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ほむら「……『ミラクルワールド』?」 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/28(木) 23:27:31.22 ID:JKjsBTQh0
/: : : : : : : :/: : : : : : :人: : : : :\: :ヽ: : : : :\: : : : ゝ、: : : : / O/
/: : : :/:o : : :/ : : : : ∧{ 丶: : : : \: :\: o: : \: : : : :` <_ノ / ゚。
〆⌒〈: : /: :/ : : : : / ヾ、 \: : : .:\: :\: : : : \: : : : : :≧=‐' /
_ | ̄ ̄ ̄〕ムイ: : : _/ \ 丶ヾ 、_:\: :ヽ: : : : :\y'⌒´ //
_三二ニ≠=-/ : .:.:/ `>x、._ `ヾ_,x<`ヾ、: : o: : 乂_ノ / /
|__/: : :./ .:.:.バY´う〆介x、, 、_,ィう〆灯ヾ、: :o : ゜: : :゜ / / /
/ : : : {: :从:.:λ 弋ゞク 弋ゞク 厶ィ.:/`ー―" / /
八: : : : ∨: .:.:,小 ` ̄  ̄´ /人{ / / /
\ : : : : : : {ノ∧ ′ 〆 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´ //
/~´`ミメ、: :、k'=个 。 r====/ .............::::::: /
. / `ヾ`ヾ、乂_ ` ーァ′....::::::::::::: 〆
く /` ̄ ` /...:::::::::::::: _,o '"´,′
`7====‐‐zク′ _ノ..::::::: _, 。 '〇 ′
/:::::::::::::::::::;′.o { ̄´ _, . '"´ ゜o ,′
. /:::::::::::::::::::::io゚ ○ 人 _, . '"´ / ,′
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/:::::::::::::::::::::::::::゚:|/::::::::::::::::::::::::\ ゜/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
さやか「そうだ――――私達は、人類の」
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
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両津「暇だ・・・」 @ 2024/11/25(月) 02:26:49.47 ID:xY8RD/R/O
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ひな消えたな @ 2024/11/24(日) 15:56:12.49 ID:fF+a+kQZO
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比企谷「由比ヶ浜がパパ活をしてる?」雪ノ下雪乃「ええ…」 @ 2024/11/24(日) 10:52:44.78 ID:0z7sCkyU0
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空を自由に飛びたいな @ 2024/11/22(金) 15:47:22.22 ID:UV495csLo
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■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:20:24.33 ID:WpWM+xYMo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227623/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:18:35.89 ID:Vr506SRJo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227515/
■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:17:49.87 ID:t6dKBjAuo
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■ 萌竜会 ■ @ 2024/11/22(金) 07:17:17.71 ID:/UbTl3Hgo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1732227436/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/28(木) 23:27:54.97 ID:JKjsBTQh0
..-...―.....-..... 、
,-、/::::::::::::::::::::::::::::::::::::...\
,へ{-i´::::::::::: , 一 ー - 、_:::::::\
/ || |:::::: / \:::::}
/廴 r⌒/ / \
/ > ̄> / ハ ヽ
フ (( / / // / l i i
/ス| \/ / イ イ / _ i-|‐ i
レ从/ | -―-x / // __ リ | i }
/ イ | i イ/ ― ´ イ P:::::)ヾ / K _ ,、
// ヽ ! i i /リ __ ゝ- l /ノ/ /  ̄ ヽ
´ \从 ´ ̄` 、 / //フ //ノ , 、 ヘ
, /`< >ー r -、 ´/ /, - 、/_/ / /
{ ヽ\ `ー / / \- 、 / /
ゝー―-..,, > ` > < |ニ レ i _ / /_/ ̄\
| ̄ ー-一_>ノ <二 ̄〉 i ̄ _ | | //⌒ /\// ̄ ヽ ノ
< \ \ \ ノ/ ̄ / | / / _/ /::::::人 V
 ̄ ` </ ̄ フ-―ニ(二)´ ̄ >ー - ! / , ...::::::::/::\
_,,.._浴L/ ハ、 /≠=|| ゝ _ |`::´::::::::: ヘ、::::/::\
/´ / / / / || フ | \ヽ、::::::::::/ /、::::::〈
| / / / // || / / \ヽ::::::::`..フ /|:::::}
レ ヽ / // =/ / . . } \:::::::::::::::て_,,..ゝノ
\ / l_i || ̄ . . . : : :/ / \ ::::::::::::::/
人`ーl . . : : : == : : : : : : : : : : : :/..../  ̄ ̄
l ̄ ! ー{ . : : : : : : : : :|| : : : : : : : : :_,,..イ:::::/
| \_ へ _ ,,.. -――┬――――/
ハ / ヽ壬...::::千:::::::| |::::::::::::::::::/
/ / |::| |=キ=//::::::::::::::::/
マミ「『自由』と」
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/28(木) 23:28:57.32 ID:JKjsBTQh0
/ _
./' , -,'< ___
─-----.、!:レ: { 二>.-┐ヾヽ、
.┌--..'`>, . .、:::::::::::|: `:ヽ ヽ
〉.- :': : : : : : : : `ヽ、::::|: ヽ、`ヾ、
,. ': : : : /ヽ: : : :  ̄ヽ.ヽ::|ヽ: `. 、: :ヽ
./: : ‐‐: : : : : :ヽ:ヽ: : : : ヽ:` : ヽ: : \ 、: \、
/: : : :| : : ト ヾ : : :.ト ヽ : : : ∨ : : i: : : :ヽヽ`ヽ
,/: : : |: i: :ト | ヾ ヽ: Xヘ : !: :i ∨ : |: : : : : ヽヾ:.ヽ
/ ィ: : : !: |: iヾ、 `/.,x‐<l、!: !: !ヽ: !: : : : : : :ヽヽ ヽ
/' .l: : :人:!十ト ' r'::::} V:/ /, //: : : : : : : : :ヽマヘ
人: : : :ヽィrぅx `,,,, !イ:/-':/: : : : : : : : : : : : !:|
.ゝ ヾ、ヽヾ ' , _ 、 V//: : : : : : : : : : : : : |jヽ、
\.ヽヾ '''' < .! ,イヽ : : ; ‐‐ 、.: : : : : : : : :\
ヾ ゝ _ /---┬{ .\: : : : : : : : : : ヽ
r i「 .i i _ ヽ: : : : : : : :ヽ 、ヽ
.__ .>' }}> ヾ 、 |\ / ̄ < : : : : : ヽヽ:ヽ、
/ ,ヘ`/ ヾ、 .|丶.、 < : : : : ヽ ヽ、. 、
レ' .`丁` xヽ-!: : : :> <: : : \ ヽ、
/ 。 ノ `.7.、: : : : : > <: :ヽ
.八 -- ' ∧ヽ: : : : : : ヽ >., ' ハ: :\
| ゝ- ゜ ∧:ヽヽ: : : : : : ヽ V ./: : ヽ : ヽ
| | 。 ハヽヽヽ : : : : : : V ∧: : :ヾ 、
| i , 、 、 {: : : : ヾ、: : : : : :/ /ヽヽ: :ヽ ヽ
杏子「『平和』を護る」
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/28(木) 23:29:33.29 ID:JKjsBTQh0
__ /浴ワ
´ ̄>ヽii<二>‐ミ
... -―- ...- ― -... { >ー―i┴ 、 ーソヽ__
. :.´.:.:ミ "´.:.:.:.:`:.、 \ー/}{、::::::::::::::::::::::::\ ,, ' : : : : : リ: : : : ヽノヽ\_,
/.:.:.:/.:.:|.:.:`ヽ..:.:.:.:.::. ⌒7(⌒)}{ハ::ヽ:::::::::::::::::::::::::} /: : : ⌒ν<⌒: : : :ヽ: ヽミ
. /.:.:.:/.:.:,'.:.:!.:.:.:.:.:ヽ:ヽ.:.:.:. /イ >=</ \::::::::::::::::::::/{ レ´,' : : ,: : : 、: : :ヽ: :ハ : ',
,'.:.:.:!.:.:i.:.:∧.:.:.:i.:.:.:.:.:.:i.:.:.:i ./ i ゝイ/ `¨7¨¨¨´`丶 ,/ ,' i: : ハ ト: : i、: : :.∨人: :',
|.:.:.::|.:ィハヽ';,:.:j/}.:,、ノ.:.:,' | / レ l lナ ィ/ ! i| | i: :i: :ハ リ ヽ;| ヾ; ; レ: :/ヽ: ',
ヽ:.:.:.:z≠ミ }/ィミtv/.:从 .レi/-xi !/_/ /ハ j / _l:l: : !_ト_、 ィi´_M/ィぅ: : : : : :
ィ"',.:.:从, ' ゞ-' 〉∧ .{∧i リヘi ー 、 _ ノ/// ! ト{ミ乂ぅ 乂ンノィ l>ミ: : : : : :
{\ Λ K <_ァ _ノ 从/} .i! リ-!::i込 ' イtイ7、 vヘ :;. イ イ ⌒ ヽ、:
| \ ヽ}、 ixi´/j/ / , .<ミ/ l::i ト `二´イ} i:::} ヽ . \> ー ′ | ',
ト=彡、ー-≦v≧ / }彡} .ソ リ >ヲ_F<´_ |;/ / } Lr-ィ} {玉} ,' / /ヽ
_{ヽ人__イゝ、__Y__,イ/ー/ .ゝ i ん,卅ー< \/ ,' ',Y ト ミイく __ィ'ヽ='
)ノ、ーェ--ミ ~~人~~:::/::::/ \ー‐! i/ } ',/ リ ∨∨ ̄ム
<<ノr ソソ }ー‐´ ̄::::ヽ:人 .八 / / 〃 _L Y ∧ ミ
/|厂ー´ ̄ 人ー―'})::\ ./ヘ ヽ / / =イ\ /::::/ ̄ ̄'′/〉/ヽ
_ ソ{\ /_繁)::::)::ヽ:::::i、 ./: /∧ /ァ:|リ´ ト: :\ ハYt:::>ー、...ノ //‐r`ヽ
辷/|\:::::::イ::::}:::::::\{》 /: /: :/: /`¨´ ヽレ:リ /: : : :.ヽ `' 〉イ:::::::::::::ノーヾ、/r<冖 ,,
~ー~:::::}}:::::ヽ/__::,':::::::::::::》 {: /: :/: /:/: : \ハ/! {: : :ト: :|! |:::::::::::{'´:::ヽイィ'' /∧_
\ー'辷辷ヽノ辷辷彡 |/: :/: /:/: :__ }/: | |: : :i: : リ Nx|冖i}::::::::::| i //
. \ ______ /》==》. ト、{: : (ー ̄7!/ ! ノ! ヲ{: : ,'i ,,'/x∧__レー'´―´ ̄
. \/》/=介∨ ̄ ‘... ¨⌒< _ヽ=ハ ノ !ー∨ |:::i |i
人_{ ̄ ̄‘, , .i、/:::::::ヽ!トーへハ´ ̄´ ィ::::| |i
\ } ハ v:::::::::::::::|::\)ヽリ jixT| '/
/´ヽ ノ ヽー \:::::::::i:::::::::::{_ |冖| 〃
さやか&マミ&杏子「「「『魔法少女』だっ!!」」」
\ l:i::::::::i::::::::/|:::::/ |::::::::| ヽ::::::{ヽ::::::i、:::ト;;:::i:::::::::::::i:::::| /
: / .l::i::::::::i‐ -|、_|::/ l:::::| ヽ:::{ ヽ::_|,ゝ、ヽi:::::::::::::i:::::| | 何
: | |:::l:::::::::l:::::|_V_ー-゙、::| --七'_´_ヾ__ ヽ l:::::::::::::i:::/ | :
だ. | .|::::ll::::::::|、::| /,;;c,゙ヽ V ´ /;;;c ヽ |::::::::::::::i::l .| :
と. .| l::::::|::::::::| V 弋=,リ 弋=,リ l:::::::::::::::i:{ |
: | l::::::::l:::::::::| ー― ー― .|::::::::::::::i:l く
: | /:::::::::l:::::::::} ' r,-,!::::::::::::::i:| \___
/./:::::::::::l:::::::::ゝ、 r - 、 //;;;|::::::::::::::::::|
〆 /::::::::::::::l:::::::::::::::`ヽ、 `ー ,/ /;;;;;|::::::::::::::r―.、
 ̄ ̄ ̄ /:::::::::::::::::l:::::::::::::ヽ // `゙ 、 _ , ' , /;;;;;;;;;;|:i::::::::::/ ヽ
/:::::::::::::::::::::∧:::::::::V/;;;;;;;;;;;;;;;;;;/A < };;;;;;;;;;;;;;;; :li:::::::::/ ヽ
/:::::::イ::::::::::::/ ヽ::::::ヽ ー―---,,,-- 、 _____// ;:l|::::::/ ヽ
/::::::/ /::::::::::〈、 \:::::r―-rr ,.A 、 __ // リl:::::/ ,.|
/::::::/ /::::::::::::::::}ヽ |iヽ:: V./// | | |;;;`ー// l:::/ /,.ヘ
/:::::::/ /::::::::::::::::/ ヽヽ ||;;;;;7>X/ i | | |;;;;;;;;// レ , -,.イ::::::::ヽ
./:::::::/ /::::::::::::::::// ヽヽ ||;;;// / | | ||;;;;;;// ,. - ' ,イ´.| ヽ:::::::::ヽ
ほむら「――――――――――――え?」
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/28(木) 23:31:25.81 ID:JKjsBTQh0
原作:魔法少女まどか☆マギカ
原案:仮面ライダー龍騎、仮面ライダー龍騎 ハイパーバトルビデオ、KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/28(木) 23:32:38.73 ID:JKjsBTQh0
魔法少女まどか☆リュウキ―――EPISODE MIRACLE―――
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/28(木) 23:33:19.78 ID:JKjsBTQh0
ほむら「(一体全体……この時間軸は何がどうなっているのかしら?)」
ほむら「(ソウルジェムは無いし、そもそも『魔法少女』ですら無くなってしまうなんて……)」
ほむら「(こんな事は―――――)」
『赤い眼鏡』の少女、暁美ほむらは、息苦しそうに胸を押さえながら、
馬鹿みたいに青い空に輝く、眩い太陽にに照らされた見滝原の街を彷徨い歩く。
『魔法少女』で無くなってしまったが為に、強化が出来なくなった体は、
まるで別人のモノの様に重苦しく、些細な運動で容易く息が切れてしまう。
むしろ、今の姿こそが本来の彼女と言えるのだが、
しかし今の姿に戻るのは余りに久しぶりで、強化された『魔法少女』の体に馴れたほむらにとっては、
かつてそれが常態であった頃以上の苦しみを覚えざるを得なかった。
以前の時間軸で、またも『失敗』してしまったほむらは、時間を跳躍し、この時間軸へとやってきた。
そして、この時間軸にやってきたほむらが最初に知った事、それは。
―――自分が『魔法少女』では無くなってしまったと言う事であった
契約を為して以来、常に彼女の傍らにあったソウルジェムは、その姿を失い、
最早影も形も、ほむらは見つける事が出来ないでいる。
どういう理由かは知らないが、時間遡航の果てに、契約が為される前の時間まで跳んでしまった言う事なのだろうか?
ほむら「(一応、こうしてキュゥべえを探して回っている訳だけど……まるで見つからないし)」
ほむら「(それにしても……どんだけ虚弱なのよ、この体は)」
ほむら「(ただ歩きまわっているだけで……こんな)」
余りに訳の解らない事態に、取り敢えず『キュゥべえ』を探しに、
そのついでに、まどかの家の様子を見て来ようと、病院を出て歩いている訳だが、
元の心臓の弱い体に戻ってしまったが為に、ただ歩くだけでも、体に掛る負担が半端で無いのだ。
ほむら「ハァ……ハァ……ハァ……」
ただ歩いていただけなのに……想像以上の肉体疲労に、適当な公園のベンチに腰をおろし、息を整える。
本来、喜ばしい事で有る筈の、契約からの解放も、今のほむらにとっては忌々しいモノでしか無い。
何故ならば、例えそれがあのインキュベーターの手によるモノだったとしても、
彼女にとっては、貴重な――――
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/28(木) 23:35:28.09 ID:JKjsBTQh0
ほむら「(いや……待って)」
ほむら「(そもそもこの時間軸に)」
ほむら「(インキュベーターが存在していないとしたら?)」
キュゥべえが居ると言う事が余りに当たり前になっていたが故に失念していたが、
そもそも契約が解除され、唯の少女に戻ってしまっていると言う異常事態である。
時間遡航の繰り返しで、何かが狂い、殆ど並行世界とも言える、
『魔法の存在しない世界』に迷い込んでしまった……その可能性は有り得ないだろうか?
ほむら「(もしそうだとすれば……私にとっては最良の――――)」
まどかも自分も、呪われた運命から解放された世界。
それこそが、ほむらの求め続けたモノ。遂に、それを、ほむらは手に入れ――――
―――キィィィィィィィィン……
―――キィィィィィィィィン……
ほむら「ッ!?」
―――しかし、そうは問屋が卸さない
ほむらの耳に突如飛び込んで来たのは、金属を擦り合わせる様な、耳鳴りの様な奇怪な音。
その音は耳を通ってほむらの頭蓋を穿ち、頭痛を感じ、頭に手をあててうずくまる。
ほむら「(何!?何なのコレ!?)」
長い間、『魔法少女』と言う超常も世界にいたほむらには、
この奇怪な音が、尋常ではない世界の産物であると言う事を直感的に理解した。
その音に引き寄せられ、ほむらはヨロヨロと歩きだし、そしてソレを発見する。
ほむら「『魔女の結界』!?」
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/28(木) 23:38:36.34 ID:JKjsBTQh0
―――の『入り口』に似ている代物が、公園に設置された温室のガラスに生じている。
やはり、『魔法の無い世界に辿り着いた』などという都合の良い展開など起こる筈が無かったのだ。
ほむら「(どうする!?今の私は、何の力も無い唯の――――)」
魔法少女では無い今のほむらには、魔女はおろか使い魔に対抗する力すら無いのだ。
放っておいてもマミが何とかするであろうし、それに、この結界の側にいればマミ、
ひいてはマミと行動を共にしているかも知れないキュゥべえに接触できるかもしれないが、
ほむら「(リスクが大きすぎるわ……ここは一先ず逃げ―――)」
しかし、この逡巡の時間が事態の明暗を分けた。
彼女が考えている間の僅かな時間に、結界の内側に潜む怪物が
ほむら「!?」
彼女の存在を捉えたのだ。
蜘蛛の糸の様なモノが何の前触れも無く結界の入り口より飛び出し、
ほむらの足に絡みついたかと思えば、
ほむら「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
結界の中へと瞬く間に引き摺りこまれてしまう。
ほむら「っかぁ!?」
ほむら「(何!?何なのよコイツ!?)」
毒々しいイヌカレー空間が常の筈の魔女結界の内にしては、
殆ど通常空間と変わらないこの結界内に鎮座し、
ほむらを糸で引き摺りこんだその怪物を一言で言うならば、それは『蜘蛛』であった。
『魔女』……なのだろうか。それは、何度も時間を繰り返し、
故に見滝原の魔女の出現パターンを殆ど知りつくしている筈のほむらも知らない、未知の、そして特異な姿の怪物であった。
六本の脚を備えた下半身に、左右の鋏を備えた人型の上半身。
全体的に黄色の姿をし、全身をメタリックが外殻に包まれている。
ほむらの知る魔女のデザインからは、余りに外れた、
不思議と均整のとれた、しかしそれでいておぞましい姿の怪物であった。
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/28(木) 23:41:58.98 ID:JKjsBTQh0
???『キシャァァァァァァァァァ』
その怪物が名状しがたい呻り声を挙げ、その鋸の様な歯を露わにする。
ガラス玉の様な赤い複眼には、あからさまなある感情が浮かんでいる。
すなわち―――『食欲』ッ!!
ほむら「ひぃっ!?」
歴戦の魔法少女である筈のほむらは、自分に向けられた『食欲』に対し、
普通の少女の様に悲鳴を挙げた。
この場における彼女は、本当に、普通の少女に過ぎなかった。
ほむら「(まどか!!)」
思わず胸中にてその名前を叫びつつ、その両眼を恐怖にぎゅっと瞑った。
―――その時であった
――――『 SHOOT ☆ VENT 』
聞き慣れぬ、男性声の電子音声が響いたかと思えば、
どこかから飛来した銃弾の数々が、蜘蛛の魔女の体を穿ち、その巨体をよろめかせる。
驚いて目を見開いたほむらの目の前を、青い影が走ったかと思えば、
彼女の脚に絡まっていた糸が断ち切られ、その主によって、ほむらの体は抱き上げられ、
さらう様に窮地から救出される。
???『うーーし……救出成功っ!!』
???『危なかったわね……間一髪って所かしら』
???『蜘蛛の魔女“ディスパイダー”……前に斃したと思ったが、復活してやがったか』
続いてほむらの耳に飛び込んで来たのは、聞き覚えのある連続する三人の人物の声。
青と、黄色と、青の、魔法少女の声。
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/28(木) 23:51:05.40 ID:JKjsBTQh0
果たして、そこには彼女の良く知る、しかし、彼女の見知らぬ姿をした、
『美樹さやか』『巴マミ』『佐倉杏子』の姿があった。
さやか「大丈夫?怖いかもしれないけど、もう少しの辛抱だよ」
そう言って抱き上げたほむらを心配そうに見るのは、
その体を、青と黒の西洋甲冑の様な装束で包んだ美樹さやかであり、
マミ「あの化け物は……直ぐに私達が斃すわ。だから、ちょっとだけ、そこで待っててくれないかしら」
杏子「まぁ……うんまい棒一本食い終わる間程度の辛抱だぜ」
そう続くのは、同じ様な甲冑に、しかし黄色と赤の甲冑に身を包んだ巴マミと佐倉杏子だ。
ほむら「あ……あなた達は?」
さやかに地面に下ろされたほむらが、思わずそう聞くのに対し、
さやか「そうね……どうせ魔女にも名乗る訳だし」
マミ「ちょいと教えてあげようかしら」
杏子「アタシらが何者かって事をな」
グルルと唸りを挙げる蜘蛛の魔女『ディスパイダー』に対して、
そして、背後に庇うほむらに対して、三人の少女は名乗りの口上を唱え始めた。
さやか「天が呼ぶッ!!」
マミ「地が呼ぶッ!!」
杏子「人が呼ぶッ!!」
さやか「悪を」
マミ「倒せと」
杏子「アタシらを」
さやか&マミ&杏子「「「呼ぶ!!」」」
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/28(木) 23:56:43.34 ID:JKjsBTQh0
両刃の剣を構え、ポーズ決めながらさやかが叫ぶ。
さやか「『ダークウイング』の戦士、魔法少女さやか☆ナイトッ!!」
どこからともなく取りだした紅茶を優雅に呑みながら、兜の下より伸びた金のカールを一撫でマミが、
マミ「『ボルキャンサー』の戦士、魔法少女マミ☆シザースッ!!」
そして、その場でクルリとワンターンを決め、『ディスパイダー』を指さしつつ杏子が
杏子「『エビルダイバー』の戦士、魔法少女きょうこ☆ライアッ!!」
と締めを飾り、
さやか「そうだっ!!私達は、人類の!!」
マミ「『自由』と!!」
杏子「『平和』を護る!!」
さやか&マミ&杏子「「「『魔法少女』だっ!!!」」」
―――ドッギャァァァァァァァァァァァァァン
と、効果音が聞こえて来そうなポーズを極めて、名乗り口上と相成った。
その余りにも、ほむらの知る三人とは違う姿に彼女は
ほむら「――――え?」
そう、力無く、茫然とするしか無かった。
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2011/07/28(木) 23:57:21.20 ID:JKjsBTQh0
短いけど、一旦ここまで。
明日、金曜日の夜には続きを投下したい
14 :
捕捉
[saga]:2011/07/28(木) 23:59:13.36 ID:JKjsBTQh0
龍騎は飽くまでモチーフなので、カードデッキの内容とかは少し弄ってあります
本来、シュートベントが無い筈のナイト、シザース、ライアがそれを使ってるのは、その為
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/07/28(木) 23:59:59.57 ID:RoiHXRQCo
乙彼
……ライダークロスは多々あれど、まさかこれが来ようとは思ってなかったぜ
さて、まどか色が無い訳だが……
16 :
1
[saga]:2011/07/29(金) 00:08:28.35 ID:zjoXFEkE0
さらに捕捉
本作は、要するに龍騎のハイパーバトルビデオに出て来た『ミラクルワールド』のまどマギ版です
正統派で熱血の昭和特撮テイストを目指して頑張って行きたいです。
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/07/29(金) 00:14:39.91 ID:U/eU6ir1o
あ、ちなみにまどか色が無いってライダーにピンクが居ないって事で。
ところで(CV:遊佐浩二)と(CV:高岩成二)は出ますか?
18 :
1
[saga]:2011/07/29(金) 00:22:29.85 ID:zjoXFEkE0
>>17
そこの辺りはまだ秘密。
ただ13ライダー+アビスは全員ちゃんと出す予定
次回で、『まどクルワールド』の在り方、
この世界における『魔法少女システム』の詳細を描写したく思います。
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2011/07/29(金) 13:58:45.51 ID:e0et1h0o0
久しぶりに心のそこから開いてよかったと思えるスレに出会った。
頑張ってください
20 :
1
[saga]:2011/07/30(土) 00:04:30.23 ID:W7Edsblt0
金曜日を少し過ぎて、土曜日になってしまったけれど、続きを投下する
21 :
1
[saga]:2011/07/30(土) 00:05:15.81 ID:W7Edsblt0
☆◆△●
マミ「それじゃぁ―――行くわよ!!ナイト!!ライア!!」
さやか「よっしゃぁ!!『ミラクルワールド』の平和はこのさやかちゃんが護る!!」
杏子「張り切るは良いけど、油断すんなよさや……ナイト!」
決めポーズと名乗り口上を終えた魔法少女三人娘は、
一斉にその手を見に纏った甲冑の腰部を成すベルトのバックルへと伸ばし、それぞれ何かを引き抜いた。
ほむら「(あれは――――カード?)」
ほむらの疑問の視線の中、さやかは手にした両刃剣のナックルガード部分を展開させ、そこにカードを差し込み、
マミは左手に籠手の様に装着されている鋏状の武器の、鋏の先を閉じる事でそれと繋がった後部を展開し、そこにさやかと同じ様にカードを差し込み、
杏子はマミ同様に左手に装着した三角形の盾状の装備の一部を展開し、そこに2人と同じ様にカードを差し込む。
彼女達が一斉にカシャンと音を立てて、展開部を閉じれば
―――『 SWORD ☆ VENT 』
―――『 STRIKE ☆ VENT 』
―――『 SWING ☆ VENT 』
三種類の電子音声が同時に響き、
まず、さやかの頭上に、どこから兎も角、巨大な蝙蝠の様なモンスターが飛来、
上空より、さやかへと向けて、突撃槍の様な形状の大型剣を投げ落とす。
続いて、何処からともなく飛んで来た左手のそれよりも巨大な鋏状の武器がマミの右手へと嵌り込み装着される。
その鋏は蟹の鋏を連想させる形状であり、左右で鋏の大きさが非対称な為、まるでシオマネキの様だ。
最後に、さやかの時と同様に、杏子の頭上へと、いずこより巨大なエイ状のモンスターが飛来、
丸くまとまった何かを落として寄越した。杏子がそれを展開した様子を見るに、どうやら鞭のようだった。
22 :
1
[saga]:2011/07/30(土) 00:06:55.39 ID:W7Edsblt0
さやか「『ウイングランサー』ッ!!」
マミ「『フォルビーチ』ッ!!」
杏子「『エビルウィップ』ッ!!」
(※注:マミの武器の正式名称は『シザースピンチ』です。勝手に名前を変えないでください)
それぞれが、武器の名前を叫び、またもポーズを取る。
いささか恰好はメカメカしく、仰々しいが、今のさやか、マミ、杏子のその姿は、
まるでアニメや特撮に出て来る憧れの…本当の意味での『魔法少女』の様であり、
その有り様は余りに新鮮で、ほむらは思わず、驚き以上の憧憬を込めた視線、
まるで、初めてまどかに助けられた時の様な視線で、三人の背中を見た。
ディスパイダー『キシャァァァァァァァァッ!!』
その姿を正面から見ていた『蜘蛛の魔女』こと『ディスパイダー』は、
背後へとその巨体を跳躍させて間合いを取ると、雄叫びを一つ上げる。
すると、その雄叫びに引き寄せられた様に、まるで戦隊ヒーローの雑魚戦闘員の如く、
ワラワラと人型のモンスター達が、どこからともなくやってきて、ディパイダーを護るように、さやか達の前に立ちはだかる。
『ウェウェウェウェwwwwww』と、聞く者を不愉快な気分にさせる様な奇怪な鳴き声をした、白い怪人で、
どことなく、昆虫を思わせる造形をしていた。
杏子「ち……『シアゴースト』の群れかよ……面倒くせぇ」
マミ「一体一体は弱いけれども……こう数が多くちゃね……」
どうやら、この白い怪人の名前は『シアゴースト』と言うらしい。
杏子の表情から察するに、既に彼女達は何度も戦った事のある存在の様だ。
魔女の『使い魔』の様な存在なのだろうと、ほむらは推測する。
23 :
1
[saga]:2011/07/30(土) 00:09:35.74 ID:W7Edsblt0
さやか「ライア、シザース先輩……シアゴーストの相手と」
さやか「そこの人の護衛を、任せてもいいですか?」
さやかが、左右のマミと杏子に視線を向ける。
マミ「……あなた一人で大丈夫?ディスパイダーは前よりも明らかに強くなってるわよ?」
さやか「何とかしてみせます」
杏子「へ!言ったからには責任とれよ、ナイト!!」
さやか「当然!!」
以上の様な会話の後、さやかが一人前に出て、
マミと杏子は、ほむらを護るように左右前方に陣取る。
ほむらの記憶の中の彼女達よりも、仲が良さそうであり、チームワークが出来ているようだ。
さやか「それじゃ――――行くよ!!」
マミ「ええ!!」
杏子「いっちょやったるぜ!!」
さやかが双剣を掲げながら走りだし、マミ、杏子は、再び腰のバックルへと手を伸ばす。
さやかが走り出したのを皮切りに、『シアゴースト』達もさやか達へと向けて走り始めた。
さやか「てやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
シアゴースト『ギャオ!?』
シアゴースト『ウェウェウェウェwwww!?』
突っ込んださやかと、『シアゴースト』の先頭集団が交差し、
瞬く間に数体の『シアゴースト』が切り裂かれ、爆散する。
ほむらの知るさやかよりも遥かに戦い馴れしているらしく、
立ち塞がる数体を撃破した後は、残りを無視して、真っ直ぐにディスパイダーへと攻撃を仕掛けていた。
24 :
1
[saga]:2011/07/30(土) 00:13:58.89 ID:W7Edsblt0
一方、
マミ「たっ!てりゃ!たぁぁぁぁぁぁ!!」
マミは左右の鋏を振りかざし、『シアゴースト』達を切り裂いていき、
杏子「踊ってんじゃねーーぞ、ウスノロ共!!」
杏子は鞭を縦横に振りまわして、女王様の如く、近づく敵を片っ端から叩きのめしている。
互いの隙を埋める様な立ち回り、位置取り、
それでいて、ほむらに『シアゴースト』が近づくのを許さない。
ほむら「(やっぱり……明らかに戦い馴れしている……)」
マミと杏子は元々ベテランの魔法少女ではあったが、
この時間軸の彼女達は、チームワークと言う点で、
ほむらの知る彼女達よりも格段に馴れており、実力は上だと断言出来た。
動きに、明らかに隙が少ないのだ。
しかし――――
25 :
1
[saga]:2011/07/30(土) 00:37:49.04 ID:W7Edsblt0
マミ「ちょっと……いくらなんでも」
杏子「ちくしょう……弱いくせに数だけは―――!!」
余りにも『シアゴースト』の数が多い。
マミと杏子の2人は、少しずつではあるが押され始めていた。
ほむらの推察通り、この『シアゴースト』どもは、
『ディスパイダー』の『使い魔』の様な存在である。
あの蜘蛛の化け物さえ斃してしまえば、蜘蛛の子を散らす様に退散するだろう。
では、さやかの方はと言うと、
さやか「せいやぁぁぁ!!」
―――キンキンキンガキィィィィィン
ディスパイダー『グォォォォォォッッ』
確かに押してはいるものの、予想以上にディスパイダーの力が強いのか、
斃すまでにはまだ時間がかかりそうであった。だが、このままでは―――
ほむら「(な…何か……私にも……)」
そう考えるほむらであったが、しかし、今の彼女は唯の少女。
出来る事など、何も―――
―――ごそ……
ほむら「……え?」
不意に感じた、上着のポケットの内の、覚えの無い異物の感触。
探ってみれば、やはりと言うべきか、見覚えの無い『四角い何か』が入っていた。
牛を連想させる紋章が描かれた……緑色の……
ほむら「(これって―――)」
似ている、と思った。
さやかや、マミや、杏子の腰のベルトのバックルに嵌められている、
四角い、エンブレム入りの、カードが入ったケース状のモノ。
ほむらが、手にした緑色の『デッキ』を凝視しているのを、
マミが目ざとく見つけ、そして驚いた様に叫んだ。
26 :
1
[saga]:2011/07/30(土) 00:38:34.96 ID:W7Edsblt0
マミ「それは―――『ソウルデッキ』!?」
ほむら「『ソウルデッキ』?」
聞き覚えの無い言葉を、聞いたままに繰り返すほむら。
その時である。突然に、ほむらの頭の中に、見知らぬ筈の知識がいきなり流れ込んで来る。
その情報に驚きつつも、ほむらはそれに従って、殆ど無意識のうちに体を動かしていた。
緑の『ソウルデッキ』を手前に掲げれば、まるで幻の様に、
―――フォン
と、ベルトが出現し、
それに合わせて、右手の拳を上げて、
ほむら「『変身』ッ!!」
ベルトのバックルに『ソウルデッキ』を装着し、
両の拳を、腰のあたりへと肘を曲げつつ持って行く。
これにて、『変身』の儀式は完了し――――
ほむら「――――これは……」
新たな『魔法少女』の誕生である。
黒に近い、深緑の装甲を持った、その魔法少女の名前は―――
マミ「『ゾルダ』!?」
杏子「何だって!?『ゾルダ』だと!?」
―――『魔法少女ほむら☆ゾルダ』ッ!!
27 :
1
[saga]:2011/07/30(土) 00:39:44.80 ID:W7Edsblt0
取り敢えず此処まで。
>>18
で言っていた内容に触れるのは次回にでも
今日の夜には再開したい
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2011/07/30(土) 00:47:01.66 ID:iw2AZNyP0
脅威の火力と時間操作がかみ合いすぎて怖い。
乙!
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/07/30(土) 00:47:25.48 ID:xe33zBsBo
リュウガかと思ったが……ほほー……
ライア・ナイト・シザース・ゾルダって異色のカルテットすぎだろwwwwwwwwww
また次回が気になる引きだね、乙まど
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2011/07/30(土) 12:38:33.73 ID:KUG/8s4AO
綺麗な浅倉さんが見れると期待してきたが(´・ω・`)
31 :
1
[saga]:2011/07/30(土) 12:48:19.58 ID:W7Edsblt0
>>30
ごめんね。
本作のコンセプトは『まどマギでミラクルワールドをやろう』なので、
『基本的』に龍騎のキャラは出ません。
32 :
1
[saga]:2011/08/03(水) 22:40:49.86 ID:vlaKGJI20
投下します
33 :
1
[saga]:2011/08/03(水) 22:41:57.08 ID:vlaKGJI20
☆◆△●
ほむら「(こ、これは――――)」
ほむらは内心の動揺を使い古した鉄面皮で巧みに隠しながら、
彼女の知る姿とは大きく異なった、自身の変わりし『魔法少女』としての姿を、マジマジと見つめる。
ほむらに取って本来の『魔法少女』として装束の色である『黒』に近い、深い深い『緑』と、紫を微かに帯びた『銀』の装甲。
頭部はアンテナを備えたヘッドセットの様な物が装着されている。
また、このヘッドセットには三本のスリットの入った紫銀のバイザーが備わっており、それは手で上下させる事が出来た。
フェイスガードの内側には特殊なモニター類が内蔵され、まるで戦闘用のサーマルゴーグルを掛けた時の様な視界をほむらに提供し、
それが気に喰わなければ、フェイスガードを上げて、直接肉眼で見る事も出来た。
カシャリ、カシャリと、何度もフェイスガードを上下させるほむら。
ほむら「………」
続けて目を下に下げれば、例の『ソウルデッキ』が装着されている腰のベルトには左右にランチがあって
大型の拳銃の様な物が、丁度モーゼル拳銃から銃身部分を切り取った形状の銃状器具が、
その右側のランチにマウントされているのが確認できた。
ほむら「(――――『マグナバイザー』……)」
知らない筈のその名が、自然と頭の中に浮かんでくる。
そして、その『使い方』も、である。
ほむら「…………」
マミ、さやか、杏子の三人が、予期せぬ『変身』を遂げたほむらに驚き戸惑いつつも、
未だその数の暴力を誇るシアゴーストの群れ、そしてディスパイダー相手に苦戦を強いられている中、
ほむらは恐る恐る、頭の中に浮かんだ『使い方』に従って、腰のソウルデッキより、一枚のカードを引き抜き、
―――『 SHOOT ☆ VENT 』
右手でランチより取り外した『マグナバイザー』へと『アドベントカード』を装填、
電子音声が響けば、虚空よりもう一丁の『マグナバイザー』が忽然と現われて、ほむらの左手に収まる。
34 :
1
[saga]:2011/08/03(水) 22:45:59.32 ID:vlaKGJI20
ほむら「…………」
グローブ越しに両手のマグナバイザーの感触を一通り確かめた後、
ほむらはシアゴーストの群れに二つの銃口を向けると、
――――シュパパパパパァァァンッ!!
2丁拳銃の要領でシアゴーストの群れに弾丸を叩き込む。
流石に銃器の扱いには馴れたモノのほむらであり、その射撃は精確、
マミや杏子の側のシアゴーストを撃ちながらも、流れ弾が出る事無い、百発百中である。
ほむら「何が何だか解らない」
ほむら「何が何だか解らないけど……」
ほむら「援護するわ!!」
このほむらの申し出に対する、マミ、杏子の反応は即座かつ迅速であった。
マミ「ええ!!解ったわ!!」
杏子「何者だか知らねェが……『魔法少女』は助け合いだろ!!」
マミ「おっしゃる通りだわ!!」
護るべき対象が戦える『魔法少女』であり、
また、その強力な援護射撃を手に入れたマミ、杏子は、
押されていたシアゴーストの群れへと一転構成を掛けた。
マミ「行くわよ!!『シャルロット』!!」
―――『 AD☆VENT 』
カードの召喚に応じて現れたのは、カニ型のモンスター『ボルキャンサー』。
しかしマミはその名で呼ぶ事は殆ど無く、勝手に付けた『シャルロット』の名で呼んでいる。
マミ「一緒に戦うわよ!!シャルロット!!」
―――『 SHOOT ☆ VENT 』
ボルちゃん『キシャァァァァァ(訳:うっせーよデカ乳、変な名前で呼ぶな、乳揉むぞ)』
35 :
1
[saga]:2011/08/03(水) 22:48:07.20 ID:vlaKGJI20
『シュートベント』のカードで呼び出したマジカルマスケットを構えつつ、
ボルキャンサーと共にシアゴーストの群れを追い立てる。
一方、杏子は
杏子「めんどくせぇ……一気にカタつけてやらぁ!!」
―――『 TRICK ☆ VENT 』
アドベントカード『トリックベント』の効果により、三体へと杏子☆ライアへと分身、
その上で、
―――『『『 STRIKE ☆ VENT 』』』
を各々発動、一人一つずつの、合計三本の槍が、それぞれの杏子の手に収まった。
巨大な赤色三角形状の穂先を備えたその槍は、別の時間軸でほむらの良く知る杏子が使っていた得物と同じデザインのモノであり、
杏子「「「っしゃぁ!!行かせてもらうよ!!」」」
その機能もまた同一。鎖仕込みの多節槍。その変幻自在にして、間合いの広い攻撃で、シアゴーストの群れを狩りたてる。
―――パパパパパァァァァァン
―――ズシャグシャバシュゴシュ
シアゴースト『ウェウェウェウェwwwwwwww』
マミ、杏子の二方面からの怒濤の攻撃に、シアゴーストの群れが、一か所に纏まりつつある。
これは、好機と、ほむらは見た。
ほむら「一気に殲滅するわ!!」
ほむら「退いて!!」
―――『 FINAL ☆ VENT 』
マミ&杏子「「!?」」
ほむらが『ファイナルベント』のカードをマグナバイザーに差し込み、
その彼女の警告に従って、マミと杏子が各々その場から飛びのく。
マグナギガ『―――――――』
空間を跳び越えて出現したのは、牛型モンスター『マグナギガ』。
その背部に空いたインジェクターに、マグナバイザーを挿入する事で、その準備は完了し、
ほむら「喰らいなさい……私の必殺技」
ほむら「『 エ ン ド ・ オ ブ ・ ワ ー ル ド 』ッ!!」
まるで巴マミの様に必殺技の名を叫びながら、ほむらは引き金を引いた。
マグナギガに内蔵された火器が一気に展開され、弾丸の、砲弾の、ミサイルの一斉射撃ッ!!
まさしく雨の様にシアゴーストの群れに降りそそいで、
―――ズゴォォォォォォォォォンッ!!
シアゴーストの群れを一匹残らず殲滅したのである。
36 :
1
[saga]:2011/08/03(水) 22:49:53.12 ID:vlaKGJI20
さて、さやかの方もまた、
さやか「こっちも決めるわよ!!」
さやか「行くよ!!私の第1の必殺技!!」
―――『 FINAL ☆ VENT 』
ディスパイダーとの戦いを終わらせるべく、トドメの一撃を放たんとしていた。
『ファイナルベント』のアドベントカードに応じて、虚空より
ダークウィング『キィィィィィィッ!!』
『ダークウィング』が飛来、さやかの背中に取りつくと、その姿を黒のマントに変え、
さやか「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
さやかは跳躍ッ!!飛行ッ!!
そしてそこからの急転直下ッ!!急降下ッ!!
ダークバイザーの切っ先を下に向けてのさやかの落下中に、
黒のマントが生き物の様に動きだし、ダークバイザーの剣身へと巻きついて、ドリル状の武器と化すッ!!
その螺旋の切っ先の向かう先は、ディスパイダーをおいて他に無しッ!!
さやか「これでトドメだぁっ!!」
さやか「『 飛 翔 斬 』ッ!!」
さやかは一筋の黒い流星の様になりながら、地上へと降り注ぎ、
ディスパイダーへとその回る剣先を突き立て、『蜘蛛の魔女』を爆裂四散させた。
37 :
1
[saga]:2011/08/03(水) 22:56:17.74 ID:vlaKGJI20
☆◆△●
さやか「いやーーそれにしてもオドロイたわーーー」
杏子「まさか助けた相手が『魔法少女』だったとはなぁ……」
マミ「それにしても……長らく『欠番』だった『ゾルダ』に新たな資格者が現れてたなんて……」
マミ「私は聞いて無かったわ……美樹さんに、佐倉さんの方は?」
さやか「いやぁーーー私の方は全然」
杏子「アタシも聞いてねぇなぁ……『欠番』の『13ガールズ』に資格者が現れたとなりゃ…直ぐに噂が広まりそうなモンだがなぁ」
さやか「|M0)ジー」
マミ「|M0)ジー」
杏子「|M0)ジー」
ほむら「(0w0)」
3人の『疑惑』……と言うには敵意の薄い『興味』の視線を一身に浴びたほむらは、取り敢えず本当の事を話す事にする。
まぁ、正直、話せる事など殆ど無いのだが。ほむらにとっても、この時間軸は訳の解らない事だらけな訳であるし。
ほむら「正直に言うと……私も訳が解らないわ」
ほむら「『ゾルダ』……って言うのかしら?あの姿に『変身』出来るのを知ったのは、本当についさっき、あの時の事なんですもの」
ほむらのそんな言葉に、三人は顔を見合わせて暫しなにやら話し合っていたが、
マミが代表となって、ほむらに色々と質問を開始した。
マミ「もう一度確認しておくけど……ついさっき、貴方は初めて『変身』した…という解釈で、良いのかしら?」
ほむら「そうね」
マミ「じゃぁ……その『ソウルデッキ』は何処で手に入れたのかしら?」
ほむら「知らないわ……気が付いたら、ポケットの内に入ってのよ」
マミ「『オーディン』には会っていないのかしら?」
ほむら「………『オーディン』?」
マミ「『オーディン』を知らないの?じゃぁ『13ガールズ』は?『ミラクルワールド』については?」
ほむら「????」
未知の言葉の連続である。
全くもってこの時間軸、いや世界軸は、ほむらにとっては完全に未踏の境地であるらしい。
38 :
1
[saga]:2011/08/03(水) 23:01:29.59 ID:vlaKGJI20
マミ「その様子じゃ……本当に何も知らないみたいね」
マミ「いいわ」
混乱した様子のほむらに、マミは軽く悪戯っぽく笑うと、
マミ「ちょいと時間をもらえるかしら?」
マミ「貴方には……知る『権利』と『義務』のある世界」
マミ「『13ガールズ』こと、『13人』の『魔法少女』と、『始まりの戦士』である『オーディン』……」
マミ「そして」
マミ「『ミラクルワールド』」
マミ「この世界の裏側に潜む、そんなもう一つの世界の事を、私達がみっちりと教えてあげるわ」
そう、言ったのであった。
―――To Be Continued……
39 :
【魔法少女紹介】
[saga]:2011/08/03(水) 23:02:26.35 ID:vlaKGJI20
○魔法少女さやか☆ナイト
契約モンスター
:ダークウィング
アドベントカード
:アドベント:ダークウィング召喚
:ソードベント:ウィングランサーを召喚
:ガードベント:ウィングウォールを召喚
:ナスティベント:ダークウィングによる超音波攻撃
:マッハベント:一時的な超加速が可能。ただし直線的な動きしか出来ない
:ファイナルベント:『飛翔斬』を発動
※原作と違って『トリックベント』が無くなり、代わりにオリジナルの『マッハベント』が入っている。
何で『アクセルベント』じゃないかと言うと、そっちの方がさやかっぽいから(剣的な意味で)。
『飛翔斬』は原作と違い、ダークバイザーにマントを絡ませ、ドリル剣と為し、上空から急降下して相手を突き刺す技である。
○魔法少女マミ☆シザース
契約モンスター
:ボルキャンサー
アドベントカード
:アドベント:ボルキャンサー召喚
:ストライクベント:フォルビーチ(シザースピンチ)を召喚
:ガードベント:スクードーロ(シェルディフェンス)を召喚
:シュートベント:アルキブージョ(クラブマッチロック)を召喚。このカードだけは複数所持している。
:シュートベント:ボンバルダ(シザースカノン)を召喚。上と違って一枚だけ。
:セイロンベント:紅茶を召喚。特に意味は無い。
:ファイナルベント:『アタッコ・フィナーレ(シザースアタック)』を発動
※原作に比べると大幅に強化されたデッキを持つ。
二枚の『シュートベント』により、マジカルマスケットとマジカル大鉄砲を召喚可能になった。
なお、全ての技、武器の名前が、マミによって独自アレンジされている。
『シザースアタック』は、ほぼ原作と同じだが、全身をリボンで覆って、本当に玉状になってしまう点が相違している。
○魔法少女きょうこ☆ライア
契約モンスター
:エビルダイバー
アドベントカード
:アドベント:エビルダイバー召喚
:スイングベント:エビルウィップを召喚
:ストライクベント:エビルランサーを召喚
:コピーベント:近くの魔法少女の武装をコピーし、使用できる
:トリックベント:3体に分身し、相手を幻惑する
:ファイナルベント:『ハイドベノン』を発動
※シザースと同じく、デッキが原作に比べると大幅に強化されている。
『ストライクベント』で本来の武器である鎖の仕込み多節槍を召喚可能。
13ガールズの中では防御力と攻撃力が低めであり、変則的な武器やカードで相手を幻惑して戦うトリッキーな戦士。
『ハイドベノン』は、超巨大な槍と化したエビルダイバー構えて、相手に突撃する技に変更されている。
○魔法少女ほむら☆ゾルダ
契約モンスター
:マグナギガ
アドベントカード
:アドベント:マグナギガ召喚
:シュートベント:マグナバイザーをもう一丁召喚。ガンカタが可能
:シュートベント:ギガランチャーを召喚
:シュートベント:ギガキャノンを召喚
:シュートベント:ギガケルベロスを召喚
:フリーズベント:周囲の時間の流れを一時的に停止(フリーズ)させる。
:ファイナルベント:『エンドオブワールド』を発動
※原作以上に射撃に特化したデッキ構成になっている。
設定上存在した『ストライクベント』、二枚目の『ガードベント』は、どちらも『シュートベント』に入れ替わっている。
『ギガケルベロス』とは、アギトでG3−Xの使用した『GX-0 ケルベロス』の緑色バージョンである。
13ガールズの中では肉体スペック的に最弱であり、ほむらの虚弱体質も合わさって、近接能力は致命的に低いが、
圧倒的火力と射程、『フリーズベント』による時間停止という、ある意味反則的能力を備えており、
『遠距離では最強、近づかれたらオワタ\(^o^)/』と言う、原作以上に極端な性能となっている。
『エンドオブワールド』は変更点が一切なし。
40 :
【魔法少女紹介】
[saga]:2011/08/03(水) 23:02:55.98 ID:vlaKGJI20
☆『13ガールズ』こと、13人の『魔法少女』
1:龍騎:???
2:ナイト:美樹さやか
3:シザース:巴マミ
4:ライア:佐倉杏子
5:ゾルダ:暁美ほむら
6:ガイ:???
7:王蛇:???
8:タイガ:???
9:ベルデ:???
10:インペラー:???
11:ファム:???
12:アビス:???
13:リュウガ:???
★『始まりの戦士』
0:オーディン:???
41 :
1
[saga]:2011/08/03(水) 23:03:34.55 ID:vlaKGJI20
以上です。
続きは、出来るだけ早く投下したい
42 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/08/03(水) 23:06:59.33 ID:iob6iy8zo
乙彼ー
マミ☆シザースのカードにスイングベントは無いのね……
リボン……
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/08/03(水) 23:08:58.46 ID:iob6iy8zo
あぁ、あと槍はソードベントになるんじゃないですかね?
ファムとナイトの武器があれだし
残りの魔法ライダーの正体が楽しみだー
まどかSSでもかなりの異色作になりそう
44 :
1
[saga]:2011/08/03(水) 23:21:17.75 ID:vlaKGJI20
>>42
>>43
<リボン……
蟹の分際でリボンまであったら流石に強すぎんだろ常考、て事で敢えて外しました
今のスペックでも、正直強すぎると思ってますし
<あぁ、あと槍はソードベントになるんじゃないですかね?
確かにそうかも。次回以降は、そちらに修正しますね
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/08/04(木) 00:06:29.93 ID:lBDhhLNDO
面白いよ
応援するよ
46 :
1
[saga]:2011/08/10(水) 10:44:44.86 ID:3IVOJoOY0
続きを投下します
47 :
1
[saga]:2011/08/10(水) 10:45:18.96 ID:3IVOJoOY0
―――ほむらがさやか達と『再会』し
―――『魔法少女ほむら☆ゾルダ』として『新生』してより
―――数時間後
ほむら「…………」
ほむらは一人、家路を目指して夕焼けに燃える見滝原を歩いていた。
その手の中には、例の『ゾルダ』のデッキが握られている。
歩きつつ、デッキを見つつ、ほむらは、マミの家にて聞かされた、
この世界軸における『魔法少女』の『在り方』について、頭の中で何度も反芻する。
マミ『この見滝原には、戦士「オーディン」に選ばれた「13人」の「魔法少女」がいるの』
マミ『「龍騎」、「ナイト」、「ライア」、「シザース」』
マミ『「ゾルダ」、「ガイ」、「インペラー」、「ベルデ」』
マミ『「タイガ」、「ファム」、「王蛇」……』
マミ『そして「リュウガ」と「アビス」』
マミ達の言っている内容が正しいならば、基本的にこの世界には見滝原にしか魔法少女は存在せず、
その数は最大でも13人と定められているらしい。故に魔法少女は、『13ガールズ』とも呼ばれる訳だ。
マミ『それぞれが、それぞれの「モンスター」、そして「オーディン」と契約し』
マミ『「ソウルデッキ」を受け取る事で、魔法少女に変身できる様になるの』
13人の魔法少女が持つ『ソウルデッキ』は、
それぞれの魔法少女の成した『契約』の証であり、純粋な意味での『変身アイテム』なのだ。
この世界の魔法少女は、ゾンビ化なんてしないし、魂がデッキに移されるなんて事も無い。
『ソウルデッキ』の“ソウル”は、あくまで魔法少女には魂にも等しいモノ、以上の意味を持たないのだ。
マミ『そしてココからが重要なのだけど』
マミ『本来、「魔法少女」は「オーディン」に選ばれた「資格者」が』
マミ『「オーディン」と話し合った上で「契約内容」に合意した場合になるものなの』
マミ『暁美さん…あなたは相当なイレギュラーらしいわね』
『契約』と言う言葉の意味も、この世界では大きく異なっている。
これまでも世界では、『悪魔の誘惑』以外の何物でも無かった、キュゥべえによる『契約』……
しかし、この世界では……
ほむら『「願い事」の「後払い」?』
マミ『ええ。「資格者」は「オーディン」との』
マミ『「契約」を「満了」した時にのみ、ただ一つだけ願い事をかなえてもらえるの』
48 :
1
[saga]:2011/08/10(水) 10:45:45.94 ID:3IVOJoOY0
マミからほむらが聞かされた、「魔法少女」の「契約」のルールを纏めると、以下の様になる。
一つ、「オーディン」は「資格者」を選定し、「鏡」を通して、「資格者」の前に現れる
一つ、「資格者」が「オーディン」と「契約」を結ぶかは、「資格者」の自由である
一つ、「契約」を結んだ「資格者」が「魔法少女」になる
一つ、その際、空きがあって、なおかつその「資格者」と適合している「ソウルデッキ」を渡される
―――そして
―――「契約」を果たした「魔法少女」には、以下の様な「責務」が課せられる
マミ『さっき暁美さんが引き摺り込まれた妙な世界』
マミ『あれは「ミラクルワールド」と言って、この見滝原ののみ存在する』
マミ『この世界の鏡写しの「裏世界」とでも言うべき「異世界」なの』
マミ『またの名を「ベンタラ」と言って』
マミ『人間が存在しない代わりに「ミラクルモンスター」の巣窟となっている世界なの』
マミ『その「ミラクルモンスター」と戦い、人間を護るのが』
マミ『私達「魔法少女」の責務なのよ』
―――『ミラクルモンスター』
ほむら達「魔法少女」がデッキを通して契約するモンスター『アドベントビースト』と敵対する存在であり、
『ミラクルワールド』の支配者であり、そして、人知れず人間を喰らう怪物達。
―――『13年前』
突如、この見滝原を中心に出現し、
現在では見滝原市全域とほぼ同じ規模を持つにいたるまで『成長』した『異世界』、『ミラクルワールド』。
こちら側の世界へと『浸食』を進める『ミラクルワールド』、『ミラクルモンスター』による人間の『捕食』。
それらと戦い、人間を護るのが、この世界の『魔法少女』……『13ガールズ』なのだ。
マミ『「魔法少女」は「ミラクルモンスター」を倒し、人間を護り』
マミ『「ミラクルワールド」を閉じる為に戦うのと引き換えに』
マミ『「契約」が「満了」した時、報酬として、どんな願い事も一つだけ叶えてもらえるのよ』
マミ『もっとも、あくまで「オーディン」の出来る範囲で、だけどね』
基本的に死ぬか、魔女化するまで戦い続けならばならない、これまでの世界の『魔法少女』と異なり、
この世界の『13ガールズ』は、契約の『期間』と言うモノが明確に設定されている。
一つ、999体の『ミラクルモンスター』を斃す
一つ、『ミラクルワールド』の基点である『ミラクルコア』、あるいはそこから枝分かれして生じた『支点』を破壊する
これを果たした時、契約は『満了』となり、『オーディン』の可能な範囲で願い事が一つだけ叶えられ、戦いの責務から解放される。
現状では『ミラクルコア』の破壊は果たされておらず、しかも『ミラクルコア』の破壊は『13ガールズ』全員が揃い、その全員が真の団結を果たした時のみ可能と言うから、
事実上、契約を満了する手段は『999体の「ミラクルモンスター」を斃す』のみである。
これは、ここ13年の間に、既に果たした人間が何人もいるらしい。
マミ『まぁ、契約が満了になればデッキを返して「魔法少女」の力を失う事にもなるから』
マミ『それが惜しくて、中には「再契約」をする変わり者もいるらしいわ』
この世界の魔法少女には、特に年齢規定は存在せず、
その気になれば、大人になっても魔法少女を続ける事が可能だそうだ。
事実、現在の『王蛇』は、30を越えたキャリアウーマンであるらしい。
たいていは、高校を過ぎる辺りから忙しくなるので、続いて良くて大学生で、それ以降の年齢で続けるのは少数派らしいが。
49 :
1
[saga]:2011/08/10(水) 10:46:38.37 ID:3IVOJoOY0
また、マミによれば『契約違反』を犯した場合も、デッキを取り上げられ、魔法少女の力を失うようだ。
マミ『本人が戦う事を拒否し続けたり』
マミ『あるいは余りにも長い間、やるべき戦いを行わなかったり』
マミ『「魔法少女」の力を「責務」以外の、「オーディン」の許容範囲を超える悪事に使ったりすれば』
マミ『契約は破棄されて、「魔法少女」はその力を失うわ』
マミ『その場合は、当然「願い事」は無しよ』
マミ『ちなみに、犯罪の許容範囲は、せいぜい「万引き」まで。殺人強盗はもってのほかよ』
マミ『後、本人がどうしても止めたい、と言う場合も、契約破棄は認められるわ』
「魔法少女」の戦いが過酷なのは、この世界でも変わりは無い。
故に、志半ばで『戦死』したり、途中で投げ出したりする、逃げ出したりする『魔法少女』も少なく無く、
故に、『13ガールズ』が全員揃う事は今まで一度も無かったらしく、常に一定数の欠員を抱えているのだと言う。
マミ『現に、「龍騎」の魔法少女で、榊原耕子って人が居るんだけど』
マミ『彼女は現在消息不明よ。そのデッキ諸共ね』
マミ『「オーディン」は必死に探しているらしいけど、見つかっていないわ』
マミ『恐らくは――――』
杏子の『ライア』のデッキも、以前は斎藤某なる人物が資格者だっらしいが、彼女が戦死した為、杏子に引き継がれたそうだ。
ちなみに『ゾルダ』のデッキも、以前は『北岡秀夏』という人物がその資格者だったらしい。彼女は、無事に契約を満了して、魔法少女を止め、
その後、弁護士を志望して見滝原の外の大学法学部に進学した女子高生だったそうだ。
マミ『だから、暁美さんも、戦うのが嫌ならば、別に止めても良いのよ』
マミ『何と言うか、あなたの場合は、「巻き込まれた」だけって感じがするし』
普通、『資格者』が『魔法少女』になる為の『ソウルデッキ』を手にする前には、
必ず『オーディン』が『鏡』を通して出現し、必ず本人の同意の上で『契約』を結ぶのだと言う。
にも関わらず、ほむらは『オーディン』とは未だ会ってはおらず、『契約』も結んではいない。
確かに、ほむらが抱える『事情』を知らなければ、かなりアクシデンタルな事態に見えるだろう。
ほむら「(時間遡航で、本来存在しない筈の『魔法少女』が、この世界線を越えて来た……)」
ほむら「(その『辻褄合わせ』なのかもしれないわね……)」
ほむらは、そう考え、勝手に納得する。
マミによると、恐らくほむらの前にも『オーディン』が出現すると思うから、その時に色々と聞いて見れば、との事だった。
ほむら『ところで……「オーディン」って何者なの?』
マミ『…………』
ほむらのこの当然の問いに、
マミはおろか、さやかも杏子も、充分な解答を持っていなかった。
50 :
1
[saga]:2011/08/10(水) 10:47:05.55 ID:3IVOJoOY0
マミ『「オーディン」は、その全身を金色の甲冑で包み、常に大きな杖を携えた人物で』
マミ『声も何と言うか、凄くくぐもってて、男なのか女なのかも不明な、正真正銘の謎の人物なのよ』
マミ『私も含めて、その正体を探ろうとした魔法少女は何人もいたらしいけど』
マミ『結局……何一つ解らなかったわ』
『オーディン』に関して解っている事は余りに少ない。
確かなのは、彼、あるいは彼女が『ミラクルワールド』が出現したその創成期から一貫して、
それを閉じ、人間を護る為に戦い続けている『始まりの戦士』であり、鏡の様に『写るモノ』を通して出現する、
『13ガールズ』の『ソウルデッキ』の製作者であり、『13ガールズ』の監督役だと言う事だけなのだ。
マミ『「オーディン」は、「ミラクルワールド」の住人でありながら』
マミ『「ミラクルモンスター」を喰らう「アドベントモンスター」に目を付け』
マミ『その力を「ソウルデッキ」に封じこめる事に成功し』
マミ『「13ガールズ」のデッキを造り上げたのよ』
『アドベントモンスター』は『ミラクルモンスター』の変種であり、
彼らは人間を喰らわない代わりに『ミラクルモンスター』と、人間の『闘気』を喰らう生物。
彼らがデッキに大人しく封じれれているのも、その二つを『魔法少女』を通して食すためらしい。
マミ『ちなみに、現在の「13ガールズ」の資格者は「10人」』
マミ『「龍騎」の榊原さんが行方不明で』
マミ『「リュウガ」と「アビス」は「資格者」が見つかっていないらしいわ』
ほむら「………」
ここまで思い返して、ほむらは改めて『ゾルダ』のデッキを見つめる。
ほむら「(私の……『願い』……)」
さやか達に確認した所、この世界にも『鹿目まどか』が存在している事は解った。
そして彼女が『13ガールズ』の一員には選ばれていない、普通の少女であると言う事も。
51 :
1
[saga]:2011/08/10(水) 10:49:02.72 ID:3IVOJoOY0
ほむら「(『ミラクルワールド』からまどかを護る)」
ほむら「(その為に……私は戦う、と言う事なのかしら)」
この世界ならば、ほむらは止めたいと思えば『魔法少女』を止める事が出来るのだ。
そして、それは、仮にまどかが『魔法少女』になっても同じなのだ。
ほむら「(私が、是が非でも契約を阻ばなければならない……)」
ほむら「(そういう世界では、ないのよね、ここは)」
急に『戦う理由』が無くなってしまった感じがして、ほむらは奇妙な虚無感で満たされていた。
この世界で、自分が戦う必要など、あるのだろうか?ほむらは、そう考えてしまう。
ほむら「(私は……まどかさえ守れればいいと思っていた)」
ほむら「(でも、まどかを護る事は、美樹さやかや、巴マミや、佐倉杏子がやってくれるだろう)」
ほむら「(まどかを護る以外に、私が叶えたい願いなんて……)」
そんな事を考えていた時だった。
???『――――暁美ほむら……』
何処からともなく、そんな呼び声が聞こえた。
男の様でもあり、女の様でもある、そんなくぐもった声。
周囲を見渡す、ほむらの目に写った金色の姿。
傍らのショーウィンドーのガラスに、写り込んだ杖を持った金色の甲冑。
間違い無い、コイツこそが―――
ほむら「―――『オーディン』」
オーディン『如何にも暁美ほむら。お前に話がある』
52 :
1
[saga]:2011/08/10(水) 10:50:16.38 ID:3IVOJoOY0
取り敢えず、ここまで
この世界の『魔法少女』は、
龍騎ライダーを『ライダー少女』化した様なデザインになっていますが、
オーディンの外見だけは龍騎原作そのままです
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/08/10(水) 14:58:25.50 ID:+XGFnEB4o
乙まど
音楽少女(であったであろう)斎藤某ちゃんに黙祷……
そして王蛇特定したwwwwwwwwww
54 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/08/10(水) 20:01:43.55 ID:zHMqtQODO
http://m.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=17860268&PHPSESSID=34aa0dab67e6b559eb63bc855ba08fb3&guid=ON
これ?
55 :
1
[saga]:2011/08/10(水) 20:31:30.04 ID:3IVOJoOY0
>>54
それの影響はかなり受けてますねwwww
ただ、本作の『ライダー少女』は元ネタのライダーの頭部を模したヘッドギア付きですが
56 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2011/08/31(水) 14:05:47.80 ID:lZdw0W2a0
つづきマダー?
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314546216/
57 :
1
[saga]:2011/09/05(月) 09:03:14.88 ID:oZ+Mn2Le0
本日、夜11時ごろから再開したく思います
58 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2011/09/05(月) 17:52:15.92 ID:k+YU2IZu0
ついにキター!
待ってたよ
59 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/09/05(月) 23:50:58.53 ID:u4VcUGzpo
「
>>1
は?」
「ベントされた」
「いつ戻る?」
「戻らない」
60 :
1
[saga]:2011/09/06(火) 10:23:47.14 ID:3ZM/VLNF0
すまん。ミラーワールドより帰還した
今日の夜には投下したいです
61 :
1
[saga]:2011/09/06(火) 22:30:01.28 ID:3ZM/VLNF0
うーーむ。ミラクルワールドから帰還したはいいが、予想以上に苦戦中
それでも、今日明日中には投下したい
62 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/09/07(水) 00:59:16.73 ID:h4QyVLJ0o
その気持ちは良くわかるで
気長に頑張ってな
63 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/10/13(木) 00:52:59.87 ID:883qbh8q0
まだ?
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