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一夏「ヒステリアモード?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/07/27(水) 19:22:49.71 ID:CkxjoOMAO
「織斑君、ちょっといいですか?」

 セシリアとのクラス代表決定戦の直前、ピットにはいってきた山田先生が俺に声をかけてきた。

「なんですか、山田先生」

 普段の穏やかな雰囲気とはうってかわって真剣な表情でこちらを見つめてくる山田先生。それにつられ、俺まで緊張してしまう。まあ、もうすぐでセシリアとの戦いなんだし、ここで緊張のピークを迎えてしまえるのはいいことなのかもしれない。
 初の実戦で緊張しないってことのほうがあり得ないわけだし。

「その……落ち着いて聞いてください、織斑君」

 俺の肩に両手を置き深呼吸しながら心を落ち着かせる山田先生。吸い込みと吐き出しを繰り返すたびに上下する巨乳から目をそらした瞬間、先生はとんでもないことを口にした。


「貴方がISを使用できる理由がわかりました。貴方には、HSS(ヒステリア・サヴァン・シンドローム)――別名、ヒステリアモードが受け継がれています」

「ヒステリアモード?」
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/07/27(水) 19:38:17.36 ID:cadoEYUa0
期待
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/27(水) 19:42:50.44 ID:sLeMSURy0
まさかの緋弾のアリアww

超期待。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/07/27(水) 19:44:09.47 ID:CkxjoOMAO
 肺の中の空気が、瞬間的に空っぽになった。そんな錯覚を覚えるほど刺激的で、衝撃的な情報だった。

「……貴方には。正確にいうなら、貴方の家系の男性には、生身の女性で性的興奮を覚えることで身体能力が30倍にまで向上する特異体質が備わっています」

「――なんですか、それ」

 冗談きつい。ふざけてる。これからISに乗って戦おうとする人間にそんなことを打ち明けるなんて。

「いわゆる一つ血の力――ですね。織斑の家に伝わる血脈と遺伝子が、貴方にその能力を与えた。どうやらその辺りのDNA構造がIS起動の鍵になっているようです」

「――はは、は」

 なんて、ひどい――
 神様のご都合主義――だとしてもいささか趣味が悪すぎる。
 今の俺が代表候補生であるセシリアにかなうとはとてもじゃないが思えない。
 だが、俺には勝たなければいけない理由があった。
 こんなタイミングでそんなことを話されたら、使いたくなるに決まっている――けど。
 性的興奮を伴うドーピング――その発動には異性の協力が必要なわけで――

 「―――」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/27(水) 19:47:20.61 ID:zHAsIrcAO
山田先生をレイプするのか
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/07/27(水) 20:08:35.75 ID:Xy7dat6AO
ぶっちゃけたくなって爆破テロするのかと思った
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/07/27(水) 20:36:43.71 ID:yL4oz7mu0
なんで一夏なんだよもっと面白そうな奴はいるだろ
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/07/27(水) 20:38:25.11 ID:cadoEYUa0
朴念仁だからいいんだろうがよ

続けて続けて。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/07/27(水) 21:39:16.85 ID:CkxjoOMAO
 廊下で山田先生とすれ違った時に感じる桃のような甘い匂い。普段よりもよりいっそう強く感じるそれを、俺は今鼻一杯に吸い込んでいる。
 今現在俺の視界を埋めつくすなにかやわらかなもの。
 その正体が山田先生の豊かすぎる胸だと気づくのと同時、自分が山田先生に抱き締められているということに俺は気づいてしまっていた。

「―――これ、は」

 次の瞬間、心臓よりさらに奥深くの深淵から――強い、脈動を感じ取った。

 熱が、収束する。
 身体中を流れる血流が身体の真芯、胸元に集まり火を宿すような感覚を覚える。両手も両足も体温を感じず感覚が覚束ないが、痛覚を感じないという以上都合がいいといえるだろう。

「……どうですか織斑君、人生初のヒステリアモードの感想は」

「――よく、わかりましたね。俺がヒステリアモードになっていることも。俺がヒステリアモードになりたがっていたことも」
 『ヒステリアモードになると身体能力が30倍にまで向上する』
 それはどうやら、思考力に及ぶようだった。
 頭が冴えるどころじゃない。
 加速された脳の血流に氷塊が混ざったような感覚。
 白熱する肉体とは裏腹に、頭はどこまでも冷めきっていく。

「ええ。私が織斑君の立場でも同じことを考えたと思いますよ。だからこれは私からの餞別です。オルコットさんを倒しちゃってください」

 よくよく考えたらひいきがバレたら大変なことになるんじゃないかと思ったが、その辺は先生自身がどうにかするだろう。今はただ、その手助けが素直にありがたい。
 いたずらを成功させた子供のような笑みを浮かべながら山田先生が緩く握った拳を向けてくる。

「わかりました。期待してください」

 俺は先生の作った握り拳に自分の拳を合わせ――

「先生が思ってる、期待以上のものを見せてあげますよ」

 白式に乗り込み、セシリアが待つ空に飛び上がった。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/07/27(水) 21:40:37.15 ID:CkxjoOMAO
 廊下で山田先生とすれ違った時に感じる桃のような甘い匂い。普段よりもよりいっそう強く感じるそれを、俺は今鼻一杯に吸い込んでいる。
 今現在俺の視界を埋めつくすなにかやわらかなもの。
 その正体が山田先生の豊かすぎる胸だと気づくのと同時、自分が山田先生に抱き締められているということに俺は気づいてしまっていた。

「―――これ、は」

 次の瞬間、心臓よりさらに奥深くの深淵から――強い、脈動を感じ取った。

 熱が、収束する。
 身体中を流れる血流が身体の真芯、胸元に集まり火を宿すような感覚を覚える。両手も両足も体温を感じず感覚が覚束ないが、痛覚を感じないという以上都合がいいといえるだろう。

「……どうですか織斑君、人生初のヒステリアモードの感想は」

「――よく、わかりましたね。俺がヒステリアモードになっていることも。俺がヒステリアモードになりたがっていたことも」
 『ヒステリアモードになると身体能力が30倍にまで向上する』
 それはどうやら、思考力に及ぶようだった。
 頭が冴えるどころじゃない。
 加速された脳の血流に氷塊が混ざったような感覚。
 白熱する肉体とは裏腹に、頭はどこまでも冷めきっていく。

「ええ。私が織斑君の立場でも同じことを考えたと思いますよ。だからこれは私からの餞別です。オルコットさんを倒しちゃってください」

 よくよく考えたらひいきがバレたら大変なことになるんじゃないかと思ったが、その辺は先生自身がどうにかするだろう。今はただ、その手助けが素直にありがたい。
 いたずらを成功させた子供のような笑みを浮かべながら山田先生が緩く握った拳を向けてくる。

「わかりました。期待してください」

 俺は先生の作った握り拳に自分の拳を合わせ――

「先生が思ってる、期待以上のものを見せてあげますよ」

 白式に乗り込み、セシリアが待つ空に飛び上がった。
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/07/27(水) 21:41:22.32 ID:CkxjoOMAO
 廊下で山田先生とすれ違った時に感じる桃のような甘い匂い。普段よりもよりいっそう強く感じるそれを、俺は今鼻一杯に吸い込んでいる。
 今現在俺の視界を埋めつくすなにかやわらかなもの。
 その正体が山田先生の豊かすぎる胸だと気づくのと同時、自分が山田先生に抱き締められているということに俺は気づいてしまっていた。

「―――これ、は」

 次の瞬間、心臓よりさらに奥深くの深淵から――強い、脈動を感じ取った。

 熱が、収束する。
 身体中を流れる血流が身体の真芯、胸元に集まり火を宿すような感覚を覚える。両手も両足も体温を感じず感覚が覚束ないが、痛覚を感じないという以上都合がいいといえるだろう。

「……どうですか織斑君、人生初のヒステリアモードの感想は」

「――よく、わかりましたね。俺がヒステリアモードになっていることも。俺がヒステリアモードになりたがっていたことも」
 『ヒステリアモードになると身体能力が30倍にまで向上する』
 それはどうやら、思考力に及ぶようだった。
 頭が冴えるどころじゃない。
 加速された脳の血流に氷塊が混ざったような感覚。
 白熱する肉体とは裏腹に、頭はどこまでも冷めきっていく。

「ええ。私が織斑君の立場でも同じことを考えたと思いますよ。だからこれは私からの餞別です。オルコットさんを倒しちゃってください」

 よくよく考えたらひいきがバレたら大変なことになるんじゃないかと思ったが、その辺は先生自身がどうにかするだろう。今はただ、その手助けが素直にありがたい。
 いたずらを成功させた子供のような笑みを浮かべながら山田先生が緩く握った拳を向けてくる。

「わかりました。期待してください」

 俺は先生の作った握り拳に自分の拳を合わせ――

「先生が思ってる、期待以上のものを見せてあげますよ」

 白式に乗り込み、セシリアが待つ空に飛び上がった。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/07/27(水) 21:43:04.61 ID:CkxjoOMAO
 廊下で山田先生とすれ違った時に感じる桃のような甘い匂い。普段よりもよりいっそう強く感じるそれを、俺は今鼻一杯に吸い込んでいる。
 今現在俺の視界を埋めつくすなにかやわらかなもの。
 その正体が山田先生の豊かすぎる胸だと気づくのと同時、自分が山田先生に抱き締められているということに俺は気づいてしまっていた。

「―――これ、は」

 次の瞬間、心臓よりさらに奥深くの深淵から――強い、脈動を感じ取った。

 熱が、収束する。
 身体中を流れる血流が身体の真芯、胸元に集まり火を宿すような感覚を覚える。両手も両足も体温を感じず感覚が覚束ないが、痛覚を感じないという以上都合がいいといえるだろう。

「……どうですか織斑君、人生初のヒステリアモードの感想は」

「――よく、わかりましたね。俺がヒステリアモードになっていることも。俺がヒステリアモードになりたがっていたことも」
 『ヒステリアモードになると身体能力が30倍にまで向上する』
 それはどうやら、思考力に及ぶようだった。
 頭が冴えるどころじゃない。
 加速された脳の血流に氷塊が混ざったような感覚。
 白熱する肉体とは裏腹に、頭はどこまでも冷めきっていく。

「ええ。私が織斑君の立場でも同じことを考えたと思いますよ。だからこれは私からの餞別です。オルコットさんを倒しちゃってください」

 よくよく考えたらひいきがバレたら大変なことになるんじゃないかと思ったが、その辺は先生自身がどうにかするだろう。今はただ、その手助けが素直にありがたい。
 いたずらを成功させた子供のような笑みを浮かべながら山田先生が緩く握った拳を向けてくる。

「わかりました。期待してください」

 俺は先生の作った握り拳に自分の拳を合わせ――

「先生が思ってる、期待以上のものを見せてあげますよ」

 白式に乗り込み、セシリアが待つ空に飛び上がった。
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/07/27(水) 21:44:52.18 ID:CkxjoOMAO
 廊下で山田先生とすれ違った時に感じる桃のような甘い匂い。普段よりもよりいっそう強く感じるそれを、俺は今鼻一杯に吸い込んでいる。
 今現在俺の視界を埋めつくすなにかやわらかなもの。
 その正体が山田先生の豊かすぎる胸だと気づくのと同時、自分が山田先生に抱き締められているということに俺は気づいてしまっていた。

「―――これ、は」

 次の瞬間、心臓よりさらに奥深くの深淵から――強い、脈動を感じ取った。

 熱が、収束する。
 身体中を流れる血流が身体の真芯、胸元に集まり火を宿すような感覚を覚える。両手も両足も体温を感じず感覚が覚束ないが、痛覚を感じないという以上都合がいいといえるだろう。

「……どうですか織斑君、人生初のヒステリアモードの感想は」

「――よく、わかりましたね。俺がヒステリアモードになっていることも。俺がヒステリアモードになりたがっていたことも」
 『ヒステリアモードになると身体能力が30倍にまで向上する』
 それはどうやら、思考力に及ぶようだった。
 頭が冴えるどころじゃない。
 加速された脳の血流に氷塊が混ざったような感覚。
 白熱する肉体とは裏腹に、頭はどこまでも冷めきっていく。

「ええ。私が織斑君の立場でも同じことを考えたと思いますよ。だからこれは私からの餞別です。オルコットさんを倒しちゃってください」

 よくよく考えたらひいきがバレたら大変なことになるんじゃないかと思ったが、その辺は先生自身がどうにかするだろう。今はただ、その手助けが素直にありがたい。
 いたずらを成功させた子供のような笑みを浮かべながら山田先生が緩く握った拳を向けてくる。

「わかりました。期待してください」

 俺は先生の作った握り拳に自分の拳を合わせ――

「先生が思ってる、期待以上のものを見せてあげますよ」

 白式に乗り込み、セシリアが待つ空に飛び上がった。
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/07/27(水) 21:58:18.16 ID:+yf4uXfKo
なんて、ひどい――
 連投――だとしてもいささか数が多すぎる。


期待してみる
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/27(水) 23:08:12.96 ID:7p1AGCrDO
連投しすぎワロタ
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/07/27(水) 23:17:02.34 ID:CkxjoOMAO
         ■
 蒼天――文字通り、雲一つ無い真っ青な青空。
 何から何まで青一色の世界に一つ、その“青”よりも遥かに鮮烈な、穿たれた点のごとき『青』が存在した。
 イギリス代表候補生・セシリア・オルコットが愛機、第三世代型「BT兵器」運用試験機ブルー・ティアーズ。
 「蒼き雫」の名を冠する機体とその主である少女は、挑戦者の登場を待ちわびていた。
 織斑一夏。ISを起動できる唯一の男。
 セシリアにとって男とは野蛮極まりない生物であり――戦闘という行為に関して生物学的に女より優位な存在である。
 ゆえに、好戦性の高い彼女には、今日という日は待ちに待った瞬間といっても過言ではない。
 自分と同等、もしくはそれ以上の潜在能力を持つ異性。そんな存在が分が最も力を発揮できる土俵であるISで競おうというのだ。
 セシリアは歓喜にうち震えていた。
 胸の高ぶりを押さえられずにいた。
 見る人が見れば、セシリアの態度は恋する乙女そのものであっただろう。
 確かに彼女は、恋していたのかも知れない。
 まだ見ぬ好敵手の登場に。

 そうして、時はきた。


『――織斑君、第三ゲートから入場です!』

 山田先生のスピーカーから流れる合図。
 それと同時、セシリアの背後に円を描くようにして浮かんだ第三世代型 自立機動特殊レーザービット兵器『ブルー・ティアーズ』四門と、右手に構えた六七口径特殊レーザーライフル『スターライトmkV』一挺の計五門が一斉に光の矢を射出した。
 狙いはもちろん、一夏が出てきた第三ゲートであろう。円の起動で配置した『ブルー・ティアーズ』とその中心の『スターライトmkV』。
 中央のライフル攻撃を回避しなければその時点で敗北が確定する。回避されても周囲を飛ぶ弾丸には必ず命中する。
 そんな二段構造をした射撃と砲撃の複合運用はセシリアの得意技の一つでもあった。

 「殺った―――」

 握り拳を作りながらセシリアは勝利を確信する。

 「ああ、確かに殺されるかと思ったよ」
 その瞬間、彼女は背後から織斑一夏の声を聞いた。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/27(水) 23:53:32.32 ID:6jCETTHP0
セシリアwwwやるなあwww
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/07/28(木) 00:23:22.32 ID:1vhob3bAO
「織斑一夏!? そんな、貴方どうして――」

「あの射撃を避けきれた? だろ。なら話は簡単だ。中央のライフル射撃と周囲のビット射撃の間を通り抜けただけだよ」

 驚愕に染まった顔をするセシリアに対し、一夏は飄々とした態度で応対する。
 ISは乗り手に対して超反応を反応を与える。それに加え今の一夏はヒステリアモードを発動させていた。
 有り体にいうと、今の一夏には視認してから回避できない攻撃が存在しない。

「――少しばかりなめすぎていたようですわね。今後の対応を改めさせていただきますわ」

「今後の対応ね。今度はどんなビームが飛んでくるんだ?」

「私は別に火力だけしか取り柄がないわけじゃありませんのよ?」

 二人が交わす軽口と、セシリアがブースターにエネルギーを貯めるチャージ音が周囲に響く。
 互いに動きがない――わけではない。セシリアは今、必殺の機をしたたかに狙っていた。
 軽口やブースターへのエネルギーチャージはすべてフェイク。背中の裏で操作中の一機の『ブルー・ティアーズ』の動作音を隠すためのものである。
 これを自身の頭で隠しつつ一夏の頭部を狙い撃つ。それが、今セシリアの持つ策の一つであった。

 「さすがにこの距離では外しませんわね」

 ブースターと『ブルー・ティアーズ』はエネルギーパスを同期しており、ブースターに注いだエネルギーを『ブルー・ティアーズ』の運用に使用することができる。
 限界までチャージしたエネルギーを一機に注ぐことで可能となる人間の反応速度を超えた機動で織斑一夏を討つ。
 それこそがセシリアの狙いであった。
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/07/28(木) 00:23:52.33 ID:1vhob3bAO
 「撃てるもんならな」

 「そんなことはしませんわ」

 『スターライトmkV』にかわって呼び出したのは近接用ショートブレードの『インターセプター』。それを逆手に持ち、前傾姿勢を取ってブースターを背後へ向ける。
 誰がどう見ても玉砕覚悟の特攻姿勢であり、一夏自身も彼女の限界を感じていた。そう感じさせることこそ彼女の策だと気づかずに。

 「さあ踊りなさい。このセシリア・オルコットと、ブルー・ティアーズの奏でる円舞曲(ワルツ)で!」

 瞬間、人間の認識を越える速度でセシリアの背後から飛び出してきた『ブルー・ティアーズ』が、一夏に向けレーザー射撃をお見舞いした。
 『ブルー・ティアーズ』の思考制御に集中し、白熱するセシリアの視界。
 瞬間的に視力を失ったセシリアが次に見た光景は―――

 「銃弾斬り(スプリット)――初めてだが、意外となんとかなるもんだ」

 一次試行(ファーストシフト)を終えた白式の近接ブレード・雪片弐型を握った一夏が、セシリアの放ったレーザーを切り裂いた姿だった。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/07/28(木) 03:36:27.67 ID:3eC/NhWjo
今日は終わりかな?
今回は山田先生だったが他キャラでヒステリアモードになる過程が楽しみだww
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/07/28(木) 10:19:22.16 ID:1vhob3bAO
「この土壇場で―――私の敗北ですわ。この勝負、貴方の勝ちよ、ジャパニーズ・ブシドーさん」

 どこかふっきれた様子で一夏に告げるセシリア。それて同時、場内にタイムアップのブザーが響き―――

『そこまで! 勝者、織斑君!』

 ここに、勝敗は決していた

        ■
 セシリアと地面まで降り、ピットに戻ってISを解除する。途端、全身から力が抜け、俺は白式にもたれかかった。

「これが……ヒステリアモード……」

 ……正直、末恐ろしいものを感じた。特に飛んできた弾を斬って防ぐ『銃弾斬り(スプリット)』なんて、普段の俺では逆立ちしてもできそうにない。

「ヤバい……異常に眠い……」

 唐突に訪れた眠気は恐らくヒステリアモードの副作用だろう。当然だ。あんなものをなんの代償もなく使えるはずがない。

「織斑君、やりましたね!」

「山田……先生……」

 立ったまま白式に身体を預ける俺にピットにはいった山田先生が近づいてくる。いかんいかん、しっかりしないと。

「確かにけしかけたのは私ですけど……あそこまでうまくいくとは思いませんでした」

「それは俺もですよ。あんなにあっさりいくとは思いませんでした」

 俺は白式にもたれかかった状態から身体を起こし、山田先生に相対して返事をする。その瞬間、先程までのより数段強力な眠気が俺の頭を襲いかかった。

「織斑君、大丈夫ですか?」

 一瞬、許容量を超えた眠気に視力を失った。その瞬間、もつれた足が身体のバランスを崩し、そのまま目の前にいる山田先生の胸元に倒れこんだ。

「……お、織斑君」

「す、すみません……大丈夫です、自分で立てます」

 俺は両足に力をこめ、なんとか立ち上がろうとする。だが――

「いえ、そのままで構いませんよ」

 それは、左腕で俺の背に手を回し、右手で頭を撫でる山田先生の前に妨害された。

「今日は疲れたでしょう」

 とろけるように穏やかな声と、確かに感じる柔らかな胸の感覚。

「ありがとう……ございます」

 その心地よさ、気持ちよさに耐えきれず、俺は意識を失った。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/07/28(木) 10:29:41.16 ID:tePZ9iSk0
まやまやが聖母化してるんだが一体何があった
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/07/28(木) 10:40:43.32 ID:1vhob3bAO
>>1です。
とりあえずこれでひとまずセシリア戦が終わりになります。
これからインターバルを挟んでvs鈴/ゴーレム編にはいりたいと思います。
セシリアが戦闘狂(ウォーモンガー)になってたり山田先生がマジ天使だったり若干キャラが>>1の趣味にかたむいてきていますがご容赦ください。

ご意見・ご感想などありましたらご自由にどうぞー。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/28(木) 12:19:46.25 ID:eWRwH0qAO
戦闘描写が分かりにくい
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2011/07/28(木) 12:36:27.70 ID:Gqu/DD2AO
ヒステリアモードより、コスモ番長の漢回路のほうが面白い。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2011/07/28(木) 14:10:04.07 ID:12uu7yOAO
山田先生のうぶっ娘・妄想娘・イタズラっ子要素が失われてるのがちょっと残念

同じ流れでも、「ヒステリアモード発動のためとはいえ男の子を抱きしめたのははじめてです…責任とってくださいね?」とか言ったり、抱きしめながら脳内でその後を想像したりしそうな、モノローグ要素の強いキャラだと思ってたんだが。
ここまでの先生は…ちょっと聖人化しすぎ?
27 :ISのキャラをアリアで当てはめるなら…!? [sage]:2011/07/28(木) 15:40:12.66 ID:alOto31AO

箒=白雪(確定)
鈴=?
セシリア=?
シャル=?
ラウラ=レキ

すまん、残り誰か頼む
…あ、山田先生=理子か?
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) :2011/07/28(木) 15:54:49.21 ID:1vhob3bAO
 ――ふと、目が覚めた。
 寝起きでぼやけた視界に映るのは見覚えのない白いリノリウムの天井。全身で感じる肌触りのいいシーツの感覚で、今自分がベッドに寝かされていることを知る。

「こ、ここは……」

「ここは私の部屋ですよ。織斑君」

「へ……や、山田先生?」


 俺が眠っていたベッドの横の椅子に腰かけ、いつも通りの様子をした山田先生がそこにいた。

「おはようございます、織斑君。」

「あ、はい。おはようございます……えっと、なんで山田先生がここに?」

「当たり前じゃないですか。ここ、私の部屋ですから」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/07/28(木) 19:39:44.57 ID:+SPVx8pE0
>>27
容姿だけなら鈴=アリアかな?
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/07/28(木) 20:59:45.70 ID:Hw1ozM8Ao
山田先生好きの俺歓喜
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/07/28(木) 21:04:06.37 ID:ZRefdvzAO
>>27
俺のイメージでは
箒=白雪
鈴=?(敢えていれるならワトソン)
セシリア=アリア(貴族的な意味で)
シャル=ジャンヌ(なんだかんだ信頼関係的な意味で)
ラウラ=レキ
会長=理子
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/07/28(木) 21:07:53.65 ID:9rr45iTAO
>>6
くぅ〜ん
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2011/07/29(金) 07:21:12.30 ID:PqmRDGrAO
防弾跳び箱は、どこで使うのだろう
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/07/29(金) 07:50:05.36 ID:xskRHqqAO
箒「なん…だと!?」
一夏「このネクタイが防刃で助かったぜ!!」

鈴セシリアシャルラウラ「えっ!?」
一夏「この跳び箱が(ry」

こんな感じですか分かりません
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/30(土) 08:29:00.10 ID:GfPWHVU5o
血統なら千冬姉は弱くなるはずだよね
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/30(土) 11:52:44.62 ID:zxvKFRRS0
緋弾のアリアの原作って、おもしろい?

別のヤツと迷ってるんだけど…。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/07/30(土) 13:17:24.39 ID:cH8Gc//AO
>>36
他…とは?
MF?
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/07/30(土) 18:02:56.29 ID:zxvKFRRS0

鬼灯さん家のアネキ

DARKER THAN BLACK 漆黒の花

新約とある魔術の禁書目録

文学少女

こんくらいかな?

金欠はキツイ
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/30(土) 21:08:31.27 ID:4EBtDaUto
スレチだからヤフー知恵遅れででも尋ねてね^^
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2011/07/31(日) 21:39:14.89 ID:6uFLn9nL0
作者立て逃げ?

>>38
文学少女は全シリーズ集めなさい、必ずだ。
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/07/31(日) 22:37:05.81 ID:wP8+PSfAO
文学少女シリーズもそうだが、竹岡美穂さんが絵師やっているのは見た方がいい! オススメ!!
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/18(木) 14:46:11.54 ID:NFgJI2Fp0
>>36だ。

言いだしっぺですまないが、>>1よ、続きはまだか?
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/19(金) 23:57:27.47 ID:g7IGA1V3o
>>42
スレチな話題を吹っかけてもなお謝る事すらせず傍若無人な態度を取るお前の所為で気分悪くしたのかもな^^
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/20(土) 15:55:04.06 ID:BA2kIqgP0
すまん、ホントにすまん。

土下座でもなんでもするから許して……。
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/23(火) 13:39:14.96 ID:z7YzEhtKo
ヒロイン化してるwww
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