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遥「5年ぶりの神室町か…」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 20:36:45.70 ID:UY68Tnb50
神室町を襲ったゾンビ事件から早くも10年の月日が経った…


ヤクザや中国マフィア、虎にゾンビと、数々の強敵と戦ってきたおじさんも5年前、病気で亡くなった…


おじさんの死は私達アサガオの子供達、東城会の人達、神室町の住民達、それ以外の人達にも大きな衝撃を与えた…



そのおじさんの死から5年

私、澤村遥は今、神室町に来ていた……
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 20:40:35.54 ID:UY68Tnb50
遥「…」


何年経とうと変わらない町、それが神室町


私がこの町に戻ってきた理由、それは数日前突然おじさんが夢に出てきたから


夢の中のおじさんは何も言わず、ただ私の前に立っていただけだった

ただそれだけの夢だったけど、私は何故か神室町に行かなければならない、と思った



おじさんが守り続けてきたこの町に、何かが起こっていると…


そう、感じたから…
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 20:45:22.75 ID:UY68Tnb50
遥(…変わらないなぁ。本当に、この町も……)

pllll…

遥「! …綾子ちゃんからだ」

ピッ

遥「はい、もしもし」

綾子『遥お姉ちゃん?そろそろ神室町についた頃かな?』

遥「うん、ちょうど神室町の入り口に立ってる所だよ」

綾子『そっかぁ〜。こっちの事は気にしないでね!泉ちゃんにエリちゃんもいるから!』

遥「うん…、ごめんね。本当に急で」

綾子『ううん、大丈夫だよ。お土産買ってくるのだけは忘れないでね?…な〜んて』

遥「あはは、うん。忘れないよ、楽しみにしててね」

綾子『うんっ。それじゃあ、気を付けてね』

遥「うん、ありがとう」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 20:47:24.94 ID:UY68Tnb50
ピッ

遥「さて…、どうしようかな」

遥(そうだ、セレナに顔を出してみよう。ママさん、元気かなぁ…)



……


〜ニューセレナ〜


ガチャ

遥「…」

伊達「いらっしゃ…」

遥「あ、伊達さん」

伊達「は、遥ちゃんか!?」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 20:50:33.49 ID:UY68Tnb50
遥「お久しぶりです」ペコ

伊達「いやぁ、本当だなぁ!どうしたんだ、急に?」

遥「ちょっと、遊びに来たんです」

伊達「わざわざ沖縄からよく来てくれたなぁ。来るなら連絡くらいくれればいいのに!」

遥「あはは、ごめんなさい。急に来たくなっちゃって」

遥「あれ、ママさんはいないんですか?」

伊達「ああ、あいつなら買出しに行ってるよ。もう少しで戻ってくるだろう」

…キラッ

遥「…あ、その指輪って!」

伊達「! あぁ、はは。…まぁ、そういう事だ」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 20:55:03.84 ID:UY68Tnb50
遥「ついに結ばれたんですね。おめでとうございます」

伊達「はは、照れるな」

遥「でも、結婚されるんだったら教えてくれても良かったのに…」

伊達「…ああ、まぁ、色々あってな…」

遥「?」

伊達(桐生が亡くなった年にしたとは言えないからな…)

伊達「遥ちゃん、何か飲んでいくか?いい酒があるんだが」

遥「あ、ごめんなさい。私、お酒はちょっと」

伊達「ははは、そうかそうか。桐生と一緒に考えちゃ駄目だよな」

遥「あはは…」

ガチャ


ママ「ただい…。あら、お客さん?」

伊達「おう」

遥「あ、ママさん。お久しぶりです」ペコ

ママ「え…  まぁ!遥ちゃん!?」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 21:04:57.64 ID:UY68Tnb50
………


遥「…あ、もうこんな時間」

伊達「ん?おぉ、本当だ」

ママ「楽しい時間はあっという間ね」

伊達「そういや遥ちゃん、どっか泊まる所は見つけてんのか?」

遥「いえ、まだですけど」

ママ「良かったら、ここに泊まっていってもいいのよ?」

遥「ありがとうございます。でも、大丈夫です」

伊達「今の神室町は昔と比べて、また物騒になってきてる。今の時間帯は一人じゃ危険だぞ?」

ママ「そうよ、遠慮しなくてもいいのよ?」

遥「心配してくれてありがとうございます。でも私もそれなりにこの町の事は知ってますから。危なそうな所には近づきませんから」

伊達「そうか?…まぁ、遥ちゃんがいいならしつこくは言わんが…」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 21:11:37.18 ID:UY68Tnb50
遥「仮に強盗に襲われても大丈夫ですから」

伊達「へ?」


遥「…おじさん仕込みの護身術がありますから」ニコッ

ママ「まぁ…」

伊達「き、桐生仕込の護身術…?……はは、そりゃ確かに安全かもな」

遥「じゃあ、これで失礼しますね。…えっと、おいくらですか?」

ママ「あら、お代はいいわよ」

遥「え?でも…」

伊達「久しぶりに会えたんだから、サービスだ。今度はアサガオのみんなも連れて来てくれよ?」

遥「…はは、わかりました。今度来る時はアサガオのみんな(大人)と一緒に来ます」

ママ「ええ、楽しみに待ってるわね」

伊達「ああ、絶対に来いよ!」

遥「はいっ。それじゃあ、ご馳走様でしたっ」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 21:17:45.54 ID:UY68Tnb50
ザワザワ… ワイワイ…


遥(さすが神室町。夕方とは比べ物にならないくらいの人ごみ…)

遥「…」スタスタ


遥(あ…、ここのジェラート屋さん。まだあったんだ…)



『おじさん、ストロベリーシングルが食べたいよー』

『ん…?ダブルじゃなくていいのか?』

『うん、シングルでいいの!』

『そうか、ちょっと待っていろ…』


遥「……」


遥(…つい最近の事に感じるなぁ……)


ザワザワザワッ

「おらぁっ!いい気になってんじゃねぇよ!!」

「や、やめろ!何をするんだ!!」


遥「…ん?」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 21:25:13.77 ID:UY68Tnb50
遥(なんだろう…人が多くてよく見えない……)


男「お前ら『神室の盾』はもう必要ないんだよ!」

盾の男「くっ…」


遥(神室の盾……?  あっ、それっておじさんが協力してたっていうあの…)


男「これからは俺達、『神室の矛』がお前らの代わりになってやる!いつまでもこの町うろついてねぇで、とっとと消えな!」

遥(神室の…矛?)


盾の男「お、お前達のやり方は間違っている!そんなやり方で神室町を守れるものか!!」

矛の男「なんだと?」

ザワザワ…

盾の男「お前達のような野蛮なやり方では恨みを買うだけだ!」

矛の男「恨みだぁ?それが怖くてこの町を守れるかってんだ!いつまでも甘ったるい事言ってるんじゃねえ!!」

ゲシッ

遥「!」

盾の男「ぐわっ!」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 21:31:54.82 ID:UY68Tnb50
ザワザワ…

盾の男「う…うぅ」

矛の男「情けねえなぁ、おい。こんなに弱いんじゃ、お前の所のメンバーがウチに寝返ってきたのも理解出来るぜ」

盾の男「…!」

矛の男「おら、悔しかったら反撃してみろよ!おらっ」ゲシッ

盾の男「く…!!」



遥「止めなさいっ!!!」



盾の男「!?」

矛の男「ああ?」

遥「……」

矛の男「…女ぁ?」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 21:35:26.43 ID:UY68Tnb50
遥「その人、あなたに殴られて怪我してる!それ以上、痛めつける必要なんかないでしょう!!」

盾の男「…」

矛の男「……ぷっ」


矛の男「あははははは!!!情けねぇなぁ、おい!女に助けられるなんてよぉ!!」

遥「…!」

盾の男「…ッ」

矛の男「ひひひ、『神室の盾』の名もとことん落ちたもんだ。…今日の所はその女に免じて止めにしといてやる。さっさとこの町から消えろよ。わかったな?」

スタスタスタ…

盾の男「…」

遥「…あの、大丈夫ですか?」

盾の男「…! すみません、ありがとうございます……」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 21:43:47.58 ID:UY68Tnb50
〜公園〜


遥「…よし、擦り傷はこれで大丈夫」グッ


盾の男「…ありがとうございます。助けていただいた上にこんな事まで…」

遥「ううん、気にしないで」

盾の男「お恥ずかしい所をお見せしてしまいました。……本当に、情け無い限りです」

遥「…。神室の盾、とか言ってましたけど……」


盾の男「あ、これは申し遅れました。私、『神室の盾』の副リーダーをやっています、守崎と申します」

遥「私、澤村遥っていいます」

守崎「遥さんですか。先ほどは本当にありがとうございました」

遥「いえ、気にしないで。…それより、さっきの『神室の矛』っていうのは…?」

守崎「おや、ご存知ないのですか?」

遥「ええ…、何年かこの町を離れていたもので…」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/06(土) 21:44:04.98 ID:OKzZFIZ1o
あらやだ…

これは期待
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 21:53:19.87 ID:UY68Tnb50
守崎「そうでしたか。先ほどの青い服の男…『神室の矛』というのは元々は我々、『神室の盾』のメンバーだったんです」

遥「元メンバー…?」

守崎「ええ。…桐生一馬、という人はご存知ですか?」

遥「! …はい、よく知ってます」

守崎「はは、神室町に来る人間なら誰もが知ってる名前ですよね。…その桐生一馬さんは昔、我々『神室の盾』と共にこの町の治安を守ってくだっさったのです」

守崎「しかし…5年前、その桐生一馬さんが亡くなられてしまった」

遥「…」

守崎「それからでしょうか。まるで彼の死を待っていたかのように神室町の犯罪が増えてきたのは…」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/06(土) 21:58:42.99 ID:MAj9dHXDO
大好物だが数の少ない龍如SS。
これは期待だ。支援の極み
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 22:05:18.09 ID:UY68Tnb50
守崎「桐生さんがいない神室町の治安を維持するのは、とても大変でした。多くの者は傷つき、…強盗に殺された者も何人かいました」

遥「…!」

守崎「それでも我々は諦めず、この町の治安を良くするために尽力していきました。しかし、ある日、我々のリーダーである赤石さんが病で倒れられてしまったのです」

遥(赤石さん…、会った事はないけど名前はおじさんから聞いた事がある……)

守崎「赤石さんは現在も病院で療養中であり、赤石さんが戻られるまでの間、副リーダーであった私が『神室の盾』を率いる事になったのです」

遥「そうだったんですか…」

守崎「私がリーダーになった途端、盾の内部が揺らぎ始めてきました。今までのやり方では、この町の治安を維持する事が出来ないと言う者が多く出てきたのです。」

遥「…」

守崎「たった5年ですが、この町の犯罪者は5年前とは比べ物にならない程、凶悪なものになっていました。彼等の言う事も一理あったのです」


守崎「彼等はその犯罪者を抑制する為に過激な暴力に打って出ようとしたのです。一度徹底的に懲らしめれば、二度とこの町で犯罪を起こす気にはならないだろう、と」

遥「暴力…」

18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 22:18:50.87 ID:UY68Tnb50
守崎「しかし、そのような乱暴なやり方など、桐生さんが、赤石さんが認める筈もありません。私も大反対でした」

遥「……うん」

守崎「それからでしょうか。『盾』のメンバーが一人、また一人と減り始めたのは…」

守崎「不審に思った私は、前から目をつけていたメンバーの後をこっそりとつけて行き、そこで『神室の矛』の存在を知ったのです」

遥「……なるほど…」

守崎「…悔しいですが、『矛』のやり方で神室町の犯罪は少しづつ減ってきているようです。最近では我々『盾』の活動範囲にまで姿を現す始末です」

遥「でも、そんな事で犯罪を抑えたとしても、いつか必ずしっぺ返しは来るのに…」

守崎「ええ…。それをさっきの『矛』の男に説得をしていたのですが…あのような目に」


19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 22:27:20.15 ID:UY68Tnb50
遥「…今は『矛』の方がメンバーも多いんですか?」

守崎「ええ、今や我々の倍の人数がいるようです。裏路地など歩いてるとよく見かけますよ」

遥(たった5年なのに……神室町はまた危ない町に戻っちゃったんだ…)

守崎「しかし、私は諦めません。例え一人になろうとも彼等の…

plllll…

遥「!」

守崎「! っと、失礼。『盾』のメンバーからのようです」

ピッ

守崎「もしもし、私だ。………なに!?大丈夫なのか?」

遥「?」

守崎「わかった、すぐに行く!中道通りの裏だな!!」

ピッ

守崎「すみません、遥さん。急用が出来てしまったのでここで失礼します」

遥「あ…」

守崎「あなたとお話出来て、少し気持ちが軽くなりました。今日は本当にありがとうございました。では失礼します」

タッタッタッタ…


遥「…」


遥(中道通り裏…か。確かポッポがあった所だっけ…)
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 22:33:04.04 ID:UY68Tnb50
〜中道通り 裏〜


遥(私の記憶が間違ってなければ確かここら変のはず…)


「おらっ!」

「さっさと消えろって言っただろうが!!」

遥「!(あっちの方…!)

タッタッタ…



矛の男1「おらおらっ!反撃してこいよ!!」

バキッ

守崎「ぐっ…!」

盾の男「も、守崎さん!!」

矛の男2「ひゃはは!こいつ、もしかしてマゾ!?」

矛の男3「なるほど!だから黙って殴られ続けてんのか!!」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 22:38:43.77 ID:UY68Tnb50
守崎「お前達など…殴る価値もない……」

矛の男1「あ?なんだと??」

矛の男2「殴る勇気がないだけじゃねぇのか!?」

矛の男3「ぎゃはは!ビビってんじゃねえよ!」

守崎「…『矛』の皮をかぶるチンピラが……!」


矛の男1「あん!?今の、カチーンと来たよ?」

矛の男2「チンピラだぁ!?この町の治安を守ってやってる俺達をよぉ!?」

矛の男3「その生意気な口、永遠に塞いでやろうかぁ!?」


守崎「…ッ」

遥「守崎さん!!」

矛の男1「あ!?」

守崎「! は、遥さん!?」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 22:48:45.38 ID:UY68Tnb50
遥「あなた達!三人がかりで一人を痛めつけるなんて、恥ずかしいと思わないの!?」

矛の男2「おいおい、可愛い子だな?」

矛の男1「なんだ、この女?お前も『盾』のメンバーかぁ!?」

守崎「遥さん、逃げ…

遥「…そう!私は『神室の盾』のメンバー!」

守崎「えっ!?」

矛の男3「おいおい、マジかよ!?」

矛の男2「ぎゃはは!女の手まで借りなきゃならないとは、『神室の盾』もいよいよ終わりだな!!」


遥「守崎さんに代わり、私がこの町の治安を乱すチンピラ達にお仕置きをします!」

守崎「ええっ!?遥さ…

遥(大丈夫、任せて)コクリ

守崎「…!」

矛の男1「てめぇ!女だからっていい気になってんじゃねぇぞ!!」

矛の男2「男だろうが女だろうが、『盾』のメンバーなら俺達の敵だ!!痛い目みるぜ!!」

23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 22:59:46.55 ID:UY68Tnb50
遥「……いいから、早くかかってきなさい。本当の『盾』の力、あなた達に見せてあげる」スッ

矛の男3「! おい、構えやがったぞ?」

矛の男2「マジでやる気か?おい!?」

矛の男1「へへ…、いい度胸した姉ちゃんじゃねえか!!それじゃ、遠慮なく行かせてもらうぜ!!」

遥「……スゥ」


矛の男1「うおおおーーー!!」

ブンッ
遥「ッ」パシッ

守崎(受け止めた?)

遥「はいっ!」ブンッ
矛の男1「!?」

ドダァンッ!!!

矛の男2・3「!?」

矛の男1「…」ピクピク

守崎(相手の力を利用して投げた……まさか、合気…!?)


遥「へい、もう終わりか?…ってね」

矛の男2「…!」

矛の男3「て、てめぇ!何しやがった!」ダッ
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 23:09:53.84 ID:UY68Tnb50
ブンッ

遥「っと」ヒョイッ

矛の男3「うおっ」ヨロッ


遥「遅いよ」
ガシッ


守崎(今度は掴んだ!?)

矛の男2「調子乗ってんじゃねえぞ、女ぁ!!」ダッ

遥「…」



『―――遥、相手を掴んだ時にもう一人が突っ込んできたらこうするんだ』

『向ってくる相手の勢いを利用して、掴んだ相手を武器に変える…』

『慣れない内は身体を当てるのがいいが、一撃で決めるならお互いの頭をぶつける事だ』

『――それが、双頭の極みだ』



遥「えいっ!!」グイッ

矛の男3「!?」

ブオンツ

矛の男2「!!」


ゴチーーンッ

矛の男3「ぐあああっ!?」
矛の男2「おおおおぅっ!!?」

バタバターンッ


遥「おやすみっ」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 23:26:46.24 ID:UY68Tnb50
矛の男1「うぐぐ…」ピクピク

矛の男2「あがが…」ピクピク

矛の男3「母ちゃん……」ピクピク


遥「……ふう」


守崎(3人もの相手を一瞬に……彼女は一体…)

遥「守崎さん、大丈夫ですか?」

守崎「え、あ、はい…。このくらいの傷、大した事ではありません」

遥「そうですか、良かった」

盾の男「あの、ありがとうございました」

遥「いいえ、怪我はありませんか?」

盾の男「は、はい。大丈夫です」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 23:33:53.65 ID:UY68Tnb50
守崎「遥さん…その、お強いんですね。何か武術を習われていたのですか?」

遥「武術って程じゃ……。私の…おじさんから習った護身術なんです」

守崎「はぁ…、おじさまはお強い方なんですね…」

遥「………ええ。本当に、強い人でした」


遥「それより、なんでまた『矛』のメンバーに…?」

盾の男「すみません…、僕のせいなんです」

遥「え?」

盾の男「この『矛』の連中が暴力で弱いものを痛めつけているのを見つけて、つい飛び出してしまったんです。それで奴らに…」

守崎「そう言えば…、君が助けようとした人は無事だったのか?私も駆けつけた時にはいなかったが…」

盾の男「あ…、その。多分、そこの物陰に隠れてるんじゃないかと思うんですけど…イテテッ」

遥「……物陰?」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 23:42:38.63 ID:UY68Tnb50
遥「…」

ゴソゴソ

遥「……ん? …うわっ!?」

盾の男「あ…」

守崎「は、遥さん!?どうされましたっ!」


遥「こ…これって……」



ゴゴゴゴゴゴゴ……









柴犬「…クゥーン?」

守崎「い…犬ぅ?」

盾の男「……はい」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/06(土) 23:52:59.78 ID:UY68Tnb50
遥「わぁ、可愛い〜。…マメも思い出すなぁ……」

盾の男「ここら辺に住み付いてる野良犬なんです。名前は大豆です」

守崎「……随分詳しいな」

盾の男「え…!あ、まぁ、その…」

守崎「大方、家で飼えないからここで飼う事にしてたという所か」

盾の男「あ、は、はぁ……ははは…」

犬「クゥーン?」

遥「大豆ちゃん、守崎さんが大豆ちゃんを守ってくれたんだよ。ありがとうって、お礼を言うんだよ」ヒョイ

犬「ワンッ!」

ペロペロペロペロ
守崎「うわっ、傷にしみるっ!」

遥「あはは…」

盾の男「ははは…」




「――なんやなんや、ええ話になっとるやないか」

遥「!」

守崎「!?」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/07(日) 00:02:17.85 ID:9hdM5MXO0
スタ…  スタ… スタ…


女「チンピラに虐められてる犬を助ける正義のヒーロー……昔のドラマでよくあったシーンやなぁ」

遥(女の人…関西弁……?)

守崎「……あなたは?」

女「ん?通りすがりのモンや。…にしても」チラリ

遥「…!」

女「いやぁ〜、姉ちゃんやるなぁ〜!可愛い顔してめっちゃ強いやんか!!」

遥「ど、どうも…」

女「こんな図体だけしか取り得のない男3人をかる〜く捻ってまうなんてなぁ」ゲシッ

矛の男1「げほっ!?」

遥「ちょっと…」

矛の男1「て、てめぇ…何しやが……!!?」

女「…」ニヤニヤ
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/07(日) 00:06:28.97 ID:9hdM5MXO0
守崎「?」

遥「??」

女「エライ派手にやられたみたいやないか?」

矛の男1「あ、あああああ…!!姐さん!!!!」


守崎「え!?」

遥(姐さん…って…?)

矛の男1「お、おい!お前ら起きろ!!姐さんだ!」

矛の男2「えっ!?」ビクッ

矛の男3「ひっ!?」ビクッ


女「…おはよう」ニヤニヤ

矛の男1・2・3「〜〜!!おおお、お疲れ様です!!!」ザッ

守崎(!? まさかこの女性、『矛』の…!?)

遥「…!」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/07(日) 00:14:08.16 ID:9hdM5MXO0
女「クックック…『神室の矛』が女にやられるなんて……なっさけない話やのぉ?」

矛の男達「…」ガクガクブルブル

女「…なぁ、姉ちゃん」

遥「…はい?」

女「あんたの名前、聞かせてくれへんか?…ウチ、あんたの強さに惚れたんや」

遥「……………」


遥「澤村…  澤村遥。」

女「遥……遥ちゃんか。…なんか、どっかで聞いた名前やなぁ」

遥「…」

女「ああ、ゴメンな。ウチの名前は葵や。…真島葵、よろしゅう」


ダンダーン
『東城会直系真島組内南組若衆 真島 葵』


遥「……真島?」

守崎「真島葵……?…!まさか、あなたはあの『南の山猫』と呼ばれる…!」


葵「…そや。その真島葵や」ニコッ
32 : ◆EeZMPxmaXc [sage saga]:2011/08/07(日) 00:15:26.38 ID:9hdM5MXO0


―――続く、かもしれない


33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/07(日) 01:44:42.38 ID:94xNcgoDO
乙!!
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/11(木) 22:44:31.60 ID:9CSdJ+Uco
35 : ◆EeZMPxmaXc [sage saga]:2011/08/14(日) 19:32:18.57 ID:lpqA5bQP0
遥「…山猫?」

守崎「え、ええ。東城会の真島組内南組の構成員…。女性でありながら組内でも屈指の実力を誇り、その素早い動きから「山猫」の異名を持つ……それが彼女、真島葵さんなのです」

葵「説明、どーも」

葵「『盾』の守崎さんやな?ウチの馬鹿達が乱暴な事して悪かったのぉ」

守崎「真島さん……まさか、極道者のあなたが『矛』の…?」

葵「ん?…ま、協力者って奴やな。みんなはウチをリーダーリーダー呼びよるけどなぁ」
36 : ◆EeZMPxmaXc [sage saga]:2011/08/14(日) 19:36:01.29 ID:lpqA5bQP0
守崎「『矛』の縄張りが急激に増え始めたのはおかしいと思っていたが…まさか真島組が手を貸していたとは……」

葵「この馬鹿達から聞いてると思うけど、あんたら『盾』のやり方は生ぬるいんや」

葵「今はもう、あんたらが出張ってた頃の神室町とは違う。あの桐生一馬は死んだんや」


遥「…」

守崎「…っ」

葵「ウチもあんたも、神室町の治安を守りたいっちゅう気持ちは同じな筈や。意地はらんと、ウチらに協力せぇや」

37 : ◆EeZMPxmaXc [sage saga]:2011/08/14(日) 19:42:34.88 ID:lpqA5bQP0
守崎「私は『盾』の代表の座を預かっている身です。それは本来の代表である赤石さんが決める事です」

葵「ん〜、でも赤石いうんはず〜っと病院でおねんねしとんやろ?」

守崎「…」

葵「ウチは非効率的な事は嫌いなんや。副代表のあんたが協力する、いうてくれたら後はウチら『矛』がなんとかしたるさかいに」


葵「…ま、今日は怪我させた手前もあるし、大人しく引き下がったる。…返事は早めに頼むで」

守崎「……何度言われようと、私の気持ちは変わりませんよ」

葵「……ヒヒヒ、まぁ、それやったらそれでええわ」


葵「……さて」チラリ

遥「!」
38 : ◆EeZMPxmaXc [sage saga]:2011/08/14(日) 19:46:13.29 ID:lpqA5bQP0
葵「え〜と、遥ちゃんやったな」

遥「…ええ」

葵「な〜んかどっかで見た感じなんやけど……何処やったっけなぁ…」

遥「……」

葵「ん〜……親父(真島)と一緒にどっかで見た……よ…う……な……………


葵「」

葵「ああっ!!!!!」

守崎「!?」

矛の男達「!?」ビクッ

葵「お、思い出したぁ!!!あんた、あの遥ちゃんかいな!!!」

遥「…!」
39 : ◆EeZMPxmaXc [sage saga]:2011/08/14(日) 19:48:48.98 ID:lpqA5bQP0
葵「東城会四代目!堂島の龍、桐生一馬の一人娘!!!四代目の葬式ん時に見た顔や!!!!」

守崎「え……?」

矛の男1「え…?」

矛の男2「…え」

矛の男3「え……?」

盾の男「え…」

犬「クゥーン?」


「「「「えええええええっ!!?」」」」


遥「…」
40 : ◆EeZMPxmaXc [sage saga]:2011/08/14(日) 19:52:35.69 ID:lpqA5bQP0
守崎「は…、遥さん!?先ほどの闘いぶりを見て普通ではないとは思っていましたが…!?」

遥「…」

葵「間違いないわ!よーく覚えとる!!あの時、直接話はせんかったけど、間違いない!!」


矛の男1「あ、あの桐生一馬の…!?」

矛の男2「どうりで強ぇわけだ……」


守崎「遥さん…!」

遥「…ええ、そうです。血は繋がってないけど、桐生のおじさんは私のたった一人の父親でした」

遥「そして、この護身術を教えてくれたのも、おじさんです」

守崎「…」ポカーン
41 : ◆EeZMPxmaXc [sage saga]:2011/08/14(日) 19:58:02.14 ID:lpqA5bQP0
葵「…ククク……ヒヒヒ…」

遥「?」

矛の男1「あ、姐さん?」

葵「アーッハッハッハ!!ウチはなんてついてるンや!!!」

守崎「な…?」


葵「堂島の龍が師匠の娘や!この馬鹿共を蹴散らすんも朝飯前やったわけや!!!」

遥「…」

葵「桐生一馬の娘と真島吾朗の娘が神室町で出会う!!!なんっつー運命の瞬間や!!!!」

遥「真島さんの娘……?あなたが…」

葵「遥ちゃん!!あの男の娘となれば話は別や!!今すぐウチと勝負せえや!!!」

守崎「え?」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/16(火) 20:07:27.33 ID:q1Y6ws8v0
期待。
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/19(月) 18:31:01.45 ID:/V+b2Azw0
4円
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/20(火) 09:27:39.68 ID:zH/45YaDO
しえん
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/24(土) 20:29:57.26 ID:lcnHnaG10
秋山さんと冴島さんと谷村君は出てくるかな?
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/24(土) 21:35:00.29 ID:gu4VQIcDO
このSSだと秋山さんはアラフォー、冴さんは五十ちょい、ダニーはアラサーってとこかな?

個人的には美人になったユンファがry
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/25(日) 18:04:25.19 ID:SskLMa7z0
長く生きた分だけ強くなってそうだな
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/02(日) 20:36:56.08 ID:W/wourOH0
作者失踪した?
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