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男「やっぱり埋まってるのか」 少女「はい、埋まってます」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/09/05(月) 22:47:23.20 ID:YIHK6CKl0
男「やばい、時間が無いな・・・」

男「しかし問題ない。なぜなら抜け道を知っているからだ。」

誰かのでっかいお屋敷の庭の隅を通ることで20分近く稼げることを俺は知っている。

過去に何回か使ったことがあるが防犯カメラとかも無いようでばれていない。

今日も厄介になることにするか。

???「・・・あの」

男「!!!」ギク

男「すっ、すみません!あ、あの、もう通らないので――――」クルリ

声のしたほうを振り向くが誰も居ない

???「あ、下です、下」

男「下?」
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/09/05(月) 22:57:15.21 ID:YIHK6CKl0
下を向くと枯葉の山を見つけた。スピーカーか何かか?

???「あのあの、葉っぱどけてくれると嬉しいです」

逆らうわけにも行かない。不法侵入したのは俺なのだから

男「分かりました・・・」ガサガサ

男「うわっ!!」

中から生首が出てきた!

少女「む、失礼な、埋まってるだけです」

男「心の声が何故聞こえた・・・?」

少女「口に出ちゃってましたよ・・・」

男「それで、何で埋まってるんですか」

少女「・・・・・・あのあの、最近ここ、通ってませんか?」

男「ううぅ!!」ギク

少女「・・・・・・不法侵入です」

少女「私はあなたを見つけるためここに居た・・・のです」

男「すみませんすみません」ドゲザー

少女「ちょっと私とお話しましょう」

少女「5分でいいですので」

男「・・・はい」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/09/05(月) 23:03:05.90 ID:YIHK6CKl0
男(5分間話されたのはただの世間話か・・・)

少女「そろそろ5分ですか?」

男「あ、はい、そうなります」

少女「お仕事ですか?」

男「はい、これから・・・」

少女「また帰りに来てください。ここで待ってます」ニコ

男「・・・はい」

とりあえず俺は解放され会社にはギリギリ間に合った。

あれか。会社に遅れることを考えてくれたのか?終わってからゆっくり話しましょうってことか?

何で埋まってたのかとか色々聞きたかったが・・・まぁ、後ででいいだろう
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/05(月) 23:13:44.68 ID:prheeYWSO
ふむ
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/09/05(月) 23:14:31.65 ID:YIHK6CKl0
同僚「おっ、3分前着とは男らしくない」

男「普段ならあと10分近く早くつけたんだが・・・」

同僚「何かあったのか?」

男「ちょっと落ち葉をかいて5分かかった」

同僚「はぁ?」

男「その後5分間世間話をした」

同僚「男が!?」

同僚「珍しいこともあるもんだ」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/05(月) 23:18:02.08 ID:YIHK6CKl0
仕事が終わった。

男「残業だったが寄らないとな・・・」

同僚「男!飲み行こうぜ!」

男「悪いけどパス。用事があるんだ」

同僚「おっ!ついにお前にも彼女ができたのか!」

男「悪いが違う。謝罪だ謝罪」

同僚「へぇ。謝罪ねぇ。なんかしでかしてたっけ?」

男「朝のがちょっと・・・な」

同僚「落ち葉かきと世間話のやつか?」

男「それだ」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/05(月) 23:27:13.39 ID:YIHK6CKl0
男「残業のせいで夜になっちなったな・・・。まだ待ってたりしたら悪いな・・・」タタタ

男「さすがに居ない・・・か」

少女「下です、下」

下を向く。生首があった。

少女「また生首だー、とか思ってないですか?」

男「こんな夜にその状況を見たら誰だって思いますよ。寧ろ1度見ていたおかげで叫ばず居られてます」

少女「そうなんですか」

男「それで、朝の”ここで”ってまた同じとこで埋まってるですか」

少女「ここで、って言いましたから」ニコ

男「そこまで忠実に”ここ”を再現しなくていいと思いますけどね。それでなんで・・・」

少女「さて、お話しましょうか!」

少女「このお屋敷にお使えしている少女と申します」

男「あ、え、はい。・・・えっと、俺は、男です」

少女「無理に丁寧語使わなくていいですよ。きっとあなたの方が年上ですし」

男「あ・・・そう?じゃあそうするよ」

少女「私、一番下っ端で、こんな風に話せる人あなたしか居ないんです」

男「それで・・・また俺を呼んだ、と」

少女「はいっ♪」

男「俺の不法侵入のことは許してくれるのか?」

少女「また明日からも来て頂ければ」

男「なるほど」

男「ところでその、残業で遅れてしまって申し訳ないです」

少女「気にしないで下さい、来てくれて嬉しいです」

男「でも、その間ずっと埋まってたんじゃないのか?」

少女「それも気にしないで下さい♪」ニコ

男「はぁ・・・というかなんで」

少女「じゃあまた世間話でも・・・お願いできますか?」

男「あ、ああ。」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/05(月) 23:37:32.02 ID:YIHK6CKl0
少女「楽しかったです!」

男「それは良かった。」

男「俺も楽しかったよ」

少女「それはよかったです!じゃあ、また明日!」

男「おう、お休み。」

男「・・・でないのか?」

少女「恥ずかしいです・・・」

男「分かった。じゃあな」

男(何で埋まってるんだよ・・・理由くらい聞かせてくれよ・・・)
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/05(月) 23:39:05.64 ID:VC4qpBdDO
期待
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/05(月) 23:45:42.64 ID:YIHK6CKl0
次の日

今日は時間があるが・・・寄っていかないと。

少女「いらっしゃいませ」

男「よう。って、お前の家じゃないだろ」

少女「ここには人来ませんからねー」

男「で、なんで埋まってるんだよ・・・」

少女「えっと・・・上のメイドの方に隠れるように言われまして」

男「そこの茂みでよかったじゃん。埋まって無くても」

少女「う、埋まるところまで命令だったんです!」

男「そうなのか・・・ そういえばお前の後ろにある石って・・・」

少女「お墓です。ご主人様のお子様の。」

男「それなのに人来ないのか」

少女「たまに来るらしいですよー。私がここの監視役になってからはまだ1回も来てませんけどね。」

男「お前はいつからここ担当なんだ」

少女「今日で2日目です。男さんが来た日の前日の夜、たまたま決まりました」

男(何だ?・・・なんだか悲しそうな表情)

男「ふーん。」

少女「こうして男さんと知り合えてよかったですよ!」グーーー…

男「お、すごいお腹の音」

少女「お、お恥ずかしい///」

男「朝飯抜かれたとかか?」

少女「え、あ、そうです。そんな感じです、えへへ///」

男「良かったらこの10秒チャージ2時間キープなゼリー飲むか?」

少女「そんな、わるいです」グーーー…

男「不法侵入のお詫びもかねてさ、ほら」

少女「ごめんなさい、ありがとうございます」ゴクゴク

男「おっと、そろそろ時間か・・・悪い、世間話できなかった」

少女「いいですよ・・・ごくごく・・・また夜にでも・・・ごっくん」

男「よし、またな!」

少女「はい、また」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/05(月) 23:47:07.19 ID:dlSa9J13o
なんか怖いな
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/05(月) 23:51:57.10 ID:YIHK6CKl0
夕方

男「おーい、いるかー」

少女「はい、います」

男「やっぱり埋まってるのか」

少女「はい、埋まってます」

少女「それじゃあ、お話を・・・ゲホッ」

男「どうした?風邪か?」

少女「いえ、ちょっと喉が・・・」

男「ほら、麦茶のめ、麦茶」スッ

少女「すみません」ゴクゴク

男「よくのむなあ」

少女「ごめんなさい」

少女「回復しました、さあお話を」

男「ああ」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/09/05(月) 23:55:47.54 ID:YIHK6CKl0
男「ずいぶん暗くなっちまったな」

少女「そうですねー。じゃあ、そろそろ」

男「ああ、また明日」

少女「はい!」

男「っと、予報じゃ明日は雨らしいからな、埋まってるとずぶ濡れになるぞ」

少女「善処します」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/09/06(火) 00:04:49.94 ID:qEGaO69M0
日付変わりましたが、>>1です


男「ずぶ濡れじゃないか」

少女「えへへ・・・」

男「えへへじゃないって・・・。なんか体調悪そうだな?」

少女「雨にぬれちゃいましたからね」

男「無理すんなよ・・・出てきたらどうだ?」

少女「・・・後で出ます」

男「じゃあ今はお前が風邪引く前にさっさと行くよ。また仕事終わったら来るから。その時は埋まってるなよ?」

少女「・・・はい」

男「悲しい顔するなよ。埋まってなくたっていいんだろう?じゃあな」

少女「はい・・・」

一抹の不安を覚えたがとりあえず会社へ向かった。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 00:12:56.65 ID:qEGaO69M0
男「なんで埋まってんだよ・・・」

少女「気分です・・・」

男「本当に顔色が悪いぞ。おい」

少女「大丈夫です・・・」

男「すごくいやなこと想像してるんだが言ってみていいか?」

少女「・・・いいですよ」

男「お前、ずっと埋まってるだろ・・・」

少女「そうですね・・・毎回頑張って」

男「そうじゃなくて。俺が居ない間も、夜も寝るときもお前ここに居るんじゃないのか」

少女「・・・そんなわけないじゃないですか」

男「じゃあ俺はもう来ない。俺が来る度お前がここに埋まるって言うなら。」

少女「ばらしちゃい・・・ますよ?」

男「悪いけどばらせるもんならばらしてみろ、が俺の返答だ」

男「俺の予想ではお前はここから動けない」

男「じゃあな」スタスタ

少女「・・・」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 00:21:34.26 ID:qEGaO69M0
少女「・・・」

少女「・・・男さん!!」

男「・・・何か言うことは」

少女「・・・男さんの思ってる通りです」

男「何なんだ?ここのお偉いさんの命令なのか?」

少女「・・・埴輪ってご存知ですか?」

男「埴輪?あの古墳時代の・・・?」

少女「はい、古墳・・・つまりお墓の周りに置かれたもの・・・ですよね、埴輪。」

男「あ、ああ。」

少女「なぜ、埴輪が置かれたか・・・ご存知ですか」

男「・・・知らない」

少女「主が死んだとき、それに使えるものを一緒に埋葬していた。しかしかわいそうなので代わりに埴輪を置くことにした」

男「・・・」

少女「昔の説話です。今では・・・その説は否定されてるとも聞きます」

男「それで・・・」

少女「主のお子様が無くなられたとき、何故かメイドがご主人様に埋まって殉死するよう言われました。しきたりだからと。そして私はメイド下っ端・・・」

男「お前の主・・・」

少女「他のメイドたちに言われるがまま縛られて、埋められました」

少女「良心が残っていたのかただの気まぐれか私の首から上は埋められずにすみましたね」

男「・・・今すぐ掘り起こしてやる」

少女「ダメです・・・私が居なくなったらまた誰かほかの人が埋められることになります・・・」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 00:31:47.19 ID:qEGaO69M0
男「ひょっとしたら」

男「メイドたちはご主人に完全に埋めたといっているかもしれない」

男「それなら居なくなってもばれない。というかもう決めた。俺はお前を助ける」

少女「それに・・・お手洗いとか・・・行けなくて・・・その、そのままで、汚いです・・・恥ずかしいです・・・」

男「汚いからって助けるのをやめるように思うか?」

少女「そういう人ではないみたいですね、あなたは・・・」

男「何かを暗示するかのようにスコップが立てかけてあるな」

少女「えへへ・・・実はメイドの誰かが見ているのかも知れません・・・ね」

男「掘るぞ・・・当たっちゃったら、ごめん」

少女「はい・・・」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 00:40:32.76 ID:qEGaO69M0
男「よし、引っ張るぞ」

少女「はい・・・んっ・・・!」ズボ

男「よし、じゃあとりあえず俺んちに運ぶ」

少女「そんな、大丈夫で・・・」

少女「た、立てない・・・」

男「3日間埋まっててしかも衰弱してんだ無理だ。おとなしく運ばれろ」

少女「ごめんなさい・・・」

男「急ぐぞ」タタタタ…

メイド「・・・」

メイド「たまたま人が通りかかったので縋ってみたら、気付くのに3日もかかるなんて」

メイド「こんなことなら最初から私が助ければよかったかもしれません」

メイド「・・・まぁ、助かったのですから良しとしましょう。しかし」

メイド「掘った穴ぐらい埋めておいて欲しいものです」

メイド「この穴さえ埋めればバレないのですから・・・」ザッザッ

メイド「幸せに暮らしてください、少女・・・」ザッザッ
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 00:41:37.00 ID:Bm2f4BeIo
一先ず安心か
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 00:52:43.21 ID:qEGaO69M0
男「とりあえず暖まれ、風呂だ。ほら、その服脱がすぞ」

少女「は、恥ずかしいです・・・」

男「じゃあ一人ではいるか?」

少女「・・・無理だと分かっていて聞かないで下さい・・・」

―――――――――――――――――――――

少女「全身洗われてしまいました・・・」

男「とりあえず、これ飲んで待ってろ、今すぐコンビニで飯買ってくる」

少女「・・・私のために悪いです・・・って聞いてないです・・・」

―――――――――――――――――――――

男「買ってきた!ほら、喰えるかこれ?」

少女「こんな状況なので・・・何でも食べたいです・・・」

男「じゃあほら、あーん」

少女「恥ずかしいですけど・・・どうしようもないです、悔しいです」アーン

男「そんなこといってる暇があれば喰え、ほら」

少女「・・・///」アーン
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 00:59:44.96 ID:qEGaO69M0
男「じゃあここで寝てろ」トサ

少女「ここで寝てしまったら・・・あなたはどこで寝るんですか」クス

男「床でも良いしイスもある。地面に埋まってた人優先だ」

少女「すみません、じゃあお言葉に甘えて・・・」

男「さて、この後どうするか・・・。まずは警察かな。とりあえず警察に連絡して・・・」

少女「警察は・・・やめてください・・・ご主人様は悪くないんです・・・」

男「でも・・・!」

少女「後で・・・元気になったらきっと話します、それまでは待ってください・・・」

男「そういうなら・・・待つよ」

少女「ありがとう・・・」スースー

男「他にやることは・・・」

男「!!!しまった、穴埋めてねぇ!!!」

男「今すぐ埋めにいかねぇと!!」

俺は家を飛び出し、少女を掘り出した屋敷へ向かった。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 01:06:22.63 ID:qEGaO69M0
男「・・・あれ?」

たどり着いた俺は穴が無いことに気がついた。

まさか他のメイドが埋められたのでは、と思った俺はスコップを探した。

が、無い。代わりに誰か人が近くに立っているのにこの時ようやく気がついた。

男「え、あ、あの」

???「穴は私が埋めておきました」

男「え?」

メイド「失礼、私この家に仕えておりますメイドです」

男「ってことは・・・」

メイド「一部始終を見させていただきました。さっきブツブツ言っていた通り、私たちは少女を完全に埋めてしまったことにしております」

男「そうか・・・」

メイド「こんなことは許されるはずがありませんが、少女はこれでも我が主は悪い奴ではないと言います」

男「見ていたならなんでお前が助けなかった」

メイド「私が助けたところで、少女はどこに隠せばよいのでしょう。警察に言うのをためらうあの子を私は隠しておく自信がない」

メイド「あなたと協力しても良かったのですが、あなたに少女を押し付けられると困る」

男「・・・」

メイド「あの子の事・・・お願いできませんか」

男「俺だってあんな子を放置しておくわけには行かない」

メイド「あの子から事情を聞いたのですか?」

男「いや、まだだ。後で元気が出たら話してくれるらしい。」

メイド「そうですか・・・。それでは私が言うことはこれまでのようですね。」

男「そうか」

メイド「最後にもう1度。あの子の事。頼みました。」

男「ああ。頼まれた。」

メイド「ではさようなら。幸運をお祈りします」

男「ありがとう」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 01:09:50.81 ID:qEGaO69M0
男「・・・あれ?」

たどり着いた俺は穴が無いことに気がついた。

まさか他のメイドが埋められたのでは、と思った俺はスコップを探した。

が、無い。代わりに誰か人が近くに立っているのにこの時ようやく気がついた。

男「え、あ、あの」

???「穴は私が埋めておきました」

男「え?」

メイド「失礼、私この家に仕えておりますメイドです」

男「ってことは・・・」

メイド「一部始終を見させていただきました。さっきブツブツ言っていた通り、私たちは少女を完全に埋めてしまったことにしております」

男「そうか・・・」

メイド「こんなことは許されるはずがありませんが、少女はこれでも我が主は悪い奴ではないと言います」

男「見ていたならなんでお前が助けなかった」

メイド「私が助けたところで、少女はどこに隠せばよいのでしょう。警察に言うのをためらうあの子を私は隠しておく自信がない」

メイド「あなたと協力しても良かったのですが、あなたに少女を押し付けられると困る」

男「・・・」

メイド「あの子の事・・・お願いできませんか」

男「俺だってあんな子を放置しておくわけには行かない」

メイド「あの子から事情を聞いたのですか?」

男「いや、まだだ。後で元気が出たら話してくれるらしい。」

メイド「そうですか・・・。それでは私が言うことはこれまでのようですね。」

男「そうか」

メイド「最後にもう1度。あの子の事。頼みました。」

男「ああ。頼まれた。」

メイド「ではさようなら。幸運をお祈りします」

男「ありがとう」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 01:10:48.74 ID:qEGaO69M0
連投してしまいました、ごめんなさい
1つ目と2つ目で違いは無いです
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 01:14:07.38 ID:Bm2f4BeIo
失敗って出ても高確率で成功してるから一回リロードした方がいい
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/09/06(火) 01:14:31.29 ID:iU/anPu7o
エラーでても更新するとレスされてるから落ち着いてね
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 01:18:25.77 ID:qEGaO69M0

男「さて、俺も風呂入ったし、寝るか。」

俺は座布団を床に並べた。

少女「・・・」クイクイ

男「うわ!・・・お、起きてたのか」

ベッドから少女が手を伸ばしてきた。

少女「い、一緒に寝てくれませんか?」

男「一人で寝られないのか?」ニマニマ

少女「そ、そんなことあるわけ無いじゃないですかぁ!!」

男「おお、元気回復してきてる」

少女「また埋められてる夢を見て・・・怖いんです・・・」

・・・やっぱり眠れないんじゃないか、という鬼畜な突っ込みはしないでおく。

男「・・・分かったよ。そういわれると俺も断れないね」

少女「ありがとう・・・ございます」

男「おやすみ」

少女「はい、おやすみなさい」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 01:21:00.50 ID:qEGaO69M0
>>25>>26
そうみたいですね、ありがとうございます
失敗とかエラーとか書かれるとやっぱり不安です
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 01:26:02.51 ID:qEGaO69M0
俺たちが起きると短針は1を指していた

男「ずいぶん寝たなぁ・・・」

少女「もうお昼過ぎてます・・・」

男「埋まってたんじゃろくに寝れなかったんだろ?」

少女「そりゃあそうです・・・しかも悪夢ばっかりで・・・」

男「さて、そろそろおきないとな・・・まぁ休日だからいいんだけど。調子はどう?」

少女「はい、気分はだいぶ良いです!立てるかな・・・あわわ」フラフラ

男「おおっと、まだ無理すんな」

少女「ごめんなさい・・・」

男「とりあえず何か作るよ。リクエストある?」

少女「そんな贅沢は言わないです・・・」

少女「食べさせてもらってるだけで私は・・・むぐ」

男「そんなこと言うな。不法侵入したお詫びってことで。」

少女「そう・・・ですか」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 01:26:42.82 ID:Bm2f4BeIo
時間によっては書き込むたびに出るから慣れないと悲惨なことになるよwwww
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 01:32:32.55 ID:qEGaO69M0
>>30
そうなんですかww
このスレ立てた時、ページが全然変わらなくて諦めてリロードしたら実は立ってた
なんていきなりすぎる罠もありましたけどねww
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 01:37:21.78 ID:qEGaO69M0
食後。元気になったら話します!といって言っていたことを話される時がきた

少女「私、生まれ育った家で虐待をうけまして、ある日ついに捨てられてしまったんです」

少女「全身傷だらけで、動くだけでも痛かったんです。もうこれは死んだ方が楽かなぁとも思いました」

少女「そこに通りかかったのがあのお屋敷のご主人様でした。」

少女「優しい方で、私の傷を手当してくれたり、住み込みで働かせてくれたりしたんです」

少女「でもお子さんがなくなって何かが狂い始めました」

少女「本当にそんなしきたりがあるかは知りませんが私は埋められてしまいました」

少女「私、助かったのに死んじゃうんだって、泣きそうになりました」

少女「そこに通りかかったのがあなたでした」

少女「あなたは昔のご主人様のように優しくて、お話してくれて、私を助けてくれました」

少女「私、また助けられちゃいました。」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 01:39:17.73 ID:Bm2f4BeIo
>>31 一番ひどいので同じ内容の長文の投下が15ぐらい並んでるのは見たことがある
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/09/06(火) 01:51:09.94 ID:qEGaO69M0
少女「ご主人様でもそうだったんですけど、助けられると私、勘違いしちゃって」

少女「前のご主人様には埋められてしまいましたけど・・・」

少女「私のこと好きだったりするんじゃないかなって思って・・・//////」

少女「それで・・・男さんは・・・私のことどう思ってるかとっても知りたいです・・・」

男「・・・」

男「ごめん・・・」

少女「!・・・・・・です、よね」

男「そっ、そうじゃない・・・まだ、まだ出会って4日目なんだ・・・。まだ、そういうことを決めるのは早すぎると思う・・・」

少女「そ、それじゃあ、私、頑張ります!」

少女「きっといつか男さんと恋人になります。結婚だってしちゃいます!」

少女「だからそれまで・・・」

少女「あなたのメイドでいさせてください!」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/09/06(火) 01:57:21.83 ID:qEGaO69M0
男「・・・ああ、わかった」

少女「あ、ありがとうございます!実を言うと・・・帰る場所無いですし・・・断られたらどうしようかと」

男「断るかよ。それに、昨日あの屋敷のメイドさんにも頼まれたしな」

少女「やっぱり、手助けしてくれたんですか・・・?」

男「ああ。」

少女「そうですか・・・えへへ、ありがとうございます、ご主人様♪」

男「いや、そこは"男さん"のままでお願いしたいです」

少女「分かりました!男さん!  ・・・トラウマなんですからもう捨てたり埋めたりないくださいね♪」

男「ああ、しない。誓ってもいいよ。」

少女「えへへ・・・大好きです///♪」ギュッ

男「・・・///」

―HAPPY END―
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 01:58:36.01 ID:qEGaO69M0
よし、幸せに終わりました、見てくださった方はありがとうございました!

回収し忘れたフラグとかないといいなぁ
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 02:14:45.99 ID:Bm2f4BeIo
この長さでここ使うのはどうなのよとは思うが乙
html化以来は出しときなよ
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 02:20:42.78 ID:qEGaO69M0
>>37
後日談を考えていたとかいなかったとか
ご忠告ありがとうございます

もう寝ます、ありがとうございましたー
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 03:05:38.93 ID:XQqPVvTHo


だけど、ハッピーエンドなのか?
男に背負いきれるのかな
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) :2011/09/06(火) 04:56:29.28 ID:QBE03cRz0

おもしろかった
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) :2011/09/06(火) 04:57:38.13 ID:QBE03cRz0

おもしろかった
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 11:40:21.47 ID:qEGaO69M0
>>39
良い案をありがとう、後でそこら辺書いてみる
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 12:17:17.63 ID:yXmX6mSXo
え?まだプロローグだろ?
本編書く作業に戻るんだ
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/09/06(火) 16:04:56.43 ID:VsVr3nJYo
こういう話も終わり方も好きだが
これで終わるなら>>37と同じくVIPとか向けだった気がするな
でも流れ的に続きがありそうだし期待してるよ
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/09/06(火) 17:05:19.52 ID:qEGaO69M0
>>44
もともと長くするつもりは無かったのですが、VIPは流石に怖いです


では続きます
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 17:05:54.80 ID:qEGaO69M0
主「メイドが一人足りなくないか?」

メイド「えっ」

主「ほら、この間保護した子」

メイド「埋めましたが」

主「埋めた?」

メイド「あなたのご命令の筈です」

主「埋めたって、物理的に?」

メイド「はい」

主「どこに?」

メイド「息子様のお墓の前に」

主「そういえば・・・そんなことを、言った、ような」

メイド「間違いなく言われました」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 17:08:10.45 ID:qEGaO69M0
主「それで、その子は?」

メイド「さぁ。地中に生き埋めにしてから結構経ちましたのでもう亡くなっているのでは?」

主「そんな!」

メイド「自分で埋めるように言っておきながら・・・」

主「なぜ何も言わず埋めたんだ」

メイド「私たちの所為にしないで下さい。」

主「・・・すまない」

メイド「ご主人様は御錯乱なさっていましたし、逆らったら自分も埋められてしまうのではないかと皆気が気でなかったようです」

主「・・・今すぐ掘り出しに行くぞ」

メイド「本気で言ってます?」

主「まだ生きているかもしれない」

メイド「もう一度だけ聞きますが、本気で言ってますか?」

主「そうだと言っているだろう!」

メイド「嘘をついているようには・・・見えませんね」

主「あのときは本当にどうかしていた」

メイド「それ、少女に言って許してもらえるような理由ではないですよ」

主「ああ、ただの言い訳だな」

メイド「自覚はあるんですね」

主「・・・ああ」

メイド「・・・今のご主人様にならお話ししましょう、真実を。」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 17:11:14.14 ID:qEGaO69M0
メイド「・・・・・・・・・という事情です」

主「その男、とやらはどこに住んでいるんだ?」

メイド「知りません、しかし」

メイド「彼は仕事に行く際この近くの道を通るようです」

主「明日、メイド総動員で道をおさえろ」

メイド「ご命令とあれば」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 17:13:14.70 ID:qEGaO69M0
月曜日

色々あったわけだが普通に月曜日がやって来た。

いきなりまだ幼い少女を養うことになってしまった。迂闊に仕事も休めない。

男「じやあ、仕事いってくるな」

少女「はい、いってらっしゃいませ♪」

男「留守番の仕方くらいわかる年だよな」

少女「も、もちろんです!」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 17:16:08.10 ID:qEGaO69M0
俺は正直少女が好きになっていた。この間はカッコつけてはぐらかしてしまったが。

これから人一人養うと考えると責任が・・・

???「そこのあなた、お待ちください」

男「・・・え?」

メイドA「私、そこの屋敷でメイドをしている者ですが、男様ですよね?」

男「あ、はい・・・」

メイドA「ご主人様から是非お話ししたいとの言伝てです」

男「今から仕事なんだけど・・・」

メイドA「今でなくともいいです。男様の都合のよいときに。お時間はそんなにとらせません」

男「じゃあ、今日の帰り、寄るよ」

メイドA「承知いたしました」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 17:21:22.33 ID:qEGaO69M0
同僚「よう男。今日は早いな」

男「ああ、おはよう。これでも話しかけられたんだがな」

同僚「ずいぶんと余裕もって出社してるんだな。」

男「・・・まぁな」

同僚「お、何?何か大変なこと考えてる顔だな」

男「何で分かるんだよ・・・」

同僚「お前、顔に出るもん」

男「じゃあ何考えてるかも分かるだろ」

同僚「そこまではわかんないから聞いてんじゃん」

男「だろうな」

同僚「で、何?何考えてたんだ?」

男「お前は少しプライバシーについて考えてみないか?」

同僚「じゃあお前が話せるあたりまででいいから」

男「・・・人を養うって大変そうだな、と」

同僚「養う・・・まさかお前彼女が・・・」

男「この間も違うって言ったよな?」

同僚「デスヨネー」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 17:23:47.96 ID:qEGaO69M0
夕方、残業無くして仕事が終わり、俺はあの屋敷へと向かった。

男「そういえば堂々と門から入るのは初めてだな・・・」

ピンポーン

メイド「男さんですね?今そちらへ向かいます」

男「はぁ」

メイドB「お待たせしました」

男「ま、待ってないです」

メイドB「門に一番近い私が対応させていただきました」

男「なるほど・・・」

メイドB「ではご案内いたします」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 17:26:11.42 ID:qEGaO69M0
主「急にお呼び出しして申し訳ない。この館の主です」

男「・・・どうも」

主「メイドたち、少し下がっていてくれ」

メイド「はっ」

ガチャ、バタン。
メイドたちは部屋から出て行き、主と俺の二人きりとなった。

主「座ってくれ」

男「はい」

俺は思いっきり軽蔑の眼差しを主に向けている。

主「・・・」

主「そのような侮蔑の目で見られるのも仕方が無い、だが是非話を聞いて欲しい」

男「・・・」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/09/06(火) 17:31:24.87 ID:qEGaO69M0
主「私はとんでもないことをしかけてしまったと聞いた」

主「言い訳だが、そのときの私はどうかしていたのだ」

主「あなたが少女を助けたとメイドから聞いたとき、本当に嬉しかった」

主「もちろん私が殺人犯にならずにすんだ、と言う意味ではない。純粋に少女が助かったことに対して喜んだ」

主「この件は本当にすまなかった。そして、ありがとう」

男「・・・」

男「それ、言う相手を間違っているのではありませんか」

主「そこで、だ」

主「少女とあなたさえよければ、少女をここへ連れてきてはもらえないか」

男「・・・」

主「もしくは私があなたの家に伺おう。どうだ、伝えてきてはくれないか」

男「・・・」

主「頼む!」

気も狂っていないようなので少女さえ良ければいいだろう、そう思った。

男「・・・分かった」

主「すまない・・・!」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 17:41:01.49 ID:qEGaO69M0
男の家

男「ただいまー」

少女「おかえりなさいませ!」

男「帰ってきて早々だが大切な話がある」

男「あの屋敷の主のことだ」

少女「え・・・」

この話になったとたん少女の顔から笑顔が消えた。

男「あの屋敷の主な、正気に戻ったんだそうだ」

少女「・・・はい」

男「メイドたちに色々事情を聞いて、お前に謝りたいって」

少女「・・・!」

男「お前、あの主にも恩があったんだろ?」

少女「はい!もちろん・・・」

男「なら、行ってみないか」

少女「・・・男さんが言うなら、・・・わかりました」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 17:46:58.55 ID:qEGaO69M0
屋敷

男「連れてきました」

少女「・・・」

主「おお、すまない」

男「俺、出てましょうか」

主「ありがとう、少女さえ良ければ是非そうしてくれ」

少女「・・・そうしてください」

男「じゃあ後で」

メイド「男様、こちらです」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 17:47:42.70 ID:qEGaO69M0
主「少女、本当にすまなかった」

少女「ご主人様・・・」

主「私は、どうかしていた」

少女「気付くのが、遅すぎます・・・」

主「本当にすまない・・・。許して貰えなくても良い」

少女「許さない、とは言えません・・・」

少女「私はご主人様に助けてもらったこともあるんですから・・・」

主「・・・」

少女「・・・」

主「・・・ありがとう」

少女「・・・こんな簡単に許してしまっていいのか、疑問ですけどね」

主「なんでもする。そりゃあ限度はあるだろうができる限りのことはする。きっとする」

少女「・・・ありがとうございます」

主「こちらこそ、本当にありがとう」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 17:59:16.21 ID:qEGaO69M0
主「それで、少女。聞きたいことがあるんだ」

少女「なんでしょうか、ご主人様」

主「これから、またここに住むか?」

少女「・・・」

主「お前さえ望めばここでも、男の家でも、構わない」

少女「・・・男さんとも相談がしたいです」

メイド「連れてまいりました」

男「仲直り、したのか?」

少女「・・・うん」

男「よかった」ナデナデ

主「それで、この少女のことなのだが」

男「なんでしょうか」

主「私の家にすんでもらうかお前の家に住んでもらうか、考えてもらっているのだ」

男「!」

主「私は少女が望む方どちらでもいいのだが」

主「少女はあなたの意見を聞きたいのだそうだ」

少女「・・・男さん・・・」

男「今度」

男「今度、主さんがおかしなことを命令してもメイドたちが従わないと言うなら、この屋敷でいいと思います」

少女「!」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 18:01:36.49 ID:qEGaO69M0
男「少女」

少女「・・・はい」

男「俺の狭くてボロいアパートなんかより、こういう所に住んだ方がお前にとって絶対良い」

少女「そん・・・な・・・」

男「悪いが」

男「うちには人を養えるだけのお金なんて無いかも知れない」

男「おまえを学校に通わせてあげるだけの手続きの知識も無いと思う」

少女「嘘つき・・・」

少女「助けてもらったとき、私を置いてくれるって言ったのに・・・」ポロポロ

男「言った」

男「言ったけど・・・」

男「お前にとって絶対こっちのほうがいいと思う」

少女「わ、私!食べるものが無くても、学校に行けなくても、部屋が狭くてもいいの!」

男「悪いけど、それはよくない」

少女「!!」

男「ちゃんと食べたほうが良い。学校には行かなきゃならない。部屋だって無いと困る」

少女「そう・・・だけど!!」

男「この屋敷には全部あるんだ。何の文句も無く、な」

少女「でも!!」

少女「男さんが居ないです!!!」

男「!・・・」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 18:06:39.16 ID:qEGaO69M0
少女「言いましたよね、私、助けられるとその人が好きになっちゃうんです」

男「そこの主さんにも助けられてるんだろ。いいじゃないか」

少女「男さんが居なきゃ嫌です!!」

少女「そうだ、男さんがこの館に居てくれれば」

男「いいよ。毎日会社に行く前に通るくらいならしてやる」

少女「それじゃ・・・ダメ。ここに私と住むの」

男「少女はもっと分別のある子だと思っていたのに」

少女「男さんと住みたいの!!!」

男「俺はお金ないからこんな屋敷立てられない、飯食べるのもギリギリ、布団も1つしかない。無理だって」

男「俺だってこんな屋敷に住んでみたいさ。それができるお前がしないのは、もったいなさすぎるだろう?」
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 18:08:11.00 ID:qEGaO69M0
主「じゃあ、住みます?」

男「えっ」

主「あなたがこの家に住んでしまえば解決ならば、私はあなたを拒否しません」

主「少女の命の恩人様ですから」

男「えっ」

主「このような大きな館です、部屋は余っています」

少女「男さん!」

主「あまり乗り気では無いですか?」

男「いや、常識的に考えて、家賃とか払えませんし」

主「無料でいいですよ。当然です」

主「それに、さっき少女と約束しましたから」

男「え・・・?」

主「少女の願うことはできる限り叶えてやる、とね。」
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 18:17:43.35 ID:qEGaO69M0
主「強制はしません」

主「あなたがそれでいいなら、是非ここに住んでください」

少女「男さん、私からもお願いします!!」

男「・・・」

男「・・・分かりました、お願いします」

少女「やったぁぁぁー!!」

男「でも、仕事は続けさせてくださいね」

主「もちろん。あなたの好きなようにしていただいて結構です。」

主「それと、少しお願いがあります」

男「はい、なんでしょう」

主「また私が変なことをしようとしたら、止めてくださいね」

男「わかりました」

主「それと、是非少女と遊んでやってください」

男「はい」

主「それでは、あなたさえよろしければいつでも引越業者のほうを手配します」

男「ありがとうございます」

少女「ありがとうございます、男さん!」

男「あ、あぁ」

少女「男さん、大好きです!!」ギュー

男「ちょ、抱きつかないで」

主「おやおや、すっかり懐かれていますね」

男「そ、そうですね、ははは・・・」

少女「とっても幸せです!!」

――おしまい――
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/06(火) 18:19:43.08 ID:qEGaO69M0
呼んでくださった方がいたらありがとうございました
予想以上に話が膨らまなかった
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 18:29:33.48 ID:KJaZsmTIO


まぁ短すぎるかもしれないけど12レスぐらいで投げ出す作者もいることだし構わないよ
面白かった
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 19:49:02.52 ID:zd0l6YbSO
まだ続いてたのね

66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/06(火) 21:00:44.30 ID:J/ws9Cvu0

ここからほのぼの日常モノにだな…
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/09/06(火) 22:54:08.34 ID:76K2eACCo
おっつ!!


>少女「私、生まれ育った家で虐待をうけまして、ある日ついに捨てられてしまったんです」


この台詞を汲み取って

娘がここでメイドとして働いている事を知った生みの父母が突然現れ…

手な感じはどうだい?
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/07(水) 04:01:42.47 ID:5NvgP+8DO
携帯からこんばんは、>>1です

>>67に興味を持ったのでちょっと考えてくる
>>100位はいきたいな
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/09/07(水) 16:01:26.02 ID:7EB8BtHHo
乙です
続きキター!と思ったら完結しててワロタwwww
こんな感じで日常のひとコマみたいな話を思いつくまま続けるのも良いと思うよ
>>67みたいなのは重かったり暗かったりなりがちだけど
そこも上手くまとめてくれると信じて待ってるよ!
でも100と言わず次スレ目指しましょうよ?
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/07(水) 23:49:05.30 ID:CEHTrBgIO
追いついた
そして乙です!
男の「えっ」にワロタwww
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/16(金) 09:43:49.48 ID:JrpLEGvbo
ワクテカ
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