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QB「ボクと契約して魔法少女になってよ!」伏羲「」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/06(火) 19:52:57.84 ID:5Gbpvm4SO
――それは、天文学的な偶然――

本来交わるはずの無かった二つの世界。

『少女』が盾を構え、『少年』が手を翳す。

自らの望む結果を手に入れる為に『少女』は『時間』を幾度も巻き戻し、繰り返す歴史に終止符を打った『少年』は平穏に身を委ね『空間』を移動する。

そして偶然にも『時間』と『空間』が全くの同じタイミングで、一瞬のズレも無く『移動』してしまった。

これにより『時間』と『空間』は引き寄せられ、やがて回合する――
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小テスト @ 2024/03/28(木) 19:48:27.38 ID:ptMrOEVy0
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満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1711617334/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1711590867/

旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
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にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:23:40.62 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459420/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/06(火) 19:54:02.06 ID:5Gbpvm4SO
・魔法少女まどか☆マギカ×藤崎竜版封神演義

・封神演義のネタバレ有り。物語のオチに触れるのでこれから読む人は注意

・まどマギはアニメ観賞済み。漫画は二巻まで。おりこは読んでない。

・封神演義は漫画もアニメも原作も読んだ。しかし伏羲以外出す予定無し

遅筆ですが、どうぞよろしく。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/06(火) 19:56:04.60 ID:5Gbpvm4SO
――少年は混乱していた。彼の名は伏羲と言い、悠久の時を生きる不老不死の仙人である。

彼は長い戦いの後始末を仲間に押し付け、昼寝をしたり、好物の桃を食べた足り、時折自分を探しに来る仲間をからかって遊んだりと悠々自適に過ごしていた。

そんなある日、いつものように移動する為『窓』を開いたのだが、タイミングが悪かった。

丁度伏羲が『窓』を開けた瞬間、全く同じタイミングで異世界の少女が時間を巻き戻す為に力を込めた。

時間と空間は非常に密接な関係にある――。その結果、強固な意志により巻き戻された『時間』は『空間』を搦め捕り、全く意図せず二つの世界は繋がってしまった。

それはほんの一瞬の出来事で、伏羲が自ら開いた『窓』の違和感に気付く時間も無かった。

そして、指定した場所が当初とは全く違う『見滝原町』に書き換えられているとは知らず、そのまま空間移動してしまった。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/06(火) 19:57:10.29 ID:5Gbpvm4SO
そして現在。

「これは一体どういうことなのだ……」

伏羲の心情はこの一言に尽きた。見たことの無い景色。これだけならまだ良かったのだが、彼の知っている人間界より遥かに進んだ建築物や機械が彼を混乱の渦へと叩き落とす。

「まさか移動に失敗した際、気付かぬうちに何千年と閉じ込められていたとか?ううむ……」

首を捻りながらうんうん唸るものの、如何せん情報が少な過ぎる。とりあえず上空からこの邑(むら)を一望しようかと思考したその時。

伏羲が優秀な空間使いであるが故に、周囲の空間に生じたわずかな歪みを感じ取り、足を止めた。

決していいものでは無いような違和感に辺りを見渡した瞬間。

目の前で強引に空間が書き換えられていった。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/06(火) 19:58:45.84 ID:5Gbpvm4SO
「なっ……!?」

先程までの穏やかな夕暮れから一変。その場にいるだけで魂魄からじわじわと汚染されそうなおどろおどろしい亜空間に覚えず吐き気がする。

とにかく早くここから出なければ。亜空間を掴み、穴を空けるべく力を行使しようとした所で亜空間の主を見つけ――息が止まった。

おぞましい異形にではない。仙人――それも始祖であり、かつ数多の魂魄を見てきた伏羲は『ソレ』の本質が見えてしまった。

かつてどのような扱いを受けたのか、ぼろぼろに擦り切れた魂魄。

不の生命エネルギーを身に纏い、さらに周囲からも取り込み増幅させ吐き出してゆくさま。

絶望をたれ流し、悲鳴をあげ、泣き叫ぶ魂が悲痛そのもので、そのあまりのむごさに伏羲は固まってしまった。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/06(火) 19:59:41.67 ID:5Gbpvm4SO
この亜空間の主を人は『魔女』と呼び、亜空間自体を魔女の『結界』と言うのだが、これは魔女が人間を捕食する際に逃げ場を無くすと同時に自らの力を最大限に引き出す為に展開される。

つまりここは魔女のフィールドであり、引きずり込まれた人間は既に魔女の腑へ入っているも同然。

そんな危険極まりないこの場所で、あろうことに伏羲は魔女の目の前で硬直してしまった。

今まで見たことの無いおぞましく哀れな魂魄以外伏羲の目には入らない。目を逸らすことができない。

無防備な伏羲へ、魔女の使い魔が彼を殺さんと迫って来て――――

軽快な銃声が鳴り響いた。

そこでようやく我に返った伏羲が銃声をした方向に目を向けると、やわらかく輝く金髪を両サイドに巻いた少女が、金とロココ調の装飾が為された白いマスケット銃を構え直していた。

少女は「もう大丈夫」と語りかけてくるような優しい眼差しで伏羲を見遣ると、高く跳躍した。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/06(火) 20:00:19.92 ID:5Gbpvm4SO
まるで天然道士のような身のこなしに伏羲は目を見開く。

弾丸を一発放つと同時に少女は用済みになった銃を捨て、頭に被ったベレー帽から新たに幾つものマスケット銃を出現させる。

人間離れした身体能力に、何かにコーティングされた生命エネルギーを打ち出す銃。

仙気を一切感じない『いたって普通の少女』が起こす奇跡に、伏羲はわけがわからなくなっていた。

その間にも少女は、美しいマスケット銃両手に華麗に魔女を追い詰めていく。

幾度か外した弾痕からは金色のリボンが出現し、弱った魔女を搦め捕る。身動きのとれなくなった魔女に少女は巨大な大砲の狙いを定め、トリガーを引き叫んだ。

「ティロ・フィナーレ!!」
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/06(火) 20:01:17.21 ID:5Gbpvm4SO
……………………

最後の大砲がトドメとなったのか、魔女はぼろぼろと崩れていき、やがて消滅したと同時に亜空間が消え去り、景色は再び穏やかな夕暮れに帰ってきた。

突如飛ばされた謎の地、いきなり現れた異形、そして謎の力をもってして異形を瞬く間に屠った少女。

立て続けに起こる『異常』に伏羲は混乱したが、平静を取り戻しつつあった。

分からないことだらけだが、とにかく危機に直面した自分を助けてくれた目の前の少女に礼を言わなければ。

そう結論付けると同時に、ふわりと抱きしめられた。

「大丈夫、大丈夫……。ちょっと悪い夢を見てただけだから。悪夢は終わったから……」

ぽんぽんと伏羲の頭を撫で、小さな子をあやすように優しく語りかける。

ちょっとの間考え込んでいた伏羲を、自分より年下に見える少年が初めての魔女遭遇によって心が恐怖に囚われてしまったと思った少女は、それを少しでも払拭してやりたく、抱きしめたのだった。

伏羲はすぐにそう察したものの、心優しい少女の気遣いを無下にするほど空気の読めない男ではないので、大人しくされるがままにした。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/06(火) 20:02:11.63 ID:5Gbpvm4SO
…………………

「さっきは助かった。ありがとう」

抱擁から解放された後、伏羲は少女にお礼を言った。あの時は魔女の魂魄に気をとられてあやうく使い魔の一撃を浴びるところだった。使い魔の能力が未知数だった為、致命傷となりえたかもしれなかったのだ。

「いいえ、これが私の仕事だから」

対する少女は、何でもないように装いながら、しかし嬉しさを隠しきれず微笑みながらそう返した。

「今度何か礼がしたくてのう、良ければ名を教えてくれぬか?」

「私の名前は巴マミ。貴方は?」

まるでおじいさんのような口調ね、と思ったことはおくびにも出さず名乗る少女もといマミ。黒と橙色で構成された趣味のいい服を着ているあたり、もしかしてこの子もそういうのが好きなのかしら……と内心わくわくしていた事は本人の名誉の為に伏せておく。

「わしの名は……王奕。好きに呼んでくれてかまわんよ」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/06(火) 20:03:13.64 ID:5Gbpvm4SO
一瞬考えたした後、伏羲はそう答えた。ここがどこか分からず、用意に名乗っていいものかと思案した結果、一番知る者の少ない名前を選んだ。無論、相手に名乗らせておいて自分は名乗らないという選択肢は無い。

「不思議な名前ね。じゃあ、もう遅いから早く帰りなさいね。もう迷い込んじゃダメよ」

そう言って踵を返すマミ。そんなマミに伏羲は慌てて声をかける。

「ま、待て!まだ話が――」

マミは振り返り、伏羲の胸元をつつき、悪戯っぽく笑った。

「じゃあ、今度会ったときにどこでこのお洋服を手に入れたか教えてね」

それだけ言うと、今度こそマミは去ってしまった。

とり残された伏羲はぽつりと一人ごちた。

「この服、ヘンかのう……?」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/06(火) 20:05:20.32 ID:5Gbpvm4SO
以上で、今回は終了です。

異世界に飛んだくだりを見ていただければ分かると思いますが、こんな感じでこじつけていくのでよろしくお願いします。

何かあればどうぞ

では、書き溜めができ次第来ます
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 20:08:37.22 ID:kSXvgOgWo

最近は封神演義スレが増えつつあって嬉しいね
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2011/09/06(火) 20:13:41.41 ID:fB56fJKAO
太公望ってマミに年下扱いされるほど容姿幼かったっけ?
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/06(火) 20:17:41.52 ID:5Gbpvm4SO
>>13
12歳で仙人界入りしましたし、天化より小さいので大丈夫かなーと
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/09/06(火) 23:30:15.17 ID:8n6wIkBAO
年下か同い年くらいだけど、喋り方や演出で年とって見える。

なにはともあれ期待
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/07(水) 03:11:03.09 ID:bFlG9hLAO
最近封神演義のクロス増えて嬉しいわ
期待


確かに絵だけ見ると太公望は幼いな、背え低いし
……ショタジジイ?
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/07(水) 17:44:33.13 ID:eGDsd11SO
まどマギ知らないけど果してついて行けるか

支援
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/07(水) 22:38:55.89 ID:FtxAKKyH0
封神演義のクロス増えたなぁ、と思ってたのは俺だけじゃなかったのね

>>16
しかも枯れてるしな
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/07(水) 23:14:56.32 ID:/z0Tlt1SO
こんばんは、レスありがとうございます。はげみになります。

ロリババアならぬショタジジイとか需要ェ……

あ、今更といいますか、まどマギのほうはネタバレなんてレベルじゃないのでこれから見る予定の方は注意してください。

では、投下します。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/07(水) 23:16:51.66 ID:/z0Tlt1SO
「なんとまあ……ずいぶん遠い所に来てしまったようだのう」

伏羲は深いため息をつくと、頭を抱えた。

ここは見滝原町にある図書館。巴マミと別れた後、彼は情報を集めるべく見滝原中を駆け回った。

その道中、10人中10人が伏羲を奇異の目で見てきたので彼が王奕だった頃の服装に着替えた。白のTシャツにジーンズという非常にシンプルな格好だが、お陰で無事に町へ溶け込むことができた。

しばらく歩くと、保管してある多量の書物を誰でも自由に閲覧できる『図書館』という建物へとたどり着き、現在の年代と殷周革命の年代を参照したのだが――

「まさか、あれから3000年以上も後の世界とは……」

心底まいったような様子の伏羲。彼が頭を悩ませるのはそれだけではない。
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/07(水) 23:17:40.54 ID:/z0Tlt1SO
「あの恐ろしいモノと、それを撃退したマミのような存在についての記述が一切無い……まさか、非公式の存在なのか?あんな危険極まりなく、人を襲う生物が?」

思わず首を捻る伏羲。空間移動のミスに先程の存在が関与していたのではないかと当たりを付けたのだが、情報が皆無なので手の付けようがない。

因みに司書に尋ねてみたところ、可哀相な者を見る目で見られた。相当機密性の高い情報らしい。

そして伏羲は、ここが彼の知る地球では無いということを理解していた。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/07(水) 23:18:24.77 ID:/z0Tlt1SO
「(ここには、妲己がいない――)」

そう、この地球のどこにも彼女の気配を感じることが出来ないのである。

文字通り『地球』となった妲己は、地球上のありとあらゆるすべてと共にあるはずなのに、まるで初めからいなかったかのように全く彼女の存在を感じ取ることができないのだ。

なので「もしや未来ではなく過去に来たのでは?」と考えたが、目の前の光景が今まで繰り返された歴史のどれにも当て嵌まらないのですぐにその考えを一蹴した。第一、あんな生物なんて見たことがない。

地球とよく似た惑星に飛ばされた、とも考えたが、あまりにも辿っている歴史が酷似しすぎているのと、この惑星について調べていくうちにここは紛う方ない太陽系の第三惑星『地球』であると判明した。となると――
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/07(水) 23:19:18.28 ID:/z0Tlt1SO
「やはりここは異世界の類かのう。いやはや、ちょっくら遊びに行くつもりがまさか世界を超えてしまうとは……」

がっくりとうなだれる伏羲。

空間移動をした際にこの世界から何らかの干渉を受けたのは確実なので、その力を探れば帰るめどが立つ、ということでそう慌ててはいないのだが、いかんせんこの世界は気になることが多すぎる。

「とりあえず怠ける方法を……む?」

ふと、顔を上げる伏羲。巴マミの弾丸やリボンに酷似している力が一瞬ゆらめくのを感じたからだ。

「今度は何か掴めるやもしれんのう」

借りていた本を手早く本棚に戻し図書館を出ると、誰にも見られていないのを確認してから空間移動した。
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/07(水) 23:20:14.85 ID:/z0Tlt1SO
……………………


人気の無い路地裏を、一人の少女が走っていた。

濡れたように艶めく黒髪をたなびかせ、透き通るような紫色の瞳に決意を宿らせ夜空に浮かぶ月を背景に駆ける姿は幻想的だが、右手に構える無骨な拳銃が見る者を現実へと引き戻す。

紫の少女の標的は目の前を走る白い生き物。

まるで猫のような、しかし耳から生える触腕や狐ねようなふわふわの尻尾がまるで絵本から出て来たようなファンタジーな愛らしさを印象付ける。

その尻尾を振りながら全力で逃げる生き物はかすり傷が多いものの、致命傷は負っていなかった。それが紫の少女をほんの少し焦燥させる。

紫の少女は空になった弾倉を排出し、盾から出した新たな弾倉を装填する。

少女が白い生き物に照準を合わせ、トリガーに指をかけた瞬間、曲がり角から見知らぬ少年が姿を現した。
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/07(水) 23:21:17.72 ID:/z0Tlt1SO
時は少し遡る。

巴マミが使用した力と酷似したエネルギーを微弱ながらにも関知した伏羲は、人気の無い広場へ姿を現した。

「ふむ、ここで力が使われたのは確かだが、やはりそれ以上は分からんのう……」

魔法少女の行使する力の源の特異性によって、伏羲はそこに残る残滓を感じ取ることができた。が、それまでだった。

今日のところは諦めるか、それともこの周辺を少し調べてみようかと迷う伏羲。

そのとき、声が聞こえた。

――けて

「む?」

誰かいるのかと周囲を見渡すも、広場には伏羲以外に人っ子ひとりおらず、中央に据えられた噴水がさらさらと音をたてるだけ。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/07(水) 23:22:31.83 ID:/z0Tlt1SO
知らず知らずのうちに相当疲れていたのだろうか、今日の所は亜空間に引っ込もうか、などと思案していると再び声が聞こえた。

――助けて

「!」

今度ははっきり聞こえた。頭に直接語りかけているような、不思議な声。漠然とだが、何故か声の方向も分かる。

もしかすると、あの異形の仲間の罠かもしれないと二の足を踏む伏羲。そんな彼の心を決定付ける声が頭に響いた。

――助けて、王奕!

――何故、こやつはわしの名を知っている?

かつて伏羲のいた世界とは遥か遠くの地。彼の名を知るのは巴マミだけだ。互いに名を教え合ったあの場には他に誰もいなかつたし、他の者に名乗った覚えもない。

読心したか、と思ったものの、今の『伏羲』を構成する中で大部分を占めている『太公望』や、次点の『王天君』でもないことがいっそう不自然である。

「ええい、ままよ!」

考えてもしょうがないと悟った伏羲は、声のした方へと駆けていった。
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2011/09/07(水) 23:23:23.82 ID:/z0Tlt1SO
――――そして現在。

『時間』を巻き戻す少女と『空間』を操る少年が回合した。

伏羲を目にした白い生き物は一目散に彼へと駆け寄り、すぐさまするりと彼の後ろに隠れた。

驚く伏羲などおかまいなしに白い生き物は助けを請う。

「助けて、王奕!殺されちゃうよ!!」

伏羲の後ろで恐怖におののくように体を小さくする白い生き物。愛らしい容姿と相まって見る者の加護欲を引き立てるが、伏羲には特に効果が無かった。

「(こやつが先程わしを呼んだ声の主か……)」

またまた見たことの無い生物。言葉を話すが仙気を感じないので妖怪仙人の類ではない。しかし、だからといって無害と決め付けるのはいささか早計である。

とりあえず武器を構えたままぽかんとしている目の前の少女に声をかけることにした。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/07(水) 23:24:33.60 ID:/z0Tlt1SO
以上で、今回の投下終了です。

何かあればどうぞ

では、書き溜めができ次第来ます
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/09/07(水) 23:32:03.94 ID:XvYogiuAO
>>18
枯れてるとか言うんじゃねぇっ!

ビーナスとキャッキャウフフしてんのかもしれないだろうが!
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/07(水) 23:52:40.60 ID:eGDsd11SO
まどマギは見る予定がないから楽しみにする

デンキヒツジTシャツか
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/08(木) 00:16:44.11 ID:OmhAex27o
お疲れ様でした
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/08(木) 00:39:54.73 ID:qpcRI4sSO
てかお前禁書と同じやつか

作風違いすぎワロタ
33 :なすーん [なすーん]:なすーん
                     __        、]l./⌒ヽ、 `ヽ、     ,r'7'"´Z__
                      `ヽ `ヽ、-v‐'`ヾミ| |/三ミヽ   `iーr=<    ─フ
                     <   /´  r'´   `   ` \  `| ノ     ∠_
                     `ヽ、__//  /   |/| ヽ __\ \ヽ  |く   ___彡'′
                      ``ー//   |_i,|-‐| l ゙、ヽ `ヽ-、|!  | `ヽ=='´
                        l/| | '| |!|,==| ヽヽr'⌒ヽ|ヽ|   |   |
  ┏┓  ┏━━━┓              | || `Y ,r‐、  ヽl,_)ヽ ゙、_ |   |   |.         ┏━┓
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  ┃┃    ┏━┛┃┃       ┌┐   | l| { //` iー‐‐ 'i    〃/ j|| ||. |ノ        ┃┃  ┃
  ┃┃   ┃┏┓┃┗━━━.んvヘvヘゝ | l| ヽ  ヽ   /   _,.ィ ノ/川l/.━━━━━┛┗━┛
  ┃┃  ┏┛┃┃┗┓     i     .i  ゙i\ゝ`` ‐゙='=''"´|二レ'l/″           ┏━┓
  ┗┛  ┗━┛┗━┛    ノ      ! --─‐''''"メ」_,、-‐''´ ̄ヽ、              ┗━┛
                   r|__     ト、,-<"´´          /ト、
                  |  {    r'´  `l l         /|| ヽ
                  ゙、   }   }    | _|___,,、-─‐'´ |   ゙、
                    `‐r'.,_,.ノヽ、__ノ/  |  |      |、__r'`゙′
                            |   |/     i |
                             |          | |
34 : ◆nJ0d13hWy/I7 [saga]:2011/09/08(木) 21:19:03.06 ID:dB35gR/SO
どうもこんばんは。レスありがとうございます、はげみになります。

ID変わる前に投下したので当たり前っちゃあ当たり前かもしれませんがまさか気付く人がいるとはwwwなんだか嬉し恥ずかしです

もう片方のスレに行き詰まってもだもだしていたところネタが降ってきたので、思いきって立てちゃいました。あと地の文に挑戦してみたかったってのもあります。

どっちにしろ片方のスレをないがしろにしたりはしないのでご安心を

では、投下します。
35 : ◆nJ0d13hWy/I7 [saga]:2011/09/08(木) 21:19:56.29 ID:dB35gR/SO
紫の少女、暁美ほむらは目に見えて動揺していた。それは目の前の予期せぬイレギュラーによる。

彼女は『魔法少女』と呼ばれる戦士で、一生『魔女』と戦い続けなければならないという代償を払って願いを叶えた。

その願いによって彼女は同じ時間を幾度も繰り返しているのだが、最早数えるのをやめたほどの回数ものループをしているが、伏羲に出会ったのはもちろんのこと、見たことも無かった。

よってほむらは一般人相手に武器を隠すのも忘れ、普段無表情な彼女にしては珍しくぽかんとした表情で伏羲を見つめることしかできなかった。

この『少年』という投げ込まれた石が、この世界にどれほどの影響を及ぼすか分からない。後に『目的』の障害となりうるならば早めに対処しなければならないが、上手く利用できれば御の字だ。

「のう、おぬし」

思考の海に沈みかけるほむらを現実に引き上げるのは少年の声。慌ててほむらは『いつもの自分』を取り繕った。既に手遅れな気がしてならない。
36 : ◆nJ0d13hWy/I7 [saga]:2011/09/08(木) 21:20:44.55 ID:dB35gR/SO
「何かしら」

少々威圧的だが、涼やかな声。銃口を少し下に傾けたものの、いつでも打つ準備はできている。

「何があってこの白いのを追い回していたのだ?」

そう言いながら足元の白い生き物の胴に両手を差し込み、ひょいと拾い上げて胸の高さまで持ってくる少年。

「貴方には」

関係の無い事よ。そう答えようとしたほむらを遮り少年の手の中の白い生き物は声を上げた。

「白いのじゃなくてボクはキュウべえ!王奕、ボクと契約して魔法少女になってよ!!」

――時が、凍った。

白い生き物もといキュウべえが落とした爆弾に硬直する二人。この空気を生み出した元凶は「あれ?聞こえなかったかい?」などと呑気に言い放ちながらこてんと首を傾げる。

先に再起動したのは、王奕と呼ばれた少年――伏羲だった。

「おい。このわしの姿を見て、声を聞いて、それでもおぬしはわしを少女だとぬかしよるか」

契約だの魔法だのの前に、まずそこだった。
37 : ◆nJ0d13hWy/I7 [saga]:2011/09/08(木) 21:21:18.43 ID:dB35gR/SO
別に伏羲は地位や名誉に興味がなく、他人からの評価も気にしない人種だが、流石の彼にも男の沽券というものがある。

確かに筋肉は薄いし背も低いが、声が高い訳でも女顔でも無い。もし本当に、このどこからどう見ても男である伏羲を少女と間違えているのなら、眼か頭を見せに病院へ連れて行ってやらねばならない。

「いいや、あくまで魔法少女は便宜上そう呼んでいるだけだよ。もっとも、少年でありながら素質を持ってる人はキミが初めてっていうのもあるけど」

そう説明するキュウべえ。どうやら節穴の眼と可哀相な頭を持ち合わせている訳ではないらしい。キュウべえは続ける。

「キミほどの素質を持っている人は初めてだよ!キミなら、それこそ新しく宇宙を作り出すのだって朝飯前さ。だから王奕、ボクと契約して魔法少女になってよ!!」

このキュウべえの言葉に、ほむらがピクリと反応した。彼女に、一縷の光が見えたのである。

見滝原で彼ほどの素質を持つ者はいない。つまり、ヤツらはまどかよりも目の前の少年の契約を優先するはず――!
38 : ◆nJ0d13hWy/I7 [saga]:2011/09/08(木) 21:22:07.70 ID:dB35gR/SO
どうやら今回現れたイレギュラーは、ほむらにとってのジョーカーであり、まどかを守る最大の囮になりえる者だった。

この手札を上手くこちらに引き込めば、今回こそ成功するかもしれない!!

ほむらは高鳴る鼓動を抑えようと深呼吸した後、一人と一匹のやりとりを観察していた。彼を切り札として利用するならば、今契約されるのはまずい。あくまで彼にはエサとなってもらわなければ困るのだ。しかし、

「何でも一つ願いを叶える代わりに魔女と戦う運命を受け入れろ、か……生憎そこまでして叶えたい願いというものは無くてのう」

「世界中の人間をひざまづかせることだって、巨万の富を得ることだって、神になることだってできるんだよ?興味は無いのかい?」

「んなあほらしいことしてられっかい。第一わしは平穏と怠けることが好きなのだ!」

それはほむらの杞憂に終わった。
39 : ◆nJ0d13hWy/I7 [saga]:2011/09/08(木) 21:23:09.15 ID:dB35gR/SO
どうやら彼は物欲に乏しいらしく、何を言われても「めんどくさい」「興味がない」とばっさり切り捨てていた。甘い話には裏があるというのを理解しているというのもあるが、見栄やかっこつけではなく本当に関心が無いらしい。

「じゃあ、今日のところは失礼するけど、気が変わったらいつでも呼んでね。ボクはいつだって歓迎するよ!」

しばらくの押し問答の末、これ以上いくら押しても無駄だと悟ったキュウべえはすっかり力のゆるんだ伏羲の手からするりと抜け、そのまま去っていった。

「ふう、ようやっと帰ったか……」

深くため息をつく伏羲。興味の無い話を延々と語られることほど苦痛なものはない。

「…………王奕、でいいのかしら」

「む?」

呼ばれて顔を上げる伏羲。

ほむらはちょっと迷った後、率直に切り出すことにした。
40 : ◆nJ0d13hWy/I7 [saga]:2011/09/08(木) 21:24:07.41 ID:dB35gR/SO
「――私の名前は暁美ほむら。貴方に、協力してほしいことがあるの」

利用でもいいのだけど、と心の中で一人ごちるほむら。長いループで、ほむらの心は冷えていることを装おうとして強がっていた。

「協力?」

頷くほむら。

伏羲は首を傾げた。何を急に、と思ったがその言葉を飲み込む。無表情を装おうとしている中に、何かに縋ろうとしている光が見えたからである。

しかし彼とて底抜けのお人よしではない。なので、先に釘を打っておくことにした。

「先に言っておくが、わしはキュウべえと契約する気は毛頭も無い。そこを踏まえて尚もわしに協力を乞たいというのであれば、話ぐらいは聞くが」

ほむらは首を横に振る。

「貴方を魔法少女にさせる気は無いわ。寧ろ、貴方は契約しないでインキュベーター……さっきの『キュウべえ』を引き付けてほしい」

男に向かって少女と言うのはやはりしっくりこないが、かといって他に丁度いい単語が浮かばず歯痒さを覚える。
41 : ◆nJ0d13hWy/I7 [saga]:2011/09/08(木) 21:25:09.26 ID:dB35gR/SO
「ふむ、不本意ながらにある素質でやつを引き付けるのだな。ところでキュウべえというのはニックネームなのか?そして複数いるのか?」

「ええ。インキュベーターはそれこそいくらでもいるし、『キュウべえ』は少女に警戒心を抱かせない為にあえてそう名乗ってるわ」

ふむ、と伏羲は考える。元より宇宙を創造するほどの願いを叶えて、その代償が魔女退治『のみ』という都合の良い話は信じていないが、ほむらの口ぶりからするに何か隠しているのかもしれない。

伏羲は聞いた。

「おぬしは一体何の為に、見ず知らずの男に助けを求める?」

ほむらは伏羲の目をしっかりと見据え、何の迷いもない声で答えた。

「私の友達を救う為。唯一無二の親友を救う為」

しばらく二人の視線が交際し――伏羲は一度目を閉じ、ゆっくり目を開けると問うた。

「報酬は?」

「えっ?」
42 : ◆nJ0d13hWy/I7 [saga]:2011/09/08(木) 21:26:11.12 ID:dB35gR/SO
一瞬何を言われているのか分からなかったほむらが頓狂な声をあげる。そんなほむらに伏羲はびっ!と人差し指を立て、こう続ける。

「世の中何でもギブ・アンド・テイク。ただで手伝ってもらおうなど、虫の良すぎる話はあるまい?」

ニッと意地の悪そうな笑みを浮かべる。この男、いたいけな少女からたかるつもりなのか。

「必要なものは全部こちらで用意するわ。情報も公開する。ええと……貴方は何を望むの?」

最後のほうは少ししどろもどろになりながらも何とか答えるほむら。情報を『全て』公開すると言わないあたりちゃっかりしているが、伏羲にはそんな小細工など通用しないことを少女は知らない。

伏羲は待ってましたと言わんばかりに、こう答えた。
43 : ◆nJ0d13hWy/I7 [saga]:2011/09/08(木) 21:27:21.39 ID:dB35gR/SO
「桃をくれ」

「…………もも?」

「一日に桃をそうだのう、十個ほど。わしは無類の桃好きでのう。桃さえあれば、他には何もいらぬ」

つまり、桃があれば他に望みは無い。裏を返せば桃だけが唯一の望み。

桃で契約するなど非常に馬鹿らしいが、この男なら本気で契約しかねない雰囲気を醸し出しているから恐ろしい。

物欲に乏しい少年の唯一欲する物だし、まあ何もしないよりはマシだと、安上がりで済んだと考えることにした。

底抜けの、という枕詞がつくほどではないが、結局伏羲――太公望は、充分にお人よしなのだ。

余談だが、旬のお盆でも無い今桃が案外値を張ることを知ったほむらが財布の中身を見て溜息をついたという。
44 : ◆nJ0d13hWy/I7 [sage]:2011/09/08(木) 21:30:00.20 ID:dB35gR/SO
今回の投下は、ここまで。

書き溜め(手書き)はもう少しあるのですが、もしもしに移す時間が無いのでおしまいです。

ほむらちゃんとの共同戦線張りました!これが後にどう影響を及ぼすのか

何かあればどうぞ

では、また来ます
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/08(木) 21:36:52.77 ID:OmhAex27o
お疲れ様でした。
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/08(木) 21:53:32.70 ID:VHpxhy6/0


一日10個って……旬じゃない時期だと高いよなw
ほむほむ頑張れ
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/08(木) 23:14:06.97 ID:qpcRI4sSO
マミ…金髪でお姉さん的。ベレーからマスケット
ほむら…黒髪紫でまどかを守るためにタイムリープし続ける。拳銃で盾から弾だす

魔女…怪物みたいなやつ。伏羲曰くおぞましく哀れな魂魄を持つ

キュウべえ…QB。白くてかわいい見た目。喋る。魔法少女になるよう勧誘。インキュベーター


こんな感じ?
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/08(木) 23:30:42.86 ID:rqzQYo+DO
また、お前か
だが嫌いじゃない

かまわん、続けろ
49 : ◆nJ0d13hWy/I7 [sage]:2011/09/08(木) 23:54:38.50 ID:dB35gR/SO
>>47
だいたいそんな感じです。
ほむらちゃんは左手に盾(というか見た目円盤)を装着していて、盾が四次元ポケットになってます。中に大量の銃火器がinしてます。マミさんはおっぱいおっぱい
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2011/10/01(土) 00:27:41.46 ID:pNhC5HsIo
おもしろい
もし契約したら格好変わるのかなwwwwww
51 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/02(日) 22:02:31.75 ID:ecJgYkCSO
どうもお久しぶりです。間が空いてしまって申し訳無いです。

諸事情により酉を変えました。

伏羲がもし契約するとしたら、衣装はどうなるんでしょうね。師叔にフリルとか涙しか出ません

では、投下します
52 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/02(日) 22:03:14.26 ID:ecJgYkCSO
所変わってほむらの家。前衛的というか、未来を先取りしすぎたような内装に、どこか違う世界にやってきたような錯覚を起こす。

夜、年頃の男女がひとつ屋根の下、と言うと何だか怪しいが、元より伏羲は相棒に「春の過ぎたジジイ」と評される通り、伏羲を主に構成している『太公望』が80歳を越えているので、すっかり枯れてている。

対するほむらも、ずっと親友のまどか以外全く眼中に無い。というか、ここまでくると最早執着に近い。

よって、この二人で何か間違いなど起ころうはずもなかった。

閑話休題。伏羲にも色々と疑問があるだろうし、それらを解消する為にまずほむらは魔法少女のシステムについて説明することにした。

「これが、魔法少女の力の源のソウルジェムよ」

そう言ったほむらの手の平の上に乗せられているのは縦4〜5cmほどである卵型の宝石。紫色のそれは少しくすんでいるものの、中は透き通り、なめらかな表面は照明の光を反射し美しく輝いていた。

一方、ソウルジェムを見た伏羲は思わず呻きそうになった。魂魄が無理矢理圧縮され、閉じ込められていたからだ。
53 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/02(日) 22:04:04.16 ID:ecJgYkCSO
「力の源……つまり、そこからエネルギーを生産するのか?」

「詳しくは分からないけど、感情をエネルギーに変換して魔力に変えているみたい。無から有を作る訳じゃないわ」

窮屈な場所に閉じ込められ、エネルギー変換装置として利用される。自らの魂魄に対するぞんざいな扱いに、伏羲は疑問を抱いた。が、丁度よくその疑問を解決へと導く問いを投げかけられた。

「インキュベーターの仕事は、何でもひとつ願いを叶える代わりに少女からあるものを抜き取りソウルジェムにする。あるものって、何だと思う?」

「……魂魄か」

苦々しく答える伏羲にほむらはちょっと目を丸くするが、すぐに無表情に戻った。

「そう。『魂の宝石』なんてあからさまな名前の通り、このソウルジェムは私の魂」

そう言いながらソウルジェムを手でそっと包み込み、目を伏せるほむら。
54 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/02(日) 22:05:02.41 ID:ecJgYkCSO
先ほど伏羲がしつこく勧誘されたときに、そんな話はされなかった。つまり、他の魔法少女も同じだったのだろう。目の前に『何でも願いが叶う』などとエサをぶらさげて、都合の良いことばかり並べる。

しかし、インキュベーターは伏羲に嘘をついていない。願いを叶える代償が魔女と戦う使命だと言っていたが、魔女と戦う使命『だけ』とは言ってなかったし、『魂に手を加えません』とも言っていない。

正真正銘の悪徳商法。恐らく『騙したな』などと喚いても、『言わなかっただけ』とシラを切るだろう。伏羲は改めてインキュベーターという生き物の狡猾さを知った。

「願いを叶える代償が、魂を抜き取られてゾンビとなり、死ぬまで魔女と戦うこと。戦いはやめられない。何故なら、生きる為に魔女が落とすグリーフシードが必要だから」

「グリーフシード?」

新しく出て来た単語を復唱する伏羲。これだと言ってほむらが取り出したものに、今度こそ顔を歪めてしまった。
55 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/02(日) 22:06:00.86 ID:ecJgYkCSO
「ソウルジェムが少し濁っているでしょう?これが溜まりきると、魔法少女は死んでしまう。この濁りを取り除く道具がグリーフシードなの」

そう言ってほむらがソウルジェムとグリーフシードをこつんとくっつけると、黒いもやがソウルジェムから浮かび上がり、グリーフシードへと吸い込まれていった。

ほむらが言うには、日常生活を営んでいても少しずつ濁っていくらしい。また、濁りは魂の疲労らしいとも。

当たり前だ。無理矢理魂魄を肉体から引きはがされ、無理矢理『使いやすい』ように加工され戦いの道具として使われる。魂にストレスを感じるなというほうに無理があった。

そして伏羲はひとつ、嫌な予想がついた。出来れば外れてほしいと願いながら、ほむらからグリーフシードを貸してもらう。

結論から言うと、当たりだった。グリーフシードもまた、誰かの魂魄だったのである。

絶望に染まった魂魄。嘆きは魂魄と一体化してしまっていて、引き離すことなど到底無理だった。
56 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/02(日) 22:07:07.83 ID:ecJgYkCSO
手の平の上で注意深くグリーフシードを観察するうちに、伏羲は気が付く。

ソウルジェムに、あまりに似過ぎている――――

輝くソウルジェムとは正反対に毒々しい黒に染まっているグリーフシード。しかし、魂魄の『加工』のされ方が酷似していて、下部に針のように長く鋭いトゲがついているのを除けばほぼ形が同じだ。

グリーフシードはソウルジェムの濁りを取り除く道具。魔女が落とす。恐らく、魔女の核。ソウルジェムが濁りきったら『死ぬ』と言ったが、それは――――

「……ほむらよ」

伏羲は重い口を開く。どうか自分の考えすぎであってほしい。

「魔女は、どうやって生まれる?」

しかし、その思いも虚しく。

「――――ソウルジェムが濁りきったとき。ソウルジェムはグリーフシードへと孵化するわ」

残酷な答えを突き付けられた。
57 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/02(日) 22:07:58.67 ID:ecJgYkCSO
以上、ここまで

何かあればどうぞ

それでは、書き溜めを移し次第来ます
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/02(日) 22:48:24.14 ID:IxdQT8Pvo
面白そうなSS発見だ
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/02(日) 22:48:53.90 ID:Ds4zbbkGo

禁書の方と一緒に楽しみにしてる
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2011/10/02(日) 22:56:30.31 ID:elxNhsIVo
乙さん
果たして伏羲はだらだらできるのか
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/02(日) 23:36:26.91 ID:Y/3c0frmo
お疲れ様でした。

そういえば、藤竜版序盤の太公望は、妲己の弱点を見つけ出すべく
東奔西走しておられましたな・・・・・・。
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/10/03(月) 02:19:39.17 ID:ugaQDEsQ0
まさか禁書&まどマギ着手とは…やるじゃない。
太公望でも無理ならやはり倒すしかないか…。
誅仙陣とか効果はバツグンチックだな。
まどかとさやかには全く話が向かないからそれは複線と見ても良いのね?

頑張って下さい、両方共応援していますので。

l0M0)ジー
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/03(月) 14:32:04.81 ID:khrYJJpSO
もしかしてQBと伏羲は詐欺師的な部分では良い勝負か?
64 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/03(月) 20:37:24.63 ID:45Bu5ppSO
どうもこんばんは、レスありがとうございます。めっちゃ励みになります。

筆がノリにノッてるので一気にどばーっと進めてきました。これでようやく本編に入れ、る……

因みにまどかやさやかがまだ出てないのはちょっと長いプロローグなので絶望しないで下さい。恵方巻はお帰りください。

では、投下します。
65 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/03(月) 20:38:07.32 ID:45Bu5ppSO
ほむらは内心驚いていた。

グリーフシードを手の平の上で転がしていと思ったら、魔法少女の核心を突いてきたのだ。

大抵の魔法少女でさえそのシステムを知る前に死ぬか魔女化するというのに。

ごくごく少ない情報でここまで辿り付いてしまう王奕とは、一体何者なのだろう。

実際は、封神計画に携わり数多の魂魄を見てきた太公望と、始祖である伏羲という要素が重なり魂魄を『見る』ことができた為に気付く事が出来たのだが、それを知らないほむらからしてみれば化け物じみた頭脳を持っているようだった。

こうなったら、下手に隠し事をするより、目的やそれに伴う手段を晒してみた方がいいかもしれない。ほむらは賭けに出ることにした。

「私はずっと同じ時間を繰り返している。目的はひとつ、私の親友、鹿目まどかをインキュベーターの魔手から守ること。彼女は類い稀なる素質を持っているせいで、いつもインキュベーターに契約を迫られ、最後には魔女になってしまう。私はそれを何としてでも阻止したい。だから――」

助けて、ほしい。

喉の奥から絞り出した声は、必死そのものだった。
66 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/03(月) 20:39:13.03 ID:45Bu5ppSO
そんな彼女に、伏羲はある女性を思い出す。

かつで自分の望む結果を欲し、幾度も幾度も繰り返し文明を滅亡させた存在。

女禍は自分の我が儘で億などくだらない数の生き物を危めてきた。

ほむらもまた、ある意味自分の我が儘、エゴで時間を繰り返している。しかし、女禍は自分の為であるのに対し、ほむらは親友の為である。
だが、人を同じ時間で立ち止まらせていることも確か。

では、伏羲がやれる事とはひとつ。繰り返される『時間(レキシ)』に終止符を打ってやることだ。

彼はほむらに協力することを改めて約束した。



「時にほむらよ、おぬし、いつもはどうやってインキュベーターの勧誘を防いでおるのだ?」

クッキー片手にほむらへそう切り出す伏羲。

「腹が減っては戦ができぬ!」などと言い、ほむらにお茶とお菓子をねだったのであった。

「そうね、私はあと何日かしたらまどかのいる見滝原中学に転校するのだけれど、それまではまどかに近付くインキュベーターを全て屠ってきたわ」
67 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/03(月) 20:39:57.52 ID:45Bu5ppSO
「物騒だのう……」

伏羲は殺しを御法度とする仙道だから、という以前に、無益な争いを好まない。それは例え敵であろうと戦意の無い者は見逃すほどであった。

「インキュベーターは感情の無い思考の塊のようなもの。いくら殺しても向こうにとっては髪の毛が切られたぐらいにしか思わないわ。
『勿体ない』なんて言いながら別の個体が死体を食べるのよ」

「なんとまあ……」

超越した先にイッちゃってる。しかし伏羲は、感情が無いと聞いてどこか安堵していた。
人の魂魄を道具のように扱っておいて何も思うところが無いのなら、同じ感情を持った生物として恐ろしかった。

「そもそもインキュベーターの目的は何なのだ?」

伏羲がクッキーをほおばりながら尋ねる。幼い子供のようにぼろぼろこぼすのでほむらははしたないと窘めてから返した。
68 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/03(月) 20:40:58.71 ID:45Bu5ppSO
「インキュベーターの目的は宇宙の延命。今、宇宙のエネルギーが不足していて、目減りする一方だから新しいエネルギーを求めた。
そして感情をエネルギーへと変換するのが最も効率が良かったのらしいけど、当のインキュベーターが感情を持ち合わせていなかったから地球の少女に白羽の矢が立ったの。
希望と絶望の相転移、つまり魔法少女が魔女になるときのエネルギーを一番回収したがってるわ。そこが一番エネルギーを回収できるらしいし。
そして、魔法少女の素質が良ければ良いほど相転移が大きく、より強力な魔女になる。だから、まどかをしつこく勧誘するのよ」

貴方も今にうんざりするほどの勧誘が来るから覚悟しておいたほうがいいわ、と話すほむらに心底嫌そうな表情で応じる伏羲。
魔法少女の末路を知った彼にとって、魂魄を犠牲にしてまで願いを叶えようとは思えないのだ。

「それにしても無責任なやつらよ。効率の前にまず自分達で生産できるエネルギーにすればよかろうに……」
69 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/03(月) 20:42:01.76 ID:45Bu5ppSO
「感情を持っていたのなら、何か変わっていたかもしれないわね」

そう言うと一息ついて紅茶を飲むほむら。何か言い漏らしはあるかしらと思案していると、伏羲から声をかけられた

「のう、何故まどかはいつも最終的に契約してしまうのだ?」

「言い忘れてたわね。これから約一ヶ月後に『ワルプルギスの夜』という災害級の魔女がこの見滝原に出現するの。
普通魔女は、自分の力を最大限に引き出す為に結界の奥に隠れ潜み、獲物をおびきよせる。
でも、ワルプルギスの夜は結界を持たない。何故ならその凄まじい力故に結界を必要としないから。そんなワルプルギスの夜を倒す為にまどかは契約してしまうの」

「災害レベルか、それは凄まじいのう……。ふむ、ほむらよ、大体いつも何人ぐらいで挑んでおるのだ?」

「私一人よ」

きっぱりと答えるほむらに軽い頭痛がする伏羲。

「強大な敵と分かっていて、何故味方を集めぬのだ!!」
70 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/03(月) 20:43:02.70 ID:45Bu5ppSO
無謀にも程がある。かつて、身の程を知らずに一人妲己へ挑み、多大な犠牲を出した挙げ句無惨に敗れ去った自分を思い出した。

そんな伏羲に、ほむらは冷静に返す。

「他の魔法少女は皆死んでしまうもの」

一瞬気まずい空気が流れるかと思いきや、

「ダアホ!分かってるならなんとかせぬか!端から諦めてどうする!」

一喝する伏羲。それにムッとしたほむらが声を張り上げる。

「やっているわよ!それなのに誰も信用してくれないし、敵対されるし、挙げ句には魔女化する!!他の魔法少女も心中する!!どうしたらいいのよ!!」

「何としてでも信頼を得る!魔女化についてはわしも一緒に対策を講じる!以上!!」

てっきり押し黙ると思っていたら間髪入れずに返ってくる返答に面食らうほむら。しかし、自分にも非があるとはいえ、散々敵対視されてきたので少々思うところ無い訳ではなかった。
71 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/03(月) 20:44:03.46 ID:45Bu5ppSO
「でも初対面の時から敵対視されるのよ?」

「おぬしが何かしたのでは?」

言葉に詰まるほむら。初対面のときから敵対視される相手――巴マミは、真実を知らずに戦う魔法少女のひとりである。

また、両親を交通事故で失い、本人もまた交通事故によって瀕死の状態だったところをインキュベーターとの契約で生き延びた。

それからインキュベーターと行動を共にするようになり、天涯孤独の彼女にとって『キュゥべえ』の存在は大きなものとなった。

そのインキュベーターを追い回している時に毎回遭遇するのでイメージは最悪。彼女がお菓子の魔女に殺される直前も敵対していた。

「私が敵対視されるのはいつもインキュベーターを狩るときに遭遇するから。彼女も魔法少女の真実を知らない人のひとりなのよ。やめるとまどかに契約を迫るし、どうしようもないわ」

「ううむ……わしからも何かコンタクトをとってみるか。ほむらよ、そやつはどんな者なのだ?」
72 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/03(月) 20:44:59.62 ID:45Bu5ppSO
ほむらは頭の中でちょっと情報を整理してから答える。

「巴マミ。見滝原中学に在籍していて、私のひとつ年上。グリーフシード目当てじゃなくて、一般市民の為に戦う珍しい魔法少女。インキュベーター……キュゥべえに半分依存しているかもしれない」

「巴マミ?もしや、金色の髪をした、白い銃を使う者か?」

「知っているの?そうよ。魔法少女の中では珍しく必殺技を叫ぶわ」

「ティロ・フィナーレか」

本当に知っているみたいだ。彼という接点があれば、敵対することもなく――また、一緒に笑いあえるかもしれない。

今まで期待しては裏切られてきた。でも、今回はちょっと信じてみたくなった。

「よし!」

伏羲が意志の篭った声で言う。何が「よし」なのだろう。ほむらは次の言葉を待った。

「わしも三滝原中学へ転校するぞ!!」

「…………へっ?」

「うむ、やはり学生は学校生活が日常の大半を占めるからな。同じクラスにでもなればより対策が講じやすくなるであろう。
それにインキュベーターのしつこさから鑑みるに、学校だろうとおかまいなしに勧誘してきそうだからのう。転校手続き諸々はこちらで済ませておくから教科書など学校に必要なものの用意を頼む」
73 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/03(月) 20:46:13.55 ID:45Bu5ppSO
確かに信頼関係を築くには同じ学び舎で過ごすほうがいいに決まってるし、インキュベーターはどこだろうと契約を迫ってくる。しかしほむらは解せなかった。

「どうしてここまでするの?」

分からない。会って数時間しか経っていないというのに。確かに協力の約束をとりつけたが、どうしてここまでししくれるのか分からない。

「なに、わしはインキュベーターが気に食わぬのだ。いずれは地球から追い払ってくれる」

何でも無いように言い放つ伏羲。もっとも、インキュベーターのくだりでは「ケケケ……」などと黒い笑いを浮かべていたが。

インキュベーターをこの星から追い払うことなど、出来るのだろうか。

他の人なら到底無理だと鼻で笑ってやったが、不思議とこの少年はやってのける気がした。
74 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2011/10/03(月) 20:47:48.01 ID:45Bu5ppSO
以上、ここまで。

次からようやく日常パートです!はたしてほのぼのできるのか

何かあればどうぞ

では、書き溜めができ次第来ます
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/03(月) 21:05:27.91 ID:5qoqBhx7o
伏羲ならやりかねんwwwwwwww
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/10/03(月) 21:10:46.00 ID:PvYgA5uto
これは期待
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2011/10/03(月) 22:29:27.44 ID:3tEX3Ez4o
伏羲が学生wwwwwwwwwwww
口うるさい生意気な学生になりそうだ
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/10/03(月) 23:05:20.50 ID:lpCNtRCK0
図書館に立ち寄ってたよな
先生泣かなきゃいいけど
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/03(月) 23:06:20.60 ID:dRbObjrBo
おつおつ
伏羲さん学ランデビューか
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/03(月) 23:40:08.08 ID:+8RPim0Ro
お疲れ様でした。
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/04(火) 00:03:59.76 ID:px34t+ySO
伏羲ならやりかねんが、相手はQBだからなぁ……

それはそうと王天君マダー
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/04(火) 00:17:29.51 ID:GGrYH+/Co
アンニュイ学園の始まりだ!
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/04(火) 08:08:18.73 ID:px34t+ySO
そういえば今週のめだかに太公望の名前が出た事に感動した
84 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/04(火) 22:09:14.54 ID:tbsxS3sSO
どうもこんばんは、レスありがとうございます。励みになります。

筆が乗ってるのうちにときりのいいところまで書き溜めを推敲したり付け足したりしていたら書き溜めが底を尽きました。
まあこのまま筆がノリノリなら明日も来るんですけど

あと、王天君を出す予定はありません、すみません。今週号のジャンプは三冊買います。

では、投下します。
85 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/04(火) 22:09:55.75 ID:tbsxS3sSO
――荒廃した街。瓦礫の上に君臨し、耳に障る高笑いを上げる存在。

50mはあるであろう『それ』は、中世の貴族のような濃紺のドレスを身に纏い、逆さまで宙に浮く様はさしずめ独楽(こま)のよう。

本来目鼻があるはずの顔には高笑いを上げる為の口しか無く、広がったドレスからちらと見えるのは足では無く幾重にも重なった巨大な歯車。

彼女こそが『舞台装置の魔女』、ワルプルギスの夜。史上最悪の魔女である。

そんな『災害』に、一人で立ち向かう少女がいる。

濡れ羽色の髪をたなびかせ、焦燥はしているものの絶望は浮かんでいない紫の瞳には決意が宿っている。

紫の少女は一心に攻撃を加えるものの、魔女に弄ばれるだけ。誰から見ても、明らかに劣勢だった。

その様子を瓦礫の上から見上げる一人と一匹。

ツインテールにした桃色のは肩に届かないぐらいの長さで、濃いピンチの瞳は目の前の理不尽なまでの暴力に揺れている。
86 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/04(火) 22:11:20.91 ID:tbsxS3sSO
「こんなのってないよ……」

見知らぬ少女にどんどん傷が増えてゆく。それでも一人、化け物に向かってゆく小さな背中を非力な少女は見送る他ない。

「運命を変えたいかい?」

隣の白い生き物が発した言葉に、思わず横を見る

「この世界の何もかも全て君が覆してしまえばいい。それを可能にする力が君にはあるんだ」

一人と一匹に、紫の少女が気が付く。

必死に桃色の少女に向かって叫ぶも、瓦礫の崩壊する音にかき消されて届かない。

白い生き物に意識を向けている桃色の少女は、必死に呼びかける紫の少女に気付かない。

「本当に……?」

紫の少女が悲痛な声を上げる。

しかし桃色の少女は気付かない。白い生き物は、桃色の少女に向かって言い放った。

「もちろんだよ。だから、鹿目まどか。ボクと契約して魔法少女になってよ!」

ピピピピピピピピピピピピ

たん、と桃色の少女は自らを夢から引き上げた目覚まし時計のアラームを止める。

目に映るのは、何の変哲も無い自室の天井。荒廃した街はどこにも無い。
87 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/04(火) 22:12:01.05 ID:tbsxS3sSO
「夢オチ?」

桃色の少女――鹿目まどかは、そう言って苦笑する他なかった。



「いってきまーす」

小さな弟と、エプロンをつけた父に見送られる。ツインテールを飾る赤いリボンは母の一押しだ。

キャリアウーマンの母と、専業主夫の父。そして、三歳にも満たない弟。どこにでもある、いたって普通の幸せな家族だった。

しばらく歩くと、二人の少女がいつもの待ち合わせの場所にいる。

「遅いぞまどかー!」

「お早うございます鹿目さん」

先にまどかへ声をかけたほう、肩に届かないぐらいの青いショートヘアの快活そうな少女を美樹さやか。

まどかに挨拶をしたほう、深緑色の腰まで届く髪を持つおっとりとした雰囲気の少女を志筑仁美と言った。

二人ともまどかの親友である。

「ごめんね、さやかちゃん。おはよう、仁美ちゃん」

二人に声をかけるまどか。こうして揃った三人は、見滝原中学へと歩き出した。
88 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/04(火) 22:13:34.55 ID:tbsxS3sSO
「おっ、そのリボンはイメチェンか?このこのー、そんな生意気なまどかはあたしが嫁に貰ってやる!」

「わわっ、さやかちゃんったら」

「ふふ、お二人の仲の良さに妬けてしまいますわ」

「もー、仁美ちゃんまでー」

他愛も無い会話をしながら学校へと向かう三人。すると、道中に見慣れない少年を発見した。

自分たちの通う中学と同じ制服を来ているのだが、見かけたことがない。

もしかして転校先だろうか。あまり使い込まれていない鞄片手に、きょろきょろ辺りを見渡している少年は、まどかたちを見つけると救いを見出だしたかのような表情でかけよってきた。

「のう、おぬしたち!見たところ、その制服は見滝原中学のものであろう?少し尋ねたいことがあるのだが……」

最初こそ疑問符を顔に浮かべていた三人だが、うちさやかは少年に似合わぬジジ臭い口調に思わず吹き出してしまった。

「し、失礼だよさやかちゃん」

そう笑い出した友人を窘めるまどか。さやかが吹き出した理由に心当たりのあるまどかもまどかである。
89 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/04(火) 22:14:12.82 ID:tbsxS3sSO
「む?何かおかしなことを言ったかのう?」

心底不思議そうにする少年。それがさやかにとって面白さを更に加速させる。

「あっははははは!ヘンなの!!ねえ、どうしてそんなジジ臭い喋り方してんの?」

良くも悪くも素直なさやかは、率直に切り出す。横で慌てているまどかは視界に入っていないらしい。

「ジジッ……おほん。わしは小さい頃からほぼ祖父に面倒を見て貰っておってのう。口調が移ってしまったのだ」

あまりに真っ直ぐな物言いに一瞬言葉が詰まるも、少年はそう返す。

何だか他人の家庭の事情を垣間見てしまった気がして、さやかは申し訳なくなってしまった。

「あー……何かゴメン」

「なに、気にしておらぬよ」

しおらしい面持ちで謝るさやかに対して、けろっと言い放つ少年。強がりなどではなく、本当に気にしてないようだった。
90 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/04(火) 22:14:58.44 ID:tbsxS3sSO
「ところで本題なのだが、わしは今日から見滝原中学に転校することになってのう。
しかし、越してきたばかりでまだこの辺の地理が把握できておらぬ故、迷ってしまったのだ」

ほとほと困ったという表情を見せる少年。さやかは先程の失態を返上すべく、この少年を助けようと思った。

「よーし、じゃあこのさやかちゃんに任せなさい!あたしたちも今から学校に行くとこだからさ、一緒に登校しよう!ね、いいよねまどか、仁美?」

「いいと思うよ、さやかちゃん。私は鹿目まどか。よろしくね」

「素敵な案だと思いますわ。私は志筑仁美と申します。よろしくお願いします」

さやかの突然の提案に嫌な顔ひとつせずに、笑顔で自己紹介をするまどかと仁美。仲の良い三人に少年は目を細めると、続いて名乗った。

「わしの名は王奕。よろしく頼む」




しばらくお互いのことや、しょうもないことを話し合いながら歩いていると、見滝原中学に着いた。

先生に用があるという王奕を職員室まで送り届けてから、三人は自分たちのクラスに向かった。
91 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/04(火) 22:15:58.44 ID:tbsxS3sSO
「うーん、初めて王奕を見たときあやしーっていうか、胡散臭そうな喋り方するなーって思ったけど、中々話の分かる面白いやつだったね」

「そうだね、同じクラスだといいなあ」

「お話していてとても楽しかったですし、彼がこのクラスに来ればより一層賑やかになりそうですわね」

わいわいと、今朝の出来事を話す三人。始めこそただの変人かと思いきや、話題が豊富で話上手に聞き上手。

どんなくだらないことでもどんどん話を膨らませる彼の話術に引き込まれ、あっという間に時間が過ぎてしまった。

そして『この学校に転校生が来る』という、クラスの誰も知らない情報を先取りできたことも、特にさやかにとっては愉快なことであった。

そうして駄弁っているうちに、担任の教師が教室に入って来たので、各々自分の席へと戻っていった。

「あ、そういえば今日このクラスに転校生が来ます」

目玉焼きの黄身の焼き加減で破局した話の後に、とってつけたように話す。そっちが後かよ!というつっこみが飛ぶが、前もって知っていた三人は教師のマイペースさに苦笑するだけだった。
92 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/04(火) 22:17:00.56 ID:tbsxS3sSO
「では入ってきて下さーい」

そう言われて入ってきたのは、もちろん王奕――――だけではなく、見知らぬ少女も一緒に入ってきた。

二人の転校生に教室がどよめく。

「はいはい静かにー!では自己紹介お願いします」

まず先に前へ出たのは王奕。黒板変わりの特殊なボードにスタイラスペンを押し当てると、反応して線が浮き上がる。

「わしの名は王奕。生まれは中国だが両親の都合でほぼ日本で暮らしておる。
日本では祖父に育てられた為口調がこうだが、特に気にしないで欲しい。あと甘いものが好きでのう、桃が大の好物だ。宜しく頼む」

そう締めくくると、教室から小さいながらも拍手が起こる。

自己紹介中にまどか達と目が合ったときに、王奕の口角が微妙に上がったのは気のせいではないだろう。

同じクラスでこれからが楽しみだと思ったのは向こうも同じらしいと思うと、まどか達は嬉しくなった。
93 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/04(火) 22:18:01.26 ID:tbsxS3sSO
続いて自己紹介をするのは黒髪の少女。

実はこの少女、今朝まどかの夢に出て来た少女と瓜二つで、まどかは内心驚きを隠せなかった。

「暁美ほむらです。よろしくお願いします」

王奕とは正反対に、簡潔な自己紹介。起こった拍手はやはり、王奕のときよりまばらだった。

ふと、一瞬ほむらと目が合うまどか。夢のこともあり動揺していると、さやかが話かけてきた。

「ねえ、あの暁美ほむらってやつ、まどかのこと見てなかった?」

「そ、そうかな……?」

気のせいで済まそうと思っていたのだが、そうもいかないらしい。

何だかもやもやしたものを抱えつつも、まどかは転校生たちを眺めることしかできなかった。

「暁美さんは今まで心臓が弱くて入院していましたが、今日から復学することになりました。
王奕くんは見滝原へ引っ越してきたので、ここ見滝原中学に転校してきました。皆さん仲良くしてくださいね」



「ねえねえ、暁美さんって髪の手入れどうやってるの?」

「使ってるシャンプーは?」

「なあなあ、王奕って中国語で何て読むんだ?」

「中国ってどんなとこ?やっぱ飯は美味い?」

早速、教室に人だかりが二つできる。
94 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/04(火) 22:19:04.61 ID:tbsxS3sSO
「人気者だね、王奕くんたち」

「だねー、あたしたちが入る隙が無いってーか」

人だかりを見てため息をつく二人。王奕に話し掛けようと思ったのだが、好奇心旺盛なクラスメイトたちに先を越されてしまった。

「にしても一気に二人の転校生かー」

「机が沢山余ってるから、教室が狭く感じることは無いけどね」

「そうなのか。にしても面白い机だのう。使われていない机は床に収納されておるとは」

「そうそう、珍しいよねー……って、王奕!?」

話している二人の間にごく自然に入り込む王奕。

びっくりしたさやかが王奕の席を見ると、人だかりは無くなっていた。

王奕が早めに切り上げてきたのだろうか、それとも男子が女子よりも飽きっぽいのか。

「皆はもういいの?」

「うむ、中国のことはあまり記憶に無いと言ったらぱったり質問が止んでのう。転校生も二人おるから物珍しいもので無いし、いくらか質問したら自然とばらけていったわ」

「へー」
95 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/04(火) 22:19:58.28 ID:tbsxS3sSO
そうやってわいわいしていると、ほむらがこちらへ歩いてきた。

「鹿目まどか。あなた、保健委員よね?保健室へつれて行ってほしいのだけど」

「う、うん。そうだけど……」

何故、転校してきて間もない彼女がそんな事を知っているのだろうか。

夢のこともあり、もしかして偶然では無いのではないかと思うが、とにかく今はほむらを保健室へと送り届けるべくまどかは席を立った。



「何でまどかが保健委員って知ってたんだろ、あの転校生」

「最近まで入院していたし、万が一の為に先生に顔と名前ぐらいは聞いておったのでは?」

納得したのか、ふーんと声を漏らすさやか。王奕がほむらとまどかが出ていった扉を見つめていたことには気付かなかった。



保健室へと進むほむらとまどか。

ほむらを保健室へと連れていくはずが、寧ろまどかがほむらの後を着いていく形になっている。

転校生と歩いていだけでも目立って緊張してしまうのに、見知った顔でまどかを先導して歩くほむらに対して保健係としての自分の必要性に疑問を感じてしまい、余計に気まずくなる。
96 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/04(火) 22:21:00.14 ID:tbsxS3sSO
(どうして私が保健係だって知ってるんだろう?それに、保健室の場所も実は知ってるのかな?)

疑問ばかりぐるぐると巡るものの、ほむらの持つミステリアスな雰囲気で何となく話しかけにくい。

しかし、どうしても気になったのと、この何とも言えない空気に耐え兼ね、意を決して話しかけてみた。

「あ、あの、暁美さん……?」

「ほむらでいいわ。何?」

じっと見つめてくるほむら。

「あ、え、えっと、あのねっ。ほむらちゃんと私って、前にどこかで会った……かな?」

頭の中がごちゃごちゃになったまどかは、ついそんなことを口走ってしまった。

「………………」

「あ……、なんちゃって、そんなわけないよね?」

変なことを言ってしまったと、慌てて取り繕うもほむらは押し黙ったまま。どうしようかと思案しているうちに、名を呼ばれた。
97 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/04(火) 22:21:58.33 ID:tbsxS3sSO
「鹿目まどか」

「は、はいっ!!

びっくりして必要以上に力んだ返事になってしまったが、今のまどかにそれを気にする余裕は無い。ほむらは続ける。

「あなた、家族や友達のこと、大切だと思ってる?」

「え……?」

「どうなの?」

突然の質問に戸惑うまどか。しかし、

「……もちろん、大切だと思ってるよ?家族も友達も、みんな大好きだもん」

ほむらの目を真っ直ぐに見据えて答えた。

「……そう、なら忠告しておくわ。その気持ちが本当ならこれだけは守って。
『この先何が起ころうとも「自分を変えよう」だなんて決して思っては駄目』。
……でなければ、あなたの大切なもの、全て失うことになるわ」

それだけ言うと、踵を返して保健室へと歩いていくほむら。

まどかは、戸惑いと共に一人その場にとり残された。
98 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/04(火) 22:22:40.51 ID:tbsxS3sSO
以上、ここまで。

何かあればどうぞ。

では、書き溜めができ次第来ます。
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2011/10/04(火) 22:28:48.38 ID:UhehqbTro

次が楽しみや
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/04(火) 22:55:05.26 ID:LmQjJnlc0
おつ

マミさんのクラスに転入するのかと思ったのに……

101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/04(火) 23:24:49.36 ID:qrsbbpoZo
乙ー
本編入ったか どうなるか期待
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/04(火) 23:31:19.14 ID:LjYkNq0Jo
おつおつ
ここからどう進むか
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/04(火) 23:33:55.46 ID:yUeqW/tbo
お疲れ様でした。
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/10/05(水) 03:01:18.57 ID:46DAEQTlo

中々面白いではないか
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/05(水) 09:00:50.91 ID:FcG4dkfSO
さすが話術師
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/10/05(水) 11:54:32.56 ID:9Th2VLZ/0
邪魔だからって空間にクラスメイトを転送したんじゃないだろうなww
107 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/06(木) 22:41:10.55 ID:ow39cWaSO
どうもこんばんは、レスありがとうございます。励みになります

今更ながら今週号のジャンプ買ってきました!!機転のきく主人公になりたいです

さて、めだかに英気を貰い書き溜めてきました。やっぱり太公望は策士たる所が魅力ですよね

では、投下します
108 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/06(木) 22:42:07.18 ID:ow39cWaSO
「いやーしかし王奕、あんた一体何者なの?」

「何者と言われてものう……」

「本当、凄かったよ王奕くん」

肩を並べて歩くさやさにまどか、王奕――もとい、伏羲。

時刻は夕暮れ。今は下校途中にCDショップへと寄る道中だった。

話題は今日の授業中について。伏羲はそこで『やらかした』のであった。

ことは社会の時間に起こった。

授業開始のベルと共に現れた教師の手には紙束。

伏羲は嫌な予感がしたのだが、果たして正解だった。なんとその紙束、テスト問題だったのである。

テストと言っても中間や期末の類ではなく、単なる小テストなのだが赤点保持者には漏れなく大量の宿題が。

しかも、そのテストはなかなかの難易度で、事前に配布された対策プリントを熟読しておかなければ赤点は必至だった。

伏羲はほむらに視線を投げるも、ふいっと逸らされてしまう。
109 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/06(木) 22:43:24.70 ID:ow39cWaSO
わざとなのか、忘れてたのか。

どちらにせよ、今目の前に立ちはだかる危機を乗り越えなければならない。

何を隠そう伏羲は怠けることが大好きで、働くことを嫌う。

そんな彼にとって宿題の山など、面倒臭くてかなわない。何としてでも避けなければならない事項だ。

私は予習してきたからいいよ、と、まどかから受けとった対策プリントはB4サイズの両面印刷のプリント5枚。

伏羲がまどかからプリントを受けとってから、教師が伏羲の列までテスト用紙を配るのに有した時間は7秒。クラスメイトたちは伏羲とほむらへ静かに黙祷を捧げた。

そして肝心のテストだが、異世界に来てまで余計な仕事をしたくないという一心で、つい『真面目に』取り組んでしまった。

採点はその日じゅうに終わり、放課後には返却された。
110 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/06(木) 22:44:12.48 ID:ow39cWaSO
そのとき、凄惨な結果を取ったであろう伏羲を慰めよるべく、後ろから点数をこっそり盗み見た赤点組は、あまりの驚きについ叫んでしまった。

「嘘だ!王奕、満点かよ!!」

そう。どこかで適当に力を抜けば良かったものの、怠けたい一心でうっかり空欄を全て埋めた伏羲は、満点を取ってしまったのだった。

元より伏羲は、数秒間風で巻き上げられた52枚のトランプのマークと数字、そして落下した位置までを全て正確に覚えることができる動態視力と暗記力を持つ。

それを利用して両面にぎっしり書いてあった文字を全て暗記したのだが、それが仇となってしまったらしい。

「えっ嘘!?王奕くんテスト見せて!!」

「うわっ本当だ!お前プリントチラ見しただけだよな?」

「わけがわからないよ」
111 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/06(木) 22:45:16.89 ID:ow39cWaSO
伏羲の手から奪い取られたテスト用紙はクラスメイトの手の間を旅する。

カンニングを疑う者がいないあたりクラスメイトは人のいい者ばがりだが、覚えず目立ってしまった伏羲は己の迂闊さにため息をつくしかなかった。

「しっかし、あのほむらって奴といい今回の転校生は凄いよねー」

そう、何も優秀な成績を納めたのは伏羲だけではなかった。

数学の授業中、教師に指名されたほむらは、ボードに書かれていた問題を全てあっという間に解いてしまった。

基礎のみならず難しめの応用問題もあったのだが、顔色ひとつ変えずに涼しい顔で途中式を書いていく様を、クラスメイトたちは唖然として見ているほかなかった。

続いての体育の授業。50m走をさせれば県内記録を塗り替え、走り高跳びでは皆が脱落していく中ひとり黙々と記録を更新していく。
112 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/06(木) 22:46:09.79 ID:ow39cWaSO
勉強も運動も出来て、おまけに美人な文武両道、才色兼備のクールでミステリアスな転校生。話題にならないはずが無かった。

因みに伏羲は器用にもクラスの平均真ん中の記録を出し続けた。

始祖かつ道士である彼が本気を出せばオリンピック選手顔負けの記録を出せるが、何も人外アピールをしたい訳でもないので当たり障りの無い結果を残すだけに留めた。

そんなこんなで騒がしい一日が終わり、放課後にファーストフード店へと誘われた伏羲はそのままさやかのCD選びに付き合った。

「じゃあ、あたし見てくるね」

「うん、私ここで試聴してる」

「わしはさやかに着いていこうかのう」

CDショップに着いた三人は、二人と一人に別れる。

さやかが向かったのは、クラシックのコーナーだった。
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/06(木) 22:46:43.41 ID:O9V3BsXSO
おいQB
114 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/06(木) 22:47:29.70 ID:ow39cWaSO
「ほう、てっきり今時の曲を物色するのかと思っておったのだが」

「よく以外って言われるけどねー。これはあたしが聴くんじゃないんだ。恭介に渡すの」

「きょうすけ?」

初めて聞いた名前に、首を捻る――演技をする伏羲。

実のところ、上条恭介については知っている。天才バイオリニストだが、交通事故に遭ったせいで左手が動かなくなってしまった、不幸の少年。

いつも彼が原因でさやかが契約し、魔女化するのだとほむらは言っていた。

危険な芽は早めに摘み取っておくに限る。よって伏羲はさやかの行動に目を光らせていたのだが――

「――という訳で、入院してる恭介にCDを買いに行ってるんだ」

そう嬉々として語るさやかに、思わず溜め息が出そうになった。もし自分が同じことをやられたら、ストレスで間違いなく禿げる。
115 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/06(木) 22:48:53.26 ID:ow39cWaSO
「…………さやかよ」

沈痛そうな面持ちで言う伏羲。ただごとでは無い雰囲気に、さやかは唾を飲む。

「もし仮にわしが桃アレルギーになったとしよう」

さやかはずっこけた。否、ずっこけたかったのだが、伏羲の纏う雰囲気によってなんとか押し留まった。伏羲は続ける。

「桃が食えぬ状態のわしに、桃のおやつのカタログや、桃の香りのする物を連日持ってこられたら、間違いなく発狂するであろう」

何を大袈裟な、という言葉を飲み込む。

今日、まどか、さやか、仁美といういつものメンバーに伏羲を加えて昼食をとった。

そのとき彼が包みからおもむろに取り出したのは、なんとまるまる桃を三個。無論、皮を剥かずにそのままである。

洗ってあるから、とそのままぺろりと平らげる様はある意味凄かった。お弁当の匂いに混じる爽やかに甘い桃の香りは今も鼻孔に残っている。
116 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/06(木) 22:49:28.10 ID:ow39cWaSO
彼が桃を食べている姿はとても幸せそうで、思わずさやかも食べたくなってしまう程だった。

聞くと、朝食も桃で夕食の予定も桃。

ネタや冗談かと思いきや、彼はいたって真面目な表情で言ってのけていた。あの目はマジだ。

とにかく、彼が無類の桃好きであることは間違い無いのだが、何故今こんな話を――――

「あっ……」

そこでさやかは気付いた。もしかして、遠回しにCDを届けるのをやめるように言っている?

彼は多分こう言いたいのだろう。

『弾けないバイオリンを聴かせるのは酷だ』と。

確かにそうかもしれない。自分はやりたくてしょうがない。しかし出来ない。なのに、他の人がやっているのを聴かされるのは苦でしかないかもしれない。
117 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/06(木) 22:50:14.75 ID:ow39cWaSO
しかしそれを認めるのは、恭介が二度とバイオリンを弾けないと認めるも同義だった。故にさやかは反発する。

「……何?恭介はこれからずっとバイオリンが弾けないって言いたいの?」

自然と語気が荒くなる。今まで自分のしてきたことが、幼なじみの負担になっていたことを認めたくないのもあった。

「別にそういう意味では無いよ。ただ、真にそれが好きならば、少しの間出来ないだけでも辛いのだ」

だから、と伏羲は言う。

「たまには別の物を差し入れてみたらどうかのう?勿論、CDのほうが言いと言われたら次からはまたそれにすれば良い。物は試しだ。どうかのう?」

「………………」

少し、考えて。

「……ん、じゃあ今回は別なのにしよっかな。王奕、あんた言い出しっぺなんだから何がいいか一緒に考えてよ」

さやかはその提案を、とりあえず一回だけということで、受け入れてみることにした。
118 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/06(木) 22:51:10.00 ID:ow39cWaSO
「ふむ、そうだのう。映画などはどうだ?寝ながらでも見れるし、リモコンの操作だけで済むし、どうだ?」

「恭介は今までそういうのに縁が無い感じだったしなー。よーし、丁度ここでレンタルしてるし、さやかちゃんが一丁選んでやりますか!」

そうわいわいはしゃぐ二人を眺めるまどか。

さやかは元来、人と衝突し易い性格をしている。

良くも悪くも、自分の芯をしっかりと持っていて、気に入らないものはとことん気に入らなく、またそんな自分に対して正直な少女なのだ。

だから、一瞬さやかと王奕の間に険悪な空気が流れたときには不安になったが、どうやらうまく打ち解けたらしい。

まどかにとって友達が増えることは、とても嬉しかった。

さて、今度は別の曲を聴こうかと目の前のパネルを操作しようとしたその瞬間、声が聞こえた。
119 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2011/10/06(木) 22:52:32.72 ID:ow39cWaSO
以上、ここまで。

小ネタを拾ってもらえて嬉しいですwwwwww

何かあればどうぞ

では、書き溜めができ次第来ます
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/06(木) 22:56:20.54 ID:a5kQm9vWo

とりあえず良い方向に向かってるがどうなるか…期待
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/06(木) 22:59:24.02 ID:O9V3BsXSO
フラグブレイカー伏羲の力でなんとかなるのか……?

122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2011/10/06(木) 23:04:10.06 ID:cKuIRaX4o
まあ伏羲は燃費がいいからな
桃食えなくなったら気が狂ってしまうだろうな

おつ
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/06(木) 23:07:50.38 ID:4TNF1r9Wo
お疲れ様でした。
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/10/06(木) 23:23:43.62 ID:1I6iEx1l0
素直に面白い


















だから今日から徹夜で書き溜めるんだ
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/10/06(木) 23:31:20.05 ID:oqOYcmhb0
乙。

ほむほむと二人同時に同じクラスに転校、ってまどかクロスではよくあるシーンだけど、
やっぱり違和感。権力を持った生徒会、とかよりはリアリティがあるけど。

封神演義もるろ剣に続いて再アニメ化してほしいよね。
続き楽しみに待ってます。
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2011/10/06(木) 23:42:04.90 ID:df+57TqAO
乙!続き待ってる
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/07(金) 00:50:42.47 ID:D5sFZsAo0
王奕が仮に魔法少女(男)になったとしても
絶望しそうに無いよね 
128 :sage :2011/10/08(土) 18:33:50.47 ID:HPgtku1l0
乙です!
さやかビデオにしたのか。いい流れ…かな?
伏羲さんまじGJ!
上条さんの反応に期待。
これからどういう方向に変わるか。
続き楽しみにしてる!
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/08(土) 18:59:58.24 ID:bLdnv0eSO
>>128
お前前から下げられてないだろ
いい加減学習しろ

メール欄にsageだ


お前のは名前欄
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2011/10/13(木) 14:01:16.46 ID:6m/D8ugAO
まだか!
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/10/16(日) 23:04:15.38 ID:bT3IdbPVo
続きはまだか
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/16(日) 23:09:35.28 ID:rTmXvG+Yo
わたしまーつーわ♪
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2011/10/17(月) 08:44:18.73 ID:mmhF/EKAO
いつまでもまーつーわっ♪
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/10/17(月) 12:16:32.98 ID:SzYaeHs1o
たとえ>>1がふりむいてくれなくてもー♪
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/17(月) 14:13:40.50 ID:MdhMybc0o
いつまでも待てるか!
136 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2011/10/17(月) 15:37:13.22 ID:4/wB5KlSO
ご、ごめんなさい


最近毎週のように色々あるのと、実技がうんこすぎて練習しないとまずいのとであまり書き溜められてません。ツェルニーで小指攣りそうです。

でも流石に二週間近く開くのはいただけないので明日か明後日にでも
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2011/10/17(月) 17:12:13.39 ID:mmhF/EKAO
おぉ!よろしく!

歌ってみるもんだwwwwwwwwww
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/10/17(月) 19:20:01.44 ID:SzYaeHs1o
楽しみにしてるよ
けど自分の生活も大切に
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/17(月) 20:48:51.02 ID:MdhMybc0o
言っといてなんだけどリアル大事に!
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/18(火) 09:06:16.96 ID:HZ9hy9fSO
ピアノやってんのか
141 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/20(木) 00:03:20.92 ID:eW9WVssSO
別にギリギリ間に合って無くなんかないですよ。10/19の24:02。何もおかしくなんかありません。

…………すみません。投下しに来ました。

書く書く詐欺だけは絶対にしたくないという信念がありまして。少し短めですが、そのぶん次回の投下を近くするのでご容赦ください。

では、投下します
142 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/20(木) 00:05:29.98 ID:eW9WVssSO
「……?」

まどかはさやかたちの方を見遣る。
任侠ものや美少女アニメ、コメディなどのDVDを両手に悩んでいる二人。
こちらには背を向けている。

気のせいかと思い、再び音楽に意識を向けようとしたところ、今度ははっきりと聞こえた。

――――けて

必殺で、すがるような声。
思わずまどかはヘッドフォンを外し、辺りを見渡す。

周囲の人たちは、呑気にだべっている。
あの必死な声は誰にも聞こえていないらしい。

さやかたちはDVDをレジに持っていっている。

――――助けて、まどか!

まどかは足元の鞄を掴むと走り出した。

それに気付いた伏羲が、レジで会計をしているさやかに声をかけ、そしてまどかを追いかけ走り出した。





「ここにいるの……?」

周りを見回しながら歩くまどか。

辺りは薄暗く、ダクトなどが見える。
143 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/20(木) 00:07:01.07 ID:eW9WVssSO
こんな所を歩いているのを従業員に見られたら怒られそうだが、今のまどかはそれを気にしてなどいられない。

自分を呼んだ声の主が、危機に陥っているかもしれないと心配しているからだ。

と、何かが狭い壁を連続してぶつかるような音と共にに、『何か』が落ちてきた。

真っ白で、猫のような、狐のような生き物。
耳から伸びる触腕といい、ファンタジーな印象を受ける。

その生き物は怪我をしていた。所々皮膚がやぶれ、血が滲んでいるように見えた。

(あれ?この子…………)

夢に出てきた生き物とそっくりだ。
今日の転校生といい、一体――――

呆けるまどかを現実に引き戻したのは、白い生き物のうめき声だった。

「うぅ……助け……」

そう唸る目の前の生き物を、思わず抱き抱えるまどか。
すると、前方から鋭い声が飛んできた。
144 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/20(木) 00:09:06.17 ID:eW9WVssSO
「そいつから離れてっ!」

はっと声の方向を見ると、黒のモノトーンのセーラー服を着た転校生――暁美ほむらが立っていた。
その目は、ぞっとするほど冷たい。

「そいつを渡して」

まどかの腕の中で白い生き物が身じろぎする。
思わず白い生き物を庇うように数歩後ろへ下がるまどか。

そんな二人を見て、ほむらは顔をわずかに歪める。

「相変わらず汚い真似するのね……」

そう漏らすほむらの真意をまどかは分からない。

「ほむらちゃんがやったの?駄目だよこんなこと!!」

「鹿目まどか。貴女には関係の無いことよ」

平和的解決を望みそう切り出すも、ほむらはぴしゃりと切り捨ててしまう。

どうしようと考えあぐねていると、まどかの後方からばたばたと足音が聞こえてきた。

「まどか!」

走ってきたのは、もう一人の転校生。
対峙するほむらとまどか。
そして、まどかの腕の中にいるボロボロの生き物を見ると、伏羲は全てを察した。
145 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/20(木) 00:10:44.80 ID:eW9WVssSO
ほむらが白い生き物をこっちに寄越すようまどかを説得しろ、と視線で訴えてくるが、伏羲はかぶりを振るだけだった。

この場を妙な空気が支配しようとした瞬間、ほむら目掛けて勢いよく煙となった細かい粉末が噴出される。
遅れてやってきたさやかが、消火栓を抜いたのだった。

「まどか、王奕、行くよ!!」

煙を吸い込み噎せるほむら目掛けて空の消化器を投げつけると、さやかはまどかと王奕の手をとり駆け出した。

「何だよあの転校生!コスプレの次は通り魔!?」

まったくもってわけがわからないというふうに叫ぶさやかに手を引かれながら、伏羲は今にも漏れ出そうになる溜め息を押さえていた。

伏羲とほむらが出会った夜。

インキュベーターは決してまどかに近寄らせない。インキュベーターを殺すことについては口出し無用。

と、自信満々に言ってのけたほむらを信頼して自由にやらせていたのだが、結果はごらんの通りである。

それに、今日一日の学校での態度にも問題があった。
146 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/20(木) 00:11:29.26 ID:eW9WVssSO
信用されたいと言っていたにもかかわらず、自分からさやかと接触するそぶりは見せなかった。

朝のホームルーム後にはまどかと保健室に行っていたが、この様子だと変な事を言っているかもしれない。

伏羲は『わざと迷子になったフリをして』三人に接触したり、
教室では『目が合った瞬間わざと微妙に口角を上げ』て三人を気に入っているさまを表現し、
質問攻めが終わった後『すぐにさやかたちの方へ向かい』、まるでさやかたちに懐いているようにした。

他にも昼食を共にしたり、校舎を案内してもらったりして着々と距離を縮めていき、放課後の集まりにお呼ばれされるほどまでになった。

伏羲の持つ話術もあるが、なるべく多くの時間を共有し、かつさりげなく信頼を勝ち得るべく行動した努力の賜物だ。

伏羲が短気なさやかに意見しても関係が崩れないほどに仲良くなっている間、ほむらは誰ともつるまずに孤高の才色兼備な転校生をやっていた。

今日帰宅した後にそこを指摘してやろうと思っていた矢先にこれだ。

予想以上に先が思いやられるな、と思案していると、目の前で強引に空間が書き換えられていった。
147 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2011/10/20(木) 00:12:44.52 ID:eW9WVssSO
以上、ここまで。

リアルの心配をしてくださった皆様ありがとうございます。偏差値足りてませんが頑張ります。

何かあればどうぞ。

では、書き溜めができ次第来ます。
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/20(木) 00:16:18.47 ID:eI6hfYESO
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/20(木) 00:19:35.91 ID:X9Vjk9mFo
お疲れ様でした。
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/20(木) 00:50:24.18 ID:rq+ggiYl0
追いついた
向こうで筆が乗ってないなーと思ったらこんなことしてたんかアンタもっとやれ
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2011/10/20(木) 17:06:02.38 ID:0z79ArUJo
おつ

あと誤字かな?

必殺で、すがるような声て何wwwwww
152 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2011/10/20(木) 18:19:07.49 ID:eW9WVssSO
>>151
目から塩化ナトリウム水溶液が止まりません誤字です脳内保管おながいしますウワァァァァァァァァ
153 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2011/10/20(木) 18:20:06.35 ID:eW9WVssSO
保管しないでください捨ててください補完はしてくださいちょっと樹海までいってきます
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/20(木) 18:21:51.84 ID:T7kyuRjso
早まるなwwwwwwww
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2011/10/20(木) 20:13:16.55 ID:0z79ArUJo
おちつけwwwwww
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/21(金) 01:22:35.25 ID:A+cdR9Nl0
______
|←樹海|        >>1
. ̄.|| ̄     オワタ┗(^o^ )┓三
  ||           ┏┗   三
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

______  ヴン
|←樹海|  ┃!?
. ̄.|| ̄   ┃o^ )┓三
  ||     ┃ ┗   三
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

       ヴン           ______
       ┃           |おいでませ|
       ┃三  ┏( ^o^)┛ . ̄ ̄|| ̄ ̄
       ┃三    ┛┓      ||
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2011/10/21(金) 02:25:34.50 ID:48TOC2mAO
樹海に行く暇があるなら続けて下さいな
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2011/10/23(日) 03:52:50.94 ID:eovjuF69o
書き溜めはまだかなー
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2011/10/27(木) 23:35:36.53 ID:Tb37G5VAO
まーだーかーなー
160 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/29(土) 15:31:06.32 ID:nbRG4zXSO
どうもこんにちは。レスありがとうございます。励みになります。

>>156
ティウンティウンされずに済n魂が溶けます本当にありがとうございました

では、投下します
161 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/29(土) 15:33:38.46 ID:nbRG4zXSO
おどろおどろしい、という訳ではないが、
床、天井、壁問わずにあちこち突き刺さっている歪な薔薇のような物に、
その周りを遊ぶように飛び交う蝶。

その様は、ファンタスティックというよりも狂気的だった。

――――魔女の結界だ。

ANTHONY「Das sind mir unbekannte Blumen.」

「何だ、あのグロテスクな汚らわしい毛玉は……」

蝶から伸びる黒い糸のようなモノから生えるわたぼこりにはカイゼル髭。
そして細い指の無い腕の生えたモノが、三人を取り囲むように距離を縮めてくる。

ANTHONY「Ja, sie sind mir auch unbekannt.」

「な、何なの一体!?」

カクカクとした、それでいて滑らかな動きで寄ってくる。

ANTHONY「Schneiden wir sie ab.」

グロテスクな絵本からそのまま切り抜いたような姿は、平面的な錯覚を起こさせた。

ANTHONY「Ja schneiden doch sie ab.」

「お、王奕くん……」

二人を庇うように前へ出た伏羲を、心配そうに見遣るまどか。
162 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/29(土) 15:34:20.19 ID:nbRG4zXSO
相手は使い魔とはいえ力は未知数だ。

伏羲は仙人たる故に身体能力は常人を超越しているが、
あの毛玉に蹴りを食らわせて素直に吹き飛んでくれるか分からない。
逆に、こちらの骨を折ってしまったらおしまいだ。

ANTHONY「Die Rosen schenken wir unserer Konigin」

こっそり打神鞭を使って、後に魔法少女のせいにしてしまおうか。

等と思案していると、周囲の使い魔たちが一斉に吹き飛んでいった。

くるくると回転する様子は見た目のグロさに似合わずコミカルで、何だかシュールだ。

「危ないところだったわね」

明るい声色と共に降り立つのは、金髪の魔法少女。

「でも、もう大丈夫!」

――巴マミは、三人にウインクを飛ばすと、使い魔たちに向き合った。
163 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/29(土) 15:35:05.03 ID:nbRG4zXSO
流れるような手捌きで、白く美しいマスケットを扱うマミ。

大勢いた使い魔たちが、どんどん消滅していく様は圧巻だ。

マミが右手を振るうと空中に大量のマスケットが現れ、弾丸の雨が容赦なく使い魔たちに穴を空けていった。

こうしていくうちに使い魔はあっという間に数を減らし、全て駆逐された瞬間に元の空間に戻った。

(うーむ…………)

一方伏羲は、巴マミの戦いに注意を向けつつ、魔女の結界を解析していたのだが、
その結界、一概に『魔女』と言っても、結界の性質が全く異なることが分かった。

全くもって不覚だが、魂のむごたらしさに気をとられていて
前回の結界の性質をよく覚えていなかったのだが、今回の結界とは明らかに違っていた。

魔女の元が魔法少女であり、結界が魔女の一部であるという特性の為か、結界から感情が感じられた。

――その性質は『不信』。

何かに裏切られて絶望したのだろうか。

伏羲はそっと目を伏せた後、困惑している二人に代わってマミに声をかけることにした。
164 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/29(土) 15:36:04.58 ID:nbRG4zXSO
「また助けられてしまったのう」

「えっ、前にもこんな事あったの!?」

苦笑しながらそういう伏羲の言葉に、驚いて振り向くさやか。

彼女の中で王奕という人物のトンデモ指数が上昇した。

「あ、ありがとうございました!!」

「そ、そうだ!本当、ありがとうございました!!」

「あの、それで、この子なんですけど……」

我に返ったまどかが礼を述べ、さやかがそれに続く。

そして、マミに向かっておずおずと傷だらけの白い生き物を差し出した。

マミはそれを受け取ると、そっと床に横たえた後に手をかざす。

すると暖かい光が白い生き物を包み込み、みるみるうちに傷が全て塞がった。

完治した白い生き物は、ふるふるとかぶりを振るとむくりと起き上がった。

「ありがとうマミ、助かったよ」

「喋った!?」

マミに礼を述べる生き物に対して驚くさやか。

白い生き物はいくらでも替えがあることを知っている伏羲にとっては、なんとも微妙な心境だ。
165 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/29(土) 15:37:15.17 ID:nbRG4zXSO
「お礼ならこの子たちに言って。私だけだったら間に合わなかったもの。……それで、出てきたらどうなの?」

そう白い生き物に声をかけると、後方へ向けて声を飛ばすマミ。

すると、音も無くほむらが現れた。

とたんに、まどかとさやかが緊張で身を固くする。

「今ならまだあの魔女に追いつけるわよ?」

「あの魔女に用は無いわ」

「物分かりが悪いわね、見逃してあげるって言ってるのよ」

「……………………」

「……………………」

「…………相性が悪いわ」

しばらく睨み合いが続いたかと思ったら、ほむらが背を向けて立ち去った。

ほっとため息をついて肩の力を抜くまどかとさやか。

伏羲は、まどかたちとは別の意味でため息をついた。

「王奕、まどか、さやか、キミたちにお願いがあるんだ」

伏羲たちに向き直った白い生き物は言う。

何だか嫌な予感がしたのだが、果たして伏羲のそれは当たった。

「ボクと契約して、魔法少女になってよ!」

――――空気が、凍りついた。
166 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/10/29(土) 15:37:52.66 ID:nbRG4zXSO
以上、短いですがここまで。

明日と来週の金曜土曜に用事があるので次の投下は間が空きそうですあbbbbb

何かあればどうぞ

それでは、書き溜めができ次第来ます
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/29(土) 16:52:03.07 ID:WlMFAjzy0
おつおつ
QBマジQB
それにしてもほむほむは難儀な子やなあ
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) [sage]:2011/10/29(土) 16:56:21.26 ID:h5+rdUg4o
またかよwwwwwwww
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/29(土) 22:12:58.95 ID:xV1BVARSO
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2011/10/30(日) 03:17:00.98 ID:QJJtv22Bo
やっぱスースあきらめて女装しようぜ
元の格好がすでにそれっぽいけど


おつ
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/30(日) 03:46:42.54 ID:4rndJSQIO

もしかして二週間は空くかもしれないのか…
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [saga]:2011/11/02(水) 04:56:30.56 ID:+Cl2ofNSO
相互リンク

伏義「ここはどこだ?」まどか「み、見滝原、ですけど……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1320059580/

姉妹スレ

伏羲「桃が食いたいのう」禁書「お腹へったんだよ」上条「不幸だ…」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312273666/
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(愛知県) [sage]:2011/11/02(水) 06:12:29.47 ID:YTng7AQe0
>>172
絶対に許さない
174 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2011/11/02(水) 12:43:24.03 ID:JHtJzicSO
どうもこんにちは。
展開の遅さに焦りを覚えてきたので、いっちょゲルトルート戦まで書きました。今推敲しつつもしもしに移してます。
という訳で、今晩か明日にでも
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/02(水) 14:11:31.28 ID:QZQ+x62co
待ってる
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(中部地方) [sage]:2011/11/02(水) 15:27:14.99 ID:evJy7j0Ro
続き期待
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関西・北陸) [sage]:2011/11/02(水) 18:33:41.89 ID:2vdr0bVAO
舞ってりッ★
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/02(水) 20:43:13.19 ID:yE0exdOZ0
喜媚ちゃんが舞ってる・・・なんだ、ただのロリータオンステージか

まあ、あんまり焦らずゆっくりやってくださいな>>1
179 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:01:51.79 ID:JHtJzicSO
どうもこんばんは、レスありがとうございます。はげみになります。

バタフライ効果が楽しくて本編が進まない解せぬ。
という訳で一気にゲルトルート戦、もとい二話分を書き溜めて来ました。

では、投下します
180 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:02:39.57 ID:JHtJzicSO
あの後、何とか持ち直した一行は、
魔法少女について説明を受ける為にマミの家に招待された。

マミが特製のケーキと紅茶を振る舞いながら説明してくれた魔法少女に関する事は、
大体ほむらから聞いたことと同じだったが、ソウルジェムとグリーフシードの関連性については触れなかった。
恐らく知らないのだろう。

その後、キュゥべえのしつこい勧誘をあしらったり、
ほむらについてさりげなくフォローしたり(結果は芳しくなかった)、
願い事について(伏羲以外が)相談したりと時間はすぐに過ぎ去り、
最後に翌日の放課後、魔法少女の体験コースをするという約束を取り決めてから解散した。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「……………………」

「……………………」

伏羲とほむらの間に、重圧な空気が流れている。

巴マミの家から出た後、伏羲はすぐにほむらの家へと向かった。

ほむらの方も、今日の伏羲に対して言いたいことがあったので居間に通したのだが、
伏羲から放たれるオーラに尻込みして切り出せずにいた。
181 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:03:11.53 ID:JHtJzicSO
(な、何よ。どうして今日は協力してくれなかったか、
 問いただすつもりだったのに……)

幾度も同じ時間をループしていたほむらは、体感年齢では相当である。
しかし、億などくだらない時を歩んできた伏羲に威圧感で負けても、それは仕方ない事だった。

「…………ほむらよ」

「…………何かしら?」

ようやく口を開いた伏羲。

正直、めちゃくちゃ怖い。
なんとかいつも通りの返答が出来たほむらは、自分を褒めてやりたかった。

「今日は一体どういうつもりなのだ!」

机をバン!と叩いて怒鳴る伏羲に、びくりと肩を震わせるほむら。

先程までの重苦しい空気が一気に吹き飛び、ほむらは目をぱちくりさせる。

「ど、どういうつもりって……?」

わけがわからず首を捻るほむら。

この場の空気や、話の流れなどの主導権を伏羲に握られた事にほむらは気づかない。
182 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:04:08.18 ID:JHtJzicSO
「今日一日の学校での態度!おぬし、自分からさやかへのアクションが一切無いとはどういう了見だ!
 それに、クラスメートに対する高圧的な態度!
 よいか?人は信用がモノを言う。評価が高い者とそうでない者とでは、
 周囲に与える印象が違うのだ!だいたいのう――――」

――――その後、伏羲の説教は長時間に渡ったという。

「ご、ごめんなさい………」

ぐったりしながら謝罪するほむら。
痛い所を的確に突いてくるの伏羲に、ぐうの音も出なかった。

「では、明日何をすべきか分かるな?」

「………………」

伏羲の問い掛けに押し黙るほむら。

長い間人とまともな関わりが無かったせいで、対人関係についていろいろと欠如していた。

そんなほむらを見て小さくため息をつくと、伏羲はこう言った。

「明日、インキュベーター含めさやか達に謝るのだ」
183 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:05:43.74 ID:JHtJzicSO
「なっ……、冗談じゃない!!どうして謝らなきゃいけないの!?」

「事情を知らないとはいえ、向こうからすればおぬしはただの通り魔よ。
 こういったイメージは早めに払拭するに限る」

「でも!!」

伏羲の言葉を聞くと同時に激昂して立ち上がるほむら。

全ての非はインキュベーターにあり、そいつの言葉を鵜呑みにして、
勝手に自滅するさやかも同様。

そう考えるほむらにとって、自らの行いを非とし、
あまつさえ頭を下げるなど、彼女のプライドが許すはずなかった。

(この男、分かっているように見えて実際は何も分かってなかったの!?
 こいつと組んだのは間違いで、結局今回のループも――――)

「ほむらよ」

怒涛の感情の渦に呑まれそうになっているほむらを、伏羲は冷静な物言いでせき止めた。

ほむらがはっとなって伏羲の方を見遣ると、氷のように冷酷な瞳をしていた。

背筋が冷たくなり、一気に頭が冷える。
184 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:07:11.23 ID:JHtJzicSO
「物事を成すには、大なり小なり何かしら犠牲がつきものだ。
 何も失うものがなく、とんとん拍子に進んではいハッピーエンド、なぞほぼ無い」

ほむらは何も言えない。

年端もゆかぬように見える少年が作り出す空気に、ただ圧倒されるだけ。

伏羲は続ける。

「おぬしが成そうとしている事は大きく、生半可な気持ちでは立ち向かえぬ。
 なりふり構っていてはいられぬのだ。だから――――」

そこで一旦区切ると、まっすぐほむらの目を見据えてこう言った。

「おぬしのプライドを捨てよ。これさえ出来ればいいのだ。
 とても難しいが、これほど安い対価はあるまい?」

そこで、ふっと空気が軽くなった。

ほむらは思わずソファーに座り込む。

――――私のプライドを、捨てる――――

今までなりふり構わずやってきた。

否、やってきた『つもり』だった。

しかし、無意識の内にスマートに解決したいという思いが働き、
今一歩のところでふんぎりがついていなかった。

インキュベーターに頭を下げるなんて、死んでもごめん――――いや、まどかを救う為に、何でもすると決めた。

ならば、自分の感情なんて些細な事――――そう自分に言い聞かせるほむらだが、
簡単に割り切れるはずもなく、自らの肩をぎゅっと抱きしめながら小さく震えた。
185 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:08:11.39 ID:JHtJzicSO
頭を撫でる暖かい感触を受けながら、ほむらは静かに、ゆっくりと決意を固めていった。



翌日。

まどか、さやか、伏羲の三人は、屋上のベンチに座っていた。
まどかの膝の上にはキュゥべえもいる。

昼食を食べながら願いについて話していると、声をかけられた。

「ちょっといいかしら」

三人の前に現れたほむら。

さやかは敵意を隠そうともせず、まどかは緊張したようにキュゥべえを抱き寄せた。

少し離れた所からは、注意深くこちらをうかがっているマミの気配も感じられる。

ちらと伏羲に視線を送ると、うなずき返してくれた。

ほむらは意を決して切り出す。

「昨日は……ごめんなさい」

そう言いながら頭を下げたほむらに、まどかとさやかは目を丸くした。

伏羲は何も言わない。

「いきなり銃を向けたりして、本当にごめんなさい。
 あなたたちを傷付けようという気は、これっぽっちも無かったの……」

頭を下げたまま、謝罪の言葉を述べるほむらにぽかんとしていた二人だが、
うちさやかがフッと口元を緩めると、ほむらに声をかけた。
186 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:09:12.74 ID:JHtJzicSO
「転校生……いや、ほむら」

名を呼ばれたことに、驚いて思わず顔を上げたほむら。

彼女がさやかに『転校生』ではなく、『ほむら』と呼ばれたのは
ずいぶん久しぶりのことだったのだ。

そんなほむらの心境は知らずに、さやかはニッと笑いながらキュゥべえの頭を撫で、こう続けた。

「一番謝らなきゃいけない相手は、あたしたちじゃないでしょ?」

――――ほむらの顔から、血の気が失せた。

分かっていた。これが本題だと。
この壁を乗り越えねばならないとも。

しかし、開かれた口は言葉を発することができない。

(言わなきゃ、言わなきゃ、ここでがんばれば、巴マミが死ぬことも防げるし、
 私の意見も聞いてもらいやすくなる、言え、言え、言え――――!!)

「ほむらちゃん!!」

真っ白になりかけたほむらの思考を引き戻したのは、まどかだった。
顔色は、真っ青だ。
187 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:10:07.94 ID:JHtJzicSO
何があったのだろう?もしかして、無意識のうちに何かやらかした?

そうほむらがどこか他人事のように思案していると、
まどかがそっとほむらの手をとった。

「ほむらちゃん、血が出てるよ!!」

「え…………?」

そう言われて視線を落とすと、いつの間にか握られていたこぶしは、
凄まじい力が加わっていたらしく血が滴り落ちていた。

呆然とした様子で、真っ赤なそれを眺めるほむら。

「えっ、な、何かごめん!何?もしかしてキュゥべえと何かあったの?」

心配そうにこちらを伺ってくるさやか。

まどかも、しきりにほむらの手を気遣い、
労るように優しく手で包みながら「保健室に行こう」などと声をかけてくれる。

――――ほむらは、限界だった。

膝から崩れ落ちると、嗚咽を漏らす。

そして、感情が爆発したほむらは胸中を吐露した。
188 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:11:04.54 ID:JHtJzicSO
「っ今まで、何人も何人も魔女との戦いで命を落とす魔法少女を見てきた!!
 安易に願いを叶えて、後悔して、人を呪いながら死んでいく人もいた!!
 私の親友だって、親友だって……、それなのにコイツは!!
 死んでいった少女たちを何とも思わないで!!今もこうやって甘言ばかり並べて
 あなたたちに契約を迫っている!!私は、私は…………」

涙を流し、言葉に詰まるほむらを後ろからそっと魔法少女姿のマミが抱きしめた。

そっと手をかざすと、ほむらの傷がみるみるうちに塞がる。

「ぁ…………ぅ…………」

「ごめんね、暁美さん。私、貴女のこと勘違いしてたわ。
 つらかったわね。昨日のことも、貴女なりに良かれと思って動いてたのね」

方法がちょっぴりバイオレンスだけど、と悪戯っぽく付け足すマミ。

ほむらは、何が何だか分からなくなっていた。

「不器用なのは分かったけど、もう暴力に頼っちゃダメよ?」

そう優しく微笑むマミに、ある記憶がフラッシュバックする。
189 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:13:19.01 ID:JHtJzicSO
それはあるループでの出来事。
さやかが魔女になり、ソウルジェムとグリーフシードの関係に皆が気付いてしまったとき。

さやかだった魔女を倒した後、ほむらはマミの魔法によって拘束され、
仲間の魔法少女は不意を突かれてソウルジェムを砕かれた。

「ソウルジェムが魔女を生むなら、みんな死ぬしかないじゃない!!あなたも、私も!!」

泣きながらマスケットを構えるマミの姿は、今も尚脳裏に焼き付いている。

まどかが涙と共に放った矢がマミのソウルジェムを打ち抜いたお陰で助かったが、
それ以降のループでは疎遠になり、ついには敵対するようになってしまった。

(また、やり直せるの?また、皆で笑い合いながら、
 マミさんの淹れた紅茶が飲めるの?)

「う、うぅ…………うわああああああん!!!!」

ついにほむらは声を上げて泣き出した。

そんなほむらの背を、マミが優しく撫でる。
まどかとさやかも、黙って見守っていた。
190 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:15:53.88 ID:JHtJzicSO
余談だが、キュゥべえが空気を読まない発言をしようとしていたのを察した伏羲は、
四人にバレないように屋上からこっそりキュゥべえを捨てた。

木の枝にひっかかり「わけがわからないよ」と呟くキュゥべえだが、
素質のある者にしか見えない――――つまり、誰にも見えないので、通り掛かった見滝原中学の学生は、
ただ木の葉が揺れているようにしか見えなかった。

閑話休題。

ひとしきり泣いて落ち着きを取り戻したほむらだが、逆に羞恥心が込み上げてきた。

また、ずっと外から眺めるだけだった輪の中に入れた嬉しさもあり、もじもじしている。

そんな様子を目敏いさやかが見逃すはずなかった。

「おっ?何だ何だー?もじもじしちゃって恥ずかしいのかー?ういやつめ、このこのー!」

「ほむっ!?や、やめなさい美樹さやか!!」

「美樹さやかじゃなくてさーやーかー!照れ屋なほむらはくすぐりの刑に処してやるー!」

さっそくさやかに弄ばれるほむら。
高圧的な態度も、単なる照れ隠しと受け止めてもらえるようになった。
191 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:16:47.85 ID:JHtJzicSO
(これで第一関門はクリア、か?)

ほっと息をつく伏羲。
正直なところ、ほむらがインキュベーター相手に謝るとは思っていなかった。

人は弱い所を見せられると、信頼しやすくなる生き物である。

先日のほむらの行動にお灸を据えるという意味もあったが、
つっけんどんでとっかかりにくい、というイメージを払拭させる為にも
あえて頭を下げるように言ったのだった。

少しやりすぎた感は否めないが、結界はご覧の通り。

さやかのいじりをかわすほむらの表情は、穏やかだった。

「ところで、私から提案があるのだけれども」

マミがそう切り出した。

ほむらは何か分からないという表情だったが、
さやかは合点がいったのか「ああ、アレですね」等と言う。

「今日から、魔法少女がどんなものか見てもらう『魔法少女体験コース』をやるんだけど、
 良かったら手伝ってくれないかしら?」
192 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:17:31.71 ID:JHtJzicSO
固まるほむらに対して、取り繕うようにマミが続ける。

「魔法少女がどんなものか、ちゃんと見てから決めてもいいと思うの。
 魔女との戦闘を見て、願いにつり合わないと思うならそれでいいし、
 中途半端な気持ちで契約したり、よく分からないままチャンスをフイにするのも釈然としないでしょ?」

ほむらは考える。
体験コースだなんて軽い気持ちで一般人を結界に連れ込むだなんて論外だが、
既にやる方向で決まってしまっている。

ほむらがここでノーと言っても、ほむら抜きで決行するだけだ。
ならば――――

「……ご一緒させてもらうわ」

そうほむらが答えると、マミはぱっと顔を輝かせた。

体験コース後も一緒に魔女狩りができれば、孤軍奮する日々は終わるのだ。

もう、一人寂しく魔女を狩る日々とはサヨナラできるかもしれない――!!

マミは内心うきうきしながら、放課後に集合する約束を取り付けた。
193 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:18:15.92 ID:JHtJzicSO



放課後。

さっそく五人で集まった。中々の大所帯だ。

さやかが金属バットを体育館から拝借してきたり、
まどかが衣装案を用意してきたり、
伏羲にいたっては何も用意してなかったりと三者三様であったが、早速魔女を探しにくり出すことにした。


「見て、このソウルジェム」

マミが自らのソウルジェムを皆に見せる。

「光っているのが分かる?昨日ここにいた魔女の魔力に反応してるの」

見れば、確かに淡く光っている。
それは輝くというより、もっと柔らかいものだった。

「基本はこの反応を頼りに魔女を追うのよ」

「わー、結構地味……」

「華々しいだけと思ったら大間違いよ」

「もう、暁美さんったら……」

「にしても綺麗ですね」

「そうだのう」

談笑しながら反応を追う五人。
ほむらは、契約当初マミに面倒を見てもらっていた事を思い出していた。
194 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:19:25.31 ID:JHtJzicSO
「魔女の呪いで起こるのは、交通事故や傷害事件……自殺なんかが多いわ。
 だから、そういう事が起こりやすい所を優先的にチェックするの」

マミは説明を続ける。

「それと、弱った人の多い病院に魔女が取り憑くと、
 生命エネルギーを吸い取られてかなりまずいことになる。
 注意した方がいいわ」

「病院……」

幼なじみであり、想い人である上条恭介が入院しているさやかはマミの言葉に反応した。

と、マミとほむらの持つソウルジェムの光が一瞬強くなる。

「……近いわ、こっち!」

駆け出したマミについて行く一行。

辿り着いた先は廃ビルだった。
屋上に、OLとおぼしき女性が立っている。

と、次の瞬間。女性が屋上から飛び降りた。

まどかが息を飲む。

マミはすぐさま変身すると、リボンをいくつも出現させゆっくりと落下の勢いを殺していった。

倒れる女性の首筋には、歪な紋様。
195 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:20:19.74 ID:JHtJzicSO
「魔女の口づけ……やっぱりね。詳しい話は後!
 魔女はビルの中よ、追い詰めましょう!」

「はい!」

「うむ」

「ええ」

まどかとさやか以外バラバラだが、マミに返事を返すとビルの中へ入っていった。
しんがりはほむらだ。

「美樹さん、バットを」

「はい」

マミがバットに魔力を送ると、無骨な金属バットがロココ調の細かい装飾がなされた美しいバットになった。

「これでよし。気休め程度だけど、身を守れるはずよ」

「おおー!」

「すごいのう……」

マミはその反応に満足すると、マスケットを構えた。

「使い魔の群れを突破すれば、魔女の所に在りつけるわ。
 それじゃあ行くわよ!皆!!」

マミを戦闘に結界をつき進んでゆく。

中にいた使い魔は、前回のわたぼこりではなく、一言で表すならどろどろに溶けたナメクジの蝶。
カイゼル髭は最早お約束だ。

ベルのような警戒音を鳴らしながら頭突きを食らわせてくるが、
マミが的確に撃ち抜いてゆく。

たまの撃ち漏らしも、ほむらが仕留めていった。
196 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:21:10.22 ID:JHtJzicSO
そうしてたどり着いた最深部。

「……出たわ」

頭に苔色のスライムをぶっかけていくつか薔薇を添えてみました、というような頭部に、折れ曲がった胴体。
背中には蝶の羽が、下のほうには足ともイソギンチャクともとれるモノが6本生えている。

「あれが『魔女』よ」

薔薇園の魔女、ゲルトルート。

性質は 不信。
なによりも薔薇が大事。その力の全ては美しい薔薇のために。
結界に迷い込んだ人間の生命力を奪い薔薇に分け与えているが、
人間に結界内を踏み荒らされることは大嫌い。

「うわ……グロい……」

「あんなのと戦うんですか……?」

「これは……ああ、ひどいのう」

順にさやか、まどか、伏羲。

さやかとまどかは普通の日常を送っていたらまず遭遇しないであろう化け物に、
伏羲は、嘆くことしか出来ない魂に関してそう呟いた。

「大丈夫、負けたりなんかしないわ。
 今回は暁美さんもいるしね」

「……あまり期待しないでちょうだい」
197 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:22:26.97 ID:JHtJzicSO
マミが三人に向かって元気付けるように言い、ほむらもそれに応える。

マミがマスケットを構え、魔女へ撃つものの、その体に似合わない俊敏な動きでかわされてしまった。

「ちょ、マミさぁん!当たってないじゃないですか!」

「まあ見てなさいって!」

さやかが不安げな声を上げるが、大丈夫だと微笑むマミ。

ほむらは自らを搦め捕ろうとする蔦を撃ち落とし、時々魔女に弾丸を放っていた。

すると次の瞬間、足元から現れた蔦にマミが搦め捕られ、逆さまに持ち上げられてしまった。

「マミさん!!」

「…………」

まどかとさやかが悲痛な声を上げる。

しかし、伏羲は黙っていた。

マミが意味深に微笑むと、先程外した弾痕から黄金のリボンが伸び、あっという間に魔女を縛り上げてしまった。

同時に魔女の蔦から自力で脱出したマミは、グリップだけで自分の身長ほどもある巨大なピストルを生み出した。
198 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:23:12.51 ID:JHtJzicSO
「これが私の戦い方!未来の後輩に、
 カッコ悪いとこ見せられないもの!」

引き金の代わりとなる部分を持ち、叫んだ。

「ティロ・フィナーレ!!」

直撃した魔女は跡形も無く消滅し、後に残ったのは廃ビル内に立つ五人だった。

「か、勝っちゃった……」

『非現実』から『現実』に帰ってきたさやかは、どこか夢見心地で呟いた。

カツン、と何かが落ちる音がする。
その『何か』を、マミは広って三人に見せた。

「これがグリーフシード。魔女の卵なんだけど、
 この状態なら安全よ。寧ろ役に立つの。
 ほら、私のソウルジェム、少し濁ってるでしょ?グリーフシードをくっつければ……
 ほら元通り!これが魔女退治の見返りって訳。ほら、暁美さんも」

まどか達に、グリーフシードについて説明するマミ。

伏羲は別に知っていたが、初めて聞いたかのようにふるまった。

廃ビルから出ると、先程の女性をゆり起こす。
199 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/02(水) 23:24:05.07 ID:JHtJzicSO
「あれ、私……っ、何で、あんなこと……!!」

何故気絶しているかを思い出して青ざめ、恐怖で涙を零す女性。

「大丈夫ですよ、ちょっと悪い夢を見ていただけですから……」

そんな女性に、優しく語りかけるマミ。
正に、絵に描いたような正義のヒーローだった。

ここでその日の魔法少女体験コースは終わり、各々解散した。






「……夢みたい」

ほむらは、寝室で一人ぽつりと漏らす。

最早諦めていた、さやかと良好な関係を築くことができた。

まどかと、『友達』になることができた。

ワルプルギスの夜との戦い以外で、共闘することができた。

全ては、あのイレギュラーから始まった。

彼は一体何者なのだろう?

何故、今になってこのループに?

男なのに魔法少女、しかもまどかを越える資質とは一体?

疑問は尽きないが、考えても答えが出る訳でもない。

ほむらはベッドに潜ると、睡眠を取る為に目を瞑った。

明日も体験コースはあるのだから――――
200 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2011/11/02(水) 23:26:40.28 ID:JHtJzicSO
以上、ここまで。

次回はいよいよあの魔女ですねモグモグ
チーズの用意をしておいてください

何かあればどうぞ。

では、書き溜めができ次第来ます。
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(山陽) [sage]:2011/11/02(水) 23:29:02.09 ID:xHoQbBOAO
おつ!
しかし貴様、よくもほむほむのおててに傷をつけたな・・・・・

ペロペロさせて下さいお願いします
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/02(水) 23:50:55.98 ID:IIUx1NxXo
お疲れ様でした。
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(中部地方) [sage]:2011/11/03(木) 00:25:13.48 ID:glwRVDJso

カバ「ご主人…主人公なのに戦闘で全然活躍してないッスね」
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(愛媛県) [sage]:2011/11/03(木) 00:27:52.16 ID:u+1TzGZ3o
おつ

さすが伏羲さん、目立たない所でサポートしてますね
だから全然目立ってないけど、そこがいい
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 00:30:11.91 ID:GmUckr5SO
>>203
その台詞懐かしいなwwwwww
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/03(木) 05:06:47.38 ID:q1VSwUI40
〜やる夫で振り返る今回のまとめ〜

  おいィ!?おぬしそれでいいのか常識的に考えて!
      / ̄ ̄\                                 うるさい!
    /ノ(  ゝ 、_,ノヽ        r'´ ゙ヽ      /`ヽ          ____ あなたに魔法少女の悲しみの何がわかるってんだお!
    | ⌒(( ●)(●)        ヽ   ヽ从从/   /        \   /\
.    |     (__人__) /⌒l     \  \/  /て       (●)liil(●) ノ( \
     |     ` ⌒´ノ |`'''|    煤@ヽ/  /  そ     / (__人__)  ⌒   \
    / ⌒ヽ     }  |  |      ,)/  / \ く     |   |!!il|!|!l|         |
   /  へ  \   }__/ /      /   /\  \      \i⌒ヽェェ|      /
 / / |      ノ   ノ    /   / YYY\   \     \ \  /⌒,/´
( _ ノ    |      \´    /   /       \   \     / \ \/  /l
       |       \_,/   /         \   \_/    \__ノ |\
       .|            /            \             |) )
       ヽ          /               \           ,r' /
         \      , '´                   `' ,        /ー'′
          \     (                     )     /
            \    \                  /    /
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東日本) [sage]:2011/11/03(木) 21:15:48.42 ID:r1GRcOxSo
乙−
伏羲さんマジパネェっす
208 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/04(金) 22:34:47.39 ID:IAVZ4TQSO
どうもこんばんは。レスありがとうございます。お陰で色んなものがはかどります。

短いですが、少し書けたので投下しに来ました。

では、ちょっとですが
209 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/04(金) 22:35:36.51 ID:IAVZ4TQSO
病室。

「恭介、今日も持ってきたよー!」

笑顔でベッドの側に寄るさやか。

その両手には、何枚かのDVDがある。

「ありがとう、さやか。うん、さやかは珍しいCDを探す天才だったけど、僕好みの映画を探す天才でもあったんだね」

「えへへ……」

ベッドに体を預けている少年は、上条恭介。

不慮の事故により、左手の神経が壊れて動かない『元』天才バイオリニスト。
さやかの想い人でもある。

「どのDVDも面白かったよ」

「ん。じゃあ返却しておくね」

「いつもありがとう」

「どーいたしまして!」

笑顔で会話する二人。
恭介の表情に偽りはなく、さやかも嬉しくなる。

「……さやか」

唐突に、恭介が真面目な顔をして切り出した。

「何?」

自然とさやかの顔も引き締まる。

さやかは、次の言葉に目を丸くした。

「僕、指揮者になろうと思うんだ」
210 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/04(金) 22:36:33.88 ID:IAVZ4TQSO
「えっ…………」

「少しバイオリンから離れて、冷静になれた。現実からちょっと目を離して、映画を楽しんだ。
 けど、やっぱり僕の耳はBGMを捕えてしまう。
 そこで僕は気付いたんだ。僕が好きなのはバイオリンただ一つじゃなくて、音楽全てなんだって――――」

さやかは黙って耳を傾けている。

さやかは、事故の日から歩き出した恭介の言葉をただただ黙って聞いている。

「もちろんリハビリは続けるし、バイオリンを諦める訳じゃない。
 さやかは……僕の新しい夢を応援してくれるかい?」

「――うん!うん!あたし、応援する!恭介の夢、全力で応援するよ!!」

目尻が熱くなったさやかは、思わず立ち上がり恭介の手を握る。

それから二人は夢について語り合い、さやかは指揮者の本を買ってくることを約束し、面会は終わった。

さやかが帰った後、恭介はDVDプレイヤーを出し、目を閉じ音楽に耳を傾ける。

――――その表情に、時折暗い陰が差している事を、さやかは知らない。
211 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2011/11/04(金) 22:38:51.15 ID:IAVZ4TQSO
以上、ここまで。

音楽ちょっとでもやってる人ってつい映画やゲームのBGMに気をとられますよね

まどマギは最後まで油断ならない所と、クロスの自由度が好きです。バタフライ効果ちょう楽しい。

何かあればどうぞ

では、書き溜めが出来次第来ます。
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 23:06:17.36 ID:cxYMLpBSO
BGMに耳がいくのよくあるわ

まあストーリーに集中したら大抵気にならなくなるけどwwwwww
213 :修正 ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2011/11/04(金) 23:14:08.12 ID:IAVZ4TQSO
>>210
×目尻が熱くなったさやかは
○目頭が熱くなったさやかは

個人的にこっ恥ずかしかったので修正
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/11(金) 01:30:38.34 ID:YkjGYlQr0
wktk
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(中部地方) [sage]:2011/11/13(日) 13:27:17.24 ID:jainU2p0o
まだこないかなー
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(中部地方) [sage]:2011/11/18(金) 16:41:47.01 ID:R0nV6ki7o
二週間経過でごわす…
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/19(土) 02:56:28.17 ID:NKIgrb5IO
向こうのスレがおわればくるはずだ・・・
218 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/19(土) 15:46:05.14 ID:4iC1WmUSO
終わらなくても来るぜヒャッハー!!

どうもこんにちは。レスありがとうございます。励みになります。

遅くなってすみません。構想は出来ていたのですが、なかなか文に興せず……

では、投下します。
219 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/19(土) 15:47:05.65 ID:4iC1WmUSO
放課後、帰り道。

特に魔法少女体験コースも無いので、伏羲、まどか、さやか、ほむらの一行は、
上条恭介のお見舞いへと病院に来ていた。

と言っても、実際に病室へ赴くのはさやかだけだが。

お見舞いが終わり、帰ろうと病院を出たところでまどかが何かを見つけた。

「ねえ、あれって何かな……?」

つられてまどかの指差す方を見遣ると、禍禍しいモノが病院の壁に突き刺さっていた。

――――グリーフシードだ。

「わ、わたしマミさんを呼んでくるね!!」

刺さっているモノの正体に気が付くと、まどかはさっと顔を青くして駆け出した。

「その必要は無いわ」

そんなまどかを制止し、一歩前に出ると同時に変身するほむら。
いつもよりエフェクトがちょっとかっこいい。

おおーっというさやかの歓声が上がるも、まどかの姿が見当たらなかった。

「止める間も無く行ってしまったぞ」

そう告げる伏羲に、ほむらの瞳が悲しげに揺れた――気がした。

しばらくすると、結界が三人を飲み込む。

危険だから帰れとほむらは注意したのだが、さやかは
「あんたや恭介が危ない目に遭うかもしれないのに帰れるはずがない」と、
伏羲は「おぬしらが心配だ」と言って一歩も引き下がらなかった。

ついに折れたほむらは、絶対に自分から離れないように再三再四、
口を酸っぱくして注意し、許可することにした。
220 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/19(土) 15:48:08.72 ID:4iC1WmUSO
結界の最深部はこれまでの魔女のそれとは一変、とてもファンシーで、
周囲にはケーキやキャンディーなど色取り取りのお菓子が落ちている。

その中心、目の前にはやたら足の長いテーブル。その上にはワイングラスが鎮座しており、
その中でグリーフシードが静かに脈打っている。

ほむらは盾から拳銃を取出すと、高く聳えるテーブルを見上げた。


ほぼ同時刻。

まどかの案内でグリーフシードの元へとたどり着いたマミは、
ソウルジェムを掲げて結界への入口を切り開くと同時にほむらへテレパシーを送った。

「暁美さん、状況は!?」

『大丈夫、すぐに孵化する様子は無いわ。急がなくていいから、
 なるべく静かに来てくれるかしら?
 迂闊に大きな魔力を使って、グリーフシードを刺激する方がまずいわ』

「オッケー、分かったわ」

ほむらとのテレパシーを終えると、結界内部へと足を進める。

マミは溜め息をつくと、歩きながらまどかの方へ向き直った。

「まったく、暁美さんがいるとはいえ無茶しすぎ……って言いたいところだけど、
 今回に限っては冴えた手だったわ。これなら魔女を逃がさずにすむしね」

無茶を咎める表情から悪戯っぽいそれに変わる。

つられてまどかも笑うと、二人は駆け出した。
221 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/19(土) 15:49:07.72 ID:4iC1WmUSO



結界内部は病院に似ていた。

壁には薬品やお菓子が所狭しと並び、キャンディーの頭を持ったナース達が何かを探すように歩き回っている。

それらに見つからないように足を進めていると、まどかが切り出した。

「あ、あの!マミさん」

「何?」

ちょっと振り返って尋ねる。まどかは続けた。

「その、私なりに願いっていうか、色々考えてみたんです。
 考えが甘いって怒られるかもしれないんですが……」

「いいわ、聞かせて?」

自信が無さそうにおずおずとこちらを見るまどかの背中を後押しする。

まどかは決心したように話しだした。

「……わたし、得意な学科とか自慢できる才能とか何もなくて、
 誰の役に立てないまま毎日を過ごしていく自分が、ずっと嫌だったんです」

薬のカプセルが雪のように降り続く中、まどかの独白は続く。

「でも、誰かを助ける為に戦ってるマミさんやほむらちゃんを見て、
 それと同じことが自分にも出来るかもしれないって知った時、
 何よりも、そのことが嬉しくて……」

まどかは顔を上げると、笑顔で言った。

「だからわたし、魔法少女になれたらそれで願いが叶っちゃうんです。
 こんな自分でも誰かの役に立てるんだよ……って、
 胸を張って生きていけることが一番の夢だから!」

そんなまどかに対し、背中を向けたマミが、ちょっと俯いて答える。

「…………私、そんな憧れるほどのものじゃないわよ。
 …………ホントはね、戦うの、怖いんだ」

心なしか、その声は震えている。
222 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/19(土) 15:50:07.56 ID:4iC1WmUSO
「あなた達の前では無理矢理カッコつけて先輩ぶってるだけで、
 ……独りになればいつも泣いてばっかりだし。私なんて……」

「そんなことないですっ!」

突然、まどかが大声を上げてマミの言葉を制した。

まどかは普段大きな声を上げるような子ではない。
それを、短い付き合いながら知っているマミは、一瞬面食らった。

まどかは続ける。

「マミさんはもう、独りじゃないですよ」

思わずふり返るマミ。
そんな彼女の目をしっかり見据えて、まどかは続ける。

「わたしなんかじゃ頼りないかもしれないですけど……でも……
 ほむらちゃんだって一緒ですし、わたちだってマミさんの側にいる事ならできます。
 ……わたしも一緒に戦ってもいいですか?」

右手を差出ながらそう言うまどかに、目頭が熱くなるマミ。

「っ……あ、あはは……ちゃんと先輩らしくしてなきゃなのに……
 やっぱダメだなあ私……」

思わず出た涙を拭うと、まどかの手を握った。

「でも、ありがとう……もちろんだわ。
 暁美さんも含めて、魔法少女トリオ、結成だね!」

と、その瞬間、魔女の気配が濃くなった。

慌ててほむらに状況を確認すると、グリーフシードが動き始め、もうすぐ孵化するとのこと。

「だったらもうコソコソする必要もないわね!!
 いくわよ、鹿目さん!」

さっきのしおらしい表情から一変、華麗に変身すると、力強く駆け出した。
223 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/19(土) 15:51:11.66 ID:4iC1WmUSO



「お待たせっ!」

「おおっ、間に合った!」

マスケットを構えてやってきたマミに気づくと同時に、
まるでヒーローがやってきたことを喜ぶ子供のような声を上げるさやか。

「……来なくても充分だったんだけれども」

そんなさやかにむっとして、マミに憎まれ口を叩くほむら。

そんなほむらをくすっと笑って流すと、マミが一歩前に出た。

「……?」

ほむらが首を傾げたその瞬間。

足元から『ほむらを含めた』4人を守るように、リボンが伸びた。

「なっ――――」

「今回は暁美さんも見ててちょうだい!」

そうウインクしながら告げるマミに、頭の中が真っ白になる。

「待って、この魔女は今までとは訳が違う!!
 待って、巴マミ、待ってぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

駆け出した背中に向かって叫ぶも、その声は届かなかった。

銃を構えるマミの前には、足の長い椅子に座るぬいぐるみのような容姿をした
可愛らしい魔女。

お菓子の魔女、シャルロッテ。

その性質は執着。
欲しいものは全部。
絶対に諦めない。
お菓子を無限に生み出せるが
大好物のチーズだけは自分で作ることができない。
224 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/19(土) 15:52:18.34 ID:4iC1WmUSO
小手調べに、魔女へと向かって銃を撃つマミ。

椅子からころんと魔女が落ち、マミが追撃する。

勢いよく跳躍し、何発も銃弾を撃ち込んだ。

「(体が軽い……こんな気分初めて)」

マミは気付かない。

後ろでほむらが狂ったように叫び声を上げながら、リボンの結界を破壊しようと銃声を響かせていることに。

増えた仲間、これから出来る後輩。

立て続けに起きた幸福が、彼女を油断へと誘っていた。

「(もう、何も怖くない!!)」

リボンで縛り、床に転がって動かなくなった魔女へととどめと言わんばかりに銃を撃ち込む。

「これで終わりよ!」

自分の技の中で最大の威力を誇ると同時に、最も華のある技。

ティロ・フィナーレを撃つべく力を溜めていると、

魔女の口から黒く長い『何か』がはい出てきた。

「えっ――――」

それは大きな口を開けてマミへと一瞬で肉薄し――――



225 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/19(土) 15:53:09.70 ID:4iC1WmUSO







がちん。ぶちぶちっ。







226 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/11/19(土) 15:54:03.81 ID:4iC1WmUSO







硬い物が合わさる音と、何かが千切れる音が、鳴り響いた――――







227 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2011/11/19(土) 15:55:08.23 ID:4iC1WmUSO
以上、ここまで。

何かあればどうぞ。

では、書き溜めが出来次第来ます。
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/19(土) 16:12:53.29 ID:z0UW1HJSO
うわあああ分かってたけどうわあああ(´;ω;`)
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(滋賀県) :2011/11/19(土) 16:30:15.56 ID:xTLxtVHPo
流石万能義手だ何ともないぜ
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(愛媛県) [sage]:2011/11/19(土) 16:43:05.66 ID:XOCACwuxo
ご主人影が薄いっすよ
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(愛知県) [sage]:2011/11/19(土) 17:41:57.49 ID:w11S8gG90
復帰さん影薄いっすよ
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/19(土) 21:10:23.01 ID:0UtU2MpIO
それでも・・・それでも師叔なら・・・
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/19(土) 21:12:14.96 ID:RgKWNUigo
影が薄いさ師叔
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/11/19(土) 21:18:02.58 ID:cxyPSBGio
師叔の人気に嫉妬
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方) [sage]:2011/11/19(土) 21:30:59.78 ID:LbnyCCKx0
このマミさん駄目っぽい
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/19(土) 23:23:17.53 ID:IKnR3SbSO
お師匠様影薄いです
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(中部地方) [sage]:2011/11/20(日) 03:55:52.99 ID:TItSKoTLo

太公望ちゃぁ〜ん、影が薄いわよぉ〜ん?クネクネ
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(新潟・東北) [sage]:2011/11/20(日) 05:24:34.91 ID:daD1pSuAO

誰だよこんな所に女装趣味の奴を置いたの
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(愛知県) [sage]:2011/11/20(日) 06:48:22.02 ID:6Kh01O0xo

分かってるのに防げないとかそんなの絶対おかしいよ
……まだ決定的な描写がされたわけじゃない(強弁)
無敵の『空間使い』でなんとかしてくださいよォ師叔ーーーーー!
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(福岡県) [sage]:2011/11/20(日) 11:14:34.10 ID:BvFSXy7z0
お前ら・・・wwwwww

>>1のハードルがどんどん上がっていく・・・
241 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2011/11/20(日) 12:28:51.17 ID:Ht0UaSpSO
>>230>>231>>233>>236>>237
伏羲「ちょっと封神台まで」

マミさんを心配する声<影の薄い師叔に対する声
で何かワロタwwwwwwww
とりあえずマミさんに関してはぶちぶちっといきました。命を。

では今日か明日にでも
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(山陽) [sage]:2011/11/20(日) 18:11:25.24 ID:7STjskLAO
楽しみだ。
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/20(日) 23:58:27.02 ID:THhMXTdT0
うひょお来てたぜやっほい
244 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2011/11/21(月) 20:08:15.86 ID:jnydIGoSO
むりぽ
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(中部地方) [sage]:2011/11/21(月) 20:38:07.24 ID:FqpYkdFho
今日中も無理かwwwwwwwwwwwwww
良いもの書いてくれるならちゃんと待ってるぜ
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(北海道) [saga sage]:2011/11/26(土) 23:27:54.20 ID:7vO//+rk0
あーん!マミさんが死んだ!!
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(中部地方) [sage]:2011/11/29(火) 20:37:11.60 ID:CEraTZpxo
さて、そろそろかなー
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/08(木) 01:02:35.39 ID:RVD7BfeDO
まだけ?
249 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/12/11(日) 14:54:57.29 ID:t2FhVl/SO
どうもお久しぶりで……す……

長いこと間をあけてしまってすみません。構想はできているのですが筆が進まず……

では、投下します
250 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/12/11(日) 14:56:15.26 ID:t2FhVl/SO
どろり、と、先程までどれだけ攻撃しても傷ひとつ付かなかったリボンが溶けて、消えた。

「あ…………」

まどかとさやかはその場にへたり込む。
嬉しそうに咀嚼する魔女から目が離せない。

ほむらは呆然と立ち尽くしていた。
早く時間停止をして、手榴弾なり何なりを魔女に投げなければいけない。
しかし、一気に突き落とされた彼女は思考を放棄していた。

ゆらりと魔女が振り向く。その口からは、見慣れた金糸が垂れていた。

と、魔女は少女たちに見向きもせずに、別の方向を見る。

そこには、いつの間に移動したのか伏羲がいた。

「何をしておる!!早く魔女を倒さぬか!!」

――――その腕の中に、ツインテールが千切れた巴マミを抱えて。



時は少し遡る。

マミが駆け付けたときから、伏羲は彼女が油断している事に気付いていた。

しかし、ほむらもいるので大丈夫だろうと高を括っていたら、
何と皆をリボンの結界に閉じ込めてしまったのだ。
251 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/12/11(日) 14:57:07.15 ID:t2FhVl/SO
ベテランであるマミのリボンはそう簡単に破れはしない。

リボンの結界と言えども、魔力で『空間』を作っているのではなく、
リボンを重ねて覆っている、有り体に言ってしまえば『檻』のような結界なので、
伏羲は干渉する事が出来なかった。

そうこうしているうちに、マミは魔女を追い詰めていく。

しかし、マミが魔力を貯めると同時に最大の隙を作った瞬間、
魔女の口が動くのを見た伏羲は思わず空間移動した。

間一髪というか、それでもマミの髪をいくらか食いちぎられてしまったが、
頭と胴体が別れを告げる事態は避けられた。

しかし、色濃く感じた『死』に恐怖したマミに魔法を操る余裕もなく、
結果としてリボンが崩れてしまったのだった。

そして現在。

チーズが大好きな魔女は、マミを見付けると嬉しそうにその身をくねらせて躍動する。

ほむらが慌てて時間停止すべく盾に手をかけるが、間に合わない。

せめての思いで魔女へ向かって引き金を引くと同時に、二人は消えた。

魔女に食べられた、という訳ではない。

見事に空振った魔女が、辺りをきょろきょろと見回しているのがその証拠だ。
252 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/12/11(日) 14:58:08.32 ID:t2FhVl/SO
ほむらは魔女の遥か後方に二人がいるのを見付け混乱したが、
一先ず魔女を倒すのが先決だと、手榴弾のピンを抜いた。





「王奕が実はエスパぁ〜〜〜〜!?」

「うむ、実はそうなのだ……」

所変わってほむらの家。

お菓子の魔女を倒した後、いつの間にか気を失っていたマミを放っておけるはずもなく、
とりあえずほむらの家へと集まっていた。

因みにマミは今、ほむらの敷いた布団の上に寝かされている。

ほむらの出した紅茶を飲んで一息つき、落ち着いた一行が
気になったのは伏羲の謎のテレポートだった。

最初はどう躱そうかと頭を回転させていた伏羲だが、
あまりに無理があると悟り、結果仙人や始祖という事は伏せて、
彼女らに馴染みのある『エスパー』という言葉で言いくるめたのだった。

これは彼女たちが中学生という、最も奇跡を信じ込み易い年頃だから出来たことだと言えよう。

実際にインキュベーター達が中学生程度の少女に契約を持ち掛けるのは、
そういった理由からである。

まだ精神的に未熟で、奇跡を信じ気持ちの浮き沈みが激しく、
物事を達観できるほど大人ではない彼女達は恰好の餌食であった。
253 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/12/11(日) 14:59:07.53 ID:t2FhVl/SO
閑話休題。

お得意の話術でさっきの空間移動を『エスパーだから』という
全く理由になっていない理由でこじつけた伏羲は、心の中で深く溜め息をついた。

何とか『何故か男なのに魔法少女の素質(しかも莫大)がある、それ以外は何の変哲も無い人』
で通そうと思っていた矢先にこれである。

まどか達は誤魔化せたが、ほむらの視線が痛い。
『何故黙っていた』という声がひしひしと聞こえてきた。

もう一つの問題としては、インキュベーターだ。あの場にはいなかったものの、
何らかの方法で見ていた、という可能性も否めない。

自分らしくない、油断から招いた失策。

これはもう少し気を引き締めねばならんのう、と伏羲は改めて決意した。

ほむらへの言い訳と、思わぬチャンスを生かす方法を考えながら――というあたり、転んでもただでは起きない男である。


 * * *

数日後、見滝原中学屋上。

そこに、まどかとさやかは呼び出されていた。

呼び出した本人――巴マミは、ツインテールを風に遊ばせながら、こちらな背を向けている。
254 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/12/11(日) 15:00:07.68 ID:t2FhVl/SO
マミの千切れた髪は魔女に食べられてしまったが、治癒魔法の応用で髪を元に
戻すなど、ベテランの彼女にとって造作ないことだった。

マミは、沈黙したままフェンスの向こうを見つめている。

まどかとさやかは、声をかけられずにいた。

先日の『事故』から目を覚ましたマミは、精神的ショックでしばらく学校に登校できなかった。

しかし、今日ようやく登校してきたと思えば、急にまどかとさやかを呼び出したのである。

もしかして、さっさと契約しなかった自分たちに腹を立てている?

もし既に契約していれば、自分たちを守る為に結界を張らずに済んだし、
そうだったらほむらもすぐ加勢に行けたはずだ。

伏羲のテレポートという、漫画のような『奇跡』がなければ、マミは確実にあそこで命を落としていた。

マミに限ってそんな八つ当たりめいた事を言うはずも無いと分かりきってはいるものの、
この場を包む妙な緊張感は思考を悪い方へと引っ張っていった。
255 : ◆HLNsJRc5HRqd [saga]:2011/12/11(日) 15:01:07.51 ID:t2FhVl/SO
特にまどかは、すっかり魔法少女というものが恐ろしくなってしまい、
『魔法少女になる』と言ったことを後悔し始めていた。

熟考したつもりだった。けど、現実はもっと厳しかった。

自分も魔法少女になったら、目の前に大きな牙がずらりと並び、命を落としかけるのも日常茶飯事になるかもしれない。

そう考えると、体の震えが止まらなくなり、とても魔法少女が憧れのものとは思えなくなってしまった。

まどかの憧れていた『非日常』がゆっくりと形を変えていき、もし許してくれるのならば、
魔法少女になるのはもう少し考えさせてほしいと言うつもりだった。が。

「………………」

こんな空気では言い出せない。

マミやほむらは勇敢に戦っているのに、自分は逃げ出す卑怯者となじられている気分だった。

と、マミが振り向いた。まどかとさやかは思わず体を固くする。

そして、ついに口を開いた。

「鹿目さん、美樹さん……」

声は落ち着いていた。しかし、俯いていて表情は読めない。

とっさに返事をしなければならないとは思ったものの、喉が張り付くように乾いて何も言えなかった。
256 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2011/12/11(日) 15:03:05.20 ID:t2FhVl/SO
以上、ここまで。

女の子の髪は命って誰かが言ってました。という訳でマミさん生存ルートです!いくら手札を見せたくなくても、伏羲は保身より人命ですからね。

何かあればどうぞ。

では、書き溜めができ次第来ます。
257 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 15:04:55.57 ID:X6kpVqMjo
ああそうか伏義が助けたのは人間同士の戦いじゃないからか
258 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 15:05:31.11 ID:c6gmU4QVo
お疲れ様でした。

・・・・・マミさんが助かって本当によかったでありますが・・・・・・
また、別の問題が出てきたようですね・・・・・・・。
259 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 16:06:26.97 ID:ZEkQ/P0Do

本当に何とかしてくれたよ
太公望△
260 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 16:08:16.47 ID:7TH5nrsqo
1乙!
エスパーで目立った!師叔は空気じゃなかったんですね!
261 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 18:04:45.98 ID:PqEey17SO
お師匠様流石です
262 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 22:08:07.70 ID:ETToS2sm0
よく考えたら、桃代もヤクザの事務所から盗んでくればいいんだ。

振り込め詐欺被害者の血と汗の結晶だろうけど。
263 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/13(火) 03:33:10.60 ID:tDt/GMtOo

続き楽しみ
264 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/22(木) 03:15:33.16 ID:pBkyTRD6o
今年最後の更新はこないかな
265 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 02:55:38.89 ID:T56Db7Qno
あけおめー
266 :生存報告 ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2012/01/03(火) 18:16:22.19 ID:vSst+aZSO
どうもあけおめです。なかなか来れずにすみません。

次に来れるのは二週間後以降、二日に渡るXデーを乗り越えてからになります。

受験生のみなさま頑張ってください。それでは。
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/01/06(金) 23:31:36.19 ID:ZUzBNNsQo
Xデーね、懐かしいね、かんがれ
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/06(金) 23:39:11.26 ID:oGlFFJ5Ko
いやでもそれって
もう1ヶ月くらい来ない方が>>1の為なんじゃww
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 12:08:07.36 ID:/BxQOnFSO
むしろ決まるまで来るなよ

ネットに接続しないくらいの勢いじゃないと痛い目見るぞ
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/18(水) 00:03:22.58 ID:oqWuYWCBo
さて、もうすぐ来る頃か
271 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2012/01/20(金) 21:23:46.11 ID:CSygAGjSO
どうもお久しぶりです
どこぞの金ぴかのように慢心してたらやばいことになりました
最終回までの大まかな構想は出来ているので、移動中や休憩を利用して超スローペースで肉付けしています。もうしばらくお待ちください。
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 22:38:08.95 ID:cRD+v6sso
やふー、生存報告きた!これで勝つる!
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/01/21(土) 00:51:47.94 ID:UhbVavzno
ひとまずおつかれ
勝負はこれからだと思うから、あんま無理せずがんばれー(^o^)
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 09:51:12.33 ID:sS9jhXLSO
マジで終わるまで無駄なことは辞めた方がいい

集中集中
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/02(木) 21:26:29.35 ID:CcZHonyQ0
ほっしゅ
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/12(日) 22:06:04.06 ID:89WkxuhDO
>>1は大丈夫かねぇ
いろんな意味で
277 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2012/02/13(月) 19:50:19.31 ID:xWF2ZwOSO
酉合ってるかな?ども、>>1です。すみません、しばらく来れません。長くて03/15周辺ぐらいまで

なんといいますか、一言で表すならフェニキア人表出ろ。

では
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/14(火) 01:22:22.39 ID:+mHTFx+DO
なるほど世界史か
了解待ってる
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/14(火) 02:36:03.35 ID:38J6S++Wo
了解
のんびり待ってる
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/26(日) 15:14:26.54 ID:yADyId8S0
>>1は今試験中か……
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/26(日) 22:10:10.56 ID:6gzi5QqW0
>>1がんば!
ずっとまってる
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/06(火) 19:49:13.38 ID:245XeZyNo
試験受かるといいな
マジで応援してる
283 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2012/03/06(火) 20:01:29.54 ID:Dcn+lUnSO
酉テス
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/06(火) 20:02:42.22 ID:IsJ/pWP7o
お帰り
285 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2012/03/06(火) 20:02:45.92 ID:Dcn+lUnSO
受験落ちたったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
というわけでもうちょっと待ってください
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/06(火) 20:09:06.39 ID:IsJ/pWP7o
……ご愁傷様です
またのお帰りをお待ちしております
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2012/03/06(火) 20:17:58.56 ID:GKvN+Vjro
おめでとう!おめでとう!
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/03/12(月) 15:10:12.29 ID:GQlzv3vK0
oh...
289 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2012/03/14(水) 09:32:38.37 ID:26ZFAi7SO
全て終わったので、来週中には来ます
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/03/14(水) 20:31:58.62 ID:dOoLdVceo
後期終わったのか
次回が最後の更新とかならないように祈ってる
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/14(水) 21:20:43.99 ID:o56y/7eCo
そろそろ風邪引きそうだけど待ってる
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/14(水) 21:45:06.01 ID:RwQyxAqLo
wwktk
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/03/15(木) 00:06:56.06 ID:JaMRG8Hm0
もう片方も再開するならアナウンスよろり
294 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2012/03/15(木) 11:41:53.71 ID:BGWx588SO
後期が駄目でも行くところがあるので大丈夫です。このスレは落とさずに1000まで行くつもりなのでご安心を。このスレで終わるかはちょっとわかりませんが……

>>293
これですかね?再開しましたよ
とある道士の怠惰目録-SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1331040187/
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/26(月) 01:18:15.90 ID:VQ1nvtzh0
来ないなー
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/06(金) 16:24:32.27 ID:/rPVbYoSO
まどかが再放送されはじめたから頭から見てきた

まだかな
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/04/20(金) 14:43:27.60 ID:tlFrmLzWo
まだかねー
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/04/20(金) 22:53:39.26 ID:yNwLK46Jo
googleで伏羲と打つと検索候補にここのスレタイが出てきてワロタ
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/05/08(火) 00:35:13.88 ID:lw4zmItZo
そろそろやばくね?
と思ったが一応後一ヶ月猶予が残ってるのか
つか>>1は結局受かったのかね
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/30(水) 15:08:55.78 ID:VC5drgaDO
6月15日までか…
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 18:17:25.99 ID:2aP6y5XSO
禁書のほうは落ちたな
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(田舎おでん) [sage]:2012/06/01(金) 18:50:40.03 ID:hwQ602dmo
もうひとつのほう落ちたな
303 : ◆YTZvzF.uf26D [sage]:2012/06/02(土) 20:55:02.41 ID:Hv7U+Wd+0
酉あってますかね?どうもお久しぶりです。>>1です
バッテリーがおかしくなってもしもしを変えたのですが、何故かここに書き込めないというとんでも仕様でした。やわらか銀行ェ……
そんなこんなでようやく生存報告です。体育実技で死にかけてますがもそもそ書き溜めてます。
とりあえず書き溜めたものをPCに移せ次第投下しますので、今しばらくお待ち下さい。

にしてもついにdat落ちですか……今度はもっと書き溜めてから、余裕のあるときに立てます。
何が何でも完結はさせるので、気長に待っていただけるとうれしいです。
それでは
304 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2012/06/02(土) 20:56:20.92 ID:Hv7U+Wd+0
間違えました。
こっちですかね?
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/02(土) 21:21:13.89 ID:pLDeaBmIO
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/06/02(土) 22:02:22.40 ID:9Ug1YG4Po
おお、正直もう駄目だと思ってたから生存報告は嬉しいな
リアルもそれなりに落ち着いたようで何よりだ
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/06/02(土) 22:25:00.78 ID:u6K+HTPlo
おk これでまだまだ待てる
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/02(土) 23:13:03.20 ID:/71m592Vo
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
ギリギリセーフ!!!
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/06/05(火) 00:58:07.23 ID:Bc2duxNc0
結局受かったの?
体育実技って大学の講義?
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/05(火) 18:14:02.99 ID:8ZpjgRqSO
正直絶望してた


やわらか銀行での書き込み、何故か最近ツンデレだからな
311 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2012/06/06(水) 19:48:30.93 ID:/9Jth0ESO
テスト
312 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2012/06/06(水) 19:49:52.19 ID:/9Jth0ESO
!?!?書き込めるようになってる!!!!!!!!!!!!!!

明日きます
313 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage]:2012/06/06(水) 19:52:36.11 ID:/9Jth0ESO
>>309
私立ですが受かってました
体育では毎回先生の「はい適当に組んで始めて」の言葉に怯えてます。何で通年……
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/06/06(水) 21:25:08.30 ID:jUBgFo1ko
俺は帰ってくるって信じてたよ
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/06(水) 22:37:27.48 ID:+lLKf47SO
この規制?は、いきなり来るから気をつけろ


なにに気をつければ良いかは知らんが
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/08(金) 21:53:19.78 ID:1I3tzS1SO
明日なんてなかった
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(田舎おでん) [sage]:2012/06/15(金) 17:10:31.28 ID:Lx8FXLnto
それでも僕は待ち続けるよ
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2012/06/19(火) 20:52:51.28 ID:xKvZ20Mz0
俺だって待ち続けるさ
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/06/28(木) 19:42:58.09 ID:YfwI0z2K0
待ってるよ・・・
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2012/07/15(日) 12:33:45.44 ID:y3rI7TBh0
保守
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/15(日) 14:17:27.01 ID:JDYUeqtSO
期待しちまったよクソッタレ
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/22(日) 11:57:30.66 ID:OImgESgi0
にじファンにも載っけてたし、きっと添削とか移転作業とかで忙しいんだ
そうに違いない
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/07/23(月) 21:04:16.80 ID:ltSVwWE3o
大学生ならそろそろ夏休み
もうすぐだろう
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/03(金) 17:58:44.95 ID:pYp0s4VSO
ヘイ
まだかい
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/19(日) 08:22:38.90 ID:bBhFnI+K0
そろそろやばい?

伏羲好きだからとあるのスレもこっちのスレも楽しみにしてるけど・・・・
326 : ◆nJ0d13hWy/I7 [sage saga]:2012/09/01(土) 21:23:02.71 ID:4Ibezx2K0
まだ残ってた……だと……?

本当にすみません、お久しぶりです。投下投下する詐欺で本当に申し訳ありません。
スレが落ちてるようなら一度全部書き溜めてから立て直そうかと思っていたのですが、スレが残っているようなのでこのままここで投下していきたいと思います。
書いた文章がちょっと前のものでカユくてたまらないので、推敲してから来ます。
いつ来るか予定してもまた破ってしまいそうなので、とりあえずこのスレが落ちる前までには、ということでご了承ください。

待っててくださった方々、本当にありがとうございました。
ペースを取り戻したらおいおい怠惰目録のほうも書き始めようと思います。
長くなりましたが、これで失礼します。
327 : ◆HLNsJRc5HRqd [sage saga]:2012/09/01(土) 21:23:50.71 ID:4Ibezx2K0
間違えた

今度こそ失礼します
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/09/01(土) 22:33:49.81 ID:fnUXb2vZo
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329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/01(土) 22:40:27.09 ID:u5jfx/VIO
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/02(日) 01:02:42.94 ID:yTNaBnnho
きたあああああ!!
待ってたよ
今から全裸待機しとく
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/02(日) 15:51:45.51 ID:cAdp/PwS0
このスレがまたしばらくは落ちずにすむと分かっただけでめちゃくちゃ嬉しい
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/04(火) 16:28:24.08 ID:L7ou4OkIO
来た嬉しさで小便のスピードがマッハを超えた
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/09/10(月) 13:00:31.69 ID:NSYClRkg0
きたああ
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) :2012/09/14(金) 14:02:25.55 ID:BCfvKNyi0
きたあああああ
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/02(火) 18:05:33.28 ID:QxlSiHgIO
  バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン  
  バン       バンバンバン゙ン バンバン  
  バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン  
   _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/  
      \/___/ ̄  
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/10/18(木) 19:25:04.00 ID:Doe2E05d0
まったりと待機
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/12(月) 06:59:43.40 ID:NDoNAGin0
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/11/12(月) 08:34:55.20 ID:bLsZiw//o
二ヶ月経ったしエターか
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/13(火) 21:49:48.56 ID:MmzGsvZV0
エターか…
また立つ事を祈るか
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/11/22(木) 14:43:18.33 ID:sQvzMTLB0
一気に見たけどおもしろいな
更新待ってます!!
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/01(土) 23:15:24.27 ID:YekNENwAO
俺は待ってるからな
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