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イン「トリステイン魔法学院に通う事にしたんだよ!」上条「トリ…なんだって?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/13(火) 20:49:59.02 ID:to9eWVb70
禁書とゼロ魔のクロスオーバー作品です。

時系列は
禁書は12巻あたり。
ゼロ魔は初期頃といったところです。

更新速度は多分そんなに早くないと思いますがどうぞよろしくお願いします。
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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2 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/13(火) 20:56:37.84 ID:to9eWVb70
上条「なんなんだ、そのトリなんとか学園とやらは?」

イン「トリステイン魔法学院なんだよとうま」

上条「なんなんだそれ? 魔術関連の学校?」

イン「まあ似たようなとこかも」

上条「で、それはどこにあるんだ?」

イン「ハルケギニアだよ」

上条「ハルケ…ぎにゃあ?」
3 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/13(火) 20:57:06.00 ID:to9eWVb70
上条「なんなんだ、そのトリなんとか学園とやらは?」

イン「トリステイン魔法学院なんだよとうま」

上条「なんなんだそれ? 魔術関連の学校?」

イン「まあ似たようなとこかも」

上条「で、それはどこにあるんだ?」

イン「ハルケギニアだよ」

上条「ハルケ…ぎにゃあ?」
4 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/13(火) 20:57:47.74 ID:to9eWVb70
上条「なんなんだ、そのトリなんとか学園とやらは?」

イン「トリステイン魔法学院なんだよとうま」

上条「なんなんだそれ? 魔術関連の学校?」

イン「まあ似たようなとこかも」

上条「で、それはどこにあるんだ?」

イン「ハルケギニアだよ」

上条「ハルケ…ぎにゃあ?」
5 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/13(火) 20:58:27.82 ID:to9eWVb70
上条「なんなんだ、そのトリなんとか学園とやらは?」

イン「トリステイン魔法学院なんだよとうま」

上条「なんなんだそれ? 魔術関連の学校?」

イン「まあ似たようなとこかも」

上条「で、それはどこにあるんだ?」

イン「ハルケギニアだよ」

上条「ハルケ…ぎにゃあ?」
6 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/13(火) 20:59:07.91 ID:to9eWVb70
やべ、連投されてた。すみません。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) :2011/09/13(火) 21:04:44.03 ID:v0wYH2ZHo
>>4まで普通に読んでた
8 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/13(火) 21:14:49.37 ID:to9eWVb70
イン「違うってば!」

上条「ああ、そうか。ハルケぎにゃああああああ!!」

叫びながら勝手に吹っ飛ぶ上条。そのまま玄関のドアをぶち破って外にまで行ってしまった。

イン「………」

土御門「な、何事ですたい!? ってカミやん! これはどういう状況だにゃー!?」

すると隣の部屋から土御門が飛び出してきた。
インデックスは三行で説明した。

イン「とうま。勝手に。吹っ飛んだ」

土御門「おおカミやん。しんでしまうとはなさけない。残念ながらオレはザオリクは使えないぜい?」

上条「つ、ちみかど…お前、ドラクエ派か…?」

土御門「そういうカミやんはFF派ですかにゃ〜?」

イン「っていうか話が全然進まないんだけど…」

9 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/13(火) 21:21:23.30 ID:to9eWVb70
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

上条「で、そのハルケギニアとやらはどこの国なんだ? 聞いた事ないぞ」

土御門「オレもだにゃ〜。というか、そんな学院があるならイギリス清教にも情報が入ってると思うんだが…」

じ〜。
何やら疑いの眼差しを向けられるインデックス。

イン「ほっ、ほんとにあるんだよ!」

上条「どこにあるんだよ」

イン「異世界」

上条「………………………………はい?」

イン「だから…その…異世界…」

上条&土御門「………」
10 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/13(火) 21:35:46.51 ID:to9eWVb70
上条「なあ土御門」

土御門「なんですかにゃーカミやん」

上条「異世界に行ける魔術って存在するのか?」

土御門「さてにゃ〜。空間移動ならまだしも別世界に行くなんて魔術は聞いた事ないぜい」

じ〜〜〜。
再びインデックスに視線が向けられる。

土御門「カミやん。ちゃんと飯はやってるか?」

上条「失礼な。上条さんは少ない予算で家計をやりくりしてるとはいえ飯を抜いたりするほど鬼ではありませんですの事よ? まあ、確かに昨日の料理はちょっと出来が悪かったかなとは思ったけどよ…」

土御門「おいおい忘れたのかカミやんこのシスターの胃袋を。それはまるでブラックホールの如き吸収力、その内食ったものを身体に具現化できるようになるんじゃないかにゃー?」

上条「それはどこぞのピンクボールだよ。まあ否定は出来ないが…」

イン(…なんか知らないけど散々言われてる気がするかも。早いところ説明しないと。もう既にグダグダなんだよ!)
11 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/13(火) 21:52:06.84 ID:to9eWVb70
イン「とうま、天草式の特殊移動法って覚えてる?」

上条「ああ、確か日本中にあるポイントの『渦』と『渦』を行き来できる方法だっけ?」

イン「うん。それでね、最近地図上に新しいポイントが発見されたんだよ」

上条「…そうか、そのポイントから異世界に行けるってわけか。…ん? あれ、その移動法って確か日本でしか使えないんだろ? なんで異世界に行けるんだよ」

イン「それがね、そのポイントは普通のポイントと違うみたいで、どうやら魔術的な術式で出来てるみたいなんだよ」

土御門「へえ。別の世界への移動術式ねえ。そいつは興味深いぜい。是非とも見せてもらいたいにゃー」

上条「まあ、論より証拠ってヤツだ。現物を見せてもらおうじゃねーか」

イン「わかったんだよ(ふー、やっと話が進んだんだよ!)」
12 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/13(火) 22:28:41.89 ID:to9eWVb70
上条「で、どこにあるんだ? そのポイントとやらは」

イン「うん。学園都市の外」

上条「はい?」

イン「あきはばらってとこの近くなんだよ」

上条「おいおい結構遠いな! つーかただでさえ学園都市から出るのに大変なのにそんなとこまで行けるか!」

土御門「まさかハルケギニアって名前の店とか言うんじゃないだろうにゃー? 秋葉ならそのテの店は色々あるぜい?」

上条「…やけに詳しいなお前」

土御門「まあ、妹メイド喫茶とか探してる内に色々知識を蓄えたんだぜい」

上条(…いや、お前既にメイドの義妹がいるじゃねーかよ!)

イン「とにかく行くんだよ二人とも!」

上条「いやだからインデックスさん? 学園都市の外に出るにはですね、外出許可証が必要なんですよ」

イン「いーからいくの〜!」

頑なに学園都市の外に出たがるインデックスに困惑する上条。
そんな時、土御門の携帯が鳴った。

『お兄ちゃんメールだぞー』

上条「ぶっ!?」

土御門「おっと失礼。メールですたい」

上条「お、おい土御門。今の、舞夏の声だよな」

土御門「そうだぜい。かわいいだろう?」

上条「いくら好きだからって携帯の着信音を義妹の声にするってのはどうなんだよ!」

土御門「カミやん。人の趣味をとやかく言うもんじゃないぜい?」

上条は何か言いたかったが、学園都市の出口に向かおうとするインデックスを抑えるのに忙しくてそれどころではなかった。
と、メールを読んでいた土御門の顔色が変わる。

上条「どうした?」

土御門「カミやん。オレ達の学園都市外出許可が下りた。今なら外に出られるぜい」

上条「え? お、おい土御門。そのメールは一体…」

土御門「急げ。今は見張りがいないらしい。出るなら今しかないぜい」

上条「わかった。行くぞインデックス!」

イン「うん!」
13 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/13(火) 22:44:17.31 ID:to9eWVb70
―――ハルケギニア・トリステイン魔法学院―――

才人「いや〜。今日もいい天気だな〜。こんな日はなにか良い事ありそうだな〜」

ルイズ「まったく、あんたは能天気ね。そんなんじゃ元の世界にいつまで経っても戻れないわよ」

才人「ん〜、なんだろ。でもな〜んか近いうちに戻れそうな気がするんだよな〜」

ルイズ「え…」

才人「まっ、気のせいだろうけどな。ははは」

ルイズ「………」

才人「どうしたルイズ? 気分でも悪いのか?」

ルイズ「な、なんでもないわ」

そう言ってルイズはさっさと行ってしまった。

才人「?」

才人はわけがわからず首を捻っていた。
14 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/13(火) 23:08:02.27 ID:to9eWVb70
ルイズ(…サイトが元の世界に戻っちゃう…? ううん、あのバカが適当に言っただけよ)

ルイズはぶつぶつと呟きながら廊下を歩いていた。

ルイズ(でも、本当に帰っちゃったら? …うれしい。せいせいする。さっさと帰っちゃえばいい)

ルイズ「………」

本当にそうなのか? と思う。
確かに才人は冴えないしなんだか抜けてる。けれど何度も自分のピンチを救ってくれた。
だから、急に帰られたら借りを作りっぱなしになってしまう。そんなのは嫌だ。

ルイズ「まあ、でもそう簡単に見つかるはずないわよね。わたしだって散々探してまだ見つけれてないもの。まだ大丈夫よ。まだ…」

と考えて気付く。これでは才人に帰ってほしくないみたいではないか。

ルイズ「うう〜」

悶々とした思いが頭の中を渦巻く。なんだかわけがわからなくなって来る。

ルイズ「はあ。ここで悩んでいても仕方ないわ。さっさと用事を済ませましょう」

しばらく歩くとひとつの扉が現れる。学院長室の扉だ。
ノックの後、入室したルイズは学院長より始祖の祈祷書を渡され、トリステイン王女の結婚式の詔を任されるのだった。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/09/13(火) 23:33:00.93 ID:E/hFIOXP0
なるほどゼロ魔の方は三巻の序盤辺りですか
炎蛇先生の錬金術で作った油が大活躍するのか?
16 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/13(火) 23:36:15.49 ID:to9eWVb70
―――東京・秋葉原―――

上条「秋葉原に着いたぞ!」

と言ったはいいが周りには誰もいない。

上条「あれー、インデックスー? 土御門ー?」

見ると土御門は早速妹メイド喫茶の前に張り付いているし、インデックスはオタク連中に囲まれていた。

オタA「シスターさんでござる!」

オタB「おお、これはすばらしきかな純白シスターさんでござるの巻き!」

オタS『これはかなりのクオリティだな。しかし、なぜに服が安全ピンで留められているのか。これではシスター服に対する冒涜と言えませんかな?』

イン「こっ、これはちょっと理由があって…」

オタS『理由とは? まさかビジュアル重視でそんな事になってるとは言うまいな。そんなもの付けたって格好良くもなんともないぞ』

上条(あいつ、なんでパソコンで喋ってんだ? しかもどっかで聞いた事あるような声だし…)

上条「なんて考えてる場合じゃねえ。おーい、インデックスー」

上条はインデックスに近づこうとするが人混みが多くて中々近づけない。

オタS『いいかね! 確かに白はいい。だがシスターは黒くてナンボだろォォォォ! スク水もまた叱り!』

イン「すくみず…てなに?」

オタS『スクール水着の略だ。これは男を魅了する素晴らしき物である!(キリッ』

イン「それってメイドとどっちがいいの?」

オタA「おお、これはこれは中々いい質問でありまするな」

オタB「彼女、どうやらアキバは初めてのようですが天性のナニかを持っているのやも知れないですなあ」

オタS『制服、体操服、スクール水着という3強の中にメイド服があってもおかしくはない時代だ。これは世代交代の時が来たのかも知れんな…!』

オタA「おお、我らは革命時代を見届ける観測者となりうるという事ですか!」

オタB「どうやら我々はとんでもない現象を目の当たりにするかも知れないのでござるな…ふふふ。ドキムネですぞ!」

上条(こ、こいつらイタイタしい話しやがって。あんな事言ってて恥ずかしくないのかよ!)
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/09/13(火) 23:47:21.16 ID:E/hFIOXP0
何でいるんすかスイッチさんwwwwww
18 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/13(火) 23:58:13.02 ID:to9eWVb70
イン「なんだかよくわからないけど、私はカナミンが好きかも」

オタA「カナミンですと?」

オタB「それはもしや超機動少女カナミンの事ですかな?」

イン「うん。よく知ってるね」

オタS『それはもう。カナミンは近年稀に見る素晴らしい作品だからな。オレは各話5回以上は見ているぞ』

オタA「カナミンといったらなんといってもあの露出度ですな!」

オタB「ふむ。まったくけしからんですよあれは!」

オタS『言っておくがオレはお色気だけに目を奪われるようなにわかではないぞ』

イン「ふーん。ところでさっきから気になってたんだけどそれって…」

オタS『イエス! これぞ限定版カナミンステッキ!』

オタA「そうだ、彼女にこれを持ってカナミンのポーズをとってもらうというのはどうでしょうか!」

オタB「素晴らしい! これは胸熱! wwktkが止まりませんなあ!」

上条「いかん、インデックスをあっちの世界に行かせるわけにはいかねえ! お前らがインデックスにカナミンのポーズをとらせようってんなら、まずはその幻想を―――」

と、その時。

???「君達。一体何をしているんだい?」
19 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 00:11:20.04 ID:SebD2IjN0
オタクたちは長い影に覆われる。

上条「ステイル!」

ステイル「彼女に君達みたいなのの趣味を押し付けないでくれるかな」

オタA「な、なにおう!」

オタB「くっ、なんというプレッシャー! この者、只者じゃありませんぞ!」

オタS『………』

ステイル「なんだい? 言いたい事があるならはっきり言ってくれないか」

オタS『オレは別に彼女に何かしてもらおうとは思っていない。連れが少し興奮してしまっただけだ。気を害したならば謝罪しよう』

ステイル「………(どこかで聞いた事あるような声だが、まあ気のせいだろう)」

オタS『それに、趣味を他人に押し付けるような真似はしたくない。とりあえずここは失礼されていただこう』

オタA「し、仕方ないですな」

オタB「しかし、せっかくシスターさんと出会えたのに残念でござる」

ステイル「シスターならあっちにたくさんいるよ」

オタA「本当ですかい!?」

オタB「そうとなればさっそく行くとしますぞ!」

オタS『ふむ。ところでそのシスター、何色だ』

ステイル「黒だよ」

オタS『よォォォし! では行くぞォォ!』

そう言ってオタク三人組は走り去っていった。
20 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 00:26:11.31 ID:SebD2IjN0
上条「ようステイル。おかげで助かった」

ステイル「まったく、君というヤツは。そんな事でハルケギニアに行けるのかい?」

上条「なんだ、お前も魔法学院に通うつもりなのか?」

ステイル「僕の場合は調査だよ。ハルケギニアがこの世界とつながっている以上、あちらの情勢を知っておきたいからね」

土御門「で、こちらの脅威となるかどうか見極めるってところかにゃー?」

いつの間にか土御門が戻って来ていた。

ステイル「そうだ。しかし、まさか別の世界が存在してそこにも魔術が存在するとはね。未だに信じられないよ」

土御門「そうだにゃー。だが、現実に存在している。事実は受け入れるしかないぜい? で、問題のポイントはどこだにゃー?」

ステイル「こっちだ。ついて来い」

ステイルが歩き出す。三人はその後についていった。

上条「…あれ。急に人がいなくなったな」

土御門「ステイルの人払いさ。一般人に見られると厄介だからにゃー」

上条「…つーかさ、今更気付いたんだが」

土御門「なんだいカミやん?」

上条「例のポイントってさ、俺の幻想殺しで消えちまったりしねーよな?」

イン「それは大丈夫だよ」

と、インデックスが答える。

イン「例のポイントは空間そのものだから。いくらとうまの右手でも空間自体を消す事は出来ないはずだよ」

上条「そっか。そりゃよかった」

上条は安堵のため息をつく。
それからしばらく歩くと人だかりが見えてきた。

ステイル「着いたよ」

そこには天草式などの見知った面々がいた。
21 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 00:47:57.01 ID:SebD2IjN0
建宮「おお、久しぶり…ってほどでもないのよな」

上条「建宮! イタリアの時は世話になったな」

建宮「なに、あれぐらいどうという事はないのよ。それに、いるのは俺だけじゃないのよな」

建宮が言うと、後ろから二人の影が現れる。

ルチア「どうも」

アンジェレネ「あ、こ、こんにちは」

上条「おお、二人とも! 元気だったか?」

ルチア「おかげさまで」

上条「ああ、そっか。ステイルが言ってたシスターってアニェーゼ部隊のシスターさん達か」

と、そこで上条は気付く。

上条「ところでアニェーゼは? オルソラもいないみたいだけど」

アンジェレネ「お、お二人なら先にハルケギニアに行っています」

上条「そうなんだ」

まあ、よく考えたら見た事もないのにハルケギニアの事がわかるはずがない。
先に行った人間がいるからこそ魔法学院があるとかがわかったのだろう。

建宮「他にもあっちに数人行ったのよ」

上条「へー、誰だ?」

建宮が答えようとしたが、そこにインデックスが来て上条の腕を引っ張る。

イン「とうま〜、早く行こうよ〜!」

上条「え? ああ、うん。でも…」

建宮「まあ、行けばわかるのよ。そんじゃ、元気でやるのよな」

上条「ああ。会ってすぐでなんだけど、またな」

建宮「おう」



上条「…で、こん中に入るのか?」

イン「うん」

上条達の前には大きな水溜りサイズの輝く空間が空中に浮いていた。

上条「本当に大丈夫だよな? 消えたりしないよな?」

イン「うん。大丈夫。私を信じて」

上条「………わかった」

そして、上条とインデックスの二人はゲートを抜け、ハルケギニアの大地へと降り立つのだった。
22 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 02:10:02.92 ID:SebD2IjN0
―――ハルケギニア・トリステイン魔法学院―――

夕方、才人は自前の風呂の用意をしていた。
ルイズら貴族は学院内の大浴場を使えるが、才人は平民という事なので使えない。

一応サウナ風呂の要領で汗を流して水を浴びるという風呂もあるのだが、才人は日本人ゆえお湯に漬かりたいのだった。
なので才人は、もらった古い大釜を五右衛門風呂として利用しているのだ。

才人「ばばんばばんばんばん、あ〜びばのんのっと」

才人が鼻歌を歌っていると壁に立てかけてあった意思を持った魔法の剣、デルフリンガーが話しかけてくる。

デルフ「なんだいその歌は?」

才人「ん? 俺の住んでたとこで有名な風呂の歌」

デルフ「ふーん。オイラにゃよくわかんねえが、なかなか愉快そうな歌だね」

才人「そうさ。あ〜、歌ったらまた見たくなってきたな〜。もうすぐ8時ぐらいだろうし」

故郷を思い浮かべながら、才人はデルフリンガーと色々話し込む。ルイズの事や自分自身の能力についてなど。
そんな折、二人の前に人影が現れた。

才人「誰?」

???「ひゃっ!」

才人「シエスタ?」

シエスタ「ど、どうも…」

話を聞くと、シエスタは珍しいものが手に入ったので才人にご馳走しようというのだった。

シエスタ「あ、あの…これです!」

才人「これは、お茶? いや、紅茶かな?」

シエスタ「は、はいそうなんです! よくご存知ですねサイトさん」

才人「ん、ああ。まあね」

どうやらこの世界ではお茶などは珍しい品という事らしい。
とりあえず才人は一杯飲んでみる。

才人「ああ。……もはや何もかもみな懐かしい」

シエスタ「サイトさん?」

才人「ありがとうシエスタ。素晴らしい一品だったよ」

シエスタ「えへ。そう言ってもらえるととってもうれしいです」

才人「まだある? もう一杯飲みたいんだけど」

シエスタ「わかりました。それじゃあ」

シエスタはティーポットを持って才人の漬かる大釜に近づいた時、ぬかるんだ地面で足を滑らせ釜の中に滑り落ちてしまった。
ばしゃーん!
23 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 02:12:14.73 ID:SebD2IjN0


才人「だ、大丈夫シエスタ?」

シエスタ「は、はい。けど…わーん、びしょびしょだぁ…」

すっかり濡れ透けとなったシエスタ。どうしようかと考えた結果、

シエスタ「よいしょ」

服を、脱ぎだした。

才人「シッ、シエッ!? ななな何やってんのシエスタさん!?」

シエスタ「何って、服を脱いでるんです」

才人「ななななですか!?」

シエスタ「だってここお風呂ですし、服が濡れたままじゃ怒られちゃいますからね」

才人「なっ、そるれはおかし、おかしいよこ、これは! こなのギャルゲの中だけだとってったぅあ!」

テンパり過ぎで言葉を噛みまくってるので何を言ってるのかよくわからないが、とにかく才人はまずいってとか口に出すが、やめろとは言えない男の子であった。

才人(YABEEEEEEEEE!! 目の前に裸の女の子がいるよォォォォォ!! 一緒にお風呂に入ってるよォォォォ! あと、重要な事がひとつ)

才人は極力直視しないように、けれどもチラチラと除くように“ソレ”を確認する。

才人(シッ、シエスタおっぱいDEKEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!)

才人の鼻から血が垂れて来る。もはやノックアウト寸前だった。

だがそんな時。

突如として二人の前に人間が降って来るとは誰も想像出来なかった。
24 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 02:20:12.85 ID:SebD2IjN0
とりあえず今回はここまでです。
正直思いつきなストーリーなので多少矛盾が生じるかも知れませんが、細かいところは目をつぶってください。
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/09/14(水) 05:03:55.34 ID:jJR8bgjJo
なかなか面白そう
この調子で頑張って欲しい
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/09/14(水) 07:41:54.35 ID:wYnvNIOAO
超機動少々カナミンって超機動大将軍のパクリだよね
27 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 15:49:27.22 ID:a0d3xIsAO
>>25
ありがとうございます。頑張ります。
>>26
そうなんですか? よく知らないからなんとも言えません。

では続きです

―――――――――――――

ゲートをくぐった先、いきなり空中に放り出された上条はそのまま地面に叩き付けられると思った。
だが、予想外に上条が落ちたのは水…いやお湯の中だった。

才人「うわぁ!」

シエスタ「きゃあっ!」

才人とシエスタの二人は何が起きたのかわからず唖然としていた。

才人「だ、誰!? 犬神家!?」

才人が言うように上条は上半身がお湯に、下半身は外といういわゆる犬神家状態だった。

上条「ぶはっ! 熱っ! な、なんだこれ、お湯!?」

体勢を立て直し、お湯から顔を出す上条。何が起こったんだと周りを見渡そうとして、

ふたつの大きな物体がお湯に浮いているのを発見してしまった。

28 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 15:52:22.99 ID:a0d3xIsAO
いや、物体という表現は正しくない。
これは肉体。男のロマンであり夢の結晶とも言える存在。
月明かりに照らされた“ソレ”は幻想的とも言える美しさを放っていた。

つまり、シエスタの大きな胸である。

上条「え? オルソ……」

何を思ったかそう呟いた上条が顔を上げるとシエスタと目が合った。

シエスタ「あぅ…///」

上条「じゃなーい!」

慌てて大釜から飛び出て弁解をしようとする上条は背後からゴゴゴゴ、と大地を揺るがすオーラを感じ取り、震え上がった。

イン「と・う・ま?」

上条「ナ・ア・ニ?」

イン「異世界に来てまでとうまはそうなんだね」

インデックスは笑みを浮かべる。これが天使のような悪魔の笑顔というものか。

上条「インデックスさん今のは不可抗力ですよ俺だってまさかこんな所に出るとは予想もつかなかったんだよっていうか俺なんか悪い事したか!?」

イン「でもとうま」

にこっ。

イン「見 た ん で し ょ ?」

ダッ!
瞬間、言っても無駄だと悟った上条は走り出した。

イン「と〜〜〜〜ま〜〜〜〜!!」

上条「不幸ぉぉぉぉだぁぁぁぁ!!」

そして、夜の闇の中へ二人は消えていった。
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/09/14(水) 16:07:12.14 ID:UrzCVWpAO
スイッチ違和感なくてワロタwwww
30 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 16:33:55.09 ID:a0d3xIsAO
才人「な…なんだったんだ今のは?」

シエスタ「さ、さあ…」

突如現れた謎の人物らに困惑する二人だったが、とりあえず静寂が戻った。

才人「………」

シエスタ「………」

なんとなく気まずい雰囲気が流れる。
冷静に考えると若い男女が一緒の風呂に入っているのだ。会話がなくなるとそちらに気が行ってしまう。
なので、沈黙に耐えられなくなったシエスタが口を開く。

シエスタ「え、えっと…そうだ! わたし、サイトさんが住んでた所の話が聞きたいです!」

才人「お、俺の住んでたとこ?」

シエスタ「は、はい!」

才人「そうだな…」

それから才人は地球の事を話した。
シエスタは才人が別の世界から来た事は知らない。なので、才人は困惑させないよう当たり障りのない話をした。

ある程度話したら、シエスタがいきなり立ち上がったので才人はすぐさま顔を背ける。

才人(ぶほっ! シエスタさん、あなた大胆すぎますよ! そんなふたつの爆弾引っさげて俺を爆死させる気ですかー!? くそー、っとにいい身体しやがってよー!)

顔は背けたが、シエスタの肢体はしっかりと脳内に刻み込む才人であった。
31 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 16:38:49.91 ID:a0d3xIsAO
着替え終わったシエスタが、思い出したように言った。

シエスタ「あ、そうだ。お茶の他にもうひとつ珍しいものがありました」

才人「もうひとつ?」

今度はなんだと思ってると、シエスタがティーポットの横に置いてあった小さな箱を持って来た。中にはなにやらお菓子みたいなものが入っている。

シエスタ「えっと、確か『まかろん』っていう名前の食べ物です」

才人「まかろん…って、あのマカロン!?」

シエスタ「これもご存知でしたか。さすがサイトさん、物知りですね」

才人(はあ。まさかこの世界にもマカロンがあるなんてなぁ…)

ぼんやりとしながら考えていた才人だったがふと気付く。

才人「ところで、シエスタはマカロンを知らなかったみたいだけど。これ、誰からもらったの?」

シエスタ「えっと、最近よくこの学院にいらっしゃる修道女さんにもらったんです」

才人「………その人って、どんな人?」

シエスタ「女性の方です。綺麗な人でしたよ。あ、サイトさん今ちょっと興味持ちました?」

才人「いや…。で、その人の出身国とか知ってる?」

シエスタ「出身国、ですか?」
32 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 16:40:09.66 ID:a0d3xIsAO
シエスタ「えっと、どこに住んでらっしゃるか聞いた事はあるんですが、よくわからなくて…」

才人「わからなかった?」

シエスタ「はい。聞いた事ない国名でしたので。なんでも、イスとかリスとかそんな名前だったような…」

才人(イス? リス? …まさか)

ひとつ思い当たる国名があるが、それは地球にある国だ。この世界とは関係ない。
だが、一応才人は聞いてみる事にした。

才人「もしかして、イギリス?」

シエスタ「あ、そうですそうです! 確かそう言ってました! わあ、やっぱりサイトさんって物知りですね!」

才人「―――っ」

シエスタ「もう少しお話をしたい所ですけど、早く戻らないと怒られちゃいますから、今日はこの辺で。サイトさんの話、とっても面白くて、素敵なお風呂にも入れて最高でした」

才人「………」

シエスタ「…サイトさん?」

才人「あ、ああ。うん。そりゃよかった」

シエスタ「あ、でも…」

才人「うん?」

シエスタ「お話やお風呂より、何よりも一番素敵なのは…」

才人「?」

シエスタ「あなた、かも…」

才人「な、なんですとッ!?」

そう言ってシエスタは走り去っていった。
33 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 16:44:29.70 ID:a0d3xIsAO
才人「…ふー」

デルフ「よかったじゃねぇか相棒。あの娘っ子から乗り換えるなら今だぜ?」

才人「なーに言ってんだよ」

デルフ「へっ。まあ、んな事ァどうでもいいさね。で? さっきのイギリスとやらは相棒の故郷かい?」

才人「まあ、地球にはあるけど俺の住んでた日本とは結構離れた所にある国だな」

デルフ「ヘぇ?」

才人「けど、本当にイギリスなのかな。似たような地名がこのハルケギニアにないのか?」

デルフ「まあ、オイラの知る限りそんな国は聞いた事ないね」

才人(俺以外にもこの世界に来た人間がいるのは学院長から聞いた事あるけど、まさか他にもいたなんて…)

才人「って、待てよ? シエスタは最近会ったって言ってたな…」

デルフ「そいつに会うつもりかい?」

才人「ああ。また明日シエスタにいつ会えるか聞いてみるとしよう」
34 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 17:37:55.26 ID:SebD2IjN0
次の日。

才人「おーい、シエスター」

シエスタ「あ、サイトさん」

才人「シエスタ、昨日言ってた人の事だけど」

シエスタ「修道女さんの事ですか?」

才人「うん。俺、その人に会いたいんだけど」

シエスタ「サイトさん、やっぱり気になってたんですね」

才人「い、いや気になるとかそういうのじゃなくて! その人は俺の故郷へ帰る手がかりを持ってるかもしれないんだ」

シエスタ「サイトさんの?」

才人「そう。だからもしその人が来たら俺に知らせてほしいんだ」

シエスタ「だったらその必要はありませんよ」

才人「え?」

シエスタ「シスター」

???「はーい。ただいま〜」

と、なんだか気の抜けたような声が聞こえてきた。
見ると、顔以外の肌を全部隠した漆黒シスターがやって来た。

才人(な…)

シエスタ「はい、この方が…ってサイトさん?」

才人「でけえ…」

見ようによっては身体のラインを強調するような服装のシスターさんの胸部はすごく盛り上がっていた。

才人(脱いだらすごいメイドに、脱がなくてもすごいシスターとか。今時下手なギャルゲーでもない展開だぞ!?)

???「? 私、そんなに背が高いのでございますか?」

才人「へ? い、いやでかいってそういう意味じゃなくて…そ、それより自己紹介しよう。うん!」

シエスタ「…で、この方が昨日お話した修道女さんのシスター・オルソラです」

オルソラ「初めまして。オルソラ=アクィナスと申します。よろしくお願いしますでございます」

才人「オルソラ…あ、アクィ…? オルソラでいい?」

すごく言いにくい名前だったのでフルネームは諦めた。

オルソラ「はい。どうぞご自由に呼んでいただいて結構でございますよ」

才人「で、オルソラ。聞きたい事があるんだけど」

オルソラ「私の身長は平均的なものだと思っていましたが、あなた様からしたら大きいのでございましょうか?」

才人「え? い、いや。それはもういいからさ」

オルソラ「ところで大きいというのは一体どれを指して言ったのでございましょう?」

才人「あ、あの…俺の話を聞いてくれる?」

オルソラ「あら。一体なんの話でございましょうか?」

才人「えっと、オルソラの住んでるとこについてだけどさ」

オルソラ「私の住んでいるところでございますか?」

才人「そう。それってさ…」

オルソラ「ああ、もしかして私ではなくシエスタさんに言った事だったんでございましょうか?」

才人「だから聞いて! 俺の話を聞いてっ!!」

気がつくと才人は涙目だった。
35 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 18:22:48.05 ID:SebD2IjN0
ルイズ(やっと出番が来たわ…けど…)

ルイズは壁に隠れてこっそりと三人の様子を窺っていた。

ルイズ(なんでこんな役回りなのよ〜〜〜!)

なにやらよくわからない事を言ってるが、とりあえず才人を追っかけてきたらこの場面に遭遇したというわけだ。

ルイズ「なによ、わたしの事無視してあのメイドと密会ってわけ? しかもまた誰か来てるし!」

しかし、新たに現れたシスターに才人は対応しあぐねているようだ。

ルイズ「ふん。わたしをほったらかしにした罰よ。…それにしてもあの子、何回同じ事聞いてるのかしら」

と、しばらく話し込んでいた三人はどこかに移動し始めた。

ルイズ「どこに行く気かしら」

それにルイズもこっそりついていく。




才人「で、オルソラ。どこに向かってるんだ?」

オルソラ「私達の住んでいるところでございますが?」

才人「あの…それってどこ?」

オルソラ「そうでございますね、今はトリスタニアに住んでいるのでございますよ」

才人「って、歩いて行くの!? こっからトリスタニア遠いよ!?」

ちなみに学院からトリスタニアは徒歩だと二日、馬を使っても二時間ほどかかる位置にある。

オルソラ「あなた様が私の住んでいる場所をお聞かれになりますので、ご案内差し上げようと」

才人「いやいや、俺そこまでしてって言ってないよ!? 住んでるとこ聞きたいってだけなんだけど」

オルソラ「そうでございましたか。私は現在トリスタニアに住んでいるのでございますよ」

才人「それは聞いたって。それより前に住んでたとこを聞きたいんだ」

オルソラ「今はトリスタニアに向かっているのでございますよ」

才人「(。´Д⊂) ウワァァァン!!」

シエスタ「サ、サイトさん、大丈夫ですか?」

ルイズ(…なんかすっごい面倒くさいわねあの子)
36 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 18:52:04.81 ID:SebD2IjN0
???「オルソラ。あなた一体どこで何をやってたんですか?」

しばらく歩いているとどこかから声がした。

才人「げっ、ルイズ!?」

シエスタ「えっ、ミス・ヴァリエール!?」

ルイズ(わ、わたしじゃないわよ…!?)

オルソラ「あら、アニェーゼさん」

アニェーゼ「ったく、どこで油を売ってやがったんですか? そろそろ撤収の時間ですよ」

才人「ルイズ…じゃない?」

アニェーゼ「なんですか? 人の顔じろじろ見て。ヘンなもんでも付いてんですか?」

才人「あ…いやぁ。知り合いに声が似てたもんで…」

才人(あーびっくりしたー)

シエスタ(わたしも、いきなりミス・ヴァリエールが来たのかと思ってびっくりしちゃいました)

ルイズ(な…なんか出て行きづらい雰囲気ね…)

オルソラ「お二人とも初対面でございましたね。こちらはアニェーゼさんです」

アニェーゼ「アニェーゼ=サンクティスです。こちらは?」

オルソラ「学院のシエスタさんとサイトさんです」

アニェーゼ「サイト?」

才人(うわぁ。やっぱり似てるなあ…)

アニェーゼ「ところで、ひとつ聞いちまっていいですかね?」

才人「ん? なに?」

アニェーゼ「あそこにいんのは誰です?」

ルイズ(げ、ばれてた)

才人「ルイズ!?」

ルイズ(…どうしよ)
37 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 19:08:55.17 ID:SebD2IjN0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

才人「お前、なんであんなとこで見てたんだよ」

シエスタ「そうですよミス・ヴァリエール。ナズェミテルンディス!?」

ルイズ「へ? なんですって?」

シエスタ「なんでもないです」

ルイズ「…い、言っとくけど覗いてたとかじゃないのよ? あんたらがぞろぞろ歩いてたのが見えたから気になって付いてきただけよ」

アニェーゼ「こそこそとですか?」

ルイズ「う、うっさいわね。あんたには関係ないでしょ?」

アニェーゼ「まあそうなんですが、こそこそ嗅ぎ回られるってのはあんまりいい気はしねぇってもんですよ」

ルイズ「うう…」

才人「ま、まあまあ。そんないがみ合うなって」

才人(ってか二人だけで喋ってると頭がこんがらがる…)

オルソラ「そういえばサイトさんは私の住んでるところを聞きたがっていたのでございますよね?」

才人「いやそれはもう…って、そうだ。ア…アニェ…」

アニェーゼ「アニェーゼです」

才人「そう、アニェーゼ。お前に聞きたい事があるんだ」

アニェーゼ「そいつは丁度いいですね。私も聞きてえ事があったんです」

才人「ちょっと場所を移そう」

アニェーゼ「ええ」

ルイズ「ちょ、あんたらどこ行くのよ」

アニェーゼ「オルソラ。そこの二人を頼みましたよ」

オルソラ「はい」

ルイズ「ちょっと〜〜〜!」
38 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 19:30:39.18 ID:SebD2IjN0
アニェーゼ「で? 聞きてえ事はなんです? 当てちまいましょう。あなたは私達がこの世界の人間じゃないって思ってんでしょう?」

才人「やっぱり。お前らも地球から来たって事か。シエスタが聞いたところによるとイギリスから来たみたいだな」

アニェーゼ「そういうあなたは日本から来たようですね?」

才人「ああ。大分前にな」

それから才人はアニェーゼから色々と聞いた。地球の事、アニェーゼ達の事など。

才人「するってーと、お前らは俺と同じようにゲートをくぐってここに来たのか」

アニェーゼ「そうです。そいつについて詳しい事はまだ調査中ですが、とりあえずこっちとあっちが行き来可能な状態になってます」

才人「!」

才人の心がぐらりと揺れる。
帰れる? 地球に? 日本に? 家に?

才人「帰れる…のか…? 本当に…!?」

アニェーゼ「まだこっちでのポイントが確定してないんで、それが判明するまでは無理ですね」

才人「でも、それさえ判明すれば!」

アニェーゼ「ええ。いつでも帰れちまいますよ」

才人「………」

遂に地球に帰る手段を見つけた。才人の胸はこれ以上ないぐらい高ぶっていた。

ルイズ(あの二人、一体なんの話をしてるのかしら…)

その時ルイズは言い知れぬ不安を覚える。なんだか嫌な予感がしていた。
39 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 20:55:01.50 ID:SebD2IjN0
オルソラ達と別れて学院に帰ってきた三人。

ルイズ「わたしはちょっとやる事があるからあんたは部屋の掃除でもしといて」

才人「へいへい」

シエスタ「それじゃ、サイトさんまた後で」

才人「うん。…うん? 後で?」

何か用事でもあるのだろうか。とりあえず才人はルイズの部屋に戻る事にした。

―――ルイズの部屋―――

才人「………」

サッサッ。才人は黙々と掃除をしている。

デルフ「相棒」

才人「なんだ」

デルフ「浮かねえ顔をしてるじゃねえかい。何かあったのかい?」

才人「俺…さ。もうすぐ地球に帰っちまうかも知れねえ」

デルフ「なんだって? 相棒、帰る方法がわかったのかい?」

才人「ああ。今はまだ無理だが、近い内に可能になるみたいなんだ」

デルフ「そうなったら帰っちまうのかい?」

才人「う、うん…」

デルフ「本当に?」

才人「………正直言うと、わかんねえ」

デルフ「だろうね」

才人「俺、まだルイズと一緒にいたいんだ。シエスタとも…。でも帰りたいって気持ちもある。これっておかしいかな」

デルフ「いんや。それが普通の反応さね」

才人「でも、アニェーゼが言うには行き来は自由みたいだし、一回帰ってもう一回戻ってくりゃいいよな」

デルフ「さて、それはどうだかね」

才人「?」

デルフ「行き来自由って言うがね、確証はあるのかい?」

才人「それは、わかんないけど…」

デルフ「もしかしたらあっちの世界とやらに帰っちまったらもう二度と戻って来れないかも知んないぜ?」

才人「そんなはず…!」

デルフ「ない、って言い切れるのかい?」

才人「………」

デルフ「ま、あくまで可能性の話だ。案外、本当に行ったり来たり出来るようになるかもな」

才人「そうだといいけど」

それでいったん会話は終了した。そして掃除が終わって少し経った頃、扉がノックされた。
40 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 21:48:42.47 ID:SebD2IjN0
―――魔法学院・アウストリの広場―――

昼休み。ベンチに腰掛けルイズは編み物をしていた。
ルイズの趣味は編み物であるが、どうにも何を編んでいるのかよくわからない。一応本人的にはセーターを編んでるつもりだが、もはや毛糸の絡まったオブジェのようだった。

ルイズ(サイト、あのアニェーゼって子となんの話をしてたのかしら)

あの後、才人の様子が変わった。嬉しいような悲しいような、不安なような安心したような。…何かがあった事は間違いないだろう。

ルイズ(それに最近あいつあのメイドとばっかり一緒にいて…)

今のルイズはまるで蚊帳の外状態だった。才人の周りで何が起こっているのか全然わからない。

ルイズ「はあ…」

自分の知らないところで何が行われているのかわからないというのは嫌な気分だ。
と、ため息をつくルイズの肩を誰かが叩く。

キュルケ「なにしてるのルイズ?」

ルイズは慌てて編み物を持っていた始祖の祈祷書で隠す。

ルイズ「ど、読書よ」

キュルケ「ふーん? でもその本真っ白じゃない」

キュルケの言うとおり、始祖の祈祷書の中身は真っ白だった。

ルイズ「これは始祖の祈祷書っていう国宝の本なのよ」

キュルケ「なんであんたがそんなもん持ってんのよ」

ルイズ「それは…」

ルイズは説明を始めた。トリステイン王女であるアンリエッタの結婚式で、自分が詔お読み上げる事。その際この始祖の祈祷書を用いる事、等々。
でも結婚式といっても、これはトリステインとゲルマニアの同盟の為の政略結婚なのだ。
アンリエッタとルイズは知り合いであり、親友とも呼べる関係だ。そんなアンリエッタが望まぬ結婚をするという事もあって一層ルイズは深いため息をつく。

キュルケ「まあ、それはともかく。ルイズ、あなたさっきまで何を編んでいたの?」

どうやらバレていたようだ。

ルイズ「な、何も編んでなんかないわよ」

キュルケ「編んでたじゃない。ほら」

キュルケはルイズが編んでいたオブジェを引っ張り出す。

キュルケ「…何これ?」

ルイズ「セ、セーターよ。いいから返しなさい!」

キュルケ「セーター(笑)。ヒトデの人形の間違いじゃないの?」

ルイズ「そんなの作んないわよ! いいから返して!」

キュルケ「ま、これがセーターとして、一体誰に送るつもり? まあ、一人しかいないけれど」

ルイズ「べ、べつにあのバカに送ろうだなんて思ってないんだから!」

キュルケ「あらルイズ。あたしは誰にとは言ってないけれど?」

ルイズ「うう〜」

キュルケ「ほえないほえない。好きなら好きって言えばいいじゃないの」

ルイズ「す、好きなんかじゃないわ! 誰があんなやつ!」

キュルケ「ふ〜ん? あんたがそう言うのは勝手だけどね。知ってる? あの厨房のメイドとサイト、最近いい雰囲気みたいよ?」

ルイズ「そ、それがどうしたっていうのよ。わたしには関係ないわね」

キュルケ「そうかしら? そういえばあの子がルイズの部屋に向かっていくのを見たわねえ。あら? もしかして今ふたりっきりじゃない?」

ルイズ「ガタッ」

キュルケ「あらぁ〜? 関係ないんじゃなかったの?」

ルイズ「わ、忘れ物を取りに行くだけよ!」

怒鳴って早足に去っていくルイズを楽しそうに見つめるキュルケだった。
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/14(水) 21:53:05.42 ID:/1X1FLdn0
ゼロ魔知らないけど、オレッルスとシルビアがいても違和感ないような・・・・
ちょい役でもいいから出ないかな・・・・
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/14(水) 22:06:36.87 ID:es7lMRc3o
その二人だとチートすぎて蹂躙してしまう
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/09/14(水) 22:53:53.85 ID:dxtaUZQN0
上条さん乗り込んだ時点で無双確定だろww
44 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/14(水) 23:27:59.97 ID:SebD2IjN0
―――ルイズの部屋―――

扉を開けるとそこにはシエスタがいた。

才人「何か用?」

シエスタ「サイトさん、おなかすいてないかなって思いまして」

そういえば戻ってから何も口にしていなかった。そう思うと急に空腹感に襲われる。

才人「ありがとうシエスタ! 実ははらぺこだったんだ」

シエスタ「そうですか。よかった。あ…でも…」

才人「ん? どうした?」

シエスタ「さっきシスター・オルソラとはまた違う修道女さんがおなかをすかせて倒れていたので少し…いえ、結構食べられちゃいまして…」

才人「い、いいよいいよ。少しでも食べられればそれで満足だし」

シエスタ「それが…その…」

才人「…あ〜」

おなかをすかせた修道女が誰かは知らないが、どうやら食料の大半をたいらげてしまったようだ。もうほとんど何も残っていない。

シエスタ「す、すみません。せっかく作ったのに…」

才人「いいって。俺はもうその気持ちだけでいっぱいいっぱいだよ」

なんだか健気なシエスタを見てると泣けてくる。こんな自分のためにここまでしてくれるなんて本当にいい子だなあと才人は感動した。

それから二人はまた話し込む。才人の世界にある飛行機の話や、シエスタの故郷に来ないかという話。その内シエスタは暴走を始めて才人と結婚するとか言い出す始末だ。

才人「し、シエスタ!?」

シエスタ「あ、や、やっぱり迷惑ですよね。だってサイトさんわたしの事なんとも思ってないんですもん。お風呂の時だって何もしてこなかったですし」

才人「い、いや、だって…さ」

シエスタ「わたしみたいな村娘の肌なんて、見たくないですよね」

才人「そ、そんな事は滅相もございません! むしろ見たいです!」

シエスタ「ほ、ほんと…ですか?」

才人「はっ、つい本音が出てしまった!」

シエスタ「じゃあ…脱ぎます」

才人「え?」

シエスタがエプロンを外し、ブラウスのボタンをひとつずつ外していく。

才人「まずいって! やばいって! 脱いだらすごいから! 脱いだらすごいからッ!!」

シエスタ「うれしいです。すごいだなんて」

才人「ちがーうっ! そういう事じゃなくて! ああ、やめて! これ以上は俺の中に眠るガンダールヴの血が目覚めてしまううううう!!」

意味不明な事を叫びながらもなんとかシエスタを止めようとする才人。もうブラウスの隙間から胸の谷間が見えている。
臨界点を突破してしまったらおしまいだ。それを阻止するべくシエスタの肩をつかんだ才人だったが、

シエスタ「きゃっ」どさっ

才人(おっ、押し倒しちまったああああああ! 神様仏様お許し下さい! どうやら平賀才人の運命はここまでのようです!!)

シエスタが、祈るようにゆっくりと目を閉じた。

才人(シ、シエスタアアアアアアアアアアア!!)

バーン!
才人の精神崩壊寸前のところで、神か悪魔か、ルイズのご帰還である。
45 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/15(木) 01:19:24.15 ID:0PYelS0V0
才人(あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!『俺はシエスタを押し倒していたと思ったら、いつの間にか床に倒れていた』。な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何をされたのかわからなかった…。頭がどうにかなりそうだった…。ルイズという恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…)

ルイズが帰ってきた事により、シエスタは服を着てそそくさと出て行き、当然才人は問答無用でルイズにハイキックをぶちかまされた。この間わずか十秒である。

ルイズ「なにしてんの。あんた」

踏みつけられる才人。

才人「いえ違うんですよルイズさん今のは不可抗力ですよ俺だってまさかあんな事になるなんて予想も付かなかったんですよっていうか俺からあんな事したわけじゃ―――」

ルイズ「うるさい」

才人「だから、違うんだって! あれはそんなつもりじゃなかったんだって!」

ルイズ「うるさいうるさいうるさい!! もう今度という今度はあたまにきたわ!」

ルイズの瞳から涙がこぼれる。

才人「だ、だから誤解だって!」

ルイズ「もういい! 出てって! あんたなんかクビよ!」

才人「なっ、おいルイズ!」

ルイズ「貴族の部屋を何だと思ってるのよ!」

才人「な…」

そうだ。ルイズは貴族だ。だから平民である才人やシエスタがベッドの上であんな事をしているのが許せないというのだろう。
結局、ルイズと才人は貴族と平民であり、それ以上でも以下でもないのだ。

つまり、ルイズは自分の事をなんとも思ってなんかいなかったのだ。
そう考えるとなんだか苛立って来た才人はデルフリンガーを持って外に出て行く。

才人「じゃあな。お前の事ちょっとでも見直した俺がバカだったよ」

ルイズ「さっさと出てって。あんたなんかもう顔も見たくない!」

才人「おーおーそりゃこっちのセリフだよ。ったく、せーせーすらぁ!」バタンッ!




ルイズ「うぅ…」

才人は自分がいない間いつもあんな事をしていたんだ。自分への気持ちなんかこれっぽっちもなかったんだ。
そう思うと辛くて、悲しくて、ルイズの瞳からは涙がぽろぽろと零れ落ちる。

ルイズ「なによなによなによ。キスしたくせに。だいっきらい」

ベッドの上で毛布を頭からかぶったルイズは、自分に言い聞かせるように何度も呟いた。

ルイズ「………キスしたくせに」
46 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/15(木) 01:55:31.09 ID:0PYelS0V0
それから三日ほど経った。才人はヴェストリの広場の片隅にテントを張って生活していた。
しかしその生活はひどいもので、食事はシエスタが運んできて自分は他人の使い魔を連れ込んで飲んだくれているという状況だ。
自分の使い魔を探しに来たギーシュはそんな才人の様子に呆れていたようだった。

ギーシュ「まったくきみというやつは。二股なんてするからだよ」

才人「そんなんじゃねーよ。ルイズともシエスタとも」

ギーシュ「そうかね。まあ、ぼくには関係ないからいいんだがヴェルダンデを巻き込むのはやめてくれないかね?」

ギーシュは使い魔であるモグラを才人から引き離そうとするが、才人も才人でモグラを離さない。

ギーシュ「まったく。このぼくを倒したあの時のきみは一体どこに行ってしまったというのだね?」

才人「しらね」

ギーシュ「そうだ。ぼくを倒したといえばきみ、転校生の話は聞いたかね?」

才人「転校生?」

ギーシュ「なんでも修道女がこの学院に転校して来たらしい」

才人「また修道女か」

ギーシュ「なんで貴族でもない修道女がこの学院に転校してきたかは知らないが、どうにもその転校生は魔法に関する知識はすごいらしい」

才人「別に転校生の話なんてどーでもいいよ」

ギーシュ「いやいや、本題はここからさ。彼女の使い魔、聞いて驚くなよ。なんときみと同じ平民なのさ」

才人「へー」

ギーシュ「まあそこまではきみやルイズの前例があるからいいんだが、その使い魔はやたら説教じみた性格らしくてね。ぼくにいちゃもんをつけてきたんだ」

才人「お前またなんかやらかしたのか」

ギーシュ「失礼な。ぼくは貴族に対する礼儀というものを教えようとしただけさ」

才人「そうか、お前転校生の事バカにしてその使い魔にぶん殴られでもしたんだろ」

ギーシュ「う…。な、なぜそう思うのかね」

才人「お前ならやらかす」

ギーシュ「ぼくもあの時は調子に乗っていたよ。ちょっとからかった程度なんだ。なのにあの使い魔はぼくに謝れとか言い出すからちょっとおしおきしてやろうとしたんだ」

才人「そして返り討ちってか」

ギーシュ「まさか素手でぼくのワルキューレ達を殴り倒せるなんて思わなかったよ。ぼくは彼の説教とともに重い一撃を思い切り顔面に叩き込まれたよ」

才人「にしては腫れてないな、顔」

ギーシュ「水系統のメイジに治療してもらったんだ。表面上は美しい顔のままだけど、実は今もまだじんじん痛んでるんだ」

才人(しっかし、いくらギーシュとはいえ素手でメイジを圧倒する平民なんて…一体何者なんだ?)
47 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/15(木) 02:10:36.73 ID:0PYelS0V0
さて、今回はここまでです。
なんだか両作品のキャラの絡みが少ないような気がしますがもう少し絡ませるべきでしょうかね?

とりあえずそ次はろそろ上条さん達と才人達を絡ませようかと思います。
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/09/15(木) 02:16:17.58 ID:5XYRDzs3o
乙!
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/09/15(木) 09:09:27.52 ID:7jwkS4bx0


ギーシュ早速そげぶされたかwwwwww
水系統のメイジ……、モンモンかな?
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/15(木) 18:54:17.91 ID:PwNTrYXIO
良スレ発見
51 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/15(木) 20:49:48.06 ID:fRXAFqjAO
保守どうもです。
遅れましたが再開します。

―――――――――――――

時は戻って三日前。上条とインデックスは偶然にもオルソラ達を発見した。

上条「オ、オルソラー!」

オルソラ「あら。あなた様は」

イン「うう。おなかへった…」

オルソラ「まあ、インデックスさんまで。どうしたのでございますか?」

上条達はあれから途方に暮れていた。ハルケギニアに来たはいいが、どこにも行くあてがなく、帰る為のゲートもない。
かといって勝手に学院に住み着くわけにもいかない。そんな時にオルソラ達を見つけたもんだからもう上条は嬉しくて泣きそうだった。

オルソラ「まあまあ、それは大変でございましたね」

イン「ねー。早くこの学院に通いたいかも。聞いたところによると、この学院は豪華なごはんが出るって話なんだよ」ジュルッ

上条「ってかまさかお前、それが目的だったんじゃ」

イン「そ、そんな事ないんだよ。私はこの世界の魔術について色々知りたいし、ごはん食べたいし、それから学校にも通いたかったし、ごはん食べたいし、ごはん食べたいし」

上条「結局そうなんじゃねーか!」

イン「うう、ごはんの話をしたら一層おなかがへってきたかも…」

ばたりとインデックスは地面に倒れた。
52 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/15(木) 21:19:16.19 ID:fRXAFqjAO
アニェーゼ「そういえばあなた達はこの学院に通いに来たんでしたね」

上条「いや、俺は違うんだけど」

アニェーゼ「根回しは済でますんで、通おうと思えば今日からでも通えちまいますよ」

イン「ほんと!? ごはん食べられる!?」

アニェーゼ「ええ。けど、もう昼過ぎなんで食事は夜になっちまいますが」

イン「―――」ガーン

インデックスは力尽きた。

上条「お、おいインデックス?」

イン「もうダメ…動けない。今すぐごはん食べないと死んじゃうかも…」

上条「…ったく。つっても俺もはらぺこなんで人の事言えないんだが」

昨日の晩から何も食べてない二人は空腹でもう限界だった。

オルソラ「それでしたら、シエスタさんのところに行ったらどうでございましょう。彼女ならきっとお食事をご馳走してくれるでございますよ」

イン「とうま。そのシエスタって人のとこに今すぐ行くよ!」ダッ

上条「あ、おいインデックス!」

そのシエスタが誰かも聞かずにインデックスは学院にすっ飛んで行った。

上条「動けないんじゃなかったのかよ…」
53 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/15(木) 21:22:58.22 ID:fRXAFqjAO
上条「で、そのシエスタさんとやらは一体誰なんだ?」

オルソラ「はい。学院のメイドさんでございます。シエスタさんは主に厨房にいらっしゃいますから、そこに行けば会えると思うでございますよ」

上条「わかった。それに多分、インデックスも食べ物の匂いに釣られて厨房に向かってると思うし。ありがとな」

そう言って上条が走り去ろうとしたその時、

アニェーゼ「ああ、ひとつ言っときますが」

上条「ん?」

アニェーゼ「この世界の住人に私らが地球…つまり異世界から来たってえ事は伏せといて下さい」

上条「ああ。まあ、こっちの世界にまで魔術うんぬんの話は持ち込みたくないからな」

アニェーゼ「詳しい話はここの学院長に聞いちまって下さい。んじゃ、私達はトリスタニアにいますんで用があればそちらまで」

上条「わかった」



アニェーゼ「さて、どうやら私ら以外の人間がこの世界に紛れ込んじまってるってのはなかなか大きな情報ですね」

オルソラ「まさか才人さんが日本からいらしていたとは。世界は狭いでございますね」

アニェーゼ「でもってその平賀才人をここに召喚したルイズっつー魔術師…いや、メイジでしたか。一体何者なんですかね」
54 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/15(木) 21:24:41.62 ID:fRXAFqjAO
―――魔法学院・廊下―――

シエスタ「ふんふふ〜ん♪」

上機嫌に鼻歌を歌いながら台車を押すシエスタ。
どうでもいいが、かなり歌唱力がありそうだ。

シエスタ「腕によりをかけたわたしの料理、サイトさんの口にあうかしら?」

と、その時白い布が廊下に敷き詰めてあるのが見えた。

シエスタ(? 干してあったシーツが風で飛ばされたのかしら?)

モゾ。

シエスタ(!?)

白い布がうごめいた。いや、よく見るとそれは人だった。

シエスタ「ど、どうしました? 大丈夫ですか?」

イン「おなかへった…」

インデックスだった。上条の予想通り、食べ物の匂いを辿って厨房に向かっていた彼女は空腹に負け、廊下で行き倒れていたのだ。

イン「ごはん…たべたい…」

シエスタ(どうしましょう。ここに食べ物がありますけど、サイトさんの為に作ったもの…。かといってほったらかしにも出来ませんし…)

イン「ご…は…ん…」

シエスタ「…あ、あの。少しだけなら」

イン「ごはん! あ、ありがとう! いただきます!」

少しだけと言われたにも関わらずインデックスはバクバク料理を平らげる。
まあ、大食いシスターである彼女にとっては『少し』だけなのかも知れないが。
55 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/15(木) 21:29:01.22 ID:fRXAFqjAO
シエスタ「ストップストップ! これ以上はダメー!!」

料理はほとんど食い散らかされ、もうほんの少ししかなかった。

シエスタ「ああ…サイトさんの為に作ったお料理がぁ…」

イン「…も、もしかして、誰かのごはんだったの?」

シエスタ「あ、いいんですいいんです! あなたはおなかがすいて困ってたみたいですから。でも、これ以上欲しいなら厨房に行って下さいね。わたしの知り合いって言えば何かご馳走してくれると思いますから」

イン「わかったんだよ。あ、ごはんありがとう。おいしかったよ!」ピュー

そして、インデックスはもの凄いスピードで厨房へ向かっていった。

シエスタ(…ところで、あれは誰だったんでしょうか?)

名前を聞いてなかったが、一体何者だったのだろうか。そう考えていると、

上条「あ、ちょっとそこの人!」

シエスタ「はい?」

上条「インデックス……あー、真っ白なシスターを見かけなかった?」

シエスタ「それならさっき厨房に向かって行きましたけど」

上条「やっぱりな。ああ、それからシエスタさんてどこにいる?」

シエスタ「シエスタならわたしですけど」

上条「え? 君がシエスタ?」

シエスタ「ええ」
56 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/15(木) 21:33:48.47 ID:fRXAFqjAO
シエスタ「あれ…あなた、もしかして昨日の…」

上条「昨日?」

言われて上条は昨夜の一件を思い出す。あの時見た女の子だ。

上条「あ、いや…、その。あんときはごめん…。まさかいきなりあんなとこに出るなんて思ってなかったから」

シエスタ「い、いえ。気にしないで下さい。わざとじゃないんでしょうから」

上条「あ、ありがとう」

いつもああいった状況になると殴る蹴る噛まれる等ロクな目に遭わない上条だったので、お咎めなしはありがたかった。

シエスタ「ところで、あなた達はどちらからいらしたんですか? いきなり空から降って来ましたけど」

上条「ん? ああ、ゲートをくぐって…」

シエスタ「ゲート?」

上条(やべっ。いきなりやらかしちまった…)

上条「い、いや、それはだな…」

シエスタ「あ、もしかして魔法ですか? わたしは魔法に詳しくないからよくわかりませんが、魔法で移動して来たというわけですか?」

どうやら勘違いしているようだが、あながち間違いでもないので上条は肯定しておいた。

上条「俺、っていうかインデックスはここに転校して来たんだよ」

シエスタ「へえー。この学院に転校ですか。すごいですね」

上条「ああ。だからまた会う事もあるかもな」

シエスタ「そうなんですか。でしたら、今後もよろしくお願いしますね」

上条「こちらこそよろしく」
57 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/15(木) 22:18:26.27 ID:fRXAFqjAO
上条「俺は上条当麻。さっき会ったっていうのがインデックスな」

シエスタ「……カウィジョン・トーマンさん?」

上条「どう聞き間違えたらそうなる!?」

シエスタ「あ、その…すみません…」ビクッ

上条「あ…いや。俺こそごめん。急に叫んで」

シエスタ「え、えっと…確か昨日インデックスさんが呼んでましたよね。と、とうま? とか。トウマさん、でよろしいでしょうか?」

上条「うん。それでいいよ」

シエスタ「それじゃあトウマさん。これからわたしは用事があるのでこれで失礼します」

上条「ああ、またな」

シエスタ「はい」

シエスタと別れて上条は厨房に向かった。



―――魔法学院・厨房―――

イン「おかわり!」

マルトー「嬢ちゃん、なかなかいい食べっぷりだねえ!」

インデックスは厨房でもう何皿も平らげていた。
それを見たコック長のマルトー親父は豪快に笑う。

イン「それにしてもこの料理おいしいね。いつもこんなにおいしいごはんが食べられるなんてここの生徒がうらやましいかも」

マルトー「嬉しい事言ってくれるじゃねえの。ここの貴族連中は料理が出されて当たり前みてえな考えだからな。そんな事ひとっことも言っちゃくれねえ」

イン「それはひどいね。私だったら毎日お礼に来てもいいかも!」

マルトー「そいつはうれしいが、そうなったらついでにここでまた食ってくつもりだろう?」

イン「むむ、私の考えを見破るとは」

笑い合う二人。すっかり打ち解けていた。

マルトー「それにしても嬢ちゃん、インデックスとか言ったっけ? 修道女なのにこの学院に転校して来るたぁどういう魔法を使ったんだ? ここは貴族でメイジの連中しか通えないのによ」

イン「まあ細かい事は気にしない気にしない。私はここのごはんが食べられるだけで十分かも」

マルトー「そうかそうか! なら深くは詮索しないさ! どんどん食ってきな!」

上条(いやいやいや……)

厨房に着いた上条は、そんな二人の様子を見て呆然としていた。
58 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/15(木) 22:22:14.26 ID:fRXAFqjAO
―――魔法学院・廊下―――

厨房を後にした二人はマルトー親父に学院長室の場所を聞き、そこに向かっている途中だった。

上条「お前、本当に何しに来たの?」

イン「ま、まあ腹が減ってはって言うでしょ?」

上条「はぁ…。先が不安になるよ。つーか俺もこの学院に通う事になんのか?」

イン「でもとうまは魔術が使えないでしょ?」

上条「そりゃお前もだろ」

とまあ、話している内に学院長室前に着いた。
上条がノックすると、中に入るよう促す声が聞こえた。

上条「失礼しまーす」

二人は学院長室へと入っていった。

―――魔法学院・学院長室―――

オスマン「よく来たの」

上条「あ、えっと俺達…」

オスマン「話は聞いておる。お主らもまた異世界からやって来た者なのじゃろう?」

上条「はい」

上条(この人は俺達の知ってるのか…。まあ、そうでもないと身元のわからんヤツを通わしてなんかくんないよな)

オスマン「ふむ。で、行くあてもなく帰る事も出来ないのでこの学院で過ごしたいと」

イン「そうなんだよ!」

オスマン「しかしのぉ。メイジでない…ましてや平民を生徒として迎えるのは難しいんじゃがな…」

上条「メイジ? 平民?」

オスマン「おっと。君らは知らなかったんじゃな」

メイジとはこの世界における魔法使いである。そして、それは主に貴族の人間が使えるものである。

上条「で、貴族ってのが金持ちの偉いヤツ。平民が普通のヤツって事ですか」

オスマン「かなりざっくりしとるが、まあそう思ってくれていいじゃろう」

イン「でもさっき平民だけどこの学院に通ってる人がいるって聞いたよ?」

オスマン「ああ、彼は生徒ではなくてな。とある生徒の使い魔なんじゃ」

上条「使い魔?」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/15(木) 22:38:30.98 ID:Yq3dVKMq0
ていとくんでないかな・・・・彼ならゼロ魔に出ても違和感内と思うんだけどなぁ・・・
まあ、彼は一方通行みたいに魔翌力を解析してダークマターで無双しそうだからしょうがないんだけどね。
60 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/15(木) 23:03:52.43 ID:0PYelS0V0
オスマン「そう。彼はミス・ヴァリエールというメイジの使い魔での。ここだけの話じゃが、彼も君らと同じ別の世界から来た者なのじゃ」

上条(…もしかして建宮が言ってた他に来てるヤツってそいつか?)

            ファミリア
イン「それにしても人間を使い魔にするなんて聞いた事ないかも」

オスマン「はて、君はなんと言ったかね?」

イン「インデックス。Index-Librorum-Prohibitorumだよ」

オスマン「プロヒビトールム? 聞いた事ないの。…おっと、君らは別の世界からきたんじゃから当然じゃな。失敬失敬」

イン「インデックスでいいよ。みんなそう呼んでるし」

オスマン「ではシスター・インデックス。君はなぜ使い魔の存在を知っておるのかね?」

イン「私のいた世界にも使い魔って存在があるんだよ。それだけじゃなく、魔術も」

オスマン「魔術…そちらの世界で言う魔法の事かね?」

イン「うん」

オスマン「ほう。こりゃ驚いた。という事は君も魔法が使えるのかね?」

イン「む…」

オスマン「?」

インデックスが黙ってしまったので代わりに上条が答える。

上条「ああ、こいつ魔術が使えないんですよ」

イン「で、でも魔術に関する知識なら誰にも負けないかも!」

オスマン「ふむ。まあとにかく、魔法に関して詳しいという事でいいのかね?」

イン「といってもまだこっちの世界の魔術についてはよくわからないけど」

オスマン「わかった。まあ、その点については図書室で学べばよかろう。シスター・インデックス。君をメイジという事にする。修道女であるのも、とある理由で素性を隠しているという事にしよう」

イン「とうまは?」

オスマン「トウマ? ああ、そこの少年かね。うむ、彼は…そうじゃ、ミス・ヴァリエールと同じく使い魔という事にしよう」

上条「はい?」

急にそんな事を言われたので思わず素っ頓狂な声を上げる上条。

オスマン「すまんの。君はどう見てもただの平民じゃ。それに、使い魔という事にすれば一緒にいても怪しまれずに済むじゃろう。異世界からの住人というのは隠さなくてはいけないんじゃろう?」

上条「まあ、そうなんですが…」

オスマン「では、手続きを済ませるんでの。君らがここに通うのは明日からじゃ」

上条「え? 今日からじゃダメなんですか?」

オスマン「手続きには時間がかかるんじゃ。それに、もう授業もおしまいだしのう」

上条「えーと。それじゃあ俺達、今日はどこにいたらいいんすか?」

オスマン「そうじゃな。部屋も用意せねばならん。すまんが今日の寝床はそちらで確保してくれるかの」

上条「えー。また野宿かよー」

イン「大丈夫だよ。厨房の人たちとも仲良くなったし、寝るとこぐらい貸してくれるよ」

上条「そうだといいけどな」

オスマン「それではまた明日の朝、ここに来るのじゃよ。以上じゃ」
61 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/15(木) 23:47:15.67 ID:0PYelS0V0
>>59
とりあえずゼロ魔も初期ですし、禁書メンバーは12巻ぐらいまでの方がいいかなと思いまして。
もし続編を作るとしたら、その時はもっと禁書メンバーを出そうかとは考えてます。



その夜、二人は厨房にて食事をしていた。

上条「魔法学院か。いったいどんな授業をやってるんだろうな」

と、その時食事をしていた上条の手が止まった。

上条「…………………………………あ」

イン「どうしたの?」

上条「学校…どうしよ…」

イン「明日から通うんでしょ?」

上条「ちげーよ。学園都市の方! やべー、無断で休んだら小萌先生に怒られる!」

イン「別にとうまだけ帰ってもいいけど」

上条「いや、帰れねーんだよ。ああ、どうしよう…くそ、不幸だ…」

イン「私はおなかいっぱいごはんが食べられて幸せかも」

上条「はあ。俺、もう寝るよ…」

イン「そう? 私はもうちょっとごはん食べてるね」

上条はそう行って厨房から出て行った。
それからインデックスは一人で黙々と食べていたが、

???「う〜。おなかすいたのね…あのちびっこめ、あれぐらいでわたしのおなかを満たせると思ったら大間違いなのね!」

誰かがやって来た。髪の長い少女だった。
その少女はインデックスの食べている料理を見るや猛ダッシュで近づいて来た。

???「ごはん! わ、わたしにもわけてほしいのね! きゅいきゅい!」

イン「ダメだよ。これは私のごはんだもん。ほしかったら作ってもらえばいいんだよ。というか、あなた誰?」

???「わたしはシルフィ…じゃなかったのね」

イン「?」

イル「わたしの名前はイルククゥなのね!」

イン「ふーん」

イル「む、わたしにだけ名乗らせるなんてなんなのね。そっちも名前を名乗るのね!」

イン「インデックス」

どうやらインデックスは食べる事に夢中でイルククゥの事などどうでもいいようだ。

イル「………」ヒョイパクッ

イン「あー! 私のごはん!」

イル「もう我慢できないのね! だからいただきますなのね!」

それから二人は食料の争奪戦を始めた。
片っ端から料理を食い漁りまくるので二人の顔やら服やら汚れまくっているがそんな事はお構いなしとばかりに食って食って食いまくる。
あまりにも騒がしいのでマルトー親父が様子を見に来た。

マルトー「お、おいどうしたインデックス? 一人で騒いで。いや、二人か? どちらにせよ落ち着けって」

争いを繰り広げる二人をなんとかなだめようとするマルトーだったが、

イン&イル「じゃましないで!」

というステレオボイスに圧倒されて思わずひるんでしまった。

マルトー「わかった。わかったよ。二人の食べ物を用意する。だからここで暴れないでくれ!」
62 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/16(金) 00:17:40.79 ID:/tn5cfu70
それから次の日、色々な出来事があった。
ひとつ、この学院に転校生が来て、その転校生はなんと修道女であり、更にその使い魔は平民の少年だった事。
ふたつ、その転校生は魔法の知識はあるようだが全く魔法が使えず馬鹿にされていた事。
そしてみっつ、その中でも特に嫌味な事を言った生徒に使い魔の少年が突っかかる。

上条「おい、お前今なんて言った」

ギーシュ「聞こえなかったのかね。魔法の知識だけ持っていてもしょうがない。魔法が使えなければそんなのメイジなどではないと言ったんだよ。なんでこんなのが学院に通えてるのか不思議に思うね!」

上条「てめえ」

イン「い、いいんだよとうま。私が魔術を使えないのは事実だし…」

上条「だからなんだってんだよ。魔術が使えなくてもお前は立派な魔術師だろ。それがバカにされてんだぞ!?」

ギーシュ「きみたち、さっきからなんだね? 魔術だとか魔術師というのは? 田舎育ちは魔法の名称もろくに覚えられないのかね?」

上条「あ?」

イン「とうま、ケンカはダメだよ」

ギーシュ(ふふふ。こないだのサイトの一件でぼくの株も下がっていたところだ。ここで生意気な平民におしおきをしてやればぼくの人気も元通りってわけさ)

上条「謝れよ」

ギーシュ「きみも平民風情のくせに態度がでかいぞ。本来なら平民が貴族に話しかける事すらできないんだぞ」

上条「そんなの知った事か。平民だとか貴族だとかバカバカしい」

ギーシュ「なんだと? どうやらきみはぼくを舐めすぎているらしい。ぼくはきみに決闘を申し込むよ。貴族に対する礼儀ってものを教えてやろう」

ギーシュはついてきたまえと促す。上条はその後についていく。

イン「ちょ、ちょっととうま!」

上条「心配すんなインデックス。すぐ終わる」

イン「もう、とうまなんか知らないんだからね!」

インデックスはそういい残すとどこかへ行ってしまった。

ギーシュ「おやおや。主の為にとった行動のつもりが逆に主を怒らせてしまったようだね」

上条「御託はいいさ。さっさとやろうぜ、魔法使い」

ギーシュ「ふっ、後悔してももう遅いからな!」
63 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/16(金) 00:45:43.38 ID:/tn5cfu70
―――魔法学院・ヴェストリの広場―――

生徒A「ギーシュのやつがまた決闘してるんだって?」

生徒B「ああ、なんでもまた平民が相手らしい」

生徒A「もしかして、また負けるかもな!」

生徒B「ははは、さすがにそれはないだろ」

しかし、決闘の様子を見た生徒は顔色を変える。

生徒A「う、うそだろ…」



ギーシュ「な…んだって…」

ギーシュはワルキューレというゴーレムを召喚し、上条をボコボコにする気でいた。だが、

上条「確かに数は多い。が、たいした事ないな!」

上条がワルキューレを殴ると途端にワルキューレは崩れて動かなくなってしまう。

ギーシュ「ど、どうなってる!?」

次々と倒されるワルキューレ。
                              イマジンブレイカー
それもそのはず。上条の右手には異能の力なら何でも打ち消す幻想殺しが宿っているのだ。超能力だろうが魔法だろうが、この手にかかれば即無効化だ。

上条「いいか。誰にだって出来る事と出来ない事がある。いや、むしろ出来ない事のほうが多いだろうな」

ギーシュ「あ、あ…」

上条「けど、それでも自分に出来る事を最大限に発揮して生きていくのが人間だろ。お前だってそうだろ?」

どうやら後悔したのはギーシュの方だった。最後のワルキューレを倒した上条はゆっくりとギーシュに近づいていく。

ギーシュ「よ、よせ! まいった! 降参だ!」

上条「もしお前が自分は貴族だからとか、魔法が使えるから、なんて理由で他人を貶めていいと考えてやがるんならな」

ギーシュ「ま、待って…」

上条「まずはその幻想をぶち[ピーーー]!」

ギーシュ「まっ―――」

ゴッ!! と、上条のパンチがギーシュの顔面に直撃した。
64 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/16(金) 00:48:19.46 ID:/tn5cfu70
やべ、規制されてしまった。修正します。



上条「いいか。誰にだって出来る事と出来ない事がある。いや、むしろ出来ない事のほうが多いだろうな」

ギーシュ「あ、あ…」

上条「けど、それでも自分に出来る事を最大限に発揮して生きていくのが人間だろ。お前だってそうだろ?」

どうやら後悔したのはギーシュの方だった。最後のワルキューレを倒した上条はゆっくりとギーシュに近づいていく。

ギーシュ「よ、よせ! まいった! 降参だ!」

上条「もしお前が自分は貴族だからとか、魔法が使えるから、なんて理由で他人を貶めていいと考えてやがるんならな」

ギーシュ「ま、待って…」

上条「まずはその幻想をぶち壊す!」

ギーシュ「まっ―――」

ゴッ!! と、上条のパンチがギーシュの顔面に直撃した。
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/09/16(金) 00:52:24.35 ID:xSGiOsDAO
>>64
規制っていうか仕様、メール欄にsagaって入れれば適用されなくなるよ
sageじゃなくてsagaな
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/16(金) 00:54:10.49 ID:HKD6zY0Ko
メール欄にsagaで規制されないよ
あの作品がルイズに〜との差別化に期待
67 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/16(金) 01:16:12.44 ID:7YxzDv5AO
>>65
ご指摘ありがとうございます。
次からは気をつけます

>>66
こちらもご指摘ありがとうございます。

ルイズに〜をちょっと読んでみましたが、なかなかよく出来てたと思いました。

こちらは、原作を踏襲しつつオリジナル展開を多めに入れていこうかなと思います。
まあ、あまりにかけ離れた展開は出来ないでしょうが、頑張ります。
68 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/16(金) 02:54:50.98 ID:/tn5cfu70
―――魔法学院・廊下―――

イン「まったくとうまってばああやってすぐ物事に首を突っ込んでいくんだから」プンプン

怒り心頭のインデックスはどこへともなく歩いていた。

イン「………でも」

上条の言葉を思い出す。

イン「ちょっと、うれしかったかも…」

しばらく歩いていると図書室の前に着いた。丁度いい機会なので本を読んでいこうと立ち寄った。

―――魔法学院・図書室―――

イン「わあ。見た事もない本がいっぱいあるんだよ!」

とりあえずインデックスは適当に本を取る。

イン「………よめない」

さすがのインデックスといえど異世界の文字は読めなかったようだ。

イン「うー。まずは字を覚えたほうがいいかも」

しかし、地球の言語とは異なるものなので、こればかりは現地の人に直接聞くしかない。誰かいないかと探していると、眼鏡をかけた一人の少女を見つけた。

イン「ねえ、お願いがあるんだよ」

???「………」

眼鏡の少女は黙々と本を読んでいる。

イン「あの、聞こえてる?」

???「………なに」

本からは目をそらさず、少女は言う。

イン「字をおしえてほしいんだよ」

???「どうして」

イン「私も本を読みたいからだよ。とりあえず、ここにある本は全部読んでおきたいかも」

???「………わかった」

そこで初めて少女は顔を上げる。

イン「ありがとう。私はインデックスっていうんだよ。あなたは?」

タバサ「…タバサ」

イン「よろしくね。それじゃあタバサ、早速なんだけど教えてくれるかな」




それから数十分後。

イン「これはこうだよね? 本で何度か使われてたし」

タバサ「そう」

イン「うん。だいたい覚えてきたよ」

タバサ「………」

驚くべき記憶力と応用力だ。
最初にその容姿を見て、インデックスは噂の転校生という事は一目でわかった。字が読めないのはこことは違う地方から来たからだと思ったが、それにしてはスラスラ覚えている。これなら自分に字を教わる必要はなかったのではとタバサは考える。

イン「は〜。勉強したらおなかすいてきちゃった」

それから、

イン「ねえタバサ。一緒にごはん食べにいかない?」

彼女はなんとなく、自分の使い魔に似ているような気がした。

タバサ「………」コクリ
69 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/16(金) 03:07:02.28 ID:/tn5cfu70
はい、今回はここまでです。
上条さんと才人の絡みを書きたかったんですが時間が足りませんでした。申し訳ない。

とりあえず、帰宅する前に昼休みとかにも更新していくようにしたいです。
とはいえ、焦って書いて内容が悪くなってもあれですから、ゆっくりと着実に書いてていきたいと思います。
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/09/16(金) 03:29:07.64 ID:w06GhLAuo
乙!
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/09/16(金) 08:10:20.07 ID:4R4RuZ9R0
乙!
やっぱチートだな上条さん
タバサかわいい
72 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/16(金) 13:33:33.13 ID:7YxzDv5AO
昼休みなので、少し更新します。



―――魔法学院・アルヴィーズの食堂―――

食事の際、他の生徒は祈りを捧げていた。
『偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ。今日もささやかな糧を我に与えたもうたることを感謝いたします』と。

イン(始祖ブリミル? この世界での神様ってとこかな)

十字教おいても、信仰の対象はいる。こちらの世界でのそれは、その始祖ブリミルという事なのだろう。

イン(とりあえず、私もこの学院にいる以上はちゃんと唱えないとダメだよね。でもそうなると始祖ブリミルに信仰を誓ったって事になっちゃうかな。いや、これは感謝だよ。感謝なら誰にしたって大丈夫だよね!)

食事にありつけるならもう何でもいいインデックスは祈りを捧げる事にした。

インデックス「偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ。今日もささやかな糧を我に与えたもうたることを感謝いたします」

一度見たり聞いたりした事は絶対に忘れない完全記憶能力者であるインデックスは、今し方初めて聞いた祈りの言葉を一字一句間違えずにスラスラと読み上げた。

そして、インデックスの食事が始まる。
73 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/16(金) 13:35:04.98 ID:7YxzDv5AO
相変わらず凄まじい量を平らげるインデックスだったが、机にある料理はあらかた食べ尽くしてしまった。
タバサはとなりでサラダを食べている。他にも皿に乗っていたが、食べる気配がない。

イン「………」じ〜

タバサ「………」

イン「………」じ〜〜〜

タバサ「………なに」

イン「な、なんでもないんだよ!」

タバサ「…ほしいの?」

イン「くれるの!? はっ…。わ、私は人のごはんを欲しがるほど食い意地は張ってないかも!」

タバサ「…いらないなら」

タバサが料理に手をつけようとしたその時、

イン「ごめんなさいやっぱり下さいなんだよ!」

タバサ「食い意地は張ってないと言った」

イン「ち、違うんだよ? 私はね、タバサが食べずにこのまま残すのはもったいないし、何より料理してくれた人に失礼だから代わりに私が食べてあげようと思ったんだよ!?」

タバサ「別に残すつもりはなかった」

と、またタバサが料理に手を伸ばす。

イン「ごめんなさいただ私が食べたいだけでした。だから私にも分けて下さいなんだよー!」

このやり取りはしばらく続いた。
74 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/16(金) 13:35:31.67 ID:7YxzDv5AO
イン「ふぅ。おなかいっぱいなんだよ。ありがとうタバサ」

キュルケ「あらタバサ。あなたが誰かと一緒に食事だなんて珍しくわね」

食堂を出た所でキュルケが現れた。キュルケはインデックスを見て、

キュルケ「見慣れない顔ね。…ああ、あなた噂の転校生ね。えっと、イン…なんとかさん」

イン「インデックスだよ! Index-Librorum-Prohibitorum!」

キュルケ「あ、あー、はいはいインデックスね。わかったからその、睨まないでくれる?」

イン「で、そういうあなたは?」

キュルケ「キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。キュルケって呼んで」

イン「キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーだね。覚えたよ」

キュルケ「あらあなた記憶力がいいのね」

イン「私は一度聞いたら絶対に忘れないからね」

キュルケ「ところであなた、どうやってこの学院に転校して来たの?」

イン「どうやってって?」

キュルケ「あなた、お忍びの貴族だとか言われてるけど、どうにもそんな感じがしないのよねぇ」

イン(…地球の事は言っちゃいけないんだったよね。どうしよう)
75 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/16(金) 13:36:04.03 ID:7YxzDv5AO
キュルケ「………。まあ、言いたくないなら別にいいけど。あたしは人の秘密を暴こうなんて趣味はないからね」

イン「そう言ってくれると助かるかも」

ほっ、と一息つくインデックス。

キュルケ「ところで、あなたの使い魔っていう平民だけど」

イン「あっ、そうだとうま! あれからどうしてるんだろ」

キュルケ「トウマ? 変わった名前ね。まあ、サイトって前例がいるからもう慣れたけど」

イン「ねえキュルケ、とうまはどうなったの?」

キュルケ「それが驚き。ギーシュのワルキューレを素手で倒してギーシュの顔面を思いっきり殴ってたわ」

イン「………その殴られた人にちょっと同情しちゃうかも」

キュルケ「あら、ギーシュはあなたの事をバカにしてたって話よ? 彼、あなたの為に戦ったんじゃない」

イン「別に私はいいって言ったのにとうまってば勝手にケンカしちゃうんだもん」

キュルケ「ふーん? それにしても彼、すごいわね。サイトは剣を使って勝ったけど、まさか素手でギーシュに勝なんてね」

イン「さっきから言ってるそのサイトってだれなの?」

キュルケ「あなたの使い魔さんと同じで、彼も平民で使い魔なのよ」
76 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/16(金) 13:36:34.89 ID:7YxzDv5AO
イン(学院長が言ってた異世界から来た人の事だね。会ってみたいけど、まずはとうまを探すのが先なんだよ)

イン「それで、今とうまはどこにいるかわかる?」

キュルケ「さあ。ギーシュに勝った後どっかいっちゃったみたい」

イン「うーん。まあ、部屋で待ってればその内帰ってくるかも。あ、その前に図書室で本が借りたいな」

キュルケ「なに? あなたも本好きなの? そりゃタバサと仲良くなれるわけね」

イン「うん。タバサには字を教えてもらったんだよ」

キュルケ「へぇ」

イン「私達、もう友達だよね!」

タバサ「……友達?」

イン「うん。友達」

キュルケ「ちょっと、あたしも仲間に入れてよ。あたしだってタバサの友達よ?」

イン「ならキュルケも私の友達だよ」にこっ

それから少し話した後、インデックスは図書室に向かっていった。

キュルケ「よかったじゃない。新しい友達が出来たわね」

タバサ「………」

キュルケ「うれしくない?」

タバサ「……そんな事は、ない」

キュルケ「そうよね。あなたが人におすすめの本を教えるぐらいだもの。……友達って、いいものでしょう?」

タバサ「………」

タバサは、無言で頷いた。
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/16(金) 18:15:23.67 ID:Av6M1bHQo
上条さんが勝てないのってジョゼフの加速ぐらいしか無いな
78 : ◆Yr.mgKbo12 :2011/09/16(金) 19:53:07.01 ID:7YxzDv5AO
それから二日経ち、現在。
今は日も暮れ、夜となっていた。
厨房での食事を終えた上条は部屋に戻る為に歩いていた。

上条「はぁ…今日も上条さんは硬い床の上で眠らなければならないわけですか。…不幸だ」

学院に通うインデックスに部屋が割り当てられたが、ベッドはひとつしかない。
インデックスは別に構わないといった感じだが、さすがにそれはまずいので上条は床で寝る事にしていた。

上条「せめて布団代わりになるもんでもねーかな…」

と、周りを見回しているとオンボロのテントが見えた。
以前上条も見つけたのだが、特に興味もなかったので今まではスルーして来た。

…が、そこからシエスタが出て来るのを目撃してしまった。

上条「シエスタ? あんな所で何やってたんだ?」

シエスタの姿はもう見えないが、上条はそのテントが気になったので近付いてみる事にした。
そんな上条の足音が聞こえたのか、中から誰かが出て来る。

ギーシュ「なんだい。忘れ物かね?」

上条「な、お前!」

ギーシュ「げ、あの時の!」

驚いたギーシュは中に引っ込む。すると今度は別の声が聞こえた。

才人「どうしたんだよギーシュ。一体誰が来たんだってんだ。…ん?」

上条「ど、ども…」

才人「んー。ああ、お前があれか、ギーシュをぶん殴ったっていう?」

上条「えーと…まあ」

才人「そおかそおか! やるじゃねーか!」

ギーシュ「ぼくわねー! あの時は本気じゃなかったんだよ! ちょっと手を抜いてやってただけなんだよ!」

なんか二人はだいぶ酔っ払っていた。

上条「えっと…その…」

才人「しっかしお前、俺と似たような境遇にいんな。お前のご主人さまも厳しいのか?」

上条「厳しい、と言われても」

才人「あれだろ、何かにつけて殴ったり蹴られたりとか」

上条「…そういえば今朝起きた時に運悪く着替え中でその後さんざん噛みつかれたな」

才人「ほらみろ! しょせんおんななんかな、おんにゃなんかばかばっかなんだよ!」

上条「おい、ギーシュとか言ったっけ。こいつ一体何があったんだ?」

ギーシュ「ご主人さまのルイズとケンカしたのさ。そりゃあもう散々言われたらしい」

上条「あー。そういう事」

ギーシュ「ところできみは何をしてたんだね。こんな時間に」

上条「ウチの部屋、ベッドがひとつだけだから俺は床で寝てんだけど身体が痛くてさ。だから布団代わりになるもんを探してたんだ」
79 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/17(土) 02:53:39.81 ID:bRaWQ1y40
才人「おんなってなぁほんとにかってだよなあ。ベッドでかいんだから使わせてくれてもいいのに床で寝ろときたもんだ」

上条「いや、さすがに男女が同じベッドで寝るのは不健全な事だと思いますが?」

才人「まあそりゃいーんだよ。問題は床がかてーし身体いてーしでおちおち寝てらんねー。にもかかわらず布団の一枚も用意してくれねえ。まったくなめてんのかといいたくなるね!」

上条「そりゃそうだな」

才人「だが俺はそんな理不尽にも屈しなかった! 俺はこの藁を床に敷き詰めて布団代わりに使ってたのさ! おかげでかなり寝心地がよくなったね!」

上条「藁か。確かに、多少はまともになりそうだな」

才人「そうさ。同じ使い魔のよしみだ、お前にこの藁をやるよ。今日からはもう辛い思いをしなくてもよくなるぜ!」

上条「そりゃ、どうも」

ギーシュ「やれやれ、寝床が藁とはね。ぼくだったら絶対に耐えられないよ」

才人「うっせ。俺たちゃ必死なんだよ。最初から待遇されてるボンボンと一緒にすんな」

ギーシュ「なにおう」

それから二人は口論になり、そもそもなぜ口論になったのか言い合ってる内に女ってのはバカだのなんだのという話になっていた。

上条「なんなんですかこいつらは」

デルフ「すまねえな。こんな酔っ払いどもで」

上条「!? け、剣が喋った!? つーかなんか他にもいるし!」

そこにはデルフリンガー、ギーシュの使い魔であるモグラのヴェルダンデ、そしてキュルケの使い魔であるサラマンダーのフレイムがいた。

デルフ「オイラはデルフリンガー。デルフって呼んでくれ。オイラはインテリジェンスソードっていう魔法によって意思が宿った剣さ」

上条「へえ。そんな魔法もあるんだな」

デルフ「ところでお前さん、もしかして相棒と同じで別の世界から来たっていうんじゃねえかい?」

上条「よくわかったな」

デルフ「やっぱりな。お前さんはなんとなく相棒と似てる。なんつーか、同じニオイがするんだ」

上条「ニオイねえ。剣にそんなもんがわかんのか?」

デルフ「それを言ってくれるなよ」

上条「悪い悪い」

デルフ「それで、お前さんの右手から何かを感じるんだが、そいつがお前さんの能力ってやつかね?」

上条「ああ。こいつは幻想殺し。異能の力ならなんだって打ち消す能力さ」

デルフ「ちょいとよく見せてくれねーかい?」

上条「やめといたほうがいい。お前、魔法で動いてんだろ? もし俺の右手が触れちまったら、お前消えちまうかも知れねーんだぞ」

デルフ「なるほど。自分の意思にかかわらずどんな魔法も無差別に消しちまうってわけかい」

上条「そういう事。せめて自分でオンオフを制御できたらいいんだけどな」
80 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/17(土) 03:02:13.37 ID:bRaWQ1y40
すみません。ここんところ毎日夜中まで書いてたので、今日は眠くて全然書けませんでした。

とりあえずもう寝ます。次回はもっと書きますので今日はこれで勘弁してください。
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県) [sage]:2011/09/17(土) 12:27:10.95 ID:aDEhbEpk0
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/18(日) 09:25:41.89 ID:XB++INmIO
というかこの世界だったら幻想殺しマジで最強だよな
サイトのガンダールブもタバサの母ちゃんの呪いも右手で触るだけでなんとかなりそうだし
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/09/18(日) 11:12:44.87 ID:xxRH92HE0


>>82
確かに最強クラスだろうけど
サイトやジュリオは触るまでが大変
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/18(日) 11:51:40.97 ID:Kb11mWz/o
当麻じゃフーケのゴーレムにも勝てないだろう
あれは再生型で核があるかどうかもわからない、あるとしたら心臓のあたり(ロケランで壊したのがそこだから)
でも当麻じゃ心臓の位置には届かない(少なくとも20メートル以上の位置にある)
正直なところ詰んでる
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県) [sage]:2011/09/18(日) 17:54:20.95 ID:iXHscNqAo
エリスのようにはいかないか・・・
86 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/18(日) 20:13:26.14 ID:mgs1QNxAO
お待たせしました。

原作に何度か目を通しておきましたから今後おかしい点は出ないはずですが、物語の進行上、多少都合良い感じに設定が変わるかも知れません。

まあ、なるべくそうならないようにしたいとは思っていますが、あらかじめご了承下さい。
87 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/18(日) 20:14:43.67 ID:ShNUsN/00
それからしばらく経った頃。

才人「あーもーほんとむかつくなー。このむかつきをなにかに書き記したいぐらいだ。タイトルは女はみんなばかばっか、だな」

ギーシュ「なんだい。本でも書くつもりかね?」

才人「そうだなー。でもただ本を書いたぐらいじゃダメだ。もっとインパクトのある…そうだな、例えばマンガとか」

ギーシュ「なんだい? その、まんがというのは」

才人「絵にセリフを入れて、コマ割りとか効果とか…まあ詳しい事は知らんけど、そういう本だ」

ギーシュ「はあ。よくわからんが、面白いのかね?」

才人「あったりまえだろ。俺の住んでたとこの文化だぞ」

ギーシュ「ほう、ならばきみが書いて見せてくれないかね」

才人「うーん。そう言われても俺、話は思いついても絵が描けるかなぁ…。あ、そうだ」ポン

手を叩いて上条の方に向き直った才人は、

才人「なあお前、俺と一緒にマンガ描かないか!?」

上条「なあっ!? 会ったばかりの人間にそんな話持ちかけるか普通!?」


才人「いや、なんとなく絵を描けそうな気がしたからさ…」

ギーシュ「で、結局どうなんだね?」

デルフ「おめえさんがた、話の途中で悪いがお客さんだぜ」

三人はテントの入り口を見る。そこにはキュルケとインデックスがいた。

イン「いつまで経っても帰ってこないから探してみれば、こんなところで何やってたのとうま!」

キュルケ「なあに? 男同士で密会かしら?」

上条「あ、ああ悪いインデックス。ちょっと話し込んじゃってさ」

インデックス「ところで、さっきマンガがどうとか聞こえたんだけど、なんだったの?」

才人「ふっふっふ。聞いて驚け。俺達は女どものバカさ加減を世に知らしめるためのマンガを描いてやるんだ!」

上条「ちょ、待って。俺、達…?」

才人「俺が原作でこいつが絵を描く。覚悟しろよインなんとか! ルイズともどもお前らの本性を暴いて世の男達を救出してやるんだ!」

上条「バカ!? バカなんですか君は!? なんで勝手に俺が絵を描く流れになってるわけ!? つーか誰がそんな下らないもん描くんだよ! いや…そりゃ、インデックスとかビリビリとか俺の周りには理不尽な理由で俺に被害を加えてくるヤツはいますけどね! だからといってお前には賛同出来ません! お前らのケンカに上条さんを巻き込まないでくれませう!?」

イン「……………とうま」

才人「何を言ってんだ。お前だってこのインなんとかに散々な目に遭わされたんだろう!? だったら他人に被害が行き渡る前にその脅威を知らせるべきだ! かわいい顔に騙されるな! あいつらは天使の皮をかぶった悪魔なんだ!!」

キュルケ「………はぁ」

ギーシュ「なんだかよくわからんが、いいぞサイト! …だがひとつ気に食わないな。いくらひどいとはいえ、女性を悪魔呼ばわりはよくない。そうだな、言うなれば堕天使といったところかね。そう、女性というものは堕ちたとしても天使である事に変わりはないのさ。ふっ…」

インデックスとキュルケはお互いを見た後、無言でうなずく。
その後、三人の絶叫が聞こえるまで十秒とかからなかった。
88 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/19(月) 01:00:23.13 ID:X9xI+WFG0
キュルケ「で? 酔いは覚めて?」

才人「はい。そりゃあもう十分すぎるほどに」

黒焦げ状態の才人とギーシュは正座して頷いていた。

上条「で、なんで俺は噛み付かれなきゃならないんだー!」

イン「とうま、とうま。私が、いつ理不尽な理由でとうまに噛み付いたかな?」

上条「今! 現在進行形で絶賛公開中!!」

イン「それはとうまが悪いと思うな。だってとうまはいわれのない罪を私になすりつけようとしてるからね」

上条「だって本当の事だろうが!」

イン「とうまってば私の着替えとかお風呂ばかりか他の子の着替えとかもいろいろ覗いてるのによくそんな事が言えたね! こないだなんてシエスタの入ってたお風呂に飛び込んでたんだよ!」

才人「なっおま…あれお前だったのかよ! そういえばなんとなく初めて会った気はしないと思ってたけどさ!」

キュルケ「あなたいつもそんな事してるの?」

上条「だーっ! だから誤解だっつーの! 俺が好き好んで覗きなんかするかよ! お前らがいつもいつもいつもいっつもタイミング悪く着替えとかしてるだけでしょーが!!」

イン「そうやっていつも自分が悪くないっていうつもり!? 大体とうまはなんだかんだで私にごめんなさいのひとつもないんだよ! 普通だったら噛み付く程度じゃすまないかも!!」

上条「あいだだだ! やめてインデックスさん! もう上条さんのライフはとっくにゼロですのことよ!?」

才人「噛み付かれるだけで着替えや風呂覗けるなら俺は何回噛み付かれてもいいと思うけどな」

ギーシュ「まったく、覗きなど趣味の悪い事を。女性に対する冒涜ではないのかね」

才人「おいおい、お前女の着替えとか風呂とか覗きたいとか思わないのか。かわいらしい下着、やわらかそうな肌。今まで服という壁に隠されていた秘宝を拝みたくないのか!? 最終防衛ラインを突破したいとは思わねえのか!?」

ギーシュ「ぶふっ…な、何を言うのかねきみは。だ、大体きみ、女はバカとか散々言ってたじゃないかね」ボタボタ

才人「女はバカだが女にはアレがあるだろう」

ギーシュ「アレ?」

才人はあごをしゃくる。その方角にはキュルケがいた。

ギーシュ「アレ…まさか…?」

才人「胸だよムネ」

ギーシュ「…きみってやつは本当に」

才人「バカ。お前は知らねーんだ。あの兵器の恐ろしさを…」

ギーシュ「お、恐ろしさとは?」

才人「胸ってのはもはや兵器だ。人間なんて余裕でやれるぜ。だってすごいんだもん。あんなの使われたら男なんて太刀打ちできねーよ」

ギーシュ「な、なんだってーーーーー!? ………というかなぜきみはそんな事を知っているんだい? まさか、見たのかね!?」

才人「い、いや…ともかく、アレはやばい。だからこそ女は危険性大なんだ」

ギーシュ「うん? それで言うならルイズは危険じゃないって事じゃないのかい?」

才人「あ、あいつは胸より見た目がいいんだよ…ってあんなやつなんか知らん! あんなの見た目だけだっつの! 胸も魔法もゼロなんだよ!」

ギーシュ「では彼女はどうなのかね」

ギーシュはインデックスに視線を向ける。

才人「なるほど。インなんとかもゼロか」

イン「む〜〜〜!」ガブッ!

才人「ぎゃ〜〜〜! 死ぬ! 死んじゃう!」

イン「何がゼロなの? ねえ、何がゼロなの!? 魔術の事かな? それとも、む…むっ、胸の事かなぁっ!?」

才人「やっ、やめて下さいインなんとかさん! これ以上はほんとに死んじゃう! らめえええええええ!!」

イン「私の! 名前は!! インデックスなんだよーーーっ!!!」

才人「アッーーー!!」

89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/19(月) 02:06:07.05 ID:4ik3xqGJo
お きたか
セリフ改行したほうが見やすくなるとおもうぜ
90 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/19(月) 02:23:59.43 ID:X9xI+WFG0
上条「少しは俺の不幸がわかってくれたか?」

才人「お前…いつもこんなん食らってたのか…。よく耐えれるな、これ」

上条「いやいや。俺だって正直キツイっつの」

キュルケ「インデックス。あなた女の子なんだからもう少しおしとやかにしてたらどうなの?」

イン「私はおしとやかにしてるつもりなんだよ! でもそこの二人がね」

上条「うっ」

才人「ひっ」

キュルケ「あらら。すっかりトラウマになっちゃったのかしら」

才人「とりあえず、もう二度とゼロとかインなんとかさんとか言わないからもう噛まないでくだしゃい」ガタガタ

イン「インデックス!」

才人「はい! インデックスさん!」

上条「…ところでインデックス、そっちの…えーと」

キュルケ「キュルケよ。あなたの話はよく聞いてるわ。よろしくね、トウマ」

上条「あんたがキュルケか。こっちもインデックスからよく聞いてたよ」

キュルケ「そう。だったらタバサも知ってるわよね。今度紹介するわね。で、サイト」

才人「なに?」

キュルケ「ルイズの事だけど」

才人「…聞きたくない」

キュルケ「そう言わずに」

才人「なんだなんだ? あんだけ言っといて戻って来い、いや戻って来てもいいわよってか? やなこったね」

キュルケ「違うわ。あの子ってば、サイトなんて帰っちゃえばいいとかそんな事言ってたわ」

才人「なんだよそれ。いいよ、あいつがそれを望むってんなら帰ってやろうじゃんよ」

キュルケ「帰るあてはあるの?」

才人「まだない。でももうすぐできそうなんだよ」

キュルケ「じゃあまだ時間はあるって事ね。それならサイト、あなた貴族にならない?」

才人「貴族!? どうやってさ」

キュルケ「あたしの故郷ゲルマニアではお金さえあれば貴族になれるのよ」

才人「いや、でもそんなお金俺持ってないぞ」

キュルケ「探すのよ、これを使って」

キュルケは羊皮紙を取り出す。何やら地図のようなものが書かれていた。

才人「これって、宝の地図?」

キュルケ「そう。お宝を見つけてお金持ちになったらあなたは貴族になれるのよ。そしたらルイズなんて見返してやれるわ。そして、その暁にはあたしにプロポーズしてちょうだい」

才人「ルイズを見返す…か。いいかも知れないな」

ギーシュ「いや、プロポーズの部分はスルーなのかね」

そんな時、また誰かがやって来た。

シエスタ「ダメですー! サイトさんが結婚だなんて! サイトさん、わたしの村に来るって約束忘れちゃったんですか!?」

才人「シエスタ、どうしてここに?」

シエスタ「忘れ物を取りに来たらサイトさんがプロポーズだとかなんとか聞こえてきましたから。とにかく結婚なんてダメです! どうしてもしたいというならわたしとしましょう!」
91 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/19(月) 02:39:00.78 ID:X9xI+WFG0
>>89
というと、キャラ間のセリフの改行ですか?
それとも一人のセリフ…たとえば↓

上条「その幻想を
   ぶち殺す!」

みたいな感じですか?
とりあえず長いセリフがあったら後者の感じで改行してみます
92 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/19(月) 02:39:31.98 ID:X9xI+WFG0
才人「シエスタ!?」

キュルケ「あら、あなた平民のくせにサイトに何かしてあげられるの?」

シエスタ「貴族だからってサイトさんを幸せにしてあげられるとはかぎりませんわ!」

上条「な、なんだか俺達お邪魔みたいだな」

イン「そ、そうだね」

ギーシュ「まったく、不毛な争いはやめたまえ。それに、宝なんて見つかるわけないだろう。宝の地図なんて所詮偽者に決まってるさ」

キュルケ「あら、もしかしたら本物があるかもしれないじゃないの」

ギーシュ「ないない」

キュルケ「姫さま」

ギーシュ「!?」

キュルケ「もし未発見のお宝を見つけたら姫さまお喜びになられるわね。何かごほうびをくれるかもね」

ギーシュ「姫さま…喜ぶ…ごほうび…! よし諸君、善は急げだ。今すぐに出発しようではないか!」

シエスタ「あの、だったらわたしも連れてって下さい! わたし、お料理が出来ます!
     旅は何日も続くのでしょう? だったらわたしのお料理は重宝すると思うんです。だから…!」

キュルケ「でもあなた、仕事は? それに危険よ? 下手すりゃあなた死ぬのよ。それでも来るの?」

シエスタ「お仕事はコック長に『サイトさんのお手伝いをする』といえばいつでも暇をいただけます。それに、たとえ危険だとしてもサイトさんが守ってくれるから平気です!」

キュルケ「ふーん。なかなか度胸があるじゃない。いいわ。ついてきても。ああそれとトウマとインデックス。あなた達も一緒に来てくれる?」

上条「え? いや俺ら関係ないし」

イン「うん。それにこれはキュルケ達の問題みたいだし、私達が首突っ込んでも…」

キュルケ「そうねぇ、お宝を見つけたらおいしいものいっぱい食べられるかも知れないわね」

イン「!」

上条(な…う、上手い…!)

イン「と、とうま。私ごは……お宝っていうのに興味がわいて来たんだよ!」

上条「いや俺は絶対行きませんよ。お宝なんて見つかるわけないし。仮に見つかってもせいぜいガラクタ。
   しかも道中罠とか怪物とかがいるっていうお約束もあるだろうし、なにより当たりがあってもその前には番人が立ちふさがってるに違いないんだ。もしくは宝箱の中に龍が隠れてるとか。
   そんな展開見え見えの旅になんで上条さんが行かなけりゃなんないんですか。俺は不幸のない平和な日々を送りたいの」

イン「ねえとうま」

上条「はい?」

イン「とうまがいつも寝泊りしてるあそこ、誰の部屋だっけ」

上条「………」

イン「とうまがこの学院にいられるのって、誰の使い魔だからっけ」

上条「…………………………」

イン「そもそもとうまがハルケギニアにいるのは、誰 の お か げ だ っ け」

上条「いや、それは成り行きで」

イン「にこにこ」

上条「あの、インデックスさん?」

イン「にこにこ」

上条「…………………………………………………………………………………………」

イン「ねえ、とうま」にっこぉ〜

上条「だーもう! 行きゃいいんだろ行きゃ!」

イン「さっすがとうま。それでこそ私の使い魔なんだよ!」

上条「うわああ! さよなら俺の平和な日々! くっそおお、不幸だああああ!!」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/19(月) 03:03:04.01 ID:4ik3xqGJo
>>91
そんな感じ
長いセリフはそっちのほうが見やすいと思う
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/19(月) 09:05:09.89 ID:8rqF7wROo
普段はニート居候ただメシ喰らいでも悪びれない感謝しない禁書ちゃんが成り行きで立場逆転したらこれだよ
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国) :2011/09/19(月) 09:29:24.77 ID:+PAhp7GAO
この二人見てると、ヴェイグとティトレイみたいに仲良くなりそうだな


浜面なんていらんかったんや…


御坂さんとセロリまだかな?
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/19(月) 10:50:59.14 ID:sWM9v7S2o
>>95
バランスブレイカーすぎんだろ…
ゼロ魔の世界は零戦で無双できんだぞ?
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) :2011/09/19(月) 11:00:04.59 ID:AjDUEVK80
そもそもインデックスが生きていけるのは誰 の お か げ だ っ け
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/19(月) 12:06:39.94 ID:JvW+jDJ70
一代目上条さんのおかげだろjk
今の上条さんは二代目だし・・・
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/19(月) 13:37:10.93 ID:5ftguwMn0
今インデックスさんが吸血鬼になってないのは誰のおかげだっけ
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/19(月) 13:38:06.32 ID:JvW+jDJ70
ステイル
てかそんな展開なかったよ(漫画版だけど)
101 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/20(火) 01:50:03.71 ID:p0zGC0dj0
保守どうもです。
確かにインデックスも結構上条さんに迷惑かけてますねw

その辺も踏まえつつ執筆してきます。




ここは、トリステイン王宮。夜も更け静寂の訪れるこの場所に、二つの人影があった。
一人の口元にある火がその影を照らす。そこにいたのはステイルと土御門だった。

ステイル「状況はどうだい。土御門」

土御門「あまりよくないかにゃー。連中…『レコン・キスタ』が動き始めたみたいだぜい」

ステイル「『レコン・キスタ』ね…。聖地を取り返すなどという目的はともかく、そいつらは危険だ。
      この世界の情勢はどうでも良いが、万が一僕らの世界に干渉されたら厄介だからね」

土御門「そいつらをなんとかする為のスパイってわけだろう? ま、オレ向きっちゃオレ向きなんだがにゃー」

ステイル「そうだ。だから君にはさっさと用事を済ませて戻ってもらうよ」

土御門「オーケーオーケー。全く、人使いが荒いぜい」
102 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/20(火) 01:52:18.06 ID:p0zGC0dj0
―――アンリエッタの居室―――

アンリエッタ「よくぞお越し下さいました。わたくし、トリステイン王国王女アンリエッタと申します。
        このような時間にお越しいただいてすみません」

土御門「いやいや。内容が内容だけに、昼間っから話すわけにはいかないですからにゃー。
     オレは土御門元春。つっちーと呼んでもらっても結構だぜい」

アンリエッタ「つっちー、ですか?」

ステイル「下らない事を言ってるんじゃないよ土御門。…僕はステイル=マグヌス。
      この度は僕らを招き入れてくれた事を感謝するよ、アンリエッタ王女」

アンリエッタ「いえ、こちらこそ異世界からの訪問者さんに会えて光栄ですわ」

ステイル「それはさておき、本題に入ろうか。知っての通り、このハルケギニアでは『レコン・キスタ』なる組織が戦争を起こそうとしている」

アンリエッタ「はい。それで、あなた達は『レコン・キスタ』の動向を探る為に組織に潜入しているのでしたね」

ステイル「いや、潜入捜査中なのはこの土御門だけだ。本来なら今も潜入中のはずだがね」

土御門「おいおい。情報を集めても、伝える役がいないと意味がないってもんだぜい? この世界じゃ携帯も使えないし電話もないんだ。
     手紙を送るのも足がついたら厄介だし、こうして直接情報伝達に来てるってわけだにゃー」

アンリエッタ「それはそれは。ご苦労をおかけして申し訳ありません」

土御門「いやいや、あっちの世界でも似たような事やってるからにゃー、そう苦ではないですたい。
     だから姫さまが謝る事はないんだぜい」

アンリエッタ「そう言っていただけると助かります。つっちーさん」

土御門「………ああ…うん」

アンリエッタ「?」
103 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/20(火) 02:50:36.34 ID:p0zGC0dj0
土御門「いやぁ、まさか本当に呼ばれるとは思ってなかったにゃー」

アンリエッタ「あの…もしかしてご迷惑でした?」

土御門「いやいや、別にそんな事はないぜよ。ちょっと驚いただけですたい」

アンリエッタ「そうですか。…ところで、つっちーさんのその、喋り方ですが」

土御門「オレの喋り方がどうかしたかにゃー?」

アンリエッタ「あ、いえ。なんだか面白い喋り方ですね」

土御門「ま、これもキャラ付け…というのはさておき、もしかして姫さまは興味を持ちましたかにゃー?」

アンリエッタ「興味というか、あなた方の住むところではそういう喋り方が流行っているのですか?」

土御門「姫さま、オレの住んでる日本には古来から伝わる言語が存在しましてにゃー」

アンリエッタ「こ、古来から伝わる言語ですか!?」

土御門「古語と言う由緒正しき―――」

ステイル「土御門。君は王女にまであの狂った古語を教えるつもりかい?」

土御門「狂ったとは失礼ですにゃー。最大主教は完璧に使いこなしてたぜい?」

ステイル「使いこなせようが何を言ってるのかわからなければ意味がないだろうが」

アンリエッタ「あの、一体なんの話をしているのでしょうか?」

ステイル「こいつのいう古語は今はもう使われてない言語なので覚える必要はないという事です」

アンリエッタ「そうなんですか?」

ステイル「というか、こいつの言う事はあてになりません。あまりそそのかされないように」

土御門「そりゃあんまりだぜいステイル」

ステイル「僕としてはね、あの喋り方で話す内容は難解で仕方ないんだ。なのに彼女にまでそんな喋り方されたらどうにかなりそうだよ。
      いいかい? しばらくは王女に情報を届けなければならないのにいちいちあれを聞いてたら僕は心底帰りたくなる」

土御門「そんな事したら最大主教からお叱りをうけるぜい?」

ステイル「そうさ。そんな八方塞がりな展開は御免だよ。だから僕としてはさっさと消えてほしいんだが」

土御門「冷たいヤツだにゃー。オレがいなきゃ情報伝達も出来ないんだぜい?」

ステイル「何も潜入活動をしているのは君だけじゃないんだ。なんとかなるよ」

土御門「わかってないにゃー。他のヤツは魔術能力の高いヤツだ。そんなヤツが抜け出したら確実にバレるだろう?
     けど、オレはいわゆる一般兵A的な、いないなくなったって気にも留められないような役どころだ。つまり、誰が適任かわかっただろう?」

ステイル「そうかい。けどね、君はおしゃべりが多いんだよ。伝えるべき事を伝えたらさっさと戻っていくのがベストだと思うね」

土御門「オレはそんな愛想のない人間じゃないんないからにゃー」

ステイル「……はぁ。もういい。好きにしろ」

土御門「はっはー。だったら姫さまに日本の文化を―――」

ステイル「だからそれはやめろと言っているだろうが!」

土御門「いや〜、姫さまってなんだか最大主教と雰囲気似てるじゃないかにゃー」

ステイル「そうかい? まあ声は似てる気もしなくはないが…」

土御門「だから彼女を第二の最大主教にしてやるにゃー! 面白そうだから」

ステイル「人の迷惑考えろよ、土御門!」

土御門「ちょ、その手に持った炎剣でオレをどうする気かにゃー!? って、待てステイル。目が本気だぜい?
     落ち着けって。冗談だにゃー冗談。ほら、そんなもんしまえってにゃー?」

ステイル「……君の冗談は、笑えないんだよ」

土御門「ぬわーーっっ!!」

アンリエッタ(面白い人達ですわね)
104 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/20(火) 03:10:51.14 ID:p0zGC0dj0
今日は早めに終わらせるつもりでしたが、一時書き込み出来ない時間帯がありまして、その後書き込んでたら結局こんな時間に。

あんまり夜更かしし過ぎてろくに書き込みできなくなってもアレですので平日は少し控えめにしたいと思います。
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/09/20(火) 10:18:28.78 ID:iIXL8W0Z0

やっぱ土御門は信用出来ないなwwwwww
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/09/20(火) 21:33:02.36 ID:PKDJu8Tqo
無理しない程度に頑張れ
107 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/23(金) 23:53:02.39 ID:ge7EmABd0
三日も空けてしまってすみません。

大体の展開は決まってるんですが話がなかなか浮かびませんで。
まあ、思いつきで書いてるんで仕方ないっちゃ仕方ないんですが。

とりあえず、書けるだけ書いてきます。
108 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/24(土) 01:31:36.98 ID:C6fVH+/n0
―――アルビオン―――

???「そろそろあっちに着いてる頃ね…」

と、一人呟く人物の前にひとつの影が近づく。それはかつて才人達と戦ったメイジ、フーケであった。

フーケ「あんた確か、シェリーとかいったね。こんな時間に月見かい?」

シェリー「あんたの方こそ、夜更かしは美容の大敵とか聞くけど大丈夫なわけ?」

フーケ「ぐ。私はまだ23よ。だから大丈夫」

シェリー「ふ。うふふ。それで? その23歳のお姉さんが私に何か用?」

フーケ「…あんた、最近この『レコン・キスタ』に入って来たみたいだけど」

シェリー「そうね」

フーケ「なんかニオうんだよねぇ」

シェリー「これでも身体は洗ってるつもりなんだけどね。それとも服の方? まあ、確かにボロい部分もあるけど」

フーケ「そうじゃない。あんた、なんとなくいやなニオイがするんだよ。いや、妙な感じがするって言った方がいいのかね」

シェリー「………」

沈黙が訪れる中、ひとつの足音が響く。現れたのは『レコン・キスタ』総司令官のクロムウェルだった。

クロムウェル「まあまあ。そういがみ合うでない。ミス・サウスゴータ、きみは彼女の事が気に入らんかね?」

フーケ「いえ、そういうわけでは…」

クロムウェル「ふむ。彼女はきみと同じく土系統のメイジで、巨大ゴーレムを操ると聞いている。同じ系統同士、何か感じるところがあったのだろう」

フーケ「そうでしょうか」

クロムウェル「そうだとも。すぐに慣れるであろう」

フーケ「(同族嫌悪ってやつかい? そうは思えないんだがね…)それにしても、閣下はやけにこの女に入れ込んでるみたいですが?」

クロムウェル「いやいやまったく、そういったつもりはないのだがね。ただ、彼女も余と同じくクロムウェルの姓を持っている故に少しばかり親近感を持ってしまってな。
        特にひいきにしているつもりはない。期待はしておるがね」

シェリー「では、そのご期待に答えられますようこのシェリー=クロムウェル、尽力いたします」

クロムウェル「うむ。頑張りたまえ」

そう言ってクロムウェルは去っていった。

シェリー「というわけで、もう用事は済んだ?」

フーケ「……ひとつ聞かせておくれよ」

シェリー「なによ」

フーケ「あんた、本気で戦争する気、ある?」

シェリー「戦争、ね。今度は私だけでなく大人数で火種を作ろうってわけね」

フーケ「は?」

シェリー「心配しなくてもやるときゃやるわよ。私とエリスでね」

フーケ「エリス?」

シェリー「ゴーレムの名前よ」

フーケ「あんた、ゴーレムに名前なんか付けてるわけ?」

シェリー「私にとっちゃ思い入れのある名前なんでね」

フーケ「…ま、人それぞれってわけね」

シェリー「それじゃ、私はもう寝させてもらうわね。あんたも早く寝たほうがいいわよ。若さを保ってたいならね」

フーケ「うっさい」

シェリーが行った後、フーケは一人たたずんでいた。

フーケ(あのシェリーの他にも気になるやつはいた。今は別任務かなんかでいないけど、あいつもなんとなく妙な感じがした。一体なんなんだろうね、この感じは。
     ……しかし、ウチの閣下といいそいつといい、いつから聖職者は戦争屋になったんだろうかねぇ)
109 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/24(土) 02:04:00.04 ID:C6fVH+/n0
宝探しという事で才人達一行は様々な場所をタバサの使い魔である風竜のシルフィードの背に乗って旅していた。

―――とある屋敷前―――

キュルケ「この廃墟となった屋敷に宝が隠されてるらしいわ」

ギーシュ「しかし、廃墟というが門番らしき人物がいるぞ」

タバサ「ゴーレム」

才人「どういう事だ?」

イン「つまり、あの門番はこの屋敷に住んでた人が使ってたゴーレムなんだよ」

上条「じゃあなんで廃墟となった今もそのゴーレムが門番やってんだ?」

キュルケ「そういえばここの屋敷の主、病気で亡くなったとかなんとか」

ギーシュ「なるほど、あのゴーレムは主亡き今も屋敷を守ってるって事か。泣ける話じゃないかね」

才人「だとしたら、あのゴーレムを倒さなきゃなんないのか。なんかかわいそうだな」

キュルケ「まあ、仕方ないわ。それに、あのゴーレムももう責務を終えてもいいはずよ」

上条「お勤めご苦労さんってか」

イン「そうだね。安らかに眠らせてあげたいね」

才人「そうと決まりゃ、いっちょ行きますか」

ギーシュ「誰が行くのかね?」

キュルケ「まあここはサイトとトウマにまかせるわ」

上条「やっぱ俺も行くんすか」

イン「私も行っていい?」

キュルケ「あら、あなた行って何か出来るの?」

イン「私だって出来る事はあるはずだよ!」

キュルケ「わかったわ。危なくなったらあたし達も加勢するわ。がんばってね」

才人「おう」

上条「危ない展開になりませんように…」

イン「とうま、もうちょっと自信を持ってよ…」



ゴーレム「何者ダ」

上条「あのー、この屋敷に入りたいんですけどー」

ゴーレム「ナラバアイコトバヲイエ」

才人「合言葉ぁ?」

上条「おいおいなんだよそれ。んなもんわかるわけねーだろ」

才人「適当に言ってみるか? 『ゆうき』とか」

上条「いや、それなら『のばら』とかのがいいんじゃね?」

イン「…二人が何を言ってるのかわからないんだよ」
110 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/24(土) 03:15:51.33 ID:C6fVH+/n0
才人「なんならあれだ、『わいろ』で帰っていただくってのは」

上条「いや、そもそも金を手に入れる為の宝探しだろ!? なんでそこで金使わなくちゃなんねーんだ!?」

ゴーレム「アイコトバヲ言エナイノナラバ帰レ!」

イン「合言葉…あ、そうだ。ゆうて いみや おうきむ こうほ りいゆ うじとり やまあ きらぺ
    ぺぺぺぺ ぺぺぺ ぺぺぺ ぺぺぺぺ ぺぺぺ ぺぺぺ ぺぺぺぺ ぺぺ」

才人&上条「って復活の呪文!?」

ゴーレム「ソンナモノハアイコトバデハナイ!」

上条「危ない、インデックス!」

ガキィン!!
振り下ろされたゴーレムの腕を才人がデルフリンガーで防ぐ。

才人「大丈夫か、インデックス」

イン「う、うん。ありがとう」

才人「お、もてえな、コイツ…!」

上条「待ってろ、今俺が右手で……うわっ!」

ゴーレムはもう片方の腕を振り、上条の接近を許さない。

上条「くそ、あんな高速で腕を振り回されちゃ近づけねえ…」

才人「だったら俺が何とかしてやる!」

バックステップで一旦距離を取る才人。そして、ダッシュで一気に距離を詰める。

才人「うおおお!!」

そこにゴーレムの左腕が飛んでくる。

才人「当たるかッ!」

才人は跳躍でそれをかわすが、続いて右腕が飛来する。

上条「しまった、距離を取りすぎたか…!」

才人「まずっ―――」

T  T  T  L
イン「…左方へ歪曲せよ!」

と、インデックスが言うと同時にゴーレムの右腕が左に逸れる。

才人「う、おおおおっ!!」

それを機に才人はゴーレムの右腕を切り落とす。そしてその勢いのまま左腕も切断する。

才人「今だ!」

上条「お前の主人はもういない。だからもうこの屋敷を守る必要はないんだ」

ゴーレム「バカナ…ソンナ、ハズハ…!」

上条「悪いがその幻想は俺が今からぶっ壊す。だから、主人の下で安らかに眠れ!」

バギン! という音と共にゴーレムは崩れ去っていった。
111 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/24(土) 03:16:34.06 ID:C6fVH+/n0
上条「ふぅ…間一髪だったな」

才人「へえ、すげえなお前の力」

上条「まあ、異能の力にしか効果はないんだけどな」

才人「もしかして、ギーシュのワルキューレをやったのも?」

上条「ああ。この幻想殺しの力だ」

才人「イマジンブレイカーか。カッコイイ名前じゃん。まあ、俺もガンダールヴなんて力を持ってっけどな」

上条「ガンダールヴ?」

才人「なんでも、武器を自由自在に操れる能力らしいんだよな。後、身体能力が上がる」

上条「なるほど、どうりですばしっこいわけだ」

イン「ごほん!」

上条「ん? どうしたインデックス。風邪でも引いたか?」

イン「今の戦い。私がいなかったらどうなってたかな」

才人「いや、お前何もしてないじゃん」

イン「したよ! 強制詠唱!」

才人「なんだ? スペルインターセプトって」

イン「さっきのやつ!」

才人「ああ、ティーとかエルとか」

イン「あれでゴーレムの動きを変えたんだよ! えっへん」

才人「そうだったのか。ありがとな」

イン「うんうん。とうまもさいとを見習って日頃から私に感謝すべきだと思うな!」

上条「何言ってやがんだ。日頃から感謝されるべきは上条さんの方ですよ? 普段から食事と寝床を与えてるのはどこの誰でしたっけ?」

イン「でも今は食事と寝床をとうまに与えているのはどこの誰だったかな?」

上条「てめっ、日頃の恩を忘れやがって! 家に帰ったらどうなるかわかってんだろうな!?」

イン「そんな事言っていいのかなとうま。帰る前に学院でひもじい生活になっても知らないよ?」

上条「へっ、そんな脅しに上条さんは屈しませんのことよ? 飯は厨房でもらえばいいし、寝るとこはぶっちゃけ外でもいい。
    けどな、お前はどうだ? あっちじゃ誰も飯なんて食わせてくんないぞ? 道端で寝てたら警備員に連れてかれっぞ?」

イン「い、いいもん。こもえの世話になるもん!」

上条「だっ、テメェ…そんな事したら学校で小萌先生に何言われるかわかったもんじゃねーだろうが」

イン「ふっふーん。それがいやなら今まで通りちゃんと私を養っていく事なんだよ」

上条「どこをどうしたらそんな結論になるんでせう!? 俺はインデックス成長マシーンじゃねーぞ!?」

才人「一体何の会話をしてんだこいつら」

デルフ「さあね」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/24(土) 05:26:25.80 ID:LKOYpNY+o
インデックスってこんなに嫌な奴だったっけ?
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/24(土) 07:30:50.51 ID:zmeXN+CDO
少なくとも、ここまでじゃない
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/24(土) 08:40:37.06 ID:nUIluGyDo
レコン・キスタ内のクロムウェルかぶりで一瞬混乱してしまった
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/24(土) 14:45:40.90 ID:apq023Gw0
術者が操作していないゴーレムには強制詠唱は効かないと思うぞ
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/24(土) 17:07:19.99 ID:regP9OhIO
>>115
あー、確かに自動の場合は云々言ってたな。アニメ知識だけど
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/25(日) 11:27:56.37 ID:IjS0xBNco
夫婦漫才に無礼だとか言っても。
いや親しきなかにも礼儀ありとは言うけど
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/25(日) 15:30:30.44 ID:I8m0XXjJo
>>117
Who said?
119 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/25(日) 17:45:01.09 ID:90e9RZiQ0
>>112
>>113
ちょっとインデックスさんを調子に乗らせすぎましたかね? そんなつもりはなかったんですが
あまりウザキャラ化が進んで嫌われるのはいやなのでいい子に更生させます

>>115
あー。…しまったなぁ。バトルに頭を回しててその事を忘れてました。
早速矛盾発生だ…くそー。

正直ここまで進むと辻褄合わせが難しいのでオリ設定で押し通るかも知れません。
とりあえず打開策を考えます。…昨日の内に皆さんのレスをチェックしとくべきでした。すみません。
120 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/25(日) 18:25:11.67 ID:90e9RZiQ0
なんだか上手い言い訳……もとい辻褄合わせが出来そうなので再開します

―――――――――――――――――――――



上条「はぁ…。まあいいさ。上条さんはいつだって不幸の星の下に生まれてきた不幸王子ですよーだ」

イン「とうま、そうやって不幸不幸って言ってるからそうなるんだよ?」

才人「そうだぜ。お前な、こんな可愛い子と一緒にいてどこが不幸だって言うんだよ」

イン「な、っなぁ!?」

上条「はっ。そりゃ見てくれだけならな」

イン「んなぁ! とうま、それはどういう事なのかな!?」

上条「だってそうだろうが! お前ってば事あるごとに噛み付きやがって!」

イン「それはとうまがいけないのであって!」

と、またもや口喧嘩が始まる。

デルフ「なんだい。これじゃあまんま相棒とあの娘っ子じゃないかい」

才人「……俺もこんな不毛な言い争いをしてたんだな」

デルフ「あの娘っ子と仲直りする気になったかい?」

才人「それとこれとはまた話が違う」

デルフ「ったく、強情だねえ」

イン「じゃあとうま! 私がいい子になったら少しは私の事見直してくれる!?」

上条「いい子になったらな。いいか、いい子ってのは食事も一人前のみで文句も言わない人に噛み付かない。
    でもって何か気に入らない事があっても笑って許せるまさに聖人のような子の事だぞ?
    っていうかお前仮にもシスターなんだからそれぐらいやってみせろよな。少しはオルソラ辺りを見習え」

イン「む……む〜」

ここまで言われたらなんだか意地でも上条を見返したくなったインデックス。
という事でインデックスはきれいなインデックスになる事を心に決めた。

ちなみに初めて会った時のインデックスはまだいい子っぽかった(?)のだが、だんだん図々しくなり現状に至る。
…のだが、上条はとある事情により記憶喪失なのでその事は知らなかった。

イン「わかったんだよ。その代わり、いい子にしてるから私に優しくしてよね?」

上条「いい子は自分からそういう事は言いません」

イン「…うん……はい」

上条「お…おお」

なんだか急に雰囲気が変わったインデックスに上条は少し戸惑った。

上条(なんだよ。やりゃあ出来るじゃないですかインデックスさん。これだよ、これですよ本来のシスターさんというものは!)

デルフ「あの娘っ子もああいう風になりゃ相棒とも上手くいくんじゃねえかい?」

才人「しつこいぞ。大体、あの自分が貴族って事が誇りのお嬢さまがただの平民であるこの俺に優しくするとかぜってぇありえん」

デルフ「…やれやれ」
121 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/25(日) 18:59:00.30 ID:90e9RZiQ0
戦闘が終了したのでみんながやって来た。

ギーシュ「ふっ、まあまあやるじゃないか。さすがはぼくのワルキューレを倒しただけはある」

キュルケ「何言ってんの。あんたのワルキューレよわっちいじゃない」

ギーシュ「ぼっ、ぼくの戦乙女達をバカにするなぁ〜!?」

キュルケ「はいはい」

シエスタ「あ、あの〜。もう終わりました?」

ひょっこりと草むらから出てくるシエスタ。キュルケ達とは別の場所にいたのだ。決して忘れていたというわけではない。

キュルケ「それにしてもあなた達やるわねぇ。いい連携だったわよ」

上条「そりゃどうも。なんなら名前を付けてみるか?」

才人「『三位一体・デルタアタック!』とか?」

上条「いやいや、デルタアタックは魔法を反射する技だぞ?」

イン「三位一体は、キリスト教の語で父と子と聖霊が一体であるとする教理です。
    キリスト教が受け入れる中心的教義、教理であるという事ですね」

才人「…はい??」

イン「つまり三位一体とは正教会・東方諸教会・カトリック教会・聖公会・プロテスタントといった、キリスト教における―――」

上条「だーっ! そんな一般人には微塵も関わりのない情報はいりませんのことよインデックスさん!?」

イン「…すみません。余計なお世話でしたか?」

上条「………」

キュルケ「ねえ、この子どうしちゃったの? あなた達何かした?」

イン「以前あなたは私におしとやかにしろと言いましたね。私は現在それを実行中という事です」

キュルケ「あのね…おしとやかってそういう事じゃないと思うんだけど…」

イン「気に入りませんか?」

キュルケ「あたしとしてはいつものあなたの方がいいわ。まあ、おしとやかも込みでね」

イン「………」

インデックスは上条の方を見る。判断を上条に委ねているようだ。

上条「あー。まあ、なんだ。そういうのも悪くはないけどさ、そんなのインデックスらしくないっていうか。
    いつもの喋り方でいいよ。なんか、そんなの上条さんの知ってるインデックスさんと違う」

イン「そう、かな?」

上条「うん。あ、けど噛み付きとかは禁止だぞ。わかってるな?」

イン「わかったんだよ。いつも通りでいておしとやかに、だね」
122 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/25(日) 20:12:05.81 ID:90e9RZiQ0
イン「それじゃ二人とも、いこっ!」

と、インデックスが屋敷に走っていく。

上条「あ、おいインデックス。しょうがねえな。俺達も行くか」

才人「そうだな。みんな、先行ってるぜ」

シエスタ「あ、待って下さいわたしも行きます〜!」



タバサ「………」

ギーシュ「どうしたのかね?」

タバサ「これ」

タバサはゴーレムの残骸を指差す。

ギーシュ「このゴーレムがどうかしたかね?」

タバサ「これはゴーレムじゃない」

ギーシュ「どういう事かね?」

キュルケ「そういえばこのゴーレム喋ってたわね。でも普通、ゴーレムは喋らないと思うけれど?」

ギーシュ「そ、そうだったかね? ふむ、確かによく見るとこれはゴーレムじゃなくて…えーと」

タバサ「ガーゴイル」

ギーシュ「そうそう、ガーゴイルだ。今ぼくが言おうとしていたんだがね」

キュルケ「本当?」

ギーシュ「な、何だね。ぼくは土系統の使い手だぞ? それぐらい言えて当然だよ」

キュルケ「まあいいわ。で? 何か気になるところがあったのタバサ?」

タバサ「変」

キュルケ「どういう事?」

ギーシュ「もしかして完全に機能停止しているというところかね? これは彼、トウマの能力さ。彼は素手でぼくのワルキューレを―――」

キュルケ「その話はもういいから。それにしても、なんの外傷もなく完全に機能を停止させるなんて確かにすごいわね。どうなってんのかしら」

タバサ「………」

ギーシュ「ま、それはいいさ。ぼく達も行こうじゃないか」

キュルケ「そうね。行きましょ」
123 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/25(日) 20:43:54.76 ID:90e9RZiQ0
才人「なあ。前々から気になってた事があるんだ」

上条「なんだ、急に改まって」

才人「お前何度か自分の事上条って言ってるけど」

上条「わ、悪いかよ」

才人「いや、そうじゃなくて。それにさっきの合言葉や復活の呪文とか」

上条「うん。あれ、もしかしてお前ドラクエ派なの? あんだけFF派を匂わせときながら」

才人「……やっぱり。お前ら地球人だな」

上条「あれ!? DQじゃなくてDB派でしたか!?」

才人「俺はサイヤ人じゃねー! って、そうじゃなくて! お前らも俺と同じ世界の人間なんだよな」

上条「ん? なんだ。そいつから聞いてなかったのか」

デルフリンガーを指差して言う上条。

才人「知ってたのかデルフ!?」

デルフ「わり、言うタイミングがなくてよ」

才人「まあ、薄々気付いてたからいいんだけどさ」

シエスタ「なんですか? 二人でこそこそと」

上条「まあ、俺達は故郷が同じって話」

シエスタ「まあそうなんですか! そういえばなんとなくお二人は雰囲気が似てるなーって思ってましたけど」

才人「なあ、今の日本どうなってるか教えてくれよ」

上条「あん? そうだな…」

上条は最近の出来事を話す。とはいえ、上条は記憶喪失なのであまり前の出来事は話せないので、そこには少し気を使った。

シエスタ「わあ。なんだか本当に遠い世界の話みたいですね」

才人「でも特に変わった事はないんだな」

上条「細かいとこじゃ色々あるんだろうがな」

才人「それでも、いつか帰りたいよなあ…」

上条「いつか帰るところ、か」

才人「…お前って、本当にFF好きだな」



イン「たっから、たっから、たっかっら〜♪」

インデックスは様々な部屋を回っていた。しかし、宝らしきものは見つからない。

イン「う〜ん。ないんだよ」

上条「インデックス。ここにいたのか」

イン「あ、とうま。見つかった?」

上条「いや」

イン「そう。じゃあ、一緒にさがそ?」

上条「ああ」

イン「ふんふふ〜ん」

上条「………」

イン「ふふふ〜ん」

上条「この棚は…重くて動かせそうにないな」

イン「あ、じゃあ手伝ってあげる!」

上条「お、おう」
124 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/25(日) 21:25:51.38 ID:90e9RZiQ0
上条(本当におとなしいな、コイツ。まあ、上条さん的には全く問題ないからいいんだけど)

それから色々と物色するが、何も見つからない。

上条「ったく、ここまで来てゴーレムと戦っただけとかいうオチはやめてくれよ」

イン「あ、とうま。さっきのあれ、ゴーレムじゃなくてガーゴイルだったんだよ」

上条「ガーゴイル? なんか違うのか?」

イン「うん。本来ゴーレムは術者の魔力が途絶えると崩れちゃうものなんだよ。
    でも、ガーゴイルは魔力を供給されていれば術者がいなくても自律行動が出来るんだよ。
    それに、ガーゴイルには擬似的な意思があって、いわば自身が術者に近いと言えるの。
    だから私の強制詠唱も通用したんだよ」

上条「はあ。よくわからん。とりあえず、お前のその、強制詠唱とやらの条件が揃ってたって事か?」

イン「そういう事にしといてほしいかも」

上条(都合のいい設定です事で)

イン「…言っておくけど、ちゃんと本で学んだ事なんだよ?」

上条「わかったわかった。別に揚げ足取ろうってわけじゃないからそんなにムキになるなって」

イン「うん」

どうにもこの部屋には何もないようだ。そう結論付けた辺りでシエスタがやって来た。

シエスタ「あ、ここにいたんですね。皆さんが呼んでますよ」

上条「何かあったのか?」

シエスタ「はい、そうみたいです」

シエスタに連れられ二人は屋敷を進んでいく。
125 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/25(日) 21:26:19.53 ID:90e9RZiQ0
キュルケ「ああ、二人とも来たわね」

イン「何があったのキュルケ?」

キュルケ「うーん、どうにも納得がいかないんだけれど」

上条「というと?」

ギーシュ「あったのは固定化の呪文をかけられてただの置物と化したゴーレムだけだよ」

才人「どうにもここの家主はゴーレムとか作ったりするのが趣味みたいだな」

キュルケ「でもゴーレム作って置物にするっておかしくない?」

ギーシュ「そうかね? ぼくも自分のワルキューレを部屋に飾っておきたいと思う時もあるがね」

キュルケ「わっけわかんない。見たいときに出せばいいじゃない。いちいち置いとく?」

才人「まあ、その気持ちは俺もわからんでもない。フィギュアとか飾っておきたいよな」

上条「もしかして、外のガーゴイルも家主のコレクションって事か?」

キュルケ「げ、まさかアレがお宝ってわけ?」

ギーシュ「どうするのかね。ぶっ壊れてしまっているよ」

キュルケ「あーもう、ここはハズレね。なんかムカつくからこのゴーレムぶっ壊しちゃってトウマ」

上条「なんで俺が!?」

キュルケ「いいじゃない。あなたの力、間近で見たいのよ」

ギーシュ「ふむ。ぼくのワルキューレを倒した力だ。ぼくとしてももう一度見たいところだね」

シエスタ「なんだか知りませんけど、わたしもトウマさんの力が見てみたいです!」

才人「俺もなんだかもう一回見てーな」

デルフ「オイラにもよく見せてくれよ」

タバサ「わたしも、興味がある」

上条「えええええ………」

イン「どうする、とうま?」

上条「…ええい、ままよ! こうなりゃやけっぱちだー!」

才人(なんか古くせー言い回しだな…)
126 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/25(日) 23:28:06.78 ID:90e9RZiQ0
それから上条は片っ端からゴーレムをぶっ壊していった。

キュルケ「すっご〜い。その右手、なんでも壊せるの?」

上条「いや、これが効くのは異能の力……つまり魔法に対してのみだな。それ以外じゃただの手と変わんねえ」

キュルケ「でも、魔法に対しては必殺ってわけね。すごいじゃない!」

上条「過大評価してくれんなよ。武器を使われたら正直勝てる気がしねーぞ」

キュルケ「それならサイトがいるから安心よ。あら、もしかしてあなた達最強タッグじゃない?」

才人「そうだぜ。お前とならサイコーのパートナーになれそうだ」

上条「ははは…。そりゃどーも」

と、その時屋敷が揺れだした。

ギーシュ「じ、地震かね!?」

シエスタ「に、してはなんか変じゃありませんか!?」

タバサ「……罠」

音声『自爆装置起動。爆破30秒前』

イン「あのゴーレムが壊された時にこの屋敷を自爆させる術式が組まれてたのかも!」

才人「なにぃ!? や、やべーじゃねーかよ!」

上条「お、おいどうすんだ!? こっからじゃ間にあわねーぞ!?」

キュルケ「タバサ!」

タバサ「こっち」

タバサは近くにあった窓を蹴破って飛び出す。

キュルケ「あなた達も早く!」

上条「こっから飛び降りんの!? 骨折じゃすまねーぞ!?」

才人「いーから来いって! シエスタ、行くぞ!」

シエスタ「は、はいっサイトさん!」

才人はシエスタを抱えて走り出す。

ギーシュ「ほら、急ぎたまえ!」

音声『爆破10秒前。9・8・7』

上条「ええい、死なばもろとも!」

イン「とうま、なんか使い方間違ってるかも!?」

音声『3・2・1―――』

全員が窓から飛び出ると同時、カウントがゼロになる。

ドゴーーーーーーーン!!

屋敷は木っ端微塵に吹き飛んだ。

上条「い、生きてる…」

一向はシルフィードの上に乗っていた。窓から飛び降りる時にタバサが呼んでいたのだ。

才人「ふう。危ないとこだったぜ」

ギーシュ「やれやれ、死ぬような思いをして結局成果はゼロか」

キュルケ「まあまあ。まだ始まったばかりよ。いきなり終わっちゃったらつまらないじゃない」

ギーシュ「ぼくとしては一刻も早く見つけてだね…」

キュルケ「はいはい、文句はあとあと。さ、次の目的地に出発よ!」

ギーシュ「…やれやれ。これは前途多難の旅になりそうだよ」
127 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/26(月) 00:50:13.75 ID:7SJrR7if0
―――魔法学院・ルイズの部屋―――

ルイズ「うぅ〜」

ここのところルイズは授業をずっと休んで部屋にこもりっきりだった。
それというのも才人との喧嘩が原因である。ルイズはあれからしきりにベッドで泣いているのであった。

ルイズ「ばかばか。しんじらんない」

ルイズは才人が居を構えていたテントに様子を見に行った。だが、そこに才人はおらず、もぬけの殻だった。
通りがかったモンモランシーに話を聞くに、キュルケらと共に宝探しに行ったとの事。

ルイズ「わたしをほったらかしにして宝探し? わっけわかんない。きらいよ、きらいきらい。
     もういや、あんなやつどこへでも行っちゃえばいいのよ。いっそこのまま帰っちゃえばいいのに」

と、ルイズが才人に対しての不満をぶちまけていると、扉がノックされる。

ルイズ「…開いてますよ」

入ってきたのは学院長のオスマンだった。
128 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/26(月) 00:50:52.02 ID:7SJrR7if0
オスマン「失礼するよ」

ルイズは慌ててガウンをまとってベッドから下りる。

オスマン「体調はどうかね」

ルイズ「あ、その。ご心配をおかけして申し訳ありません。体調は悪くないんですが気分がすぐれなくて…」

オスマン「ずいぶん長い事休んでいると聞いて心配していたが、どうやら大丈夫そうじゃの」

ルイズ「ええ…」

オスマン「…詔はできたかね」

ルイズ「………!」

オスマン「どうやら、まだのようじゃの」

ルイズ「申し訳ありません」

オスマン「ふむ、まあまだ式まで二週間ほどある。ゆっくり考えるがいい」

ルイズ「はい…」

オスマン「そうじゃ、ところでミス・ヴァリエール。きみは転校生の事は聞いておるかね?」

ルイズ「転校生?」

そういえば先日キュルケが様子を見に来た時にそんな話を聞いたような気がする。

ルイズ「確か、修道女とその使い魔ですよね。それで、彼女の使い魔はわたしの使い魔と同じく平民の男の子とか」

オスマン「そうじゃ。彼女らの助けを借りるというのはどうかね? きっときみの力になってくれると思うのじゃが」

ルイズ「でも、わたしは彼女達とは特に接点がありませんし、そもそも会った事がありません」

オスマン「大丈夫じゃよ。彼らときみらは特別な共通点があるからの。まあ、仲良くなれるて」

ルイズ(特別な共通点? 平民の使い魔の事かしら。それともその転校生の使い魔にも何か力が…?)

オスマン「ところで、きみの使い魔の少年はどこかね?」

ルイズ「………」

オスマン「喧嘩でもしてしまったのかね? まあ、若い時は些細な事で喧嘩になるものじゃ。歩み寄る事を若者は知らんからの。
      時としてその亀裂は修復が出来ないほどに開いてしまう。せいぜいそうならんように気を使うんじゃな」

ほっほっほ、という笑いと共にオスマンは去っていった。

ルイズ「…些細な事じゃないもん」

そう言ってむくれるルイズだったが、ふと先程の転校生とやらの事を考える。

ルイズ(修道女か。こないだの二人組と関係あるのかしら?)

アニェーゼとオルソラの事を思い出す。それから、才人がアニェーゼとなにやら意味深な会話をしていたのだろうという事も。

ルイズ(特別な共通点…。まさか、転校生の使い魔も別の世界から来たとかいうの?)

そういえば才人はやたら強気に自分の世界に帰るような事を言っていたような。

ルイズ(別の世界から来たならその手段もあるはず。…まさか、あのアニェーゼとかいう修道女、その方法を知ってる…!?)

だとすれば、才人のあの態度も納得がいくというもの。

ルイズ「………ほんとに帰る気なの、サイト…?」

なんだか不安になるルイズ。だが、首を振って否定する。

ルイズ「関係ないわ。わたしにはあんなやつ関係ないのよ。そんな事より詔よ」

そう言って始祖の祈祷書を開くルイズ。詔を考える為に目を瞑って精神を集中させる。
…しばらくして目を開けると、

ルイズ「…? 今一瞬、なにか文字が浮かび上がったような…」

しかし、もう一度見るがそこには何も書かれていないただの白紙だ。

ルイズ(疲れてるのかしら…? …それもこれもあいつのせいよ。もう知らないんだから)
129 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/26(月) 01:51:19.79 ID:7SJrR7if0
―――学園都市第7学区・とある高校―――



ここは上条達の通う学校。数日前から上条と土御門は学校を休んでいた。

小萌先生「はぁ〜〜〜。上条ちゃんと土御門ちゃんは今日も休みですかぁ…」

吹寄「ったく、あのバカども二人揃って無断欠席なんて。登校して来た日には休んだ事を後悔させてやろうかしら」

青ピ「ま〜〜〜ったくや! カミやんはともかく土御門まで休むなんて…。
    ……あれ? ひょっとしてこれ、ボクだけ仲間外れにされとるんとちゃうん?」

小萌先生「先生としては、これ以上欠席者を出したくありません。ですので、みなさんはくれぐれも上条ちゃん達みたいに
      無断で休むのだけはやめて下さい。おーけーですかー?」

青ピ「ボクとしてわぁ! 小萌先生が家まで看病に来てくれるなら何度だって休みの報告入れたりますで!?」

吹寄「というか、休むなあああああ!!」

青ピ「ぐはああああっ!!? 吹寄さんのボディブローがモロにきもうたー!? あ、乳揺れごちそうさまです」

吹寄「ってどこ見てんのこの変態がああああっ!!」

青ピ「嗚呼。カミやん達、ボクもそっちの世界にいくよ…。うふふあはは…」

姫神「…なんというか。騒がしい」

小萌先生「おっ、お願いですから先生の話を聞いて下さーーーい!!」





―――学園都市・常盤台中学―――



美琴「………」

黒子「どうしましたの、お姉様?」

今は昼休み。美琴と黒子はランチタイムというわけなのだが、美琴はどうにも上の空である。

黒子「お姉様。あの殿方に会えなくて落ち込んでらっしゃいますの?」

美琴「なっ、なんで私があの馬鹿の事で落ち込まないといけないのよ! さ、さあお昼よ!
    今日のお弁当は腕によりをかけたゲコ太のキャラ弁なんだから! うわー食べるのがもったいないぐらい!」

黒子「………ああ、嘆かわしやお姉様」

美琴「な、何勝手に嘆いてんのよ!?」

黒子「黒子の事は離れていても想ってはくれないというのに、あの殿方と離ればなれになったら想い爆発ですの…?」

美琴「なーにワケわかんない事言ってんのよアンタは!」

黒子「いいんですのよお姉様。それでも黒子はいつでもお姉様のお側にいますわ。寝てる時も起きてる時もシャワーの時もお手洗いの時も―――」

美琴「へえ。そう。アンタ、そんな時まで側にいてくれてるのねぇ」

黒子「ウップス。わたくしとした事が」

美琴「ねえ黒子。とりあえず一発ビリっとく?」

黒子「嗚呼お姉様! お姉様の電撃で黒子のハートも痺れさせ(バチバチ!)てぶらしゅあぁぁあばばばば!!」

美琴「ったく。落ち込んでなんかいないっつの……落ち込んでなんか…」
130 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/26(月) 02:08:01.65 ID:7SJrR7if0
はい、今日はここまでです。

途中、強制詠唱の矛盾にぶち当たりましたがなんとか辻褄もあわせました。ガーゴイル万歳。

以後、強制詠唱は術者がいる事前提で使っていきますので今回のは勘弁してください。

あと、インデックスさんはこのままいい子路線で行っても大丈夫ですか?(あんまりいい子らしさが出てなかった気もしますが)

いい子路線のきれいなインデックスさんか
ウザキャラじゃない普通のインデックスさんか
いつものウザキャラ全開のインデックスか

個人的にはきれいなインデックスさんで行こうと思ってますが何か意見があったらご自由に。
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/26(月) 02:35:30.07 ID:JpHEdZ4Go

ウザキャラ全開じゃなければ問題ないと思うの。
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/26(月) 05:05:29.99 ID:WViDm6Too
きれいなインデックスかわいい!
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/26(月) 05:27:00.48 ID:F72pb0PIO
乙乙
美琴の出番これで終わりですか?
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県) [sage]:2011/09/26(月) 21:41:10.08 ID:MNn7GI1ko
たまにはウザキャラになる程度がちょうどいいと思うの
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/27(火) 20:22:34.53 ID:EyHAKJZ+0
この綺麗なインデックスなら許せる
136 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/27(火) 23:50:37.93 ID:cM9gMFZ40
きれいなインデックスが好評のようなのでこのまま行かせてもらいます。

>>133
美琴は頑張って出せるだけ出そうと思ってます。
137 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/28(水) 01:20:43.14 ID:9N//boJm0
放課後。黒子は風紀委員の仕事があるとかで行ってしまったので現在美琴は一人でぶらついていた。

美琴「……暇ね。寮に帰ってもする事もないし。あー暇だわ」

よくよく考えると普段美琴は暇を持て余している。何か他にやる事はないのだろうか。

美琴(…アイツ、今なにしてんのかしら)

ふと、一人の少年の事を思い浮かべる。最近はめっきり会っていない。

美琴(って、なんでアイツの事考えてんのよ私!? これじゃまるでアイツに会いたいみたいじゃない!?
    いや、違うのよこれはあれよ、罰ゲームの事よ! あの馬鹿は私の罰ゲームから逃げる為に姿をくらましたんだわ間違いない!)

おのれこしゃくな〜、とか今度見つけたら問答無用だとかぶつぶつ呟いている美琴はなんだか怪しい人物だった。
しばらくして我に返った美琴は、こんな事してても暇つぶしにもならないと気付いた。

美琴「しゃーない。ネカフェでも行って時間つぶしますか」





美琴「さーて、適当にネットサーフィンでもしますかと」

とりあえず美琴は情報を仕入れる為に速報板巡りをする事にした。

美琴「まずはニュー速でも覗いとこうかな」

しかし、年頃の女子中学生が放課後インターネットとは。本当に何か他にやる事はないのだろうか。

美琴「あははっ、何よそれww」

………本当に、何もやる事がないのだろうか。
138 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/28(水) 02:12:53.11 ID:9N//boJm0
それからしばらく経った。

美琴「………なんか、むなしい」

一通り回った結果、結構な時間が経っていた。暇を潰すという当初の目的は果たされたものの、どうにも不満が残ったようだ。

美琴「何やってんのかな、私…。はあ、それもこれも全部アイツのせいよ。あー、なんかイライラして来た」

美琴はその怒りをぶつける為に掲示板を開いて書き込む事にした。


126:君々さん
  私、教師をやってるんですけどうちの生徒さんが無断欠席してるんです。
  いつもならそんな事はしない子なんですけど。

127:般若さん
  何か理由でもあるんですかね?
  逆に私は学校に来てるのに欠席扱いにされそうになった事はありますけど。

128:君々さん
  それは大変ですねー。私だったら絶対そんな事しないんですけどねー。

129:ゲコ太軍曹さん
  聞いてください。私はある人と勝負をして勝った私はそいつに罰ゲームの約束をしました。
  けどあの馬鹿ってば人との約束忘れてどっか行っちゃって、帰ってきたと思ったらまた姿をくらまして!
  ホントむかつきますよ! なんで私との約束が守れないんだっつの!!

130:菊さん
  あらあら、それはひどい彼氏さんですねえ。
  そういう時は自分の気持ちをガツンと言ってあげないとダメですよ?

美琴「…ぶっ!?」

131:ゲコ太軍曹さん
  か、彼氏なんかじゃないです! なんていうかただのライバル? みたいな、そんなのです!!

132:菊さん
  あらあら、本当にそうかしら?
  なんだか構ってもらえなくて寂しいのじゃなくて?

133:ゲコ太軍曹さん
  違いますって! 全然! まったく!

134:般若さん
  菊姐さん、あんまりそういう事言ってはダメですよ?
  一応ここは愚痴を言うスレなんですから。

135:菊さん
  そうでしたわね。ごめんなさいね、ゲコ太軍曹さん?

136:ゲコ太軍曹さん
  いえ。その、私こそいきなり話ぶった切ってすみません。

137:君々さん
  それにしても、数ある掲示板からよくここを選びましたねー?

138:ゲコ太軍曹さん
  えっと、なんか女性だけみたいですし、親しみやすかったから、ですかね?

139:般若さん
  軍曹さん、なんなら私達のギルドに入りませんか?
  たまに来るだけでもいいので。いいですよね、菊姐さん?

140:菊さん
  そうですね。私としても応援したいところですからね。

141:ゲコ太軍曹さん
  え? いいんですか? 私今さっき来たばっかりですよ?

142:菊さん
  あらあら、ゲコ太軍曹さんはギルドに入るのはいや?

143:ゲコ太軍曹さん
  い、いえ! そんな事はありません!
  ぜひとも入らせてください!

144:菊さん
  それでは、ようこそセブンティーンへ。
  今日からあなたは17歳。かくいう私も17歳でーす。

美琴「……………………………おいおい」
139 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/28(水) 19:40:55.39 ID:9N//boJm0
なんだかよくわからないが、とりあえず悪い人達ではなさそうだ。

美琴「……にしても17歳って、ねえ?」

謎のルールがあるようだが、まあそこまで気にする事もないだろう。

161:菊さん
   他にもメンバーはいますので、またいずれ紹介しますわね。

162:般若さん
   とくに歩ちゃんはいい子ですよね!

美琴(あゆむ…いや、あゆみ…かな?)

163:君々さん
   ちなみに歩(ほ)ちゃんと読むのですよー?

164:ゲコ太軍曹さん
   歩さん、ですか。

165:菊さん
   あらあら、気軽にちゃん付けで呼んでもいいんですよ?

166:ゲコ太軍曹さん
   い、いえ。そんな馴れ馴れしく呼べませんよ!

167:菊さん
   あらそう?
   でも、呼びたくなったらそう呼んでもいいのよ。

168:ゲコ太軍曹さん
   まあ、慣れてきたらそう呼ばせてもらいます。
   あ、もうこんな時間。そろそろ落ちますね。

169:般若さん
   あ、じゃあ私も落ちますね。

170:君々さん
   そうですかー。私も明日の授業の準備をしなきゃですー。

171:菊さん
   あらあら、では今日はこのあたりでお開きかしらね。

172:ゲコ太軍曹さん
   あの、今日は色々話を聞いてくれてありがとうございました。
   おかげでなんだかすっきりしました!

173:菊さん
   いいのよ。また何かあったら、いえ、何もなくても来てくれるかしら?

174:ゲコ太軍曹さん
   はい。私もセブンティーンの一人ですから!

175:菊さん
   あらあら。嬉しいわ。
   では、またお会いしましょうね、ゲコ太軍曹さん。

176:ゲコ太軍曹さん
   はい!

ここで、美琴はブラウザを閉じた。

美琴「ふー。そうよね、イライラしててもいい事ないもんね」

そして美琴はネカフェを後にしようとする。と、

美琴「あれ? 重福さん?」

重福「あ、御坂さん。どうしてここに?」

美琴「まあ、暇つぶし兼憂さ晴らしってとこね」

重福「そうですか。今からお帰りですか?」

美琴「そうだけど」

重福「ちょっとご一緒してもいいですか?」

美琴「? ええ、構わないわよ」

それから二人はネカフェを後にした。
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/29(木) 00:22:02.59 ID:0rJLGvDSo
こもえてんてーも17歳教入ったのか
しえん
141 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/29(木) 03:49:57.68 ID:5lPwEeoN0
重福「なんだか御坂さん、ご機嫌そうですね」

美琴「え? そう?」

重福「何かいい事でもありました? 好きなマンガのアニメ化とか」

美琴「いや、そういう事じゃなくてね。悩み…ってほどじゃないけど、ちょっともやもやした気分が晴れたって感じね」

重福「もやもや、ですか?」

美琴「そ。おかげで今日は一日身が入らなかったのよね〜。いやー、解消できてよかった」

重福「それは、よかったですね」

美琴「重福さんはどう? 学校のほうは。あれから色々あったけれど」

重福「そうですね、たまに存在を忘れられそうになりますけど特に問題はないです」

美琴(いや、それは結構な問題だと思うんだけど……)

重福「……それで、その。御坂さん」

美琴「ん? なに?」

重福「……さ、佐天さんはお元気ですか?」

美琴「佐天さんか。うん、元気……のはず」

重福「?」

美琴「あ、いやなんでもないわよ? …それで、佐天さんに会いたいなら今度連れて来るけど」

重福「本当ですか! ありがとうございます御坂さん!」

美琴「うん。あ、それじゃ私こっちだから」

重福「はい。さようなら」

美琴「じゃあね」

重福と別れた美琴は寮の方へ歩いていった。
142 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/29(木) 22:45:32.45 ID:5lPwEeoN0
―――学園都市・常盤台中学学生寮―――


美琴「たっだいまー」

黒子「おっねえっさま〜ん」

部屋に入ると同時に飛びかかって来る黒子を裏拳で叩き落として自分のベッドに腰掛ける美琴。

美琴「はあ。この黒子も消えてくれればいいのに」

黒子「な、何を言っていますのお姉様!?」

美琴「あんた存在を主張しすぎなのよ。たまには影を薄くしてみなさい」

黒子「そんなむちゃくちゃですの。同じむちゃくちゃならわたくしはお姉様に―――」

立ち上がり、再び美琴に襲いかかる黒子にエルボーが決まる。

黒子「うっ…ふぅ…」

美琴「さ、夕食の時間よ。先行ってるわね〜」

黒子「な……なんだかいつもより技のキレがいいですの…」



夕食後。

黒子「さって、今日もお姉様のふつくしい肢体を鑑賞させてもらいますの。
    ぐへ、ぐへへへへ。お姉様ぁ〜ん。ふふ、ふへへ、ふへぁ! さあ全速前進DEATHの!」

黒子が欲望を撒き散らしながらシャワー室の扉を開けるとそこに美琴がいた。

美琴「遅かったわね黒子。私はもう済ませちゃったわよ」

黒子「な、なん……ですと……!?」

美琴「じゃ、お先ー」

しーーーん。

黒子「お…お姉様のシャワーシーンのないシャワーなんて浴びる価値もありませんの…!
    ……ん? お姉様、先にシャワーを浴びて部屋で待ってる、とな?
    そ、それはまさかお姉様…! 嗚呼お姉様っ! まさか今夜わたくしと!?
    そうと決まったらわたくしも念入りに身体を隅々まで洗いつくさねばっっ!!!」

その後、一時間ほどシャワー室のひとつが占拠される事となった。
143 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/29(木) 23:04:37.24 ID:5lPwEeoN0
美琴「ふー。なりゆきで『セブンティーン』とかいうギルドに入っちゃったけど、一体どんなギルドなのかしら」

美琴は黒子のノートパソコンを借用して調べる事にした。

『セブンティーン。その名の通り、構成員は全て17歳で出来ている』

『ただし、このギルドに入った時点でメンバーは17歳となる為、実際のところはよくわからない』

『主なメンバー、菊。ギルドの代表。まわりからは主に菊姐さんと呼ばれる。メンバーからは崇められている』

『般若。最初に加入した人物。最初は別の名で呼ばれていたが、いつの間にかこの名が定着し、仕方なしにこのHNを使用しているとか』

『歩。般若と仲がよく、後を追う形で加入。主に歩ちゃん、歩っちゃんとなどと呼ばれる』

『君々。どうやら学校の教師のようであるが、やけに幼い感じの言動が目立つ。そのため一部から合法ロリと呼ばれているらしい』

『他にも数人いるようだ』

美琴「ははは…」

まあ、ネットの情報などこんなもんだろう。というか、別に間違ってはいない。

美琴「ん? 今日の更新情報だ」

『セブンティーンにどうやら新メンバーが加入した模様』

美琴「もしかし……なくても私よね、これ」

『歩っちゃんからのメッセージ』

歩『新メンバーですか! わー、私もその場に居合わせたかったです! 残念!
   また機会があったらお話しましょうね! 私はいつでも待ってます!』

美琴「歩さん、か…」

結局あの時は会えなかったが、このメッセージを見る限り友好的な人物のようだ。

美琴「一体どんな人なのかしら…」
144 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/30(金) 01:03:04.74 ID:twLaqqAo0
―――ハルケギニア・とある洞窟―――


シエスタ「っくしゅん!」

才人「大丈夫かシエスタ? 冷える?」

シエスタ「いえ。多分、誰かがわたしの事を噂していたんでしょう」

才人「噂ねえ…」

上条「それだと今日は俺、噂されまくってる事になるぞ」

才人「さっきからくしゃみばっかしてるもんな」

イン「とうま、ほんとに大丈夫? 外で待ってた方がいいんじゃないの?」

上条「大丈夫だって。それに、俺の右手がないとキツイかも知れねーだろ?」

事実、魔法関連の罠に何度か遭遇したが大抵は上条の幻想殺しでなんとかなっている。

才人「でも、あんまり無茶されても困るし。ちょっと休んでいったらどうだ」

上条「いや、だから大丈夫だって」

イン「ねえ、とうま。無理、しないで?」

上条「インデックス…」

キュルケ「そうね。あたし達、トウマやサイトに頼りっきりだったからね。たまにはあたしらメイジだけで行ってみましょうか」

ギーシュ「い、いやその場合強力な怪物が現れたらどうするのかね!?」

キュルケ「大丈夫よ。メイジが3人もいて、あたしやあなたの使い魔もいるじゃない」

見るとキュルケらの他に、サラマンダーのフレイム、モグラのヴェルダンデもいた。

ギーシュ「だ、だがぼくのヴェルダンデは戦闘向きではないのだが…」

キュルケ「そのモグラにはお宝を見つけてもらえばいいの。後は、落とし穴ぐらいなら掘れるでしょう?」

ギーシュ「落とし穴って、敵が現れてから掘っても意味がないのでは…」

キュルケ「安心なさい。あたしとタバサは火と風のトライアングルよ。そう簡単にやられはしないわ」

ギーシュ「そ、そうかね?」

キュルケ「じゃ、あなた達はあたしらが帰ってくるのをゆっくり待っててちょうだい」

才人「ああ。気をつけてな」
145 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/09/30(金) 01:27:14.68 ID:twLaqqAo0
上条「大丈夫っつったのに」

イン「とうま! 時には休む事も大事なんだよ?」

上条「そうは言うけどな…」

イン「ねえとうま。これは、とうまのために言ってるんだよ」

上条「俺のため?」

イン「なんだかとうま、みんなの役に立とうって張り切りすぎてる。
    頑張るのはいいけど、やりすぎて怪我とかしたら大変なんだよ。
    そんな事になったら私いやだよ。だからとうま、無茶しないで」

上条「インデックス…」

才人「そうだぜ。お前、なんでもかんでも一人で解決しようとすんな。俺達、仲間だろ?」

シエスタ「そうですよ。わたしが言うのもなんですが、みんなの力を頼ってもいいんですよ?」

上条「……そうか。そうだよな。はは、俺ってばなんか空回りしてたみたいだ。
    ありがとな、みんな。おかげで目が覚めたって感じだ」

イン「うん。わかってくれればいいんだよ。とうまは一人じゃないってね」

シエスタ「………」

上条「ん? どうしたシエスタ?」

シエスタ「いえ、前から思っていたんですけれど……お二人はお付き合いしているんですか?」

イン「ふぇ…!?」

上条「まあ、使い魔って事になってるし。色々付き合わされるけどな」

シエスタ「…?? あ、あの…そういう事ではなくてですね。お二人は恋人同士―――」

イン「シエスタ」

シエスタ「はい?」

イン「ごめんね、何の話だかさっぱりわからないんだよ」

シエスタ「ですから、お二人は」

イン「何 の 話 で す か シ エ ス タ さ ん ?」

シエスタ「ひっ!?」

インデックスの周りからこれ以上言うなというオーラが溢れ出ていた。

上条「?? 一体なんだってんだよ?」

才人「…シエスタ、察してやれ。あいつはそういう事には鈍感なタイプみたいだ。だから聞いてもいい返事は期待出来ないぞ」

シエスタ「そ、そうみたいですね。あはは…」

デルフ(鈍感って、相棒がそれを言うかねえ…)

才人「ん? なんか言ったかデルフ?」

デルフ「いんや。なんでも」

才人「? そうか?」
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/30(金) 09:25:44.67 ID:kpDDoL1IO
寝落ちかな?
147 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/02(日) 23:22:24.23 ID:VIAa4RLi0
キュルケ「それにしても、どこまで続いてるのかしらね」

ギーシュ「そんなのぼくに聞かないでくれたまえよ」

タバサ「………」

三人とタバサを除くそれぞれの使い魔2頭は洞窟を進んでいく。

キュルケ「あら? 行き止まり?」

が、しばらく進んだところで壁が立ちふさがる。
今まで一本道だったので、道を間違えたというわけでもない。

ギーシュ「なんだね。ここもまたハズレという事かね」

キュルケ「あきらめるのが早いわよ。どこかに道がないか探しましょう」

キュルケ達は辺りを見回すが、先に進む為の道はどこにもない。

ギーシュ「はあ。しかたがないな。戻るとしよう」

タバサ「待って」

キュルケ「何か見つけたの?」

タバサ「隙間」

キュルケ「隙間?」

タバサが指差す壁には隙間があった。見るとこの壁、岩などが積み重なって出来ているもののようだ。
そして、この隙間からは風の通る音がする。この先に道があるという証拠と言えるだろう。

キュルケ「なるほどね。この辺りの壁や天井が崩れたのかしら? どうギーシュ?」

ギーシュ「そこでなぜぼくに振るのかね?」

キュルケ「あなた土系統でしょ? 見て何かわからないの?」

ギーシュ「ふむ。確かにそんな感じだね。…うん? これは、どうにも最近出来たものらしいね」

キュルケ「どういう事?」

ギーシュ「よく見たまえ。この岩を。そこらの壁は年季が入っているが、この壁だけ一部分がきれいだ。
      つまりこれは壁や天井の汚れてない部分、つまり内部という事だね。それがまだ真新しいという事は…」

キュルケ「汚れるほど時間が経ってない、って事?」

ギーシュ「そういう事になるね」

キュルケ「自然に崩れたのかしら。それとも…」

タバサ「…誰かに崩されたのかも知れない」

ギーシュ「だ、誰かとは誰かね!?」

キュルケ「それがわかんないから『誰か』なんでしょ?」

ギーシュ「そ、それはそうだが」

キュルケ「で、どうする? この壁を壊すのは無理そうだし」

タバサ「……潜る」

ギーシュ「潜るって、どこに?」

キュルケ「いいわね。ギーシュ、あなたの使い魔の出番よ」

ギーシュ「ヴェルダンデに地面を掘らせて向こう側に行こうという事かね?」

キュルケ「そうよ。よろしく」

ギーシュ「わかった。頼んだよ、ぼくのヴェルダンデ!」

主人の命令を受け、ヴェルダンデは嬉々として地面を掘り始めた。
148 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/03(月) 00:40:13.89 ID:FK4ua98r0
ギーシュ「よし、開通だ!」

地面を掘り進んで壁の向こうに到着した一行は更に先を目指す。

ギーシュ「なあ」

キュルケ「なに」

ギーシュ「やけに静かじゃないかね? さっきまではあんなに罠が仕掛けられていたというのに」

キュルケ「そうね」

ギーシュ「なにか、嫌な予感がするのだが…」

キュルケ「んー。トラブルメーカーがいないからじゃない?」

ギーシュ「トラブルメーカー?」



上条「はっくしゅん!」

才人「おいおいまたか」

イン「ほんとに大丈夫なのとうま? 寝てたほうがいいんじゃないの?」

上条「いや、これは多分あいつらが俺の事を言ってんだ」

才人「あいつらって、キュルケ達の事か?」

上条「よくよく考えたら、ここでのトラップは毎回俺が発動させていたような気がする」

才人「確かに」

上条「でもってそれを俺やみんながなんとかしてた」

才人「そうだな」

上条「でもさ、それって俺がいなけりゃそんな苦労する必要がなかったって事だろ?」

才人「そうなるな」

上条「だから、あいつらは俺がいないと楽に進めるぜーとか言ってるに違いない」

才人「そうかな?」

上条「そうさ。前回の一件だって俺がいなきゃ自爆装置も作動しなかっただろうし」

才人「あれはキュルケがやれって言ったんだろ。お前のせいじゃないよ」

上条「でも俺がいなかったらゴーレムを壊せるヤツがいない事になって…」

シエスタ「ま、まあまあ。いいじゃないですか。すんだ事ですし」

イン「それに、みんな無事だったから結果オーライなんだよ」

才人「そうだよ。お前が何かやらかしても俺達がフォローすりゃいいんだ。そう気負うなって」

上条「うう……ありがとうみんな。上条さんは今、モーレツに感動している!」

感涙にむせぶ上条が勢いよく立ち上がったその時、足元でカチッという音が聞こえた。

上条「………………………………………………………カチッ?」

シエスタ「な、なんだか」

イン「いやな」

才人「予感」

上条「あ、ははは。上条当麻、どうやらまたやらかしてしまったようです」

と、上条が言い終わると同時に四人のいた足場が崩れ去った。
149 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/03(月) 01:12:29.50 ID:FK4ua98r0
キュルケ「で、今頃そんな感じになってたりして」

ギーシュ「まさか。いくら彼が不幸体質と言ってもさすがにそこまでは―――」

『ふこおおおおおおおおおおおおおおおおおおだあああああああああああああああぁぁぁぁ……』

タバサ「………」

キュルケ「あらま」

ギーシュ「……どうやら、当たりだったみたいだね」

と、上条達の叫びと共にキュルケらの背後から何かが迫ってくるような音が聞こえてきた。

キュルケ「でもってこっちにまで飛び火ってわけ!?」

ゴゴゴゴゴ……。バキンバキンバキン!

ギーシュ「じ、地面が崩れて来ているぞ!?」

キュルケ「まずいわね。走るわよ!」

キュルケら一向は崩れる地面に吞み込まれないよう全速力で走る。

キュルケ「ギーシュ! あなた何とか出来ないの!?」

ギーシュ「む、無茶を言わないでくれ! ぼくに出来る事なんてたかが知れてるよ!」

キュルケ「じゃあどうするのよ!」

ギーシュ「ぼくに聞かないでくれ!」

タバサ「二人とも」

キュルケ「なにタバサ!?」

タバサ「前」

ギーシュ「げっ!? 道がない!?」

行く先は道のない崖だった。

ギーシュ「ど、どうするのかね!?」

タバサ「……飛ぶ」

キュルケ「それしかないわね。下に降りるわよ!」

三人はそれぞれ『フライ』の呪文を唱えて崖から飛び降りた。



キュルケ「………あの四人、大丈夫かしら」

ギーシュ「見に行かなくて大丈夫かね?」

キュルケ「どこにいるのかわかんないわよ。それに、みんな危険は承知の上だったでしょう?」

ギーシュ「おいおい、まさか見捨てるのかね!?」

キュルケ「そうじゃないわ。彼らならきっと自分達でなんとかしてるわよ」

ギーシュ「ううむ…。ぼくとしてもそう信じたいところだが…」

キュルケ「とりあえず、先に進みましょう。もしかしたらみんないるかもしれないし」

四人の事は気になるが、ここからではどうしようもない。
なのでキュルケ達は先に進むことを選んだ。
150 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/03(月) 01:48:55.80 ID:FK4ua98r0
ギーシュ「どうやら道が分かれているようだね」

一向は道が二つに分かれた通路にたどり着いた。

キュルケ「どうする? 二手に分かれる?」

タバサ「危険」

キュルケ「そうね。何が起こるかわからない状況だものね」

ギーシュ「で、どっちに行くのかね?」

キュルケ「とりあえず右に行って、何もなければ戻って左に行けばいいんじゃない?」

ギーシュ「そうだね。それがいいだろう」

キュルケ達は右の道に進んだ。



才人「い、っててて。み、みんな大丈夫か?」

頭を押さえながら才人は言う。

上条「う……い、った…くない?」

結構高い位置から落ちたような気がするが、上条は特に痛みを感じていなかった。
実は四人が落ちる時、ガンダールヴの力を発揮した才人が他の三人を抱えて落ちた時の衝撃を和らげてくれていたのだ。

上条(ん? だけど、それだけじゃないような?)

自分の顔の辺りがやけにふっくらしているような気がする。
なんだこれはと顔を上げると、シエスタと目が合った。しかもかなりの近距離で。

シエスタ「……あ、あの」

上条「……………………………………………」

シエスタ「ト、トウマさん……ど、どいてくださいますか…? その、わたしの上から…」

そう、上条はシエスタに覆いかぶさる形で倒れていたのだった。
すぐさま上条はシエスタから離れる。

上条「う、うわーーー! 違うんだシエスタ! 俺はそんなやましい気持ちなんてこれっぽっちも持ち合わせてないんですからね!?」

イン「―――――――――」

上条「はっ!? い、んでっくすさん? ほ、ほらわかりますよね? これは事故ですよ?
    俺が好き好んでシエスタの胸にダイブしたと思ったら大間違いですからね?
    そんなセクシャルなハラスメントを上条さんが行うと思ってるんでせう? だから、ね?
    噛み付くのはなし、な? それにほら、お前今いい子習慣実施中だろ?
    だったら笑って流してくれてもいいんじゃないかなと上条さんは思うわけですはい」

イン「とうま」

上条「……ハイ」

イン「まずはシエスタにごめんなさいだよね?」

上条「あの…」

イン「言い訳はいいの。まずは謝って」

上条「申し訳ございませんでしたシエスタさん。このご無礼はわたくし上条当麻が責任を持って償わさせていただきます」

シエスタ「い、いえ。その…今回も不可抗力でしたし」

イン「とうま。ちゃんと反省した?」

上条「しました。だから噛み付くのだけは勘弁してください」

イン「何言ってるのとうま。私は別に噛み付く気なんてないんだよ」

上条「え? そうなの?」

イン「その代わり、とうまの懺悔を聞いてあげる。はい、何か言う事は?」

上条「くっそー、なんだよそれシスターっぽいなちくしょう! 俺に何を言わせたいんだよ!?」
151 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/03(月) 02:08:38.58 ID:FK4ua98r0
イン「まあ、特になければ別にいいかも。私としては、とうまがいかに反省してるか聞きたかったんだよ」

上条「あん? 反省?」

イン「とうま、いい加減自覚しようよ。そんなんだから女の子から反感を買うんだよ?」

上条「んな事言われてもな…」

イン「はぁ…。とうまは結局とうまなんだね」

上条「どういう事だよそりゃ」

イン「……とりあえずとうまは言い訳するよりまずは謝るクセを付けるべきかも」

上条「はあ」

イン「今度やった時はちゃんとごめんなさいなんだよ? ちゃんと言える?」

上条「ああ。俺としてはもうやらかしたくないんだけど」

イン「じゃあ、そうならないよう祈っててあげるね」

上条(でも不幸は結局訪れるんだよなぁ…)

イン「ほら、そんな顔しない。そういうのもよくないんだからね?」

上条「わかったわかった」

イン「ほんとにわかってる?」

上条「………」

才人「あのー。そろそろいいかな?」

上条「ああ、悪い。行くか」

イン「む〜」



シエスタ「道が分かれてますね」

才人「どっちに行く?」

上条「じゃあ右にでも行くか」

イン「私は左のほうがいいと思うな」

上条「なんでだよ。俺の右手が幻想殺しだからか?」

才人「俺も左かな。俺の能力は左手に宿ってるわけだし」

シエスタ「トウマさんには悪いですけど、わたしもサイトさんと同じく左がいいと思います」

上条「なんだよよってたかって。しゃあねーな。じゃ、左にするか」

イン「じゃ、いこっとうま」

にっこり笑顔で上条の手を引っ張るインデックス。

上条「お、おいそんなに強く引っ張るなよインデックス」

才人「本当、仲良いよなあの二人」

シエスタ「わ、わたし達もあれぐらい仲良くしたいですよね、サイトさん!」

才人「え? ああ、まあ」

それを聞いてシエスタも二カッと笑いながら才人の手を掴む。

シエスタ「それじゃ、わたし達も行きましょうかサイトさん」

才人「あ、ああ」

上条達は左の道に進んだ。
152 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/03(月) 02:14:02.17 ID:FK4ua98r0
色々あって今週(先週?)は全然更新出来てませんでした。

とりあえず、このままではいけないので最低でも一日2〜3レスは出来るようにしたいです。
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/03(月) 14:27:55.67 ID:ldaqnNaO0

こんな良スレを今まで見逃してたとは・・・不覚。

あと余計なお世話かもしんないけど、義務感とかあんまり持たない方がいいよ。
理由は、まあ、下の方にあるスレとか見たらそれとなくわかると思うけど。
ぼちぼちでいいんだよぼちぼちで。自分のペースでさ。
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/10/03(月) 16:56:47.86 ID:MCVbaLf90

>>153も言ってるけどマターリ自分のペースでおk

>>153
このスレ良いですよね
155 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/03(月) 23:39:04.27 ID:FK4ua98r0
>>153
ありがとうございます。
自分のペースですか。そうですね、早く書かなきゃという念にとらわれてた感もあります。
作中でも言ってるのに書いてる自分が気負っててどうするんだー、って事ですよね。了解です。

>>154
ありがとうございます。

じゃあ、お言葉に甘えてこれからはゆっくりまったり書かせてもらいますね。
156 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/05(水) 21:33:38.11 ID:gyWJlm0W0
―――洞窟・右ルート―――


キュルケ「あら? なんだか奥の方が明るいわね」

ギーシュ「な、なにがあるのだろうかね?」

タバサ「………」

キュルケ「ま、何にせよ行ってみないとわからないわね」

ギーシュ「うーむ。出来るなら何も起こらないでくれたまえ…!」

一行が奥に進むと、突然人影が現れた。




―――洞窟・左ルート―――


イン「あっ! 宝箱だよ!」

上条「なんだって?」

シエスタ「やりましたね! お宝ゲットです!」

才人「なるほど。洞窟の地下に隠してあったのか。それにしてもデカいな」

その宝箱はかなりの大きさだった。シングルサイズのベッドくらいはありそうだ。

上条「………なんだか嫌な予感がする」

イン「たっから、たっから、たっかっら〜♪」

シエスタ「一体何が入ってるんでしょうね?」

インデックスとシエスタが嬉々として宝箱に近寄る。

上条「お、おいおいそんな不用意に近づいたら…」

罠の可能性を危惧する上条だったが、特に何も起こらなかった。

才人「お前神経質になりすぎだって。大丈夫だよ」

上条「……まあ、杞憂ならそれでいいんだがな」

イン「ねえねえとうま! 開けてもいいかな!?」

シエスタ「いいですよねサイトさん!?」

才人「おう。開けたれ開けたれ」

上条(けど上条さんの経験上このタイミングで何も起きないのはおかしい。となると…まさか!)

上条「まずい! 二人とも、宝箱を開けちゃダメだ!!」

イン「えっ」

シエスタ「えっ」

上条が叫ぶも、二人は既に宝箱を開けているところだった。
そして、上条の予感は当たった。宝箱の中からモンスターが飛び出してきたのだ。
157 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/05(水) 21:59:13.45 ID:gyWJlm0W0
キュルケ「誰っ!?」

キュルケは牽制として『ファイアー・ボール』を放つ。
しかし、その人影は更に奥の方へと逃げて行く。

ギーシュ「ま、待ちたまえ!」

ギーシュは『アース・ハンド』を使う。
地面から触手のような土の手を伸ばし、相手を捕まえる気だ。
だが、相手はそれを軽々と回避する。

ギーシュ「くっ!」

次々『アース・ハンド』を放つギーシュだが、ことごとく回避される。
そして、相手の持っていた長い棒状の武器にて『アース・ハンド』は薙ぎ払われる。

タバサ「…ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ウィンデ」

タバサは『ウインディ・アイシクル』を唱え、氷の矢を放とうとするが、

???「なにやってんですか! 今は戦ってる場合じゃねえですよ!」

現在戦闘している人物とは別の人物の声が聞こえた。のだが、

キュルケ「え…!?」

ギーシュ「今のって…!」

タバサ「………!」

三人にとって、それは聞き覚えのある声だったのだ。
突然の出来事によって三人は呆然と立ち尽くす。その間に謎の人物達は走り去って行った。
キュルケの使い魔フレイムとギーシュの使い魔ヴェルダンデが追いかけないのかと三人の顔を見る。

キュルケ「まさか。でも、あの子は今学院に…」

ギーシュ「…けれど、あの声は間違いなく…」

タバサ「………」

三人は今起こった事に理解が追い付いてなかった。
今の人物の声、三人の聞き間違い出なければあれは………。

キュルケ「ルイズ……あなたなの…?」
158 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/05(水) 22:35:51.78 ID:gyWJlm0W0
イン「ひ、ひゃああっ!?」

シエスタ「な、なんですかこれーーー!?」

上条「インデックス!」

才人「シエスタ!」

上条「くそっ、案の定これだ!」

モンスターは竜のような姿をしている。
サイズは小型だが、どのような力を持っているかわからない。

上条「二人とも離れろっ!!」

モンスターの咆哮とともに、宝箱の中から溢れた水が高波となって襲い掛かる。

才人「んなんじゃこりゃあああ!?」

デルフ「こいつは……まさか先住魔法か!?」

才人「先住魔法!?」

イン「メイジ以外の亜人や幻獣や妖魔なんかが使う魔法だよ。
    系統魔法よりも古くから存在している生の力を司る魔法なんだよ」

上条「なんだかよくわからんが、これも魔法なんだな!? だったら俺の右手で!」

迫る高波を上条の幻想殺しで打ち消す。
だが、モンスターの攻撃は止まない。

シエスタ「み、水が白くなっていきます!?」

才人「固まって雪になってんのか!?」

イン「まずいよ! 次の魔法が来る!」

上条「ど、どうすりゃいい!?」

デルフ「吹雪ってとこか。こいつはお前さんの右手じゃ消せねえな。範囲が広すぎる」

と、雪は凄まじい風と共に四人に吹き付ける。

上条「うわああ!? これ吹雪なんて生易しいもんじゃねえよ! ブリザードだよ!」

イン「と、とうま、それって同じ意味だと思うんだよ!?」

シエスタ「さっ、寒いです! こごえちゃいます! 助けて下さいサイトさん!」

才人「って、言われても…!」

イン「な、何とか出来ないのデルフ!?」

デルフ「オイラがこの吹雪を吸い込む。その間にあの竜を攻撃すればどうにかなるかもな」

上条「ま、待ってくれ! あんなのただ殴っただけじゃ倒せそうにないぞ!?」

デルフ「そうか。まずいな、こん中で戦闘力が一番高えのは相棒だ。その相棒も攻撃を防いでる間は動けねえ」

上条(ど、どうする……!?)
159 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/05(水) 23:16:40.97 ID:gyWJlm0W0
タバサ「とにかく、先に」

キュルケ「そうね。ここで止まっていてもしょうがないわ」

ギーシュ「でも、さっきのは本当にルイズなのかね?」

キュルケ「それを確かめる為にも先に進むべきよ」

一向は先に進む。しばらく進むと突き当たりにたどり着いた。
そこに二つの影がある。暗くてよく見えないが、シルエットからして二人とも少女のようだ。

???「しつこい人達ですね。仕方ありません、ちょっくら眠ってもらいますよ!」

キュルケ「あなた達一体何者なの!?」

???「答える気はねえです!」

どうやら話し合う気はないようだ。二人はそれぞれ棒状の武器を構える。
一方は杖、一方は槍のように見える。

???「万物照応。五大の素の第五。平和と秩序の象徴『司教杖』を展開」

少女の祈りとともに杖の先にある天使の羽が開いていく。

キュルケ「何…? 詠唱…?」

???「偶像の一。神の子と十字架の法則に従い、異なる物と異なる者を接続せよ」

そして、少女は杖を床に叩き付ける。

キュルケ「何をする気―――」

ゴンッ!!

キュルケ「……え」

キュルケの目の前に見えない衝撃が襲いかかる。

ギーシュ「な、何事かね!?」

???「ちっ、外しましたか」

キュルケ(何よ今の魔法。『エア・ハンマー』?)

???「今度は外しませんよ!」

キュルケ「くっ」

キュルケは横合いに跳んで回避行動をとる。
そして、今し方キュルケのいた所に衝撃が襲う。地面が砕けるほどの威力だ。

キュルケ「すごい威力ね。あたしも負けてられないわ!」

負けじとキュルケは『ファイヤー・ボール』を連発する。

???「くっ!」

応酬する見えない衝撃と火の玉。辺りはまるで爆心地のようだった。
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京西部) [sage]:2011/10/07(金) 12:23:19.03 ID:nsrKgAQO0
寝落ちかね?乙
161 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/08(土) 19:03:52.60 ID:OLhPXkop0
上条「インデックス! お前の強制詠唱とやらでなんとかなんないのか!? これも魔法なんだろ!?」

イン「ダメだよとうま! この吹雪は範囲が広すぎて多少逸らしても意味ないかも!」

才人「だったらデルフ、俺があの竜を直接叩き斬ったほうがいいんじゃないのか!?」

デルフ「バカ言うんじゃねえよ。やつの周りは吹雪で覆われてるんだ。近づくのは無理だね」

上条「だったら、俺がそこだけ打ち消せば…!」

シエスタ「あ、あの中に突っ込む気ですか!? 無茶ですよ! 凍え死んじゃいます!」

上条「たとえ防いだとしても第二波が来たらどうしようもないんだ。やるしかねーだろ」

シエスタ「そんな…。うう……こんな時、わたしにこの雪を操る力でもあればばいいのに…」

上条「雪を操るってそんな、雪女みたいな……ん?」

そこで上条は気付く。先ほどから発生している吹雪だが、一体いつまで続いているのだろうか。
この雪は宝箱の中に入っていた水が元となっている。水といっても無限ではない。
なので、そろそろ止んでもおかしくない頃なのだが…。

上条「………」

上条は目を凝らして吹雪の軌道を確認する。

上条「やっぱりそうだ。この吹雪、この辺りをグルグル回ってる」

才人「なんだって?」

上条「でもってあの竜の周りを渦巻いてる吹雪も同じ軌道上にある!」

という事は、この吹雪は辺りを一周する前に竜の周りを通っているというわけだ。
それならばいつまでも吹雪を吹かせていられるのにも納得がいく。

イン「すごい! よく気付いたねとうま!」

才人「…? それがどうしたんだよ?」

上条「つまりこの吹雪を一瞬でも止められれば竜の周りの吹雪も消えるって事だよ!」

才人「そうか! その一瞬の間に俺がデルフで!」

上条「そういう事だ。インデックス、出来るか?」

イン「でも、一瞬ってほんとに一瞬だよ? 大丈夫?」

才人「まかせろ。絶対成功させる」

上条「頼んだぞ、二人とも」

才人「おう!」

イン「うん!」
162 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/08(土) 19:33:26.10 ID:OLhPXkop0
タバサ「………」

???「あまり関係ない人を巻き込むのは気が引けませんが…」

槍を持った少女とタバサは対峙する。
そしてお互いにじりじりと距離を詰める。

???「はっ」

少女が先に動く。凄まじい速度で槍を突くが、タバサはしゃがんでこれをかわす。

タバサ「デル・ウィンデ」

風の刃、『エア・カッター』を少女に向かって放つタバサ。
それを横回転で回避し、その勢いのまま槍を振るう少女。

ブンッ!

タバサ「………」バッ

跳躍でかわす。そのまま『エア・カッター』を連発するタバサ。

ヒュッ! ガッ! ガッ!

バックステップを駆使してそれを回避する少女。
『エア・カッター』をかわし切ると、すぐさま今度は『ウィンディ・アイシクル』が飛んで来る。

???「ッ!」

キンッ!
正面からの一撃は何とか槍で防いだが、左右の矢は防ぎきれず、右肩と左足をかすめる。

???「……速い…!」

タバサの怒涛の攻撃に防戦気味な少女。
接近戦用の槍では距離をとられて攻撃されると不利という事だろう。
だが、そんなハンデは気にした素振りもない。

???「けれど…!」

少女は走り出す。魔法を唱えた後に出来る一瞬の隙をタバサは突かれる。

タバサ「……!」
163 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/09(日) 02:55:47.84 ID:Eu/Ty0/h0
インデックスが強制詠唱を唱えると、吹雪が収まる。
が、すぐさま吹雪は勢いを取り戻していく。

才人「おおおおっ!!」

しかし、その前に才人がデルフリンガーで竜を切り裂く。
ズバァッ!!

上条「やったか!?」

才人「いや、まだだ」

ダメージは与えたようだが、致命傷とまではいかない。竜の反撃が来る。
止まった雪が蒸発し、雲を形成していく。その雲はみるみる黒ずみ、バチバチと音を立てる。

シエスタ「か、雷です!」

バチバチ! ピシャッ!! ゴォォォ!!

イン「危ない!」

上条「う、おおおっ!」

才人に向けて放たれた稲妻を上条が幻想殺しで打ち消す。
しかし、それで稲妻が止まるわけではない。続いて二発目が来る。
カッ! ゴオオオッ!!

才人「うわっ! くそ、攻撃が激しすぎる! なんて物量だよ」

デルフ「大したもんだね。ここまでの魔力を持つたあ、一体あの竜はなんなんだね」

才人「俺に聞くなよ!」

上条「とにかく、これ以上ここにいたら危険だ。一度撤退するぞ!」

才人「でも宝は? …うわっと! なんて言ってる場合じゃないか」

上条「さすがに今回は俺らじゃ手が負えないしな」

シエスタ「さ、賛成です! 時には引く事も大事ですよね! きゃっ!」

稲妻が激しさを増す。このままではいつ黒焦げにされるかわかったものではない。

上条「そんじゃま」

才人「逃げるとしますか!」

イン「逃げるが勝ち、なんだよ!」

シエスタ「ちょっとカッコ悪いですけどね」

一向は幻想殺し、デルフリンガー、強制詠唱で攻撃を防ぎながら来た道を引き返す。
164 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/09(日) 20:52:12.50 ID:Eu/Ty0/h0
ドオッ!!

キュルケ「なに…!?」

タバサ「………」

キュルケ「タバサ! 大丈夫なの!?」

タバサ「…だいじょうぶ」

キュルケ「だいぶ苦戦してるみたいじゃない?」

タバサ「………」

キュルケ「ふふ。人の事は言えないか」

杖少女「さあ、くっちゃべってないでさっさと終わらせますよ!」

キュルケ「あの子の攻撃は見えない衝撃。『エア・ハンマー』に近い感じね。
      けど、詠唱の素振りもないわ。恐らく、あの杖を何かにぶつける事で衝撃を発生させてるんでしょうね」

タバサ「……あっちは槍使い。速い」

キュルケ「そう。ならちょっと相手を交換しない?」

タバサ「わかった」

杖少女「作戦会議は終了ですか? んじゃ、遠慮なくいかせてもらいますよ!」

キュルケ「来るわよ!」

ガンッ!
杖を壁に叩きつける。と同時に横合いから衝撃が襲い掛かる。

タバサ「……!」

紙一重でそれをかわすタバサ。間髪入れずに二発目が来る。

タバサ「ラナ・デル・ウィンデ」

それをタバサは『エア・ハンマー』で相殺する。

杖少女「…ッ!」

すかさずタバサは相手に詰め寄る。

槍少女「させませんっ!」

そこに槍を持った少女が立ちふさがる。

キュルケ「あら。横ががら空きよ?」

槍少女「!」

その隙を逃さずキュルケが炎を送り込む。

槍少女「くうっ!」

槍を振ってその風圧で炎を吹き飛ばす少女だったが、その背後からタバサの攻撃が放たれる。

杖少女「なっ!?」

槍少女「対角線上に誘い込まれた…!?」

氷の矢を払い除けるも、タバサは既に巨大な氷の槍『ジャベリン』を構えていた。
その反対側ではキュルケが呪文を詠唱している。見事なコンビネーションだ。

杖少女「…どうします?」

槍少女「仕方ありません。あれを使います」

その時ギリギリと、不穏な音が響き渡る。

槍少女「………七教七刃!」

刹那、タバサの構えた『ジャベリン』は砕け散り、余波でキュルケがバランスを崩す。
そして、その一瞬の間にタバサとキュルケにそれぞれ杖と槍が突き付けられるのだった。
165 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/10(月) 02:13:24.40 ID:vxSfRkVj0
上条「ふこおおおおおおおだあああああっしゅ!!」

稲妻が止んだと思えば再び高波、吹雪の猛ラッシュ。
走って逃げるも妨害されとても逃げ切れそうにない。

才人「や、やっぱ倒していかね!?」

上条「いや、逃げる! 上条さんの勘が告げるんだ。あいつにゃ勝てん!」

才人「だけど!」

シエスタ「サイトさん、トウマさんの言う通りです! あんな恐ろしい怪物になんて勝てませんよ!」

イン「時には逃げる勇気も必要なんだよ!」

才人「なあ、デルフはどう思う?」

デルフ「あの竜は先住魔法を使う。まともに戦えるやつもいない今、勝てる見込みはないね」

才人「くそっ」

ドォォンッ!! ブワアアアッ!! ビュオォォォ!!

才人「……ま、まあ。命を大事に、ってこったな」

しばらく走っていると、魔法の効果範囲から外れていく。
竜はあの場所からは動かないようだ。

上条「なんだか知らんが、あいつはあそこを動く気がないみたいだ」

才人「逆を言えばあそこにはすげー宝があるって事だろうな」

イン「でも、今はそんな事言ってる場合じゃないかも」

シエスタ「まあ、お宝よりも命のほうが大事ですしね」

一向は先ほどの分かれ道にたどり着く。


――――――だが、その時。


166 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/10(月) 02:56:26.15 ID:vxSfRkVj0
キュルケ「……なに、今の。……糸?」

槍少女「いえ、ワイヤーです」

タバサ「…ワイヤー?」

槍少女「鋼鉄の糸ですね。その気になれば人間の身体も切り刻めます」

キュルケ「あーら、怖い怖い」

杖少女「…私達の勝ちですね。とりあえずあなた達には眠っちまってもらいますよ」

キュルケ「それにしてもあなたの声、本当にあの子に似てるわね」

杖少女「…? ……ちょっと明かりくれます?」

キュルケは『ライト』の呪文を使って明かりを照らす。

杖少女「その制服、あなた魔法学院の生徒ですか」

キュルケ「そうだけど」

杖少女「するってーと、あなたの言うあの子ってのはもしかしてルイズって人じゃないですか?」

キュルケ「あら。知り合い?」

杖少女「……ふう。どうやら私達は勘違いしてたみたいですね。
     あなた達を敵と認識していました。間違って攻撃してしまって申し訳ありません」

キュルケ「敵?」

アニェーゼ「まあ、色々と事情がありましてね。私はアニェーゼ=サンクティス。で、あっちは」

五和「あ、五和と申します。先ほどは手荒な真似をしてすみませんでした」

キュルケ「ああ、いいのいいの。あたし達の方から仕掛けたようなもんだし。
      ま、どうやらお互い色々誤解してたみたいだし。この件は水に流すとしましょう」

アニェーゼ「そう言ってもらえると助かります。で、あなた達はここで何してたんです?」

キュルケ「宝探しよ。この辺にそれらしいものとかなかった?」

五和「いえ。特になにも。あ、あっちに銅像みたいなのはありましたけど」

タバサ「銅像?」

アニェーゼ「見てみます? 宝っつーほどのもんじゃねーですけどね」



キュルケ「ふーん? 結構大きいじゃない。まあ、特に価値はなさそうだけど」

キュルケ達がその銅像を見ていると、どこか遠くから雷が落ちるような音が響いた。と同時に、
ゴゴゴゴゴゴゴ…。

五和「え……銅像が揺れてる…?」

キュルケ「ちょっと、前回に続いてまたそういうオチ!?」

タバサ「違う」

銅像に亀裂が走る。まるで中にいる何かが殻を破ろうとしているかのようだ。
そして、銅像の中から銀に輝く二足歩行型の機械が現れた。

キュルケ「なによ、これ…」

アニェーゼ「これは、古代兵器ってとこですかね…? まあ、お宝っちゃお宝かも知れませんね」

キュルケ「冗談じゃないわよ。こんなの手に入れてもねえ。持って帰れそうにないし」

と、古代兵器の前方にある何かの発射口らしきものが開いていく。

五和「な、なにか来ちゃいそうですけど…」

タバサ「撤退」

キュルケ「賛成」

四人はきびすを返すと来た道を全速力で戻って行く。
だが、古代兵器から魔法の砲撃が放たれ、無常にも一向は光に包まれていった。
167 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/11(火) 00:56:07.02 ID:oSzCb1lN0
ドォォォォォン!!

上条「な、なんだなんだなんですかー!?」

突如前方から爆発が起こって上条は足を止める。
それからガシャンガシャンという音が聞こえて来る。

才人「な、なんだーっ!?」

それは巨大な二足歩行兵器だった。
上条達の前に現れたその古代兵器は、どんどんと迫ってくる。

上条「なんだよこれ! 前に行くも後ろも行くもどっちもやべーじゃねーか!!」

才人「だ、大丈夫だ。こんなのデルフみだれうちで…!」

才人は連続攻撃をしかける。
しかし、古代兵器は見た目からは想像もつかないほどの速度でそれを回避した。

才人「なにっ!? 命中率は100%のはずなのに…!」

攻撃を回避した兵器は先に放った砲撃の発射体勢をとる。

デルフ「あれはやばいね。食らったら即全滅だ」

上条「だったら俺が!」

砲撃を幻想殺しで打ち消すが、今度は機体に装備された武器を使用してくる。
主に魔法攻撃だが、連続で攻撃して来るのでまたもや防戦一方になる上条達。

イン「ねえとうま、あれってさっきの竜と違って魔法で動いてるんじゃないかな?」

上条「何だって? でもありゃどう見ても機械じゃ…」

イン「この世界に機械なんてないかも。魔法でなんでも出来るからね」

才人「そうか、あれが魔法で動いてるってんなら!」

シエスタ「トウマさんの右手で倒せます!」

上条「なるほど。それなら楽勝だ……と言いたいところだが」

古代兵器は絶えず攻撃を仕掛けてくる。近づくのは至難の業だ。

上条「そうだ、さっきの竜のとこまで戻るぞ!」

才人「何言ってんだよ! せっかく苦労して逃げて来たのに!」

上条「ここでこいつと戦っててもジリ貧だし逃げるしかない。するとこいつは俺達を追って来るだろう」

イン「そっか! さっきの竜と戦わせるんだね!」

才人「なるほど。この兵器とさっきの竜が戦えばどちらか一体は倒れる」

シエスタ「あわよくば相討ちになってくれれば万々歳、ですね」

上条「それに、なんか知らんがこいつは奥を目指してる気がするんだ」

才人「なんでわかる?」

上条「もしかしたらこいつとあの竜は戦う運命にあるのかもな」

イン「?」

シエスタ「どういう事です?」

上条「なんでもない。それじゃ、さっきのとこに戻るぞ」
168 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/15(土) 02:04:59.28 ID:IH+2wHOx0
上条達は先ほどの竜がいたところまで戻って来た。
竜と兵器を互いに戦わせようという作戦だったのだが、そう甘いものではなかった。
二体の敵に挟み撃ちされる形になってしまったからだ。

上条「しまったこいつらの攻撃は範囲が広いんだった!」

どうやら作戦が裏目に出たようだ。
互いの攻撃のとばっちりを受ける事になった上条達は逃げ回る。

才人「どうすんだ! あのデカいのが道塞いであっちいけねーし!」

シエスタ「あわわー。どうやらここまでみたいですー!」

イン「縁起でもない事言わないでほしいかも!?」

才人「どうする? やっぱ倒すか!?」

デルフ「そいつぁ無理だね。今の状況でやつらに近づくのは自殺に等しい」

才人「でも、ここにいたっていつまで耐えれるか…!」

上条「一か八か、あの兵器に突っ込んでみるか…!?」

デルフ「やめときな。おめえさんを失ったらその時は本当におしまいさね」

上条「じゃあどうすんだよ。地面掘って穴に隠れてろってか?」

シエスタ「あれ、なんでしょう。地面が動いてる…?」

見ると、上条達の近くの地面が軽く振動している。
地面の中に誰かが潜っているのだろうか。

才人「もしかして! おーい、ここだー!」

才人は地面にデルフリンガーをザクザクと突き刺す。
と、地面の下から「うわぁ!!」という声が聞こえ、そこから人が飛び出した。

ギーシュ「ぷはあ! あ、危ないじゃないかね! 刺さってたらどうする気だったんだい!?」

才人「ギーシュ! やっぱりお前か!」

ギーシュ「他にもいるよ」

上条「どこに?」

ギーシュ「あっちさ。さあ、ここは危険だ。まずは移動しようじゃないか」

才人「ああ。シエスタとインデックスは先に行け。流れ弾が来るかも知れないし」

シエスタ「そ、それじゃあお先に失礼します!」

イン「二人も早く来てね!」

シエスタとインデックスは穴に入って奥に進んで行った。

ギーシュ「さ、きみたちも」

才人「ああ」

上条「とりあえず、危機脱出だな」
169 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/15(土) 23:55:51.18 ID:IH+2wHOx0
穴から出ると、そこにはキュルケ達がいた。

キュルケ「大丈夫だった?」

才人「ああ。もしかしてお前らもあのデカいのと?」

キュルケ「ええ。危うく全滅だったけれど」

ギーシュ「ふふん。その絶体絶命のピンチを救ったのがこのぼくとヴェルダンデというわけだよ」

ギーシュとその使い魔のモグラが誇らしそうに胸を張る。

キュルケ「よく言うわよ。怖くて隠れてただけのくせに」

ギーシュ「う、うるさいな! ぼくのおかげで助かったのには変わりないだろう!」

キュルケ「ま、それもそうね。サイト達も助かったみたいだし」

才人「サンキューな、ギーシュ」

ギーシュ「そうだろうそうだろう。もっとぼくに感謝したまえ!」

才人「ん?」

と、その時才人は奥に二人の少女がいるのを発見した。

才人「あれ、もしかしてアニェーゼか?」

上条「え? 本当だ。それにもう一人は確か、五和だっけ?」

アニェーゼ「あなたも来てたんですか」

五和「ど、どうも」

上条「なるほど、建宮が言ってた他に来てるヤツってのはお前だったのか」

キュルケ「あら、あなた達知り合い?」

上条「ああ。以前ちょっとな」

五和「その節はご協力ありがとうございました」

キュルケ「それにしてもみんなびしょ濡れね。水の中にでも潜ってたの?」

上条「あっちにも敵がいてな。高波やら吹雪やらの魔法を使ってきて大変だったよ」

キュルケ「メイジがいたの?」

才人「いや、竜だったな」

キュルケ「竜? 竜が魔法を使ったって言うの?」

才人「ああ。確かデルフは先住魔法とか言ってたな」

タバサ「…先住魔法」

イン「うん。だからもしかしてあの竜は…」

タバサ「………」

その時、タバサがインデックスを見つめる。
その目が何を言ってるのかはわからないが、なんとなくインデックスはその意味を理解した。

才人「あの竜がなんだって?」

イン「……えっと。すっごい昔からあそこにいたのかもね」

才人「うーん。まあ確かにそんな感じはしたな」

デルフ「昔から、ねえ」

才人「なんだよデルフ。お前何か知ってるのか?」

デルフ「…いんや。しらね」

才人「あっそ」
170 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/16(日) 00:36:26.23 ID:DiBwYh4e0
シエスタ「それよりもみなさん、身体を拭かないと風邪を引いてしまいますよ」

上条「それもそうだな。確かにちょっと肌寒くなってきた」

その時五和の目がキラーンと輝く。

五和「そっ、それならばこれを…!」

五和が持っていた鞄から何かを取り出そうとする前にシエスタがポケットからタオルを取り出した。

シエスタ「はい、ちょっと濡れちゃったかも知れませんが使って下さい」

上条「おお、ありがとうなシエスタ」

五和「―――」ガーン

シエスタ「はい、サイトさんとインデックスさんもどうぞ」

イン「ありがとうなんだよシエスタ」

才人「それにしてもよくタオルなんか持ってたな」

シエスタ「メイドの嗜みですので」ニコッ

五和「くっ…」

アニェーゼ「なに、悔しそうな顔してんですか?」

五和「…い、いえ。なんでもありません」

そうは言いつつも落ち込む五和なのであった。
171 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/16(日) 01:06:40.47 ID:DiBwYh4e0
それからしばらく経った頃、爆発音と共に近くの壁が壊れて何かが飛び込んできた。

上条「げっ、さっきの竜!」

ついで、古代兵器も進入して来る。
二体の戦いも激化しているようだ。このままでは巻き込まれる。

キュルケ「あなた達の話を聞くに、あっちには宝箱があったのよね」

才人「そうだけど、中にはあの竜が入ってたんだよ」

キュルケ「でも、中身を直接見たわけじゃないでしょう?」

上条「おいおい、まさかそれを見に行くとか言わないよな…?」

キュルケ「何言ってるのよ。宝箱の中身を確認しないで帰れるわけないでしょう」

才人「いや、でもこの状況で行くか普通!」

キュルケ「あたし達は何の為にここに来たのよ。宝探しでしょう?」

上条「もはや宝探しの次元を超えてるような気がするんですが」

ギーシュ「ちょっと待ってくれキュルケ。今の衝撃で穴の奥が塞がってしまったよ!」

キュルケ「なんですって?」

ギーシュ「それに、この状況でゆっくりと穴を掘ってる時間はないわけであって」

上条「嘘だろ。じゃあ何か!? あっちに行くにしろ逃げるにしろあいつら倒せってのか!?」

ギーシュ「そうなるね」

キュルケ「面白いじゃない。さっきは油断したけど、今度は負けないわよ」

上条「おいおい、冗談じゃないぞ。あんなとこに突っ込む気かよ!?」

才人「いや、今はさっきと状況が違う。キュルケ達もいるしな」

キュルケ「そうよ」

ギーシュ「こ、これだけの人数がいれば、な、何も怖くないね!」

タバサ「………」

アニェーゼ「私達の事を忘れてもらっちゃあ困りますね」

五和「皆さんの力を合わせれば勝機はあると思います」

イン「どうせやるしかないなら、私も全力でサポートするんだよ」

シエスタ「わたしも、皆さんの力になりたいです!」

ヴェルダンデとフレイムもどうやらやる気のようだ。

上条「みんな…」

デルフ「で、お前さんはどうするよ?」

上条「…そうだな。みんながいれば負ける気はしないな」

それを聞いて全員笑みを浮かべる。

才人「それじゃあ、行くぞみんな!」
172 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/16(日) 01:28:48.82 ID:DiBwYh4e0
デルフ「まずはあのデカいやつから倒すぞ」

上条「ヤツは俺の右手が触れれば倒せるはずだ。なんとか隙を作ってくれ」

才人「囮は俺がやる。他のみんなはあの竜の相手をしてくれ!」

五和「一人では危険です。私も加勢します」

ギーシュ「ば、ぼくも加勢させてもらおうかね!」

キュルケ「じゃあ、あたし達はあの竜を引きつけておくわよ」

タバサ「わかった」

アニェーゼ「了解です」

イン「シエスタは私のそばにいてね」

シエスタ「は、はい!」

まずは才人が古代兵器に切り込む。

才人「うおおおおお!」

ガキィン!
攻撃は当たったが、弾かれる。

才人(か、かてえ!)

そして反撃が来る。何やら球体状の物が飛んできた。

才人「な、なん……」

五和「危ない!」

すんでの所でそれを五和が弾いた所で爆発が起こる。

才人「うわあっ!」

五和「だ、大丈夫ですか?」

才人「あ、ああ。まさか爆弾を飛ばして来るとは」

五和「気を付けて下さい。油断したら一瞬でやられてしまいますよ」

ごくりと才人は喉を鳴らす。ただ単純に突っ込むのは自殺行為に等しい。
自分は囮なのだ。ただ相手の目を自分に向けさせればいいだけだ。

五和「いいですか。余計な手出しはせず、ただ隙を作るだけですよ」

才人「わ、わかった。気を付ける」
173 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/16(日) 03:48:29.42 ID:DiBwYh4e0
キュルケ「あっちは何とかやってるみたいね」

アニェーゼ「問題はこっちですね」

あちらの攻撃力は高いが、そこまで範囲は広くないので回避は難しくない。
だが、こちらは攻撃力は高くなくとも広範囲で激しい攻撃だ。故に回避が難しい。

キュルケ「あなた達、こんなのからよく逃げられたわね」

イン「うん。魔法を使ってるのが生物なら、強制詠唱が効くからね」

キュルケ「でも、こういう時はどうするのかしら?」

竜は高波を放って来た。
上条は古代兵器の相手をしているので幻想殺しで打ち消すという戦法はとれない。

タバサ「……わたしがやる」

タバサは魔法で高波を凍りつかせる。
だが、竜は尻尾を使って凍った水を砕き、その氷の塊を飛ばしてくる。

キュルケ「あれに当たったらただじゃすまないわね。やるわよフレイム」

飛んで来る氷をキュルケとフレイムの炎が溶かしていく。
しかし、蒸発する水は雲となって上に集まっていった。

イン「稲妻が来るよ!」

竜お得意の三連撃だ。インデックスは強制詠唱で稲妻の軌道を変える。
が、数が多く、それだけでは対処し切れない。

キュルケ「く、これじゃ詠唱に集中できないわね…」

アニェーゼ「ここは私が!」

詠唱の必要がないアニェーゼは杖を思い切り地面に叩き付ける。
竜の頭上に衝撃が走り、グラリとその身体が揺れた。

キュルケ「稲妻が途絶えた。今よ!」

ここぞとばかりにキュルケ達は竜に魔法を叩き込む。

イン「すごい! これならあの竜を倒せるかも!」

シエスタ「あっ! み、みなさん、竜が動き出しましたよ!」

キュルケ「さあ、今度は何の魔法を使うのかしら?」

今までの攻撃は全て防ぐ事が出来た。だから、今度も大丈夫だと高をくくっていた。

しかし、竜が放った魔法は今までのとは全く違ったものだった。
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/16(日) 14:06:29.12 ID:axQvsdWDO
なんで神竜とオメガまでいるんだよwwwwww
175 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/16(日) 16:58:12.81 ID:DiBwYh4e0
才人「くそ、隙が全く出来ねえ!」

上条「ああ、近づいてもすぐに逃げられちまう。どうなってんだあの機動力は!」

才人「キュルケかタバサに加勢してもらうか…?」

ギーシュ「いや、それはよした方がいい」

才人「なんでだよギーシュ」

ギーシュ「あの兵器、どういうわけか魔法が効かないのだよ」

才人「効かない?」

ギーシュ「そう、まるで吸収されているかのようだった」

才人「マジかよ」

ギーシュ「しかも、大抵は跳ね返される」

才人「反射されるって事かよ…」

デルフ「反射、ねえ…(まさかあの兵器、エルフが…?)」

才人「さて、どうすっかな」

上条「ギーシュ、ワルキューレ出せるか?」

ギーシュ「まかせたまえ。ぼくのワルキューレにかかればあのような兵器は…」

上条「いいか、まずはワルキューレでヤツを囲む。そして平賀と五和が両サイドから攻撃を仕掛ける」

ギーシュ「一体の敵を大勢で取り囲むというのは多少卑怯かも知れないがこれも立派な戦術…」

上条「で、敵の後方にヴェルダンデが穴を掘っておく」

ギーシュ「ぼくのヴェルダンデの穴掘りは素早いものだよ。それはまさに…」

上条「左右から挟めば前か後ろにしか回避行動がとれないはずだ」

才人「でも、回避しないで防御されたら?」

上条「その時はそのまま俺が突っ込むだけだ」

五和「けれど、危険です。あの兵器の武装は基本的に魔法ですが、実弾もあるんですよ!?」

上条「ヤツは硬いし速い。おまけに攻撃力も桁違いだ」

才人「短期決戦って事か」

上条「ああ。いけるか?」

才人「まかせろ」

五和「…無理はしないで下さいね」

上条「よし、行くぞ」

ギーシュ「まあ何はともあれぼくの力が必要というわけだね全く人気者はつらいよぼくがいなかったら一体どう」
176 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/16(日) 23:49:42.45 ID:DiBwYh4e0
竜は口を開く。そこに光が集まっていく。
キュルケ達が反応する前に竜は口からビームのようなものを吐き出す。

キュルケ「ちょ、っと! 何よこれ!?」

炎のように赤くたぎるビームはキュルケ達を焼き払うべく一直線に迫る。

タバサ「……!」

魔法を使って対抗するタバサだが、ビームの勢いが止まる気配はない。

         C F B
イン「ッ…! 上方へ変更せよ!」

すんでのところでビームは上に逸れる。

イン「あ、危なかった、んだよ…。うっ!」

シエスタ「インデックスさん! 大丈夫ですか!? ケガを!?」

イン「だ、大丈夫。かすっただけ、だから…」

シエスタ「でも!」

キュルケ「まずいわね。今の攻撃を何回も使われたら厄介よ」

アニェーゼ「さっさと倒しちまうのがよさそうですね…!」

キュルケ「そうね。一気に決めてしまいましょう。あの子もケガを負ったみたいだし」

インデックスを一瞥しながらキュルケは言う。

タバサ「………!」

キュルケ「どうしたのタバサ?」

タバサ「空気が……変わった」

アニェーゼ「どういう事です?」

イン「いけない……、これは…」

シエスタ「あ、ダメですよ無理しちゃ!」

タバサ「……来る」

竜の羽ばたきによって風が発生する。

キュルケ「な、なに…これ…」

アニェーゼ「ち、力が…抜けていく…!?」

シエスタ「うう…」

渦巻く風に、一向は徐々に体力を奪われていく。

イン「だめ…、強制詠唱じゃ、どうしようも出来ない…!」

タバサ「……っ」

風が止んだ時には全員が倒れていた。更に、その頭上に黒雲が現れる。

キュルケ「ま…ず、この状況でそれは…」

アニェーゼ「ぜ、絶体絶命です、ね…」

タバサ「………」

イン「とう、ま……」

シエスタ「た、すけ…て。サイト…さん…」

そして、その時黒雲が瞬いた。
177 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/17(月) 00:24:48.72 ID:9nQfJz+X0
ギーシュ「それでは参ろうか。行くがいいぼくの華麗なるしもべ、戦乙女ワルキューレ達よ!」

ギーシュはゴーレムのワルキューレを数体作り出す。
そして、その使い魔のヴェルダンデは穴を掘り始める。

才人「よし、まずは牽制だ」

才人と五和はカウンターを食らわないようわざと攻撃をはずしつつ、時間を稼ぐ。
その間上条はギーシュの近くで相手の攻撃を打ち消す。

上条「いいぞ、この調子で行けば…!」

作戦は順調に見えた。だが、ここで思わぬ事態が発生する。
突如として、古代兵器に付いた砲撃の発射口が輝きだしたのだ。更に、

音声『拡散波動砲エネルギー充填』

才人「な、なんだ!?」

音声『電影クロスゲージ明度20』

上条「こりゃ、音声アナウンスか!?」

音声『セーフティロック解除』

ギーシュ「い、一体何が起ころうとしてるのかね!?」

音声『薬室内圧力上昇』

五和「これって、もしかして…」

音声『対ショック対閃光防御オン』

デルフ「こいつぁ、やべえな」

音声『エネルギー充填128%』

その時、兵器の周りで地震が発生する。
近くにいた才人と五和は立ってもいられない状況だ。

上条「(ま、ず…!)平賀! 五和! 走れ! そこにいたら巻き込まれるぞ!!」

慌てて上条達の元へ走り出す二人。そして、

音声『発射!!』

『波動砲』は、発射された。
178 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/17(月) 00:36:40.39 ID:9nQfJz+X0
はい、現状の報告がてら一旦ここで中断です。

とりあえず、現在は気が向いた時に何レスか書いてるってところですね。

何の前触れもなく更新されたり中断されたりしますがご了承下さい。

しかし、なんか洞窟の話がやたら長くなってますね。
だれて来そうなのでそろそろ終わりにしたいですが。

というか、早く進めてルイズとか美琴とかももっと出したいです。
ヒロインの出番少ないのはいけませんからね(まあ、今はインさんとシエスタがヒロインしてますが)

それじゃあ、今回はこの辺で。
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) :2011/10/17(月) 03:08:31.71 ID:xBE+HTIJ0

五和いるし、美琴は・・・いいや
180 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/23(日) 23:26:51.65 ID:GpMdtRr/0
>>179
まあ、そう言わずに美琴の事も認めてあげて下さいよ。



上条「うわあああ!!」

才人「ぐ、ああっ!」

波動砲は、わずかに上条達から逸れた軌道に放たれる。
だが、その衝撃でかなり吹っ飛ばされる。

上条「い、つ…。だ、大丈夫かみんな!?」

才人「な、なんとか」

五和「なんて威力。あれを食らったらおしまいでしたね…」

ギーシュ「あ、あわわわ…。か、勝てるわけないよこんなバケモノ!」

上条「だが、やるしかないんだ…!」

才人「ってか待て、今のキュルケ達に当たってないだろうな!?」

振り返ると、満身創痍のキュルケ達が目に入った。
181 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/23(日) 23:28:14.57 ID:GpMdtRr/0
上条「インデックス! あいつ、ケガを…!」

才人「大丈夫かみんな!」

キュルケ「サイト…」

才人「くそ、あの古代兵器め! よくもみんなを!」

キュルケ「ち、違うわ。さっきの攻撃はあたし達には当たってないの…」

才人「え? じゃあどうして…」

キュルケ「これはあの竜から食らったダメージよ」

才人「竜は!?」

見ると、竜はダメージを負っていた。どうやらさっきの攻撃は竜に当たったようだ。

上条「あの兵器、最初からコイツ狙いだったのか!?」

才人「よくわからんが、チャンスだ! 先にこっちをやっちまおう!」

シエスタ「ま、待って下さい! 稲妻が、来ます…!」

才人「なっ!?」

上条「みんな、一箇所に固まれ! 俺が右手で…!」

シエスタ「だ、だめ…です…動けません…!」

上条「インデックス! シエスタ! くそ、遠くて間に合わない!」

才人「あの二人は俺が守る! お前はキュルケとタバサとアニェーゼを!」

上条「五和、ギーシュ、手伝ってくれ!」

五和「は、はいっ!」

ギーシュ「わ、わかった! まかせたまえ!」

カッ!
稲光と共に落ちる稲妻。

上条「うおおおおおおおおおっ!!」

才人「はあああああああああっ!!」

上条は幻想殺しでそれを打ち消し、才人はデルフリンガーで吸収する。

デルフ「今だ! 全員の力をぶつけるんだ!」

キュルケ「はぁ…はぁ…あと一発くらいなら…! いくわよみんな!」

キュルケのファイヤー・ボール、フレイムの火炎、タバサのウィンディ・アイシクルがそれぞれ放たれる。
アニェーゼは杖を叩き付ける力が残っていないので持っていたナイフで杖を傷つけダメージを与える。
途中反撃が来るも、上条の右手で打ち消し、ギーシュのワルキューレが連続攻撃で追い討ちをかける。

五和「いきます。七教七刃!」

才人「これでとどめだ!」

最後は五和のワイヤー攻撃によって切り刻まれた竜を才人がデルフリンガーで一刀両断する。
竜は咆哮を上げながら徐々に倒れていく。

シエスタ「や、やりました! あの竜をやっつけましたよ!」

五和「やりましたね」

ギーシュ「ふ。当然の結果じゃないかね!」

上条「いや、まだだ!」

才人「ああ。まだやつが残ってる」
182 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/23(日) 23:57:45.82 ID:GpMdtRr/0
ズシン…。ズシン…。

才人「どうする? ボロボロのみんなをかばいながら戦える相手じゃないぞ」

上条「五和、ギーシュ、後はシエスタも大丈夫そうだな。お前らはインデックス達を連れてここから逃げてくれ」

五和「な…!?」

シエスタ「で、でもトウマさん達はどうするんですか…!?」

上条「心配するな。俺は、いや俺達は負けねえ」

才人「ああ」

ギーシュ「しかし、きみの右手を当てれば勝てるとはいえ、二人だけなんて無謀だよ!」

上条「大丈夫だ。勝機はある」

ギーシュ「けど…!」

上条「行け!」

ギーシュ「く……、し、死ぬんじゃないぞ…!」

シエスタ「サイトさん…」

才人「大丈夫だ。俺も死ぬ気はないよ」

五和「あ、あの! 私も参加したほうがいいのでは…」

上条「いや。もし逃げる際に何かあったら戦えるのはギーシュだけになっちまう」

五和「だから、私を?」

上条「ああ。そっちはまかせたぜ五和。信じてるぞ」

五和「………、わ、わかりました。くれぐれも無茶はしないで下さいね」

三人はインデックス、キュルケ、タバサ、アニェーゼの四人を連れて洞窟の奥へと退避していった。

上条「なあ平賀」

才人「なんだ、上条」

上条「お互い異世界に飛ばされてまでなんでこんな事してんだろうな」

才人「はは、そりゃ言えてる。どうしてこうなったんだろうな」

上条「正直、逃げれるなら逃げちまいたい。戦わずに済むならそれが一番だ」

才人「痛いのも傷つくのも嫌だしな。それに、最悪死ぬかもしれない。そんなのはごめんだ」

上条「それでも、俺には戦う理由がある」

才人「そりゃ奇遇だな。俺にもあるぜ」

上条「俺達は、誰かを守る為に戦ってる」

才人「その通りだ。その為にも俺達は負けられない」

デルフ「なんでえなんでえ。カッコイイ事言うじゃねーのお前さん達よぉ」

才人「そんじゃ、行きますか」

上条「ああ。死ぬなよ」

才人「お互いにな」
183 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/24(月) 00:30:42.15 ID:f2WyN1Ot0
つづく
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/24(月) 11:35:13.63 ID:KDzKxqRSo
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/24(月) 21:24:54.18 ID:cBv1gLXDO
浜面がでないかな
186 : ◆LPqdM4uPs6 [saga]:2011/10/30(日) 23:44:43.64 ID:ZSiqTKzAO
ズシン…。ズシン…。

才人「はぁぁぁぁ…!」

デルフ「そうだ相棒、感情を高めろ! 感情の高ぶりがガンダールヴの力だ!」

才人「負けられない。負けるわけにはいかないんだ!」

シュンッ。
今までの倍は出ているのではないかという位の速度で敵に突っ込む才人。

才人「下手な小細工はなしだ。攻撃して動きを止める!」

圧倒的速度で古代兵器との距離を詰めた才人。しかし、

才人「!」

古代兵器の回避行動で才人の一振りは避けられる。

才人(マズイ…!)

古代兵器の側面にいた才人は左手で古代兵器の脚部を押して硬直した身体を無理矢理横に動かす。
と同時、古代兵器の攻撃が今し方才人のいた位置に放たれる。

才人「っぶねー!」

デルフ「油断してんじゃねーよ相棒。さすがに今のはヒヤヒヤしたぜ」

才人「……けど、あいつに触れた時、一瞬だけど構造が頭の中に流れ込んで来た」

デルフ「ま、見るからに『兵器』だからね。ガンダールヴの力が働いたって事さね」

才人「でも、全容はわからなかった。一瞬しか触れちゃいないけど、なんだか半分もやがかかってるみたいな…」
187 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/30(日) 23:45:42.51 ID:WskeWlo20
↑すみません名前欄の所間違えました
188 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/30(日) 23:46:50.71 ID:ZSiqTKzAO
デルフ「やつは魔法も使われてるからね。ガンダールヴは魔法兵器の知識は得られねえんだ」

才人「そうなのか?」

デルフ「魔法兵器とかを使うのは……ん? えーと、なんだっけな…」

才人「まあいい。とにかく、駆動系の位置がわかった。そこを重点的に狙うぞ」

デルフ「あいよ」

才人「上条、俺はやつを機能停止させる。それまでサポート頼む!」

上条「わかった!」

才人「さて、まずは脚部だな。機能停止させる為にもあの素早い動きをなんとかしなきゃ」

問題は敵の装甲である。敵の装甲は硬く、先程攻撃したものの、弾かれたのだ。

才人「さて、どうするか。……ん?」

バチッバチチッ。

才人「なあデルフ。お前、さっき稲妻を吸収したよな」

デルフ「それがどうかしたかい」

才人「それさ、攻撃する時放出出来ない?」

デルフ「出来るよ」

才人「おお、ナイス! これならいけるかも」

デルフ「何をする気だい相棒?」

才人「やつは魔法で動いてるって話だけど、見た目は機械っぽい。だから雷属性二倍ダメージ!」

デルフ「何を言ってるかさっぱりだが、とりあえず雷が弱点って事か?」

才人「やってみる価値はある」
189 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/30(日) 23:48:30.28 ID:ZSiqTKzAO
デルフ「わかったぜ相棒。思いっきり電撃を浴びせてやんな!」

才人(……ん? よくよく考えたらガンダールヴの能力が働いたって事はあれ、兵器だよな。機械の。
    でも、この世界に機械? しかも、なんか年季が入ってるっぽいし昔からあったのか?)

デルフ「相棒、集中しな!」

才人「っと、そうだ。今はそんな事考えるのは後回しだ」

何度も見て来た敵の攻撃パターンはほぼ見切った。後は回避行動を取られる前に斬る。

才人「おらぁぁぁぁ!」

ズバッ! バチィ!
古代兵器が一瞬動きを止める。

デルフ「手応えありだぜ、相棒!」

才人「よし! やっぱ弱点は雷だったぜ!」

上条「油断すんな! カウンターが来るぞ!」

才人「そうだった!」

カウンターで飛んで来る爆弾を避け、灼熱のビームを回避し、再び攻撃に移る才人。

才人「今度は外さねーぞ。デルフみだれうち雷属性付き!」

ズババババッ!
四連続斬りを叩き込む才人。古代兵器が怯む。

上条「行けるか!?」

だが古代兵器も譲らない。脚部を振り下ろし、地面を揺らす。

才人「くっ、これじゃまるで地震だ!」

上条「こんな洞窟内でこんなもん連発されりゃ生き埋めだぞ!」
190 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/30(日) 23:50:10.05 ID:ZSiqTKzAO
才人「やっぱ脚はさっさと破壊しなきゃな…」

上条「くそ、俺はヤツの動きが止まるまで後手に回るしかないのか…!」

そこで、上条は竜の入っていた宝箱に目を付けた。

上条「あん中に何か役立つもんが入ってるかも知れない」

上条は宝箱に向かって走り出した。

才人「くそ、火力が足らねえ! せめて剣がもう一本あれば…!」

デルフ「弱音を吐くんじゃねえよ。手数が少なきゃ素早い攻撃でカバーするんだ」

才人「そうは言うが、さすがに一本じゃ限界だ。さばき切れねえ!」

上条「平賀、こいつを受け取れ!」

才人「これは……剣!?」

上条「あの宝箱に入ってた。古い物かも知れんが、使えそうか?」

剣を受け取った才人の左手のルーンが輝きを増す。

才人「すげぇ。この剣、なんだか知らねえがすげぇよ」

デルフ「錆ひとつないってこたぁ、固定化の呪文でもかかってんのかね? ……しかし、オイラと同じニオイのする剣だね」

才人「なんだそれ。伝説って事か?」

デルフ「さあね。ただ、こいつは良い剣だぜ」

才人「よし、だったら一気に蹴散らすぞ!」

デルフ「よっしゃあ!」

才人「うおおぉぉぉぉ!!」

ズババババババババッ!!
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/30(日) 23:52:38.95 ID:Xol8jQ/z0
機械?
なんか学園都市製のにおいが……
192 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/30(日) 23:52:49.02 ID:ZSiqTKzAO
古代兵器の脚部が小さな爆発が起こり、煙が上がる。

才人「よっしゃ! 後少しだ!」

才人は流れるような動きで見事な二刀流を披露する。
脚部破壊まで時間の問題だ。

才人「上条、もう少しで脚を破壊出来る。準備は良いか?」

上条「おう。準備運動のし過ぎで退屈してたとこだ」

才人「そいつぁ結構!」

バキィン! バゴォン!!
脚部の破壊に成功した。これでもうあの素早い回避も出来ないだろう。

上条「よっしゃ! 後は俺の右手で!」

しかし、脚部を失っても敵は止まらない。自らに近づかせまいと武装を大量に放出して来る。

そして―――


音声『拡散波動砲エネルギー充填』

上条「……ッ!」

例の技の発射シークエンスを告げるアナウンスが流れた。

才人「マズい!」

音声『電影クロスゲージ明度20』

上条「くそ! こんなタイミングで!!」

音声『セーフティロック解除』

上条「間に合え、間に合え!」

音声『薬室内圧力上昇』

上条「うおおおおおっ!」

音声『対ショック対閃光防御オン』

才人「上条!」

音声『エネルギー充填128%』

上条「そんなモンは撃たせねえ。そんな幻想は俺がこの手でぶち壊―――」

だが、その時。

上条(な、に……!?)

グラリと、地面が揺れた。
193 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/31(月) 00:08:16.91 ID:s3feqsjAO
上条(どう、やって……)

全武装が地面に向かって放たれていた。
地震というよりはただの衝撃に過ぎないが、上条のバランスを崩すには十分だった。

才人「上条ぉぉぉ!」

上条「う、おおおぉぉ!!」

それでも上条は右手を突き出す。次に来る攻撃を耐え、反撃に移る為に。

才人「無茶だ! よせ!」

上条「無茶だろうとなんだろうとやるしかねえんだ! ここを逃すわけにはいかねえんだよ!!」

才人「バカ野郎! そんな攻撃、いくらお前でも受け止め切れるかよ!!」

上条「………、そうかも知れない。俺一人じゃここでゲームオーバーだっただろうな」

才人「……!?」

上条「けど、俺は一人じゃない。みんながいたからここまでこれた。みんなのおかげで竜も倒せた。
    この技も、もし今初めて発射されてたら多分対処出来なかっただろうな」

才人「お前……」

上条「だから、そんなみんなに報いる為にも俺はやる。来るなら来てみろ。そんなモンじゃ俺は止められねぇぞ!!」

才人(くっ……)

だったら俺も加勢する、と才人が走り出そうとしたその時。

音声『発射!!』

そんな思いを打ち砕くが如く、またもや無情なる一撃が洞窟内を突き抜ける。



194 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/10/31(月) 00:15:02.67 ID:schAdq+A0
最近週一になってますねー。
来週はもう少し更新出来るといいですねー。
でも気分次第なんでしばらく週一ペースになりそうです。
まあ、出来るだけ頑張ります。
というわけで、つづく。
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/31(月) 00:15:30.69 ID:RtEur86DO
御坂より一方通行や妹達来てくれないかなぁ
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/31(月) 11:35:03.56 ID:RF2QTyUIO
197 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/05(土) 23:49:18.79 ID:eYO/3hDAO
ドゴォォォォォォォン!!

シエスタ「ひっ…!」

五和「また、さっきの攻撃ですか…!?」

シエスタ「サイトさん! トウマさん!」

ギーシュ「待ちたまえ! 今きみが行ってなんになる!」

シエスタ「でも、でも!」

ギーシュ「ぼくだって、何か出来るのなら今すぐにでも駆けつけたい!」

五和「そうです。その気持ちは、みんな一緒です」

シエスタ「え…」

ギーシュ「恥ずかしながら、ぼくはサイト達みたいな特殊な力は持ってないし、かと言ってキュルケ達ほど魔法が使えるわけでもない」

五和「私も、魔術に関してはまだまだ未熟です。もう少し、私に力があればと何度か思いました」

ギーシュ「だけど、ぼく達にはきみやみんなを守るという役目がある」

五和「そうです。あの二人は、これ以上あなた達を巻き込まないようにしてくれたんです」

シエスタ「でも、それじゃあんまりです…。二人だけじゃ無謀ですよ!」

ギーシュ「きみは、サイト達を信じてないのかい?」

シエスタ「それは…!」

ギーシュ「ぼく達は彼らを信じて進んでいる。彼らがぼく達を守りたいと言うのなら、ぼく達は彼らの帰る場所を守ろうじゃないか」
198 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/05(土) 23:50:04.51 ID:eYO/3hDAO
シエスタ「帰る……場所…」

ギーシュ「そう。ぼく達の事さ」

シエスタ「………。わかりました。わたしは待ちます。二人を信じて」

ギーシュ「うむ。それでいい。さて、向こうから光が見えて来たぞ」

五和「あそこが出口ですね」

ギーシュ「気を引き締めたまえ。最後の最後に油断して全滅なんてまっぴらごめんだからね」

五和「そうですね。油断せずに行きましょう」

ギーシュ「確認するけど、全員いるかね?」

インデックス、キュルケ、アニェーゼはそれぞれシエスタ、ギーシュ、五和の三人が肩を貸している。
タバサは小柄なので、比較的ダメージの少なかったキュルケの使い魔フレイムの背に乗っている。

シエスタ「サイトさんとトウマさん以外は全員いるみたいです」

ギーシュ「ふむ。では行こうか」

五和「……でも、何か忘れているような?」

シエスタ「そういえば、何か足りないような気がしますね」

ギーシュ「きみ達、何を言ってるんだ。欠員なんて誰も………」

シエスタ「……あ」

五和「そういえば、あなたの使い魔が……」

ギーシュ「ああああああ!? ど、どこに行ったんだ、ぼくのかわいいヴェルダンデェェェェ!!」
199 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/06(日) 00:05:27.39 ID:quq1zgWAO
上条「ぐ……」

古代兵器の放つ波動砲を右手で防ぐ上条だったが、放たれ続ける波動砲は完全に打ち消し切れない。

上条(こんな、攻撃……、よく防ぎ切ろうなんて思ったよな、俺)

以前にも似たような凄まじい魔術を受け止めた事がある上条だが、その一件は上条の記憶から消えている。
しかし、記憶の有無に関係なく上条はこの攻撃を受け止めようと考えただろう。

上条(く、お……、こりゃ忍耐勝負だな。ヤツが撃ち尽くすか、俺が力尽きるか…!)

しかし、このままでは上条が先に倒れるだろう。
それ程までに、波動砲の威力は高いのだ。

上条(だからこそ、すぐにでも倒さなきゃならねぇ)

波動砲を受け止めながらも、上条は一歩また一歩と進んで行く。

上条(触れたら勝ち。ハッ、簡単じゃねえか)

右手の皮が裂ける。血が腕を伝っていく。

上条(待ってやがれ。もう少しでお前の幻想を打ち砕いてやるからよ…!)

波動砲の勢いが高まり、思わず後ろに下がってしまう。

上条(く、そ……、後少し……後少しなのに…!)

右手はもう血まみれで、痛々しい程真っ赤に染まっている。
しかし、それでも上条は退かない。退くわけにはいかない。
200 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/06(日) 00:05:54.23 ID:quq1zgWAO
才人「デルフ、なんとかならねえのか!?」

デルフ「無茶言うなよ。いくらオイラでもあんだけ凄まじい魔法を食らったら木っ端微塵になっちまう」

才人「くそっ、どうすりゃいいんだよ!」

上条が波動砲を防いでいる間、才人は何も出来ない自分に歯噛みしていた。
あそこまでの高威力ともなると、回避も防御も不可能。幻想殺しで打ち消すしかないのだ。

才人「………! あれは…」

その時才人はあるものを見つけた。そして、それは勝利への鍵となるものだ。

才人「上条ぉぉ! 右だ! もう少し右に移動してくれ!」

上条(右? 一体何があるってんだ…?)

だが、考えている余裕はない。言われた通り、右に移動する上条。
すると、古代兵器の向きも上条に合わせて変わる。

才人「上条、キツいかも知れねえが、もっと先に進んでくれ!」

上条「無茶、言うぜ。これ以上はさすがに…」

才人「頼む、後少しなんだ! 後少しでやつに決定的な隙を作れる! だから!」

上条「なに!? ……その言葉、信じるぞ平賀! う、おおぉぉぉぉ!!」

力を振り絞り、更に歩を進める上条。
そして、それを押し返そうと古代兵器も波動砲の威力を高める。
201 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/06(日) 00:07:25.24 ID:quq1zgWAO
そのあまりの高威力と、脚部を破壊された事もあってか、古代兵器は少しずつ後退している。

才人「後少しだ!」

上条「ぬああぁぁぁぁぁぁ!!」

ぐっ、と右手を突き出すと、それに合わせて古代兵器は後退する。
………と、

上条「!」

ふと、右手に襲いかかる感覚がなくなった。
見ると、波動砲は上条の頭上を掠めるように斜め上に放たれていた。

上条(一体、何が…?)

古代兵器の足元、そこには大きな穴が空いていた。
古代兵器はその穴に脚を取られ、バランスを崩して倒れかけているのだ。

上条(まさか、あの穴は……!)

その時、穴からそそくさと脱出するモグラがいた。ギーシュの使い魔のヴェルダンデだ。

上条(そうか。あいつ、あれからずっと穴掘っててくれたのか!)

才人「今だ! 行け上条!」

上条は、血まみれとなった右手を握りしめる。
皮のめくれた手を握るととんでもなく痛い。だが、今はそんなものは気にもならなかった。

上条「テメェが何の為に造られたのか。何の為に戦うのか。そんなの、俺にはわからねえ。
    けどな、お前が俺の仲間を傷付けるってんなら、俺はお前を許さねえ」
202 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/06(日) 00:12:41.69 ID:quq1zgWAO
上条「それに、放っておいたらテメェは俺達だけじゃなくこの世界の人も傷付けるだろう。そんなのは許せねえ」

才人「ちょ、上条くん? お説教タイムはいいからね? 相手機械だからね? 何言っても意味ないからね!?」

上条「機械でも、人の心は宿るって言うだろ。テメェには、人の心が、愛がわからないのか!?」

才人「いいからさっさとそげぶしろってそげぶ!」

音声『………愛』

才人「うわ、喋った!?」

上条「誰かを大切に思う気持ちを理解出来ないなら、テメェはただの大量破壊兵器だ」

音声『愛…理解、不能……愛……アイ……』

才人(動きが止まった? え? 上条さんの説教は機械にも効くの?)

音声『目標、殲…滅……』

上条「……そうかよ。結局テメェは敵を倒すっつー目的しか持ってねえわけだ。けど、残念だがそいつは叶わねえな」

才人(おお、来るか? 来るか!?)

上条「俺がテメェを倒すからだ。テメェの目的は最早果たせられないただの幻想に過ぎねえんだ」

才人(よしいけそげぶだ! そげぶっ!)

上条「それでもまだテメェがかかって来るってんなら、今すぐ俺がその下らねえ幻想をぶち壊す!!」

上条は握った拳を叩き付ける。バギン、と何かが壊れる音がした。
203 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/06(日) 00:20:04.85 ID:quq1zgWAO
これで、古代兵器の機能は完全に停止しただろう。
ギギギ、と古代兵器の動きが鈍っていく。

上条「い、ってー! うわ、血だらけじゃねーかよ! ったく、毎度毎度傷だらけの上条さんですよーと」

才人「…! まだだ、上条!」

上条「はい?」

見上げると、完全に機能停止したはずの古代兵器がまだ動いていた。

上条「な……!?」

才人「どういう事だ!? あいつは魔法で動いてたんじゃ…」

デルフ「そのはずだぜ。奴の魔力はもうなくなってる。なのになぜ動ける!?」

才人(まさか…! まだ機械部分が生きてたのか!? いや、違う。きっと幻想殺しを食らう前に魔力を電力に変えたんだ!)

ボロボロになった上条に照準を合わせる古代兵器。
魔法兵器がなくとも、実弾も積んである。そして、上条の右手で実弾は防げない。

才人「くっそぉぉぉぉ!!」

デルフ「相棒! 今からじゃ間に合わねえ。オイラを投げろ!」

才人「頼むぞデルフ!」

ブンッ!
デルフは古代兵器の砲塔に当たり、弾の軌道を逸らした。

才人「上条、走れ!」

才人の合図と共に上条は走り出す。
と同時、流れ弾が才人に向かって飛んで来た。

才人「ぐっ…!?」
204 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/06(日) 00:22:14.72 ID:quq1zgWAO
才人(弾が……腹に…!?)

ガクッ。

上条「平賀!」

才人「し、心配すんな。かすり傷だ…」

とは言ったが、今までの蓄積されたダメージも相まって、意識が飛びそうになる。

才人(こいつは、本格的にやべぇ…。どーすっかな……はは)

砲塔が今度は才人へと向けられる。

才人(一難去ってまた一難。くそ、さすがにもう避け切れないぞ…)

才人「はは、やっぱそう上手くはいかないか…」

上条「平賀ぁ!!」

デルフ「相棒ぉ!!」

もう一本の剣を構える事も出来ず、才人は目を瞑ろうとした。
……だが、



上条「伏せろ!」



才人「え……」

わけがわからないまま、倒れ込むように才人は地面に伏せる。
ドンッ!!
何かがぶつかるような鈍い音が響いた。

才人(何が…、…ッ!?)

見上げると、そこには先程倒したはずの竜が古代兵器に突進していた。

才人「な、なんでこいつが!? 一体どうなってるんだよ!?」

ドォン!!
古代兵器が倒れ、洞窟内が大きく揺れる。

才人「うわっ!!」

ガラガラッ!

才人「しまった、道が!」

上条「岩で塞がれちまった!」
205 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/06(日) 00:33:53.84 ID:quq1zgWAO
才人「無事か、上条…!?」

上条「ああ、お前の剣とギーシュのモグラも無事だ」

才人「くそ、完全に埋まっちまった!」

上条「これじゃ、脱出出来ねえ…」

才人「おまけにボスが二体、と」

上条「ったく、つくづく不幸な展開だぜ」

才人「全くだ。お前の不幸に付き合わされたら命がいくつあっても足りねーよ」

上条「そりゃどーもすみませんね」

才人「………」

上条「………」

才人「上条。提案がある」

上条「なんだ」

才人「どうせ最後なら。一発決めちまっても良いかな」

上条「ファイナルアタックってか。良いぜ、最後はドンと決めようじゃねーか」

才人「その為にも、少し手伝って欲しい。俺の手を掴んでぶん回してくれ」

上条「良いけど、何する気だ?」

才人「俺はもう自力で走る事も出来ねえ。だから、回って勢いをつけて突撃する」

上条「回るって、どういう事だよ」

才人「ほら、公園でさ、回る遊具あるじゃん。あれグルグル回してから手離すと勢いよく走れるだろ」

上条「はあ」

才人「ま、そんな感じで」

上条「無茶苦茶だな」

才人「それは承知の事だよ」

上条「ま、やるっきゃないな」

才人「ああ、チャンスはあの二体が組み合ってる今しかないんだ。頼むぜ」

上条「わかった。そうだ、コイツを」スッ

才人「お、デルフ」

デルフ「相棒、オイラを忘れてもらっちゃ困るね」

才人「わかってるって」

上条「じゃ、行くぞ」

才人「おう」
206 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/06(日) 00:46:35.37 ID:quq1zgWAO
ガシッ。

上条(痛ッ、この手で掴んでぶん回すのはさすがにキツい…)

才人「大丈夫か、上条?」

上条「なに、心配すんな。お前に比べりゃこの程度の痛み! うおぉぉぉぉ!!」

才人「行くぞぉぉぉぉ!!」

ブンッ!!

才人「ぐっ…! おおおおおおりゃぁぁぁぁぁぁ!!」

走り出した勢いそのままに、才人は跳躍する。
才人に気付いた二体の攻撃を、二本の剣で弾く。

才人「トドメだぁぁぁ!!」

デルフリンガーで竜を斬り、もう一本の剣を古代兵器に突き刺す。

才人「動力炉にぶっ刺した。これでお前も終わりだ…!」

ギギ…ギギギ…。

音声『ザ…ザザ………』

才人「!?」

音声『は、どう……ザザ……』

才人「う、ウソ…だろ……!?」

音声『ザザ…ザザ…っしゃ…ザザー』

上条「危ねぇッ!!」

カッ!!
ゴォァァァァァァァァ!!

才人「うわぁぁぁぁぁ!!」

バギィン!!
天井が壊れ、一筋の光が差し込む。

上条「はぁ…はぁ…だ、大丈夫か平賀?」

才人「あ、ああ……」

上条「つーか、まさか地上まで貫通したのかよ!?」

音声『……致命的、損傷。ザザ…自爆、装置…さ、どう…ザザ、ザー』

上条「ってまたその展開かよッ!?」

才人「宝探し=爆破オチってなんなんだよ……そんなテンプレいらねえ!」
207 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/06(日) 00:51:11.78 ID:quq1zgWAO
上条「くそーーー!! 不幸だぁぁぁぁぁぁ!!」

才人「右に同じぃぃぃぃぃぃ!!」

デルフ「お前さん方、そんな事言ってる場合じゃないようだぜ?」

グオッ!

才人「なぁっ!? お前もう休んでろよ腐れ竜が!!」

上条「ああもう、絶体絶命かよ! こうなりゃとことんまでやってやる! 平賀もモグラも、みんなで特攻だ!」

才人「バカ、ヤケになんなって……うわっ!?」

竜の羽ばたきによって発生した風で、二人とモグラは上に吹き飛ばされる。

才人「……? もしかしてあいつ、俺達を助けようとしてんのか?」

上条「は? どういう…」

才人「だってあいつ、攻撃して来ないぞ」

上条「そりゃ、確かにそうだな」

才人「何にせよ、このまま上に飛んでいけば脱出出来そうだ!」

上条「おお! 神はまだ俺達を見捨ててなかった!!」

デルフ「待て、また奴が!」

ギギギ…。

才人「しつけぇー!?」

音声『自爆……30秒前……外部装甲、パージ…』

古代兵器の装甲が吹き飛ぶ。そして、それは竜に直撃する。
竜は倒れた。そして風も止む。二人とモグラは落ちていく。

上条「ばかぁぁぁぁぁぁ!!」

才人「ちくしょぉぉぉぉ!!」
208 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/06(日) 00:59:17.45 ID:quq1zgWAO
上条「あー、はいはい。この高さから落ちたらどうせもう助からんな」

才人「ご愛読ありがとうございました。次回作にご期待下さいー」

デルフ「……あきらめはえーね」

???「まだ終わってません!!」

上条「な、なんだあれは!?」

才人「鳥か!? 飛行機か!?」

デルフ「いや違う、あれは…」

シエスタ「サイトさん! トウマさん!」

上条&才人「シエスタだぁぁぁ!!」

シルフィードに乗ったシエスタ達が助けにやって来た。
シルフィードは才人達を背に乗せると、地上を目指して飛んでいく。

シエスタ「大丈夫ですか!? 二人ともひどいケガを…」

才人「そんな事は良いんだ。シルフィード! もっと速く飛んでくれ!」

シエスタ「サ、サイトさん? どうしたんですか?」

才人「毎回恒例自爆装置爆発数秒前!!」

シエスタ「ま、またですかーーー!?」

上条(漢字多っ! 中国語かよ! …ってツッコんでる場合じゃないか)

ギギ…。ギギギ…。

上条「マズイ、あのポンコツまだ動きやがる!」

ガッ、ガシッ!

デルフ「いや、けどあの竜が最期の力を振り絞って押さえてるみてーだぜ」

上条「いいぞ、負けるな竜!!」

才人「さっきはぶった斬って悪かったごめん! だから頑張れ!」

ゴゴゴゴゴゴ!
才人「みんな、シルフィードに掴まれ!」

シエスタ「あわわわ〜!!」

カッ!!
古代兵器が光輝く。



そして―――



209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(三重県) :2011/11/06(日) 03:54:38.41 ID:gpm+JXOs0
波動砲って耐え続け無くても逸らせば良くなかった?
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/06(日) 14:33:24.78 ID:fTyd5b1f0
機械に説教するなよ。
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪) :2011/11/06(日) 15:01:58.34 ID:dufGRhmj0
まあこういうのにも突っ込むのもなんだけどイギリス清教が動くか?確かに未知の魔術があるのはわかるけどさ、対魔術が目的の組織にしろ異世界にまでわざわざ行くか?

それも裏面で活動じゃなく国家サイドと結びついてるのは同じでも公開されてるから攻め込んできたら魔術の存在を公開した上で動くことになるんじゃ。

日本の秋葉原にゲートが繋がってるなら自衛隊あたりにでも攻め込んできても任せればいいんだし。科学技術プラス超能力の学園都市もあるし。

そもそもスパイ活動なのに現地の機関にそう簡単に存在知らせるとかどうよ。それにアレイスターのプランに重要だから上条を長期間ハルケギニアにいかせるってアレイスターが取りそうにないんだけど。
212 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/07(月) 01:12:00.33 ID:LipkfuZr0
>>209
上条さんは逸らすスキルがないですし、至近距離なんで回避不能なわけです。
最初に逸れたのは偶然みたいなものなんで。


>>211
はい、そうですね。確かに色々おかしい点はあると思いますよ。

けどゼロ魔の世界にもとんでもない魔法とかあるわけですよ。
下手すれば世界規模の魔法とかですね。

スパイ活動とかの方も一応考えがあったり…。
この辺はまた後々書いていく予定です。

後、一応地球とハルケギニアとは時間の流れが違う的な感じに設定しています。
上条が何日も学園都市を外出してるのは確かに問題がありますからね。

それと、イタリア編から次の話までの時間が意外と短かったので、この辺もちょっと変えます。
イタリアに行くのは原作より少し早めで、帰って来た後ハルケギニアへ行き、その後2〜3日経過。
上条達が帰って来るのは9月29日、そこから○九三○事件に繋がるって感じでどうでしょう。

それでもダメなら自分の力量不足です。すみません。

やるからにはきちんとしたものにしたいので、そういった意見はとてもありがたいです。
おかしい点や、間違いなどはどんどんご指摘下さい。よりよい作品になるように勤めますので。

213 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/07(月) 01:17:31.19 ID:3abJrkSAO
ドォォォォォォォォォォォン!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

シエスタ「きゃああっ!!」

上条「うわっ!!」

才人「ぐ……、う!」

上条(ま、ずい…右手に、力が入らねえ……)

才人(くそ、腹に食らった傷が……)

ガシッ!

才人「!」

上条「し、えすた…?」

シエスタ「は、はは離しません! ぜ、ぜぜ絶対にッ!!」

シエスタが絶対に離すまいと全力で二人を掴む。
グォォォォォォォ!
そして、地下を抜け出す。

シエスタ「地上に出ました!」

上条「うわっ、まぶしっ……くない?」

才人「ああ、もうすっかり夜だ…」

上条「はあ……、ったく、今回はマジでやばかったな」

才人「そうだな。本当に死ぬかと思った」

デルフ「ところがどっこい生きている、ってな」

上条「………なんつーか、月がきれいだ」

才人「そうだな」

上条「………」

才人「………」

上条「………………………………………あれ」

才人「どうした?」

上条「な、なんで月が二つもあんのぉぉぉぉ!?」

才人「えぇぇぇぇ!? 今さらかよ!?」

上条「え、何!? どういう事!?」

才人「知るかよ! つーか今気付いたのか!? お前こっち来て何日だよ!」

上条「いやぁ、まあ色々あったし……」

才人「はぁ…。なんじゃそりゃ…」
214 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/07(月) 01:20:23.53 ID:3abJrkSAO
才人「ところでシエスタ。お前よくシルフィードを一人で乗りこなしたな」

シエスタ「…? いえいえ、わたしが乗りこなしてるわけじゃありませんよ」

才人「え? いや、だってタバサもいないし…」

シエスタ「いますよ」

タバサ「………」

才人「うわっ!? いたのかタバサ!?」

シエスタ「失礼ですよサイトさん。先程からずっといましたよ」

才人「あ、あはは。いやすまん。だってお前もうシルフィードと一体化してるもんだからさ」

タバサ「……別にいい」





シエスタ「みなさーん!」

五和「あ、帰って来ました!」

ギーシュ「サイト! トウマ! 無事だったんだね!」

才人「ああ、なんとかな。うっ…」

ギーシュ「って、ひどいケガじゃないかサイト!」

五和「私が回復魔術でなんとかしますからこちらに来て下さい」

才人「ああ…」

上条「頼むぞ、五和」

才人「あ、おい上条。お前だって…」

五和「あなたもどこかケガを?」

上条「ん? いや、俺は別に大した傷も負ってないし大丈夫だよ」

五和「そうですか。よかった」

才人(お前…)

上条(悪い。心配かけたくないヤツがいるから、な?)

才人(………わかったよ。黙っといてやる)

上条(サンキュー)
215 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/07(月) 01:21:17.34 ID:3abJrkSAO
ギーシュ「ああ、ぼくのヴェルダンデ! よくぞ無事だった!!」

ひしっ、とギーシュとその使い魔は抱き合う。

上条「感謝するぜギーシュ。そいつのおかげで俺達は勝てたんだ」

ギーシュ「へ? ………ふ、当然だろう。きみ達の役に立つよう残して来たのだからね」

キュルケ「よく言うわよ。さっきまでヴェルダンデー、って叫んでたくせに」

ギーシュ「う……。き、気がついてたのかねキュルケ」

キュルケ「そりゃあんだけ叫ばれりゃ嫌でも目が覚めるわよ」

上条「インデックスは?」

キュルケ「大丈夫よ。イツワの魔法で回復したし、今は眠っているわ」

上条「そっか。よかった。あいつに何かあったらどうしようかと思ってたからな」

キュルケ「なあに? やけに彼女に入れ込むじゃない。ひとえに愛、ってやつかしら?」

上条「そんなんじゃねえよ。あいつを危険な目に遭わせたくねえんだ。だから俺が守ってやんないといけねぇ」

キュルケ「………」

上条「今回は運良くなんとかなったけど、次もまた上手くいくかわからねえ。あいつをちゃんと守れるかどうかわかんねえんだ」

キュルケ「あなた、サイトと同じね」

上条「え?」
216 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/07(月) 01:23:01.74 ID:3abJrkSAO
キュルケ「あなたもサイトも、お互い主人を守ろうと必死に戦ってる」

上条「いや、別にあいつは主人ってわけじゃないんだが…」

キュルケ「それでも、使い魔としての勤めは立派に果たしてるってわけよ。ま、今のサイトはルイズとケンカ中みたいだけれどね」

上条「いや、だから別に使い魔じゃ……って、あんま自分達の首を締めるような発言は控えるか…」

キュルケ「ん? なに?」

上条「なんでもない」

キュルケ「それにしても、また爆発だったわね」

上条「そうだな」

キュルケ「おかげでお宝はまたもやパー。結局、見つけた宝箱に何が入ってたのかわからずじまいだし」

上条「宝箱の中身なら剣だったぞ?」

キュルケ「剣? もしかして、大昔に造られた値打ちのある剣とかかしら」

上条「んー、どうだったかな」

デルフ「値打ちはともかく、あいつは間違いなく名剣だったね」

キュルケ「同じ剣のあなたが言うならそうでしょうね。で、その剣は?」

上条「あー、そいつは…」

デルフ「相棒があの兵器にぶっ刺して、そのまま爆発の中だな」

キュルケ「………まあ、そんな予感はしてたわ」

上条「悪かったな。収穫なしでさ」
217 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/07(月) 01:25:05.42 ID:3abJrkSAO
キュルケ「ま、いいわ。あなた達が無事だったからそれでよしとするわよ」

上条「そいつはどうも」

キュルケ「それに、あなたが絡むと毎回こんな感じになるみたいだし」

上条「いやぁ、毎度毎度俺の不幸が迷惑かけてすみませんねぇ」

キュルケ「そんな事ないわよ。スリルがあって面白いし」

上条「ははは…」

キュルケ「でも、さすがに今回は本当に危なかったわね」

上条「あー、そうだ。そこで相談なんだが」

キュルケ「なに?」

上条「そろそろ宝探しも終わりにしないか? みんなボロボロだし、インデックスをもう危険に晒させたくないし」

ギーシュ「それにはぼくも賛成だよ。キュルケ、そろそろきみの持つ宝の地図とやらが疑わしくなって来たしね」

キュルケ「そうねぇ…。じゃあ、最後にもう一件だけいいかしら?」

上条「けどキュルケ…」

キュルケ「安心して。今度はただの村のすぐ近くよ。危険な事はないわ。これでダメなら学園に帰りましょう」

上条「そうか、なら良いけどさ。一体何を探すってんだ?」

キュルケ「『竜の羽衣』よ」

シエスタ「え…!? そ、それホントですか?」

キュルケ「あら、あなた知ってるの? タルブの村の近くってあるけど」
218 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/07(月) 01:28:32.12 ID:3abJrkSAO
上条「タルブ? どこだ、そこ」

シエスタ「タルブはラ・ロシェールの向こうです。広い草原があって……、わたしの故郷なんです」

上条「へえー。で、シエスタはその『竜の羽衣』とやらのある場所を知ってんの?」

シエスタ「はい」

上条「そっか。なら、今度の宝探しは楽勝だな」

ギーシュ「そのようだね」

上条「はぁ。なんだか安心したら腹が減って来たな」

ギーシュ「そうだね。今日は本当に疲れたよ。お腹の方もぺこぺこだ」

シエスタ「あ、じゃあお食事にしましょう。『竜の羽衣』の話はその時にでも」

上条「ああ、よろしく」



才人「いやぁ、すげーな。もうほとんど痛くねえよ」

五和「と言っても、まだ完全に治ったわけではないので無理はしないで下さいね」

才人「わかってるって」

五和「それでは、私はシエスタさんの所に行って来ます」

才人「ん? シエスタに何か用か?」

五和「人数も増えましたし、お料理のお手伝いをと思いまして。二人でやれば早く作れますしね」

才人「そっか。俺も腹減って来たとこだし、早めにお願いな」

五和「はい。頑張ります」

才人(……女の子二人の手料理か。いいな!)ぐっ
219 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/07(月) 01:31:54.04 ID:3abJrkSAO
シエスタ「みなさーん、お食事が出来ましたよー!」

ギーシュ「おお、これはうまそうなシチューではないか!」

シエスタ「どうぞ、召し上がれ」

ギーシュ「では早速、いただきまーす!」

上条「う、うまい! 死の淵から生き残った後のシチューってこんなにうまいんだな!」

キュルケ「そんな体験はもうこりごりだけど、本当においしいわね。一体どんな食材を使ってるの?」

シエスタ「えっとですね、野ウサギの肉に、ハーブや山菜を集めて作りました」

キュルケ「へえ」

シエスタ「イツワさんのおかげで食材集めも楽でしたし、いつもより早く作れました」

五和「いえいえそんな。恐縮です」

キュルケ「あなた起用ね。こうやって森にあるものでおいしいものを作っちゃうんだから」

シエスタ「田舎育ちですから」

キュルケ「これはなんてシチューなの? ハーブの使い方が独特ね。それに、見た事もない野菜がたくさん」

シエスタ「わたしの村に伝わるシチューで、ヨシェナヴェって言うんです」

上条(もしかして、寄せ鍋の事か?)

五和(そうみたいですね)

シエスタ「父から作り方を教わったんです。食べられる山菜や木の根っことか、色々ですね」
220 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/07(月) 01:36:43.68 ID:3abJrkSAO
上条「ふーん父親からねぇ」

シエスタ「父は、ひいおじいちゃんから教わったそうです。今ではわたしの村の名物です」

上条(いやぁ、偶然ってあるもんだなぁ)

才人「………」

上条「ん? どうした平賀。食わないのか?」

才人「えっ?」

ギーシュ「おいおい、何をぼーっとしているんだい?」

キュルケ「今ごろルイズはどうしてるかなー、な〜んて考えてないわよね?」

才人「な!? ばっ、そそそんなわけないだろ! なんで俺があんなやつ!」

デルフ(ったく、まだあんな事言ってら)

ギーシュ(というか、わかりやすいやつだね)

キュルケ「でも、スプーンが止まってるわよ?」

才人「い、今食べようと思ってたとこだ!」ガツガツ

シエスタ「サイトさん、おいしいですか?」

才人「うん。うまい!」

シエスタ「よかった!」

才人(シエスタの笑顔が、どことなく懐かしい感じがする。このシチューも…)

そんな、懐かしい感じのするものを見ると、才人は遠い故郷の事を思い出す。

才人(いつか帰るんだ。地球に。いや、いつかじゃない。近い内に帰れる。きっと)

上条達も地球からやって来た。つまり、帰る手立てもあるという事だ。
自分が地球に帰るのも遠くない事だろう。そう才人は考えるのだった。
221 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/07(月) 01:44:44.01 ID:LipkfuZr0
一応これにて洞窟編は終了ですね。長かった!

次は学園都市サイドも書いていきたいです。

一方通行やら妹達やらを出してほしいみたいな意見がありましたので、出来る限り出せるような展開を考えます。

……けれど、うーん。難しい。

禁書の時期を15巻辺りにしとけばよかったかな…。

さて、どうしたものか。頑張って考えておきます。
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [saga]:2011/11/07(月) 05:58:07.60 ID:lBaNNM0SO
バクマンコンビは面白いな
223 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/15(火) 22:03:46.10 ID:C3OPwCmE0
キュルケ「で? 例の『竜の羽衣』ってのは一体何なの?」

シエスタ「はい。その、村の近くに寺院があって。そこにあるって話なんですけど…」

キュルケ「どうして『竜の羽衣』って呼ばれてるの?」

シエスタ「えっと……それをまとったものは空を飛べるそうです」

キュルケ「空を?『風』系のマジックアイテムかしら?」

シエスタ「そんな……、大したものじゃありません…」

キュルケ「どうして?」

シエスタ「その、実はインチキなんです」

才人「え? どういう事?」

シエスタ「どこにでもある、名ばかりの秘法って事ですよ」

才人「なるほど、今までの大した事ないお宝と同じって事か」

シエスタ「ただ、地元のみんなはそれでもありがたがって……。
      寺院に飾ってあるし、拝んでるおばあちゃんとかいますけど」

才人「へぇええ」

シエスタ「実は……、それの持ち主、わたしのひいおじいちゃんだったんです」

才人「ひいおじいちゃん?」

シエスタ「はい。ある日、ふらりとわたしの村にひいおじいちゃんはあらわれたそうです。
      そして、その『竜の羽衣』で東の地からわたしの村にやって来たってみんなに言ったそうです」

キュルケ「すごいじゃないの」

シエスタ「でも、誰も信じなかったんです。ひいおじいちゃんは頭がおかしかったんだってみんな言ってます」

キュルケ「どうして?」

シエスタ「誰かが言ったんです。じゃあその『竜の羽衣』で飛んでみろと。
      でも、結局飛べなくて。なんか色々言い訳したらしいですけどみんなが信じるわけもなくて。
      おまけに『もう飛べない』と言ってわたしの村に住み着いちゃって」

才人「………」

シエスタ「それから一生懸命働いてお金を作って、そのお金で貴族にお願いして
      『竜の羽衣』に『固定化』の呪文までかけてもらって大事にしてました」

キュルケ「変わり者だったのね。さぞかし家族は苦労したでしょうね」

シエスタ「いえ、『竜の羽衣』の件以外では働き者のいい人だったんでみんなに好かれたそうです」

才人「それってようは村の名物なんだろ? さっきのヨシェナヴェみたいな」

シエスタ「はい」

才人「そんなの、持って来たらダメじゃん」

シエスタ「でも、わたしの家の私物みたいなものだし……。
      サイトさんがもし、欲しいって言うなら父に掛け合ってみます」

才人「うーん。結局インチキな代物なんだろ? なら別にいらないよな…」

キュルケ「まあ、インチキならインチキなりの売り方があるわよね。
      世の中にバカと好事家ははいて捨てるほどいるのよ」

ギーシュ「きみはひどい女だな」
224 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/15(火) 22:09:41.63 ID:C3OPwCmE0
とまあ、話題も終わったそんな時。

イン「ごはん!」ガバッ

上条「のわっ!? 起きたのか、インデックス…!?」

イン「とうまっ! 私を起こさず先にごはんを食べようなんていい度胸かも!」

上条「だーッ!? 待った待ったごはんは上条さんの頭にはついてないないですの事よー!?」

イン「………む。とうま。今の私は今までの私と違う事を忘れてない?」

上条「はっ、そうだった。今のインデックスさんはきれいなインデックスさんなんだ!
    や、やった! 噛まれずに済むぞ! きゃっふ〜い!」

イン「でも、とりあえずとうまの分まで食べちゃうかも」

上条「な!? ま、待て! 俺だけならまだしもみんなの分があるんだぞ!」

シエスタ「あ、大丈夫ですよ。インデックスさんの食欲も踏まえて作りましたから!」

上条「……シエスタ。お前、いい嫁になれるぞ」

シエスタ「え…やだ、そんな…///」

五和「あ、あの! おしぼりどうぞ!」ガタッ

上条「あ、ああ…ありがとう…?」

シエスタ「いいお嫁さんになれるんですって、サイトさん!」

才人「え!? そこでなんで俺に振るの!?」

キュルケ「だめよ。サイトはあたしのダーリンになるの」

シエスタ「でもそれってサイトさんが望んだ事なんですかぁ?」

キュルケ「だってサイトが宝探しに来たのはお宝を見つけて貴族になって
      ルイズを見返してでもってあたしと結婚する為なのよ?」

シエスタ「最後のはミス・ツェルプストーが勝手に言ってただけです。選択権はサイトさんにあります」

キュルケ「あらあら、平民風情が貴族に逆らおうっての〜?」

シエスタ「サイトさんだって平民です。平民には平民の幸せがあるんです!」

キュルケ「ま、結局はサイト次第ね」

シエスタ「サイトさん! わたしとミス・ツェルプストー、どっちがいいんですか!?」

キュルケ「当然、あたしよねぇ?」

才人「え、いやそんな事言われましても…」

シエスタ「サイトさんっ!」

キュルケ「サイト!」

才人「た、助けて上条ぉ!」
225 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/15(火) 22:14:12.27 ID:C3OPwCmE0
上条「モテモテですねー。うらやましいですねーちくしょー」

才人「聞けよこら。この俺、平賀才人が助けを求めていると言うのだよ!」

上条「リア充のくせに助けを求めるなんて、エゴだよそれは!」

才人「ちぃ、お前と言う奴は!」

上条「黙れ! お前みたいな男は修正してやる! くらえイマジンブレイカー!」

バキッ!

上条「そげぶっ!」

才人「ぐはー!」

ギーシュ「やれやれ、騒がしいな。少しは静かに出来んのかね」

才人「ふー。上条、屋上」

上条「え? ギャグ? っつか、屋上ねーし」

才人「表出ろってんだよ」

上条「いや、ここもう外だし」

才人「察しろよ!? お前ちょっと一発ぶん殴らせろ」

ギーシュ「なんだねケンカかね」

才人「俺だってな、好きでモテてるわけじゃねーんだー!」

上条「黙れ小僧! テメェ何迷惑みてぇな事言ってんだ! そこは両手を挙げて涙をこぼして喜ぶとこだろ!」

才人「何を!?」

上条「そーか。お前、ルイズとかいう女の子の事今でも忘れられないんだろ」

才人「な…、んなわけねーだろ。あんな毎日毎日暴力振るいやがる女、いい迷惑だよ」

上条「まあ、お前はいいようにしてやられてるみたいだな?」

才人「何が言いたいんだよ」

上条「俺はお前と違って毎日のように勝負を仕掛けてくる女を追い払えるぜ。無論無傷で」

才人「なん……だと……」

上条「つまり俺はお前より強い。やめときな、ケガするぜ」

才人「くそ、俺だって勝てるもんなら勝ちてえよ……。けど、あいつに勝てねえんだよ…!」

上条(……勝てない、ねえ。あいつも、こんな事思ってんのかな)

才人「だからといってお前に勝てないと決まったわけじゃねえ。勝負だ上条!」

上条「いいぜ。テメェが俺に勝てるなんて思ってやがるなら、まずはその幻想をぶち殺す!」

ギーシュ「出たー! そげぶの無駄遣いー!」

上条(っつか、そげぶってなんだ?)

才人「いいぜ。お前がそげぶしようってんなら、まずはその自信を叩き折る!」

ギーシュ「ノリで思い切りパクって来たー!」

上条「テメェ、イマジンブレイカーなめんなよ」

才人「お前こそ、ガンダールヴに勝てると思うなよ」

ギーシュ「おお……」

デルフ(幻想殺しは異能の力にしか効かねえし、ガンダールヴも武器を持たなきゃただの人だって事忘れてんのかね)

上条「これが!」

才人「俺達の!」

上条&才人「なぐりあい屋外(そと)だ!」
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/15(火) 22:15:47.59 ID:zzgJPvnz0
インデックスにはかまれっぱなしだけどね。
227 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/15(火) 22:16:44.31 ID:C3OPwCmE0
キュルケ「男の子ってなんでああ下らない事でケンカするのかしら」

シエスタ「下らなくなんかありません!」

キュルケ「でも、意中の子を奪い合うならまだしも、トウマの場合はただの嫉妬でしょ」

五和「彼も、彼女とかが欲しいんでしょうか…」

キュルケ「ふーん?」

五和「え? な、なんです?」

キュルケ「なるほどねぇ?」

五和「は、はい?」

シエスタ「ああ、そういう事ですか」

イン「なんの話をしてるのか全然わかんないんだよ」

アニェーゼ「ま、私達には関係なさそうですね」

キュルケ「あら、あなた達ってばお子さまね」

アニェーゼ「ま、聖職者たるもの、色恋沙汰にうつつを抜かしてる場合じゃねえですから」

キュルケ「そう? あなた達もそろそろ色気づいてもいい頃じゃない?」

イン「どういう事?」

キュルケ「あらら。使い魔も使い魔なら主人も主人ね」

イン「??」

キュルケ「ま、それよりもあたしはイツワの方が気になるわねぇ?」

五和「わ、私ですか?」

シエスタ「どうにもさっきからあなたからはわたしと同じ感じがしてたんですよね。やっとわかりました」

五和「な、何が、です…?」ドキドキ

イン「あれ。そういえばタバサは?」

キュルケ「ああ、あの子ならあっちでシルフィードにエサをあげてたわよ」

イン「私、ちょっとタバサのとこ行ってるね!」
228 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/15(火) 22:24:47.11 ID:C3OPwCmE0
シエスタ「さて。で、どうなんです?」

五和「……と、言われましても」

シエスタ「好きなんですよね。トウマさんの事」

五和「な、なな何を○×□@α※!?///」

シエスタ「やっぱり。恋する乙女の目はごまかせませんよ〜?」

五和「あ、いやでもその……」

シエスタ「イツワさん。さっきから見てましたけど、なんですかあれは」

五和「あ、えっと……、おしぼりをその……」

シエスタ「ぬるいです、あなたもおしぼりも! もっと大胆に攻めませんと!」

キュルケ「そうよ。彼、気づいてないみたいだけどサイトと同じで色々と惹かれる部分もあるしね」

五和「えっ…?」

キュルケ「ああ、もちろんあたしが好きなのはサイトよ。ま、彼も悪くはないんだけどね」

シエスタ「いつまでも奥手じゃだめなんです! ここはひとつ、告白しちゃいましょう!」

五和「ああいやでもそんなのあの人に迷惑ですしそれに私なんかが告白したって失敗するに決まってますし…」

シエスタ「なに弱気になってるんですか! 今がチャンスなんですよ!」

五和「で、でも…」

シエスタ「じれったいですね。わたしだったらすぐにでも言っちゃうのに」

キュルケ「まあ、それがこの子のいい所なのかも知れないけどね」

シエスタ「そうだ。トウマさんのアレを強制的に発生させて一気に距離を縮めるって作戦はどうです?」

五和「アレというと…?」

シエスタ「アレですよアレ。ごにょごにょ」

五和「な、ななな…なぁっ!?///」

キュルケ「なるほどねぇ…。安易だけど、トウマなら上手くやってくれそうね」

五和「そ、そんな無理です!」

シエスタ「まあまあ、その辺りはわたしに任せて下さい!」

キュルケ「助けてもらったお礼もあるし、協力するわよ?」

五和「あわわ……」

シエスタ「けど、サイトさんもトウマさんぐらいに攻めて来ればいいんですけどね」

キュルケ「そうよねぇ。彼ってばやっぱりルイズの事が忘れられないのかしら」

シエスタ「アニェーゼさんはどう思います?」

アニェーゼ「そこでなぜに私なんですか」

キュルケ「ルイズの事ならなんでもわかりそうな気がするし」

アニェーゼ「わかるわけねえでしょうが。大体、ほんのちょっと顔合わせたぐらいですし」

キュルケ「なーんだ。つまんない」

アニェーゼ(………なんか納得いきません)

シエスタ「では、イツワさん。わたしの考えた作戦を伝えます。心して聞いて下さい」

五和「え、もうですか!?」

キュルケ「どんな作戦をなのかしら」

シエスタ「それは……ごにょごにょ」

五和「え、えぇっ!?」

キュルケ「面白そうじゃない。乗ったわ」
229 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/15(火) 22:31:39.07 ID:C3OPwCmE0
イン「タバサ〜」

タバサ「………」

イン「シルフィードと一緒にごはん食べてるの?」

タバサ「……そう」

イン「みんなと一緒じゃなくていいの?」

タバサ「いい」

イン「そっか。じゃ、私が一緒にいてあげる」

タバサ「………」

イン「うん。やっぱりシエスタの作るごはんはおいしいね!」

タバサ「……何か用?」

イン「んむ……。やっぱりバレてた?」

タバサ「………」コクン

イン「ちょっと聞きたい事があったんだよ。さっきの竜の事だけど」

タバサ「………」

イン「やっぱりあれ、韻竜だったのかな」

タバサ「………」ピクッ

イン「…大丈夫。みんなはあっちにいるから聞こえないかも」

タバサ「……そう。確かにあれは韻竜だったかも知れない」

韻竜(いんりゅう)。それは遙か昔のハルケギニアに存在したとされる竜である。
人語を操り、先住魔法を扱う竜だが、既に絶滅したとされている。

イン「韻竜に似てたけど何か違うような気もしたんだよ。
    それに、宝箱の中に閉じ込められてたっていうのも気になるし」

タバサ「………」

イン「まさか人工的に造られた韻竜……なんて、ありえないよね」

タバサ「……ありえない」

イン「だったら何かの魔法か、精巧に出来たマジック・アイテムって可能性もあるかも」

タバサ「………」

イン「うーん。私達にはわからない事が多いかも。ここは本人に聞く方が早いんだよ」

タバサ「………気づいてたの?」

イン「タバサが貸してくれた本、さり気なく韻竜に関するページが破られてたよね?」

タバサ「………」

イン「だから、違う本で調べておいたんだよ。ごめんね」

タバサ「……そう」

イン「さて、それじゃあ喋ってもらうんだよシルフィード。それともイルククゥって言った方がいいかな?」

ピクリとシルフィードは顔をこわばらせる。

タバサ「……待って。誰か来るかも知れない」

イン「そうだね。変身しといた方がいいかも」

シルフィードがタバサの方を見る。タバサは頷く。観念したように、シルフィードは口を開いた。

シルフィ「あーもう! なんなのねこのちびシスター! がぶがぶ!」

イン「痛いんだよ! 何するの!」

シルフィ「シルフィは知ってるのね! あなたがいつもこうやってあのツンツン頭に噛みついてたって!」

イン「い、今はそんな事しないんだよ。私はいい子だもん」
230 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/15(火) 22:40:13.43 ID:QtZ+xFZAO
シルフィ「いい子なら人……もとい、竜の秘密は黙っておくものね!」

タバサ「……早く変身」

シルフィ「お姉さまもひどいのね! 二人だけの秘密じゃなかったのね!? きゅいきゅい!」

タバサ「…早く」

シルフィ「大体このおちびはこんな生意気シスターなんかと仲良くして、シルフィ気分がよくないのね!」

タバサ「………明日からごはん抜き」

シルフィ「はい! します! 今すぐしますからそれだけは勘弁なのね!!」

イン「ふっふーん。いい気味なんだよ」

シルフィ「うるさい偽善シスター。いい子はそんな事言わないのね!」

イン「むー! 竜のくせ私を偽善者呼ばわりなんて許せないかも!」

シルフィ「やるのね!?」

イン「やってやるんだよ!」

シルフィ「おまえなんてこうしてやるのねー! がぶっ!」

イン「むー! おかえしなんだよ! がぶがぶ!」

互いに噛みつき合う不毛な戦いを行う二人に、タバサは静かに一言。

タバサ「………二人ともごはん抜き」

シルフィ「ちょ、お姉さま!? へ、変身しますってば!! だから本当にそれだけは!!」

イン「な、なんで私まで!? とんだとばっちりかも!!」

タバサ「………早く」ゴゴゴゴ

イン&シルフィ「ひっ!」

イン(タ、タバサって怒るとこんなに怖いの!?)

シルフィ(そ、そうなのね。このままではシルフィ達は凍り付けにされてしまうのね!)

タバサ「………」ゴゴゴゴ

シルフィ(と、というわけでここはおとなしく言う事を聞くしかなさそうなのね!)

イン(そ、そうかも。だったら早く変身してほしいんだよ!)

シルフィ(そうするのね。きゅいきゅい)
231 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/15(火) 22:41:54.44 ID:C3OPwCmE0
更新がいつもより遅れてしまったので明日もちょっと更新しておきます。

つづく。
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/16(水) 00:05:57.78 ID:VKaizhDIO
上条さんのフラグ建設師能力は無しですかね( ´・ω・`)
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(山口県) [sage]:2011/11/16(水) 01:42:38.56 ID:wVC9d/WTo
シルフィに対抗するためにインデックスもおっぱいを増量すべきだな
234 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/16(水) 23:06:02.80 ID:OQfBQ0lq0
上条「おらぁ! 幻想殺し昇竜拳!」

才人「なんの、ガンダールヴスパイラルナックル!」

ドガッ! バキィ!

デルフ「恥ずかしいからただのパンチに変な名前付けねえでほしいね」

ギーシュ「そ、そうかい? ぼくは良いと思うけどな…」

デルフ「げー」

上条「はぁ……はぁ……」

才人「ぜぇ……はぁ……」

上条「で、わざわざこんなとこまで連れ出してなんの話がしたいんだよ」

才人「なんだ。気づいてたのかよ」

上条「俺が負傷してるって事を知っときながら勝負を仕掛けて来たんだ。本気じゃないのは明白だろ」

才人「ま、最初は本気で殴ってやろうかと思ってたがな」

上条「おいおい……」

才人「で、本題だけど。さっき戦ったあのデカい兵器だけど」

上条「……ああ」

才人「あいつは魔法で動いてたみたいだが、元は機械だった。でも、この世界に機械なんて存在しない」

上条「そうなのか?」

才人「俺も詳しくはわからないけど、少なくともあんなもんこの世界の人間に造れるとは思えないんだ」

上条「じゃあ、あれは誰がどうやって……」

才人「………」

上条「………」
235 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/16(水) 23:08:33.53 ID:OQfBQ0lq0
ギーシュ「どうしたんだ。二人とも話し込んで」

デルフ「さあね」

上条「まさか、俺達と同じく地球から…?」

才人「バカ言うな。あんなもん地球に造れる奴がいたら世界征服でもされてるっつの」

上条(………確かに。あれは普通の科学力じゃ何十何百年と進歩しなきゃ造れないだろう)

才人「……上条?」

上条(けど、科学の進んだ学園都市なら……、
    いや。あれは年季が入ってたし、いくら学園都市でもそんな昔にあんなもんは造れないよな…)

才人「何か思い当たる事があんのか?」

上条「いや。多分、気のせいだ」

才人「……そうか?」

ギーシュ「おーい、きみ達! もう終わったのかね?」

才人「そうだなー。じゃ、最後にもう一発いっとくか!」

上条「へ?」

ボゴッ!

才人「あ…」

ギーシュ「い、今変な音がしたのだが…」

デルフ「完全に入ったな」

上条「ウ、ウボァーーー!!」

ビュー!

才人「うわー! 上条が吹っ飛んでったー!!」

ギーシュ「……これは、サイトの勝ちという事でいいのかな?」

デルフ「しらね」

才人「どこ行った上条ぉー!?」

ギーシュ「どうにも大変な事態のようだ。ぼくらもトウマを捜そうじゃないか」

デルフ「それがいいみたいだね」
236 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/16(水) 23:55:28.55 ID:OQfBQ0lq0
上条「いてて…。ったく、マジで殴りやがってあんにゃろ」

起き上がった上条の近くから誰かの声が聞こえて来る。

イル「ふぅ。これでシルフィのごはんは守られたのね」

イン「ついでに私のごはんもね」

上条(インデックス? と、もう一人は……あれ?)

上条「……インデックスが、二人?」

イン「誰かいるの!?」

上条「ああ、俺だよ」

イン「な! あ、相変わらずとうまは吸い寄せられるがごとく…」

上条「は? 何を言ってんだお前は」

イン「と、とうま! 今こっちに来ちゃダメなんだよ!」

上条「………、ははーん。今インデックスさんは着替え中か何かで、
    上条さんがうっかり行ってしまったら噛みつかれるって寸法ですな?」

イン「違うけど、まあ似たようなものかも。というわけでとうま、あっち行ってて」

上条「りょーかいりょーかい。飛んで火に入るなんとやらにはなりたかねえですよーと」

しかし上条が引き返そうとしたその時、

イル「え? なになに。誰かいるのね?」

イン「な゛ッ……」

イル「あ! おまえはツンツン頭!」

上条「う、うわぁ!? え? 未来のインデックス? ってかなんだその格好!?」

イルククゥは、元は竜なので服なんて着ていない。が、一応タバサのマントを羽織っている。
もちろん。下は何もないのでほとんどすっぱだかに近い格好なわけだが。

上条(で、でも……、これじゃ色々見えちゃいますですの事よ!?)

イル「なーにをわけのわかんない事言ってるのね?」

イン「イルククゥ、なんで来たの!」

イル「どうして?」

イン「そんな格好で男の人の前に出るべきではないかも! とうまもあっち向いてて!」

上条「は、はいィ!」

イル「別にわたしは気にしないのね」

上条「え、ほんと?」チラッ

イル「あ、発情したのね?」

イン「とうまっ!!」

上条「はい、すみません!!」
237 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/16(水) 23:56:49.60 ID:OQfBQ0lq0
イル「人間のオスはメスを見ると襲いかかって来るものじゃないのね?」

上条「な、なんですとー!?」

イン「? とうまは別にいきなり殴りかかって来るような人じゃないんだよ」

イル(……襲う、の意味がわかってないのね)

イル「ねーねーツンツン頭」

上条「は、はい?」

イル「がーぶっ」

上条「!?!?!?」

イル「はむはむ」

イン「な、何やってるの!?」

イル「いいのねちびシスター。たまにはこうやって甘噛みもしてやらないとだめなのね」

イン「え? ええ?」

イル「どうなのねツンツン。これなら痛くないのね?」

上条「……すごく、理想的です…甘噛みなら許せます…いやむしろもっとして下さい!!」

イン「な……、なッ……!?」

イル「ただ単に噛み付くおちびとは違うのね。きゅいきゅい」

イン「ぐぬぬ……」

上条「あー、でもそろそろ離してくれても良いんじゃ……」スッ

ファサ。

上条「ファサ?」クルッ

どうやら手がマントに触れて落ちてしまったようだ。

上条「………」

その場合、背後から噛み付いていたイルククゥはすっぱだかになってしまったというわけで。

上条「…………………………」

何を思ったか、上条は振り向いてしまったわけで。

上条「……………………………………………………………………………………………」

イル「きゅい?」

イン「―――――――――」

上条「……これは夢だ。うん。俺はさっき殴られた時に気絶してこんな夢を見てるんだ。
    だって、女の子に甘噛みなんてされるわけないもん。だって、だって……。
    だってこんな展開ファンタ☆スティックだもんッ!!」

イン「とッッッうッッッまァァァああああああああッッッ!!!」ゴゴゴゴゴ

上条「ふ・こ・う・DAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」ダーーー
238 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/16(水) 23:58:22.85 ID:OQfBQ0lq0
イン「はぁ……はぁ……あ、危なかったんだよ。危うく私の口が制御不能に陥る所だったかも」

イル「何をそんなに怒ってるのね? 全く、人間ってのはわけわかんないのね」

イン「………はぁ。イルククゥのせいでなんだか嫌な事を思い出しちゃったんだよ」

イル「ツンツンに襲われたのね?」

イン「ち、違うってば! ただ、その………服が……ごにょごにょ」

イル「脱がされたのね?」

イン「むぐッ……」

イル「にま〜」

イン「な、なに!?」

イル「やる事はちゃんとやってたのね。きゅい」

イン「な、何もしてないんだよ! それに、そんな事させないかも!」

イル「噛みついて反撃したのね?」

イン「そ、それは……、仕方ないんだよ。人の肌を見といて……ぶつぶつ」

イル「ぷぷ、何を言うのね。おまえのお子さま体型を見ても誰も興奮しないのね。きゅいきゅい」

イン「お、お子さまじゃないもん!」

イル「つるぺたなのね」

イン「つるぺたじゃないもん! 少しはあるもん!!」

イル「ほんとなのね?」

むにゅ。

イン「!?」

イル「確かに、ほんの少しだけあるのね。ほんの少しだけ」

もみもみ。

イン「ぃ……や、やめてほしい……んだよ…」

イル「でもしょせんこの程度なのね。きゅいきゅい」

イン「あ……っ…や、ぁ……」

イル「ふー。ま、このくらいにしといてやるのね」
239 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/16(水) 23:59:09.78 ID:OQfBQ0lq0
イン「はぁ…はぁ…もう、なにするの」

イル「ちゃんといい物食べてるのね? ただたくさん食べるだけじゃだめなのね」

イン「イルククゥにだけは言われたくないかも! この前だって私のごはんを横取りして!」

イル「わたしはあれぐらい食べて丁度いいのね。おまえは無駄に食べ過ぎなのねちびシスター」

イン「ぐぬぬ。イルククゥのそれ、どうせ偽物なんだよ!」

イル「なら触ってみるのね。触って絶望を味わうがいいのね」

つんつん。さわさわ。

イン「感触は本物みたい…」

イル「揉んでみるのね」

もみもみ。ぎゅっ。

イン「うそ……なんだよ……」

イル「これで本物だとわかったのね? それにしてもこんな脂肪の塊のが好きなんて。
    もしかして人間のオスは乳離れが出来てないのね?」

イン「………」ガクッ

イル「さ、これでわたしの勝ちなのね。もう生意気言うんじゃないのねちびシスター」

イン「うぅ……」

タバサ「………終わった?」

イル「あ、お姉さま! わたしの勝利を見届けたのね?」

タバサ「………興味ない」

イル「……ホントなのね?」

タバサ「………興味、ない」ギリ

イン(タバサも、悔しいんだね……)
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/17(木) 00:12:20.04 ID:+zz9EswT0
ドラゴンって哺乳類なのか?

どうでもいいか。
241 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/20(日) 23:43:04.76 ID:RFj1WzKw0
才人「上条〜」

ギーシュ「トウマ〜」

才人「上条〜」

ギーシュ「ところでサイト。その、カミジョウというのはトウマの事だろうが」

才人「なんだよ」

ギーシュ「なぜ姓で呼ぶのかね? 別に遠慮する仲でもなかろう」

才人「それもそうだけど、上条の方が呼びやすくてさ」

ギーシュ「そうかね?」

才人「それに、俺のいた国じゃ名字で呼ぶのも珍しい事じゃないしな」

ギーシュ「うーん。よくわからないな」

才人「ま、あんま気にすんなってこった」

ガサガサ…。

才人「なんだ?」

上条「うう…」

才人「おう上条、無事だったか!」

上条「平賀。俺を殴ってくれ…」

才人「……なに言ってんだお前」

上条「俺、夢を見てるんだ。だから夢から覚めたい」

才人「はあ?」

上条「俺を夢から覚ましてくれえええ!!」
242 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/20(日) 23:47:13.84 ID:RFj1WzKw0
才人「いやだからお前は何を……」

ギーシュ「よくわからんが、ここはぼくに任せてもらおう」

才人「ギーシュ?」

ギーシュ「ふふふ。いくぞぉぉぉぉ! あの時殴られた恨みぃぃぃぃ!!」

才人「うわー、いつまで引きずってんだよお前」

ギーシュ「くらうがいい! ぼくの端正な顔を傷つけた罪は重いぞナックル!」

上条「ふざけんな俺は平賀に言ったんだよフィストォォ!」

バキッ!

ギーシュ「ぐはぁっ!?」

才人「あーあ…」

ギーシュ「………」ピクピク

才人「ところで、なんの夢を見てたんだ」

上条「お、女の子が……、裸の女の子がいきなり目の前に!」

才人「…………………………」

上条「でもってそいつは未来のインデックスでナイスバディに進化してやがった!!」

才人「………あー、そりゃ確かに夢だ。今すぐ覚めた方がいい」

上条「だろ! だから早く…」

才人「でもな」バキボキ

上条「あれ。ヒラガサン?」

才人「いくら夢とはいえうらやまし過ぎるぞチクショー拳!」

ドゴッ!

上条「ふごっ!?」

バタッ。

才人「………」

デルフ「結局、相棒の一人勝ちだね」

才人「うるせい
243 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/20(日) 23:51:57.50 ID:RFj1WzKw0
イン「じー」

イル「なんなのね」

イン「……大きさだけが全てじゃないもん」

イル「そんな事別にどうでもいいのね」

イン「気持ちの問題なんだよ!」

イル「はぁ〜、全く。そんな事でいつまでもぐちぐちと」

イン「ぐぬぬ…」

イル「お姉さまは全然気にしてないのね」

タバサ「………」ピクッ

イル「お姉さま?」

タバサ「……………………気にしてない」

イル「……おちび。正直に言いなさい。実は気にしてるのね?」

タバサ「してない」

イル「まあ確かにお姉さまはいい年してつるぺったんだけど、別に問題ないのね!」

タバサ「………………」

イル「魔法も使えないようなこのちびシスターよりかはよっぽどマシなのね!」

イン「うぐぐ…」
244 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/20(日) 23:55:38.98 ID:RFj1WzKw0
イル「大体、こんなのあってもジャマなだけなのね。重いし肩が凝るし、足元が見にくいし……」

タバサ「一週間ごはん抜き」

イル「なん……」

イン「ふはははははー! ざまぁ、なんだよ!! ごはんがおいしいかも!!」ガツガツ

イル「うわうざっ!? あのツンツン頭、ここまでの増長をよく許したのね!」

タバサ「………」

イル「そ、そんな事よりお姉さま。一週間ごはん抜きってほんき?」

タバサ「大丈夫。あなたの分までわたしが食べるから」

イル「やっぱり気にしてたのね! でもってさっきの会話を聞いてたのね!? 量だけが重要じゃないのね!」

タバサ「………なら、あなたのごはんは水だけ」

イル「何も変わらないのね! 横暴なのね!」

タバサ「量だけが重要じゃない」

イル「ぐ……、このちびすけ…! 人の…いや竜の言葉だと思って!」

イン「もぐもぐごっくん」メシウマー

イル「ほんとにムカつくのね、この腐れちびシスター!」

イン「む〜〜〜ん ⊂( ^ω^)⊃」

イル「………」ビキビキ
245 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/11/20(日) 23:57:27.06 ID:RFj1WzKw0
タバサ「……それで、話は?」

イン「そうだったんだよ。あなたに聞きたい事があるんだけど」

イル「いやなのね。おまえ達の話なんか聞いてやらないのね!」プンプン

タバサ「………」

イル「当然の報いなのね。まあ、どうしてもと言うなら考えてもいいのね」

イン「………」

イル「そうなのね、これからごはんをいつもより多めにくれるというなら手を打ってもいいのね」

イン「じゃあ、別にいっか」

タバサ「………」

イル「へ…」

イン「私達がわからない事なのに竜に聞いても仕方ないもんね」

タバサ「………」

イル「え、ちょっ……」

イン「ま、わかったところで別に意味はなさそうだしね!」

タバサ「そう」

イル「お、お姉さままで……そんな…」

イン「じゃ、みんなのとこに戻ろ」

タバサ「そうする」

イル「ま、待つのね! 待って! 言う事聞くから放っておかないで!
    いい子にするからごはん抜きだけは勘弁するのね!」

イン「ねえ、イルククゥ?」

イル「な、なんなのね」

イン「いい子って何かわかる? 本当にいい子になれるの? そんな性格じゃ無理そうかも」

イル「お、おまえにだけは言われたくないのねー!! きゅいきゅいきゅいーーー!!」
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(山口県) [sage]:2011/11/21(月) 20:38:24.43 ID:7RnYhAzso
調子にのってるインちゃんペロペロ
247 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/04(日) 22:49:15.22 ID:x7Ecxkwt0
イン「そんなこんなで結局話を聞く事もなく戻って来たんだよ」

タバサ「………」

イン「あれ、誰もいないんだよ」

スタスタ。

イン「と思ったらとうま達が来たんだよ」

上条「インデックス。シエスタ達は?」

イン「それが見当たらないんだよ」

才人「どこ行ったんだ?」

ギーシュ「仕方ない。手分けして捜そうじゃないか」

デルフ「やれやれ。また捜すのかい」
248 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/04(日) 22:51:02.23 ID:x7Ecxkwt0
上条「おーい、シエスター、キュルケー、五和ー、アニェーゼー」

才人「四人も揃ってどこに行ったんだか」

上条「………ん? あっちから何か音がするぞ」

デルフ「水の音みたいだね。近くに川でもあるんだろうよ」

上条「川? もしかして洗い物でもしてんのかな」

才人(……川……水辺……女の子四人……上条……まさかこの展開…!)

アニェーゼ「あ、本当に来た…。本気でやるんですか?」

上条「お、アニェーゼ。他の三人は? 向こうか?」

アニェーゼ「え、ええ。まあ…」

上条「そっか。おーい、みんなー! 洗い物なら手伝うぞー!」

アニェーゼ「………」

才人「ま、待て上条! これは罠だ!!」
249 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/04(日) 22:52:46.82 ID:x7Ecxkwt0
上条「へ? 罠?」

アニェーゼ(…ったくもう、どうなっても知りませんからね)

才人「待つんだかみじょ……う…!?」

上条「……なんだ、と…!?」

シエスタ「き、きゃー!(棒)」

キュルケ「あら、あなた達も水浴びする?」

五和「/////////」

そこにいたのは水浴び中の美少女三人。だが、暗いのと位置が遠いのとでよく見えない。
ただ、シエスタはわざとらしく身体を隠し、キュルケは隠そうともせず、
でもって五和は死ぬ程恥ずかしそうに水に浸かっていた。

シエスタ「サ、サイトさんがよろしいなら……、一緒に水浴びしてもいい、ですよ…?」

才人「な……」

キュルケ「あなた達、なんならあたし達と身体の洗いっこでもする?」

上条「ん……」

五和「/////////」

上条&才人「だと……」
250 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/04(日) 22:53:39.01 ID:x7Ecxkwt0
アニェーゼ(こんなあざとい方法で落とせるもんなんですかね…)

シエスタ「サイトさん!」

キュルケ「さあ、どうするの?」

五和「/////////」

上条&才人「ゴクッ……」

上条(行ったら死ぬ行ったら死ぬ行ったら死ぬ!)

才人(行ったら死ぬ行ったら死ぬ行ったら死ぬ!)

上条(でも!)

才人(でも!!)

上条&才人(い、行きてぇぇぇぇぇぇ!!
251 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/04(日) 22:55:13.98 ID:x7Ecxkwt0
デルフ(……なんだかんだで、こいつらも男ってこったね)

上条「はっ! いかんいかん、それはさすがにいけませんの事よ!」

才人「そ、そうだ! 若い男女がこんな暗いとこで肌を見せ合うなんて…!」

上条「ひ、平賀くん。彼女達はあくまで身体の洗いっこと供述しており、そのような不純な動機ではないのでせう!」

才人「ああ、そうだよな。俺、すぐそっちに考えが行って。このミジンコ野郎がすいましぇんでした!」

シエスタ(どうやら作戦が上手くいってるみたいです! 後は強引に二人を……)

シエスタ「別にやましい事なんて考えてませんよ。わたし達はただあなた達のお背中を流したいと思いまして」

才人「お、お背中流します……だと……!?」

上条「男子が女子に言われたいランキングトップ10に入るであろうそのセリフをさらりと言いやがった!?」

才人「やべえ……こいつ、本気だ…!」

上条「勝てるのか俺達は……!? 欲望という名の敵に!」
252 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/04(日) 23:07:37.23 ID:x7Ecxkwt0
才人「くそ、俺には今抑止力が存在しない……俺はもう、ダメかも知れねえ…」

上条「ひ、平賀!」

才人「へへ…。悪いな上条。俺は先に逝くぜ…」

上条「平賀ァァああああ……あ?」

才人「え?」

なんか急に視界が傾いたかと思ったら、二人は吹き飛ばされていた。

上条「うぐ……、一体何が…」

イン「とうま」

上条「はぅあっ!!? い、いいいイービルゴッドさん…」

イン「いーびる?」

上条「じゃなくてインデックスさん。な、何か御用で」

イン「うん。とうまは今、何をしてたのかな〜と思って」

上条「ああ今この瞬間上条さんの冒険は終わったこれにて終了さようならまた会う日までシーユーアゲイン」

イン「まあ、言わなくてもわかるけどね」

上条「ち、違うんです! 俺はただ、みんなが心配で見に来ただけなんです!」

イン「その結果は?」

上条「い、いっぱいおっぱいボク元気……」

イン「………そんなに大きいのが好きなの」

上条「はい?」

イン「大きければいいってもんじゃないんだよ! 小さくたって需要はあるもん!!」

上条「はあ」
253 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/04(日) 23:13:14.48 ID:x7Ecxkwt0
イン「な、なんなら確かめてみる?」

上条「……へ?」

イン「わ、わわ私だって成長してるんかもだよ!」

上条「インデックスさん? 日本語がおかしいですよ?」

イン「負けてられないんだよ、あんな竜なんかに!!」

上条「そりゃまたいきなり何の話!?」

シエスタ「はっ、いけません五和さん! インデックスさんがトウマさんを誘惑しています!」

五和「え、えぇっ…!?」

シエスタ「今なら間に合います! そのまま走って抱きついちゃって下さい!!」

五和「えぇぇぇぇぇ!?///」

シエスタ「大丈夫です。あなたはわたしと同じ、着痩せするタイプ。
      隠し持ったその二つの最終兵器があれば勝てます!」

五和「そ、それはつまり……」

キュルケ「押し当てるって事よ」
254 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/04(日) 23:14:56.46 ID:x7Ecxkwt0
キュルケ「あら。押すより先に引いちゃった?」

シエスタ「誰が上手い事言えと」

キュルケ「なんですって」

シエスタ「とにかくファイトですイツワさん。わたしはサイトさんの所へ向かいます!」

五和「え、あのちょっと…」

キュルケ「あたしも負けてられないわ。じゃ、頑張るのよ」

五和「ええぇぇ……」



上条「落ち着けインデックス。お前は今ここですべき事は俺に思いっきり噛みつく事だろう?」

イン「私は噛みつかないんだよ」

上条「頼む! もうこの状況を収めるにはお前の噛みつきしかないんだ!」

イン「………やだ」

上条「なんですと?」

イン「だって噛みついたらとうま、優しくしてくれなくなっちゃうもん…」

上条「インデックス…」

イン「………」
255 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/04(日) 23:16:37.85 ID:x7Ecxkwt0
一行抜けてました



五和「お、押し…!? いや、それは……」

キュルケ「あら。押すより先に引いちゃった?」

シエスタ「誰が上手い事言えと」

キュルケ「なんですって」

シエスタ「とにかくファイトですイツワさん。わたしはサイトさんの所へ向かいます!」

五和「え、あのちょっと…」

キュルケ「あたしも負けてられないわ。じゃ、頑張るのよ」

五和「ええぇぇ……」

上条「落ち着けインデックス。お前は今ここですべき事は俺に思いっきり噛みつく事だろう?」

イン「私は噛みつかないんだよ」

上条「頼む! もうこの状況を収めるにはお前の噛みつきしかないんだ!」

イン「………やだ」

上条「なんですと?」

イン「だって噛みついたらとうま、優しくしてくれなくなっちゃうもん…」

上条「インデックス…」

イン「………」
256 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/04(日) 23:17:26.44 ID:x7Ecxkwt0
上条「…そ、そっか。よーし、こんな騒動さっさと終わらせるか!」

イン「うん!」

上条「ところで、さっきのはタバサの魔法だろ。タバサは?」

イン「さいとの方に向かったんだよ」

上条「よし、俺達も平賀のとこに向かうぞ。シエスタ達を止めるんだ」

イン「わかった!」

五和「あの…」

上条「わっ!? い、五和か!? い、言っときますが俺は何も見てませんですの事よ!」

五和「そ、そうですか。あ、服を着ましたからこっちを向かれても大丈夫です」

上条「ほんと?」

イン「本当だよ」

上条「ほっ…。悪かったな五和。お前は巻き込まれただけなんだろ?」

五和「え? あ、えっと…」

アニェーゼ「言っときますが、これは……むぐっ!?」

五和「そ、そうなんですよ! びっくりしちゃいました!」

上条「…?」

アニェーゼ(ったく、よく言いますよ…)

上条「とりあえず、何か間違いが起こる前にあいつらを止めないと!」

五和「そうですね。私も協力します」

上条「アニェーゼも頼む」

アニェーゼ「仕方ないですね」

イン「シエスタ達はあっちの方に向かったんだよ」

上条「よーし、急ぐぞみんな!」
257 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/04(日) 23:19:22.98 ID:x7Ecxkwt0
しばらく放置しててすんません
なかなかストックが溜まらんでして
今週はもうちょい頑張る予定です

つづく
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(山口県) [sage]:2011/12/04(日) 23:38:51.26 ID:lYokVRROo


まあ体を壊さない程度に頑張って下さい
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(九州・沖縄) [sage]:2011/12/05(月) 21:02:19.84 ID:WlfwYh2AO
いい加減話を進めろよ
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(愛知県) [sage]:2011/12/06(火) 04:50:33.51 ID:q0BXAXGs0
サイトと上条さんの生身対決なら
明らかに上条さんが圧倒的に有利だと思うんだ
上条さん路上の不良二人までなら倒せるからな
261 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 02:57:27.76 ID:Cn/I4Pdv0
>>260
まあ、それは二人とも本気じゃなかったのとギャグ補正みたいな感じで

>>259
すみません、自分でも長い事グダグダやってるとは薄々思ってました

でもってなんだかんだで一週間経っちゃいました
というわけで、出来る限り話をサクサク進めて生きたいと思います
262 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 02:59:04.10 ID:Cn/I4Pdv0
才人「はぁ…はぁ…」

シエスタ「サイトさーん。どこですかー?」

才人「どうしてこうなった」

シエスタ「サイトさーん」

才人(俺はさっきタバサの魔法かなんかで吹っ飛ばされた。でもってタバサはキュルケを押さえにいった)

シエスタ「サイトさーん?」

才人(しかし、シエスタの方は着実に俺の方に向かっている。すっぱだかで)

シエスタ「そこですかー?」

才人(このままシエスタに捕まったら俺はもう……)

シエスタ「みーつけた」

才人「!?」

シエスタ「もう、こんな暗がりに隠れて。これじゃ、わたしの姿見えませんよね?」

才人「シ、シエスタ……、モウヤメルンダ!!」

シエスタ「大丈夫。怯えないで。怖くないから」ギュ

才人「や、やめて……死ぬ。死んじゃう…」
263 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 02:59:38.69 ID:Cn/I4Pdv0
シエスタ「ほら、このまま手を伸ばして」

才人「は、ひ…」

シエスタ「さあ。楽園はすぐそこですよ」

才人「ふ、へ…」

シエスタ「んっ……」

才人「ほ、ほーっ、ホアアーッ!! ホアーッ!!」

才人(ああ、俺死ぬんだ。でもどうせ死ぬなら最期に触ったっていいよね。だって僕、男の子だもん)

シエスタ「サイト……さん…」

才人「シ、シエ…」

???「な、なにやってんの! このバカ犬ーッ!!」

シエスタ「!?」

才人「ル、ルルル、ルイズ!?」

シエスタ(違う。これは…)

???「まったくあんたってば本当にメイドが好きなんです……なのね!」

才人「ち、違うんだ! これには深いわけが!」

???「言い訳無用です…よ! 観念して…しなさい!」

才人「ま、待って……うわーっ!」

ゴンッ!!

才人「ぶふっ…!!」

ドサッ。
264 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:00:16.17 ID:Cn/I4Pdv0
シエスタ「……アニェーゼさん、ですね」

アニェーゼ「どうです。似てましたか?」

シエスタ「なんでじゃまするんですか」

アニェーゼ「別に私は誰の味方でもねえですが、そういう不純異性交友は聖職者として見逃せねえんで」

シエスタ「………」

五和「シ、シエスタさん!」

シエスタ「イツワさん…」

五和「や、やっぱりこういうのはよくないというか、卑怯というか」

シエスタ「卑怯?」

五和「……好きな人を身体で魅了しても、それは本当の恋愛と言えるんでしょうか?」

シエスタ「それは…」

五和「私は、例え奥手と言われても。少しずつ、近付けていければいいなって思ってます。だから…」

シエスタ「……そう、ですよね」

五和「シエスタさん…」

シエスタ「それに、実力で勝ってこその恋ですよね!」

アニェーゼ「はいはい。とにかく服着て下さいよ」
265 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:01:19.26 ID:Cn/I4Pdv0
シエスタ「ところで。ミス・ヴァリエールと顔合わせ程度なわりにはかなりミス・ヴァリエールしてましたね」

アニェーゼ「いや、それは…」

キュルケ「あたしが教えたのよ」

シエスタ「わっ! ミス・ツェルプストー? 今までどこにいたんですか?」

キュルケ「タバサにとっつかまってイツワと似たような事言われたわ」

シエスタ「すると、ミス・ツェルプストーも?」

キュルケ「ええ。肌を見せて誘惑するなんて方法は、考えてみればなんというか低レベルなのよね」

シエスタ「う…。す、すみません田舎娘風情がでしゃばっちゃって…」

キュルケ「ま、乗っちゃったあたしも悪かったわけだし」

シエスタ「それもそうですよね」

キュルケ「……ちょっとあなたあっさりし過ぎじゃない?」

シエスタ「あははは」

アニェーゼ「いいからさっさと服をですね…」

シエスタ「へ? あ、これはお見苦しいものを…」

アニェーゼ「なんですか。私に対する当て付けですか」

シエスタ「いえ決してそのような事は」
266 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:02:11.85 ID:Cn/I4Pdv0
イン「とまあ、そんなこんなで無事解決なんだよ」

上条「やれやれ。お騒がせな一件だったな」

五和「そうですね」

アニェーゼ「まったくです」

上条「………、そういやさ。お前らなんであんなとこにいたんだ?」

五和「と言いますと?」

上条「あの洞窟だよ。まさかお前らも宝探し、ってわけじゃないんだろ」

アニェーゼ「宝探しですよ。ま、宝と言っても物じゃありませんがね」

イン「どういう事?」

五和「私達はこの辺りにゲートの反応があったから調べに来たんです」

アニェーゼ「詳しい事は知らねえですが、ゲートはこの世界でランダムに出現してるみてえです」

上条「ランダム? もしかして、いつ帰れるかタイミング次第とか?」

五和「あ、いえ。ゲートは一定期間は出現場所にとどまっているみたいです」

イン「なら、見つけたらしばらくはその場所から行き来が出来るって事だね」

五和「それについてですが」

アニェーゼ「あなた達も体験したと思いますが、ゲートの出口は必ずしもゲートとは繋がってねえんです」

上条「はい?」

五和「つまり、入ったらどこに出るかわからないという事なんです」

上条「な、なんだって!?」

イン「確かに。ここから私達が出た魔法学院はかなり遠いからね」

上条「おいおい大丈夫か? ちゃんと東京に帰れるんだよな?」

五和「さ、さあ。もしかしたら、日本以外の国に出る可能性もあります」

アニェーゼ「別に帰れないってわけじゃねえんです。そんな気にする事もないでしょう」

上条「い、いやーそれはそうなんですが学校の出席日数がですね…」

アニェーゼ「いいじゃねえですかそれぐらい。学院の方もサボってんですし」

イン「はっ! た、確かにそうかも。せっかく学院に通えるようになったのに…」

上条「ま、次で最後みたいだし学院にはもうすぐ帰れるだろ」

イン「シエスタの作るごはんもいいけど学院のごはんが恋しいんだよ…」

上条「って、お前の頭は食う事ばっかか!?」

五和「あはは…」

上条「……ところで、お前らはこれからどうすんだ? 俺達に付き合うか?」

五和「そうですね。ここからタルブは近いみたいですし」

アニェーゼ「ゲートの調査がてら、同行させてもらいますかね」

上条「わかった。とりあえずみんなのとこに戻ろう」

五和「はい」
267 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:07:49.09 ID:3r2r1XuAO
シエスタ「いやぁ、先ほどはお騒がせしてすみません。てへっ」

アニェーゼ「反省の色が全く見えねえんですが」

五和「まあまあ。何事もなかったからいいじゃないですか」

アニェーゼ「何事もなかった、ねぇ」

ギーシュ「全然話が掴めないのだが。ぼくの知らない所で一体何があったのかね」

キュルケ「気にしなくていいわ。大した事じゃないもの」

ギーシュ「とは言うがね。サイト、きみは何か知ってるかい?」

才人「う、ううん。ぜぜん」

ギーシュ「…? ではトウマは?」

上条「いや全く全然わからないな本当あれはゆめかまぼろしか命中率255%」

ギーシュ「??」

イン「悪い事は言わないから、これ以上の詮索はしない方がいいんだよ」

ギーシュ「そう言われると逆に気になるだろう」

アニェーゼ「ま、簡単に言えばこのメイドがそこの彼を色仕掛けで誘惑してたって事ですよ」

ギーシュ「なに。色仕掛けだと! サイト、きみってやつは!」

才人「お、俺だって好きでそんな事……ぶつぶつ」

ギーシュ「まったくけしからん。きみはどうしてそうおいしいイベント多発なんだ」

才人「違うんだ……始まりは上条の奴が…」

上条「あっ、てめ!」
268 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:09:11.42 ID:3r2r1XuAO
ギーシュ「なんだと。どういう事かねトウマくん」

上条「いや、違うんでせう。俺はただみんなを捜しに行っただけなんでせう。そしたら……」

ギーシュ「見たのかね」

上条「み、見てません! 断じて!!」

ギーシュ「そういう事言うやつに限ってしっかり見てるんだよな」

上条「見てないっつってんだろォォォォおおおおおおがァァァァああああああ!!」

ギーシュ「ぐっはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

アニェーゼ「言い訳に必死ですね」

上条「見てないよ!? 上条さんは何も見てないよ!!」

アニェーゼ「………」

イン「………」

上条「見てな……見て……えっと。何ですか、その目は」

アニェーゼ「ま、あなたがそう言うなら見てないんでしょうけど?」

上条「え……何? あ、もしかしてあれ? あれですか? あの時の事まだお怒りで!?」

アニェーゼ「………」

ギーシュ「な、まさかきみまでおいしいイベント大量発生!?」

上条「そんなわけあるか! だって逆に上条さんの頭はその後おいしくいただかれちゃったもん!!」

イン「………」

ギーシュ「それでも。それでもおいしいじゃないか。ぼくにもそんなイベントをくれよ…」
269 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:09:52.78 ID:3r2r1XuAO
上条「やめとけ。先には不幸しか待ってないぞ」

才人「そうさ。ひどい目に遭うだけだ」

ギーシュ「それでも、見たいものは見たいのだよ!」

上条「ギーシュ…お前…」

才人「お前のその純粋な思いがうらやましい…」

ギーシュ「ぼくはやってみせるぞ。いずれ、必ず!」

上条「おおおお!」

才人「それでこそ男だ!」

キュルケ「何を盛り上がってるのかしら」

アニェーゼ「犯行予告じゃないですか」

五和「止めなくていいんでしょうか」

シエスタ「まあ、大丈夫じゃないですか。別に」

イン「それもそうだね」

タバサ「………」

上条「女性陣の反応が冷静過ぎて怖い」

才人「何も出来ないとか思われてるな」

ギーシュ「ふん。今に見ているがいい。ぼく達はかならずやり遂げてみせるぞ!」

上条「あれ。なんか勝手にカウントされてるんだが」

才人「俺達を巻き込まないでくれないかな」

ギーシュ「え? いや、きみ達は……え? 協力は…」

上条「しない」

才人「しないよ」

ギーシュ「え……えぇ……?」

上条「うん。まあ、そういう事なんで」

才人「一人で頑張れ」

ギーシュ「う、裏切り者ぉぉぉぉ!!」
270 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:10:50.62 ID:3r2r1XuAO
アニェーゼ「てなわけで」

上条「なんだその…、ダミ声?」

才人「某猫型ロボット的な?」

アニェーゼ「違いますよ。まあ、青い猫という部分は合ってますが」

才人「?」

シエスタ「まあつまり、場面切り替えです」

上条「ああ、なるほど」

アニェーゼ「あなた達、タルブに行くみたいですね」

キュルケ「そうだけど」

アニェーゼ「私達も一緒に連れてってはくれませんかね」

キュルケ「あたしは別に構わないけど?」

五和「ありがとうございます」

キュルケ「でも、この人数をシルフィードが運べるかしら」

タバサ「……大丈夫」

キュルケ「あら、そう?」

イン(うわぁ…、シルフィードに無茶させる気なんだよ…)

上条「さーて、一騒動あったけど今日は疲れたし、もう寝るとしましょうかね」

イン「そうだね。おなかいっぱいになったら眠くなって来ちゃった」

キュルケ「みんな、今日はゆっくり休みましょう」

ギーシュ「賛成だよ。こりゃあ昼まで寝てられるかもだね」

才人「ま、ほどほどにだな」

シエスタ「それじゃあおやすみなさい」

タバサ「………」

アニェーゼ「さて、私達も寝ますか」

五和「そうですね」
271 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:13:55.74 ID:Cn/I4Pdv0
―――トリステイン・とある酒場―――



土御門「さて、わざわざヤツらの動向をトリステイン側に伝えるからには何かしらの思惑があるのだろうが…」

???「ふむ」

土御門「はっきり言おう。何が目的だ?」

???「それはぼくの口からは言えないな。けれど、近い内に奴らは動き出す」

土御門「オレに何をしろと?」

???「なに、簡単さ。きみはこれまで通りトリステイン側にあちらの動きを逐一知らせるだけだよ」

土御門「ハッ、それでトリステインだけ戦わせてお前達は高みの見物という事か」

???「勘違いしないでくれよ? 別にトリステインを見捨てるわけじゃない。時期が来たから『彼女』に任せるのさ」

土御門「彼女? あの王女の事か。確かに素質は悪くないだろうが、果たして彼女の力でヤツらを退けられるかな」

???「ああ、違う違う。ぼくの言う『彼女』というのはアンリエッタ殿下ではないよ」

土御門「何……? ならば、一体…」

???「おっと、これ以上はノーコメントだ。悪いね」
272 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:14:59.98 ID:Cn/I4Pdv0
土御門「ふん。構わんさ。どうせオレに全てを話すつもりなどハナっからないだろうしな」

???「それはお互いさまだろう。きみもぼくに『あちら側』の事について話そうともしないじゃないか」

土御門「お前に話してもしょうがないだろう。所詮オレ達は別世界の住人だ」

???「それはそうだろうね。けど、その別世界の住人がなぜぼく達の世界に干渉する?」

土御門「………」

???「きみ達はこの世界の事など知らんぷりでも決め込んで、相互不干渉という手もとれたんじゃないかい?」

土御門「………よく言う。お前達がそうさせてるんだろう」

???「どうやら事の重大さは理解しているようだね」

土御門「だがお前達の言葉はまだ信用に足るものじゃない」

???「未だに信じてくれないと言うのかい」

土御門「信じる信じないはオレの勝手だろう」

???「だがきみは嫌でも信じなくちゃならなくなる。そう決まっているんだ」
273 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:16:05.60 ID:Cn/I4Pdv0
土御門「チッ、そのなんでも知ってるような口ぶりが気に入らんな」

???「これは失敬。気分を害したなら謝るよ」

土御門「いや、いい。それよりひとつ聞かせろ」

???「なんだい」

土御門「例の『ゲート』だが、あれはお前達が?」

???「……うーん、そうだな。あれは自然発生したもの、とでも言っておこうか」

土御門「本当の事を言うつもりはない、か」

???「やれやれ。人を信用させるってのは難しいものだね」

土御門「オレは立場上、人の言葉は裏付けが取れない限り信用出来ないのさ」

???「仰る通りで。ならば言い方を変えようか」

土御門「………」

???「ぼくらが、いたずらに精神力を消費してまで異世界への扉を開くなんて思うかい?」
274 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:17:30.42 ID:Cn/I4Pdv0
土御門「もっともらしい言い方だな」

???「だろう? いい加減に信用してくれてもいいんじゃないかな」

土御門「良いだろう。一応、信じてやる」

???「一応、ね」

土御門「それで? あれは結局なんなんだ」

???「だから言っただろう。自然現象だって」

土御門「自然現象、として片付けるには些か無理があると思うが」

???「まあ確かに一理ある。だが、こうは考えないかい? これは神がぼく達に与えた運命だと」

土御門「何が言いたい」

???「いずれ世界で戦争が起こる。無論、きみ達の世界も例外ではない」

土御門「……なんだと。お前、どこまで何を知っている」

???「さて。夜明けも近い。そろそろ出よう」

土御門「……チッ。それが知りたきゃ最後まで付き合えというわけか」

???「そういう事さ。では行こうか」
275 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:18:52.66 ID:Cn/I4Pdv0
―――魔法学院・ルイズの部屋―――



ルイズ「はぁ……、あれから何日経ったのかしら」

コンコン。

ルイズ(サイト……な、わけないわよね)

ルイズ「……どうぞ」

ガチャ。

オルソラ「こんばんは。夜分遅くにすみません。ルイズさん、でよろしいのでございますよね?」

ルイズ「あんた、この間の」

オルソラ「オルソラ=アクィナスでございます」

ルイズ「で、そのあんたがわたしになんの用?」

オルソラ「少しばかりお話しがしたいと思いまして」

ルイズ「……悪いけど、そんな気分じゃないわ」

オルソラ「それにしても、本当にアニェーゼさんにそっくりな声をしていらっしゃいますね」

ルイズ「いいから帰って。わたし、今は誰とも会いたくないの」
276 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:19:36.63 ID:Cn/I4Pdv0
オルソラ「そういうわけにもいかないのでございますよ」

ルイズ「なんでよ。別にわたしとあんたは特に知り合いってわけでもないでしょ」

オルソラ「ですから、ルイズさんとお話しがしたいのでございますよ」

ルイズ「意味がわかんないわよ。それに、一体なんの話をするっていうの?」

オルソラ「しかし、本当にルイズさんですよね? アニェーゼさんがベッドに潜っていたら驚きでございますよ」

ルイズ「それはもういいから」

オルソラ「そうでございますね、トリスタニアの料理店はなかなかよい物件揃いでございますよ」

ルイズ「なんの話してんのよ」

オルソラ「今度ルイズさんも一緒にどうですか? ルイズさんならアニェーゼさんとも仲良くなれるでございますよ」

ルイズ「って、だからなんの話よ!」

オルソラ「ところで、あなた様は本当にアニェーゼさんではなくルイズさん…」

ルイズ「それももういいの! ほら、わたしルイズ! わかった?」

オルソラ「それで、ルイズさんにお話があるのでございますが」

ルイズ「早く話しなさいよね」

オルソラ「そういえば、今度新しいお店がオープンするみたいでございますよ」

ルイズ「だーもう! なんで話題が行ったり来たりなのよあんたは!?
277 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:20:44.91 ID:Cn/I4Pdv0
オルソラ「それにしては随分と古びた本でございますね」

ルイズ「まあ、古きを知り新しきを知るってとこよ」

オルソラ「私にも見せてくれませんか?」

ルイズ「ダメよ。これ、借り物なんだから。もしもの事があったら示しがつかないわ」

オルソラ「ではルイズさんの横から覗かせてもらうというのはどうでございましょう」

ルイズ「な、なんでそうまでして読みたいのよ」

オルソラ「私も、古きを知り新しきを知るのでございますよ」

ルイズ「ダメよダメ。とにかく、この本は大事な物だからあんたには見せられないの!」

オルソラ「何か見られたら困る事でも書かれているのでございますか?」

ルイズ「そ、そんなわけないじゃない」

ルイズ(始祖の祈祷書は全ページ真っ白だから別に見られても困らないけど……)

オルソラ「……?」

ルイズ「ほら、もうこの本についてはおしまい。さっさとあんたの話とやらを聞かせなさいよ」

オルソラ「それでしたら、角を右に曲がって噴水の近くにあるお店がおすすめでございますよ」

ルイズ「またあんたは性懲りもなく…」
278 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:21:10.58 ID:Cn/I4Pdv0
オルソラ「ルイズさんはここしばらく授業をお休みしているようでございますが、大丈夫なのでございますか?」

ルイズ「だから……って、え? 誰から聞いたのよその話」

オルソラ「学院長様でございます」

ルイズ「が、学院長…?」

オルソラ「はい」

ルイズ「…なんで?」

オルソラ「なんでも、最近ルイズさんが授業を休んでいるというのでご看病をと」

ルイズ「大丈夫よ。そんなの必要ないわ」

オルソラ「あら。それでは、どうしてお休みになられているのでございましょう?」

ルイズ「そ、それは……」

オルソラ「それは?」

ルイズ「あれよ。今は授業を受ける気分じゃないの」

オルソラ「では、いつその気分になるのでございましょうか?」

ルイズ「そ、その内よ。その内」

オルソラ「はぁ。なら、その気になるまで待たせていただきますね」

ルイズ「……はい?」

オルソラ「ですから、ルイズさんの気分がよろしくなるまで私は待たせてもらうという事でございますよ」

ルイズ「待つって、どこで」

オルソラ「ここでございますが」
279 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:24:02.92 ID:Cn/I4Pdv0
>>277
2行抜けてました。度々すみません





オルソラ「あら。ルイズさん、その本は一体なんでございましょう?」

ルイズ「本? あ……な、なんでもないわよ。ただの読書用の本よ」

オルソラ「それにしては随分と古びた本でございますね」

ルイズ「まあ、古きを知り新しきを知るってとこよ」

オルソラ「私にも見せてくれませんか?」

ルイズ「ダメよ。これ、借り物なんだから。もしもの事があったら示しがつかないわ」

オルソラ「ではルイズさんの横から覗かせてもらうというのはどうでございましょう」

ルイズ「な、なんでそうまでして読みたいのよ」

オルソラ「私も、古きを知り新しきを知るのでございますよ」

ルイズ「ダメよダメ。とにかく、この本は大事な物だからあんたには見せられないの!」

オルソラ「何か見られたら困る事でも書かれているのでございますか?」

ルイズ「そ、そんなわけないじゃない」

ルイズ(始祖の祈祷書は全ページ真っ白だから別に見られても困らないけど……)

オルソラ「……?」

ルイズ「ほら、もうこの本についてはおしまい。さっさとあんたの話とやらを聞かせなさいよ」

オルソラ「それでしたら、角を右に曲がって噴水の近くにあるお店がおすすめでございますよ」

ルイズ「またあんたは性懲りもなく…」
280 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:26:01.84 ID:Cn/I4Pdv0
ルイズ「はあ!? 冗談じゃないわよ。なんでわたしがあんたなんかと」

オルソラ「そう言われましても。学院長様が仰られた事ですので」

ルイズ「なっ……それ、本当なんでしょうね?」

オルソラ「嘘をつく必要などないと思うのでございますが?」

ルイズ「………」

オルソラ「……やはり、ダメでございますか?」

ルイズ「いいわ。けど、やる事はやってもらうからね」

オルソラ「やる事、と申しますと?」

ルイズ「あのバカが出てって、部屋の掃除や洗濯するのがいないからあんたにやってもらうの」

オルソラ「そうでございますか。なら早速お洗濯いたしましょう」

ルイズ「へ? ちょ、何すんのよ!?」

オルソラ「脱いで下さい」グイグイ
281 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:26:47.67 ID:Cn/I4Pdv0
ルイズ「な、何でよ?」

オルソラ「ですから、お洗濯しますから」

ルイズ「別に今じゃなくてもいいでしょう!?」

オルソラ「あら。確かにそうでございますね」

ルイズ「まったく…」

オルソラ「ではお掃除を」

ルイズ「それもいいから! 明日にしてちょうだい!」

オルソラ「そうでございますか。では、その本を拝借させてほしいのでございますが」

ルイズ「……これについてはもうおしまいって言わなかったかしら」

オルソラ「私も古きを知り新しきを……」

ルイズ「だからしつこいって! なに? 何回も言えばいいとか思ってるの?」

オルソラ「はあ。そう言われましても、これも学院長様の頼みでございまして」

ルイズ「………あんた、学院長って言葉を出せばなんでもまかり通るとか思ってんじゃないわよね」

オルソラ「そんな事はないのでございますよ〜」
282 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:29:24.02 ID:3r2r1XuAO
ルイズ「………」

オルソラ「お疑いでございますか?」

ルイズ「じゃ、これ。この本が何か知ってるわよね?」

オルソラ「はい。それはトリステインの国宝である始祖の祈祷書でございます」

ルイズ「で。なぜわたしがこれを持ってるのか」

オルソラ「学院長様より、トリステイン王女の結婚式にて読み上げる詔を考えてほしいという事でございましょう?」

ルイズ「………どうやら本当みたいね」

オルソラ「わかっていただけてよかったのでございますよ」

ルイズ「そうね。だったら言うけど、この始祖の祈祷書はどこを見ても真っ白よ」

オルソラ「本当でございますね」

ルイズ「丁度いいわ。わたし、詔が思いつかなくて困ってたとこなの。あんたシスターだし、手伝ってくれる?」

オルソラ「はい。お任せ下さい」

ルイズ「じゃ、わたしそろそろ寝るわ」

オルソラ「おやすみなさいでございます」

ルイズ「あんたはどうすんの」

オルソラ「私はその詔を考えさせてもらうのでございますよ」

ルイズ「そう。でも、あんまり無理しないでよ。倒れられても困るし」

オルソラ「はい」

ルイズ「じゃ明日はよろしく頼むわよ」

オルソラ「はい。ではおやすみなさいませ」

ルイズ「ふぁぁ…ZZZ…」

オルソラ「………」

オルソラ(……さて。では僭越ながらこの始祖の祈祷書を調べさせてもらうのでございますよ)

ペラッ、ペラッ。

オルソラ「まあ。本当に真っ白でございますね」

パラパラ。

オルソラ「最後まで何も書かれていないのでございますよ」

オルソラ(……しかし仮にも国宝。何か秘密があると思うのでございますが)

ルイズ「う〜ん。むにゃむにゃ」

オルソラ「……暗号解析に長けた私としては、これくらいで引き下がりたくはないのでございますよ」

パラパラッ。

オルソラ「とは言っても、これは骨の折れる作業になりそうでございますね」

オルソラ(……どうやら今日は、徹夜になるかも知れないのでございますよ)
283 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 03:31:31.44 ID:Cn/I4Pdv0
とりあえず、つづきはまた後ほど
284 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 23:56:26.95 ID:Cn/I4Pdv0
次の日、才人達はタルブの村についた。
そして、一行は村の近くにある寺院に赴いていた。



―――タルブ・寺院―――



シエスタ「これが竜の羽衣です」

才人「え………」

上条(これが、竜の羽衣…)

イン(でも、これって…)

才人「――――――」

シエスタ「あの、サイトさん? どうかしたんですか?」

才人「………」

シエスタ「わたし、何かまずいものを見せてしまったんじゃ……」

上条「いや、これは……」

キュルケ「まったく、こんなのが飛ぶわけないじゃないの」

ギーシュ「これはカヌーか何かだろう? それに鳥のおもちゃのように、こんな翼をくっつけたインチキさ」

上条(……まあ、確かにこの世界の人間にゃ見慣れないもんだよな)

キュルケ「あなたもそう思うでしょタバサ?」

タバサ「………」

キュルケ「あらら、興味津々?」

才人(………)

シエスタ「サイトさん、ほんとに……、大丈夫?」

才人「シエスタ」ガシッ

シエスタ「は、はい?///」

才人「お前のひいおじいちゃんが残したものは、ほかにないのか?」

シエスタ「えっと……、あとはたいしたものは……、お墓と、遺品が少しですけど」

才人「それを見せてくれ」
285 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 23:57:09.36 ID:Cn/I4Pdv0
―――タルブの村・墓地―――



才人「これが、ひいおじいちゃんの?」

シエスタ「はい。ひいおじいちゃんが、死ぬ前に自分で作った墓石だそうです」

才人「………」

シエスタ「異国の文字で書いてあるので、誰も銘が読めなくって。なんて書いてあるんでしょうね」

才人「海軍少尉佐々木武雄、異界ニ眠ル」

シエスタ「はい?」

才人「………」じっ

シエスタ「い、いやですわ……、そんな目で見られたら……」

才人「なあシエスタ、その髪と目、ひいおじいちゃん似だって言われただろ」

シエスタ「は、はい! どうしてそれを?」

才人(だとしたら……)
286 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 23:57:52.80 ID:Cn/I4Pdv0
再び、寺院。

上条「何か発見はあったか?」

才人「まあな。さて、こいつに触れてみて、と」

コォォ。

イン「ルーンが光った!」

上条「なるほど、こいつも武器には違いないって事か」

才人(頭の中に構造、操縦法が流れ込んで来る。俺にも飛ばせるみたいだな)

才人「燃料タンクは……、ここか」

ガチャ。

才人「空っぽか。ま、だと思ったけどな」

上条「そりゃ、燃料がなきゃ飛ばないよな」

才人「……しっかし、どうやってこの世界に迷い込んできたんだろう」

上条「シエスタのひいおじいちゃんの事か?」

才人「ああ。どうやら地球の、それも日本人だったらしい」
287 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 23:58:20.48 ID:Cn/I4Pdv0
上条「おいおいマジか。ゲートってそんな昔から地球に存在してたのかよ」

才人「そうらしいな」

上条(待てよ。だとしたらあの兵器、やっぱりそうなのか…?)

才人「うーん。手がかりが欲しいな。なんでもいい」

上条「地球に帰る為に、か?」

才人「ああ。お前達に頼りっきりってのもアレだしな」

上条「そうか。ま、人に任せっきりな俺が言うのもなんだけどな」

才人「まあ、お前も別に大層な目的があって来たわけじゃないんだろ」

上条「ああ、インデックスに誘われてちょっとな」

才人「そんなちょっとコンビ二みたいな感覚で来られると俺って一体何だったのかって思う」

イン「でも私学院に通いたかったんだもん」

上条「最早忘れ去られた設定かと思ってたが、今もそうなの?」

イン「それを否定しちゃったら今まで一応保たれてきたタイトルの意味がなくなっちゃうんだよ」

才人(なんの話をしてんだこいつら)

シエスタ「みなさーん」

イン「あ、シエスタが戻って来たんだよ」
288 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 23:58:56.27 ID:Cn/I4Pdv0
才人「どうだった、実家の方は」

シエスタ「ふわ、予定より二週間も早く帰って来てしまったからみんなに驚かれました」

才人「それが?」

シエスタ「はい。ひいおじいちゃんの形見です」

才人「古いゴーグルか。形見ってこれだけなの?」

シエスタ「ええ。ひいおじいちゃん、日記も何も残さなかったみたいで」

才人「そっか」

シエスタ「ただ、父が言ってたんですけど、遺言を遺したそうです」

才人「遺言?」

シエスタ「なんでもあの墓石の銘を読める者が現れたら、その者に『竜の羽衣』を渡すようにって」

才人「となると、俺にその権利があるってわけか」

シエスタ「そうですね。その事を話したら、お渡しして良いって言ってました。
      管理も面倒だし、大きいし、拝んでる人もいますけど、今じゃ村のお荷物だそうです」

才人「じゃあ、ありがたくもらうよ」

シエスタ「それで、その人物にこう告げて欲しいと言ったそうです」

才人「なんて言ったの?」

シエスタ「なんとしてでも『竜の羽衣』を陛下にお返しして欲しい、だそうです。
      陛下ってどこの陛下でしょう? ひいおじいちゃんはどこの国の人だったんでしょうね」

才人「俺と同じ国だよ」
289 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/11(日) 23:59:37.38 ID:Cn/I4Pdv0
シエスタ「ほんとですか? なるほど、だからお墓の文字が読めたんですね」

上条「文字?」

才人「ああ。シエスタのひいおじいちゃんの名前。佐々木武雄少尉だって」

上条「少尉か。時代的に戦争真っ最中ってとこだったのかな」

シエスタ「ひいおじいちゃんとサイトさんが同じ国の人だなんて。なんだか、運命を感じます」ウットリ

才人「あはは…」

シエスタ「あ、でもトウマさんも同じ国の人みたいですし……」ブツブツ

上条「?」

シエスタ「あ、でもあの文字を読んだのはサイトさんですからトウマさんは関係ないですね、うん」

上条「なんか勝手に色々言われてるんですけど」

シエスタ「じゃあ、ほんとに。ひいおじいちゃんは竜の羽衣でタルブの村にやって来たんですね」

才人「そうだよ。それと、これは竜の羽衣って名前じゃないよ」

シエスタ「じゃあ、サイトさんの国ではなんて言うんですか?」

才人(そういや、昔プラモデルでこれ作ったっけ。けど、なんでこんな名前で呼ばれたんだろう
    多分、そんな名前で呼んだほうが通りと理解がよかったんだろうな。『破壊の杖』みたいに)

才人「………懐かしいな」

シエスタ「え?」
290 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/12(月) 00:00:03.82 ID:9nGf8vem0
才人「こいつはゼロ戦。俺の国の、昔の戦闘機」

シエスタ「ぜろせん? せんとうき?」

才人「つまり、ひこうきだよ」

シエスタ「こないだ、サイトさんが言っていた、ひこうき」

才人「うん」

イン「ねえとうま、ぜろせんってなに?」

上条「いや、だからこいつの事だって」

シエスタ「あれ。インデックスさんはこのひこうきの事は知らないんですか?」

イン「うん。私、こういうのには詳しくないし、私の国の飛行機じゃないしね」

シエスタ「そうなんですか」

イン「で、これは一体どういう目的で造られたの?」

上条「ま、一言でいや戦争だな」

才人「世界じゃ二回も戦争が起きてるんだ。それぐらい知ってるだろ」

イン「うん」

才人「その時に使われてたんだろうさ」

イン「へー」

シエスタ「世界? 戦争?」

才人「あ、いや俺達の国でも戦争があってだな」

シエスタ「そうだったんですか。サイトさん達の国も大変だったんですね」

才人「ま、まあね」

シエスタ「さて、それじゃあわたしの家に行きましょうか。今夜は泊まっていって下さい」

才人「なんか悪いな」

シエスタ「いいんですよ。あなたの為ですから」

才人「え?」

シエスタ「うふふ。なんでもありません。さ、行きましょう」

上条「………一応聞くけど、俺達も泊まってっていいんですよね?」

才人「俺に聞くなよ」

イン「ほら、二人とも早く行くよー」

才人「ま、こまけーこたぁ気にすんな」

上条「全然細かい事じゃないんだけどなぁ……」
291 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/12(月) 00:00:39.06 ID:9nGf8vem0
―――タルブの村・草原―――



才人(シエスタの家族はいい人達だった。シエスタは幸せそうで、楽しそうで羨ましく思った。
    他のみんなにも家族はいるんだろうな。俺にもいる。でも、こうして会う事は出来ない。
    会いたくても雲の彼方どころか、どこまで行けば会えるのかさえわからない)

ザッザッ。

上条「よう。こんなとこで何してんだ」

才人「いや、ちょっとたそがれてただけさ」

上条「たそがれるってのは日が暮れるとか衰えるって意味だぞ」

才人「う……、そ、そうなのか」

上条「そうですよ」

才人「え、と。……キ、キレイな草原デスネー」

上条「男同士で見ても何の感慨も湧かないんですが」

才人「うっせー」

シエスタ「サイトさーん」

才人「シエスタ。着替えたんだ」

シエスタは、茶色のスカートに木の靴、そして草色の木綿のシャツを着ていた。

才人「メイド服もいいけど、こっちも似合ってるよ」

シエスタ「あ、ありがとうございます///」

イン「とうま〜」

上条「インデック―――す!?」
292 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/12(月) 00:01:20.95 ID:9nGf8vem0
イン「どうどうとうま? シエスタから借りて着てみたんだよ!」

上条「い、インデックスさんは何をいきなりメイドにお目覚めで!?」

イン「どう? 似合うかな? …ちょっと胸のあたりがぶかぶかだけど」

才人「いや、ちょっとどころかかなり」

イン「ギロリ」

才人「だ、だって本当の事だろ!」

イン「さいとには噛み付いても大丈夫かな」

才人「ひぃっ!?」

シエスタ「ダメですよインデックスさん。それに、事実ですもの」

イン「ぐぬぬ。でも今の私はメイド属性を得た事で人気急上昇かも!!」

上条「その代わりシスター属性がなくなったけどな」

才人「大体、お前はメイドというより執事の方がいいんじゃねーの」

イン「……なんで執事?」

才人「んん? なんでだろうな」

シエスタ「サイトさん、いくら胸がないからってインデックスさんは女の子なんですよ?」

イン「うぐぅ……」

才人(うわぁ、さり気なくひでぇよシエスタ…)
293 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/12(月) 00:01:47.73 ID:9nGf8vem0
上条「まあ、それはともかくこいつに執事は無理だよ」

才人「なんで?」

上条「こいつは料理も出来ないし機械にも弱いし。そんなのが執事にはなれんだろ」

才人(なんかどっかで聞いた事のあるような設定だな…)

イン「ねえ。もしかして、みんなで私をいじめてるの?」

上条「あ、あれーインデックスさん? なぜ拳を握り締めてるのかなー?」

才人「お前も俺達みたいに必殺技を編み出したのか? 執事ナックル、とか?」

上条「いや、今はメイドだからメイドナックルじゃね?」

才人「ああ、なるほど」

イン「ねえ、言いたい事があるんだけど、いいかな」

上条「な、なんですか」

イン「二人ともセンスなさすぎなんだよーーーーー!!」

上条「な……」

才人「なんだってーーーーーーーーーー!!!!???」

イン「もう私は怒ったんだよ。まずは手始めにとうまからいかせてもらうかも!」

上条「ま、まって! そんな事したら今まで保ってきたきれいなインデックスさんが!」

イン「もおおおおおそんなの知らない! とおおおおおおおまあああああああ!!!」

上条「ひ、ぎぃぃぃぃぃやああああああ!! 喰ぅぅぅぅわぁぁぁぁれぇぇぇぇるぅぅぅぅ!!」
294 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/12(月) 00:02:30.65 ID:9nGf8vem0
シエスタ「インデックスさん、落ち着いて。わたしはお食事の用意が出来たって呼びに来たんですよ」

イン「へ?」

シエスタ「ですから、お食事。ごはんです」

イン「とうま。どうやら私はおなかがすいて機嫌が悪かったみたいなんだよ」

上条「はあ」

イン「ごはんを食べれば機嫌が直るかも」

上条「うん」

イン「というわけで、この件は水に流す事にするんだよ」

上条「それはありがたい」

イン「だから、その……今のはなかった事にしてくれないかな」

上条「きれいなインデックスさんは健在ってか」

イン「そう。私はいい子だった!」

上条「調子いい事言ってんじゃねーぞこのヤロー!」

イン「野朗じゃないもん。というわけでごっはっん〜!⊂二二二( ^ω^)二⊃」

上条「あ、待てコラ!!」
295 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/12(月) 00:03:07.11 ID:9nGf8vem0

シエスタ「相変わらず仲がよろしいですね」

才人「ははは……」

シエスタ「遊びに来て下さいって言ったら、ほんとに来る事になっちゃいましたね」

才人「そうだな」

シエスタ「この草原、とっても綺麗でしょう? これをサイトさんに見せたかったんです」

才人「うん」

シエスタ「父が言ってました。ひいおじいちゃんと同じ国の人と出会ったのも何かの運命だろうって。
      よければ、この村に住んでくれないかって。そしたらわたしも……、その…」

才人「うん?」

シエスタ「わたしもその、ご奉公をやめて、一緒に帰ってくればいいって」

才人「………」

シエスタ「でも、いいです。やっぱり無理みたいね。まるで鳥の羽みたい。
      きっと、どこかに飛んでいってしまうんだわ」

才人「東から、飛んで来たって、ひいおじいちゃん言ってたんだよな」

シエスタ「え? そ、そうですけど……」

才人「シエスタのひいおじいちゃんも、俺も、この世界の生まれじゃないんだ」

シエスタ「東の、ロバ・アル・カリイエの方から、いらしたんですよね」

才人「そうじゃない。ほんとは、もっと遠くなんだ」

シエスタ「え…」
296 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/12(月) 00:03:38.23 ID:9nGf8vem0
才人「ここじゃない、違う世界だ。俺は、そこの人間なんだよ」

シエスタ「からかってるのね。イヤなら……、わたしが嫌いならそうはっきり言えばいいのに」

才人「そうじゃない。からかってなんかいない」

シエスタ「そこに待たせてる人でもいるの?」

才人「いない。でも家族が待ってる。俺は、いずれそこに帰らなくちゃならない人間だ。
    だから、シエスタの言う通りには、出来ないんだ」

シエスタ「………」

才人「ここにいる間俺の力で誰かを守る事は出来る。でも、それだけだ。
    誰かと過ごす資格は、俺にはない。きっとない」

シエスタ「でも、ひいおじいちゃんは……、そうしたんでしょう」

才人「ひいおじいちゃんにはガンダールヴの力はなかった。俺にはある。
    今まで、色んな敵がいたけど、こいつの力がそいつらを破ってくれた。
    だからきっと、この力が導いてくれるような、そんな気がする」

シエスタ「じゃ、じゃあ、待っててもいいですか? わたしはただの、何のとりえもない女の子だけど、
      待つ事ぐらいは出来る。もし、サイトさんが頑張って、変える方法とやらを探して……、
      それでも見つからなかったら……、………」

才人(……もし、そうなったらどうなるんだろう。確かにシエスタは可愛い。
    優しいし、料理も出来るし、脱いだらすごいし。ほんとに素敵な女の子だと思う。
    ……でも、だからこそ先のわからない約束は出来ない)
297 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/12(月) 00:04:04.86 ID:9nGf8vem0
シエスタ「………」

才人「………」

シエスタ「そ、そうです。さっき伝書フクロウが学院から届いたんです。
      サボりまくったものだから、先生方はカンカンだそうですよ?」

才人「そりゃ、まあそうなるわな」

シエスタ「ミス・ツェルプストーや、ミスタ・グラモンは顔を真っ青にしてました」

才人「うわぁ。帰った後が怖そうだな」

シエスタ「わたしの事も書いてありました。学院に戻らず、そのまま休暇をとっていいですって。
      そろそろ姫さまの結婚式ですから。だから、休暇が終わるまでわたしはここにいます」

才人「そっか」

シエスタ「あの……、『竜の羽衣』、飛ばせるんですか?」

才人(ガソリンさえ用意出来ればなんとかなるだろうな)

才人「わからない。でも、相談できそうな人がいるんだ。
    あれが飛ぶようになったら東の地に行ってみたい。
    シエスタのひいおじいちゃんはそこから飛んできたんだろう?
    何かヒントがあるかも知れない」

シエスタ「そうですか。飛んだら素敵だな。ねえ、あの『竜の羽衣』……、
      ゼロセンでしったっけ? それが飛んだら一度でいいからわたしも乗せて下さいね」

才人「そ、そんなの、何度だって乗せるよ。あれはシエスタの家族のものなんだから」
298 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/12(月) 00:04:39.33 ID:9nGf8vem0
才人「な、いいだろ? 頼むよ」

ギーシュ「しかしね、きみ。あんなものを運んでどうする気かね?」

才人「どうしても必要なんだよ」

ギーシュ「そうは言うがね」

才人「頼む! 本当にどうしても持って帰りたいんだ!」

ギーシュ「はぁ…。仕方ないな。父上のコネを使って竜騎士隊とドラゴンを借りるとするかね」

才人「本当か! ありがとうギーシュ!」

ギーシュ「言っておくが、運賃は自分でなんとかしたまえよ」

才人「え、金かかんの?」

ギーシュ「当たり前だろう。というかきみ、そんな金ないだろう?」

才人「マジかよ……どうしよ」

ギーシュ「ルイズに頭下げて払ってもらったらどうだい」

才人「それは……、いやだ」

ギーシュ「まあ、とにかくその事は頭に入れとくんだね」

才人「あ、ああ……」

才人(やっべー。金かぁ…。どーすっかなー)チラ

キュルケ「言っとくけど、あたしは払わないわよ」

才人「う…。やっぱそんなに甘くないか…。期待はしてないけど、上条クン」

上条「……俺にそんな金はない。むしろくれ」

才人「だよなぁ……。ま、なんとかなるだろ」

上条「楽観的だなおい」

才人「とりあえず、ちょっくら外の空気吸ってくら」

上条「スーパーうろたえタイムか?」

才人「うぐ……。今はそっとしといてくれ」
299 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/12(月) 00:08:58.10 ID:SHnMj93AO
才人「……明日帰るのか。あいつとは顔合わせ辛いな」

デルフ「ケンカしたから?」

才人「まあな。それに第一、俺はもうあいつの使い魔クビになったし」

デルフ「そういやそうだったね」

才人「はぁ…どーすっかなぁ。ゼロ戦の運賃の件もあるし」

そんな風に才人がブラついていると、

才人「ん? あれはアニェーゼと五和か?」

デルフ「そういやさっきもいなかったね」

才人「こんな時間に何やってんだ?」

アニェーゼ「この近くですか」

五和「そうみたいです」

アニェーゼ「やれやれ。これでようやく帰路を確保ですよ」

五和「ここまで長かったですね」

才人(帰路…? もしかして、地球に戻る為の!?)

アニェーゼ「それで。あっちの方は上手くいってんですか?」

五和「はい。今は着々と進んでいるようです」

アニェーゼ「しっかし、本気で戦争を起こすつもりなんですかね」

才人(戦争だって?)

五和「詳しい事は私達にも教えてもらえないみたいですが、いざとなったら…」

アニェーゼ「ま、そうならないようにしたいですがね」

才人(なんだよ。いざとなったらなんなんだよ)

ガサ。

才人(しまった)

アニェーゼ「誰です!?」

才人「………」

五和「な、なんだ才人さんでしたか。驚かせないで下さいよ」
300 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/12(月) 00:10:24.30 ID:SHnMj93AO
アニェーゼ「………、今の話、聞いちまいましたか」

才人「お前ら、戦争がどうのとか言ってたけど、どういう事だ?」

アニェーゼ「悪いですが、今は話せません」

才人「なら、いざとなったらってなんなんだよ。ヤバくなったら地球に帰っちまうってのか?」

アニェーゼ「………」

才人「どうせ違う世界の事だからって、ほっとくのかよ? 違う世界の人間なんかどうでもいいってのかよ?」

アニェーゼ「あなたも別にこの世界の人間じゃないでしょう」

才人「なんだよそれ。俺達、あいつらに何度も助けてもらってんだぞ? それを見殺しにするのか?」

アニェーゼ「すみませんが、私情は挟みたくないので」

才人「大体、お前ら何しにここに来たんだよ? 俺は偶然ここに来た。帰るアテもないからここにいる。
    けど、ここにいるからには俺もこの世界の住人だ。だから俺に出来る事ならなんでもするつもりだ。
    だが、お前らの目的が見えねえ。上条達は俺と似たような境遇らしいが、お前らは違うんだろ?」

アニェーゼ「………」

才人「何が目的だ。お前ら、何を企んでる」

五和「あの、才人さん。さっきのはそういう意味じゃ―――」

アニェーゼ「今は話せません。それが答えです」
301 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/12(月) 00:11:51.33 ID:SHnMj93AO
才人「今はって、じゃあいつならいいんだよ」

アニェーゼ「さあ。その時が来たらじゃないですか」

才人「……お前らは、上条の仲間みたいだし、疑うような事はしたかねえんだが」

アニェーゼ「言っときますが、私は別に彼らの仲間というわけじゃありませんので」

才人「なんだと」

アニェーゼ「だから別に彼らがどうなろうと知ったこっちゃありません」

才人「なっ…、お前…!」

五和(………)

アニェーゼ「ところであなた、地球に帰りたいとは思いませんか」

才人「な、何をいきなり」

アニェーゼ「聞いての通り、この近くにゲートがあります。そいつをくぐればすぐにでも帰れるんですよ」

才人「だからなんなんだよ」

アニェーゼ「どうせあなたはする事もなく、行くあてもないんでしょう。自分の家に帰りたいとは思わないんですか」

才人「それは……。けど、あんな話聞いて行けるわけないだろ」

アニェーゼ「じゃあ聞きますが、あなたに何が出来るんです?」

才人「なに?」

アニェーゼ「仮に、戦争が起きたとしてあなたに何が出来るんですか?」

才人「………」

アニェーゼ「所詮、あなたはただの一般人なんです。もう十分でしょう?」
302 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/12(月) 00:13:39.54 ID:SHnMj93AO
才人「何が言いたい」

アニェーゼ「もう危険な目に遭う事なく、地球で平和に暮らすという選択もあるって事ですよ」

才人「………」

アニェーゼ「地球に帰りたいんでしょう? なら、この話は渡りに船だと思いますが」

才人「………でも」

アニェーゼ「嫌なら別にいいんですよ。でも、このチャンスを逃したらもう二度と帰れないかも知れませんよ」

才人「……くそっ」

アニェーゼ(まあ、迷うのも当然ですか。彼にとってハルケギニアも第二の故郷みたいなもんですからね。
       ……けど、その道は険しい。だからあなたの覚悟、見させてもらいますよ)

才人「………んー。あいつらも来れたんだし、戻ってこれるよな」ブツブツ

アニェーゼ「……え? ちょっと?」

才人「よし、俺帰るわ。案内してくれ」

アニェーゼ「はぁ!? な、何言ってんですかあなたは!?」

才人「だって、お前が言ったんだろ、帰れって。ほら、ゲートどこよ?」

アニェーゼ「……あなたって人は。せっかく私が覚悟を試そうとしたって所に」

才人「ん? あ、お前まさか嘘ついたのか!? ゲートなんかどこにもないんじゃ…」

アニェーゼ「……なんだかルイズって人の気持ちが少しわかる気がして来ました」
303 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/12(月) 00:18:43.89 ID:SHnMj93AO
五和(なるほど。彼を試したって事だったんですか。でも……)

才人「なあ、五和。お前も知ってるんだろ。どこにあるか教えてくれよ」

五和「え!? えぇと…」

アニェーゼ「この野郎は一度徹底的に根性叩き直してやんないとダメみてえですね!」

才人「お? あっちの方なんだか明るいぞ!」

アニェーゼ「まずい。このままじゃ本当に…」

才人「あ、そうだ五和。頼みがあるんだけど」

五和「へ? な、なんですか?」

才人「あいつらにさ、学院に帰ったらゼロ戦のガソリン作るようにって言っといて!」

五和「えぇ…!?」

才人「じゃ、またな!」シュンッ

アニェーゼ「チッ、なんて速さですか!」



デルフ「……ほんとにいいのかい、相棒」

才人「なーに。すぐ戻ってくりゃいいさ」

アニェーゼ「そうはさせませんよ」

才人「先回りされたか!」

アニェーゼ「くたばりゃあ!」ブンッ

才人「うわ、殺る気満々!?」バッ

アニェーゼ「外しましたか」

才人「俺は帰るんだ、地球へ!」

アニェーゼ「さっき自分でこの世界の為にどうたら言ってたじゃないですか」

才人「いいだろ。ちょっと帰るだけだから。な?」

アニェーゼ「ったく、そんな甘ったれた事言ってんじゃねえですよ!」ブンッ

ゴッ!

才人「うわっ!?」

アニェーゼ「え…?」

吹っ飛ばされた才人はゲートを背にしていたアニェーゼとぶつかる。
そのまま才人はバランスを崩しながらもアニェーゼを押しつつゲートに向かっていく。

才人「っとっと、どいてどいて!」

アニェーゼ「んな事いきなり言われても……きゃ!」

才人「わ、わわ、わ……うわぁぁっ!!」

そして、そのままアニェーゼを押し倒すようにしながら二人はゲートに突入してしまった。

五和「ああ……ど、どうしよう……二人ともゲートくぐっちゃいましたぁ…!」

ようやく二人に追い付いた五和だったが、時すでに遅し。
二人がゲートの向こうに消えていくのをただ呆然と見ている事しか出来なかった……。
304 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/12(月) 00:22:59.11 ID:9nGf8vem0
学園都市編突入です
ただ、今回でストックを使い果たしてしまいました
なので、次からはいつもみたいにのんびり進んで行くと思います

ま、なんとかなるでしょう! ……多分
というわけで、次回につづく
305 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/12(月) 00:57:00.09 ID:BdBkW97j0
ドラゴンライダーとか、ファイブオーバーとか、六枚羽とかもって、ハルケに帰ってくるのだろうか?
306 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/12(月) 01:26:37.58 ID:VqxeA8yDO
それやったらエルフたちも

フルボッコじゃねwwwwwwwwww
307 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/12(月) 03:07:12.06 ID:53u3aEYFo
きっと大量のエロ本を持って帰って貴族に売りつけて運賃をだな
308 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/13(火) 12:46:16.55 ID:FdShrAPIO
サイトが学園都市の装備で完全武装したらレベル5にも匹敵しそうだよな
309 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/23(金) 18:06:50.42 ID:K7Cl47at0
―――学園都市・とある路地裏―――



才人「うわぁぁぁぁぁ!」

ドーン!

才人「いっててて……。どこだここ?」

才人(そうだ。俺はゲートをくぐったんだ。という事は、ここは地球!)

才人は辺りを見回す。

才人「お、おお……」

ここがどこかはわからないが、少なくとも地球である事は周りの建物を見ればわかった。

才人(やった……。遂に帰って来れたんだ。やった……)

才人「ヤッターーー!」

???「あの、いいからどいてくんない?」

才人「!? ど、どちらさん?」ビクゥ

???「いやほんと、マジでどけって」

才人「ああ、ごめんごめん」
310 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/23(金) 18:08:01.32 ID:K7Cl47at0
???「ふぅ。……で、なんなのお前」

才人「あ、いや俺はその。平賀才人と言いまして」

???「名前じゃねえよ! この状況で名前聞くか普通?」

才人「そうか? ところで、そういうお前は誰なんだ」

???「人の話聞こうねお兄さん。俺はお前が何者で、何が目的かって聞いてんの」

才人「俺はただの高校生で、家に帰りたい。これでいいか、鼻にピアスを付けた男、略してハピオ」

ハピオ「ハピオ!? っつか、ただの帰宅途中の高校生が空から降って来るか!」

才人「あー、そのあれだ。落下系主人公って事で」

ハピオ「普通ヒロインじゃねえの!? 男が降って来ても何も嬉しくねえ! つーかいねぇよそんなの」

才人「いるだろ。例えば『墜ちてきた男』とか」

ハピオ「一般ピーポーに優しくないネタ放り込んで来たな、おい」

才人「そんなネタがわかるって事はハピオ、お前さては一般ピーポーじゃない?」

ハピオ「はぁ…」

才人「なーんて、冗談冗談…」

ハピオ「いいよ。本当の事だし」

才人「へ?」
311 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/23(金) 18:08:46.59 ID:K7Cl47at0
ハピオ「さてと、俺を踏んづけてくれた礼をしなきゃなんねえな」

才人「ハピオさん?」

ハピオ「ハピオじゃねえ! お前、平賀とか言ったな。大人しく出すもん出しゃ見逃してやる」

才人「ま、まさか? カツアゲ?」

ハピオ「さあ、出せよ」

才人「俺、お金なんて持ってない」

ハピオ「どうやら痛い目見たいらしいな」

才人「や、やんのか」

ハピオ「後悔してももう遅いからな」

才人「ったく、到着早々についてねえなぁ…。上条の不幸がうつったか?」

ハピオ「何ぶつくさ言ってやがる」

才人「しゃあねえ。こんな事にガンダールヴの力を使うのは気が引けるが………って、あれ」

ハピオ「よそ見とは余裕だな!」

才人「ちょ、まっ! どこいったデルフ!?」

ハピオ「わけわからん事言ってんじゃねえ!」
312 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/23(金) 18:11:06.31 ID:K7Cl47at0
バキッ!

才人「がっ!? くそ!」

ハピオ「遅ぇよ!」

才人「なに!? うわぁっ!」

ゴッ!

ハピオ「とんだ素人だな。そんなヘボいパンチじゃ俺達スキルアウトにゃ到底届かねえよ」

才人「スキル、アウト…?」

ハピオ「おいおい、まさかスキルアウトを知らないなんて言うわけないよな?」

才人(……不良集団のチーム名ってとこか?)

ハピオ「まあいい。お前、見た所どうにも無能力者みたいだな」

才人(レベル……ゼロ? なんだそりゃ?)

ハピオ「とりあえず、俺の気の済むまで殴らせてもらうぜ」

才人(っと、マズい…! なんか武器はないか!? なんでもいいから武器を…!)キョロキョロ

ハピオ「何探してんだよ。オラッ」

才人「ぐっ! こうなりゃ逃げるが勝ちだ!」ダッ
313 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/23(金) 18:12:38.83 ID:K7Cl47at0
ハピオ「逃げようたってそうはいかねえ!」

才人「は、速ぇ!」

ハピオ「大人しく殴られとけ!」

才人「ぐあっ!」

ハピオ「ハッ。ゴミの真ん中に突っ込みやがった。ゴミは結局ゴミって事だな」

才人「くそ、やべえぞ……ん?」

才人(ゴミ箱の傍にあるのは……ナイフ? ここはレストランか何かの裏みたいだな)

ハピオ「ったく弱ぇなあ。憂さ晴らしにもなりゃしねえ」

才人(食事用のナイフだけど、いけるか……?)ガシッ

ハピオ「おいおい、んな汚いナイフ一本で何しようってんだ?」

才人「お、ルーンが光っ……んん? これ、光ってるよね?」モァァァン

ハピオ「何なんだお前。さっきから独り言ばっかよ」

才人(心もとないが、一応少しは力が発揮出来そうだな……)

才人「悪いがこれ以上は付き合ってらんねえ!」

ハピオ「あ? だから逃げようったって……、なに!? さっきより速ぇ!? くそ!」

才人(ちくしょう。やっと帰って来れたと思ったら不良に殴られるわ追いかけられるわ)

才人「上条じゃねえが、言わせてもらうぜ。不幸だぁぁぁぁ!!」
314 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/23(金) 18:55:00.37 ID:K7Cl47at0



上条「なんだって! そりゃ本当か!?」

五和「は、はい…」

上条「おいおい、どうすんだよ…」

五和「すみません…。私がついていながら…」

上条「いや、五和のせいじゃないさ。ったくあのヤロー。俺が追いかけてやろうか?」

五和「いえ、現在はゲートが不安定になっています。今入ったらどこに飛ばされるか…」

上条「くそっ。……アニェーゼも一緒なんだっけ。後は任せるしかないか」

五和「そうですね…」

上条「けど、どうする? 明日学院に帰るんだぞ」

五和「才人さんはここに残ったという事にしましょう」

上条「どうやって?」

五和「シエスタさんにはある程度事情を話して協力してもらいます。私も残るつもりでしたし」

上条「そうか、ゲートを確保しとかないと俺達が帰れなくなっちまうからな」

五和「はい。とりあえず、あなたは学院に戻って下さい」

上条「ところで、俺達っていつ帰れるの?」

五和「ゲートが安定したら連絡します。その時まで待ってて下さい」

上条「うぅ……出席状況がどんどん悪くなっていく…」

五和「わ、私もゲートが安定するよう努力しますから気を落とさないで下さい」

上条「……う、うん…」
315 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/23(金) 18:55:43.02 ID:K7Cl47at0
才人「はぁ…はぁ…。撒いたか?」

とりあえず一息つく才人。

才人(しかし、ガンダールヴの力が使えないとてんでダメだな、俺)

才人「とりあえず、デルフを探さないとな」

ドンッ。

才人「いたっ。なんだ?」

スキルアウトA「あん? なんだテメェ」

才人「あっ、すんません」

スキルアウトB「テメェ、ぶつかっといてそんだけか?」

才人「と、言われましても」

才人(うわぁ……逃げた先にもまた不良って…)

スキルアウトA「今日も能力者共が調子乗ってムシャクシャするから殴らせろ」

スキルアウトB「あと、蹴るも追加な」

才人「わわわ、待って! 今の俺丸腰なんですけど!!」

スキルアウトA「知るか! やっちまえ!」

スキルアウトB「おお!」

才人「うわあああああ!!」
316 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/23(金) 18:56:15.56 ID:K7Cl47at0
ドガッ! バキッ!

才人(くそ……なさけねえ。俺ってやっぱ武器がねえとなんも出来ねえよ…)

才人「俺だって、俺だって武器さえあれば……!」

大男「……お前達、それぐらいにしておけ」

スキルアウトA「!」

才人(で、でかっ!? なんだこいつ…!?)

大男「……無能力者狩りか?」

スキルアウトB「ち、違いますよ。こいつが俺達にぶつかって来て…」

スキルアウトA「お、おい。いいからここは逃げるぞ!」

スキルアウトB「くそ、覚えとけよ!」

ダッダッダッ。

大男「……全く。大丈夫か」

才人「あ……、は、はい…」

大男「………? はま…」

才人(はま?)

大男「……いや、気のせいか」
317 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/23(金) 19:24:10.37 ID:K7Cl47at0
才人「えっと。助けてくれてありがとう」

大男「……気にするな。無能力者同士の争いなど見るに耐えんからな」

才人(またレベルゼロか。一体何なんだ?)

大男「……ところで、お前はこんな所で何をしている」

才人「あ、そうそう。この辺に剣落ちてなかったかな」

大男「……剣、というとあのうるさい剣か」

才人「そう、それ! それ俺の剣!」

大男「……そうか。こちらの方でも手を焼いていた所だ。すぐにでも引き渡そう」

才人「本当! ありがとう」

大男「……気にするな」

才人「あ、俺平賀才人って言います。あなたは?」

大男「……名乗るほどでもない」

才人「名乗るほどでもない、かぁ。それあれじゃん。一度は言ってみたいセリフ!」

大男「………」

才人「しかもなんか不良達から恐れられてるっぽいし、マジすげえなぁ」

大男「……それほどでもない」

才人(あーあ、俺も力が使えりゃあんな奴らに遅れなんか取らねえのに)

大男「……着いたぞ」
318 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/23(金) 20:51:46.31 ID:K7Cl47at0
才人「デルフ〜! いるか〜? ……ん?」

ハピオ「あー! テメェ!」

才人「ゲッ、ハピオ!」

大男「……ハピオ?」

ハピオ「だからハピオじゃねえ! 俺の名前は浜……」

半蔵「浜面、あれがお前の言ってたヤツか?」

浜面「先に言うなよ半蔵! っつか、なんでお前が駒場さんと一緒なんだよ」

才人「いや、え? ど、どういう事!? あなたは何者!?」

駒場「……俺は、スキルアウトのリーダーだ」

才人「えええええ!?」

才人(だ、だからさっきの奴ら、一目散に逃げたのか…!)
319 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/23(金) 20:52:28.10 ID:K7Cl47at0
浜面「しかし、まさかこうも早く再会出来るとはな」パキポキ

才人「ぼ、暴力反対!」

駒場「……待て、浜面。この平賀というヤツは自分の剣を落としたらしくてな」

浜面「剣?」

半蔵「ああ、あのやかましい剣か。ありゃ一体どんな技術使ってんだ?」

才人「え、魔法だけど」

浜面「………は?」

半蔵「魔法ぉ?」

才人「ま、魔法の技術で作られてるんだな、これが!」

半蔵「まあいいや。で、お前これ返して欲しいんだろ」

才人「うん。……はっ! なんか理不尽な要求を突きつけられる予感!」

半蔵「はっはー、バレたか」

浜面「やめとけって。そいつ無能力者だよ。格闘も全然なってねえし」

半蔵「なんだ。ただのパンピーかよ」

浜面「そうそう。ただの雑魚だよ。ザ・コ!」

才人(……ムカッ)
320 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/23(金) 20:53:22.88 ID:K7Cl47at0
浜面「……あん?」

才人「浜面とか言ったか。お前俺の事ナメてやがるな」

浜面「何急に強気になってんだよテメェ」

才人「俺の力、見せてやる。おい、デルフ……俺の剣をくれ」

半蔵「どうする、浜面?」

浜面「格闘じゃ勝てねえから武器を使おうってか。なら俺も使うが、いいよな?」スッ

才人「ゲッ、お前拳銃とか銃刀法違反だろ!」

浜面「はぁ? それお前が言うか?」

才人「………それもそうだ」

半蔵「いいのかよリーダー? 下手すりゃあいつ死ぬぞ」

駒場「……おい、平賀。やめておけ」

才人「まあ黙って見ててくれよ。さ、早くデルフを」

駒場「………」

半蔵「ったく、しゃあねえな。ほらよ」
321 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/23(金) 20:54:12.77 ID:K7Cl47at0
才人「そのザコにムキになって必死に追っかけて来たのは誰だっけかな」

浜面「……あん?」

才人「浜面とか言ったか。お前俺の事ナメてやがるな」

浜面「何急に強気になってんだよテメェ」

才人「俺の力、見せてやる。おい、デルフ……俺の剣をくれ」

半蔵「どうする、浜面?」

浜面「格闘じゃ勝てねえから武器を使おうってか。なら俺も使うが、いいよな?」スッ

才人「ゲッ、お前拳銃とか銃刀法違反だろ!」

浜面「はぁ? それお前が言うか?」

才人「………それもそうだ」

半蔵「いいのかよリーダー? 下手すりゃあいつ死ぬぞ」

駒場「……おい、平賀。やめておけ」

才人「まあ黙って見ててくれよ。さ、早くデルフを」

駒場「………」

半蔵「ったく、しゃあねえな。ほらよ」
322 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/23(金) 20:55:09.22 ID:K7Cl47at0
デルフ「相棒! 無事だったか!」

才人「ごめんなデルフ。落っことしちゃって」

デルフ「気にすんな。お互い無事だったんだからよ」

才人「よーし、行くぞ」

浜面「かかって来いよ」

デルフ「ありゃ、相棒? うーん?」

半蔵「……そういやさっきから感じてたが、お前らなんとなく似てるよな」

才人&浜面「は? んなバカな…」

半蔵「うわ、見事なステレオ」

浜面「……気に入らねえな。こんなヤツと一緒にされるなんて」

才人「あー、そりゃ俺もだ。俺は善良な一般市民だぜ」

浜面「一般市民がそんな剣持つかよ!」

才人「うっせーな。平民だって武器ぐらい持ってんだよ」

浜面「意味わかんねえ事言ってんじゃねえよ」

才人「ま、それはさておき、始めるぞ」

浜面「死んでも知らねえからな!」カチャ

才人「悪いけど、俺は家に帰るまで死ぬわけにはいかないんでね!」チャキ

才人VS浜面。
それは一発の銃声を合図に始まった。
323 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/25(日) 23:06:15.69 ID:548lzvGy0
その銃声は無論、浜面が撃ったものだ。
だが、そこに才人の姿はなく、ただ弾が地面にめり込むだけだった。

浜面(どこに……!?)

才人「遅ぇよ」

浜面「ッ!?」

才人は既に浜面の懐まで潜り込んでいた。

浜面「させるか、よっ!」

咄嗟に膝蹴りを繰り出す浜面だが、才人はそれを難なくかわす。

浜面(後ろを取られた!? このっ!)

ドンッドンッ!

浜面「またいねえ!?」

才人「何度も俺に後ろを取られるなんて、とんだ素人だな」

浜面「テ、メェ!」
324 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/25(日) 23:08:32.22 ID:548lzvGy0
半蔵「あーあー、浜面のヤツ完全に手玉に取られてやがる」

半蔵(……にしてもヤツのあのスピード、何かの能力か?
    ……それともあの剣に何かしらの身体能力増幅機能が?)

才人「そらよ!」

浜面「しまっ」

ドゴッ!

浜面「ぐッ……、峰打ちだと。どういうつもりだ」

才人「別に俺は殺し合いをしたいわけじゃない。俺はただ俺の実力を見せてるだけさ」

浜面「調子に、乗るなよ。その剣がなきゃただの無能力者に過ぎねえクソヤローが!」

才人「ああ、そうかもな。けど、無抵抗の人間にいきなり襲いかかるお前ほどクソじゃねえよ」

浜面「ちく、しょうが……」

半蔵「いやぁ見事見事。お前なかなか強いな」

才人「ま、これが俺の実力ってやつさ」

半蔵「なーに言ってんだ。お前その剣がなきゃ勝てなかったろ」

才人「う……、まあ結果オーライという事で」
325 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/25(日) 23:10:16.94 ID:548lzvGy0
半蔵「そうだな。で、だ。そんなお前を見込んで話がある」

才人「なんだよ」

半蔵「おっと、そういやまだ名乗ってなかったな。俺は半蔵だ。よろしくな」

才人「半蔵? ……ってーと、服部半蔵…」

浜面「バカ、その名を口にすんな。消されるぞ」

才人「け、消されるって誰にだよ?」

浜面「それはあれだ。うん。あいつだ」

才人「いや、誰だよ」

半蔵「そいつはともかく、お前にしたい話ってのは……、いいよなリーダー?」

駒場「………」

半蔵「こいつは使えるぜ。次の活動にうってつけの人材だ」

駒場「……だが、ただの一般人だろう」

半蔵「なーに、ただちょ〜っと囮になってもらうだけだって」

才人「あの、なんか不穏な会話が聞こえて来るんですが」

半蔵「お前のその俊敏さを買ってんだよ。それに、スキルアウトじゃないお前なら混乱も招けそうだしな」

才人「もしかして、俺の意見は聞き入れてもらえない?」

半蔵「落とし物拾ってやった礼ってヤツだよ。安いもんだろ?」

才人「………やっぱり、すっげー理不尽」
326 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/25(日) 23:16:36.59 ID:7GZNY8+AO
浜面「俺は反対だ」

半蔵「なんでだよ」

浜面「スキルアウトのメンバーでもないヤツに頼むなんざまっぴらごめんだね」

半蔵「だがな浜面」

浜面「第一、俺はこいつが気に入らねえ!」

半蔵「あのなぁ」

浜面「俺が本気出しゃこんなヤツ…!」

才人「なんだ。負け犬の遠吠えか?」

浜面「ま、負け犬だとぉ…!?」

才人「そうだ、お前の事だよ負け犬」

浜面「テメェ!」

半蔵「だーもう、ケンカすんなお前ら!」

駒場「………む」

半蔵「どうしたリーダー?」

        アンチスキル
駒場「………警備員だ」

才人「アンチスキル?」

と、その時遠くからサイレンの音が聞こえて来た。

才人(ああ、警察の事か?)

半蔵「ったく、浜面がドンパチやるから」

浜面「俺のせいかよ!」

半蔵「仕方ない、ここは引き上げるか。おい平賀」

才人「はい?」

半蔵「今日の夜、ここに書いてある場所に来い」

才人「いいのかよ、見逃して。行かないかも知れないぞ」

半蔵「お前は必ず来るよ。いや、来なくちゃならない」

才人「はぁ?」

半蔵「というわけで、またな」

浜面「覚えておけよ!」

駒場「………浜面、それは捨て台詞というものだ」

才人「………」
327 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/25(日) 23:29:41.14 ID:7GZNY8+AO
デルフ「行っちまったな」

才人「なんだったんだ」

デルフ「ところで、相棒も逃げなくていいのかい?」

才人「え? ……って、そうじゃん! お前持ってたら警察に捕まる! 逃げろ!」

タッタッタッ。

???「はーいストップじゃんよー」

才人「やっべ、見つかった!」

???「また会ったじゃんよ、浜面ぁ?」

才人「あ、いや人違いです」

???「何言ってんじゃん。その声は浜面……あ?」

才人「ど、ども」

???「………、まあいいや。スキルアウトなら補導してやんのが私の勤めじゃんよ」

才人「ちょ、俺そのスキルアウトとかじゃないですって!」

???「ほう? まあ、仮にスキルアウトじゃないとして、背中にしょったその剣は何じゃん?」

才人「あー、えっと。おもちゃです」

???「は?」

才人「俺、こういうの好きなんすよ。しかもこの剣喋るんです。ほら何か言えって」

デルフ「何かって何をだよ」

???「おお、本当に喋った」

才人「ね? 喋る剣なんてどう見てもおもちゃでしょ?」

???「んー。まあ確かに。おもちゃに見えるじゃん」

才人「というわけで」

???「けど、刃の方はどう見ても本物じゃんよ」

才人「げ…」
328 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/25(日) 23:47:59.31 ID:7GZNY8+AO
???「言い逃れは出来ないじゃん?」

才人「じ、実は俺これがないと力が使えなくて!」

???「ふーん。まあ仮に、それがお前の能力を使う為のデバイスだと認めたとするじゃん」

才人「認めて下さいよ。なんなら証拠見せますよ」

???「いや、それは別に大した問題じゃないじゃん。問題なのは、こんな時間にこんなとこうろつく学生がいるって事じゃん」

才人「あっ、と。これには深いわけが…」

???「わけなら車の中で聞いてやるじゃん?」

才人「そんな! お願いですから見逃して下さいよ!」

???「ダメダメ。ところで、お前なんて言うじゃんよ」

才人「……平賀才人」

???「平賀? 聞いた事ないじゃん。お前本当にスキルアウトじゃんよ?」

才人「だから、違うって言ってるでしょ」

???「そうか。じゃあそれと、浜面達はどこ行ったか知ってるじゃん?」

才人「絶対わかってないよね。絶対聞き流したよね!?」

???「ほら、浜面達はどこ行ったじゃん?」

才人「………あっちですよ」

???「あっちか。よーし、んじゃお前はさっさと車に……って、どこいったじゃん!?」

アンチスキル
警備員が目を離した隙に、才人は高速で逃げ出していた。
329 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/26(月) 00:12:36.15 ID:NZNEGAiAO
才人「ふぅ。なんとか逃げ出せたか」

デルフ「しかし、なんで相棒もあいつらも逃げてんだ?」

才人「ああ、こっちの世界の俺の国はああいう拳銃や一定以上の長さの刃物は持ってちゃダメなんだ」

デルフ「なんだそりゃ」

才人「仕方ないさ。法律で決まってんだ。この国のルールだよ、ルール」

デルフ「面倒なルールだね」

才人「まあ、特別な許可を得たりしてれば話は別だけど、俺みたいなただの学生には到底無理だ」

デルフ「んじゃあ、オイラを持ってたら相棒は捕まっちまうのか?」

才人「そうなるな。とりあえず、布か何かを被せておけばごまかせそうだけど」

デルフ「あそこに落ちてるのはどうだい?」

才人「ああ、ちょうどいい。ボロきれだけど多少は役立ちそうだ」

デルフ「これで一安心だね」

才人「そうだな。しっかし疲れたなぁ。ちょっと一眠りするか」

デルフ「それがいいね」

才人「お、いい感じの河川敷が。よし、ここで寝るとしよう。じゃ、おやすみ…」

デルフ「ああ。おやすみ」
330 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/26(月) 00:37:50.93 ID:NZNEGAiAO
才人「んん……うわ、まぶしっ」

デルフ「すっかり朝だね」

才人「そうだな。人も出て来たし、ちょっと人通りの少ないとこに行くか」

デルフ「ところで、相棒」

才人「なんだ」

デルフ「何か忘れてる気はしないかい」

才人「何かって、別に何も…………………………あ」

デルフ「思い出したかい」

才人「あ……アニェーゼ……。あいつもこっちに来てんだよな…?」

デルフ「だろうね」

才人「ってか、ここどこよ!? よく考えたら俺、金もないし道もわかんねえ!」

デルフ「相棒よ、なんで考えもなしにこっち来たんだよ」

才人「俺、ただ地球に帰りたい一心で。けど、ここ本当に地球だよな。日本だよなぁ?」

デルフ「オイラに聞かれても知らんよ」

才人「だって、何この街。やたら近未来的なんですけど。まさか俺、未来の日本に飛ばされた?」

デルフ「まさか」

才人「でも、これってやっぱり……、そうだ。電話! 家に電話をすれば!」

デルフ「でんわ?」

才人「って金ないんだった! 電話かけれねー!」

スタスタ。

???「あのー、どうかしましたか?」
331 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/26(月) 00:55:27.94 ID:NZNEGAiAO
才人「きみは? えっと、花飾り派手子ちゃん」

      ジャッジメント
少女「私は風紀委員です。何かお困りなら、私が相談に乗りますけど」

才人「ジャッジメント?」

???「はい。学校の治安を維持する組織で……、ってそれぐらい知ってますよね?」

才人(はあ。要は文字通り風紀委員って事か。つーか花飾り派手子ちゃんはスルーなんだ…)

???「まあ、本来治安維持は校内のみなんですが、まあその辺は要所要所という事で」

才人「? とりあえず、俺電話したいんだ。十円貸して」

???「いや十円って…。そんなケチ臭い事言わずに携帯を貸してあげますよ」

才人「ほんとか! 俺、平賀才人ってんだ。きみは?」

初春「初春飾利です。はい、どうぞ」

才人「えーと、初春…さん?」

初春「ああ、別に呼び捨てでも構いませんよ」

才人「じゃあ初春。ありがとう」

初春「いえいえ。まあ、派手子ちゃんよりはましです」

才人「今つっこむんだ…」

才人(まあいいや。えーと、家の番号は、と)

ピポパ…。

才人「あれ、おかしいな……繋がんないぞ」

初春「番号はちゃんとあってますよね?」

才人「もちろん」

初春「ちなみにどこにかけてます?」

才人「俺んち」

初春「あー、それはちょっと無理ですね」

才人「なんで」

初春「学園都市の外部にかけるには色々と面倒でして」

才人「……学園都市?」
332 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/26(月) 01:18:10.17 ID:NZNEGAiAO
初春「? 平賀さん、でしたっけ。失礼ですが、平賀さんは本当に学園都市の生徒ですか?」

才人「へ? な、なんでそんな事を聞くのかなぁ?」

初春「学園都市外への連絡が取れないという事を知らないというのは、まあまだ言い訳がつくでしょう」

才人「………」

初春「でも、平賀さん。あなたは私の言葉を聞いて今初めてここが学園都市と知ったみたいでしたけど?」

才人「あははは。いやいや何言ってんのよ初春さんよ。さすがにそれはないでしょー」

初春「……じゃあ聞きますけど平賀さん。あなたは第何学区のどこの学校に通っているんですか?」

才人「え? ええと、その……」

初春「言えないんですか?」

才人「………」

初春「………」

才人「あ! そ、そうだ。俺用事思い出したからさ、悪いけどこれで!」

初春「あ、ちょっと平賀さん! ……行っちゃった」
333 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/26(月) 20:32:49.94 ID:NZNEGAiAO
才人「あぶねえあぶねえ」

デルフ「なんで逃げたんだい?」

才人「学園都市。あいつ…初春は確かにそう言ったよな」

デルフ「ああ、言ったね」

才人「マジかよ……。学園都市って本当にあったんだ」

デルフ「どういう事さね」

才人「学園都市は東京……この国の首都な。そこの三分の一を占める大都市だって話なんだが」

デルフ「そりゃあすげえ都市だね」

才人「でもその実態は謎に包まれた秘密都市だったんだ」

デルフ「へえ」

才人「実際、中になんか入れやしないし、テレビでやってても作り物だとばかり…」

デルフ「てれび?」

才人「映像を映す機械だよ。ほら、丁度あんなんだよ」

才人はビルに取り付けられた巨大モニターを指差す。

デルフ「でっかい鏡に巨人が映ってら。ありゃなんて魔法だい?」

才人「魔法じゃなくて科学な。それにしても、マジで発達してんなこの街。こりゃ本当に超能力者がいるかも」

デルフ「なんだい、その超能力者ってのは」

才人「お前、魔法に関しては物知りだが科学に関してはてんでダメなのな」

デルフ「そりゃあ世界が違うんだ。オイラにだってわかるはずねえだろう」

才人「まあ、それもそっか」
334 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/26(月) 20:44:04.75 ID:NZNEGAiAO
デルフ「で、超能力ってのはなんだね」

才人「超能力っていうと、まあ手から火を出したり電気を発生させたりとか色々だな」

デルフ「それ魔法と何が違うんだい」

才人「さあな。ぶっちゃけ超能力も魔法みたいなもんだろ」

???「それは聞き捨てならないわね」

才人「なんだなんだ、次から次へと」

???「いい、超能力ってのは脳の開発によって発現し、演算によってどーたらこーたら」

才人「なるほど、わからん」

???「つまり、人間には誰しも超能力の素質があるって事よ」

才人「ウソだぁ〜」

???「アンタ、大方レベルが低くて嘆いてるんだろうけど、そこで止まってちゃダメよ」

才人「………何を言ってるんだ偉そうに」

???「無能力者だろうと低能力者だろうと、努力次第じゃ超能力者にだってなれるのよ」

才人「なんだよ、レベル5って」

???「ん…まあ、さすがに5は無理でも3か4ぐらいにはなれるって」

才人(そうか。レベルってのは超能力者のランクって事か)

才人「そんな他人事みたいな言うけどさ、そういうお前はレベル何なわけよ」

???「私? 私の事は別にいいじゃない」

才人「ここまで来てそりゃないだろ。偉そうな事言っといてお前もレベル低いんじゃねーの?」

???「なっ!? 仕方ないわね。教えてあげる。私は超能力者よ」
335 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/26(月) 20:47:44.85 ID:NZNEGAiAO
才人「レベル5!? ……って、どんぐらいすごいの?」

      レベル5
???「超能力者はこの学園都市に七人しかいない最高能力者。常識でしょ」

才人「マジかよ…」

美琴「ちなみに、私はその第三位。超電磁砲の御坂美琴よ」

才人「さ、三位!? トップスリーじゃん!」

美琴「まあね」

才人「な、なんか見せてよ超能力!」

美琴「嫌よ。そんな人にひけらかすようなものじゃないし」

才人「なんだなんだ。本当はレベル5なんてのはウソだったんじゃねーの?」

美琴「…なんですって」ピク

     レールガン
才人「超電磁砲とか大層な二つ名もただのハッタリなんじゃねえの?」

美琴「言ったわね。いいわ、見せてあげる。私の力を」バチバチ

才人「おお、髪から電気が」

美琴「こんなもんじゃないわよ」バチバチィ

才人「うわっ、あぶね!」

美琴「うおりゃあ!」

バチッバチバチィ!

才人「チがゲシュタルト崩壊しそうなぐらい電撃すげえ!」

美琴「アンタもその身を以て味わうがいいわ。超能力者の力を」

才人「え……。ちょっと、御坂とやら? それって俺に電撃食らわせるという事?」

美琴「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

才人「ちょ、まっ……、ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」
336 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/26(月) 20:51:39.58 ID:NZNEGAiAO
美琴「どう? アンタのバカにした超能力者の電撃は?」

才人「………」

美琴「……ちょっとやり過ぎちゃったかしら」

才人「………っぶねぇ!」

美琴「な…」

才人(咄嗟にデルフで防御して正確だったぜ。電撃ならあん時と同じく吸収出来そうだったし)

美琴「アンタ、その能力って……」

才人「ん?」

美琴「私の電撃を打ち消した……、って事はまさか…」

才人「ああ、ちょっと違うな。お前の電撃は打ち消したんじゃなく吸収したんだ」

美琴「吸収……?」

才人「そう、この剣でな。ま、お前の電撃ごときじゃ俺は倒せないって事」

美琴「………」

才人(あれ、自分の手の内を明かすってなんか負けフラグっぽくね? ま、まあ大丈夫だよな)

美琴「なるほど。じゃ、簡単な話ね」

才人「なんだ、降参か?」

美琴「その剣が吸収出来る限界以上の力を叩き込めばいいってだけじゃない」

才人「……はい?」

バチバチィッ! バチッバチィ!!

美琴「降参するのはアンタの方じゃない?」

才人(ヤバいなんか来る! 必殺技的なの来る!!)

             レールガン
美琴「見せてあげるわ。超電磁砲の本当の力」

才人「な、なに!?」

美琴「行くわよ!」
337 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/26(月) 20:56:00.25 ID:NZNEGAiAO
才人(なんだ? コインを取り出して何するつもりだ……?)

美琴「アンタ、レールガンって知ってる?」

才人「お、お前の事だろ」

         レールガン
美琴「そっちの超電磁砲じゃなくて」

才人「ああ、兵器の方か。えっと、確か電磁誘導で弾を撃ち出す銃だっけか」

                レールガン
美琴「そ。で、私がなんで超電磁砲と呼ばれているのか」

才人「え…?」

キィン。

才人(コインを弾いた? ……まさか、あのコインを撃ち出すつもりか!?)

才人「デ、デルフ。やれそうか?」

デルフ「ありゃ無理だね。多分、吸収しようとしたらこっぱみじんになる」

才人「んなあ!? どうにかなんねえのかよ!」

デルフ「だったらあれだ。突っ込め」

才人「はい?」

デルフ「あの娘っ子に突っ込めってんだよ」

才人「バカ! んな事出来るか! お前は俺だけを殺す剣かよ!?」

デルフ「そんだけ感情が高ぶってりゃ大丈夫だ。オイラを信じろ」

才人「………わかったよ。お前の言う事はいつも正しいもんな」

美琴「さっきから一人で何ぶつぶつ言ってんのよ」

才人「行くぞ!」

          レールガン
美琴「なるほど、超電磁砲を撃つ前に私を止めようっての。けどもう遅いわよ!」

才人「くっ……!」

美琴「食らいなさい!」

カッ!!
338 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 21:02:47.12 ID:bFjQUUAYo
339 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/26(月) 21:02:49.71 ID:NZNEGAiAO
バチバチッ、カッ!
ギュォォォォォォォッ!!

才人「こんなとこで、死んでたまるかよ!」

デルフ「そうさ、オイラ達は死なねえ!」

才人「俺達は死なねえ!!」

美琴(速い……!? けど!)

デルフ「今だ相棒、跳べ!」

バッ!

美琴「なッ…!」

才人「よし、避け切れっ―――」

美琴「……たと思った?」

才人「うっそ……エヴィン…」

デルフ(二発目! 空中じゃ受け身が取れねえ。マズいぜ…!)

デルフ「相棒、オイラで防げ!」

才人「でも!」

デルフ「一瞬なら耐えれる! その一瞬でなんとかするんだ」

才人「くそ…!」

美琴(二発連続はキツいかな…!)

カッ! グォォォォォォォッ!!

才人「うわっ、なんつー威力だ!」

デルフ「今だ相棒! 早くあの娘っ子をなんとかするんだ!」

才人「よし! うぉぉぉぉぉ!!」

美琴「……ッ!」

ゴォォォォォ!! ガキィン!

才人「!? デ、デルフーーー!!」

才人(デルフが吹っ飛んでっちまった…!)

スタッ。

美琴(やられるッ…!)

才人「………」

美琴「な、何よ……。攻撃しないの…?」

才人「……下らねえ争いはおしまいだ」

美琴「下らないって、そもそもアンタが私をバカにしたのが始まりでしょ!? だから私は私の実力を…」

才人「………そうだったな」
340 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2011/12/26(月) 21:08:59.91 ID:NZNEGAiAO
バッ。

美琴「な、何やってんのよアンタ」

才人「悪い。さっきは言い過ぎた。許してくれ」

美琴「あ、頭上げなさいよ。別に私はそんな事してもらうつもりじゃ……」

才人「いや。学園都市最強クラスの能力者にケンカ売った俺が悪いんだ。ごめんなさい許して下さい」

美琴「い、いいわよ。丸腰の人間にこれ以上は何も出来ないし…」

才人「じゃ、俺はデルフを取りに行かなきゃならねえ。お前も学校だろ。遅刻すんなよ」

美琴「あ、ちょっと!」

美琴(何よ……、なんなのよ、アイツ……)





才人「はぁ、参った参った。アニェーゼもそうだが、またデルフを捜さないといけねえとは…」

才人(それにしても、アニェーゼはどこに飛ばされたんだ? まさか東京県外とかじゃないよな)

才人「………、そうだ。せっかく学園都市に来たんだし、捜索ついでに観光してくか!」

どうやったらそういう考えに至るか、とにかく才人は学園都市を回る事にした。
341 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 23:03:24.03 ID:pWv+2+8/o
乙にゃんだよ!
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 10:33:57.39 ID:p68whyEMo
乙にゃんだよ!
343 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/11(水) 17:47:19.16 ID:e64UpjS10
結構間が空いてしまいましてすみません
ゼロ魔も4期始まっちゃいましたよ
とりあえずどんどん進めたいです
344 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/11(水) 17:50:29.65 ID:e64UpjS10
―――ハルケギニア・タルブの村―――




キュルケ「ええ!? サイトは一緒に帰らない!?」

上条「ああ。五和達と一緒にここに残るらしい」

キュルケ「なんでよ?」

ギーシュ「ふむ、大方ルイズに会いたくないからだろうね」

キュルケ「でも見送りぐらい来てくれてもいいんじゃない?」

上条「なんかあいつ夜遅くまであれ見てたらしいから」

キュルケ「『竜の羽衣』を?」

上条「ああ。だから、寝かせといてやろうぜ。またいつでも会えるんだしな」

キュルケ「それはそうなんだけど」

上条「まーまー。すぐに戻って来るって言ってたし大丈夫だって!」

キュルケ「仕方ないわね。イツワ、あのメイドがサイトに手出さないよう見張っといてね?」

五和「あはは…。わかりました」
345 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/11(水) 17:52:43.47 ID:e64UpjS10
ギーシュ「待ちたまえ。では呼んだ竜騎士隊はどうするのかね?」

上条「ああ、『竜の羽衣』だが、どうにも動かす為には学院に行く必要があるらしい」

ギーシュ「では、結局持ち帰るという事かね?」

上条「そうなるな」

ギーシュ「しかしね、きみ。運賃はどうするのかね」

上条「ま、まあなるようになるさ」

ギーシュ「ったく、大丈夫なのかね」

キュルケ「あなた達、そろそろ行かないとまたこっぴどく叱られるわよ」

ギーシュ「まあいい。その事についてはぼくは関係ないからね」

上条「わ、わかったよ…。ったく…」

イン「ねえとうま。そんなに軽く約束しちゃって大丈夫なの?」

上条「平賀のヤツも多分無策だっただろうし、まあ最悪誰かに土下座でもしてだな…」

イン「そこまでしてどうしてあのぜろせんを運びたいの?」

上条「どうしてって…」

イン「さいとはシエスタの家に残るのにどうしてとうまがそこまでするの?」

上条「………」
346 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/11(水) 17:53:30.85 ID:e64UpjS10
上条(余計な心配はかけたくないし、インデックスには黙ってるしかないよな…)

上条「あいつに頼まれたんだ。このゼロ戦を動かせるようにしといてくれって」

イン「もう、とうまはお人よし過ぎるかも。さいともさいとだよ。自分でやればいいのに」

上条「ま、会ったら何されるかわからんヤツと会うのは嫌だろうからな」

イン「まるで自分も体験してるみたいな言い方だね」

上条「会って早々電撃食らわせられる上条さんの気持ちもわかって欲しいもんだな、あのビリビリ」

イン「?」

上条「とにかくだ。俺はゼロ戦を持って帰る。それからルイズとやらにも会っておきたい」

イン「む、とうまってばめざとく女の子チェックに走る気なんだよ」

上条「そういうのじゃありません! 平賀がちゃんと帰って来れるようにだな…」

イン「そこまでおせっかい焼いちゃうの? 全くとうまってば本当に…」

上条「いや、そうじゃなくて…」

イン「?」

上条(ルイズは平賀の主人? だっけ。やっぱ本当の事話さないとダメだろうな……)
347 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/11(水) 19:11:35.67 ID:e64UpjS10
―――ハルケギニア・魔法学院―――



キュルケ「はー。懐かしき学院って感じねー」

上条「まあ一週間ぐらいしか経ってないけどな」

ギーシュ「ん」

上条「ん?」

ギーシュ「ん!」

上条「ん!?」

ギーシュ「運賃! 金だよ金!」

上条「あ、ああ……」

ギーシュ「きみ、どうするつもりだい?」

上条「ま、こうするしかないよな」ツカツカ

ギーシュ「広場のど真ん中に行って何をするつもりかね?」

上条「誰か! 俺にお金を貸してくださあああああいっ!!」ガバァッ

ギーシュ「………」

イン「それはそれは見事な土下座だったという…」

ギーシュ「きみね、貴族に金を借りるってのは色々面倒なんだよ。
      それに、平民のきみに貴族が金を貸してくれるとは到底思えないよ」

上条「だから土下座してまで頼んでるんじゃないか!」

ギーシュ「平民の土下座なんて一銭の価値もないと思うよ。貴族にとって」

上条「ぐ…」
348 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/11(水) 19:13:22.21 ID:e64UpjS10
ギーシュ「いかんな、そろそろ払わないと。不穏な空気が漂い始めたぞ」

上条「ど、どうすりゃ…」

???「き、きみ達! これは一体なんだね?」

上条「あれ。えっと……誰だっけ?」

イン「ミスタ・コルベールだよ。忘れちゃったの?」

コルベール「やあシスター・インデックス。これはきみ達が?」

上条「ええ、まあ」

上条(あれ。確かこの人前に油を気化する魔法を使ってたよな。
    もしかしたらこの人、ゼロ戦のガソリン作れるかも…?)

コルベール「ふむ。しかしこれは一体なんだね?」

上条「これ、『ひこうき』っつって俺達の世界で普通に飛んでる乗り物で」

コルベール「ほう! これが飛ぶのかね!」

それから上条が色々と説明していると、

ギーシュ「オホン。あー、トウマくん。そろそろ先方も痺れを切らして来てだな」

上条「あー、そうだ。コルベール先生。先生に頼みがあるんだけど」

コルベール「何かね?」

上条「この『ひこうき』の運び賃を払って下さいお願いします!」

コルベール「なるほど。わかった。払おう」

上条「本当ですか! ありがとうございます!!」

ギーシュ「ふぅ。やれやれ、なんとかなったか…」
349 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/11(水) 20:56:43.09 ID:e64UpjS10
―――学園都市―――



才人「いやぁ、やっぱすげえな学園都市。さすが科学の最先端だけはある!」

才人(けど、あんまりすご過ぎて元の世界に帰って来たって気があんましねーな…)

この学園都市は才人のいた所とはまた別次元の存在と言える。
地球に帰って来た気がしなくても無理はないだろう。

才人(しかし、デルフはどこだ? 方角からしてこの辺にあるはずなんだけどな……)

才人「だーくそ、わっかんねえ!」

???「どうかしましたか」

才人「っと、今日はなんだか色んな人に話しかけられるな……って、あれ?」

???「…?」

才人「………えっと、御坂?」

御坂妹「御坂、というとお姉様の事でしょうか、とミサカは怪しい人物に尋ねます」

才人「お姉様? って事はお前、御坂の妹か?」

御坂妹「そうですね。私は御坂妹と呼ばれています」
350 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/12(木) 00:46:12.96 ID://dAFcjE0
才人「そっか。お前ら双子なのか? 見た目がそっくりだからびっくりしたぜ」

御坂妹「はい。遺伝子レベルで一緒ですから」

才人「…? まあいいや。ってかお前、学校はどうしたんだ。ダメだろ、サボリは」

御坂妹「ミサカは学校に通っていないので問題ありません、
     とミサカは自分の事を棚に上げて人に説教をかます不良少年への陰口をこっそり呟きます」

才人「いや全然こっそりじゃねーよ。全部丸聞こえだよ」

御坂妹「それで? あなたは何をしているんです?」

才人「ああ、そうそう。お前さ、この辺に剣落ちてなかった?」

御坂妹「剣、ですか?」

才人「結構デカくて、喋る剣」

御坂妹「そういえば上位個体…20001号がそのような物を手に入れたとほのめかしてましたね」

才人「に、20001号?」

御坂妹「そうですね。ミサカより更に小さいミサカです、とミサカは簡単に説明します」
351 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/12(木) 00:46:50.23 ID://dAFcjE0
才人「また妹か?」

御坂妹「ナンバリング的に言えばそうなりますか、とミサカはあれの立ち位置を考えてみます」

才人「?? さっきからわけわかんねー事言ってんなよな」

御坂妹「では、ミサカは用事がありますので」

才人「あ、ちょっと。その妹ってどこにいんの?」

御坂妹「さあ。あれはその辺を走り回ってるのでは、とミサカは適当にあたりをつけます」

才人「そっか。まあ、ようはちっちゃい御坂ってこったろ」

     ラストオーダー     
御坂妹「打ち止めと呼んでいればその内見つかるでしょう。では」スタスタ

    ラストオーダー
才人「打ち止め? 能力名か? って、いないし…」

才人(まあいっか。そう遠くにはいないと思うし、いっちょ捜索開始しますか)
352 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/12(木) 00:50:21.71 ID://dAFcjE0
    ラストオーダー
才人「打ち止め〜、どこだ〜?」

とまあ、しばらく打ち止めを捜す才人。

才人「打ち止め〜」

打ち止め「はーいっ! ってミサカはミサカは元気に返事してみる!」

才人「おお…? お前が打ち止めか」

打ち止め「そうだよ。って、私の事知ってるのになんでそんな事聞くの?」

才人「俺は御坂の妹からお前の事聞いただけだから顔は知らなかったんだ」

打ち止め「そうなんだ。ところであなたは誰、ってミサカはミサカは尋ねてみる」

才人「俺は平賀才人。まあ、ただの高校生だな」

打ち止め「ふーん」
353 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/12(木) 00:51:14.67 ID://dAFcjE0
才人「しかし、お前ら本当に御坂にそっくりだな」

打ち止め「だって遺伝子レベルで…」

才人「はいはい。でさ、御坂妹から聞いたんだけどお前、剣拾ったろ」

打ち止め「あの喋る剣?」

才人「そう。それさ、俺の剣なんだ」

打ち止め「そうなの? って、ミサカはミサカはちょっぴり落ち込んでみたり」

才人「なんで落ち込むんだよ?」

打ち止め「だって。面白いから欲しかったんだもん…」

才人「いや、落ちてる物を勝手に持って帰ろうとしちゃダメだろ」

打ち止め「うん…そうだね。ってミサカはミサカは当然の結果に納得してみる」

才人「そんじゃ、返してくれるか?」

打ち止め「わかった。じゃあついて来て」

才人「おう」
354 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/12(木) 00:51:56.30 ID://dAFcjE0
打ち止め「じゃあ行くよ。ってミサカはミサカはびゅーんって走り出してみる!」

才人「あ、おい打ち止め危ないぞ!」

打ち止め「あっ」バターンッ

才人「だから言ったのに…。大丈夫か?」

打ち止め「うわーんっ! って、ミサカはミサカはぁっ!」

才人「ほら、泣くなって。立てる?」スッ

打ち止め「ぐすっ。ミサカはミサカは泣いてなんかいないもん」

才人「ははは…。御坂の奴もこれぐらい可愛げがあればいいのに」

カツ…カツ…。

???「おいテメェ、そのガキになンの用だァ?」

才人「え? はい?」
355 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/12(木) 00:52:47.29 ID://dAFcjE0
???「どっかの研究所の回しモンか?」

才人「?? 何を…」

???「しらばっくれンなよ。そのガキをどこに連れてくつもりだったンだァ?」

才人「いや、連れてくっつーか連れてってもらおうと…」

???「ハッ。なるほどなァ。人畜無害な一般人に扮して家に招待させようってか」

才人「話聞けって! 俺はな…」

???「まァいい。どっちにしろここで消す」

才人「ったく、なんでこう能力者は血気盛んなんだよ!」

???「訳わかンねェ事言ってンじゃねェぞ三下がァ!」

才人「ちょ、まっ…!」

打ち止め「ま、待って。この人は悪い人じゃないよ、ってミサカはミサカは…」

???「ガキは黙ってろ。こういういかにも一般人なヤツこそ油断がならねェンだよ」

打ち止め「違うの。この人はミサカが拾った剣を取りに来ただけなの!
      ってミサカはミサカは大声で主張してみる!」
356 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/12(木) 00:53:49.94 ID://dAFcjE0
???「あァ? 剣だァ?」

打ち止め「今からそれを返す為に置いてある所に案内しようとしてたの!」

???「ンだよ。それならそォと言いやがれ」

才人「お前が人の話聞かなかったんだろ!?」

???「その剣ってのはテメェの能力に必要なモンかよ?」

才人「まあ、そんな所だ」

???「おいガキ、さっさとその場所に案内しろ。ンで、剣を返したらテメェはさっさと帰れ」

才人「なんだよお前さっきから。お前、打ち止めのなんなの?」

???「あァ? ……保護者だ」

才人「いや、絶対そっちの方が怪しいんだが」

???「うるせェな。ウダウダ文句言うならここで消すぞ」

才人「わ、わかったよ。ったく…」

打ち止め「ごめんね。この人本当は凄く優しいんだけど、ってミサカはミサカは…」

???「余計な事言うンじゃねェ」
357 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/12(木) 00:56:52.99 ID://dAFcjE0
打ち止め「えーと、この辺に隠しておいたんだ、ってミサカはミサカは捜索を開始してみたり」

???「おい、コイツの事じゃねェのか?」

デルフ「おいこら、オイラをどこに連れてくつもりだ!」

才人「デルフ!」

デルフ「相棒!」

才人「ごめんな、デルフ。二度も…」

デルフ「いいんだよ。相手が悪かったんだ」

才人「ああ。やっぱレベル5は強いってこった」

     レベル5
???「超能力者、だと…?」

才人「ああ。学園都市にいるならお前も知ってるだろ。御坂美琴」

才人(って、学園都市在住でない俺が言うのもなんだけどな…)
358 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/12(木) 00:58:20.26 ID://dAFcjE0
         レールガン
???「……『超電磁砲』とやり合ったのかテメェ」

才人「やりあった、っつーか俺がちょっとケンカ売っちまっただけだよ」

???「ハッ。バカかテメェ。そいつが『超電磁砲』だったからよかったものの、他のヤツらなら…」

才人「他の? そういやあいつ第三位とか言ってたな。
    確かに二位とか一位だったら俺ヤバかったかも」

???「ヤバいどころじゃねェよ。テメェは確実に死んでたな」

才人「そ、そんなに強いのかよ…」

???「強いとかそういうンじゃねェ。容赦がねェンだよ」

才人「…まるで知ってるみたいな口ぶりだな」

???「………」

打ち止め「そりゃそうだよ。だってその人…」

???「余計な事言うンじゃねェっつったろォが」

打ち止め「あ…ごめん…」
359 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/12(木) 01:01:58.12 ID://dAFcjE0
???「ほら、そいつ持ってさっさと消えろ。そしてもう俺達に関わるンじゃねェ」

打ち止め「ごめんね、ってミサカはミサカは謝ってみる…」

才人「いいよ。多分、もう会わないだろうし」

???「それが良い。行くぞガキ」

打ち止め「……うん」

才人「打ち止め、デルフを拾ってくれてありがとな」

デルフ「オイラも礼を言うぜ」

打ち止め「うん。ばいばい、ってミサカはミサカは手を振ってお別れしてみたり」

スタスタ…。

才人「そんじゃ、俺らも行くか」

デルフ「そうだね」
360 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/12(木) 01:03:11.43 ID://dAFcjE0
才人「しかし、まあ。結局あいつはなんだったんだろうな」

デルフ「あの白いのかい?」

才人「ああ。ただのケガ人には見えなかったけど」

デルフ「杖で身体支えちゃいたが、あいつにゃすげえ潜在能力があると思うね」

才人「潜在能力?」

デルフ「あいつがオイラを掴んだ時、その片鱗を感じた気がするんだよ」

才人「って言うけどねぇ。見た所普通の奴だったけどなぁ。口悪いけど」

デルフ「ま、いいさ。今後オイラ達があいつらに関わる事ぁないだろうよ」

才人「そうだな。考えてても仕方ないか」

デルフ「それより相棒。あの娘っ子は見つかったのかい?」

才人「ああ……、そうだった。早くアニェーゼを見つけないとな」
361 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/12(木) 01:08:52.39 ID://dAFcjE0
とりあえず今回はここまでです
一方さんは今スレでは恐らくもう出てきません
次スレがあればそこにて

それではまた
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/12(木) 01:41:12.42 ID:OKe71jkp0
何やら面白いものを見つけた
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/13(金) 09:33:58.10 ID:qTnniHsHo

過保護過ぎる
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/13(金) 22:47:15.48 ID:TksHeHvt0
乙、この一方は打ち止めに話しかけただけでスイッチ入れそう
365 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/21(土) 16:59:59.37 ID:+BMOFBR70
さて、再開と行きましょう
今回はレモンちゃん……もといルイズが登場です
366 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/21(土) 17:03:25.37 ID:+BMOFBR70
―――ハルケギニア―――



ゼロ戦の運賃を立て替えてもらった上条はコルベールに連れられ彼の研究室に来ていた。



367 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/21(土) 17:04:12.20 ID:+BMOFBR70
―――魔法学院・コルベールの研究室―――



上条「こんなとこに研究室が」

コルベール「始めは自分の居室で研究をしていたんだが研究に騒音と異臭はつきものでな。
       すぐに隣室の連中から苦情が入ったわけだよ。ははは」

上条(薬品のビンやら試験管やら、まあ見るからに研究室って感じだな。っつーかくっさ…)

コルベール「なあに、臭いはすぐ慣れる。しかしご婦人方には慣れるという事はないらしく、
       この通り私は独身である。シスター・インデックスも外で待っているしな」

上条(いや、別に聞いてないんですけど)

それからゼロ戦の燃料タンクにこびりついていたガソリンを入れた壺の臭いを嗅ぎながら
コルベールは色々と呟きつつ羊皮紙にメモを取っていた。
368 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/21(土) 17:05:38.37 ID:+BMOFBR70
コルベール「これと同じ油を作ればあの『ひこうき』とやらは飛ぶのだな?」

上条「ええ、多分。ああ、後壊れてなければだけど」

コルベール「面白い! 調合は大変だが、やってみよう!」

それからコルベールはああでもないこうでもないと騒ぎつつ、

コルベール「きみは、トウマくんとか言ったかね?」

上条「あ、はい」

コルベール「ふむ。ところで、きみはサイトくんを知っているね?」

上条「まあ」

コルベール「きみ達はよく似ている。彼は私の授業に興味を持ってくれた。きみもだ」

上条(そりゃ、この世界で科学に似たような事やってりゃ興味も持つよな)
369 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/21(土) 17:39:10.26 ID:+BMOFBR70
コルベール「そういえば、きみ達は一緒に出かけていたそうじゃないか」

上条「出かけた先で見つけたのがこれですけどね」

コルベール「ふむ。しかしサイトくんは? 彼もここに来てもおかしくはないのだが」

上条「あいつはちょっと理由があって来れないんです」

コルベール「そうか。ところできみ達はもしかして同じ国の出身だったりはしないか?」

上条「ええ、まあ」

コルベール「きみ達の故郷では、あれが普通に飛んでいると言ったな?
       エルフの治める東方の地は、なるほど全ての技術が
       ハルケギニアのそれを上回っているようだな」

上条(この人いい人なんだよな。運賃も立て替えてもらったし
    それにガソリンも作ってくれるっていうのに嘘はよくないよな…。
    大体俺、東方の地とか言われても何の事だかわかんねーしよ)
370 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/21(土) 17:47:43.03 ID:+BMOFBR70
コルベール「ん? どうかしたかね?」

上条(それに、平賀のヤツもきっとこう思うだろうしな)

上条「先生。俺、実はこの世界の人間じゃないんです」

コルベール「なんだって?」

上条「俺も、その飛行機も、こことは違う別の世界から来たんです」

コルベール「なんと…」

上条「………」

コルベール「では、サイトくんも…?」

上条「それとインデックス、後はこの学院によく来てるオルソラとかもですね」

コルベール「………なるほど」
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [saga]:2012/01/21(土) 21:25:44.66 ID:+BMOFBR70
上条「驚かないんです?」

コルベール「そりゃあ驚いたさ。だが、考えてみれば君……、
       いや性格にはサイトくんのだが、彼の行動、言動、全てが
       ハルケギニアの常識とはかけ離れている。ふむ、ますます面白い」

上条「先生は変わった人だな」

コルベール「ああ。私は変わり者だ、変人だ、などと呼ばれる事が多くてな。
       未だに嫁さえ来ない。しかし、私には信念があるのだ」

上条「信念?」

コルベール「そうだ。ハルケギニアの貴族は、魔法はただの道具……、
       何も考えずに使っている箒のような、使い勝手のよい道具ぐらいにしか
       とらえておらぬ。私はそうは思わない。魔法は使いようで顔色を変える。
       従って伝統にこだわらず、様々な使い方を試みるべきだ」

上条(なるほどな。そこんとこは魔術師も同じ、かな)

コルベール「きみを見ていると、ますますその信念が固く、強くなるぞ。
       ふむ、異世界とな! ハルケギニアの理だけがすべての理ではないのだな!
       面白い! なんとも興味深い事ではないか! 私はそれを見たい。
       新たな発見があるだろう! 私の魔法の研究に、新たな一ページを
       付け加えてくれるだろう! だからトウマくん。困った事があったら
       なんでも私に相談したまえ。この炎蛇のコルベール、いつでも力になるぞ」

上条「ああ。ありがとう先生」
372 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/21(土) 21:27:39.29 ID:+BMOFBR70
コルベール「無論、きみだけではない。サイトくんにも同じ事を伝えておいてくれ」

上条「はい」

コルベール「ところで、きみとシスター・インデックスはここに転校して来たのだったな」

上条「そうですけど」

コルベール「ミス・ヴァリエールに召喚されたサイトくんはまだしも、きみ達はどうやってここに?」

上条「あー、えっと。なんて言うかな。ゲートってのをくぐってこっちに来たんですよね」

コルベール「ゲート。ふむ、使い魔召喚時に現れるあの光の輪の事かね?」

上条「はい。多分だけど」

コルベール「だとするときみ達は誰かに召喚されたのかね?」

上条「いえ、俺達が使ったのは自然発生したゲートで」

コルベール「なんと。あれが自然発生するというのか」

上条「よくわかんないけど、そうみたいです」

コルベール「ふむ。不思議なものだな」
373 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/21(土) 21:28:50.76 ID:+BMOFBR70
上条「あ、それと平賀の事なんですけど…」

コルベール「ヒラガ? ああ、サイトくんの事か」

上条「まだインデックス達には言ってないんですが、
    実はあいつ、今こっちの世界にいないんですよ」

コルベール「な、それは本当かね!?」

上条「はい。心配させないように今はシエスタの家にいるって言って誤魔化してますけど」

コルベール「ではもう彼とは会えないのかね?」

上条「いえ、あいつともう一人俺の知り合いがあっちに行ってます。
    そいつが平賀を連れて戻って来てくれると思いますが…」

コルベール「しかし、無理に連れ戻す必要はあるのか? せっかく元の世界に帰れたのだろう?」

上条「俺の知り合い…、五和が言うにあいつはこの世界に必要な人間らしいです」

コルベール「どういう事かね?」
374 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/21(土) 21:30:22.66 ID:+BMOFBR70
上条「それは俺にも……。それにあいつ、帰るなら自力がいいみたいだし」

コルベール「あのひこうきとやらで飛んで帰るというのか?」

上条「シエスタに聞いたんだけど、東の地とやらに帰る手がかりがあるかも知れないって」

コルベール「そうか。では私もサイトくんがいつ戻って来てもいいように頑張らなくてはな」

上条「それじゃ、コルベール先生頼みます」

コルベール「ああ。任せたまえ」




375 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/21(土) 21:34:37.66 ID:+BMOFBR70
―――魔法学院・アウストリの広場―――



コルベールと別れた上条はインデックスと共にゼロ戦の前まで来ていた。

上条「さてと、こいつを点検しようにも俺にはそんな知識ないしなぁ…」

イン「残念ながら私もわからないんだよ」

上条「まあ、平賀もチェックはしてたみたいだし、多分大丈夫だろうけど」

イン「みんな珍しそうに見てるけどすぐにどっか行っちゃうね」

上条「そりゃそうだろうな。この世界の人間から見りゃただのオブジェだろうし」

オルソラ「あらまあ、これはこれは立派な飛行機でございますねぇ」

上条「その声…オルソラか?」
376 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/21(土) 21:38:03.09 ID:+BMOFBR70
オルソラ「あなた様方がこれをお持ち帰りに?」

上条「ああ、まあな」

スタスタ。

ルイズ「ちょっと、勝手にどっかいかないでよね」

オルソラ「ああ、申し訳ございません」

上条「え…? あ、にぇーぜ?」

ルイズ「またそれ? そりゃ確かに似てるかも知れないけどそうやって毎回毎回…」

上条「だって…え? アニェーゼじゃないの?」

オルソラ「仕方がありませんのでございますよ。本当にそっくりなのでございますから」

ルイズ「わたしはルイズよ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
377 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/21(土) 21:42:32.49 ID:+BMOFBR70
上条「何? あんたが例のルイズか」

ルイズ「ってか誰よあんた。平民のくせに生意気ね」

上条「俺は上条当麻。そこのインデックスと一緒にこの学院に転校して来た」

ルイズ「ああ、あんた達が噂の転校生とその使い魔ね」

上条「そうだ」

ルイズ「まあそんな事はどうでもいいわ。それよりサイトはどうしたの」

イン「さいとなら今はシエスタの家にいるよ」

ルイズ「………なんですって」ピク

上条「あー、インデックス。その辺は俺が説明しとくからお前は先行っててくれる?」

イン「なんで?」

上条「いや…それは込み入った事情があってだな…」
378 : ◆Yr.mgKbo12 [saga]:2012/01/21(土) 21:46:16.76 ID:+BMOFBR70
ルイズ「込み入った事情って何よ。あのバカ犬とメイドの何が込み入ってるってのよ!?」

上条「いやそういう事じゃなくてだな」

ルイズ「そ、そう。あの犬ってばそこまでしてわたしに会いたくないってわけね」プルプル

上条「あのー、もしもしルイズさん?」

ルイズ「もういいわ。あんなやつ一生帰って来なくていいわよ!」ズンズン

オルソラ「あ、待って下さいルイズさん!」タタタッ

上条「えっと……。俺、なんか怒らせるような事言った?」

ギーシュ「きみってやつは本当に女心というものを理解していないな」

キュルケ「ダメよそんなんじゃ。女の子に嫌われちゃうわよ?」

タバサ「………」

イン「とうま。私でよければ慰めてあげる」ナデナデ

上条「な、なんで俺が悪いみたいになってんのーーー!?」
379 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/22(日) 12:54:46.77 ID:JCf54qp40
―――ルイズの部屋―――



ルイズ「あーもう、信じられない。あのバカわたしよりメイドがいいってのね」

オルソラ「ルイズさん」

ルイズ「あによ。わたしは今すごく機嫌が悪いんだけど」

オルソラ「どうしてそこまでお怒りになってるのでございますのですか?」

ルイズ「別に。怒ってなんかいないわよ」

オルソラ「そうは見えないのでございますが」

ルイズ「………あのバカが悪いのよ」

オルソラ「というと、才人さんの事でございましょうか?」

ルイズ「ふん。もう知らないんだから。メイドと好きにしてたらいいのよ」
380 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/22(日) 12:57:00.81 ID:JCf54qp40
オルソラ「そんな事おっしゃっていいのでございますか?」

ルイズ「なんでよ」

オルソラ「才人さんは大切な方なのでございましょう?」

ルイズ「んなっ!? なな、何言ってんのよあんたぁっ!?」

オルソラ「やはり気になっているのでございますね」

ルイズ「ち、違うわよ! 変な事言わないでよね!」

上条『おーいルイズ! いるか?』トントン

ルイズ「またあんた? こんなとこまで追っかけて来て何の用よ」

上条『いや、だから俺は平賀の事を話そうとしてだな』

ルイズ「ヒラガ? ああ、サイトの事。いいわよ、あんなやつの事なんて」

上条『聞いてくれよ。大事な話なんだって』

ルイズ「いやよ、いや。あいつとメイドの話なんかもう聞きたくない」

上条『違うんだって。本当に、大事な話なんだ』

ルイズ「………」
381 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/22(日) 13:00:46.01 ID:JCf54qp40
上条『ルイズ』

ルイズ「……わかったわよ。聞けばいいんでしょ」

オルソラ(そういえば…)

上条『悪いな』

ルイズ「仕方ないわね。ちょっと待ってなさいよ。今…」

オルソラ(何かを忘れているような気がするのでございま…、)

上条『え?』ガチャ

ルイズ「着替えてるか…ら……」

オルソラ「そ、そうでございました……。この方はいつもこう…」

上条「あー。おじゃましまし―――」

ルイズ「待ってなさいって、言ったでしょおおおおがああああああ!!」

ドゥクシィィッ!!

オルソラ「み、見事な回し蹴りでございますよ」

上条「ふこーーーーーだーーーーー!!」
382 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/22(日) 22:18:54.82 ID:JCf54qp40
―――学園都市・常盤台中学―――



美琴(アイツ…、結局なんだったのかしら…)

黒子「おっねえっさまん♪」

美琴(あの馬鹿とはまた違う感じの能力だったみたいだけど…)

黒子「あーらお姉様ってばお考え事ですの?」

美琴(あの時私は超電磁砲を撃った直後で隙だらけだった…)

黒子「何をお考えになっていますの?」

美琴(多少の電撃は使えたかも知れないけど、あいつのスピードなら無駄だったでしょうね)

黒子「はっ! ま、まさか例の殿方の事を!?」

美琴(つまり、アイツがあそこで戦いを止めてなきゃ私は負けてたかも知れない)

黒子「あ、あんの類人猿ぐぁぁぁぁぁぁ!!」

美琴「しかも、私にあれだけ言っといて自分から謝るとか。意味わかんないんだけど」

黒子「お、お姉様!? 一体誰に何を言われたんですの!?」

美琴「って、うわっ!? 黒子、アンタいつからそこに!?」

黒子「」
383 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/22(日) 22:21:55.28 ID:JCf54qp40
黒子「……わたくしって、そんなに存在感薄かったですの? ミスディレクションですの?」

美琴「あー、ごめんごめん。落ち込まないでってば」

黒子「では景気づけにあつーい抱擁をば!」バッ




                    /⌒V゙\, -――-ヘ-、
                 __{/⌒ヽ/⌒: : : : :⌒ : \>ヘ∧
               /: : :_/ /しツ: : : : : : : : : : : : : : :{  >、Y⌒: :`ヽ
              ノ: /(/ //: /: : : :/|/i: |゙^}: :/|: : : ∨ 八^⌒): : )
            <:_/  / /( : :八/{ :/孑八| ノj厶j∧: : ト:ヘ\\(: :(__ノ
                 〈  ∨乂.:(⌒リ >  '´ (__) 从八ノ :人: :ヽ: :く
            | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \ \ノ: :)(       __   _ノ/: :∧ー⌒): 'ノ
            └─────‐(\ \ヘ> .._ー<ソ_ノ´ 八 :  ̄:ヽ/: :/\
                   )ノ\/  `ア77L_,不、_    / ̄V)ノ/   \      /⌒i
         「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 〈  ∨  WiV  {\   \   (/\    \   |  レ'⌒ヽ
        │             ____ ̄∨  {{/__ jレ  >   \/   \    \  i       /
          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|   |     {     V 人xく\           \    \\__/
                   |   |           く  //           \   /
                   |   |     }      Y く)                \/
                   |___/       〈      ノ ̄
                         ー--‐'⌒



美琴「するかっ!」

黒子「ぁんっ…♪」
384 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/22(日) 22:27:17.88 ID:JCf54qp40
美琴「あー、そうだ黒子、アンタさ」

黒子「なんですの?」

美琴「背中に剣を背負った高校生ぐらいの冴えない男…って、黒子が知ってるわけないか」

黒子「高校生? 男ぉ!? まさかお姉様、その男と何か!?」

美琴「い、いやいや、大した事じゃないのよ。ちょっと借りを返しときたくて」

黒子「借り? 何か借り物でも?」

美琴「ま、まあそんなとこ。私としては早く返さないと気が済まなくて」

黒子「名前はわかりませんの?」

美琴「いやぁ…それが聞きそびれちゃって」

                      ジャッジメント
黒子「ふむ、わかりましたの。じゃあ風紀委員の仕事がてら調べておきますわ」

美琴「ありがと」

黒子「いえいえ、お姉様の為とあらば」

美琴「それじゃ、私は帰るから見つけたら連絡よろしくね」

黒子「了解しましたですの。うふふ」

スタスタ。
385 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/22(日) 22:31:36.16 ID:JCf54qp40
黒子「うふふ。うふふ。……行きましたの? よし」

ピポパポピッ。プルルル。ガチャ。

初春『はいもしも―――』

黒子「初春。今から言う男を全力を挙げて捜し出しますの!!」

初春『へ? な、なんですか急に』

黒子「だぁらっしゃい! 四の五の言わずに捜せっつってんですの!」

初春『ふぇぇ、なんか今日の白井さんは怖いです…!』

黒子(件の男、お姉様と何があったか徹底的に調べ上げてやるですの…!!)

黒子「わたくしのお姉様をたぶらかそうったってそうはいきませんのぉぉぉ!!」

初春(……何言ってるんだろこの人)
386 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/22(日) 22:34:26.42 ID:JCf54qp40
―――学園都市・風紀委員第一七七支部―――



黒子「で、例の男は見つかりましたの?」

初春「それはまだですが」

黒子「が、なんですの?」

初春「白井さんの言う男の人なら多分私会ってます」

黒子「いつですの!?」

初春「今朝ですね。どうにも怪しい人だったからちょっと調べてたんですよ」

黒子「どんな方だったんですの?」

初春「名前は平賀才人と名乗ってました」

黒子「平賀、ですの?」
387 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/22(日) 22:36:16.50 ID:JCf54qp40
         バンク
初春「で、まあ書庫にアクセスして該当する人物を調べたんですが…」

黒子「いなかった、という事ですの?」

初春「…はい。平賀才人という学生はこの学園都市には存在しません」

黒子「………」

初春「学園都市へ入退場した人物は確認されていません。無論、侵入者もです」

黒子「妙ですの。その情報が間違いでなければその平賀はどうやって学園都市に…?」

初春「突如として現れた…、あるいはその存在を秘匿された人物という事ですかね?」

黒子「どちらにせよ、もう少し調べてみる価値はありそうですの」

初春「そうですね」

黒子「まずはその所在を調べてみますの。初春」

初春「了解です」
388 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/23(月) 00:18:02.68 ID:dRdl6yYE0



才人「しっかし、もう昼過ぎか…。さすがに腹が減って来た…」

デルフ「朝からなんも食ってないだろうからね」

才人「あー、飯食いてぇ〜! 飯ー!!」

デルフ「相棒、あのシスターの娘っ子みたいになってんぞ」

才人「せめてこの自販機のジュースが買えたらなぁ…。小銭でも落ちてねえかな…」

デルフ「よせよ相棒。みっともねえよ」

美琴「全くね」

才人「へ?」

美琴「やっと見つけたわ」

才人「げえっ、御坂!」
389 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/23(月) 00:18:59.93 ID:dRdl6yYE0
美琴「何よ。人の顔見て嫌そうにすんじゃないわよ」

才人「その口ぶり、どうやら美琴の方らしいな」

美琴「どういう事よ?」

才人「いや、お前の妹達に少しばかり世話になってな」

美琴「……ッ! アンタ、会ったの…?」

才人「会っちゃまずかったか?」

美琴「別に、そういうわけじゃないけど…」

才人「?」
390 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/23(月) 00:20:15.68 ID:dRdl6yYE0
美琴「それよりアンタ、自販機のジュースが欲しいみたいね」

才人「まあな」

美琴「じゃ、ちょっとどいて」

才人「何する気だ?」

美琴「こうすんのよっ! ちょいさー!」ドーンッ

才人「うおおっ!? 何してんの!? 壊す気!? パンツ見えるぞ!?」

美琴「大丈夫よ」

才人「いやいや全然大丈夫じゃないだろ…」

美琴「ほら、ジュース出て来たし。下は短パンはいてるし」

才人「な…、下に短パンだと…!?」
391 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/23(月) 00:21:24.14 ID:dRdl6yYE0
美琴「な、何。いけない?」

才人「いいわけないだろッ!」

美琴「えぇっ…!?」

才人「スカートの下はパンツに決まってる! 短パンなんてもってのほかだ!!」

美琴「だって、見えたら嫌じゃない!」

才人「そもそも自販機蹴るのもおかしいっつの!」

美琴「いや、ツッコむならまず先にそっちじゃないの?」

才人「まあ、ジュースはありがたくいただくけど、もうこんな事すんなよ。ったく」

美琴「結局もらうんじゃないの」

才人「とりあえず、誰か来る前に逃げるとしよう」ダッ

美琴「あっ、ちょっと待ちなさいよ!」
392 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/23(月) 00:22:44.26 ID:dRdl6yYE0
才人「しっかしお前、あんな事していいと思ってんの?」

美琴「あの自販機はねー、お札呑んじゃうの」

才人「はい?」

美琴「現にどっかの誰かさんは二千円札呑まれてるしね」

才人「うわぁ、今時二千円札持ってるやつまだいたんだ…」

美琴「ま、だからあれぐらいが丁度いい対応と言えるわね」

才人「けど、それとこれとは話が別だろ」

美琴「何よ。文句あるならそれ返して」

才人「ったく、最近の…えっと、中学生?」

美琴「そうだけど」

才人「ま、中学生らしいっちゃらしいか…」
393 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/23(月) 00:23:43.10 ID:dRdl6yYE0
美琴「どういう意味よ」

才人「お前の言動は中学生そのものだっつってんだよ」

美琴「アンタ、バカにしてんの?」

才人「っと、電撃はやめろよバチバチ中学生」

美琴「なっ、あの馬鹿みたいな呼び方しちゃってくれて」

才人「誰だよ、あの馬鹿って」

美琴「アンタには関係ないわよ」
394 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/23(月) 00:24:31.81 ID:dRdl6yYE0
才人「はぁ〜。今更かも知れんが、俺高校生。お前中学生。…敬語使えよコノヤロー」

美琴「はぁ? 初対面でいきなり散々煽っといて今更敬語なんて使えるかっつーの」

才人「そーですか。全く、ルイズみたいな性格してやがる」

美琴「誰よ、ルイズって」

才人「お前には関係ないだろ」

美琴「……まあいいわ。別にアンタの知り合いに興味なんてないし」

才人(なら最初から聞くなよ)
395 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/23(月) 00:25:24.84 ID:dRdl6yYE0
才人「さて、そんな事よりジュースでも飲んで腹の足しにでも…ん?」

美琴「どうしたのよ」

才人「何これ。きなこ…練乳?」

美琴「ああ、ヤシの実サイダーの方がよかった?」

才人「いや違う違う」

美琴「じゃあ、いちごおでん?」

才人「なんだそりゃ!? ってかなんつー飲料だよ! 不摂生にもほどがあるぞ!?」

美琴「そう? 人気なんだけどな」

才人「ウソだぁ。こんな見るからに怪しい飲み物誰が飲みたがるんだよ」

美琴「文句言わずに飲んでみなさいよ」

才人「えー」
396 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/23(月) 00:26:52.28 ID:dRdl6yYE0
美琴「いいから飲む」

才人「相変わらずムチャクチャだな」ゴクゴク

美琴「どうよ?」

才人「……あれ。もしかして、美味い?」

美琴「でしょ?」

才人「マジか。いやー、わからんもんだなぁ。さすが学園都市製って感じか」

美琴「ま、見た目じゃわからないおいしさってヤツね」

才人「けど、さすがに飲み物だけじゃ腹は膨れんな」

美琴「なによ。アンタお腹空いてたの?」

才人「まあな」

美琴「じゃ、私がいいもの奢ってあげるわよ」
397 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/23(月) 00:29:37.34 ID:dRdl6yYE0
才人「いいのか? はっ…、何か理不尽な要求を突きつけられる予感パート2!」

美琴「ま、腹が減ってはなんとやらでしょ。気にしない気にしない」

才人「うわ、こいつ絶対何か企んでやがるよ。嫌だなー」

それから美琴はすぐ近くにあった販売カーに向かって行き、何かを買って来た。

美琴「ほい」

才人「ホットドッグ?」

美琴「そ。一個二千円のね」

才人「ぶっ!? そんなクソたけぇホットドッグ……まさか高級品かよ?」

美琴「二千円の話してたら丁度あったのよね」

才人「だからってな…。しかも二個…。四千円もありゃ色々買えるだろうに」

美琴「私が食べたかったからいーの! いらないなら没収よ」
398 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/23(月) 00:31:37.75 ID:dRdl6yYE0
才人「食べます! こんな哀れな犬めにこのようなお恵みを頂き感謝感激にございます!」

美琴「そういうのはいいからホント」

才人「ありがたき幸せ! おいしい物食べられるって本当に幸せっ!」

美琴「オーバーね。アンタお昼食べてないの?」

才人「仕方ないだろ。今持ち合わせがないんだから」

美琴「なに? すっからかんなわけ?」

才人「そうだよ。悪いか」

美琴「別にそうは言ってないけど」

スタスタ。

???「おーっと? もしやデート中ですか御坂さん?」

美琴「ぶっ!?」
399 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/23(月) 00:33:20.03 ID:dRdl6yYE0
才人「ん? 誰だ?」

美琴「さ、さささ……サテンサン!?」

才人「……佐天?」

佐天「ん? んー? ああ、この人はあのツンツン頭の人じゃないから違うか」

美琴「んなっ、ななな、なぁっ!?」

才人「君、こいつと知り合い?」

佐天「ええ。そりゃもうとっても」

才人「へえ。って事は君もレベル5とかだったりする?」

佐天「………へっ」

才人「…へ?」
400 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/23(月) 00:35:19.71 ID:dRdl6yYE0
佐天「へへっ…」

才人「?」

佐天「いや、すみません。へへ…」

才人「大丈夫か?」

           レベル 0
佐天「どうせ私は無能力者ですよ。ふふふ…」

才人「……あー、うん。なんかごめん」

佐天「いいんですいいんです。ところでそういうあなたはレベルいくつです?」

才人「レベル? えっと。ゼロ…とか?」

       レベル0
佐天「え、無能力者?」

     レベル0
美琴「無能力者ですって!?」
401 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/23(月) 00:36:53.84 ID:dRdl6yYE0
才人「あ、いやでも実際は3〜4ぐらいかなぁなんて…」

才人(何で見栄張ってんだよ俺…。そもそも俺超能力者じゃないし…)

                レベル0
美琴「……アンタ、本当に無能力者なの?」

才人「いや、だから3〜4ぐらい…」

美琴「正直に言ってよね」

才人「………」

才人「はいはい。どーせ俺はレベルゼロですよーだ」

佐天「なーんだ。じゃあ私と同じだったんですね!」

才人「あはは…。なんかバカにされてる?」
402 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/23(月) 00:38:17.65 ID:dRdl6yYE0
          レベル0
美琴「アンタが無能力者ならあの俊敏な動きはなんなのよ!?」

才人「それは、えっと…」

才人(ガンダールヴの力は魔法関係だもんな。こいつらに言っても信じなさそうだし)

美琴「まあいいわ。今度こそ白黒はっきりさせましょ」

才人「え? 何が?」

美琴「私と勝負しなさい。前みたいな半端な戦いじゃなく本気で!」

才人「ええぇぇぇぇっ!?」

佐天「って、御坂さん。勝負って何をするつもりですか?」

美琴「まあ、ちょっとね」
403 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/23(月) 00:39:47.45 ID:dRdl6yYE0
佐天「見ててもいいですか?」

才人「やめといた方がいい。ケガするぞ」

                                 レベル0       レベル0
佐天「まさか御坂さん、能力勝負ですか!? 相手は無能力者ですよ、無能力者!」

才人「ねえ、やっぱりバカにしてるでしょ。ねえ」

美琴「けどコイツは…」

ピリリリリリ。

佐天「ああ、私です。もしもし。あ、白井さんですか?」

美琴「……ッ」

佐天「御坂さんなら今一緒に……あれ? どっか行っちゃいました」
404 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/23(月) 00:46:43.34 ID:dRdl6yYE0
えー、今回はここまでですかね

とりあえず今回はルビが完璧でした
最後の佐天さんの台詞のレベル0はぶっちゃけずれると思ってましたがまさかのドンピシャ
こういうのはテストしとくべきなんでしょうがどこでやればいいやら

そういえば今回AAを使用しましたが、今後また使うかも知れません

では、また次回
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/24(火) 23:09:47.77 ID:E74V/CxD0
乙〜

ここまで完璧なルビ初めて見たんだよ!
テストスレというものがあったはずです。そこで試してはどうでしょう。と、ミサカは記憶を辿って辿り着いた具体案を提示します
つ[http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1320242324/l50]
406 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/01/25(水) 18:07:45.99 ID:dGcyo2x/0
>>405
テストスレがあったんですか
情報ありがとうございます
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/04(土) 18:19:07.81 ID:hHJFVQQ+0
ちょっと通りますよ
408 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/06(月) 01:56:37.79 ID:SPjU9+/X0
美琴「あっぶなー。黒子に私が男といるなんて知られたらなんて勘違いされる事か」

美琴(しかし、思わず逃げ出しちゃったけど、大丈夫だったかしら…)

才人「うぐぅ……」

デルフ「おいおい、お前さんが全力で引っ張るもんで相棒がもうフラフラじゃねーか」

美琴「なによ、だらしないわね。アンタ男でしょ」

才人「おまっ、いきなり引っ張るからホットドッグが喉に詰まって死ぬかと思ったぞ!」

美琴「う…、それは悪かったわよ…」

才人「うむ、素直でよろしい」
409 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/06(月) 01:59:10.63 ID:SPjU9+/X0
美琴「ま、それはさておき。勝負しましょう」

才人「えー。やだよ」

美琴「ホットドッグ」

才人「むぐ…」

美琴「誰が買ってあげたのかしら」

才人「やっぱそんな事だろうと思ったよ!」

美琴「というわけで、やるわよね?」

才人「はいはいやりゃいいんでしょやりゃ!」

美琴「本気で来なさいよ。私も本気で行くから」
410 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/06(月) 02:01:23.89 ID:SPjU9+/X0
才人「バカ、そんなの俺死ぬだろ!」

美琴「大丈夫よ。アンタなら死なないって信じてるわ」

才人「ちょ! そんな所で信頼を得たくない!」

美琴「そんじゃ、行くわよ」

デルフ「相棒。どうやらやんなきゃいけねえみたいだね」

才人「くそー! だったら勝ちに言ってやる! レベル5がなんだってんだ!」

美琴「果たして勝てるかしら?」

才人「ガンダールヴの力、ナメんなよ!」

デルフ「よっしゃあ、行け相棒!」

美琴(…ガンダールヴ? 能力名かしら?)

才人「いくぜ!」

美琴「いくわよ!」

才人と美琴の戦いが今始まる。
411 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/06(月) 02:04:18.63 ID:SPjU9+/X0
―――ハルケギニア―――



ルイズに才人の事を話そうとした上条。

だが、いつものごとくラッキースケベが発動。

ルイズに見事な回し蹴りを食らわされ、上条は気絶していた。



412 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/06(月) 02:05:58.43 ID:SPjU9+/X0
―――魔法学院・インデックスの部屋―――



上条「いてて…」

イン「とうま、大丈夫?」

上条「あん? なんでインデックスが?」

イン「とうまってばまたやらかしたみたいだね」

上条「う…。いや、あれは不可抗力というか…」

イン「とうまの場合はもうわざとやってるんじゃないかと思うんだよ」

上条「わ、わざとじゃねーよ」

イン「本当かなぁ…?」

上条「本当ですー」

イン「まあ、一応信じてあげない事もなかったりするかも」

上条(なんじゃそりゃ…)
413 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/06(月) 02:07:02.75 ID:SPjU9+/X0
上条「っつか、あれから俺はどうなったんだ」

イン「私が戻って来たら部屋の前にとうまが倒れてたんだよ」

上条「はあ」

イン「で、とうまの事だから何かしらやっちゃったんだなぁって」

上条「ルイズに大事な話があったんだが……仕方ねえか」

イン「なに? 大事な話って?」

上条「ん? まあ、ちょっとな」

イン「む。私には教えてくれないの?」

上条「お前には関係ない話だからな」

イン「さいとの事?」

上条「ああ。そういうわけだから、悪いけど教えられないんだ」
414 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/06(月) 02:08:11.95 ID:SPjU9+/X0
イン「そっか。ふぁぁ。今日はもう眠いんだよ」ウトウト

上条「もう夜か。俺結構な時間気絶してたんだな」

イン「とうま。私は着替えるからちょっと出ててくれる?」

上条「ん? ああ、そうだな」ガチャ

イン「いい? 何があってもドアを開けちゃダメなんだよ?」

上条「ははは。さすがに連続で同じ轍を踏む上条さんでは…」

イン「連続で同じ轍を踏むとうまだから言ってるんだよ」

上条「」

イン「それじゃ、早く出てって」

上条「……なんか納得いかねえ」
415 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/06(月) 02:09:28.99 ID:SPjU9+/X0
上条「ったく、インデックスのヤツ俺の事を全く信用してねえな」

オルソラ「それは当然といえる事でございますよ」

上条「うわ、オルソラ! 急に現れるなよ…」

オルソラ「急も何も私はただ歩いていたらあなた様を見つけただけでございますが」

上条「あん? っつか、なんでオルソラはこんなとこにいるんだ」

オルソラ「あら。女子が女子寮にいてはいけませんでございますか?」

上条「? ああ、そういやここ女子寮だったな」

オルソラ「本来なら男子禁制でございますよ」

上条「って、そうじゃなくてだな。お前さっきルイズと一緒だったよな」

オルソラ「ええ。そうでございますが」

上条「なんで?」

オルソラ「女子が女子寮にいてはいけないのでございますか?」

上条「………」
416 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/06(月) 02:11:22.45 ID:SPjU9+/X0
オルソラ「私はただ偶然通りがかったあなた様にですね…」

上条「あー、うん。俺が聞きたいのはなぜルイズと共に行動しているかって事で」

オルソラ「私は才人さんの代わりにルイズさんのお世話をさせてもらっています」

上条「平賀の代わりに?」

オルソラ「ルイズさんは才人さんの代わりを探していたようでございますし」

上条「なるほどな」

オルソラ「…というのは建前で、実は私には目的があるのでございます」

上条「目的?」

オルソラ「ルイズさんの持つ始祖の祈祷書の解読でございますよ」

上条「始祖の祈祷書? まさか魔道書みたいなもんか?」

オルソラ「少し違いますが、本質的には同じだと思うのでございます」
417 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/06(月) 02:12:15.18 ID:SPjU9+/X0
上条「で、解読は出来たのか?」

オルソラ「いえ。未だに始祖の祈祷書は空白のままでございますよ。
      恐らく、ルイズさんにも解読は出来ないはずでございます」

上条「ふーん。なんか知らんが大変だな。それ、解読出来ないとどうなるんだ」

オルソラ「必ずしも解読しなければいけないというわけではないのでございます。
      …が、それはいずれ必要になる時が来るのでございますよ」

上条「いずれって?」

オルソラ「それは秘密でございますよ」

上条「秘密かよ。気になるじゃねえか」

オルソラ「そういえば、先ほどルイズさんにお話があったそうでございますが?」

上条「ああ。そうだった。平賀について大事な話がな」

オルソラ「………やはり、本当に帰られてしまったのでございますね」
418 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/06(月) 02:12:52.38 ID:SPjU9+/X0
上条「……知ってたのか?」

オルソラ「ええ。先ほど五和さんより連絡が届いて事の次第は理解したのでございます」

上条「そうか。まあ、そういうわけなんだ。俺にはルイズに真実を話さないと…」

オルソラ「待つのでございますよ」

上条「?」

オルソラ「ルイズさんは今、不安定な状態なのでございます。そんな状況で才人さんが
      帰ってしまったなどと聞けば恐らく精神が耐えられないでございましょう」

上条「けど…」

オルソラ「才人さんはいずれ戻って来るのでございましょう?」

上条「そのはずだ」

オルソラ「だったらその時までルイズさんには黙っておくのでございますよ」
419 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/06(月) 02:13:41.84 ID:SPjU9+/X0
上条「……騙し通す、ってか」

オルソラ「時には優しい嘘をつかなければいけないのでございますよ」

上条(優しい嘘……か。俺にはおあつらえ向きってわけだ…)

オルソラ「そういうわけなので、あなた様はもうお気になさる必要はないのでございますよ」

上条「そっか。じゃあ、あいつが戻って来るまでの辛抱だな」

オルソラ「そうでございますね」

上条「んじゃ、俺そろそろ戻るわ」

オルソラ「ああ、そうでございます。あなた様にプレゼントでございますよ」

上条「プレゼント?」
420 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/06(月) 02:17:57.00 ID:SPjU9+/X0
オルソラ「これでございますよ」ドシャ

上条「……わら束?」

オルソラ「才人さんがあなた様にあげたものでございますよ」

上条「そういや宝探しに出かける前にそんな事言ってたような」

オルソラ「これで硬い床の上で眠る生活ともお別れでございますよ」

上条「それは嬉しいような…悲しいような…」

オルソラ「それでは、おやすみなさいませ」

上条「あ、ああ……。おやすみ…ってか、あれ?
    なんで俺が床の上で寝てんの知ってんだ?」

オルソラ「才人さんがそうでしたので」

上条「そうだったな」

オルソラ「では今度こそ。おやすみなさいませ」

上条「ああ。またな」
421 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/06(月) 02:26:42.56 ID:SPjU9+/X0
ちょろっとしか投下出来てないですが今回はここまでで
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/08(水) 14:18:12.80 ID:6OaPh+vA0
乙だぜい
次も期待してるにゃー
423 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/26(日) 22:55:17.16 ID:wVODd28X0
ちょっとほったらかしにしすぎました
書かないと本当全然書けないもんだなぁ…
424 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/26(日) 22:58:12.40 ID:wVODd28X0
―――学園都市―――



黒子「それで? まんまとお姉様に逃げられたと」

佐天『あはは。すみません』

黒子「まあ仕方ありませんのね。佐天さんは事情を知らなかったわけですし」

佐天『それで、白井さんは一体誰をお探しで?』

黒子「いえ、これは風紀委員の仕事ですので佐天さんに教えるわけには…」

佐天『いいじゃないですか〜。教えてくださいよ〜』

黒子「……平賀才人。それが目標の名前ですの」
425 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/26(日) 22:58:43.16 ID:wVODd28X0
初春「いいんですか? 教えちゃって」

黒子「まあ、名前程度なら問題はないでしょう」

佐天『平賀才人、ですね。わっかりました!』

黒子「それでは何かあればご報告をお願いしますの」

佐天『了解です』

黒子「では」ピッ

初春「それじゃあ、引き続き平賀さんの捜索を…」

黒子「それには及びませんの」

初春「え?」

黒子「お姉様の足取りを追いますの、初春」
426 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/26(日) 22:59:38.83 ID:wVODd28X0
初春「ちょっと白井さん。今御坂さんは関係ないですよ?」

黒子「いえ、ありますの」

初春「……それは、平賀さんの件より優先すべき事なんですか?」

黒子「初春。どうやら勘違いしているようですから言って差し上げますの」

初春「?」

黒子「十中八九、平賀才人はお姉様と一緒に行動していますの」

初春「へ? ど、どういう事です?」
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/02/26(日) 22:59:51.16 ID:y8jcOOh3o
久々に更新
うれしい
428 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/26(日) 23:00:30.46 ID:wVODd28X0
黒子「お姉様は平賀を捜していましたの」

初春「それを見つけて一緒にいるって事ですか?」

黒子「恐らく」

初春「でも佐天さんはそんな事言ってませんでしたよ?」

黒子「お姉様が何の理由もなく佐天さんの前から逃げるように消えますの?」

初春「それは…」

黒子「お姉様が逃げた理由はただひとつ。わたくしに知られたくない事があったから」

初春「男の人と一緒にいる所を見られたら何か勘違いされるって思ったんでしょうか」

黒子「ええ。それで、佐天さんは空気を読んだか口止めされたか…」

初春「どちらにしろ、平賀さんの事は隠していたっていうわけですね」

黒子「そうなりますの」
429 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/26(日) 23:02:41.66 ID:wVODd28X0
初春「わかりました。それじゃあ御坂さんの行方を追ってみますね」

黒子(お姉様ってば一体何をしていますの。最近はあの類人猿と会ってないと思ったら、
    今度は別の男ですの? 全くお姉様ってば危機感が足りないんじゃないんですの?)

初春「? 白井さん?」

黒子「(そんな見知らぬ男にホイホイついてくお姉様じゃないはずですの…っ!!)」

初春「白井さーん? 何ぶつぶつ言ってるんです?」

黒子「とにかくあの平賀という男はすぐさま粛清すべきですの!」

初春「あのー、もしかして心の声が漏れちゃってます?」

黒子「初春! 一刻も早くお姉様の位置特定をッ!!」

初春「……はいはい」
430 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/26(日) 23:04:40.48 ID:wVODd28X0
>>427
いやぁ、お待たせしてすみませんねぇ
最近色々と忙しかったんで書く暇があんまりなかったんですよねぇ

とりあえず、書き溜めたのをもう少しだけ投下していきます
431 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/26(日) 23:06:45.83 ID:wVODd28X0
―――ハルケギニア―――



朝。

上条「ふぁぁ。よく寝ましたよー、と。ん?」

上条(身体が痛くない? そうか、このわらのおかげか!
    いやぁ、素晴らしいじゃないですか。わら様々だな!
    最初はわらなんて申し訳程度の物としか思ってなかったが
    案外これがあるのとないのとじゃかなり違うもんだな)

イン「zzz…」

上条「おーいインデックスー、起きろー。朝だぞー」

イン「むにゃ…。もう食べられないかも…」

上条「……インデックス、お前は寝ても覚めても食ってばっかか」

イン「はっ! とうま! 私のごはん取った!?」ガバッ

上条「取ってない! 取ってないから寝ぼけて噛み付こうとすんな!?」
432 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/26(日) 23:07:57.50 ID:wVODd28X0
イン「うーん? あ、おはようとうま」

上条(ふぅ、危なかった……)

イン「さーて、早く朝ごはんを食べに行くんだよ!」

上条「そうだな」

イン「………」

上条「………」

イン「とうま」

上条「なんだ」

イン「出てって」

上条「?」

イン「だから、着替えるから外に行ってって事なんだよ!
    なんでとうまはそういう所に気が配れないのかな!」
433 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/26(日) 23:09:02.48 ID:wVODd28X0
上条「だー、待て待て! いつものインデックスさんに戻ってますが!?」

イン「む…。こほん、私は着替えるから少し席を外して下さいますでしょーか」

上条「そうそう。そういう少しの変化で上条さんも気が楽になるというか」

イン「ま、まあとうまが出たくないならここにいてもいいんだよ…」

上条「え、ちょっとインデックスさん?」

イン「で、でももちろんだけど、こっち向いちゃ嫌……なんだよ?」

上条「インデックスさんそれはやりすぎです…。変化しすぎです。突然変異です」

イン「私なりに優しさというものを表現してみたんだけど、どうだった?」

上条「あー、ごほん。今のは男が勘違いするからよした方がいいな、うん」

イン「ならさっさと出て行く事をおすすめするんだよ」

上条「そうさせてもらいますよーと」ガチャ

イン(うーん、今のに何か悪い部分でもあったのかな…)
434 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/26(日) 23:10:24.52 ID:wVODd28X0
上条「いやぁ…、インデックスのヤツ、あんなのどこで覚えたんだ。
    10万3000冊の魔道書の中にでも記述されてんのか?」

スタスタ。

キュルケ「あら、おはようトウマ」

上条「おう、おはよう」

キュルケ「インデックスがどうとか言ってたみたいだけど?」

上条「ああ。…もしかしてお前か?」

キュルケ「何が?」

上条「インデックスがやたら男のツボを突く台詞を放って来たんだが」

キュルケ「さあ。あたしはあの子に恋愛についての心得を教えたつもりはないけど」

上条「なんじゃそりゃ」

キュルケ「ま、あなたみたいな鈍感じゃ理解出来ないかもしれないけれど」

上条「はぁ…?」ナニイッテンダコイツ

キュルケ「本格的にダメね、これは…」
435 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/26(日) 23:12:41.39 ID:wVODd28X0
上条と別れたキュルケは廊下でルイズとすれ違った。

キュルケ「ルイズじゃない。もういいの?」

ルイズ「なにがよ」

キュルケ「何がって、あなたずっと引きこもってたんでしょう?」

ルイズ「あんた達がどっか行ってる間にちゃんと復帰したわよ」

キュルケ「なーに? もうサイトの事は吹っ切れたの?」

ルイズ「あのバカの名前は出さないで」

キュルケ「そりゃここに帰らずメイドのとこにいるのが癪なのはわかるけどね」

ルイズ「はぁ? 一体誰がそんな事言ったのよ。
     わたしはもうあいつの事なんてどうでもいいの」
436 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/26(日) 23:14:23.49 ID:wVODd28X0
キュルケ「本当かしらね」

ルイズ「しつこいわよ」

キュルケ「じゃああたしがサイトをどうこうしても文句はないわよね?」

ルイズ「勝手にすれば」

キュルケ「じゃあそうさせてもらうわね」

ルイズ「ふんっ」スタスタ

キュルケ(ルイズ…。本当にあなた、サイトの事…?)
437 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/26(日) 23:19:15.66 ID:wVODd28X0
イン「ふんふふ〜ん♪ は〜、今日もお腹いっぱいで幸せなんだよ〜」

朝食を終え、インデックスは上機嫌に廊下をステップする。…と、
ドンッ。

イン「あうっ」

ルイズ「痛いじゃない!」

イン「あ、ごめんなさいなんだよ」

ルイズ「……あんた、転校生の…イン…なんとか」

イン「インデックス。そういうあなたはルイズだね」

ルイズ「覚えていたのね」

イン「私は一度見たり聞いたりした事は忘れないからね」

ルイズ「そう」

イン「むっ、信じてないかも? じゃあこう言ったら信じてくれる?
    ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールさん?」
438 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/26(日) 23:27:27.57 ID:wVODd28X0
ルイズ「……なるほど。本当に記憶力はいいようね」

イン「私はIndex-Librorum-Prohibitorum。
    まあ、インデックスでいいんだよ。よろしくね」スッ

ルイズ「……ええ」ギュ

思わず反射的に手を握るルイズだったが、表情は優れない。

イン「うーん? なんだかさっきから機嫌がよくないかも?」

ルイズ「別に。そんな事ないわ」

イン「嘘。不機嫌そうな顔してるもん」

ルイズ「そんな事ないって言ってるでしょ!」

イン「あ…と。ごめん…なさい…」ビクッ

ルイズ(あ……。何やってるんだろ、わたし…)
439 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/26(日) 23:28:48.34 ID:wVODd28X0
ルイズ「……こっちこそごめんなさい。そうね、確かにわたし不機嫌みたい」

イン「ねえルイズ。私でよかったら相談に乗るんだよ」

ルイズ「でも、あなたに話すような事じゃないし」

イン「それでも、誰かに話せば楽になれると思うんだよ」

ルイズ「……なんでそこまでわたしに構うのよ。修道女だから?」

イン「それもあるけど、あなたの使い魔のさいとには色々助けてもらったからね」

ルイズ「サイトが?」

イン「そうなんだよ」

ルイズ(………)

ルイズ「わかったわ。じゃあ少し付き合ってくれる?」

イン「うん」
440 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/02/26(日) 23:33:48.86 ID:wVODd28X0
うーん、全然進まないなぁ…(苦笑)

すんません、今回はこの辺で

とりあえず次はあんまり間を空けないよう頑張ります
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/02/26(日) 23:36:37.33 ID:y8jcOOh3o
乙乙乙
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/26(日) 23:54:41.01 ID:RZdn1EOKo
おつにゃんだよ!
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/28(火) 11:25:37.44 ID:3mN9WlDI0
乙、次も待ってるよ
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 22:37:41.52 ID:q+lfe+XIO
まつにゃんだよ!
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/12(月) 18:21:36.97 ID:tnnvsAkho
おいまだか
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/19(月) 03:25:52.77 ID:jlFuoSBD0
読んだんだよとか書いて見る。
頑張れ
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/27(火) 16:09:36.17 ID:o//BIGsv0
まだか
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/27(火) 17:06:36.23 ID:nlHdqihIO
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン バンバンバンバンバンバン゙ン バンバン
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン       バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/28(水) 23:34:20.98 ID:QCptOyjIO
続きはまだかね
450 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/03/29(木) 23:25:32.23 ID:P3smlS9W0
すみません

あんまり間を空けないとか言いつつ1ヶ月も空けてしまいました

とりあえず今日は無理ですが明日には必ず投下しますんでもう少し待って下さい

本当、待っててくれた人には申し訳が立たないです、ハイ

それじゃあ、また明日
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/30(金) 00:08:20.27 ID:FHTfARIIO
待ってるんだよ!
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/30(金) 11:12:55.57 ID:UVLpZn5L0
絶対だからな!
453 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/03/30(金) 23:50:29.94 ID:AxT2fX7+0
やっべ、もう今日終わっちゃうじゃないか

ま、まあギリギリセーフですよね?

そんじゃ投下します
454 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/03/30(金) 23:55:03.48 ID:AxT2fX7+0
―――学園都市―――



ひょんな事から出会った才人と美琴。

才人の持つデルフリンガーは美琴の電撃を吸収した。

それに興味を持った美琴は、上条とも会えない事もあって、
鬱憤を晴らすように才人をしつこく追い回す。

そして、紆余曲折あって二人は真剣勝負をする事になった。

果たして、この戦いの行方やいかに。



455 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/03/30(金) 23:57:11.78 ID:AxT2fX7+0
美琴「そうだ。いい事思いついたっ!」

才人「?」

美琴「アンタが剣を使うなら、私も武器を使わせてもらうわよ」ザァァ

才人(なんだ? 何かが御坂の手に集まっていく…? あれは…)

才人「そうか、砂鉄か! 磁力を発生させて吸い上げてんだな!」

美琴「よくわかったわね」スッ

才人「けど、そんなんで俺の攻撃が防げるかな」バッ

デルフを振り下ろす才人だが、美琴はそれを砂鉄の剣で受け止める。

美琴「単に砂を集めただけの有象無象だと思ったら大間違いよ!」キィン

才人「くっ…」

美琴「普通に電撃を放ってもその剣に吸収されるけど、
    これならその吸収も出来ないでしょう?」

才人「なるほど、考えてるって事ね」

美琴「見た所、アンタ剣術は全然出来ない見たいね。
    そのスピードに頼りきりで実力ってもんがないわ」

才人「う、うっせー。大事なのは過程より結果だろうが」
456 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/03/30(金) 23:59:04.44 ID:AxT2fX7+0
美琴「ま、確かに勝った方が勝ちよね」

才人「そうだろ。だからなんて言われようと勝ちゃいいんだよ!」ヒュン

美琴「甘いわね。アンタの攻撃は単調よ。いくら速くとも…」スッ

才人「なっ…!? かわされた!?」

美琴「いくらだってやりようはあんのよ!」ヒュッ

才人「くそ」ガバッ

砂鉄剣の鋭い一撃を身を低くして才人は回避する。

美琴(避けられたか…。やっぱり速いわね…)

デルフ「大丈夫かい、相棒?」

才人「ああ…」
457 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/03/31(土) 00:00:55.53 ID:+SuErzMy0
デルフ「あの娘っ子、能力を単に使うだけじゃなく上手い事応用してやがる」

才人「ただの電撃中学生じゃないってわけだな」

デルフ「しかも、相棒のスピードについていってやがる」

才人「確かに俺の攻撃は単調かも知れないけど、よく反応出来るよな」

デルフ「ま、曲がりなりにもこの街で三番目に強いだけはあるね」

美琴「お喋りしてる余裕はあるのかしら?」バチィ

才人「うわっ」

デルフ「相棒、あまり距離をとらない方がいい。こっちは魔法も何も使えねえんだ」

                 レールガン
才人「そうだな。下手すりゃ超電磁砲を撃たせるチャンスを与えちまう」
458 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/03/31(土) 00:02:06.88 ID:+SuErzMy0
デルフ「あれは厄介だ。撃たれりゃ避けるしか道はねえ」

才人「ああ。それに、かなり高速で撃ち出されるから回避も間に合うかどうか」

デルフ「つまり、オイラ達は接近戦で戦うしか道はねえって事だ。
     その為には相棒、お前さん自身のスピードを上げるしかねえ」

才人「俺自身の?」

デルフ「そうだ。もっと感情を高めるんだ。じゃねえと勝ち目はねえぞ」

才人「わかった。俺だって、女子中学生相手に負けたくはねえからな」

息を吐き、才人は集中力を高める。身体の中から力が湧いて来るのがわかる。

美琴(何? 急に雰囲気が変わった…?)

才人「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」カッ
459 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/03/31(土) 00:04:09.47 ID:+SuErzMy0
美琴(左手が…光った…? 何かの能力?)

才人「行くぞっ!」シュンッ

美琴(…ッ! スピードが増した…!?)

才人「おらっ!」ガキィンッ

美琴「くっ…!」グググ…

猛スピードで迫る才人の一撃をギリギリの所で受け止める美琴。

才人(浅いか…。ならもう少し…!)

才人「おおおおっ!!」ギギギ

美琴「させないっ…!」バチィ

才人「ぐあっ!?」

デルフ「大丈夫か、相棒!?」

才人「あ、ああ…」
460 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/03/31(土) 00:05:28.32 ID:+SuErzMy0
美琴(速度もだけど、一撃が重くなってる…。一体なんの能力よ…?)

            レベル0
美琴「アンタ、本当に無能力者? それともその剣に秘密があるのかしら」

才人「さてね」

美琴(………)

才人「そろそろ決めさせてもらうぞ」ヒュバッ

美琴(また速く……ッ!)

才人「おりゃああっ!!」バギンッ

美琴「なッ…」

美琴(砂鉄が…!!)

才人の放った渾身の一撃により、砂鉄剣が真っ二つに折れる。
461 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/03/31(土) 00:06:34.89 ID:+SuErzMy0
美琴(いくら砂鉄っていっても私の能力で鋼鉄並みのるの硬さにまでなってるのよ!?
    ……まさか、砂鉄を集めてる私の能力が吸収されて硬度が落ちたの…?)

才人「これで、終わりだ!」ヒュッ

美琴「ま、だまだァ!!」ズバチィ

才人「無駄だ!」キュイン

美琴「でしょうね」

才人「何!?」

美琴「はぁっ!!」バキッ

突如美琴は自らの能力を使う事なく回し蹴りを放って来た。
思わず才人は防御の姿勢を取る。

才人(く、能力は通じないからって肉弾戦に切り替えたか…?)

しかし、顔を上げた才人の前に美琴はいなかった。
462 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/03/31(土) 00:08:23.65 ID:+SuErzMy0
才人「な!?」

デルフ「相棒!」

才人「いつの間に距離を…!?」

美琴「私の能力が攻撃だけにしか使えないと思ったら大間違いよ」

才人「まさか、お前も高速移動が出来んのか!?」

美琴「そういう事」キーーーン

そして美琴はコインを弾く。

才人「げっ!!」

デルフ「アレが来るぞ!!」

美琴「ニヤッ」
463 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/03/31(土) 00:10:18.69 ID:+SuErzMy0
才人「くそ、この距離じゃ走っても間にあわねえ!」

     レールガン
美琴(超電磁砲さえ当たれば勝負は決まる…けど…
    あいつにはそう簡単に当たらないでしょうね…)

才人(どう撃って来る…? この距離ならギリギリ避けれそうだが…)

美琴「だったらこうするっ!」バチッ

美琴は弾いたコインを自らの能力更に弾き飛ばす。

才人「!? コインを―――」

美琴「はぁっ!!」バチィンッ

才人「うわ!? 突っ込んできただと!?」

デルフ「自らこっちの攻撃範囲に来るたぁ……、まさか…!?」

美琴「こんだけ近けりゃ、避けようもないでしょ!」

                      レールガン
才人「な、何ぃ!? この距離で超電磁砲撃つ気かよ!?」
464 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/03/31(土) 00:11:57.60 ID:+SuErzMy0
美琴「降参するなら今の内よ」バチッバチバチ

二人の距離は五メートルとない。コインは既に目線の高さまで落ちて来ている。

才人(くっ、あっちの方がギリギリはええ……っ!)

美琴「もらった!!」

才人「くそおおおおっ!!」バッ

美琴(こっちに近づいて来た? 近くで撃てば私も巻き込まれると思ったのかしら?)

美琴「残念ね! 威力を調整すれば至近距離で撃っても!」

才人「撃たせる気はねえ…よっ!!」ブンッ

キィン! と、乾いた金属音が辺りに響いた。

美琴「!?」

美琴(まさか、コインを……弾いた!?)
465 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/03/31(土) 00:13:43.21 ID:+SuErzMy0
        レールガン
才人「これで超電磁砲も撃てねえだろ!」

美琴(そう来たか…けど、ならここはもう一度距離を取って…)バチッ

才人「させるかよ!」バッ

能力を使って高速移動する美琴だったが、それに食らいつく才人。

美琴「うっそ……、この速度について来る普通!?」

才人「そう何度も逃がさないっての!」バッバッ

美琴「くっ…」バチッバチッ

才人「待てコラ!」タタタタッ

美琴(このままじゃマズイわね。やっぱりここは超電磁砲で一気に…)キィン

才人「懲りねえな! そんなものもう一回!」キンッ
466 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/03/31(土) 00:18:32.29 ID:+SuErzMy0
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ト,  !`ヽ::::::ハヾヽ:ヽ::::ハ、ヽ ヽ : : : : .            ̄            / : : : : : : :! i/!:.:i:.:.:.:.:.ii:::: !    .!
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   |::::ii::::::i::::::::::i:::::! i::::::::::::::!:::::::i:::::::::::/: . : . : . : . : . : . : . : :i :!        i  ○ i   \   ヾ、       j i::i



美琴「―――かかったわね」



467 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/03/31(土) 00:22:56.81 ID:+SuErzMy0
才人「!?」

不敵な笑みを浮かべる美琴。見ると、弾いたはずのコインが彼女の眼前に落ちて来た。

才人「なんで…!? 今弾いたはずじゃ…」ハッ

才人(まさか…さっきのは囮…!)

美琴「これでぇぇぇ!!」バチバチバチィ!



                                                  , '
                      _____                  ,. -‐'´'
                       ,. '´: : : : : : : : : : ̄ ̄``  ー--------─ _'´,. -‐'´
                    ,. '´: : : : : : : : : : : : : : : :   : : : : : : : : : : : :,. -‐ '´ ̄ ̄`
               ,. '´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ、: : : : : : : : : :` ヽ 、_       _ ,. ノ
               /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : 、: : : : : : : : : ` ヽ、: : : : : : : : : : :  ̄ ̄ ̄: : :/
           /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ̄` ‐- ヽ、: : : : : : : : : :`ヽ、: : : : : : : : :, : : : : :'´─‐- 、
             /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : : : : : : :‐-、`‐- - -'´: : : : : : : : : ,. -‐、ヽ、
           /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ: : : : : : : : : : `ヽ、: : : : : : : : : : /
         /: : : : : : : : : : : : : : :、ヽ: : : : : : ,: -,: : : : : : : : : : :.ヽ: :、 : : : : : : : : :`ヽ、 、_: ::/
=‐     / : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ヽ〈`'   ̄ ̄ ヽ、:_ : : : ヽ `ヽ: : : : : : : : : `ヽ: : : ̄ ̄ ` ヽ 、
      /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :` ヽ 、      <: : : : :ヽ: : ヽ.: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : :`ヽ
ヽ _/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : _ : : : : :_ : `ヽ、   <: : : : :ヽ: : :.ヽ.: :iヽ: : :ヽヽ-‐─ 、ヽ、: : : : i、
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ̄` ヽ 、`` ‐- 、、    \: : :/ ̄ヽ: ヾ:ヽ: ヽ: :ヽ: 、: :>'ヽ!`‐-、: : !
` ー-/: : : : : : : :‐-ニ、‐--------‐ ̄ '´ ‐- 、ヽ、   `       \! !,-、 ∨ ヽi  ヽヾ、 '´‐-、    ヾi
   /: : : : : : : : : : : : : : ̄ `: :´ ̄: : : : `ヽ、         _     ヽ i !: : :ヽヽ: : : :ヽ: : : : :` ‐ 、
.  /:, : : : i: : : : : : : : : : : : : : `ヽ、 、_: : : : :`ヽ、  / /∧ !        / リ: : : : !ヽ: : : : : : : : : : : : :ヽ
  i/ !: : : :i: : : : : : : : ヽヽ、: : :`ヽ、 、ニ=‐'`ヽ、 / /ヾ、:::ソ       _/: : : : : : : : : : ,. -‐< ̄ ̄`ヽ
.  i' i : : : i !: : :ヽ: : : : :`ヽ、 - 、_: : `ヽ、__     '  ヽ- '´        i´、 ,. -‐─ '´     \ヽ、   _ ,. -──-、
 | !: : : i V:ヽ: ヽ: : `ヽ、`ヽ、-= `_ ̄ ̄              / ̄   ´  '´,. ̄-‐  ` ‐- 、'´           ハ __
  !  !: :i: !  V: ヽニ、 ヽ`ヽ`ー-/ヾo::ヽ                  /,.-‐- 、    _´ ,.-─‐- 、  ヽ ハ            ハ
    i: :!i:i   V: :i: : `ヽ、ヽ、ヽ、弋 `ヾ、:.〉                ,1   、 、 ` ´  `ヽ -、 ,..... `-┴ 、!_        \ヽ
    ∨!丶   \i: i: :ヽ:`ヽ、ヽ=._` ‐- '    、         /〉   !i    ヽi i'       丶       ヽ\      }ハ
.     V!      !リ、 : :ヽ、: :  ̄ ̄、_       `    /, '   i.ヽ、  _ヽ i      ' `- 、      ヽ \      ! }   ,.
     ヾ       !' ヽ: : : !-、__‐-、_ >      -‐'´ '´     ハ  ヽ'´:::::::`、 !     ,    i       ヽ `ヽ、 / / ' ´
               ヽ::::ト、_  ̄  ` \           /'/ ヽ !:::::::::::::::ハ     i    ' ヽ        ∨: . : .`ヽ'
                ヾ:i         `、>─ ───-'´/ \ヽ、 マ:::::::: :/     !       `!        ∨: : : :`ヽ、
                   V          \: : :、-`=‐、// !ヽ、Y´`゙`ヽ'       /   /    !          } : : : : : .`ヽ、
                /           \.:ハ  //、:.! ゙   ト、       /  /      !         リ : : ,. -‐ '´ ̄ ̄ ` ‐- 、
               ´              \i  '´  V   V`ヽ、   / ,. '´   _,. -  〉        / ,. '´ : : : : : : : : : : `ヽ
                                 !          V: :  ̄ ヽ´、    ,. '´   /_,.  -‐  ' ´ : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
                                         \: . : . : \ ` ´  ,.  '´ ‐- 、 _ ,.  -── ' ´ ̄ ̄ : :_: ,. -‐: ' ´ 丶
                                           \. : . : . `‐ ´: : : : : : : : : : : : : : :  ̄ ̄ : : : : : : : : : `ヽ、
468 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/03/31(土) 00:26:55.56 ID:+SuErzMy0
才人「ま…ず…!」

デルフ「く、相棒!!」

この距離では回避も間に合わない。デルフで吸収する事も出来ない。
まさに絶体絶命だった。しかし、二人の勝負は突如中断される事となった。

アンチスキル
警備員「そこの二人! 街中での能力バトルは禁止だぞ!!」

           アンチスキル
騒ぎを聞きつけた警備員がやって来たのだ。

        アンチスキル
美琴「やっば、警備員!」

才人「げ、マジか!」

        アンチスキル
美琴(ここで警備員と事を構えるのはマズイわよね…)

美琴「悪いけど、この勝負はいったんお預けね!」タッタッタッタ

才人「あ、おい!」

デルフ「相棒、ここは逃げた方がいいんじゃねーかい?」

才人「くそ…仕方ねえ、逃げるが勝ちか!」タタタッ
469 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/03/31(土) 00:28:28.61 ID:+SuErzMy0
すみません、一時中断します
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/31(土) 17:18:05.07 ID:tTmXMN1A0
待っていた
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/08(日) 15:32:55.10 ID:oDAOO+cIO
相変わらず遅い
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/11(水) 22:09:07.97 ID:YoRAwoXIO
おいおいジョニー、続きはまだかい?
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/21(土) 06:04:03.29 ID:iq3Yi9FAo
まだか
474 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/02(水) 00:23:37.18 ID:z2sUwrS10
はい、毎度毎度更新遅くてすみませんっ!

なんか最近忙しくて書いてる余裕がないんですよね…
言い訳ですね、すんません…

とりあえず、今週中には投下出来る………予定ですのでしばしお待ちを

それでは
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/02(水) 05:37:56.13 ID:CIZke2bWo
ちゃんと完結するならいくら遅くなってもいいのよ
待ってる
476 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/13(日) 23:56:46.16 ID:yVM3YWLf0
いやぁ、予定は未定とはこの事
あれから十日も空けてしまうとは情けない
とりあえず、少しだけでも投下します

>>475
ありがとうございます
とはいえ、一ヶ月くらい放置するのはさすがにいただけないんで程々に更新したいです
477 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/13(日) 23:57:52.58 ID:yVM3YWLf0
ルイズ「へぇ。あんたも魔法が使えないの」

イン「うん。でも知識は誰にも負けないかも!」

ルイズ「確かに。あの記憶力があればそれも頷けるわね」

ルイズ(この子にだって取り得はある…なのにわたしには…)

イン「ルイズ?」

ルイズ「わたしって、ほんとにダメね。魔法も出来ないし…
     使い魔とちょっとケンカしただけでこれだもの」

イン「でもルイズは勉強が出来るって聞いたんだよ」

ルイズ「勉強なんて出来ても結局魔法は出来ないわ。全部失敗するの。
     今まではあいつに頼りっきりだった。だから今のわたしに価値なんてないわ」
478 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/13(日) 23:58:45.09 ID:yVM3YWLf0
イン「そんな事ないんだよ。だってルイズはルイズでしょ?」

ルイズ「そうは言っても。私なんてヴァリエールの三女ってだけ。才能ゼロ。
     ゼロのルイズってのも言いえて妙ってわけよ。悔しいけれどね…」

イン「ねえルイズ、知ってる?」

ルイズ「何が?」

イン「世の中にはね、自分の能力がゼロって言われても必死に戦う人がいるんだよ」

ルイズ「え…」

イン「正式には力はあるんだよ。けど、それは本当に限定的な力で
    普段の生活には全く役に立たない力って言ってもいいぐらいかも」

ルイズ「………」
479 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/13(日) 23:59:27.36 ID:yVM3YWLf0
イン「けど、その人はその力だけでいくつもの困難に立ち向かって来た。
    ううん。その力がなくてもその人は立ち向かって言ったかも知れない」

ルイズ「ねえ、それって…」

イン「だから、ルイズもここで立ち止まっちゃダメなんだよ。
    頑張ればいつか魔法が使えるようになるかも知れないし、ね?」

ルイズ「インデックス…」

イン「やっと名前で呼んでくれたね」

ルイズ「え、うん…」

イン「ねえルイズ、さいとの事を許してあげて」

ルイズ「な、なんで急にそんな事…」

イン「さいとの事、気になってるんでしょ?」

ルイズ「………」
480 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/14(月) 00:00:26.10 ID:fSfGNSnp0
イン「二人の様子を見てればわかるよ。二人とも無理してる。
    意固地になってどんどん仲直りしづらくなってるんだよ」

ルイズ「けど、あれはあいつが…」

イン「ルイズさ、昨日とうまに変な事されなかった?」

ルイズ「…着替えを覗かれたわ」

イン「とうまはいつもあんな感じなんだよ」

ルイズ「あんた、いつも着替え覗かれてるの?」

イン「そうじゃないけど、何度か被害には遭ってるかも」

ルイズ「まったく、とんでもないやつね」

イン「でも一応とうまはそれを事故と称してるんだよ」

ルイズ「事故って、本当かしら」

イン「まあとうまはともかく、さいとの方はそうだったんだと思うよ」

ルイズ「え?」
481 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/14(月) 00:01:07.62 ID:fSfGNSnp0
イン「キュルケに聞いたんだけど、シエスタと何かしてたんだよね」

ルイズ「……あれが事故だったっていうの」

イン「だって、さいとはそう言ってたんでしょ」

ルイズ「そうだけど、あいつの言う事なんて…」

イン「状況的にそう思うかも知れないんだよ。でも、本当に事故だったら?」

ルイズ「それは…」

イン「それに、さいとはそんな嘘つくような人じゃなかったんだよ」

ルイズ「………」

イン「それでも許せないって言うなら私はこれ以上何も言わないんだよ」

ルイズ「…そうね。ま、まあ、話を聞くぐらいならしてあげてもいいかも」

イン「うんうん」
482 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/14(月) 00:01:46.96 ID:fSfGNSnp0
ルイズ「けどおせっかいね。なんでそんな事急に…」

イン「放っておけなかったから」

ルイズ「え?」

イン「私はシスターだから。迷える子羊を導くのがその役目なんだよ」

ルイズ「そう…」

イン「でもそれだけじゃないよ。だってもう私達、友達だもん」

ルイズ「友達って…」

イン「さっき握手したでしょ。だからもう友達!」

ルイズ「そんなんでいいの?」

イン「友達になるのに理由なんていらないかも。それとも嫌だった?」

ルイズ「ううん。そう、友達か…」

イン「そうなんだよっ」
483 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/14(月) 00:04:13.74 ID:fSfGNSnp0
ルイズ「ふふっ。なんかあんたっておかしな子ね」

イン「む? なんだかバカにされてる?」

ルイズ「褒めてるのよ」

イン「ほんと?」

ルイズ「ほんと」

イン「うーん。ま、それならいいかも」

ルイズ「…ありがとね。インデックスのおかげでなんだかすっきりしたわ」

イン「それはどういたしましてなんだよ」

ルイズ「それじゃあ行きましょう。次の授業が始まるわ」

イン「うんっ」
484 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/14(月) 00:04:58.63 ID:fSfGNSnp0





―――学園都市―――





485 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/14(月) 00:05:37.41 ID:fSfGNSnp0
黒子「おね〜さま〜!」シュン

美琴「黒子?」

黒子「ああ、ここにいましたのねお姉様!」

美琴「何か用?」

黒子「何か用、じゃありませんの。お姉様、先ほど一体誰と会っていましたの?」

美琴「だ、誰って…。その、佐天さんよ」

黒子「嘘ですの。お姉様、さっき言ってた殿方と会っていたのではないのです事?」

美琴「だ、だったらどうなのよ。別にやましい事なんてしてないわよ?」

黒子「ならば正直に話してくださいまし。どんな話をしましたの?
    たぶらかされたりなどされてはいないでしょうねお姉様?」

美琴「だーもー! なんでアンタにそんな事話さないといけないのよ!?」

黒子「わたくしとしては。お姉様に近づく不届き者は排除しなければなりませんので」

美琴「ったく、意味わかんないんだけど」
486 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/14(月) 00:06:08.33 ID:fSfGNSnp0
黒子「……、まあいいですの。それで? 『借り』とやらは返せましたの?」

美琴「んー。まだ十分じゃないわね。あれで終わってもらっちゃまだまだ足りないわ」

黒子「まだ足りないってお姉様、それ騙されてるんじゃありませんの?」

美琴「はぁ?」

黒子「いずれ身体で返せなんて事言われるかも知れませんの!
    そんな事になったらと思うと黒子は身がよじれそうになりますの!」

美琴「…よじれてんのはアンタの頭よ」

黒子「と・に・か・く! お姉様はもうその男と関わるべきじゃありませんの!!」

美琴「だから、アンタにそんな事言われる筋合いはないわよ!」

黒子「くぅ〜! これだけ言ってもまだわかってくれませんのお姉様は!」

美琴「ええい、面倒臭い! しばらくほっといてよね!」ダッ

黒子「あっ、お姉様! お待ちになってぇ〜!!」
487 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/14(月) 00:08:14.64 ID:fSfGNSnp0
―――とある路地裏―――



才人「やれやれ。なんだかんだであいつとは決着付けられずじまいだな」

デルフ「なんだね。付けたかったのかい? 決着」

才人「そりゃ、やるからにゃ勝ちたいだろ」

デルフ「でもあの娘っ子、この街で三番目に強いんだろう?」

才人「そうらしいな」

デルフ「オイラとしちゃ、そんなの相手にあれだけ立ち回れただけでも十分だと思うがね」

才人「ま、それもそっか…。そもそもよくあんだけ戦えたよな」

デルフ「そうさね。本来なら負けててもおかしくなかったんだぜ?」

才人「勝負が中断してなかったらどうなってたのかな」

デルフ「さあね。そいつぁ神のみぞ知るってね」

才人「はあ」
488 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/14(月) 00:09:01.25 ID:fSfGNSnp0
とそんな時、

声「うわあああっ!」

才人「な、なんだ!?」

ドガッ! バキッ!

才人「うわ、なんだよ…あれ…」

能力者「はははっ! ざまぁないぜ!!」

少年「うう…」

才人「能力者が何も出来ない相手へ一方的に!?」

才人(まさか、またスキルアウトかよ…!?)

デルフ「いや、スキルアウトとかいう奴らに能力を使う奴はいなかったはずだぜ」

才人「じゃあ、あいつは一体何なんだよ?」

能力者「! そこのお前、何をしている!?」
489 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/14(月) 00:10:31.43 ID:fSfGNSnp0
才人「お前、スキルアウトなのか?」

能力者「スキルアウトぉ? 僕をあんなクズ共と一緒にするんじゃない」

才人「じゃあお前、なんでそんな年端もいかないような子をいじめてんだよ」

能力者「ははっ。なんでってそりゃああれだ。こいつ、無能力者だからだよ」

才人「……は?」

能力者「無能力者なんクズは僕達のストレス発散の道具でしかないんだよ。わかる?」

才人「………」

                 レベル0
能力者「ああ、そうか。君も無能力者だな? そうかそうか。
     クズはクズ同士で庇い合いってか。ははは! 笑わせるねぇ!!」

才人「おい」

能力者「あ?」
490 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/14(月) 00:13:26.77 ID:fSfGNSnp0
才人「何がおかしい?」

能力者「何がって、君達クズが力を合わせればなんとかなるっていう
     そんなくっだらない妄想を聞いてれば笑いも漏れ出るってもんだよねぇ!」

才人「………」

少年「う、うう…」

才人「てめえ、わかってんのか? やってる事、スキルアウトと変わんねえぞ」

能力者「僕をスキルアウトなんかと一緒にするのか、お前。クズの分際で」

才人「わりぃ。そうだな、お前はスキルアウトと一緒なんかじゃない。
    ……てめえはスキルアウト以下のクソ野朗だよ!」

能力者「貴様…」

才人「確かにスキルアウトは街の不良ともチンピラとも言えるような奴らだ。
    けどな、そのリーダーは決して弱いものいじめして楽しむような奴じゃない!
    お前なんかと違ってそいつの方がよっぽど良い奴だよ!」

能力者「そんな事は知らないね。クズは所詮クズだ。良いも悪いもない」

才人「そうかよ。ならそのクズって奴の力、思い知らせてやる」
491 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/14(月) 00:16:32.54 ID:fSfGNSnp0
デルフ「おい相棒。あんまり事を荒立てるのはよくねえんじゃねえのかい」

才人「じゃあお前はこの状況を放っておけってのかよ」

デルフ「ま、相棒がやるってんならオイラも力を貸すだけだがね」

才人「そうか。ありがとよ!」

能力者「何をごちゃごちゃと! お前みたいなクズは修正してやる!」

才人「それはこっちのセリフだぁぁ!!」カァッ!!

能力者「なっ、はやっ…!?」

才人「ったく、随分粋がってたわりにはその程度の力かよ」

ドゴッ!!

才人「安心しな。峰打ちって奴だ」
492 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/14(月) 00:19:18.58 ID:fSfGNSnp0
                         レベル0
能力者「が…は…っ!? バカな…、貴様、無能力者じゃなかったのか…!?」

才人「そうだよ。ああそうさ。所詮俺はレベルゼロだ。
    自分が散々馬鹿にしたレベルゼロにお前は負けたんだよ」

              レベル0
能力者「嘘だ…この僕が無能力者如きに…うわああああっ!!」バタッ

才人「…やれやれ。いつもゼロゼロ言われてるルイズの気持ちもわかった気がするな」

少年「あ…あの…」

才人「大丈夫か?」

少年「は、はい…」

才人「ま、今回はたまたま俺が通りがかったからいいけど、今度からは気を付けろよ」

少年「あ、あの…ありがとうございました」

才人「いいって。それじゃあな」スタスタ
493 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/05/14(月) 00:29:03.07 ID:fSfGNSnp0
とまあ、今回はこんな感じです

結構書けたかと思ったら全然書けてねーや…

くそー、私にもかまちーばりの速筆テクがあれば!

今の私ゃ新刊をいつ出すかわからんノボル状態ですな

いや、別にヤマグチノボルをけなしてるわけじゃないです

いちファンとしてゼロ魔21巻待ってます!

…関係ないですね、ハイ

そんじゃ、今日はこの辺で
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/14(月) 00:41:50.30 ID:rAPL/VTIO
ノボルはプラモ職人にジョブチェンジしたんだよ…
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/22(火) 11:05:48.29 ID:g0BGuei5o
プラモ職人かつサバイバーなんだよ………
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/06(水) 00:17:30.60 ID:V0XCXiLf0
うp主頑張れ
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/06/16(土) 07:45:10.32 ID:pJ7NrNPKo
おいまだか
498 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/06/25(月) 23:46:02.04 ID:YrH/AdnH0
やあ皆さんお久しぶり
6月は最初の方に上げてたと思ったらそんな事なかったぜ

しかし、上げなくてもちょくちょく顔は出さないとダメですね
下手すりゃお流れになってもおかしくないですからね

まあグダグダ言っててもアレなんで今回もちょこっと更新します
499 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/06/25(月) 23:47:44.30 ID:YrH/AdnH0
才人「しっかしなぁ。無能力者狩りか…」

デルフ「あのコマバとかいう奴が言ってたあれか」

才人「スキルアウトだけじゃなくて普通の能力者まであんな事やってるなんて…」

デルフ「誰にだって不満やストレスはあるんだろう」

才人「だからって、力のない…しかもあんな子供に手を出すなんておかしいだろ!」

デルフ「そうだね」

才人「こんなの、間違ってる」

???「そうだろ?」

才人「!?」
500 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/06/25(月) 23:49:14.04 ID:YrH/AdnH0
スタスタ…。

半蔵「よっ」

才人「お前、確か半蔵とか言ったっけか」

半蔵「覚えててくれたか」

才人「会うのは夜じゃなかったのかよ」

半蔵「お? もしかして本当に来る気だったのか?」

才人「まあ、俺としては一応の礼は尽くしておきたかったし」

半蔵「ほーう」

才人「なんだよ」
501 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/06/25(月) 23:49:49.64 ID:YrH/AdnH0
半蔵「いや、来る気がない、なんて言ったら強引な手段でも取ろうかと思ってたんだが」

才人「なんだってぇ?」

半蔵「ま、どうやらお前さんは乗り気みたいだしよかったよかった」

才人「……で? お前達が俺にして欲しい事ってなんなんだよ?」

半蔵「さっきの見たろ」

才人「無能力者狩り、か?」
502 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/06/25(月) 23:51:09.74 ID:YrH/AdnH0
半蔵「そう。あれには俺達も快く思ってなくてだな。つい先日も駒場のリーダーが…」

才人「そうか、早い話が俺に無能力者狩りをする奴らを止めろとか言いたいんだな」

半蔵「おいおい。お前な、一人でそんな事出来ると思ってんのか?
    ……つーか、人の話を途中で遮るんじゃねーよ」

才人「なんだよ。あのリーダーがどうしたって?」

半蔵「それがな、とある無能力者の少女を助けた際にえらく気に入られたみたいでな」

才人「はあ。だから、その子の為にも無能力者狩りを止めたい、と?」

半蔵「ま、それだけが理由じゃないんだけどな」
503 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/06/25(月) 23:52:39.56 ID:YrH/AdnH0
才人「それで? 具体的には何をするつもりなんだよ」

半蔵「それはまだ言えないな。詳しくは夜になったらだ」

才人「俺は信用されてないってわけね」

半蔵「いや。別にお前が誰かにこの話を誰かにする、なんて事は考えてないさ。
    ただ、最終確認さ。多少とはいえお前は俺達スキルアウトに手を貸すんだからな」

才人「なるほど。後腐れないようにしておきたいってか」

半蔵「そうだ。まだ夜まで時間はある。それまでもう少し考える時間をやるさ」

才人「………」
504 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/06/25(月) 23:53:09.09 ID:YrH/AdnH0
半蔵「手伝ってくれるんならまた夜に会おう。嫌なら来なくてもいいさ。
    ……よく考えろよ。俺達に手を貸すって事をな」

才人「…お前、俺に手伝って欲しいのか欲しくないのかどっちなんだよ」

半蔵「出来ればして欲しい。が、どうしても嫌だっていうなら諦めるさ」

才人「諦める、ねぇ…」

半蔵「さて、俺はそろそろ行くぜ。機会があればまた会おう。そんじゃな」スタスタ
505 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/06/25(月) 23:53:47.16 ID:YrH/AdnH0
才人「……行っちまったか」

デルフ「どうすんだい、相棒」

才人「どうするって言われてもな」

デルフ「やんのかい?」

才人「どうだろうな」
506 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/06/25(月) 23:54:44.05 ID:YrH/AdnH0
デルフ「なんでい、やんないのかい? オイラぁ、てっきり…」

才人「そりゃ、俺だってやれる事ならやりたいさ。けどな、やるのはスキルアウトだ。
    さすがに誰かを傷つけるなんて事はしないと思うけど、一体何をする事やら」

デルフ「嫌ならやめてもいいんじゃねえのかい。あいつも言ってたろ」

才人「そうだけどさ、ああいう言い方されると行かなきゃ悪いって気がしてだな…」

デルフ「そういうもんかね?」

才人「日本人ってのはそういうもんなのさ。多分」

デルフ(……いや、相棒にそう考えさせるように狙ったのかも知れねえな。
     そうだとしたら、なかなかどうしてしたたかな奴だぜ、あいつぁ)
507 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/06/26(火) 00:00:39.91 ID:un9ItmrW0
あ、500越えた
後500も使いきれるかな

まあとにかく、今回はこの辺で

最後まで書き切りたいんで来月からはもっとサクサク投下してきたいです

……できっかなぁ…

うーん、とにかく次回はたくさん投下したいです

以上、更新終わりっ!
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/26(火) 06:46:24.46 ID:TKJL7Immo
509 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/07/23(月) 00:34:41.46 ID:BD+SrgoR0
…と、いいつつまた一ヶ月経っちゃいました

い、いやまだ一ヶ月経ってないよね? セーフだよね?

うん、大丈夫だ、大丈夫

というわけで前置きはそれぐらいにして投下します
510 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/07/23(月) 00:35:08.57 ID:BD+SrgoR0
―――ガリア・王都リュティス ヴェルサルテイル宮殿―――



ここは、ヴェルサルテイル宮殿中心にあるグラン・トロワという建物から
少し離れた場所、プチ・トロワと呼ばれる小宮殿である。


イザベラ「よく来たね」

タバサ「………」


そこにはガリア王ジョゼフの娘にしてタバサの従姉妹、
ガリア王国王女イザベラがタバサを迎えていた。
511 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/07/23(月) 00:35:50.58 ID:BD+SrgoR0
イザベラ「今回もある任務をやってもらうよ。北花壇騎士七号のあんたにね」

タバサ「………」

        シュバリエ・ド・ノールパルテル
タバサは『北 花 壇 騎 士』としてこのイザベラの与える任務をこなしている。
だが、その任務は困難なものばかりであり、まともなものではなかった。

イザベラとタバサの関係は劣悪であり、ともすればイザベラは、
その任務でタバサを始末しようとさえ考えているくらいである。

しかし、タバサは任務を毎回こなして来るので、
イザベラはその度に煮え湯を飲まされているのであった。

それ故に彼女はタバサに執拗な嫌がらせを続けている。
が、タバサもタバサで全く気にする素振りを見せないので次第にそれは
エスカレートしていくのだが…。
512 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/07/23(月) 00:37:22.19 ID:BD+SrgoR0
イザベラ「ふん。今回はあんたに構ってられるほど時間はないんでね。
      単刀直入に用件だけ伝えさせてもらうよ」

タバサ「………」

イザベラ「今回の任務はロマリアからの密命だよ。なんでも、重大な話があるとさ」

タバサ「……重大な話?」

イザベラ「詳しい事はこの書類に記してあるから読んどきな」パサッ

タバサ「………」スッ

イザベラ「ま、どんな任務にせよあのロマリアからの密命だ。
      わかってると思うけど、失敗は許されないよ?」

タバサ「………」
513 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/07/23(月) 00:38:11.22 ID:BD+SrgoR0
イザベラ「まあ、失敗した時は全てあんたの責任だ。母親共々処刑してやるよ」

タバサ「…そんなつもりはない」

イザベラ「言うじゃないか。そんだけ大口叩くからには、死んでも成功させな」

タバサ「………」クルッ スタスタ

聞く事はもう聞いたとばかりにタバサはイザベラに背を向け歩き出す。

イザベラ「いいかい、ガリアの名を汚すようなマネだけは絶対にするんじゃないよ」

タバサ「………」スタスタ

バタンッ。

イザベラ「ちっ、人形娘が…」
514 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/07/23(月) 00:51:45.50 ID:BD+SrgoR0



ステイル「やれやれ、どうやら君はまた厄介事に首を突っ込んでいるそうじゃないか」

土御門「情報が早いな。どこで聞いた」

ステイル「なんとなく、雰囲気でね」

土御門「だったら放っておいてくれないか。あまり面倒は増やしたくない」

ステイル「イギリス清教、学園都市、トリステイン、レコン・キスタ。
      全く、君は一体いくつパイプを作り上げるつもりだい?」

土御門「ま、未知の世界で味方を作っておくのは悪い事ではないだろう?」

ステイル「いずれ自身の身を滅ぼす事になっても知らんぞ」

土御門「世渡り上手と言って欲しいな。ま、それにそうなったらそうなっただ」

ステイル「未練はないのかい?」

土御門「そうは言ってないさ。が、身の振り方を考える時はいずれ来るだろうな」

ステイル「そうだろうね」

土御門「さてと。そんじゃ、オレはちょっくら野暮用があるんで、またな」スタスタ

ステイル「………」

ステイル(……土御門。君は一体どこまで行くつもりなんだい)



515 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/07/23(月) 00:59:44.84 ID:BD+SrgoR0
―――とある料亭―――



イルククゥ「ごっはんっ、ごっはんっ、なのね〜♪ きゅいきゅい!」

タバサ「………」

イルククゥ「どうしたのねお姉様? 食べないのね? だったらシルフィが…」スッ

タバサ「………」ペシッ

イルククゥ「……うん。まあこうなるだろうという予想はついてたのね」

タバサ「………」パクパク

イルククゥ「これ見よがしに食べ始めたのね! …ま、まあ別にいいのね。
       なぜならシルフィには自分の分があるのね! いっただっきま〜、」

タバサ「あなたの分は没収」
516 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/07/23(月) 01:00:25.50 ID:BD+SrgoR0
イルククゥ「な、な……っ、っっ!?!? なぜっ、なっ……! なのね!?」

タバサ「わたしはたくさん食べる必要がある」

イルククゥ「ま、まだ根に持ってたのね!? お姉様、それはあんまりなのね!」

タバサ「あなたが言った事」

イルククゥ「きゅいきゅい! シルフィがいつそんな事言ったのね!
       きゅいきゅいきゅいきゅいきゅいきゅい!!」

タバサ「………」パクパクパクパクパクパク

イルククゥ「きゅいーっ!? シルフィのごはんがーっ!? や、やめるのねーっ!!」

タバサ「………」パクパクパクパクパクパク

イルククゥ「や、やめー!! こ、このちびっこがああああああああ!!」
517 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/07/23(月) 01:01:19.84 ID:BD+SrgoR0
コツコツコツ…。

土御門「にゃっはっは。全く騒がしい連中だぜい」

イルククゥ「だ、誰なのねお前は?」

土御門「オレかにゃー? ま、そこのおチビさんと同業者って所ぜよ」

イルククゥ「同業者? お前はどう見ても貴族にもメイジにも見えないのね」

土御門「ま。確かに貴族でも魔法使いでもないが…」

イルククゥ「?」

土御門「『超能力者』兼『魔術師』…って所かにゃー」

イルククゥ「??? わけわかんないのね」

土御門「…ま、わからなきゃそれでいいぜよ」
518 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/07/23(月) 01:01:52.84 ID:BD+SrgoR0
イルククゥ「そんな事よりこのちびすけを止めるのね!
       このままじゃシルフィのごはんが……きゅい?」

タバサ「………」

いつの間にか、タバサの動きが止まっていた。

イルククゥ「お姉様?」

タバサ「あなたは」

土御門「人に名前を聞くときゃ自分から名乗るもんだぜい、お嬢さん?」

タバサ「……タバサ」

土御門「タバサ、ねぇ。まるでどこぞのお姫様みたいな名前だにゃー。
     もしかしてお前さん、本当にどっかのお姫様? 綺麗な顔立ちだし」

タバサ「………」キッ

土御門「にゃはは。そう怖い顔すんなって。美少女が台無しだぜい?」

タバサ「………」
519 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/07/23(月) 01:04:27.93 ID:BD+SrgoR0
イルククゥ「まったく失礼なやつなのね。それで、おまえは何者なのね」

土御門「ふむ」

イルククゥ「シルフィ…じゃない、わたしはイルククゥなのね。
       ほら、わたしも名乗ったんだからおまえも名乗るのね!」

土御門「んじゃま、そっちのタバサに掛けてここは『トンヌラ』とでも名乗っておくぜい」

イルククゥ「とんぬらぁ? なんだかマヌケな名前なのね」

土御門「そうは言うがな、北欧神話の雷神トールが元になってるんだぜい?」

イルククゥ「ほくおーしんわ? なんなのね?」

土御門「ま、あんまり深く考えなくていいぜい。言ってもわからんだろうしな」

イルククゥ「ふーん。まあそれはどうでもいいのね。それよりごはんなのね!」ガツガツ
520 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/07/23(月) 01:06:36.22 ID:BD+SrgoR0
土御門「さて。タバサと言ったか。オレに何か用があったんじゃないかにゃー?」

タバサ「……あなたが今回の依頼人?」

イルククゥ「へ? そうなのね?」

土御門「そうと言えばそうだが、違うと言えば違うかにゃー」

イルククゥ「そうなのか違うのかはっきりするのね!」

タバサ「……代理人?」

土御門「……案内人、って所かにゃー」

タバサ「………」

土御門「………」ニヤ

イルククゥ(…思わせぶりな言葉ばかりで結局何がなんだかわかんないのね。
       こういうのはなんだか面倒な事になりそうな予感がするのね)ガツガツ
521 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/07/23(月) 01:18:39.16 ID:BD+SrgoR0
じゃ、まあ今回はこの辺で

思ったんですが、忙しい云々以前に複線考えるのに時間取られますね

ぶっちゃけ両作品の複線を持ってくるだけの話なんですが
上手い事つなぎ合わせるのが大変なんですよね

正直何も考えずに書けばスラスラ出来るんでしょうが
やっぱり複線は大事なわけなんで

今回も結構出しましたね

ってか、別に無理して考えなくてもいいんですがやっぱり
それを上手く消化出来たらきっと嬉しいというか気持ち良いというか

とにかく物を書く立場としては複線ってのは大事なわけです
それ故に時間をかけてじっくり考えたいわけです

なんか変に熱くなってしまってすみません
言い訳みたいで格好悪いですよね

でも、禁書もゼロ魔も好きなんで半端にはしたくないんです

まあ、その、これ以上グダグダ言ってても仕方ないんでこの辺で切ります

それじゃあ、また次回。早めに戻って来たいです。

では
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/23(月) 06:02:37.87 ID:ZOTP3wrvo
おつかれー
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/24(火) 00:24:50.11 ID:ds5dIRJxo

ゆっくり待ってるよー
524 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2012/08/30(木) 01:43:17.73 ID:P/QxtU6E0
いかんなー。また一ヶ月経っちゃいましたなー。

だのに全然書けてねー。やべー。

休日は他に色々やる事があって疎かになってるしなー。いかんなー。

とりあえず今日はちょっと無理ですが明日…いや、今日?

とにかく8月ももう終わりますが今月中には上げたいと思いますんで、報告しときます

ではでは
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/30(木) 22:53:31.08 ID:x/Q8bT5Ao
待ってるぜい
526 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/08/31(金) 01:07:31.03 ID:BxiE2DIL0
―――学園都市・とある路地裏―――



半蔵「よう。来てくれたか」

才人「まあな」

浜面「チッ。大人しく帰ってりゃよかったものをよ」

半蔵「まあそう言うなって。これも作戦成功の確立を上げる為だよ」

浜面「面白くねえ。俺は向こう行ってるぜ」スタスタ

半蔵「おい浜面! …ったく、しょうがねえな」

才人「おーおー、負け犬は尻尾巻いてどっか行きやがれっての」
527 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/08/31(金) 01:10:07.36 ID:BxiE2DIL0
半蔵「お前ら、本当仲悪いな」

才人「知らねえよ。あいつが勝手に俺を敵視してるだけだっつの」

半蔵「お前も散々煽ってるだろうに」

才人「そんな事よりさっさと本題に入ろうぜ」

半蔵「やれやれ」

駒場「……うむ。その前に平賀、今一度聞くが本当にいいんだな」

才人「そう何度も聞かれなくたっていいよ。俺は俺の意思でここに来てるんだ」
528 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/08/31(金) 01:13:53.17 ID:BxiE2DIL0
駒場「……そうか。すまないな…」

才人「そういうのもいいって。あ、けどさ、ひとつだけ聞かせてくれよな」

駒場「なんだ」

才人「関係のない誰かを巻き込んだりするような事を平気でするような
    作戦だって言うなら、俺は逆にあんた達を止めなきゃならなくなるぜ」

半蔵「おいおい、そりゃ本気か?」

才人「ああ」

半蔵「お前一人で俺達全員を相手にするつもりか?」

才人「少なくとも、作戦には支障を来たせるだろ」

半蔵「………、ふっ」

才人「?」
529 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/08/31(金) 01:14:45.47 ID:BxiE2DIL0
半蔵「ははは、はっはっはっは!!」

才人「な、なんだよ」

半蔵「いや、くくく。お前、本当に面白ぇヤツだなって思ってさ」

才人「はぁ?」

半蔵「安心しな。俺達ゃ出来損ないのチンピラ集団だが無関係の人間に
    危害を加えるような外道に成り下がるつもりなんかないからよ」

才人「そりゃあくまでお前らみたいなのの話だろ。他のヤツがどうかなんて…」

駒場「……その点は俺が保障する。そんな下らない事は絶対にさせない」

才人「………」
530 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/08/31(金) 01:16:41.49 ID:BxiE2DIL0
駒場「……信じろというのも無理な話かも知れないが、それでも…」

才人「信じるよ。俺だって無能力者狩りを目の当たりにしたんだ。
    あんな事、早い所止めないといけないってわかるさ」

駒場「……そうか」

才人「それに、あんたも護りたい子がいるみたいだしな」

駒場「……む。………、」チラ

半蔵「な、なんだよ人の顔をジロジロと見つめちゃってくれてさ」

駒場「……“舶来”の事……話したのか」

半蔵「い、いやぁ…ははは……何の事かな…」

駒場「………」
531 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/08/31(金) 01:17:40.88 ID:BxiE2DIL0
才人「その、舶来ってのが例の女の子の名前なのか?」

駒場「………」ハァ

才人「?」

駒場「……まあ、そう呼んでいるだけだ。本名ではない」

才人「ふーん。どんな子なんだ?」

半蔵「お? 興味津々だな、おい」

才人「だってよ、気になるじゃんか。もしかして超絶美少女とか?」

駒場「……なんて事はないただの小娘だ」
532 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/08/31(金) 01:18:48.62 ID:BxiE2DIL0
半蔵「そういやリーダー、その子の写真持ってなかったっけ。
    なんか勝手に撮られて待ち受けにされたとかなんとか」

駒場「………どうせ言っても聞かんのだろう…」スッ

才人「どれどれ。……ん?」

デルフ「どしたね、相棒?」

才人「いや、その…」

デルフ「あれま。本当に小娘だね」

才人「………」じーっ

駒場「……言っておくが、変な性癖など持ち合わせていないからな…」

才人「い、いやいや! 別にそんな事思ってないって!」

半蔵「本当か?」

才人「本当だって」
533 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/08/31(金) 01:25:29.39 ID:BxiE2DIL0
半蔵「だったらなんでそんな凝視してたんだよ。……まさかお前」

駒場「……平賀、悪い事は言わん。そのような趣味は肩身を狭くするだけだ…」

デルフ「相棒、おめぇやっぱ小さいのが好きなのかね」

才人「ち、違うって! ……こんな小さな女の子まで狩りの対象にされるんだなって、
    そう思ったらなんか悲しいようなムカつくような、そんな気持ちになってさ」

駒場「………」

半蔵「………」

才人「なんか、上手く言えないけど、この子や他の人達を護りたいって、そう思った」

半蔵「………だからよ、俺達は止めるんだ。無能力者狩りをさ」

才人「ああ。止めようぜ、俺達でさ」

駒場「……その通りだ」

半蔵「よーし。んじゃ気合入れたところで、作戦の説明を始めるぜ」
534 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/08/31(金) 01:39:34.41 ID:BxiE2DIL0





ルイズ「うーん…」

イン「どうしたのルイズ? さっきからずっと難しい顔してるんだよ」

ルイズ「ああ、インデックス。…そういえばあんた修道女だったわよね」

イン「そうだけど?」

ルイズ「ちょっとお願いがあるんだけどいいかしら」

イン「うん」

ルイズ「わたしね、姫さまの為の詔を考えないといけないんだけど」

イン「うんうん」

ルイズ「ほら、修道女ってそんな感じの詩を考えるの得意そうじゃない?」

イン「……うん?」

ルイズ「だから、一緒に考えるの手伝って欲しいのよね」

イン「………」

ルイズ「………」

イン「……、えー」
535 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/08/31(金) 01:52:36.16 ID:BxiE2DIL0
ルイズ「な、なによその露骨に嫌そうな顔は」

イン「そういうのは頼まれた人が考えるものだと思う、と私は諭してみる」

ルイズ「だ、だからその…、わたしはそういうの苦手だからその…ごにょごにょ」

イン「だったら同じシスターなんだし、オルソラに頼めばいいんじゃないの?」

ルイズ「ダメよ。あの子おんなじ事何回も繰り返してばっかりでちっとも前に進まないもの。
     あの子ってばわざわざ終わった話題をまた蒸し返してくるのよ? あれがもう面倒で面倒で」

イン「…うん。確かにそれはわかるかも」

ルイズ「ねえお願いよ。こんな事あんたにしか頼めないんだからね?」

イン(なんで微妙に上から目線なんだろう…)

ルイズ「というかこのわたしが頼んでるのよ? むしろここは喜んで手伝うべきじゃないかしら」

イン「え?」

ルイズ「…なんでもないわ。それよりどうなの? 手伝ってくれるの? くれないの?」

イン「しょうがないなぁ。友達の為にここは私が一肌脱いであげるかも」

ルイズ「ほんと? ありがとう! やっぱり持つべきものは良い友達よね!」

イン(なーんか上手く利用されてる気もしないでもないけど気にしない事にするんだよ)
536 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/08/31(金) 01:58:07.10 ID:BxiE2DIL0





そろそろ話が大きく動き出すかなー?

正直クライマックスは決まってるんですがそこまで繋げるのに四苦八苦してるって所ですかね

クライマックスはもちろん、その後があればその後にも繋がるように書いてるんで結構気を遣うんですよね

ま、とりあえず少しずつですが着実に進めて行こうと思いますんでまた次回お会いしましょう

それではまた





537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/31(金) 17:25:27.11 ID:Nc+Ddbvpo
おつおつ
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/09/14(金) 01:37:42.29 ID:HbVgjcmR0
乙、才人サイドが凄い楽しみ
539 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/23(日) 23:41:50.73 ID:SwhQNjOm0
>>537>>538ありがとうございます

1週間ぐらい前に投稿しようとしてたんですが遅れちゃいました

とりあえず学園都市編から行きます


540 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/23(日) 23:44:17.41 ID:SwhQNjOm0
             アンチスキル
才人「ところでよ、警備員だっけ。そいつらは無能力者狩りを取り締まらないのかよ。
    こんな事件が街で起こってんだぜ? 対策とかしてたっていいはずだろ?」

                  ジャッジメント
半蔵「そりゃ警備員も風紀委員も対策はしてるだろうよ。けどな、それでも
    取り締まり切れないってのが現状なのさ。悲しい事にな」

浜面「だから俺達がやるんだろうが! クソッタレな警備員や風紀委員なんかに
    任せておいたらいつまで経っても解決なんかしねえからな!」

半蔵「落ち着け浜面。まずは平賀、お前にはその素早さを使ってある事をしてもらう」

才人「ある事って?」

半蔵「そうだな、まずは自転車の不法駐車とかゴミの不法投棄とか」
541 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/23(日) 23:45:23.24 ID:SwhQNjOm0
才人「………は? ちょ、ちょっと待て。なんだそりゃ」

半蔵「言葉通りだよ。自転車をその辺にに放置したりゴミを適当にばら撒いたり」

才人「な、何を言ってんだお前?」

半蔵「お前こそ何を言ってんだよ」

駒場「……半蔵。理由を説明しなければその反応も当然だろう」

半蔵「っと、それもそうだな」

才人「??」

半蔵「この街はセキュリティ管理されてるのは知ってるな。そのセキュリティなんだが」

才人(やべ、そんな話されても俺わかんねえぞ…)
542 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/23(日) 23:57:40.12 ID:SwhQNjOm0
半蔵「災害時の誘導経路の傍に放置自転車を移動させたり」

才人「はあ」

半蔵「VIP施設の出入り口周辺の排水溝にゴミを詰めて塞いだり」

才人「ふん」

半蔵「その他諸々といった所かね。とりあえず他にはっと…」

才人「………」

半蔵が何をすべきか伝えて来るのだが、子供の悪戯レベルの事ばかりだ。
才人の頭の中には「?」マークがずっと浮かんだままだった。

半蔵「で、最後にこいつをドカンと爆破させりゃ作戦第二段階に移行するってわけ」

半蔵が手にしているのは樫の木材をくり貫いて中に爆薬を詰めたちょっとした爆弾だ。

才人「ふーん」
543 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:00:55.22 ID:0ov9nWBQ0
半蔵「……つまりだ、普段はスルーされるような問題でも積み重なりゃ
    それは混乱を招けるっつー話なんだが…、お前、話聞いてるか?」

才人「へ? も、もちろん! つまりあれだろ、チリも積もれば山となる作戦!」

半蔵「いや、まあ間違っちゃいないんだが…」

才人「とにかく、言われた通りやればいいんだろ? まかせとけって!」タタタッ

浜面「ったく、本当にわかってんのかあいつ。ミスったらただじゃおかねーぞ」

半蔵「心配ならついてきゃいいだろ?」

浜面「はぁ!? 冗談じゃねえ。それに、誰があんなヤツの心配なんかするかよ」

半蔵「へいへい」
544 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:02:42.75 ID:0ov9nWBQ0
才人「しっかし、こんな事やって本当に意味あんのか?」バラバラ

デルフ「相棒、本当に話聞いてたのかい?」

才人「………」

デルフ「ま、オイラにゃ詳しい事ぁわかんねえが、つまりあれだ。
     まず適当に特に問題視するほどでもねえ事、今相棒がやってる事だね。
     それをこの街のいたるとこでやる。その後、大きな問題を起こす」

才人「あの爆弾だな」

デルフ「するってーとどーだ。今まで無視されてた問題が次々浮上してくんだよ。
     そうなるとこの街の警備もてんやわんやでどうしようもなくなるみてえだ」

才人「そうなのか」

デルフ「その隙をついて件の無能力者狩りとやらのメンバーを叩くって話だよ。
     警備の目もなけりゃ思う存分に暴れる事が出来るからね」

才人「なるほど! デルフ、お前頭いいな!」

デルフ「…ったく、なんでハルケギニア製のオイラにわかって、
     この世界に住んでた相棒がわからねえんだ。普通逆じゃねえのかい」

才人「悪かったな、バカで」

デルフ「そこまでは言ってねえだろうがよ」

そんな事を話してると、ひとつの足音が響いた。
545 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:05:24.01 ID:0ov9nWBQ0
???「やっと見つけましたわよ」

才人「だ、誰だ?」

???「別に名乗るほどでもありませんの。まあ、強いて言うなら…」





       /ヽ  //:|: :|: : l: : | |: :l: ::l: : : jム.: : : : :l: : ::l: : :l: : : ::{、 ヽく /: : |
     /: : _儿/|!::l:l: :l: : l: : | |: :l: ::l: : : |  '. l: : :|: : ::l: : :l: : : ::|!\  〉、: : :|
     .:': : :∠ / /|: l:l: :l: : l: : | |: :l: ::l: : l:|   |:l: : :|!: : :|: : :|: : : :||: 勹/: :l: : :|
   /: : : :/::¨∨ Y:l: :l: : l: 卞ト、」: :l: : ト{  |:|: :/,孑/: : /_: : /:|:| {: : : l: ::|
   /: ::/ /: : :/\∧:l:rヘ: :l: :|zテ=ミト、:{    リィ升jホ_ ||<Y: |:|  ',: : :l: :|
  /: /  /: :.:/ |弋/:Wl '`V|: K いり}ヽヾ  ' '弋:夕 / リノ /: :l:|  ヽ: }/|
  /::/  /: : /  |: : : :|: :\ゝトミ{ ,,ゞ‐'        -‐   /_,イ: : : |    ∨: | ジャッジメントですの!
 .': :l  /: ::/   |: : : :|!: : ::>ム       i         /: :イ: : : :l   /レ': |
 |: :{ /: :/     }: : :/ !: : : |  丶      __       /: : | ヽ: : :|/: :/|: : |
 |: : V: :/    /: : / }: : :/   _d   <___)   .ィ┴‐┼-ト:/: :/ /: /
 |: : :|: :{    /: : / _/-'⌒ヽ、ィf{   >ュ_ ー  .イ  {\  ヽ ヽ`≦⌒《_:/─-  __
  ; : :ヽ:l    /: : /´___ ヽ   {ヽ   \ ¨¨ /  }  、  | | /   ヽ )     }─
  ヽ: : :\  /: :〃ニ__ミ、    ',     >=〈     |  ', | | ,    /      l
   \: : :ヽ.': :/ / 、     \  ∧    /  ∧   j   Yl |'   /         l
    }\: : `从/   \     \ ヽ  /  { \_ノ!   ∨ l  /     /   ノ
    、: : ト、: :八     ` ー- ヽ } ̄ \ ゝ  / /    V/_/      /   /
    ヽ::レ'乂ハ   _ -===-  ミx|     \`、/ /   」__(     /   ノ-‐"
      〉:<: (: ∧/彡=二二ニ=-二ニ-- 、  ヽ/ // ̄ ,  `ー―-<_x-‐'´
      /:/ヽ厂}: : {彡'=====‐- 、   \ / ノ ノフ′ _




546 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:20:14.92 ID:0ov9nWBQ0
才人「風紀委員? それが俺に何の用だよ。それに、見つけたってどういう事だ」

黒子「あなたを逮捕しに来た。…とでも言えば気が済みますの?」

才人「はぁ!? なんだって俺が逮捕されなきゃならないんだよ!
    まさか不法投棄がバレたのか!? けどこんな事で逮捕されんのかよ!?」

黒子「……ふむ。ならばその件も含め、あなたを連行させてもらいますの」

才人「意味わかんねえぞ。理由ぐらい説明しろって」

黒子「あなたに答える事は何もありませんの。お姉様をたぶらかした罪は重いですの」

才人「お姉様ぁ? ……ん? ってか、お前それ御坂と同じ制服だよな。
    もしかしてお姉様って御坂の事か? まさかお前、御坂の妹?」

黒子「え? そう見えますの?」

才人「………は、さすがにないよな。全然似てないし」

黒子「ぷっちーん」
547 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:22:26.97 ID:0ov9nWBQ0
才人「つーか、お前も中学生だろ? 中学生がこんな時間まで外うろついてんなよ」

黒子「なんですの、その上から目線は。これだから男はロクなのがいないんですの」

才人「俺、おかしい事言ったか? いくら風紀委員とやらでも夜まで活動しないだろ」

黒子「まあそうですわね。これはわたくしの個人的な活動ですの」

才人「そこまでして俺を捜してた理由、教えてはくれないのかよ」

黒子「あいにくと個人情報ですので保護させてもらいますの」

才人「都合のいい話だこと」

デルフ「どうすんだい、相棒。面倒事に巻き込まれるのはもう勘弁だぜ」

才人「そうだな。それに、今ここで問題を起こしたら作戦がパーだしな」

デルフ「今のところ、あの風紀委員とかいう娘っ子は一人で動いてるみてぇだから
     いいが、騒ぎがデカくなりゃ嫌でも人目につくぜ。そうなっちまったらしめぇよ」

才人「そうならない為にも、やっぱりここは…」
548 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:23:23.89 ID:0ov9nWBQ0
黒子「さっきから何一人でぶつくさ言ってますの?」

才人「へっ、悪いがわけのわからん理由で捕まるわけには
     いかないんでね。ここは退散させてもらうぜっ!」

黒子「…ああ、大変意気込んでいるところ申し訳ないのですが」シュンッ

才人「え? 消えた?」

黒子「チェックメイトですの」バチッ

才人「んなっ…」バタッ

デルフ(あ、相棒っ!)

    スタンガン
黒子「こんな物には頼りたくなんかなかったけれど、止むを得ませんの。
     …ま、下手に当て身なんてやろうとして失敗するよりかはマシですけど」

才人「あ…う…」ガクッ

黒子(相手の能力を吸収する能力…。どうやら佐天さんの情報は正しかったようですの。
     お陰で能力を吸収される前に先手を取る事が出来ました。しかし、佐天さんは一体
     どこでその情報を仕入れたのやら。ま、この際細かい事は気にしない事にしますの)

黒子「さて、こやつをどうしてくれようか。ぬふふふ」
549 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:24:49.81 ID:0ov9nWBQ0
TELLLLLLL

黒子「チッ、いいところで。……もしもし」

初春『もう、白井さん! また一人で勝手に行動して!』

黒子「初春。例のターゲットを確保しましたの」

初春『え? えっと、例の平賀さんですか?』

黒子「そうですの。今からそっちに持ってくから拷も…尋問の用意を」

初春『今完全に拷問って言おうとしましたよね。今日の白井さんはクレイジーです。
    ……いや、というか白井さんはいつもクレイジーでしたね。うんうん』

黒子「…初春。後で覚えとけですの」

初春『あははは〜』テヘッ

黒子「………」イラッ

黒子(…とにかく、さっさと戻るとしますか)
550 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:27:33.12 ID:0ov9nWBQ0
         テレポート
―――と、黒子が空間移動をしようとしていたまさにその時だった。

ブロロロロ!! カッ!!

黒子(うっ、眩しっ…!?)

???「ったく、この馬鹿が。無駄な手間ぁかけさせやがってよ!」ガッ

黒子「ッ!? しまった!」

初春『ど、どうしましたか白井さん!?』

黒子「バイクに乗った男に平賀を奪われましたの!」

初春『ええ〜!?』

黒子「チッ、舐めたマネをしてくれますの…」スッ

黒子「けれど、タイヤに穴を開けてやればそんなバイク!」

初春『白井さんの空間移動能力は自身や持っているものを任意の座標軸に飛ばせる。
    その能力でタイヤの内部に針を直接送り込んでパンクさせようって寸法ですね!』

黒子「……初春、あなたいつから説明キャラに回りましたの?」

初春『ふぇ? 何の事です?』
551 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:29:04.73 ID:0ov9nWBQ0
黒子「なんて言ってる場合じゃありませんの。止まりなさいそこのバイク!!」

???「くっ!」キキィ

黒子「チッ、動く対象物に当てるのは至難の業…。けど、逃がしませんの!」シュン

初春『大丈夫ですか、白井さん?』

黒子「まあ、わたくしにかかればどのような動きをしようと……!」シュシュシュンッ

ガガガガッ!!

???「なっ!?」

黒子「百発百中ですの」

???「ちぃぃっ!!」キィィィ

黒子「むっ」

ドンッ! ガッ! チュドーン!!
552 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:29:59.66 ID:0ov9nWBQ0
初春『ひゃっ!? い、今の爆発音じゃないですか!?』

黒子「…エンジン部分は外したはず」

初春『で、でも爆発したんでしょう!? そのバイクの運転手と平賀さんは!?』

黒子「爆発に巻き込まれた」

初春『な…』

黒子「…とは考えられませんの。恐らく、今の爆発に乗じて上手く逃げおおせたかと」

初春『そ、そうですよね。よかった』

黒子「よくありませんの。正体不明の人間をみすみす取り逃がしたんですのよ?」

初春『まあ、人死にが出るよりいいじゃないですか』

黒子「それはそうですが、そう簡単に割り切れるものじゃありませんの」

初春『そりゃあ確かに目の前で逃げられたらそう思いたくなるでしょうけど』

黒子「そういう事ではありませんの」

初春『へ? どういう事です?』
553 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:31:44.52 ID:0ov9nWBQ0
黒子「今の爆発、意図的に起こされた可能性が高いと思われますの」

初春『意図的に? まさか自爆させたとでも?』

黒子「あの時、爆発する直前に銃声らしき音が聞こえましたの」

初春『まさか、それでガソリンのタンクに直接撃ち込んで…?』

黒子「そうでもなければあのような爆発はしないはず」

初春『でも、銃…ですか? 何かの能力ではなくて?』

黒子「ええ。そして、バイクを運転していた男…、恐らくスキルアウト」

初春『でも、なんでスキルアウトが平賀さんを?』

黒子「行き場のない者同士つるんでいたって所じゃありませんの?
    ま、平賀の場合はやってる事はセコかったですけれども」

初春『でも、平賀さんはスキルアウトって感じじゃなかったですけれど』

黒子「ああいう冴えない男に限って本性を隠しているものですのよ。
    なんたってあのお姉様をたぶらかしたゲスヤローですから」

初春『(それは白井さんの主観が入りすぎてると思うなー)』

黒子「なんか言いましたの?」

初春『い、いえなにも。ところで、白井さんはこの後どうするんですか?』

黒子「目標を見失った以上、帰投するしかありませんの」

初春『これ時間外活動もいい所ですからね。固法先輩に知られたら始末書ものですよ?』

黒子「侵入者と思わしき男を極秘裏に追ってるとでも言えば大丈夫ですの」

初春『(でも白井さんの場合それは建前で本音は私怨だものなー)』

黒子「初春。言いたい事があるならはっきり言った方がいいと思いますがこれいかに?」

初春『え、えーと。それじゃあ白井さん、お帰りをお待ちしておりましゅ…ます!』プツッ

黒子(…帰ったらまず一発ガツンと入れてやりますの)
554 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:35:30.13 ID:0ov9nWBQ0





―――ハルケギニア―――





555 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:36:33.15 ID:0ov9nWBQ0
上条とオルソラはそれぞれインデックスとルイズの服の洗濯をしていた。
それが終わり、部屋に戻る際にふと上条は聞く。

上条「で、オルソラさんよ。結局あの本の解析はどうなったんでせう?」

オルソラ「そうですね。いつ見ても驚きの白さを誇っているのでございますよ」

上条「なんだよその漂白剤のようなキャッチフレーズは。
    っつか、それはつまり何もわかってないって事じゃあ…」

オルソラ「あら。それでもこの祈祷書に魔術的措置が
      なされているのには変わりないのでございますよ?」

上条「いや、実はそれただボロい本とかなんじゃねーの?
    ほら、魔術だか魔法だかがかかってると見せかけてただのフェイクとか」

オルソラ「そんな事はないのでございますよ。だってこの祈祷書は
      こんなにも真っ白で私も驚きを隠せないのでございますから」

上条「はあ…。もういいです…」
556 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:37:52.57 ID:0ov9nWBQ0
オルソラ「さて、そろそろルイズさん達が戻って来る頃なのであなた様も
      お部屋にお戻りになられてはいかがでございますか?」

上条「そうだな。…ところで、もし俺がその祈祷書に右手で触れたらどうなるんだ?」

オルソラ「それはわかりませんが、ルイズさんに多大な迷惑が
      かかるのは必至だと思うのでございますよ」

上条「ま、触らぬ神に祟りなしってヤツだな」

オルソラ「ちなみに、真っ白というのは祈祷書の事でルイズさんの
      下着の事ではないのでございますよ?」

上条「お、オルソラさん? 何を仰ってるので?」

オルソラ「ちなみに私の下着も白とは限らないのでございますよ」

上条「ま、まさか…黒…? そんな…っ! お、おっとなぁ〜、な感じなんでせう!?」

オルソラ「しかしそれを申し上げるとルイズさんに多大な迷惑が…」

上条「だー! そうやってはぐらかすつもりか貴様ー! お前のパンツは何色だー!」
557 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:53:27.60 ID:0ov9nWBQ0
ガチャ。


                     ''   :   :  : :  : : :  :     '' : : :
   −                                 U   ''            :  : : :  ‐
   ヽ   ,'         、    ;                   U |ヽ  ''               l
   ヽ; ; │  ; ; ; ; ;  l ;  ;    | .     ''  ; ; ; ; ;  │  ヽ; ‐   ''  ..  ; ;  ; ;  ; └
   1; ; ヾ !; ; ; ; ; ; ∠__    ヽU 丶  ''''   ; ;  ;  l`''''│ _  U   ;;  ; ; ;  ''; ; \
   ⊥; U│  ; ; ;  ! U  '' ¬-- 、_` ヘ  丶; ''_」/r‐'f"´ : : / /;:│/; ; ; ; h ; ; ^゙'la_
  _ノ'´ '' i 1l ヽ; ;  1ィaョaョョョョョllaaa广^^コ:   ''/父il三心ョョョョiョadノl 丿; ; ;  !a_''、; ; ; ; ゙ヾa_
+''´; ;   \lコ上、 ⊥;  l^1 〈聿llllll聿 ゙゙  : │ 1.'';:./´|聿llllll聿! ノソ'丿/ ; ; ; ./lllll廴''... ; ; ; ;
  ..⊥'ン;: _lllllll}''''、゙lゝ ''1   ^u_下彡’ : : : : /, ;:'' ノ :  .._下ニl/   ´ /ン ; ;  ''lllllllll辷iン...._;
ィ心'ン'';:コlllllllla''.. ''ー宀i/ュ_   ~~゙゙   : : : : ''/ゝ´  : : :  ゙~~´  :  /丿; ; ; ,'';:ノllllllllllllk;:宀心ょ
;;サ_jlan:illllllllllllla;  ー:''''ヽ:   :   : :  : : : : : :  : : : : : : :  :  : :  ''´./ ; ;  '';:;:jllllllllllllllll川llll圭〕
廴llll;;ljlllllllllllllllll ; ; ; 1ヽ 、: : : : : : : : : : : : : U: : : : : : : : : : : : : : 丿; ;  '´;:;:ノllllllllllllllllll聿;;;;;;;;〕
!j;;llllllllllllllllllllllll聿,; ; │ ヽゝ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :  /; ; _⊥;:;:__lllllllllllllllllllllllllll聿
|lllllllllllllllllllllllllllll聿!   ; ; ヽコ:  : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :  .../’; 丿;:a心lllllllllllllllllllllllllllllllllll|
!lllllllllllllllllllllllllllllllllllレ    ゙i聿l    _: : : : : ._ォa 、: : : :  ..−     _llllllllllll;;!llllllllllllllllllllllllllllllll彳
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llllllllllllllllllllllllll聿广::::::::::::::::,l;;;;;;;;! :::::::::::: ヽ.... ^''‐''´ ン"  ::::::::ヽ:::: ゙ll;;;;;;;;;;;;;;;;llllllllllllllllllllllllllllllll卅
llllllllllllllllllll广´ ''  '':::::: _ィllll;;彳::::::  :: .−ヽ..;:;: ン宀、::::::  ::::,l廴:::::: ゙゙千lllllllllllllllllllllllllllllllll聿
手手手手广''      ''..+l手手癶!    ./    ニ/    ヽ    l手癶      ゙゙゙゙宀手手手手手癶/





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         |    l/ | ∧ i! /:1 ∧  |、    \!    |
         |/  丿  |十T丁/N V  |/|丁弋|+|  、__ゝ   !
         | -=イ| | V =Y!ミ     j/z==ヽト ゝ||! \  U
         |   |ヘ 从|'イ::::::0`       h:::oハ ヾi从 トゝ !
         |   |从ハ ' 弋 炒         弋 炒 '’| |:X  |
         |  ∧:| |ヘ                     | |:.|     |
           /|  !:.:.:| |: ヘ         ′        ' | |:.|     |
        /   i!:.: | |:.:.:i       _   _     ヘ .| |:.|    ハ
      / i!   i! .: | |:.:.:i!:.:へ           .ィ:.:.:.:.:| |:.|:!  / ヽ
       .′:.:i!   i! .: | |.:.:.i!:.:ir-:.> . __ .. <::| :.:.:. | |:.|:!       丶
     /   .:.i!  ∧:.:.| |:.:.:|レヘ::l^`ー------ ' ト\:.:.:| |:.: !       ヽ
     .′  :.:i!  /:. !:. | |:.:/::::: ヽ.          /:|:ノ:::V ! !、:.!      ヽ.   !
   /      /:.:.: !:. | |∧:::::::::: \     /:: |!::::/`'| |:::ヽ      \ |
   .'      /:.:.: z==| |  ヽ:.:.ィz::======:トz:′ | トヾ::ヽ        \
   !      !イ イ  | |    《__ぅ::::::ヽ.=/:: ===イ.   | | :.:./\!       ヽ.
   !      !| |   |    \:::::::::::/ ::::::::::/|   | |: /  |ヽ       i
   !       | 、 !  ||     \: / ::::::::::/ i|   | |: |   / |       !
558 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:54:42.69 ID:0ov9nWBQ0
ルイズ「………」

イン「………とうま」

上条「って平賀なら言うんだろうなー、うん」

ルイズ「………」

イン「確かにさいとなら言いかねないかも知れないけど」

上条(あ、そこは認めるんだ)

イン「それと同時にとうまも言いかねないという事なんだよ」

上条「な……ッ!? い、インデックスさん!? あなたの中での
    俺は一体どういう人間なのでせうかー!?」

イン「どういう人間も何も…。そんな発言しちゃう時点で、ねえ」

上条「うぐぅ」
559 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:56:15.57 ID:0ov9nWBQ0
ルイズ「ってか、あんたら人の部屋で一体何をしてたのよ」

上条「そ、それは…」

オルソラ「ルイズさんの下着の色は申し上げられないのでございますよ、と」

ルイズ「っ!?」

上条「お、オルソラ=アクィナスゥゥゥゥゥ!!」

ルイズ「あんた、なに…。そんなに女の子のパンツの色が知りたいの?
     パ、パパパ、パンツのい、色を? パンッ、色ぉ!?」

上条「違うって! 上条さんはそんなパンツフェチじゃないって!」

イン「……とうま。その手に持ってるのは何かな」

上条「え? 何ってお前の服…」

イン「わ、私の服を…な、なな、なんで持ってるの、かな…?」

上条「ま、待て待て! これは洗濯して来たからであって決して
    匂いを嗅ごうとか頭に被ろうとかそんな事思ってないからであって!」

オルソラ「変態さんでございますね」

上条「ち、ちがっ…! お前はさっきから余計な口を挟みすぎだろ!」
560 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:59:00.28 ID:0ov9nWBQ0
イン「ふーん。そうなんだ。とうまってそんな人だったんだ」

上条「違いますからね!? 誤解ですからね!? どうしてこうなった!?」

イン「………はぁ。なーんてまあ、わかってますよどうせいつもの事なんですよね」

上条「そうですそうです! いつもの不幸が重なって…、っつかなぜに敬語?」

イン「じゃあ、私は手を出さないから」

上条「いや、お前の場合出すのは手じゃなくて口じゃね?」

上条(…いや? 歯か? って、そんなツッコミ入れてる場合か!)

イン「ここは部屋の主であるルイズに任せるね」ニコッ

上条「はい?」

ルイズ「なんだかよくわかんないけど、とりあえずあんた、一回死んどきなさい」ニコッ

上条「………、うわ〜二人揃っていい笑顔〜。あはははは…」
561 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 00:59:39.78 ID:0ov9nWBQ0





                               ヽ`
                              ´
                               ´.
                           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
                      ..‐´      ゙          `‐..
                    /                    \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                       ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
                ゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
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562 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 01:00:25.48 ID:0ov9nWBQ0
上条「か…は…」ドサッ

オルソラ「あら。ルイズさんの魔法は打ち消されなかったのでございますよ?」

イン「まあ、とうまは油断してたからね。右手を構える暇もなかったんだよ」

ルイズ「オルソラ。わたし達はちょっと二人で話し合いたいから
     このバカを外に出してってちょうだい。いいわね?」

オルソラ「わかりましたのでございますよ〜」ズルズル

上条「………」グッタリ

ルイズ「んじゃ」バタン

オルソラ「はぁ…。本当にこの方には困ったものでございますね」

上条「………」

薄れ行く意識の中で上条は思った。お前が言うな、と。
563 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 01:04:22.16 ID:0ov9nWBQ0




ステイル「………」フー

煙草を吹かしながらステイルはおもむろに呟く。

ステイル「僕に何か用かい」

その声に反応し、一人の男が物陰から姿を現す。

???「気配は消していたつもりだったがな」

ステイル「殺気の方は隠せてないようだけれどね、ワルド子爵」

ワルド「ふっ、なるほど…」

ワルド。かつてトリステイン王国の魔法衛士隊グリフォン隊の隊長、
そしてルイズの元許婚でもあった男だ。
現在はトリステインを裏切り、この『レコン・キスタ』に所属している。

ワルド「悪いな。何分、見ず知らずの人間を簡単には信用出来なくてな」

ステイル「いや。お互い信用も信頼も必要ない。要は使えるか使えないか、だろう?」

ワルド「全くその通りだな」
564 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 01:07:57.12 ID:0ov9nWBQ0
ステイル「つまり子爵は僕の力量を測りに来たと、そういうわけかい?」

ギラリと、ステイルは眼光を放つ。

ワルド「いいや。こんな所でやり合う程、私は野蛮ではないさ」

ステイル「ならば一体何の用件だい? まさか世間話をしに来たわけでもないだろう」

ワルド「そのまさかさ」

ステイル「………」

ワルド「もうすぐ戦争が始まる」

ステイル「そのようだね」

ワルド「そこで聞きたい事がある」

ステイル「なんだい」

ワルド「―――お前の目的はなんだ」

ステイル「……、どういう意味かな」
565 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/09/24(月) 01:11:01.82 ID:0ov9nWBQ0
ワルド「この間入って来たシェリーとかいう女はまだいい。戦争を求めているようだからな。
    だがお前はどうだ。この戦争にお前は一体何を求める? 何を見出す?」

ステイル「質問の意味が分かり兼ねるね。それに、そんな事を聞いてどうする気だい?」

ワルド「私には私の目的がある。それさえ達せられれば後はどうなろうと構わん。
     だがな、邪魔が入ってそれが達せられないとなれば私はそれを全力で排除する」

ステイル「何が言いたいんだい。第一、君の目的とやらが何か僕は知らない」

ワルド「言う必要はないな」

ステイル「言ってもらう必要もないよ」

ワルド「………、まあいい。とにかく、この『レコン・キスタ』の邪魔はするな。それだけだ」

ステイル「そんなつもりはないよ。ここに協力するのが僕の“役割”だからね」

ワルド「ふん。ならその証は行動で示してもらおうか」

ステイル「言われなくとも」

そして、言いたい事はもうないとばかりにワルドはこの場を後にした。

ステイル「………、」ポイ

吸い終わった煙草を放り投げる。それは炎に包まれ灰となって空へと散って行った。

ステイル(…急げよ。神の左手と神をも[ピーーー]右手。事態はその二つを必要としている)
566 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2012/09/24(月) 01:11:41.74 ID:0ov9nWBQ0
ワルド「この間入って来たシェリーとかいう女はまだいい。戦争を求めているようだからな。
    だがお前はどうだ。この戦争にお前は一体何を求める? 何を見出す?」

ステイル「質問の意味が分かり兼ねるね。それに、そんな事を聞いてどうする気だい?」

ワルド「私には私の目的がある。それさえ達せられれば後はどうなろうと構わん。
     だがな、邪魔が入ってそれが達せられないとなれば私はそれを全力で排除する」

ステイル「何が言いたいんだい。第一、君の目的とやらが何か僕は知らない」

ワルド「言う必要はないな」

ステイル「言ってもらう必要もないよ」

ワルド「………、まあいい。とにかく、この『レコン・キスタ』の邪魔はするな。それだけだ」

ステイル「そんなつもりはないよ。ここに協力するのが僕の“役割”だからね」

ワルド「ふん。ならその証は行動で示してもらおうか」

ステイル「言われなくとも」

そして、言いたい事はもうないとばかりにワルドはこの場を後にした。

ステイル「………、」ポイ

吸い終わった煙草を放り投げる。それは炎に包まれ灰となって空へと散って行った。

ステイル(…急げよ。神の左手と神をも殺す右手。事態はその二つを必要としている)
567 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2012/09/24(月) 01:19:50.44 ID:0ov9nWBQ0



あーーーーーーーーーー!!

最後の最後に初歩的なイージーミスを…

いや、凡ミスとでも言うか

大事な場面でそりゃないぜって感じですよカッコつかないですよマジで

まあそんな事はどうでもいいとして(よくないけど)

学園都市編はそろそろ落とし所が見えてきた感じです

逆にハルケギニア編はなかなか進まない…

くっそおお、才人よ早く戻って来てくれ!

もうシリアスパートも品切れだしこのままじゃ延々と日常パートのオンパレードだ

いや、この辺でモンモンとかマリコルヌ辺りを出しといた方が後々の展開に活かせるかも

よし、それで行こう!

じゃあそんな感じでまた次回

では!



568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/24(月) 06:09:00.25 ID:7YefqjCPo
おつ!
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/24(月) 09:21:27.22 ID:a4azj8IIO
乙なんだよ!
570 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2012/11/04(日) 17:22:18.22 ID:DY6KgKio0
すみません、やる事があってまだしばらく更新出来ません

今月中には投下する予定ですのでもう少しお待ち下さい
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/11/12(月) 19:27:26.16 ID:sxZcK8J+0
待ってる
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/11/14(水) 23:59:19.03 ID:rzm2iKPSO
573 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2012/12/12(水) 23:11:08.45 ID:klfgqxEG0
すんません。結局12月になっちゃいました

これ以上ほったらかしにするのは良くないでしょうから出来てるとこまで上げときます

574 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2012/12/12(水) 23:12:18.82 ID:klfgqxEG0
ギーシュ「いやぁ、しかしまあ暇なもんだね」

マリコルヌ「こないだまで授業サボってどっか行ってたのにかい?」

ギーシュ「そりゃあ確かに刺激的な旅ではあったさ。だけど、それも今は昔の話さ」

マリコルヌ「お宝が見つかったって話だけど」

ギーシュ「いいや。見つかったのはただのガラクタばかりさ。唯一まともなのは例のあれだけさ」

マリコルヌ「ああ、あの『竜の羽衣』とやらか」

ギーシュ「サイトやトウマはやたらあれを持ち上げてたが、
       ぼくにはあれもガラクタにしか見えないんだがね」

マリコルヌ「ところで、そのサイトはどこにいったのさ? 最近めっきり見かけないんだけど」

ギーシュ「話によればメイドの家に泊まり込んでよろしくやってるそうだ」

マリコルヌ「な、なんだって!? それは本当かい!?」

ギーシュ「まあ、あのルイズの所にいたら身体がいくつあっても足りないだろうからね。
       逃げ出したくなるのもわかる」
575 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2012/12/12(水) 23:13:19.07 ID:klfgqxEG0
マリコルヌ「だがしかし、それはつまり、彼はメイドといちゃいちゃしてると取っても?」

ギーシュ「十中八九、そうだろうね」

マリコルヌ「なんとうらやま…いや、けしからん!
       平民の、しかも使い魔の分際で女の子といちゃいちゃとな!」

ギーシュ「やれやれ。ぼくも女の子といちゃいちゃしたいというのにさ」

マリコルヌ「………」

ギーシュ「そう睨むなよ。出来ればそうしてるってだけさ」

マリコルヌ「きみにはモンモランシーがいるんじゃなかったのかい」

ギーシュ「はは、よせよ。照れるぜ。そりゃ確かに彼女はぼくの
      マイスイートハニーだがそれとこれとは話が別というか」

マリコルヌ「浮気はよくない。というかモテるのはよくない。そんな奴爆発すればいい」

ギーシュ「仕方ないだろう。別にぼくはモテたくてモテてるんじゃない。モテてしまうからモテるんだ」

マリコルヌ「なるほどわからん」
576 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2012/12/12(水) 23:14:26.62 ID:klfgqxEG0
ギーシュ「ああ、こんな事言ってたら女の子に会いたくなって来た。よし、別に
      モテたいわけじゃないけど女の子のいる所にいこう。モテたいわけじゃないけど!」

マリコルヌ「あーしねばいいのにー」

???「へぇ〜。モテたいわけじゃないんだぁ〜。だったらどこにも行く必要はないんじゃない?」

ギーシュ「へ?」

???「そうでしょう? ギーシュ?」

ギーシュ「モ、モンモランシー…」

モンモン「授業もほったらかしにしてフラフラしてたと思ったら
      今度は女の子の所にフラフラ寄ってくつもりとはねぇ」

ギーシュ「ち、違うんだよモンモランシー。ぼくはただ散歩しようかなと…」

モンモン「散歩ぉ? 髪型とかバッチリ決めてたくせに?」

ギーシュ「う」

マリコルヌ「ああ確かにキメてたな。ファサファサとうっとうしいぐらい」
577 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2012/12/12(水) 23:14:57.24 ID:klfgqxEG0
ギーシュ「い、いいじゃないか髪型をキメるぐらい」

モンモン「必要ないでしょ」

ギーシュ「あ、あるさ。いつどこで誰に見られるかわからないんだ。
      身だしなみを整えて何が悪いんだい」

モンモン「ふーん? いいわ、だったらこうしましょう」

ギーシュ「?」

モンモン「わたしもあなたの散歩に付き合うわ」

ギーシュ「え、えぇ…」

モンモン「何? いやなの?」

ギーシュ「い、いや…そういうわけじゃ…」

モンモン「じゃあいいわね。はい決定。それじゃあ行きましょう」

ギーシュ「ちょ、引っ張らないでくれモンモランシー! うわっとと!」

マリコルヌ「…くそったれ。見せつけやがって」
578 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2012/12/12(水) 23:15:36.91 ID:klfgqxEG0
キュルケ「あー暇ねー」

キュルケ「ダーリンはメイドの所に泊まり込んでるし、タバサはどっかに消えちゃうし」

キュルケ「何かいい暇つぶしはないかしら」

イン「…だからと言ってなんで私の所に来るの」

キュルケ「いいじゃない。あたし達って友達でしょお〜?」

イン「私はルイズと一緒にやらなきゃいけない事があるんだけれど」

キュルケ「でも別に今じゃなきゃダメってわけじゃないんでしょう?」

イン「それはそうなんだけど」

キュルケ「はい決定。それじゃあ行きましょう」

イン「なんという強引な展開…」

キュルケ「何か言った?」

イン「……なんでもないんだよ」
579 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2012/12/12(水) 23:16:24.44 ID:klfgqxEG0
ルイズ「ったく、インデックスったら一体どこほっつき歩いてるのかしら」

ルイズ「オルソラ、あんたなんか知らない?」

オルソラ「さあ? 私は今日インデックスさんはお見かけしておりませんので」

ルイズ「トウマは知らないの?」

上条「さあな」

ルイズ「ったく、あんたの主人でしょ。ちゃんと行方ぐらい知っときなさいよ」

上条「そう言われてもなぁ…。あいつ飯の時間になると何よりも先にぶっ飛んでくからな」

ルイズ「で、見失ったと」

上条「仕方ないだろ。俺は食堂入れないし」

オルソラ「あら? でも才人さんは…」

ルイズ「………」

上条「? 平賀がどうしたって?」

オルソラ「……なんでもないのでございますよ」

ルイズ「………」スッ

上条「ん? どっか行くのか?」

ルイズ「あんたに関係ないでしょ。いちいちそんな事聞いてこないで」バタン

上条「なんだありゃ」
580 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2012/12/12(水) 23:18:34.67 ID:klfgqxEG0
オルソラ「失言だったのでございますよ…」

上条「?」

オルソラ「今のルイズさんに才人さんの事は禁句でございますね…」

上条「あー、そっか。なんだかんだであいつも平賀の事気にしてんだな」

オルソラ「才人さんには一刻も早く戻って来て欲しいものでございますね」

上条「そうだな」

オルソラ「………」

上条「………」

オルソラ「ところで、気になった事があるのでございますが」

上条「なんだ?」

オルソラ「先日の一件ですが」

上条「どの一件?」

オルソラ「ルイズさんの魔法に対してあなた様はその右手の力を
      使わなかったようでございますが、なぜでございましょう?」

上条「ん? いや、一応咄嗟に右手を伸ばしたんだけどな、ルイズの魔法は
    俺の顔辺りで爆発したから単に右手で触れられてなかっただけだと思うけど」

オルソラ「………、そうでございますか」
581 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2012/12/12(水) 23:19:22.27 ID:klfgqxEG0
上条「それがどうかしたのか?」

オルソラ「いえ、仮にルイズさんの魔法があなた様の右手で打ち消されなかったとしたら、
      それは興味深い事実になっていたであろうと言う事でございますよ」

上条「……確かに。俺の右手は異能の力を打ち消す能力だ。それはこの世界における
    魔法に対しても問題なく発動した。魔法も魔術とおんなじようなもんだしな」

オルソラ「しかし、この世界において魔法というものは火、水、風、土の
      四大属性によって構成されているのでございますが、
      ルイズさんの魔法はそのどれにも分類されないと思われるのでございますよ」

上条「火、じゃねえのか? 爆発なんだし」

オルソラ「いえ、火ならば爆炎という形になると思われるのでございます」

上条「じゃあなんなんだよ。無属性とでもいうのか? 確かにフレアは無属性だし」

オルソラ「フレア?」

上条「いや、なんでもない」

オルソラ「けれど、その考えは間違っていないかも知れないのでございますよ」

上条「へ?」
582 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2012/12/12(水) 23:20:02.17 ID:klfgqxEG0
オルソラ「実は魔法には今は失われし五つ目の属性、『虚無』というものが
       存在しているのでございますよ」

上条「虚無?」

オルソラ「詳しい事はわかりませんが、四大属性のどれとも違う力を持つ属性
      というのが虚無らしいのでございます」

上条「………、でもその虚無って今じゃ誰も使えないって事なんだろ?」

オルソラ「そうでございますね。もはや伝説上の魔法とも言えます」

上条「そんな魔法をルイズが使えるのか? ってかそもそも扱えてないだろ、あれ」

オルソラ「恐らく、その鍵を握るのがこの始祖の祈祷書だと思われるのでございます」

上条「なんだって?」チラ

上条(もしかしてオルソラが前に言ってたのってその事だったのか?)

オルソラ「しかし、その考えは一度捨てるべきかも知れないのでございますね」

上条「どうしてだよ? この祈祷書を解読すれば虚無について何かわかるんじゃないのか」

オルソラ「解読は私には無理だと思うのでございます」

上条「おいおい、暗号解読はお前の専門分野じゃなかったのかよ」

オルソラ「世の中には出来る事と出来ない事があるのでございますよ。
      この祈祷書は恐らく、読み手を選ぶ魔道書と同じタイプのものだと思われます」

上条「どういう事だ?」

オルソラ「私も魔道書にそこまで精通しているわけではないので詳しくはインデックスさんに
      聞いた方がいいと思いますが、つまりは読める人間が決まっていると言う事です」
583 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2012/12/12(水) 23:20:30.01 ID:klfgqxEG0
上条「つまり、そうでないヤツがいくら読もうとしても絶対読めないって事か?」

オルソラ「簡単に言えばそういう事でございます。ルイズさんに読めるかどうかはわかりませんが、
      少なくとも私達よりかは可能性が高いと思われるのでございますよ」

上条「けど、あいつそんな素振りは全く見せてないけどな」

オルソラ「この話は一度インデックスさんを交えて話すべきでございましょうね」

上条「そうだな。あいつ、この世界の魔法についても大概記憶したらしいし」

オルソラ「それは心強いのでございますね」

上条「まあ、そのインデックスが現在行方不明なわけだが」

オルソラ「帰ってくるまで気長に待つとしましょう」

上条「ああ」

上条(……、なんだろうこの違和感。話が円滑に進み過ぎだな。いつもだったら、
    オルソラの同じ話がループして前に進むのもやっとだというのに…)

オルソラ「それで、先日の一件と言うのはですね…」

上条「って、今の話がその一件じゃなかったんかい!?」

オルソラ「あら、私そのような事を申したのでございますか?」

上条「……ッ、それは……、言ってないな、確かに…」

オルソラ「この祈祷書に施された魔術的措置と言うのは恐らく…」

上条「それさっきの話だろ? もうわかったから…」

オルソラ「それ故に私もその驚きの白さに呆然とするしかなくて」

上条「だーっ! 結局こうなるのかよ!!」
584 : ◆Yr.mgKbo12 [sage]:2012/12/12(水) 23:26:34.35 ID:NObNk+RAO


毎度お待たせしてすみませんね

しかも大して話が進んでないという

ぶっちゃけモンモンとマリコルヌは出す意味があるのかどうか…

まあその辺はまあ…うん…今後活かせるといいなぁ、なんて

とりあえず短いですがこの辺で

今年中に終われるかなぁ…無理かなぁ…
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/13(木) 06:10:01.42 ID:j+ic+tiPo
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/16(日) 20:28:27.02 ID:AISR0EBko
最初モンモランシーじゃなくてモンモラシーだと思ってた私が通りますよ

乙。ゆっくりでもいいから完結頼んます
587 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/02/15(金) 15:02:16.16 ID:M18ZQatI0
あ、ここしばらく来てなかったからもう消えてるかと思ってたけどまだ無事だった
とはいえすみません、とりあえず今日は生存報告のみです。

更新はいつか必ず!
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/15(金) 17:07:48.40 ID:9/UoANJlo
頑張れ
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/03/01(金) 11:32:06.32 ID:p3/TXJHAO
age
590 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/04/04(木) 12:46:49.75 ID:Q8NwRTlv0
いつもいつもほったらかしですみません
とりあえず書けてる分だけでも上げときます
591 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/04/04(木) 12:47:23.50 ID:Q8NwRTlv0





―――学園都市―――




592 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/04/04(木) 12:48:10.51 ID:Q8NwRTlv0
才人「い、てて…」

浜面「目が覚めたかよ」

才人「なんだお前か」

浜面「なんだはこっちの台詞だよ。なんだ、あのザマはよ!」

才人「うわっ、暴力反対!」

浜面「不意打ち食らって気絶するわ危うくブタ箱にぶち込まれそうになるわ」

才人「えっと、そうだ! 急に風紀委員の女が俺を逮捕するとか言ってそれで…、
    確かスタンガンか何かを使われて、えっと…どうなったんだ?」

浜面「今言っただろうが! ったく、俺がたまたま通りがからなかったらどうなってたか。
     これだからスキルアウトでもないただの一般人には任せられないってんだよ」
593 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/04/04(木) 12:48:59.32 ID:Q8NwRTlv0
才人「な、なんだよ。別に助けてくれって言ったわけじゃないだろ!」

浜面「テメェが捕まって何されようがどうでもいいが、こっちの情報が漏れるのは困るんだよ」

才人「お、俺は別にそんな事…」

浜面「例えお前が何も言わなくとも心を読む能力者だっている。安心なんざ出来やしねえ」

才人「う…」

浜面「いいか、これはお前だけの問題じゃねえんだ。俺達全員の問題なんだよ。
     もし次こんな失態晒してみろ。今度はスタンガンじゃなく鉛弾ぶち込まれると思え」

才人「………」

浜面「わかったらさっさと続きをやれ。これ以上迷惑かけんじゃねーぞ」スタスタ

才人「………くそっ」
594 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/04/04(木) 12:49:39.25 ID:Q8NwRTlv0
デルフ「相棒」

才人「何も言うなデルフ。反論の余地もねえ」

デルフ「………」

才人「俺さ、昔っからどこか抜けてるって言われてたけど本当なんだな…。
    自分でやるって言っときながら無様にやられて…、ダメだなぁ俺…」

デルフ「相棒は悪くねえさ。相手が悪かっただけだ」

才人「でもさ、あれがスタンガンじゃなくてナイフだったら?」

デルフ「そりゃあ…」

才人「あるいは何かの能力でもいい。もしそうだったら俺、死んでたぜ?」

デルフ「けど、相棒は生きてるじゃあないか。そうくよくよすんなって。
     この失敗を次に活かしゃあいいじゃねーか。らしくないぜ」

才人「うん…。そうだな。相手がまだ中学生だからって油断してた。
    あの御坂の時だって最初は油断して、危うくやられかけた」

デルフ「そうさね。この街じゃあ相手がどんなにちっこくても油断は禁物ってこった」

才人「ふー」パンパン

才人「よっし、気合も入れ直した所で続きやっか」

デルフ「おうよ。頑張れよ相棒!」

才人「ああ!」
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/04(木) 13:02:58.91 ID:08PUxnr4O
>>1の生存確認できただけでも良し


596 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/04/04(木) 13:08:31.51 ID:Q8NwRTlv0



才人(こうして、俺はスキルアウトと共に無能力者狩りを止める為の作戦を続けていた。
    途中、何度か警備員や風紀委員達に追われたりしたが、その度に逃げ切った。
    ガンダールヴのスピードなら大抵の能力者は撒けるし車も細道に逃げりゃいいしな)

才人(それから何日か経ったと思う。とにかく俺は、気を紛らわしたかったのかも知れない。
    ハルケギニアでの事…特にルイズとの事。それに、この街…)

才人(ここは学園都市。その存在こそは知っていたが、実際目にしてみりゃ科学は発展してて、
    まるで未来の世界だ。正直、ここは俺の知ってる地球とは別の世界みたいに感じてた)

才人(帰ってきたのに、せっかく戻れたのに、俺はその実感を持てていなかった。
    これからの事はなんのアテもない。だから、俺は今出来る事を全力でやるだけだ)

才人「さてと、次行きますか」



597 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/04/04(木) 13:10:50.04 ID:Q8NwRTlv0

―――とあるファミレス―――





黒子「やれやれ、最近妙にゴミの不法投棄やら自転車の違反駐車が多くて困りますの」

初春「そうですねぇ。掃除ロボも通れないような所ばかり狙ってる、っていうのがまた」

美琴「ったく、自分が出したゴミぐらい自分で始末しなさいよって話よね」

佐天「確かにゴミとかタバコとかのポイ捨てを見かけるとなんだか嫌な気分になりますよねぇ」

黒子「ロボに全部任せりゃいいや、的な思考がそうさせてるんでしょうね」

初春「まあ、放っておいても勝手に掃除してくれますからね」

美琴「例えそうでもゴミはゴミ箱に、なんてのは小学生でも分かる事だってのに」

佐天「ハイテク化が進んだ、といってもそういう根本的な所は中々改善されないものですよね」

初春「駐車違反にしても、わざわざ罰金を無駄に払わせられるような事をなぜするんですかね」

黒子「そんな事するぐらいなら自分の足で歩けって話ですの!」

美琴「あんたが言うとなんか納得力がないわね…」
598 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/04/04(木) 13:12:09.28 ID:Q8NwRTlv0
初春「まあ白井さんは自分の足使う事ってほとんどないですしね」

黒子「あ・り・ま・す・の! ありますのよ初春! あなたわたくしを何だと思ってますの?」

初春「え? でもだって白井さんってば空間移動ばっかりしてるイメージが」

黒子「ほー。普段このメンバーで歩いてる時にわたくしだけ空間移動していたと?」

初春「あ、いやほら、白井さんこないだまで車椅子だったじゃないですか!
    その時のー、あれですよ。感覚が若干残ってしまっていたというかなんというか」

黒子「………、」

美琴「ま、まあまあ。私もアンタは空間移動ばっかしてるイメージあったし」

黒子「お姉様まで!? 確かにわたくしは空間移動能力者ですけども! だからって
    四六時中空間移動してるなんて先入観を持たれるのはなんというか心外ですの!」

美琴「あはは、ごめんごめん。ま、そんだけアンタは空間能力者として優れてるって事よ」

黒子「え? い、今何と申されましたの? もう一度この黒子めにその言葉を」

美琴「いや、だから、アンタは空間能力者として優秀って…」

黒子「つまり黒子は最高! ステキ! 抱きしめて! いやむしろ抱いて! と取っても!?」

美琴「い・い・わ・け・あるかっ!!」ゲシッ

黒子「ぶべらっ」
599 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/04/04(木) 13:14:40.28 ID:Q8NwRTlv0
初春「あ、はは…。自分の足を使えという話が最終的に白井さんを蹴りつける事態に…」

佐天「あ、そうだ。自分の足を使うといえば、知ってます? 最近噂になってる謎の俊足男!」

初春「ふぁすとまん?」

佐天「そう、俊足男と書いてファストマン!」

黒子「まぁた佐天さんはわけのわかんない噂話を仕入れてきてますのね」

美琴「で? なんなのそいつ」

佐天「なんでも、ものすごい速さで街中を駆け回って悪い能力者をやっつけてるとか」

黒子「某アメリカのヒーローみたいな男ですのね。で、それがなんなんですの?」

佐天「ええ、それがですね、その俊足男。話によるとスキルアウトと繋がりがあるとかないとか」

初春「ええ? 悪い能力者をやっつけてるのに?」

美琴「悪の敵が正義というわけじゃない、って事かしらね」

黒子「それで? まさかスキルアウトが正義に目覚めたとか言うんじゃないですわよね?」

佐天「いやぁ、その辺はわかんないですけど、もうひとつ噂がありましてですね」

黒子「…一体何件ありますの」
600 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/04/04(木) 13:15:18.96 ID:Q8NwRTlv0
佐天「さっきも話してた不法投棄やらの件なんですが、どうやらその犯人らしき人物を
    目撃したって言う情報が上がってるんですよ。しかも結構な数が」

初春「それが俊足男となんの関係が?」

佐天「実は、その不法投棄の犯人と同一人物なんじゃないかって話なんですよ」

初春「ええー!? それ意味がわかんないじゃないですかー!」

黒子「それ、信用出来ますの?」

佐天「画像データもありますよ。ほら」ピッ

美琴「えっ…!?」

初春「これは…、剣? ですか? 確かに同じものを持ってますね。
    …あれ? でも私、これどこかで見た事あるような…?」

黒子「はぁ…、今時こんなモノ振り回してるのがいるんですのね」

美琴「………」

初春「でも、この人は一体何の為にこんな事してるんでしょうかね…」カタカタ

佐天「何してんの初春?」

初春「他にもデータがないか監視カメラの映像をチェックしてるんですよ。って、あれ?」
601 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/04/04(木) 13:16:07.29 ID:Q8NwRTlv0
黒子「どうしましたの初春?」

初春「この画像データが撮られた時間、監視カメラの映像がありません…」

黒子「なんですって?」

初春「ちょっと待って下さい…、あった。他にも数日にわたって監視カメラの映像が
    数秒間何も映っていない時間があります。いえ、もしくは何かがカメラを遮って…」

黒子「……、初春。この画像データ、解像度を上げる事は?」

初春「はい、今やってます。…出ました!」

黒子「後姿のみ、ですのね…。しかも遠い…」

初春「佐天さん、他の画像データはないんですか?」

佐天「待って、確か相当至近距離で撮った画像が…、あー、でもこれピンボケ激しいよ?」

初春「なんとか限界まで鮮明にしてみます」カタカタ

黒子「けど、これも後姿ですのね…」

佐天「あれ? 私この人どっかで見たような…」

黒子「本当ですの佐天さん? いつ? どこで?」

佐天「えっと、あれは確か…」
602 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/04/04(木) 13:19:42.15 ID:Q8NwRTlv0





              _
       / ̄\.  /  |                        ,へ、
       /  / 〈_//\                   〈   |
        /  /___  |_/                 \」   _
     /  ___/          |\____       __/ /
      /  /         「`7   |___  /       / __/
    〈  ,/       /'ー┘└‐┐     //   __,  ̄
      ̄         ̄ ̄フ  | ̄    /   ̄ ̄ ̄  /
               / ,イ|     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                 ̄   ̄





603 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/04/04(木) 13:22:43.90 ID:Q8NwRTlv0
佐天「うわあっ、びっくりした!?」

黒子「なんなんですの一体」

初春「何か事故でも起こったんでしょうか」

美琴「ちょっと私見てくるわ!」タタッ

黒子「あ、お姉様! わたくしも行きますの!」

初春「あ」

佐天「あー」

初春「…行っちゃい、ましたね」

佐天「行っちゃったね」

初春「………」

佐天「………」

初春「あ。それで、佐天さん。思い出しましたか? 俊足男の事」

佐天「ああ、えーっと、ごめん。今のでちょっと飛んじゃった」

初春「あらら…」
604 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/04/04(木) 13:38:23.00 ID:Q8NwRTlv0
えっと、まだ一応続きはあるんですがキリが悪くなるんでこの辺りで一旦終わります。

さて、そろそろ終盤が近づいてきました。

このまま一気に駆け抜けたい所ですが…、すみませんちょっと厳しいです。

それにしても>>585のレスポンスの速さに驚きましたw

こんな更新が遅過ぎるSSに付き合って頂き感謝感激です。

オチの構想は出来てるので未完に終わる事はないと思います。

ただ、更新が遅すぎて落ちると言う事もありえなくはないので生存報告ぐらいはちょくちょく
行っていけたらいいなとは思います。

それじゃあ、すみませんが今回はここまでで。

一体次の更新は何ヶ月後になるやら…。


理想:超電磁砲Sが始まるまでには

現実:超電磁砲Sが始まってもまだ

最悪:超電磁砲Sが終わってもまだ


り、理想を目指して頑張ります!(震え声)
605 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/04/04(木) 13:39:48.56 ID:Q8NwRTlv0
あ、↑の安価は>>595でしたすみません

それじゃあ今度こそ、また!
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/04(木) 22:29:20.35 ID:PFwRCKiSO
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/06(土) 23:08:23.98 ID:wFoVs7jz0


608 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/04/11(木) 13:17:23.05 ID:Khy3jOCS0
こんにちは。

本日は更新云々ではなくただ一言伝えにきました。

ご存知の方もいると思いますが、
今月の4日にヤマグチノボル先生がお亡くなりになられたそうです。

まさかと。ただそう思うしかありませんでした。

私としては、何事もなかったかのように返り咲いてゼロ魔など
一気に完結まで持っていくものだと信じていました。

早い。あまりにも早い。

非常に、真に残念と言うしかありません。

こんな所で言うのもなんですが、ゼロ魔のSSを書いてる者として
いや、いちファンとして一言添えさせて頂きます。

ヤマグチ先生、心よりご冥福をお祈りします。

…さて、重苦しいのもあれなので気持ちを切り替えて今後もいつも通り書いていきますよっと!

それじゃあいつになるか分かりませんが次の更新までお待ち下さい。
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/11(木) 22:33:52.59 ID:YMXBgWkjO
ヤマグチ先生…本当に惜しい人を無くしたよね…
このスレみてる奴らなんて恐らく原作全部持ってるんじゃない?
あと二冊だっただけに本人も無念だろう
まあ一冊は大体できてたみたいだし、ラストまでのプロット等は完成してたみたいだから何らかの形で発表されるだろう…と希望

ご冥福を祈ります
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/12(金) 07:44:27.80 ID:bpOwESPDO
まだ41だろ?俺より4歳しか年上じゃねえか…


ゼロ魔はアニメ2期までしか見てないけど近い内4期まで見るよ。

ご冥福をお祈りします(-人-)
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/12(日) 01:13:59.11 ID:2vKnu4qSo
まだかな
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/13(月) 20:19:31.93 ID:Khv9qD7hO
いい加減スレ落とせよと思う
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/05/15(水) 14:59:54.19 ID:ZgETe26U0
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        □/ / // | |.          |
        | |/.;;;;//.  | ||.         | じゃあ、>>1は死刑という事で・・・。
        | | ;;;;;;//   | |||         |_
        | |.;;;//    | |.||     ∧ ∧  |/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        | |//..    | | ||.    ( ・∀・)
        | |/.     | |. ||    (    )           ワイワイ  ガヤガヤ
 ______.| |___//| ||__ / | | |__
        | |   //  |. ̄∠/(__(__) /.|          ∧_∧ ∧_∧ ∧ ∧.
..∧_∧   (| |⌒/. ∧ ∧⊃イヤァァァ.     //|         (´-`;)(@・ )(;´∀)(
( ・∀・).(⌒| |//(;´Д`) ←>>1   //  |        ∧∧ ∧ ∧  ∧_∧. ∧∧
(    )  ̄| |/ (⊃ /  ⊂.⊃.   //   |       (∀・ )( ´,_ゝ)(   )(´∀`
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(__)_)   | |  /         //   /       <_`  )(´・ω)(д゚` )(
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614 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 22:59:52.96 ID:GAfKuJxc0
まァァァだ終わってなァァァァァいッ!!

さて、超電磁砲Sが始まってしまいましたね

やはり理想通りに事は進まないという事でしょう

それはさておき相変わらずスローペースでの再開です

615 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:01:13.87 ID:GAfKuJxc0



―――ハルケギニア―――



616 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:01:51.75 ID:GAfKuJxc0
ゴォォォ…。

タバサ「………」

イルククゥ「なんだか空がざわついてるのね…」

土御門「…こりゃあ、そろそろって所かにゃー」

イルククゥ「とんぬら? 一体おまえは何を知っているのね」

土御門「いやいや、オレにゃあさっぱりなーんにもわからんぜよ」

イルククゥ「じゃあ今の意味ありげな呟きはなんなのね!? そうやって何でも知ってます
       的な発言をしてミステリアスキャラを確立でもさせようって寸法なのね!?」

土御門「なんでもは知らんぜよ。ま、ロマリアのお偉いさんなら知ってるかも、だぜい」

イルククゥ「そういえば今回の以来もロマリアからのものって話なのね。
       一体わたし達に何をさせようって寸法なのね? きゅいきゅい」

土御門「それをこれから聞きに行くんだぜい? もうちょっとの辛抱ってヤツぜよ」

タバサ「………嫌な、予感がする」

イルククゥ「お姉様?」
617 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:04:45.44 ID:GAfKuJxc0
土御門(さすが『北花壇騎士』の“雪風”。肌で感じ取った、といった所か)

イルククゥ「ち、ちょっとちょっと! 二人してなに真面目な顔つきになってるのね!?
       ああそうですかわたしは蚊帳の外ですかこのやろーなのね! きゅいきゅい!!」

土御門「にゃっははは。お前さんは少し落ち着きというものを覚えた方がいいぜい」

イルククゥ「落ち着きというものをわたしに覚えさせたくばおいしいごはんを用意するのね」

土御門「そいつは丁度よかった。だったらそこの酒場にでも寄ってこうぜい。…目的地だ」

タバサ「………」

イルククゥ「それにしてもなんでまたこんなぼろっちい店に行かなきゃなんないのね」

土御門「言ったろう? オレは案内人、ってな。ま、今回は特に極秘事項だからにゃー。
     ……“誰の目にも触れない必要性がある”、ってこってすたい」

タバサ「…さっきからあなたが奇妙な歩き方をしているのも」

土御門「おっと、よくわかったにゃー。ま、ちょっとした人避けってヤツかにゃー」

イルククゥ「? 確かになんかふらふら歩いてるけど、それがなんなのね?」

土御門「まあ、立ち話もなんだから中に入ろうぜい? オレも少し疲れたしにゃー」

イルククゥ「ま、わたしとしてもごはんが食べたいんでさっさと行くのね!」タタタッ

タバサ「………」

土御門「どうした? オレの顔に何かついてるかにゃー?
     生憎オレの顔にはグラサンぐらいしか掛かってないぜい?」

タバサ「………なんでもない」スタスタ

土御門「……、やれやれ。それにしてもロマリアも人使いが荒いよにゃー」スタスタ

土御門(“オレの身体の事を知った上で魔術を行使させる”、ってんだからな)
618 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:07:21.89 ID:GAfKuJxc0
イン「ふぇぇ、ちゅかれたぁ〜」バタンキュー

ルイズ「おっそーーーい! 何やってたのよこんな時間まで!!」

イン「キュルケの暇つぶしに付き合わされてたんだよ」

ルイズ「んぐっ、あの色ボケ女、わたしの貴重な時間を無駄にして!」

オルソラ「まあまあ、落ち着いて下さいルイズさん」

ルイズ「落ち着いていられるもんですか! 姫さまの結婚式までもう四日もないのよ!?」

オルソラ「まあまあ、それは大変でございますね」

ルイズ「そうよ。だというのに詔が全く出来てないってどーいう事よ!」

イン「それはルイズにも問題があるんじゃないかな」

ルイズ「う、うっさいわね。わたしだってちゃんと考えてるわよ。でもいいのが浮かばないの!」

上条「なんか作文の書けない小学生みたいな言い訳だな」
619 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:08:47.31 ID:GAfKuJxc0
ルイズ「えーいうるさいうるさいうるさい! 関係ないあんたはだぁってなさいよ!」

上条「う、それはちょっと傷つくなー。上条さん傷ついちゃうなー」

ルイズ「そんな事より詔よ。ちょっとインデックス、何かいいの思いついた?」

イン「ぐーすかぴーすか」

ルイズ「って、ん何寝てんのよこの大食いシスターがあああああ!!」

イン「うっちゃいなーもう」

ルイズ「………」ビキビキ

上条「あー、インデックスのヤツ寝ぼけてやがるな…」

オルソラ「それよりもルイズさんのお怒りがマックスでございますのよ」

ルイズ「おいツンツン頭」

上条「は、はい?」

ルイズ「主人のやった事の後始末は使い魔であるあんたがしてくれるのよね」

上条「む、無茶言うんじゃありませんよ!? 大体、俺にそんないい案が浮かぶとでも!?」

ルイズ「なけりゃあそのツンツンした頭むしってでも考えなさいよおおおお!!」
620 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:10:58.04 ID:GAfKuJxc0
上条「何その強引な方法!? 上条さんの頭むしっても何も出ませんですの事よ!?」

ルイズ「だったらいいわ。ちょっと一回…、いえ十回ぐらい蹴らせなさい。すぐ済むから」

上条「すぐ済むでしょうけど上条さんはただじゃ済みませんから!」

ルイズ「それが嫌ならこの寝ぼけシスターを叩き起こしなさい」

上条「それはそれで無事じゃいられないって! ったく、そんなんだから平賀のヤツは…」

ルイズ「………」

上条「あ…」

オルソラ「やってしまったのでございますね…」

ルイズ「あのバカがどうしたって?」

上条「い、いやー、それはそのー」
621 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:11:50.21 ID:GAfKuJxc0
ルイズ「あの犬がなんだって言うのよ。ええ?」

上条「え、えーっと…、こんなのが主人でお互い大変だなーなんて」

ルイズ「………」ぷっちーん

オルソラ「…どうしてあなた様はこの状況でそういう事が言えるのでございますか?」」

ルイズ「ああそっかー。あんたもあいつと同じなんだ。犬なんだ。そっかそっか。
     だからやけにむかついたのね。あいつと同じだから。うん、そうなんだ。
     悪かったわねー、こんなご主人様で。言っておくけどこれはあれよ。あいつの
     代わりよ。あのバカ犬の代わり。だってあんたも同じだもの。ならしょうがないわよね」

上条「まずい、ここはあれだ。俺の十八番を使う時だな」

オルソラ「なんでございますの? それは」

上条「それは…、逃げるんだよォーーーッ!!」

ルイズ「こんの―――」

上条「不幸だあああああああああああああああああ!!!」

ルイズ「バカ犬うウうううううううううううううううう!!!!!」
622 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:17:32.98 ID:GAfKuJxc0



上条「いっつつ…。ったく、魔法攻撃ならまだしも直接攻撃は防げないんだよな」ヨロヨロ

上条(そう、上条さんはルイズにしこたま蹴り回されて身体はボロボロなのだ)

上条「…? あれ、コルベール先生の研究室、まだ明かりが点いてる…」

ガチャ。

コルベール「げほげほ、ふむ。やはり臭いがきついな。だが、それはすなわち
         順調に出来上がりつつあるという事だ。よし、いい調子だぞ」

上条「先生」

コルベール「おや、トウマくんではないか。どうしたのかね、こんな時間に」

上条「いや、ちょっと部屋にいづらい状況になってしまいまして」

コルベール「ははは、そうか。わたしも同じだよ」

上条(いやぁ、先生と俺じゃ『いづらい』の質が雲泥の差だと思うんだけど…)

上条「ところで、先生は夜遅くまで何を?」

コルベール「ふむ。例のガソリンとやらを作っていたのだが、
        いかんせん時間がかかってしまってね。わたしとしても
        『ひこうき』が飛ぶ姿を早く見たい為にこうして徹夜の毎日さ」

上条「いや、別にそこまで急がなくても…」

コルベール「いいや! きみがよくともわたしの好奇心がそれを許さんのだ!」

上条「はあ…」

コルベール「しかし、人手が足りないな。もう一人ぐらいメイジがいればいいのだが…」

上条「つっても、こんな事手伝ってくれるヤツなんか他にいないと思うんだけど」

コルベール「そうなのだよ。それがネックでな。まあ、気長にやっていくさ。
         その方が完成した時の喜びもまたひとしおというやつだな」
623 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:19:24.29 ID:GAfKuJxc0





上条(それからしばらく俺達は話し込んでいたが、段々眠くなって来た俺は
    話を打ち切る事にした。ま、そろそろあいつらの頭も冷えた頃だろうしな。
    もしくはもう寝ちまっただろ。うん、そうに違いない。…と思いたい)




624 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:21:49.85 ID:GAfKuJxc0
上条「そんじゃ、そろそろ夜も遅いしもう戻るよ」

コルベール「おっと、もうこんな時間か。それじゃあおやすみだな、トウマくん」

上条「ああ。おやすみ先生」

スタスタ

コルベール「行ってしまったか。…さて、わたしはもう少し続きを…」

コンコン

コルベール「? トウマくんか? 何か忘れ物でも…?」

ガチャ

???「失礼するよ」

コルベール「き、きみは?」

???「心配するな。怪しい者じゃない」

コルベール「とは言うがね…」

???「僕はあなたの手伝いに来たんですよ」

コルベール「わたしの? そうか、まあ立ち話もなんだ。部屋に入りたまえ」

???「そうさせてもらうよ」
625 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:23:18.68 ID:GAfKuJxc0



―――朝―――



上条「あれ、コルベール先生」

コルベール「おおトウマくん! ついに出来たぞ!!」

上条「出来たって、何が?」

コルベール「ガソリンだよ! これであの『ひこうき』が動かせるのだろう!?」

上条「本当ですか! あれ、でも昨日は全然はかどってないって…」

コルベール「いやあ、それがだね。きみが戻った後、もう一人お客さんが来てね」

上条「客?」

コルベール「見かけない人物だったが、どうやらきみたちの知り合いらしくてな」

上条「……それ、誰なんです?」

コルベール「ふむ、彼は最後まで名乗る事なかったが、火属性の魔法を使うメイジだったよ」

上条「で、真っ赤な髪にタバコをくわえた胡散臭い神父って感じじゃありませんでした?」

コルベール「そうだな。言われてみればそんな感じだったかな」
626 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:24:50.82 ID:GAfKuJxc0
上条「あのヤロー、こんなとこで何してやがる。っつか、あいつもこっちに来てたのかよ…」

コルベール「まあ、彼には感謝しないとな。おかげでガソリンが完成したのだから」

上条「にしても、わざわざこんなとこに来てまで何してんだ、あいつ」

コルベール「そういえば、こんな事を言っていた。何があっても彼女を護り抜け、と」

上条「はぁ? どういう事です?」

コルベール「さて…、わたしにもよくわからん。だが、彼の目からはある種の決意が見て取れた」

上条「決意?」

コルベール「そうだな…、まるで全てを焼き尽くしてしまうような、全てを灰塵に帰すが如く…」

上条「えっと、コルベール先生?」

コルベール「あ、いや。とにかくただならぬ雰囲気を感じたという事さ。ははは」

上条(コルベール先生の目、遠くを見てた。まるで自分にも覚えがあるような…)
627 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:28:53.72 ID:GAfKuJxc0
上条「…まあいいか。とにかく、色々ありがとう。ここまでしてもらって」

コルベール「気にする事はない。わたしが好きでやった事だからな」

上条「あー、でも先生には悪いんだけど俺、アレ動かせないんだよな」

コルベール「なんと! 飛ばないのか!?」

上条「多分、アレ動かせるのは平賀だけだと思う」

コルベール「サイトくんか…。うーむ、彼はいつになったら帰って来るのかね?」

上条「そればっかりは俺にも分からない。けど、すぐ戻って来ると思うよ」

コルベール「そうか。……サイトくん、早く帰って来てくれ」

上条「本当だぜ。…早く帰って来いよ、平賀」





上条(この時俺はまだ知らなかった。この後に起こる最悪の事態を。
    ……戦争が、始まる)



628 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:31:31.41 ID:GAfKuJxc0



―――レキシントン号・甲板―――



ワルド「どこに行っていた」

ステイル「なに、ちょっとした挨拶回りってヤツさ」

ワルド「………」

ステイル「そう恐い顔で睨むなよ。別に君達を裏切ったわけじゃない」

ワルド「どうだか」

ステイル「まあ、そうだな。僕が最も嫌いな相手が自ら戦場に赴くように仕向けただけさ」

ワルド「ほう?」

ステイル「そして、僕はヤツを殺す。骨の欠片も残さず焼き尽くす。
      君にもいるだろう? 殺したい程の相手が」

ワルド「お前に言われるまでもない。戦場に出てきたら俺が必ずやる」

にやり、と。二人の男は邪悪な笑みを浮かべる。

       イマジンブレイカー
ステイル(幻想殺し…)

      ガンダールヴ
ワルド(神の左手…)
629 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:33:43.68 ID:GAfKuJxc0



―――学園都市―――


630 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:35:01.22 ID:GAfKuJxc0
才人「しっかしよ、いつになったら行動に移すんだ?」

半蔵「もうすぐだよ。ま、焦ってミスったら今までの積み重ねがパーだからな」

才人「けどよ、もう9月も終わるってとこだぜ?」

半蔵「そう言うなって。お前のお陰で予定よりも早く済みそうなんだからな」

才人「俺の?」

駒場「……そのすばしっこさ、俺にも欲しいものだがな」

半蔵「だったら例のアレ、使ってみたらどうだ?」

駒場「………それは、本気で言ってるのか」

半蔵「ま、冗談だよ。苦労して手に入れたんだ。いざという時にとっておかないとな」

才人「何の話だ?」

半蔵「俺らにもお前ほどの素早さを得る方法はあるって事だよ」

才人「おお。なんだ、学園都市の科学力って奴か?」

半蔵「そんなとこ」

才人「へぇー! かがくのちからってすげー!」
631 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:35:51.32 ID:GAfKuJxc0
駒場「……まあ、失敗作のようだがな」

才人「?」

浜面「それより、さっさと続きやろうぜ。そんなヤツとくっちゃべってないでさ」

才人「あん?」

浜面「いいか、覚えとけよ。お前がどれだけ俺達に貢献したかは知らねえがな、
    お前のやった事なんざ俺達が今までやって来た事の一割にも満たないんだよ」

半蔵「浜面」

浜面「それに何度も警備員や風紀委員に見つかりやがって。
    顔が割れてないっていう利点がもう使えないも同然じゃねーかよ」

半蔵「なあ、おい浜面」

浜面「第一、」

半蔵「浜面!」

浜面「………、俺はコイツが……気に入らねえ…」

半蔵「お前なぁ、もうその辺は割り切れよ。そりゃ、いきなりぱっと出の一般人……、
    しかも俺らと同じく無能力者が活躍してるのが気に食わないってのはわかるけどよ」

才人「………」

半蔵「だが俺らに選り好みしてる余裕はないんだ。使えるヤツならとことんまで使う。
    そこまでしないとやってけないんだよ、俺達は。……わかってるだろ?」

浜面「わかってるよ。わかってるんだ…俺だって…」

駒場「……平賀、少し席を外そうか」

才人「…ああ」
632 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:37:17.60 ID:GAfKuJxc0




才人「…なあ。俺って、もう手を引いた方がいいんじゃないか」

駒場「……それはダメだ」

才人「けどさ」

駒場「例え残りが少しとは言え、最後まで手は抜きたくないのでな」

才人「油断は禁物、ってか」

駒場「……それに、お前は俺達にとっての希望だ」

才人「え」

駒場「……お前は俺達と同じ無能力者だ。だが、それを思わせない程の力がある」

才人「………」

駒場「……羨ましいな。俺にはない力だ。…浜面もそう思っているんだろう」

才人「そんな。俺の力なんて…。あんた達が言うほどのもんでもないよ…」

駒場「謙遜か。いや、それともその剣が力の源だからか? 自分自身の力ではないと?」

才人「別に、デルフじゃなくても武器ならなんでもいいんだ、俺の力は」

駒場「……どういう事だ?」
633 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:39:07.85 ID:GAfKuJxc0
才人「俺の能力はさ、ガンダールヴって言って武器ならなんでも扱える能力なんだ。
    そして、武器を持てば身体能力も同時に上昇する。それが素早い理由だ」

駒場「……お前は無能力者ではないのか」

才人「ああ。それに俺、本当は能力者なんかじゃない。
    それどころか、学園都市の学生ですらいないんだ」

駒場「………」

デルフ「おい相棒、いいのかい?」

才人「ああ。俺だって今はスキルアウトの一員だ。そのリーダーに隠し事、出来ないよ」

デルフ「…そうかい」

才人「それに、あんた…、駒場さんなら信用出来る」

駒場「……ふっ。俺も随分と持ち上げられたものだな」

才人「本当さ。まあ、信じてもらえるかどうかはわかんないけどね」

駒場「いいだろう。俺とてこの街の住人だ。荒唐無稽な話でも耳を傾けてやるさ」

才人「実は……」




634 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:40:05.71 ID:GAfKuJxc0
駒場「………」

才人「やっぱ、信じてもらえないよな。異世界とか魔法使いとかそんな話」

駒場「……いや、そんな事はない」

才人「ほ、ほんとに?」

駒場「……こことは別の世界がないなどとは言い切れないだろう。
    それに、超能力も魔法と大して変わらないだろう。何もおかしくはない」

才人「そう言われるとそうなんだけどさ」

駒場「実は俺達はお前の素性を密かに調べていたんだが」

才人「えっ、そうなの!?」

駒場「……しかし、『平賀才人』なる人物はこの学園都市のデータには存在しなかった」

才人「あはは…俺が学園都市に存在しないってのはバレてたのね」
635 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:40:45.67 ID:GAfKuJxc0
駒場「……得体の知れない人間とは言え、お前は使えるヤツだ。
    だから、構わず俺達はお前を利用し続けた。言い方は悪いがな」

才人「いいさ。元々そのつもりだったし」

駒場「お前に対しては色々と疑問が多かったが、今の話でそれも解消した」

才人「これで俺、完全に信用してもらえたかな」

駒場「そうだな。だが、この話は他のヤツらには話さない方がいい」

才人「なんで?」

デルフ「そりゃあお前さん、普通は信じらんねえからだろうがよ」

駒場「……実際俺もまだその事実を受け入れ切れてないからな」

才人「えー」

駒場「……ところで、お前の主人の、ルイズとか言ったか」

才人「あいつが何?」

駒場「……その女は、お前にとっての護るべき存在じゃないのか」

才人「………」
636 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:41:37.88 ID:GAfKuJxc0
デルフ「あんたにとってのあのちっこい娘っ子みたいに、か?」

駒場「そうだな。そういう事にしておこう」

才人「俺は……」

駒場「お前の話じゃ、その女は何度か命の危機に瀕しているそうじゃないか。
    いいのか? 傍にいてやらなくて。お前の主人なんだろう?」

才人「俺、あいつと喧嘩したんだ。あいつ、俺に愛想尽かしたんだよ。
    …元々愛想なんかなかったかも知れないけどさ。でも、俺それで頭に来て…。
    今さら戻れないよ。戻ったとしても前みたいにはなれない。だったら俺は…」

駒場「……それがお前の本当の気持ちなら、ここでスキルアウトとして過ごすのもいいさ。
    だが、そうじゃないんだろう? お前はどうしたいのか。平賀、それを考えろ」

才人「俺が、どうしたいか…」

才人(俺は……、あいつの顔なんてもう見たくない…。けど、なんだか胸がざわざわする。
    あいつの事を思うと、変な気分になる。どうしてだよ。あんなにひどい事言われたのに)

デルフ「相棒」

才人「わかんねえ。俺、一体どうすればいいのか…」
637 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:42:37.02 ID:GAfKuJxc0
駒場「………まあ、答えを出すのは今すぐでなくともいいだろう。だが、うやむやにはするな。
    お前は今まで俺達と行動を共にしてそういった事を考えないようにして来たんだろう」

才人「……そう言われると、そうかも知れない」

駒場「答えを決めず、ただ流れに身を任せたままにしたら、お前はいずれ後悔する」

才人「後悔…」

駒場「だからお前は決めなければならない。それも、近い内に」

才人「………」

駒場「………」

才人(答え、か…)

TELLLLLL

駒場「……俺だ。…何? ……そうか、わかった。すぐ行く」

才人「どうしたんだ?」

駒場「……少々困った事が起きた。すまないが、この話はまただ」
638 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:46:17.96 ID:GAfKuJxc0
才人「それはいいとして、一体何があったのさ?」

駒場「……メンバーの何人かが先走って能力者の連中に吹っかけたらしい」

才人「なんだって」

駒場「……しかもどこから入手したのか、キャパシティダウンまで持ち出したようだ」

才人「キャパシティ、ダウン…?」

駒場「……詳しい説明は…」

ブゥゥゥン! キキィ!!

半蔵「リーダー、平賀! 早く乗れ!」

駒場「車内でする。今は何も言わずに乗ってくれ」

才人「え、えっと?」

浜面「早く乗れっつってんだろ!? 一刻を争うんだよ! 乗らねえなら置いてくからな!!」

才人「わ、待てって!」

半蔵「ったく、面倒な事やってくれちゃって…。浜面、出してくれ。全速力でな」

浜面「ああ。舌噛むなよ!」

そして、四人を乗せた車は制限速度完全無視のフルスピードで走り出すのだった。


639 : ◆Yr.mgKbo12 [sage saga]:2013/05/27(月) 23:55:57.11 ID:GAfKuJxc0



はい、今回はここまでです。

ハルケギニア・学園都市の両陣営も遂に決戦の時です

果たして上条さんと才人の運命やいかに!?

そんなわけで、次回に続きます。

きっとまた遅いんだろうなぁ…。

多分、次に更新される頃には超電磁砲SのOPが変わってると思います。
まあ、変わるかどうかは知りませんが。

そういえば今回ルイズがちょっとヒステリック過ぎたかなぁとは思いましたが、
才人に会えなくてルイズ寂しい! って事だと思って下さい。くぎゅうううう!



ぼくもノボルのゼロ魔がもう読めなくて寂しい! ノボルうううう!!


640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/28(火) 07:04:16.79 ID:2uPRoO/po
ヒステリッくぎゅキャラはあのくらいわりとよくある事
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