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上条「まだまだ続く!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスはMeダヨ!」心理「誰よ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 12:34:57.76 ID:h9JEQobs0
1スレ目 美琴「す・・・好きです!!付き合ってください!!」上条「何やってんだ、御坂」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1304/13045/1304506297.html

2スレ目 美琴「当麻♪」上条「なんだ、美琴」垣根「俺も仲間に入れて」心理「はいはい」

http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1305/13053/1305377166.html

3スレ目 上条「美琴、愛してる」美琴「私も♪」垣根「俺も♪」心理「ジャマしないの」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306063255/

4スレ目 上条「美琴は可愛いな」美琴「えへへ//」垣根「速さが足りない」心理「はいはい」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306724889/

5スレ目 上条「放さないからな」美琴「うん♪」垣根「話さないからな」心理「しゃべりなさいよ」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307282872/

6スレ目 上条「抱きしめようか?」美琴「うん//」垣根「抱こうか?」心理「やめて」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307709819/


7スレ目 上条「守り続けるからな」美琴「うん//」垣根「これがリア充です」心理「あなたもよ」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308139244/


8スレ目(番外編) 美琴「私の好きな人のことを、それ以上悪く言わないで!」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308667506/

9スレ目 上条「結婚に必要な物は?」美琴「愛!」心理「お金」垣根「念のため三行半」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308992651/

10スレ目 上条「まずは!」美琴「そのふざけた!」心理「幻想を!」垣根「守るのこそ愛だ」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309355502/

11スレ目 上条「マイホームか・・・」美琴「い、いいわね//」心理「そうね」垣根「欠陥住宅か」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309860801/

12スレ目 テクパトル「あの月はもう、空には出ない」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310283821/

13スレ目 上条「美琴は可愛いな」美琴「//」垣根「心理定規可愛いハァハァ」心理「やめて」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310641032/

14スレ目 上条「恋といえば!」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311066610/

15スレ目 上条「旅行かぁ・・・」美琴「どこ行く?」垣根「ヤっちゃうのか?」心理「黙って」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311506386/

16スレ目 上条「愛って何かな」美琴「守ること?」心理「信じること」垣根「疑い続けることさ」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311939697/

17スレ目 上条「始まった・・・」美琴「大覇星祭・・・」垣根「アナウンスは俺」心理「やめて」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312451177/

18スレ目 上条「引き続き!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスも俺!」心理「もうイヤ・・・」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312969940/

超番外編 さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309780773/
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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2 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 12:35:16.62 ID:h9JEQobs0
スレ内容

上琴、未元定規がメインのギャグほのぼの

一方通行×番外個体
テクパトル×19090号
削板×黒子
エツァリ×ショチトル

サトリナさんは俺の嫁

さだのりはジャガイモ

>>1は速さを極めようとしています、ヒマジンというツッコミはなしですw
ただし、ミサカ口調でいじめるように言うツッコミは大歓迎

Mではありません


あと、背中って素敵

それだけ



えー、ちなみに




背中は正義だから

異論は認めないから


グダグダ苦手な方は気分を害しちゃいます

高確率で、うん

今スレはリクエストは受けられませんw



3 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 12:36:48.40 ID:h9JEQobs0
キャラ紹介

上条・・・言わずとしれたそげぶマン
美琴の彼氏、第一の主人公であり、正義感溢れます
美琴をかなり愛しています

美琴・・・ヒロイン
可愛いです、可愛いです、可愛いです
ツンデレがデレデレになってますが、それもまた(ry
上条さんにメロメロ

垣根・・・本シリーズでおそらくもっとも愛されてるキャラクター
イケメルヘンからギャグまでなんでもござれ
心理定規と付き合ってます、フリーダム
たまにツッコミ

心理定規・・・垣根の嫁
ていとくんに踊らされながらも彼を支えます
おそらく、心理定規タンハァハァって方もいるかと、俺もそうだ
ホント、マスコットキャラ

エツァリ・・・本シリーズで地味なキャラの一人
ショチトルと付き合ってる変態ツッコミ

ショチトル・・・地味キャラだった一人
エツァリと付き合ってます、自称ドMの実際ドM
もはや、ボケキャラ

削板・・・熱い男
黒子の彼氏、地味なはずがわりとキャラが濃い

黒子・・・ですの
削板の彼女、でもお姉さまも相変わらず好きなのでご安心を

一方・・・歪みないセロリ
番外個体の彼氏、そしてロリコン

番外個体・・・一方の嫁
やっとセロリと付き合うことに
わりと奥手

テクパトル・・・ダークホース
途中でレギュラーになったにも関わらずていとくんとならび本シリーズの目玉に
こんなはずではなかった
美月こと19090号と恋人に、さまざまな苦難も乗り越えイチャイチャリア充

19090号・・・テっくんの嫁
勝手に美月と名づけました
後悔はしてません
テクパトルと結ばれましたが未だに照れ屋さん

20000号・・・変態
しかも、テっくんでヤったこともある変態
たまに男前

14510号・・・セロリのことが好きな乙女
でも報われませんね

10033号・・・セロリのことが好きな乙女
やや口調がキツイ

御坂妹・・・可愛いです
案外しっかりしたキャラ

17600号・・・やや遅れて合流した妹達
彼女は強いですね、いろんな意味で

■■・・・名前が思い出せないキャラ
なのに大覇星祭では輝いている

吹寄・・・垣根に告白、失恋するもやはり友達がいいと気づいた強いキャラ
案外レギュラーになりそうだけどしない
4 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 12:37:53.33 ID:h9JEQobs0
今回は時間つぶしとかはなし!!w

基本ラジオもできないですね、すいません



もはや上琴ではなくなってきています

全員が主人公になっていますが、日常では誰もが主人公なんだぜ、という>>1のメッセージです

いや、ウソです

サトリナさんは俺の嫁です

サトリナさんは俺の嫁です

>>1が喜ぶコメは


>>1よ、速さが足りない!!



ミサカ口調でけなすようなコメ




サトリナさんっぽい優しいコメのあとに、(と、サトリナが>>1の耳元で囁いていました)

です

お願いします、>>1に元気を・・・


すいません、冗談です


5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/13(土) 12:41:38.51 ID:bETnI/eAo
ほーれほれ。>>1の腋をコチョコチョしてやりますよー

……嘘だよヴァーカ!!

とミサカは要求そっちのけで>>1を乙しながら張り倒します
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/13(土) 12:43:17.00 ID:Zv5wJwoq0
キャラ紹介にちゃっかり2名増えてるww

何だ、もう人数増やせないとか言っておきながら出来るじゃないか、とミサカは偉そうな口調で>>1を褒め称えます
さぁ、次はミサカをキャラ紹介にですね、とミサカは銃をちらつかせつつ>>1に迫ります
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/08/13(土) 12:51:59.41 ID:senGIGpY0
おい>>1よ、速さが足りない!!
お前の速さはこんなもんか!!
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/08/13(土) 12:56:16.07 ID:cdwgUClAO
なんだかんだで20ですね、やっと5分の1ですか…あ、50分の1の間違いでしたね…とミサカは>>1を微塵も休ませません。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/08/13(土) 13:15:36.56 ID:HA0i+IXe0
二人はもうレギュラー決定なのかな?
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/08/13(土) 13:26:24.64 ID:HA0i+IXe0
速さが足りない!!とミサカは>>1を蹴りながら言い放ちます。
11 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 14:16:16.18 ID:h9JEQobs0
ふへへ!!ミサカたちが可愛いぜ!!

いえ、大覇星祭中だけ姫神と吹寄はレギュラーです

そのあとは準レギュで


では続き
12 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 14:17:33.02 ID:h9JEQobs0

上条「あぁ・・・暑いな」

美琴「暑いわよね・・・」

二人は観客席でスポーツドリンクを飲んでいた

乾いた体に水分が染み渡っていく

上条「なんか、垣根と吹寄のアナウンスでだいぶ助けられてるよな」

美琴「うん、障害物競走って派手じゃないもんね」
13 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 14:18:49.99 ID:h9JEQobs0
上条「・・・あ、転んだ」

美琴「うわ、あれは痛いわね・・・」

上条「でも立ち上がった」

美琴「強いわね・・・」


ジリジリと陽射しが照りつける

暑い、非常に暑いのだ

上条「あちぃ・・・」

美琴「もうイヤ・・・ちょっと日陰行かない?」
14 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 14:20:18.99 ID:h9JEQobs0
上条「はーい」

二人が立ち上がり、近くの日陰へ移動する

何人もの学生が暑さをしのいでいた


土御門「にゃー、カミやん・・・ってうわ」

青ピ「暑くなるから来ないでくれへん?」

上条「うるせぇ!!いいだろ恋人と一緒でも!!」

■■「消えて」

上条「えぇ!?」
15 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 14:21:48.54 ID:h9JEQobs0
土御門「いやぁ、この暑さでみんな参ってるんだぜぃ?」

青ピ「そんなときに熱いカップルなんかに来られたら・・・」

美琴「でも・・・ここしか開いてないんです」

ウルウル、と美琴が目を潤ませる

嘘泣きだ

上条「お、おい」

青ピ「あぁごめん!!嘘やって!!」

美琴(ニヤリ)
16 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 14:25:28.15 ID:h9JEQobs0
上条「・・・」

■■「吹寄。なんとか立ち直ったみたいね」

上条「あ?知ってたのか?」

■■「親友だもの」

日陰の中、二人は話す

なぜだろうか

■■は少しだけ辛かった
17 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 14:26:57.28 ID:h9JEQobs0
上条「そうだな・・・垣根はなんだかんだ女性の扱いに慣れてるから」

■■「それが。プレイボーイ」

上条「でも、吹寄はそんな垣根のことを好きだったんだろ?」

■■「過去形じゃなく。現在進行形」

上条「あ、あぁ」

■■「でも。あの二人は友達としても上手くやっていける」

上条「そうだな、吹寄は強いから」

■■「・・・」
18 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 14:32:24.59 ID:h9JEQobs0
ちょいと休憩

雨やんだから行ってこようかな・・・明日バイトに行かなきゃならないし、ちょいとお待ちを

今日は100くらいまで進める予定
19 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 15:14:45.04 ID:h9JEQobs0
上条「?どうした?」

■■「なんでもない」

■■がそっぽを向く

上条「?」

美琴「ねぇ、当麻・・・どっか別の日陰行かない?」

上条「ん、そうだな」

土御門「これはホテル行きフラグ!?」

青ピ「昼間から!?」

上条「ちげぇ!!」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/13(土) 15:19:35.13 ID:JcKmwrDE0
100? >>1何を言ってるんですか、あなたなら200、いえ300はいけるはずです、とミサカは>>1はやれば出来る子だと期待しています
21 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 15:32:33.93 ID:h9JEQobs0
>>20 ま、待ってくれ!!
明日バイトだから早く寝たいんだ!!ww


■■「二人とも。ジャマしたらダメ」

土御門「こ、ここに支持者が!?」

青ピ「姫やんも敵かいな!?」

■■「ほら。さっさと行った行った」

上条「サンキュー!!」

美琴「行こう、当麻♪」
22 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 15:36:03.64 ID:h9JEQobs0
前スレ、後悔などしていない


垣根「ぷへー・・・吹寄もちゃんと水分補給しろよ?」

吹寄「分かってるわよ・・・」

放送席では実行委員が休息を取っていた

今の競技は障害物競走

盛り上げなくても、かなり歓声が上がっている

それに、なかなか長くかかるものなのでしばらくは休めるのだ
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/13(土) 15:37:45.52 ID:0aORH5Ys0
>>1よ、私を踏み台にして嫁を手に入れたか.....
24 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 15:37:57.59 ID:h9JEQobs0
心理「お邪魔しまーす」

垣根「お、来たのか」

心理「多めに見て頂戴」

吹寄「はぁ・・・垣根の関係者だし、特別に立ち入り許可しとくわよ」

吹寄が溜め息をつく

心理「あら、いいの?」

吹寄「二人を見てると面白いもの」
25 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 15:39:53.13 ID:h9JEQobs0
>>23 はっはぁ!!踏まれるのが好きとは(ry


心理「面白いって・・・」

垣根「見物料!!一分一揉み!!」

吹寄「貴様・・・なんでそうも下ネタばかり言ってくるのよ・・・」

垣根「いやいや、下ネタこそ潤いを・・・」

吹寄「もたらさない!!」

心理「下が潤うってエロいわね」

吹寄「あ、あなたもなの!?」
26 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 15:41:33.83 ID:h9JEQobs0
心理「あら、私は色気を出していかないと」

心理定規が少し前屈みになる

周りの男子生徒が生唾を飲んでいる

垣根「オーケー、今つばを飲んだヤツの首を切り落とす」

心理「やめてあげなさい」

クスクス、と心理定規が笑う

吹寄(な、なんか同年代には思えないわね・・・)
27 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 15:42:39.44 ID:h9JEQobs0
垣根「うーん・・・ヒマだな」

心理「そうね・・・クッキーあるから食べる?」

垣根「あーん」

心理「はい、あーん♪」

吹寄(・・・いいなぁ)

垣根「?お前もあーんしたいのか?」

吹寄「ち、違うわよ!?」
28 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 15:43:51.25 ID:h9JEQobs0
垣根「ふーん」

心理「あら、あーんくらいならいいのよ?」ニヤニヤ

吹寄「だから違うわよ!!」

吹寄がクッキーを食べる

吹寄「あ、このクッキー美味しいわね」

心理「あら、私の手作りよ」

垣根「お、マジか」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/08/13(土) 15:45:53.52 ID:E9F75Wu60
元々サトリナは>>1の嫁だとテンプレに書いてるのにわざわざ前スレ>>1000を取ってまで宣言している。

つまり今まで嫁だと言ってたのは>>1の幻想だったのか......
30 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 15:47:03.02 ID:h9JEQobs0
吹寄「へぇ・・・今度作り方教えてくれない?」

心理「えぇ、いいわよ」

垣根「あいさつするたび」

心理「違うわよ?」

垣根「でも、クッキーとか甘いものって太るよな」

吹寄「」

心理「・・・」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/08/13(土) 15:50:15.32 ID:esk+pcBIO
前スレ>>1000
??「その幻想をぶち殺す!」

????『内側から爆ぜろ』
32 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 15:51:24.31 ID:h9JEQobs0
>>29 違う!!改めての確認だ!!

吹寄「・・・ふ、太らないわよ」

垣根「あぁ、栄養は全部その胸に行くのか」

心理「うらやましいわねそれは」

吹寄「ち、違うわよ!」

垣根「あー、でもこれホント美味いな」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/08/13(土) 15:52:11.44 ID:cdwgUClAO
ステイル「僕との結婚は遊びだったんだね」シクシクwww
34 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 15:52:51.43 ID:h9JEQobs0
>>31 ひっでぇ上条さんw


心理「あら、そんなに?」

垣根「あぁ、ほどよい甘さだ」

パクパク、と垣根がクッキーを食べる

吹寄「へぇ、垣根って意外と甘いもの好きなのね」

心理「でもチョコはビターが好みなのよ」

吹寄「ふーん・・・」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(秋田県) :2011/08/13(土) 15:53:10.26 ID:3MH2WzCx0
[sage]をどうすればいいかわからない・・・
人生で初なんだ、だれかおしえてくれないか?
36 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 15:54:14.12 ID:h9JEQobs0
>>33 土に還れ!!!!w


垣根「そうそう、甘すぎずがいいな」

心理「ほら、口についてるわよ」

心理定規が垣根の口を拭く

垣根「サンキュー」

吹寄「なんか、本当に夫婦みたいね」

心理「あら、気が利くわね」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/13(土) 15:55:09.17 ID:ic/012oW0
クソッ、昼寝してたら>>1000取り合戦寝過ごした。
こうなったら>>1にはさらなる速さを見せてもらうしかないな。
でも新訳では上琴っぽいしな〜頑張らなくてもいいか。
あ、でも>>1はサトリナのために速さを極めるよね?
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/13(土) 15:55:18.44 ID:esk+pcBIO
>>34
ちなみに下はヘタ錬金術師です

>>35
メール欄に入れればよし
39 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 15:57:03.01 ID:h9JEQobs0
>>36 E-mail(省略可)のとこに半角で打ち込んでみよう!!キリッ


吹寄「なんか、そこまでいくと逆に応援したくなるわね」

吹寄が苦笑する

垣根「えー、応援しないでください」

心理「なんでよ」

吹寄「ところで、二人の馴れ初めってどんなだったの?」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(秋田県) [[sage]]:2011/08/13(土) 15:57:19.49 ID:3MH2WzCx0
>>38 ありがとう!
41 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 15:58:27.83 ID:h9JEQobs0
>>37 む、無茶振り・・・

>>38 ヘタ錬はインさんとくっつけばいいんだよ!


心理「な、馴れ初め?」

吹寄「そうそう」

垣根「あぁ・・・そうだな」

馴れ初め

まさか、暗部で出会いました

とか

一緒に人殺しをした仲です

なんて言えない
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(秋田県) [[sage]]:2011/08/13(土) 15:58:46.92 ID:3MH2WzCx0
>>1もありがとう!
43 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 15:59:56.85 ID:h9JEQobs0
垣根「いいぜ!!もしお前が俺たちの過去を詮索しようって言うなら!!」

心理「そげぶはやめなさい」

吹寄「?あんまりいいものじゃなかったの?」

垣根「出会いなんてくだらねぇもんさ、俺とお前の出会いもそうだろ?」

吹寄「あー・・・たしかにそんないいものではなかったわ」

垣根「そういうこと」

垣根がクッキーを食べる
44 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:02:02.77 ID:h9JEQobs0
心理「・・・ねぇ、吹寄さん」

吹寄「なに?あと呼び捨てでいいわよ?」

心理「・・・ごめんなさいね」

垣根に聞こえないように、小声で心理定規が謝る

心理「私は、あなたの初恋相手を奪ってしまったのかもしれないわ」

吹寄「でも、垣根が笑っていられるのはあなたのおかげよ?」

心理「・・・ありがとう」
45 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:03:36.66 ID:h9JEQobs0
垣根「お、終わったみたいだな」

心理「あら、またアナウンスが始まるのね」

吹寄「次は・・・」


吹寄「あ、またリレーね」

垣根「まぁ・・・学校が多いからな・・・」

心理「そうね・・・」

またベタな種目

三人は、たいしたアナウンスもせずまた日常会話をしていた
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/08/13(土) 16:04:21.57 ID:HA0i+IXe0
「新約」は上琴中心になることを期待。
47 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:05:24.30 ID:h9JEQobs0

エツァリ「・・・あの」

ショチトル「なんだ、エツァリ?」

エツァリ「トチトリは何をやっているのですか?」

エツァリは首を捻っていた

目の前にはたくさんのクレープ

トチトリ「どれが一番美味いかを決めるのさ!!」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/13(土) 16:05:54.76 ID:DK1vQyZDO
女性の皆さんご存知ですか?
こんな都市伝説「胸を揉み続けると[ピザ]になる」らしいのでご注意を〜
49 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:07:02.36 ID:h9JEQobs0
エツァリ「ど、どれが美味しいかって・・・」

ショチトル「40種類近くあるぞ?」

トチトリ「一口ずつ食べる」

エツァリ「いえ、それは難しいですよ、もったいないですし」

トチトリ「くっ・・・」

トチトリがうろたえる

たしかに、一口ずつではもったいないかもしれない
50 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:08:36.35 ID:h9JEQobs0
>>48 それは、ウソなのであーる


エツァリ「とにかく、全部食べて・・・」

トチトリ「ぜ、全部!?」

がびーん!!とトチトリが口を開ける

ショチトル「いや、当然だろう」

トチトリ「た、食べきれるわけない!!」

エツァリ「なぜ買ったんですか」
51 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:09:51.11 ID:h9JEQobs0
ショチトル「ほれ、全部食べろ」

トチトリ「うぅ・・・お兄ちゃん・・・」

エツァリ「その呼び方はショチトルじゃないとダメですよ」

ショチトル「//」

トチトリ「イラっときた」

トチトリがクレープを一つ、手に取る

トチトリ「・・・やってやる!!!」
52 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:10:44.85 ID:h9JEQobs0
そして

トチトリ「いただきます!!」

トチトリとクレープの戦いが始まる

敵は多勢、こちらは一人


トチトリ「もう・・・無理・・・」

ギブアップは、3つ目を食べ始めたころだった
53 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:12:52.57 ID:h9JEQobs0

一方「・・・はァ」

一方通行は溜め息をついていた

番外「ねぇ、疲れたの?」

一方「いや・・・なンでもねェ」

彼はもともとあまり長時間運動するのは好きではない

しかも、それが四日目に突入している

一方(ちっ・・・情けねェ)
54 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:15:36.87 ID:h9JEQobs0
番外個体のため

そう思って、多少無理をしていたようだ

それに、日ごろの運動不足だけではない

彼は杖をついて歩かなければならない

体の体重を預けるんだから楽だ、と思う人もいるだろう

しかしそれは勘違いだ

体重を杖一本に預けるのは予想以上にバランス感覚が問われてしまう
55 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:18:47.32 ID:h9JEQobs0
もちろん、改良を加えた杖ではある

先がしっかり地面を捉えるため、転倒はほとんどしないが

一方(・・・やっぱ歩きにくいな)

番外「ねぇ・・・ちょっと休む?」

一方「・・・いや、いい」

なにはともあれ

番外個体はこの二人きりの時間を楽しんでいるのだ
56 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:27:36.38 ID:h9JEQobs0
一方「・・・行くぞ」

少ししてから、一方通行が歩き出す

体はまだ疲れているが

それでも彼は歩いた

番外「ねぇ、次はどこ行く?」

一方「どこがいいンだよ」

たった一人のミサカのために
57 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:29:18.85 ID:h9JEQobs0

刀夜「母さん・・・」

詩菜「あらあら、このお菓子いいわね・・・」

刀夜「もしもーし」

刀夜は不幸だった

自分の妻がこんなにも甘いものが好きだったとは知らなかった

正確には、菓子の見た目がかわいらしかっただけなのだが
58 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:31:57.93 ID:h9JEQobs0
刀夜「か、母さん!あまり甘いものばかり・・・」

詩菜「まぁまぁ、こっちも可愛いわね・・・」

詩菜が指差しているのはヒヨコ形の饅頭だ

つまり買えよ、というわけで


刀夜「はぁ・・・」

詩菜「まぁまぁ、美味しいわ」

ニコニコ、と詩菜が笑う

ほんのりした甘さが売りのようだ
59 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:34:05.93 ID:h9JEQobs0
刀夜(まぁ、母さんの笑顔が見られるならそれがいいな)

刀夜も笑っていた

なんだかんだケンカはしても、非常に仲のいい夫婦なのだ

詩菜「刀夜さんも食べますか?」

刀夜「あぁ、ありがとう」

少し暑い陽射しの中

こちらの夫婦は負けないくらい熱かった
60 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:36:28.89 ID:h9JEQobs0

テクパトル「美月・・・」

19090「テっくん・・・」

19090号はもうびしょ濡れだった

テクパトルは少し慌てている

なぜ、濡れているのか



テクパトル「スプリンクラーの誤作動なんて・・・」

19090「不幸です・・・」
61 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:38:25.55 ID:h9JEQobs0
スプリンクラーがいきなり誤作動を起こしたのだ

偶然近くにいた19090号はびしょ濡れ

ついでにテクパトルも濡れていた

テクパトル「あぁ・・・涼しいのがなんとも言えない」

19090「着替えは・・・病院ですね・・・」

テクパトル「帰りますか、いったん」

19090「はい、と美月はうなずきます」
62 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:40:21.20 ID:h9JEQobs0
病院に帰り、濡れた服を着替える


テクパトル「はぁ・・・」

テクパトルが溜め息をつく

あんな不幸、上条みたいだな、と

テクパトル「・・・うわ、下着も濡れてるな・・・」

スプリンクラーの水量はすさまじいものだ
63 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:42:10.09 ID:h9JEQobs0
テクパトル「・・・あれ、下着が・・・」

タンスの中には下着がなかった

そういえば、昨日全部洗ってしまったのだ

たまに全て洗いたくなるときがあるらしい

几帳面なテクパトルらしかった

テクパトル「・・・いや、フルチンで部屋はうろつけまい」
64 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:43:34.09 ID:h9JEQobs0
下着が干されているのはベランダ

そこにフルチンで行くのはさまざまな意味で危ない

テクパトル「はぁ・・・あ、そうだ」

テクパトルが思い立ったように19090号を呼ぶ

テクパトル「なー、美月ー」


19090「はーい!」

リビングから返事があった
65 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:45:27.69 ID:h9JEQobs0
テクパトル「悪い・・・着替え終わったか?」

19090「はい、終わりましたよ?」

ドア越しに会話をする

テクパトル「あー・・・下着がなくてさ、ベランダから一つ持ってきてくれないか?」

19090「は、はい!」

なぜか少し声が上ずっていた

テクパトル(?なんでだろう)
66 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:46:54.15 ID:h9JEQobs0

19090「あ、あの・・・」

テクパトル「?どうした?」

少しして、ドアの向こうから声がした

19090「ど、どうやって渡せば・・・?」

テクパトル「いや、普通に・・・」

そこで気づいた

彼はフルチンだ

紛うことなきフルチンだ
67 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:48:24.09 ID:h9JEQobs0
テクパトル「あ、ちょっとだけドアを開いて・・・」

19090「ちょ、ちょっとだけ・・・」

少し、ドアが開かれる

お、お兄ちゃんいる?というテンションで妹が覗いてくるくらいの隙間だ

それではさすがに手を通せない

テクパトル「も、もうちょい」

必死に手を伸ばす
68 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:49:39.40 ID:h9JEQobs0
19090「もう少し・・・」

19090号も手を伸ばしてくる

テクパトル「あ、届いた」

テクパトルの手にはしっかりとボクサーパンツが握られていた

テクパトル「ありがとな、美月」

19090「は、ひゃい!!」

テクパトル「?」
69 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:51:30.24 ID:h9JEQobs0
テクパトルが首を捻る

もう少しデリカシーがあれば、女子に下着を持ってこさせるのが相当の羞恥プレイだと気づいただろう

だが彼は変なところで純粋だ

背中、なんていう変な趣味に目覚めているのに基本は純粋だ

テクパトル「さて・・・よし」

着替え終わったテクパトルが部屋から出る

19090「あ、終わりましたか」
70 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:53:59.61 ID:h9JEQobs0
テクパトル「あぁ・・・」

テクパトルが19090号の格好を見る

彼女の服は、半分くらいテクパトルがコーディネートしている

キャミソールにショートパンツ

かなりグラマラスな女性に似合う服装だ

もちろん、19090号はどちらかといえばスレンダーなのだが

テクパトル(いいな・・・)
71 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:55:21.00 ID:h9JEQobs0
19090「あ、あんまりジロジロ見ないでください・・・」

もじもじ、と19090号が体をくねらせる

テクパトル「あ、あぁ」

気まずそうに目をそらす

しかし、生足やら谷間やら肩甲骨やらが気になって仕方ない

コーディネートを間違えたかな、とテクパトルが汗をかく

こんな姿で街を歩くのは少しあれだった
72 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:56:52.57 ID:h9JEQobs0
テクパトル(うーん・・・ここまで肌を他の男に見られるのはな・・・)

独占欲が強い彼にはどうも納得いかない

かといっていまさら着替えさせるのは酷だ

19090「では、行きましょう」

テクパトル「お、おう」

少しモヤモヤした気持ちを抱えながら

テクパトルはまた競技場へと向かった
73 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 16:57:37.09 ID:h9JEQobs0

ちょいと休憩

筋トレを忘れてたwww

今日で150くらいいける・・・かな?
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(秋田県) [sage]:2011/08/13(土) 17:04:39.29 ID:3MH2WzCx0
>>1の速さならいける
・・・だが、まだ足りない!
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/13(土) 17:15:18.24 ID:esk+pcBIO
>>1は凄いな
新スレを立てて、埋めついでに1000を取る・・・神だ!


内側から爆ぜろ
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/08/13(土) 17:17:14.43 ID:HA0i+IXe0
美月の服装を想像して鼻血でそうになった俺はちょっと危ないかも。
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/13(土) 17:37:02.70 ID:DK1vQyZDO
>>1ィおォつゥかァれェェェさまでしたァァァ
78 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 17:39:21.13 ID:h9JEQobs0
>>74 えぇww

>>75 ひ、ひどい

>>76 鼻血、出るよね

>>77 さぁ、ロリのパンツを食べる作業に戻るんだ

続きは後ほど
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/08/13(土) 17:44:55.66 ID:HA0i+IXe0
さだのり「こんなものを拾ったぜ。>>1よ、まだ速さが足りないぜ。」

男子 執事姿(垣根に限り赤面の垣根)  女子 バニー姿
80 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 17:44:57.31 ID:h9JEQobs0
垣根「あーあー、こーとしーもーなつがきたー」

心理「ずいぶん季節はずれね」

吹寄「はぁ・・・なんだか垣根とアナウンスしてたらだらけてしまうわね・・・」

垣根「好きな人には影響されるものさ」キリッ

吹寄「貴様・・・」

心理(怖いわよ)
81 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 17:46:30.38 ID:h9JEQobs0
>>79 タイミングがww

いつかやるしかないのかな


吹寄「というより、なんで貴様はアナウンスしようとしたの?」

垣根「あれは・・・夏の暑い日だった」

心理「本当は?」

垣根「世界が俺を呼んでいた」

吹寄「空耳ね」

垣根「ひっでぇ」
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/08/13(土) 17:47:20.16 ID:HA0i+IXe0
>>79 すいません。返事しなくて良いです。ラジオ形ナシと言ってたこと忘れていました。
83 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 17:47:55.29 ID:h9JEQobs0
吹寄「・・・とにかく、貴様はアナウンス自体は上手いからもう少しやる気を・・・」

垣根「え?なに?吹寄さんはもう上手すぎてみんなが絶頂を迎えるくらい」

吹寄「・・・」

吹寄が垣根の足を踏む

二回、二回だ

垣根「痛い痛い!!!!」

心理「バイオレンスね」

吹寄「はぁ・・・なんでそんな下ネタが好きなの?」
84 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 17:49:22.42 ID:h9JEQobs0
垣根「てかよ、なんで俺にばっか質問すんの?」

心理「あら、たしかにそうね・・・好きな人のこと、そんなに知りたいの?」

吹寄「ち、違うわよ・・・からかわないで!!」

吹寄が少し顔を赤くする

そういうところはまだまだ子供だ

垣根「まぁいいや・・・俺はあまり多くを語らないんでね」

心理「嘘ね」
85 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 17:50:43.35 ID:h9JEQobs0
吹寄「・・・ねぇ二人とも」

垣根「あーい」

吹寄「そ、その・・・今まで通り友達でいてくれるわよね?」

心理「あら、なに弱気になってるの?」

吹寄「だ、だって!」

垣根「俺は友達増えるの大歓迎だし、お前と気まずい関係になるのはいやだし」

心理「まぁカッコイイ」
86 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 17:52:01.56 ID:h9JEQobs0
吹寄「・・・なんか、二人は優しい者同士ね」

垣根「そうか?」

心理「そう?」

二人が首を捻る

そんなことはなかった

垣根(ケンカとか・・・たまに恐ろしいことになるよな)

心理(私が灰皿で殴ったりしそうになるものね)
87 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 17:52:32.62 ID:h9JEQobs0
ちょいと愛犬の散歩行ってきます

吹寄はなんか、マイナスをプラスに出来る子です
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/08/13(土) 18:01:45.80 ID:HA0i+IXe0
>>86 愛ゆえのケンカですね。でも、灰皿は怖いな・・・・。
89 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:07:52.54 ID:h9JEQobs0
垣根「・・・吹寄もなんだかんだ優しいだろ」

吹寄「え、あ、私?」

吹寄がうろたえる

いきなりそういうことを言われるのには弱い

垣根「あぁ、ちょっと堅いけどさ」

吹寄「あ、ありがとう」

心理(・・・誑しね)
90 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:09:18.50 ID:h9JEQobs0
垣根「あー、しっかしヒマだな」

吹寄「なんでそうやってすぐ投げやりになるの・・・」

心理「実際面白い種目ではないけどね」

心理定規が溜め息をつく

垣根「大覇星祭で一番輝いてるのは俺だ」キラッ

心理「ないわよ」

吹寄「姫神が妥当ね」
91 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:10:22.20 ID:h9JEQobs0


■■「はっくしょん」

青ピ「な、なんやいきなり?」

土御門「もしかしてくしゃみかにゃー?」

■■「誰かが。噂をしてる」

青ピ「そ、それ迷信・・・」

■■「ふふふ。とうとう私も。噂をされるまでに」

土御門(必死だにゃー)
92 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:12:04.27 ID:h9JEQobs0
■■「・・・上条君は彼女とデート」

土御門「にゃー、俺たちは今日は出るのないからにゃー・・・」

青ピ「ほんまヒマやで」

三人があくびをする

吹寄が見ていたら「だらしないわよ!!」なんて言いそうな光景だ

青ピ「・・・なんや、ボクたち今日は寮で寝ててもええんちゃう?」

土御門「先生がうるさく電話してくるぜよ?」
93 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:13:30.06 ID:h9JEQobs0
青ピ「それ最高やん!ヤンデレ教師・・・萌えるわぁ」

■■「今の僕には。理解できない」

青ピ「な、なんや!?ボクっこかいな!?」

土御門「いや、違うぜよ」

■■「ふふふ。新しいキャラを作ってみせる」

青ピ「たとえば?」

■■「エロい巫女さん」
94 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:14:52.37 ID:h9JEQobs0
青ピ「そ、それは・・・」

土御門「まぁ姫神は胸もわりとでかいしいけるかもにゃー」

■■「セクハラ。20000円」

土御門「高いぜよ」

■■「私は。エロくはなれない」

青ピ「はぁ・・・どっかにいい子落ちてへんかなぁ・・・」


17600「あぁ、だりぃめっちゃだりぃ」

20000「しかもはぐれた」
95 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:16:19.33 ID:h9JEQobs0
土御門「・・・な、なんだ?」

■■「なぜか。敵意を抱いてしまった」

青ピ「なんや、可愛い二人組やなぁ」

三人がミサカを見つめる

正確には特殊メイクの顔なのだが、下にはさらに可愛い顔が収まっている

青ピとかはかなり萌えそうなシチュエーションだ

青ピ「なぁ、君たち!」
96 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:17:24.33 ID:h9JEQobs0
20000「・・・な、なんか話しかけられたぞおい!」

17600「知らない人にはついていくな」

20000「あーい」

青ピ「ちょ、ちょっと待ってぇな!!」

■■「必死すぎて。泣けてくる」

土御門「いや、でもたしかに可愛い子達だにゃー」

■■「あれ。私は?」
97 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:18:40.61 ID:h9JEQobs0
青ピ「なぁ君たち・・・今もしかしてヒマ?」

17600「いや、忙しい」

土御門「だりぃって言ってたぜよ?」

20000(・・・こいつガラ悪いなおい)

17600(後ろにいる座敷童はなんだ)

土御門「よかったら少し話さないかにゃー?」

20000「えー・・・」
98 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:19:59.96 ID:h9JEQobs0
■■「見境ないわね」

20000「いるよ?」

■■「?」

20000「?」

17600「・・・とりあえずミ・・・私達は人探しをしているんだ」

青ピ「なんやったら手伝うで?」

土御門「にゃー、どうせこっちはヒマだしなぁ」
99 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:21:10.33 ID:h9JEQobs0
20000「そんなこと言ってレイプしようったってそうはいかないぞ!!!」

青ピ「ち、違うんやって!!」

17600「・・・とりあえず」


17600「少なくとも私達が探している男は、お前たちよりも魅力的だ」

土御門「」

青ピ「」

17600「あばよ」
100 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:22:27.35 ID:h9JEQobs0
青ピ「・・・なんやろ、この敗北感」

土御門「・・・世の中は理不尽だぜよ」

■■「見ていて面白かった」

土御門「・・・こうなったら・・・」


土御門「俺は舞夏に慰めてもらうぜよ!」

青ピ「裏切り者ぉ!!」

■■「ついていけない」
101 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:23:45.56 ID:h9JEQobs0

ステイル(・・・ついていけないな)

ステイルは呆れていた

目の前には二人の女子

イン「こもえは関係ないんだよ!!」

小萌「シスターちゃんこそ、そこの神父さんとどんな関係が!?」

イン「密接な関係なんだよ!」

小萌「はぐらかさないでほしいんです!!」
102 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:24:52.14 ID:h9JEQobs0
イン「ねぇステイル!!」

ステイル「あ、あぁなんだい?」

イン「こもえとはどういう関係!?」

ステイル「どういう?」

ステイルは考えた

この目の前にいる合法ロリとはどういう関係かを

まず、恋人なんかではない

それは間違いない
103 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:26:00.11 ID:h9JEQobs0
そして、友人ではない

彼にはそもそも友達なんて数えるしかいない

では先生か?

違う、彼は学校には通ってなどいない

知り合い?

たしかにそうなのだが、それほど希薄な関係というのも寂しいだろう

ステイル「えっと・・・ライバル・・・かな?」
104 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:28:07.47 ID:h9JEQobs0
イン「敵なんだね!?」

小萌「そ、そんなふうに思っていたのですか!?」

ステイル「あ、いや!!間違えた、戦友だ!!」

イン「?小萌はファイターなの?」

小萌「違うのです・・・」

ステイル「えっと・・・いつも世話を焼かれる・・・かな?」

イン「あ、私と一緒なんだよ」
105 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:29:13.23 ID:h9JEQobs0
小萌「当たり前なのです!」

小萌が腕を組む

彼女くらいの年齢の女性がそうしたら普通は腕に二つのふくらみが乗るはずだ

ただ、彼女にはそんなものなかった

悲しいかな

ステイル「・・・なぜ?」

小萌「二人とも、私の生徒なのです!!!」
106 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:30:30.50 ID:h9JEQobs0
イン「?私は違うんだよ?」

小萌「生徒なのです!!」

ステイル「無い胸を張られても困るな」

小萌「よ、余計なお世話なのです!!!!!!!!!!!!!!!」

なぜか今までで一番怒っている

そういうことはNGな人か、とステイルは学習する

小萌「つまり、私が一度関わった子供はみんな生徒なのですよー!」
107 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:31:50.63 ID:h9JEQobs0
ステイル「暴論だな・・・」

はぁ、とステイルが溜め息をつく

そんな理由で喫煙をジャマされるなんてたまったものではない

偶然見かけたから生徒、なんて暴論も暴論だ

イン「?よく分からないんだよ?」

小萌「私が二人の先生なのです!学校には行ってないんですよね?」
108 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:33:42.96 ID:h9JEQobs0
イン「うん、行ってないんだよ?」

ステイル「そんなもの、行くだけムダさ」

教師の前で言うべき台詞ではないだろう

だが本心だった

彼は魔術師なのだ

学校でお友達と仲良く机並べて「はい元気です!」なんてやってるヒマがあったらルーンの新たな一文字を研究したほうがよっぽど価値があると思っている

小萌「だったら、二人には先生がいないのです!」
109 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:34:51.78 ID:h9JEQobs0
ステイル「その通りだが・・・」

イン「それがどうしたの?」

小萌「そしたら、困ったときは誰に相談するのですか?」

小萌が微笑みかける

ステイル「そんなもの、自分で解決するさ」

小萌「ちっちっち、子供が強がってはいけませーん!」

小萌がニヤニヤと笑いながら指を振る
110 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:36:09.77 ID:h9JEQobs0
ステイル「別に強がっては・・・」

小萌「困ったときに誰かに頼るのは大切なことなのです!」

小萌「誰かを信じられる人間は、誰かを疑う人間より強いのだから!」

それは間違っている、とステイルは思う

疑い続けるほうが辛いし、疑える人間のほうが精神は強い

彼はそう思っている

それはこれからも変わらないだろう
111 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:37:36.40 ID:h9JEQobs0
小萌「でも、あなた達には先生がいません!!」

小萌「子供が最も頼るべきなのは親、次は教師です!」

小萌「だったら、先生と言うのは結構大切なものなのですよ?」

そんなこと、知らなかった

ステイルには親も教師もいなかったから

ステイル「・・・だから、僕たちの先生になる、と」

小萌「そうなのです!」
112 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:38:58.17 ID:h9JEQobs0
小萌「人生のレールを敷いてあげることはできません」

小萌「でも、間違った道に進もうとしたら・・・」

小萌「道しるべを立てて、正しい道に戻すことはできます!」

ステイル「・・・道しるべ、か」

もしもあのときそれがあれば

彼にはインデックスを救えただろうか?

ステイル(まさか)
113 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:41:53.28 ID:h9JEQobs0
それでも

もしかしたら、と思ってしまう

この教師の話には、なぜか耳を傾けてしまう

小萌「だから、私は二人の先生になりたいのです!!」

ステイル「・・・」

そっと、タバコの箱をしまう

イン「?ステイル?」

ステイル「いや、なんでもない」
114 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:43:11.58 ID:h9JEQobs0
先生なんて必要はない

でも、いたとしても悪くは無いだろうか

ステイル「これはしばらくは吸わないでおくよ」

はぁ、と溜め息をついてステイルが立ち上がる

イン「?どうして?」

ステイル「いや・・・」


ステイル「先生がうるさいからね」


小萌は、嬉しそうに笑ったあとそっとステイルの足をふんづけた
115 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:44:21.64 ID:h9JEQobs0
美琴「はぁ・・・はぁ・・・」

美琴の息遣いは荒かった

理由は簡単

上条「な、なんで追いかけられたんだよ・・・」

日陰に行ったら偶然スキルアウトのたまり場だった

美琴が電撃を撃とうとしたのを上条が止めた

そして、逃げた
116 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:45:53.66 ID:h9JEQobs0
美琴「あんなヤツら・・・一発お見舞いしてやればいいのよ!!」

ぐっ、と拳を握り締める美琴

努力でなりあがった彼女からしたらスキルアウトのような人間は理解できないらしい

しかし、上条としてはご遠慮願いたかった

周りの電化製品に被害が及ぶのはもちろん

通行人に流れ弾が当たらないとも限らない

美琴に限ってそれはないだろうが
117 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:47:14.68 ID:h9JEQobs0
上条「あのなぁ・・・そうやってすぐビリビリするのはよくないぞ?」

美琴「ビ、ビリビリ言わないでよ!」

美琴が少し顔を赤くする

かつて彼女は上条に「ビリビリ中学生」と呼ばれていた

未だにそれは恥ずかしい過去だった

出会うたびにビリビリしていたなんて

美琴「で、でも!」
118 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:48:38.42 ID:h9JEQobs0
上条「でもじゃないの!」

上条が美琴をしかりつける

上条「いいか、力ってのは振りかざす為にあるんじゃないんだよ!」

上条「自分に自信を持つために・・・」

美琴「だ、だって当麻が危なかったんだもん!」

ウルウル、と美琴が涙目になる

その表情に、上条はうろたえてしまう
119 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:49:43.69 ID:h9JEQobs0
上条「そ、それは嬉しいんだよ!?嬉しいんだけど・・・」

美琴「・・・そっか、私には守られたくないんだ・・・」

美琴が下を向く

今にも泣き出しそうな声だ

上条(こ、これはまずいですよ!?)

美琴(・・・)

上条「す、すまなかったって・・・」
120 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 18:50:53.79 ID:h9JEQobs0
美琴「悪いって思ってるの?」

上条「もちろん!!」

美琴「じゃ、じゃあ許してあげる!」

嬉しそうに美琴が笑う

あれ、俺が説教してたはずじゃ?と上条は首を傾げるが

上条(ま、まぁ今度からということで)

説教マスター上条当麻も

自分の彼女には少々甘かった
121 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 19:38:49.41 ID:h9JEQobs0

削板「・・・忙しいな」

ぽつり、と削板はつぶやいていた

黒子「・・・まさか、パトロールに回されるとは思いませんでしたの」

初春「・・・暑いです・・・」

三人はパトロールをしていた

この暑い中
122 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 19:40:41.10 ID:h9JEQobs0
削板「よくこんな中でパトロールさせようって思うよな・・・」

削板が汗を拭う

気温は35度を超えているのではないか

そんな中に学生をパトロールしてこいよ、と言って放り込むなんてあまりにも信じられなかった

初春「風紀委員も一応組織ですから・・・」

黒子「先輩の中にはそういう無茶なことを言う人もいますの」

削板「へえ・・・」
123 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 19:42:54.62 ID:h9JEQobs0
ちょっと意外だな、と削板がつぶやく

風紀委員といえば正義の味方、というイメージがある

そんな組織の中にもそういう嫌味な先輩がいるだなんて

初春「・・・もちろん、そういう先輩も仕事はしっかりしますよ?」

黒子「ですが、後輩はまず足を動かせ、という考えの方とか・・・」

削板「あぁ、なるほど」

嫌味と言うより堅いのだろうか
124 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 19:45:05.44 ID:h9JEQobs0
黒子「・・・おかげでこんな仕事ばかりさせられますの」

熱中症患者の介抱

暑い中のパトロール

削板「そういった先輩はどんな仕事をしてるんだ?」

初春「クーラーの聞いた部屋で監視カメラの映像チェックですよ・・・」

初春が溜め息をつく

黒子「うらやましい限りですの」
125 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 19:46:27.50 ID:h9JEQobs0
黒子が監視カメラを睨む

どうせこのカメラの映像も見ているのだろう

キンキンに冷えた部屋の中で

削板「なんか・・・大変なんだな」

黒子「そういった先輩は一握りですけど・・・」

初春「やっぱり少しイヤになりますよね」

二人が溜め息をつく
126 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 19:47:52.36 ID:h9JEQobs0
黒子「・・・わたくしは後輩にはそういうことはさせたくありませんの」

初春「良き先輩として、目標になりたいですよね」

削板「二人とも偉いな!」

削板がニコリと笑う

やはり、正義こそが彼の愛するものだ

黒子「・・・少し休憩しましょうか」

初春「そうですね・・・」
127 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 19:50:06.41 ID:h9JEQobs0

黒子「はぁ・・・体が潤いますの・・・」

削板「かーっ!!美味い!!」

初春「やっぱりスポーツドリンクに限りますね・・・!」

公園で、ベンチに座ってスポーツドリンクを飲む

黒子「はぁ・・・疲れますの」

削板「ホント、感心するよ」
128 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 19:53:35.74 ID:h9JEQobs0
黒子「感心・・・ですか」

ふふ、と黒子が微笑む

彼女からしたら削板のほうが正義だった

組織にいるのではなく

どんな敵にもただ一人で立ち向かう

噂では、スキルアウトを立ち直らせ、学生を救い

そして、それを全く自慢しなかったらしい
129 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 19:55:08.65 ID:h9JEQobs0
美琴と似ていた

力を誰かのために奮い

そして、それを語らず

颯爽とその場から去り、次の日にはまた誰かに手を差し伸べる

風紀委員に入ったときから、いや、その前から

彼女は正義と言うものを愛していた

全く曇りの無い、正義と言うものを
130 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 19:56:48.14 ID:h9JEQobs0
だからこそ

彼女は美琴や削板に恋心を抱いているのだ

その理想系に近く、そして自分にもそれを与えてくれる存在に

黒子「・・・わたくしは、軍覇さんのほうが素敵だと思いますの」

削板「?なんで?」

黒子「素晴らしいからですの」

そうやって、当たり前のように振舞うところも
131 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 19:58:35.72 ID:h9JEQobs0
黒子「・・・初春も見習いなさいな」

初春「白井さんもですよ?」

バチバチ、と二人が火花を散らす

もちろん、笑顔のままで

削板(仲良しだなぁ)

それが削板はうらやましかった

彼にはそんな友達はほとんどいない
132 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:01:00.72 ID:h9JEQobs0
もちろん、上条たちは友達だ

だが、それ以外にはいなかった

超能力者

学園都市に7人だけ

そして、理解不可能な力

周りは、彼を尊敬と恐怖の眼差しで見つめた

なぜだろうか
133 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:03:13.45 ID:h9JEQobs0
削板(そんなこと、決まってるよな)

周りの学生達とは、何かが違ったから

そして、その何かが決定的すぎたのだ

力か、強さか

いや、そんなものではない

一度でも彼の能力と対峙したものには分かるはずだ


彼は、もはや人間の範疇には収まっていなかった
134 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:06:15.88 ID:h9JEQobs0
超能力者とそれ以外では、あまりにも差がありすぎる

一方通行の能力は、世界の全てを操ることが出来る

垣根帝督の能力は、新たな世界を作り出すことが出来る

御坂美琴の能力は、雷さえ操ることが出来るし、麦野沈利の能力はどんなものでも貫いてしまう

そして


削板の能力は、説明すら不可能だった
135 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:08:48.86 ID:h9JEQobs0
そんな彼に近づいてくる人間なんていなかった

もちろん、彼に救われた人は感謝したし、憧れを抱いたりもした

だが、所詮はそれだけだ

全く違う生き物と仲良くしようなんて、物好きでしかない

そして、そんな人間はいなかった

彼は、たくさんの人を助け

誰にも、助けられることは無かった
136 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:10:59.34 ID:h9JEQobs0
そんなある日

いつものようにマラソンをしていたら、突然話しかけられたのだ

彼が救った人間ではなく

そして、彼を恨む人間でもなく

全くの無関係の人間から

それはとても当たり前で

そして、とても幸せなことだった
137 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:13:23.79 ID:h9JEQobs0
桜の木の下

そんないつもの風景が

なぜかとても美しく見えた

散るはずの桜が

なぜか、いつまでも咲いているように思えたのだ

最初は、すぐに会えなくなると思っていた


それでも彼女は、ずっと彼のところに訪れ続けた
138 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:15:53.51 ID:h9JEQobs0
そして

彼は、気づいたのだ

これが恋なのだと

そこには、正義や情熱や根性などなく

なぜか、ただひたすらに熱い感情だけがあったのだ


削板「なぁ、黒子」

黒子「?はい、なんですの?」

削板が黒子の目を見つめる
139 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:18:00.97 ID:h9JEQobs0
削板「愛してるよ」

黒子「い、いきなりどうされましたの!?」

初春「うわぁ、うらやましいです白井さん・・・」

初春が溜め息をつく

黒子「う、初春!」

削板「いやぁ!!なんだか急に言いたくなってな!」

黒子「ぐ、軍覇さんったら・・・」
140 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:19:54.17 ID:h9JEQobs0
削板「よし!!じゃあ行こうか!!」

削板が立ち上がる

暑い陽射しも、彼にとってはスポットライトに過ぎない

初春「がんばりますよ!!」

黒子「えぇ、早く終わらせますの!!」

削板「おう!!!」
141 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:22:25.92 ID:h9JEQobs0
黒子(・・・軍覇さん)

黒子(わたくしは、お姉様やあなたに憧れていますの)

黒子(そうやって、誰かのためだけに純粋に戦えるお二人に)


削板「黒子!!空き缶が落ちてる!!」

黒子「ふふ・・・はいですの!」


夏の暑い陽射しは

もしかしたら、二人の主人公を照らすスポットライトなのかもしれなかった
142 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:23:46.96 ID:h9JEQobs0

垣根「さぁみなさん!!」

吹寄「午前最後の種目となりました!!」

二人がアナウンスを始める

そろそろ正午が近づいている

今日の午前最後は、走り幅跳びだった

体育祭などでやるものではないだろうが
143 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:25:56.42 ID:h9JEQobs0
心理「ねぇ、走り幅跳びって美琴が出るのよね?」

垣根「あぁ、そうだけど?」

垣根が競技場を指差す

その真ん中付近に美琴は立っていた

本日、唯一出場する種目ということで全力を出せるのだ

心理「ちょっとマイク貸して」

垣根「は?」
144 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:28:14.31 ID:h9JEQobs0

心理「美琴!!!!!!!!がんばって!!!!!!!!!!!!!」

垣根(うわぁ、私物化しちゃってるよ)

吹寄「ちょ、ちょっと!!」

心理「素敵よ!!!上条君も見てるわよ!!!!!!!!!」


美琴「!?当麻が!?」

美琴が観客席を見る

上条が、彼女に熱い視線を向けている
145 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:32:19.45 ID:h9JEQobs0
美琴「よ、よし!!」

食蜂「でね、私が思うに雑炊よりもおじや・・・って聞いてる?」

美琴「聞いてない」

食蜂「はぁ・・・御坂にならわかってもらえると・・・」

美琴「あ、当麻ーー♪」

食蜂「・・・」


食蜂(な、泣いてないわよ!?)
146 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:34:48.92 ID:h9JEQobs0
美琴「よし!!がんばるわよ!!」

美琴の番が刻一刻と迫っている

もちろん、この種目は能力使用禁止だ

対戦する種目では派手なほうがいが、こういった記録を立てる種目ではスポーツマンシップが云々らしい

食蜂「まぁ、がんばってねぇ」

美琴「当麻、私がんばるわよ!!」

食蜂「」
147 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:38:51.28 ID:h9JEQobs0
垣根「さぁ!!御坂選手が飛びます!!!」

吹寄「みなさん!!!大きな声援を!!!!!!!!!!!」

観客席から大きな声援が上がる

誰もが期待しているのだ

並大抵の人間では耐えられないほどの声援

しかし、彼女は慣れっこだった

御坂美琴は、こんなプレッシャーなどバネにしてしまう
148 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:41:47.50 ID:h9JEQobs0
上条「美琴!!がんばれ!!」

ただ、その中の声援でも

ひときわ、彼女の心を奮い立たせるものがあった

美琴(・・・そうよ、私はやってやるわ)

助走をつけ、地面を踏みしめる

一瞬だけ、会場が静まり返る

彼女の体は宙を飛んだ
149 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:43:47.27 ID:h9JEQobs0
しっかりとした着地

その一つ一つの動作が完璧だった

大きな拍手や声援

美琴は、それらを全身に浴びていた

誰から見ても、新記録なのは明らかだった


上条「すげぇよ美琴!!」

美鈴「やったね美琴ちゃん!!」

旅掛「さすが俺の娘だ!!!!」
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/13(土) 20:44:32.09 ID:Zv5wJwoq0
>>134
削板さん、ナチュラルに食蜂さんをスルー!!
151 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:45:08.23 ID:h9JEQobs0
美琴(やったわ・・・)

記録員が記録を測定する

5m68

垣根「出ました!!大会記録です!!!」

吹寄「今までの記録を23cmも上回りました!!!」

心理「美琴!!!ユーアーナンバーワン!!!!!!!!!!!」


美琴「やったぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/08/13(土) 20:46:12.74 ID:HA0i+IXe0
もう、心理さんもアナウンス室に入り浸ってるな。
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/13(土) 20:46:45.57 ID:tNW6jxOGo
>>151女子中学生が5m越えだと…?そんな幻想(ry
154 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:46:53.58 ID:h9JEQobs0
>>150 だって、彼女の能力よくわかんないw
本当に心理系なのかさえなんか怪しい気が


午前の部が終わった

午前の最後にいいものを見たと、周りの観客は騒いでいる

常盤台の女子生徒だろうか

美琴の写真を見つめてはうっとりとしている

上条(やっぱ、人気なんだなぁ・・・)
155 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:49:15.26 ID:h9JEQobs0

垣根「いやぁ、御坂すげぇな」

垣根は放送席を抜け出し、美琴のところへと駆けつけていた

美琴「そう?まぁ今日は調子良かったけど」

垣根「へぇ・・・」

彼女は運動神経もかなりいい

これくらい、ベストな状態ならば当たり前なのだろうか
156 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:50:54.55 ID:h9JEQobs0
上条「美琴!」

美琴「あ、当麻!」

上条も観客席からやってきたようだ

とても嬉しそうな顔をしている

上条「いや・・・すごいなホント」

美琴「えへへ//」

心理「さすが美琴ね」

吹寄「大記録じゃない」

美琴「あ、心理定規に吹寄さんも」
157 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:54:04.15 ID:h9JEQobs0
吹寄「ホント・・・上条がどうしてこんなすごい子と付き合ってるのか・・・」

上条「な、なんだよ!」

美琴「と、当麻だっていろいろすごいんですよ!?」

美琴がフォローをしようとする

実際、世界大戦を阻止したり天使と戦ったりと、恐ろしい人間なのだが

吹寄「・・・上条、大事にしなさい」

上条「言われなくとも!」
158 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:55:52.77 ID:h9JEQobs0
垣根「しかし、ホントにアンバランスなカップルだな」

垣根がスポーツドリンクを飲みながらつぶやく

ちなみに、三本目である

心理「あら、結構お似合いじゃない?」

垣根「いや、そうだけどさ・・・」

吹寄「でも、将来ヒモになりそうよね」

垣根「分かる分かる」
159 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:57:31.92 ID:h9JEQobs0
心理「でも、上条君は美琴のためならやる男だから」

美琴「そうよそうよ!!」

垣根「えー・・・なんか、ヒモになってこそというか」

吹寄「上条が妻を養ってる絵なんて想像したくもないわ」

上条(ひ、ひどい)

垣根「吹寄、お前とはいい酒が飲めそう・・・いや、酒はダメだ」

吹寄「は?」
160 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 20:59:01.86 ID:h9JEQobs0
心理「そうだ・・・二人はこれからどうするの?」

上条「ん、飯でも食いに行こうかなって」

美琴「全力出したらおなか減るわよね」

あはは、と美琴が無邪気に笑う

そういうところは子供っぽかった

上条(可愛いな・・・)

垣根「じゃ、俺が奢ってやるよ」
161 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:00:14.71 ID:h9JEQobs0
心理「あら、太っ腹ね」

垣根「だって記録作ったんだぜ?すごかったし」

上条「お、俺もいいか!?」

垣根「必死だなおい」

美琴「ねぇ、当麻もいい?」

垣根「まぁ・・・しゃあねぇな」

垣根がしぶしぶといった感じで頷く
162 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:02:42.37 ID:h9JEQobs0
吹寄「じゃあ、私は姫神と・・・」

垣根「あぁ?お前もついでだし奢ってやるよ」

吹寄「え、いいの?」

垣根「超能力者の財力ナメんなよ!」

えっへん、と垣根が胸を張る

平気で家だって買えるほどの金を持っているのだ

食事なんて安すぎるのだろう
163 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:04:09.38 ID:h9JEQobs0
上条「じゃ、吹寄も一緒でいいか?」

吹寄「え、えぇ」

心理「なんか変わった組み合わせね」

クスクス、と心理定規が笑う

たしかに少し珍しい組み合わせだ

昨日はこのメンバーで騒動があったのだが

吹寄は覚えていない
164 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:06:09.80 ID:h9JEQobs0

垣根「さーて、食うか」

上条「・・・ちょ、ちょっと待って・・・」

美琴「あ、心理定規、メニュー貸して」

心理「はい、どれでもいいみたいよ?」

吹寄「・・・わ、私も少し待ってほしいわ」

垣根「あ?なんだよ?」

上条「こ、このレストランはなに?」
165 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:08:44.80 ID:h9JEQobs0
上条が周りを見渡す

奢るよー、と言われたからファミレスを想像していたのだ

だが

吹寄「な、なんでピアノの生演奏があるの?」

垣根「?そこにピアノがあるからだよ」

美琴「そうよ、早く頼みましょう」

心理「あ、これ美味しいわよ」
166 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:11:55.13 ID:h9JEQobs0
上条「いやいや待って!待ってよ、待ってくださいの三段活用!」

吹寄「こ、ここここここここ高いんじゃないの!?」

垣根「そうか?お手ごろだぜ?」

美琴「そうよ、それより早く食べたい!」

心理「えっと・・・ステーキがいい?それとも・・・」

上条(ス、ステーキ・・・)

吹寄(待って・・・金銭感覚が・・・)
167 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:17:33.52 ID:h9JEQobs0
垣根「よし、注文決まったな」

垣根がパチン、と指を鳴らす

そういう動作が様になるのが憎い男だ

吹寄(な、なんか映画のワンシーンみたいね・・・)

上条(ちくしょう・・・俺はこんなに似合わないですよ!!)

吹寄(というか・・・垣根と付き合ったら金銭感覚が狂いそうね)
168 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:19:20.91 ID:h9JEQobs0
吹寄が横目で心理定規を見つめる

派手なドレスに高そうなネックレス

ピアスだってかなりのものだ

吹寄(な、なんか垣根にフラれてよかった気がするわ・・・)

心理(?なにかヘンな視線を感じるわね)

垣根「えっと・・・あ、そうだそうだ」

垣根が思い出したようにみんなに尋ねる
169 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:21:33.38 ID:h9JEQobs0
垣根「レアとミディアムとウェルダン、どれがいい?」


上条「ミ、ミディ・・・なんだって?」

吹寄「え、えっと・・・」

美琴「私はウェルダンがいいな・・・あんまり生っぽいのは怖いし」

心理「私はレアがいいわ、あのやわらかさがたまらないもの」

上条(え、通じてるよ!?)

吹寄「わ、私は御坂さんとおんなじで」
170 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:23:53.41 ID:h9JEQobs0
上条「か、垣根はどれが好きなんだ!?」

垣根「・・・そうだな・・・」

垣根がこっそりと耳打ちする

垣根「ウェルダンはよく焼けてるんだ、ミディアムはまぁまぁでレアはやや生に近い」

上条「な、なるほど・・・俺はミディアムでいいや」

垣根「オッケー、上条はミディアムか・・・俺はウェルダンで」

ウェイトレスが頭を下げて去っていく
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/13(土) 21:26:19.11 ID:Zv5wJwoq0
あぁ、ヒモ条さんへの道を着々と・・・
172 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:27:07.43 ID:h9JEQobs0
吹寄「・・・垣根はいつもこんなに高いものを食べてるの?」

垣根「うーん・・・三日に一回くらい?」

上条「ホント・・・お前は金持ちだな・・・」

美琴「でも、ここはまだ安いんじゃない?」

心理「えぇ、そのわりに美味しいし」

心理定規が頬杖をつく

垣根「あぁ、そうだな・・・」
173 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:29:35.46 ID:h9JEQobs0
心理「覚えてる?あなた前にここで私にネックレスくれたのよね・・・」

垣根「あぁ、たしか11月だったな・・・今つけてるヤツだろ?」

心理「あら、正解」

ニコリ、と心理定規が微笑む

垣根「たしかあのときはエリーゼのためにが流れてたな」

心理「あの調べは綺麗よね」

垣根「今はトロイメライか・・・」
174 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:31:08.25 ID:h9JEQobs0
心理「・・・踊りたくなるわね」

垣根「俺は踊らされてるんだぜ?」

心理「あら、何に?」

垣根「お前との運命にだよ」

心理「それは、踊っているんじゃないの?」

垣根「そうかな、意外と奏でているのかもしれない」

二人が見詰め合う
175 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:32:57.57 ID:h9JEQobs0

上条(な、なんか知らない世界だ・・・)

吹寄(一体・・・このカップルはなんなの?)

美琴「当麻、今流れてる曲は?」

上条「え!?あ、さっきの曲と変わったな・・・えっと・・・」

垣根「こりゃレクイエムだ、モーツァルト自身の鎮魂歌になったなんて皮肉だよな」

心理「あら、自分の調べで最後を飾れるなんて素敵じゃない?」

垣根「そうかねぇ」
176 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:34:50.91 ID:h9JEQobs0
上条(うぅ!!まったくわかんなかった!!)

吹寄(わ、私の知ってるクラシックなんて・・・運命とかよ・・・)

美琴(いいなぁ・・・当麻とロマンチックな恋ができたら・・・)


上条「これは田園だな・・・」キリッ

美琴「す、素敵//」


美琴「えへへ・・・//」

上条「?」
177 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:36:20.95 ID:h9JEQobs0
吹寄「・・・垣根はクラシックとか詳しいのね」

垣根「別に、知識しかねぇよ」

はぁ、と垣根が溜め息をつく

上条「知識があるだけすげぇよ・・・」

垣根「そうか?」

美琴「うん、どこで知ったの?」

垣根「うーん・・・」
178 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:38:16.04 ID:h9JEQobs0
垣根が腕を組む

どこで、と言われても答えはなかった

気がついたら知っていたのだから

心理「彼、こう見えてロマンチストだから」

美琴「それは知ってるわ」

吹寄「すっごいメルヘンよね」

上条「・・・いいなぁ」

垣根「お前もなればいいだろ?」
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/13(土) 21:41:24.93 ID:Zv5wJwoq0
上条さんがメルヘンに・・・・・・説教もメルヘンになるの!?
180 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:41:41.13 ID:h9JEQobs0
上条「なれるかよ・・・」

美琴「と、当麻は今のままで十分カッコイイわよ!」

心理「あら、でももっと素敵になるかもよ?」

吹寄「でも上条はそういうキャラじゃないわよ」

上条「そ、そうそう!」

垣根「へぇ・・・あ、今度は月光か」

181 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:43:34.56 ID:h9JEQobs0
>>179 まずは、その幻想を殺す前に君を抱きしめてみたい

垣根がピアノの音色に耳を傾ける

上条たちでも聞いたことはある曲だった

垣根「・・・月光ってのは悲しい曲だ」

心理「太陽には敵わない儚い輝きよね」

垣根「あぁ、そして月とは女性の象徴だ」

心理「・・・愛した女性のことを考えていたのかしら?」
182 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:45:08.24 ID:h9JEQobs0
垣根「わかんないな」

垣根がはぁ、と息を吐く

この調べは本当に悲しいものだった

垣根「月の光は昼には見えないのさ」

垣根「周りの眩しいものに隠れてしまう」

垣根「そこに確かにあるのに見てはもらえないなんて」

垣根「まるで、愛情みたいだよな」
183 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:46:39.04 ID:h9JEQobs0
心理「あら、愛情は欠けてしまうのね」

垣根「でも満ちることは無い」

心理「だからこそ、人はそれを見上げるのでしょうけど」

垣根「満ちてしまえばわざわざ眺めるまでもないからな・・・」

二人の周りだけ、なぜだか雰囲気が違った

本来、垣根はこういう人間なのかもしれない

吹寄(・・・なんか、この垣根はちょっと怖いわ・・・)
184 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:47:56.27 ID:h9JEQobs0
どこか遠くを見ていて

しかし、それは決して定まった焦点ではない

今の垣根は美しく、ロマンチックで

そして、なぜか少し黒さを帯びていた

闇の中に溶けてしまいそうで

だが、それにしては眩しすぎて

一瞬、吹寄は背筋に寒気を覚えた
185 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:50:07.53 ID:h9JEQobs0
上条「?どうした吹寄?」

吹寄「な、なんでもないわ!!」

美琴「なんか、垣根ってキャラが安定しないわね」

垣根「どれも本当の俺だよ」

ニカリ、と垣根が笑う

それは吹寄もよく知っている笑顔だった

吹寄(わ、私は垣根の一部分しか知らなかったのね・・・)

吹寄がもう一度心理定規を見る
186 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:52:04.27 ID:h9JEQobs0
心理定規は笑っていた

まるで、いつもそうであるかのように

垣根の変化に驚きもせず

それが当たり前であるように

吹寄(・・・すごいわね)

敵うわけがなかった

ここまで、垣根を理解している女性に
187 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:55:03.16 ID:h9JEQobs0
垣根「お、来たみたいだな」

そんな話をしているうちに、料理が運ばれてきた

上条「す、すげぇ・・・こんな厚いステーキ・・・」

吹寄「ね、ねぇ・・・本当に奢りでいいの?」

垣根「あぁ?当たり前だろ」

美琴「じゃ、いっただきまーす♪」

心理「いただきます」
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/13(土) 21:56:14.43 ID:+FJPg/Eo0
上条さんよ
値段聞いてみろよww
189 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 21:57:15.47 ID:h9JEQobs0

上条「う、うめぇ・・・何もかけてないのに甘い・・・」

吹寄「・・・垣根、初めて貴様を尊敬したわ・・・」

垣根「だろぉ!?」

美琴「うーん♪美味しい♪」

心理「垣根、あーん♪」

垣根「あーん」
190 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 22:00:24.55 ID:h9JEQobs0
>>188 死んじゃうww


上条「美琴、あーん♪」

美琴「あーん♪」

吹寄「・・・」

垣根「?どした?」

吹寄「な、なんでもないわ」

黙々と吹寄がステーキを口にする

どうせこの肉もそのでかい胸の元になるのだろう

垣根はそう思っていた
191 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 22:02:35.16 ID:h9JEQobs0
吹寄(・・・な、なんか気まずいわ)

周りには幸せな二組のカップル

一人だけ場違いな気がしていた

吹寄(これじゃ・・・)


垣根「吹寄」

吹寄「な、なに?」

垣根「ほれ、口開けな」
192 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 22:05:27.41 ID:h9JEQobs0
吹寄「?」

垣根「いいから、心理定規からお許しが出ましたんで」

垣根が微笑む

心理定規が少し苦笑しているような気がした


垣根「はいよ、あーん」

吹寄「・・・」

いいのだろうか
193 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 22:08:10.03 ID:h9JEQobs0
受け取っても、いいのか

彼女はもう、夢を見ないと決めたのに


垣根「・・・吹寄」

吹寄「・・・なに?」

垣根「強がらなくていいのさ、今は正直にしとけ」

吹寄「・・・」

正直にするなんて

彼女に出来るのか
194 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 22:10:16.82 ID:h9JEQobs0
心理(・・・はぁ、垣根は優しすぎるわ)

上条(・・・なんか、辛いんですが)

美琴(うぅ・・・ステーキの塩加減が間違ってるわよ・・・)ズピーッ!!


垣根「ほれほれ!」

吹寄のことを、ずっと女性として見てくれた

なら

もう少し、女性として甘えてもいいだろう
195 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 22:12:11.22 ID:h9JEQobs0
吹寄「あーん・・・」

垣根「はいよ」

ポン、と吹寄の口にステーキの欠片が入ってくる

少し小さくしてくれているのも、垣根の優しさだろうか

吹寄「・・・うん、美味しいわ」

心理「ねぇ垣根、私にも」

垣根「あいよー」
196 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 22:13:39.83 ID:h9JEQobs0


上条「うわ!!一人2万!?」

美琴「あれ、本当に安いわね」

吹寄「安いの!?」

会計で、二人の凡人は驚いていた

あのステーキ、2万円

垣根「いやぁ、美味かった」

心理「最高だったわ」
197 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 22:14:49.43 ID:h9JEQobs0
上条「なんか・・・もったいなかったな・・・」

上条がステーキの味を思い出す

あれだけで、2万円

信じられなかった

こんなものを垣根はよく食べているのだ

上条(格差社会・・・)

吹寄(・・・な、なんか冷や汗が・・・)
198 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 22:16:50.77 ID:h9JEQobs0
垣根「さて!!美味いもんも食ったし!!」

ポンポン、と垣根がおなかを叩く

かなり満足そうだ

垣根「お、急がないと競技が始まる!!!」

時計はもう、午後の部開始10分前を差していた

吹寄「い、急がないと!」

心理「じゃ、二人はあとで」
199 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 22:18:23.83 ID:h9JEQobs0
上条「あ、あぁ」

美琴「がんばってね、三人とも」

垣根「心理定規ももう放送席のレギュラーだな」

心理「えぇ、あなたがいるもの」

吹寄「ほら!!無駄話してる暇があったら走る!!」

垣根「はいはーい!」

美琴「じゃあね!」
200 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 22:20:05.83 ID:h9JEQobs0
垣根「ほれ、行くぞ」

垣根が心理定規と吹寄の手を取る

吹寄「あ・・・」

一瞬だけ

ドキリとしてしまう

垣根「受けろよ・・・」

でも、そのドキドキはすぐに心臓のドキドキになる


垣根「俺の速さをぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

吹寄「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」

心理「はぁ・・・」
201 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 22:22:07.63 ID:h9JEQobs0

垣根「始まりました午後の部!」

心理「みなさーん、盛り上がっていきましょうね!」

放送席に新たなアイドルが生まれた

観客席はその新鮮さに盛り上がる

その少し後ろ

吹寄は、息を整えていた


吹寄「はぁ・・・不幸よ・・・」
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/08/13(土) 22:24:02.67 ID:HA0i+IXe0
あんなにかっこよくても垣根は垣根だった。
203 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/13(土) 22:25:05.97 ID:h9JEQobs0
さて、今日はここまで

こう、吹寄にスポットライト当てすぎかな

でも>>1の好きなキャラだから許して

未元定規は優しいね

苦しみを知っているからでしょうか

上琴は相変わらずイチャイチャ


そして、ちょっとソギータ黒子もやれたし

大覇星祭ずっと続けたい気さえするwww


いや、さすがに無理だけど

もう最近■■と吹寄が可愛すぎて死にそう

美琴とか心理タソももちろんだけどね


ではおやすみなさい

204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/08/13(土) 22:27:28.01 ID:HA0i+IXe0
お疲れです。というか、>>1が言っていたより多くやれてるね。さすが>>1!!速さが足りてるね。
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/13(土) 22:45:48.10 ID:Zv5wJwoq0
おやすみなさい、とミサカは就寝の挨拶をします
ほら、ミサカが言った通りじゃないですか。100しか出来ないなんて、やれば200まで来れるんですよ、とミサカは自分の人を見る目が確かだったことに胸を張ります。エッヘン
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/13(土) 22:52:12.82 ID:xG/90Sd5o
凄えスピードだ…追いつけるんだろうか…
現在4スレ目までは読んだが…追いつける気がしねえ…
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(秋田県) [sage]:2011/08/13(土) 22:53:34.94 ID:3MH2WzCx0
>>1よ乙だ。それじゃあ、バイトも頑張れよwww
そしておやすみ!
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/13(土) 22:59:03.66 ID:eVLAdNbXo
そんなに大覇星祭をやりたいならいっそのこと一年間すっ飛ばせばいいと思……わない
やっぱ平常運転が一番だな
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2011/08/13(土) 23:43:14.32 ID:CHOF23odo
>>206
またここを見る頃には30スレ目くらいになってるだろうなwwwwwwww
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/13(土) 23:45:36.71 ID:YmLRDMe/o
俺は追いつくのを諦めて途中から読み始めたな
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/08/14(日) 00:08:09.17 ID:aut/VGIAO
相変わらず速さが足りすぎてる>>1だ…

細かいとこだけど吹寄は姫神のことはさん付けで呼んでるんだよ!
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/08/14(日) 01:05:21.17 ID:U28dMQzAO
親友なのだから、さん付けなど気にしなくていいのだよ…野暮な事はいいっこなしさ。みつお
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/14(日) 01:09:54.61 ID:Z0UwQWiDO
あばbbbbbbbbbbbbbb!!

みさわ
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/08/14(日) 04:52:51.48 ID:frBJPMuQ0
>>1お薦めのアニメとかないか?

例えば最終的に主人公と好敵者が殴り合いする能力バトル物とか
ロリがいれば なお良い
スピード馬鹿がかっこいい
そんなアニメあったら教えてくれ
215 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 08:59:33.42 ID:FgZkpiAH0
>>205 おー、かっけぇww

>>214 スクラ(ry

スピード馬鹿!?

違う、馬鹿だからこそスピードを極められたのさ!!


姫神さん、ってなんか気持ち悪かったからww

投下は午後に
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/14(日) 09:31:34.30 ID:vW+p2qsIO
>>1の口から。私の名前が。本編でもちゃんと表示される日は近い。
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/14(日) 09:49:48.01 ID:8s4ZkEUp0
認知度が上がって徐々に姫■さんの名前が照らされるようになってきたんだな


照らされすぎて真っ白にならなきゃいいけど(ボソリ)
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/14(日) 09:51:10.89 ID:+oCMuwM1o
□□
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/14(日) 09:56:56.69 ID:EKGW0IQOo
姫/神にならなければいいや
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国) [sage]:2011/08/14(日) 10:33:27.07 ID:EBR/iGmAO
垣根がメルヘンすぎてうざくなったのは俺だけかな…‥‥‥‥

気のせいだといいが……‥
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/14(日) 10:56:13.12 ID:o7N6mPmCo
てェェェェいとくゥゥゥゥゥゥゥン!!!!
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/08/14(日) 11:22:56.95 ID:iTtLPfWAO
自分に酔ってんじゃねぇぞ未元物質ァァァァァァァァァ
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/14(日) 12:03:51.99 ID:lx2tYyTq0
                 /
                     /
            _   _.. -{- .._
              `ア´ : : : : : : : `ヽ.
           . : :/: : :/ ハ: :}h: :\__
         /: :/: : 7爪/  }仏 }: :ト-'′
          . :/リ :从{_}  {_} {: : .、
          {: :{/{〔 、、、    、、}}: い
         人: :/`弌u 匚 ]  人ト、|
         ノイ{: :/{: {≧rz:≦∧从  い、>>1
              、{ 爪 {]  {_] ̄\
    (\       /L.Y^仁〔/   ∧
    '77、`‐n  h ∧ | / /      ハ
   └{ { 「L.爪  /  }  {{く 【]   }   l、
    `¨て´  ∨  {   r‐ 、__  ∧  ∧
      β\  _}  .ハ rU7  `マ⌒¨   }
     ∴  \__/ 人 `¨L{_{_,厶qqo-‐'′
    : ;        〕       人
      ※       /  _}       ハ
    〔 ::: \   /  /人      }
      \/|  └イ ─╋≒┰─r〈]
      |噐|   √  │  │ │ }、
      |/ _/ {   ‐╋─╋─|‐八
          {ヘ,√⌒でつ'⌒¨⌒7⌒ゝ
           ∀    /〜!    /¨´
           /   /  |    /

224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/08/14(日) 12:43:19.41 ID:XfFX0cUO0
凱旋だ、クソ野郎
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(島根県) [sage]:2011/08/14(日) 15:36:44.96 ID:r68tZNRBo
>>223のAAでちんこ飛び出してんのかと思った
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/14(日) 15:42:51.47 ID:+oCMuwM1o
ちんこじゃないならその「つ」は何だよ……
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/08/14(日) 15:48:52.23 ID:MwT/7tGRo





で つ
228 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:26:21.83 ID:FgZkpiAH0
ただいまーw

まぁ、ていとくんとかの好みは分かれるでしょう

彼は優しいですが優しすぎるがゆえの愚かさもありますし

あと姫神大好き

吹寄も大好き

もうちゅっちゅしたい

続きはもう少ししたら

今日は400くらいまでしかいけないかと

いろいろあるのでww
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/14(日) 16:33:07.18 ID:dOSci4eU0
>>1が浮気しちゃいましたと、ミサカは上位個体に自殺コードを起動する様に連絡を........
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/14(日) 16:40:29.89 ID:8s4ZkEUp0
なるほどなるほど、>>1は姫神と吹寄が大好きっと……
サトリナにも教えておかないとな!
231 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:48:08.61 ID:FgZkpiAH0
>>229 いやぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!

>>230 そ、それはダメ!

では続き
232 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:48:35.49 ID:FgZkpiAH0
土御門「・・・つまんないにゃー」

青ピ「ホンマやねぇ・・・」

■■「私も。そう思う」

三人はため息をついていた

ただでさえ、今日は出場する種目がないのだ

その上今やっている競技は、砲丸投げ

一体何をどうやって盛り上がれというのか

233 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:49:17.38 ID:FgZkpiAH0
土御門「にゃー、どうせなら可愛い子でもナンパしたいもんだにゃー」

青ピ「でもさっきは失敗したんやで?」

土御門「そうだにゃー・・・こうなったら俺が本気出してやるぜよ」

土御門が腕まくりをする

金髪、グラサン、ジャラジャラなネックレス

そんな男が腕まくりすれば大抵の女性はまず寄ってこないのだが

234 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:49:49.39 ID:FgZkpiAH0
土御門「俺達を好んでくれそうな子なら大丈夫なんだぜぃ!」

それを逆手にとる

自分の見た目を好んでくれる相手ならハードルが低い

そう考えたのだろう

■■「そう上手くは。いくとは思えない」

土御門「ははは!俺には出来るんだぜぃ!?」

自信満々だった土御門
235 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:50:19.15 ID:FgZkpiAH0
その笑顔が凍りついたのは20分ほどしてからだった

競技は次のやり投げに変わっている

その間、話し掛けて来た女性はゼロ

それどころか、避けられている気さえした

土御門「・・・な、なんでなんだにゃー?」

青ピ「怖いもんなぁ」

236 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:50:59.59 ID:FgZkpiAH0
■■「スキルアウトみたい」

土御門「俺が怖い!?そんなバカな!」

土御門が頭を抱える

どれだけ女の子を捕まえたいんだよ、と■■が軽蔑する

そんな三人の前を

ある一人のハーレム男が通り過ぎた


237 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:51:28.21 ID:FgZkpiAH0
テクパトル「はぁ・・・結局二人きりの時間は終わりか」

テクパトルだ

周りには8人もの女性を従えている

一応、全員特殊メイクをしたミサカ達なのだが

御坂妹「テっくん、19090号と二人で病院に帰ってなにをしていたのですか?」

19090「服を着替えただけですよ?」

238 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:52:15.60 ID:FgZkpiAH0
20000「ついでに一発ヤったんだろ?」

テクパトル「してねぇよ・・・」

14510「・・・したんですか」

テクパトル「してねぇよ!なんでお前らはそっちに持っていきたがるんだよ!?」

13577「・・・ミサカは少しテっくんを嫌いになりそうです」

テクパトル「なんで!?」

239 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:52:52.98 ID:FgZkpiAH0
10039「あぁ、テっくんも所詮はただの男なんですね」

テクパトル「いやいや!まだそんなにはヤってないから!」

御坂妹「うわぁ、すでに童貞でないアピール」

10033「テっくん、ついでにミサカもいかがですか?」

テクパトル「クスクス笑いながら尋ねるな!」

テクパトルは戸惑っていた

240 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:54:14.03 ID:FgZkpiAH0
病院から競技場に向かっていたらいきなりミサカ集団と出会ってしまったのだから

しかも19090号と二人きりだったのを見た瞬間

「!な、なにをしていたんですか!?」

なんてすごい剣幕で迫られたのだから

テクパトル「なぁ・・・信じてくれよ」

20000「・・・ヤってないならまだ溜まってるよね、ミサカがペロペロするから」

テクパトル「ふざけんな」

241 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:54:39.59 ID:FgZkpiAH0
御坂妹「あ、慌てて拒否をするということはやはり・・・」

テクパトル「なんでだよ!?」

テクパトルにとっては最悪のやり取り

しかし、三人にとってはうらやましいやり取りだった


土御門「な、なんなんだにゃー・・・あのハーレムは・・・」

青ピ「全員可愛い・・・しかもあの二人もいるやん!」

242 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:55:12.60 ID:FgZkpiAH0
■■「あれが。真の男」

土御門「聞いたか!?アイツもう童貞捨ててるみたいだぜぃ!?」

青ピ「信じられんわ!」

■■「ちょっと。どこに行くの」

■■をおいて二人はテクパトルに向かっていく

ハーレムになる方法を教えてほしかったのだ


243 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:56:07.60 ID:FgZkpiAH0
テクパトル「だいたい・・・ん?」

なにかおかしな気配を感じてテクパトルが振り返る

二人の男が彼に近づいてきていた

一人はわりと筋肉質な男

もう一人もなかなか大柄で、そこら辺の不良は強そうだ

テクパトル(・・・なんだ?)

244 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:56:45.94 ID:FgZkpiAH0
テクパトルが少し身構える

というのも二人が纏っているオーラが尋常ではないくらいに禍禍しかったからだ

土御門「なぁ、そこのアンタ」

テクパトル「なんだ」

青ピ「・・・ハーレムって、どうやるん?」

テクパトル「・・・は?」

245 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:57:19.55 ID:FgZkpiAH0
一瞬、わけが分からなかった

想像していたのはもっとめんどうなことだったのだから

金をよこせ、とかちょっと面を貸せ、みたいな

だからこそ素っ頓狂な声を上げてしまったのだ

テクパトル「悪い、もう一回言ってくれないか?」

青ピ「ハーレムって、どうやるん?」

246 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:57:58.23 ID:FgZkpiAH0
彼の知っているかぎり、ハーレムとはライオンが組んでいる群れの仕組みである

そしてそれに似ている状況の人間、特に男性を差す

どこにハーレムがいるのか?

そう考える時点でテクパトルはプレイボーイなのだ

しかも無自覚な

テクパトル「悪いが、俺には分からない」

247 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:58:32.27 ID:FgZkpiAH0
■■「ほら。二人とも」

後ろから一人の女子生徒がやってくる

20000「あぁ?どっかで見たと思ったらアンタ達・・・」

青ピ「あ、覚えててくれてたん!?」

青ピが少し嬉しそうに声を上げる

17600「テっくん、こいつら・・・」


17600「今日、私たちを襲おうとしたんだ」


248 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:59:00.30 ID:FgZkpiAH0
土御門「はい?」

テクパトル「・・・なに?」

テクパトルが二人を睨みつける

襲おうとした

たしかに、この二人はそういうことをしそうといえばしそうだ

なんだか一人はチャラチャラしてるし、一人は大柄だ

いくらミサカ達が戦闘に慣れているとはいっても、この二人に無理矢理襲われたら

249 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 16:59:40.54 ID:FgZkpiAH0
テクパトル「おいお前ら」

土御門「な、なんだにゃー?」


テクパトル「俺の家族に手出してんじゃねぇよ」

土御門「」

青ピ「」

この二人の何が不幸だったかといえば

ナンパした相手が悪かったのが不幸だったのだ


250 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:00:07.85 ID:FgZkpiAH0
垣根「心理定規、もうクッキーないのか?」

垣根が放送席で尋ねていた

心理「ごめんなさい、もう残ってないのよ」

垣根「ちぇー」

つまんない、と垣根がテーブルに突っ伏す

頭が少しマイクにぶつかったが気にしなかった

251 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:00:45.48 ID:FgZkpiAH0
吹寄「・・・貴様、そうやってダラダラしないの」

垣根「うぁー・・・だってヒマなんだぜ?」

吹寄「そうだとしても、ここにいるってことは観客席から一番見えるってことなのよ?」

垣根「あぁ、だから?」

吹寄「他の学生の模範になれるような態度をしなさいと・・・」

垣根「おっぱい揉ませてくれるならいいよ」

252 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:01:22.79 ID:FgZkpiAH0
吹寄「ねぇ、このバカ殴っていい?」

心理「殴っても意味ないわよ・・・調子に乗るだけだから」

苦笑しながら心理定規が答える

垣根「・・・心理定規ももうちょっと胸でかけりゃなぁ」

垣根が心理定規の胸元を見つめる

かなり十分なバストなのだが

253 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:02:19.28 ID:FgZkpiAH0
心理「あら、あなたは胸が大きいほうが好みなの?」

垣根「なんか女性のシンボルだから憧れというか・・・な」

心理「じゃあ、大きくしてちょうだい?」

垣根「揉んでいいのか」

心理「あなたになら」

垣根「魅力的なお誘いだ!」

254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/08/14(日) 17:02:24.18 ID:AWDpY8nh0
今更だけど1レス目の長さが半端ねぇ・・・
255 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:03:05.79 ID:FgZkpiAH0
垣根がキラキラと顔を輝かせる

吹寄「・・・貴様、そういう話はここではしないでくれないかしら」

垣根「あぁ?ヤキモチかよ」

吹寄「違うわよ!風紀が乱れると言いたいの!」

垣根「そんなけしからんおっぱいしてるお前が言うな!」

垣根が吹寄の胸元を指差す

256 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:03:45.51 ID:FgZkpiAH0
>>254 なんと的確なww


少し動くだけでタプンタプンと胸が揺れるのだ

吹寄は気づいていないが、意外と他の学校の男子生徒はくぎ付けになっている

心理「まぁ・・・たしかにうらやましいわ」

垣根「お前さぁ、そんな見事なもん持ってるんだから揉ませなきゃダメだぜ?」

吹寄「一体なにを根拠に言ってるの?」

吹寄が眉をピクピクとさせながら尋ねる

257 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:04:23.88 ID:FgZkpiAH0
こういう話はあまり好きではないのだ

垣根「心理定規、吹寄の胸ってめちゃくちゃ柔らかいんだぜ」

心理「あら・・・いつ触ったの?」

垣根「ははは!こっそりとさ!」

垣根が腕を組む

自慢することではないのだが

258 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:05:12.47 ID:FgZkpiAH0
吹寄「・・・はぁ」

吹寄がため息をつく

いくらツッコんでも意味がないと分かっていたからだ

吹寄「ん、そういえば垣根も結構スタイルいいわよね」

垣根「あ?そうか?」

垣根が首を捻る

259 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:05:56.50 ID:FgZkpiAH0
たしかに彼は素晴らしいスタイルの持ち主だ

端正な顔立ちは言うまでもないが

そのほかに、長い足にある程度引き締まった体

サラサラの髪の毛やオシャレな服装

そして、男性とは思えないほど手入れされた肌

女性として生まれてきていても、絶対に美形だっただろうと吹寄は確信する

260 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:06:48.65 ID:FgZkpiAH0
心理「肌と髪の毛は私が手入れしだしてからよくなったわよね」

垣根「あぁ・・・お前うるさいからな、そういうの」

垣根がため息をつく

あまりそういうのにこだわりたくないタイプなのだろうか

しかし、吹寄が引っ掛かったのはそこではない

吹寄「ねぇ、いつも一緒にいるみたいな言い方だけど?」

垣根「あ?一緒に暮らしてるんだから当たり前だろ?」

261 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:07:31.79 ID:FgZkpiAH0
吹寄「」

彼女の頭の中で、ガーンと音がした

初恋相手が、恋人とすでに同棲をしていた

それはなかなかに大きなショックだ

垣根「あぁ?どうしたんだよ?」

吹寄「ま、待って!一緒に住んでるって・・・」

心理「あら、一緒に寝たことだって何度もあるわよ?」

262 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:08:25.04 ID:FgZkpiAH0
意地悪そうに心理定規が笑う

吹寄だって一応は思春期の女子なのだ

男女が一緒に寝てから行うことくらい、知っていた

吹寄「な、ななななななななな!」

垣根「なんだよ、なにエロいこと想像してんだよ」

吹寄「貴様!こんな綺麗な彼女と寝てるの!?」

263 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:09:40.63 ID:FgZkpiAH0
垣根「なんかおかしいぞ」

吹寄「つ、つまり・・・」

カァッ、と吹寄が顔を赤くする

クラスメイトが見たら驚くだろう

あの吹寄がこんなにも表情豊かだなんて、と

だが彼女も女子なのである

好きな人の前では乙女になってしまう

264 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:10:33.56 ID:FgZkpiAH0
心理「あらあら、そうとは限らないわよ?」

垣根「なぁなぁ、なにを想像したの?」

二人がニヤニヤと笑う

吹寄「ひ、冷やかさないでよ!」

少し大声を出してしまう

吹寄「か、叶わない恋なんだから・・・」

垣根「・・・そうだな、悪い」

265 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:11:13.27 ID:FgZkpiAH0
はぁ、と垣根がため息をつく

垣根「とりあえず、俺達は一緒に住んでるってのは事実さ、一緒に寝るのも事実」

心理「ごめんなさいね、ちょっとからかいすぎたわ・・・」

吹寄「・・・私も少し真剣になりすぎたわ」

三人が気まずい雰囲気を抱える

無理に明るくしようとしたり、無理に何事もなかったように振る舞おうとしたり

そうしたことをするほど、なかなか気まずくなってしまう

266 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:11:52.61 ID:FgZkpiAH0
垣根「はぁ・・・とりあえずおっぱい触らせて」

吹寄「貴様それしか言えないの?」

垣根「ふん!もういいもん!心理定規!」

心理「あら、なに?」

心理定規が尋ね返す

垣根「ちょいと失礼!」

プニプニ、と垣根が彼女の胸を揉む

267 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:12:21.54 ID:FgZkpiAH0
最低だ

観客席からまる見えなのに

垣根「にゃはは!やっぱり・・・」

吹寄「垣根」

後ろからドスの利いた声が聞こえた

垣根「・・・はい?」

振り返ると、夜叉がそこにいた


268 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:12:52.24 ID:FgZkpiAH0
上条「・・・今日ももう終わるんだな」

美琴「えっと・・・最後は応援合戦?」

上条「あれ、一日目にやらなかったっけ?」

美琴「うーん・・・一週間あるんだから何回かやるんじゃない?」

大覇星祭のスケジュールは、去年と大きく変わっていた

そのため上条たちでさえ、どんな種目なのか分からないものも多かった


269 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:13:18.76 ID:FgZkpiAH0
吹寄「さぁみなさん!応援合戦です!」

心理「大きな声で自分達の色を応援しましょう!」


上条「あれ、垣根がのびてる」

美琴「なにかあったのかしら?」

放送席では垣根が地面に転がっていた

どこの世紀末だろうか

270 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:14:15.76 ID:FgZkpiAH0
上条「あ、そういえば俺と美琴って一応敵同士だったよな」

美琴「あ、罰ゲームもあるんだった!」

この前約束したばかりのことを忘れてしまっていた

上条「はぁ・・・俺は絶対に勝つからな!」

美琴「ふふん!でもね、途中結果見てみなさい!」

上条「へ?」

271 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:15:20.31 ID:FgZkpiAH0
上条が得点を見る

昨日までは紅が勝っていたはずだ

だが今は

上条「し、白が勝ってるのか!?」

美琴たちの白が点数で上回っていた

美琴「あはは!これで私の勝ちは濃くなったわね!」

272 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:15:57.27 ID:FgZkpiAH0
上条「ちくしょう!折り返し地点で負けてたら大抵負けるというジンクスがあるんですよ!?」

不幸だー!と上条が叫ぶ

美琴「罰ゲーム何がいいかなん♪」

今から考えるつもりのようだ

上条「ま、まだ負けてないからな!」

美琴「へぇ、いいじゃない!」

二人が火花を散らす
273 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:16:48.96 ID:FgZkpiAH0
テクパトル「はぁ・・・ヘンな輩も追い払ったし」

パンパン、と手のホコリを落としながらテクパトルはつぶやいていた

ミサカ達に言い寄ってきたチャラ男集団は片付けた

実際は17600号のウソによって仕立て上げられた哀れな男達なのだが

19090「はひー・・・テっくんが大男をぶん投げてました・・・」

御坂妹「すごい力ですね・・・」

10039「いやぁ、まるでアクション映画でした」

274 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:18:24.55 ID:FgZkpiAH0
ミサカたちはその光景を眺めていてだけだった

なにしろ、あっという間の出来事だったのだから

17600(まさかミサカのウソがあそこまで響くとはな)

17600号は苦笑していた

テクパトルは本当にミサカたちのことを考えている

だからこそ、彼女はテクパトルを尊敬していた
275 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:19:50.75 ID:FgZkpiAH0
ときどき、暴走してしまうこともあるが

ミサカたちのためなら、本当にどんなことでもしてくれる

いきすぎた愛情かもしれないが、それでもテクパトルはこの家族を大切にしていた

テクパトル「はぁ・・・少し・・・少し疲れた」

19090「はい、スポーツドリンクどうぞ!」

テクパトル「サンキュー」

17600「大尉!!!」

テクパトル「いまさら遅い・・・」
276 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:21:47.82 ID:FgZkpiAH0
御坂妹「さて・・・競技場に戻りますか?とミサカは訊ねます」

テクパトル「・・・外にいるときはその語尾、できるかぎりやめたほうがいいぞ」

御坂妹「?萌える男性が増えてしまうからですか?」

テクパトル「ちげぇよ!!お前とあの義姉さんの関係がバレたらなぁ・・・」

それを想像して、テクパトルが溜め息をつく

もちろん、美琴にも迷惑は掛かるだろう

だが、それ以上に妹達の負担が大きくなってしまう
277 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:23:20.94 ID:FgZkpiAH0
どうにか手に入れた平穏なのだ

あの実験から解放され、普通の人間として生きられる

当たり前にはなっているが、とても信じられないことなのだ

テクパトル「・・・まぁ、無理にとは言わないがな」

御坂妹「・・・ごめんなさい」

テクパトルの気持ちは分かっている

だから、彼女は謝った
278 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:25:20.02 ID:FgZkpiAH0
どうにか手に入れた平穏なのだ

あの実験から解放され、普通の人間として生きられる

当たり前にはなっているが、とても信じられないことなのだ

テクパトル「・・・まぁ、無理にとは言わないがな」

御坂妹「・・・ごめんなさい」

テクパトルの気持ちは分かっている

だから、彼女は謝った
279 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:25:20.51 ID:FgZkpiAH0
どうにか手に入れた平穏なのだ

あの実験から解放され、普通の人間として生きられる

当たり前にはなっているが、とても信じられないことなのだ

テクパトル「・・・まぁ、無理にとは言わないがな」

御坂妹「・・・ごめんなさい」

テクパトルの気持ちは分かっている

だから、彼女は謝った
280 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:26:27.83 ID:FgZkpiAH0
うは、重かったww


テクパトル「ん、分かってくれるならいいんだよ」

テクパトルが10032号の頭を撫でる

御坂妹「//」

ミサカ一同「・・・」

こういう行動をするところあたり、かなりの天然誑しだ

19090(・・・むむむ)
281 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:28:14.41 ID:FgZkpiAH0
テクパトル「さて・・・ん?」

テクパトルが前方を見つめてから、ヘンな声を出した

ミサカたちもそちらを見つめる


エツァリ「はぁ・・・トチトリ、クレープ・・・」

トチトリ「・・・ぐぇぇぇぇ・・・」

ショチトル「もどすなよ」


テクパトルの顔が、少し暗くなっていた
282 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:29:56.77 ID:FgZkpiAH0
トチトリ「・・・ん?テクパトルじゃないか」

テクパトル「・・・お前も来ていたのか」

トチトリ「ははは!!まったく登場しなかったから分からなかっただろう!」

テクパトル「?なんの話だ?」

トチトリ「いや、こっちの話だ」

トチトリがむすっとする

テクパトル「・・・それより、その大量のクレープはなんだ?」
283 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:31:55.51 ID:FgZkpiAH0
トチトリ「ん、お前も手伝ってくれ」

テクパトル「・・・食いかけをよこすな」

テクパトルが溜め息をつく

トチトリ「・・・なんだ、なんかイヤそうな顔だな」

テクパトル「・・・そうかもな」

トチトリ「おーい、エツァリ」

エツァリ「なんでしょうか?」
284 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:33:09.24 ID:FgZkpiAH0
トチトリ「こいつと二人だけで話がしたい」

エツァリ「二人・・・ですか」

エツァリが少し驚いたように言う

トチトリはかつてテクパトルに利用されていたのだ

その張本人と、二人で話がしたいなんて

トチトリ「あぁ・・・そっちのは前にあった・・・クローンたちだな?」
285 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:55:47.29 ID:FgZkpiAH0
御坂妹「おや、わかるのですか」

トチトリ「なに、テクパトルが共に行動するのはお前たちだけだろう」

テクパトル「・・失礼だな」

トチトリ「まぁそう不機嫌になるなよ」

ケラケラ、とトチトリが笑う

意外と明るい性格なのかもしれない
286 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:56:57.96 ID:FgZkpiAH0
19090「・・・二人で話がしたいのですよね?」

19090号が話を元に戻す

トチトリ「おっと悪いな、この中にこいつの恋人がいたっけ?」

19090「ミサカですが・・・」

トチトリ「あ、なんだアンタか」

トチトリが驚いたように言う

普通の人には、ミサカたちの見分けなんてつかないのだ
287 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 17:58:57.84 ID:FgZkpiAH0
19090「・・・その、なぜですか?」

トチトリ「・・・浮気の心配ならいらないよ」

ニヤニヤ、とトチトリが笑う

19090「そ、そんなわけでは・・・」

トチトリ「こいつは未だに私に引け目を感じているらしくてな」

トチトリがテクパトルを指差す

テクパトル「・・・」
288 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 18:00:13.21 ID:FgZkpiAH0
トチトリ「・・・こいつを一度説教してやろう、とな」

19090「は、はぁ」

トチトリ「でも、こいつはお前たちの前では強がってしまうだろう?」

10033「たしかにそうですね・・・」

トチトリ「なら、お前たちの前で説教しても意味が無い」

14510「・・・なるほど」

たしかに、筋は通っている
289 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 18:02:28.42 ID:FgZkpiAH0
テクパトル「・・・俺は構わないぞ」

トチトリ「じゃあ、いいだろうか?」

19090「え、えぇ」

19090号もうなずく

今の雰囲気からも分かるとおり、この二人はそんなことをしそうにはなかった

むしろ、敵対していたといってもいいほどなのだから

ショチトル「では、終わったら呼びにきてくれ」

トチトリ「そこの喫茶店にでもいてくれればいいさ」
290 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 18:04:04.24 ID:FgZkpiAH0
トチトリが喫茶店を指差す

少し古めの、いい雰囲気なお店だ

トチトリ「このクレープを食べ終わったら行きたかったんだ、あそこ」

エツァリ「・・・それは叶わないですね」

トチトリ「えぇ、できるさ!!」

ショチトル「いや、無理・・・」

テクパトル「トチトリ」
291 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 18:06:11.99 ID:FgZkpiAH0
テクパトルがじれったそうにその名を呼ぶ

テクパトル「話があるなら早くしろ、こっちだってヒマではない」

一瞬だけ

テクパトルの目が厳しくなった

トチトリは、その目を知っている

かつてのテクパトルはいつもそんな目をしていたから

トチトリ「・・・そう急かすな・・・じゃあ、みんなはあとでな」

エツァリ「・・・えぇ、それでは」
292 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 18:10:55.13 ID:FgZkpiAH0
二人だけが残された

少し、沈黙が流れる

この沈黙も、慣れたものだった


過去のテクパトルは、本当にクズと言っていいほどの人間だっただろう

指揮官、と聞けば聞こえはいいかもしれない

それなりに、仕事はしっかりとこなしていた

だが、それ以外は全くもって崩壊していたのだ
293 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 18:14:50.80 ID:FgZkpiAH0
仕事を成功させるためならば、部下の命などなんとも思わず

自分の利益を一番に考えていた


異常だったな、とテクパトルは思う

今は、そう思えるまでに変わったのだ

昔の彼にとっては、それが普通だった

そして


トチトリ「さて、では話を始めようか」


彼女にとっても
294 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 18:17:08.47 ID:FgZkpiAH0

トチトリ「・・・お前は、いったいどうしたいんだ?」

いきなり、トチトリが訊ねる

普通の人間には理解さえ出来ないであろう質問

しかし、テクパトルには分かった

テクパトル「・・・お前には、頭を下げなければならない」

トチトリ「前に下げただろうが」

テクパトル「あれで足りるわけがないだろう」
295 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 18:18:46.04 ID:FgZkpiAH0
トチトリ「はぁ・・・私は別にいいんだがな」

テクパトル「・・・なぜ」

トチトリ「昔のお前のままだったら、ぶん殴ってたさ」

トチトリ「だが、今のお前は罪を悔い、そして変わっている」

トチトリ「それは褒め称えるべきだろう」

少なくとも自分よりは変化したのだから、とトチトリが笑う

それは自嘲だったのだろうか
296 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 18:22:18.43 ID:FgZkpiAH0
テクパトル「・・・すまない、本当に」

テクパトルが頭を下げる

テクパトル「やはり、お前の顔を見ると胸が苦しいんだ」

テクパトル「・・・本当に、昔の自分を思い出して、吐き気がしてしまうんだ」

トチトリ「そうか・・・それは、喜ぶべきかもな」

ははは、とトチトリが笑う

トチトリ「私も、昔のお前は吐き気がするほど嫌いだったからな」
297 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 18:24:59.03 ID:FgZkpiAH0
テクパトル「なるほど、気が合いそうだな」

テクパトルが笑う

少し、無理をしているようだ

トチトリ「・・・お前の前には現れないほうがいいかもな」

テクパトル「いや、それは違うな」

トチトリ「ほう、なぜ」

テクパトル「俺が自分の過ちから逃げたことになる」
298 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 18:26:32.67 ID:FgZkpiAH0
トチトリ「なるほど・・・向かってみせる、と」

テクパトル「今までだってそうだった、これからだって」

トチトリ「ほう、ずいぶんといい男になったな」

テクパトル「お前に言われてもな」

トチトリ「あぁ、お前は年下の胸が小さな女性が好きなのか」

クスクス、とトチトリが笑う

テクパトル「・・・そういう趣味じゃない」
299 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 18:27:43.56 ID:FgZkpiAH0
トチトリ「おや、彼女はそうじゃないか」

テクパトル「見た目で選んだわけじゃないからな・・・」

テクパトルが溜め息をつく

このトチトリという少女はどうも苦手だ

明るすぎるというか、なんというか

昔からそうだった

もちろん、それほど話す仲ではなかったが
300 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 18:29:02.83 ID:FgZkpiAH0
テクパトル「・・・ありがとうよ、トチトリ」

トチトリ「・・・どういたしまして」

トチトリが苦笑する

テクパトルの口からそんな言葉が出るなんて

少し前までは考えられなかった

テクパトル「呼びに行かなきゃな」

トチトリ「あぁ」
301 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 18:30:53.67 ID:FgZkpiAH0
二人が喫茶店に入る


御坂妹「このケーキ美味しいですね・・・」

エツァリ「おや、こちらのクッキーもなかなか」

ショチトル「パフェうめー」

19090「あ、テっくん!!」

テクパトル「な、なにやってんだ・・・」

テクパトルが青筋を浮べる
302 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 18:32:30.10 ID:FgZkpiAH0
17600「おう、ゴチになるぞ」

テクパトル「俺が払うのかやっぱ!?」

20000「少しずつ体で返していくから」

テクパトル「遠慮する!!!」

13577「意外と硬派ですね」

テクパトル「俺はいたって真面目だ!!!」

頭を抱えながらテクパトルが叫ぶ
303 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 18:35:49.13 ID:FgZkpiAH0
そんなやり取りを見て、トチトリは苦笑していた

トチトリ(まったく、変わったものだな)

テクパトルを見つめる

昔の彼と違い、心からの笑顔を浮べている

トチトリ(・・・まったく)


トチトリ(今のお前は、ずいぶんといい男なんだな)



外では、まだまだ競技が行われている
304 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 18:36:26.94 ID:FgZkpiAH0
ちょいと休憩


トチトリってキャラがわかんないww
305 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 19:12:48.53 ID:FgZkpiAH0

一方「・・・なンだこいつ」

一方通行はつぶやいていた

知らない一般人に出会ったのだ

それは、まだよかった

問題は


五和「えっと・・・」

神裂「・・・み、道に迷いました・・・」


この二人に近づいたときに訪れた、胸のキリキリとした痛みだ
306 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 19:13:52.58 ID:FgZkpiAH0
番外「?どしたの立ち止まって?」

一方通行の後ろからひょこん、と番外個体が顔を出す

そして、その視線を追う

先にいるのは、女性

大人っぽい女性


胸の大きな、女性
307 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 19:15:11.55 ID:FgZkpiAH0
番外「ア、アナタロリコンじゃないの!?」

一方「あァ?なにわけわかンねェこと言ってンだよ」

一方通行が顔を曇らせる

彼はロリコンだ、そしてそれを誇りに思っている

目の前でロリが溺れていたら自分も一緒に溺れて死んでしまいたい

それくらい、ロリが好きなのだ
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/14(日) 19:15:16.61 ID:2xjebvMDO
番外個体さんへ、あまたさんから送り物です
つ木原数多監修一方通行寝顔百選
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/14(日) 19:17:17.43 ID:aAaSEly8o
>>308
>>4
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/08/14(日) 19:58:07.27 ID:rX3rGmT0o
止まった
311 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:00:32.80 ID:FgZkpiAH0
一方「・・・俺はな、あいつらがなンなのか気になるって言ってンだよ」

番外「だ、だからどうして!?」

番外個体が声を荒げる

なぜだろうか、少し顔が赤い

一方「・・・あいつらが近くにいると胸が痛くなるンだよ」

番外「はぁ!?」

一方「あァ?」
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/08/14(日) 20:01:30.47 ID:HWrmucp+0
前スレの>>430を見てから2泊3日の旅行に行って来て今確認したらスゲー進んでてビックリした。
313 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:02:16.01 ID:FgZkpiAH0
番外「な、なんでよ!!」

五和「?あ、あの人・・・」

五和が少し驚いたような顔をする

いつだったか、アビニョンで見た・・・ような気がするのだ

神裂「?知り合いですか?」

五和「い、いえ!!ちょっと似てるだけでした!!」

神裂「そうですか・・・」
314 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:04:26.84 ID:FgZkpiAH0
>>312 旅行いいな・・・

来週友達とツーリング行くかもしれないけどw


番外「ちょっとあなたたち!!」

番外個体が二人に近づいていく

一方「おい・・・」

神裂「はい、なんでしょうか?」

五和「あれ・・・上条さんの恋人の・・・?」

番外「ちげぇよ!!あれはお姉様!!」

五和「?」
315 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:06:18.91 ID:FgZkpiAH0
五和が首を捻る

お姉様、と呼ぶということは彼女は美琴より年下なのだろうか

しかし、どう見てもそうは思えなかった

番外「・・・ていうか、上条の知り合いか」

神裂「えぇ、あなたもですか?」

番外「そりゃ、お姉様の恋人知らないわけ無いでしょ」

五和「・・・たしかにそうですね」

316 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:08:10.49 ID:FgZkpiAH0
一方「おい、番外個体」

一方通行が番外個体を呼ぶ

なぜか、少し距離を置いて

一方「行くぞ」

番外「?でも、この人たち上条の・・・」

一方「いいから行くぞ」

一方通行が神裂と五和を睨みつける
317 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:10:32.64 ID:FgZkpiAH0
一方(・・・こいつら、魔術側だな)

一方通行は知っている

この胸のキリキリとしたおかしな痛みの正体を

それは

魔術側の者と接点を持ったときに訪れるものだ

我慢できない痛みではない

ほんの少し、違和感を覚える程度だ
318 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:13:29.91 ID:FgZkpiAH0
しかし

なぜ、この場所に魔術側がいる?

敵、というわけではないだろう

上条の知り合いなのだから

では、なぜやってきたのだろうか

何か事件があった?

彼の力が必要になった?
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/14(日) 20:17:04.16 ID:8s4ZkEUp0
一方さんの心配をよそに、修羅場フラグが来た予感がww
しかし、本当に今まで日陰にいたキャラがよく出てくるなぁ
320 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:18:57.12 ID:FgZkpiAH0
一方(・・・くだらねェ)

少し考えてから、彼は溜め息をついた

そういう思考をしてしまうあたり、彼はまだ闇から完全に抜け出したわけではないらしい

もちろん、ほとんど抜けかかってはいるのだが

一方「・・・お前ら、上条の知り合いか」

神裂「えぇ・・・それがどうかされましたか?」

一方「魔術側か?」

五和「!!」
321 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:21:30.54 ID:FgZkpiAH0
>>319 いや、せっかく大覇星祭、しかも一週間全部描くので

&新約二巻読んでキャラがやっぱ愛おしかったのでw

吹寄、姫神はとくにお気に入りです



五和の体が固まる

なぜ、この少年は知っているのか

だが、彼女には心当たりがあった

五和「・・・あなたは、アビニョンにいた人ですね?」

一方「あァ?」
322 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:23:15.91 ID:FgZkpiAH0
一方通行が首を捻る

アビニョンにいた人ですよね、なんて聞かれても困る

そんなこともあっただろうか、としか思い出せない

彼にとって仕事はそんな程度のものだったのだから

一方「だったらなンだよ?」

五和「・・・あのときの人なんですね?」

一方「だからどうした」
323 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:24:36.36 ID:FgZkpiAH0
五和「・・・い、いえ」

五和が怯む

それほど、一方通行の視線は鋭かった

神裂「・・・知り合いですか?」

五和「い、いえ」

一方「ちっ・・・てめェらは何しに来た」

一応、確認を取る
324 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:26:04.43 ID:FgZkpiAH0
もちろん、上条の力を借りに来たわけではないだろう

その可能性なんて、かなり低い

だがゼロとは言い切れないのだ

今日が平和だから明日も平和、なんて言えるわけが無い

戦乱というのは突然始まるのだから

一方「答えろ」
325 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:27:52.43 ID:FgZkpiAH0
五和「いえ・・・招待状をもらったので」

一方「・・・はァ?」

あまりにも腑抜けた答え

身構えていたぶん、余計に滑稽に聞こえる

神裂「上条当麻から招待状を・・・」

番外「へぇ、上条ってばやるぅ」

番外個体が口笛を吹く
326 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:29:47.38 ID:FgZkpiAH0
一方「・・・で、待ち合わせはしてなかったのか?」

神裂「いえ・・・実は、急に仕事が入って・・・」

五和「本当は昨日来る予定だったんですが・・・」

番外「あぁ・・・それは困ったね」

番外個体がニヤニヤとする

基本、人の不幸で飯が美味い、みたいなヤツなのだから

一方「・・・しかたねェな」
327 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:31:24.90 ID:FgZkpiAH0
一方通行が一度、深く溜め息をつく

一方「・・・案内してやるよ」

神裂「・・・いいのですか?」

神裂が驚いたように訊ねる

彼は意外と優しい人間なのかも、と

五和「で、でも・・・」

一方「信用ならねェか」
328 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:33:05.50 ID:FgZkpiAH0
五和「い、いえ!!そういうわけでは・・・」

五和が慌てて否定するが、仕方の無いことだ

彼は非常に怪しい見た目をしている

初対面でついていくなんて、よほどのバカで無い限りはしないだろう

一方「・・・なら、呼び出すのはどうだ?」

神裂「・・・申しわけありません」

神裂が深くお辞儀をする
329 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:34:50.87 ID:FgZkpiAH0
一方「ちっ・・・」

舌打ちをしてから、一方通行が携帯を取り出す

五和「・・・結構いい人ですね・・・」

番外「どうかな」

番外個体が頭の後ろで手を組む

おそらく、上条の知り合いでなければ話も聞かずに過ぎ去っていただろう

神裂「・・・しかし、禍々しいオーラをしていますね」
330 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:36:37.99 ID:FgZkpiAH0
番外「え、そうかな?」

神裂「・・・正直、彼には敵う気がしません」

番外「?」

番外個体が首を捻る

それと同時に、一方通行が携帯を閉じた

一方「すぐ来るそォだ」

五和「あ、ありがとうございます!!」
331 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:38:28.73 ID:FgZkpiAH0
一方「じゃあ俺たちは・・・」

神裂「おや、一緒にいてはいただけないのですか?」

一方「あァ?」

何を言ってるのか、と一方通行は怪しむ

まさか、一目ぼれなわけはない

では、自分と待っていようと思ったのか

こんな、恐ろしいオーラをした自分と
332 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:40:31.07 ID:FgZkpiAH0
神裂「一応、ですよ」

一方「・・・俺は構わねェが」

番外「・・・ミサカもいいよ」

はぁ、と番外個体が溜め息をつく

正直、他の女性と自分の彼氏が一緒にいるのは不安だが

自分が監視していれば問題ないだろう

一方「・・・早く来いよ・・・」
333 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:41:48.33 ID:FgZkpiAH0

上条「えっと・・・こっち・・かな?」

美琴「ねぇ、一方通行はどこにいるの?」

上条「たしか・・・」

上条が携帯で地図を見る

この近くのはずだ

上条「にしても、今日着てたとはな・・・」
334 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:44:10.08 ID:FgZkpiAH0
美琴「・・・ねぇ、なんで招待状出したの?」

少し不機嫌そうに美琴が訊ねる

上条「?会いたかったし」

美琴「だ、だからなんで!?」

上条「いや、だって・・・」

上条が言葉に詰まる

友達に会いたいのはおかしなことだろうか?
335 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:45:56.04 ID:FgZkpiAH0
上条「友達には会いたいだろ?」

美琴「そ、それはそうだけど・・・」

上条「?」

上条には分からない

女性の心は、複雑なのだ

上条「あ、いたいた!!」
336 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:47:49.84 ID:FgZkpiAH0

一方「よォ、遅かったじゃねェか」

上条「悪い悪い!!!!」

番外「もう、待たせる男は嫌われるよ!」

上条「悪かったって・・・」

上条が申しわけなさそうに謝る

神裂「・・・あなたは本当に謙虚ですね・・・」

上条「おっす!」
337 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:49:46.87 ID:FgZkpiAH0
五和「お、お久しぶりです上条さん!」

上条「お、五和も元気そうだな!」

ニコニコ、と上条が笑う

みるみる、五和の頬が赤く染まっていく

一方(・・・あァ、そォいうことか)

番外(うわぁ・・・お姉様、顔が怖いよ・・・)


美琴「・・・」
338 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:52:08.52 ID:FgZkpiAH0
上条「?どうした美琴?」

美琴「別に」

美琴がぷい、とそっぽを向く

神裂「お久しぶりです」

美琴「うん、久しぶりね」

ニコニコ、と美琴が微笑む

だが少し、前髪から火花が散っている
339 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:53:42.24 ID:FgZkpiAH0
上条「こらこら、火花が散ってますよ」

上条が美琴の頭に右手を乗せる

すると、火花はすぐに消えてしまった

美琴「うぅー・・・」

五和「・・・な、仲がよろしくて何よりです・・・」

五和が微笑む

なぜか頬がピクピクと痙攣しているが
340 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:56:00.50 ID:FgZkpiAH0
美琴「えへへー、当麻♪」

ぎゅっ、と美琴が上条に抱きつく

一方(うわァ、えげつねェ)

番外(なんか二人とも顔が・・・)

五和「・・・な、仲がよろしいですね」

神裂「上条当麻、あなたは節操がないと言われませんか?」

上条「お、俺!?」
341 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:57:19.28 ID:FgZkpiAH0
番外「ねぇねぇ、二人は上条のこと好きなの?」

神裂「!!」

五和「は、はい!?」

上条「あ、あぁ・・・そういえば五和は前に・・・」

五和「わ、忘れてください!」

一方(・・・番外個体・・・)

美琴「・・・へぇ、そういえばそうだったわよね」
342 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 20:59:41.01 ID:FgZkpiAH0
五和「あ、あれはその!」

神裂「・・・五和、そうだったのですか?」

番外「へぇ、今も好きなんだ?」

ニヤニヤ、と番外個体が笑う

こうやって、場の空気を乱すのは大好きだった

一方「お、おい」

美琴「アンタは黙ってて!」
343 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:01:06.77 ID:FgZkpiAH0
上条「み、美琴さん!?怒らないで!」

美琴「怒るに決まってるでしょ!」

上条「お、俺のせい!?」

五和「か、上条さんを悪く言わないでください!」

美琴「な、なによ!!!」

ぎゃーぎゃー、と三人が騒ぐ

それを、残りの三人が呆れながら見つめる
344 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:03:18.58 ID:FgZkpiAH0
一方「・・・俺もォ行ってもいいよな」

番外「えー、見守ろうよ」

神裂「はぁ・・・こんなつもりでは・・・」

一方「お前も苦労すンな」

神裂「え、えぇ」

神裂が溜め息をつく
345 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:04:45.54 ID:FgZkpiAH0
上条「俺のために喧嘩はやめて!!」

美琴「黙ってて!」

五和「そんなひどいこと言わないでください!」


神裂(はぁ・・・)

大覇星祭

競技よりも激しい女の攻防戦

神裂は、もう一度溜め息をついていた
346 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:07:24.77 ID:FgZkpiAH0

垣根「さて・・・最後の種目になりました!」

わぁぁ!!!と観客席が盛り上がる

吹寄「最後の種目は球入れです!」

心理「この前のと違い、紅白ではなく学校対抗になります」

三人はアナウンスを続けていた

本日最後のため、観客席も盛り上がっていた
347 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:09:16.94 ID:FgZkpiAH0
そして、最後の種目も無事に終わった

球入れは結果として、長点上機が勝利を収めた

もちろん、圧倒的な差をつけて、だ


垣根「ではみなさん!残り三日、がんばっていきましょう!」

イェー!!!!!と観客席から返事が返ってくる


そうして、四日目は幕を閉じた
348 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:12:37.14 ID:FgZkpiAH0

心理「ねぇ垣根」

放送席の片付けが終わってすぐ、心理定規が垣根を呼んだ

垣根「おう、なんだよ?」

心理「デート、しない?」

垣根「お、いいな」

心理「ここ何日か吹寄さんとか上条君とかと一緒だったし」
349 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:14:57.22 ID:FgZkpiAH0
垣根「ん、二人きりでいいか」

心理「えぇ」

嬉しそうに心理定規が笑う

いい笑顔だよな、と垣根は思う

とても暗部にいた人間の浮べる笑顔ではなかった

垣根(・・・いいな)

彼も、もう少し素直に笑えるようになれたら
350 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:17:12.58 ID:FgZkpiAH0
心理「ねぇ、どこに行く?」

垣根「公園でいいだろ」

適当に答える

どこだってよかった

ただ、彼女と星を見たかったのだ

垣根(・・・綺麗だな)

空にはもう、星が浮かんでいた
351 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:18:52.55 ID:FgZkpiAH0

心理「・・・ねぇ、どうしてこの公園なの?」

垣根「あぁ?いやか?」

心理「そうじゃなくて、いつもと違う公園だから」

心理定規が少し不思議そうに訊ねる

垣根「・・・別にいいだろ」

心理「?えぇ」
352 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:20:59.54 ID:FgZkpiAH0
垣根(・・・あの子猫、どうしてるんだろうな)

垣根がふと空を見上げる

あの時と違って、綺麗な夜空だった

たしかあの時は雨だったのだ

とても冷たくて、寂しくて

心理「ねぇ、どうしたの?」

今は当たり前の彼女がいなくて
353 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:23:19.29 ID:FgZkpiAH0
垣根「お前はさ」

ポツリ、と垣根がつぶやく

垣根「暗部ってなんだったんだと思う?」

心理「どうしたのいきなり?」

垣根「いいだろ別に」

垣根が溜め息をつく

それは白くなることは無かった
354 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:25:30.00 ID:FgZkpiAH0
心理「そうね・・・私達が行き着いた一つの答え、かしら」

垣根「答えか」

その返答は、考えていなかった

あれは、あの悲劇は

彼が自ら選んだ答えだったのか

心理「そして同時に問題でもあったわね」

垣根「・・・なるほどな」
355 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:28:13.80 ID:FgZkpiAH0
心理「・・・でも、そこであなたと出会えたのよ」

心理定規が垣根の手を握る

垣根「・・・そうだな、悪くは無い」

心理「・・・垣根」

そっと、垣根の肩に彼女が頭を預ける

少し、シャンプーの匂いがした

垣根「・・・なんだよ」
356 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:29:25.80 ID:FgZkpiAH0
心理「こうやってると、安心するわね」

垣根「そりゃ、支えてもらえてるからだろ」

心理「どうかしら・・・」

心理定規がクスクス、と笑う

垣根「・・・俺も落ち着くよ」

心理「そう・・・嬉しいわ」

垣根「・・・こうやって一緒にいられるのが幸せなんだよな」
357 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:31:10.51 ID:FgZkpiAH0
心理「そうね・・・とても幸せ」

垣根「・・・綺麗だな、星空」

垣根が上を見上げる

地上にいなければ見ることはできない風景だ

垣根「・・・彦星がある」

心理「織姫もね」
358 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:32:19.80 ID:FgZkpiAH0
垣根「・・・間には、大きな川があるんだな」

心理「えぇ、彼方の女性ね」

垣根「だからこそ遠くから欲するんだろうな」

はぁ、と垣根が溜め息をつく

垣根にとって、心理定規は遠い存在だった

一番そばにいたのに

それでも、なぜか遠く感じていた
359 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:34:00.02 ID:FgZkpiAH0
垣根にとって、心理定規はよく分からない存在だったのだ

いつの間にか一緒にいて

いつの間にか仲間になっていて

正直、分からないのだ

今はずいぶん近づいたと思っている

だが、それでもまだ重なりはしない

そして、永遠に重なることは無い
360 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:35:43.03 ID:FgZkpiAH0
垣根(だからこそ、こいつが好きなのさ)

全てを知ってしまえば

興味をなくしてしまうだろう

他の女性と違って、唯一知りたいと思った女性だ

心理「ねぇ、垣根は私のどんなところが好きなの?」

垣根「そうだな・・・」

垣根が顎に手をやる
361 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:37:15.38 ID:FgZkpiAH0
垣根「まず、綺麗だろ」

心理「あら、そこ?」

垣根「そりゃ、それもお前の魅力の一つだろ」

垣根が笑う

たしかに、心理定規はかなりの美人だ

街中ですれ違えば、ほとんどの男性が振り返るだろう

それほど彼女は整った顔をしていた
362 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:38:49.08 ID:FgZkpiAH0
垣根「次は・・・優しさかな」

心理「あら、私は優しいのかしら」

垣根「あぁ、とびきりな」

垣根は知っている

心理定規がとても優しいことを

困っている人を見かけたら、こっそりと助けようとする

表舞台には決して立たず、裏からこっそりと手を差し出すのだ
363 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:40:03.87 ID:FgZkpiAH0
垣根「んでもって、しっかりしてる」

心理「あなたがしっかりしてないからよ」

垣根「いやいや、それを抜きにしてもさ」

ははは、と垣根が苦笑する

彼女はとてもしっかりとしている

大人びていて

魅力的だ
364 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:45:40.98 ID:FgZkpiAH0
垣根「そして、俺を愛してるだろ」

垣根「それだけで十分だ」

垣根が空を見上げる

どうして、彼にはあの空を駆ける翼を持っていないのだろうか

太陽にも、月にも

近づくことを許されていない

あの闇が、彼の帰るべき場所のはずなのに
365 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:47:41.70 ID:FgZkpiAH0
心理「ねぇ、帰らない?」

垣根「・・・先に帰ってていいぜ」

心理「あら、一人になりたいの?」

垣根「ちょっとな」

心理「じゃあ、入り口で待っておくわよ」

垣根「サンキュー」

垣根がニコリ、と微笑む
366 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:49:30.13 ID:FgZkpiAH0
垣根「・・・」

彼は残酷な人間だ

たとえば、吹寄制理を傷付けたように

たとえば、砂皿緻密を見捨てたように

たとえば、初春飾利を狙ったように

彼は、とても残酷な人間だ

垣根(それが俺なんだよな・・・)
367 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:50:50.93 ID:FgZkpiAH0
それは決して覆ることが無い

いくら努力しても、彼は彼のままだ

垣根帝督は

所詮、闇の人間なのだ

明るく振舞っても、未だにこうして闇に背中を預けるのだから

垣根「はぁ、灯りがほしいね」

いつから無くしたのかは分からない

そんな灯りがほしかった
368 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:52:13.72 ID:FgZkpiAH0

心理「・・・はぁ」

心理定規は溜め息をついていた

垣根はたまに、一人で物思いに更けることがある

そして、彼女にはそれを打ち明けてはくれない

心理(こんなにもそばにいるのに)

打ち明けてもらえないのだ

それが、とても歯がゆかった
369 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:53:17.48 ID:FgZkpiAH0
心理定規は知っている

彼は、自分を闇の存在だと思っていると

そして、心理定規は知っている

それは間違いだと

彼はもう、光の世界に戻っている

彼は笑顔を上手く浮べている

彼は上手く生きている

本人が知らないだけなのだ
370 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:54:23.87 ID:FgZkpiAH0
心理(・・・バカよね、あなた)

愚かだった

なぜ、自分だけを追い詰めるのか

心理定規に「お前に闇は似合わない」と言いながら

自分だって闇は似合わないのに

心理(・・・また、待たせるのね)

前も待っていた

彼が帰ってくるのを
371 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:55:19.69 ID:FgZkpiAH0
ずっと、ずっと

いくらだって待っていられるのだ

心理(・・・でもね、垣根)

心理定規が公園の中へもう一度向かう

しっかりと拳を握り締めて

心理(たまには・・・)


心理(私から近づいてもいいわよね?)
372 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:56:37.49 ID:FgZkpiAH0

垣根「・・・待ってるんじゃなかったのか?」

心理「あら、気づくのが速いわね」

垣根「お前の足音は分かるんだよ」

心理「素敵ね」

垣根「・・・」

垣根が顔をしかめる

この特技は、決して褒められたものではないからだ

足音を聞き分ける
373 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:57:56.80 ID:FgZkpiAH0
それはつまり、彼が足音を気にしているということだ

未だに誰が来るのかを無意識に伺ってしまうのだ

心理「・・・隣、いいかしら」

垣根「ここはお前の予約席だろ?」

心理「そうね・・・」

そっと、心理定規が腰掛ける

垣根「・・・この公園さ、俺がさまよってたときに来たんだよ」
374 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 21:59:00.00 ID:FgZkpiAH0
心理「・・・そう」

垣根「辛かったな、あのときは」

心理「私も辛かったわよ」

垣根「・・・悪かった、まだ謝ってなかったかな」

心理「いいのよ、謝らなくて」

垣根「・・・」


垣根「俺はさ、上手く生きてるのか?」
375 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:00:46.78 ID:FgZkpiAH0
心理「えぇ、あなたは知らないでしょうけど」

心理定規が頷く

垣根「・・・俺は、まだ闇の中にいるのかな?」

意外だった

彼がこんなにもすんなりと悩みを打ち明けてくれるなんて

心理「・・・何かあった?」

垣根「いつかは、お前に言おうと思ってたんだ」
376 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:02:03.70 ID:FgZkpiAH0
心理「そうだったの・・・」

垣根「でも、タイミングが難しくてな」

垣根が頭を掻く

申し訳ないからか、それとも恥ずかしいからか

心理(違うわね、バツが悪いのよ)

垣根「・・・どうかな、俺の生き方は」

心理「もう普通の人間よ」
377 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:03:41.15 ID:FgZkpiAH0
垣根「へぇ・・・」

心理「・・・信じて、私の言葉を」

心理定規が垣根の瞳を見つめる

彼女だけが映っていた

垣根「・・・もうそろそろ、忘れてもいいのかな」

心理「そうね、簡単には無理でしょうけど」

垣根「・・・ありがとよ」
378 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:05:09.13 ID:FgZkpiAH0
垣根「帰ろうか」

心理「えぇ」

二人が立ち上がる


突然、垣根が心理定規を抱きしめた

心理「どうしたの?」

垣根「・・・いや、なんでも」

心理(・・・不安なのね)
379 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:06:30.66 ID:FgZkpiAH0
垣根「あのさ」

心理「私はあなたを見捨てたりはしないわよ」

垣根が何かを言う前に

心理定規は微笑みながら答える

心理「世界の全てがあなたを裏切っても」

心理「どうして私が裏切ると思うの?」

心理「あなたを裏切るって言うことは、私自身を裏切るってことよ?」
380 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:07:29.89 ID:FgZkpiAH0
垣根「・・・お前は本当に俺好みだ」

嬉しそうに垣根が笑う

本当に素敵な笑みだった


心理「ねぇ、今度指輪買ってくれない?」

垣根「あぁ?なんで?」

帰り道

二人はそんな話をしていた
381 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:08:39.81 ID:FgZkpiAH0
心理「予約よ」

垣根「えー、キャンセルすんなよ?」

心理「できないもの、そんなこと」

クスクス、と二人が笑う

垣根「給料三か月分でいいか」

心理「あなた働いてないじゃない」


少しくだらない話をしながら


二人は、家へと向かっていた
382 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:10:14.38 ID:FgZkpiAH0

上条(どうしてこうなった)

上条は部屋で頭を抱えていた


ステイル「いやぁ、お邪魔して悪いね」

神裂「あなたも来ていたのですか・・・」

五和「へぇ・・・日本の寮はあまり広くないんですよね」

イン「いつわは前に来たことあったよね?」

美琴「な、ホント!?」


人口密度がおかしい
383 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:11:30.64 ID:FgZkpiAH0
上条「な、なぁ・・・」

神裂「あ、今晩はお世話になります」

上条「やっぱり泊まるのか!?」

五和「泊まる予定だったホテルがキャンセル扱いされていたらしくて・・・」

ステイル「僕は、ついでだよ」

イン「なんか懐かしい風景かも!」
384 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:12:22.93 ID:FgZkpiAH0
上条「あぁもう!!」

上条は不幸だった

これから晩御飯を作らなければならない

この人数を賄うのだ

金が足りない

食材が足りない

しかも、あのインデックスがいるのだ
385 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:13:56.38 ID:FgZkpiAH0
きっと腹ペコなんだろう

「オナカヘッタンダヨ」という呪文を唱えながらどこぞのピンクのキャラクターよろしく手当たり次第にいろんな物を吸い込むのだろう

上条「・・・あ、そうだ」

上条があるアイディアを思いつく

美琴「?どうしたの当麻?ドアに向かって・・・」

上条「ちょっと助けをな!」

バン、とドアを開く
386 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:15:31.52 ID:FgZkpiAH0
向かうは隣の部屋

そう、土御門の部屋だ

彼は魔術側でもあったりする

そのため、ステイルや神裂、インデックスに面識があるのだ

彼ならきっと助けてくれる

上条「おーい、土御門!」

上条が土御門の部屋のドアを叩く
387 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:17:18.77 ID:FgZkpiAH0
土御門「なんだにゃー、こんな時間に?」

ドアが開かれた

上条「なぁ、そっちって・・・」


吹寄「あれ、上条じゃない」

青ピ「こんばんはー」

■■「こんなところに。なんの用?」


上条「」


ここも、人口密度がおかしい
388 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:20:19.65 ID:FgZkpiAH0
上条「な、なんでいるんだよ!?」

吹寄「なに、明日の競技の打ち合わせよ」

■■「やましいことは。してない」

上条「だからってなぁ!!」

土御門「カミやんの部屋もにぎやかだにゃー」

上条「え!?」

ワイワイガヤガヤ、と上条の部屋から騒ぐ声が聞こえる
389 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:22:35.38 ID:FgZkpiAH0
上条「あ、あれは!!」

青ピ「なんや、やけに女の子の声が多いなぁ」

吹寄「上条・・・貴様まさか」

土御門「うわぁ、カミやんったら」

上条「ちげぇよ!」

上条が頭を抱える

まったく、このクラスメイトたちはおかしい
390 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:23:59.84 ID:FgZkpiAH0
土御門「なぁ、カミやん・・・」

上条「なんだよ・・・」


土御門「少しくらいなら、食材分けてもいいぜよ?」

上条「ま、まじか!?」

土御門「にゃー、特別だぜぃ?」

上条「サンキュー土御門!」

■■「私の取り分が。減る」
391 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:26:00.70 ID:FgZkpiAH0
吹寄「上条、貴様も打ち合わせに・・・」

上条「悪い!こっちは来客の相手で忙しいんだ!」

吹寄「こ、こら!」

吹寄の静止を聞かず、上条は部屋へと帰る


■■「彼は。誑し」

吹寄「えぇ、垣根と同じね・・・」

二人の女は、溜め息をついていた
392 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:27:11.43 ID:FgZkpiAH0

ステイル「おや、帰ってきたのかい」

上条「喜べ!食材が調達できた!」

イン「ホント!?」

上条「あぁ!」

上条が両手に抱えた袋を見せる

鍋でもできるだろうか

美琴「でも、この時期に鍋はね・・・」
393 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:28:36.54 ID:FgZkpiAH0
神裂「ですが、簡単でなおかつ食べやすいですし・・・」

五和「そうですね・・・」

イン「なんでもいいから早く食べたいんだよ!」

インデックスがおなかをさする

相当限界らしい

ステイル「こら、早くしたまえ」

上条「はいはい・・・」
394 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:29:51.82 ID:FgZkpiAH0
美琴「手伝うわ」

上条と美琴がキッチンへ向かう

トントン、と野菜を切る音

鍋にお湯を沸かす音

そんな音に囲まれた二人

ステイル「・・・まるで夫婦だな」

神裂「・・・えぇ」
395 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:31:34.44 ID:FgZkpiAH0
五和「・・・うらやましいですね」

ぽつり、と五和がつぶやく

ステイル「・・・彼らは本当に眩しいよ」

イン「そうなんだよ」

みんな、二人を見ていた

上条「?どうかしたか?」

イン「なんでもないんだよ!」
396 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:32:52.58 ID:FgZkpiAH0
神裂「・・・彼は、幸せになるべき人間でした」

ステイル「そうだな、僕もそう思うよ」

五和「・・・誰よりも不幸でしたからね」

イン「ホント、不幸すぎるんだよ」

インデックスが苦笑する

彼は、本当に運が無かった

それでも、美琴と出会えたのは奇跡だったのだろう
397 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:34:34.32 ID:FgZkpiAH0
神裂「・・・私達は彼女に感謝しなければなりませんね」

五和「上条さんを幸せにしてくれていますからね」

二人が苦笑する

本当に、ほほえましいカップルだ

そして、それがうらやましかった

ステイル「・・・あれが理想の恋人なのかな」

イン「人それぞれだと思うんだよ」
398 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:35:55.56 ID:FgZkpiAH0
神裂「・・・それでも、私達にとっては理想でしょうね」

五和「・・・はい」

ステイル「・・・彼は、どう思っているのかな」

幸せだと思っているのか

それとも、これも不幸の中の一つなのか

イン「きっと、幸せだと思ってるんだよ」

ステイル「・・・そうだといいな」
399 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:37:34.52 ID:FgZkpiAH0
上条「よーし、準備できたぞ!」

イン「待ってましたなんだよ!」

美琴「はいはい、みんな皿用意してねー」

神裂「私はタレを」

五和「お願いします」

役割分担をして、すばやく準備を済ませる

インデックスはなぜか歌う役割だったが
400 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:39:36.65 ID:FgZkpiAH0

上条「みんな、用意はいいか!?」

一同「もちろん!」

真ん中には鍋

そして、囲むは6人と一匹の猫

上条たちの、ささやかな夜食が始まった


上条「いただきます!」

一同「いただきます!」

401 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/14(日) 22:41:58.53 ID:FgZkpiAH0
さて、今日はここまで

なんか、大覇星祭は関係なくなってきたw

でもいいよね


吹寄と垣根の絡みが多かったから今日は未元定規をやった


やっぱこの二人だね

そして、天草おっぱい姉妹登場

五和可愛いよね


明日は5日目を

たぶんテっくん、セロリ、ソギータ各カップルが主役かと

ではおやすみなさい
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/14(日) 23:15:01.60 ID:WFRIm81IO
>>1
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/14(日) 23:22:35.18 ID:K5gxUGF60

\はいミコっちゃんこれおみやげー/
           _、、ィ,._
         _ゞ´   ヾ,
     ⊂ヽ ,Z_ ,w'レviゞr''∋
  〜  ヽ`ー'ヘ*´∀`ノ゙/ |
   〜   ̄ヽ    イ ..↓
    〜    〉   ./ .E田ヨ
 〜    /⌒   〈
  〜   ノ /~`⌒> )
   〜 (__ノ   / .ノ
   〜     (__つ

404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/15(月) 00:03:17.87 ID:a/MxP1oIO
「よう大将、困ってる?」は来なかったのか
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/08/15(月) 01:14:07.57 ID:fb9NtHgAO
読む暇がない(泣)

でもどんどん話が進んで行く
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/08/15(月) 02:23:25.60 ID:e9MOOh6U0
           ,.ィ,. ---‐ァ_,.ィ
         //: : : :/: :/ ̄ヽ___
       /|/: : : : : : : : : : : : : : : : <_ノ
.     トトV: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ‐<
     N : : : : : : ト、: : :ヽ: : : : : : : : : : : : : : :>  「よう>>1、ネタ切れで困ってるー?」
     〉: : : : : : : !:j,. イ:ハ: : : : : : : : : \: : `ー‐ァ  _
 、_/: : {: |: : :!: |∧,.ィ心刈: : !: : \: : :!: : :-=彡_/ / ̄ ̄
 ヽ : |: : :ヽト、: |V {{ ゞ'   |: /: : : :} >――‐//__/_/
、_フ| ∧八≠ミ、      jハ: : : :/   /´ / _,. -=≦
 \__!:ト、ヽ∧代}''´ _  __jノ|/ ̄ ̄/ /  /  /   /
   イ N: \`Y 「ヽ´, /-‐./  !  ̄ ̄レ'_/___/ /   /
   _乂:ハ: :j人    〈  /,   |   /      \ /
    ヽ! jハ: : :\   V/ / |/ ̄ ̄     ヽ
        |: :!: : :!\   / ,./             |   //
         j 人 : 乂{>‐=≦ {/ ̄ \    |  | /
                   /     \   |_//
                  /      /_〉  /
                  /      /__/
            /    / /\ |
           /   `ヽ〈.  /   /ヽ
           |     _ \/    ̄|
           |    〈 \ \    |
           |     〉  〉 __}_   |
           |   _/  / /   〉  !
           ヽ´    / /   /ヽ   ヽ:
               \___/   /  〉   \
              \__/┴-〈     \___
               \     _〉        /
                 `ー<  \      /
                     \_〉     {
                              \
407 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 08:51:54.44 ID:BMW5Kg+o0
すっげー、新約AAwww

そういやアイテム出して無かったね

出しますか、うん

投下は午後に


雨が・・・降ってきたな

ていうか1レス目にはさだのりより処女作貼ったほうがいいのかもしんねw
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/15(月) 10:08:59.31 ID:irbio/wDO
1が泣いた事ないという噂を聞いたので↓を読んで見て下さい
「今日も学園都市には雨が降る」ってSSです
いつの間にか終わっていたので、タイトル間違えてたらすいません

ていとう子さんのSSです
絶対泣ける
途中で俺は涙腺崩壊するかと思ったから読んでみそ
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/08/15(月) 10:29:16.00 ID:e9MOOh6U0
おい>>408、それはわざと言ってるのか?
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/15(月) 10:32:39.50 ID:N40+hJUu0
わざとでなければミラクルだなww
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/15(月) 11:23:06.97 ID:PAPosGFDO
乙です……と温かな微笑みを見せながら
セルジオが>>1に囁きます
412 :>>408 [sage]:2011/08/15(月) 12:06:17.65 ID:21C2fMiQ0
>>409
?何のことだ
まさか・・・同じ人か?
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/08/15(月) 12:09:07.49 ID:0bzdWP3go
>>412
なんで名前欄はちゃんとできてるのにコメ欄ではちゃんと指定できてないんだよwww
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/15(月) 12:40:42.53 ID:V39aafrz0
>>412同じ人だよ
415 :>>412 [sage]:2011/08/15(月) 12:47:14.21 ID:irbio/wDO
>>414
ありがとうございます

>>1さンへ
知らなかったとは言え失礼しました
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/15(月) 13:09:31.72 ID:a/MxP1oIO
いいミラクルだ
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/08/15(月) 13:43:55.24 ID:i3LYtPhAO
感動的だな
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/15(月) 14:30:02.78 ID:4kLNhU+T0
さすがこの>>1のスレ、常識が通用しねぇ!
というわけで、きっと常識が通用しない速さで>>1が書き進めてくれると信じてる
たぶん今日中に更に200、いや300くらいいかないかなー(チラッ)
まぁ、1日に300なんて非常識な速さで書けないよな(チラッ)
今日一日で300進んで700まで行ったらサトリナも喜ぶ可能性もゼロじゃないよな(チラッ)
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/08/15(月) 15:09:26.50 ID:e9MOOh6U0
>>418
おいおい、そんなんじゃ速さが足りないしサトリナは喜ばないぜ、
今日中に1000行くとかじゃないとな
420 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 15:53:30.75 ID:BMW5Kg+o0
>>415 いや知らなかったのww

>>1の黒歴史ってヤツです、うん

>>418 いやね・・・今日は600くらいまでしか進めないww


明日で新スレいければなー、とか考えてたけどむりぽ

ちょいと筋トレしてきますね
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage saga]:2011/08/15(月) 16:37:38.66 ID:21C2fMiQ0
このスレにはキャラが足りない、いちゃいちゃが足りない、そして何より速さが足りない
422 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:36:55.38 ID:BMW5Kg+o0
テクパトル「はぁ・・・はぁ・・・」

19090「んゅっ・・・はぁ・・・」

夜の病院

その時点で、非常に卑猥な響きだろう

しかも二人は本当にそういうことを行っていた

19090「あっ・・・胸は・・・」

テクパトル「ん?」

423 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:37:22.80 ID:BMW5Kg+o0
下着姿の二人は、強く抱き合っている

テクパトルは今、19090号の胸に触れていた

甘い声を上げながら19090号が体をくねらせる

卑猥だな、とテクパトルは思っていた

それだけで感じてしまう19090号がとても可愛く見えてしまうのだ

テクパトル「・・・手、入れてもいいか?」

424 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:37:48.90 ID:BMW5Kg+o0
19090「あっ・・・はぁっ・・・」

テクパトルが19090号の下着に手を突っ込む

いきなり、彼女の敏感な部分を責めはじめる

19090「あっ・・・はぁ、イヤ・・・」

テクパトル「ん、イヤなのか?」

テクパトルが手の動きを止める

425 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:38:19.96 ID:BMW5Kg+o0
19090「あ・・・と、止めるのはもっとイヤです・・・」

テクパトル「そっか」

また、テクパトルが手の動きを再開させる

先程よりも強く

若干痛いのではないか、と思うほどに揉んでみる

19090「ふゅぅっ・・・んゃぁっ・・・あ・・・」

426 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:38:55.64 ID:BMW5Kg+o0
テクパトル「気持ちいいか?」

19090「は、はい・・・」

顔を真っ赤にしながら19090号が頷く

テクパトル「下・・・自分で触ったらどうだ?」

19090「そ、それは・・・その・・・」

テクパトル「もう濡れてるんだろ?美月はエロいからな」

427 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:39:22.87 ID:BMW5Kg+o0
耳元でテクパトルが囁く

19090「そ、そんなことないです!」

テクパトル「へぇ・・・でもこことか好きだろ?」

クリクリ、とテクパトルが19090号の乳首に触れる

19090「あっ・・・そ、そんなこと・・・」

テクパトル「・・・ふーん」

428 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:39:54.01 ID:BMW5Kg+o0
テクパトルが指先の動きを早める

くすぐったさが快感に変わっていく

その瞬間が、19090号は好きなのだ

テクパトルにそんなことをされている、と想像するだけで達してしまいそうだった

テクパトル「なぁ、下・・・触ったら?」

19090「・・・テっくんのため・・・ですよ?」

429 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:40:39.75 ID:BMW5Kg+o0
19090号が下着を脱ぎ捨てる

少しひんやりとした部屋の空気に、下半身が晒される

19090「・・・ふゅぅっ・・・んぁぁぁっ・・・」

クチュクチュ、と部屋に音が響く

最初は外の突起だけに触れる

そこもかなり敏感だった

430 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:41:11.41 ID:BMW5Kg+o0
19090「・・・テっくん、見てますか・・・?」

テクパトル「見られると気持ちいいのか?」

19090「ち、違いますよ!」

テクパトル「・・・見てるよ、エロいな」

19090「!」

19090号の顔が真っ赤に染まる

431 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:41:43.95 ID:BMW5Kg+o0
月明かりに照らされて、それはテクパトルにもよく見えていた

19090「あ・・・やぁっ・・・」

指先に、愛液が絡んでくる

溢れるほど、卑猥な音は増していく

19090「あ、テっくん・・・そろそろ・・・」

テクパトル「あぁ、いいぞ・・・」

432 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:42:13.87 ID:BMW5Kg+o0
テクパトルも手の動きを早める

もう、限界が来ていた

だがその時


20000「おーい、テっくん」

変態が入ってきた



433 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:42:45.92 ID:BMW5Kg+o0
20000「・・・えっと、一体なにをやってたの?」

テクパトル「・・・なんでもない」

結局、20000号にはバレずに済んだ

すぐさま布団に隠れて寝ていた振りをしたのだ

19090「・・・一体なんの用なんですか」

不完全燃焼のまま19090号は終わらされてしまったのだ

かなり不機嫌だった

434 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:43:11.72 ID:BMW5Kg+o0
20000「いや、だって電話来てたんだよ?」

テクパトル「は?こんな時間にか?」

テクパトルが首を捻る

だが20000号は嘘をついているようには見えない

20000「うん、エツァリから」

テクパトル「エツァリ?」

435 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:45:05.67 ID:BMW5Kg+o0
19090「なにかあったのでしょうか?」

テクパトル「ちょっとかけ直してみる」

テクパトルが受話器を手に取る

こんな時間に掛けてくるのなら、少なからず大事な用事だったのだろう

もちろん違う可能性もないことはないが


少ししてから、通話が始まる
436 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:45:41.56 ID:BMW5Kg+o0
テクパトル「あぁ、エツァリか?どうした?」

エツァリ『夜分遅くに申し訳ありません、ちょっと聞きたいことがあったもので』

テクパトル「ん?なんだ?」

エツァリ『もしかして、昼間にトチトリに何か言いましたか?』

テクパトル「は?」

いきなりなにを言い出すのか

437 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:46:10.28 ID:BMW5Kg+o0
話し込んだのだから、いろいろ言ったのだ

テクパトル「まぁ、いろいろ話し込んだが・・・なんでだ?」

エツァリ『いえ、なんだか少し様子がおかしくて』

テクパトル「どんな風にだ?」

エツァリ『なんでも、急に泣き出したりするんですよ』

テクパトル「・・・は?」

438 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:46:42.81 ID:BMW5Kg+o0
さらに意味が分からなかった

思い出し泣きだろうか

だが、そこまで感動的な内容の会話だったわけでもない

テクパトル「いや、心当たりがないんだが」

エツァリ『おや・・・そうですか』

エツァリが困ったような声を出す

439 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:47:35.19 ID:BMW5Kg+o0
そういえば、さきほどから後ろで泣き声が聞こえている

電話に拾われるということは相当な大泣きだろう

テクパトル「・・・トチトリに代わってくれないか?」

エツァリ『とても話せるような状態ではないですよ?』

テクパトル「構わないさ、とりあえず俺に任せてみろ」

テクパトルはミサカ達を一人でサポートしている

440 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:48:16.02 ID:BMW5Kg+o0
少しくらいのトラブルなら解決する自信があった

トチトリ『・・・テクパトルか?』

テクパトル「あぁ、どうしたんだ?」

トチトリの声はかなり掠れていた

もしかしたら、とてつもない悩みを抱えているのかもしれない

ならば、救ってあげたいとテクパトルは考えていた

441 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:48:48.44 ID:BMW5Kg+o0
彼はかつて、トチトリを利用し、傷つけたことがある

一方的に利用したのだ

だからこそ、彼はトチトリを救いたかった

贖罪の意味もある

だが、それ以上に

自分を許してくれた彼女を友人として見ていたからだ

442 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:49:28.50 ID:BMW5Kg+o0
トチトリ『・・・バカにしないか?』

テクパトル「まさか、お前がそこまで泣くのだから相当なことなんだろう?」

テクパトルが尋ねる

うん、とトチトリが短く返事をした

テクパトル「ならバカになんか出来ないさ・・・どうしたんだ、話してみてくれ」

トチトリ『・・・みんなのところに帰りたい』

443 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:49:59.38 ID:BMW5Kg+o0
テクパトル「みんなのところに?」

テクパトルが尋ね返す

みんな、というのはかつて組織で組んでいた者達のことだ

彼女は今、それらと家族として過ごしているのだ

テクパトル「寂しいのか?」

トチトリ『・・・あぁ』

444 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:50:37.02 ID:BMW5Kg+o0
トチトリが消え入りそうな声で返事をする

テクパトル(ホームシックってヤツか)

大変難しい問題だった

言葉でいくら慰めたところで意味はない

テクパトル「そうだ、明日から俺のところに来ないか?」

だからこそ、テクパトルは提案した

445 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:51:14.29 ID:BMW5Kg+o0
テクパトル「家はわりと賑やかだからな、大覇星祭中くらいならこっちも泊められるし」

トチトリ『・・・いいのか?』

テクパトル「あぁ」

そんな簡単なことで彼女を救えるなら安いものだ

テクパトル「今日は遅いから・・・」

トチトリ『あぁ、ありがとう』

446 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:52:01.13 ID:BMW5Kg+o0
少しだけ元気が出たようだった

声に明るさが戻っている

テクパトル「じゃ、また明日な」

トチトリ『その・・・本当に変わったな、お前は』

テクパトル「変えてくれたヤツがいるからな」

ははは、とテクパトルが笑う

447 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:52:48.21 ID:BMW5Kg+o0
その変えてくれた人と一緒に過ごしている

幸せな毎日なのだ

テクパトル「おやすみ、明日は・・・そうだな、エツァリに携帯で連絡取っとくから」

トチトリ『ありがとう・・・』

テクパトル「じゃあ、おやすみ」

トチトリ『お、おやすみ!』

最後にトチトリが少し声を上擦らせた

448 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:53:25.42 ID:BMW5Kg+o0
19090「・・・あの、また女性が増えるのですか?」

テクパトル「ん、あと三日・・・かな、最後の夜もこっちみたいだし」

20000「・・・なぁ、ミサカが言うのはなんだけどさ」

20000号がため息をつく

20000「19090号はやっぱりヤキモチ妬くと思うけど?」

19090「・・・いえ、でもテっくんは浮気をしませんから!」

449 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:54:06.78 ID:BMW5Kg+o0
テクパトル「あぁ、もちろん」

テクパトルが微笑む

20000「じゃ、ミサカは寝るね」

20000号が部屋に帰ろうとする

20000「あぁ・・・そうそう」

テクパトル「ん、なんだ?」


20000「19090号はもう少し喘ぎ声を押さえたほうがいいかもな」

450 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:54:41.66 ID:BMW5Kg+o0
19090「!」

20000「じゃ、おやすみ」


テクパトル「・・・だ、だってさ」

19090「あ、あわわわわわわわわ!」

テクパトル「・・・とりあえず続き・・・しようか?」

19090「こ、声を抑えますよ!」

451 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:55:07.16 ID:BMW5Kg+o0
19090号は誓った

決して声を出してしまわないと

だが、そんな約束もすぐに破られることになる


19090「んやぁぁっ!!」



快感には敵わなかった



452 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:55:33.37 ID:BMW5Kg+o0
上条「朝か・・・」

はぁ、と上条はため息をついていた

昨日は結局鍋のあともくだらない話をして遅くなってしまった

ちなみに彼は今、バスタブの中にいる

部屋では女性四人が寝ているのだ

ちなみに、ステイルは上条よりもひどかった

ベランダで寝させられている

453 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:56:19.64 ID:BMW5Kg+o0
体がでかいためバスタブには入らず、しかもほかに寝る場所もない

そういうわけで、彼はベランダで寝ているのだ

上条「ちょっと失礼しますよー」

上条がバスタブから出て部屋へと向かう

四人はまだ眠っているようだった

普通の男性なら、四人それぞれの寝顔にドキドキとしてしまうだろう

454 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:56:49.14 ID:BMW5Kg+o0
だが彼は違った

上条(あぁもう!美琴の寝顔はなんでこんなに可愛いのかなぁ!?)

恋は盲目

周りのみんななんて目にも入らない

しばらくの間、彼は美琴の寝顔をじっと見つめていた

ベランダの窓をステイルが叩いているのにも気づかずに


455 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:57:28.13 ID:BMW5Kg+o0
垣根「さぁはまじ・・・始まりました大覇星祭5日目!」

吹寄「みなさん、盛り上がっていきましょう!」

心理「噛んだわね」

歓声と笑い声が怒る

天気は晴れ、本当に雲一つない青空だった

誰かが能力で雲を飛ばしてるのではないか、と思えるほどに

456 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:58:05.67 ID:BMW5Kg+o0
垣根「ではまず第一競技!」

また今日も、競技が始まる


麦野「はぁ・・・暑いわね」

いつものコート・・・ではなくTシャツの袖をパタパタとさせるのは麦野沈利

垣根曰く、「ヤンデレ美人」である超能力者だ

滝壷「暑いね、はまづら」

457 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:58:45.33 ID:BMW5Kg+o0
その横でぽけーっと口を開いているのは滝壷理后

浜面曰く、隠れ巨乳である

さらにその滝壷の後ろ

絹旗「超アイス食いてー」

際どいくらいに短いスカートを履いているのが絹旗最愛

モアイじゃないよ、が決まり文句のパンモロ要員

458 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 17:59:23.67 ID:BMW5Kg+o0
浜面はこんな三人の部下だ

いや、部下という名のパシリだ

浜面「・・・俺は第三次世界大戦の真ん中に立っていた男だぞ」

両手にジュースを抱えたまま、浜面がため息をつく

もはやこんな光景が当たり前になっていた

滝壷「はまづら、ありがと」

459 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 18:00:31.73 ID:BMW5Kg+o0
浜面「見たかお前ら!?例えパシられてもこういうお礼の一つさえあればこっちだって」

麦野「サンキューバカ面」

絹旗「サンキューです超バカ面」

浜面「お礼とけなし文句の比率がおかしいだろ!」

麦野「あぁもう、こっちは暑くてそれどころじゃないの」

麦野が浜面を睨みつける

460 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 18:01:21.98 ID:BMW5Kg+o0
額のところどころに汗が浮かんでいる

彼女のこの端正な顔立ち

実は、半分近くが特殊メイクなのだ

さぞかし熱が篭るんだろうな、と浜面は少し哀れに思う

麦野「だから、今は世紀のヒーロー、浜面様に構ってるヒマはないってわけ」

浜面「じゃ後では構ってくれるのかよ!?」

461 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 18:02:07.71 ID:BMW5Kg+o0
言葉尻を掴んで皮肉ることしかできない

麦野「な・・・お前一体何期待してんだよ!」

それでも彼女には効果抜群だったようで

絹旗「麦野、超目を覚ましてください、相手はバカで貧乏バニー好きのバカ面ですよ?」

浜面「ひでぇなお前!」

滝壷「私のはまづらを悪く言わないで」

462 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 18:02:51.92 ID:BMW5Kg+o0
浜面「おぉ!さりげなく惚気を入れつつも二人を窘めるなんて滝壷さんさすが!」

絹旗「バカ面は超黙っててください」

浜面「浜面だ!」

麦野「はぁ・・・しっかし垣根もよく飽きないわね」

話題に飽きたのか、麦野が放送席に目をやる

垣根と心理定規、あと詳しくは知らない巨乳が座っている

463 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 18:04:02.82 ID:BMW5Kg+o0
絹旗「なんだか・・・浜面だったら泣いて喜びそうなシチュエーションですね」

浜面「ねぇよ!てか隣のドレス女は意外とえげつないぞ!」

かつて対峙した彼には分かる

能力はもちろん、性格も中々に図太いのだ

だからこそ垣根の恋人が勤まるわけなのだが

絹旗「浜面、垣根に聞かれてたら半殺しの二倍ですよ」

464 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 18:04:34.75 ID:BMW5Kg+o0
浜面「殺されてんじゃん!」

麦野「浜面/にされてるわよ今頃」

浜面「なに!?どこを斬られたの!?影!?」

麦野「さぁ」

滝壷「浜面は元気だね」

浜面「とうとう滝壷も投げやりに!?」
465 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 18:05:26.48 ID:BMW5Kg+o0
麦野「とりあえず少し静かにしてなさい」

はぁ、と麦野がため息をつく

なんでだろうか、かなり浜面の方を気にしている

そういえば、少し髪型が変わっているような気がする

浜面「あれ、お前パーマ当てた?」

麦野「!ちょ、ちょっと気分転換にね」

466 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 18:06:07.34 ID:BMW5Kg+o0
絹旗「あれ、本当ですね・・・超お似合いですよ」

滝壷「いいなぁ」

麦野「ま、まぁ別にただの気分転換なんだけどね!」

何かを隠すように麦野が慌てて言い直す

本当は浜面に「可愛いな」とか「似合ってるよ」とか言われたかったのだ

浜面「・・・麦野」

麦野「な、何よ!」

467 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 18:06:42.87 ID:BMW5Kg+o0
ついに来た

浜面のターンが


浜面「髪、傷むぞ?禿げやすくなるぞ?」

麦野「・・・」

原子崩し

麦野沈利の能力

それが、たった一人の哀れなる無能力物に向けて放たれた


468 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 18:07:36.72 ID:BMW5Kg+o0
テクパトル「ん、なんかあっちが眩しくなかったか?」

テクパトルがある方向を見つめながらつぶやく

そっちでは今頃、浜面と麦野が地獄の鬼ごっこをしているのだが

19090「あの・・・トチトリさんはどこにいるのでしょうか?」

テクパトル「ここらへんで待ち合わせだったし、待っていればすぐに来るはずさ」

テクパトルがベンチに腰掛ける

ホームシックには暖かい家族で対応するのが一番だ
469 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 18:09:11.43 ID:BMW5Kg+o0
とはいえ、上手くいくだろうか

ミサカたちは意外と騒がしかったりする

トチトリが慣れなかったら

さらにホームシックを助長させてしまうのでは

テクパトル(・・・まぁ、やってみなきゃな)

テクパトルは溜め息をついていた

少しの不安と、大きな期待から
470 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 18:10:16.19 ID:BMW5Kg+o0
いったん休憩

このペースだと新スレは明後日かな

まぁ速さはどうでもいいので、内容を濃くできれば

あとキャーリサさんが出ればオールスター?揃いますねw
471 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 18:38:34.60 ID:BMW5Kg+o0
テクパトル「・・・お、来た・・・か」

テクパトルがトチトリの姿を捉えた

だが、その姿はあまりにも恐ろしかった

ボサボサの髪

腫れた目尻

雰囲気もどこか悲しげだ

トチトリ「・・・テクパトル・・・」
472 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 18:39:39.33 ID:BMW5Kg+o0
テクパトル「かなり重症みたいだな・・・」

トチトリ「寂しいよ・・・」

御坂妹(うわぁ・・・昨日とはまるで別人ですね・・・)

10039(これは・・・かわいそうです・・・)

テクパトル「大丈夫か?」

トチトリ「うぅ・・・」

トチトリが泣きそうな顔をする
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/15(月) 19:01:51.08 ID:a/MxP1oIO
>>455
なんで怒ってるんだ
474 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 19:41:06.25 ID:BMW5Kg+o0
>>473 携帯での書き溜めならではwww


トチトリ「寂しいよ・・・」

テクパトル「あぁ・・・分かるよその気持ち」

決して彼はホームシックになったことはない

だが、こういうときは同意したほうがいいのだ

トチトリ「分かるのか・・・?」
475 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 19:43:47.98 ID:BMW5Kg+o0
テクパトル「・・・とりあえず、俺たちが代わりに・・・なれるわけはないがな」

テクパトルが苦笑する

彼女の家族に代わりはいないだろう

それはたしかなことだった

トチトリ「・・・みんな、よろしくな」

御坂妹「えぇ、もちろんです!」

20000「ふへへ!!よろしく!」

19090「よろしくお願いします、トチトリ」
476 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 19:46:56.28 ID:BMW5Kg+o0
トチトリ「じゃあ・・・何する?」

トチトリが少し不安そうに尋ねる

ファーストコンタクト、というわけではないが緊張しているのだろうか

テクパトル「そうだな・・・」

17600「まぁ、ミサカがいろいろ紹介してやるよ」

テクパトル「いいのか?」

17600「短い期間で全員と仲良くなるのは難しいさ」

17600号が苦笑する
477 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 19:48:39.05 ID:BMW5Kg+o0
トチトリ「え、えっと・・・」

17600「よろしく・・・どこに行きたい?」

17600号が優しく微笑みかける

すごいな、とテクパトルは思った

少なくとも彼は他人にこういう顔は出来ない

彼女は意外と人見知りをしないのかもしれない
478 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 19:51:51.90 ID:BMW5Kg+o0
17600「じゃあテっくん、トチトリ借りてくぞ」

テクパトル「あぁ」

17600号がトチトリの手を引いていく


テクパトル(頼むぞ、17600号)

彼には見守ることしか出来ない

そして、意外なコンビの旅は始まった
479 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 19:54:14.12 ID:BMW5Kg+o0

17600「えっと・・・まずは自己紹介でもしようか」

トチトリ「私はトチトリだ」

17600「あぁ、知ってるよ」

トチトリ「趣味は編み物と釣り、好きな食べ物はグラタン、嫌いなものは優男」

17600(テっくんじゃねぇか・・・)

トチトリ「そうだな・・・あと、胸はCだ」

17600「自慢か」
480 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 19:56:22.34 ID:BMW5Kg+o0
トチトリ「お前は?」

17600「17600号だ、名前はまだない」

トチトリ「猫なんだな」

17600「好きな食べ物はケーキ、趣味は尾行と射撃」

トチトリ「危ないな」

17600「嫌いなものはない」

トチトリ「おぉ」
481 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 19:58:33.26 ID:BMW5Kg+o0
17600「・・・なぁ」

トチトリ「ん、なんだ?」

17600号が突然真剣な顔つきになる

いったい、どんな会話を始めるのだろうか


17600「犬派?猫派?」

トチトリ「犬派」

17600「ほう・・・なんの犬種が好きだ?」
482 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:01:11.08 ID:BMW5Kg+o0
トチトリ「パピヨンかな・・・」

17600「あぁ・・・あれは可愛いな」

ぽつり、と17600号がつぶやく

横顔がにやけている

実は、彼女はとても動物が好きなのだ

普段の硬派な彼女からはイメージできないが
483 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:02:42.49 ID:BMW5Kg+o0
トチトリ「なんか、意外だな」

17600「だろう」

17600号がドヤ顔をする

今まで彼女はそれを他人に話したことはない

気づかれたことも無い

17600「誰も知らないことなんだ」
484 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:05:11.51 ID:BMW5Kg+o0
トチトリ「・・・私に教えてよかったのか?」

17600「なに、二人の秘め事だ」

トチトリ「!!」

なぜだろうか

トチトリが顔を赤らめている

トチトリ「ふ、二人だけの秘密か・・・」
485 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:07:08.90 ID:BMW5Kg+o0
17600「あぁ、だからお前も話してくれ」

トチトリ「な、なにを?」

17600「そうだな・・・人には言えない秘密とか」

17600号が腕を組む

17600「そういうのって、素敵じゃないか?」

トチトリ「あぁ・・・そうだな」
486 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:10:18.03 ID:BMW5Kg+o0
トチトリが苦笑する

彼女は、小さな頃から組織にいた


友達というものはいなかった

仲間はいたが、それも仕事上のものだった

もちろん、エツァリやショチトルのように、友達のように接してくれたものはいたが

それでも、彼女は普通の幼少期を過ごせなかったのだ
487 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:11:30.26 ID:BMW5Kg+o0
たとえば

普通に学校に行って勉強をしたり

たとえば

友達と帰りに買い食いをしたり

そしてたとえば


友達と、秘密を共用したり
488 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:13:10.99 ID:BMW5Kg+o0
トチトリ「・・・わ、私は・・・その・・・」

17600「おっ、秘密のことか」

トチトリ「あぁ・・・」

トチトリは考えていた

17600号が教えてくれたことは、くだらなく、しかしなかなかに大切なことだった

ここで中途半端なことを教えてしまったらがっかりされるだろう
489 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:14:42.93 ID:BMW5Kg+o0
トチトリ「あ、あれだ・・・」

トチトリが秘密をバラす


トチトリ「じ、実は初恋さえしたことがないんだ!!」


17600「あぁ、ミサカもだが?」

トチトリ「」


信じられなかった
490 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:17:03.50 ID:BMW5Kg+o0
まさか、17600号も初恋がまだだなんて

だがそれもしごく当たり前なのだろう

なにしろ彼女は生まれてそれほど経っていないのだ

二年少しで初恋なんてするほうが珍しいだろう

実際は、ほとんどのミサカが色ボケなのだが

トチトリ「あ、その・・・」
491 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:18:28.23 ID:BMW5Kg+o0
17600「なに、気にするな」

ははは、と17600号が笑う

17600「そんなに気を張るな、もっとくだらないことでいいさ」

トチトリ「で、でも・・・」

17600「いいか、特別なことなんて教えなくてもいいのさ」

17600「ただ、二人だけが知っているという時点で、それが特別に変わるのさ」
492 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:19:40.27 ID:BMW5Kg+o0
トチトリ「・・・そ、そうかな」

17600「あぁ」

17600号が笑う

その笑顔に、少しトチトリはドキリとしてしまう

少しかっこよくて、優しくて

なんだか、こんな気持ちは初めてだった
493 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:21:02.72 ID:BMW5Kg+o0
トチトリ「あ、あのさ!!」

17600「ん、なんだ?」

トチトリ「その・・・」

トチトリが何かを言おうとしたとき


麦野「死ね浜面!!」


どこからか、ビームが飛んできた
494 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:23:14.63 ID:BMW5Kg+o0

浜面「あっぶねぇ!!」

誰だろうか、と17600号は考えた

知らない人間だ、偶然ここを通りかかったのだろう

すぐ後ろから胸のでかい女性がやって来ていた

非常にうらやましい

しかし、今はそれは問題ではなかった
495 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:24:55.92 ID:BMW5Kg+o0
麦野「逃げんじゃねぇ!!!」

その女性が放ったもの

能力だろうか、ビームのようなものだった

かなりの速度がある

浜面「あぶねぇって言ってんだろ!!人もいるんだよ!!!」

麦野「知るか!!土下座しやがれ!!」

浜面「なんでだよ!?」
496 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:26:28.23 ID:BMW5Kg+o0
麦野「何が禿げやすいだぁ!!!」

音がした

ビームを、また青年は避ける

ビームはそのまま、近くの建物の壁に当たった

威力を相当抑えてはいたのだろう

そこまで被害は出ない
497 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:28:14.97 ID:BMW5Kg+o0
しかし

壁の破片の一部が、トチトリの真上に落ちてきた

トチトリ「あ・・・」

浜面「あ、危ない!!」

麦野「やべっ・・・」

麦野が手をかざす

原子崩しでその破片を破壊するつもりなのだろう
498 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:29:45.31 ID:BMW5Kg+o0

17600「くそっ!!」

それより早く、17600号は地面を蹴った

彼女の腕が、トチトリを抱きしめる


間一髪、二人は破片を避けた


麦野「だ、大丈夫か!?」

浜面「だから言ったじゃねぇか!!冗談でぶっ放すようなもんじゃねぇんだよ!」
499 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:31:11.55 ID:BMW5Kg+o0

17600「・・・おい」

麦野「ん、あぁ、ごめんごめん・・・」

17600「ごめんだぁ?」

17600号が立ち上がる

頭に青筋が浮かんでいる

怒っているな、と浜面は直感で感じる

500 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:33:00.21 ID:BMW5Kg+o0
17600「あのな、アンタ能力者だろ」

17600号がどすを効かせた声で訊ねる

麦野「だ、だから・・・」

17600「だからなんだ?あぁ?」

麦野「い、いや・・・」

17600「友達まで傷付けやがってよぉ」
501 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:35:37.14 ID:BMW5Kg+o0
17600「いいか、頭下げろ、あいつにだ」

17600号がトチトリを指差す

17600「お前さんを責めようがどうしようがもう終わったことだからな」

17600「私は許してやるよ」

17600「だが、あいつを傷付けたのは許せない」

17600「あいつは友達なんだよ」
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/08/15(月) 20:36:26.83 ID:5cJ/KezXo
>>467
浜面が最早人として扱われてないんだが
503 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:37:53.50 ID:BMW5Kg+o0
麦野「そ、その・・・悪かった」

麦野が素直に頭を下げる

めんどうだからか、それとも本心からそう思っているのか

浜面「その・・・悪かったな」

17600「・・・いいか?」

トチトリ「あ、あぁ!」
504 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:40:49.65 ID:BMW5Kg+o0
>>502 あ、そりゃわざとですよw
もはや麦野にとっては、ねww


17600「ほれ、帰りな」

麦野「・・・なぁ」

17600「なんだ?」

麦野「いや、なんでもない」

麦野が少し不思議そうな顔をしている

17600(・・・なんだ?)
505 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:41:58.09 ID:BMW5Kg+o0
浜面「じゃあな、すまなかったよ」

浜面が麦野の手を引いていく

少し、麦野の顔が赤かった


17600「大丈夫だったか?」

トチトリ「そ、それよりお前こそ・・・」

17600「ん・・・」
506 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:43:24.00 ID:BMW5Kg+o0
17600号が自分のヒザを見つめる

少しだけ、すりむいていた

地面を転げたときにでも擦ったのだろう

17600「なに、大丈夫だ」

ポンポン、と17600号がヒザをたたく

ヒリヒリとした痛みに、一瞬顔をしかめる
507 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:44:34.49 ID:BMW5Kg+o0
トチトリ「その・・・ありがとう」

トチトリが頭を下げる

17600「友達を助けるのは当たり前だろ?」

トチトリ「・・・うん」

コクリ、とトチトリが頷く

顔が赤いのはなぜだろうか
508 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:46:09.86 ID:BMW5Kg+o0
17600「じゃ、行こうか」

また、17600号が手を引く

トチトリ「あっ・・・」

17600「?」

トチトリが少しヘンな声を上げる

17600「どうかしたか?」

トチトリ「な、なんでもない!!」
509 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:47:20.61 ID:BMW5Kg+o0
17600「それにしても・・・」

17600号が何かを話していた

しかし、トチトリの耳にはもはや届かなかった

さきの、腕の温かさが忘れられない

初恋は、まだだった


そして、初恋は今始まったのかもしれなかった


少し、アブノーマルな初恋が
510 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:48:44.84 ID:BMW5Kg+o0

上条「・・・インデックス・・・お前・・・」

上条は呆れていた

目の前では、インデックスが大量の弁当を食べている

イン「なに!?」

上条「・・・それ、ステイルが支払うんだよな?」

ステイル「・・・あぁ、そうだよ」
511 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:50:12.34 ID:BMW5Kg+o0
美琴「・・・す、すごい量よね・・・」

美琴が目を見開く

軽く10人前はあるだろうか

ほんの2時間前に朝食は取ったのに

神裂「・・・相変わらずの食欲ですね」

五和「み、見ていておなかが膨れますね・・・」
512 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:51:59.67 ID:BMW5Kg+o0
イン「ぷはー!!いいオヤツだったんだよ!!」

ポンポン、とインデックスがおなかを叩く

ステイル「・・・は、ははは・・・」

上条(ステイル、泣くなよ・・・)

神裂(・・・今月、出費が痛いですね)

美琴(これは・・・当麻が貧乏だった理由も分かるわね)

五和(ふ、太らないのがうらやましいです・・・)
513 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:53:27.33 ID:BMW5Kg+o0
イン「ねぇ、次は何するの!?」

楽しそうに、インデックスが訊ねる

最近上条は彼女に構ってあげれていない

それに、ステイルや神裂もなかなか日本には来れないのだ

そのため、こういった機会が本当に嬉しいのだろう

イン「ねぇ!!」
514 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:54:47.45 ID:BMW5Kg+o0
ステイル「そうだな・・・どうしようか」

上条「うーん・・・競技は微妙なのばっかだし・・・」

美琴「かといって買い物もね・・・」

はぁ、と美琴が溜め息をつく

どうせ、途中でデザートを食べたいと言い出すのだろう

ならば、少しでも食べ物から遠ざけなければならない

ステイルの財布も心配だった
515 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:56:27.63 ID:BMW5Kg+o0
神裂「では・・・何かインデックスの話でも聞きましょうか?」

五和「あぁ、それなら楽しそうですね!」

イン「私の話?」

インデックスが首を捻る

上条「そうだな、ステイルたちはあんまりインデックスに会えないんだし」

美琴「こっちの生活とか知りたいんじゃないかしら?」

ステイル「あぁ・・・そうだね」
516 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:57:47.28 ID:BMW5Kg+o0
上条「さ、インデックス」

イン「うーん・・・」

インデックスが考え込む

思い出せないのではない

全てが思い出せるため、かなりの長話になりそうなのだ

彼女は一度覚えたことは忘れることは無い

もちろん、日常生活も、だ
517 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 20:59:08.31 ID:BMW5Kg+o0
イン「でも、最近は変わったことはないんだよ」

インデックスがぽつり、とつぶやく

それはとても幸せなことだろうか

イン「とうまはあいかわらずみこととラブラブだし・・・」

神裂「・・・なるほど」

五和「そうですか・・・」
518 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:00:21.42 ID:BMW5Kg+o0
二人が上条を睨む

上条「え、な、なに!?」

神裂「いえ、別に恋人と仲良くするのは結構ですよ?」

五和「ただ、そのほかを疎かにするのはどうかと」

美琴「そ、そんなことないわよね当麻!?」

上条「もちろん!!」

ステイル「・・・へぇ」
519 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:01:37.08 ID:BMW5Kg+o0
ステイル「つまり、君はインデックスを見捨てていると」

上条「ち、違うからな!?」

上条が慌てて手を振る

必死だった

なにしろ、ステイルはインデックスを溺愛している

そのため、ここでそれを認めたら何をされるか分からなかった
520 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:02:55.27 ID:BMW5Kg+o0
上条「た、ただいろいろ忙しいんだよ!!」

美琴「そうそう、勉強とか!」

イン「いっつも電話したらみことと一緒だし、って」

ステイル「・・・上条当麻」

神裂「それは、本当ですか?」

五和「・・・そ、それはいつの時間帯ですか?」

イン「?夜なんだよ」
521 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:03:53.87 ID:BMW5Kg+o0
神裂「・・・そんな時間に二人で・・・」

五和「一体何を?」

上条「い、いや・・・」

上条が冷や汗をかく

まさか、一緒にあんなことをしてます、なんて言えない

美琴「わ、私が勉強教えてるのよ!」
522 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:05:05.07 ID:BMW5Kg+o0
神裂「・・・なるほど」

五和「で、ですがそれは・・・」

上条「ウソじゃありませんからね!!」

上条が大声を上げる

ウソなのだが

ステイル「・・・まぁ、それでも構わない」
523 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:06:32.13 ID:BMW5Kg+o0
ステイルがタバコを取り出す

インデックスが睨みつけるが、構わずに吸い出す

ステイル「・・・結局、この子を世話していないのは事実だろう?」

上条「う・・・」

ステイル「まったく、あんなことを言っていながら・・・」

神裂「本当ですね・・・」

上条「?」
524 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:07:34.48 ID:BMW5Kg+o0
上条には分からなかった

もちろん、二人が言っているのはあの夜のことだ

上条が初めてインデックスを救った日

そして、彼が記憶を失った日

そんなこと、覚えているはずが無かった

上条「ど、どんなこと?」
525 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:08:37.64 ID:BMW5Kg+o0
ステイル「この子を守ると」

神裂「そして、私達にも守れと」

美琴「へぇ・・・昔っからヒーロー気取りだったのね」

五和「で、でも素敵ですよ!?」

上条「あ、あぁ」

上条がうろたえる

彼は昔からこうだったのか
526 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:09:42.39 ID:BMW5Kg+o0
上条(・・・だとしたら)

それは嬉しいことだ

記憶がなくても彼は彼なのだから

それが証明できるのだから

上条「・・・でもさ、それとこれは関係・・・」

ステイル「あるね」

ステイルがタバコを噛む
527 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:11:22.87 ID:BMW5Kg+o0
ステイル「いいかい、僕は君の言葉を信じてこの子を守る権利を譲ったんだ」

上条「な、なんて自分勝手な・・・」

ステイル「それは君も一緒だろう?」

ステイルが上条を睨みつける

目が怒っていることを物語っていた

上条「そ、そうだけど・・・」
528 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:12:49.38 ID:BMW5Kg+o0
ステイル「ならば、とんとんだろう」

神裂「・・・私は別に、あなたが恋人と仲良くするのは構いません」

横から神裂が会話に入ってくる

神裂「問題は、それだけで満足してはならないということです」

上条「そ、それだけ?」

上条には理解できなかった

いったいどういう意味だろうか
529 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:14:26.93 ID:BMW5Kg+o0
神裂「たとえば、彼女と結婚した場合・・・」

美琴「け、結婚!?」

美琴が顔を真っ赤にする

五和「そ、それはまだ早いのでは!?」

五和だって負けないほど真っ赤だった

神裂「いえ、例えです」

冷静に、神裂が話を続ける
530 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:15:30.29 ID:BMW5Kg+o0
神裂「あなたは働かなければなりませんね?」

上条「あぁ」

それは当然だ

まさか、美琴が金持ちだからヒモでいいやー、とは言えない

彼にだってプライドくらいはある

安いプライドも、貫き通せば一つの道だ
531 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:16:58.31 ID:BMW5Kg+o0
神裂「そのとき、彼女のことだけを考えていていいのでしょうか?」

上条「うーん・・・」

神裂「仕事中、会議中」

ステイル「なるほどね、プライベートとそれ以外を分けることができないといけない」

ステイルも頷く

彼はそういうことは得意だった

魔術師としての日常と、人間、ステイル=マグヌスとしての日常
532 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:18:15.43 ID:BMW5Kg+o0
その二つを両立させることが当たり前だった

神裂「しかしどうでしょう、彼女だけに没頭していれば・・・」

上条「・・・仕事には集中できない、か」

ステイル「仕事だけではないさ」

美琴「・・・友達の付き合いとかも・・・ね」

美琴が少し寂しそうにつぶやく
533 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:19:38.63 ID:BMW5Kg+o0
上条「でもさ、それと美琴とは・・・」

ステイル「まぁ、例えだけどね」

ステイルが二本目のタバコを吸い出す

よくそんなに吸えるな、と上条は驚く

ステイル「どちらにしろ、一つの存在に依存しすぎるのは危険だ」

かつての彼がそうだったように
534 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:20:51.52 ID:BMW5Kg+o0
ステイル「いいかい、かけがえないものはたしかに大切だ」

ステイル「だが、それだけに没頭してはいけない」

上条「そうだな・・・」

上条が頷く

たしかに、今の彼は美琴ばかりに構いすぎているのかもしれない

それでも

上条「でも、やっぱ美琴が一番なんだ」
535 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:22:08.79 ID:BMW5Kg+o0
美琴「当麻・・・」

五和「・・・だったら、なおさらですよ」

五和がぽつりと呟く

五和「依存するのではなく、大切にする」

五和「・・・依存すると、いざ失ったとき辛いですから」

神裂「・・・そうですね」
536 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:23:23.32 ID:BMW5Kg+o0
上条「・・・あぁ、ありがとう」

上条が頭を下げる

イン「・・・ねぇ、私が話すんだったよね?」

美琴「あぁ、ごめんごめん」

神裂「そうでしたね・・・他には?」

イン「えっとね・・・」

インデックスが宙を見上げる
537 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:24:30.01 ID:BMW5Kg+o0
イン「そういえば、この前ステイルと電話したんだよ!」

上条「ん?そうなのか?」

ステイル「あぁ、最近は出来るかぎりするようにしてるよ」

ステイルが微笑む

彼は本当にインデックスには優しい

普段の姿からは想像ができないほどに
538 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:25:46.47 ID:BMW5Kg+o0
神裂「・・・私も、この子とは話したいのに・・・」

イン「?かおりも電話してよ!」

神裂「い、いいのですか!?」

嬉しそうに神裂が訊ねる

イン「もちろんなんだよ!」

ステイル「・・・そうだね、神裂もするといいよ」

神裂「はい!」
539 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:27:10.00 ID:BMW5Kg+o0
上条(・・・なんだか、楽しそうだな)

上条がその光景を見て笑う

インデックスは、昔の記憶は失っている

なので、昔の神裂やステイルのことは知らないのだ

そして、その思い出も

上条(・・・でも)

それでも、三人は仲良しだった
540 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:28:13.40 ID:BMW5Kg+o0
記憶を失っているのなら、どこに思い出が残っているのか

そんなこと、科学的には分からないだろう

しかし


『心に、じゃないですか』


上条は知っていた

それが、どこに残っているのかを
541 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:29:44.43 ID:BMW5Kg+o0
上条も、過去の記憶をなくしている

もう、美琴やインデックスや、ステイルたちとの出会いは思い出せない

それでも、いまだに付き合いは続いている

過去の上条がそれを見たらどう思うのか

上条(きっと、笑うんだろうな)

少し、不思議だった

彼は、昔の彼ではないのに
542 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:31:06.20 ID:BMW5Kg+o0
それでも、彼はこの日常を愛していた

きっと、昔の彼も今と変わらない生活をしていたのだろう

上条(・・・昔の俺は・・・)

美琴をどう思っていたのか

今のように、恋心を抱いていたのか

それとも、ただの友達だったのか

そんなことは、わからない
543 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:32:29.12 ID:BMW5Kg+o0
でも、昔の彼が時間を経ていたら、結局今のような生活をしていただろう

上条当麻は一度死んだのかもしれない

それでも、本質的な意味では生きているのだろう

記憶はなくなっても

上条当麻の根本は変わらないのだ

上条(・・・そうだよな)
544 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:33:31.01 ID:BMW5Kg+o0
美琴「?どうしたの、笑ったりして?」

上条「いや、なんでもない」

上条が微笑みかける

こんな笑みを、過去の彼も浮べていたのか

いや、浮べていたに決まっている

上条(・・・空が、青いな)
545 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:35:29.07 ID:BMW5Kg+o0
そっと、空に右手を伸ばす

たくさんの人を守ってきた、その右手を

上条(・・・なぁ、昔の上条当麻)

上条(お前は・・・きっと、こんな日常を望んでたんだろ?)

仲間が、みんな笑っている風景を

当たり前の、日常を
546 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:37:32.83 ID:BMW5Kg+o0
上条(綺麗な空だな)

暑い陽射しが降り注ぐ

彼は、何度この光を浴びてきただろう

その光が最も似合うヒーローなのだから

上条(いいなぁ、こういうのって)

不幸な人生を送ってきた上条は


それでも、幸せを手に入れていた
547 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:38:16.94 ID:BMW5Kg+o0
ちょいと休憩

上条さんの記憶喪失設定、活かしてあげたかっただけw
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/15(月) 21:53:06.46 ID:bylOjMDb0

>>1に活かせないものはない
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/15(月) 21:54:45.13 ID:OJC64UpIO
カッコいいなァ、このスレの上条当麻は
550 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:56:33.03 ID:BMW5Kg+o0

一方「あちィな・・・」

一方通行は公園のベンチに座っていた

隣には、番外個体がいる

番外「ねぇ、そういえばミサカたちが付き合いだしたのって去年の大覇星祭中だったよね?」

一方「あ?あァ・・・」

そういえば、一周年なのだ
551 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:57:43.08 ID:BMW5Kg+o0
>>549 セロリww

熱いですけど、カッコイイ男


一方「・・・それが?」

番外「ねぇ・・・一周年なんだよ?」

ずい、と番外個体が体を寄せる

少し、一方通行が顔をしかめる

なにしろこの気温なのだ
552 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 21:59:18.13 ID:BMW5Kg+o0
一方「暑いから寄るな」

番外「・・・ひどいね」

はぁ、と番外個体が溜め息をつく

なぜこうも彼は疎いのか

一周年といえば、カップルには大切なイベントだ

それを「暑い」なんて言われたら

大抵はショックを受けるだろう
553 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:00:38.98 ID:BMW5Kg+o0
一方「・・・なァ」

番外「ん、なに?」

一方「そのよォ・・・一周年って具体的に何すればいいンだ?」

一方通行が訊ねる

そんなことに決まりはないのだが

彼が知るわけは無かった

番外「そうだね・・・」
554 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:01:45.34 ID:BMW5Kg+o0
周りのカップルはどうしているか

たしか、一緒にレストランへ行ったり

お互いがプレゼントを贈ったり

改めてプロポーズをしたり

そんなことを聞いた気がする

だが、それは二人には似合わない
555 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:03:19.59 ID:BMW5Kg+o0
番外「・・・ミサカはこうやって一緒にいられればいいかな」

一方「そンなことでいいのか」

一方通行が目を丸くする

番外「だってさ、この時間がそもそも最高の贈り物なんだし」

番外個体が微笑む

彼女はとても幸せそうだった

本当に、嬉しそうだった
556 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:04:31.83 ID:BMW5Kg+o0
一方「・・・でもよォ、なンか特別なことしたいンじゃねェか?」

番外「うーん・・・」

特別なこと

普段はしてもらえないようなこと

番外「100回キスとか」

一方「それはねェよ」

番外「えー・・・」
557 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:05:57.86 ID:BMW5Kg+o0
一方「・・・お前よ・・・もっと特別なこととかねェのか?」

番外「特別・・・か」

よくよく考えてみれば、たくさんあるだろう

しかし、番外個体は恋愛経験は浅い

もちろん、一方通行もだ

だから普通のカップルのことは知らない

番外(・・・って、ミサカたちらしいことをすればいいんだよね)
558 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:08:29.40 ID:BMW5Kg+o0
番外「ねぇ」

一方「なンだよ」

番外「・・・そのさ、手・・・繋いでいい?」

一方「あァ?」

一方通行が素っ頓狂な声を上げる

それのどこが特別なのだろうか

普段からしていることなのに
559 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:10:14.58 ID:BMW5Kg+o0
一方「いいに決まってンだろ」

一方通行が番外個体の手をとる

彼女はとても男勝りな性格をしている

なのに、その手は女性特有のやわらかさを持っていて

それに、少しドキリとしてしまう

こんなに荒い性格の彼女も、やはり女性なのだ

一方「・・・これでいいのか?」
560 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:11:34.46 ID:BMW5Kg+o0
番外「・・・うん、ありがと」

番外個体が微笑む

一体どうしたのだろうか

今日の彼女は非常に大人しかった

昨日まではあんなにはしゃいでいたのに

何かあったのだろうか

一方「・・・なァ」
561 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:13:07.02 ID:BMW5Kg+o0
番外「・・・なに?」

一方「なンかあったのか?」

遠まわしに聞くなんて彼にはできない

ずっと突き抜けてきたから

何者も貫き、決して自らが向きを変えたことはなかったから

だから、こうして素直に訊ねる

一方「今日のお前はおかしいからな」
562 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:14:28.19 ID:BMW5Kg+o0
番外「・・・うん、ちょっとね」

寂しそうに番外個体が笑う

その表情には見覚えが無かった

いつもの楽しそうな笑顔ではない

悪いことを企んでいる顔でもない

もちろん、幸せそうな顔でも

一方「何があった」
563 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:15:32.81 ID:BMW5Kg+o0
番外「ちょっと、くだらないことを考えたんだ」

ぽつり、と番外個体が答える

なぜか消え入りそうな声で

番外「ミサカってさ、クローンでしょ?」

一方「・・・あァ」

そんなこと知っていた

それは、彼が一番よく知っていた
564 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:17:14.16 ID:BMW5Kg+o0
一方「それがどォした?」

番外「・・・クローンってさ、基本短命でしょ?」

ぴくり、と一方通行の肩が跳ねる

遺伝子を無理矢理いじっているから

それだけが理由ではないだろう

とくに妹達は

薬品を投与して、無理矢理体の成長を促しているのだ
565 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:18:37.23 ID:BMW5Kg+o0
一方「・・・それで?」

番外「・・・こうやって、生きてるとさ・・・」

番外「いつ死ぬのか分からないんだ」

番外「ちょっと、イヤだなってさ」

番外個体が頭をかく

こんな話をするガラではない

それは彼女も分かっていた

それでも、考えてしまうのだ
566 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:19:52.04 ID:BMW5Kg+o0
番外「死ぬのが怖いんじゃなくて・・・アナタを残すことが怖い」

一方「・・・」

番外「だってさ、アナタを一人にしたら・・・誰かに奪われるかもしれないじゃん」

一方「俺がか?」

番外「うん、アナタが」

一方「・・・ンなことねェよ」

番外「だといいな」
567 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:21:03.52 ID:BMW5Kg+o0
番外「・・・こんな日常が、もしかしたらいきなり終わるかもしれないんだよ?」

一方「そンなのクローンに限ったことじゃねェよ」

人間だって

そうなのだから

一方通行だって人間だ

ベクトルを操り、どんな攻撃も跳ね返せる

それでも、やはりただの人間だ
568 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:22:29.51 ID:BMW5Kg+o0
一方「・・・俺は、絶対にお前以外を愛したりはしねェ」

番外「・・・約束してくれる?」

一方「決まってンだろ」

一方通行が微笑む

番外「・・・いいの、信じて?」

一方「お前のしたいようにしろ」

一方通行が前を見る

綺麗な風景が広がっていた
569 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:23:43.96 ID:BMW5Kg+o0
一方「・・・」

番外「うん、信じてみようかな」

ケラケラ、と番外個体が笑う

一方「・・・だからよ、お前はしっかり調整受けて・・・出来る限り、一秒でも長く生きててくれ」

番外「なんで?」

一方「一秒あれば・・・」


一方「一回だけはキスが出来るからな」
570 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:24:59.65 ID:BMW5Kg+o0
普段なら笑っていただろう

一方通行がそんなセリフを言うだなんて

だが、今はその言葉が嬉しかった

番外「・・・長生きしてほしいの?」

一方「・・・てめェがババァになるまで見ててやるよ」

番外「あれ、ババァは嫌いなんじゃなかったっけ?」

一方「・・・お前は別だ」
571 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:26:27.56 ID:BMW5Kg+o0
番外「・・・ミサカも、アナタがヨボヨボになって苦しむのを見ていたいな」

一方「・・・そォかよ」

素直ではない、番外個体の言葉

それでも、一方通行には分かっていた

彼女の声が震えていることくらい

一方「・・・お前は、俺を殺すために作られたンだ」

番外「・・・うん、そうだね」
572 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:27:45.87 ID:BMW5Kg+o0
一方「俺のために生まれたンだろ?」

番外「そうだよ」

一方「だったら、俺のために死ンでいくべきだ」

番外「・・・あなたのための命、か」

一方「俺は、お前に殺されるべきなンだ」

番外「ワーオ、マゾヒスト?」

一方「・・・ちげェよ」
573 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:29:16.95 ID:BMW5Kg+o0
番外「・・・分かってる、ミサカが殺すまでは死んだらダメだよ?」

一方「あァ」

番外「ってことはさ、ミサカが殺さなきゃアナタはずっと死ねないわけだ」

一方「そォなるな」

番外「へぇ、それはそれで苦しいだろうね」

ニヤニヤ、と番外個体が笑う

一方「・・・お前がいなかったら、な」
574 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:30:35.06 ID:BMW5Kg+o0

番外「・・・ミサカさ、なんでクローンとして生まれてきたんだろ」

突然、番外個体が問いかける

そんなこと決まっていた

彼女はそうやって生まれてくる運命だったのだから

一方「・・・妹達じゃなかったら、俺とは出会ってなかっただろ」

番外「・・・どうなのかな」

番外個体が空を見上げる
575 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:31:55.73 ID:BMW5Kg+o0
一方「・・・こンなに広い世界だ」

一方「巡り合う確率なンて奇跡に近いぜ?」

番外「・・・奇跡なんて、何度だって起こしてくれたじゃない」

一方「・・・そォだな」

番外「・・・ミサカっておかしいのかな?」

一方「なンでだよ」

おかしくなんてなかった
576 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:32:57.40 ID:BMW5Kg+o0
一方「お前は普通だ」

番外「クローンなのに?」

一方「あァ」

クローンだから生き物ではない、と言うのか

クローンなんて人間じゃない、と笑うのか

違う

一方通行があの日憧れたヒーローは

そして、今の彼は
577 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:34:17.26 ID:BMW5Kg+o0
一方「俺は、お前が人間だって信じてる」

一方「周りのことなンて気にすンじゃねェよ」

一方「お前の世界に余計なヤツらはいらねェ」

番外「・・・ミサカは、普通なの?」

一方「あァ、たしかにクローンってことは珍しいかもな」

番外「・・・」

一方「でもよ」
578 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:35:34.72 ID:BMW5Kg+o0
一方通行がチョーカーのスイッチを入れる

そして、地面に足を軽くたたきつける

それだけで、周りの地面に亀裂が走った

それを見てから、再びスイッチを切る

一方「こンなのに比べたら普通だろォが」

番外「・・・そうなのかな」

一方「俺が言ってンだ」
579 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:36:45.68 ID:BMW5Kg+o0
トントン、と自分の頭をたたく

一方「俺は学園都市で一番頭がいいンだぜ?」

一方「その俺が言ってンだ」

番外「へぇ・・・そりゃ頼もしいな」

一方「・・・でもよ」

一方通行が右手を握り締める

彼には似合わないはずの右手を
580 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:37:58.74 ID:BMW5Kg+o0
一方「・・・たとえ、学園都市一位の頭脳じゃなくても」

一方「お前のためなら断言してやるよ」

一方「俺は、お前を人間だと思ってる」

番外「・・・ありがと」

握り締められた右手は

誰かを救えただろうか

目の前の、大切な少女を

救えただろうか
581 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:38:59.41 ID:BMW5Kg+o0
一方「・・・気がすンだか?」

番外「うん、アナタは優しいね」

こてん、と番外個体が一方通行の肩に頭を乗せる

少しだけ髪の毛が彼の頬に触れる

くすぐったい感触に、一方通行は少し苦笑する

かつては、誰かに体を預けられるなんて考えられなかった
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/15(月) 22:40:00.12 ID:OJC64UpIO
あっくんカッケー
583 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:40:24.58 ID:BMW5Kg+o0
一人で歩いてきた

その道に、打ち止めという少女が途中から入ってきた

黄泉川、芳川といった大人も入ってきた

途中には、木原数多やエイワスといった壁も立ちふさがった

そして

その道に、ある日番外個体は現れたのだ

一方通行の標識を無視して
584 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:41:48.03 ID:BMW5Kg+o0
>>582 一方「しゃきーン」

まったく逆の方向から

殺す側と殺される側

男性と女性

後悔した者と後悔させた者

守ろうとしていた者と壊そうとしていた者

全く正反対だった存在が
585 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:42:41.83 ID:BMW5Kg+o0
すれ違うことはなく

正面からぶつかり

そして、互いに大きく傷ついた

だが

一方「俺は、お前が好きなンだよ」

いつしか、その傷は埋まり

代わりに、大切な感情が生まれた
586 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:44:03.97 ID:BMW5Kg+o0
一方「大体よォ、俺は余計なものなンて反射できンだ」

一方「周りからヘンなカップルだって笑われようが」

一方「俺には関係ねェ」

番外「・・・ミサカには聞こえるんだよ?」

一方「だったら笑ったヤツをぶっ殺す」

一方「善人だろうが悪人だろうが」

一方「関係なくな」
587 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:45:28.57 ID:BMW5Kg+o0
気に入らないから殺す

自分をバカにしたから殺す

あまりにも幼稚な考えだ


番外「だったら、笑われないくらいいいカップルにならないと」

番外「もう、アナタに人殺しはさせたくないよ」

番外個体が一方通行の手を握る

その手は、もう血まみれなのだ
588 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:46:29.89 ID:BMW5Kg+o0
一方「・・・そォだな」

番外「ねぇ、キスして」

番外個体がお願いをする

一方「あァ」

そっと、唇を重ねる

当たり前の行動が、彼らにとっては特別だった

こんなにも明るい世界に戻れるなんて

奇跡に近かった
589 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:47:32.05 ID:BMW5Kg+o0
番外「・・・好きだよ、ミサカはアナタのことが」

一方「俺もだ」

番外「憎悪もたくさんあるのにさ」

番外「それに負けないくらい、好きなんだ」

一方「・・・そォか」

番外「苦しいな」

番外個体が苦笑する
590 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:48:29.21 ID:BMW5Kg+o0
傷ついたことはあった

腕が折れたこともあった

体に埋め込まれた爆弾が破裂したことも

でも

番外「経験したことない苦しさだな」

一方「・・・悪いな」

彼女は苦しかった
591 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:49:22.25 ID:BMW5Kg+o0
どうしてこんなに苦しいのか

幸せなのに

こんなにも、幸せなのに

番外「ミサカ、壊れちゃいそう」

幸せすぎて

怖かった

一方「・・・とっておきのおまじないがあるぜ」
592 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:50:33.28 ID:BMW5Kg+o0
番外「どんな?」

一方「その苦しさが無くなるンだよ」

一方通行が番外個体の胸を指差す

たしかに、苦しいのは胸の奥だった

でも、なぜ彼は知っているのだろうか

番外「なんで・・・」

一方「知ってるさ」
593 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:51:42.41 ID:BMW5Kg+o0

一方「俺だって、その苦しさに悩ンでンだからよ」


番外「そうなんだ・・・」

一方「おまじない、いいだろ?」

番外「うん、お願い」

番外個体がうなずく

一方「番外個体」

番外「なに、一方通行」
594 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:52:52.47 ID:BMW5Kg+o0

一方「愛してる」


ぎゅっ、と彼女の体が抱きしめられる

貧弱な腕で

薄い胸板で

全くもって、強そうな体ではない

全然頼りない

守ってあげるのはこちらではないのか、と文句を言いたくなってしまうほどに
595 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:54:00.83 ID:BMW5Kg+o0
それでも

番外(・・・落ち着くな・・・)

番外個体は、嬉しかった

なぜか、その腕の中にいれば、どんな苦しみからも守ってもらえそうな気がした

番外「・・・ん、これ効くね」

一方「だろ?」

番外「もうちょいしてて」

一方「あァ」
596 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:55:17.04 ID:BMW5Kg+o0
番外「・・・ミサカ、アナタがいないと生きていけないよ」

一方「俺もだ」

番外「ねぇ、なんでこんなにミサカを苦しめるの?」

一方「俺が聞きてェよ」

番外「・・・なんでこんなに幸せなんだろ」

一方「知るか」

そっけなく、一方通行が答える
597 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:56:19.81 ID:BMW5Kg+o0
その答えを、今二人は探している途中なのだから

一方「・・・幸せか?」

番外「最高に」

一方「そォか」

一方通行が笑う

彼女と付き合いだしてから、笑うことが多くなった

とても、幸せだから
598 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:57:37.86 ID:BMW5Kg+o0
一方「・・・放すぞ」

一方通行が腕をほどく

番外「ホント、アナタは華奢だね」

ケラケラ、と番外個体が笑う

一方「うるせェな・・・」

番外「まぁでも、頼りにしてるよ」

そっと、番外個体が一方通行にキスをする
599 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 22:58:43.68 ID:BMW5Kg+o0
一方「・・・一周年っていいな」

番外「一周年じゃなくても、ミサカはアナタのこと、好きだよ?」

一方「当たり前だろ」

一方通行だってそうなのだから

番外「・・・そろそろ競技場に帰ろうか」

一方「あァ、そォだな」

二人が立ち上がる
600 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 23:00:20.45 ID:BMW5Kg+o0
お互いの手を握り締めて

離れないように、離さないように

番外(・・・あーあ、幸せすぎてミサカつまんないや)

番外(・・・でもね、一方通行)


番外(そのつまんなさが、幸せなんだ)

空には、眩しい太陽が昇っていた


大覇星祭は、まだ5日目の午前だった
601 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/15(月) 23:02:38.91 ID:BMW5Kg+o0
今日はここまで

やりたかったのはトチトリホームシックと番外通行

番外通行も魅力的なカップルだよね

本当に、いいカップルだよ

明日で800くらいまでにはできるかと

大覇星祭はいろいろやれて楽しいな・・・

ギャグはできないけど、こういうほのぼの幸せもいいかな、と

やや恋愛要素が強くなってるし

今までと趣旨が違いますが

ではおやすみなさい


サトリナ、おやすみ

今夜も月が綺麗ですよ
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/15(月) 23:11:40.57 ID:OJC64UpIO
>>1乙です
月が綺麗ですねって夏目漱石のプロポーズなんですよね、とミサカは>>1に再確認します

>>1さん、月が綺麗ですね、とミサカは照れながら言います////
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/15(月) 23:25:30.58 ID:bylOjMDb0
>>1

ミサカの口調はできないけどこれでも感謝してるんだぜ
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/16(火) 03:00:56.74 ID:tJjphY3IO
コミケでたくみなむちの超電磁砲の新刊買ったけど、絵とかストーリーとか見る度にこのシリーズをたくみなむちに描いてもらいたいと思ってしまう。
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/08/16(火) 05:32:43.19 ID:ZdZEnJo10
ものすごい今更だが、垣根は酔わないんじゃね?
あ、間違えた酔わないように出来る

例えば一方通行ならベクトル操作してアルコールを分解するだろうし、垣根はアルコールを分解する物質を体内に新たに精製出来るのでは?
とミサカは結論付けます
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/16(火) 08:24:06.97 ID:+JME1mn10
17600号xトチトリ・・・か
ふむ……ありだな
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (北陸) [sage]:2011/08/16(火) 08:51:31.37 ID:nYeeB2or0
>>606
まぁ・・・なしではないな
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/16(火) 09:19:24.40 ID:F4PvJkaDO
雑談しようぜスレで話題のクソスレはここですね^^
609 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 09:44:50.88 ID:n16adybp0
>>604 あの方の絵ってかなり上手いですよね
うらやましい

>>605 酔わなきゃ損、それがていとくんw


続きはそろそろ
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/16(火) 10:00:22.76 ID:FRgiKZFSO
そういや佐天さんとショチトルは学芸都市編辺りで知り合ってなかったっけ?
611 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:01:08.33 ID:n16adybp0
>>602 よし、こっちにおい(ry

>>606 いや、この二人はないですよww


垣根「暑いな・・・」

垣根は放送席で団扇を扇いでいた

正直、観客席に見せる姿とは言えない

心理「情けないわよ垣根」

垣根「だって暑いしさ・・・はい、扇いであげるから」

612 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:01:55.28 ID:n16adybp0
>>610 あれ読んでない方も多いのでなかったことにw

垣根が心理定規に風を送る

サラサラの髪の毛が少し揺れる

心理「あらありがとう」

吹寄「ねぇ・・・その団扇のデザインが気になるのだけれど」

垣根「ん、これか?」

垣根の右手に握られた団扇

613 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:02:31.07 ID:n16adybp0
よく分からない冷蔵庫が描かれている

しかもドヤ顔の

なんだか見ているだけでコンセントを抜いて中の食材全てを腐らせたくなってしまうような憎たらしさだった

垣根「ていとうこだよ、うらやましいか?」

吹寄「てい・・・な、何それ?流行ってるの?」

心理「気にしないで、彼のオリジナルキャラクターだから」

614 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:03:05.90 ID:n16adybp0
垣根「違うしー、マスコットグッズ売られてるしー」

心理「あなたが無理矢理店に置いてるだけじゃない」

垣根「ち、違うしー」

心理「無理矢理店長さんを脅してまで置いてほしかったの?」

垣根「・・・わ、悪いかよ!?」

吹寄「いや、悪すぎるわよ」

615 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:03:45.05 ID:n16adybp0
心理「全く・・・」

はぁ、と心理定規がため息をつく

彼はこういうふざけたキャラよりもカッコイイキャラのほうが似合っているのだが

心理「あなたって役者よね・・・」

垣根「なんか似たようなことをコイツにも言われたよ」

垣根が吹寄を指差す

616 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:04:26.02 ID:n16adybp0
吹寄「だって・・・貴様はホントにキャラがコロコロ変わるじゃない」

心理「でもそこも魅力的よ?」

心理定規が垣根の肩に頭を乗せる

垣根「お、なんだなんだ?」

心理「こうやって甘えてみるのもいいんじゃないかしら?」

垣根「これこれ、公衆の面前なんだぜ?」

617 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:05:08.78 ID:n16adybp0
心理「あら、見せ付けてあげればいいじゃない」

垣根「おいおい・・・」

垣根が呆れたように言う

さきほどもこんなことをしていて吹寄のオデコアタックを喰らったのだ

過去の二の舞だけは御免だった

吹寄「・・・心理定規はホントに小悪魔よね」

618 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:06:10.98 ID:n16adybp0
嫌味ではなく、素直な気持ちを吹寄が口にする

たしかに心理定規は小悪魔といっていい性格だった

大抵の男なら少し甘えられただけで堕ちてしまうだろう

そして堕ちた先には地獄が待っているのかもしれない

心理「あら、甘えてさえいれば大抵の男なんていい気になってくれるのよ」

吹寄「・・・それ、結構な問題発言よね」

619 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:06:41.72 ID:n16adybp0
垣根「・・・他の男にもそんな甘えた声出してんじゃねぇだろうな」

垣根が少しふて腐れたように尋ねる

心理「あら、もしかしてヤキモチかしら」

垣根「・・・お前は俺だけのもんだからな」

垣根がずい、と心理定規に体を近づける

心理「・・・分かってるわよ」

620 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:07:08.02 ID:n16adybp0
心理定規が垣根の頬に指を滑らせる

幸い、観客は今行われている競技を見るのに夢中らしい

彼らがイチャイチャしているのに気づいているのは放送席にいるわずかな人員だけだ

そのほとんどが顔を赤らめて気にしないようにしていた

垣根「・・・心理定規」

垣根が心理定規の顎に手を当てる

621 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:07:46.75 ID:n16adybp0
少しだけ彼女の顔を上に上げた

潤いのある唇が、彼の唇の正面に来る

心理「・・・」

垣根「愛してるぜ、心理・・・」

セリフの途中で誰かにパカーン!と頭を叩かれた

垣根「いってぇ!てめぇ吹寄!」

622 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:08:34.69 ID:n16adybp0
吹寄「ち、違うわよ!」

垣根「は?」

吹寄は垣根の右にいる

では後ろにいるのは


黒子「・・・何をされていますの?」

黒子だった

623 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:09:31.37 ID:n16adybp0
恐らく空間移動で現れたのか

あまり人が多いところには移動しないはずなのだが

それはつまり、そこまでしてでも伝えなければならない急用があったのだろう

黒子「少しマイクを借りますの」

吹寄「あ、あの・・・」

黒子「あぁ、申し遅れましたわ」

624 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:10:07.78 ID:n16adybp0
黒子が肩に付けた腕章を示す

黒子「風紀委員の白井黒子ですの」

吹寄「あ、風紀委員・・・」

垣根「・・・てめぇ白井・・・俺の頭を殴るとはいい度胸じゃねぇか」

黒子「あら、こんなところでいかがわしい行動をなさっているあなたには言われたくありませんの」

垣根「御坂に未だにアピールし続けてるてめぇが言うんじゃねぇよ」

625 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:11:10.97 ID:n16adybp0
黒子「あらまぁ、人の胸を揉んでばかりいるあなたには言われたくありませんわね」

垣根「はぁ?てめぇレイプでもされてぇのかよ」

意味の分からない火花を散らす二人

その喧嘩を止めたのは心理定規だった

心理「黒子、あなた用事があったからここに来たんじゃなかったの?」

黒子「あら、そうでしたの」

626 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:11:52.17 ID:n16adybp0
吹寄「なんの用事なんですか?」

黒子「いえ・・・あまりに熱中症の方が多いもので」

はぁ、と黒子がため息をつく

かなり疲れているようだ

垣根「じゃあ熱中症に気をつけろ、ってアナウンスすればいいんだな?」

黒子「あら、アナウンスしていただけますの?」

627 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:12:43.98 ID:n16adybp0
垣根「・・・まぁ仕方ねぇからな」

垣根がマイクを握る

垣根「あーあー、選手のみなさん、水分補給はこまめにしてください」

垣根「熱中症は恐ろしいです、ヘタをすればポックリ逝ってしまうのですから」

垣根「まぁ、死んでもいいよ、とかいうバカはそのままで結構」

垣根「たった120円出せば飲み物は買えますよー」

628 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:13:22.68 ID:n16adybp0
垣根「この先の人生がその飲み物に救われるかもしれませんね」

垣根「人生があと60年くらいとしましょう」

垣根「一年当たりを2円で買えるんです、安いでしょう?」

垣根「ちなみに俺はゲータレードをオススメしておこう」

垣根「水分がどうしてもないのなら水道を使ってくれよな!」

垣根「綺麗な水が出てくるから、だってここは学園都市だし」

629 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:14:17.12 ID:n16adybp0
垣根「以上、熱中症でぶっ倒れるなんて笑い者だからな」

垣根がアナウンスを終える

黒子「・・・あの、そういうアナウンスとは・・・」

垣根「なんだよ、ああいう脅してる感じのほうがみんなは言うこと聞くんだよ」

ケラケラ、と垣根が笑う

黒子「たしかに分かりやすかったかもしれませんが・・・」

630 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:14:47.81 ID:n16adybp0
吹寄「でもちょっとおかしい内容だったわよ」

心理「こっそりCM入れてたわよね」

垣根「聞こえない」

垣根が耳を塞ぐ

黒子「はぁ・・・ですがありがとうございますの」

黒子が頭を下げる

631 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:15:21.25 ID:n16adybp0
アナウンスをする手間が省けてありがたかったのだろう

垣根「なに、畏まるこたぁねぇよ」

ヒラヒラ、と垣根が手を振る

黒子「ではわたくしはこれで」

ヒュン、と黒子の姿が消える

吹寄「・・・空間移動?」

632 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:16:03.63 ID:n16adybp0
心理「えぇ、かなり便利そうな能力よね」

垣根「あんなもん精密すぎて演算が難しいだろ」

垣根がバカにしたようにつぶやく

彼の能力は非常に応用がきくのだ

だからこそ、演算が難しいなんてバカに出来るのだ

大抵の学生は空間移動系と聞いただけで尊敬の眼差しを送るのだから

633 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:16:37.29 ID:n16adybp0
垣根「しっかし・・・この暑い中をすぐに移動できるのは楽かもな」

心理「歩いて移動したらかなり汗をかくものね・・・」

吹寄「風紀委員なら、情報伝達にも便利かもしれないわね」

垣根「あぁ、そういう考え方もあるな」

良くも悪くも、黒子に似合っている能力だ

覗きに応用するのだけはいただけないが

634 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:17:23.85 ID:n16adybp0
垣根「・・・あぁ、あちぃ」

垣根が机に突っ伏す

心理「あら・・・私ともっと熱くなりたくない?」

垣根「そういうのは夜にしようぜ・・・」

うだー、と垣根が体をジタバタさせる

吹寄「どうでもいいけど、そうやって貴様がジタバタすると机が揺れてうるさいのよ」

635 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:18:12.15 ID:n16adybp0
垣根「おらおらー、垣根がバイブレーターになっちゃったぞー、カーキネーターだぞー」

くだらない、と吹寄がため息をつく

吹寄「はぁ・・・それにしても暑いわね」

この中で競技を行っている選手達はホントに疲れるだろう

垣根「あぁ・・・こんな中にいたらそりゃ熱中症にもなるよな」

心理「仕方ない場合もあるんでしょうね」

636 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:18:39.95 ID:n16adybp0
吹寄「あなた達も水分補給はしっかりしなさいよ?」

吹寄が二人にスポーツドリンクを差し出す

垣根「サンキュー・・・」

心理「はぁ・・・まだあと1時間あるのね」

午前の部が終わるまでまだ時間はあった

早いとこ涼しいレストランにでも行きたい

心理定規はそんなことを考えながら重い息を吐いていた


637 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:19:23.32 ID:n16adybp0
初春「・・・あ、おかえりなさい白井さん!」

黒子「とりあえずアナウンスは成功しましたの」

削板「これで倒れる学生が減ったらいいけどな・・・」

初春「そう簡単にはいかないですよ」

初春が苦笑する

誰もが自分はそんなことにはならない、とたかをくくっているのだから

638 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:20:00.75 ID:n16adybp0
黒子「まったく・・・こちらの苦労も少しは考えてほしいですの」

削板「でもみんな軽症みたいでよかったじゃないか」

黒子「そ、それはそうですが・・・」

黒子が決まりが悪そうにうつむく

なんだか、愚痴をこぼした自分があまりにも子供っぽく思えたのだ

初春「でも愚痴もこぼしたくなりますよ」

639 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:20:36.25 ID:n16adybp0
初春が汗を拭う

この炎天下の中、人が倒れたと聞いてはその現場に移動し

担架にその人物を乗せたらまた本部にまで戻ってくる

そんな重労働をしばらく続けているのだ

正直、彼女達の体にも疲れが溜まっている

黒子「ですが、弱音を吐いているヒマはありませんの」

640 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:21:35.89 ID:n16adybp0
削板「そうだな、根性で乗り切るぞ!」

天に向けて拳を突き出す削板

かなり暑苦しい彼だが、こういうときは非常に頼りになる

黒子「はぁ・・・風紀委員は競技を楽しむこともままなりませんの」

初春「仕方ないですよ、結果だって近くの電光掲示板を見なきゃ分からないんですから」

黒子「そうですのね・・・」

641 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:22:22.24 ID:n16adybp0
風紀委員だって一応は学生の集まりなのだ

やはりクラスメイトや友人と馬鹿騒ぎをしたい

削板「・・・大変だよなぁ」

初春「誰かがしないといけないことですからね」

初春が苦笑する

彼女は体力があるわけではない

642 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:23:05.51 ID:n16adybp0
ただ、正義感だけは人一倍強かった

削板「そういえば、ウイーハルさんはなんで風紀委員になろうと思ったんだ?」

初春「・・・私は白井さんに憧れて、ですかね」

黒子「あら、わたくしに出会う前から志願していたのでしょう?」

黒子が驚いたように尋ねる

初春「たしかにそうですけど、でもあの時白井さんに励まされてなかったら絶対に辞めてましたよ」

643 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:23:48.87 ID:n16adybp0
初春が頭をかく

こんな話をするのは初めてだったかもしれない

黒子「あら・・・そうだったんですの?」

初春「はい・・・今はあんまり尊敬してないですけど!」

ニコリ、と初春が微笑む

黒子「初春・・・喧嘩を売っているならそう言ってくださいな」

644 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:24:45.30 ID:n16adybp0
初春「いえいえ、私は儲けられないなら売ったりしませんよ」

黒子「風紀委員としてあるまじきセリフですの・・・」

初春「白井さんの変態もあるまじき行動ですよ?」

黒子「あら、あなたのお花畑もですの」


二人が火花を散らす

仲良しだなぁ、と削板は一人微笑んでいた


645 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:25:15.33 ID:n16adybp0
テクパトル「はぁ・・・17600号は上手くやってるかな」

19090「大丈夫ですよ、きっと」

御坂妹「テっくんは心配性ですね」

テクパトルと愉快なミサカ達は観客席に座っていた

しっかりと水分補給をしながら競技を見ている

20000「あ、あっちの学生さんちょっと可愛くない?」

646 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:25:52.45 ID:n16adybp0
10039「な、なんで女性を見ているのですか!」

20000「ミサカ、両方いけるんだよ♪」

13577「だ、だからミサカ達にあんなことをさせたのですね!?」

20000「あ、なんならここでもう一回・・・」

テクパトル「やめろ」

はぁ、とテクパトルがため息をつく

647 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:26:31.58 ID:n16adybp0
膝の上で頬杖をつき、あくびをする

暑いうえに、今行われている長縄飛びはヒマなのだ

盛り上がるタイミングは分からないし、何より見ていて映えない

もっとやる競技があるだろ、と感想を抱いていた

ちなみに彼が思い浮かべていたのはボクシングやら柔道やらとあまり大覇星祭には関係ないスポーツばかりだったのだが

19090「テっくん、お菓子食べますか?」

648 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:27:20.83 ID:n16adybp0
テクパトル「ん・・・何があるんだ?」

19090「ガムとチョコとポテチと・・・」

テクパトル「いや、この暑さじゃチョコは溶け・・・」

19090「あぁ!チョコがドロドロになっています!」

御坂妹「ゲコ太型だったのに!」

20000「ハァハァ・・・こ、この溶けたチョコを全身に塗りたくったらテっくんは舐めてくれる?」

649 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:28:09.29 ID:n16adybp0
テクパトル「断る」

14510「どうせ19090号がやっていたら喜んで食いつくんですよ」

テクパトル「んなわけないだろ!」

頭を抱えながらテクパトルが否定する

どうもミサカ達の思考回路は一般とずれているらしい

おかげで退屈をしないのはありがたかったが

テクパトル「にしても・・・今日はまた一段と暑いよな」  
650 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:30:26.71 ID:n16adybp0
19090「・・・そうですね・・・」

御坂妹「暑いですよね・・・」

ミサカたちがTシャツやらスカートやらをパタパタさせる

テクパトル「・・・そういう行動はやめたほうがいいぞ」

13577「おや、なぜですか?」

19090「・・・は、肌が見えるからですよ?」

14510「・・・なるほど」
651 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:32:42.00 ID:n16adybp0
20000「あれか、テっくんはミサカたちの柔肌を見ると勃起しちゃうのか」

テクパトル「ちげぇよ・・・」

10039「テっくん、なんだか疲れてますね」

20000「まさかもう賢者・・・」

テクパトル「だから違う!!!」

テクパトルは頭を抱えていた

20000号は変態すぎる
652 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:35:01.52 ID:n16adybp0
20000「ねぇ、勃起して辛いならミサカが・・・」

テクパトル「はぁ・・・もうイヤだ」

10033「おなかが空きました、テっくん」

御坂妹「テっくん、喉が渇きました」

19090「あ、あの競技はなんですか?」

テクパトル「俺は聖徳太子じゃない・・・」

もう一度

テクパトルは溜め息をついた
653 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:37:58.95 ID:n16adybp0

上条「・・・はぁ」

イン「あー!!このお菓子美味しいんだよ!」

インデックスはまだ食べ物を漁っていた

神裂「インデックス・・・そろそろ昼ごはんですよ?」

美琴「そんなに食べて大丈夫なの?」

イン「うん!!ちょっとおなかを温めないと!!」

ステイル「は、ははは・・・」
654 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:40:00.31 ID:n16adybp0
五和「で、ですが太ったら・・・」

イン「?私は太らないんだよ?」

クッキーをむさぼりながらインデックスが首を捻る

上条「あのなぁ・・・そういう問題じゃないんだよ」

イン「どういう問題?分からないかも」

上条「俺たちはこれから昼飯なの!!そんな光景見せられたら腹いっぱいになるんだよ!」

イン「じゃあ私の分け前が増えるの!?」
655 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:43:10.24 ID:n16adybp0
上条「なんでそうなんだよ!!」

上条が頭を抱えながらうめく

何しろ、目の前では未だにインデックスがクッキーを吸っているのだ

見ているだけでおなかが膨れる

これから自分が何かを食べるのさえイヤになるほど、インデックスはたくさんの量を食べていた

ステイル「だが、食べすぎは体に悪いよ?」
656 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:44:59.91 ID:n16adybp0
イン「?タバコのほうが悪いんだよ?」

上条「それはいいわけだ!!」

ステイル「ニコチンがない世界は地獄だ!」

イン「食べ物がない世界は阿鼻叫喚図なんだよ!」


美琴(よくやってられるわね・・・)ハァ

神裂(あの子は昔からよく食べましたね・・・)
657 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:46:27.54 ID:n16adybp0
上条「大体、ステイルが全部払ってるんだろ!?」

イン「そ、それは・・・」

上条「甘えてんじゃねぇよ!!」

上条が右手を握り締める


美琴(く、来るわねそげぶ!!)

五和(ま、間近で見るのは久しぶりです!)

神裂(・・・これはなかなか見ものですね・・・)
658 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:48:29.83 ID:n16adybp0
上条「なんでそうやって今の状況に甘えてるんだよ!?」

上条「ステイルはお前を思っていた!!だからお前にこうやって・・・」

ステイル「上条当麻、この子を悪く言わないでほしい」

上条「あ、今説教・・・」

ステイル「いいかい、僕の金なんだ」

ステイル「どう使おうが僕の自由だろう?」

上条「い、いや・・・」
659 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:50:33.89 ID:n16adybp0
美琴「と、当麻負けないで!!」

上条「お、おう!!」

ステイル「とにかく、君がどうこう言うことではないよ、文句言うならイノケンティウスだ」

上条「ごめんなさい」

美琴(あ、負けた)

神裂(負けましたね・・・)

五和(て、手加減をしたんですよ!)
660 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:53:32.88 ID:n16adybp0
上条「・・・そうだ、それより昼飯・・・」

上条がぽつりとつぶやく

美琴「まぁ・・・食欲は正直湧かないけどね」

ステイル「じゃあ、レストランにでも行こうか」

6人が立ち上がる

イン「昼ごはん♪」


インデックスだけは、まだ楽しそうだった
661 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:56:41.55 ID:n16adybp0

エツァリ「・・・穏やかな 夏の陽射しが 降り注ぐ」

ショチトル「70点」

エツァリ「おや、厳しいですね」

こちらの二人はなぜか俳句を読んでいた

トチトリがいないため、また二人なのだ

ショチトル「なんか・・・ヒマだな」
662 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 10:59:12.79 ID:n16adybp0
エツァリ「えぇ・・・テクパトルたちはどうでしょうか」

ショチトル「なに、任せていいだろう」

ははは、とショチトルが笑う

エツァリ「・・・そうですね、彼には暖かい家族もいますから」

ショチトル「しかし、ホームシックとはな」

ショチトルは少し驚いていた

トチトリはかなり精神的に強い少女だ
663 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 11:03:26.31 ID:n16adybp0
テクパトルに利用されたときも

そのあと、立派に立ち直った

そんな少女があそこまで泣き崩れるだなんて

エツァリ「それほど、家族は大切なのでしょうね」

ショチトル「そうだな・・・」

二人が苦笑する

エツァリ「・・・彼女も、普通の生活を手に入れたのですね」
664 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 11:05:23.79 ID:n16adybp0
ショチトル「・・・私達と一緒だな」

あの組織にいたころとは違う

普通の、平凡すぎる生活

エツァリ「・・・幸せですね」

ショチトル「それは、人それぞれさ」

もしかしたら

誰かは、あの組織が幸せだったのかもしれない
665 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 11:07:13.96 ID:n16adybp0
人を殺すことが幸せな人間

誰かを顎で使うのが幸せな人間

仕事だけをして生きるのが幸せな人間


そんな人間だって、あの組織にいただろう

エツァリ(そうだとは、信じたくないですがね)

ショチトル「それでも、あの組織が不必要だったと言い切れるのかな」
666 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 11:09:00.26 ID:n16adybp0
エツァリ「・・・どうなんでしょうか」

エツァリにはわからなかった

たしかに、彼は今幸せだ

テクパトルやショチトル、そしてトチトリもそうだろう

そして、トチトリと共に暮らしている家族も

エツァリ「ですが、中には組織の再編を狙っているものもいるでしょうね」

ショチトル「あぁ、そうだとも」
667 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 11:10:48.68 ID:n16adybp0
エツァリ「・・・いったい、幸せとはなんなのでしょうか」

ショチトル「そうだな、答えなど無いさ」

ショチトルが苦笑する

彼らは今幸せだ

組織と言うものを犠牲にしたうえで成り立っている幸せだ

ショチトル「・・・誰かを犠牲にした幸せか」
668 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 11:12:42.99 ID:n16adybp0
エツァリ「そうだとしても、自分はそれで構いません」

エツァリは今の幸せを手放すつもりはない

ショチトル「・・・幸せ、か」

ははは、とショチトルが苦笑する

エツァリ「・・・自分は、この幸せだけを守れたらそれでいいんですよ」

ショチトル「そうだな、私もだよ」
669 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 11:15:07.05 ID:n16adybp0

エツァリ「そろそろ昼時ですね」

ショチトル「・・・そうだな」

二人がレストランへ向かう

こういった幸せが、嬉しいのだろうか

ショチトル「そういえば、上条たちは競技に出ないのかな」

エツァリ「あ、そういえばそうですね」
670 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 11:17:03.21 ID:n16adybp0
ショチトルがパンフレットを広げる

競技の項目には、上条たちの高校は乗っていない

エツァリ「おや・・・今日もないのですね」

ショチトル「そうだな、大覇星祭なんて基本ヒマな時間のほうが長いらしいし」

エツァリ「では、行きますか」


大覇星祭5日目

そろそろ盛り上がりに欠ける時間帯になってきた
671 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 11:19:33.86 ID:n16adybp0

いったん休憩

ネタ切れがヤバイぜおい・・・w

かといって他のキャラはこれ以上出したらさすがにキツいし

よし、姫神と吹寄のまったり昼ごはんでもやろう

672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/08/16(火) 11:19:57.09 ID:9PIBzSi60
いつか、番外通行の番外編が見たいです。
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/08/16(火) 11:30:29.61 ID:YSv6Ycvw0
あわきん出してーー
674 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 11:51:44.72 ID:n16adybp0
>>672
>>673 そういうのはないかとww

いや、あわきんはキャラが難しいって言うかセロリと被るし

それに、番外通行はもうやったし

個人的に、早いとこ大覇星祭終わらせたいですね、うん
675 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:03:29.68 ID:n16adybp0

垣根「あー、昼飯だ昼飯」

垣根が放送席で弁当箱を広げる

吹寄「あら、今日は食べに行くんじゃないのね」

垣根「あぁ、作ってきたんだよ」

心理「どうりで朝早く起きてたわけね・・・」

吹寄「え、垣根って料理上手なの?」
676 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:05:29.59 ID:n16adybp0
垣根「あぁ、わりと得意だぜ」

垣根が弁当箱の中を吹寄に見せる

色とりどりの弁当だった

バランスも良さそうで、なおかつ美味しそうな弁当

女子でもここまで立派な弁当を作れる人は少ないだろう

吹寄「へぇ・・・美味しそうね」

垣根「心理定規のもあるぞ」
677 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:06:53.38 ID:n16adybp0
心理「あら、ありがとう」

心理定規が垣根から弁当箱を受け取る

心理「あなたのとは中身が少し違うのね」

垣根「そっちのほうが楽しいだろ、はい吹寄」

吹寄「・・・え、なに?」

垣根「なにじゃねぇよ、お前の分」

垣根がもう一つ弁当箱を差し出す
678 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:08:03.84 ID:n16adybp0
吹寄「・・・私の分なの?」

垣根「あぁ、一応ヘルシーにしといたぜ」

キリッ、と垣根が決める

吹寄「ありがと・・・」

パカっと蓋を開ける

たしかに、健康に良さそうな食材を使っている

しかし、それでも美味しそうなのは垣根の腕がいいからだろう
679 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:09:22.86 ID:n16adybp0
心理「あら、かなりヘルシーね」

横から心理定規が覗き込む

吹寄「・・・でも、少しカルシウムが少ないわね」

垣根「どこの栄養管理職だよ」

吹寄「逆にたんぱく質が多すぎるわね」

心理「テクパトルとかは喜びそうね」
680 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:11:00.11 ID:n16adybp0
吹寄「じゃあ・・・」

垣根「はいはーい!!しわとしわを合わせて!?」

吹寄「え?」

心理「幸せ!!」

垣根「ふしとふしを合わせたら!?」

心理「それはダメ!!」

吹寄(な、なにこれ!?)
681 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:12:18.80 ID:n16adybp0
垣根「ブルータス、お前もか!?」

心理「私も、そしてお前もだ!!」

垣根「鎧戸を!!」

心理「開けてくれ!!」

垣根「もっと!!」

心理「光を!!!!!」


垣根「いただきます!!!!」

心理「いただきます!!!!!!」

吹寄「い、いただきます・・・?」
682 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:13:51.67 ID:n16adybp0
垣根「捥ぐ捥ぐごっくん!!」

心理「捥がないで」

吹寄「?何目隠しを持ってきているの?」

垣根「説明しよう!目を閉じて何かを食べ、それが何だったかを当てるのだ!!」

心理「ちなみに、不正解だとこのビリビリジュースを飲まないとダメよ」

吹寄「そ、それで?」

垣根「二人が挑戦してくれ」
683 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:16:06.21 ID:n16adybp0
垣根「ちなみに!!目隠し外したらその時点で失格な」

吹寄「・・・ヘンなものは食べさせないでね」

心理「まぁ、そこは大丈夫よ」

垣根「じゃ、目隠し目隠し」

垣根が二人に目隠しをする

垣根「では、観客席のみなさん!!」

一同「いぇーーー!!!!」
684 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:19:03.29 ID:n16adybp0
垣根「盛り上がっていきましょう!!」

一同「ふぉーーーー!!!!」

垣根「では、二人にはヘッドフォンもしてもらいます」

心理「?」

垣根「観客席には何を食べたか伝えるんだよ」

心理「あぁ、なるほどね」
685 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:20:19.51 ID:n16adybp0
垣根「よし、ではヘッドフォンもつけたし・・・」

垣根が怪しい箱を取り出す

垣根「この中に、いろんな食材が書かれたクジが入ってる!!」

垣根「まずは!!この食材だ!」

一本、クジを引く


垣根「最初に二人が食べるのは、>>686!!!」
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/08/16(火) 12:21:30.97 ID:qkKVhyywo
プロテイン
687 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:23:29.13 ID:n16adybp0
垣根「プロテイン!!食べるというよりは飲むものだけどね!!」

一同「おー!!」

垣根「ちなみに、提供はチャンピオン社!!」

垣根「ホエイスタックプロテインはまさに王道!」

垣根「おそらく、全世界で最も飲まれているプロテインと言っていいでしょう!!!」

垣根「味はさまざま、もちろんたんぱく質を一回で25g程度も取れてしまいます!」

垣根「味だって、日本のものとは比べ物になりません!」
688 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:24:44.62 ID:n16adybp0
垣根「価格も安く、味もよし!」

垣根「今回は、クッキー&クリーム味、甘党にはたまらない一品です!!」

垣根(テクパトルの書いた説明文だがいいのかこれ?)

垣根がプロテインを水に溶かす

少し濃い目にして、できるかぎり分かりやすくする

垣根「じゃ、ヘッドフォン外すぞー」

垣根が二人のヘッドフォンを外す
689 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:25:48.76 ID:n16adybp0
心理「・・・観客席がヘンな盛り上がりを見せているのはなぜ?」

垣根「坊やだからさ」

吹寄「とりあえず、早くしてくれないかしら」

垣根「はい、これはちょっと飲み物だな」

心理「ちょっとじゃない飲み物があるの?」

垣根「バリウムとか」

心理「飲み物じゃないわね」
690 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:27:20.43 ID:n16adybp0
ゴクリ、と二人が飲む

心理「んっ・・・なんかちょっとドロドロしてない?」

吹寄「・・・ダマはないから、しっかり溶かしたのかしら?」

心理「・・・ねぇ、ヘンなものじゃないわよね?」

垣根「公衆の面前でヘンなものは飲ませねーよ、吹寄のほうが分かりやすいかも」

吹寄「うーん・・・ちょっと待って」

691 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:28:31.77 ID:n16adybp0
垣根「では、形容してみよう!!」

吹寄「え、何を飲んだのか当てる・・・」

垣根「オリジナリティー溢れる名前にしてあげよう!!」

垣根が無茶振りをする

吹寄「え、えっと・・・」


吹寄「ネバついた・・・」

心理「亜熱帯」
692 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:29:39.79 ID:n16adybp0
垣根「はい、こちらはこれからネバついた亜熱帯と呼ばれることになりました!!」

わー!!と観客席から声が上がる

吹寄「ねぇ、結局なんだったの?」

垣根「プロテイン」

心理「分かるわけないでしょ・・・」

垣根「はい、またヘッドフォン!!次は・・・」


垣根「>>693!!」
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/16(火) 12:30:48.75 ID:bc0H0+OIO
イ、インデックスさんや…
男の人はおおぐいの人は苦手なんやで?
694 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:32:37.08 ID:n16adybp0
ちょww


垣根「インデックスさん!!」

え?と観客席が首を捻る

垣根「えー、こちらにイカが用意されています」

垣根「これはもはや、インデックスと言っていいでしょう」

垣根が二人のヘッドフォンを外す
695 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:33:34.59 ID:n16adybp0
心理「・・・うわ、なんかコリコリしてるわね・・・」

吹寄「・・・ちょっとイカ臭くない?」

心理「・・・」

吹寄「・・・」


心理「ちょっと垣根、何してんのよ」

垣根「俺にチソコは一つしかないぞ」
696 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:34:42.18 ID:n16adybp0
吹寄「あれ、なんか吸盤があるわね」

心理「あ、分かったかもしれないわ・・・って言うかさっき答え出たわよね」

垣根「お、では答えは!?」


吹寄「イカ!!」

心理「ゲソ娘」


垣根「正解!!まさか二回目で正解とは!!」
697 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:36:11.95 ID:n16adybp0
垣根「いやぁ、なかなかに盛り上がってまいりました!!」

一同「いぇーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」

女の子の少しエッチな反応が好きなのだろうか

観客席が異常に盛り上がっている

垣根「さぁ、次は・・・」


垣根「>>698!」
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/16(火) 12:38:12.81 ID:rw8qLRs10
酢豚のパイナップルいってみようか!
・・・案外わかりにくいと思うww
699 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:40:28.54 ID:n16adybp0
垣根「酢豚のパイナップル!!」

垣根「じゃあ、パイナップルに酢豚のエキスをたくさんつけましょうねー」

垣根がパイナップルを浸す

垣根「よーし、行って見よう!」


心理「・・・?甘い・・・かしら」

吹寄「え、ちょっとしょっぱくない?」

心理「あら・・・でもそう言われたら・・・」
700 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:42:09.84 ID:n16adybp0
心理「・・・シャリシャリしてるわね」

吹寄「えっと・・・甘くて、でもしょっぱくて・・・」

心理「シャリシャリしてるもの・・・」

吹寄「んー・・・なんだろ?」

心理「私が思うに、魚介系じゃないかしら?」

吹寄「うん、エビとかよね」

垣根(こいつらバカだべ)
701 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:43:18.82 ID:n16adybp0
心理「よし、じゃあ形容するわね」

垣根「あぁ、頼む」


吹寄「ダイビングが得意な」

心理「クソガリ」


垣根「はい、これからはこちらはダイビングが得意なクソガリになりました!!!」

吹寄「ん?パイナップル?」

心理「あぁ、酢豚に浸したのね」
702 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:44:51.16 ID:n16adybp0
垣根「あー、そろそろお時間ですね」

心理「まぁ、わりと楽しかったんじゃない?」

垣根「そうかもな」

吹寄「ではみなさん!!午後もがんばっていきましょう!!」

一同「おーー!!」

まだまだ暑い陽射しが差している

放送席の人員は必死に盛り上げようと苦戦していた
703 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 12:45:48.38 ID:n16adybp0
いったん休憩

筋トレだw

あれだね、そろそろハイペースにして明日で大覇星祭終わらせる

最後の日はナイトパレードだけ書ければいいし

そしたら俺、次はハロウィンを書くんだ
704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/16(火) 12:47:12.48 ID:4jvaacFIO
ハロウィンはエツァリが暴れそうだな
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/08/16(火) 12:50:42.77 ID:BzmUxbC20
>>704
仮装で色々目立って暴れようとして、結局そのまま目立てないで終わっちゃう未来が見えた
706 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 15:13:42.49 ID:n16adybp0
いや、申し訳ない

急にバイト先に呼ばれてしまって3時までバイトしてました

2時間とかどんだけww

今から筋トレ、日焼けなので投下は遅くなるかと

今日までに800までは行きますのでお許しを
707 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 16:51:14.99 ID:n16adybp0
17600「で、ここがミサカたちのお気に入りの店だ」

17600号とトチトリは学園都市の中を散策していた

競技など興味はないし、他にやることもないからだ

トチトリ「・・・へぇ・・・」

17600「アクセサリとか好きか?」

トチトリ「あ、あぁ!!」

トチトリがうなずく
708 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 16:53:18.97 ID:n16adybp0
トチトリ「アクセサリには魔術的な意味が含まれるからな!」

17600「なるほどな・・・」

トチトリ「ただの十字架のネックレスでさえ、少し細工を加えれば霊装になってしまう!!」

17600「魔術ってのはなかなか面白いな」

17600号が興味深そうに訊ねる

トチトリ「ただ、体力を魔力に精製するから・・・」

17600「体力は減りやすい、か」

トチトリ「あぁ」
709 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 16:55:03.62 ID:n16adybp0
17600「長期戦になれば科学側が有利、その変わり異様性では魔術、か」

トチトリ「す、すごい理解力だな」

17600「なに、たまにテっくんから聞くからな」

ふふん、と17600号が胸を張る

そうしても、あまり胸が強調されないのは悲しかったが

トチトリ「・・・17600号は・・・なんでテクパトルと過ごしてるんだ?」

17600「ん、ミサカか?」
710 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 16:56:17.73 ID:n16adybp0
トチトリ「あぁ・・・正直、あいつとずっと一緒にいるのは疲れないか?」

トチトリが訊ねる

それも仕方の無いことだろう

昔のテクパトルは少し話をするだけでも疲れてしまうほどの人間だった

それと一緒に暮らすなんて

もちろん、今のテクパトルが変わったのはわかっているが

17600「・・・そうだな」
711 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 16:57:34.20 ID:n16adybp0
17600号が顎に手を当てる

当たり前のことをなぜ、と聞かれてもすぐには答えは出てこない

17600「・・・最初はミサカたちがお世話になってるから、だったな」

トチトリ「・・・それだけ、か」

17600「あぁ」

もし彼が他のミサカの世話をしていなかったら

そもそも二人は出会っていなかっただろう
712 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 16:58:40.00 ID:n16adybp0
17600「でも、過ごすうちに少しずつ分かっていったのさ」

トチトリ「・・・なにが?」

17600「テっくんのことさ」

17600号が笑う

その横顔は楽しそうだった

17600「あいつはバカなほど真っ直ぐだ」

トチトリ「・・・まぁ、昔もそうだったかもな」
713 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 16:59:34.13 ID:n16adybp0
17600「そして、その真っ直ぐな道は決して間違っていない」

トチトリ「そうかな・・・」

17600「そばにいるミサカたちが言うんだ、間違いないさ」

トチトリ「・・・だから一緒にいるのか?」

17600「居心地がいいからな」

トチトリ「・・・そうか」

トチトリがうつむく
714 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 17:00:28.30 ID:n16adybp0
トチトリ「・・・お前は」

17600「ん、なんだ?」

トチトリ「テクパトルのこと、好きなのか?」

17600「恋愛感情はないよ」

ははは、と17600号が笑う

17600「家族としては大好きだがな」

トチトリ「・・・そっか」
715 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 17:01:16.47 ID:n16adybp0
17600「お前も、今のテっくんはいいヤツだと思うだろ?」

トチトリ「誑しだがな」

17600「あぁ、それは否定できない」

トチトリ「だろ?」

二人が顔を見合わせて笑う

17600「でも、いいヤツさ」

トチトリ「そうだな」
716 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 17:02:11.69 ID:n16adybp0
17600「・・・ホント、いいヤツだよ」

ふと

17600号が真剣な顔をする

クローンである彼女達に優しくしてくれる

それはとても変わっていることだった

それを受け入れ、認めてくれる

17600「ホント、優しいよ」
717 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 17:03:05.21 ID:n16adybp0
トチトリ「いい家族だな」

17600「あぁ、自慢の家族だ」

トチトリ「・・・私の家族と同じくらい、な」

17600「お前の家族は暖かいか?」

トチトリ「あぁ、すっごくな」

17600「そりゃよかったな」

トチトリ「あぁ、幸せだよ」
718 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 17:04:00.38 ID:n16adybp0
17600「・・・ミサカは、今の生活が好きだ」

17600「お前もそうだろう?」

トチトリ「・・・この時間が好きだな」

17600「この時間?」

17600号が首を捻る

まるで彼女といるのが楽しいというように聞こえたのだ

トチトリ「あ、ヘンな意味ではなく!」
719 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 17:05:00.66 ID:n16adybp0
17600「あぁ、分かってるよ」

トチトリ「・・・お前はなんか、お姉ちゃんみたいな存在だな」

17600「・・・姉、か」

彼女の姉は

もっと強くて、もっと優しかった

17600「ミサカはお姉ちゃんなんてなれないさ」

トチトリ「?」
720 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 17:05:54.52 ID:n16adybp0
17600「さて、そろそろテっくんのところに帰ろうか」

もう競技は始まっている時間だ

競技場に帰れば会えるだろう

トチトリ「・・・あ、あのさ!!」

トチトリが声を上げる

17600号は立ち止まって振り返る
721 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 17:06:48.23 ID:n16adybp0
トチトリ「・・・た、楽しかったよ」

17600「そうか」

ニコリ、と17600号が笑う

あまり感情が豊かではない

それでも、その笑顔は嬉しそうだった

トチトリ「・・・ま、また」

17600「なんだ?」
722 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 17:07:57.14 ID:n16adybp0
トチトリ「また、さ」

顔を真っ赤にして

トチトリが17600号を見つめる

トチトリ「あとで、二人で話してくれるか?」

17600「?あぁ」

少し鈍感な少女

少し不器用な少女


二人の抱える感情はまったく違った
723 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 17:37:27.20 ID:n16adybp0
削板「あ、競技の始まる時間か」

削板がぽつりとつぶやいた

競技が始まった、ということはまた熱中症になる学生が増えるだろう

黒子「垣根さんにアナウンスはしていただきましたが・・・」

初春「それでも完全にいなくなるとは考えられないですね・・・」

削板「ま、数が減るならそれでいいさ」

724 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 17:37:53.89 ID:n16adybp0
スポーツドリンクを飲みながら削板が苦笑する

風紀委員の仕事というのは本当に様々だ

パトロールやら熱中症患者の介抱やら

よく耐えられるものだ、と心の中で感心する

初春「減るだけじゃダメです!もっと一人一人が自覚を持って解決策をとってくれないと!」

黒子「この大人数が全員、はい分かりました、なんて言うわけないですの」

725 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 17:38:25.67 ID:n16adybp0
初春「そんな現実的なことを言わないでください!」

削板「でも何人かは無視するヤツもいるんじゃないか?」

黒子「むしろ警告を真摯に受け止めて下さる方のほうが少ないと思いますの」

はぁ、と黒子がため息をつく

彼女としても選手全員がしっかりと対策をしてくれたほうがありがたいのだ

しかしまさか200万を超える学生全員がしっかり言うことを聞くなんて考えられない

726 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 17:38:52.26 ID:n16adybp0
悲しいことだがそれが事実だ

そして、彼女達風紀委員はそんな事実と向き合わなければならないのだ

初春「はぁ・・・佐天さんから一緒にスイーツ食べないかって誘われてるんですよね」

黒子「仕事を第一になさいな」

初春「だって!大覇星祭中限定のメニューですよ!?やっぱり気になるじゃないですか!」

黒子「邪念を捨てるのです、初春!」

727 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 17:40:09.44 ID:n16adybp0
二人がまた火花を散らす

よく飽きないものだ 

削板「・・・はぁ、それにしてもヒマだな」

今は昼休みが終わってすぐは意外とヒマなのだ

熱中症だった患者も回復し、それぞれの競技へ向かっている

中にはやや重い症状のために病院に運ばれている者もいるが
728 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 17:41:37.97 ID:n16adybp0
黒子「これから忙しくなりますから、構えておかないといけませんの」

初春「はぁ・・・また患者にスポーツドリンクを渡す仕事が始まります・・・」

削板「どっかで聞いたようなネタだな」

黒子「?」

初春「・・・佐天さんは今頃・・・」

スイーツを食べているのだろう

とても、うらやましかった
729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/08/16(火) 17:58:12.03 ID:9vxeDwxt0
学園都市の人口は230万人でその8割が学生だったよな?
そうやって計算すると式は
2300000÷10×8
という風にすると簡単に学生がどれだけいるか分かるけど
計算したら学園都市の人口の内、約184万人が学生だということが分かった、
つまり>>725は間違っている可能性がある!
730 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 18:02:34.14 ID:n16adybp0
>>729 729 まぁ細かいことは気にしない

続きは後ほど

頭痛くなってきたw
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/08/16(火) 18:54:03.67 ID:Y8r/oWTLo
>>729
懐かしい計算方法だな
732 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:16:37.76 ID:n16adybp0

佐天「あれ、誰かに呼ばれたような・・・」

■■「気にしなくていいと思う」

佐天「そうだよねー!」

佐天と■■

正直地味な二人である

なぜ、この二人が一緒にスイーツ店にいるのか
733 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:18:34.64 ID:n16adybp0
いや、二人ではない

御坂妹「お、こちらのケーキも美味しそうですね・・・」

19090「こっちはクッキーですか・・・」

20000「やっべぇ・・・こりゃ天国だぜ」

佐天「みんなも何か食べなよ!」

10033「では・・・」

テクパトル「・・・はぁ」
734 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:19:51.67 ID:n16adybp0
テクパトルと愉快なミサカたち

なぜか、佐天、■■と面識を持ってしまったのだ

佐天「ねぇ、テクパトルさんは食べないの?」

テクパトル「あぁ・・・今はいい」

■■「あなたは。空気を読まないのね」

13577「読めないんですよ」

テクパトル「ちげぇよ・・・」
735 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:21:27.84 ID:n16adybp0
14510「テっくん、食べなきゃ店の人に悪いですよ?」

テクパトル「・・・仕方ないな」

テクパトルが適当にケーキを探す

この店はケーキやらクッキーやら、スイーツをバイキングできるのだ

テクパトル(・・・甘そうだな)

いかにも女子が好きそうな商品ばかりだ
736 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:23:23.59 ID:n16adybp0
テクパトル(・・・いや、これは甘そうだな・・・)

テクパトルは別に甘いものが嫌いなわけではない

しかし、こうも暑い時期に甘ったるいものを食べたいとは思わない

テクパトル(・・・チョコケーキでいいか)

一つだけトレイに乗せ、彼はテーブルに帰る

19090「・・・一つだけ・・・」

■■「ダメな人」
737 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:24:32.11 ID:n16adybp0
テクパトル「仕方ないだろ・・・」

19090「で、ですがバイキングですよ?」

佐天「お金もったいないじゃん」

13577「そうですよ、テっくん」

テクパトル「・・・甘いものは今はいいんだよ・・・」

20000「もったいないぞ」

テクパトル「・・・」
738 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:25:55.39 ID:n16adybp0
他のメンバーのトレイを見る

ケーキにクッキー、ドーナッツやらモンブランやら

そんな甘いものばかり食べたら太るのでは、と心配になるほどスイーツが乗っている

テクパトル「・・・よく食えるな」

■■「甘いものは。別腹」

■■がケーキを口に運ぶ
739 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:27:24.30 ID:n16adybp0
御坂妹「テっくん、そんないやらしい目で見ないでください」

テクパトル「俺が見てるのはスイーツだ」

20000「え、スイーツに欲情してんの?」

テクパトル「んなわけあるか」

佐天「ほらほら、もっと食べなよ!」

佐天が身を乗り出しながらテクパトルに言う
740 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:29:04.83 ID:n16adybp0
そういう体勢は、胸元が見えそうになるのだ

普通の学生なら多少ドキドキとしてしまうだろう

しかし、テクパトルはミサカたちの下着姿なんて日常的に見ている

それに比べたら、興味のない女性の胸元などどうでもよかったのだ

テクパトル「・・・はぁ」

しぶしぶ、テクパトルがケーキを食べる

チョコの甘みが口に広がった
741 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:30:17.91 ID:n16adybp0
19090「どうですか、テっくん?」

テクパトル「どうって・・・」

テクパトルが言葉に詰まる

美味しい、それはたしかだ

しかしどう、と言われても形容しがたい

美味しい、と言ってもつまらないだろうし、かと言って、これといった例えもない
742 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:31:31.41 ID:n16adybp0
テクパトル「そうだな・・・」

佐天「うんうん!!」

■■「どんなコメントをするのか。気になる」

御坂妹「これは期待ですね」


テクパトル「・・・お前にも食べさせたくなったよ」

テクパトルが19090号を見つめながら言う

19090「・・・えっ?」
743 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:33:22.75 ID:n16adybp0
佐天「くぁーっ!!うらやましいね!!」

■■「こうやって。世界はカップルで埋め尽くされた」

13577「わら人形買ってきますね」

10039「落ちついてください、テっくんの頭にわら人形を打ち付ければいいんですよ」

10033「それは名案です」

テクパトル「いや・・・そのネタはマイナーすぎる」
744 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:35:02.80 ID:n16adybp0
14510「・・・真っ赤ですよ」

19090「あ、あわわわ!!」

テクパトル「?食べたいのか?」

■■「鈍感でプレイボーイ。上条君に似てる」

佐天「?誰?」

■■「ひどい人」

佐天「?」
745 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:36:54.05 ID:n16adybp0
テクパトル「上条と一緒にするな・・・」

御坂妹「いえ、そっくりです」

テクパトル「マジかよ・・・」

がっくり、とテクパトルが肩を落とす

あの上条と一緒

ということは、自分は相当不幸なのだろうと

重要な論点がずれているのには気づいていない
746 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:38:51.49 ID:n16adybp0
佐天「ほらほら、とにかくじゃんじゃん食べよう!!」

10033「おー!!」

女達は本当に甘いものが好きだ

食べ終わったと思ったらすぐにまた取りに行く

テクパトル(・・・太るぞ)

たった一人の男であるテクパトルは

そんな、失礼な感想を抱いていた
747 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:42:50.70 ID:n16adybp0

垣根「ほーほーほけきょ」

心理「季節はずれよ」

放送席では

未だに垣根がふざけている

垣根「あーあ、初日とか二日目は楽しかったのにな・・・」

吹寄「・・・仮にも実行委員である私の前で言わないでほしいわね」

垣根「えー」
748 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:45:34.94 ID:n16adybp0
垣根「だってさ、放送席が盛り上げなきゃいけないなんておかしいぜ?」

吹寄「そ、それはそうだけど・・・」

吹寄が少しうろたえる

必死に企画をしたのであろう、彼女だって今回の大覇星祭には自信を持っていたのだ

垣根「あー、つまんねぇよ」

吹寄「き、貴様・・・」

心理(あら、怒っちゃうわよ)
749 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:48:23.29 ID:n16adybp0
垣根「いいか、お前がしっかりしないからだぜ?」

吹寄「貴様!!それは少し言いすぎよ!!」

垣根「いやいや、だってよくよく考えろよ?」

垣根がプログラムを見直す

垣根「なんで綱引きのあとに大玉ころがしなの?」

垣根「普通はそこで二人三脚だろ?」

吹寄「そ、そういうものなの?」
750 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:50:19.11 ID:n16adybp0
垣根「心理定規もそう思うよな?」

心理「あら、私は綱引きのあとは借り物競争がいいと思うわ」

垣根「えー、時間掛かりすぎるじゃん」

吹寄「二人三脚もでしょ・・・」

垣根「いいか、綱引きとは集団と集団の戦いだった」

心理「えぇ、それはそうね」
751 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:51:44.91 ID:n16adybp0
垣根「つまり、それは個ではなく集団として戦ったんだよな?」

吹寄「そうだけど・・・」

垣根「二人三脚は素晴らしい」

垣根が腕を組む

今から語りますよ、というアピールだろうか

垣根「まず、足と足が密着する」

心理「・・・えぇ」
752 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:54:08.29 ID:n16adybp0
垣根「つまり、体は自然と距離がなくなる」

心理「・・・もちろん、離れられないわね」

垣根「そして、同じゴールを目指すだろ?」

吹寄「うん・・・それも分かるわ」

垣根「心も体も同じように重なるんだ」

心理「・・・たしかに、そういえば」

垣根「そして、何より肩を組む」
753 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:56:37.19 ID:n16adybp0
垣根「体が倒れそうになれば支えあう」

垣根「しっかり立てれば速さはどんどん上がっていく」

垣根「恋と似ていないか?」

心理「そうかしら」

垣根「俺は二人三脚が大好きだ」

吹寄「へぇ・・・」

垣根「セミの抜け殻と同じくらいに好きだ」

心理「そこまで好きじゃないのね」
754 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 19:59:12.58 ID:n16adybp0
垣根「・・・とりあえず、来年はもっと面白い大覇星祭にしろよな」

吹寄「・・・分かったわよ」

吹寄が溜め息をつく

心理「とりあえず、今は今に集中しましょ?」

垣根「あーい」

垣根がマイクを握る


垣根「いいか、みんな!!」
755 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:00:50.04 ID:n16adybp0
一同「おー!!」

垣根「盛り上がってるかい!?」

一同「いぇー!!!」

垣根「まだまだ、あと二日はあるんだ!!楽しんでいけよ!!」

一同「わーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


陽射しが暑い中

まだ、競技は続いていた
756 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:03:43.92 ID:n16adybp0

旅掛「うーん・・・」

旅掛は唸っていた

美鈴「うーん・・・」

美鈴も唸っていた


旅掛「・・・なぁ、どっちがいいと思う?」

美鈴「そうだね・・・」

二人は、服を見ていた
757 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:06:36.87 ID:n16adybp0
美鈴「ねぇ、美琴ちゃんってどういう服が好みなのかな?」

旅掛「子供っぽいの・・・はどうなのかなぁ」

そう

二人は、娘へ贈る服を選んでいたのだ

なかなか夫婦揃って訪れる機会は無い

そのため、少しでも親らしいことをしたかったのだ

美鈴「・・・これはまだ早いよね・・・」
758 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:09:24.86 ID:n16adybp0
旅掛「そ、そんな露出が高めなのは許さん!」

美鈴「でも、私が美琴ちゃんくらいのときは・・・」

旅掛「なにぃ!?美鈴、こんな色気のある服装を・・・」

美鈴「それ見てパパも興奮してたじゃん!」

旅掛「昔のことは忘れた!!美琴にはダメだダメだ!!」

美鈴「似合うのに!!」

旅掛「まだ早い!!」
759 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:13:55.30 ID:n16adybp0
美鈴「いいじゃん!!もう彼氏にはいるんだよ!?」

旅掛「そ、それはそうだけどさ!!」

美鈴「だから、美琴ちゃんもこういうの着たいと思うよ!?」

旅掛「うっ・・・」

美鈴「きっと、上条くんとの暑い夜はこういうの・・・」

旅掛「あぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!美鈴、言わないでくれ!!」

美鈴「美琴ちゃんは上条くんの彼女ー!!」
760 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:16:05.86 ID:n16adybp0
旅掛「言うなぁぁぁ!!」

美鈴「とにかく!!一着くらいこれ持ってていいんじゃない!?」

旅掛「くぉぉぉぉぉ!!!!」

美鈴「こういう可愛いショーパンくらい持っててもいいんじゃない!?」

旅掛「そりゃたしかに必要かもしれねぇけど!!」

美鈴「いい!?」

美鈴がずい、と旅掛に顔を近づける
761 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:17:53.23 ID:n16adybp0
旅掛「な、なんだよ!?」

美鈴「パパ、思い出して!!」


美鈴「私達の初デート!!」

旅掛「!!」



旅掛「あぁ・・・美鈴ちゃん遅いな・・・」

美鈴「ゴメン、旅掛くん!!」

旅掛「!!」
762 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:20:07.60 ID:n16adybp0
旅掛「な、なんかいつもよりオシャレだな・・・」

美鈴「えへへ・・・//」

旅掛「い、いつもより・・・スカート短くない?」

美鈴「・・・た、旅掛くんが喜ぶかなって」

旅掛「・・・あ、あぁ」

美鈴「い、いや?」

旅掛「いやいや!!めちゃくちゃいいよ!!」
763 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:22:09.77 ID:n16adybp0
美鈴「・・・た、旅掛くんのエッチ・・・」

旅掛「だ、だってしょうがないだろ!?」

美鈴「ど、どうして?」

旅掛「そ、そりゃ・・・」


旅掛「美鈴ちゃんがそんな格好してると、なんか可愛いからさ」

美鈴「あ、ありがとう//」
764 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:23:44.90 ID:n16adybp0

旅掛「・・・そ、そういえばそんなことも・・・」

美鈴「ね、パパは女の子の生足とか好きだったでしょ?」

旅掛「あぁ・・・そして美鈴の足は最高だった・・・」

美鈴「いい、それを上条くんも思ってるんだよ!?」

旅掛「なるほどなぁ・・・」

旅掛が納得する
765 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:25:36.19 ID:n16adybp0
旅掛「・・・しかし、懐かしいこと思い出したな」

美鈴「そ、それはいいから服・・・」

旅掛「あの頃はお互いにちゃん、くん付けだったな・・・」

美鈴「そ、そうだね・・・」

旅掛「若かったな・・・」

旅掛が微笑む

とても幸せそうだ
766 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:28:08.90 ID:n16adybp0
美鈴「・・・そ、そうだね」

旅掛「なぁ、美鈴ちゃん」

美鈴「ちょっと、恥ずかしいからやめてよ!!」

旅掛「ん、いやか?」

美鈴「ち、違うけど・・・」

旅掛「じゃあ、いいだろ美鈴ちゃん」
767 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:30:02.25 ID:n16adybp0
美鈴「そ、その呼び方やめてよパパ!!」

旅掛「ははは!!なんだか昔に戻ったみたいじゃないか!!」

美鈴「な、なによ旅掛くん!!」

旅掛「お、なんかドキリとしたぞ!?」

美鈴「ほ、ほらイヤでしょ!?」

旅掛「いや、嬉しいね!」
768 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:33:00.50 ID:n16adybp0
美鈴「な、なんでよ!?」

旅掛「ははは!!なんなら今からちょっとデートしちゃうか!?」

美鈴「い、いいわよやってやろうじゃない!!」

二人は終始大声だった

周りの客達は何のことかと見つめていた


旅掛「じゃあ、どこ行こうか美鈴ちゃん!?」

美鈴「ホ、ホテルとか!?」

旅掛「初デートまんまだな!!」ハハハ!
769 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:34:55.69 ID:n16adybp0

刀夜「・・・母さん、当麻はどこだろうか」

詩菜「まぁまぁ、どこにいるんでしょうか」

二人は息子を探していた

刀夜「・・・携帯の電源を切っているのか・・・」

刀夜が携帯を見つめながらつぶやく

どうも上条の携帯には通じないらしい

実際は、ただ単に充電切れなだけなのだが
770 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:37:19.21 ID:n16adybp0
刀夜「・・・はぁ、どうしようか母さん」

詩菜「・・・とりあえず、さきほど女性に優しくしていたことの言い訳を聞こうかしら」

ニコニコ、と詩菜が笑う

なぜか手に持っている日傘の柄がバキバキと音を立てている

詩菜「・・・刀夜さん?」

刀夜「そ、それは仕方ないだろう!?」

刀夜が腕を振る
771 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:39:35.78 ID:n16adybp0
刀夜「道に迷った人を・・・」

詩菜「そこを言っているんじゃないですよ?」

詩菜がもっと笑みを浮べる

だんだん、般若の顔になっている気がする

刀夜「そ、そこじゃなくて?」

詩菜「・・・あらあら、分からないのかしら」

刀夜「ひぃっ!」
772 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:41:03.96 ID:n16adybp0
詩菜「私は、刀夜さんが浮気をするんじゃないかと心配しているんですよ?」

笑いながら、詩菜が訊ねる

刀夜「そ、そんなことないさ!!」

刀夜が詩菜の手を握る

刀夜「私は母さんだけが好きだ!」

詩菜「まぁまぁ、本当かしら」

刀夜「昔から、ずっとそうだよ」
773 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:43:39.53 ID:n16adybp0
詩菜「まぁまぁ、だったら許してあげなきゃいけませんね」

刀夜「ありがとう、母さん!」

刀夜が嬉しそうに言う

こちらの夫婦は、少し静かな愛情だった


刀夜「・・・か、母さん・・・」

詩菜「あらあら、また女性に道を教えて・・・」ニコニコ

刀夜「はぁ・・・」


刀夜「不幸だ・・・」
774 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:45:10.65 ID:n16adybp0

一方「・・・」

番外「・・・ねぇ、どうしてこんなとこにいるの?」

一方「・・・疲れたンだよ」

番外「そ、それは分かってるけど・・・」

番外個体が目の前の建物を見つめる

怪しげな建物

そう、ラブホテルだ
775 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:46:42.93 ID:n16adybp0
一方「・・・クソが・・・」

一方通行が忌々しそうにつぶやく

道を歩いていたコーンロウの兄ちゃんに

「休めるとこねェか?」

と聞いたら

「あ、いいとこあるぜ」

と教えてもらったのだ
776 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:49:27.10 ID:n16adybp0

番外「ね、ねぇ・・・」

一方「・・・帰るぞ」

番外「で、でも休みたいんじゃないの?」

一方「・・・そォだけどよ」

一方通行が少し辛そうにつぶやく

彼は相当疲れているはずだ

早く休みたいに決まっている
777 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:50:38.30 ID:n16adybp0
一方「・・・ここはダメだろ」

番外「・・・ミサカはいいよ?別にそういうことするわけじゃないんだし」

一方「あァ?」

番外「あれ、もしかしてしたいの?」

ニヤニヤ、と番外個体が笑う

一方「あァ、したいぜ」

番外「は!?し、したいの!?」
778 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:52:19.02 ID:n16adybp0
一方「ウソだ」

けろっと一方通行が答える

番外「・・・じゃ、じゃあいいじゃん」

一方「・・・いいか」

一方通行が溜め息をつく

二人は建物の中へ入っていく
779 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:54:07.89 ID:n16adybp0

「えっと・・・学生の方ですか?」

一方「いや、学校には行ってねェ」

一方通行が答える

本当は籍自体は学校にもある

しかし、そもそも行ってはいないのだから通っているとは言えないだろう

番外「ミ・・・私も違うよ」
780 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:55:39.66 ID:n16adybp0
「では、二時間で?」

一方「あァ」

「ではごゆっくり」


一方「・・・」

番外「・・・シャワー浴びたら?」

一方「着替えがねェからな」

番外「あ、そっか」
781 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:57:12.96 ID:n16adybp0
一方「・・・ちっ」

舌打ちをしてから一方通行がベッドに横になる

フカフカ、とした感触だ

だが他のカップルがここでそういうことをしたと思うと、さすがに寝ようとは思えない

一方「・・・お前はどォすンだ?」

番外「とりあえず、飲み物はあるからゆっくりするよ」

一方「そォか」
782 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 20:58:36.66 ID:n16adybp0
番外「・・・ねぇ」

番外個体が少し小さな声で一方通行を呼ぶ

一方「なンだよ」

番外「・・・しないの?」

一方「しねェよ」

番外「な、なんで?」

一方「疲れてンだよ」
783 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 21:00:44.92 ID:n16adybp0
一方通行がゴロン、と寝返りを打つ

番外個体は、そんな様子に少し苛立ちを覚える

番外「・・・ミサカはしたいの」

一方「あァそォかよ」

番外「疲れてんのは分かるけどさ・・・」

一方「うるせェな・・・万年発情してンのか」
784 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 21:02:25.56 ID:n16adybp0
番外「だ、だってラブホだよ!?」

一方「ンなの関係ねェよ」

番外「・・・そ、そうだけどさ・・・」

一方「やりてェヤツはどこでもやるしやりたくねェヤツはやンねェよ」

番外「・・・ミサカはしたいなぁ・・・」

一方「・・・ちっ」
785 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 21:03:47.91 ID:n16adybp0
一方通行が体を起こす

番外「?なに?」

一方「ほれ」

一方通行が両手を広げる

まるで、飛び込んでこいと言わんばかりに

一方「ほらよ」

番外「・・・うん」
786 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 21:06:25.18 ID:n16adybp0
番外個体が一方通行の両腕の中に入る

番外「・・・ありがと」

一方「あァ」

番外「・・・ねぇ、しない?」

一方「・・・夜でいいだろォが」

番外「ん、ありがと」

一方「・・・」
787 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 21:07:55.09 ID:n16adybp0
二人がベッドに寝転がる

番外「ねぇねぇ、なんで空って青いの?」

一方「海が映ってるからだ、うるせェから寝ろ」

番外「・・・うるさい?」

一方「俺は寝たいンだよ」

番外「・・・じゃあ、ミサカも寝ようかな」

一方「そォしろ」
788 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 21:11:26.54 ID:n16adybp0
番外「・・・好きだよ、一方通行」

一方「あァ」

そっと、目を閉じる

少しして番外個体の寝息が聞こえてきた

一方(・・・お前のほうが早く寝てンじゃねェか)

一方通行が苦笑する
789 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 21:12:53.01 ID:n16adybp0
番外「・・・」zzz

一方「・・・」

はァ、と溜め息をつく

一日中歩いている、そんな生活が5日目なのだ

番外個体だって疲れているのだろう

一方(・・・寝るか)
790 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 21:15:26.84 ID:n16adybp0
目を閉じると、自然と眠気が襲ってくる

こうやっていると、本当に今の自分が無防備なんだと知る

過去の彼は、寝ている間でも能力による反射が適用されていた

しかし、今は違う

それでも眠れるということは、今が相当平和だということだ

それがいいことなのか悪いことなのか


一方通行はそんなことを思いながら、眠りに落ちた
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/08/16(火) 21:16:05.54 ID:QWxaqqEzo
あっくんの分からずや!もやし!真っ白!百合子!
792 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 21:17:36.25 ID:n16adybp0

美鈴「・・・ねぇ、いつまでデートするの?」

美鈴ちゃんは訊ねていた

旅掛「いやぁ、意外と面白いな、こういうのも!」

旅掛くんは喜んでいた

旅掛「あ、そういえば美琴はどこだろうな?」

美鈴「ん、服を渡すのは夜でいいんでしょ?」
793 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 21:19:04.67 ID:n16adybp0
>>791 あれ、セロリがそっちに走っていった


旅掛「あぁ、そうだな・・・ふぁぁー・・・」

旅掛があくびをする

美鈴「あれ、旅掛くんはヒマなの?」

旅掛「美鈴ちゃんとのデートは楽しいさ」

美鈴「・・・ねぇ、普段の呼び方にしようよ」

旅掛「ん、そうだな」
794 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 21:20:45.05 ID:n16adybp0
美鈴「・・・パパ、美琴ちゃん・・・喜んでくれるかな?」

旅掛「まぁ、喜ばれなかったら俺たちが悪かったってことで」

旅掛が苦笑する

もしかしたら、自分達と娘の趣味は違うかもしれない

拒否されてしまう可能性もあるだろう

旅掛「・・・でも、きっと美琴は喜んでくれるさ」

美鈴「そうだといいなぁ・・・」
795 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 21:23:03.90 ID:n16adybp0
旅掛「・・・でも、ショーパンはやっぱ・・・」

美鈴「だって、上条くんも喜ぶよ!?」

旅掛「それはそうだが!!あの美琴がデレてるとこなんて!!」

美鈴「いっつもデレデレしてるじゃん!!」

旅掛「それとこれとは違うんだ!」

美鈴「男の子はみんなエッチさ!」

旅掛「そうだ、そしてそれが悔しいんだよ!」
796 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 21:24:57.45 ID:n16adybp0
美鈴「とにかく!!可愛いデザインだし喜んでくれるよ!」

美鈴が手に持った買い物袋を見つめる

ちなみに、上条にも一着買ったのだが

旅掛「・・・上条君はポロシャツとか好きなのか?」

美鈴「うーん・・・でも、ポロって似合う子が着るとかっこいいでしょ?」

旅掛「そうだけど・・・似合うのか?」

美鈴「さぁ?」
797 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 21:26:38.15 ID:n16adybp0
旅掛「・・・テクパトル君は似合いそうだけどな」

旅掛がつぶやく

彼らのもう一人の義理の息子だ

ちなみに、まだ一方通行とはご対面していない

美鈴「テクパトルくんはタンクトップ着てたよね」

旅掛「あぁ、かなりがっしりしてたな」

美鈴「うん・・・ポロシャツ似合いそうだよね」
798 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 21:28:22.68 ID:n16adybp0
旅掛「・・・そういえば、妹達には何も買わないのか?」

美鈴「う、そういえば・・・」

美鈴が顔をしかめる

なかなか人数が多いため、金が足りなくなりそうだ

かといって、安いものはいけない

娘と認めているからこそ、可愛がりたいのだ

美鈴「・・・美月ちゃんはテクパトルくんと付き合ってる、か」
799 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 21:30:10.52 ID:n16adybp0
旅掛「まさか、あの子にも・・・」

美鈴「うん、セクシーな服を買ってあげよう!」

旅掛「やめて!!そうやって若者の性風俗は乱れていくんだぞ!?」

美鈴「愛があるならノープロブレム!!!!!!!!」

旅掛「そんなわけない!主に俺が!」

美鈴「いい加減子供離れしろー」

旅掛「は、離れるだと!?」
800 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 21:31:49.07 ID:n16adybp0
美鈴「じゃあ、とりあえず服をまた見ましょうか!」

旅掛「いやだ!!セクシーなのはだめ!!」

美鈴「にゃはは!!買ってやるよ!!」

旅掛「やめてぇ!」

娘が増えた

それは、とても嬉しいことだった


旅掛「あぁもう!!不幸だなぁ俺は!!」
801 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 21:34:14.12 ID:n16adybp0
いったん休憩

美鈴と旅掛さんはいい夫婦ですw
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/08/16(火) 21:37:11.34 ID:MEwEduHmo
妹達は美月だけに何かあげたら嫉妬しそうwwww
803 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 22:33:41.30 ID:n16adybp0

御坂妹「・・・ヒマになりましたね、とミサカはつぶやきます」

テクパトル「あぁ・・・そうだな」

19090「はぁ・・・ヒマですよね・・・」

テクパトルたちは佐天、■■と分かれてショッピングモールをぶらついていた

その中でトチトリ、17600号組と待ち合わせをしているのだ

804 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 22:35:02.45 ID:n16adybp0
テクパトル(上手くいったかな・・・)

13577「しかし、ここはにぎやかですね・・・」

13577号が辺りを見渡す

たくさんのカップルや親子でごった返していた

おそらくお土産を買いに来ているのだろう

テクパトル「あぁ・・・この人数のなかですれ違ったりしないだろうな」

携帯で、大体の場所は決めていた
805 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 22:37:05.38 ID:n16adybp0
14510「テっくん、少し休みませんか?」

テクパトル「ん、そうだな・・・ずっと歩いてきたしな」

10039「足がパンパンです・・・」

20000「足ん中がパンパンだぜー」

テクパトル「やめろ」

呆れたようにテクパトルが溜め息をつく

10033「・・・ですが、待ち合わせに遅れるのはダメでしょう?」
806 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 22:38:38.66 ID:n16adybp0
テクパトル「そうだな・・・そうかも」

テクパトルがうーん、と唸りながら考える

テクパトル「じゃ、俺だけ待ち合わせの場所に行ってくるよ」

19090「え、いいのですか?」

テクパトル「あぁ、お前たちはここらへんで待っててくれ」

御坂妹「・・・テっくん、あなたは誑しですね・・・」

テクパトル「はぁ?」
807 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 22:40:36.94 ID:n16adybp0
14510「じゃあ、ここで待っておきますね」

テクパトル「おう、行ってくるよ」

テクパトルがミサカたちの元から離れていく


19090「はぁ・・・疲れました・・・」

13577「暑いですからね・・・」

10039「お肌の敵ですね・・・」

御坂妹「・・・一方通行の反射がほしいです、とミサカは愚痴をこぼします」
808 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 22:41:52.18 ID:n16adybp0

美鈴「これは!?」

旅掛「だから!!早いんだってば!!」


14510「・・・どこかで聞いた声がします・・・とミサカは冷や汗をかきます」

10033「奇遇ですね、ミサカもです・・・」

20000「逃げたいんだけど」

御坂妹「・・・ち、近くですね・・・」
809 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 22:43:58.02 ID:n16adybp0
19090「行ってきますか?」

御坂妹「えぇ・・・あいさつはしておかないと」

テクパトルから礼儀はしっかりするように、と教わっている

それを律儀に守る辺りはいい子達なのだ


美鈴「だから!!いくらあの子達が若いからって、いつまでも守りに入ってたら・・・」

旅掛「イヤ!!むしろ俺が鉄壁のガードになりたいほどなんだぜ!?」

美鈴「あぁもう!」
810 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 22:45:20.65 ID:n16adybp0

19090「あ、あの・・・」

旅掛「ん?あれ、妹達じゃないか」

美鈴「なんでこんなとこに・・・っていうか今の会話聞いてた?」

御坂妹「・・・聞こえないほうが珍しいほどの大音量でしたよ・・・」

20000「ステレオ放送みたいだった」

10039「かなり大声でしたね・・・」

旅掛「あぁ、悪い悪い」
811 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 22:48:02.26 ID:n16adybp0
10033「それで、何を言い争いされていたのですか?」

美鈴「いやぁ、恥ずかしいことでさぁ・・・」

20000「?あと子供を何人作るとか?」

旅掛「そっちではなく」

20000「じゃあ、なんでミサカたちは胸が弱いのか、とか?」

旅掛「そっちでもなく」

20000「テっくんと19090号は何回ヤったのか、とか?」

旅掛「それは気になるなぁ!!」
812 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 22:50:14.88 ID:n16adybp0
19090「そ、そんなことダメですよ!!」

美鈴「えー?でも好きなんでしょ、テクパトルくんのこと」

19090「す、好きですけど・・・」

旅掛「ぐはぁっ!旅掛は19090のダメージを受けた!!」

20000「どこに?」

旅掛「心に、じゃないですか?」

20000「アンタのノリ、好きだよ」

旅掛「父親だからな」
813 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 22:51:38.46 ID:n16adybp0
美鈴「それでね、何を話してたかというと・・・」

御坂妹「あぁ、そうでしたそうでした」

旅掛「お前たちに服を買ってやろうと思ってな」

10039「!!ミサカたちにですか!?」

旅掛「あぁ、娘だろ?」

美鈴「自分の子供に服を買う、これ大人の役割ね!」

ミサカ一同「//」
814 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 22:53:26.15 ID:n16adybp0
美鈴「でもさ、何を買えば分からなくて、とりあえず19090号ちゃんの分は買ったの」

14510「・・・なぜ19090号の分だけ?」

旅掛「テクパトルくんを誘えるような服、って美鈴が言うからさ」

19090「そ、それは・・・」

ミサカ一同「19090号」

19090「はい?」

19090号が振り返ると


他のミサカたちが、羨望の眼差しを送っていた
815 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 22:54:37.20 ID:n16adybp0

テクパトル「おー、いたいた」

トチトリ「おっす・・・って、他のミサカは?」

テクパトル「疲れてるらしくて休ませてるよ」

17600「さすがテっくんだな」

テクパトルたちは、無事に合流していた

少し二人は待ったらしい
816 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 22:55:42.33 ID:n16adybp0
テクパトル「・・・トチトリ、どうだ?」

トチトリ「17600号と話してると、気が楽になったよ」

トチトリが嬉しそうに笑う

テクパトル「そうか・・・サンキューな」

17600「なに、友達なら当然のことさ」

17600号が微笑む

とても勇ましい笑みだった
817 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 22:57:02.02 ID:n16adybp0
テクパトル「じゃあ・・・他のミサカのとこに戻るか」

17600「あぁ」

トチトリ「おう」

三人がミサカたちの元へ向かう


美鈴「こらこら!!ケンカしないの!!」

旅掛「みんなの分を今から買うからさ!!」

ミサカ一同「いっつも19090号だけずるいです!!」
818 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 22:58:37.36 ID:n16adybp0
テクパトル「あれ、義父さんと義母さん」

美鈴「あぁ、ちょうどよかったテっくん!!」

テクパトル「そ、その呼び方・・・」

旅掛「テっくん、ケンカ止めてよ、頼むよ!」

テクパトル「アンタはやめろ」

旅掛「み、美鈴は特別なのか!?このミサカ誑し!!」

テクパトル「男にテっくんって呼ばれて嬉しいわけないだろ!!」
819 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 22:59:54.63 ID:n16adybp0
美鈴「そういうのはいいから!」

テクパトル「おっと・・・そうそう」


19090「テっくん!!助けてください!」

20000「ハゲちゃえ!!ハゲちゃえ!」

10033「ずるいですよ!!」
820 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 23:16:45.54 ID:n16adybp0
テクパトル「とりあえずお前ら・・・」

ミサカ一同「はい!?」

テクパトルが一同に近づく


テクパトル「騒がないようにしよう、な?」

そっと頭を撫でながら、注意する

それが



ミサカ誑しだった
821 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 23:19:19.73 ID:n16adybp0
今日はここまで

明日はミサカたちが中心かな

おやすみなさいねww


サトリナぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!

結婚してくれぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
822 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/16(火) 23:19:39.35 ID:n16adybp0
今日はここまで

明日はミサカ中心

おやすみなさいw

823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/16(火) 23:21:58.10 ID:SL/szh4F0
        { `¨⌒}
          ..>'⌒'〈
        {__,,ノ´ 、}
       {___,,ィ ,〉
           { リ'^i
           、{_,ノ
           | -‐…‥‐-  .,,_
           i: : : : : : : : : : : : :`丶、
           l: : : : : : : : : : : : : : : : :\
           l: :/: : : : : : : : : : : : : : : ` 、
           |/: : : /: /: :/: : : : : : : : : : : :'.
           |:,_:_:/|:〃 /:/ : : : : : : : : : : : :
             〔_、{`刈、:|: | : : / : : : : : : : : :
           i==ミぃW|/|: :/: : _j: : : : : : : :
           :'⌒i 犲i  |/|: :_/ }: : : : : : : :
           トrリ }}   .ノイ}`メ:i:| : : : : : :
           |ミ    _    =ミ: :从:| :i: : : :
           l     i|{、_  '⌒i 狐\/: : : :
           |  r    ミ.トrり }}i|从 : : : :
           | _   ´    `弌 ノ代:八: : : :
             〔_ `Y           '| / : : :、ト、|
           ト .`’       / /|: : : : : :
           |        . イ-イ: :|: : : : : :|
       , /   _}├‐…=≦{:! : |: :|: |: : : : : :|
     { {'⌒¨´ ̄`'く_/ 从: :|: :|: |: : : i: : :
       `て¨i≧r‐ } _/ }iW|: :∧: |: : : |ト、
      、_{'⌒¨´ ̄`ヾ     ∨八{ }:i|: : : || .
      `下≧zr‐ }}    \__ノ リ }: :リ  }
         (⌒“ ̄`Y”,    ⌒て¨}ノイ .ノ'
       、(⌒¨⌒'〈、‘,      '.
          `で下.,__}} ‘.       }、
          {」 ,リ      .≠⌒i
             i | √}     |_/    }
             i 「 }八   ´}      ノ

824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/16(火) 23:23:21.79 ID:CuCilyRDO
乙です!
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/08/16(火) 23:44:03.48 ID:9vxeDwxt0
>>823
           ,.ィ,. ---‐ァ_,.ィ
         //: : : :/: :/ ̄ヽ___
       /|/: : : : : : : : : : : : : : : : <_ノ
.     トトV: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ‐<
     N : : : : : : ト、: : :ヽ: : : : : : : : : : : : : : :>  「やべ、逃げねえと!」
     〉: : : : : : : !:j,. イ:ハ: : : : : : : : : \: : `ー‐ァ  _
 、_/: : {: |: : :!: |∧,.ィ心刈: : !: : \: : :!: : :-=彡_/ / ̄ ̄
 ヽ : |: : :ヽト、: |V {{ ゞ'   |: /: : : :} >――‐//__/_/
、_フ| ∧八≠ミ、      jハ: : : :/   /´ / _,. -=≦
 \__!:ト、ヽ∧代}''´ _  __jノ|/ ̄ ̄/ /  /  /   /
   イ N: \`Y 「ヽ´, /-‐./  !  ̄ ̄レ'_/___/ /   /
   _乂:ハ: :j人    〈  /,   |   /      \ /
    ヽ! jハ: : :\   V/ / |/ ̄ ̄     ヽ
        |: :!: : :!\   / ,./             |   //
         j 人 : 乂{>‐=≦ {/ ̄ \    |  | /
                   /     \   |_//
                  /      /_〉  /
                  /      /__/
            /    / /\ |
           /   `ヽ〈.  /   /ヽ
           |     _ \/    ̄|
           |    〈 \ \    |
           |     〉  〉 __}_   |
           |   _/  / /   〉  !
           ヽ´    / /   /ヽ   ヽ:
               \___/   /  〉   \
              \__/┴-〈     \___
               \     _〉        /
                 `ー<  \      /
                     \_〉     {
                              \
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/08/16(火) 23:48:49.11 ID:MEwEduHmo
>>823
このAAもうできてるのかよwwwwwwwwwwww
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 01:54:45.30 ID:3z4hSltV0
        ,.  ´ ̄ ̄`ヽ
      /        `    \
     /     _,.z=≠`ヾヾハヽ\
    /    _彡'         ! } ハ
   /     〃  __    | ハ i
    |  /  /ミ / ̄ ̄ヽ  j/=ミ、 !
    | i /  / ミ  ,xィ芹ミ  ({,芹ミハ ∧ 「お姉さんの苦手なものですか?
   ヽ{  「ヽミ 爪rり    {rリ {(ヽ | 大きくウサギを描かれたパンツか、
    ヽ  ト、 〉   ¨´    、¨  Y,ノ/ 辛い物全般だと思いますけど」
  、___ハ :!ヽ^_            八/
  ヽ__人 \{__>、  c‐っ ,イ{乂_ノ
    >―ヘヽ\>‐=ミ-=≦r=ミく
   ´ ̄ ̄_)ノ〃-、:::::::::ヽ: : :}:::::::::::}}
      ,.┴、{    V::::::}_}ノ:::::::::://
      /  ∧ヽ_ノ::::::ノ__八_/∧〉、
     ,'  /: : !: !:ー‐': : : :ヽ: : : : :ヽノ\
     |  |: : : V: : : : : : : : : : : : : : :}: : : \
     |  |: : : }_: : : : : : : : : : i: : : _/: : : : : :\
     ハ  |: {: :!: :: : : ―- : : 〈: : : : :\: : : : : : \
    ヽ  |: : V: : : : : : : : : : : :ヽ: : : :} \: : : : : : :\
     |  |: : ∧_ヽ_ : : : : : : : : : }: : :/   \: : : : : : :\-、
     | |: : :| 冫 /: : :―-: : : 〈-‐: :ヽ    \: : : : : : : : ヽ
     | !: : :|  {: :{: : : : : : : : : :ヽ: : : : }      \: : : : : : :}―- /〉
   / :/ : : |   〉―- 、: : : : : : : }: : :ノ、       \___/_<ノ
   |  :|: : : :! /: : : : : : : :‐-: : :ノ : : : : ヽ             \〉
   /  |: : :/ /: : : : : : : : : : : : : :ヽ : : : : :}
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 ∧ {: : : : /  | /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
 ヽ 〉: : : }  | /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|

828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 07:37:40.96 ID:eFzMjX7DO
テクパトルの参考資料請求しますとミサカは暗にどんな奴だっけ?と言う疑問を口にします
829 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 09:54:10.16 ID:OK6NyXVG0
>>828 エツァリたちのいた組織の指揮官だった

人としては最悪、仕事はまぁまぁできるヤツ

でも組織の上部が自分達の利益だけのために働いていると知って、上層部全員暗殺

その後方向性を失い裏切り者のエツァリを殺そうとする

原典を使い、一時はエツァリを圧倒するも原典に見限られ「死亡」

らしい


へぇ、死んだんだって思ってたけどいいキャラなので使ってみたww

続きは少ししたら
830 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:18:30.68 ID:OK6NyXVG0
美鈴「ねぇ、19090号ちゃんはこういう服は嫌い?」

美鈴が先に買っておいた服を見せる

かなり露出度が高い服だった

19090「き、嫌いではないですが・・・恥ずかしいです」

顔を赤らめながら19090号が答える

旅掛「だよな!?やっぱりイヤだよな!?」

831 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:19:00.40 ID:OK6NyXVG0
テクパトル「・・・こういう服は・・・な」

19090「ですが、お母さんが買ってくれたんですからありがたく受け取っておきます!」

美鈴「うん、いい子だね!」

嬉しそうに美鈴がうなずく

20000「・・・ねぇ、ミサカ達にも買ってよ」

御坂妹「そうです、19090号だけなんてずるいですよ」

832 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:19:52.62 ID:OK6NyXVG0
美鈴「あぁゴメンゴメン、一緒に見ていこうか!」

13577「は、はい!」

ミサカ達と美鈴が一緒に歩いていく

少し後ろからテクパトルと旅掛は追い掛ける形になった

旅掛「・・・すっかり家族になったな」

テクパトル「・・・安心しましたよ」

833 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:20:55.49 ID:OK6NyXVG0
テクパトルが苦笑する

最初は慣れないのでは、と不安がっていたがそれも無用だったようだ

旅掛「・・・上条くんと君には感謝しないとな」

テクパトル「・・・感謝なんていらないさ」

旅掛「君はそうかもしれないが・・・俺は礼を言っておきたいのさ」

旅掛がははは、と笑う

834 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:21:34.86 ID:OK6NyXVG0
それは父親の顔だった

旅掛「娘達の世話をしてくれているんだろう、本当にありがとう」

テクパトル「礼を言われたくてやってるわけじゃないさ、俺の家族だから当たり前だろう」

彼にとってミサカ達は家族なのだ

家族と一緒に暮らして、世話をする

当たり前のことだった

835 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:22:10.10 ID:OK6NyXVG0
旅掛「それでもさ」

テクパトル「・・・本当は義父さん達と暮らすほうがいいのかもな」

ぽつり、とテクパトルがつぶやく

少し寂しそうに

旅掛「まさか、今まで君と暮らしてきたんだろ?」

テクパトル「あぁ」

836 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:22:55.55 ID:OK6NyXVG0
旅掛「だったら君と暮らすほうがいいに決まってるじゃないか」

テクパトル「そうだといいな」

旅掛「君はいいヤツだな、上条くんとそっくりだ」

テクパトル「・・・褒め言葉として受け取っておくよ」

旅掛「そうだと思ってくれ」

テクパトル「・・・もう少し、あいつらと暮らさせてもらってもいいかな」

837 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:23:33.63 ID:OK6NyXVG0
旅掛「ずっとでもいいぞ」

テクパトル「・・・そうなったら幸せだな」

旅掛「君はあの美月って子と結婚するつもりかい?」

率直に、旅掛が尋ねる

親子の会話に遠慮などいらないからだ

テクパトル「あぁ・・・いつかはそう思ってる」

838 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:24:01.55 ID:OK6NyXVG0
旅掛「あの子は君にとって特別かい?」

テクパトル「あぁ、俺を変えてくれたのさ」

テクパトルが目を細める

視線の先には19090号がいる

テクパトル「昔の俺は本当にクズだったんだ」

旅掛「ほぅ」

839 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:24:41.35 ID:OK6NyXVG0
テクパトル「だが、俺はミサカ達に出会って優しさを持った、家族を持った」

テクパトル「そして・・・美月と出会って、愛を知ったんだよ」

嬉しそうに、テクパトルが頭をかく

テクパトル「こんなことを言ったら笑われるかもしれないな」

旅掛「そうだな・・・たしかに少しおかしな話だ」

テクパトル「昔の俺が聞いても笑うと思うよ」

840 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:25:33.72 ID:OK6NyXVG0
テクパトルはいつでも昔の自分を忘れなかった

絶対に忘れない

過ちを犯したことは覚えていなければならないのだ

テクパトル「でもさ、俺はきっと・・・美月に出会うために生まれてきたんだと思うよ」

テクパトル「・・・だから、俺は幸せだ」

旅掛「そいつじゃダメだぜ」

841 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:26:12.99 ID:OK6NyXVG0
旅掛「だったらもう君は生まれてきた理由を完遂したことになる」

テクパトル「おっと、じゃあやり直しだな」


テクパトル「俺は、美月と幸せになるために生まれてきた」

テクパトル「ずっと幸せでいるために、生まれてきたんだよ」

旅掛「お、いいじゃないか」

テクパトル「・・・とりあえず、ミサカ達が家族として認められてよかったよ」

842 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:27:18.45 ID:OK6NyXVG0
旅掛「俺は元々知っていたからな」

旅掛が笑う

彼は学園都市の裏側とも関わりを持っていた

もちろん、今はあまり関わろうとは思わないが

旅掛「でも、美鈴はよく受け止めたと感心してるよ」

テクパトル「・・・ミサカ達と同じで、強い女性だな」

843 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:27:53.99 ID:OK6NyXVG0

旅掛「妹達も強いのかい?」

テクパトル「・・・あぁ」

テクパトルは知っている

ミサカ達は昔、みな上条に恋をしていたことを

それでも、上条の幸せを願ったのだ

美琴と彼が付き合うことになったのを、しっかりと受け止めたらしい

844 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:28:52.42 ID:OK6NyXVG0
彼と付き合っている19090号だって、その一人だったのかもしれない

それに少しだけヤキモチを妬いてしまう辺りは彼もまだ若いのだろうか

テクパトル「・・・強いよ」

旅掛「だったら安心したよ」

テクパトル「なぜ?」

旅掛「・・・弱かったらどうしようかと考えていた」

845 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:29:42.59 ID:OK6NyXVG0
旅掛がテクパトルのほうを見る

安堵の表情を浮かべながら

旅掛「もしも弱かったら、俺達のとこに引き取ろうと思ってたんだよ」

テクパトル「そうか」

旅掛「学園都市はいろいろと難しいからな」

テクパトル「・・・また実験に巻き込まれるかもしれない、か」

846 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:30:29.31 ID:OK6NyXVG0
旅掛「それだけじゃないけどな」

二人は知っている

学園都市には様々な問題があることを

周りからはクローンだと知られたら白い目で見られるだろう

それに人間のクローンなんて珍しいものだ

科学の総本山である学園都市からしたら、貴重な実験動物と言ってもいいだろう

そればテクパトルは気に入らなかった

847 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:30:58.86 ID:OK6NyXVG0
テクパトル「生きた人間を動物呼ばわりだからな」

旅掛「動物も人間も命があることは変わらないさ」

テクパトル「俺は、動物と人間の命が同じだなんて綺麗なセリフは言えないさ」

そして、言える権利もなかった

人間の命を弄んだことさえあるのだ

なぜ動物の命を擁護できるだろうか

848 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:31:27.97 ID:OK6NyXVG0
テクパトル「だが、俺はあいつらを人間だと思ってる」

テクパトル「そう思ってる限り、俺はあいつらを死なせない」

旅掛「・・・君は妹達が大好きなんだな」

旅掛からしたら嬉しいことだった

白い目で見られてしまうはずのクローン

それを受け入れるどころか、家族として扱ってくれている

どれだけ精神力の強い少年なのか

849 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:32:02.86 ID:OK6NyXVG0
テクパトル「なに、俺よりよっぽど人間らしいからな」

旅掛「君も十分人間臭いさ」

テクパトル「それはミサカ達に教えてもらったものだよ」

旅掛「なるほどな」

テクパトル「・・・守ってみせたいのさ」

テクパトルが拳を握り締める

850 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:32:58.75 ID:OK6NyXVG0
その拳一体どれほどの人間を傷つけてきただろう

守ってきた人とは比べものにならないほど多くを傷つけてきたはずだ

テクパトル「こんな、クズみないなヤツにも誰かを守れるということを」

テクパトル「俺だって誰かを愛せるということを」

テクパトル「俺自身に証明してみせたいんだよ」

旅掛「自己満足のためか?」

851 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:34:02.67 ID:OK6NyXVG0
テクパトル「道を誤らないためだ」

ため息をつきながら、テクパトルが答える

もしも昔からミサカ達と知り合いだったら

まともな人生を送れていたのだろうか

そんなこと、今の彼には分からなかった


852 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:34:55.81 ID:OK6NyXVG0
美鈴「ん?二人とも、遅いよ!」

旅掛「あぁ悪い悪い!」

話し込んでしまったせいか、前を行く女性達とかなり差が広がっていた

テクパトル「走るか」

旅掛「おう!」

二人が家族の元へと向かう

853 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:35:35.80 ID:OK6NyXVG0
本当にいいものだ、なんてテクパトルは思っていた

こうやって父親や母親を得ることさえ出来てしまった

かつて、人を殺しても手に入らなかった幸せ

それを、彼は手に入れてしまったのだから


19090「テっくん、みんなの服を選んであげてくださいね!」

テクパトル「あぁ、任せてくれよ」

854 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:36:22.88 ID:OK6NyXVG0
旅掛「いやぁ、うらやましいぞテクパトル君!」

美鈴「モテモテだねぇ!」

テクパトル「冷やかさないでください、行くぞみんな」

御坂妹「はい!」

17600「久々の服購入、だな」

10033「では行きましょう」

855 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:37:50.82 ID:OK6NyXVG0
当たり前の光景

家族っていいな、とテクパトルは幸せを噛み締めていた 


美鈴「ねぇねぇ!!こういうセクシーなのはどうかな!?」

20000「ふへへ!!ミサカ興奮しちゃうぞ!」

旅掛「まだ早いからな!!」


やっぱよくないかも、とテクパトルは溜息をついた
856 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:39:30.95 ID:OK6NyXVG0

エツァリ「・・・」

ショチトル「なぁ、なんで私達は周りから声を掛けられないの?」

エツァリ「・・・カップルですから、ナンパはされないでしょう」

ショチトル「違う、違うんだよ」

ショチトルが指を振る


ショチトル「地味だからだよ」

エツァリ「言わないでください」
857 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:41:32.63 ID:OK6NyXVG0
ショチトル「競技にも参加してない、他のメンバーとも合流してない」

エツァリ「もう、いいんですよ・・・」

ショチトル「私達に需要があるか?否、ない!!!」

エツァリ「いえ、需要・・・ってなんの話ですか」

ショチトル「よく考えろ、上条はそこにいるだけで美琴の力になっている」

エツァリ「えぇ、そうですね」
858 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:43:17.42 ID:OK6NyXVG0
ショチトル「垣根はボケ、ツッコミ、メルヘンといろんな人間を演じられる」

エツァリ「器用ですからね」

ショチトル「美琴はどうだ?」

エツァリ「学園都市のマスコットと言っていいかと」

ショチトル「心理定規は?」

エツァリ「セクシー要員、でしょうか」

ショチトル「分かるか?」
859 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:45:05.54 ID:OK6NyXVG0
ショチトル「それぞれが重要な役割を持っている」

エツァリ「・・・?一方通行さんは?」

ショチトル「お前、学園都市最強だぞ?」

エツァリ「あ、それもそうですね」

ショチトル「じゃあ、聞こう」


ショチトル「私の役割は?」

エツァリ「あなたがいれば自分は強くなれます」

ショチトル「//」
860 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:47:16.74 ID:OK6NyXVG0
エツァリ「ですが、自分達はこういった静かな恋が似合ってますよ」

ショチトル「そうかもな」

ショチトルがスポーツドリンクを飲む

ショチトル「・・・ぬるいな」

エツァリ「えぇ・・・この暑さですから」

ショチトル「太陽を打ち落としたい」
861 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:48:24.92 ID:OK6NyXVG0
エツァリ「いえ、それはおかしいですよ」

ショチトル「はぁ・・・ヒマだなぁ」

エツァリ「ヒマですねぇ・・・」

少し暑い陽射しの中

競技場からは歓声が聞こえる


地味な二人は、静かな昼間を過ごしていた
862 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:52:11.54 ID:OK6NyXVG0

垣根「はい、次はチアダンスでーす!!」

心理「・・・前もやってたわよね」

垣根「うっせーな!!観客席の男達はそういうのを求めてんだよ!!」

そうだそうだ!!と声が上がる

時間は午後の2時

日は空の真上に昇っている
863 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 10:59:55.70 ID:OK6NyXVG0
垣根「いいか!!男とはパンチラが好きなんだ!!」

吹寄「貴様!!アナウンスでなんてこと・・・」

垣根「チアガールの見せパン?」


垣根「そんなんで興奮するかよ!!」

垣根「見せるの前提のパンツなんてなぁ!」

垣根「殺されるの前提でこっちに向かって仲間になりたそうな顔するスライムくらいやる気無くすって言ってんだよ!!!」

心理「へぇ」
864 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:02:19.27 ID:OK6NyXVG0
垣根「なぁ!?」

吹寄「・・・私は貴様のこと、理解できないわ」

心理「ゴメン、その考えは私も理解できないわ」

垣根「・・・なん・・・だと?」

垣根が凍りつく

そう、彼はそういう人間だ

隠されたものが見たいのだ
865 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:04:53.86 ID:OK6NyXVG0
そこにあると分かっていても

手を伸ばしても掴めない

胸やパンツ、下着や夢

それらは垣根の中ではイコールなのだ

そう、彼にとって夢とおっぱいはイコールなのだ

男の夢だ、届かぬ夢だ
866 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:07:18.36 ID:OK6NyXVG0
垣根「いいか!!俺はおっぱいが好きなんだよ!」

吹寄「おっと!ただいまの中間発表!」

心理「紅組、白組に大きな差で負けています!」

吹寄「紅組のみなさん!がんばってください!」

垣根「諦めたらそこで試合終了ですぞ!?」

吹寄「黙ってて」

垣根「」
867 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:09:46.94 ID:OK6NyXVG0
心理「みなさん!!水分補給はしっかりと!」

吹寄「大覇星祭中はレッドブルが安くなっております!・・・これCM?」

垣根「えー、なお提供はレッドブル!!」

垣根「甘いだけじゃつまらない!!炭酸なだけじゃつまらない!」

垣根「喉越し最高、後味完璧!」


垣根「僕は、レッドブルを愛しています」

心理「やめなさい」
868 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:12:54.69 ID:OK6NyXVG0

垣根「さぁ!!次は盛り上がる種目、といっても競技とは少々違います!」

心理「あら、何なの?」

垣根「最近ツイッターって流行ってるだろ?」

吹寄「あぁ・・・私は興味ないけど」

垣根「つぶやき、ってあるだろ?」

心理「えぇ」
869 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:15:54.58 ID:OK6NyXVG0
垣根「だから、いろんな人からつぶやきを集めたんだ」

吹寄「へぇ・・・」

垣根「さすがにずっと競技だと疲れるし、水分補給のタイミングもなかなか難しいだろ?」

心理「ちょっとした休憩、ね」

垣根「そうそう、では読み上げます!」

垣根がお便りを開く


垣根「ペンネームはトキワの森のビリビリさん」
870 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:18:24.95 ID:OK6NyXVG0
垣根「私の彼氏は、フラグを立てすぎ、そんなフラグ、ぶち殺す!!」

垣根「へー、恋仲は大変ですね」

観客席の何人かが頷く

彼らも恋人がいて苦労することがあるのだろう

垣根「次は・・・?最新型冷蔵庫さん」

心理(アレイスターじゃない)
871 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:21:48.71 ID:OK6NyXVG0
垣根「寒いよ」

垣根「この一言です」

心理「・・・ね、ねぇ・・・」

吹寄「なんか、私達のほうが寒気がするわ」

垣根「じゃ、次は・・・」

垣根「変装魔人さん」

心理(エツァリ君ね)
872 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:25:37.66 ID:OK6NyXVG0
垣根「地味だと言われようと、二人の愛は輝いている」

垣根「・・・」


垣根「このコーナー、地味だな」

心理「えぇ、特にこのお便りのせいで地味になったわね」

吹寄「さっさと次の競技行きましょう」


まだまだ大覇星祭は続いている
873 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:29:47.75 ID:OK6NyXVG0

美琴「ねぇ、当麻」

上条「・・・なんだ?」

美琴「・・・インデックスって・・・なんであんなに食べまくるの?」

二人が見つめているのは妖怪大喰らいだ

イン「はむはむ!!」

ステイル「よく噛むんだよ」
874 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:35:36.97 ID:OK6NyXVG0
神裂「・・・インデックス、そろそろ・・・」

イン「?まだまだ食べるんだよ!!」

五和「・・・すごいですね・・・」

上条「なぁ・・・俺たちもう競技場行っていいかな?」

イン「うん、いいんだよ!」

美琴「じゃ、行こうか」
875 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:38:44.50 ID:OK6NyXVG0

上条「おー・・・やってるやってる」

競技場にやってきた二人はすぐに席に着いた

周りは未だに盛り上がっている

美琴「うん、垣根たちもがんばってるみたいね」

上条「あぁ・・・しっかりやってるな」

キャーリサ「なかなかに面白いし」

上条「あぁ・・・」
876 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:40:15.35 ID:OK6NyXVG0
美琴「・・・」

上条「・・・」


上条・美琴「なんでいんの!?」

キャーリサ「気づくの遅いし」

騎士「・・・私にはノータッチというのも解せないな」

上条「アンタもいんの!?」

美琴「ど、どういうこと!?」
877 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:42:03.62 ID:OK6NyXVG0
キャーリサ「いやぁ、いろいろあってこんな中途半端な時期からしか来れなかったし」

騎士「皇女がしっかりと仕事をこなされないからです」

キャーリサ「うるさいし!」

上条「ちょっと待って!招待とかしてないから!!!」

美琴「ていうかよく来れたわね!?」

キャーリサ「美琴久しぶりだし」

美琴「あ、お久しぶりです・・・」
878 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:43:46.31 ID:OK6NyXVG0
上条「なんで来たんだよ!?」

キャーリサ「ステイルとかいうヤツから聞いたし」

騎士「大覇星祭は噂に聞いていてな、力と力のぶつかり合いは興味深い」

上条「そういう問題じゃねぇよ!なんでこんなとこで・・・」

キャーリサ「いや、イギリスで中継見てるだけじゃ臨場感がないし」

上条「だからそうじゃねぇ!」
879 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:45:51.67 ID:OK6NyXVG0
キャーリサ「特等席とか好かないし」

上条「だからって一国の皇女がそれはまずいだろ!」

騎士「なに、暗殺の心配はあるまい」

キャーリサ「いつかの寿司の大将が見回りしてくれてるし」

上条「パシるなよ!」

美琴「キャーリサさん・・・第一なんですかその格好?」

美琴がキャーリサの服を指差す
880 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:47:46.92 ID:OK6NyXVG0
そう、ドレスに王冠

いつも着ている暑そうな服装・・・


ではなく

皇女か?と思うほどラフな格好だった

キャミソールにショーパン、サングラス

こういう雰囲気の服のほうが似合うのがまた不思議だった

上条「アンタ・・・金持ちだろ?」
881 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:50:28.13 ID:OK6NyXVG0
キャーリサ「ブランド物は堅苦しいし」

美琴「で、でも大胆と言うか・・・」

周りの学生もチラチラ、とキャーリサのほうを見ている

彼女は男勝りな性格とは裏腹にとても魅力的な容姿を持っているのだ

キャーリサ「そうか?普通だし」

騎士「皇女・・・なんとはしたない」

キャーリサ「喜んでるくせに」
882 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:53:52.33 ID:OK6NyXVG0
騎士「喜んでいませんから!」

上条「大体アンタたち登場が急すぎるだろ!」

キャーリサ「ご都合主義だし、っていうか騎士団長鼻の下伸ばしすぎだし」

騎士「なっ・・・」

美琴「ま、まぁ男ならしょうがないですよ!!」

騎士「ゼロにするっ!」

上条「何をだよ!?」
883 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 11:56:13.48 ID:OK6NyXVG0
上条「はぁ・・・まぁいいや、競技を見ようぜ」

上条が溜め息をついてから競技場を見つめる

彼は今までもこういう突拍子もない急展開を経験してきた

いまさらいちいち細かくツッコんではいられない

騎士「・・・しかし、この競技はなんなのだ?」

上条「あぁ、これは椅子取りゲーム・・・」

美琴「運動会でやるものじゃないわよね」
884 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 12:00:02.57 ID:OK6NyXVG0
騎士「どういうルールなのだ?」

上条「あれ、外国には無いのか?」

キャーリサ「あるかもしれないけど、私達は幼い頃から遊んでる時間は無かったし」

上条「なるほどな・・・」

美琴「簡単に言えば、音楽が止んだら椅子に座ればいいのよ」

キャーリサ「・・・それだけ?」
885 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 12:02:24.43 ID:OK6NyXVG0
上条「でも、椅子は人数分無いんだ」

騎士「なるほど、座れなかったら負け・・・か」

美琴「そういうこと」

キャーリサ「用意された椅子をかけて戦い・・・」

騎士「座れなかったものは死ぬ・・・」

キャーリサ「素晴らしい社会の縮図だし」

上条「いや、違うからな」
886 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 12:04:50.46 ID:OK6NyXVG0
キャーリサ「私はこの椅子取りゲーム、感動したし!」

騎士「ぜひとも騎士団でもやってみましょう!」

上条「・・・」

上条は想像した

用意されるのはおそらく鉄製の椅子だろう

甲冑の重さに耐えなければならないのだから

もちろん、音楽はイギリス国歌だろうか
887 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 12:09:03.67 ID:OK6NyXVG0
そして、甲冑を着たむさくるしい男達が椅子の周りをグルグルと回る

剣とか引きずるであろう

音楽が止まれば椅子に座るのだ

体がぶつかって騎士は何人か転がるだろう

いてっ!!押すなよ!

とか

俺が先に尻ついたしー!!

とか言うかもしれない
888 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 12:11:28.08 ID:OK6NyXVG0
上条「なんか、シュールな絵面になるんじゃないか?」

キャーリサ「みんなが楽しいならそれでいいし」

騎士「しかし、あれは意外と差別的な意味があるのでは?」

美琴「?どういうこと?」

騎士「円になる、これすなわち完全な形だ」

キャーリサ「ふん、魔術的な意味だし」

騎士「まぁそうおっしゃらずに」
889 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 12:13:49.68 ID:OK6NyXVG0
騎士「その状態で回るのは、完全な調和を意味している」

上条「・・・そ、そんな深い意味は・・・」

騎士「そして、音楽が止まる」

騎士「音楽と言うのは宗教的には非常に重要なものだ」

美琴「そういえば・・・インデックスも言ってたわね」

騎士「長い話よりも意味のある行為だ」
890 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 12:15:04.66 ID:OK6NyXVG0
騎士「完全な調和、そして宗教的な意味」

騎士「あの場は、一種の教会と化している」

上条「ねーよ」

騎士「そこにある席というのはなんだ?」


騎士「そう、最後の審判によって神に選ばれるということだ」

キャーリサ「興味ないし」

美琴(・・・魔術が嫌いなのかな?)
891 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 12:17:43.81 ID:OK6NyXVG0
騎士「では、席から外れた者とは?」

騎士「そう、神に背いたものだ」

騎士「歌が終わることに気づかないのは、神の教えを聞いていなかったから」

騎士「神の教えを聞かぬものは、天国に行く資格はなし、ということさ」

上条「いや・・・だから・・・」

キャーリサ「まったく、十字教らしい排他的正義だし」

騎士「反吐が出ますね」
892 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 12:19:02.70 ID:OK6NyXVG0
キャーリサ「その点、騎士は完璧だし」

騎士「救いを求めるものにはそれ相応の救いを与える」

キャーリサ「そこには過去や未来なんて関係ないし」

騎士「まったく、同感です」

上条「お前たち・・・ちょっとおかしいぞ」

キャーリサ「おかしくなきゃ騎士なんてやらないし」

美琴(言ってることめちゃくちゃね)
893 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 12:20:11.28 ID:OK6NyXVG0
キャーリサ「にしても暑いなぁ」

キャーリサがパタパタ、と手を仰ぐ

そうすると少々キャミソールの紐とかが揺れてセクシーなことになるのだが

そんなことを気にする彼女ではない

上条「・・・なぁ、そういうのは気をつけろよ?」

キャーリサ「何が?」

騎士「女性と言う自覚を・・・」
894 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 12:21:39.85 ID:OK6NyXVG0
上条「大体な、周りの男を見てみろよ」

キャーリサ「あ?」

キャーリサが周りを見渡す

目の合った男子生徒が慌てて視線をそらす


キャーリサ「みんな度胸がないし」

上条「そっちではなく」

キャーリサ「綺麗な瞳だし」

上条「そこでもなく」
895 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 12:23:19.54 ID:OK6NyXVG0
美琴「・・・キャーリサさん、もう少し露出は少なめにしたほうがいいですよ?」

上条「さすが美琴!!言いたいことをズバズバ言ってくれる!」

キャーリサ「はぁ?暑いのにあんなヤツみたいな格好してられないし」

キャーリサが観客席のある女性を指差す

上条「あぁ・・・なんかコート着だしたな」

美琴(あれって・・・麦野さんじゃない)
896 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 12:24:21.69 ID:OK6NyXVG0
キャーリサ「いいか、涼しくなるにはどうすればいい?」

上条「扇風機」

美琴「エアコン、もしくは避暑」

キャーリサ「ちっちっち、もっと原始的な方法で」

騎士「・・・脱ぐとか言わないでくださいね」

キャーリサ「脱ぐんだし」

騎士「聞いてました?」
897 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 12:25:52.46 ID:OK6NyXVG0
キャーリサ「お前たちはまだ若いからいいけど、私はもう歳だし」

上条「若いじゃねーか」

キャーリサ「まぁ、世間からしたらな」

キャーリサがスポーツドリンクを飲む

キャーリサ「あーっ!水分が染み渡るし!」

騎士「・・・はぁ、他の皇女が見られたらなんと言うか・・・」

キャーリサ「姉貴もヴィリアンもクソ真面目だし」
898 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 12:27:07.55 ID:OK6NyXVG0
美琴「・・・キャーリサさんは最後の日までこっちにいるんですか?」

キャーリサ「その予定だし」

上条「あのさ、みんなで焼肉パーティーする予定なんだけど・・・」

キャーリサ「おっ!行くし!」

騎士「皇女・・・焼き肉だなんて」

キャーリサ「肉は美味いし!」
899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 12:27:25.92 ID:08/Xm6gIO
ヴィリアンは露出度高い服は好きかもしれない
何となくwwwwww
900 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 12:28:15.44 ID:OK6NyXVG0
上条「じゃあ、みんなに言っとくな」

キャーリサ「カッコイイ人はいるか?」

上条「・・・ほとんど彼女持ちです」

キャーリサ「ちっ」

騎士(必死すぎる・・・)

美琴(騎士団長さんお似合いなのになぁ・・・)

上条「しかし暑いなぁ・・・」
901 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 12:30:00.77 ID:OK6NyXVG0
>>899  

ヴィリアン「ウィリアムー!こっちですよー!」

アックア「乳が揺れるから走ったらダメなのである!」


上条が空を見上げる

太陽はそろそろ真上から下がってきていた

上条(あと二日・・・か)

競技はまだまだ続くだろう

最後の日はナイトパレード、そして焼肉パーティー

楽しくなりそうだ、と上条は笑っていた

902 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 12:30:47.48 ID:OK6NyXVG0
さて休憩

明日友達とツーリングに行くことに

雨降りそうなのにww


今日で新スレはいけますね、安心した
903 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:12:41.25 ID:OK6NyXVG0

浜面「・・・滝壷、暑くないか?」

滝壷「うん、大丈夫」

浜面「そうか、よかった」

絹旗「・・・あー、超暑いですー」

麦野「あっちぃなー、あっついなーおい!!」

浜面「飲み物でも飲めよ」
904 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:14:50.70 ID:OK6NyXVG0
麦野「あぁてめぇ!!私が暑いって言ってんだよ!」

浜面「だったらどうすりゃいいんだよ!?脱がせってか!?」

麦野「えっ・・・」カァッ

浜面「頼むから意味わかんない反応すんなよ」

滝壷「はまづら最悪」

浜面「あぁ違うからな!!俺が脱がしたいのは滝壷だけだからな!」

絹旗(超キモいです)
905 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:16:24.60 ID:OK6NyXVG0
麦野「・・・くそ・・・てめぇな!」

浜面「あーあ、麦野も彼氏さっさと作れよな」

麦野「は?」

麦野が素っ頓狂な声を上げる

なぜいきなりそういう話になるのか

彼氏を作れ、なんてただの下っ端の浜面には言われたくなかった

浜面「麦野だったらすぐできるだろ?」
906 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:19:30.13 ID:OK6NyXVG0
麦野「・・・うるせぇよ」

絹旗「・・・浜面、超ひどいですね」

浜面「は、はぁ!?」

滝壷「そうだね、鈍感」

浜面「な、なんでだよ!?」

麦野「・・・大きなお世話だって言ってんだよ!」

麦野が浜面を睨みつける
907 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:21:22.09 ID:OK6NyXVG0
浜面(え、え!?なんで俺が怒られてるんだ!?)

浜面は迷っていた

だって、あの麦野だ

金はあるし、見た目は綺麗

オマケにスタイルも抜群だろう

男なんて黙っていても寄ってくるはずだ

性格を少し直せばおそらく完璧だろう
908 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:24:03.09 ID:OK6NyXVG0
麦野「・・・てめぇは・・・」

浜面「あ?なんだよ?」

麦野「・・・ちょっとトイレ行ってくる」

いきなり麦野が立ち上がる

滝壷「・・・きぬはた」

絹旗「分かってます」
909 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:27:27.61 ID:OK6NyXVG0
絹旗が麦野のあとについていく

浜面「な、なぁ?俺なんかまずいこと言ったのか!?」

滝壷「はまづらって、意外と鈍感」

浜面「はぁ!?」

浜面が首を捻る

滝壷「・・・はまづら、生まれなおしてきたら?」

浜面「なんでだよ!?」
910 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:29:04.71 ID:OK6NyXVG0

絹旗「・・・麦野」

麦野「・・・ついてくんなよ」

麦野は近くのベンチに座っていた

少し寂しそうな顔をしている

絹旗「・・・ですが、超心配だったので」

麦野「・・・ほっとけよ」
911 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:31:48.53 ID:OK6NyXVG0
絹旗「・・・隣失礼しますね」

絹旗が麦野の隣に座る

麦野「・・・なんだよ」

絹旗「・・・麦野、浜面にあんなこと言われてショックでしたか?」

麦野「・・・別に」

絹旗「あなたは・・・」


絹旗「浜面のこと、好きだったんじゃないんですか?」
912 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:33:58.57 ID:OK6NyXVG0
麦野「・・・知らねぇよ」

絹旗「・・・そうやってふてくされるってことは、そうなんですね」

麦野「・・・」

気味の悪い沈黙が流れる

昔の麦野だったらすぐに絹旗を殴るなりしていただろう

しかし、今の彼女は違った


麦野「・・・ちげぇよ」
913 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:35:52.45 ID:OK6NyXVG0
麦野「なんでかは知らないけどムカつくんだよ」

麦野「ずっと一緒にいたヤツらは二人幸せになってて」

麦野「私は何も変わってない」

絹旗「・・・変わったじゃないですか」

麦野「・・・違うさ」

変わったのではなく、元に戻ったのだろう

正常だった状態に戻っただけだ
914 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:37:20.97 ID:OK6NyXVG0
絹旗「・・・幸せが、うらやましいんですか?」

麦野「そうかもな」

絹旗「・・・麦野、違いますよ」

絹旗は知っている

彼女が浜面を求めていたと

彼女を初めて守ろうとした浜面を

彼女が初めて負けを認めたあの男を

麦野は好きになっていたと
915 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:38:49.11 ID:OK6NyXVG0
絹旗「あなたは、滝壷さんに嫉妬してるんですよ」

絹旗「ただ、それを認めるのが辛くて」

絹旗「だから、二人の幸せに嫉妬している振りをしているんですよ」

麦野「・・・なんでてめぇなんかに理解できるんだよ」

麦野が忌々しそうに吐く

それは苛立ちからか

それとも図星だったからか
916 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:40:46.20 ID:OK6NyXVG0
絹旗「・・・超分かりますよ」

麦野「だからなんでだよ」

絹旗「・・・私もそうでしたから」

絹旗が苦笑する

彼女だって、浜面を好きだった

絹旗「・・・だから、分かりますよ」

麦野「・・・何が分かるだよ」
917 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:43:03.95 ID:OK6NyXVG0
絹旗「・・・超辛いですよね」

麦野「・・・知らねぇよ」

絹旗「・・・失恋なんて、初めてでしたから」

麦野「・・・そうかよ」

麦野が溜め息をつく

そうだったのかもしれない

好きだった人に、面と向かって「彼氏を作れ」なんて言われたら

心に傷を負ってしまう
918 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:45:20.56 ID:OK6NyXVG0
絹旗「・・・でも、認めてあげないとダメですよ」

麦野「あいつらが幸せなことをか?」

絹旗「えぇ」

絹旗は笑っていた

意外と麦野は子供なのかもしれない

そんな簡単なことにも気づかないのだから
919 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:48:03.07 ID:OK6NyXVG0
絹旗「・・・麦野、帰りましょう」

麦野「・・・浜面にどんな顔して会えばいいんだよ」

絹旗「ちゃんと謝ればいいんですよ」

麦野「・・・ちっ」

舌打ちをしてから麦野が立ち上がる

麦野「・・・なぁ絹旗」

絹旗「なんですか?」

麦野「・・・私はいつか、他のヤツを好きになるのかな?」
920 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:49:15.91 ID:OK6NyXVG0
絹旗「きっとなりますよ」

麦野「そうかな」

麦野には考えられなかった

他の誰かを好きになるなんて

これから先、浜面以上に彼女の心を打つ人間が現れるだろうか

そんなことはないだろう
921 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:51:54.14 ID:OK6NyXVG0
絹旗「・・・そうならなかったとしても」

絹旗「それでもいいんじゃないですか?」

麦野「辛いだろうが」

絹旗「・・・恋なんてそんなもんですよ」

麦野「・・・辛いもんなんだな」

絹旗「だからこそ、得たときの喜びは超大きいと思います」

麦野「・・・くっだらねぇ」
922 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:54:19.99 ID:OK6NyXVG0
麦野「帰るぞ絹旗」

絹旗「はい」

二人がベンチから立ち上がる

少し暑い陽射しが鬱陶しい

絹旗「・・・暑いですね」

麦野「あぁ、暑いな」
923 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:56:31.75 ID:OK6NyXVG0

浜面「あれ、帰ってきた」

滝壷「あ、おかえり」

麦野「・・・浜面、悪かったよ」

絹旗「ほら、浜面」

浜面「あ、あぁ」

浜面が麦野を見つめる
924 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 13:59:38.94 ID:OK6NyXVG0
浜面「・・・悪かった、そのさ・・・」

麦野「いいよ、お前もそこまで深い意味で言ったことではないんだろ」

滝壷「むぎのは大人だね」

麦野「・・・ありがとよ」

麦野が笑う

滝壷は、本当にかわいらしい少女だった

こんな少女なら、浜面とお似合いだろう

麦野よりも、お似合いなはずだ
925 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 14:01:35.05 ID:OK6NyXVG0
麦野(あーあ、辛いな)

失恋なんて、初めてなのだ

その辛さは経験したことが無かった


浜面「ところでさ、麦野」

麦野「?なんだよ」

浜面「長かったけど、大きいほうだったのか?」


原子崩しが、炸裂した
926 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 14:13:32.92 ID:OK6NyXVG0
いったん休憩

筋トレしてきますね

こういうイチャイチャだの失恋だのが書きたい気分だったw
927 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 14:25:17.32 ID:2rYnrp+DO
浜面爆発しろ
928 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 14:25:49.28 ID:17HyKp7IO
おおきいほう(笑)
929 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/08/17(水) 14:32:27.97 ID:w1ujC1pAO
>>1000なら浜面爆発
930 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/08/17(水) 15:15:52.40 ID:E/ESoviB0
>>929 早ええwww
931 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/08/17(水) 15:21:20.34 ID:XweCOm++0
>>1000なら浜/面
932 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 15:28:12.57 ID:OK6NyXVG0
>>1000なら浜面は爆発して麦野は俺のはとこ

そろそろ投下・・・かな?
933 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 15:34:47.95 ID:OK6NyXVG0

一方「・・・なァ」

番外「ごめんなさい・・・」

一方「なンで、お前は俺の顔面に足を乗せてたンだ?」

番外「だ、だからごめんってば!」

一方「なンでだ?痛かったンですけどォ」

番外「し、しつこいね!」

一方通行と番外個体はホテルのベッドに座っていた
934 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 15:36:48.00 ID:OK6NyXVG0
そう、一方通行と番外個体は休憩をしていたのだ

ヘンな意味ではなく、疲れた体を休めるために睡眠をとっていた

しかし、一方通行が眠りに着いてしばらくしたら、何かが顔面に降り注いだのだ

固い感触が

鉄パイプか、と考えてしまった辺りは彼はまだ危険な世界から抜け出せてはいないのだが

そんな生ぬるいものではなかった


番外個体が、かかと落としをくらわせていたのだ
935 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 15:39:53.01 ID:OK6NyXVG0
一方「・・・」

番外「ね、ねぇ・・・」

一方「まァいいけどよ・・・」

一方通行が溜め息をつく

彼としてはあと一時間ほど寝ていたかったのだ

2時間の予定でホテルには入っていたが、延長なんてあとでいくらでもできる
936 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 15:43:14.64 ID:OK6NyXVG0
一方「・・・出るか」

番外「え、あ、うん」

なぜか少し番外個体が残念そうな声を出す

一方「・・・夜でいいだろォが」

番外「だ、だってアナタいっつもそう言って結局してくれないし!」

一方「・・・今日は一周年だからしてやンよ」

番外「約束だよ?」
937 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 15:45:41.17 ID:OK6NyXVG0
一方「あァ」

一方通行が番外個体の手を引く

番外「外、まだ暑いかな?」

一方「だろォな」

時刻は午後の3時半

まだまだ暑い時間帯だろう

番外「・・・イヤだなぁ」
938 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 15:47:19.15 ID:OK6NyXVG0
番外個体がめんどくさそうにつぶやく

なぜか、暑いのは嫌いらしい

一方(・・・なンでだろォな)

一方通行は心のどこかでは分かっていた

あの悲劇があったのも、夏の最中だったから

きっと、暑い日にいい思い出がないのだろう

一方「行くぞ」
939 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 15:48:57.93 ID:OK6NyXVG0
番外「うん」

番外個体がベッドから立ち上がる

一方「・・・なァ」

番外「なに?」

一方「・・・いや、なンでもねェ」

番外「?」
940 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 15:50:12.59 ID:OK6NyXVG0
一方(・・・こいつは何を思ってるンだろォな)

この陽射しを見て

あの悲劇を思い出しているのか

それとも、友達と行った海や垣根の別荘を思い出しているのか

出来たら、後者がよかった

それでも、きっと前者だったのだろう

一方(俺だってそォだからな)
941 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 15:53:07.90 ID:OK6NyXVG0
番外「じゃ、さっさと出ようよ」

一方「わかってンよ」

二人が受付へ向かう


一方「・・・あちィな」

番外「うん・・・暑いね」

まだ、眩しい陽射しは照っていた
942 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 15:59:18.79 ID:OK6NyXVG0

10039「テっくん、これはどうですか!?」

テクパトル「・・・もう少し落ち着いた色のほうがお前は似合いそうだな」

10033「おや?ミサカには明るい色を進めましたよね?」

御坂妹「それぞれのミサカによって、似合う色が違うのですか?」

テクパトル「?みんなそれぞれなんだから当たり前だろ」

ミサカ一同「//」
943 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:00:50.02 ID:OK6NyXVG0
今、テクパトルたちは服を見ている

試着室に一人が入り、出てきてはテクパトルが評価する

その繰り返しだった

美鈴「うーん・・・私にはわかんないな」

旅掛「・・・テクパトルくん、マジで見分けついてんのか?」

テクパトル「今は特殊メイクしてるから分かりやすいんじゃないか?」

旅掛「いや、だけどさぁ・・・」
944 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:02:22.86 ID:OK6NyXVG0
旅掛がそれぞれのミサカを見る

たしかに、見た目は特殊メイクのおかげで変わっている

しかし雰囲気はほとんど同じだ

唯一、19090号だけが違うと言える

トチトリ「・・・17600号は迷彩か?」

17600「あぁ、保護色だ」

テクパトル「お前なぁ・・・」
945 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:04:11.58 ID:OK6NyXVG0
テクパトルが17600号が選んだ服を見る

迷彩のズボン、迷彩のジャケット

一体どこの特殊部隊だ、とツッコみたくなる

19090「17600号ももう少し女の子らしい格好をしたらどうですか?」

17600「お母さんはそう思わないだろう?」

美鈴「うーん・・・まぁ、それぞれだよ」

14510「ですが、ちょっとおかしいですよ」
946 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:08:20.77 ID:OK6NyXVG0
旅掛「・・・で、えっと・・・」

20000「20000号だよ」

旅掛「あぁ、で・・・お前はなんでそんな下着ばっかり買うんだ?」

20000「・・・パパのエッチ♪」

旅掛「聞いた!?こんなセリフ初めてリアルで聞いたよ!?」

テクパトル「興奮してんじゃねぇよバカ父!!」

旅掛「ははは!!いいじゃねぇか!!」
947 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:10:43.58 ID:OK6NyXVG0
13577「・・・ミサカは、これがいいです!」

13577号が指差したのは白のワンピースだった

テクパトル「へぇ、清楚な感じだな」

トチトリ「私もこういうの着たらいいのかな?」

テクパトル「ねぇよ、13577はこういうのが好きなのか?」

13577「テ、テっくんは好きですか!?」

テクパトル「?」
948 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:12:20.36 ID:OK6NyXVG0
美鈴「なになに!?13577号ちゃんもテクパトルくん好きなの!?」

13577「えっ!?あ、いや!」

御坂妹「お母さん、みんなテっくんのことが好きですよ?」

旅掛「くぁーっ!!憎いね!」

19090「ミサカが一番好きです!」

テクパトル「あ、あぁ、ありがとう」

トチトリ(・・・17600号もテクパトルが好きなのかな)
949 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:15:42.92 ID:OK6NyXVG0
17600(・・・みんな、よく恥ずかしくねぇな・・・)

はぁ、と17600号が溜め息をつく

もちろん、彼女もテクパトルのことは「家族として」好きだ

だが恋愛感情ではない

だからこそ、他のミサカが好きだ好きだと言っているのを見るとくだらない、と思ってしまう

テクパトル「・・・まぁ、13577号には似合うんじゃないかな」

13577「は、はい!」
950 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:17:41.53 ID:OK6NyXVG0
19090「・・・テっくん、ミサカはどれがいいでしょうか?」

テクパトル「?お前は何を着ても可愛いぞ?」

ミサカ一同「」

19090「//」

美鈴(あーあ、他の子たち固まってるよ)

旅掛(ひっでぇ一言だな)

17600(すげぇ衝撃力だな)

トチトリ(17600号、取り乱さないなんてカッコイイ・・・)
951 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:20:11.16 ID:OK6NyXVG0
19090「・・・で、ではこれを・・・//」

テクパトル「ん、似合いそうだな」

13577「19090号はもう買ってもらったはずです!」

20000「そうだそうだ!何着もお母さんに買ってもらうなんてずるいぞ!」

御坂妹「特別扱いは・・・」

テクパトル「じゃあ、俺が買ってやるよ」

ミサカ一同「」
952 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:22:22.73 ID:OK6NyXVG0
14510「ふぉぉぉぉぉぉ!!!ちくしょう、うらやましいなぁ!!!!」

10039「くそ!!!ミサカだって彼氏ほしいんだよぉぉぉぉ!!!!!」

13577「なに!?忘れ去られててやっとみんなの仲間入りと思ったらこの扱い!?」

20000「オチンチンしゅっしゅ!!!」

テクパトル「20000号は減点な、他のみんなも買ってやるよ」

ミサカ一同「//」

17600(テっくん・・・)ハァ
953 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:25:11.92 ID:OK6NyXVG0
旅掛「いやぁ、しかしこうやってるとホント楽しいな!」

御坂妹「お父さん、ミサカの服、どうでしょうか?」

旅掛「おう!似合ってるぞ!」

御坂妹「お、お母さんはどう思いますか?」

美鈴「うん、オシャレだよ!」

御坂妹「//」

17600(ま、幸せそうで何よりだ)
954 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:28:19.15 ID:OK6NyXVG0
旅掛「お前は買わないのか?」

17600「もう買ったさ」

旅掛「いや、テクパトルくんに買ってもらわないのか?」

17600「あぁ、ミサカはいいよ」

17600号が笑う

彼女はあまりそうやって甘えるのは好きではなかった

テクパトル「?お前も買えばいいのに」

955 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:30:17.07 ID:OK6NyXVG0
17600「いや、遠慮しとく」

テクパトル「・・・遠慮なんていらないんだぞ?」

17600「・・・だったら、19090号に一着多く買ってやりな」

テクパトル「・・・お前は・・・」

17600「ミサカはオシャレには興味ないんだよ、美味いもんなら買ってもらいたいがな」

テクパトル「そっか、じゃあ仕方ないな」

17600「あぁ」
956 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:31:54.26 ID:OK6NyXVG0
19090「テっくん、これはどうでしょうか?」

テクパトル「あぁ、お似合いだ」

美鈴「テっくん、これはどう!?」

テクパトル「なんでアンタも買ってんだよ・・・」


トチトリ「・・・いいのか、本当に?」

トチトリが17600号に近づく

17600「なにが?」
957 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:34:29.32 ID:OK6NyXVG0
トチトリ「・・・うらやましいんじゃないか?」

トチトリがテクパトルたちを見つめる

とても幸せそうで、とても楽しそうで

なぜ17600号はその輪の中に入っていかないのか

17600「・・・ミサカは、こうやって見つめてるほうが好きだな」

トチトリ「・・・どうして?」

17600「どうして・・・か」
958 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:37:26.18 ID:OK6NyXVG0
17600号は少し考える

なぜ、見つめているのが好きなのか

17600「あの中にいれば、たしかに幸せな日々は送れるだろう」

17600「でも、それに気づくことは難しい」

17600「一歩距離を置いたほうが、現実には気づきやすいのさ」

トチトリ「・・・岡目八目ってやつか」

17600「そうだな」
959 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:40:09.10 ID:OK6NyXVG0
トチトリ「・・・でも、あの幸せを味わうのが難しくならないか?」

17600「なに、普段はあの中にいるのさ」

17600号が微笑む

その笑顔に、トチトリはまたドキリとしてしまう

17600「・・・たまにこうして距離を置いて」

17600「いつも自分が幸せだと実感する」

17600「それが好きなんだ」
960 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:44:02.92 ID:OK6NyXVG0
トチトリ「なかなか素敵な趣味だな」

17600「そうかな」

17600号が目を細める」

その先にいる家族は

そんなことをしなくても、自分達が幸せだと知っている

碁盤の上に立っていながら

それでも、自分達の模様を知っているのだ
961 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:46:12.30 ID:OK6NyXVG0
17600「ミサカは不器用だからな」

トチトリ「そ、そこも素敵だと思うぞ?」

17600「・・・そうか」

鼻で笑う

彼女はそうは思えなかった

他のミサカはうらやましい

ずっと、そう思っていた
962 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:49:50.51 ID:OK6NyXVG0
17600「・・・でも、ミサカもいつかはあの中に入りたいんだ」

17600「・・・ずっと、あの場所にい続けられるようになれたら」

17600「それは、とても幸せじゃないかな」

トチトリ「・・・あの家族が大好きか?」

17600「あぁ、信じられないほどに好きだよ」

トチトリ「・・・幸せじゃないか、十分」

二人が笑う
963 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:52:50.82 ID:OK6NyXVG0
トチトリ「・・・ん、テクパトルがお前を呼んでるぞ?」

17600「あぁ」

17600号がテクパトルの元へ行く

17600「なんだ?」

テクパトル「食い物だったら、買ってほしいんだろ?」

17600「・・・まさか、今からか?」

テクパトル「ちょうどいい時間じゃないか」
964 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:56:01.19 ID:OK6NyXVG0
17600「・・・なぁテっくん」

テクパトル「ん、なんだ?」

17600「・・・ミサカは、幸せなのかな?」

テクパトル「あぁ、幸せだろ」

美鈴「ほらほら、立ち話してるヒマがあったら行くよ!!」

旅掛「俺はパフェな!!」

20000「顔に似合わないね」
965 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 16:59:16.23 ID:OK6NyXVG0
17600「・・・ありがとう」

テクパトル「どういたしまして、トチトリも行くぞ」

トチトリ「はーい」


17600(・・・幸せ、か)

17600号が横を見る

テクパトル「それにしても、暑いな」

19090「そうですね・・・」
966 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 17:02:30.34 ID:OK6NyXVG0
17600(・・・ミサカはまだこの場所からじゃ分からない)

それでも

17600(いつかは分かるようになればいいな)

そんなことを考えてた

17600(今日も暑いな)


まだ、大覇星祭は続く
967 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 17:08:57.99 ID:GjvVajtY0
        ,.  ´ ̄ ̄`ヽ
      /        `    \
     /     _,.z=≠`ヾヾハヽ\
    /    _彡'         ! } ハ
   /     〃  __    | ハ i
    |  /  /ミ / ̄ ̄ヽ  j/=ミ、 !
    | i /  / ミ  ,xィ芹ミ  ({,芹ミハ ∧ 「お姉さんの苦手なものですか?
   ヽ{  「ヽミ 爪rり    {rリ {(ヽ | 大きくウサギを描かれたパンツか、
    ヽ  ト、 〉   ¨´    、¨  Y,ノ/ 辛い物全般だと思いますけど」
  、___ハ :!ヽ^_            八/
  ヽ__人 \{__>、  c‐っ ,イ{乂_ノ
    >―ヘヽ\>‐=ミ-=≦r=ミく
   ´ ̄ ̄_)ノ〃-、:::::::::ヽ: : :}:::::::::::}}
      ,.┴、{    V::::::}_}ノ:::::::::://
      /  ∧ヽ_ノ::::::ノ__八_/∧〉、
     ,'  /: : !: !:ー‐': : : :ヽ: : : : :ヽノ\
     |  |: : : V: : : : : : : : : : : : : : :}: : : \
     |  |: : : }_: : : : : : : : : : i: : : _/: : : : : :\
     ハ  |: {: :!: :: : : ―- : : 〈: : : : :\: : : : : : \
    ヽ  |: : V: : : : : : : : : : : :ヽ: : : :} \: : : : : : :\
     |  |: : ∧_ヽ_ : : : : : : : : : }: : :/   \: : : : : : :\-、
     | |: : :| 冫 /: : :―-: : : 〈-‐: :ヽ    \: : : : : : : : ヽ
     | !: : :|  {: :{: : : : : : : : : :ヽ: : : : }      \: : : : : : :}―- /〉
   / :/ : : |   〉―- 、: : : : : : : }: : :ノ、       \___/_<ノ
   |  :|: : : :! /: : : : : : : :‐-: : :ノ : : : : ヽ             \〉
   /  |: : :/ /: : : : : : : : : : : : : :ヽ : : : : :}
  /   /: : :| {: : : : : : : : : : : : : : : }: : : : /
  |  /: : : :|  冫=ミ、: : : : : : : : :ノ: : : ∧
  |  /: : : : ! /  /::::::::::::::≧=----=彡:::::i
 ∧ {: : : : /  | /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
 ヽ 〉: : : }  | /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|


968 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 17:10:18.07 ID:OK6NyXVG0
さて、新スレはこちら

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313568339/


さて、そろそろ大覇星祭終わらせないとw
969 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 17:16:28.96 ID:OK6NyXVG0
ではあとがき

番外通行、御坂両親、そして17600号

自分の好きなキャラに重点を置きつつも、内容はまるでなし

それが>>1、いいじゃない、人間だもの

あとアイテム勢も出せたしまぁよかったか

そして、何よりもたくさんのキャラを出せるから楽しい・・・?

■■と吹寄もいいキャラになりそうだし

キャラは増やしたくないけど、たまーに絡ませるなら大丈夫だと思う

しかし、ネタ切れがひどいね

そろそろ潮時かもしんないけどまだがんばってみる
970 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2011/08/17(水) 17:19:00.02 ID:NPL37J8L0
あー、やっと追い付いた!早すぎ
971 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 17:19:39.18 ID:OK6NyXVG0
次スレで大覇星祭はおしまい

まさか4スレ使うとは思わなかった

それが終わったらハロウィン・・・

の前に罰ゲームがあるんだね

めんどくせぇww

でも仕方ないね

罰ゲームは何かがいいかな

リクを取るべきかもしれないw
972 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 17:19:47.42 ID:17HyKp7IO
今の感じが好きですとミサカはミサカは(ry
973 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/08/17(水) 17:44:44.07 ID:w1ujC1pAO
打ち止めも合流させてあげてよ
974 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 18:13:25.38 ID:OK6NyXVG0
>>972 そりゃありがたいw

>>973 いや、語尾がめんどくさいのと、今はあまり必要がないかな、と

もちろん必要なときはありますけども
975 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2011/08/17(水) 18:30:55.16 ID:XweCOm++0
今、最初から1スレ目から見直してたけど、3ヶ月で18スレとか
>>1速すぎだろwwwwwwwww
976 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 19:05:14.55 ID:47x5/wZc0
>>1

速さが足りてるッッッッッ!!!!!
977 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/08/17(水) 19:09:40.98 ID:w1ujC1pAO
>>974
いやいや美琴パパママと合わせてあげようよww
978 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 19:20:36.20 ID:Z8HXbGj80
3ヶ月で18スレか
1ヶ月で6スレ
1週間で1.5スレ
どんだけ早いんだよww
979 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 20:25:56.23 ID:cFNl5f1SO
よーし>>1000>>1を苛めるぞー!とミサカは意気込みます
980 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 20:39:13.04 ID:S4i3GvdIO
もう次スレかよ(感激)
981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/08/17(水) 20:42:23.50 ID:6E2YKJeio
>>1000なら20000号とサトリナがレズプレイ
982 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 20:50:14.62 ID:OK6NyXVG0
>>977 わ す れ て た w

>>979

>>981 その幻想を!!


では小ネタ

旅掛くんと美鈴ちゃんの初デート

こうだったらよかったのにな
983 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 20:51:55.52 ID:OK6NyXVG0
美鈴「ねぇ旅掛くん」

旅掛「なんだい、美鈴ちゃん?」

美鈴「今日はどこに行くの?」

旅掛「そうだな・・・動物園とか・・・行きたいけど、あんまり時間ないんだよな」

美鈴「・・・でも、旅掛くんと一緒ならどこでもいいよ?」

旅掛「!!!」


旅掛(俺に足りないものはなーんだ!!!!!!!!!!!!!)


旅掛(好きだと伝える勇気だよーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)
984 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 20:53:24.70 ID:OK6NyXVG0
美鈴「ねぇ旅掛くん、一緒にアイス食べようよ」

旅掛「おう、いいぞ!」


美鈴「はい、あーん♪」

旅掛「・・・え?」

美鈴「?あーん」

旅掛「あ、あーん」


美鈴「どう?美味しい?」

旅掛「あ、あぁ!」

美鈴「じゃ、今度は私にあーんして?」

旅掛「」


旅掛(俺に足りないものはなーんだ!!!!!!!!!!!!!)


旅掛(あーんをしてやる勇気だよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)
985 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 20:55:17.54 ID:OK6NyXVG0
美鈴「旅掛、そろそろ・・・ね?」

旅掛「?なんだよ?」

美鈴「つ、付き合ってもう5年だよ!?」

旅掛「?あ、あぁ」

美鈴「・・・ねぇ、わかんないの?」

旅掛「悪い、なにが?」

美鈴「・・・いいわよバカ」

旅掛「?」


旅掛(俺に足りないものはなんだ?)

旅掛(理解力・・・かな?)

986 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 20:57:30.06 ID:OK6NyXVG0

美鈴「え、私のことが好きだった?」

「は、はい!!だから、自分と付き合ってください!」

美鈴「で、でも私・・・彼氏がいるし・・・」

「自分は、世界中の誰よりも御坂さんを愛しています!」

美鈴「・・・ちょっと、時間をもらえないかしら?」

「は、はい!!!!」



旅掛(・・・見ちまった)

旅掛(俺に足りないものはなんだ?)

旅掛(・・・今の場面で走っていって、抱きしめてやる愛情か・・・)
987 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 20:59:31.00 ID:OK6NyXVG0
美鈴「・・・でね、旅掛」

旅掛「・・・」

美鈴「?聞いてる?」

旅掛「なぁ、俺たち別れるのかな?」

美鈴「え・・・?」


旅掛「ほら、この前他のヤツに告白されてたろ」

美鈴「み、見てたの!?」

旅掛「・・・俺は、お前を愛してないのかもな」

美鈴「え・・・?」
988 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 21:01:14.48 ID:OK6NyXVG0
旅掛「・・・あのとき、駆け出していってお前を抱きしめなかった」

旅掛「もしかしたら、俺は・・・」

美鈴「そんなことないわよ!!」

旅掛「!」

美鈴「きっと、旅掛はちょっと鈍感なだけ!!だから!!」

旅掛「お、俺は・・・お前を愛してやれないような・・・」

美鈴「違う!!!!!!!!!!」


美鈴「私の好きな人のことを、それ以上悪く言わないで!!」

旅掛「・・・」
989 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 21:02:53.29 ID:OK6NyXVG0
美鈴「・・・」

旅掛「・・・そっか、お前は俺を好きでいてくれてるんだ」

美鈴「当たり前でしょ?」

旅掛「・・・じゃあさ」


旅掛「結婚・・・してくれないか?」

旅掛「5年もかかった、こうやって考えをまとめるのに」

旅掛「これから、大切なことを決めるたびに時間がかかるんだと思う」

旅掛「そんな、待たせてばっかりの俺でもいいなら・・・」


旅掛「結婚、しよう」
990 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 21:04:10.24 ID:OK6NyXVG0
美鈴「・・・やっと、気づいてくれたんだ」

旅掛「・・・やっとこさ、だな」

美鈴「嬉しいよ・・・」

旅掛「・・・幸せになろう、美鈴」

美鈴「・・・うん」


旅掛(俺に足りなかったものはなーんだ)

旅掛(いや、もう足りていたのさ)

旅掛(初めて、世界が満たされたんだ)
991 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 21:06:12.60 ID:OK6NyXVG0


美鈴「?パパ、何笑ってんの?」

旅掛「あぁ、悪い悪い」

テクパトル「ったく、さっさと他のミサカの服も見ないとな」

旅掛「あぁ」


旅掛「なぁ、美鈴」

美鈴「なに?」

旅掛「・・・家に一人って、寂しいか?」

美鈴「・・・うん、ちょっと・・・でも、前は5年待たされたし、慣れてるよ」

旅掛「そっか」
992 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 21:07:16.75 ID:OK6NyXVG0
旅掛「・・・これからは、もうちょいこまめに帰ってくるようにするよ」

美鈴「お、サンキュー!」

旅掛「美味いもん作ってくれよな!」

美鈴「もっちろん!」



旅掛(俺に足りないものはなーんだ?)

旅掛(それはな・・・)



単発終了
993 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 21:07:43.12 ID:OK6NyXVG0
さて、じゃあ1000取り合戦どうぞ

こんな単発でもいいでしょう、うんw
994 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/08/17(水) 21:12:22.77 ID:mkhu/Zks0
>>1000なら>>1が黒子を巡って削板とガチバトル
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/08/17(水) 21:12:37.21 ID:3IITa2Nxo
>>1000
なら上条さん達も>>1も読んでる人たちもみんな幸せ
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 21:13:48.96 ID:47x5/wZc0
<<1000なら俺は受験合格
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 21:15:54.82 ID:47x5/wZc0
うはwwwww安価間違えたwwwwwwwうぇ
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 21:18:34.93 ID:j9G+/CwVo
>>1000なら俺にミサカな彼女ができる
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/08/17(水) 21:19:33.01 ID:OvwtJW3IO
>>1000なら俺にサトリナのような彼女ができる
1000 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/08/17(水) 21:19:56.25 ID:OK6NyXVG0
>>1000なら次スレでみーんなサトリナ
1001 :1001 :Over 1000 Thread
          | |\                /| |
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          | |:::.::.:.:.| ⊂⊃      ⊂⊃ |.:.:.::.:::| |
          | |:::.::.:.:.l∧_∧   ∧_∧|.:.:.::.:::| |  NIPは誰でもウェルカム
          | |:::.::.:.:.|,, ´∀`)  (・∀・ ,,).:.:.::.:::| |
          | |:::.::.:⊂   つ  (     つ .::.:::| |
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1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
長門「クジの結果は絶対」 @ 2011/08/17(水) 19:26:45.10 ID:ohTaeSRSO
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上条「俺の事が好きなんだろ?」 @ 2011/08/17(水) 19:08:21.29 ID:/ByE56hx0
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魔法少女まどか☆マギカ―運命を越える者達―19スレ目 @ 2011/08/17(水) 18:33:24.73 ID:pC5/6Tn80
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百合に目覚めそうな件! @ 2011/08/17(水) 18:26:30.65 ID:I7MKjIb7o
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岡部「俺がガンダムだ」 @ 2011/08/17(水) 17:36:48.39 ID:I1PNOpmAO
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おじいちゃんが竹とんぼで飛んでいって丸2日 @ 2011/08/17(水) 17:11:40.65 ID:1PzPim7vo
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上条「そして終盤!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスはワシじゃよ」心理「誰よ」 @ 2011/08/17(水) 17:05:40.08 ID:OK6NyXVG0
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スレも立てれんのかこのカスは @ 2011/08/17(水) 16:33:24.50 ID:AKuR1+njo
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