で頑張るよ」
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 14:51:34.47 ID:bsB1nekY0
曽我部「カイリュー、力の差を見せ……!?」

カイリューに声をかけていた、一瞬の隙を突き、私達の前にいたういの姿が消え、カイリューの前に現れました。

うい「れいとうパンチ」

ういは冷気のこもったパンチをカイリューのおなかに叩き込もうとしましたが、

カイリュー「リュー!!」

カイリューは懐にいたういを素早く、自分の懐から弾き出します。

うい「くっ……」

ういはその攻撃を何とか耐えます。しかし、カイリューの姿も消え、ういの前に現れます。

梓「あれはカイリューのしんそく!」

カイリュー「リューーー」

カイリューは力任せにういに殴りかかります。

うい「リフレクター」

ういは壁を張って、その攻撃を防ぎにかかりますが、

カイリュー「カイ……リューー」

カイリューはその壁を力任せに破壊し、ういを殴り飛ばします。

うい「キャーーーーーー」

ゆい「ういーーーーーーーー」

カイリュー「リュー」

カイリューは更に追撃をするべく、身構えます。

梓「ういが危ない。来てください、ニューラ、ハッサム」

純「来なさい、エレブー、カビゴン」

私達はそれぞれ、ポケモンを出し、ういの援護をします。

曽我部「くす。4匹で足りるの?」

梓「!?」

カイリュー「リュー!」

まず、カイリューの拳がニューラに迫ります。

カビゴン「カビ」

カビゴンが盾となり、その攻撃を受け止めます。

ニューラ「ニュラ」

ハッサム「サム」

ニューラとハッサムはその隙を突き、ニューラはブレイククローを、ハッサムはメタルクローをカイリューに浴びせるべく、左右から挟み込む
ように攻撃を仕掛けます。

223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 14:53:58.27 ID:bsB1nekY0
ニューラとハッサムはその隙を突き、ニューラはブレイククローを、ハッサムはメタルクローをカイリューに浴びせるべく、左右から挟み込むように攻撃を仕掛けます。

カイリュー「リューーーー!!」

すると、カイリューはサンダー以上の電力を持った、十万ボルトを3匹に浴びせます。

ニューラ「ニューーーーーーラーーーーー」

ハッサム「サムーーーーーーーーーーーー」

カビゴン「カビーーーーーーーーーーーーー」

梓「ニューラ!!ハッサム!!」

純「カビゴン!!」

3匹は黒焦げになり、気絶します。

梓「戻ってください、ニューラ、ハッサム」

純「戻って、カビゴン。でも、終わりじゃないわよ」

カイリューの横からエレブーが襲い掛かります。

純「かみなりパンチ!」

梓「よし!!これは効くは……」

曽我部「無駄よ」

カイリューはエレブーの攻撃を片手で受け止めます。

カイリュー「リュー!!」

カイリューは口に炎を溜め、エレブーを上に投げ、そこにだいもんじを噴出します。

エレブー「ブーーーーーーー」

エレブーは黒焦げになり、気絶しました。

ゆい「そ、そんな……」

梓「4対1で、こっちが圧倒的に有利だったはず……」

純「そんなことをもろともせずに圧勝するなんて……」

梓「……純は後、何匹、手持ちあるっけ?」

純「ういを除けば、後3匹ね。でも、あいつ相手じゃ、時間つぶしにもならないでしょうね。梓は?」

梓「私はゆい先輩を除けば、後1匹ね」

純「絶望的ね」

梓「ええ」

ゆい「ど、どどどどしよう、あずにゃん」

梓「落ち着いて下さい」

ゆい「でも……」

梓「いつも、ゆい先輩は言ってますよね。こういう時こそ、笑顔です」

ゆい「……そうだね。にこー」

梓「に、にこー」

ゆい「うん、私やるよ。あれを倒したら、いっぱい撫でてくれたり、抱っこしてくれるんでしょ?」

梓「それはまあ……」

ゆい「それに、ポケモンを使って、こんなことをするなんて、許せないもんね。私、やるよ!フンス」

梓「純、私達が囮になるから、ういを連れて逃げて」

224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 14:56:54.67 ID:bsB1nekY0
純「は!?ここまで来て、何を言って……」

梓「一旦退いて、回復させてくればいいの。ういの体力が満タンなら、勝つ可能性があるでしょ?ゆい先輩が倒すと思うけど、失敗したとして
も、体力はだいぶ削れるだろうし」

純「なら、手持ちが少ない梓が行くべきよ。私の足もあるし……」

梓「さっきの戦いを見る限り、純、いや、私達じゃ逃げ切るまでの時間を稼げないよ」

純「……一つだけ、約束しなさい」

梓「可能な限り聞くよ」

純「生きて帰りなさいよ」

梓「……善処するよ」

純「来なさい、ゲンガー」

ゲンガー「ゲンガー」

純「ちなみに、あのシオンの時のゲンガーよ」

梓「え、そうなの」

純「ゲンガー、ういを回収して!」

ゲンガーは素早く動いて、ういを抱きかかえて戻ってくる。

純「大丈夫、うい?」

うい「う、うん。……平気」

純「じゃあ、任せたわよ。戻って、ゲンガー。来なさい、カイリキー」

カイリキーは純とういを抱きかかえます。

うい「……うう。私はまだ、戦えるよ」

純「傷だらけで何を言ってんの」

ゆい「任せてよ、うい。ういが戻ってくる頃には私の大勝利だよ!」

うい「……お姉ちゃん」

梓「じゃあ、またね、純、うい」

純「ええ」

うい「頑張ってね」

純達は下に向かって行った。

曽我部「くすくす。空から、行けばいいのに」

曽我部さんはおかしそうにくすくすと笑っています。

梓「ここから行ったら、邪魔するくせに」

曽我部「くすくす。まあ、いいわ。もう勝負は終わったようなもの。さっきのチビはもういないからね」

ゆい「まだ、私がいるよ!」

曽我部「そうね。まだ、あなたがいたわね。くすくす」

ゆい「舐めていられるのも今のうちだよ!ゆいちゃん真……」

曽我部「カイリュー」

カイリューは素早く、ゆい先輩に接近し、殴り飛ばします。

ゆい「ひゃーーーーー」

梓「ゆい先輩!!」

私は飛ばされてくる、ゆい先輩を受け止めます。

梓「ぐっ。だ、大丈夫ですか、ゆい先輩」

ゆい「なんとか」
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 14:58:26.56 ID:bsB1nekY0
曽我部「くすくす。特別に教えてあげるわ。そのチビと戦う上で、気をつけなければいけないのはそのチビのペースに乗せられないようにすることよ。あなたが今まで、倒してきたジムリーダーとかは皆、あなたのペースで、つまりあなたの土俵で戦っていたのよね。だから、あなたを倒すにはその土俵に乗らなければいい」

たしかに澪先輩の時も速攻で倒されていましたからね。

曽我部「さてと。あなたのポケモンは残り、1匹。それもおそらくはプテラ。それじゃ、カイリューには勝てないし、逃げられもしない」

ゆい「まだ、私も戦えるよー」

曽我部「あなた程度のポケモンじゃ、カイリューには足元にも及ばないわね。それにしても哀れなものね」

曽我部さんはゆい先輩に向かって、嘲笑するような笑みを浮かべます。

曽我部「妹は伝説の3匹のとりポケモンを倒す実力なのに、姉は使えないカスポケモン。どこで、差がついたのかしらね」

ゆい「……あう」

梓「……」

曽我部「それなのに、自分の実力も分からずにカイリューを倒すだなんてね。哀れなものね、妹も。こんな屑な姉を持って」

ゆい「……うう」

梓「……黙って下さい」

曽我部「ん?」

梓「あなたにゆい先輩の何が分かるんですか!来てください、プテラ!!」

私はゆい先輩を横に置き、プテラを出します。

梓「プテラ、加速をつけて、アイアンヘッド!!」

プテラは上空から全速力で鋼のように硬い頭をカイリューにぶつけにいきます。

曽我部「やっぱりね。その子を悪く言えば、あなたは激昂して襲い掛かってくると思ったわ」

梓「!?」

カイリューは向かってくるプテラをパンチで対抗する気のようです。

ガッツーーーーン

プテラがカイリューの拳と激突し、衝撃が私達の所まで、風になって伝わります。

梓「どうですか!?」

曽我部「くすくす」

プテラ「……テラ」

プテラは頭にひびが入り、気絶しました。

曽我部「くすくす」

梓「何がおかしいんですか」

私はプテラをボールに戻します。

曽我部「あなたが重要なミスを犯したからね」

梓「ミス?」
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 14:59:35.29 ID:bsB1nekY0
曽我部「本当なら、さっきの純さんが戻ってくるまで耐えなければいけなかったのに、安易に攻撃をしてくるなんてね。もっとも、そうしてくるとは思ったけどね」

梓「……どういう意味ですか?」

曽我部「。だって、あなた、そのゆいが大好きなんでしょ?口には出さないけど。そんなあなたが私の暴言をスルーできるわけないわ。その結
果、安易に突っ込んでくると予想できるわ。もっとも、加速をつけた、今の攻撃は素晴らしかったけどね」

曽我部さんはパチパチと拍手しながら、カイリューとともに私達に近づいてきます。

ゆい「あ、あずにゃんに近づくなー」

ゆい先輩はカイリューに向かうも、軽くカイリューに弾き飛ばされます。

ゆい「うわっ!!」

梓「ゆい先輩!!」

曽我部「さあ、あなたにも見せてあげるわ。カントーの最後を」

曽我部さんは私を引っ張りあげました。
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 15:00:45.68 ID:bsB1nekY0
ゆい「ぐす……私に力があれば……」

あずにゃんを救えるのに。私はそろそろ夜になる空を見つめる。

???(……ちゃん)

ゆい「ん?」

私の耳に何かの声が聞こえる。なんだろ?

???(ゆいちゃん、諦めるの?)

ゆい「この声は……誰?」

???(僕が誰かなんてどうでもいいんだよ。ゆいちゃんは諦めるの?君の梓ちゃんへの想いはその程度なの?)

ゆい「でも、私には何もできないよ……」

???(あるよ!君の想いを届けるんだ!!!)

ゆい「ん?」

突如として、私が背負っていたギー太が光り輝きだした。

ゆい「あ、さっきのは……」

私はギー太を構える。

ゆい「……頑張ろうね、ギー太」

私は足に力を込め、空に飛び出した。
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 15:01:34.71 ID:bsB1nekY0
梓「ゆい先輩!?」

ゆい先輩は屋上から飛び出し、上空に飛んでいきました。

曽我部「怖くて逃げ出したのね」

梓「ゆい先輩はそんなことしません!!」

曽我部「まあ、現実から目を背けたいあなたの気持ちも分からないわけじゃないわ」

梓「……ゆい先輩」



ゆい「頑張ろうね、ギー太」

私はギー太から、音楽を鳴らす。

ゆい「ミュージックスタート(ふわふわ時間を想像してください)ゆいちゃん真拳究極㊙(マルヒ)奥義『アズニャン・パラダイス』」
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 15:02:36.22 ID:bsB1nekY0
シルフカンパニー前

ギャラドス「ドス!」

ギャラドスはシルフカンパニーの前でガードマンのように仁王立ちしている。あの後、私達は何とか逃げて、今、もう一度戻ってきた。

律「くそ。ポケモンさえ、元気なら……」

私達は物陰から、ギャラドスの様子を見る。

澪「だが、ギャラドスだけでも十分に強いからな。いないよりもましだけど、どっちにしたって厳しいさ」

紬「でも、やっぱり他の町のポケモンセンターを利用した方が……」

律「それじゃ、時間がかかりすぎるだろ。その間に梓達がどうなるか……それに利用できるかも分からないし」

ジムリーダーの人達は他の町のポケモンセンターに向かっていったが、さっきの3匹の攻撃で町がボロボロになっている。うまく利用できるとも限らないから、律の言ってることは間違っていない。私達は梓が心配だからここで様子を見ているわけだけど……。

澪「なんとか、現状を打開できないものか」

律「難しいな」

紬「見て!!ロケット団員が中から出て来たわ」

律「何だと!?」

ムギの言うとおり、カイリキーに抱きかかえられたロケット団員がいた。

澪「あれは……女か?」

律「なんか、ぬいぐるみみたいなのを抱いてないか?」

紬「ゆいちゃんに少し、似てないかしら」

澪「だとすると、梓を襲って……」

律「あいつめ……」

紬「見て!何故か、ギャラドスと戦い始めたわ」
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 15:03:23.85 ID:bsB1nekY0
純「そう言えば、下にもいるって、言ってたわね」

襲い掛かってきたギャラドスに私はゲンガーを出して、対抗する。

うい「ごめんね。私が戦えたら……」

純「ういはもう十分働いたわよ。他のポケモンにも活躍してもらわなくちゃね。……うん?」

私が周りを見渡すと、こっちを見ている3人の女の人がいた。

純「なんだろ?とりあえず、あそこに逃げるわよ、ゲンガー!」

ゲンガー「ゲンガー!」

ゲンガーはシャドーボールを発射し、ギャラドスをけん制しながら、そっちの方向に向かった。
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 15:06:16.88 ID:bsB1nekY0
澪「おい!!こっちに来たぞ、どうする!」

律「どうするって言ってもな」

紬「相手がカイリキーだとね。逃げ切れそうにないわね」

澪「何で、お前ら冷静なんだよ」

純「すいません、ここはき……」

澪「わっ!そうこうしているうちにロケット団員が来たじゃないか!」

純「ロケット団?……あ。いや、これは違うんです。私はロケット団じゃないです」

律「じゃあ、何でそんな格好してるんだ?」

純「これにはいろいろと事情がありまして……」

うい「今は説明してる時間も惜しいよ」

紬「こんな小さい女の子を連れて……、このロリコン!!」

純「別にそんなつもりじゃ……」

澪「おい。ギャラドスがこっちに向かってくるぞ」

純「くっ。ゲンガー、シャドーボールで牽制して!」

ロケット団(?)のゲンガーはシャドーボールギャラドスに向かって発射するも、ギャラドスの尻尾に弾かれる。

純「やっぱり、上のカイリューと同じような強さか……」

澪「カイリュー!?あなたは屋上にいたのか?」

純「まあ、一応……屋上で、あず……友達がいるので……」

律「ロケット団なのに?」

純「私の名前は鈴木純で、ロケット団ではなく……かくかくしかじか」

紬「なるほど。疑ってごめんなさい」

澪「便利な言葉だな」

律「とにかく、梓の友達なら、私達とも友達だな。ところで、その小さいのは……」

うい「あ、私の名前はういです。よろしくお願いします。これでも、ポケモンです」

澪「うい……。ゆいと何か関係があるのか?」

うい「お姉ちゃんです」

律「ゆいに妹がいたのか。それにしても……」

律・澪・紬(姉に似ないでしっかり者だな)

律「梓は屋上か。早く助けに行かないとな」

紬「もっとも、あのカイリュー相手じゃ、手も足も出ないかもだけど……」

澪「そうだな……ん?」

空から、何か、優しい歌声が聞こえてきました。
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 15:07:50.30 ID:bsB1nekY0
律「この声は……ゆい?」

紬「それに何か、降ってきたわ」

ムギの言うとおり、小さいツインテールの女の子のようなものが降ってきました。

澪「これは……梓?」

私はそれに触れてみた。他の皆も私に続いてそれに触れてみる。

澪「うわっ!」

私がその小さい梓に触れると、弾けて消えてしまった。

律「何なんだ、一体」

紬「でも……なにかしら、この感じ」

澪「なんだか、優しい気持ちになる」

純「周りを見てください!」

鈴木さんは周りを指差す。いろいろな所に小さい梓が降ってきて、弾けて消える。すると、壊れていた建物が元通りになった。

澪「これは……」

うい「きっと、お姉ちゃんの技だよ……」

律「ん?」

澪「どうした、律」

律「私のモンスターが回復してる!!」

澪「え?」

紬「あ、本当。私のも!」

純「私のもです。それにういも!ついでに私の足も!」

うい「あ、本当だ」

澪「待てよ。なら、ロケット団のポケモンとかも回復してるかも」

紬「それはないわ。あれを見て」

ムギの指差したところにはロケット団の置いていったポケモンがあるが回復してる様子はない。

紬「どうやら、敵には効かないみたいね」

澪「そうみたいだな」

律「これなら、いける!」

純「皆さんは屋上に梓を助けに行ってください。ここは私が防ぎますので」

澪「でも、あいつは強いぞ」

純「私のういは伝説のポケモンを3匹も倒したので、大丈夫です!」

うい「ちょ、ちょっと、純ちゃん」

律「それなら、安心だな。時間もないし、積もる話も後でな。じゃあ、任せた!!」

その場を鈴木さんに任せ、私達は屋上に向かっていった。
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 15:09:48.88 ID:bsB1nekY0
シルフカンパニー・屋上

曽我部「何よ、これ……」

曽我部さんは次々と直っていく町の様子を見て、驚愕の声を上げる。

曽我部「これじゃ、私のやったことが……」

梓「無駄ですね。もっとも、成功しても無駄ですけど」

曽我部さんは私を掴んでいた手に力を込める。

曽我部「あなたに私の何が分かるの……」

梓「何も分かりませんよ。私が分かるのはあなたがゆい先輩の力を甘く見たことです」

曽我部「……くっ」

曽我部さんは図星をつかれたかのように顔をそらします。

曽我部「でも、私にはまだカイリューがいるわ。あなた達には到底倒せないわ」

律「それはどうかな!」

バンッ!!!

という、どでかい音とともに律先輩達が現れました。

梓「律先輩!澪先輩!ムギ先輩!」

曽我部「のこのこ何をしに来たの?もう手持ちポケモンもないでしょうに」

律「それはどうかな?」

澪「さっきの技で私達のポケモンは全員回復した」

紬「つまり、これから、私達のポケモン全員とあなたのカイリューはまた戦えるのよ。その体力の減っているカイリューとね!!」

曽我部「なんだと!?」

その時、さっきまで聞こえていた優しい歌声が止み、ゆい先輩が落下してきました。

梓「ゆい先輩!」

私は曽我部さんを振り切り、ゆい先輩を受け止めました。

ゆい「あずにゃん……私の歌、届いたかな?」

梓「……はい。とっても、良かったです」

ゆい「ありがと。えへへ」
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 15:11:18.52 ID:bsB1nekY0
私は曽我部さんを睨みつけます。

梓「さあ、決着をつける時です。夢を叶えようともしないあなたとね!!」

曽我部「……どういう意味よ」

梓「あなたは所詮は夢を諦めたんです。何もしないで!!」

曽我部「私がどれほど努力をしたと思ってるの?」

梓「じゃあ、あなたはポケモンと人間が仲良く暮らせるような世界を創るために何をしたんですか!!」

私は少年漫画の主人公のように語りかけます。

梓「私は心無いトレーナーの人達に捨てられたポケモンを拾って、一生懸命面倒を見てる人を知っています。その人のやっていることだって、小さいことかもしれないけど、ポケモンと仲良く暮らすために頑張っています。あなたはそういうことをしたんですか?」

曽我部「……黙れ」

梓「たしかに、心無い悪い人もいます。でも、一部の悪い人達のためにたくさんのいい人達を犠牲にするなんて間違っています」

曽我部「黙れ!!じゃあ、お前の夢は何なのよ。夢なんてものは必ずしも叶えられるわけじゃない。どんなに綺麗事を言っても、人間を滅ぼさなければ、ポケモンは滅ぼされるのよ。人間によってね」

梓「私は……ポケモンマスターになる女です!!!」

私は大きな声で宣言しました。

曽我部「……」

フフフ、私の宣言にびっくりして、言葉も出ないようです。
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 15:14:16.28 ID:bsB1nekY0
曽我部「プッ」

曽我部さんは腹を抱えて笑い始めます。

律「プッ、ククククク」

澪「クククク、律、笑うなよ、梓は真剣なんだぞ。クククク」

紬「そういう澪ちゃんだって。フフフフフフ」

梓「何で、皆して笑うんですか!!」

律「いやー、真剣な場面でそんな某海賊漫画の主人公みたいな宣言されてもな」

澪「なんていうかな、そのー」

紬「なんか、中学生の男の子みたいねえ」

梓「……」

言われてみれば、恥ずかしいかもしれません。

ゆい「大丈夫!!とっても、可愛かったよ!!」

梓「微妙に褒められてない気もしますが……とにかく!!」

私は曽我部さんを睨みつけます。

梓「どっちが正しいか、あなたに見せてあげます。皆さんは下がっていてください」

私は皆さんを後ろに下げます。

梓「皆さん、手を出さないでくださいね」

澪「大丈夫か?」

律「そりゃ、ポケモンマスターになる女なんだから、大丈夫だろ」

梓「……」

澪「おい、律!!」

曽我部「舐められたものね、私も」

梓「あなたが人間を滅ぼさなければ、ポケモンが滅びるというなら、そのふざけた幻想をぶち壊してやるです。やってやるです!!」

律「なあ、梓に何があったんだ?あんな中二病みたいな台詞を……」

ひそひそ

澪「きっと、アニメでも見たんじゃないか?」

ひそひそ

紬「だとしてもね……あの台詞は……」

ひそひそ

ゆい「まあ、展開がけいおんっていうよりも少年漫画に近いから、そっちに合わせてるんだよ」

ひそひそ

律「そんなに少年漫画に近いか?ただ、言いたかっただけじゃね?」

ひそひそ

梓「さっきから、ひそひそとうるさいですよ!!」
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 15:16:48.71 ID:bsB1nekY0
曽我部「いいわ。かかってきなさい」

梓「来てください……」

ゆい「さあ、私の出番だね!あずにゃん、私を下ろし……」

梓「ハッサム!!」

ゆい「え〜!!」

梓「だって、さっきので、ゆい先輩、疲れてるでしょ?」

ゆい「まあ、そうだけどね」

曽我部「ハッサム……あなたのエースモンスターね」

私のハッサムと曽我部さんのカイリューは西部劇の決闘のように対峙して睨みあいます。そして、わずかの沈黙が訪れます。そして、どちらと
もともなく、バトルが始まります。

梓「……行きますよ。ハッサム、おんがえし!!」

ハッサムの体からオーラが発生させ、そのオーラを右手に集中させ、カイリューに向かって、突撃します。

梓「いっけー……」

梓・ゆい「スクラップ・フィスト!!!」

曽我部「カイリュー、げきりんよ!!」

バシーーーーーーーン

ハッサムのハサミとカイリューの拳が激突し、その振動で私達のところまで、風が吹き抜けます。

カイリュー「リュー」

カイリューの拳から血が噴出し、拳を押さえて、苦しそうに膝をつきます。

曽我部「な!?」

梓「今です、シザークロス!!」

ハッサム「サム!!」

ハッサムは手をクロスさせ、カイリューの胸をXに切り裂きます。

カイリュー「……リュー」

カイリューはバタンと力尽き、倒れました。

梓「あなたは強かったです。のも含めて、たった2匹でここまで戦ったんですから」

曽我部「……戻りなさい、カイリュー」

曽我部さんはカイリューをボールに戻します。

梓「私の勝ちです。さあ、どうしますか」

曽我部「……そうね。今回はあなたの勝ち、いえ、あなた達の勝ちね。それは認めてあげるわ」

曽我部さんはボールを2個、取り出す。そして、片方を私達のところに投げます。

梓「これで何を……」

曽我部「来なさい、ケーシィ」

そのボールから、煙が噴射され、あたり一面が真っ白になる。

曽我部「また会いましょうね。テレポート」

その言葉を最後に曽我部さんは姿を消しました。
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 15:18:09.17 ID:bsB1nekY0
シルフカンパニー前

ギャラドス「……ドス」

ギャラドスはういの拳の前に倒れた。

うい「ふー、それにしても、ギャラドスも強かったね」

純「それにしても、どっちも強かったわね。こんなポケモンを育てるなんて、曽我部ってのが真面目にポケモントレーナーになったら、どうなってたことか」

うい「そうだね」

曽我部「それは光栄ね」

その時、曽我部さんが私達の前に現れた。

純「なっ……!?な、何で、ここに」

曽我部「……ギャラドスもか」

曽我部さんは私の問いに答えずにギャラドスをボールに戻しました。

曽我部「今回はあなた達、姉妹にやられたわね。次に会う時は容赦しないからね」

そう言うと、テレポートで姿を消しました。

純「なんなのよ、一体。でも、ギャラドスも、ってことは……」

うい「お姉ちゃん達が勝ったってことだね」

純「そうなるわね。あー、疲れた」

私はその場を去ろうとする。

うい「あれ?梓ちゃん達に会っていかないの?」

純「この戦いが終われば、もうポケモンリーグよ。嫌でも会うわよ。それに……」

うい「それに?

純「もう、疲れた。眠い。サッサと寝ることにしたい。以上」

うい「……そうだね。私も眠いや」

私達はヤマブキシティを出て、ホテルに向かう。

純「後、脇役はこんなものでいいのよ」

うい「それは……自虐的過ぎない?」
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 15:19:40.36 ID:bsB1nekY0
シルフカンパニー・屋上

梓「やっと終わりましたね」

私達は屋上の端に座り、景色を眺めます。煙が晴れた時には曽我部さんはいなくなっていました。それにしても、逃げ出すためのポケモンまで用意しているとは、さすがといったところですかね。

律「綺麗な星だな」

そういえば、もう夜でしたね。

澪「綺麗な夜景だな」

たしかに、いろいろな建物がライトアップしていて、綺……麗です……ね。


紬「この景色を私達が守ったのね」

律「まあ、ほぼ梓とゆいだけどな」

ゆい「えへへへ」

澪「頑張ったな、あず……ん?」

梓「Zzzzz」

律「あれ?寝てるよ、梓」

澪「疲れたんだろ。いろいろあったからな」

律「さて、次はいよいよ、ポケモンリーグか」

紬「そうね。最高のバトルをしましょうね。誰と当たっても」

ゆい「私も頑張るよー」

私達は夜空の下で、今回の戦いを労いながら、ポケモンリーグでの最高の戦いを約束した。
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 15:23:53.26 ID:bsB1nekY0
ハナダの洞窟・前

曽我部「まさか、ここまでやられるとはね」

彼女達の力を侮っていたのかもしれない。忠告は受けていたけれど。だけど……まだ、伝説の3匹の鳥ポケモンは私の手中にある。

曽我部「まだ、終わったわけじゃないわ」

さわ子「いいえ、終わりよ」

曽我部「!?」

背後には眼鏡をつけた髪の長い女の人……山中さわ子とサカキ、ロケット団の面々が立っていた。

曽我部「これはこれはさわ子さん。どうしたんですか、一体」

さわ子「やってくれたわね、私達を利用するなんてね」

曽我部「利用だなんて、人聞きの悪い。有効利用と言ってください」

サカキ「フ、やられたよ、お前には。お前は強い。だが、まともに戦えるポケモンもいない、今の状況なら、お前を倒せる」

曽我部「……」

さわ子「大人しく、降参しなさい」

AYU「降参するのはあなた達じゃない?」

場違いな女の声がこの場に響いた。
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 15:34:47.30 ID:bsB1nekY0
さわ子「……AYU」

AYU「やっほー」

AYU様のが立っていた。

サカキ「……お前は」

AYU「大人しく降参してくれないかな?」

さわ子「嫌よ。大体、あなたは……」

サカキ「やめろ。……分かった」

さわ子「サカキ様!!」

サカキは私をAYU様のところに押し出す。

AYU「あなたは賢いね。ついでにあなた達には私の仲間達のの駒になってもらうね」

さわ子「なっ!!!」

AYU「大丈夫〜?」

曽我部「なんとか……」

AYU「さてと。私はもう行くね。多分、あなたと会うのもこれが最後だけど、仲間達によろしくね」

曽我部「AYU様……」

AYU「私が失敗したら、よろしくねー」

フードを被った、AYU様は姿を消した。

さわ子「あいつは一体、何者なの。そして、あなたは何の目的であいつの仲間なの?」

???「うるさい女だ。サッサと、サカキを含めたロケット団を連れて行け」

突然、男の声が響いた。

曽我部「……ワタル」

サカキ「……ワタルだと」

ワタル「久しぶりだな、曽我部。これで、サッサと回復させて、こいつらを連れて来い」

曽我部「分かってるわ」

私は素早く手持ちを回復させる。

さわ子「なっ……!?」

曽我部「さて、皆さん。形勢逆転ですね。でも、安心して下さい。大人しく私達に従うなら、前のように儲けさせてあげますよ」

私の声が冷たく、響いた。
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/15(月) 15:35:33.47 ID:bsB1nekY0
VSロケット団編F 「VS曽我部・後編」 終了
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/15(月) 17:56:34.10 ID:kkKdn65DO
乙!!
そげぶ吹いたwwwww
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 21:04:32.22 ID:UEpvh1iDo
乙ー
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:33:52.76 ID:owK35QNS0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      
梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ  ガルーラ カイリュー ポリゴン2 プテラ ラプラス

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル ゴローニャ ゴルダック

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー  エレブー カイリキー

VSポケモンリーグ編@ 「抽選会」
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:36:06.11 ID:owK35QNS0
梓「ここがセキエイこうげんですか」

私達はヤマブキでの戦いの後、警察等からのお説教とかで1週間位、時間を潰されました。1週間で釈放されたのは、どこかの企業からの圧力とかなんとか。まあ、それはいいんですけどね。そして、ポケモンリーグに出場するため、セキエイこうげんにあるポケモンリーグの本部にやってきました。

梓「やっとの思いでここまで感慨深いですね」

ゆい「そうだね」

律「そういえば、梓。最後のバッチは?戦っていなかっただろ?」

梓「それは……ほら」

私はグリーンバッチを見せます。

梓「シルフカンパニーで、サカキっていう人に会って、もらいました」

ゆい「その人、ロケット団のボスだったんだよ」

律「おいおい。まじかよ……サカキっていうのはめちゃくちゃ強いはずじゃなかったか?」

梓「私が入った時には、曽我部さんにやられた後でしたので、割と楽に……」

律「運がいいなー」

澪「話もいいがサッサと受付をすまそう」

律「そうだな」

私達は受付に向かいます。

受付のお姉さん(以下、受)「ポケモンリーグへの参加ですか?」

律「はい」

受「では、バッチを見せてください」

私達は8個そろったバッチを見せます。

受「結構です。それでは名前を登録するので、それぞれお願いします」

律「田井中律です」

澪「秋山澪」

紬「琴吹紬」

梓「中野……」

ゆい「あずにゃん」

梓「ちょ、なにを言ってるんですか」

受「かしこまりました。田井中律さんは60番・秋山澪さんは61番・琴吹紬さんは62番・中野あずにゃんさんは63番の番号です。それぞれ、抽選会で使うので失くさないようにしてくださいね」
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:37:14.87 ID:owK35QNS0
梓「いや、登録名の変更を……」

ゆい「あんまり我侭言っちゃだめだよ」

梓「誰のせいですか!とにかく、登録名の変更を!!」

受「……分かりました。では、もう一度、おっしゃってください」

梓「何で、そんなにめんどくさそうなんですか。……中野梓でお願いします」

受「かしこまりました」

その後、簡単な個人情報(出身地等)を登録しました。

受「それにしても、運がいいですね」

梓「何がですか?」

受「参加者の定員は64名なので、後、1人でおしまいなので」

梓「それは危なかったですね。……参加者に鈴木純って人はいますか?」

純はあの戦いの後、逃げたみたいで、会うことが出来なかったですからね。

受「個人情報なので、ちょっと……」

ゆい「なら、仕方がないね」

梓「法律ですからね」

律「まあ、来てるなら会えるだろ。それより、スタジアム、見に行こうぜ」

澪「荷物をおいてからでもいいじゃないか」

受「準備等があるので、早く見学した方がいいですよ」

梓「じゃあ、サッサと行きましょうよ」

受「場所はこの建物を出て、まっすぐです」

紬「ありがとうございます」

私達はバトルが行われるスタジアムに向かいました。
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:38:00.95 ID:owK35QNS0
主催者スタッフA(以下、ス)「もう、そろそろ、エントリー終了の時間だぞ」

スB「本当はもう、時間的に締め切っててもいいんだが……」

スC「スポンサーが伸ばせって言うんだから、仕方がない。それに、64人に達してなかったしな」

スA「64人にどんな意味があるんだ?」

スB「64にはいろいろあるんだよ」

スA「そうか。なら、仕方がないな」

???「すいません」

スC「なんだい、お嬢ちゃん。そんなローブみたいなもん被っちゃって」

???「受け付けはまだ出来ますか?」

スB「ああ。お嬢ちゃんで最後だ。案内してやろう」

???「ありがとうございます」

スB「いいって、これが仕事だし。ところで君の名前は?」

???「私の名前はAYUです」

スB「いい名前だね」

AYU「ありがとうございます」

スB「それじゃ行こうか」

AYUはスBに連れられて、受付に向かっていった。
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:39:00.07 ID:owK35QNS0
ポケモンスタジアム

梓「広いですねー」

中央にはフィールドがあり、周りには観客席があります。例えるなら、国立競技場といったところですか。

ゆい「ここで戦うの?なんだか、ワクワクするね」

澪「ここで戦うのは準々決勝からだよ。それまではここの外の小さいところで戦っていくんだ」

紬「ベスト8になれば、派手に紹介されるわ」

律「まあ、別にされなくてもいいけどな」

アナウンス『只今、参加者が全員エントリーされましたので、今日の夜7時からの開幕式とともに抽選会を行います。遅れないようにお願いします』

梓「今日の……。随分、急ですね」

澪「まあ、早い分にはいいじゃないか。そろそろ、ホテルに荷物を置きに行こう」

律「そうだな」

私達はホテルに向かいました。
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:39:43.97 ID:owK35QNS0
開会式!!

偉い人「うんたら、かんたら」

律「何で、真夏の終業式の校長先生の話くらい長いんだよ」

澪「しっかり聞けよ、律」

紬「でも、長いわね。もう、30分かしら?」

梓「まだ、10分ですよ」

ゆい「Zzzzz」

律「ゆいはいいなー。梓の腕の中で寝ていられて」

澪「……注意とかされないのか!?」

紬「一応、ポケモンよ。一応ね!」

梓「何で、皆さん、急に怒ってるんですか?」
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:41:12.09 ID:owK35QNS0
抽選会!!

開会式が終わり、私達は流れるプールみたいな所に案内されました。そこには釣竿がたくさんあり、番号が貼ってあります。

スD「では、受付で渡した番号があるところに座って下さい」

澪「皆、場所が違うみたいだな」

律「じゃあ、後で会おうぜ」

紬「ええ」

律先輩達はそれぞれの場所に向かいます。

梓「私も行かないと」

ゆい「Zzzzzz」

私も番号の所に向かいます。

純「あ、梓。久しぶりね」

うい「久しぶり〜」

梓「久しぶりって……どうして、急にいなくなったのよ」

純「眠かったから」

梓「何よ、その理由」

うい「お姉ちゃん、寝てるんだ。寝顔も可愛いでしょ?」

梓「うん……って、違う!全然、そんなことないよ」

純「(うんって言ってんじゃん)そんなことより、早く座りなよ。そこなんでしょ、席」

梓「え?」

純「梓だけだよ、座ってないの」

梓「あ……」

気がつくと、周りの視線が私に集まっています。

梓「あう……」

私は慌てて席に着きます。
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:42:31.98 ID:owK35QNS0
司会者(以下、司)「ではこれから、抽選会を行います。皆さんの前に釣竿がありますね」

司会者は同意を求めます。

司「それで、プールに1〜32の数字の書いてあるコイキングをそれぞれ2匹放します。同じ番号のコイキングを釣った人が対戦相手となります」

純「めんどくさっ!」

梓「まあまあ。普通のくじより楽しそうじゃない」

うい「そうだよー」

ゆい「Zzzzzz」

梓「いい加減に起きてください」

私はゆい先輩の体を揺らします。

ゆい「……うう、後、五分」

梓「そんな、テンプレみたいな台詞はいいんで起きて下さい」

ゆい「……仕方がないなー。……って、ここはどこ?」

梓「抽選会会場です」

うい「おはよう、お姉ちゃん」

ゆい「あ、うい。おはよう。で、ここで何やってるの?」

うい「かくかくしかじか」

ゆい「へえ、楽しそう。私も釣りたいー」

梓「いいですよ、やっても」

ゆい「でも、あずにゃんもやりたいでしょ?」

梓「それはまあ……。記念ですし」

ゆい「だから、一緒にやろう」

梓「仕方がないですね。そうしましょう」

私はゆい先輩を抱きかかえて、釣竿を握ります。

うい「……チラッ」

純「はいはい。あんたも来なさい」

うい「♪」
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:44:07.75 ID:owK35QNS0
司「では、今から、コイキングを放流します」

司会者の声とともにコイキングが放流されます。

司「ちなみに、番号はランダムなので、最初に釣ったからといって、若い番号が出るわけではないので、ご注意下さい。また、釣ってから、他
人に番号を教えるのはやめてください」

梓「まあ、何でもいいんですけどね」

純「1回戦であんたと当たったりしてね」

梓「まさか。さすがにそれはないよ」

純「そうよね。……っと、釣れた」

純とういは勢いよく、引っ張り上げます。

梓「もう、釣れたの?番号は?」

純「慌てなさんな。番号は……9か」

うい「まあ、妥当なところだね」

梓「早く、私達も釣らないと……」

ゆい「慌てない、慌てない。釣りは忍耐力が大事だよ」

梓「そんなのんきなものじゃない………ん?」

私の竿に反応がありました。

ゆい「わわわ、どうしよう、あずにゃん」

梓「冷静に一二の三、で引っ張り上げましょう」

ゆい「そうだね。じゃあ……」

梓・ゆい「一二の三!!」

私達は思いっきり、引っ張りあげました。そして、元気なコイキングが釣れました。

純「番号は?」

梓「今、見るよ。どれどれ……」

コイキングには『1』の文字が書かれていました。

純「へえー。たしか、1の人って、開幕戦としてあのスタジアムで戦えるんでしょ?」

梓「そうなの?」

純「そうなの?って、開会式で言ってたじゃない」

梓「ごめん。聞いてなかった」

ゆい「私も寝てたし」

純「……いいコンビね」

ゆい「えへへ」

梓「けっして、褒められてはいませんよ」

純「とりあえず、報告しに行かないとね」

梓「そうだね」
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:45:14.12 ID:owK35QNS0
私達は受付に来ました。

梓「あ、律先輩」

律「よう、梓。それと……鈴木さんだっけ?」

純「あ、純でいいですよ。先輩ってことは、私より年上ですね」

律「梓と同い年なら、そうなるな。よろしくな、純」

梓「まあ、話は後にしてサッサと済ませちゃいましょう」

律「そうだな」

律先輩と純と私は受付にコイキングを渡します。

受「それではお預かりを……あら?」

梓「どうしたんですか?」

受「本当はまだ教えちゃいけないんだけどね。これも偶然ってことで、あなた達には教えてあげるわ」

梓「?」

後ろで待っている、律先輩と純も怪訝そうな顔をします。

受「あなたの1回戦の相手は……田井中律さん。つまり、あなたの後ろにいる人よ」

律・梓「えええええええええ」

私達の絶叫が会場に響きました。
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:46:42.13 ID:owK35QNS0
抽選会後・紬の部屋

澪「それにしても、因果なものだな。1回戦から、律と梓が戦うなんてな。……ジャンケンポン」

澪・グー、紬・パー、ゆい・パー

ゆい「まあ、いずれは当たる訳だけどね。……ジャンケンポン」

紬・チョキ、ゆい・グー

ゆい「その上、開幕戦を飾るなんてね。……私、1番目をもらうね」

紬「そうよね。しかも、1回戦なのにあそこで戦えるなんてね。……私、2番目をもらうわ」

澪「私は3番目か……」

私達はそれぞれのデッキをシャッフルする。

澪「そういえば、律達はどうしたんだ?」

ゆい「あずにゃんは部屋で明日のメンバーを考えてるよ。……私は『あずにゃん』を召喚。『あずにゃん』がいる時、『平沢 唯』を特殊召
喚。『平沢 唯』に『あずにゃん』をチューニングして、『ゆい☆あず』をシンクロ召喚。カードを1枚、伏せてターンエンド」

澪「ゆいはこんなところで遊んでていいのか?」

ゆい「1人でゆっくり考えたいんだって」

紬「りっちゃんも部屋に籠ってるしね。……私のターンね。カードをドロー。手札から、魔法カード『融合』を発動。『琴吹 紬』と『中野 梓』を融合。『紬☆梓』を融合召喚。カードを1枚伏せ、ターンエンド」

澪「まあ、私達も何でこんなところで遊んでるんだって話だけどな。私のターン、カードドロー。『中野 梓』を召喚。手札から魔法カード
『憧れの先輩』で手札から、『秋山 澪』を特殊召喚」

ゆい「私はあずにゃんの邪魔できないしね。……罠カード発動『強制送還』。このカードで、『澪ちゃん』を手札に戻すね」

澪「くっ。手札から、魔法カード『二重召喚』を発動。この効果で『秋山 澪』を召喚。これで、エクシーズ召喚を……」

紬「梓ちゃんも後で迎えに来るみたいだし、問題ないわ、ゆいちゃん。あ、ごめんなさい。罠カード『神の宣告』を発動。このカードで、『秋
山 澪』の召喚を無効ね」

澪「何で、私ばっかり邪魔されるんだ」

ゆい「弱い者から潰す」

紬「それが戦いのセオリーよ」

澪「……」

こうして、3人の夜が更けていく。
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:48:24.77 ID:owK35QNS0
律の部屋

律「梓には私の手持ちポケモン、全匹見られてるわけだが……」

それでも、まだボックスにいるしな。

律「さて、どうしたものだろう」

梓のメンバーで怖いのは……ハッサムか。必ず、メンバーには入れてくるだろう。

律「まあ、こっちにはリザードンもいるから、問題なしだな」

それと、梓の手持ちを見てきた限り、かくとうタイプも外せない。

律「それにしても、久しぶりだな。梓と真剣に戦うのも」

回想

旅立つ日の1週間前

律「ケンタロス、とっしんだ!」

梓「ミルタンク、かわして、ころがるです!!」

ミルタンクの横からの攻撃にケンタロスは対応できずに、そのまま攻撃を喰らい、気絶した。

律「くっそー」

梓「これで、500勝500敗ですね」

律「ふん。ずっと、こっちが勝ち越してたんだから、問題ないな」

梓「私がまだ慣れてない時の成績なんて当てになりませんよ」

律「うるせー」

私は一息入れる。

律「……この決着はポケモンリーグでな」

梓「でも、旅の途中で会って、私が勝っちゃうかもですよ」

律「そんなのはノーカンだ、ノーカン」

梓「都合がいいですねー」

律「何とでも言え。……必ず、ポケモンリーグに来いよ」

梓「私より、律先輩の方が心配ですけどね」

律「口の減らない後輩だ」

回想終了

律「……ここで決着をつけてやる」

私はメンバー選びを続けながら、夜を過ごした。
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:49:54.51 ID:owK35QNS0
梓の部屋

梓「ゆい先輩を迎えに行かなければいけないので、早くメンバーを選びたいところですが」

一体、どうしたものでしょうか。

梓「私のメンバーの最大の弱点はかくとうタイプ。これを突破できなければ、どうしようもありません」

さて、どうしたものでしょうか。

梓「それにしても、いきなり律先輩ですか」

私の他に、63人もいて、律先輩に当たるとはすごい運ですね。

梓「まあいいです。次は……1001回目の戦い」

真剣に取り組まなくちゃ。徹夜してでも。

こうして、私の夜はふけていきました。
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:51:33.54 ID:owK35QNS0
次の日

ゆい「大丈夫?眠そうだけど」

梓「ついつい、徹夜してしまって。迎えにいけなくてすいません」

紬「それはかまないわ〜」

梓「そう言って、もらえればいいんですけどね」

紬「メンバーは決まったの?」

梓「一応。教えませんけど」

紬「教えてくれてもいいのに」

梓「次に戦うかもしれないのになにを言ってるんですか」

紬「厳しいわね」

ゆい「澪ちゃん達は?」

紬「別の所で食事をしてるわ」

ゆい「一緒に食べればいいのに」

紬「さすがにそれは……ね?」

梓「見ててくださいね」

紬「何を?」
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:52:41.30 ID:owK35QNS0
別の場所

律「はあ、眠い」

澪「寝られなかったのか?」

律「メンバー選びに時間がかかったからな」

澪「随分、慎重だな」

律「それはそうだろ」

澪「あの約束は一番成績が良かった場合だぞ」

律「わーってるよ。まあ、そんな約束なんかよりも重要な約束があるんだ。そのための戦いさ。今回は」

澪「はあ?」

律「まあ、見てろよ」




律・梓「「最高のバトルを見せてやる(あげます)!!」」
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:55:04.17 ID:owK35QNS0
会場

実況者(以下、実)「いよいよ、ポケモンリーグが開幕です。その幕を開く、最初の戦いが今始まろうとします」

ファン「「「「「あっずにゃ〜ん」」」」」

澪「何なんだ、あれ」

紬「何でも、ハナダジムでのパファーマンスからファンが増えたとか。ネットでも月刊あずにゃんの公式ホームページで全ジム戦中継されてるし」

澪「許可得てるのか?」

紬「もらってないに決まってるじゃない」

澪「決まってたのか」

純「あのー、ここにいてもいいんですかね、私」

紬「梓ちゃんの友達なら、私達の友達よ」

純「あ、ありがとうございます」

澪「それにしても、老若男女たくさんいるな」

紬「それだけ人気ということよ。月刊あずにゃんの購読者も多いし」

キモオタ「死ね、ゴキブリ。てめえのせいでけいおんがつまらないんだ」

澪「何なんだ、あの太ってて、汗臭い、顔も不細工な男は」

紬「ああいうのはほっときましょう」



ファン「「「「りっちゃーーん」」」

澪「律にもいるのか」

紬「それはいるわよ。あんまり、数は多くないけど、月刊りっちゃんも発刊されたし」

澪「詳しいな、ムギ」

紬「気のせいよ」

うい・純(楽しい人達だな)
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:56:39.65 ID:owK35QNS0
実「さあ、いよいよ、選手入場です。なお、今回の試合は開幕戦でもあるため、ここで行われますが、ここでの試合は準々決勝から行われるのでご注意ください。それでは、まずは田井中律選手の入場です」
ファン「「「「「ワーワー」」」」」

澪「律が入場してきた」

紬「頑張って、りっちゃーーーん」

律は私達に気づいたのか、手を振ってきた。



ファンA「お、俺に手を振ってくれたぞー」

ファンB「ば、馬鹿、俺だよ」

ファンC「いや、俺だよ」

澪「なんか、喧嘩し始めたぞ」

紬「よくあることよ」


実「続いて、中野梓選手の登場です」

ファン「「「「「「あっずにゃ〜ん」」」」」」

澪「こっちもすごいね」

キモオタ「ひっこめー、ゴキブリー」

澪「あっちも1人で頑張ってるな」

紬「梓ちゃーーーーーーーーーーん」

純「あずさーーーーー」

うい「おねえちゃーーーーん、梓ちゃーーーーーーん」
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:58:36.49 ID:owK35QNS0
律「来たか……」

梓「……律先輩」

律「覚えてるだろ、約束」

梓「ええ。今回が1001戦目の戦いです」

律「決着をつけよう」

梓「はい!!」

ゆい「ええと……どっちも頑張れー」

梓「ゆい先輩も戦うんですよ」

ゆい「おっと、そうだった」




澪「律にとって、梓のハッサムとゆいをどうにかしないと勝てないな。この2匹が勝つと、梓のペースになる」

紬「そうね。今回の戦いはアイテムの使用は禁止だから、イーブイを事前にどう進化させたかが重要だわ」

澪「ああ」

純「でも、ハッサムはほのおタイプで積むと思いますけど」

澪「うん。純ちゃんの言うとおりだ。律はリザードンも持ってるしな」

紬「でも、それは梓ちゃんの頭にも入ってるわ。どう対抗していくか、楽しみね」





審判「ルールを説明します。使用ポケモンは6匹。交代は技によるものを除き、互いのモンスターのどちらかが気絶した時とします」

ゆい「???」

梓「つまり、私がゆい先輩を交換したい時はゆい先輩が気絶するか、相手を気絶させるかじゃないと、交代はできないんです。つまり、弱点が
不利だと厳しい状況に陥るので、相手の戦略を読んでいかないといけません。そういう意味では高度な読み合いが重要になってきます」

ゆい「なるほどねー」

審判「トレーナーによる、アイテムの使用は禁止です。よろしいですね」

ゆい「あずにゃん、イーブイは?」

梓「事前に進化させてあります」

審判「勝利条件は相手ポケモンの全滅です。準備はよろしいですか?それでは……」

審判・律・梓「「「決闘(デュエル)!!!」」」
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/16(火) 21:58:35.54 ID:owK35QNS0
律「来たか……」

梓「……律先輩」

律「覚えてるだろ、約束」

梓「ええ。今回が1001戦目の戦いです」

律「決着をつけよう」

梓「はい!!」

ゆい「ええと……どっちも頑張れー」

梓「ゆい先輩も戦うんですよ」

ゆい「おっと、そうだった」




澪「律にとって、梓のハッサムとゆいをどうにかしないと勝てないな。この2匹が勝つと、梓のペースになる」

紬「そうね。今回の戦いはアイテムの使用は禁止だから、イーブイを事前にどう進化させたかが重要だわ」

澪「ああ」

純「でも、ハッサムはほのおタイプで積むと思いますけど」

澪「うん。純ちゃんの言うとおりだ。律はリザードンも持ってるしな」

紬「でも、それは梓ちゃんの頭にも入ってるわ。どう対抗していくか、楽しみね」





審判「ルールを説明します。使用ポケモンは6匹。交代は技によるものを除き、互いのモンスターのどちらかが気絶した時とします」

ゆい「???」

梓「つまり、私がゆい先輩を交換したい時はゆい先輩が気絶するか、相手を気絶させるかじゃないと、交代はできないんです。つまり、弱点が
不利だと厳しい状況に陥るので、相手の戦略を読んでいかないといけません。そういう意味では高度な読み合いが重要になってきます」

ゆい「なるほどねー」

審判「トレーナーによる、アイテムの使用は禁止です。よろしいですね」

ゆい「あずにゃん、イーブイは?」

梓「事前に進化させてあります」

審判「勝利条件は相手ポケモンの全滅です。準備はよろしいですか?それでは……」

審判・律・梓「「「決闘(デュエル)!!!」」」
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2011/08/16(火) 21:59:19.83 ID:owK35QNS0
VSポケモンリーグ編@ 「抽選会」 終了
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/08/21(日) 00:57:33.24 ID:UYvBnObi0
乙!
続きはまだですか?
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/23(火) 12:53:09.82 ID:eid+19QNo
忙しいんだろうか
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 18:52:14.96 ID:llENdxe50
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      

梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ  ガルーラ カイリュー ポリゴン2 プテラ ラプラス

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル ゴローニャ ゴルダック  

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー  エレブー カイリキー

ポケモンリーグ編A  「ポケモンリーグ開幕・梓VS律」
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 18:53:20.14 ID:llENdxe50
審判・律・梓「「「決闘(デュエル)!!!」」」

律「来い、ハガネール!!」

梓「来てください、ガルーラ!!」

実況『さあ、まずは律選手はハガネールを、梓選手はガルーラを出しましたー!!』

梓 ガルーラ

律 ハガネール


梓「ハガネール……そんなポケモンを持ってたんですか」

律「旅のパーティだけが全てじゃないだろ?仲間は多いに越したことはないしな」

梓「まあ、いいです。ガルーラ、まずはねこだましです!!」

ガルーラは会場全体に響くように手をパンと鳴らし、ハガネールは目を瞑って怯みます。

澪「ねこだましは先制を取って、相手を怯ませる効果がある。ダメージとしてはぼうぎょが優秀なハガネールにダメージはわずかだろうが、先
制は大きいな」


梓「ガルーラ、怯んでいる今のうちにアームハンマーです!!」

ガルーラの重い拳が、怯んで目を瞑っている、ハガネールの頭に叩き込まれます。

実況『ガルーラの一撃が決まったー。その拳でハガネールの頭にひびが入ったー』

梓「よし!!」

ゆい「さすが、ルー太!りっちゃんもあっけないね」

律「……」
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 18:54:17.31 ID:llENdxe50
純「これは……梓が有利ですかね」

うい「それはどうかな?たしかにハガネールの体にヒビをつけたのはすごいけどね」

澪「ういちゃんの言うとおりだ。ガルーラの手を見てみろ」

純「え?」


ガルーラ「ルーラ!」

ガルーラのハガネールを殴った拳から、傷ができて、痛そうにうずくまる。

梓「どうして……」

律「ハガネールの体の硬さを舐めない方がいいぜ。ハガネール、アイアンテール!」

ハガネールのダイヤモンドのような硬い尻尾で、ガルーラに攻撃を仕掛けてきます。

梓「くっ。ガルーラ、両手で防御して」

その攻撃を怪我をした腕で受け止めますが、その衝撃で5メートルくらい押されます。

梓「先に攻撃をしたのはガルーラなのに……まるで、ハガネールに効いてません」

律「たしかにヒビを入れたのはすごいがそれだけだな。防御だけなら、ハガネールはトップクラスのポケモン。梓のメンバーは私の知る限り、物理技を使うのが多い。ぼうぎょの高いハガネールは有効だ」

梓「律先輩らしくない計算高さですね」

律「相変わらず、失礼な後輩だな」
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 18:56:49.99 ID:llENdxe50
澪「この戦いは律の方に分があるか」

純「ガルーラがかくとうタイプの技で攻撃を仕掛ければ、可能性が……」

うい「それは無理だよ。ガルーラはノーマルタイプ。弱点でも不一致だから、ぼうぎょの高いハガネールを突破するのは厳しいね」

紬「ずいぶん、詳しいのね」

うい「勉強しましたので」

澪「あるいはとくぼうが低いから、特殊攻撃を仕掛けていたいところだけど」

紬「ガルーラは全体的にはバランスはいいんだけど、とくこうだけは低いのよね」

純「とすると、梓のガルーラは負ける可能性は高いってことですよね」


律「このまま、攻めるんだ!ハガネール、ストーンエッジ!!」
ハガネールは自分のダイヤモンドの固さの尻尾をガルーラに向かって、突き刺しに来ます。


澪「これで終わりだな」

紬「そうね。……旅立つ前の梓ちゃんならね」

澪「は?」


梓「ガルーラ……ふいうちです!!」

ガルーラは、向かってくる尻尾をかわし、油断している体の部分に軽いパンチを当てます。


うい「ふいうちは相手が攻撃技をやってきた時に先制をとって、攻撃できる技。なるほど」

紬「ダメージは期待できないけど、攻撃はかわせたわ」


律「やるな。だけど、たいしたダメージじゃないぜ」

梓「まだまだ、いきますよ。ガルーラ、ほのおのパンチ!!」

ガルーラは手に炎を発生させて、ハガネールにその拳をぶつける。

ハガネール「ネーーーール」

ハガネールは殴られた所から、黒い煙が出て、苦しそうに呻く。

律「ハガネール、すてみタックルだ!!」

ハガネールはその400kgの重い体で、ガルーラに向かって突撃してきます。

ガルーラ「ルーラ」

ガルーラはその攻撃を正面から受け止めます。

ガルーラ「グハッ」
しかし、その攻撃がお腹に直撃し、重さと勢いから、受け止めたはずのガルーラの体にダメージを受けます。


梓「ガルーラ!!」

律「ハガネール、一旦、距離をとれ」

梓「……させません!ガルーラ、アームハンマーを一撃だけでもいいから、頭に攻撃!!」

ガルーラはヒビの入った部分に拳を振り落とし、ダメージを与えるも、ハガネールは体を左右に振り、ガルーラから、距離をとります。

梓「ガルーラ、追撃です!接近して、アームハンマー!!」

ガルーラはドシドシという足音ともにハガネールに接近していきます。

律「ハガネール、ジャイロボール!!」

ハガネールは体を回転させて、ガルーラに向かって体当たりを仕掛けます。
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 18:58:37.80 ID:llENdxe50
澪「これは……かわせないな。梓は焦ったな、状況を考えて、早く決着をつけたいがばかりに」


梓「ガルーラ、一旦、止まって、冷静にアームハンマーを決めてください!!」

ガルーラはその場にとどまり、ハガネールの頭に拳をたたきつけると同時に、その攻撃を正面から受ける。その攻撃で、中央で戦っていたガル
ーラが私の前まで押されてきた。

梓「大丈夫ですか、ガルーラ!!」



純「後……一撃ですね」

澪「そうだな。この後、梓のメンバーでハガネールをどうやって倒すかだな。現状、無傷に近いし」

紬「それはどうかしら?」

澪「え?」



律(……梓は何を考えている。こんな、無意味にハガネールに攻撃を仕掛けてくるなんて。何かを狙っているのか?)

梓「……」

律(何を考えているかなんて、分かるわけないか。下手に読むのも性に合わないしな)

梓「……」

律(なら、ここで私がやることは……一つだな)

律「ハガネール、トドメだ、ジャイロボール!!」

ハガネールは体を高速に回転させて、傷ついているガルーラに向かっていった。

梓「ガルーラ、アームハンマー!!」

ハガネールがガルーラに激突する瞬間にアームハンマーを叩き込むもそのままの勢いにガルーラは飛ばされ、気絶しました。

審判「ガルーラ戦闘不能。ハガネールの勝利です」


梓 ガルーラ ひん死

律 ハガネール
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 18:59:39.21 ID:llENdxe50
実況『さあ、初戦はハガネールの圧勝で終わったが、この後、梓選手に逆転のチャンスはあるのかー』


澪「何かを狙っているって、ムギは言ってたけど、何もなかったな」

紬「そうね。見込み違いかしらね」


実況『梓選手は次に何を出してくるか』

梓「……来てください、ニューラ!!」

実況『梓選手の次のポケモンはニューラだー』


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ

律 ハガネール
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:01:51.18 ID:llENdxe50
澪「ここで、ニューラだと!?梓は何を考えてるんだ」



梓「先制をとって、こおりのつぶてです!」

ニューラは瞬時に氷の塊を作り出し、ハガネールの頭に向かって発射する。しかし、ハガネールには効いた様子がない。

律「そんな攻撃が効くかよ。ハガネール、アイアンテール」

ハガネールの鋼鉄の尻尾がニューラに迫ります。

梓「ニューラ、ジャンプして、かわして」

ニューラはその攻撃を縄跳びを飛ぶかのように高くジャンプします。



澪「なるほど。ニューラで逃げて、ダメージをちょこちょこ与えていく作戦か」

純「気が遠くなりますね」

うい「それはどうかな?」

純「どういうこと?」

うい「私の考えが正しければ、さっきのガルーラの戦いがここで生きてくるはずだよ」



梓「ニューラ、こおりのつぶてで牽制しつつ、接近してください!」

ニューラは氷の塊をハガネールの頭にぶつけつつ、素早く、接近していきます。

梓「ハガネールの体を登ってください!!」

律「(何をする気だ)振り落とせ、ハガネール!」

ハガネールは体を左右に振って、ニューラを落とそうとします。しかし、ニューラは素早く、上にジャンプします。

梓「チャンスは今しかありません!メタルクロー!」

ニューラの自慢のツメで、ハガネールの頭を切り裂きにいきます。


澪「焦ったな。ハガネールの硬さの前にはその攻撃は無力だ」

紬「そうともかぎらないわ」


ニューラのツメがハガネールの頭に激突した瞬間、ハガネールの頭がガチャンと粉々に砕け、ハガネールは痛そうに顔を歪め、気絶しました。

審判「ハガネール戦闘不能。ニューラの勝利です」

実況『ここでハガネールが倒れましたー。これで勝負が分からなくなったー』


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ

律 ハガネール ひん死
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:03:10.05 ID:llENdxe50
うい「たしかに、ハガネールはぼうぎょが高い。体もダイヤモンドよりも硬い」

紬「それを突破していくには、一箇所を集中的に攻撃を加えていくしかない」

うい「ガルーラはそれに集中させてました。きっと、対峙した時に勝てないと思ったからでしょう」

紬「ラプラスとかを出すと、ハガネールから、余計なダメージを受ける可能性があるから、小柄で身軽なニューラに託したんでしょうね」

純「なるほど」


律「やるじゃないか」

梓「律先輩こそ。戻ってください、ニューラ」

実況『ここで梓選手はニューラを戻してきました。この判断が後々どう影響するかー』

梓「来てください、ヘルガー!!」

律「なら、来い、レアコイル!!」

 
梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ヘルガー 

律 ハガネール ひん死 レアコイル 
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:04:22.04 ID:llENdxe50
実況『梓選手はヘルガー、律選手はレアコイルを出してきたー。タイプ的にはレアコイルの方が不利だが果たして、どう出るかー』
梓「ヘルガー、かえんほうしゃ!!」
律「レアコイル、かわせ!」

レアコイルはくっついている3匹の体を離し、かえんほうしゃをかわします。


澪「レアコイルはコイルが3匹が磁力で連結しているポケモンだから出来るよけ方だ」


律「レアコイル、十万ボルト!!」

レアコイルの電撃がヘルガーに迫る。しかし、ヘルガーは俊敏にその攻撃をかわしていきます。

ヘルガー「ヘルガ」

ヘルガーはまた、かえんほうしゃで応戦するもさっきと同じようにレアコイルは避けます。


紬「互角ね」

うい「こうなると、どっちが最初にダメージを与えるかですね」


律「レアコイル、マグネットボム!」

レアコイルは鋼の爆弾を発射してきます。ヘルガーはそれを避けますが、その爆弾はヘルガーの足に吸い付いてくっつき、爆破します。

梓「ヘルガー!!」

ヘルガーはその攻撃で動きが鈍くなります。

律「レアコイル、トドメだ。十万ボルト!!」

動きの鈍っている、ヘルガーにその攻撃が直撃し、ヘルガーは気絶しました。

審判「ヘルガー戦闘不能。レアコイルの勝利です」


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ヘルガー ひん死

律 ハガネール ひん死 レアコイル 
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:05:19.24 ID:llENdxe50
澪「こうなると、梓は辛いな」

純「有利だったのに負けたわけですしね」

紬「それもあるけど、りっちゃんはまだ、2匹しか手の内を見せてないわ」

うい「それに対して、梓ちゃんは、次出すのも含めて、もう5匹もメンバーが分かっています」

澪「え?でも、梓は次で4匹目じゃ……」

紬「梓ちゃんは絶対、ゆいちゃんをメンバーに入れてるわ」

うい「というより、入れるのは前提ですよね」

澪「いや、裏をかく可能性も……」

紬「それはないわね」

うい「ええ、それはないですよ」

澪「……何で、そんな断言できるんだよ」


梓「次はこれです。来てください、ハッサム!!」

律「!?」

実況『ここでハッサムを梓選手は出してきました』



梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ヘルガー ひん死 ハッサム

律 ハガネール ひん死 レアコイル 
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:06:33.60 ID:llENdxe50
梓「行きますよ、ハッサム」

ハッサム「サム」

律(やばいな。ハッサムじゃ、レベルが違いすぎる。なら、ここは……)

律「レアコイル、でんじはだ!!」

レアコイルの3匹から、微弱な電撃がハッサムに迫ります。

梓「ハッサム、こうそくいどう!」
ハッサムは体を楽にし、横に向かって、素早く動き出します。

律「レアコイル、でんじはを続けろ!!」

レアコイルはでんじはをハッサムに当てようと躍起になるも、ハッサムはレアコイルの周りをグルグルと回り始めます。しばらく、そんなやり
取りが続き、

レアコイル「……ギュウ〜」

レアコイルは眼がまわり、動きが鈍くなりました。

梓「今です!ハッサム……」

ハッサムは両手をクロスさせます。

梓「シザークロス!!」

ハッサムの両手がレアコイルを切り裂き、レアコイルの体が砕け散り、気絶しました。

審判「レアコイル戦闘不能。ハッサムの勝利です」


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ヘルガー ひん死 ハッサム

律 ハガネール ひん死 レアコイル ひん死 

澪「一進一退だな。依然として、律が有利だが」
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:07:46.85 ID:llENdxe50
律「まずいな……。このままだと、梓のペースになるな。なら……来い、リザードン!!」

実況者『ここで律選手はリザードンだー。ハッサムにとっては天敵のポケモン。このまま、追い詰めるかー』

梓「……ハッサム、先制を取って、とんぼがえり!!」

律「む!?」

ハッサムはまだ対応できていない、リザードンに体当たりを仕掛け、ボールに戻ります。


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ヘルガー ひん死 ハッサム

律 ハガネール ひん死 レアコイル ひん死 リザードン


梓「まだ、ハッサムを失うわけにはいきませんからね。来てください、シャワーズ!!」

実況『梓選手は弱点と見るや、素早く攻撃を仕掛けハッサムを下げ、シャワーズを出してきました』


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ヘルガー ひん死 ハッサム シャワーズ

律 ハガネール ひん死 レアコイル ひん死 リザードン
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:09:57.02 ID:llENdxe50
律「チッ。ここでリザードンがやられると辛いな……」

澪「これは梓は最初から狙っていたな」
紬「でしょうね」

律「まあ、いいさ。リザードン、きあいだま!!」

リザードンは某サ○ヤ人の出すかめはめ波のようにエネルギーをため、シャワーズに発射される。

梓「シャワーズ、ハイドロポンプで応戦です!!」

そのエネルギー弾に激しい濁流のような水を激突させます。

梓「なっ……!?」

しかし、リザードンのきあいだまはその激しい濁流の中ももろともせず、シャワーズに向かってきます。
シャワーズ「シャワ」


シャワーズはその攻撃を直撃し、飛ばされます。

シャワーズ「……シャワ」

シャワーズは何とか、立ち上がります。



うい「ハイドロポンプのおかげだね。あれで、きあいだまの威力を少し下げれたから」

純「それでも、あの威力……」

澪「やはり、あのリザードン。……相当に鍛えられている」



律「リザードン、トドメだ。きあいだま!!」

シャワーズ「シャワ!!」

シャワーズはその攻撃を避けきれずに気絶しました。

審判「シャワーズ戦闘不能。リザードンの勝利です」


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ヘルガー ひん死 ハッサム シャワーズ ひん死

律 ハガネール ひん死 レアコイル ひん死 リザードン 
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:11:10.94 ID:llENdxe50
律「戻れ、リザードン。……これで終わりだな」

梓「……どうしてですか?」

律「今ので、お前の手持ちは全部、分かった」

梓「まだ、全部は出してませんよ」

律「全部、出さなくても分かるよ。最後はゆいだろ?」

梓「そうとは限りませんよ」

ゆい「ええー!?そうなの!?」

律「それはないな」

梓「どういう意味です?」

律「ゆいはお前が一番信頼しているポケモンだからだ」

ゆい「えへへ〜」

梓「ち、違いますよ!」

ゆい「ええっ!?」

シュンとなるゆい先輩。

梓「あ、いえ、なんと言いますか……落ち込まないでください」

審判「早く、次のポケモンを」

梓「す、すいません」

律「じゃあ、続きを始めようぜ。来い、サワムラー!!」

梓「頼みますよ、ニューラ!!」


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ヘルガー ひん死 ハッサム シャワーズ ひん死

律 ハガネール ひん死 レアコイル ひん死 リザードン サワムラー
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:12:47.47 ID:llENdxe50
実況『さあ、梓選手は苦しい状態が続きますが、ここで出してきたのはニューラ。対する、律選手はサワムラー。タイプ的にも、俄然有利かー』


澪「たしかに梓の方が不利か。残りの梓のメンバーの弱点も律の手持ちにいるし、ゆいもそこまでの体力があるわけじゃない」

紬「でも、ポケモンは弱点で決まるわけじゃないわ」


律「さあ、いくぜ。サワムラー、とびひざげり!!」

サワムラーは走りながら、ジャンプして、ひざげりを当てに来ます。

梓「ニューラ、避けて下さい!!」

ニューラはそれを横に飛んでかわします。

梓「チャンスです。サワムラーの背後に、メタルクロー!!」

着地して隙のある、サワムラーにニューラの鋭いツメが迫ります。

律「サワムラー、まわしげり!」

サワムラーは着地した瞬間にニューラに素早く体を回転させつつ、蹴りをしてきます。

ニューラ「ニュラ」

ニューラはその攻撃に素早く反応し、しゃがんでその攻撃をかわします。そして、ジャンプして距離をとります。

梓「いいですよ、ニューラ!」

ニューラ「ニュラ」

律「やるじゃないか」

梓「どんなもんです!!」

私は胸を張って言います。

律「まだ、終わってないぜ。サワムラー、ブレイズキック!」

サワムラーは足に炎をこめた蹴りを繰り出しにきます。

梓「ニューラ、こおりのつぶて!」

ニューラの作り出した氷の塊をサワムラーの眼に命中させ、サワムラーは体のバランスが崩れます。

梓「トドメです。きりさく!」

ニューラの鋭いツメがバランスを崩しているサワムラーの体を切り裂き、サワムラーは気絶しました。

審判「サワムラー戦闘不能。ニューラの勝利です」

実況『さあ、これでお互いに残り3匹だ。開幕戦に相応しい、すばらしい戦いだー』

律「次は……来い、ニョロボン」


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ヘルガー ひん死 ハッサム シャワーズ ひん死

律 ハガネール ひん死 レアコイル ひん死 リザードン サワムラー ひん死 ニョロボン
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:13:55.69 ID:llENdxe50
梓「ニューラ、もう一度、きりさく攻撃です!」

律「させるか。ニョロボン、ハイドロポンプで、相手をけん制しろ」

ニョロボンの手から激しい勢いの水を発射し、ニューラの動きをけん制します。


澪「接近できないとなると、ニューラは辛いな」

純「こおりタイプの技はニョロボンにはあまり効きませんからね」


梓「なら、こおりのつぶてでもう一度、眼を狙ってください!」

ニューラはニョロボンのハイドロポンプをかわしながら、氷の塊をニョロボンに発射します。しかし、その氷の固まりはハイドロポンプの前に
飲み込まれて、撃沈します。

律「何度も何度も、同じ戦略が通じると思うなよ。しんくうは!」

ニョロボンは拳を振って、真空の波を巻き起こして攻撃を仕掛けます。

ニューラ「ニュラーーーー」

その攻撃を受け、ニューラは上に跳ね上がります。

律「ニョロボン、トドメだ。きあいパンチ!」

ニューラの落下地点の近くで、精神を高めて、落下してくるのを待ちます。


澪「うまい距離だな。ニューラの反撃は届かないがニョロボンの攻撃を当てられる絶妙な距離だ」


そして、落下してくるニューラの体にパンチを繰り出し、ニューラの小さい体は壁まで飛ばされて、気絶しました。

審判「ニューラ戦闘不能。ニョロボンの勝利です」


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ひん死 ヘルガー ひん死 ハッサム シャワーズ ひん死

律 ハガネール ひん死 レアコイル ひん死 リザードン サワムラー ひん死 ニョロボン
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:18:57.09 ID:llENdxe50
実況『梓選手、残りは2匹です。しかし、1匹はハッサム。リザードンを残す、律選手の方が有利かー』

澪「律はニョロボンを下げなかったな」

紬「リザードンを出して、ハッサムに粘られても困るしね」

純「タイプ的にはリザードンのほうが有利ですが……」

うい「タイプが全てじゃないよ」

紬「そうね。実際話を聞くと、サンダーとかにも善戦しているらしいハッサムを警戒するのも当然よ」

うい「それにリザードンが万が一負けると、ハッサムを倒しても、お姉ちゃんに対応できないよ」

澪「そこまで警戒するか……」


梓「ハッサム、バレットパンチ!!」

ハッサムは命令と同時にその鋼鉄のハサミでパンチを仕掛けます。

ニョロボン「ニョロ」

ニョロボンはそのハサミを片手で受け止めます。

律「この距離なら、外さないな。ニョロボン、ばくれつパンチ!!」

ニョロボンはハッサムを掴んだまま、渾身の力で、ハッサムにパンチを叩き込みます。

ハッサム「サム!」

ハッサムは目をグルグルと回し、混乱します。


澪「ばくれつパンチは相手を必ず、こんらん状態にする技……」

純「しかし、ばくれつパンチは命中率が低い。でも、うまく当てられる状況を作り出すなんて」

紬「やるわね、りっちゃん」


梓「ハッサム!」

律「追撃だ、ニョロボン。きあいパンチ!」

まだ、こんらん状態でうまく動けないハッサムに、精神を高めたパンチが襲います。

ハッサム「サム!」

ハッサムはその攻撃を無抵抗に受け、私の横を通過し、壁に激突します。


283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:19:37.35 ID:llENdxe50
澪「これは……終わったか」

純「ですね」


律(……いや、終わってない。何故なら……)

梓「……」

律(梓の目はまだ死んじゃいない)

審判「ハッサムせんとう……」

ハッサム「サム!」

実況『おーっと、今の一撃を受けても、ハッサムはまだ無事のようだー。なんていうタフネス!』

ゆい「すごいよー、サムちゃん!!」

梓「ハッサム!」

ハッサム「コクリ」

律「ふん。ニョロボン、ハイドロポンプで牽制しろ!」

ニョロボンは手から激しい濁流を発射してきます。

梓「接近戦を避ける気ですか」

律「勝つためにはな」

梓(このままだと、ジリ貧になりますね)

梓「なら……つるぎまいです!」

ハッサムは踊りを踊りながら、ハイドロポンプを避けていきます。

律「ちょこまかと……」

律(だが、こうげきのあがったハッサムに接近戦は厳しいな。現状は遠距離が無難か?)

梓「こうそくいどうです、ハッサム」

ハッサムは今度はスポーツ選手がアップをするが如く、その場で軽くジャンプをします。

梓「ではこっちの反撃です。ハッサム!」

律「ニョロボン、頼んだぞ!」

ニョロボンは急速に接近してくるハッサムにハイドロポンプを当てようとしますが、ハッサムはそれを避けつつ、接近してきます。

律「なんて、早さだ……」

梓「ハッサム、シザークロス!!」

ハッサムの得意技である、シザークロスがニョロボンの胸にXの文字を作り、ニョロボンは気絶します。

審判「ニョロボン戦闘不能。ハッサムの勝利です」


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ひん死 ヘルガー ひん死 ハッサム シャワーズ ひん死

律 ハガネール ひん死 レアコイル ひん死 リザードン サワムラー ひん死 ニョロボン ひん死
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:20:49.80 ID:llENdxe50
実況『さあ、これで2対2になりました。しかし……』

ハッサム「ハア……ハア……」

実況『ハッサムの体力も残りわずかのようです。となると、律選手の方が有利かー』

律「私の最後のポケモンは……ゴローニャ!!」


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ひん死 ヘルガー ひん死 ハッサム シャワーズ ひん死

律 ハガネール ひん死 レアコイル ひん死 リザードン サワムラー ひん死 ニョロボン ひん死 ゴローニャ


律「ゴローニャ、例の作戦だ!」

ゴローニャは律先輩の言葉とともに、ハッサムに抱きつきました。

梓「一体、何を……」

ゴローニャは体を赤くし、爆発しました。

梓「こ、これはだいばくはつ……」

ゴローニャのだいばくはつでフィールドは煙でしばらく見えなくなりました。そして、煙が晴れると……

ハッサム「……」

ゴローニャ「……」

ハッサムとゴローニャは気絶していました。

審判「ゴローニャ、ハッサム、ともに気絶。引き分けです」


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ひん死 ヘルガー ひん死 ハッサム ひん死 シャワーズ ひん死

律 ハガネール ひん死 レアコイル ひん死 リザードン サワムラー ひん死 ニョロボン ひん死 ゴローニャ ひん死
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:22:36.59 ID:llENdxe50
実況『さあ、これで残りは互いに1匹。律選手はリザードンだが、梓選手は何を出すのかー』

梓「まさか、いきなりだいばくはつとは……」
律「でも、ちょうどいいだろ?旅立つ日に最初に戦った相手同士で戦いができるんだからな。もっとも、ヒトカゲは進化してるけどな。来い、
リザードン」

梓「いきますよ、ゆい先輩!」

ゆい「まかせんしゃい」


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ひん死 ヘルガー ひん死 ハッサム ひん死 シャワーズ ひん死 ゆい

律 ハガネール ひん死 レアコイル ひん死 リザードン サワムラー ひん死 ニョロボン ひん死 ゴローニャ ひん死


梓(それにしても、大丈夫かな……)

対戦前・控え室

ゆい「ねえ、あずにゃん」

梓「何ですか?」

ゆい「そろそろさ、あずにゃんが私に指示を出してみてよ」

梓「はい?」

ゆい「。一応、私もポケモンだし、ちゃんとトレーナーであるあずにゃんの指示で戦わないとね。私達も付き合いが長いんだし、あずにゃんだ
って、私の技とかだいぶ分かったでしょ?」

梓(どうしよう。ここまで、ゆい先輩と旅をしてきたけど、未だにゆい先輩の技は分かってないんですよね。ここは正直に言うべきですよね。でも……)

ゆい「……」

目をキラキラとさせて私を見つめるゆい先輩。

梓「……そうですね!私に任せてください」

ゆい「うん!」

梓(私にはこの目のゆい先輩を裏切れません)
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:24:08.04 ID:llENdxe50
ゆい「じゃあ、頑張ろうね、あずにゃん!!」

梓「は、はい」

律「これで3回目か……」

梓「はい?」

律「ゆいとリザードンが戦うのがな。もっとも2度も負けてるけどな」

梓「そうでしたね」

律「だけど、3度目はないぜ」

梓「……上等です!いきますよ、ゆい先輩」

ゆい「うん!」

梓「(え、えーと…)あまえるです!」

ゆい「あのね…すっごく恥ずかしいけど私、おにいちゃんにだったら、えっちなこと、されてもいいよ…」

頬を赤らめて言う、ゆい先輩。

『……』

会場全体に重苦しい雰囲気が流れました。


澪「な、なんだ、今の技は……」

純「今の技もそうですけど、会場全体の雰囲気もおかしくないですか?」

紬「やるわね、ゆいちゃん。まさか、こんな技を隠しているなんて」

うい「いえ。ここでこの技を命令する梓ちゃんもですよ」

澪「どういうことだ?」

紬「見てれば、分かるわ」
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:25:50.87 ID:llENdxe50
律「相変わらずな技だな」

梓「そうですね」

律「だが、関係ない。リザードン、かえんほう……」


観客A(以下、観)「コラー、お前、ゆいちゃんに攻撃する気かー!」

観B「この人でなしー」

観C「引っ込めー、デコッパチー」

突如として、ブーイングを始める、観客達。


澪「何なんだ、一体」

紬「さっきので、観客の心を掴んだのよ」

うい「ここには梓ちゃんや律さんのファンがたくさん来ていますからね。そのファンには男の人が多い」

紬「その男の人達がゆいちゃんの台詞を自分が言われてると想像したら……」

うい「これは味方にならざるをえません」

純「まさか、梓はここまで狙って……」

うい「さすがは梓ちゃんだね」

紬「あの狡猾さ……侮れないわね」

澪(ただの偶然に見えるんだけどな……)
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:28:25.67 ID:llENdxe50
律「チッ。周りの雑音なんか知るかよ。リザードン、かえんほうしゃだ!」

周りの罵声が飛び交う中、リザードンの口から炎が発射され、ゆい先輩に向かって迫ってきます。

梓「ゆい先輩、よけてください!」

ゆい「そんな、無茶な!」

と言いつつも、でんぐり返しをしながら、攻撃をかわすゆい先輩。実に可愛い。

梓「こっちの反撃です!え、えーと……メガトンパンチです!」

ゆい「オーケーだよ、あずにゃん」

ゆい先輩はピョコピョコと走りながら、リザードンに接近していきます。

ゆい「トリャー」

リザードンのお腹にゆい先輩の小さい手が当たります。……が、リザードンにはまったく聞いている様子がありません。

ゆい「あれ……?」

リザードン「ドン!」

リザードンはゆい先輩を掴むと、グルグルと回転させて、私の方にゆい先輩を投げつけます。

ゆい「グヘッ」

梓「ゆい先輩!」

くっ……。やはり、強いですね、律先輩のリザードンは。

梓「大丈夫ですか、ゆい先輩」

ゆい「う、うん。まだ、平気だよ」

と言いつつも、体はだいぶ痛そうです。

律「リザードン、きあいだまだ!」

リザードンはまだ立ち上がっていないゆい先輩にシャワーズを粉砕したきあいだまを発射する準備をします。

梓「ゆ、ゆい先輩、避けて下さい!」

律「無駄だ!」

リザードンのきあいだまがゆい先輩に命中し、私の横を通過し、壁に激突しました。

梓「ゆ、ゆい先輩……」

私はガクリとひざを突きました。

律「どうしたんだ、梓」

律先輩は私に真剣な目で話しかけてきます。

律「まだ、戦いは終わってないぞ」

梓「え?」

私はゆい先輩が飛ばされた方を見るとなんとか、立ち上がってこちらにピョコピョコと歩いてくるゆい先輩が。

梓「ゆい先輩……」

たとえ戻ってきても、リザードンに勝てるかどうか。なら、いっそ、降参した方が。

律「……梓。お前は諦めるのか」

梓「え?」

律「お前はこの旅で、たくさんの危険な戦いをしてきたはずだ」

梓「それは……まあ」

律「お前はこの旅で学んだんじゃないのか?最後まで、諦めずに戦うということの大切さを」
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:31:27.80 ID:llENdxe50
梓「!?」

律「まだ、戦いは終わってないんだ。あんまり、がっかりさせないでくれよ」

梓「べ、別にまだ諦めてませんよ。勝手に律先輩が決め付けてるだけです」

律「また、強がりを……」

梓「ふん」

ゆい「た、ただいま、あずにゃん」

傷だらけのゆい先輩がようやくフィールドに到着しました。

ゆい「ねえ、あずにゃん……」

梓「何ですか?」

ゆい「お願いだから、降参しようなんて言わないでね」

梓「ゆい先輩……そんなこと言いませんよ。こっちが勝てるのにどうして、律先輩に降参しなきゃいけないんです?」

律「何を〜」


澪「戻ってきても、ゆいにはリザードンを倒す手段はない」

純「どっちにしても、これで終わりですね」

紬「まだ、ゆいちゃんには出していない技があるわ」

澪・純「え?」


ゆい「行くよ、りっちゃん。これで終わりだよ」

ゆい先輩は目を瞑り、神経を集中させます。

ゆい(落ち着いて、集中するんだ。心を無にするんだ。そうすれば、達することが出来る。新たなる伝説の境地に。あの時の感覚が蘇る。さ
て、やるよ。……アズサマインド)

ゆい先輩の体が光り輝きます。


澪「あれは……ミュウツー戦で見せた技か……。でも、あれは梓そっくりのオーラを出すだけじゃないのか?」

紬「あの技は体内にある梓ちゃん分を活性化させる技。そうすることで通常の身体能力の10倍以上の能力を出すことことができるわ」

純「梓分って言うのは?」

紬「梓ちゃん分の成分自体はまだ分かってないわ。分かってることは梓ちゃん分は誰の体内にもあるけど、その量は個人によってまちまちだということ」

うい「お姉ちゃんは体内のエネルギーの8割くらいは梓ちゃん分で動いていますからね」

純「多いな……」

紬「でも、心配ね」

うい「ええ」

澪「今度はなんだ」

うい「まだ、アズサ・マインドの先には三つの扉があるんです。このまま、お姉ちゃんがアズサマインドで満足してなければいいんだけど」

澪「……訳が分からん」
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:33:27.24 ID:llENdxe50
ゆい「行くよ、りっちゃん」

その言葉と同時に、ゆい先輩の姿が消え、一瞬でリザードンの前に接近します。


純「はやっ!」


ゆい「トリャーーー」

ゆい先輩の小さな手がリザードンのお腹にめり込み、真ん中にいたリザードンがフィールドの端っこまで飛ばされます。

律「やるじゃないか、ゆい、梓」

律先輩は嬉しそうに言います。

ゆい「まあね!」

梓「私は何もしてませんよ」

律「だが、まだ、終わってないぜ。リザードン」

リザードンも臨戦態勢になって、ゆい先輩をにらみつけます。

ゆい「ここからが本当の戦いだよ」

その言葉と同時にゆい先輩の体は再び、消えます。

律「ゆい。2度も同じ技は通じないぜ」

リザードンは一瞬で接近したゆい先輩のこぶしを受け止め、投げ飛ばします。

ゆい「そ、そんな……」

ゆい先輩は華麗に着地しますが、その顔にはショックが隠しきれないようです。


澪「強いな、あのリザードン」

純「はい。正直、今の技が通らなくなると、もう勝ち目がないですからね」

紬「……」

うい「……」


梓(どうしましょう。今の攻撃が通じないと、おそらく、あのリザードンには有効な手段はないかもしれません)

ゆい(今のが通じないのはきついな……。でも、他の技をやるにしても、もうあずにゃん分が……)

梓(どうすれば、あのリザードンに勝てますかね。ゆい先輩の技は体のエネルギーを活性化させることで身体能力を上げる力だっだけ……。な
ら……)

ゆい(この力を体全体じゃなく、一部分に集めてみるのはどうだろう)

梓(一部分に集中できれば、例えば、足に集中させるなら、全体に力を分散させるよりも、素早くうごけるかもしれません)

ゆい(問題はそれを私が使いこなせるか否かだけど……)

チラッ。

梓「……」

ゆい(私はあずにゃんをポケモンマスターにするんだもんね)

ゆい「フンス」
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:35:08.21 ID:llENdxe50
梓「ゆい先輩」

ゆい「なんだい、あずにゃん」

梓「1つ提案が……」

律「そんなこと、悠長にさせるかよ。リザードン、かえんほうしゃだ!!」

ゆい先輩はその攻撃を横にひらりとかわします。

ゆい(迷ってる暇はないね……。行くよ!)

かえんほうしゃをうまくよけたゆい先輩の体のオーラが足に集中します。

ゆい「行くよ、りっちゃん!!」

ゆい先輩の言葉と同時にゆい先輩の姿が消えます。

律「何度来ても同じだ。リザードン!!」

ザードンは正面に来た、ゆい先輩をはじき返した……と、思いましたが、ゆい先輩の姿が消えました。

律「なっ!?ゆいはどこに!?」

梓「後ろですよ」

律「何!?」

ゆい先輩はリザードンの背後に現れ、尻尾を掴みます。

ゆい「今度はこっちに……」

ゆい先輩は今度は手にオーラを集めます。そして、そのまま、ジャイアントスイングを始めます。

ゆい「トリャーーーーーーーーー」

ゆい先輩はそのまま、リザードンを投げ飛ばします。


澪「何なんだ、一体……」

紬「あれは……アズサ・マインドの境地の1つの扉……百戦錬磨のアズサ」

澪「は?」

うい「あの技は梓ちゃん分を体の一部分のみに集中的に集め、活性化させることでアズサ・マインド時よりも、更なる力を出すことの出来る境地の1つ」

紬「無論、アズサ・マインドに達していない人には習得できないのよ」

澪「……つまり、あれか。ゆいは足にオーラをため、さっきまでよりも、早く移動できたということか」

紬「そういうことね」

澪「……頭が痛くなってきた」
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:36:28.22 ID:llENdxe50
律「舐めんなよ、ゆい!リザードン、きあいだま!!」

リザードンは起き上がり、きあいだまをゆい先輩に発射します。

ゆい「遅いよ、りっちゃん!!」

ゆい先輩は再び、一瞬で姿を消し、きあいだまを避けます。

律「厄介な奴だな。リザードン、後ろだ!」

リザードンはその言葉に素早く反応し、後ろから現れたゆい先輩のパンチを受け止めます。そして、その手を掴んで、投げ飛ばします。

ゆい「くっ。こうなったら……いくよ、ギー太」

ゆい先輩はギー太を持つと、ギー太にオーラが集中します。

ゆい「りっちゃん、決着をつけよう」

律「上等だ!リザードン、フレアドライブ!」

リザードンは体に炎をまとい、ゆい先輩に突進してきます。

ゆい「私もいくよー」

梓「あ、ゆい先輩」

ゆい先輩はギー太をリザードンに向けます。

ゆい「 ゆいちゃん真拳究極奥義『アズブラスター』」

ギー太からビームが発射され、リザードンに命中し、押し合い状態になります。


澪「このまま、どっちが押し切るかだな」

純「そうですね。ところで、ゆい先輩の技は?」

うい「あれは体内の梓ちゃん分をビームにして敵に発射する技だよ」

澪「……もう、何でもありだな」

紬「今更ね」


律「いっけーーーーーーーーー、リザーーーードーーーーーーン」

梓「いっけーーーーーーーーー、ゆいせんぱーーーーーーーい」

時間にしてみれば、1分にもならないかもしれない。しかし、少なくとも、戦っている私には1時間にも感じられました。

リザードン「リ、リザー!」

律「リザードン!」

リザードンはゆい先輩の攻撃を受けきれず直撃し、スタジアムの壁に激突し、気絶しました。

審判「リザードン戦闘不能。ゆいの勝利です。律選手のポケモンは全滅。勝者は梓選手です!」


梓 ガルーラ ひん死 ニューラ ひん死 ヘルガー ひん死 ハッサム ひん死 シャワーズ ひん死 ゆい

律 ハガネール ひん死 レアコイル ひん死 リザードン ひん死 サワムラー ひん死 ニョロボン ひん死 ゴローニャ ひん死
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:39:52.52 ID:llENdxe50
実況『ついに長かった、戦いにも終止符が打たれたー。勝者は梓選手だー』

観「「「「「「あ・ず・さー」」」」」」

実況『会場も梓選手へのコールが鳴り止まない状態です』


ゆい「やったよーあずにゃーん」

ゆい先輩は私の胸に飛び込んでいます。

梓「よく頑張りましたね、ゆい先輩……ゆい先輩?」

ゆい「スピー、スピー」

梓「はやっ!もう寝てる」

律「エネルギーを使いすぎたんだろ」

梓「あ、律先輩……」

気がつくと、律先輩が近くにやってきました。

律「強くなったな」

梓「ありがとうございます」

律「この後も、頑張れよ」

梓「はい」

律先輩は私に背中を向け、その場を去ろうとして、止まります。

律「あ、言い忘れてた」

梓「何ですか?」

律「優勝しろよな。そして、チャンピオンになった梓を最初に倒してやるからな」

梓「……待ってますよ、玉座で」

律「生意気な後輩だ」

律先輩は笑いながら、去って行った。


澪「律もいいところまで言ったんだけどな。終わってみれば……か」

紬「やっぱり、面白いわね。梓ちゃんとゆいちゃんは。……だからこそ、潰したくなる」

澪「え?」

紬「何でもないわ。じゃあ、私もこの後の対戦に行くわね」

純「あ、私達も行かなきゃ」

うい「そうだね」

3人(正確には2人と1匹)は去って行った。

澪「……強くなったな、梓。戦うのが楽しみだよ」

インタビューを受けている梓を尻目に私も会場を去った。
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/23(火) 19:41:10.16 ID:llENdxe50
ポケモンリーグ編A  「ポケモンリーグ開幕・梓VS律」 終了
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/23(火) 21:41:55.20 ID:08mj4mXDO
乙!!

てかアズサマインドSUGEEEEEE!!!!
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/25(木) 09:13:20.12 ID:P4ZidN170
乙〜
次は才気煥発のアズサが…いやなんでもない
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/27(土) 05:59:16.73 ID:bCqw3ovm0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      

梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ  ガルーラ カイリュー ポリゴン2 プテラ ラプラス

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル ゴローニャ ゴルダック

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー  エレブー カイリキー

ポケモンリーグ編B  「束の間の休息」
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/27(土) 06:01:19.73 ID:bCqw3ovm0
1回戦後・夕方

梓「で、何で、律先輩が私の部屋にいるんですか?」

律「だって、負けたら部屋出てかなきゃいけないし、残るならお金が必要だし。他の参加者との相部屋なら大丈夫みたいだし」

梓「じゃあ、澪先輩やムギ先輩のところでも行けばいいじゃないですか」

律「いや、邪魔しちゃ悪いだろ」

梓「私はいいんですか?」

律「……」

梓「何で、そこで黙るんですか!!」

律「まあ、細かいことは気にするな。ほら、お菓子やるよ」

梓「そんなものじゃごまかされませんよ」

律「そう怒るなって。ところで1つ聞いていいか?」

梓「……なんですか?」

律「その胸についてんのはいいのか?」

ゆい「Zzzzz」

梓「そこに触れますか」

律「いや……無視できないだろ」

梓「離れないんですよね」

律「引っ張ってみようぜ」

梓「いやいやいや」

律「離れるかもしれないだろ。……よいしょっと」

律先輩はゆい先輩を掴んで離そうとしますが、私の体を離れようとしません。

律「これは……無理だな」

梓「分かりましたか?困ってるんです」

律「そのわりには嬉しそうだな」

梓「気のせいです」

律「まあいいや。とりあえず、飯でも食べに行こうぜ」

梓「そうですね」

ゆい「早く行こうよ」

梓「待ってて下さい。今、準備しますから」

律「いやいやいや。いつの間に起きたんだよ」

ゆい「おおっ!!りっちゃんだ、おはよう」

律「おはようじゃなくてだな……。とりあえず、ぐっすり寝てたな」

ゆい「あずにゃん分の補給をしなくちゃいけなかったからね。ごめんね」

律「謝られるほどじゃないけど……まあ、いいや。飯にしようぜ」

梓「そうですね」
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/27(土) 06:03:35.17 ID:bCqw3ovm0
夕食後

梓「明日のメンバーはどうしましょうかね……」

ゆい「そんなに悩んでも仕方がないよ。りっちゃん、テレビでも見る?」

律「そうだなー。……今、流行のフ●でも見るか?」

ゆい「私、韓流とか興味ないからいいや」

律「私もないけどな。ゲームでもするか?」

ゆい「そうしよっか」

梓「……」

律「ゲームもやめて大人しくしてよう」

ゆい「そうしよう、りっちゃん」

梓「はあ……。まったく」

ゆい「そんな堅苦しく考えなくても、2回戦と3回戦なんて、すぐ終わるよ」

梓「どうしてですか?」

ゆい「なんとなくね……」


2日後の昼

梓「ふう〜、無事に3回戦も突破できました」

律「これでベスト8だな」

ゆい「この後、どうしよっか?」

梓「そうですね……。簡単なものでも食べながら、純の試合でも見ましょうか」

律「純ちゃんっていうと……ゆいの妹の……ういちゃんのトレーナーか」

ゆい「そうだよ〜」

梓「もう準々決勝ですし、そろそろ、純とかともあたる可能性がありますしね」

律「そうだな……。じゃあ、行くか」
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/27(土) 06:05:46.52 ID:bCqw3ovm0
会場

梓「ここですね」

律「どれどれ、結果は……」

梓「あれみたい……です…ね」

ゆい「どうしたの?」


審判「ピジョット戦闘不能。ういの勝利です」

純 うい

モブA サイドン ひん死 ウインディ ひん死 ギャラドス ひん死 ナッシー ひん死 ピジョット ひん死 


律「おいおい……。強すぎだろ」

梓「ええ……」


観A「すげーよな。あの純っていうのは、ここまであのういってポケモンしか使ってないんだぜ」

観B「ああ。しかも、対策を立てようにも、弱点がないみたいだしな」


律「……梓」

梓「……なんですか?」

律「……とりあえず、頑張れ」

梓「……はい」

ゆい「とりあえず、近くに行こうよ」

梓「そうですね」

私達はフィールドに近づきます。

ゆい「おーい、うーいー」

うい「あ、お姉ちゃん。それに梓ちゃんに律さんも!」

ういは私達に気付いて、元気よく手を振ります。


モブA「くそ。舐めやがって……」

うい「あ、すいません。別に舐めてるわけじゃありませんよ。その証拠に見せてあげますよ」

モブA「!?」

純「ちょっと、うい。そういうのはまだ隠しておきなさいよ」

うい「ごめんね、純ちゃん。私ばっかり、情報を持ってるのは……」

純「……まあ、いいわ。さっさとしなさいよ」

うい「うん」

ういは目を瞑り、神経を集中させます。

うい(落ち着いて、集中するんだ。心を無にするんだ。そうすれば、達することが出来る。新たなる伝説の境地に。あの時の感覚が蘇る。さて、やるよ。……アズサマインド)

ういの体が光り輝きます。

梓「こ、これって……」

律「ゆいの技と同じか」

ゆい「ほへえ」

モブA「こ、この技は……開幕戦で見た奴と同じ……。ええい、知るか!来い、カイリキー!」

純 うい

モブA サイドン ひん死 ウインディ ひん死 ギャラドス ひん死 ナッシー ひん死 ピジョット ひん死 カイリキー
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/27(土) 06:08:13.89 ID:bCqw3ovm0
うい「さてと。お姉ちゃんにはもう一つの扉も見せてあげなきゃね」

ういの体のオーラが体ではなく、頭に集中してきます。


梓「一体、これは……」

律「アズサマインドの境地に達することの出来る奴は全国に3人いるって聞いてたが、そのうちの1人がういちゃんだったとはな」

梓「……ああ、頭が痛い」

律「風邪か?無理するなよ」

ゆい「あのういの技は……才気煥発のアズサ」

律「さすがだな、ゆい。よくそこに気がついた」

ゆい「えへへ〜。まあね〜」

梓「聞きたくもありませんが、その何たらのアズサっていうのは一体……」

ゆい「それはね、活性化されたあずにゃん分を体全体にじゃなくて、頭に集中させることによって、脳の動きを活性化させるの」

律「だから、今のういちゃんには相手の行動パターンが鮮明に頭の中で読めて、どう対処するかもシミュレーションできているはずだ」

梓「そうなんですか(私には理解できない世界だなー)」


モブA「舐めんなよ!カイリキー、ばくれつパンチ!」

うい「……遅いよ」

モブA「なっ……!?」

その言葉とともに、こんしんの力をこめて、ういに向かおうとしたカイリキーのお腹にういの拳が突き刺さります。

カイリキー「……リ、リキ」

カイリキーの巨体が膝をつき、崩れ落ちる。

律「なるほど。カイリキーに接近される前に倒した方が早いということか」

梓「というより、普通に倒せてそうですけどね」

審判「カイリキー戦闘不能。ういの勝利です。モブAの手持ちポケモンは全滅です。よって、純選手の勝利です」

純 うい

モブA サイドン ひん死 ウインディ ひん死 ギャラドス ひん死 ナッシー ひん死 ピジョット ひん死 カイリキー ひん死


律「それにしても、すげえな……」

梓「ういはすごいのはもちろんですけど、あえて先発に持ってきて、他のメンバーの情報を出さない、純もすごいですね」

律「たしかにな……」

ゆい「ま、まあ、私がいるから大丈夫だよ!!」

梓「まったく、根拠がないですよね」

ゆい「あうう」
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/27(土) 06:10:04.13 ID:bCqw3ovm0
律「さて、次はどこで暇をつぶすか」

梓「いやいや、私達は暇じゃないですよ。1人で行ってくださいよ」

律「堅いこと言うなよ。こっちだって、寂しいんだ」

梓「それはまあ……分かりますけどね」

私達は会場を後にし、次はどこに行こうかと迷っていると、

澪「何をやってるんだ?」

澪先輩が話しかけてきました。

梓「あ、澪先輩」

律「おっす、澪」

ゆい「やっほー、澪ちゃん」

澪「やあ。梓達はこんなところで何をやってるんだ?」

梓「ただの見学ですよ」

澪「そうか……。随分、のん気だな」

梓「あはははは」

律「のん気とは失礼な奴だな。見学という名の偵察だよ」

澪「というか、何で律はここにいるんだ?」

律「暇だから」

澪「はあ?」

律「なんなら、澪と行動するか?」

澪「……遠慮しておくよ。そろそろ、抽選会だから、集合場所に行ったほうがいいぞ」

梓「あ、もうそんな時間ですか?」

律「じゃあ、頑張って来いよ。部屋で待ってるから」

ゆい「はい。鍵」

律「サンキュ、ゆい」

梓「いやいや。何をすんなり鍵を渡してるんですか」

律「……駄目か?」

梓「別に駄目とは言ってませんが……まあ、いいですよ。綺麗にしておいて下さいね」

律先輩は「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言って、去っていきました。

澪「……それじゃ、行こうか」

梓「そうですね」

ゆい「レッツ・ゴー!」
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/27(土) 06:13:55.42 ID:bCqw3ovm0
抽選会場

紬「あら、澪ちゃんに梓ちゃん、それにゆいちゃん」

澪「やあ、ムギ」

梓「こんにちは、ムギ先輩」

ゆい「やっほー、ムギちゃん」

澪「ムギも順調に勝ったんだな」

紬「ええ。ここにいるってことは澪ちゃん達もね?」

梓「はい」

紬「いよいよ、私達の中でも戦いがありそうね」

澪「そうだな。8人だもんな」

周りを見ると、そうそうたるメンバーですね。1人、フードのついたローブを着た、変わった人もいますが。

澪「悔いのないようにしたいな」

紬「そうね」

司会者『さあ〜、勝ち進んできた名誉ある諸君。いよいよ、抽選会の時間だー』

純「はあはあ、やっと着いた」

梓「あ、純」

純「やあ……。迷っちゃってさ」

うい「だから、あっちだって言ったのに」

純「私の勘が逆って言ったんだけどねー」

梓「何やってんだか」

司会者『それでは抽選会を始めます。今回は……これです!!』

司会者が指差す方向には水槽みたいな物が置いてあって、中は黒いカーテンがしてあり、見えません。そして、そこから紐につながったモンスターボールが水槽みたいな物の外に8つありました。

司会者『皆さんにはこれから、この中から好きなモンスターボールを選んで一斉に引いてもらいます。このモンスターボールは2つで1本に繋
がっています。それが4本。ボールの中にある番号は戦う順番です』

梓「また、めんどくさいことを……」

ゆい「えー。面白そうじゃん」

梓「そうですかね」

ゆい「そうだよ。こうやって、一つ一つの共同作業が私達の大きな未来に繋がってくんだよ!!」

梓「共同作業って……一緒に引っ張るってことですか?」

ゆい「そうだよ〜。……それとも、いや?」

梓「いやとは言ってません。勘違いしないで下さい」

ゆい「そっか〜。よかった〜」

304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/27(土) 06:14:25.21 ID:bCqw3ovm0
司会者『それでは、抽選を始めたいと思います。参加者は好きな番号のところに行って下さい。被った場合はジャンケンでお願いします』

梓「アバウトな……」

司会者『それでは……スタート!』

梓「とりあえず、一番遠いところをあえて狙いましょう」

ゆい「そうだね!」

ゆい先輩を抱きかかえて、走ります。

梓「それっ!!……あ」

私がボールを掴みました。しかし、同時にフードを被ったローブの人も同時に掴んでいます。

梓「これは……ジャンケンですね」

???「いや、いいよ。譲ってあげる」

梓「え、でも……」

???「元々、どれでもよかったんだからね。気にしなくていいよ」

そう言うと、止める間もなく、余ってる所に行ってしまいました。

梓「何なんだろ?」

ゆい「まあ、いいじゃん。良い人みたいだし。そんなことより、私が『ゆい!!』って言ったら、あずにゃんが、『あず!!』って言って、引
くんだよ」

梓「何ですか、それ」


実況者『それでは、引いてください』

ゆい・梓「「いっせいのせ!」」

???「きゃっ!!」

勢いよく、引っ張りすぎたのか、私の対戦相手の人が前のめりに転んでしまったようです。

ゆい「やったね!まずは先制パンチだよ!」

梓「何をを言ってるんですか……。大丈夫ですか?」

???「大丈夫よ……梓ちゃん」

梓「? あ、ムギ先輩!」

どうやら、私の次の対戦相手はムギ先輩になったみたいです。
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/27(土) 06:17:22.69 ID:bCqw3ovm0
抽選会後・自室

律「そうか。次はムギか」

ベットの上で、ゆい先輩とスマブラをやりながら、話します。

律「言っておくけど、ムギは強いぞ……って、知ってるか」

梓「まあ、一応……旅でも一回しか戦ったことはありませんけど」

律「普通は1回もないで戦うんだぜっと」

梓「それはそうですけど……あー、メンバー、どうしよう」

律「アドバイスはしないぞ」

梓「期待してませんし」

ゆい「じゃあ、私が!」

梓「そっちも期待してません」

ゆい「ええっ!! りっちゃ〜ん、あずにゃんが冷たいよー」

律「おお、よしよし」

ゆい「あれが俗に言うツンデレなの?」

律「その質問は難しいな。定義が人によって様々だからな」

ゆい「そうなんだー」

梓「……分かりました。ゆい先輩の話を聞きましょう」

私はゆい先輩を抱き上げます。

律「何だよ。焼きもちかよ」

梓「ち、違います!ゆい先輩は私のポケモンですからね。一緒にメンバーを考えないといけません」

律「そうかい、そうかい」

梓「何で、ニヤニヤしてるのか分かりませんが……、納得してくれたのなら、結構です」

律「それじゃ、早く決めて遊ぼうぜ」

ゆい「そうだね」

梓「いやいや。明日も試合なのに」

律「ちょっとくらい大丈夫だろ」

ゆい「そうだよ〜」

梓「はあ……。分かりました。じゃあ、行きますよ、ゆい先輩」

ゆい「ほ〜い」
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/27(土) 06:20:25.72 ID:bCqw3ovm0
次の日

梓「結局、徹夜してしまった……」

ゆい「スーピー」

梓「ほら、起きてください」

ゆい「後、5分〜」

梓「はあ、まったく……」

律「梓も大変だな」

梓「誰のせいですか、誰の」


会場

澪「さて、ついにムギと梓の試合か……」

純「どっちが勝ちますかね」

うい「難しいね」

律「よお、澪。それに純ちゃんに、ういちゃん」

澪「あ、律」

純「おはようございます」

律「2人は大丈夫なのか、試合は」

純「私は4戦目なので」

澪「私は3戦目だから、大丈夫」

律「じゃあ、じっくり見ますか」

律は私の横にどかりと座る。

うい「律さんはどっちが勝つと思いますか?」

律「さあ。こればかりはなんともな」

澪「そろそろ、入場するみたいだな」


307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/08/27(土) 06:21:04.40 ID:bCqw3ovm0
実況『さあ、いよいよ、選手入場です。まずは……琴吹紬選手です!』

観「「「「「わー、わー」」」」」


澪「す、すごいな……ドキドキ」

律「まだ、緊張するのには早いだろ」

純「でも、気持ちは分かりますよ。この後、私達もここでやるわけだし」


実況『続いて、中野梓選手が入場します』

観「「「「「あっずにゃ〜ん」」」」」


澪「1回戦の時も思ったが、なんだ、あの掛け声」

律「ハナダシティでの戦いから、ファンが多いからな」

純「恥ずかしいですよね、あれ」

うい「そうだよね」


紬「逃げなかったのね」

梓「当たり前ですよ」

紬「後悔させてあげるわ、逃げなかったことを」

梓「どこの悪役ですか」


審判「ルールを説明します。使用ポケモンは6匹。交代は技によるものを除き、互いのモンスターのどちらかが気絶した時とします。トレーナーによる、アイテムの使用は禁止です。よろしいですね」

私達はお互いにうなずきます。

審判「勝利条件は相手ポケモンの全滅です。準備はよろしいですか?それでは……」

審判・紬・梓「「「決闘(デュエル)!!!」」」
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/08/27(土) 06:22:51.81 ID:bCqw3ovm0
ポケモンリーグ編B  「束の間の休息」 終了
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) :2011/08/27(土) 21:07:32.02 ID:QGzmwbTAO
ポケモンSSは未完が基本
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/08/27(土) 22:43:11.16 ID:sbuw4lXN0
乙です!
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 05:49:36.00 ID:tzv0EhCK0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      

梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ  ガルーラ カイリュー ポリゴン2 プテラ ラプラス

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル ゴローニャ ゴルダック

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー  エレブー カイリキー

ポケモンリーグ編C  「ベスト4へ  梓VS紬」
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 05:51:45.77 ID:tzv0EhCK0
審判・紬・梓「「「決闘(デュエル)!!!」」」


紬「行くわよ、梓ちゃん。私の戦い方はりっちゃんとは違うわよ」

梓「望むところです!」

紬「来なさい、マタドガス」

梓「来てください、ポリゴン2」


梓 ポリゴン2

紬 マタドガス


実況『さあ、紬選手はマタドガス、梓選手はポリゴン2を出してきたー』


律「マタドガスか。嫌なポケモンだなー」

澪「たしかにな」


紬「行くわよ、マタドガス。ヘドロこうげき!」

マタドガスの口から、汚いヘドロをポリゴン2に向かって、吐き出します。

梓「ポリゴン2、避けて下さい!」

ポリゴン2はその攻撃を横に移動しながら、かわします。

紬「かまうことないわ、マタドガス。続けて」

マタドガスは何発ものヘドロをポリゴン2に向けて、発射してきます。


純「ああしつこくされると、接近できなくて辛いですよね」

澪「でも、ポリゴン2は遠距離でも十分対応できるし、問題ないだろうな」


梓「ポリゴン2、れいとうビームです!」

ポリゴン2はそのヘドロの波をかいくぐりながら、冷気のビームを発射します。

紬「マタドガス、スモッグ!」

マタドガスは排気ガスを出しながら、その攻撃をかわします。

梓「まだ、行きますよ。トライアッタク!!」

ポリゴン2はそのガスを浴びつつも、炎、氷、電気の三つの光線をマタドガスに発射します。

マタドガス「ドガス!!」

マタドガスはその攻撃が命中するも、あまりダメージを受けている様子ではありません。

梓「なら、もう、一発です!!」

ポリゴン2はもう一度、トライアッタクを発射しようとします。

紬「マタドガス、えんまくよ!!」

マタドガスは黒い煙を出しながら、左右に動きます。それにより、フィールドの半分は煙に覆われました。

梓「これじゃ、命中できない……」

紬「フフフ」
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313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 05:57:11.44 ID:tzv0EhCK0
澪「トライアッタクを命中させるのも難しいが、どこから攻撃が来るかも分からない」

律「嫌な戦術だな」

うい「でも、効果的ですよね」


梓「どうすべきか……」

紬「2人で頑張って考えてね。もっとも、考えつく頃には私の勝ちだけどね」

煙の中から、ヘドロがポリゴン2に迫ってきます。

ポリゴン2「ポリ!」

ポリゴン2はその攻撃をかわすも、顔色が悪そうです。

紬「どうやら、さっきのスモッグでどく状態になったみたいね」

梓「くっ……」


澪「おまけに状態異常か……」

純「これは辛いですね」


梓「どうすれば……」

ゆい「あずにゃん、あずにゃん」

いつの間にか、私の頭の上にいた、ゆい先輩が話しかけてきました。

梓「何ですか?」

ゆい「私にいい戦略があるんだけど……」

梓「……とりあえず、聞かせて下さい」

ゆい「まずね、マタドガスに攻撃をさせるの」

ゆい先輩はゴニョゴニョと話し始めます。

ゆい「その攻撃をしてきた場所を辿れば、マタドガスがいるはずだよ」

梓「……なるほど」

紬「作戦会議は終わったかしら?」

梓「どうでもいいですけど、悪役みたいですね」

紬「一度、悪役みたいになるのが夢だったの〜♪」

梓「……まあ、いいです」

紬「まあ、それはともかく攻撃をしないと勝てないわよ」

梓「分かってますよ」

梓(とは言っても、現状は厳しいですね。なら……)

梓「ポリゴン2、でんじはです!」

ポリゴン2は煙の中に、弱い電気を発射します。

紬「無駄よ。マタドガスには当たらないわ。今度はこっちの攻撃よ……」

梓・ゆい「「ゴクリ」」

紬「なんてね。梓ちゃん達は私が攻撃を仕掛けてきて、それでマタドガスの場所を把握して、反撃しようとしたんでしょ?」

梓「うっ……」

紬「甘いわよ、梓ちゃん。こっちが攻撃しなくても、ポリゴン2はどくでジワジワと倒されるんだから、余計なことをしないで私は待ってるわ」

梓「くっ……」

さすがはムギ先輩ですね。これでは手の施しようがありません。
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314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 05:58:51.32 ID:tzv0EhCK0
澪「これは……辛いな」

律「この場合はなりふりかまわず、攻撃をするんだよ」

純「でも、当たりませんよ」

澪「いや、この場合はその方が効果的かもしれないな」

純「え……?」


梓「もう、こうなったら、やけくそです!ポリゴン2、トライアタックです!!」

ポリゴン2は所狭しと、煙の中にトライアタックを何発もぶち込みます。


澪「どうせ、このまま、何をしないでいても毒でやられるんだ。なら、勝算は低くても攻撃をしていくしかない。だから、一見、無駄のように思えるが……」

律「この場合は一番いい……か」


紬「無駄よ、梓ちゃん」

ムギ先輩の言うとおり、そのトライアタックは全然マタドガスには命中していません。

梓「さ、さすがはムギ先輩ですね」

一体、どうしたら……そうだ!!

梓「怖いんですか?」

紬「はい?」

梓「怖いから、攻撃してこないんですよね。がっかりですよ、ムギ先輩がそんなにチキンだったなんて」

紬「なんですって……!?」


律「攻撃してこないなら、攻撃してくるように挑発するか……」

澪「果たして、ムギに通用するか……」


よし!ムギ先輩には申し訳ないですけど、この挑発に乗ってくれれば……。

紬「マタドガス、攻撃!」

梓(やった!)

紬「……なんてね♪」

梓「……え?」

紬「そんな挑発に乗らなくてもね」

ポリゴン2「ポリ〜」

ポリゴン2は大分、ダメージが蓄積されているみたいです。おそらく、あまり時間は残されていませんね。

梓「ポリゴン2、攻撃を続けてください!!」

ポリゴン2の必死の攻撃もマタドガスに命中することが出来ずに、気絶しました。

審判「ポリゴン2戦闘不能。マタドガスの勝利です」


梓 ポリゴン2 ひん死

紬 マタドガス
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315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 06:04:18.59 ID:tzv0EhCK0
紬「戻りなさい、マタドガス」

ムギ先輩はマタドガスをボールに戻します。

梓「マタドガスをここで下げますか……」

紬「だって、対策されちゃうじゃない」

梓「む……」


澪「たしかにこのまま場に残したら、梓はマタドガスに対抗できるのを出してくるだろうな」

律「しかも、常に頭にマタドガスを置いて、次のバトルに望まなければいけないわけだ」


純「……強いですね」

うい「……そうだね」


紬「来て、フーディン」

梓「来てください、プテラ!」

梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ

紬 マタドガス フーディン


実況『さあ、紬選手はフーディンを、梓選手はプテラを出してきましたー』

梓「プテラ、アイアンヘッド!」

プテラの鋼鉄のような頭でフーディンに向かいます。

紬「フフフ。フーディン、テレポート」

プテラの攻撃が当たる瞬間、フーディンの姿が消えました。

梓「あれ?フーディンは……」

ゆい「あそこだよ、あずにゃん」

ゆい先輩はプテラの上を指差します。

プテラ「プテ!?」

プテラもフーディンの居場所に気づいて、びっくりしています。

紬「フーディン、サイコキネシス!」

フーディンはプテラの上から、強い念力をプテラに送り、プテラは頭を抑えるようにして、地面に墜落しました。

紬「甘いわね、梓ちゃん」

梓「くっ……」


澪「強いな。梓がまったく戦わせてもらえない」

律「ああ。ムギはまったく、梓の土俵に乗ってこない」

うい「だから、梓ちゃんは紬さんの土俵に乗るしかない」

純「その結果がこれか……」



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316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 06:04:48.00 ID:tzv0EhCK0
梓「まだです!!」

プテラ「プテ!」

プテラはまだ戦意の失っていない目で、フーディンを睨みつけます。

梓「プテラ、もう一度、アイアンヘッド!!」

プテラはさっきよりも勢いをつけて、フーディンに向かいます。

紬「……フーディン、リフレクター」

梓「!?」

紬「どうせ梓ちゃんのことだから、テレポートをしてきたと仮定した対策を考えてたんでしょうね。でも、遅いのよ」

プテラの鋼鉄のように固い頭が、光の壁に激突します。

紬「戦いとは常に相手の先を読むものなのよ」

梓「……たしかにそうですね」

ピキピキ

梓「でも、読みきれないものもあるみたいですよ」

紬「!?」

ピキピキ、ガッシャーン。

プテラの頭がリフレクターの壁を破り、そのままフーディンに激突し、スタジアムの壁まで飛ばされ、気絶しました。

梓「プテラの力までは読みきれなかったみたいですね」

紬「……フフフ、やるじゃない」

審判「フーディン戦闘不能。プテラの勝利です」

梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ

紬 マタドガス フーディン ひん死
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317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 06:06:09.45 ID:tzv0EhCK0
実況『さあ、ここまで一進一退の攻防が続いています。次に紬選手の出すポケモンが命運を握りそうだー』

紬「来なさい、デンリュウ」


梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ 

紬 マタドガス フーディン ひん死 デンリュウ


梓「プテラ、一旦距離を置いてください」

プテラは上空に飛翔し、デンリュウから離れます。


澪「まずは様子見か」

純「相手は弱点ですからね。それに何をしてくるか分かりませんし」


紬「臆病なのね、梓ちゃんは」

梓「む!!」

ゆい「あずにゃん、落ち着いて、落ち着いて」

紬「まあ、いいわ。デンリュウ、コットンガード!」

デンリュウはふわふわしたわたげで、体を包み込みます。


澪「相手が何もしてこないなら、積み技か」

律「まあ、当然といえば当然だわな」


梓「(このままじゃ……)プテラ、ストーンエッジ!!」

プテラはとがった岩をデンリュウに突き刺すべく、デンリュウに接近します。

梓「いっけー!」

紬「……デンリュウ」

デンリュウは自分の体力を使って、身代わりを出します。そして、プテラはその身代わりにストーンエッジを当ててしまいます。

梓「なっ……!?」

紬「デンリュウ、かみなり!!」

空からかみなりがプテラに向かって落ちてきて、プテラに命中し、そのまま、プテラは気絶します。

審判「プテラ戦闘不能。デンリュウの勝利です」

梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死

紬 マタドガス フーディン ひん死 デンリュウ

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318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 06:07:37.70 ID:tzv0EhCK0
梓「次のぽけもんは……これです!」

実況『さあ、梓選手の次のポケモンは……サンダースです!!』


梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死 サンダース

紬 マタドガス フーディン ひん死 デンリュウ


紬「……サンダースね」

梓「行きますよ……サンダース、シャドーボール!!」

サンダースは黒い塊をデンリュウに向かって投げつけます。

紬「ふん。デンリュウ、ひかりのかべ」

デンリュウはひかりのかべを作りだし、シャドーボールの威力を弱めます。

紬「デンリュウ、きあいだま!!」

デンリュウはこんしんの力を使って、作った玉をサンダースにぶつけにいきます。

梓「無駄です!!サンダースには当たりません」

サンダースは素早くフィールドを駆け巡り、その攻撃をかわします。

紬「フフフ、やるじゃない、梓ちゃん」

梓「どうもです」

紬「それでこそ、倒しがいがあるわ。デンリュウ、シグナルビーム!」

デンリュウは不思議な光をサンダースに狙いを定めて発射してきます。

梓「サンダース、かげぶんしんです!!」

サンダースは分身を作り出し、シグナルビームはサンダースの残像に命中します。


律「いつの間にか、攻守が逆転してるな」

澪「ああ。ムギが後手に回ってるよ」


梓「サンダース、かげぶんしん!」

サンダースはさらに分身の残像を増やします。

紬(……うかつには攻撃を仕掛けられない。でも、このままでいるわけにもいかないか)

紬「やるじゃない、梓ちゃん」

梓「ありがとうございます」

紬「これもゆいちゃんのおかげかしらね」

梓「え……」

ゆい「そうかな〜。でへへ〜」

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319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 06:09:32.74 ID:tzv0EhCK0
澪「現状が厳しいから、トレーナーの梓を揺さぶってきたな」

純「抜かりがありませんね」


紬「2人の仲の良さの前には私じゃ太刀打ちできないわね」

ゆい「えへへ〜」

梓「……サンダース、背後からシャドーボール!」

フィールドにいた残像の中のデンリュウの背後から、サンダースが飛び出し、黒い塊をぶつけます。そして、デンリュウは突然の攻撃に反応で
きずに、気絶しました。

梓「余計なおしゃべりはやめた方がいいですよ」

紬「……その方が良さそうね」

審判「デンリュウ戦闘不能。サンダースの勝利です」


梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死 サンダース

紬 マタドガス フーディン ひん死 デンリュウ ひん死


実況『まさに一進一退の攻防だー』

梓(一進一退といっても、未だにムギ先輩が先手を取っている状況。なんとかしないと)

紬「次は……これよ」

実況『紬選手の次のポケモンはクロバットだー』

梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死 サンダース

紬 マタドガス フーディン ひん死 デンリュウ ひん死 クロバット
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320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 06:11:19.42 ID:tzv0EhCK0
律「ムギとしては計算外だろうな。ムギの中では、『そ、そんなことありませんよ』と言って、梓が顔を真っ赤にしてるうちに反撃をしたかったんだろうが」

澪「それだけ、梓も成長してるってことだろ」


紬「行くわよ、クロバット」

クロバット「バット」

梓「こっちも負けませんよ。サンダース、10万ボルト!」

サンダースの強い電撃が空中のクロバットに向けて、浴びせにいきます。しかし、その攻撃をクロバットは軽やかに避けます。

梓「なら、もう一度、かげぶんしんです!!」

サンダースはフィールドにたくさんの自分の残像を見せます。


純「まるで、忍者みたいですね」

澪「言いえて妙だな」

律「だが、同じ戦略がムギに通じるかな?」


紬「……」

梓(……何も仕掛けてきませんね?それなら……)

梓「サンダース、10万ボルト!」

サンダースは分身を戻し、クロバットの下から、10万ボルトを発射します。

紬「……クロバット!」

クロバットは不意打ちに近い、10万ボルトをすんなりとかわします。

紬「その攻撃を待ってたのよ。クロバット、しねんのずつき!」

クロバットは思念の力を頭にためて、サンダースに命中させます。

サンダース「ダース!」

サンダースはその攻撃を受けて、飛ばされるも何とか耐えます。

澪「なるほど。攻撃をする時にかげぶんしんが消えるのを狙ったのか」

律「さすがというべきかなんというか」

純「梓が仕掛けなきゃ、完全な持久戦になってましたからね」

梓「まだ、終わってませんよ。サンダース、10万ボルト!」

サンダースは怯まずに、10万ボルトを発射するも、クロバットは華麗に避けて、ヘドロを投げつけてきます。

サンダース「ダース!!」

サンダースはその攻撃をかわしきれずに、命中し、気絶しました。

審判「サンダース戦闘不能。クロバットの勝利です」


梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死

紬 マタドガス フーディン ひん死 デンリュウ ひん死 クロバット

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321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 06:12:54.08 ID:tzv0EhCK0
実況『さあ、紬選手はここまで常に先制を取ってるわけですが、梓選手はどう対抗していくかー』

梓「さあ、出番ですよ、ニューラ!」


梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ニューラ

紬 マタドガス フーディン ひん死 デンリュウ ひん死 クロバット


梓「ニューラ、ねこだまし!!」

ニューラは素早く、手をパンと叩きます。クロバットはその攻撃で眼をつぶって怯みます。

梓「今です!!ニューラ、こうそくいどう!」

ニューラは体を楽にし、素早く移動できるようにします。

梓「ニューラ、メタルクローです!」

紬「接近させないで、クロバット、エアスラッシュ!」

クロバットは空気の刃をニューラに向かって、発射します。しかし、ニューラは素早く、その攻撃をかわしつつ、接近していきます。


純「速い!」

澪「元々の素早さに加えてのこうそくいどう。ある意味、必然だな」


クロバットの攻撃をかわし、ニューラはクロバットの胸元の接近します。そして、ニューラの鋭いツメがクロバットを切り裂きます。

梓「よし!」

紬「くっ……。だけど、まだよ!クロバット、一旦、距離をとりなさい」

クロバットは素早く、ニューラから離れます。

梓「こっちも離れて、様子を見て下さい!」

それに合わせて、ニューラも距離を取ります。


律「だが、遠距離ではクロバットのほうが有利だな」

澪「たしかにな」

純「だけど、深追いは危険ですよね」

うい「そうだね。だから、判断が難しいんだけどね」

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322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 06:16:03.23 ID:tzv0EhCK0
梓「さあ、まだまだ行きますよ。ニューラ、こおりのつぶて!!」

ニューラは氷の塊を一瞬で作り出し、クロバットに向けて、投げつけます。

紬「クロバット!」

クロバットは傷つき、動きは鈍いですがそれでも、攻撃をかわします。

梓「ニューラ、もう一度、接近してください!」

ニューラは小さい体ですばしっこく動いてクロバットに接近します。

紬「……クロバット、肉を切らせて骨を断ちなさい!」

ニューラ「ニュラ!!」

ニューラの鋭いツメでクロバットを切り裂こうとするのをクロバットは自分の羽で防御します。

クロバット「クロ……」

クロバットの自慢の羽にニューラの鋭いツメが突き刺さり、苦しそうにします。

紬「クロバット、かみつきなさい!」

梓「無駄です!ニューラ、はなれ……あっ!?」

ニューラはクロバットの羽にツメが刺さり、動きが封じられています。そうしている間に、ニューラの首にクロバットの牙がかみつきます。

梓「まさか、ムギ先輩。ここまで読んで……」

紬「フフフ。クロバット、どくどくよ」

クロバットは噛み付きつつも、ニューラの首に猛毒を注入します。

梓「ニューラ!」

ニューラは何とかツメを引き抜き、距離をとります。

ニューラ「ハア……ハア……」

梓(毒が入っているこの状態で長期戦はまずいですね。早く、決着をつけないと)


澪「ムギ……なんて奴だ」

律「劣勢だったのが、一瞬で自分のペースに持っていった」


紬(ゆいちゃんを倒すにはこの程度の雑魚にかまっている場合じゃないのよね)

紬「クロバット、はねやすみをしましょうか」

クロバットはニューラから離れて地上に降りて、休み始めます。

梓「ニューラ!」

ニューラは毒と首へのダメージで、動きを鈍くしています。

紬「さて、梓ちゃん。トドメよ。クロバット、ブレイブバード!」

クロバットは弱っているニューラに向かって、羽を折りたたみ、低空飛行で突っ込んできます。

梓「やりますね、ムギ先輩……」

紬「ありがと、梓ちゃん」

梓「でも、私はその上を行きます!!」

ニューラはクロバットが向かってくるのに合わせて、高くジャンプします。そして、ニューラのいた所を通過する寸前に、上から自慢のツメでクロバットを切り裂きます。

クロバット「クロ!」

その攻撃を受けて、クロバットは地面に転がり落ちます。

梓「トドメです、きりさく!!」

倒れているクロバットにニューラが鋭いツメで切り裂きます。その一撃に耐え切れずに、クロバットは気絶しました。しかし毒と傷の影響で、ニューラは気絶しました。

審判「クロバット、ニューラ、ともに戦闘不能」
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323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 06:17:08.77 ID:tzv0EhCK0
梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ニューラ ひん死

紬 マタドガス フーディン ひん死 デンリュウ ひん死 クロバット ひん死


実況『まさかの引き分けだー。しかし、状況は紬選手の方が有利かー!!』

紬(ここまではまあ順調ね。問題は次のハッサムをどう倒すかね。ゆいちゃんを攻略するにはできるだけ多くのポケモンを残す必要がある。そ
のためにはハッサムの処理に手間取っては駄目ね)

梓「来てください、ハッサム!!」

紬「来なさい、マタドガス!!」


梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム

紬 マタドガス フーディン ひん死 デンリュウ ひん死 クロバット ひん死


梓「さあ、行きますよ、ハッサム」

紬(ハッサムを調子に乗らせると、梓ちゃんの調子も上がってくる。するとゆいちゃんの調子も上がってくる。それだけにこの戦いは慎重にしないと……)

梓「ハッサム、バレットパンチ!」

ハッサムは先制を取るべく、弾丸のように素早いパンチを繰り出します。

紬「マタドガス!」

マタドガスは煙を出して、ハッサムのバレットパンチから逃げ始めます。

ハッサム「サム!?」

この煙により、ハッサムはバレットパンチを外します。

梓「また、この戦法……」

煙は瞬く間にフィールドの半分を埋め尽くします。

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324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 06:19:10.88 ID:tzv0EhCK0
澪「この戦法はさっきよりも辛いかもしれないな」

純「どうしてですか?」

澪「ポリゴン2には遠距離からの技もあったけど、ハッサムにはないからだ。攻撃するにはあの煙の中に入らないといけない」

純「なるほど」

うい(ここまで考えてるなんて、澪さんもすごいな。もしかしたら、次に対戦するかもしれないから気をつけておこう)

律「だが、不利ってばかりでもないだろ。ハッサムにはどくタイプの技は通じないから、マタドガスの攻撃範囲は狭くなるし」

純「それもそうですね」

うい「いや、それは……」

澪「それはどうかな?」


梓「ならば、ここは一旦、様子を見ましょう」

紬「そんな暇はないわよ。マタドガス、かえんほうしゃ!」

梓「!?」

煙の中から、炎がハッサムに向かって発射されてきます。その攻撃を紙一重でハッサムはかわします。


澪「マタドガスはああ見えても、10万ボルト等の攻撃もできるんだ。得意のどくタイプの攻撃ができなくても、十分に攻撃手段はある」

純「へえ〜。さっき、ういもこれを言おうとしたの?」

うい「う、うん。まあね(やっぱりこの人は要注意だ)」

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325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 06:21:36.04 ID:tzv0EhCK0
梓「このままじゃ、長期戦も不利になりますね。一体どうしたら……」

紬「フフフ」

梓(駄目だ。まったく、隙が見えない……)

紬「マタドガス、かえんほうしゃ!!」

梓「ハッサム、かわして!」

ハッサムはその攻撃を何とかかわします。

紬「いつまでもつかしら?」

梓「くっ……」


律「マタドガスの力でも、ハッサムには炎の攻撃は辛いからなー」

澪「ムギとしてはハッサムをさっさと倒したいところだな。この後にゆいが控えてるだけに」


梓「ここで避けてばかりいてはいずれは負けてしまいます」

ゆい「そうだね。攻めなきゃ」

梓「行きますよ、ハッサム!」

ハッサムは煙幕の中を果敢にも入っていきます。

紬「袋の鼠ね。いえ、飛んで火にいる夏の虫と言った方がいいかしらね」

梓「それはどうでしょうかね」

紬「強がりは見苦しいわよ、梓ちゃん。マタドガス、かえんほうしゃよ」

煙幕で中の様子は見えませんが炎のようなものが光っているのが見えます。

梓「ハッサム!」


私はかえんほうしゃを浴びつつ、マタドガスの方に向かう。

ハッサム「ハッサム(マタドガスはかえんほうしゃを発射して油断している)」

体のダメージは相当なものだけれどもこのマタドガスを倒せば、いや、倒さなければ、この戦いの勝利は限りなくゼロになるだろう。

ハッサム「サムーーーーーーーー!」

痛む体に鞭を打ち、マタドガスに自慢のハサミで切り刻みにいった。


マタドガス「ガスー!!!」

突如として、マタドガスが煙の中から上空に跳ね飛ばされてきました。胸にはXの文字があります。ということは……。

梓「ハッサムがやりましたよ、ゆい先輩!!」

ゆい「やったね、あずにゃん!」

マタドガスは地面に落下し、そのまま気絶しました。

審判「マタドガス戦闘不能。ハッサムのしょう……ん?」

幕が晴れてきて、フィールドが見えてくると、ハッサムが気絶していました。

梓「ハッサム!」

審判「ゴホン。マタドガス、ハッサム、ともに戦闘不能」


梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ひん死

紬 マタドガス ひん死 フーディン ひん死 デンリュウ ひん死 クロバット ひん死

自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 06:24:07.00 ID:tzv0EhCK0
実況『梓選手は残り1匹だー。このまま、紬選手の勝利で終わるのかー』


澪「残り、1匹か……」

律「その1匹がきついんだよな」


梓「行きますよ、ゆい先輩!」

ゆい「うん!!」

紬「クチバシティでの戦い以来ね」

ゆい「そうだね」

紬「それじゃ、来なさい、カポエラー」

梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい

紬 マタドガス ひん死 フーディン ひん死 デンリュウ ひん死 クロバット ひん死 カポエラー
 

実況『さあ、梓選手はエースである、ゆいの登場だー』

観客「ゆーい、ゆーい」

実況『観客からも大きなコールが流れています』

紬「さあ、はじめましょうか。最後の戦いを」

梓「む。まだ、終わってませんよ」

紬「フフフ。さあ、いくわよ、カポエラー」

カポエラー「カポ」

紬「カポエラー、インファイト!」

梓「来ますよ、ゆい先輩!!」

ゆい「任せてよ。ゆいちゃん真拳奥義ゆいぐるみガー……」

紬「ゆいちゃん、梓ちゃんのスカートがめくれてるわよ」

ゆい「え、うそ!!」

ゆい先輩はムギ先輩の言葉にいち早く反応し、私のほうを見ます。

梓「そ、そんな訳ないじゃないですか。ムギ先輩のデタラ……ゆい先輩、後ろ!!」

ゆい「ほへ?後ろ?」

カメラを構えてのん気そうに私のほうを見る、ゆい先輩にカポエラーの足が迫ります。

ゆい「ひゃー」

ゆい先輩はかわしきれずに、その攻撃を受けて、スタジアムの壁まで飛ばされます。

梓「ひ、卑怯ですよ、ムギ先輩!」

紬「引っかかるほうが悪いのよ」

梓「……まあ、そう言われると何も言い返せませんけどね」

ゆい「いや、言い返そうよ!!」

梓「あ、ゆい先輩」

ゆい先輩はのそりのそりとフィールドに向かって歩いてきます。


律「まったく、ムギには困ったもんだな」

うい「でも、仕方がないですよね。ああ言われたら、見てしまうのはもう人間の性ですし」

律「そうだけどさ」

澪「とりあえず、律にういちゃん、カメラをしまえよ」

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327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 06:25:48.53 ID:tzv0EhCK0
ゆい「むう……。ムギちゃん、よくもやったね」

紬「ごめんなさい。こうでもしないとゆいちゃんを倒すのは厳しくて」

梓「ゆい先輩、油断しないで下さい。まだ、何か仕掛けてきますよ。速攻で倒しましょう」

ゆい「うん!!」

紬「なんか、ショックね。そんな対応されると」

ゆい先輩は目を瞑り、神経を集中させます。

ゆい(落ち着いて、集中するんだ。心を無にするんだ。そうすれば、達することが出来る。新たなる伝説の境地に。あの時の感覚が蘇る。さ
て、やるよ。……アズサマインド)

ゆい先輩の体が光り輝きます。

紬「いよいよね。カポエラー!」

カポエラー「カポ!」

ゆい「いくよ!」

ゆい先輩の姿が消え、カポエラーの前に現れます。

紬「慌てずに、みきるのよ」

カポエラーはゆい先輩の鋭いパンチを見切ってかわし、ゆい先輩に反撃するもゆい先輩は片手で防御し、対応します。


律「しかし、なんだかんだでゆいもちゃんとポケモンらしく戦えるのな」

澪「まあ、あれが普通なんだけどな」


梓「いいですよ、ゆい先輩!」

紬「カポエラー、距離を取りなさい」

カポエラーはゆい先輩を弾き飛ばし、距離をとろうとします。

ゆい「させないよ!!」

ゆい先輩はどこかの有名なジャンプ漫画のキャラのように一瞬で姿を消し、カポエラーの背後に現れます。

紬「!?」

ゆい「喰らえ、ゆいちゃん真拳奥義『非情なるギー太』」

ゆい先輩は自分のギー太をゆい先輩に振り向いたカポエラーの顔面に叩き込みます。

カポエラー「カポ……」

カポエラーは怯みつつ、後ろによろめきます。

ゆい「これで最後だよ。ゆいちゃん真拳奥義……!!」

ゆい先輩は右手にエネルギーを溜めます。

紬「カポエラー、まも……」

ゆい「ゆいちゃん☆パンチ!!」

ムギ先輩が指示を出すよりも早く、ゆい先輩の拳がカポエラーをに突き刺さり、そのままフィールドの外まで、飛ばされ気絶しました。

審判「カポエラー戦闘不能。ゆいの勝利です」


梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい

紬 マタドガス ひん死 フーディン ひん死 デンリュウ ひん死 クロバット ひん死 カポエラー  ひん死
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328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 06:26:45.88 ID:tzv0EhCK0
実況『さあ、これで紬選手も残り1匹に追い詰められたー』

紬(追い詰められた?フフフ、計算どおりよ)

紬「さあ、最後よ。来て、フシギバナ!!」


梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい

紬 マタドガス ひん死 フーディン ひん死 デンリュウ ひん死 クロバット ひん死 カポエラー  ひん死 フシギバナ


実況『紬選手の最後の1匹はフシギバナだー』

梓「最後の1匹ですよ、ゆい先輩!」

ゆい「任せてよー」

紬「フシギバナ、はっぱカッターよ」

フシギバナはたくさんのはっぱをゆい先輩に向かって、投げつけてきます。

ゆい「ふっふっふー。アズサマインドの境地に達した私にその程度の技は当たらないよ」

その言葉通りにゆい先輩は「ほいさ、ほいさ」と攻撃をかわしていきます。

紬「なら、パワーウィップよ」

フシギバナはつたを伸ばし、鞭の様に振るって、ゆい先輩に叩きつけようとします。

ゆい「だから、無駄だよ〜」

ゆい先輩はその攻撃も華麗にかわしていきます。

紬「……そろそろかしらね」

ゆい「さあ、今度はこっちのば……あれ?」

ゆい先輩は突然、膝がガクッとして、崩れ落ちます。

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329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 06:28:58.81 ID:tzv0EhCK0
澪「一体どうしたんだ、ゆいは……」

律「あれは梓分が少なくなってきてるんだな」

澪「は?」

うい「そもそも、アズサマインドは体内の梓ちゃん分を活性化させることで身体能力を上げる技。その反動として、エネルギーの消費も早くなります」

律「体にも負荷がかかるしな」

うい「それにお姉ちゃんのエネルギーの8割は梓ちゃん分ですし……どうしました、澪さん?」

澪「いや……頭が痛くてな」


紬「この時を待ってたのよ、ゆいちゃん!」

ゆい「むう〜……」

紬「悪く思わないでね。こうでもしないとゆいちゃんを倒せないの。すぐに楽にしてあげるから。フシギバナ、もう一度、パワーウィップよ」

フシギバナ「バナ!」

フシギバナはツルをゆい先輩に向かって、鞭のように振るってきます。

ゆい「ひゃー!」

ゆい先輩はその攻撃を避けきれずに、全てを喰らってしまいます。

梓「ゆい先輩!!」

ゆい「……う……うう」


澪「……終わったな」

律「いいや、まだだ」

純「でも、あのダメージだと厳しいですよ」

うい「そうだね。私としてはこれ以上、お姉ちゃんが苦しむのを見たくないし……」

律「分かってねーな。ゆいは梓をポケモンマスターにしたいんだぞ」

澪「だから?」

律「立つしかないだろ」

純「理屈ではそうでしょうけど……」

うい「でも、お姉ちゃんなら、きっと立ってくるよ」


紬「フシギバナ、のしかかりよ」

フシギバナは倒れているゆい先輩の上に100kgの巨体でのしかかろうとします。

梓「ゆい先輩!!」

フシギバナ「バナ!!」

ゆい「なら、ゆいちゃん真拳……」

ドシンっと、いう音が会場全体に響き渡ります。

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330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 06:30:36.71 ID:tzv0EhCK0
澪「……終わったか」

純「……梓」

うい「……お姉ちゃん」

律「ククク」

澪「何がおかしいんだ?」

律「お前ら、何を見てんだ。まだ終わってないぞ」

澪・純・うい「「「え?」」」


梓「ゆ、ゆい先輩……」

紬「……やってくれるわね、ゆいちゃん」

梓「え?」

フシギバナのほうを見ると、フシギバナはなんでかは分かりませんが、何かに持ち上げられるように空中に浮き始めます。


澪「一体何が……」

純「下に何かいますよ」

澪「え?」


アズニャンA『大丈夫ですか、ゆい先輩』

ゆい「うん。ありがとね、アズニャン」

梓「あれは……」

フシギバナは下にいたのはたくさんのアズニャン達です。この技は……。

ゆい「ゆいちゃん真拳㊙(マルヒ)奥義『アズニャン・ワールド』」

紬「くっ……」

ゆい「よくやったよ、アズニャン達」

アズニャンB『そんな……』

アズニャンC『照れちゃいますよ……』

ゆい「さあ、ムギちゃん。決着だよ……」

ゆい先輩は再び目を瞑り、神経を集中させます。

ゆい(落ち着いて、集中するんだ。心を無にするんだ。そうすれば、達することが出来る。新たなる伝説の境地に。あの時の感覚が蘇る。さて、やるよ。……アズサマインド)

ゆい先輩の体が光り輝きます。

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331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 06:32:00.01 ID:tzv0EhCK0
澪「もう、力はないはずだぞ。それなのに……」

律「いや、見てみろ。たくさんのアズニャン達がいるだろ?本物の梓には及ばないが多少の梓分の補給が出来るんだよ」

澪「……もう、いっそのこと梓を研究した方がいいんじゃないか」


紬「くっ……まだ、終わったわけじゃないわ。フシギバナ!」

ゆい「遅いよ、ムギちゃん!!」

ゆい先輩はさっきよりも素早く、フシギバナの下に移動しました。

紬「百戦錬磨のアズサ!?」

ゆい先輩は律先輩の戦いの時に見せた技を使ってるようです。

ゆい「トリャー!」

ゆい先輩はフシギバナを掴み、上に向かって投げ飛ばします。

ゆい「トー!」

ゆい先輩はどこかの漫画のように姿を消し、フシギバナの上空に現れます。

ゆい「トドメだよ。ゆいちゃん真拳奥義『ゆいちゃん☆バスーカー』」

ゆい先輩は両手にオーラを溜め、フシギバナのお腹にその拳を叩き込みます。

フシギバナ「バナ……」

フシギバナは呻き声を上げつつ、地面に落下し気絶しました。

ゆい「サチ」

ゆい先輩はその横に着地しました。

審判「フシギバナ戦闘不能。ゆいの勝利です。紬選手のポケモンは全滅。よって、勝者は梓選手です」


梓 ポリゴン2 ひん死 プテラ ひん死 サンダース ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい

紬 マタドガス ひん死 フーディン ひん死 デンリュウ ひん死 クロバット ひん死 カポエラー  ひん死 フシギバナ ひん死
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332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/03(土) 06:32:58.98 ID:tzv0EhCK0
実況『常に先手を打たれ不利な戦いを強いられてきた梓選手が勝利しましたー』

紬「やられたわ。いい戦いだったわね、梓ちゃん」

梓「まあ、勝った気がしませんけど。終始負けてましたし」

紬「そんなことないわよ。自信を持って。次の戦いも頑張ってね」

梓「ムギ先輩……はいっ!!」


律「終わってみれば、結局はいいところまでいったのに……か」

澪「どっちが勝ってもおかしくなかったからな」

律「やっぱり梓を倒せるとしたら、澪くらいじゃないか?」

澪「さあね。じゃあ、私も対戦の準備があるから」

私は席を立つ。

律「おう、頑張れよ。純ちゃん達はまだここにいんの?」

純「そうですね。勝ったら、次の勝者とも当たるかもしれないので」

律「じゃあ、私はムギのところに行ってくるから、純ちゃんも頑張れよ」

澪「迷惑かけるなよ、律」

律「……まだ、いたのかよ」

私は律達と別れ、今度こそ会場の外に向かった。
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333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/09/03(土) 06:33:52.23 ID:tzv0EhCK0
ポケモンリーグ編C  「ベスト4へ  梓VS紬」終了
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334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/05(月) 07:27:28.17 ID:mo9PZMSDO
おっつ〜

あと二戦か
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:23:02.04 ID:RW1uKzK70
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      

梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ  ガルーラ カイリュー ポリゴン2 プテラ ラプラス

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル ゴローニャ ゴルダック ハガネール

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス マタドガス フーディン デンリュウ クロバット  

純     うい  カビゴン ゲンガー  エレブー カイリキー

ポケモンリーグ編D 「準決勝スタート・純死す!?」
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:24:53.58 ID:RW1uKzK70
うい「ふう〜。何とか勝てたね」

純「何言ってんのよ。ほとんど一人で勝ってたじゃない」

うい「えへへ。でも、他のトレーナーに手の内を隠せていいじゃない」

純「そうだけどさ。……ん?」

私達の前をフードを被ったローブを着た人が歩いてきた。

うい「どうしたの?」

純「いや、変わった人がいるなあって……」

うい「失礼だよ、純ちゃん。次に当たるかもしれないのに」

純「そうだったけ?」

うい「まあ、純ちゃんはあの後寝てたから、分からないだろうけどね」

???「ねえ」

ういとおしゃべりしていたら、声から察するに女の人が話しかけてきた。

???「変わってて、悪かったね」

うい「聞こえてたみたいだよ、純ちゃん。謝らないと」

純「そうだね。えーと、すいません。別に悪気があったわけじゃ……」

???「くすくす、冗談だよ。そう言われるのは慣れてるからね」

純「は、はあ……」

???「じゃあ、モップちゃん」

純「それじゃ……って、待ってよ!」

???「ん?」

純「失礼じゃない、初対面にそんな……」

???「ん?ああ、モップって言ったこと?ごめん、ごめん。そんな頭してたし」

純「……ちょっと、あんた!!」

うい「ま、まあまあ落ち着いて、純ちゃん」

???「用事はそれだけかな?じゃあ、モップちゃん」

純「う、うう〜」

うい「お、落ち着いて」

純「準決勝で覚えてなさいよ」

???「ふふふ、楽しみにしてるよ」

楽しそうに笑いながら、フードの女は去っていった。

純「まったく、何なのよ、あの女」

うい「そうだね(でも、どこかで会ったことのある暖かい雰囲気だったな、あの人。なんだろ、とっても大好きな感じのする雰囲気だったけど……)」

純「行くよ、うい。こうなったら、やけ食いよ」

うい「待ってよ、純ちゃん。やけ食いはほどほどにね。夜には抽選会もあるし……」
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:26:36.17 ID:RW1uKzK70
梓の部屋

ゆい「このお茶美味しいね」

紬「そう?ありがと、ゆいちゃん」

律「こっちのお菓子も美味いな」

紬「ありがと、りっちゃん」

梓「……」

ゆい「面白いテレビやってないかな?」

紬「どうかしらね」

律「んー……おい見ろよ、今日の試合の映像やってるぞ」

梓「……」

ゆい「本当だ!!」

紬「でも、負けた試合を見るのも……」

律「なに言ってんだよ、いい試合だったじゃん」

紬「そう?あ、ありがと、りっちゃん」

梓「……にゃあああああああああ」

律「おっと、どうした、梓。急に叫びだして」

紬「発情期かしら?」

ゆい「ええっ!?じゃあ、準備をしなきゃ」

律「何のだよ」

梓「1つ聞いていいですか?」

律「先輩が何でも答えてあげよう」

梓「どうして、私の部屋にいるんですか?」

律「それに答えるのは難しいな」

梓「いやいやいや。簡単ですよね」

律「前にも言ったが、負けると部屋を追い出されるわけだ」

梓「言ってましたね」

律「でも、泊まるにはお金がかかる」

梓「当然ですね」

律「しかし、参加者の部屋に泊まれば、お金もかからない」

梓「理屈ではそうですね」

紬「ごめんね、梓ちゃん」

梓「……まあ、いいんですけどね。でも、もう少し、遠慮というものをですね……」

ゆい「そんなことより、お菓子を食べよう!!」

梓「何を突然……」

ゆい「ほら、あずにゃんの分」

梓「……ゴクリ」

律・紬「「にやり」」
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:27:59.11 ID:RW1uKzK70
10分後

紬「おいしい、梓ちゃん?」

梓「……はい」

律「最初から、素直に食べたいといえばいいのにな」

梓「うるさいですよ。……そういえば、澪先輩は?」

律「いや、澪の邪魔しちゃだめだろ?」

紬「そうよ、梓ちゃん」

ゆい「まあまあ、あずにゃんも悪気があっていったわけじゃないんだし、許してあげなよ」

梓「え、何で私が攻められてるんですか」

律「まあ、冗談はともかく、そろそろ抽選会だろ?」

梓「あ、もうそんな時間ですね」

紬「それじゃ、ついでに澪ちゃんにお菓子を渡しておいてくれないかしら?」

梓「嫌ですよ。どこの世界に抽選会で対戦相手にお菓子の差し入れを渡す人がいるんですか」

紬「斬新でいいと思うけど」

梓「斬新すぎですよ」

律「仕方がない。私達が行くか」

紬「そうするしかないわね」

梓「そうして下さい」
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:31:25.28 ID:RW1uKzK70
抽選会場

澪「やあ、梓。律にムギも」

ムギ「はい、澪ちゃん。お菓子」

澪「ありがとう。でも、後ででいいかな?」

律「何だよ。ムギのお菓子が受け取れないのかよ」

澪「冷静に考えてみろ。どこの世界に抽選会にお菓子を持って参加する奴がいるんだ」

ゆい「すごいね、澪ちゃん!!歴史に名を残せるよ!!」

澪「そんなんで残りたくないよ」

係員「それでは参加者は集まってくださーい」

澪「行こうか、梓」

梓「はい!」

ゆい「む……」

律「あれは嫉妬か?」

紬「そうみたいね」

司会者『さあ、ポケモンリーグ・カントー大会も準決勝までやってきました。さあ、選手の入場です!!』

梓「緊張しますね」

澪「あ、ああ」

純「……」

梓「どうしたの、純」

純「……別に」

???「よろしくね」

最後の準決勝進出者であるフードを被ったローブの女の人が話しかけてきました。

梓「よろしくお願いします」

澪「よろしくお願いします」

純「……ギロリ」

梓「ちょ、ちょっと、純。失礼だよ」

純「……ふん」

340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:31:51.80 ID:RW1uKzK70
司会者『さあ、フードを被った謎のトレーナーAYU選手から登場だー』

梓「あの人となんかあったの?」

純「……別に」

うい「ま、まあ、いろいろだよ」

梓「ふーん」

司会者『次は最強の可愛い幼女……』

ゆい「お、私達だね!」

梓「どこからそんな自信が出てくるんですか……」

司会者『ういを使うトレーナー鈴木選手の登場だー』

観客「「「うーい、うーい」」」

梓「すごい声援ですね」

ゆい「さすがはういだね!」

梓「……でも、純は……」

ゆい「あずにゃん、それ以上は言っちゃ駄目だよ」

梓「……そうですね」

司会者『さあ、次は今大会bPの美少女、秋山選手の登場です!』

観客「「「「澪た〜ん」」」」

司会者『会場からの声援も一際大きいですね』

澪「は、恥ずかしい……」

ゆい「むう……あずにゃんの方が美少女なのに……」

梓「まあまあ」

司会者『いよいよ、最後です。実力は4人の中で最低、でも、人気はbP。中野選手の登場です!』

観客「「「「「「「「あずにゃ〜ん」」」」」」」」

観客「「「「「「「「ゆいちゃ〜ん」」」」」」」」

司会者『この声援からも分かるとおり、人気は高いですね。しかし、大会結果を見ても、他の参加者は3匹で終わらせたり、1匹で終わらせた
りと余裕を持った勝利を続けてますが、中野選手は常にぎりぎりの勝利を強いられてきました』

ゆい「ひどい司会者だね。プンプン」

梓「まあまあ。いいじゃないですか。終わった時にその評価が正しかったかどうか、見せてあげましょう」

ゆい「おお。あずにゃん、かっこいいこと言ったね」

梓「えへへ」
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:35:19.38 ID:RW1uKzK70
司会者『さあ、いよいよ、準決勝の組み合わせの抽選会を行います』

梓「いよいよですね」

ゆい「そうだね」

司会者『今回のルールは簡単です。参加者は戦いたい相手を指名し、両方の意思が合えばいい。それだけです』

梓「また、めんどくさいことを……」

司会者『つまり、A、B、C、Dがいて、AとBがそれぞれを互いに指名、CとDも同様の場合はその対戦相手となります』

澪(ここから心理戦か。誰と戦うのが楽なのかを考えて指名したりとかができるからな)

司会者『なお、1組でも意思が合えば成立します。例えば、AとBがそれぞれを互いに指名、CとDがAを指名した場合はAとBが対戦、Cと

Dが対戦ということになります。全員の意思があわなければ、もう1度指名を行います』

梓「普通に抽選すればいいのに」

ゆい「まあまあ」

司会者『それでは10分間のシンキングタイムです』

梓「さて、誰を指名しましょうか」

ゆい「そうだね〜。あずにゃんにとって憧れの先輩である澪ちゃんを指名するか、旅で出会った純ちゃんを指名するか、特に画印のないAYUさんを指名するか」

梓「画印じゃなくて、因果です」


澪(誰を指名すべきか。梓とは決勝で戦いたいけど、う〜ん)


AYU「……」


純(梓とも澪先輩とも戦いけど、何より、あのAYUってのがむかつく)


梓「私としては準決勝で純と戦って、決勝では澪先輩と戦いたいんですが」

ゆい「うんうん、それで?」

梓「ゆい先輩としては、決勝でういと戦いたいんですよね?」

ゆい「私のことは気にしなくていいよ」

梓「そうは言っても……う〜ん」

司会者『それでは指名を始めます!』

ゆい「わわ、もう時間だ」

梓「仕方がありません。出たとこ勝負です」

紬「梓ちゃんは誰を指名するのかしら」
律「どうだろうな。誰でも変わらない気がするけどな」

司会者『それでは指名をフリップボードにお書き下さい』

梓(う〜ん、誰にしましょうか)

純「……」

梓(ん?純はAYUさんを凝視している。戦いたいのかな?……だとすると)

サラサラ。

ゆい「あずにゃんの字はまるこくって可愛いね」

梓「そうですか?」

司会者『それでは一斉にフリップを挙げてください』
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:36:20.73 ID:RW1uKzK70
梓『秋山 澪』

澪『AYU』

純『AYU』

AYU『鈴木 純』
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:36:57.89 ID:RW1uKzK70
司会者『おーっと、1回で対戦相手が決まりました。AYU選手と鈴木選手、秋山選手と中野選手です』

観客「「ワー、ワー」」

澪「……梓とか」

純「ふん、頼んだわよ、うい」

うい「ま、まあ、頑張るよ」

AYU「……クス」

梓「頑張りましょうね、ゆい先輩」

ゆい「うん!!」
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:37:32.55 ID:RW1uKzK70
抽選会後・自室

梓「さて、明日のメンバーはどうしましょうかね」

ゆい「皆、あずにゃんが真剣に悩んでいるから、静かにしてあげようよ」

律「当たり前だろ」

紬「言われなくても大丈夫よ」

梓「……皆さん」
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:38:56.36 ID:RW1uKzK70
30分後

律「おいおいスペードの8、止めてんの誰だよ」

ゆい「誰だろうねー」

紬「ねー」

律「くそ。パスだ、パス1」

梓「……」

ゆい「あがりっと。私、いちばーん」

紬「私もあがり。にばーん」

律「また、私が最下位かよ」

梓「……あの、皆さん」

律「ん?なんだ、梓」

梓「何をしてるんでしょうか?」

律「七ならべだよ」

ゆい「あれ?あずにゃん、したことないの?」

梓「いえ。それは分かりますけどね。私が聞きたいのはどうして、皆さんがここで七ならべをしているかということです」

律「暇だったからな」

紬「ごめんなさい、梓ちゃん」

梓「あ、別にムギ先輩が謝らなくても……」

紬「梓ちゃんも遊びたかったのね」

梓「……はい?」

紬「そうよね。梓ちゃんだけ仲間外れはよくないわよね」

梓「別にそういうわけじゃ……」

ゆい「そっか!!あずにゃん、寂しかったんだね!!」

梓「だから、そうじゃなくてですね……」

律「メンバーは選び終わったのか?」

梓「あ、はい。一応……」

ゆい「なら、遊んでも大丈夫だね!!」

梓「そういうわけにもゆきませんよ」

律「負けるのが怖いのかよ。準決勝まで行ったくせに、よわっちい根性だな」

梓「なっ!!いいですよ、その挑戦受けてたちます。やってやるです!!」
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:39:39.64 ID:RW1uKzK70
澪の部屋

澪「さてと。明日のメンバーも決まったし、もう寝ようかな」

私はモンスターボールをセットしてベットに着いた。

澪「きっと、梓達ももう寝てるだろうな。明日はいい試合が出来るといいな」

そう言って、眠りについた。


梓の部屋

梓「これで上がりです!!」

ゆい「おおっ!5連続1位!」

紬「りっちゃんは5連続最下位ね」

律「むむむ、もう1回だ!」

梓「何度来ても同じことですよ!」
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:40:37.48 ID:RW1uKzK70
次の日

実況『さあ、準決勝第1試合、純選手対AYU選手の試合が始まろうとしています』

澪「梓達、遅いな。どうしたんだろう?」


梓の部屋

ゆい「すぴ〜」

律「Zzzzzz」

紬「Zzzzzz」

梓「……うう、朝か。今何時だろ」

私は時計を見る。

梓「へえ〜、もうこんな時間か。第1試合も始まってるだろうな〜」

……ん?

梓「ええっ!!!」

律「……何だよ、梓」

梓「何だよ、梓、じゃありません!起きて下さい、ゆい先輩!!」

ゆい「……後、五分〜」

梓「ああ、もう。早く行かないと」

紬「私達も準備しないとね」

律「そうだな。まったく、誰だよ。遅くまでトランプに熱中してたの」

梓「ギロリ」

律「……すいません」
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:43:03.40 ID:RW1uKzK70
会場

梓「やっと着きました……」

律「まだ、第1試合は終わってないみたいだな」

紬「そうみたいね」

ゆい「どれどれ、試合の方はどうなってるかな?」


実況『さあ、互いに残り、1匹。どちらが勝利を収めるのかー』


律「へえー。結構互角な勝負をしてんじゃん」

紬「意外ね」

梓「でも、最後にはういがいますし」


審判「最後のポケモンを出して下さい」

AYU「ほーい」

そう言うとAYUさんはフィールドに出ました。

実況『これはどうしたことかー。トレーナー自ら、フィールドに出たぞー』

審判「き、君……」

AYU「くすくす」

AYUさんは笑いながら、前にゆい先輩がポケモンだと証明した時のように自分にボールを向けます。すると、ボールに入ります。そして、ボールから出てきます。

AYU「これでいいかな?」

審判「は、はい……」

実況『おっと、なんとポケモンリーグ史上初ポケモンがトレーナーとしてポケモンリーグに参加だー』

AYU「よろしくね」

うい「ど、どうも」

純「ういー。そんな奴、さっさと倒しちゃいなさい」

うい「う、うん」

うい(でも、何かやりづらいな、この人)

うい「ん?」

AYU「どうしたの?」

うい「そのフードは外さないんですか」

AYU「くすくす。外させてみなよ」

うい「……」

審判「それではバトルを再開して下さい」
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:45:53.66 ID:RW1uKzK70
その審判の言葉とともに、ういの姿が消えました。

うい「遅いよ」

ういはAYUの背後から、AYUの足を狙って、蹴りを入れます。

AYU「くっ……」

うい「その余裕が命取りだったね!!」

ういはバランスを崩したAYUの足を持って、空中にジャンプします。そして、空中でAYUの首をういの肩口で支える体勢になります。


ゆい「あの技は……ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ『ひらわわバスター』」

梓「はい?あれはどう見ても、キン……」

紬「駄目よ、梓ちゃん!!」

梓「モガッ」

律「ほら、たい焼きあげるから」

梓(この人達誤魔化そうとしている……!?)


そうこうしているうちにういは地面にドシーンという轟音とともに激突しました。

実況『きまったーーーーーーーーー。瞬殺だーーーーーーーー』


紬「……強い」

梓「そうですね、モグモグ」

ゆい「食べながら喋るのは行儀悪いよ、あずにゃん」

梓「すいません。モグモグ」


AYU「……今のは効いたな〜」

うい「!?」

AYUさんは何事もないかのように起き上がります。

うい「そ、そんな……」

AYU「くすくす。今ので倒せたとでも思ったのかい?」

AYUさんは愉快そうに笑います。

AYU「もしかして、私を倒せたとか、希望を持っちゃったの?残念だね。でもいい勉強になったでしょ?希望なんてこの世にないんだよ。あるのは絶望だけ。それを見せてあげるよ」

純「1回、ういの攻撃を耐えられたからって調子に乗らないでよ。さあ、うい。さっさと倒しちゃってよ」

うい「う、うん……」

うい(でも、勝てる気がしないよ)

AYU「さあ、かかってきなよ」

うい(この余裕……うかつに近づくは危険だよ)

しばらく、2匹の睨み合いが続きます。

AYU「来ないなら、こっちから行くよ!!」

AYUは先制を取って、動き始めます。

AYU「とりゃー」

AYUはういに向かって、れんぞくパンチを繰り出します。
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:47:09.84 ID:RW1uKzK70
梓「うーん……」

律「何だ、梓。もう、たい焼きはないぞ」

梓「何を言ってるんですか。私はただ、あのAYUさんっていう人とどこかで会った気がしたなって、感じただけです」

紬「そうなの?どこで?」

梓「それが分からないんですよ。まあ、会ったというより、どこかで感じたことのあるオーラがあるかなって感じですけど」

ゆい「なんだか、よく分からないね」


AYU「トリャー!」

AYUのれんぞくパンチをういは全て軽々とかわします。

うい「もう……決めるよ!!」

ういはAYUの腕を掴んで、空いた手でAYUの顔面に拳を叩き込みます。

AYU「ぐっ……!!」

その攻撃でAYUは倒れこみます。

うい「トドメだよ……」

ういは目を瞑り、神経を集中させます。

うい(落ち着いて、集中するんだ。心を無にするんだ。そうすれば、達することが出来る。新たなる伝説の境地に。あの時の感覚が蘇る。さて、やるよ。……アズサマインド)

ういの体が光り輝きます。そして、その輝きは右手に集中します。

うい「ばくれつパンチ!!」

ういの気合の入ったこん身のパンチがAYUに向かって、繰り出されます。

AYU「くっ……」

AYUはリフレクターを張って、その攻撃を防御しようとします。ういのパンチはそのバリアと衝突します。その勢いから、強風がAYUさんに降りかかります。その結果、フードが捲りあがりました。

うい「一体、どんなか……お……を」

ういは驚愕の顔をします。それも当然でしょう。そのフードが捲りあがって出てきた顔は……。

うい「お、お姉ちゃん?」

ゆい先輩とそっくりの顔をしていました。
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:48:16.41 ID:RW1uKzK70
梓「一体、何が……。ハッ、もしかして、ゆい先輩のお姉さんですか!?」

ゆい「私にお姉ちゃんはいないよ。それにあのポケモン、顔や髪型は私にそっくりだけど、髪の色とか、目の色とか、あずにゃんにそっくりだよ」

律「そういえばそうだな」

紬「もしかすると、ゆいちゃんと梓ちゃんの子供!?」

律「それはないだろ……」


AYU「くすくす。やるね。私のフードを取るなんて」

うい「あなたは一体……」

AYU「勝ったら、教えてあげるよ。ねえ、うい」

AYUは怪しげな目で、ういを優しく見つめます。

AYU「ねえ、あなたの……ういの心の闇が見たいな♪」

AYUはゆい先輩の声でういに話しかけます。

うい「心の闇って……」

AYU「フフフ」

AYUの目から、あやしいひかりが発せられます。
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:49:30.01 ID:RW1uKzK70
ういの心の中

うい「あれ……ここは?」

AYU「くすくす。ここはあなたの心の中」

うい「あなたは……」

AYU「あなたはお姉ちゃんが大好きなんだよね?でも、いいのかな?」

うい「……何がですか?」

AYU「このままだと、梓ちゃんにお姉ちゃんを取られちゃうよ。ううん、もう、だいぶお姉ちゃんは梓ちゃんのことが好きだもんね。きっ
と、ういちゃんのことなんかどうでもいいと思ってるよ」

うい「そ、そんなこと……」

AYU「そんなことあるのかな?本当は純ちゃんとなんか冒険しないでずっとお姉ちゃんと暮らしたかったんでしょ?」

うい「わ、私は……」

AYU「私はね、別にあなたを追い詰めたいわけじゃないの。むしろ、あなたを助けたいと思ってるんだよ」

うい「た、助ける……?」

AYU「そう。いつまでも、人間なんかのポケモンでいないで人間から解放されるんだよ」

うい「か、解放……」

AYU「そうだよ。そのためにまずは……純ちゃんと梓ちゃんを殺すんだよ」

うい「こ、殺すって……」

AYU「まずは純ちゃんを殺すことであなたを人間から解放する。そして、梓ちゃんを殺すことでお姉ちゃんを解放するんだよ」

うい「で、でも……」

AYU「その後で手始めにここの人間を皆殺しにして、最終的に世界中の人間を殺すんだよ。そうすることで、もう誰も君とお姉ちゃんを邪魔
するものはいなくなるんだよ」
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:50:08.86 ID:RW1uKzK70
フィールド

梓「どうしたんでしょうか?」

さっきから、ういとAYUは身動き一つせずに睨み合いが続いています。

律「これは……マインドコントロールかもしれんな」

梓「マインドコントロール?」

律「そうだ。きっと、さいみんじゅつの延長なんだろうな」

梓「なんだかよく分かりませんが、あの目には注意が必要ということですね」


澪「それにしても戦わなくてよかった。それにしても、律達はどこにいるんだろう?」

354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:52:10.68 ID:RW1uKzK70
ういの心の中


AYU「何を迷ってるのかな?お姉ちゃんが手に入るんだよ?たった2人の命でだよ?」

うい「わ、私は……」

AYU「それとも、純ちゃんは私が殺してあげようか?それくらいはおまけしてあげるよ」

うい「……で、でも」

AYU「煮え切らないな〜。いいかい?ポケモンにとっても、ちょっとスケールの大きな話だけど、地球にとっても、人間なんかいらないんだよ?現に君達、姉妹の幸せな時間もあの2人が邪魔してるんだよ?」


フィールド

純「こらー、うい!!しっかりしなさーい!!!」


律「さすがに叫ばずにはいられないか」

梓「ある意味、向こうが止まってるからチャンスではありますからね」

紬「でも、ういちゃんが動き出したら、AYUも動き出しそうだけど」

ゆい「とにかく、うい頑張れー」


ういの心の中

純『こらー、うい!!しっかりしなさーい!!!』

ゆい『とにかく、うい頑張れー』

うい「純ちゃん!お姉ちゃん!」

うい「わ、私は……そうは思わない」

AYU「ふーん。何で?」

うい「た、楽しかったから……」

AYU「へえー。なるほどなるほど。お姉ちゃんと一緒にいるよりも楽しかったの?」

うい「そ、それは比べることじゃないよ……」

AYU「……」

うい「そんなことをしても、お姉ちゃんに嫌われるだけだよ。それは絶対にやだ……」

AYU「……」

うい「それに私は純ちゃんや梓ちゃんも好きだもん。それに人間さんも」

AYU「ふーん。意外に精神が強いんだね。まあ、いいや。遊びはおしまいにしよう」
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:53:44.44 ID:RW1uKzK70
フィールド

AYU「決着をつけよう!!」

突如として、AYUが後ろにジャンプし、空中に浮き始めました。

うい「望むところだよ!」

AYU「ほのおのうず!!」

AYUの手から、まるでかえんほうしゃのような炎がういの周りを取り囲みます。


律「これじゃ、ほのおのうずじゃなくて、かえんほうしゃのうずだな」

紬「これをかわすのは至難の技ね」


うい「無駄だよ」

ういは体を回転させ、強制的にかぜおこしをしほのおをかき消しました。


梓「かぜおこしっていうレベルじゃないですね。もう、竜巻です」


うい「あなたは人間さんはポケモンにとってはいらないといいました。でも、ポケモンと人間は仲良く協力し合って生きていくべきなんです!!」

AYU「……知った風なことを言うガキめ……。いいよ。そんな希望なんて消してあげる」

AYUは片手を上に掲げ、その手には炎の塊が発生しました。

AYU「この炎はあなたの体は傷つけない。でも、その代わりに……」

うい「?」

AYU「その代わりにこの炎はあなたの精神を焼き尽くす。あなたを廃人にしてあげるよ」

AYUの作った炎の塊から、かえんほうしゃがういに向かって発射された。

AYU「ディスペア・ブレイズ・キャノン!!!」


律「あれは……よけきれない」

ゆい「うい!!!」
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:55:45.49 ID:RW1uKzK70
うい「……これは駄目だね」

私はグッと、目をつぶった。しかし、何かに引っ張られて後ろに投げ飛ばされた。

???「イワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアク」

私ではなく、誰かの叫び声が聞こえた。ま、まさか……。


実況『この攻撃でういは気絶かーーーーー』


ゆい「うい!うい!うーいー!!」

梓「落ち着いて下さい、ゆい先輩」


実況『さあ、強力な炎が弱くなってきます。ういは耐え切れたんでしょうか。……おや、あれは……』

梓「倒れているのはういではなく……純ですよ!?」

ゆい「じゃあ、ういは?」


うい「……純ちゃん」

ういはフィールドの外からヨタヨタとフィールドに歩いてきます。

うい「ど、どうして……」

純「あ…んたは……私のポケモンだからね。……トレーナーとして、守ってあげないと……」

うい「純ちゃん……」

純「……もう、私は駄目みたいね。……これで安心して……梓の…所に行きなさい。あんたの大好きなお姉ちゃんの……ところに」

うい「私は純ちゃんと……純ちゃん!?」

純はその言葉を最後にガクリと気絶しました。


ゆい「うーいー。まだ、戦いは終わってないよ!戦うんだよー」

梓「ちょっと、ゆい先輩」

律「さすがにそれは酷だろ?」

紬「それでも……今しかないわね」

梓・律「「え?」」
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:56:55.16 ID:RW1uKzK70
AYU「ば、馬鹿な……。人間がポケモンを庇うだと……。人間はポケモンを道具にしか思ってないはずなのに……」

AYUは純の行動に狼狽しています。たしかに、今しかチャンスはないです。

うい「……今だ!!」

ういは目に涙を溜めながら、片手にエネルギーを溜めます。そして、精神を高めて狼狽しているAYUにきあいパンチを繰り出します。

うい「これで……終わりだーーーーーーー」

ういのパンチがAYUに激突する瞬間、AYUの姿が消え、ういの背後に現れます。そして、ういの体を掴み、上空にジャンプします。AYU
はういの足を持って、ういの首をAYUの肩口で支える体勢になります。


ゆい「あの技は……ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ『ひらわわバスター』」


AYU「終わりだ!!」

AYUは地面に激突しました。でも、さっきのういのようにドシーンという轟音がしません。

AYU「ば、馬鹿な……。もう、動けないはずなのに……まだ、私の邪魔をするの」

AYUの下にはいつの間にか純がいて、そこに着地したおかげでういのダメージは軽減されました。

AYU「ぐっ……」

AYUはういを離し、バンッと地面に落とされます。

うい「じゅ、純ちゃん……」

ういは痛んでいるだろう、体を引きずりながら、純のところに行きます。

うい「ありがとう、純ちゃん。純ちゃんは自慢のトレーナだよ……」

ういはそう言うとガクッと気絶しました。

審判「……うい、戦闘不能。AYUの勝利です。純選手のポケモンは全滅。よって、勝者はAYU選手です」

実況『まさか……まさか、まさかの幕切れだー。今大会bPのポケモンとされるういが敗れたー』

AYUさんは終了後、インタビューにも答えずにすぐに控え室に戻りました。
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:57:33.77 ID:RW1uKzK70
控え室

AYU「……ぐはっ」

控え室に着いたAYUは膝を着いた。

AYU「ハア……ハア……。予想以上のダメージだったな。でも、ようやくだよ。見ててくださいね、ご主人様」
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 19:58:21.75 ID:RW1uKzK70
病院

梓「ういは大丈夫そうだね」

うい「うん、ありがとう」

ゆい「良かったよ〜。グスグス」

うい「泣かないで、お姉ちゃん。……ところで、純ちゃんは?」

梓「隣の病室にいるよ。でも……まだ、目を覚まさないよ。お医者さんの話だと、いつ目を覚ますか分からないって」

うい「……そっか」

ゆい「大丈夫だよ、うい!私とあずにゃんの最強コンビが優勝して、あのポケモンから、どうやって、元に戻れるか聞いてあげるから!」

うい「頑張ってね、お姉ちゃん、梓ちゃん」

ゆい「任せてよ!ね、あずにゃん」

梓「……すいません、ちょっと、失礼します」

私は病室を出ました。


ゆい「……あずにゃん」

うい「仕方がないよ、お姉ちゃん。気持ちを整理する時間も必要だよ」
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 20:00:31.48 ID:RW1uKzK70
病院・待合室

梓「……純」

純は自分のパートナーのために命を懸けた。これだけでも、尊敬に値するすごいトレーナーだ。それ以前に旅で出会った、大切な仲間だ。その
純を……。

梓「……くっ」

律「何してんだ、梓」

梓「……律先輩にムギ先輩」

紬「もう、時間よ。そろそろ、行かなきゃ」

梓「でも、私は……」

律「……梓!!」

律先輩は私の頬をぐっと、引っ張ります。

梓「にゃ、にゃにしゅるんでしゅか」

律「ぐだぐだ考えったって仕方がないだろ。今のお前にできることは準決勝を勝ちきることだろ」

梓「で、でも……」

律「この先で澪が待ってんだぞ」

梓「……澪先輩」

そうだ、ようやく掴んだ、チャンスなんだ。この大舞台であの澪先輩と戦えるのは。

紬「それ以前に私達に勝った、梓ちゃんが不戦敗なんて認めないわよ」

梓「……ムギしぇんぱい」

律「大体澪に勝てなきゃ、あいつには勝てないぞ。頑張って澪を超えて来い」

梓「澪しぇんぱいを越える……」

紬「梓ちゃん。この大舞台で梓ちゃんと澪ちゃんの最高の戦いを見せてね」

梓「最高の戦い……」

律「それに梓はチャンピオンになって、純ちゃんと戦わきゃな」

……チャンピオン。

ゆい「あずにゃ〜ん、もう、時間だよ〜」

紬「ほら、ゆいちゃんも来たわよ」

律「どうすんだよ、梓」

梓「……はなしゅてください」

律「おっと、すまない」

梓「まったく、うるさい先輩達です。もう、こんな時間じゃないですか。澪先輩が待ちくたびれてますよ」

律「な、何を〜」

梓「……ありがとうございます」

律「……ニッ」

紬「……ニコ」

ゆい「? 何か、あったの?」

梓「何でもありません。サッサと、行きましょう。澪先輩も待ってます」

ゆい「そうだね!」

私は病院を出て、振り返る。

梓(私は玉座で純を待つよ。だから、戻ってきてね)

私は決意を固めて、スタジアムに向かった。
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/07(水) 20:01:26.74 ID:RW1uKzK70
スタジアム

審判「澪選手。もう時間です。これ以上、遅れるとあなたの不戦勝が決まります」

澪(……きっと、梓は来る)

実況『さあ、もう試合開始時間まで1分もないぞー。このまま、澪選手の不戦勝が決まるのかー』

審判「残念ですが、もう……」

澪「……梓」

実況『さあ、審判が澪選手の勝利を宣言しようとします!』

審判「梓選手、しっか……」

梓「待って下さい!!」

澪「!?」

実況『おーっと、ギリギリで梓選手の登場だー』

澪「……遅いぞ、梓」

梓「すいません」

ゆい「主役はおくれて登場するものだよ」

審判「梓選手。早く位置に着いてください」

梓「はい。……澪先輩」

澪「何だ?」

梓「最高の戦いをしましょう」

澪「……ああ!!」


審判「それでは……」

審判・澪・梓「「「決闘(デュエル)!!!」」」
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/09/07(水) 20:02:20.48 ID:RW1uKzK70
ポケモンリーグ編D 「準決勝スタート・純死す!?」 終了
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/09(金) 19:24:37.45 ID:nmohwBKDO
乙!!

純ちゃぁぁぁぁぁーーーーーーん!!!!!
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/11(日) 05:22:40.00 ID:olpfB58+0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      

梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ  ガルーラ カイリュー ポリゴン2 プテラ ラプラス

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル ゴローニャ ゴルダック

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー  エレブー カイリキー

ポケモンリーグ編E 「準決勝・梓VS澪」
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/11(日) 05:23:17.06 ID:olpfB58+0
律「はあ……はあ……間に合ったな」

紬「はあはあ、そうね」

うい「あの、私……純ちゃんの所に戻りたいんですけど」

律「気持ちは分かるが、一緒に見ようぜ、梓達の頑張りを」

紬「そうよ。あのままあそこにいても、きっと、ういちゃんも気が滅入っちゃいそうだし」

純「戻ってくる頃には純ちゃんだって目を覚ますさ」

うい「……皆さん」

律「さあ、さっさと席に着こうぜ」

紬「そうね」
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/11(日) 05:24:25.89 ID:olpfB58+0
梓「澪先輩……戦う前に言っておきたいことがあります」

澪「? 何だ?」

梓「私は今まで、澪先輩とここで戦うことを目標にここまで来ました」

澪「……過去形だな」

梓「はい。……私は今日、澪先輩を越えます! ゆい先輩達と一緒に!!」

ゆい「そんな、私と一緒にだなんて……」

テレテレ。

梓「達ですからね!間違えないで下さい」

澪「……そうか。楽しみにしてるぞ」

梓(……オーラが変わった!?)

審判「早く、試合を開始して下さい」

梓「す、すいません……」

澪「じゃあ、行くぞ」

梓「はい」

澪「来い、カメックス!!」

梓「来てください、ガルーラ!!」

梓 ガルーラ

澪 カメックス


実況『さあ、重要となる初戦は梓選手はガルーラ、澪選手はカメックスだー』

うい「いきなり、カメックス!? カメックスって、澪先輩のエースでよね?」

紬「それは間違いないわ」

律「何か狙いがあるにしても、問題はないな」

うい「どういうことですか?」

紬「澪ちゃんのメンバーを例えるなら、全匹の強さがヤマブキの事件で戦ったギャラドス級の強さよ」

律「某テニス漫画風にいえば、全員が手○クラスだって話だ」

うい「うーん、それでも、何か理由がありそうな気がしますけどね」

紬「何かあるにしろ、様子を見るしかないわね」
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/11(日) 05:25:47.71 ID:olpfB58+0
梓(澪先輩のカメックスと戦ったことがないから強さが分かりませんが、様子を見るべきか)

澪「……」

梓(いや、ここは攻めるべきだ!!)

梓「ガルーラ、すてみタックル!」

ガルーラはドシドシと、その巨体を揺らし、体当たりを仕掛けます。

澪「……カメックス」

カメックス「カメ!!」

カメックスはそれを真正面から平然と受け止めます。

梓「なっ!?」

澪「ハイドロポンプ!!」

カメックスはガルーラを押し返し、甲羅から生えているロケット砲をガルーラに向けます。そして、すぐさま、濁流のような水をガルーラにめがけて発射します。

ガルーラ「ガル!?」

ガルーラはその攻撃を受け、耐えてはいますが、少しずつ、後ろに押されています。

澪「カメックス!」

カメックスはハイドロポンプを発射していたロケット砲を後ろに向け、手足を甲羅に入れ、ロケット団のように水の勢いを使って、体当たりを
仕掛けます。

ガルーラ「グハッ……」

ガルーラのお腹にその攻撃が命中し、気絶しました。

審判「ガルーラ戦闘不能。カメックスの勝利です」

梓 ガルーラ ひん死

澪 カメックス 


うい「強い……。ガルーラの方が身長も体重も大きいし、こうげき力もガルーラの方が高いのに……」

律「まったく、相手にしてもらえらなかったな」


実況『大事な初戦は澪選手の圧勝だー。さあ、梓選手の次のポケモンは何でしょうか』

梓「来て下さい、サンダース!!」


梓 ガルーラ ひん死 サンダース

澪 カメックス 
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/11(日) 05:28:18.60 ID:olpfB58+0
梓「サンダース、かげぶんしんです!!」

サンダースはフィールドの半分に自分の分身で埋め尽くします。


紬「あれは私との戦いで見せた技……」

律「だが、澪に通じるかな?少なくとも、1回は見てるからな」


澪「カメックス、ハイドロポンプ」

カメックスは私の近くを中心に発射します。

サンダース「ダース!?」

梓「サンダース!!」

そのカメックスの攻撃は命中し、私の横を通過し、壁まで飛ばされてしまいました。

梓「ど、どうして……」

澪「簡単なことだろう?サンダースがカメックスにやってくることはでんき技だ。ただ、そのまま攻撃をしても、カメックスには当たらないだろうと考えて、かげぶんしんをしたんだろ?ムギにも通用していたしな。ここまでなら、私もサンダースの場所に見当をつけることが出来なかった。でも、梓はガルーラとの戦いでカメックスの力を見た。とすると、万が一にもカメックスに捕まったら、やばいと考えて、カメックスから離れた距離に本体を置くのは当然のことだ」

梓「む……」

あの一瞬でそこまで考えていたんですか。

サンダース「ダース……」

サンダースはよたよたとフィールドに戻ってきました。

梓「サンダース……」

サンダースの体力を考えても、次の攻撃で決まるでしょう。

梓(多分接近を嫌って、ハイドロポンプをしてくるはず。でも、逆にチャンスです。ハイドロポンプをかわして、同時に10万ボルトを撃てば、攻撃に集中しているカメックスにダメージが与えられますからね)

澪「……カメックス、れいとうビーム!!」

れいとうビーム!?カメックスのロケット砲から発射された冷気のビームは地面を凍らせながら、三ダースに向かってきます。

梓「でも、大方予想通りです!サンダース、かわして、10万ボルト!」

サンダースは冷気のビームをかわしますが、

サンダース「ダース!」

何かに足を滑らせ、転んでしまいました。

梓「な、何が……あっ!!」

下を見ると、地面が凍っています。なるほど。さっきのハイドロポンプで地面が濡れていて、それが凍ってたんですね。

澪「気づいたか、梓。でも、遅いよ!」

カメックスは倒れているサンダースにハイドロポンプを発射し、サンダースは壁まで吹き飛ばされ、気絶しました。

審判「サンダース戦闘不能。カメックスの勝利です」

梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死

澪 カメックス 
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/11(日) 05:29:57.17 ID:olpfB58+0
実況『つ、強い。圧倒的だー。予選よりも格段に強いです。今までの試合では手を抜いていたのかと思われるほどの実力だー』

梓「なら、次はこれです!!」

実況『梓選手の次のポケモンはカイリューだー!さあ、梓選手はここで澪選手の流れを止めておきたいところだー』


梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー

澪 カメックス 


澪「カイリューか。ちょうどいい。そのポケモンには嫌な思い出があるからな」

きっと、ヤマブギシティでの戦いのことですね。

澪「サッサと倒させてもらうよ。れいとうビーム!!」

カメックスのロケット砲から凍えるビームをカイリューに発射します。

梓「カイリュー!!」

カイリューは空に飛んで、その攻撃を華麗にかわします。

梓「これでこっちの方が有利です。10万ボルト!」

カイリューは強い電撃を地上にいるカメックスに浴びせようとします。

梓「よし!!」

澪「カメックス、ハイドロポンプ!」

カメックスは両手両足を甲羅に引っ込めて、ロケット砲からハイドロポンプを発射し、その勢いで攻撃をかわしました。

梓「なっ!?」

澪「カメックス!」

攻撃をかわすと素早く両手両足を出し、れいとうビームをカイリューに向かって発射します。

カイリュー「リューーーーー」

カイリューは攻撃をして油断をしていたので、その攻撃が命中して地面に落下し、気絶しました。

審判「カイリュー戦闘不能。カメックスの勝利です」


梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死

澪 カメックス


実況『つ、強い、強すぎるー。ここまで、梓選手に一切の反撃を許さないー』

澪「カメックス、戻れ」

梓「そ、そんな……」

私は膝をガクッとつきます。

ゆい「あ、あずにゃん……」
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/11(日) 05:36:44.30 ID:olpfB58+0
律「澪のことを知らないトレーナーなら、こんな女の子なら余裕で勝てるだろうと思う」

紬「澪ちゃんのことを知ってるトレーナーでも、もしかしたら、澪ちゃんに勝てるかもしれないと思う」

律「でも戦って、それはすぐに勘違いと気付く」

紬「なんて、遠いのかしら……」

うい「お姉ちゃん、梓ちゃん……」


梓「……」

ゆい「あ、あずにゃん……」

アセアセ。

梓「……ふふ」

ゆい「あ、あずにゃん?」

梓「ふふふ、楽しくないですか?こんなに強い澪先輩を倒せると思うと。ワクワクしてきます」

ゆい「……そうだね!一緒に澪ちゃんを倒そう!!」

澪「もう、大丈夫か?」

梓「もちろんです!!さあ、続けましょう」

澪「ふっ。来い、スターミー!!」

梓「来て下さい、ニューラ!」


梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ

澪 カメックス スターミー

律「どうやら、戦意は喪失してないみたいだな」

紬「ええ」

うい「次の戦い……タイプとしては梓ちゃんの方が有利……」

紬「でも、タイプの有利は当てにならないわ。これまでのバトルから考えてもね」

律「たしかにな」
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/11(日) 05:42:39.89 ID:olpfB58+0
梓「ニューラ、シャドークロー!」
ニューラの影から作った鋭いツメがニューラに迫ります。
澪「……スターミー、リフレクター」
スターミーは光の壁を張り、その壁にニューラのツメが突き刺さります。
澪「……残念だよ、梓」
スターミーは動きの取れないニューラに10万ボルトを浴びせます。
ニューラ「ニューーーーラーーーーーー」
梓「ニューラ!!」
澪「フィニッシュだ」
スターミーは体を高速回転させながら、ニューラに体当たりを仕掛け、ニューラは気絶しました。
審判「ニューラ戦闘不能。スターミーの勝利です」

梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ ひん死

澪 カメックス スターミー

実況『強い、強すぎるー。しかし、澪選手のここまでの成績を見ると、6対3、6対4など、割と安定した勝利をしてきました。これは梓選手の力が足りないだけなのかー』

うい「違うよ。澪さんが圧倒的に強いだけ」

紬「今までは手を抜いていただけね」

律「違うな」

紬「え?」

律「今までも、手を抜いてはいない。それは相手にも失礼だしな。ただ、今は……本気でやっているだけさ」

紬「違いが分からないけど……」

律「他の試合だって、手を抜いちゃいない。負けたら、終わりだしな。でも、今は……全力を出している」

紬「なんだか、よく分からないわね」

律「なんていうか……言葉にしにくいんだよな」

紬「まあ、いずれにしても、今の澪ちゃんのポケモンを倒すのは至難の技よ」


澪「戻れ、スターミー」

ゆい「あずにゃん、これからだよ!」

梓「分かってますよ」

澪「来い、キュウコン!!」

梓「来て下さい、ハッサム!!」


梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム

澪 カメックス スターミー キュウコン
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/11(日) 05:43:47.98 ID:olpfB58+0
実況『さあ、梓選手は残り2匹で、澪選手の6匹を倒さなくてはならないが、このキュウコンにハッサムの相性は最悪だー』

澪「ムギがやった、ゆいの攻略がヒントになったんだ」

梓「? どういうことです?」

澪「ムギはゆいを倒すために、強いのをなるべく残して戦っていた。でも、その結果、他のポケモンに手間取って負けてしまった。つまり、最初から、力でごり押しして、他のポケモンを瞬殺していけば、楽に体力に不安のあるゆいと戦えるということだ」

梓「なるほど。でも、そううまくはいきませんよ」

澪「どうかな?ハッサムじゃ勝てないぞ、キュウコンには」

梓「……澪先輩。私は言いましたよ。ゆい先輩『達』と一緒に澪先輩を倒すって!ハッサム、とんぼがえり!」

ハッサムはキュウコンに体当たりを仕掛け、ボールに素早く、戻ります。

梓「出番ですよ、ゆい先輩」

ゆい「ええっ!?いきなり!?」


梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ゆい

澪 カメックス スターミー キュウコン
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/11(日) 05:45:29.46 ID:olpfB58+0
実況『おっと、梓選手。ここで最大の切り札、ゆいを場に出したぞー』

ゆい「さあて、頑張るよ〜」

ピョコピョコとフィールドに入る、ゆい先輩。

ゆい「さて、澪ちゃん。澪ちゃんもムギちゃんの戦いから学んだことがあるように私もあの戦いで学んだことがあるんだよ。その成果で澪ちゃんを倒すよ」

おお。珍しく、強気な言葉ですね。

澪「それは面白いな。見せてくれよ。キュウコン、かえん……」

ゆい「澪ちゃん、スカートがめくれてるよ!!」

澪「え、本当!?」

澪先輩はスカートを確認します。……澪先輩。

ゆい「今だ!」

ゆい先輩はキュウコンの体を掴み、上空にジャンプします。ゆい先輩はキュウコンの足を持って、キュウコンの首をゆい先輩の肩口で支える体
勢になります。

澪「しまった!?」

律「あの技はたしか、ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ『ひらわわバスター』」

うい「でも……ちょっと、厳しい言い方ですけど、お姉ちゃんの身体能力じゃ、あの技は……」

紬「それは大丈夫じゃないかしら。ゆいちゃんにはあれがあるから」


ゆい(落ち着いて、集中するんだ。心を無にするんだ。そうすれば、達することが出来る。新たなる伝説の境地に。あの時の感覚が蘇る。さて、やるよ。……アズサマインド)

ゆい先輩の体が光り輝きながら、キュウコンとともに落下し、ドシンという音が会場に響きながら、着地します。

キュウコン「……キュウ〜」

ゆい先輩が手を離すと、キュウコンは地面に落下し、気絶しました。

審判「キュウコン戦闘不能。ゆいの勝利です」

梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ゆい

澪 カメックス スターミー キュウコン ひん死 
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/11(日) 05:47:40.34 ID:olpfB58+0
ゆい「わ〜い、わ〜い」

澪「あ、あんな古典的な手に……」

梓「……澪先輩」

澪「ち、違う。今のは……た、たまたまなんだ」

梓「……まあ、いいです。ゆい先輩、戻ってください」

ゆい「ほーい。じゃあ、その間に充電、充電っと」

ゆい先輩はコアラのように私に登ってきます。

ゆい「ふう〜。極楽極楽」

梓「……行きますよ、ハッサム!」

澪(スルーした……)

澪「……来い、ナッシー!」


梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ゆい

澪 カメックス スターミー キュウコン ひん死 ナッシー


実況『さて、ようやく、1勝をあげた梓選手。このまま、奇跡の逆転までいくのかー』

紬「スターミーじゃハッサムには厳しいし、カメックスはまだ取っておきたいわね」

律「でも、ナッシーじゃハッサムの技を受け切れないぜ」

うい「それでもいいんじゃないでしょうか?」

律「へえー、どうして?」

うい「ナッシーじゃ、お姉ちゃんとハッサムさんにはどうやっても勝てませんからね。なら、ここはハッサムの動きを封じるなり、多少のダメージを与えておけば、いいってことじゃないでしょうか?」

律「なるほど。まあ、澪にしてみれば、あのキュウコンの時点で6対1のビジョンを見てたんだから、そんな役割のポケモンがいてもいいわな」


澪「ナッシー、ねむりごな!」

ナッシーはこなを発生させ、フィールド全体にまかれます。

梓「……ハッサム!!」

ハッサムは素早くナッシーに接近し、バレットパンチを繰り出します。

ナッシー「ナッシー!」

ナッシーは顔面にその攻撃を受け、壁まで吹き飛ばされて、気絶します。

澪「一撃だと!?」

梓「あんまり舐めないで下さいね。私のハッサムは強いですよ♪」

澪「……梓」

審判「ナッシー戦闘不能。ハッサムの勝利です」


律「強気だな」

紬「でも、梓ちゃんは負けてるのよね」

うい「ええ。この差は大きいですよ」

律「けど、これくらいの気持ちじゃないとな」


梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ゆい

澪 カメックス スターミー キュウコン ひん死 ナッシー ひん死
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/11(日) 05:51:07.01 ID:olpfB58+0
梓「……ピクシー」

ゆい「随分、可愛いポケモンだね」

梓「ああ見えても、いろいろな技を覚えるみたいですからね。気をつけないと」

澪「いくぞ、ピクシー」

ピクシーは口を膨らませ、かえんほうしゃをハッサムに発射します。

梓「ハッサム、まもるです!」

ハッサムはバリアを出し、その攻撃を封じます。

澪「だが、まもるは何度も連続して出せる技ではない」

ピクシーはもう一度、かえんほうしゃの体制になります。

梓「くっ……ハッサム、みがわりです!!」

ハッサムは人形のようなものを出し、ピクシーのかえんほうしゃを避けます。

澪「やるな。だけど、いつまで、持つかな?」

梓「……なら、ハッサム、とんぼがえり!」

ハッサムはかえんほうしゃをかわし、ピクシーに体当たりを仕掛け、ボールに戻ります。

梓「出番ですよ、ゆい先輩」

ゆい「えー」

私はゆい先輩を下ろします。


律「なるほど。ゆいとハッサムを自在に交代させるのか」

紬「自由自在はいいすぎよ。ゆいちゃんは一度出したら、相手を倒すまで戻せないから」


澪「ピクシー、れいとうビーム!!」

ピクシーの手から、冷気のビームが発射されます。

ゆい「わー。 ゆいちゃん真拳奥義『ゆいぐるみ☆ガード』」

ゆい先輩はぬいぐるみを盾に攻撃をかわします。

ゆい「そして、そして、アズサ・マインド!」

ゆい先輩の体から、オーラが発生します。

澪「ピクシー、でんじはで動きを封じろ!」

ゆい「行くよ、ギー太」

微弱の電気がゆい先輩に迫りますが、ゆい先輩はギターをかき鳴らし、その電気を打ち消します。

澪「何!?」

ゆい「ゆいちゃん真拳奥義『ギー太・ブラスト』」

ギー太にエネルギーのような光がたまり、ピクシーに向かって、発射されます。

ピクシー「ピクーーーーー」

ピクシーは避けきれずに直撃し、気絶しました。

審判「ピクシー、戦闘不能。ゆいの勝利です」


梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ゆい

澪 カメックス スターミー キュウコン ひん死 ナッシー ひん死 ピクシー ひん死
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/11(日) 05:53:12.06 ID:olpfB58+0
実況『さあ、梓選手。ここまで怒涛の反撃を見せています。このまま、逆転まで行くのかー』

梓「ゆい先輩。戻ってください」

ゆい「はいはい。随分、忙しいね」

梓「行きますよ、ハッサム!!」

澪「来い、スターミー!!」


律「スターミーか。タイプとしては不利だけど、どうすんだ?」

紬「考えられるのは最後の1匹が不利だからか、隠しておきたいかだけどね」


澪「スターミー、ハイドロポンプ!」

スターミーはカメックスまでとはいかないまでも強力な水をハッサムに向かって発射します。

梓「ハッサム!!」

ハッサムはハイドロポンプを受けながらも、両手をクロスさせて盾にし、スターミーに向かってきます。

澪「頑張れ、スターミー!!」

梓「いっけー、ハッサム!!」

ハッサムは荒れ狂う水を突き進み、スターミーに近づきます。

澪「くっ……」

梓「ハッサム、シザークロス!!」

ハッサムはスターミーの中央のコアをXに切り裂き、スターミーは気絶しました。

審判「スターミー戦闘不能。ハッサムの勝利です」


梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ゆい

澪 カメックス スターミー ひん死 キュウコン ひん死 ナッシー ひん死 ピクシー ひん死


実況『さあ、梓選手の怒涛の反撃だー。このまま、逆転かー』

ハッサム「ハア……ハア……」

梓(ハッサムにだいぶ、ダメージが蓄積されてますね。勝ったけど、さっきのダメージが効いてるんですね。でも……)

私は胸にうずくまる、ゆい先輩を見ます。

ゆい「ほへ?な〜に、あずにゃん」

梓(……もう少し、ハッサムには頑張ってもらわないと)
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/11(日) 05:55:40.84 ID:olpfB58+0
律「次はいよいよ、最後の6匹目を見せるか」
紬「そうね。さすがにカメックスはゆいちゃんにとっておかないといけないからね」



澪「……来い、カメックス!!」

梓「!?」


律「カメックスだと!?」

紬「別に驚くことではないわよ、りっちゃん。最後の1匹がハッサムと相性が悪いだけかもしれないし」

律「そうだけどさ」

うい「それにここで、梓ちゃんの流れを止めておきたいですしね」


澪「カメックス、決めろ、きあいだま!」

カメックスは気合を溜めた、こん身の力の玉で、ハッサムに向かって、発射します。

梓「ハッサム!!」

ハッサムは何とか、その攻撃を横に動いてかわします。

澪「やはり、もう、体力が残り少ないな」

梓「!?」

読まれてる。さすがは澪先輩。でも……。

梓「負けませんよ!ハッサム、バレットパンチ!」

ハッサムは先制をとって、速くて重いパンチを繰り出します。

カメックス「カメ!」

カメックスはその攻撃を片手で軽々と受け止めます。


律「さすが、カメックスだな。相当鍛えられてる」


澪「カメックス、上に放り投げろ!」

カメックスは軽々とハッサムを持ち上げ、上に放り投げます。

澪「打ち落とせ、ハイドロポンプ!!」

空中にいる、ハッサムにむかって、ハイドロポンプが射出されます。

梓「ハッサム!」
ハッサムはそのハイドロポンプに逆らいながら、カメックスに接近します。

梓「シザークロス!」

ハッサムのシザークロスがスターミーに引き続き、胸にXの文字が刻まれます。

梓「勝った!」

澪「まだだ!カメックス、カウンター!」

カメックスは傷つきつつ、技を決めて、油断しているハッサムにカウンターを決めます。その攻撃を受けて、壁まで吹き飛ばされ、カメックス
は気絶しました。

カメックス「……クス」

カメックスはその攻撃を決めて、気絶しました。

審判「カメックス、ハッサム、共に戦闘不能」


梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ゆい

澪 カメックス ひん死 スターミー ひん死 キュウコン ひん死 ナッシー ひん死 ピクシー ひん死

実況『さあ、互いに残り1匹。このまま、梓選手の逆転勝ちかー。あるいは、澪選手の逃げ切りかー』

378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/11(日) 05:59:10.50 ID:olpfB58+0
梓「出番ですよ、ゆい先輩!」

ゆい「うん!」

澪「……因果なものだな」

梓「?」

澪「来いっ、エビワラー!」


梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ゆい

澪 カメックス ひん死 スターミー ひん死 キュウコン ひん死 ナッシー ひん死 ピクシー ひん死 エビワラー


律「あれは……」

紬「ゆいちゃんに初めて黒星をつけたポケモン」


ゆい「むむ。今度は負けないよ〜」

ゆい先輩は体にオーラを発生させ、エビワラーに突進します。

エビワラー「ワラ!」

エビワラーはその突進を正面から、受け止めます。

澪「エビワラー、スカイアッパー」

エビワラーはゆい先輩を上空に突き上げるかのようにアッパーを決めにいきます。

梓「ゆい先輩!」

ゆい先輩はその攻撃を両手でガードするも、上空に飛ばされます。


律「上空に飛ばされたが……」

うい「両手のガードでダメージを減らしてる!」


澪「エビワラー、落ちてきたところをとびひざげりだ!」

梓「ゆい先輩、ゆいぐるみでガードです!!」

澪「!?」

ゆい「あ、そっか」

ゆい先輩はぬいぐるみでその攻撃を防御し、飛ばされて、転がるもダメージを減らしました。


律「……梓」

紬「梓ちゃんがゆいちゃんに指示を出すなんて……」

うい「? 前にも指示を出してましたよね?」

紬「ここまでの指示を出したことはないはずよ」

うい「あ、たしかに……」


379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/11(日) 05:59:49.51 ID:olpfB58+0
梓「ゆい先輩、インファイト!」

ゆい「まかせんしゃい」

ゆい先輩は一瞬で姿を消し、エビワラーの懐に入ります。

澪「くっ……、エビワラー、みきりだ」

エビワラーは突然の攻撃でもゆい先輩の攻撃に対応し、その攻撃をかわします。

梓「速い!?」

澪「今度はこっちの番だ!かみなりパンチ!」

エビワラーの電気を溜めた拳がゆい先輩に迫ります。

梓「ゆい先輩、横にジャンプ!」

ゆい先輩は私の声に素早く反応し、かみなりパンチを間一髪かわします。

梓「反撃です!うたって下さい」

ゆい先輩は『ふわふわタイム』を歌い始めます。

澪「エビワラー、マッハパンチ!!」

エビワラーは歌い始めたゆい先輩に物凄い速いパンチを繰り出します。

ゆい「ぐっ……」

ゆい先輩はギー太でガードするも、その攻撃で歌うのを封じられます。

実況『両者、ここまで1歩も引かない攻防だー』

律「こうなると、どっちが先に先制を取れるかが問題だな」

紬「たしかにね」
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/11(日) 06:01:55.76 ID:olpfB58+0
梓「ゆい先輩!」

ゆい「うん。そろそろ、決めるよ」

澪「エビワラー、インファイト!」

エビワラーはゆい先輩の懐に入り、防御を無視して、パンチを繰り出します。

梓「ゆい先輩、ゆいぐるみでガードを……」

しかし、ゆい先輩はゆいぐるみでガードをしないで、ギー太でガードをします。すると、ギー太は光り輝きます。

ゆい「エビワラー君。君はとっても、とっても、強かったよ。じゃあね」

ギー太の輝きが1ヵ所に集まり、エネルギーとなり、ビームとなって、エビワラーに発射されます。

澪「よけろっ!」


律「無理だ。避けきれない」


ゆい「ゆいちゃん真拳奥義『ギー太・ブラスト・カウンター』」

エビワラーはその攻撃をまともに受け、フィールドの外の壁に激突し、気絶しました。

審判「エビワラー戦闘不能。ゆいの勝利です。澪選手のポケモンは全滅。よって、梓選手の勝利です」


梓 ガルーラ ひん死 サンダース ひん死 カイリュー ひん死 ニューラ ひん死 ハッサム ゆい

澪 カメックス ひん死 スターミー ひん死 キュウコン ひん死 ナッシー ひん死 ピクシー ひん死 エビワラー ひん死


実況『大逆転だー。圧倒的な不利な状況をひっくり返して、梓選手、決勝戦進出だー』

澪「そ、そんな……」

澪先輩はドサッと膝をつきます。

梓「……澪先輩」

澪「……梓」

梓「は、はい」

澪「……強くなったな」

梓「……ありがとうございます」

澪「次は……」

梓「?」

澪「……次は負けないからな」

梓「……はい」

澪先輩はそれだけを言うと立ち上がり、目に涙を浮かべながらフィールドを去りました。
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/11(日) 06:02:58.58 ID:olpfB58+0
ポケモンリーグ編E 「準決勝・梓VS澪」 終了
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 15:52:23.74 ID:I2Rn+i7W0
前回までの状況(トレーナとポケモン)                      

梓     ゆい ハッサム ヘルガー イーブイ  ニューラ  ガルーラ カイリュー ポリゴン2 プテラ ラプラス

澪     ゼニガメ  エビワラー デンリュウ

律     リザードン サワムラー ニョロボン レアコイル ゴローニャ ゴルダック

ムギ    フシギバナ カポエラー ギャラドス

純     うい  カビゴン ゲンガー  エレブー カイリキー

ポケモンリーグ編F「決勝戦・梓VSAYU〜決勝前夜〜」
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 15:54:11.08 ID:I2Rn+i7W0
梓の部屋

梓「……」

紬「お茶が入ったわよ〜」

ゆい「わ〜い」

律「ケーキは?」

紬「ふふふ、ちゃんとあるから安心して。ほら、澪ちゃんも」

澪「え、えっと……」

ゆい「澪ちゃんも遠慮しないで食べなよ。おいしいよ〜」

澪「で、でもな……」

梓「……はあ。いいですよ、遠慮しなくても。もう、慣れましたし」

澪「……悪いな」

律「遠慮すんなよ。どんどん食べろよ」

梓「律先輩は少しは遠慮してくださいよ。1回戦終わってから、ずっといるんですから」

澪「そ、そうなのか?」

律「ん?ああ。まあな」

ゆい「昨日は楽しかったよね」

紬「ええ」

澪「……」

律「ん?どうした、澪」

澪「いや……どうして、昨日呼んでくれなかったのかなって……」

律「そりゃあ、梓が嫌がったから」

澪「そうなのか!?」

梓「違いますよ。そんな嘘つかないで下さい」

澪「り〜つ〜」

律「悪い、悪い。単純に邪魔しちゃ悪いと思ったからな」

澪「梓はいいのか?」

律「……このケーキうまいな」

梓「ちゃんと答えましょうよ」

律「まあ、さすがに今日は遠慮するよ」

梓「そういえば、澪先輩は3位決定戦は……」

澪「……対戦相手のういちゃんから、辞退したらしいから、不戦勝で3位だよ」

梓「……そうですか」

……純。
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 15:55:54.31 ID:I2Rn+i7W0
ゆい「それでね……」

梓「ん?何を話してるんですか?」

ゆい「べ、別になんでもないよ。ねえ、ムギちゃん」

紬「ええ。なんでもないわよ。それよりも、梓ちゃん。ここの大浴場にでも入ってきたら?疲れを明日に残さないためにも」

梓「? まあいいですけど。皆さんは?」

紬「私達はちょっと用事があるから」

梓「そうですか。じゃあ、行きましょうか、ゆい先輩」

ゆい「ご、ごめんね、あずにゃん。せっかくのお誘いは嬉しいんだけど、私にも用事があるから……」

梓「何の用事ですか。まあ、いいです。皆さん、行かないなら、私も部屋のシャワーですませま……」

紬「それなら、安心して。澪ちゃんが付き合うから」

梓「え、澪先輩が?」

澪「え、私?」

紬「だからね、ゴニョゴニョ」

ヒソヒソ

澪「え、それは梓に直接言えば、いいじゃん」

ヒソヒソ

律「分かってねーな。隠れてやるのがいいんだよ」

ヒソヒソ

ゆい「そうだよ」

ヒソヒソ

梓「さっきから、何を話してるんですか?」

ゆい「なんでもないよ」

梓「?」

紬「ほら。着替えも用意したから、澪ちゃんと行って来て」

梓「は、はあ……」

澪「ほら、行こう、梓」

梓「わ、分かりました」

私は急ぐ澪先輩を追いかけるように部屋を出ました。
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 15:57:36.76 ID:I2Rn+i7W0
ゆい「行ったね……」

律「そうだな」

ゆい「それじゃ、特訓をするよ!」

律「でも、前日にやってもな……」

紬「それでも、何もやらないよりもましよ。ポケモンの場合」

律「そうだけどさ」

ゆい「ふふふ、この特訓の成果が明日出れば……」

ゆい・妄想

ゆい「ゆいちゃん・パンチ!」

AYU「うわー、やられたー」

実況「梓選手の優勝だー」

ゆい「わーい」

梓「ゆいせんぱーい」

ゆい「あずにゃん、私、やったよ〜」

梓「さすがはゆい先輩ですね!」

あずにゃんは私を抱っこする。

ゆい「えへへ〜、そんなことないよ〜」

梓「いえいえ。ゆい先輩がいなかったら、優勝できませんでしたよ。これはお礼です」

チュッ。

ゆい「……ふおおおおおおおおおおおおおおおお」

ゆい・妄想終了

ゆい「えへへ〜。こうなること間違いなしだね!!」

律「随分、都合のいい妄想だな」

紬「まあ、妄想ってそういうものだし……」

ゆい「とにかく、特訓だよ。サムちゃん達は?」

紬「ええ。偽造も完璧よ」

律「こえーな、おい」

ゆい「それじゃあ、出発!」
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:00:15.53 ID:I2Rn+i7W0
梓「それにしても、変でしたね、皆さん」

澪「そ、そうかな。私には何も変わってないように見えたけどな」

梓「そうですかね」

澪「と、ところで、純ちゃんのところには行かなくていいのか?」

梓「……」

澪(って、何を聞いてんだ、わたしーーー)

梓「……」

澪「……」

澪(気まずい。私のせいだけどさ)

梓「……純にはういがついてますしね。私達が行っても、迷惑ですし」

澪「……」

梓「それに、どうせ行くなら、優勝してから行きますよ」

澪「……そっか」

梓「ちょっと、しんみりしちゃいましたね。さっさとお風呂に行きましょう」

澪「そうだな」

私達は浴場に向かおうとすると、正面から、フードをしたローブの女、AYUが歩いてきました。

AYU「ヤッホー」

澪「……梓、無視しよう」

ゴニョゴニョ。

梓「それもいいですけどね」

ゴニョゴニョ。

梓「こんちには。いえ、そろそろ、こんばんわでしょうか」

澪「あ、梓……」

AYU「……へえー。てっきり、無視されるかと思ったのに」

梓「それでもいいんですけどね。あなたに聞きたいことがあります」

AYU「何でも聞いていいよ。でも、その前に……」

梓「その前に?」

AYU「お風呂にでも入ってきなよ。それから、じっくりお話ししよう。部屋の番号は……」

AYUは私達に番号を教えます。

AYU「その代わり、あなた達、2人で来てね。そうじゃなきゃ、質問には答えないよ」

梓「……分かりました」

澪「あ、梓……」

387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:00:51.01 ID:I2Rn+i7W0
その頃のゆい達

ゆい「みんなー、動きが鈍いよー」

ヘルガー「ヘルッ!」

ヘルガーの牙をニューラは軽やかにかわす。

ゆい「こらー。ちゃんと当てないと駄目だよー。ニュー太はその動きはいいよー」

律「なあ、ゆい」

ゆい「なんだい、りっちゃん」

律「ゆいは戦わないのか?」

ゆい「私は……ゴホン。腰が……」

律「ジトー」

紬「ジトー」

ゆい「うっ、視線が痛い」

律「お前なー」

ゆい「分かってるよ。今のは冗談だよ。どれ、私の相手は……」

ハッサム「サム!」

ゆい「……やっぱり腰が」

律「おい」
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:03:18.43 ID:I2Rn+i7W0
梓「……」

澪「ふう〜、いいお湯だったな」

梓「……そうですね」

澪「? どうしたんだ?」

梓「……いえ、なんでもありません」

梓(たった1年違うだけなのに、この差は一体……)

澪「ところで、梓」

梓「何ですか?」

澪「……どうしても行くのか」

梓「ええ。別に怖いなら、来なくてもいいですよ」

澪「こ、怖いわけないだろう。さあ、行こう!」

AYUの部屋

梓「……ここですね」

澪「そ、そうだな」

梓「あの、怖かったら……」

澪「だ、大丈夫だ、問題ない」

梓「そうですか。では……」

コンコンと、ドアをノックします。

AYU「ほーい」

AYUはドアを開けて、私達を迎え入れます。

AYU「よく来たね。どうぞ、座って」

梓「失礼します」

私達は椅子に腰掛けます。

AYU「それで聞きたいことはなんだい?」

梓「……分かりませんか?」

AYU「まあ、大体分かるよ。純ちゃんだね?」

梓「そうです!どうすれば、眼を覚ますんですか!?」

AYU「うーん、結論からいうと、どうにもならないんじゃないかな?私自身、あの技を使って、元に戻したことないしね」

梓「なんですって……」

AYU「まあまあ、そんなに怒らないでよ」

梓「ふざけないでください!」

澪「落ち着け、梓」

澪先輩は私をなだめます。しかし、私をなだめる手も震えているので怒っているのでしょう。

389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:04:13.36 ID:I2Rn+i7W0
澪「ところで、部屋の中でもフードをつけているのか」

AYU「まあね」

澪「変わってるな」

AYU「えへへ、格好いいでしょ?」

屈託なく、笑うAYU。

澪「で、どうしてだ?」

AYU「何が?」

澪「どうして、あんなことをしたんだ」

AYU「別に純ちゃんを攻撃したかったわけじゃないんだけどな〜」

梓「純はういを庇って……」

澪「梓!!」

梓「くっ……すいません」

AYU「まあ、どっちにしろ、かまわないんだけね。どうせ、君達はしんじゃうんだし」

澪「……どういうことだ。お前は何者なんだ?」

AYU「そう、それ。それを最初に聞いてくれればいいんだよ」

AYUは席を立つ。

AYU「ちょっと、長くなるけど大丈夫かな?」

澪「……ああ」

梓「……ええ」

AYU「それじゃあ、まずは立って」

梓「どうしてですか?」

AYU「まあ、いいから、いいから」

私達は言われたとおりに目をつぶりました。
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:05:57.16 ID:I2Rn+i7W0
AYU「目を開けていいよ」

梓「一体これで何が……!?」

私達は目を開けると、廃墟のようなビルや瓦礫の山がそこらへんにたくさんありました。

梓「ここは一体……」

ガサゴソ、ガサコソ。

澪「ひいい」

AYU「安心していいよ。ただの風だからね。ここには人間どころか、ポケモンすらいないから」

梓「ポケモンすらいない……」

AYU「お話しようか。未来の地球に何があったのか」

その頃のゆい達

ゆい「とりゃー」

バシンッと、力強く、パンチをする。

ゆい「ふう〜、いい汗をかいたよ」

律「何やってんだよ」

ゆい「特訓だよ、特訓」

律「それは分かるが……お前、自分のぬいぐるみで遊んでるだけじゃん。他のポケモンは私達のポケモンとかと組み手とかしてんのに」

ゆい「うっ……分かってるよ」

律「本当かよ……」

うい「……お姉ちゃん、皆さん」

ゆい「あ、ういだ!おーい」

うい「何をしてるの?」

ゆい「特訓だよ、特訓。それよりも、純ちゃんは?」

うい「……まだ」

ゆい「そっか……。でも、大丈夫!私とあずにゃんで、純ちゃんを元に戻してみせるよ!!」

うい「……本当に出来る?」

ゆい「ほへ?どういう意味?」

うい「今のままじゃ駄目だよ」

ゆい「でもでも、どうすればいいのか、分からないし」

うい「……本当はやりたくないけど、フィールドに出て、お姉ちゃん」

ゆい「ほへ?」

うい「戦おう、お姉ちゃん。私がお姉ちゃんの練習台になるよ」
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:07:48.88 ID:I2Rn+i7W0
AYU「結論から言うとね。近い将来、人類は滅びちゃうんだ」

梓「……はい?」

AYUは突然、訳の分からないことを言い出しました。

梓「突然何を言い出すんですか」

澪「いや、梓。だとしたら、この光景が説明できる」

梓「どういう意味ですか?」

澪「分からないか?これは未来の地球の光景だよ」

梓「未来の地球?」

AYU「くすくす、正解だよ、澪ちゃん。梓ちゃんは察しが悪いな〜」

梓「……話を続けて下さい」

AYU「ほいほいっと。そうだね、聞きたいんだけど、ポケモンって便利なものだと思わない?例えば、空を自由に飛べたり、水中を自由に行
けたり」

梓「たしかに。でも、人間にも飛行機とか、船とかもありますからね」

AYU「そうだね。でも、それってお金かかるでしょ?」

梓「それはまあ……」

AYU「でも、ポケモンなら、お金はかからないでしょ?だとしたら、どっちがより多く利用されるかな?」

澪「しかし、微妙なところだな。お金がかかるといっても、安全に行けるわけだし」

AYU「そうだね。難しいところだね。まあ、それ以外でも、建設現場や災害救助、他にもいろいろな面で助け合ってきたんだよ」

梓「いいことですね」

AYU「……そうだね。それだけなら、よかったんだよ」

澪「何か、含みのある言い方だな」

AYU「助け合ってきたと言っても、ポケモンを人間が一方的に使ってるようにも見えるよね?」

梓「嫌な言い方をすればそうかもしれませんね」

AYU「でも、それでもよかったんだよ。平和だったし。でも、人間はやってはいけないことをしてしまったんだ」

梓「それはなんですか?」

AYUはあまり、言いたくないのか、顔を歪めながら言いました。

AYU「ポケモンの……軍事利用」
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:11:04.06 ID:I2Rn+i7W0
梓「ポケモンの軍事利用?」

澪「つまり、ポケモンを武器として使うってことだな」

梓「そんな……」

AYU「この時代ではそこまでの研究は行ってないけどね。いずれはね……」

梓「軍事利用って……具体的には?」

AYU「そうだね、例えば……マタドガスの出す、毒ガスをね。……細菌ウイルスを出せるようにするとかカメックスのロケット砲から、ロケ
ット弾やマシンガンのような物を発射できるようにするとか」

梓「……反対運動とかは?」

AYU「もちろんあったみたいだよ。見たわけじゃないけどね。でも、反対は無駄だったよ」

梓「無駄?」

AYU「反対派もデモとかもしたみたいだけどね。国とかは無視したみたいだし。あまりにうるさい奴は摘発とかされたみたいだし」

梓「そんな……」

AYU「まあ、かの国の侵略とかもあったみたいだけど、そこらへんはいろいろあって、よく分からないけどね」

澪「それで、続きは?」

AYU「……ポケモンだってね、戦うのは好きだけどさ。それは戦うことを通じて、心を通わせるためだよ。決して、傷つけることが楽しいわけじゃないんだ」

梓「……」

澪「……」

AYU「まあ、それでも、人間のためにポケモンは働いたよ。……最初はね」

梓「最初は?」

AYU「そう、最初は」

澪「何があったんだ」

AYU「……暴走したんだよ」

梓「暴走?」

AYU「そう。暴走。ある日ね、研究所からポケモンが脱走したの」

梓「脱走……」

AYU「そのポケモン達はね、マシンガンとかいろいろな兵器を搭載してたんだ」

梓「……」

AYU「そのポケモン達なら、何とかなったかもしれないけどそのポケモン達はね、危険なポケモン達も解放してしまったの」

梓「危険なポケモン?」

AYU「そう……。例えば、毒ガスとかを使うポケモンね」

AYUは言葉を躊躇いながら、続けます。

AYU「その結果、その研究所の近くにいた人間が死んだんだ。もっと、対策をしろよって思うかもしれないけど、今までポケモンが人間に逆らうって事がなかったからね」

梓「それでどうなったんですか」

AYU「ポケモンと……人間の戦争が始まったんだよ」

梓「戦争……」

AYU「人間は兵器を搭載したポケモンを駆除しにかかった。でも、ポケモンは異常に生命力もあるしね。それに、自分達で作り上げた、ミュ

ウツーとかも敵にまわっちゃってね」

澪「ということは・・・…タマムシシティで戦ったミュウツーはお前がロケット団に教えたのか」

AYU「そうだよ。正解だよ、澪ちゃん」

パチパチと拍手するAYU。

澪「おかしいと思ったんだ。ただのマフィアのロケット団があんな研究をしてたなんて……」
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:14:16.29 ID:I2Rn+i7W0
AYUは一呼吸を置く。

AYU「一方のポケモンも人間の暴走を止めることができなかった。その結果、戦いは長期戦になった。泥沼のね。例えば、人間はポケモンを止めるために、そこに逃げ遅れた人達がいるにもかかわらずに、毒ガスや爆弾を使ったりね。一方のポケモンも、同じように、まだ仲間が戦っているのに一つの町をその仲間ごと消しちゃったとかね」

梓「……悲惨ですね」

AYU「そうだね」

澪「つまり、ここはその戦いのなれのはてか」

AYU「そういうこと。そんな泥沼の戦いでね、たくさんのポケモンや人間も死んじゃったんだ。それだけなら、まだ復興とかもできるかもだけど、ポケモンを制圧するのに、各地で核爆弾とかを使ったりとかね。……人間もポケモンも犠牲になったよ」

AYUは周りの光景を何かを思い出すかのように見ます。

AYU「そのせいで、人間の人口もだいぶ減っていった。同様にポケモンの数も減少していった。そんな時にある科学者達が集まって、隠れて、ある研究をしていたの」

澪「そんな時まで、研究をしていたのか」

AYU「その研究は別に破壊のためじゃないよ。どうやったら、この世界を救えるかという研究だよ」

梓「世界を救う……」

澪「こう言うのは失礼だと思うが、かなり厳しいと思うんだけど……」

AYU「そうだね、まったくその通りだよ。でもね。皆には希望が欲しかったんだよ」

梓「希望ですか」

AYU「そう。その希望の象徴として……マサラタウンのゆいが選ばれた」

梓「ゆい先輩が?」

AYU「私達の未来でも、梓ちゃんとゆいの伝説が語りつがれていたんだよ」 

澪「伝説?」

AYU「ただの17歳の少女がカントー地方で勢力を強めていたロケット団を壊滅に追い詰めて、ポケモンリーグで純ちゃんとういちゃんのコンビとの死闘の末の優勝、その後、マサラタウンに戻り、『放課後ティータイム』とかなんとかで、デビューして、ポケモンと人間との共存の
ために活動したんだよ。後の世では『カントーの英雄』といわれてたね」

梓「ちょっと、待ってください。ロケット団のことはまだしも、ポケモンリーグは……」

AYU「別に間違ってないよ」

澪「意味が分からないぞ」

AYU「それは後で、説明するから、まずは話を聞きなよ」

澪「分かった。続けてくれ」

AYU「ゆいはポケモンがメインボーカルとして、人気もあったしね。そのおかげかどうか知らないけど、カントーではポケモンの軍事利用の
反対が多かったみたいだね。だから、国は『放課後ティータイム』を売国奴みたいな扱いとして、けなしまくってたね。まあ、ここらへんは蛇足だけど」

梓「それで、ゆい先輩が選ばれた理由は?」

AYU「その研究者達はね、その希望の象徴として、ミュウツーのようにゆいの遺伝子を使って、クローンのようなポケモンを造ろうとしたん
だよ。その過程でたくさんのポケモンとゆいの遺伝子を掛け合わせた。たくさんの失敗の中で、1匹だけまともなものが生まれた」

梓「そのポケモンって……まさか」

AYU「そう。それが私だよ。AYUって名前はかつての英雄、ゆいとそのトレーナーの梓ちゃんの頭文字を取ったんだよ」

私達の間にしばしの沈黙が流れました。

AYU「……それでね」

AYUは再び、話し始めます。

AYU「私は頑張って、ギターの練習をしてきたんだよ。たくさんの人に幸せになってもらうために」

AYUは昔を懐かしむような眼をして語り始めます。
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:16:21.08 ID:I2Rn+i7W0
回想

AYU「これから、歌を歌うよ。題名は『ふわふわ……』」

未来人A「うるせー、ひっこめ、ひっこめ!」

未来人B「ふわふわって、たしか、糞ポケモンが歌ってた奴だよな。とすると、こいつはポケモン側のスパイかもしんねーぞ」

AYU「た、たしかに私はポケモンだけど……」

未来人C「やっぱりスパイだな。人間みたいな体しやがってよ」

皆が私達に向かって、石を投げてくる。

AYU「そんなつもりはない……痛い、痛いよ」

こんな感じでひどかったね。それでも、私は頑張った。その甲斐があったのか、少しずつ、私の歌を聴いてくれる人が増えてきた。気づけば、
この平和の時代でいえば、小さいファンクラブが出るくらいの人気になっていった。そんなある日……。

軍人A「ここで集会をやっているのはお前達だな」

たくさんの銃を持った、軍隊の人達がたくさんやって来た。その日はご主人様とかはいなかったから、私だけだった。ああ、いつもは手伝ってくれたからね。初めての1人でのライブ。ちょっと、緊張してたんだよね。そんな時にやってきたわけだよ。

軍人A「お前達は何の目的でここに集まっている」

AYU「私は歌を歌って、皆さんはそれを聞き……」

その直後、ズガガガガガガンという音ともにマシンガンの音が聞こえた。

AYU「や、やめてよ。何をするの!!」

軍人B「私達が得た情報によれば、お前はポケモンだな」

AYU「そ、そうだけど……」

軍人B「つまり、お前はここで集会をして、人間をスパイとして洗脳し、送り込もうとしていたわけだな」

AYU「ち、違うよ!私は皆に歌を聞いてほしくて……」

軍人A「うるさいっ!!お前ら、ここにいる人間どもを皆殺しにするぞ」

軍人の人達はマシンガンを観客達に向けられる。

AYU「や、やめ……」

軍人A「うてー!」

軍人の掛け声で、マシンガンが乱射された。

AYU「う……うわあああああああああああああああああああああああああああああ」


博士「ど、どうしたの、これは……」

博士の声で気がつくと、私は軍人達と観客達の死体の中で座っていた。

AYU「ご、ご主人様……」

博士「……だいたい、事情が分かったよ。さあ、AYU。研究所に戻ろう」

AYU「……はい」

博士「もう、分かったよ。きっと、この世界は救えない」

AYU「ご主人様……」

博士「だから、AYUには任務を与えるよ」

AYU「任務?」

博士「そう。人間がいるから、この世界は腐っていくんだよ。だから、過去に戻って、人間を滅ぼすんだよ。そのための研究はまだ不完全だけどね」

AYU「……」

博士「この任務が成功したら、もしかしたら、あなたは消えちゃうかもしれないけど、地球は救える。そうしたら、あなたはかつてカントー地方を救った伝説のポケモン『ゆい』になれる」

AYU「ゆいに……」

博士「あなたには伝説のゆいの遺伝子がある。これを達成することであなたはゆいを超えることもできるのよ」
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:23:12.23 ID:I2Rn+i7W0
回想終了

AYU「それから、私はあなた達が旅立つ5年前くらいにタイムマシンで来てね。いろいろと準備をしてきたわけだよ。例えば……曽我部さんとかね」

梓「……」

AYU「本来の歴史では彼女は何も関わらずに終わるはずだったんだよ。ロケット団もヤマブキシティを占拠するんじゃなくて、シルフカンパニーを占拠するだけでおしまい。当然、伝説のポケモンも使ってこなかった」

澪「おかしいな」

AYU「何が?」

澪「どうして、サッサと人類を滅亡させないんだ?」

たしかに、そうですね。

AYU「それは……私の我侭だよ。私は戦いたかった。ポケモンリーグで優勝した、梓ちゃんとゆいと。それともう一つ、事情があってね。私が力を使うには体内のあるエネルギーが必要でね。普段は自分で賄えるんだけど、人類を滅ぼすほどのエネルギーとなるとね」

梓「……私が必要ということですか」

AYU「そうだよ〜、『あずにゃん』」

梓「そのあだ名で言わないで下さい。あなたには言われたくありません」

AYU「くすくす。ところで、私が曽我部さんを使ったのはね、彼女の取り組みも面白かったからだよ」

澪「どういうことだ」

AYU「私の目的は人類を滅亡させて世界を救うこと。でも、人類を滅亡させる以外の方法があれば、そっちをとるよ。……あればね。その中で、人類の人口を減らすのもいいと思ってね。……さて、この世界ももういいかな」

私達はもう一度、目をつぶり、元の部屋に戻りました。

AYU「私はこの任務を成功させて、伝説の英雄、ゆいになる」

梓「……あなたでは無理ですよ」

AYU「言うね。……まあ、いいや。ここで、提案したいことがあるんだ」

AYUは椅子に腰掛けます。

AYU「あなたのお友達の純ちゃんを助けてあげてもいいよ」

梓「えっ……」

AYU「ただし、あなたが決勝戦を辞退したらね。そうしたら、あなたの仲間達も人類滅亡からは救ってあげる」

澪「ちょっと待て。お前は戦いたかったんだろ?梓とゆいと」

AYU「そうだよ〜。でも、梓ちゃんを手にかけたくないからね。エネルギーがなくなれば、用なしだし。あなたと梓ちゃん。それに女の子2
人と純ちゃんにういにゆい。これだけの人間くらいなら、生き残っても、子種を残せないだろうしね」

梓「……」

AYU「さて、私の話は終わりだよ。で、どうする、梓ちゃん」

梓「私は……」

AYU「まあ、ここで出す結論でもないからね。じっくり考えてよ、『あずにゃん』」

梓「2度とそのあだ名を口にしないで下さい。次は容赦しませんよ」

AYU「いい答えが出ることを期待してるよ、あずにゃん」

梓「……失礼します」

私はサッサと、AYUの部屋を出ました。


396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:26:53.46 ID:I2Rn+i7W0
澪「……」

私も梓に続いて、部屋を出ようとして、振り返る。

澪「……梓はお前には負けないよ」

AYU「ふふふ、それは楽しみだね」

澪「それにお前は決して、ゆいにはなれないよ」

澪「さあね。自分で考えなよ」

私はそれだけを言い残して、部屋を出た。


梓「どうしたんですか、澪先輩」

澪「別に何もないよ。さあ、戻ろう」

梓「そのわりには……足が震えてますよ」

その頃のゆい達

ゆい「ひゃああああああ」

私は地面に叩きつけられる。

紬「大丈夫、ゆいちゃん!!」

律「おいおい、ういちゃん。もう少し、手を抜いても……」

ゆい「大丈夫だよ、りっちゃん。それにこれは大事な儀式だからね」

律「儀式?」

ゆい「そう。次で、48個目。これで……」

うい「お姉ちゃんはひらさわ家48の殺ポケ技をマスターできるんです。そうすれば、お姉ちゃんは……『パーフェクト・お姉ちゃん』になれます!」

ゆい「パーフェクト・わたし!そうなれば、きっと……」

妄想

梓「すごいですね、ゆい先輩!!」

ゆい「当然だよ!フンス」

梓「お礼にギュッてしてあげます!」

ゆい「仕方がないな〜」

梓「今日は抱っこして寝てあげますね」

ゆい「今夜は寝かさないぜ、子猫ちゃん」

妄想終了
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:28:29.21 ID:I2Rn+i7W0
ゆい「えへへ〜」

律「本当に梓かよって、妄想してるな」

紬「だから、妄想ってそういうものよ」

うい「隙ありだよ、お姉ちゃん」

私が妄想をしていると、ういが私を掴んで上にジャンプします。

うい「これが最後だよ。ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ『ひらわわバスター』」

ういは私の足を持って、私の首をういの肩口で支える体勢になります。そして、地面に落下します。
ドカンッ!!!

地面に着地した衝撃が辺りに響き渡ります。

ゆい「……強くなったね、うい」

うい「……お姉ちゃん」

ゆい「私は明日勝つよ。ここまでしてくれた、ういや皆のため。そして、あずにゃんのために」

うい「……頑張ってね」

ゆい「うん……グハッ」

ういは手を離し、私は地面に落下し、気絶してまいました。

紬「ゆいちゃん!」

律「気絶してるだけみたいだな」

うい「ハア……ハア……」

律「ういちゃんもお疲れ様」

うい「いえ……。お姉ちゃん達は勝てるでしょうか?」

律「さあな。こればかりは時の運だよ。ただ、やるべきことはやったんだ」

紬「とりあえず、梓ちゃんのポケモンとゆいちゃん。それから、ういちゃんもポケモンセンターに行きましょう」

律「そうだな」
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:30:59.11 ID:I2Rn+i7W0
梓の部屋

梓「ところで、これは何ですか?」

ゆい「すぴー、すぴー」

私達が部屋に戻ると、ゆい先輩が抱きついてきて、そのまま寝てしまいました。

律「……大人にはいろいろあるんだよ。子供の梓には分からないだろうけどさ」

梓「……そうですか。ところで、アイスを買ってきたんですけど、大人の律先輩は要りませんよね。大人ですもんね♪」

ゆい「じゃあ、りっちゃんのアイスは私がもらうよ」

澪「アイスで起きたのか!?」

律「ごめんなさい、梓様」

澪「そして、お前は謝るのか!?」


梓「ところで、律先輩達にお話があります」

律「何だ?まさか、アイスの代金を払えと」

ゆい「私、お金持ってないよ!?」

梓「違いますよ。実は……」

私は澪先輩とAYUから聞いた話を話しました。

律「……なるほどな。……それで、梓はどうするんだ?」

梓「どうしましょうか?」

律「……それは梓が決めることだ。私は梓がどっちを選んでも恨まないよ」

律先輩は席を立ち、歯を磨きました。

律「じゃあ、私は寝るから、ゆっくり考えてくれ」

律先輩はベットに横になり、布団を被って寝てしまいました。……私の寝る場所なのに。

紬「私が言えるのは梓ちゃんの悔いの残らないようにしてね」

梓「ムギ先輩……」

澪「そうだな、それが一番だよ」

ムギ先輩も澪先輩も歯を磨くと、ベットに入り、寝てしまいました。皆さん、寝る前には歯を磨いて下さいね。……それにしても、私の寝る場所が……。

ゆい「さてさて。悩める、あずにゃんにはゆい先輩がお話を聞いてあげよう」

梓「そうですね……」

私はゆい先輩とソファーに腰掛けます。

梓「私がAYUから、聞いて思ったことがあるんです」

ゆい「ほうほう」

梓「私は人間とポケモンが仲良く暮らしていく未来を想像してました。でも、話を聞いて、不安になりました」

ゆい「……」

梓「私は旅を通じて、たくさんのいい人にも出会いました。それだけなら、未来にも希望があるんでしょうけど、ポケモンを悪用する人がいたり、戦いの道具にしてるような人たちもいましたからね。そんな未来もあるのかなって考えちゃって……」

ゆい「……」

梓「それにあの人の言う未来だったとしたら、人間を滅ぼすのが早いっていう考え方もあるとは思います。でも……」

399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:32:03.07 ID:I2Rn+i7W0
ゆい「……あずにゃんは」

私が言いよどんでいると、ゆい先輩が話し始めました。

ゆい「あずにゃんはAYUっていう人の言う未来を信じてるの?」

梓「え……」

ゆい「例えば、あずにゃんは明日カリカリ君を食べるって未来が分かったとしよう。あずにゃんは未来を変えたいと思ったら、カリカリ君を食
べる?」

梓「そりゃ……食べませんよ」

ゆい「でしょ?未来なんてそんなもんだよ。だから、あのとおりに未来がなるとは限らないよ」

梓「それはそうですけど……」

ゆい「未来なんて、どうなるか分からないよ。逆に分かったって変えることはできるよ」

梓「……たしかにそうですね」

ゆい「私はそんな未来よりも、人間とポケモンがいつまでも仲良く出来るような未来を信じるよ」

梓「……ゆい先輩」

たしかにそうですね。私はあんな光景を見たから、暗くなってしまったのかもしれない。

梓「私は……私もゆい先輩の言うような未来を信じます」

ゆい「……そっか」

ゆい先輩はふぁ〜と欠伸をして

ゆい「じゃあ、私達も寝ようか」

梓「……私はやることがあるので先に寝ていて下さい」

ゆい「……ん、分かったよ」

ゆい先輩が寝たのを確認し、私は明日のメンバーを決めにかかりました。

病室

うい「……純ちゃん」

コンコン

うい「ん?こんな遅くに誰だろう」

私はドアに向かいます。

うい「どちら様です……あなたは!?」
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:33:41.10 ID:I2Rn+i7W0
翌朝

ゆい「いよいよ、決勝戦だよ!!」

澪「朝から元気だな」

ゆい「やっとここまで来たからね!!」

澪「それはいいんだけどさ……」

ゆい「何か、言いたそうだね」

澪「まだ、朝の5時だ!!」

ゆい「おおっ!」

律「……うるさいな、澪」

紬「……朝から、何を騒いでるの……」

澪「いや、ゆいが……」

律「ん?ゆいがどうしたんだ?」

澪「どうしたって……ゆいが朝早くから起きて……」

紬「ゆいちゃんは寝てるわよ、梓ちゃんの横で」

澪「え?」

ゆい「すーぴー」

澪「いつの間に……」

律「まったく、梓が起きたらどうするんだよ」

紬「きっと、澪ちゃんにもいろいろあるのよ」

澪「人を可愛そうな目で見るな!!」

朝食後

梓「さて、会場に向かいましょうか」

澪「……そうだな」

梓「どうしたんですか、澪先輩。何か、疲れてますけど」

律「澪にもいろいろあるんだよ……」

紬「そうよ、梓ちゃん。あまり、触れないであげて……」

澪「人を可愛そうな人扱いするな!!」

ゆい「澪ちゃん、朝から元気だね!」

澪「一体誰のせいでこんな目にあってると思ってるんだ……」
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:34:49.82 ID:I2Rn+i7W0
紬「ところで、梓ちゃん。答えは出したかしら」

梓「……はい」

律「どうするんだ?」

梓「……私はあんな未来は信じません。だから、……私は自分が信じる未来を掴むためにAYUを倒します!」

律「……そうか」

紬「頑張って、梓ちゃん!!」

澪「私達も頑張って応援するからな」

ゆい「まあ、私がついてるんだから、大船に乗った気でいなよ!」

律「タイ○ニックでないことを祈るけどな」

ゆい「むー、何さ、りっちゃん」

澪「ゆいも頑張れよ」

紬「優勝したら、皆で、マサラタウンに帰って、パーティをしましょう」

律「それはいいな!」

ゆい「やろう、やろう」

梓「……」

澪「どうした、梓」

梓「……いえ、何でもありません」

澪「変な梓だな」

梓「澪先輩。私はよるところがあるので、ゆい先輩を連れて、控え室に行っててもらえませんか」

澪「? それはかまわないけど、どこに行くんだ。時間も……」

梓「すぐに戻ってきますから!」

私はある場所に向かって、走っていきました。
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:35:56.52 ID:I2Rn+i7W0
会場

司会者「長かった、ポケモンリーグも今日で最後となリましたー。3位決定戦は不戦勝で秋山選手の勝利になりましたが、決勝戦ではその戦いも含めた素晴らしい戦いを期待したいところだー。さあ、まずは選手入場です」

律「いよいよだな」

紬「ええ」

律「それにしても、いろんな人が来てるな。あそこにはタケシ達もいるし」

紬「あっちには博士と梓ちゃんの両親がいるわ」

律「そういえば、澪はまだ来ないのか」

紬「場所は教えてるから、大丈夫だと思うけど……まだ、梓ちゃんは来ないのかしら」

律「電話してみるか」

澪「その必要はないぞ」

律「わっ……。驚かすなよ」

澪「ごめん」

紬「梓ちゃんは間にあったの?」

澪「ああ」

律「梓はどこに行ってたんだ?」

澪「それは教えてくれなかった」

紬「そろそろ、入場ね」

司会者「まずは準々決勝までは淡々と勝ち進み、準決勝は自分の正体がポケモンであることを明かし、今大会屈指の実力者のういをトレーナー
もろとも粉砕するという圧倒的な力を見せ付けています」

観客「「「「「わー、わー」」」」」

司会者「彼女のトレードーマークでもあるフード付のローブを着ての入場です」

律「別に澪達を信じられないとかじゃないけど、やっぱり、ちょっと想像できないよ」

澪「聞いた私も信じられないかったからな」

紬「どっちにしても、勝たなきゃね、梓ちゃんは」

司会者「さあ、次は今大会、奇跡、奇跡の逆転劇を続け、AYU、ういに続く、人型ポケモンを使う、梓選手の登場だー」

観客「「「「「「「「「「あずにゃ〜ん」」」」」」」」」」

観客「「「「「「「「「「ゆいちゃ〜ん」」」」」」」」」」

司会者「すごい声援ですね。さすが、今大会bPの人気です」
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:36:57.35 ID:I2Rn+i7W0
AYU「……」

梓「……」

司会者「さあ、ついに両者が対峙しましたー」

AYU「……それで、答えを聞こうか」

梓「私は……あなたの話した、未来なんか信じません」

AYU「……」

梓「私は……人間とポケモンが仲良く暮らすことが出来る未来を信じます!そのためにあなたを倒します」

AYU「……くだらない」

梓「あなたにはそうかもしれませんね。でも……私は諦めません。あなたの未来が本当だったとしても、きっと、変えてみせます!!だから、それを邪魔する、あなたを私は倒します!」

ゆい「わ〜、厨二にゃんにふさわしい台詞だね!」

梓「うるさいですよ!」

AYU「……なるほど」

AYUは恐ろしいほどの低い声になり、オーラも変わりました。

AYU「全員、ぶち殺し希望か……」

梓「ゴク……」

審判「それでは決勝戦の始めます」

審判・梓・AYU「「「決闘(デュエル)」」」
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:37:58.37 ID:I2Rn+i7W0
ポケモンリーグ編F「決勝戦・梓VSAYU〜決勝前夜〜」 終了
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:40:24.37 ID:I2Rn+i7W0
ポケモンリーグ編G 「決勝戦・梓VSAYU〜未来のために〜」

病院

医者「一体、何が原因なんだ……」

このまま、外部にこの患者のことが知られたら、マスコミに叩かれて、下手したら、辞任に追い込まれてしまう。

看護師「先生、先生!」

医者「どうしたんだ!」

看護師「あの患者が……行方不明になりました」

医者「な、なんじゃと!?」


ポケモン・リーグ・本会場

AYU「さて、戦いの前に私達の戦うべきフィールドに招待するよ」

AYUはパチンと指を鳴らすとフィールドが暗く、闇に包まれ始めました。

律「な、何だ、この霧みたいなのは……」

澪「霧にしては黒いぞ……」

紬「周りの人たちを見て!!」」

ムギの言うとおりに周りを見てみると、観客達が寝始めていた。

澪「何なんだ、これは……」

律「知るか!……梓のことが心配だ。フィールドに出よう」

紬「そうね」

澪「ちょっと、待った!」

律「何だよ、澪」

澪「こ、腰が抜けて……」

律「……ムギ」

紬「分かったわ」


梓「これは……一体……」

AYU「このスタジアムにいる人達は夢を見てるの」

梓「夢……」

AYU「いわゆる『ドリームタイム』ってやつだよ。もっとも、皆が見てるのは悪夢だけどね」

梓「これで、一体何を……」

AYU「けっして、覚めない悪夢を見続けて、苦しみながら衰弱死していくんだよ。もっとも、私の力じゃ、これが限界だけど、『あずにゃん分』があれば、世界を闇に落とせるんだけどね」

梓「……やっぱり、あなたはゆい先輩にはなれませんよ」

AYU「なるよ。ここで、あなた達を倒してね」

律「梓!!ゆい!!」

AYU「!?」
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:41:30.27 ID:I2Rn+i7W0
梓「律先輩!それとムギ先輩と……澪先輩?」

律先輩を先頭に後ろから、ムギ先輩におんぶされた澪先輩が来ました。

梓「あの……」

澪「……いろいろと事情があるんだ」

梓「はあ……」

AYU「か、観客は揃ったよ。さあ、戦おう」

梓「その前に一つ、聞きます。どうして、律先輩は悪夢に落ちなかったんですか?」

AYU「観客がいなきゃ、寂しいからね。……それに、梓ちゃんには見せてあげたいからね。自分のせいで、仲間達が死んでいく光景をね!!」

AYU(……本当は万に一つの可能性もあるから、あの3人も眠らせたはず……。まさか、私に眠るゆいの遺伝子が拒絶してるの……!?)

梓「どうしたんですか。さあ、早く、始めましょう」

AYU「分かってるよ。それじゃ、あらためて……」

梓・AYU「「決闘(デュエル)」」


梓「来て下さい、ヘルガー」

AYU「来て、ヘルガー」

梓 ヘルガー

AYU ヘルガー

律「同じポケモンが相手か」

紬「この場合、互いにパターンが分かっている分、トレーナーの腕にかかっているわね」

澪「それもあるけど、もっと、はっきりとした差があるかもしれない」

律「何だよ、それは」

澪「……単純なポケモンの能力の差だ」

律「なるほど、基本だな」

紬「とりあえず、見守るしかないわね」
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:42:32.47 ID:I2Rn+i7W0
梓「ヘルガー、かみくだく!!」

私のヘルガーはAYUのヘルガーの首筋を噛みに接近します。

梓「くらえっ!!」

AYU「……ふいうち」

私のヘルガーが噛み砕こうかという瞬間に不意をつかれて、ヘルガーの頭突きが入ります。

AYU「すてみタックルだよ!」

突然のふいうちを喰らい、バランスを崩している私のヘルガーにこん身の体当たりが命中します。

梓「ヘルガー!!」

AYU「英雄と言われたトレーナーもその程度なんてね」

梓「くっ……」

AYU「さあ、追撃だよ。ヘルガー、いかりのまえば!!」

AYUのヘルガーは体当たりを喰らい、立ち上がったばかりのヘルガーに鋭い前歯で激しく噛み千切ります。

梓「ヘルガー!」

AYU「さあ、私のヘルガー。そんなヘルガーを叩きつけて、距離を取って、すてみタックルだよ!」

AYUのヘルガーは私のヘルガーを叩きつけ、距離をとって、すてみタックルを仕掛けてきます。

梓「こっちも反撃です!ふいうち!」

私のヘルガーはダメージが残っている状態でも、何とかすてみタックルを仕掛けるのに、油断しているAYUのヘルガーに攻撃を仕掛けます。

梓「ここで、立て直しを……」

AYU「させないよ。もう一度、すてみタックル!」

体勢を立て直すために、距離をとった私のヘルガーにAYUのヘルガーが迫ります。

梓「もう一度、ふいうちです!」

私のヘルガーはAYUの先制を取って攻撃を仕掛けますが、AYUのヘルガーはその攻撃をもろともしないで攻撃を仕掛け、そのままフィールドの外まで飛ばされ、気絶しました。

AYU「梓選手のヘルガー、気絶。AYUのヘルガーの勝利です。……って、ところかな」


梓 ヘルガー ひん死

AYU ヘルガー
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:43:59.22 ID:I2Rn+i7W0
AYU「戻って、ヘルガー。……そして、次はこれだよ、シャワーズ!」

梓「来て下さい、シャワーズ!」

梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ

AYU ヘルガー シャワーズ

梓「また同じポケモンを……」

AYU「私は未来から来たんだよ。あなたが決勝戦にどんなポケモンを使ってくるかも分かってるんだ」


律「ちょっと待てよ。じゃあ、何で、あいつは梓にモンスターを合わせてるんだ。弱点を突いていけばいいのに」

紬「そうね」

澪「……多分、あいつは同じポケモンを使って、梓よりも自分が上だと証明したいんだよ」

律「力の差か」

紬「同じポケモンを使ってる場合、ポケモン自体の能力だけじゃなく、戦略の差も見えるわね」

澪「そして、もう一つ。梓に力の差を見せつけることで、絶望に落としたいんだ」

律「絶望?」

澪「力の差を見せ付けて、ポケモンマスターになりたいという梓の未来への希望を失くし、敗北という名の絶望に」

紬「なるほどね」


AYU「シャワーズ、ハイドロポンプ!」

AYUのシャワーズの強烈なハイドロポンプが私のシャワーズに迫ります。

梓「その程度なら、避けられますよ」

私のシャワーズは軽々とその攻撃をかわします。

AYU「そんなことは分かるよ。シャワーズ」

AYUのシャワーズはハイドロポンプを発射しながら、私のシャワーズに迫ります。

梓「なっ……」

AYU「あなたの出来損ないのシャワーズとは違うんだよ!」

その攻撃はさっきの攻撃をかわして、油断しているシャワーズに命中しました。

梓「シャワーズ!!」

AYU「シャワーズ、トドメだよ。ふぶき!」

凍てつくような吹雪が私のシャワーズに降り注ぎ、そのダメージで、私のシャワーズは気絶しました。


梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死

AYU ヘルガー シャワーズ 
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:45:13.10 ID:I2Rn+i7W0
AYU「あなたの出したヘルガーは元々、人間に捨てられていたものだよね。そして、あなたのイーブイはロケット団に改造された、いわば、身勝手な人間によって創られたもの。この2匹だけでも分かるでしょ。人間が如何に不必要なものかが!!」

AYUはシャワーズをボールに戻しながら、そんなことを言います。

AYU「梓ちゃんもこれで分かったでしょ?ポケモンにとって、人間は邪魔なんだよ。人間っていうのは破壊しか生まない。だから、ここで安らかに眠るように死んで、滅びていくことが地球のためなんだよ」

梓「……次、行きますよ」

AYU「まだ、抗うの? まあ、いいや。次は……来て、プテラ!」

梓「来て下さい、プテラ!」


梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ

AYU ヘルガー シャワーズ プテラ

梓「プテラ、アイアンヘッド!」

AYU「こっちも対抗して、アイアンヘッド!」

互いの固い頭が激突し、衝撃が風となって、私達に降り注ぎます。

梓「もう一度です!」

AYU「今度はうまくいかないよ!」

AYUのプテラは私のプテラの攻撃を華麗に避けて、私のプテラの横にすてみタックルを仕掛けて、私のプテラはその衝撃で地面に落下し、気
絶しました。


梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死

AYU ヘルガー シャワーズ プテラ

AYU「そのプテラだって、人間の都合で眠りから覚めさせられて、金儲けの道具にさせかけたんだよね?私が解放してあげなきゃ、ずっと、狭い檻の中で暮らしていくところだったんだよ」


律「セキチクの事件もあいつが原因だったのか」


梓「……」

AYU「どうしたの、うつむいちゃって。もう、諦めちゃった?」
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:48:08.01 ID:I2Rn+i7W0
ゆい「……」

梓「未来では英雄といわれてたけど、こんなにも弱いなんてね」

梓「……ふふ」

AYU「恐怖で頭がおかしくなっちゃたかな?」

梓「あなたはやっぱり、ゆい先輩にはなれません。それを確信しました」

AYU「はあ!? 何をおかしなことを言ってるの?もうすぐ、私はオリジナルを倒して、地球を救う英雄になるんだよ」

梓「無理でしょ、あなたじゃ。あなたは……ゆい先輩よりも弱いもん」

AYU「なんですって……!?」

梓「次、行きますよ」

AYU「余裕でいられるのも、今のうちだよ、ハッサム!!」

梓「行きますよ、ハッサム!」

梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム

AYU ヘルガー シャワーズ プテラ ハッサム


AYU「さあ、すぐに決めるよ。ハッサム、バレットパンチ!」

梓「受け止めて、ハッサム!」

ハッサムはAYUのハッサムの鋭くて素早いパンチを受け止めます。

AYU「弱い、弱い、弱すぎるよ!!」

ハッサムの怒涛のパンチが私のハッサムに叩き込まれます。


律「ハッサムでさえ、ここまでやられるとは……」

紬「強い、強すぎる……」

澪「ここまでなのか……」


ピキピキと、防御している、ハッサムの手にひびが入り始めました。

梓「なんていう威力……」

AYU「さあ、トドメだよ、シザークロス!」

梓「こっちもシザークロスです!」

互いの硬いハサミを交差した攻撃がフィールドの真ん中で激突します。

ハッサム(梓)「サム!!」

私のハッサムは力で相手のハッサムを押し切ろうとします。

梓「いっけーーーーーーー」

私のハッサムは力で相手を押し切り、怯んでいるAYUのハッサムに一歩退いて、アイアンヘッドを繰り出します。

AYU「……ハッサム」

相手のハッサムは冷静に自慢のハサミでその攻撃を受け止めます。

AYU「今度はこっちの番だよ!」

AYUのハッサムは力で押し切ろうとします。

梓「力なら、こっちの方が上です!」

私のハッサムはすぐに押し返します。

AYU「くす」

しかし、AYUのハッサムは素早く、後ろに退いて、バランスを崩したところにAYUのハッサムのシザークロスが私のハッサムに繰り出され
ます。そして、私のハッサムの胸にXの文字が出来て、見事に切り裂かれ、気絶しました。
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:50:36.39 ID:I2Rn+i7W0
梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死

AYU ヘルガー シャワーズ プテラ ハッサム

AYU「さてと。さてさて、強がりは今のうちだよ。来て、ラプラス!」

梓「行きますよ、ゆい先輩!」

梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい

AYU ヘルガー シャワーズ プテラ ハッサム ラプラス

澪「たしかに、AYUの流れを止めたいけど、しかし、これは……」

紬「あの人が梓ちゃんのメンバーが分かっているとしたら、梓ちゃんのラストはラプラスになるわね」

律「だとすると、この判断は仕方がないのかな……?」


ゆい(違うよ、皆……。これは私に対するあずにゃんからのメッセージだよ。つまり『私のために全勝して下さい、ゆい先輩』ということ。つ
まり、これは……愛の試練だよ!)
ゆい「フンス」

梓(強い、強すぎる……)

前までの私なら、諦めていたかもしれません。でも……。

梓(私はこの旅を通じて、最後まで諦めないことを学びました。だから、諦めません。それにここまでみんなはよくやってくれました。相手が強かっただけです。後は……)

ゆい「いち、にー、さん、しー」
梓(ゆい先輩が勝ち上がってくれるだけです。私は……それを信じます!)
 
AYU「まあいいや。伝説の英雄のポケモンもこんなポケモンにやられるのもお笑いでいいよね!ラプラス、ハイドロポンプ!」

ラプラスは口に水を溜めて、強力な水を発射します。

ゆい「遅いよ!」

ゆい先輩は姿を消し、ラプラスの背後に現れます。

AYU「速い!?」

律「これは……アズサ・マインドだな」

紬「問題は体内の梓ちゃん分がどれくらい持つかどうかね」

ゆい(昨日、あずにゃんのポケモン達、りっちゃん、ムギちゃん、澪ちゃん、……そして、ういが頑張ってくれたんだ。皆のためにも勝つよ、私は!)

ゆい先輩はラプラスの首を持って、ジャイアントスイングをし始めます。その回転は勢いをまし、竜巻が発生するかと思うほどの風をフィールドに巻き起こりました。


律「これ、ゆいが喰らってた時は死ぬかと思ったよな」

紬「見ていたこっちもね」


梓「この技は一体……」

しばらく竜巻が続いていると、中から弾丸のようなものがAYUの横を通過して、壁に激突し、気絶しました。

梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい

AYU ヘルガー シャワーズ プテラ ハッサム ラプラス ひん死
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:53:31.46 ID:I2Rn+i7W0
ゆい「これぞ、ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ『竜巻・殺し』!……でも、この技をやると目が回るんだよね〜」

ゆい先輩は目を渦巻きにして、酔っ払いのようにふらつきます。

AYU「……まあ、いいよ。次はこれだよ、ヘルガー!」


律「ヘルガーか……」

紬「ゆいちゃんにとっては仲間と戦うようなものね」


AYU「ヘルガー、かえんほうしゃ!」

ヘルガーの口から、すごい勢いの炎がゆい先輩に向かって、発射されます。

ゆい「はらほろひれ〜」

ゆい先輩はまるで酔拳のようにその炎をよけます。

AYU「なら、かみくだく!」

ヘルガーの鋭い牙がゆい先輩に迫ります。

ガシッ!!

ゆい先輩の……人形にヘルガーの首が突き刺さります。

AYU「なにっ!?」

ゆい「ゆいちゃん真拳奥儀『ゆいちゃん・アッパー』!!」

ゆい先輩の拳がヘルガーのお腹にめり込み、上空に跳ね飛ばされます。そして、地面に落下し、気絶しました。

梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい

AYU ヘルガー ひん死 シャワーズ プテラ ハッサム ラプラス ひん死

AYU「どこにそんな力が……なっ!?」

ゆい先輩の右手には光のオーラが発生してました。


律「百戦錬磨のアズサか」

紬「随分、ハイペースね」

澪「それだけ、余裕がないんだろうな」


AYU「まあいいよ。次は……これだよ!」

AYUはシャワーズを出してきました。

ゆい「今の私は止められないよ!」

ゆい先輩は今度は足にオーラを溜めて、シャワーズに接近します。

AYU「シャワーズ、あく……」

ゆい「ほい。アイスだよ〜」

ゆい先輩はシャワーズの口にアイスを突っ込みます。

シャワーズ「シャワ〜」

シャワーズは幸せそうな顔をして、アイスを舐めています。

AYU「今は戦闘中なのに……」

ゆい「隙あり!」

ゆい先輩はシャワーズの前足を足払いして、バランスを崩させます。

ゆい「トリャーーー」

ゆい先輩はオーラを右手に溜めて、そのまま、シャワーズに叩き込み、壁に激突して気絶しました。

梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい

AYU ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ハッサム ラプラス ひん死
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:55:17.27 ID:I2Rn+i7W0
ゆい「これは普通のギガインパクトだよ!」

澪「これは……歴史を変えたことの副産物だな」

律「どういう意味だ?」

澪「ロケット団の戦いとかが無ければ、実際、ゆいはここまで強くなることはなかったはずだ。例えば、ミュウツーがそうだな。あの戦いがなければ、アズサ・マインドとかいう訳の分からない技ができなかったかもしれない」

紬「結果論かもしれないけど、そうね」

澪「それだけじゃない。今回の戦いで、ゆいはういちゃんに怪しげな技を教え込まれたわけだ。そして、仲間のポケモンとの特訓もした。つまり、今のゆいはポケモンの技、ゆいちゃん真拳、ひらさわ家48の殺ポケ技、3種類の技を会得した」

律「そう聞くとすごいとは思うけど……ゆいを見てると、そこまですごいとは思えないよな」

澪「だけど……今のゆいは最強だ」

AYU「来い、プテラ!!」

紬「相手にも余裕が無くなってきてるわね」

AYU「プテラ、アイアンヘッド!」

梓「ゆい先輩!」

ゆい「任せなよ、あずにゃん。……このパターンは読んでいるから」

ゆい先輩はまるでプテラの動きが分かるかのように、軽々とよけます。

ゆい「次のパターンは……」

AYU「プテラ、すてみ……」

ゆい「タックルだろうね」

プテラがこん身の力で、ゆい先輩に突進してきます。しかし、ゆい先輩は事前にその攻撃を読んでいたかのように上空にジャンプして、その攻撃を避けて、プテラの上に飛び移ります。

AYU「振り落としなさい、プテラ!」

ゆい先輩はプテラが体を横に回転させ始めたと同時に上空にジャンプします。


紬「さっきからのゆいちゃんの行動を見るに……才気煥発のアズサまで会得したのね……」

律「ゆいの奴、完璧に梓分を使いこなしてやがる……」

AYU「空中なら、避けきれないはず。プテラ、もう一度、すてみタックル!」

プテラは旋回し、空中にいるゆい先輩に向かって、突進を仕掛けてきます。

ゆい「あの時は1人じゃ勝てなかったけど……今なら、勝てるよ!!」

ゆい先輩は右手にオーラをためます。

ゆい「きあいパンチ!」

ゆい先輩の拳とプテラの頭が激突し、ピキピキとプテラの頭がひび割れて、プテラは落下し、気絶しました。


梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい

AYU ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ラプラス ひん死
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 16:56:56.59 ID:I2Rn+i7W0
ゆい「はあ……はあ……」

梓(ゆい先輩、だいぶ疲れてる……)


律「当然だな。あれだけのハイペースで戦ってきたんだ」

紬「それに……梓ちゃん分の不足も激しいからね」


AYU「じゃあ、最後は……ハッサム!」

ゆい「ハッサム……」

AYU「君達がゆいを除いて、梓ちゃんが一番頼りにしていたポケモン。それにやられるのなら、伝説の英雄、ゆいも満足でしょ?ハッサム、バレットパンチ!」

ハッサムの重くて、鋭いパンチがゆい先輩に迫ります。

ゆい「くっ……」

ゆい先輩はその攻撃をギー太で受け止めます。

ゆい(いつも、ごめんね。ギー太……もうちょっとだけ、頑張ってね)

ゆい先輩は距離を取って、ギー太を弾き始めます。その音はどこまでも優しく、聞くものを心を浄化するような音でした。

AYU「今がチャンスだよ、ハッサム!……なっ!?」

その音にハッサムも聞き惚れていて、ゆい先輩に攻撃をしようとしません。

AYU「……何で、攻撃をしないんだよ!!」

ゆい「今がチャンスだよ!」

ゆい先輩はハッサムを掴んで、上空にジャンプします。ゆい先輩はハッサムの足を持って、ハッサムの首をゆい先輩の肩口で支える体勢になります。

AYU「しまった!?」

ゆい「ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ『ひらわわバスター』」

その体勢のまま、地面に激突し、ハッサムは衝撃で気絶しました。


梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい

AYU ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ラプラス ひん死

梓「よくやりました、ゆい先輩。戻って下さい」

ゆい「はあ……はあ……まだ、戦えるよ。それにラプ太じゃ、相手するのも厳しいだろうし」

梓「今は休む時です。……それに私には切り札がありますから」

ゆい「まあ、あずにゃんが言うなら、私は従うけどね」

AYU「逃げるの?まあ、最後のポケモンを瞬殺して、すぐに場に戻してあげるよ」

梓「あなたにできますかね。出番ですよ、うい!!」


梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい うい

AYU ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ラプラス ひん死 AYU
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 17:00:04.98 ID:I2Rn+i7W0
律「ういちゃんだと!?」

紬「たしかに姿が見えなかったけど」

澪「だが……あの2人(?)なら、倒せる!」


AYU「死にぞこないがまた来たの?」

うい「……」

うい(……昨日……)

回想

コンコン

うい「ん?こんな遅くに誰だろう」

私はドアに向かいます。

うい「どちら様です……あなたは!?」

梓「ごめんね、夜遅くに」

うい「あ、梓ちゃん。どうしたの、こんな時間に」

梓「……ういにお願いがあってきたんだ」

うい「何を?」

梓「実は……明日だけ、私のメンバーになってくれないかな?」

うい「え、どうして……」

梓「実はね……」

梓ちゃんはAYUから聞いた話を話してくれた。

うい「未来にそんなことが……」

梓「私はそんな未来信じないし、純だってきっと目を覚ます。そのためにも明日は負けられないんだ。だから……」

うい「……分かったよ」

梓「ありがと、うい。じゃあ、明日、迎えに行くから。ちゃんと寝ないと駄目だよ。それから、皆にも内緒にしておくから、よろしくね」

ピクピク

梓「い、今、純の手が動かなかった!?」

うい「え!?」

私は純ちゃんの方を見ても、そんな気配はない。

うい「……気のせいだよ、梓ちゃん。疲れているんだよ」

梓「そ、そうかな。たしかに……見たんだけどな」

その後、軽い世間話をして、梓ちゃんは帰りました。

回想終了

うい「……」

AYU「さあ、戦おうか」

うい「……あなたの本当の正体は何なんですか?」

AYU「……へえ〜、この姿が虚像だというの?」

うい「そうです」

AYU「……正解ともいえるし、外れとも言えるね。どっちにしても、私は梓ちゃんの体内に眠るエネルギーを使って、完全体なるんだよ」

うい「そして、世界を滅亡に……」

AYU「そうだよ」

うい「哀れですね」
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 17:01:56.59 ID:I2Rn+i7W0
AYU「……何!?」

梓(……ありがとう、うい)

ゆい「充電中・充電中」

梓(時間稼ぎをしてくれて……)


うい「破壊からは新たな破壊が生まれるんだよ。そんなこと、人間が証明してるよ?だから、あなたのやっていることは間違ってるんだよ」

AYU「……知ったような口を利くなーーーーーーーーーーーーーー!」

AYUは一瞬で、ういに接近し、リーチのある蹴りを繰り出すも、ういは軽く、しゃがんでかわします。

AYU「人間がいるから。ポケモンは。幸せに。ならないんだ!」

AYUはういの言葉に逆上したのか、乱暴に攻撃を繰り出します。

うい「ぐっ……」

AYU「人間はポケモンの敵、地球の敵なんだよ。同じポケモンとして、恥ずかしくないの?」

うい「……やっぱり、あなたはお姉ちゃんにはなれないよ」

AYU「なんだと!?」

うい「あなたには欠けているものがある」

AYU「……ッ!?なら……」

AYUの作った炎の塊から、かえんほうしゃがういに向かって発射された。


梓「あれは……純をあんな状態にした技……」


AYU「ディスペア・ブレイズ・キャノン!!!」

うい「……くっ」

私はお姉ちゃんの方を見る。

ゆい「充電完了・充電完了。ういーーー、避けてーーーー」

うい「良かった……」

お姉ちゃんがいれば、きっと、あの哀れなポケモンも倒せるだろう。……純ちゃん、今行くね。


ゆい「うーーーいーーー」

フィールドは炎で埋め尽くされます。そして、その炎も弱まり、フィールドには目が昨日の順のように生気がありません。

梓「……私のせいだ。私がういに出番を頼んだばっかりに」

ゆい「……そんなことないよ。あずにゃんのせいじゃない。ういはやるべきことをやったんだよ。トレーナーのためにね。私にとって、自慢の妹だよ」

梓「……ゆい先輩」


律「ゆい……」

澪「ゆい……」

紬「ゆいちゃん……」


???「勝手に負けたことにしないでよ、梓」
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/18(日) 17:10:45.81 ID:I2Rn+i7W0
AYU「な、何だと……」

突如として、フィールドに聞き覚えがある声が響き渡りました。

梓「じゅ、純……」

純「久しぶりね。と言っても、一日ぶりだけど。そんなことよりも、酷いよ。人のポケモンを勝手に使うなんて」

梓「ご、ごめん……」

やばい、頭がついていかない。

純「さてと。うい!サッサと、そいつを倒しなさい!」

うい「……分かったよ、純ちゃん!!」

ういは満身創痍だったはずなのに、いつの間にか、AYUの懐に入ります。

うい「……ギガインパクト!!」

ういは持てる力の全てを出して、AYUに突撃します。

AYU「あいつは死んだはずなのに……こいつも!」

梓「分からないんですか?ういと純の間にポケモンと人間という枠を超えたつながりあうものがあるんです。人はこれを『絆』と呼ぶんです!!」



律「絆があるんです(キリッ。じゃねえよ。笑い殺す気かよ。ククククク」

紬「笑っちゃ駄目よ、りっちゃん。梓ちゃんは真面目に言ってるのよ、プ、フフフ」

澪「言ってることは間違ってないんだしな。く、クククク」

ゆい「そんなあずにゃんも可愛いよ〜」

梓「……」


AYU「ぐっ……」

ういのこん身の一撃はAYUの体に命中し、壁まで吹っ飛ばされました。

梓「勝ったの……?」

AYU「ちょ、調子に乗るなよ!」

AYUは再び、立ち上がりました。

梓「やはり、まだ……え?」

その姿はゆい先輩を大きくした姿ではなく……ミュウの姿をしていました。
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/09/18(日) 17:12:01.41 ID:I2Rn+i7W0
ポケモンリーグ編G 「決勝戦・梓VSAYU〜未来のために〜」終了

次回・最終話です
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/18(日) 22:09:20.07 ID:907nl4v30
乙です!
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/18(日) 23:12:10.12 ID:UXDraPvDO
乙!!

ミュウの姿とは意外だったなぁ
脳内ではずっと(唯+梓)/2のすがただったからなwwwwww



最終回、楽しみに待ってるよぉ〜
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/09/19(月) 14:56:33.92 ID:paUUOWsL0
ポケモンリーグ編H・ポケットモンスターゆい・最終話 「決勝戦・梓VSAYU〜希望の光〜」

梓「それがあなたの本当の姿……」

AYU「ふふふ、そうだよ。私は……ゆいの遺伝子をベースにミュウの遺伝子を掛け合わせてできた、他の呼び名をすれば、『ミュウスリー』と言うべきかな。でも、この名は好きじゃないからね」

ミュウの姿をしたAYUは一歩一歩、足を踏みしめて、フィールドに戻ってきます。

AYU「この姿は好きじゃないんだよね。人間には気味悪がられるし。……それにこれから、私はゆいになるんだから、この姿はミスマッチなんだよ」

AYUはフィールドに戻った。

AYU「この姿の私は手加減できないかもしれないからね。気をつけてよ」

AYUは手に紫色の波動の力を溜めます。

AYU「はどうだん!!」

うい「くっ……」

ういはその攻撃を直撃は避けるものの、爆風で私達の手前に落下しました。

ゆい「うい!」

うい「お、お姉ちゃん……わ、私、頑張ったよ。でも……無理みたい」

ゆい「よくやったよ、ういは。私の自慢の妹だよ!」

うい「えへへ……」

ういはその言葉を聞いて、安心して、気絶しました。

梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい うい ひん死

AYU ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ラプラス ひん死 AYU

ゆい「後は任せてよ、うい」

梓「ありがとう、うい。……さあ、ゆい先輩。サッサと勝っちゃいましょう」

ゆい「任せなさい!フンス」

AYU「……何を希望なんか持ってる顔をしてるの。気に入らない、気に入らない!……更なる絶望に落としてあげるよ」

AYUは再び、手を振り上げます。すると、スタジアムを包んでいた闇がより一層、深くなり始めました。
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/09/19(月) 14:58:04.03 ID:paUUOWsL0
律「あれ……なんだが、眠く……」

澪「きっと、この闇が深くなったから……」

紬「Zzzzzzz」

純「Zzzzzzz」

うい「Zzzzzzz」


梓「律先輩!澪先輩!ムギ先輩!純!うい!」

AYU「皆は悪夢の中で落ちていったよ……」

AYU(本当は梓ちゃんにもかけたはずなのに……まだ、抵抗するの、ゆいの遺伝子は)

梓「み、皆さん……」

ゆい「よくも、皆を!!」

ゆい先輩は体当たりを仕掛けるも、AYUはそれにカウンターのようなパンチをして、ゆい先輩は私の横まで転がってきます。

梓「ゆ、ゆい先輩……」

AYU「希望なんかないんだよ。あるのは絶望だけ……」

梓「……」

AYU「あなたも絶望したんでしょ。絶対的な力の前に」

梓「……ふふふ」

AYU「恐怖で頭がおかしくなっちゃたのかな?」

梓「……いえ。ただ、あなたが可笑しくて、可笑しくて」

AYU「どういう意味かな」

梓「一番、希望を持ってるのはあなたでしょ?人間を滅ぼせば、未来は救えるとか、ゆい先輩になるんだって」

AYU「なに!?」

梓「行きますよ、ゆい先輩」

ゆい「任せてよ!」

AYU「私が……希望を持っているだと」

梓「相手が動揺している今がチャンスなんですけど……どうしましょう」

ゆい「……よし!歌を歌おう。ほい、ギター」

梓「私にも弾けと。でも、無理ですよ」

ゆい「大丈夫、大丈夫。体が勝手に動いてくれるから」

ゆい先輩の言うとおり、体が勝手にギターを弾き始めます。

ゆい「む、うまいね」

梓「と言われても、勝手に動くんですけどね」

ゆい「それじゃ、始めよう。『ふわふわ時間』」

ゆい先輩は今までの中で一番優しい歌声で歌い始めます。すると、フィールドを包んでいた闇が少しずつ、晴れてきます。

AYU「な、何なんだ……これは」

それと同時に今まではうめき声とも取れるような寝言でしたが、少しずつですが、安らかな寝息が聞こえるようになりました。
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/19(月) 15:00:02.20 ID:paUUOWsL0
ゆい「これじゃ、時間がかかるよ……」

律「あれ……ここは……」

澪「さっきまで、梓との戦いを見てたんだけど……」

紬「でも、なんだか、胸が暖かくなるような歌が聞こえたはずだけど」

ゆい「あ、皆も起きたんだ。ちょうど良かった。皆も演奏しよう」

律「といっても、楽器なんか、触ったことないぞ」

ゆい「体が勝手に動いてくれるよ」

澪「私達にそんなスキルはないぞ」

ゆい「いいから、いいから」

律先輩達は渋々と楽器を手に取ると、勝手に楽器を弾き始めます。

律「す、すげー」

ゆい「よし!これなら……」

私達の5人の音楽が会場全体に響き渡ります。

律「結構楽しいな。ポケモンリーグが終わったら、バンドでもやるか」

紬「それもいいわね」

澪「そうだな。それも楽しそうだよな」


そんな会話の中で、会場全体を覆っていた闇が急速に晴れて、明るくなり、皆の安らかな寝息が聞こえます。

純「う〜ん、よく寝た。というか、寝てばかりだけど」

うい「おはよ、純ちゃん。信じてたよ、目を覚ますって。グスン」

純「大げさよ、うい」

と、純たちの声も聞こえます。

AYU「な、何で……」

AYUはまるで、信じられないものを見たかのように狼狽します。

ゆい「私はあずにゃんと出会えて、旅ができて、一緒にいられてよかったよ。私は皆と……あずにゃんと一緒に素晴らしい未来を過ごしたい!あずにゃんはどうかな?」

ゆい先輩は急にそんなことを言い出します。

ゆい「ごめんね、急に。迷惑だよね」

梓「……私も」

ゆい「うん?」

梓「私も……私もゆい先輩と……皆さんと一緒に楽しい未来を過ごしたいです!」

ゆい「……あずにゃん!!」

ゆい先輩の体が光り輝きだします。そして、私の体まで光り輝きます。
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/19(月) 15:01:46.79 ID:paUUOWsL0
律「これは……ゆいの奴、まさか!?」

紬「アズニャン・マインドの境地に達したというの!?」

澪「もう色々と言うのも、面倒だけど、アズサ・マインドとかとは何が違うんだ?」

律「私達が梓と呼んだりするのはそれなりの関係だからだろ?少なくとも、名前で呼ぶなんて、よっぽどの人じゃないかぎり、ただの知り合いじゃ無理だろ?」

澪「そりゃ……な。私も人見知りだし」

紬「アズサ・マインドは梓ちゃんのことを好きだということが大前提にあるけれど、梓ちゃんがどう思ってるかと言うことは論外なのよ。名前で呼び合うことはあっても、好きじゃない場合もあるわよね?」

律「つまり、それなりの仲にある片思いということだな」

紬「それに対し、アズニャン・マインドは……互いの思いが通じ合った時に初めて達することのできる、アズサ・マインドの最後の扉よ」

律「あずにゃんなんて、あだ名、いきなり、眼鏡をかけた太った男の人とかがあずにゃんなんて呼んできたら、どう思うよ。普通は拒否するぞ」

澪「それはそうだろうな」

律「あずにゃんなんて、恥ずかしいあだ名で呼ばれるなんて、それなりの好意を持ってないと嫌だろ?だから、アズサ・マインドの上位として、アズニャン・マインドがあるわけだ。つまり、互いに気持ちが通じ合ってるということだ」

澪「……頭が痛い」


AYU「や、やめてよ……。どうして、そんなに希望を持つの?ポケモンと人間はいずれ殺しあうのに……」

ゆい「私は……」

梓「私達は……」

ゆい・梓「「そんな未来信じない(ません)!!!」」

ゆい「書き換えてあげるよ、そんな未来!!」

ゆい先輩はこれまでよりも早く、AYUに接近し、拳を叩き込みます。

AYU「ゴフッ……どこにそんな体力が……」


律「アズニャン・マインドは……梓と心を通じ合わせることにより……」

紬「梓ちゃん分を梓ちゃんと触れあわなくても、補充することができるの」

澪「つまり、発電所に充電器つけて、ゲームをするみたいなもんなのか」
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/19(月) 15:02:51.49 ID:paUUOWsL0
ゆい「ヤー、トリャー」

ゆい先輩の拳や足がAYUの体をサンドバックのように殴りつけます。

AYU「調子に……乗るなーーー」

AYUの体から悪意に満ちた恐ろしいオーラを発生させる技、あくのはどうを発動させます。

ゆい「ぐっ……」

ゆい先輩は防御するもそれなりに今のオーラで押されます。

ゆい「……やるね。でも……次で終わりだよ!」

ゆい先輩はギー太を構え、エネルギーを溜めはじめます。


観客「ふぁ〜、なんか、とってもいい夢を見てた気がするんだよな〜」

観客「最初は悪夢だったけどな」


実況『し、失礼しました。私も天気がいいのか、寝てしまっていたようです。さて、試合は……』


梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい うい ひん死

AYU ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ラプラス ひん死 AYU


実況『わ、私が寝ている間に、同点になっています。しかも、互いに残り一匹です』

AYU「くっ……」
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/19(月) 15:03:54.66 ID:paUUOWsL0
観客「「「「「「「「「「ゆーい、ゆーい」」」」」」」」」

観客は次々と目を覚まして、ゆい先輩にコールを始めます。それと同時にギー太にエネルギーが溜まっていきます。

ゆい「トドメだよ。……ゆいちゃん真拳最終奥義『アズニャン・ブラスターキャノン』!!」

ゆい先輩は強力なレーザービームのようなエネルギー弾をAYUに向かって、発射します。

AYU「ぐっ……」

AYUはそれを受け止めるも、ジリジリとそのパワーに押されます。


律「無駄だ。今のゆいは梓から無限にも等しいエネルギーを得ることができる」

紬「抑えきることは不可能に近いわ」


AYU「くっ……うううううううう」

AYUはそれでも必死に抵抗します。……自分の思う未来を掴むために。

ゆい「君は強いね。……今回は私が勝つけど、また勝負しようね。今度は普通にね!」

ゆい先輩はエネルギーを全開にして攻撃をします。

AYU「ぐぐぐ……ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ」

AYUはその攻撃を耐え切れず、フィールドの壁まで吹っ飛ばされました。

審判「え、えーと……AYU戦闘不能。ゆいの勝利です。AYUの手持ちポケモンは全滅のため、梓選手の勝利です」


梓 ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ゆい うい ひん死

AYU ヘルガー ひん死 シャワーズ ひん死 プテラ ひん死 ハッサム ひん死 ラプラス ひん死 AYU ひん死
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/19(月) 15:04:51.81 ID:paUUOWsL0
実況『な、長かった、ポケモンリーグもついにチャンピオンが決まりました。そのチャンピオンは……中野梓選手だー』

観客「「「「「「「「「「わあああああああああああ」」」」」」」」」」

梓「や、やりましたよ、ゆい先輩!」

ゆい「やったね、あずにゃん!」

律「よし、梓を胴上げだ!」

紬「そうね!」

澪「いや……4人じゃ無理だろ」

純「4人?」

律「えーと……佐々木さんだっけ?梓の友達なんだろ?じゃあ、私達も友達だ」

純「……とりあえず、鈴木です」

紬「4人だけじゃないわ。皆、来て」

ムギ先輩達は自分のポケモンを出して、私達を上に放り投げます。

皆「ワッショイ、ワッショイ」

AYU「まだ、終わってないよ!」

フィールドの壁の方から、AYUの声が聞こえました。

AYU「はあ……はあ……、よくもやってくれたね」

梓「AYUさん……」

AYU「今回は負けにしといてあげるよ。次に会う時は覚えてるんだね……」

AYUさんはそういうと姿を消しました。おそらく、テレポートで逃げたんでしょう。

梓「また、戦うことになるんでしょうか」

律「そうかもな……。でも、今はお祝いだ!」

紬「そうね、パーティーね!」

私達は係員が止めに来るまで、騒ぎ続けました。
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/19(月) 15:05:52.54 ID:paUUOWsL0
カントー地方のある場所

AYU「はあ……はあ……」

???「久しぶりね……といっても、その姿では初対面だけど。あなたがそんな姿だったとは知らなかったわ」

AYU「お、お前は……」

???「ミュウツープロトタイプの時には世話になったわね」

AYU「……私も終わりか。……1つ聞いてもいい?」

???「いいわよ」

AYU「……どうしたら、私はゆいになれたの?私は間違ってたの?」

???「あなたは間違ってないわよ。地球を、ポケモンを守るという観点から言えば……ね。少なくとも、あの子達よりは具体的ね。ただ、ゆいは……あの子達は、何かを傷つけてまで、未来を救おうとは考えないわね。優しいから。これがあなたにはないもの。転んでも転んでも、立ち上がって、最後まで諦めずに人間とポケモンを救おうとするわね。あなたは諦めたけど」

AYU「私は何をすれば、よかったの……」

???「さあね。ゆいになりたかったのなら、歌を歌ってポケモンと人間の絆を訴えかけるというのも手だとは思うわ」

AYU「あはは……優しさか。そんなものとっくになくなってたな……」

???「……私はあの子達みたいに優しくないからね。もう、楽にしてあげるわ」

AYU「……私を倒しても無駄だよ。ジョウトにも種をまいたからね。ジョウトを中心にカントーもいずれはね。ふふふ、あはははははははは」

???「……ピカチュウ」

ピカチュウ「チュウ!」

ピカチュウのアイアンテールがAYUを突き刺し、AYUの目に生気がなくなった。

???「哀れなものね。最後まで、自分の信じたものを貫こうとしたのね。……ジョウトか。あの姉妹は元気でいるのかしら」
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/19(月) 15:07:25.51 ID:paUUOWsL0
マサラタウン

ポケモンリーグから、1週間後が立ちました。その間、パーティなどがあり、ゴタゴタとしていましたが、ようやく、マサラタウンに帰ることができました。そして、オーキド研究所でささやかなお祝いです。

オーキド「いや〜、久しぶりのマサラからの優勝者。実に酒がうまい!」

律「飲みすぎんなよ、博士〜」

皆さん、ワイワイと大騒ぎです。

オーキド「さて、皆はこれからどうするんじゃ?」

律「もう、旅も疲れたしな〜」

紬「楽しかったけどね〜」

澪「でも、もうあんなごたごたはこりごりだ」

ゆい「じゃあ、バンドでもしよっか」

律「それもいいかもな」

紬「そうね、デビューでもしちゃう?」

澪「気が早すぎるだろ」

純「私達がファン一号になりますよ」

うい「じゃあ、私が二号になります!

律「もう、ファンまでできてるじゃないか」

紬「成功は見えてきたわね」

梓「……」

ゆい「ねえ、あずにゃんはどう思う?」

梓「……」

ゆい「あずにゃん?」

梓「は、はい。何ですか?」

ゆい「どうしたの、ボーっとして」

澪「疲れてるんだろ。表彰式とかも多かったしな」

オーキド「少し早いけど、お開きにするかの」

梓「わ、私は大丈夫ですから」

律「遠慮すんなよ。こんなパーティ、これからもできるし」

梓「……そ、それもそうですね」

オーキド「そうじゃな。それじゃ、片付けはワシ達がやっておくから、お前さん達は帰っていいぞ」

梓「博士……ありがとうございました!」


ゆい「……」

律「……」

澪「……」

紬「……」

純「……」

うい「……」
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/19(月) 15:08:56.66 ID:paUUOWsL0
帰路

梓「それじゃ、皆さん、また明日!」

律「あれ、ゆいは?」

純「今日は私のところに泊まるんです」

うい「そうなんです」

ゆい「……」

澪「どうした、ゆい」

ゆい「いや……ちょっと、用事ができたから、出かけるね」

うい「……お姉ちゃん、また会えるよね?」

ゆい「……当たり前だよ!」

ゆいは夜道を駆けていった。


律「で、私達はどうする?」

澪「決まってるだろ」

紬「まさに愚問ね」

律「藤木さんは?」

純「鈴木です。卑怯の代名詞ではありません。……私達はちょっと遠慮しておきますね。行きたい所があるのでそこに行ってから、追いかけます」

律「そうか。……まったく、勝手な後輩を持つと苦労するな」
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/19(月) 15:10:17.10 ID:paUUOWsL0
梓の家

梓父「……そうか」

梓「だ、駄目かな……」

梓母「駄目だ!……なんて、言うわけないわ。若いうちはいろんなことを経験するものなのよ」

梓父「そのかわり、ジョウトでも優勝するんだぞ」

梓「あはは、ちょっと、厳しいかな」

梓母「船の切符は?」

梓「実は……合間を見て、買ってたり。時間は……朝一で」

梓母「皆には言わないの?」

梓「……今回は私の身勝手だしね。それに……危険なことになるかもしれないし」

梓母「……ロケット団とかね」

梓「皆さんには……ここで平和に暮らしてもらった方がいいし」

梓父「そうか……。明日もあるから、もう寝なさい」

梓母「あの子も成長したのね。突然、『ジョウト地方を旅したい』なんて」

梓父「この旅で何かがあったんだろう。……ところで聞いているんだろう」

ドタン!バタバタ!

梓母「別に怒っているわけじゃないわ。ただ、お願いがあるの」

梓父「あの子はこの旅で強くはなっているだろう。でも、か弱い女の子だ。ボディガードが必要だろう」

梓母「その役をやってもらいたいなあ、と」

梓父「頼めるかな、そこで話を聞いている君」

コクコク。

梓母「ありがとう」

梓父「娘をよろしく頼む」
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/19(月) 15:12:01.85 ID:paUUOWsL0
次の日

梓「それじゃ、行ってくるね」

梓母「この子達はいいの?」

梓「……うん。新しい仲間にも出会いから。 博士に預けておいて」

梓母「でも、ハッサムは連れて行くのね」

梓「これは……ゆい先輩と出会って、初めてゲットしたポケモンだしね」

梓母「そう。……気をつけて行ってきてね」

梓「うん!行ってきます!!」

マサラタウン・港

梓「さてと。私の乗る船は……」

ゆい「あれじゃない?」

梓「あ、そうですね。急がないと……え!?」

律「でかい船だな」

紬「サントアンヌ号ほどじゃないけどね」

澪「比べる対象がおかしいだろ……」

梓「ど、どうして、皆さんがここに……」

律「それはこっちの台詞だぞ。どうして、急に旅になんか出るんだ?」

梓「それは……ジョウトにもいろんなポケモンがいますし、いろんなトレーナーもいます。その人達と出会いたかったというのもありますし……。それにポケモンを悪用する人達がジョウトにもいますでしょうし、その人達を倒すっていうと大げさですけど……懲らしめたいっていうか」

律「はっきりしないが、まあいいや。船に乗ろうぜ」

梓「み、皆さん、チケットは……」

紬「それは私が用意したわ」

澪「さすがにすぐに用意できたのは怖かったけどな」

ゆい「まったく、あずにゃんは」

梓「あ、ゆい先輩」

ゆい「ポケモンである、私を置いていくなんてひどいよ。プンプン」

梓「す、すいません」

ゆい「罰として……あずにゃんには私のトレーナーとして、一生お世話することを命じます!」

梓「何ですか、それ……」

律「というか、今までと変わらないんじゃ」

澪「まあ、いいんじゃないか」

紬「そういえば、私達の賭けは……」

律「……あれを見たんじゃな」

澪「そうだよな……」

ゆい「ところで、どうなの、あずにゃん!」

梓「……仕方がないですね。これもトレーナーの務めです」

ゆい「それじゃ、これからもよろしくね、あずにゃん!」

梓「はいっ!」


私達を乗せた船はまるで私達の新たな旅路を祝福するような朝日に照らされて、ジョウトに向かいました。
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/09/19(月) 15:31:47.07 ID:paUUOWsL0
ポケモンリーグ編H・ポケットモンスターゆい・最終話 「決勝戦・梓VSAYU〜希望の光〜」終了

ポケットモンスターゆいはこれで終わりです。ただ、まだもう少し続くのでよろしければ、見てください。

次回

唯「ポケットモンスターアズサ!!」
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