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勇者よ、そなたの魂はそなたのものだ - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/09/05(月) 18:55:01.47 ID:y1JI9sZx0
注意事項

1.かなり独自の世界観での勇者もの
2.地の文あり
3.書き溜めなし
4.作者の趣味による引用多数あり


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■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:05.72 ID:A9RjOWcxo
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■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:05:29.13 ID:9l741hD4o
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■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:04:05.72 ID:sMr/Yf+to
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421045/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/09/05(月) 19:11:05.04 ID:y1JI9sZx0
――王城――


兵士「勇者殿が帰還されました」

宰相「おぉ、よくぞ戻られました。ご無事のようで何よりです」

勇者「陛下、ただいま件の事態の調査より帰還いたしました」

国王「うむ、長期の調査ご苦労であった」

国王「これ誰ぞ勇者に水を持て」

兵士「ハッ!」バタバタ

兵士「勇者殿、どうぞ」

勇者「これは……陛下のお心遣いに感謝いたします」ゴクゴク

国王「さてでは早速だが報告をいたせ」

勇者「ハッ!では私が出発した時より掻い摘んで説明いたします」

勇者「かしこまりました。では私が出発した時より順を追って簡潔にご説明いたします」バサッ
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/09/05(月) 19:18:54.09 ID:y1JI9sZx0

勇者「建設中の離宮が消し飛んだということで、私はまず現地へ参りました」

勇者「現地の者たちの話を聞く限りだといきなり火に包まれ、建設中の城も周辺に広がり始めた街も爆発した」

勇者「とのことでしたが、どうやらそれに関して火薬を使用した痕跡はございませんでした」

国王「うむ、街一つ消し飛ばすほどの量の火薬となればさすがに市場の流れで判明するであろうしな」

勇者「はい。そこで魔術によるものだろうと推察しまして周囲を調査しましたが…」

勇者「魔力増幅の魔法陣等が展開された形式もございませんでした」

勇者「あれだけの規模の魔術を単独、あるいは少数で発動させるには魔法陣を展開した上でなければ不可能と考えられます」

勇者「それゆえこれは組織だったものの犯行だろうと思われます」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/09/05(月) 20:19:56.22 ID:y1JI9sZx0

勇者「かと言って、在野の士が集まった程度で…とは考えられません。」

宰相「そうであろうな。魔術はエルフの血が流れるものしか使えず、それゆえに希少だ」

宰相「そして純血のエルフは他国と関わろうとしないからな」

宰相「実質的にさらに希少なハーフエルフしかおらず、そしてハーフエルフというだけで働き手がある。在野ですらいるかどうか…」

勇者「そのとおりです。念のため魔術学校の教師等も調べて回ったのですが…」

勇者「やはり当日、あるいは前後日で集団で移動した形跡はございませんた」

国王「うむ、我々も念のため軍部の魔術部隊の出勤について調べたが同じだったぞ」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/09/05(月) 20:33:23.14 ID:y1JI9sZx0

勇者「そこで残るは…ということで闇の者の支配地域へ参り、調査を続行してまいりました」

勇者「まずは我が国との隣接する地域を統治している南統侯の元へ参りまして話を聞きました」

国王「ふむ、それで彼の者は何と?」

勇者「犠牲者の冥福を祈り、できる限り協力する…とのことでした」

勇者「その後、闇の者の盟主たるダークエルフ王の元へ参りまして、彼らの魔術部隊の出動記録を確認し、個別に話を聞いた上で戻った次第にございます」

国王「ダークエルフの在野については?」

勇者「大凡が国で管理してある上で可能性はまずないだろう。とのことでしたが」

国王「………そうか」

勇者「詳しくはこちらの報告書をご覧ください」クルクル…スッ
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/09/05(月) 20:43:18.09 ID:y1JI9sZx0

国王「しかし、ダークエルフ王なら部隊など使わずに単体であれくらいは可能ではないのか?」

勇者「たしかに、それは可能性はございます。が、この件についてはもう少し慎重になるべきかと」

国王「………そうだ、事件直後に派遣した使者についてはどうだった?」

勇者「こちらの使者が行方不明になった件については、そもそも使者が到達していない…とのことでした」

国王「どうだか…真相は分からぬな」

勇者「陛下!」

国王「そなたとて、牢屋まで見たわけではあるまい?それに部隊の帳簿についても改ざん可能だしのぅ」

勇者「それはそうですが…むやみに疑っては国交に支障がですだけでは……」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/09/05(月) 20:45:51.96 ID:y1JI9sZx0

国王「もう良い…下がれ」

勇者「陛下!もうしばし詳しく調査を…」

国王「もう良いと言っている。今夜は城で休め勇者よ」

宰相「勇者殿、こんばんはゆるりと休まれよ…。誰ぞ、案内して差し上げろ!」

兵士「ハッ!私が」

勇者「陛下……では失礼いたします」スタスタ
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/09(金) 14:54:11.85 ID:qIDoYaU1o
ふむ
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/09/10(土) 00:35:31.48 ID:qwFI3dZn0

勇者「くっ……私が見た限りでは闇の者の仕業とは思えない……」ブツブツ

勇者「最低でも、勢力を上げての組織だったものではないのは間違いないはず」ブツブツ

兵士「何か?」

勇者「いや、すまない。ひとりごとだ」

兵士「そうでしたか。ではこちらの部屋でお休みください」ガチャ

勇者「うむ、ありがとう」

兵士「お食事は後ほど使用人がお持ちいたしますのでごゆるりとお休みください。勇者様」

勇者「そうさせてもらう」バタン


………

……


10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/09/10(土) 00:39:55.75 ID:qwFI3dZn0
――1週間後・勇者の家―――

男「父さん、今回はずいぶんとかかってるな……」

男「まぁ王様からの依頼だし、難しいことなのかもしれないけど……」

――ドンドン!ドンドン!!

男「?はい、今開けます」ガチャ

勇者「ゴホッゴホッ!…おぉ、今戻ったぞ」

男「と、父さん!どうしたの?」

勇者「風邪か何かだろう。休めばすぐよくなる」ヨロヨロ

男「風邪どころじゃないよ!今お医者様を呼ぶから!」

勇者「大げさだな。そんなものは……」バタッ
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/09/10(土) 00:44:03.88 ID:qwFI3dZn0

男「父さん!!」ダキオコシ

男「とりあえずベッドまで運んで……」ズリズリ

勇者「………ん……」

男「っ……父さん?大丈夫?ベッドまで行ける?」

勇者「世話をかけるな…なんとか自分で行こう」オキアガリ

男「じゃあすぐお医者様を呼んでくるから!」バタンッ

勇者「そんなものは……いや、頼む」

勇者「ゴホッゴホッ!……くっ……」ゼーハー
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/09/10(土) 00:48:16.58 ID:qwFI3dZn0

男「っ、病気には強いはずの父さんがあんなに衰弱してるなんて…」

男「でも魔物とかにやられたとは到底思えないし…一体何が…」

男「いや、それより先にお医者様だ……っと、ここだな。すいません!!」ドンドン

男「誰か!誰かいませんか!?」ドンドンドン

?「はいはい、どなたでしょうか?」ガチャ

男「あぁよかった。女さん、先生は?」

女「先生は今日は隣町の会合で居ないんですが……何かあったんですか?男君」

男「父さんが、父さんが重病みたいで…」

女「?!勇者様が?……わかりました。簡単な治療なら私でも出来ますし行ってみましょう」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/09/10(土) 00:52:17.63 ID:qwFI3dZn0

男「ありがとう」

女「いえ、これでも法術師兼看護師ですから。急ぎましょう」ダッ

男「それは薬箱?僕が持つよ」ダッ

女「ありがとうございます。で、どんな様子なんです?」

男「今さっき帰ってきたんだけど、顔は土色で言い方悪いけど死人みたいだった」

男「あと派手な咳をしてて、いきなり倒れたんだけど…」

女「病気というより毒のようですね…でも、この辺でそんな強力な毒なんて……」

男「魔物や動物の類で考えても思いつかないし、まさか盗賊たちにやられたなんて想像できないよ」

女「えぇ……っとつきましたね。お邪魔します」ガチャ
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/10(土) 03:25:32.26 ID:d3OSy2bEo
乙した
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/09/10(土) 13:41:09.77 ID:5qTgxyDz0

男「お医者様を連れてきたよ!」ガチャ

勇者「………」

男「と、父さん!」ユサユサ

女「男さん落ち着いて、まだ心臓は動いてます」

男「あ、あぁ…ごめん」

女「見た様子では毒のようですしこの薬を。その上で癒しの法術を使います」

男「分かった」

勇者「……待て……」

男・女「!?」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/09/10(土) 13:44:25.40 ID:5qTgxyDz0

勇者「待て男……そんなことはいい。それよりこっちへ」

男「ダメだよ父さん!」

勇者「自分の体だ、自分が一番よくわかる…」

勇者「古の勇者の末裔が病死とは…笑いものだ…ゴホッゴホッ!」

女「勇者様、諦めてはダメです。未熟ですが私ができる限り……」

勇者「女…さんか?悪いがもう時間がない…それより君は一応僧侶に当たるんだよな?」

女「勇者様……」

勇者「どうなんだ?」

女「はい、見習いではありますが…」

勇者「それはよかった……」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/09/10(土) 13:50:58.60 ID:5qTgxyDz0

勇者「男…こっちへ来て跪け…」

男「いい加減に薬を…!」

勇者「跪け!!」

男「………」スッ

勇者「いいか男…私はもうすぐ死ぬが…その前にお前に引き継がねばならん」

勇者「女さんは僧侶として、立会いを……」フラッ

女「畏まりました……っと…支えます」

勇者「…すまない……」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/09/10(土) 13:54:42.56 ID:5qTgxyDz0

勇者『怯まず敵に立ち向かえ』

勇者『神は、勇気と正義を愛される』

勇者『例え死に至るとも、常に真実を語れ』

勇者『弱気を助け、悪しきを行うな』

勇者「そう誓え」

男「誓います……」

―――バチッ―――

勇者「この痛みが記憶させる」

勇者「立て、勇者よ!」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2011/09/10(土) 14:13:31.82 ID:5qTgxyDz0
以降
男→勇者  勇者→先代

―――――――――――

先代「私の剣を持ち、私の死を王に報告しろ」

勇者「はい。必ず」

先代「国に尽くし…民をまも……」ガクッ

勇者「父さん!?」ガタッ

女「主の元に召されました……」

勇者「っく……」

勇者「女さん…すこしここ頼めるかな?…」

女「いえ、私が外に出ましょう…」

勇者「ありがとう…」

女「いえ、一度戻りますので、大丈夫になったら呼びに来てください。用意しておきますので」ガチャ
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/12(月) 09:08:14.26 ID:hrHmpjMxo
乙した
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