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唯「ポケットモンスターアズサ!!」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/09/19(月) 15:26:55.72 ID:paUUOWsL0
主人公 唯 

舞台・・・ジョウト

ポケットモンスターゆいの続編です

注意 多少(?)のキャラ崩壊

前スレ

ポケットモンスターゆいその2
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ポケットモンスターゆい
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
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こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
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【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
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アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
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エルヴィン「ボーナスを支給する!」 @ 2024/04/14(日) 11:41:07.59 ID:o/ZidldvO
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さくらみこ「インターネッツのピクルス百科辞典で」大空スバル「ピクシブだろ」 @ 2024/04/13(土) 20:47:58.38 ID:5L1jDbEvo
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暇人の集い @ 2024/04/12(金) 14:35:10.76 ID:lRf80QOL0
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/09/19(月) 15:32:37.31 ID:paUUOWsL0
プロローグ・伝説の始まり

キョウアニアイアイ諸島

純「後、すこしでうい達の故郷か……」

うい「そうだよ」

純「それにしても……私が一緒でいいの?」

うい「純ちゃんなら、大歓迎だよ」

純「私が他の誰かにしゃべるかもよ」

うい「私は純ちゃんを信じてるよ」

純「……いい笑顔ね。それにしても、律儀ね。お姉ちゃんの代わりに優勝の報告なんて」

うい「まあ、お父さん達にも会いたかったからちょうどいいしね。ごめんね、つき合わせて」

純「たいした労力じゃないし、問題ないわよ。……誰にも言わずにジョウトに行くようなトレーナーに比べたら、ましだよ」

うい「あははは」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/09/19(月) 15:33:47.79 ID:paUUOWsL0
島に到着

純「それにしても、何かおかしくない?」

うい「……分かってるよ」

私達は島に上陸したけど、まったく人というかポケモンのいる気配がない。

純「見て、うい。あそこから煙が!」

うい「あそこは村の方だ!」

純「とりあえず、行ってみよう」


村に到着


うい「そ、そんな……」

私達が村に着くとそこには無惨に破壊された村が……。

純「あそこに人(?)がいるよ!」

うい「そ、村長さん!」

村長「う、ういか……」

うい「どうしたんですか?これは一体……」

村長「カ、カイリュー達……人間達がやってきて……グハッ」

うい「そ、村長さん、村長さん!」

村長「き、気をつけるんじゃ、奴らは……人間……を滅ぼそうとしている。……このまま、奴らを好き勝手にしたら、……暗黒の世の中になる……。そうなる前に……うい。それに……ゆいにも伝えておくれ。頼んじゃよ……ガク」

うい「村長さん、村長さーん!!!」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/09/19(月) 15:35:03.67 ID:paUUOWsL0
アズニャン・アイランド

実況『な、長かった、ポケモンリーグもついにチャンピオンが決まりました。そのチャンピオンは……中野梓選手だー』
カチャ。


村長アズサ「この戦いを見れば分かるとおり、今人類とポケモンは危機に陥っています。この戦いではたまたま助かりましたが、まだまだ妥協は許さない状況です。もしかすると人間界に行って、危険な目にあうかもしれません。それは分かりますね」

アズサ「分かってるです!」

村長アズサ「……不安ですね。『ナナシ』のアズサを人間の世界に送るのは」

秘書アズサ「仕方がありません。志願者が1匹だけでしたので」

アズサ「心配しないでください。立派に成果を挙げて、ヒラサワの称号になってやるです」

解説アズサ「このアズニャン・アイランドでは階級制度を採っていて、成績・実績等によって、階級を得ることができます。順番としては一番上からヒラサワ・アキヤマ・コトブキ・タイナカ・スズキ・マナベ・ヤマナカ・ナカノの順番ですね。ナナシというのはこのどれにも当てはまらない一番下の称号です。つまり、一番弱くて、発言権のない階級ですね。ちなみに、村長さんの称号はアキヤマで、ヒラサワの称号を得ているものは過去にこの島を創った初代村長さん1人という、伝説の称号なんです。まあ、物語には何の関係もないんですけど」

アズサ「とにかく、行かせて下さい!」

村長アズサ「仕方がないですかね」

秘書アズサ「そうですね。このまま、キョウアニアイアイ諸島の連中にいいようにやられるのも嫌ですしね」

村長アズサ「それはいいんだけどね。……まあ、いいや。頑張ってね、『ナナシ』のアズサ」

アズサ「はいです!任せて下さい!」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/09/19(月) 15:37:37.81 ID:paUUOWsL0
アズサ「お母さん、お母さん!」

母アズサ「どうしたの、そんなに慌てて」

アズサ「私が今回の人間界に行く人に選ばれたよ!!」

母アズサ「……そう、よかったわね」

ナデナデ

アズサ「えへへ〜。私、人間界で頑張って、伝説のアズサに近づいて見せます!」

解説アズサ「伝説のアズサとは過去に1匹だけ、ヒラサワの称号に近づいたことのあるアズサのことです」

母アズサ「それで……出発は明日だっけ?」

アズサ「そうです」

母アズサ「それじゃ、もう寝なさい。万全の状態で行かないとね」

アズサ「はいです!それではおやすみなさい!」

母アズサ「おやすみ」


母アズサ「……ついにあの子が旅に出るのね」

母アズサは外に出て、村長の家に向かいました。


村長アズサの家

母アズサ「お久しぶりですね、村長さん」

村長アズサ「お久しぶり。それで久しぶりに何の用かな……って、決まってるよね。娘さんのことか」

母アズサ「察しがよくて助かります。私の娘を選んでくれて、ありがとうございます」

村長アズサ「ふむ……。本当は文句を言いに来たのかと思ったけどね」

母アズサ「旅を通じて、あの子が成長してくれれば、と」

村長アズサ「なるほどね」

母アズサ「ただ……何かいやな予感がします。何か……とてつもない恐怖が迫ってるような……」

村長アズサ「……さすがだね。さすがは……伝説のヒラサワの称号に後一歩まで近づいた、アズサだよ。私もそんな気配を感じるよ」

母アズサ「……昔の話ですよ。まあ、たぶん、気のせいでしょう。それよりも……あれを」

村長アズサ「あれ……ね。分かったよ」

母アズサは村長アズサから、あるものを受け取りました。

母アズサ「ありがとうございます」

村長アズサ「寂しくなるね、これから」

母アズサ「そうですね。でも……娘が幸せになってくれれば」

村長アズサ「…寂しくなったら、家においで。バナナジュースでも飲み明かそう」

母アズサ「ははは。考えておきますね」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/09/19(月) 15:39:06.05 ID:paUUOWsL0
アズニャン・アイランド・近海

???「……あそこがアズニャン・アイランドか」

???「でも、心が痛むわね。この島も潰すなんて」

???「仕方がないじゃろ。……私達の計画に支障があるとすれば……人型ポケモンなんじゃから」

???「曽我部、あなたやAYU様でさえ、あんな小娘みたいなポケモンにやられたのよ。注意するに越したことはないわ」

???「そうだな」

???「計画は明朝、しっかりと寝ておけよ」


次の日


カーン、カーン!!

消防アズサ「敵襲です、敵襲です!!!」

アズサ「にゃっ!?」

私は村中に響き渡る鐘の音で目が覚めました。

アズサ「にゃんですか、一体……」

母アズサ「アズサ!」

アズサ「お母さん!何があったんですか?」

母アズサ「……人間さんが攻めてきたんです」

アズサ「人間さんが!?」

母アズサ「おそらく、カントーでの私達と同じ種類のポケモンが活躍したのが原因でしょうね。脅威になると思ったんでしょう」

アズサ「うう、怖いです」

母アズサ「……とにかく、ここは危険です。港まで逃げますよ」

アズサ「う、うん……」


自衛隊アズサ「グハッ」

???「その程度なのね、何だかがっかりだわ」

???「だがキョウアニアイアイ諸島の連中よりも強いな」

???「たしかにね」

???「無駄口はいい。さっさと終わらせろ」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/09/19(月) 15:40:57.11 ID:paUUOWsL0


アズサ「これからどうするんですか、お母さん」

母アズサ「……いいですか、アズサ。これから、船に乗って、この島を脱出します」

アズサ「でも……皆が……」

母アズサ「……あなたは優しいのね。身分が低いからと皆からいじめられていたのに」

アズサ「? 心配するのは当たり前ですよ。仲間なんですから」

母アズサ「……その心を忘れないようにね」

アズサ「なんか変ですよ、お母さん」

母アズサ「……それよりもこれからのことです。今からこの船に乗って、脱出します」

アズサ「うん、分かった……」

母アズサ「ただし、あなた1人でです。船に乗って、ビニールシートに隠れなさい」

アズサ「え……お母さんは?」

母アズサ「私はここで……時間稼ぎをします」

アズサ「嫌です!お母さんも一緒じゃなきゃ……」

母アズサ「この船じゃ、2人はきついです。あなた1人で行きなさい。元々、今日はひとりで旅立つ日だったでしょ」

アズサ「そうだけど、そうだけど!」

母アズサ「お母さんの言う事を聞いてね、辛いだろうけど」

アズサ「……分かったよ、お母さん」

母アズサ「それから……これを渡すです」

アズサ「これは……」

母アズサ「アズニャン・アイランドに伝わる伝説の武器……『むったん』です。これを持って行きなさい」

アズサ「お母さん……」

母アズサ「ごめんね、私がちゃんとしてれば、もっと優秀になれたんでしょうけど……」

アズサ「そんなことないよ!私はお母さんの子供でよかったよ!」

母アズサ「……ありがとう。それじゃ、最後にお母さんと約束して」

アズサ「はいです」

母アズサ「最高のパートナーとなれるトレーナーを見つけなさい」

アズサ「で、でも、人間さんは……」

母アズサ「いいですか。この世界はとっても、とっても広いんです。中にはこんなひどいことをしてる人もいますけど、それと同じように優しい人間もいるんです。決して、復讐とかは考えないで。前を向いて、進んでね」

アズサ「……」

母アズサ「分かった?」

アズサ「……はいです」

母アズサ「それから優しさを忘れないでね」

アズサ「私も約束してほしいです!……絶対に死なないで下さい」

母アズサ「ふふふ、こう見えてもお母さんは強いのよ」

???「こっちで鳴き声がするな」

母アズサ「!?もう行きなさい……それじゃ、元気でね」

アズサ「……お母さん、さようなら!!」

私は船に飛び乗り、ビニールシートを上にかぶせました。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/09/19(月) 15:42:23.30 ID:paUUOWsL0
???「まったく、不気味なポケモンだな。まるで、幼稚園児だ」

母アズサ「……村の皆はどうしたんですか?」

???「お前は人間の言葉を話せるのか。村の連中は今頃、墓の穴にでも埋まってるんじゃないか?」

母アズサ「……よくも皆を……」

???「お前で最後だ」

母アズサ「私は簡単には行きませんよ。見せてあげますよ、かつて、『ヒラサワ』の称号に近づいたその強さを!!」

???「面白い。行くぞ、カイリュー」

2日後・ワカバタウン

助手「ウツギ博士ー、砂浜に謎のポケモンが漂流してます」

ウツギ「謎のポケモンだって」

助手「ええ。女の子のようなんですけど、頭に耳が生えていまして……。カントー地方でも似たようなポケモンがいましたし」

ウツギ「よし。とりあえず、明日にはカントー地方からその手の専門家が来るから、その人に任せよう」

助手「そうですね」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/09/19(月) 15:47:39.78 ID:paUUOWsL0
プロローグ・伝説の始まり 終了

今度から、更新は土曜日か日曜日(遅くとも、月曜日の朝)にはします。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/09/19(月) 16:15:21.13 ID:SiPrwJYlo
続編乙!!
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:00:23.06 ID:zz3D3uf00
第1話 『アズニャン・ゲットだよ!〜出会いと旅立ち〜』

実況『な、長かった、ポケモンリーグもついにチャンピオンが決まりました。そのチャンピオンは……中野梓選手だー』

カチッ。

唯「あー、面白かった」

憂「よく飽きないね。それで、10回目なのに」

唯「いいものは何度見ても飽きないものだよ。それよりも、憂。私、やりたいことが出来たよ!」

憂「それは何?」

唯「私ね、ポケモンマスターになるよ!そして、このカントーのチャンピオンである梓ちゃんに挑戦するよ!!」

憂「へ、へー、それはいい目標だね」

唯「えへへー。でしょー。そのためにも、まずは冒険に行かなきゃね」

憂「そうだね」

唯「それじゃ、博士にポケモンをもらいに行こう」

憂「うん」

憂(無事にポケモンがもらえるといいけど。お姉ちゃんは1年前にあまりにもぐうたらしすぎてるという理由で両親が『ウツギ研究所で助手でもしてやりたいことを見つけなさい』ということで今まで助手をしていたんだけどね。私も一緒に。それで、今までやってきて、今日予定ではポケモンをもらえるはずなんだけど……)

憂「さてはて、どうなることやら」

唯「どうしたの、憂」

憂「なんでもないよ、お姉ちゃん」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:02:15.34 ID:zz3D3uf00
ウツギ研究所

ウツギ「残念だけど、唯君に渡すポケモンはないよ」

唯「ええっ!?」

憂「ど、どうしてですか?」

ウツギ「それは……ここで言っていいのかな?」

唯「理由がはっきりしないと納得できないよ!!」

ウツギ「えーと……唯君の他にもトレーナー志望の助手はいるしね。だから、全員に渡すようにはしたいんだけど、なかなかこれといったのを用意するのには時間がかかるんだよ。それで、用意できたのは3匹なんだけど……。やっぱりね、成績で渡すのを決めるが平等だと思うんだよね」

唯「つ、つまり?」

ウツギ「あんまり、唯君の成績が良くなかったというか、なんというか……」

憂「そ、そんな……」

唯「わ、私、頑張ったのに……グスン」

ウツギ「も、申し訳ないとは思ってるよ。た、ただ、カントーの事件を考えるとね」

憂「どうにか、できないんですか?」

ウツギ「うーん、今日中には着くと思うけど、カントーから、ある人達が来てね。その人達にポケモンをあげてくれと言われてるから、交渉しだいかと……」

憂「そのポケモンをお姉ちゃんに優先的に渡せばいいんじゃないですか?」

ウツギ「……分かってくれよ。師匠から頼まれたんだよ。断れないんだ」

唯「うう……」

ウツギ「も、もう少し、待ってくれれば、きっと……」

助手「は、博士ー」

ウツギ「な、なんだい」

助手「例のポケモンが暴れてるんです!た、助けてください」

ウツギ「な、何だって!!」

唯「ポケモンが暴れてるの?なんだ、博士。まだ、ポケモンがいるんじゃん」

ウツギ「いや、いるにはいるんだけどね」

唯「とりあえず、見せてよー」

ウツギ「……分かった。私についてきて」

唯「ほーい。行こうか、憂」

憂「うん」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:06:24.51 ID:zz3D3uf00
私達は博士に連れられて、奥の部屋の前に来ました。ちなみにここは少し危険なポケモンを保管するところなんだよ。

唯「ここに私のポケモンがいるんだね」

憂「でも、お姉ちゃん。暴れるくらい危険なのに扱いきれるの?もしかしたら、襲われちゃうかも」

唯「……大丈夫だよ!」

憂「……そこまで考えてなかったんだね」

唯「そ、そんなことないよ!」

ウツギ「いいかい。少々、気が立ってるからくれぐれも注意するんだよ」

唯・憂「「はーい」」

私達は部屋に足を踏み入れました。

???「にゃ、にゃああああああ」

ガシャン、ガシャン、ガシャン!!

檻を乱暴に揺らしています。結構、荒ぶってるね。私達檻のある場所に行くと、頭に猫の耳をつけ、お尻のほうには尻尾をつけた、ツインテールの小さい女の子が檻の中にいました。

憂「こ、これがポケモンなんですか?なんだか、女の子みたい」

ウツギ「たしかにそうだね。でも、カントーの……ポケモンリーグは知ってるかい?」

憂「はい。結構見てるので……」

ウツギ「なら、話しは早い。あのようなポケモンも出現しているからね。しかも、あのネコミミは体の一部なんだよ」

憂「本当ですか?」

ウツギ「実際に触ってみたし、問題はなかったよ」

憂「でも……檻に入れておくのは可愛そうですよ」

ウツギ「そうだけどね。何分、未知の生物だからね。仕方がないんだよ」

憂「そんな……」

ウツギ「ただ、今日にもカントー地方からその手の専門家が来るらしいんだ。だから、今日までの間の処置だよ」

憂「それならまだいいのかな、お姉ちゃん。……って、何やってるの、お姉ちゃん!?」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:07:11.68 ID:zz3D3uf00
私達は博士に連れられて、奥の部屋の前に来ました。ちなみにここは少し危険なポケモンを保管するところなんだよ。

唯「ここに私のポケモンがいるんだね」

憂「でも、お姉ちゃん。暴れるくらい危険なのに扱いきれるの?もしかしたら、襲われちゃうかも」

唯「……大丈夫だよ!」

憂「……そこまで考えてなかったんだね」

唯「そ、そんなことないよ!」

ウツギ「いいかい。少々、気が立ってるからくれぐれも注意するんだよ」

唯・憂「「はーい」」

私達は部屋に足を踏み入れました。

???「にゃ、にゃああああああ」

ガシャン、ガシャン、ガシャン!!

檻を乱暴に揺らしています。結構、荒ぶってるね。私達檻のある場所に行くと、頭に猫の耳をつけ、お尻のほうには尻尾をつけた、ツインテールの小さい女の子が檻の中にいました。

憂「こ、これがポケモンなんですか?なんだか、女の子みたい」

ウツギ「たしかにそうだね。でも、カントーの……ポケモンリーグは知ってるかい?」

憂「はい。結構見てるので……」

ウツギ「なら、話しは早い。あのようなポケモンも出現しているからね。しかも、あのネコミミは体の一部なんだよ」

憂「本当ですか?」

ウツギ「実際に触ってみたし、問題はなかったよ」

憂「でも……檻に入れておくのは可愛そうですよ」

ウツギ「そうだけどね。何分、未知の生物だからね。仕方がないんだよ」

憂「そんな……」

ウツギ「ただ、今日にもカントー地方からその手の専門家が来るらしいんだ。だから、今日までの間の処置だよ」

憂「それならまだいいのかな、お姉ちゃん。……って、何やってるの、お姉ちゃん!?」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:07:42.34 ID:zz3D3uf00
唯「え、檻から出してあげようかなって」

私は檻の鍵を助手さんからもらって、檻を開けようかと言うところに憂が大きな声を出してきました。

憂「あ、危ないよ」

唯「大丈夫、大丈夫。いきなり、こんな檻に入れられたら、誰だって、不安な気持ちになって暴れたくなっちゃうよ。だから、落ち着かせてあげなきゃ」

私は檻の中に入る。

唯「ほ〜ら、おいで〜」

???「にゃあああああああああああああああ」

私が近づくと、その女の子みたいなポケモン(?)はさらに叫び声をあげて、逃げようとします。

唯「大丈夫だからね。ほら、ギュウ〜」

私は優しく抱きしめてあげます。

???「にゃあああああああああああああああああああああああああ」

そのポケモンはさっきまでの勢いとは比べ物にはならないほど、暴れ始めます。……なんか、ショックだな〜。

???「ガブッ!」

唯「キャッ!」

この子は私の腕を小さいお口で噛んできました。

憂「お姉ちゃん!」

ウツギ「大丈夫かい!」

唯「だ、大丈夫だよ。怖かったんだよね?いい子、いい子〜」

私はその子の頭を撫でてあげます。

ウツギ「そんなので収まるはず……」

???「パアア」

憂・ウツギ「「収まった!」」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:09:12.00 ID:zz3D3uf00
唯「それにしても……この子は何なんだろう」

???「にゃう?」

憂「お姉ちゃんが気に入ったのかな?お姉ちゃんが抱っこしたら、急に大人しくなったよ」

唯「えへへ〜。だったら、嬉しいな」

ウツギ「……」

ウツギ(唯君は不思議とバトルのセンスはある。そして、この子はポケモンに異常に懐かれるという素質があるんだよな〜。これでもう少し、知識があれば……)

唯「どうしたの、博士?」

ウツギ「な、なんでもないよ」

憂「ね、ねえ、お姉ちゃん。私も撫でてみていいかな?」

唯「もちろんだよ。ほら!」

憂「ドキドキ」

憂は恐る恐る、この子に手を伸ばす。そんなにびびらなくても大丈夫だと思うんだけどな。

憂「ナデナデ」

???「にゃふ〜」

憂「可愛いね」

唯「でしょ〜」

ウツギ「どれどれ」

???「ふにゃああああああああああ」

ウツギ「ひっ!」

唯「きっと、檻に入れられたから怒ってるんだよ」

ウツギ「そ、そうか……」

唯「あ。……そういえば、君の名前がわかんないね」

憂「そうだね」

ウツギ「……そろそろ、カントーから専門家が来るはずだから、戻ろうか」

唯「この子も連れて行っていい?」

ウツギ「……まあ、いいでしょ」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:10:34.17 ID:zz3D3uf00
律「まったく、ここまで来るのに5日もかかるなんてな」

澪「船の整備不良とかがあったから仕方がないよ」

紬「それにしても、いい風ね」

梓「そうですね。とっても、気持ちいいです」

ゆい「研究所はここかな?」

梓「そうみたいですね」

律「よし、梓。開けるんだ」

梓「それは別にいいんですけど……なんで、私?」

律「もしかしたら、開けた途端にボーガンが飛んでくるかもしれないだろ?」

梓「そんな訳ないじゃないですか。それにそうだったら、私死んじゃいますよ」

律「そこは主人公補正とかで生き残れるよ」

梓「意味が分かりません」

紬「でも……だとしたら、りっちゃんが最初に死んじゃうんじゃない?『危ない、梓!』って感じで」

律「それは困ったな」

澪「……もう、どうでもいいから入ろう」

梓「そうですね」

私は扉を開きました。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:12:19.87 ID:zz3D3uf00
???「失礼しまーす……」

私達が玄関の方に行くとそんな声とともに女の子達が現れました。……というか、この女の子達って……。

???「あの……ウツギ博士は……」

ウツギ「私がウツギだよ。君達がカントーからの?」

???「そうです。あ、自己紹介がまだでしたね。私の名前は……」

唯「あ、梓ちゃんだ!!」

私は腕にいた子を憂に渡し、その女の子……梓ちゃんに駆け寄ってギュッと抱きしめます。

梓「あ、あの、あなたは……」

唯「私の名前は平沢唯だよ!カントーのポケモンリーグを見てたよ!」

梓「そ、それはありがとうございます。あ、私の名前は中野梓です」

唯「たしか、あずにゃんだよね!よろしくね、あずにゃん」

梓「は、はあ、どうも……」

唯「本物は可愛いね!ギュッ」

ゆい「む、私も負けないよ!ギュッ」

梓「にゃっ、やめて下さい、2人とも!」


律「なあ、なんだか、ゆいに似てないか、あの平沢さんって」

紬「それは世の中には似てる人が3人はいるっていうし」

澪「一応、ポケモンと人間だけどな」


これが後に終生のライバルと呼ばれる唯と梓の出会いなのであったのはまた別の話しである。
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:15:57.25 ID:zz3D3uf00
唯「へー、皆はオーキド研究所で助手をしてたんだ」

私達は互いに自己紹介をして、お茶にしています。

唯「私達も1年間、ここで助手をしてたんだよ。ね、憂」

憂「うん」

律「ところでウツギさん。博士がウツギさんにポケモンをもらえって言われたんだけど」

ウツギ「ああ、用意してあるよ」

唯「……私達には用意してなかったくせに」

ボソッ

憂「お、お姉ちゃん」

ウツギ「……とにかく、この3匹だよ」

博士がりっちゃん達に用意したのは、ヒノアラシ、ワニノコ、チコリータの3匹です。いいな〜。

梓「……3匹だけですか」

律「梓にはゆいがいるじゃん」

ゆい「そうだよ〜」

梓「……まあ、いいんですけどね」

律「とりあえず、私はヒノアラシで……」

澪「待った、律」

律「なんだよ、澪」

澪「私達は一応、最初にもらったポケモンを連れてきてるわけだろ。私なら、カメックスを」

律「だから、なんだよ」

澪「だから、最初にもらったポケモンとは違うポケモンにしよう。そのほうがバランスも取れていいだろ」

律「なるほど」

紬「いい考えね」

律「それじゃ、私は……ワニノコかチコリータか」

澪「私はヒノアラシかチコリータだな」

紬「それで私はヒノアラシかワニノコね」

律「それじゃ、私はワニノコにしよう」

澪「おいおい。勝手に決めるなよ」

紬「別にいいわよ。そうなると、私は必然的にヒノアラシだけど」

澪「私はチコリータか」

梓「決まりましたか?」

律「ああ。早速、勝負するか?」

梓「別にいいですけど……私、ハッサムかゆい先輩かですよ。澪先輩達とやった方がいいですよ」

律「それでもいいんだけど……そうだ、平沢さん」

唯「唯でいいよ〜」

律「じゃあ、唯。ウツギさんにどんなポケモンをもらったの?」

ウツギ「え、えーと……」

唯「これだよ〜」

私は抱っこしていた子を見せます。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:20:44.53 ID:zz3D3uf00
律「それが?さっきから気になってたんだけど……ポケモンなのか?」

唯「そういえば、専門家さんは?一緒に来るって聞いたけど」

律「そんな人、いないはずだけどな」

紬「いえ、りっちゃん。専門家ならいるわ」

律「どこに?」

紬「ここに」

ムギちゃんはあずにゃんを指差します。

梓「へ、私?」

律「なるほど。ゆいの専門家だもんな」

ゆい「えへへ〜」

梓「違いますし!」

唯「とにかく、見てよ」

私はこの子をあずにゃんに渡します。

梓「わ、渡されても……」

???「ジー」

梓「なんか、凝視されています」

ゆい「私、この子を見て、気がついたことがあるよ」

梓「何ですか?」

ゆい「この子ね……とっても可愛いよ!」

私の頭に乗っていたゆい先輩は飛び降りて、この子に抱きつきます。

???「にゃ、にゃっ」

ゆい「ん?君、人型ポケモンなのに人間の言葉をしゃべれないの?」

澪「いや……普通、しゃべれないだろ」

ゆい「そんな君にはこれをあげよう」

ゆいちゃんは背負っていたリュックからアイスのようなものを取り出します。

ゆい「翻訳アイス〜」

澪「いろいろと危ないな」

ゆい「これを食べるといいよ」

???「にゃうにゃう」

ゆい「え?たい焼きの方がいい?我侭言わないの」

この子はアイスをペロペロと可愛い舌で舐め始めます。

???「こんなのでしゃべれるようになるんですか?」

律「おお、しゃべった!」

???「ん?私の言葉が分かるんですか?」

紬「え、ええ……」

憂「は、はっきりと……」

唯「いろいろ聞きたいことはあるんだけど、……まずは君の名前は?」

???「……嫌です」

唯「へ?」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:23:12.13 ID:zz3D3uf00
???「人間なんかに名乗る名前なんてないです。それよりも、返してほしいです」

唯「何を?」

???「お母さんからプレゼントされたものです。早く、返してください」

唯「えーと……」

ウツギ「これのことかい?」

博士は小さいギターケースのような物を持ってきました。

???「そう、それです。返してください」

博士はそれをこの子に返します。

???「それじゃ、私は行きます」

唯「あ、待って……」

ゆい「駄目だよ!」

ゆいちゃんはその子の手を捕まえます。

???「離して下さい」

ゆい「メッ、だよ!人間さんにそんな態度を取っちゃ!」

???「……」

その子は何かを思い出したかのように目にジワッと涙をためます。

ゆい「わわ。泣かすつもりはなかったんだけど……」

???「……なんでもないです。それよりもさっきはすいませんでした」

その子は私に頭を下げます。

???(約束を忘れるところでした。ごめんなさい、お母さん)

???「私の名前は……アズサです!よろしくお願いするです!!」

律「へー、アズサっていうんだ。梓と同じだな。見かけもそっくりだし」

梓「そうですか?」

唯「アズサって名前なら……ニックネームはアズニャンだね!」

紬「あだ名まで梓ちゃんそっくりね」

アズサ「ジー」

梓「な、なんでしょう……」

アズサ「あなたはポケモンじゃないんですか?」

梓「違いますよ」

アズサ「そうですか。私の島の生き残りだと思ったんですけど」

澪「私の島の生き残り?どういうことだ?」

アズサ「実は……」

アズニャンはポツポツと話してくれました。故郷のこと、家族のこと……そして、人間が故郷であるアズニャン・アイランドを襲ったことを。

唯「アズニャン……」

アズサ「にゃっ……」

唯「私、アズニャンのトレーナーになるよ!!もう、決めたよ!」

アズサ「にゃにを勝手に……」

梓「襲った人達はどんなポケモンを使ってきましたか?」

アズサ「分からないです」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:27:28.64 ID:zz3D3uf00
梓「そうですか……」

梓(もしかしたら、曽我部さんかもしれないと思いましたけど……)

律「……それじゃ、唯。私のワニノコと勝負だ!」

唯「望むところだよ、りっちゃん!」

私達は勢いよく、研究所を飛び出しました。

ウツギ「……さて、唯君にはポケモンを用意できた……というと、語弊があるけど、まあ、手に入れたわけだけど……。憂君のは……すまないね」

博士が申し訳なさそうに話しかけてきました。

憂「いえ、別に私は……元々、来年の予定でしたし、年齢的に」

ウツギ「でも、君だって、寂しいだろ?唯君が旅立ったら。……それに探したい人がいるはずだよね?」

憂「そうですけど……」

梓「平沢さんにはポケモンがいないんですか?」

憂「あ、中野さん……」

梓「梓でいいよ。なんていうか、同い年のような感じがするしね。一応、私は17歳だけど」

憂「あ、私も17歳だから……本当だ、同い年だ。よく分かったね」

梓「……似たポケモンもそうだったからね」

憂「え?」

梓「なんでもないよ」

憂「えーと、梓ちゃんでいいのかな?」

梓「うん」

憂「梓ちゃんはカントー地方を旅して、ポケモンリーグにも参加……というか、優勝したんだよね?」

梓「ま、まあ、奇跡的にね」

憂「1つだけ、聞きたいんだけどさ。旅の途中でも、ポケモンリーグに参加していた時でもいいんだけど……真鍋和っていう人を知ってるかな?」

梓「!?」

憂「その顔は……何か、知ってるの!?」

梓「えーと……その人とどういう知り合いなの?」

憂「それは……幼馴染だよ」

梓「幼馴染……ということは和さんがカントーで何をしてたか、知ってるの?」

憂「一応ね……お姉ちゃんは知らないかもしれないけど……」

梓「……ちょっと、待っててね」

梓ちゃんは博士に許可を得て、パソコンをいじります。

梓「これ……」

そして、梓ちゃんは私にボールを渡します。

梓「平沢さんに……渡しておくね」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:28:48.97 ID:zz3D3uf00
憂「これは……イーブイ?」

梓「それは……和さんの研究の結果だよ」

憂「!?」

梓「そのイーブイは……この石を使って、自由に進化できるんだよ」

憂「それは…すごいね。これを和ちゃんが創ったの?」

梓「たしかにすごいことかもしれないけど……この子を生み出すためにたくさんの犠牲が生まれたんだ」

憂「……それを和ちゃんが……」

梓「で、和さんは今は……多分、ロケット団を辞めていると思う」

憂「どうして、そんなことが分かるの?」

梓「和さんと戦ったから」

ゆい「私達が勝ったけどね」

梓「でも……あの人は強かったです」

憂「当然だよ。和ちゃんはポケモンマスターになることが夢だったんだから」

梓「それで……これを渡すのは……別にこんなひどいことをやってたんだから嫌いになれとかじゃなくて……ただ、知っておいた方がいいかなって」

憂「……知ったからって、何も変わらないよ。和ちゃんに会いたい」

梓「それでいいと思うよ。……まあ、うまれた経緯はともかく、イーブイにはたくさん助けられたしね。頼れるポケモンだよ」

憂「そんなポケモンをどうして私に?」

梓「言うのは恥ずかしいけど……友達の証かな……」

憂「え?」

梓「あー、やっぱり、今のなしで」

ゆい「くすくす。あずにゃん、顔真っ赤」

梓「う、うるさいです!」

憂「……ありがとう。大切にするね」

梓「そうしてくれると嬉しいね」

唯「はかせー、重要な儀式をわす……ん?憂、何を持ってるの、って、それ、モンスターボール!?」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:30:24.99 ID:zz3D3uf00
憂「えへへー、今、梓ちゃんからポケモンをもらったんだよ」

唯「えー、いいな、いいな。私にも頂戴」

梓「平沢さんには、あの子がいるじゃないですか」

唯「そうだけどさ。まあ、それはいいや。それよりも!」

梓「な、何ですか……」

唯「私のことは唯でいいよ。……なるべくなら、唯先輩とか……唯ご主人様とかがいいな」

梓「唯先輩と呼ばせてもらいます」

唯「即答!?」

憂「私も憂でいいよ」

梓「うん、分かったよ」

唯「チェッ、なにさなにさ」

梓「それよりも、何かを忘れてたんじゃないんですか?」

唯「あ、そうだった。はかせー、モンスターボールあるかな?」

ウツギ「何に使うんだい?」

唯「アズニャンをゲットしないとね」

梓「なるほど」

ゆい「私達もそろそろ、外に出ようよ」

梓「そうですね」

唯「……ありがとね、あずにゃん」

梓「はい?」

唯「なんでもないよ。さあ、いこっ!」

梓「ひ、引っ張らないで下さい」


澪「遅かったな、梓」

梓「まあ、いろいろとありまして」

紬「唯ちゃんも戻ってきたみたいだし、ちょうどいいわね」

澪「どうでもいいけど、同じ名前だと呼ぶのが大変だな」

紬「そんなことないわ。人間の唯ちゃんの時は漢字だし、ポケモンのゆいちゃんは平仮名だもの」

澪「ムギは何を言ってるんだ……」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:33:01.02 ID:zz3D3uf00
唯「さあ、あずにゃん。私のポケモンになるための儀式をするよ」

アズサ「儀式ですか。そんなものがあるんですか……というより、あなたのポケモンになるなんて、私は言ってません」

唯「嫌なの?」

アズサ「そんなことは言ってません」

唯「どっちなの?」

アズサ「それは……仕方がないのであなたのポケモンになるです」

唯「あなただなんて他人行儀だよ。もっと、フランクに『唯』……いや、『唯先輩』って呼んでよ」

アズサ「唯先輩?唯先輩!」

唯「えへへ〜」

アズサ「そんなことより、儀式です」

唯「そうだった。いくよ、モンスターボール」

アズサ「にゃっ!?」

ボールをぶつけるとアズニャンはボールの中に入り、ブルブルブルブル、パチン!とボール内に収まりました。

唯「うぅ、やった!アズニャン、ゲットだよ!!」

私はアズニャンの入ったボールを上に掲げます。

唯「これをしないとね、やっぱり」

律「終わったか〜。なら、戦おうぜ」

唯「よし!きて、アズニャン!」

ボンッとアズニャンをボールから出します。

アズサ「にゃふ。ボールの中は窮屈で嫌ですね」

唯「ごめんねー。ねえ、アズニャン。アズニャンは戦えるの?」

アズサ「失礼な質問ですね。アズサは戦闘民族と言われるほどの戦闘能力の高いポケモンなんですよ」

唯「そうなんだー」

アズサ「任せて下さい。軽く、勝ってみせるです」

唯「頑張って、アズニャン!」

律「それじゃ、頑張ってくれよ、ワニノコ」

ワニノコ「ワニ、ワニ」

ウツギ「それじゃ、僕が審判をしよう。それじゃ、2人とも、準備はいいかい?」

律「おう!」

唯「いつでもいいよ」

ウツギ「それでは……バトルスタート!」

律「いけ、ワニノコ!」

唯「いくよ、アズニャン!」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:34:20.90 ID:zz3D3uf00
澪「どんな戦い方をするのかな」

紬「ワクワクするわね」


律「ワニノコ、にらみつける!」

ワニノコは親の敵を見るかのようにアズニャンを睨みつけます。

アズサ「にゃっ、どうして、そんな目でにらみつけるんですか」

アズニャンはガクガクと震えています。

唯「ずるいよ、りっちゃん。アズニャンが怯えてるじゃない」

律「知るかよ。ワニノコ、ひっかくだ!」

ワニノコは鋭いツメでアズニャンをひっかきにいきます。

アズサ「にゃっ!」

唯「アズニャン!」

ワニノコはアズニャンの小さい体を切り裂き、アズニャンは倒れてしまいました。

唯「大丈夫、アズニャン!」

アズサ「……うう」

律「……やりづらいな」

アズサ「グスン。やっぱり、私は駄目なアズサなんですか。うう、力が欲しいです」

???「力が欲しいの?」

アズサ「にゃう。誰ですか?」

???「力が欲しいなら、僕を掴んでみて。そしたら、君に力を貸してあげよう」

アズサ「掴んでみてって……何を?

澪「なあ、急に独り言をしゃべり始めたけど、大丈夫か?」
梓「私に聞かれても……でも、何かあのギターから聞こえたような」
ゆい「何も聞こえないよ」
梓「そうですか?私の気のせいかな。」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:37:19.59 ID:zz3D3uf00
アズニャンは周りを見始めます。何か、欲しいのかな?……あっ!

唯「アズニャンが探してるのはこれかい?」

私はさっきのお母さんのプレゼントと言っていたギターケースのような物を掲げます。

アズニャン「にゃっ。それです!」

アズニャンはそれを受け取ります。

アズニャン(何か、光っています。皆さんには気がつかないようですけど)

???「それはそうだよ。これはアズサ族にしか聞こえないんだから」

アズサ(あなたは何者なんですか?)

???「僕の名前は……ムスタンクっていうんだ。まあ、むったんと親しみをこめて呼んでくれればいいよ」

アズサ(なんか、馴れ馴れしいですね)

むったん「まあ、気にしない。それよりも、僕をケースから出して」

アズサ「分かったです」

アズニャンはギターケースのチャックを開けます。

律「おいおい、これはバトルだろ?音楽でも弾くのかよ。……まあ、弾かせないけどな、ワニノコ、ひっかく!」

ワニノコはトドメをさすべく、ピョコピョコと走ってきます。う〜ん、可愛いな〜っと……。

唯「そんなこと考えてる場合じゃないよ。アズニャン!」

アズサ「よいしょ、よいしょ」

アズニャンは小さい体で一生懸命、ギターを取り出します。う〜ん、こっちも可愛いな〜。じゃ、なくて!!

唯「アズニャ……キャッ!」

アズニャンがギターを出し終えるとギターが光り輝きます。

アズサ「な、なんですか、これは……」

むったん「やれやれ、君が僕の新しい相棒か。随分、弱そうだね」

アズサ「失礼ですね」

むったん「まあ、いいや。君の潜在能力を見せてもらうよ。僕を持つのにもそれなりの力が必要なんでね。……!?」

アズサ「どうしたんですか?」

むったん「……君の親の称号は?」

アズサ「私のお母さんは昔はかなり高い称号にいたって、村長さんは言ってましたけど、今はナナシです」

むったん「なるほどね」

アズサ「それで、どうなんですか?」

むったん「いいよ、力を貸してあげよう。と言っても、授けるのと同じかもね。今から君にはアズサ殺法52の技を授けるよ」

アズサ「なんですか、それは?」

むったん「アズサ族に伝わる伝説の技の数々さ。もっとも、その技を使えるかどうか、使いこなせるかは君しだいだけどね。どうする?」

アズサ「そんなの決まってます。やってやるです!」

むったん「その言葉が聞きたかったよ」

ギターからはなたれた光りはようやく収まりました。
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:38:30.83 ID:zz3D3uf00
律「チッ、何なんだ。ワニノコ、もう一度、ひっかくだ!」

アズサ「わわ。また、来たです。どうすれば……」

むったん「記念すべき初陣だからね。最初は勝ちたいな」

アズサ「分かってるです。だから……」

むったん「神経を集中させるんだ。相手を倒すことだけを考えて……」

アズサ「分かりました。やってやるです!」

アズニャンは相手が向かってきてるのに、目をつぶります。

唯「わわっ。何をやってるの、アズニャン!」

アズサ「……」

むったん「僕の合図で僕を使って、相手を切り裂くんだ。……今だ!」

アズサ「トリャーーーーー」

アズニャンはワニノコが後、5歩くらいでアズニャンをひっかけそうな位置に来たところで動き出しました。

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・スラッシュ』!!!」

あずにゃんは武士のように走りながら、相手を切り裂き、ワニノコは倒れました。

ウツギ「ワニノコ戦闘不能。アズサの勝利。よって、唯君の勝利です!」

唯「や、やったああああああああああああああああああああ」

アズサ「か、か、勝ちました。アズニャン・アイランドでは今まで、1回も勝ったことなかったのに……」

むったん「それはすごい才能だね」

唯「アズニャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン」

アズサ「にゃあ!」

唯「勝ったよ、勝った!」

アズサ「と、当然の結果ですよ」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:40:25.23 ID:zz3D3uf00
梓「1度勝っただけで、すごい喜びようですね」

紬「初々しくていいわね」

澪「しかし……ゆいのように侮れないポケモンだな」

ゆい「えへへ〜」

律「ちくしょう、負けちまったぜ」

澪「仕方がないさ。あれは初見じゃ無理だよ」

紬「ある意味、今見れてよかったわよね」

律「また、私でデータ収集かよ」

梓「で、次は……憂も戦う?」

紬「あれ?憂ちゃんのポケモンはなかったんじゃ……」

梓「私があげたんですよ」

律「へー、優しいな。……浮気か?」

ゆい「そうなの、あずにゃん!?」

梓「いちいち、本気にしないで下さい」

憂「私はどうしようかな……」

澪「何のポケモンをもらったんだ?」

憂「イーブイです」

律「へえー……ほー……やっぱり、浮気だな」

ゆい「あずにゃん、私を捨てないで!!」

梓「うっとおしいです」

憂「私はいいよ。それより、これからどうするの?」

梓「そうですね……明日に出発しましょうか」

律「そうだな。順番とかも決めておこうぜ」

唯「順番?」

梓「あ、戻ってきました」

唯「順番って?」

澪「一緒に出て行ったら、あれだしな。時間差を置いていった方がいいだろ?」

唯「皆で行くんじゃないの?」

律「それもいいけどな。でも、それじゃ、ポケモンリーがつまんなくなるしな」

澪「ある程度、相手の手が読めるからな。それに1人で行くことで成長にもつながるし」

紬「ぶっちゃけると、ジム戦とかが大変になるのよね」

唯「そっか……。そうだよね。うん……決めたよ!私も1人で旅をするよ!」

憂「ええっ!?」

唯「いつも、憂に頼りきりで迷惑かけっぱなしだもんね。この旅で、すこしでも成長するよ!」

憂「お姉ちゃん。ウルウル」

唯「そして、最終的にはあずにゃんを倒して、ポケモンマスターになります!!」

憂「お姉ちゃん、かっこいいよ!」

唯「えへへ〜、でしょ〜?」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:42:55.09 ID:zz3D3uf00
律「おい。宣戦布告されてるぞ」

紬「モテモテね」

澪「大変だな、梓も」

梓「まあ、挑戦は望むところですけどね」

唯「ところで、憂はどうする?あずにゃんにポケモンをもらったんだよね」

憂「私は……」

梓「なんなら、一緒に行く?」

憂「え?」

律「また、浮気か」

梓「そんなんじゃありませんよ」


紬「ずっと、年上の私達とばっかりだったからね」

澪「たまには同年代と一緒にいたいか……」


憂「……ありがたいけど、私も1人で旅するよ。お姉ちゃん離れをできるようにね!」

梓「そっか……」

律「振られたな」

梓「だから、違いますって」

ゆい「大丈夫。あずにゃんには私がいるよ〜」

唯「私もいるし!!」

紬「モテモテね」

梓「しつこいですよ!」

律「とにかく、明日には新しい旅が始まるわけだ。皆、ポケモンリーグで会おうぜ!」

皆「オー!!!」

こうして、私達の旅が幕を開けようとしました。これから、どんなことがあるんだろう。まあ、何があっても、アズニャンと一緒に頑張るけどね!


おまけ

アズサ殺法

その1

むったん・スラッシュ ノーマル 物理 威力70/命中100

アズサの通常技。むったんで相手を切りつける。急所に当たりやすい。
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:44:26.51 ID:zz3D3uf00
第2話 『祝・初めての仲間!〜師匠との出会い〜』

憂「お姉ちゃん、起きてよ!」

唯「うう、もう、朝〜?」

憂「ほら、今日は旅に出る日だよ!」

唯「そうだった!」

憂「私ももう出るけど、本当に大丈夫?なんなら、私も一緒に行こうか?」

唯「私は大丈夫だよ。だから、もう行っても大丈夫だよ。……そういえば、アズニャンは?」

憂「ランニングに行ったよ」

唯「ランニング?」

アズサ「ただいまです!」

憂「おかえり」

唯「走って来たの?」

アズサ「そうです。いいポケモンになるには基礎鍛錬はかかせません」

唯「わ〜、アズニャンすごいね〜」

アズサ「えっへん!」

むったん「それであの能力。……現実は悲しいね」

アズサ「うるさいです」

唯「くんくん。ちょっと、汗臭いね。お風呂入ってから出発しよう。それじゃあね、憂」

憂「う、うん……それじゃ、行ってくるね」

唯「あ、憂。最後に1つ」

憂「なあに、お姉ちゃん」

唯「ポケモンリーグで戦おうね!」

憂「……うん!!」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:45:38.21 ID:zz3D3uf00
お風呂

アズサ「ここで何をするんですか?」

唯「アズニャンの体を洗うんだよ」

アズサ「どうしてですか?」

唯「どうしてって……綺麗な方が気持ちいいでしょ?」

アズサ「それもそうですね」

唯「洗ってあげるね。おいで」

私はアズニャンを膝の上におきます。

アズサ「ジー……」

唯「どうしたの、アズニャン」

アズサ「これ、何を詰めてるんですか?」

ペチペチと私の……胸を叩いてきます。

唯「た、叩かないでよ、アズニャン」

アズサ「気になるです。しかも、なにか、先っぽがついてるです。吸ってみるです!」

唯「や、やめてよ、アズニャン。やめなさい!」


入浴後

唯「旅に出る前から、疲れたよ」

アズサ「だらしないですよ、唯先輩」

唯「ジー……」

アズサ「……ごめんなさいです」

唯「まあ、いいや。気を取り直して、出発だよ!」

アズサ「はいです!」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:48:18.26 ID:zz3D3uf00
ヨシノシティ・近郊

唯「もう、そろそろ、ヨシノシティなんだけど……疲れたよ〜」

アズサ「またですか、まったく。だらしないですよ」

唯「何言ってるのさ。アズニャンが悪いんだよ」

〜回想〜

唯「あ、コラッタだ」

アズサ「任せてください」

唯「アズニャン、やる気だね」

アズサ「やってやるです!」

コラッタ「コラッ!」

コラッタの体当たりがアズニャンに襲い掛かります。

アズサ「ふにゃあ!」

アズニャンはそれを避けきれずに、まともに受けます。

アズサ「ふにゃ〜」

アズニャンは目を回して気絶しました。

唯「って、アズニャン、大丈夫!?」

コラッタ「コラ〜」

唯「え、怒ってらっしゃる?えーと……さようなら」

スタコラサッサ。

〜回想終了〜

唯「あのコラッタから逃げ切るのは大変だったね。やれやれだよ」

アズサ「ごめんなさいです……」

唯「あ、謝らなくてもいいよ。これから、じっくりと鍛えていけばいいんだよ」

アズサ「はいです!」

むったん「まったく。僕を使って、ここまで弱いのは君が初めてだよ」

アズサ「うるさいです。ちゃんと、むったんを使えば……」

むったん「勝てる?でも、無理だよ。最初勝てたのは初めてのポケモンで全然育てられてなかったからだよ。僕の技は強力だけど、必ず倒せる

わけもないし、やっぱり、基本的な技で弱らせるとかしないとね」

アズサ「じゃあ、教えて下さいよ」

むったん「残念だけど、僕の管轄外さ」

アズサ「使えませんね」

むったん「なんとでも言うといいさ」

唯「あずにゃん、独り言をよくしゃべるけど大丈夫?」

アズサ「独り言じゃありませんよ。むったんとしゃべってるんです」

唯「……アズニャン。私はアズニャンの味方だからね。悩みがあるなら、話してみて」

アズサ「にゃうー、本当なのに」

むったん「仕方がないよ。いきなり、ギターがしゃべってるなんて言って、信じてくれる人なんかいないよ」
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:50:44.63 ID:zz3D3uf00
唯「とにかく、もうそろそろ町だからね。初めて、行くから楽しみだよ」

アズサ「初めてなんですか?」

唯「ワカバタウンから出ないからね。野性のポケモンとかいて危ないから。……ん?」

???「やめるにゃー、はなせにゃー」

そんな声が聞こえてきたので、その声の方を見ると小学生か中学生くらいの男の子や女の子達が何かを集団で囲んで何かをしています。

唯「何だろう……」

私は怖かったけど、興味があったので見に行きました。

唯「何をしてるの?」

男の子(以下、男)A「ん、なんだ、お前は?」

男B「あっちいけよ」

女の子(以下、女)C「そうよ、あっちに行きなさいよ」

私はその言葉を無視して、中心を見ます。

???「た、助けてくれにゃー」

唯「あれ?このポケモンは……」

何だっけ?博士のところで習ったと思ったんだけどな〜。

男D「見られたのなら、仕方がないから言うけど、このニャースはしゃべるんだぜ」

そっかー、ニャースっていうんだった。……って、

唯「しゃべれるの!?それはすごいね!!それで何をしてるの?」

男E「人間の言葉をしゃべるポケモンなんて気持ち悪いだろ。だから、こうして、リンチしてあげてるのさ」

唯「……え?」

女F「どうせ生きていても、研究所に連れて行かれるだけだろうしね。生きる価値なんてないよ」

唯「そ、そんな……ひどいよ!!そんなことしちゃ駄目!」

アズサ「そうです!しゃべるくらいなんですか!」

むったん「たしかに女の子にしか見えない君にとってはそうだろうね」

男G「うるさい女だな」

女H「きっと、処女ね」

唯「とにかく、そんなことはさせないよ!」

私は怖かったけど、ニャースを庇うように立ちます。

男A「何だよ、邪魔すんのか」

男B「もう、めんどくさいからこいつもやっちまおうぜ」

女C「ちょっと待って……この女、自分の妹にネコミミとかつけてるわよ」

男D「マジかよ。これってあれか、オタクって奴か」

アズサ「私はれっきとしたポケモンです!」

男E「そんなもん信じられるか」

ニャース「い、今のうちにゃ!」

ニャースは私達がもめているうちに逃げ出しました。
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:52:24.29 ID:zz3D3uf00
女F「あ、逃げられたわ」

男G「この女のせいだな」

女H「仕方がないから、代わりにこの女でもリンチする?」

男A「よく見たら、いい顔してるしな」

唯「な、何をする気……」

男B「さあ?」

アズサ「唯先輩には指一本触れさせないです!」

???「こらー、なにをしておるー!」

女C「やばいわ、爺さんが来たわ」

男D「いったん、逃げるぞ」

男の子達は一目散に逃げ出しました。何はともあれ助かったよ。

???「逃げ足の速い奴らじゃ。お前さんは大丈夫か?」

唯「大丈夫です。お爺さん、ありがと〜」

???「どういたしましてじゃ。お前さんはどちらから来たんじゃ?」

唯「私はワカバタウンだよ〜。ところでお爺さんは誰?」

???「おお、まだ自己紹介をしておらんかったな。私の名前は安名井 大須木(あんない だいすき)じゃ。そこのヨシノシティに住んでいてのう。人からは案内じいさんと呼ばれている」

唯「へー、それはすごいね。私の名前は平沢唯だよ〜。そして、こっちがポケモンのアズニャン」

アズサ「アズサです。よろしくするです」

安名井「ふむ。まったく、ポケモンには見えないがカントーにも似たようなポケモンがいたしのう。さて、ここであったのも何かの縁じゃ。町を案内してやろう」

唯「ありがとう、お爺さん」

アズサ「どうもです」

私達はお爺さんに連れられて、町に向かいました。
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:53:30.96 ID:zz3D3uf00
ヨシノシティ

安名井「これで、案内もおしまいじゃ」

唯「ありがとう」

安名井「ところでさっきの奴らには気をつけるんじゃよ」

唯「さっきの奴ら?……ああ!」

安名井「あいつらは中学生でこの町でも悪でのう。特にリーダーには気をつけるんじゃ。相当な実力者だからのう」

唯「分かったよ。ありがとう、お爺さん。ほら、アズニャンも」

アズサ「ありがとうです」

安名井「それじゃ、いい旅をな」


アズサ「この後、どうするんです?」

唯「ポケモンセンターに行って、泊まる所を手配しないとね。場所はさっき案内してくれたし」

アズサ「いい人でしたね」

唯「そうだね。それじゃ、ポケモンセンターにレッツゴー!」


ポケモンセンター

アズサ「ここで何をするんですか?」

唯「まずは泊まる所を確保して、アズニャンの体力を回復させるんだよ」

アズサ「回復?」

唯「まあ、やってみれば分かるよ。ジョーイさーん」

ジョーイ「こんちには」

唯「ここに泊まりたいんですけど……」

ジョーイ「では……この部屋番号でお願いします」

唯「ありがとうございます。後、アズニャンの回復をお願いします」

ジョーイ「はーい……え?この子?」

アズサ「よろしくです」

ジョーイ「これが……今流行の人型ポケモンね。どっちかというと、猫型かもしれないけど」

唯「それじゃ、私は荷物を置いてくるからね。いい子にしてるんだよ」

アズサ「はいです」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:54:28.69 ID:zz3D3uf00
唯「荷物置いてきたよ〜」

アズサ「お帰りです」

ジョーイ「ちゃんと回復できたわよ。じゃ、気をつけてね」

唯「ありがとうございました。それじゃ、どこかで何か食べに行こうか」

アズサ「はいです」


喫茶店

唯「このケーキ、美味しいね!」

アズサ「そうですね!私、初めて食べました」

唯「こっちのもあげるね。アーン」

アズサ「自分で食べられますし!」

唯「いいからいいから。アーン」

アズサ「……アーン、パク。モグモグ……ゴックン。これも美味しいです!」

唯「それじゃ、私にも食べさせてね。アーン」

アズサ「私もやるですか?……うう、アーン」

唯「パク。モグモグ……ゴックン。これも美味しいね!」

アズサ「はいです!それでこの後、どうするですか?」

唯「そうだね〜。新しい仲間もほしいしね〜。アズニャンも鍛えなきゃだし。でも、アズニャンに辛いことさせたくないし」

アズサ「それはかまいませんよ。私のことは気にしないで下さい。むしろ、バシバシ鍛えて下さい」

唯「お、気合入ってるね。そうだね、まずはアズニャンを鍛えようか。そうしないとこの後苦労するだろうし」

アズサ「望むところです。やってやるです!!」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:55:34.04 ID:zz3D3uf00
ヨシノシティ・郊外

唯「ここで特訓を……あれ?」

私達がヨシノシティの郊外に行くと、さっきの集団がまたいました。

唯「どうしたらいいと思う、あずにゃん」

アズサ「逃げましょう。怖いですし」

唯「もっともだね」

私達はスタコラサッサと逃げ出そうしましたが、

ニャース「助けてくれにゃー」

そんな声が聞こえて、足が止まりました。

唯「……今の声聞こえた?」

アズサ「聞こえたです」

唯「今の声を無視して、私が逃げ出したらどうする?」

アズサ「私は唯先輩はそんなことをするとは考えたくないです」

唯「うっ……すごいプレッシャー。……分かった。もしもの時は頼んだよ、アズニャン」

アズサ「任せて下さい!やってやるです!!」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:58:18.34 ID:zz3D3uf00
唯「こらー!!ポケモンをいじめるのをやめなさい!!」

男A「あ?……なんだ、さっきの女か」

男B「今度はなんだよ」

女H「きっと、襲われたいのね」

女C「オタクの上に変態……救いようのないやつね」

唯「し、失礼な……私はそんなんじゃないし!だいたい、私のほうが年上なんだよ、言うことを聞きなさい」

男D「いるよな?年上だからって、理由だけで言いなりにしようとする奴」

男E「そういう奴に限って能力ないよな」

男A「もう、めんどくさいから、襲っちまうか」

アズサ「唯先輩には指1本触れさせませんよ!」

???「……待てよ」

一触即発の雰囲気の中でそんな声が聞こえて、私に襲い掛かろうとした男の子達が止まりました。

男A「リ、リーダー……」

リーダー「何をやってるんだ、お前ら……」

男A「そ、それは……」

ニャース「今のうちにゃ……」

男B「こ、こいつです。こいつを捕まえようとしてたら、あいつが邪魔をしてきたので……」

ニャース「は、離すにゃー」

唯「いじめてたくせになにを言ってるの!」

リーダー「しゃべるニャースか。珍しいな」

リーダーは周りを見渡します。

リーダー「だからといって、女を集団で襲うのはな……」

男D「ひいい」

解説アズサ「リーダーは普段は優しくていい人なんですけど、怒ると怖いんです!」

リーダー「まあ、いい。……そこの女、こいつが欲しいのか?」

ニャース「助けてくれにゃー……」

私を涙目で見つめてくるニャースさん。……よーし!

唯「その子は……私の仲間だよ!!だから、その子から離れなさい!」

アズサ「唯先輩……格好いいです!」

唯「でしょ〜?でへへ〜」

ニャース「仲間になった覚えはないにゃ……」

リーダー「なら……バトルだな」

唯「望むところだよ!」

アズサ「やってやるです!」

リーダー「お前は今、何匹モンスターを持ってるんだ?」

唯「アズニャンだけだよ!」

私はアズニャンを抱っこして、皆に見せます。

男A「こいつ、まだ、言って……」

リーダー「いや……カントーにもこんなポケモンがいたな。……いいだろう、それを認めてやる。使用ポケモンは1匹だ。勝ったら、こいつをやろう」

ニャース「待つにゃ」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 05:59:20.32 ID:zz3D3uf00
リーダー「何だ?」

ニャース「おいらを向こうのアドバイサーとするにゃ」

リーダー「どういうことだ?」

ニャース「おいらの運命をあの2人に託すのは……」

唯「アズニャン、頑張るんだよ〜。スリスリ」

アズサ「にゃう、や、やめて下さい〜」


リーダー「……分かった。いいだろう」

ニャース「ありがとにゃ」

男G「それじゃ、俺が審判をするか」

リーダー「頼んだぞ」

男G「それでは……バトルスタート!」

唯「行くよ、アズニャン!」

アズサ「やってやるです!」

リーダー「来い、ラッタ!」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 06:02:43.89 ID:zz3D3uf00
ニャース「相手はラッタにゃ」

唯「あ、ニャースさん」

ニャース「今回、こっちのアドバイスをするにゃ。よろしくするにゃ」

唯「そうなんだ〜。こっちこそ、よろしくね」

ニャース「話を戻すけど、相手はラッタにゃ。ラッタはノーマルタイプ、かくとうタイプが有効だにゃ。ところで、あのポケモンはどんな技を覚えてるんだにゃ」

唯「えーと……どうなんだろ?」

ニャース「……あれのトレーナーじゃないのにゃ?」

唯「そうだよ〜。可愛いよね〜」

ニャース「駄目だ、こにゃ」


アズサ「さっさと決めてやりますよ。アズサ殺法で!」

むったん「そんなにうまくいくかな?」

アズサ「任せて下さいよ。行きますよ!」

アズニャンはラッタに向かっていきます。

アズサ「くらえ、アズサ殺法……」

リーダー「ラッタ、でんこうせっかで先制だ!」

アズサ「にゃっ!」

アズニャンがワニノコを倒した技を繰り出そうとしたのをラッタが先制をとって、体当たりを仕掛けてきました。

唯「どういうこと!?」

ニャース「でんこうせっかは相手よりも先制を取って出せる技にゃ」

唯「へー、そうなんだ。すごいね、ニャースさん」

ニャース「常識にゃ」


アズサ「いたた……」

むったん「言ったでしょ?基本的な技が大事だって」

アズサ「うう、どうすれば……」

リーダー「ラッタ、ひっさつまえばだ!」

ラッタの鋭い前歯がアズニャンに迫ります。

唯「アズニャン!」

アズサ「にゃう……」

ニャース「右に避けて、たいあたりにゃ!」

アズサ「にゃっ!」

アズニャンはニャースさんの言葉に反応し、横に飛び込みます。

アズサ「やってやるです!」

アズニャンはバランスを崩しながらも、横から体当たりを仕掛けます。

ラッタ「ラッ!?」

ラッタは突然の攻撃を受けて、横に倒れます。

アズサ「やった、やったです!」

むったん「でも、威力が低いから、すぐに立ち上がるよ」

アズサ「それでも、初めてたいあたりが当たったです」

むったん「……本当にすごい才能だね」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 06:04:46.76 ID:zz3D3uf00
リーダー「ラッタ、怯まず、いかりのまえばだ!」

ラッタは起き上がり、こちらに向かってきます。

唯「え、えーと、どうすれば……」

ニャース「そのギターで防御するにゃ!」

アズサ「え、むったんで」

むったん「あんまりやって欲しいことじゃないけど……確かに有効だね」

アズサ「でも、壊れませんか?」

むったん「僕はそんなにやわじゃないよ」

ラッタ「ラッタ!!!」

アズサ「迷ってる時間がありません。ごめんなさいです!」

アズニャンはギターをアズニャンを噛み千切るべく、開いているラッタの口にギターを押し込みます。

ニャース「今にゃ。攻撃にゃ」

アズサ「でも、攻撃手段なんて……」

ニャース「今がチャンス……」

唯「アズニャン、顎だよ。顎を狙うんだよ!」

アズサ「顎……」


回想

アズサ「ヤー、トリャー」

母アズサ「何をしてるの?」

アズサ「スカイアッパーの練習をしてるです。学校で習ったんです。でも、うまくできないです」

母アズサ「なら、私がお手本を見せてあげるわ」

アズサ「お母さんが?」

母アズサ「不満?」

アズサ「そんなことないです。お願いするです」

母アズサ「いい?まずは相手の顎を狙うのよ」

アズサ「顎ですか」

母アズサ「そうよ。そこに向かって、大きく、拳を突き上げるのよ」

アズサ「分かったです。やってやるです!!」

回想終了


アズサ「……やってやるです!」

アズニャンは下から突き上げるようにラッタの顎を下から突き上げます。ラッタはまるでゴムまりのように高く跳ね上がります。

ニャース「あれは……スカイアッパーにゃ。スカイアッパーはかくとうタイプ。ノーマルタイプのラッタには大ダメージにゃ」

唯「アズニャン、すごいよ!」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 06:06:30.37 ID:zz3D3uf00
リーダー(たしかに、今の技はすごいが……)

ニャース(今のはこのトレーナーが指示したからにゃ。おそらく、指示がなきゃ、あのまま負けにゃ。ヘッポコそうなトレーナーなのに随分とやるにゃ)

リーダー(もし、真面目にトレーナーをやろうとしたら……)

ニャース(きっと、すごいトレーナーになりそうだにゃ)

ラッタ「……ラッタ」

ラッタは傷ついた体でようやく、立ち上がります。

リーダー「ラッタ、きしかいせいだ!」

唯「わわ、なんか格好よさそう技が来たよ」

ニャース「きしかいせいは自分のHPが少ないほど、与えられるダメージが大きくなるにゃ」

唯「なるほど。今の状況にうってつけだね」

ニャース「にゃにをのん気に……。でも」

唯「ん?何か対策があるの?」


むったん「今がチャンスだね」

アズサ「どうして?」


ニャース「ラッタの頭には攻撃を避けてからの反撃が頭にあるはずにゃ」

むったん「だから、攻撃を当てる瞬間にラッタは」

ニャース「一瞬、躊躇するはずにゃ」

むったん「相手の出方を見るために」

ニャース「その瞬間が」

むったん「チャンスだよ」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 06:08:50.49 ID:zz3D3uf00
ラッタ「ラッタ!」

ラッタは最後の力を振り絞り、アズニャンに迫ってきます。

アズサ「本当に大丈夫?」

むったん「僕に言われても」


唯「アズニャンは大丈夫なの?止まる気配がないけど……」

ニャース「これは賭けでもあるにゃ。信じるんだにゃ」

唯「信じる……そうだね!私はアズニャンを信じるよ!!」

ニャース「信じる先がおかしい気もするけど、それでいいにゃ」


ラッタ「ラッタ、ラッタ」

ラッタはアズニャンに接近すると同時にほんの一瞬だけ、止まったような気がする。だとしたら……

むったん・ニャース・唯「「「今だ(だよ)!!」」」

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・スラッシュ』!!!」


カキーン。

ラッタとアズニャンがクロスします。

ラッタ「……バタッ」

ラッタはばたりと倒れました。つまり、これって……。

唯「アズニャンの勝ちだよね?」

ニャース「まあ、そういうことになるにゃ」

唯「アズニャアアアアアアアアアアアアン」

私はアズニャンに駆け寄りました。


アズサ「か、勝ったです!」

むったん「おめでとう。前回とは違って、本当の勝利だよ」

アズサ「やった……」

唯「アズニャアアアアアアアアアアアアン」

アズサ「にゃ、にゃんですか」

唯「よくやったね、おめでとう!」

アズサ「と、当然ですよ。私は強いんです!」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/09/24(土) 06:10:08.13 ID:zz3D3uf00
リーダー「戻れ、ラッタ」

男A「けっ、こんな奴に負けるなんてな」

女C「ちょ、ちょっと、A」

リーダー「ああっ!?」

男A「ひ、ひいいい」

唯「喧嘩は駄目だよ!」

男B「あ、あいつ、怒ったリーダに口答えしてるぞ……」

女F「な、何者なの……」

唯「まあ、とにかく、ニャースは私達が連れて行くね」

リーダー「好きにしろ。行くぞ」

男D「はいっ」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage ]:2011/09/24(土) 06:11:39.06 ID:zz3D3uf00
唯「行っちゃったね」

ニャース「何はともあれ、助かったにゃ。それじゃ、どこかでまた会おうにゃ」

唯「なにを言ってるの。もう、ニャースさんは仲間だよ」

ニャース「……はい?」

唯「そうだ!名前をつけてあげよう」

アズサ「それはいい考えです!!」

ニャース「にゃにを勝手に……」

唯「うーん……ニャー太にしよう!」

アズサ「いい名前ですね!」

ニャース「じゃあ、お前がその名前をもらうにゃ」

アズサ「それは勘弁です!」

唯「それ、モンスターボール」

ニャース「にゃ……」

ニャースはボールをぶつけるとボールの中に入り、ブルブルブルブル、パチン!とボール内に収まりました。

唯「ニャースをゲットだよ」

アズサ「やったです!」

唯「それじゃ、出ておいで、ニャー太」

ニャース「いきなり、ひどいにゃ」

唯「でも、抵抗しなかったってことは」

アズサ「仲間になりたかったってことですよね」

ニャース「……勝手に決めるにゃーーーーーーー!」


こうして、私達に新しい仲間が出来ました。こうやって、少しずつでも仲間が増えていくのが旅の醍醐味だよね、うん。

今回の技・スカイアッパー

普通のポケモンの技なので自分で調べてください。

47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage ]:2011/09/24(土) 06:12:39.37 ID:zz3D3uf00
第1話、第2話、終了
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/24(土) 10:58:00.31 ID:GJzslayDO
乙!!

ニャースが仲間になるとは・・・
意外だったなぁ
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) :2011/09/26(月) 02:30:59.25 ID:Kc1/LaoAO
ニャースが仲間か
テクニシャンねこだまし使えるな
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 05:23:54.17 ID:tM/ToTje0
第3話 『ライバル登場!?〜タマゴを食べてはいけません!!〜』
  
30番道路

唯「あ〜、疲れたよ〜」

ニャース「そう思うなら、何でアズサを抱っこしてるのにゃ」

アズサ「そうですよ。私は1人で歩けますし!」

唯「それは可愛いからというのもあるけどね……」

私はアズニャンを降ろします。

アズサ「それじゃ、行くです!」

ピョコピョコと歩き始めます。その姿は可愛いんだけどね。

ニャース「……遅いにゃ。これじゃ、何日あっても足りないにゃ」

唯「分かってくれて、よかったよ」

私はアズニャンを抱っこします。

ニャース「ところで、方針を決めたほうがいいと思うにゃ」

唯「方針?」

ニャース「アズサを今後どんな方針で育てるかにゃ」

唯「例えば、どんな方針があるの?」

ニャース「そうだにゃー。まずはアタッカーだにゃ。主に、攻撃をする役割にゃ。まあ、攻撃といっても物理技をメインにするか特殊技をメインにするかあるいは両方にするかにゃ」

唯「なるほど」

ニャース「あるいは耐久型にゃ。攻撃を受けつつ、回復。相手を毒状態にしたり、やけど状態にさせたりじわりじわりといたぶりながら戦うにゃ」

唯「なるほど、なるほど」

ニャース「そして、サポート型にゃ。リフレクター等の壁をはったり、能力アップからのバトンタッチとか味方を援護するにゃ」

唯「にゃるほど」

ニャース「本当に分かってるのかにゃ?」

唯「さっぱり!!」

ニャース「……やっぱりにゃ」

唯「アズニャンはどうなりたい?」

アズサ「にゃう、どうしましょうか?」

むったん「僕を扱いたいなら、アタッカーじゃないかな?」

アズサ「なるほど。アズサ殺法という名前からしてもそうですもんね」

唯「どうしたの、アズニャン」

アズサ「何でもないです。私はアタッカーを目指すです」

唯「そっか。アズニャンがそうしたいなら、そうしよう」

ニャース「後は……仲間を5匹、捕まえるのにゃ」

唯「あれ?4匹じゃないの?」

ニャース「おいらは人間の言葉を覚えるために全てをかけたのにゃ。そして、その代償として……戦えなくなったのにゃ

唯「なら、仕方がないね」

ニャース「……役立たずはいらないかにゃ?」

唯「そんなことないよ。それじゃ、後5匹だね」
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 05:30:16.02 ID:tM/ToTje0
アズサ「ところで、アタッカーはどうすればいいんですか?」

ニャース「そうだにゃ……まずは基本的な能力として、こうげきかとくこうをあげるにゃ。後は……すばやさだにゃ」

アズサ「なるほど。さすがはお師匠様です!」

唯「うんうん。やっぱり、仲間が出来ると違うね。もっと、たくさんの仲間を集めて行きたいね。そしたら、もっと楽しくなるのに」

ニャース「全部、放し飼いで飼う気なのかにゃ……」

唯「ボールの中に入れっぱなしじゃ、可哀想だよ」

アズサ「居心地悪いですしね!」

ニャース「……まあ、いいけどにゃ」

アズサ「あ、唯先輩。建物があるです!」

唯「本当だ。行ってみよう!」

スタコラサッサ

唯「着いたよ」

アズサ「静かそうでいい場所ですね」

唯「そうだね」

ニャース「で、どうするんだにゃ?」

唯「どうしようか」

アズサ「どうしましょう」

???「なんじゃ、騒々しい」

私達が悩んでいると中から、お爺さんが出てきました。

52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 05:31:00.04 ID:tM/ToTje0
???「お前さん達は?」

唯「私は平沢唯です」

アズサ「アズサです」

ニャース「ニャースにゃ」

???「それで何か用かのう」

ニャース「おいらが話してもおどろかにゃいのか?」

???「お前さん達が来る前にツインテールの女の子が来てのう。聞いて驚け、カントーで優勝した女の子じゃ。その時に女の子みたいなポケモンを見たからのう」

唯「あずにゃんだね」

アズサ「そうですね」

???「知り合いか?」

唯「私の目標だよ〜」

???「お前さんはもしかすると……ウツギ君の研究所の人かのう」

唯「そうだよ〜」

???「なんじゃ、それなら早く言えばいいよかったのに」

唯「ん?何で?」

???「連絡が着てないのか?」

唯「連絡?」

私は携帯を確認します。

唯「わわっ。メールが着てるよ。『30番道路に住んでいるおじいさんがタマゴをくれるそうなのでよって下さい』だって」

ニャース「つまり、ここがそうなのかにゃ」

???「うむ。そうじゃ。自己紹介が遅れたな。私は玉子 上下流じゃ。ポケモンじいさんと呼ばれている」

唯「よろしくお願いします」

アズサ「よろしくです」

玉子「それでタマゴを渡すんじゃが……」

唯「まさか……私の分はないの!?」

玉子「いや、もちろんある。でも……選べないんじゃよ。後、1個しかないからのう」

唯「何だ。ないのかと思ったよ。ということは皆もう来たの?」

玉子「そういうことじゃな」

唯「皆早いな〜。ところでこのタマゴは何のタマゴ?」

玉子「さあのう。それは分からないんじゃ。ただ、それはシンオウ地方で生まれたものらしい」

唯「それはすごいね」

玉子「歓迎してやりたいが、お客が来るのでな。では、頑張るんじゃよ」

唯「うん。ありがとう。またね〜」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 05:32:20.80 ID:tM/ToTje0
唯「何が生まれるんだろうね」

アズサ「……」

唯「どうしたの、アズニャン」

アズサ「……じゅるり」

唯「……食べちゃ駄目だよ」

アズサ「わ、分かってますよ。じゅるり」

唯「……めっ!」

キキョウシティ

唯「やっと着いたよ〜」

アズサ「じゅるり」

ニャース「アズサはどんだけ、おなかが減ってるにゃ」

アズサ「違います。アズニャンアイランドではタマゴはご馳走なんです。滅多なことでは食べられないのです」

唯「めっ!!」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 05:35:27.11 ID:tM/ToTje0
ポケモンセンター・ホテル

私達はポケモンセンターで回復させてから、ホテルに来ました。

唯「今日はここでお泊りだけど……アズニャン」

ズサ「何ですか?」

唯「絶対、絶対、ぜったーいに食べちゃ駄目だよ!!」

アズサ「分かってるですよ」

唯「大丈夫かな?」

アズサ「もっと、私を信用して欲しいです。……じゅるり」

唯「……もう、アズニャン嫌い」

アズサ「!?」

唯「もう、アズニャンなんて知らないもーん」

アズサ「た、食べませんから許してください!」

唯「つーん」

アズサ「にゃっ……グス」

唯「!?」

アズサ「グスグス。もうしないから……ヒッグ……許して下さい……グス」

唯「じょ、冗談だよ、泣かないでよ。ナデナデ」

アズサ「にゃふ」

唯「いい、あずにゃん。このタマゴからポケモンが生まれたら、私達の仲間になるんだよ」

アズサ「仲間?」

唯「そうだよ。アズニャンは仲間を食べるの?」

アズサ「食べませんよ。アズサ族はそんなに野蛮じゃありません」

唯「だよね?それにアズニャンは優しいもんね」

アズサ「……分かったです。もう、食べようとしません」

唯「してたんだね」

ニャース「終わったかにゃ?ご飯を食べに行こうにゃ」

唯「ごめんね。それじゃ、行こうか、アズニャン」

アズサ「はいです」

私はアズニャンを撫でて、再び眠りにつきました。
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 05:36:16.06 ID:tM/ToTje0
就寝前

アズサ「タマゴを貸してほしいです」

唯「どうして?」

アズサ「新しい仲間が生まれるかもしれないんですよね?さっき、食べようとしたから、お詫びとしてお世話したいです」

唯「……アズニャンはいい子だね。ナデナデ」

アズサ「にゃふ」

唯「それじゃ、任せたよ。おやすみ〜」

アズサ「おやすみです」


唯「ふう〜、すっきりした……ん?」

私がトイレから出てくると、

アズサ「Zzzzzzz」

小さい体で一生懸命、タマゴを抱っこしているアズニャンがいました。あれで暖めているつもりなのかな?

唯「くす。アズニャン、可愛い」

56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 05:37:46.66 ID:tM/ToTje0


ニャース「朝だにゃ。起きるにゃ」

唯「後、五分〜」

ニャース「まったく、ぐうたらなトレーナーにゃ」

アズサ「ただいまです!」

ニャース「アズサも毎日よくやるにゃ」

アズサ「基礎訓練が大事なんです!」

ニャース「いい心がけにゃ。それに引き換え……」

唯「ういー、アイスー……Zzzz」


唯「そんなわけで今日はキキョウジムに挑戦するよ!!」

アズサ「キキョウジム?」

ニャース「ポケモンリーグに参加するにはジムリーダーからもらえるバッチが8個必要なんだにゃ。だいたい、町には1つずつあるんだにゃ」

アズサ「なるほど。強いんですか?」

ニャース「そりゃ、強くなければ、ジムリーダーになれないにゃ。他にも試験はあるみたいだけどにゃ」

唯「頑張ろうね、アズニャン!」

アズサ「任せて下さい。やってやるです!」

唯「その意気だよ……ん?電話だ」

私は携帯の着信を見ます。

唯「あ、博士だ。もしもし」

ウツギ『唯君かい?タマゴは受け取れたかい?』

唯「受け取れたよ〜。あのタマゴは何が生まれるのかな?」

ウツギ『それは生まれなければ、分からないよ。それよりも、困ったことが起きてね』

唯「困ったこと?」

ウツギ『実は……君達にポケモンを渡す前日にポケモンが盗まれたんだ』

唯「えっ!?じゃあ、私達にポケモンがいなかったのは……」

ウツギ『ごめんね。心配をかけたくなかったから、言わなかったんだ。それで……どうやら、盗んだ奴はそれでポケモン狩りをしていてね。君達よりも先に旅立った人たちがいただろう?』

唯「いたね。Aちゃん達だね」

ウツギ『その子達もそいつにやられたらしい。相手のポケモンも聞いて、確認したから間違いない』

唯「怖いね」

ウツギ『だから、唯ちゃんも気をつけるんだよ。一応、他の皆にも言ってあるから』

唯「分かった。ありがとう、博士」

ピッ。

アズサ「何があったんですか?」

唯「実はね……かくかくしかじか」

アズサ「……人間さんはひどいですね」

唯「否定はしづらいけど、そんなこと言ってほしくないかな。いい人もたくさんいるからね」

ニャース「ポケモンもそうだからにゃ」

唯「とにかく、気をつけようね」

アズサ「誰が来ても、私が倒してやるです」

唯「任せたよ。それじゃ、気を取り直して、しゅっぱ〜つ」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 05:39:35.59 ID:tM/ToTje0
キキョウジム・前

ガードマン「残念ながら、あなた方には挑戦権はありません」

唯「どうしてですか!?」

ガードマン「ここのジムに挑戦するにはマダツボミのとうでの修行が必要なんです」

唯「うう、めんどくさい」

アズサ「何事も経験ですよ」

ニャース「そうにゃ」

唯「仕方がないね。それじゃマダツボミのとうに……」

???「ふう〜、何とか勝てたね」

???「私の実力から当然だよ」

ジムから誰か出てくるようです。ん、あの姿は……。

唯「憂!!」

憂「あ、お姉ちゃん」

唯「久しぶりだね。そんなにも経ってないけど」

憂「久しぶり」

唯「もう、バッチ一個か。私も負けられないね」

ニャース「だれにゃ?」

唯「あ、私の妹の憂だよ。こっちは私の師匠兼仲間のニャー太だよ」

ニャース「それはやめてほしいにゃ」

憂「よろしくね」

ニャース「おいらがしゃべっても驚かないのにゃ」

憂「……まあね。いろいろあって。……ところでアズサちゃんは?」

唯「え?ここにタマゴを抱っこして……あれ、いない?」

ニャース「あそこにゃ」

アズニャンは隅のほうに隠れて、タマゴを抱っこしてガクガクブルブルしています。可愛いな〜。

唯「じゃなくて! どうしたの、アズニャン」

アズサ「うう。憂の腕にいるのは……」

唯「あ、そういえば……その子は」

???「私の名前はジュン。よろしくね。それよりも……」

アズサ「ひっ!!」

ジュン「そこにいるのはアズサね」

唯「アズニャンアイランドでの知り合い?」

ジュン「アズニャンアイランド?そんなのないよ。あそこはジュンワンアイランドよ」

アズサ「う、嘘つくなです。あそこはアズニャンアイランドです」

ジュン「お前こそ、嘘をつくな!」

唯「ノーッ!喧嘩はよくありません!」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 05:41:31.03 ID:tM/ToTje0
ジュン「……すいません。まあ、もう島はないから関係ないしね。あの島にはジュン族とアズサ族が住んでいて、よく戦争……というと大げさですけど、領土を巡って争っていたんですよ」

憂「なるほど。だから、お互いの場所で島の名前が違うんだね」

ジュン「そういうことだね」

唯「ところでジュンちゃんをどうやって仲間にしたの?」

憂「歩いていたら、行き倒れていたの。多分だけど……アズサちゃんと同じように」

ジュン「そうよ。人間に島を襲われたの。私だけ、何とか逃げ出してここまで来たの」

唯「苦労したんだね」

ジュン「人間のおかげでね」

憂「そう言われると何も言い返せないよ」

ジュン「それでも、憂には感謝してるよ」

憂「ありがとう」

唯「うんうん。憂も順調にポケモンさん達と仲良くなってるね。あずにゃんからもらったポケモンも元気でしょ?」

憂「うん!」

ジュン「ところで……そこのアズサ!」

アズサ「な、なんです……」

ジュン「バトルをしようよ」

アズサ「ど、どうしてです」

ジュン「どうしてって……トレーナー同士でバトルは不思議なことじゃないでしょ」

唯「うーん、私はいいけど、アズニャンは?」

アズサ「ま、任せるです。やってやるです!」


キキョウシティ

唯「勝負だよ、憂」

憂「うん、行くよ、お姉ちゃん」

唯「それじゃ……」

唯・憂「「決闘(デュエル)!!!」」

唯「いくよ、アズニャン」

憂「頑張って、ジュンちゃん」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 05:44:01.73 ID:tM/ToTje0
むったん「やれやれ。今の君でジュン族に勝てるの?彼女達は強いよ」

アズサ「アズサ族の意地に掛けても負けられないです」

ジュン「こっちから仕掛けるよ!」

ジュンちゃんはアズニャンに向かって、走ってきます。

ニャース「アズサ、そのギターでガードにゃ!」

むったん「びくともしないだろうけど、無茶はやめてほしいな」

ガーン!

ジュンちゃんの体当たりをアズニャンはギターで受け止めます。

アズサ「今度はこっちの番です!アズサ殺法52の技の1つ『むったん・スラッシュ』!!!」

アズニャンはたいあたりを防がれて、よろめいているジュンちゃんに必殺技を浴びせにいきます。

憂「ジュンちゃん!」

ジュン「……ふっ」

ジュンちゃんはアズニャンの攻撃を喰らう直前に真上にジャンプしました。

アズサ「にゃ!?」

アズニャンはジュンちゃんのいたところを通過し、ジュンちゃんはその間に着地、アズニャンにたいあたりを仕掛けます。

アズサ「にゃああああ」

アズニャンは背後からの攻撃に耐え切れず、飛ばされてしまいます。

唯「アズニャン!!」

ジュン「あんた、本当にアズサ族?それにしちゃ、弱いわね」

アズサ「にゃう……」

ジュン「これまで、たくさんのアズサを狩ってきたけど、ここまで弱いのは初めてね」

アズサ「もしや、あなたは……『アズサハンター・ジュン』の異名を持つジュンですか?」

唯「何それ?」

アズサ「戦いが起こる度に最低1000匹のアズサを狩ってきた伝説のジュンです」

ジュン「昔の話よ。……ところであんたの称号は?」

アズサ「それは……」

ジュン「その強さからいって、『ナカノ』?でも、それにしても、もう少し強いだろうし……もしかして、『ナナシ』?」

アズサ「にゃう……」

ジュン「もしかして、図星?それじゃ、弱くても仕方がないわね。親もかわいそうね。ここまで子供の能力が低いと」

アズサ「グスン」

唯「アズニャン!」

憂「ジュンちゃん、言いすぎだよ」

ジュン「あ、親の称号も低いのね。残念ね、親が駄目だと。きっと、先の戦いでもいの一番に殺されたんでしょうね」

アズサ「ビクン」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 05:46:31.28 ID:tM/ToTje0
アズサ「親が駄目なら、子供も駄目の典型ね。あなたもいい親に生まれてばね」

アズサ「……お母さんの」

ジュン「ん?何?何か、文句あるの。『ナナシ』のアズサ」

アズサ「お母さんの……」

むったん「まずい。落ち着いて……」

アズサ「お母さんの悪口を言うにゃーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

アズニャンは叫び声をあげ、黒いオーラを発生させました。

ジュン「これは……『殺ってやるです』モード!?」

アズサ「殺ってやるです!殺ってやるです!」

解説アズサ「『殺ってやるです』モードとは体内の能力のリミッターを外し、怒りの対象を倒すまで、暴れまくるというものです。ちなみに怒りが収まらなければ、エネルギーがなくなるまで暴れ続けるです」

アズサ「殺ってやるです!」

アズニャンはジュンちゃんにギターを振り下ろします。

ジュン「ひいい」

ジュンちゃんはそれをかろうじて、よけます。しかし、ギターが振り下ろされた場所にはまるで隕石が落ちた後のようなクレーターが出来ました。

アズサ「次は外さないです。殺ってやるです」

ジュン「くっ……やるしかないのね」

唯「アズニャン、駄目だよ!」

アズニャンを後ろから抱きしめます。

アズサ「離すです!」

唯「落ち着いて、アズニャン。ほら、ぎゅ〜、ナデナデ」

アズサ「にゃふ〜」

ジュン「お、治まった……」

唯「ジュンちゃん。アズニャンに謝らなくちゃ駄目だよ」

憂「そうだよ。謝りなよ」

ジュン「ご、ごめんなさい」

唯「ほら、アズニャン。ジュンちゃんが謝ってくれたよ。許してあげなきゃ」

アズサ「にゃふ。唯先輩がそういうなら、そうするです」

唯「よし。それじゃ、仲を深めるためにこの後、お茶でも……」

ジュン「私は遠慮します。それでは」

憂「あ、ジュンちゃん。ごめんね、また会った時に」

唯「仕方がないね。またね〜。……それじゃ、ポケモンセンターで回復させてから、マダツボミのとうに行こう」

アズサ「分かったです」

ニャース「やれやれにゃ」

唯「そうだ、アズニャン。今度から、あんなことしちゃ駄目だよ」

アズサ「にゃう。でも、自分でも止められないです」

唯「うーん、自分の好きな物を考えてみるとか」

アズサ「好きな物……」

唯「ん?どうしたの、私をジッと見つめて」

アズサ「にゃんでもないです……」

唯「?変なアズニャン」

アズサ「にゃふ」
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 05:47:49.17 ID:tM/ToTje0
憂「まったく、ジュンちゃん。どうして、あんなひどいこと言ったの?……ジュンちゃん?」

ジュン「さっきのあれ……」

憂「怖かったよね。あれを止めるなんて……さすがはお姉ちゃん!」

ジュン「あれほどの力を持った、アズサは見たことないよ。それに『殺ってやるです』モードは途中で止まったことなんかないのにそれを止められるトレーナー。もしかしたら、あの2人はすごくなるかもしれないわね」

憂「そっか。でも、次は勝てるよね?」

ジュン「お姉ちゃんが好きなのに勝ちたいの?」

憂「それくらいの気持ちじゃないとポケモンリーグで最高の戦いができないよ」

ジュン「……任せなさい。『アズサハンター・ジュン』の力を見せてあげるよ」

おまけ

特性・殺ってるです
 心理フェイズになって、怒りが溜まると能力がMAX状態になる。そのかわり、トレーナーへのなつき度が最低になり、トレーナーの言う事を聞かない。
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 05:49:15.70 ID:tM/ToTje0
第4話 『マダツボミのとうでの大バトル!?〜ジムリーダーにも挑戦します!!〜』

マダツボミのとう

唯「さてと。サッサとクリアしちゃおう」

アズサ「はいです」

むったん「そろそろ、次のアズサ殺法を身に着けないとね」

アズサ「授けてくれたんじゃないんですか?」

むったん「正確には、資格なんだよね。アズサ殺法を身に着けるための」

アズサ「めんどくさいですね」

唯「どうしたの、アズニャン」

アズサ「なんでもないです。それよりも、なかなか生まれませんね」

唯「仕方がないよ。昨日、もらったばかりだし、気長に頑張ろうね」

アズサ「はいです。戦闘中はお願いしますね、師匠」

ニャース「分かってるにゃ」

マダツボミのとう・塔内

唯「割と古い建物だね」

ニャース「中央の柱がぐらぐら揺れているにゃ」

アズサ「すごいですね」

修行僧「あなた方はこのとうに挑戦する者なんですか?」

唯「そうだよ〜」

修行僧「では早速……バトルです!」

唯「ええっ!?」

2階・階段付近

唯「やっと着いたよ。この上だよね」

アズサ「疲れました」

唯「ニャー太は本当に戦えないんだね」

ここまで戦ってきて、戦ったのはあずにゃんだし。一回、ニャー太に戦わせても、ぼろ負けだったし。

ニャース「おいらは言葉を覚えるのに全てを捧げた結果、戦闘できなくなったんだにゃ。もうしわけないにゃ」

唯「まあ、気にしないでいいよ。ポケモンは戦闘だけじゃないし」

アズサ「それに私がいるから安心です」

ニャース「それでも、仲間はほしいにゃ」

唯「それはたしかに。まあ、ここを出てから考えよう」

私達は上に上がります。
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 05:51:34.23 ID:tM/ToTje0
3階

唯「やっと、ついた〜。……ん?」

???「グハッ」

私達が上につくと、お坊さんのような人が倒れていました。

唯「大丈夫ですか」

???「うう……、大丈夫じゃ」

唯「よかった〜。ところで、おじいさんは誰?」

???「わしはここの長老じゃよ」

唯「長老さんがどうして、ここに倒れているの?」

長老「それは……」

???「その程度か……長老といってもたいしたことないんだな」

そんな声とともに奥から、黒い服を着た赤い髪をした少年が現れました。

唯「あなたが長老さんに何かしたの?」

???「バトルしただけさ。ただ……その年寄りが俺のバトルに耐えられなかっただけさ」

長老「たしかに、お主は強い。だが、ポケモンに愛がない。ただ、道具のように扱っている……」

???「そんな奴に負けた雑魚は黙って寝てろよ」

唯「なんだかよく分からないけど、長老さんにひどいことしたなら、謝りなさい!!」

???「うるさい女だな」

唯「女だなんて、私には唯っていう名前があるんだよ。そういえば、あなたの名前は?」

???「俺か。俺は……シルバーだ」

唯「シルバーさんか。とにかく、長老さんに謝りなさい」

シルバー「うるさい女だな」

アズサ「唯先輩の言うとおりです。謝るです」

ニャース「そうだにゃ」

シルバー「……それがお前のポケモンか」

唯「自慢の仲間達だよ!」

シルバー「そうかい。俺に謝らせたいなら……バトルだな」

アズサ「バトルですか。望むところです。やってやるです!」

唯「アズニャン、それ私の台詞だよ……」

アズサ「にゃう。ごめんなさいです」

シルバー「まあいい。この長老やどっかの博士の助手達よりも楽しませてくれよ」

ニャース「どっかの博士の助手?もしかするとお前がウツギ博士のポケモンを盗んだのかにゃ」

シルバー「ん?そいつを知ってるのか。ああ、そうだ。俺が盗んだ。弱いトレーナーが持つよりもいいだろ?」

唯「ドロボーは犯罪なんだよ。それにいろんな人を傷つけて」

シルバー「失礼な言い方だな。俺はバトルをしただけだぜ」

唯「とにかく、その勝負、受けてたつよ!!」

シルバー「いいぜ。それじゃ、狩らせてもらうぜ、お前のパートナーを」

唯・シルバー「「決闘(デュエル)」」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 05:53:53.94 ID:tM/ToTje0
唯「行くよ、アズニャン!」

シルバー「来い、ニューラ!」

唯「ニューラ!?あずにゃんも使ってた奴だ」

シルバー「あんな雑魚と一緒にするな」

唯「むっ、あずにゃんを馬鹿にしないでよ!」

ニャース「それにしても、アズサをよく平然と受け入れられるにゃ」

シルバー「カントーのチャンピオンにそんなのがいたからな。もっとも、あの程度で優勝できるんだから、カントーのレベルもたいしたことないんだしな」

唯「また、あずにゃんを馬鹿にして。行くよ、アズニャン」

アズサ「やってやるです!」

シルバー「ニューラ、こおりのつぶて!」

ニャース「アズサ!ギターで防ぐにゃ!」

キンキンキン

アズニャンはその氷の粒をギターで防ぎます。

むったん「どうでもいいけど、あのニャースは僕をこき使いすぎだよね」

アズサ「あなたに意思がある自体、知りませんしね」

シルバー「ニューラ、メタルクローだ!」

ニューラは素早く、アズニャンに鋭いツメで切り裂きにいきます。

アズサ「危ないです!」

アズニャンはギターでその攻撃を防ぎます。

むったん「君も僕をこき使うよね。この程度じゃ、壊れないけど」

アズサ「ごめんです」

シルバー「守ってばっかじゃ、勝てないぜ」

ニューラ「ニュラ」

ニューラの鋭いツメが何度も何度も、アズニャンに迫ります。

ニャース「あれはみだれひっかきにゃ」

唯「ど、どうしよう。あたふたあたふた」

ニャース「落ち着くにゃ。とりあえず、距離をとらないと。ニューラは特殊系の攻撃はあまり強くないから、接近しなければ、まだ勝機があるにゃ」

唯「そうだね。アズニャン、一旦、離れて!」

アズサ「それができれば!苦労は!しません!」

ニューラは休まず、自慢のツメでの攻撃を続けます。

ニャース「あのニューラ、相当に鍛えられてるにゃ」

唯「褒めてないでなんとかしてよ!」

ニャース「そう言われてもにゃ。うーん……そうにゃ!ツインテールで動きを封じるにゃ!」

唯「それは名案!……って、無理でしょ」

ニャース「やっぱりかにゃ」

アズサ「なるほど!さすがはお師匠様です!」

唯・ニャース「「できるの(にゃ)!?」」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 05:56:34.05 ID:tM/ToTje0
むったん「たしかにアズサ族はツインテールを操ることが出来るけど……君に出来る?」

アズサ「やってやるです!ここであいつを倒したら……」

妄想

唯「アズニャン、頑張ったね。ギュ〜」

アズサ「にゃふ。当然です!」

唯「そっか〜。ナデナデ」

アズサ「ふにゃ〜」

妄想終了

アズサ「にゃふふふ」

むったん「妄想豊かなことで」

シルバー「ニューラ、隙ありだ!」

アズサ「にゃっ!?」

ニューラの鋭い一撃をギターで何とか受け止めます。

唯「あ、危なかった……」

ニャース「何をやってるかにゃ」

アズサ「危なかったです」

むったん「今のは君のせいだけどね。それよりも大丈夫かい?」

アズサ「任せろです。これもお母さんに習ったです」

アズサ(神経を集中させるです)

回想

母アズサ「いい、アズサ。相手の足を狙うのよ」

アズサ「でも、皆避けるです」

母アズサ「それは皆必死だからね。でも……逆にチャンスにもなるの」

アズサ「?チャンスですか?」

母アズサ「そうよ。例えば、上にジャンプして避けたら……空中にいる間はとりタイプポケモンでもない限り、隙ができるはず。そこを狙うの」

アズサ「にゃるほど」

回想終了

アズサ「喰らえ、足払いです!」

アズニャンはツインテールでニューラを転ばせにいきます。

シルバー「そんなミエミエな攻撃が効くか!」

ニューラはジャンプで避けます。

アズサ「今がチャンスです!」

むったん「なら、新しいアズサ殺法の出番だ。僕を地面に突き刺して」

アズサ「分かったです」

アズニャンはギターを突き刺します。

ニャース「な、何をやってるのにゃ、アズサ。チャンスなのに」

唯「いや、何か狙いがあるんだよ」

ニャース「何でそんなこと分かるんだにゃ?」

唯「私はアズニャンのトレーナーだからね!」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 05:58:39.12 ID:tM/ToTje0
むったん「そして、僕と相手にツインテールを巻きつけるんだ」

アズサ「任せるです」

アズニャンはギターと空中にいるニューラに自分のツインテールを巻きつけます。

シルバー「なっ!?」

むったん「後は……ひたすら、僕の周りを全力で走るんだ」

アズサ「やってやるです!!」

アズニャンは全速力でギターの周りを走り始めます。

シルバー「何をする気だ……」

アズニャンはものすごい勢いで周り、竜巻のようになります。私はすごい風が来て、飛ばされそうになります。

ニャース「た、助けるにゃー!!」

唯「ニャー太!!」

私はニャー太の手を掴んで、柱に捕まります。

唯「すごい威力だね」

ニャース「アズサは大丈夫かにゃ?」


アズサ「にゃああああああああああああ」

むったん「そろそろだよ」

アズサ「何がですか」

むったん「この技は勢いよく周ることで、相手をより拘束し、圧迫するんだ。そして、離すことで遠心力でついた勢いを利用して、ものすごい力で相手を飛ばすことができる、二重の技なんだ」

アズサ「なるほど。つまり、離せばいいんですね。お安い御用です」

ビュン!!

もはや竜巻のようになっている中から、何かが鉄砲のように素早く飛んできます。そして、壁に命中します。

ニューラ「ニュラ〜」

ニューラは壁に激突し、目を回しながら、気絶しました。それと同時に少しずつ、竜巻も治まり、アズニャンが目を回しながら、こっちにきました。

アズサ「目がぐるぐるします〜」

むったん「これがこの技の欠点なんだよね」

アズサ「それを早く言ってほしいです〜」

唯「やったね、アズニャン!アズニャンの勝ちだよ!」
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 06:00:46.20 ID:tM/ToTje0
シルバー「やるな。……では次だ」

唯「え!?今ので終わりじゃないの!?」

シルバー「いつそんなこと言った?」

唯「あれ?……そういえば、言ってないよ」

ニャース「それでも、傷ついたアズサを倒してプライドは傷つかないのかにゃ」

シルバー「勝つことが全てだ。さあ、トドメだ。来い、ゴルバット!」

ゴルバット「ゴル」

アズサ「にゃふ〜」

相手のゴルバットはやる気満々なのに、こっちのアズニャンは目を回しています。

シルバー「ゴルバット、つばさでうつだ!!」

ゴルバットは大きな翼を広げて、アズニャンに向かってきます。

唯「危ない!」

むったん「避けないと!」

???「ピカチュウ、ワイルドボルト!!」

???「ピカチューーー」

電気をまとった、黄色い何かが弾丸のような勢いでゴルバットに向かっていきます。

ゴルバット「ゴル!?」

ゴルバットはそれを翼でガードするも苦しそうです。どうしてだろう?

ニャース「ゴルバットはひこうタイプでもあるにゃ。だから、でんきタイプの技は効果抜群にゃ」

唯「なるほど」

シルバー「邪魔をするのは誰だ!?」

???「誰でもいいじゃない……」

私が声をする方向を見ると、フードを被った女(声から考えると)の人が立っていました。

???「そこの女。早く、そのポケモンを連れて逃げなさい」

唯「あの、そのフードって……AYUさんとか?」

カントーのポケモンリーグでそんな人がいたしね。ポケモンだったけど。

???「……違うわ」

唯「じゃあ、あなたは一体……」

???「私のことなんか、どうでもいいわ。……そうね、『ガーディアン』とでも呼んでくれればいいわ。そんなことより、早く逃げなさい」

唯「でも……」

ニャース「いいから、お言葉に甘えて逃げるにゃ。ここにいたら、危ないにゃ」

アズサ「にゃふ〜」

唯「そ、そうだね。でも、最後に1つ」

ガーディアン「何かしら?」

唯「ピカチュウを使ってるなんて、まるで私の幼馴染みたいだね」

ガーディアン「!?……だから、何」

唯「いや、別にそんな深い意味はないんだけどね。ふと、懐かしいなって」

ガーディアン「いいから行きなさい」

唯「うん」

私達はスタコラサッサと逃げ出しました。
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 06:01:35.19 ID:tM/ToTje0
シルバー「余計なことをするな」

ガーディアン「あなただって強い奴を倒したいでしょ?私は強いわよ」

シルバー「上等だ。狩らせてもらうぜ、お前のパートナーを」

唯「ふいー、疲れたー。さっき助けてくれた人は何なんだろう……」

ニャース「そんなことより、アズサを回復させるにゃ」

唯「そうだね。でも、ここでの修行はどうなったんだろう。このままじゃ、ジムに挑戦できないよ」

坊さん「それは大丈夫です。今、長老さんから連絡がありましたので」

私達がマタツボミのとうの入り口にいると、そう声をかけてくれました。

唯「そっかー。でも、どうしよう。ジムには明日、挑戦しよっか」

アズサ「大丈夫です。私はまだ戦えます」

唯「そう?でも、あんまり無理しちゃ駄目だよ」

アズサ「大丈夫ですよ。やってやるです!!」

唯「アズニャン、やる気だね……よし!!私も頑張るよ!」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 06:03:13.54 ID:tM/ToTje0
キキョウジム

唯「初めてのジム戦……緊張するね!」

アズサ「何でも来いです」

唯「それじゃ……お願いしまーす」

私はジムの扉を開けました。


中に入るとなにやら古風な雰囲気をしています。

???「挑戦者か」

唯「そうです。あなたは?」

???「私はハヤト。このキキョウジムのジムリーダーだ」

唯「私は平沢唯です」

ハヤト「平沢……昨日の……憂君の姉か何かかな?」

唯「そうだよ〜。私は憂の姉だよ〜」

ハヤト「ふむ。だとしたら、相当な実力者だな。早速、勝負しよう」

唯「はい?わ、私は別に……」

ハヤト「あの憂君のお姉さんなんだ。私なんか、まったく歯が立たないだろうが……よろしく頼むよ」

唯「は、はい。よろしくお願いします!」

唯(憂はどんな勝ち方をしたんだろう……)


ハヤト「それじゃ、上に行こうか。こっち側から登ってくれ」

唯「ここでやるんじゃないんですか?」

ハヤト「違うよ。上だよ」

唯「上……」

私は見上げると、上には平均台みたいなのが何本かありました。

唯「あ……あれがフィールドですか?」

ハヤト「そうだよ」

笑顔で恐ろしいことを言うよ、この人。

ハヤト「とりあえず、上に行ってから、ルールの説明をしよう」

唯「わ、分かりました」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 06:04:24.15 ID:tM/ToTje0
唯「アズニャン、大丈夫?」

下には安全用のネットみたいなのがあるけど、相当な高さだし。

アズサ「任せて下さい。こんなところへっちゃらです」

ニャース「気をつけるにゃ。たしか、ここのジムはひこうタイプの使い手にゃ。つまり、相手は飛べるにゃ」

唯「むー、それはずるいね。こっちはこの平均台みたいの上で戦うのに」

ハヤト「それではルールの説明をする。使用ポケモンは2匹。全滅させた方の勝ちとする」

唯「わ、私、1匹しかいないんですけど!?」

ハヤト「なら……1匹で頑張ってくれ」

唯「えー」

アズサ「私が頑張るから、大丈夫ですよ。……それとも、私なんか信用できませんか」

唯「そんなことないよ。……うん、アズニャンが言うなら信じるよ」

ハヤト「特別ルールとして、下の網に落ちたら、失格だ。もちろん網より下に落ちてもだ」

ニャース「気をつけるにゃ。相手はひこうタイプ。空中から仕掛けてくるにゃ」

アズサ「分かったです」

むったん「大丈夫かい?さっきの技はここじゃ使えないよ」

アズサ「まだ、むったん・スラッシュがありますし」

むったん「そうだけどさ」


審判「それでは用意をして下さい」

私達は構えを取ります。

審判「それでは……」

審判・ハヤト・唯「「「決闘(デュエル)!!!」」」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 06:06:11.02 ID:tM/ToTje0
ハヤト「来い、ホーホー」

ホーホー「ホー」

唯「行くよ、アズニャン」

アズサ「やってやるです!」

ハヤト「ちょっと待て……それが君のポケモン?」

唯「そうだよ〜」

ハヤト「そこのニャースは?」

唯「ニャー太は病気みたいなもので戦えないんだ」

ニャース「間違ってはないにゃ」

ハヤト「しゃべってるし……分かった。昨日の憂さんやカントーのチャンピオンも使ってたしな」

唯「あずにゃんも来たの?」

ハヤト「あずにゃん?……ああ、来たよ。一昨日くらいに」

唯「そっか……。きっと、あずにゃんも勝ったんだね。私も負けられないよ」

ハヤト「それじゃ、気を取り直して、バトル再開だ。ホーホー、つつくだ!」

ホーホーは平均台のような場所にいるアズニャンに硬い口ばしで突いてきます。

アズサ「にゃっ」

唯「アズニャン!!」

ハヤト「ホーホー、しねんのずつき!」

バランスを崩している、アズニャンにホーホーがしねんのずつきを繰り出しました。

唯「ど、どうしよう、ニャー太。このままじゃ、アズニャンが下に落ちちゃうよ!」

ニャース「おいらに言われても……」

アズサ「にゃーーーーーーーーー」

私達が慌てふためいていると、アズニャンはバランスを崩して落っこちてしまいました。

唯「アズニャアアアアアアアアアン」

むったん「ツインテールを使うんだ!」

アズサ「そうでした!」

アズニャンはなんとかツインテールで平均台を巻きつけ、落下を防ぎます。

アズサ「にゃふー。助かりました」

むったん「やれやれだね」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 06:07:35.88 ID:tM/ToTje0
唯「なんとか、助かったよ……」

ニャース「助かっても、ホーホーは倒せないにゃ。いっそのこと、ツインテールで空でもとばなにゃいとな」

唯「ははは。まさか、そんな都合よくいかないよ」

ニャース「そうだにゃ」

アズサ「その手がありました!!」

唯・ニャース「「できるの(にゃ)!?」」

アズサ「さすがは師匠ですね!じゃあ、いきますよ」

アズニャンは巻きつきを外し、ツインテールを回転させて、空を飛びます。

ハヤト「なんだと!?」

唯「ツインテールってあんなに便利なんだね。私もしようかなー」

ニャース「……本気で言ってるのかにゃ?」

唯「冗談だから、そんな顔をしないでよ」

ニャース「本気だったら、もう逃げようかと思ったにゃ」


ハヤト「ホーホー、エアスラッシュ!」

ホーホーは空気の刃をアズニャンに向かって、発射します。

アズサ「そんな攻撃効かないです」

アズニャンは華麗にその攻撃をかわします。

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・スラッシュ』!!!」

アズニャンは空を飛びながら、ホーホーを斬りつけ、ホーホーは気絶しました。

審判「ホーホー戦闘不能。アズサの勝利です」


唯「やったね!」

ニャース「油断は禁物にゃ。まだ、相手にはもう1匹いるにゃ」

唯「そうだった!」

ニャース「しっかりするにゃ」

唯「ごめんごめん。えへー」


ハヤト「こい、ピジョット!」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage  saga]:2011/10/01(土) 06:09:56.20 ID:tM/ToTje0
ニャース「ピジョットにゃ」

唯「頑張って、アズニャン」

ニャース「唯もトレーナーなんだから、応援だけじゃなく、指示を出すにゃ」

唯「そうだね。でも、どんな指示を出せばいいの?」

ニャース「それは唯が考えるにゃ」

唯「……そうだよね」

ニャース「だから、もっと勉強しろとにゃ」

唯「うー、勉強嫌い」


ハヤト「ピジョット、ブレイブバードだ!」

唯「ブレイブバード?」

ニャース「ゴットバードに次ぐひこうタイプの物理技にゃ。でも、ゴットバードと違って、隙が生まれないにゃ。もっとも、反動で自分もダメージを受けるけどにゃ」

唯「ニャー太は偉いねー。よく知ってて」

ニャース「常識にゃ」

そんなことを話してる間にもピジョットは羽を折りたたんでアズニャンに向かって突撃してきます。

アズサ「にゃあああああ」

アズニャンはそれを何とか避けます。

ハヤト「やるな!だが、もう一度だ」

アズサ「どうしましょう」

むったん「僕に聞かれてもね」


ニャース「相手のほうが素早いからにゃ。その動きを封じにゃいと」

唯「また、ツインテールを使う?」

ニャース「でも、アズサはツインテールで飛んでるにゃ」

唯「そうだよね。他のことには使えない……そうだ!」

ニャース「どうしたんにゃ。急に大きな声を出して」

唯「いい考えが閃いたよ!アズニャ……」

ニャース「ちょっと、待つにゃ」

唯「な〜に?」

ニャース「今からの唯の判断で、アズサは勝てるかもしれないにゃ。でも、それと同時にアズサは負けるかもしれないにゃ。もしかすると大怪我も……」

唯「……」

ニャース「だから、唯も覚悟して指示を出すにゃ」

唯「……分かったよ。そうだよね、私の指示は重要なんだよね、うん。……アズニャン、一旦、平均台に降りるんだよ!」

アズサ「にゃっ!」

アズニャンはピジョットのブレイブバードを避けながら、平均台に着地します。

ハヤト「それは好都合だな。……足場の上を伝って、ブレイブバード!!」

ピジョットは平均台と並行するようにブレイブバードでアズニャンに突撃します。

唯「アズニャン!そのギターを足場に突き刺して!」

この足場は木だからできるはずだよね。

アズサ「にゃっ!」

アズニャンはギターを柱に突き刺します。

ハヤト「一体何を……あっ!止まれ、ピジョット!」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/01(土) 06:14:11.15 ID:tM/ToTje0
ピジョットはブレイブバードの勢いがつきすぎているため、ハヤトさんの指示でも止まれず、ギターに激突しました。

むったん「こんな役ばっかり。全然効かないけど」

唯「アズニャン、今がチャンスだ、必殺技だよ!!」

アズサ「はいです!」

アズニャンはギターを引き抜きます。

むったん「さて……3つ目の技だよ」

アズサ「はいです。アズサ殺法52の技の1つ『むったん・イナズマスラッシュ』!!」

ツインテールで動きを封じられているピジョット電気を帯びているギターで斬りつけます。

ピジョット「ピジョオオオオオオオオオオオオ」

ニャース「ピジョットにでんきタイプの技はこうかばつぐんにゃ!」

ピジョット「……ピジョ」

審判「ピジョット、戦闘不能。アズサの勝利です。ジムリーダーハヤトの手持ちポケモンは全滅のため、唯選手の勝利です」

唯「わーい、やったね!」

ニャース「やれやれ、何とか勝ったにゃ」

ハヤト「お見事だ」

ハヤトさんはとりポケモンに乗ってやってきます。なんて名前だっけ?

ニャース「オニドリルにゃ」

唯「そうだったね」

ハヤト「まさか、これほどの実力だとはね」

唯「えへへ。あ、そうだ。うん♪たん♪楽しい決闘(バトル)だったよ!」

ニャース「それは何にゃ?」

唯「私の決め台詞だよ!アズニャンの『やってやるです』とかどこかの覇王さんの『ガッチャ』とかみたいな!」

ニャース「もう、何も言うまいにゃ」

アズサ「唯先輩!」

アズニャンは足場を駆けてきます。

アズサ「やりましたよ!」

唯「アズニャンは頑張ったよ〜。ナデナデ」

アズサ「にゃふ〜」

ハヤト「さて……ウイングバッチを渡そう」

唯「わーい」

ハヤト「私程度など他のジムリーダーに比べたら弱い方だ。この先も苦労するだろうが頑張ってくれよ」

唯「任せてよ!!」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/01(土) 06:15:24.44 ID:tM/ToTje0
アズサ「Zzzzzz」

唯「アズニャン、寝っちゃてるよ。今日は頑張ったから仕方がないけど」

アズニャンは私の腕の中ですやすやと寝息を立てて寝ています。可愛いな〜。

ニャース「やっぱり、このままじゃアズサの負担が大きいにゃ。おいらが戦えればいいんだけどにゃ」

唯「だから、気にすることないよ。……でも、そうだね。早く仲間を集めないとね。2匹じゃ寂しいし」

ニャース「せめて、このタマゴが孵ってくれればにゃ」

唯「まあ、それは気長に行こう。私も眠いし」

ニャース「……そうだにゃ」

私達は夕日を背にホテルに向かいました。明日には新しい仲間が増えるといいなー。

おまけ

その2

むったん・トルネード ノーマル 物理 威力150/命中70

ツインテールで相手を拘束し、むったんを中心に竜巻を起こすような勢いで走る。この技を使用することで、必ず、自分は混乱状態になり、防御・特防がガクッと下がる。

その3

むったん・イナズマスラッシュ でんき 物理 威力 70 /命中100

電気を帯びたむったんで斬りつける。急所に当たりやすい。相手をマヒ状態にすることがある。
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/01(土) 06:18:02.53 ID:tM/ToTje0
第5話 『アルフのいせきと謎の女〜新しい仲間も登場です!!〜』

キキョウシティ・早朝

ニャース「ねこだましはこうやるにゃ」

アズサ「はいです」

唯「ふぁ〜。よくやるね、毎朝」

朝に強くない私がどうして、ここにいるかというと……


回想

ニャース「唯も起きるにゃ!」

唯「あう〜。まだ眠いよ〜」

ニャース「アズサは起きてるにゃ。トレーナーの唯が寝ててどうするにゃ」

唯「……分かったよ〜」

回想終了


アズサ「えっほ、えっほ」

それにしても、アズニャンは一生懸命だな〜。これだけ頑張ってるんだもんね。故郷では評価が低いみたいだけど、きっと、強くなるよね。

アズサ「どうしたんですか、唯先輩」

私がボーっと、しているとアズニャンが声をかけてきます。

アズサ「寝ててもよかったんですよ」

唯「気にしないでいいよ。一生懸命、頑張っているアズニャンを見るのは楽しいよ」

アズサ「にゃう……」

唯「あれ、アズニャン。顔が真っ赤だよ。まさか、病気!?どうしよう、ニャー太」

ニャース「落ち着くにゃ」

アズサ「ち、違うですから、心配しないでください」

唯「そっか、よかったよ。でも、体調悪いなら、ちゃんと言うんだよ」

アズサ「はいです」

唯「それにしてもアズニャンはすごいね。毎日、こんなに頑張ってるなんて」

アズサ「一生懸命頑張って、立派なアズサになって故郷に帰るです」

唯「でも、アズニャン・アイランドは……」

言いかけて、後悔した。ちょっと、無神経だったかな?

アズサ「問題ないです。ジュンは滅びたとか言ってましたけど、きっと、私の島は無事ですよ。私の仲間達やお母さんは強いですし」

アズニャンは気にしないかのように力強く言いました。
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/01(土) 06:19:27.10 ID:tM/ToTje0
唯「でも、いつかは帰っちゃうのかー。……お別れしちゃうのかな」

今から考えることじゃないけど、少し寂しい。

アズサ「……唯先輩も来るです」

唯「え?」

アズサ「一緒に暮らすです。アズニャン・アイランドは良い所ですから。なんなら、憂達も来ていいですよ。だから……」

アズニャンは必死に言います。

アズサ「だから……お別れなんて嫌です」

唯「……そうだね。それもいいよね。……アズニャ〜ン」

アズサ「にゃっ」

唯「朝から暗くなっちゃったね。元気にご飯を食べよう!」

アズサ「はいです」


ニャース「唯ももっと、勉強する必要があるにゃ」

私達が朝の特訓を終えて、次の場所であるヒワダタウンに向かう途中にそんなことを言います。

ニャース「そんなに才能があるのに練習をサボってどうするにゃ」

唯「えへへ〜、才能があるだって」

アズサ「さすが、唯先輩です!」

ニャース「まったく、おまいらは……」

唯「まあまあ。そうだね。アズニャンの才能を生かすためにも、頑張らなきゃね」

アズサ「一緒に練習するです」

唯「頑張ろうね!」

アズサ「にゃう」

ニャース「それに仲間にゃ」

唯「あう……大変だね、いろいろとやることがあって」

ニャース「ポケモンマスターになるにはそれくらいしにゃいとにゃ」

唯「そうだね……ん?」

私達が歩いていると看板が見えてきました。

唯「えーと……このまままっすぐに行くと、つながりのどうくつに出て、ヒワダタウンに行けるんだよね」

ニャース「そうにゃ」

唯「そして、ここを北西に行くと……アルフのいせきっていうところに出るんだー。……ちょっと、寄り道していいかな?」

ニャース「どうしてにゃ?」

唯「私、アルフのいせきに行ってみたいんだ!」

ニャース「まあ、唯がトレーナーにゃ。唯の好きにするにゃ」

アズサ「そうですよ」

唯「えへへ。ありがと」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/01(土) 06:22:34.02 ID:tM/ToTje0
アルフのいせき

唯「へー、ここがアルフのいせきかー」

ニャース「なにか、思い入れがあるにゃ?」

唯「特にないよ。ただ、さっきの看板を見て、見てみたかっただけ」

アズサ「すごいですねー。一体、いつに出来たんでしょうか?」

唯「うーん、よく分からないけど……きっと、古代の昔からだよ!!」

ニャース「そりゃあ、そうにゃ……」

唯「あ、アズニャン。面白い石版があるよ」

アズサ「どれですか?」

唯「これだよ。なんか、私とあずにゃんが対峙しているようなの」

アズサ「本当ですね。そして、下には私とゆい先輩が対峙してます」

唯「なにか、意味があるのかな?」

アズサ「不思議ですねー」

???「そうね。不思議よね」

ふと、この場にはいない声が聞こえてきたので、振り向くと眼鏡をかけた女の先生みたいな人がスーツを着て立っていました。

???「見て、このポケモンを」

アンノーン「ノーン」

???「文字みたいでしょ?」

唯「本当だー」

アズサ「面白いですね」

???「アンノーンの姿はこれだけじゃなくてね。あれを見なさい」

私達が指差す方を見ると、違う姿をしたアンノーンがいました。

???「この姿は古代の文字に似てるといわれてるみたいね。古代の文字がポケモンを通じて語り継がれると考えると神秘的ね」

唯「本当だよね。一体、どうして、こうなったんだろう。ところでお姉さんは誰?」

???「私が誰かよりもそのあなたが抱っこしている、タマゴを持ったツインテールの女の子みたいなのは……」

唯「これはアズサって名前でアズニャンっていうんだ。えへへー、可愛いでしょー」

???「アズサ……ということはやっぱりポケモンなのね?」

唯「あれ?知ってたの?」

???「ええ。ちょっと縁があってね。……その子をくれないかしら?」

唯「それは無理だよ」

???「その子をくれたら……あなたの命だけは助けてあげるわ」

唯「い、命!?お姉さんは一体……」

???「そうね。名前くらいなら教えてあげるわ。私は……カンナっていう名前よ」

唯「カンナさん?どうして、アズニャンが欲しいの?」

カンナ「私が欲しいのはその子じゃなくて……その子の命よ」

唯「えっ……」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/01(土) 06:25:06.60 ID:tM/ToTje0
カンナ「その子が生きているとね、私達の進めているある計画の邪魔になる危険性があるの。だからね、その子を頂戴」

唯「なんだかよく分からないけど、アズニャンを殺すなんて駄目だよ!!」

カンナ「その子だって、死んだ方がいいんじゃない?仲間はその子を除いて、天に召されているんだから」

アズサ「勝手なこと言うなです。アズサ族は強いんですよ!簡単に全滅なんかしないです。大体、どうして、あなたがそんなこと知ってるですか!」

カンナ「察しが悪いわね。私達があの島を襲ったのよ」

唯「ええっ!?」

衝撃の展開だよ。まるで、なにかの漫画の主人公みたいな展開だね。……って、そんなことじゃなくて!

アズサ「嘘です!そんなこと信じません!」

カンナ「信じるか信じないかなんてどうでもいいわ。重要なのはここであなたを抹殺すること。あの島の戸籍を調べたら、死体の数と戸籍の数があわないじゃない。それで探していたんだけどね。後、隣の村のジュンっていうのもね」

アズサ「にゃっ、お母さんはお前達なんかに負けないです!」

カンナ「お母さん?……ああ、最後まで抵抗してた奴ね。哀れな最期だったわよ」

アズサ「そんなの信じませんよ!」

カンナ「うるさいわね……もう、死になさい。来なさい、ジュゴン」

カンナさんはモンスターボールからジュゴンを出してきました。

カンナ「トレーナーごと、仲間の所に連れて行ってあげるわ。立派なトレーナーがいますって、あなたのお母さんに自慢してきなさい」

アズサ「にゃあああああああああああ。殺ってや……」

唯「アズニャン、落ち着いて。ナデナデ」

アズサ「にゃふ〜」

ニャース「殺ってやるですモードにしたほうがいいんじゃないかにゃ」

唯「駄目だよ。アズニャンにあんな雰囲気は似合わないし、あんなのアズニャンじゃないもん」

カンナ「殺ってやるですモード?……ああ、最期まで抵抗していたのもそんな感じになったわね。そう言えば、思い出したわ。最期に生きていた奴が『私は死ぬけど、お前らは重要なミスをしたわ。それは……私の娘を逃がしたことよ。私の娘が最高のトレーナーとお前らの野望を止めてくれる』とね。……そうね。その言葉を信じるなら、トレーナーごと、葬るのが正解かもね。ジュゴン、ふぶきよ」

ニャース「こんなところで、そんな技ださせれたら……」

???「ピカチュウ、10万ボルト!」

???「ピカチュウ!」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/01(土) 06:26:13.95 ID:tM/ToTje0
電撃がジュゴンに向かって、飛んでいきます。

ジュゴン「ジューーー」

ジュゴンはその攻撃を受けて、耐えてはいますが、ふぶきを出しそびれます。

唯「あ、あなたは……ガーディアンさん」

ガーディアン「まったく、あなたはこんなところで何をしてるの?……まあ、今はどうでもいいわ。早く逃げなさい」

唯「でも……」

ガーディアン「今のあなたがいたって邪魔なだけよ。それに……私はこの女に用があるの」

カンナ「私にはないわよ。あるのはそのポケモンよ」

ガーディアン「ふん。おばさんは体力がないのね」

カンナ「……いいわ。相手になってあげるわ」

ガーディアン「そういうことだから、サッサと逃げなさい」

ニャース「今は言うとおりにするにゃ。アズサ一匹じゃ、どうにもならないにゃ」

唯「……そうだね。ありがとう、ガーディアンさん」

私はお礼を言うと、急いで駆け出しました。


カンナ「いい度胸ね。私の邪魔をしようだなんて」

ガーディアン「あなた達の計画は止めなきゃいけないから」

カンナ「……どこでそんなことを知ったのか知らないけどいいわ。戦ってあげる」
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/01(土) 06:27:37.54 ID:tM/ToTje0
唯「はあ……はあ……どうにか逃げられたね」

ニャース「はあ……はあ……そうだにゃ」

アズサ「……」

唯「どうしたの、アズニャン」

アズサ「……私の故郷、無くなってしまいました」

唯「……」

アズサ「せっかく、唯先輩を私の故郷に案内したかったのに……お母さんにも紹介したかったのに」

唯「……アズニャン、ぎゅう〜」

アズサ「にゃっ!?」

私はアズニャンを思い切り、抱きしめます。

アズサ「何をするんですか!」

唯「1つだけ、約束して、アズニャン」

アズサ「何です?」

唯「絶対に人間を恨まないで」

アズサ「……」

唯「たしかにあの人は……達かもしれない。それは許されないことをしたかもしれない。私も許せないよ。だけど……そんな人達ばっかりじゃないからね、人間は。私の事とかも嫌いになってほしくないし。だから……ね?」

正直な話をすれば、なんて酷なことを言ってるんだろうね、私は。……でもね。アズニャンには何かを恨んで生きていってほしくないんだよね。

アズサ「……分かったです。私も唯先輩を恨みたくありませんし」

唯「アズニャンはいい子だね。ナデナデ」

アズサ「ふにゃ〜」

唯「それでね、アズニャンに一つ提案があるんだけどいいかな?」

アズサ「何ですか?」

唯「この旅が終わったらさ。アズニャン・アイランドを創ろうよ!」

アズサ「どういうことですか?」

唯「だからさ。アズニャンの故郷に戻ってさ。いろいろなポケモン達を集めてさ。新しいアズニャン・アイランドを創るんだよ!そして、その島ではアズニャンが村長さんになるとか、ニャー太が大臣になるとか!もちろん、私も協力するし!」

ニャース「どうして、おいらが……」

唯「嫌なの?」

ニャース「嫌とは言ってないにゃ」

唯「むふふ」

ニャース「嫌な笑いにゃ」

アズサ「……」

唯「どうかな、アズニャン」

アズサ「……名案ですね、唯先輩!」

唯「そうかな?でへへ」

アズサ「私は村長さんっていう器じゃないので、あの大きいアズサに頼むです」

唯「そうだね。もう、こうなったら、皆も巻き込もう!」

アズサ「今から、楽しみです。きっと、きっと、楽しい島にしましょうね、唯先輩!」

私はアズニャンの目から涙がこぼれているの見ましたが……。

唯「私に任せなさい。フンス」

と、見なかったことにして力強く返しました。
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/01(土) 06:29:00.31 ID:tM/ToTje0
唯「さてと。さっきの人も心配だけど、サッサと行けるところまで行こうか」

アズサ「はいです」

私達は少し落ち着いてから、次の町……ヒワダタウンに向かって出発することにしました。

ニャース「早くしないと野宿になるにゃ」

アズサ「それも楽しそうです!」

ニャース「勘弁するにゃ」

???「ジー」

唯「ん?何か、視線を感じない?」

私達は周りを見ると緑色をして、目をパッチリとさせた緑色の鳥(?)みたいなのがこっちをジーと眺めています。

ニャース「これはネイティにゃ。タイプはエスパーとひこうにゃ」

唯「なるほど。……アズニャン、戦える?」

アズサ「任せて下さい。やってやるです!!」

アズニャンはタマゴをニャー太に預けて、ピョコピョコと歩いていきます。

アズサ「師匠の教えてもらった技を早速使うです」

むったん「捕まえるんだからね。倒しちゃ駄目だよ」

アズサ「分かってるです。早速、ねこだま……」

アズニャンは今朝、ニャー太に教えてもらった技を出そうとして、ピタッと止まりました。

唯「どうしたの、アズニャン」

アズサ「……」

アズニャンはくるりと方向転換し、私の体を登って、リュックから何かを取り出しネイティに向かって、ピョコピョコと歩き出します。

唯「何かあったの、アズニャン」

アズサ「……この子、足に怪我をしてるです」

唯「え?」

私はネイティをもう一度、注意深く見ると……たしかに足を引きずっているような感じだね。

アズサ「それにあそこに仲間もいるです」

私がアズニャンの指差す方向を見ると、仲間が何匹か心配そうにこっちを見ています。

アズサ「あの……唯先輩。きずぐすりを勝手に使って申し訳ないです。後、勝手だと思いますが、この子は……」

唯「全然、気にしないでいいよ。私が気づいてたら、同じことをしたしね。アズニャンはいい子だね。ナデナデ」

アズサ「ふにゃ〜」

唯「それじゃ、行こうか。ネイティさん、元気で暮らしてね〜」

アズサ「バイバイです」

ネイティ「……」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/01(土) 06:30:41.37 ID:tM/ToTje0
ニャース「もったいないことをしたにゃ」

唯「仕方がないよ。怪我をしてるんだもんね」

ニャース「それにしたって……ゲットして、ポケモンセンターに連れて行けばいいにゃ」

唯「その方法もあるけどさ。……大きな怪我でもなかったし、仲間も心配してたしね。……あきれちゃったかな?」

ニャース「もう慣れたにゃ」

アズサ「心配しなくても、次にゲットすればいいんです!!」

唯「そうだね。やってやるです!!」

アズサ「にゃう。真似しないで下さい」

唯「えへへ」

ニャース「……やれやれにゃ」


唯「そろそろ、つながりのどうくつだね」

ニャース「でも、もう夕方にゃ。中に入るのは明日にするにゃ」

唯「そうだね。私も朝早かったから疲れたよ。サッサと寝よう」

ニャース「その前にお勉強にゃ」

唯「うへー。それはやだなー」

アズサ「唯先輩も一緒にするです」

唯「うーん……考えておくね」

ニャース「まったく……ちょっと待つにゃ!」

唯「え?」

ニャー太の唐突な声で足を止めます。

唯「どうしたの?」

ニャース「ちょっと隠れて、こっちに来るにゃ」

ニャー太の指示に私は従います。

ニャース「あれを見るにゃ」

唯「どれどれ」

私が指差す方を見ると、

ウパー「ウーパー」

たしかウパーっていうポケモンだったと思うけど、のんきそうに川の傍にいます。

ニャース「一気にゲットするにゃ」

唯「オーケーだよ」

アズサ「やってやるです!」
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/01(土) 06:32:52.79 ID:tM/ToTje0
アズニャンはピョコピョコと走って、ウパーの所に向かいます。

アズサ「いざ尋常に勝負です!」

ウパー「ウパッ!?」

ウパーは突然のアズニャンの出現に驚いています。そりゃあね。私だって、驚くよ。

アズサ「今度こそ、師匠に教わった技を使うです。『ねこだまし』!」

アズニャンは手をパンと鳴らします。

ウパー「ウパッ!?」

ウパーは目をつぶって、怯みます。

アズサ「そして、まきつく攻撃です!」

アズニャンはツインテールでウパーを巻きつけます。

ニャース「今にゃ!」

唯「えいっ!」

私はモンスターボールをウパーに投げつけます。

パーン。フルフルフルフル、ピーン。モンスターボールにウパーが収まります。

唯「や、やったよ!ウパー……ゲットだよ!!」

アズサ「やりました!」

ネイティ「ティー!」

ニャース「やれやれ……ちょっと待つにゃ。どうして、おまえがいるにゃ!」

ネイティ「ティーティー」

唯「なんて言ってるの?」

ニャース「助けてくれたお礼に仲間にしてほしいって言ってるにゃ」

唯「気にすることないんだけどな。でも、仲間にしてほしいなら……えいっ!」

同じようにモンスターボールを当て、ゲットします。

唯「ネイティ、ゲットだよ!!」

アズサ「やりました!」

唯「今日は千客万来だね。では……」

私はボールから2匹を出します。

ニャース「連れて歩くのかにゃ?」

唯「ボールの中は気分のいいものじゃないでしょ?」

ニャース「だとしても、まるでサーカス団にゃ。人にも迷惑をかけるにゃ」

唯「どうしようもない時は入れるよ。とりあえず、ウパーをギューッと……」

ニャース「それはやめたほうがいいにゃ。ウパーの表面には毒の粘膜があるにゃ」

唯「……とりあえず、名前だね。ウパーはウー太。ネイティはネイ太にしよう」

ニャース「名前がそんなに重要かにゃ?」

唯「重要だよ。これから仲間だもんね」

アズサ「よろしくです!」

ネイティ達と挨拶をかわすアズニャン。うん、実にいい流れだね。

アズサ「この子も早く生まれてほしいですね」

唯「あせらない、あせらない。気長にいこうよ」

アズサ「はいです」

私達は元気よく、次の目的に向かいました。
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/01(土) 06:35:47.27 ID:tM/ToTje0
第3話から5話まで終了

唯のパーティ・まとめ

アズサ タイプ ???

ネイティ タイプ エスパー ひこう

ウパー タイプ みず じめん

たまご 

パーティ外 

ニャース タイプ ノーマル コーチ兼マネージャー
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/01(土) 09:01:07.26 ID:3+1qO12DO
乙!!
唯の優しさに思わず目からナトリウムイオン水がでそうになったよ(・_・、)
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/10/01(土) 11:59:02.38 ID:YJZIQO0Yo

やっぱり純ちゃんもポケモンになったか
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/07(金) 02:49:20.69 ID:mFblJ+jI0
乙!最高のSSの続きを規定しているよ♪
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:13:30.92 ID:W1Xg6ilW0
第6話 『ヒワダジムへの挑戦〜女王様のお出ましです!!〜』

???

ガーディアン「はあ……はあ……さすがに強いわね。カントーの四天王と呼ばれる実力だわ」

あの子……唯が逃げた後、本気で戦ったけどまったく歯が立たず、命からがら逃げ出してきたわけだけど。

ガーディアン「あんなのが後、6人か……」

あのAYUを信仰した連中の計画……絶対に止めなければならない。

ピカチュウ「ピー、ピカチュウ」

ガーディアン「分かってる、無理はしないわ。私には……ポケモンマスターになる夢があるからね」

ヒワダシティ・ヒワダジム前

唯「さあ、ジムに挑戦だよ!」

あの後、ポケモンセンターで一泊して、洞窟に入ったのはよかったんだけどね。意外と短かったから空いた時間ももったいないし、サッサとジムに挑戦して、観光もいいかなってね。

アズサ「やってやるです!」

私は扉を開けます。

唯「たのもー、たのもー」

ニャース「なんなのにゃ、その掛け声は……」

???「……何のようだい」

中から女の子が出てきました。私よりも年下みたいなのにすごいなー。

???「どうしたの?」

唯「あ、いえ。私はジムに挑戦しに来ました!」

???「ああ。挑戦者かい」

唯「ところで、お嬢さんの名前は?」

???「僕は男だ」

唯「ええっ!?」

???「僕は……ツクシだ。僕は男だからな。以後、間違えないでくれ」

唯「す、すいません……」

よほど、気に障ったんだろうね。ものすごく怒ってるし。……まあ、この容姿だし、仕方がないんだけどね。

ツクシ「それじゃ、ルール説明だ。といっても、難しいことじゃない。手持ちポケモンは3匹。全滅させたほうが勝ちだ」

唯「なるほど」

ニャース「しっかりやるんだにゃ」

唯「大丈夫だよ。昨日も勉強したしね」


回想

唯「眠いよー」

アズサ「一緒に頑張りましょう、唯先輩!」

ニャース「それでウパーの戦い方は……」

唯「あーうー」

回想終了
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:15:51.79 ID:W1Xg6ilW0
唯「大変だったよ」

ニャース「頭に入ってるのかにゃ?」

唯「……大丈夫だよ!!」

アズサ「さすが、唯先輩です!!」

唯「あう!尊敬のまなざしが痛い!!」

ニャース「……いいコンビだにゃ」


ツクシ「じゃあ、早速、バトルを始めよう」

唯「うん。いつでも来なさい!」

審判「それでは両者、準備はいいですか?では……」

審判・唯・ツクシ「「「決闘(デュエル)!!!」」」


ツクシ「さてと。ではまずは……女王様を守る兵隊……ストライク!!」

唯「出番だよ、ウー太」


ニャース「相手はストライクだにゃ」

唯「えーと……」

ニャース「ストライクはタイプはむしとひこうにゃ。たしか……カントー地方のチャンピオン、梓のゆいの次に信頼されているハッサムの進化前にゃ」

唯「おおっ!」

ニャース「感心してないで、覚えるにゃ」


ツクシ「ストライク、でんこうせっか!!」

ストライクはものすごい速さで体当たりを仕掛けてきます。

ウパー「ウパー!」

ウパーはその攻撃を受けて、勢いよく飛ばされます。

唯「ウー太!!たしか、でんこうせっかってそんなに威力がないのに何であんなに強いの、ニャー太?」

ニャース「きっと、あのストライクは特性がテクニシャンなんだにゃ」

唯「え、えーと……」

ニャース「……特性のテクニシャンというのは威力が高くない技の威力を高める能力にゃ」

解説アズサ「正確には威力60以下の技の場合、1.5倍になります」

唯「なるほど!」

ニャース「納得してる場合じゃないにゃ。指示をしにゃいと」

唯「そうだったね。え、えーと、ウパー、みずてっぽう!!」

ウパー「ピシャー」

ウパーは口から水を発射して攻撃します。

ツクシ「ふん。僕のむしポケモンの前にそんな攻撃なんか効かないよ!」

ストライクはその攻撃を残像を残しながら、避けます。

ニャース「速いにゃ!?」

ツクシ「ストライク、シザークロス!」

ストライクは駆け抜けるように、ウパーを斬りつけ、ウパーはダウンしてしまいました。

審判「ウパー戦闘不能。ストライクの勝利です」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:18:55.34 ID:W1Xg6ilW0
唯「ウー太!!ど、どうしよう、ニャー太。っていうか、ストライクってあんなに素早いの!?ハッサムはそんなでもなかったのに。ど、どうやって倒そう。アセアセ」

ニャース「落ち着くにゃ。こっちを見てみるにゃ」

私は言われたほうを見ます。

ネイティ「ティー……」

アズサ「だ、大丈夫ですよ、ネイ太。アセアセ」

ニャース「トレーナーの唯が慌ててたら、その焦りがポケモンにも伝わるにゃ。だから、どんなことがあっても、外見だけは強がってるにゃ」

唯「……そうだね。……やっぱり、ニャー太を仲間にしてよかったよ!!」

ニャース「……いつも、思うけど、恥ずかしくにゃいのか?そんなこと言っててにゃ」

唯「何で?」

ニャース「……もういいにゃ。早く、次のポケモンをださにゃいとな」

唯「そうだね!」

ツクシ「戻れ、ストライク。……それにしても、ここまで低レベルのトレーナーとポケモンは久しぶりだよ」

唯「むっ。私のことは否定できないけど、仲間達の悪口は許さないよ!」

アズサ「そこは否定してほしいです!」

ツクシ「ひょ。なら、口じゃなくて、結果で見せてくれよ。来い、スピアー!」

唯「出番だよ、ネイ太!」


唯「ところで、スピアーは……」

ニャース「スピアーはタイプはむしとどくにゃ」

唯「また、むしタイプー」

ニャース「そりゃあ……ここはむしタイプのジムだからにゃ」

唯「むー。……はっ!……はーがー!」

ニャース「にゃに、変なこと言ってるにゃ……」


ツクシ「スピアー、ダブルニードルだ!」

両手の針を使って、ネイ太に迫ります。

唯「えーと……ネイ太、ナイトヘッド!」

ネイ太は幻を見せて、スピアーに攻撃を仕掛け、その幻のおかげでスピアーの攻撃は外れました。

唯「やったね!」

ツクシ「だけど、たいした技の威力じゃないよ。スピアー、ミサイルばり!」

スピアーは気を取り直して、ハリをネイ太に向けて発射してきます。

唯「たしか、ネイ太の技は……そうだ!ネイ太、サイコキネシス!!」

ネイティ「ティー!!」

ネイ太は強い念力をスピアーに向けて発射します。

スピアー「スピアアアアアアアアアアア」

唯「え?あ、あれ?な、何であんなに効いてるの?」

ニャース「知らないで出したのかにゃ?サイコキネシスはエスパータイプの技にゃ」

唯「ああ。スピアーはどくタイプだったね」

ニャース「そのうえ、ネイティはエスパータイプにゃ。技のタイプと自分の出す技が一致すれば、威力が上がるにゃ」

唯「にゃるほど」

そんなことを話してる間にスピアーは気絶しました。

審判「スピアー戦闘不能。ネイティの勝利です」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:21:09.88 ID:W1Xg6ilW0
アズサ「これで1対1ですね!」

唯「アズニャンは数字も知ってるんだね。偉い偉い。ナデナデ」

アズサ「にゃっ……にゃふ〜」

ツクシ「少しは戦えそうだね。それじゃ……もう一度来い、ストライク!!」

唯「ネイ太、もう一度、サイコキネシスだよ」

ツクシ「その前に、でんこうせっかだ!」

ストライクはものすごく早い攻撃で体当たりを仕掛けます。

ネイティ「ティーー」

唯「ああ、ネイ太!」

ティ太は何とか立ち上がるも体力は残り少なそうです。

唯「どうしよう……それでもサイコキ……」

ツクシ「シザークロスだ!」

ストライクはウー太を倒したようにネイ太にも駆け抜けるようにネイ太を斬りつけ、ネイ太は気絶しました。

審判「ネイティ戦闘不能。ストライクの勝利です」


ツクシ「さて……君のポケモンは残り1匹だね。まあ、少しはやるかと思ったけど、やっぱり雑魚だったね。ヒョーヒョヒョ」

唯「むー、また、雑魚呼ばわりした!勝負はこれからだよ!……そうだ。覚悟しろよ、この虫野郎!!!」

ニャース「何を言い合ってるにゃ……」

唯「さあ、アズニャン。出番だよ!」

アズサ「やってやるです!」

ツクシ「む、そのポケモンは……カントーチャンピオンと同じ系統だね」

唯「そうだよ〜」

ツクシ「それにしては前に来たポケモンの方が強そうだけどね」

唯「アズニャンを舐めない方がいいよ。私のパーティのエースだからね!」

アズサ「エースだにゃんて……照れちゃいますよ」

ツクシ「まあいいだろう。ではバトル再開だ!」

唯「頑張ってね、アズニャン」

アズサ「はいです」
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:24:29.57 ID:W1Xg6ilW0
ツクシ「ストライク、つるぎのまいだ!!」

唯「えーと……」

ニャース「つるぎのまいはこうげきりょくをぐーんとあげるにゃ。物理系の技が多いストライクには有効な補助技にゃ」

唯「なるほど、なるほど」

ツクシ「ストライク、つばめがえし!!」

唯「ボールが弾まない技だっけ?」

ニャース「なにを言ってるかにゃ。絶対に命中する技にゃ」

アズサ「にゃっ!」

カキーン、とギターで防ぎます。

アズサ「いつもいつも申し訳ないです」

むったん「それが役目だからいいんだけどね」

アズサ「今度はこっちの番です!アズサ殺法52の技の1つ『むったん・スラッシュ』!!!」

アズニャンはギターを持って、ストライクを走り抜けるように斬りにかかりますが。

カキーン

ストライクの刃に止められます。そして、押し返されます。

アズサ「にゃう。防がれました」

むったん「そりゃ、相手も勝ちたいだろうしさ」

アズサ「こっちも勝ちたいですよ」

むったん「そんなことを言われてもね」

唯「え、えーと……何かいい技はあるかな?」

ニャース「アズサの技だけは分からないからにゃ」

唯「うーん、アズニャンは頭がいいから、技はいいとしても、戦いのヒントさえあげられればね」


アズサ「こうなったら、力押しです!」

アズニャンはストライクにギターを振り回します。

ストライク「スト!」

しかし、ストライクはその攻撃を全て受けきります。

ツクシ「全然、ポケモンを使いこなせてないね。特にそのポケモンに関してはね。本当にトレーナーなのかい、君は」

唯「あうっ!」

間違っていないだけにきついな〜。

ニャース「気にするにゃ。相手は唯を怒らせて、ペースを崩そうとしているだけにゃ」

唯「俗に言う、心理フェイズだね!!」

アズサ「にゃう。言われぱなっしは悔しいです!」

むったん「なら、勝つしかないね」

アズサ「いい必殺技はありますか?」

むったん「あっても、弱らせないとね。さっきみたいに防がれちゃうよ。まあ逆に言えば、弱らせれば、今までの必殺技でも十分なんだよ」

アズサ「でも……はっ!!」
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:27:19.54 ID:W1Xg6ilW0
回想

ニャース「違うにゃ。ねこだましはこうやるにゃ」

アズサ「……もっと、威力の高い格好いい技がやりたいです」

ニャース「たしかにそうにゃ。でも、ダメージの蓄積が大事にゃ。最後に勝つのは強い技を出したポケモンじゃなく、HPをゼロにしたトレーナーにゃ」

アズサ「よく分かりません」

ニャース「たしかに強い技を使えば、すぐに決着がつくにゃ。けれども、相手のHPが少ない時とかに出そうとして、失敗して負ける可能性もあるにゃ。小さい技でもせこくて格好の悪い技でも勝つためには美しくなるにゃ」

アズサ「うーん……」

ニャース「まあ、いずれ分かるにゃ」


回想終了


アズサ「にゃう!」

ストライク「スト!?」

あずにゃんはギターでの攻撃をやめ、でんこうせっかを繰り出しました。突然の攻撃にストライクは反応できずに尻餅をつきます。

ツクシ「なにっ!?」

むったん「今だ!」

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・スラッシュ』!!!」

尻餅をついたストライクにアズニャンの必殺技が炸裂し、ストライクは気絶しました。

審判「ストライク戦闘不能。アズサの勝利です」


唯「やったね、アズニャン!」

アズサ「えへへ」

ニャース「油断するにゃ。相手はもう1匹、残ってるにゃ」

唯「そうだった。アズニャン、油断しちゃ駄目だよ」

アズサ「任せて下さい!」

ツクシ「なるほど。評価を変えなければならないな。だが……僕の女王様の前にはかなわないだろう。来い、ビークイン!!」

ニャース「ビークインはむし・ひこうタイプにゃ。このモンスターは珍しくて、メスのミツハニーが進化するんだにゃ」

唯「つまり、♂は駄目なんだね」

ニャース「そうだにゃ」

ツクシ「女王様を守る2匹の兵隊を倒すとはね。びっくりだよ。だけど、さっきのようにはいかないよ。女王様の前にひれ伏せさせてあげるよ」

唯「ひこうタイプなら……アズニャン、むったん・イナスマスラッシュだよ!!」

アズサ「分かりました!」

ニャース「待つにゃ。うかつな攻撃は……」

ツクシ「女王様、こうげきしれいだ!」

ビークインの蜂の巣みたいなところから小さい蜂がたくさん現れて、アズニャンに攻撃を仕掛けます。

アズサ「にゃああああ」

唯「アズニャン!」

ニャース「だから、言ったにゃ」
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:29:28.57 ID:W1Xg6ilW0
アズサ「にゃー、にゃー」

むったん「さてはて、どうしたものか」

アズサ「のんきにしてないで助けて下さい!」

むったん「そうは言ってもね。だいたい、僕にどうしろっていうのさ」

アズサ「そうですけどね!」

唯「そうだっ!歌を歌おう!」

ニャース「にゃにを言い出すにゃ!?」

唯「きっとこうなるよ」

回想

アズサ「ラ〜ララ〜」

ビークイン「ふぁ〜あ〜。Zzzzzz」

回想終了

唯「ねっ!」

ニャース「まあ……やれないことではにゃいが……歌えるのかにゃ?」

唯「ああ見えて、ギターも持ってるしね。大丈夫でしょ。……アズニャン、うたうだよ!」

アズサ「分かりました!」

むったん「うたう!?ちょっと待ちなよ!!」

アズサ「安心してください!私はアズサ族で一番歌はうまかったんです!歌だけでしたけど!」

むったん「微妙に悲しいこと言ってないで考え直してよ!」

アズサ「いきますよ……ボエーーーーーーーーーー!!!」

むったん「ぎゃあああああああああああああ」

アズニャンのジャイアンに勝るとも劣らない歌声がフィールドに響き渡ります。

ツクシ「な、なんだ、この技は……」

ビークイン「ビ、ビー……」


ニャース「け、結果はちょっと違うけど……相手はグロッキーにゃ……」

唯「あう……こっちもグロッキー……」


アズサ「なんだか分かりませんが、今がチャンスです!」

むったん「そ、そうだね……新しい技に挑戦……だよ」

アズサ「やってやるです!」

アズニャンのギターが炎に包まれます。……き、気持ち悪い。

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・フレアスラッシュ』!!!」

未だに立ち上がれない、ビークインをアズニャンは炎のギターで斬りつけます。

ビークイン「びいいいいいいいいいい」

ビークインの体が燃え、ビークインは気絶しました。

審判「ビークイン戦闘不能。アズサの勝利です。ツクシのポケモンは全滅。よって、挑戦者の唯の勝利です」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:30:32.97 ID:W1Xg6ilW0
唯「わーい、わーい、勝ったよー!」

ツクシ「そ、そんな……この僕が……こんな初心者みたいなトレーナーに……」

唯「ふふん、どんなもんだい!おっと……うん♪たん♪楽しい決闘(バトル)だったよ!!」

ツクシ「……まあ、負けは負けだ。インセクトバッチを持っていけよ」

ツクシさんはバッチをこっちに投げ渡します。

唯「おーとっと。……よし!インセクトバッチ、ゲットだよ!」

アズサ「やったです!」

ツクシ「ふん。これで6連敗なんだ……。悪いけど、出て行ってくれ」

唯「わ、分かりました」

まあ、負けてばっかりだと、気分が悪くなっちゃうからね。でも、その前に。

唯「……また、対戦しようね!今度は馬鹿にされないようにするから!」

ツクシ「……ふん」

私は頭を下げて、ジムを後にしました。

唯「疲れちゃったねー」

アズサ「そうですね。私も眠いですー」

ニャース「今日はもう寝て、明日に町でも巡るにゃ」

唯「そうだねー」

それにしても、また、アズニャンに負担をかけちゃったな。トレーナーなんだから、もっとしっかりしなきゃね。

唯「明日から頑張ろう。フンス」

おまけ

その4

むったん・フレアスラッシュ ほのお 物理 威力 70 /命中100

炎に包まれたむったんで斬りつける。急所に当たりやすい。相手をやけど状態にすることがある。
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:32:37.81 ID:W1Xg6ilW0
第7話 『遅れてきた戦士〜ヤドンのいどの異変とロケット団〜』

ヒワダタウン・ヤドンのいど・唯がジム戦に挑戦した日

さわ子「嫌になるわねー」

あのヤマブキの事件の後、曽我部とかに連れてこられて資金集めとかある計画とかの準備を手伝うように命令された。もちろん、ロケット団にとってメリットはない。だが、もはやロケット団はその傀儡だ。

さわ子「ちゃんと、仕事をしなさいよ」

下っ端「はい」

ここしばらくやってるのはある薬品をヤドンに飲ませて、結果を見るという実験だ。その薬品を飲んだヤドンは目を血走らせて、人を襲うようになった。早く言えば、凶暴になる。

さわ子「こんな仕事がなんになるのかしらね」

ロケット団のカントーでの仕事はひどいものもあったが、それなりに自分の懐をあたためることは出来たけど、今回の仕事ではそんなものない。

さわ子「もっとも、給料はいいんだけどね……」

下っ端「チーフ、電話です」

さわ子「はいはい」

私は下っ端から電話を受け取る。

曽我部『お久しぶりですね』

さわ子「そうね。そんな挨拶はいいから、サッサと用件を言いなさい」

曽我部『では単刀直入に。今、ヒワダタウンに『中野 梓』が来ています』

さわ子「ピクッ」

中野梓。一度しか戦っていなくて、その時はまだ、あまちょっろいガキだった。しかも、勝負の決着は着いていない。

さわ子「面白い情報ね。つまり、『中野 梓』を倒せばいいのね」

曽我部『それだけじゃありません。『中野 梓』ではなく……今、そちらの部下が写真を持ってきます』

下っ端「これです」

さわ子「今、もらったわ。こいつは?」

曽我部『そいつも危険な人型ポケモンを使うトレーナー達です。ちょうど、ヒワダタウンに来ているのもいます』

さわ子「なるほど。こいつらも始末すればいいのね。報酬は?」

曽我部『抜け目ありませんね。1人頭250万でどうでしょう』

さわ子「オーケー」

曽我部『仕事もお願いしますね』

さわ子「この薬品を井戸に流し続ければいいんでしょ?」

曽我部『ではご武運を』
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:33:49.49 ID:W1Xg6ilW0
さわ子は電話を切ると、渡された写真を見る。

さわ子「ガキばっかりじゃない」

下っ端「大変心苦しいですね」

さわ子「それはいいんだけどね」

満足のいく戦いができるかしらね。『中野 梓』はできそうだけどね。

さわ子「残りの連中の名前は……なるほどね。で、現在地が……ヒワダタウンにいるのは『中野 梓』を除けば、こいつ……『平沢 唯』だけね。まあ、いいわ。それじゃ、まずはこっちの仕事にかかりましょうか。薬の用意はできてるー?」


ヒワダタウン・宿泊所・唯がジム戦に挑戦した日

梓「ここにロケット団の連中がいるという噂を聞いたんですけどね」

ゆい「どこにいるんだろう」

梓「まあ、簡単に分かるわけもないですけど……」

ゆい「ところでどんな噂だっけ?」

梓「最近、この近辺のヤドンが突然暴走して、人に襲い掛かるという事件が多発してるそうです。その黒幕としてロケット団らしき人が多数目撃されているとか」

ゆい「なるほどねー」

梓「……すいません。もう少し、のんびりと旅が出来れば良かったんですけど」

ゆい「気にしないでいいよー。トレーナーはあずにゃんなんだし」

梓「それでも……」

ゆい「ノオー!私達の間にそんな遠慮なんかいらないよ!」

梓「……そうですね」

ゆい「それじゃ、もう寝ようね」

梓「何で、当たり前のように私のベットに……」

ゆい「気にしない、気にしない」

梓「まったく……」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:37:47.01 ID:W1Xg6ilW0
ヒワダタウン

唯「さてと。今日はヒワダタウンを観光しよう」

ニャース「先に進まなくても平気かにゃ」

唯「ただ、急いで旅するのもねー」

ニャース「……まあ、そうだにゃ」

アズサ「それにしても、このタマゴ……なかなか生まれないです」

唯「焦らない、焦らない。中から音も聞こえてくるし、後少しだよ」

アズサ「そうですか……」

唯「とりあえず、このヒワダタウンにはボール作りで有名な人がいるから会って……むっ!?この気配は!」

私は辺りを見回します。

ニャース「何かいるかにゃ」

唯「うん。……多分、こっちに……あっ!いたっ!」

私はある人影を見て、走り出しました。


ゆい「とりあえず、お茶にしよう」

梓「そうですね」

唯「あ〜ずにゃん!!」

梓「にゃっ!?」

唯「久しぶりだねー。スリスリ」

梓「きゅ、急に抱きつかないで下さい」

ニャース「一体なんなのにゃ」

アズサ「あ、ゆい先輩に村長さんです」

ネイティ「ティー」

ウパー「ウパー」

梓「えっと……いろいろと言いたいことがあるんですけど……なんでニャースがしゃべってるんですか!?」

ニャース「……グス」

唯「あ、あずにゃんが私のニャー太を泣かした!」

ゆい「駄目だよ、あずにゃん。ちゃんと謝りなさい!」

梓「えっと……すいません」

ニャース「違うにゃ。まともな反応してくれる人に久しぶりに会ってにゃ」

梓「は、はあ……。あなたも苦労してるんですね」

唯「そんなことより、あずにゃん達は何をしてるの」

ゆい「私達はここでロケット……モガッ」

梓「余計なことを言わないで下さい。唯先輩達を巻き込むことになっちゃいます」

ヒソヒソ。

ゆい「ごめん、ごめん」

ヒソヒソ。

唯「ロケット……?」

梓「あ、えーと……ここでロケットに乗りたいなーなんてね。あはは」
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:39:29.58 ID:W1Xg6ilW0
ゆい「それは無理があるよ、あずにゃん」

唯「そうなんだー」

ゆい「納得した!?」

梓「ところで、お、お茶にしませんか」

唯「あずにゃんからのお誘い?なら、当然に受けないとね」

梓「何ですか、それ」

唯「それじゃ、出発!」

私達が近くの喫茶店に入ろうとすると、

???「梓!!」

モッ……モコモコした髪をした女の子と憂に似た小さい女の子が立っていました。たしか、この2人は……。

梓「じゅ、純にうい……どうしたの?」

純「デート中に悪いけど、話があるの」

梓「デ、デートじゃありませんし!」

唯「これは……俗に言う修羅場ってやつだね!!」

梓「ち、違いますよ!」

唯「察するに2人は女の子同士だけど、恋人同士であずにゃんが別れ話を切り出して、純ちゃんが納得できないってところだね」

梓「全然、違います!」

純「でも、あんたレズでしょ?」

梓「だから、違います!!」

唯「まあ、冗談はこれくらいにして……大切な話なら私は遠慮しようか?」

純「別にいても、大丈夫ですよ」

梓「それじゃ、純も一緒に喫茶店に行こう」

純「喫茶店ねー……」

梓「何よ」

純「やっぱり、あんた、この人をナンパして……」

梓「しつこい!!」


唯「それじゃ、入ろうか」

梓「ちょっと待って下さい。この子達も入れるんですか」

ウパー「ウーパー?」

ネイティ「ティー」

唯「仲間外れは可哀想だよ」

梓「でも、店の人に迷惑ですよ」

唯「むー、なら仕方がないね」

私は渋々2匹をボールに戻します(ニャー太はオーケーだったのでそのままです)。
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:42:06.75 ID:W1Xg6ilW0
私達は注文をして、まずは簡単な自己紹介を済ませます。

唯「それでお2人の関係を聞かせてもらいます」

梓「何ですか、それ……」

唯「生半可な娘にあずにゃんは渡せません!!」

梓「私は唯先輩の娘じゃありませんし」

純「男の人は想定しないんですか?」

唯「うーん、あずにゃんに近づく男の人はペロリストかロリコンじゃないかな。そんな人達にあずにゃんは渡せません!!」

梓「失礼な!私にだって……」

唯「強がらなくたっていいよ。まあ、さっきのは冗談にしてもさ。お金持ちの人とかはスタイルのいい人達のところに行くよね?少なくとも、あずにゃんのところには……」

梓「う〜、どうせ、貧相ですよ」

唯「別にけなしてるわけじゃないよ。あずにゃんは可愛いしね」

純「それじゃ、どんな人なら認めるんですか?」

唯「そうだね〜。……例えば、わ、私とか……モジモジ」

梓「……却下です」

唯「ええっ!」

純(今、一瞬考えてたな)

唯「あ〜う〜、あずにゃんひどいよー」

梓「ひどいのはどっちですか」

唯「さっきのは謝るから。……ごめんなさい!」

純「唯先輩も謝ってるんだから許してあげなよ」

梓「はあ……分かりましたよ」

唯「わーい、あずにゃんのお嫁さんだー」

梓「誰もそんなことまで承諾してません!」

純「そうですよ。どちらかといえば、梓がお嫁さんで唯先輩がお婿さんです!」

梓「そういうことが言いたいんじゃないよ!?」

唯「もう、あずにゃんたら。それならそう言ってくれればいいのに」

梓「あ〜もう!」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:44:26.38 ID:W1Xg6ilW0
純「それで、さっきの質問についてですけど、私達はただの友達と書いてライバルと呼ぶ関係ですよ」

唯「そっかー」

梓「いやいや、疑問を持ちましょうよ」

唯「間違ってはないよね。ポケモントレーナーは皆、ライバルであり、友達!」

梓「たしかにそのとおりですけどね」

唯「そういえば、あずにゃんはタマゴをもらったんだよね?もう、生まれた?」

梓「はい、一応……」

唯「どんなのが生まれたの?」

梓「えーと……この子です」

あずにゃんはボールからモンスターを出します。

ゴマゾウ「ゴーマ」

唯「へー、可愛いね」

梓「そうなんですけどね。唯先輩はどんなポケモンなんですか?」

唯「私のはまだ生まれてないんだよねー」

梓「そうですか。ちょっと、遅いですね」

純「遅くてももらえてるだけでいいですよ。私なんてね……」

梓「私が頼んでおいたから、行けばもらえるよ」

純「ありがとう、梓!!」

ガシッ

梓「だ、抱きつかないでよ」

唯「うんうん。これが友情だね」

梓「のんきなこと言ってないで助けてくださーい」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:44:55.31 ID:W1Xg6ilW0
うい「私はういだよ」

アズサ「私はアズサです。よろしくお願いするです」

うい「うん、よろしく!」

ゆい「アズニャンはアズニャン・アイランドから来たんだよー」

うい「そうなんだー」

アズサ「……今はもう……ないんですけどね」

うい「え?」

アズサ「人間さんに襲われて……私のお母さんも……」

ゆい「ど、どうしよう、うい。私、地雷踏んじゃったよ!」

ヒソヒソ。

うい「ど、どうしようと言われても……」

ヒソヒソ。

アズサ「……グスン」

うい「と、とりあえず、抱きしめてあげた方が……」

ヒソヒソ。

ゆい「そ、そうだね!」

ヒソヒソ。

ゆい「アズニャン、ぎゅ〜」

アズサ「にゃっ!」

ゆい「ごめんね。私、無神経なこと言って……」

アズサ「べ、別に気にしてないですよ」

ゆい「お詫びに今度、私の故郷……キョウアニアイアイ諸島に連れて行ってあげるよ!」

うい「そのことなんだけどね、お姉ちゃん」
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:47:01.44 ID:W1Xg6ilW0
梓「ところで純は何をしに来たの?」

純「それを言いに来たのよね。……うい、おいで」

私達はそれぞれのポケモンを膝に乗せます。

純「しかし、周りから見たら、娘とかに見えんのかな。『昨今の若者の性の乱れは嘆かわしい』とか言われちゃうのかな」

梓「もう、余計なことはいいから」

純「実はね……ゆい先輩とういの故郷……キョウアニアイアイ諸島が何者かに襲われたのよ」

ゆい「えっ……」

ゆいちゃんは顔を真っ青にします。

ゆい「み、皆は……」

うい「うっ……」

ういちゃんはその言葉に目を伏せて、答えます。……うん、一気に少年漫画の展開になったね。

ゆい「……そっか」

きっと、言葉にしなくても言いたいことが分かったんだろう。ゆいちゃんは納得しました。

ゆい「実はね……このアズニャンの故郷もやられちゃったんだ」

アズサ「にゃう……」

純「そうなの?」

うい「私もさっき、聞いたんだよ」

純「ふーん、だとすると、何かの陰謀が働いているのかもね」

梓「そうでしょうね」

唯「えーと……」

ニャース「2つの人型ポケモンの島が同時期に襲われた。……偶然とは考えにくいにゃ」

唯「なるほどね」

アズサ「でも、安心して下さい。ゆい先輩達もアズニャン・アイランドに招待します」

ゆい「あれ?アズニャン・アイランドは……」

アズサ「実はですね……」

アズニャンは私達が話した計画を皆にも話します。

ゆい「それは面白そうだね」

うい「そうだね。いい計画だと思うよ」

唯「えへへ」

アズサ「そして、その貴重な計画の責任者というか村長はあなたを指名します」

梓「わ、私ですか」

アズサ「そうです。同じアズサ族として」

梓「別にアズサ族ではないですけど」

アズサ「とにかく、お願いしたいです」

梓「とりあえず、考えておきますね」

唯「そうだね。あずにゃんにもやりたいことがあるだろうしね」

梓「……すいません」

唯「気にすることないよー」
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:49:12.34 ID:W1Xg6ilW0
梓「さて、そろそろ出ましょうか」

唯「えー、もう?もっと、お話ししようよー」

梓「私にも予定があるので。それで純はちょっと、話したいことがあるからこの後空いてる?」

唯「ぶー、純ちゃんには話したいことがあって、どうして私にはないの?」

梓「それは……な、何でもいいじゃないですか」

唯「むう。まあ、あずにゃんにも付き合いがあるからね。それじゃ、私は行くね」

梓「すいません。今度はまたゆっくりしましょう」

唯「うん。じゃ〜ね〜」

私達は喫茶店を出ました。


純「さてと。話したいことって?」

梓「実はね。この町には噂があるんだ」

純「何よ。恋のおまじないでもあるの?」

梓「違うよ!最近、この町にいるヤドンが凶暴になっているんだよ。それにロケット団が関係しているかもしれないっていう噂」

純「はあ。あんたもまためんどくさいことにかかわってるのね。命がいくらあっても足りないわよ」

梓「だって、そもそもジョウトに来たのだって、そういう人達を倒したいって思ったからだし」

ゆい「あずにゃんは厨二にゃんなんだよ〜」

うい「そうなんだ」

梓「違います!」

純「それで私にもついて来てほしいと」

梓「駄目かな?」

純「……仕方がないわね」

梓「ありがと、純」

純「まったく。この後、戻ってキキョウジムに挑戦しようかと思ったのに」

梓「ごめんね」

純「もういいわよ。それよりもサッサとその場所に行きましょう。ところでその場所は?」

梓「ヤドンのいどって場所だよ」

ゆい「それじゃ、レッツ・ゴ〜」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:51:37.98 ID:W1Xg6ilW0
唯「ちぇ〜。なにさなにさ。あずにゃんなんて」

アズサ「拗ねないで下さい」

唯「拗ねてはないよ。たださ〜。絶対何かを隠してるよ」

アズサ「きっと、理由があるです。人を疑うのはよくないです」

唯「……そうだね。アズニャンの言うとおりだよ。偉い偉い。ナデナデ」

アズサ「にゃふ〜」

ニャース「しかし、唯もさすがだにゃ」

唯「何が?」

ニャース「何がって……」

ウパー「ウパー」

ネイティ「ティー」

ニャース「すぐにモンスターボールからこいつらを出すあたりにゃ」

唯「だって、可哀想だしね」

???「ぎゃあああああああああああ」

唯「え、何。今の叫び声」

ニャース「あっちにゃ」

私達はスタコラサッサと叫び声のあった方に向かいました。


???「た、助けてくれ」

私達が叫び声をしたところに着くと、そこは古い家が建っていて、おじいちゃんがピンク色をしたポケモンに襲われていました。

唯「あの襲っているピンクのポケモンは……」

ニャース「あれはヤドンにゃ。この町では有名なポケモンにゃ。タイプはみずとエスパーにゃ」

唯「なんか、目が血走ってるけど……」

ニャース「そこがおかしいにゃ。ヤドンはのんびりした性格なはずにゃのに」

アズサ「そんなことより、あのおじいさんを助けるです」

唯「おお。たしかにそうだね。アズニャン、行くよ!」

アズサ「やってやるです!」

アズニャンはピョコピョコと走り出します。

むったん「なんか、様子が変だから気をつけるんだよ」

アズサ「分かってるです」

アズニャンはでんこうせっかをヤドンに仕掛けます。

ヤドン「ヤド!」

ヤドンはその衝撃で飛ばされました。よし!今のうちに……。
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:53:08.74 ID:W1Xg6ilW0
唯「おじいさん、大丈夫ですか?」

???「わ、わしは大丈夫じゃ……」

ニャース「もしかすると、この人はガンテツという人じゃにゃいかな?」

唯「ガンテツ?」

ニャース「モンスターボールづくりで有名な人にゃ」

???「ほう。よく分かったな。たしかにわしはガンテツじゃ。……ふむ、そのポケモンはしゃべるのか?」

ニャース「それでどうしてヤドンに襲われてたにゃ?」

ガンテツ「最近、ヤドンが急に凶暴になって人を襲う事件が増えているということを知っているか?」

唯「知らなかったよ。そうなの?」

ニャース「おいらも初耳にゃ」

ガンテツ「ふむ。とすると、旅の者か……」

唯「そんなに有名なんだ」

ガンテツ「この町ではな」

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・イナズマスラッシュ』!!!」

私達が会話をしてる間にアズニャンは無事にヤドンを倒しました。

ガンテツ「お前さん達になら頼めるかな?」

唯「何を?」

ガンテツ「実はな……ヤドンのいどに最近怪しい人の出入りがあるらしいのじゃ。わしが行って、確かめたいんじゃが……年でな。ただ、無理にとはいわん」

唯「そんなのお安い御用だよー。私達に任せてよ!」

ガンテツ「……そうか。ありがとう。お礼にこれを渡そう」

ガンテツさんは私にモンスターボールのような物を渡します。

ガンテツ「これはただのモンスターボールではなく……フレンドボールじゃ」

唯「へえー。ありがとう、ガンテツさん。ところでフレンドボールって?」

ニャース「たしか……このボールでモンスターを捕まえると、仲良くなりやすい効果だった気がするにゃ」

ガンテツ「だいたいそんなところじゃ。それにしても随分物知りなポケモンじゃな」

唯「私の自慢のコーチ兼マネジャーなんだよー」

ガンテツ「そうか、そうか。それにしても、そんな風にポケモンを使うのはお前さんが初めてじゃな」

唯「えへへー」

ニャース「褒められてはいないにゃ」

唯「それじゃ、そろそろ確かめに行ってくるよ」

ガンテツ「わしが言うべきではないが危なそうになったら、何もせずに帰ってくるんじゃよ」

唯「分かってるよー。それじゃあねー」
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:54:07.38 ID:W1Xg6ilW0
ニャース「安請け合いして大丈夫かにゃ?」

唯「大丈夫だよ、そんなに危険な事なんか起こらないよ」

アズサ「それに私がいるから大丈夫です!」

ニャース「不安だけど……まあ、大丈夫だろうにゃ」

私達はポケモンセンターによって、回復してからポケモンセンターに向かいました。
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:56:29.19 ID:W1Xg6ilW0
第8話 『最強トリオ結成!?〜ついにタマゴも孵化します!!〜』

曽我部『今回がラストチャンスですよ』

さわ子「分かってるわ」

今しがた、連絡で殲滅対象の『中野 梓』と『鈴木 純』がこちらに向かっているという情報が流れてきたわけだけど……。

さわ子「気が乗らないわね」

曽我部『裏切るんですか?』

さわ子「別にそんなつもりじゃないわ。ただ、世界が違えば、あの子達の先生になってた気がしただけよ」

曽我部『まあ、なんにせよ、任務はキチッとお願いしますね』

さわ子「はいよ」

私は電話を切った。

さわ子「楽しませてよね、『中野 梓』」


ヤドンのいどの前・草むら

梓「ここがヤドンのいどですか……」

ゆい「侵入しないの?」

純「うかつに入って、敵がいたら、それこそ袋のコラッタですよ」

うい「そうだねー」

梓「とりあえず、誰か出てくるかどうかだけでも確認しないと……」

純「ん?誰か来るよ」

梓「あれ?あの姿は……もしや!?」
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:58:15.27 ID:W1Xg6ilW0
ヤドンのいどの前

唯「ここがヤドンのいどかー」

アズサ「ここを下に下りるんですね」

唯「見たところ、怪しい人影もないし、変な様子もないね」

アズサ「そうですね」

ブルブル。

アズサ「唯先輩、唯先輩!タマゴがブルブルって震えてます!」

唯「おお!もうすぐ、生まれるってことだね。それじゃ、サッサと済ませて、孵化を見守ろう」

ニャース「危なくないかにゃ?」

唯「大丈夫だよ。ヤドンの暴走とかっていっても、きっとおなかでも減らしてるだけだろうし」

ニャース「さっきの雰囲気から、そんな感じじゃない気がするにゃ」

唯「とにかく、サッサと済ませちゃおう」

梓「ちょっと、待って下さい!」

唯「ほえ?あ、あずにゃんだ。あ〜ずにゃ〜ん!」

梓「にゃっ!」

唯「どうしたの、こんなところで。すりす〜り」

アズサ「む〜」

純「はあ……はあ……急に飛び出さないでよ」

唯「ん?純ちゃんもいるの?……ハッ。ま、まさか、2人はこんなところで……。うわーん、あずにゃん私を捨てないでー」

梓「何を言ってるんですか!」

ゆい「そ、そんな……。あずにゃん、信じてたのに。うわーん」

梓「ゆい先輩は近くにいたでしょ!?」

唯「まあ、冗談はともかくとして。どうして、こんなところにいるの?」

梓「それはこっちのセリフですよ。どうして、ここにいるんですか?」

唯「私達は……かくかくしかじか」

私はこれまでの経緯を説明します。
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 04:59:33.04 ID:W1Xg6ilW0
純「なるほど」

梓「どうして、そんな安請け合いしたんですか」

唯「だって、困ってる人をほっとけないよ」

梓「それにしたって……」

純「まあまあ。すいませんね、唯先輩。この子、唯先輩が傷つくのがいやみたいで」

唯「そうなの?」

梓「べ、別に私は……危険な目にあわせたくないだけで」

純「同じようなもんじゃん」

唯「でも、あずにゃん達だってひどい目にあうよ」

梓「私達は慣れてますし」

純「それもどうかと思わない?」

うい「そうだよね」

梓「ここには怖いロケット団がいるかもしれませんよ」

唯「まさかー。そんなのいないよ。それにあずにゃん達がロケット団を倒したんだよね」

梓「まだ、全員倒したわけじゃありませんよ」

唯「大丈夫、大丈夫。それより、心配してくれてありがとね。ぎゅ〜」

梓「にゃっ!」


アズサ「むう〜」

ゆい「むふふ。アズニャン、やきもち?」

アズサ「ち、ちがいますし!!」

ゆい「そんなに顔、真っ赤にしてごまかしちゃって可愛い〜。ぎゅ〜」

アズサ「にゃう!」

ゆい「ほら、ういも可哀想なアズニャンを慰めるためにアズニャンを反対から抱きしめてあげなよ」

うい「うん!」

アズサ「にゃう。やめてくださーい!」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 05:01:19.41 ID:W1Xg6ilW0
唯「まあ、とにかく。さっさと確認しちゃおうよ」

純「そうですね。さっさと、終わらせたいですし」

梓「でも……」

唯「大丈夫!何があっても、先輩の私があずにゃんを守ってあげるよ!!!」

梓「唯先輩……」

純「私はー」

梓「分かりました。では一緒に行きましょう」

ゆい「ところで慎重に行かなくていいの?」

梓「もう今更ですけどね」

???「そうだな!!」

その声に振り返ると、『R』の文字を胸につけた、ロケット団、3人が立っていました。

ロケット団・下っ端A(以下、下)「のんきなもんだな。敵がいるかもしれないところで談笑なんてな。なあ、糞ガキども」

唯「ほ、ほほほほ本当にいたよ〜」

ガクガクブルブル。ふ、震えてる場合じゃないよ。あずにゃんを守らなきゃね。

梓「落ち着いてください、唯先輩」

唯「わ、私は、お、落ち着いているよ」

梓「声が震えてますよ」


ヤドンのいど

下D「あいつら、勝手なことしてますよ。止めますか?」

さわ子「……いいわ。このまま、戦わせましょう。どのみち、あいつらに負けるようならその程度の連中よ」

ヤドンのいど前

下A「来い、アーボック」

下B「マタドガス」

下C「サンドパン」

唯「ど、どうしよう。で、でも、あずにゃんだけでも守るよ」

梓「そんなに強がらなくてもいいですよ」

純「やっぱり、私はスルーなんですね」

うい「純ちゃんは私が守ってあげるよ」

純「うう、ありがと、うい」

梓「とりあえず、サンドパンの方は任せたよ、純。私はアーボックとマタドガスを相手にするよ!」

純「はいよ」

唯「わ、わ私はー?」

梓「私と一緒に戦いましょう!」

唯「う、うん、分かった。せ、先輩がお手本を見せてあげるよ!」

梓「だから、強がらなくていいですよ」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 05:02:15.48 ID:W1Xg6ilW0
純VSロケット団・下っ端C

純「やれやれね。また、梓に巻き込まれてこんなことに」

うい「でも、楽しそうだよね」

純「やるなら楽しまないとね!」

うい「無駄に前向きだね」

下C「クソガキが。痛い目に合わしてやる」

純「まあ、あの程度の相手なら、あんたを使う必要もないわね。……なにより」

うい「何より?」

純「私の評価知ってる?ういが強かったから、トレーナーがひどくても勝ちあがれるとか何とかで私の評価低かったのよ」

うい「今は関係ない気が……」

純「腹いせよ。来なさい、カビゴン!」

カビゴン「ゴン!」

純「私の力を見せてあげるわ」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 05:22:49.37 ID:W1Xg6ilW0
唯・梓VSロケット団・下っ端A・B

唯「が、頑張ろうね、あずにゃん」

梓「まあまあ。フォローはしますから、無理はしないで下さいね」

ゆい「私が行く?」

梓「そこまでの相手じゃありませんよ。来てください、グライガー!」

グライガー「グラッ!」

唯「へえー、格好いいなー。どこでゲットしたの?」

梓「ただの偶然ですよ。ここらへんにいるポケモンじゃないですし」

唯「それじゃ、私も……ウー……」

ニャース「ウパーよりもネイティにするにゃ。相手は2人ともどくタイプにゃ」

唯「そうなんだ。なら、ネイ太。君に決めた!」

ネイティ「ティー」


下A「アーボック、ネイティにへびにらみだ!」

アーボック「ボック!」

唯「あの技は……」

ニャース「相手をまひさせる技にゃ。でんじはと違い、無効にさせることがないのが利点にゃ」

ネイティ「ティー。ビリビリ」

唯「ああ。まひしちゃったよ!」

下A「たいしたことないガキだぜ。アーボック、かみつくだ!」

アーボック「シャーボック」

唯「ネ、ネイ太!」

梓「グライガー、きりさく!」

私が慌てふためいていると、グライガーがネイ太に迫るアーボックのおなかを切り裂きます!

唯「た、助かったー」

梓「まだですよ!」

下B「マタドガス、ヘドロばくだん!」

唯「こっちからも来た!?」

ニャース「2対2の場合、片方が倒したからといって油断してはいけないにゃ!……ネイティにサイコキネシスをさせるにゃ」

唯「分かったよ!ネイ太、サイコキネシス!」

梓「私はフォローにまわりますね」

グライガーはネイ太に迫ったヘドロばくだんを受け止めます。

ネイティ「ティー!」

ネイ太のサイコキネシスがマタドガスに命中し、マタドガスは地面に落下します。大ダメージってやつだね!
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 05:24:16.83 ID:W1Xg6ilW0
アズサ「さすがは村長さんです。すごいです!」

ゆい「もう、決定事項なんだね、村長って。ずずー」

アズサ「のんきにお茶なんか飲んでていいんですか?」

ゆい「やることもないしね。アズニャンも飲む?」

アズサ「今は戦闘中です!真面目に戦いましょうよ!」

ゆい「私の出番はないよー」

アズサ「そんなことありませんよ!」

ゆい「……アズニャンは私の仲間がこんな連中に負けると思ってるんだ。いくら、アズニャンでもあずにゃん達を馬鹿にするのは許さないよ!!」

アズサ「にゃう!?ごめんなさいです。わ、私はそんな気は……」

ゆい「言い訳無用だよ!もう、アズニャン嫌い!」

アズサ「にゃう……」

ゆい「……」

アズサ「……」

ゆい「……」

アズサ「……グス」

ゆい「……ぷっ、くくくく」

アズサ「!?」

ゆい「冗談だよ、冗談。アズニャンにはそんな気がないだろうしね」

アズサ「当然です」

ゆい「まあ、ともかくね。私は皆を信頼してるからこうやってお茶をしてるわけだよ。いわば、信頼感ってやつだね!」

アズサ「さすがはゆい先輩です!」

ゆい「でへへ〜」

梓「そんなところでお茶してないでこっちに来てくださいね」

ゆい「あう〜」

突如として、やってきた村長さんはゆい先輩を連れて行きました。うーむ。信頼感って難しいんですね。
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 05:28:48.10 ID:W1Xg6ilW0
梓「あらかた、片付きましたね」

ネイ太はまひしちゃったけど、何とか2人でロケット団の手持ちのポケモンを倒しました。とはいうけど、ほとんどあずにゃんが倒したし、まだグライガーは余裕そうだよ。すごいな、あずにゃんは。

純「そっちも終わったの?」

梓「あ、純」

唯「純ちゃん、純ちゃん。あずにゃんはすごいんだよ。ほとんど1人で倒しちゃうんだもの」

梓「べ、別にたいしたことありませんよ」

純(嬉しそうだなー)

下A「てめえらごときにこの俺が……くそが!」

ロケット団の下っ端さんは隠していたナイフを持って、あずにゃんにむかって、突撃してきます。

唯「あずにゃん!!」

私はあずにゃんを庇うようにタマゴを持って立ちます。

下A「くらえっ!」

梓「唯先輩!」

ピキ、ピキピキ。

下っ端さんがこっちに走ってくると、ピキピキとタマゴがひび割れます。まさか、こんな時に……。

ピキピキピシャーン。

リオル「リオー!」

唯「生まれたよ!」

下A「な、なんだ……」

こっちに突っ込んでこようとした、下っ端さんは驚いて止まりました。

リオル「リオ、リオ」

アズサ「あれがタマゴさんの正体……それよりもあいつをやつけないと」

???「待ちなさい」

そんな声が低く、しかし、はっきりと響き渡りました。

???「往生際が悪いですよ」

ヤドンのいどから、ロケット団の服を着た女の人が出てきました。

下A「くっ……」

梓「あなたは?」

ロケット団・幹部(以下、幹部)「ただの幹部です」

梓「その幹部さんが何のようですか?」

幹部「下でさわ子様がお待ちです」

純「意味が分からないんですけど」

幹部「あなた達が気にすることではありません」

純「そんな勝手な……」

梓「まあまあ。とにかく、行きましょう」

唯「そうだね。安心してよ。あずにゃんはなにがあっても守るから」

梓「期待しないでおきますね」
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 05:31:24.42 ID:W1Xg6ilW0
ヤドンのいど・内部

さわ子「久しぶりね、梓ちゃん。それと初めまして、純ちゃん、唯ちゃん。山中さわ子よ。よろしくね」

私達が奥に連れて行かれると、女王様の椅子みたいなのに座る女の人がいました。

唯「知り合い?」

梓「まあ、いろいろと……」

さわ子「梓ちゃんが唯一まともに勝てなかった相手とでも言っておくわ」

唯「それはすごいね!!」

たしか、月間アズニャンには公式戦では負けなしって書いてあったしね。そのあずにゃんに勝つのはすごいよね

梓「感心してる場合ですか。……さわ子さん。私はあの頃の私と違います。前よりも強くなりました!!」

さわ子「それは楽しみね。……でも、私も強くなってるわよ」

梓「望むところです!!」

さわ子「他に、2人もいるわけだけど……いいわ。3人まとめてかかって来なさい」

梓「それじゃ、ルールは6対6のトリプルマッチ。私達は手持ちは2匹。さわ子さんは6匹でいいですよ」

さわ子「そんなにルールを作らなくてもね……」

梓「私達は……ルール無用のあなた達とは違いますからね。それとも……言い訳が必要ですかね。6対18で負けたって」

唯「私は6匹も手持ちがいないんだけどね」

さわ子「……しばらく見ないうちに成長したじゃない。……いいわ。そのルール、受けてたつわ。あなた達は下がってなさい。手を出したら……分かるわね」

さわ子さんの殺気からか、皆が一歩後ろに下がります。

梓「悲しいですね。世界が違えば、先生と生徒のような関係になれたのに」

さわ子「私はそこまで年じゃないわよ!」

梓「まあ、ともかく始めましょう。唯先輩は大丈夫ですか?」

純「私には聞かないの?」

梓「大丈夫でしょ?」

純「そりゃあね」

唯「私は大丈夫だよ。あずにゃんが一緒だし」

梓「そ、そうですか」

純「顔、真っ赤だよ。どうしたの?ニタニタ」

梓「うるさい。さあ、バトルを始めましょう」

さわ子「ええ。そうね。これ以上、ラブコメみたいなのを見せ付けられてもね」

梓「別に私は……」

純「進まないからスルーしなさい」

さわ子「それじゃ……」

唯・梓・純・さわ子「「「「決闘(デュエル)!!!」」」」
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 05:33:22.82 ID:W1Xg6ilW0
さわ子「来なさい、エアームド、ケンタロス、カイリキー」

梓「来て下さい、ハッサム!」

純「来なさい、ゲンガー!」

唯「じゃあ、私はうー……」

リオル「リオ!リオ!」

唯「え、君が戦いたいの?」

リオル「リオ!」

唯「うーん……君が戦いたいならそうしよう。名前は……」

ニャース「リオル。タイプはかくとうにゃ」

唯「なら、リオ太だね。頑張ってね」

リオル「リオ!」

唯「それじゃ、私はリオルだよ!」


さわ子「エアームド、はがねのつばさをリオルにしなさい!」

エアームドはリオ太にむかって、羽を広げて突撃してきます。

唯「ど、どどどうしよう」

ニャース「落ち着くにゃ」

梓「ハッサム、エアームドにバレットパンチ!!」

ハッサムの弾丸のように速くて重いパンチがエアームドの羽に激突します。

純「ゲンガー、シャドークロー!」

ゲンガーは影からつくったツメで止まっているエアームドに攻撃をします。

エアームド「エア!」

その攻撃でエアームドの胸にツメの跡が出来ます。

純「よし!」

さわ子「エアームドを……」

梓「まずは1匹……」

唯「あずにゃん、横だよ!」

エアームドを倒して、油断している横から、ケンタロスが突撃してきます。あの技は……。

さわ子「ケンタロス、すてみタックルよ!」

梓「受け止めて、ハッサム!」

ガッシーンという音が洞窟に響き渡ります。

ニャース「すてみタックルはノーマル技にゃ。だから、ハッサムには有効な技とはいえないにゃ。それをここで出すのは……」

梓「きっと、わけがあるはず……」

さわ子「くくく。ケンタロス!」

ケンタロスはツノを上に振り上げ、ハッサムを上に投げ飛ばします。
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 05:37:22.70 ID:W1Xg6ilW0
梓「一体、何を……」

さわ子「カイリキー!!」

いつの間にか、ハッサムの上空にはカイリキーの姿が。

カイリキー「リキ!」

カイリキーは四本の腕で、ハッサムの両手両足をそれぞれ持ち、背中にひざを置き、えびぞりにし、落下してきます。

さわ子「一流のトレーナーはポケモンの固定の技に囚われない技を命令できるのよ!」

その体制のまま、下にいるケンタロスのツノに激突、そのまま、ハッサムのお腹にツノが突き刺さり、ハッサムは気絶しました。

梓「ハ、ハッサム……」

あずにゃんの顔が真っ青になります。それはね。あんな技を見れば、私だって……。ううん、先輩としてしっかりしなきゃね。

唯「あずにゃん……」

梓「唯先輩、油断しないで下さい!」

唯「え?」

さわ子「次はリオルよ!」

リオル「リオ!?」

カイリキーはリオ太を掴み、上に投げ飛ばします。

カイリキー「リキ!」

カイリキーも上にジャンプします。

純「ゲンガー!」

ゲンガーはケンタロスに迫りますが。

エアームド「エア!」

エアームドのはがねのつばさで止められます。

純「まだ、動けたの……」

さわ子「カントー地方の一流トレーナーでもその程度の実力よね。一流のトレーナーの前では」

リオル「リオ!」

さっきのハッサムと同じようにカイリキーは技の体制に入ります。

唯「リオ太!」

リオル「リオオオオオオオオオオ」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 05:41:38.05 ID:W1Xg6ilW0
アズサ「助けに行くです!」

ゆい「駄目だよ、アズニャン。ルール違反だよ!」

アズサ「そんなの関係ないです!」

ゆい「ノーッ!ルールを守らないと、悪いポケモンになっちゃうよ」

アズサ「どうしてですか?あっちの方が悪いやつです」

ゆい「ルールは破ってないよ」

アズサ「にゃう。それはそうですけど……」

ゆい「信じるんだよ。それが仲間ってものだよ」


唯「リオ太!」

私は最後の光景が見たくなくて、目をつぶります。

…………。

しかし、一向にリオ太の叫び声が聞こえません。私は目を開けてみると……

さわ子「馬鹿な……」

ケンタロスは横に飛ばされて、リオルはハッサムの背中に技を喰らった体制でいます。これは……

ニャース「ケンタロスをハッサムがバレットパンチで跳ね飛ばし、ハッサムの背中の上にリオルが激突したにゃ」

さわ子「もう、動けないはずなのに……」

梓「ハッサムはリオルを助けるために最後に力を出した……」

唯「あずにゃん。これが絆の力なんだね」

梓「……そうですね。そうだと思います」

さわ子「そんな力なんか……認めないわ」

ケンタロスは立ち上がります。

さわ子「もう一度、ハッサムを血祭りにしてあげるわ」

カイリキーはハッサムを上に放り投げます。

カイリキー「リキ」

カイリキーは上にジャンプします。

唯「リオ太!ケンタロスに、えーと……」

ニャース「今の状態なら、きしかいせいにゃ!!」

唯「それだ!」

リオル「リオ!」

リオ太は小さい体でケンタロスの下に入り、きしかいせいを繰り出し、ケンタロスを上に放り投げます。

エアームド「エア……バタッ」

純「ゲンガーも、上空に!」

ゲンガーもジャンプし、すぐにカイリキーの上に行きます。

カイリキー「リキ!?」

カイリキーは上のゲンガーに気をとられます。
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 05:42:13.19 ID:W1Xg6ilW0
梓「今です!」

ハッサムはカイリキーの手を振りほどき、下から飛んでくるケンタロスを避けるように落下し、素早く着地します。

ゲンガー「ガー!」

ゲンガーは下の手、2本にシャドークローを浴びせ、上にある日本の手を持ちます。

梓「ハッサム!」

ハッサムは硬いツメを上に掲げます。

ケンタロス「タロス!」

カイリキーにケンタロスが激突し、そのままハッサムの鋼鉄のハサミに落下し気絶しました。

梓「『一流のトレーナーはポケモンの固定の技に囚われない技を命令できる』でしたっけ?」

さわ子「……いいわ。認めてあげるわ。あなたたちの強さをね」

梓「随分、楽しそうですね」

さわ子「当たり前よ。一流のトレーナーと戦うこと。それが最高の楽しさよね、トレーナーにとっては」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 05:44:18.58 ID:W1Xg6ilW0
梓「出番ですよ、ゆい先輩」

ゆい「任せてよ!」

純「適当にね、うい」

うい「うん」

唯「アズニャン。私達の力を見せてあげようね」

アズサ「はいです」

ゆい「頑張ろうね、アズニャン」

アズサ「はいです。……実は私、ゆい先輩に憧れてたんです。カントー地方のポケモンリーグでは格好良かったです!」

ゆい「そう?でへへ〜」

うい「照れてるおねえちゃんも可愛いね」

アズサ「だから、見てみたかったんです。ゆい先輩の戦いを!!」

ゆい「えへへ〜。……よし!じゃあ、見せてあげるよ。私の華麗な戦いを!!」


さわ子「じゃあ……来なさい、クロバット、ボスゴドラ、バンギラス!」

ゆい「……あれ?」

相手のポケモンは怪獣みたいな大きさのポケモンが2体もいます。

唯「あのポケモン達は?」

ニャース「まずはクロバット。タイプはどくとひこうにゃ。次にボスゴドラ。これのタイプははがねといわにゃ。最後にバンギラスはいわとあくにゃ。特に後の2匹は200kgも超える重さを持つにゃ」

唯「そんな2匹を相手にするなんて……すごいんだね。さすがはあずにゃんのベストパートナーだよ」
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 05:47:24.70 ID:W1Xg6ilW0
ゆい(無理無理無理無理無理。あんなの相手に戦ったら、私、死んじゃうよ。でもでも、アズニャンにいい格好を見せたいし……どうしようか。そうだ、ういに……)

うい「お姉ちゃんなら、ボスゴドラやバンギラスの10匹や20匹、余裕だよ!」

アズサ「さすがはゆい先輩ですね!キラキラ」

ゆい(うーーーーいーーーー。何でハードルをあげるの!?)

うい(頑張って、お姉ちゃん。これだけハードルをあげて、倒せば、大きい梓ちゃんと小さいアズサちゃんの好感度もアップ!梓ちゃんハーレムができるよ!!)

ゆい(それはいい考えだね。さすがはうい。出来た妹だよ。……でも)

バンギラス「ギラー」

ボスゴドラ「ドラー」

ゆい(あれは……無理だよ。でも、このまま引き下がったら、2人に嫌われるしな)

梓(たぶん、ゆい先輩には無理だろうな……)

アズサ(どんな戦い方をするんでしょう。楽しみです!)

ゆい(うーん……そうだ!!)

ゆい「あうっ!腰が……」

ゆいちゃんは腰を押さえます。

ゆい「ポケモンリーグでの怪我が治ってないからまた今度ね」

梓(やっぱりね)

うい(お姉ちゃん……)

アズサ「だ、大丈夫ですか」

ゆい「うう、ありがと、アズニャン。とりあえず、アズニャンの力を見てあげるよ」

アズサ「はいです。やってやるです!」

アズニャンがピョコピョコッと走り出します。

ゆい「うーいー。アズニャンを頼んだよ」

うい「うん」
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 05:52:50.78 ID:W1Xg6ilW0
むったん「さてはて。残念だけど、まともに戦って相性がいいのはクロバットくらいだね」

アズサ「にゃう。なら、まずはそっちを狙うです」

アズニャンは方向をクロバットに向けて、走り出します。

むったん「あ、でも……」

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・イナズマスラッシュ』!!」

クロバット「クロ!」

クロバットは華麗にアズニャンの攻撃をかわします。

さわ子「バンギラス、ほのおのパンチ!」

バンギラスは手にほのおを宿らせて、アズニャンに殴りかかります。

うい「危ない、アズサちゃん!」

ういは両手でその攻撃を防御します。

バンギラス「ギラス!?」

うい「あなたの相手は私だよ。アズサちゃんはそっちを任せたよ」

アズサ「任されました!」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 05:56:17.39 ID:W1Xg6ilW0
ゆい「皆、頑張ってー」

梓(うーん、ゆい先輩もやる気になれば、あの3匹も余裕だろうなー。どうしたらいいんだろうか、トレーナーとして)

純「それなら、いい方法があるわよ」

梓「わっ、びっくりした。いい方法って、何?」

純「それはね……ヒソヒソ」

梓「私に死ねと」

純「そんなこと言ってないよ!?」

梓「等しいよ。恥ずかしいし」

純「まあまあ。一時の恥よ。ほら、これ」

梓「何で持ってるのよ……」

純「細かいことは気にしない、気にしない」

梓「あーうー……分かったよ」


ゆい「ずずー。はあ。お茶がうまいね」

唯「そうだねー」

ゆい「なんていうか、唯ちゃんって、他人って気がしないね」

唯「私もそんな気がするよ。ずずー。パクパク。このお菓子美味しいね」

ゆい「本当だね」

梓「あの……ゆい先輩」

ゆい「ん?あずにゃんもお茶飲む?」

唯「美味しいよー」

梓「いえ……戦いましょうよ」

唯「大丈夫、大丈夫。ういとアズニャンが倒してくれるよ」

梓「あーうー。……ゆい先輩、こっちを向いてください」

ゆい「んー」

梓「あの……わ、私のために……た、戦ってほしいにゃん。……ごめん、やっぱり無理だよ、純……」

純「まさか、ネコミミまでつけて、そんなことをするなんてね。ケラケラ」

梓「純がやれって言ったんだじゃない!」

唯・ゆい「……」

梓「2人とも、ドン引きだよ!」

純「失敗だったかー。次は脱ぐ?」

梓「脱がない!」

純「まあ、こんなのでやる気にさせるのは無理だ……」

ゆい「さあ、私の相手はどいつだっ!!!フンス」

梓・純「「やる気になってる!?」」

唯「あずにゃん、可愛いよ!」

ガバッ!

梓「にゃっ。きゅ、急に抱きつかないで下さい!」

ボスゴドラ「ゴドラ!」

ゆい「私の相手は君かい。残念だけど、今の私は止められないよ」
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 05:58:24.82 ID:W1Xg6ilW0
ういVSバンギラス

うい「ハッ!!」

ういはローキックをバンギラスの足元にバンバンと入れています。

唯「あれにはどんな効果があるの?」

純「あれは……」

ニャース「ローキックは相手のすばやさを確実に下げる効果があるにゃ。威力は低いがバンギラスはかくとうタイプの技にめちゃくちゃ弱いにゃ。だから、それなりに通用するにゃ」

唯・純「「へー」」

梓「いや、純は知ってようよ」

バンギラス「ギラス!」

バンギラスはその凶暴な歯を使って、ういを噛み砕こうと突撃します。

うい「そうはいかないよ!」

ういはその攻撃をジャンプでかわし、バンギラスに肩車をされているような体制になります。

うい「ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ『ひらさわ・ヒストン・エルボー』!!」

ういは肘をバンギラスの頭にガシガシと叩きつけるように殴ります。

バンギラス「ギラ……」

バンギラスはその技で膝をつき、気絶します。

純「さすがはういだね」

梓「きっと、そんな放任主義だから、あんな評価されるんじゃない?」

唯「そうだね。勝っても、ういのおかげになるし」

純「……うわーん」
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 06:03:08.85 ID:W1Xg6ilW0
ゆいVSボスゴドラ

ゆい「いっくよーーー!」

トコトコとボスゴドラに向かって、走り出す、ゆい先輩。……が。

ツルッ、バタン。

ゆい「あいてっ」

転んでしまいました。

さわ子「今がチャンスよ。そいつを倒せば、全員が崩れるわ」

ボスゴドラ「ゴドラ!」

ボスゴドラはゆい先輩に向かって、硬いツメを振り下ろします。

梓「ゆい先輩!」

そのツメはゆい先輩を貫こうとしましたが……。

ゆい「遅いよ!」

ゆい先輩は素早く、背後に回ります。

唯「あのオーラは……アズサ・マインドの境地だね!たしか、体内のあずにゃん分を活性化させることで身体能力を格段にアップさせるんだよね」

梓「いや……私自身よくわかってませんけどね」

ゆい先輩はボスゴドラの上に膝を乗せます。

ゆい「ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ『ポケモン・ブランディング』!!」

そのまま、ボスゴドラの頭を地面に叩きつけます。

ボスゴドラ「ゴドラ!」

その技でボスゴドラの頭にひびができ、気絶しました。

梓「あれだけの技でもひびだけなんて……さすがはボスゴドラですね」

唯「世の中にはすごいポケモンがたくさんいるねー」

純「私達のポケモンの方がすごいですけどね、実際問題」
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 06:05:13.27 ID:W1Xg6ilW0
アズサVSクロバット

アズサ「にゃああああああああああ」

アズニャンの何度目かの技が相手にかわされます。

アズサ「にゃう!真面目に戦って下さい」

むったん「相手も十分に真面目だよ。攻撃だってしてくるしね。……ほら、来た!」

空気の刃がアズニャンに迫ります。えーと、あの技は……。

ニャース「エアスラッシュにゃ」

唯「おおっ。そうだった」

梓「ポケモンに教わるのもどうなんでしょうね」

純「まあ、いいんじゃない?仲良さそうだし。それとも、あんたが教えてあげたかったの?」

梓「そ、そんなこと言ってないよ!」

アズサ「にゃう!」

アズニャンはそのエアスラッシュをギターで防ぎます。

アズサ「全然、相手に攻撃が当たりません……」

むったん「これじゃ、勝てないね」

アズサ「人事のように言ってないで何か考えて下さい」

むったん「無茶言わないでよ」

唯「……よし!アズニャン、『うたう』だ!」

むったん「あの子は何を言い出すの!?」

ゆい「なになに、アズニャンの歌?」

うい「楽しみだねー」

ゆいちゃん達もあの2匹を倒して、やってきます。
ニャース「また、あの惨劇を……」

ニャー太はガクガクと震えだします。……気持ちは分かるけどね。

アズサ「ゆい先輩もういももう敵を倒してます。私も負けてはいられませんね。やってやるです!!」

むったん「考え直そうよ」

アズサ「無理です!」

アズニャンはギターでイントロに入ります。……ギターはうまいんだけどね。

ゆい「これは期待大だね」

うい「そうだねー」

梓(でも、何でここでうたう?)

そろそろ、歌に入ろうというところで……。

唯「皆、耳をふさいで!」

私は叫びました。

梓・純・ゆい・うい「「「「え?」」」」
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 06:07:04.30 ID:W1Xg6ilW0
アズサ「ボエーーーーーーーーーー!!!」

全員「ぎゃああああああああああああああああああ」

梓「な、なんですか、この声は……」

純「き、きつい……でも、有効だよ。あ、あれ……」

クロバット「クロ〜」

クロバットも目を回しています。……私達も辛いけどね。

ゆい「でも、なんだか、癖になるねー」

うい「お姉ちゃん、気をしっかり!」

アズサ「敵が私の歌に聞きほれています。今がチャンスです!」

むったん「ボジティブすぎだよ、その解釈!?」

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・イナズマスラッシュ』!!」

クロバット「クローーーーーーーーーーーーー」

クロバットは電撃を浴び、気絶しました。


梓「と、とにかく……これで全滅です。わ、私……達の勝ちで…す」

唯「あずにゃん、無理しないで。私が代わりに言うよ」

梓「す、すいません……。あの歌はきつくて……」

唯「とにかく、これで全滅だよ!私達の勝ちだよ!」

さわ子「……プッハハハハ」

さわ子さんは急に大きな声で笑い始めます。

さわ子「これでロケット団もくびね。まあ、サカキ様の頃のロケット団じゃないからもういいけど」

唯「話が見えないんだけど……」

さわ子「1つ、警告してあげるわ。ロケット団……いや、もっと恐ろしい連中が動き出しているわ。おそらく、戦場になるかもね。このジョウトも」

唯「???」

ニャース「もっと、分かりやすく話すにゃ」

さわ子「そいつらは……人間を絶滅、あるいは減らして、ポケモンの住みやすい世界を造るとか言ってるわね」

梓・ゆい・純・うい「!?」

さわ子「まあ、私には関係ないけどね」

唯「どうして、ロケット団に入ったの、さわちゃん」

梓「さわちゃんって……」

唯「ポケモントレーナーはバトルをしたら、友達なんだよ!!」

梓「間違ってはないですけど……」

さわ子「ルールに縛られない戦いもしていきたかったからよ。プロだとかね、ルールが厳しいしね。……機会があるなら、また会いましょうね。それと、ここは危険だから早く逃げなさい」

さわちゃんは何かのスイッチを押し、姿を消しました。

唯「あれは何のスイッチなんだろう……」

その時、何かが爆発するような音が洞窟に響き渡りました。

梓「に、逃げましょう」

唯「そうだね!走って、皆!」

その後、私達はなんとかヤドンのいどから脱出しました。
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 06:09:12.45 ID:W1Xg6ilW0
ジョウト・ある場所

曽我部「やっぱり、負けたわね」

???「当然だろうな。カントーのチャンピオンだからな。あの程度でも」

曽我部「そうは言うけど、AYU様も負けてるわよ」

???「力がだいぶ衰えていたAYUを倒してもな」

カンナ「サッサと倒しておけば、よかったかしらね」

???「いいさ。楽しみは後にとっておくさ」

ヒワダシティ・3日後

梓「それじゃ、私はもうすこしのんびり行きますね。また、どこかで会いましょう」

唯「うん」

あの戦いから、3日後。純ちゃんはサッサとキキョウシティに戻っていきました。あれから、ヤドンが暴走することはなくなったみたいけど……何が目的なんだろうね、その恐ろしい人達は。人間とポケモンが仲良く暮らせばいいのに。それに戦場になるって……。まあ、難しいことを考えても仕方がないけどね。脱線しちゃったけど、とりあえず、先にあずにゃんが出発して、私達は明日、出発します。準備とかもあるからね。

アズサ「唯先輩、唯先輩!」

唯「どうしたの、アズニャン」

あずにゃん達が出発してから、アズニャンが話しかけてきます。

アズサ「私、もっと、もっと、強くなるです。ゆい先輩やういに負けないように!」

唯「……うん。頑張ってね、アズニャン。ナデナデ」

アズサ「にゃふ〜」

ニャース「唯も負けずに頑張らなくちゃにゃ。これから、勉強にゃ」

唯「えー、勉強苦手ー」

私達はそんなことを話しながら、ホテルに向かいました。
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/08(土) 06:10:54.21 ID:W1Xg6ilW0
おまけ

アズニャン・ボイス ノーマル 威力−\命中100

ジャイアンも真っ青の歌を歌う。ぼうぎょ・とくぼう・すばやさがガクッと下がる。

第6話から8話まで終了

唯のパーティ・まとめ

アズサ タイプ ???

ネイティ タイプ エスパー ひこう

ウパー タイプ みず じめん

リオル タイプ かくとう 

パーティ外 

ニャース タイプ ノーマル コーチ兼マネージャー
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) :2011/10/08(土) 23:59:49.67 ID:Qi/p4OlAO
乙!
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/09(日) 10:59:45.98 ID:O1kC5ATd0
乙!
ここだけの話・・・・・あんたのSSが良作過ぎて最近、pcを使うときの楽しみのトップクラスだよ♪
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/09(日) 22:08:16.00 ID:z14o8ZiSO
ゆい梓・唯アズor唯梓・ゆいアズ
どうなるのでしょうか
続き待ってますww
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/15(土) 05:01:25.38 ID:UemnhStm0
第9話 『5匹目のメンバー登場!!〜横取りをしてはいけません!!〜』

ウバメの森・入り口

唯「この森を通っていくんだよね……」

アズサ「ちょっと、怖いですね……」

ニャース「でも、ここを抜ければ、コガネシティはもうすぐにゃ」

唯「たしか、デパートとかあって、比較的都会なんだよね」

ニャース「そうにゃ。リニアも通っていて、カントー地方のたしか……ヤマブキシティに繋がってるにゃ」

唯「カントーかあ……。あずにゃん達の故郷なんだよね、たしか」

ニャース「他にもカントーにはオーキド博士というポケモン博士もいるにゃ。一度は会いたいものだにゃ」

唯「あずにゃん達はその人の助手をやってたんだよねー。……そういえば、私もすこしだけカントー地方に行ったことはあるんだ」

ニャース「そうなのかにゃ?」

唯「まあ、ほとんど覚えてないんだけどね。たしか、私よりも1歳くらい年下の女の子を助けたくらいだし。……そんなことよりも行かないとね」

アズサ「そうですね」

???「ジー」

アズサ「!?」

唯「どうしたの、アズニャン」

アズサ「何かの気配が感じた気がしたんですけど……」

ニャース「周りには何もいないにゃ」

アズサ「きっと、気のせいですね。すいません」

唯「それじゃ、いこっか」

???「……」
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/15(土) 05:02:42.13 ID:UemnhStm0
ウバメの森

唯「それにしても、さっきの気配が気のせいならよかった。また、ロケット団みたいなのが襲ってきたら大変だよ」

ニャース「もう、あんなのはこりごりにゃ。なるべく、やっかいごとには首を突っ込まないでほしいにゃ」

唯「まあね。なるべく、考えておくよ」

ニャース「はっきりしない物言いにゃ」

唯「厄介ごとっていうのは勝手にやってくるものだよ」

ニャース「悟ったようなことを言うんだにゃ」

唯「まあね。でも、正義の味方なら仕方がないよね」

ニャース「何を言ってるにゃ」

唯「だって、ロケット団をやっつけたんだよ。ヒーローじゃん、私」

ニャース「ヒーローは男にゃ。唯は女だから、ヒロインにゃ」

唯「そうなんだけどさー。ヒロインはどっちかというとあずにゃんで、私はヒロインを救うヒーローがいいなー、なんて、なに言わせるの!」

ニャース「……そっちが勝手に言ったんじゃにゃいか」

アズサ「唯先輩は村長さんをその……好きなんですか?」

唯「うん。小さくて、可愛いし、しっかりしてるしね。どうして、そんなことを……あ、もしかして、アズニャン、焼きもち?」

アズサ「違いますし!」

唯「うーん、可愛いやつめ〜。スリスリ」

アズサ「にゃう。ち、違いますよ」

ニャース「相変わらずだにゃ」

???「ガサゴソガサゴソ」

ニャース「ん?」

唯「どうしたの?」

ニャース「にゃにか物音が……」

唯「何もいないよ」

ニャース「おかしいにゃあ」

唯「きっと、お腹減ってるからだよ。ちょっと、早いけど、お昼にしよう」

ニャース「そうするかにゃ」
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/15(土) 05:05:38.63 ID:UemnhStm0
唯「ふふふ。本日のお昼は特製のあまーいハチミツを使ったパンだよ〜」

アズサ「おいしそうです。アズニャン・アイランドにはないものですね。早く食べたいです。じゅるり」

ニャース「食い意地がはってるにゃ」

???「ヘラーーーーーーーーー」

私達がハチミツパンを食べようとすると、何かが私達の目の前に現れました。

???「ヘラヘラ!」

唯「わっ、びっくりしたー……」

アズサ「野生のポケモンですか?なら、バトルですね!」

ニャース「落ち着くにゃ」

唯「あのポケモンは?」

ニャース「あれはヘラクロスにゃ。タイプはむしとかくとうにゃ」

唯「ほへー、またむしか」

ヘラクロス「ヘラ!」

唯「な、なんか、怒ってるよ」

ニャース「ヘラクロスは『お前の持ってるハチミツをよこせ!』って言ってるにゃ」

唯「あげるのはかまわないけど……でも、これ挙げちゃうと、私達の食べる物がなくなっちゃうよ」

アズサ「それは困るです!」

ウパー「ウパー!」

リオル「リオリオ!」

ネイティ「ティー!ティー!」

ニャース「落ち着くにゃ」

ヘラクロス「ヘラヘラ!」

ニャース「『この森の入り口からお前の持っているハチミツを狙ってたんだ。抵抗するなら、ボコボコにするぞ』って言ってるにゃ」

アズサ「バトルですか?やってやるです!!」

唯「落ち着きなさい。ナデナデ」

アズサ「にゃふ」

唯「仕方がないな〜。私の分をあげるよ」

アズサ「大丈夫ですか?」

唯「大丈夫とは言えないけどね。無駄な戦いはすべきじゃないしさ。このヘラクロスだって、お腹減ってただろうし。というわけで……はい!」

私はヘラクロスにハチミツパンをあげます。

ヘラクロス「パクパク」

唯「さあ、皆もお食べ」

私は皆にハチミツパンを渡します。うう、おいしそう。判断を誤ったかな?

全員「……」

皆はお互いに視線を合わせ、会話をしているみたいです。やがて、何かを納得したかのような顔になります。

アズサ「私達の分もヘラクロスにあげるです」

唯「え!?でも、そしたら、皆の食べる物もなくなっちゃうよ」

アズサ「トレーナーの唯先輩が食べないのに私達、ポケモンが食べるわけにはいきません。これは皆の総意です」

唯「気にすることないのに……」

ウパー「ウパウパ」

アズサ「ウパーはもしかしたら、このヘラクロスはしばらく、食事にありつけなかったからものすごくお腹が減ってるかもしれないと言ってます。だから、多くあげて損はないと」
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/15(土) 05:07:26.57 ID:UemnhStm0
唯「うう、皆優しいんだね。私は皆のトレーナーでいられて誇らしいよ」

アズサ「というわけで、追加です」

アズニャンは皆の分をヘラクロスに与えます。

ヘラクロス「ヘラ!パクパク」

ニャース「やれやれにゃ。一刻も早く、ここを抜けて食事にしたいものにゃ」

唯「ごめんねー」

ニャース「気にするにゃ。そのほうが唯らしいにゃ」

唯「ん?どういう意味?」

ニャース「今のも気にするにゃ」

唯「?変なニャー太」

ヘラクロス「ヘラ〜」

そんなことを話してる間にヘラクロスは皆のパンを食べ終わりました。虫なのにパンを食べるのもね、不思議だよ。

ヘラクロス「ヘラ、ヘラ!」

食べ終わったヘラクロスはなんか怒ったように私達に何かを要求しています。

ニャース「もっと寄こせって、怒ってるにゃ」

唯「ええっ!?もう、ないよ〜」

ヘラクロス「ヘラ、ヘラ!」

ニャース「ないなら、買って来いと言ってるにゃ。逆らうなら、痛い目にあわせるとも言ってるにゃ」

アズサ「なんていう恩知らずな虫ですか!!やってや……」

唯「まあまあ。落ち着きなさい。ナデナデ」

アズサ「にゃふ」

唯「最近、攻撃的すぎだよ、アズニャン」

アズサ「もっと、強くならないとゆい先輩達には勝てないです」

唯「でも、そんななんでもかんでも喧嘩腰なるのはよくないよ」

アズサ「唯先輩が言うなら……やめるです」

唯「アズニャンはいい子だね。ナデナデ」

アズサ「にゃう」

ヘラクロス「ヘラ!」

ニャース「で、どうするんだ!と言ってるにゃ」

唯「とはいえ、あのヘラクロスの態度はよくないね。成敗しなきゃね」

ニャース「やっかいごとには首を突っ込まないでほしいとさっき言ったと思うけどにゃ」

唯「そういえば、聞いたね。でも、悪いポケモンは改心させないとね。他の人やポケモンにも迷惑かけちゃうし」

ニャース「それはそうだけどにゃ……」

唯「それにうまくすれば、ゲットできるかもだし」

ニャース「抜け目がないにゃ」

アズサ「そうと決まれば、戦うです!」

ウパー「ウパー!」

ネイティ「ティー!」

リオル「リオ!」

唯「わっ、皆、やる気だね」

ニャース「食べ物のうらみは恐ろしいんだにゃ」
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/15(土) 05:10:12.82 ID:UemnhStm0
まあ、私も食べられなかったしね。

ヘラクロス「ヘラ?ヘラヘラ」

ニャース「こんな小物共が俺と戦うだと?笑わせるな、ヘラヘラ、と言ってるにゃ」

唯「むっ。私の仲間を馬鹿にするなんて……こうなったら、総力戦だよ!」

ニャース「1匹相手に4匹というのも卑怯にゃ気もするにゃ」

唯「それも正義の味方の特権だよ!!朝の戦隊物でもそうじゃない!」

ニャース「それもどうかと思うにゃ……」

ヘラクロス「ヘラ!」

ニャース「ではこっちからいくぞと言ってるにゃ。って来たにゃああああ」


アズサ「皆さん、戦うです!」

ウパー「ウパー!」

ウパ太はヘラクロスに突撃していきます。

ニャース「待つにゃ。冷静に相手の出方を……」

ウパー「ウパー!!」

ウパーはみずてっぽうを出しながら、ヘラクロスに接近します。

ヘラクロス「ヘラ!」

ヘラクロスはジャンプでその攻撃をかわし、ウパーの背後に回ります。

ニャース「速いにゃ!?」

アズサ「でも、その動きは読んでます!」

アズニャンはウパーに攻撃しようとするヘラクロスにギターを振りかざします。

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・フレアスラッシュ』!!!」

唯「たしか、むしタイプにはほのおの技は効果抜群だよね?」

ニャース「そうにゃ」

唯「それじゃ、アズニャンの勝ちだよ!」

ヘラクロス「ヘラ!!」

カキーン。

アズニャンの『むったん・フレアスラッシュ』はヘラクロスのツノで防がれます。

アズサ「にゃああ……」

ヘラクロス「ヘラ……」

互いのギターとツノが交差し、力比べが始まります。

ニャース「今がチャンスにゃ。横から、攻撃にゃ」

唯「それは卑怯だよ」

ニャース「4対1で戦おうとしたやつが言うことかにゃ……」

唯「まあ、ニャー太の言うとおりだね。リオ太、えーと……」

ニャース「いい加減に技を覚えるにゃ」

唯「失礼な。技はうかぶんだけど、どれが有効か分からないんだよ!」

ニャース「同じことにゃ」
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/15(土) 05:12:07.41 ID:UemnhStm0
唯「てへっ♪」

ニャース「もう、怒る気もないにゃ……」

アズサ「ひいい」

唯「早くしないとアズニャンが大変だよ!」

ニャース「とりあえず、でんこうせっかにゃ」

唯「分かった!リオ太、でんこうせっか!」

リオル「リオッ!」
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/15(土) 05:13:17.04 ID:UemnhStm0
アズサ「にゃっ!」

ヘラクロス「ヘラ!」

カキーン、カキーン。

ギターとツノが交錯します。

アズサ「やりますね!」

むったん「このまま、接近戦をするには不利だよ」

アズサ「そうは言いますけど、接近戦以外の技はありません。……にゃっ!」

カキーン。

むったん「このまま、戦うのは厳しいね」

アズサ「分かってますって」

むったん「仕方がない。新しい必殺技を使おう!」

アズサ「それを早く言いましょうよ!?」

むったん「なるべく奥の手は隠しておくものだよ」

アズサ「たしかにそうですけどね!」

むったん「だから、距離をとってよ」

アズサ「それができるならとっくにやってますよ!」

ヘラクロス「ヘラ!」

アズサ「にゃっ!?」

ヘラクロスの鋭いツノが私を貫くために突き出されます。それを私は後ろに飛んでなんとか避けますが、ツノは地面にめり込み、1メートル位
まで、衝撃でひびが入ります。

アズサ「ひいい」

むったん「これは……やばいね」

ヘラクロス「ヘラ」

唯「分かった!リオ太、でんこうせっか!」

リオル「リオッ!」
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/15(土) 05:15:09.53 ID:UemnhStm0
リオル「リオッ!」

アズニャンにトドメをさそうとするヘラクロスに横からリオルのでんこうせっかが命中します。

ヘラクロス「へラッ!?」

むったん「今がチャンスだよ!」

アズサ「分かってますよ!!」

アズニャンは後ろにサッと飛びます。

むったん「いくよ」

アズサ「やってやるです!!」

アズニャンのギターの周りに風のようなものが発生します。

むったん「この技は君の振るギターの強さで威力が変わるんだ」

アズサ「それじゃ、強く振れば振るほどいいんですね」

むったん「そうとも限らないよ。強く振れば威力も高いけど、隙ができるしね。状況に応じて使い分けないと」

アズサ「なるほど」

ヘラクロス「ヘラ!」

リオル「リオーッ」

唯「リオ太!!」

ヘラクロスのインファイトをまともに受け、リオ太は飛ばされて気絶しました。

唯「戻って、リオ太!」

ヘラクロス「へラッ!!」

ヘラクロスはアズニャンに狙いを定めます。

唯「えーと……ネイ太、ウパ太、フォローして!」

ネイティ「ティー!」

ウパー「ウパー!」

ネイ太はサイコキネシスを、ウパーはみずてっぽうを仕掛けます。

ヘラクロス「へラッ!」

ヘラクロスはその攻撃で一瞬怯みます。

むったん「今がチャンスだ!!」

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・エア・スラッシュ』!!!」

アズニャンはギターを思いっきり振ります。すると、空気の刃がヘラクロスに向かっていきます。

ヘラクロス「へラッ……」

ヘラクロスの胸にアズニャンの攻撃が命中し、バタッと倒れます。

ニャース「ゲットするなら、今のうちにゃ」
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/15(土) 05:16:54.94 ID:UemnhStm0
唯「そうだね。……えいっ!!」
私はメジャーの茂野吾郎君のように振りかぶって、モンスターボールを投げます。
ボーン。
そのボールはヘラクロス……ではなく、近くの木に命中しました。
唯「……あれ?」

ニャース「真面目にやるにゃ」

唯「ごめん、ごめん。……ほいっ!」

今度はちゃんとボールをヘラクロスに当てて、見事にゲットしました。

唯「うう、ヘラクロス、ゲットだよ!」

アズサ「やったです!」

ウパー「ウパウパ」

ネイティ「ティーティー」

唯「早速、皆に挨拶だよ。来て!」

ラクロス「ヘラ〜」

唯「元気なさそうだね」

ニャース「そりゃ〜、今まで戦ってたからにゃ」

唯「そうだったね。……そうだ、まずは名前をつけないと……う〜ん」

ニャース「いつもみたいにパパッとつけないのかにゃ?」

唯「ヘラ太とカブ太、どっちにしようかなって」

ニャース「ヘラ太にしてやるにゃ……」

ヘラクロス「ヘラ、ヘラ」

唯「何だって?」

ニャース「どうして、ひどいことをした俺を仲間にしたのかだって、言ってるにゃ」

唯「うーん……仲間になるのに理由なんてないよ。しいて言うなら、バトルをしたからだね。バトルをしたなら、ポケモンもトレーナーも友達!だしね」

今、私、いいこと言ったよね!

ヘラクロス「ヘラ、ヘラ!」

ニャース「今時、そんなくさい台詞で納得するか!って言ってるにゃ」

唯「ええっ!?」

ポケモン、しかも、虫に駄目出しされたよ。

ヘラクロス「ヘラ」

ニャース「まあ、しかし、俺を仲間にした以上は世界一のトレーナーになってもらう、と言ってるにゃ」

唯「随分、でかいことを言うんだね」

ヘラクロス「ヘラ!」

ニャース「むしタイプbPの力を見せてやる!と言ってるにゃ」

唯「自信があって頼もしいね、アズニャン」

アズサ「でも、エースの座は渡さないです!!」

唯「おお。アズニャンが燃えている。うん、こうやって競争して、能力を高めあっていく。いい傾向だよ」

ニャース「唯も負けないようにしにゃいとにゃ」

唯「うえー。勉強嫌いー」

その5

むったん・エア・スラッシュ ひこう 物理 威力??? /命中90

空気の刃で敵を切り裂く。あたった回数により威力は変化する。
1回・威力120 2回・威力80 3回・威力60 4回・威力40 5回・威力20
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/15(土) 05:18:37.66 ID:UemnhStm0
第10話 『コガネジムに挑戦!!〜ペロリストにはご注意を!〜』

コガネシティ

唯「というわけで、コガネシティに着きました!!」

ニャース「やっぱり、随分と都会だにゃ」

唯「うう、まずはお風呂に入りたい」

アズサ「昨日は野宿でしたしね」

唯「回復もさせなきゃね。やることがたくさんあって大変だよ」

ニャース「ところで、ボールに戻さにゃいのかにゃ?」

唯「どうして?可哀想だよ」

ニャース「でもにゃ……」

通りすがりの人・A(以下、通)「クスクス。何、あの子」

通B「ポケモンを連れて歩いてるわよ」

通C「しかも、なんか汚いわね。どこの田舎から来たのかしら」

唯「……」

私は黙って、ニャー太とアズニャン以外をボールに戻します。

ニャース「分かったかにゃ」

唯「……都会の人は冷たいんだね。グスン」

アズサ「にゃっ。唯先輩が泣いているです。よくも唯先輩を泣かせましたね。殺ってや……」

唯「落ち着いて、あずにゃん。ナデナデ」

アズサ「にゃふ〜」

唯「うーん、短気だな〜、アズニャンは」

アズサ「ごめんなさい。もともと、アズニャン族は戦闘民族なものでして、これでも私は大人しいほうなんです」

むったん「まあ、君の力じゃ大人しい方がいいだろうけどね」

アズサ「うるさいです」

唯「とにかく、ポケモンセンターにレッツゴー」

スタコラサッサ。
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/15(土) 05:20:36.22 ID:UemnhStm0
ポケモンセンター

唯「というわけで、着きました!」

ニャース「とりあえず、回復するにゃ」

唯「ついでにシャワーも借りよう。それと時間もあれだからね。今日は休んで、明日にジムに挑戦でいいよね」

ニャース「そうだにゃ」

アズサ「私は大丈夫ですよ!」

唯「アズニャンはすごいねー。ナデナデ」

アズサ「にゃっ」

唯「でも、私が駄目ー。バタンキュ〜」

アズサ「しっかりして下さい!!」

唯「明日からね〜」

アズサ「もう!」

とりあえず、回復し、シャワーを借りてから、ホテルに。

唯「わあ、1日ぶりのベット〜」

ニャース「ふかふかだにゃ」

アズサ「お勉強をするです」

唯「えー。ちょっとくらい休もうよ」

ニャース「そうにゃ。休むのも必要にゃ」

アズサ「でも、明日にはジム戦ですよ」

唯「そうだけどさー」

アズサ「……分かりました。それじゃ、唯先輩は休んでいて下さい。私は練習してくるです」

唯「あっ!アズニャン……」

ドア「キイ、バタン!!」

唯「行っちゃった」

ニャース「せわしないにゃ」

唯「もっと、のんびりすればいいのに」

ニャース「で、どうするにゃ。ほっとくのかにゃ?」

唯「いや……。迎えに行くよ。あんなに可愛いんだもん。きっと、ペロリストやロリコンさんに連れて行かれちゃうよ。都会の人は冷たいし」

ニャース「随分な偏見だにゃ」

唯「というわけで、お留守番よろしくね〜」

ニャース「はいにゃ」
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:23:39.25 ID:UemnhStm0
コガネシティ

アズサ「どこで特訓をしましょうか」

ピョコピョコ。

むったん「そんなに焦る必要もないと思うけどね」

アズサ「別に焦っていませんよ。ただ、私は強くなりたいんです。そのためには特訓です!!」

むったん「ちょっと、やったからって強くなるわけじゃないよ。それに休むのも大事だよ。疲れてたら、力も出せないし」

アズサ「そうですけど……でも、ゆい先輩もういも強かったです。あの2人に追いつくにはやっぱり特訓なんです!」

むったん「急には追いつけないよ。それに彼女達はひらわさ家48の殺ポケ技の継承者じゃないか。あの奥義は継承する者がその技を全部受けきらないと継承できないんだよ。もちろん、技をかけるほうは手を抜いてはいけないし。それだけの技の継承者なんだから、強くて当然なんだよ」

アズサ「うるさいギターですね。ペシペシ」

むったん「まあ、何でもいいんだけどね、僕は。で、どうするの。とりあえず」

アズサ「まずは郊外に……」

???「ね、ねえ、そこのお嬢ちゃん」

アズサ「にゃっ?」

声をかけられたので、振り返るとティーシャツ姿の太った人が息をハアハアさせながら話しかけてきました。

アズサ「あの、なんですか……」

???「君はあ、あずにゃんにそっくりだね。ぺ、ペロペロさせてくれないかな?というか、もう、我慢できない」

アズサ「にゃっ!」

むったん「これは……アズサ族の天敵の1つ……ペロリストだ!」

解説アズサ「ペロリストはアズサ族にとって天敵です。中には触られただけで死んでしまう場合もあるです」

むったん「逃げなきゃ!」

アズサ「あ、足が震えて動かないです……」

ペロリスト「大丈夫だよ。優しく、ペロペロしてあげるからね。ハアハア」

アズサ「た、助けて下さい、唯先輩……」

ペロリスト「ハアハア」

???「こらー!!!」

アズサ「にゃっ!?」
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:24:51.31 ID:UemnhStm0
ペロリスト「やばい。にげろっ!」

その人はビューッと逃げ出しました・

???「大丈夫かい?」

アズサ「え、えーと……」

???「私はアカネ。この町にあるコガネジムのジムリーダーやってるんや」(以下、標準語でアカネの文章で書きますが、関西弁に勝手に変換して見て下さい)

アズサ(明日、戦う人です……)

アカネ「どうしたの?」

アズサ「な、なんでもないです。あ、ありがとうございます、助けてくれて」

アカネ「気にしないでいいよ。それより、……えいっ!」

アズサ「にゃっ!?」

アカネさんは私の耳を触ります。

アカネ「これ、本物?」

アズサ「はいです」

アカネ「ふーむ……あなた、ゆいちゃんと同じ人型ポケモンね」

アズサ「はいです。ゆい先輩を知ってるですか?」

アカネ「先日、こっぴどい負け方をしたからね。……あなたにはトレーナーはいないの?……っているわけないか。いたら、こんなところに1人でいるわけないもんね」

アズサ「いえ、あの……」

唯「アズニャ〜ン!」
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:25:53.59 ID:UemnhStm0
今から、ちょっと前。

唯「アズニャンはどこに行ったんだろう」

この町は広いからな〜。ごちゃごちゃしてるし。……とりあえず、ペロリストか、ロリコンに会ってないかが心配だよ。

唯「私の勘なら……こっちだね」

私は裏路地の方に歩いていきます。

???「逃げろおおおおおおおおおおおおおおお」

唯「わっ!?」

裏路地を進んでいくと、ティーシャツ姿の太った人が息をハアハアさせながら、走り抜けていきました。危ないな〜。

唯「そんなことより、アズニャンを探さないと……あ、いた!」

私はアズニャンの姿を発見します。

唯「アズニャ〜ン!」
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:27:18.52 ID:UemnhStm0
そして、現在

アズサ「あ、唯先輩です!」

唯「アズニャ〜ン、探したよ〜。ぎゅ〜」

アズサ「うう、グス。怖かったです」

唯「何か、あったの?」

アカネ「あんたがこの子のトレーナー?」

唯「ん?そうだよ。あなたは?」

アカネ「あなたは?じゃないわよ。この子は今、ペロリストに襲われそうだったのよ」

唯「ええっ!?」

恐れていたことが起きてしまいました。ペロリストは他の人と一緒だと声もかけられないけど、1人……特に、小さい女の子だと、息をハアハアさせて声をかけてくるんだよね。

唯「怪我はない?アズニャン」

アズサ「大丈夫です。アカネさんが助けてくれました」

唯「そうなの?ありがとう、アカネさん」

アカネ「ありがとう、じゃないわよ。あなた、その子のトレーナーでしょ?私がたまたまここを通ってたからよかったけど、じゃなかったらどうするのよ」

アカネさんはにらみつけるように私を見つめます。

アカネ「最近、ポケモンを道具のように扱ったり、世話がずさんだったりするのよね。あなたみたいに」

唯「うう……」

微妙に言い返せないのが辛い。

アズサ「唯先輩を攻めないで下さい!私が唯先輩のいうことを聞かなかったのが悪かったんです!!」

唯「アズニャン……」

アカネ「……ごめんなさい。少し、言い過ぎたわ。ちょっと、道に迷ってて、イライラしてたわ」

唯「道に迷って?」

アカネ「ジムに帰ろうとしたんだけどね」

唯「は、はあ……」

面白い人だな〜。

唯「とりあえず、一緒に行きませんか?」

アカネ「そうだね」
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:28:29.72 ID:UemnhStm0
コガネジム・前

唯「ところで、コガネジムで働いてるんですか?」

アカネ「ん?ああ、私はここでジムリーダーやってるんだ」

唯「へえー。……ええっ!?」

まさかの展開だよ。

アカネ「ん?そんなに驚くこと?ヒワダジムのジムリーダーだって、随分若いじゃない」

唯「そうじゃなくて……私、明日、コガネジムに挑戦するつもりだったので」

アカネ「へー。それは偶然ね。……ねえ、今から戦わない?暇だし」

唯「今からですか……うん、分かりました。部屋にボールとかを置いてあるので、ちょっと待っててくださいね」


アズサ「ごめんなさいです。勝手に飛び出して」

唯「気にすることないよ。私も悪かったしね。でも、アズニャンは焦りすぎたよ。まあ、私ものんびりしすぎだけどねー」

アズサ「……強くならないと……大切な物を守れないです……」

唯「……アズニャン。ぎゅう〜」

アズサ「にゃう」

唯「そうだね。でも、アズニャンは1人じゃないんだよ。ウパ太やネイ太、リオ太にヘラ太。まあ、ニャー太は微妙だけどね。だから、焦らないで行こう」

アズサ「……はいです」

唯「ところで、大切な物って……私?」

アズサ「そ、そんなことは言ってないです!」

唯「照れてる〜。アズニャン、可愛い〜」
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:29:17.76 ID:UemnhStm0
コガネジム

唯「たのもー、たのもー」

ニャース「休めると思ったのににゃ」

唯「ごめん、ごめん」

アカネ「ん?やっときたわね。待ちくたびれたわよ」

唯「すいません」

アカネ「まあ、いいわ。早速、戦いましょう。ルールの確認ね。手持ちポケモンは2匹。勝利条件は全滅。それでいいわね?もっとも、嫌だって言うなら、出てけって感じだけど」

唯「だ、大丈夫です」

追い出されるのは勘弁だよ。

アカネ「そんなに緊張しなくていいよ。年も同じくらいだろうし、タメ口でもいいよ」

唯「わかり……分かったよ」

アカネ「それじゃ、準備して」
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:30:48.53 ID:UemnhStm0
唯「さてと。メンバーをどうしようか。戦いたいポケモンは手を上げて!」

ウパー「ウパー」

ネイティ「ティー」

リオル「リオー」

アズサ「はいです!」

ヘラクロス「ふぁ〜」

皆は元気よく手を上げましたが、ヘラ太だけは欠伸をして眠そうにしています。

唯「ヘラ太はやる気ないんだね」

ヘラクロス「ヘラ」

ニャース「あんな小娘相手にやる気が出るかって言ってるにゃ」

唯「そっか。それじゃ、先発はヘラ太。次はアズニャンで行こう!」

ヘラクロス「ヘラ!?」

唯「皆もいいよね」

全員「うん!(イメージです)」

ヘラクロス「ヘラ、ヘラ!」

ニャース「どうして、俺なんだって怒ってるにゃ」

唯「相手を選んじゃいけません!どんな相手にも全力で!これがポケモンとトレーナーの掟です!」

ヘラクロス「ヘラ!」

ニャース「ふざけたことを言うなって言ってるにゃ」

唯「ははあ。負けるのが怖いんだね?」

ヘラクロス「ヘラ!?」

唯「なら、仕方がないね。じゃあ、リオ太に……」

ヘラクロス「ヘラ、ヘラ!」

ニャース「ちょっと、待て。分かった。そこまで言うなら、戦ってやると言ってるにゃ」

唯「別に負けるのが怖いなら……」

ヘラクロス「ヘラ」

ニャース「このままじゃ、俺のプライドが治まらないって言ってるにゃ」

唯「なら、頼んだよ」

ヘラクロス「ヘラ!」
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:32:01.13 ID:UemnhStm0
審判「それでは2人とも、準備はよろしいですか」

唯「はい!」

アカネ「いつでもいいよ」

審判「それでは……」

唯・アカネ・審判「「「決闘(デュエル)!!!」」」


唯「それじゃ、頼んだよ、ヘラ太!」

アカネ「来て、ピクシー!!」

ニャース「相手はピクシーにゃ。タイプはノーマルにゃ」

唯「たしか……ノーマルタイプの弱点はかくとうだね。ということはヘラ太が有利だね」

ニャース「たしかにタイプの上ではにゃ」

唯「ほえ?」

アズサ「どういうことですか?」

ニャース「ピクシーは能力自体はそんなに高くない代わりに、攻撃範囲が広いにゃ。おまけに補助技も多いから要注意にゃ」

唯「なるほど」

アズサ「納得です」


アカネ「ピクシー、だいもんじ!!」

ニャース「早速来たにゃ」

唯「だいもんじは……って考えてる場合じゃないよ。避けて、ヘラ太!」

ヘラクロス「へラッ!」

ヘラクロスは横に素早く、飛びます。

唯「ヘラクロス、えーと、インなんとか!」

ニャース「インファイトにゃ」

アカネ「コメットパンチで対抗よ!」

ヘラクロス「ヘラ!」

ピクシー「ピク!」

ガシン!

ヘラクロスのツノとピクシーの拳が激突します。
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:33:07.41 ID:UemnhStm0
ヘラクロス「ヘラ……」

ピクシー「ピク……」

フィールドの中央で力比べが始まります。

ニャース「力比べなら、こっちが有利になるはずにゃ」

アカネ「それはどうかな?」

ピクシー「ピクシー!」

ピクシーは手を引いて炎を宿らせてヘラクロスに殴りかかります。

ヘラクロス「へラッ!?」

ヘラクロスはその攻撃で後ろに後退します。

ニャース「今のはほのおのパンチにゃ」

アズサ「たしか、タイプはほのおの技ですね」

唯「ということは……どういうことだっけ?」

アズサ・ニャース「「ジー」」

唯「……むしのヘラ太にはこうかがばつぐんってわけだね」

ニャース「正解にゃ」
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:34:29.19 ID:UemnhStm0
ヘラクロス「ヘラ……」

ニャース「久々に腕の鳴る相手だ、と言ってるにゃ」

唯「期待してもいいのかな?」

ヘラクロス「ヘラ」

ヘラクロスは足で地面を牛が突進するようにかきあげます。

ヘラクロス「ヘラ!」

ヘラクロスはツノをピクシーに向かって、突き上げるために突撃していきます。

唯「あれは……メガホーンだね!!」

ニャース「よく知ってるにゃ」

唯「えへへ〜」

ニャース「けっして、褒めてはないにゃ」

アカネ「ピクシー、コメットパンチで迎え撃て!」

ドーン!!

フィールドの中央で再び、ツノと拳が激突します。しかし……

ピクシー「ピクシー!!」

ピクシーの拳からは血が流れます。

ニャース「元々の固さの上にあの勢いにゃ。ある意味必然だにゃ」

ヘラクロス「ヘラ!」

ヘラクロスは痛がっているピクシーの懐に入り、拳を振るいます。

ニャース「あれは……」

アズサ「インファイトですね!」

ピクシー「ピーーーーーーーーー」

ピクシーはその攻撃で壁まで飛ばされて、気絶しました。

審判「ピクシー、戦闘不能。ヘラクロスの勝利です」
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:35:58.64 ID:UemnhStm0
唯「わーい、わーい。それじゃ、ヘラ太は戻ってね」

ヘラクロス「ヘラ」

唯「次はアズニャンだよ」

アズサ「やってやるです!」

ピョコピョコとフィールドに出るアズニャン。

アカネ「なるほど、あなたが最後の相手ね」

アズサ「さっきはありがとうございました。でも、戦いでは容赦はしませんよ」

むったん「強気だね。さっきは何も出来なかったのに」

アズサ「うるさいです」

アカネ「そうしてくれるとありがたいね。きなさい、ミルタンク!」

唯「わっ、牛さんだ!」

ニャース「あれはミルタンクにゃ。タイプはノーマルにゃ」

唯「ヘラ太は代えなくてもよかったかもね」

ニャース「そんなことはないにゃ。何より、アズサのモチベーションをアップさせるのにはいいにゃ」

アズサ「やってやるです!」

ものすごく、やる気になってるよ。私がポケモンだったら、あんまりバトルはしたくないのに、アズニャンは偉いな〜。

アカネ「それじゃ、バトル再開ね。ミルタンク、ころがるよ!」

ミルタンクはコロコロと転がりながら、アズニャンに迫ってきます。

アズサ「にゃああああああ」

アズニャンは横に飛んで、かわします。

アカネ「いい反射神経ね」

アズサ「えへへ」

唯「えへへ」

ニャース「何で、唯も照れてるにゃ」

唯「私はアズニャンのトレーナーだし!」

アカネ「でも、かわしても地獄は続くわよ」

唯・アズサ「「え?」」
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:38:07.85 ID:UemnhStm0
ミルタンクは方向を急転回させ、アズニャンに向かって、再び転がってきます。

アズサ「またですか!?」

アカネ「あなたがギブアップするまで続くわよ」

アズサ「ど、どうしましょう……」

むったん「僕には避けてとしか言えないよ」

アズサ「そうですけどね!」

アズニャンは再び、ミルタンクの攻撃をかわします。

アカネ「無駄よ!!かわせば、かわすほど威力がますのよ」

唯「このままだったら、いずれアズニャンに命中しちゃうよ」

リオル「リオ!」

ニャース「逃げなきゃいい、と言ってるにゃ」

唯「正面から受け止めろってこと?アズニャンみたいな小さな体じゃ、やられちゃうよ」

ニャース「けれども、リオルの言い分も一理ありにゃ。逃げてても、いずれ捕まるにゃ」

唯「そうだけどさ」

アズサ「にゃっ!」

アズニャンは何度目かのミルタンクのころがる攻撃をかわします。

唯「うう……」

ニャース「決断するにゃ」

ヘラクロス「ヘラヘラ」

自分の戦いを終え、次に来るかもしれない戦いに備えていた、ヘラ太が何かを言っています。

ニャース「にゃるほど」

唯「何を言ってるの?」

ニャース「逃げてもいずれは捕まる。正面からぶつかってもダメージを受ける。なら……」

ニャー太とヘラ太はにやりと笑います。

ヘラクロス「ヘラ」

ニャース「横から攻撃をすればいいと言ってるにゃ」

唯「それは名案だ!アズニャン、横だ!」

アズサ「分かりました!」

アカネ「無駄よ!」

ミルタンクの横を攻撃しようにも、スピードは迷ってる間に格段に加速し、横をつける隙はありません。

ニャース「手はあるにゃ!」

アズサ「にゃっ!」

アズニャンの横を通過した、ミルタンクをアズニャンはタッタッと追いかけます。可愛いな〜。

ニャース「見惚れてる場合じゃないにゃ」

唯「えへへ〜」

アカネ「何をするつもり……」
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:39:27.55 ID:UemnhStm0
唯「見てれば分かるよ」

ニャース「分かってるのかにゃ」

アズサ「にゃあああああああ」

アカネ「なんにしても、返り討ちよ」

ミルタンクは方向を転換しようと曲がり始めます。

唯・アズサ・むったん・ニャース・ヘラクロス「「「「「今だ(にゃ)!!」」」」」

曲がっているミルタンクにギターが迫ります。

唯「たしかにフィールドの中央にいれば」

ニャース「スピードも手がつけられないほど速いにゃ」

唯「じゃあ、スピードは落ちないのか」

ニャース「そんなわけはないにゃ。一度だけ、落ちる場所はあるにゃ」

唯「それは……方向を変えるときだよ!!」

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・スラッシュ』!!」

ミルタンク「ミル!?」

ミルタンクは横からの攻撃に耐え切れず、そのまま壁まで飛ばされ気絶しました。

審判「ミルタンク戦闘不能。アズサの勝利です。アカネのメンバーは全滅。よって、唯の勝利です」
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:41:02.64 ID:UemnhStm0
唯「私の勝ちだね。うん♪たん♪楽しい決闘(デュエル)だったよ!」

アカネ「……」

唯「あ、あの……アカネさん?」

アカネさんは顔を伏せてしまいました。どうしたのかな?
ジム員「はい。レギュラーバッチね。次も頑張ってね」

唯「あ、ありがとうございます。アカネさんは……」

ジム員「気にしないで早く帰りなさい」

唯「で、でも……」

アカネ「……うわあああああああああああああああああああああああああん」

唯「ひゃっ!」

アカネさんはいきなり大声で泣き始めました。

ジム員「負けるといつもこうなるのよ。だから、早く行きなさい」

唯「は、はあ……それじゃ、1つだけ伝えてもらえませんか」

ジム員「いいわよ」

唯「私の大切なポケ……アズニャンを助けてくれてありがとうって」

アズサ「大切なだなんて。ポンッ」

ニャース「顔が真っ赤だにゃ」

ジム員「伝えておくわ」

唯「それじゃ……ありがとうございました」


帰り道


アズサ「すいませんでした」

唯「いいよ。私にも原因があるわけだしね。だから、おあいこってことでこのことはおしまいにしよう」

ニャース「けれども、さっきのは慌てすぎにゃ。休める時にはやすまにゃいと体が壊れるにゃ」

アズサ「反省してます」

ニャース「さて……帰ったら、今日のバトルの反省にゃ」

唯「のんびり行くんじゃないの!?」

ニャース「唯はもう少し、慌てた方がいいにゃ」

唯「わーん」

ニャース「まあ、のんびりと反省会をするにゃ」

アズサ「一緒に頑張りましょう!」

夕日を浴びながら、そんな会話をしつつ、私達はホテルに向かいました。

おまけ

ペロリスト・・・アズサ族の天敵。カエルにとっての蛇のような存在。
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:42:13.91 ID:UemnhStm0
第11話 『運命が動き出す?〜憂の様子も見せちゃいます!!〜』

唯がコガネジムに挑戦している頃

エンジュシティ・やけたとう・1階

憂「ここにはいるかな……」

ジュン「いないわよ。一体、こんなところに誰が来るのよ」

憂「和ちゃんはロケット団に追われてるかもしれないじゃない。もしそうなら、こういうところにいるかもしれないし」

ジュン「そうかもしれないわね。とはいえ、こんなところにはね……」

まあ、たしかに周りは焼け焦げているけどね。たしか、昔は立派なとうだったみたいだけど、火事にあったとかで今の有様らしい。

憂「そう思うからこその潜伏先だよ」

ジュン「……もう、憂がそれでいいなら、いいよ」

憂「それじゃ、もう少し探してみよう。地下には行ってってないし」

ジュン「まあ、何があっても、私達が守るわよ」

イーブイ「ブイ♪」

憂「頼りにしてるよ」

ジュン「それにしても、イーブイだけは放し飼いなのね」

憂「本当は全部放し飼いでもいいかもしれないけどね。さすがに迷惑だから」

ジュン「それはそうね」
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:43:51.35 ID:UemnhStm0
エンジュシティ・やけたとう・地下

憂「暗いね」

ジュン「それはね……ん?」

???「……フシュー」

私達が地下に着くと、3匹位の息遣いが聞こえてきました。

憂「な、何がいるの……」

ジュン「イーブイ、戦闘態勢よ」

イーブイ「ブイ!!」

???「……エンティ」

ジュン「ここから立ち去れ、小娘と言ってるわ。ちなみに私としてはこの提案を受け入れるべきよ」

憂「……1つだけ、聞かせて下さい!!」

ジュン「うーいー!」

???「ライコウ……」

ジュン「いいだろう、と言ってるわ」

憂「私の……大切な幼馴染の真鍋和っていう人はここに来ました?」

???「スイクン……」

ジュン「残念ながら、ここに誰かが来たのはお前で久しぶりなのだ、だって」

憂「そうですか」

???「神秘的ね」

???「そうだね」

憂「!?だ、誰ですか」

気がつかないうちに私の後ろに眼鏡をかけた女性と仮面をつけた男性が立っていました。

???「私達が誰かだなんて些細なことよ。その3匹はある意味では伝説のポケモンよ」

???「そんなポケモンと話を出来るなんてあなたは貴重な経験をしてるんだよ」
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:46:55.46 ID:UemnhStm0
???「スイクン」
ジュン「お前らには話すことはない。帰れって言ってるわ」
???「冷たいこと言わないでよ。ちょっと、殺されればいいのよ」
憂「なっ!?」
いきなり、物騒なことを言い出す、眼鏡の女性。
???「ライコウ」
ジュン「悪いが逃げさせてもらう。また、会おうな、小娘よ。だって」
ジュンちゃんの言葉とともに、3匹の気配は消えました。

???「あらあら、逃げられちゃったわ」

???「あなたが脅すからだよ」

憂「あ、あなた達は一体……」

???「そう警戒しないでいいわ。私の名前はカンナよ。よろしくね、憂ちゃん」

憂「!?ど、どうして、私の名前を……」

???「びっくりすることはないよ。僕達はひとつの提案をしに来ただけだよ。おっと、僕の名前はイツキだよ」

憂「提案?」

カンナ「そのジュンちゃんをくれるだけでいいの。そうすれば、唯ちゃんには危害を加えないわ」

憂「お、お姉ちゃんに何かしたんですか!?」

イツキ「まだ、してないよ。ただし、君の返答しだいではね」

憂「ジュ、ジュンちゃんを渡して、ジュンちゃんをどうする気ですか……」

カンナ「私達に忠誠を誓えるなら、有効活用してあげるわ。ただ、逆らうなら……天国に招待してあげるわ」

憂「そ、そんなひどいことをする人達にジュンちゃんを渡せません!!」

ジュン「憂……」

カンナ「やれやれ。抵抗するなら、憂ちゃんを痛めつけなくてはいけないわ」

イツキ「嬉しそうにしない。……そうだね。なら、こうしよう。ある頼みを聞いてくれたら、君のお姉ちゃんには危害を加えないよ」

憂「頼み?」

イツキ「そう……。中野梓を抹殺することだよ」

憂「え……!?」

イツキ「簡単なことだろ?ずっと、一緒にいたお姉ちゃんと1回しか会ったことのない女の子とどっちが大事かなんて一目瞭然だよね」

憂「……」

たしかにイツキさんの言うとおりだ。でも……。私はイーブイを見ます。

イーブイ「ブイ!」

憂「……」
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:48:19.77 ID:UemnhStm0
梓『平沢さんに……渡しておくね』

梓『言うのは恥ずかしいけど……友達の証かな……』


憂「……決めました」

イツキ「協力してくれるかい?」

憂「いえ……。ここであなた達を倒します!!」

カンナ「クスクス。私達を倒すですって」

イツキ「面白いことを言うな、君は」

憂「私は友達を裏切れません!」

イツキ「友達ね……」

カンナ「残念ね。でも、安心して。唯ちゃんもすぐにそっちに連れて行ってあげるから」

憂「ごめんね、ジュンちゃん、イーブイ」

ジュン「謝る必要もないわ。こいつらを倒せばいいのよ」

イーブイ「ブイ!」

カンナ「やる気ね。来なさい、ジュゴン」

イツキ「サーナイト」

憂「行きます!」

???「ピジョット!」

憂「きゃっ!?」

ピジョットが突然現れて、私とジュンちゃん、そして、イーブイを連れて、飛び出しました。

???「この子はもらって行くわ」

その声とともに、地上に向かって、飛んでいきました。


カンナ「あいつは……ガーディアンだったかしら?」

イツキ「あいつかい、君を邪魔したのは」

カンナ「そうよ。……にしても、さっきの3匹を逃がし、人型使いのトレーナーまで逃がすなんて……失態だわ」

イツキ「仕方がないよ。一旦、戻ろう」

カンナ「そうね」
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:49:26.79 ID:UemnhStm0
エンジュシティ・郊外

???「大丈夫?」

憂「はい、なんとか……」

???「それじゃあね」

憂「あ、あなたは……」

私はフードを被った女性を呼び止めます。

憂「真鍋 和さんじゃないんですか?」

???「……」

フードの女性はピタッと足を止めます。

???「違うわ。私は……ガーディアンよ」

その女性はガーディアンと言うけれども、私には分かる。きっとこの人は……

イーブイ「ブイ♪」

イーブイがそのガーディアンさんに向かって、行きます。

ガーディアン「この子は?」

憂「私の友人……中野梓ちゃんにもらったんです」

ガーディアン「!?……そう」

憂「その子はロケット団にいろいろな実験をされて、完成されたそうです。しかも、その人は私の幼馴染らしいです」

ガーディアン「最低な幼馴染ね」

憂「そうですね。……それでも、会いたいんです」

ガーディアン「……全てが」

憂「え?」

ガーディアン「全てが終わったら、戻ってくるかもしれないわね。その幼馴染」

憂「……そうですか」

ガーディアン「それじゃあね」

憂「ありがとうございました、ガーディアン」

ガーディアンさんはピジョットにまたがり、去っていきました。
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:49:58.78 ID:UemnhStm0
ジュン「行かせてもよかったの?」

憂「何が?」

ジュン「何がって……」

憂「あの人は単なるガーディアンだよ。邪魔しちゃ悪いしね。それじゃ、次の町に行こうか」

ジュン「……そうね」

イーブイ「……ブイ」

今は……生きていてくれていることが分かったからいいや。そう思い、アサギシティに向かいました。
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:51:15.66 ID:UemnhStm0
エンジュシティ

唯「ふわふわターイム♪ふわふわターイム♪……次の町に着きました!」

アズサ「古い町並みですね」

ニャース「ここは昔からある町で、資格あるものが訪れるとホウオウがあの塔に降り立つらしいにゃ」

アズサ「それはすごいですね」

唯「さてと。これから、どうしようかな……」

アズサ「ジムに挑戦しましょう!」

唯「うーん……そうしようかな。なんだか、ジムに挑戦してばかりな気がするけど」

ニャース「それがトレーナーとしては普通にゃ。それにこのジムを制覇すれば、バッチが4個目になってちょうど、半分にゃ」

唯「なるほどね。それじゃ、気合を入れていこうね、皆!!」


エンジュジム

唯「たのもー、たのもー」

私はドアをバンッと開けます。

唯「あれ?お休みかな?真っ暗だよ」

???「……どちら様ですか?」

唯「ひゃあ!」

真っ暗の中で、突然女の人に声をかけられました。

ジム員「我がジムに何かようですか?」

唯「え、えーと……ジムリーダーに挑戦しようと思ったんですけど……休みみたいだから、また来ますね」

ジム員「何をおっしゃる。今日は休みではありませんぞ」

唯「え?でも、真っ暗……」

ジム員「このジムの仕様です」

唯「そうなんだー。ははは」

唯(何、このジム!?)
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:52:14.03 ID:UemnhStm0
アズサ「にゃう。怖いですね」

唯「アズニャンには私がついてるよ〜。ギュウ〜」

アズサ「にゃっ!」

ジム員「それではジムリーダーの場所に案内いたします」

唯「おねがいしまーす」

アズサ「お願いするです」

ジム員「こちらです」

???「君が挑戦者か……」

唯「平沢唯です。こっちはアズニャンだよ〜」

アズサ「どうもです」

唯「えへへ。可愛いでしょ」

???「ふむ。君とポケモン達……特にそのアズニャンとやらは……すごく仲がいいみたいだ」

唯「分かります?でへへ」

???「自己紹介が遅れたね。僕の名前はマツバ。よろしく。……さて、挑戦だったね」

唯「はい!」

マツバ「……ふむ」

唯「あの……どうしたんですか?」

マツバ「いや……君に言うべきかどうか」

唯「はい?」

マツバ「気にしないでくれ。それではルールだ。使用ポケモンは2匹。先に全滅させたほうが勝ちだ」

唯「合点承知之助!」
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:54:13.19 ID:UemnhStm0
唯「さてと。誰を使おうかな〜」

ニャース「ここに来る前に調べたがにゃ、このジムリーダーはゴーストタイプを使うにゃ」

唯「ゴーストタイプか〜」

ニャース「……分かってるのかにゃ」

唯「失礼な。ゴーストタイプの弱点は……えーと……なんだっけ?」

ニャース「はあ……。まったくにゃ。ゴーストタイプの技はエスパータイプとゴーストタイプにこうかはばつぐんにゃ。逆にあくタイプとはがねタイプにはこうかがいまひとつにゃ」

唯「なるほど。それじゃ、ネイ太はお休みかな?」

ネイティ「ティ〜……」

唯「元気出して。次の町までの野生のポケモンとのバトルでは優先的に使ってあげるから」

ネイティ「ティ!」

ニャース「続けるにゃ。ここで注意が必要なのはゴーストタイプの技はノーマルタイプにはこうかがないんだにゃ」

唯「ニャー太が戦う?」

ニャース「負けてもいいにゃらな」

唯「それは勘弁」

ニャース「さて……ゴーストタイプのポケモンについてにゃ。ゴーストタイプのポケモンにはノーマルタイプとかくとうタイプの技はこうかがないにゃ」

唯「それだと……リオ太とヘラ太が厳しいね」

ヘラクロス「ヘラ!」

ニャース「俺を舐めるなと言ってるにゃ」

唯「ごめん、ごめん」

ニャース「それで……ゴーストタイプのポケモンはゴーストタイプとあくタイプに弱いにゃ。逆にむしタイプとどくタイプに強いにゃ」

唯「やっぱり、ヘラ太はお休みだね」

ヘラクロス「ヘラ」

ニャース「仕方がないと言ってるにゃ」

唯「それじゃ……リオ太かウー太のどっちかだけど……」

ニャース「もう1匹はにゃ?」

唯「アズニャンだよ」

ニャース「まあ、分かってたことにゃ」

唯「うーん……かくとうタイプのリオ太じゃ不利かな。それじゃ、今回はウー……」
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:55:02.83 ID:UemnhStm0
リオル「リオ、リオ!」

ニャース「僕は1回もジム戦で戦ったことがないんだ。だから、僕を選んでくれと言ってるにゃ」

唯「そういえば、1回も使ってないね。なら、今回はリオ太で行こう」

リオル「リオ!」

ニャース「そんな決め方でいいのかにゃ?」

唯「問題ないよ」

アズサ「何かあっても私が頑張ります!」

唯「期待してるよ。ナデナデ」

アズサ「にゃう」


審判「それでは準備はよろしいでしょうか?」

マツバ「君が勝ったら、面白いことを教えてあげるよ」

唯「え、今、教えてよ〜」

マツバ「今の君に聞くだけの資格がないからね。勝てば教えてあげるよ」

唯「なら……頑張るよ!!」

審判「では……」

唯・マツバ・審判「「「決闘(デュエル)!!!」」」
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 05:58:48.95 ID:UemnhStm0
唯「リオ太、頼んだよ!」

マツバ「こっちはムウマ!」

唯「あのポケモン、可愛いね」

ニャース「あれはムウマ。タイプはゴーストにゃ」

マツバ「ムウマ、シャドーボール!」

唯「後ろにジャンプで避けるんだ、リオ太!!」

リオル「リオ!」

リオ太はバクテンをしてかわします。

唯「今度はこっちの番だよ。……えーと」

ニャース「シャドークローにゃ」

唯「それだ!」

リオ太「リオ!」

影から造った鋭いツメでムウマに攻撃します。

ムウマ「ムウ!」

おおっ!よく分からないけど、効いているよ!

ニャース「シャドークローはゴーストタイプの技にゃ」

唯「だから、こうかばつぐんなんだね」

マツバ「やるな。だが、おにびだ!」

リオル「リオ!?」

唯「リオ太!?」

ニャース「おにびは相手をやけど状態にする技にゃ。やけどになるとダメージのほかに物理技の威力を下げる効果があるにゃ」

唯「大変だね!……じゃなくて、リオ太、もう一度、シャドークロー」

リオル「リオ!」

リオ太は素早く動いて、ムウマに攻撃を当てます。

マツバ「む、力押しか」

ムウマ「ムウ〜」

ムウマはだいぶ弱ってるね。たとえ、威力は下げられても。

唯「こっちの方が相性はいいんだよ!」

ニャース「この場合の力押しはありにゃ」

マツバ「なら、……みちづれだ!」

唯「関係ないよ。シャドークロー!」

ニャース「待つにゃ!」

リオル「リオ!」

ムウマ「ムウマ……バタッ」

リオ太の一撃は見事に決まり、ムウマを倒しました。

リオル「……リオ」

バタッとリオ太も倒れました。
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 06:01:04.77 ID:UemnhStm0
唯「な、何で!?やけど状態とはいえ、まだ、戦えるはずだよ」

ニャース「みちづれの効果にゃ。この技の後で敵に倒されると相手を瀕死にするにゃ」

唯「そんな〜」

ニャース「だから、言ったにゃ」

審判「両者戦闘不能。この勝負引き分けです」

唯「……戻って、リオ太。いいもん。こっちにはまだ、アズニャンがいるもん」
ニャース「すねるにゃ」

アズサ「私の出番です!やってやるです!!!」

マツバ「こっちはゲンガーだ」

唯「ゲンガーは純ちゃんが使ってたポケモンだね。タイプはゴーストとどくだっけ?」

ニャース「そうにゃ」


むったん「いつものむったん・スラッシュは使えないからね」

アズサ「分かってますよ!」

マツバ「ゲンガー、シャドーボール!」

ゲンガーは黒い塊をアズニャンに向かって投げつけます。

アズサ「なら、こっちは……むったんガード!!」

むったん「技になった!?」

アズニャンはギターでシャドーボールを防御します。

アズサ「今度はこっちの番です。アズサ殺法52の技の1つ『むったん・エア・スラッシュ』!!!」

アズニャンは後ろに下がって、ギターに空気をまとわせ、振りかぶります。

アズサ「くらうです!」

マツバ「避けるんだ!」

空気の刃をゲンガーはジャンプで避けます。

唯「でも、いい感じだよ。もう一回だ!」

アズサ「分かりました!」

アズニャンは今度は小さい空気の刃を連続で出します。

ゲンガー「ゲンガー!」

ゲンガーの体に空気の刃が命中し、傷が出来ます。

マツバ「やるな……ゲンガー、きあいだまだ!」

ゲンガーは気合をこめたエネルギー弾をアズニャンに向けて発射します。

アズサ「にゃああああああああああああ」
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 06:02:32.75 ID:UemnhStm0
唯「アズニャン!」

アズニャンは攻撃をした後でぼうぎょが間に合わずに直撃し、フィールドの外の壁まで飛ばされました。

アズサ「にゃううう」

アズニャンはギターを杖代わりにフィールドに戻ろうとします。

マツバ「ほう……。まだ、戦えるか」

唯「アズニャン!」

私はアズニャンに駆け寄ろうとします。

マツバ「……やはり、ポケモンを信頼してないか」

ニャース「待つにゃ。アズサに触れたら、失格にゃ」

唯「そんなの関係ないよ!」

怪我してたら、大変だし。

ニャース「……落ち着くにゃ!!」

ニャースは私をピシャーンとビンタします。……うう、痛い。

ニャース「いいかにゃ。今、アズサの所に行ったら、アズサは傷つくにゃ。にゃぜなら、アズサはまだ、負けてないからにゃ」

唯「でも、あんな技を喰らったら……それにあんな状態だし」

ニャース「アズサはまだ、ギブアップしてないにゃ。今、ここでギブアップしたら、頑張って勝とうとするアズサの気持ちを踏みにじるにゃ」

唯「だけど……あんな状態じゃ、また傷つくよ!今度はもっと、すごい技を喰らって!!」

ニャース「……唯はアズサを信頼してないのにゃ」

唯「そんなことないよ!!そんなこと言うなんて、いくら、ニャー太でも許さないよ!!」

ニャース「じゃあ、何で、アズサの勝利を信じにゃいにゃ」

唯「!?」

ニャース「アズサの目を見るにゃ」
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 06:13:05.11 ID:UemnhStm0
アズサ「やってやるです……」

マツバ「ふむ。いい目をしている」

むったん(……これが『ナナシ』の称号をしたアズサの目なのか……!?)


ニャース「微塵も諦めてもないにゃ。それどころか、勝つ気満々にゃ」

唯「……そうだね。私、間違ってたよ。さっきはひどいこと言ってごめんね」

ニャース「こっちこそ、叩いてごめんにゃ」

唯「じゃあ、おあいこだね」

マツバ(ふむ。このトレーナーもポケモンに教えられてではあるが成長している。というか、ニャースがしゃべってるな。まあ、今更だけど)

アズサ「やってやるです……」

むったん「大丈夫かい?」

アズサ「大丈夫そうに見えますか?」

むったん「お世辞にも見えないね」

マツバ「その根性には拍手を送りたいが……これで終わりだ。シャドーボール!」

唯「アズニャン!!」

むったん「こうなったら、新しい必殺技しかないね。……神経を集中させるんだ」

アズサ「はいです」

アズニャンは目をつぶります。

唯「な、なんで、目をつぶってるの!?」

ニャース「やっぱり、ギブアップさせた方がよかったかにゃ」

アズサ(感じるです。相手の技が……空気の振動が……)

アズサ「今です!アズサ殺法52の技の1つ『むったん・百錬自得の極み』!!!」

アズニャンはギターでシャドーボールを打ち返します。

アズサ「喰らえです!!」

そして、そのまま、ゲンガーに向かって返します。

マツバ「な、何だと!?」

ゲンガー「ゲンガ!?」

ゲンガーはその攻撃にびっくりして、避けきれずに直撃し、気絶しました。……そりゃあ、そうだろうね。

審判「ゲンガー、戦闘不能。アズサの勝ちです。マツバのメンバーは全滅。唯選手の勝利です」
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 06:15:31.09 ID:UemnhStm0
唯「やったよ。アズニャンの勝利だ!」

ニャース「心臓に悪い勝利だにゃ」

マツバ「まさか、君に負けるとはね」

唯「あ、マツバさん。うん♪たん♪楽しい決闘(バトル)だったよ!」

マツバ「こっちも楽しかったよ。それじゃ、ファントムバッチを渡そう」

唯「わーい」

マツバ「……ポケモンと一緒に成長するトレーナーか」

唯「ん?どうしたんですか?」

マツバ「いや……。君に一つ予言をしてあげよう」

唯「予言?」

マツバ「実は僕は千里眼の持ち主でね。未来のことも見えるんだ。もっとも、全てが分かるわけでもないんだけどね」

唯「ふーん。面白そうだね」

私の未来かー。どうなってるんだろうね。……例えば、こんな未来?モヤモヤ。


回想

憂「お姉ちゃん、ご飯できたよー」

唯「今行くよー」

食卓

憂「今日は梓ちゃんがお姉ちゃんのために一生懸命作ったんだよ〜」

梓「別に、唯先輩のためじゃありませんし」

唯「えへへー。ありがとね、あずにゃん」

梓「……どうもです。プイ」

アズサ「ただいまです!」

ゆい「朝の見回りは大変だねー」

唯「皆、お帰りー。今日のアズニャン・アイランドの様子はどうだった?」

アズサ「とっても、平和です!」

ゆい「いつもどうりだね」

唯「そっかー」

全員「あはははは」

回想終了
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 06:16:57.20 ID:UemnhStm0
特にオチもないけど、こんな感じの平和が一番だよね。

マツバ「……君は遠くない未来に大切な物を失う」

唯「え?」

大切な物ってなんだろう?

マツバ「君はその時に……後ろを向いたり、下を向いたりしたら……2度と大切な物を取り戻すことは出来ないだろうな。だから、どんなことがあっても、自分が正しいと思ったことを最後まで前を向いて、諦めずに進むんだ」

唯「えーと……」

なんて、返せばいいんだろうね。普通に考えたら、危ない人だけど。

マツバ「いずれ、分かる時が来るさ」

唯「は、はあ……」

何だか、よく分からないや。

マツバ「それじゃ、頑張ってくれよ」

唯「はい!また、戦いましょうね」

マツバ「楽しみにしてるよ」

帰り道

唯「さっきのマツバさんの言葉ってどんな意味なんだろう」

ニャース「考えても仕方がないことにゃ」

唯「そうだけどさー」

大切な物か。私にとって大切な物って何なんだろう。

アズサ「Zzzzzz」

唯「アズニャンも頑張ったよね。ナデナデ」

アズサ「にゃふ〜」

ニャース「さっきの言葉を考えるより、今日の反省に勉強にゃ」

唯「前から、こんなんばっかり。皆、飽きちゃうよ」

ニャース「にゃにを言ってるかにゃ」

私達はそんなことを言い合いながら、ホテルに向かいました。

おまけ

むったん・百錬自得の極み ??? 威力 ???/命中???

相手の特殊技を倍にし、跳ね返す。タイプ・命中は相手の技に依存し、威力は倍になる。この技を発動すると攻撃が相手よりも後になる。
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 06:19:29.09 ID:UemnhStm0
第12話 『シルバー君とのリベンジマッチ!?〜りっちゃんも登場します!!〜』

モーモー牧場

唯「最近の私は戦いすぎだと思うんだよね〜」

ニャース「そりゃ、ポケモンマスターになるためなら、当然にゃ」

唯「そうだけどさー」

私達はエンジェシティを旅立ち、アサギシティに向かう途中のモーモー牧場で一休みです。

アズサ「私は唯先輩と一緒に戦うのは楽しいです」

唯「ありがと、アズニャン」

店員「どうぞ。ホットミルクです」

唯「ありがと〜」

ニャース「たまには息抜きも必要だけどにゃ。でも、そろそろ何かを進化させにゃいとな」

唯「ん?どういうこと?」

ニャース「ウパーにしろ、ネイティにしろ、リオルにしろ、まだ進化するにゃ。進化すると能力もアップするにゃ」

唯「ニャー太も進化するの?」

ニャース「進化はするんにゃが……」

唯「ごめんね。戦えないんだもんね」

進化には経験を積まないといけないからね。

ニャース「気にしてないにゃ」

アズサ「私も進化するですか?」

唯「アズニャンが進化か……」

ニャース「たいてい進化すると、怖くなったり、格好良くなったりするにゃ。例外もあるけどにゃ」

唯「アズニャンは進化しなくてもいいよ。可愛いもん。ナデナデ」

アズサ「にゃふ〜」

???「ぎゃあああああああああ」

唯「ん!?誰かが叫んでる!!助けに行かなきゃ!」

ニャース「無視という選択しはないのかにゃ?」

唯「ない!」

アズサ「さすが、唯先輩!言い切りました!」

唯「えへへ。……おっと、照れてる場合じゃないよ。店員さん、お勘定」

私は店員さんにお金を渡して、叫び声のしたほうに駆けていきました。
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 06:21:39.00 ID:UemnhStm0
39番道路

トレーナー「うう」

???「弱いな、あんた。弱すぎだぜ」

唯「こっちの方からだね!」

???「ん?」

唯「ここだ。大丈夫ですか?」

私が辿り着くと、ポケモンとともに傷ついているトレーナーがいました。

トレーナー「だ、大丈夫です……」

唯「誰、こんなことをするのは……あ、あなたは!」

シルバー「久しぶりだな。たしか、マダツボミのとうで逃げ出したやつだな」

唯「たしか……シルバー君だね。どうして、こんなひどいことをするの?」

シルバー「ひどいこと?俺はバトルをしただけだぜ」

唯「それにしたって、こんなひどいバトルをするなんて……許せないよ」

シルバー「相変わらず、うるさい女だな」

唯「女じゃないよ。私の名前は平沢 唯。ポケモンマスターになる女だよ!」

ニャース「恥ずかしいことをよく平気で言えるにゃ」

アズサ「さすがは唯先輩です」

唯「一度、言ってみたかったんだ〜」

シルバー「相変わらず、ふざけた女でもあるな。だが、ちょうどいい。あの女はどうした?」

唯「あの女?」

シルバー「お前を助けた、フードの女だ。俺はもう一度、あの女と戦いたいんだ」

唯「どうして?……あ、もしかして、負けたの?プププ」

シルバー「……潰すぞ」

唯「ああん、こわ〜い〜」

シルバー「……テメエ」

ニャース「あんまり、挑発するにゃ。怒ってるにゃ」

唯「私が気を引いている間に、あのトレーナーさんを逃がして、アズニャン」

ヒソヒソ

アズサ「なるほど。了解です」

ピョコピョコとアズニャンは走り出します。
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 06:24:05.88 ID:UemnhStm0
唯「女の子相手にそんなにむきになって恥ずかしくない?」

シルバー「……いいぜ。次はお前を潰してやるよ」

唯「ふ、ふん。今の私はあの時の私じゃないよ!前よりも格段に強くなってるよ!」

ニャース「それはどうかにゃ……」

シルバー「それは楽しみだぜ……」

唯「ど、どうしよう、戦うことになりそうだよ……」

ヒソヒソ。

ニャース「そりゃあ、あんなことを言えばにゃ……」

アズサ「逃がしてきました!」

唯「ありがと、アズニャン。……よし!!」

シルバー「どうした?戦おうぜ、お前の望み通り」

唯「ふふふ。それではシルバー君。さようなら!!!」

私はスタコラサッサと逃げ出しました。

シルバー「逃がすかよ!」

シルバー君も追いかけてきます。

唯「追いかけてきた!?」

ニャース「一旦、全員、ボールに戻すにゃ」

足の速さに違いがあるからね。私はニャー太とアズニャン以外をボールに戻します。

シルバー「来い、ゴルバット!!」

唯「ゴルバット!?」

ニャース「前に戦ったクロバットの進化前にゃ。タイプは同じどくとひこうにゃ」

シルバー「エアスラッシュ!」

ゴルバットから出された空気の刃が私達に向かって、発射されます。

唯「ひゃー、何か来た!?」

ニャース「ひいいにゃ」

アズサ「反撃するです!反撃するです!」

ジタバタジタバタ。

唯「アズニャン、大人しくして!」

???「リザードン、かえんほうしゃ!」

シルバー「む!?ゴルバット、下がれ!」

???「何やってんだよ、唯」
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 06:28:22.12 ID:UemnhStm0
唯「ん?あなたはたしか……りっちゃん!」

私は声の下方向をみるとリザードンとその後ろにカチューシャをした、女の子……りっちゃんが立っていました。

唯「久しぶりだね!」

律「そんな悠長な挨拶をしてる場合かよ」

シルバー「また、邪魔が入ったか」

律「あいつはなんだよ」

唯「シルバー君だよ」

律「お前の彼氏か何かか?ククク」

唯「私に彼氏なんかいるわけないじゃん。失礼なこと言わないでよ!」

律「普通にキレられた!?」

シルバー「2対1か。……まあ、いいさ。狩らせてもらうぜ、お前のパートナーを!」

律「相手ははやる気満々だな」

唯「最近の若者はカルシウム不足だよね」

ニャース「ほとんど唯のせいだけどにゃ」

律「わっ!?このニャースしゃべるのか?」

唯「すごいでしょ〜。えっへん!」

律「まあ……アズサやゆいと比べると珍しくないけどな」

ニャース「……そうだろうにゃ」

シルバー「ごちゃごちゃとうるせえぞ。エアスラッシュ!」

空気の刃が私達に迫ります。

唯「また、来た!?」

アズサ「唯先輩は私が守るです!」

私の腕の中から飛び出したアズニャンは私達に迫ってきたエアスラッシュをギターで防ぎます。

シルバー「ようやくやる気になったか……」

アズサ「唯先輩には指1本触れさせないです!やってやるです!」

律「血気盛んだな」

唯「ちょっと、困ってたりするんだけどね。可愛いからいいけど」

シルバー「くくく。戻れ、ゴルバット。前のようには行かないぜ」

アズサ「望むところです!」

唯「そこは望まないで、アズニャン!」

律「ところで、あいつは何者だ?」

唯「博士の研究所からポケモンを盗んだ人だよ」

律「そういえば……そんな連絡があったな」
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 06:30:37.52 ID:UemnhStm0
シルバー「来い、ニューラ!」

アズサ「前に倒した奴ですね!楽勝です!」

むったん「その油断が命取りになるよ。君は『ナナシ』のアズサなんだからさ」

アズサ「む。何が言いたいんです」

むったん「弱いって言いたいんだよ。でも、馬鹿にしたいって言うわけじゃないよ」

アズサ「意味が分かりません」

むったん「常に自分が弱いと思っておけば、常に強くなろうとするし、どんな相手にも全力で戦うでしょ?自分を強いと思う心も大事だけど、そこには油断という隙ができるからね」

アズサ「なるほど。……でも、馬鹿にされてるみたいで気分がよくないですね」

むったん「言い方が悪かったね。謝るよ」

シルバー「何をごちゃごちゃと独り言をしゃべってやがる!」

アズサ「にゃっ!?」

キーン。

ニューラのツメをギターで防ぎます。

律「なにやってんだ、あいつ」

唯「可愛いよね〜」

律「いや、そんなことが言いたいんじゃないし」

アズサ「今度はこっちの番ですよ!」

アズニャンも負けじとギターで斬りかかります。

律「ギターで戦うのもなー。楽器だし」

ニューラ「ニュラ!」

アズサ「タアア!」

互いのツメとギターがキーン、キーンと交錯します。

律「互角だな」

唯「アズニャンのほうが可愛いよ!」

律「だから、それはどうでもいい!!」
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 06:34:07.85 ID:UemnhStm0
アズサ「次で決めてやるです!アズサ殺法52の技の1つ『むったん・スラッシュ』!!!」

シルバー「ニューラ!」

アズニャンの得意技を繰り出しますが、ニューラはその攻撃を両ヅメをクロスさせて、防ぎます。

アズサ「にゃあああ!」

ニューラ「にゅうううう!」

力の比べあいになる、2匹。

律「唯も命令しろよ」

唯「私はアズニャンの自由意志を尊重してるんだよ」

律「何言ってんだよ」

ニャース「ただ、扱いきれてないだけにゃ」

唯「えへへ」

律「……なあ、唯」

唯「ん?」

律「お前は本当に今のままでいいのか?」

唯「え?」

アズサ「にゃあああああ」

唯・律「「!?」」

アズニャンはこっちに向かって、飛ばされてきます。

ニャース「あれはけたぐりにゃ。ニューラが一歩退いて、アズサが前のめりになったところをニューラが仕掛けてきたにゃ」

唯「だ、大丈夫、アズニャン!」

アズサ「にゃう。まだまだ、これからですよ」

律「……唯。アズサの技は分かるか?」

唯「ほえ?一応、メモしたのがあるけど」

律「それを見せてくれ」

唯「ちょっと待って。……ほい」

律「サンキュ。……なるほどな。おい、アズサ!」

アズサ「な、なんですか」

律「接近しなくていいから。むったん・エア・スラッシュを連続でやるんだ」

アズサ「ど、どうして、あなたの命令を……」

律「負けたいのか?……ああ、できないのか」

アズサ「なっ!?やってやるです!」

シルバー「誰が命令しようと同じだぜ!」
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 06:36:58.95 ID:UemnhStm0
唯「ど、どうして、急に命令なんて……」

律「唯に教えてやるよ。……トレーナーの重要性をな」

唯「え?」

律「まあ、見てろよ。……アズサ、むったん・エア・スラッシュを地を這うように発射しろ」

アズサ「また、あなたが……!?」

律「いいから」

唯「アズニャン」

アズサ「にゃう」

アズニャンはむったん・エア・スラッシュをニューラの足元に向かって発射します。

シルバー「ニューラ、ジャンプだ!」

ニューラは高く、ジャンプします。

唯「避けられちゃったよ」

律「アズサ、むったん・フレアスラッシュだ」

アズサ「仕方がないですね!」

アズニャンはギターに炎をまとわせて、ニューラに斬りかかります。

シルバー「その程度の攻撃は読んでるぜ!」

ニューラはツメでその攻撃を防ぎます。

唯「ああ!?防がれちゃった……」

律「……ふっ」

ニューラ「ニューラ!」

ニューラは体を炎に包み、そのまま苦しそうにします。

唯「これは……どういうこと?」

ニャース「にゃるほど。むったん・フレアスラッシュはほのおタイプの技にゃ。ニューラはタイプはこおりとあくにゃ。だから、防がれたとはいっても、こうかはばつぐんにゃ」

律「そういうこと♪」

唯「すごいなー、さすが、りっちゃん」

律「分かったか、唯。ポケモンはトレーナー次第の部分もあるんだぞ」

唯「部分も?」

律「ポケモン自体の強さもあるからな」

唯「なるほどね」

律「今度は唯の番だ」

唯「うん。頑張ってみるよ」
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 06:41:53.67 ID:UemnhStm0
シルバー「人を練習台みたいにしやがって……」

唯「頑張ろうね、アズニャン!」

アズサ「はいです」

唯「アズニャン、 むったん・エア・スラッシュを地を這うように発射して!」

アズサ「トリャー!」

アズニャンはさっきみたいにニューラの足元に向かってむったん・エア・スラッシュ発射します。

ニューラ「ニュラ!」

ニューラはさっきみたいにジャンプしてかわします。

シルバー「同じ手段が通じるかよ。こおりのつぶて!」

アズサ「にゃっ!?」

空中にいるニューラは追撃をしようとしたアズニャンにこおりのつぶてを発射します。アズニャンはギターでその攻撃を防御します。

律(まあ、一度見た戦法は通じないだろうな。どうする、唯)

唯「むむ。そう来るのかー」

シルバー「ニューラ、シザークロス!」

ニューラは両ツメをクロスさせて、アズニャンをきりに来ます。

キーン。

アズニャンはギターで防御します。

アズサ「にゃああ……」

ニューラ「ニューラ……」

また、力の比べあいになります。

唯「力は互角か〜……」

律(一体、どんな戦術を見せてくれるんだ、唯は)

唯「…………ぐう」

律「って、寝るのかよ!」

唯「えへへ」

律「ったく。真面目にやれよ」

唯「私はいつだって真面目だよ」

律「どこがだよ!……とは突っ込まないぞ」

アズサ「にゃっ!」

ニューラ「ニュラ!」

そんなことをしている間にアズニャンとニューラは距離をとります。きっと、次の一撃で決めにきたんだろうね。

唯「アズニャン、むったん・エア・スラッシュで攻撃だ!!」

アズニャンはニューラの足元に向かってむったん・エア・スラッシュ発射します。

シルバー「また、その戦術かよ!」

ニューラはジャンプで避けます。

唯「アズニャン、でんこうせっかでニューラの足元にダッシュ!」

アズサ「分かったです!」

アズニャンはダッシュで飛んでいるニューラの下に来ました。

唯「今だ……スカイアッパー!!」

シルバー「何!?」
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 06:44:48.30 ID:UemnhStm0
律「ほう」

アズサ「にゃあああああああああ」

ニューラ「ニュラアアアアアアア」

アズニャンの渾身の一撃を喰らって、空中に飛びます。

唯「今だよ、アズニャン!」

アズサ「やってやるです!」

アズニャンも後を追うようにジャンプします。

むったん「それじゃ、新しい技だね」

アズサ「任せるです。アズサ殺法52の技の1つ『むったん・からたけわり』!!!」

落下するニューラに追撃を加えるように縦にニューラを斬ります。

シルバー「ニューラ!」

ニューラは地面に落下し、気絶しました。

唯「やったー!!」

ニャース「油断するにゃ。まだ、1匹にゃ」

シルバー(トレーナーはともかくとしても……このポケモンは格段に強くなってやがるな。……なるほどな)

シルバー「今日はこれくらいにしといてやるぜ」

唯「私、小物くさい台詞言ってる人、初めて見たよ」

ニャース「聞こえるから、黙ってるにゃ。せっかく、帰ってくれるんだからにゃ」

シルバー「……ポケモンリーグでテメエをぶち殺してやる。覚えておけよ」

唯「わー、また小物……」

ニャース「お口、チャックにゃ!」

そんな捨て台詞を残して、シルバー君は去っていきました。

律「……」

唯「どうしたの、りっちゃん?」

律「……いや、なんでもないよ」

唯「何かを考えてたみたいだけど……」

律「……いんや。それじゃ、私も行くわ」

唯「えー。まだ、お話しようよー」

ニャース「無理言うにゃ。だいたい、おいら達も早く出発しないとまた野宿にゃ」

唯「うー、野宿いやー」

アズサ「野宿も楽しいですよ」

律「なあ、唯」

唯「んー、なーに?」

律「……どんな現実を目の当たりにしても……強く生きろよ、唯」

唯「ほえ?どういう意味?」

律「いや……何でもない」

唯「???変な、りっちゃん」
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 06:45:49.33 ID:UemnhStm0
律「そんなわけだから、また今度話そうぜ」

唯「そうだね。それじゃあ、またねー!」

りっちゃんはこっちに手を振りながら、去っていきました。ヒーローみたいで格好良かったなー。

ニャース「今回のことで分かったと思うけど、唯にはまだまだ経験が必要にゃ。だから、戦いすぎだとかはないにゃ。みっちりとやっていくにゃ」

唯「うう、たしかにアズニャンをもっと使いこなせてたらねー」

楽に勝ってただろうし。

アズサ「私は平気ですよ」

ニャース「アズサだけの問題じゃないにゃ。ゆいには……」

ウパー「ウパー」

ネイティ「ティー」

リオル「リオー」

ヘラクロス「Zzzzz」

ニャース「この4匹もいるにゃ」

唯「うへー、私に出来るかな?」

ニャース「やってもらわにゃ困るにゃ」

アズサ「一緒に勉強しましょう、唯先輩!」

唯「うん。明日から頑張るよ!」

ニャース「今日からにゃ!!!」
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 06:47:52.37 ID:UemnhStm0
律「……」

回想

マツバ『君は……近い将来、大切な物を失うだろう。でも、君にはそれを取り戻す資格がない』

律『なんだ、そりゃ?』

マツバ『だが、君にはやることがある。それは……君の大切な物を取り戻す者を導くことだ』

律『はあ?』

マツバ『きっとその者は下を向いたり、後ろを向いたりするだろう。だから、君が……』

律『前を向かせろってことか』

マツバ『そういうことだな』

律『よく分からない占いだな』

マツバ『占いとは微妙に違うんだけどな』

律『似たようなもんだろ。だいたい、誰だよ。資格ある者って』

マツバ『さあね。そこまでは……』

律『使えないな』

マツバ『きついこと言うね。ただ、そうだな。その者は珍しいポケモンを使うね』

律(だとすると、梓か、唯か)

マツバ『心当たりがあるようだね』

律『知るかよ。……また、戦おうな』

マツバ『ああ。つまらないことで呼び止めてすまなかったね』

律『いんや。……結構面白かったよ』

マツバ『それは光栄だね』

回想終了

律「……いるんだろ、シルバーだっけか?」

シルバー「気づいていたか」

律「何の用だ。ナンパなら、お断りだよん♪」

シルバー「そんなことするか!」

律「冗談だったけど、力強く否定されるのもなんかショックだな……。それで、何の用?」

シルバー「トレーナーと出会ったら……分かるだろ?」

律「唯と戦えばいいだろ」

シルバー「あいつもいずれは潰す」

律「また、小物くさいことを……」

シルバー「ギロリ」

律「ごめんなちゃい」

シルバー「それにお前は一回戦負けとはいえ……ポケモンリーグに出てるしな。腕試しにはちょうどいいぜ」

律「……やる気満々だな。けど……あんたも強そうだから、戦ってやるか」

シルバー「狩らせてもらうぜ、お前のパートナーを!」

律・シルバー「「決闘(デュエル)!!」」


おまけ

むったん・からたけわり かくとう 威力 80/命中95

相手のバリヤーなどを粉砕する。急所に当たりやすい。
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/15(土) 06:51:40.29 ID:UemnhStm0
第9話から12話まで終了

唯のパーティ・まとめ

アズサ タイプ ???

ネイティ タイプ エスパー ひこう

ウパー タイプ みず じめん

リオル タイプ かくとう 

ヘラクロス タイプ むし かくとう

パーティ外 

ニャース タイプ ノーマル コーチ兼マネージャー

後、1匹は何がいいですかね。よければ、答えて下さい
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/15(土) 09:22:34.22 ID:CvQCDxgr0
今回もよかったよ、乙!
後のポケモンか・・・・・あんまり絞り込めてないけど、ジョウトのポケモンで唯に合いそうな(カワイイ的な意味で)だと「ホーホー、メリープ、ハネッコ」のどれかはどうかな?でもジョウトで伝説以外なら、最も強いヨーギラスも捨てがたいかなww
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/15(土) 10:19:15.40 ID:TzNUGPFSO
乙!
ヨーギラスいいかもなww
弱ってるところを唯が助けて、恩返しをしたいヨーギラスは仲間になる
名前つけるとしたらギラ太か
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/15(土) 19:40:46.52 ID:CvQCDxgr0
乙!
俺は(ジョウトのポケモンだと)「ニョロトノ、メリープ、ウリムー、ゴマゾウ」のどれか
でもやっぱ梓がカントウのドラゴン「カイリュー」を持ってるんだし、唯はジョウトの「バンギラス」を持ってるというもいいかも
ギラ太・・・・・いいね!ww
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2011/10/15(土) 21:40:56.33 ID:C2ZJJRC/0

192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/16(日) 05:09:26.25 ID:35eNor0y0
>>188 189 190
答えてもらってありがとうございます
多いのはメリープかヨーギラスか……片方入れるか両方入れるか
ウパーにはリストラされてもらうか
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/16(日) 09:44:27.13 ID:eUj3s24M0
>>192
リストラは可哀想な気が・・・・・wwww
190で投稿した者だけど・・・・・俺的にはメリープかヨーギラスだとヨーギラス派かも
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/16(日) 18:34:32.49 ID:35eNor0y0
>>193
ふむふむ
じゃあ、ヨーギラスにします。
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:22:39.53 ID:DHnjYLD30
第13話 『デンリュウを救え!!〜いざ、タンバシティへ!!!〜』

アサギシティ

唯「アサギシティに着きました!!……結局あれから、野宿になっちゃたけどね」

ニャース「ちんたら、やってるからにゃ」

唯「うう、だって、出会うポケモンをアズニャン以外で倒していくんだから、時間もかかるよ」

ニャース「これも修行にゃ」

アズサ「野宿も楽しいですよ!」

唯「よしよし。ナデナデ」

アズサ「にゃふ〜」

唯「さてと。これから、どうしよう」

アズサ「ジムに挑戦しましょう!」

唯「うーん、そうだね。それもありかもね」

ニャース「随分、物分りがいいにゃ」

唯「どっちみち、挑戦しなきゃいけないからね。早いほうがいいし」

ニャース「今回のジムははがねタイプを使うらしいにゃ。ジムリーダーは可愛らしい女の子と聞くにゃ」

唯「へえー、可愛らしい女の子かー」

アズサ「むっ!」

唯「ん?どうしたの、アズニャン」

アズサ「何でもないです!それよりもお腹がすきました。たい焼きを持ってきてください!」

唯「(何で怒ってるんだろう)ほい」

アズサ「にゃふ。パクパク」

ニャース「何で持ってるにゃ……」


アサギジム前

ポケモンセンターでポケモンを回復し、入浴などの準備をしてからアサギジムに向かいましたが……。

ジム員「残念ですが、ミカン様はいらっしゃいません」

唯「そんなー」

アズサ「きっと、私達に恐れをなして逃げたんですね」

ジム員「それはないです。ミカンさんは……あそこにとうだいがありますよね?」

ジム員さんが指差す方にはたしかに灯台がある。

ジム員「あそこの一番上にいるデンリュウに会いに行ってます。なので、挑戦したいなら、あそこに行って下さい」

唯「めんどくさいなー」

ジム員「景色は最高ですよ」

アズサ「行ってみましょう、唯先輩」

唯「うーん、アズニャンが言うならそうしようかな」

ジム員「それでは頑張って下さい」
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:23:42.96 ID:DHnjYLD30
アサギのとうだい・前

唯「ここを登るのか……」

見るからに高いし。登るは大変そうだね。

唯「帰ろうか」

ニャース「にゃにを言い出すにゃ」

唯「だって……見るからに登るのは大変だよ」

ニャース「……たしかににゃ」

アズサ「一緒に行きましょう、唯先輩!」

唯「うーん……」

アズニャンは私が抱っこしてるから、楽だろうけどね。まあ、頭に乗せるのもありだけど。

アズサ「……唯先輩は嫌ですか?」

唯「……ううん、いいよ。行こうか」

アズサ「……ごめんです」

唯「気にしないでいいよ。アズニャンは人の気持ちを考えるいい子だね。ナデナデ」

アズサ「にゃふ」

ニャース「それじゃ、行くかにゃ」

唯「うん」

アズサ「出発するです!」

ウパー「ウパ!」

ネイティ「ティ!」

リオル「リオ!」

ヘラクロス「ヘラ〜」

ヘラクロス以外は快く承諾してくれました。

警備員「ポケモンはしまってから入場してください」

唯「ええっ!?」
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:24:57.09 ID:DHnjYLD30
アサギのとうだい・内部

唯「中も結構すごいんだね」

アズサ「そうですね」

???「ペロペロ」

アズサ「ゾクッ」

唯「ん?どうしたの、アズニャン」

アズサ「今、一瞬寒気がしたです」

唯「風邪かな?私が暖めてあげるね。ギュウ〜」

アズサ「にゃう」

ニャース「サッサと行こうにゃ」

私達はアサギのとうだいの頂上を目指すべく、内部に入りました。ちなみにアズニャンとニャースの入場は認められました。皆認めてくれたらいいのにね。

テクテクテクテク。

唯「無駄にでかいよねー」

ニャース「まあ、灯台の役割を考えればにゃ」

唯「灯台の役割?」

ニャース「灯台は船の船行目標である航路標識の一種でその外観や灯光によって位置を示す光波標識の中の夜標として位置づけられているにゃ」

唯「???」

ニャース「要するに船の道しるべにゃ」

唯「なるほど。小さいと分かりづらくなるね」

ニャース「そういうことにゃ」

唯「勉強になりますなー」

ニャース「ポケモンに教わるのもどうかと……おにゃ?」

とりつかい「ん?君はトレーナーかい。早速勝負だ」

唯「ええっ!?ここ、バトル禁止じゃないの?」

とりつかい「そんなこと誰から聞いた?」

唯「うーん……誰からも聞いてないよ!」

とりつかい「ということで勝負だ!」

唯「ひゃー」
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:27:37.45 ID:DHnjYLD30
アサギのとうだい・最上階

唯「……やっと、着いたよ……」

あれから、10人くらいのとりつかいの人達と戦ったよ。

唯「ヘラ太は使えなかったし」

ニャース「相手はとりタイプを使うトレーナ達にゃ。むしとかくとうタイプのヘラクロスじゃ、厳しいにゃ」

唯「まあ、皆頑張ってくれたからいいや」

アズサ「私も出番がなかったです」

唯「アズニャンはいつも活躍してくれてるし、お休みだよ」


むったん「それにしても……『ナナシ』の称号を持つ、君がこんなに信頼されるのも不思議だね」

アズサ「うるさいギターですね」

むったん「でも、僕のおかげで強くなったよね?」

アズサ「……その点については感謝してるです」

むったん「うむ。感謝するがいい」

アズサ「調子に乗るなです。ペシペシ」


唯「……アズニャンって、たまに独り言を言うよね」

ニャース「アズサにも事情があるにゃ。……そっとしておくにゃ」


唯「とにかく、この部屋にミカンさんがいるんだよね」

ニャース「そのはずにゃ」

唯「それじゃ……たのもー、たのもー」

私はバンッとドアを開けます。

???「キャッ!」

可愛らしい声が聞こえてきました。ちょっと、強く開けすぎちゃったね。

???「ど、どなたですか……」

唯「驚かしてごめんなさい。私は平沢唯です。ジムリーダーのミカンさんに挑戦しに来ました!」

???「私にですか……」

唯「あなたがミカンさん?」

結構、可愛い女の子だね。

ミカン「はい。私がミカンです。さて……私に挑戦ということですが……」

唯「何か、問題があるの?」

ミカン「……この子を見て下さい」

唯「この子?」
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:28:07.48 ID:DHnjYLD30
ミカンさんが指差す方には顔色の悪そうにしているデンリュウがいました。

ミカン「この子はここに住んでいるんでいて、私がお世話をしているんですけど……病気になってしまって……」

ニャース「デンリュウはタイプはでんきにゃ。デンリュウの尻尾の明かりは遠くまで届くので昔からかがり火として大事にされているにゃ」

アズサ「だから、灯台にいるんですね」

唯「???」

ニャース「デンリュウの尻尾を使って、灯台の明かりとして役立たせるにゃ」

唯「なるほど!」

ミカン「とにかく、デンリュウの看病をしなければならないので、ジムの挑戦を受けられないんです」

唯「ええ〜……まあ、でも仕方がないかな?」

ニャース「けれども、バッチも必要にゃ」

唯「でも、看病しなきゃいけないし」

ニャース「それはそうだけどにゃ」

ミカン「ただ……1つ、お願いを聞いてくれたら、挑戦を受けてあげます」

唯「お願い?」

ミカン「タンバシティに行って、ひでんのくすりを取って来てほしいんです」

唯「それがあれば、この子が治るの?」

ミカン「はい。でも、私が行くとこの子を看病する人がいなくなりますから」

唯「……分かった!私に任せなさい!」

アズサ「さすがは唯先輩です!」

唯「えへへ」

ニャース「まあ、どっちにしろ行くことになってたからちょうどいいにゃ」

ミカン「それではお願いします」

唯「じゃあ、待っててね」
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:30:36.08 ID:DHnjYLD30
アサギシティ

唯「で、タンバシティにはどうやって行こうか?」

ニャース「考えてなかったのかにゃ……」

唯「まあ、船が出てるよね」

私達は船着場に向かいます。

唯「ほら、やっぱりね」

ニャース「早速乗るにゃ」

唯「うん」

うん♪たん♪うん♪たん♪

タンバシティ

唯「着きました!」

ニャース「どこでひでんのくすりをもらえるのかにゃ」

唯「それは聞いてなかったね……」

ニャース「何をやってるにゃ……と言いたいけど、おいらも聞き忘れたから、お互い様にゃ」

唯「とりあえず、誰かに聞いてみようかな」

ニャース「そうしたほうがいいにゃ」


唯「ここだって」

アズサ「おんぼろですね」

ニャース「本当にここかにゃ?」

唯「何人にも聞いたから間違いないよ」

ニャース「しかし、これはにゃ……」

唯「おんぼろの方があじがあっていいよ」

???「おんぼろ、おんぼろ、うるさいのう」

おんぼろの家から出てきたのはおんぼ……老人が出てきました。

唯「あのー、おじいさんは?」

???「わしは苦酢理 津苦瑠世(くすり つくるよ)じゃ」

唯「名前的に、ひでんのくすりっておじいちゃんが作ってるの?」

苦酢理「ああ、そうじゃ。お前さん達はわしに何か用かのう?」

唯「実はね。かくかくしかじか」

苦酢理「なるほどな〜。……ふむ、条件を出そうか」

唯「ええ〜、困ってるんだよ。すぐに出してよ〜」

酢理「そんな簡単に手に入ってはつまらんじゃろ」

唯「面白さは追及してないよ!?」

苦酢理「冗談はともかく、ちょうど、今から作るから時間がかかるからのう。その時間にジムにでも挑戦したらどうじゃ」

唯「ここにもジムがあるの?」

ニャース「あるみたいにゃ。たしか……タイプはかくとうにゃ」

唯「うーん、じゃあ、サッサと挑戦してきちゃおう」

苦酢理「その間に頑張って作っておくからのう」

唯「お願いしまーす」
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:31:43.70 ID:DHnjYLD30
タンバジム

唯「そんなわけで、タンバジムに来ました!」

アズサ「早速、挑戦です」

唯「そうだね。たのもー、たのもー」

バンッとドアを開けます。

ジム員「ん〜、なんだい、君は挑戦者かい?ムキムキ」

唯「……」

バタンッとドアを閉めます。

ニャース「何で、閉めるにゃ」

唯「いや……マッチョさんがいたから……怖くて思わず」

ニャース「……とにかく開けるにゃ」

唯「……うん」

もう一度、ドアを開けます。

ジム員「hahahaお嬢さん。冷やかしなら、帰ってもらえるかい?」

唯「あ……あの、ジムリーダーさんは?」

ジム員「ん?ジムリーダーに挑戦かい?ちょっと待っててくれ」

唯「は、はい」

シジマ「君が挑戦者かい?」

しばらく、待っていると体格のいいおじさんがやってきました。

シジマ「それじゃ、早速始めようじゃないか。手持ちポケモンは2匹だ。先に全滅させた方が勝ちじゃ」

唯「分かりました」
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:32:53.08 ID:DHnjYLD30
唯「それじゃ……恒例のメンバー決めだよ!!」

ニャース「相手はさっきも言ったけどかくとうタイプにゃ」

唯「ふむふむ。だとすると……」

ネイティ「ティー!!」

唯「うん。ネイ太に決まりだね」

ニャース「その選択は正しいにゃ。ネイティはタイプはエスパーとひこうにゃ。かくとうタイプの技はほとんど効かないにゃ」

唯「そして、もちろん、次はアズニャンだよ!!」

アズサ「やってやるです!!」

ヘラクロス「ヘラ?」

ニャース「俺の出番は?と言ってるにゃ」

唯「やる気満々だけど……ごめんね。今回は……」

ヘラクロス「ヘラヘラ……Zzzzzz」

ニャース「じゃあ、寝る。終わったら、起こしてと言ってるにゃ」

唯「うん。なんとなく、それは分かるよ。……それじゃ、ネイ太にアズニャン。頑張ろうね!」

ネイティ「ティー!」

アズサ「やってやるです!」


審判「それでは準備はよろしいですか?」

唯「いつでもいいよ」

シジマ「こっちもだ」

審判「それでは……」

唯・シジマ・審判「「「決闘(デュエル)!!!」」」
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:36:20.53 ID:DHnjYLD30
シジマ「来い、オコリザル!」

唯「行くよ、ネイ太!!」

ニャース「相手はオコリザルにゃ。タイプはかくとうだけにゃ」

唯「なら、余裕だね!」

ニャース「そうとも限らないにゃ。当然にエスパーとひこうタイプに対する対抗策はあると思うにゃ」

唯「うーん、難しいんだね。ポケモンは」

ニャース「いまさら、何を言ってるにゃ」


シジマ「オコリザル、いわなだれだ!」

ニャース「早速来たにゃ!」

唯「いわなだれ?」

ニャース「いわなだれはいわタイプの技にゃ。ひこうタイプのネイティにはこうかばつぐんにゃ」

唯「それは大変だ!」


オコリザル「ザル!」

オコリザルは岩を持って、ネイティに投げつけてきます。

ネイティ「ティー!」

ネイティはピョコピョコと動いて避けます。

唯「ネイ太、サイコキネシス!」

ネイティ「ティー!」

ネイ太のサイコキネシスがオコリザルに迫ります。

オコリザル「ザル!」

オコリザルは横に素早く、よけます。

ニャース「速いにゃ!?」

唯「相手にとって不足なしだよ!ネイ太、フェザーダンス!!」

ネイティ「ティー!」

ネイ太は羽毛を振りまいて、踊り始めます。

オコリザル「ザル!」

オコリザルの周りに羽毛が飛んできて、動きづらそうにします。

ニャース「今にゃ!」

唯「ネイ太、サイコキネシスだ!!」

ネイティ「ティー!」

オコリザル「ザルーーー!」

ネイ太のサイコキネシスが直撃し、オコリザルは気絶しました。

審判「オコリザル、戦闘不能。ネイティの勝利です」
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:37:36.36 ID:DHnjYLD30
唯「よし!ネイ太、下がって。ご苦労様。ナデナデ」

ネイティ「ティ〜」

アズサ「……」


妄想

アズサ「えいっ!」

敵「やられたー」

唯「わ〜、アズニャン、すごいね!ナデナデ」

アズサ「にゃっ。や、やめてください〜。ニコニコ」

妄想終了


アズサ「……にゃふ」

むったん「妄想豊かだね」

唯「ん?ネイ太の様子が変だよ」

ネイ太の体が光り輝きます。

ニャース「これは……進化にゃ」

唯「本当!?」

光が治まり、ネイ太はちょっと、大きくなっています。

ニャース「ネイティがネイティオに進化したにゃ」

唯「やったね!皆、胴上げだ!」

全員(ニャース・ヘラクロス除く)「ワッショイ・ワッショイ」

ニャース「恥ずかしいからやめるにゃ」


唯「さあ、アズニャンの出番だよ!」

アズサ「任せて下さい!やってやるです!!」

シジマ「次は……来い、ニョロボン!!」
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:40:25.08 ID:DHnjYLD30
ニャース「ニョロボンはタイプはみずとかくとうにゃ」

唯「なるほど。アズニャンの技だと……むったん・イナズマスラッシュが有効だね」

ニャース「アズサの技はよく覚えてるにゃ」

唯「そりゃ、アズニャンのことだからね。将来はアズニャン博士にもなるよ!!フンス」

ニャース「……頑張ってくれにゃ」


シジマ「ニョロボン、ハイドロポンプ!」

ニョロボンの手から濁流のような水を勢いよく発射してきます。

アズサ「にゃっ!」

アズニャンはその攻撃をギターで防御します。

シジマ「いいぞ、ニョロボン。やつに接近させるな!」

ニャース「相手はおいら達の事を知ってるのかにゃ?接近させるなってことはおいら達のことを分かってないと言えないにゃ」

唯「たしかにそうだね」

シジマ「お前らはジムリーダーの間で意外に有名だぞ。しゃべるポケモンを2匹も仲間にいたら、当然だけどな」

ニャース「たしかににゃ」

唯「まあ、そんなの関係ないよ。アズニャン!」

アズサ「にゃっ!」

アズニャンはすばしっこく動いて、ハイドロポンプをかわします。

シジマ「やるな!だが……ニョロボン、こころのめだ!」

ニョロボンはアズニャンをじっと見つめます。

ニャース「まずいにゃ。こころのめは相手に確実に技を命中させるための技にゃ」

シジマ「ニョロボン、ばくれつパンチ!!」

素早く動く、アズニャンをニョロボンは的確に捕らえ、パンチを仕掛けてきます。

アズサ「にゃっ!?」

アズニャンも咄嗟にギターでガードします。しかし……

アズサ「にゃああああああああ」

アズニャンの小さな体はニョロボンの力を防御しきれず、壁まで激突します。

唯「アズニャン!!」

シジマ「これで勝ちかな?」

唯「……まだ、終わってないよ。アズニャンはここから大逆転するんだから!」

シジマ(……いい目をしているな。迷いがまったくない)

ニャース(前回のマツバ戦とは大違いにゃ)

アズサ「唯先輩の言うとおりです!」

アズニャンがピョコピョコと走ってきます。

アズサ「行きますよ!」

シジマ「何度でも来い!粉砕してやるぞ!」
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:42:19.56 ID:DHnjYLD30
ニョロボンは再び、こころのめでアズニャンを捕らえます。

むったん「どうするの?直撃を避けても、君の力じゃ完璧に防御できないよ」

アズサ「分かってますよ……そうだ!歌って、眠らせましょう!!!」

むったん「それは選択肢にもないよ!?」

アズサ「任せて下さい。気合を入れて歌いますから!」

むったん「入れなくていいよ!!」

アズサ「行きますよ。ホゲーーーーーーーーーーーー!!!」

全員「ぎゃあああああああああああああああああ」

アズニャンの美声(?)でニョロボンやシジマさん、ジム員、ついでに私のポケモン達も目を回します。……だんだん、ひどくなっていく気がするね。私は慣れたけど。むしろ、癖になってきたよ。

アズサ「さてと。今がチャンスです!」

むったん「そ、そうだね……。新しい必殺……技だよ……」

アズニャンは神経を集中させて、ギターを構えます。

アズサ「……いきますよ!アズサ殺法52の技の1つ『むったん風林火山・疾きこと風の如く』!!」

シジマ「ニョロ……ボン……反撃……じゃ」

ニョロボン「ニョ…ロ」

アズニャンはニョロボンが構えを取る前につむじ風のように素早く、ニョロボンを切り裂き、ニョロボンは気絶しました。

審判「ニョロボン、……戦闘……不能。アズ……サの勝利……です。シジマのポケモン……は全……滅。唯選手の……勝利です……バタッ」

審判はそう言い残して気絶しました。まあ、何はともあれ。

唯「私達の勝ちだよ!うん♪たん♪楽しい決闘(デュエル)だったよ!」

シジマ「そ、そうか……それはよかった。……これを渡すから……今日は出ていってもらえんか」

なんだか、嫌な客でも追い出すかのようだけど、同情の余地はあるから黙っておこう。

唯「ありがとう」

私はショックバッジを受け取ります。

唯「また、バトルをしようね」

シジマ「いや……なるべくなら……」

どうもアズニャンの歌はものすごくトラウマになってるらしい。

唯「とにかく、ありがとうございました!」

私達はスタコラサッサとタンバジムを後にしました。
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:44:00.25 ID:DHnjYLD30
苦酢理「まいどありー!」

ジムから戻ると薬はできていて、苦酢理さんからひでんのくすりを受け取りました。

唯「さてと。後はこれで戻れば、おしまいだね」

ニャース「そうだにゃ。まあ、夜の便に乗れば、明日の朝には着くにゃ」

アズサ「夜の船なんて素敵ですね」

唯「ロマンチックなこと言うね、アズニャン。でも、私もあずにゃんと……むふふ」

ニャース「へんな妄想してないで行くにゃ」

唯「そうだね」

まあ、いずれは妄想じゃなくなるんだけどね。


船員「チケット代は15000円になります」

唯「……はい?」

なんか、行きよりも高くなってない?

船員「深夜は割増料金です」

唯「そんな〜」

さっきの薬代も立て替えたし、ちょっと手持ちが……。

唯「まけてくれませんか〜」

船員「ぴた一文無理です」

きっぱりと言い切られちゃった。

ニャース「どうするにゃ。船がないと戻れにゃいにゃ」

船員「朝なら、10000円です」

唯「やっぱり、足りない」

船員「頑張って下さい」

唯「あなたには血も涙もないの!!」

船員「そんなに言われても、仕事ですので」

唯「うう……どうしよう」

???「あれは……唯ちゃんじゃない」
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:45:44.29 ID:DHnjYLD30
唯「ん?あ、ムギちゃん」

私達が頭を抱えていると、ムギちゃんがいました。

唯「やっほー」

紬「やっほー」

唯「どうしたの、こんなところで?」

紬「ちょっと、おじい様の関係でここの漁師にね。……ここの魚は美味しいから」

唯「グルメだね」

紬「唯ちゃんはどうしたの?」

唯「実はね、かくかくしかじかなんだ」

紬「それは大変ね」

唯「お願いだよ、船員さん。もう少し、まけてよ」

船員「そうは言っても……」

紬「……」

船員「これも決まりだか……ひい!」

唯「ん?どうしたの?」

船員(あの少女の……眉毛は……ま、まさか!?)

唯「どうしたんだろうね、この人」

紬「さあ?もしかしたら、目の前の少女がどこかの会長のお孫さんだって気づいたりしてね」

唯「?どういうこと?」

紬「唯ちゃんは知らなくてもいいのよ」

唯「???」

紬「ところで船員さん」

船員「は、はい!何でしょう!」

紬「例えば、この船の会社の会長さんのお孫さんの友達が困っててそれを見捨てたら……その会長さんのお孫さんはいい顔をするでしょうか?」

船員「お客様!お代は結構ですので、すぐにお乗り下さい!」

唯「何だか、よく分からないけどやったー!!」

ニャース「何だかよく分からないけど、怖いにゃ。ガクガクブルブル」

アズサ「わ、私もです。ガクガクブルブル」

船員「トホホ……」

紬「あなたのお名前を教えてくれないかしら?」

船員「ど、どうしてでしょうか!」

紬「私の友達がとてもよくしてもらったから。その旨をおじい様に……」

船員「私の名前は●×△■です!!」

紬「ありがとう。覚えておくわ」
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:47:08.02 ID:DHnjYLD30
紬「ふーん、そんなことがあったの……」

私はムギちゃんに簡単にミカンちゃんとのことを説明しました。

唯「そういえばさ。ムギちゃんはカントー地方も旅したんだよね。その時の話も聞きたいな」

紬「そうね。それもいいわね」

アズサ「Zzzzzz」

ニャース「Zzzzzz」

紬「あの2人(?)にも聞かせてあげたかったけど……」

唯「皆には苦労をかけてるからねー。まあ、あの2人には後で話して上げてよ」

紬「そうね。まずはマサラでゆいちゃんと会ったときから……」

そんな話しをしながら、夜は更けていきました。

おまけ

むったん風林火山・疾きこと風の如く ひこう 威力 50/命中100

つむじ風のように素早く相手を切り裂く。この技は絶対に先制を取れる。
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:49:42.97 ID:DHnjYLD30
第14話 『ペロリスト襲来!?ミカンちゃんを救え!!〜ペロペロするのはいけません!!!〜』

アサギシティ・港

アズサ「いい朝ですね!!」

紬「元気ね、アズサちゃんは」

唯「ぐー」

紬「トレーナーの唯ちゃんはまだ寝てるわね」

アズサ「唯先輩、しっかりして下さい!!」

唯「うーん……あずにゃんも一緒にぐー」

アズサ「にゃっ!だ、抱きつかないでください!ニコニコ」

紬「嬉しそうね」

ニャース「いつもの光景にゃ」

紬「そういえば、ニャースさんはしゃべれるのね」

ニャース「いまさらにゃ」

紬「アズサちゃんとかを見てると違和感がなくて……ごめんなさい」

ニャース「別に気にしてないにゃ」


唯「気を取り直して、ミカンちゃんのところに行こう!」

紬「私もついていっていいかしら?(唯ちゃん達の実力も見たいし)」

唯「大歓迎だよ!たくさんの人と一緒だと楽しいもんね!」

紬「そうね……(心が痛いわ)」

唯「あ、大変な問題があるよ、ムギちゃん」

紬「どうしたの?」

唯「私達にはツッコミ役がいないよ!!」

ニャース「果てしなく、どうでもいいにゃ……」

紬「それは大変だわ!」

唯「でしょ?」

紬「最低でもりっちゃんがいないと……」

唯「仕方がない。私がツッコミ役をやるよ!!」

紬「ボケ専門の唯ちゃんが!?」

アズサ「出来るんですか?」

唯「任せてよ!えーと……なんでやねん!」

紬「ボケてもないし、ツッコミもべた過ぎるわ!?」

唯「やっぱり、私にはツッコミは無理だったか」

紬「諦めるの早いわ!」

唯「うーん……でも、筋はよかったよね」

紬「どの辺が!?」

唯「まあ、ツッコミもおいおい練習していけばいいか。才能はあるし」

紬「自画自賛して、勝手にまとめたわ!?」

ニャース「もう、行こうにゃ」

唯・紬「「そうだね(そうね)」」
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:51:44.71 ID:DHnjYLD30
アサギシティ

ジム員「大変ですー!」

私達がアサギのとうだいに向かっていると、ジム員さんが私達に走りよって来ました。

ジム員「大変です!」

唯「どうしたの?」

ジム員「実は……アサギのとうだいで……ミカンさんが……うう……」

唯「落ち着いて!何があったの?」

ジム員「ミカンさんが……ペロリストに……捕まって」

唯「そ、それは!?」

紬「た、大変だわ!」

ペロリストに捕まってしまったら……体中がペロペロされて……この先は想像もしたくない。

唯「早速、助けに……アズニャンは?」

ニャース「さっきまで唯の頭にいたにゃ」

唯「あれー?……ん?」

アズサ「ガクガクブルブル」

アズニャンは隅に隠れてブルブルと震えています。可愛いな〜。

唯「ほんわかと見てる場合じゃないね。どうしたの、アズニャン」

アズサ「ペロリストは怖いです。ガクガクブルブル」

唯「ふむ。ペロリストはたしかにアズニャンにとっては天敵だね。じゃあ、アズニャンはお留守番してる?」

アズサ「……うう、大丈夫です。私も行きます」

唯「本当?無理しなくていいよ」

アズサ「だ、大丈夫です。ペロリストの1人や2人、私の敵ではないです」

ジム員「ちなみに10人くらいでアサギのとうだいの最上階を占拠してるんです」

アズサ「クラ〜」

唯「アズニャン!」

紬「とにかく、行ってみましょう」
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:53:56.83 ID:DHnjYLD30
アサギのとうだい・最上階

ペロリスト1「なんだ、貴様らは」

眼鏡をかけていて太った人が最上階で見張りとして立っていました。見るからにペロリストだ。

唯「ミカンさんを返してください!!」

ペロリスト1「今、皆、ペロペロするのに忙しいから無理だな」

唯「む〜、ペロペロするのはいけないんだよ!!」

ペロリスト1「ふん。お前にペロペロを非難する権利があるのか?」

唯「どういうこと?」

ペロリスト1「お前からも感じるぞ。ペロリストの気配をな!!」

唯「なっ……」

紬「たしかに唯ちゃんはペロリストよね」

ニャース「否定せずに肯定したにゃ!?」

唯「くっ……でも、私は不特定多数にはやらないし、迷惑もかけてないよ!!」

ニャース「本人すら否定しないにゃ!?」

唯「冗談はこれくらいにして、私はペロリストじゃないよ!」

ペロリスト1「まあ、何でも……ん?お前が抱いているのは……アズニャン!?」

アズサ「にゃっ!?」

ペロリスト1「よし!アズニャンを私達に渡すなら、ミカンちゃんを返してやろう」

唯「ふざけたこと言わないでよ!アズニャン(あずにゃんも含む)をペロペロできるのは私だけなんだよ!!!フンス」

ペロリスト1「やっと、本性を現したな、ペロリストめ」

唯「しまった!?」

紬「もう、らちが明かないから、バトルで決着をつけましょう」

ペロリスト1「望むところだ!」

1分後

ペロリスト1「ふ、2人がかりは卑怯だぞ……ガクッ」

唯「口ほどにもないね」

紬「早く、行きましょう」

唯「そうだね」

私はバーンと扉を開けます。

唯「たのもー、たのもー」

ミカン「あ、唯さんに……紬さーん。助けて下さーい」


ペロリスト2「貴様らは!?」

ペロリスト3「見張りはどうした!?」

唯「私達が倒したよ!」

ペロリスト4「そんな小娘に……」

ペロリスト5「全員でかかれ!!」

ペロリスト9人が私達に向かって、襲い掛かってきました。
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:57:09.33 ID:DHnjYLD30
10分後

ペロリスト6「ば、馬鹿な……ガクッ」

唯「口ほどにもないね」

紬「全員、ベロリンガ系しかつかわないのも助かったわね」

ペロリスト7「それがペロリストの掟……」

唯「まったく……ペロペロするのも迷惑がかからないようにしないといけないよ」

ペロリスト8「くっ……」

唯「ほら、皆。もう、お行き」

ペロリスト9「俺達を逃がすのか」

唯「これが最後だよ。次に会った時……また、ペロペロして他人に迷惑をかけるなら……その時は同じペロリストとして容赦しないよ。ペロリストたるもの紳士でいなきゃ」

紬「自分をペロリストとして認めたわ」

ニャース「しかも、誇らしげにゃ」

ペロリスト10「あ、あんたはペロリストの……誇りだ」

唯「私はそんな大層な者じゃないよ。私はただの……いちペロリスト(あずにゃん限定)ですから。フッ」

ペロリスト全員「すまねえ、すまねえ」

ペロリスト達は泣きながら、去っていきました。

ミカン「ありがとうございます。なんとお礼を言えばいいか……」

唯「まあ、彼らも悪気があったわけじゃないよ。ただ……自分の欲に逆らえなかっただけだよ」

アズサ「何かを悟ったかのような感じですね」

唯「おっと。ほい、くすり」

ミカン「ありがとうございます」

紬「お久しぶりです。ミカンさん」

ミカン「あ、紬さん。お久しぶりです。さっきはありがとうございました」

紬「私は何もしてないわ。全ては唯ちゃんのおかげよ」

唯「えへへ」

ニャース「激しく、褒められてるかは微妙にゃ」

ミカン「それでは……そうね。午後にもう一回ジムに来てくれるかしら。準備もあるし」

唯「分かったー」
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 06:58:34.73 ID:DHnjYLD30
アサギジム

唯「たのもー、たのもー」

私はドアをバンッと開けます。

ミカン「お待ちしてました」

唯「さあ、早速バトルだね!」

ニャース「いつもとは違って、やる気にゃ」

唯「ムギちゃんも見てるしね」

紬「頑張ってね、唯ちゃん」

ミカン「戦う前に…はがねタイプってご存知ですか?」

唯「えーと……詳しくはないかな」

ミカン「とっても かたくて つめたくて、するどくてつ、つよいんですよ?ほんと なんですよ?」

唯「は、はあ……」

ミカン「まあ、恒例の儀式もやりましたし、早速、バトルをしましょう」

唯「儀式!?」

ミカン「手持ちポケモンは2匹です。全滅させた方が勝ちということで」

唯「分かりました!」


唯「さあて、今回のメンバーはだ・れ・に・し・よ・う・か・な」

ニャース「最初に決めておくにゃ」

紬「今から、何をするの?」

アズサ「メンバー決めです」

紬「ふむ。皆で会議をして決めるのね」

アズサ「そうです」

紬「なかなか、面白いわね」

アズサ「そうなんですか?」

紬「普通はこんなことしないもの」

アズサ「にゃるほど」

紬「でも、アズサちゃんは絶対に選ばれてるわよね?」

アズサ「どうして、分かるんですか?」

紬「だって、唯ちゃんはアズサちゃんを1番信頼しているもの」

アズサ「そうですか!パアア」

紬「嬉しそうね」

アズサ「そんなことありませんよ。ニコニコ」

紬(ものすごく嬉しそうね)
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:00:05.16 ID:DHnjYLD30
唯「はがねタイプに強いのは……かくとうタイプとほのおタイプ、それにじめんタイプか……」

ニャース「正解にゃ」

唯「……」

ニャース「どうしたんにゃ?」

唯「褒めてくれないの?」

ニャース「トレーナーとして、当たり前のことにゃ」

唯「わーん、私は褒められて伸びる子なのに」

ニャース「初耳にゃ」

唯「私も初めて言ったし」

ニャース「……早く決めるにゃ」

唯「よし。じゃあ、リオ太!!」

リオル「リオ、リオ!」

唯「もう1匹はもちろんアズニャン!」

アズサ「はいです。ニコニコ」

唯「あれ?ご機嫌だね」

アズサ「そうですか?ニコニコ」

唯(な、なんか、怖い……)


審判「それでは準備はよろしいでしょうか」

唯「いつでもかかってきなさい」

ミカン「よ、よろしくお願いします」

審判「それでは……」

唯・ミカン・審判「「「決闘(デュエル)!!!」」」
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:03:56.39 ID:DHnjYLD30
ミカン「いきますよ、コイル!」

唯「いくよ、リオ太!」

ニャース「相手はコイルにゃ。タイプはでんきとはがねにゃ。ちなみにコイルは発見された当初はタイプはでんきだけとされていたにゃ」

唯「なるほど。でんきか」

ミカン「コイル、でんじは!」

コイルは微弱な電気を発射してきます。

唯「危ない、リオ太!」

リオル「リオ!」

リオ太は華麗なステップでその攻撃をかわします。

リオル「リオー」

リオ太はでんこうせっかをコイルに命中させます。

唯「やった、リオ太!」

ニャース「しかし、こうかはいまひとつにゃ」

ミカン「コイル、十万ボルト!」

強力な電撃がリオ太を襲います。

リオル「リオーーーーー!!!」

唯「リオ太!」

紬(センスはいいんだけどな、唯ちゃんは。惜しいトレーナーね)

リオル「……リオ」

リオ太は何とか、立ち上がります。

ヘラクロス「ヘラ」

唯「ん?どうしたの、ヘラ太」

ニャース「あの程度かと笑ってるにゃ」

唯「むー、仲間が頑張ってるのに笑うなんて失礼だよ、ヘラ太!めっ!!」

ヘラクロス「ヘラ」

ニャース「おれなら、もう勝ってると言ってるにゃ」

アズサ「調子に乗らないで下さい!おしお……」

唯「ナデナデ」

アズサ「にゃふ」

唯「そんなことより、リオ太だね」

ニャース「ヘラクロスはいいのかにゃ?」

唯「ヘラ太のあの目は……リオ太の勝利を信じてる目だよ」

紬(このポケモンへの信頼感……ある意味、要注意ね)

唯「リオ太、はどうだん!!」

リオ太は波動の力をコイルに向かって発射します。

コイル「コイル!」

リオ太の攻撃を受けて、軽くコイルは怯みます。

唯「トドメだよ!でんこうせっか!」

リオル「リオ!」

リオ太の攻撃は体制を整える前のコイルに命中し、気絶しました。

審判「コイル、戦闘不能。リオルの勝利です」
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:05:18.18 ID:DHnjYLD30
唯「リオ太の勝利だ!戻って、リオ太!」

アズサ「やったです!」

ヘラクロス「……フッ」

ニャース「見るにゃ。リオ太の体が……」

リオ太の体が光り輝き、そして……

ルカリオ「ルカリー!」

ニャース「ルカリオに進化したにゃ!」

唯「やったね!それ、皆!」

全員(ニャース、ヘラクロス除く)「わっしょい、わっしょい!」

ニャース「ちなみにタイプはかくとうとはがねにゃ」

唯「なるほど。名前も変わったし……でも、リオ太でいいかな。初めの名前は重要だもんね」

ウパー「ウパー……」

唯「どうしたの、ウー太」

ニャース「自分が進化しないことに思い悩んでいるにゃ」

唯「……ウー太。焦ることないよ。じっくり行こう!」

アズサ「唯先輩の言うとおりです。それに進化しようとしまいとウパーは私達の仲間です」

唯「今、アズニャンがいいこと言ったね。まさにそのとおりだよ」

ウパー「ウパー……ウパ!」

唯「元気になったみたい。よかった、よかった」


審判「それでは、次のバトルです」

唯「アズニャンの出番だよ!」

アズサ「やってやるです!」

ミカン「来て下さい、ハガネール!!」
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:08:01.15 ID:DHnjYLD30
ニャース「ハガネールはタイプははがねとじめんにゃ」

唯「うう、アズニャンの何十倍もでかい……」

アズサ「大丈夫です。やってやるです!」

アズニャンはハガネールにギターを持って突撃していきます。

むったん「策はあるの?」

アズサ「一撃で粉砕です!!」

むったん「まったく、考えがなかったよ」

アズニャンはジャンプし、ハガネールの頭に向かいます。

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・からたけわり』!!!」

ガーン!!!

アズニャンの一撃がハガネールの頭に直撃します。

唯「たしか、あの技はかくとうタイプの技、こうかはばつぐんだよ!!」

ハガネール「……」

ミカン「たしかにそうですね。……でも」

ハガネール「ネール!!」

ミカン「私のハガネールはその程度では勝てませんよ!!ハガネール、ジャイロボール!」

ハガネールは体を回転させて、まだハガネールの頭にいたアズニャンに体当たりを仕掛けます。

アズサ「にゃああああああああ」

アズニャンはさらに上空に跳ね飛ばされ、地面に落下します。

唯「アズニャン!!」

紬(うーん、出足はよかったんだけど……これでおしまいかしら)

アズサ「痛いです〜」

アズニャンは頭を抱えて、立ち上がります。

唯「よかった〜、アズニャン」

紬(意外に打たれ強いわね)

むったん「大丈夫かい?」

アズサ「大丈夫です」

むったん「しかし、でかいだけのことはあるね」

アズサ「相手にとって不足なしです」

むったん「意気込みだけはいいね」

アズサ「引っかかる言い方ですが……もう一度、いきます!」

アズニャンはハガネールに向かって、突撃していきます。

むったん「さあ、いくよ!」

ギターは炎に包まれます。
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:09:23.92 ID:DHnjYLD30
アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん風林火山・侵略すること火の如く』!!!」

アズニャンはハガネールを炎を纏ったギターで何度も何度も斬りつけます。

アズサ「にゃああああああああああ」

ハガネール「ネーーーール!!」

その怒涛の攻撃でハガネールの顔は苦痛に歪みます。

アズサ「トドメです!グランドスマッシュ!!」

アズニャンはハガネールの頭に叩き込みます。

ハガネール「……」

ピキピキ、ガシャーン。

ハガネールの頭はひび割れ、気絶しました。

審判「ハガネール、戦闘不能。アズサの勝利です。ミカンのポケモンは全滅。よって、唯選手の勝利です」

唯「やったね♪」

紬(……強い。予想以上ね。まさか、これほどとは……)

アズサ「やりましたっ!!」

唯「アズニャン、頑張ってたね。ナデナデ」

ニャース(しかし、出会った頃はへっぽこだったのに、ここまでの力を……にゃ)

ヘラクロス(俺と戦った時よりも強くなってやがる……。……上等だ。今に見てろよ)

ミカン「まいりましたね。それではスチールバッチを受け取り下さい」

唯「わーい」

ミカン「それから、これをあげます」

唯「何これ?」

ミカン「何でも、未来が見えるペンダントだとか。もっとも、眉唾物だから、お守りにでもしてください」

唯「そうするね。ありがとう」

ミカン「それでは再戦することを願って。また会いましょうね」

唯「うんっ!!」
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:10:51.59 ID:DHnjYLD30
次の日

唯「それじゃあね、ムギちゃん」

紬「ええ」

ムギちゃんはもう少し、この町に用があるそうで私が先に次の町、チョウジタウンに向かいます。

紬「次に会う時は全力で戦いましょうね」

唯「うん!また、会おうね〜」


唯「やっぱり、1人減ると寂しくなるね」

アズサ「そうですねー」

私達はチョウジタウンへと一歩を踏み出しました。

???「ちょっと、待て!!」

唯「あ、あなた達は……昨日のペロリスト!?復讐しに来たの!?」

アズサ「ひいい。ガクガクブルブル」

ペロリスト10「ちげーよ。俺らは……あんたにお詫びがしたかったんだ」

ペロリスト1「あんたは欲にまみれてミカンちゃんをペロペロし、あまつさえ、アズニャンをペロペロしようとした俺達を許してくれた」

ペロリスト2「あんたのペロリストたるもの紳士でいると言う言葉が忘れられねえ」

唯「は、はあ……」

どうしよう。このテンションについていけない。

ペロリスト3「そんな俺達からの贈り物だ。受け取ってくれ」

贈り物と聞いて、これほど、受け取るのを拒みたいと思うのも珍しいかもしれないな。いくら私でもね。もしかすると、縦笛とかを渡されたらどうしよう。そりゃ、あずにゃんのならもらうけど。

ヨーギラス「ギラ!」

唯「おおっ!」

これは予想外だよ!

ペロリスト4「こいつはヨーギラス。ちょっとした知り合いからもらったもんだ。こいつをあんたに渡すぜ!!」

唯「もらっちゃっていいの?よし、名前はギラ太だ!」

ヨーギラス「ギラ!ギラ!」

ペロリスト5「それから、あんたのことは……キング・オブ・ペロリストと呼ばせてもらうぜ」

唯「そっちはいいよ」

ペロリスト6「謙遜しなくていいぜ。あんたはそれだけの人物だ!」

唯「別に謙遜しているつもりもないんだけど……ま、いっか」

こうして、新しい仲間も加わり、私も見事(?)キング・オブ・ペロリストになって、チョウジタウンに向かいました。人にいいことをすると自分にもいいことが返ってくるんだね。また、1つ勉強になったよ。

おまけ

むったん風林火山・侵略すること火の如く ほのお 威力 ???/命中100

5ターンの間、炎を纏ったむったんで敵を斬りつける。命中させて、ターンを重ねる度に威力はあがる。(外れたりするとリセット)
1・70 2・80 3・90 4・120 5・150 
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:12:35.61 ID:DHnjYLD30
第15話 『氷のジム・VSヤナギ〜寒いのはいやー!!!〜』

アサギジムに唯が挑戦してる頃・チョウジタウンのある場所

曽我部「準備は整っているわ」

曽我部は社長が座るような椅子に座っているサカキに話しかける。

サカキ「……」

曽我部「返事くらいはしてほしいものね」

サカキ「……いつまで、私を監禁しているんだ」

曽我部「もうすぐ終わるわ」

サカキ「その時は私も終わりか」

???「……無駄口はいい」

サカキと曽我部しかいないはずの部屋にマントを羽織った男が入ってきた。

???「例の電波の準備は?」

曽我部「手はずどおりよ」

サカキ「……お前達は何をする気だ」

曽我部「そうね。本当は答える義務もないんだけど……特別に答えてあげるわ。この電波でポケモンを暴走させるの」

サカキ「そんなことは分かってる。どうして、そんなことをするんだ」

曽我部「人間を滅ぼすためよ。ポケモンを暴走させて、人間を襲わせるのよ」

サカキ「そんなことで人間が滅びるとは思えんがな」

???「クックック。たしかにそのとおりだな。だが、これはひとつの手段として有効なのさ。切り札は別にある」

サカキ「それは?」

???「それ以上は答える義務はないな。だが、お前にはいろいろ協力してもらったんだからな。特別にご褒美をやる」

サカキ「ご褒美だと……!?」

曽我部「あなたにこの町に来るであろう、中野梓と戦う権利をあげる。前は中途半端だったでしょ?」

サカキ「……なるほど」

???「もっとも、拒否権はないが」

サカキ「……分かった。いいだろう。だが、せめてお前の名前くらい聞かせてくれもいいだろう」

???「そういえば、名乗ってなかったな。俺の名前は……」

その男は一息入れてから言った。

???「ワタルだ」
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:32:28.67 ID:DHnjYLD30
アサギジムに唯が挑戦してから、1週間後・チョウジタウン

梓「ここのいかりまんじゅうはおいしいですね。モグモグ」

ゆい「だねー」

澪「ずずー。お茶もうまいな」

私達はチョウジタウンに来て、たまたま澪先輩に会い、この町の名物であるいかりまんじゅうを食べています。

澪「それでだ、梓」

梓「何ですか?」

まあ、聞かれるだろうことは分かってますけど。

澪「梓はアイスバッチをゲットしたんだろ?」

梓「ええ」

澪「じゃあ、何でここにいるんだ?」

梓「おまんじゅうが食べたいからです」

澪「……」

梓「……最近のいかりのみずうみでの出来事を知っていますか?」

澪「ああ。ポケモンが突然に凶暴になるって話だろ。知ってるよ」

梓「そのうわさを確かめに行くんです」

澪「はあ……。まだ、そんなことをしてたのか。危ないからやめろって言ってるのに……」

梓「すいません」

澪「……やめる気はないんだろ?」

梓「はい」

澪「……仕方がない。私も行くよ」

梓「えっ!?いいんですか!?」

澪「梓だけ、危険な目にあわせるわけにはいかないしな」

梓「ありがとうございます。実は心細かったんですよ」

ゆい「私がいるじゃん」

梓「……ぷっ」

ゆい「あ〜、なにその笑い。ひどいよ、あずにゃん。ぷんぷんだよ!」

梓「冗談ですよ。ゆい先輩はゆい先輩で頼りにしてますよ」

ゆい「えへへ」

澪「……梓達は変わらないな」

梓「そうですか?」

澪「ああ」
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:33:34.50 ID:DHnjYLD30
ゆい「ひどいな〜、澪ちゃんは」

梓「?どうしてですか?」

ゆい「あずにゃんの体が変わらないってことでしょ?」

梓「……」

ゆい「冗談だから、機嫌直してよ、あずにゃん」

澪「……やっぱり、変わらないな」

ガラガラ。

店員「いらっしゃいませー。何名様でしょうか?」

???「1人と6匹ー」

店員「すいませんがポケモンはしまってください」

ポケモンを放し飼いで飼って、あまつさえ、店に連れ込もうとするなんて。最近の人はマナーがなってませんね。

???「仕方がないね。せめて、アズニャンとニャー太だけでも……」

店員「まあ、そのくらいなら」

澪「……なあ、今の客ってもしかして……」

梓「……たぶん、そうでしょう」

???「それじゃ、席に……あっ!?あずにゃんと澪ちゃんだ!」

澪「や、やっぱり……」

梓「唯先輩!」

私達の視線の先にはヒワダタウン以来の唯先輩達の姿がありました。
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:35:07.59 ID:DHnjYLD30
チョウジタウン・梓達と会うちょっと前

唯「やっと、着いたよ」

ニャース「ここまで長かったにゃ」

唯「まさか、エンジュシティまで戻るなんてね」

ニャース「でも、トレーニングもしながら行ったから、皆の実力もアップしてるにゃ」

ヌオー「ヌー!」

唯「ウー太も進化したしね」

アズサ「にゃう。皆進化してるんですから、私も進化して大きくなりたいです」

唯「アズニャンは可愛いから、このままでいいんだよ〜。ギュウ〜」

アズサ「にゃう!」

唯「さてと。まず、この町に来たら、やってみたいことがあったんだ」

ニャース「それは何にゃ?」

唯「ここの名物、いかりまんじゅうを食べること!」

ニャース「……たしかにここの名物にゃ」
唯「それじゃ、早速、食べに行こう」

うん♪たん♪うん♪たん♪

唯「ここで食べよう」

ニャース「どうして、この店にゃ」

唯「ここから、あずにゃんの匂いがするからだよ」

ニャース「……匂い?」

唯「一流のアズリストはこの程度のことは朝飯前……冗談から、露骨に嫌な顔をするのをやめてよ」

ニャース「……で、本当の理由はにゃ?」

唯「乙女の勘だよ」
ニャース「……ふっ」
唯「鼻で笑われた!?」

アズサ「おまんじゅうですか。アズニャン・アイランドにはないものです。早く食べてみたいです」

唯「よしよし。たくさん食べさせてあげるからね」

ガラガラ。

店員「いらっしゃいませー。何名様でしょうか?」

???「1人と6匹ー」

店員「すいませんがポケモンはしまってください」

まあ、当然に言われるよね。一応、ダメ元で行ってみたんだけど……まあ、後でお土産にしてもらって皆にも上げよう。

唯「仕方がないね。せめて、アズニャンとニャー太だけでも……」

店員「まあ、そのくらいなら」

ふう〜、良かった。

???「……なあ、今の客ってもしかして……」

???「……たぶん、そうでしょう」

唯「それじゃ、席に……あっ!?あずにゃんと澪ちゃんだ!」

澪「や、やっぱり……」

梓「唯先輩!」

私の視線の先にはあずにゃんと澪ちゃんの姿がありました。
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:36:26.78 ID:DHnjYLD30
唯「いや〜、お久しぶりだね、2人とも。といっても、あずにゃんとはヒワダタウンで会ってるけど」

梓「……」

澪「私とはワカバタウン以来だな」

唯「そうだね。元気だった?」

澪「まあ、それなりにな」

梓「……」

唯「あずにゃん、どうしたの?さっきから、黙ってるけど」

梓「……どうして、私に抱きついてるんですか?」

唯「あずにゃん分の補給中だよ!フンス」

梓「は、はあ……」

ゆい「うんうん。あずにゃん分の補給は重要だよね。ギュウ〜」

アズサ「にゃっ」

あずにゃんの膝の上でゆいちゃんがアズニャンに抱きついています。仲良きことはよきことかなだね!

唯「ところでお2人でこんなところで何を……はっ!?まさか、デ、デート!?あずにゃん、私を捨てないで!!ぎゅう〜」

梓「にゃっ。勝手に変な勘違いをしないで下さい!」

澪「……」

唯「ん?どうしたの、澪ちゃん。……うるさいのは駄目だった?」

澪「そ、そんなことないよ。た、ただ、考え事をしてただけだ」

唯「そっか。なら、よかった」

澪「……」
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:37:06.39 ID:DHnjYLD30
澪・回想

マツバ「君は……もしかしたら、ジョウトにこなかった方がよかったと考えるかもしれない」

澪「……え?」

マツバ「ジョウトに来なければ……あるいは君の想いも叶ったかもしれない。まあ、今となっては意味のない話だが」

澪「……何が言いたいんですか?」

マツバ「君は……いずれ大切な物を賭けて、ある人物と全力で戦う時が来るかもしれない。もっとも、その時の君はまともじゃないかもしれないが」

澪「……それで」

マツバ「ん?」

澪「ある人物とは……誰ですか?」

マツバ「そこまでは……」

澪「そうですか。ありがとうございます」

回想終了
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:38:38.23 ID:DHnjYLD30
澪(まさか、唯と……まさかな)

唯「で、本当の所は何をしてたの?」

梓「おまんじゅうを食べてただけですよ。モグモグ」

唯「おいしいよね〜。パクパク。……じゃなくて!」

梓「だから、ここでおまんじゅうを食べる以上のことをするわけないでしょ」

澪「そうだよ」

唯「む〜、もしかしたら、前みたいに危険なことでもするんだと思ったのに」

梓(す、鋭い)

澪(か、勘がいいな)

唯「それじゃ、暇だよね、これから」

梓「ま、まあ、そうですね……(本当はみずうみに行きたかったんですが)」

唯「この後、私とチョウジジムに挑戦しに行かない?」

澪「私達はもうクリアしたぞ」

唯「うーん……見るだけでも駄目?」

梓「それはかまいませんが……いいんですか?」

唯「大歓迎だよ!!私がどれくらい強くなったか、見てもらいたいし」

ニャース「よく言うにゃ」

澪「わっ!?そのニャースしゃべるのか」

ニャース「そうだにゃ。まあ、アズサ達の前じゃ、珍しいことでもないにゃ」

澪「それでも、十分に珍しいけどな」

唯「私の自慢のマネージャー兼コーチだよ!」

澪「マネージャー兼コーチ?」

梓「戦いが始まれば、分かりますよ」

唯「それじゃ、早速、出発!」
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:40:06.54 ID:DHnjYLD30
うん♪たん♪うん♪たん♪

チョウジジム

唯「たのもー、たのもー」

バンッとドアを開けます。

ジムの中はビュ〜っ吹雪が吹いていて、地面も凍っています。

唯「……」

バタンッとドアを閉めます。

梓「って、どうして、ドアを閉めるんですか!!」

唯「寒いのいやー」

梓「わがまま言わないで下さい」

澪「そうだぞ。だいたい、寒いのが嫌なら、このジムに挑戦できないぞ」

唯「うう。……あ、そうだ!!!」

澪「どうしたんだ?」

唯「いいこと考えたよ!」

梓「いいこと?」

唯「まあ、とりあえず、入ろうか」

私はバンッとドアを開けます。

唯「たのもー、たのもー」

ジム員「どちら様でしょうか」

唯「このジムに挑戦しに来ました!ぎゅう〜」

梓「にゃっ。ど、どうして、急に抱きつくんですか!」

唯「私のホットカイロ〜。心も体もあったまるよ〜」

ゆい「私も〜」

梓「この2人は……姿だけじゃなく、同じ思考で……」

唯「ん?ゆいちゃんも同じことやったの?」

ゆい「えへへ」

唯「それじゃ、一緒に」

ゆい「ギュウ〜」

梓「にゃあああ」

ジム員「……とりあえず、ヤナギのところに案内します」

澪「お願いします」

ニャース「申し訳ないにゃ」

アズサ「……」

ニャース「お前も抱っこしてもらいたいなら、唯に言ってみるにゃ」

アズサ「べ、別にそんなこと思ってませんし!」
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:41:49.05 ID:DHnjYLD30
ヤナギ「おお。澪君に梓君か。それと……」

唯「私は平沢唯です!」

ヤナギ「つまり、君が挑戦者か。それじゃ、早速バトルだ」

唯「わーお。早いね」

澪「まあ、普通だけどな」

ヤナギ「手持ちは1匹じゃ。もちろん、先にK.Oさせたほうが勝ちじゃ」

唯「わーお。さらにルールはシンプルだね」

澪「たしかにな」

ヤナギ「そりゃ、ここは寒いしな。特にお前さんは寒いのは苦手じゃろう?」

唯「よく分かったね」

ヤナギ「本来なら、それも試練じゃが……」

唯「ん?ギュウ〜」

ヤナギ「お前さんの腕の中にいる者のことも考えるとな」

梓「……配慮ありがとうございます」


唯「それじゃ、アズニャン。頑張ろうね!」

アズサ「やってやるです!」

ヤナギ「こっちは……イノムー!!」


澪「ヤナギさんはやっぱりイノムーか」

梓「ですね」

ゆい「私が頑張って倒したんだよ!!フンス」

梓「頑張りましたよね」

ゆい「えへへ」


唯「イノムー?」

ニャース「タイプはこおりとじめんにゃ」

唯「おおっ、なるほどね」

澪「マネージャー兼コーチか……納得だな」

梓「そうでしょ?」
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:43:41.85 ID:DHnjYLD30
アズサ「ゆい先輩も倒したんです。私もこのイノシシさんを倒します!」

むったん「やる気だね。でも……もともと、彼女とはレベルがちが……」

アズサ「ペシペシ」

むったん「無言で叩くのはやめようよ」

ヤナギ「イノムー、こおりのキバ!」

イノムーは冷気をこめたキバでアズニャンで噛み付きに来ます。

アズサ「にゃっ!」

アズニャンは横に飛んでこの攻撃をかわします。

澪「意外にすばしっこいな」

唯「今度はこっちの番だよ!」

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・フレアスラッシュ』!!!」

アズニャンは炎に包まれたギターでイノムーを斬りつけに行きます。

ヤナギ「イノムー、とっしんだ!」

イノムーはその大きな巨体で突撃してきます。

アズサ「にゃあああああああ」

イノムー「イノオオオオオオ」

アズニャンの小さな体とイノムーの大きな体が交錯します……が。

アズサ「にゃああああああああああ」

アズニャンの体はイノムーのとっしんで真上に飛ばされ、落下します。

イノムー「イノオオオオオオオオ」

イノムーもアズニャンの攻撃で体を炎に包み、苦しそうにします。


澪「今の攻防は……」

梓「引き分けですね……」

唯「うう、アズニャン、頑張れ!!」


アズサ「いたた……」

むったん「大丈夫?」

アズサ「何とかね……」

イノムー「ムー!」

むったん「相手さんはやる気だよ」

アズサ「それは望むところです。やってやるです!」

ヤナギ「イノムー、こおりのキバ!」

再び、イノムーはノシノシとアズニャンに向かって、突撃してきます。

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん風林火山・静かなること林の如く』!!!」

アズニャンはそよ風のように優しく、小川の流れのように突撃してくるイノムーと交錯します。

アズサ「……フッ」

イノムー「……ムー」

バタンッとイノムーは倒れました。

審判「イノムー、戦闘不能。アズサの勝利です。よって、唯選手の勝利です」
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:45:26.47 ID:DHnjYLD30
唯「わーい、わーい」

ヨーギラス「ギラー、ギラー」

ヤナギ「ふむ。澪君と梓君の仲間なだけはあるな。ほれ、アイスバッジじゃ」

唯「ありがと。おっと、うん♪たん♪楽しい決闘(デュエル)だったよ!」

ヤナギ「うむ。また、戦いたいものだな」

唯「次も私が勝つよ。……ハックション。うう、寒い〜。カイロ、カイロ。ギュウ〜」

梓「また、抱きつかないで下さい!」


唯「さてと。もう、夕方か〜。あずにゃん達はこの町に泊まるの?」

梓「ええ」

澪「どうするんだ?このままじゃ、明日、唯もついて来るぞ」

ヒソヒソ。

梓「なんとか、ごまかしましょう」

ヒソヒソ。

唯「何、話してるの?」

梓「なんでもないですよ」

澪「ああ。梓の言うとおりだ」

唯「……ゆいちゃん」

ゆい「んー?」

唯「アイスあげる」

ゆい「明日、あずにゃん達はいかりのみずうみに行くんだ」

梓「あ、ゆいせんぱ……」

唯「ふーん。そうなんだ。ゆいちゃん。お礼のアイス」

ゆい「わーい」

唯「さてと。これはどういうことかな、あずにゃん?」

梓「そ、それはですね……」

澪「……もう、誤魔化すのは無理だろ」

梓「澪先輩……」

唯「……やっぱりね」

梓「……気づいていたんですか」

唯「……なんとなくね。うすうすそうじゃないかと思ったんだ」
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:46:58.59 ID:DHnjYLD30
澪「そうか。察しが良くて何よりと言えばいいのかな?」

唯「私だって、それくらい分かるよ。2人は……デートに行くんだね……」

梓「……はい?」

唯「思えば、さっきのもデートだったんだね。ごめんね。グスン。2人のデートを邪魔しちゃって。グスン、ヒッグ」

澪「お、おい、唯。何で急に泣き出すんだ……」

唯「ごめんね。ヒッグ。世間からは。グスン。冷たい目で見られるだろうけど、グスン。私は応援するよ。シクシク」

梓「あの……その……違いますよ」

唯「ヒッグ……え?」

梓「私達は……その、最近、いかりのみずうみでポケモン達が凶暴になって暴れている噂を知ってますか?」

唯「?知らないよ、そんなこと」

澪「私達はそれを確かめに行くんだよ」

唯「……つまり、私の勘違い?」

梓「そういうことですね。もし、唯先輩の言うとおりだったら、一緒にジムに来ませんよ」

唯「つまり、あずにゃんは2人きりの時間を大切にしたいってことだね」


梓「何だかよく分かりませんが、とにかく、唯先輩の考えてることではありません!」

澪「……そんなに力強く、否定しなくてもいいじゃないか」

ボソッ。

梓「?何か言いましたか、澪先輩」

澪「何も言ってないよ」

唯「なるほどね。……よし、分かった!私も一緒に行くよ!!」

ニャース「面倒事はごめんと言ったはずにゃ」

唯「ごめんごめん。でも、どうせ、たいしたことないよ」

澪「だといいがな」

そんなこんなで明日は澪ちゃん達といかりのみずうみにピクニック……とは違うけど、多分、何も起きないだろうから、ピクニックと同じでいいよね、うん。とにかく、ピクニックです。楽しみだな〜。

おまけ

むったん風林火山・静かなること林の如く くさ 威力 70/命中100

この技は絶対に命中する。相手の能力変化の影響を受けない。
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:48:35.52 ID:DHnjYLD30
第16話 『いかりのみずうみと赤いギャラドスと隠された陰謀?〜さよなら、むったん〜』

チョウジタウン・朝

唯「さて!いかりのみずうみに出発だよ!!!」

澪「元気だな、唯は」

唯「ピクニックだもんね。楽しみだよ」

梓「遊びに行くわけじゃありませんよ」

ゆい「そうなの!?」

梓「ゆい先輩は私と一緒にいたから、目的は知ってますよね!?」

唯「まあ、とにかく、出発しよう!」


アズサ「にゃう。私、ゆい先輩のバトルを見てみたいです!前回はあんまり見れなかったので」

ゆい「そうだねー。機会があればね」

アズサ「きっと、ゆい先輩はすごい強いんですよね?なんていっても、カントー地方チャンピオンの村長さんのベストパートナーなんですから!」

ゆい「ベストパートナーなんて〜デレデレ」

澪「あの2人(?)仲がいいな」

唯「私達もだよ〜」

梓「にゃっ。抱きつかないで下さい」

澪「こっちもか……」

梓「と、とにかく、出発しましょう!」
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:49:48.02 ID:DHnjYLD30
うん♪たん♪うん♪たん

いかりのみずうみ

唯「いかりのみずうみに着きました!!」

梓「どうでもいいですけど、本当に皆放し飼いなんですね」

ヌオー「ヌー、ヌー」

ネイティオ「ティオ、ティオ」

ルカリオ「ルカ、ルカ」

ヨーギラス「ギラ、ギラ」

ヘラクロス「ふぁ〜」

唯「ボールの中なんて、可哀想じゃん」

ゆい「たしかに窮屈だもんね」

梓「そうかもしれませんけど……」

唯「町の中なら、ボールに入れてるから大丈夫だよ」

梓「なら、いいんですけど」

澪「それにしても……」

澪ちゃんはみずうみを見渡します。

澪「これといって、問題はなさそうだな」

ニャース「いや、これは問題にゃ」
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:51:03.40 ID:DHnjYLD30
唯「ん?澪ちゃんは問題がないと言って、ニャー太は問題があると言う。どっちが正しいの?」

梓「どっちも正しいでしょうね。ある意味は」

唯「???」

梓「澪先輩は現状としてのみずうみとしては異常がないということで問題がないって言ってるんです」

唯「ふむふむ」

梓「一方で周りには木が折れた後などがあって何かが暴れた跡があり、観光客もいません。これはこのみずうみあるいは周辺に問題があると言えます。この木なんか、最近折れたみたいですし」

唯「なるほど」

澪「いずれにしても、今の所は問題がなさそうだな」

梓「もう少し、周りを歩いてみましょう」

澪「そうだな」


梓「ここも木が折れてますね」

澪「ひどいな、これは」

私達は周りを歩いていると、何かが暴れてた後がたくさんありました。中には……ポケモンの遺体などもあります。

梓「一体、ここで何が……」

唯「綺麗なみずうみだね、ゆいちゃん、アズニャン」

ゆい「だねー」

アズサ「私、初めて見ました!」

まあ、とは言っても、私には難しいことを考えるのは苦手だから、アズニャン達とみずうみを見て、お留守番をしています。

ニャース「たしかに綺麗にゃ……」

唯「どうしたの?」

ニャース「何がにゃ?」

唯「なんか、寂しそうだったから」

ニャース「……こんないいみずうみもいずれは人間の手で破壊していくだろうと思うとにゃ……」

唯「え、それって……」

どういう意味?と続けようとした時。

???「そうだな」
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:52:29.82 ID:DHnjYLD30
マントを羽織って、赤い髪を立てた男の人が立っていました。

???「いずれは人間がこの光景を滅ぼそうとするんだろうな」

唯「あの……あなたは?」

???「お前が……平沢唯か」

唯「ほへ!?私のこと知ってるの!?」

アズサ「さすが、唯先輩。有名人ですね!!!」

唯「でへへ」

???「有名人か……ある意味ではそうかもしれないな」

唯「ところで、あなたは?」

???「俺の名は……」

梓「唯せんぱーい」

唯「あ、あずにゃんだ!」

澪「待たせて悪かったな。……えーと」

唯「さっき声をかけられたんだよ〜」

梓「……ナンパされたんですね。……ふ〜ん」

唯「あれ?どうしたの、あずにゃん。急に機嫌が悪くなってない?」

梓「なってませんよ」

唯「でも、ちょっと声が……」

梓「なってませんよ」

唯「でも……」

梓「なっ・て・ま・せ・ん・よ」

唯「はい。何の問題もありません!!」

梓「よろしい」

澪「それで、あなたは?」
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:54:11.84 ID:DHnjYLD30
???「……お前がカントーチャンピオンの中野梓とトレーナーとしては実質チャンピオンだった秋山澪か」

梓「わ、私達のことを知ってるんですか?」

???「そりゃあな。あんたらは有名人だからな。ところで俺の名だが……ワタルだ」

唯「ワタルさんか〜」

梓(ワタル……)

澪(どこかで聞いた名前だな……)

ワタル「それではな。生きて会えたら、また会おう」

梓「それって、どういう意味……」

ワタル「来い、カイリュー」

ワタルさんは素早くカイリューに乗り、どこかに行ってしまいました。

澪「ワタルという名前にカイリュー……どこかで見た気が……」

梓「それだけでなく、さっきの言葉は……」

???「ゴボゴボ」

アズサ「なんか、変な音がしますね」

ゆい「見て!みずうみに変な泡が……」

ギャラドス(赤い)「ギャラアアアアアアアアア」

唯「ひゃっ!」

突然にみずうみから赤いギャラドスが1匹と青いギャラドスが、えーと、1,2,3……とにかくたくさんいます!

梓「これは一体……」

唯「そんなこと考えてる場合じゃないよ!ど、どうしよう……」

ニャース「落ち着くにゃ。とにかく、ここは逃げた方がいいにゃ」

梓「ですね」

澪「……だが、それも無理だぞ」

梓「えっ!?」

振り返ると、後ろにも青いギャラドスがいました。これは……。

唯「囲まれちゃったよ〜。わーん」

梓「落ち着いて下さい、唯先輩」

澪「そ、そうだぞ、唯。こ、こういう時こそ、お、落ち着くんだ」

梓「澪先輩も落ち着いて下さい」
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:56:42.41 ID:DHnjYLD30
さすがはあずにゃん。こんな時でも落ち着いて……ん?

唯「あ〜ずにゃん!!ぎゅう〜」

梓「にゃっ!いきなり、何をするんですか!?」

唯「心配しなくてもあずにゃんも澪ちゃんも私が守るよ!フンス」

梓「きゅ、急になんですか」

唯「手、震えてるよ」

梓「あっ……」

ゆい「大丈夫、あずにゃんには私もついてるし!」

梓「ゆい先輩……」

赤いギャラドス「ギャアアアアアアアアア」

赤いギャラドスはものすごい咆哮をあげ、それとともに青いギャラドス達も興奮し始めます。

アズサ「す、すごい威圧感です……」

澪「ああ……」

唯「相手はギャラドスか……」

ニャース「ギャラドスはタイプはひこうとみずにゃ。でんきタイプにものすごく弱いにゃ。そして、主にこうげきが高いので、ぶつりタイプの技をメインに使うにゃ」

唯「へえー」

澪「随分、頭のいいニャースだな。いっそのこと唯の代わりにトレーナーでもやれば、すごいことになるんじゃないか?」

梓「たまにどっちがトレーナーか分からなくなりますからね」

唯「ひどいよ、2人とも。ぷんぷんだよ」

ギャラドス1「ギャラ!」

青い1匹のギャラドスが私達に向かって、滝に登るような勢いで突進してきます。

唯「わー、こっちに来たよ!」

ヌオー「ヌー!!」

ウー太は私を庇うように立ちます。

唯「ウー太!!」

バーン。

2匹が激突した音が響き渡ります。……が。

ヌオー「ヌー」

ウー太は特に痛そうにしません。まあ、そのほうがいいんだろうけど、何でだろ?

ニャース「ヌオーの特性であるしめりけにゃ」

唯「しめりけ?」

ニャース「しめりけはみずタイプの技を無効にするにゃ。そして、ギャラドスのたきのぼりはみずタイプにゃ」

唯「だから、無効にできたんだね!ウー太、すごい!!」

ヌオー「ヌー」
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 07:58:01.50 ID:DHnjYLD30
梓「こっちも反撃しましょう、来て下さい、エイパム、ハッサム!」

澪「だな。エレブー、スターミー!」

唯「よし。それじゃ、私もメンバーを出さないと」

ニャース「でも、誰を出すにゃ?残念だけど、有効なポケモンはいないにゃ。ヌオーに関してはぼうぎょ面では優れても、攻撃手段がないにゃ」

ヘラクロス「ヘラ」

唯「ん?」

ニャース「失礼な猫だって言ってるにゃ」

ヘラクロス「ヘラ」

ニャース「俺が出ると言ってるにゃ」

唯「いつもと違ってやる気だね」

ヘラクロス「ヘラ、ヘラ」

ニャース「同じ、むしポケモンであるハッサムが出て、俺が出ないわけにはいかない。むしキングになるためにもこの戦いは避けられない、と言ってるにゃ」

唯「その漢気、気に入ったよ!じゃあ、今回はヘラ太とウー太に任せるよ!」

梓「決まったなら、早く戦ってください!!」

私があずにゃんの声で周りを見るともう、澪ちゃんとあずにゃんはもう、戦いを始めています。

唯「私も戦わないとね。ヘラ太、ウー太、頑張ろう!」

ヘラクロス「ヘラ!」

ヌオー「ヌー!」
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 08:00:36.84 ID:DHnjYLD30
アズサ「皆、やる気にみなぎってます!私も頑張りますよ!」

ゆい「やる気になってるね、アズニャン」

アズサ「ゆい先輩も頑張りましょうよ!」

ゆい「うーん……(こんなのと戦ったら死んじゃうよ)」

アズサ(なんか、やる気なさそうだな。……あ、そうか!!!)

アズサ「ゆい先輩ほどの強さになると、この程度の相手なんかしてられないんですね!!」

ゆい「!?」

ゆい(ど、どこから、その発想が!?ひ、否定しなきゃ。……でも)

アズサ「やっぱり、ゆい先輩はすごいなー。キラキラ」

ゆい「そ、そりゃあね。なんていったって、私はカントー地方のチャンピオンなんだもんね!!」

ゆい(私には純粋なアズニャンを裏切れない……)


ギャラドス8「ギャラアアアアアアア」

澪ちゃんのスターミーの10万ボルトでギャラドスが倒れました。

澪「何匹いるんだ……」

梓「きりがないですね……」

唯「むー、皆も疲れてきてるよ……」

ヌオー「はあ……はあ……」

エレブー「はあはあ」

赤いギャラドス「ギャラ!」

赤いギャラドスの号令で、私達に向かって、青いギャラドス達が襲い掛かります。

澪「赤いギャラドスがリーダーみたいだな」

梓「なら、リーダーを狙ってみるのはどうでしょう」

唯「それは名案だね!」

アズサ「私の出番ですね、やってやるです!!」

澪「残念だが、青いギャラドス達を突破していかなくてはならない。結構、厳しいぞ」

梓「それは……たしかに」

唯「なら、全部いっぺんに倒せばいいんだね」

澪「それができれば、苦労しない」

アズサ「こうなったら……ゆい先輩の出番ですね!」

ゆい「ほへ!?わ、私!?」

唯「それは名案だね!」

ゆい(無理無理無理無理)

梓「えー、ゆい先輩は万全ではないので……」

ゆい(ありがとー、あずにゃん)
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/22(土) 08:54:23.54 ID:DHnjYLD30
ギャラドス15「ギャラ!」

唯「きゃあああああ」

梓「唯先輩!」

唯先輩に向かっていた、攻撃はヌオーが防いでいてくれました。

ヌオー「ヌー」

唯「ありがとね、ヌオー」

梓「ふう……」

澪「油断するな、梓!」

梓「え?」

ギャラドス17「ギャラアアアア」

私のほうを見て、安心したあずにゃんにギャラドスがアクアテールを繰り出してきます。

ハッサム「サム!」

ハッサム達はあずにゃんを助けにいこうとしますがギャラドス達に邪魔されます。

ゆい「あずにゃん!!!」

ゆいちゃんも助けようとしますが、ギャラドスに阻まれます。

梓「くっ……」

あずにゃんは覚悟したかのように目を瞑りました。

アズサ「危ないです!!」

むったん「わっ、ちょっと!」

アズニャンはギターを放り投げ、駆け出しました。

ドーン。

アズニャンはあずにゃんを跳ね飛ばしました。
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage saga]:2011/10/22(土) 08:57:49.20 ID:DHnjYLD30
アズサ「にゃあああああああああ」

アズニャンの小さな体はゴムまりのように飛び跳ねます。

唯「アズニャン!」

私はアズニャンに駆け寄ります。

アズサ「にゃう〜」

アズニャンは目をぐるぐると回します。

梓「大丈夫ですか!」

あずにゃんもすぐに寄ってきます。

アズサ「にゃ〜、だ、大丈夫です」

唯「よかった〜」

梓「ごめんなさい、私のせいで……」

アズサ「怪我はなかったですか?」

梓「それはないです」

アズサ「そうですか。怪我がなくてよかったです」

唯「アズニャンは優しいね。ナデナデ」

アズサ「にゃう」

澪「油断するな!来るぞ!!」

赤いギャラドス「ギャラ!!」

赤いギャラドスはエネルギーを溜めて、はかいこうせんを発射しようとします。

アズサ「これは……」

唯「避けきれないね……」

梓「ごめんなさい。私のせいで……」

唯「そんなことないよ。私はあずにゃんに出会えて良かったし」

アズサ「私もです」

梓「唯先輩、アズサ……」

赤いギャラドス「ギャラアアアアアアア」

赤いギャラドスからはかいこうせんが発射されます。
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 08:59:36.55 ID:DHnjYLD30
澪「くそっ!邪魔だ!」

ゆい「あずにゃあああああああああん」

澪ちゃんとゆいちゃんは必死にギャラドスを倒しますが、それでも数が多いため、たどり着くことはできません。

唯・梓・アズサ「「「んっ!!!」」」

皆、最後を覚悟し、目を瞑りました。そして、ドゴーンとものすごい、衝撃が響き渡りました。


むったん「まったく、君は無茶ばかりするね」

アズサ「むったん!?」

アズニャンの声で目を開けると、アズニャンの持っているギターが空中に浮いて、私達を守るようにはかいこうせんを受けています。

むったん「こんなに馬鹿なアズサは初めてだよ。自分のことより、他人を守るなんてね」

ピキピキ。

そのギターはひびが入っています。

アズサ「こ、壊れないんじゃなかったんですか……」

むったん「ちょっと、無茶をし……すぎた……のかも……ね」

アズサ「声が……」

むったん「君に……会えて……よかったよ。……しばしの……別れだよ」

アズサ「い、嫌です!壊れ……ちゃ……だ…」

バッキーン。

アズニャンの必死な声にも関わらず、ギターの……名称は分からないけど、弦とかがついてるほうの面がひび割れて、地面に落下しました。

アズサ「にゃああああああああああああああ」

唯・ゆい「「……」」
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/22(土) 09:02:08.03 ID:DHnjYLD30
唯「……ヘラ太」

ヘラクロス「……ヘラ」

唯「……ウー太」

ヌオー「ヌー!」

唯「……ネイ太」

ネイティオ「ティオ!」

唯「……リオ太」

ルカリオ「リオ!」

唯「……ギラ太」

ヨーギラス「ギラ!」

唯「全力で行くよ!!私のあずにゃんの命を脅かしただけでなく、アズニャンを泣かせんたんだからね。……おしおきだよ!!!」

梓「私のだけは余計です」


ゆい「……今回は全力でいくよ……覚悟しろよ、この虫野郎!!」

澪「虫でも何でもないぞ、相手は」

ゆい「細かいことは言いっこなしだよ」

梓「なんにしても、ゆい先輩もやる気になってくれましたか」

ゆい「なんせ、私のあずにゃんの命を脅かしただけでなく、アズニャンを泣かせんたんだからね。……おしおきの時間だよ!!!」

梓「ほぼ、唯先輩と同じことを言ってますね。そして、私のだけは余計です」


唯・ゆい「「さあ、いくよ!決闘(デュエル)!!」」

おまけ

特になし。

第13話から16話まで終了
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/23(日) 03:08:05.16 ID:0kko1vfY0
乙!素晴らしいを超えた評価をしないといけない気がするな・・・・・むったんは生き返るのか気になるねww
あと、ヨーギラス本当に採用してくれたのね・・・・・感動だよ!(いろんな意味で
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/23(日) 18:08:31.64 ID:fwFyMr0SO
乙!今回も面白かった!
ギラ太の名前の採用ありがたい
そしてあずにゃんの嫉妬が可愛いww
次回も楽しみに待ってるよ
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:07:53.77 ID:brw+73NW0
第17話 『おかえり、むったん!〜ギャラドス達をぶっ飛ばせ!!!〜』

唯「ウー太!ギラ太!2人は、アズニャンにギャラドスを近づけないように守って!!」

ヌオー「ヌー」

ヨーギラス「ギラ!」

唯「リオ太!ヘラ太!2人はギャラドス達をぶっ飛ばして!」

ルカリオ「ルカ!」

ヘラクロス「ヘラ!」

唯「ネイ太は私とニャー太と一緒に行動だよ!」

ネイティオ「ティ!」

ニャース「あの、唯が……」

梓「テキパキと指示を出してます……」

唯「あずにゃん!のんびりしない!」

梓「は、はいです!」

唯「澪ちゃんも全力で行くよ!!」

澪「あ、ああ……」

唯「それじゃ、行くよ、ネイ太、ニャー太!」


澪「どうしたんだ、唯は……」

梓「まあ、唯先輩の様子はともかく……しめてかからないとまずいですよ。グライガー、ドンファン、ニューラ、エアームド」

澪「そうだな。カメックス、メガニウム、ウインディ、トゲチック」

梓「全力で行きますよ」

澪「ふっ。なら、どっちが多く倒せるか競争でもするか」

梓「律先輩みたいなこと言いますね。でも、その挑戦受けますよ」

澪「律みたいが余計だと言いたいけど、そのとおりだな。……じゃあ、いくぞ!」

梓「はい!」


唯「大丈夫、アズニャン!」

アズサ「唯先輩……ヒッグ。むったんが……直りません」

アズニャンは一生懸命、ギターの壊れた部分をパズルのように組み立てています。

唯「アズニャン……」

そりゃ、お母さんの形見だもんね。むったんって名前をつけるほどだったし。

アズサ「グスグス」

唯「……」

私はアズニャンの横に座ります。そして、続いて、ニャー太も座ります。

アズサ「……唯先輩?師匠?」

唯「私達も手伝うよ」

ニャース「仕方がないにゃ」

アズサ「……グスン」
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:09:49.21 ID:brw+73NW0
ゆい「それにしても、倒しても倒しても、きりがないよ!」

ゆい先輩の拳がギャラドスの顎をしたから突き上げながら、そんなことを言います。

梓「こんなにみずうみにギャラドスがいるはずは……」

澪「……」

梓「どうしたんですか、澪先輩」

澪「……もしかしたら」

梓「な、なにか、分かったんですか!?」

澪「多分だけどな。……周りを見てみろ」

梓「はい」

私は周りを見渡します。

梓「たくさんのギャラドスを倒した気がしますが……あんまり、倒れているのはいませんね」

澪「私の予想なら……みずうみの中で寝てるんだ」

ゆい「何を言ってんの、澪ちゃん。今、バトル中なんだよ。昼寝なんかするわけないじゃん。ね、あずにゃ……」

梓「なるほど。その可能性もありますね」

ゆい「すんなり、信じた!?」

梓「いいですか、ゆい先輩。ねむるという技があるんですよ。その技を使うと、体力が元に戻るんです」

ゆい「おおっ!」

澪「おそらく、水中で寝てるんだろうな。それなら、寝てる間に攻撃をされることもない」

梓「タネは分かっても、対処のしようがありませんよ」

ゆい「そうだよね……あっ!!」

梓「どうしたんですか、ゆい先輩。トイレなら、早く帰ってきてくださいね」

ゆい「違うよ!?」

梓「じゃあ、何ですか」

ゆい「私にいい考えがあるよ!」

梓「それはどんな方法なんですか?」

ゆい「準備をしてくるから、待ってて」

梓「あ、ゆい先輩……」

ゆい先輩は駆け出していきました。

梓「どんな方法なんでしょうか……」

澪「まあ、期待しないで待っておこう」
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:10:59.68 ID:brw+73NW0
アズサ「グスグス……」

唯「ようやくできたけど……」

ニャース「あんまり、意味が……」

唯「めっ!」

ニャース「すまんにゃ」

ゆい「アズニャン、アズニャン」

アズサ「あ、ゆい先輩……」

ゆい「大丈夫?ナデナデ」

アズサ「むったんが……直らないです……」

ゆい「アズニャン……」

アズサ「シクシク」

ゆい「悲しいのは分かるけ……」

ギャラドス「ギャラ!」

ヨーギラス「ギラ〜」

ヌオー「ヌー」

ギラ太とウー太が私達の前に叩きつけられます。

唯「また来たよ!」

ニャース「ネイティオの出番にゃ!」

ネイティオ「ティー!」

ギャラドス「ギャラ!」

ギャラドスのアクアテールはネイティオを一撃で粉砕します。

唯「ネイ太!」

アズサ「うう、ネイティオ……」

ゆい「私が時間を稼ぐから、皆は逃げて!」

唯「わ、分かった」

ゆい「トリャー」

ギャラドス「ギャラ!」

ゆいちゃんは正面のギャラドスに向かっていきましたが、

ギャラドス「ドス!」

ゆい「きゃああああああ」

突如として現れた、ギャラドスが横からゆいちゃんをアクアテールで跳ね飛ばしました。

唯「ゆいちゃん!」

ギャラドス「ギャラ。ギロリ」

正面のギャラドスとゆい先輩を跳ね飛ばした、ギャラドスが私達をにらみます。

唯「ひいいい」

ニャース「最悪の状況にゃ」
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:13:06.28 ID:brw+73NW0
アズサ「うう……」

むったん「自動回復終了……自動回復終了……」

アズサ「!?」

アズニャンの持っている、ギターが一瞬だけ、光り輝くと元通りの新品のように戻りました。

むったん「ふう〜。やあ!久しぶり!」

アズサ「ど、どういうことですか!?」

むったん「ん?何が?」

アズサ「何が?じゃありません!壊れたんじゃないんですか!」

むったん「あれくらいで僕が壊れるわけない……と言いたいけど、さすがにボディが壊れちゃったからね。用心のために内部の状況も調べてたわけさ」

アズサ「だ、だって、君に会えてよかったって……いかにも最後みたいな……」

むったん「あれは……空気を読んだだけで……」

アズサ「今度は湖に沈めて本当に壊してやるです」

むったん「冗談だよ、冗談!そうなる可能性もあっただけだよ。まあ、99%は大丈夫だと思ったけどね」

アズサ「なら、心配ないじゃないですか」

むったん「何を言ってるんだい。1%は失敗するんだよ。この1%は重いよ。さて、僕がいない間にどれだけ倒した?」

アズサ「まだ……1匹も」

むったん「1匹も?何をしてたの?まさか、僕を直そうとしてたの?」

アズサ「い、いけませんか。心配だったんですよ」

むったん「ありがとう……と言いたいけど、君はそこまで馬鹿だったのか」

アズサ「な、なんてこと言うんですか!!どれだけ、心配したと……」

むったん「僕を心配してくれるのは嬉しいけど……その結果として、君のためにどれだけの犠牲がはらわれたのかな?」

アズサ「!?」

むったん「君が落ち込んでいる間に、君のトレーナーやポケモンは必死に君を守ろうとしたはずだよ。君のトレーナーの仲間もね」

アズサ「にゃう」

むったん「だから、同じようなことがあっても……戦わなきゃね」

アズサ「……私はどうやって皆さんに償いを……」

むったん「それは簡単だよ。……こいつらをぶっ飛ばすのさ」

アズサ「にゃう!やる気ですね!」

むったん「そりゃあね。僕を壊しかけたんだから、償いをしてもらうさ」

アズサ「じゃあ、いきますよ。……相棒!」

むったん「……ああ!!」
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:14:48.43 ID:brw+73NW0
ギャラドス「ギャラ!」

唯「きゃあああああああ」

ギャラドスは私に向かって、アクアテールを仕掛けようとします。

アズサ「危ないです!!」

突如として、アズニャンは私を庇うように代わりに攻撃を受けます。

唯「アズニャン!」

アズサ「大丈夫ですか、唯先輩!」

唯「私は大丈夫だけど……アズニャンは?」

アズサ「私はへっちゃらですよ!」

唯「……そっか」

ゆい「アズニャンが無事なら、こっちのもんだね」

唯「あ、ゆいちゃん」

アズサ「ゆい先輩!」

ゆいちゃんはいつのまにか、私の横にいました。

アズサ「すいませんです。私のせいで……」

ゆい「気にしない、気にしない。それよりも……ほい」

ゆいちゃんはマイクをアズニャンに渡します。ま、まさか……。

アズサ「これで何をするんですか?」

ゆい「アズニャン、復活ライブだよ!」

アズサ「つまり、歌えばいいんですね」

ゆい「そうだよ!思いっきり歌ってね!」

アズサ「任せて下さい!……でも、どうしてですか?」

ゆい「それは……あ、あらぶってるギャラドス達をアズニャンの歌で……い、癒してあげるんだよ!」

アズサ「なるほど。分かりました。気合を入れて、歌います!」

アズニャンはマイクを手に取ります。私達は耳栓を耳に装着します。

アズサ「いきますよ……ホゲエエエエエエエエエエエエエエエ」

ギャラドス達・梓・澪「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

何人か余計な声も聞こえましたが……ギャラドス達はアズニャンの美声(?)で気絶したり、弱ったりしました。
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:16:43.62 ID:brw+73NW0
唯「よし!これで大分、数を減らせたね!」

ニャース「しかし、尊い犠牲も生まれたにゃ」

梓「目がグルグルします〜」

澪「キコエナイ、キコエナイ、キコエナイ、キコエナイ、キコエナイ、キコエナイ」

唯「……争いは何も生み出さないんだね」

ゆい「これでまた1つ、成長できたよ」

ニャース「そういう問題なのかにゃ?」

赤いギャラドス「ギャラ……」

リーダー格の赤いギャラドスはフラフラになりながらも、私達にむかって来ようとします。

ニャース「にゃにが一体、やつをここまで駆り立てるにゃ」

唯「じゃあ、ニャー太、聞いてみて」

ニャース「無茶言うにゃ。無理にゃ」

ゆい「でも、名案だね」

アズサ「私達もついて行くです」

ニャース「気乗りしにゃいにゃ」

唯「もしかしたら、争わないですむかもしれないじゃない」

ニャース「まあ、そうだけどにゃ」

ニャー太は仕方がないにゃと呟きながら、赤いギャラドスに向かっていきます。

ニャース「お前はなんで、暴れてるにゃ?」

赤いギャラドス「ギャラ……。ギャラ」

ニャース「ふんふん」

唯「なんて言ってるの?」

ニャース「人間はこのみずうみを荒らし、いずれは滅ぼす。我々は自衛をしているだけだ、と言ってるにゃ」

唯「むー、人間さんが何かしたの?」

赤いギャラドス「ドス、ドス」

ニャース「今は何もしていない。だが、いずれはする」

唯「何でそんなこと分かるのさ」

赤いギャラドス「……ドス!ギャラ!!」

ニャース「うるさい!人間は私達を滅ぼそうとするんだ!!と怒鳴ってるにゃ」

唯「むー、分からず屋だね。……アズニャン、成敗するよ!」

アズサ「任せて下さい!」

唯「できたら、お話しできるくらいの体力は残してほしいな」

アズサ「頑張ってみるです」
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:17:51.67 ID:brw+73NW0
むったん「仕方がない。ここでアズサ殺法52の技の中でも、3大奥義の1つと呼ばれる必殺技を出そう」

アズサ「そんな便利な物があるなら、早く教えてほしいです」

むったん「もっとも、誰でも出せるものではないけどね」

アズサ「できなかったら、別の方法で倒せばいいです」

むったん「ふっ。分かったよ。まずは神経を耳だけに集中させるんだ」

アズサ「はいです」

私は目を瞑ります。

むったん「聞こえてくるだろう。様々な物が出す、ハーモニーが」

アズサ「……」

たしかに、虫の囁きや風の音などが聞こえてきます。

むったん「ほら。君のトレーナーの方も耳を澄ませてごらん」

アズサ「……」

唯先輩に耳を澄ますと、呼吸音や心臓音の他にうん♪たん♪うん♪たんと聞こえてきます。

アズサ「にゃっ!?」

唯「わっ!?」

むったん「それぞれのモンスターや人間の特徴的なハーモニーが。赤いギャラドスの方も耳を澄ませてごらん」

アズサ「……」

赤いギャラドス「ギャラアアア!!」

あのギャラドスからは禍々しい、どす黒い音が聞こえてきます。

アズサ「嫌な音ですね」

むったん「そして、感じるだろ?音と音がぶつかる場所を」

私はまた、神経を集中させます。……たしかにギャラドスの音と私の音がぶつかっています。

アズサ「にゃう……たしかに感じます」

むったん「その境目を思いっきり、ぶった切るんだよ!」

アズサ「分かりました!!」
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:19:10.39 ID:brw+73NW0
赤いギャラドス「ギャラアアアアア」

赤いギャラドスが咆哮を上げ、はかいこうせんを発射しようとします。

唯「また来るよ!」

ニャース「どうするにゃ!」

ゆい「あずにゃん達もまだ、目を回してるし」

アズサ「私に任せて下さい!」

さっきから、ブツブツと呟いていたアズニャンが私達の前に来ました。

唯「危ないよ!」

アズサ「任せて下さい!さっきみたいにはいきません!」

むったん「失敗するかもしれないよ」

アズサ「その時は……私が命に代えても皆さんを守ります!」

むったん「……それじゃ、いくよ」

赤いギャラドス「ギャラアアア」

ギャラドスからはかいこうせんが発射されます。

アズサ「いきますよ!アズサ殺法52の技の3大奥義の1つ『むったん・音の傷』!」

アズニャンがギターを振ると同時に、衝撃波がギャラドスに向かって発射されます。その攻撃ははかいこうせんをも粉砕し、赤いギャラドスをも切り裂きます。

赤いギャラドス「ギャラアアアアアアアアア」

赤いギャラドスはその攻撃を受けて、ドタンッと倒れました。

唯「……勝ったの?」

ゆい「たぶん……」

ニャース「もう少し、様子を見るにゃ」

しばらく、様子を見ても、動く気配がありません。

唯「アズニャンの……」

ゆい「勝ちだああ!!」

唯「胴上げだー!!」

全員「わっしょい!わっしょい!」

アズサ「ちょ、やめてくださーい!!」
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:20:56.73 ID:brw+73NW0
梓(弱っていたとはいえ……)

澪(ギャラドスを一撃だと……)

ニャース(恐ろしいにゃ。まだ、自覚をしてないかもしれにゃいが、もし自分の力に気づいたら……)

ヘラクロス(上等だ。奴を最初に倒すのは……俺だ)


唯「さてと。赤いギャラドスさんとお話しよう」

ニャース「大丈夫かにゃ?」

アズサ「また反撃してきたら、私が倒すです」

唯「任せたよ。ナデナデ」

アズサ「にゃう」

唯「よし。ギャラドスさん、ギャラドスさん」

私は気絶している、赤いギャラドスさんをべしべしと叩きます。

梓「あ、危ないですよ」

唯「大丈夫、大丈夫」

赤いギャラドス「……ギャラ?」

唯「あ、目が覚めた」

ニャース「ここはどこだ?と言ってるにゃ」

唯「寝ぼけてるのかな?」

赤いギャラドス「ギャラ?」

ニャース「お前達は誰だ?と言ってるにゃ」

唯「ふむ」

梓「何か、様子がおかしいですね」

赤いギャラドス「ギャラ。ギャラ」

ニャース「にゃんだって」

澪「どうしたんだ?」

ニャース「なにか怪しい電子音というか電波というか、嫌な音が聞こえてきて、それを聞くと、記憶がなくなる。そして、目が覚めるとみずうみの周りが荒れている、と言ってるにゃ」

唯「つまり……どういうこと???」

澪「何か、その電波か何かによって、ポケモンが凶暴になるということだな」

梓「これは……ある意味、ヒワダタウンのヤドンと同じですね」

ニャース「たしかににゃ。だとすると……ロケット団の仕業の可能性が高いにゃ」

梓「ひどいことをする連中ですね」

赤いギャラドス「ギャラ!……ギャラ」
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:22:11.48 ID:brw+73NW0
唯「どうしたの!?」

ニャース「また、その電波が聞こえてきた。……逃げろと言ってるにゃ」

唯「そ、そんな……」

その時、優しい歌声が辺りに響き渡りました。

ゆい「ふわふわターイム♪」

赤いギャラドス「ギャラ……」

ニャース「ギャラドスが落ち着いていくにゃ」

ゆい「ふ〜、疲れた〜」

アズサ「す、すごいです!さすがはゆい先輩です!!!」

ゆい「そう?でへへ〜」

唯「よし!これで一件落着……と言いたいところだけど」

私はギャラドスさんに問いかけます。

唯「その音が聞こえてきたのはどっち?」

赤いギャラドス「ギャラ」

ニャース「町の方と言ってるにゃ」

澪「なるほど。チョウジタウンか……」

梓「戻りましょう!」

唯「うん!じゃあ、元気でね、ギャラドスさん達。傷つけてごめんね」

赤いギャラドス「ギャラ……」

ニャース「頑張れ、と言ってるにゃ」

唯「ありがと。またね〜」

私達は急いで、チョウジタウンに向かいました。


おまけ

むったん・音の傷 ノーマル 威力 180/命中100

音と音の境目をむったんで切り裂くことで、強烈かつ広範囲の衝撃波を放つ。 風○傷とある意味同じと考えてよい。急所に当たりやすい。ゴーストタイプにも命中する。
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:24:13.74 ID:brw+73NW0
第18話 『放課後だよ?全員集合!!〜ロケット団の基地を突き止めろ!!!〜』

チョウジタウン・ある場所

サカキ「……」

回想

曽我部『もしかしたら、梓さん達がここに来るかもしれないわ』

サカキ『もしかしたら……ね』

曽我部『そう。もしかしたらね。その前に死んじゃうかもだけど』

サカキ『ここに来たら、奴らを倒せということだな』

曽我部『そういうことです』

サカキ『……何が目的なんだ』

曽我部『……ポケモンが住みよい世界を造る。それだけですよ』

サカキ『なるほどな』

曽我部『それでは任せました』

サカキ『分からんな』

曽我部『何がですか?』

サカキ『私が全力で仕事するとは限らんぞ。あいつらに協力するかもしれん』

曽我部『それはないでしょ?だって……あなたも勝負をしたかったはずですから』

サカキ『……』

回想終了


サカキ「……早く来い、中野 梓よ」
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:25:54.74 ID:brw+73NW0
チョウジタウン茶屋

紬「久しぶりね、りっちゃん」

律「そうだな。モグモグ。いつ以来だっけか?」

紬「ワカバタウン以来ね」

律「モグモグ。結構前だな。モグモグ」

紬「バッチは8個とったの?」

律「モグモグ。ああ。モグモグ」

紬「……美味しい?」

律「食べる?」

紬「いただくわ。……これは?」

律「ムギは知らないのか?チョウジタウンの特産品のいかりまんじゅうだよ」

紬「むむ。有名なのは知ってたけど……初めて見るわ」

律「美味いから食べてみな」

紬「うん。……パクッ。……モグモグ、ゴックン。……美味しいわ!」

律「だろっ?ニカッ」

紬「それにしても、梓ちゃんはいるかしらね」

律「どうだろうな」

私は最近、いかりのみずうみでポケモンが凶暴になって暴れていると言う噂を聞いて、ここにやってきた。その途中で、ムギに会って、茶屋でまんじゅうを食うことになってるわけだけど。

律「だが、梓のことだ。きっと、首を突っ込んでるぞ」

紬「はあ……どうして、こうなったのかしらね。そんな子に育てた覚えはないのに」

律「だろうな。梓もムギに育てられた覚えはないだろうし。ゴクゴク」

紬「冗談はこれくらいにして……そろそろ、行く?」

律「そうだな」

私達はお金を払って外に出た。

律「のんびりといかりのみずうみにでも……」

梓「あ、律先輩」

律「行くことはなくなったらしいな」

紬「ええ」

梓「???」
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:27:24.66 ID:brw+73NW0
チョウジタウン・茶屋

律「何の因果で、またここで食べなきゃいけないんだろうね〜、後輩」

梓「知りませんよ、先輩」

ゆい「モグモグモグモグ」

紬「一心不乱に食べてるわね」

律「で、いかりのみずうみに行ったのか?」

梓「何で、そんなことを聞くんですか?」

律「お前がこの町で流れてる噂を聞いたら、間違いなくいくだろうと思ってな。で、どうなんだ?」

梓「……行きましたけど」

律「……はあ。どうして、こうお前は面倒ごとに首を突っ込むかね」

梓「知りませんよ」

紬「本当ね。どうして、こうなったのかしらね。そんな子に育てた覚えはないのに」

梓「育てられた覚えもないですよ」

律「梓だけでいったのか?」

梓「いえ。もうすぐ……」

唯「あ、りっちゃん!ムギちゃん!」

澪「久しぶりだな」

律「……お前らもかよ」

紬「……まったく、現代の若者は」

唯・澪「「???」」
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:28:37.15 ID:brw+73NW0
律「まったく、澪がついていながら……梓の暴走を止められないとは」

澪「そうは言っても、言って聞かないだろ?」

紬「もう!そうやって、甘やかすから、梓ちゃんはつけあがるのよ!お母さんならしっかりしてよ!」

梓(私の扱いが我侭な子供のような気が……)

澪「お母さん!?わ、私はそんなんじゃ……」

律「そうだぞ、ムギ。それは失礼だ」

澪「律……」

紬「そうね。ごめんなさい。今のはなしね。……もう!そうやって、甘やかすから、梓ちゃんはつけあがるのよ!恋人ならしっかりしてよ!」

律「gj」

澪「恋……そんなんじゃない!だいたい、律もgjじゃない!!!」

律「やれやれ。わがままだな」

紬「まったくね」

澪「わがままだとかそんな問題じゃない」

律「何だよ、そんなに梓の恋人じゃ不満か?ニタニタ」

澪「そ、そうとも言ってないぞ」

紬「じゃあ、どういうことなのかしらね。ニコニコ」

澪「うっ……」

梓(非常に居づらい気がする)

唯「パクパク」

ゆい「パクパク」

アズサ「ゴクゴク」

梓(……この人達は一心不乱に食べ続けていますね)
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:31:25.82 ID:brw+73NW0
澪「とにかくな!いかりのみずうみでいろいろあったんだ!」

律「いろいろねー」

紬「今、昼間だけど、大丈夫かしら」

澪「……」

律「冗談です。すいません」

紬「申し訳ありません」

澪「……とりあえずな。かくかくしかじか」

律「ふむふむ。なるほどな」

紬「この町のどこかにそんな施設があるのね」

梓「多分ですけどね」

律「あまり大きい町じゃないが……探すのは大変そうだな」

澪「というわけで、探すのを手伝ってほしい」

紬「とは言うけど……」

律「どこにあるか、皆目見当もつかないしな」

唯「パクパク」

梓「唯先輩も食べてばかりじゃなくて手伝ってくださいよ」

唯「モグモグ、ゴックン。そうだね、うん。食べるのに集中しすぎてたよ」

梓「まったく……あ、餡子が口についてますよ」

唯「え?……あずにゃん、拭いてー」

梓「これくらい、自分でやってください。ふきふき」

唯「えへへ。ごめん、ごめん」

律・澪・紬「「「……」」」

梓「どうしたんですか、皆さん」

律「ナチュラルにそんなことをするなんてな〜」

紬「すごいと思ってみてたのよ〜」

梓「!?」

唯「えへへ。あずにゃんは唯の嫁!!!ってやつだからね」

梓「そ、そ、そんなんじゃないですし!」

律「へえ〜、ニヤニヤ」

紬「澪ちゃんもナチュラルに頼んでみれば?」

ボソッ。

澪「べ、別に私はしてほしいなんて、お、思ってないぞ」

紬「そう?ニコニコ。ならいいけど」

澪「……」

マツバ『君は……いずれ大切な物を賭けて、ある人物と全力で戦う時が来るかもしれない。もっとも、その時の君はまともじゃないかもしれないが』

澪(やっぱり……唯と……)

梓「どうしたんですか?」

澪「え?」

梓「いえ……ボーっとしてましたから」

澪「い、いや、なんでもないよ……」

梓「?そうですか」
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:32:46.88 ID:brw+73NW0
アズサ「パクパク」

ゆい「アズニャンはよく食べるね」

アズサ「たくさん食べて大きくなるです」

ゆい「偉い、偉い。ナデナデ。たくさん食べて大きくおなり」

アズサ「任せて下さい!!」

ゆい「ただ、あんまり大きくなっちゃ駄目だよ!小さいのがアズニャンだからね!」

アズサ「は、はあ……」


梓「それでこれからどうしましょうか?」

律「そうだな……。よし。じゃんけんをしよう」

梓「はい?」

律「じゃんけんをして、自分と同じのを出した人とグループを組んで、町を探そう」

梓「なら、素直に二組に別れましょうよ」

律「それじゃ、つまらないだろ?」

梓「でも、その方法だと、1対4になる可能性もありますよ?」

唯「それは嫌だね」

澪「そうだな」

紬「でも、逆に2人きりになる可能性もあるわね」

唯「2人きりか〜。……私はりっちゃんに賛成だよ!!」

澪「早いな、おい!?」

唯(むふふ。あずにゃんと一緒になれば……えへへ)

澪(……私にもチャンスが)

梓(何か、怪しい感じがしますね)

律「それじゃ、外に出てから、じゃんけんだ」

梓「今じゃないんですか?」

律「考える時間も必要だろ?」

梓「まあ、いいんですけどね」
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:34:20.33 ID:brw+73NW0
律「なあ、梓」

ボソッ。

梓「何ですか?」

ボソッ。

律「一緒のグループになろうぜ」

ボソッ。

梓「……何をたくらんでるんです?」

ボソッ

律「別に。ただ……面白いからかな?」

ボソッ。

梓「訳が分かりません」

ボソッ。

律「とにかく、チョキを出せよ。そうすれば、悪いようにはしない」

ボソッ。

梓「……分かりました」

ボソッ。

律「サンキュ」


律「おい、唯」

唯「ん?」

律「梓はチョキを出すぞ」

唯「そうなの?」

律「ああ。間違いない」

唯「分かった。ありがと〜」

律「うむ。感謝するがいい」

唯「はは〜」


律「うまくいったか?」

紬「ええ」

律「後は……じゃんけんをするだけだな」

紬「それにしても、どうしてこんなことを?」

律「面白いから」

紬「即答ね」

律「まあ、実際のところ……チャンスは平等にだろ?」

紬「文句が来るかもしれないわよ?」

律「誰から?」

紬「天の国から!」

律「……」

紬「ごめんなさい。スルーして」

律「……とにかく、なるようになるだろ」
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:35:54.48 ID:brw+73NW0
律「それじゃ、ジャンケンポン!」

澪・梓・唯「チョキ」

律・紬「グー」

律「ちょうどよく、2対3になったな」

唯「むー」

律「どうした?」

唯「何でもないよ。(あずにゃんと2人きりじゃないけどいいか)」

澪(まあ、なんとか……)

梓「……律先輩」

律「わりー、間違えた」

梓「……まあいいですけど」

唯「それじゃあ、出発!!」


律「さてさて。ここからの実況は私こと、田井中 律、解説には琴吹 紬でお送りします」

紬「えーと……私達は探さなくていいの?」

律「なあ、ムギ。常識に考えてみろよ。チョウジタウンはあまり広くないとはいえ、ロケット団の秘密基地みたいなのが見つかると思うか?」

紬「それは……無理な可能性が高いわね」

律「だろ?それに仮に見つかったら、どうなると思う?」

紬「どうなるって……」

律「危険だと分かっても……潜入するだろう。あのじゃじゃ馬な後輩さんは」

紬「……否定できないわね」

律「前のタマムシシティでのミュウツーみたいなのが出ないとも限らないしな」

紬「たしかに」

律「だから、平和的にあいつらを見学してることが一番いいんだ。私達も探したら、確率がわずかでも、高くなるからな」

紬「今日見つからなかったら、明日もやりそうだけど……」

律「まあ、それは明日になったら、考えよう」
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:37:27.28 ID:brw+73NW0
梓「どこから、探しましょうか」

ゆい「そうだねー……ホテルで寝るのはどうかな?」

梓「却下です」

唯「うーん……秘密基地といったら、なんとなく地下にある気がするね」

梓「それはいえますね」

澪「おかしな電波が流れてるとなれば、アンテナがどこかにあるかもしれないな」

梓「たしかにそれもいえますね」

唯「む……。ロケット団の秘密基地なんだから、怪しい人っていうか、人相の悪い人がたくさんいそうなところじゃないかな?」

梓「なるほど」

澪「いや……それはどうだろう。あからさまに怪しいのはまずい気がするな」

梓「そっちの意見も一理ありますね」

唯「……あずにゃんはどっちの味方なの!!」

梓「いきなり、何ですか……。どっちも間違ってないじゃないですか」

唯「むー、たしかにそうだけど」

澪「と、とにかく、歩いてみよう」

梓「そうですね。該当する場所を探してみましょう」

唯「うへー、大変そう」

澪「町自体は広くないからな。該当する場所はかなり絞られそうだけどな」


チョウジタウン・郊外


澪「アンテナがある場所はここだけだけど……」

唯「なんにもないね」

梓「たしかに」

ゆい「ここから、名探偵あずにゃんの出番だね。名推理を期待してるよ!!」

梓「急にテンションをあげられても……」

アズサ「さすがは村長さんですね!!」

梓「いや、そんなに期待されても……」

ニャース「たぶん、ここにはないにゃ」

唯「ほうほう、どうして?」

ニャース「もし、ここに秘密基地があったとしたら……あまりにも単純にゃ」

澪「たしかに。私達でもこの場所を発見できたんだからな」

ニャース「だから……別の場所に基地を作って、そこから、アンテナを操作していると考えるのが自然にゃ」

梓「たしかに一理ありますね。それにしても、頭がいいですね。ナデナデ」

ニャース「や、やめるにゃ……」

唯「むー」

梓「どうしたんですか?」

唯「別にー」

梓「?」

澪「それじゃ、一旦、町にもど……誰だ?」

私達が町に戻ろうとした時、眼鏡をかけた女の人が立っていました。
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:40:00.90 ID:brw+73NW0
紬「誰かしらね、あの人は」

律「また、厄介事かよ……」

紬「さっきから気になってたけど、りっちゃんってこういうの好きそうだけど……」

律「否定はしないけどな。だけど……澪とか梓とかが危険な目にあわせたくないしな。できるなら、そうならないようにしたい」

紬「……りっちゃん」

律「とはいえ、あいつらは巻き込まれすぎだな」

紬「たしかにね」


梓「あ、あなたは……」

唯「ヒワダタウンのヤドンのいどで見た、山中さんだっ!!」

さわ子「久しぶりね、梓ちゃんに唯ちゃん。それと……メイド服の似合いそうな子」

澪「な、なんですかそれは!……私は秋山澪です」

さわ子「澪ちゃんね。こんなところで何をしてるの?……と言いたいけど、おそらく、ロケット団の基地を探してるんでしょ?」

澪「ど、どうしてそれを……」

梓「気をつけて下さい。彼女はロケット団なんです」

さわ子「元ねー。今のテロリストみたいなのはちょっと、性にあわないのよねー」

澪「それで、元ロケット団さんが何のようなんだ?」

唯「おおー。格好いいね、今の言い方!!」

澪「そ、そうか。テレテレ」

さわ子「私はただ、あなた達を基地に案内してあげようと思っただけよ」

唯「ええ!?案内してくれるの!?やったー!」

梓「……」

澪「……」

さわ子「唯ちゃんは素直でいい子ね。それに比べて、あなた達は……」

澪「不自然すぎるだろ、明らかに。どうして、私達に案内しようと思ったんだ?それ以前に、私達がロケット団の基地を探してるなんて……どうして分かるんだ?」

さわ子「ふむふむ。さすがはカントー地方ポケモンリーグベスト4の実力者ね」

澪「なっ!?」

さわ子「さてと。どうして、案内しようと思ったかね。……助けてもらいたい人がいるから。あなた達がロケット団の基地を探してることがどうして分かるか?そんなことは知ろうが知らなかろうが、無理矢理、案内してたわよ」

唯「どうして、そこまで……」

さわ子「あなた達の腕を見込んでよ」

唯「えへへ〜。私達の腕が見込んで、だって〜」

アズサ「さすがは唯先輩です!」
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:41:48.43 ID:brw+73NW0
唯「アズニャンのおかげだよ。ありがと〜。ナデナデ」

アズサ「にゃふ」

さわ子「で、どうするの、中野梓ちゃん。ぶっちゃけ、あなたが来てくれれば、他はいらないわ」

唯「ええ!?私は論外!?」

ニャース「実績がないから、ある意味当然にゃ」

梓「……」

澪「これはあからさまな罠かもしれないな。手の内に乗る必要はないぞ」

梓「……いえ。その誘いを受けましょう」

澪「梓!?」

唯「あずにゃん、格好いいー!!」

アズサ「さすがは村長さんです!」

さわ子「へー、どうして?」

梓「たとえ、罠だとしても……一歩、踏み出さないといけませんからね。このままの状態よりは近づけると思います」

さわ子「……いい目をするわね。前みたいな、自分のポケモンを傷つけられたら、涙目になるような頃とは……大違いの目ね」

梓「そんなことはどうでもいいんです。ただ……こちらが連れて行くのは、何人でもかまいませんよね?」

さわ子「もちろんよ。それでは明日の9時にこの場所でね」

澪「今すぐじゃないのか?」

さわ子「準備が必要でしょ?万全の状態で来てね」

梓「……分かりました」


律「……しゃーない。こっちも全力でいかないとな」

紬「そうね。洒落にならないかもしれないし」

律「ここで見つかるのも面倒だから、ブラブラするか」

紬「ふふ。デートね」

律「女同士で、デートもないだろ?」

紬「ふふふ、そうね」

律「まったく……」

私達も梓ちゃん達に続くように町に向かっていきました。

おまけ

特になし。
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 06:43:43.77 ID:brw+73NW0
第19話 『潜入前夜の全力バトル!唯VS梓〜決別の夜〜』

チョウジタウン・宿泊所・夜

私達は町に戻って、夕食をとり、宿泊所のりっちゃんの部屋に集まっています。

律「なるほど、なるほど」

りっちゃんは私達の話を聞いて、納得した顔をします。

紬(まあ、全部知ってたけど……)

律「それで。梓達はどうするんだ?」

梓「律先輩は……」

律「私?梓達が行くなら、行くさ。行かないなら、行かない」

紬「私も同じよ」

梓「……なるほど」

唯「えへへ。楽しそうだよね、ロケット団の秘密基地なんて」

アズサ「悪いやつらの基地なんて、私がぶっ壊してやるです!」

唯「頼りにしてるよ、アズニャン。ナデナデ」

アズサ「にゃう。任せて下さい!」

律「……」

紬「……」

澪「唯……」

梓「唯先輩……」

唯「ん?皆どうしたの?」

律「唯は……ロケット団と戦ったことはあるのか?」

唯「うーん……一回だけね」

律「……なるほど」

唯「それがどうしたの?」

律「……いや、別に」

唯「?変なりっちゃん」

律「ところでな、唯」

唯「今度はな〜に?」

律「お前は……唯は次の町に行け」

唯「……え?」
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:00:17.68 ID:brw+73NW0
律「正直な話、唯は来ないほうがいい。というか、来るな」

唯「え………。ど、どうして!!」

バーン!!

アズサ「にゃっ!!」

私はテーブルを叩きながら、立ち上がります。……うう、痛い。

唯「どうして、そんなことを言うの!!」

律「どうして、と言われてもな……」

唯「私だけを仲間外れにするの?私だけがジョウト出身だから!?」

梓「お、落ち着いて下さい、唯先輩」

澪「律も言いすぎだぞ」

律「……」

唯「黙ってないで、何か言ってよ!!」

律「そうだな……唯がついてきても、足手まといになるからかな?」

唯「なっ!?た、たしかに私は鈍くさいけど……そんな言い方はないんじゃない!?」

律「そういうことじゃない。鈍くさいとか……単純なモンスターの強さがどうとかじゃないんだ」

唯「じゃあ、何なのさ!?」

澪「ゆ、唯、落ち着けよ」

律「……分かった。唯、私とバトルだ」

唯「!?上等だよ。りっちゃんなんか、私が倒すよ!」

澪「唯!!律も唯を挑発するな!」

律「別に挑発する気はないんだが……澪は来るのに賛成なのか?」

澪「それは……唯だけを仲間外れにするわけにはいかないし」

唯「澪ちゃん……」

律「ふむふむ。なら……ムギは?」

紬「私は……反対よ」

唯「ムギちゃん!」

律「さて……2対1か……。後は梓か」

唯「ふふん。あずにゃんなら、私に……」

梓「私も……反対です」

唯「あ、あずにゃん!ど、どうして!?」

律「3対1か……これで決まりでもいいんだが……バトルで勝ったら、一緒に来てもいいぞ」

唯「わ、分かったよ!その挑戦受けて立つよ!」

律「なら、1時間後にいかりのみずうみに集合だ」

唯「分かった。首を洗って待っててね!……いこっ、澪ちゃん」

私は澪ちゃんの手を引いて、部屋に戻りました。
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:02:02.23 ID:brw+73NW0
梓「……大丈夫ですか、律先輩」

律「ん?何が?」

梓「何がって……嫌われ者を買って出るのは……」

律「気にしなくていいよ。これもリーダーの役目だ」

梓「だとしても……私がその役を買って出れば……」

律「気にするなって言ってるだろ。後輩は黙って、先輩に従え」

梓「で、でも……」

律「それと……ゆいを貸してくれ」

ゆい「わ、私?」

律「頼むよ」

梓「私はいいですけど……」

ゆい「……分かった。りっちゃんだけでなく、私も嫌われ者になろう」

律「すまんな」

ゆい「いいよ。2人で嫌われ者になろう」

梓「わ、私も……」

ゆい「あずにゃんは気にせずにいていいよ」

律「そうだぞ。たまには先輩に甘えろ」

梓「……嫌です。それなら、ゆい先輩を貸しません!」

律「梓……」

紬「梓ちゃん……」

梓「律先輩だけ、嫌われ者になるのは嫌です!」

律「……いいのか?」

梓「え?」

律「唯に嫌われてもいいのか?」

梓「……仕方がないことです」

律「……分かった」

紬「それじゃ、先にみずうみに向かいましょうか」

律「だな」
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:03:14.21 ID:brw+73NW0
唯「何さ、何さ。りっちゃんもあずにゃんも。私を仲間外れにしてさ」

アズサ「まったくです」

澪「落ち着けよ、唯」

唯「澪ちゃんだけだよ、私の味方でいてくれるのは。あずにゃんは私についてくれると思ったのに」

澪「……梓は梓なりに考えがあるんだよ」

唯「ぶー」

澪「そんなにすねるなよ」

ニャース「……」

唯「どうしたの、ニャー太」

ニャース「いや……このまま、旅を続けにゃいかにゃ?」

唯「むー、ニャー太までそんなこと言うの?」

ニャース「まだ、バッチは7個しかないにゃ」

唯「ちょっとくらい寄り道しても大丈夫だよ」

ニャース「そう言われれば、そうだけどにゃ」

澪「……そろそろ行こうか」

唯「そうだね。私が圧勝して、りっちゃん達をギャフン!と言わせてあげるよ」
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:04:59.88 ID:brw+73NW0
いかりのみずうみ

律「……来たか」

唯「……待たせたね、りっちゃん、ムギちゃん、あずにゃん」

紬「……」

梓「……」

律「さて……そんなに時間もないし、早速、戦うか」

唯「そうだね。勝ったら……連れて行ってくれるんだよね?」

律「ああ」

唯「その約束ちゃんと守ってね!」

律「もちろんだ。ルールは……私達の手持ち1匹、唯が6匹で全滅させるか……トレーナーがギブアップさせるかで勝ちだ。後は……ロケット団との戦いのルールを採用するか」

唯「むー、こっちは6匹でりっちゃんの1匹を倒せばいいんだね。楽勝じゃん!!」

律「ほぼ、ルールは正解だが、1つだけ違う。戦うのは私じゃない」

唯「!?じゃあ、戦うのは……ムギちゃん!?」

律「ムギでもない。唯と戦うのは……梓だ」

唯「なっ!?あ、あずにゃんはわ、私がそんなに嫌いなの!?」

梓「……始めましょう」

唯「あ、あずにゃん!」

律「そうだな。それじゃ、始めよう」


梓「……頼みましたよ、ゆい先輩」

ゆい「……あずにゃんや」

梓「はい?」

ゆい「世界中の人があずにゃんを嫌いになっても、私はあずにゃんを好きでいるよ」

梓「……ありがとうございます」


唯「……全力でいくよ!」

ニャース「相手はおそらく、ゆいかハッサムを使ってくるにゃ」

唯「だけど、今回はゆいちゃんだろうね。とりあえずギラ太から……」

アズサ「私が出るです!!」

唯「アズニャン、やる気だね。でも、いきなりは……」

アズサ「にゃう。万全のゆい先輩と戦いたいです!」

唯「……よし。それじゃ、アズニャンから行こう」

ニャース「いいのかにゃ?」

唯「アズニャンが万が一負けても、体力は相当削られるはずだよ。ゆいちゃんは体力が少ないし。後の5匹で戦えば、十分に勝てるはずだよ」

ニャース「にゃるほど」
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:06:18.49 ID:brw+73NW0
律「さて……澪、審判をしてくれ」

澪「わ、私!?」

律「こっちからだと、唯も納得しないだろ?澪がやってくれればいい」

澪「……分かった」

澪ちゃんは中央につきます」

澪「それじゃ、両者、準備はよろしいでしょうか」

梓「はい」

唯「いつでも、いいよ!」

澪「それでは……」

唯・梓・澪「「「決闘(デュエル)!!!」」」


梓「いきますよ、ゆい先輩!」

ゆい「私の力を見せてあげるよ!」

唯「いくよ、アズニャン!」

アズサ「やってやるです!」


律「いきなりの大物対決か……」

紬「どっちが勝つかしら……」


アズサ(昔の私なら、いざ知らず、今の私は十分に強くなりました)

唯(今までのゆいちゃんを生で見ると、そんなに強くなかったからね。もしかすると、アズニャンが余裕で勝っちゃたり……)

アズサ(まあ、でも、勝てはしないまでもそこそこいい戦いはできるはずです)

唯(どっちにしても、私達が勝つよ!)

梓「……唯先輩」

唯「ん?」

梓「全力で行きますよ?」

唯「望むところだよ!」

梓「それを聞いて安心しました。……ゆい先輩」

ゆい「オッケー」

ゆいちゃんは構えを取ります。……来る!

唯「アズニャン!」
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:08:19.50 ID:brw+73NW0
アズサ「任せ……」

ゆい「遅いよ?」

唯・アズサ「「!?」」

ゆいちゃんは一瞬でアズニャンの後ろに回りこんでいました。

ニャース「速いにゃ!?」

ゆい「ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ『ひらさわ・シャーマン』!」

ゆいちゃんはアズニャンの腰を掴んで、シャーマンスープレックスの体制になります。


律「……終わったか」

紬「……そうね」


唯「アズニャン!」

アズサ「にゃっ!」

アズニャンはギターをつかえ棒に使って、シャーマンでの地面への頭の激突を避けます。

ゆい「……へえ?」

ゆいちゃんはアズニャンを離し、距離をとります。

ゆい「ふふ。やるね」

唯・アズサ「「ゾクッ」」

楽しそうに笑ってるけど……何かが怖い。おかしいな。ポケモンバトルは楽しいはずなのに……何かが怖い。

アズサ(なんでしょうか、この感覚は。昔にも感じたような……いや、それ以上かな?)


梓「まだ、終わりませんよ?」

アズサ「にゃっ!」

ゆいちゃんは一瞬でアズニャンに接近し、拳を振るってきますが、カーンとギターで防ぎます。

むったん「さっきから、無茶な使い方をするな〜」

アズサ「申し訳ないです」

むったん「それよりも、あの動きは……」

ニャース「縮地法にゃ」

唯「?何それ?」

ニャース「瞬時に相手の間合いに入ったり、相手の死角に入り込む体捌きにゃ」

ゆい「守ってばっかじゃ、勝てないよ?」

アズサ「にゃう!」
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:10:03.67 ID:brw+73NW0
アズニャンはギターを振るうも、ゆいちゃんは後ろにジャンプして、かわします。

アズサ(こ、怖いです……)

唯「ど、どうすれば……」

梓「それでは……ロケット団の戦い方を見せてあげますよ」

唯「え?」

アズサ「にゃっ?」

ゆいちゃんは一瞬で再び姿を消し、今度はアズニャンではなく、私に向かってきました。

アズサ「あ、あ……」

澪「危ない!!」

ヘラクロス「ヘラ!」

ゆい「わっ!」

ゆいちゃんのちいさな拳が私に当たりそうな瞬間にヘラ太がメガホーンで唯ちゃんを突き飛ばします。

唯「へなへな……」

アズサ「ゆい先輩!」

澪「あ、梓!今のは反則だ!」

梓「そうなんですか?」

律「いや……今のは反則じゃないだろ?」

澪「ど、どうして!!」

紬「ヒートアップしすぎよ、澪ちゃん。りっちゃんは言ったじゃない。ロケット団との戦いのルールを採用するって言ってるじゃない」

澪「そ、そうは言ってたけど……」

紬「彼らは私達でも平気で狙ってくるわ」

澪「だ、だとしても……」

梓「なら、私の反則負けでいいですよ」

澪「なっ!?」

梓「それでいいですよね、唯先輩」

唯「……え?」

梓「これで、唯先輩もめでたく、ロケット団の秘密基地にいけますね」

唯「あ、あう……」

律「よかったな。でも、ロケット団の秘密基地じゃ、今みたいなことは起きないだろうな」

紬「ええ。まあ、唯ちゃんなら、殺されはしないでしょうね。きっと、偉い人達の性奴隷にでも……」

澪「い、いい加減にしろ!そこまでする必要はないだろ!」

アズサ「唯先輩をいじめるなです!」

アズニャンはあずにゃんに向かって、ギターを振りかぶっていきます。
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:11:34.90 ID:brw+73NW0
唯「ア、アズニャン、だ……」

ゆい「おいたは駄目だよ?」

ヘラ太のメガホーンで飛ばされたはずのゆいちゃんはいつのまにか、アズニャンに立ちふさがり、目にも留まらない速さの拳をアズニャンに叩き込みます。

アズサ「グハッ」

唯「アズニャン!」

律「唯。……分かっただろ?」

紬「私達は……遊びに行くわけじゃないのよ?」

唯「わ、分かってるよ、そんなこと!!」

梓「いいえ。分かってません」

唯「分かってるもん!」

梓「分かってません。……もし、命までとはいかなくても……大怪我をしたら……憂はどうするんですか?」

唯「!?」

梓「私達にも家族はいますが……そこらへんは分かってもらってます。唯先輩はどうなんですか?」

唯「そ、それは……」

梓「唯先輩が怪我とかをしたら……憂は悲しみます」

唯「……」

梓「唯先輩は私達の仲間でもありますけど……それ以上に憂のお姉ちゃんなんですよ?」

唯「そ、そうだけど……」

アズサ「い、いい加減にするです!」

アズニャンは再び、立ち上がります。

アズサ「まだ、私は戦えます!結果はついてないです!」
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:12:48.90 ID:brw+73NW0
ゆい「アズニャンはまだ立てるんだ」

アズサ「……当たり前です」

ゆい「ふーん……でも、唯ちゃんは守れないよ」

アズサ「!?」

ゆい「これからの戦いで必要なのはね……アズニャンのように自己満足な戦いじゃ駄目なんだよ」

アズサ「自己満足!?」

ゆい「アズニャンはどうして戦うの?」

アズサ「強くなりたいからです!」

ゆい「……なるほど」

アズサ「ゆい先輩だって、強くなりたいからここまで頑張ってたんでしょ?」

ゆい「うーん……私にはどうでもいいことかな?」

アズサ「つ、強くなりたいっていうのの何が悪いんですか!?」

ゆい「別に悪いことじゃないよ?そんなこと言ってないし。……私が言いたいのは」

アズサ「言いたいのはなんですか!?」

ゆい「何のために強くなりたいの?」

アズサ「私は……」

アズニャンはギターを構えます。

アズサ「私は……負けたくないから、強くなりたいんです!!!アズサ殺法52の技の1つ『むったん・スラッシュ』!!!」

ゆい「……ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ……『うんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんう
んたんうんたんうんたんうんたんうんたん』!!」

ゆいちゃんの拳がアズニャンの小さな体に次々と叩き込まれます。

アズサ「にゃあああああああ」

唯「アズニャン!」

アズサ「バタンキュ〜です〜」

アズニャンは目をグルグル回しながら、気絶しました。
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:15:23.51 ID:brw+73NW0
澪「……アズサ戦闘不能。ゆいの勝ち。唯は次のポケモン……と言いたいけど」

唯「アズニャン、しっかりして!」

澪「……もう、終わりだな」

唯「ど、どうして!皆、こんなひどいことするの!?」

律「梓はただ、ポケモンバトルをしただけだろ?」

紬「そうよ、唯ちゃん」

唯「う、うう……」

梓「さて……どうするんですか?」

律「まだ、続けるか?」

唯「も、もういいよ!!皆なんか知らない!」

ニャース「ま、待つにゃ。皆も来るにゃ!」

私はアズニャンを抱っこして、駆け出しました。


梓「……」

律「……あ〜ずさ!」

バシッ。

梓「にゃっ!い、いきなり、肩を組まないで下さい!」

律「寂しそうな顔をしちゃってな〜」

梓「べ、別に私は……」

澪「……梓は」

梓「はい?」

澪「梓は……これでいいのか?」

梓「……いいんですよ。これで、唯先輩は危険な目にあわないですみます」

澪「……本当は梓もこの問題から手を引いてもらいたいんだが……」

梓「それはできません。ポケモンを自分達の大義名分のために悪いことに利用しようとする連中を見逃せません。私がジョウトに来たのはそれが理由ですから」

律「まったく、とんだじゃじゃ馬……いや、じゃじゃねこだな」

梓「なんですか、それは」

澪「……唯を巻き込みたくないのは分かる。でも……だからって、梓が嫌われ者になる必要は……」

梓「いいんです。律先輩にだけ、こんな役をさせる必要もないですし……唯先輩も無事でいられます」

ゆい「あずにゃん……ナデナデ」

梓「にゃっ……」
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:17:08.94 ID:brw+73NW0
律「……よし。私達も戻るか」

紬「ふふふ、それじゃ、頑張った梓ちゃんにはたい焼きを奢ってあげるわ」

澪「何で、たい焼き……」

律「まんじゅう飽きた」

澪「そんな理由で……」

律「部屋割りは私とムギ、澪と梓な」

澪「なっ……!?」

律「ん?嫌なら、私が……」

澪「べ、別には嫌とは言ってないぞ」

律「なら……決まりだな」

梓「よろしくお願いします、澪先輩」

澪「あ、ああ」

梓「唯先輩は……大丈夫でしょうか」

律「さあな。ここからはあいつが決めることさ」

澪「そう聞くと冷たいけどな」

紬「間違ってはないことだけどね」

梓「唯先輩……」


唯「ぐすん、ぐすん。もう、皆なんか知らないもん。せっかく……せっかく、仲間になれたと思ったのに……」

アズサ「Zzzzz」

唯「アズニャンもひどいことされたし……」

ニャース「……」

唯「ニャー太も言ってたけど、後、バッチは1つなんだしね」

ニャース「……そうだにゃ」

唯「どうしたの?」

ニャース「にゃんでもないにゃ」

唯「?まあ、なんでもいいや。明日には次の町に出発するよ!」

ニャース「……頑張るにゃ」

私達は寂しく、夜の道をポケモンセンターに向かって歩いていきました。
私達はポケモンセンターにまずは向かいました。
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:18:50.06 ID:brw+73NW0
第20話 『覚悟を決める時〜踏み出す一歩〜』

アンテナのある場所

律「ここだっけか?」

梓「そうです」

紬「ここの時点で罠の可能性もあるから注意しないと」

澪「たしかにな」

さわ子「お待たせ〜」

ゆい「あ、さわちゃんだ〜」

私達が待ち合わせ場所で待っていると、山中さわ子さんが来ました。

さわ子「随分な大所帯ねー」

律「それはそうさ。私達は……」

紬「悪を成敗する正義の味方。その名も……」

ゆい「放課後ティータイムだよ!!」

梓「な、なんですか、それ……」

澪「初耳だぞ……」

さわ子「くっ、くくくく。面白いじゃない。いい仲間を持ったわね、梓ちゃん」

梓「そこはかとなく微妙ですけどね」

さわ子「まあ、とにかく、案内してあげるけど……唯ちゃんは?」

澪「唯は……」

梓「来ませんよ」

さわ子「へ?」

梓「唯先輩は来ません」

さわ子「……ふーん、分かったわ」

さわ子さんは背中を向けます。

さわ子「早速、案内するわ。こっちよ」
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:21:34.48 ID:brw+73NW0
テクテクテクテク

さわ子「あそこよ」

梓「あそこが……」

澪「秘密基地か……」

律「普通に探してたら、見つからないよなー」

紬「でしょうね。だって……」

梓・澪・律・紬「「「「お土産屋さんですからね(だもんなー)(だものねー)」」」」

さわ子「でしょ?だから、いいのよ」

梓「そうですけど、緊張感に欠けますね」

さわ子「それじゃ、早速行きましょう」

ゆい「どこから、入るのー?」

さわ子「まあ、ついてくれば分かるわよ」

さわ子さんはお土産屋さんに向かいます。

店員「いらっしゃいま……貴様は裏切り者のさわ子!?」

さわ子「いきなりな物言いねー」

梓「なんだが、雲行きが……」

澪「怪しいな……」

店員「ひいい、カントーチャンピオンの中野梓とベスト4の秋山澪!」

律「私達もいるぞー」

店員「お前達は……誰だっけ?」

紬「よし!ゆいちゃん、この人をボコボコにして!」

ゆい「任せてよ!!」

梓「勝手に人のポケモンを使わないでください」

ゆい「えへへ。ごめんね、私はあずにゃんの物なんだって〜。テレテレ」

紬「なら、仕方がないわね」

梓「へんな言い方しないで下さい。そして、ムギ先輩も納得しないで下さい」

ゆい「照れてるー」

紬「素直じゃないわねー」

梓「あーもう!!」

さわ子「何してるの?」

梓「はい?」

さわ子「行きなさい」

いつの間にか、店員さんはボコボコにされて気絶しています。

さわ子「ここが入り口よ。私は見張りをしてるから、サッサと行きなさい」

ゆい「さわちゃんは行かないのー?」

さわ子「……さすがに裏切ったと言われたとはいえ、自分の所属していた組織を破壊できないわよ。敵にもまわしたくないし」

梓「……さわ子さん」

さわ子「さあ、行って来なさい」

梓・澪・律・紬・ゆい「「「「「はい!!」」」」」
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:22:56.57 ID:brw+73NW0
チョウジタウン・外れ

唯「さあ、次の町に行こうか」

アズサ「……」

唯「どうしたの、アズニャン。元気がないよ」

アズサ「そんなことないですよ」

アズサ(唯先輩の目が赤くなってます。きっと、昨日、ずっと泣いてましたからね……)

アズサ「次の町にがんばって行きましょう!やってやるです!!」

唯「えへへ。アズニャンらしくなってきたよ」

アズサ(唯先輩は何事もないように接してますけど……)

唯「ふわふわターイム」

アズサ(本当に大丈夫でしょうか?)

ゆい『これからの戦いで必要なのはね……アズニャンのように自己満足な戦いじゃ駄目なんだよ』

アズサ(……ゆい先輩は私の戦いを自己満足と言いました。一体、私の戦いの何が駄目なんでしょうか)

唯「どうしたの、アズニャン?何か、考え事?」

アズサ「昨日、ゆい先輩に言われたことを考えてただけです」

唯「……もう、忘れよ?」

アズサ「……え?」

唯「もう……あの人達の事は忘れよう。あの人達は……仲間でも何でもないんだし」

アズサ「……唯先輩」

ニャース「……唯」

憂「あ、お姉ちゃん!」

純「唯先輩!」

唯「ん?あ、憂に純ちゃん」
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:24:54.91 ID:brw+73NW0
憂「久しぶりー」

唯「久しぶりだね。憂は純ちゃんと知り合いなの?」

憂「うん!」

純「偶然にアサギシティで会いましてね」

憂「ここまで一緒に来たんだよ」

唯「……うん。憂はいい仲間を持ったよね」

憂「……何か、あったの?」

唯「べ、別に何もないよ!?」

憂「嘘つかないでよ。他の人は気がつかなくても私の目は誤魔化されないよ」

純「というより、そんな目を真っ赤にしてたら、何かあったことは大体察しがつきますよ」

唯「わ、私は……」

純「もしかして、梓と関係があるんですか?」

唯「!?な、ないよ!」

憂「お姉ちゃん、動揺してるよ」

唯「うう、どうして、純ちゃんにそんなことが分かるの。……もしかして、エスパー!?」

純「それは……」

うい「私がいるからです!」

純ちゃんの下のういが声を上げます。

うい「私のお姉ちゃんレーダーがこの町で反応してるからです」

唯「は、はあ……」

うい「ただ……地下にもぐったらしく、今は圏外ですけど」

唯「携帯みたいだね」

憂「そんなことで誤魔化さないで!しっかり、何があったか話してみてよ!」

唯「別に誤魔化したつもりはないんだけど……まあ、いいや」

かくかくしかじか。

憂「そんなことが……」

純「まったく、あの馬鹿は……」

唯「皆、ひどいんだよ!それでもあずにゃんだけは味方でいると思ったのに……。年下のくせに生意気だよ。まあ、澪ちゃんだけは味方でいてくれたけど……あーあ。このまま、唯澪の路線で行こうかなー」

憂「……」

純「……それじゃ、行きますね」

唯「えー。まだ、おしゃべりしようよー」

純「いえ……。私はあの馬鹿のところに行かなくちゃ行けないので」
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:26:57.21 ID:brw+73NW0
唯「……どうして?」

純「はい?」

唯「どうして、行くの!?死んじゃうかもしれないんでしょ!?」

純「でしょうね」

唯「でしょうねって……」

純「友達も……命を賭けてるんですからね。助けにいかないと」

唯「……」

純「あ。梓を弁護するわけじゃないんですけど……前にタマムシシティの話を聞いたことがありますか?」

唯「き、聞いたこと……ないよ」

純「その時、梓は死に掛けたそうですよ」

唯「!?」

純「梓はそれ以外にも、たくさん危険な目にあってきたんです……。きっと、梓は……唯先輩を危険な目にあわせたくなかったんでしょうね。だから……あんまり、そんなこと言わないでください」

唯「……だからだね。……私が遠足に行くみたいにのんきにしてたから……皆は……」

憂「お姉ちゃん……」

純「さてと。それじゃ、行こうか、うい」

うい「うん」

憂「待って、純ちゃん」

純「ん?」

憂「私も行くよ!」

唯「えっ!?」

純「……遊びに行くんじゃないよ?」

憂「知ってる」

唯「う、憂……」

純「……その判断は……梓達の気持ちを裏切るのよ。それでも?」

憂「……うん」

純「お姉ちゃんも?」

憂「!?」

純「憂が傷ついたら……唯先輩だって嫌ですよね?」

唯「それは……嫌だけど」

憂「……お姉ちゃん」

純「……で、どうするの。もう、そろそろ行きますけど」

憂「……お姉ちゃん」

唯「?」

憂「馬鹿な妹でごめんね」

唯「え?」

憂「私も行くよ。お姉ちゃんには悪いけど」

唯「う、憂!」

憂「ここで……友達を見捨てたら……絶対にいけないと思う」

唯「!?」

憂「それに……私は梓ちゃんには何も言われてないし」

純「……分かった。じゃあ、行こうか、憂」
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:28:41.84 ID:brw+73NW0
憂「うん」

唯「ま、待って!」

純「何ですか?」

唯「わ、私も……行くよ!」

純「……いいんですか?」

唯「……今までは……あずにゃん達は私を仲間外れにしたくてこんなことをしたんだと思ってた。でも、本当は……覚悟がない私に大切なことを教えてくれようとしてたんだね。それを分かろうともせず……あずにゃんに悪口を言っちゃった。……謝らないといけないよね」

純「……」

唯「それに……ここで逃げたら、きっとこれから先もいろんなことから逃げる気がするんだ」

純「……分かりました」

唯「純ちゃん!」

純「早く行きましょう。もしかすると……私達の出番がないかもしれませんよ」

唯「それは駄目だね。華麗に登場して、あずにゃんを助けてあげるんだよ!」

憂「まるで、ヒーロだね!」

唯「そして、お礼としてあずにゃんを抱き枕にして、寝るんだ〜」

憂「暖かそうでいいよね〜」

唯「ん?待てよ。私はあずにゃんの悪口を言っちゃったからね。仕方がない。代わりに私が抱き枕になってあずにゃんと一緒に寝るしかないね」

憂「罪滅ぼしは大事だよね」
唯「さすがは憂。よく分かってるね」

純(梓……頑張れ)


アズサ「私も聞きたいことがあるです」

うい「いいよー。答えてあげるよ。できる範囲で」

アズサ「かくかくしかじか」

うい「うんうん、なるほど」

アズサ「私とゆい先輩の何が違うんですか?」

うい「ごめんね。それは自分で考えなくちゃいけないと思うよ」

アズサ「……そうですか」

うい「……怒った?」

アズサ「……ううん。大丈夫」

うい「たぶん、アズサちゃんなら、すぐに気づくよ」

アズサ「……ありがとう」


唯「さて……それじゃ、純ちゃん行こうか!」

純「そうですね。行きましょうか」

私達はロケット団の秘密基地に向かいました。待っててね、あずにゃん達!すぐに皆を追い抜けるように強くなるよ!
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:31:41.69 ID:brw+73NW0
第21話 『ロケット団アジト・潜入大作戦!!!〜最深部を目指せ!!〜』

チョウジタウン

うい「この辺りから、お姉ちゃんレーダーが切れているんだけど……」

純「ここはお土産屋さんみたいね……」

唯「さすがにここには……ん?」

さわ子「あら、唯ちゃん」

唯「さわちゃん!」

さわ子「いきなり、フレンドリーね。……梓ちゃん達なら、アジトに行ったわよ」

唯「私達も連れて行ってよ」

さわ子「……いいの?そっち側には戻って来れないかもしれないわよ」

唯「そっち側?」

さわ子「後ろを向いても仕方がないわよ。そうじゃなくて……平和に過ごしていける側よ」

唯「それは……私は危険でも皆といたいよ!」

さわ子「………いいわ。行きましょう」

唯「やったー!」

さわ子「そっちの……純ちゃんはともかく……そっちの子は?」

憂「私も大丈夫です!」

さわ子「……分かった。あなたも行きましょう」


さわ子「ここよ」

唯「お土産屋さんに入り口があるなんて、誰も思わないよね」

憂「隠すなら、うってつけだね」

さわ子「それじゃ、頑張ってきなさい」

純「さわ子さんは?」

さわ子「裏切り者扱いされても、前は仲間だったのよ。さすがにね」

純「……すいません」

さわ子「気にしなくていいわよ」

唯「何はともあれ、しゅっぱ〜つ!」

さわ子「ポケモンはボールに入れていきなさいよ」
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:33:56.71 ID:brw+73NW0
ロケット団・アジト

ロケット団員A(以下、ロA)「テクテクテクテク」

ロB「てくてくてくてく」

ロC「テクテクテクテク」


倉庫?


梓「……さすがにたくさんのロケット団がいますね」

私はドアの隙間から様子を見て言います。

律「そりゃ……敵の本拠地だしな」

澪「これから、どうする?」

紬「まずは探索よね」

律「RPGの基本だな」

澪「でも……」

梓「ロケット団員の数が多すぎですね……」

律「なら……目指すは更衣室だな」

澪「は?」

梓「覗きですか?趣味が悪いですね」

律「中野ー!!」

梓「く、首を絞めないでください」

ゆい「私も負けないよー!!」

梓「ゆい先輩も私の胸に顔をうずめてないで下さい!」

紬「うずめるほどないのに?」

梓「ギロッ」

紬「って、りっちゃんが……」

律「人のせいにするなよ!」

澪「お前ら……もう少し、緊張感を持てよ……。唯のことをいえないぞ」

梓「そうですね。律先輩は自重してください」

律「そもそも、梓が原因だけどな。……まあ、それはともかく、更衣室を目指すのは野郎の着替えを覗きたいんじゃなくてだな。ロケット団の制服がおいてあるだろ?」

梓「……なるほど」

紬「さすが、りっちゃんね!」

澪「とはいえ……今のままじゃ、動きようがないな」

ピイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ。
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:36:02.63 ID:brw+73NW0
その時、何かの警報が鳴り響きました。

ゆい「な、なに!?か、火事!?」

梓「分かりませんが落ち着きましょう」

ロD「侵入者だー!」

律「私達のことがばれたのか!?」

澪「そしたら、こっちに来るはずだ」

紬「私達以外にも侵入者が?」

梓「何だか……」

ゆい「嫌な予感がするね」

ロE「それにしても、よくこの場所が分かったな」

ロF「偶然、迷い込んだんだろ」

私達がいる部屋の前を何人ものロケット団員が通り過ぎて行きます。

澪「チャンスだな」

紬「たしかに、侵入者に気を取られているうちは他が手薄になるかもしれないわね」

律「それにこの混乱に乗じることができるしな」

梓「でも、その侵入者も心配ですね」

澪「たしかに。もし、あいつらの言うとおり、偶然迷い込んだんなら……助けないとな」

ロK「ところで、侵入者の特徴は?」

ロI「侵入者は3人。1人はショートボブで髪は茶色だったか?ツインテールのガキとニャースを連れているな」

ロO「1人はポニーテール。Iが言ってた侵入者となんとなく似ているな。もしかすると、姉妹かもしれんが……こいつもモップみたいな髪をしたガキとイーブイを連れていたな」

ロN「最後の1人はモップみたいな髪型をして、ポニーテールのガキを連れていたな」
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:36:35.79 ID:brw+73NW0
梓・ゆい・澪・律・紬「「「「「……」」」」」

梓「気のせいだと思うんですが……」

紬「どこかで見たことのある人達のような気がするわね」

澪「気じゃない気がするが」

律「……あの馬鹿共め!!!」
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:37:47.45 ID:brw+73NW0
唯「びええええええええええん」

ロL「待てこらー!」

唯「誰か助けてー!」

ニャース「早く、走るにゃ!」

アズサ「にゃう。戦うです。戦うです」

うい「あれだけの数無理だよ」

唯「大人しくして、アズニャン。そもそもどうしてこうなったの?」

純「唯先輩のせいですよー!」


回想

純「ここからは慎重な行動をお願いしますね」

憂「もちろんだよ」

純「あそこにロケット団が!あそこに隠れましょう!」

唯「うん!……あれっ?」

ツル、バタン!

ロP「侵入者だ!」

純「や、やばい……」

憂「逃げなきゃ!」


回想終了


唯「そういえばそうだったあああああ。びええええええええん。ごめんねええええええええ」

純「あそこに3方向に分かれてますね。3人に分かれましょう。私は右に行きます」

憂「それじゃ、私は左だね」

唯「私はまっすぐ……でも、分かれてどうするの!?」

純「1人でも生き残って、後の2人を救出すればいいんです!」

唯「3人全滅したら!?」

純「運がなかったってことで」

唯「びえええええええええええん」

憂「もう、分岐点だね」

純「それでは……また後で!」

私達は3方向に分かれました。
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:39:05.62 ID:brw+73NW0
律「仕方がない。3人を助けよう」

梓「でも、どうしましょう」

律「私とムギ、澪と梓でペアを組んで、それぞれ探そう」

紬「それが無難ね。1人だと、素早く動けても戦力的にどうか出し」

梓「4人で動くと素早く動きづらいでしょうし、ロケット団員に見つかった場合のリスクもありますからね」

澪「それじゃ、迅速に行こう」

梓・律・紬「「「はいです(ああ)(ええ)」」」




純「どうやら、私には運がないらしい」

ロW「ふふふ。行き止まりに追い詰めたぞ」

ロOP「袋のねずみならぬ、ロッカーのモップだな」

純「どういう意味よ」

うい「逃げ場がないってことだね」

純「失礼ね。変な格好してるくせに」

ロY「これは変な格好ではない。立派な制服だ」

ロZ「ふん。無駄話をしてる場合じゃない。行くぞ、お前ら!」

純「やれやれ。来て、ゲンガー、カビゴン!」

ロDA「1人でどこまでもつか、試してやるよ!」
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:41:32.30 ID:brw+73NW0


憂「お姉ちゃんは大丈夫かな?」

ジュン「あんたのお姉ちゃんよりも、自分のことを心配しなさいよ!」

憂「うーん、たしかにね」

ロLL「追い詰めたぞ……」

ロEE「てこずらせやがって」

憂「私達は逃げてたんだけど……挟み撃ちにあって、囲まれちゃったんです。このピンチどうしましょう」

ジュン「誰に説明してんのよ」

憂「まあ、簡単な現実逃避だよ」

ジュン「意外にのんきそうね」

憂「ジュンちゃんとイーブイが全部倒してくれるんでしょ?」

イーブイ「ブイ!?」

ジュン「無茶な!?」

ロKP「来い、アーボック!」

ロAA「来い、マタドガス!」

前からはアーボック、後ろからはマタドガスが待ち構えます。

憂「さてさて。どうしたものか」

ジュン「のんきすぎない!?」

憂「内心、泣き出したいんだよ?でも、ここまで来たんだしね」

???「まったく、憂ちゃんまで来るなんてな」

???「バクフーン、だいもんじ!!!」

ロKP「ぎゃああああああ」

ジュン「新手!?」

憂「いや……あの人達は」

律「久しぶりだな、憂ちゃん」

紬「元気そうで何よりね」

憂「律さん!紬さん!」

ジュン「なんだ、知り合いなのね」

律「まさか、憂ちゃんまで来るなんてな」

憂「まあ、いろいろありまして……」

紬「後は、唯ちゃんと佐々木さんだったかしら?」

律「違うだろ?佐藤さんだよ」

憂「いえ……鈴木純ちゃんです」

律「そういえば、そうだったっけ」

紬「まあ、そんなことよりも現状をどうするかね」

ロVZ「てめーら……」

律「そうだな。……憂ちゃんは戦えるか?」

憂「2人の足を引っ張らないようには頑張れます」

紬「期待してるわ」

律「それじゃ……」

律・紬・憂「「「決闘(デュエル)!!」」」
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:43:14.09 ID:brw+73NW0


唯「びえええええええええええええん」

ロKI「まてええええええ」

唯「待てと言われて待つ奴はいないよー!」

ニャース「そのとおりにゃー!」

バタバタバタバタ。

唯「これから、どうするの!ハアハア」

アズサ「戦うです!戦うです!ジタバタジタバタ」

唯「あんな数無理だよー」

私達は角を右に曲がります。

???「……」

唯「もがっ!」

ニャース「なんにゃ!?」

私達が角を曲がったところで、誰かに口をふさがれて、部屋に連れ込まれます。

唯「は、離して……」

???「静かにして下さい」

ニャース「唯を離……」

???「ニャースも静かにしてくれ」

アズサ「2人を離しな……」

???「シー……」

ロDE「くそっ。どっちに行った!」

ロDF「こっちだ!」

ドタバタドタバタ。

???「…・・・行ったみたいですね」

???「みたいだね」

???「そろそろ、離すけど……静かにしてくれよ」

3人はバッと手を離します。

唯「ぶはっ……。あなた達は……あっ!あずにゃんに、ゆいちゃんに澪ちゃん!」

梓「静かにして下さい」

唯「そうだったね。シーだよ、アズニャン」

アズサ「分かりました」

梓「それで……唯先輩はこんなところで何をしているんです?次の町に行ったんじゃないんですか?」
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:49:13.25 ID:brw+73NW0
唯「……あずにゃん。私ね、決めたよ。皆と一緒に戦うよ」

梓「危ないことなんですよ?」

唯「知ってるよ」

梓「……なら、いいんですけど」

唯「それとね。謝らなきゃいけないことがあるんだ」

梓「何でしょうか?」

唯「私ね、あずにゃんの悪口言っちゃったんだ。ごめんね」

梓「……まあ、言われても仕方がないことですし、私もひどいことをしたんですからいいですよ」

唯「それじゃ、私の気がすまないよ。……だから、あずにゃんの抱き枕になります!フンス」

梓「……はい?」

唯「だから、今日はずっと、私に抱きついて寝ていいよ♪」

梓「……あのですね……」

ゆい「残念ながら、それは私の役目なんだよ〜。いくら、そっくりでもその役目は譲れないよー」

唯「む。それなら、仕方がないね」

澪「すんなり引き下がったな」

梓「そもそも、そんな役目は唯先輩にもないですよ」

唯「なら、私はあずにゃんのメイドさんをやるよ!!」

澪「メイドさん……」

梓「唯先輩は料理とかできるんですか?」

唯「私はちょっと……憂に任せます!」

澪「なら、掃除か?」

唯「それも憂に任せます!」

梓「でしたら、洗濯ですか?」

唯「それも憂に……」

梓「なら、憂にメイドを頼んだほうがいいですよね」

澪「そうだな。……唯はメイドになってどんなことをするんだ?」

唯「ふふーん。よくぞ聞いてくれました!私は夜のご奉仕をするよ!」

梓「夜の……(カアー)」

澪「ご奉仕……(カアー)」

唯「2人とも顔真っ赤だよー。どうしてかな?にやにや」

澪「う、うるさい」

梓「ゆ、唯先輩はそんな経験はあるんですか?」

唯「むふふ、興味があるようですな、あずにゃん君」

梓「べ、別にありませんよ!」

唯「なるほど。腕前にご不安があるんだね。心配しなくても、キングオブペロリストの称号を持つ、平沢唯の力を見せてあげるよ!ベットの上で!」

梓「勝手に話を進めないで下さい」

澪「さて……積もる話もそれくらいにして……これからどうするか」

唯「憂達を助けに……」

梓「先に進みましょう!」

唯「ええっ!?」

あずにゃんの大胆な発言にびっくりです。
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:50:09.08 ID:brw+73NW0
澪「ほう……どうしてだ?」

梓「このまま、探しても見つかるとは限りませんし……私達だって安全ではありません。それに……」

ロYU「侵入者が暴れてるぞー!」

梓「どうやら、戦いが始まっているようです。この機会に乗じて、奥に進んでへんな電波を出している物をぶっ壊しましょう!」

澪「ふむ……」

唯「あずにゃん、だいたーん」

梓「どうでしょうか?」

澪「よし。それで行こう」

唯「いいのー?」

澪「多分、律なら……そうするだろうな」

梓「そういえば、そうですね」

唯「よし!頑張ろう!」

梓「いいんですか?」

唯「何が?」

梓「憂を助けにいかなくても?」

唯「……憂は強い子だから、大丈夫です!」

梓「……そうですか。では出発しましょう!」

唯「おーっ!ほら、澪ちゃんも」

澪「お、おーっ!って、何を言わせるんだ。(カア)」

私達は部屋を抜け出し、奥へと目指しました。
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga]:2011/10/29(土) 07:53:24.54 ID:brw+73NW0
第17話から21話まで終了

おまけ

アズサ殺法

その1

むったん・スラッシュ ノーマル 物理 威力70/命中100

アズサの通常技。むったんで相手を切りつける。急所に当たりやすい。

その2

むったん・トルネード ノーマル 物理 威力150/命中90

ツインテールで相手を拘束し、むったんを中心に竜巻を起こすような勢いで走る。この技を使用することで、必ず、自分は混乱状態になり、防御・特防をガクッと下げる。

その3

むったん・イナズマスラッシュ でんき 物理 威力 70 /命中100

電気を帯びたむったんで斬りつける。急所に当たりやすい。相手をマヒ状態にすることがある。

その4

むったん・フレアスラッシュ ほのお 物理 威力 70 /命中100

炎に包まれたむったんで斬りつける。急所に当たりやすい。相手をやけど状態にすることがある。

その5

むったん・エア・スラッシュ ひこう 物理 威力??? /命中90

空気の刃で敵を切り裂く。あたった回数により威力は変化する。
1回・威力120 2回・威力80 3回・威力60 4回・威力40 5回・威力20

その6

むったん・百錬自得の極み ??? 威力 ???/命中???

相手の特殊技を倍にし、跳ね返す。タイプ・命中は相手の技に依存すし、威力は倍になる。この技を発動すると攻撃が相手よりも後になる。

その7

むったん・からたけわり かくとう 威力 80/命中95

相手のバリヤーなどを粉砕する。急所に当たりやすい。

その8

むったん風林火山・疾きこと風の如く ひこう 威力 50/命中100

つむじ風のように素早く相手を切り裂く。この技は絶対に先制を取れる。

その9

むったん風林火山・侵略すること火の如く ほのお 威力 ???/命中100

5ターンの間、炎を纏ったむったんで敵を斬りつける。命中させて、ターンを重ねる度に威力はあがる。(外れたりするとリセット)
1・70 2・80 3・90 4・120 5・150 

その10

むったん風林火山・静かなること林の如く くさ 威力 70/命中100

この技は絶対に命中する。相手の能力変化の影響を受けない。

その11

むったん・音の傷 ノーマル 威力 180/命中100

音と音の境目をむったんで切り裂くことで、強烈かつ広範囲の衝撃波を放つ。 風○傷とある意味同じと考えてよい。急所に当たりやすい。ゴーストタイプにも命中する。
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/30(日) 04:57:06.08 ID:/fcxRVNx0
あぁ、もう今週分は終わりか・・・・・一週間が長く感じることになりそうな気がww
唯と梓orゆいとアズサの喧嘩?本気のバトル?に期待してるよ♪
とりま、乙!
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/30(日) 14:42:24.11 ID:qd+C1tjSO
なにこれおもしろい
一気に読んだ
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) :2011/11/02(水) 01:09:40.68 ID:ZYD7w5cM0
だよねぇ
この作者さんはとてもいいセンスを持っているよね♪

サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 05:31:36.01 ID:09P9mHUr0
第22話 『変則デスマッチ!?唯・梓VSサカキ〜勝利を目指せ!!〜』

地下・2階

澪「ここは……」

梓「発電所みたいですね」

唯「すごいよね。地下にこんなのがあるなんて」

私達はロケット団のアジトの地下二階の動力室の前にいます。

唯「それにして、りっちゃんの案が役に立ったよねー」

私達はここに来る前に、女性用の更衣室を偶然見つけ、ちょっと着替えを拝借しました。

梓「ですね。でも、その子を見つからないようにしてくださいね」

唯「任せてよー」

澪「さて……どうするか」

梓「着替えと一緒にあったこの場所の地図によると、ここは地下3階まであるそうです」

澪「だとすると……下まで行くか」

梓「でも、この動力室にも入りたいですよね」

澪「そうだけど……入れそうにないな」

梓「ここにも入るにはパスワードが必要だそうですよ。この紙によれば」

唯「どんなパスワード?」

梓「残念ですがそこまでは……」

唯「よし。ニャー太の知恵を……」

私はさっきしまったニャー太を(ゆいちゃんとアズニャンはそれぞれ、リュックの中にいます)出そうとします。

梓「ストップです。人に見られたら、どうするんですか!?」

唯「いけねっ!ペロリ」

梓「うっ……(ちょっと、可愛い)」

澪「どうした?」

梓「何でもないです。パスワードは……管理者の部屋にあるそうです」

澪「その部屋は?」

梓「……地下3階ですね」

澪「結局は3階に行くんだな」

梓「そうですね。ここからは慎重に行きましょう」

澪「ああ」

唯(……まったく、会話に参加できない。その結果、澪ちゃんにばかり、ポイントが貯まる。私もいいところを見せないとね)

唯「フンス」

梓「置いていきますよ、唯先輩」

唯「わーん、待ってー」
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 05:32:16.05 ID:09P9mHUr0
地下1階

憂「はあ……はあ……」

ジュン「はあ……はあ……」

律「大丈夫か、憂ちゃん」

紬「無理しないでね」

憂「だ、大丈夫です。皆さんは疲れてないんですか?」

律「まあ……慣れてるしな」

紬「不本意だけどね」

憂「皆さんすごいんですねー」

律「ふふん。私達は……」

紬「悪を成敗する正義の味方……」

律「その名も……」

律・紬「「放課後・ティータイムだ!!!」」

憂「皆さん、すごいんですねー」

ジュン(面白い人達だなー)
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 05:34:31.19 ID:09P9mHUr0
地下3階

澪「地下3階に到着したわけだけど……」

梓「これから、どうしましょう」

唯「管理室に行くんじゃないの?」

梓「さすがに侵入者が来て、騒然としていても厳しいですよ」

澪「梓の言うとおりだな。侵入者が来て、慌しい状態であっても、私達が管理者の部屋に入るのはさすがに怪しいからな」

唯「え、えーと……ど、どうして、怪しいのかな?」

梓「そりゃ、下っ端が侵入者も撃退せずに管理者の部屋に来る状況はおかしいじゃないですか」

唯「そ、そうだよね」

唯「むう……」

唯(また、澪ちゃんにポイントが……よし!私も何か、考えよう!そしたら……)


妄想

梓「すごいです、唯先輩!」

唯「そう?でへへ〜」

梓「唯先輩って、頼りになるんですね」

唯「まあね!フンス」

梓「私、……そんな唯先輩が……」

唯「ふっ。それから、先は私が言うよ。あずにゃん、私、あずにゃんが好きだよ」

梓「わ、私が言いたかったのに。もう!」

唯「ふふふ。可愛い子猫ちゃんめ。今夜は寝かせないぞ」ウインク

妄想終了


唯「ふへへ」

梓「あの……大丈夫ですか?」

唯「あずにゃん!」

梓「な、何でしょうか」

唯「えーと、ここに進入しなきゃいけないんだよね?」

梓「そうですよ」

唯「なら、侵入者が管理室を狙ってくるかもしれないから、警備に来たってことでいいんじゃない?」

澪「たしかに普通の部屋ならそれでもいいけど、管理者の部屋は指示を出す連中がいるからな」

梓「私達の顔も知ってるやつがいるかもしれませんし」

唯「むう……」

唯(失敗しちゃった。ショボーン)

梓「でも、発想は良かったと思いますよ」

唯「え、そう?えへへ」

澪「ここに長居するのもよくないな。一旦、どこかの部屋で話し合おう」

梓「そうですね」
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 05:36:36.82 ID:09P9mHUr0
トイレ

唯「個室に3人も入ると、ドキドキだよね」

梓「狭いですね、3人も入ると」

澪「仕方がないだろ?さすがに怪しまれるかもしれないからな。慎重にならないと」

梓「まあ、それはいいとして……どうしますか?」

澪「そうだな……」

唯「あずにゃんは何か案がある?」

梓「私ですか?……もう、いっそのこと強行突入はどうでしょうか?」

澪「危険じゃないか?」

梓「勝算はあります。今、上の階では律先輩たちだと思いますが、暴れていて、そっちに続々とロケット団員が向かっています」

澪「なるほど?」

唯「???」

梓「……つまりですね。上に集まっている分、こっちの警備は手薄になっているはずです」

唯「たしかに、ここにいるロケット団員さんの数が少ないね」

澪「たしかにできないわけじゃないけど……」

梓「そこで、私か澪先輩が唯先輩と管理室に突入して、パスワードを入手するんです」

澪「残った1人は?」

梓「見張り役で……部屋に団員が入ってこないようにします」

澪「なら、むしろ、どこかで暴れて、囮になったほうがいいな」

梓「それも考えましたけど……危険ですからね」

唯「何で、私が侵入する役なの?」

梓「唯先輩は1人で外で戦うのは……」

澪「ちょっと、無茶だな」

唯「……否定できないのが辛いよ」

澪「それじゃ、梓と唯が侵入するんだ。私が囮になる」

梓「それなら、私が……」

澪「いや……梓にはゆいがいるだろ?幹部がどれくらいの強さが分からないが……ゆいの戦力は貴重だ」

唯「囮役が2人にするのは?」

澪「さっきも言ってたけど、ここにはそんなに数もいないからな。1人でも大丈夫だろ?それよりも管理室でのパスワードを入手するほうが大事だ」

唯「なるほど。……私、結構重要な役なんだね!」

梓「そういうことですね」

澪「それじゃ、早速、行動を開始しよう」

梓「気をつけて下さいね、澪先輩」

唯「すぐに助けに行くよ!」

澪「ああ。唯達も気をつけてな」
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 05:37:54.31 ID:09P9mHUr0
ロLL「ぎゃあああああああああ」

澪ちゃんと別れてからすぐにロケット団員の大きな叫び声が響き渡りました。

梓「始まったようですね」

唯「だね」

私達は部屋に隠れて様子を見ます。

梓「少したったら、強行突入です」

アズサ「やっと、戦闘ですね!やってやるです!」

梓「静かにして下さい。見つかったら、大変です」

唯「どうして?」

梓「侵入者を倒しにかりだされるかもしれません」

唯「なるほど。私達、ロケット団員の格好をしてるもんね」

梓「とはいえ、のんびりもしてられませんからね。5分くらいたちましたらいきましょう」

うんたん♪うんたん♪

唯「5分たったから、出発だよ〜」

梓「急ぎましょう」

管理室

唯「たのもー!たのもー!」

私はバーンッとドアを開けます。

唯「私達の言うとおりにすれば、このまま、何もしないよ!動力室のパスワードさえ、渡してくれれば、いいんだよ!」

梓「唯先輩、少し様子が変ですよ」

私達は辺りを見渡すと、そこには……だれもいません。

唯「あれれ?格好良く、決まったと思ったのに……」

梓「敵がいないに越したことはありません。サッサとパスワードを探しましょう」

唯「だね。……ん?」

私が机の上を見ようとすると……机の下に階段があるのが見えました。

唯「あずにゃん、あずにゃん」

梓「どうしましたか?」

唯「階段があるよ」

梓「どれですか?」

唯「ここ」

あずにゃんにさらに地下へと続く階段を見せます。

梓「ふむふむ。でも、危ないですから、まずは探索をしてからですね」

唯「そうだね」
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 05:40:12.09 ID:09P9mHUr0
うんたん♪うんたん♪

唯「全然見つからないよー」

梓「まだ探して、3分しかたってませんよ」

唯「カップラーメンができるね」

梓「何を言ってるんですか」

あずにゃんはあきれたように言う。可愛いな〜。

梓「ちゃんと探して下さい」

唯「ほーい」

???「探しているのは……パスワードだろ?」

梓「そうですよ。ちゃんと探して下さいね、唯先輩」

唯「あれ?私、何も言ってないよ?」

梓「え?じゃあ、今の声は……」

???「私だ……」

さっき見つけた、階段から偉そうなおじさんが出てきました。

梓「あ、あなたは……」

唯「あずにゃんの知り合い?……はっ!まさか、いけない関係!?だ、駄目だよ、あずにゃん!」

梓「な、何を言ってるんですか!この人は……」

???「私はサカキ。……一応、元ロケット団のボスだ」

唯「このおじさんが!?」

サカキ「お前たちがほしいのは動力室へのパスワードだろう?」

梓「はい」

サカキ「私に勝てたら、このパスワードをやろう」

唯・梓「「!?」」

サカキ「どうする?」

梓「……いいでしょう。唯先輩はここで待ってて下さい」

唯「わ、私も行くよ!」

梓「でも……」

唯「あずにゃんを1人では行かせないよ!キングオブペロリストの名にかけて!!フンス」

梓「急に猛烈に置いていきたくなりました」

サカキ「ふふふ。2人とも来ればいいさ。2人まとめて相手になってやる」

唯「太っ腹だね、おじさん」

梓「ゆ、唯先輩」

サカキ「さあ、フィールドはこの下だ」

梓「行きますよ、唯先輩」

唯「ちょっと、待ってね。来て、アズニャン、ニャー太」

私はリュックからアズニャンをボールから、ニャースを出します。」
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 05:42:20.29 ID:09P9mHUr0
アズサ「にゃふ〜、苦しかったです」

ニャース「久しぶりの外にゃ」

唯「それじゃ、いこっか」

梓「する必要があるんですか?」

唯「あるよ。大事な仲間だしね」

梓「……そうですね。それじゃ、私も」

あずにゃんもリュックからゆいちゃんを出します。

ゆい「すーぴー」

唯「気持ちよさそうに寝てるね」

梓「起こすのも悪いので……抱っこしていきましょう」

地下4階・フィールド

サカキ「ここだ」

梓「地下にこんなものが……」

唯「ほへー、すごいねー」

サカキ「それではルールを説明しよう」

梓「ルールですか?」

サカキ「それとも、ルール無用の戦いがいいかな?」

梓「チラッ」

唯「ん?な〜に?」

梓「何でもないです。……説明して下さい」

サカキ「ルールは簡単。使用するポケモンの入ったモンスターボールをフィールドの真ん中に全て置くんだ」

唯「モンスターボールを?」

サカキ「そうだ。そして、トレーナーはこの四角のエリアがあるだろ」

梓「はい、ありますね」

サカキ「バトル開始と同時にそこから、フィールドの真ん中にあるボールまで走るんだ」

唯「うへー、大変そう」

サカキ「そして、ボールを持って、スタートしたエリアに入るまで、ボールからモンスターを出すことはできない」

唯「そのボールをもってくる時に持っていけるのは何個まで?」

サカキ「むろん、1個までだ。戦闘不能になったら、ボールに戻し、再び、真ん中のエリアまで取りに行くんだ」

唯「なるほど」

サカキ「手持ちは互いに6匹。お前達は2人だから、計12匹だな」

唯「それはこっちが有利だね」

サカキ「そういうことだな。勝敗は手持ちポケモンの全滅かトレーナーのギブアップするかだ」

唯「なるほどー」

ニャース「分かったのかにゃ?」

唯「なんとなくねー」

梓「……」

サカキ「梓君の方は何か、疑問があるようだな」
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 05:43:59.02 ID:09P9mHUr0
梓「ルールを少し訂正してほしいんです」

サカキ「ほう。どこをだ」

梓「まずは私達の手持ちは3匹でいいです」

唯「ええ!?な、何を言ってるの、あずにゃん!」

サカキ「……で?」

梓「そして、サカキさんは持ってこれる2匹ずつでいいですよ。そしたら、2対2になります」

サカキ「そうなると……6匹対6匹になるな」

梓「そうです。それで平等です」

唯「あ、あずにゃん、なに言ってるの!?せ、せっかく、こっちが有利だったのに」

梓「いいんですよ。対等な条件の方がバトルが面白いですよ。それに敵に情けをかけられる必要もありません」

唯「そうだけど……」

サカキ「ククク。面白いな、梓君は。いいだろう、その条件を受けてやろう」

梓「ありがとうございます」

唯「あ、あずにゃ〜ん」

梓「心配しなくても唯先輩は私が絶対に守ります」

アズサ「私も頑張るです!」

唯「こっちが有利な方がよかったのに……」

梓「……有利ですけど、それで勝っても仕方がありませんよ」

唯「……そうだね。私達は悪を成敗する正義の味方『放課後ティータイム』なんだからね!」

梓「それも果てしなく微妙ですけどね」

サカキ「では早速始めようか」

梓「その前に私達のメンバーを決めさせてください」

サカキ「そうだったな。でも、勝てないと思ったら、選ばれなかった3匹でも何でも使うがいい」

梓「私達はあなた達と違って正々堂々と戦います。もし、負けてもそんなずるなんかしません。負けたら、好きにして下さい」

唯「大丈夫!私とあずにゃんのタッグなら、絶対に負けないよ!」

サカキ「ふふふ。それは楽しみだな。なら、サッサと準備をして始めよう」

梓「分かりました」
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 05:47:32.48 ID:09P9mHUr0
唯「さあ、どんなメンバーにしようか?」

ニャース「そうだにゃ……今回はタッグだから、梓とのバランスは大事にゃ」

唯「???」

ニャース「例えば、梓がとりタイプとみずタイプを選んだとするにゃ。その場合、唯もみずタイプとひこうタイプにしたら、でんきタイプの前にズタボロにやられるにゃ」

唯「なるほど。その場合、私は……」

ニャース「じめんタイプを出すといいにゃ」

唯「たしか、でんきタイプを無効できるからだね」

ニャース「そういうことにゃ。だから、梓と相談して決めるといいにゃ」

唯「ほーい」

梓「今のはいいアイデアですけど、私が唯先輩をフォローするので、唯先輩が先に決めてください」

唯「そう?なら……私は……うーん」

ニャース「難しいところにゃ」

唯「じゃあ、ヘラ太とウパ太とアズニャンにしよう」

アズサ「やってやるです!」

唯「それじゃ、ボールに入ってね。苦しいかもだけど」

アズサ「仕方がありませんね」

ニャース「アズサはいいとしても、どうしてその2匹にゃ?」

唯「ヘラ太はこういうときに燃えると思うんだよねー。そして、ウパ太は出番が少なかったし、ヘラ太の弱点であるほのおタイプをフォローできるし」

梓「ヌオーはいいとしても、ヘラクロスは燃えるですか」

唯「モチベーションは大事だからね。それから、あずにゃんはハッサムを使ってほしいんだ」

梓「どうしてです?ほのおタイプが辛くなりますよ」

唯「ヘラ太が対抗意識を燃やすからね。そしたら、実力以上のものを発揮できるよ!」

梓(ポケモンのモチベーションか。普通のトレーナーは考えませんよね、そんなこと。ポケモン目線でそんなことを考えるなんて、唯先輩はすごいですね)

唯「私もあずにゃんがメイドさんになってくれるって言ったら、頭の回転が3倍になるよ!」

梓「さっきの尊敬は取り消しです」

唯「ん?それはどういう意味?」

梓「気にしないで下さい。こっちのことです」

唯「???」

梓「それじゃ、私は……ゆい先輩とハッサムと……ヘルガーでいきましょう」

唯「ヘルガー?あずにゃんがポケモンリーグで使ってるのは見たことあるんだけど……」

ニャース「ヘルガーはタイプはあくとほのおにゃ。ぼうぎょは壊滅的に低いが、それなりのとくこうの高さが特徴的にゃ」

唯「なるほど、なるほど。いつも、勉強になります」

梓「本当にすごいですね」

ニャース「照れるにゃ」

サカキ「終わったか?」

唯「終わり……」

梓「もう少し、待って下さい!」
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 05:49:27.65 ID:09P9mHUr0
サカキ「構わんよ。ゆっくりと、最期の時を満喫してくれ」

唯「どうしたの、あずにゃん」

梓「どうしたの、じゃありませんよ。作戦も立てずに戦おうとしてたんですか?」

唯「……はっ!?」

梓「考えてなかったんですね」

唯「えへへ」

梓「まったく……」

唯「でも、作戦といっても、何かあるの?」

梓「相手の出方にもよりますが……なるべく素早く行動してくださいね」

唯「分かってるよー」

梓「それと……常に自分を守ることを考えて下さい」

唯「?それって、どういう意味?」

梓「今はまだ推測なので、言いませんが……覚えておいて下さい」

唯「あずにゃんが言うなら、そうするよー」

サカキ「そろそろ、いいかな?」

梓「お待たせしました。早速、始めましょう」

サカキ「ククク。貴様と戦えるのを楽しみにしていたよ。余計なのもいるが」

モンスターボールをフィールドにセットしながら、サカキさんは言います。

梓「……それはどうも」

唯「余計なの扱いされたー」

梓「気をつけて下さい。おそらく、このサカキさん。相当な実力ですよ」

所定のエリアに戻りながら、あずにゃんは言います。

唯「大丈夫だよー。わたしとあずにゃんならね!」

梓「……なら、いいんですけどね」

サカキ「それでは準備はいいかな?」

サカキさんもエリアに入り、言います。

梓「ええ」

唯「いつでもいいよ!」

サカキ「それでは行くか……」

唯・梓・サカキ「「「決闘(デュエル)!!!」」」

おまけ

今回の戦いのルール

・サカキは手持ち6匹・2匹ずつ使用。唯・梓は手持ち3匹・1匹ずつ使用。2対2のダブルバトル。
・自分のエリアから走って中央のエリアに置いたモンスターボールを取って、エリアに戻ってからボールからモンスターを出す。その際、持っていけるモンスターは1匹。ただし、サカキは2匹。気絶してからは気絶した分のモンスターの数だけを持っていける。
・勝利条件は手持ちモンスターの全滅かトレーナーのギブアップが条件。
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 05:52:41.36 ID:09P9mHUr0
第22話 『闇のポケモンバトルの恐怖!?迫り来るサカキの猛攻!!〜2人の絆で勝利を掴め!!〜』

唯・梓・サカキ「「「決闘(デュエル)!!!」」」

その言葉と同時に走り出します。

サカキ「サッ」

ニャース「速いにゃ!?」

サカキさんは素早く、ボールを取って、エリアに戻り始めます。

梓「くっ!」

続いて、あずにゃんもボールを持って、エリアに戻ります。

唯「やっと、ついた。え、えーと……どれにしようかな……」

梓「迷ってないで、急いでください!」

唯「う、うん。……じゃあ、これ!」

私は適当なボールを拾います。それから、戻らなきゃね。……ツル、バタンッ。

梓「唯先輩!」

唯「うう……痛い」

今日は転んでばっかりだよ。

梓「くっ……」

あずにゃんは私に駆け寄ろうと一瞬しますが、すぐに振り返って、エリアに走ります。

唯「あずにゃん、つめた〜い」

梓「唯先輩、急いで下さい!来ますよ!」

唯「ほへ?」

サカキ「来い、スピアー!ガルーラ!」

唯「ひゃー、怖そうなモン……」

サカキ「スピアー、その倒れている女を攻撃だ!ダブルニードル!」

唯「私に攻撃か……ってやばいよー!」

ニャース「早く、戻ってモンスターを出すにゃ!」

唯「う、うん」

私は起き上がって走り出します。

スピアー「スピアー!」

スピアーの両手の鋭い槍のようなハリが私に向かって突き刺すべく、追いかけてきます。

梓「来て下さい!」

ヘルガー「ヘルガー!」

梓「ヘルガー、かえんほうしゃ!」

ヘルガーは素早く横に回り、横からスピアーに向かってかえんほうしゃを発射します。

サカキ「スピアー、一旦、退くんだ!」

スピアーは一旦、後ろに下がります。い、今のうちだよ。私はスタコラとエリアに戻ります。

梓「だ、大丈夫ですか、唯先輩!」

唯「びえええええええええええん。怖かったよー!」

梓「怪我とかは?」

唯「それは大丈夫。……それよりも、サカキさん!」

サカキ「?」

唯「反則だよ!トレーナーを狙うなんて!」
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 05:55:39.69 ID:09P9mHUr0
サカキ「……くっくくくく」

唯「な、何がおかしいの!」

サカキ「私がいつ、トレーナーを狙ってはいけないと言った?」

唯「それは……そういえば、言ってないよ!?」

というか、どこかでみたやり取りだよ。

唯「というか、トレーナーを傷つけてはいけないんだよ!!」

サカキ「そうだな。たしかにお前の言うとおりだよ」

唯「分かってくれて嬉しいよ」

サカキ「だが、今回のルールでそんなことは一言も言ってないぞ」

唯「ええっ!?」

サカキ「ククク」

梓「唯先輩、落ち着いて下さい。昨日のルールと同じですよ」

唯「そうだけど……」

梓「私達は私達のやり方で勝てばいいんです!」

唯「……そうだね!!」

サカキ「そもそも、この戦い方法はな……古来より、伝わる闇のバトルの1つだ」

梓「闇のバトル……」

サカキ「伝統深いこのバトル、どこまで私を楽しませてくれるかな?」

梓「……唯先輩、早く、ポケモンを出してください」

唯「おおっ!そうだね」

私はボールを投げると、ウー太が出てきました。

梓「相手はガルーラとスピアー……唯先輩はガルーラを任せます!私はスピアーを!」

唯「う、うん……頼んだよ、ウー太!」

ヌオー「ヌー!」

唯「え、えと……」

ニャース「落ち着くにゃ。ガルーラはタイプはノーマルにゃ。ヌオーには有効的な技はないにゃ」

唯「そ、そっか……よし!マッドショットだよ、ウー太!」

ヌオー「ヌー!」

ウー太は泥の塊をガルーラに投げつけます。

ガルーラ「ガル……」

唯「よし!」

ニャース「マッドショットは相手の素早さを必ず下げる技にゃ。この状況にはぴったりにゃ」

サカキ「……」

梓「こっちも負けてられないです!ヘルガー、だいもんじです!」

ヘルガー「ヘルー!」

ヘルガーは口から大の文字の炎を吐き出します。

サカキ「スピアー」

スピアーは横に飛びますが、それでもヘルガーの攻撃をかすってしまいます。

スピアー「スピー!」

梓「やりました!かすっただけとはいえ、スピアーの耐久力の低さと弱点でそれなりのダメージです!」

サカキ「……」
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 05:57:38.71 ID:09P9mHUr0
唯「あずにゃんもやったね!こっちが優勢だよ!」

サカキ「……フハハハハハ」

唯・梓「「!?」」

サカキ「その程度か……少々、興醒めだな」

唯「ふ、ふん。強がっちゃって……」

サカキ「すぐにレベルの違いを見せてやるさ……スピアー!ガルーラ!」

サカキさんの掛け声で、スピアーは後ろに下がります。

梓「ヘルガー、スピアーを追って……」

ガルーラ「ガル!」

スピアーを追いかけようとする、ヘルガーにガルーラの拳が迫りますがヘルガーは何とか避けます。

梓「くっ……」

サカキ「ガルーラ、ヘルガーにピヨピヨパンチだ!」

ガルーラ「ガルー!」

梓「後ろにジャンプです!」

ガルーラの攻撃をヘルガーはジャンプで避けますが、避けた所の地面にガルーラの拳が激突し、地面がめり込みます。

梓「なんていう威力……」

唯「あ、あんなのに当たったら……ガクガクブルブル」

サカキ「お前達はダブルバトルをしたことがないのか?」

唯・梓「「え?」」

ヘルガー「ヘル!?」

ヘルガーが避けた先にはいつのまにか、スピアーがいて、ダブルニードルでヘルガーの体を突き刺しました。

梓「ヘルガー!?」

サカキ「弱いな。弱すぎるな。梓よ。お前はもっと強かったはずだ。そんな足手まといを抜きして、もう一度、戦いなおしてもいいぞ」

梓「その誘いは丁重にお断りします。私は唯先輩と勝利を掴みます!」

唯「あずにゃん……」

うう、もっと、私がしっかりしていれば……。

唯「ぐす」

ニャース「泣いている場合じゃないにゃ。今のは唯のミスにゃ」

唯「え?」

ニャース「これはダブルバトルにゃ。2匹のモンスターの連携が重要にゃ。だから、ヌオーにフォローさせるべきだったにゃ」

唯「そ、そうだね……」

ニャース「でも、気にするにゃ。初めてのダブルバトルにゃんだから」

梓「そうですよ。まだ、負けてませんよ」

唯「でも……」
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:00:27.88 ID:09P9mHUr0
ヘルガー「ヘル……」

ヘルガーはダブルニードルを足に受け、苦しそうです。

唯「ど、どうすれば……」

あのままじゃ、攻撃は当てられないよね……そうだ!

唯「ウー太、どろばくだんをガルーラの目に投げて!」

ウー太は泥の塊をガルーラの目に投げつけます。

ガルーラ「ガル!?」

唯「あずにゃん!」

梓「!?ヘルガー、だいもんじです!」

ヘルガーは再び、大の文字の炎を口から繰り出します。

ガルーラ「ガルー!!」

ガルーラはヘルガーの攻撃をまともに受け、炎に包まれます。

サカキ「くっ!ガルーラ、アームハンマー!」

ガルーラはのそりのそりと足を怪我したヘルガーに向かいます。

唯「今度は大丈夫!ウー太、ガードに……」

梓「来ないで下さい!」

唯「ほへ!?」

ニャース「唯、横にゃ!」

唯「え!?」

ヘルガーの盾になろうとしたウー太の横にスピアーのダブルニードルが迫ります。

梓(このままじゃ、どっちもやられます……)

梓「なら……唯先輩!スピアーの動きを止めさせて下さい!」

唯「う、うん!ウー……ウー太!」

ヌオー「ヌー!?」

ウー太の体にスピアーのダブルニードルが突き刺さっています。

唯「ウー太!すぐに抜い……」

梓「そのままでいてください!ヘルガー、かえんほうしゃ!」

ヘルガー「ヘル!」

サカキ「!?」

ヘルガーはスピアーに向かって、かえんほうしゃを発射します。

スピアー「スピアー!」

スピアーはすぐに引き抜いて、逃げようとしますが、

ヌオー「ヌー!」

スピアーの体をウー太はしっかり掴みます。

スピアー「スピ!?」

梓「ナイスです!」
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:02:12.13 ID:09P9mHUr0
ヘルガー「ヘル!(gj)」

スピアー「スピアアアアアアアアア」

スピアーはかえんほうしゃをもろに浴び、気絶しました。

ガルーラ「ガル!」

ヘルガー「ヘル!」

ヘルガーはガルーラの重い拳を横から受け、飛ばされ、気絶しました。

ヌオー「ヌー……」

唯「ウー太!」

ウー太もさっきのスピアーの攻撃で苦しそうです。

唯「あずにゃん、さっきのは……」

梓「戻ってください、ヘルガー。……どうせ、ヘルガーもやられていました。最悪はヌオーも……それなら、スピアーだけでも倒しておいたほうが良かったということです」

唯「だから、スピアーの動きを……でも、自分のポケモンを犠牲にしてでもするべきなのかな?あの時はガルーラに抵抗した方が……!?」

あずにゃんを見ると、手は震えています。……そうだよね。自分のポケモンのヘルガーが傷ついてるんだもん。平気なわけないよね。

梓「……それでは行ってきますね!」

唯「う、うん」

あずにゃんはきっと、あの時、片方でも生き残る可能性が高い方法を計算したんだね。

ニャース「唯、ボーっとするにゃ!フォローにゃ!」

唯「え!?」

サカキ「ガルーラ!」

梓「くっ!」

ガルーラはあずにゃんの行く手をふさぐように立ちふさがります。

唯「あずにゃん!サカキさん!どういうこと!!」

ニャース「そんなことよりもガルーラを止めるにゃ!」

唯「そうだね。ウー太、どろばくだん!」

サカキ「同じ手はくわんぞ!」

サカキさんはボールを手にして、そんなことを言います。

ガルーラ「ガル!」

ガルーラは両手で目をガードします。

唯「なっ……」

ニャース「まずいにゃ。このままじゃ、2対1どころか、梓が危ないにゃ」

唯「ど、どうしよう……」

梓「今ので十分です!」

ガルーラ「ガル!?」

あずにゃんは今のやり取りの間にガルーラの横をすり抜けます。

唯「あずにゃん!よし、私達も負けられないよ!ウー太、たきのぼり!」
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:04:46.28 ID:09P9mHUr0
ヌオー「ヌー!」

あずにゃんの方を向いた、ガルーラの後ろにウー太滝に登るような勢いで突進を仕掛けます。

ガルーラ「ガル!」

ガルーラはその攻撃を避けきれずに前のめりに倒れます。

梓「今です!」

あずにゃんは一生懸命走ってきます。可愛いな〜。

唯「み、見とれてる場合じゃないね!」

サカキ「そのとおりだ。来い、ドサイドン!」

唯「うう、大きいよー!」

ニャース「しっかりするにゃ。ドサイドンはタイプはじめんといわにゃ。こうげきとぼうぎょは高いが相性しだいでは何もできずに倒せる場合もあるにゃ。ちょうど、こちらにはヌオーもいるにゃ」

唯「え、えーと、じめんタイプはみずが弱点で……いわタイプもみずタイプが弱点!つまり……」

ニャース「みずタイプの技の威力は4倍にゃ」

唯「じゃあ、楽勝じゃん!」

ニャース「そうともいえないにゃ。向こうにはガルーラがいるわけだしにゃ。ヌオーも万全ではないにゃ。問題はヌオーよりも唯にゃ」

唯「わ、私!?」

ニャース「ウパーが倒れたら、あの2匹を避けながら、ボールをとりに行くんだにゃ」

唯「そ、そうだね」

梓「はあ……はあ……それは私がフォローするから大丈夫です」

唯「あ、あずにゃんだー。お帰りー」

梓「ただいまです」

唯「……」

梓「どうしたんです?」

唯「今のやり取り、新婚さんみたいだねー」

梓「……そんなことが言えるなんて、まだまだ、余裕ですね」

唯「それは当然だよ!あずにゃんを守るのが私の使命だからね!」

ニャース(さっきまでびびっていたのににゃ)

梓「それよりも、来て下さい、ハッサム!!」

ハッサム「サム!」

サカキ「来たか」

ガルーラ「ガル!」

ウー太に倒された、ガルーラも起き上がります。

ドサイドン「ドサイ」

ドサイドンもその横に立ちます。

唯「ヌオーの攻撃さえ与えられたら……」

梓「しかし、今の所は確実にガルーラを倒しましょう」

唯「うん」

梓「ハッサム、バレットパンチ!」

唯「ウー太、たきのぼり!」

サカキ「2匹でガルーラを狙いに来たか……ドサイドン!」

ドサイドン「ドサイ!」

ドサイドンは巨体を揺らしながら、ウー太に向かいます。
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:07:06.97 ID:09P9mHUr0
ヌオー「ヌオー!?」

唯「……ウー太、方向転換だよ!ドサイドンにたきのぼりだ!」

ヌオー「ヌー!」

ヌオーは方向をかえ、ドサイドンに向かっていきます。

サカキ「ドサイドン」

ドサイドン「ドサイ」

ドサイドンはウー太の攻撃を受け止めます。

唯「ああ……」

サカキ「フッ。ドサイドン!」

ドサイドンは上にウー太を放り投げます。

唯「ウー太に何を……」

サカキ「さっき、スピアーにやられたよな」

唯「!?」

ドサイドンは落下点で落ちてくる、ウー太を待ち構えます。

梓「ハッサム!」

ハッサム「サム!」

ガルーラを一撃で粉砕したハッサムはドサイドンに目を向けますが……。

ガルーラ「ガル……」

ハッサム「!?」

ガルーラは残り少ない体力でハッサムの足を掴みます。

ガルーラ「ニヤリ……」

ハッサム「サム!」

ハッサムはそのガルーラの背中にハサミを振り下ろします。

ガルーラ「グハッ」

ガルーラはその攻撃で今度こそ、気絶しますが……。

唯「ウー太!!」

ヌオー「ヌー……」

スピアーにやられたところにドサイドンの鋭いツノが回転しながら、突き刺さっています。

梓「そ、そんな……」

唯「うう……」

ヌオー「ヌー……」

ドサイドン「ドサイイイイイイイイイイイイイ」

ドサイドンは雄叫びを上げながら、ウー太を私の前まで放り投げます。

唯「ウー太!!ウー太!!うわああああああああああん」

梓「ひ、ひどいことを…・・・」

サカキ「フフフ、フッハハハハハ」

ハッサム「……サム(おい)」

ドサイドン「ドン?(何だ?)」

ハッサム「サム(テメエは俺がぶっ飛ばす)」

ドサイドン「……ドン(……面白い)」
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:09:42.45 ID:09P9mHUr0
唯「もう嫌だよ。グス……帰りたいよ〜。わーーーん」


憂「!?」

律「どうした、憂ちゃん」

憂「お姉ちゃんが本気で泣いている気がします……」

律「なんで分かるんだ?」

憂「妹の勘です!」

律「そ、そうか……」


ニャース「唯、しっかりするにゃ」

梓「唯先輩……」

サカキ「足手まといが仲間だと大変だな」

サカキさんは中央にあるモンスターボールを拾いながら言います。

梓「唯先輩はこんなことでへこたれる人じゃありません!」

サカキ「くくく。だといいがな」

梓「くっ……」

サカキさんはゆっくりとエリアに戻ります。

サカキ「来い、ゴローニャ」

梓「ゴローニャ……」

サカキ「2匹相手にどこまで持つかな!!」

梓「ハッサム!」

ハッサム「サム!」

ハッサムとドサイドンは中央で殴り合いをしています。

梓「ハッサム、距離をとってください!」

ドサイドン「ドサイ!」

ドサイドンの重い拳をハッサムは何とか避け、距離をとります。

ゴローニャ「ゴロー」

ゴローニャが中央にのそりのそりとやってきました。

梓「どうしますか……」

サカキ「考えている暇はないぞ!」

ドサイドン「ドサイ!」

ドサイドンはとがった岩をハッサムに突き刺しにかかります。

ハッサム「サム!」

ハッサムは後ろに飛んで、その攻撃をかわし、ドサイドンの攻撃は地面を砕きます。

梓「いいですよ、ハッサム!」

サカキ「それはどうかな?」

梓「!?」

ゴローニャ「ゴロ!」

ハッサム「!?」

いつのまにか、背後にゴローニャの姿が。。
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:11:22.22 ID:09P9mHUr0
ゴローニャ「ゴロ!(黙って、喰らってろ!)」

ゴロニャーのメガトンパンチを後ろから受け、ドサイドンの方向に飛ばされます。

ドサイドン「ドサイ!」

ドサイドンの重い拳を振るった、アームハンマーがハッサムのお腹に直撃します。

ハッサム「グハッ」

ハッサムはその攻撃で膝をつきます。

ドサイドン「ドサイ。ドドドドド(誰が誰をぶっ飛ばすだって。わっはははは)」

ゴローニャとドサイドンは膝をついて、四つんばいの状態のハッサムの頭をサッカーボールを蹴るかのように連打します。

梓「ハッサーーーム!」


ニャース「戦況はピンチにゃ」

ヌオー「……」

唯「うう……ウー太……」

ニャース「唯もそろそろ……」

唯「やだよー。今度はヘラ太とかもやられちゃうよ。アズニャンなんて小さいんだし、傷ついたらやだよ。グスグス」

ヌオー「……」

ニャース「ゆ、唯!」

ヌオー「ヌーーーーーーーーーーー!!!」

突如、ウー太が大きな声を上げました。

唯「ウ、ウー太……」

ニャース「ヌオーは唯に対して、怒ってるにゃ」

唯「ど、どうして!」

ニャース「唯が戦わないからにゃ」

唯「た、戦ったら、皆、ウー太みたいに……やられちゃうかもしれないんだよ」

ニャース「皆、覚悟していることにゃ。それにフィールドを見てみるにゃ」

唯「え……」


ハッサム「サム……」

ドサイドン「ドサイ!」

ゴローニャ「ゴロ!」

ゴローニャはハッサムをロメロスペシャルをしています。そして、ドサイドンはジャンプして、ハッサムの上にのしかかりを決めようとします。

梓「ハッサム!!」

そして、ドサイドンの攻撃がハッサムに命中し、バーンと言う音が響き渡ります。

ハッサム「グハッ……」
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:12:38.31 ID:09P9mHUr0
唯「ハッサム……」

ニャース「このまま、唯が何もしなかったら、ハッサムはもっとやられてしまうにゃ。そしたら、ハッサムだけじゃない、それを見ている、梓も傷つくにゃ」

唯「あずにゃん……分かった!いつまでも泣いてちゃ駄目だよね」

ニャース「そうにゃ。それに安心するにゃ。後の2匹は簡単にやられるようなやつらじゃないにゃ」

唯「そうだったね。クス」

私はフィールドに向かって、走り出しました。


ドサイドン「ドサイ。ドサイ(あの泣き虫トレーナーが走り出したな。どれちょっと、びびらせてやるか)」

ドサイドンは駆け出した、唯先輩の方を見ます。

梓「ま、まずいです……」

唯先輩が元気になったのはいいんですけど、今の状態ではやられてしまいます。でも、今のハッサムでは……。

ドサイドン「ド、ドサイ(どれ、ちょっと行ってくるか)」

ハッサム「サム……(ちょっと、待てよ、卑怯者)」

ハッサムはふらふらになりながら、立ち上がります。

ドサイドン「ドサイ(なんだと)」

何故か、ドサイドンは足を止めます。

ハッサム「サム(2対1でなきゃ勝てないんだからな)」

ドサイドン「ドサイ(貴様……)」

サカキ「どうした、ドサイドン!」

ゴローニャ「ゴロー!(仕方がねえ!)」

ゴローニャがハッサムの横を通り過ぎようとします。

ハッサム「サム……(誰の……)」

ハッサムは素早く、ハサミをゴローニャの横っ面を叩きつけます。

ハッサム「サムーーーー!!(許可を得て、ここを通ろうとしてやがるんだーーーー!!)」

ゴローニャ「ゴロー!!!」

ゴローニャはハッサムの攻撃でサカキさんの横を通過して、壁に激突しました。

サカキ「ゴローニャ!?」

梓「ハッサム!!」
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:14:03.83 ID:09P9mHUr0
唯「やったね。はあ……はあ……」

私はエリアに来て、モンスターボールを取ります。

唯「急がなきゃね」


ゴローニャ「ゴロー」

ゴローニャはめり込んだ壁から、のそりのそりと立ち上がります。

ゴローニャ「ゴロ(やるじゃないか)」

ドサイドン「ドサイ!(ふん!)」

ドサイドンはふらふらのハッサムの頭を掴みます。

ドサイドン「ドサイ(ゴローニャをぶっ飛ばしたことは褒めてやるが……)」

ドサイドンはもう片方の手を振りかざします。

ドサイドン「ドサイ!(もう、寝てろ!!)」

ドサイドンの重い拳がハッサムの顔面を直撃し、ハッサムの体はふっ飛ばされます。

梓「ハッサム!」

唯「お、お待たせ…はあ…はあ…あずにゃん。ちょっと、遅くなっちゃったね」

梓「唯先輩!」


唯「わ、私が遅くなっちゃったから……グスン。ハッサムが……」

梓「気にしないで下さい。唯先輩はちゃんと来てくれたじゃないですか。それに……」

ハッサム「サム……」

ハッサムはふらふらになりながらも、まだ、立ち上がります。

梓「まだ、勝負はこれからですよ」

ドサイドン「ドサイ……!?(何だと……!?)」

ゴローニャ「ゴロ……(まだ、立ち上がるのか……)」

ハッサム「サム(お前達とは鍛え方が違うんだよ)」

唯「……」

ニャース「どうしたにゃ。早く、モンスターを……」

唯「すごいよ!」

ニャース「ど、どうしたんだにゃ」

唯「あれだけのダメージを受けて、まだ、立ち上がるなんて……私、あのハッサムと戦ってみたい!」

ニャース「……にゃら、ここを無事に出ないとにゃ」

唯「うん!来て、ヘラ太!」

ヘラクロス「ヘラ(やっと、俺の出番か)」

ゴローニャ「ゴロ(また、虫か)」
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:15:11.11 ID:09P9mHUr0
ヘラクロス「ヘラ。ヘラ(無様だな。俺のライバルともあろうものが)」

ハッサム「サム(あいにく、なった覚えがないがな)」

ゴローニャ「ゴロ……(まあ、虫程度が何匹こようと……)」

ヘラクロス「ヘラ!」

ヘラクロスは一瞬で、ゴローニャの懐に入り、インファイトを炸裂させ、ゴローニャをハッサムのようにぶっ飛ばします。

唯「ヘラ太!」

ヘラクロス「ヘラ。……ヘラ!(黙れよ。……こっちもてめえらをぶっ飛ばしたくてうずうずしてんだからよ!)」

ドサイドン「ドサイ(やるじゃないか)」

サカキ「ゴローニャの体力も残り少ないか……ゴローニャ」

ゴローニャ「ゴロ……」

ゴローニャは再び、めり込んだ壁から、立ち上がります。

唯「そ、そんな……」

梓「あれだけの攻撃でまだ立ち上がる……」

ニャース「あのゴローニャも相当に鍛えられてるにゃ」


ヘラクロス「ヘラ!(こいつは悪いが俺がぶっ飛ばすぜ!)

ヘラ太はドサイドンに接近します。

唯「いっけええ、ヘラ太!インファイトだあああああああ」

ヘラクロス「ヘラアアアアアアアアア」

ヘラ太の技が決まりそうな瞬間……。

梓「!?ハッサム、フォローを!」

サカキ「遅いぞ、梓!」

ゴローニャ「ゴロ!」

ヘラクロス「ヘラ!?」

ゴローニャはヘラクロスの横から、ヘラクロスに抱きつきます。

サカキ「いくぞ……だいばくはつだ!」

ゴローニャ「ゴロ!」

ゴローニャの体から、光が出て、次の瞬間には大きな爆発が発生します。

唯「ヘラ太!」

梓「まさか、ここでだいばくはつを……」

唯「だいばくはつって……」

ニャース「自分の体力を削って、大爆発を起こし、大ダメージを与える技にゃ。この技を使用すると、使用したポケモンは気絶するにゃ」

唯「そんな……自分を犠牲にするなんて……」
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:16:50.40 ID:09P9mHUr0
ニャース「それよりも煙が晴れてきたにゃ」

唯「!? ヘラ太!?」

煙が晴れてきて、そこにはヘラ太がふらふらになりながらも立っていました。

ドサイドン「ドサイ(まだ、立っていたか)」

ドサイドンはヘラ太のツノを掴みます。

ドサイドン「ドサイ、ドサイ!(だが、これで終わらしてやるぜ!!)」

ドサイドンはウー太にやった技をやるためにヘラ太に放り投げます。

唯「ヘラ太!」

梓「……」

ドサイドン「ドサイ!!(無様に負けな!!)」


ハッサム「サム……(残念だが……)」

煙の中から、赤い弾丸のような何かがドサイドンに向かって突撃してきます。

ドサイドン「!?」

ハッサム「サム!!!(無様に負けるのはお前だ!!!」

ハッサムは両手をクロスさせ、ドサイドンの胸を斬りつけます。

唯「あれは……」

梓「シザークロスです!!!」

サカキ「だが、手負いのハッサムでは……」

ドサイドン「グハッ!」

ドサイドンの胸にXの文字が出て、ドサイドンの鎧のような体がバッキーンと粉々になり、ドサイドンは膝をつき、気絶しました。

サカキ「ば、馬鹿な……相手は手負いだぞ……それに」

ニャース「シザークロス自体はものすごく、威力がある技ではないにゃ。それが……あの威力にゃ……」

唯「す、すごいよ!」

こんなに強いハッサムを育てるなんて……あずにゃんはやっぱりすごいよ!すごいから……全力で戦ってみたい!

バーン。

ヘラ太は地面に落ちてきました。

ハッサム「サム……(大丈夫か……)」

ヘラクロス「ヘラ……(ああ……)」

その後、ヘラ太も気絶し、ハッサムをそれを追うように気絶しました。
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:18:01.12 ID:09P9mHUr0
梓「これで残りは互いに2匹……」

唯「最終決戦だね!早く勝利して、ウー太をポケモンセンターに連れて行かないと」

梓「ええ。ですが……」

サカキ「ククク」

梓「そうは簡単にはいきませんよ」

唯「……うん」

サカキ「まさか、これほどの実力とはね。……おい、泣き虫女」

唯「……」

ニャース「呼ばれてるにゃ」

唯「え、わ、私!?」

ニャース「他にいないにゃ」

サカキ「お前の名前は?」

唯「私は……」

私はあらためて、決意をこめてこう言います。

唯「私は……平沢唯!ポケモンマスターになる女です!フンス」

サカキ「……プッハハハハハ」

唯「そんなに笑わなくてもいいと思うけど……」

サカキ「お前みたいにちょっとポケモンが傷ついたら、泣くようなやつがか」

唯「むう……」

それを言われるのは辛いね。

サカキ「その道は……私を倒すよりも辛いぞ。例えば……」

サカキさんはあずにゃんを見ます。

サカキ「隣の奴も倒さなくちゃいけないからな」

唯「……分かってるよ!私はあずにゃんも倒すよ!ついでに嫁にもします!」

梓「こ、後者はいりませんよ!」

唯「照れなくてもいいよ〜」

梓「照れてませんし!」

唯「ムキになっちゃって……むふふ」
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:20:03.87 ID:09P9mHUr0
サカキ「……ハッハハハ。いいぞ、面白いぞ、お前達は」

唯「そう?でへへ〜」

梓「達……」

サカキ「それでは……」

サカキさんは中央に歩き始めます。

サカキ「最後の戦いを始めようか」

梓「……そうですね」

唯「絶対に負けないよ!」

私達は互いに最後のモンスターボールを手にとって、エリアに戻ります。

梓「行きますよ、唯先輩」

唯「うん」

サカキ「さあ、最後の戦いだ。来い、ニドキング!ニドクイン!」

梓「出番ですよ、ゆい先輩!」

唯「最後の戦いだよ、アズニャン!!」

ニドキング「キーング」

ニドクイン「クイーン」

アズサ「やってやるです!!」

ゆい「すぴー」

ゆいちゃん以外はやる気満々です。

梓「ゆい先輩……」

アズサ「ゆい先輩、起きてください!」

ゆさゆさ。

ゆい「……んん。もう、朝?あ、アズニャンだ〜。おはよう」

アズサ「おはようです!」

ゆい「でも、まだ眠いから、おやすみ〜」

アズサ「おやすみです!……じゃなかった。ゆい先輩、バトルですよ、起きましょうよ〜」

ゆい「え〜、アズニャンがやってよ〜」

アズサ「我がまま言わないでください」

ゆい「仕方がないな〜」

ゆいちゃんはのそりと起き上がります。

ゆい「よし。寝起きの運動と行きますか。相手は……」

ニドキング「キーング!」

ニドクイン「クイーン」

ゆい「……おやすみ〜」

アズサ「寝ないで下さい!」

ゆい「あんな大きなのと戦えないよ」
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:21:45.33 ID:09P9mHUr0
アズサ「そんなことないですよ。柔よく剛を制すです!」

ゆい「そのジュージュー肉を燃やすだか、なんだがよく分からないけど、体格が違いすぎるよ」

梓「柔よく剛を制すですよー」

アズサ「とにかく!私を倒した実力をもう一回見せて下さい!」

ゆい「えー。……ん?」

ゆいちゃんはウー太のほうを見ます。

ゆい「……あれはどうしたの?」

アズサ「さっき、やられたんです。でも、ハッサムさん達が倒しました!」

ゆい「……そっか」

サカキ「いつまでも、無駄話をさせるな!」

ニドキングとニドクインはその言葉と同時に走ってきます。

ゆい「……来たね。仕方がない、戦うか。アズニャン、しっかりついてきてね」

アズサ「はいです!」

ゆい「それじゃ、私のギー太に乗って」

アズニャンはギターの上にジャンプして乗ります。

アズサ「これでどうするんですか?」

ゆい「まあ、任せてよ。……!!」

ゆいちゃんは思いっきり、ギターを振って、アズニャンを飛ばします。……って!!

唯「アズニャアアアアアアアン」

アズサ「にゃあああああああああ」

アズニャンは黒い弾丸のようにニドクインのお腹に飛んでいきます。

ニドクイン「グハッ」

ゆい「そして、ゆいネットパワー!」

ゆいちゃんから、何かが出て、アズニャンが引き寄せられます。

梓「何ですか、あれは」

唯「あれはね、外にあるあずにゃん分を引き寄せるのに必要な力なんだよ」

梓「は、はあ……」

ゆい「お帰り、アズニャン!」

アズサ「いきなりひどいですよ!」

ゆい「ごめん、ごめん」
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:23:31.11 ID:09P9mHUr0
ニドキング「キング!」

ニドキングは足音をドスドスと鳴らして、こっちに向かってきます。

アズサ「来ました!」

ゆい「よし。アズニャンは左に行って。私は右に飛ぶよ」

アズサ「わかりました!」

ゆいちゃんとアズニャンは一斉に左右に飛びます。


梓「息がぴったりですね」

唯「それは私とあずにゃんのポケモンだからね!」

梓「それじゃ、私と唯先輩は息がピッタリみたいじゃないですか」

唯「みたいじゃなくて、ピッタリなんだよ!」

梓「それはどうでしょうね」


ゆい「いくよ!」

ゆいちゃんの腕からさっきのオーラのような物がアズニャンに向かっていきます。

アズサ「こ、これは……!?」

ゆい「さあ、必殺!ゆいあず殺法その2『ゆいあずクロスボンバー』!!」

ゆいちゃんの右手とアズニャンの右手に伸びたオーラが引き寄せられるようにニドキングの首に羅リアットを前後から決めます。

ニドキング「グバッ」

唯「すごい、すごい!プロレスを見てるみたいだよ!」

ゆい「いいよ、アズニャン!」

アズサ「ゆい先輩もすごいです!」

パーンと手を叩きあいます。

ニドクイン「クイ〜ン」

ニドキング「キーング」

喜んでいる2人を挟むように2匹が現れます。

ゆい「しまった!?」

梓「喜びすぎですよ、ゆい先輩!」

ゆい「仕方がない!アズニャンは肉弾戦は得意?」

アズサ「私はなんでも大丈夫です!」

むったん「あんまり、強がらないほうが……」

アズサ「うるさいです!」

ゆい「ご、ごめん……」

アズサ「ゆい先輩に言ったわけではないので気にしないで下さい!」

ゆい「う、うん……」

ニドキング「キング!」

2匹は一斉に襲ってきました。

ゆい「いくよ、アズニャン!」

アズサ「はいです!」

ゆいちゃんはニドキングの、アズニャンはニドクインのそれぞれ体を掴みます。
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:26:11.35 ID:09P9mHUr0
ゆい「ゆいあず殺法その3『ゆいあずブリッジスープレックス』!!!」

ゆいちゃんとアズニャンはそれぞれスープレックスを行い、ニドキングとニドクインの頭が互いにぶつかり、それはまるで橋のようになります。

ゆい「むふ。手ごたえあり」

バタン。

その言葉と同時に技をとき、2匹はバタンと倒れます。

サカキ「馬鹿な……」

ニャース(前のアズサにここまでの強さはなかったにゃ……)

梓(ゆい先輩との戦いで力が引き出されているんでしょうか……)

サカキ「ならば……ニドキング!ニドクイン!」

ニドキング「キング!」

ニドクイン「クイン!」

サカキ「やつらの動きを分断しろ!」

その言葉と同時に、ニドキングはゆいちゃんにニドクインはアズニャンに向かいます。

ゆい「……アズニャン!」

アズサ「何ですか?」

ゆい「次に会うのはそれぞれの相手を倒してからだよ!」

アズサ「……はいです!」


ゆいVSニドキング

ニドキング「キング!」

ニドキングはゆい先輩にその巨体で突進を仕掛けてきます。

ゆい「……アズサマインドの境地!」

ゆい先輩は目を瞑り、神経を集中させます。

(落ち着いて、集中するんだ。心を無にするんだ。そうすれば、達することが出来る。新たなる伝説の境地に。あの時の感覚が蘇る。さて、やるよ。……アズサマインド)

ゆい先輩の体からオーラが発生します。

唯「あれは……体内のあずにゃん分を活性化させることで身体能力を10倍以上にさせる技!」

梓「何で、皆あの技が分かるんだろう」

ゆい「サッサと決めるよ!」

ゆいちゃんは一瞬でニドキングの胸元に接近します。

ニドキング「ニド!?」

ゆい先輩はニドキングの腰を持って、空中にジャンプします。

ゆい「ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ『ひらわわバスター』!!!」

そして、ひらさわバスターの体制に入り、そのまま、地面に着地し、ニドキングは気絶しました。

ゆい「ふい〜。疲れた〜」

ゆい先輩は地面にバタッと寝転びます。

梓「まだ、戦いは終わってませんよ!」

ゆい「後はアズニャンが頑張ってくれるよ〜」

梓「もう!」

唯(怒ってるように見えて、嬉しそうな顔をしてるな〜、あずにゃん)
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:28:03.17 ID:09P9mHUr0
アズサVSニドクイン

アズサ「トリャー!」

アズニャンはギターをニドクインに斬りつけます。

むったん「頑張れー」

アズサ「応援もいいですけど、何か技を……」

ニドクイン「クイン!」

アズサ「にゃっ!?」

ニドクインの拳をギターで受け止めます。

アズサ「くっ……」

アズサ(相手は強引に攻めてきますね。……なら!)

ニドクイン「ニド!」

ニドクインは鋭いツメをアズニャンに振り下ろします。

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん風林火山・静かなること林の如く』」

アズニャンはニドクインの横を静かに斬りつけます。

ニドクイン「ニド!?」

ニドクインは膝をつきます。

アズサ「今です! アズサ殺法52の技の1つ『むったん風林火山・侵略すること火の如く』!」

さっきの攻撃で弱っているニドクインに、炎を纏ったギターで何度も斬りつけます。

ニドクイン「クイン……」

バタン!!

その大きな巨体はフィールドに倒れます。

むったん「そう。まだ、11個の技しかないけど、それぞれの技のコンビネーションでもそれなりのダメージを与えることができるのさ」

アズサ「急にしたり顔で説教しないで下さい」

むったん「ごめん、ごめん」
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:30:10.34 ID:09P9mHUr0
サカキ「ま、まさか……これほどとはな!……フッフフフ、ハッハハハハハ」

サカキさんは高笑いをします。

サカキ「ククク。お前らなら、……あいつらに勝てるかもしれんな」

梓「あいつら?」

サカキ「ただのテロリスト共さ。さあ、これがパスワードだ」

サカキさんはペンダントを投げつけます。

サカキ「じゃあな。元気でいろよ。次はシングルで戦いたいものだな」

梓「これから、どこに……」

サカキ「さあな。また、ロケット団でも再結成するか。……まあ、当面は修行だろうな」

唯「サカキさんは……」

サカキ「ん?」

唯「……どうして、ポケモンを悪いことに使うの?」

サカキ「……どうして、か。忘れちまったな、そんなこと」

サカキさんは一息入れます。

サカキ「……お前らは自分達が正しいと思うか?」

唯「え?」

サカキ「今、こうして戦ったことが正しいことだと思うのか?」

唯「それは……ポケモンを悪いことに使おうとしたんだから……当然だよ」

サカキ「だが……その行為が実はポケモンのためだったとしたら……それを邪魔したお前達は間違ったことになる。つまりは悪いことだ」

唯「それはそうだけど……」

サカキ「正義の敵は何だと思う?」

唯「……悪かな?」

サカキ「それも正解だがまだあるんだ。それは……もう一方の正義だ。これから、お前達が直面する敵はそういう奴らさ」

サカキさんは私達が来た出口とは別の出口に向かいます。

サカキ「また、会おうぜ」

サカキさんはゆっくりと貫禄ある歩き方をして、去っていきます。

唯「待って、今のはどういう……」

梓「唯先輩!」

サカキさんを追おうとする私の手をあずにゃんが掴みます。

梓「今の言葉も気になりますが……今は皆のところに……」

唯「……そうだね。急ごう!」
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:31:10.40 ID:09P9mHUr0
地下3階

澪「はあ……はあ……」

ロケット団員「グハッ……」

ベイリーフ「ベイ!」

澪「よくやったな、ベイリーフ。それにしても、勝てないからって、直接襲ってくるなんて……やっぱり男は怖いな」

唯「澪ちゃ〜ん!」

梓「澪先輩!」

澪「梓に……唯か。パスワードは手に入れたか」

梓「はい!」

澪「そうか。よくやったな」

ナデナデ。

梓「えへへ」

唯「むう……」

澪「な、何だ、唯。そんなににらんで」

唯「……別に。サッサと皆のところに行こう、あずにゃん!」

梓「にゃっ。引っ張らないで下さい!」

澪「ま、待てよ、唯!」
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:32:22.32 ID:09P9mHUr0
地下2階

唯「ここだったね。動力室は」

梓「ええ」

澪「サッサと中に……」

律「お〜い!」

梓「ん?……律先輩!」

律「おっす!で、どうだ。何か分かったか?」

澪「ここが怪しい場所だ。おそらく、ここを壊せば、電波も止まるはずだ」

憂「大丈夫だった、お姉ちゃん」

唯「うん!あずにゃんが守ってくれたんだよ〜」

ギュウ〜

梓「だ、抱きつかないで下さい!」

憂「いいな〜。私も梓ちゃんに守られたいよ〜」

梓「う、憂も何を言ってるの!?」

唯「きっと、私達がピンチになったとき颯爽と現れてくれるよ〜」

憂「格好いいね〜」

唯「ねえ〜」

梓「もう!サッサと入って終わらせましょう!」

澪「そうだな」

その後、動力室に侵入し、全ての機械を壊して、脱出しました。
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:33:05.05 ID:09P9mHUr0
チョウジタウン・2日後

梓「それじゃ、行きますね」

唯「うん。今度はポケモンリーグで会おうね」

あずにゃんは最後のジムのあるフスベジムに向かうべく、出発します。皆も、それぞれレベルあげもあるのでいろいろなところに行きました。……本当は最後くらい一緒に行きたかったけど、ポケモンリーグまであと少し。いろんな準備があるよね。ちなみに私は傷ついたウー太を治療中なので、明後日くらいには出発できそうです。

唯「ばいば〜い」

梓「さようなら〜」


唯「さてと。これから……」

アズサ「特訓です!」

唯「う〜ん……寝よう!」

アズサ「特訓しましょう、特訓しましょう!」

唯「分かったよ〜」

ニャース「やれやれにゃ。ついでにお勉強もやるにゃ」

唯「うへー。ゆっくりしたいよ〜」

ニャース「梓を倒すんじゃなかったのかにゃ?」

唯「そうだけど〜、そうだけど〜。勉強はいやーーーーーーー」

そんなこんなで長かった戦いも終わり、平凡(?)な日常に戻ってきた気がしました!
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:35:04.31 ID:09P9mHUr0
第23話 『ついに最後のジムに挑戦!!〜トレーナーにとって大切なことは?〜』

ジョウト地方のある場所

カンナ「いよいよね……」

曽我部「そうね……」

ワタル「準備は終わってるのか?」

曽我部「予定通り、アポロ達をたきつけておいたわ」

???「あいつらは役に立つのかい?」

ワタル「さあな。まあ、役に立ってもらわなきゃ困るがな」

???「あの邪魔な少女たちはどうするんだ?」

カンナ「さしあたっては幹部3人には潰しに行ってもらう予定よ」

???「まあ、出たとこ勝負ね」

曽我部「期待して待っていましょう」

フスベシティ

唯「ああ、やっと着いたよ〜」

こおりのぬけみちは寒くて仕方がなかったからね。

ヨーギラス「ギラ、ギラ!」

唯「元気だね、ギラ太は」

ちなみにウー太の治療中に頑張ってヨーギラスに進化しました!

唯「久しぶりにのんびりしようか」

ニャース「ずっとしてたにゃ」

唯「そうだけどね」

アズサ「早く戦いたいです!」

唯「相変わらす、血気盛んだね、アズニャンは」

アズサ「それほどでもないです!」

唯「褒めてはないよ」

アズサ「にゃう……」

唯「冗談だよ〜。ナデナデ」

アズサ「にゃっ!」

唯「最近、ふれあいがないからね」

ニャース「毎日抱っこしてるにゃ」

唯「そうだっけ?」

ニャース「今もしてるにゃ」

唯「でも、抱っこだけじゃたりないよ!ギュウ〜」

アズサ「にゃう!」

ニャース「やれやれにゃ」
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:35:42.01 ID:09P9mHUr0
フスベジム

唯「結局来てしまいました」

ニャース「まあ、今日のところは下見にゃ」

唯「場所だけでも確認しておくのはいいよね」

ニャース「なになに……このジムはドラゴンタイプを専門に使うらしいにゃ」

唯「ドラゴンタイプ???」

ニャース「……戻って、お勉強にゃ」
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:37:22.33 ID:09P9mHUr0
宿泊所

ニャース「お勉強の時間にゃ」

唯「わーん」

アズサ「一緒にお勉強するです!」

ニャース「ドラゴンタイプの技がこうかばつぐんになるタイプは何にゃ?」

唯「え、えっと……何だっけ?」

ニャース「……はあにゃ」

唯「うう、でも、ドラゴンタイプって滅多に出ないよね」

ニャース「そのとおりにゃ。ドラゴンタイプのポケモンは数が少ないのにゃ。少しでもいいから言ってみるにゃ」

唯「え、えーと……アズニャン、分かる?」

アズサ「えーと……ミニリュウとかですか?」

ニャース「そうにゃ。その系統だと、ハクリュー、カイリューに進化するにゃ」

唯「あずにゃんも使ってたね!」

ニャース「そうだにゃ。ドラゴンタイプのポケモンはさっきも言ったけど、数は少ないにゃ。だがかわりに、能力が高く、強力なポケモンが多いにゃ」

唯「へー……って、じゃあ、結構危ないかもね、今回のバトルは!」

アズサ「私は負けませんよ!」

唯「期待してるよ〜。ナデナデ」

アズサ「にゃふ」

ニャース「たしかに能力は強力にゃ。では最初の質問に戻って、ドラゴンタイプでこうかがばつぐんになるタイプはなんにゃ?」

唯「うう、分かりません」

ニャース「……はあにゃ。ドラゴンタイプの技でこうかがばつぐんになるのはドラゴンタイプのポケモンだけにゃ」

唯「へー。ということは私のポケモンは全員弱点じゃないんだね」

ニャース「そうだにゃ。そういう点では不利ではないにゃ」

唯「それじゃ、逆にこうかがいまひとつになる技は?」

ニャース「ドラゴンタイプの技でこうかがいまひとつになるのははがねタイプだけにゃ」

唯「なるほどね。私のメンバーでは……」

ニャース「はがね・かくとうタイプのルカリオが該当するにゃ」

ルカリオ「リオ♪」

唯「ふむふむ。ドラゴンタイプのポケモンの弱点とかは?」

ニャース「ドラゴンタイプのポケモンはでんきやほのおやくさやみずタイプの技はこうかがいまひとつになるにゃ。逆にドラゴンタイプやこおりタイプの技はこうかがばつぐんにゃ」

唯「となると……みずタイプのウー太は辛いかもね」

ヌオー「ヌー」

ニャース「そうだにゃ。後、さっきのアズサの言ったカイリューのようにひこうタイプも併用している場合もあるにゃ。ヌオーには辛いかもにゃ」

唯「そっかー。私のメンバーで弱点をついていくことはちょっと難しそうだね」

ニャース「そこが辛いにゃ。さっきも言ったけど、ドラゴンタイプは数自体は多くなくても、強力なポケモンが多いにゃ。弱点をつけないのは辛いにゃ。それだけではなく、覚える技、特に攻撃技は豊富にゃ。相手が多用な弱点技を使ってくる可能性もあるにゃ」

唯「そうなると……メンバーを選ぶのは大変そうだね」

ニャース「使用ポケモンの数にもよるがにゃ」

唯「じゃあ、今日はこれくらいにして、お休みに……」

ニャース「次は実践にゃ」

アズサ「練習するです!」

唯「わーん」
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:39:10.30 ID:09P9mHUr0
次の日・フスベジム

唯「たのもー、たのもー」

私はバーンッとドアを開けます。

ジム員「あんたはこのジムに挑戦しに来たの?」

私が入ったら、すぐにジムの人がやってきました。

唯「そうでーす」

ジム員「……そうか。……この人に勝って機嫌をなおしてくれればいいんだが」

唯「ん?今、なんて言ったの?」

ジム員「気にしないでくれ。今、このジムのリーダー、イブキさんを連れてくる」

唯「お願いしまーす」


唯「一体、どんな人なんだろうね」

ニャース「イブキって名前だけじゃ、分かりづらいにゃ」

唯「だよねー。もしかしたら、ごつい人かもね」

ニャース「たしかにドラゴンタイプを使うトレーナーだからにゃ」

アズサ「でも、変なこと言ってましたよね。機嫌をどうたらこうたらと」

唯「そういえば、何かを言ってたね。まあ、問題はないよ」

少しの間、待っていると奥からさっきのジム員と女の人がやってきました。

イブキ「あんたがこのジムの挑戦者かい?」

唯「そうですけど……あなたは?」

イブキ「私はイブキだ。一応、このジムのジムリーダーをやっている」

唯「ほへー、女の人だよ」

ニャース「意外にゃ」

イブキ「私が女じゃいけないのかい!!」

唯「ひっ。べ、別にそんなことはないよ、うん」

イブキ「ふん。お前みたいなヘッポコトレーナーが私に挑戦かい」

唯「私を知ってるの?」

イブキ「いや。でも、見るからにへっぽこそうだろ?」

唯「むー、人を見かけで判断しちゃいけないんだよ!」

アズサ「そうですよ!」

イブキ「ん?そのネコミミをつけた奴は……」

唯「えへへ。可愛いでしょ?私の自慢のポケモンだよ〜」

アズサ「どうもです」

イブキ「また、人型ポケモンだと……!?」

唯「ん?どうしたの?」

イブキ「……なんでもない。やっぱりお前はヘッポコそうだから、このジムに挑戦する資格はない」

唯「ええええええええ」

イブキ「だが……このジムの裏にある、りゅうのほらあなにいる長老に認められたら……お前の挑戦を受けて、やってもいい」
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:41:51.89 ID:09P9mHUr0
唯「うう、仕方がないね。……しっかり認められて、あなたを倒すよ!」

イブキ「……ふん」


りゅうのほらあな

唯「この奥にいるんだよね」

ニャース「そうみたいだにゃ」

アズサ「いやな人でしたね。ぷんぷん」

唯「まあまあ。ナデナデ」

アズサ「にゃふ〜」

ニャース「とにかく入ってみるにゃ」

私達はしばらく歩いてみると、奥に社がありました。

唯「ここのことかな?」

ニャース「そうみたいだにゃ」

唯「よし!」

コンコン。

長老「どちら様かな?」

唯「こんにちは!平沢唯と言います!」

長老「平沢唯?……ふむ。聞いたことがないな。どうして、ここに来たんじゃ?」

唯「かくかくしかじか」

長老「……あの子はまったく……」

唯「それでどうしたら、あなたに認められますか!」

長老「ふむ……。それにしても、随分と大人数じゃのう」

唯「ほへ?……ああ、モンスターボールも窮屈だと思うから、外に出してあげてるんだ」

長老「ふむふむ」

唯「それがどうしたの?」

長老「ポケモントレーナーにとって、ポケモンはなんだと思う?」

唯「え?ポケモンは友達であり、仲間でもあるよ!」

長老「トレーナーとポケモンにとって、大切なことは何じゃと思う?」

唯「もちろん、絆だよ!」

長老「ふむ……トレーナーの中には強いポケモンしか使わない者もおるが……お前さんはどうじゃ?」

唯「それは強いに越したことはないだろうけど……それでも、ポケモンは友達だもんね。特に関係ないよ」

長老「では……最後に聞かせてくれ。トレーナーの強さとは何じゃ?」

唯「それは……分からないや」

長老「!?……どうしてじゃ」
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:43:27.36 ID:09P9mHUr0
唯「私自身も……まだ、探してるからね。トレーナーの強さって何かを。いっぱい、いろんなトレーナーと戦ってきたけど……皆、強かったもん。中にはポケモンを道具にしてた悪い人達もいたけど……それでも強かったし」

長老「……」

唯「それでもね。感じたことはあるんだ。それは……皆、信念を持ってた」
長老「ほう」

唯「少し前に戦った、サカキさんって人は……ポケモンを使って、残虐なバトルをしてたけど……私の大好きな子と2人で戦っても……互角以上の戦いをしてた。そして……何かの思いを持って、戦ってたように感じたんだ」

長老「……ふむ」

唯「だからね、私は……最後まで諦めずに信念を持って戦っていけることが……現時点での私の考えるトレーナーの強さだと思う」

長老「……」

唯「もっとも、旅を始める前の私だったら、ポケモンをうまく使えること!って答えてただろうね。あははは」

長老「……お前さんの信念はなんじゃ?」

唯「私は……ポケモンの力を最後まで信じて、一緒に戦っていくことだよ」

長老「……そうか」

唯「そんなことよりも、早く、あなたに認められるかを教えてよ!」

長老「……いや、もう必要はないな」

唯「え?」

長老「隠れてないで出て来い、イブキ」

イブキ「……」

長老「さあ、唯よ。お前の強さを見せてくれ。イブキよ、ここでバトルをするんだ」

イブキ「私は認めないくせにそんな甘っちょろいガキは認めるのかよ」

長老「……この子に勝てたら、お前も認めてやる」

イブキ「!?……忘れるなよ、その言葉」

長老「ああ」

イブキ「それじゃ、バトルだ」

唯「うん!」

長老「使用ポケモンは2匹じゃ。全滅させた方が勝ち。いいな?」

イブキ「ああ」

唯「はい!」
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:44:53.64 ID:09P9mHUr0
唯「さてさて。今回のバトルのメンバーは……」

ルカリオ「リオ!」

唯「うん。昨日の話だと、はがねタイプを持ってるリオ太はドラゴンタイプの攻撃を半減できるから、リオ太にしよう」

ルカリオ「リオ!リオ!」

唯「そして、次はアズニャンっと」

アズサ「やってやるです!」

長老「お前さんはなにをやってるんじゃ」

唯「ほへ?バトルメンバーを決めてるんだよ」

長老「皆と話し合ってか」

唯「私もまだまだなトレーナーだからね〜」

ニャース「そのとおりにゃ」

唯「そこはフォローしてよ!?」

アズサ「唯先輩はすごいトレーナーです!」

唯「アズニャンはいい子だね。ナデナデ」

アズサ「にゃふふ」

長老「フォッフォフォ。面白いのう」

イブキ(舐めやがって……)


長老「それでは準備はいいかな?」

唯「いいとも〜!」

イブキ「……ああ」

長老「それでは……」

唯・イブキ・長老「「「決闘(デュエル)!!!」」」
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:46:21.39 ID:09P9mHUr0
唯「いくよ、リオ太!」

ルカリオ「ルカ!」

イブキ「キングドラ!」

唯「ニャー太!」

ニャース「キングドラはタイプはみずとドラゴンにゃ。そのため、ドラゴンの弱点のこおりタイプはみずタイプと封殺されて、弱点はドラゴンタイプだけにゃ。ただ、能力自体はそんなに高くないにゃ」

イブキ「なあ、あんた」

唯「私はあんたじゃないよ。平沢唯って言うんだ〜」

イブキ「……あんたはトレーナーの強さは『最後まで諦めずに信念を持って戦っていけること』って言ってた」

唯「う、うん」

イブキ「全然違うぜ!トレーナーの強さは……ポケモンを使いこなして、勝ち続けることだ!キングドラ、りゅうのはどう!」

キングドラの口から衝撃波がルカリオに向かって発射されます。

唯「リオ太!」

ルカリオ「リオ!」

リオ太は横に素早くジャンプしてかわします。

唯「いいよ、リオ太!アズニャン、応援だよ!」

アズサ「フレー、フレーです!」

唯「アズニャン、可愛い〜。ギュウ〜」

アズサ「にゃふ♪」

ニャース「何をやってるかにゃ……」

イブキ「……ふざけるなよ!キングドラ!」

キングドラはもう一度、りゅうのはどうの体制になります。

唯「リオ太!」

ルカリオ「……リオ!」

リオ太はボクシングの選手のように軽くジャンプをして、構えを取ります。

イブキ「今更、構えを取ったところで……!?」

リオ太はキングドラのりゅうのはどうをかわしながら、キングドラに接近します。

イブキ「何だと!?」

ニャース「ルカリオは相手の発する波動から相手の思考を読んだりする事ができるにゃ(ポケモン図鑑参照)」

唯「いっけええええええええええ、、リオ太!インファイトーーーーーー!」

ルカリオ「リオ!」

リオ太はキングドラの胸元に接近し、顎へとパンチを繰り出します。

キングドラ「ドラアアアアアア」

キングドラはリオ太の攻撃を受け、空中に跳ね上がり、地面に落下しました。

長老「キングドラ、戦闘不能。ルカリオの勝利じゃ」
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:48:52.66 ID:09P9mHUr0
唯「わーい、わーい。皆、いくよ〜」

私達(ニャー太とヘラ太を除く)はリオ太に駆け寄ります。

皆「ワッショイ、ワッショイ」

ルカリオ「ルカ〜♪」

イブキ「ふざけんな!!!」

唯「わっ!?」

イブキ「何でだよ!まだ、キングドラは戦えるだろ!」

キングドラ「……ドラ」

たしかに何とか立ち上がろうとしてるけど……。

長老「無理じゃろ」

イブキ「ふざけんなよ!くそっ!」

長老「仮にも女なんじゃから、もう少し、上品にせんか」

イブキ「うるせえ!くそ、このキングドラ使えねえ!」

キングドラ「……ドラ」

唯「……ちょっと、待ってよ」

イブキ「あん?」

唯「キングドラに謝りなよ!キングドラだって一生懸命戦ってたじゃない!」

イブキ「……ふん。お前が勝ったら、謝ってやるよ」

唯「その約束忘れないでね!いくよ、アズニャン!」

アズサ「やってやるです!」

イブキ「来い、ハクリュー!」

唯「昨日、勉強したポケモンだね。タイプはたしか……ドラゴンだっけ?」

ニャース「そのとおりにゃ」

イブキ「ハクリュー、アクアテール!」

アズサ「にゃっ!」

アズニャンはハクリューのアクアテールをギターで防御をします。

アズサ「やりますね!」

唯「アズニャン、頑張れー!」

ニャース「応援してないで指示を出すにゃ……と言いたいところだけど、アズサの場合は応援ほうがいいにゃ」

アズサ「一撃で粉砕するです!」

むったん「どうするのさ」

アズサ「これから、考えるです!」

むったん「……はあ」

アズサ「何を溜息を……にゃっ!?」

ハクリューのりゅうのはどうをアズニャンは再び、ギターで防御します。

唯「戦いに集中してー」

アズサ「分かってます!」

むったん「やれやれ。どうでもいいけど、盾代わりにされるのはな〜」

アズサ「いつも申し訳ないです」

むったん「まあ、いいや。新しい必殺技だね」

アズサ「はい!」
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:51:18.87 ID:09P9mHUr0
唯「人型ポケモンに何か恨みがあるの?」

イブキ「……3回だ」

唯「ほへ?」

イブキ「3回も人型ポケモンに負けたんだぞ!」

唯「はあ……って、完全な八つ当たりじゃん!」

長老「やれやれ」

アズサ「なにやら、今がチャンスです!」

むったん「そうだね。……それじゃ、新しい技だよ!」

アズサ「はいです!」

イブキ「ハクリュー、アクアテール!」

アズサ「にゃっ!」

アズニャンは横に避けますが、アズニャンがいた場所の岩は粉々に砕けます。

唯「すごい威力……」

ニャース「けれども、当たってはいないにゃ。当たらない強力な攻撃よりも、当たる弱い攻撃にゃ」

唯「おお。なんか、格好いいね」

アズサ「にゃう。私は当たる強力な攻撃をするです!」

むったん「その意気だよ。もっとも、出せるかだけど」

アズサ「人のやる気をそぐなです」

むったん「いいから、サッサと倒してよ」

アズサ「そうでしたね」

アズニャンは構えをとります。

唯「今度はどんな技を出すんだろう。ワクワク」

イブキ「そんなの関係ない!ハクリュー!」

ハクリュー「リュー!」

ハクリューはこちらに向かって、突撃してきます。

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・風林火陰山雷……」

突如として、アズニャンの体が消えます。

イブキ「消えただと!?」

ニャース「いや……」

アズサ「『動くこと雷霆の如し』!」

ハクリュー「リュー!」

ハクリューの体が何かに斬られたように傷ができ、気絶しました。

イブキ「ば、馬鹿な……」

長老「ハクリュー、戦闘不能。アズサの勝利じゃ。お前の手持ちポケモンは全滅ということで唯の勝ちじゃ」

唯「わーい。アズニャン、よくやったね」

アズサ「当たり前です!」

イブキ「そんな……こんなちゃらんぽらんな奴にまで負けるなんて……」

唯「ひどい言われようだね。……おっと、うん♪たん♪楽しい決闘(バトル)だったよ!これを言うのも久しぶりだね」

イブキ「決め台詞みたいのまで言われるとは……」

長老「たしかにこの少女は抜けてそうな感じはするが……それでも、ポケモンと一緒に戦おうとしておったわ。お前のようにポケモンを使いこなそうとかを考えずにな」

イブキ「うう……」
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:55:52.66 ID:09P9mHUr0
唯「あのー……バッチをですね。くれたら、いいなーって思うんですけど。お話を邪魔して申し訳ないんですけどね」

ニャース「空気を読むにゃ」

イブキ「……ほらよ」

イブキさんはバッチを放り投げます。

唯「わわ」

イブキ「……お前の他にも人型ポケモンを使ったトレーナーが来てたな」

唯「え?」

イブキ「そいつらも……ポケモンと一緒に戦っていたな」

唯「……1つ聞いてもいいかな?」

イブキ「何だよ?」

唯「あずにゃんは強かったかな?」

イブキ「あずにゃん?……ああ、ツインテールのガキか。ああ、強かったよ。少なくとも、お前よりはな」

唯「……そっか。ニコリ」

イブキ「ふっ。ポケモンバトルはトレーナーだけじゃなく……ポケモンも戦うんだったな。ずっと、トレーナーの腕だけが大切だと思ってて……長らく忘れてたよ」

唯「……」

長老「……うむ」

イブキ「また、戦ってくれるか」

唯「……うん!」

フスベシティ

唯「むふふ。やっと、バッチが8個だよ」

ニャース「長かったにゃ」

唯「次は……いよいよポケモンリーグだよ!」

ニャース「で、どうするにゃ。これから」

唯「まずは回復だね〜。ポケモンリーグまで時間はあるからそれから考えよう」

アズサ「そうするです」


コガネシティ・唯がフスベジムに挑戦する少し前・ラジオ塔

???「いよいよだな……」

???「ああ。ロケット団を壊滅に追い込み……」

???「サカキ様を死に追いやった……」

???「中野 梓への復讐がな」

???「それでは……ミッションスタートだ!」


おまけ

むったん・風林火陰山雷  動くこと雷霆の如し でんき  威力 90/命中100

光の速さで敵を斬りつける。この技は必ず命中する。急所に当たりやすい。
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 06:58:27.32 ID:09P9mHUr0
第24話 『ロケット団の襲来!?ガーディアンとの再会!!〜ロケット団編開幕です!!〜』

フスベシティ・喫茶店

唯「えへへ。バッチも8個、ゲットできたよ〜」

ニャース「後はポケモンリーグにゃ。ポケモンリーグは今までのジム戦と違っていろいろなタイプのポケモンを使ってくるにゃ。だから、更なる高度な戦いが予想されるにゃ」

唯「楽しみだね。いろんなポケモンも見られるだろうし!」

アズサ「チャンピオンになってやるです!」

唯「アズニャンには期待してるよ〜」

アズサ「にゃふ。任せて下さい!」

唯「さてさて。今更だけど、好きなの頼んでいいよ。ニャー太も!」

ニャース「おいらは牛乳があればいいにゃ」

唯「さすがは猫さん!」

アズサ「私はたい焼きがほしいです!」

唯「さすがはアズニャン!でも、たい焼きはないね」

アズサ「品揃えの悪い店ですね!じゃあ、バナナケーキがいいです!」

唯「それなら、あるね」


ニャース「さっきの話の続きだけどにゃ。唯がチャンピオンになるにはいろいろ倒さなくちゃいけない敵がいるにゃ」
唯「そうだね〜。あずにゃんとか!」

ニャース「そうだにゃ。カントーのチャンピオンだけあって強力な敵にゃ。特にゆいとハッサムにゃな」

アズサ「にゃう。ゆい先輩ですか」

ニャース「アズサはボロボロに一度されてたにゃ」

アズサ「う、うるさいです。次は勝つです」

唯「ハッサムはヘラ太に任せよう!」

ニャース「敵は梓だけじゃないにゃ。唯の知り合いだけでも、カントー地方ベスト8の紬、ベスト4の澪、純も強敵にゃ」

唯「皆と戦えるのかー。ワクワクするね!」

ニャース「何をのんきなこと言ってるのかにゃ。今度の戦いはトーナメントにゃ。1回でも負けたら、お終いにゃ」

唯「むむ。厳しいね」

ニャース「そうにゃ。下手したら、すぐに終わるにゃ」

唯「……よし!気合を入れていこう!」

アズサ「練習するです!」

唯「……それは明日からにしよう!」

アズサ「……練習するです!グイグイ」

唯「これを食べてからね。モグモグ」
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 07:00:20.13 ID:09P9mHUr0
携帯電話『ふわふわターイム』

唯「およ?電話だ」

私は電話を取ります。

唯「もしもーし。……あ、憂〜」

憂『お姉ちゃん、ラジオを聴いてみて!』

唯「ラジオ?」

私はポケギアでラジオをつけます。

ラジオ『……ザザ……ザザ……これより、コガネシティのラジオ塔はロケット団が占拠した。……ジョウト地方の住民に告ぐ。今から、ジョウト地方はロケット団の支配下にする』

唯「んな、無茶な」

憂『お姉ちゃん?』

唯「あ、ああ、なんでもないよ。ラジオ聞いてるよ。何を言い出してるのさ、この人達は」

ロケット団はあずにゃん達が壊滅させたはずだしね。

憂『悪戯じゃないよ。テレビでも放送してるし』

唯「本当?」

憂『うん』

唯「今、どこにいるの?」

憂『ワカバタウンだよ。梓ちゃんと一緒に家に……』

唯「む、あずにゃんがそこにいるの?」

憂『いるよー』

梓『は、離してよー。コガネシティに行かないとー。ジタバタ』

憂『メッ』

梓『わーん』

唯「あずにゃんだー!……でも、どうしたの?」

憂『これを聞いて、梓ちゃんはコガネシティに行くって聞かなくて、押さまえてるの』

唯「……分かった。一旦、ワカバタウンに戻るよ!」

憂『ごめんねー』

唯「気にしない、気にしない。あずにゃんの声を聞かせてよー」

憂『分かった。今代わるね』

梓『……唯先輩ですか?』

唯「そうだよー。愛しの唯先輩だよー」

梓『どうやら、知らない唯先輩のようです』

唯「つれないなー」
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 07:19:45.47 ID:09P9mHUr0
梓『そんなことよりも、憂は何なんですか!』

唯「えへへ。よく出来た妹でしょ?まあ、もうすぐ、あずにゃんの義妹になるわけでもあるけど」

憂『よろしくねー』

梓「そんな事実はありませんよ!?」

唯「なになに、あずにゃんは憂が義妹になるが嫌なの?」

憂『そうなの、梓ちゃん!?ウルウル』

梓『そ、そういうことじゃなくてね……あーもう!それよりも、憂を説得して下さい!』

唯「どうしたのさ」

梓『……さっきから、憂が掴んで離してくれないんです』

唯「どうしてー」

憂『離したら、コガネシティに行くでしょ?』

梓『うう……』

ゆい『あずにゃんは厨二にゃんなんだよー』

ジュン『なるほど。世界は自分が救うみたいな奴ですね』

梓『違うもん!』

憂『というわけで……!?お姉ちゃんはどこにいるの?』

唯「ん?フスベシティだよ」

憂『やっぱり、お姉ちゃんはそこにいて!私達がそっちに行くよ!ほら、梓ちゃんのんびり座ってないで』

梓『誰のせいで座ってると思ってるの!?』

憂『というわけで、今からフスベシティに行くから、ポケモンセンターの隅でうずくまって待っててね』

唯「何、その斬新な待ち方!?」

憂は慌しく、電話を切りました。

唯「どうしたんだろう……」

ニャース「どうやら、また大変な事態になってるようにゃ」

唯「そうみたいだね。……まあ、コガネシティには近づかない方がいいかもね」

ニャース「君子危うきになんとやらにゃ」
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 07:22:36.41 ID:09P9mHUr0
店員「た、たいへんだー!」

なにやら、奥で休憩をしていたらしい店員さんが駆け込んできました。

唯「今のことを言うのかな?」

アズサ「たしかに大ニュースですからね」

店員「今、コガネシティがロケット団に占拠されてて……」

さっき聞いたのとは微妙に違うけど、概ね同じだね。

店員「ロケット団の一味の一部が……手始めにこの町を占拠するからって……フリーザーを連れた部隊がこっちに向かってくるって!」

お客「ひいいいいいいいいい」

客「マジかよ!」

お客様「ガセじゃね?エイプリルフールには早いぞ」

店員「今、テレビで言ってたんだから本当ですよ」

唯「……さっき、憂が慌ててたのはこういうことだったのね」

ニャース「早く、逃げ……危ないにゃ!!」

ガシャーン。

窓ガラスを突き破って、小さい青っぽいポケモンが入ってきました。

ニャース「これは……ミニリュウにゃ」

唯「一体、どういうこと!?」

店員「あ、あの……ロケット団がラジオ塔を占拠してから……野生のポケモンが凶暴になって人を襲うってことが各地で発生してるみたいです……」

ニャース「だとしたら、このミニリュウも……!?」

店員「一旦、逃げましょう!」

店員さんの掛け声でお客さんは外に駆け出します。

唯「私達も逃げないと……」

お客「どけっ!」

唯「きゃっ!?」

慌てて逃げ出そうとする、お客さんに突き飛ばされてしまいました。……うう、痛い。

アズサ「よくも、ゆい先輩を突き飛ばしましたね。殺ってや……」

唯「ナデナデ」

アズサ「にゃっ♪」

ニャース「早く逃げ……」

ミニリュウ「リュー!」

お客さん達が逃げ出した入り口から、野生のミニリュウが現れました。

ニャース「しまった!囲まれたにゃ!」

唯「うえーん!」

アズサ「私に任せるです!」

アズニャンは私の腕から、下に下ります。

ニャース「……戦うしかないにゃ。唯、ポケモンを出すにゃ!」

唯「う、うん……来て、ネイ太!」

ネイティオ「ティー!」

私はモンスターボールからネイ太を出します。(喫茶店に入るためにボールにメンバーはしまいました)

唯「アズニャン、そっちは任せたよ!」

アズサ「やってやるです!」
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 07:24:04.41 ID:09P9mHUr0
20分後

ミニリュウ25「……リュウ。バタン」

アズサ「はあ……はあ……」

ネイティオ「ティー……」

ミニリュウ26・27「「リュー!」」

唯「ま、まだいるの!?」

ニャース「キリがないにゃ」

ミニリュウ28「リュー!」

唯「きゃっ!?」

私が一瞬だけ、気を抜いた瞬間に横からミニリュウが襲ってきました。

アズサ「ゆい先輩!!」

ミニリュウ29「リュウ!」

アズサ「にゃっ!?」

私を助けようとしたアズニャンは別のミニリュウに邪魔されます。

唯「これは……終わったかな?」

???「オコリザル、れいとうパンチ!」

ミニリュウ28「リュー!」

突如現れたオコリザルっていうポケモンがミニリュウを冷気を纏ったパンチでぶっ飛ばしました。

唯「今のは……」

ニャース「オコリザルにゃ。タイプはかくとうにゃ」

唯「なるほど。でもどうしてこんなところに……」

???「まったく……こんなところで何をしてるのよ」

唯「ほえ?……あ、あなたは!」

声のしたほうを見ると、フードを被ったローブの女の人がいました。
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 07:26:16.68 ID:09P9mHUr0
唯「カーディガンさん!」

???「私は服じゃないわ」

唯「フーリガンさん!」

???「悪いけど、私はサッカーを見に行ったこともないわ」

唯「カナディ○ンマン!」

???「私はヘタレじゃないわよ。おまけに随分と離れたわね」

唯「ああ、もう!なんだっけ!」

???「急に切れないでよ。ガーディアンよ」

唯「おお!そうだったね!」

ガーディアン「まったく……こんなところで何をしてるのよ」

唯「アズニャン達とお茶してたんだよ〜」

アズサ「美味しいですよ。一緒にお茶するです!」

ガーディアン「ありがとう。また、今度ね。ナデナデ」

アズサ「にゃっ♪」

唯「ところでガーディアンさんはこんなところにいるの?」

ガーディアン「ここにあいつらが来るという情報があったからよ」

唯「あいつら?」

ガーディアン「……ロケット団の連中よ。しかも、厄介な物を持ってね……」

唯「厄介な物?」

ガーディアン「そうよ。それは……でんせつのポケモンの1匹、フリーザー」

唯「フリーザー!戦闘力は53万だね!」

ガーディアン「そこは知らないわよ……」

唯「やばいね!サ○ヤ人を連れてこなきゃ!」

ガーディアン「いい加減に怒っていいかしら?」

唯「ごめんなさい!」

ガーディアン「まったく……」

唯「ところでフリーザーって何?」

ニャース「フリーザーはタイプはこおりとひこうにゃ。カントー地方のでんせつのとりポケモンのうちの1匹にゃ」

唯「ほへー。でんせつのポケモンっていうくらいだから強いの?」

ニャース「おいらも会ったことがないにゃ」
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 07:28:01.54 ID:09P9mHUr0
唯「そっかー」

ガーディアン「そんなわけだから、サッサとこの町から逃げなさい」

ニャース「このガーディアンの言うとおりにゃ。サッサと逃げたほうがいいにゃ」

唯「でも憂とあずにゃんが迎えに来るしなー」

ニャース「そんなことは後で何とでもなるにゃ」

唯「そうだけどさー」

ガーディアン「……」

唯「どうしたの?」

ガーディアン「いえ。……梓ちゃんはともかくとして……憂まで来るの?」

唯「ん?憂やあずにゃんと知り合い?」

ガーディアン「……気にしなくていいわ」

唯「えー、気になるよー」

ガーディアン「気にしなくていいわ」

唯「はい!気にしません!」

ガーディアン「……仕方がないわね。一緒に来なさい」

唯「はい!大佐!」

アズサ「大佐?」

唯「そう、大佐。アズニャンも言ってみて」

アズサ「大佐!」

唯「そうそう。いい子、いい子。ナデナデ」

アズサ「にゃっ」

ガーディアン「……まずはポケモンセンターに行くわ」

唯「はい!大佐!」

アズサ「大佐!」

ガーディアン「……はあ」
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 07:28:48.73 ID:09P9mHUr0
フスベシティに向かう途中の上空

憂「アズえもん、早すぎるよー!」

私達は私のプテラでフスベシティに全速力で向かっています。

梓「アズえもんって何!?」

憂「なんとなく言ってみたかったんだー」

梓「……憂だけはまともでいてほしかったなー」

憂「何か言ったー?」

梓「別にー」

憂「間に合うかなー?」

梓「多分ね。頑張って、プテラ!」

プテラ「テラ!」

私達は唯先輩を迎えに行くべく、全速力で向かいました。待っててね、唯先輩!

憂「うふふ。お姉ちゃんが心配なんだね、梓ちゃん」

梓「べ、別にそんなことないもん!」
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 07:31:26.51 ID:09P9mHUr0
第22話から25話まで終了
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/05(土) 14:33:09.74 ID:09P9mHUr0
>>310
訂正第22話→23話 以下、23話→24話 24話→25話
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) :2011/11/05(土) 21:48:04.02 ID:yeMQuVHg0
今回もいいね★
「ちなみにウー太の治療中に頑張ってヨーギラスに進化しました!」
これって・・・ヨーギラスはサナギラスに進化したって事かな?
とりま、乙★
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/06(日) 03:59:52.32 ID:9/Bp63b50
>>354
そうです
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/06(日) 12:15:03.98 ID:dBKk3MuDO
乙!!

二人がマッス〇ドッキング出来る日は来るのかなぁ・・・
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 04:36:20.29 ID:vrvDoJn80
第26話『あずにゃん到着、全力バトル!〜フスベシティを守れ!〜』

フスベシティ・ポケモンセンター

ガーディアン「まずはここでポケモンを回復させなさい」

唯「はーい……って、めちゃくちゃ人多いね!」

ガーディアン「仕方がないわ。野生のポケモンが凶暴になって、危ないから、避難場所として、ポケモンセンターを利用されるから」

ジョーイ「回復ですか?」

唯「お願いしまーす」

ジョーイ「少々お待ち下さい」


唯「回復もすんだし、これからどうするの?」

ガーディアン「そうね……とりあえず、あなたを迎えに来る、保護者を待ちましょう」

唯「保護者って……そういえば、ガーディアンさんはローブを取らないの?」

ガーディアン「……事情があるのよ」

唯「ふーん……(隙を見て、フードを……)」

ガーディアン「もし、このフードを取ろうなんて、考えてるなら……やめた方がいいわ。……最悪、バットエンドを見せてあげるわ」

唯「バットエンド?」

ガーディアン「例えば……寝取られエンドとか」

唯「ぜ、全然そんなこと考えてないから、安心して!」

ガーディアン「なら、いいわ」

唯(ふう……。勘がいいな、この人)

私達はポケモンセンターの隅のほうに座ります。

ガーディアン「……」

唯「ところで、あなたの正体って?」

ガーディアン「……ゆ……あなたが知ることじゃないわ」

唯「唯!」

ガーディアン「?」

唯「私の名前は平沢唯だよ!」

ガーディアン「……なら、唯と呼ばせてもらうわ」

唯「うん!」

ガーディアン「……変わらないわね」

唯「何か言った?」

ガーディアン「何でもないわ。それよりも今の状況を把握しましょうか」

唯「そうだね」

ニャース「現状把握は大切にゃ」

ガーディアン「とりあえず、なんだかよく分からないけど、何らかの電波で野生のポケモンが凶暴化しているようね」

ニャース「それはチョウジタウンでもあったにゃ」

ガーディアン「話してみなさい」

唯「かくかくしかじか」
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 04:38:39.07 ID:vrvDoJn80
ガーディアン「……そう。おそらく、チョウジタウンでの出来事はこのための実験だったんでしょうね」

ニャース「多分、そうだにゃ」

唯「でもさ。どうして、ラジオ塔を?」

ニャース「多分、このジョウトではコガネシティのラジオ塔は大きい施設にゃ。そういう場所を占拠することで自分達の強さを証明しようとしてるかもしれないにゃ」

ガーディアン「それにその電波を流すためにも……たくさんの電波を流しているラジオ塔は都合がいいかもしれないわね」

唯「なるほど、なるほど。それはいいとしても、どうして、この町を襲うの?」

ガーディアン「この町のジムリーダーはジョウト地方でもピカイチといわれる腕前なのよ」

唯「そんな人に私達は勝ったんだね」

アズサ「さすがは唯先輩です!」

唯「いや〜。照れますな〜」

ガーディアン「……それにこの町には強力なポケモンである、ドラゴン使いのトレーナーが多くいるわ。自分達の邪魔になりそうだし、早めに潰したほうがいいしね」

唯「それでフリーザー……そっか!フリーザーはこおりタイプ!そして、ドラゴンにこおりタイプの技は天敵だもんね!」

ニャース「そのとおりにゃ」

ガーディアン「それで連中はどこまで来てるのかしらね」

唯「ラジオは役に立たないしね」

ニャース「ジョーイさんに聞いてみるにゃ」

唯「それはいい考えだね」

ガーディアン「そうね。でも……」

避難民達「「「「ガヤガヤガヤガヤ」」」」

ガーディアン「この人の波を抜けていくのは厳しいそうね。とりあえず、しばらくは様子を見てみるしかなさそうだわ」

唯「そうだね」

ガーディアン「……どうして、旅に出ようと思ったの?」

唯「え?」

ガーディアン「どうして、旅に出ようと思ったのかしら?」

唯「初めはね、ウツギ博士のところにで、研究所の助手としてポケモンと接してきたわけたんだ」

ガーディアン「あなたにできたの?」

唯「む、失礼だね。……それなりにできたよ、多分」

ガーディアン「急に自信がなくなったわね」

唯「それでね、ウツギ博士がね、カントー地方のポケモンリーグの映像を見せてくれてね。そこで……」

ガーディアン「中野 梓の戦いを見たのね」

唯「そう!あずにゃん達の戦いを見てね!私も戦いたいと思ったの!」

ガーディアン「……そう」

唯「それと……これは憂の方が思いが強いかもしれないけど……和ちゃんっていう幼馴染も探せるかなって」

ガーディアン「……そう」

唯「今頃、どこにいるんだろう」

ガーディアン「きっと、今頃、幸せに暮らせてるんじゃないかしら」

唯「だといいね」
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 04:40:14.31 ID:vrvDoJn80
フスベシティ・ポケモンセンター前

梓「ふう、やっと着いた」

憂「ご苦労様、プテラさん」

梓「とりあえず、ポケモンセンターの中に急ごう!」

憂「早く、お姉ちゃんに会いたいんだね!その気持ちは分かるよ!」

梓「べ、別にそんなわけじゃないよ」

憂「少しは素直になったほうがいいよー」

梓「だから……もう、そういうことでいいよ」

憂「とりあえず、早く、入ろう!」

梓「うん」


ポケモンセンター内部

梓「わっ!」

ゆい「すごい人だねー」

憂「たくさんの人が避難してきてるんだね」

ゆい「さて……あずにゃんの愛しの唯先輩はどこだろうねー」

梓「だから、違いますし!」

憂「ゆいちゃん的にはお姉ちゃんはいいのー?」

ゆい「なんとなく、他人じゃない気がするからねー」

憂「そっかー」

梓「さあ、無駄話はやめて探しましょう」


唯「ん!」

ガーディアン「どうかしたの?」

唯「あずにゃんが来た!」

ガーディアン「どうして、分かるの?」

唯「乙女の勘です!フンス」

ガーディアン「何を言ってるのよ……」

梓「唯せんぱーい!」

ガーディアン「本当に来た!?」

唯「あずにゃーん!こっちだよー!」
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 04:41:26.45 ID:vrvDoJn80
唯「いやー、久しぶりだねー」

梓「そんなに別れてから、たってませんよ。……それよりも」

ガーディアン「……」

梓「この人は?」

唯「私を助けてくれた人だよー」

ガーディアン「よろしくね」

梓「は、はあ……。中野梓です。どうもです」

憂「……」

梓「どうしたの、憂?」

憂「……う、ううん。なんでもないよ。……それよりも、梓ちゃんよかったね」

梓「何が?」

憂「お姉ちゃんに会えて!」

梓「……え?」

唯「そうなの?あずにゃんは私に会いたかったの?」

梓「べ、別に私は……」

唯「あ〜ずにゃん!」

梓「にゃっ!」

唯「私も会いたかったよ〜。スリスリ」

梓「や、やめてくださ〜い!」

アズサ「む……」

ガーディアン「……」

憂「……久しぶりだね、ガーディアンさん」

ガーディアン「……そうね」

憂「元気そうだね」

ガーディアン「おかげ様でね」

唯「何々、やっぱり知り合いなの?」

ガーディアン「エンジュシティで、ちょっとね」

唯「ふーん」

梓「い、いい加減に離してくださーい!!」
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 04:42:55.09 ID:vrvDoJn80
梓「まったく、唯先輩は……」

唯「ごめん、ごめん」

梓「憂もだよ」

憂「ごめんねー」

梓「まったく、この姉妹は……」

ガーディアン「それでこれから……」

ガシャーン

梓「きゃっ!」

避難民A「ロ、ロケット団が攻めてきたぞー!」

避難民B「ま、まさか、本当に来たのか……」

避難民C「お、俺達はお終いだ……」

唯「た、大変なことになってきたね……」

憂「そうだね……」

ガーディアン「……あなた達はここで大人しくしてなさい。いけるわね、梓ちゃん」

梓「……はい!」

唯「ちょ、ちょっと待ってよ!私も戦えるよ!」

憂「わ、私もだよ!」

梓「ですが……」

唯「トレーナーは一人でも多いほうがいいでしょ?」

ガーディアン「……そうね。なら、2人1組に別れて……唯は梓ちゃんと、私は憂と一緒に行動しましょう」

梓「わ、分かりました」

唯「よろしくね、あずにゃん!」

憂「……よろしくね。のど……ガーディアンさん」

ガーディアン「……それじゃ、外に出ましょう」


ポケモンセンター・外

避難民D「きゃあああああ」

避難民E「助けてくれええええええ」

唯「大変な状況だね」

アズサ「私が全部倒してやるです!」

ガーディアン「それじゃ、私達はこっちにいくから、あなた達はそっちをお願いね」

梓「分かりました」

ガーディアン「それじゃ、行くわよ、憂」

憂「うん!」

ガーディアンさんと憂は走っていきました。

梓「私達も行きましょうか」

唯「そうだね」
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 04:47:08.39 ID:vrvDoJn80
ロケット団員A「ヒャーハー、ヘルガー!」

避難民K「ひいいいいい」

梓「危ないです!グライガー!」

グライガー「グラ!」

ヘルガー「ヘル!」

あずにゃんは素早く、グライガーを出し、ヘルガーを切り裂きます。

梓「大丈夫ですか!」

避難民K「な、何とか……」

梓「こいつらは私達でなんとかしますから、逃げて下さい」

避難民K「あ、ああ……」

避難民さんは急いで逃げ出しました。……それにしても。

唯「あずにゃんはすごいなー」

ニャース「唯も見習うにゃ」

唯「そうだねー。ところでグライガーって?」

ニャース「グライガー。タイプはじめんとひこうにゃ。ぼうぎょが高いポケモンにゃ」

唯「なるほど、なるほど」

ロケット団員A「なんだ、お前らは。俺らの邪魔をすると痛い目にあうぞ」

梓「果たして、どっちがあうんでしょうね」

ロケット団員A「……いいだろう。痛い目にあわせてやる!」

5分後

ロケット団員A「グハッ」

ロケット団員さんはバタンと倒れました。

梓「まだまだですね」

唯「あずにゃん、すごい!」

梓「どうもです。次に行きましょう」

唯「うん!」

フスベシティ郊外・ロケット団部隊・基地

ロケット団員KK「た、大変です、ランス様!」

ランス「どうした?」

ロケット団員KK「フスベシティに進行したロケット団員が次々に何人かのトレーナーにやられています」

ランス「……そいつらの特徴は?」

ロケット団員KK「ローブを被った女にポニーテールの女の2人組みと……ショートボブの女とツインテールの女の2人組みです」

ランス「なるほど。……それで、お前はどうしてここにいるんだ?」

ロケット団員KK「は?」

ランス「どうして、お前はそいつらを倒しに行かないで、ここにいるんだと聞いているんだ」

ロケット団員KK「それは……」

ランス「まさか……勝てないからここに逃げてきたとかではないよな」

ロケット団員KK「そ、そんなことありません!」

ランス「……ふん。行くぞ」

ロケット団員KK「ど、どちらに……」

ランス「決まっているだろ。……『中野梓』を倒しにだ」
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 04:48:55.26 ID:vrvDoJn80
フスベシティ

ロケット団員KI「グハッ」

唯「ふえー。何人いるのー。もう、疲れたー」

梓「頑張って下さい。だんだん、うまくなってますよ」

唯「え、そう?えへへ。じゃあ、もう少し頑張ってみるよ!」

ニャース「見事に乗せられてるにゃ」

梓「でも、たしかにきりがないですね」

ロケット団員KL「いくぞ!」

ロケット団員10人「おお!」

ロケット団員さん達、10人くらいが手持ちのメンバー全匹を使って、私達に迫ってきます。

梓「これは……」

唯「やばいよ!」

これだけの数のポケモンが一斉に襲ってきたら……。

唯「ど、どうしよう、あずにゃん」

梓「落ち着いて下さい。ゆい先輩!」

ゆい「なーに?」

梓「なーに、じゃありませんよ。この状況を何とかして下さい」

ゆい「やっぱりね。でも……」

ヘルガー「ヘル!」

サイドン「サイ!」

ゆい「あれだけの数は厳しいね。でも、あずにゃんのために頑張るよ!フンス」

梓「頼りにしてますよ」

ゆい「任せなさい!」

唯「……」

妄想

唯「くらえー!」

ロケット団員全員「ぎゃああああ」

梓「す、すごいです!これだけの数のロケット団員を一撃で……」

唯「たいしたことないよ」

梓「すごいですね、さすがは唯先輩です!で、できたら、今度、私にポケモンバトルを教えてほしいです!」

唯「フフフ。いいよ。ついでに夜のポケモンバトルも教えてあげるよ、ベットで!」

梓「え、それって……」

唯「むふふ」

梓「あの、その……よろしくお願いします」

妄想終了

唯「えへへ」

梓「何をしてるんですか!来ますよ!」

唯「あずにゃん!私、頑張るよ!」

梓「当たり前です」
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 04:50:51.53 ID:vrvDoJn80
ゆい「さあ、頑張るよ!」

アズサ「私も頑張りますよ」

むったん「あの奥義の出番だよ」

アズサ「あの奥義?」

むったん「かつて、アズサに群がってくるペロリストを粉砕したといわれる最強の奥義の1つで……赤いギャラドスを倒した技さ」

アズサ「にゃう!たしかにうまくいきそうですね!」

むったん「それじゃよろしく」

アズサ「やってやるです!」

私は集中して周りの音を聞き入れます。

アズサ(にゃう。嫌な音ばかりですね……)

そして、私は音と音がぶつかる、傷のようなところを見つけます。

アズサ「いきますよ……」

私はギターを握る手を強くしました。


ロケット団員KL「かかれー!」

唯「ひゃー、来たよー!」

梓「頼みますよ、ゆい先輩!」

ゆい「う、うん……(無茶振りだよ!さっきはあずにゃんに褒められたかっただけだし!)」

アズサ「どいてください!」

ゆい「ほへ?」

アズサ「アズサ殺法52の技の3大奥義の1つ『むったん・音の傷』!」

アズニャンの放った一振りで向かってきたポケモンは鋭い刃のような風を受け、体中に切り傷ができて、気絶しました。

梓達全員「……」

ゆい「やったよ、アズニャン!」

唯「胴上げだー!!」

アズサ「にゃあああああ」

皆(梓とニャースとヘラクロス以外)「わっしょい!わっしょい!」

梓「あれだけの敵を……」

ニャース「一撃にゃ……」

ヘラクロス「ヘラ(くそったれめ)」
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 04:52:34.61 ID:vrvDoJn80
???「素晴らしい、素晴らしいですね!」

パチパチパチパチ。

たくさんの瀕死状態のポケモンと気絶しているロケット団員の中を数人のロケット団員とリーダーみたいな人が拍手をしながら歩いてきました。

梓「だ、誰ですか!?」

唯「およ?」

ニャース「警戒するにゃ!」

???「素晴らしいですね〜。これだけの数のポケモンを一撃で倒すなんてね!」

唯「褒められてるよ、アズニャン!」

アズサ「照れちゃいます!」

ゆい「いいなー、アズニャン!」

梓「和んでる場合ですか!あなた達は一体、何者です!」

???「これはこれは失礼しました。自己紹介が遅れましたね、お嬢ちゃん」

梓「む」

???「私の名前はランスといいます。以後、お見知りおきを」

唯「これはどうもどうも。私の名前は平沢唯です。でも、近々、中野唯になるかもしれません」

梓「のんきに自己紹介してる場合ですか!そして、後者はありません!!!」

唯「ごめん、ごめん。あずにゃんが平沢梓になるんだったね。めんご、めんご」

梓「だから、そんな事実はありません!!!」

唯「なるほど。最近は夫婦別性というのがあるらしいからね。お互いの名字を大事にしていきたいというわけだね!」

梓「だから、夫婦とかその発想から離れてください!」

唯「えー」

梓「えー、じゃありません!」

唯「あんまり、つんつんしすぎるのもよくないよー」

梓「別につんつんしてるわけじゃありません!」

ニャース「そんなことよりも、相手に集中するにゃ」

梓「そうでしたね!」

唯「まったく、あずにゃんは。しっかりしなさい!」

梓「唯先輩のせいです!」

唯「おお」
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 04:53:52.08 ID:vrvDoJn80
ランス「クックク、面白い方々だ」

唯「わーい。褒められたー」

梓「褒められてません!」

ランス「クッククク。さてと。今日はあなた方は少々調子に乗りすぎなようなのでね、成敗しに来たんですよ」

唯「それはそれは、ご丁寧にどうも……って、ええ!!」

梓「成敗されるのはあなた達です!」

唯「そうだ、そうだー!」

ランス「フフフ。相変わらす、血気盛んですね、梓さん。……だけど、調子に乗らないほうがいいですよ」

ランスさんの声が急に冷たく、低くなります。

ランス「あなた方にはここで死んでもらいます。特に梓さんにはボスである、サカキ様の敵もありますからね」

唯「サカキさんってチョウジタウンで戦った人?」

ランス「チョウジタウン?訳の分からないことを言っても無駄ですよ。サカキ様を殺したんですよね、梓さん。ヤマブキの戦いで!」

唯「そんな馬鹿な。チョウジタウンでは生きてたよ!」

ランス「そんなはずはないでしょう。たしかにチョウジタウンにはたしかに施設はありましたがね。……そういえば、あなた達が施設をぶち壊したんですね。その報いも受けてもらわないと」

梓「私達はそんな簡単には負けませんよ」

ランス「無論、そうでなくては面白くありませんがね。……話はこれくらいにして始めましょうか」

梓「気をつけて下さい。相手はでんせつのポケモンを持ってるかもしれません」

唯「う、うん」

ランス「それでは……」

唯・梓・ランス「「「決闘(デュエル)!!!」」」
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 04:55:08.38 ID:vrvDoJn80
第27話『フスベシティの死闘!怒涛のフリーザー!〜伝説をぶっ飛ばせ!〜』

唯・梓・ランス「「「決闘(デュエル)!!!」」」

ランス「フフフ。早速、見せてあげますよ」

唯「何を?」

ニャース「フリーザーに決まってるにゃ」

唯「もう、出すの!?」

梓「むしろ、早く出してもらないと、こっちも厳しいです」

唯「???」

ニャース「どのみち、対決するなら、体力が多い序盤の方がいいにゃ」

唯「おお!そうだね!」

ランス「来なさい、フリーザー!そして、ゴルバット達!」

フリーザー「フリー!」

ランスさんはフリーザーとそれを守護するかのようにゴルバットやマタドガス、ベトベトンを出してきました。

唯「ど、どうしよう、あずにゃん」

梓「落ち着いて下さい。まずは周りのポケモンを倒したほうがいいですね」

ランス「そう簡単にいくとは考えないほうがいいですよ。さあ、行きなさい!」

梓「来て下さい、ハッサム!プテラ!」

唯「私も出さないと……来て、ギラ太!ネイ太!」

ニャース「それでいいにゃ」

唯「えへへ。私も成長するんだよ!」

ランス「では、何分持つか、頑張って下さいね!」
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 04:57:28.63 ID:vrvDoJn80
フスベシティ・別の場所

憂「いっけー、サンダース、10万ボルト!」

ゴルバット「ゴルーーーーーー!」

ゴルバットはサンダースの十万ボルトを受け、気絶しました。

憂「いいよ、サンダース!」

サンダース「ダース!」

ガーディアン「大分、イーブイの使い方になれたのね……」

憂「まあね」

ジュン「それはそうよね。だって……」

憂「しーだよ。ジュンちゃん」

ガーディアン「?」

憂「何でもないよー」

ガーディアン「まあ、いいわ。それにしても、随分と倒したけど、幹部らしきのは……」

フリーザー「フリー!」

お姉ちゃん達が向かった方向から青い色の綺麗な鳥が大きな鳴き声とともに上空に浮上しました。

憂「あ、あれが……」

ガーディアン「フリーザーね。唯達のところに行きましょう」

憂「う、うん」

私達はお姉ちゃん達のところに駆け出しました。


フスベシティ


フリーザー「フリー!」

フリーザーは綺麗で青い体で空中に飛び始めます。

ランス「いけっ!」

ゴルバット達も一斉にこちらに向かって走ってきます。

梓「ハッサム!」

ハッサム「サム!」

ハッサム達は向かってくる、ランスさんのポケモン達を次々に倒していきます。

カイリキー「リキー!」

カイリキーは私に向かって来ます。

唯「ひゃー、こっちに来たよ!ネイ太、サイコキネシス!」

ネイティオ「ティー!」

ネイティオのサイコキネシスがカイリキーに命中し、気絶しました。

唯「わーい、ネイ太いいよ!」

ランス「素晴らしい、素晴らしいですね。さすがはここまで、ロケット団員達を倒してきただけありますね」

唯「えへへ〜。私達のタッグは最強だよ〜」

ランス「クッククク、その最強タッグがフリーザー相手にどこまで持ちますかね。フリーザー、れいとうビーム!」

フリーザーの口から、冷気のビームを私に向かって発射します。

唯「って、どうしよう!?」

ネイティオ「ティー!」

ネイ太が私の前に立ち、その攻撃を受けます。
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 04:58:57.48 ID:vrvDoJn80
唯「ネイ太!」

ネイティオ「……」

その攻撃が直撃し、ネイ太は凍り漬けになります。

梓「そんな……」

ニャース「あんなのを喰らったら……大変にゃ」

唯「わーん、ネイ太ー!」

ランス「フリーザー、つばめがえしだ!」

フリーザーは素早く動き、その翼で切り付けに来ます。その狙いは……。

唯「ネイ太!?」

ニャース「ボールに戻すにゃ!!」

唯「う、うん」

ランス「その前に奴の首を切れ!」

唯「ボールを……。ツル」

慌てていた私はボトンとボールを落としてしまいました。

唯「しまった!?」

ニャース「早く拾うにゃ!!」

ランス「ヘッポコトレーナーめ。己の実力のなさを悔やむがいいです」

フリーザー「フリー!」

フリーザーの攻撃がネイ太の首に迫る瞬間、

サナギラス「ギラ!」

フリーザー「フリ!?」

フリーザーは横から、何かのはどうのような物をを受け、横に飛ばされます。

ランス「なんだと!?」

サナギラス「ギラ!ギラ!」

唯「おお!ギラ太、ナイスだよ!戻って、ネイ太!」

ニャース「今のは横から、サナギラスがあくのはどうをフリーザーに命中させたんだにゃ」

唯「なるほど!」
ランス「くそっ」


梓「どうやら、ヘッポコトレーナーはあなたのようですね」

ランス「……うるせえぞ、クソガキ共。フリーザー!」

フリーザー「フリー!」

唯「こっちも、ギラ太で……ギラ太?」

ギラ太の体が光り輝きます。これは……!?

バンギラス「ギラ!ギラ!」

光がおさまるとギラ太が大きな巨体をしたポケモンになりました。このポケモンはたしか……

ニャース「バンギラスにゃ。タイプはいわとあくにゃ」

唯「わーい!わーい!」

アズサ「やりましたね!」

ゆい「おめでとー」

梓「のんきに祝ってる場合じゃないですよ!」
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:01:06.28 ID:vrvDoJn80
ランス「進化しようと関係ない!フリーザー!」

フリーザー「フリー!」

バンギラス「ギラ!」

フリーザーはギラ太に向かってきますが、ギラ太はストーンエッジをフリーザーに向かって炸裂させます。

フリーザー「ザー!?」

フリーザーはその攻撃を受け、ボールのように転がります。

唯「わーい、やったね!」

アズサ「すごいです!」

ゆい「いやー、残念だなー。これじゃ、私の出番がないよー」

ニャース「嬉しそうだにゃ」

ランス「……フリーザー」

フリーザー「……フリー」

フリーザーは何とか、立ち上がります。

ランス「フリーザー。全てを凍りつかせろ!」

フリーザー「フリー!」

フリーザーは羽ばたくとともに、吹雪が発生し、私達に向かって降り注ぎます。

唯「ハックション!ブルブル、寒いよー」

ゆい「カイロを使わないとね」

唯「そうだね。ギュー」

ゆい「ギュー」

梓「何で、2人して私に抱きつくんですか!!」

アズサ「でも、これはやばいですよ。地面が……」

ニャース「凍り始めてるにゃ」

バンギラス「ギラ!」

ギラ太は私達の盾になるように背中を見せて立ちふさがります。

唯「ギラ太?」

バンギラス「ギラ。ギラ」

ニャース「僕ではあいつを倒せないから、盾になって時間を稼ぎます。その間に僕の後ろで作戦を考えてくださいと言ってるにゃ」

唯「うう、ギラ太」

梓「ここはお言葉に甘えておきましょう」

私達はギラ太の後ろに隠れます。
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:03:03.16 ID:vrvDoJn80
唯「それでどうしようか」

梓「私の手持ちでほのおタイプは……ヘルガーだけですね」

唯「私は……」

ニャース「唯のメンバーにはいないにゃ」

唯「グスン。ごめんね、あずにゃん」

梓「仕方がないですよ。後は……憂達ですね」

唯「大丈夫かな、あの2人」

梓「今はあの2人よりもこっちの方がやばいですけどね」

唯「そうかな?」

梓「ずいぶん、落ち着いてますね」

唯「だって、あずにゃんと一緒だし」

梓「……」

唯「どうしたの、あずにゃん?顔、真っ赤だよ」

梓「何でもありません」

唯「???」

憂「おねえちゃーん」

唯「あ、憂だ。おーい」

ランス「新手か。だが……」


憂「おねえ……きゃっ!」

お姉ちゃんのほうに向かおうとした私はツルッと足を滑らせます。

ガーディアン「おっと」

転びそうになる私をガーディアンさんが受け止めます。

ガーディアン「大丈夫?」

憂「は、はい。ありがとう」

ガーディアン「どういたしまして。それよりも、現状は最悪ね」

ここらへんはフリーザーのふぶきで地面は凍り付いてるからね。

ガーディアン「それじゃ、急いで唯達のところに行きましょう」

憂「うん」
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:04:57.97 ID:vrvDoJn80
唯「いらっしゃいましー」

私は2人を暖かく迎え入れます。

唯「寒い中ご苦労様」

憂「たしかに寒いねー」

ガーディアン「あのポケモンね……」

バンギラス「ギラ……」

唯「ギラ太!!」

ギラ太の体も凍ってる部分が増えてきました。早くなんとかしないと……。

梓「2人はほのおポケモンは?」

憂「私はブースターが」

ガーディアン「私にはないわね」

梓「となると、2匹ですか」

唯「どうして、ほのおタイプが重要なの?」

ニャース「こおりの弱点だからにゃ」

唯「おおっ!」

梓「今更、そんなことを……」

ランス「いい加減に隠れてばかりは興ざめですよ、中野梓!!」

ガーディアン「人気者ね」

唯「それは私の嫁だからね」

憂「なら、仕方がないね」

ガーディアン「ええ。そのとおりね」

梓「意味が分かりませんから!」

唯「それにしても、あずにゃんを敵視するんだろう?」

ガーディアン「おそらく、ロケット団をボロボロにしたからよ。ボスのサカキも殺したし」

唯「でも、チョウジタウンで……」

ガーディアン「そんなの関係ないわ。重要なのはそれが事実じゃなくてもいいのよ」

唯「???」

ガーディアン「つまり、嘘でもいいの。梓ちゃんをかたきと思わせておくだけでいいのよ。それで梓ちゃんを狙うようになるでしょ?」

憂「つまり、梓ちゃんがやられることで得する人がいるってことだね」

ガーディアン「その可能性が高いわね」

唯「なんだがよく分からないけど、私の嫁には指1本触れさせないよ!フンス」

憂「お姉ちゃん、格好いい〜」

ガーディアン「……立派になったのね」

梓「いや、嫁とかにつっこみましょうよ」
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:08:29.72 ID:vrvDoJn80
ガーディアン「とにかく、バンギラスもいつまでもつか分からないわ。なら、一気に攻撃を仕掛けましょう」

梓「そうですね。では、左右に分かれて、挟み込むように攻撃を仕掛けましょう」

ガーディアン「それがいいわね」

梓「そして、憂と私で右から、ガーディアンさんと唯先輩は左から仕掛けます」

唯「えー、あずにゃんとがいいー」

ガーディアン「私とは不満かしら……と言いたいけど、どうしてこの組み合わせなのかしら?」

梓「私達のほのおタイプ2匹で一気に仕掛けます。その攻撃をフリーザーは無視できないでしょうから、私達に注意が向いている間に2人で後ろから一気に攻撃を」

ガーディアン「あなた達が危険ね」

梓「大丈夫です。最悪、憂だけでも守ります」

憂「梓ちゃん……」

唯「私もあずにゃんに守られたいよー」

梓「何を言ってるんですか……」

ゆい「私達は?」

梓「とりあえず、待機でいいですか?」

ガーディアン「そうね。あなた達は切り札なんだから」

ゆい「切り札!えへへ〜」

ジュン「ナナシのアズサには重い役目ね」

アズサ「うるさいです!」

梓「もし、私達がやられたら……ゆい先輩、頼みますね」

ゆい「あずにゃんは死なないよ。私が守るもの」

アズサ「さすがはゆい先輩です!」

ゆい「そうかな?(ネタとしてやったから、そんなキラキラした目で見られても)」

梓「それでは私達が先に飛び出しますから、その後に唯先輩達が出てください」

ガーディアン「さっきの話を蒸し返すわけじゃないけど……私達が囮の方がいいんじゃないしら?ほのおタイプの技のほうが確実でしょ?」

梓「それはそうですけど……ちらっ」

唯「?どうしたの、あずにゃん」

ガーディアン「……なるほどね」

梓「分かってくれますか」

ガーディアン「頑張りなさいよ。……あなたを最初に倒すのは私なんだから」

梓「え?」
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:10:48.93 ID:vrvDoJn80
ガーディアン「行くわよ、唯」
唯「うん」
梓「……あの人はもしかして」

憂「梓ちゃん」

梓「な、何」

憂「私達も頑張ろうね」

梓「う、うん」

バンギラス「ギラ……」

バンギラスは体のほとんどが凍り始め、膝をつきます。

梓「時間がありませんね。いきますよ、憂」

憂「うん!」

梓「とりゃああああああああ」

憂「とりゃああああああああ」

あずにゃんを先頭に走り出します。

ランス「血迷いましたか。フリーザー!」

フリーザー「フリー!」

梓「負けませんよ。ヘルガー、かえんほうしゃ!」

憂「ブースターもかえんほうしゃ!」

2匹のかえんほうしゃが氷の王者である、フリーザーに迫ります。

ランス「!?弱点を突きにきましたか……」

ガーディアン「……相手が梓達に気を取られてるわね。行くわよ、ピカチュウ」

ピカチュウ「チュウ」

唯「えーと、私は……ヘラ太!」

ヘラクロス「ヘラ!」

ガーディアン「それじゃ、ダッシュで行くわよ!」

唯「うん!」

私達は全速力で駆け出しました……が、

ツルッ

唯「あいで!」

ランス「!?なるほど。梓達は囮でしたか」

ガーディアン「唯!」

憂「お姉ちゃん!」

梓「くっ!」

憂「梓ちゃん!」

ランス「危なくやられるところでしたよ。カイリキー、ゴルダック!」

ランスさんはカイリキーとゴルダックを出します。

ランス「こんなこともあろうかと、手持ちを残しておいて正解でしたね。ゴルダック、ブースターとヘルガーを足止めしなさい。カイリキーはあのフードの女を足止めしなさい。フリーザー、あの馬鹿な女を氷付けにしなさい。れいとうビーム!」
フリーザーのれいとうビームが私に向かって発射されます。

ガーディアン「唯!」

カイリキー「リキ!」

カイリキーは私を助けようとする、ガーディアさんに立ちふさがれます。
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:12:13.03 ID:vrvDoJn80
ガーディアン「くっ……」

憂「お姉ちゃん!」

ゴルダック「ダック!」

憂にもゴルダックが邪魔をします。

憂「この……」

唯「うう……」

???「危ないです!」

私にれいとうビームが当たる瞬間、誰かに押し倒されるように倒れこみます。

ピキピキピキピキ。

私を狙ったれいとうビームが建物に命中し、一瞬で凍りつきます。あれに当たってたら……って!

梓「だ、大丈夫ですか……」

唯「あずにゃん……」

梓「怪我とかは……」

唯「だ、大丈夫だよ。あずにゃんが助けてくれたから……」

梓「そうですか……」


ガーディアン「よかった……と言うべきかしら……」

カイリキー「リキー!」

ガーディアン「……ピカチュウ」

ピカチュウ「チュウ!!」

私のピカチュウのワイルドボルトがカイリキーのお腹に直撃する。

カイリキー「リキ……」

ガーディアン「この程度で私を止められると思わないことね」


憂「戻って、ブースター。来て、サンダース」

サンダース「ダース!」

憂「いくよ……10万ボルト!」

サンダース「ダース!」

ゴルダック「ダック!」

ゴルダックの10万ボルトがゴルダックに直撃し、その電撃でゴルダックは力尽きます。

憂「お姉ちゃん!」

私はお姉ちゃんのところに駆け出します。
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:14:29.17 ID:vrvDoJn80
梓「……」

唯「……ねえ、あずにゃん」

梓「どうしたんですか!?まさか、怪我でも……」

唯「こんなところで……そのね、押し倒されるのは……ね。私、初めてだし、いきなり外では……」

梓「はい?」

ガーディアン「さすが、梓ちゃんね」

憂「そうだね。外で押し倒すなんて……レベルが違うね」

梓「……」

そういえば、唯先輩を押し倒したような体勢のままですね。

唯「別にあずにゃんがどうしてもっていうなら、私は嬉しいんだけど……最初から外っていうのは……こういうのはもっと慣れてから……って別に外でやりたいってわけじゃないんだけどね!」

梓「……あのですね」

唯「いいよ!覚悟を決めたよ!さあ、どこからでも来なさい!」

ガーディアン「どんなテクニックを見せてくれるのかしら」

憂「楽しみだね」

梓「いい加減にして……!?」

私はこんな時でもふざけている、唯先輩にビンタでもしようかと手を上げた時に……気づきました。

唯「……うう」

唯先輩の体は寒さではないであろう震えがあって、目に涙がこぼれそうになっているのを。

梓「……」

ゆい「あ、あずにゃん、大丈夫?怪我はない?アセアセ」

アズサ「ゆい先輩も大丈夫ですか!」

ゆい先輩達もピョコピョコと走ってきます。

ランス「さてさて。皆さん、集まってくれて好都合ですね。フリーザー、ふぶき!」

梓「……ゆい先輩」

ゆい「な、何?怪我なら、私がペロペロって治してあげるよ」

梓「あいつらを……5分で倒してください!」

ゆい「そんな無茶な」

梓「……お願いします」

ゆい「……分かった」

ゆい先輩はピョコピョコとフリーザーに向かっていきます。
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:16:19.77 ID:vrvDoJn80
ランス「この程度のクソガキが、フリーザーに何ができますか」

ゆい「さあね。いくよ、ギー太」

ランス「……ふん。フリーザー、ふぶき!!」

ゆい「……アズサ殺法52の技の3大奥義の1つ『むったん・音の傷』!」

ゆい先輩の一振りがフリーザーのふぶきを一瞬で跳ね飛ばし、フリーザーの体を切り裂きます。

ランス「なんだと!?」

アズサ「わ、私の技を……」

むったん「た、たった2回しかみてないのに……しかも、アズサよりも強力だよ!」

アズサ「す、すごいです!さすがはゆい先輩です!!!」

むったん「なるほど。この技は音と音のぶつかるかすかな音を頼らなければならない。音楽の才能がありそうなアズサよりも高いあの子なら……できてもおかしくないか……」

ランス「くそっ……」

フリーザー「フリー……」

ゆい「まさか、本当にできるなんて……わーい、わーい」

ランス「ふざけるな!フリーザー、れいとうビームだ!」

フリーザー「フリー!」

フリーザーの冷気のまじったビームがゆい先輩に迫ります。

アズサ「ゆい先輩!」

ランス「俺の勝ちだー!!!」

ゆい「遅いよ?」

ゆい先輩は一瞬でフリーザーの後ろに現れます。

ランス「な、なんだと!?」

フリーザー「フリー!?」

ガーディアン「体にオーラが……」

憂「アズサマインドの境地だね!」

ゆい「ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ『うんたん・ラッシュ』!!!」

ゆい先輩の拳がフリーザーに何発も叩きこまれます。

アズサ「あれは……私がやられた技です!」

ゆい「うんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたん」

フリーザー「グハッ……」

フリーザーはその攻撃を受け……地面に落下し、気絶しました
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:18:20.19 ID:vrvDoJn80
ランス「ば、馬鹿な……でんせつのポケモンが……」

ゆい「ふん。でんせつがなんだい。私を倒したかったら、後、10匹くらい連れてきなよ。フンス」

アズサ「ゆい先輩、格好いいです!」

ゆい「でしょ?デヘヘ」

ランス「とりあえず、逃げ出さないと……」

憂「どこに逃げるの?」

ランス「ひいっ」

ランスさんは反対側から逃げ出そうとしますが、いつの間にか、憂が回り込んでいます。

憂「あなたは梓ちゃんや……お姉ちゃんを傷つけようとしたんだよ?」

ガーディアン「ただで逃げれると思ってるの?」

ランス「ひいい」

ランスさんは回れ右をしますが、そこにはガーディアンさんがいました。

ガーディアン「お仕置きしなきゃね」

憂「ね」

ランス「ぎゃあああああああああああああああああああ」

その後、ランスさんの絶叫がフスベシティに響き渡りました。


梓「大丈夫ですか、唯先輩」

唯「うん。あずにゃんとゆいちゃんのおかげでね」

ゆい「えへへ」

唯「ごめんね、足手まといになっちゃって」

梓「気にしないで下さい。あれがなかったら、ゆい先輩も真面目に戦わなかったでしょうし」

ゆい「ぶう。あずにゃんが頼めば、私はいつでも真面目に戦うよ!フンス」

梓「はいはい」

唯「次からは気をつけるよ!」

梓「そうですね。……次?」

唯「さあ、回復してから、コガネシティに行こう!」

梓「え、えーと……」

唯「どうしたの?」

梓「今ので懲りたんじゃないんですか?」

唯「たしかに怖かったけどね。でも、ピンチは正義の味方につきものだし」

梓「は、はあ……」

唯「私達は……悪を成敗する正義の味方『放課後☆ティータイム』だからね!フンス」

梓「……はあ」

唯「どうしたの?」

梓「いえ……なんていうかすごいなって」
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:22:57.97 ID:vrvDoJn80
唯「えへへ。惚れ直した?」

梓「別に惚れてませんし」

唯「素直じゃないなー」

梓「まったく……」

ガーディアン「2人とも、怪我はない?」

唯「ガーディアンさん。あずにゃんが命がけで守ってくれたから、怪我はないよ」

梓「私もないです」

憂「よかったよー」

梓「そういえば、ランスさんは?叫び声は聞こえたんですが……」

憂「ああ。あの人は……」

ガーディアン「今頃、生きてることって素晴らしいと感激しているんじゃないかしら?」

梓「な、何をしたんですか……」

ガーディアン「聞きたい?」

梓「え、遠慮します」

唯「それじゃ、回復させてから、コガネシティに向かおう」

梓「本気ですか?」

唯「もちろんだよ!フンス」

梓「……仕方がないですね。憂達は?」

憂「もちろん、行くよ」

ガーディアン「当たり前よ」

梓「……ですよね。じゃあ、ポケモンセンターに戻りましょう」

唯「うん!」


ポケモンセンターに向かう途中


梓「ガーディアンさん」

ガーディアン「なに?」

梓「ガーディアンさんの正体はもしかして、和さんじゃ……」

ガーディアン「……」

梓「えっと……何かわけがあるんだとは思いますけど……」

和「……はあ。唯には黙ってなさいよ」

梓「いや……ばれてるんじゃないかと……」

和「そうかしら?完璧な変装じゃない?」

梓「いやいやいやいや」

和「まあ、とにかく、正体を明かすのは……この戦いが終わってからね」
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:24:05.76 ID:vrvDoJn80
梓「そうですか」

唯「む。2人で何を仲良さそうに話してるのさ」

和「梓ちゃんの恋人は可愛いわねって話してたの」

梓「なっ!?」

唯「え、そんなことないよ〜。クネクネ」

和「さっきのは黙ってなさいよ」

梓「くっ……ちょっと待って……」

唯「あずにゃ〜ん。ギュウ〜」

梓「にゃああああああああ」


アサギシティ


アテナ「グハッ」

ファイヤー「イヤー……」

ラムダ「ば、馬鹿な……」

サンダー「ダー……」

アテナ「……でんせつのポケモン2匹が……歯が立たないだと……」

うい「ふー。疲れたよー」

純「よくやったわね、うい。……さて、コガネシティに行きますか」

うい「お姉ちゃん達も来るかな?」

純「たぶん、来るでしょうね。……ちゃっちゃとトドメを刺して行きましょう」

うい「そうだね」

アテナ「ひいいいいいいいいい」

ラムダ「ぎゃああああああああ」
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:26:19.18 ID:vrvDoJn80
第28話『ロケット団との最終バトル!VSアポロ〜ルギア・ホウオウの恐怖〜』

コガネシティ・しぜんこうえん

ヤナギ「我々、ジムリーダーが集まったのは言うまでもない」

ヤナギは辺りを見回す。

ヤナギ「ロケット団を殲滅し、コガネシティを取り戻すんだ!」

ジムリーダー達「オー!!」


律「気合入ってんなー」

澪「当たり前だろ」

紬「自分達の故郷だしね」

律「それにしても……梓達、遅いな」



梓「すいません、遅れました!」

唯「ごめんねー」

私達はプテラに乗って、律先輩達との待ち合わせ場所に来ました。

律「遅いぞ、梓、唯!……あれ、憂ちゃんに……誰?」

ガーディアン「とりあえず、ガーディアンとでも呼んでちょうだい」

唯「えへへ。とっても、頼りになるんだよ〜」

律「まあ、人数は多い方がいいしな」

梓「状況は?」

澪「まだ、何とも。要求も言ってこないし」

紬「こっちも手をこまねいているわけにもいかないから、逆にこっちから攻めようって話よ」

梓「なるほど」

???「それには及びませんよ」

ジムリーダー含めた全員「!?」

???「こんにちは、梓さん」

律「人気者だな、梓」

紬「うらやましい限りね」

???「私の名前はアポロ。今のロケット団の実質的なトップといってもいいでしょう」

梓「そのトップさんが私に何の用でしょうか」

唯「あ、あずにゃんにはこの私がゆ、指1本触れさせないんだよ!」

澪「足が震えてるぞ」

アポロ「たいしたことじゃありませんよ。私達のボスであるサカキ様の敵(かたき)を討ちたいだけです」

律「敵?」

アポロ「先にあったヤマブキでの戦いから……サカキ様は行方不明なんですよ」

全員「!?」

アポロ「とはいえ、そのことを伝えてくれた人も胡散臭いんですが……それでも、あえてそいつの手の上に乗りましたよ」
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:30:55.63 ID:vrvDoJn80
唯「その人大変だなー」

梓「本当に乗るわけじゃないですからね」

アポロ「何故なら……ロケット団を破滅にまで追い込んだ中野梓と戦ってみたかったんですよね」

律「モテモテだな」

梓「まったく、嬉しくありません」

アポロ「さて……来なさい、ルギア!ホウオウ!」

全員(唯以外)「なっ!?」

唯「ん?何で、皆驚いてるの?」

ニャース「どっちもでんせつのポケモンといわれるくらい珍しいポケモンだからにゃ」

唯「ほへー、そうなんだー。……って、ええっ!?」

ニャース「遅いにゃ」

アポロ「このようなポケモンであなた達を倒しても興ざめなんでしょうが……それでもいいでしょう。ルギア、エアロブラスト!」

ルギアは口からくうきのうずを私達……ではなく後ろの建物に向かって、発射してきます。

ドガシャーン。

その攻撃を受けた建物は子供が積み木の家を倒すように簡単に崩れ落ちます。

唯「ひいいい」

律「チッ、オーダイル」

澪「やるしかないか……メガニウム!」

紬「そうみたいね、バクフーン」

憂「来て、シャワーズ」

梓「いくよ、ハッサム」

ガーディアン「行くわよ、ピカチュウ」

皆、次々にポケモンを出していきます。

唯「皆、臨戦態勢だね」

ニャース「唯は出さないのかにゃ」

唯「そ、そうだね。ところで……」

ニャース「ルギアはタイプはエスパーとひこうにゃ。ホウオウはほのおとひこうにゃ」

唯「なるほど。じゃあ、私は……」

ニャース「バンギラスにしておくにゃ。どっちとも安定して戦えるにゃ。もっとも、タイプの上ではにゃ」

唯「どういうこと?」

ニャース「相手はそれほど強いと考えた方がいいということにゃ」

唯「なるほど」
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:34:16.88 ID:vrvDoJn80
律「よし!梓は唯を頼んだぞ!」

梓「まあ、頑張ります」

唯「足手まとい扱いされた!?」

律「それじゃ、全員でバラバラに行動するぞ。……スタート!」

律先輩の合図で、律先輩達とジムリーダーの人達は左右に散らばります。

梓「行きますよ、唯先輩」

唯「わーん、私は足手まといじゃないよー」

梓「誰もそんなこと言ってませんよ」

唯「うう、私、頑張るよ!」

梓「ぜひ、そうしてください」

私達も駆け出します。

唯「どうして、バラけるの?」

梓「一箇所にいたら、あの攻撃で全員粉砕されますよ」

唯「そういえば、そうだね」

あの一瞬でそこまでの判断をするなんて……皆、すごいなー。

ゆい「大変だねー」

あずにゃんの頭の上でゆいちゃんはのんきそうに呟きます。

梓「人事のように言わないで下さい。すぐに出番が来ますよ」

ゆい「私には無理だよ、あんなの」

梓「そんなことないですよ」

ゆい「信頼されるのはいいんだけどねー。今はあずにゃん分の補充中ー」

アズサ「あんなの私がやつけてやるです。やってやるです!」

ジタバタジタバタ。

唯「アズニャン、大人しくして!」

梓「すこしはあの精神を見習ってください」

ゆい「アズニャンは血気盛んだなー」

アポロ「バラバラでこの2匹を倒せますかな?ホウオウ、せいなるほのお!」

ホウオウは誰が見ても美しいというであろうほのおを私達に向かって発射します。

唯「あ、危ない!!」

梓「くっ……」

私達は一生懸命、横に飛び込みます。
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:37:11.30 ID:vrvDoJn80
律「好きにさせるかよ。オーダイル、ホウオウにたきのぼりだ!」

りっちゃんのオーダイルはホウオウに向かって、突撃してきます。

ルギア「ルギ!」

ルギアはその行く手を阻むかのように立ちふさがろうとします。

律「そんなのは……」

ヤナギ「想定の範囲内だ!一斉、攻撃!」

ジムリーダーさん達のモンスターの一斉攻撃がルギアに向かって、発射されます。

ルギア「ルギ……」

アポロ「ほう……」

さすがのルギアもその攻撃の前には苦しそうです。

アポロ「やりますね。もっとも……」

ニドキング「キング!」

律「なっ……!?」

ホウオウに向かう、オーダイルの行く手をニドキングが阻みます。

アポロ「こっちの方が一枚上手ですかね」

律「そいつはどうかな?」

澪「カメックス、ハイドロポンプだ!」

アポロ「なんだと!?」

カメックスのハイドロポンプがホウオウの後ろに直撃します。

ホウオウ「ホーーーーー!!」

アポロ「さっきはメガニウムを……」

澪「メガニウムじゃちょっときつそうだからな。代えさせてもらったんだ」

アポロ「くっ……」

律「こっちのほうが一枚上手のようだな」

アポロ「そいつはどうだろうな」

ホウオウ「ホーーーーウ」

ホウオウは澪ちゃん達の方を向き、羽を折りたたんで突っ込んでいきます。

アポロ「弱点を突いても、元々の戦力差が違うんですよ。ブレイブバード!」

律「危ない!」

紬「フーディン、リフレクターよ!」

ムギちゃんのフーディンは見えない壁を張って、その攻撃の振動を防ぎます。

律「あんなのが直撃したら……」

澪「ちょっと、危ないな……」

梓「あんなのが2匹……」

唯「ど、どうしよう……」

ゆい「私にいい考えがあるよ!」

梓「どんな考えですか?」

ゆい「私に任せてよ!……びええええええええええええええん」

突然、ゆいちゃんは大きな声で泣き始めました。
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:40:36.89 ID:vrvDoJn80
梓「突然何を……ああ」

唯「どうしたの?アセアセ」

うい「大丈夫、お姉ちゃん!」

ゆいちゃんが泣き始めたと同時に、ういが現れました。

純「急にテレポートを使わないでよ」

うい「ごめんねー」

ゆい「やっほー」

うい「やっほー、じゃないよ。どうしたの、急に」

ゆい「あれを見てー」

うい「ん?」

ゆいちゃんの指差す方を見ると、ジムリーダさん達を蹴散らすルギアとりっちゃん達を襲うホウオウがいます。

アポロ「あのポケモンは……あいつら、失敗したか」

ゆい「一緒に戦いたいなって思って、嘘泣きしたんだ。ごめんね」

うい「ううん。気にしなくていいよ。皆を傷つける悪い奴らなんだもんね」

ゆい「うん。こんなのを許してたら、私の嫁(トレーナー)が傷ついちゃうからね」

梓「一部、不適切な表現があった気がするんですが」

ゆい「そんなわけで、今回は私が戦うから、サムちゃんはあずにゃんを守っててね〜」

ハッサム「サム!」

アズサ「私もやるです!」

唯「わっ」

アズニャンは私の腕の中から、飛び出します。

ゆい「アズニャンも来る?でも……」

うい「私達の決闘(デュエル)は激しいよー」

アズサ「望むところです!やってやるです!」

ジュン「わ、私も行くよ!」

憂「ジュンちゃーん」

唯「あ、憂」

憂「ジュンちゃんが突然、飛び出して……」

唯「なるほど」

うい「ジュンちゃんも?」

ゆい「それじゃ、皆で戦おう!」

アズサ「そうしましょう!」

ジュン「ナナシのあんたが?」

アズサ「むー。今はそんなの関係ありません!」

ゆい「そのとおりだよ。それじゃ、いくよ」

うい「うん、お姉ちゃん」

ゆいちゃんはアズニャンのツインテールを、ういはジュンちゃんの体を持ちます。
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:43:03.25 ID:vrvDoJn80
アズサ「何をするんですか?」

ゆい「すぐに分かるよ。いくよ、うい!」

うい「うん!」

ゆい「ゆいあず殺法『アズニャンバスーカー』!!」

うい「ういじゅん殺法『ジュンちゃんバスーカー』!!」

アズサ「にゃあああああああああああ」

ジュン「ぎゃあああああああああああ」

ゆいちゃんはアズニャンのツインテールを掴んで、ホウオウに投げつけます。そして、ういはジュンちゃんの体を持って、ルギアに投げつけま
す。

ホウオウ・ルギア「「グハッ!」」

ホウオウとルギアのお腹に命中します。

ゆい・うい「「やったね」」

パチンと手を合わせます。

ゆい「さあ、次だよ。ゆいネットパワー!」

アズサ「にゃっ!?」

アズニャンはゆいちゃんに引き寄せられます。

アズサ「ひどいですよ!また、投げつけるなんて」

ゆい「ごめんねー。ナデナデ」

アズサ「そんなことじゃ誤魔化されませんよ。ニコニコ」

ゆい「さてと。あいさつはすんだね」

うい「そうだね」

ジュン「うう、痛い」

ういもどうやら、ジュンちゃんを回収したようです。

ルギア「ルギ……」

ホウオウ「オウ……」

ルギアとホウオウはアズニャン達をにらみつけます。

ゆい「何とか、ルギア達の注意をひきつける事ができたね。それでは、コンサートの時間だよ!はい、マイク」

アズサ「にゃっ?歌ってる場合じゃ……」

ゆい「アズニャンの歌でルギア達を改心させるんだよ!」

アズサ「そういうことでしたら……気合を入れて歌います!」

うい「はい、耳栓」

ジュン「あ、どうも」

アズサ「いきますよ……わたしはーアズニャーン。ねこだいしょー。てーんかむてきのおんなですよー!!」

全員(ゆい・うい・ジュンを除く)「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

ゆい「いいよ、いいよ!ホウオウもルギアもアズニャンの歌に惚れ惚れしてるよ!」

アズサ「そうですか。えへへ」

ゆい「よし!一気に決めるよ!」

うい「う、うん……」

ジュン「耳栓しててもつら……」

うい「めっ!!」
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:44:12.99 ID:vrvDoJn80
ゆい・アズサVSルギア

ゆい「いくよ、アズニャン!」

アズサ「はいです!」

ゆいちゃんとアズニャンはホウオウを挟むようにたちます。

ゆい「ゆいネットパワー!」

ゆいちゃんの腕からアズニャンの腕に何かのオーラでつながります。

ゆい「さあ、必殺!ゆいあず殺法その2『ゆいあずクロスボンバー』!!」

バーンとういう音とともにルギアの首に前後からラリアットが決まります。

ルギア「ルギ……ガクッ」

ルギアは地面に落下し、気絶しました。

ゆい「わーい、勝ったよー」

アズサ「やりました!」

ゆい「イエーイ!バチン」

アズサ「バチン」

ゆいちゃんとアズニャンは手を叩きあいます。

唯「ふー。これで1匹は倒したけど……」

梓「後はホウオウですね」


うい(ジュン)VSホウオウ


うい「じゃあ、ジュンちゃんは見てていいよー」

ジュン「いや……1匹でいいの?」

うい「問題ないよー」

ホウオウ「ホウ……」

ホウオウはこちらに向かおうとしたますが、さっきのアズサちゃんの猛獣のような叫びご……ゴホン。失礼しました。美声で明らかに弱ってい
ます。

うい「そりゃー!」

私はホウオウの体を掴みます。

うい「とおー!」

そして、ホウオウとともにジャンプします。

純「あの体勢は……」

うい「ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ『ひらわわバスター』!!!」

私はひらさわバスターの体制に入り、そのまま、地面に着地し、ホウオウは気絶しました。

ゆい「おお!」

アズサ「ういもやりました!」

ゆい「ういを胴上げだー!」

アズサ「それー!!!」

ゆい・アズサ「「ワッショイ、ワッショイ!」」

うい「きゃああ」

ジュン「私は一体……」
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:45:04.52 ID:vrvDoJn80
アポロ「……」

梓「どうですか!あなたの自慢のホウオウもルギアも粉砕しました!」

律「それだけじゃないぜ」

ニドキング「キング〜」

律「お前のポケモン達もやっつけたぜ」

アポロ「……」

梓「これであなたもおしまいですよ」

アポロ「ぷっはははは」

アポロさんは急に大声で笑い出しました。

唯「あ、あの人、頭がおかしくなったのかな?」

アポロ「失敬、失敬。いや……あなた達が警戒されるのも分かりますね」

梓「はい?」

アポロ「これを渡してくれたのが胡散臭い人でしてね。なるほど。私達を利用して、あなた達を倒そうとしたんでしょう」

梓「その人達は……」

アポロ「教えませんよ。私の最後の抵抗です。見ててください。私達は再び、ロケット団を再結成してあなた達の前にもう一度現れましょう」

律「それは勘弁してほしいな」

アポロ「それでは」

アポロさんは部下のケーシィを使って、テレポートで逃げ出しました。

澪「わざとだな」

紬「ええ」

唯「? 何が?」

律「あいつは……さっきの戦い……手を抜いてたってことさ」

唯「ほへ?何で?」

梓「きっと、誰かの手の上で踊らされるのが嫌だったんでしょう」

唯「なるほど、なるほど」

律「まあ、なんにせよだ。これでおしまいってことだな」

紬「次はいよいよ……」

澪「ポケモンリーグだな」

唯「おおっ!!いよいよだね!」

アズサ「楽しみです!」

梓「それでは……セキエイ高原に向かいますか」

全員「オーッ!!」
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:48:20.87 ID:vrvDoJn80
ジョウト地方・ある場所

ワタル「やはり、失敗か……」

曽我部「まあ、彼らが負けるのは……想定の範囲内」

カンナ「それでも……アンテナの実験は成功だわ」

???「ならば、計画は予定通り……」

???「最終段階じゃな……」

イツキ「私達の野望を果たすために……」

???「まずは私達の強さを示そうではないか……」

ワタル「そのためには……ポケモンリーグで全ての決着をつけようか……中野梓」
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:49:44.72 ID:vrvDoJn80
第29話『ポケモンリーグ開幕!!!〜気になる対戦相手は?〜』

セキエイこうげん

唯「セキエイこうげんに着きました!」

律「久しぶりだなー」

澪「また、ここに来れるなんてな」

紬「夢みたいね」

梓「のど……ガーディアンさんも来れれば、よかったのにね」

憂「仕方がないよ。いろいろ、事情もあるし」

唯「あ〜ずにゃん!ギュウ」

梓「にゃっ!」

唯「何、話してるの〜」

梓「べ、別に何も話してませんよ」

律「やれやれ、相変わらずだな」

紬「それじゃ、サッサと受付を済ませましょうか」

澪「そうだな」


受付「あなたはラッキーですね。ちょうど、あなたで締め切りです。受付ナンバーは64です」

唯「おおっ!それはすごいね!」

受付「開会式は今夜になりますので、遅れずに来て下さいね」

唯「はーい」

受付「それから……大会で使うメンバーを会場に連れてきてください」

唯「え、それはかまいませんけど……」

受付「お願いしますね」

唯「はーい」

梓「どうやら、前みたいに怪しい人は参加しないみたいですね」

律「そうだな。平和で何よりだ」

純「前みたいな目にあうのは勘弁ですからね」

澪「とりあえず、荷物を置いてから、見学でもするか」

紬「そうね」
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:52:21.70 ID:vrvDoJn80
部屋

唯「わ〜、ベットがある〜。しかも、大きい!2人くらいなら、一緒に寝れるね!」

梓「……」

唯「ソファーもあるし、テレビも大きい!ここで生活したいよ!」

梓「あの……」

唯「ん?どうしたの、あずにゃん」

梓「何で……ここにいるんです?」

唯「ここにいちゃいけないの?私のこと嫌い?」

梓「そういうことじゃなくてですね。ここ、私の部屋ですよ。自分の部屋に荷物を置いたほうが……」

唯「私、ここにする〜」

梓「はあ……仕方がないですね。私が唯先輩の部屋に行くことにしましょう」


うんたん♪うんたん♪


唯「ここも同じような感じだね!」

梓「あの……」

唯「ん?どうしたの?」

梓「何で、唯先輩がいるんですか?唯先輩はあっちの部屋でしょ?荷物も持ってるし」

唯「あずにゃんいるところに唯先輩あり!ですから!」

梓「初耳ですよ」

唯「一緒の部屋にしようよ〜」

梓「残念ですけど、それは……」

唯「え〜、どうして〜」

梓「例えば、私と唯先輩が戦うことになったとします」

唯「最高だね!」

梓「その時に一緒の部屋だったら、お互いにメンバーが分かってしまいます。それでは緊張感の欠片もありませんし。というか、参加者は一緒の部屋は駄目なんですよ」

唯「なるほど!」

梓「分かってくれましたか」

唯「……ルールなら、仕方がないね」
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:53:06.36 ID:vrvDoJn80
バンッ!

律「だが、一緒の部屋になる方法があるぞ!」

梓「にゃっ!」

唯「あ、りっちゃん!」

梓「突然、なんですか。びっくりしますよ」

律「すまん、すまん。唯に説明し忘れたことがあってな」

唯「ほへ?な〜に?」

律「私達の間では……負けたら、梓の部屋に泊まるという……暗黙のルールがある!」

唯「おおっ!」

ゆい「前は楽しかったよね〜」

梓「勝手に決めないで下さい……」

唯「なら、一生懸命負けるよ!」

アズサ「負けるのはイヤです!」

ニャース「ここまでの苦労が、そんな理由でパーになるのかにゃ」

唯「たしかにそれは嫌だね!あずにゃん、どうすればいいの!」

梓「何がですか?」

唯「負けないで、あずにゃんと一緒の部屋になれる方法!」

梓「素直に諦めて下さい」

唯「わーん」
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:54:11.86 ID:vrvDoJn80
梓の部屋

紬「ケーキよ〜」

唯「わーい」

律「このお茶も美味しいな」

澪「さすがはムギだ」

憂「すいません、私達まで」

純「申し訳ないです」

紬「気にしないで、憂ちゃんに鈴本さん」

純「微妙に惜しいですけど、鈴木です」

アズサ「モグモグ」

ジュン「モグモグ」

ゆい「見て見て、うい。アズニャン、一生懸命、小さいお口で食べてるよ〜」

うい「可愛いね〜」

ジュン「私はスルーですか」

梓「ああ、やっぱり、私の部屋がたまり場なんですね」

律「気を落とすなよ、梓。そのうち、いいことあるさ」

梓「……律先輩が施設見学の後、『梓の部屋でお茶会にしようぜ』って言った気がするんですけど」

律「……そうだっけ?それにしても、私の真似、似てないな。それじゃ、部屋をお茶会の会場にされても仕方がないな」

梓「まったく、因果関係が分かりません」

律「まあまあ、怒りなさんな。梓には特別にこれを皆の中心で見せてやろう」

律先輩はノートパソコンのあるサイトを見せます。

梓「何ですか、これ?」

律「週刊『ポケモントレーナーの友』だよ」

梓「微妙に年寄りくさいですね」

律「細かいことは気にするな。これに今回のポケモンリーグ参加者64人の評価が書いてあるんだ」

梓「ずいぶん、早いですね」

律「まあ、参加者は登録されてあるからな。ある程度、誰が来るか分かってるみたいだし」

梓「そういえば、そうですね。とりあえず、見てみましょう」
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:55:34.67 ID:vrvDoJn80
律「そうだな」

梓「まずは説明ですね。一番、高い評価はSランクでA、B、Cとなっていて、最後はGですか」

律「同じランクでも優劣があるみたいだな。+>無印>−、みたいだな」

紬「説明、乙ってやつね」

澪「ムギは何を言ってるんだ……」

梓「あれ、皆さん、いつの間に……」

律「さっき、言っただろ。梓を皆の中心で見せてやろうって」

梓「そういえば、そうでしたね。名前の順で載ってるみたいなので、その順番で見ていきましょう」

律「なら、初めは澪か」

紬「トップバッターね」

澪「なんか、恥ずかしいな」

唯「早く、私の番にならないかなー」

アズサ「きっと、唯先輩なら、Sランクです!」

唯「そうかな?でへへ」

梓「とりあえず、言いますね」

律「頼むぞ」

梓「秋山 澪 評価 S−(エスマイナス)ランク 総評 トレーナーの実力だけなら、トップクラスだが、純選手のういや梓選手のゆいのような絶対的な強さをもった、エースポケモンがいないのが惜しいところ。しかし、十分に優勝候補だ」

紬「なかなかの高評価ね」

唯「さすがは澪ちゃんだね!」

澪「なんか、照れるな」

梓「やっぱり、澪先輩はすごいな〜。憧れちゃいます」

澪「そ、そうか。テレテレ」

唯「……むう」

憂「どうしたの、お姉ちゃん」

唯「うーいー。私もあずにゃんに褒められたいよ」

憂「そっかー。でも、現段階では何ともいえないよ。といっても、お姉ちゃんなら、高評価を得られるだろうけど」

唯「そうかな?じゃあ、もう少し、待ってみるー」

憂「頑張って、お姉ちゃん!」
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:56:47.59 ID:vrvDoJn80
梓「では次は……ムギ先輩ですね」

律「これか。琴吹 紬 評価 Aランク 総評 トレーナーの実力も高いが、相手を心理的にじわじわと追い詰める戦略は素晴らしい。カントーのポケモンリーグではベスト8だったが、組み合わせ次第ではさらに上にいけるか」

梓「ムギ先輩も評価が高いですね」

ムギ「本当に恥ずかしくなるわね」

澪「だろ?」

律「さて……サクサクいこう」

梓「次は……純ですね」

純「私だ」

憂「緊張だね」

梓「鈴木 純 評価 Sランク」

全員「おおーっ」

ゆい「すごいね!さすがはういのトレーナーだよ!」

うい「えへへ」

律「にしても……澪を超えるとは……すごいな、植木さんは」

純「鈴木です」

梓「まだ、続きがありますね。総評 トレーナーの実力だけならCランクなのだが、ポケモンのういがチートすぎる。最悪、ういだけで突破さ
れてしまうほどの実力だ。各トレーナーはういを突破できなければ、優勝はない」

全員「……」

アズサ「ういはすごいんですね!!私も負けませんよ!」

うい「う、うん……が、頑張ろうね」

唯「つまり、トレーナーは二流だけど、ポケモンは超一流だってこと?」

梓「ストレートに言いすぎですよ!もっと、オブラートに包んであげないと……」

純「うわーん」
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 05:58:16.49 ID:vrvDoJn80
梓「次は……律先輩ですね」

律「ふふーん、私か」

梓「果たして、どんな評価なんでしょうね」

律「きっと、驚く評価なんだろうな」

梓「とりあえず、見てましょう。……田井中 律 評価……」

唯「ドキドキの瞬間だね、りっちゃん」

律「ああ」

梓「評価……B+ランク 評定 トレーナーとしての実力ももセンスもあるが、ただの力押しが目立つ。もう少し、考えるようにあれば、Aランクにいけるか」

律「……」

梓「果てしなく、微妙な評価ですね。プッ」

律「中野ー!!!」

ギュー

梓・律「「キャッキャッ」

唯「……」

憂「どうしたの、お姉ちゃん」

唯「うーいー、どうやったら、あずにゃんにからかわれるのー?」

憂「え?」

唯「例えば……」


妄想

梓「果てしなく、微妙な評価ですね。プッ」

唯「あずにゃーん!!!」

ギュー

梓・唯「「キャッキャッ」

妄想終了


唯「こんな感じに……」

憂「それは……お姉ちゃんには難しいよ」

唯「そっかー」
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 06:04:29.70 ID:vrvDoJn80
梓「次は私ですね」

唯「あずにゃんはカントーポケモンリーグで優勝してるから高評価だよね!」

梓「そ、そんなことないですよ」

律「とりあえず、読んでみよう。どれどれ……中野 梓 評価 A−ランク 総評 カントー地方ポケモンリーグで優勝といっても、ゆいの力が大きい。ゆいを抜かせば、トレーナーとしての実力はB+ランクが妥当か。ポケモンのゆいはムラッ気があり、安定しない。しかし、最優勝候補の純を倒せる可能性のある唯一のトレーナでもある点でも優勝候補の1人には入るだろう」

梓「……」

律「優勝してるのに、この評価とはな。プッ」

梓「……それでも、律先輩よりは高いですよ」

律「ゆいのおかげでな」

梓「む」

ゆい「えへへ」


唯「皆、すごいね、憂」

憂「カントー地方のポケモンリーグに参加してただけはあるね」

梓「次は憂ですね」

憂「えへへ。緊張しちゃうね」

梓「きっと、憂なら、評価は高いよ」

唯「私はー?」

梓「……た、たぶん、いいんじゃないでしょうか」

唯「そうかな?でへへ」

梓「つ、次にいきましょう。平沢 憂 評価 C+ランク 総評 今回でポケモンリーグ初出場だけれども、ジムリーダー戦での戦い方も素晴らしい。また、ブイパを使いこなしているのも評価が高い。初出場でどこまでいくかは見ものだ」

唯「ブイパ?」

梓「ブイパとはイーブイや進化後だけでメンバーを組むことです」

唯「えーと……」

ニャース「イーブイはしんかポケモンといわれているくらい、進化する数が多いにゃ。今、発見されているだけでも、7種類も進化するにゃ」

唯「それはすごいね!でも、あずにゃんからもらったのは1匹だけじゃ……」

憂「繁殖や捜索にね、かなりの時間がかかって大変だったよ」

ジュン「あの日々は思い出したくない……」
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 06:07:27.60 ID:vrvDoJn80
梓「最後は……」

唯「いよいよ、私だね!」

律「唯か……」

澪「どんな、評価なんだろうな」

梓「では……平沢 唯 評価……」

唯「ん?どうしたの?早く、言ってよ」

梓「……すいません。……それでは、ゴホン」

律「何をためらってんだよ」

梓「いろいろ、事情があるんですよ。……平沢 唯 評価……」

唯「ゴクリ」

緊張の瞬間だね!

梓「……Gランク」

唯「わーい、わーい……って、Gランク!?」

律「何かの間違いだろ!?」

梓「いえ……本当です。……一応、続きを……総評 ポケモンリーグに参加できたことが奇跡のトレーナー。しゃべるニャースとアズサという珍しいポケモンを所有しているものの、未だにタイプなどの相性も分からないなど、基本的な知識が欠如している。これまでのジム戦をみると、ニャースとアズサの力が大きく、この2匹しだいか。目指すは緒戦突破か」

唯「うう、なんていう評価……」

澪「……唯」

紬「……気を落とさないで」

憂「……お姉ちゃん」

梓「……でも、いいんじゃないでしょうか?」

唯「え?」

梓「この評価が必ずしも正しいわけではありませんし……・なにより、唯先輩が優勝したら、それこそ、奇跡のトレーナーですよ」

唯「……おおっ!」

律「……たしかにな」

梓「それに……そんな珍しいポケモンが仲間になるのも、唯先輩の実力だと思いますよ」

唯「そ、そうかな〜。デレデレ」

梓「自信を持ってください。こんな評価なんて当てになりません!唯先輩はもっと実力がありますよ」

唯「……そうだよね!」

憂(……梓ちゃん)

澪(……唯が低評価なのが許せなかったのか)

紬(……愛ね)

律「なあ、唯」

唯「な〜に、りっちゃん」

律「愛されてるな」

唯「え?」

律「なっ、梓」

梓「へ、変なこと言わないで下さい!」

唯「???」
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 06:08:45.59 ID:vrvDoJn80
開会式+抽選会

唯「いよいよ、始まるね!」

梓「この後に抽選会ですね」

ゆい「いきなり、アズニャンと当たったりして〜」

アズサ「今度は簡単に負けませんよ!」

会長「うんたらかんたら」

律「それにしても、なげー話だな」

澪「黙って聞いてろ、律」

律「何を怒ってるんだよ」

紬「いろいろ、事情があるのよ」

律「事情?……ああ、あのひ……」

澪「違うからな!」



司会「それでは抽選会を始めます」

唯「いよいよだね」

律「緊張するな」

司会「該当する番号順にくじを引いて、該当する番号に座って下さい」

唯「私、最後じゃん」

梓「残り物には福があるですよ」

唯「服?ティーシャツとかがあるといいね!」

梓「その服じゃありません」

唯「それで……私の席はここだ」
私は該当する席に座ります。そして、正面には……。
唯「えっと、たしか……シルバー君!」
シルバー「なんだ、てめえか。1回戦は楽勝だな。なあ、Gランクの唯」
唯「む。舐めてると痛い目にあうよ」
アズサ「唯先輩になんて口を利くですか!殺ってや……」
唯「落ち着いてね。ナデナデ」
アズサ「にゃふ」
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 06:10:09.76 ID:vrvDoJn80
司会「それでは今大会のルールを説明します。今大会は手持ちポケモンは3匹の3匹対3匹で行います。まず、トレーナーは参加させる予定の6匹のポケモンを対戦相手のトレーナーにそれぞれ見せます」

唯「ほうほう」

司会「そして、その見せたポケモンの中から3匹を選んで、次の日の試合で戦ってもらいます。勝敗は手持ちポケモン3匹の全滅とします。ただし、最初に見せた6匹以外を使用した場合は失格です」

唯「なるほど」

梓「質問です!」

司会「なんですか?」

梓「失格というのはどう判断するんですか?」

司会「なるほど。それはいい質問ですね。お互いに見せるポケモンはこの端末に登録してもらいます。そのデータをこちらのパソコンで管理し
ます。それで失格かどうかを判断します」

梓「なるほど。ありがとうございます」

司会「他には?」

シーン。

司会「それではお互いのポケモンを見せ合ってください」

唯「それでは……よろしくお願いします、シルバー君!」

シルバー「ケッ。これが俺のメンバーだ」

シルバー君のメンバーは……ゴルバット、ニューラ、レアコイル、フーディン、ゲンガーにヤミカラスです。

唯「私のはこれだよ〜」

私はアズニャン、ウー太、ネイ太、リオ太、ヘラ太、ギラ太を見せます。

シルバー「……ふん。相変わらず、雑魚そうだな」

アズサ「む!」

唯「落ち着いてね、アズニャン」

ニャース「そうにゃ。ここから、戦いは始まってるんだにゃ」

シルバー「……ふん」

司会「それでは解散とします。時間になりましたら、会場に来てください」

シルバー「それじゃあな」

唯「バイバーイ」
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 06:25:25.06 ID:vrvDoJn80
唯の部屋

唯「さてさて、今度のメンバーはどうしようか」

ニャース「相手は……あくとひこうが多いにゃ」

唯「だとすると……誰を入れようか」

ニャース「難しいところにゃが……安定しているのはヘラ太かにゃ」

唯「でも、ひこうタイプが2匹もいるよ」

ニャース「けれども、ニューラにかくとうタイプのあるヘラ太は有利にゃ。レアコイルやフーディンにも有効にゃ。ヤミカラスには弱点をつかれても、あくタイプとの相殺で、ダメージの半減がないから、ある程度の戦いができるにゃ」

唯「なるほどねー」

ニャース「……分かったのかにゃ」

唯「ようはどの相手でもそれなりに戦えるってことでしょ!」

ニャース「そのとおりにゃ」

唯「後は……ギラ太だね!」

ニャース「そうだにゃ。バンギラスもそれなりに戦えるにゃ」

唯「よし!それじゃ、明日はギラ太、ヘラ太、アズニャンでいくよ!」

アズサ「やってやるです!」

唯「それじゃ、明日に備えて、寝ようか」

アズサ「はいです!」

明日はいよいよ、私のポケモンリーグ開幕戦。勝てるといいな〜。

第26話から29話まで終了

分岐点
1.これで終わる。
2.あずにゃん王国編(舞台 ホウエン地方)
3.みおみお王国編(舞台 ホウエン地方)
4.その他
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/12(土) 06:30:12.52 ID:vrvDoJn80
>>401
補足 
分岐点は唯「ポケットモンスターアズサ!!」の後の話しです。
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) :2011/11/12(土) 08:26:55.02 ID:AQqmxvn90
乙!
今回も素晴らしかったよ・・・やっぱ、これが無いと生きてる感じがしない。うん

分岐点についてだけど・・・・・1は却下!君のss無しじゃ、生きがいが無くなるww
残るは2、3、4か・・・・・一番「唯x梓&ゆいxアズ」もしくは「唯xアズ&ゆいx梓」が堪能できる方でお願いしますぅ★
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越) [sage]:2011/11/12(土) 09:37:05.28 ID:TNfdvvqq0
乙です。
分岐点2を希望します!
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/13(日) 06:58:48.87 ID:K6hZUEfC0
乙です〜。
続きの是非は書き手様の任意ではあるけど、見られるのなら分岐点2かなー。

でも何と言うか、403さんの
「一番「唯x梓&ゆいxアズ」もしくは「唯xアズ&ゆいx梓」が堪能できる方でお願いしますぅ★」
という言が、自分含めてこのssの読者の願望を最も端的に表してると思うww
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/13(日) 07:56:23.63 ID:l5cxETNs0
分岐点 補足

2.あずにゃん王国編(舞台 ホウエン地方)
……主人公 唯
……梓達が敵になって、皆を救うために唯が旅に出る話。 

3.みおみお王国編(舞台 ホウエン地方)
……主人公 唯
……皆と別れて、ホウエン地方に向かう唯と梓だが、そんな中で澪達がホウエン地方を侵略したと言うことを知る。皆を救うために、唯と梓の旅が始まる。

来週の土曜日にその後を決めます。
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越) [sage]:2011/11/13(日) 09:57:20.85 ID:eqZhEBFR0
補足を読んで驚いた>>404の者です。その展開なら分岐点3の方を希望です
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越) :2011/11/13(日) 22:59:33.69 ID:WuCA0weAO

質問なんですが
これって澪ちゃん、りっちゃん、ムギちゃんはどっちになっても敵になっちゃうんですか??

409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) :2011/11/14(月) 00:00:57.54 ID:Ju4yphxT0
補足を見た感じだと・・・・・3の方が楽しそうかなww
ゆいあず的にもww
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(神奈川県) [sage]:2011/11/14(月) 00:34:08.27 ID:QwWDN4ab0
んー
どれも見たい!

けど唯梓分多めのほうがいいから
補足的には3かなー
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/14(月) 04:38:20.18 ID:uxizHWWX0
>>408
そういうことになりますね
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/14(月) 12:39:20.70 ID:/tPVaWpSO
今回も乙です。
ホウエンであずにゃんを守るかっこ唯を見たいから3で!
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(北海道) [sage]:2011/11/14(月) 21:05:42.69 ID:dg7usGOAO
梓編唯編ときたら唯&梓編だろう
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) :2011/11/18(金) 01:56:05.80 ID:+WIRIp/S0
みんな、3なのね・・・・・
俺は4がいい!
金・銀・水晶・HG・SSでカントー地方にいけたときって、なんか感動したというかなんと言うか・・・・・とにかく、凄かったww
だから、唯とアズサのカントー編も見てみたいかな?と
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 03:54:33.37 ID:3g0nKzyb0
とりあえず、3が多かったので、分岐点3でいきます。

416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 03:56:07.64 ID:3g0nKzyb0
第30話『ついに初陣!唯VSシルバー〜体に癒しは必要です!!〜』

梓『ここは……どこでしょう』

私はどこかの森の中を歩いています。ただ、この森には見覚えもありません。

梓『一体、何なんでしょう……』

しばらく歩くと……どこかの村みたいな場所に着きました。

梓『ここは……あ!あそこに人がいます』

私は5、6人子供がいたので、駆け出します。

梓『すいません、あの……』

その中の1人に声をかけます。

???『ん?あ、あずにゃんだ!』

梓『ゆ、ゆい先輩!?』

???『どうしたの?……あ、あずにゃんだ!』

その子供達が一斉に振り向くと……

梓『み、皆、ゆい先輩!?』

ゆい『ここはね、……ゆいの里なんだよー』

ゆい『だから……ここにはゆいしかいないんだよー』

梓『はあ、なるほど……』

ゆい『むふふ。それよりも、あずにゃんはうかつだなー』

梓『はい?』

ガサゴソガサゴソ。

梓『!? 私、囲まれてる!?』

ゆい『むふふ。安心していいよー。皆、私の仲間だよー』

ゆい『あずにゃんのにおいをかいでやってきたんだよー』

梓『に、におい!?』

ゆい『駄目だよ?こんなところに無防備できちゃ……』

ゆい『もう、我慢できないよー』

梓『な、何がなにやら……』

ゆい『むふふ。あ〜ずにゃん!』

1匹(?)のゆい先輩が飛びついてきました。

梓『にゃっ!?』

ゆい『あずにゃん分、補給〜』

ゆい『あ、ずるい!』

ゆい『皆、飛び掛れ!』

それを合図に草むらからたくさんのゆい先輩が飛び出して、抱きついてきました。

梓『た、助けて……』

ゆい達『あずにゃん!!あずにゃん!!』

梓『助けて……ゆい先輩に、……ゆい先輩に溺れるー!!!』
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 03:57:18.04 ID:3g0nKzyb0
梓「……はっ!?」

チュンチュンチュンチュン。

梓「夢か……。まだ、6時か……」

すごい汗かいてる。まったく、朝からなんて夢を……。

梓「それにしても……なんか、重苦しいような……」

ゆい「ぎゅう〜。すーぴーすーぴー」

右側には私の体にしがみつく、ゆい先輩がいます。……小さいベットが隣にあるのに、まったく。


唯「ぎゅう〜。すーぴーすーぴー」

左側には私の体にしがみつく、唯先輩がいます。……まったく、この人は。姿や名前だけでなく、行動まで……ん?

梓「……これは」

ドンドン、ドンドン。

梓「!?」

こ、こんな朝早くに誰が……そんなことより、この状況は。

律「おーい、梓ー。朝早くて、悪いけど、開けてくれー」

梓「り、律先輩!?ええと……」

とりあえず、出ないと。

ゆい・唯「ギュウ〜」

梓「で、出られない……」
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 03:58:59.91 ID:3g0nKzyb0
律「出ないな。まだ、寝てるのか」

アズサ「わーん、わーん。唯先輩がー、唯先輩がー」

律「落ち着けよ。迷惑だから」

ニャース「すまんにゃ。朝起きたら、唯がいなくて……」

律「ったく。何で、こんな早いんだよ……」

アズサ「自主練習は大事なんです!」

律「そりゃそうだけどさ。……澪のところにでも行くか」

アズサ「そうするです!」

律「その前にカギかけ忘れてるかもだから、ドアを開くか試してみるか」

ニャース「さすがにそれは……」

ガチャ。

律「おっ、開くぞ」

ニャース「無用心だにゃ」

律「しかし、ポケモンとスムーズに会話できるのもすごいよな」

ニャース「今更にゃ」

律「おーい、入るぞー、梓ー」

梓「にゃっ!?ちょ、ちょっと待って……」

律「女同士なんだから、そんなに気を使う……」

梓「あっ……」

律「……」

梓「……」

アズサ「あ、唯先輩です♪」

唯「すーぴー」

ゆい「すーぴー」

アズサ「村長さんとベットで寝てます……。あっ!子作りですね!」

梓「ちがっ……」

律「よく分かったな。いい子だ。ナデナデ」

アズサ「にゃふ♪」

律「それじゃ、邪魔しちゃ悪いから、私と遊んでいような」

アズサ「分かりました!」

梓「待って下さい!!」
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:01:50.22 ID:3g0nKzyb0
唯「あーうー。まだ、眠いよー」

梓「寝るなら、後にしてください」

律「で、どういうことなんだ、エロにゃん君」

梓「失礼なことを言わないでください。朝、起きたら、唯先輩が隣にいたんです」

律「ということだが」

唯「うーん……昨日の夜、癒しを求めて、この部屋に来たら、鍵がかかってたんだけど……ゆいちゃんが開けてくれたんだー」

梓「何を勝手に開けてるんですか……」

ゆい「そうだったけ?まあ、そうだったとしても、癒しを求めてきてるんだから、受け入れてあげないと」

律「たしかにな」

梓「いや、納得しないでください」

唯「もう終わった?じゃあ、寝ようか、あずにゃん」

梓「もう寝ません!部屋に戻ってください!」

唯「うーん……分かったー」

梓「ほっ……分かってくれましたか」

唯「寝るのはやめて、ここにいるー」

梓「分かってくれてなかった!?」

律「朝から、お熱いことで」

アズサ「唯先輩、おはようです」

唯「ん?あ、アズニャン!おはよー。おいでー」

アズサ「にゃう♪」

唯「ギュ〜」

律「猫みたいな奴だな」

梓「そうですね」

ゆい「あずにゃん、あずにゃん」

梓「はい?」

ゆい「おはよー」

梓「おはようございます」

ゆい「……」

梓「……」

ゆい「……私にはおいでって言ってくれないの!?」

梓「何を言ってるんですか」

ゆい「わーん。りっちゃーん」

律「よしよし。すまんな、素直な後輩じゃなくて。これも先輩である私の責任だ」

梓「何を言ってるんですか……それよりも、そろそろ、朝食に行きましょう」

律「そうだな。ちょうどいい時間だし。一緒に食うか?」

梓「いいんですか?」

律「駄目ってことはないさ」

梓「それじゃ、行きましょうか、唯先輩……」

唯「Zzzzzzzz」

アズサ「Zzzzzzzz」

ニャース「また、寝てるにゃ」
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:04:36.11 ID:3g0nKzyb0
梓「……起きてくださーい!!!」

朝食!

唯「そういえば、澪ちゃん達はー?」

律「1人で食べてるんじゃないか?」

唯「むー、一緒に食べればいいのに。誘わないの?」

律「そりゃあな。緒戦だし、いろいろと緊張もあるだろう。……それにここに来れば、皆敵だしな」

唯「?どういうこと?」

律「まあ、唯もその時になれば、分かるよ」

唯「???」

梓「……」

唯「何だがよく分からないけど……あ、シルバー君だー。おーい!!」

私は今日の対戦相手である、シルバー君を呼びます。

梓「誰ですか?」

唯「あの人は……」

律「唯の彼氏だ」

唯「そうそう。私の……違うよ!?」

梓「……そうなんですか。ほーへー」

唯「ち、違うよ、あずにゃん!りっちゃん、なんていうこと言うの!」

律「悪い悪い。内緒だったか?」

唯「そうそう、内緒なんだ……だから、違うよ!」

梓「彼氏がいたんですか……今回の旅も彼氏を作るためですか?」

唯「全然違うよ!私は……」

律「彼氏100人できるかな?が目標らしいからな」

唯「結構、難しいよね。私も結構きびし……だから、違うよ!」

梓「そうですか。彼氏がいるのに私を嫁とか……」

唯「だから、違うよ!さっきから、なんてことを言うのさ、りっちゃん!」

律「うるさい。朝っぱらから、事後を見せられてた私の気持ちになってみろ」

梓「事後じゃありません!」

シルバー「……うるさい連中だな」

私達のテーブルにシルバー君が来ました。

唯「あ、シルバー君。おはよー」

梓「で、実際のところは誰なんです?」

唯「今日の対戦相手だよー」
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:06:53.38 ID:3g0nKzyb0
梓「え?」

律「マジかよ……」

唯「今日はよろしくねー」

シルバー「ふん。相変わらず、頭にお花畑が咲いてそうな奴だな」

唯「そう?えへへ」

梓「決して、褒められてはませんよ」

律「相変わらず、けんか腰の奴だな」

梓「律先輩も知り合いなんですか?」

律「まあ、少しな」

シルバー「ふん。この大会中に借りは返してやるぜ」

律「もう、唯に勝った気でいんのか」

シルバー「ふん。こんな低評価の奴に負けるかよ」

梓「本当に失礼な人ですね。唯先輩があなたなんかに負けませんよ!」

シルバー「お前は……中野梓か。実物はかなり貧相だな」

律「失礼な奴だな。こんな体でも、一応、17歳らしいぞ」

梓「らしいってなんですか!」

シルバー「ふん。てめえも俺が倒してやるよ」

梓「私を倒すとかなんとかっていうのは、唯先輩を倒してからにして下さい!」

シルバー「……あんまり、調子に乗らない方がいいぜ、中野梓。お前なんて、偶然、カントー地方のポケモンリーグでは優勝できたのかもしれんが、ジョウト地方のポケモンリーグではそうはいかないぜ」

梓「なっ!」

モブA「おい、見ろよ。あそこで話してるのは……カントー地方のチャンピオンの中野と……その上の評価を持つシルバーだぜ」

梓・律・唯「「「!?」」」

モブB「まあ、カントーのレベルなんて低いからな〜。上でもおかしくないだろ」

シルバー「くっくっくっ。俺の評価はAランク。てめえらよりも評価は高いんだぜ。お前らはもとより、こいつの勝つ可能性はゼロに近いぜ」

梓「むむ……」

唯「うう……」

律「……」

シルバー「それじゃあな。最後の朝食を楽しんでくれよ。アーハッハッハッ」

シルバー君はこの場を笑いながら、離れようとします。
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:07:59.52 ID:3g0nKzyb0
律「……クク」

その時、りっちゃんは面白そうに笑い出します。

シルバー「……」

シルバー君は足を止めます。

シルバー「何がおかしい?」

律「へっ。お前はその唯に2回も負けてるんだぜ」

シルバー「!?」

律「見てな、唯がお前をぶっ飛ばすぜ」

梓「そ、そうです!唯先輩はあなたなんかに負けません!」

唯「……」

なんか、どんどん、プレッシャーをかけられてる気が……。

シルバー「……楽しみにしておくぜ」

シルバー君は今度こそ、この場を離れていきます。

律「頑張れよ、唯。あんな奴に負けるなよ」

梓「大丈夫ですよ。唯先輩はあんな奴に負けません!」

唯「ま、まあ、頑張るよ」

会場

唯「うう、緊張するね……」

ニャース「いつもどおりにやるといいにゃ。ここにはそんなに観客も来ないにゃ」

アズサ「どうしてですか?」

ニャース「評価の低いトレーナーの試合なんか見る人は少ないにゃ」

唯「……相手はAランクか……」

ニャース「どうしたにゃ?」

唯「いや……きっと強いんだろうね」

ニャース「珍しく、弱気にゃ」

唯「そりゃあね」

アズサ「でも、この戦いで勝てば、唯先輩はA+ランクになるってことですよね!」

唯「!?」

ニャース「一概にはいえないけどそうにゃ」

唯「す、すごいよ、アズニャン!!言われてみれば、そのとおりだよ!」

衝撃の事実に気づきました!

唯「この戦いに勝てば……あずにゃん達に追いつけるよ!」

アズサ「頑張りましょう!」
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:09:55.20 ID:3g0nKzyb0
審判「それでは両者、準備してください」

シルバー「今までの借りを返してやるぜ」

唯「負けないよ!」

審判「それでは……」

唯・シルバー・審判「「「決闘(デュエル)!!!」」」
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:10:45.60 ID:3g0nKzyb0
第31話『AランクVSGランク〜前評判をぶっ飛ばせ!!!〜』

唯・シルバー・審判「「「決闘(デュエル)!!!」」」


シルバー「来い、レアコイル!」

唯「来て、ギラ太!」

ニャース「相手はレアコイルにゃ」

唯「たしか、タイプはでんきとはがねだね!」

ニャース「そうにゃ」

シルバー「レアコイル、でんじは!」

レアコイル「コイル!」

レアコイルは微力な電撃をギラ太に向けて、発射します。

バンギラス「ギラ!ビリビリ」

唯「ああ!ギラ太〜」

ニャース「まひしたにゃ。気をつけるにゃ。まひは素早さを下げると同時にたまに技が使えなくなるにゃ!」

唯「なら、その前に倒すよ!ギラ太、じしん!」

ギラ太はその大きい足で地面を叩きつけて、地震を発生させようとしますが。

バンギラス「ビリビリ」

足を上げて、動きを停止します。

ニャース「早速、まひの効果が出てしまったにゃ」

唯「ぎ、ギラ太!」

シルバー「レアコイル、ラスターカノン!」

レアコイル「レア!」

レアコイルの真ん中に光が溜まり、エネルギー弾のようなものが発射されます。

バンギラス「ギラ!」

まひで動きの鈍くなっているギラ太はその攻撃を直撃し、その巨体はフィールドに背中から崩れ落ちます。

唯「ああ、ギラ太……」

審判「……バンギラス、戦闘不能。レアコイルの勝利です」


唯 バンギラス ひん死

シルバー レアコイル 
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:11:31.75 ID:3g0nKzyb0
唯「戻って、ギラ太」

シルバー「やっぱり、雑魚だな」

唯「うう、まだ、終わってないよ。来て、ヘラ太!」

ヘラクロス「ヘラ!」

シルバー「次はヘラクロスか。だが、関係ない!レアコイル、でんじは!」

唯「同じ手は受けないよ!避けて、ヘラ太!」

ヘラクロス「へラッ!」

ヘラクロスは素早く、横によけます。

シルバー「速い!?」

唯「いいぞ、ヘラ太!」

レアコイル「レア(やるじゃないか)」

ヘラクロス「ヘラ!(話してる余裕はあるのか!)」

ヘラクロスはレアコイルに自慢の角で攻撃を仕掛けます。

レアコイル「レア!(所詮は弱いトレーナーのポケモンだろ!)」

レアコイルはその攻撃を自分の体を離してかわし、十万ボルトを発射して、ヘラクロスを襲います。

ヘラクロス「へラー!」

ヘラクロスにその攻撃は直撃します。

ヘラクロス「ヘラ……」

レアコイル「レア(哀れなもんだな)」

ヘラクロス「ヘラ……(なんだと……)」

レアコイル「レア(もう少し、ましなトレーナーなら、お前ももっとよくなったんだろうな)」

ヘラクロス「……チラッ」

唯「ヘラ太〜」

ヘラクロス「……」
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:12:57.98 ID:3g0nKzyb0
回想

俺には両親がいなかった。正確には小さい頃に死んでしまったんだが、覚えていないのなら、同じことだろう。

ヘラクロス「ヘラッ!」

ヘラクロス野生1「ヘラ!(落ちこぼれはあっちに行ってろ!)」

バシンと殴られる。そのせいか、周りから虐げられた。

ヘラクロス「へラッ!ヘラ……ヘラ!(俺は落ちこぼれじゃない!俺は……むしキングになるポケモンだ!)」

だから、俺は強くなりたかった。世界で一番になるくらいに。

ヘラクロス野生2「ヘラ?ヘラ、へッへッへッ(お前が?冗談はやめろ、ハッハッハッ)」

ヘラクロス「へラッ!(冗談かどうか見せてやる!」


俺は……夢を達成するために強さを身につけ、周りに証明していった。そして、勝ち続けた。でも……。

ヘラクロス野生3「ヘラ!(あいつだ!)」

ヘラクロス野生4「ヘラ!(逃げろ!)」

他のヘラクロス達よりも俺は強くなった。ここらにいるヘラクロスよりも。でも……虚しかった。そして、俺の周りには誰もいなくなった。俺は1人になった。

ヘラクロス「ヘラ……(腹減った……)」

俺がこいつの仲間になる前……餌が異様に少なくなっていた。

ヘラクロス野生5「ヘラ(食べ物を集めてきた)」

ヘラクロス野生6「ヘラ(ちゃんととっておこうぜ)」

周りの皆は協力して、餌を確保していた。俺は……

ヘラクロス野生7「へラ!(やつが来た!)」

ヘラクロス野生8「ヘラ!(逃げろ!)」

ずっと、1人だった。俺を馬鹿にするヘラクロス達はいなくなった。俺は……1人になりたくて、強くなったんだろうか。本当に俺は正しかったのか。そんなことを思っていた、そんな時だった。こいつらに出会ったのは……。こいつらは俺にたくさんの餌をくれた。そして、戦いに敗れ、仲間になった。

唯「ヘラ太は私のパーティのエースだね!」

ある日、夜の特訓であいつはそんなことを言った。

アズサ「私じゃないんですか……シュン」

唯「アズニャンは私のパーティのキャプテンだよ!」

アズサ「キャプテンですか。なら、エースの座は譲るです」

ヘラクロス「ヘラ(ふん)」

唯「期待してるよ〜。ナデナデ。ニコニコ」

あいつは間抜けな顔をして、笑いながら撫でてきた。でも……暖かった。
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:13:51.64 ID:3g0nKzyb0
ヒワダタウン ゆいVSアズサ

ゆい「アズニャンはどうして戦うの?」

あの能天気そうなポケモンがアズサに言った。その問いかけに、

アズサ「強くなりたいからです!」

と答えた。俺と同じような理由だった。

ゆい「何のために強くなりたいの?」

その問いかけに

アズサ「私は……負けたくないから、強くなりたいんです!!!」

そう答えた。その答えも俺と同じだった。でも……。

ゆい「……ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ……『うんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたんうんたん』!!」

アズサ「バタンキュ〜です〜」

同じような考えを持った、アズサは負けた。きっと、俺が戦っても同じような結果になった気がする。

そして、サカキとの戦いでは……

ハッサム「サム……」

ハッサムはふらふらになりながらも、まだ、立ち上がる。どうして、こいつはここまで……。

ゆいはヌオーのほうを見る。

ゆい「……あれはどうしたの?」

アズサ「さっき、やられたんです。でも、ハッサムさん達が倒しました!」

アズサの言葉にゆいは目を変えた。

ゆい「……そっか」

そして、急に真面目に戦い、アズサと圧勝した。

思えば、ゆいも……ハッサムも俺やアズサにはない強さがある気がする。それは……何かは分からない。それが分からないと……なんとなく、この先にはいけない気がする。俺は……その先にいきたい。

回想終了
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:14:40.72 ID:3g0nKzyb0
レアコイル「レア!

レアコイルの何発目か分からない10万ボルトがヘラクロスに命中する。

ヘラクロス「ヘラアアアアアアアアア」

シルバー「ハハハハ、トレーナーもくずなら、ポケモンもくずってこったな」

唯「うう、ヘラ太ー!」

ニャース「状況は最悪にゃ……」

アズサ「私が3連勝すれば、問題ないです!」

ヘラクロス「ヘラ……」

回想

唯「私は……平沢唯!ポケモンマスターになる女です!」

下らないことを言ったもんだ。たいした実力もないくせに。だが……こいつをポケモンマスターにできるような……ポケモンになれば……更なる、強さを得られるかもしれない。……そう。ゆいやハッサムのような。

回想終了
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:16:21.89 ID:3g0nKzyb0
ヘラクロス「ヘラ……」

レアコイル「レア、レア(まだ、立ち上がるのか。しつこい虫だ)」

ヘラクロス「ヘラ……ヘラ……(はあ……はあ……)」

レアコイル「レア。レア(お前ももう少し、ましなトレーナーに育てられれば、いいところまでいけたんだろうな。もっとも、あいつ程度に捕まるお前じゃそれも無理かもだけどな)」

ヘラクロス「ヘラ……(なあ……)」

レアコイル「レア?(ああ?)」

ヘラクロス「ヘラ?(強いポケモンってなんだと思う?)」

レアコイル「レア?レア!(頭がおかしくなったか?強いポケモンっていうのは高い能力をもって、強い技を使えるポケモンのことだよ!)」

レアコイルが10万ボルトを発射しようとしています。

ニャース「や、やばいにゃ……」

唯「大丈夫だよ!」

ニャース「え、にゃ?」

唯「ヘラ太の目は……あずにゃんのハッサムと同じ目をしてるもん!」


ヘラクロス「ヘラ(そうだな)」

ヘラ太は構えを取ります。

ヘラクロス「ヘラ。ヘラ(俺もそう思っていた。だが、真に強いポケモンっていうのは……)」

ヘラ太は一瞬で姿を消します。

シルバー「何!?」

レアコイル「レア!?」

ヘラ太は一瞬でレアコイルの胸元に現れます。

ヘラクロス「ヘラ!(ヘッポコトレーナーでも、ポケモンマスターにできるような……ポケモンのことだよ!)」

ヘラクロスはレアコイルの3つの体、全てを拳で命中させる。

レアコイル「レアアアアアアアアアアアア」

レアコイルはその攻撃をかわしきれず、壁まで激突し、気絶しました。

ヘラクロス「ヘラ(俺は……その高みを目指す)」

審判「レアコイル戦闘不能。ヘラクロスの勝利です」


唯「よし!やったよ、ヘラ太!」

ニャース「とりあえず、勝ったにゃ」

唯「次も頑張れー!」


ヘラクロス「ヘラアアアアアアアアアアアア」

ゴルバット「ゴル!」

ヘラ太のストーンエッジがゴルバットに命中し、ゴルバットは一撃で粉砕されます。

審判「ゴルバット戦闘不能。ヘラクロスの勝利です」

唯「わーい、わーい。2連勝だー」

シルバー「馬鹿な……」

ニャース「すごいにゃ……」

アズサ「私も負けませんよ!」
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:18:22.54 ID:3g0nKzyb0
唯「戻って、ヘラ太!次はアズニャンの番だよ!」

ニャース「ヘラ太を代えるのかにゃ?」

唯「このまま残っても、厳しそうだからね。最悪、何もできずに負けちゃうかもしれないし。次であずにゃんが負けたとしても、きっと相手もへとへとな状況だろうし、ヘラ太と対等の条件になるよ」

ニャース「にゃるほど。よく考えてるにゃ」

唯「そう?でへへ」

シルバー「くそ!使えないポケモン達だぜ!」

シルバー君は負けた2匹のモンスターボールを叩きつけます。

唯「な、何をしてるの!謝りなさい!」

シルバー「うるせえ!!」

唯「ひ、ひいい」

ニャース「びびるにゃ」

アズサ「ひどいことをする人ですね!」

アズニャンはピョコピョコとフィールドに出ます。

アズサ「私はそんな人には負けませんよ!」

シルバー「上等だ!来い、ニューラ!」

ニューラ「ニュラ!」


唯「相手はニューラ……3回目の戦いだよ」

ニャース「2回とも、アズサが勝ってるが……公式戦では初めての戦いにゃ」

アズサ「関係ないです!いきますよ、むったん!」

むったん「まあ、ぼちぼちに」

アズサ「とりゃああ!」

ニューラ「ニューラ!」

カキーン!

ニューラのツメとアズニャンのギターが交錯します。

アズサ「ムムム……」

ニューラ「ニュニュニュ……」

フィールドの真ん中で力比べを始めます。

シルバー「力で押し切れ!」

ニューラ「ニュラ!」

アズサ「にゃっ!?」

ニューラはシルバー君の掛け声で、力を強めます。

ニャース「アズサが力負けしてるにゃ」

唯「つ、強い……」

ニャース「手が震えてるにゃ。怖いのかにゃ?」

唯「ううん。す、すごいよ!前に戦った時よりも強くなってるよ!でも、こっちもこのままじゃ終わらないよ!アズニャン!」

アズサ「にゃっ!」

アズニャンはニューラに力で対抗するのではなく、後ろに一歩下がります。

シルバー「何!?」
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:20:28.59 ID:3g0nKzyb0
ニューラ「ニュラ!?」

前に力を出していたニューラはアズニャンが後ろに下がったことで前のめりになります。

唯「今だ!」

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・スラッシュ』!!!」

ニューラ「ニュラ!」

カキーン!!!

アズニャンの得意技が前のめりになっているニューラに迫るも、ニューラは自慢のツメで受け止めます。

唯「おおっ!!」

ニャース「あの体勢で受け止めたにゃ」

シルバー「いいぞ、ニューラ!」

アズサ「にゃううう」

むったん「一旦、距離をとろう!」

アズサ「そうするです!」

アズニャンは後ろにジャンプをして、距離をとります。

アズサ「強いですね……でも、負けませんよ!」

むったん「新しい必殺技を使う?」

アズサ「お願いするです!」

シルバー「一気に決めろ!つじぎりだ!」

ニューラ「ニュラ!」

ニューラはあずにゃんに向かって、走ってきます。

アズサ「私もいきます!」

アズニャンもニューラに向かって走っていきます。

シルバー「面白い……」

唯「これで決着だよ!」

ニューラ「ニュラ!」

ニューラと交錯するかと思ったら、走っていたアズニャンの姿が消えます。

シルバー「なんだと!?」

唯「アズニャンはどこにいったの?」

ニャース「下にゃ!」

唯「え!?」

アズサ「にゃあああああああああ」

アズニャンはスライディングをしています。

唯「あれは!?」

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・ドライブm』!!!」

アズニャンはツメでアズニャンを切り裂こうと前のめりになったニューラのお腹にギターを下から、当てます。

ニューラ「ニュラアアアアアアア」

ニューラは上に跳ね上がり、まるで、小文字のmの字のようにバウンドしていきます。

ニューラ「ニュラ……」

その攻撃を受けても、ニューラは何とか立ち上がります。

唯「す、すごいね」

ニャース「ああにゃ」
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:22:06.79 ID:3g0nKzyb0
アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん風林火山・侵略すること火の如く』!!!」

立っているのがやっとのニューラにアズニャンは炎を纏ったギターで何度も切り裂きます。

ニューラ「ニュ……ラ……」

ニューラはバタンと倒れます。

ニャース「これは……」

審判「ニューラ戦闘不能。アズサの勝利です。シルバー選手の手持ちポケモンは全滅。よって……」

唯「ゴクリ」

審判「よって、平沢 唯選手の勝利です!」

唯「わあああああああああああああい。やったあああああああああ!!!!」

私は思いっきり、アズニャンのところに駆け出します。

アズサ「にゃあああああああ。やりましたよ、ゆい先輩!!!!」

私はアズニャンを抱き上げます。

唯「今日のMVPはヘラ太だけど、アズニャンも頑張ったよ!」

アズサ「えへへ」


シルバー「ど、どうして……俺は……負けたんだ」

梓「ポケモンに対する、信頼の差で負けたんですよ」

シルバー「!?お前は……中野梓」

梓「あなたは強いです。おそらく、唯先輩よりも強いでしょうね。トレーナーの腕だけなら」

シルバー「……」

梓「でも……あなたにはポケモンに対する信頼や愛がないんです。その差で負けたんです」

ゆい「言ってて、恥ずかしくない?」

梓「うるさいです」

シルバー「愛や……信頼か。下らない」

シルバー君はフィールドに背中を向けて、去ろうとします。

シルバー「だが……結果的にはそれで負けたのか、俺は……おい、中野梓!」

梓「何でしょう」

シルバー「あの、能天気娘に伝えておけ。この借りは……いつか返すと」

梓「伝えておきましょう」
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:23:36.58 ID:3g0nKzyb0
唯「あれ?シルバー君がいないよ。せっかく、決め台詞の『うん♪たん♪楽しい決闘(バトル)だったよ』って言いたかったのに」

ニャース「必要なのかなにゃ?」

梓「おめでとうございます」

唯「ほへ?あずにゃんだ〜」

梓「いい試合でしたね」

唯「そう?でへへ〜。……ハッ」


妄想

梓「すごいです、唯先輩!」

唯「ふっ。たいしたことないよ」

梓「か、格好いいです。もう、我慢できません!」

ギュウ〜。

唯「ふおおおおお」

梓「あの……唯先輩もギュウ〜って抱いてください」

唯「し、仕方がないな〜、あずにゃんは」

ギュウ〜

梓「唯先輩、あったかいです」

唯「私もだよ〜」

妄想終了

唯「でへへへ」

梓「あの……大丈夫ですか?」

唯「大丈夫だよ!」

梓「両手を広げてどうしたんですか?」

唯「いつでも、飛び込んできていいよ〜」

梓「いや、飛び込みませんけど」

唯「ええっ!」

梓「驚かれても……」

唯「もっと、素直になろうよ」

梓「何を言ってるんですか……。それよりも、伝言があります」

唯「伝言?」

梓「シルバー君が……この借りはいつか返すだそうです」

唯「ふふん、何度きても負けないよ!」

梓「すごい自信ですね」

唯「私はAランクのシルバー君に勝ったんだよ!ということはあずにゃんやりっちゃんよりも上なのです!フンス」

梓「一概には言えない気もしますが……」
434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:24:53.19 ID:3g0nKzyb0
律「おう、唯に梓」

梓「あ、律先輩」

唯「りっちゃん、やっほー!私、勝ったよ!」

律「そうみたいだな。おめでとう」

唯「ありがとう」

律「さて……いくか、梓」

梓「ええ」

唯「ん?どこに行くの?」

律「試合を見にさ」

唯「誰の?憂の?」

まだ一回戦なのに、注目されるなんて、さすがは憂だよ。

律「違うよ」

梓「澪先輩と……ムギ先輩の試合ですよ」

唯「なるほど。澪ちゃんとムギちゃんの……って、ええ!?」

梓「何を驚いてるんですか」

律「ここで戦う以上、こういう展開もあるからな」

唯「それはそうだけど……」

梓「どうしますか、唯先輩」

唯「もちろん、見に行くよ」

澪ちゃんとムギちゃんの試合……きっと、すごい試合になるよね!


むったん・ドライブm  ノーマル  威力 80/命中100

スライディングをして下から相手を上に跳ね上げ、相手をmの字にバウンドさせる。3割の確率でひるむ。
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:26:38.15 ID:3g0nKzyb0
第32話『激闘!!澪ちゃんVSムギちゃん〜2回戦の相手は?〜』

会場

唯「ここが澪ちゃん達が戦う会場なんだね」

梓「はい」

唯「あれ?私が戦った会場よりも観客が多い」

律「そりゃ、優勝候補の試合だしな。仕方がないだろ。それに……」

キモオタ1「みおちゃ〜ん」 

キモオタ2「みおみお〜」

律「澪にはファンクラブもあるしな」

唯「ほへ〜、すごいな〜」

梓「そろそろ、始まりますね」


紬「データは集まった」

ムギちゃんはフィールドに歩いていきます。

紬「勝たせてもらうわよ、澪ちゃん」

澪「ま、まあ、お手柔らかにな」

審判「それでは準備はよろしいですか」

澪「大丈夫です」

紬「こっちもよ」

審判「それでは……」

澪・紬・審判「「「決闘(デュエル)!!!」」」
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:28:09.19 ID:3g0nKzyb0
唯「ついに始まったね!どっちが勝つかな?」

律「難しいところだな」

梓「律先輩的にはムギ先輩では?」

律「何でだ?」

梓「なんとなく」

律「……ふん。どっちが勝っても、最後に勝つのは私さ」

唯「おおっ!りっちゃん、格好いい!」

律「だろ?」

梓「自分で言いますか」


澪「こい、スター……」

紬「澪ちゃんが初手でスターミーを出す確率80%」

澪「!?」

紬「きて、デンリュウ!」


唯「デンリュウ?いきなり、ドラゴンタイプのポケモンか〜」

ニャース「違うにゃ。デンリュウはでんきタイプのポケモンにゃ。一般的とはでんきタイプと違って珍しいのはすばやさが遅いにゃ。そのかわり、耐久力がでんきタイプとしては高いにゃ」

唯「おおっ!」

律「おいおい、大丈夫かよ」

梓「まあ、デンリュウって名前だと、ドラゴンと関係があるんじゃないかとは思いますけど……」

唯「ついでにスターミーもお願い」

ニャース「やれやれにゃ。スターミーはタイプはエスパーとでんきにゃ。とくこうとすばやさが早いポケモンにゃが、注目すべきは攻撃技の豊富さにゃ」

唯「ん?どういうこと?」

律「スターミーはサイコキネシスやハイドロポンプとかのタイプ一致の技のほかに10万ボルトとかも覚えるんだ」

唯「ほへー、すごいんだね!」

梓「ですけど、今回の戦いでは……」

律「少し、不利だな」

澪「スターミー、ハイドロ……」

紬「初手でハイドロポンプで来る確率85%。デンリュウ、みがわりよ!」

デンリュウは人形のような物を出し、スターミーの攻撃を代わりに受けます。

紬「デンリュウ、10万ボルト!」

デンリュウ「リュウ!」

デンリュウの10万ボルトが攻撃を外し、ショックを受けているスターミーに命中します。

スターミー「ミイイイイイイイイイイイイイイ」

スターミーはその電撃を受け、気絶しました。

審判「スターミー戦闘不能。デンリュウの勝ちです」
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:29:34.63 ID:3g0nKzyb0
律「まずは、ムギが先手か」

唯「一撃で決まっちゃったね」

梓「弱点ですし、デンリュウも相当鍛えられてるってことですよ」


澪「やるな、ムギ。次はエビワラー!」

紬「エビワラーね」

紬(その手も読んでいるわよ)

澪「エビワラー、マッハパンチだ!」

紬「デンリュウ、コットンガードよ!」


唯「コットンガード?」

ニャース「ぼうぎょをものすごくあげる技にゃ」

梓「物理技の多い、エビワラーには厳しいですね」

律「そうだな」


エビワラー「ワラ!」

バン!!!

エビワラーの鋭く、早いパンチがデンリュウに命中するも大して効いている様子はありません。

紬「デンリュウ、10万ボルト!」

デンリュウ「リュウ!」

エビワラー「ワラアアアアアアア」

まだ、デンリュウの近くにいたエビワラーは10万ボルトを直撃します。

紬「今度こそ、私の勝ちよ、澪ちゃん」

澪「……」


唯「おおっ!すごいね、ムギちゃん!」

梓「ほとんど、澪先輩にバトルをさせてません」

律「やれやれ。このまま、ムギの勝ちで決まりだろうな」

律(とはいえ、まさか、澪が一回戦で敗退とはな……。びっくりだな。まあ、澪的にも梓と2人きりになれるだろうから、いいだろうけど……)

シーン……。

律「ん?なんだ、急に静かになったな。もう、終わったのか」

梓「……」

唯「……」

律「どうしたんだ?……なっ!?」


澪 スターミー ひん死 エビワラー

紬 デンリュウ ひん死 バクフーン ひん死 フーディン
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:31:13.06 ID:3g0nKzyb0
律「おい、梓!どういうことだよ!デンリュウ相手に劣勢だった、エビワラーがどうしてここまで……」

梓「いえ……私にも何がなにやら……」

唯「なんか、あっという間にズバーンってパンチして決まったんだよ!」

律「さっぱり分からん」


紬「つ、強い……でも、弱点をつけるフーディンなら!」

澪「試してみるか?エビワラー!」

エビワラーは構えを取ります。

紬「フーディン、サイコキネシスよ!」

フーディンはサイコキネシスをエビワラーに発射しようとしますが……。

澪「エビワラー!」

エビワラーの姿は消え、フーディンの懐に現れます。



律「あれは……ゆいやういちゃんが使う……」

梓「……縮地法ですね」


澪「インファイト!」

エビワラーの拳がフーディンのお腹に入ります。


梓「でも、かくとうタイプの攻撃はエスパータイプのフーディンには……」


フーディン「フーーーーーー」

その重く、鋭いパンチはフーディンの体をプロ野球の投手の投げる球のように早くリング外の壁まで吹き飛ばします。


律「元々、ぼうぎょの低いフーディンだ。半減しても……耐えられないだろうな。そもそも、半減してる威力じゃねーよ、あれは」

梓「……たしかに」


審判「フーディン、戦闘不能。エビワラーの勝利です。手持ちポケモンの全滅により、秋山 澪選手の勝利です」

観客「ワアアアアアアアアア」


律「やっぱ強いな、澪は」

唯「だね!相手にとって、不足なしだよ!」

律「やる気満々だな」

唯「私はポケモンマスターになる女だからね!フンス。ね、あずにゃ……」

梓「さすがは澪先輩ですね……ポオ〜」

唯「……」
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:32:12.54 ID:3g0nKzyb0
妄想

梓「さすがは澪先輩です!」

澪「そうか?デレデレ」

唯「私も頑張ったよ!」

梓「誰ですか、あなたは。あっちに行ってください」

唯「ええっ!?」

梓「行きましょう、澪先輩。あっちでラブラブしましょう」

澪「そうだな」

唯「ま、待ってよ、2人とも〜」

妄想終了


唯「あずにゃん、私を捨てないで!」

梓「いきなり、何を大声で……グエッ!」

唯「わーん、私も頑張るから〜。ゆさゆさ」

梓「ぐ、ぐるしいです。わ、わがりましたから、くびから……手を」

律「圧倒的な強さだな。まあ、敵は強いに越したことはないか。それよりも、ムギだな。ムギは大丈夫かな。あんな負け方で……。……おい唯」

唯「わーん。……な〜に、りっちゃん。グスン」

律「いい加減に手を離してやれよ。死んじゃうぞ」

唯「ほへ?」

梓「ぶくぶく……」

唯「ほあ!?あずにゃん、しっかりして〜。ゆさゆさ」

律「やめんかい!」
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:33:39.08 ID:3g0nKzyb0
夕方・あずにゃんの部屋!

ゆい「そんなわけで、新しい同居人のムギちゃんです!」

紬「よろしくね〜」

唯「よろしく〜」

アズサ「よろしくです!」

梓「よろしくの前に……出てって下さい!」

唯・アズサ「「きゃあああ」」

2人を追い出し、一息入れます。

紬「ごめんね、梓ちゃん」

梓「別に前回のカントー大会でもこんな感じでしたし、気にすることはないですよ」

紬「それなら、いいんだけど……」

ゆい「まあ、自分の部屋だと思ってくつろいでいいよ」

梓「それは私が言うことですよ」

紬「うん……」

梓(やっぱり、ショックなんだろうな。こんな時になんて言えば……)

紬「梓ちゃん」

梓「な、なんでしょう」

紬「ちょっと、外に出るわね」

梓「は、はい……」


広場


律「こんなところにいたのか」

紬「あ、りっちゃん」

律「飲むか?ジュースだけど」

紬「ありがとう。もらうわ」

律「……」

紬「……」

律「……」

紬「……」

律「飲まないのか?」

紬「え、ええ……飲むわ」

律「……ショックか?」

紬「え?」

律「負けたのが」

紬「……負けて、ショックを受けない人はいないわよ、りっちゃん」

律「そりゃあ、そうだろうな」
441 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:34:41.97 ID:3g0nKzyb0
紬「……まさか、ここまでの差があるなんてね」

律「私もびっくりだ」

紬「佐々木さんや梓ちゃんなら、ともかく……澪ちゃんとはもっと、いい勝負になると思ったのよ」

律「そうだな」

紬「それがね……あの結果じゃ」

律「私がムギの分まで頑張って優勝する……って言いたいんだが、現実問題、厳しいだろうな」

紬「弱気ね」

律「無責任なことは言えないさ」

紬「……これが最後の大会にしようかと思ったけど、、悔いが残るわ」

律「……また、参加するか?」

紬「どうしようかしらね」

律「……まあ、無責任なことは言えないって言ったけどな。これだけは約束してやるよ」

私は飲み終えた缶をゴミ箱に投げ入れた。

紬「え?」

律「私は上を目指す。今は無理かもしれないけど……もっと、強くなって、澪や梓、佐々木さんを倒してやるよ」

紬「……りっちゃん」

律「……さて。出て来いよ、覗き魔の後輩」

梓「……失礼な先輩ですね」

紬「梓ちゃん」

律「ったく。覗きとは趣味が悪いな」

梓「出て行ける雰囲気じゃないでしょ」

律「まあな」

紬「……」

梓「私は簡単に倒せませんよ」

律「言ってろ。いずれは倒してやるよ」

紬「くす。でも、りっちゃんには無理ね。私が先に倒すもの」

律「……へっ。そうかよ」

梓「うれしそうですね。ニヤニヤ」

律「うるさい奴だな。ちっこい後輩」

梓「すいません。ちっこい先輩」

紬「くすくす」

梓「……そろそろ、抽選会ですよ」

律「それじゃ、いくか」

梓「部屋にゆい先輩を置いてきたので、頼みますね」

紬「ええ。頑張ってね」

私達はムギと別れて、会場に向かった。
442 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:36:14.74 ID:3g0nKzyb0
会場

唯「緊張するね、澪ちゃん」

澪「……ああ」

唯「あずにゃん達はまだかな〜」

澪「……なあ、唯」

唯「ん?どうしたの、澪ちゃん。トイレなら、行ってきていいよ」

澪「とりあえずな」

唯「???」

澪「ポケモン達をしまえ」

唯「ほへ?」

ルカリオ「ルカ?」

ヌオー「ヌー?」

ネイティオ「ティオ?」

バンギラス「ギラ?」

ヘラクロス「Zzzz」

澪「迷惑だろ!」

唯「おおっ!」

私はメンバーをボールに戻します。

唯「いや〜、いつもの癖で、ついつい」

澪「まったく」

梓「あ、唯先輩に澪先輩」

唯「あ!あずにゃんだ。あずにゃ〜ん!ダキッ」

梓「にゃ!?」

律「相変わらずだな、唯は」

唯「あ、りっちゃん。やっほー」

律「おっす」

澪「……やあ、律」

律「なんだよ、元気ないな」

澪「いや……ムギは」

律「ムギなら、大丈夫だ。澪が気にすることじゃないよ」

澪「……そうか」

唯「?何か、あったの?」

律「何でもないよ。それじゃ、いくか」

梓「そうですね」
443 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:37:03.91 ID:3g0nKzyb0
受付嬢「こちらで受付をやっています」

唯「おねがいしまーす」

受付嬢「はいはい。くじを引いてくださーい」

唯「ほーい」

受付嬢「そして、その番号の席についてくださーい」

唯「オッケー」

梓「ずいぶん、軽い人ですね」

律「固い人よりもましだけどな」


唯「さてさて。私の対戦相手はっと……」

私は席について、ワクワクしながら、相手を待ちます。

???「ここが私の席か」

おっ、早速来たみたいだね。

唯「次の対戦相手の唯です。よろし……ええっ!?」

純「あ、唯先輩」

どうやら、次の相手は純ちゃんになったみたいです。
444 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:39:21.87 ID:3g0nKzyb0
第33話『勝率ゼロ?私VS純ちゃん!!〜死闘の果てに〜』

???『さすがは澪先輩です!!!』

暗闇の中から、そんな声が響く。

澪「この声は……梓か」

私が梓と出会ったのはマサラタウンでオーキド研究所で助手をしていた時だ。初めは律とムギと三人でやっていて、その時に入ってきた後輩だ。

澪「そんなことよりここはどこだろう……」

私は暗闇の中を歩く。私は怖がりだけど……この暗闇の中は何故か、怖くなかった。

梓『えへへ』

暗闇の中から、梓の笑い声が聞こえる。私が頭を撫でてやると、嬉しそうに笑うんだよな。

澪「律とムギ、私と梓。それぞれ、うまくいってた気がする……」

旅に出てもそれは変わらない。そう思った。だが、全ては変わった。それは……。

澪「ゆいに出会ってからだ」

一見、嫌がってるような口調だけど……それでも、ゆいを大切に思っている。

澪「それだけじゃない……。決定的に変わったのは……唯に出会ってからだ」

ジョウト地方出身でゆいとそっくりなやつで……世界が変われば、一緒の部活に入ってそうな奴だ。ちょっとしか、一緒にいないけど……性格は悪いと感じなかった。むしろ、私よりもいいだろう。だから、梓が……すこしずつ、ひかれていくのは分からないでもない。

澪「いいことじゃないか……」

梓が幸せになるなら……。

???『君がそれでいいのかい?』

澪「……なんだ、この声は?」

突如、暗闇の中から、そんな声が響いた。

???『本当に君はそれでいいのかい?』

もう一度、暗闇の中から……私に問いかけてきた。

澪「どういう意味だ」

???『そのままの意味だよ。君は……思ってるはずだよ。唯なんていなければって』

澪「何を言ってるんだ。唯も大事な仲間だ」

???『本当にそう思ってるかな?ククククク』

その声は下卑た笑い声を上げる。

???『ゆいや唯なんかに出会わなければよかった。本当にそう思わなかったのかい?』

澪「だから、思ってないって言ってるだろ!!!」

???『ククククク。人間って本当のことを言われると、怒るんだよね〜』

澪「黙れ!……仕方がないことだろ、人の気持ちなんだから……」

???『おっしゃるとおり。人の気持ちだもんね。……でも、そう割り切れないのも人間なんだよね〜』
445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:40:34.37 ID:3g0nKzyb0
その声は……暗闇からからかうように言った。

澪「……うるさい」

???『本当のことを言われるのは辛いかい?』

澪「うるさい!!出会わなければよかったなんて……そんなこと言っても仕方がないだろ!!」

そう仕方がないことだ。

???『そのとおりだよ』

急にその声は真剣になった。

???『僕はね……君に力を与えにきたんだ』

澪「力?」

???『そう。……邪魔なものを排除して、欲しいものを手に入れる力さ』

澪「そんな力を……お前は何なんだ」

???『僕?僕が誰だろうと君には関係ないよ。それよりも、欲しくないかい?力が』

澪「別に……」

???『そっか……。なら、僕は行くよ』

澪「……」

???『じゃあね』

澪「……待ってくれ!」

???『なんだい?』

その声の主は……狙い通りと顔がほくそ笑んでいるような気がした。

澪「そんな力……本当にくれるのか?」

???『もちろん。ただ、今すぐじゃないけどね。その力があれば……唯やゆいなんか、すぐに倒せるよ』

澪「……そしたら」

???『そしたら?』

澪「……梓は……私のところに来るかな……?」

???『くすくす。どういうことだい?』

その声はからかうように言った。

澪「その力で唯を……倒せば、梓は私に……私に振り向いてくれるんだな!!」

???『くすくす。もちろんさ♪』

私は……堰を切ったように言葉が出てきた。

澪「だいたい、私は……あいつよりも……誰よりも見てきたんだ。想ってきたんだ。それなのに……後から出てきて、しゃしゃり出てきて……泥棒猫のようにかっさらっていったんだ。……あいつが……あいつさえいなければ……あいつを……あいつらを消せるなら……力が欲しい。圧倒的な……すべてを掌握できるような……力が!!!」

???『……それがお前の心の闇か』

その声は今までのような軽薄な声ではなく……王者に君臨してそうな威厳を持った声で言った。

???『君は十分な適格者だよ。その時が来たら、……力をあげるよ』

今までの軽そうな声の主はそう言った。そして……私の意識は遠くなった。
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:41:05.31 ID:3g0nKzyb0
澪「……はっ!」

気がつくと……私はベットの中にいた。

澪「なにか……夢を見ていた気がする……」

それも最悪の夢だ。悪夢といった方がいい気がする。今日は2回戦なのに……最悪だな。

澪「……今日も頑張ろう」

私は重たい体を起こして、顔を洗いに行った。
447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:42:19.28 ID:3g0nKzyb0
抽選会後・梓の部屋

紬「相手は……佐々木さんなのね」

梓「鈴木ですよ、ムギ先輩」

唯「そうなんだよ〜」

アズサ「やってやるです!シュッ!シュッ!」

バシン!バシン!

ニャースの持つ、……なんだが名前が分からないけど……ボクシングとかで使うやつに向かってアズサはパンチをしています。

ゆい「アズニャン、もっとえぐるように打つべしだよ!」

アズサ「はいです!シュッ!シュッ!」

梓「人の部屋で何をやっているんですか……」

アズサ「お構いなく!」

梓「構いますよ。唯先輩も何ですか……」

唯「明日は純ちゃんと戦うから、何かアドバイスをもらいにきたんだよ」

梓「そうですか。とりあえず……出て行ってもらえます?」

唯「あずにゃん、冷たい!せっかく、愛しの唯先輩が来たのに!」

梓「その唯先輩には心当たりがありませんが……。とにかく、私も明日のメンバーを決めなくちゃいけないので出て行ってください!」

唯「あ〜ん、あずにゃんのいけず〜」

梓「いけずでも何でも結構ですので。ムギ先輩」

紬「はいは〜い。唯ちゃんの部屋で話し合いましょうね〜」

ズルズル。

唯「わ〜ん」

アズサ「唯先輩も大変ですね!シュッ!シュッ!」

梓「あなたもです!」

私はアズサを掴んで、外に持って行きます。

アズサ「にゃあああああああ」

ニャース「おさがわせしたにゃ」

ゆい「バイバ〜イ」
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:43:26.39 ID:3g0nKzyb0
唯の部屋

唯「うう、追い出されちゃったよ」

アズサ「追い出されました」

ニャース「当然にゃ」

紬「仕方がないわ。大会中は皆、神経質になるもの」

唯「ところでムギちゃん」

紬「何かしら?」

唯「明日はどうすれば勝てるかな?」

紬「それは唯ちゃんが考えることだけどね」

唯「そうなんだけどね。ほんのちょこ〜っとだけでも、純ちゃんを倒せるヒントか何かを……」

紬「そうね〜。純ちゃんとやらを倒すにはういちゃんを絶対に倒さないといけないってことかしらね」

唯「それは分かってるよ」

紬「まあ、はっきり言って、唯ちゃんが……純ちゃんとやらに勝てる可能性はゼロに近いわ。むしろ、ゼロね」

唯「ええっ!?」

衝撃の事実です。

唯「何で!?何で!?」

紬「まず、ういちゃん以外の2匹を速攻で倒さないといけないわ」

唯「どうして?」

紬「その2匹で捕まると……ういちゃんを絶対に突破できないから」

唯「そっか……ういはどれくらい強いの?」

紬「う〜ん。唯ちゃんのメンバー、アズサちゃんを含めた全員と1人でやっても余裕で勝てるくらいかしら?」

唯「なるほど、なるほど。……強すぎだよ!」

紬「これでも、まだすべての力は出してないわよ」

唯「うへー」

アズサ「私はういにだって負けませんよ!シュッ!シュッ!」

紬「意気込みがあって、結構だけど、こればかりはね……。しかも、ういちゃんは今回の大会でお姉ちゃんであるゆいちゃんと戦いたくてうずうずしてるだろうしね。気合は相当なものよ」

唯「余計に難しそう」

紬「それでも……可能性があるとしたら……唯ちゃんのメンバーでは……アズサちゃんと……ヘラクロスくらいじゃないかしら?」

唯「アズニャンはまだしも……ヘラ太?」

紬「1回戦の映像を見せてもらったけど……梓ちゃんのハッサムと同等くらいの力があると感じたわ」

唯「そう?えへへ」

紬「それでも、勝率が0.1%になっただけだと」

唯「でも、ゼロじゃないよ!」

紬「……そうね。それじゃ、私は行くわね。頑張ってね、明日の試合」

唯「うん!」
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:45:09.29 ID:3g0nKzyb0
次の日の朝・梓の部屋

唯「このお茶、美味しいね」

紬「そう?ありがとう」

唯「いや〜、朝からこんなお茶を飲めるなんてね〜。あたしゃ幸せだよ」

梓「そうですね〜」

紬「ふふふ」

梓「……どうして、唯先輩がここに?」

唯「気にしない、気にしない」

梓「気にしますよ」

唯「まあ、大事な戦いの前にね、癒しをね、もらおうとしてるわけですよ。ぎゅう〜」

梓「抱きつかないで下さい!」

ゆい「アズニャンは?」

唯「走りに行ってるよ。今日が試合なのに真面目だよね」

梓「ゆい先輩も見習ってください」

ゆい「私はあずにゃんの膝の上でのんびりしてるだけでいいよ〜」

梓「まったく……」

紬「それじゃ、朝食に行きましょうか」

梓「そうですね」

唯「私もアズニャンを迎えに行ってからすぐに行くね」

梓「それではまた」

朝食後・試合会場

私は唯先輩達と朝食後、ゆい先輩の会場に来ました。

ゆい「今日は唯ちゃんの試合の見学?私の試合もあるよね?」

梓「私達の試合はゆい先輩の後ですね。そして、見学というよりは……正確には純の……情報収集ですね」

ゆい「ほへ?唯ちゃんのはいいの?」

梓「……はっきり言って、唯先輩が勝つ確率は相当に低いですよ」

ゆい「う〜ん、でもアズニャンがいるし……」

梓「それでも……あの『うい』には遠く及びませんよ」

ゆい「えへへ。さすがは私の妹!」

梓「ミュウツー並みの力ですからね。……そんなういを倒せるのは……ゆい先輩しかいません」

ゆい「うう、プレッシャーが重い……」

梓「期待してますよ?」

ゆい「任せなさい!」
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:46:06.67 ID:3g0nKzyb0
審判「それでは両者、準備して下さい」

唯「頑張ろうね、皆!」

皆「オーッ!!!」


純「気合入ってるわねー」

うい「そうだね」

純「頼むわよ、うい」

うい「任せてよ。お姉ちゃんと当たるまでは……負けられないしね」

純「うむ。いい気合いね」


審判「それでは両者、準備はよろしいですか?」

唯「おっけーだよ!」

純「大丈夫です」

審判「それでは……」

唯・純・審判「「「決闘(デュエル)!!!」」」
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:48:41.21 ID:3g0nKzyb0
唯「いっくよー、リオ太!」


梓「唯先輩はルカリオですか」

律「おっす、梓」

梓「あ、律先輩」

紬「やっほー、梓ちゃん」

梓「ムギ先輩も」

律「今、始まったばかりか」

梓「ええ。澪先輩は試合ですか?」

律「そうだよ。まあ、すぐに終わらせて来るだろう」

紬「こっちの試合もそれまで持てばいいけど……」


純「さて。いこうか、うい」

うい「うん」

唯「ほあ!?いきなりですか!でも、負けないよ!リオ太、インファイト!」

リオ太はういの懐に入ります。

唯「よし!先手をとったー!!」

ルカリオ「リオ!」

ルカリオの重い拳がういの体をとらえた……かに見えましたが。

うい「うん。いいパンチだよ」

ルカリオ「リオ!?」

その拳をういは片手で軽々と受け止めます。

唯「なっ!?」

うい「パンチはこうやるんだよ♪」

ういはリオ太の手を握ったまま、拳を振り上げ、リオ太の顔面にパンチをします。

ルカリオ「グハッ」

そのパンチはリオ太の顎を捉え、ういよりも大きいリオ太の体は高く、跳ね上がって、地面に落下し、気絶しました。

唯「リオ太!」

審判「ルカリオ、戦闘不能。ういの勝利です」

唯 ルカリオ ひん死

純 うい
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:49:26.23 ID:3g0nKzyb0
梓「一撃ですか……」

律「やっぱり、強いな」

唯「うう、やっぱり、強いよ。でも、まだ、終わってないよ!出番だよ、ヘラ太!」

ヘラクロス「へラッ!」

うい「次はヘラクロスさんか〜」

ヘラクロス「へラッ!(速攻でけりをつけてやる!)」

ヘラ太は自慢のツノをういにぶつける、メガホーンを仕掛けます。

バシーン!!!

ヘラ太のツノがういに激突し、すごい音と衝撃による風がこちらまで来ますが……。

うい「いい威力だね♪」

ヘラクロス「ヘラ!?(何!?)」

余裕そうに、ヘラ太のツノを手で受け止めています。

うい「さてと……ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ『ひらさわ・百烈拳』!!」


ゆい「あの技は私の『うんたん・ラッシュ』のもとになった技なんだよ〜」


うい「トリャリャリャリャリャリャリャリャ!!!」

ういの拳がヘラ太の体を次々に命中します。

唯「ああ、ヘラ太〜」

ヘラクロス「ヘラ……バタンッ」

うい「ふう〜」

全ての攻撃を終え、ヘラ太は倒れました。

審判「ヘラクロス、戦闘不能。ういの勝利です」


唯 ルカリオ ひん死 ヘラクロス ひん死

純 うい
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:50:58.48 ID:3g0nKzyb0
梓「……強い」

律「……強すぎるな」

紬「……圧倒的ね」

澪「……たしかにな」

律「おおう、澪も来たのか」

澪「ああ。……レベルが違いすぎるな」

ゆい「えへへ。あれが私の妹なんだよ〜」

律「姉とはえらい違いだな」

ゆい「そうそう……って、ひどいよ、りっちゃん!」

律「悪い、悪い」


唯「ついに……最後のポケモン……いくよ、アズニャン!」

アズサ「やってやるです!」

アズニャンはピョコピョコとフィールドに歩いていきます。

うい「アズサちゃんか……」

アズサ「うい!私があなたを倒して、ゆい先輩に挑戦してやるです!」

うい「いい気合いだね。でも、私も負けないよ」

アズサ「行きますよ!トリャー!」

アズニャンはギターを持って、ういに向かって、走っていきます。

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・スラッシュ』!!!」

アズニャンはギターでういを斬りつけます。

バシーン!!!

アズサ「にゃっ!?」

ういはアズニャンの攻撃を片手で軽々と受け止めます。

うい「やるね、アズサちゃん。ちょっと、痛かったよ」

ういは拳を後ろに振り上げます。

うい「バイバイ♪」

ういの拳がアズニャンのほっぺに命中し、壁まで吹き飛びます。

アズサ「にゃああああああああああああああああ」

唯「アズニャアアアアアアアアアアアアアアアン」
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:52:20.38 ID:3g0nKzyb0
梓「強い……なんて、言葉が軽く聞こえるくらいの強さですね」

律「ああ。最強の領域に近づくくらいだな」

紬「あれに勝てるの、ゆいちゃん」

ゆい「……任せてよ!」

澪「間があったな」

ゆい「安心してよ!私はあずにゃんをポケモンマスターにするポケモンだよ!」

梓「期待してますよ」

ゆい「任せてよ〜」


審判「アズサ、戦闘……」

アズサ「待つです!」

アズニャンの声がフィールドに響き渡ります。

アズサ「私はまだ負けてません!」

唯「アズニャン……」

うい「へえ?よく耐えられたね」

アズサ「ふん。余裕ぶっていられるのも今のうちですよ!本気できてください」

うい「こんな時、少年漫画とかだとこういうよね?本気にさせてみな♪」

アズサ「上等です!やってやるです!」

アズニャンはギターを構えます。

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん風林火山・疾きこと風の如く』!!」

アズニャンの体は消え、ういの元に風のように素早く現れます。

うい「……ぬるいよ」

ういはその攻撃をジャンプでかわします。

アズサ「にゃっ!?」

アズニャンは驚き、ブレーキをかけます。

アズサ「やりますね!でも、次はそうはいきませんよ!アズサ殺法52の技の1つ『むったん風林火山・侵略すること火の如く』!!!」

アズニャンは炎を纏ったギターでういを斬りつけにかかります。

うい「それもぬるいって」

ういはその攻撃をかわし、アズニャンの顎を拳で狙います。

アズサ「そうはいきません!」

アズニャンはその攻撃をギターで素早く、防御します。
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:53:53.35 ID:3g0nKzyb0
律「へえ〜、結構いい勝負じゃないか」

澪「それはどうかな?あきらかに……」

紬「手を抜いてるわね、ういちゃん」


アズサ「次です!アズサ殺法52の技の1つ『むったん・風林火陰山雷・動くこと雷霆の如し』!!!」

アズニャンの体が消え、ういの背後から斬りつけにいきます。

アズサ「これなら……」

うい「だからね、アズサちゃん」

ういの体は一瞬で姿を消します。

うい「ぬるいよ?」

ういはアズニャンの攻撃をかわし、アズニャンの上空に現れます。

アズサ「にゃっ!?」

ういはアズニャンに肩車をされているような格好になります。

うい「ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ『ひらさわ・ピストン・エルボー』!!」

ガシン!ガシン!ガシン!

ういは肘で何度も、アズニャンの頭を打ち付けます。

アズサ「にゃっ!」

唯「アズニャン!」

アズサ「にゃう、痛いです……」

アズニャンは膝をつきます。

うい「まだだよ?」

ういは技をときます。

アズサ「あ、頭が……痛いです」

うい「まだ、終わりじゃないよ?」

ういの体が1つ、また、1つと分身していきます。……って!?

唯「分身!?」

アズサ「ふにゃ!?」

いつのまにか、アズニャンをういが取り囲んでいます。

うい「いくよ、アズサちゃん!」

その言葉を合図に一斉に、アズニャンにうい達が襲い掛かります。

アズサ「ふにゃあああああああああ!」

その攻撃でアズニャンは上空に跳ね上がり、地面に落下します。

456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:55:16.25 ID:3g0nKzyb0
憂「す、すごい……」

梓「あ、憂。試合、終わったの?」

憂「う、うん。お、お姉ちゃんの試合は……」

梓「……厳しいね。というか、もう……」

律「いや……まだ、終わってない」

梓「え?」


アズサ「ふにゃあ……」

アズニャンは傷ついた体で再び立ち上がります。

うい「まだ、立ち上がるの?」

アズサ「にゃう。まだ、負けてないです……」

そういうアズニャンの体はふらふらです。

唯「アズニャン……」

うい「よく耐えられたね」

アズサ「ふ、ふん……これくらいは耐えられますよ」

強がってるけど、立ってるのがやっとというのがここからでも分かります。本当なら、ギブアップさせるのが正しいかもしれない。でも……。

唯「ここからが勝負だよ、アズニャン!」

私は駄目なトレーナーだから……まだ、アズニャンの勝利を諦められませんでした。

アズサ「にゃう!任せて下さい、唯先輩!」

うい「……」

アズサ「いきますよ!」

そんな威勢のいい言葉とは裏腹にアズニャンはやっとの思いで、ギターを持ちます。

うい「……素晴らしいよ、アズサちゃん。素晴らしいものを見せてくれたお礼に少しだけ、本気で戦おうかな」

その言葉とともに、ういちゃんにオーラが発生します。

うい「……アズサマインドの境地!」

ういは目を瞑り、神経を集中させます。

うい(落ち着いて、集中するんだ。心を無にするんだ。そうすれば、達することが出来る。新たなる伝説の境地に。あの時の感覚が蘇る。さて、いくよ。……アズサマインド)

唯「あれはアズサマインドの境地!?ゆいちゃんしか使えないはずじゃ……」

うい「お姉ちゃんの劣化ではありますけど、私も使えますよ。もっとも、私のはせいぜい、2倍程度しか出せませんけど」
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:57:16.74 ID:3g0nKzyb0
律「2倍でも勝てる気がしないが……大丈夫か、梓?」

梓「ゆい先輩、このボールですよ」

ゆい「わん!」

梓「それ!」

ゆい「わんわん!」

梓「よく取ってきましたね。よしよし。ナデナデ」

ゆい「むふふ」

律「長い現実逃避をするな!パーン」

梓「いてっ!」


アズサ「やってやるです!」

アズニャンはふらふらの体でういに向かっていきます。

アズサ「喰らえです!アズサ殺法52の技の1つ『むったん・スラッシュ』!!!」

アズニャンのギターはういの体を確実に切り裂きます。

唯「よし!大逆転……」

ニャース「いや、あれは……」


律「残像だ」

紬「本物は……」

澪「どこに……」


うい「ここだよ!」

ういはアズニャンの背後に現れます。

うい「これで終わりだよ!ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ『ひらさわ・トルネード・パンチ』!!!」

ういの手にあずにゃん分によるオーラと手の周りにかまいたちのような風を発生させて、アズニャンの胴体を殴ります。

アズサ「ふにゃっ!!」

アズニャンの体が速球投手の投げる球のようなスピードで壁まで飛ばされます。

唯「アズニャン!」

アズサ「ま、まだ……戦えますよ……」

アズニャンは足を引きずりながら、フィールドに戻ります。

うい「……」

アズサ「さあ……バトルの……続きを……はじ……めましょう……バタンッ」

アズニャンはフィールドの中央に来て、気絶しました。

うい「すごい……すごいよ、アズサちゃん」

審判「……アズサ戦闘不能。ういの勝利です。平沢唯選手の手持ちポケモンは全滅。よって、鈴木純選手の勝利です」
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 04:58:17.53 ID:3g0nKzyb0
梓「……唯先輩」

律「まあ……ある意味、順当な結果ではあるな。……梓」

梓「は、はい、何ですか」

律「勝つぞ。……唯達の分も」

梓「……はい」


夕方・広場


唯「……ぐす、ひっぐ」

梓「唯先輩……あんな所にいた」

律「よし。ちっこい後輩。行って来い」

梓「こういうのは律先輩のほうがいいですよ」

律「……いいや、お前が行け」

梓「何でですか?」

律「唯にはお前のほうがいいからだよ。前に、私の恥ずかしい所も見たんだ。今度はお前の恥ずかしいところを見せろよ」

梓「この台詞だけだと、随分とエッチな気がしますね」

律「いいから、行け!」

梓「にゃっ!?」

律「頑張れよ〜」

梓「まったく……」

459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 05:01:27.22 ID:3g0nKzyb0
唯「ぐす……ひっぐ」

梓「あの……唯先輩」

唯「ぐす……あ、あずにゃん!ゴシゴシ」

私は涙をゴシゴシと拭きます。

梓「あの子は?」

唯「今、ポケモンセンターだよ」

梓「そうですか」

唯「……あずにゃんは2回戦どうだった?」

梓「私は……勝ちました」

唯「そっかー。あずにゃん、おめでとう!」

梓「あ、ありがとうございます」

唯「……」

梓「……」

唯「……私、一生懸命頑張ったんだよ」

梓「……」

唯「あんまり、勉強とか得意じゃないけど……それでもね、頑張ったんだよ。……なのに、まったく、歯が立たなかった」

梓「……」

唯「もっと……もっと、うまく……アズニャン達を使ってあげられたら……勝てたかもしれないのに……私がヘッポコトレーナーだから……何だが、申し訳なくて」

梓「……ギュッ」

私はあずにゃんの胸に抱きよせられます。

唯「ほへ?」

梓「唯先輩は頑張りましたよ?それは自信を持ってください」

唯「……でも、負けちゃったよ」

梓「……皆、同じですよ」

唯「え?」

梓「皆、遅かれ、早かれ……同じ思いをするんですよ。……勝者は1人ですからね。皆、その1人になりたくて……唯先輩と同じように頑張ってるんです」

唯「……そうだね」

梓「……今のうちにいっぱい泣いてください」

唯「え?」

梓「今、いっぱい泣いて……明日には元気な唯先輩に戻って下さいって言うのも、無茶かもしれませんけど……私は笑ってる唯先輩のほうがい
いですよ」

唯「……分かった。あずにゃんがそういうなら……すぐに元の私に戻るよ。だからね。もう少し、胸を貸してね」

梓「はい」

唯「……びえええええええええええええええええええええん」

唯先輩の泣き声が辺りに響きました。
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 05:02:24.28 ID:3g0nKzyb0
梓「落ち着きましたか?」

唯「うん!あずにゃんのおかげだよ!ありがとう!」

梓「……別に私は」

唯「でも……1つだけ、心残りがあるな」

梓「なんですか?」

唯「カントー地方のチャンピオンのあずにゃんと全力で決勝戦で戦うっていう目標だよ!」

梓「……そうですか」

唯「でも……まだ、大会はあるからね。その時までには……もっと、もっと、もーっと、強くなって、あずにゃんと全力で戦えるようにするよ!」

梓「……私も」

唯「ん?」

梓「私もゆい先輩と一緒に……待ってますよ、王座で」

唯「えっ?」

梓「私は……唯先輩とポケモンリーグで戦えるまで……ずっと、チャンピオンでいます。たとえ、澪先輩や……ういにだって負けません。やっ
てやるです!」

梓の部屋

ゆい「うっ!?」

紬「どうしたの?」

ゆい「何か……ものすごいプレッシャーに押しつぶされそうな気がして……」

紬「???」
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/19(土) 05:05:21.39 ID:3g0nKzyb0
唯「あずにゃん……。分かった!私も頑張って、あずにゃんの連勝を止めてみせるよ!」

梓「そうですか。クス」

唯「だから、約束だよ。あずにゃんは私と戦うまで、勝ち続けること。私はその連勝を止めるために強くなって、あずにゃんと戦うことを!」

梓「でも、私は唯先輩にも負けませんよ?」

唯「む〜、私も負けないよ」

律「お前ら……いつまで、ポケモンリーグに挑戦する気だよ」

唯「あ、りっちゃん」

梓「……しまった!?」

律「おう、唯。元気になったか?」

唯「うん!あずにゃんに慰められたからね」

律「おうおう。愛されてますな〜」

唯「でしょ?でへへ〜」

梓「べ、別にそんなんじゃありませんし!」

律「照れんなよ。いきなり、抱き寄せた時には……びっくりしたぞ」

梓「ふにゃああ!?」

唯「えへへ〜」

律「何が『愛しくてラブリーな唯先輩と戦うまでチャンピオンでいます』だよ」

梓「そ、そんなことは言ってませんよ!」

律「……そんな簡単に優勝なんてさせるかよ」

梓「……ふん。望むところですよ、律先輩」

唯「おおっ!早速、火花を散らせてるよ!どっちも頑張れー!!!」


平沢 唯 ジョウト地方ポケモンリーグ 2回戦敗退

第30話から第33話終了
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) :2011/11/19(土) 09:17:44.61 ID:EhA+1K1z0
うわぁぁぁぁっぁん!もう、今主文は終わりか・・・あぁ、一週間は長いっていうのにぃ><

とりま、乙!
なんだか、澪が悪に堕ちていったシーン・・・・・何故かよかったwwてか、予想すらしてなかったwwww

463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(兵庫県) [sage]:2011/11/19(土) 14:14:19.14 ID:owf1gQMio
主人公補正あるかなとおもったらうい圧倒的であった
おつおつ
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/11/20(日) 04:03:20.13 ID:nBlHqTQco
もはやけいおんでやる意味がこれっぽっちもないじゃねーか
キャラが誰コレ状態
まーでも面白いって言ってくれる人のためにこれからも頑張ってください
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) :2011/11/20(日) 04:20:47.01 ID:RhvVvOqm0

ところどころ他の漫画のネタ引っ張ってきてて、面白いわ
ちょっと中2くさいがww
466 :sage :2011/11/20(日) 04:24:15.76 ID:ZbVHvPfv0
厨二病の匂いがする
>>1
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/20(日) 18:46:40.51 ID:D+72Etg/o
相変わらずえげつないな
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/11/21(月) 20:09:09.23 ID:bwsLv2Wao
>>464
いつか、言われるとは思ってた
>>467
聞くのがものすごく怖いけど、何で?
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 04:55:44.06 ID:BXxQ9Mq+0
第34話『突然の乱入者?!〜ポケモンシェパードの野望〜』

???

???『いよいよ、あいつらが動き出すね。キヒヒ』

???『果たして、うまくいくだろうか』

???『まあ、出来損ないのあいつの遺産だろうから……期待はしてないさ』

???『……保険はかけた』

闇の中、威圧するようにそいつは言った。

???『万が一、負けても……保険がうまくやるだろう』

???『そうだね』


ジョウトのある場所


ワタル「時は来た……」

曽我部「ポケモンを人間から解放し……」

カンナ「ポケモンの自由のために人間を滅ぼす時……」

???「準備は整った……」

???「後は……」

イツキ「私達の強さを示すのみ……」

???「決勝戦を見られないのは残念だけれど……」

ワタル「俺達の計画のハジマリだ」


ポケモンリーグ・決勝戦


律「いよいよ、決勝戦か」

田井中 律 ジョウト地方ポケモンリーグ ベスト4 準決勝で梓に敗退

紬「なんか、あっという間ね」

琴吹 紬 ジョウト地方ポケモンリーグ 1回戦で澪に敗退

澪「そうだな」

秋山 澪 ジョウト地方ポケモンリーグ ベスト4 準決勝で純に敗退

律「憂ちゃんなんか、複雑だろ?友達2人が対戦だと。どっち応援するかで」

憂「まあ、無難に2人とも応援しますよ」

平沢 憂 ジョウト地方ポケモンリーグ ベスト8 準々決勝で律に敗退

紬「ところで唯ちゃんは?」

澪「そういえば、いないな」

律「なんだよ、迷子かよ」

憂「お姉ちゃんなら……」
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 04:56:34.00 ID:BXxQ9Mq+0
唯「あずにゃんと純ちゃーん!同じ漢字1文字の名前だけど……可愛いのはどっちだー!!!」

キモオタ達「あずにゃん!!!あずにゃん!!!」

唯「あずにゃんと純ちゃーん!ペロペロしたいのはどっちだー!!!」

ペロリスト達「あずにゃん!!!あずにゃん!!!」

唯「あずにゃんと純ちゃーん!この試合に勝利して優勝するのはーーー!!!」

唯・キモオタ達・ペロリスト達「「「あずにゃん!!!あずにゃん!!!」」」


律「あいつは何をやってるんだ……」

紬「応援団長みたいね」

澪「よくあれだけの人数をまとめあげたな」

憂「お姉ちゃんはキング・オブ・ペロリストですし、アズリストとしても一流ですからね」

律「なるほど。それで、あの人数をまとめあげられたのか」

紬「納得ね」

澪「いやいやいやいや」


司会『それでは選手の入場です。まずは……中野梓選手の登場です!!!』


唯「お、来たね。いっけー、いけいけあずにゃん!」

キモオタ達・ペロリスト達「おっせー、おせおせあずにゃん!!」

唯「いーけ!!!」

キモオタ達・ペロリスト達「ドドン!!!」

唯「おーせ!!!」

キモオタ達・ペロリスト達「ドドン!!!」

唯・ キモオタ達・ペロリスト達「「「あ!ず!にゃーん!!!」
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 04:57:43.96 ID:BXxQ9Mq+0
梓「何だか、ものすごく恥ずかしいんですけど……」

ゆい「大人気だね。さすがは私の嫁だよ!」

梓「違いますし」


司会『続いて、鈴木純選手の入場です!!!』

観客「ういちゃーん」

観客「うーいー」

純「……」

うい「な、泣かないで、純ちゃん」

純「な、泣いてないもん」


澪「なんだ、この差は」

律「……可哀想だから、私達は茂木さんのサイドに座るか」

紬「そうね」

憂「鈴木ですよー」


純「ふん。あんたには絶対に負けないわよ!人気も!勝負も!!」

ゆい「人気じゃあずにゃんにはかてな……もがっ!」

梓「余計なことは言わないでください」

うい「お姉ちゃん、決着をつけよう!」

ゆい「うん!」


審判「それでは準備はよろしいでしょうか」

純「いつでもいいよ」

梓「はい」

審判「それでは……」

梓・純・審判「「「決闘(デュエル)!!!」」」
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 04:58:36.79 ID:BXxQ9Mq+0
スタジアム・外

アズサ「にゃっ!!」

バシン!!バシン!!

ヌオー「ヌー!!」

私はヌオーの持っているボクサーの使っている奴にパンチをします。

ニャース「もう、決勝戦も始まってるにゃ。アズサは見にいかにゃいのかにゃ?」

アズサ「……」


回想


アズサ「うえええええええん」

唯「アズニャン、泣かないで。ナデナデ」

アズサ「にゃふ。ヒッグ……私が…ヒッグ……もっと、強ければ……」

唯「アズニャン、ギュウ〜」

アズサ「にゃう!」

唯「負けちゃったのは仕方がないよ。次に勝てるように頑張ろう。私も頑張るから」

アズサ「うう……分かりました!唯先輩を無敗の女王にしてみせます!」

唯「えへへ。期待してるよ!」


回想終了


アズサ「……」

ニャース「どうしたにゃ?」

アズサ「なんでもありません!練習は大事です!!」

バシン!!バシン!!

ニャース「まったくにゃ……。それにしても……」

バシン!!バシン!!

ヘラクロス「へラッ!」

ニャース「ヘラクロスまで、練習してるなんて……よっぽど、あの敗戦が効いたのかにゃ」


スタジアム「わー!わー!」


ニャース「むこうも大詰めのようにゃ」
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 04:59:30.97 ID:BXxQ9Mq+0
スタジアム

実況『ついに……梓選手と純選手、互いに手持ちポケモンが1匹となったー!!!』

梓「出番ですよ、ゆい先輩」

ゆい「まかせんしゃい!」

純「ふん。返り討ちにしなさい、うい!」

うい「うん!」


スタジアム・近く


カンナ「決勝戦も大詰めね……」

ワタル「名残惜しいが……スタートだ!」


コガネシティ・ラジオ塔


職員A「ん?」

職員B「どうしたんだ?」

職員A「何か、コントロールが……うっ!?」

職員Aさんは突然、倒れました。

職員B「ど、どうした……うっ!?」

次々と職員の人達は倒れていきました。それは……ジョウト地方全てに及びました。


ヤマブキシティ・シルフカンパニー


社員A「なんだ、このアンテナみたいなのは……」

社員B「さあ?前から、ついてたみたいだけど……」

その時、ピピピとアンテナが動き出した。

社員A「急に動きだ……バタンッ」

社員B「め、めまいが……バタンッ」

次々と社員の人達は倒れていきました。それは……カントー地方全てに及びました。
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:03:15.77 ID:BXxQ9Mq+0
ポケモンスタジアム

ゆい「いくよ、うい!!!」

うい「いつでもいいよ、おねえ……!?危ない、離れて!」

ゆい「ほへ?……きゃあああああああああ」

うい「くっ……!?」

激突しようとした、ゆい先輩とういが一斉に離れます。

ズバアアアアアアアアン。

フィールドの中央に隕石が落ちてきたような衝撃がスタジアムに響き渡ります。

梓「一体、何が……」

???「悪いな。決勝戦は中止だ」

煙が晴れて、そんな声とともに、フードを被った男や女の人達が7人くらい立っていました。


観客「なんだ、あいつらは」

観客「変態か」

唯「大変だ。あずにゃんの所に行かなきゃ。そーれ!」


梓「あ、あなた達は一体……」

???「俺達?そうだな……ポケモン・シェパードとでも呼んでくれ」


梓「ポケモン・シェパード?」

???「ポケモン達の未来のために活動をしているのさ」

純「ポケモンの未来ってどういうことです?」

???「ふむ。いい質問ね。例えば、害虫が大量に発生したら、どうする?」

純「それは……駆除しますね」

???「そのとおりね。人間の害になるもの。私達がやろうとするものはそれと同じなのよ。つまり、……」

その声から察するに女の人は……一呼吸を置いてから、続けた。

???「人間の駆除をするのよ」

梓「人間の駆除?そんなことをあなた達にできるんですか?」

???「そのための力は手に入れた。あれを見るがいい」

1人がスクリーンを指差すと、コガネシティやアサギシティの人達が次々と気絶していっている映像が出ます。
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:03:50.35 ID:BXxQ9Mq+0
梓「こ、これは……」

???「これだけではない」

続いて、モニターの映像がかわり、ヤマブキシティやタマムシシティの映像にかわります。

???「無論、この町だけではなく、ジョウト地方、カントー地方に及んでいるわ」

梓「……それで?」

???「ん?」

梓「あなた達はどうしてここに……」

???「私達はいずれはジョウト地方、カントー地方だけでなく、ホウエン地方などにもこの活動を始める。とはいえ、この2つの地方の様子を見ているのだから、かなりの抵抗をしてくると予想される。だから、強さを示すんだよ」

梓「強さ?」

???「このポケモンリーグに参加している精鋭達を圧倒的な力でねじ伏せ、私達の力を残りの地方に見せる。そして、私達に抵抗する気力を失わせようというわけよ」

梓「……なるほど。でも、私はそんな簡単に勝てると思わないで下さいね」

???「……ほう」

唯「おおっ!あずにゃん、格好いい!」

梓「あ、唯先輩。どうして、ここに?」

唯「どうしてって……あずにゃんが心配だから来たんだよー」

梓「そ、そうですか」

???「それでは始めるか。ルールはお前らのやっているのと同じでいい。もっとも、次の日なんて、悠長なことは言わないがな」

???「それで、肝心の挑戦者だけど、立候補者は……」

唯「はいはいはーい。私が立候補するよー!」

梓「ゆ、唯先輩!?」

アズサ「やってやるです!!」

梓「や、やる気満々なのはいいんですけど……大丈夫ですか?」

唯「私に任せなさい!」
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:05:09.66 ID:BXxQ9Mq+0
???「なるほど。相手は唯ちゃんね。なら、私が行くわ」

???「相手は2回戦負けとはいえ、油断はするなよ」

???「ええ。分かってるわ」


梓「あの……ゆい先輩を貸しましょうか?」

唯「大丈夫だよ。あずにゃんは心配性だな〜」

梓「相手の力が見えませんからね。慎重にいかないと」

ニャース「たしかににゃ。相手の手の内が分からないから、こっちも万全で言ったほうがいいにゃ」

唯「私は大丈夫だよ。それに……」

梓「それに?」

唯「約束したからね。強くなって、あずにゃんと戦うって。そのためにもこんなところで負けられないよ!」

梓「唯先輩……」


???「それじゃ、私の手持ちポケモンはこれよ」

相手の人はジュゴン、パルシェン、ヤドラン、イノムー、ルージュラ、ラプラスです。

唯「私のメンバーは……これだよ」

私はアズニャン、ネイ太、ウー太、リオ太、ヘラ太、ギラ太を見せます。

???「ふふふ。それでは10分間、時間をあげるわ。最後の時を楽しみなさい」

唯「あの……」

???「ん?」

唯「あなたは誰なの?」

???「そうね。自己紹介が遅れたわ」

その女の人はフードを取って、ローブを脱ぎ捨てました。

唯「あ、あなたは……」

アズサ「にゃっ!あなたは……」

カンナ「久しぶりね。私の名前はカンナよ。アルフのいせきでは世話になったわね。そっちのおチビちゃんも元気よさそうね」

アズサ「むむむ……」

唯「落ち着いてね、アズニャン。ナデナデ」

アズサ「にゃふ」

カンナ「それでは10分後にね。後、言い忘れたけど……」

唯「?」

カンナ「この決闘(バトル)は闇の決闘(バトル)ということを忘れないでね。負けたら、罰ゲームもあるわよ♪」

唯「?分かりました」

何なんだろう、罰ゲームって。……告白とかかな?未○年の主張みたいに屋上からとか?ちょっと、緊張しちゃうな〜。
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:06:11.18 ID:BXxQ9Mq+0
律「大丈夫か、唯は……」

梓「あ、律先輩!!」

澪「相手のメンバーはこおりタイプが多いな」

紬「でも、唯ちゃんにはほのおタイプのポケモンはいないわね」

梓「澪先輩にムギ先輩も!!!」

憂「私もいるよ〜」

梓「憂も!!」

皆、大集合です。



唯「さてさて。久しぶりのメンバー決めだよ〜」

ニャース「相手のヤドランを除く、ほとんどのポケモンに共通することがあるにゃ」

唯「共通すること?」

ニャース「タイプがこおりにゃ」

唯「こおりタイプは……え〜と、いわとかくとうとはがねとほのおタイプの技に弱いんだよね?」

ニャース「そのとおりにゃ。相手は他にはみずタイプを併せ持つのが4匹、エスパータイプを併せ持つのは2匹にゃ」

唯「む〜、かくとうタイプのリオ太とヘラ太は出しづらいかな?」

ニャース「そうともいえないにゃ。リオ太はエスパータイプの技ははがねタイプとの相殺で無効にゃ。ヘラクロスは同時に弱点も併せ持つにゃ」

唯「にゃるほど。ギラ太は?」

ニャース「バンギラスはみずタイプが多いから、不利にゃ。同様にこおりタイプの技が多いから、ネイティオも不利にゃ」

唯「ウー太は?」

ニャース「相手の技に耐性はあっても、攻撃手段がないにゃ」

唯「うーむ……それじゃ、アズニャンにリオ太にヘラ太にしよう!」

ニャース「まあ、妥当だにゃ」

カンナ「それでは楽しいバトルにしましょうね」

私はメンバーを決め、フィールドに登ると、そこにはカンナさんがすでにいました。

唯「はい!」

カンナ「審判」

審判「は、はい」

カンナ「あなたがジャッジをしなさい。もちろん、平等にね」

審判「は、はい。では……」

唯・カンナ・審判「「決闘(デュエル)!!!」」
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:08:44.84 ID:BXxQ9Mq+0
第35話 『迫り来る氷の恐怖!唯VSカンナ〜あなたは私がぶっとばす!〜』

唯・カンナ・審判「「「決闘(デュエル)!!!」」」

唯「出番だよ、リオ太!」

カンナ「楽しみましょうね、ジュゴン!」


唯 ルカリオ

カンナ ジュゴン 


唯「よし!リオ太、特訓の成果を見せる時だよ!」


律「特訓?」

梓「何でも純に負けてから、一生懸命、特訓をしてたとか」

紬「成果が出るといいわね」


唯「リオ太、速攻で勝負だ!スピア・タックル!」

唯先輩の言葉とともにルカリオはものすごく、早く走って、ジュゴンに向かいます。


律「スピアタックル?」

梓「何でも……」


回想

唯「さあ、頑張って走ろう!」

梓「その特訓に意味があるんですか?」

唯「ゆいちゃんにしろ、ういにしろ、皆、縮地法を使えるんだよ。その素早さに対抗していくためにも、まずは常時のスピードからあげないとね」

梓「なるほど。納得です」


回想終了


梓「その特訓の中で覚えたみたいですね」

律「ほー」

澪「なるほど……なのか?」


ルカリオ「ルカ!」

リオ太は高速の弾丸のようにジュゴンに走って行き、リオ太は手をジュゴンに向かって伸ばします。


???「むっ!?」

???「速いな」


カンナ「でも、無駄ね。アクアテール!」

ジュゴンは綺麗な尻尾をふって、リオ太の手と激突します。

唯「わっ!?」

カンナ「……」

その衝撃でフィールドに風が起こります。
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:10:22.05 ID:BXxQ9Mq+0
カンナ「力は互角のようね……」

唯「リオ太、一旦、距離を取って!」

リオ太はその言葉とともに、素早く、最初にいた位置に逃げます。

カンナ「ジュゴン、れいとうビームよ!」

ジュゴンのツノから、冷気のこもった、ビームが発射されます。

唯「リオ太!」

ルカリオ「リオ!」

リオ太は素早く、横に飛んで避けます。

唯「どんなにすごい攻撃でも当たらなければ意味がないんだよ!フンス」


律「たしかにな」


唯「さあ、ドンドン行くよ!」

ルカリオは再び、加速して、ジュゴンに向かいます。

カンナ「ジュゴン、れいとう……」

唯「遅いよ!!」

ルカリオはジュゴンの技が発射される前にジュゴンを突き飛ばします。


梓「あれは……しんそくですね」

律「そうだな」


ジュゴン「ジュゴ!?」

ジュゴンはリオ太の攻撃で技が発動できません。

唯「今だ!とびひざげり!」

ルカリオ「リオ!」

太リオはジュゴンに接近して、ジャンプと同時にジュゴンの体にルカリオのひざが直撃し、空中にボールのように跳ね上がり、地面に落下します。

唯「わーい、わーい。リオ太、やったね♪」

カンナ「……やるじゃない」

カンナさんの私に対する目つきが少し、変わったような気がします。

唯「えへへ。ありがとう」

そんなカンナさんに私は笑顔で返します。

カンナ「まさか、ヘッポコトレーナーの唯ちゃんがここまで成長してるなんてね」

唯「うわ〜、ひどいな〜。ぷんぷんだよ!」

カンナ「そんな唯ちゃんにプレゼントをあげるわ」

唯「何かくれるの!?わ〜い、わ〜い」


梓「唯先輩……」


律「のんきだな、あいつは」

澪「……くるぞ」

紬「……ええ」
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:13:11.53 ID:BXxQ9Mq+0
カンナ「……地獄への招待チケットをね!」

唯「四国?」

梓「どこですか、そこ」

唯「遅刻?」

梓「時間は守りましょう」

唯「時刻!」

梓「今は○時○○分です」

カンナ「……随分な余裕ね」

カンナさんの目はさらにきつくなります。

唯「ふ、ふん。ぎゃ、逆に私があなたを地獄に招待してあげるよ」

カンナ「……ジュゴン」

ジュゴン「……ジュゴン」

リオ太に飛ばされた、ジュゴンがのそりと起き上がります。

唯「うっ……まだ、立ち上がれるの?」

カンナ「むしろ、一撃で終わると思っていたの?その程度の実力じゃ、こんなことをしないわよ」

唯「でも、まだ、リオ太は負けたわけじゃないもん!リオ太!」

ルカリオ「リオ!」

カンナ「ジュゴン、ふぶきよ!」

ジュゴンから、まるで雪山、いや、ナンキョクたいりくのブリザードのようなふぶきがフィールドに発生します。

唯「ハックション!!寒いよ〜。ブルブル」


律「よし!出番だ、梓」

梓「はい?」

律「そっちを持て、ムギ」

紬「任せて!」

梓「い、一体何を……」

紬「ゆいちゃんまん!」

律「新しい、梓だ!」

2人は一斉に私を唯先輩に向かって投げます。

梓「って、何をするんですか!?」

唯「元気百倍!ゆいちゃんまん!ありがとう、りっちゃん!ムギちゃん!ギュウ〜」

梓「にゃああああ」
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:15:38.06 ID:BXxQ9Mq+0
唯「さて……。まだ、リオ太を倒されたわけじゃないよ!」

梓「離してくださ〜い」

カンナ「それはどうかしら?」

唯「ほへ?」

梓「唯先輩、ルカリオの足です!」

ルカリオ「リオ……」

私がリオ太の足を見てみると、ジュゴンのふぶきで足が凍り始めています。

唯「リオ太!」

カンナ「このまま、氷付けにしてあげるわ」

ニャース「や、やばいにゃ……」

唯「こうなったら……リオ太!」

ルカリオ「リオ!」

リオ太は逆立ちして、足を回転させて、足の氷をはじきます。

唯「リオ太、一気に決めるよ!」

カンナ「でも、このふぶきを突破できるかしら?」

カンナさんのジュゴンのふぶきはさらに強くなります。

唯「こうなったら、最後の手段しかないね」

梓「最後の手段?」

唯「限界を超えた、しんそくだよ!」


澪「限界を超えたしんそく?」

紬「そんな……」

律「あれは……加速する世界でしか出せないはず……」


唯「いくよ、リオ太!名将治水の境地だよ!!」

梓「明鏡止水ですよー」

ルカリオ「リオ……」

リオ太は体を楽にし、神経を集中させます。

カンナ「ふん。このまま、凍りつかせてあげるわ」

ジュゴンはさらにふぶきを強めます。

唯「クリア・マインド!」

ルカリオ「……リオ!」

ルカリオは閉じていた目をバッと開けると、スタートを切ります。

カンナ「万策尽きて、正面攻撃かしら?」

唯「いくよ!アクセル……しんそくーーーーーーーーーーーーーー!!!」
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:17:27.12 ID:BXxQ9Mq+0
リオ太の姿は突然、消えます。

カンナ「消えた!?」

梓「ど、どこに!?」

ルカリオ「リオ!」

ルカリオは突然、ジュゴンの正面に現れます。

カンナ「なっ!?」

ルカリオ「リオ!」

ルカリオの拳がジュゴンのお腹に直撃し、そのまま、カンナさんの横を通過し、壁にめり込みます。

ジュゴン「キュ〜」

ジュゴンはそのまま、気絶します。

審判「ジュゴン、戦闘不能。ルカリオの勝利です」


唯 ルカリオ

カンナ ジュゴン ひん死


唯「わ〜い、わ〜い」

ぎゅう〜

梓「く、苦しいですよ」


観客A「なあ、あいつはGランクで最低ランクの平沢唯だろ?」

観客B「そいつと互角のあの眼鏡って、実はたいしたことないんじゃないか?」

観客C「だな。あんな格好して、格好つけてるだけだろ、きっと」


???「意外にやりおるのう、あの嬢ちゃん」

???「このまま、勝っちゃうかもね」

???「……そうはならないだろう。見ろ」


カンナ「……」


???「あれは……やばいですね」

???「ああ。……来るぞ」
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:18:48.22 ID:BXxQ9Mq+0
律「いっけー、唯ー。このまま、ぶっ飛ばしちゃえー!」

唯「任せてよー!」

カンナ「……調子に」

唯「ん?」

梓「気をつけて下さい。何か、様子が……」

カンナ「調子にのるなああああああああああああああああああ」

カンナさんの怒声がフィールドに響き渡ります。

シーン。

スタジアムは静寂になります。

カンナ「唯ちゃんがここまでやるなんて……予想外ね。やっぱり、あの時……殺しておくべきだったわ」

唯「ひいいい」

カンナ「来なさい、ルージュラ!」

ルージュラ「ジュラ!」


唯 ルカリオ

カンナ ジュゴン ひん死 ルージュラ


唯「ふ、ふん!リオ太、もう一度、アクセルしんそくだよ!」

ルカリオ「リオ!」

リオ太の姿はもう一度消えます。

唯「いっけええええええええ」

ルカリオ「リオ!」

リオ太の姿がルージュラの前に現れます。

梓「いいですね!このまま……」

カンナ「同じ手は2度も通じないわよ」

ルカリオ「リオ!?」

リオ太はルージュラに攻撃する瞬間にその動きが止まります。

唯「リ、リオ太!?」

カンナ「ルージュラ、サイコキネシス!」

ルージュラ「ジュラ!」

ルージュラはオーラを発生させて、ルカリオを地面に何度も叩きつけます。

唯「リオ太!あずにゃん、どうしよう〜」

梓「とりあえず、私を離してください」

ルカリオ「リオ!」

そんなやり取りの間にルカリオは地面に叩きつけられて、私のほうに転がってきて、気絶しました。

審判「ルカリオ、戦闘不能。ルージュラの勝利です」


唯 ルカリオ ひん死

カンナ ジュゴン ひん死 ルージュラ
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:20:36.14 ID:BXxQ9Mq+0
律「……強いな」

澪「ああ。何だが、よく分からない技なのに……すぐに対応してくるとは……やるな」


唯「戻って、リオ太!」

梓「大丈夫ですか?」

唯「まだ、1匹やられただけだよ。次は……ヘラ太、君に決めた!」

ヘラクロス「ヘラ!」


唯 ルカリオ ひん死 ヘラクロス

カンナ ジュゴン ひん死 ルージュラ


憂「ヘラクロス……タイプのうえでは互角ですね」

律「ヘラクロスのかくとうタイプの技自体はルージュラのエスパータイプとこおりタイプとの相殺で通常のダメージだけど、むしタイプの技がエスパータイプのルージュラには有効だから、その点ではヘラクロスが有利だな」

紬「ルージュラのエスパータイプの技はかくとうタイプのヘラクロスには有利ね」

澪「そうなると……単純な能力の勝負になるが……」

ヘラクロス「ヘラ……」

ヘラ太は一定の距離を保ち、ルージュラに近づきません。

唯「このままじゃ……」

ニャース「慌てるにゃ。うかつに近づくとやられるにゃ」

唯「うう、歯がゆいね。近くて、遠いこの距離……何かの歌詞に使えないかな?」

梓「何を言ってるんですか……」

カンナ「近づいてこないの?……なら、こちらからいくわ。ふぶき!」

ルージュラはさっきのジュゴンのようにナンキョクたいりくのブリザードのようなふぶきを発生させます。

カンナ「私のポケモンは全匹、この技が使えるわ」

唯「それはすごいね!」

梓「感心してる場合ですか!」
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:22:52.52 ID:BXxQ9Mq+0
ニャース「早く、倒さないとまずいにゃ」

唯「そうは言っても、近づいたら……」

梓「ルージュラにやられますね。でも、攻めても負け。守っても負け。なら……」

唯「攻めるしかないね!ヘラ太、メガホーンだ!」

ヘラクロス「ヘラ!」

ヘラ太はふぶきの中、ルージュラに突っ込んでいきます。

カンナ「力押しで来る奴ほど扱いやすい物もないわね。……ルージュラ」

ルージュラ「ジュラ!」

ヘラ太がルージュラを自慢のツノで突き刺す瞬間、ヘラ太の動きが止まります。

梓「これは……」

唯「リオ太の時と同じだよ!」

カンナ「このままおわ……!?」

ヘラクロス「ヘラ!」

ヘラ太は足で踏ん張り、ルージュラのサイコキネシスで上空に持ち上げられるのを何とか耐えています。

カンナ「なにっ!?」

ヘラクロス「ヘラ!」

ヘラ太は足を踏み出し、ルージュラにそのツノを当て、そのまま、上空に跳ね上げます。

唯「いっけー、ヘラ太!メガホーン!!」

ヘラクロス「ヘラ!」

落下してきた、ルージュラにヘラ太のメガホーンが炸裂し、ルージュラはカンナさんの前に転がり、気絶しました。


唯 ルカリオ ひん死 ヘラクロス

カンナ ジュゴン ひん死 ルージュラ ひん死


???「やりおるのう、あのガキは……」

???「評価を改める必要がありますね」

梓「皆の評価が上がってますね」

唯「えへへ。あずにゃんと夜の特訓をしたからね!」

梓「何ででしょうか。ものすごく、言い方がエッチな気が……」

唯「ん?何が?あずにゃんは日中は大会で忙しかったわけだし、間違ってないと思うけど……」

梓「いえ……気にしないで下さい」
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:24:16.03 ID:BXxQ9Mq+0
律「ここまでの戦いを振り返ってみると……」

澪「互角……いや、唯が有利だな」

律「梓が全然、唯から離れないな」

澪「……は?」

憂「さっき、お姉ちゃんが寒がって、律さん達が梓ちゃんを投げて、抱きついた時から、ずっと、腕の中にいるんですよね」

澪「そう言えば……そうだな」

憂「お姉ちゃんはあったかいですからね♪きっと、梓ちゃんはそのぬくもりをいつまでも、感じていたいから離れてたくないんですよ」

紬「それだけではないわ。唯ちゃんには私や澪ちゃんのような大きな胸でもなく、かといって、りっちゃんや梓ちゃんのような小さい胸でもない適度な大きさの胸を持っているわ。梓ちゃんはその感触を感じていたいのよ」

律「その意見にも一理あるな」

澪「ないよ」

律「だが、梓は匂いも楽しんでいると思う」

憂「匂い……ですか」

紬「随分、マニアックね」

律「唯の元々の匂いと……ここまでの戦いによる緊張によって出た汗の匂いとかが……混ざった匂いをだな」

憂「なるほど。さすがは梓ちゃんですね」

紬「憂ちゃんもそれくらいはいけるんじゃない?」

憂「お姉ちゃんのことは好きですけど……そこまでは」

澪「お前ら……」

純「じゃあ、こういうのはどうですか?」

紬「あれ?いたの、三沢さん」

純「鈴木です」

律「うむ。君の意見を聞こうじゃないか」

純「梓は息遣いを感じていたいんです」

律「ほう……」

紬「興味深い意見ね。続けなさい」
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:25:21.18 ID:BXxQ9Mq+0
純「あれだけ、近いと……唯先輩が呼吸するたびに息が当たりますよね」

律「そうだろうな」

純「その息が当たるたびにですね、『唯先輩とキスする時もこんなに近づくんだよね。キャー』見たいな感じに想像してるのではないかと」

憂「これは……」

紬「中々の意見ね」

律「やるじゃないか、鈴木さん」

純「ありがとうございます」

澪「お前ら……そんなことばっかり言ってるから、キャラが誰これ状態とか言われちゃうんだぞ」

律「さて、最後は澪の意見だな」

澪「私はスルー……は?わ、私も言うのか」

律「当たり前だろ」

紬「さあ、恥ずかしがらずに!」

憂「ぶちまけちゃってください!」

澪「いや……普通に唯の決闘に集中しすぎて忘れてただけだろ?」

律・紬・憂・純「「「「……」」」」

澪「な、何で、そんなに『うわー、こいつ空気読めない』って目でみられないといけないんだよ!」

律「 うわー、こいつ空気読めない 」

澪「口にも出した!?」

紬「恥ずかしがらなくてもいいのよ?」

澪「そういうことじゃないから!」

憂「澪さん……」

澪「同情的な目で見られてる!?」

純(楽しい人達だなー)

488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:26:15.69 ID:BXxQ9Mq+0
唯「皆、楽しそうだねー」

梓「そうですね。とりあえず、離してください」

唯「えー」

梓「えー、じゃありません!!」

唯「私があずにゃんがどのフェチでも受け入れるよー」

梓「どのフェチでもないので、 離してください」

唯「もっと、素直に……」

梓「は・な・し・て・く・だ・さ・い」

唯「……はい」

私はあずにゃんを腕から離します。うう、ぬくもりがー。

カンナ「随分な余裕ね」

梓「主に外野ですけどね」

唯「このまま、押し切っちゃうよー。戻って、ヘラ太。そして、出番だよ、アズニャン!」

カンナ「こっちはこれよ!ラプラス!」


唯 ルカリオ ひん死 ヘラクロス アズサ

カンナ ジュゴン ひん死 ルージュラ ひん死 ラプラス
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:27:31.29 ID:BXxQ9Mq+0
カンナ「出来損ないのポケモンごと、あなたを敗北の海に沈めてあげるわ」

唯「こっちも負けないよ、いっけー、アズニャン!」

アズサ「やってやるです!」

アズニャンはピョコピョコとフィールドに駆けていきます。

アズサ「皆の敵(かたき)をとってやるです!」

カンナ「皆の敵(かたき)……ね。……フッ」

アズサ「何がおかしいんですか!」

カンナ「私達はむしろ正しいことをしたのよ。考えても御覧なさい。私達以外があの島を見つけていたら……今頃、あなた達は愛玩動物のようにペットとなっていたらいいほうで、軍事用の兵隊や性処理道具のように利用させていたかもしれないよ。それに比べたら、虐殺した方が逆に
幸せかもしれないわ」

唯「そんなのは間違ってるよ!!」

私は今までにないような、怒っているような声で言います。

唯「皆には一つ一つ、かけがえのない命がある。その命を絶って得られる様な幸せなんかないんだよ!」

アズサ「唯先輩の言うとおりです!」

カンナ「随分、中二くさい台詞を言うのね」

唯「わーい、褒められたー」

梓「褒められてませんよ!?」


カンナ「もう、おふざけはおしまいにしましょう。私達とあなた達……どっちが正しいかは……ポケモントレーナである、決闘者のあなたなら分かるわね」

唯「もちろんだよ!勝った方が正義だね!」

カンナ「決着をつけましょう。ラプラス、ふぶき!」

ラプラス「ラプ!」

ラプラスはさっきのジュゴンやルージュラのふぶきとは比べ物にならない、威力のふぶきを発生させます。

ニャース「け、桁違いの威力にゃ」

アズサ「私は……負けません!」

アズニャンはむったんを地面に突き刺し、その後ろに隠れます。
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:29:27.58 ID:BXxQ9Mq+0
むったん「って、僕を盾にするの!?」

アズサ「少しの間だけです。これからどうするかを考えて行動しないと……」

むったん「とりあえず、長期戦は不利になるだけだよ」

アズサ「なら、短期戦で速攻でけりをつけます!」

アズニャンはギターを引き抜きます。

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・風林火陰山雷・動くこと雷霆の如し』!!!」

アズニャンの姿が掻き消え、ラプラスの横に現れます。

アズサ「くらえです!」

アズニャンは電気を帯びたギターでラプラスを斬りつけます。

ラプラス「ラプウウウウウウウウウ」

ラプラスはその攻撃に苦しそうに顔をゆがめます。

唯「やったね♪こうかはばつぐんだよ!」

カンナ「ラプラス、れいとうビーム!」

ラプラス「ラプ!」

ラプラスは攻撃を決めたアズニャンにれいとうビームを発射して、反撃してきます。

アズサ「にゃっ!」

アズニャンはその攻撃をギターでガードします。

カンナ「ラプラス、ハイドロポンプ!」

ラプラスは冷気をこめたビームから、いきおいのある水を濁流のように発射してきます。

アズサ「何度きても、ガードするです!」

アズニャンはギターでハイドロポンプをガードします。

唯「いいよ、アズニャン!このまま、相手の攻撃を封じちゃえ!」

カンナ「そう、うまくいくかしらね」

唯「!?」

アズサ「にゃああああああああああ」

アズニャンはハイドロポンプをギターでガードするも、ハイドロポンプの勢いでアズニャンの小さい体は押し切られます。

唯「アズニャン!」

カンナ「いつまで、耐えられるかしらね」

アズサ「うにゃ……やってやるです!」

アズニャンはガードをしつつ、素早く横に飛んで、ハイドロポンプの波をかわすことに成功します。

アズサ「ハア……ハア……」

カンナ「疲れてる場合じゃないわよ。ラプラス、ふぶき!」

ラプラス「ラプ!」

ラプラスは再び、ふぶきを発生させます。

ニャース「これは……」

梓「まずいです!」

唯「ほへ?何で?」

アズサ「もう一度、『むったん・風林火陰山雷・動くこと雷霆の如し』で……」

ピキピキ。

アズサ「にゃっ!?足が……」

唯「凍ってる!?」
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:30:58.35 ID:BXxQ9Mq+0
梓「さっきのハイドロポンプで直撃は避けられましたが……」

ニャース「多少の水を浴びてるにゃ。その部分が凍ってきてるにゃ」

唯「ど、どうしよう……」

カンナ「このまま、氷の人形にしてあげるわ」

ラプラスのふぶきの威力がさらに強くなります。

アズサ「そうはさせません!アズサ殺法52の技の3大奥義の1つ『むったん・音の傷』!」

アズニャンは手でギターを振り、衝撃波を発生させ、その衝撃波はふぶきを振り払い、ラプラスを斬りつけます。

ラプラス「ラプーーーーーー!!!」

ラプラスの体から切り傷のような傷がたくさんできます。

カンナ「ラプラス!?」

唯「アズニャン、一気に決めるよ!」

アズサ「はいです!アズサ殺法52の技の1つ『むったん風林火山・疾きこと風の如く』!」

アズニャンは風のように素早く、ラプラスを斬りつけます。

ラプラス「ラプ……」

その攻撃でラプラスは気絶しました。

審判「ラプラス戦闘不能。アズサの勝利です。カンナ選手の手持ちポケモンが全滅により、平沢 唯選手の勝利です」


唯 ルカリオ ひん死 ヘラクロス アズサ 

カンナ ジュゴン ひん死 ルージュラ ひん死 ラプラス ひん死
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:32:22.09 ID:BXxQ9Mq+0
唯「あずにゃん、やったよ!私、勝ったよ!ギュウ〜」

梓「にゃっ!が、頑張りましたね」

唯「えへへ」

カンナ「私が……負けた……」

???「やれやれ。とんだ恥さらしだな」

フードのローブを着た、1人が立ち上がります。

???「言いすぎだぞ」

???「事実だろ。次は俺の番だ」

その1人はノシノシとフィールドに歩いてきます。

バシンッ!!!

カンナ「キャッ!」

その人は敗戦のショックで打ちひしがれている、カンナさんをビンタします。

???「敗者はどいていろ」

アズサ「ひ、ひどいです!仲間なんですよね、あなた達の。その仲間になんてことを……」

???「うるせえな。てめえだって、こいつを殺してやりたいんだろ」

アズサ「……昔の私だったら、そうだったかもしれません。でも……私は唯先輩や村長さん達に出会って変わりました!憎しみからは何も生まれません!その人がやったことは許されないことだけれど……殺してやりたいとは思わないし、ひどいことをしたいとも思いません!ちゃんと、罪を償ってくれればいいです!」

唯「そうだよ!それに……」

私は……ほっぺたを叩かれて、倒れているカンナさんに駆け寄り、手を差し出します。

唯「ポケモン決闘者(トレーナー)は決闘をすれば、友達だよっ!ニコッ」

カンナ「平沢さん……」

唯「唯」

カンナ「……え?」

唯「唯、でいいよ。もう、友達だもんね!」

カンナ「……」

???「ふん!青臭いガキだな。そんなガキに負けるなんて……所詮、貴様は俺たちの面汚しだってことだ」

アズサ「ひ、ひどいこと言わないで下さい!」

唯「そうだよ!私の友達にひどいこと言うなんて……私はあなたを許さないよ!フンス」

???「……うるさいガキだな」

そのフードの声から察するに男の人がギロリと睨んでいるような気がします。うう、怖い。……ハッ。
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:33:49.69 ID:BXxQ9Mq+0
妄想

唯「私があなた達を倒すよ!」

梓「ゆ、唯先輩……あんな怖い人を前にそんなことを言うなんて……格好いいです!」

ギュウ〜。

唯「ふほおおおおおおお」

梓「あ、すいません。つい、テンションがあがってしまって」

唯「気にしないでいいよ〜。ふへ、ふへへ」

妄想終了


唯「よし!」

梓「どうしたんですか?」

唯「何でもないよー」

???「さて……俺の対戦相手は……」

唯「わ、私が!私があなた達の野望を打ち砕いてみせるよ!月にかわって、なんとやらだよ!」


律「おおっ!」

憂「お姉ちゃん、格好いい!」

紬「勇ましいわ、唯ちゃん!」


唯「そう?でへへ〜」

梓「でも……どうして、手を広げてるんですか?」

唯「あずにゃんがいつでも私に飛び込んできてもいいようにだよー」

梓「いや……飛び込みませんけど」

唯「ええっ!?」

???「いいだろう。なら、俺の相手は貴様だ」

唯「ほえっ!?わ、私!?」

梓「それは……あれだけのことを言えば、そうでしょうね」

唯「……ハッ」

律「考えてなかったのか……」
憂「察するに格好いいことを言って……」
紬「梓ちゃんに抱きつかれるのが狙いってところね……」
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/26(土) 05:37:27.73 ID:BXxQ9Mq+0
???「さて……お前のメンバーはかわりないのか?」

唯「うう……仕方がない。私のメンバーはさっきと一緒だよ」

???「私のメンバーは……こいつらだ」

フードの人の手持ちは……エビワラー、サワムラー、カポエラー、ハリテヤマ、ルカリオ、カイリキーです。

???「それでは準備もあるだろうから、30分後にまたフィールドに戻って来い。来なかったら……観客には死んでもらう」

唯「ひえええ。お、遅れずに来ます」

梓「とりあえず、ポケモンを回復させましょう。話はそれからです」

唯「そ、そうだね」

私達は逃げ出すようにポケモンセンターに向かいました。

第34話から第35話終了

今度から、水曜日の朝(最悪夜)と土曜日の朝に更新します。
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) :2011/11/26(土) 10:30:12.85 ID:SzY5U33g0
乙!
まだ、~でやる意味ないとか言うやついるんだな
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) :2011/11/27(日) 04:32:27.22 ID:nsU+jltK0
乙!
おぉ!俺たちがもっと、たくさん楽しめる様に更新日を増やしたのか・・・・・嬉しいな☆でも、無理はしないでくださいね〜

俺のちとした感想は・・・・・展開が速くなってきたかな、とww
まぁ、楽しいのに変わりはないけどね

とりま、来週も楽しみにしてるよっ♪
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 03:45:07.54 ID:91n4e/4R0
第36話 『唯VSシバ 恐怖の金網デスマッチ!〜新必殺技が炸裂です!〜』

ポケモンセンター

唯「まさか、こんなことになるなんて……」

梓「何を落ち込んでるんですか」

唯「だって……あの人、怖そうだし」

梓「もう……唯先輩はあの人達の一人に勝ったんですよ。自信を持って下さい」

唯「……そうだよね!」

律「よう、唯!」

唯「あ、りっちゃん」

紬「お疲れ様」

澪「頑張ったな、唯」

憂「格好良かったよ、お姉ちゃん」

唯「皆〜」

律「しかし……よく、あいつに勝ったな」

唯「すごいでしょ〜。エッヘン」

澪「それはいいんだけど……次も受けることはないだろ?」

唯「あれは……いろいろと思惑があってですね、澪ちゃん」

紬「今はそんなことより、次のメンバーを決めないと」

律「相手はかくとうタイプが多い……というかかくとうタイプしかいないな。唯一、ルカリオにはがねがあるくらいか」

憂「お姉ちゃんのパーティーだと……バンギラスはやめたほうがいいね」

紬「逆にネイティオは入れておきたいわね」

澪「とすると……アズサは決定だとして……後、1匹か」

ニャース「ヌオーとヘラクロスにゃ」

梓「重要なのはどちらを選んでも特に有利にならないことですね」

律「だとすると……単純な能力差だな。ニャースの目からしたら、どうだ?」

ニャース「個人的には……出番のないヌオーと言いたいところにゃけど……ここはヘラクロスを推薦するにゃ」

澪「理由は?」

ニャース「大舞台になるとテンションがあがるにゃ」

紬「重要な要素ね」
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 03:46:16.44 ID:91n4e/4R0
唯「……」

憂「どうしたの、お姉ちゃん」

唯「え、えーと……あずにゃんが可愛いなって!」

憂「見惚れてたんだ〜」

唯「そうだよ!けっして、話についていけないなんてことはないよ!」

梓「隠せてませんよ、唯先輩」

唯「と、とにかく!ネイティオとアズニャンと……後、1匹って話だよね」

律「そうだよ」

澪「唯はどうするんだ?」

唯「私は……ヘラ太にするよ」

律「理由は?」

唯「私の仲間のニャー太が推薦したからだよ!」


澪「ポケモンに推薦されて、ポケモンを選ぶのもな……」

紬「斬新でいいじゃない」

梓「でも、すんなり勝てるとは考えないで下さいね。たとえ、弱点を突いているネイティオだとしても。カンナさんの強さをみても、油断でき
ません」

律「心配しすぎだろ、梓」

紬「そうよ。唯ちゃんはそのカンナさんを倒したのよ」

憂「特に弱点を突いてなくても勝てたんだから、今回は大丈夫だよ、梓ちゃん」

澪「でも、警戒するに越したことはないけどな」

律「なんだよ、澪。お前、また、梓と……」

???「そのとおりよ」

突然、さっきまで戦っていた女の人の声が聞こえた。

梓「あなたは……」

唯「カンナさん!」

カンナ「どうも。今は時間もないから単刀直入に言うけど……次の相手には気をつけた方がいいわ。たとえ、弱点を突いても、簡単には勝たせてくれないわ」

唯「そ、そんなに強いの?」

カンナ「そうね。彼の残虐ファイトには気をつけなさい。私にはこれしか言えないわ」

唯「残虐ファイト?」

梓「ポケモンバトルには似つかわしくないですね」

カンナ「それじゃ、次の試合も頑張りなさい」

唯「カンナさん!」

私は去ろうとするカンナさんを呼び止めます。

唯「ありがとう!」

カンナ「……フッ」

カンナさんは微笑を浮かべて、去っていきました。

ニャース「そろそろ時間にゃ」

唯「よしっ!」

律「張り切って頑張れよ!」

唯「任せてよ!」
499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 03:49:15.67 ID:91n4e/4R0
ポケモンスタジアム

観客「わー、わー」

???「……来たか」

実況『ついにジョウト地方とカントー地方の命運をかけた戦いの第2幕が始まろうとしています。そして、会場には……ジョウト地方とカントー地方の命運を握った美少女、平沢唯選手が入場してきました!足元には参謀のニャース、エースのアズサが歩いてきます。そして、後ろに愉快な仲間たちもついてきています』


律「ひでー、実況だな」

紬「私達は愉快な仲間達扱いなのね」


唯「来たよ!……そういえば、名前は……」

???「そうだったな。俺の名前は……」

その男の人はフードを取り、ローブを脱ぎ捨てます。

???「俺の名前は……シバだ!」

その男の人はシバと名乗り、上半身裸のムキムキの筋肉をしています。キンニク、キンニク!

唯「シバさんって言うんですか……」

シバ「まあ、名前を名乗っても、すぐに死ぬから問題ないがな」

どうして、この人達は中二病っていう人たちみたいなことを言うんだろう。永遠の謎だね。

唯「それじゃ、早速バトルを……」

シバ「そうだな。その前にルール説明だ。主なルールはカンナとの時と同じだが……1つだけ違う」

唯「何が違うの?」

梓「慌てないで下さいね」

ニャース「そうにゃ。ポケモンバトルをすることにはかわらないにゃ」

シバ「……フッ。ポケモンバトルか」

唯「何がおかしいの?」

シバ「ポケモンバトルって認識だと痛い目を見るぞ」

唯「???」

シバ「まあ、とにかく。大きく異なるのは……これだ!」

指をバチンと鳴らすと、地面の下から、何かが出てきました。
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 03:52:29.51 ID:91n4e/4R0
唯「あれは……」

律「金網みたいのがはってあるな」

憂「中には……プロレスみたいなリングがありますね」

シバ「これが今回の戦いのフィールド……金網リングだ」

唯「金網リング?」

シバ「そう……今回の戦いは金網デスマッチだ」

唯・梓・澪・紬・憂・純「「「「「「金網デスマッチ?」」」」」」

律「そういえば、聞いたことがある。金網デスマッチは昔、行われたポケモン決闘のひとつだ」

紬「どんなルールなの?」

律「ルール自体はシンプルだ。ポケモンをこの金網の中で戦わせるんだ」

唯「ほっ。普通のルールみたいだね」

律「違うのは……このフィールドに入ったポケモンは交代できないってことだな」

梓「つまり……戦闘不能になるまで、そのまま、フィールドに残り続けるって事ですね」

律「そうだ。本来なら相手を倒せば、交代できるがこのフィールドでの決闘(バトル)はそれがない」

澪「相性如何では……厳しいものがあるな」

憂「でも、そこまできついってことはなさそうですね」

純「たしかにね」

律「ところが、この決闘(バトル)はそんなにあまいものじゃない。この決闘方法はあんまり知られてないだろ?」

梓「私も初めて聞きました」

律「それは……この決闘の歴史にある。昔はここにポケモンを2匹入れて、殺し合いをさせていたんだ。勝たないとこの金網の中から、出られない」

梓「それはひどいですね」

律「外に出たら反則だから、とりポケモンなんかはわざと外に出て、そんなにとりタイプの犠牲者はいなかったみたいだけどな。そして、このルールの下で、ポケモン決闘も行われだした。だが……あまりも残虐であるということから、表舞台から姿を消した。今でも、裏の世界ではやられてるらしいけどな」

唯「ほへー。すごいんだね」

律「そして、このルールでは……あらゆる残虐バトルが許される。唯、注意しろよ」

唯「うん!任せてよ!」


シバ「それでは……始めようか」

唯「ほいほーい」

私達は金網の中に入ります。

審判「それでは開始と同時にポケモンを出して、トレーナーはすぐに戻って下さい。次戦から、外でポケモンを出し、金網の中にポケモンを入れてください。ちなみにこの金網に入っている間はポケモンをボールに戻すことができなくなりますのでご了承ください」

唯「はーい」

シバ「おう」

審判「それでは準備はよろしいでしょうか」

シバ「うむ」

唯「大丈夫です!」
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 03:54:47.67 ID:91n4e/4R0
スタジアム・観客席

???「……」

カンナ「あなたも久しぶりね」

???「!?」

カンナ「そんなに驚かなくてもいいじゃない。前に会った時はやけた塔だったかしら?」

???「……そうだったわね」

カンナ「あなたはこんなところにいていいの?あなたは私達を倒すのが目的なんでしょ?」

???「……そうね。でも、今は……」


唯「頑張ろうね、、皆!」


???「彼女の戦いを見ていることにするわ」


審判「それでは……」

唯・シバ・審判「「「決闘(デュエル)!!!」」」


シバ「行くぞ、カポエラー!」

唯「私はネイ太だよ!」


唯 ネイティオ

シバ カポエラー


唯「ネイ太、エアスラッシュだよ!」

ネイ太は先制をとって、空気の刃を発射して攻撃をします。

カポエラー「エラ!」

カポエラーは防御する間もなく、その攻撃を受けます。

唯「よし!次はサイコキネシスだよ!」

ネイティオ「ティオ!」

ネイ太は特殊な念波を出して、カポエラーを空中に持ち上げ、地面に叩きつけます。

唯「いいね〜。どう、あずにゃん。私の勇姿は!」

私はあずにゃんのほうを見て、ガッツポーズをします。
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 03:56:49.86 ID:91n4e/4R0
梓「おかしいですね」

唯「え?」

澪「たしかにな」

紬「カンナさんはかなりの実力者だったわ。その後に出てきたこの人が……」

律「こんなに弱いやつなわけがないな」

憂「で、でも、お姉ちゃんが強くなったってことじゃ……」

梓「だといいんだけどね」


唯「このまま、一気に決めちゃうよ!」

シバ「……ぬるいな」

唯「ほへ?」

シバ「ぬるいわああああああああああああ!!!」

突然、シバさんが大きな声で叫びだします。

シバ「カポエラー、容赦はしなくていい。本当のポケモン決闘(バトル)を教えてやれ!」

唯「本当のポケモン決闘?何を分からないことを言ってるのさ。このまま、私が押し切るよ!ネイ太、サイコキネシス!」

シバ「ぬるいわ!カポエラー!」

ネイ太が構える前にカポエラーの足がネイ太の顔面に炸裂します。

ネイティオ「ティオ!」

唯「ネイ太!」

シバ「まだだぞ!」

カポエラーはネイ太の頭を掴んで、膝で顔面に蹴りをします。

ネイティオ「ティー!!」

ガツン!ガツン!!ガツン!!!

カポエラーの膝蹴りがネイ太の顔面を何度も何度も炸裂します。

唯「ネ、ネイ太……もう、やめてよ!」

私は大きな声を出して、言います。

唯「もう、ネイ太は戦えないよ……。だから……」

シバ「ん?だから、どうした?」

唯「どうしたって……もう、ネイ太は戦えないよ!だから、戦闘不能でおしまいだよ!」

シバ「そうなのか?おい、カポエラー」

カポエラー「カポ」

カポエラーはネイ太の頭を掴んで、持ち上げます。

ネイティオ「ハア……ハア……」

シバ「なんだ、息をしてるじゃないか。なら、まだ、戦えるな」

唯「なっ!?」
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 03:57:59.96 ID:91n4e/4R0
梓「そんな……」

律「狂ってやがるな」


シバ「まあ、お望みなら、楽にしてやるよ」

カポエラーはネイ太の頭を掴む手に力をこめます。

唯「やめ……」

シバ「カポエラー!」

カポエラーはネイ太を上に放り投げ、頭を下にし、足を地面に平行するようにして、回転をさせました。

ネイティオ「ティー……」

ネイ太は落下を始め、カポエラーのところに落ちてきます。

唯「ネイ太!」

ガツン!

ネイ太の体が回転しているカポエラーの足に命中し、再び、上空に跳ね上がります。

ガツン!ガツン!!ガツン!!!

何度も何度も、それが繰り返されます。

唯「ぐす……もう、やめてよ〜」

シバ「なんだ、泣いているのか?これだから、女は駄目だな」

シバさんはギロッと私を睨みます。

シバ「昔はよかった……。血気盛んな男達がしのぎを削って戦っていたものだ。こんなラフファイトは序の口で、激しい決闘を繰り広げたものだ。だが、最近では女、子供が気軽にポケモン決闘をやるような世の中で、すっかりぬるくなってしまった。カントー地方のポケモンリーグにいたってはベスト4のうち、3人は女じゃないか。だらしがなくなったものだ」
シバさんは溜息をつきます。

シバ「まあ、お望みなら、やめてやるよ。カポエラ!」

カポエラー「カポッ!」

カポエラーは回転をやめて、ネイ太が落下してくるのを待ちます。

シバ「トドメだ!オーバーヘッドシュート!」

カポエラー「エラッ!」

カポエラーは落下してきたネイ太を私のいる方に蹴り、金網にめり込みます。

審判「……ネイティオ戦闘不能。カポエラーの勝利です」
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 03:59:17.29 ID:91n4e/4R0
唯「ネ、ネイ太!」

私は金網の扉を開け、ネイ太に駆け寄ります。

唯「ネイ太、しっかりして!うう、うわーん」

シバ「うるさい女だ。サッサと次のポケモンを出せ」

唯「……いやだ」

シバ「ん?」

唯「いやだよ!もう、あなたとなんか戦いたくないよ!」

シバ「……所詮、貴様もこの程度の器か」

シバさんはカポエラーをボールに戻し、後ろを向きます。

シバ「サッサとこの場を去れ。そして、貴様のようなあまちゃん野郎は2度とポケモン決闘をするな」

そして、もう1度、私の方を向き、鬼のような形相で私を睨みます

シバ「半端な覚悟でポケモンバトルの世界に入ってくるんじゃねえ!!!」

そんな怒声をあげて、フィールドを去ろうとしました。


???「……スッ」

カンナ「……行くの?」

???「あなたには関係ないわ」

カンナ「……そうね。まあ、頑張りなさい、真鍋さん」

???「ピタッ」

カンナ「どうして、分かってるかって?元上司がこっちにいるのよ。行動パターンは読めているわ。さしずめ、罪滅ぼしね」

和「……止める気?」

カンナ「まさか。でも、あなたの出番はないかもね」

和「?」


梓「待ってください」

シバ「……」

シバさんは足を止めます。

梓「まだ、決闘(バトル)は終わってませんよ。カポエラーをフィールドに戻してください」

唯「あ、あずにゃん……でも、私は……」

梓「あの子達を見てください」

唯「ほへ?」

ヘラクロス「ヘラ……」

アズサ「……」

今回のメンバー達は親の敵を見る形相でシバさんを睨みつけています。

唯「皆……」

梓「私だって、あんな人と戦いたいとは思いません。でも、唯先輩が逃げてしまったら……あの2匹だけじゃなく、ネイティオだって、がっかりしますよ」

唯「……そうだね。分かった。私、絶対にあの人を倒すよ!」

梓「クス。その意気です、唯先輩!」
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 04:01:25.75 ID:91n4e/4R0
ヘラクロス「ヘラ……」

アズサ「やってやるです!」

ゆい「2人とも……特訓の成果を見せる時だよ!」

ヘラクロス「へラッ!」

アズサ「はいです!」


唯「そんなわけで、決闘を続行します!」

シバ「……フッ。サッサと次のポケモンを出せ」

唯「はい!出番だよ、ヘラ太!」

ヘラクロス「ヘラ!」

私はヘラクロスをフィールドに出し、リングの外に出ます。



唯 ネイティオ ひん死 ヘラクロス

シバ カポエラー


律「よくやったな、梓」

梓「どうもです」

憂「でも……お姉ちゃんにここまで辛い戦いをさせなくても……」

梓「ここで逃げたら……唯先輩はきっと、ちょっと辛くなったらすぐに逃げ出す様な人間になっちゃうよ。それに……」

憂「それに?」

梓「唯先輩は……絶対に勝ちますから」


唯「ヘラ太、ここは距離を……」

置いて……と言おうとしましたが、

ヘラクロス「へラッ!」

ヘラ太は私の指示を聞かずに、接近していきます。

唯「ああ、ヘラ太!?」

ニャース「でも、ここは下手に逃げるより、攻める方がいいにゃ」
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 04:02:22.55 ID:91n4e/4R0
ヘラクロス「へラッ!」

カポエラー「カポッ!」

ガシッとリングの中央でヘラ太とカポエラーは組み合います。

唯「力は……」

シバ「互角か……ならば、カポエラー!」

カポエラー「エラ!」

カポエラーは力比べをやめ、後ろに下がります。

ヘラクロス「ヘラッ!?」

ヘラクロスは前に力を入れていたため、前のめりになります。

カポエラー「カポッ!」

カポエラーはバランスを崩しているヘラ太の頭を掴んで、膝蹴りを顔面に入れ始めます。

唯「ああ、ヘラ太!」

アズサ「……」

ニャース「……」

シバ「どうした?さっきとなんら、かわりがないじゃないか!」

唯「うう……」

ニャース「それはどうかにゃ?」

唯「ほへ?」

ヘラクロス「……ヘラ!」

カポエラー「カポ!?」

カポエラーの膝をヘラ太は掴みます。

シバ「なんだと!?」

ヘラクロス「ヘラ、ヘラ……(もう、その技は見切った……)」

ヘラ太は膝を抱えて、動揺しているカポエラーの顔面に拳を振るいます。

カポエラー「エラッ!?」

ヘラクロス「へラッ!」

ヘラ太は怯んでいるカポエラーに拳を何度も何度も振るいます。

ヘラクロス「へラッ!(トドメだ!)」

カポエラーを掴んで、上に放り投げます。そして、ヘラ太はリングのロープに走ります。


律「何をする気だ……」

梓「……必殺技ですよ」

紬「必殺技?」

梓「……ええ」
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 04:03:54.91 ID:91n4e/4R0
回想

ゆい「ふむ。君はういに勝ちたいんだね」

ヘラクロス「へラッ!」

ゆい「それは難題だね。うーむ……。よし!私が必殺技を1つだけ、教えてあげよう!」

ヘラクロス「へラッ!」

ゆい「1つじゃ足りない?って。でも、私の家の秘伝の必殺はそんな簡単には覚えられないよ。普通のポケモンじゃ、技を1つでも覚えられたら、すごいんだよ」

ヘラクロス「へラッ!」

ゆい「オーケー、オーケー。じゃあ、ひとつだけ、教えてあげよう」

回想終了


梓「ということがありまして……」

澪「ゆい直伝の必殺技か」


ヘラクロス「へラッ!」

ヘラ太はロープを引っ張り、勢いをつけて、落下してくるカポエラーの背中に弾丸のように飛んでいきます。

唯「いっけー、必殺……メガホーンドライブ!!!」

カポエラーの腰に自慢のツノがめりこみ、そのまま、ロープに激しくくいこみます。

カポエラー「カポ……」

カポエラーはそのまま、ガクリと気絶しました。

審判「カポエラー、戦闘不能。ヘラクロスの勝利です」


唯 ネイティオ ひん死 ヘラクロス 

シバ カポエラー ひん死


唯「よし!やったね!」

ゆい「うむうむ。私の特訓の成果だね」

うい「さすがはお姉ちゃん!」

シバ「まだ、終わりじゃない。次はサワムラーだ!」

 
唯 ネイティオ ひん死 ヘラクロス 

シバ カポエラー ひん死 サワムラー 
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 04:06:25.59 ID:91n4e/4R0
???「今のは……」

???「ヘラクロスの強力なツノが腰にめり込み、腰の骨に大きなダメージを与えているわね」

???「それだけではない。今回のフィールドがリングというのもあり、カポエラーの顔面と上腿筋 にもダメージを与えている」

???「あれを止められないと、厄介ですね。ほら、また」


サワムラー「サワ……ガクン」

審判「サワムラー、戦闘不能。ヘラクロスの勝利です」


唯 ネイティオ ひん死 ヘラクロス 

シバ カポエラー ひん死 サワムラー ひん死


唯「いいぞー、ヘラ太!」

アズサ「このまま、決めちゃってください!」


律「怖いのは……」

澪「これからだな。見てみろ、あの表情」


シバ「……」


紬「鬼気迫る表情ね」

澪「勝負はこれからだぞ、唯」

憂「お姉ちゃん……」


カンナ「やるわね、あなたの幼馴染は」

和「……そうね。立派に成長したわ」

カンナ「けれども……シバとは……シバのカイリキーとは戦わないほうがいいかもね」

和「どういう意味?」

カンナ「彼のカイリキーは……強いわ。残虐なほどにね」

和「?」


唯「わーい、わーい」

シバ「……いいだろう。次は……カイリキーだ」

シバさんはリング内にカイリキーを出します。



???「久しぶりにあいつの残虐ファイトが見れるな」

???「楽しみだのう」
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 04:07:41.47 ID:91n4e/4R0
唯「サッサと決めちゃおう、ヘラ太!」

ヘラクロス「へラッ!」

ヘラクロスは勢いよく、カイリキーに向かっていきます。

シバ「……カイリキー」

ガツン!

中央でカイリキーとヘラ太が激突します。

唯「むむ。また、力比べか」

シバ「そんなことはさせないさ」

カイリキー「リキ!」

ヘラクロス「へラッ!?」

カイリキーは軽々とヘラクロスを持ち上げます。

唯「ヘラ太!」

カイリキー「リキ!」

カイリキーはヘラ太の顔面から、リングのポストに叩きつけます。

ヘラクロス「ヘブッ!?」

唯「ああ!」

カイリキー「リキ!」

ガツン!ガツン!!ガツン!!!ベチャベチャベチャ

カイリキーは何度も何度もヘラ太をポストに打ちつけ、赤い血が飛び散ります。


憂「うっ……」

純「大丈夫、憂?」

梓「ひどい……」


唯「うう……もう、やめてよ……」

シバ「そうだな。最後にいい物を見せてやるよ」

カイリキーはヘラ太への攻撃をストップし、カイリキーはヘラ太を上空に放り投げ、自分もジャンプします。そして、ヘラ太を捕まえ、構えを取ります。あれは!?

唯「あの体勢は……」

ニャース「ひらさわ家48の殺ポケ技の1つ……」

アズサ「ひらわわバスターです!」
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 04:09:12.57 ID:91n4e/4R0
うい「いや……あの技はひらさわバスターじゃありません」

律「どういうことだ?」

澪「ひらさわバスターは足だけを掴んでいるが……カイリキーの手は4本あって、もう、2本はヘラクロスの手を掴んでいる……」

紬「残念だけど……ひらさわバスターよりも上ね」


シバ「そのとおりだ。この技は長年の修行で編み出した……カイリキバスターだ!」

ドシーン!!!

中央にカイリキーは落下し、すごい衝撃がフィールドに響きます。

ヘラクロス「ヘバッ……」

ヘラ太は口から、血を吹き出し、気絶しました。

審判「……ヘラクロス、戦闘不能。カイリキーの勝利です」


唯 ネイティオ ひん死 ヘラクロス ひん死 

シバ カポエラー ひん死 サワムラー ひん死 カイリキー
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 04:11:48.75 ID:91n4e/4R0
律「最後は……アズサか」

紬「どう?澪ちゃんの目から見て、次の戦いは?」

澪「厳しいとは思うけど……勝てるとしたら、唯のメンバーではアズサしかいないな」

梓「そうですね」


アズサ「いち、にー、さん、しー」

唯「……」

ニャース「どうしたにゃ?」

唯「……ううん、別に」

ニャース「……本当はもう、棄権したいんだにゃ?」

唯「……うん」

ニャース「気持ちは分かるにゃ。相手はそれほどの奴にゃ」

唯「でも……私はアズニャンを信じるよ。見てみなよ、アズニャンの目を」

アズサ「……」

アズニャンはカイリキーをじっと睨んでいます。

唯「仲間が傷つけられて……許せないって目をしてるよ。自分が傷ついてもいいから戦おうって目をね。だから、アズニャンを信じるよ」

ニャース「……そうだにゃ。ここまで来たら、信じるしかないにゃ」

唯「というわけで、最後はアズニャンだよ!」

アズサ「やってやるです!」


唯 ネイティオ ひん死 ヘラクロス ひん死 アズサ

シバ カポエラー ひん死 サワムラー ひん死 カイリキー
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 04:14:06.09 ID:91n4e/4R0
シバ「出たか……人型ポケモン」
アズサ「皆の敵をとってやるです!」
アズニャンはリングでカイリキーに宣言します。
シバ「ほう……」
カイリキー「リキ」
カイリキーは上等だ、といった感じで迎えます。
むったん「相変わらず、強気だけど……相手は強いよ」
アズサ「問題ありません!」
アズニャンはギターを片手に自分の何倍もの大きさのカイリキーに向かっていきます。

アズサ「アズサ殺法52の技の1つ『むったん・スラッシュ』!!!」

アズニャンはギターを思いっきり振りかぶって、ギターを振りぬきます。

アズサ「トリャー!!」

バシン!

アズニャンのギターはカイリキーを切り裂いた……と思ったら、カイリキーが強靭な腕で掴んでいます。

アズサ「ふにゃ!?」

シバ「貴様の弱点は分かっている。カイリキー!」

カイリキーは片方の手でアズニャンを掴み、もう片方の手でギターを掴み、無理矢理、アズニャンからギターを取り上げます。

アズサ「にゃっ!か、返してください!」

カイリキー「リキ」

ふん、とばかりにカイリキーはギターを後ろに放り投げます。

アズサ「な、何をするんですか!」

シバ「余計なことを心配してる場合か?」

カイリキーはアズニャンをチョークスリーパーで首を絞め、もう、2本の腕でアズニャンの足を開きながら、スープレックスのように投げ、アズニャンは頭から叩きつけられます。

アズサ「にゃっ……」

唯「アズニャン!」


律「あの技は……チョークスリーパーでアズサの喉を締め付け」

紬「無理矢理、開脚させて、足にも負担をかけ」

憂「頭からスープレックスのように叩きつけることでアズサちゃんの頭とかを粉砕する」

律「なんていう技なんだ」

澪「知ったかで話すのはやめような」
513 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 04:15:28.97 ID:91n4e/4R0
アズサ「にゃう〜……」

カイリキー「リキ!」

カイリキーは技を解いて、グダーと倒れているアズニャンの背中を足で踏みつけます。

アズサ「グニャッ!?」


うい「アズサちゃん!」

ジュン「アズサ!」

私とジュンちゃんは席を立って、アズサちゃんを助けようとしますが。

ガシッ!

私とジュンちゃんはお姉ちゃんにグッと手を捕まれます。

ジュン「ゆい先輩!?」

ゆい「お姉ちゃん!?」

お姉ちゃんは私達を座らせると、ただ、ジッとアズサちゃんを睨むように見始めました。


シバ「どうだ?これが実力の差だ。……ここで見ている全てのトレーナー……特に憂!純!梓!貴様らの人型ポケモンといえど、俺のカイリキーの前ではここにいる……」

カイリキー「リキ!」

カイリキーは足をさらに上に上げ、アズニャンの背中を踏みつけます。

アズサ「ふにゃあああ」

唯「アズニャン!……もう、駄目〜。フラフラ」

梓「だ、大丈夫ですか、唯先輩!ダッ」

唯「うう、ありがとう」

私はショックでフラ〜となったところをあずにゃんに支えてもらいます。


うい「お姉ちゃん、早くアズサちゃんを助けに行かないと。ジタバタジタバタ」

ゆい「……」


律「さすがに早かったな、梓は」

紬「ええ」


和「……」
カンナ「やはり、彼と対戦させるべきじゃなかったわね」
和「……スッ」
カンナ「……行くのね」
和「……ええ」
514 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 04:16:36.16 ID:91n4e/4R0
シバ「虫けらのように無残にやられるんだ!!!」

シバさんが高らかに宣言し、カイリキーは足を何度も、アズニャンの背中を踏みつけます。

シバ「そろそろ、フィニッシュだ!!!」

カイリキーはアズニャンを持ち上げ、ヘラ太を倒したカイリキバスターの体勢に入ります。

シバ「いっけー、カイリキー!!!」

カイリキーは上空に高くジャンプします。

唯「ああ!」


うい「お姉ちゃん!」

ゆい「……」


???「ピカチュウ、ボルテッカー!!!」

???「ピカ!」

カイリキーは最高点に到着し、地面に落下を始めようとした時、何かがカイリキーのお腹に弾丸のように飛び込んできます。

カイリキー「グパッ!?」

カイリキーはその攻撃でアズニャンを手から離し、カイリキバスターの体勢を解き、2匹は地面に頭から落下を始めます。


アズサ「!?」

私はカイリキーが頭から、落下するのを見て……何かが閃くような……不思議な感覚を感じました。

アズサ「この……感覚は……」

そんなことを思いながら、私も地面に落下しました。


唯「い、一体、何が……」

シバ「邪魔をするのは誰だ!?」

???「私よ」

その声のほうを振り向くと、フードを被った女の人がコツコツと歩いてきました。

シバ「貴様は……何者だ?」

???「何だかかんだと聞かれたら、答えてあげるが世の情けってやつね」
515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 04:19:25.48 ID:91n4e/4R0
その人はローブに手をかけ、ローブを脱ぎます。


律「おい、あいつは……」

紬「タマムシシティで戦ったミュウツーを造った……」

澪「研究者……」

梓「真鍋 和さん!」

憂「和ちゃん!!」

唯「……え、嘘……」

梓「唯先輩……」

梓(きっと、幼馴染に再会して、びっくりしてるんだろうな〜)

唯「まさか、ガーティアンさんの正体が……和ちゃんだったの?」

和「ええ。唯は気づかなかったようだけどね」

唯「でも、私が気づかなかったら、誰も気づかないよね?私達は幼馴染だし!」

和「残念だけど、憂は気づいたわよ」

唯「ほえ!?」

和「梓ちゃんも気づいたわよ」

唯「ええっ!?」

も、もしかして……

唯「気づかなかったのは……私だけ!?」

和「まあ……そうなるわね」

唯「ガーン」

シバ「貴様……俺の邪魔をする気か」

和「もう、その子は戦えないわ。かわりに私が戦うわ」

唯「……和ちゃん」

シバ「……ほう」

シバさんは和ちゃんをにらみます。

シバ「いいだろう。早速、はじめ……」

アズサ「よ、余計なことをするな……です。ま、まだ……私は……戦えます」

アズニャンは何とか、立ち上がろうとします。

シバ「!?」
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 04:21:54.95 ID:91n4e/4R0
???「あれだけの攻撃を受けて……」

???「まだ、立ち上がりますとは……」


シバ「ならば、お望みどおり、トドメをさしてやるわ」

カイリキーはアズニャンに向かっていきます。

和「ピカチュウ!」


ピカチュウ「ピカ!」

ピカチュウはアズニャンの前に立ちます。

アズサ「ね、ねずみに……頼むはいやですけど……ちょっと、耳を貸してください」

ピカチュウ「ピカ?」

アズサ「ゴニョゴニョ」

ピカチュウ「ピカ!」

シバ「無駄だ!」

カイリキーがこちらに向かって、突進してきます。

ピカチュウ「ピカ!」

ピカチュウは迎撃するようにカイリキーに向かいます。

シバ「邪魔だ!」

カイリキーは平手打ちでピカチュウを横に飛ばします。


和「ピカチュウ!?」


シバ「トドメだ!」

カイリキーは再び、カイリキバスターの体勢に入ります。

唯「アズニャン!!」


うい「ど、どうして、離してくれないの、お姉ちゃん!!」

お姉ちゃんの手は震えているのに、目は何かを信じるかのようにアズサちゃんを見据えます。

ゆい「……まあ、落ち着きなよ。きっと……きっと、面白い物が見れるから」

うい「え?」
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 04:25:28.85 ID:91n4e/4R0
カイリキー「リキ!」

カイリキーは上空にジャンプします。

ピカチュウ「……ピカ!」

カイリキーに飛ばされて、気絶したと思った、ピカチュウが目を覚まし、金網のフェンスを登り始めます。

シバ「一体、何をする気だ!?」

カイリキー「リキ!」

カイリキーが最高点に達し、再び、下に落下を始めようとした時、

ピカチュウ「ピカ!」

ピカチュウが弾丸のように電気を纏い、カイリキーのお腹に向かいます。

カイリキー「グバッ」

カイリキーはさっきと同じようにその攻撃でアズニャンを離してしまいます。

シバ「くっ!?」

和「いいわ、ピカチュウ!」


アズサ「今度はそれだけじゃありません!」

今こそのあの感覚……ビジョンを試す時です!私は頭から落下しているカイリキーの両足を持ち、私の右足をカイリキーの左手に置き、私の足とカイリキーの左手、その2つをツインテールでぐるぐると巻きつけます。逆側も同じようにします。

アズサ「うっ……くらっ」

私は眩暈で倒れそうになるのを堪えて、地面に落下を始めます。

アズサ「くらえです!」


律「なんだ、あの技は!」

うい「あれは……ひらさわ家48の殺ポケ技にもない……」

むったん「アズサ殺法52の技にもない……」

ゆい「アズニャンの……オリジナルの必殺技だよ!」
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/11/30(水) 04:31:52.40 ID:91n4e/4R0
ドシーン!!!

アズニャンはその状態でフィールドの真ん中に落下しました。

澪「あの技は空中で相手の両足を掴み……両足で相手の両手の動きを封じ、ツインテールで拘束することでその動きを完璧に封じている。そし
て、頭から落下する」

ニャース「なんて威力にゃ」

唯「この技は……アズニャンドライバーだ!」

梓「アズニャンドライバーって……もう少し、格好いい名前にしましょうよ」

唯「いいの!アズニャンが使ったんだし!」


ゆい「……」

うい「す、すごい……お姉ちゃん、これを知ってて」

ゆい「ううん。でも、アズニャンなら、勝てるって知ってたから」


アズサ「うう……」

アズニャンが技を解くと、カイリキーはドサッと倒れます。

シバ「ば、馬鹿な……」

審判「……カイリキー戦闘不能。アズサの勝利です。シバ選手の手持ちポケモンが全滅のため、唯選手の勝利です」


唯 ネイティオ ひん死 ヘラクロス ひん死 アズサ

シバ カポエラー ひん死 サワムラー ひん死 カイリキー ひん死


第36話終了

アズサ・ ドライバー  かくとう   威力 200/命中100

1ターン目で相手を上に持ち上げ、2ターン目で落下する。3割の確率でまひする
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) :2011/12/01(木) 06:17:13.39 ID:WMDL9JW60
乙!
次回も楽しみだねっ!
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:14:25.40 ID:61g8PhjY0
第37話 『澪VSイツキ 非常なる戦術 イツキの猛攻〜覚醒!アズサ・マインド!!!〜』

審判「……カイリキー戦闘不能。アズサの勝利です。シバ選手の手持ちポケモンが全滅のため、唯選手の勝利です」


観客「わあああああああああああ」

その宣言で観客の人達は大いに盛り上がります。

唯「アズニャン!」

私はフェンスのドアを開け、アズニャンに向かいます。

アズサ「唯先輩……わ、私、やりま……した……ドサッ」

アズニャンは私がたどり着くと、安心したかのように倒れました。

唯「アズニャン!!」

アズサ「スウ……スウ……」

唯「寝てる……」

ニャース「きっと、疲れてるにゃ」

梓「2連戦でしたからね」

シバ「この俺が……負けた……」

シバさんは敗北を信じられないといった感じでこちらを睨みます。

唯「シバさん……」

シバ「……うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

唯「ひゃっ!?」

シバさんはいきなり、大きい声で叫びだします。

唯「い、一体どうしたの?」

シバ「み、認めん……認めんぞ。次こそは……貴様を殺してやる」

シバさんはカイリキーをボールに戻し、フィールドを去ります。


???「……行くのか?」

シバ「……ギロッ」

???「そんな目で睨むな。……元気でいろよ。もう、長くないだろうがな」

シバ「……フン」

シバさんは大きな体でノシノシと去っていきました。

???「やれやれ。まさか、彼まで負けるなんてね」

???「……次は誰が行く?」

???「私が行きますよ」

???「頼んじゃよ」

???「期待してるわ」
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:15:37.61 ID:61g8PhjY0
唯「シバさん。……待って!」

会場を去ろうとする、シバさんは足を止めます。

唯「うん♪たん♪楽しい決闘(バトル)だったよ!次は……残虐バトルじゃなくて……普通に戦おうね!」

シバ「……」

シバさんはそれに答えずに再び、歩き出しました。

唯「シバさん……」

梓「唯先輩……シバさんはきっと大丈夫ですよ」

唯「……そうだね」

???「あなた達にシバさんを心配してる場合じゃありませんよ」

フードを被った男の人が私達に話しかけてきました。

???「さあ、戦いましょうか、平沢さん」

唯「ほわっ!?ま、また、私!?」

梓「……次はわた……」

澪「お前の相手は私だ」

あずにゃんが何かを言おうとしたら、澪ちゃんがそれを遮るように宣言します。

梓「澪先輩!?」

???「君がかい?フフフ、面白いことを言うね」

梓「澪先輩、ここは私が……」

澪「梓は私達の切り札だからな。まだ、戦うべきじゃない。ここは私が戦うよ」

梓「澪先輩……」

唯「……むう」

澪「それに負けると決まってるわけじゃない」

???「フフフ、言いますね。いいでしょう。それではこちらのメンバーはこれです」

相手の人のポケモンはネイティオ、ドータクン、サーナイト、ナッシー、ブーピッグ、ヤドランを見せます。

澪「私は……これだ」

澪ちゃんはスターミー、メガニウム、カメックス、エビワラー、サザンドラ、ピクシーを見せます。

???「では……楽しい決闘(バトル)にしましょう」

澪「ああ。ところで……あなたは?」

???「これはこれは失礼しました。残念ですけど、あなたのような雑魚に名乗る名前は持ち合わせてません」

澪「……」

律「言うな、あいつ」

紬「心理戦はもう、始まってるってことね」

???「まあ、ベスト4のあなたにはサービスで教えておきますよ。私は……」

その人はフードを取ります。

???「私の名前は……イツキです。以後、お見知りおきを」
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:16:38.92 ID:61g8PhjY0
憂「あ、あなたは!!」

和「……」

唯「あれ?憂は会ったことあるの?」

憂「1度だけ……」

イツキ「これはこれはお久しぶりですね。憂さんと……和さんも」

和「……どうも」

イツキ「次は憂さんと戦ってもらいましょうかね」

澪「……」


律「露骨な挑発だな」

紬「まるで、澪ちゃんなんか眼中にないって挑発をしてるわね」


イツキ「それではメンバー決めをしましょうかね。10分後に会いましょう」

イツキさんはフィールドの反対に向かいます。



唯「和ちゃ〜ん、久しぶり〜」

私は和ちゃんに抱きつきます。

唯「それにしても……もっと、早く教えてくれても良かったのに」

和「……事情があったのよ」

唯「むう……」

和「それより、ポケモンセンターに行かないといけないわよ」

唯「そうだった!」

憂「私が行くよ」

唯「え、でも……」

憂「大丈夫。お姉ちゃんは……澪さんの戦いを見たいでしょ?というか、見なきゃ、駄目だよ」

唯「……それじゃ、お願いするね」

私は憂にボールとアズニャンを渡します。

アズサ「Zzzzzz」

憂「気持ちよさそうに寝てるね」

唯「なるべく起こさないでね」

憂「うん」

和「それじゃ、私も一緒に行くわ」

憂「和さんも一緒に見てても……」

和「私も行きたいから行くだけよ。ピカチュウの回復もあるしね」

憂「……なら、いいかな?」

憂と和ちゃんはポケモンセンターに向かっていきました。
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:17:37.79 ID:61g8PhjY0
唯「さて……」

ニャース「どうするにゃ?」

唯「澪ちゃんのところに行こう、ニャー太!ポップコーンを買って!」

ニャース「最後が余計にゃ」


唯「澪ちゃ〜ん」

梓「あ、唯先輩……何を食べてるんですか?」

唯「パクパク。ポップコーンだよ。お腹が減ってね」

梓「はあ……」

律「私にもくれよ」

紬「私もー」

唯「いいよー」

梓「のんきな人たちですね」

澪「いいじゃないか。らしくて」

梓「……そうですね。澪先輩はメンバーは?」

澪「大丈夫だよ。……時間だ」

澪ちゃんは立ち上がります。

梓「澪先輩……」

澪「心配するな」

澪ちゃんはあずにゃんの頭をナデナデします。

梓「ふにゃ……」

澪「私は勝つよ」

梓「澪先輩……」

澪ちゃんはフィールドに向かいます。

イツキ「フフフ」

イツキさんは不適に笑いながら、澪ちゃんを待ちます。
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:18:30.62 ID:61g8PhjY0
唯「……勝つのは澪ちゃん!」

私達はキモオタさん達とペロリストさん達の席に向かって、大きな声を出します。

キモオタ・ペロリスト「「負けるのイツキ!」」

唯「勝者は澪ちゃん!」

キモオタ・ペロリスト・観客「「「敗者はイツキ!」」」

観客さん達も私に続いて言います。

唯「勝者は澪ちゃん!」

キモオタ・ペロリスト・観客「「「敗者はイツキ!」」」


唯「勝者は澪ちゃん!」

キモオタ・ペロリスト・観客「「「敗者はイツキ!」」」

唯「勝者は澪ちゃん!」

キモオタ・ペロリスト・観客「「「敗者はイツキ!」」」

唯「勝者は澪ちゃん!」

キモオタ・ペロリスト・観客「「「敗者はイツキ!」」」

唯「勝者は……」

パチン。

澪「私だ」

唯・キモオタ・ペロリスト・観客「「「「わああああああああああああ!!!!!」」」」


律「ノリノリだな」

紬「そうね」

梓「まさか、澪先輩が……。ジトー」
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:20:17.72 ID:61g8PhjY0
澪「……ハッ。な、何をやらせるんだ、唯!」

イツキ「フフフ、余裕ですね」

澪「ん?」

イツキ「ではサッサと始めましょうか」

澪「そ、そうですね」

澪ちゃんとイツキさんは位置につきます。

審判「両者、準備はよろしいですか?」

澪「はい」

イツキ「いつでもいいよ」

審判「それでは……」

澪・イツキ・審判「「「決闘(デュエル)!!!」」」


澪「来い、カメックス!」

イツキ「来なさい、ドータクン!」


澪 カメックス

イツキ ドータクン


唯「ドータくん?可愛いニックネームをつけたんだね、イツキさんは」

梓「違いますよ。ドータクンって名前です」

ニャース「タイプははがねとエスパーにゃ。ぼうぎょととくぼうが高いから、耐久に優れているにゃ」

唯「なるほど、なるほど」

澪「カメックス、ハイドロポンプ!」

カメックス「ガメッ!」

カメックスは先制をとって、ハイドロポンプをドータクンに仕掛けます。

ドータクン「ドータ!」

ドータクンはその濁流のような勢いの水をかわしきれずに受けます。

唯「あのポケモン、動きが遅くない?」

梓「ドータクンはすばやさが低いですからね」

唯「それじゃ、楽勝だね!」

澪(いや……今までの戦いからしても、こいつも只者じゃないはず)

澪「カメックス、ハイドロカノン!」
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:22:12.30 ID:61g8PhjY0
律「勝負に出たな」

唯「???」

梓「ハイドロカノンは威力がみずタイプの中でもトップクラスなんです」

紬「そのかわりに反動で動けなくなってしまうの」

唯「なるほど。威力が大きいけど、隙ができるってわけだね!」

律「そういうことだな」


ドータクン「ドータ!」

ドータクンに水の大砲が直撃し、ドシンと倒れます。


唯「やったね、澪ちゃん!」

律「……」

紬「……」

梓「……」

唯「あれ?どうしたの?もっと、喜ぼうよ!」

梓「……妙ですね」

唯「ほえ?何で?」

律「カンナさんにしろ、シバさんにしろ、かなりの強さだった」

唯「そうだね!それを私は倒したんだよ!エッヘン!!」

紬「だからこそ……この人にはあの2人のような強さがないというか……」

梓「何かを隠してるような気がします」

唯「う〜ん……でも、澪ちゃんは私よりも強いから相手が弱く感じるかもしれないよ!」

律「だといいんだが……」



カメックス「カメ……」

ドータクン「ドータ」

ドータクンは平然と立ち上がります。

澪「……」

イツキ「フフフ、あなたのカメックスは反動で動けませんか?……なら、、待ちましょうか」

澪「!」


唯「あの人、親切だね!」

梓「違います。あれは……」

律「澪を格下としてみてるってことだな」


澪「……」

カメックス「カメッ!」

イツキ「フフフ、動けるようになりましたね。では決闘(バトル)の続きを始めましょう」

澪「……ああ」
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:23:18.94 ID:61g8PhjY0
澪「……」

カメックス「カメッ!」

イツキ「フフフ、動けるようになりましたね。では決闘(バトル)の続きを始めましょう」

澪「……ああ」

そう答えますが、カメックスは動こうとしません。


イツキ「遠慮はいりませんよ?」

澪「……どうして、手を抜くんですか?」

イツキ「ん?」

澪「どうして、本気でかかってこないんですか!」

イツキ「……当たり前じゃないですか」

怪しげな仮面を人差し指で直しながら、嘲るように言います。

イツキ「弱い相手に全力で戦うわけはないでしょう」

澪「……」


唯「おおっ!りっちゃん達の言ったとおりだ!」


澪「……随分な、言い方ですね」

イツキ「失礼。ですが、本気で戦ってほしいなら……少しだけ、真面目に戦いましょうか」

澪「……すぐに本気にさせてやる」

イツキ「それはどうですかね?……もう、戦いは始まってますよ?」

澪「!?」

フィールドは何か別の空間のような……雰囲気が変わりました。


???「くっくく」

???「相変わらずね」


澪「……カメックス、ハイドロポンプ!」

カメックスは攻撃に転じますが……。
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:25:36.93 ID:61g8PhjY0
唯「あれ?さっきよりも遅くなってない?」

律「まさか……」

梓「やられましたね」


ドータクン「ドータ!」

ドータクンは素早く、ハイドロポンプを避けます。

イツキ「ドータクン、サイコキネシス!」

ドータクン「ドータ!」

ドータクンは強い念力でカメックスを持ち上げ、地面に叩きつけます。

澪「くっ……」

イツキ「油断しましたね。下らないプライドのためにね」

イツキさんは嘲るように澪ちゃんに言います。

イツキ「所詮、あなたなんて……いえ、本来なら、ここにいるすべてのトレーナーは私達の相手にもならないでしょう!!!」

イツキさんは会場全体に力強く宣言します。


律「ほう……」

梓「……言いますね」


イツキ「だが……私達にも誤算がある。それが……人型ポケモンの存在です」


ゆい「私達の存在が誤算なんだって」

うい「照れちゃうね」


イツキ「思えば……ヘッポコトレーナーがカンナさんやシバさんを敗れたのも……人型ポケモンであるアズサのおかげといった方がいいでしょうね」


ゆい「アズニャンが褒められた!」

唯「わーい!わーい!」

梓「いや、唯先輩は貶されてますからね!?」


イツキ「したがって……人型ポケモンのいないあなたには私達に対抗できるわけがありません」

澪「なんだと!?」

イツキ「あなただって、身にしみてるでしょう?カントーでもジョウトでも人型ポケモンのひらさわ姉妹に敗れているんですからね!!!」

澪「!?」

イツキ「あなただって、分かっているでしょ?私達に勝てるほどの強さはないということが」

フィールドではカメックスがドータクンにサイコキネシスで何度も、何度も、叩きつけられます。

澪「……」
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:26:59.53 ID:61g8PhjY0
???「あいつの心は折れたか……」

???「怖いのう、あいつのポケモン決闘(バトル)は」

???「それが奴の取り柄だからな」

???「だけど……これは他のトレーナーにも効くわね」


澪(私じゃ、勝てないのか……)

イツキ「フィニッシュです!」

ドータクンはカメックスを今までよりも、高く持ち上げ、地面に叩きつけ、気絶しました。

審判「カメックス、戦闘不能。ドータクンの勝利です」


澪 カメックス ひん死

イツキ ドータクン


澪「……」

イツキ「どうしましたか?サッサと次のポケモンを出してくださいよ」

澪「……私は……」


梓「……唯先輩」

唯「……うん」

私は声を張り上げて、叫びます。

唯「勝者は澪ちゃん!」

りっちゃん達は驚いたように私のほうを見ます。そして、それを無視するかのようにあずにゃんが続けます。

梓「敗者はイツキ!」

唯「勝者は澪ちゃん!」

梓「敗者はイツキ!」


澪「……唯、梓」


キモオタ「……ハッ。お、俺達も続くぞ」

ペロリスト「そうだ!戦ってるのは澪ちゃんだけじゃないって事を見せてやる!」


唯・律・紬「「「勝者は澪ちゃん!!!」」」

梓・キモオタ・ペロリスト・観客「「「「敗者はイツキ!!!」」」」

唯・律・紬「「「勝者は澪ちゃん!!!」」」

梓・キモオタ・ペロリスト・観客「「「「敗者はイツキ!!!」」」」

唯・律・紬「「「勝者は澪ちゃん!!!」」」

梓・キモオタ・ペロリスト・観客「「「「敗者はイツキ!!!」」」」


澪「……皆」
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:28:27.08 ID:61g8PhjY0
???「……まずいな」

???「は?まだ、こっちが有利よ」

???「そうともかぎらんな。スタジアムの雰囲気がかわったからのう」

???「たしかに。この雰囲気から劣勢を逆転したケースはいくらでもあるわね」

???「それに見ろ。あいつの目を」


澪「……よし!」


???「……よみがえったな」

???「ええ」


イツキ「……うるさいな」

澪「ん?」

イツキ「何でもありません。さあ、盛り上がってまいりましたし、決闘(バトル)の続きをはじめましょう!」

澪「……ああ!」

澪ちゃんはボールを構えます。

澪「来い、スターミー!」

澪ちゃんの次のポケモンにスターミーを出しました。


澪 カメックス ひん死 スターミー

イツキ ドータクン


唯「頑張れ、澪ちゃん!」

澪「ああ!」

イツキ「……ドータクン」

ドータクンは光を一点に集中させます。

澪「あれは……ラスターカノン」

イツキ「そのとおりです。いきなさい、ドータクン!!」

ドータクンはラスターカノンを発射しました。そのラスターカノンは澪ちゃんのスターミーに……ではなく、私に向かって、飛んできま
す。……ってわ、私!?

唯「あ、あわわわ……」

律「よ、避けろ、ゆ……」

梓「危ない!!」
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:30:47.91 ID:61g8PhjY0
ドン!

私はあずにゃんに突き飛ばされます。

バシンッ!!!

ラスターカノンは小さくて可愛いあずにゃんをゴムまりのように跳ねながら、飛ばしました。

唯「あ、あずにゃん!」

私達はあずにゃんに駆け寄ります。

澪「あ、梓!」

イツキ「これは失礼しました。さっきの応援で、ついつい、焦ってしまいましてね」

澪「……お前!」

イツキ「2度と、こんなミスがないようにしますよ。ただ……また、あの大歓声が起こったら……また、ミスをしてしまうかもしれませんね」

イツキさんが観客席を睨むと、応援をしていた人達がピタリと止まります。


???「やるわね。この大歓声を……」

???「すぐに黙らせたわね」


律「あ、梓!しっかりしろ!」

梓「……うう」

純「とりあえず、病院に運びましょう!た、担架をお願いします!」

係員「あ、ああ」

唯「あ、あずにゃん。ご、ごめんね、わ、私がボーッとしてたから……」

紬「唯ちゃんのせいじゃないわ。悪いのは……」

ムギちゃんはイツキさんを睨みます。

イツキ「これはこれは随分な言い草ですね。ただの事故ですよ」

澪「……スターミー、ハイドロポンプ!!!」

スターミーはハイドロポンプを素早く、発射します。

澪「トリックルームは切れた……。……よくも、梓を!お前は、絶対に倒す!!!」

イツキ「できますかね、あなたに。ドータクン、ラスターカノン!!」

澪「避けろ、スターミー!!」

スターミーは素早い動きで、ラスターカノンをかわします。

イツキ「フフフ、素晴らしい動きです。まさに……こちらの予定通りです!」

澪「なっ!?」

ドータクンのラスターカノンが今度は私にではなく、あずにゃんに向かってきます。

唯「こ、今度はわ、私が!」

律「どいてろ、唯!」

りっちゃんが私と競うようにあずにゃんの前に立ちます。

唯「うう、りっちゃんが!」

律「いや、ここは私が!」

紬「……邪魔!」

ドンッ!!!

私とりっちゃんはムギちゃんに思いっきり、横に飛ばされます。
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:32:11.27 ID:61g8PhjY0
律「ムギ!」

紬「……ん!!」

ムギちゃんは覚悟したかのように目を瞑ります。……その時。

梓「……邪魔です」

ムギちゃんは誰かに後ろから、横に飛ばされます。そして……。

梓「グバッ」

唯「あ、あずにゃん!」

ラスターカノンは再び、小さくて可愛いあずにゃんをゴムまりのように跳ねながら、飛ばしました。


純「梓!」

係員「担架をもってきました!」

純「遅いですよ!」

唯「あずにゃん!」

律「どうして、こんな無茶を……」

梓「……も、もうすこし、かんがえてくだ……さいよ。ここで……皆さんがやられたら……誰が残り、4人を……倒すんですか!」

紬「梓ちゃん……」

律「梓……」

唯「ぐす、あずにゃん……」


イツキ「残り4人とは心外ですね。私はここで負けますか」

澪「……梓」


純「さあ、早く、病院に!」

律「あ、ああ……」

ゆい「あ、あずにゃん!よくも……よくもあずにゃんを!」

梓「お、落ち着いて下さい、ゆい先輩……私は大丈夫ですから」

律「もう、しゃべるな」

りっちゃんはあずにゃんを担架に乗せます。

唯「早く、病院に……」

律「唯は残れ」

唯「え?私は……」

律「お前はここにいて、澪を応援しろ」

唯「……分かった!」

りっちゃん達はあずにゃんを病院に連れて行きました。

ニャース「なんていう決闘者(トレーナー)……いや、決闘者(トレーナー)というのも嫌にゃ。なんていう奴にゃ」

唯「……うん!絶対に許せないよ!頑張れ、澪ちゃん!!」
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:33:23.17 ID:61g8PhjY0
イツキ「フフフ、1人残りますか。そして、懲りずに応援をしてますね」

澪「や、やめろ、唯!」

イツキ「フフフ、しかし、あなたも無力な人ですね。後輩1人も守れないとは」

澪「……」

イツキ「まあ、あなたにとってはどうでもいい存在だったってことでしょうね」

澪「そ、そんなことはない!」

イツキ「でも、他の先輩方は体を張って、梓さんを守りました。あなたはどうですか?」

澪「それは……」

イツキ「あなたは最初の……『不幸』な事故を見たでしょ?2回目もあるかもしれない。そんなことも考えなかったんですか?」

澪「それは……」

イツキ「無力ですね〜、あなたは。まあ、実際、あなたにはどうでもいいことでしょ?彼女達のように後先も考えずに、体を張って守ろうともしないんですからね。あなたにとってはその程度の存在なんですよ。彼女はね」

澪「わ、私は……」


???「なんて奴だ」

???「1度、心が折れて……再び、立ち直った心をもう1度、へし折ったわ」

???「やりおるのう」

???「もう、やつは……戦えないな」
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:34:31.37 ID:61g8PhjY0
唯「頑張れ、頑張れ、澪ちゃん!」

イツキ「おやおや。あなたも学習しませんね。また、不幸な事故が起こるかもしれませんよ」

唯「ふ、ふん!私はあなたなんかに負けないよ!」

イツキ「そうですか。では……ドータクン、ラスター……」

澪「……はっ。スターミー、ハイドロポンプで動きを……」

スターミーはハイドロポンプを出そうとしますがスターミーの動きが遅くなっています。

澪「これは……」

イツキ「フフフ、学習しませんね、あなたも」

ニャース「また、トリックルームにゃ!」

唯「さっきの間に……卑怯者!」

イツキ「フフフ、立派な作戦だといってほしいですね。さあ、ドータクン!」

ドータクンのラスターカノンがスターミーを直撃します。

スターミー「ミー!」

澪「スターミー!」

イツキ「弱い、弱すぎですね!」

澪「くっ……」

唯「むう……」

イツキ「手ごたえがなさ過ぎますよ。ドータクン、シャドーボール!!」

倒れているスターミーにドータクンがシャドーボールを発射します。

スターミー「フー!」

スターミーはシャドーボールが直撃し、空中に跳ね上がり、地面に落下し、気絶しました。

審判「スターミー戦闘不能。ドータクンの勝利です」


澪 カメックス ひん死 スターミー ひん死

イツキ ドータクン
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:35:45.38 ID:61g8PhjY0
憂「澪さん、大丈夫かな?」

和「さあね。でも……楽に勝てる相手じゃないわ」

憂「そっか」

和「……こうやって、のんびり話すのも久しぶりね」

憂「クス。そうだね」

和「……悪かったわね、今まで」

憂「気にしてないよ」

和「そう言ってくれると助かるわね」

憂「ねえ、和ちゃん」

和「ん?」

憂「この戦いが無事に終わったら……」

律「急いでください!」

スタジアムに到着しそうになったとき、担架で誰かが運び込まれてました。あれは……。

憂「あれは……梓ちゃん!」

私達は駆け寄ります。

憂「あ、梓ちゃん!」

律「あ、憂ちゃんに真鍋さん」

和「和、でいいわ」

律「分かった。実はかくかくしかじか」

憂「そんな……」

ゆい「わーん、あずにゃーん!しっかりしてー」

律「落ち着け、ゆい」

純「それで、今から、病院に……」

憂「わ、私達も……」

和「そうね。でも、唯は?」

紬「唯ちゃんは澪ちゃんの戦いを見てるわ」

純「応援しませんと」

憂「そうだね」

律「……こんだけいればいいだろ」

律さんは突然にそんなことを言い出しました。

憂「えっ……」

紬「りっちゃん……」

律「私は戻るから……皆は病院に行ってくれ。ちょうど、救急車もきたし」

たしかにピーポーピーポーとサイレンの音が近くなっています。

紬「りっちゃんは……」

律「私は……」

律さんはスタジアムの方を見ます。

律「倒さなきゃいけない奴らがいるんでね。……借りるぞ、梓」

律さんは梓ちゃんのボールを手に取ります。
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:37:23.26 ID:61g8PhjY0
律「梓が起きたら、謝っておいてくれ。それから、憂ちゃん。唯のポケモンを」

憂「あ、はい」

紬「……分かったわ」

律さんはスタジアムに戻っていきました。

憂「このまま、行かせてもよかったんですか?」

紬「止めても無駄……よ」

和「そうね。彼女の目から……揺るぎない覚悟を感じたわ」

ゆい「……ダッ!」

紬「あ、ゆいちゃん!」

ゆい「わ、私も行くね!」

紬「……頑張ってね!」

ゆい「うん!」

紬「……」

救急隊「怪我人の方は?」

紬「あ、この人です!」

紬さんが救急車に乗って、私達も病院に向かいました。


スタジアム


唯「……澪ちゃん」

イツキ「さて……次は唯さんですか」

唯「む……まだ、澪ちゃんは負けてないよ!」

イツキ「ふふふ。そうですね。『まだ』負けてないですね」

唯「むー!!」

ニャース「落ち着くにゃ」

澪「……」

イツキ「やれやれ。どうしましたか?早く、次のポケモンを出してください」

澪「……わ、私は」

唯「澪ちゃん……」

そうだよね。あずにゃんのことも心配だし……よし!

唯「大丈夫だよ、澪ちゃん!あんな奴、私が簡単に倒してあげるから!自信を持って、戦いなよ!」

澪「……唯」

イツキ「やれやれ。ヘッポコトレーナーに慰められるとは。つくづく、ベスト4とは飾りなんですね」

澪「……」
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:39:00.92 ID:61g8PhjY0
唯「私はヘッポコトレーナーじゃないよ!あなたの仲間達を2人も倒してるし!」

イツキ「そうでしたね。ですが……私と戦ってもいいんですかね?」

唯「ほへ?」

イツキ「もし……もしですよ。あなたの可愛い妹さんが……あなたが戦うことによって、例えば、強姦にあったり……あなたが戦うことで、あなたの愛しい梓さんと同じようなことが起こるかもしれません」

唯「う、憂に何をする気なの!そ、そんなこと私がさせないよ!」

イツキ「フフフ、そんなこと無理ですよ。だって……梓さんがああなったのは元々、あなたがボケーッとしてるからでしょ?そんなあなたに何ができるんですか?」

唯「それは……」

イツキ「それにですね……憂さんや和さんもすでに私の仲間の手の内に落ちてるかもしれませんね。あなたが私に牙を向くなら……どうなるか分からないかもしれません」

唯「うう……」

澪(……こいつはもう、私なんて眼中になく……次に戦うであろう、唯の心を揺さぶっている。本来なら、嘘だって分かりそうだけど……梓へ
の2回の行為を見ると……本当にやるんじゃないかと思ってしまうわけだ)

イツキ「こんなところでこんなトレーナーを応援してる暇があるなら……2人を探した方がいいんじゃないでしょうかね?」

唯「うう……」


???「なるほど。本当に潰したいのは……澪の反撃の目か」

???「1人になって……仲間がいなくなれば……」

???「孤独と仲間、いえ、愛しい人が自分のせいで傷つけられた罪悪感から……立ち直れず、ということか」
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:40:34.51 ID:61g8PhjY0
律「そうは問屋がおろさないよ」

唯「あ、りっちゃん!」

イツキ「む!」

律「憂ちゃん達なら、途中で会って、病院に行ったよ。ほら、モンスターボールとアズサ」

アズサ「唯先輩!」

唯「おおっ!アズニャン!ギュウ〜」

アズサ「♪」

律「状況は?」

ニャース「あんまりよくないにゃ」

ゆい「そっかー」

律「やっぱり、きびし……って、何でお前がいるんだよ!」

ゆい「だって、りっちゃんはあずにゃんのポケモンを持っていったでしょ?私もあずにゃんのポケモンだし!ちゃんと持っていかないとね」

律「そうだけどさ……」

ゆい「それに……私だって、黙ってるわけにはいかないよ!」

律「……そうだったな」


イツキ「まあ、仲間が戻ってこようがあなたの敗北にはかわりがない。早く、次のポケモンを出しなさい」

澪「私は……サザンドラだ」


澪 カメックス ひん死 スターミー ひん死 サザンドラ

イツキ ドータクン
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:42:24.13 ID:61g8PhjY0
イツキ「いずれはあくタイプのサザンドラが出てくるとは思ってましたがね。予想通りです」


唯「???」

ニャース「エスパータイプの攻撃はあくタイプには効かないにゃ。あいつの手持ちポケモンは全部にエスパータイプが入ってるにゃ」

唯「なるほど!」


イツキ「やれやれ。予想通りとはいえ……最後にそんなポケモンを取っておくとは……つくづく人が悪い」

澪「そうやって、話してる間にトリックルームを発動させる気だろ。もう、そんな手は通じない。サザンドラ、あくのはどう!」

サザンドラは体からオーラを発生させて攻撃をしようとしますが……

唯「う、動きが……」

律「遅い……」

イツキ「ふふふ、すでにトリックルームを発動させていたんですよ。実に甘いですね、あなたは!」

ドータクン「ドータ!」

トリックルームの効果で動きの素早くなったドータクンはその攻撃をかわします。

澪「くっ……」

イツキ「やれやれ。あなたは本当に梓さんのことがどうでもいいんですね?」

澪「なんだと!」

イツキ「フフフ、もっと、後先考えずに向かってきたらどうですか?怒りに任せてね。冷静と言えば、聞こえはいいですけど、実際はどうでもいいんでしょ?少なくとも、唯さんや律さんなら、そうしたでしょうね」

澪「私は……」

イツキ「今だって、サッサと私を倒して、病院に様子を見に行こうとも考えないんですか?」


???「怪我させておいてよく言うのう」


イツキ「あなたにとって……梓さんなんて、どうでもいい存在なんでしょ?」

澪「……」


唯「澪ちゃん……」

律「澪……」
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:44:33.64 ID:61g8PhjY0
澪(こいつに何が分かる!こいつに私の気持ちの何が分かる!ずっと、ずっと、留めておいた気持ちが!こいつにだけは負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない)

澪「ドサッ」

澪ちゃんは膝をつきます。

イツキ「あなたは私に負け、人型ポケモンにも負け、仲間にも梓さんへの想いで負けました。さあ、敗北を宣言しなさい!高らかに!」

澪(負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない、負けたくない。 こいつにも、鈴木さんや真鍋さんや憂ちゃん。ムギにも、律にも、ゆいにも!!!そして……)

ジョウトに来て、知り合った唯の笑顔が頭に浮かぶ。そして、その唯に迷惑そうにしていても、優しそうに笑う梓の姿も。

澪(……唯にも!!!そのためにも……私は……限界を超えたい!!!)

そして、私の意識は遠くなった。


イツキ「フフフ、立ち上がる気力もありませんか。なら、私がトドメをさしてあげますよ!ドータクン!!!」

ドータクンはサザンドラにラスターカノンを発射しようとします。


律「おい、澪!」

ニャース「まずいにゃ……。まだ、トリックルームの効果は続いてるにゃ」

唯「え、ということは……」

ゆい「どういうこと?」

唯・ゆい「「???」」

律「いや、お前も分からないんかい」

ニャース「まだ、サザンドラの動きが遅いということにゃ!!」

唯・ゆい「「おおっ!」」
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:46:46.53 ID:61g8PhjY0
イツキ「これでおしまいです!」

ドータクンのラスターカノンが発射され、サザンドラに命中した……かと思ったら、寸前にサザンドラの姿が掻き消えます。

イツキ「!?」


律「なんだ、今のは……」

唯「あれは……残像だよ!」

律「それは見れば、分かる。本体は……」


サザンドラ「ドラ!」

ササンドラはドータクンの背後に現れます。

イツキ「なんだと!?」


律「は、速い!?」

ニャース「「いつの間ににゃ!?」


サザンドラ「ドラ!」

サザンドラは悪意に満ちた強力なオーラで攻撃する、今まで見たことのない威力の高いあくのはどうを繰り出します。

ドータクン「ドータ!」

ドータクンはその攻撃を直撃し、地面に叩き付けられながら、転がります。

イツキ「こ、これは……」


唯「一体、どうしたんだろ?」

律「……見てみろ、サザンドラを」

唯「え?」


サザンドラ「ドラ……」

サザンドラからは何か、オーラが出ています。……あの感じは!!

唯「あのオーラは……あずにゃん分!?」

ニャース「どうして、分かるにゃ」

唯「私の嫁だから!フンス」

律「……まあ、それはともかく、あの急激なパワーアップは……」

ゆい「……アズサ・マインドの境地だね」

唯「ほえ!?あ、アズサ・マインドの境地!?」

アズサ・マインドの境地。それは体内のあずにゃん分によって、体内に存在する潜在能力や身体能力とかを極限にまで高める、アズリストが至れる究極の奥義ともいえるもの。それを……。

唯「ど、どうして、サ、サザンドラが……」

律「……いや、よく見てみろ」

唯「え?」
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:47:40.07 ID:61g8PhjY0
澪『……』

律「……アズサ・マインドの境地に達してるのは澪だ」


イツキ「な、何なんだ、こいつは!」

澪『……』

澪ちゃんはドータクンに指を指します。すると……

サザンドラ「ドラ!」

オーラに満ちた、サザンドラのあくのはどうが再び、ドータクンに命中し、ドータクンは気絶しました。

審判「ドータクン、戦闘不能。サザンドラの勝利です」


澪 カメックス ひん死 スターミー ひん死 サザンドラ

イツキ ドータクン ひん死


イツキ「な、何なんだ、こいつは!」

澪『……手が震えてますよ』

イツキ「!?」

澪ちゃんの指摘通り、イツキさんの手はガクガクブルブルと震えています。

澪『早く、次のポケモンを出してください』

イツキ「くっ……ナッシー!」


澪 カメックス ひん死 スターミー ひん死 サザンドラ

イツキ ドータクン ひん死 ナッシー
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:49:06.68 ID:61g8PhjY0
イツキさんは次にナッシーを出してきました。

唯「それにしても……どうして、澪ちゃんが……」

律「そうだな。今まで、ゆいとういちゃんしか使えなかった技をどうして澪が……」

ゆい「何も不思議なことはないよ」

ゆいちゃんは冷静に言います。

ゆい「『あずにゃんには無限の可能性がある』……つまりはそういうことだよ」

唯・律「「!?」」

ゆいちゃんの一言に私とりっちゃんはハッとします。

律「そうだった……」

唯「私達は重要なことを忘れていたね……」

『あずにゃんには無限の可能性がある』

こんなことも分からなかっただなんて……

唯「アズリスト失格だよ……」

ゆい「気に病むことはないよ!」

ゆいちゃんはポンポンと私の足を叩きます。

ゆい「これからも精進しなさい。フンス」

唯「……はい、師匠!!」

さすがは伝説のアズリストだね!


ナッシー「グバッ」

審判「ナッシー戦闘不能。サザンドラの勝利です」


澪 カメックス ひん死 スターミー ひん死 サザンドラ

イツキ ドータクン ひん死 ナッシー ひん死


そんなことを話してる間に、澪ちゃんは追いつきました。
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:50:14.74 ID:61g8PhjY0
イツキ「な、何なんだ、お前は!」

澪『……』

イツキ「くっ。最後は……こいつだ!」

イツキさんはサーナイトを出します。


澪 カメックス ひん死 スターミー ひん死 サザンドラ

イツキ ドータクン ひん死 ナッシー ひん死 サーナイト


イツキ「サーナイト、きあいだま!」

サーナイトはサザンドラが動き出す前に先制をとって、きあいだまを発射します。

律「まずい!あれは……」

ニャース「サザンドラの弱点にゃ!」

ドーン!

その一撃はサザンドラに直撃します。……しかし。

サザンドラ「……ドラ」

イツキ「無傷だと!?」

澪『……サザンドラ。アブソリュート・パワー・フォース!!!』

サザンドラの鋭く重い炎を纏った拳の一撃がサーナイトを直撃し、サーナイトは気絶しました。

審判「サーナイト戦闘不能。サザンドラの勝利です。イツキ選手のポケモンは全滅。秋山 澪選手の勝利です」



澪 カメックス ひん死 スターミー ひん死 サザンドラ

イツキ ドータクン ひん死 ナッシー ひん死 サーナイト ひん死
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:51:27.39 ID:61g8PhjY0
イツキ「この私が……」

サザンドラ「ドラ!」

澪ちゃんは決闘(バトル)が終わっても、サザンドラをボールに戻そうとしません。

律「おい、澪……」

澪『……梓が世話になったな。サザンドラ!!!』

唯「み、澪ちゃん!」

律「澪!それは駄目だ!」

イツキ「ひいいいいいいいい」

イツキさんは頭を抱えて、しゃがみこみます。

澪『……ばーか』

サザンドラはイツキさんにむか……わずに、澪ちゃんのボールに戻ります。

唯「澪ちゃん……」

律「びっくりさせるなよ……」


???「やれやれ」

フードを被った人がフィールドに入ってきます。

???「無様じゃな」

イツキ「……覚えてろ!」

イツキさんはフィールドを駆け下り、逃げ出しました。

???「やれやれ」
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/03(土) 05:53:20.66 ID:61g8PhjY0
澪『……』

律「やったな、澪!」

私達は澪ちゃんに駆け寄ります。

唯「すごいな〜。さすがは澪ちゃんだね!……澪ちゃん?」

澪ちゃんはいきなり、グラッと倒れました。

律「おい、澪!」

澪ちゃんは突然倒れ、りっちゃんに支えられます。

律「だ、大丈夫か?」

澪「……ぐー」

律「……寝てる」

ゆい「アズサマインドの境地は0を100にするんじゃなくて、1を100にするもの。体に負担がかかって、疲れても仕方がないことだよ」

唯「なるほど」

律「おい、唯」

唯「ん?なに、りっちゃん」

律「澪を頼んだ」

唯「ほへ?」

りっちゃんは澪ちゃんを私に預け、フィールドに行きます。

唯「りっちゃん、私が……」

戦いたい!と言いかけたところをりっちゃんに止められます。

律「唯は2回も戦ってるだろ?それに……」

りっちゃんはフィールドに立っているフードの人を睨みます。

律「……怒ってるのは澪だけじゃないぜ」

ゆい「よし!行こうか、りっちゃん!」

ゆいちゃんも「フンス、フンス」と気合を入れて、フィールドに向かいます。


???「さっきの戦いはすまなかったのう」

律「……ふん。本当に謝る気があるんだか」

???「あれはあいつが勝手にやったことで私達の感知するところじゃないんじゃよ。これは本当じゃ。……もっとも」

相手の人は一呼吸入れます。

???「すぐに全員、あの子と同じように死ぬことになるんじゃがのう」

律「……梓はまだ、死んでないぞ」

???「ほっほほ。それはすまんかった。では……」

そのフードの人は不敵に笑いながら、こう言った。

???「楽しもうか、私達の決闘(バトル)を。なあ、田井中 律よ!!!」


第37話終了
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/03(土) 13:49:19.17 ID:3f7IlUMDO
なんかよく意味が分からなくなってきた
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) :2011/12/04(日) 00:30:49.53 ID:WX6F0o0o0
ちと、妄想しにくくなってきた・・・・・ww
このシリーズを漫画にしてみると、なかなかの出来になるかもねww

とりま、乙
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [saga]:2011/12/04(日) 05:51:34.32 ID:BzxI6fFr0
やっぱり、週2は無理そうなので、土曜日の朝に投下します。
……本当にこれ、けいおんでやる必要があるのだろうか
550 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) :2011/12/04(日) 20:12:24.50 ID:+EPMw/tH0
乙!
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) :2011/12/07(水) 10:58:41.35 ID:bgQpcoD/0
>>549 さん
 俺も、土曜日投稿のほうをお勧めするよww

 >本当にこれ、けいおんでやる必要あるのだろうか
あくまで俺の考えだけど、どんなSSも絵が無い時点で基本的にどんな作品でも当てはまると思う
(もちろん、SSの内容とアニメの雰囲気がミスマッチなのはアウトだけどww)
だから、けいおんでやる”必要”はない。けど、他のアニメでやらなきゃならない”必要”も無いと思うから・・・・・とりま、そういう細かいことは心配しなくて良いんじゃない?
552 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/10(土) 05:49:02.48 ID:sypKsLpj0
>>551
ありがとうございます

次から投下

第38話 『律VSキクコ 忍び寄る影の攻撃〜サクサク、次にいきましょう〜』

???「さて……勝負を早速始めようじゃないか」

律「その前に……あなたの名前を教えて下さいよ」

???「そうじゃったな……。私の名前は」

相手の人はフードを取ります。

???「私の名前はキクコじゃ。よろしくのう、お若いの」

律「……」

キクコ「どうして、私みたいな年寄りがこんな馬鹿な革命みたいなことに参加しているか不思議かい?」

律「まあ……そうだな」

キクコ「長く生きすぎたからかね……人間の嫌なところもたくさん見てきたんだよ。人間にはうんざりしてたからね……。それに……」

キクコさんは少し、達観してるかのような目をします。

キクコ「最後の余生を……無謀な若者の野望に付き合うのも悪くないじゃないか」

律「はあ……」

うーん、年を取るといろいろなことがあるんだね。

キクコ「それじゃ、私のメンバーじゃよ」

キクコさんはメンバーを見せます。キクコさんのメンバーはゲンガー、ムウマ、アーボック、クロバット、ベトベトン、フシギバナです。

律「私のメンバーは……これだ」

りっちゃんはリザードン、プテラ、ハッサム、ニューラ、オーダイル、そして……。

ゆい「私だよー」

ゆいちゃんを見せます。

キクコ「ほう……ほとんど、あの嬢ちゃんのポケモンか……」

律「本当はあいつと戦うと思ってたんだが……澪が勝ったからな。まあ、借りてきたわけだし、使わないとな」

キクコ「ククク、あの嬢ちゃんの覚醒ぶりには驚かされたよ。それじゃ、10分後に」

律「ああ」

りっちゃん達はメンバーを決めるためにベンチに下がりました。
553 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/10(土) 05:50:52.70 ID:sypKsLpj0
律「今回のメンバーはゆいは使わないから」

ゆい「うん、分かっ……ええっ!!」

りっちゃんのいきなりな発言にゆいちゃんは有名な海鮮家族の婿養子のような驚き方をします。

律「まだ、残りのメンバーにゆいの力は見せるべきじゃない」

ニャース「にゃるほど。でも、メンバーにいるだけで、十分に相手は警戒してくれるというわけにゃ」

律「そういうこと♪ それに相手にゆいの戦闘を見せたくないしな」

ゆい「……分かったー」

ゆいちゃんは納得はしてないけど、しぶしぶといった感じに承諾をしました。

律「ところで、澪は?」

唯「寝てるよー」

澪ちゃんはさっきから、グーグーと気持ちよさそうに寝ています。

唯「……それにしてもさー」

律「ん?どうした?」

唯「澪ちゃん、胸、大きいねー」

律「……まあ、そうだな。なんだ?梓から澪に鞍替えか?」

唯「違うよ!失礼だよ、りっちゃん!私は男の人と違って、胸だけで好きとかを決めないよ!!!」

律「とりあえず、全世界の男の人に謝ろうな。で、それがどうしたんだ?」

唯「いやさ……」

モミモミ。

唯「これだけ、私の胸も大きかったらさ……」
554 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/10(土) 05:52:05.23 ID:sypKsLpj0
妄想

梓「ねえ、唯先輩」

唯「なんだい、あずにゃん」

梓「あ、あの……その……」

唯「何か、相談事?何でも、この唯先輩に任せなさい!」

梓「あの……えーと……唯先輩の胸でパフパフさせてください!!」

唯「ほえっ!?」

梓「……や、やっぱり、無理ですよね!」

唯「……ううん。……あずにゃんなら、いいよ」

梓「……え」

唯「いつでもいいよ」

梓「そ、それでは……」

ぱふぱふぱふぱふ。

唯「ど、どうかな……」

梓「と、とっても、気持ちいいです……。大好きな唯先輩にこんなことされて……」

唯「え、大好き!?」

梓「あ、いえ、今のは……。アセアセ」

唯「……私も」

梓「気持ちよくて、本音が……って、違くて!!」

唯「私も……。あずにゃんのことが大好きだよ!!結婚しよう!!」

梓「……えっ!」

唯「もう1度、言うよ。あずにゃんのことが大好きだよ!!結婚しよう!!」

梓「唯先輩……はいっ!!!」


妄想終了
555 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/10(土) 05:53:24.25 ID:sypKsLpj0
唯「とかになってさ!キャッ、キャッ」

律「いや……どんな状況だよ」

律(似たような話を澪もしてたなー)

唯「あるいは!あるいは!」

妄想

梓「ゆ、唯先輩……」

唯「なんだい、あずにゃん。相談事かい?」

梓「あの……唯先輩みたいに胸が大きくなるにはどうしたらいいんですか!!!」

唯「うーん……あずにゃんは小さくても可愛いよー」

梓「で、でも……女としてですね、もう少し大きくなりたいなーって……」

唯「……ピカーン!!」

梓「どうしたんですか?」

唯「何でもないよー。それより……私が揉んであげるよ」

梓「は、はい!?」

唯「胸はねー、揉むと大きくなるっていうよー」

梓「え、でも……それは……」

唯「大丈夫、大丈夫!唯先輩に任せなさい!」

梓「そ、それでは……お、お願いします」

唯「よし!」

ペタペタ、ペタペタ。

唯(ふおおおおおおおおおおおおおお、あずにゃんのちっぱいいいいいいいいいいいい)

梓「あっ……。ど、どうですか?」

唯「最高だね!」

唯(名残惜しいけど……ここまでにしよう。これ以上は私の理性が……)

唯「よし!おしまい!」

梓「えっ?」

唯「効果が出るといいね」

唯(出てもらっちゃ困るけどねー)

梓「あの……唯先輩」

唯「ん?どうしたのー?」

梓「唯先輩に胸をもまれて……、エッチな気分になっちゃいました。だから……その……その先をですね、……責任を取ってください」

唯「………」

梓「や、やっぱり、迷惑ですよね。す、すいません、今のは……」

唯「う、ううん。びっくりしちゃっただけだよ!……いいよ、責任とってあげる!結婚しよう!」

梓「はい!」


妄想終了
556 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/10(土) 05:54:12.38 ID:sypKsLpj0
唯「こんな展開もあるよね!」

律「相手のメンバーで危険なのは……ゲンガー、クロバットかな?」

ニャース「ベトベトンもある意味、危険にゃ。ほのおタイプの技を何気に使ってくるからにゃ」

律「なるほど。ハッサムや、ニューラには脅威だな」

唯「ええっ!無視!?」

律「ん?終わったのか?」

唯「りっちゃん、無視はひどいよー」

律「これから重要な戦いをするって時に、私には今の話を聞いて、どんな顔をしたらいいか分からないよ」

唯「笑えばいいと思うよー。にこー」

律「あははは」

唯「わー、ものすごい乾いた笑いー」

律「さて……そろそろだな」

りっちゃんはフィールドに向かいます。


キクコ「それでは始めようか」

りっちゃんがフィールドに着くと、キクコさんがすでにいました。

律「ああ」

審判「準備はよろしいですね。それでは……」

律・キクコ・審判「「「決闘(デュエル)!!!」」」
557 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/10(土) 05:54:56.28 ID:sypKsLpj0
病院

紬「……」

和「……」

憂「……」

純「……」

医者「……」

紬「それで、梓ちゃんは……」

医者「多少の痣はありますが……命に別状はありませんよ」

紬「!!」

憂「よ、よかった……」

純「……それじゃ、私は行きますね」

憂「え、どこに?」

純「……友達の敵討ちにね」

憂「純ちゃん……」

和「頑張りなさいね」

純「……はい!」

純ちゃんは駆けていきました。

和「これで……あとは」

和ちゃんはテレビを見る。

和「律が勝つことね」
558 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/10(土) 05:57:54.64 ID:sypKsLpj0
律 リザードン ひん死 オーダイル ひん死

キクコ ムウマ ひん死 アーボック ひん死

律「残りは……」

キクコ「互いに1匹じゃのう」

律「最後に訊きたいことがある」

キクコ「いいじゃろう。ここまで、善戦したご褒美としてなんでも話してやろうじゃないか」

律「……どうして、ここで戦うんだ?あなた達の実力なら、他の地方でも計画を成功できたはずだ」

キクコ「……これは試練じゃよ」

律「試練?」

キクコ「特殊な電波で人間達を一生の眠りにつかせる。そのためにある一定の範囲に電波を発生させるためのアンテナをつける必要がある。各地方が終われば、今度は国外じゃ。より、強い意志と強さが必要になってくる。じゃから、今一番、レベルが高いこの地域の最強のトレーナー達を倒してやる必要があるということじゃ」

律「……本当に正しいのか?」

キクコ「ん?」

律「人間を……犠牲にしてまで、ポケモンを救おうとすることが……本当に正しいのか!!!」

キクコ「……」

律「何かを犠牲にしてまで……何かを救おうとする行為を私は正しいとは思わない!!!お前達は間違っている!!!」

唯「おおっ!!りっちゃん、格好いい!!!」

律「だろ?惚れ直したか?」

唯「残念だけど、それは一生ないよ!!!」

律「……私はこんな時、どんな顔をすればいいんだろうな」

唯「笑えばいいと思うよ。にこー」

律「……にこー」

唯「わー、ものすごい、引きつった笑いー」

キクコ「ふふふ、その答えは正しくもあり、間違っているともいえるな」

唯「正解であって、間違いでもある?とんちみたいだね」

キクコ「たしかにお前さんの言うとおりじゃ。じゃが……もう、人間達はこんなことをしなきゃいけない段階まできたということじゃよ」

律「……」
559 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/10(土) 05:58:44.55 ID:sypKsLpj0
キクコ「美しい自然を破壊し、ポケモンの住む場所は次々と破壊していってる。今もなお……な」

律「……それでも、間違いに気づいて、少しでも何とかしようと努力している人達もいる」

キクコ「そのとおり。じゃが、効果があるとも思えない。じゃから……人間を滅ぼした方が早いじゃろ」

律「……たしかにな。でも……」

キクコ「?」

律「破壊に先に平和な未来は訪れない!やっぱり、あんた達は間違っている!!」

りっちゃんはビシッと指を指して、宣言します。

唯「おおっ!りっちゃん、格好いい!!」

律「あんがと」

キクコ「……ならば、この先は自分の力で正しいか、間違ってるかを示す時じゃな」

律・唯「「???」」

キクコ「ふふふ、ポケモン決闘(バトル)をしているなら、分かるじゃろ?勝ったほうが……」

律「……正義ってことだな」

キクコ「そのとおりじゃ」

律「なら……来い、ハッサム!!!」

キクコ「ゲンガー、出番じゃ!」

律 リザードン ひん死 オーダイル ひん死 ハッサム

キクコ ムウマ ひん死 アーボック ひん死 ゲンガー
560 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/10(土) 06:00:01.11 ID:sypKsLpj0
キクコ「私のゲンガーは一味違うよ」

唯「あ、あれ!?ゲンガーが……」

律「……」

キクコさんが出したはずのゲンガーの姿が見えません。

キクコ「フフフ、ゲンガー、シャドーボール!!」

ハッサムの背後に突如として、黒い塊が発生し、ハッサムを襲います。

ハッサム「サム!?」

ハッサムは突然の攻撃に反応できずに直撃します。

唯「一体、どこから攻撃が……」

ニャース「敵の姿が分からないとどうにもならないにゃ」

律「……」

キクコ「フフフ、ショックで声も出ないかい?」

律「……そんなことはないさ。もう、勝負は終わる」

キクコ「……ほう?」

唯「おおっ!りっちゃん、か」

律「それはもういいから。……ハッサム」

ハッサム「サム」

律「一撃でしとめるんだ」

ハッサム「サム!!!」

ハッサムは鋭い自分のツメで鋭い一撃を『自分』の影に振り下ろしました。

キクコ「!?」

ゲンガー「グバッ……」

審判「……ゲンガー、戦闘不能。ハッサムの勝利です。キクコ選手の手持ちポケモンは全滅。よって、田井中 律選手の勝利です」

律 リザードン ひん死 オーダイル ひん死 ハッサム

キクコ ムウマ ひん死 アーボック ひん死 ゲンガー ひん死
561 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/10(土) 06:03:07.23 ID:sypKsLpj0
キクコ「どうして、私のゲンガーの位置を……」
律「ポケモン図鑑によれば……『真夜中に街灯の明かりでできた影が自分を追い越していくのはゲンガーが影になりすまして走っていくからだ』 って書いてある。つまり、ゲンガーは影になりすますことができるってことだ。つまり、ハッサムの影になりすましてるんじゃないか。そう考えて、最初の攻撃を受けたのさ。どこから、攻撃を出すかを見るために。それでハッサムの影を注視してたんだが……案の定、攻撃の時、影が笑ってたし、影から攻撃が出るのが見えた。これで何もなかったら、さすがにやばかったんだけどな」

キクコ「……やるじゃないか、若いの」

キクコさんはにやりと笑って、フィールドを去りました。


キクコ「ここでこの戦いの結末を見せてもらうよ」

キクコさんはさっきまで座っていた場所にまた、座ります。

???「ふん。あんなガキにやられるなんて……あなたも焼きが回ったわね」

キクコ「ククク、そうだね」

???「私達が正しい。それを私が証明してあげるよ」

キクコ「見せておくれよ。あんたの強さを」


唯「りっちゃん、すごいね!」

私は興奮して、りっちゃんを迎え入れます。

律「まあ、運がよかったんだよ」

唯「でも、よく知ってたね!ゲンガーの特長とか」

律「まあ、私だって、伊達にオーキドのところで助手をしてたってわけじゃないさ」

唯「私も助手をしてたけど、何にも分からなかったよ……」

律「ま、まあ、この後、頑張っていけばいいさ」

???「さあ、次のトレーナー、出てきなさい」

唯「よし!今度こそ、私が……」

純「いえ、次は私が行きます」

律「あ、佐伯さん」

純「鈴木です」

唯「あ、あずにゃんは大丈夫なの?」

純「はい。命に別状もないそうです」

唯「よ、よかった……」

律「赤木さんなら、大丈夫だろう。私はポケモンを返してくるわ」

唯「私もあずにゃんの様子を見に行きたいな」

律「いや、やっぱり、唯は残れ。澪を寝かせておくわけにも行かないし」

唯「まあ、予想してたけどねー。あずにゃんによろしくねー」
562 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/10(土) 06:04:31.98 ID:sypKsLpj0
律「ああ」

???「あんたが私の相手かい?」

純「不本意ではありますけどね」

フィールドではフードの女の人と純ちゃんが対峙しています。

???「ちょうどいい。決勝戦まで勝ちあがった強さをこの……」

フードの人がローブをとります。

カリン「カリン様の前でね!」

純「……」

唯「あの人も強そうだね」

ニャース「たしかにすごいオーラにゃ」

カリン「私のメンバーはこれよ」

カリンさんはマニューラ、ミカルゲ、ヘルガー、アブソル、ブラッキー、ドンカラスを見せます。

純「私は……これです」

純ちゃんはカビゴン、ゲンガー、カイリキー、フーディン、ニョロトノ……そして。

カリン「人型ポケモンのういね」

うい「よろしくお願いします」

カリン「フフフ、あなたをちゃっちゃと倒して、私の強さを見せつけてあげましょう」

純「時間をかけたくないんですか?なら、協力しますよ」

カリン「あら?それはありがたいわね」

純「ただし……あなたが勝つとは限りませんよ」

カリン「……ほう」

563 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/10(土) 06:06:05.46 ID:sypKsLpj0
病院

私はポケモンセンターで回復させてから、病院にむかった。

律「梓は……実際はどうなんだろうな?」

あの時、鈴木さんが嘘をついている可能性もあると思った。危ない状況だって言ったら、唯がやばいことになりそうだし。鈴木さんが来たのも梓がやばいことになってるから、弔い合戦のつもりできたのかと思って、唯を置いてきたんだが。

律「心配しすぎたみたいだな」

梓「は、離してください!!」

憂「も、もう少し、安静にしてないと……」

和「べ、ベットで落ち着いて寝なさい」

病院の前に来ると、ちっこい後輩が憂ちゃんと和に押さえつけられている。それをムギとゆいがオタオタとしながら見ている。……どんな状況だよ。

紬「あ、りっちゃん!」

律「これは一体、なんだよ」

紬「梓ちゃんが戦いに行くって聞かないの」

梓「あ、律先輩!私のポケモンを返してください!」

律「あ、ああ、そうだったな」

私はボールを梓に返す。

梓「どうもです!これで準備は完了です」

律「なあ、こいつどこか頭打ったのか?」

和「否定できないわね」

梓「べ、別に打ってませんよ!私は……」
564 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/10(土) 06:07:03.95 ID:sypKsLpj0
梓は真剣な目で私を見てくる。

梓「皆さん、一生懸命戦っています。死力を尽くして」

律「……そうだな」

梓「だから、私も……死力を尽くして戦いたいんです!」

律「……」

梓「……」

律「……」

梓「……」

律「……分かった。離してやれ、和に憂ちゃん」

梓「!!」

憂「で、でも……」

和「無理はさせるべきじゃないわ。あるプロ野球選手も頭に受けたデットボールを放置して、死んでしまったという例もあるし」

律「この後輩さんは止めても無駄ってことだよ。ただし……」

私は梓を真剣に見つめる。

律「無理だけはするなよ?」

梓「……はい!」

律「それじゃ、戻るか」

私は皆を引き連れて、スタジアムに戻った。
565 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/10(土) 06:08:31.21 ID:sypKsLpj0
スタジアム

カリン「……馬鹿な」

私達が会場に着くとちょうど純とカリンっていう人の決闘(バトル)が終わったところでした。

カリン ドンカラス ひん死 ミカルゲ ひん死 アブソル ひん死

純 うい

???「15分きっちりだな」

???「……強い」

うい「まだまだですね」

カリン「くっ……」

カリンさんは悔しそうにういと純を睨みます。


律「相変わらず、強いな」

ゆい「あ、りっちゃん」

唯「それに……」

ゆいちゃんと唯先輩がこっちにむかって、走ってきます。

唯・ゆい「「あ〜ずにゃん!!!」」

梓「にゃっ!?」

唯「うう、よかったよ〜」

ゆい「あずにゃ〜ん。スリスリ」

梓「にゃっ、ちょっと、やめてくらひゃい」

唯「えへへ〜」

ゆい「あずにゃんのぬくもり〜」


???「まだ、生きていたのね。にやり」

???「嬉しそうだな」

???「借りがあるからね」

???「では……いくか」

???「ええ」
566 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/10(土) 06:15:16.88 ID:sypKsLpj0
スタジアム「わー、わー」

純「遅いわよ、梓」

梓「ごめん、ごめん。ところで、澪先輩は?」

澪「Zzzzzz」

唯「まだ、寝てるよー」

梓「……そうですか」

起こさないようにしないといけませんね。


???「素晴らしい戦いだったな。この宴もそろそろ終焉にしようか」

最後のフードの2人がフィールドに立っていました。

???「最後はタッグ決闘(バトル)だ。我こそはと思う、決闘者(トレーナー)チームは出て来い。ただし……」

そいつは凄みを利かせて宣言しました。

???「この戦いにこのスタジアム、全員の命がかかっている。それを覚悟して、ここに来い」

第38話 終了
567 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/13(火) 21:05:27.25 ID:7Xmk3hHAO
更新報告やめたの?
568 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/13(火) 21:11:55.96 ID:o2JyISnmo
>>567
いい加減、うざいかなーと思ったのでいいかなーと
したほうがいい?
569 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/17(土) 05:01:30.18 ID:uvOAAQpKo
最近忙しいので、しばらく、投下できません。
今年中には終わらせますが。
570 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 13:47:58.05 ID:mSpsusxSO
今日までが今年中だけど…
続き気長に待ってます!
571 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) :2011/12/31(土) 16:47:03.38 ID:rJCKlwfs0
逃亡したんだよポケモンSSは長編になりやすいから仕方ない
572 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [saga]:2012/01/01(日) 05:40:43.33 ID:ApRKAQ0f0
第39話 『最終対決!唯・梓タッグVS曽我部・ワタル〜激戦の果てに〜』

???「この戦いにこのスタジアム、全員の命がかかっている。それを覚悟して、ここに来い」

フードの男の怒声がフィールドに響き渡りました。

梓「ビクッ……!?」

その叫び声に、気合いに私は背筋が凍る思いがしました。

律「な、何なんだ、この気迫は……」

澪「ふぁ〜あ、どうしたんだ? むにゃむにゃ」

紬「あ、起きたのね、澪ちゃん」

澪「ん? どうしたん……」

???「ギロッ」

澪「……おやすみー」

律「寝るんかい!」

梓「あ、あなたは……誰なんですか」

???「そういえば、自己紹介がまだだったな」

フードの人達は自分のローブをとりました。

???「俺の名は……ワタルだ」

唯「あの人は……いかりのみずうみにいた人だー」

ワタル「久しぶりだな、平沢唯」

唯「こんにちはー」

ワタル「……」

唯「無視はよくないよ。挨拶は必要なこ……モガッ」

梓「少し、黙ってましょうね」

???「そして、私は……曽我部 恵」

梓「あなたは!?」

曽我部「お久しぶりね、梓ちゃん」

梓「……」

唯「駄目だよ、あずにゃん。ちゃんと挨拶しないと。プンスカプンスカ」

梓「いや、そんな雰囲気じゃありませんし」

ワタル「では、最後の対決の相手は……」

唯「はいはいはーい! 私とあずにゃんがやるー!」

梓「ノリが軽いですね。……って、私も入ってる!?」

ワタル「ほう……」

曽我部「面白いタッグね」

唯「えへへ、面白いだって」

梓「いやいやいや」

ワタル「それではフィールドに来い。他の奴は……」

私達がフィールドに着くとワタルさんはパチンと指を鳴らします。すると……。

律「あれ、何だか……」

紬「眠く……」

澪「Zzzzzz」
573 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [saga]:2012/01/01(日) 05:42:00.96 ID:ApRKAQ0f0
梓「こ、これは……」

ワタル「すでに仕掛けてあった会場の電波で、余計な観客には寝てもらった」

曽我部「残りはあなた達だけ……」

ワタル「助けたくば、勝てばいい」

梓「なるほど、シンプルですね」

唯「何だか、ラスボスっぽい感じがするね、あずにゃん!!」

梓「何だか、楽しそうですね」

唯「だって……こんなに強い人達と戦える機会なんて、滅多にないじゃん! 私、すっごい、ワクワクするよ!!」

アズサ「やってやるです!」

梓「……はあ」

唯「溜息つかれた!?」

梓「仕方がありません。私は唯先輩とタッグを組みます」

ワタル「フフフ、いいだろう」

梓「そのかわり、手持ちポケモンは1匹にしましょう」

ワタル「ほう」

唯「どうして、あずにゃん?」

梓「相手の力は未知数ですからね。3対3にすると、もし、2連敗したとしたら……」

ヒソヒソ

唯「……たしかに厳しいね」

ワタル「いいだろう。その条件を飲もうじゃないか」

梓「ありがとうございます」

ワタル「ではメンバーを決めようじゃないか。最後の時間をゆっくりと味わうんだな」


梓「さて、メンバーですけど……」

唯「私はアズニャンだよー」

梓「私は……」

ゆい「おやすみー」

梓「寝ないで下さい。出番ですよ」

ゆい「一生、延期でいいよー」

梓「何を言ってるんですか」

アズサ「一緒に戦いましょう」

ゆい「うーん……」

唯「何を迷ってるの?」

ゆい「あずにゃんがね、ギューッとしてくれたら、すぐにでもね、やる気が……」

唯「うむ。気持ちは分かるね」

梓「分かりあわないで下さい」

唯「ということでしてあげなよ。私にも」

ゆい「そうだ、そうだー」

梓「はあ……勝てたら、考えておきますね」
574 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [saga]:2012/01/01(日) 05:43:02.96 ID:ApRKAQ0f0
ゆい「言葉、濁したー」

唯「駄目だよ、あずにゃん。ちゃんと約束してあげないと。私とも」

梓「さっきから、さりげなく、自分も得しようとしないで下さい」

ゆい「仕方がないなー。これも我侭な、あずにゃんのために頑張るとしよう!」

梓「ありがとうございます」

唯「ということで、メンバーはアズニャンとゆいちゃんだね!」

ニャース「お決まりのメンバーだにゃ」

ワタル「どうやら、メンバーが決まったようだな」

梓「ええ」

唯「最強タッグの力を見せてあげるよ!」

ワタル「ふふふ。では……始めようか。それでは」

唯・梓・ワタル・曽我部「「「「決闘(デュエル)!!!」」」」


ワタル「来い、カイリュー!」

曽我部「来なさい、カイリュー!」

唯「頑張れ、アズニャン!」

梓「頑張って下さい、ゆい先輩!」
575 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [saga]:2012/01/01(日) 05:44:21.40 ID:ApRKAQ0f0
アズサ「やってやるです!」

ゆい「アズニャン、タッグバトルにはコンビネーションが重要なんだよ。私達なら、問題ないけど」

アズサ「そうなんですか?」

ゆい「そうなんだよ。そして、チームワークをとる上で、大切ななのはリーダーなんだよ」

アズサ「にゃるほど」

ゆい「だから、私がリーダーをやるね!」

アズサ「分かりました!」

カイリュー曽「リュー!」

アズサ「にゃっ!?」

ゆい「アズニャン!?」

カイリューワ「リュ!」

ゆい「わわっ」

背後から、2匹のカイリューがゆいちゃんとアズニャンを掴みあげます。

ワタル「いけっ!」

2匹のカイリューはゆいちゃんとアズニャンを掴んだまま、激突します・

アズサ「ふにゃあ!」

ゆい「あぶっ!」

唯「ほあっ!?」

梓「何をやってるんですか……」

ワタル「まだまだ、いくぞ!」

ワタルさんのカイリューはゆいちゃんを掴んで上空にジャンプします。

曽我部「トドメよ」

曽我部さんのカイリューはロメロスペシャルをアズニャンに仕掛けます。

アズサ「ふにゃあああああ」

唯「アズニャン!」

ワタル「終わりだ……」

アズニャンの上にゆいちゃんを下にして、ワタルさんのカイリューは落下して、激突します。

アズサ「ふにゃああああああああ」

ゆい「ぐばっ……」

2人は大ダメージを受けて、倒れました。

ワタル「この程度か……」

ゆい「ま、まだだよ……」

しかし、ゆいちゃんは立ち上がります。

ゆい「トリャー!」

ゆいちゃんはワタルさんのカイリューに掴みかかります。

ワタル「ふん」

カイリューはそれをなぎ払います。

ゆい「わああああ」
576 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [saga]:2012/01/01(日) 05:49:14.83 ID:ApRKAQ0f0
梓「ゆい先輩!」

ゆい「うう……諦めるもんか……」

アズサ「ゆ、ゆい先輩……」

ゆいちゃんは何度も、カイリュー達に向かっていきますが、そのたびに、地面に叩きつけられます。

ゆい「ぶはっ……」

アズサ「も、もう無理ですよ……」

ゆい「アズニャン。覚えておいて。諦めたらね、私の大切なトレーナである、あずにゃんが危険な目にあっちゃうんだよ。だから……」

ゆいちゃんの体にオーラが発生します。

ゆい「だから、私は最後まで、諦めない!!」

ワタル「ほう……そのアズサの母親と戦った時と同じ眼をしているな」

アズサ「同じ眼……ま、まさか!?」

ワタル「そうだ。お前の母親を倒したのは私だ」

曽我部「もっとも、あなたももうすぐ、同じ場所に行くんだけどね」

アズサ「……ふにゃあああああああああああああ」

唯「あ、あずにゃん!」

アズニャンの周りには黒いオーラが発生します。

アズサ「ヤッテヤルデス!」

唯「だ、駄目だ! そ、そんなこと……しちゃ駄目だよ!」

アズサ「ふにゃああああああ」

母アズサ『それから優しさを忘れないでね』

突然、アズニャンのギターからそんな声が聞こえました。

唯「い、今のは……」

梓「あの、ギターから……」

アズサ「お……お母さん……」

むったん「君のお母さんはそんな力で……君に復習をしてほしいなんて思ってないよ」

ゆい「そうだよ……」

ゆいちゃんはにっこりと笑って、アズニャンに話しかけます。

ゆい「アズニャンの気持ちも分かるけどね。でも、このままじゃ、アズニャンは唯ちゃんを傷つけちゃうよ? それでもいいの?」

アズサ「……いやです!」

ゆい「くす。そうだね。私もやだよ。だから、戦うの」

アズサ「?」

ゆい「私が戦う理由はね。大好きな人がね、私が勝つと笑顔になってくれるからだよ」

梓「……」

ゆい「そしてね。その人を傷つけようとする人たちから守るために……強くなるんだよ」

ゆいちゃんの体がスー○ーサイヤ人のように輝きだします。

アズサ「……すごい」

ゆい「アズニャンも守りたい?」

アズサ「……私は」

577 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [saga]:2012/01/01(日) 05:51:46.20 ID:ApRKAQ0f0
唯『あずにゃ〜ん。ギュウ〜』

アズサ『ふにゃ〜』

アズサ「守りたいです!」

アズニャンの体も光り輝きます。

ワタル「こ、これは……」

唯「アズサマインド……」

ゆい「いくよ、アズニャン」

アズサ「はいです」

2人の姿が消えます。

ワタル「なっ!?」

曽我部「早い!?」

ゆい「やって……」

アズサ「やるです!」

2匹はカイリューを後ろから、メガトンパンチで攻撃します。

カイリューワ「ぐばっ」

カイリュー曽「ぐふっ」

ゆい「チャンスは今しかない! トリャー!」

ゆいちゃんは怯んだワタルさんのカイリューをひらさわバスターの体勢で上空にジャンプします。

アズサ「私もいきます!」

アズニャンも曽我部さんのカイリューを掴んで、上空にジャンプします。そして、アズニャンは空中で相手の両足を掴み、両足と相手の両手を

ツインテールでグルグル巻きにします。

唯「これは……アズニャン・ドライバー!」

578 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [saga]:2012/01/01(日) 05:58:28.34 ID:ApRKAQ0f0
ゆい「この技は1人ではまだ、不完全なんだ! 今こそ、完成させるよ!」

ゆいちゃんはアズニャンの上に落下します。

ゆい・アズサ「「合体!」」

梓「あの技は……」

唯「ゆいアズドッキング!!」

ドシーン。

フィールドに叩きつけられます。

カイリューワ「……グバッ」

カイリュー曽「……グハッ」

ゆいちゃん達は技を解くと、2匹のカイリュー達は気絶しました。

曽我部「ば、馬鹿な……」

ワタル「……ふふふ、やるじゃないか」

驚愕する曽我部さんと余裕そうにワタルさんは笑います。

ワタル「今回は私達の負けだな」

ワタルさんは指をパチンと鳴らします。すると、爆発音がフィールドに聞こえてきました。

ワタル「あの電波は破壊させてもらった。機会があれば、また会おう」

ワタルさんは涙ぐむ曽我部さんフィールドを去ろうとします。

唯「……待って!」

ワタル「……何だ?」

唯「うん♪たん♪楽しい決闘(バトル)だったよ!」

ワタル「……フッ」

ワタルさん達はは今度こそ、去っていきました。

次は2月までには投下したい

今回でアンケートをとりましたが、一旦、これをやめたいと思います。
579 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 13:00:37.80 ID:00sBE+w10
忙しい中での投下乙です!
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) :2012/01/23(月) 02:29:33.20 ID:KdMhFF9AO
もう無理かな…
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [sage]:2012/01/23(月) 12:51:14.86 ID:bhEoRPK70
   ,、      ,、
 ノ⌒`x〜   / ヽ,
( ∂,,ト、ヽ,  /   i,
 ``.>| `'、x'´    |
 r'´,∧  ;.τ'´`'´`、!
 `´/ `、 i  `ヽ   
  {   `'   .}
  ,ゝ_ヽ   ;'
  `´ ,ノ   /
  、;_'´ __,ゝ'´

カイリュー可愛いよね


582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/28(土) 22:08:25.48 ID:KKzoyIPGo
頑張れ>>1
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/29(日) 12:26:10.39 ID:gdtom4DCo
なんだこのひどいSSは
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga sage]:2012/01/31(火) 05:24:17.16 ID:HB9mzvzJo
これをSSということがおこがましいだろう

最終話 戦いの終わりと旅の始まり

あの、ポケモン・シェパードとの戦いから、1週間が過ぎました。

唯「ふう〜、大変だったね、あの戦いは」

梓「そうですね」

あの後、皆も目を覚まし、警察やらの取り調べやらで大変でしたし。結局、ワタルさん達は見つかりませんでしたけどね。

律「この後は皆、どうするんだ」

澪「私はマサラに戻るよ。もう、こりごりだ」

紬「私も」

律「私もだ」

憂「私達はワカバタウンに戻ります」

和「久しぶりの故郷だからね」

唯「私は……アズニャン・アイランド建設のために頑張るよ!」

律「皆やりたいことがあるんだな……梓は」

梓「私は……」

これまでの戦いで一区切りはついたのかもしれない。だから……

梓「私は……旅を続けます」

律「……今度は付き合わないぞ」

梓「構いませんよ」

澪「となると、皆、違う道に行くのか」

紬「寂しくなるわね」

唯「それでも……」

唯先輩は空を見上げます。

唯「ポケモントレーナーはポケモンを通して、繋がってるから……寂しくないよ」

律「くさい台詞だな」

澪「まあ、唯らしいけどな」

律「そうだな」

梓「また……会いましょうね」

律「当たり前だろ」

澪「離れていても仲間だからな」

私達は再開を誓い、解散しました。

585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga sage]:2012/01/31(火) 05:25:24.41 ID:HB9mzvzJo
船の中!

梓「狭いですね」

ゆい「本当だね」

私とゆい先輩は船の中の個室に入ります。そこはベットがひとつだけのビジネスホテルのような部屋でした。

唯「まあ、くっついて、寝ればいいよね」

梓「それしかないですね」

ゆい「これから、どこに行くの?」

梓「次は……ホウエン地方ですね」

唯「どんなところなの?」

梓「何でも、緑や水が豊かな地方とされ、他の地方と比べると海ががかなり広いみたいですね」

ゆい「いっぱい、泳げるね!」

唯「あずにゃんの水着姿も見れるね。むふふ」

梓「……あの」

唯「どうしたの、あずにゃん」

梓「どうして、唯先輩がここにいるんですか!」

唯「あずにゃんいるところに唯ありだよ!」

梓「いやいやいや」

私は溜息をつきつつ、問いかけます。

梓「アズニャン・アイランドを建設するんじゃないんですか?」

唯「するよー」

梓「じゃあ、何でここにいるんですか?」

唯「あずにゃんは村長さんじゃん。村長さんが旅をするなら、私達も旅をしないとね」

梓「意味が分かりません」

唯「まあ、旅を続けてれば、アズニャンの仲間に会えるかもしれないし。それに……」

唯先輩はニコッと笑いながら、言います。

唯「あずにゃんと旅をしたかったからね」

梓「……まあ、いいんですけどね。プイッ」

唯「あずにゃん、可愛い〜。ギュウ〜」

梓「にゃう……」

唯「どんな冒険になるんだろうね」

梓「……楽しみですね」

私達を乗せた船はホウエン地方へと進んでいきました。

586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/31(火) 05:34:06.10 ID:HB9mzvzJo
梓「これ、返しますね」

紬「どうだった?」

梓「う〜ん……あんまり、面白くなかったですね」

紬「そう?」

梓「なんていうか……バトルがね……。いろいろとおかしかったですし。それにストーリーも滅茶苦茶でした。詳細はこの紙にまとめておきました」

紬「ありがと。じゃあ、また、レビュー、お願いね」

梓「はいです」

終わり

最後は駆け足になって申し訳ないです。

もし、よければ、見てください

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1327954652/

587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/31(火) 08:02:44.74 ID:gn8nwC+4o
本人?乗っ取り?
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 08:39:05.35 ID:rqrqedQSO
>>587

携帯から悪いけど、本人です
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 10:52:52.66 ID:piIQMoYpo
最初のほうはキャラスレでアップまめに報告してて頑張ってる感があったけど…
飽きたか?

ムギ先輩からエッチな〜 シリーズも途中で投げそうだねww
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