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上条「熱い思いは!」美琴「止められない!」心理「燃える心は」垣根「バーニングハート!」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/25(日) 21:57:17.98 ID:KgDyVCpg0
1スレ目 美琴「す・・・好きです!!付き合ってください!!」上条「何やってんだ、御坂」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1304/13045/1304506297.html

2スレ目 美琴「当麻♪」上条「なんだ、美琴」垣根「俺も仲間に入れて」心理「はいはい」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1305/13053/1305377166.html

3スレ目 上条「美琴、愛してる」美琴「私も♪」垣根「俺も♪」心理「ジャマしないの」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306063255/

4スレ目 上条「美琴は可愛いな」美琴「えへへ//」垣根「速さが足りない」心理「はいはい」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306724889/

5スレ目 上条「放さないからな」美琴「うん♪」垣根「話さないからな」心理「しゃべりなさいよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307282872/

6スレ目 上条「抱きしめようか?」美琴「うん//」垣根「抱こうか?」心理「やめて」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307709819/

7スレ目 上条「守り続けるからな」美琴「うん//」垣根「これがリア充です」心理「あなたもよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308139244/

8スレ目(番外編) 美琴「私の好きな人のことを、それ以上悪く言わないで!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308667506/

9スレ目 上条「結婚に必要な物は?」美琴「愛!」心理「お金」垣根「念のため三行半」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308992651/

10スレ目 上条「まずは!」美琴「そのふざけた!」心理「幻想を!」垣根「守るのこそ愛だ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309355502/

11スレ目 上条「マイホームか・・・」美琴「い、いいわね//」心理「そうね」垣根「欠陥住宅か」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309860801/

12スレ目 テクパトル「あの月はもう、空には出ない」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310283821/

13スレ目 上条「美琴は可愛いな」美琴「//」垣根「心理定規可愛いハァハァ」心理「やめて」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310641032/

14スレ目 上条「恋といえば!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311066610/

15スレ目 上条「旅行かぁ・・・」美琴「どこ行く?」垣根「ヤっちゃうのか?」心理「黙って」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311506386/

16スレ目 上条「愛って何かな」美琴「守ること?」心理「信じること」垣根「疑い続けることさ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311939697/

17スレ目 上条「始まった・・・」美琴「大覇星祭・・・」垣根「アナウンスは俺」心理「やめて」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312451177/

18スレ目 上条「引き続き!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスも俺!」心理「もうイヤ・・・」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312969940/

19スレ目 上条「まだまだ続く!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスはMeダヨ!」心理「誰よ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313206497/

20スレ目 上条「そして終盤!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスはワシじゃよ」心理「誰よ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313568339/

21スレ目 上条「みこと!」美琴「とうま!」垣根「マン」心理「そこまでよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313987737/

22スレ目 上条「1に愛情!」美琴「2に愛情!」心理「3、4がなくて?」垣根「後藤さん」一同「誰だよ」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1314/13145/1314512717.html

23スレ目 上条「海外旅行!」美琴「イギリス!」心理「ご飯がまずい」垣根「ひもじいよぉ」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1315/13152/1315277970.html

24スレ目 上条「デートの定番は?」美琴「遊園地!」心理「映画館」垣根「特別な場所なんていらねぇさ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1316091462/

黒歴史 今日も学園都市には雨が降る
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1303/13037/1303730725.html

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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

2 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/25(日) 21:58:21.11 ID:KgDyVCpg0
キャラ紹介

上条・・・言わずとしれたそげぶマン
美琴の彼氏、第一の主人公であり、正義感溢れます
美琴をかなり愛しています

美琴・・・ヒロイン
可愛いです、可愛いです、可愛いです
ツンデレがデレデレになってますが、それもまた(ry
上条さんにメロメロ

垣根・・・本シリーズでおそらくもっとも愛されてるキャラクター
イケメルヘンからギャグまでなんでもござれ
心理定規と付き合ってます、フリーダム
たまにツッコミ

心理定規・・・垣根の嫁
ていとくんに踊らされながらも彼を支えます
おそらく、心理定規タンハァハァって方もいるかと、俺もそうだ
ホント、マスコットキャラ

エツァリ・・・本シリーズで地味なキャラの一人
ショチトルと付き合ってる変態ツッコミ

ショチトル・・・地味キャラだった一人
エツァリと付き合ってます、自称ドMの実際ドM
もはや、ボケキャラ

削板・・・熱い男
黒子の彼氏、地味なはずがわりとキャラが濃い

黒子・・・ですの
削板の彼女、でもお姉さまも相変わらず好きなのでご安心を

一方・・・歪みないセロリ
番外個体の彼氏、そしてロリコン、意外とまともになった

番外個体・・・一方の嫁
やっとセロリと付き合うことに、マジ可愛いよワースト
わりと奥手

テクパトル・・・ダークホース
途中でレギュラーになったにも関わらずていとくんとならび本シリーズの目玉に
こんなはずではなかった
美月こと19090号と恋人に、さまざまな苦難も乗り越えイチャイチャリア充、背中フェチ

19090号・・・テっくんの嫁
勝手に美月と名づけました
後悔はしてません
テクパトルと結ばれましたが未だに照れ屋さん、そしてエロい

20000号・・・変態
しかも、テっくんでヤったこともある変態 、たまに男前

14510号・・・セロリのことが好きな乙女
めちゃくちゃ乙女

10033号・・・セロリのことが好きな乙女
恋する乙女は強かった

御坂妹・・・可愛いです
なぜかツッコミに

17600号・・・やや遅れて合流した妹達
意外と男前、おっとこまえー

■■・・・名前が思い出せないキャラ
まさかの存在感、俺には理解できない
準レギュ、というかエツァリよりも輝いてる気がする

吹寄・・・垣根に告白、失恋するもやはり友達がいいと気づいた強いキャラ
まさかの準レギュ、そしてツッコミ、おっぱい吹寄

ウイーハルさん・・・違った、初春
削板、黒子の出番でたまに登場

13577号・・・かつて20000号に公開オ○ニーをさせられたため、一時離脱していたミサカ
まさかの復活、でもトラウマは奥底に眠る

10039号・・・かつて20000号に公開オナ○ーをさせられたため、一時離脱していたミサカ
アンコは粒餡派らしい
3 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/25(日) 22:03:16.94 ID:KgDyVCpg0
食蜂・・・レズ、美琴に恋してる
最近本当の友達が出来て喜んでいる

打ち止め・・・一方通行と番外個体の娘ポジション
しかし寝取りを企んでいるという噂もある

麦野・・・魅力的なはずなのにアイテムで唯一恋の香がしない
がんばれおばさ・・・お姉さん

絹旗・・・超可愛い超キュートな超ヒロイン
海原に淡い恋心を抱いている
絶賛パンチラ

浜面・・・リア充

滝壺・・・浜面の彼女
ときどき黒い、実は腕力が半端ない

フレンダ・・・空から帰ってきた我らがアイドルな訳よ!
美人でスレンダー、完璧なスタイルな訳よ!
ゴーグル男なんて好きじゃない訳よ!

ゴーグル・・・スクールの中で一番地味だった人
語尾が「〜っす」とかいう、若者口調
なぜかフレンダと共にこの世に戻ってきた

アレイスター・・・冷蔵庫
一体どうしてこうなったのか
最新式の家電

海原・・・絹旗にフラグを立てた男
本物
エツァリと鉢合わせしたら恐ろしいことになるはず

4 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/25(日) 22:06:27.92 ID:KgDyVCpg0
スレ内容

上琴、未元定規がメインのギャグほのぼの

一方通行×番外個体
テクパトル×19090号
削板×黒子
エツァリ×ショチトル
浜面×滝壺
俺×サトリナ


何もおかしいところはない

サトリナさんは俺の嫁

ほのぼの、グダグダ、原作崩壊、キャラ崩壊、マンネリが嫌いな方はご覧にならないほうがいいかと


注意事項

速さが足りないコメは諸事情によりお控えいただけたら幸いです

たまに筋肉動画を貼ります、耐性がない人はそっと戻るボタンを

5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/09/25(日) 22:06:56.72 ID:5dRFybIVo
乙です
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/25(日) 22:13:35.63 ID:FOgtzkv4o
こんだけ進んで彼氏彼女の関係から進展しないところを見ると
明らかに浮気してるな。どちらがとも誰がとも言わんが
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/09/25(日) 22:19:30.35 ID:Fa7uPYQAO
乙!

もう25スレか、凄いな(笑)
8 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/25(日) 22:20:15.38 ID:KgDyVCpg0
>>6 だって結婚できない年齢ですもん

進みようないですもん

浮気とか寝取りは一切ないですよw


というか、本当にキャラが多くて把握できんね

ちょっとマジで減らしたい


9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2011/09/25(日) 22:22:25.01 ID:ewKnf5CJo
>>8
とかいいながらちゃっかりフレンダとゴーグルをふやしちゃってる>>1を応援してる
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/25(日) 22:40:07.29 ID:6FIPCPTSO
上条さんにこの曲を贈りたいタイトルは『負け犬の遠吠え』
歌詞こんなんW 「ヒーモヒモヒモヒーモヒモー♪」
by荒川橋の住人『☆』
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/25(日) 23:31:01.18 ID:FOgtzkv4o
ワロスwwwwww

結婚できない年齢wwwwww

1.学園都市で18歳未満が結婚出来ないとは言われてない
2.上記が明記されてる場合でも二次創作ではどうとでもなる
3.つまりお前は結婚させる気がないだけだ

終了
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/09/25(日) 23:48:45.44 ID:8wIWdQq5o
>>11
1.学園都市の基本条例は日本国憲法及び日本国の法律に従うので、男は18歳以上にならないと結婚出来ない
2.そんなの作者の自由
3.つまりお前が自己中なだけだ

終了
長文スマソ
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2011/09/25(日) 23:53:21.72 ID:PNjMHwnZ0
まあどうだって良いじゃん
最終的にはみんな結婚して子供作って家建ててハッピーエンドなフラグを>>1が立ててるし
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/26(月) 00:21:21.38 ID:2PtNrzvgo
>>12
一応突っ込んどくけど
日本国憲法及び、日本国の法律に従うとは書かれてない
ただあくまで日本国の意地を守るためだけに建前として条例の範囲で収められているだけ

実際は行政・立法・司法は独自に運営されてるから、(普通は憲法>法律>条例) 学園都市の条例>憲法>法律となってしまう
仮にこれが違うと異議が出るならば、その時点で日本国の憲法、及び法律は相当ねじ曲がってると推測される


ナガソリイ
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/09/26(月) 02:47:21.06 ID:iNPTUehz0
>>14
もともと二次元だし、その二次創作なんだからそんなことはどうでもいい。
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/26(月) 07:50:22.68 ID:y/63/kzHo
┌─────┐
│い ち お つ.│
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/26(月) 08:35:20.06 ID:qsm0VMV70
>>1
はwwwwまwwwwづwwwwら
紹介にせめてパシリって入れてあげて
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/26(月) 10:17:06.02 ID:FGwGLTcz0
新スレ立て乙!!25スレまでやるとはすごいな。憧れちまうよ(キラキラ
19 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 10:59:21.47 ID:SbMNjWiJ0
ゴーグル「・・・ん?垣根さん」

垣根「あれ?お前何してんの」

ゴーグル「・・・帰るところですよ」

垣根「は?」

神社から帰るはずの道

その途中になぜか垣根がいた

ゴーグル「っていうか、垣根さんはなんでここに?心理定規さんは・・・お参りは?」

垣根「いや、あいつがおでん食べたいっていうからコンビニに買いに来た」

ゴーグル「あー・・・心理定規さんっておでん好きなんすよね」

垣根「そうそう・・・お前は?アイテムのヤツらは」

ゴーグル「・・・やっぱり馴染めませんでした」

垣根「諦めるの早いなおい・・・」

ゴーグル「・・・俺はスクールだったんすから、アイテムとは合いませんよ・・・温もりなんてほしくないっすから」

垣根「スクールも温もりはあっただろ」

ゴーグル「そうっすけど・・・なんか違ったんすよ」

20 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 11:02:23.56 ID:SbMNjWiJ0
垣根「・・・あぁ、あれか・・・お前はスクールのメンバーはいいわけだな」

ゴーグル「そりゃそうっすよ、二人とも無駄に騒がなくて落ち着いてますし」

垣根「オーケー、じゃあお前もおでん食べるか」

ゴーグル「すいません、俺の知ってる文法と違うんすけど」

垣根「いいから、どうせこの後やることもないんだろ?」

ゴーグル「そうっすけど・・・なんでですか?」

垣根「心理定規と三人でだべろうぜ」

ゴーグル「!!そ、それは」

垣根「スクールになるだ?ふざけんな、お前は俺たちの仲間だっただろうが」

ゴーグル「な、仲間・・・」

垣根「知ってるぜ、お前はスクールは大好きだった・・・心の底からな」

ゴーグル「・・・そうですけど・・・」

垣根「なら三人で話そうぜ、俺もお前は嫌いじゃないし」

ゴーグル「でも・・・」

垣根「あぁもう!!てめぇは昔からウジウジウジウジ!!!」

21 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 11:05:07.14 ID:SbMNjWiJ0
ゴーグル「ウジウジって・・・」

垣根「そんなんだから心理定規にもフラれるんだよ!!」

ゴーグル「そ、そりゃ関係ないっすよ!!」

垣根「とにかく!!行くぞ」

ゴーグル「はぁ・・・分かりましたよ」

垣根「・・・なぁ」

ゴーグル「なんすか?」

垣根「前から思ってたんだけどさ、そのヘッドギアみたいなのってなんだよ」

ゴーグル「内緒っす」

垣根「へぇ・・・もいでいいか?」

ゴーグル「もがないでくださいよ」

垣根「・・・そう言われるともぎたてにしたくなるな」

ゴーグル「しなくていいっす」

垣根「ちっ」

22 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 11:08:55.14 ID:SbMNjWiJ0

心理「おかえり・・・ってゴーグル君も一緒?」

ゴーグル「ちわ・・・ってあれ?」

上条「あ、ゴーグルだ」

美琴「不憫なゴーグルさんだ」

ゴーグル「えっと・・・たしか上条さんと御坂さんでしたっけ?」

美琴「うん、そうだけど」

垣根「なんだよ、知り合いになったのか」

上条「は?あぁ、まぁ」

ゴーグル「・・・あ、あの・・・スクールの三人だけなんじゃ・・・」

美琴「?ジャマかな?」

ゴーグル「あ、あぁいや!!そんなことないっすよ!!」

上条「そうか、なんか悪いな」

ゴーグル「・・・」


ゴーグル(アイテムの面々に比べて・・・大人だ!!!これはどうにかなりそうっす!!)

垣根(てめぇは勘違いをしている)

心理(このゴーグルもいでもいいのかしら)

23 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 11:15:44.81 ID:SbMNjWiJ0
ゴーグル「・・・にしても、心理定規さんっておでん好きっすよね・・・」

垣根「呆れるほどにな」

心理「あら、このホクホク感がたまらないのよ」

美琴「ふーん・・・」

ゴーグル「・・・その、上条さんとか御坂さんはなんで垣根さんたちと知り合ったんすか?」

上条「あぁ、呼び捨てでいいけど」

ゴーグル「いや、こっちのほうが楽なんすよ」

垣根「敬語は距離を置けるからな」

ゴーグル「あ、違いますけどね!!」

美琴「ふーん・・・まぁ私はさん付けでもいいわよ」

心理「そっちのほうが美琴は慣れてそうね」

ゴーグル「?なんでっすか?」

垣根「・・・御坂美琴だぜ?」

24 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 11:18:04.06 ID:SbMNjWiJ0
ゴーグル「・・・!?第三位っすか!!!」

美琴「あ、知らなかったんだ」

ゴーグル「はぁ・・・ってことは垣根さんと知り合いでも無理ないっすね」

垣根「いや、こいつらと会ったのは偶然だったけどな」

ゴーグル「?そうっすか」

心理「遊園地で偶然仲良くなっただけよ」

ゴーグル「へぇ・・・ってことは上条さんもそれなりの実力者っすか?」

上条「あぁいや・・・無能力者だよ」

ゴーグル「ふーん・・・」

垣根「でも幻想殺しだぜ、こいつ」

ゴーグル「アレイスターのメインプランだったあれっすか?」

上条「?メインプラン?」

垣根「なんでもねぇよ、貴重な人材ってことだ」

ゴーグル「そりゃビッグカップルっすね」

25 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 11:20:44.58 ID:SbMNjWiJ0
上条「・・・意外と驚かないんだな」

ゴーグル「あ、驚いたほうがよかったっすか?」

美琴「ううん、なんか嬉しいわよ・・・そういう反応」

ゴーグル「・・・知り合いに垣根さんみたいなのがいたら驚けなくなりますよ」

垣根「ひでぇなおい・・・あ、大根くれよ」

心理「はい、あーん」

垣根「あーん」

ゴーグル「あーん!?」

垣根「?なんだよ大声出して」

ゴーグル「い、いや・・・二人のイメージから遠いことが・・・」

心理「何よ、私達は偶像じゃないのよ?」

ゴーグル「こ、これが愛の力っすか・・・人を変えるんすか・・・」

美琴「?大丈夫?」

ゴーグル「な、なんとか・・・」


26 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 11:25:28.71 ID:SbMNjWiJ0
上条「・・・はぁ、正午まであと1時間・・・」

美琴「・・・ゴーグルさん、フレンダはどうしたの?」

ゴーグル「あ、いや・・・」

垣根「アイテムとは反りが合わなかったってさ」

心理「あら、諦めが早いわね」

ゴーグル「だ、だって・・・」

上条「無理に誰かといる必要はないさ・・・自分がいたいって思える場所が居場所になるんだから」

ゴーグル「そうっすよね!?」

垣根「でもよ、一歩は踏み出さないと」

心理「はい、昆布」

垣根「おうサンキュー」

ゴーグル「・・・一歩っすか・・・」

美琴「ゴーグルさんはなんでフレンダと会ったの?」

ゴーグル「いや、適当に天国をふらついてたら・・・あぁそういや御坂さんそっくりの人が10000人以上いましたよ」

美琴「!妹達・・・?」

27 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 11:28:13.26 ID:SbMNjWiJ0
ゴーグル「へぇ・・・あれが噂の妹達だったんすか」

上条「知ってるのか?」

ゴーグル「元暗部の一員っすよ?そりゃ一応・・・っとごめんなさいっす」

美琴「あ、ううん・・・」

ゴーグル「あと上条さんそっくりの人もいたような・・・」

上条「俺?でも俺生きてるけど・・・」

美琴「・・・!もしかして記憶を失う前の当麻じゃない!?」

上条「え・・・でもそれって魂になるのか?」

ゴーグル「死の世界なんて曖昧っすよ・・・」

美琴「ふーん・・・なんか面白そう」

ゴーグル「・・・フレンダさんは・・・本当に偶然だったんすよ」

垣根「いいじゃねぇか、運命的で」

ゴーグル「そういうのではないっすけどね」

垣根「お前がそう思ってるだけだ」

28 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 11:32:47.49 ID:SbMNjWiJ0
ゴーグル「・・・でも、なんだかんだフレンダさんは面白い人ですよ」

美琴「?合わないんじゃなかったの?」

ゴーグル「そりゃアイテムっすよ」

上条「じゃあ・・・フレンダとは今も一緒にいたいのか?」

ゴーグル「どうなんでしょうかね・・・」

垣根「・・・まぁグダグダ言うな、俺たちと連絡取れるなら間接的にアイテムとも連絡は取れるし」

ゴーグル「いつからスクールとアイテムは仲良しに・・・」

心理「あ、はんぺん美味しい」

美琴「ちょうだいちょうだい」

心理「はい」

美琴「ありがとー!」

上条「・・・おでんは温もりがいいよな」

ゴーグル「・・・なんかほのぼのしてますね」

29 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 11:38:12.45 ID:SbMNjWiJ0
垣根「こういうのも最近は悪くないって思い始めてな」

ゴーグル「俺も別に嫌いじゃないっすよ」

上条「・・・ゴーグルはこれからどうするんだ?」

ゴーグル「そうっすね・・・金はたくさんありますけど」

美琴「・・・そうじゃないわよ、一人で暮らすの?」

ゴーグル「・・・まぁそれでもいいかなぁ、と」

心理「寂しいわね、フレンダがいるじゃない」

ゴーグル「あ、あれは安眠妨害装置っすよ?」

垣根「どういうことだよ?」

ゴーグル「だって寝てるときに蹴りはくらわしてくるしいびきはかくし・・・寝言で俺を呪ってるし」

垣根「・・・一緒に寝たのか?」

ゴーグル「違いますよ・・・フレンダさんがソファーで寝てたんす、俺はそれを起こそうとして死に掛けたんすよ」

美琴「うわ・・・怖い」

ゴーグル「・・・でも、楽しかったっすよ」

心理「・・・今からフレンダの元に行きなさいな」


30 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 11:43:19.87 ID:SbMNjWiJ0
ゴーグル「う・・・さっき別れてきたばっかっすよ、気まずい・・・」

垣根「知るか」

ゴーグル「知るかって・・・」

心理「もしかして、フレンダがアイテムのほうを選んだのが悔しいの?」

ゴーグル「ち、違いますよ!!」

上条「あ、ヤキモチか」

美琴「なーんだ、フレンダのこと気になってるんじゃない」

ゴーグル「違いますからね!」

垣根「どっちにしろ、てめぇは居場所を見つけなきゃならねぇ」

ゴーグル「・・・そうかもしれないっす」

上条「フレンダの近くは心地いいんだろ?」

ゴーグル「・・・言ってますけど、恋愛感情じゃないっすよ?」

美琴「はいはい・・・問題はそれじゃないわよ」

垣根「ほれ、行ってきな」


31 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 11:48:15.27 ID:SbMNjWiJ0
ゴーグル「・・・一人じゃきついっすけどね」

美琴「あ、じゃあ私と当麻も行ってあげるわよ!!!」

上条「そうだな」

ゴーグル「い、いや!!そこまでしてもらうのは・・・」

美琴「いいっていいって!!」

上条「俺たちが手伝ってやるから!な!!」

ゴーグル「は、はぁ・・・」

心理「それじゃ、よろしくね」

美琴「うん!」

垣根「あー・・・だりぃ、早く正午になーれ」

上条「魔法をかけるな」


ゴーグル「・・・はぁ」

美琴「・・・さっきから溜め息ばっかりね」

ゴーグル「仕方ないっすよ・・・」

上条「・・・あ、いたいた」

32 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 11:50:55.21 ID:SbMNjWiJ0
ゴーグル「あれ、フレンダさんは一人みたいっすね・・・」

上条「なんかキョロキョロ見渡してるな」

美琴「麦野さんたちとはぐれたのかな?」

ゴーグル「はぐれたんすかね・・・」

上条「・・・でも今なら一人でいいだろ?」

ゴーグル「え?」

美琴「そうね、二人きりなんだしがんばって!!」

ゴーグル「ちょ、ちょっと!?」

ゴーグル男が大声を出してしまう

その声に、フレンダが勢い良く振り返った

フレンダ「あ!!いた訳よ!!!」

ゴーグル「げ・・・」

上条「じゃあなゴーグル!!!」

美琴「告白はストレートに、よ!!」

ゴーグル「・・・いつの間にやらそんなラブコメになってたんすね・・・」ハァ

33 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 11:55:43.33 ID:SbMNjWiJ0
フレンダ「ちょっと!!何いまさら帰ってきてる訳よ!!」

ゴーグル「う・・・そりゃ申しわけないっす」

フレンダ「い、いまさら帰ってくるとか超ダサい訳よ!!」

ゴーグル「・・・これだからイヤだったのに・・・」ハァ

フレンダ「な、なに溜め息ついてんのよ!?」

ゴーグル「・・・その」

フレンダ「な、なに?」


ゴーグル「フレンダさんってなんで俺を探してたんすか?」

フレンダ「!?わ、わわわ私は麦野たちを探してた訳よ!!!」

ゴーグル「だったら携帯で連絡、取れるでしょ」

フレンダ「て、天国から来たから持ってなかった訳よ!!」

ゴーグル「・・・だとしても、なんではぐれたんすか」

フレンダ「わ、私がちょっとはしゃぎすぎた訳よ!!!」

ゴーグル「へぇ・・・」

フレンダ「・・・アンタを探してたんじゃないからね!!」

34 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 11:59:53.59 ID:SbMNjWiJ0
ゴーグル「・・・フレンダさん、俺はフレンダさんと一緒にいると面白いっす」

フレンダ「にょわっ!?」

ゴーグル「そりゃ、うるさいしめんどくさいし子供だしタイプじゃないし胸小さいし」

フレンダ「・・・絶対にバカにしてる訳よ・・・」

ゴーグル「でも、そんなフレンダさんが嫌いじゃないっす、面白い友達っす」

フレンダ「ま、まぁ・・・私も嫌いじゃない訳よ」

ゴーグル「・・・その」

ゴーグル男が携帯を差し出す

天国から来たときに持ってきたのだ

ということは、フレンダだって携帯くらい持っているはず

それはやはり

ゴーグル(・・・麦野たちとはぐれたわけじゃないんすね)


ゴーグル「これ、俺の電話番号とメアドっす」

フレンダ「!!いいの?」

ゴーグル「ヒマだったらちゃんと返せますので」

フレンダ「ま、まぁ!!ヒマだったら電話くらいならいい訳よ!」

35 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 12:06:09.52 ID:SbMNjWiJ0
ゴーグル「・・・じゃあ、俺はこれで」

フレンダ「あ、あのね!!」

ゴーグル「はい?」

フレンダ「麦野と絹旗は・・・その、ご飯食べに行っちゃって・・・」

ゴーグル「は?この時間にっすか?」

フレンダ「それで、浜面と滝壺はイチャついててムカつく訳よ」

ゴーグル「あ、分かりますよその気持ち」

フレンダ「でしょ?」

ゴーグル「それで・・・今は一人っすか」

フレンダ「あー、ヒマだなぁ!!誰か一緒に回ってくれないかなぁ!!」

ゴーグル「・・・フレンダさんってツンデレキャラだったんすね、知らなかったです」

フレンダ「ち、違う訳よ!!」

ゴーグル「俺でよければ喜んで」

フレンダ「あ、ありがと!!じゃあ食べ回る訳よ!!」

ゴーグル「うへぇ・・・」


ゴーグル男とフレンダの食べ歩きが始まる

だがゴーグル男は知らない

まさかあんな悲劇が始まるなんて、知らない


36 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 12:11:35.69 ID:SbMNjWiJ0
ショチトル「ん?まだ正午にはなってないのか・・・」

エツァリ「そうですね・・・どうしましょうか」

テクパトル「というか、正午になってもやることはないけどな」

19090「・・・大食い大会とかに行くんでしょうかね」

テクパトル「大食い?」

19090「このチラシ、見て下さい」

19090号が樹にくくりつけてあるチラシを指差す

「新春!!大食い大会!」と書かれている

なんでも用意された食事を全て食べきれば、賞金がもらえるらしい

テクパトル「参加料は2000円・・・」

エツァリ「・・・メニューが書いてありますね・・・」

ショチトル「ほうほう・・・でも昼飯にはちょうどいいんじゃないか?面白そうだし」

19090「これ・・・食べきる人なんていないでしょうね」

ショチトル「あぁ、さすがにこれを食べきるのは無謀だな」


37 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 12:14:18.85 ID:SbMNjWiJ0

一方「・・・大食い大会?」

番外「何このチラシ?」

一方「・・・まァ2000円払っても損はしねェ量のメニューだな」

番外「いいんじゃない?面白そうだし」


食蜂「・・・ふーん、大食い大会かぁ」

打ち止め「なんか面白そうだね!」

御坂妹「・・・しかし、これはなかなかハードなメニューですね」

■■「・・・これで優勝すれば。人気者」

吹寄「・・・よし、正午になったら提案しましょう」


削板「大食いか!いいんじゃないか!」

黒子「ちょうどおなかの空く時間ですしね」

削板「よーし!!そろそろ正午だし、向かうぞ!」

黒子「はいですの」

38 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 12:17:58.47 ID:SbMNjWiJ0
フレンダ「?見て見て、大食い大会だって」

ゴーグル「うへぇ・・・こんなもん食べられないっすよ」

フレンダ「でもわざわざレストラン行くのもあれじゃない?」

ゴーグル「・・・やってみますか?賞金なんてどうせもらえないでしょうけど」

フレンダ「うん、いいんじゃない?」


上条「へぇ・・・大食い大会か」

垣根「あちこちにこのチラシ貼ってあるみたいだったな」

心理「じゃあみんなも見てるかもね」

美琴「ふーん・・・面白そうね」

上条「副賞は・・・レストランの割引券、ゲコ太グッズの詰め合わせ?」

美琴「!!!ホント!?」

垣根「あ?提供がゲコ太のアニメーション会社じゃねぇかよ」

美琴「やろう!」

心理「はぁ・・・私は見物にしておくわ」

垣根「じゃ、集合場所に行くか」


39 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 12:20:38.59 ID:SbMNjWiJ0
仲間達は正午に集った

ちょうど、大食い大会が始まる20分前

彼らは燃えていた

必ず食べきってみせると

そして、新春の昼を楽しむと

上条「よーし!腹は空いてるか!?」

一同「おう!!」

ショチトル「いっぱい食べたけどまだいけるぞ」

■■「ふふ。ここでハラペコ巫女さんキャラを作ってみせる」

一方「・・・やってやろうじゃねェか」

上条「じゃあ向かうぞ!!」


上条「大食い大会へ!!」


彼らは失念していた

本当の「大食い」キャラが誰なのかを

その「大食い」キャラだって、学園都市にいることを


40 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 12:21:28.29 ID:SbMNjWiJ0
いったん休憩

正月だもの、いろんなキャラ出してもいいじゃない


いいじゃない、収拾つかないけどいいじゃない

41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/26(月) 12:37:44.84 ID:a4xD1zAIO
白いしすたーさん?
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/26(月) 12:41:05.85 ID:qsm0VMV70
まwwwwさwwwwかwwww
ここで登場ですかww
43 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 13:00:07.11 ID:SbMNjWiJ0

上条「おぉ・・・すっげぇ・・・」

美琴「こ、こんなに集まるもんなのね・・・」

一方「物好きが多いンだな」

一同が辺りを見回す

どう見ても、軽く1000人は集まっている

一つの長机は5人掛け

それが横に10列、縦に20列は並んでいる

しかも、それだけでは足りないからか即席で席を作っているようだ

ショチトル「賞金は・・・50万か」

上条「・・・この人数から参加料巻き上げればそんくらい安いんだろうな」

吹寄「・・・なんか、一気にやる気が出てきたわ!!」

■■「お祭り騒ぎ」

御坂妹「これは燃えますね・・・」

削板「よーし!!!やってやろうじゃないか!!!」

意気込む一同を、二人の人影は呆れて見ていた


ゴーグル「・・・みなさんも参加っすか・・・」

フレンダ「よ、よーし!!張り切っちゃう訳よ!!」

44 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 13:03:24.28 ID:SbMNjWiJ0
心理「あら、二人も参加なの?」

ゴーグル「あ、心理定規さん」

フレンダ「・・・アンタは参加しないの?」

心理「当たり前でしょ、私はそんなに大食いじゃないし、おでんも食べたから」

フレンダ「ま、こんな量は食べきれないだろうけど」

ゴーグル「・・・2000円分はせめて食いたいっすね・・・」

心理「スポンサーは大きいアニメーション会社らしいわね・・・学園都市も変わったというかなんというか」

フレンダ「よーし!!負けない訳よ!!」

ゴーグル「・・・俺はボチボチでいいっすよ」


上条「あ、始まるみたいだな」

テクパトル「・・・水はおかわり自由・・・か」

美琴「でもこういうのって水で流し込むのはまずいわよね」

テクパトル「最初は普通に行こうか」

19090「そうですね・・・」

エツァリ「・・・食べきれる自信がありません」

45 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 13:10:30.73 ID:SbMNjWiJ0
垣根「・・・来るぞ」

「ではみなさん!!始め!!!」

黒子「よし、がんばりますの!!!」

選手一同が一斉に箸を握る


ゴーグル「・・・ま、まずはベークドチキンからっすか・・・」

フレンダ「・・・私はそばからいく訳よ」

ゴーグル「・・・無理だったら無理って言ってくださいね、吐きそうなフレンダさんとか見たくないっすから」

フレンダ「そりゃお互い様な訳よ・・・」

フレンダが溜め息をつきながらそばをすする

味はかなり美味しいため、今は純粋に昼ごはんとして楽しめる

フレンダ(・・・にしても、隣の子・・・ずいぶんと小柄な訳よ)

ゴーグル(この子一番最初にダウンするんじゃないっすか?)


イン「ずぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞ」


46 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 13:15:39.26 ID:SbMNjWiJ0
ショチトル「・・・お米・・・」

テクパトル「・・・そばに米・・・か」

削板「おぉ!!美味しいぞ!!」

テクパトル「・・・食べ合わせは微妙だな・・・」

番外「っていうか、確実にこれ・・・」

食蜂「脱落者を多く出させるために炭水化物増やしてるわよねぇ」

打ち止め「・・・お水・・・」

一方「・・・くそ・・・無理すンなよ・・・」

上条「お前もな・・・」

■■「あ、お吸い物美味しい」


ゴーグル「・・・あぁ、エビの天ぷら美味しいっす」

フレンダ「それそばにのっけたら最高な訳よ」

ゴーグル「あ、それいいっすね」


イン「美味しいんだよー!!!」

ゴーグル「・・・」

フレンダ(も、もう4分の1完食・・・?)

47 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 13:20:28.60 ID:SbMNjWiJ0
■■「・・・?なんでゴマ豆腐?」

テクパトル「ちょうど薄味のものもほしくなるだろ・・・」

垣根「・・・なんでハンバーグ?」

御坂妹「明らかに・・・?一方通行、どうしました?」

一方「・・・ギブ・・・」

削板「は、早くないか?」

食蜂「うわだっさ・・・」

打ち止め「ミサ・・・私も・・・」

吹寄「子供にはきついかもね・・・」

美琴「・・・ゲコ太のためとは言ってもきついわね・・・」

上条「話してる暇があったら食べたほうがいいぞ・・・」

テクパトル「・・・これは流石に・・・」

番外「きついよね・・・」

19090「・・・う、ここに来て昆布巻き・・・」

48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/26(月) 13:24:13.14 ID:qsm0VMV70
何このランダムフードはwwww
49 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 13:26:58.85 ID:SbMNjWiJ0

フレンダ「・・・きっつ・・・」

ゴーグル「まだ4分の1っすよ・・・先は長いっす」

フレンダ「・・・ねぇ、そっちの子はなんでそんなに食べられる訳よ?」

イン「はむはむ!!ん?私なのかな?」

ゴーグル「・・・もう半分・・・」

フレンダ「信じられない訳よ・・・」

イン「あのね、なんで食べられるの?って聞くのがおかしいんだよ!」

ゴーグル「は、はぁ・・・」

イン「なんで食べられないの?なんで諦めてるの?こんなに美味しいものが目の前にあるんだよ!?」

フレンダ(ダメだ・・・この子おかしい訳よ)

ゴーグル「・・・と、とにかく・・・食べましょう」

フレンダ「うん・・・」

イン「それにしてもこもえはどこなのかな?」モグモグ

ゴーグル「・・・しゃべりながらなんで食べられるんですか・・・」

フレンダ「・・・ゴーグル、水取って・・・」

ゴーグル「あ、はいはい」


50 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 13:33:46.85 ID:SbMNjWiJ0

垣根「あー、ダメだわギブギブ」

エツァリ「もうダメです・・・」

19090「・・・こんなもの食べきれるわけがありません・・・」

美琴「はぁ・・・なんて量なのよ・・・」

番外「・・・テクパトルと削板はまだ食べられるんだ・・・」

削板「・・・」

テクパトル「・・・さすがにちょっときつくなってきたな」

削板「くっ・・・あと半分もない、大丈夫、いけるさ!!」

テクパトル「最初に炭水化物を食べてたのはありがたいな・・・」

削板「・・・にしても・・・」


テクパトル・削板「なんで姫神もまだ食べられるんだよ・・・」

■■「ふふふ。ハラペコ巫女さん・・・ハラペコ巫女さん」

テクパトル(執念を感じる・・・)

削板(寒気がした・・・)


51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/26(月) 13:34:40.35 ID:+z+/jR2Z0
なるほど、巫女VSシスターか・・・・・・これは見ものだな
52 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 13:38:25.12 ID:SbMNjWiJ0
フレンダ「・・・」

ゴーグル「フレンダさん、ギブしたほうがいいっすよ」

フレンダ「うぅ・・・で、でも・・・」

ゴーグル「・・・参加料くらいなら俺が払いますから」

フレンダ「ほ、ホント!?」

ゴーグル「まぁ・・・にしても、これどう考えてもおかしいっすよね・・・」

フレンダ「・・・食べきる人がいることなんて想定してない訳よ」

ゴーグル「・・・まぁ、そうだったんでしょうけどね」

ゴーグル男が呆れたように隣の少女を見る

銀髪のシスターだろうか

見た目は明らかに外国人だ

シスターさんが大食いをしているのはなかなか面白い光景である

しかも、ほとんど完食に近い

イン「あれ?もう終わりなのかな?」

フレンダ「・・・すっごい・・・」

53 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 13:43:34.65 ID:SbMNjWiJ0

テクパトル「・・・無理だ」

削板「はぁ・・・大晦日の夜だからっていろんなもん食いすぎたのがそもそもの過ちの始まりか・・・」

テクパトル「・・・姫神・・・」

■■「ふふ。もう残ってるのは私だけ・・・」


「おぉっと!!これで残りは二人となりました!!」


■■「!!!???」

吹寄「の、残ってる人がまだいるの!?」

食蜂「誰なのよ・・・」

打ち止め「あ、あれ・・・」

一方「あ、あいつは・・・」


イン「ふふふ・・・少ない・・・少ないんだよ、足りないんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!」


上条「インデックス!?」

美琴「来てたのね・・・大食いシスター!!」

垣根「・・・ていうか隣にゴーグル馬鹿とフレンダがいるな」

54 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 13:50:52.69 ID:SbMNjWiJ0
イン「・・・?あいさもいるんだ、へぇ」


■■「・・・あの子は・・・私の一番のライバル」


イン「いいんだよ、私の胃袋に楯突こうっていうんだね」


■■「ふふ・・・ふふふ。やってあげる!!!!」


「な、なんということでしょう!!まさか残ったのは二人とも女性!!」

「一人は・・・イギリスのシスター、インデックスさん!!」

「もう一人は・・・知りません!がんばってください!!」


■■「え?」

吹寄(・・・データがないのね・・・)

食蜂(かわいそう・・・)

垣根(やっと認知され始めたのに)

一方(不憫だなァ)

美琴「・・・インデックス・・・もうミカンだけね・・・」

ショチトル「化け物だろあれ」

エツァリ「・・・見ているだけで吐き気が・・・」


55 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 13:57:38.38 ID:SbMNjWiJ0
イン「・・・あいさ、待っててあげるんだよ」

■■「・・・なんですって?」

イン「さぁ、早く追いついてくるんだよ」

■■「・・・分かった」


テクパトル「!!姫神が他の食材をどんどん放り込んでいく!」

上条「よ、よく食べられるな・・・」

美琴「なんなのよこの二人・・・」


■■「・・・残りはミカンだけ」

イン「・・・じゃ、食べるんだよ」

二人が同時にミカンを口に放り込む


「か、完食!!お二方が賞金を・・・」


イン「ダメなんだよ、それじゃあ」

「は、はい?」

■■「王者というのは。二人もいらない」

イン「ブラックホールは一つでいいんだよ、私とあいさのどちらかが勝つまで続くんだよ」


垣根「まだ食べるのかあいつら」

心理(・・・今更だけど、参加すればよかったわ)

56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/09/26(月) 13:59:29.61 ID:vWfh1mHU0
更新速度最強SS
57 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 14:04:23.31 ID:SbMNjWiJ0
■■「・・・いいよ。やってあげる」

イン「じゃ・・・手始めに、今のメニューをあと3つかな!」

■■「・・・え?」

イン「?どうしたの?あいさ?」

■■「・・・3つ・・・?」

イン「ダメなのかな?あいさの胃袋はそんなものだったの?」

■■「で、でも」

イン「・・・じゃあ、私の勝ちなんだよ」

■■「くっ・・・」

イン「・・・一つ教えてあげる、あいさは腹ペコキャラになれない」

■■「!?どうして・・・」

イン「あいさは、そこに食べ物があるから食べようとする・・・その時点で常人なんだよ」

垣根(いーえ、大食いです)

イン「でもね、私は違う」


イン「私が望めば、そこに食べ物が現れる」

イン「それが腹ペコキャラ、それが王者なんだよ」

イン「食べ物があるから食べるんじゃない、食べることに理由なんていらないんだよ」

■■「ま、負けた・・・」


58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/26(月) 14:05:37.43 ID:flen7ZPIO
相変わらず早いな。乙。
59 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 14:10:44.95 ID:SbMNjWiJ0

「優勝はインデックス選手です!!」

会場からどよめきと歓声が上がる

イン「やーやー!!我こそは最強の悪食王、インデックスなんだよ!!」


フレンダ「・・・信じられない・・・」

ゴーグル「化け物・・・」


黒子「・・・というか・・・」

上条「あいつまだ全然腹膨れてないだろ・・・」

テクパトル「・・・神秘だ」

19090「・・・恐ろしいものを見ましたね」

ショチトル「・・・はぁ・・・」

垣根「・・・これからどうするんだよ・・・」

上条「とりあえず・・・いったん休憩しようぜ」

美琴「うぅ・・・ゲコ太・・・」

上条「あとでインデックスからもらうか」
60 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 14:17:05.93 ID:SbMNjWiJ0
一方「・・・よォ」

イン「あ、みんなもいたんだね!」

上条「その・・・ゲコ太の・・・」

イン「あ、みことにあげるんだよ!」

美琴「ホ、ホント!?」

イン「私が持ってても意味ない・・・あー!!!こもえ!!!」

小萌「ぷはー・・・あ、シスターちゃん、ここにいたのですねー・・・って上条ちゃん!?」

上条「げ」

小萌「げ、とはなんなのですか!!先生はそんな子供に育てた覚えはありません!!」

上条「アンタは俺の母親か!!っていうか堂々と昼間から酒を・・・」

■■「小萌。何してるの」

小萌「あ、姫神ちゃんもいたのですかー」

上条「話聞いてくださいよ!!その見た目で酒はアウトでしょ!!」

小萌「先生は酒豪なのですよー」

テクパトル(・・・なんだこの生き物は・・・)

エツァリ(・・・髪の毛は染めてるんでしょうか)

61 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 14:21:23.95 ID:SbMNjWiJ0
ショチトル「・・・どんどん人口密度が上がっていくな」

心理「そうね」

食蜂「あ、いたのぉ?」

心理「ずーっと大食い大会を見てたけど・・・」

■■「・・・私の敗北は。もはや運命」

イン「あいさも悪くはなかったんだよ」

黒子「むしろすごすぎましたの」

打ち止め「・・・おなかいっぱいで動けないよ・・・」

御坂妹「・・・ダイエットに励まなければ・・・」

番外「あー、そうだね・・・」

吹寄「はぁ・・・女は悩むものよね・・・」

削板「ははは!!健康第一だからな!」

上条(ダメだ、人が多すぎて把握できない!)

小萌「そうそう、シスターちゃん、あっちに美味しそうなお団子が売ってましたよー」

イン「行くんだよ!!」

御坂妹「・・・私はそろそろ家に帰りますね」

テクパトル「ん?そうか」

62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/26(月) 14:27:54.98 ID:qsm0VMV70
ところどころに>>1の心境がww
63 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 15:03:36.38 ID:SbMNjWiJ0
吹寄「私達もそろそろ・・・」

垣根「あぁ?なんでよ」

吹寄「・・・友達と予定がね」

■■「カラオケに行くのよ」

食蜂「・・・そうなんだ」

吹寄「食蜂も行く?」

食蜂「!!いいの!?」

■■「もちろん」

垣根「じゃあ俺も・・・」

心理「あなたはダメよ」

垣根(ちっ)


上条「じゃあ・・・俺たちは羽根突きでもするか」

美琴「前もやったわね・・・懐かしい」

テクパトル「そうなのか?」

一方「お前らはいなかったなァ」

64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/09/26(月) 15:07:07.72 ID:hFpyqmrAO
キャラ減らしにかかってやがるwwww
65 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 15:10:33.51 ID:SbMNjWiJ0
垣根「懐かしいな・・・たしか負けたらほっぺたに落書きだったな」

ショチトル「よーし、川原に移動してやってみるか」

打ち止め「ミサカは審判ね!!」

エツァリ「えぇ、お願いします」

一方「・・・カップルでいいンだよな?」

美琴「うん、いいんじゃない?」

番外「よっしゃ、優勝してやるからね!!」

19090「ふふん、愛の大きさならミサカたちが一番です!」

削板「いやいや!!俺たちだな!!!」

テクパトル「負けられないな・・・」

垣根「さて・・・移動するか」

一同がゾロゾロと移動する

正月の昼間の番組は録画して夜に見る

そして昼間は外で遊ぶ

典型的な若者の遊び方なのだ

66 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 15:15:51.64 ID:SbMNjWiJ0

上条「・・・さて」

垣根「コートは書いた」

ショチトル「羽子板も羽もある」

垣根「・・・20点先取の試合でいいな」

テクパトル「あぁ、いいぞ」

一方「・・・誰からやるンだよ」

削板「よーし!!じゃあ俺たちが行こうか!!」

エツァリ「・・・では自分達が行きましょうか」

ショチトル「ほう・・・いいだろう」

黒子「いい度胸ですの!!」

打ち止め「じゃあ始めるね!!」


打ち止め「第一回、今年の初めは羽を突く!!」

打ち止め「チキチキ、そ、そんなところ突いたらダメ・・・羽根突き大会・・・」

一方「誰だ台本書いたのはァ!!!!!!!!!」

垣根「ひゃひゃひゃ!!」

一方「てェェェいとくゥゥゥゥゥゥゥゥン!!」


67 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 15:21:37.87 ID:SbMNjWiJ0

削板「・・・」

垣根「さぁ、先攻は削板、白井チーム」

心理「実況は、メルヘン男垣根と、ときどき怖い心理定規がお送りします」

垣根「・・・削板は力だけでもかなり強いからな・・・あとはコントロールが上手くいけば完璧だな」

心理「なお今回は能力、魔術使用が自由です」


黒子(・・・わたくしの能力は触れなければ使用不可能・・・)

黒子(・・・羽ではなく羽子板を飛ばすしかありませんの)

黒子(となると・・・)

黒子「軍覇さん、攻撃はお願いしますの!!」

削板「任せとけ!!」

削板が空を目掛けて羽を投げる

削板「くらえ!!バーニングスマーッシュ!!!!!!!!!」


エツァリ「!?ま、摩擦熱で羽が燃えている!?」

68 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 15:30:48.51 ID:SbMNjWiJ0
ショチトル「エツァリ!!突っ立ってるな!!」

エツァリ「くっ・・・ってあつっ!!!」

エツァリが羽を弾き返そうとするが羽子板が熱を伝えてしまう

ショチトル「おかしい・・・羽子板でさえ一瞬で燃やしてしまうなんて!」

エツァリ「というか・・・羽子板が一個燃え尽きたんですが・・・」


打ち止め「削板チームに1ポイント!!ってミサカはミサカは審判ぶりを発揮してみたり!」

ショチトル「こ、これは事故だろ!?」

打ち止め「ダメ!」

エツァリ「くっ・・・」

垣根「替えの羽子板はある」

心理「ほら、早く落書きされなさい」

ショチトル「・・・」

黒子「では・・・」


「肉便器」


ショチトル「」


69 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 15:39:06.88 ID:SbMNjWiJ0
エツァリ「・・・次は我々の攻撃ですね」

ショチトル「・・・教えてやろう・・・アステカの恐ろしさを!!」

エツァリ(ほっぺに書かれた肉便器の文字が痛いですね・・・)

ショチトル「これが暦石の力だ、いけエツァリ!!!」

エツァリ「・・・はい?」

ショチトル「いけよエツァリ!!!」

エツァリ「は、はい?」

ショチトル「お前の原典は月のウサギだろ!?」

エツァリ「あの、これは骨ではないのですが」

ショチトル「・・・」


ショチトル「え、じゃあどうやって勝つの?」

エツァリ「知りませんよ、とりあえず打ちますよ」

ポーン、とエツァリが適当に羽を打つ

削板「ははは!!遅い!!」

エツァリ「・・・どうですかね」

削板「!?」

70 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 15:44:01.06 ID:SbMNjWiJ0
エツァリが口元を少し歪める

それにイヤな予感を覚えた削板は一歩後ろに引く

黒子「い、一体何を・・・?」

エツァリ「いえ、何もしてませんよ」


削板・黒子「・・・」

ぽこん、と羽が地面に落ちる

エツァリ「いえ、削板さんはあまり頭脳戦は得意ではなさそうなので・・・」

削板「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!卑怯だ、卑怯だぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

ショチトル「さすがエツァリ」

エツァリ「では・・・」

エツァリが筆を取る

黒子の頬に「一人オセロ」と書く

エツァリ「白井さんが書いたのに比べたらマシですよね」

黒子「ちくしょうですのぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」

削板「次は俺たちだからなぁ!!」


71 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 15:50:30.11 ID:SbMNjWiJ0

ゴーグル「はぁ・・・ん?」

フレンダ「・・・どうした訳よ」

神社からの帰り道

二人は川の近くの道を歩いていた

ゴーグル「・・・みなさんが羽根突きしてますね」

フレンダ「あ、ホントだ・・・」

ゴーグル「・・・楽しそうっすね」

フレンダ「でもあの中には混じりたくない訳よ」

ゴーグル「俺もっすね」

フレンダ「ねぇ、これからどうすんの?」

ゴーグル「・・・どうしますか?」

フレンダ「こういうときって何すればいい訳よ」

ゴーグル「知りませんよ」

ゴーグル男が川原を見つめる

ハチマキを巻いた少年の打った羽が相手の男の顔面に直撃していた

72 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 15:57:50.35 ID:SbMNjWiJ0
ゴーグル「・・・女性と二人っきりってのが初めてに近いですからね」

フレンダ「一応女性としては見ていてくれた訳ね」

ゴーグル「まぁそれは」

フレンダ「・・・ねぇねぇ、買い物とかどう?」

ゴーグル「混んでるからイヤっす」

フレンダ「じゃあ・・・どっか景色見に行くとか」

ゴーグル「遠慮しときます」

フレンダ「・・・何がしたい訳よ」

ゴーグル「せっかくっすからテレビ見ません?」

フレンダ「テレビぃ?」

ゴーグル「・・・あ、でも見る場所がないっすね」

フレンダ「アイテムの家は?」

ゴーグル「えー・・・なんか遠慮したくなりますね」

フレンダ「いいじゃん、麦野たちは出かけてるんだし」

ゴーグル「じゃあそうしますか」


73 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 16:01:53.07 ID:SbMNjWiJ0
フレンダ「・・・ねぇ」

ゴーグル「・・・なんすか」

フレンダ「結局さ、なんであの後帰ってきたわけ?」

ゴーグル「は、はい?」

フレンダ「いや、携帯の番号教えた後」

ゴーグル「・・・いや、だってヒマだったんで」

フレンダ「なんかおかしな空気になってた訳よ」

ゴーグル「・・・」

フレンダ「まぁ、このフレンダ様に仕えたい気持ちは分かるけどね!!」

ゴーグル「違いますよ、ちょこっと帰っただけっす」

フレンダ「へぇ・・・」

ゴーグル「・・・それより、アイテムの家ってどんなとこなんすか?」

フレンダ「普通の家な訳よ」

74 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 16:04:54.19 ID:SbMNjWiJ0
ゴーグル「ふーん・・・」

フレンダ「家に下着とか干してあっても興奮したらダメだからね」

ゴーグル「しないっすよ」

フレンダ「ちっ・・・つまんないヤツぅ」

ゴーグル「・・・あ、ハチマキの人たちが勝ったみたいっすね」

フレンダ「?何が?」

ゴーグル「あぁいや・・・じゃあ行きますか」



削板「ははは!!根性が足りなかったんだよ!!!」

黒子「わたくしたちの愛情に勝とうなんて不可能な話でしたの!」

エツァリ「・・・顔が墨で真っ黒です」

ショチトル「・・・20対1っておかしいだろ・・・」

削板「奇襲は一度までだ!!二度目はない!!」

75 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 16:19:02.80 ID:SbMNjWiJ0
垣根「さぁ!!一番最初に勝ち残ったのは削板だ!!」

打ち止め「次は誰かな!?ってミサカはミサカはネタ振りをしてみたり!」

一方「・・・やってやンよ」

心理「あらら、いいじゃない」

上条「よし・・・じゃあ俺達が」

美琴「いいわよ、受けて立とうじゃない」

番外「いいの?お姉様、この羽は金属製じゃないよ?」

美琴「一方通行こそいいの?この羽に手を触れることは出来ないわよ?」

一方「はン、そンくらいのハンデ、なンともねェよ」

心理「では第二回戦ね」

テクパトル「・・・しかし、これは見物だな・・・」

ショチトル「墨が目に入って痛い」

上条「いくぞ、一方通行!!!」

一方「あァ、やってやンよ!!」

76 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 16:24:32.27 ID:SbMNjWiJ0
打ち止め「さぁ!!始まりました二回戦!!ってミサカはミサカは実況に加わってみたり!」

心理「・・・一方通行は羽子板にベクトルを伝えることが出来るし、風を操れば面白い軌道にすることも出来るわね」

垣根「御坂は・・・水蒸気を爆発させて羽の勢いを早めることもできるな」

心理「そうね・・・番外個体も同じ」

垣根「問題は上条だ、あいつは右手以外なんの特別な力もない」

心理「・・・どう出るのかしらね」


一方「・・・教えてやるよ、最強ってのがどういうもンかを」

番外「ミサカはその後ろを守るよ」

上条「・・・美琴、守りは俺に任せてくれ」

美琴「うん」


垣根「では二回戦、異兄弟の勝負!!」

心理「優秀なのはどっちのカップルか」

垣根「では、始め!!!」


77 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 16:28:27.79 ID:SbMNjWiJ0
今日はここまで

4時間バイトってヒマだよね

でも明日は休みだからがんばる


何が怖いって、ゴーグルとフレンダが大好きな>>1はこの二人を出しすぎてること

さすがにこの二人はそろそろフェードアウトさせないとね

それかエツァリとショチトルと替えるかだねwww


フレンダとゴーグルってお似合いな気がするんだけどな・・・俺だけか?

というか>>1の好みはおかしいのかな?

テクパトルとかも好きだしww


では行って来ます

78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/26(月) 16:40:32.92 ID:le/Ev8Eg0
>>1 いってらっしゃい!!

俺は原作のテクパトルがわからないから好き嫌いが言いにくいよ。

>>1よ、フレンダとゴーグルは似合ってると思うよ。

エツァリとか減らすとイジリ要因が減っちまうぞ?
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/26(月) 17:32:06.12 ID:qsm0VMV70
>>1いってらしゃい
これ以上キャラを減らすなら(そげぶ
あ、増やすのはおkですよ
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/09/26(月) 19:26:57.49 ID:/CIMAe/AO
>>1は何でそんな暇なの?
81 :VIPにかわりまして統括理事会がお送りします [sage]:2011/09/26(月) 21:42:22.02 ID:IIy9+W/Y0
神の右席とレギュラーメンバーを絡めて欲しい。
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/26(月) 21:44:27.36 ID:le/Ev8Eg0
>>81 すごいことになるぞ。それこそまさにカオスwwwwwwww
83 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 22:25:43.49 ID:SbMNjWiJ0
>>80 まぁ通信の高校生で指定校推薦取れたから大学受験も割りと余裕があってなおかつ最近バイトは週3くらいで彼女がいないから、彼女がいないからです

あと書き溜めを夜に20〜50レス分くらい書くからそれもあるかと

要はヒマなんですね

ただただヒマなひきこもりなんですね

84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/26(月) 22:36:11.76 ID:Z7Tawo5SO
麦のんに彼氏が出来る予定はあるのかな?
85 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/26(月) 22:52:14.26 ID:SbMNjWiJ0
>>84 今のところはないです

というかフレンダたちも付き合わせる予定はないです


では今日の筋肉動画

若かりし頃、25歳くらいのケビン・レブローニ

ナチュラルの大会だけどさすがにステくらいは使ってそうですね

でも彼はオリンピア時代も他の選手よりステは少なかったそうです

美しさ重視でしたからね・・・ホント綺麗

肩、三頭、胸のシルエットが抜群で背中も綺麗

足もロニーなんかと比べるとあれですがかなり太い

おまけに腹筋も締まってる

ロニーと並ぶくらいすごい選手でしたね

フリーポーズも上手いし

http://www.youtube.com/watch?v=cqBgR97gYxE 


ではおやすみなさい
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/09/26(月) 23:24:00.10 ID:YwbnYFP5o
87 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 10:56:55.28 ID:IWAg5Gnr0
上条「・・・美琴、一方通行の動きは気にしなくていい」

美琴「?どうしてよ」

上条「あいつは攻撃に徹するみたいだ・・・防御の俺だけが見てればいいからさ」

美琴「・・・任せていいの?」

上条「どうにかやってみせる」

上条が羽子板を構える

上条達からのサーブ

まずはここで一点を取らなければならない

上条「!」

力の限り、思い切り羽根を打つ

番外「・・・一方通行」

一方「ったくよ」

カチッ、と一方通行がチョーカーのスイッチを入れる

一方「こういうのは苦手なンだよ、手加減が難しいからなァ」

88 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 10:57:36.55 ID:IWAg5Gnr0
その言葉と同時に、彼の周りに風の渦が出来る

上条「はぁっ!?」

美琴「羽根、来たわよ当麻!」

上条「ずりぃ!風で打ち返すのかよ!」

上条がすぐさま羽根の元へ駆け寄る

だが

一方「させねェよ」

一方通行が更に風を巻き起こす

それは河原の砂利を巻き上げ、上条の視界を狭めた

上条「!きたねぇヤツだな!」

美琴「当麻、任せて!」

美琴が砂利を気にせず上条に近づく

そして羽根を見事に打ち返した

89 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 10:58:23.32 ID:IWAg5Gnr0
一方「なにィ!?」

美琴「一応レーダーがあるってことを忘れてたんじゃないかしら!?」

一方「・・・何回やったってお前らじゃ俺は超えられねェンだよ!」

一方通行が再び風を発動して打ち返す

上条「くっ!」

今度は上条が少し無理な体勢になりながらも打ち返す

一方(・・・なンだ・・・こいつら何してやがる)

一方通行は眉をひそめていた


上条達は明らかに、一方通行のほうをめがけて羽根を打っている

番外個体に向けて打ったほうがいくらか賞賛はあるはずなのだ

一方「ンなことしたって同じことの繰り返しだぜェ!?」

上条「ちっ・・・美琴!」

美琴「了解!」

90 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 10:59:09.22 ID:IWAg5Gnr0

二人は交互に羽根を打ち返している

少しでも体力の消費を和らげようとしているのか

一方「ちっ・・・クソが、苦し紛れに時間稼ぎ・・・!」

一方(そォかこいつら!)

一方通行の額に汗が浮かぶ

二人の狙いが分かったのだ

二人は端から、一方通行とまともな撃ち合いなんてする気がなかった

こうやって時間稼ぎをすることでチョーカーの電池が切れるのを待っている

そうに違いなかった

一方「クソ・・・番外個体!」

番外「はいはーい」

番外個体が一転してずっと防御に回る

だが、さすがに一人で二人を相手にするのは無理がある

91 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:00:07.14 ID:IWAg5Gnr0
番外個体も一応は戦闘用にチューニングされてはいる

かといって上条と美琴の二人は決して生半可な相手ではない

一方「・・・仕方ねェ」

チョーカーが切れるのが先か

それとも上条達を打ち砕くのが先か

一方「やってやろォじゃねェか!」

美琴「くらいなさい!」

美琴が羽根を一方通行に向けて打つ

それを先程までと同じように風で打ち返そうとする

美琴「よし!」

一方「あァ?」

美琴がいきなり電撃を放った

それは決して一方通行を狙ってはいない

92 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:01:25.34 ID:IWAg5Gnr0
近くの川をめがけて撃ったものだ

一方「何がしたい・・・」

美琴「雷撃レベルの電気を浴びせれば・・・水蒸気爆発だって起こせるのよ?」

突然、凄まじい衝撃と共に風がコート付近を襲った

一方通行は反射を適用しているため傷一つない

傷一つないが、にも関わらず彼は顔をしかめていた

突風によって風の計算を狂わされた

このままでは風を利用して羽根を打ち返すことが出来ないのだ

一方「めンどくせェな」

風を操るのを諦め、直接羽子板で打ちに行く

彼は体に触れたものしかベクトル操作は出来ない

だがベクトルを読むだけなら簡単に行える

風の動き、空気抵抗、重力加速

全てを瞬時に計算することで羽根の確実な落下地点を弾き出す

93 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:02:31.97 ID:IWAg5Gnr0
一方(誤差は2ミリ程度ってとこだな)

落下地点に先回りし、勢いよく羽根を打ち返す

羽子板を振るスピードを限界まで速くして

バギリ、という鈍い音がして羽根が打ち出される

上条「くそ!速い!」

上条が羽根に追いつく前に、羽根は地面に落ちた

美琴「や、やられた・・・」

番外「ひゃー・・・一点目からいきならヤバい攻防戦だね・・・」

上条「くそ・・・落書きか」

一方「オリジナル、こっち来い」

美琴「何よ・・・」

一方通行が美琴の頬に「ババア」と落書きをする

美琴「」

94 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:03:22.03 ID:IWAg5Gnr0
一方「はン、中学生以上はババアなンだよ、高校生は化石な」

上条「てめぇ!美琴をババア呼ばわりとはいい度胸だな!」

一方「悔しかったら勝ってみろよ」

上条「やってやろうじゃねぇか!」

上条が拳を握り締める

その果敢な勇気が崩れたのは19点目を取られてからだった

番外「はいお姉様、落書きね」

美琴「・・・当麻は一回も落書きされてないのね」

上条「俺は悪くないよ!?二人が美琴ばっか狙うんだよ!」

美琴「あっそ」

上条「美琴・・・墨だらけになっても可愛いな・・・」

美琴「な、何言ってるのよバカ!」

一方「はいはい、とりあえず俺らが今のところリーチな」

95 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:04:10.24 ID:IWAg5Gnr0

番外「お姉様達は一点も取ってないけどね」

上条「・・・分かった、最後の一回で取ってやるよ」

上条が羽根を握る

ここから逆転が出来ないと決まったわけではない

たった一度の可能性に賭けてみるのが男ではないだろうか

番外「へぇ、出来るもんならやってみなよ」

上条「・・・いくぞ」

上条が羽根を打つ

それは一方通行の正面に飛んでいく

美琴「ちょ、ちょっと!ただのサーブじゃない!」

番外「ぎゃはは!そんなの一方通行が軽く打ち返しちゃうもんね!」

上条「・・・」

番外「?なんか言ったらどうなのさ、何じっと遠く見つめて・・・」

96 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:04:49.53 ID:IWAg5Gnr0
番外個体が上条の視線を追う

相手が一点を凝視していたらついつい一瞬そちらを見てしまう

人間の性だ

それは一方通行も一種のようだった

もしもその先に何もなければすぐに視線を戻せばいい

何もなければ、だが

上条の視線の先には何かがあったのだ

一方通行を無力化してしまうほどの何かが


ロリ「見て見てサッちゃん!魚さん!」

ロリ「すごいねナッちゃん!」


番外「上条!最低!」

上条「・・・一方通行、早く打ち返したらどうだよ」

一方「あ、あァ・・・」

97 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:05:34.36 ID:IWAg5Gnr0
一方通行は固まったままだ

最早ロリから一瞬でも目を離したくないのだろう

番外「あぁもう!ミサカが打ち返す・・・」

美琴「!ナイスよ当麻、一方通行が無力化されたなら!」

美琴が少し弱めの電気を放つ

番外「にょわっ!?」

同じ電気を操る能力者だけは敏感に反応してしまうようだ

無意識のうちに体が防御の体勢に入っている

その体が攻撃に変わる前に、羽根は地面に落ちた

上条「しゃあ!一点!」

番外「汚いなさすが上条きたない」

美琴「汚くても勝てばいいのよ!」

番外「アナタもいつまで見てるのさ!ミサカだけを見ててよ!」

98 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:06:11.49 ID:IWAg5Gnr0
一方「で、でもよォ・・・」

番外「ロリはいつか大人になるの!その現実を認めてよ!」

一方「だからこそロリである今を見つめるンじゃねェか!」

番外「なんかよく分からないけどとりあえず私は落書きされたくない!うわ待ってよ上条!」

上条「・・・使用済、と」

番外「ひでぇ!何さそれ!」

上条「じゃ、次は一方通行からだな」

一方「あァ・・・」

一方通行が羽根を拾う

だがまだロリのほうをチラチラと見ている

番外「あぁもう!一方通行、目を覚ませ!試合を終わらせたらあのロリのとこに駆け寄っていけるんだよ!?」

一方「・・・待て、それは本当か?」

一方通行の目に炎が宿る

99 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:06:53.83 ID:IWAg5Gnr0
番外「当たり前じゃん!っていうかあのロリ達もこっち見てるよ!それなのに負けたりしていいの!?」

一方「・・・」

一方通行が掌の中に握った羽根を見つめる

あと一点

あと一点だけで自分は勝つのだ

ロリ達に見られながら勝利を収めるのだ

一方「・・・やってやろォ」

一方通行が羽根を空へ投げる

綺麗な軌道を描いて、羽根が落ちて来る

一方「見せてやるよ!これがベクトル操作の醍醐味!」

上条「!?まだ奥の手を隠してたのかよ!?」

一方「一方通行スマッシュ!」

一方通行の腕が目にも留まらぬ早さで動く

100 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:07:36.07 ID:IWAg5Gnr0
ビュン、と音がしたような気がしたし羽根が放たれたような気もした

だが見えない

最早音速にさえ近かった

かろうじて美琴はレーダーで羽根を捉らえた

それでも体は追いつかなかった

一瞬

刹那

あっという間

そういう表現がピッタリすぎるほどの短い時間

その短い時間で、羽根は一方通行の掌の中から上条たちの側のコートの地面へ移動していた

上条「や、やられた・・・」

一方「三下がはしゃぐからこうなるンだよ」

美琴「うぅ・・・」

101 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:08:11.34 ID:IWAg5Gnr0
番外「はーい、落書きね」

番外個体が美琴の頬に「非処女」と落書きする

美琴「い、いやぁ!これはひどいわよ!」

一方「うるせェな、次は垣根とテクパトル達だからな」

上条「美琴、今消してやるからな!」

番外「あぁん!お姉様の処女を奪ったのは上条・・・」

上条「黙れよもう!」


垣根「さーて・・・俺達の番か」

心理「長かったわね・・・」

テクパトル「・・・垣根は能力はやっぱり使うんだよな?」

垣根「当たり前だろ、そっちのほうが盛り上がるだろうが」

19090「お手柔らかにお願いします・・・」

垣根「ま、楽しんでいこうぜ」

102 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:09:04.13 ID:IWAg5Gnr0
一回戦最後は垣根達とテクパトル達の試合だった

これで勝ったチームが決勝へ進む

なおシードは一方通行達らしく、これで勝ったら削板達との決勝進出決定までをしなければならない

垣根「互いに体力は温存したいところだな」

テクパトル「まぁな・・・よろしく頼む」

テクパトルが羽根を握る

テクパトル「・・・美月」

ほかの誰にも聞こえないような大きさの声で19090号を呼ぶ

19090「は、はい!」

テクパトル「お前は出来る限り動かなくていい、怪我したらいけないからな」

19090「で、ですが・・・」

テクパトル「・・・勝てるなんて思ってはいないさ、ただ少しでも楽しまなきゃ損だろ」

103 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:09:51.89 ID:IWAg5Gnr0
テクパトルが羽根を空へと投げる

テクパトル「始めようか」

力の限り、羽子板を振りかぶる

垣根「いいじゃねぇか・・・勝てないと分かっていても正面から向かって来る勇気」

垣根「ぶち壊し甲斐があるってもんだなぁ!」

テクパトル「やれるもんならやってみろ!」

垣根「・・・一方通行が上条達に利用されたのは時間制限・・・」

垣根「だが俺の能力には何一つハンデなんてないんだ」

垣根が背中から翼を生やす

純白の翼

羽根突きの羽根と一瞬見間違えそうになってしまう

垣根「・・・」

垣根が羽子板で羽根を打ち返す

104 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:10:26.79 ID:IWAg5Gnr0
テクパトル「・・・最初からとばしたりはしないってわけか」

テクパトルが羽根の正面に回る

だがその時、いきなり風の向きが変わった


明らかにおかしな方向に風が吹いている

右から左、とか上から下、ではない


下から上へと風が吹いている

テクパトル「なっ・・・」

垣根「今の未元物質の性質は風の向きを変えるってヤツでな」

19090「テっくん、任せてください!」

19090号がどこから取り出したのか、軍用ゴーグルを頭にはめる

19090「!」

電撃を羽根に向けて撃つ

105 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:11:09.99 ID:IWAg5Gnr0
だがそれはなぜか的外れな方向へと飛んでいった

19090「!?」

垣根「ダメだぜ、電撃なんて少し避雷針の代わりになるものがあればすぐそっちへ飛んでいく」

見ると、垣根が何やら羽根の一部を空へ向けている

垣根「・・・物質の組み合わせによったら電撃を吸収しやすい物体だって作れてしまう」

19090「そ、そんなの・・・」

垣根「卑怯、か?」

垣根がそのまま羽根を振るう

一体羽根にどんな力が働いたのか

いきなり羽根が急降下を始めた

テクパトル「な、なんだこりゃ!?」

垣根「未元物質には様々な性質がある、そして俺の手元から離れても俺が自由に操ることも出来る」

心理「・・・私の出る幕はなさそうね」

106 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:11:50.63 ID:IWAg5Gnr0
垣根「ゆっくりしときな」

テクパトル「ちっ!」

テクパトルが羽根を打ち返そうとするが、再び羽根はおかしなふうに動いた

テクパトル「・・・」

垣根「言っておくが、その羽根普通の市販のものだからな」

心理「風のベクトルを乱したりするだけであんな風に出来るのよね」

19090「・・・や、やられました・・・」

テクパトル「・・・落書きか」

垣根「じゃあ19090号」

垣根が19090号の頬に「ちんすこう」と書く

19090「えっ」

垣根「はい、次は俺達からな」
107 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:17:46.93 ID:IWAg5Gnr0
心理「・・・あら、私がサーブでいいの?」

垣根「誰がやろうが一緒なんだよ」

心理「じゃあ行くわよ」

心理定規が羽根を軽く打つ

着物の袖が少し揺れているのがまた似合う

垣根「さぁ、どうすんだよテクパトル」

テクパトル「・・・」

19090「いきます!!」

19090号が羽根に向けて軽めの電撃を撃つ

だがもちろん、それは垣根の未元物質で歪められてしまう

垣根「だーかーらー、んなんじゃ・・・」

テクパトル「なるほどな」

垣根「あぁ?」

テクパトル「・・・てめぇが歪められるのはお前が知っている現象だけって訳だな」

垣根「!!」

108 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:25:07.06 ID:IWAg5Gnr0
テクパトルが懐から黒曜石のナイフを取り出す

垣根「てめぇ・・・」

テクパトル「今日は金星が綺麗だな」

そして、黒曜石のナイフをかざす

その本体によって反射された光は、羽根に向かって飛んでいく

おかしな軌道をしながら、羽根は垣根の元へと進む

垣根「ちっ・・・」

羽子板で軽く垣根が打ち返す

19090「テっくん!!」

テクパトル「・・・俺たちのアステカに伝わる神話は面白いものが多くてな」

垣根「・・・」

テクパトル「黒曜石のナイフはトラウィスカルパンテクートリの象徴だ」

テクパトル「だがな・・・トラウィスカルパンテクートリは最後まで金星の神様だったんじゃない」

テクパトルが槍を空へ向ける

だが、金星に向けるのではない


エツァリ「!!金星の光線を太陽へ向けている!?」

ショチトル「ほう・・・面白いな」

109 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:31:50.60 ID:IWAg5Gnr0
テクパトル「太陽に背いたトラウィスカルパンテクートリは・・・霜の神、イツラコリウキになった」

テクパトル「前に教えたよな?」

黒曜石のナイフが空へと金星の光線を放つ

それが、一種の魔術儀式だった

テクパトル「見ろよ、これが霜の神の力だ」

途端、コート周りの水分が全て霜へと変わる

垣根「・・・なんのつもりだ」

テクパトル「・・・この霜はな」

テクパトルが腕を振れば、霜が自由自在に形を変える

それは羽根に当たり、そのまま羽根ごと地面へ向かう

テクパトル「俺が自由に操れるんだよ」

垣根「あー、そうかそうか・・・こりゃすげぇな」

垣根が翼を霜へとぶつける

科学では証明できない「魔術」という方程式

そもそもこの世の中には存在しない力

垣根「・・・アステカ神話、ねぇ」

110 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:36:25.69 ID:IWAg5Gnr0
テクパトル「なんだよ」

垣根「アステカ神話ってのは天体が中心に添えられているらしいな」

テクパトル「・・・それがどうした」

垣根「そのトラウィスカルパンテクートリってのは金星の神だし、そいつが逆らったのは太陽の神だ・・・天体が関係する、か」

19090「・・・?」

心理(なるほどね・・・)

垣根「・・・つまり、太陽だの金星だのが見えなきゃいいわけだ」

テクパトル「・・・は?」

垣根「知ってるか?第三位の超電磁砲でさえ、天候を軽くなら操れる」


垣根「まして俺は第二位だ、未元物質だ」

垣根が未元物質を撒く

その性質は「当たった物体全ての温度を歪める」

そして、「光の乱反射」

垣根「・・・見せてやるよ、魔術よりも科学のほうが・・・いや」


垣根「俺の未元物質のほうが優れてるってなぁ!!!!!テクパトルぅぅうううううううううううううううう!!!!!!!」

テクパトル(それが言いたいだけだな)
111 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:42:17.39 ID:IWAg5Gnr0
心理「・・・知っている?雲っていうのは水分が凝固した物体・・・温度差で巻き起こる現象らしいわね」

テクパトル「!!」

驚愕の表情を浮べながらテクパトルが空を見上げる

テクパトル「ウソだろ・・・なんであんな上空にまで未元物質が届くんだよ!?」

垣根「そんなことは些細な問題だぜ」

19090「テっくん!!空が雲で覆われました!」

テクパトル「・・・てめぇ・・・」

垣根「おー・・・いいな」


垣根「アステカ神話・・・正確にはイツラコリウキ・・・だったっけか?」

テクパトル「・・・」

垣根「逆算、終わったぜ・・・そいつの構成式は把握した」

垣根が未元物質を撒く

それはもはや、ただの破壊を目的としたもの

テクパトルの放った、「イツラコリウキの霜」にぶつかり、いとも簡単に砕いてしまう

テクパトル「ま、まさか・・・魔術を簡単に解析するなんて・・・」

112 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:46:18.15 ID:IWAg5Gnr0
垣根「教えてやろうか」

垣根が羽根を意図的に空中で止めている

一体どうやって止めているのか

そんなことはテクパトルには分からない

垣根「一方通行が第一候補だったのはなぜか・・・あいつが魔術を解析できる可能性があったからさ」

垣根「そして、俺が第二候補であれた理由は?そう、簡単なことだ」


垣根「俺にも魔術を解析することが出来るはずだったから」

垣根「そして、実際俺はオカルトな力に触れたのさ・・・一方通行の黒翼だ」

垣根「そうだ、俺は解析した!!ついに見つけた!!!文化の真髄を!!!」

心理「・・・垣根、さっさと終わらせましょうよ」

垣根「あぁ、そうだったな」

垣根が未元物質を振るう

一瞬にして、羽根がテクパトルの横に叩きつけられる

垣根「残念だが」


垣根「これが未元物質なんだよ、テクパトル」


113 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 11:50:34.76 ID:IWAg5Gnr0


ゴーグル「失礼しまーす・・・」

フレンダ「うん、入って入って」

ゴーグル「・・・へぇ、大きな家っすね」

フレンダ「ん?スクールの家って大きくなかったの?」

ゴーグル「俺たちは隠れ家を転々としてて・・・」

フレンダ「ふーん・・・まぁここは私達の拠点の一つってだけだったけどね」

ゴーグル「・・・にしても、まぁずいぶんと・・・」

ゴーグル男はアイテムの家にお邪魔していた

ゴーグル「ファンシー・・・っすね」

フレンダ「麦野の趣味な訳よ」

ゴーグル「む、麦野さんってこんなファンシー趣味なんすか!?」

フレンダ「ぬいぐるみとか好きだし」

ゴーグル「・・・信じられないっす・・・」

フレンダ「あ、こっちこっち」

ゴーグル「?どこに行くんすか?」

フレンダ「いいからいいから!!」

114 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 12:00:28.54 ID:IWAg5Gnr0
ゴーグル「?この部屋なんすか?」

フレンダ「じゃっじゃーん!!ここが私の部屋な訳よ!!!」

フレンダが堂々と自分の部屋を見せる

ゴーグル男は、正直な話女の子の部屋に来るのは初めてだった

そのため、今までいろんな理想を描いていた

実はぬいぐるみはあんまり無くて、その代わり生き別れた兄弟の写真が飾られていたり、とか

男の子趣味でボクシングのポスターとか飾ってあるくせにベランダに干されている下着はめちゃくちゃ色っぽかったりとか

そういう幻想を抱いていたゴーグル男にとって、ある意味残念な現実が広がっていた


ゴーグル「・・・普通っすね」

フレンダ「えー、いいじゃん、ここここ!!このテーブルでいつも鯖缶を食べてた訳よ!!」

ゴーグル「・・・鯖・・・」

フレンダ「何?鯖缶知らない訳!?」

ゴーグル「知ってますよ・・・なんで鯖が好きなんすか?」

フレンダ「完璧だから!」

ゴーグル「聞いた俺が馬鹿でしたねすいません」

115 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 12:07:50.23 ID:IWAg5Gnr0
フレンダ「ほらほら!!ちゃんと缶切りも用意されてて・・・」

ゴーグル「・・・」

フレンダ「?なにベッド凝視してる訳よ、やーらしーい」

ゴーグル「・・・あの、なんで下着置きっぱな・・・」

フレンダ「!?フレンダキーック!!!!」

ゴーグル「おごっ!!!」

フレンダの蹴りがゴーグル男の背中にヒットする

そのまま彼はベッドへと倒れこんだ

なんか置きっぱなしだった下着が顔に当たった気がするが、その前にフレンダの追撃が始まる

フレンダ「結局!!男なんて全員最低な訳よぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!」

ゴーグル「置いてたのはアンタでしょうが!!っていうかなんで置きっぱなしたまま死んだんすか!!」

フレンダ「エッチ!!ゴーグルのエッチ!!!」

ゴーグル「痛い!!痛いから蹴らないで!!あぁそうだテレビ見るんでしたね、だから・・・痛い痛い!!!」

フレンダ「コノヤロウ!!!」

フレンダの容赦ない攻撃は、20分近く続いた


116 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 12:12:17.25 ID:IWAg5Gnr0

ゴーグル「・・・痛いっす」

フレンダ「よ、よーし!!アンタは何も見なかった訳よ!!」

ゴーグル「胸が小さいからブラジャーも小さいサイズだったんすね」

フレンダ「!?最低な訳よ!!!」

ゴーグル「・・・っていうか、いいんすか?俺一応男なんですけど」

フレンダ「え?」

フレンダが辺りをくるりと見回す

家には二人

目の前には男

近くにベッド

ゴーグル「ま・・・でも天国ではいっつもこんな状況でしたからね」

フレンダ「そ、そうそう!!」

ゴーグル「・・・なんかうらやましいっすね、ここに居場所がずっとあるなんて」

フレンダ「?アンタは無い訳?」

ゴーグル「いや・・・家は無いですから」

フレンダ「ふーん・・・スクールの隠れ家は?」

ゴーグル「・・・あそこはイヤなんすよ、なんとなく」

117 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 12:13:25.31 ID:IWAg5Gnr0
いったん休憩

アステカ神話って面白いよね


まぁクトゥルフもいいけど

寿司食べに行ってきます、ハマチとエンガワとアジとツブ貝は正義

118 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 12:52:25.65 ID:IWAg5Gnr0
フレンダ「・・・じゃあどうする訳?」

ゴーグル「しばらくはホテル住まいっすかね・・・」

フレンダ「垣根に世話見てもらえば?」

ゴーグル「ヒモじゃないっすか」

フレンダ「・・・じゃあ本当にどうすんの?」

ゴーグル「・・・俺は別に予定とか・・・」

フレンダ「・・・今日は?」

ゴーグル「そうっすね・・・ホテルを探すか・・・」

フレンダ「・・・ねぇ、私達って他にも隠れ家あった訳よ」

ゴーグル「遠慮しときます」

フレンダ「ま、まだ何も言ってないじゃない!!」

ゴーグル「・・・でもどうしましょうか・・・」

フレンダ「・・・考えてなかった訳?」

ゴーグル「うーん・・・」

119 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 13:03:58.57 ID:IWAg5Gnr0
フレンダ「・・・」

ゴーグル「・・・ここに泊まろうかなー、なんて」

フレンダ「はぁ!?さ、さすがにそれはまずい訳よ!!!」

ゴーグル「冗談っすよ・・・アイテムはこりごりですから」

フレンダ「・・・でもアンタのタイプって麦野みたいなのじゃないの?」

ゴーグル「麦野さんはたしかに綺麗ですし大人っぽいですけど・・・根が危ないっす」

フレンダ「絹旗は?」

ゴーグル「・・・子供っぽいですし、パンチラなんていうありきたりな方法で男を狙ってるのは好感がもてません」

フレンダ「滝壺は?」

ゴーグル「なーんか違うんすよねぇ・・・」

フレンダ「・・・ふーん」

ゴーグル「あれ、そう考えたらわりとフレンダさんってマシじゃないっすか?」

フレンダ「今更気づいたの!?おっそい訳よ!!!」

ゴーグル「はぁ・・・」


120 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 13:09:28.44 ID:IWAg5Gnr0
フレンダ「・・・にしても、アンタってパっとしないわよね」

ゴーグル「それよく言われますよ」

フレンダ「背はわりと高いけど・・・なんか顔は幸が薄そうだし」

ゴーグル「言わないでください」

フレンダ「しかもこれといった特技もなさそうだし」

ゴーグル「・・・そうっすね」

フレンダ「なんか長所はない訳?」

ゴーグル「・・・ないっすね」

フレンダ「ないの・・・」

ゴーグル「そういうフレンダさんはあるんすか?」

フレンダ「見よ!!この脚線美!!!」

ゴーグル「それ以外で、それは別にどうでもいいっすよ」

フレンダ「ひっどーい」

ゴーグル「・・・あれ?誰か帰ってきたみたいっすね・・・」

フレンダ「あ、ホントだ・・・ドアの音がした」

121 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 13:24:36.53 ID:IWAg5Gnr0

絹旗「はぁ・・・超ヒマでしたね」

麦野「昼飯食っただけ・・・あ?」

麦野は玄関であるものを見つけた

そう、フレンダの靴

そしてもう一つは

麦野「・・・たしかあのゴーグルの靴・・・」

絹旗「!?」


ゴーグル「あれ、なんかドタバタと音が鳴ってないっすか?」

フレンダ「うん、なんか上がってきてるみたい・・・」


絹旗「この若作り野郎!!!」

麦野「フレンダぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

フレンダ「な、なに!?」

ゴーグル「あ、お邪魔してます・・・」

麦野「なんだ!?事後か!?」

フレンダ「ち、違うから!」


122 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 13:30:44.37 ID:IWAg5Gnr0
ゴーグル「・・・あの、お邪魔なら帰りますけど」

麦野「てめぇ!!逃げるつもりか!!」

ゴーグル「・・・いや、そうじゃなくて・・・」

麦野「フレンダ!!出来てるのか!?出来てるんだなもう子供も出来てるんだろ!?」

フレンダ「ま、まったくもって勘違いな訳よ!!!!」

ゴーグル「そうっすよ、俺はまだ麦野さんのほうがいいと思いますけど」

麦野「は?」

絹旗「え?」

フレンダ「・・・なに?」

ゴーグル「いや、フレンダさんよりは麦野さんのほうが・・・」

フレンダ「」

123 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 13:34:25.68 ID:IWAg5Gnr0
麦野「・・・お前、いいヤツだな・・・クッキー持ってこようか」

ゴーグル「あ、ありがとうございます・・・」

絹旗「麦野がおだてられて喜んでますね」

麦野「うるせぇな!ゴーグル、てめぇフレンダに手出したら承知しないからな!」

ゴーグル「は、はぁ・・・」

絹旗「・・・っていうか、超哀愁漂わせて去ったくせに帰ってきたんですね」

ゴーグル「・・・まぁ人間ってそうっすよ」

フレンダ「・・・私って魅力ない訳?」

ゴーグル「いや・・・どうなんでしょうね」

絹旗「・・・にしても、スクールの一員がまさかここにいるとは・・・」

ゴーグル「いや、スクールはもうないっすから・・・」

絹旗「なるほど・・・まぁたしかにいつまでも敵対していても仕方ないですね」

ゴーグル「そうっすよ」

麦野「・・・あれ、そういえば垣根たちは?」

ゴーグル「あ、今川原で羽根つきやってますよ」

絹旗「・・・超面白そうですね」

124 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 15:13:30.19 ID:IWAg5Gnr0
麦野「見に行かないか?」

ゴーグル「え、今からっすか?」

フレンダ「こっから近かった訳よ」

絹旗「超急ぎましょう!!」

四人が上条たちのいる川原へ向かう


フレンダ「あ、やってるやってる!」

ゴーグル「あ、今は垣根さんたちみたいっすね」

そこには、学園都市一不可思議な能力を持った男がいた


垣根「・・・どうした、テクパトル?10点取られてるぜ?」

テクパトル「・・・くそ・・・トラウィスカルパンテクートリも・・・イツラコリウキも封じられた・・・」

心理「このままあと10点取られるつもり?」

19090「テっくん・・・」


絹旗「?相手の人たちは誰ですか?」

フレンダ「誰?」

ゴーグル「さぁ・・・」

125 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 15:22:06.97 ID:IWAg5Gnr0

テクパトル「・・・くそ・・・雲を作られたのが面倒だな・・・」

垣根「そら、次はどっちから打って来るんだよ?」

19090「いきます!!」

19090号が思い切り羽根を・・・

心理「あら、私に対して打てるのかしら?」

19090「!?」

打てない

19090(な、なんでですか!?こ、これは対戦相手なのに・・・)

心理「ごめんね、そこまで能力は使いたくないんだけど・・・たまにしないと鈍るから」クスクス


フレンダ「な、何?何があった訳?」

麦野「・・・あいつ、心理操作系だからな」

ゴーグル「大方、あのペアの男との距離に縮めたんじゃないですか?」

絹旗「超えげつないですね・・・」

ゴーグル「・・・垣根さんは全力ですね」

麦野「あんなもん・・・勝てるヤツなんてほとんどいないだろ・・・」


126 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 15:31:03.09 ID:IWAg5Gnr0

垣根「・・・どうする?」

テクパトル「・・・」

心理「あら、安心して・・・そんなに何度も能力は使わないわよ」

テクパトル「・・・19090号」

19090「は、はい」

テクパトル「・・・ちょっとタイム取っていいか?」

垣根「あ?あぁ、いいけど」


テクパトル「・・・美月、垣根の能力はこの世に存在しない物質を作るんだよな?」

19090「?はい、そうですけど・・・」

テクパトル「・・・1から作るって、相当演算負荷が掛かるのかな」

19090「・・・そうでしょうね、結構疲れるんじゃないでしょうか・・・でも彼もある程度ならデフォにしてるんじゃないでしょうか」

テクパトル「・・・たとえば?」

19090「あの翼とか、あとは光の乱反射みたいによく使う能力はすでに構築式を組み上げているんだと思います」

テクパトル「・・・なるほど、なら新しい物質を作るには一瞬でも演算しなおさなければならない、か」

19090「?」


127 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 15:40:55.90 ID:IWAg5Gnr0
垣根「お、なんだ?」

テクパトル「・・・19090号、電撃でも適当に撃ってくれるか?」

19090「?垣根さんにですか?」

テクパトル「・・・煙を、発してくれ」

心理「・・・何かしら」

垣根「さぁな」


エツァリ「・・・煙・・・?」

ショチトル「・・・テクパトル、お前まさか・・・」

エツァリ「あぁ・・・あれは構築式が非常に難しいですからね、垣根さんでは逆算しきれないでしょうが・・・」


ゴーグル「?なんかあの女の子電撃撃ちましたよ」

フレンダ「なんか的外れなとこに撃ってる訳よ」

麦野「・・・狂ったか?」

絹旗「いえ、男のほうが指示したみたいですよ?」




128 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 15:45:48.91 ID:IWAg5Gnr0
テクパトル「・・・垣根、お前はアステカ神話って詳しいのか?」

垣根「はぁ?一通りなら知ってるぜ、でもお前らみたいなオカルトにまでは踏み込んでねぇよ」

テクパトル「ほぅ・・・そうか」

ニヤリ、とテクパトルが笑う

テクパトル「・・・神話の中で最も力が強かったとされる神が何か、知っているか?」

垣根「・・・ゼウス」

テクパトル「違う、違うんだよ垣根」

垣根「じゃあなんだよ」

テクパトル「かつて、アステカには2人の神がいた」

テクパトル「一人はケツァルコアトル」

テクパトル「そしてもう一人は、世界で最も強かった神」

テクパトル「キリスト教の宣教師達は悪魔と言って恐れた神」


テクパトル「テスカトリポカだ」


エツァリ「・・・テクパトルもなかなか腕を上げたようですね」

ショチトル「ふん、あいつは昔からなかなかやり手ではあったがな」

129 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 15:52:01.15 ID:IWAg5Gnr0
テクパトル「さぁ、教えてやろう・・・アステカの力を」

垣根「バーカ、テスカトリポカってのはたしか太陽の神だったはずだがな」

テクパトル「・・・そうだな、太陽の神でもあった」


テクパトル「だがテスカトリポカは、ケツァルコアトルに一度地に落とされたのさ」

テクパトル「その後テスカトリポカはジャガーに姿を変え、世界を滅ぼした」

テクパトル「テスカトリポカの象徴は黒曜石の鏡と煙」

垣根「!!」

テクパトル「まぁ黒曜石の槍と小さな煙ではたいした出力にはならないが・・・」

テクパトルが黒曜石を掲げる

19090号の放った電撃によって生まれた、小さな煙

それは一種の儀式だったのだ



テクパトル「どうする、垣根?お前の未元物質とテスカトリポカのレプリカ、どっちが上か比べようか」

垣根「面白いじゃねぇか、ちょうど神様には文句をつけたかったんだ」



ゴーグル「な、なんすかあれ!?」

フレンダ「あの男の周りにすっごい風が起きてる訳よ!!!」

麦野(これ・・・羽根つきだよな?)

130 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 16:04:08.93 ID:IWAg5Gnr0
テクパトル「テスカトリポカが地上を破壊するのに使ったのは風だ」

垣根「あぁそうかい、俺の未元物質も風は起こしやすくてな」

テクパトル「やってやるよ!!」

垣根「ひゃひゃひゃ!!喰らえよ!!」

垣根が宙を舞う

体に回転を加え、羽根を狙う

垣根「衝撃のぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!」

テクパトル(来る!!!)


垣根「ファーストブリッドォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!」

テクパトル「させるかぁぁぁぁ!!」

垣根の打った羽根を、テクパトルが風で打ち返す

垣根「やっぱり・・・てめぇの魔術は、一つのことしかできねぇんだなぁ!!!」

テクパトル「!?」

垣根「風を操ってるときは金星の光を利用した攻撃は出来ない!!当たり前だよなぁ、神様を何人も同時に操れるわけがないからな!!」

テクパトル「お前・・・まさか!!」

131 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 16:08:24.03 ID:IWAg5Gnr0
テクパトルが空を見上げる

そこには、垣根の作り出した雲はもはやなかった

垣根「ははは!!どうする、俺の未元物質はこんなもんじゃねぇ!!教えてやろう!!」

テクパトル(なんだ・・・体がジリジリと焼きつく感じが・・・)

19090「!!テっくん、避けてください!!」

テクパトル「は?」

垣根「俺の未元物質を通過した光は全て、ありえない動きを始める・・・いわゆる回折をな」

垣根「だがその動きを自在に操れば、時として日焼けで人を殺すことさえ出来る」

テクパトル「まっず!!」

垣根「いいじゃねぇか、太陽に落とされたテスカトリポカがこうやって太陽の光で殺されるんだ」

垣根「神話の再現ってのは乙なもんだろ?」

テクパトル「くそ!!」

テクパトルがテスカトリポカの術式を解除する

テクパトル「・・・!?」

垣根「また金星の光か?だがそいつを解いたのは間違いだったな」


132 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 16:15:31.83 ID:IWAg5Gnr0
テクパトル「まさか・・・」

垣根「今のお前は無防備だ」


垣根「俺の前で丸裸で、両手を挙げて寝転がってるなんて・・・バカだぜ、お前」

垣根の翼が振るわれる

強靭な風がテクパトル側のコートを襲う

テクパトル「ぐあぁぁぁぁっ!!!」

垣根「はは・・・はははははははははははは!!!!!!!!!!!バーカ、これで俺たちが11点目ももらったな!!」

テクパトル「くそ・・・」

19090「・・・羽根は・・・垣根が打ったところですね・・・」

テクパトル「・・・やられた・・・」


打ち止め「垣根チーム、11点目!!!ってミサカはミサカは久しぶりの発言!」

美琴「さ、さすが垣根ね・・・」

上条「・・・なんだよこりゃ・・・」


フレンダ「えっげつな・・・垣根ってやっぱすごい訳よ」

ゴーグル(・・・相手の人もなんかの能力者っすかね?)

絹旗(超すごかったです)

麦野(・・・私が敵うわけなかったんだよな)


133 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 16:27:48.39 ID:IWAg5Gnr0

垣根「はーい、俺たちの勝ちね」

テクパトル「くそ・・・あんなん勝てるかよ・・・」

19090「むしろ、テっくんはかなり善戦しましたよ・・・」

心理「・・・ちょっとコートが荒れたわね」

エツァリ「お疲れ様です、テクパトル」

テクパトル「・・・ありえん・・・垣根・・・お前化け物か?」

垣根「ふん、他人の力に任せたお前たち魔術師がすでに負けてるのさ」

テクパトル「くそ・・・」

上条「・・・次は・・・削板たちと垣根たちか」

垣根「お、楽しそうだな」

削板「おーし、いい感じだ!!」

心理(・・・削板には能力効くのかしら?)

黒子「・・・では始めましょうか」

垣根「なんだよ、俺たちの疲れがとれる前に、か」

黒子「そうですの」


フレンダ「あ、また始まる訳よ」

麦野(あいつは・・・第七位か)

134 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 16:38:54.49 ID:IWAg5Gnr0

削板「さて・・・垣根、お前とは枕投げの決着をつけたかったんだ」

垣根「ほう、俺もだ」

削板「根性を見せてやる」

垣根「メルヘンを教えてやる」

削板「よろしく頼もう!!」

垣根「やってやるよ!!」

がっしり、と握手をしてから二人がそれぞれのコートへ向かう

黒子「はぁ・・・怪我はしないようにしたいですの」

心理「同感ね」


フレンダ「ねぇねぇ、あのハチマキ男はなんなの?」

ゴーグル「あれってたしかナンバーセブンっすよね?」

絹旗「あぁ、超意味不明な能力者のですか」

麦野「・・・羽根つきだよな?」

135 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 16:51:52.29 ID:IWAg5Gnr0

垣根「・・・心理定規、削板に能力は効きそうか?」

心理「ダメね、まったく効果ないわ・・・」

垣根「まぁそうだと思った」

心理「・・・あなたはどう?」

垣根「白井の能力は使えないぜ、ベクトルを乱してるからな」

心理「・・・となると」

垣根「俺と削板の問題だな」


削板「・・・黒子、どうだ?」

黒子「ダメですの、演算がそもそも狂わされてますわ」

削板「・・・やっぱり俺と垣根の勝負か」

黒子「・・・お願いしますの」


フレンダ「あ、座ろうよ」

ゴーグル「あ、タオル敷きますか?」

絹旗「超気が利きますね」

ゴーグル「・・・心理定規さんにいろいろうるさく言われましたから」ハァ

麦野(こいつもパシリだったのか)


136 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 16:58:16.77 ID:IWAg5Gnr0

垣根「くらえ・・・俺の全力の一撃だ!!」

削板「!?能力をばら撒かないのか!?」

垣根「んなもん必要ねぇぇぇぇ!!今の俺に必要なのはたった6枚の翼だけ!!!」

垣根「喰らえよ!!!」

削板「いいじゃねぇか・・・根性がある!!!」

垣根が宙を舞う

垣根「・・・瞬殺のぉぉぉぉぉぉ!!!!」


垣根「ファイナルブリッドォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!」

垣根の打った羽根は削板へ向かう

削板「まだまだ!!!こんな程度の速さで俺を打ち砕く!?ありえない!!!」

削板が羽子板を振りかぶる

削板「これが根性だ、これが正義だ!!」


削板「ギガドリルゥゥゥ!!!!!!!!!!!ブレェェェェェェイク!!!!!!!!!!!!!!」


心理(ごめん、ついていけないわ)

黒子(熱い戦いになりますの)

137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/27(火) 17:03:31.64 ID:IYDWl0yf0
まさかのグ○ンラガンでてきたよwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
138 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 17:07:36.87 ID:IWAg5Gnr0
垣根「はっはぁ!!!遅い遅い!!」

削板「熱くないぜ、垣根ぇぇぇぇ!!!!!!」

垣根「くらえ!!」

削板「なんのぉぉぉ!!俺の道は俺が進むんだぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」

垣根「もっと輝けぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!」


テクパトル「・・・なぁ、もっと能力のぶつかり合いを想像してたんだが」

一方「・・・俺もだ」

ショチトル「・・・しかし、垣根の攻撃はなかなかすさまじいな」

美琴「そう?削板の一撃の威力も高いけど」

上条「・・・打ち止めはどっちの勝ちを予想する?」

打ち止め「ミサカは垣根が勝つと思うな!ってミサカはミサカは断言してみたり」

番外「?なんで?」

打ち止め「ううん、だってね・・・」


打ち止め「削板は勝負を楽しみすぎて羽根を打ち返すの忘れてるもん」

一同「」


139 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 17:12:30.16 ID:IWAg5Gnr0
削板「おらおら!!!」

垣根「なぁ、羽根・・・」

削板「すごいパーンチ!!」

垣根「あっぶねぇな!!!てめぇそもそも羽根を打ち返せ!!!」

削板「羽根?あぁお前の翼のことか、いいぞ打ち砕いてやる!!」

垣根「クソが・・・俺の能力に勝とうなんて甘いんだよ!!!!!!!!!!!」

削板「くらえ!!!超すごいパーンチ!!!!!!!!!!」

垣根「未元物質を甘くみてんじゃねぇぞ!!!!」


心理「・・・はい、黒子」ポーン

黒子「あぁー、やられましたのぉー」

垣根「何やってんだお前ら」

心理「はい、私達で戦った結果削板たちの負けになったわ」

削板「な、なんだって!?」

黒子「さぁ、早く切り上げ・・・」


垣根・削板「冗談じゃねぇぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!」

140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/09/27(火) 17:14:58.22 ID:qwDJccFlo
ドリル役は何なんだよ
141 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 17:19:18.45 ID:IWAg5Gnr0
心理「ちょ、ちょっと・・・」

垣根「やってやる、最後までなぁ!!!」

削板「火がついたのは明白だ、ならばどちらか燃え尽きるまで!!!」

垣根「勝負の炎は止まらない!!!!!!!!!!」

心理「やめろって言ってるのが分からないのかしら、二人とも」

垣根「な、なんだよ!!」

削板「燃えた炎は・・・」

心理「・・・」

心理定規が笑顔で羽子板を握る

バキバキ、と変な音がしている

心理「・・・これ以上、長引かせるつもり?」

削板「あ、いやいや!!決着がつけば・・・」

心理「なに?」

削板「すいません」

心理「ほら、次は一方通行たちとの決勝戦よ」

番外「あーもうそんな時間か」

一方(・・・まずいな・・・上条たちとの試合でチョーカーの電池を使いすぎた・・・)

142 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 17:28:03.40 ID:IWAg5Gnr0
垣根「さーて、さっさと終わらせないとな・・・そろそろ3時になる」

心理「そうね、家に帰ってテレビも見たいし」

一方「・・・あァ、俺たちの優勝で終わりだな」

垣根「ほざいてんじゃねぇよ」

一方「なンだよ、万年二位のていとくン」

垣根「オーケー、てめぇはスクラップだな」

一方「あァ?」

二人の超能力者が睨み合う

垣根「お前からのサーブでいいぜ、ハンデをくれてやる」

一方「・・・番外個体、打て」

番外「オッケー」


番外個体がサーブをする

番外「よし、いい感じ!!」

垣根「・・・ナメてくれるじゃねぇか、一方通行」

垣根が翼に力を込める

その瞬間、彼の周りの水分が凍りついた

143 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 17:31:20.08 ID:IWAg5Gnr0
一方「・・・なンのつもりだよ」

垣根「ここで一回絶望しとけやぁ!!」

垣根が羽根と一緒に氷の塊を打つ

一方「ちっ・・・」

反射を適用しているため、一方通行の体に害は無い

しかしキラキラと光る氷が、視界を狭める

一方「・・・いい度胸だ」

一方通行が地面を踏む

彼を中心にして、亀裂が走った

一方「・・・風のベクトルを操ってやるよ、てめェの未元物質ごとな」

垣根「・・・解析済みってわけか」

一方「・・・!?」

垣根「やーっと気づいたか、一方通行」

一方(・・・こいつ、性質を変えやがったな!!)

一方通行のベクトル操作で風は巻き起こった

しかし、明らかに何か変な感触が残っている



144 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 17:44:59.95 ID:IWAg5Gnr0
垣根「今の未元物質は風のベクトルを歪める性質だ、さぁ・・・!?」

一方「オーケー、こっちも逆算終了ォ」

垣根「・・・思ったより早いな」

一方「俺を誰だと思ってンだ?」

一方通行が羽子板を軽く振る

それが、合図だった

番外「あいあーい」

番外個体が電撃を一方通行に向かって放つ

垣根「あ?なんだよ」

一方「俺の能力は何一つ生み出すことは無い、既存のものを操るだけだ」

一方「だからこそ、番外個体に電撃を生み出してもらわなきゃならなかったンだよ」


一方「こいつを操って、てめェにダメージを与えるためにな」

垣根「・・・クソッタレだな」

一方「・・・跳ね返すか?」

垣根「必要ねぇよ」

垣根が翼で体を覆う

垣根「絶縁体ってのは大抵、ほんの少しくらいなら電気を通す・・・だが俺の未元物質にそれはねぇさ」

一方「やっと翼に覆われやがったか」

垣根「・・・!」


145 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 17:49:55.63 ID:IWAg5Gnr0
一方「自分から前の見えない状況になるとは愉快なヤツだな」

垣根「・・・バーカ、調子に乗るな」

一方「・・・あァ、あとなァ・・・」


一方「てめェが念のためにばら撒いていた未元物質なら、解析済みだぜ」

垣根「はぁ!?」

一方「翼に隠れる寸前・・・能力を使っただろ」

一方「隠れながらも攻撃するためか、それとも俺たちを傷付けるためか・・・知らねェけどな」

垣根「クソ!!」

垣根が急いで翼を広げる

しかし、すでに羽根は地面に落ちていた

一方「分かったかよ、てめェは何度やっても俺に勝てねェ」

垣根「・・・この野郎・・・」

番外「いっやー、一方通行様様だね」

146 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 17:54:21.14 ID:IWAg5Gnr0
心理「・・・垣根、まだ一点目よ」

垣根「・・・」

一方「落書きだなァ」

一方通行が垣根の頬に「冷蔵庫」と書く

一方「あひゃひゃ!!お似合いだぜェ!!!」

垣根「・・・」

一方「あ?なンだよ、リアクションの一つもなしか」

垣根「・・・オーケー」


垣根「ムカついた」

一方「・・・」


フレンダ「す、すっごい・・・」

麦野「・・・一方通行対垣根・・・」

絹旗「研究者なら垂涎ものですね・・・」

ゴーグル「・・・垣根さん、なんかやるつもりっすよ」

フレンダ「え、ホント?」


147 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 17:56:43.93 ID:IWAg5Gnr0
一方「・・・てめェ、なンのつもりだ」

垣根「やめようぜ、互いに手加減なんてらしくねぇ」


上条「て、手加減!?」

美琴「あれで手加減してたの!?」

黒子「信じられませんの・・・」

テクパトル「・・・何をするつもりだ・・・」

エツァリ「・・・羽根つき・・・ですよね」


一方「・・・何が言いたい」

垣根「てめぇが昔使ってたあの翼・・・出してみろよ」

一方「死にたいのかよ」

垣根「てめぇじゃ扱いきれないか?」

一方「いいぜ、見せてやる」

一方通行の背中から翼が生える

だが、かつて垣根を虐殺したそれとは違った

垣根「へぇ、白いんだな・・・俺とおそろいか」

一方「ちげェよ、一緒にすンな」


148 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 18:03:42.72 ID:IWAg5Gnr0
いったん休憩

どうしてこうなったんだろうね

もうね、羽根つきさっさと終わらせてまたみんなで新年会をしたいw


というか、羽根つきじゃなくなってる

149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/27(火) 18:07:13.73 ID:IYDWl0yf0
周りの被害がでかそうだな。
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/27(火) 18:07:21.63 ID:0gTyZrrp0
>>1
垣根の羽(翼)と一方の羽(翼)のぶつかり合いも一応羽根突きじゃね?
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/27(火) 19:37:09.65 ID:Fh2j+u+ao
まあこういう場合、だいたいがセロリが惨敗するよなww
152 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 19:37:52.51 ID:IWAg5Gnr0
垣根「・・・あのときはお前に負けたがな・・・今回は負ける気がしねぇな」

一方「・・・不思議だな、俺もだ」

垣根「言っとくが、もちろん羽根突きだ」

一方「あァ、あくまで羽根突きだな」

垣根「・・・始めるぞ」

垣根が羽根を打つ

垣根「さぁ、来いよ!!!」

一方「くっだらねェ、勝手に死ンでろよ」

垣根「どうかな」

垣根の打った羽根は音速に近い速度で飛んでいた

一方「おっせェよ」

一方通行が翼でそれを打ち返す

もはや羽子板なんて必要なかった

垣根「おーおー、いいじゃんいいじゃん」

一方「余裕かましてンじゃねェよ」

垣根「余裕じゃねぇよ」


垣根「勝利の確信だ」

153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/27(火) 19:42:15.02 ID:0gTyZrrp0
ちょ、まて
この羽根は何でできてるの?ww
154 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 19:42:42.03 ID:IWAg5Gnr0
一方「確信?」

垣根「てめェのその力も俺のこの力も・・・科学と魔術、両方を手に入れた結果だ」

垣根「もはや天使に近いんだよ」

一方「それがどォした」

垣根「・・・力の振るい方が違うんだよ」

垣根が翼を分解する

細かい未元物質が、羽根にまとわりつく

一瞬にして、羽根が一方通行側のコートに弾き返される

一方「!?」

垣根「てめぇの力は強く、そして巨大だ」

垣根「まるでハンマーのようにすべてを打ち砕き、打ち砕く」

一方「なンで二回言った」

垣根「だが俺のこれは違う・・・細かく、より洗練されてるんだ」

一方「よく言うぜ、てめぇの未元物質にだってベクトルは存在するんだよ」

垣根「そしててめぇのベクトル変換は俺の未元物質で乱すことが出来る」

一方「・・・」

垣根「・・・俺の能力は剣だ、それほどは大きくないし一瞬にして辺り一帯を破滅に導くことは出来ない」


垣根「だがな、鋭く敵の喉を斬る」

155 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 19:45:19.70 ID:IWAg5Gnr0
一方「ちっ」

一方通行が顔をしかめながら翼を振るう

羽根が当たった瞬間

彼の翼の一部が、砕け散った

一方「・・・なるほどなァ・・・俺の翼だって、ベクトルを操って組み上げたものだ・・・」

一方「翼のベクトルを狂わせればいいってわけか」

垣根「昔は知らなかった・・・てめぇのそれが一体何なのかを」


垣根「そして、教えたのもてめぇだぞ、一方通行」

一方「いいじゃねェか」

一方通行が再び翼を生み出す

今度のそれは、さきほどと少しベクトルの向きを変えている

一方「どうだよ、また演算しなおすか?」

軽く羽根を打ち返す


156 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 19:49:31.46 ID:IWAg5Gnr0
垣根「その必要はないんだよ」

一方「あァ?」

垣根「・・・未元物質・・・存在しない力」

一方「・・・何が言いたいンだ」

垣根「それは一体どこから来ているのか・・・昔の俺は知らなかった」

一方「そして今は知ってる、だからどォした」

垣根「本質を知っただけで力ってのは振るいやすくなるんだな」

番外(・・・?おかしい・・・)

一方(・・・なンだ、さっき俺は垣根目掛けて羽根を打ったはずだ)


一方(・・・なンで心理定規の手元に羽根がある?)


垣根「俺の未元物質に常識は通用しない」

垣根「それはつまり、てめぇら凡人が常識に縛られているということだ」

一方「・・・番外個体、レーダーで羽根を探せるか」

番外「む、無理だ!!垣根が電磁波をいじってやがる!!」

一方「・・・電磁波だけじゃねェ、光や原子の波まで歪めてやがるな」

垣根「ザッツライト、と言っておくかな」

157 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 19:54:39.36 ID:IWAg5Gnr0
一方「・・・てめェ、やりやがったな」

一方通行が翼を振るう

全ての波のベクトルを通常のものへ戻したのだ

垣根「ちっ・・・さすが勘がいいな」

番外「羽根は垣根の手元!?」

一方「・・・トリックアートと同じようなことをしただけだろ」

垣根「光の屈折を変えれば物体の位置を誤認させられる・・・が、一方通行の能力の前じゃあんまり意味はねぇか」

一方「種は解けた、次はどンなマジックをお披露目するンだよ」

垣根「マジックショーはおしまいだぜ」

垣根が翼を巨大化させる

垣根「羽根突きの醍醐味は、全力のスマッシュだ」


巨大な翼が振るわれる

羽根はそれに当たり、一方通行たちのもとへ向かった

風が吹き、砂が舞う

風力使いでさえ生み出せないほどの風を、いとも簡単に引き起こしてしまう

垣根「どうだよ、一方通行」


158 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 19:59:04.67 ID:IWAg5Gnr0
一方「・・・全力スマッシュ、か」

風も砂も衝撃も

その全てを、一方通行は「反射」する

一方「・・・なにしやがった、てめェ」

垣根「前にてめぇにしたのと同じだ」

一方「風の中にベクトルを混ぜてやがったな」

垣根「いいのか?羽根を打ち返さなくて」

一方「ちっ」

一方通行が翼で打ち返す

簡単な行動だが、周りには信じられないほどの衝撃が走っている

番外「にょぉぉぉぉ!!!」

心理(・・・未元物質で守ってくれるあたりは優しいわね)

垣根「・・・反射・・・全てのベクトルの向きを正反対にしているだけの壁だ」

一方「あァ?木原の真似事かよ」

垣根「・・・真似事じゃねぇよ」

一方「ガキのお遊びだな」

垣根「うるせぇな、ムカつく野郎だ」

159 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 20:05:03.20 ID:IWAg5Gnr0
美琴「あいた!!」

二人の衝突は、信じられない衝撃を生んでいた

そして、それはもちろん観戦していた全員を襲う

上条「み、美琴!?大丈夫か!?」

美琴「ってて・・・ちょっとお尻打っちゃった・・・」

上条「け、怪我は?」

美琴「ないない・・・ってどうしたの当麻?」

上条「・・・」


垣根「どうする?てめぇの弱点は知ってるぜ?」

一方「ぎゃあぎゃあうるせェな・・・」

垣根「なんだよ、虚勢・・・あ?上条何しに来やがった」

一方「どけよ、邪魔だ・・・」


上条「・・・なよ」

垣根・一方「は?」

上条「ふざけんなよ!!!!!!!!!!」

160 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 20:19:54.04 ID:IWAg5Gnr0
垣根「なにマジギレ・・・」

上条「知ってるだろ!?羽根突きは、みんなで楽しみながらやるべきものなんだ!!」

一方「だから」

上条「どうしてそうやっていつまでも自分の力を傷付けるためだけに使うんだよ!?お前たちはやっと守りたいものを見つけられたんだろ!?」

一方「おい、どけ・・・」

上条「一方通行!!!誰かを傷付けることの悲しみが!!誰も救えないことの虚しさが!!お前には分かるはずだろうが!!」

垣根「あ、あのー」

上条「垣根!!お前は言ってたよな、メルヘンになりたいって!!」

上条「だったらこんなくだらないことやめろよ!!っていうか美琴がお尻痛いって言ってるんだよ!!」

垣根「知るかよ!」

上条「いいぜ・・・ならまずは!!」


上条「そのふざけた幻想をぶち殺す!!」

一方「ちっ・・・ジャマすンじゃねェよ!!」

上条「うるせぇ!!」

一方通行の翼を上条が掴む

一方「な、なにィ!?」

161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/09/27(火) 20:29:11.26 ID:qwDJccFlo
これは予想外
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/09/27(火) 20:33:09.16 ID:Wy7N3cMAO
むぎのん参戦しねーかな………チラッ
163 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 20:33:55.33 ID:IWAg5Gnr0
上条「ふざけんなぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

上条の右手が、一方通行の翼を完全に打ち消す

上条「目を覚ませぇ!!」

そのまま、右拳を一方通行の顔へ打ち込む

一方「ぐァァァァ!!!!!」

垣根「マ、マジかよ・・・」

上条「垣根ぇぇぇ!!!!」

垣根「くそっ・・・」

垣根が翼を振るうが、それを上条は右手で打ち消す

垣根「ちっ!!これなら・・・」

風を起こし、砂利を・・・


上条「それ以上やったら美琴が傷つくんだよぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」

垣根「だぁぁぁぁ!!!!!!!!!来るなぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

上条「そのメルヘンを!!!ぶち殺す!!」


164 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 20:42:20.84 ID:IWAg5Gnr0
垣根「ふびゃぁ!!おっぱいは正義ぃぃぃぃ!!!!!!!!」

垣根が上条のそげぶパンチを顔面にくらう

そのまま、彼は地に伏した

垣根「か・・・垣根死すともメルヘン死せず・・・」

上条「目を覚ましたか!?」

一方「・・・クソ・・・は・・・羽根突き・・・」

垣根「こ・・・これじゃ勝敗が・・・」


心理「はーい、行ったわよ番外個体」

番外「ほいほーい」


垣根・一方「」

上条「見ろよ・・・あれが羽根突きのあるべき姿だ!!」

垣根「・・・俺たちは・・・間違ってたのか・・・?」

一方「・・・見ろよ・・・笑ってやがる・・・」


垣根・一方「うっ・・・うっ・・・」


美琴(これが・・・当麻のそげぶ・・・)

ショチトル(意味がわからん)

165 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 20:54:14.32 ID:IWAg5Gnr0
上条「・・・さぁ、帰ってテレビを見ながらまたみんなで笑おうぜ」

垣根「いいのか・・・?」

一方「俺たちは・・・帰れるのか・・・?」

上条「あぁ、帰られるさ」

垣根「・・・上条・・・」

一方「やっぱお前はヒーローだぜェ・・・」


美琴「・・・なんとか収拾がついたわね」

打ち止め「もうあんなことしたらダメだよ?ってミサカはミサカは注意してみたり!!」

一方「あァ」

削板「いやぁ、しかしなかなか上条は根性があるな!」

上条「そうか?」

黒子「・・・さて、帰りましょう」


心理「はーい、番外個体!」

番外「えーい、えーい!!!」


垣根「おーい、帰るぞー!!」

心理「あぁ、はいはい」

166 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 21:13:33.70 ID:IWAg5Gnr0

ゴーグル「・・・ここまで衝撃が届くとは・・・」

フレンダ「いったぁい・・・」

絹旗「窒素装甲があってよかったです・・・」

麦野「くそ・・・途中から全然見えなかったわね」

ゴーグル「・・・あれ、なんか納まったみたいっすね」

麦野「あれは・・・上条か」

絹旗「あ、帰るみたいですね」

フレンダ「・・・私達も帰る?」

麦野「そうしましょう」

ゴーグル「じゃあ・・・」

フレンダ「アンタも、来るの」

ゴーグル「・・・い、いや・・・」

絹旗「一日くらいなら問題ないんじゃないですか?」

麦野「あぁ、来いよ」

ゴーグル「・・・じゃあ今日だけ・・・」
167 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 21:18:13.79 ID:IWAg5Gnr0

麦野「ところで・・・ゴーグルはどうして垣根たちのところに戻らないの?」

ゴーグル「なんか気まずいじゃないっすか」

絹旗「?超意味が分かりません、仲間だったんじゃないですか?」

ゴーグル「・・・そうじゃなくて」

フレンダ「あれだって、今更戻ってもそこには居場所がないって訳よ」

絹旗「なんか悲しいですね・・・」

ゴーグル「は、はぁ・・・」

麦野「・・・それほど寂しいって訳でもないようね」

ゴーグル「いや、昔から孤独には慣れてましたから」

麦野「・・・」

絹旗「・・・ゴーグルは、なんでゴーグルをつけているんですか?」

ゴーグル「もうその質問には飽きましたよ・・・」

絹旗「超疑問なんですよ」


168 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 21:23:25.32 ID:IWAg5Gnr0
ゴーグル「まぁ・・・いろいろとサポートしてくれるんすよ、身体能力を」

麦野「なるほどね・・・」

ゴーグル「・・・今は必要ないかもしんないっすけどね」

フレンダ「なんかゴチャゴチャしてるし、つけてて疲れない訳?」

ゴーグル「慣れてますから」

麦野「ま、そんな話は帰ってからしましょうよ」

ゴーグル「あ、はい」

フレンダ「・・・なんか麦野には素直に従うわけよ」

ゴーグル「いや・・・麦野さんって意外と普通の人なんすね」

絹旗「超勘違いですよ」

麦野「なんか言ったか絹旗?」

絹旗「ほら、超怖いですから」

ゴーグル「は、はぁ・・・」


169 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 21:30:15.44 ID:IWAg5Gnr0

上条「・・・なぁ、最近ずっと垣根の家に泊まってる気がするんだけど」

垣根「いいじゃねぇか、打ち止めはさすがに子供だから家に帰したけど」

美琴「・・・なんか、本当に修学旅行みたいよね」

一方「・・・そォですね」

番外「ショチトル、ジュース取って」

ショチトル「ゴーヤジュースもあるぞ」

番外「いらないよ」

一同は垣根の家に再び帰ってきていた

ちなみに一方通行が少し不機嫌なのは、上条のそげぶのせいである

心理「・・・あ、戦わされるお正月があるわよ」

エツァリ「なんで受身な題名なんでしょうかね」

19090「えっと・・・今はパチンコ勝負ですね」

垣根「パを抜いて言ってみよう、せーの!!!!」

削板「・・・垣根、テクパトルが睨んでるぞ」

垣根「削板、まだテクパトル・・・俺のこと睨んでる?」

削板「あぁ、睨んでる」

垣根「射て殺す勢いで睨んでる?」

削板「あぁ、射て殺す勢いで睨んでる」

170 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 21:36:18.02 ID:IWAg5Gnr0
テクパトル「・・・」

垣根「いや、違うんだようん、そうだ違うんだ」

テクパトル「垣根、とりあえず冗談は顔だけにしておけ」

垣根「え、俺の顔って冗談なの?」

テクパトル「あぁ、冗談だ」

垣根「」

心理「ほら美琴、クッキーあるわよ」

美琴「ちょうだい」

黒子「あ、パチンコ勝負が始まり・・・ってえぇ!?」

上条「こ、小萌先生!?」

垣根「いいのかこれ?」

一方「見ろよ、ちゃンと彼女はロリではありませンって書いてるぜ」

心理「彼女は成人しています・・・ってね」

削板「面白い注意書きだよな」

171 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 21:38:36.14 ID:IWAg5Gnr0
テクパトル「・・・」

垣根「いや、違うんだようん、そうだ違うんだ」

テクパトル「垣根、とりあえず冗談は顔だけにしておけ」

垣根「え、俺の顔って冗談なの?」

テクパトル「あぁ、冗談だ」

垣根「」

心理「ほら美琴、クッキーあるわよ」

美琴「ちょうだい」

黒子「あ、パチンコ勝負が始まり・・・ってえぇ!?」

上条「こ、小萌先生!?」

垣根「いいのかこれ?」

一方「見ろよ、ちゃンと彼女はロリではありませンって書いてるぜ」

心理「彼女は成人しています・・・ってね」

削板「面白い注意書きだよな」

172 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 21:41:44.77 ID:IWAg5Gnr0
上条「で?対戦相手は・・・」

テクパトル「・・・誰だ?」

ショチトル「さぁ?」

一方「よ、よよよよよよ・・・」

心理「ヨヨ?」

一方「芳川ァ・・・何やってンだよこいつ・・・」

美琴「あ、もしかして妹達の研究者の・・・」

一方「あの野郎・・・稼げる仕事があるとか言ってたけどこれかよ・・・」


小萌「よーし!!先生がんばっちゃいますよー!」

芳川「さて、これでニートからも脱却かしらね」

小萌「じゃ、始めちゃいましょうか!」


垣根「・・・頭が痛くなってくるな」

エツァリ「気にしないようにしましょう、夜ご飯はどうしますか?」

垣根「そうだな・・・寿司でいいだろ」

上条「お、いいな」


173 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 21:52:10.53 ID:IWAg5Gnr0
垣根「あ、どうせならちょっと楽しみながら飯も食うか」

上条「?どういうことだよ」

一方「・・・やりてェことは分かった」

ショチトル「・・・とりあえず、まだ4時だし少し時間をつぶそう」

美琴「じゃあ・・・テレビもつまんないし私はゲームがしたいな」

番外「携帯ゲーム機あるの?」

垣根「あるぞ、やるか?」

美琴「どんなゲームあるの?」

垣根「ギャルゲーもあるけど」

美琴「それは遠慮しとくわ、普通のアクションでいいわよ」

垣根「あいよー」

上条「みんなバラバラなことやるもんだな」

テクパトル「無理もあるまい・・・俺たちは何する?」

削板「腕相撲はどうだ!?」

テクパトル「よし、いいだろう!!」


上条「・・・え、俺も?」

削板・テクパトル「当然」

174 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/27(火) 22:01:18.82 ID:IWAg5Gnr0
今日はここまで

筋肉動画はロニーがまだ警官をやっていた頃の映像

最後の防弾チョッキを脱ぐシーンは面白いですね

脱いだらでかくなりますから

彼が最後に言っていることがまたカッコイイ


「あるボディビルダー(ナッサー)が、仕事をしながらボディビルなんてやれないって言ってたんだよ」

「そりゃ、たしかにそういう理論もあるかもしれないけど、そいつ何か大切なことを忘れてはいないか?」


「ここに、生きた証明がいるじゃないか」


「僕がこの仕事を続けるのはとても簡単な理由からだ」

「それは、この仕事を愛しているからさ」

「好きじゃなければこんなに続けることはできなかったよ」

「好きこそものの上手なれ、って言うだろ?まずは好きになることから始めなければね」


ロニー、男前だよ

http://www.youtube.com/watch?v=K2UJc-wg-Rw 

ビルダーは大抵、真面目でカッコイイ人が多いですよ

オリバとか

ではおやすみなさい

175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2011/09/27(火) 22:55:10.95 ID:fA8hyWono
腕相撲……

上条が勝てる気がしない
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/27(火) 23:39:12.37 ID:wzl/A1ODo
>>175
能力消せるからモヤシには…
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2011/09/28(水) 01:03:17.39 ID:trM51Vhqo
あれ?腕相撲ってテっくんとそぎーと上条の三人でやるんじゃないのか?
それなら一方さん最弱だな
178 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:33:52.28 ID:j7XLqThy0
テクパトル「よし、じゃあまずは上条とやるかな」

上条「ま、待って!俺はそんなに力強くない・・・」

削板「なに言ってるんだ、上条はなかなか強いじゃないか!」

上条「お前らに比べたら全然なんだよ!」

テクパトル「いいから試しにやってみようぜ」

上条「うわぁなんて素敵な無理矢理感!」

上条が仕方なく机に腕を置く

上条「よし・・・ならやってやりますよ!」

テクパトル「まぁお手柔らかにな」

美琴「当麻、頑張って!」

上条「あ、あぁ!」

美琴の熱い視線を受けて、上条は気合いを入れる

上条「さぁ来い!」

テクパトル「・・・じゃあ削板、審判を頼む」

179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/28(水) 10:34:22.98 ID:XtnWUG3IO
>>165
>一方「俺たちは・・・帰れるのか・・・?」
>上条「あぁ、帰られるさ」

放置乙
180 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:34:30.47 ID:j7XLqThy0
削板「両者、ようござんすか!?」

上条「あ、あぁ!」

テクパトル「いつでもいいぜ」

削板「では・・・始め!」

削板が開始の合図を告げる

上条「えぇい!先手必勝!」

上条が力を込める

だが、あまりテクパトルの腕は動かない

上条「・・・くそ、強いな・・・」

テクパトル「弱いぞ、上条!」

テクパトルが力を込める

血管とか筋肉が何やら恐ろしいくらいに浮かび上がっている

上条「おわっ!この野郎・・・!」

テクパトル「・・・なかなか持ちこたえるな・・・」

181 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:35:32.58 ID:j7XLqThy0
上条「美琴ぉぉ!俺に力をぉ!」

美琴「当麻!勝ったらキスしてあげる!」

上条「お、おっしゃぁぁぁ!」

テクパトル「くっ・・・ここにきて力が強くなるとは・・・面白いヤツだな!」

上条「やってやるよ!」

テクパトル「ちっ・・・負けないからなぁ!」

二人の右手が唸る

一瞬でも力を抜いたほうが負けてしまうだろう

上条(い、意外といけてるな・・・)

テクパトル(いてぇ・・・胸が攣った・・・)

上条「おらおらぁ!」

テクパトル「くそ・・・」

19090「テっくん!テっくん!」

テクパトル「!」

上条「よし・・・勝てる・・・」

182 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:36:09.09 ID:j7XLqThy0
テクパトル「ナメるなよ上条!」

上条「うわぁっ!」

テクパトルが渾身の力を振るう

あまりの力に、上条はなすすべなく敗北を喫した

上条「はぁ・・・さ、さすがだな・・・」

テクパトル「お前もなかなかやるじゃないか・・・」

上条「?胸なんか押さえてどうしたんだよ」

テクパトル「なんでもない・・・」

美琴「当麻・・・お疲れ様!」

美琴が上条の頬にキスをする

上条「あ、あぁ・・・疲れがとれましたよ」

テクパトル「・・・どっちにしろキスするんだな」

美琴「なによ、呆れて見つめたりしないで」

テクパトル「さて・・・削板、やるか」

183 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:36:44.93 ID:j7XLqThy0
削板「よし、やってやろう!」

上条と入れ代わりに削板が机の前に座る

テクパトル「・・・上条、審判を頼む」

上条「よし、じゃあ・・・」

削板「・・・互いに、正々堂々とやろうな」

テクパトル「当たり前だろ」

上条「両者・・・ようござんすか!?」

テクパトル「いいだろう!」

削板「やってやるよ!」

上条「では・・・始め!」

上条の合図で、二人が力を込める

テクパトル「おらぁぁぁ!」

削板「ぐぉぉぉ!」

ミシミシ、と何かおかしな音がする

テクパトル「・・・やるじゃないか・・・相変わらずだな!」

184 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:37:13.61 ID:j7XLqThy0
削板「・・・お前も、さすがだな!」

二人の腕は真っ赤になっている

削板「上条との勝負で力を使っていてこれとはな」

テクパトル「よく言う・・・お前だって羽根突きの疲労は多いだろう」

削板「言い訳など必要ない!」

テクパトル「ならば・・・お互い勝ちだけを求めようじゃないか!」

ミシミシ、からバキバキという音に変わる

机が軋んでいるのか

それとも彼らの体が軋んでいるのか

19090「・・・凄まじいです・・・」

上条「・・・こんなに拮抗した腕相撲は初めて見た・・・」

黒子「軍覇さん、頑張ってくださいな!」

19090「テっくん、勝ってください!」

テクパトル「くっ・・・」

削板「・・・負けてたまるか!」

削板が顔を真っ赤にしながら力を強めていく
185 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:37:58.63 ID:j7XLqThy0
上条「わ、わずかに削板が圧してる!」

黒子「その調子ですの、軍覇さん!」

19090「テっくん、負けないで!」

テクパトル「・・・削板・・・俺だってなぁ!」

上条「テ、テクパトルが圧し返してる!」

テクパトル「負けられないんだよ!」

削板「いいな・・・久しぶりに楽しいぞテクパトル!」

テクパトル「俺もだ・・・!」

削板「まさに血湧き肉踊る!」

テクパトル「もはや言葉など必要ないだろう!」

削板「これで終わりにしてやる!」

テクパトル「ナメるなよ!」

二人が最後の力を振り絞る

そして

同時に力尽きた

186 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:38:48.20 ID:j7XLqThy0
もはや、どちらも力を加えていなかった

ふらり、と互いが手を離し同時に倒れ込む

削板「・・・ま、まさか引き分けとはな・・・」

テクパトル「・・・いい勝負だった・・・」

削板「ははは・・・清々しいな・・・」

テクパトル「・・・疲れた」

19090「テっくん、お疲れ様です」

19090号が優しくテクパトルの頬にキスをする

テクパトル「・・・上条」

上条「ん、なんだよ?」

テクパトル「さっきお前が義姉さんにキスされて喜んでたが・・・なかなかいいもんなんだな」

上条「だろ?」

テクパトル「今更ながら分かった」

黒子「軍覇さん、お疲れ様ですの」

187 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:39:32.92 ID:j7XLqThy0
黒子が削板にタオルを差し出す

削板「おぉ、サンキュー」

テクパトル「・・・疲れたな・・・みんなはなんか呆れたように見てるし」

垣根「筋肉馬鹿だな」

ショチトル「いやぁ、暑苦しいな」

一方「すげェ・・・」

番外「なんか恐怖を覚えたよ」

テクパトル「いいだろ・・・」

心理「力が強いのはカッコイイと思うわよ」

垣根「なんだよ、筋肉フェチか?」

心理「守ってほしいだけ」

垣根「ふーん」

番外「なになに?惚気?」

心理「違うわよ」

188 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:40:14.66 ID:j7XLqThy0
19090「・・・テっくん、胸板が厚い人は素敵ですよ!」

黒子「軍覇さん、いつも鍛練を欠かさない軍覇さんが素敵ですの!」

テクパトル「・・・はぁ、ありがとな19090号・・・」

削板「理解されにくい趣味だよな・・・」

テクパトル「だが男は強くあるべきだ、これだけは譲れない」

一方「・・・俺も頑張ろォ」

垣根「なんならこの家にもジムはあるけど」

テクパトル「早く言ってくれよ!っていうかなんであるんだよ!?」

垣根「お前達を万が一泊めたりした時のためにだよ、心理定規が言ったから」

削板「おぉ、そりゃありがたいな」

心理「あなた達は一日でも休むのがイヤなんじゃないかと思ってね」

テクパトル「分かってるじゃないか」

19090「・・・テっくん、タオルを持ってどこに行くつもりですか?」

テクパトル「せっかく気を利かせて作ってもらったジムなんだ、使わなきゃもったいないだろう?」

189 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:41:08.80 ID:j7XLqThy0
削板「一方通行!お前もやるか!」

一方「はァ?あと二時間もしたら飯・・・」

テクパトル「二時間もあるじゃないか、余裕余裕」

削板「行くぞー」

一方「く、くそ!正月・・・てか元日からトレーニングなのかよ!」

テクパトル「一日でも休むのが惜しいんだよ」

削板「お前は変わるんだろ?なら俺達が手伝ってやるからさ」

一方「助けてェ!」

二人に引きずられて、一方通行がリビングから外へと連れていかれる

垣根「風呂場の近くだからなー」

テクパトル「了解!」


上条「・・・元日から随分とハードだな」

美琴「なんか・・・大変そうね」

190 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:42:04.34 ID:j7XLqThy0
エツァリ「趣味ですからね、苦痛には感じないんでしょう」

19090「・・・もっと胸板が厚くなるんでしょうか」

番外「胸板フェチとは変わってるね」

黒子「あら、結構胸板が好きな女性は多そうですの」

心理「私も胸板はわりと安心出来るから好きね」

垣根「お前は甘えるタイプだからな」

上条「そうなのか?なんか心理さんって甘えさせるタイプみたいだと・・・」

垣根「こいつ、二人きりだとニャンニャンだぜ?」

美琴「ふーん・・・ニャンニャンの心理定規かぁ」

ショチトル「たまらんだろ、垣根にとっては」

垣根「あぁ、めちゃくちゃ興奮するときもある」

心理「別にニャンニャンじゃないわよ」

19090「具体的にはどんな感じになるんですか?」

垣根「まず肩に頭を乗せてきます」

191 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:42:57.84 ID:j7XLqThy0
上条「・・・心理さんがやったら破壊力抜群だろうな」

美琴「なによ!私がやっても嬉しくないの!?」

上条「じゃあやってみてくれよ」

美琴「ん!」

美琴が上条の肩に頭を乗せる

上条「あぁ、これは破壊力抜群だ」

美琴「//」

垣根「惚気かよ・・・ムカつくな」

ショチトル「それで?そのあとは」

垣根「あぁ・・・次にキスしてくる」

心理「たまにじゃない」

エツァリ「たまにならするんですか」

黒子「意外と甘えん坊ですのね」

心理「あら、あなた達だって彼氏と二人きりになったらするでしょ?」

192 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:43:47.72 ID:j7XLqThy0
上条「心理さんのイメージと違うからな・・・」

番外「垣根は逆に甘えん坊っぽいよね」

心理「・・・この人、全然甘えてきたりしないわよ」

垣根「だってさ、男が甘えるのは間違ってるだろ」

美琴「そう?私は当麻が甘えてきてくれたら・・・母性本能をくすぐられるけど」

垣根「え、なに?ミコっちゃんは母乳が出るの?」

美琴「最低!アンタ最低!」

垣根「いいか?男の力が強いのは女を守るためなんだよ」

上条「でもさ、たまに甘えないと心理さんは自分に興味ないんじゃないかって不安になると思うぜ?」

心理「たしかにそうね」

垣根「絶対違うだろ、面白いことになりそうだからって適当にノっただけだろ」

心理「おいで、帝督」

垣根「て、帝督?」

心理「あら、美琴は上条君と下の名前で呼び合ってるじゃない?」

193 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:44:29.23 ID:j7XLqThy0
垣根「やめろ・・・なんか恥ずかしいだろ」

19090「あ、垣根さんの顔がちょっと赤いです!」

ショチトル「なんだ?照れてるのか」

美琴「へぇ、真っ赤になるほど恥ずかしいのね」

垣根「うるせぇ、慣れてないだけなんだよ」

心理「ねぇ帝督」

垣根「やめろ」

心理「はぁ・・・たまにならいいじゃない」

垣根「今更呼び方変えるなよ・・・違和感しかないぞ」

上条「垣根、心理さんが下の名前で呼びたいんだからそうさせてやれよ!」

番外「そうだそうだ!アンタ男だろ!?」

垣根「うるせぇ!帝督なんて呼ばれたら恥ずかしいだろうが!」

19090「名前がヘンだからですか?」

194 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:45:08.45 ID:j7XLqThy0
垣根「お前はピンポイントで痛いとこを突いてくるんだな」

心理「で、垣根は甘えてくれないのかしら」

垣根「だから、俺はそういうキャラじゃねぇだろうが」

エツァリ「たしかに、垣根さんは根はかなり黒そうですからね」

垣根「どういう意味だよ」

ショチトル「真っ黒だよな」

上条「・・・でもさ、好きな人に甘えられるってかなり幸せだぞ?」

垣根「知るか、俺は亭主関白でいいんだよ」

美琴「全然亭主関白じゃないわよね?」

黒子「いつも心理定規に嗜められてますの」

心理「垣根は時々押さえが効かなくなるからね」

垣根「あえてお前達に合わせてやってるんだよ」

上条「いや・・・とてもそうには思えないんだけど」

心理「でも昔は今と比べたらものすごく怖かったわよ?」

195 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:45:44.74 ID:j7XLqThy0
垣根「お前に危害加えたことはなかっただろうが」

心理「それでもよ、なんだか少し近寄りにくい雰囲気だったもの」

垣根「あぁそうかよ」

心理「でも、私のために傷薬を持ってきてくれた時はドキッてしたわね」

番外「え、なになにその素敵なイベント?」

エツァリ「詳しく聞きたいですね」

心理「実はね・・・」

垣根「話すな」

心理「いいでしょ、別に悪い話じゃないもの」

垣根「恥ずかしい」

心理「この人ったら、私が背中に傷を負ったときにわざわざ傷薬を取りに行ってくれたのよ」

垣根「・・・ちげぇ、他の仕事のついでだ」

心理「あら?わざわざ取りに行ってくれたって言ってたじゃない」

196 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:46:25.78 ID:j7XLqThy0
垣根「ほら、あれだ・・・その・・・」

美琴「あ、また垣根赤くなってる」

19090「かなり恥ずかしいみたいですね」

垣根「ニヤニヤ笑ってんじゃねぇよ」

番外「ふーん・・・垣根ってそういうキャラだったんだ、かわいいとこあるじゃん」

垣根「・・・」

黒子「優しいんですのね、見直しましたの」

ショチトル「きゃー垣根ったらカッコイイー」

垣根「殺すぞこら」

ショチトル「優しい垣根はそんなこと出来ないもんな?」

垣根「てめぇら!調子乗るなよ!」

番外「やーん、優しい垣根が怒ったー」

19090「みなさん、チョップされちゃいますよ」

上条「あー、優しいチョップをされちゃうのか」

197 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:48:51.99 ID:j7XLqThy0
美琴「垣根、怖いわよ」

垣根「・・・」

心理「ちょっと、あんまり垣根をバカにしないでよね」

黒子「褒めていますのよ?優しい男性は素敵ですから」

垣根「・・・明らかに俺をバカにしてるだろ?」

上条「いやいや、見直したぜ?」

垣根「・・・俺が優しくしたらおかしいのかよ!!」

美琴「っていうか気持ち悪い」

19090「まぁ、ツンツンしてるイメージがありましたから」

黒子「たしかに、ベタ惚れな垣根さんは不気味ですの」

番外「うんうん」

エツァリ「なんというか、素敵な彼氏さんですけどね」

垣根「・・・泣きたいよ、俺は泣いていいのか?」

198 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:51:46.70 ID:j7XLqThy0
ショチトル「・・・垣根の昔の話は面白そうだよな」

美琴「ねぇねぇ、小学生の頃って垣根はどんなだったの?」

垣根「なんで話さなきゃなんねぇんだよ」

上条「もしかして、通ってなかったのか?」

垣根「いや、通ってた」

心理「でも小学生の時にはもう能力高かったんでしょ?」

垣根「あぁ」

黒子「そうですの?」

垣根「おかげで捻くれてたな」

美琴「ふーん・・・私は子供の頃は普通だったからわかんないな・・・」

ショチトル「なぁ、話してくれよ」

垣根「しゃあねぇな・・・ヒマ潰しに話してやるよ・・・どんな話がいい?」

ショチトル「そうだな・・・告白された経験とか」

垣根「あぁ、結構あるぜ?」

199 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 10:56:08.58 ID:j7XLqThy0
心理「あら、話してちょうだい?」

垣根「はいはい・・・あれは、たしか小学3年の頃だった」

上条「ふむふむ」



垣根「あーだりぃ」

「垣根、サッカーしに行かないか?」

垣根「今日は疲れてるからいいわー」

「なんだよ、つまんねー」

垣根「うるせぇな・・・こんな暑い中サッカーとかしたくねぇよ」

「ははは!!まぁしたくなったら来てくれよな」

垣根「あー分かった分かった」


垣根「あっちぃなしかし・・・」

「ね、ねぇ垣根君!!」

垣根「あぁ?なんだ、加藤かよ」

「あ、あのね!!垣根君って好きな子とかいるの!?」

垣根「は?いないけどなんで」

「よ、よかった!!」

垣根「なに?俺のこと好きなの?」

「!!う、うん」

200 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 11:01:33.54 ID:j7XLqThy0
垣根「ふーん・・・なんで」

「か、かっこいいし優しいし・・・」

垣根「で?」

「あ・・・そ、それでね?付き合ってほしいなぁ・・・って」

垣根「ふーん・・・無理」

「な、なんで?」

垣根「俺、別にお前のこと好きじゃないから」

「・・・そ、そうなの?」

垣根「泣きそうな顔すんなよ・・・これだから断るのは苦手だ」

「だ、だって・・・」

垣根「とりあえず、帰れ帰れ」

「・・・うん、ごめんね」

垣根「あぁ」


垣根「・・・」

「おっす垣根、結局サッカー来なかったのな」

垣根「なぁ、荒井」

「なんだよ?」

垣根「お前って加藤のこと好きなんだっけ?」

「ど、どどどどどどどどうしてそれを!?」

201 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 11:05:47.18 ID:j7XLqThy0
垣根「お前、この前加藤のリコーダーペロペロしようとしただろ」

「し、してねぇよ!!」

垣根「加藤の上履き見てただろ」

「見てねぇよ!!」

垣根「加藤の席に座ろうとしてただろ」

「そ、それはしたかも」

垣根「・・・今な、加藤がめちゃくちゃ落ち込んでるんだ」

「ど、どうして!?」

垣根「まぁいろいろと」

「ちょっと行ってくる!!」

垣根「あぁ、いってらっしゃい」


垣根「はぁ・・・こうやって俺の周りにはどんどんとカップルが出来ていくのか」

垣根「いいねぇ、メルヘンだ」

垣根「っと掃除掃除・・・」


垣根「・・・俺と荒井が掃除当番だったか、ちょっと呼んで」

教師「垣根君、逃げないの」

垣根「」


202 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 11:08:25.34 ID:j7XLqThy0

垣根「そんな感じだったな」

上条「・・・小学生?」

美琴「お前と変わらないわね・・・」

垣根「昔からませてたんだよ」

心理「結局、その加藤さんと荒井君はどうなったの?」

垣根「たしか、そのあといい感じになって中学から付き合いだしたって聞いたけど」

ショチトル「聞いた?」

垣根「その前に俺は転校したからな」

黒子「あら・・・そうですの」

番外「・・・学校か、楽しそうでうらやましいな」

19090「ミサカもです・・・」

上条「・・・まぁ楽しいときもあるけどさ」

美琴「結構めんどくさいときもあるわよね」

エツァリ「そうなのですか?」

203 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 11:13:26.70 ID:j7XLqThy0
上条「・・・授業はヒマだからな・・・」

美琴「ちゃんと聞きなさいよ・・・当麻っていつも授業中寝てるの?」

上条「・・・能力開発の授業とかはとくにな」

垣根「はぁ?あれが一番面白いだろ」

上条「そうは思えないな・・・」

心理「分からない人にはとことん意味不明な世界だからね」

ショチトル「・・・能力開発の授業ってどんなのだ?いろんな穴という穴にいやらしいもの突っ込むのか?」

垣根「開発の意味が違う」

美琴「能力開発っていっても、学校ではそのシステムやら過程やらを習うだけよ」

エツァリ「なるほど・・・AIMのこととかですか?」

上条「そうそう・・・だけどさ、それがまた難しいんだよな」

心理「そうね・・・なかなか実感の湧かないものだものね」

美琴「今ここにも存在してるのよね・・・」

垣根「空気と一緒だろ」

204 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 11:16:53.87 ID:j7XLqThy0
ショチトル「・・・魔術と違って、誰からか習うことができるのはいいな」

上条「魔術はそういうのってないのか?」

エツァリ「自分はショチトルに一応教えていましたが・・・」

ショチトル「魔術学校なんてものはないぞ、師弟関係を結んでいる魔術師はいるだろうけどな」

美琴「じゃあどうやって魔術を覚えるの?」

エツァリ「自己流がほとんどですよ」

ショチトル「あと、同じ流派の魔術師で集まって鍛錬し合ったりな」

垣根「へぇ、いいじゃねぇか」

心理「学校でずーっと話を聞いて、よりはよっぽど上達しそうよね」

エツァリ「そうでもないですよ、一つの魔術が完成するのに時間は掛かりますから」

ショチトル「もともと存在する魔術ならあまり会得に時間は掛からないがな」

黒子「・・・それにしても、宗教によってだいぶ神様は変わりますのね」

番外「あんなのってただの絵空事じゃんか」


205 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 11:19:52.85 ID:j7XLqThy0
エツァリ「絵空事を現実にしてしまうのが魔術ですよ」

ショチトル「お前たちだって天使を見たことはあるだろう?」

上条「まぁ・・・あるけどさ」

垣根「絵空事を真似た現実を無理矢理作るってだけだろ」

エツァリ「そうでもありますね」

垣根「・・・しかし、面白そうな世界だよな」

ショチトル「一度はまると中々抜け出せないぞ」

美琴「・・・そうかもね」

黒子「でも、それは能力開発と同じですの」

心理「考えたら、魔術も能力もわりと似てるのかもね」

垣根「発現方法は違うけどな」

ショチトル「あぁ、そっくりと言ってもいいだろう」

19090「ふいー・・・なんか難しい話ですね」

垣根「そうか?」

19090「ミサカは難しい話は苦手です・・・」

206 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 11:26:09.33 ID:j7XLqThy0
上条「・・・エツァリたちの使う魔術って、イギリス清教とかが使うのと全然違うよな」

エツァリ「それは当然でしょうね」

ショチトル「そもそも、十字教には神が一人だけだろ?」

美琴「あぁ、そういえばそうね」

心理「ヤハウェかしら」

エツァリ「いろいろ呼び名はありますがね」

上条「?じゃあイノケンティウスとかは?」

ショチトル「あれは魔女狩りだろ、神様の伝記ではなく人が起こした歴史的事実を参考にした魔術だ」

番外「・・・?神様以外でも魔術になるの?」

エツァリ「そこに宗教が絡めばなりますよ」

上条「へぇ・・・」

ショチトル「エリエリレマサバクタニ、もキリストの叫んだ言葉だからな」

上条「・・・インデックスから聞いたことがあるような」

エツァリ「重要なのは、そこに無理矢理にでも魔術的関連を作ることなんですよ」

207 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 11:29:20.36 ID:j7XLqThy0
心理「・・・ややこしい世界ね」

垣根「いちいちいろんな歴史的事実を覚えなきゃいけねぇのか」

ショチトル「めんどうだぞ、かなりな」

美琴「・・・そう考えたら、能力のほうが便利かもね」

19090「そうですね・・・あ、テっくん!」


テクパトル「おっす・・・いい汗かけたよ」

削板「いやぁ、いい設備だったぞ、垣根!!」

一方「水を・・・ください・・・」

番外「うわ、一方通行バテまくり」

ショチトル「・・・目が死んでるな」

削板「ははは!!仕方ないな、久しぶりだったんだろ!」

一方「・・・やってらンねェ・・・」

19090「さて、みなさんも揃いましたし食事にしますか?」

心理「じゃ、寿司を頼むわね」

垣根「あー、俺が頼むよ」

208 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 11:38:25.37 ID:j7XLqThy0
垣根が電話で寿司を注文する


一方「・・・くそ・・・きつかったな・・・」

19090「テっくん、お疲れ様です」

テクパトル「あぁ、飲み物飲み物・・・」

心理「ワイン飲む?」

テクパトル「今日はビールでいいよ」

エツァリ「・・・寿司とビールですか」

削板「合うのか?」

テクパトル「合うに決まってるじゃないか」

上条「なんかおっさんくさいぞ」

テクパトル「いいだろ・・・」

美琴「飲みすぎはダメよ?」

テクパトル「う・・・なんか義姉さんが厳しい・・・」

美琴「当たり前でしょ!妹の彼氏なのよ?」

テクパトル「は、はい」

上条(これが義兄弟・・・か)


209 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 11:46:17.21 ID:j7XLqThy0
19090「お姉様、テっくんに厳しすぎですよ!?」

美琴「そんなことないわよ!」

19090「お義兄様には甘いではないですか!!」

美琴「と、当麻はいいのよ!!」

19090「特別扱いはダメです!!」

テクパトル「ほ、ほら・・・喧嘩するなよ」

上条「可愛い顔が台無しだぞ?」

美琴・19090「男は黙って!!!」

上条・テクパトル「」

ショチトル「ははは、男は弱いな」

心理「そうね、男性は自分の愛している女性には強く接せられないものよ」

垣根「んなことはねぇよ!!」

一方「あァ・・・水が美味い・・・」

黒子(・・・お姉さま、19090号さんとすごい剣幕で言い争ってますの)

210 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 11:54:34.75 ID:j7XLqThy0
美琴「大体ね!!テクパトルはちょっと誑しすぎるわよ!!」

19090「お義兄様だって!!」

美琴「ふん!!当麻は優しさからくる副作用だからいいのよ!!」

上条(ふ、副作用・・・)

19090「テっくんだって浮気なんかしません!!」

美琴「それに体壊したらどうするのよ!?せっかく仕事が見つかったんでしょ!?」

19090「そ、それはミサカが管理します!!」

テクパトル「え・・・いや、自分で体調管理くらいは・・・」

19090「ミサカがします!!」

テクパトル「お、おう」

一方「・・・妹達はみンな気が強いのな」

番外「えぇ?ミサカは優しいじゃん」

一方「・・・ねェよ」

番外「えー・・・」


211 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 12:03:23.41 ID:j7XLqThy0
ショチトル「・・・そういえば、この6カップルのうち半分は彼女がミサカなんだよな」

美琴「そうね・・・じゃあ3カップルが親戚?」

一方「前々から言ってるじゃねェか」

上条「俺たちが一番年上カップルになるのか?」

テクパトル「・・・年下が義姉さんってのは複雑だな」

美琴「そう?」

一方「・・・俺もだな」

番外「っていうか、19090号がお姉さんになるってのがイヤだな」

19090「な、なんでですか!?」

一方「お前は一番年下っぽいからな」

テクパトル「というか、番外個体が一番お姉さんっぽいよな」

番外「まぁ体はね」

美琴「・・・なに?嫌味?」

番外「違うよん」

美琴「・・・わ、私だって胸くらい大きくなるわよ」

番外「どうかなぁ?」ニヤニヤ

212 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 12:13:43.66 ID:j7XLqThy0
上条「まぁ、俺は胸はでかくても小さくても・・・」

垣根「ちっちっち、上条は分かってないな」

上条「何がだよ・・・」

垣根「胸は女の象徴だぜ?」

一方「くっだらねェ、胸なンて邪魔だろォが」

番外「よく言うよ、いっつも揉んでくるくせに」

一方「」

エツァリ「おや、一方通行さんもロリコンから卒業ですか?」

削板「ははは!!犯罪を犯す前にやめられてよかったじゃないか!!」

黒子「おめでとうございます、一方通行さん!」

19090「よかったですね」

美琴「これで、世界から悪が一つ消えたわね」

一方「」


213 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 12:50:32.66 ID:j7XLqThy0
ショチトル「お、寿司が来たんじゃないか?」

ピンポーン、と垣根の家のチャイムが鳴る

垣根「ほいほーい」

心理「ねぇ、さっき電話で不穏なこと言ってなかった?」

垣根「ん?気にしない気にしない」

削板「・・・なんか不安だな」

垣根「安心しなさい」

垣根が寿司を受け取りに行く

ショチトル「・・・絶対に何かしたよな」

美琴「うん・・・」

上条「・・・もう読めてるけどな」


垣根「はいはい、みんなー寿司だぜ寿司」

一方「あ?なンだよ、普通の寿司じゃねェか」

19090「そうですね・・・安心しましたよ」

垣根「ふ・・・ふふ・・・ははははは!!!!!!!!」

心理「・・・どうしたの?」


214 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 12:54:45.76 ID:j7XLqThy0
垣根「言っただろ!?こういうのは楽しまなきゃなんねぇんだ!!」

黒子「は、はぁ」

垣根「教えてやろう!!ここには寿司がたくさんある!!」

上条「あぁ・・・で?」

垣根「この中に!!ワサビがめちゃくちゃ入ってる寿司が8貫ある!!」

美琴「な、何よそれ!?」

エツァリ「・・・あの、玉子とかもあるんですが」

垣根「もしかしたらそれに入ってるかもな」

ショチトル「・・・ま、待ってくれよ・・・食べるのに勇気がいるんだけど」

テクパトル「・・・ま、8貫だけなんだろ?」

テクパトルがさっそくサーモンに箸を伸ばす

垣根「ちなみにネタを捲ってワサビ確認するのはなしな」

テクパトル「・・・ちっ」

削板「・・・テクパトル、サーモン・・・行くのか?」

テクパトル「・・・行こう」

テクパトルがサーモンを口に運ぶ

215 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 13:01:00.51 ID:j7XLqThy0
テクパトル「・・・よし、普通だぞ?」

上条「・・・お、俺は・・・どうしよう」

番外「上条は不幸だから当たりを引きそうだもんね、ミサカはそんなことないけどね」

番外個体がマグロに手を伸ばす

一方「いいのか?」

番外「余裕余裕」

垣根「・・・みんなも食えよ」

エツァリ「・・・垣根さんはどれにワサビが入ってるか知っているんですか?」

垣根「いや、適当に入れてくれって言ったから」

黒子「そ、そうなんですの?」

垣根「さて、じゃあエンガワからもらいますかね」

19090「ではミサカはアジを」

美琴「あ、カンパチもーらい」

上条「・・・ハマチをもらう・・・」

心理「・・・私もハマチね」

それぞれが、ほしい寿司を取っていく


216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/28(水) 13:03:33.29 ID:ZNZd6Xvh0
いっそたまにはすべてていとくんに・・・・・・
上条さんがすべて引くなんて常識的なことは
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/28(水) 13:05:20.70 ID:7qxnyXgQ0
いや、ここは打ち止めが引いて一方がブチ切れに1票
218 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 13:07:22.25 ID:j7XLqThy0
上条「あれ?ワサビ普通だった」

19090「ミサカもです」

ショチトル「いやぁ、美味いな」

削板「ん?心理定規、どうした?」

心理「・・・」ウルウル

垣根「どうしたんだよ?」

心理「にゃ、にゃんでもにゃいわよ・・・」

垣根「・・・引いたな」

心理「ふぃ、ふぃいてにゃいわよ・・・」

垣根「引いたんだな、舌がやられたんだな」

心理「・・・」ウルウル

一方「・・・水でも飲めよ」

心理「・・・み、水がワサビの味がするのよ・・・」

垣根「そんなにワサビ多かったか?こりゃ失敗」

テクパトル「反省してないだろ」

美琴「・・・つ、次は・・・イカゲソいこうっと」

219 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 13:13:36.85 ID:j7XLqThy0
ショチトル「・・・ワサビは透けてないか・・・」

垣根「当たり前だろ・・・って心理定規、どうした?」

心理「・・・し、舌が・・・しびれてる・・・」

美琴「・・・ワサビどれくらい入ってたの?」

心理「・・・シャリの中に詰めてたみたいよ・・・道理で外からは分からないわよにぇ・・・」

垣根「噛んでるじゃねぇか」

上条「・・・よ、よーし!!上条さんは不幸なんて慣れっこだもんね!!」

エツァリ「じ、自分だって堪えてみせますよ!!」

テクパトル「いいじゃねぇか!!やってやるよ!」

削板「男は根性、女は愛情!!」

一方「なンかちげェ・・・」

ショチトル「・・・よし、これもセーフだった」

220 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 13:22:13.04 ID:j7XLqThy0
エツァリ「・・・あれ、なんか最初の心理定規さん以外引いてませんね」

心理「・・・本当に8貫あるんでしょうね?」

垣根「・・・」

心理「ねぇ、聞いてる?」

垣根「・・・」ウルウル

心理「・・・」

上条「・・・」


上条「君・・・泣いてんのか?」

垣根「板尾係長・・・」

美琴「やめなさい・・・っていうかワサビ大盛りだったのね?」

垣根「うるせぇ・・・」

一方「ひゃひゃひゃ!!!ざまァ」

黒子「ふふ・・・言いだしっぺが引きましたの」

19090「・・・これで残り6貫ですか」

垣根「や、やべぇ!!舌が今更しびれてきた!!」

221 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 13:26:38.83 ID:j7XLqThy0
心理「み、水にょむ?」

垣根「にょむにょむ」

心理「しちゃがしびりぇちぇしゃびぇりぇにゃいわよにぇ」

垣根「こりぇはにゃきゃにゃきゃちゅりゃいもにょがありゅよにゃ」

上条「心理さん、あなたはツッコミであってほしかった」

心理「しきゃちゃにゃいじゃにゃい・・・い、いみゃしゃりゃしびれちぇきちゃわ・・・」

垣根「きょ、きょりぇはやびゃい・・・」

美琴「・・・ぜ、絶対当てないようにしよう」

一方「・・・米に隠れてるってことは、外からの見分けはつかねェ」

ショチトル「・・・ということは、重さの違いで見分けるしかないな」

番外「あ、これなんか異常に軽いよ?」

19090「なるほど・・・軽いのは怪しいですね」

テクパトル「じゃあ、これはセーフだな」

テクパトルが普通の重さの寿司を口に放る

222 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 13:31:03.29 ID:j7XLqThy0
テクパトル「よし、セーフだな」

19090「あ、じゃあこれもセーフですね」

19090号もテクパトルに習って普通の重さの寿司を握る

19090「・・・」

テクパトル「ん?どうした?」

19090「・・・」ウルウル

テクパトル「お、おい?」

垣根「引いたな」

心理「テクパトル理論、早くも崩れたわね」

19090「チェっきゅんのうしょちゅき・・・」

テクパトル「お、俺のせいか!?」

一方「・・・くそ、どォすればいいンだよ」

上条「もう恐れたら負けだな!!」

黒子「そうですの!!」

削板「よし!!根性で耐えてやる!!!」


削板「辛い!!!!」

上条(・・・削板はリアクションを取れるんだな・・・)

223 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 13:34:26.52 ID:j7XLqThy0
削板「こ、これはすごいなおい・・・」

テクパトル「・・・19090号、大丈夫か?」

19090「マヨネーズをください・・・」

テクパトル「あ、あぁ!!」

上条「・・・ちょっと待て、8貫って言ったよな?」

垣根「あ?あぁ」

上条「・・・12人だぞ?」

垣根「あぁ」

上条「・・・4人がセーフなのか・・・」

垣根「いや、もしかしたら一人が二つ以上引くかもな」


心理「・・・」ウルウル

垣根「たとえば、こんな風に」

上条(心理さん・・・なんかちょっとかわいそうだ)

美琴(・・・イクラ軍艦にワサビ・・・?)


224 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 13:38:04.07 ID:j7XLqThy0
垣根「心理定規、泣いてんのか?」

心理「も、もうダメ・・・」

上条「・・・なぁ垣根、残り3つを誰かが引くまで心理さんは休ませたらどうだよ?」

垣根「でもよ、それでもしも誰も引かなかったら?」

上条「そ、それは・・・」

美琴「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」

上条「!?」ビクッ

垣根「あ、引いたな」

黒子「お、お姉さま?」

美琴「にゃ!!にゃはっ!!にゃはははは!!」

19090「あ、あまりの辛さに笑ってますね・・・」

番外「お姉様・・・顔真っ赤・・・」

美琴「にゃにゃ!!」

上条「あぁ、水くれるか?」

垣根「ありません、耐えてください」

上条「早く渡せよ!!」

美琴「にゃにゃにゃぁ!!!」

225 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 13:43:46.60 ID:j7XLqThy0
上条「・・・残り2つか・・・」

一方「・・・まだ30貫以上あるな」

19090「・・・確率的には低いですね」

垣根「心理定規も今なら食べられるんじゃないか?」

心理「じゃあ食べる」

垣根(な、なんか涙目なんだけど)

美琴「・・・よかった、美味しい」

心理「や、やっと当たりを引けたわ・・・」

ショチトル(・・・ここで私が引けば、なかなか面白いことになるよな)

エツァリ(目立つにはそれが一番です)

黒子「・・・あら、大トロもありますの?」

垣根「あぁ、いいのか本当に?」

黒子「」ピクッ

垣根「寿司の罰ゲームだぜ?誰もがほしがるものにワサビを入れるんじゃないか?」

黒子「そ、それは・・・」


226 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 13:48:26.49 ID:j7XLqThy0
上条「・・・大トロは3つもある・・・」

エツァリ「明らかに一つは入ってますよね」

ショチトル(よし、絶対に入ってるだろうな)

ショチトル「一つもらう」

黒子「!!わ、わたくしもですの!」

19090「・・・ミサカももらいましょう」


黒子「あら、入ってませんでしたの」

19090「ミサカもでした、美味しいですね」

ショチトル「・・・」

黒子「も、もしかして入っていましたの!?」

ショチトル「・・・入ってない」

19090「あ、ならよかったじゃ・・・」

ショチトル「よくないんだよ!!」

テクパトル「は、はぁ?」

227 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 13:55:55.67 ID:j7XLqThy0
ショチトル「私とエツァリの立ち位置はな!!」

ショチトル「いじられたりこういうところで苦い思いをして笑いを取ったりするボケだろ!?」

ショチトル「なんでワサビが引けないんだ!?」

エツァリ「し、仕方ないですよ」

ショチトル「心理定規はおいしいよなぁ!!美琴も19090号も!!!」

ショチトル「舌の痺れた女の子のニャーニャー口調可愛い、とかいう意見盛りだくさんだろうよぉ!!」

垣根「こ、こら・・・そういうネタは」

ショチトル「神様がシナリオを作ってるならな!!私はきっと通行人A!!」

ショチトル「あーあー、どうせ不幸でエッチなショチトル可愛いなんていう人間はいないだろうなぁ」


ショチトル「いないだろうなぁ」チラッ

上条「そういうのはやめろ」

ショチトル「とにかく!!大トロがセーフってのはおかし」

一方「あァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ショチトル「な、なんだよ」

228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2011/09/28(水) 13:57:23.44 ID:trM51Vhqo
ニャーニャー口調が可愛いんじゃない、心理定規が可愛いんだ
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/28(水) 13:58:35.62 ID:7qxnyXgQ0
ショチトルよ
大将がうまいものをわざわざまずくするわけないだろ
230 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 14:00:09.17 ID:j7XLqThy0
一方「辛い!!辛いンだよ!!」

ショチトル「・・・引いたのか」

一方「いてェ!!舌がいてェ!!!」

番外「あははははははは!!!!!!!!!!!こ、こりゃいいね、涙目の最強!!!」

19090「だ、大丈夫ですか?」

美琴「み、水・・・いる?」

一方「く、くれ!!」

ショチトル「よこせ!!むしろ口移しでもいいからよこせ!!」

一方「ふざけンな近づいてくンな!!」

エツァリ「ショチトル、落ち着いてください!!」

ショチトル「ずるいんだよ!!!」

美琴「ま、まだ一個残ってるじゃない!!」

ショチトル「はっ!?残りは10貫・・・よし、まだいける!!」

上条「はぁ・・・まともなのは美味しいからまだ救いだよな」

削板「エンガワはいいな、甘い」

231 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 14:05:26.06 ID:j7XLqThy0
ショチトル(あ、ニャーニャー口調じゃなくて心理定規が可愛いんだ)

エツァリ(何か悟りましたね)

上条「・・・はぁ、残り6貫・・・」

上条がマグロに箸を伸ばす

上条「はぁ・・・」


上条「・・・」

一方「あァ?どォした」

ショチトル「なんだよ、涙目になって・・・」

上条「・・・ひ、引いた・・・」


ショチトル「なに?」

上条「辛い!!めちゃくちゃ辛い!!っていうか痛い!!」

美琴「と、当麻!?」

ショチトル「」

232 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 14:09:23.51 ID:j7XLqThy0
上条「み、水・・・」

ショチトル「上条ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

上条「は、はいぃ!?」

ショチトル「私が唯一ボケられるチャンスを殺したな!?」

上条「そ、それより水・・・」

ショチトル「なんだ!?水死体になりたいか!?」

上条「い、いや・・・」

エツァリ「ショチトル、落ち着いて・・・」

ショチトル「ストーカーは黙ってろよこのハゲ!!!!」

エツァリ「」

ショチトル「上条!!!口移しでいいからよこせ!!!」

上条「い、いやいや!!」

番外「上条は最後に引くのか・・・」

ショチトル「最後とか関係ねぇんだよぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

19090「お、落ち着いて・・・」

ショチトル「黙れよムッツリ!!!」

19090「」


233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/28(水) 14:13:28.94 ID:ZNZd6Xvh0
あらぶるショチトルかわいいよ、あらぶるショチトル!




























まぁ、一番かわいいのは美琴たんだが
234 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 14:16:09.68 ID:j7XLqThy0
ショチトル「目の前で処女だった彼女がレイプされてしまったようなこの気持ち!!!」

ショチトル「なにが主人公だよ、お前はこんなおいしいことしなくたって目立てるだろうが!!!!」

ショチトル「なんだよ、なんだよ!!!心理定規は可愛いよ、あぁ可愛いよ!!!!」

ショチトル「だーれも私を可愛いと思ってはくれないんだよ!!!!」

エツァリ「いえ、自分は可愛いと思いますよ?」

ショチトル「黙ってろよこの変態が!!!」カァッ

エツァリ(ツンが強すぎますよ)

美琴「ほ、ほら・・・これって確立論だから・・・」

ショチトル「ふざけんな!!!!!!!!!何が不幸だよ、超幸せだろうが!!!」

ショチトル「世の中にはな!!二種類の人間がいるんだよ!!」

ショチトル「セックスをしたことのある人間としたことのない人間だよ!!!」

ショチトル「お前はセックスをしたことのある人間だ!!!!」

ショチトル「その時点で人として幸せだろ!?」

上条「な、何言ってるんだ?」

ショチトル「ちくしょぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!どう考えても48人アイドルなんかより私のほうがいいだろう!?」

上条(ダメだこいつ・・・)


235 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 14:22:43.49 ID:j7XLqThy0
ショチトル「見ろよ!!美琴はツンデレ属性を持っている!!」

美琴「え、えぇ?」

ショチトル「心理定規はクーデレ、19090号はおっとり!!!」

ショチトル「番外個体はヤンデレっぽいし、黒子はレズだけど一途!!!」

ショチトル「いい!?いいか!?そこには、キャラの被りがない!!!!!!!!」

ショチトル「私はどうだ!?妹キャラなら19090号が兼ね備えてる!!」

ショチトル「ツンデレで美琴には敵わないし!!セクシーなら心理定規がいる!!!」

ショチトル「あぁそうさ!!!」

ショチトル「ショチトル可愛いよショチトル、って意見のあとには絶対に・・・まぁ○○のほうが可愛いけど、ってつくんだよ!!」

ショチトル「私はな!!一番にはなれないんだよ!?」


ショチトル「うわぁぁぁぁぁん!!!!!」

上条「な、泣いてる?」

ショチトル「ワサビがなんだよ!?そんなもんでの涙なんて私の涙に比べたらなぁ!!!」

ショチトル「[禁則事項]みたいなもんなんだよ!!!!!!!!!」

上条「それは言っちゃダメ!!!!!!!!!!」

236 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 14:28:20.48 ID:j7XLqThy0
垣根「・・・ショチトル、涙を拭けよ」

ショチトル「ちくしょう・・・」

垣根「可愛いなんて言われなくてもいいだろ、俺はお前のボケ・・・嫌いじゃないぜ」

ショチトル「・・・ありがとう・・・」

上条「舌が痺れてる・・・」

美琴「はぁ・・・でもまぁ美味しかったのもあったしいいんじゃない?」

削板「いやぁ、面白かったしな!!」

黒子「ですが、まだもうちょっと足りないですの」

垣根「ふっふーん・・・」

心理「あら、何を笑ってるの?」

垣根「こういうこともあろうかと、またまたロシアンルーレットを用意したんだ!!」

ショチトル「!!本当か!?」

垣根「もちろん、これはなかなか厳しいぜ!?」

美琴「・・・一応聞いとくわ」


237 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 14:32:25.46 ID:j7XLqThy0
垣根「・・・シュークリームだ」

エツァリ「ほう、ワサビですか?」

垣根「いや、ハバネロとジョロキアのジャムだ」

一方「・・・あァ?」

垣根「ちなみに、食べたら大抵胃の粘膜がやられる」

美琴「そ、それって・・・」

垣根「こんなこともあろうかと!!」

ショチトル(あ、まただ)

垣根「冥土返しから解毒剤をもらった」

心理「解・・・毒?」

垣根「もはや毒扱いらしいぜ」

19090「・・・そ、その・・・どれくらいの激痛なんですか?」

垣根「たしか、火を飲み込んだくらいの・・・」

エツァリ「危ないですよ」


238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/28(水) 14:33:21.71 ID:ZNZd6Xvh0
ショチトル、今だ、今しかない、皆が気づく前にすべて食べてしまえば目立てるぞ!
239 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 14:35:34.83 ID:j7XLqThy0
テクパトル「・・・こ、こんなもの誰も食べたくないだろ」

心理「・・・今日の私は運がないから怖いわ」

垣根「俺も俺も」

上条「・・・不幸といえば俺だぜ?」

番外「・・・こ、怖いね」

ショチトル(・・・来い、来い・・・)


今、元日恒例のロシアンルーレットが始まる!!!



ゴーグル「・・・あの、これなんすか?」

フレンダ「いや、しゃぶしゃぶな訳よ」

麦野「もしかして鍋嫌いなの?」

ゴーグル「いや、好きっすよ?」

浜面「・・・ゴーグル、安心してくれ・・・俺もこれには疑問を感じてる」

ゴーグル「・・・浜面さんは滝壺さんとのデート、楽しめましたか?」

浜面「あぁ」

滝壺「はまづら、現実から逃げないで」

240 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 14:39:42.38 ID:j7XLqThy0
ゴーグル「・・・この、お湯のなかに入ってるこれは?」

絹旗「シャケフレークと鯖です」

ゴーグル「・・・」

浜面「・・・おかしいよな」

滝壺「・・・私は美味しそうだと思う」

麦野「フレンダ・・・アンタは相変わらずね」

フレンダ「麦野も相変わらずな訳よ」

麦野「・・・?ゴーグルも浜面もどうしたのよ?」

浜面「・・・こんなの・・・しゃぶしゃぶじゃない」

滝壺「?しゃぶしゃぶだよ?」

浜面「・・・そうだけどさ」

ゴーグル「・・・絹旗さんはこういうの慣れてるんすか?」

絹旗「超当たり前な光景ですよ」

241 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 14:43:46.60 ID:j7XLqThy0
浜面「・・・はぁ、仕方ないな」

麦野「さ、食べましょう」

フレンダ「ねぇゴーグル、ぽんしゃぶ取ってー」

ゴーグル「あぁ、はいはい」

フレンダ「ありがと」

絹旗「・・・」

麦野「・・・」

フレンダ「?何じっと見てるの?」

滝壺「フレンダ、よかったね」

フレンダ「な、何が?」

浜面「ゴーグル、頑張れよ」

ゴーグル「は、はい?」

麦野「はぁ・・・ちくしょう」

ゴーグル「え?」


麦野(彼氏候補がいなくてもいい、せめてこいつら自重するようになってくれ・・・)

242 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 14:48:57.40 ID:j7XLqThy0

垣根「さて、12人分のシュークリームがある」

美琴「・・・見た目は全部同じね」

心理「そうね・・・」

垣根「1つだけだ、ハバネロとかジョロキアとかのジャムが入ってないのは」

上条「・・・ん?」

垣根「とりあえず、みんな選ぼうか」

心理「ちょっと待って」

垣根「あ?」

心理「・・・もしかして、当たりは1つだけ?」

垣根「あぁ、そうだけど?」

エツァリ「・・・あの、11個は殺人兵器ですか?」

垣根「誰も一言もジョロキアジャムが一個だけとは言ってないだろ?」

エツァリ「そ、そうですが・・・」

ショチトル(・・・なるほどな)


243 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 14:52:53.45 ID:j7XLqThy0
一方「・・・やってられるかよ・・・」

番外「・・・でもさ、これも新春運試しだよね」

一方「あァ?」

ショチトル「・・・よし、みんな選べ」

テクパトル「・・・頼む、セーフ・・・セーフ・・・」

19090「こ、怖いですね・・・」

ショチトル(ここで私は、普通のシュークリームを引く・・・)

ショチトル(えぇ!?、また私引かないのかよ!!的な空気を作ればいい)

上条「よ、よし!!俺はこれな!!」

美琴「わ、私はこれ!!」

削板「よーし!やってやる!」

テクパトル「はぁ・・・頼む」

心理「・・・いやね、もうワサビなんて優しいものだったわ」

垣根「さぁ、じゃあいいか?」


244 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 14:56:15.19 ID:j7XLqThy0
エツァリ「えぇ、いいですよ」

美琴「・・・当麻、終わったら・・・もし無事に終わったら、キスしようね・・・」

上条「あぁ・・・約束だ」

ショチトル「・・・さぁ、食うか」

一同がシュークリームを口に放る


エツァリ「・・・」ガクガクガクガク

一方「うおォォォォォォォァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!」

垣根「は、ははははははははははははははははははははは」

美琴「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」

削板「こ、根性!!!!!!!!!!!!!」

黒子「い、痛いですのぉ!!!」

上条(あれ、視界がぼやけてきたぞ・・・)


245 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 14:58:49.62 ID:j7XLqThy0
テクパトル「・・・水・・・じゃダメだ・・・」

19090「・・・こういうときは・・・牛乳が・・・いい、と・・・」

番外「げ、解毒剤・・・プリーズ・・・」


心理「・・・」

ショチトル「・・・」

心理「・・・ねぇ、あなた入ってた?」

ショチトル「いや、入ってない」

心理「・・・私も入ってないのよ」

ショチトル「・・・発注ミス・・・?」

心理「はぁ、よかったわ・・・」

ショチトル「ちょっとカメラ止めろ」



246 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 15:04:28.63 ID:j7XLqThy0
ショチトル「おかしいよな!?ここには2つのパターンが用意されていたんだ!!」

ショチトル「まず一つ目は、マジで私が当たりを引くこと!!」

ショチトル「えぇ、あれってダメフラグじゃなかったのかよ!?とかいう展開!!」

ショチトル「二つ目は、あえて私がハズレを引く展開!!!」

ショチトル「結局ハバネロ引いてんじゃん、しかもみんなも引いてるから少しもおいしくねぇな!!なんてことになるはずだった!!」

ショチトル「なんで!?心理定規めっちゃおいしいじゃん!?」

ショチトル「あれか、もはやメインヒロインの中に私は入ってないんだな!?」

心理「そういうのはやめなさい」

ショチトル「あぁもう!!分かってるよ、もう私は終わりだね!!」

ショチトル「もう!!終わりだね!!!」

心理「・・・ショチトル、力を入れすぎてるのよ」

ショチトル「あぁもう!!これでまた心理定規タソ可愛いよハァハァとかいう意見が出て来るんだよ!!」

心理「いいのよ、あなたは泣いていいの」

247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/28(水) 15:06:02.32 ID:ZNZd6Xvh0
ショチトルかわいいよ ハァハァ……ウッ フゥ






ってエツァリが言ってた
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/28(水) 15:09:03.99 ID:kJeVkK9Bo
心理タソ可愛いよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
249 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 15:10:55.60 ID:j7XLqThy0

上条「・・・垣根、反省してるか?」

垣根「・・・解毒剤、たくさん用意してて良かったな」

削板「まさか根性で倒せないものがあったとはな・・・」

美琴「当麻・・・」

上条「美琴・・・」

番外「・・・ディープキスなんかしちゃって・・・」

テクパトル「しかし、生きているって素晴らしいな・・・」

19090「本当ですね・・・」

エツァリ「生きていてよかったです・・・」

黒子「初めて・・・死にかけましたの・・・」

番外「はぁ・・・なんかショチトルは泣いてるけど?」

ショチトル「・・・ちくしょう・・・ちくしょう・・・」

心理「よしよし・・・あなたは十分可愛いし大丈夫よ」


250 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 15:17:28.61 ID:j7XLqThy0
エツァリ「・・・もう、食べ物はやめましょう」

垣根「普通のチョコがあるぜ・・・」

エツァリ「本当に普通ですか?」

垣根「当たり前だろ・・・」

美琴「私もほしい・・・」

番外「ミサカも・・・」

垣根「はいよ」

垣根がチョコを手渡す

美琴「美味しい・・・」

番外「うぅっ・・・涙が出そうだよ・・・」

19090「ミサカもですよ・・・」

上条「チョコって・・・こんなに美味しかったんだな・・・」

一方「あァ・・・」

心理「はぁ、私ももらうわね」

251 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 15:22:09.60 ID:j7XLqThy0
ショチトル「・・・もうさ、私はボケでもなんでもないんだ」

黒子「そんなことはないですの」

ショチトル「・・・どうすればいい?」

エツァリ「ショチトルは今のままが一番ですよ」

ショチトル「そう言ってくれるのはお前だけだエツァリ・・・」

エツァリ「自分はあなたが大好きですから」

ショチトル「//」

垣根「さーて、適当にみんな風呂入れよな」

テクパトル「あぁ、そうだな」

削板「はぁ・・・楽しい食事だったな」

美琴「意味が違うけどね・・・」

上条「やっとこさ休息って感じだな・・・」

一同は風呂へと向かう

まだ、口の中はピリピリとしていた

252 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 15:23:14.42 ID:j7XLqThy0
今日はここまで

これからバイトなので

しかし、メタに手を出してしまったのは痛かった

これでよかったのか、後悔は残る

だが心理定規は可愛いです

では行ってきます


明日は・・・エツァリの初夢とかかな

253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/28(水) 15:32:36.18 ID:7qxnyXgQ0
乙です
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2011/09/28(水) 15:50:22.85 ID:trM51Vhqo
富士山の頂上で全裸で縛られて、寒さに震えてたら温めてあげると言われ
鷹の爪を尻に入れられた後ナスを挿入される夢だな
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/28(水) 16:45:36.01 ID:J+WCIsUY0
>>254 やけにリアルだなwwwwwwwwwwww
256 :VIPにかわりまして統括理事会がお送りします [sage]:2011/09/28(水) 16:57:55.04 ID:ET1rQPmV0
≫254
それ、どちらかと言うとショチトルのほうじゃね?
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2011/09/28(水) 17:40:05.81 ID:smuFL63T0
>>256 ☆さん!?
258 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/28(水) 23:07:27.34 ID:j7XLqThy0
さて、今日は筋肉動画を貼って寝ますww

1984年

「MYTH」

セルジオ・オリバ復活

43歳という、オリンピアビルダーならそろそろ限界という年齢にして復帰

堂々の8位獲得

シュワちゃんと違い、完璧な状態での復帰にもう大歓声

音楽始まってすぐのダブルアームハイ、通称オリバーポーズでの歓声がもうね

8位だと発表されたときもブーイングがすごかったです

一位にしろよ、という意味のブーイングが

しかしよく見ると、ホント筋腹が長い

腕も脚も胸も背中も

こんな人間、これから先はもう出ないでしょう


かっけーな、オリバ


http://www.youtube.com/watch?v=76955NvE_68 
259 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:18:50.24 ID:UnlqZPxo0
垣根「そして俺達は風呂から上がった」

心理「誰に説明してるのよ」

垣根「仕方ねぇだろ・・・みんな舌はピリピリしてるわ眠いわでテンション低かったんだよ」

心理「説明になってないわね」

上条「・・・もう寝ようぜ・・・限界だ」

ショチトル「さすがにまぶたが重くなってきたぞ」

テクパトル「・・・今日はカップルで寝ていいだろ?」

垣根「あぁ?どうせエッチするつもりだろ」

テクパトル「あーもうそれでもいいからカップルで寝させろ、お前がいるとうるさくて寝られないんだよ」

19090「・・・眠いです」

黒子「わたくしはもう半分寝てますの」

削板「ダメだ黒子!寝るなぁ!」

一方「・・・じゃあな、俺は寝る」

260 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:19:45.92 ID:UnlqZPxo0
番外「えー、もう寝ちゃうの?夜はまだまだこれからだぜ!」

一方「一人で喘いでろ・・・クソが」

エツァリ「・・・自分達も寝ましょうか、ショチトル」

ショチトル「あぁ」

美琴「じゃあ・・・みんなお休み・・・」

19090「・・・夜の9時に寝るなんてかなり健康的ですよね、素敵じゃないですか」

テクパトル「じゃあな」

心理「お休み、みんな」

それぞれのカップルに分かれ、寝室へと向かう

リビングに残ったのは垣根と心理定規だけだった

心理「あなたは眠くないの?初詣のときはもう死にそうだったのに」

垣根「・・・眠気もな、あまりに限界を超えたら眠くない気になるんだ」

心理「よく分からないけど、まだ起きてるの?」

垣根「あぁ・・・ワインでも飲む」

261 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:20:17.10 ID:UnlqZPxo0
垣根がため息をついてから冷蔵庫へ向かう

冷蔵庫に無造作に突っ込まれた高級なワインというのまなかなか面白い風景だ

心理「・・・それにしても驚いたわよね、まさかゴーグル君が帰ってくるなんて」

垣根「・・・あいつはいいヤツだからな、あれくらいの救いがあってもいいだろ」

心理「ふふ・・・私ね、彼に告白されたわよ?」

垣根「はぁ?なんて」

心理「好きだった、って」

垣根「なんだよ、それは告白とは言わないんだよ」

心理「あら、不機嫌になっちゃった?」

垣根「んなことでいちいち不機嫌にはならねぇよ・・・」

心理「・・・もちろん断ったわよ、あなたが好きだもの」

垣根「・・・そりゃ嬉しいな」

心理「でも、彼には他に大切な人が出来たみたいだから安心したわ」

垣根「フレンダか?」

262 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:21:31.27 ID:UnlqZPxo0
心理「えぇ、彼はフレンダの隣にいるときすごく純粋な笑顔を浮かべていたのよ」

垣根「お互い合うんじゃねぇかな」

心理「・・・ゴーグル君は・・・孤独がいいって言ってたわね」

垣根「そうやって強がってる時点であいつは一人がイヤなのさ」

垣根がワインを一口飲む

垣根「一人が好きならなんでスクールにあいつはいた?」

心理「・・・何かメリットがあったから、とは思えないかしら」

垣根「俺達といてなんのメリットがあった?あいつはアレイスターの計画になんざ興味はなかったんだ」

心理「・・・そもそも、自分が闇の世界にいることを妥協してさえいたわね」

垣根「俺達なんかといても本来ならメリットはなかった、なのに誰かといたかったのさ」

心理「・・・そうなのかしら」

垣根「詳しく分かるのは本人だけだがな」

心理「・・・フレンダはどうなのかしら」

263 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:22:16.34 ID:UnlqZPxo0
垣根「さぁな・・・あいつらはお互いにそういう意識の仕方はしてなかったみたいだし」

心理「でもきっかけがあればいい感じになりそうよね」

垣根「知るかよ、そんなのはあいつの勝手だ」

心理「・・・気にならないの?」

垣根「あいつは俺達と関わらないでも生きていけるんだ、いつまでもスクールを気取ってんじゃねぇよ」

心理「・・・友人として気になるのよ」

垣根「だとしたら余計に深くは追求するな、友人からの詮索ほどうざったいもんはないだろ」

心理「・・・そうね、少し考えすぎたかも」

垣根「・・・告白された、ねぇ」

心理「あら、やっぱり気になるの?」

垣根「・・・俺も人並みにヤキモチ妬いたりするんだな」

心理「嬉しいこと言ってくれるわね」

心理定規が垣根にキスをする

264 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:23:00.51 ID:UnlqZPxo0
心理「ほら、安心して?私はあなただけが好きなんだから」

垣根「あぁそうかよ」

心理「・・・私もワイン、もらっていいかしら?」

垣根「いいぜ」

心理「ありがとう」

リビングで二人の男女がワインを嗜む

静かな夜

正月の夜は、少しロマンチックだった



エツァリ(・・・おや、夢でしょうか)

エツァリは夢を見ていた

初夢というものだろう

エツァリ(・・・この景色には見覚えがありますね)

265 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:24:42.29 ID:UnlqZPxo0
今からどれほど前だろうか

まだ、あの組織があった頃の夢だ


エツァリ「失礼します」

ガチャリ、とドアを開けたのはエツァリだった

この日はちょうど、敵対組織との戦闘を終えたところだったはずだ

テクパトル「よぉ」

エツァリ「・・・なんですかいきなり呼び出して」

テクパトル「まぁそう睨んでくれるな」

エツァリ「・・・睨みたくもなりますよ」

テクパトル「・・・お前に少し頼みがあってな」

エツァリ「情報なら聞き出しましたよ、意外とすんなり口を割ってくれました」

テクパトル「ほぅ・・・意外だな」

エツァリ「・・・あんな仕打ちをされたら仕方ないでしょう」

266 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:25:32.42 ID:UnlqZPxo0
エツァリが眉をひそめる

いわゆる拷問ともとれる行為を彼等は行っていた

直接拷問を行ったのはエツァリではなかった

彼は拷問を受けたあとの敵に話を聞く係だったのだ

テクパトル「・・・で?やつらはどうした」

エツァリ「・・・今はまだ拘束していますよ」

テクパトル「そうか、なら殺していいぞ」

エツァリ「・・・なんですって?」

テクパトル「殺せ、二度は言いたくないんだがな」

エツァリ「・・・彼等は口を割りました」

テクパトル「そうだな、だから?」

エツァリ「今は戦闘を行える能力もない!第一情報を得られたら解放するとあなたは言っていたじゃないですか!」

テクパトル「・・・そんな甘いことを言うとはな、お前はそれでもアステカの戦士か?」

エツァリ「・・・戦士というのは、無意味な殺生などはしません」
267 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:26:18.11 ID:UnlqZPxo0
テクパトル「それは英雄というんだよ」

エツァリ「・・・なぜ殺すのですか!別に帰したところで問題はないでしょう!?」

テクパトル「敵対組織はほぼ壊滅させたから、か・・・つくづく馬鹿なやつだな」

エツァリ「・・・何を言いたいのですか」

テクパトル「再び組織を作り出される可能性だってあるだろ?あの手のバカはそういう無駄なことが大好きだからな」

愉快そうにテクパトルが笑う

昔の彼は本当に冷たい人間だった

エツァリ(・・・今の彼がどれだけ変わったのか・・・分かりますね)

エツァリ「・・・だからといって殺すことはないでしょう!?」

テクパトル「アステカの神は何度も虐殺を行った、それと同じことをするだけさ」

エツァリ「あなたは彼等のことを何も分かってはいない!彼等にだって家族が・・・」

テクパトル「彼等にだって?彼等には、の間違いだろ」

エツァリ「っ・・・」

268 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:27:09.88 ID:UnlqZPxo0
テクパトル「敵の家族なんか興味がない、大体なんで敵のことを知る必要がある?」

エツァリ「・・・あなたは家族がいないから分からないでしょう」

テクパトル「お前もいないだろう?」

エツァリ「だからこそ我々は憧れたはずだ!彼等は何も争いを起こしたかったわけではない!我々が仕掛けなければ・・・」

テクパトル「よく言う、あいつらの武装はなんだった?あんなものは一日やそこらで手に入れられるものではなかったぞ」

エツァリ「そ、それは・・・」

テクパトル「やつらの組織の本部はイタリアにあると聞き出したのはお前だろ?そんなやつらがなぜこんな土地に来ていた?旅行だと言っていたらしいがまさか信じるのか?」

エツァリ「・・・」

テクパトル「何が敵のことを分かっていない、だ」

テクパトルがエツァリを睨む

テクパトル「お前はそもそも人間が分かっていないのさ」

テクパトル「人間は平気で誰かを騙す、誰かを見下す」

テクパトル「家族がいる?それがどうした」

269 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:28:30.56 ID:UnlqZPxo0
テクパトル「貴様はわざわざそこらにいる野良犬の家族構成を気にするか?」

テクパトル「我々にとって仲間以外は敵になりうる存在なんだ」

エツァリ「ですが・・・」

テクパトル「あぁそうか分かったよ・・・ならば敵の家族のためにあいつら全員を今自由にしてみようか?」

テクパトルが口元を歪める

だがその顔は少しも笑っていない

テクパトル「死ぬぞ、貴様も・・・貴様が入れ込んでいるショチトルも、トチトリも・・・みんな死ぬぞ」

テクパトル「敵のために味方を捨てるか、素晴らしいまでの聖人君子だな」

テクパトル「・・・エツァリ、貴様はこの組織を家族だと思っているようだな」

エツァリ「・・・あなたは笑うでしょうね」

テクパトル「ならば自分の家族を守りたいのではないか?なぜ敵を第一に考える」

エツァリ「・・・殺生など、ただの無意味な憎しみを産むだけです」

テクパトル「・・・」

270 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:29:35.43 ID:UnlqZPxo0
テクパトルが何かを言おうとした

だがその時、急にドアが開かれた

そこにいたのはショチトルだった

エツァリ「何をしているショチトル、今は・・・」

ショチトル「・・・拘束していた敵兵士が・・・」

テクパトル「・・・どうした?」


ショチトル「・・・見張り番の二人を殺した・・・」

エツァリ「ば・・・馬鹿な!?両手両足を拘束していたのでは・・・」

ショチトル「やつらナイフを隠し持っていたんだ!それで縄を切って・・・そのまま・・・」

テクパトル「ふふ・・・ははは!愉快じゃないかエツァリ!」

エツァリ「何が愉快なんですか!?」

テクパトル「家族がいる、全て吐いてくれた優しい優しい敵なんじゃなかったか?」

エツァリ「!」

271 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:30:19.19 ID:UnlqZPxo0
テクパトル「お前が話を聞くはずだった・・・だがいつしかお前は話を聞かされていたんだ、同情なんてしないですぐに殺していればよかったものを」

エツァリ「・・・ナイフを持っていたなんて」

テクパトル「チェックが甘かったな」

テクパトルが椅子から立ち上がる

テクパトル「どけ、俺が行ってくる」

ショチトル「しかし・・・」

テクパトル「餓鬼は黙ってろ」

テクパトルがショチトルの体を突き飛ばす

ショチトル「がはっ!」

エツァリ「ショ、ショチトル!」

テクパトル「何をしているエツァリ、行くぞ」

エツァリ「ショチトルを傷つけることは・・・」

テクパトル「許せない、か?仲間二人を殺した貴様が言うか」

272 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:31:24.61 ID:UnlqZPxo0
エツァリ「・・・」

テクパトル「言い返せないだろう?責任はお前にあるんだ、ならば幕はお前が降ろせ、来い」

テクパトルが牢獄へ向かう

組織の本部である建物の中には敵を拘留しておくための牢獄があった

光も届かず、肌寒い空間が

エツァリ(・・・この時は落ち込みましたね・・・テクパトルの言っていたことが正しかった・・・それが悲しかった)


テクパトル「おー、派手にやってくれたみたいだな」

敵兵士は牢獄から既に抜け出し、地上へ向かう階段を登っているところだった

「く、くそ!そこをどけ!」

エツァリ「待ってください!」

「てめぇもか!どけって言ってんだよ!」

エツァリ「なぜ・・・なぜこんなことをしたのですか!?家族が待っていると涙を流していたあなたが・・・」

「家族!?そんなもんいるかよバーカ!」

エツァリ「!」

273 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:32:03.27 ID:UnlqZPxo0
「もっと言ったら俺が話した情報だってほとんど出まかせだぜ!?お前さんったら全部信じるんだからなぁ!」

ゲラゲラ、と敵兵士が笑う

「いいからどけ!俺はここから出るんだよ!」

エツァリ「あ、あなたは・・・」

テクパトル「エツァリ、殺せ」

エツァリ「・・・」

エツァリの手の中には一丁の拳銃があった

普段から常に魔術を用いて戦いはしない

必要なとき以外は隠し通す、というのが組織の暗黙の了解だった

テクパトル「殺せ」

「どけ!死にたいのか・・・」

パァン、と乾いた音がして男の頭に穴が空いた

生死など言うまでもない

274 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:33:12.95 ID:UnlqZPxo0
エツァリ「・・・自分は・・・」

テクパトル「言っただろう?人間なんて平気で嘘をつくんだよ」

エツァリ「・・・あなたは・・・気づいていたのですか」

テクパトル「ふん、馬鹿なことを言うな」


テクパトル「イタリアから来たと言っていた人間がなぜアステカの訛りをしていた」

エツァリ「!?」

テクパトル「やつはこの近くの敵対組織の人間だった、それだけだ」

エツァリ「す、すぐに・・・」

テクパトル「安心しろ、先程殲滅は終了したそうだ」

エツァリ「あなたは・・・知っていながら・・・」

テクパトル「まさか門番が殺されるとは思わなかったがな・・・」
275 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:33:56.37 ID:UnlqZPxo0
エツァリ「なぜ言ってくれなかったのですか!」

テクパトル「何をだ」

エツァリ「イタリアに本部があると聞き出したのはたしかに自分でした!」

エツァリが拳を握る

エツァリ(そうだ・・・この時、自分を責めて半ば自棄になっていましたね)

エツァリ「その時にその情報は間違っていると言ってくれたら!」

テクパトル「お前が騙されたのがそもそもの問題ではないか?」

エツァリ「あなただって納得したように振る舞っていた!」

テクパトル「・・・やつと一度戦ったときに・・・アステカの訛りがあるということさえ見抜けなかったとはな」

エツァリ「テクパトル!今はそんなことを言っているんじゃない!」

テクパトル「なんだ?仲間のミスはカバーし合おう、なんて夢を語りたいのか?なら他で講釈垂れてくれよ」

エツァリ「・・・テクパトル、あなたは仲間を見殺しにしたんだ」

テクパトル「そしてお前は殺したんだ、エツァリよ」

276 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:35:02.09 ID:UnlqZPxo0
テクパトル「お前の甘さはこうでもしないと治らない、荒療治だったがなかなか効いてるようじゃないか」

エツァリ「・・・もっと他の方法でもよかったのではないですか!?こんな命を無駄にしてまで・・・」

テクパトル「ははは!命なんて切り捨てるためにあるものだ」

エツァリ「あなたは間違っている!どうして・・・」

テクパトル「今回に関しては全部お前の責任なんだがな、間違った情報を信じ、敵を生かし、あわよくば逃がそうとさえしていた」

テクパトル「行っただろ?敵を信じるな」

テクパトル「ここにいたいなら敵を人だなんて思うな、文句があるならば出ていけ」

テクパトルがくるりと踵を返す

テクパトル「・・・エツァリ、一つだけ教えてやろう」

エツァリ「・・・なんですか」

テクパトル「誰かを守ることほど難しく愚かなことはない」



エツァリ「・・・覚めましたか」

エツァリがベッドから体を起こす

時間は夜の11時

277 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:36:24.02 ID:UnlqZPxo0
エツァリ「・・・喉が渇きましたね」

いやな初夢だった

まさか、こんな時に昔を思い出すなんて

エツァリ「・・・」

無言でリビングへと向かう

そこにはテクパトルがいた

エツァリ「おや、あなたも起きていたのですか?」

テクパトル「ん?あぁ、エツァリか・・・お前も喉が渇いたか?」

エツァリ「えぇ、いやな夢を見てしまいまして」

テクパトル「夢?」

エツァリ「・・・自分の失敗で仲間が死んだときのことを」

テクパトル「・・・あれか」

テクパトルが顔を歪める

278 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:37:03.50 ID:UnlqZPxo0
テクパトル「信じてはもらえないかもしれないがな、あの時少し辛かったんだ」

エツァリ「そんな気はしましたよ、あなたが自分に教えてくれたことはどこか悲しかったですから」

テクパトル「教えたこと?」

エツァリ「誰かを守ることほど難しく愚かなことはない、と」

テクパトル「・・・今はそうじゃないと思えるよ」

エツァリ「あなたも変わりましたからね」

テクパトル「互いに変わったな・・・お前はそんな気持ち悪い敬語ではなかったはずだ」

エツァリ「あなたはずいぶんと優しくなりました、あの頃と違って・・・何かを背負わされているのではなく、自ら背負っている」

テクパトル「誰かを守るのは難しく愚かだが・・・時にそれは素晴らしいことだと分かったからな」

エツァリ「・・・辛気臭い雰囲気になってしまいましたね」

テクパトル「お前はスポーツドリンクか?」

エツァリ「あなたは相変わらず酒ですか・・・よく体を壊しませんね」

テクパトル「これでも丈夫なんだよ」

279 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:38:01.09 ID:UnlqZPxo0
テクパトルが笑う

エツァリ「・・・19090号さんを守ることが・・・今のあなたの生きがいですか」

テクパトル「愛することもな」

エツァリ「それはよかった」

テクパトル「・・・今は楽しいよ、本当に楽しい」

エツァリ「信じられないほどに楽しいですよね」

テクパトル「あぁ・・・幸せだ」

エツァリ「・・・テクパトル」

テクパトル「なんだ?」

エツァリ「やっぱり、自分はこの口調・・・似合ってないですかね?」

テクパトル「・・・まぁいいんじゃないか?」

夜遅くのリビングは、かつて憎み合った仲の二人の笑い声で満ちていた
280 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:41:29.33 ID:UnlqZPxo0

垣根「うー・・・あぁ・・・あ?」

垣根「・・・夢か」

垣根「なるほど、これが初夢ってヤツだな」

さだのり「そうだな」

垣根「あぁ」

さだのり「うん」


垣根「・・・あ?久しぶりだなお前」

さだのり「よう、久しぶり」

垣根「・・・なんでこの時期にナス食べてるんだよ」

さだのり「3だぜ、3」

垣根「はぁ・・・?っていうかなんで俺たちはでっかい鷹の背中に乗っているんだ?」

さだのり「2だよ、2」

垣根「そして富士山が見えるな」

さだのり「1だからな、1」

垣根「・・・ん?なんか頭がクラクラするんだが・・・」

さだのり「あぁ、俺が見せたかった夢はもう終わったからな」

垣根「早過ぎるだろ」

さだのり「だからあとは」


さだのり「お前の好きな夢でも見とけ!!」

281 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:45:14.88 ID:UnlqZPxo0

垣根「・・・いてて・・・なんか地面に落ちましたでごじゃりまする」

美琴「あれ?垣根じゃない」

垣根「んー?あぁ、御坂じゃねぇか」

美琴「もしかしてアンタも夢見てるの?」

垣根「・・・はぁ?」

美琴「なんか前もこんな経験を当麻としてね・・・夢の中でリンクしちゃってるのよ、他の人の夢と」

垣根「ま、まさかここから超未元砲カップル物語始まり始まり!?」

美琴「始まらないわよ、無理にでも終わらせるから」

垣根「ワーオキレる若者だね」

美琴「・・・で?アンタだけ?」

垣根「あぁ・・・他のヤツとかは来てないのか?」

美琴「なんかこれって偶然起きる現象らしいのよね・・・」

垣根「へぇ・・・にしてもここはどこだ?」

美琴「・・・多分」


美琴「・・・喫茶店」

垣根「・・・はぁ?」

282 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:50:58.02 ID:UnlqZPxo0
美琴「だってほら、テーブルもあるし紅茶もおいてあるし」

垣根「・・・なんだよこの喫茶店」

美琴「まぁいいじゃない・・・見た感じ、未来とかではないみたいだし」

垣根「未来とかもあるのかよ?」

美琴「私と当麻は前に未来の夢見たわよ」

垣根「へー、未来って便利なのな」

美琴「なんでも、アンタはクールなキャラになってるみたいだったわ」

垣根「戻った、が正解だけどな」

美琴「ふーん・・・」

垣根「紅茶飲めよ、せっかくだし」

美琴「そうね」

二人が紅茶を口に含む

垣根「・・・なんか周りのヤツらがジロジロ見てくる」

美琴「夢でもわりと現実的なのが多いのよね・・・」
283 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:53:27.29 ID:UnlqZPxo0
垣根「・・・ヒソヒソ話されてるし」

美琴「ホントだ・・・」

垣根「お前は有名人だからな」

美琴「アンタだって大覇星祭で暴れて以来有名じゃない」

垣根「そうだけどさ・・・」


「見て見て!!あの二人!!」

「で、でも御坂さんって彼氏が・・・」

「分かった!!浮気よ浮気!!」

「そ、そうなの!?」


美琴「!?」

垣根「疑われてますぜ、御坂さん」

美琴「アンタなんかちっとも好きじゃないんだからね、垣根!!!これっぽっちも!!」

垣根「大声で言うな、あとそれはむしろツンデレの代名詞だ」

美琴「ど、どうすればいいのよ!?」

垣根「これ夢だろ?」

美琴「・・・そういえばそうだったわね」


284 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 11:56:50.31 ID:UnlqZPxo0
垣根「・・・にしてもさ・・・」

美琴「なによ」

垣根「なんか初春とよくわかんない女がお前をジロジロ見てるんだけど」

美琴「え?」


初春「み、御坂さん!!」

佐天「ま、まさか・・・浮気!?」

美琴「わぁ!?い、いたの!?」

初春「御坂さん!!!目を覚ましてください!!その人は頭がおかしいです!!」

垣根「お花畑のお前に言われたくねぇよ」

佐天「そ、その・・・浮気ですか?」

美琴「違うわよ・・・ヒマだから紅茶奢らせてるだけ」

垣根(・・・なんでこんなにリアリティーがあるんだろうな、夢って)

初春「なんだー・・・てっきり御坂さんが悪の道に走ったかと・・・」

佐天「?この人って垣根さんですよね?大覇星祭でちょこっとお世話になりました」

垣根「あぁあぁ、お前佐天か」

285 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 12:01:49.19 ID:UnlqZPxo0
佐天「わ、忘れてたんですか・・・」

垣根「お前、姫神と同じくらい影薄いよな」

佐天「・・・あの、姫神さんってどうしてますか?」

垣根「元気だぜ」

美琴「・・・初春さんと佐天さんはどうしてここに?」

初春「ヒマだったので出かけてるんですよ」

垣根「へー、ならなんか奢ってやるよ」

佐天「本当ですか!?」

垣根「その代わり触らせて」

佐天「1揉み500万!!!」

垣根「・・・ちっ」

初春「・・・あの、垣根さん・・・」

垣根「なんだよ」

初春「・・・垣根さんって、御坂さんより強いんですよね?」

286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/29(木) 12:07:15.66 ID:a6+ojFq60
さだのりぃぃぃぃ!?
ジャガイモがナス食ってるってww
287 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 12:07:16.12 ID:UnlqZPxo0
垣根「あぁ、そうだけど?」

佐天「そうだ!!どうやったら強くなれるんですか!?」

垣根「能力か?そりゃ常に勉強して頭をイカれさせるんだよ」

佐天「・・・は、はい?」

垣根「自分だけの現実が強ければ強いほど、能力は強くなっていく」

初春「・・・そ、それで?」

垣根「まぁ要は自分だけの世界を持っている人間が能力を持てるわけだが・・・」

美琴「その自分だけの世界が、周りと違うほど強大な能力を使えるのよ」

垣根「思い込みの力だな」

垣根がティーカップを指差す

垣根「これを、触れずに壊すにはどうすればいい?」

初春「?ハンマーで叩き割るとか」

佐天「・・・あと、超能力でズバーン!!と」

垣根「ほうほう・・・凡人だな」

初春・佐天「う・・・」


288 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 12:11:49.14 ID:UnlqZPxo0
垣根「御坂、お前はどう思う?」

美琴「・・・そうね」


美琴「叩き壊す」

佐天「・・・あ、いや・・・」

初春「触れたらダメなんですよ?」

美琴「うん、でも叩き壊す」

初春「・・・」

垣根「分かるか?そこに電気はないなんて思えば電気は生み出せないし、人間の体は鉄より硬くならないなんて思えばその時点で鉄に負ける」

垣根「大事なのは前提条件、既成概念、この世の理を崩すことだ」

垣根「お前たちはまだまだ常識に囚われてるのさ」

佐天「・・・そ、そうだったんですか・・・」

初春「・・・傍から見たらおかしな答えですけどね・・・」

垣根「だからこそ、超能力者は頭がおかしいって言われるのさ」

美琴「人並み外れた考えっていうのはそういうものよね」

289 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 12:14:47.14 ID:UnlqZPxo0
佐天「・・・私にも出来ますかね?」

垣根「・・・信じれば報われるさ」

美琴「アレイスターは素養格付を・・・」

垣根「浜面みたいなイレギュラーが生まれたんだ、アレイスターの予想のしていないことだって起きることはある」

初春「?」

垣根「とにかく、お前らはまだまだ未熟だ」

垣根「蕾というのは3つの道を辿る」

垣根「一つは花咲かず、枯れる道」

垣根「二つはずっと蕾でい続ける道」

垣根「三つは花を咲かす道」

垣根「お前らは三番目になれるようにすればいいんだよ」

佐天「が、頑張ります!!!」

垣根「ふ・・・決まったぜ」

初春「その一言が余計ですよ」

290 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 12:22:39.16 ID:UnlqZPxo0
佐天「あ、そうそう・・・垣根さんについでにもう一つ聞きたいんですけど」

垣根「あ?なんだよ」

佐天「垣根さんって、彼女いるんですよね?」

垣根「いるけどなんで」

佐天「私の友達が垣根さんのファンで・・・確認してほしいって」

垣根「ふーん・・・サインならくれてやるよ」

美琴「ファン・・・アンタも大変ね」

垣根「お前ほどじゃねぇさ」

初春「あ・・・私達そろそろ行かないと」

垣根「じゃあな」

佐天「ごちそうさまでした!」

垣根「おう」


美琴「・・・垣根、やっぱアンタは教師に向いてるわね」

垣根「そりゃ嬉しいな」


291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/09/29(木) 13:18:35.94 ID:7z9jsadAO
え!?彼女いたの!?
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/29(木) 13:23:34.05 ID:kpnrwpRDO
上条と美琴が未来の夢?を見たのっていつだっけ?(どのスレ?)
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/29(木) 14:00:08.40 ID:elded9zV0
>>292
2〜3スレ前だった気がするが、多くて細かいとこまで覚えてないな、力になれなくてすまん
294 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 15:42:09.05 ID:UnlqZPxo0
>>292 21スレ目の818からですね


美琴「・・・ねぇ」

垣根「なんだよ」

美琴「アンタは将来教師になりたいのよね」

垣根「あぁ」

美琴「どうして?」

垣根「・・・俺は間違った道を歩んでたからな」

垣根が空を見上げる

あそこを自在に飛べたらどれだけ気持ちいいだろうな、と昔は思っていた

垣根「・・・だから、誰かが間違った道を歩もうとしていたら正してやりたいんだよ」

美琴「そうやって夢があるのはいいわよね」

垣根「上条はないみたいだからな」

美琴「ないっていうか・・・特技もないから」

垣根「あぁ・・・」

295 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 15:47:34.00 ID:UnlqZPxo0
美琴「・・・どうしようかな」

垣根「別に大学行ってからでもいいだろ」

美琴「今から考えたほうがよくない?」

垣根「・・・いやいや、あいつにはきついだろ」

美琴「はぁ・・・ヒモにだけはならせたくないわね・・・」

垣根「あ、一応そうは考えてたんだ」

美琴「だって当麻がイヤだって言うから・・・応援したいのよ」

垣根「・・・今は月いくらあれば暮らせるんだろうな」

美琴「場合にもよるんじゃない?」

垣根「そりゃそうだけどさ」

美琴「・・・お金は足りなくてもいいのよ、私は当麻がいればいいから」

垣根「甘いねぇ」

美琴「・・・アンタはどうなの?心理定規との結婚とか考えてるの?」

垣根「一応はな」

296 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 15:57:05.71 ID:UnlqZPxo0
美琴「・・・どんなふうになりたい?」

垣根「・・・幸せになれればいいさ」

美琴「それだけ?子供はほしいとか・・・ないの?」

垣根「関係ないな、あいつがほしいって思って俺もほしいって思ったら」

美琴「・・・なんか、垣根らしいわね」

垣根「そうかよ」

美琴「・・・アンタたちはさ」

垣根「あぁ?」

美琴「・・・なんだかんだ、いいカップルよね」

垣根「どうしたんだよいきなり」

美琴「・・・暗部にいたなんて思えないわ、ちょっと失礼かもしれないけど」

垣根「そりゃ嬉しいな」

美琴「・・・ホント、うらやましいカップルよ」

垣根「俺はお前たちがうらやましいけどな」

297 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 16:01:52.00 ID:UnlqZPxo0
美琴「・・・垣根、心理定規を幸せにしてあげなさいよ」

垣根「んなことお前に言われなくても分かってんだよ」

美琴「ふふ・・・ならよかった」

垣根「にしても眠くないか?」

美琴「あ、私も私も」

垣根「・・・ちょっと寝る」

美琴「じゃあ・・・おやすみ・・・」

垣根「おう・・・」

夢の中で二人は目を閉じる

グルグル、と世界が回っているような感覚がした

垣根(・・・あれ?)


垣根(・・・もしかして、目・・・覚めるのかな)

298 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 16:19:15.26 ID:UnlqZPxo0

19090「?ここは・・・」

19090号は首を捻っていた

夢の中というのは分かっている

だが、おかしな状況だ

一方「・・・なンでお前がいるンだよ」

目の前に、友人がいる

19090「あ、あの・・・これは夢ですよね?」

一方「夢だな」

19090「あ、あなたは一方通行ですよね?」

一方「・・・あァ」

19090「なんであなたがミサカの夢に?」

一方「ンなことこっちが聞きてェンだよ・・・俺の夢になンでお前がいる」

19090「・・・正月の奇跡ですか・・・」

一方「はァ?」

299 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 16:25:59.95 ID:UnlqZPxo0
19090「・・・なんでミサカたちはこんなところにいるのでしょうか?」

一方「・・・操車場か」

19090「・・・」

一方「・・・最後の実験の場所だな」

一方通行が辺りを見回す

よく知っている場所だった

19090「・・・ここで、あなたはお義兄様に敗れたのですよね」

一方「あァ・・・止められたンだ」

19090「・・・そうですか」

一方「怖いか?お前の姉貴たちを殺した俺が」

19090「・・・怖くはないですが、少し悲しいです」

一方「・・・俺は、お前といる権利はねェのかもな」

19090「そんな権利なんて必要ないですよ」

一方「・・・すまなかったな」

19090「いえ・・・」


300 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 16:28:48.27 ID:UnlqZPxo0
一方「・・・一つ聞きたかったンだけどよ」

19090「なんですか?」

一方「お前たちはなンで俺を恨まないンだ?」

19090「・・・一応、恨んでもいるとは思います」

一方「・・・そォか」

19090「ですが、ミサカたちは救われました・・・それに、あの実験の被害者の一人にあなたもいたんですよね」

一方「・・・同時に加害者だったけどな」

19090「・・・それでしたら、責めることは出来ませんよ」

一方「・・・悪いな」

19090「いえ、謝らないでください・・・お姉様も、あなたのことを今は許しているはずです」

一方「・・・」

19090「・・・一つ聞いてもいいですか?」

一方「あァ」

19090「あなたは、番外個体を愛していますよね?」

一方「それがなンだ」

301 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 16:31:27.34 ID:UnlqZPxo0
19090「それは、番外個体が妹達だからですか?」

一方「いや違う」

19090「・・・同情ではないんですね?」

一方「俺は同情なンてする人間じゃねェよ」

19090「なら安心です」

19090号がニコニコと笑う

屈託のない笑顔だ

一方「・・・月を見ると・・・あいつに殴られたときを思い出すンだ」

19090「ミサカは、テっくんと初めて夜の街を歩いたときを思い出します」

一方「夜の街?」

19090「あ、そういう意味ではなく・・・テっくんがバイトを終える頃に迎えに行ったんですよ」

一方「ずいぶンと熱心だな」

19090「・・・月、ですか・・・」

一方「・・・月は一番人間を惑わせる天体なンだってな」

19090「・・・」

一方「なンだよ」

302 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 16:33:15.19 ID:UnlqZPxo0
19090「あなたの口からそんなロマンチックな言葉が出るとは思いませんでした」

一方「うるせェ」

19090「なるほど・・・惑わせる、ですか」

一方「・・・綺麗だよな」

19090「えぇ」

一方「・・・お前は今幸せなのか?」

19090「えぇ、あなたは?」

一方「幸せだ」

19090「なら安心しました・・・」

一方「・・・互いにいい居場所を見つけたもンだよな」

19090「えぇ」

19090号が小さく笑う

操車場の上には、月が昇っていた

美しい月が

303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/09/29(木) 17:31:24.45 ID:MAnzWCUL0
上条さんが出てくるなら誰とだ?
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2011/09/29(木) 20:17:23.96 ID:/6HEwrLY0
>>303上条さんじゃね?
305 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 20:41:37.50 ID:UnlqZPxo0
上条「・・・あぁ・・・あ?」

上条が体を起こす

そこは橋の上だった

上条「・・・ここって、美琴を止めた橋・・・だよな?」

美琴「・・・アンタ」

上条「ん?あぁ、美琴か」

美琴「な、なに気安く名前で呼んでるのよ!?」

上条「は、はい?あぁこれ夢か・・・」

美琴「と、とりあえず!!勝負よ勝負!!」

上条「勝負・・・?」

上条が首を捻る

そういえば、上条は昔、美琴と喧嘩仲だったそうだ

上条(でもそれって・・・記憶がない頃の話だよな)

美琴「さぁ!!さっさと来なさい!!」

306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/29(木) 20:44:22.27 ID:a6+ojFq60
不幸だから一人で不良に絡まれてんじゃね?
307 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 20:50:02.89 ID:UnlqZPxo0
上条「なぁ・・・こんなこともうやめようぜ?」

とりあえず、上条は美琴をなだめることにした

美琴「な、なに言ってるのよ!?アンタに勝つまでやめないんだから!!」

上条「そのさぁ、お前は常盤台の超電磁砲だろ?なんで俺みたいな無能力者を追いかけるんだよ」

美琴「!!そ、それはアンタがムカつくから・・・」

上条「・・・もしかしてさ」


上条「構ってほしいのか!?」

美琴「っ!?」

一瞬にして、美琴の顔が赤くなる

上条「あ、そうなんだな」

美琴「ち、違うわよ!!大体なんで私がアンタに・・・」

上条「俺はお前を特別扱いしないからさ」

美琴「だ、だから!?」

308 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 20:58:16.80 ID:UnlqZPxo0
上条「・・・お前って周りから特別扱いされてるだろ?」

美琴「だから何よ!?」

上条「・・・俺はお前を特別扱いしないからさ」

美琴「うっ・・・」

上条「なぁ、今日のところは帰ったらどうだ?」

美琴「・・・そうね・・・アンタは今日なんかおかしいし」

美琴がくるりと踵を返す

上条「気をつけてな」

美琴「わ、分かってるわよ!!」

少し大きな声を出してから、美琴が駆けていく

上条「・・・なんか、懐かしい感じがするな」

上条「覚えてはないんだけどさ・・・」

溜め息をついたその時

周りの風景が一瞬で変わった 

309 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 21:09:37.59 ID:UnlqZPxo0
上条「?ここは・・・家だよな?」

上条が次に辺りを見回すと、そこは自分の部屋になっていた

上条「・・・?ベランダに誰かが引っかかってる・・・?って・・・」


上条「インデックス!?」

急いでベランダへ向かう

やはり、インデックスだ

上条「な、なにやってんだよそんなところで!?」

イン「ん・・・あなたは誰なの?」

上条「え?あ、いや・・・」

そこまで答えて上条は気づく

さきほどの美琴の夢は、自分の記憶がないときのものだ

そしてこれも

そうだとしたら、これはインデックスとの出会いなのだろうか

上条(・・・なんだこの出会いは・・・)

ベランダにシスターさんが引っかかっているなんて

310 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 21:16:56.36 ID:UnlqZPxo0
イン「それよりおなか空いたんだよ」

上条「あぁやっぱりな」

イン「?なんで分かったの?」

上条「いや・・・なんでも」

イン「何か食べ物をくれると嬉しいな!」

上条「はいはい・・・」

上条がインデックスを部屋へと上げる

昔、こんなやり取りをしたのかは知らない

だが、おそらく出会いの仕方は本当にこうだったのだろう

上条「・・・で?なんで腹が減って・・・って決まってるか」

イン「?魔術結社から逃げてるの」

上条「ふーん」

イン「・・・驚かないの?」

上条「え?あ、あぁ!!そりゃ驚いてるけどさ!?」

311 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 21:29:19.00 ID:UnlqZPxo0
イン「・・・私はね、それから逃げてるんだよ」

上条「へぇ・・・あ、これ食べていいから」

イン「ありがとう!!」

インデックスがパクパクと野菜炒めを食べていく

上条「・・・それで?これからどうするんだよ?」

イン「・・・ここから出て行くんだよ、迷惑になっちゃうから」

上条「迷惑?ふざけんなよ!!」

上条がインデックスを睨みつける

知っていた

彼女が悲しい理由で、かつての友人に追われていたことを

上条「俺がお前を守ってやるよ!!」

イン「・・・地獄の底に行ってくれる?たった今私と知り合ったばかりなのに」

インデックスが悲しそうな顔をしながら玄関へ向かう

上条「お、おい!」


312 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 21:38:47.23 ID:UnlqZPxo0
イン「どうしたの?」

上条「・・・お前は、絶対に助けてやるから!」

イン「・・・うん、ありがとう」

インデックスが扉の外へと向かう

上条「・・・前の俺は・・・こんなに不甲斐なかったのかな」

上条が拳を握り締める

上条「ちくしょう・・・」

夢だとは分かっていた

しかし、今の彼はあまりにも無力だった

上条「どうして・・・」


ステイル「どうやって彼女を救うつもりかな」

上条「!?ステイル!!」

ステイル「ん・・・なんで僕の名前を知っている」

上条「あ、いや・・・」

ステイル「ふん、インデックスから聞いたのかな」

313 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 21:46:53.36 ID:UnlqZPxo0
上条「お、お前・・・」

ステイル「君にはあの子を救えないよ・・・そうだな、そもそも魔術が何かも理解できないくせに」

上条「・・・そんなことは関係ないんだよ!!」

ステイル「なんだって?」

上条「お前はあいつの仲間なんだろ!?」

ステイル「!それを誰から聞いた!?あの子はそれを覚えているはずはない!」

上条「そんなことなんかどうでもいいんだよ!!」

上条が一歩前に踏み出す

上条「お前は何も分かってない、お前が守りたかったのはあいつの命だけか!?違うんだよ!!今のあいつを!!お前が守りたかったあいつを守りたいんだろ!?」

ステイル「・・・君になにが分かる!?何も出来ない素人が偉そうに!!」

上条「そんなことは関係ないんだよ!!理屈とか方法じゃねぇ!!あいつを助けるんだろ!?」

右手を握り締め、ステイルの顔面を目掛けて振り下ろす

上条「そんなふざけた幻想、ぶち殺してやるよ!!」

ガン、と鈍い音がしてステイルが地面へ倒れる

すると、また風景が変わった

314 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 21:50:13.83 ID:UnlqZPxo0
上条「・・・ま、また変わったのか・・・」

上条?「よっ」

上条「ん?お、俺?」

上条?「あぁ、まぁそうかもな・・・」

上条「そうかも?どういうこと・・・っていうか俺?」

上条?「・・・お前は二人目の俺だよ」

上条「!!もしかしてお前・・・」

上条?「記憶を失う前のお前、死ぬ前のお前さ」

上条「お、俺なのか?」

上条?「・・・ビリビリと付き合ってるんだってな」

上条「し、知ってるのかよ?」

上条?「はぁ・・・いや、たしかにビリビリは可愛いけどさ・・・まさか付き合うとはさ」

上条「い、いいだろ!?お前には分からない魅力があるんだよ!!」

上条?「お、俺だって一応ビリビリは可愛いと思ってたけども!!??それ以上にしつこかったんだよ!!!」

上条「美琴はしつこくなんかねぇよ!!」

上条?「ビリビリを美琴って呼んでるのか!?」

上条「付き合ってるんだから当たり前だろ!!!」

315 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 21:53:46.92 ID:UnlqZPxo0
上条?「・・・インデックスのこと、最近は構ってやってないみたいだな」

上条「そ、それは・・・悪いと思ってる」

上条?「ステイルは・・・インデックスをまた守れるようになってるみたいだな」

上条「あぁ・・・そうだよ」

上条?「土御門と青髪も構ってやれよな・・・あ、吹寄ってまだうるさいのか?」

上条「あぁ、いっつも注意してくるよ・・・外見てるだけでテニスしてる女子を見てるとかさ」

上条?「ははは!!昔からそうだったよな、あいつ!!」

上条「変わんないんだな・・・みんなは」

上条?「・・・お前も変わってねぇよ、お前も」

上条「・・・なぁ」

上条?「どうした?なんか聞きたいことでもあるのか?」

上条「お前はさ・・・後悔してるのか?」

上条?「何をだよ」


316 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 21:58:15.99 ID:UnlqZPxo0
上条「・・・記憶を失ってることだよ」

上条?「いや、後悔なんかしてないさ」

上条「・・・だってさ、お前が手に入れられたかもしれない幸せなんだぞ?」

上条?「・・・そんなことないさ、ビリビリと付き合ってるのも、他にいい友達が出来てるのもお前だからこそさ」

上条「そうかな」

上条?「あぁ、そうに決まってるだろ」

二人が顔を見合わせて笑う

上条「・・・そろそろ朝か」

上条?「じゃあな、行って来いよ」

上条「・・・俺は今の幸せを喜んでいいのかな」

上条?「あぁ・・・もしもお前が今の幸せにどこか引け目を感じてるならさ」


上条?「そんな幻想はぶち殺してやるよ」

上条「・・・サンキュー」

上条?「じゃあな」

上条「おう」

317 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 22:01:36.53 ID:UnlqZPxo0
上条が手を振る

上条?「・・・うらやましいな」

上条?「ビリビリと付き合ってる・・・か」

上条?「面白いな・・・ホント、不幸なヤツだけどな」

上条?「・・・」


上条?「・・・幸せ、か・・・いいな」



少しまぶしい朝日が、窓の外から部屋に差し込む

上条「うーん・・・朝か」

美琴「おはよう・・・」

上条「おはよう・・・眠れたか?」

美琴「変な夢見たわ・・・」

318 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 22:02:02.35 ID:UnlqZPxo0
上条「変な夢?」

美琴「うん、垣根と話す夢」

上条「・・・垣根と?」

美琴「なんかいろいろ話したわ・・・当麻は大学に入ってから進路を考えていい、とか」

上条「ふーん・・・なんか面白そうだな」

美琴「うん、面白かった」

美琴がニコニコと笑う

上条「・・・じゃあリビング行きましょうか」

美琴「うん」

二人が寝ぼけ眼を擦りながらリビングへと向かう


垣根「あぁ?遅かったな」

ショチトル「おはよう」

一方「・・・よォ」
319 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 22:02:33.01 ID:UnlqZPxo0
上条「なんだ、みんな起きてたのか」

削板「おう、お前たちだけだぞ、寝てたの」

19090「疲れていたんですかね?」

垣根「どうせ夜遅くまでやってたんだろ」

上条「ち、ちげぇし!」

美琴「そんなことしてないもん!」

エツァリ「ま、まぁまぁ」

黒子「・・・しかし、みなさんそれぞれ初夢を見たそうですの」

テクパトル「19090号は一方通行と会ったんだよな?」

19090「はい、面白かったですよ」

番外「いいなぁ・・・ミサカなんかずーっとグルグル観覧車に乗ってる夢だったよ」

心理「なんか怖いわね」

テクパトル「・・・俺は見なかったな」
320 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 22:03:08.61 ID:UnlqZPxo0





美琴「そうなんだ・・・」

番外「仲間はーずれ!!」

上条「はは!ドンマイ!」

削板「・・・俺は走り続ける夢を見たぞ!!」

テクパトル「お前らしいな」

ショチトル「走る夢か・・・」

心理「一体どういう意味の夢なのかしら」

垣根「恐怖から逃げてるから、とかか?」

削板「恐れるものは何もない!!!」

黒子「さすがですの!!!」

上条「・・・俺は相変わらず不幸な夢でしたー・・・」

エツァリ「自分も若干イヤな夢でしたね」

テクパトル「・・・」

番外「ん?テクパトルは?」

テクパトル「内緒だ」
321 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 22:03:36.21 ID:UnlqZPxo0
テクパトルが顔を逸らす

心なしか、顔が赤くなっている

一方「あァ?もしかしてお前・・・」

垣根「あれか!!変態な夢か!?」

テクパトル「うるせぇ!!」

19090「あ、相手は誰ですか!?」

テクパトル「だから違うんだよ!」

心理「19090号には話せない相手・・・」

ショチトル「ま、まさか美琴!?」

テクパトル「そういう夢じゃねぇんだよ!!!」

美琴「うっわー、いやだぁ」

テクパトル「違うんだって!!」

上条「テクパトル・・・正直に言え・・・」
322 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 22:04:13.09 ID:UnlqZPxo0
テクパトル「だから!!相手は決まってるだろ!!!」

垣根「あぁ、心理定規か」

テクパトル「ちげぇよ!!」

一方「19090号だな、夢でもそォいうことやるとかひくぜェ」

テクパトル「なっ・・・」

黒子「見損ないましたの」

削板「テクパトル・・・お前はマシだと思っていた・・・」

テクパトル「マシだからな!?」

エツァリ「自分でまともという人に限ってまともじゃないんですよ」

テクパトル「お前が言うな・・・とりあえず、上条と義姉さんは飯食えよ」

美琴「あぁ、そうだったわね」

上条「じゃあちょっとキッチン借りるぞ」

心理「あら、愛のクッキング?」

上条「まぁそんな感じかな」

323 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 22:09:32.52 ID:UnlqZPxo0

美琴「じゃあなに作る?」

上条「なぁ、冷蔵庫の材料自由に使っていいのかー?」


垣根「おう、なんでも使えよー」

エツァリ「自分達は野菜炒めでしたよ」


上条「よし、じゃあ俺たちも野菜炒めでいいかな」

美琴「えっと・・・塩ダレでいい?」

上条「オッケー」

二人がサクサクと野菜炒めを作る

テレビからは正月恒例のマラソンの実況が聞こえていた

上条(・・・いいなぁ、幸せだ)

隣に立つ美琴を見つめながら、上条が小さく笑う


上条(・・・この幸せは俺の幸せなんだよな・・・)


上条「幸せだ!!!」

美琴「な、なに大きな声出してるの?」

324 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/29(木) 22:13:53.65 ID:UnlqZPxo0

さて、今日はここまで

明日は・・・アイテムとかもやるかな

では筋肉動画

セルジオ・オリバ最大のライバル

アーノルドの20歳の頃

フロントダブルバイはさすがの貫禄

二頭のピークと胸はオリバに勝ってますね・・・

この二人は当時からずば抜けてましたから


にしても、なんという音楽ww

曲名が分からないのが難点だけども

http://www.youtube.com/watch?v=nC7XBPrC_GY 


ではおやすみなさい

325 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:34:50.29 ID:oZfW7qfh0
美琴「じゃあ・・・いただきます!」

上条「いただきます!」

垣根「おー、美味そうだな」

上条「お前達も野菜炒めだったんだろ?」

垣根「塩ダレじゃなくて普通の焼肉のタレだったからさ」

心理「塩ダレもなかなかよさそうね」

ショチトル「ずるいぞ上条も美琴も」

19090「まぁまぁ・・・たしかにいい匂いはしますが」

一方「・・・肉が入ってねェなら興味ないンだよ」

削板「好き嫌いはよくないぞ!」

テクパトル「一方通行、もう少し野菜やら海産物やらも食べないといけないかもな」

エツァリ「健康のためにもバランスよく、ですよ」

一方「分かってンだけどよ・・・」

番外「わがままだね、アナタは」

326 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:35:28.28 ID:oZfW7qfh0
黒子「情けないですの」

一方「いいだろォが・・・」

19090「だからいつまで経っても白モヤシなんですよ?」

一方「うるせェ!てめェは俺の何なンだよ!?」

19090「義理の姉ですが?」

一方「あっ・・・て、てめェ・・・」

テクパトル「そうだな、お前は義姉さんと19090号には偉そうな口を利けないぞ?」

垣根「ドンマイ一方通行、グッバイ一方通行」

一方「グッバイはしねェよ」

番外「ミサカもアナタには健康でいてほしいな」

美琴「ほら、愛する番外個体のお願いなのよ?」

一方「分かったよ・・・」

上条「んじゃ、ここは丸く収まったということで」

327 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:36:30.39 ID:oZfW7qfh0
心理「・・・ちょっと私ももらっていいかしら?」

美琴「おなか減ってるの?」

心理「違うわよ、ただ味見をしてみたいだけ」

上条「あぁ・・・塩ダレのか」

心理「上条君、あーんして」

上条「は、はいぃ!?」

上条が少し顔を赤くする

くい、っと心理定規が顔を近づける

心理「ほら早く」

上条「いやいや!俺には美琴という愛する女性がいましてね心理さん!?」

心理「あら何?私なんかちっとも魅力的じゃないって言いたいのかしら」

上条「違いますけど!そりゃ今一瞬ちょっとだけはドキってしましたけど!」

美琴「当麻のバカ!なんでドキってするのよ!?」

328 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:37:23.58 ID:oZfW7qfh0
上条「そ、それは仕方ないだろ!?」

エツァリ「浮気はダメですよ」

19090「修羅場ですね・・・」

黒子「この隙にお姉さまを慰めれば・・・」

削板「上条!浮気だなんて根性がないな!」

上条「浮気じゃないんだってば!信じてくれよ!」

垣根「上条、人の女に手を出すとはいい度胸じゃねぇかハゲ」

上条「出してないから!ハゲてないから!」

美琴「当麻!私と心理定規、どっちが好きなのよ!?」

上条「美琴に決まってるだろ!っていうか心理さんにそういう感情なんかこれっぽっちも抱いてませんからね!?」

美琴「//」

上条「なんでそこで照れたのかな!?」

心理「あら、ちょっとカチンときたわね」

329 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:38:11.82 ID:oZfW7qfh0
番外「女の子にこれっぽっちも興味ない、なんて言ったらダメだよ」

垣根「てめぇ上条!心理定規の魅力をナメるなよ!?御坂なんかよりよっぽど可愛いんだよ!?」

上条「はぁ!?美琴のほうが可愛いから!」

心理「ねぇ、とにかく早くちょうだい」

上条「じ、自分で食べればいいでしょ!?」

心理「あら、何焦ってるのよ・・・ちょっと可愛いわね」

美琴「当麻をたぶらかさないで!」

垣根「心理定規!浮気とかふざけんなよな!?」

心理「浮気じゃないわよ、からかってるだけ」

テクパトル「・・・なおさら最悪じゃないか」

一方「・・・オリジナルが食わせればいいだろ」

美琴「わ、私?」

心理「あら、あーんしてくれるの?」

330 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:38:50.12 ID:oZfW7qfh0
美琴「それはしないわよ!」

心理「だけど箸を持ってくるのもめんどくさいのよね」

美琴「あぁもう!とにかく私はしないから!」

心理「・・・じゃあいいわよ」

上条「な、なんで不機嫌になってるんですか!?」

垣根「お前ら鬼畜カップルだな!略してキチップル!」

上条「最初のキチが違う意味に聞こえるからやめてくれ!」

ショチトル「心理定規、お前は可愛いから大丈夫だよ」

削板「浮気とかそんなことじゃなく、心理定規は友情の証としてあーんをしてほしかったんだろ!?二人ともそれに応えないなんて根性がなさすぎるぞ!」

19090「いえ、そうではないと思います」

垣根「・・・心理定規、俺が今から箸を取ってきてやるからな」

心理「ありがとう・・・やっぱりあなたは素敵よ」

垣根「よせよ、照れるじゃないか」

331 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:39:56.18 ID:oZfW7qfh0
上条(なんだよこの茶番)

美琴(いつの間にか私たちが悪者になってる)

エツァリ「一件落着ですか」

番外「ちぇっ、もっと憎しみ合えばよかったのに」

上条「なんだよそのいやな願望!?」

テクパトル「はぁ・・・だがな、心理定規は少し周りの男にちょっかいを出し過ぎだぞ」

心理「あら、たまにこうやってないと魔性に磨きがかからないのよ」

19090「そんなものを磨かないでください・・・」

黒子「心理定規・・・あなた怖いですの」

心理「な、何よ・・・冗談だってば」

エツァリ「まぁまぁ、みなさんもあまり責めてはいけませんよ」

心理「ありがとう・・・あなたは優しいわね」

エツァリ「あ、ありがとうございます」

332 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:41:24.25 ID:oZfW7qfh0
ショチトル「エツァリ!ドキってしただろ今!?」

エツァリ「し、していませんよ!」

ショチトル「したに決まってるね!」

心理(面白いわよね、こういうのって)

テクパトル「はぁ・・・女版上条って感じだよな」

上条「俺はこんなことしないんだけど・・・」

美琴「何よ、いろんな女の子にフラグ建てまくるくせに」

上条「あれは知らない間に建ってたんだよ!」

番外「ある意味一番最悪なパターンだよね」

垣根「ほれ、箸」

心理「ありがとう・・・じゃあもらうわよ」

美琴「うん、どうぞ」

心理定規が一口野菜炒めを食べる

333 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:41:55.70 ID:oZfW7qfh0
心理「あら、塩ダレもなかなかいいじゃない」

垣根「俺は焼肉のタレのほうがいいんだけどな」

心理「ちょっと肉なんかも入れたらさらにいい感じになるかも」

美琴「でしょでしょ!?当麻と二人のときは肉も入れたりするのよ!」

垣根「俺は焼肉のタレのほうがいいんだけどな」

上条「でも肉よりも野菜をメインにしたいんだよな・・・」

ショチトル「朝飯にはさっぱりしたのがいいからな」

19090「なるほど・・・今度みんなにも作りましょう」

削板「黒子、俺にも今度作ってくれないか?」

黒子「了解しましたの」

垣根「俺は焼肉のタレのほうがいいんだけどな」

一方「肉が入ってるならなンだって食べられる」

334 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:42:48.23 ID:oZfW7qfh0
番外「アナタは子供だね・・・ミサカはピーマンと人参が入ってなかったら食べられるよ」

一方「お前だって子供じゃねェか」

垣根「俺は焼肉の」

心理「分かったから、あなたは焼肉のタレになりたいのね?」

垣根「あ、いや違う・・・」

心理「なりたいのね?」

垣根「・・・箸持ってきたの、俺なんだけど」

心理「それは感謝してるわ、愛してる」

垣根「そこで愛情の再確認とはやるな・・・」

テクパトル「何を言ってる・・・お、日本体育大学が一位を走ってるな」

削板「後ろは駒大か・・・さすがだな」

黒子「みなさん素晴らしい走りですの・・・」

335 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:44:05.98 ID:oZfW7qfh0
ショチトル「・・・マラソンって走ってる途中にたまに呼吸を無理矢理整えたりするよな」

19090「それで、新しい呼吸法を開発したつもりになるんですよね」

ショチトル「すぐにバテるんだけどな」

上条「いや、ないからな?」

テクパトル「・・・運動はいいよな」

一方「・・・今日はトレーニングしないからなァ」

削板「甘えたこと言うんじゃない!今日だってやるに決まってるだろ!」

一方「お前らとやるとかなりきついンだよ!」

テクパトル「何、軽い重量でやらせるさ」

一方「そォいう問題じゃねェ!」

上条「・・・一方通行、マッチョになればロリにも注目されるかもな」

美琴「あぁ、子供はすごいものにはすぐ興味持つもんね」

一方「・・・本当だろォな」

336 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:44:58.62 ID:oZfW7qfh0
19090「・・・ずいぶんと不純な動機ですね」

番外「ミサカというものがありながら・・・」

テクパトル「・・・しかし、増量だと飯は食えるわトレーニングは楽しいわで最高だよな」

上条「減量はきついらしいな」

テクパトル「今年から仕事も始まるからな・・・さらに厳しくなるよ」

ショチトル「体を壊さないようにな」

テクパトル「なに、仕事自体は慣れてるからな」

エツァリ「昔の仕事とはまったく違いますよ?」

テクパトル「そりゃそうだけど・・・」

ショチトル「ふん、働きだしてから体を壊して泣きつくなんて格好悪いぞ」

テクパトル「そうならないように努力するよ・・・」

垣根「しかしさ、テクパトルが働くなんて信じられないよな」

337 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:45:48.97 ID:oZfW7qfh0
テクパトル「そうか?俺だっていい歳だし働くさ」

垣根「あぁいやそうじゃなくて・・・」

一方「俺達の中からとうとう働くヤツが現れたってのがだよ」

削板「そうだよな・・・今までずっと遊んでばっかだったからな」

19090「・・・一応バイトはしていましたけどね」

上条「テクパトルはわりとまだ理解出来るけどさ・・・19090号もバイトしたいんじゃなかったっけ?」

19090「そうですよ、テっくんの働くジムで・・・」

テクパトル「・・・その、本気なのか?」

19090「い、嫌なんですか?」

テクパトル「嫌ではないけどさ・・・お前はそんなに無理できない体だろ?」

美琴「そうよ・・・調整を受けてるから大丈夫だけど、一応体細胞クローンは体が弱いんだから」

一方「・・・無理はすンなよな」

19090「出来る範囲で頑張りますよ、もちろんテっくんの迷惑にならないようにすぐに辞めたりもしません!」

338 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:46:27.41 ID:oZfW7qfh0
心理「ほら、ここまで真剣に考えてるみたいよ?」

テクパトル「・・・無理はするなよ?俺の体裁のためとか言って無理なんかしなくていいからさ」

19090「はい、大丈夫です!」

ショチトル「・・・私たちもバイトくらいは探さないといけないかもな」

エツァリ「そうですね・・・垣根さんは能力で稼がれてるんでしたっけ?」

垣根「大抵は研究費用だな・・・あとたまに便利屋みたいなのもやろうかと考えてるな」

テクパトル「能力を活かせる仕事だな・・・」

削板「垣根ならかなり稼げるだろうからな・・・心配なさそうだ」

黒子「しかも一ヶ月に何度かだけ働けば十分そうですの」

上条「うらやましいよな・・・俺もなんかいいバイトとかないかな」

垣根「お前はまず勉学に励むべきだな・・・あ、マラソン終わった」

美琴「そうよ・・・とりあえず大学進学だけは出来ないと」

エツァリ「ご両親も心配されているのでは?」

339 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:47:24.74 ID:oZfW7qfh0
上条「そうだな・・・でも信じてくれてるみたいだから」

一方「親は大切にしろよ」

垣根「一方通行はどうするんだ?研究者にでもなるんだっけか」

一方「あァ、自分の能力を詳しく突き詰めてみてェしな」

番外「ふーん・・・あなたは頭いいから似合うかもね」

ショチトル「・・・削板は体育教師とか向きそうだよな」

19090「ついでに生徒指導なんかもやりそうですね」

削板「お、それもなかなか良さそうだな!」

テクパトル「削板もジムのトレーナーはどうだ?」

削板「迷うとこだが・・・安定してそうなのは教師なんだよな」

黒子「あら、軍覇さんがなさりたい仕事をするのが一番ですの」

心理「好きでもない仕事を続けるのは難しいものね」

削板「いや、でも誰かの人生を支えるのもなかなか興味があってな!」

340 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:48:14.84 ID:oZfW7qfh0
テクパトル「教師か・・・たしかにいいかもな」

美琴「・・・みんな仕事を始めたら、こうやって遊んだり集まったりするのも難しくなるかもね」

ショチトル「仕方ないことさ、いつまでも子供のままではいられないしな」

19090「そうですね・・・悲しいですが」

上条「でもさ、みんなの友情は変わらないだろ?」

垣根「当たり前じゃないか」

上条「なら大丈夫だって・・・子育てとかの相談とかもし合えるし」

番外「子供かぁ・・・ミサカ達は子供産めるのかな?」

垣根「問題ないだろうさ」

テクパトル「先生ならなんとかしてくれるはずだ」

黒子「・・・ふふ、こんなふうに将来の話をしていると・・・みなさんも成長なさったと実感しますの」

垣根「お前は俺の母親かよ」

341 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:49:07.07 ID:oZfW7qfh0
黒子「・・・ずっと一緒にいた友人が少しずつそれぞれの道を進んでいくんですのね」

美琴「・・・みんな、ずっと一緒にいようね?」

垣根「んなことは分からないだろ」

テクパトル「そうだな・・・ある日突然別れが訪れるかもしれない」

一方「生きていくなら別れが付き物だからなァ」

心理「それでも・・・一緒にいたいってわがままを言うくらいなら問題ないわよね?」

垣根「勝手だろそんなの」

19090「ミサカはみなさんといたいです!」

上条「みんなそうに決まってるさ」

テクパトル「みんながずっと一緒ってのは難しいかもな」

垣根「学園都市の外に行く予定のあるヤツとかいるのか?」

342 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:49:47.45 ID:oZfW7qfh0
エツァリ「自分達は中に残る予定ですよ、ここは便利なので」

上条「俺達は言うまでもないな」

美琴「出たいって言っても簡単には出られないし・・・第一超能力者なんて普通の世界じゃ恐れられるだけよ」

番外「そうだよね・・・」

19090「ミサカもここで調整を受けなければいけませんから」

心理「なら、みんなずっと学園都市で暮らすのね」

削板「だったら一緒にいられるんじゃないか?」

黒子「そうですの、学園都市の中ならわりとすぐ会えますし」

19090「それは嬉しいですね!」

垣根「そっか・・・そうだな」

垣根が苦笑する

上条「なんだよ?」

垣根「いや・・・なんだかんだ腐れ縁ってのは切れないもんなんだな」

343 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:50:31.98 ID:oZfW7qfh0
ショチトル「ふん、切れないから腐れ縁なんだよ」

テクパトル「はは、それは違いないな」

心理「・・・じゃあこの話は終わりましょうよ、辛気臭い話なんて正月にはしたくないもの」

美琴「じゃあなんか話したいことある人いる?」

番外「うーん・・・」

削板「・・・テクパトルは一軒家建てる予定は?」

テクパトル「そうだな・・・稼げたら建てたいと思ってるけど」

一方「どンな家に住むンだ?」

テクパトル「ミサカ達も暮らさせる予定だから・・・ある程度は広い家がいいかな」

ショチトル「ほぅ、なかなか賑やかな家になりそうだな」

テクパトル「賑やかになりすぎるかもな」

美琴「たまに遊びに行かせてね?」

テクパトル「あぁ」
344 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 10:58:57.68 ID:oZfW7qfh0
19090「・・・これで、自分の家を持っているのは垣根さんとミサカたちになるんですね・・・」

テクパトル「ま、まだ買えるって決めたわけじゃないからな?」

番外「期待させるようなこと言っちゃってー」

テクパトル「言ってない!」

一方「自宅かァ・・・」

垣根「警備員かぁ・・・」

一方・垣根「自宅警備員かァ・・・」

心理「そのコンビネーションはいらないわよ」

黒子「垣根さん、一方通行さん口調にならないでくださいな」

ショチトル「・・・自宅警備員か・・・」

エツァリ「憧れないでください」

美琴「当麻、大丈夫よ?」

上条「疑わないでください!!」

番外「でも上条はヒモになりそうだから心配ないよ」

上条「心配だらけだよ!!」

345 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 11:06:15.19 ID:oZfW7qfh0
ショチトル「いやぁ、上条はヒモになってこそのヒモだろ」

垣根「ヒモは上条になってこその上条だからな」

心理「ホモはホモになってこその上条君だからね」

上条「ツッコミだと思っていたあなたがいつの間にやらボケキャラに!?」

一方「うるせェぞ・・・今テレビでロリたちが今年の目標を熱く語ってンだ、耳かっぽじってよく聞けよ」

ショチトル「ふーん・・・プリキュアになりたい、か」

垣根「じゃあもっとプリティーでキュアキュアにならないとな」

エツァリ「ナースになりたいそうですね」

垣根「セクハラに耐えられるかな?」

上条「警官になりたい、か」

垣根「どこまで汚くなれるかな?」

美琴「あ、お花屋さんになりたいんだって」

垣根「明日、父の命日なんです、一周忌なんでどの花がいいでしょうか?なんて訊ねられた挙句その訊ねてきた男の子となにやら運命的なものを感じてそれから毎日通い詰められ告白されるも私はしがない花屋ですからごめんなさい、なんてイベントをこなせるかな?」

心理「ないわよそんなの」

346 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 11:12:04.04 ID:oZfW7qfh0
上条「・・・みんな夢を持ってるんだな・・・」

垣根「大人になるっていうのはね、夢を捨てるってことなのよ」

ショチトル「なんだそれは」

垣根「大人がなんで毎日毎日働くか知っているか?」

美琴「お金を稼ぐため」

垣根「新しい夢を見つけるためさ」

心理「どや顔はやめなさい」

テクパトル「でもやりたいことだけやれるもんじゃないからな・・・」

削板「そうだな、いやな上司とかもいるだろうし」

黒子「この女の子達にはそんなこと教えられませんけどね」

19090「・・・子供は純粋でうらやましいです」

番外「十分子供じゃん」

垣根「穢れを知らない分、汚されやすいのさ」

エツァリ「間違ってはいませんね」


347 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 11:17:18.98 ID:oZfW7qfh0
上条「はぁ・・・正月だなぁ・・・」

垣根「あ、じゃあまたあれやるか?」

美琴「いいんじゃない?今年一発目ってことで」

上条「じゃあいきましょうかねぇ」

垣根「おう、いきますわよ!!」


上条「踊る踊るよ馬鹿騒ぎ!!」

垣根「騒げや騒げ、阿呆なら!!!」

上条「回る回るよおてんとさん!!!!」

垣根「眩しく眩しく照りつける!!」

上条「寒さも眠さも吹き飛ばせ!!」

垣根「今日は何の日1月2日!!!!」


上条・垣根「とあるラジオのイマジンマター!!!!in正月!!!!」

348 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 11:25:30.26 ID:oZfW7qfh0

ゴーグル「・・・俺は今とても迷っています」

ゴーグル男は焦っていた

彼は今、アイテムの家にいる

そしてなぜかフレンダの部屋にいる

時間は朝の8時

フレンダが昨日「アンタの分まで部屋はないから特別にこのフレンダ様と寝させてあげる訳よ!!」なんて言い出したのがきっかけだ

別に彼としてはドキッ!寝ている彼女は無防備だイベントなんて期待もしていなかった

というか、床で寝させられたことが不満だったためそんな幸せはどうでもよかった

よかったのだが

ゴーグル「なんでフレンダさんは俺の布団に入ってきてるんすか?」

自分の隣にフレンダがいた

彼女はフッカフカでそりゃもう気持ち良さそうなベッドに寝ていたはずだ

「フカフカなベッドが最高な訳よ!」と自慢されたので覚えている

それを聞いて悔しがったのも覚えている

349 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 11:35:50.58 ID:oZfW7qfh0
ゴーグル「・・・だ、抱きつかれてるんすけど」

ぎゅーっと、力強く抱かれている

足とか手とか全部絡まされている

こう、フレンダの胸は小さいと思っていた

ゴーグル(し、しかし・・・こうされるとなかなかあるもんですね)

年相応程度にはあるようだ

どうもアイテムの面々は巨乳が多いので忘れがちな事実だが

ゴーグル(・・・足はたしかにいい感じっす)

脚線美を自慢していたが、なるほどこれはなかなかのものだ

スベスベとしていてスラッと長い

しかも細くてスレンダー

ゴーグル(・・・寝顔は純粋そのもの・・・)

フレンダ「ふふ・・・鯖缶・・・鯖缶・・・」

ゴーグル(・・・寝言はちょっと狂ってますけど)

350 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 11:43:15.69 ID:oZfW7qfh0
ゴーグル「フレンダさん・・・起きてくださいよ・・・」

フレンダ「にゅふふー・・・鯖・・・」

ゴーグル(うわぁぁぁぁ!!!なんか抱きしめる力が強まった!!)

フレンダ「・・・鯖・・・麦野・・・鯖・・・」

ゴーグル「む、麦野さんと鯖を天秤に掛けてるんすね・・・」

フレンダ「麦野の勝ち・・・」

ゴーグル「そりゃそうっすね・・・」

フレンダ「・・・寂しいよ・・・」

ゴーグル「・・・はい?」

フレンダ「鯖・・・鯖!!鯖がいない訳よぉ・・・」

ゴーグル「あなたの中で鯖はどんな位置づけなんですか」

フレンダ「ん・・・」

ゴーグル「!?」

ゴーグル男の体とフレンダの体の密着度がグングン増していく

そういえば、昨日はめちゃくちゃセクシーな短パンで決める訳よ!!と言っていた

つまり、今彼女はきわどい短パンを着ているのだ

351 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 11:48:38.13 ID:oZfW7qfh0
ゴーグル「あ、あの・・・」

フレンダ「ん・・・」

フレンダの大きな瞳が開かれる

その瞳が、驚愕の色に変わるまでおよそ15秒

フレンダ「何してる訳?」

ゴーグル「言っておきますが、入ってきたのはあなたっすから」

フレンダ「・・・なんで私がアンタに抱きついてるの」

ゴーグル「それはこっちが聞きたいっすよ」

フレンダ「・・・こ、この下半身に当たっている棒状のものは?」

ゴーグル「あぁ、それは朝だからっすよ」

フレンダ「・・・」

ゴーグル「・・・」


フレンダ「処刑な訳よ」

ゴーグル「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!言っておきますけど、これは本当にただ朝だから!!!」

フレンダ「それは問題じゃない訳よ!!結局私の下半身にあてがっていたのは事実!!」

ゴーグル「当たってただけっす!!」


352 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 11:55:32.00 ID:oZfW7qfh0
フレンダ「さ、最低!!私の下半身に当てて何をするつもり!?」

ゴーグル「違いますからね!?」

フレンダ「男は結局獣な訳よ!!」

ゴーグル「お、大声で変なこと言わないでくださいよ・・・」

フレンダ「・・・ね、ねぇ・・・」

ゴーグル「はい?」

フレンダ「変なこと・・・しなかった?」

ゴーグル「?してないっすよ、本当に」

フレンダ「・・・あ、あぁそう・・・」

ゴーグル「なんすか」

フレンダ「いや、てっきり童貞なアンタはそういうことしそうだと思ってたから」

ゴーグル「女性が普通に童貞とか言わないでくださいよ・・・」

フレンダ「ふん!!魔法使いでも目指せばいい訳よ!!」

ゴーグル「はいはい・・・とりあえず、俺は欲情もしていなければ犯罪も犯してないっすからね」

フレンダ「なんか別の意味で殺意が湧く訳よ」

353 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 12:03:29.84 ID:oZfW7qfh0
ゴーグル「・・・で、これからどうするんすか?」

フレンダ「うーん・・・まだみんな起きてないと思う訳よ」

ゴーグル「え?もう朝の8時っすよ?」

フレンダ「麦野も絹旗も夜遅くまで起きてるタイプだから」

ゴーグル「浜面さんと滝壺さんは?」

フレンダ「あの二人は起きててもたぶん自分達の部屋でゴロゴロしてる」

ゴーグル「へぇ・・・じゃあリビング行っても俺たちだけっすか」

フレンダ「・・・なに?何が言いたい訳?」

ゴーグル「何も」

フレンダ「・・・ふーん」

ゴーグル「さて・・・じゃあ俺は先に降りてますから」

フレンダ「あれ?着替えないの?」

ゴーグル「・・・ここで着替えていいなら着替えますけど」

フレンダ「そ、それは困る訳よ!!!」

354 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 12:12:09.96 ID:oZfW7qfh0
ゴーグル「じゃあ、リビングで着替えますよ」

フレンダ「べ、別に私がここから一旦出ればよくない?」

ゴーグル「いいんすか?」

フレンダ「うん、早くしてくれれば」

ゴーグル「じゃあお願いします」

フレンダが部屋から出て行く


ゴーグル「はぁ・・・しかし外は大雪ですね」

窓から外を眺めながらゴーグル男がつぶやく

昨日も降ってはいたのだが、ここまでではなかった

ゴーグル「・・・こういう日は、コタツでぬくぬくしたいっす」

そんなことをつぶやきながらパッパと着替えを済ませる

ゴーグル「終わりましたよー」

フレンダ「・・・早い訳よ」

355 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 12:15:43.39 ID:oZfW7qfh0

ゴーグル「・・・大雪っすね」

フレンダ「うん」

扉越しに二人は会話をしていた

今はフレンダが着替えをしている

そのため、部屋の外でゴーグル男は待たされていた

さっさとリビングに行きたいのだが、ヒマだから話しててよ、とフレンダに頼まれたのだ

ゴーグル「・・・こういう日は」

フレンダ「雪合戦がしたい訳よ!!」

ゴーグル「・・・はい?」

フレンダ「雪合戦!!みんなが起きたら誘ってやる訳よ!!!」

ゴーグル「いや・・・寒いのは遠慮したい・・・」

フレンダ「そうと決まれば朝ごはん!!♪」

バァン!!とドアが開かれる

ゴーグル男の顔面に、ドアが直撃した


356 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 12:40:08.63 ID:oZfW7qfh0

ゴーグル「・・・」

フレンダ「怒んないでってば」

ゴーグル「怒ってるんじゃないっす、鼻が痛いんすよ・・・」

フレンダ「あはは!!ドア直撃したから・・・」

ゴーグル「・・・」

フレンダ「お、怒ってる訳よ・・・」

ゴーグル「はぁ・・・雪合戦とかしないっすからね」

フレンダ「な、なんで!?楽しいのにー!」

ゴーグル「・・・そんな寒いことしたくないっすよ」

リビングのコタツに入りながら二人は話していた

フレンダの言うとおり、他のメンバーはまだ起きていない

ゴーグル「大体、皆さんが起きてくるのって何時くらいなんすか?」

フレンダ「うーん・・・12時?」

ゴーグル「・・・まだまだじゃないっすか・・・」

フレンダ「それまではヒマな訳よ」

ゴーグル「どうするんすか?」

357 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 12:43:28.15 ID:oZfW7qfh0
フレンダ「せっかく帰ってきたんだし買い物したいな・・・」

ゴーグル「行けばいいじゃないっすか」

フレンダ「でも荷物持ちがほしい訳よ!!」

ゴーグル「はぁ」

フレンダ「・・・荷物持ち」

ゴーグル「いやっすよ」

フレンダ「なんで!?このフレンダ様とデートできるのに!?」

ゴーグル「デートとかいいっすよ・・・大体そういうのじゃないっすから」

フレンダ「うっわつまんねぇ・・・」

ゴーグル「・・・寒いからいやっす」

フレンダ「はっ!!寒いなら手を繋げばいいよね、みたいな展開期待してる訳!?」

ゴーグル「してないっす、出かけたくないっす」

フレンダ「引きこもりー」

ゴーグル「何とでも・・・」

フレンダ「・・・はぁ、行きたいなぁ・・・」

フレンダが窓の外を見つめる

たくさんのカップルが手を繋いで歩いている


358 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 13:09:02.78 ID:oZfW7qfh0
ゴーグル「・・・そんなに行きたいんすか?」

フレンダ「うん・・・でもさすがにこの雰囲気は一人じゃイヤでしょ?」

ゴーグル「カップルばっかりですからね」

フレンダ「・・・ねぇ、着いてきてくれない?」

フレンダがくるりと振り返る

ゴーグル「はぁ・・・分かりましたよ」

フレンダ「ホント!?」

ゴーグル「その代わり、自分の金で買ってくださいよ?」

フレンダ「ありがとう!!」

ニコニコと笑いながらフレンダが飛び回る

ゴーグル「はぁ・・・じゃあさっさと行きましょうか」

フレンダ「うん!!」

準備をすぐに終わらせた二人は商店街へと向かう

ゴーグル(はぁ・・・甘いっすね、俺・・・)


ゴーグル(悪くはないっすけどね)

359 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 13:14:53.72 ID:oZfW7qfh0
いったん休憩

今日はバイトもなくてヒマだね

筋トレして願書書かないといけない

360 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 15:28:53.02 ID:oZfW7qfh0

ゴーグル「・・・混んでますね」

フレンダ「そりゃ正月だから当然な訳よ」

ゴーグル「・・・はぁ、なんで来ちゃったんでしょうか」

フレンダ「・・・周りはカップルばっかりな訳よ」

ゴーグル「そうですね・・・うらやましいっす」

フレンダ「なになに?やっぱ人並みにカップルとか憧れるてんの?」

ゴーグル「そうっすよ・・・そりゃ男ですから」

フレンダ「・・・ねぇねぇ、手ぐらいなら繋いであげてもいい訳よ」

ゴーグル「いや・・・手を繋げばカップルって子供っぽい発想っすよね」

フレンダ「な、何よ!こっちは優しさから言ってんのにー!!」

ゴーグル「はぁ・・・いいっすよ、遠慮しときます」


361 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 15:38:40.67 ID:oZfW7qfh0
フレンダ「ちぇー」

ゴーグル「・・・なんか買いたいものがあるんすか?」

フレンダ「服とかほしい訳よ!」

ゴーグル「服っすか、了解です」

フレンダ「ふっふーん、フレンダ様のセンスは抜群な訳よ!!」

ゴーグル「そうなんすか?」

フレンダ「今の服も可愛いでしょ!」

フレンダが胸を張る

スラリと伸びた足、ニーソ

それしか目に入らないくらいあとは普通だった

もちろん、オシャレではあるのだ

だが麦野や絹旗のファッションがなかなか可愛いだけに、平凡に感じる

アイテムにいなければ最高に可愛いと思えるのかな、なんてゴーグル男は首を捻る

フレンダ「なに?首なんか捻って」

ゴーグル「なんでもないっすよ」

362 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 15:47:01.64 ID:oZfW7qfh0
フレンダ「・・・ねぇねぇ、ゴーグルはなんか買いたいものないの?」

ゴーグル「ないっすよ、服はもう持ってますから」

フレンダ「・・・意外とオシャレな訳よ」

ゴーグル「昔垣根さんに熱く教えられましたから・・・」

フレンダ「へぇ・・・文字とかばっか書かれてるのよりいいと思うけどさ」

ゴーグル「けど?」

フレンダ「なんかアンタはだっさい服のほうが似合いそうな訳よ」

ゴーグル「なんでっすか・・・」

フレンダ「にゃはは!!そりゃアンタもダサイから!!!」

ゴーグル「ひ、ひどいっすよ!!」

ゴーグル男が困ったような顔をする

フレンダ「だってさぁ、アンタ・・・」

フレンダが呆れたような表情をしたとき

足元の雪に滑って、フレンダがゴーグル男のほうへ倒れた


363 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 16:02:08.05 ID:oZfW7qfh0
上条「・・・雪合戦?」

垣根「あぁ、雪合戦もしたくないか?」

番外「まぁこんなに雪も降ってるからね」

美琴「よし、じゃあやってあげるわよ!!」

一方「・・・めンどくせェ・・・」

ショチトル「なんだ?怖いのか?」

19090「さっすがモヤシですね」

削板「情けない・・・それでも男か!?」

一方「あァ?誰もやらねェとは言ってねェだろォが」

黒子(乗せられてますの)

テクパトル「じゃあどうやって分かれる?」

エツァリ「ミサカ姉妹とその彼氏さん、それ以外でよくないですか?」

一方「・・・削板と垣根が同じチームかよ・・・」

垣根「能力は禁止でいいだろ、楽しくないし」

心理「あら平和的ね」

364 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 16:16:55.83 ID:oZfW7qfh0
削板「よし!!そうと決まれば行くぞ!!」

削板を先頭にして、一同が外に向かう


美琴「さ、寒いわね・・・」

上条「厚着しててよかったな・・・」

一方「もォ・・・終わりだね・・・」

番外「寝たらやばいよ、アナタ」

ショチトル「よーし・・・やってやろうじゃないか!!ルールは!?」

垣根「チームは分かれた、ならばあとは倒すのみ!!」

上条「・・・ちなみに、勝ち負けは?」

垣根「互いのチームが陣地の中に雪だるまを作る・・・その雪だるまを完全に破壊されたら負けだ!!」

垣根「相手のチームの陣地内に入ってもオーケー、ただしそうすれば攻撃をくらいやすくなる!!」

垣根「遠くからの攻撃ではなかなか雪だるまを破壊できない!!」

垣根「さぁ、始めようじゃないか!!!」


垣根「君は!!雪だるまを守れるか!?」

365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/09/30(金) 17:03:32.14 ID:10mk2lPm0
待て、能力禁止したらソギーとてっくん無双じゃないか
そしてセロリが役立たずに
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2011/09/30(金) 17:04:39.71 ID:x7H5D6gn0
皆さ〜ん
温かいお茶用意したんで休憩中にでも飲んでください
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/09/30(金) 17:14:00.93 ID:NOYKEEOAO
えっラジオは?(゚Д゚)?
368 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 18:00:44.27 ID:oZfW7qfh0
>>367 受け付けてますよww

ちょいと休憩

369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/30(金) 18:06:54.66 ID:tcfvovLG0
皆さんの趣味はなんですか?
健全な趣味ですよ、健全な
大切なことなので(ry
370 :名無し :2011/09/30(金) 18:29:24.80 ID:QgLg+AeAO
最近見たなかでは一番つまんないSSだ…
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/30(金) 18:37:47.44 ID:tcfvovLG0
>>370
最近見たなかでは一番つまんないレスだ…
372 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 18:52:16.17 ID:oZfW7qfh0
垣根「はっはっは!!雪合戦だろうがなんだろうが、時間を見つけたらラジオなんだよ!!」

皆さんの趣味はなんですか?
健全な趣味ですよ、健全な
大切なことなので(ry


垣根「みんなにアンケートを取った結果」

垣根「上条は料理、御坂はゲコ太グッズ集め・・・」

垣根「心理定規はオシャレをすること」

垣根「エツァリは魔術の勉強、ショチトルは日向ぼっこ」

垣根「テクパトルと削板は筋トレ」

垣根「白井は御坂盗撮、19090号は昼寝・・・」

垣根「一方通行はコーヒーを飲む、番外個体はそんな一方通行のコーヒーに砂糖を入れること」

垣根「三者三様だな・・・ちなみに俺は読書だ」

垣根「さて・・・そろそろ雪合戦に戻るかな!!アドゥー!!」

373 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 18:52:16.39 ID:oZfW7qfh0
垣根「はっはっは!!雪合戦だろうがなんだろうが、時間を見つけたらラジオなんだよ!!」

皆さんの趣味はなんですか?
健全な趣味ですよ、健全な
大切なことなので(ry


垣根「みんなにアンケートを取った結果」

垣根「上条は料理、御坂はゲコ太グッズ集め・・・」

垣根「心理定規はオシャレをすること」

垣根「エツァリは魔術の勉強、ショチトルは日向ぼっこ」

垣根「テクパトルと削板は筋トレ」

垣根「白井は御坂盗撮、19090号は昼寝・・・」

垣根「一方通行はコーヒーを飲む、番外個体はそんな一方通行のコーヒーに砂糖を入れること」

垣根「三者三様だな・・・ちなみに俺は読書だ」

垣根「さて・・・そろそろ雪合戦に戻るかな!!アドゥー!!」

374 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 18:59:00.87 ID:oZfW7qfh0
上条「・・・美琴、雪だるまは?」

美琴「とびっきり大きいの作ってるわよ」

テクパトル「たしか雪だるまは傷ついても修復してオーケーだったな」

19090「ただし、修復するときはあちらの雪を使わないといけないんでしたよね」

19090号が遠くを指差す

かなりの量の雪が積み上げられていた

一方「・・・俺は守りに徹するかなァ」

番外「あはは!!アナタは運動音痴だもんね!」

一方「うるせェな・・・」

テクパトル「俺と上条が攻撃に回る・・・守りは任せたぞ」

美琴「当麻、がんばってね?」

上条「あぁ、行ってくる」

上条とテクパトルが敵の陣地へ向かう

その距離、約30m
375 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 18:59:27.96 ID:oZfW7qfh0
広い庭のため、かなりのスペースを用意できている 

上条「・・・向こうは削板、垣根、エツァリの三人が攻撃か・・・」

テクパトル「・・・こちらのほうが守りは堅いな」


垣根「おー、あっちは二人が攻撃か」

エツァリ「一方通行さんはあまり運動できませんからね」

削板「そうだな・・・攻撃ならこっちが有利だ!!!」

エツァリ「どうしますか?すぐに突っ込んでいきましょうか?」

垣根「・・・テクパトルは削板に任せる・・・エツァリ、お前は上条を頼む」

削板「お前はどうするんだ?」

垣根「直接陣地に殴り込みだ・・・向こうの守りでは戦力になるのは実質二人」

削板「番外個体と御坂か・・・」

エツァリ「19090号さんは攻撃的ではないですからね・・・」

垣根「雪だるまの修復に回ってるみたいだしな」
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/30(金) 18:59:44.87 ID:yNFi13gQo
>>370
SSはおもしろいけど周りがクソだからつまんないんだろう
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/09/30(金) 19:00:33.68 ID:tcfvovLG0
あれ?
1つ不純なのが・・・
気のせいか
378 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 19:02:32.53 ID:oZfW7qfh0
削板「よし、了解した!」

垣根「では始めようか、諸君!!」


上条「!!エツァリが向かってきたか・・・」

上条が雪玉を作る

エツァリ「・・・上条さんとこうやって一対一というのは久々ですね」

上条「そうだな・・・」

両者の手には雪玉

上条「くらえ!そげぶ弾!!!」

エツァリ「トラウィスカルパンテクートリの雪玉!!!」

二人が同時に雪玉を投げつける

それはぶつかり合い、地面に落ちた

上条「やるな!!」

エツァリ「あなたこそ!!」

379 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 19:07:43.25 ID:oZfW7qfh0
上条「おらおらぁ!!」

エツァリ「くっ・・・なかなか!!」

上条「この野郎!!」

上条が雪玉をエツァリの顔に目掛けて投げる

エツァリ「くっ・・・」

それを腕で叩き割るエツァリ

上条「かかったな!!」

エツァリ「なに・・・」

上条がその隙にもう一つの雪玉を放る

エツァリ「いつの間に・・・ぼふっ!!」

上条「はっはぁ!!!上条さんはこういうの大得意なんですよ!!」

エツァリ「くっ・・・自分だって負けていられませんよ!!!」

上条(・・・それにしても・・・)

エツァリ(向こうはどうなっていますかね)

二人が横目で削板とテクパトルのほうを見つめる

そこには二人の修羅がいた

380 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 19:10:43.50 ID:oZfW7qfh0
テクパトル「・・・こうやってお前と何かで勝負するのはいつ振りかな」

削板「大覇星祭でのウェイトリフティング以来かな」

テクパトル「ほう・・・もうそんなになるか」

削板「・・・テクパトル、準備はいいのか?」

テクパトル「そんなもの、とうの昔に終わらせた」

テクパトルが足元の雪を片手で掴む

そして、握りつぶすようにして固める

それはもはや雪玉の硬さではなかった

あまりの圧力で一部が氷になっている

言うなれば雪玉という名の「弾丸」だ

削板「いいじゃねぇか、俺だって」

削板が雪玉を作る

もちろん、彼の雪玉も「氷玉」だった

テクパトル「行くぞ、削板」

削板「来い、テクパトル!!!」


381 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 19:14:04.10 ID:oZfW7qfh0
テクパトル「くらえ!!」

テクパトルの腕が唸りを上げる

お前どこの野球部のエースピッチャーだ、と思うほどの剛速球

そして正確なコントロール

削板の胸元目掛けて、氷玉は一直線に飛んでいく

削板「甘い!!!」

削板がそれを掌で受け止める

バキッ、という音と共に氷玉が崩れる

削板「投球っていうのは!!!」


削板「こうやるんだよ、テクパトル!!!!!!!!!!!!!!!」

ヒュン、と音がしてテクパトルの目の前に氷玉が現れる

テクパトル(速いな)

そんなことを思うテクパトルの顔に焦りはなかった

テクパトル「まだまだだ」

裏拳でそれを叩き割る

テクパトル「・・・見せてみろ、お前の本気をぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!」

382 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 19:18:26.20 ID:oZfW7qfh0
削板「いいだろう、受けろ!!!」

削板が両手で玉を固める

大きさにして拳大

しかもそれは雪のように柔らかいものではない

下手をすれば人を傷付けることのできる凶器

削板「・・・さぁ!!!お前もだ!!!」

テクパトル「よかろう」

テクパトルも玉を握る

削板のものよりやや小ぶり

だがその代わり、硬さは削板のそれよりも上だ

殺傷力と命中力

違いはそれだけだった

削板「では」

テクパトル「始めようか」

削板とテクパトルが振りかぶる

そして


383 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 19:23:35.81 ID:oZfW7qfh0
心理「何やってるのかしらね、あの二人は」

ショチトル「・・・上条にやられるなんて情けないな・・・」

黒子「まだ立っていますから大丈夫ですの・・・」

心理「・・・?あら、みんなちょっと隠れましょう」

黒子「なんでですの?」

心理「いいから」


テクパトル「ぐはっ!!!」

削板「ぐぁぁっ!!」

二人の胸元に、互いの投げた氷玉がヒットする

削板「く・・・ひ、引き分けか・・・」

テクパトル「・・・どうかな・・・」

削板「な、なに?」

テクパトル「・・・これ、なんだと思う」

テクパトルが右手の中にあるものを見せる

それは氷玉だった

削板「なに!?」

テクパトル「・・・お前は大きな玉を握った・・・少しだけ時間が掛かりすぎたのさ」

ふらり、と体を起こすテクパトル


384 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 19:26:29.95 ID:oZfW7qfh0
テクパトル「その間にもう一つ作っておいたんだ・・・」

削板「くそっ!!」

削板が急いで氷玉を作ろうとする

テクパトル「遅いぞ・・・削板」

テクパトルが氷玉を投げる

それは削板を狙っているのではない

削板たちの陣地にある雪だるまを狙っていた

削板「しまった・・・」


心理「来たわ、伏せて」

ショチトル「あ、あの距離から当たるわけあるまい!」

黒子「そ、そうですの・・・」

心理「・・・!!」

剛速球としか言いようのない氷玉が、雪だるまに向かって飛んで来る

心理(まずい、このままじゃ・・・)

385 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 19:40:29.53 ID:oZfW7qfh0
テクパトル「・・・はは・・・これで俺の仕事は終わりだな」

バタン、とテクパトルが倒れる

削板との一騎打ちで体力を使い果たしかけていた

そして、最後の投球で力を完全に使い果たしたのだ

テクパトル(・・・はぁ、まぁ最低限の仕事は・・・)

削板「くっそぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!」

テクパトル「!?」

削板が突然陣地へ向かって走り出す

テクパトル「バカな、体力が残ってるわけ・・・」

削板「理屈や理論や戯言は!!!!」

削板「熱い根性で吹き飛ばす!!!!!!!!!!!!!!!」


心理「!削板君!?」

黒子「あ、危ないですの!!!」

削板「おらぁぁ!!!」

削板が氷玉の前に回る

そして、その体を張って受け止める

削板「ぐあぁぁぁっ!!」

386 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 19:44:37.08 ID:oZfW7qfh0
黒子「軍覇さん!!!」

黒子が削板のそばに駆け寄る

削板(・・・さすがだなテクパトル・・・)

削板(勝負も試合も忘れはしない・・・)

削板(くっ・・・俺はまだまだだ)


テクパトル(・・・あの氷玉を二回も受け止めるなんてな・・・)

テクパトル(はは・・・勝負も試合も引き分けか・・・)

テクパトル(さすがだ・・・削板)


二人の男が拳を空にかざす

なぜか、とてもすがすがしかった


削板・テクパトル「いい・・・勝負だったな・・・」

ガクリ、とその拳が垂れる


削板・テクパトル 戦闘不能


387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2011/09/30(金) 19:45:02.98 ID:x7H5D6gn0
皆さんに質問です
この人にこの歌を歌ってほしいみたいな歌ありますか?
388 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 19:59:34.90 ID:oZfW7qfh0
垣根「・・・テクパトルさんと削板さんのご冥福をお祈りします」

心理「死んでないわよ」

皆さんに質問です
この人にこの歌を歌ってほしいみたいな歌ありますか?


上条「美琴には・・・ポケモンのOP」

一方「・・・俺はねェな」

ショチトル「エツァリにチチをもげ、とか」

エツァリ「」

黒子「お姉さまにぜひともわたくしの歌を・・・」

美琴「イヤだからね」

心理「あら、上条君には地獄のズバットとか」

上条「渋いですね・・・」

19090「テっくん・・・安らかな顔です・・・」

テクパトル「死んでは・・・ない・・・」

削板「こ、根性・・・」

美琴(死にかけね)


389 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/09/30(金) 20:59:39.16 ID:oZfW7qfh0
かなり早いけど今日はここまで

ラジオはまだ受け付けてますんで

筋肉動画はこちら

http://www.youtube.com/watch?v=vsBmalag2Uo


ビクター・マルチネス

ロニーが引退し、ジェイも少しずつ衰えた時期に全盛期を迎えた彼

「ジェイが引退したらビクターの時代」とさえ言われていました

プロポーションもなかなかよく、バルクも十分


しかし、彼の時代はおそらく来ないでしょうね

フィルという天才が出てきてしまいましたから

ではおやすみなさい


明日は雪合戦の続きとフレンダたち

そして1月2日の午後・・・かな

390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/09/30(金) 21:21:00.74 ID:0d66vmGeo
┌─────┐
│い ち お つ.│
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/09/30(金) 22:35:26.04 ID:rtuCKmw2o
おつおつ
今日も面白かった
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/10/01(土) 08:54:21.51 ID:BHYI9Ei50
>>1は今願書を書くってことはセンター受けんの?
393 :ラジオ用 [sage]:2011/10/01(土) 10:19:20.96 ID:B7ZHvJUOo
みなさん目玉焼きになにつけますか?
ほかにも天ぷら、フライ、食パン等も教えてください
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(藤枝) [sage]:2011/10/01(土) 10:22:39.06 ID:VoSjJvRp0
>>1乙だよ。

皆には関係はないんだけどね、俺しばらく受験が終わるまでここにこれなさそうだから。

>>1よ、できれば受験が終わった後もぜひぜひ続けていてくれ。

ここの作品は本当に面白いと思うから。
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/10/01(土) 10:29:37.63 ID:VS9mSNmqo
塩コショウ
396 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 10:49:40.79 ID:MBjnBZaH0
垣根「・・・テクパトル・削板両選手のご」

心理「それはもういいの」


みなさん目玉焼きになにつけますか?
ほかにも天ぷら、フライ、食パン等も教えてください

上条「目玉焼きなら醤油・・・天ぷらは前に言ったな、フライは・・・マヨネーズかな、食パンはマーガリン!!」

心理「あら、食パンはジャムに限るわよ」

一方「あァ?食パンはベーコン乗せるだろォが」

ショチトル「いーや、食パンはハチミツだな」

19090「・・・フライは醤油がよくないですか?」

垣根「全部味の素を振りかけろ、万事解決する、俺は味の素嫌いだけど」

心理「バッシング受けるわよ」


397 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 10:50:10.93 ID:MBjnBZaH0
上条「・・・テクパトルと削板が相打ちか・・・」

エツァリ「なかなか熱い戦いでしたね」

上条「冬なのにな」

エツァリ「上手くはないですよ・・・我々も続けましょうか」

上条「あぁ」

上条(まずいな・・・)

上条が顔をしかめる

彼のチームの陣地には現在垣根が責めていっている

守りが4人いるとはいえ、一人はモヤシで一人は平和的な19090号だ

上条(このままじゃ不利だよな)

目の前にいるエツァリを倒さなければいけないのは明白だ

エツァリ「ではいきますよ」

398 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 10:50:43.01 ID:MBjnBZaH0
エツァリが雪玉を作る

上条(ここは汚い手を使ってでも勝たなきゃいけない)

上条が後ろに足を振りかぶる

エツァリ「?何を・・・」

上条「必殺!雪煙!」

雪を思い切り蹴り上げる

真っ白な雪のせいでエツァリの視界は狭まってしまう

エツァリ「し、しまった!」

上条「くらえ、エツァリ!」

上条が最高の硬さに固めた雪玉を投げる

エツァリ「がふっ・・・」

それはエツァリの顔面に当たった

399 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 10:51:33.52 ID:MBjnBZaH0
エツァリ「む、無念・・・」

至近距離から硬い雪玉をくらったエツァリはその場に倒れる

上条はその上を飛び越え、味方陣地へ向かおうとする

上条「よし!これで上手く・・・」

エツァリ「さ、させません・・・」

倒れながらもエツァリは必死に上条のズボンを掴む

上条「くそっ・・・しぶといな!」

もう一発上条が雪玉をくらわせる

エツァリ「ぐはっ!」

エツァリの腕が力無く地面に落ちる

エツァリ(や、やられ・・・ました・・・)

エツァリ 脱落


400 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 10:52:29.61 ID:MBjnBZaH0
垣根「・・・一方通行、残念だったな」

一方「クソ・・・が」

垣根の目の前では一方通行が情けない姿になっていた

全身雪まみれになって地面に仰向けになっていたのだ

垣根の雪玉250連打をくらって無様に敗北を喫したのだ

番外「は、速すぎる・・・」

美琴「くっ・・・垣根、ここは私たちが死守するって決めたのよ!」

19090「そうです!テっくんの犠牲を無駄にはしません!」

垣根「にゃーっはっは!お前達じゃ守れないんだよ」

垣根が雪玉を美琴目掛けて投げる

美琴「くっ!」

くるり、と転がって美琴がそれを避ける

だがすぐさま垣根は次の雪玉を放る

401 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 10:53:11.21 ID:MBjnBZaH0
垣根「垣根式!連続雪玉!」

美琴「なっ・・・なんなのよ!」

番外「ちっ・・・お姉様!援護するよ!」

番外個体が後ろから雪玉を放る

だが垣根はそれを拳で打ち砕く

垣根「無駄なんだよぉ!俺を前にしてそんな悪あがきは無駄なんだよぉ!」

19090(新しい喋り方ですね)

垣根「はっはぁ!御坂、あばよぉ!」

垣根が美琴に向けて雪玉を投げた

一つではない

同時に5つも

美琴「ど、どうやってんのよ!」

402 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 10:54:02.26 ID:MBjnBZaH0
どうにか転がって避けるが、すぐに起き上がれる体勢ではない

垣根「ざまぁ!おしまいだぜ御坂!」

番外「お姉様!」

19090「避けてください!」

垣根「垣根式・・・」


上条「美琴ぉぉぉ!!!」

美琴「!?当麻!?」

上条「そげぶ弾!」

遠くから上条が垣根に向かって雪玉を放る

垣根「て、てめぇ・・・ごふぁっ!」

垣根の鼻に雪玉が命中する

美琴「当麻!無事だったの!?」

403 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 10:54:37.12 ID:MBjnBZaH0
上条「美琴を守るために帰ってきたんだよ!垣根、お前の幻想は・・・」

垣根「あー・・・ムカついた」

垣根が首をコキコキと鳴らす

垣根「オーケーオーケー、ならお前からだ・・・っていうかエツァリはどうした」

上条「倒したんだよ・・・」

垣根「弱いなあいつ・・・」

上条「弱いっていうか・・・真面目すぎた?」

垣根「はは・・・ははは!いいぜ上条、面白いじゃねぇか!」

垣根が雪玉を握る

上条「いいのか?こっちは4人、お前は一人だ」

垣根「0が4つ集まっても0なんだよ」

上条「い、言いやがったな!」

404 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 10:55:33.65 ID:MBjnBZaH0
美琴「番外個体、行くわよ!」

番外「了解!」

番外個体が雪玉を作り美琴が投げる

無駄のないコンビネーション

その間に19090号が雪だるまを作る

垣根「・・・雪玉の威力をナメたらダメだぜ」

垣根が美琴の雪玉をすべて避ける

美琴(なんで・・・?こいつ、動きが良すぎる・・・)

垣根「・・・いいもんだな、こういう多勢に無勢をされるのも」

上条「垣根!くらえ!」

垣根「はっはぁ!遅い遅い!」

垣根が上条の攻撃さえも避ける

405 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 10:56:46.91 ID:MBjnBZaH0
番外「・・・垣根は頭脳明晰なんだよね?」

美琴「そ、そうよ?」

番外「もしかしたら・・・雪玉の軌道を完全に予測してるんじゃ?」

美琴「・・・たしかにスピードと角度を確認すれば出来ないことはないかも・・・」

19090「!お姉様!」

美琴「え?ふにゃぁ!」

美琴の後頭部に雪玉が命中する

上条「美琴!大丈夫か!?」

美琴「痛い・・・何よ垣根!」

垣根「ははは!世の中には二種類の人間がいるんだよ!他人に勝つ人間と他人に負ける人間!俺は前者なんだよ!お前らは後者だ!支配する側と支配される側!人間はその二種類だけだ!」

上条「な、なんかめちゃくちゃテンション高くないか?」

垣根「くらえ!衝撃のぉぉぉ!」

上条「!来るのかよ!?」

406 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 10:57:24.08 ID:MBjnBZaH0
垣根「ファーストブリッドォォォォォォ!」

上条「くそぉ!」

上条が無理矢理雪玉をたたき落とす

しかしその衝撃は中々のものだった

上条「いてぇ!」

垣根「固めたんだよ!ガッチガチに固めたんだよ!初めてじゃ痛かっただろ!?」

上条「無理矢理下ネタに持っていくな!」

垣根「あばよ上条!」

19090「・・・垣根さん!」

垣根「あぁ?なんだよ、てめぇじゃ俺は止められ・・・」

19090「くらえ!雪煙!」

垣根「なっ!?」

19090号が雪をまとめて垣根にかける

407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/10/01(土) 10:57:40.12 ID:GblGKOwAO
こんな物を拾いました

変態ランキング最新版

1位 エツァリ

2位 ショチトル

3位 美琴

4位 20000号

5位 心理定規


美琴さん20000号抜いたね
408 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 10:58:11.13 ID:MBjnBZaH0
垣根「クソが!目くらましかよ・・・!」

上条「!垣根!」

垣根「いいぜ・・・分かってんだよそこにいるのはぁ!」

垣根が雪の中に浮かぶ人影に向けて雪玉を投げる

美琴「・・・垣根、甘かったわね」

垣根「な、なに!?御坂じゃなかったか・・・なら」

19090「ミサカ達を簡単に倒せると思ったらダメですよ?」

番外「そうだよ垣根」

垣根「!?上条か!?」

上条「俺でもないんだよ」

垣根「!?じゃあ誰なんだよその人影・・・は・・・」

垣根が目をこらす

409 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 10:59:08.44 ID:MBjnBZaH0
あの細い人影は

一方「てめェら・・・俺を盾にするンじゃねェ・・・」

一方通行だった

番外「あとで・・・たくさんお肉食べさせてあげるから・・・」

19090「ミサカも・・・感謝しますから・・・」

美琴「アンタは・・・犠牲になったのよ・・・」

一方「クソ・・・許さ・・・ね・・・ェ・・・」

一方通行ががくりとうなだれる

その顔は、本当に不幸そうだった

一方通行 脱落

垣根「・・・仲間を盾にする、か」

上条「・・・仕方ないのさ、雪合戦だし」

410 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 10:59:39.23 ID:MBjnBZaH0
垣根「・・・いけねぇな・・・俺がここにいてもこのままじゃ雪だるま破壊できないな」

垣根が頭をかく

上条「・・・美琴、お前は・・・責められるか?」

美琴「大丈夫よ・・・番外個体も来てくれる?」

番外「了解!」

二人の「ミサカ」が駆け出す

19090「よかったんですか?陣地がピンチなんじゃないですか?」

垣根「韻を踏むな・・・いいんだよ」

垣根がニヤリと笑う

垣根「こっちとしては敵が減ってくれて嬉しいし・・・」

上条「・・・守りに自信があるってことか」

垣根「・・・そうだと思っとけ」

垣根が上条に向けて雪玉を放る

上条「いいぜ!なら最低限、ここでお前だけは食い止める!」

411 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:03:23.80 ID:MBjnBZaH0
エツァリ「こちら保健室です」

テクパトル「ただ見学してるだけだがな」

削板「ははは!そうだな!」


こんな物を拾いました

変態ランキング最新版

1位 エツァリ

2位 ショチトル

3位 美琴

4位 20000号

5位 心理定規


美琴さん20000号抜いたね


ショチトル「・・・私達が1位2位か」

エツァリ「それは・・・仕方ないですよ」

美琴「どこが変態なのよ!?黒子とか20000号とかのほうが・・・」

心理「ちょっと、そのランキング見せてもらっていいかしら?」ニコニコ

美琴「は、はい」

心理「・・・」


心理「あら、私が5位・・・ね」

心理「・・・ちょっとこのランキング作った会社に殴りこみ行ってくるわ」

垣根「安心しろ、オリコンのランキングは全部捏造だ」

上条「そういうのはやめろよ・・・」

412 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:03:53.58 ID:MBjnBZaH0
垣根「やれるもんならやってみな!」

19090「お義兄様!援護します!」

上条「頼む!」

垣根「無駄なんだよ!」

三人の激闘が始まった

そしてその少し遠くでは女だけの戦いが始まっていたのだ


心理「あらいらっしゃい」

美琴「・・・守りは三人ね」

黒子「待ちくたびれましたの」

ショチトル「・・・エツァリはすぐにやられたな・・・情けない」

番外「頑張ってたんだから褒めてあげないと」

ケラケラと番外個体が笑う

413 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:04:55.07 ID:MBjnBZaH0
美琴「・・・雪だるまはなかなか大きいのかしら?」

心理「教えないわよ」

番外「陣地のどこかに隠してるのかな?」

くるり、と辺りを見渡すがそれらしきものはない

おそらくは建物の影などに隠しているのだろう

美琴「さて・・・心理定規とショチトルは私が引き受けるわ」

番外「じゃあミサカは黒子だね」

黒子「のぞむところですの!」

黒子が番外個体のそばへ駆け寄る

黒子「はっ!」

雪玉を素早く作り、番外個体の体目掛けて投げつける

番外「甘いね!簡単にはやられないよ!」

414 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:06:34.25 ID:MBjnBZaH0
番外個体も負けじと応戦する

黒子「まだまだですの!」

番外「楽しませてよね!」


心理「ふふ・・・なかなか楽しんでるみたいで嬉しいわ」

美琴「アンタも楽しんでるんじゃない?」

心理「そうね、こういうのも嫌いじゃないわよ」

心理定規は雪玉を作る素振りすら見せない

美琴「・・・余裕をかましてるの?」

心理「違うわよ、私は戦うつもりはないの」

美琴「・・・?」

ショチトル「美琴、まずは私が相手だ!」

美琴「あぁ・・・一人ずつ、なんて考えてるわけね」

415 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:07:38.59 ID:MBjnBZaH0
ショチトル「ふん・・・いくぞ!」

ショチトルが雪玉を作り、走り出す

美琴「いいわよ、まずはアンタから!」

心理「頑張ってねショチトル」

ショチトル「あぁ!」

ショチトルが美琴と一進一退の攻防戦を繰り広げる

心理「さてと・・・それじゃ行きましょうか」

美琴がショチトルとの戦いに集中しているのを確認して心理定規は走り出す

美琴「!?どこ行くのよ!」

レーダーによって気づいた美琴がいち早く反応する

雪玉を投げようとはするが、その前にショチトルが立ちはだかる

ショチトル「させん!」

美琴「くっ・・・騙したわね!」

416 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:08:24.92 ID:MBjnBZaH0
ショチトル「誰も一人ずつ戦うなんて言ってないぞ!」

美琴「この試合は相手の雪だるまを破壊しないと勝てない・・・」

ショチトル「垣根一人ではきついからな・・・当たり前の作戦だ!」

美琴「心理定規を攻撃要員にするっていうわけか!」

美琴が華麗な動きでショチトルの攻撃を避ける

ショチトル「ちっ・・・ちょこまかと・・・」

美琴「えいっ!」

ショチトル「!目くらましか・・・芸がない!」

美琴が雪を蹴り上げる

その隙になにかしらの策を練るつもりだろうか

ショチトル「・・・どこだ」

ショチトルが目を細めて雪煙の中を凝視する

417 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:09:11.00 ID:MBjnBZaH0
ショチトル「!?いない!?」

雪煙が晴れたとき、そこには誰もいなかった

ショチトル「心理定規を追ったか!」


心理「あら・・・早く追いつかれそうね」

走りながら心理定規が後ろを確認する

美琴が雪玉を両手に抱えながら走ってきていた

心理(・・・敵の陣地につく前に捕まりそうだし・・・一旦迎え撃とうかしら)

急に心理定規が足を止める

美琴「・・・止まったわね」

心理「あら、せっかく追って来てくれてるのに相手をしないのはかわいそうでしょ?」

美琴「・・・男のこと?」

心理「違うわよ、あなたのこと」

418 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:10:03.63 ID:MBjnBZaH0
美琴「ずいぶんと甘く見られたわね・・・私だってそれなりに運動は出来るのよ?」

心理「分かってたわよ」

美琴「・・・どっちみち追いつかれるのは分かってたわけ?」

心理「疲れてすぐに敵の陣地に行ったんじゃ迷惑だもの、あなたを倒した後ゆっくり行くつもりよ」

美琴「倒せたら・・・の話だけどね!」

美琴が雪玉を投げる

女の子にしてはなかなか速い弾ではある

心理「でもね・・・私はもっと速い弾を知っているのよ」

全く無駄のない動きで心理定規がかわす

美琴「やるじゃない・・・」

心理「そうかしら?あなたの剛速球もなかなかよ」

美琴「怪力って言いたいの?」

心理「あら、可愛らしいあなたにそんなことは言わないわよ」

419 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:10:55.69 ID:MBjnBZaH0
美琴「・・・どうするの?このままじゃ垣根もキツイんじゃない?」

心理「・・・」

心理定規が垣根のほうを見る

上条がなかなか粘っているらしく、まだ決着はついていないようだ

それどころか19090号の援護もあるため圧されかけている

心理「・・・彼はたしかに運動神経もいいけど・・・上条君とはトントンだからね」

美琴「19090号の援護も効いてるみたいね・・・逃げながら戦わなきゃいけない分辛いでしょうね」

心理「早く助けに行きたいけど・・・私じゃあなたをすぐには倒せないわ」

心理定規がため息をつく

だが不思議とその表情に焦りはない

美琴「・・・なんだかしっくりこないわね」

心理「あら、何が?」

美琴「アンタはもうちょっと頭を使いそうだけど・・・どうしてこんな見え見えな作戦を使ったの?」

420 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:12:00.91 ID:MBjnBZaH0
心理「見え見えだった?ちょっと悔しいわね」

クスクスと心理定規が笑う

心理「・・・でもあなたが気づいてるのはどこまでかしら」

美琴「何ですって?」

心理「ふふ・・・ショチトルは何してるのかしら・・・今頃ヒマで仕方ないかもね」

美琴「・・・!まさかショチトルが!?」

心理「気づいた?あなたが私を追いかけてきたら別のルートから垣根の援護に行くように言ったのよ」

美琴「くっ・・・」

心理「まぁショチトルはあんまりいい顔はしなかったけど」

美琴「ショチトルは運動が好きなわけじゃないから・・・ね」

美琴が唇を噛む

別のルートということはここから少しばかり離れているのだろう

ショチトルを追いに行けば心理定規が垣根を援護しに行く

421 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:13:06.15 ID:MBjnBZaH0
ここで心理定規と戦えばその間にショチトルが

かといって離れているなら同時攻撃は不可能

心理「どちらかの行動がダミーなんじゃない」

美琴「どちらもダミーでどちらもメインね・・・やるじゃない」

心理「あとは番外個体が上手くやってくれれば守りも大丈夫よ」

美琴「なら・・・とりあえずアンタを倒して少しでも早く当麻を助けに行かないと」

心理「簡単には出来たいと思うわよ?」

心理定規が雪玉を作る

心理「私だって一応、それなりの運動神経だから」


黒子「んぁっ・・・はぁ・・・」

黒子は喘いでいた

なぜか

422 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:14:02.87 ID:MBjnBZaH0
番外「おっ、ここはここは?」

番外個体に体を触られているからだ

番外(黒子はお姉様に惚れてる・・・ならミサカにだって多少は興味ありそうだったけど)

番外個体の作戦はいたって単純

正面からぶつかるのは疲れる

頭を使ってもめんどくさい

なら攻撃できない状況にすればいいや、というものだ

黒子「あっ・・・そこはやめてくださいな・・・」

番外「んふふ・・・どう?今はまだ下着の上からだけど・・・」

黒子「あぁっ!ダ、ダメですの!」

番外「ふーん・・・でもここは欲しい欲しいって言ってるよ?」

番外個体が黒子の敏感な部分に触れる

黒子「ひ、卑怯ですの!こんな・・・作戦・・・」

423 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:14:37.25 ID:MBjnBZaH0
番外「最近一方通行が構ってくれなくてちょっと溜まってたんだよね・・・」

黒子「んっ・・・無理矢理そんな展開にしないでください・・・な・・・っ!」

番外「どう?」

黒子「し、知りませんの!」

番外「ふーん・・・なら・・・」

黒子「くっ!」

黒子が自分の体を少しだけ遠くにテレポートさせる

番外「あー、能力使用は禁止なんだってば」

黒子「関係ないですの!今のはわたくしの貞操の危機でしたから!」

番外「ちっ・・・まぁいいや」

番外個体が雪玉を作る

番外「本当なら腰砕けにしてあげようかと思ったけど・・・」


番外「正々堂々、足止めさせてやろうじゃないさ!」

424 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:19:00.71 ID:MBjnBZaH0
黒子「のぞむところですの!かかって来てくださいな!」

二人の雪玉がぶつかる

一対一の攻防戦

それを見つめているのは太陽だけだった


上条「くらえ!!」

垣根「ちっ・・・」

19090「垣根さん、一人ではやはり辛そうですね!!」

上条「一気に行くぞ!!」

垣根「ナメるなよ!!!」

上条「そげぶ弾!!!」

垣根「撃滅のぉぉぉぉ!!!!セカンドブリッドォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!」

両者の雪玉はぶつかり合って地面に落ちる

その隙に19090号は垣根を狙う

垣根(このままじゃ消耗戦じゃねぇか・・・)


425 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:27:40.64 ID:MBjnBZaH0
上条「・・・番外個体と美琴がうまくやってくれてたら、こっちは問題ない!!」

垣根「はは・・・ははは!!クソが!!蚊トンボが!!!」

19090「いきますよ、垣根さん!!」

垣根「叩き落してやる!!」


ショチトル「待った待った!!!」

上条「!?」

垣根「ショチトルか!!!」

ショチトル「誰かと聞かれりゃ答える定め!!!」

ショチトル「何かと問われりゃ教える定め!!!!!」

ショチトル「正義派世のため人のため!!!」

ショチトル「赤い血白い目黒い肌!!!!」

ショチトル「我こそは!!!!アステカの戦士!!!!」


ショチトル「ショチトルじゃあ!!助太刀しに来たぞ、垣根!!」

垣根「待ってたぞ!!」

ショチトル「待たせたな!!」

426 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:35:13.34 ID:MBjnBZaH0
上条「くそっ!!応援か!?」

19090「どうしますか!?」

上条「やるしかないだろ!!」

垣根「こっからは俺らのターンだ!!」

ショチトル「垣根!!!雪玉を作ってくれ!!!!」

垣根「あいよ!!」

垣根がショチトルに雪玉を渡す

ショチトル「一つ分かったことがあるのさ」

上条「な、なんだ?」

ショチトル「雪玉を早く投げることがいいのかどうか、ということさ」

ショチトルが雪玉を放る

それはまったく的外れの方向へ飛んでいく

上条「なんのつもり・・・」

ショチトル「今日は大雪だな、木の上にも雪が積もっている」

上条「!?」

ショチトルの投げた雪玉は木の葉に当たる

それだけで、そこに乗っていた雪がドサリと落ちてくる

垣根「そうか!!!」

427 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:39:04.83 ID:MBjnBZaH0
19090「!!お義兄様、よけてください!!」

垣根「遅いんだよ!!!」

垣根が雪玉を放る

さきほどのショチトルはいわば試し撃ち

垣根「俺の・・・全力を木の幹にぶつけたらどうなるかな!?」

上条「くそっ!!!」

上条がいたのは木の真下

ここに雪が落ちてくれば、しばらく行動不能になってしまう

上条「謀ったな垣根ぇ!!!!」

垣根「最初からこの予定だったのさ、上条ぉ!!!!」

ショチトル(思いつかなかったくせに)

垣根「これで・・・終わらせる!!!!!」


垣根「抹殺のぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!」

垣根が足を思いっきり上げる

それは、美しい銅像にさえ見えた

垣根「ラストブリッドォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!」


428 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:41:59.97 ID:MBjnBZaH0
木の幹に、雪玉が当たる

通常の雪玉が当たったぐらいではなんともないだろう

だがなぜか、垣根の玉には力があった

大きな存在さえ揺るがしてしまうほどの力が

上条「くそぉぉぉぉ!!!!」

上条の上に容赦なく大量の雪が降りかかる

上条「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!冷たい!!!!!!!!!!!」

垣根「ショチトル!!!お前には19090号を任せる!!!!!」

ショチトル「よろしい」

19090「!?ゆ、雪だるまは死守します!!!」

垣根「ショチトル、任せるぜ!」

ショチトル「先に行って待ってろ、すぐに行く」

垣根「フラグをへし折れ!!」


ショチトル(頼むぞ垣根・・・)

ショチトル(ぶっちゃけもう走りたくないし)

429 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:46:27.41 ID:MBjnBZaH0

心理「・・・さすがじゃない」

美琴「・・・一発も当たらないなんて、アンタも相当よ・・・」

二人はじっと睨み合っていた

今のところ、互いに一発も当たっていない

美琴「まさか・・・このまま引き分けだったりしてね」

心理「今頃垣根が上手くやっててくれるわよ」

美琴「・・・だといいわね」

心理「あなた達のほうは・・・番外個体ね」

美琴「あの子はなかなか強いわよ?」

心理「・・・黒子もそれなりには鍛えてるけど・・・さすがに戦闘用にチューニングされた番外個体相手じゃきついかしらね」

美琴「・・・そうじゃない?」

心理「・・・ふふ、こうやってあなたとの真剣勝負ってのはなかなかいいものね」

クスクスと嬉しそうに笑う心理定規

美琴「・・・そうね、私も楽しいわよ」


430 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:49:14.96 ID:MBjnBZaH0
心理「・・・さて、おしゃべりはここまでにしましょう」

心理定規が雪玉を握り締める

心理「ここであなたを足止めできたら万々歳ですからね」

美琴「・・・私は早いとこ当麻のとこに行きたいのよ」

心理「行かせると思う?」

美琴「・・・いいわ、行ってみせる」

美琴が雪玉を放る

心理「何度も同じ手を・・・」

美琴「くらえ!!!!」

心理(!?何か手が・・・)


美琴「猫騙し!!!」

心理「きゃっ!?」

パン!!!!!と心理定規の目の前で美琴が手を叩く

何をされるのか分からない恐怖から、心理定規は一瞬目を閉じてしまう

美琴「よっしゃぁ!!」

心理「ひ、卑怯よ!!」


431 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 11:57:17.68 ID:MBjnBZaH0
美琴「勝負に卑怯も何もないのよ!!!」

美琴が心理定規の横を駆け抜ける

心理「待ちなさい・・・」

心理定規がくるりと振り返ったとき、雪に足を取られた

心理「きゃっ!」

ボフン、と雪の上に心理定規が転がる

心理「いたた・・・冷たいわね・・・って美琴は!?」

心理定規の視線の先には、全速力で走っている美琴がいた

心理「ちっ・・・させないわよ!」

体についた雪を適当に払い、心理定規も走り出す

美琴(・・・あっぶない・・・転んでくれなかったらここまで差はつかなかったわね)

美琴(当麻・・・待ってて!!!)


雪玉と雪玉が交差する中

とうとう、勝負の終盤が始まる!!!


一方(雪冷てェ・・・)

432 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 12:56:29.66 ID:MBjnBZaH0

フレンダ「あいたた・・・」

ゴーグル「てて・・・大丈夫っすか?」

フレンダ「ん?ア、アンタ・・・わざわざ私を庇ったわけ?」

街中で、二人は雪の上に転がっていた

正確には、ゴーグル男が下に潰されるような形になっていたのだ

ゴーグル「ん・・・いや、あのまま転がったら二人とも雪まみれじゃないっすか」

フレンダ「で、でもわざわざ庇うこと・・・」

ゴーグル「どっちみち俺は雪まみれなんすから、フレンダさんだけでも雪に倒れないほうがいいと思って」

フレンダ「・・・ごめん」

ゴーグル「?なんで謝るんすか」

フレンダ「わ、私が転ばなかったら・・・」

ゴーグル「仕方ないっすよ、ちょっとドジっぽくて面白かったですし」

フレンダ「な、何よそれ!?」

ゴーグル「とりあえず、そんなに落ち込まないでくださいよ」


433 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 13:06:17.74 ID:MBjnBZaH0
フレンダ「・・・ゴーグル、アンタって優しい訳よ」

ゴーグル「そうっすか?」

フレンダ「・・・ありがと」

ゴーグル「なんか大人しいフレンダさんはイヤっすよ」

フレンダ「な、なによ!?」

ゴーグル「ほら、さっさと行きましょう・・・俺も暖房に当たって乾かしたいですし」

フレンダ「・・・ね、ねぇ!」

ゴーグル「なんすか?」

フレンダ「手・・・繋いでいい?」

ゴーグル「な、なんでっすか?」

フレンダ「また転ばないように!!!」

ゴーグル「はぁ・・・そうっすか」

ゴーグル男が溜息をつく

ゴーグル「いいっすよ、転ばれると困るんで」

フレンダ「な、なんか地味に根に持ってる訳よ・・・」

434 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 13:11:40.65 ID:MBjnBZaH0
ゴーグル「ほら、行きますよ」

半ば強引にゴーグル男がフレンダの手を握る

フレンダ「・・・なんか緊張する訳よ」

ゴーグル「なんでっすか?」

フレンダ「こうやって誰かと手を握るなんて・・・ほとんど初めてに近いから」

ゴーグル「そうっすか」

フレンダ「アンタは?」

ゴーグル「・・・俺も同じかもしれません」

フレンダ「ふーん・・・じゃあまずは私の服から見る訳よ!!」

ゴーグル「はいはい・・・」

ゆっくりと二人は歩き出す

ゴーグル(・・・誰かと手を繋ぐ・・・ですか)


ゴーグル(・・・俺は昔・・・親に手を引かれたことがあったんでしょうかね)

435 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 13:20:55.63 ID:MBjnBZaH0

上条「う、動けない・・・」

上条はどうにか雪の中から這い出そうとしていた

しかし、雪の重さはなかなかに厳しい

上条「くそ・・・もう、ダメだ・・・」


美琴「当麻!!」

上条「!?美琴、戻ってきたのか!?」

美琴「待ってて!!」

美琴が上条を雪の中から救い出す

上条「美琴・・・お前は天使だ・・・」

美琴「そ、そそそそんなことより!!!!」


心理「あら・・・上条君は雪まみれだったのね」クスクス

上条「!心理さん・・・」

美琴「お、追いつくのが早いわね・・・」

心理「垣根はどうやら上手くやってるみたいね」

心理定規がショチトルと19090号の一騎打ちを眺めながらつぶやく

436 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 13:34:33.70 ID:MBjnBZaH0
上条「美琴、俺は垣根を止めてくる!!」

心理「あら、させないわよ?」

美琴「・・・当麻、行ってきて」

上条「美琴、頼む!!」

上条が心理定規の横を駆け抜ける

心理「・・・美しい愛ね」

美琴「愛っていうのは美しいものよ」

心理「ふふ・・・ロマンチストね」

美琴「・・・垣根は当麻に任せればなんとかなるわ」

心理「どうかしら?垣根がすでに雪だるまを破壊していたら?」

美琴「・・・信じるしかないわ」

心理「じゃ・・・ここで私と散りましょう」

美琴「散りたくないわよ・・・」

心理「行くわよ、美琴」

美琴「えぇ」

二人の乙女がぶつかり合う

愛と夢と明日への希望を抱えながら


437 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 16:15:32.31 ID:MBjnBZaH0
番外「・・・やるね」

黒子「さすがですの・・・」

番外「意外とミサカが圧せないね」

黒子「わたくしだって一応は風紀委員ですの」

番外「・・・そうだね、さすがに一筋縄ではいかないか・・・」

番外個体が手に握った雪玉を見つめる

番外「ミサカはね、負けず嫌いなんだ」

黒子「えぇ、お姉さまとそっくりですの」

番外「だからこの勝負も勝ちたくてね」

黒子「わたくしだって負けられませんの」

番外「・・・いいよ、ミサカは別にあなたに勝たなくてもいいんだから」

黒子「?」

番外「つまり・・・!!!」

黒子(ど、どこへ向かわれましたの!?)

番外個体が黒子から離れていく

438 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 16:21:11.76 ID:MBjnBZaH0
番外「ミサカは雪だるまを破壊すればいいんだからね!!」

黒子「!勝負から逃げるつもりですの!?」

番外「はっはぁ!!ミサカは別に黒子との勝負なんて興味ないもん!!!」

黒子「汚いですの!!!」

番外「ふふーん!!ミサカは悪知恵が・・・」

黒子「くらいなさいな!!ジャッジメント弾!!!!」

番外「ぐはぁっ!」

黒子(命中しましたの!!)

番外「ちっ・・・雪だるまは・・・」

番外個体が攻撃を受けながらも雪だるまを探す

番外「・・・どこだ?」

番外(・・・ない・・・?いや、でも作るってルールは一応守ってるはずだ・・・)

番外(それにこんなに守りを薄くするってことは相当頑丈な雪だるまだと・・・)

黒子「見つけましたの!」

番外「ちっ!!あぁもうしつこい!」

439 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 16:25:20.36 ID:MBjnBZaH0
黒子「させませんの!!」

番外「やっぱアンタを倒してからだね!」

二人が再び勝負を始める


垣根「お、あったあったよ見つけたよん」

垣根は上条側の雪だるまの前に立っていた

垣根「長い道のり・・・」

上条「垣根ぇ!!」

垣根「あ?あぁ、上条じゃないか」

上条「させねぇぞ!!!」

上条が雪玉を放る

しかしそれを軽く垣根がかわす

上条「くらえ!」

垣根「甘いんだよ!!!!」

垣根が雪玉を上条にぶつける

上条「ぐぁぁっ!!!!」

垣根「ははは!!雪だるま、壊させてもらうぜ!!!!」

上条「やめろぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!」

440 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 16:28:10.72 ID:MBjnBZaH0
垣根が雪玉を思い切り雪だるまにぶつける

その頭が完全に崩れ去った

垣根「よっしゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

上条「や、やられた・・・」

がくり、と上条がうなだれる


勝者は、垣根たちだった


黒子「・・・あら?」

番外「なに?そっぽ向いて」

黒子「・・・いえ、わたくし達の雪だるまが破壊されたみたいですの」

番外「マジ?」


美琴「や、やられた・・・?」

ショチトル「はっはっは!!!勝ったな」

心理「あら、嬉しいじゃない」

19090「ま、負けました・・・」

美琴「・・・はぁ、せっかく頑張ったのになぁ・・・」

一方(一番の被害者は俺だろ・・・)


441 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 16:32:38.55 ID:MBjnBZaH0

垣根「さぁ、みんなお疲れ様」

心理「若干負傷者も出たみたいだけど、たいした怪我じゃなくてよかったわ」

上条「・・・ちくしょう、新年は負けてばっかだ・・・」

テクパトル「・・・寒いんだが」

19090「テっくん、紅茶飲みますか?」

テクパトル「サンキュー」

削板「はぁ・・・どうにか勝てたな」

黒子「よかったですの!」

垣根「いやぁ、楽しめたなら幸いだ」

エツァリ「・・・一方通行さん、どうしてふて腐れているのですか?」

一方「・・・理由は言いたくねェンだよ」

番外「ほらほら、そんなに怒らないで」

ショチトル「・・・しかしなかなか時間つぶしにはなったな」

美琴「1時間もやってたのね・・・」

削板「お、そんなにやってたのか?」

442 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 16:39:28.63 ID:MBjnBZaH0
上条「はぁ・・・いい運動になったな」

垣根「さってと・・・昼飯まであと一時間だな」

ショチトル「何するんだ?」

一方「・・・ゴロゴロしようぜ」

美琴「えぇ・・・せっかくの正月よ?」

垣根「・・・そういえばお前ら、年賀状は読んだのか?」

上条「いや・・・第一寮に帰ってないからさ」

テクパトル「そういえば大晦日からずっとここに泊まってるもんな」

黒子「常盤台には一応外出届は出してますが・・・」

19090「常盤台はそういうの厳しそうですよね」

美琴「厳しいなんてもんじゃないわよ・・・」

垣根「リョウカーンとかいう化け物がいるんだろ?」

美琴「寮監よ・・・」

心理「・・・私達も年賀状まだチェックしてないわね」

垣根「あ、そうだったな」


443 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 16:42:25.29 ID:MBjnBZaH0
美琴「じゃあチェックしてみれば?」

垣根「そうだな・・・そうすっか」

上条「じゃあ一旦帰るか」

一方「あァ」


垣根が年賀状の束を持ってくる

一体どこからそんなに送られてくるのだろうか

垣根「えー・・・まずは妹達から」

テクパトル「お、あいつら偉いな・・・」

垣根「なになに・・・?」


あけましておめでとうございます

今年もよろしくお願いします

テっくんの就職も決まり、19090号のバイトも決まり、ミサカたちは余計ヒマになってしまいます

垣根、たまには遊びに誘ってくださいね

それでは      ミサカ達より


垣根「おー、嬉しいじゃないか」

テクパトル「・・・ちゃんと構ってやらないとな」

19090「そうですね・・・」


444 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 16:49:37.18 ID:MBjnBZaH0
垣根「次は・・・打ち止めか」

一方「あいつが?」


あけましておめでとう!!

語尾を使わないようにするのって難しいね!

ミサカはみんなと遊ぶのが大好きだから、今年も遊んでね!!


番外「・・・上位個体・・・」

美琴「・・・なんか、可愛い子よね・・・」

19090「はい・・・」

垣根「あれか?兄弟馬鹿か?」

心理「あら、打ち止めはたしかに可愛いじゃない」

黒子「そうですの!!何しろ小さいお姉様ですの!」

削板「そうだな・・・正月終わったらまた誘ってあげようぜ!」

テクパトル「はは・・・そしたら俺は忙しくなるな・・・」

エツァリ「がんばってくださいね」


445 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 16:54:16.30 ID:MBjnBZaH0
垣根「・・・あぁ?吹寄からも来たな」

心理「あら、どれどれ?」

上条「うっわ・・・綺麗な字だな・・・」


明けましておめでとう

垣根のことだから今年もたくさんの女の子を誑かすんだろうけど

心理定規のことだけ見ているようにしなさい

あと、心理定規は垣根のことを見張っててね

それではまた


垣根「あの野郎・・・母親かよ・・・」

心理「いいんじゃない?あなたのこと気にかけてるみたいよ?」

垣根「いらねぇよ・・・」

ショチトル「こうやって気にしてくれる人がいるならいいじゃないか」

19090「そうですよ、素晴らしいことじゃないですか」

黒子「さすが垣根さんはモテモテですの」クスクス

垣根「笑うな・・・」


446 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 17:00:15.10 ID:MBjnBZaH0
心理「ほら、姫神からもよ」

垣根「おー、嬉しいな」

心理「・・・巫女さんの格好の写真も載せてるわね」

垣根「ひゃっほぉぉぉぉ!!!!こりゃ素晴らしいじゃないか!」

上条(そういや姫神は巫女さんみたいな格好してたもんな・・・)


明けましておめでとう

垣根が巫女さんが好きだと言っていたから写真を撮った

これで今年も生き延びて

心理定規

私の出番を増やして

お願い


心理「・・・なんか、辛い年賀状ね」

削板「・・・字が若干薄いよな」

垣根「今すぐにでも消えそうだよな」

一方「・・・ていうか半分消えてねェか?」

番外「うん、消えてるね」

美琴「・・・がんばって、姫神さん」

447 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 17:05:35.95 ID:MBjnBZaH0
垣根「オルソラからだ!!!わざわざ送ってきてくれた!!!!」

心理「テンション上がりすぎよ」

垣根「き、綺麗な字だ・・・」


明けましておめでとうなのでございますよ

イギリス清教のみなさんからの感謝の言葉も述べさせていただきます

またイギリスに来られたときは、上条さん共々女子寮に立ち寄っていただけたら嬉しいのでございますよ

それでは、お体に気をつけて



垣根「額に入れよう」

心理「はぁ・・・あなたは浮気が心配ね」

垣根「あれはもはや性の対象じゃない!!!崇拝に近いんだよ!」

美琴「あぁ、私のゲコ太に対するのと同じ?」

垣根「あー・・・まぁそうかもな」

番外「おぉ!そりゃすごいね!」

テクパトル(・・・よく分からないな)

448 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 17:12:37.01 ID:MBjnBZaH0
垣根「・・・?アイテムのみんなからも来てるな」

ショチトル「・・・ほう、丁寧だな」

一方「どれどれ?」


明けましておめでとう

実はこれを書いてるのは元日です

フレンダとゴーグル君が来たのはちょっと意外だった

アンタが言ってたように、やっとやり直せそうだよ垣根

また何かあったら頼るかもしれない

そしたら相談に乗ってくれよ

みんな感謝してる  麦野


垣根「・・・はは、こりゃ辛気臭いな」

心理「・・・今度アイテムのみんなも家に誘ってみたら?」

垣根「・・・それもいいかもな」

エツァリ「そうですね」

一方(・・・変わったもンだな、暗部のやつらも)

449 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 17:25:09.67 ID:MBjnBZaH0
垣根「・・・お、食蜂だ」

心理「あら、あの子も?」

美琴「へぇ・・・丁寧ね」


明けましておめでとう

元日に書いてるのはちょっとおかしいかもしれないけど

垣根、大晦日は楽しかった

なんか本当の友達が出来たって感じで本当に嬉しかったわ

こんなこと面と向かっては言えないから、年賀状で伝えるね

ありがと


垣根「はっはぁ!!これが垣根様の力よ!」

エツァリ「・・・たしかに垣根さんがいろんな人の人生を変えてますよね」

垣根「俺は上条のパクリだぜ!」

上条「いやいや・・・違うだろ」

ショチトル「・・・にしても、みんな垣根に感謝してるんだな」

心理「素敵だからね、あなたは」

垣根「そりゃどうも」


450 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 17:36:34.06 ID:MBjnBZaH0
心理「あら?美琴のお母さんから来たみたいよ?」

美琴「え、ホント?」

上条「美鈴さんか?」

垣根「ホントだ」


明けましておめでとう!!

垣根君も心理定規ちゃんも元気?

今年は妹達のこととかいろいろと驚いたけど、いい刺激のあった一年だったよ!

これでパパが帰ってきてくれたらなぁ・・・

パパがこの前ね、久しぶりに電話してきてくれたの!

1月3日に帰ってきてくれるって!

だから久しぶりにデートするんだ!

いいでしょ!?

それじゃ、ここらへんで!

またこっちに来たら美琴ちゃんたちと寄ってね!


垣根「惚気じゃねぇか」

美琴「はぁ・・・明日はお母さんテンション高いかもね」

上条「里帰りも・・・しないとな」

451 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 17:39:36.06 ID:MBjnBZaH0
心理「・・・あとは研究者とかね」

垣根「こういうのはめんどいよな・・・あ?インデックスと小萌からだ」

上条「こ、小萌先生か・・・」


明けましておめでとうなんだよ!!

小萌が当麻をあんまり誘わないでって言ってるんだよ!

なんか成績が悪いんだって!

またご飯奢ってね!

バイバイ!!!


垣根「何が言いたかったんだ?」

心理「上条君をあんまり遊ばせるなってことじゃない?」

美琴「当麻・・・」

一方「遊びすぎだな」

削板「・・・上条、勉強も根性で越えようぜっ!」

エツァリ(暑苦しいですね・・・)

452 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 17:48:17.18 ID:MBjnBZaH0
垣根「こんな感じかな」

ショチトル「すごい数の年賀状だな・・・」

垣根「お前は引きこもりだからこんなに来ないだろ?」

ショチトル「・・・」ウルウル

垣根「冗談だって!!!」

テクパトル「でも年賀状なんて来過ぎるのも考え物だろ」

美琴「そうよね・・・私は後輩からたくさん来るもの・・・」

黒子「お姉さまはアイドルですから」

美琴「はぁ・・・それは辛いのよね・・・」

番外「いいじゃん、人気があるってのはいいことだよ」

19090「そうですよ、お姉様は優しいですから」

美琴「慕われるのは嬉しいけどさ・・・」

上条「美琴は学園都市のマスコットだからな・・・」

エツァリ「そうですよね・・・」

453 :VIPにかわりまして統括理事会がお送りします [sage]:2011/10/01(土) 19:56:23.65 ID:L3QyTRS50
あれ?何でみこっちゃん素養格付の事知ってんの?
454 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 20:23:29.79 ID:MBjnBZaH0
>>453 このシリーズでは一応暗部とか知ってますので

まぁ細かいことは気にしない


美琴「マスコット・・・ねぇ」

上条「イヤなのか?」

美琴「堅苦しいっていうか・・・なんかね」

垣根「めんどくせぇよな、肩書きって」

一方「そォいうもンだろ」

ショチトル「お前たちも苦しんでるのか?」

垣根「あぁ・・・未だに喧嘩売られるときあるからな」

一方「超能力者ってのはそォいうのとの戦いだ」

削板「そうだな・・・」

黒子「・・・ですがお姉さまはそれとはまた違いますの」

心理「アイドルってのは常に動きを見られちゃうからね」

テクパトル「よく分からんな・・・」


455 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 20:38:20.12 ID:MBjnBZaH0
美琴「たとえば・・・そうね、よく握手求められたり」

ショチトル「あ、握手?」

美琴「あとなんかラブレターいきなり渡されたり・・・」

19090「いきなり・・・ですか」

上条「怖いななんか・・・」

美琴「しかも女の子からよ?」

番外「そりゃすごいね」

黒子「お姉さまは憧れの的ですの」

美琴「いいんだけどさ・・・」

一方「はっ、そりゃ大層じゃねェか」

上条「大変だろうな・・・」

テクパトル「しかも女からラブレター・・・」

削板「いろいろあるな・・・」

エツァリ「・・・御坂さんはたしかにアイドルにもなれそうですからね」

心理「そうね・・・」

456 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 20:49:55.49 ID:MBjnBZaH0
垣根「はー、大変だねぇ」

ショチトル「・・・美琴、大変だな」

美琴「・・・まぁ慣れたわよ」

垣根「慣れたらおしまいだよな」

一方「・・・まァオリジナルはいい意味で注目されてンだろ」

美琴「うーん・・・そうかな」

テクパトル「そうに決まってるさ」

心理「見た目は可愛い、能力は高い・・・」

黒子「優しく気さく・・・」

ショチトル「たしかに、学園都市のイメージアップには最適だな」

19090「・・・で、ですがお姉様は客寄せパンダなんかじゃないですよ!?」

テクパトル「そうだな、義姉さんはいい人だから」

美琴「そ、そうかな?」

上条「あぁ、優しいよ」

美琴「//」

457 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 20:58:47.82 ID:MBjnBZaH0
エツァリ「・・・さて、そろそろお昼ご飯にしましょうか?」

上条「お、そんな時間か」

ショチトル「じゃあ・・・何食べる?」

垣根「んー・・・あれだ、今日は適当な料理でよくないか?」

黒子「お正月は手の込んだものがいいですの・・・」

垣根「えー、作るのがめんどいー」

心理「私が作るわよ・・・何がいい?」

上条「じゃあ・・・お好み焼き」

美琴「お好み焼き?」

心理「お好み焼き好きなの?」

上条「いやぁ・・・ただなんとなく食べたいんだよ」

削板「いいじゃないか!」

番外「うん、ミサカもいいよ」

心理「じゃあ作るわね」

美琴「私も手伝うわよ」

心理「あら、ありがと」


458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/01(土) 21:00:32.81 ID:UO7t6z0DO
垣根達の雪だるまって何処にあったんだろ?逆に小さな雪だるまを作ったのかな?
459 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 21:02:49.98 ID:MBjnBZaH0
上条「じゃあ俺たちは・・・」

テクパトル「そうだな、せっかく休ませてもらえるんだしゆっくりしようか」

一方「テレビでも見るか」

番外「なんか面白いのある?」

エツァリ「そうですね・・・」

19090「!!!このペットが大人気!!可愛い動物ランキングというものが!!」

番外「ホ、ホント!?」

黒子「あら、お二人は動物が好きなのですか?」

19090「それはもう!!」

テクパトル(・・・動物か・・・)

垣根「犬とかは可愛いよな」

番外「いやいや、猫だね!!」

ショチトル「蛇は?」

番外「・・・ちょっと」

上条「うちは猫がもういるからなぁ・・・」

460 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 21:06:33.15 ID:MBjnBZaH0
>>458 めーっちゃ小さい雪だるまですね

それ書くの忘れてた

散々でかいのとか伏線張ってたのに


垣根「猫ねぇ・・・」

一方「猫は自由に遊ンでくれるンだろ?」

エツァリ「ですが懐かれにくいのでは?」

削板「俺はでっかい犬が好きだな!!」

黒子「まぁ、ドーベルマンとかですの?」

ショチトル「あれって怖くないか?」

削板「そうか?カッコイイけど」

垣根「ペットねぇ・・・」

上条「どうしたんだよ」

垣根「いや・・・」


垣根「そういえばゴーグル馬鹿も動物わりと好きだったな・・・」


461 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/01(土) 21:17:07.02 ID:MBjnBZaH0
早いけど明日バイトなのでここまで


メルビン・アンソニーの2005年

この年の背中ヤバいね

2分50秒辺りのターンがすごい


ダンスできるマッチョはカッコイイ

http://www.youtube.com/watch?v=OShiD-2BgQg 

ではおやすみなさい

 
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/01(土) 21:57:03.67 ID:FO2lrprQo
乙!
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/01(土) 22:06:18.34 ID:zLZD3wxIo
おつおつ
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/02(日) 01:02:03.39 ID:8+QIlZEYo
┌─────┐
│い ち お つ.│
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/10/02(日) 01:10:59.42 ID:+HRrkamNo
                           ,,,,,,_
                     ,,,,,iiiilllllllllllllliii,,,,
          ,,,,,_   .,,,,,,,,,,iiiiiiillllllllllllllllllllllllllllllllllll
          ゙llllllllliiillllllllllllllllllllllll!!!!llllllllllllllllllllllll!!゙
           ゙!llllllllllllllllllll!!!゙゙゙° ,,illllllllllllllllllll!゙゜
              ゙!lllllll!!l゙゙’   .,,illlllllllllllllll!!゙゜
             ^     .,,illllllllllllllll!!゙゜
                  ,,illlllllllllllll!゙°
                 ,,illlllllllllll!l゙゜
                  ,,illllllllllll!l゙゜
                 ,,illllllllll!!゙゜.
                ,,illllllllll!゙゜            liiii,,
             ,,illllllll!゙゜                'llllllli,,
            ,,illllllll!゙                  lllllllllli,,
           ,illlllllll゙                  ,lllllllllllllii,
           llllllllllli,_             ,,,,illlllllllllllllllli,
           !llllllllllllllliiiiiiiiiiiii,,,,,,,,,,,,,,,iiiiiiiiiiiiiillllllllllllllllllllllllllllll
            ゙゙!!llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll
              ゙゙゙゙!!!!!!llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll!!!!!!!l゙゙゙゜
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/10/02(日) 01:19:19.36 ID:OfA5mXsuo
>>465
SUGEEEEEEEEEEEEEEE
467 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:32:06.23 ID:lHdGy+yI0
ゴーグル「・・・はぁ・・・」

ゴーグル男はため息をついていた

女の買い物はなんでこんなにも長いのかと考えながら

大体、買い物というのは必要のあるものを手に入れるために行うのではなかったか

必要あるものがないときに「ヒマだから買い物行こう」と言ったりするのがそもそも彼には理解出来ない

必要あるものがないなら別に買い物なんてしなくてもいいのではないか

しかも買い物の途中で仮にほしいものを見つけたとしよう

ならば買ってすぐに買えればいいのではなかろうか

なぜ買いたいものを前にして「あ、でもこっちはどうかな?」なんて言うのだろう

買いたかったのはジーパンじゃなかったの?

なんでこっちはどうかな?なんて言ってTシャツを見るの?

全く関連性のない商品だよね?

そうゴーグル男は思っていた

いい商品を見定めるには時間が必要、という人もいる
468 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:32:38.80 ID:lHdGy+yI0
なら一つの商品をじーっと眺め、吟味するべきだ

わざわざ他の商品を広げて比べたり互いの利点をあげてみたりする必要なんてない

断じてない

ゴーグル(・・・というより、Tシャツ着るだけなのに何分掛かってるんすか)

試着室の中にフレンダが消えてはや3分

もしかして自分に見せる前に試着室の中で一人ファッションショーでも始めているのか

見せても恥ずかしくないかな、なんて考えているのか

そんなことを考えるならその前に待たされる自分に気を遣ってほしいものだ

ゴーグル(世の中の男は・・・彼女の買い物とかによく付き合えますね)

ゴーグル男は顔をしかめていた

別にフレンダは彼女ではない

だが今の状況はそれに近いのではないのか

今まで彼がずっと夢見てきたデートなるものかもしれない

469 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:33:30.43 ID:lHdGy+yI0
それは決して素敵なものではなかった

むしろストレスさえ溜まる

ゴーグル「あの、フレンダさん」

フレンダ「あー、ちょっと待ってほしい訳よ!」

ゴーグル「あの・・・もしかして似合わないとかっすか?」

フレンダ「そ、そうじゃないの!ただちょっとサイズが合わなくて・・・」

ゴーグル「ならもう一つ上のサイズを着れば・・・」

フレンダ「それはそれで問題点がある訳よ・・・」

ゴーグル「あぁ、胸が小さいから自分の身長に合わせたら無理なんすね」

フレンダ「胸が小さいんじゃなくて身長が高いだけだから!」

ゴーグル「それって鶏と卵みたいな話っすよね」

フレンダ「うるさい!ちょっとくらい待ってくれてもいいじゃん!」

ゴーグル「・・・早くしてくださいよ」

470 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:34:19.86 ID:lHdGy+yI0
フレンダ「今開けたら殺すからね!」

ゴーグル「んなことしないっすよ・・・」

ゴーグル男が呆れたようにつぶやく

ここはもちろん女性用の服屋だ

彼が一人でいるには少しばかり厳しい場所である

周りにも何人か男性はいる

それらの全てが彼女を連れている

ゴーグル(はぁ・・・うらやましいというか切ないというか)

フレンダ「よし!着られた訳よ!」

試着室のドアが開かれる

中から出てきたフレンダは少し大人っぽいTシャツを着ていた

胸はピッタリ、丈はやや短いといったところか

ヘソチラなんてのも出来るかもしれないが、あいにく今はお正月

さすがにそんなヘソチラなんかしていたら寒くて風邪をひいてしまうだろう

471 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:35:01.67 ID:lHdGy+yI0
フレンダ「どうどう?」

ゴーグル「悪くはないんじゃ・・・」

フレンダ「・・・いいって訳でもない?」

ゴーグル「もうちょっと胸があれば・・・」

フレンダ「最低!胸がピチピチになってる子に惹かれる訳!?」

ゴーグル「いや・・・ただちょっと色気が足りないっすよ」

フレンダ「心理定規と比べてるでしょ!?」

ゴーグル「そんなことないっすけど」

フレンダ「じゃ、じゃあどうな訳よ!?」

ゴーグル「うーん・・・フレンダさんはTシャツ自体は似合うんですけどね」

フレンダ「これがダメ?」

ゴーグル「・・・どうっすかね・・・」

フレンダ「あぁもう!アンタなんでそんなに曖昧な答え方する訳よ!?」

472 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:35:39.61 ID:lHdGy+yI0
ゴーグル「仕方ないっすよ・・・女性のファッションなんて詳しくないですし」

フレンダ「もういい!ちょっとそこのアンタ!」

砂皿「ん?」

ゴーグル「あれ、砂皿じゃないっすか」

砂皿「貴様・・・何をしている?」

フレンダ「な、何?アンタたしかスクールのスナイパーの・・・」

砂皿「・・・貴様はアイテムのフレンダか」

フレンダ「な、なんでアンタみたいなごつい男が女性服を・・・まさか女装趣味!?」

砂皿「違うに決まってるだろ・・・」

ステファニー「砂皿さん!この服はどうですか!?」

砂皿「・・・なんとタイミングの悪いところで出てくるんだお前は」

ゴーグル「あれ、砂皿に彼女がいたなんて知らなかったっす」

砂皿「違う、こいつはスナイパー仲間だ」

473 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:36:24.23 ID:lHdGy+yI0
ステファニー「な、なんでそんなにすぐ否定するんですか!?」

フレンダ「ま、まぁいいわ・・・アンタは私にこの服似合うと思う?」

フレンダが試着しているTシャツを指差す

ゴーグル男は優柔不断で役に立たないと踏んだのだろう

砂皿「・・・そうだな、なかなか似合ってるのではないか?」

フレンダ「ふっふーん、やっぱりゴーグルは優柔不断な訳よ!」

ステファニー「砂皿さん砂皿さん!私のはどうですか!?」

砂皿「似合っていない」

ステファニー「ひ、ひどいです!」

砂皿「・・・俺達はこれで」

ゴーグル「あぁ、それじゃ・・・」

ステファニー「まさかもう帰るつもりですか・・・あぁ待ってくださいよ!」

砂皿とステファニーが去っていく

474 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:37:01.45 ID:lHdGy+yI0
ゴーグル「・・・スクール勢揃い・・・も近いかもしれないっすね」

フレンダ「何険しい顔してんの?」

ゴーグル「別に・・・」

フレンダ「とにかくこれは買う訳よ!」

ゴーグル「・・・」

フレンダ「何?なんか文句ある訳?」

ゴーグル「フレンダさんは今日着てきた服のほうが可愛いっすよ」

フレンダ「かっ・・・な、何今さら気づいてんの!?鈍感!」

ゴーグル「いや、今のと比べたらっすよ?」

フレンダ「いいから早く支払いに行く訳よ!」

ゴーグル「はいはい・・・なんで顔赤くなってるんすか」

フレンダ「なってない!」

フレンダが先に歩いていく

475 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:37:43.36 ID:lHdGy+yI0
ゴーグル「・・・どうしたんすか?」

フレンダ「・・・か、可愛かったの?今日の服・・・」

ゴーグル「フレンダさんってああいう学生服みたいなのが似合いますよ」

フレンダ「アンタもしかして・・・女子高生とか好きな訳?」

ゴーグル「違いますよ」

フレンダ「・・・そう」

ゴーグル「そういえばフレンダさんは女子高生くらいの年齢でしたっけ?」

フレンダ「うん、アンタは?」

ゴーグル「詳しくは分からないですけど・・・フレンダさんと同年代なはずっす」

フレンダ「ふーん・・・」

ゴーグル「でも服の趣味とかは全く違いますね」

ゴーグル男が苦笑する

476 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:38:28.12 ID:lHdGy+yI0
フレンダ「そうそう、アンタの服も買う訳よ」

ゴーグル「いいっすよ・・・」

フレンダ「いいから!」

ゴーグル「いや、もう持ってますから・・・」

フレンダ「イメチェン!イメチェンとかどう!?」

ゴーグル「なんでそんなに食いつくんすか」

フレンダ「よーし!ゴーグルをかなりのオシャレさんにしてみせる訳よ!」

ゴーグル「あ、いや・・・」

何やら勝手に意気込んでフレンダは駆け出していく

向かうのは男性用の服屋

ゴーグル「はぁ・・・なんか子供っぽいっすよね」


ゴーグル「・・・でもまぁ、可愛らしくていいですけど」


477 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:39:14.86 ID:lHdGy+yI0
垣根「例えばだ、この犬を飼ったとする」

テレビの画面を指差しながら垣根が語り出す

ちなみに今はチワワが映っていた

彼等が見ているのはペットランキングのような番組だ

番外「か、可愛い・・・」

19090「モフモフしたいですね・・・」

ショチトル「たしかに可愛いな」

テクパトル「なんか小さすぎないか?」

削板「もっと大きなほうがカッコイイよな?」

黒子「あら、ペットには可愛さを求めるものですのよ?」

一方「・・・でもよ、なンかわがままそォじゃねェか?」

番外「アナタそっくりで可愛いじゃんか」

478 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:40:05.71 ID:lHdGy+yI0
一方「あァ?俺がわがままだって言いたいのかよ」

ショチトル「まぁ実際わがままだろ?」

19090「可愛いと言ってもらえるだけマシではないですか」

上条「そうだぞ、一方通行」

一方「・・・なンかムカつく」

垣根「・・・あ、このパピヨンとかどう・・・」

番外「可愛い!可愛いじゃんめちゃくちゃ!」

19090「か、飼いたいですね・・・」

テクパトル(・・・ミサカ達は動物が好きなんだよな)


美琴「・・・」

心理「・・・行っていいわよ、あなたも見たいんでしょ?」

美琴「え!?べ、別に見たいわけじゃないわよ!」

479 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:41:01.25 ID:lHdGy+yI0
心理「さっきからチラチラテレビのほうを見てるじゃない」

美琴「・・・で、でも今はお好み焼き作ってるんだし・・・」

心理「いいわよ、残りはもう焼くだけだから」

美琴「う・・・じゃあ・・・お願いしていい?」

心理「えぇ、いってらっしゃい」

美琴「ありがと!」

美琴がテレビの近くへと移動する

心理「さて・・・私もさっさと終わらせましょうっと」


美琴「か、可愛い!」

上条「お、チンか・・・」

19090「チンは小さいながらになかなかなボリューム感が・・・」

ショチトル「チンは小さいだけじゃないか?」

480 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:41:40.21 ID:lHdGy+yI0
黒子「チンってかなり人気らしいですの」

番外「まぁチワワには敵わないよ、チンじゃ」

一方「・・・女がチンとか言うンじゃねェよ」

上条「たしかに・・・ちょっと恥ずかしくなりますよ」

美琴「そ、そういう意味じゃないわよ!」

削板「お、次はダックスフントだな」

19090「!こ、この子が一番可愛いです!」

垣根「えー、短足なだけじゃん」

エツァリ「そのアンバランスさが可愛いんじゃないですか?」

テクパトル「よたよたした歩き方が保護欲をそそらせるのかもな」

美琴「うんうん・・・みんな可愛い・・・」

ショチトル「しかし小型犬はかなりわがままなのが多いらしいじゃないか」

481 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:42:33.07 ID:lHdGy+yI0

テクパトル「そうなのか?」

一方「小さい犬ほどよく吠えるンだよ」

垣根「へぇ・・・犬は鳴き声が結構うるさいからな」

19090「・・・ですがかなり可愛いです」

黒子「一軒家なら飼っても構わないのでは?」

19090「テっくん!飼いたいです!」

テクパトル「ほ、ほら!世話とかが大変じゃないか?」

19090「ミサカ達なら全力でやるはずです!」

テクパトル「う・・・ならいいんだけどさ」

美琴「いいな・・・」

上条「俺も将来一軒家を建てられるように頑張りますよ・・・」

美琴「ホント!?当麻大好き!」

482 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:43:15.94 ID:lHdGy+yI0
ショチトル「おいおい、イチャイチャするなよ」

削板「相変わらず仲良しだな!」

垣根「・・・お、焼き終わったのか?」

心理「今焼いてるとこよ・・・にしても犬は可愛いわね」

美琴「だよね!」

心理「ご主人様のためになんでも行う・・・ご褒美をもらえためになんだってするのはかわいらしいんじゃない?」

美琴「」

心理「ふふ・・・信じてたご主人様にあんなことされるなんて、とかね」

ショチトル(ド、ドキドキしてきた)

上条「心理さん・・・なんか怖いから」

心理「冗談よ、純粋に可愛いじゃない」

テクパトル「・・・一人暮らしのヤツとかは特にペットなんか欲しいかもな」

エツァリ「家族ですからね・・・」

483 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:43:51.50 ID:lHdGy+yI0
一方「家に帰ったときに迎えてもらえるのが嬉しいンだろォな」

番外「ちょっとヒマなときは一緒に遊べるもんね」

19090「散歩をすればダイエットにもなります!」

垣根「そう考えたらペットも悪くはないかもな・・・っと」

垣根がキッチンへ向かう

心理「あら、どうしたの?」

垣根「つまみ食いつまみ食い・・・」

心理「もう、はしたないわよ?」

垣根「お前が作ったんなら美味いんだろ?」

心理「何言ってるのよ・・・大体どうやってお好み焼きをつまみ食い?」

垣根「箸でぶった切る!」

心理「はしたないことこの上ないわね・・・」

484 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:44:43.41 ID:lHdGy+yI0
垣根「お、なんもかけないでも美味いじゃんか」

心理「あら、ホントに?」

垣根「ほれ、お前も味見ついでに」

心理「そうね」

心理定規が垣根に近寄る

垣根「はい、あーん」

心理「あーん・・・ホント、美味しく出来たわね」

上条「・・・なんかさ、なんだかんだ俺達より垣根と心理さんのほうがイチャイチャしてないか?」

垣根「はぁ?俺達はお前達と違って常時イチャイチャじゃねぇから」

上条「でも甘さだけでいったら二人もかなりのもんだぞ?」

テクパトル「あぁ・・・見てて驚くくらいにな」

心理「あなたと19090号だって常にイチャイチャしてるじゃないの」
485 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:45:38.29 ID:lHdGy+yI0
テクパトル「俺達はそこまででもないさ」

ショチトル「それはないな、お前達のイチャイチャは甘いし甘いし甘い」

テクパトル「・・・お前とエツァリだってなかなか見せ付けるじゃないか」

上条「そうだよな」

心理「そうよそうよ」

削板「俺達はその点平和でいいよな?」

黒子「そうですの、わたくし達は初々しくみずみずしいですの!」

一方「いや・・・なンか青春って感じがするのはお前らが一番だろ」

番外「たしかに・・・黒子は削板一直線だもんね」

黒子「あら、お姉さまも好きですの」

美琴「や、やめなさいよ!」

上条「・・・削板はそれについて何か?」

486 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:46:07.77 ID:lHdGy+yI0
削板「ははは!好きで尊敬する人がいるってのはいいことだ!」

美琴「止めてちょうだい!」

削板「なんで?黒子は御坂をかなり尊敬してるんだろ?」

黒子「その通りですの!」

美琴「歪んだ愛情になってるじゃないの!」

上条「白井・・・お互いカップル持ちなんだからそういうのは辞めようぜ?」

黒子「あら、わたくしを止められる方なんていないですの・・・常盤台に入ってわたくしは知りましたの!」

垣根「あ、長くなりますか?」

黒子「派閥や力や地位や名誉や!そんなものに囚われることの愚かさ!」

黒子「そして己の力に自惚れないお姉さまの素晴らしさ!」

黒子「あぁ!軍覇さんには申し訳ありませんが、わたくしはお姉さまも愛していますの・・・」

削板「ははは!俺が一番ならなんら問題はない!」

上条「問題だらけだから!浮気と同じだぞ・・・!?」

487 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:46:39.62 ID:lHdGy+yI0
削板「?そうか?」

上条「ダメだこいつ・・・」

19090「は、早くなんとかしましょう!」

テクパトル「無理に合わせなくていいんだぞ」

一方「・・・白井は変態すぎンだよ」

黒子「あら、あなたには言われたくないですの」

エツァリ「この世の中に変態じゃない人はいませんよ」

垣根「うわぁ変態神が言いきったよ」

心理「そんなくだらない話してるならさっさとお好み焼き食べるわよ」

上条「あぁ、出来たのか」

ショチトル「ならば食べないとな」

美琴「私はソースとマヨネーズ・・・」

488 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:47:12.43 ID:lHdGy+yI0
19090「大抵の方はそうでしょうね」

テクパトル「米ももらうな」

垣根「俺ももらっとくかな」

削板「俺も!」

上条「俺も」

番外「男はよく食べるね・・・」

テクパトル「女は太ることを気にしないといけないから大変だよな」

美琴「はぁ・・・最近ちょっと体重増えたのよね」

上条「美琴は軽すぎたくらいだからいいんじゃないか?」

垣根「胸が大きくなったんじゃねぇ?」

美琴「だといいけど・・・」

19090「ミサカも太ってしまいました・・・」

テクパトル「いや、十分すぎるほど痩せてるからな?」

489 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:47:52.83 ID:lHdGy+yI0
上条「そうだな、女の子はちょっとふっくらくらいでもいいんじゃないか?」

心理「そうもいかないのよ」

皿を並べながら心理定規が苦笑する

心理「女性としては痩せてれば痩せてるほど魅力的に思えてしまうの」

19090「・・・モデルさんはすらっとしてますからね」

テクパトル「モデルは色気がないだろ・・・細くなくてもいいんじゃないかな」

一方「・・・出るとこ出てるってのが一般受けはしそォだよな」

ショチトル「ほぅ、私みたいにか?」

垣根「お前はたしかにグラマラスだな」

黒子「・・・胸の大きさだけならこの中で一番かもしれないですわね」

ショチトル「ふふん、よく食べよく飲みよく眠る」

19090「そ、そしたらそんなナイスボディになれるのですか?」

ショチトル「なれないこともないぞ?」

490 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:49:25.68 ID:lHdGy+yI0
テクパトル「出鱈目を言うな・・・」

削板「最近の若いヤツは不健康だからな、自分の体調と相談しなきゃいけない!」

美琴「体調崩してまで痩せたいとは思わないわね」

黒子「何事もほどほどに、ですわね」

心理「じゃあ食べましょうか」

上条「はーい」

垣根「じゃあ!いただきます!」

一同「いただきます!」

一同が勢いよくお好み焼きを食べ始める

垣根「おー、美味いな」

心理「私が作ったからよ」

上条「美琴も作ったんだよな?」

美琴「うん!!」

テクパトル「二人とも将来いいお嫁さんになれそうだな」

男一同「・・・」

テクパトル「な、なんだよ?」

491 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:55:41.87 ID:lHdGy+yI0
削板「テクパトル、それは誑しが言うセリフベスト10に入るくらいのセリフだ」

上条「俺だって美琴くらいにしか言ったことないぞ・・・」

一方「呆れたぜェ」

エツァリ「ちょっと引きました」

垣根「・・・テクパトル、19090号が泣いてるぜ・・・」

テクパトル「違うっての・・・」

心理「あら、素直に料理の腕を褒めてもらえるのは嬉しいじゃない」

黒子「そうですのよ、みなさん」

テクパトル「だよな!?」

19090「ですがちょっとキザすぎますよ」ムスッ

テクパトル「えぇ・・・」

ショチトル「ひゅーひゅー、色男ひゅーひゅー」

テクパトル「変態は黙ってろ」

ショチトル「私は紳士ではない、仮に紳士だとしてもそれは紳士という名の変態だ」

492 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 16:58:06.07 ID:lHdGy+yI0
上条「お好み焼きってさ、かなりたくさん食べられるよな」

垣根「そうか?俺は米と一緒に食べるからそうでもないな」

テクパトル「単体だったらいくらでもいけそうだよな」

削板「鰹節かけるといいよな!」

黒子「子供のころは鰹節が踊っているのが不思議でしたの」

番外「?あれって踊ってるんだよね?」

19090「違いますよ、熱くて逃げようとしているんですよ」

一方「・・・世間知らずだな」

上条「はぁ・・・」

美琴「違うわよ二人とも、あれは早く食べてーって言ってるのよ」

上条「」

番外「おぉ!!」

19090「なるほど・・・」

垣根(こいつら頭痛いのか?)

493 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 17:01:10.87 ID:lHdGy+yI0
ショチトル「はぁ・・・青海苔って歯にくっつくと困るよな」

美琴「そんなリアルな話しないでよ・・・」

心理「歯なんて磨けばいいじゃない」

ショチトル「外出してたら?」

心理「磨けばいいじゃない」

ショチトル「あ、青海苔挟まっちゃった!!ちょっと歯磨きしてくるから待ってて!なんて言えないだろ」

一方「歯磨きしてくる、だけでいいだろォが」

エツァリ「そうですよ、女性は普段からそうするものですし」

削板「うーん・・・男はむしろ青海苔を引っ付かせてるべきだと思うんだ」

テクパトル「いや、それはないだろ」

19090「・・・爪楊枝でシーハーするのも一つの手ですね」

番外「あっはは!!親父臭いじゃん」

垣根「そうか?俺はたまにするけど」

494 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 17:04:36.42 ID:lHdGy+yI0
上条「・・・そういえばさ、お好み焼きってなんでお好み焼きって言うんだろうな」

一方「知るかよ」

美琴「お偉いさんの好みの食べ物だったとかかな?」

ショチトル「いやいや、何かが訛ったんじゃないか?」

心理「うーん・・・調べればいいんじゃない?」

上条「いや、そこまではいいけどさ」

テクパトル「・・・はぁ、なんか食事をたくさん食べられるって幸せだよなぁ・・・」

削板「テクパトルは減量と増量をかなりきっちり分けてるからな」

テクパトル「お前は意外と適当だよな」

削板「鍛錬のために鍛えてるだけだからな・・・それをお前ほど厳しくするのは難しいぞ!」

テクパトル「俺は趣味なだけだからな・・・」

美琴「ねぇねぇ、テクパトルって力強いのよね?」

テクパトル「ん・・・まぁぼちぼちかな」

美琴「じゃあさじゃあさ、硬いビンとかも開けられる?」

テクパトル「ある程度ならな」

495 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 17:09:25.34 ID:lHdGy+yI0
上条「それってさ、かなり有利だよな」

テクパトル「何がだよ?」

心理「か弱い女の子は大抵強い男に惚れるのよ」

テクパトル「はぁ・・・別に好かれなくてもいいんだけど」

ショチトル「またまたぁ」

テクパトル「お前は黙ってろ・・・」

19090「ですが、テっくんの腕とか見たら大抵の女の子は怖がるみたいですよ?」

美琴「そりゃそうよ」

黒子「わたくし達はテクパトルさんが優しい方だとは知っていますけど・・・」

一方「つゥか男だろうが女だろうがテクパトルの見た目は多分怖がるぜ」

テクパトル「そうか?」

上条「肌も浅黒いしな・・・」

削板「いやいや、健康的でいいじゃないか!!!!」

垣根「ギャングみたいだもんな」

496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/10/02(日) 17:13:39.53 ID:2Nm+VydV0
なんか久しぶりに来たら2スレぐらい進んでてビックリしたわw
投下中にすみませんが重大発表!!!!
なんと

とある魔術の禁書目録劇場版公開決定!!!!!
更に新約とある魔術の禁書目録3巻は12月10日に発売決定!!!
劇場版の詳細は10月11日発売の電撃文庫マガジンで!
497 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 17:13:51.38 ID:lHdGy+yI0
テクパトル「・・・人が気にしていることを・・・」

番外「なになに?柄が悪いことを気にしてるの?」

テクパトル「・・・そりゃ少しは」

エツァリ「あなたはもっとさわやかに、常に笑顔でいるべきですよ」

テクパトル「んなのは性に合わないんだよ・・・」

美琴「エツァリさんはずーっとニコニコしてるわよね」

ショチトル「昔はこんなに優男ではなかったのに・・・」

エツァリ「な、なんですか・・・」

一方「あァ?そォだったのかよ」

ショチトル「大体私にまで敬語とは変わりすぎだ」

エツァリ「な、慣れてしまったんですよ・・・」

心理「昔はどんな口調だったの?」

黒子「気になりますの」

エツァリ「・・・普通にタメ口なだけですよ」

498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/10/02(日) 17:22:15.47 ID:+HRrkamNo
>>496
ハンタ再開アニメ化+ガンダムageのフルコン喰らってようやく落ち着いたと思ったら…
やめてくれよ受験生なんだよ…
499 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 17:22:40.69 ID:lHdGy+yI0
>>496 超電磁砲の妹達編を劇場版でやってほしかったのになぁ・・・

正直今のとあるは落ち目というか、なんか内容が薄くなってきてるから新しい話の劇場版はあんまり見たいとは思えないのも事実かもしれない

かもしれない運転

あ、もしかして15巻を映画で?

そうだ、きっとそうだよねそうだったら絶対見に行くよでっかいスクリーンでていとくんのメルヘンを見たいよ心理定規タソちゅっちゅしたいよ!!


・・・劇場版云々の前に>>1は映画を見に行ったことが人生で一度しかない

というかあの空間が苦手だ・・・

新約三巻はいい出来になってたらいいなぁ・・・

でもSS書く身になってわかったけど、マンネリやら批判やらとの戦いなんだろうな、作家さんって

尊敬しますよねずっと続けられる人は

500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/10/02(日) 17:23:00.16 ID:+HRrkamNo
>>496
ハンタ再開アニメ化+ガンダムageのフルコン喰らってようやく落ち着いたと思ったら…
やめてくれよ受験生なんだよ…
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/10/02(日) 17:23:41.68 ID:+HRrkamNo
>>496
ハンタ再開アニメ化+ガンダムageのフルコン喰らってようやく落ち着いたと思ったら…
やめてくれよ受験生なんだよ…
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/10/02(日) 17:25:07.88 ID:+HRrkamNo
超連投してしまったスマソ
503 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 17:28:43.19 ID:lHdGy+yI0
黒子「エツァリさんがタメ口ですの?」

ショチトル「あぁ、もっとフレンドリーだったぞ」

テクパトル「そうだよな・・・まぁ年上には敬語だったが」

エツァリ「・・・い、いいじゃないですか」

美琴「あー・・・海原に化けてからそんな風になったの?」

エツァリ「そうですね・・・」

一方「・・・優男に化けたら優男になるンだな」

番外「新たな発見だね」

削板「エツァリ、この際だから昔の口調にしたらどうだ?」

上条「いいな、聞いてみたいし」

エツァリ「いいですよ今更・・・」

心理「あら、みんなの要望に応えないの?」

エツァリ「応える義理はありませんから・・・」

19090「あ、ちょっと焦ってますね」

504 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 17:34:39.58 ID:lHdGy+yI0
エツァリ「焦ってないですよ・・・」

美琴(よし、このままイライラさせたら!!!)



エツァリ「あぁもううるさいんだよ!!!」

一同「ひー!」


美琴(みたいになるかも!!)

一方(こりゃ面白いな)

ショチトル(久しぶりにエツァリの本性が見られるかもな)

垣根「・・・でもまぁ、口調くらいどうでもいいんだよな」

エツァリ「そ、そうですよね?」

垣根「でもよ、敬語ってのは距離を置いてる証拠だ」

垣根「上司に対して敬語を使うのはある程度の距離を置いているからだ、そして知らない人に敬語を使うのも距離を感じてしまうからだ」

垣根「つまり、友達に敬語を使うのは間違いだと思うんだよ」

エツァリ「言ってることむちゃくちゃじゃないですか・・・」

垣根「いーや、筋は一本通ってるね」

505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage saga]:2011/10/02(日) 17:34:42.73 ID:2Nm+VydV0
>>499
今のところ出てる予想は
@原作超電磁砲の要素も入れてリメイク版の妹達編
Aシャナみたいな総集編
Bかまちーのオリジナルシナリオ
C暗部編
Dほとんど無いと思うけどロシア編

まあ私は@AB辺りかなと思います
というより@が見たい
告知では夏服だったので恐らくCDは無いかなと…
506 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 17:43:26.09 ID:lHdGy+yI0
エツァリ「はぁ・・・大体ショチトルは聞いたことがあるでしょう」

ショチトル「だからこそ今のお前は違和感を持つんだよ」

エツァリ「・・・いいじゃないですか・・・」

一方「キャラ作ってンじゃねェよ」

19090(いいですよ、一方通行!)

番外(キレたら本性を現すはずだ!!)

一方「大体よォ・・・」

上条「・・・エツァリ、なんで敬語なんだ?」

エツァリ「ですから・・・海原が敬語だったんですよ」

上条「そ、それだけか?」

エツァリ「自分でも少し疑問ですよ・・・」

削板「うーん・・・昔の口調に戻す気は?」

エツァリ「いえ、ないですよ」

美琴「なんかちょっと残念」


507 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 17:46:35.86 ID:lHdGy+yI0
>>505 どちらにしろ、劇場版の尺じゃあんまり内容を濃くはできないですよね・・・

個人的には見なくてもいいかなって感じです

DVD借りるなりでいいかと

原作は全部持ってるし・・・オリジナルシナリオの映画は大抵あんまりいいもんではないので


一旦休憩

スクライドって今年リメイク版のブルーレイかなんかが出るみたいだね

ちょっとだけ気になる

508 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 19:18:13.32 ID:lHdGy+yI0
エツァリ「・・・申しわけありません」

上条「いや、俺たちもからかいすぎたかな・・・」

テクパトル「・・・だがしかし、そう考えるとショチトルは変わらないよな」

ショチトル「変態になったがな」

エツァリ「・・・あなたはわりと昔のままですね」

ショチトル「自分という人間は自分の中にいるのだよ」

一方「哲学かよ」

黒子「ですが・・・己を持っているのは素晴らしいことですの」

削板「そうだな・・・偉いぞ!」

19090「ミサカも自分だけの世界を持っています!」

垣根「・・・それを妄想癖という」

テクパトル「・・・自分、か」

ショチトル「お前は過去の自分を捨てたんだよな」

テクパトル「あぁ、まぁな」

心理「そんなこと言ったら私達もよ」

509 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 19:21:17.19 ID:lHdGy+yI0
一方「・・・過去か」

一方通行が意味深な顔をする

垣根「あ?なんだよナイーブになっちゃってー」

一方「うるせェな、てめェは俺にボッコボコにされた黒歴史があるもンな」

垣根「うっぜー、ムカついた」

上条「・・・お前たちのぶつかり合いなんて恐ろしい限りだな」

ショチトル「・・・そうだよなぁ・・・」

番外「二人はホント超能力者の中でもずば抜けてるよね」

美琴「それだけ自分だけの現実が強いんじゃない?」

心理「そうね・・・」

垣根「・・・自分だけの現実ね・・・」

一方「・・・俺の自分だけの現実か」

美琴「・・・二人の自分だけの現実・・・ね」

テクパトル「お前ら自分だけの現実って言いたいだけだろ」


510 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 19:24:10.53 ID:lHdGy+yI0
一方「でもよ、周りの世界から断絶されればそれだけ強くなるンだよな」

垣根「ってことは俺たちは周りから離れてた存在だったってわけか」

美琴「孤独だったのかしらね」

黒子「・・・お姉さまも、ですのね」

削板「ふーん・・・俺は昔からわりと友達は多いけどな」

上条「お前のは特例だろ?」

番外「うんうん、おかしいし」

エツァリ「・・・削板さんは恨まれはしても嫌われはしなさそうですよね」

垣根「あー・・・なんか分かる」

心理「スキルアウトとかともなんだかんだ仲良くなりそうよね」

削板「悪の芽を包み取るのが正義だ!!!」

黒子「さ、さすがですの!!!」

一方「・・・包み取る、ねェ」

垣根「呆れるぜまったく」

511 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 19:27:36.49 ID:lHdGy+yI0
心理「・・・自分だけの現実なんて、本当は持っていないほうがいいのかもね」

美琴「?なんで?」

心理「・・・なんでもないわよ」

黒子「心理定規は・・・両親もいないのですよね?」

心理「えぇ、気づいたら学園都市って感じね」

垣根「俺と同じさ、どうせ碌な親じゃなかったんだよ」

一方「・・・はン、親がまともなのなンて上条とオリジナルと白井だけだろ」

削板「・・・俺は?」

垣根「・・・心理定規のは能力も悲しいからな」

心理「あら、一方通行のよりはマシじゃない?」

一方「はァ?」

心理「触れなければ何も出来ない・・・自分以外を救うことは難しい・・・」

心理「何よりも、あなたの能力を恐れた人からは触れてもらえないのよ?」

512 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 19:30:32.09 ID:lHdGy+yI0
一方「だからなンだよ」

心理「悲しい能力よね」

一方「アホか、俺を恐れるやつに触れてほしいなンて思わねェよ」

心理「・・・大切にしてくれる人は恐れたりしない、ね」

一方「・・・てめェの能力こそ悲劇じゃねェか」

心理「他人との距離を気にするなんて、誰だって同じことよ?」

美琴「・・・でも、それを操れてしまうのよね」

黒子「遠くにも近くにも・・・ですのね」

19090「それって、昔誰からも近づいてもらえなかったから・・・」

垣根「そこらへんにしとけ」

美琴「で、でも」

垣根「今は俺がそばにいるから問題ないんだよ」

心理「えぇ、その通りよ」

美琴「・・・そうね、ごめん」

上条「・・・一方通行は何もかもを思い通りにする能力、か」

一方「・・・そォかもな」


513 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 19:33:09.20 ID:lHdGy+yI0
上条「そして垣根は思い通りになるものを作る能力・・・」

垣根「お、そりゃ的を射てるな」

上条「そう考えたらさ・・・お前らってなんか似てるよな」

一方「は?」

垣根「似てねーよ、なんでこんなのと似てなきゃいけないんだよ」

テクパトル「似てるじゃないか」

心理「似てないわよ、一方通行なんかと一緒にしないで」

番外「垣根みたいなバカと一緒にしないでよ」

美琴「・・・私は垣根のほうが優しいと思うわね」

垣根「だろだろ?」

美琴「一方通行は愛想ないし」

一方「・・・悪かったな」

ショチトル「そうだな、怖いもん」

514 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 19:36:08.83 ID:lHdGy+yI0
上条「・・・まぁそう考えたらみんなそれぞれ欠点はあるか」

19090「・・・お義兄様が一番の問題児ですよ」

上条「そ、そうなのか!?」

一方「当たり前だろ、誰にだって説教するしよ」

上条「そ、それは・・・」

垣根「・・・そうだな、説教マンだ」

美琴「私も説教されたことある」

エツァリ「自分もです」

黒子「わたくしはなんか語られたことはありますの」

上条「いやいや!!それは上条さんは正義を愛しているから・・・」

番外「でもさ、それって病んでる人には逆効果だよ?」

上条「う・・・」

心理「そうね、ヘタに説教したら傷付けるだけよ」

上条「・・・き、気をつけます」


515 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 19:39:54.39 ID:lHdGy+yI0
垣根「はぁ・・・ヒマだなおい」

上条「そうだよな・・・正月って言っても普段とあんまり変わらないし」

垣根「お前宿題持ってきてないのか?」

上条「・・・持ってきてない」

心理「はぁ、お姉さんが家庭教師してあげようと思ったのに」

上条「か、家庭教師!?」

美琴「当麻!!!」

上条「違いますから!!!なんだよそのちょっといかがわしい響きは!?」

心理「冗談よ・・・」

一方「・・・この中で一番頭悪いのは上条だからな」

ショチトル「みんなで勉強を教えてやろうか」

エツァリ「あ、いいですね」

削板「おう!!宿題取って来いよ!!!」

上条「いや・・・じゃあいっそのこともう帰りますよ」

垣根「はぁ?つまんねぇこと言ってんじゃねぇよ」

516 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 19:44:40.45 ID:lHdGy+yI0
美琴「当麻・・・はテレポートさせられないのよね」

黒子「あら、ではわたくしがテレポートで取ってきますの」

上条「出来るのか?」

黒子「えぇ、場所も分かっていますから」

美琴「・・・私も一緒に行くわ」

黒子「な、なぜですの?」

美琴「ついでに私の下着を奪うつもりだったでしょ」

黒子「」ギクリ


黒子「そ、そそそそそんなことはないですの」

削板「黒子、盗みはダメだぞ!」

上条「そこ以前にツッコミどころがあるだろ!!!」

削板「?」

垣根「削板・・・お前はいささか純粋すぎる」

心理「あら、初心なのね」


517 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 19:47:28.13 ID:lHdGy+yI0
黒子「では行ってまいりますの」

美琴「ちょっと待っててね」

上条「あぁ」

二人の姿が宙に消える

垣根「便利な能力だよな」

上条「・・・お前は飛べるじゃないか」

テクパトル「一方通行も飛ぼうと思えばできるしな」

ショチトル「いいなぁ・・・移動が早くできたら最高だよな」

垣根「目的地までの移動がめんどくさいってな」

心理「・・・あなた、某兄貴のセリフを言いたいんでしょ」

19090「・・・どこでもドアとかいいですよね」

上条「あぁ、分かる分かる」

番外「ドラえもんか・・・」

518 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 19:53:17.95 ID:lHdGy+yI0

美琴「ちょっと黒子!!どこ触ってんのよ!!」ビリビリ

黒子「ぎゃん!!」

上条の部屋で、二人はそんな言い争いをしていた

かつてはよくあったやり取りだ

黒子「な、なにやら懐かしいですの・・・」

美琴「懐かしさなんて求めてないわよ!」

黒子「お姉さまったら・・・上条さんに触れられてもなんとも言われませんのに」

美琴「そ、それとこれとは別でしょ!!!」

美琴が再び電撃を出そうとする

黒子「こ、ここではダメですの!!電化製品が・・・」

美琴「う・・・」

黒子(・・・あら?これってもしかしてチャンスでは?)

黒子が辺りを見回す

上条はいない

美琴も電撃を無闇には撃てない

黒子(・・・う、うへへへ!)

519 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 19:57:42.86 ID:lHdGy+yI0
黒子「お姉さまぁん!!」

黒子が美琴の後ろにテレポートする

美琴「な、なに・・・」

黒子「さて・・・」

その衣服に触れ、それだけをテレポートさせる

美琴「バ、バカ黒子・・・」

黒子「あぁ!!久々ですの、お姉さまの素肌・・・」

美琴「黒子!!!」

美琴の突きが黒子の顔にヒットする

黒子「ぎゃうん!!」

美琴「これで懲りた!?」

黒子「こ、これしきのことでくじけたことはありませんの!!」

黒子が再び美琴の死角にテレポートする

そして、直接下着の中に手を入れた

美琴「ちょ、アンタ触って・・・」

黒子「あぁ!!この慎ましい触り心地も久しぶりですの・・・」


520 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 20:02:41.22 ID:lHdGy+yI0
美琴「んぁぁっ!!ちょ、ちょっとやめてってば・・・」

黒子「あら・・・もしかして敏感になってますの?」クスクス

美琴「こんのクソバカぁ!!!!」

美琴が肘鉄砲を黒子の腹に食らわす

黒子「ぐぉっ・・・」

美琴「アンタねぇ!!削板と付き合いだしたんでしょ!?っていうか結構長い付き合いでしょ!?」

黒子「そ、そうですの・・・」

美琴「なら削板だけに集中しなさいよ!!」

黒子「・・・め、迷惑でしたでしょうか?」

美琴「迷惑っていうより情けないわよ・・・」

はぁ、と美琴が溜め息をつく

美琴「私はもうちょっとアンタのこと評価してたんだけどね・・・」

黒子「そ、それは・・・」

美琴「愛した男だけを見ていられる人間だと思ってたわ・・・」

黒子「・・・そうですの」

521 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 20:05:38.23 ID:lHdGy+yI0
美琴「はぁ・・・そのね、アンタが私を慕ってくれるのは嬉しいわよ?」

美琴「そりゃ、常盤台ではみんなが距離を置く中でアンタだけが近くにいてくれたし・・・」

美琴「でも、削板っていう彼氏ができたんだしこういうのは終わりにしましょうよ」

黒子「・・・わたくしは軍覇さんは愛していますの・・・」

黒子「ですが、お姉さまだって好きですの!」

美琴「はぁ・・・それは浮気よ?削板は純粋だしよく分かってないみたいだけど」

黒子「・・・」

美琴「・・・どっちが大切なの?私と削板」

黒子「軍覇さんですの・・・」

美琴「ほら、答えなんて出てるじゃない」

黒子「・・・そうですのね・・・」

美琴「・・・ねぇ、アンタはなんで私が好きなの?」

黒子「なぜ、ですか・・・」

522 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 20:08:42.39 ID:lHdGy+yI0
黒子「・・・たしか、お姉さまがかっこよかったからですの」

美琴「かっこよかった?」

黒子「みなさんが派閥だ勢力だに囚われる中で・・・」

黒子「お姉さまは決してそうではありませんでしたの」

美琴「・・・それが、好きになった理由?」

黒子「えぇ、わたくしは真っ直ぐで優しい方が好きですの」

美琴「つまり、削板もそうなのよね?」

黒子「あら、軍覇さんはお姉さまよりも素敵ですの」

美琴「うわ、ここにきて惚気?」

黒子「・・・分かりました、今日はここまでにしますの」

美琴「・・・ちょっと待って、今日は?」

黒子「えぇ、今日は」

美琴「・・・き、聞いてた?私の話・・・」

黒子「ですが、わたくしはお姉さまも愛していますの!!!」

美琴「だから浮気・・・」

黒子「二兎を追わなければ人生楽しめませんの!!!!」

523 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 20:12:39.41 ID:lHdGy+yI0
美琴「あぁもう!!!やっぱアンタはダメな後輩よ!!!」

黒子「わたくしは、ダメで結構ですの!!!」

黒子が美琴に抱きつく

黒子「ですから、わたくしを導いてくださいまし!!!」

美琴「あぁもう!!」

美琴はそれを振り払う

どこか懐かしく、そして鬱陶しい感覚

美琴「黒子!!!!」ビリビリ

黒子「あぁん!!これもまた堪らないですの!!」

そんなやり取りをしている二人

彼女達は、二人とも笑っていた

どこかしら楽しそうに

524 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 20:25:18.69 ID:lHdGy+yI0

絹旗「あぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」

絹旗はアイテムの隠れ家で大きな声を出していた

麦野「なんだよ」

絹旗「フ、フレンダがいません!!!」

麦野「あぁ、なんか書置きがあったぞ」

麦野が机の上を指差す

フレンダの文字だ

絹旗「なになに・・・ゴーグルと買い物に行きます・・・」

麦野「見せ付けてくれるよなあいつも・・・」

絹旗「・・・そうですね、超うらやましいです」

麦野「てめぇは海原がいる・・・」

絹旗「そう!!!それなんですよ、今日これから海原さんと会う予定なんですよ!!!」

麦野「」

絹旗「はぁ!!!超久しぶりに二人でお出かけです!」

525 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 20:30:51.61 ID:lHdGy+yI0
麦野「てめぇ・・・」

絹旗「?なんですか、超怖い顔なんかして」

麦野「またデートか!!!正月からデートか!!!」

絹旗「いいじゃないですか!!!」

麦野「浜面たちは部屋でイチャイチャ!!!フレンダはデート!!!」

絹旗「あぁ、一人が悲しいんですか?」

麦野「・・・フレンダたちの邪魔でもしに・・・」

絹旗「超最低ですね」

麦野「うるせぇな!!!」

絹旗「でも、フレンダたちがどこにいるか知ってるんですか?」

麦野「・・・知らない」

絹旗「ダメじゃないですか」

麦野「・・・はぁ」

526 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:03:52.96 ID:lHdGy+yI0
絹旗「とりあえず、麦野はお留守番ですね」

麦野「つまんねぇ・・・」

絹旗「仕方ないですよ」

麦野「・・・お前はいいな、絹旗」

絹旗「これから海原さんとお食事ですから!楽しみですよ!」

麦野「・・・私は寝るからな」

麦野がぬいぐるみを持って部屋へ向かう

絹旗「・・・じゃあ私も超急いで準備しないといけませんね」

絹旗が服を選び始める

今年の春には、自分にも何か新しいことが起きるのかと胸を踊らせながら


フレンダ「・・・結局、アンタとは趣味が合わない訳よ」

ゴーグル「全くっすね」

二人は男性用の服屋でため息をついていた

527 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:04:19.63 ID:lHdGy+yI0
ゴーグル男は大人っぽい服を選んでいた

フレンダはいかにも若い男が着そうな服を選んでいた

二人の手にしているのは全く逆と言っていいほどのものだ

ゴーグル「そういうのはオシャレな人が着るからいいんすよ」

フレンダ「そっちこそ老けて見える訳よ」

ゴーグル「俺はこういうのが好きっす」

フレンダ「私はこういうのを着てほしいの」

ゴーグル「フレンダさんのお眼鏡に敵う必要はないっす」

フレンダ「あぁもう!アンタはもう少し女の子に気を遣うべきな訳よ!」

ゴーグル「いや、そういう風には見てないっすから」

フレンダ「でも私は女の子!」

ゴーグル「・・・第一、なんでそんな若い人向けなのを選ぶんすか?」

フレンダ「だってアンタ若いじゃん」

528 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:05:02.69 ID:lHdGy+yI0
ゴーグル「でも俺はイケメンじゃないっすよ」

フレンダ「イケメンじゃなくてもこれくらい着ていい訳よ」

ゴーグル「・・・はぁ、わかりましたよ」

フレンダ「買ってくれるの!?」

ゴーグル「フレンダさんがせっかく選んでくれたんすから、足蹴には出来ないっす」

フレンダ「ありがと!やっぱりアンタは優しい訳よ!」

ゴーグル「・・・優しくなんかないっすよ」

フレンダ「そう?」

ゴーグル「ほら、行きますよ」

フレンダ「あ、待ってってば!」

肩を落としながらゴーグル男はレジに向かう

店員さんがニコニコと笑っているのがまた悲しかった


529 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:05:28.88 ID:lHdGy+yI0
垣根「・・・遅かったな」

一方「しかし大義である」

垣根「よく分かった、さすがだ」

一方「俺を誰だと思ってンだよ」

垣根「ふん、そうだったな」

19090「・・・なんかお姉様が疲れてますね」

美琴「・・・黒子、アンタ最低よ」

黒子「あら、わたくしは後悔などしていませんの!」

削板「?なんかあったのか?」

テクパトル「・・・で?上条の宿題は?」

美琴「これよ」

美琴がテクパトルにプリントを差し出す

テクパトル「・・・なるほど、英語だけなら教えられるな」

530 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:06:05.00 ID:lHdGy+yI0
上条「そうか!英語圏だから・・・」

ショチトル「だが断る」

上条「なんでだよ!教えてくれよ!」

エツァリ「上条さんのためになりませんからね」

上条「そんな気遣いいりませんから!」

番外「自分でも少しはやってみなよ」

美琴「そうよ当麻」

19090「いきなり投げ出すなんて情けないですよ?」

心理「・・・古文なんて今でもやるのね」

垣根「へぇ・・・神話とかも習うのか」

上条「なんか知らないけど歴史でちょこっとな」

テクパトル「どれどれ?・・・なんだギリシャ神話か」

エツァリ「ギリシャ神話は自分達の専門外ですね」

531 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:06:31.64 ID:lHdGy+yI0
ショチトル「あんな胡散臭い神話なんて信じられないな」

垣根「神話は全部胡散臭いだろ?」

ショチトル「何を言う」

美琴「ギリシャ神話が一番面白くない?」

19090「ですが神様がたくさんいるのはややこしいですよね」

テクパトル「大抵の神話は唯一神が一番上に君臨してるよな」

上条「ゼウス・・・とかか?」

一方「日本は八百万の神とか言うけどなァ」

上条「・・・それだけいろんなものに感謝してるんだろうな」

エツァリ「日本の素晴らしいところですね」

黒子「・・・保健なんかの宿題もありますのね?」

上条「あぁ、常盤台には全くないんだっけ?」

美琴「初めて見たもん」

532 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:07:00.44 ID:lHdGy+yI0
垣根「うらやましいな・・・宿題は楽しいもんじゃないからな」

上条「垣根はやったことあるのか?」

垣根「ガキの頃に少しな」

心理「ほら、無駄話はそこまでにしておきなさい」

上条「はーい・・・さて、頑張りますか!」

上条がシャーペンを握る


そしてうなだれる


19090「ど、どうしました?」

上条「分からない・・・」

美琴「諦めが早すぎるわよ!」

ショチトル「情けないぞ」

垣根「何が分からないんだよ?」

533 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:07:30.08 ID:lHdGy+yI0
上条「まずは保健からやろうと思ったんだ!たった一枚プリントあるだけだから!なのに分からない!」

心理「何々?男性は思春期に入ると性機能が成熟し・・・精巣よ、ここの空欄は」

上条「・・・あ、はい」

番外「・・・よく恥ずかしくないね」

心理「プリントに欲情してどうするの?こんなのでドギマギするほど子供じゃないわよ」

削板「そうだぞ上条!やらしいことばっか考えたら馬鹿になるんだぞ!」

上条「すでに馬鹿なんですが!?」

削板「普段からやらしいことばっか考えてるだろ!?」

上条「なんでだよ!」

黒子「あら、間違ってはいませんの」

一方「上条はそォいうヤツだからな」

美琴「当麻・・・ちょっと幻滅したわよ」

上条「なんで!?違うからな!」

534 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:07:57.38 ID:lHdGy+yI0
テクパトル「ったく・・・早く解けよな」

上条「はいはい・・・」

上条が美琴と心理定規に教えてもらいながらプリントを終わらせる

上条「よし!次は体育だ!」

垣根「保健と体育が別々なのか」

上条「こっちも一枚だけなんだよな」

エツァリ「そういう進め方でいいんでしょうか?」

心理「自分がやりたいのからやればいいのよ」

上条「・・・えっと、クローズドスキルとオープンスキル・・・」

テクパトル「ややこしいよな・・・」

一方「体育なンて体動かすもンなのにな」

削板「プリントで言われても分からないよな!」

535 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:08:23.39 ID:lHdGy+yI0
心理「そんなの言い訳よ」

美琴「将来役に立たないから、って言って勉強しないのと同じじゃない」

上条「う・・・分かってますよ」

上条がしぶしぶプリントを進めていく

垣根「・・・あ、それは運動技能だろ」

上条「あぁ・・・なるほど」

美琴「分かってないわね、絶対に」

上条「だって俺は落ちこぼれ!」

ショチトル「言い訳するな、みっともない」

上条「・・・だってさ」

19090「社会に出たら言い訳なんて聞いてもらえませんよ?」

番外「このままじゃヒモだねヒモ」

心理「あら可愛そう」

536 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:08:52.14 ID:lHdGy+yI0
上条「あぁ分かりましたから頑張りますから!」

エツァリ「・・・上条さん、不可能を可能にするのがあなたの得意技ですよ」

テクパトル「不可能とは可能性だ、諦めるな」

上条「お前らはまともだよ・・・」

美琴「な、私達がまともじゃないって言いたいの!?」

上条「そうじゃないから!」

テクパトル「・・・宿題なんてめんどくさいだけかもな」

一方「でもよ、終わったときの達成感はいいもンだろ?」

黒子「・・・仕事と同じなのでしょうか」

削板「風紀委員の仕事を終わらせたら嬉しいのと一緒なんじゃないかな」

黒子「それはかなり嬉しいですの!」

19090「・・・学校、通ってみたいですね」

テクパトル「お前は戸籍がないから難しいかもな・・・」

537 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:09:17.34 ID:lHdGy+yI0
ショチトル「というか、戸籍がないなら結婚も無理なんじゃないか?」

テクパトル「」

19090「な、内縁の妻になるのですか!?」

上条「それはなんとも危険な香りが・・・」

垣根「事件が起きそうな設定だな」

美琴「いざとなればアレイスターに頼めばいいじゃない」

テクパトル「だよな!?びっくりさせるなよ・・・」

番外「・・・話がずれてるよ、上条はさっさと宿題」

上条「う・・・上手くごまかせたと思ったのに・・・」

テクパトル「逃げるな、前を見ろ」

上条「前には絶望しかありませんよ!」

心理「はぁ・・・見せてみなさい?」

心理定規が上条に近づく

538 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:09:43.66 ID:lHdGy+yI0
上条「ちょ、心理さん!?」

心理「ほら、ここはわかる?」

上条「あ、いや・・・」

心理「いい?よく覚えてね、ここは・・・」

一から丁寧に解説していく心理定規

それを聞き逃すまいと必死に耳を傾ける上条

ショチトル「なんかカップルみたいだな」

美琴「!当麻は私のものよ!」

上条「あぁ美琴、静かにしてて」

美琴「なっ・・・」

垣根「勉強なんだから我慢しろよ御坂」

美琴「アンタはイヤじゃないの!?」

垣根「別に?」

539 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:10:12.07 ID:lHdGy+yI0
ショチトル「ならなんで眉をひそめてるんだ」

垣根「うるせぇ」

心理「ヤキモチを妬いてくれるのは嬉しいけど、今は我慢してて」

美琴「わ、私も教えるわよ!」

美琴が上条の左隣に座る

上条(りょ、両方からシャンプーのいい匂いが・・・っていかんいかん!)

上条が必死にプリントを見つめる

何やらよく分からない問題が書いてある

問題は分からない

両隣からいい匂いがするのは分かる

空欄の中に入るのが何かは分からない

鼻の中に広がるいい匂いがシャンプーのものなのはよく分かる

上条「・・・こ、ここはこれでいいのかな!?」

声を裏返らせながら上条が尋ねる

540 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:10:38.55 ID:lHdGy+yI0
美琴「惜しいわね・・・」

心理「体育は言葉を覚えるだけだから、力を入れればすぐに点が取れるわよ」

上条「そ、そうですか・・・」


テクパトル「なんか上条は両手に花だな」

19090「男性からしたら堪らない光景ですか?」

テクパトル「俺はお前だけでいいよ」

19090「//」

ショチトル「ふん、上条はやはりプレイボーイだ」

番外「女に好かれるために生まれてきたとしか言えないね」

一方「・・・なンなンだろォな、この敗北感」

エツァリ「彼はそんなものですよ」

削板「でも勉強を教えてもらってるだけだろ?」

541 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:11:11.71 ID:lHdGy+yI0
黒子「あの上条さんならそれさえもフラグにしますの」

削板「おぉ・・・なんかすごいな」

垣根「・・・」

番外「あれ?どしたの垣根?」

垣根「・・・心理定規、なんか楽しそうだな」

心理「あなたも混じる?」

垣根「混じる!」

マッハのスピードで垣根が心理定規の横に行く

上条(めちゃくちゃ嬉しそうじゃないか)

美琴(可愛いとこもあるのね)

垣根(やっべぇ、一度でいいから誰かに宿題教えてみたかったんだよな)

心理(・・・ヤキモチ妬いてくれてたのかしら)

542 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:11:38.02 ID:lHdGy+yI0
垣根「なぁなぁ、上条の苦手科目は?」

上条「・・・英語が一番苦手かな」

垣根「なんで?」

上条「数学は日常でもよく使うし、理科も学園都市なら馴染み深いだろ?」

美琴「科学の総本山だものね」

上条「歴史だってよくテレビでやってるからイメージしやすいし・・・国語も古文とかはあれだけど普段から使うじゃんか」

垣根「英語は馴染みがない、か」

上条「学園都市は外との交流があんまりないから外国人なんて合わないし・・・」

心理「使わないと覚えられないものね」

美琴「そっか・・・そんな理由があったんだ」

上条「イギリスにはよく行くけど、それってただの旅行だろ?」

垣根「御坂と行くのがほとんどだから通訳もいるしな」

美琴「わ、私のせい?」

543 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:12:14.21 ID:lHdGy+yI0
上条「いやいや!ただなんか保険があるから覚えなくていいや、と・・・」

心理「最近は日本語の分かる外国人もいるからね」

上条「そうだよな・・・」


ショチトル「私は保健だけは得意な自信がある」

エツァリ「自分もです」

削板「俺は体育かな!」

テクパトル「記憶力には自信がある」

19090「ミサカも科学とか数学は得意かもしれません」

番外「ミサカも」

黒子「・・・わたくしはあまり歴史は好きではありませんの」

一方「過去に囚われたくないとかか?」

黒子「かなり恐ろしい理由ですわねそれ」

544 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:12:58.90 ID:lHdGy+yI0
ショチトル「・・・上条、頑張ってるな」

テクパトル「集中さえすればなかなかできるヤツなんじゃないか?」

削板「骨があるからな!」

19090「?骨のない人間がいるのですか?」

削板「あぁ、最近は骨のないヤツが多い!」

19090「み、みなさん狭いところとか通りやすそうですね」

テクパトル「そういう意味の骨じゃないからな」

黒子「・・・お姉さま、勉強を教えられているときも凜とされていますの」

番外「あぁ、ありゃ女の子にもモテるはずだね」


心理「さて、次は数学ね」

垣根「・・・なんだよ、因数分解なんて習ってるのか」

美琴「こんなの中学生レベルじゃない?」

545 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:13:38.97 ID:lHdGy+yI0
心理「あら、下手したら小学生でも出来ちゃうわよね」

垣根「だよな」

上条「・・・小学生?」

上条は顔を引き攣らせていた

小学生より頭が悪いよ、と言われたようなものだ

美琴「ほら、早くやるわよ」

垣根「刮目しろよな」

心理「さ、頑張りましょう」

目の前に広がるのはよく分からない数字の羅列

一体なんなのだろうか

上条「・・・ち、ちなみにみんなは答えとか分かってるのか?」

美琴「当たり前じゃない」

546 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:14:10.09 ID:lHdGy+yI0
心理「すぐに分かったけど?」

垣根「お前と一緒にすんなよな」

上条「・・・不幸だ」

上条がうなだれる

何度うなだれたことだろうか

友人と自分にここまで学力の差があるなんて信じたくなかった

垣根「ほら、さっさと解く解く」

上条「あぁもう!不幸だ不幸です不幸ですよ、の三段活用!」

心理「あら、三段活用はできるのね」

美琴「ちょっと違うけどね」

そんな無駄話をしながらも、上条はプリントを解こうと努力した


努力はした

547 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:14:37.77 ID:lHdGy+yI0
フレンダ「・・・ねぇ、ゴーグル」

服屋から出た途端、フレンダがゴーグル男の名前を呼んだ

ゴーグル「なんすか?真剣な顔なんかして」

フレンダ「べ、別に真剣じゃない訳よ」

ゴーグル「それで?なんか用ですか?」

フレンダ「そんなキツイ言い方しなくても・・・」

ゴーグル「あ、責めてるんじゃないっすよ!すいません・・・」

フレンダ「ううん、いいんだけどさ」

フレンダが地面を見つめる

足先で雪を少し蹴っている

子供みたいだな、とゴーグル男は思った

実際、二人は決して大人と言える年齢ではない

だがそれなりの人生経験は積んできたつもりだ

548 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:15:19.30 ID:lHdGy+yI0
それはフレンダも同じはず

そんな彼女が子供っぽい仕種をするのは少し不思議だった

フレンダ「・・・アンタは私と買い物・・・したくなかった?」

ゴーグル「?なんでそんなこと聞くんすか」

フレンダ「さっきからずっと気を遣わせてばっかりだから・・・」

ゴーグル「そりゃフレンダさんが言ったんじゃないっすか」

フレンダ「そうだけど・・・」

ゴーグル「・・・俺が楽しんでないように見えますか?」

フレンダ「うん・・・無理矢理付き合わせちゃったかなってさ」

ゴーグル「無理矢理じゃないっすか、実際」

フレンダ「う・・・なんのフォローもない訳よ」

ゴーグル「無理矢理誘われて無理矢理買いたくない服を買わされて、そりゃ楽しい訳なんかないっすよ」

549 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:15:47.39 ID:lHdGy+yI0
フレンダ「ご・・・」

ゴーグル「・・・楽しい訳ないはずなんすよ、本当なら」

ゴーグル男がフレンダの顔をじっと見つめる

青い瞳が印象的だった

初めて見たときから、瞳が綺麗だなと思っていた

女性として、とか異性として、とかではなく

ただ宝石のように澄んだ瞳だなと

その宝石が似合うのはきっとフレンダだけなんだと

ゴーグル「・・・楽しい訳ないはずなのに・・・なんだか楽しいんですよ」

ゴーグル「・・・なんででしょうね?」

フレンダ「こ、このフレンダ様と一緒にいられるからじゃない!?」

ゴーグル「はは・・・そうかもしれないですね」

550 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:16:17.77 ID:lHdGy+yI0
フレンダ「ひ、否定しないの?」

ゴーグル「よく分からないですけど、ほかの人とはこうならないかもしれないですから」

フレンダ「・・・そっか」

ゴーグル「次はどこ行きますか?」

フレンダ「!」

ゴーグル「?もう帰るんですか?」

フレンダ「まだ!まだ遊び足りない訳よ!」

ゴーグル「じゃあ行きましょうか」

二人は再び手を繋ぐ

ずっと一人だったはずの自分の掌に、誰かの温もりが触れている

今は一人ではない

そう思わせてくれる温もりだ

551 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:16:43.38 ID:lHdGy+yI0
フレンダ(・・・別に顔がカッコイイ訳じゃない・・・)

フレンダ(・・・力がある訳でもない)

フレンダ(金だってそんなにないし、いっつも優柔不断だし・・・)

フレンダ(でも・・・私に優しくしてくれる訳よ、こいつは・・・)


ゴーグル(なんなんでしょうかね)

ゴーグル(・・・フレンダさんの手、あったかいです)

ゴーグル(・・・もしかしたら・・・もしかしたら)


ゴーグル(俺って冷え症なのかもしんないっす)

二人は歩いていた

一人は少しずつ、相手に惹かれ

もう一人は惹かれるとかそういうこととは無縁で

そんな二人は、それでもずっと手を繋ぎながら歩いていた  
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/10/02(日) 22:20:02.18 ID:OfA5mXsuo
ゴーグルwwwww
553 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/02(日) 22:20:33.99 ID:lHdGy+yI0
今日はここまで

筋肉動画はこちら

ロニーを打ち破った男、ジェイ・カトラー

三頭、肩、胸の厚みがある選手

ただ細かいカットは微妙ですね

「冷蔵庫のようなでかいだけの体」と言われることもしばしば

バランスがいいわけでもなく、ロニーのような超バルク・・・とまではいきませんね

人柄はかなり素晴らしいですが、>>1はジェイの体はあまり好きではないです


ではおやすみなさい


恋愛は恋人にしたらおしまい・・・

ゴーグルとフレンダを書いてたらそう思ってしまった今日この頃

554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/10/02(日) 22:34:39.45 ID:58KdA3mso
冷え症wwwwwwwwwwwwwwww
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/02(日) 22:40:25.43 ID:v2YIG4c6o
ゴーグルwwwwww
あんたは垣根に恋愛レクチャーしてもらうべきだwwwwww
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/10/02(日) 22:52:41.37 ID:g9GzRpH20
>>1さん筋肉動画が無いよ
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/03(月) 00:25:18.40 ID:AvTg1tQjo
冷え性わろたwwwwww
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/03(月) 01:00:29.55 ID:fXc/O1Bwo
冷え性wwwwww
559 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:21:39.26 ID:EfQahalE0
冷え性じゃないよ、決して>>1は冷え性じゃないよ

では続き


上条「こ、ここはこれで合ってるよな?」

垣根「違う」

上条「」

心理「さっきからあてずっぽうなんじゃない?」

上条「違うから!めちゃくちゃ真剣に・・・」

美琴「当麻、もう一軒家がほしいなんて言わない」

上条「お願い見放さないで!」

垣根「だってこりゃひどいぜ」

垣根がプリントを見つめる

見ただけで分かる

これはおかしい

560 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:22:23.09 ID:EfQahalE0
普通、頭が悪い生徒というのは公式を間違えて使ったり、途中で計算ミスをしたりするから点が取れないものだ

だが上条は違う

もう公式とかそういう問題ではない

解き方が理解出来ないならば救いようがある

問題すら理解出来ないのだからどうしようもない

垣根「はぁ・・・お前、知識は記憶にも残ってるんだよな?」

上条「う・・・」

心理「なのにこんなに間違うの?」

美琴「当麻・・・ゴメンね、私がいっつも勉強の邪魔ばっかりするから・・・」

上条「違うんだよ!そう、俺が悪いんだ!」

垣根「認めたな」


ショチトル「はぁ、大変だな上条も」

テクパトル「・・・だが勉強をするのは学生の本分だからな」

561 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:22:48.80 ID:EfQahalE0
一方「あンなもンしなくても普通は忘れねェよな」

黒子「本当に、なんであんなものをしないといけないのでしょうか?」

削板「みんな忘れん坊さんなのか?」

番外「いやいや、普通は忘れるよ」

19090「頭がいい人はずっと覚えていられそうですが・・・」

テクパトル「はぁ、俺は学校なんか行ってなかったから分からない苦労だな」

黒子「ですがテクパトルさんは賢そうなので・・・」

ショチトル「こいつは頭がキレるからな」

エツァリ「そうですね、勉学に励めばなかなかいいとこまで行くのでは?」

テクパトル「遠慮しとくよ」

一方「もったいねェな」

テクパトル「19090号に構ってやれなくなるだろ?」

19090「さすがテっくんです!」

562 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:23:26.64 ID:EfQahalE0
番外「はー、テクパトルはホント19090号思いだね」

削板「愛を貫くのはいいことだ!」

ショチトル「見ていて清々しいからな」

黒子「たまに甘ったるくてイヤになりますけど」

テクパトル「そう言うな・・・」

テクパトルがため息をつく

番外「あ、上条が机に突っ伏した」


上条「無理だ・・・もう補習でもなんでも受けてやるよ!」

美琴「わ、私との時間が減っちゃうじゃない!」

美琴が上条に詰め寄る

上条「仕方ないんだ・・・俺はやっぱり馬鹿なんだ・・・」

美琴「当麻・・・」

563 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:23:56.03 ID:EfQahalE0
心理「諦めたわね、諦めたわね」

垣根「大事なんだな」

上条「はぁ・・・もういいや!正月だぜ!?ならもう勉強なんて忘れようぜ!」

上条が立ち上がる

上条「美琴!ちょっと寮に帰らないか!?」

美琴「な、なんで?」

上条「美琴と二人きりになりたい!ぶっちゃけストレスが溜まったんだよ!」

ずびし!と上条がプリントを指差す

上条「こいつらのせいでな!」

垣根「自業自得だろ、てかどうせ抱くつもりだろ」

上条「ち、違うし・・・」

垣根「先生の目を見て言いなさい!」

上条「違うからな!ちょっと二人きりになりたいんだよ!」

564 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:24:27.11 ID:EfQahalE0
削板「・・・俺もそろそろ寮に帰りたいな」

垣根「はぁ!?おいおいマジかよ・・・」

一方「当たり前だろォが、年賀状がきてるかもしンねェンだよ」

番外「それに黄泉川達もそろそろ寂しいだろうからね」

テクパトル「俺も・・・みんなに構ってやらないと」

19090「あ、MNWで聞いたら早く帰ってきてほしい、とのことでした」

テクパトル「・・・垣根、別に今じゃなくたってまた集まればいいさ」

美琴「そうね・・・さすがにずっといると疲れちゃうわよ?」

垣根「はぁ・・・分かったよ、その代わりまた時間見つけて遊ぼうぜ」

削板「当たり前だろ!」

ショチトル「次は・・・そうだな、理由なんて適当に作って会えばいいか」

垣根「んじゃ・・・今日は解散だな」

垣根がゆっくり立ち上がる

565 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:25:00.55 ID:EfQahalE0
垣根「じゃ、一本締めするぞ」

上条「はいはい・・・」

みんなが両手を構える

垣根「今年もよろしくやろうぜ、仲間達よ!」

一同「おー!」

垣根「よーぉっ!」

パン!と勢いよくみんなが手を合わせる

垣根「解散!また来いよな!今度はランチバスケットを持って!」

美琴「マイナーなネタはやめなさい、じゃあね!」

上条「またな!」

黒子「楽しかったですの!」

エツァリ「また遊びましょう!」

一同が垣根の家から出ていく

残されたのは元々の住人である二人だけだった

566 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:26:08.89 ID:EfQahalE0
垣根「・・・静かになっちまったな」

心理「そうね・・・」

垣根「上条のヤツが帰るなんて言い出さなきゃよかったのによ・・・」

心理「あら、そんなこと言ったらかわいそうじゃない」

垣根「あいつ絶対御坂とセックスしたかったんだよな」

心理「そんな生々しいこと・・・ってどうしたの?」

垣根「ムカつくから俺達もやろうぜ」

心理「何よ、そんな憂さ晴らしで抱かれるのはイヤよ」

垣根「ちっ・・・つまんねぇヤツ」

心理「さすがにそんなに軽くはないわよ」

垣根「・・・テクパトルのヤツ、仕事がそろそろ始まるんだよな」

心理「そうね」

垣根「・・・上条や御坂や・・・白井や削板は学校が始まるな」

567 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:26:59.77 ID:EfQahalE0
心理「そうね・・・寂しくなるわ」

垣根「・・・はぁ、いつかあいつらと離れ離れになるときが来るのかな」

心理「別れは仕方ないことじゃない」

垣根「んなことは分かってるんだよ」

心理「・・・ねぇ、私を抱けば少しくらいは明るくなれる?」

垣根「・・・遠慮しとく、やっぱりそういうのじゃねぇよ」

心理「ふふ・・・あなたは優しいわよね」

垣根「・・・イヤだよな、別れは」

心理「当たり前じゃない」

垣根「・・・ちょっと鬱なんだよ、今の俺は」

心理「キス、してあげるわよ」

垣根「そりゃ嬉しいな」

二人が唇を重ねる

舌を絡ませる、深いキスだ

568 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:27:44.84 ID:EfQahalE0
垣根「・・・」

心理「・・・ねぇ、垣根」

垣根「なんだよ」

心理「抱いて」

垣根「俺の憂さ晴らしはイヤなんじゃなかったか?」

心理「私が抱いてほしいのよ」

垣根「・・・分かった、ベッドに行こうぜ」

垣根が心理定規の手を握る

心理「・・・初心よね、あなたって」

垣根「てめぇもだろ」

心理「・・・そうね」

心理「ねぇ垣根」

垣根「なんだよ」

心理「私との別れなんてないわよね?」

569 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:28:18.96 ID:EfQahalE0
垣根「そんなこと言ったら現実になりそうで怖いんだよ」

心理「・・・ないわよね?」

垣根「あぁ、ねぇよ」

心理「・・・いつか・・・もしかしたら、大きな事件が起きるかもしれないわね」

垣根「暗部のときみたいにか?」

心理「・・・そうよ、あの時も突然別れが来たじゃない」

垣根「・・・うるせぇな」

ぐいぐい、と垣根が心理定規を引っ張る

心理「ちょっと、痛いわよ」

垣根「・・・あの時は悪かった」

心理「・・・あなたにだって理由があったんでしょ?」

垣根「・・・心理定規」

心理「何よ」

570 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:29:00.89 ID:EfQahalE0
垣根「お前とだけは離れたくないんだ」

心理「・・・ほかのみんなともしも別れが来ても?」

垣根「あぁ」

垣根が寝室のドアを開ける

ベッドの上に心理定規を座らせる

心理「・・・どうしたの?」

垣根「・・・なんかさ」

心理「えぇ」

垣根「急に怖くなったんだ」

垣根が目を閉じる

心理「・・・上条君はホントに困る子ね・・・あなたを苦しませるんだから」

垣根「違うさ・・・なんかさ、真面目に考えたらこの楽しい日々は急に始まったんだ」

垣根「としたら・・・終わるのも急なんじゃないかな」

571 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:29:45.24 ID:EfQahalE0
心理「・・・そうかしら」

垣根「・・・イヤだよな」

心理「テクパトル君が仕事を見つけたから?19090号がバイトを始まるって言ったから?」

垣根「違うんだ」

心理「みんなが学校で忙しくなるから?」

垣根「違うんだよ・・・たださ、みんながみんなの生活を持ってるならさ」

垣根「いつか道が分かれることもあるだろ」

心理「・・・垣根、おいで」

心理定規が垣根を呼ぶ

それに垣根は素直に従う

心理「・・・大丈夫よ」

垣根の体を、心理定規が強く抱きしめる

572 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:30:22.53 ID:EfQahalE0
垣根「・・・くだらねぇよな、ただみんなが帰っただけなのに」

心理「・・・あなたの幸せの象徴は彼らだから、仕方ないわよ」

垣根「・・・また会えるのにな」

心理「・・・ねぇ垣根」

垣根「なんだよ」

心理「私ね・・・あなたと同じよ、みんなが帰ったときにとっても寂しかったもの」

垣根「・・・お前はどこにも行かないでくれよな?」

心理「ふふ・・・なんか今のあなたは可愛いわよ」

垣根「・・・心理定規」

垣根が心理定規を押し倒す

そしてその服を優しく脱がせる

垣根「・・・悪いな、もしかしたら寂しさを紛らわせるためにやってるのかもしれないんだ」

心理「あなたのためになれるならなんだっていいのよ?」

573 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:30:55.90 ID:EfQahalE0
垣根「・・・愛してる」

心理「・・・私もよ」

垣根「・・・いいか?」

心理「早く脱がせてよ」

垣根「あいよ」

垣根が最後の一枚も脱がせてしまう

真っ白な肌が目の前に現れる

垣根「・・・ちょっと待っててな」

垣根も全て衣服を脱ぎ捨てる

心理「・・・わがままを一つだけ言っていい?」

垣根「当たり前だろ」

心理「・・・抱きしめて」

垣根「あぁ」

574 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:31:33.91 ID:EfQahalE0
垣根が心理定規の体を強く抱きしめる

心理「暖かいわね」

垣根「愛の温もりってやつか?」

心理「ずいぶんとベタなこと言うのね」

垣根「うるせぇな・・・」

心理「・・・いいわよ?好きなようにして」

垣根「・・・あぁ」

心理定規の胸にそっと手を伸ばす

彼女の体はかなり華奢だ

しかし胸は中々に大きい

体が細いだけに、余計に目立ってしまう

心理「んっ・・・」

575 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:32:08.50 ID:EfQahalE0
垣根「あぁ?お前って胸はあんまり感じないんじゃなかったっけか」

心理「いいでしょ・・・今はいいの」

垣根「へぇ」

興味なさそうに、しかしそれでいて優しく垣根が笑う

心理「・・・っ・・・」

垣根「痛くないか?」

心理「大丈夫・・・気持ちいいから」

垣根「・・・なぁ、心理定規」

心理「な・・・何?」

垣根「・・・お前はさ、俺だけにこんな姿を見せてくれるんだよな?」

心理「当たり前じゃない・・・あなたにしか見せたくないわよ」

垣根「・・・嬉しいな」

心理「あんっ・・・ちょっと、強すぎ・・・る」

576 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:32:58.72 ID:EfQahalE0
垣根「痛いか?」

心理「違う・・・そうじゃ・・・っ!」

心理定規が垣根の体に手を回す

そうされてしまうと胸を触りにくくなってしまう

垣根「・・・どした」

心理「・・・イったのよ」

垣根「・・・お前ってエロいよな」

心理「・・・あなたのせいじゃない」

垣根「・・・いいか?」

心理「あ・・・」

今度は下半身に手を伸ばす

優しい手つきで、少しずつそこをほぐしていく

まるでこれから初めての体験をするのではないかというほどのぎこちない手つきだ

577 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:33:40.49 ID:EfQahalE0
心理「どうしたの?なんかいつもより・・・ぎ、ぎこちないじゃない」

垣根「ん?こういうのもいいんじゃないか?」

心理「・・・ねぇ、早くしてよ」

垣根「はいはい」

垣根が人差し指を中に入れる

締め付けられる感覚がなんとも言えない

ゆっくりと中指も足してみる

心理「・・・」

心理定規はシーツの端を握り、必死に声を出さないようにしている

垣根「・・・いいんだぜ?喘いで」

心理「・・・あなたが来るまでは喘がないわよ」

垣根「あぁ・・・じゃあちょっと待っててくれ」

578 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:34:11.68 ID:EfQahalE0
垣根が自分のそれにゴムをつける

垣根「・・・じゃあ行くぞ」

心理「えぇ、いいわよ」


ギシギシとベッドのスプリングが軋む

心理定規の甲高い喘ぎ声と垣根の荒い息遣いが部屋に響く

こんな行為をするのは久しぶりだった

お互いの体を求め、愛を求める

どれだけの時間が経ったのだろうか

垣根が心理定規の体を強く抱きしめ、行為が終わった

ハァハァと二人の吐息が響いている

垣根「くっそ・・・久しぶりにやると疲れるもんだよな」

心理「あなたは・・・あんまりそういうことは得意そうじゃないものね」

垣根「・・・子作りとか苦手かもな」

心理「・・・いいわよ、あなたと一緒なら」

579 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:34:40.71 ID:EfQahalE0
心理定規が垣根の手を握ってみる

少しだけ汗ばんでいる

相当疲れているのだろう

垣根「・・・上条とかテクパトルとかエツァリとかさ・・・よくこんなことを毎日毎日やれるよな」

心理「・・・そういうのも愛じゃない」

垣根「俺達の愛とは違うのかな」

心理「表現の方法が違うだけなのよ」

垣根「ずいぶんとまたエロい表現だよな」

心理「・・・ねぇ、これからどうする?」

垣根「疲れたから寝たいんだよ」

心理「じゃあ一緒に寝る?」

垣根「おう」

二人が寄り添いながら目を閉じる

久しぶりだから相当疲れたのだろう

すぐに夢の中へと落ちていく
580 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:35:20.40 ID:EfQahalE0

垣根「おはよう・・・」

心理「おはよう・・・眠れた?」

垣根「・・・あ、あぁ」

垣根が心理定規の体をずっと見つめる

あんな行為のあと、すぐに寝たのだ

当然、一糸纏わぬ姿だ

垣根「・・・お前ってさ、ホントにスタイルいいよな」

心理「あらそう?」

垣根「・・・あぁ」

心理「なに?もう一回抱きたくなった?」

垣根「疲れてるからいいんだよ・・・」

心理「そう・・・服、着ましょう」

心理定規がドレスを着なおす

581 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:35:57.05 ID:EfQahalE0
下着を着て、ドレスを着る

意外と着替えには時間が掛からなそうだな、と垣根は考える

垣根「てか・・・お前って昔からドレスばっかりだよな」

心理「Tシャツ着てほしいの?」

垣根「見てみたいな」

心理「・・・見せてあげてもいいわよ」

垣根「・・・え、マジ?」

心理「あなたのとかある?」

垣根「いや・・・でもドレス着てるし」

心理「脱ぐけど?」

垣根「・・・いいや、別に」

垣根がぐーっと体を伸ばす

582 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:36:29.38 ID:EfQahalE0
垣根「・・・なんかお前はドレスが一番似合ってるよ、綺麗だ」

心理「・・・ありがとう」

垣根「なぁ、お前がドレスを着る理由とかってあるのか?」

心理「・・・なかったわね」

垣根「なかった?」

心理「あなたはドレス姿の私、好きなんでしょ?」

垣根「あぁ、そうだ」

心理「なら、あなたが好きでいてくれるからってことにして」

垣根「・・・分かった」

心理「さ、そろそろ夕ご飯の時間よ」

心理定規が垣根の手を取る

垣根「はいはーい」

心理「・・・二人きりもね、あんまり嫌いじゃないわよ」

583 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:37:02.32 ID:EfQahalE0
垣根「俺も・・・たまにはいいかもな」

心理「そう、よかったわ」

垣根「・・・心理定規、何食べる?」

心理「あなたは何がいい?」

垣根「お前が作ってくれるならなんでもいいんだよ」

心理「・・・あなたって二人きりだとホントに甘えるわね」

垣根「いいだろ」

心理「えぇ、嬉しいわよ」

二人が顔を見合わせて笑う

垣根(・・・まぁみんなと過ごすのも悪くないけど)


垣根(こいつといられりゃそれでいいんだな)



584 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:37:36.81 ID:EfQahalE0


ゴーグル「映画っすか」

ゴーグル男はぽつりとつぶやいた

フレンダが暇つぶしに映画を見たいと言い出したのだ

ちなみに時間はそろそろ正午

本来なら帰る予定の時間

しかし今はまだ帰りたいと思えなかった

フレンダ「そ!絹旗とはよく来たけど、結局映画は人気作じゃなきゃダメな訳よ!」

ゴーグル「・・・いや、いいんですけどね」

ゴーグル男は首を捻っていた

あのピラピラした紙はなんなのか

あれを見せたら館員さんが笑顔になっている

ゴーグル「あのピラピラ紙はなんすか?」

585 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:38:16.80 ID:EfQahalE0
フレンダ「映画のチケットだけど・・・もしかしてアンタ、映画見たことない訳?」

ゴーグル「ないっすよ」

フレンダ「信じらんなーい!なんで!?」

ゴーグル「そんな時間、なかったですから」

ゴーグル男がチケット売り場に向かう

ゴーグル「えっと・・・大人二人」

「はい、3000円になります」

ゴーグル「はい」

ゴーグル男がチケットを二枚購入する

フレンダ「なんだ、買い方はわかる訳?」

ゴーグル「前の人がやってましたから」

フレンダ「あ、お代・・・ちょっと待ってて」

ゴーグル「いいっすよ俺が払ったんですから」

586 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:38:57.40 ID:EfQahalE0
フレンダ「いいの?」

ゴーグル「それより早く行きましょうよ」

ゴーグル男が映画館の中に入る

ポスターが貼ってあり、映画ごとのグッズが売ってあったりする

ゴーグル「へぇ、こんな感じなんすか・・・」

フレンダ「ホントに知らないんだ・・・」

ゴーグル「この映画でよかったんすよね?」

フレンダ「うん!」

フレンダが先程から見たい映画があるとうるさかったのだ

なんでもラブロマンスらしく、全世界で大ヒットしているらしい

ゴーグル「でもなんでまた俺なんかと・・・」

フレンダ「アンタしか相手がいない訳よ!分かったら入る入る!」

ゴーグル「はーい・・・」

587 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:39:35.24 ID:EfQahalE0
適当にポップコーンと飲み物を買い、またまた適当に椅子に座る

人気作のため、ほとんど席は埋まっていた

二人とも隣に並んで座れたのは奇跡と言っていいだろう

ゴーグル「・・・意外と広いんですね」

フレンダ「しーっ!みんなもうその世界に入ろうとしてる訳よ!」

ゴーグル「へぇ・・・」

フレンダは意外と流行に敏感なのかな?とゴーグル男は考えた

フレンダ「!始まった!」

ゴーグル「?CMみたいな映画っすね」

フレンダ「これはCMな訳よ・・・」

ゴーグル「フレンダさん、携帯は切りましたか?」

フレンダ「もちろん!」

少ししてから、映画は始まった

588 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:40:07.48 ID:EfQahalE0
舞台はアメリカ

年代はまさに第一次世界大戦真っ只中

一人の兵士と一人の看護婦の恋

らしい

らしい、というのはちょっとさわりの部分を見ただけでゴーグル男が飽きたからだ

なんともベタすぎる

「世界よりも何よりも、お前だけを守りたい」

とか

「無事に帰って来られたら、今度一緒にあの丘に行こう」

とか

そんなベタな展開が続いている

いきなりだ

二人の出会いから始まると思っていたゴーグル男は面食らった

589 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:40:34.09 ID:EfQahalE0
すでに主人公とヒロインは知り合いだったのだ

もう視聴者置いてきぼり

と思いきや、周りはそんなこと気にしていない

もちろん、フレンダも

ゴーグル(・・・ヒマっすね)

つまんないな、と思いながらゴーグル男が目を閉じる

ゴーグル(・・・こんな映画より、スクール時代のほうが信じられない話ですよね)

過去に思いを馳せる

あの時は、本当に映画みたいな毎日を過ごしていた

ラブロマンスなんかではない

ただ、ダークなアクション物だろう


あの頃は、とにかく垣根と心理定規についていく日々だった

590 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:41:20.07 ID:EfQahalE0
ゴーグル男は特別な能力を持っているわけではない

暗部でのやり取りにある程度は慣れていたが、それでも能力者の二人に比べたらお荷物でしかなかった

それでも、二人は自分を足蹴には扱わなかった

垣根「おいゴーグル馬鹿」

あれはいつだったか

垣根が隠れ家の中でいきなり話し掛けてきたことがあった

ゴーグル「なんすか」

垣根「・・・ヒマじゃねぇか?」

ゴーグル「・・・ヒマっすね」

そう、たしかスクールが組織されてまだ間もない頃だった

垣根「もっと忙しいもんだと思ってたが・・・」

ゴーグル「こうやって雑談してる時間くらいはあるんすよね」

591 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:41:47.53 ID:EfQahalE0
垣根「学園都市の裏の治安を守るのが俺達だったか?」

ゴーグル「たしかそうっすね」

垣根「そんな俺達がヒマってことは、学園都市はよっぽど平和なんだな」

ゴーグル「まさか、ただスキルアウトのほとんどは風紀委員が片付けてくれますから」

垣根「はー・・・そういうもんか」

ゴロン、とソファーになりながら垣根は興味なさそうにつぶやいていた

今考えたら、垣根はいつもそうだった

あまり他人の話には耳を傾けず、興味なさそうに振る舞っているだけ

そんなはずだった彼が今ではたくさんの友人に囲まれている

案外、人間というのは変われるものなんだな、と感心してしまう

垣根「・・・心理定規はどこだよ」

ゴーグル「知らないっすよ」

592 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:42:34.68 ID:EfQahalE0
垣根「ちっ・・・あいつたまにどっかに行くんだよな」

ゴーグル「例の小遣い稼ぎじゃないっすか?」

垣根「あー・・・あれなぁ」

ゴーグル「なんか心理定規さんって見た目は清楚なんですけどね」

垣根「暗部に堕ちるヤツが綺麗なわけないだろ」

ゴーグル「・・・でもなんか綺麗じゃないっすか」

垣根「馬鹿言うな」

ゴーグル「・・・俺はあの人みたいに誰かの隣にいるのが似合う人間じゃないですから」

垣根「誰かの隣?」

ゴーグル「心理定規さんって、よくあなたの隣にいるじゃないですか」

垣根「そりゃ同僚だからな」

ゴーグル「・・・そうやって誰かと並んでるのが似合ってるんですよ」

垣根「・・・てめぇは似合わないってか?」

593 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:43:01.56 ID:EfQahalE0
ゴーグル「そうっすね・・・誰かと並んで歩いたことがないですから」

垣根「親は」

ゴーグル「記憶にありません」

垣根「友達は」

ゴーグル「暗部に来た時点でそんなもの出来るはずないっすよ」

垣根「・・・心理定規は」

ゴーグル「あの人は俺の隣にいる時には輝いてませんよ」

垣根「ロマンチスト気取りかよ・・・」

ゴーグル「違いますよ、素直な感想っす」

ゴーグル男は昔からそうだった

誰かの隣にいることが苦手だった

誰かに合わせることも、誰かに気を遣わせることも苦手だった

他人と自分との距離に、そもそも興味がなかった

594 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:43:32.12 ID:EfQahalE0
そんなものに興味を持ったところで、絶望以外感じられないのだから

垣根「お前もさ」

ゴーグル「はい」

垣根「いつかは誰か隣に立ってくれるヤツが出来たらいいのかもな」

ゴーグル「そうなったら嬉しいっすね」


心理「ただいま・・・ごめんなさい、少し寝坊しちゃって」

垣根「・・・てめぇ、寝坊かよ」

心理「あら、もしかして殺されたんじゃないかって心配した?」

垣根「ちげぇよ・・・」

心理「ふふ・・・じゃ、私も話に混ぜてもらえるかしら」

垣根「ちっ・・・仕方ねぇな」

ゴーグル「・・・」



595 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:44:01.57 ID:EfQahalE0
ゴーグル(・・・こんな映画なんて、夢物語っすよね)

ゴーグル男は回送を終え、スクリーンを一旦見つめなおす

兵士は見事に生き延び、看護婦と結ばれたようだ

ゴーグル(・・・誰かの隣っすか)

垣根が言っていた一言が、胸のどこかにつっかえている

ゴーグル(フレンダさんは・・・どうなんですかね)

隣にいる、一見ごく普通の女子高生を見つめる

彼女は自分の隣を心地好いと思ってくれているのだろうか

ゴーグル(だったら嬉しいんですけどね)

はぁ、とゴーグル男がため息をつく

そのまま、映画はスタッフロールに移った

自分の人生は終わりしかなくて、こんな優雅な余韻などなかったのに

ゴーグル「・・・」

596 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:44:40.66 ID:EfQahalE0
フレンダ「ねぇゴーグル!いい映画だったよね!?」

ゴーグル「・・・」

フレンダ「?ねぇ聞いてる?」

ゴーグル「あ、あぁ・・・いい映画でしたね」

フレンダ「・・・もしかして寝てた訳?」

ゴーグル「起きてましたよちゃんと」

フレンダ「主人公がヒロインにプロポーズの時、贈った花は?」

ゴーグル「お、俺は花とか詳しくないんで・・・」

フレンダ「花なんて贈ってない訳よ!やっぱり寝てた!」

ゴーグル「ち、違いますって!起きてましたよ、ちょっと考え事してただけっす!」

フレンダ「こんな感動の映画を見ないで考え事!?」

ゴーグル「・・・ただのご都合主義のラブロマンスじゃないっすか」

呆れたようにゴーグル男がつぶやく

597 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:45:08.33 ID:EfQahalE0
フレンダ「これだから日本人は!」

ゴーグル「いやいや、誰だってこの主人公中心な展開には首を捻りますよ」

フレンダ「アンタなんか絹旗とつまんない映画でも見に行けばいい訳よ!」

ゴーグル「つまんないって分かってるなら見に行きたくないっすよ・・・」

フレンダ「はぁ・・・せっかく二人で映画だったのに」

ぽつり、とフレンダがつぶやく

ゴーグル「?三人がよかったんすか?」

フレンダ「人数の問題じゃない訳よ!」

ゴーグル「じゃあなんなんすか・・・」

フレンダ「・・・別に特別な意味はないけど」

ゴーグル「いいじゃないっすか、フレンダさんは楽しめたんですよね?」

フレンダ「アンタと楽しみを共有したかった訳よ!」

598 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:45:58.02 ID:EfQahalE0
ゴーグル「いいじゃないですか・・・」

フレンダ「また言い訳!」

ゴーグル「すいません・・・」

フレンダ「・・・悪いと思ってる?」

ゴーグル「まぁ・・・」

フレンダ「本当に?」

ゴーグル「えぇ」

フレンダ「なら次は私を楽しませる訳よ!」

ゴーグル「はいはい・・・どこがいいんすか」

フレンダ「じゃあ・・・」


フレンダ「お昼ご飯!」

ゴーグル「楽しむ要素ないっすね」


599 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:46:41.66 ID:EfQahalE0
上条「・・・美琴は相変わらずだな」

美琴「・・・私は慣れてるのよ」

上条「こんなに早く出来るなんて・・・」

美琴「子供じゃないんだから・・・」


美琴「こんな簡単な問題、普通に解けるわよ」

上条「・・・一応高校生レベルなんですけどね」

上条は冷や汗をかいていた

目の前のテーブルには現在歴史のプリントが広げられている

得意科目なはずなのに、全く分からない

得意といっても他の科目に比べたらマシ、というレベルなだけだが

上条「・・・野生のプリントが現れた!」

美琴「現実逃避しないの」

600 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:47:27.57 ID:EfQahalE0
上条「昔のことなんて学んでどうする!?目の前にあるのは未来だ!」

美琴「分かったからさっさと解きなさいよ」

上条「う・・・」

しぶしぶ問題を解く上条

上条「分からない!」

美琴「・・・」

上条「大体な!なんで歴史なのに地理が出てくるんだよ!?もうそこが分からない!」

美琴「・・・」

上条「それに何よりも!こんな歴代皇帝とか日常生活じゃ使いません!」

美琴「・・・」

上条「な、なんか反応してくれよ・・・」

美琴「真面目にやりなさい」

601 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:49:06.04 ID:EfQahalE0
上条「はい」

上条がもう一度プリントを見つめる

これはどうやって解くのか

上条「たしか・・・これは・・・ルイ・・・」

美琴「違う」 

上条「えっと・・・アレクサンダー・・・?」

美琴「・・・違うわよ」

美琴が教科書を広げる

そこには詳しい説明が書いてあった

問題のまま、という文章が載っている

上条「あるぇ?」

美琴「・・・当麻、教科書をちゃんと見直せば分かるはずよ?」

上条「そ、そうなのか・・・」

602 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 12:53:00.53 ID:EfQahalE0
美琴「・・・当麻、授業をちゃんと受ければ分かるのよ?」

上条「そ、そうですね・・・」

美琴「いい?ちゃんと授業を受けること」

上条「は、はい・・・」

美琴「・・・居眠りとかしないこと」

上条「はい・・・」

美琴「・・・まぁ当麻はどうせ真面目に授業なんて受けないでしょうけど」

上条「こう見えてもちゃんと受けてるからな!!!」

美琴「ふーん・・・どうせわかんないからって私とのラブラブな生活でも想像してるんでしょ?」

美琴が少し顔を赤くしながら訊ねる

上条「あ、それがよかったんですか?」

美琴「な、なんでよ!?」

上条「・・・とにかく、授業は最近聞いてるんだぜ?」

603 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 13:08:11.83 ID:EfQahalE0
美琴「そ、そう・・・」

上条「・・・でもまぁ分からないんだよな・・・」

上条がプリントを眺める

どうして自分はこんなに勉強ができないのか

よくよく考えたら、彼の父親はなかなかいい仕事に就いている

つまり、それなりにエリートの血を継いでいるはずだ

なのに・・・

上条「もしかしてさ、俺って要領が悪い?」

美琴「そうに決まってるでしょ」

上条「・・・はぁ、どうしようかな」

美琴「・・・進学狙いたいんでしょ?」

上条「そりゃまぁ・・・」

美琴「じゃあ・・・どっちにしろ、勉強に慣れてないとダメじゃない?」

604 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 13:14:27.84 ID:EfQahalE0
上条「大学に行けば終わりってわけじゃないよな・・・」

美琴「・・・あと2年はあるから、その間に慣れなきゃね」

上条「はー・・・そうですね」

上条が溜め息をつく

美琴「・・・ねぇねぇ、当麻はどこの大学行きたいの?」

上条「・・・土御門とか青ピが行くところかな」

美琴「ふーん・・・なんで?」

上条「学力も同じだし、それにやっぱ知り合いはいたほうがいいだろ?」

美琴「そうね・・・でもさ、友達がいると遊びほうけそうよね」

上条「う・・・そりゃそうかもな・・・」

美琴「はぁ・・・大学に当麻が通い始めたら、私が管理してあげないとね」

上条「何をですか!?」

美琴「生活全般よ」

605 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 13:22:40.97 ID:EfQahalE0
上条「あれ・・・でも、なんか何回もこの進学の話をしてるのに時間は一向に進まないよ!?」

美琴「?何の話よ?」

上条「分かった!!進学なんてしないんだよ、そうだ!!!」

美琴(?・・・何の話なのかな?)

上条「・・・にしてもさ、なんでこんな歴史なんて高校はやるんだろうな」

上条が首を捻る

というより、そもそも歴史を習うほうがおかしい

そんなものよりは車の運転の仕方とか、上手な面接の受け方とか、そういうのを教えてほしいものだ

上条「はぁ・・・美琴は勉強できるからうらやましいな・・・」

美琴「いい?勉強は努力でなんとでもなるのよ」

上条「そうはいかないのが俺なんだ!」

美琴「はぁ・・・当麻、努力を怠れば当然報いも訪れるのよ?」

上条「な、なんか難しい言葉を告げられた!?」

606 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 13:34:47.87 ID:EfQahalE0
美琴「・・・当麻・・・進学は真面目に考えてる?」

上条「・・・そりゃ、まぁ・・・」

美琴「推薦?一般入試?」

上条「え、そ、そりゃ・・・」

美琴「ねぇ、どっち?」

上条「・・・そ、そうだな・・・一般入試・・・」

美琴「じゃあ勉強しないとね」

上条「じゃ、じゃあ推薦・・・」

美琴「ならボランティアとか、検定とかやらないとね」

上条「・・・し、進学は諦めようか・・・」

美琴「なんでそんなに優柔不断なのよ!?将来はしっかりと考えないとダメよ!?」

上条「そ、そうだけどさ・・・」

美琴「はぁ・・・当麻、そんなんじゃ嫌われるわよ?」

上条「う・・・」


607 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 13:38:48.25 ID:EfQahalE0
美琴「・・・ちゃんと考えなさいよね?」

上条「・・・一般入試のほうがいいかもな・・・」

上条が自分の行きたい大学のことを考える

そこまで難しいところではなく、滑り止めとして使う人も多い大学

推薦ではなくても、十分に行けそうなレベルだ

だとすれば、重要なのはとにかく勉強すること

上条「・・・土御門はともかく・・・青ピのやつはホントにあの大学行くのかな」

美琴「?どういうことよ?」

上条「・・・あいつってさ、地味に頭よさそうなんだよな」

美琴「でもいっつも当麻と補習受けてるんでしょ?」

上条「・・・宿題終わらせたのに、わざと忘れて補習受けてるんだぜ?」

美琴「な、なんでわざわざ?」

上条「・・・小萌先生の補習を受けたいらしい」

美琴「うっわ・・・すごいわね」

608 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 14:28:00.38 ID:EfQahalE0
上条「・・・姫神も俺たちと一緒みたいだな・・・」

美琴「吹寄さんは?」

上条「俺たちとは違う学校に行くみたいだぜ」

美琴「なんで?」

上条「・・・あいつはわりと頭いいから」

美琴「ふーん・・・でもたしかに吹寄さんって頭が良さそうよね」

上条「・・・だからさ、吹寄だけは別の大学かな」

美琴「・・・そうなんだ」

上条「あいつもそれだけがなんかちょっとイヤみたいでさ」

美琴「でも友達のためにわざわざ大学を変えるのもね・・・」

上条「そうそう、だから仕方ないんだよな」

美琴「・・・垣根は大学に行かないのかな?」

上条「はぁ?なんで?」

609 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 14:34:26.59 ID:EfQahalE0
美琴「ほら、垣根って頭いいじゃない?」

上条「・・・もしかして、吹寄と同じ大学に行かせる気か?」

美琴「同じくらいの年齢だし・・・」

上条「そ、そうだけどさ・・・」

上条が言葉に詰まる

あの二人はなんとなく一緒にしたらいけない気がする

大覇星祭もそうだった

上条「ほら、はちゃめちゃなんてもんじゃなくなるかもしれないぞ?」

美琴「でもさ、吹寄さんは垣根のことは信頼してるじゃない?」

上条「・・・そうだけどさ」

美琴「・・・吹寄さんは一人じゃかわいそうじゃない?」

上条「・・・あいつは強いから大丈夫だよ」

美琴「・・・うん、そうね」


610 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 14:38:47.31 ID:EfQahalE0
上条「・・・大学かぁ・・・美琴はどうするんだ?」

美琴「私はその前に高校よ」

上条「あ、それもそうか」

美琴「・・・私はどうしようかな・・・」

上条「・・・長点上機は?」

美琴「あそこもなんだかんだ大変そうじゃない?」

上条「じゃあ霧ヶ丘」

美琴「・・・結標さんがいるから困るわ」

上条「あれ、仲直りしたんじゃなかったか?」

美琴「いや・・・してないわよ」

上条「なんで?」

美琴「だって!!なんかあの人苦手なんだもん!!!」

上条「はぁ・・・とりあえず、あんまり名門校には行く気がないと」

美琴「縛られるのはもうこりごりよ」

611 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 14:44:49.55 ID:EfQahalE0
上条「ふーん・・・じゃあ俺たちのとこか?」

美琴「で、でも・・・そしたら当麻はいやじゃない?」

上条「そりゃまぁ・・・お前はもっといい高校に行くべきだからな」

美琴「・・・そうかな」

上条「あぁ、自分の能力はバンバン伸ばすべきだろ?」

美琴「はぁ・・・じゃあ長点上機のほうがいいかもね」

上条「あそこってたしか一方通行も通ってるんだっけか?」

美琴「一人だけ特別クラスみたいだけどね」

上条「へぇ・・・超能力者だからな」

美琴「・・・でもさ、一方通行と同じクラスになっても気まずくない?」

上条「昼休みとか何もできないもんな」

美琴「そうね・・・」

上条「はぁ、そうなったら・・・」

美琴「・・・霧ヶ丘はいやよ?」

上条「・・・じゃあどうするんだよ?」

612 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 14:52:00.98 ID:EfQahalE0
美琴「・・・はぁ、どっかいい高校がないかなぁ・・・」

上条「先生からはなんか言われてないのか?」

美琴「・・・やっぱり長点上機は一番いいって言われてるわね」

上条「そりゃ・・・あの一方通行もいるもんな」

美琴「でもさ・・・それでも長点上機はなんかね・・・」

上条「強い能力者がたくさんいるんだろ?」

美琴「だからよ・・・なんか常盤台と同じみたいで、派閥とかありそうじゃない?」

上条「あぁ・・・そうかもな」

美琴「・・・高校かぁ」

美琴が天井を見上げる

美琴「はぁ・・・」


美琴「進路ってめんどくさいわね」

上条「だよなぁ・・・」

613 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 14:53:31.79 ID:EfQahalE0
今日はここまでかも

これからバイト、明日も朝バイトなので

では行って来ます



明日は上琴、フレンダゴーグル、絹旗と海原とかそこらへん


キャラが増えていく一方

もういやになってくるキャラ

曖昧な設定

どうすれば・・・いいの・・・?


ゴーグルはキャラ作りやすいからまだいいけどね

614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2011/10/03(月) 15:04:01.43 ID:bbftBCGAO
>>560

なんで垣根が記憶の事知ってるんだよ…
そこは知られてちゃダメな所だろ
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/03(月) 15:12:40.90 ID:ez6QCMpi0
>>1
エツァリを昔のキャラに戻せば海原とかぶらなくて済むぜ
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2011/10/03(月) 16:14:21.57 ID:U4/W3LCAO
乙!
しかし何故常盤台には高校大学が無いのか。小学はありそうな気はするが。海原作っておけよ。
…はっ!「流石に中学生はババアなんて言いませんよ。…高校生はババアですが。」とか?
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/03(月) 18:19:45.94 ID:R94OnFaIO
>>614
垣根「俺に常識は通用しねえ」キリッ
618 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/03(月) 23:06:12.82 ID:EfQahalE0
>>614 まぁ友達に隠し事はなしなので

今日は投下はなしです

エツァリは今までのキャラのままですよ


・・・ゴーグルって今思えばそこまでSSで使われるキャラでもないような気がした

まぁテっくんもだけど

ではおやすみなさい
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/10/04(火) 00:03:44.83 ID:IkFiMWbBo
どっちもいつのまにか死んでたなそういや
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/04(火) 00:09:30.55 ID:p5E5IDVSO
心理ちゃんに甘える垣根が可愛いすぎるwwwwww
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/04(火) 03:22:06.19 ID:lTot5k9g0
乙です。。 やっと追いついたぜ!!
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2011/10/04(火) 05:36:21.98 ID:WolQWKZqo
>>614
上条が垣根に嘘つき通せるとは思えん
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/04(火) 09:02:41.80 ID:Yq5TvdySO
>>622
でも垣根が上条の過去知ってる訳じゃないよね?
一巻以前の上条知ってるの御坂のみのはずだし
明かさないだけで黒子も知ってるかもしれないが
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2011/10/04(火) 15:52:10.58 ID:xHVtV/w5o
>>623
お前小学生の頃の話とかしてたら記憶ないんよとか言うしかないだろ
このスレ何個目だと思ってんだよ
625 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 16:28:40.74 ID:yoNbYNba0
>>623 うんにゃ、「知識だけは記憶に残ってる」ってことはみんなご存知のことなのです

だからていとくんは嫌味として、「あれー、上条ちゃん?もしかしてこんな計算も解けないの?あ、記憶喪失だから計算式忘れちゃったんでちゅねー、1+1は2なんですよぷぷぷのぷー」ってことを言いたかったわけです

まぁとりあえず、上条の記憶喪失についてはみんな知ってるということで

投下はのちほど

背中の魅力について誰かに語るとノンストップだということに気がついた

626 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:24:49.82 ID:yoNbYNba0
絹旗「・・・き、緊張します」

絹旗はある喫茶店に向かっていた

そこが海原との待ち合わせ場所なのだ

彼との約束を取り付けたのはつい昨日

夜中に携帯電話に着信があった

海原からの電話で「明日ご一緒にお食事でもいかがですか?」と誘われたのだ

絹旗(・・・麦野には悪いですけど超幸せです・・・)

自然と顔がにやけてしまう

服も、出来る限り大人っぽいものを選んだ

これなら海原にも好印象を与えられるだろうか

絹旗(・・・そろそろ待ち合わせの時間ですね)

喫茶店の前に着いてすぐ、時計を見る

その時いきなり声を掛けられた

627 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:25:28.68 ID:yoNbYNba0
海原「絹旗さん、こんにちは」

絹旗「!う、海原さん!」

海原「ちょうどご一緒でしたね」

ニコニコ、と海原が笑いかける

絹旗「一緒でしたか・・・」

絹旗がチラリと海原の後ろを見る

喫茶店の店員が「またのお越しをお待ちしております」と海原に頭を下げていた

絹旗(ってことは海原さんは喫茶店にいたってことに・・・)

海原「?どうかなさいましたか?」

絹旗「あ、いえ!もしかして・・・わざわざ先に来て待っててくれたんですか?」

海原「・・・遅れることだけはいやでしたので、行きましょうか」

海原が歩き出す

絹旗「・・・ありがとうございます!」

628 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:26:08.40 ID:yoNbYNba0
後ろから絹旗はついていく

海原の背中が少し大きく見えた


一方その頃

フレンダ「・・・ねぇ、アンタの本名ってわかんない訳よね」

ある懐石料理店でフレンダは尋ねていた

ゴーグル「そうっすよ、でも名前なんてどうでもいいんじゃないですか?」

向かいの席から返答が帰ってくる

周りには正月だからか、着物を来た客ばかりだった

そんな中で私服の二人は浮いていた

しかも一人は外国人、一人はさえない男

おかしなカップルが場に合わない格好で料理を食べに来ている、というのが周りの人の総意だろう

ゴーグル「・・・そんなことより、こんな店でよかったですかね?」

フレンダ「うん、なんかアンタにしたらかなりオシャレな店ね」

629 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:26:50.25 ID:yoNbYNba0
ゴーグル「まぁ・・・いろいろとあったんすよ」

ゴーグル男が苦笑する

まだスクールにいた頃、垣根から教えてもらった店だった

上品な気持ちが味わいたいカップルはこの店に行くんだよ、と

別にカップルではないのだがフレンダを喜ばせる必要があったため、訪れてみたのだ

ゴーグル「・・・フレンダさんってよくよく考えたら外国人なんすよね」

フレンダ「よくよく考えなくてもそうなんだけど」

ゴーグル「普通に接してたら分からないっすよ」

フレンダ「まぁ、日本語は話せるし」

ゴーグル「・・・なんか青い瞳って人形みたいっすよね」

フレンダ「か、可愛いって言いたい訳?」

ゴーグル「なんか夜中に見たら呪われそうっす」

630 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:27:30.44 ID:yoNbYNba0
フレンダ「・・・ぶん殴りたい訳よ、全力で」

ゴーグル「いやいや・・・こんな静かなお店でやめてくださいよ」

フレンダ「・・・こういう店は初めて来るかも」

ゴーグル「俺はよく三人で来たりしましたね、こういう店」

フレンダ「・・・」

ゴーグル「あ、すいません」

フレンダ「・・・女の子といる時に他の人の話をするのはタブーな訳よ」

ゴーグル「でも俺達ってカップルじゃないっすよ」

フレンダ「・・・そうだけどさ」

ゴーグル「・・・女性って複雑なんすね」

フレンダ「男の何倍も複雑な訳よ」

ゴーグル「・・・かなりですね」

ゴーグル男がため息をつく

631 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:28:22.29 ID:yoNbYNba0
ゴーグル「あ、運ばれてきましたよ」

フレンダ「すごーい!なんかヘルシーっぽい訳よ!」

運ばれてきたのは、日本の野菜や海の幸をふんだんに使用した料理だった

フレンダ「へぇ・・・カロリーは低そう」

ゴーグル「女性には嬉しいかなって思ったんすけど・・・」

フレンダ「そりゃありがたい訳よ!」

フレンダが一口味見してみる

濃い味、というよりはしっかりした味だった

もちろん、美味しいことは言うまでもない

フレンダ「美味い!鯖缶に並ぶほど美味い訳よ!」

ゴーグル「そりゃよかったっす」

ゴーグル男が安心したように息を吐く

632 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:29:13.09 ID:yoNbYNba0
フレンダ「・・・あ、なんかお客さん入ってきた訳よ」

ゴーグル「ん、ホントっすね」

懐石料理を楽しみながら、二人がぽつりとつぶやく

そして目を見開いた


時は少し戻る

絹旗「懐石料理ですか?」

海原「えぇ、もしかしてあまりお好きではないですか?」

絹旗「いえ、食べたことがないもので」

海原「それはちょうどよい機会ですね」

絹旗「どこにあるお店なんですか?」

海原「この近くにある店ですからすぐですよ」

二人は喫茶店から懐石料理の店に向かって歩いていた

633 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:29:57.44 ID:yoNbYNba0
絹旗(そういえば・・・フレンダは昼食あたりには帰るらしいですね)

絹旗(・・・どうせ、ゴーグルとのデートが楽しくて超遅れて帰りそうですけど)

海原「?絹旗さん、どうかされましたか?」

絹旗「あ、いえ・・・超なんでもないですよ」

海原「そうですか・・・ここですよ」

海原が指差したのは、とても落ち着いた雰囲気の店だった

落ち着いてはいるが暗い印象はない

なかなか繁盛しているのだろう

海原「入りましょうか」

絹旗「はい!」

入口の扉を開ける

座敷がたくさんあり、それぞれが襖で区切られているといった感じだ

しかし周りの座敷はある程度見渡せるようで、閉鎖的な印象はない

634 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:30:36.37 ID:yoNbYNba0
かなり上品な雰囲気の内装

客もほとんどが着物を着ていて、本当の金持ちだけが来る店のように思える

だからこそ

だからこそ、たった一組のおかしな客に気づいてしまった

あれは

絹旗(フ、フレンダとゴーグル・・・!?)


フレンダ「き、絹旗が男を連れてる訳よ!」

フレンダが絹旗を指差す

食事をしていたら突然、同じ店に絹旗が入ってきたのだ

もう驚いたなんてものではない

絹旗「な、なんでフレンダがいるんですか!?」

海原「おや、お知り合いですか?」

635 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:31:29.57 ID:yoNbYNba0
絹旗「あ、友達・・・みたいな?」

フレンダ「何!?何この爽やかな男!なんかどっかで見たことある訳よ!」

絹旗「えっと・・・海原さんですよ、こっちはフレンダです」

海原「初めましてフレンダさん・・・そちらの方は?」

海原がゴーグル男を笑顔で見つめる

ゴーグル「あ、ゴーグルっす」

海原「おや、珍しいお名前ですね・・・」

ゴーグル「通称みたいなもんですよ」

フレンダ「って違う!和んでる場合じゃない!絹旗、誰!?誰なのよその男!?」

絹旗「だから海原さんですよ!超物覚えが悪いですね!」

フレンダ「そうじゃなくて!一体どういう関係・・・」

ゴーグル「二人ともうるさいっすよ」

海原「周りのお客さんの迷惑になりますから・・・もう少し落ち着いてお話しましょうか」

636 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:32:04.71 ID:yoNbYNba0
絹旗「あ・・・ごめんなさい」

フレンダ「なんか・・・上品なゴーグルとかいやな訳よ」

ゴーグル「上品とかじゃなくて常識問題っすよ」

フレンダ「そんな常識は通用しない訳よ!」

ゴーグル「垣根さんの真似ならやめてくださいよ・・・」

海原「それで・・・お二人はどのような?」

絹旗「海原さん、この二人はカップルなんですよ」

フレンダ「!ち、違う訳よ!ただの友達!」

ゴーグル「そうっすよ、そんないやな勘違いしないで下さい」

フレンダ「いやって何!?」

絹旗「ね、超仲がいいんですよ」

海原「ははは・・・うらやましい限りです」

フレンダ「そういう二人はなんなの?」

637 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:32:45.50 ID:yoNbYNba0
海原「お友達ですよ」

絹旗「そ、そうなんですよ・・・」

フレンダ「・・・にしては仲良しな訳よ」

海原「いえいえ、絹旗さんは自分にはもったいないですよ」

絹旗「そ、そんなことないですよ!」

フレンダ「はぁ・・・ねぇゴーグル、アンタもこういう気遣いが出来ないとダメな訳よ」

ゴーグル「フレンダさんは気遣いする俺がいいっすか?」

フレンダ「・・・それはちょっとイヤかもしんない訳よ」

絹旗「なんか今のゴーグルの言い方って、フレンダが望んだらそうするって感じに聞こえましたね」

海原「フレンダさんがよほど大切なのでしょうね」

フレンダ「そ、そうなの?」

ゴーグル「いや、嫌味できいただけっす」

フレンダ「最低!結局ゴーグルは最低な訳よ!」

638 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:33:44.81 ID:yoNbYNba0
絹旗「そんなこと言って・・・フレンダはゴーグルのこと大好きじゃないですか」

フレンダ「な、なんのこと!?」

絹旗「昨日、私にずーっとゴーグルの話を聞かせてきたんですよ」

海原「おやおや、それは微笑ましいですね・・・あ、松を二つ」

ゴーグル「松、中々美味しい組み合わせですよ・・・それ本当っすか?」

絹旗「素っ気なくてなんかつまんないけど、優しいから好き・・・」

フレンダ「と、友達として好きな訳よ!」

ゴーグル「素っ気なくてつまんないってひどいっすよ」

フレンダ「そこをメインに拾う訳!?」

海原「はは・・・なんだか面白いお友達ですね」

絹旗「面白いっていうよりただうるさいだけです」

フレンダ「絹旗こそ猫被っちゃって」

絹旗「超素ですから!」

639 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:34:35.75 ID:yoNbYNba0
海原「絹旗さんはありのままが一番可愛らしいですよ」

絹旗「あ、ありがとうございます・・・」

フレンダ(ちぇー・・・私もそんなこと言われてみたい訳よ)

ゴーグル(昔、ありのままをアリのママだと思ってたっす、モハメドみたいな)

絹旗「・・・な、何ニヤニヤしてるんですか!」

フレンダ「ん?なーんかいい感じだなと思って」

絹旗「超違いますから!」

ゴーグル「でも二人はお似合いな感じがしますよ?」

海原「あはは・・・そうだとしたら嬉しいですね」

絹旗「!」

ゴーグル(・・・なんか絹旗さんがめちゃくちゃ親指を上に立ててるんすけど)

絹旗(超ナイスですゴーグル!)

640 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:35:44.56 ID:yoNbYNba0
ゴーグル(上?蜘蛛でもいるんすかね?)

絹旗(なんか目を逸らされました!っていうか上向いて超挙動不審です)

フレンダ「・・・ねぇゴーグル」

ゴーグル「あぁはい・・・なんすか?」

フレンダ「・・・え、海老の天ぷら・・・もらっていい?」

ゴーグル「もしかして美味しかったんすか?」

フレンダ「ほ、ほら!なんか海老って甘くて美味しいから・・・」

ゴーグル「いいっすよ、どうぞ」

ゴーグルが海老の天ぷらの乗った皿を渡す

フレンダ「ありがとう!ゴーグルは優しい訳よ!」

ゴーグル「これだけで優しい認定されるんすか・・・」

絹旗「見ましたか海原さん?やっぱりフレンダは・・・」

641 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:36:50.34 ID:yoNbYNba0
フレンダ「違うから冷やかさないでほしい訳よ!」

海原「ゴーグルさんはフレンダさんの笑顔が見たいんですよ、きっと」

フレンダ「え・・・?」

海原「きっと、フレンダさんが掛け替えない存在なんです」

フレンダ「そ、そうなの?」

チラリ、とフレンダがゴーグル男のほうを見る

ゴーグル「いて、足攣ったっす」

フレンダ「・・・そんなこと無さそうな訳よ」

海原「ゴーグルさん」

ゴーグル「ん、なんすか?」

海原「いきなりで失礼なのですが・・・フレンダさんのことをどう思われているんですか?」

フレンダ「な・・・」

ゴーグル「うーん・・・なんだかんだ、素敵な人だとは思いますよ」

642 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:37:57.50 ID:yoNbYNba0
足を摩りながらゴーグル男が答える

絹旗「素敵?フレンダがですか?」

ゴーグル「・・・自分と違って人に好かれそうな性格じゃないですか」

海原「ゴーグルさんもお優しいですよ」

ゴーグル「でも俺にはないものを持ってますよ」

フレンダ「そ、それで?」

ゴーグル「・・・憧れますし、なんか素敵だと思います」

絹旗「そ、それは超特別な人だと!?」

ゴーグル「なんか、垣根さんや心理定規さんと似てるんすよ」

ゴーグル男が何気なしに答える

フレンダ「はぁ・・・やっぱりアンタはその二人が大好きな訳よ」

ゴーグル「そりゃそうっすよ」

643 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:38:47.74 ID:yoNbYNba0
海原「そのお二人もお友達なんですか?」

ゴーグル「まぁ・・・そんなもんっす」

絹旗「・・・フレンダはゴーグルのこと、どう思ってるんですか?」

フレンダ「だ、だからぱっとしないヤツだって」

絹旗「だったらなんで一緒にいるんですか?」

フレンダ「・・・」

フレンダが俯いてしまう

ゴーグル「まぁまぁ、いいじゃないっすか」

絹旗「でも・・・」

ゴーグル「フレンダさんが俺と一緒にいる理由なんて関係ないっすよ、俺がフレンダさんと一緒にいたい理由は決まってるんですから」

絹旗「」

海原「」

フレンダ「」


644 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:39:34.66 ID:yoNbYNba0
絹旗「さすが・・・垣根の弟子なだけあります」

ゴーグル「はい?」

フレンダ「わ、私といたい理由とか知らないし!」

絹旗(普段全くその気がなさそうなゴーグルだけに、今の一言は超効きますね)

海原「・・・お二人は・・・お互いを心から信頼なさっているんですね」

フレンダ「そうかなー?」

ゴーグル「心から・・・っすか」

海原「えぇ、とても仲がよろしいようなので」

絹旗「フレンダにしたら初めてのボーイフレンドですからね」

フレンダ「アンタだって海原が初ボーイフレンドな訳よ」

絹旗「う・・・」

絹旗が顔を真っ赤にする


645 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:40:23.01 ID:yoNbYNba0
もはや浜面はボーイフレンドには入らない

眼中にない、というやつだ

フレンダ「・・・ま、まぁ今は料理を楽しむ訳よ!」

ゴーグル「ていうかフレンダさんと絹旗さんだけっすよ、さっきから食べてないの」

フレンダ「私はちゃんと食べてるもん!」

ゴーグル「・・・海老の天ぷらばっかり」

フレンダ「!ゆ、湯葉だって食べてるわよ!」

ゴーグル「はぁ・・・楽しめてるならそれでいいっすけど」

絹旗「あなたが楽しめてるなら、僕はそれでいい、みたいな感じですか?」

ゴーグル「なんか話がズレてます」

海原「ゴーグルさんはこういったお店にはよく来られるのですか?」

ゴーグル「うーん・・・たまに、ですかね」

ゴーグル男が言葉を濁す

646 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:41:33.97 ID:yoNbYNba0
そもそも彼はついこの間まで天国にいたのだ

よく来られるのですか?と聞かれても困ってしまう

生きていた頃は垣根や心理定規とたまに来てはいたが

フレンダ「でも・・・ここって結構高そうな訳よ」

ゴーグル「金ならありますから大丈夫っす」

絹旗「もしかして、稼いだお金は超貯めておくタイプだったり?」

ゴーグル「だって使うこともないですから」

海原「ゴーグルさんはどのようなお仕事を?」

ゴーグル「あぁ、今は辞めちゃったんで」

海原「あぁ・・・それは失礼しました」

ゴーグル「とにかく仕事も探さなきゃ・・・」

フレンダ「ごちそうさま!食べ終わった訳よ!」

ゴーグル「じゃあ行きましょうか」

647 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:42:28.91 ID:yoNbYNba0
海原「おや、もうお帰りですか?」

ゴーグル「いろいろとあるんすよ」

フレンダ「絹旗、頑張って!」

絹旗「は、はい!」

海原「?」

フレンダ「じゃあ私たちはこれで!」

ゴーグル「お二人とも仲良くしてくださいね」

海原「は、はぁ・・・」

ゴーグル男とフレンダが勘定を済ませ店から出ていく

海原「何やら・・・ニコニコと笑われていましたが」

絹旗(・・・二人が気を利かせて帰ってくれました・・・超チャンスですね!)


絹旗(私の魅力を海原さんに超教え込んでやりますよ!)

648 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:42:58.17 ID:yoNbYNba0
上条「もうやだ・・・」

美琴「はいはい、次の問題は簡単だから」

上条「・・・はい」

二人はまだ宿題との格闘を続けていた

正確には戦っているのは上条だけだが

上条「・・・って簡単じゃねぇ!」

美琴「はぁ・・・当麻、見た瞬間に条件反射で出来ないって言うのはやめなさい」

上条「えぇい!こんな宿題の山はきっと幻想だよな!その幻想をぶち殺す!」

美琴「・・・なんかみっともない」

上条「う・・・だってさ、せっかく美琴と・・・二人なんだぜ?」

上条が美琴の足に手を伸ばす

今は長いズボンを着ているため、素肌に触れることは出来ない

美琴「こら!いつもそうやってエッチになるから勉強出来ないのよ!」

649 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:43:42.03 ID:yoNbYNba0
上条「だってさ・・・別に化学反応式なんて会社じゃ使いませんよ?」

美琴「はぁ・・・そういうもんなの」

上条「上条君!この書類回して!あぁ、あと化学反応式解いてくれるかな!なんて職場ある!?いやない!」

美琴「反語は出来るのね」

上条「・・・結構上条さんは頑張ったと思いますよ?」

上条が終わらせたほうの宿題を指差す

一日でやったにしてはかなりの量が終わっていた

無論、美琴に手伝ってもらったためにはかどったのもある

だがたしかに上条の努力は認められるものだった

美琴「そりゃ・・・頑張ってるわよ」

上条「な?だからご褒美」

美琴「アンタ・・・猿並みね」
650 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 17:52:12.07 ID:yoNbYNba0
上条「いやいや・・・猿には敵いません」

美琴「・・・ダメだからね」

上条「・・・はぁ・・・」

上条は相変わらず、ズボンの上から美琴の足を撫でている

美琴「な、なにがしたいのよ・・・」

上条「こうしてたら、エッチな美琴は・・・」

美琴「ふざけないでよ!!」

上条「わ、悪い!」

美琴「そ、そうやっていつもいつも・・・」

上条「うぅ・・・だってなぁ・・・」

上条がぼけーっとプリントを見つめる

大体、こんな化学反応式昨日も垣根に教わった

上条「・・・あれ?ここって昨日教えてもらったな」


651 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 18:02:43.02 ID:yoNbYNba0
上条がスラスラと答えを書いていく

上条は記憶喪失だったのだ

つまり、「記憶」とか「昔の知識」ということには人一倍敏感だったりする

大抵、宿題をするときは近くに美琴がいたりやる気がなかったりして、すぐに諦めてしまう

しかしこうやって真面目に向き合ってみると意外と解けたりするものだ

美琴「で、できるじゃない」

上条「いやー・・・ここは昨日うるさく垣根から言われたんでな」

美琴「・・・でも一日で覚えられるもんなの?」

上条「上条さんは記憶力はいいんですよ」

上条がふふーん、と胸を張る

じゃあなんで頭が悪いの、というのは別問題

美琴「・・・しかもちゃんと合ってる」

上条「だろだろ!?」

652 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 18:13:49.14 ID:yoNbYNba0
美琴「・・・当麻、ちゃんと勉強したらたぶんわりと頭いいほうなんじゃない?」

美琴が不思議そうに訊ねる

上条の父親は外資系の仕事をしている

つまり、なかなかのエリートだ

その血を引いていてもなんらおかしくはない

美琴「・・・当麻、他の問題は?」

上条「えっと・・・これと、これは教えてもらったのと似てるな」

上条がスラスラと解いていく

垣根の教え方が上手だったのか、それとも上条の記憶力がいいのか

それは定かではないが、ここにきて初めて自力で問題を解くことに成功した

美琴「すごい!!合ってるわよ!」

上条「はー・・・これでいいんだな」

美琴「な、なんか見直した・・・」

上条「そうか?」


653 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 18:18:34.16 ID:yoNbYNba0
美琴「・・・うん、なんか・・・当麻が頭いいなんて信じられない」

上条「な、なんだよそりゃ・・・」

美琴「当麻は・・・バカじゃなきゃいけないのに!!」

上条「お、おかしいからな!!」

美琴「うぅ・・・にゃぁっ!!また脚触りだした!」

上条「ふっふーん・・・ご褒美ご褒美♪」

美琴「アンタね・・・」

上条「・・・でも他はまだ分からないな・・・」

美琴「えっと・・・ここはね」

美琴が一から上条に教えていく

それを、上条はしっかりと記憶に刻む

上条(・・・なるほど、化学反応式は公式を覚えれば・・・)

やっと、一筋の光が差してきたのだ


進学に向けた、たしかな光が

654 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 20:20:49.88 ID:yoNbYNba0

垣根「・・・はぁ、しかしヒマだよな」

心理「そうね・・・みんなもいないし」

垣根「・・・なぁなぁ、なんかしようぜー」

心理「はぁ・・・そんなにベタベタしないでよ」

二人はソファーに並んで座っていた

垣根「だってよ・・・久々だぜ?二人きり」

心理「そうだけど・・・でもベタベタされすぎるのはちょっとイヤよ」

垣根「なんで」

心理「・・・クールなあなたのかっこよさを知ってるからよ」

心理定規が溜め息をつく

垣根「はぁ・・・なんだよそれ」

心理「だって、あなたは締まった表情のときほどカッコイイのよ?」

垣根「大抵の男はそうだろ」

呆れたように垣根が肩をすくめる


655 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 20:30:41.58 ID:yoNbYNba0
心理「でもね・・・あなたは最近ふざけてばかりだから」

垣根「嫌いか?そんな俺は」

心理「そんなことじゃ嫌いにはならないわよ・・・でも、たまにはクールなあなたがいいのよ」

垣根「はー、そういうもんかね」

心理「スクールの頃はずーっとしかめっ面だったのに」

垣根「そうだっけか?」

心理「だからこそ、たまに見せてくれる優しさが際立ったのだけどね」

垣根「・・・そうかよ」

心理「怒らないでよ、私はどちらかって言ったら甘えたいタイプなんだから」

垣根「お前が?」

垣根が訝しげに訊ねる

どう考えても、心理定規は抱擁するタイプのほうだと思われる

誰かに甘えるのではなく、誰かを甘えさせるような人間だ

垣根「そうなのかよ・・・意外だな」

656 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 20:33:21.46 ID:yoNbYNba0
心理「あなたってば何も私のこと分かってないのね」

垣根「いや、わかってたけどさ・・・」

心理「・・・ふーん」

心理定規が拗ねたようにそっぽを向く

心理「・・・私のことなんて、何も分かってないのよ」

垣根「そりゃそうだ、他人同士だし」

心理「他人なの?」

垣根「自分以外は全部他人さ」

心理「冷たい人」

垣根「冷たいからこそ、燃え上がろうと必死になるんだろ」

心理「・・・はぁ、あなたはそうやっていつも誤魔化すのね」

垣根「誤魔化してねぇよ」

垣根が眉をひそめる

心理「・・・誤魔化すわよ、スクールのときも、そして帰ってきてからも」

垣根「・・・」

657 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 20:44:45.66 ID:yoNbYNba0
心理「どれだけ問い詰めても結局は誤魔化して・・・」

垣根「なぁ、説教長くなる?」

心理「・・・あのね、私は真面目に言ってるのよ」

垣根「・・・でもさ、俺は別に誤魔化す気はないんだよ」

心理「・・・そうやっていつも私と距離を置くんだもの」

垣根「めちゃくちゃ近くにいるじゃないか」

心理「・・・あまりに近すぎても、見えなくなってしまうのよ?」

垣根「はぁ・・・なぁ、甘えたいなら甘えてもいいんだぜ?」

心理「あら、甘える私も可愛いかしら?」

垣根「新しいキャラを開拓するんだな」

ケラケラと垣根が笑う

心理「・・・で?甘えていいの?」

垣根「いいけどよ、甘えたいから甘えるってのは間違ってるだろ」

心理「それは分かってるわよ」

658 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 20:48:09.31 ID:yoNbYNba0
垣根「・・・にしてもさ、なんかお前って二人きりになるとキャラ変わるよな」

心理「あなたもじゃない」

垣根「たまーに怖い口調のツッコミになったり、ツンツンしたりしてると思ったら・・・」

心理「時にデレデレってこと?あら、私ってもしかしてツンデレなのかしら」

垣根「そうかもしれないな」

興味なさそうに垣根が冷蔵庫からワインを取り出す

そろそろ夕ご飯なのだが、まだ準備はしていない

垣根「・・・ツンデレは御坂の代名詞だと思うんだけどな」

心理「あの子はもうデレデレよ」

垣根「ツンデレキャラは・・・そうなる運命なのさ」

心理「・・・そうなのかしら?」

垣根「いいか?ずーっとツンデレだったら物語に進展がないんだぜ?」

心理「そういう発言はやめなさい」

垣根「はいはーい・・・よっと」

スポン、とコルクが鳴る

垣根「おー、綺麗に開いた」

659 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 20:54:27.06 ID:yoNbYNba0
心理「コルクが綺麗に開くと嬉しいわよね」

垣根「なんかテンション上がるよな」

そんなことを言いながら、垣根が二人分のグラスにワインを注ぐ

心理「・・・そういえば、あなたとゴーグル君と三人でよく飲みに行ったわね」

垣根「おー、他の男の話なんて妬いちゃうぜ」

心理「そんな軽い口調で言われても信用出来ないわよ」

垣根「・・・たしかに、飲みに行ったな」

心理「彼はすぐ酔いつぶれたわよね」

垣根「そしたらいっつもお前は俺に言い寄ってきたな」

心理「ずっと気になってたんだもの」

垣根「そうかよ」

垣根が心理定規にワイングラスを渡す

心理「・・・今は二人ね」

垣根「スクールはもうねぇんだ、ゴーグル馬鹿だってもう居場所が出来た」

心理「ふふ・・・そうね、それがいいのかも」

垣根「・・・一方通行のやつが暗部を解散させやがったからな」

660 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 21:04:26.40 ID:yoNbYNba0
心理「・・・今は感謝してるわよ」

垣根「・・・実感が湧かなかったけどな」

心理「あなたも、暗部を解散させるつもりだったのよね?」

垣根「どうだっていいさ」

垣根がワインを飲む

その渋さに、少し顔をしかめる

垣根「・・・あいつに出来て、俺には出来なかった」

心理「あなたは私のために暗部を解散させるつもりだったの?」

垣根「・・・お前のため、か」

垣根がクルクルとグラスを回す

垣根「自分のためかもな」

心理「あら・・・どういうこと?」

垣根「俺は、お前と明るい世界で過ごしたかったのさ」

心理「そう・・・」


661 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 21:08:16.33 ID:yoNbYNba0
垣根「はぁ・・・まぁさ、結局俺は失敗したのさ」

心理「あら、私と明るい世界で過ごせているじゃない」

垣根「・・・そうだけどさ」

心理「関係ないわよ、私は幸せなんだから」

垣根「そりゃ結果論だぜ」

心理「結果だけが大切だったじゃない」

垣根「今も昔も、か」

心理「・・・ねぇ、私のために・・・わざわざ命を懸けてくれたのよね?」

垣根「俺のためだって」

垣根が小さく笑う

心理「・・・ありがとう」

垣根「おっ・・・」

心理定規がそっと垣根の肩に頭を乗せる

静かになってしまった部屋の中

二人は酔いとは違う理由で顔を赤くしていた


662 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/04(火) 21:47:10.22 ID:yoNbYNba0
早いけど今日はここまで

明日から4連休だからとにかく、更新したい

そろそろ普通の更新速度でいいです、入試とかもあるしw


クーガーってカッコイイよね

なんかすっげぇ強いしよく見たら男前なのに、決して飾らず偽らず

あんな男に俺はなりたい

それだけ


ではおやすみなさい

663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/04(火) 23:19:13.60 ID:ASs36/cIO
乙!
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/04(火) 23:49:55.75 ID:smN+kBy2o
┌─────┐
│い ち お つ.│
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ
665 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:15:17.26 ID:JUP0NHSQ0
フレンダ「はぁ・・・なんか疲れた訳よ」

ゴーグル「あれ、歩き疲れましたか?」

フレンダ「ちょっとね・・・」

ゴーグル「・・・でもさっき飯食ったばかりですよね?」

フレンダ「それとこれとは別な訳よ・・・」

ゴーグル「大体、幽霊に近い存在なんだから疲れたって・・・」

フレンダ「そういう問題じゃない!」

ゴーグル(な、なんか急に不機嫌っす)

フレンダ「あー!座りたい座りたい!」

ゴーグル(なんてわがままな・・・)

フレンダ「ゴーグル!どっかに座りたい訳よ!」

ゴーグル「座るってどこにですか・・・」

ゴーグル男がため息をつく

666 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:15:45.35 ID:JUP0NHSQ0
今、二人は商店街のど真ん中を歩いている

まさか地べたに座る訳にはいかない

かと言ってこのまま歩き続けても文句を言われてしまうはずだ

ゴーグル「・・・あ、近くにソフトクリーム売ってるとこがありますけど・・・」

フレンダ「!行こう!」

ゴーグル「でも冬っすよ?お腹壊しますよ?」

フレンダ「問題ない訳よ!」

フレンダがゴーグル男の手をぐいぐいと引っ張る

ゴーグル「な、なんでっすか・・・」

フレンダ「いいから!」

ゴーグル「でも俺は食べない・・・」

フレンダ「食べるの!」

ゴーグル「いや・・・フレンダさんには奢りますよ?」

667 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:16:12.08 ID:JUP0NHSQ0
フレンダ「アンタも食べるの!」

ゴーグル「う・・・分かりましたよ」

フレンダ「やったぁ!」

ゴーグル(・・・はぁ、あんまソフトクリームは好きじゃないんすけど)

フレンダ「早く早く!」

フレンダがゴーグル男を急かす

ゴーグル「はいはい・・・なんで俺と食べたいんすか」

フレンダ「そ、そりゃアンタとなら違う種類を買って食べ比べが出来るから!」

ゴーグル「別に二つ食べてもいいんすよ?」

フレンダ「そういう反応・・・」

ゴーグル「?なんか悪かったっすか?」

フレンダ「なんでもない訳よ」

フレンダがため息をついてからソフトクリーム屋に入る

668 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:16:38.07 ID:JUP0NHSQ0
こんなに暖房を効かせてよくソフトクリームが溶けないものだ、と思うほどに店内は温かかった

ゴーグル「・・・ここもカップルばっかですね」

フレンダ「ふーん・・・みんな冬なのにソフトクリーム食べるんだ」

ゴーグル「あなたもじゃないですか」

ゴーグル男が注文を伝えにカウンターへ向かう

ゴーグル「えっと・・・フレンダさんは何がいいんすか?」

フレンダ「じゃあ・・・チョコ!」

ゴーグル「チョコとバニラを一つずつ」

「りょ、了解しました!」

バイト生だろうか、少し慣れない感じの店員が必死な感じで注文をメモしている

ゴーグル「あぁ、モカじゃなくてチョコっすよ」

「も、申し訳ありません!」

ゴーグル「いえいえ・・・まだ日が浅いんすか?」

669 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:17:04.09 ID:JUP0NHSQ0
「はい・・・まだ一週間前に入ったばかりで・・・」

ゴーグル「なら仕方ないですよ、頑張ってくださいね」

苦笑しながらゴーグル男が言う

「あ、ありがとうございます!」

少し顔を赤くしながら店員が店の奥へ向かった

ゴーグル「初々しくていいっすね」

フレンダ「・・・そうね」

ゴーグル「?どうしたんすか?」

フレンダ「ゴーグルはああいう女の子が好みな訳ね、へー」

ゴーグル「なんでそういう話になるんすか・・・」

フレンダ「そうよね、あの子可愛かったもんねぇ」

フレンダが垣根を睨みつける

フレンダ「胸も大きかったし顔も可愛かったから、ふーん」

670 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:17:45.33 ID:JUP0NHSQ0
ゴーグル「・・・な、なんか怒ってます?」

フレンダ「別に怒ってなんかない訳よ」

フレンダはそう言うが明らかに不機嫌になっている

ゴーグル「あの・・・俺は別に・・・」

「お、お客様!お待たせいたしました!」

まさに最悪のタイミングで店員がソフトクリームを持って来る

ゴーグル「あ、どうも・・・」

「そ、その・・・本当にありがとうございます」

ゴーグル「?何がですか?」

ゴーグル男が首を捻る

「し、失敗したのに・・・慰めてくれたじゃないですか」

ゴーグル「それくらい当たり前っすよ」

本当に当然といった感じでゴーグル男が答える

671 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:18:12.34 ID:JUP0NHSQ0
人に思いやりを持って接する、それがゴーグル男のモットーだった

そして、それでもある程度の距離は置いておくことも

「ごゆっくりどうぞ!」

ゴーグル「それじゃ、頑張ってくださいね」

ゴーグル男がフレンダにソフトクリームを手渡す

フレンダ「・・・ありがとう」

ゴーグル「あの・・・俺は別に下心があってあんな風にやってた訳じゃ」

フレンダ「分かってる訳よ!」

フレンダが突然大声を出す

周りの客は何事かと二人を見つめる

ゴーグル「あ、あの」

フレンダ「・・・ごめん、早く食べよう」

フレンダがそそくさと席へ向かう

672 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:18:38.21 ID:JUP0NHSQ0
ゴーグル「・・・な、なんなんすかね?」

ゴーグル男には分からない

女心というものが


上条「よーし!どうだ、やってやったぞ!」

上条が満足そうに宿題を指差す

美琴に教えてもらったおかげでなかなか早く終わらせることが出来たのだ

上条「はぁ・・・美琴、ありがとな」

美琴「当麻もよく頑張ったわね・・・意外と早く終わったじゃない」

美琴が時計を見つめる

時刻はちょうど3時を回ったところだ

上条「はぁ・・・これでやっと休憩出来る」

上条がごろん、と寝転がる

こたつに突っ込んだ足が心地好い温かさを持っている

673 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:19:06.39 ID:JUP0NHSQ0
美琴「私もちょっと休憩・・・」

上条「・・・ん、いいところに脚が・・・」

上条が美琴の脚に自分の脚を絡める

美琴「ちょ、ちょっと何してるのよ・・・」

上条「ん?もしかしてドキドキしちゃってるんですか?」

美琴「ん・・・ち、違うわよ」

上条「ほれほれ、くすぐったいだろー」

美琴「やめなさいってば!当麻の変態!」

上条「か、彼女にいたずらしたら変態なのか!?」

美琴「脚フェチ!変態!」

上条「世の中の脚フェチを敵に回したな!」

美琴「んっ!な、何変なとこ触ってるのよ!」

上条が脚で美琴の敏感な部分をつつく

674 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:19:33.32 ID:JUP0NHSQ0
美琴「やめなさいってば!」

上条「む・・・美琴さんはこんなことされるのがイヤなのか?」

美琴「イヤじゃないけど・・・これからまだ宿題あるじゃない?」

上条「今日のノルマは達成・・・」

美琴「このまま明日の分もやるの!そしたら明日は私と一日お出かけ出来るじゃない!」

上条「・・・そうだけどさ」

美琴「・・・あ、明日・・・たくさんすればいいじゃない」

美琴が上目遣いで上条を見つめる

上条「よ、よーし!その代わり明日はたくさんするからな!」

美琴「い、いいわよ!」

上条「よっしゃあ!やる気が出た!」

上条が体を起こし、再び宿題と向き合う

675 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:20:21.49 ID:JUP0NHSQ0
上条「・・・ここはこの公式だっけ?」

美琴「そうそう・・・そしたらどうなるか分かる?」

上条「えっと・・・」

上条が問題を解いていく

美琴「よし、正解!」

上条「次は・・・」

宿題という冬休みの地獄

だが上条は、なんとかその地獄を乗り切ろうとしていた


テクパトル「ただいま」

19090「ただいまです・・・」

御坂妹「お帰りなさい!ミサカ達にしますか!?ミサカにしますか!?それともミサカにはしませんか!?」

テクパトル「ミサカにはしません・・・みんな悪かったな」
676 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:20:48.77 ID:JUP0NHSQ0
13577「・・・別に寂しくなんかなかったんだからね、とミサカはツンデレを発揮します」

20000「やっほ、楽しめた?」

テクパトル「あぁ、仕事で忙しくなる前に遊べてよかったよ」

14510「・・・それはよかったですね」

10039「いやぁ、ミサカ達は悲しいお正月を過ごしましたよ」

ミサカ達が二人を睨む

テクパトル「いやいや!それは本当に悪かったって・・・」

10033「・・・ミサカ達のことなんてどうせ忘れてたんですよね」

19090「そ、そんなことないですよ!」

御坂妹「19090号はもはやヒロインですからね、うらやましいです」

17600「こらこら、そう拗ねるなよなみんな」

20000「そうだよ、本当はみんな寂しがってたじゃん」

677 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:21:15.05 ID:JUP0NHSQ0
10033「そ、そんなことはないです!」

14510「そうですよ!」

テクパトル「・・・すまんな」

テクパトルが申し訳なさそうに頭をかく

テクパトル「仕事が始まったらもっと一緒にいられる時間が減るのに・・・みんなとの時間を削ってしまって」

13577「あ、いえ・・・」

10033「きょ、今日一緒にいてくれたらいいですよ!」

テクパトル「あぁ・・・ありがとう」

17600「さぁ、じゃあまずはみんなでゲームだ!」

テクパトル「おう!」

一同がテレビの前に座る

20000「まずはギャルゲーから!」

テクパトル「いや、ないからな」

678 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:21:48.85 ID:JUP0NHSQ0
削板「ウイーハルさん!明けましておめでとう!」

黒子「おめでとうございますの」

初春「あ、おめでとうございます!」

三人は風紀委員の支部で顔を合わせていた

新年早々仕事、という訳ではない

ただお互いに新年の挨拶をしたかったため、待ち合わせ場所をここにしただけなのだ

削板「いやぁ!今年も一年、学園都市の治安を守っていこうじゃないか!」

初春「もちろんですよ!」

黒子「そうですわね・・・三人で協力して頑張りますの」

初春「そうです!そして今年は私も彼氏を作ります!」

黒子「絶対に無理ですの」

削板「ウイーハルさん、がんばれよ!」

679 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:22:18.38 ID:JUP0NHSQ0
初春「・・・な、なんかあんまり期待されてないみたいですね・・・」

初春が泣きそうな顔になる

黒子「初春はまずそのお花畑な脳内をどうにかしてくださいな」

初春「これは私のアイデンティティです!」

削板「じゃあ・・・もう少し、強気になったらどうだ?」

初春「つ、強気・・・ですか?」

削板「ウイーハルさんはなんか少し弱気なところがあるだろ?」

黒子「たしかに、こう・・・あまり積極的ではないですの」

初春「そうですかね?」

削板「だから、もっと男性に対してアプローチをするべきなんだよ!」

削板が拳を握る

削板「ウイーハルさん!後ろ向きじゃいつまでも前は見えない!」

680 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:22:56.91 ID:JUP0NHSQ0
黒子「そうですの!」

初春「で、でも・・・なんだかあまりにも必死な感じがするじゃないですか」

削板「もちろん!好きな人は自然と出来るものだ!」

黒子「ですが、やはり出会いというものは大切ですの」

初春「わ、分かりました!積極的になってみます!」

削板「よし!がんばれ!」

黒子「初春、初春なら大丈夫ですの!」

初春「が、頑張ってみます!」

初春が力強く拳を握る

彼氏を作ってやる、という決意が見て取れる

ちなみに、彼女には彼氏なんて出来る予定はないだろう

そもそも、彼女が男性と知り合う機会はほとんどないのだから


681 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:23:32.34 ID:JUP0NHSQ0
フレンダ「・・・」

ゴーグル「あの・・・ごめんなさい」

フレンダ「別に気にしてない訳よ・・・」

二人は気まずい雰囲気のままソフトクリームを食べていた

ゴーグル「・・・その・・・」

フレンダ「私が勝手に怒っただけなんだから」

ゴーグル「・・・なんで怒ったんすか?」

フレンダ「そ、そんなのどうでもいい訳よ!」

ゴーグル「・・・気になるじゃないですか」

フレンダ「・・・違うから、なんかちょっとイライラしちゃっただけだから」

ゴーグル「・・・だからなんでなんすか?」

フレンダ「・・・分からない」

ゴーグル「・・・そうっすか」

682 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:24:01.17 ID:JUP0NHSQ0
フレンダ「あ、あのさ・・・」

ゴーグル「食べますか?」

ゴーグル男がソフトクリームを差し出す

フレンダ「か、間接キスを要求してる訳よ!」

ゴーグル「違いますよ・・・」

フレンダ「で、でも・・・」

ゴーグル「二つの味を試しに食べたいって言ったのはフレンダさんじゃないっすか」

フレンダ「でもまさかこんな展開になるなんて思わなかった訳よ!」

フレンダが顔を真っ赤にする

ゴーグル「大体、間接キスくらいでドキドキする・・・もしかして、フレンダさんってファーストキスもまだなんすか?」

フレンダ「アンタだってそうなんじゃないの!?」

ゴーグル「俺はそうっすけど」

683 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:24:27.92 ID:JUP0NHSQ0
フレンダ「じゃあ偉そうに言わないでほしい訳よ!」

ゴーグル「でもフレンダさんって彼氏とかいそうじゃないですか」

フレンダ「な、なんで?」

ゴーグル「一応見た目は可愛いじゃないですか」

フレンダ「か、可愛いなんて当たり前な訳よ!」

ゴーグル「・・・なんかちょっとイラってしましたよ」

フレンダ「は、はぁ!?」

ゴーグル「っていうか結局どうするんすか?」

ゴーグル男がソフトクリームを指差す

フレンダ「た、食べる・・・訳よ」

フレンダがバニラのソフトクリームを一口食べる

フレンダ「うわ・・・甘い訳よ」

684 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:24:59.90 ID:JUP0NHSQ0
ゴーグル「甘いっすよ、そりゃ」

フレンダ「私のチョコもあげる訳よ!」

ゴーグル「苦いっすよ」

フレンダ「・・・そ、そう」

ゴーグル「・・・でも悪くはないっすね」

フレンダ「そりゃ私の・・・私の・・・」

フレンダが顔を真っ赤にする

ゴーグル「どうしたんすか?」

フレンダ「か、間接キスをナチュラルにしちゃった訳よ!」

ゴーグル「どうだっていいじゃないっすか」

フレンダ「よくない訳よ!」

ゴーグル「はぁ・・・間接キスなんてどっかで知らないうちにしてるもんっすよ?」

685 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:26:00.84 ID:JUP0NHSQ0
ゴーグルがクルクルと指を回す

ゴーグル「たとえば公園の水道とか」

フレンダ「そんな夢のない話はイヤな訳よ!」

ゴーグル「でも現実っすよ」

ゴーグル男が呆れたようにつぶやく

ゴーグル「とにかく、マウストゥーマウスのキス以外はもはやキスとは言えないんすよ」

フレンダ「・・・それはキスを要求してるの?」

ゴーグル「違いますよ」

フレンダ「そんなにすぐ否定されたら悲しい訳よ」

ゴーグル「だって俺達はそういう雰囲気じゃないじゃないですか」

フレンダ「そうね・・・どうせただの友達な訳よ」

ゴーグル「そうっすよ」

686 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:26:41.95 ID:JUP0NHSQ0
ゴーグル男がソフトクリームを食べ続ける

フレンダ「・・・ねぇ」

ゴーグル「なんすか?」

フレンダ「・・・これってデートになるのかな?」

ゴーグル「どうしたんすかいきなり?」

フレンダ「気になった訳よ」

ゴーグル「あぁ・・・もしかして初デートとかですか」

フレンダ「一応は・・・」

ゴーグル「・・・すいません」

フレンダ「な、なんで謝る訳よ!?」

ゴーグル「だって初デートが俺みたいなやつなんてイヤでしょ?」

フレンダ「そ、そうね!」

ゴーグル「・・・ホントすいません」

687 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:27:14.35 ID:JUP0NHSQ0
フレンダ「あ・・・」

ゴーグル男が少し寂しそうな顔をする

ゴーグル「じゃあそろそろ帰りましょうか・・・大分遅くなっちゃいましたし」

フレンダ「・・・うん」

二人がソフトクリームを食べ終え、店から出る

チラチラと雪が降ってはいたが、勢いは弱まっていた

フレンダ(・・・また・・・素直に楽しいって言えなかった訳よ)

フレンダ(・・・どうせゴーグルはただ申し訳ないって思ってるだけなんだろうけど)


一方「よォ」

番外「たっだいまー」

芳川「あら、お帰りなさい」

一方「あァ?打ち止めはどォした」

688 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:27:40.14 ID:JUP0NHSQ0
芳川「私がお出迎えじゃ不満だったかしら」

一方「どォしたって聞いてンだよ」

芳川「黄泉川と出かけてるわ・・・まさかあなたたちが今日帰ってくるとは思わなかったから」

一方「どォいう意味だ」

芳川「てっきりあと何日かは垣根君の家にいると思ってたからよ」

番外「えー、ミサカだってホームシックにはなるんだよ」

一方「・・・なってなかっただろォが」

番外「内心では恋しかったの!」

芳川「とりあえず明けましておめでとう」

一方「あァ」

番外「おめでとう!」

芳川「打ち止めが帰ってきたら喜ぶわよ・・・あの子、あなたたちに会いたがってたから」

689 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:28:06.79 ID:JUP0NHSQ0
一方「・・・そォか」

番外「めちゃくちゃにやけてるじゃん」

一方「嬉しいンだよ!」

芳川「あらあら、親バカね」

芳川がクスクスと笑う

番外「親バカなの?」

一方「・・・ちげェよ」

芳川「まぁ、照れちゃって」

一方「照れてねェよ」

番外「素直じゃないなぁ」

一方「・・・」

芳川「あらあら、怒らせちゃったかしら」

690 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:28:42.26 ID:JUP0NHSQ0
一方「ちっ・・・とりあえず何か食うもンねェか?」

芳川「食べてこなかったの?」

一方「小腹が空いたンだよ」

番外「ミサカもちょこっと何が食べたいな」

芳川「お菓子があるから食べなさいな」

芳川がテーブルの上を指差す

豪華なお菓子が置かれていた

一方「わざわざ買ったのか?」

芳川「まさか、贈り物よ」

番外「誰から?」

芳川「テクパトル君とかいう子よ」

一方「あいつか」

691 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:29:09.21 ID:JUP0NHSQ0
番外「ふーん・・・ありがたくいただこうか」

二人が菓子を食べる

バクバクと

そりゃもうすごい勢いで

芳川「・・・小腹じゃなかったのかしら」

一方「あァ?いいだろ」

芳川「打ち止めの分も残してあげなさいよ」

番外「分かってるって」

芳川「ところで、年末は楽しめた?」

番外「うん!聞いて聞いて!」

番外個体が嬉しそうに大晦日からの話をする

一方通行は苦笑しながらそれを聞いていた

692 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:29:43.13 ID:JUP0NHSQ0
上条「・・・美琴」

美琴「ん・・・いつまで脚触ってるのよ」

上条「この問題は多分まだ分からないんだけど」

美琴「き、聞きなさいよ!」

上条「いいだろ?触るくらいなら」

美琴「ふ、服の上から触って何が楽しいのよ」

上条「美琴の体に触れてるだけで上条さんは幸せなんですよ」

そんな恥ずかしいことを上条は平気で言っていた

現在解いているのは現代文

わざわざ習う必要もなさそうだが、とりあえず宿題は終わらせなければならない

上条「でさ、ここは?」

美琴「・・・いい?これは隠喩・・・だから」

693 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:30:19.32 ID:JUP0NHSQ0
上条「なるほど・・・ここに掛かってくる訳か」

上条の顔は真剣そのものだ

ただ、美琴の脚を撫でていることを除けば

美琴「ん・・・ダ、ダメだから」

上条「・・・ここは?」

美琴「聞いてよ・・・そこは隠喩だけど掛かる場所が違うの」

上条「ふーん」

美琴の制止を無視したまま、上条はプリントを解いていく

美琴「ねぇ・・・んっ・・・」

上条「こらこら、そんな声出さないの」

美琴「アンタが触るからよ・・・」

上条「・・・なぁ、一回だけダメか?」

694 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:30:51.68 ID:JUP0NHSQ0
美琴「・・・そしたら集中・・・出来る?」

上条「あぁ、もちろん」

美琴「じゃあ・・・いいわよ」

美琴が上条にキスをする

もしかしたら、自分もこうなることを望んでいたのかもしれない

美琴(・・・いいわよね、たまになら)

そんなことを考えている間に、美琴は服を脱がされてしまっていた


垣根「なぁ」

心理「なに?」

ワインを飲みながら、二人は向き合っていた

垣根「よくよく考えたんだけどさ」

心理「えぇ」

695 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:31:24.96 ID:JUP0NHSQ0
垣根「お前はずっと俺の帰りを待ってたんだよな」

心理「・・・そうよ、当たり前じゃない」

垣根「結構戻るまでに時間掛かったろ?あの間はどうしたんだよ」

心理「・・・暗部で仕事を続けてたわよ」

垣根「ふーん・・・それだけか?」

心理「・・・何かをしていないと・・・泣きそうだったから」

心理定規が昔を思い出して苦笑する

心理「街中でカップルとすれ違う度・・・あなたに背格好の似た人を見る度・・・胸が締め付けられたわ」

垣根「・・・」

心理「あぁ、あなたはもう戻ってこないのかも、って」

垣根「・・・そうか」

心理「自分勝手でもあるわよね、自分の気持ちを伝えていればもしかしたらあなたは止まったかもしれないのに」

696 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:31:52.24 ID:JUP0NHSQ0
垣根「んなわけねぇさ」

心理「どうして?」

垣根「俺は・・・お前を暗部から解放したかったからあんなことしたんだ」

心理「・・・知ってるわ」

垣根「お前が俺に気持ちを伝えてたら、もっとお前を愛おしく思ってただろうからな」

心理「・・・愛おしく思ってた割には冷たくされてたわよね」

垣根「ありゃ恥ずかしかったからかな」

心理「恥ずかしかった?」

垣根「誰かに温もりを与えるわけでも、誰かから温もりを受けるわけでもない」

心理「・・・一人ぼっちだったのね」

垣根「存在しないものを作り出す能力、か」

垣根がワインをじっと見つめる

697 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:32:23.76 ID:JUP0NHSQ0
赤ワインだ

その色は、どこか血にも似ていた

彼がたくさん見てきた血に

垣根「俺が欲していた・・・存在しないものってのはなんだったんだろうな」

心理「夢?希望?」

垣根「さぁ」

心理「違うんじゃないかしら」

垣根「なにが」

心理「夢や希望・・・愛や光は実際に存在するのよ」

垣根「・・・」

垣根は知っていた

友達に教えてもらった

そんな夢物語のような美しい感情が本当に存在すると

698 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:32:57.11 ID:JUP0NHSQ0
心理「あなたはこの世に存在するものを生み出すことはできないじゃない」

垣根「能力で愛やら夢やらは作り出せなかったって言いたいのか」

心理「だから、あの時のあなたは寂しそうだったのよ」

垣根「・・・愛も夢も、この世に存在しないと思ってたのさ」

心理「ふふ・・・それを作り出したかったから、あなたはそんな能力を手に入れたの?」

垣根「知るかよ」

心理「あら冷たい」

垣根「ときにはクールがいいんだろ?」

心理「クールと冷たいは別物なのよ?」

心理定規がワインを口にする

心理「ちょっと渋いわね」

垣根「あぁ」

699 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:33:28.76 ID:JUP0NHSQ0
心理「・・・垣根、私も一つ聞きたいの」

垣根「なんだよ」

心理「あなたが私に好意を持ったのはいつから?」

垣根「前も似たようなことを聞かれた気が」

心理「答えて」

垣根「知るかよ、いつの間にかだ」

心理「・・・そんな曖昧な答えじゃいやよ」

垣根「お前に対する愛は常に変わってる・・・いや、もしかしたら愛じゃないかもしれない」

心理「・・・」

垣根「だったらさ、いつ生まれたかよりも今生きているかどうかを確かめようぜ」

心理「結局、はぐらかされたわね」

垣根「うるせぇな」

700 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:33:57.52 ID:JUP0NHSQ0
垣根がまた、ワインを飲む

彼の好きなシチュエーションには欠かせないワイン

それを好きにさせてくれたのは心理定規だった

垣根「お前と飲むワインは美味いな」

心理「ありがとう」

垣根「・・・愛ってよく分からないよな」

心理「私は理解したつもりだけど」

垣根「ただの思い込みさ」

心理「愛自体が思い込みじゃないかしら」

垣根「・・・そうだな、そうかも」

心理「だったら思い込まされていましょうよ」

垣根「はいはい」

701 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:34:23.95 ID:JUP0NHSQ0
二人は苦笑した後、もう一度乾杯をした

チン、というグラスの音が、なぜか部屋に大きく響き渡った


フレンダ「・・・ねぇゴーグル」

フレンダは少し先を歩くゴーグル男に声を掛けた

ゴーグル「なんすか?」

フレンダ「・・・少し行きたい場所があるんだけど、いい?」

ゴーグル「はい、どこっすか?」

フレンダ「ちょっといい場所」

フレンダが微笑んでからくるりと向きを変える

ゴーグル「いいんすか?そんな場所を俺なんかに・・・」

フレンダ「いいのいいの、アンタにならいい訳よ」

フレンダはスタスタと歩いていく

702 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:34:59.67 ID:JUP0NHSQ0
ゴーグル「でも俺とのデートなんて・・・」

フレンダ「ウジウジ言わない!それだからアンタは彼女の一人も出来ない訳よ!」

ゴーグル「仕方ないじゃないっすか」

ため息をつきながらゴーグル男はフレンダの後ろを歩く


フレンダ「着いたー!」

ゴーグル「ここっすか?」

ゴーグル男が辺りを見回す

そこはなんの変哲もない、ただの公園だった

町外れの寂しい公園

商店街から20分ほど歩いた場所だった

ゴーグル「そんなにいい場所とは言えないような・・・」

フレンダ「ここの静かな雰囲気が堪らない訳よ」

703 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:35:33.56 ID:JUP0NHSQ0
嬉しそうに笑いながら、フレンダがベンチに座る

フレンダ「アイテムのみんなにも内緒だったんだ、ここ」

ゴーグル「相当お気に入りだったんすね」

フレンダ「・・・ホントは、誰にも教えるつもりはなかった訳よ」

ゴーグル「あ・・・ごめんなさい」

フレンダ「・・・いいの」


フレンダ「なんか、アンタには教えたかったんだ」

ゴーグル「?なんでですか?」

フレンダ「・・・アンタは私にいい場所を教えてくれたから、お礼に」

ゴーグル「あの懐石料理店っすか?」

フレンダ「・・・そう思うならそれでいい訳よ」

フレンダがゴーグル男を睨む

704 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:36:04.65 ID:JUP0NHSQ0
ゴーグル「冗談っすよ」

フレンダ「え?」

ゴーグル男がフレンダの隣に座る

ゴーグル「ここっすね、俺が教えた場所は」

フレンダ「・・・」

ゴーグル「あなたは誰の隣にもいられなかったんすよね?」

フレンダ「別に・・・アンタの隣だからどうって訳じゃないけど」

ゴーグル「・・・俺、今日結構楽しかったですよ」

フレンダ「・・・私といられたから?」

ゴーグル「分からないっす」

フレンダ「・・・ねぇ」

ゴーグル「はい」

フレンダ「絹旗と海原に言った・・・私と一緒にいたい理由って何?」

705 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:36:33.49 ID:JUP0NHSQ0
ゴーグル「フレンダさんといるのが楽しいからっす」

あっけらかんとゴーグル男が答える

ゴーグル「最初はうるさくてめんどくさい人だと思ってました」

ゴーグル「でも・・・いろんな話をしてるうちに、俺とそっくりだなって思ったんすよ」

フレンダ「似てるかな?」

ゴーグル「きっと」

フレンダ「・・・それだけ?」

ゴーグル「・・・なんか、幸せなんすよ」

ゴーグル「誰かの温もりなんて初めてでしたから」

フレンダ「・・・私も」

ゴーグル「・・・フレンダさん、ありがとうございます」

フレンダ「な、何急に改まって!?」

ゴーグル「フレンダさん、言ったじゃないっすか」
706 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:37:14.24 ID:JUP0NHSQ0
フレンダ「な、何を?」

ゴーグル「新しい居場所を俺が教えたって」

フレンダ「うん・・・」

ゴーグル「教えられたのは俺のほうっすよ」

フレンダ「私が教えたの?」

ゴーグル「・・・はい」

フレンダ「・・・そっか」

二人が空を見上げる

二羽の鳥が仲良く飛んでいる

彼等はその鳥の名前なんて知らない

興味がないし、興味を持とうとも思わない

ただ、同じ空を同じように飛んでいるのがうらやましかった

707 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:37:42.15 ID:JUP0NHSQ0
フレンダ「・・・帰る?」

ゴーグル「そうっすね」

ゆっくり二人が立ち上がる

フレンダ「ねぇ、今日は泊まっていくの?」

ゴーグル「うーん・・・家が見つかるまではお世話になりますよ」

フレンダ「あはは、結局居候な訳よ」

ゴーグル「いいじゃないっすか」

笑いながら、二人はアイテムの家へ向かう

まるでそうするのが当たり前だったかのように


吹寄「・・・姫神、明けましておめでとう」

姫神「明けましておめでとう」

吹寄「はぁ・・・何回このやり取りしたかしら」

708 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:38:13.80 ID:JUP0NHSQ0

姫神「仕方ない。だって他に言う人もいないもの」

吹寄「・・・そうよね」

寂しい寂しい独り身は、歎いていた

二人がいるのは吹寄の部屋

綺麗に片付けられた部屋の中には健康グッズがたくさん並べられている

吹寄のようなスタイルの持ち主には不必要ではないか、と思えるだろう

だがそれは間違いだ

こういう細かい努力をするからこそ、彼女は素晴らしいスタイルを保てるのだ

吹寄「・・・垣根から年賀状、来た?」

姫神「来た」

吹寄「なんて?」

姫神「今年もよろしく。あと巫女姿を是非とも生で見せてくれ」

709 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:38:39.41 ID:JUP0NHSQ0
吹寄「最低ねあのスケベ男は」

姫神「吹寄はなんて?」

吹寄「あ・・・別に」

姫神「貸して」

姫神が吹寄の手から年賀状を奪い取る

姫神「今年はいい恋が出来るといいな」

吹寄「・・・あの馬鹿、わざわざ厭味ったらしく心理定規とのツーショットを添えてきたのよ?」

姫神「失恋とは。そういうもの」

吹寄「はぁ・・・だからあれは気の迷いだったのよ」

姫神「吹寄。自分の気持ちに理由をつけてはいけない」

吹寄「そ、それより!夕ごはんはどうする?」

姫神「うーん」

710 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:39:07.57 ID:JUP0NHSQ0
姫神が首を捻る

おせちには飽きたし、かといって外に食べに行けば待たされてしまう

そう考えたところでチャイムが鳴った

吹寄「?誰かしら」

吹寄が素早くドアを開ける

そこにいたのは

垣根「あなたの影に、ダ」

吹寄「さようなら」

さっきまで吹寄が頭を抱える理由になっていた男だった

心理「明けましておめでとう」

吹寄「あ、心理定規もいたのね」

吹寄が閉じかけたドアを開ける

ついでに心のドアも開ける

711 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:39:34.72 ID:JUP0NHSQ0
垣根「てめぇ・・・せっかく夕ごはんを一緒に食わないかって誘いに来たのに!」

姫神「なに。夕ごはん?」

垣根「お、姫神も一緒か」

姫神「明けましておめでとう。巫女姿は今度ね」

垣根「楽しみにしとく・・・で、なんで姫神が?」

吹寄「・・・ヒマだったから」

垣根「はぁ、これだから引きこもりは」

吹寄「引きこもりじゃないわよ!」

心理「とにかく、上がっていいかしら?」

吹寄「あぁ、いいわよ」

吹寄が二人を部屋の中に案内する

垣根「うっわ・・・健康グッズばっかり」

心理「ふーん・・・健康的な部屋ね」

712 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:40:01.12 ID:JUP0NHSQ0
部屋の中を見回しながら二人が感想を漏らす

吹寄「一応健康には気を遣ってるから」

心理「女性としては当然ね」

垣根「姫神、お前の部屋はまさかこんなに必死な感じはしないよな?」

姫神「私の部屋は。もっと殺伐としてる」

垣根「よかった・・・」

心理「よくないわよね?殺伐としてたら」

吹寄「・・・それより、二人はなんでここに?」

垣根「二人でワインを飲んでたんだが、さすがに二人だけじゃヒマでさ」

心理「だから、あなたたちを誘ったのよ」

垣根「独り身ならどうせヒマだろうし」

吹寄「ちょっと殺意が湧いたわ」

垣根「ちょっとで済む感情じゃないよな」

713 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:41:49.90 ID:JUP0NHSQ0
吹寄「・・・で?結局どこに食べに行くの?」

心理「あなたたちは何が食べたい?」

吹寄「そうね・・・」

姫神「・・・お肉」

垣根「姫神・・・お前、肉食べられないからって必死だな」

姫神「私は。お肉が食べたい」

心理「まぁ、いいんじゃない?」

吹寄「私も別に構わないわよ?」

心理「・・・じゃあ、焼肉?」

姫神「ステーキが。食べたいな」

垣根「よーし、姫神のためだ」

心理「はぁ・・・あなたは姫神さんが大好きね」

714 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 15:44:36.81 ID:JUP0NHSQ0
垣根「好きっていうか、こいつはいいヤツだからな」

心理「そんなの、吹寄さんだってそうじゃない」

吹寄「あ、ありがとう」

姫神「・・・垣根。お肉・・・食べたいな」

垣根「よし、行こう」

垣根がドアを勢い良く開ける

垣根「行くぞ、お前ら!!!」

吹寄「はぁ・・・分かったわ」

心理「よかったわね、姫神さん」

姫神「やっと新年って感じになった」

姫神が満足そうに笑う

四人のおかしな友達は

焼肉パーティーへと向かった


715 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 17:11:12.20 ID:JUP0NHSQ0
上条「さーて!!宿題宿題!」ツヤツヤ

美琴「・・・」ゲッソリ

上条「ん、どうしました?」

美琴「一回って言ったのに・・・」

上条「?エッチは一回だったろ?」

美琴「ずるい・・・」グッタリ

上条「美琴、ここの問題が分かりません」

美琴「教科書読みなさい・・・」

上条「そ、そんなに疲れたのか?」

美琴「喉渇いた・・・」

上条(あちゃー、こりゃやりすぎたかな)

美琴はベッドの上でぐったりとしている

美琴「はぁ・・・う、動くのも疲れる・・・」

上条「ほれ、飲み物」

見かねた上条がスポーツドリンクを渡す

716 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 17:21:14.06 ID:JUP0NHSQ0
美琴「ん・・・ありがと」

美琴がゆっくりとスポーツドリンクを口にする

美琴「はぁ・・・美味しい」

上条「ごめんな?ちょっと調子乗りすぎたよ」

上条が美琴の頭を撫でる

美琴「ん・・・ま、まぁ・・・いいわよ」

上条「にしても・・・」

上条が美琴をじーっと見つめる

上条「・・・胸、ホント大きくなったよな」

美琴「な、何よ急に?」

上条「だってさ、服の上からもこんなに分かるんだぜ?」

上条がそっと胸元を指差す

717 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 17:23:23.19 ID:JUP0NHSQ0
昔の美琴は、服の上からだと「う、うん・・・胸もある・・・かな?」といった感じの慎ましい程度の胸であったはずだ

しかし、今はどうだろう

胸がでかい、というわけではないが決して小さい類ではなかった

上条「・・・成長したんだなぁ」

美琴「なにお母さんみたいなこと言ってるのよ・・・」

美琴が呆れたように上条を見つめる

上条「いやぁ、彼女の成長は嬉しいですよ」

美琴「ふーん・・・あ、そういえば」

何かを思い出したように美琴が手を打つ

美琴「実家にはいつ帰るの?」

上条「か、帰る予定なのか?」

美琴「当たり前じゃない」

718 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 17:28:11.82 ID:JUP0NHSQ0
上条「でもさ・・・なかなか時間はないぞ?」

上条が冬休み明けのスケジュールを思い出す

たしか、3学期始まってすぐにテストがある

なんでも冬休み中にもちゃんと勉強したかを調べるらしい

そしてその後はバレンタイン

そんなときにわざわざ実家に帰る気にはならない

それが終わればもう学年末

テストやらなんやらで忙しくなってしまう

上条「うーん・・・かといって、冬休みの間に行くのは難しくないか?」

上条が腕を組む

高校の冬休みは少々短い

あと5日しかないのだ

今から外に行くとしても、到着するのは明日

そして帰ってくるのにも1日はかかる

さらに、3学期への準備も必要だし宿題もしなければならない

719 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 17:33:55.24 ID:JUP0NHSQ0
美琴「あ、いいこと思いついた」

上条「なんだよ?」

美琴「私達が行かなくてもいい方法があるじゃない」

上条「・・・い、いやいや!!それはダメだから!!」

美琴の言いたいことを理解した上条が慌てて否定する

美琴「なんでよ?」

上条「美鈴さんと旅掛さんに来てもらうつもりだろ!?」

美琴「うん、そうだけど?」

上条「来てもらってどうすんだよ!?っていうか泊まる場所は!?」

美琴「ホテルとか」

上条「いやだから!!あの二人を案内するとか疲れるから!」

美琴「でも、せっかくだし」

上条「あぁぁぁぁぁ!!!!!やっぱり美琴もあの二人の子供だぁ!!」

720 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 17:39:19.10 ID:JUP0NHSQ0
美琴「何よ」

上条「自由奔放!!自分勝手!自己中心!」

美琴「そう?だって自分の親なのよ?」

上条「そりゃそうだけども!!!」

上条が頭を抱える

もしもあの二人が来てしまったら

もう平和な冬休みは終わってしまう

宿題はできないだろうし、美琴と二人の時間も過ごせない

何よりずーっと二人の相手をさせられるから休む暇もない

もはや冬休み、ではなくなるのだ

上条「・・・な、なぁ・・・夏休みとかゴールデンウィークでよく・・・」

美琴「よくない!」

上条「な、なんでだよ!?」

美琴「いい?もちろん、当麻の両親にも会いたいのよ」

721 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 17:52:22.97 ID:JUP0NHSQ0
上条「そりゃ嬉しいけどさ・・・」

美琴「・・・二人の両親が集まれば・・・け、結婚とかの話もできるじゃない?」

上条「そ、そうだけども!!」

美琴「・・・そろそろ、真剣に話してもいいんじゃないかな」

美琴がモジモジと体をくねらせる

上条「・・・そ、そうだな」

美琴「・・・ね、でしょ?」

上条「でもさぁ・・・なんか・・・その」

上条が天井を見つめる

もちろん、美琴の言いたいことは分かる

それはとても嬉しいことだ

だが考えてもみてほしい

あの親たちが一同に介したらどうなる?

大覇星祭ではどうなった?


722 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 18:04:19.98 ID:JUP0NHSQ0
上条「・・・な、なんか・・・暴れだしそうだよな」

上条がもしものビジョンを思い浮かべる

まず、新年ということもあり四人の親は酒を飲むだろう

美鈴は酔う

旅掛もたぶん酔う

刀夜だって酔うかもしれない

詩菜は酔うかは分からないが、刀夜の酔っ払った姿を見て夜叉になるはずだ

そうなったら止めるのはこの二人・・・

になるはずだが

どうせ、旅掛とか美鈴は無理矢理美琴にも飲ませるだろう

そしたら上条しかまともなのは残らない

一人で五人を相手にする?

そんなことは無理だ

一人の酔っ払いでさえ恐ろしいというのに


723 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 18:17:13.41 ID:JUP0NHSQ0
上条「と、とにかくさ!両親の顔合わせはもう終わってるし、また今度・・・」

美琴「じゃあ・・・うちの親だけでもダメ?」

上条「う・・・」

上条が美琴の上目遣いにたじろぐ

上条「・・・で、でもさ!!向こうの都合が・・・」

美琴「何言ってるのよ、お父さんは休みを取って帰ってくるって言ってたじゃない」

上条「あぁ・・・」

美鈴から垣根に宛てられた年賀状にはそう書かれていた

もちろん、二人にも年賀状は届いていた

そこにも、旅掛が帰ってきてくれるという内容が書かれていた

そういえば、イギリスで旅掛と出会ったときに美鈴に会いに行くように言った気もする

上条「・・・じゃあ・・・もしかして、来れるのかもしれないのか?」

美琴「うん、たぶん大丈夫よ」


724 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 18:28:30.00 ID:JUP0NHSQ0
上条「・・・じゃあいいけどさ」

上条が頭をかく

上条「それにしたって、あの二人なら明日すぐに来るだろうけどさ」

美琴「うん、お父さんが帰ってきたらすぐに来るんじゃない?」

上条「・・・でもさ、どこに泊まるんだろ?」

大覇星祭のときは、ホテルに泊まっていた

しかし「会いに来てよ!」とこちらから言っておきながら、何も用意しないのは申し訳ない

上条「あ、そうだ・・・垣根に頼まないか?」

美琴「あぁ、垣根の家?」

上条「美鈴さんも旅掛さんも、垣根のことは知ってるだろ?」

美琴「うん、結構気にいってるみたいだったわ」

上条「・・・ちょっと悪いけど、あとで聞いてみるかな」


725 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 19:32:25.52 ID:JUP0NHSQ0

垣根「はっくしょい!!!」

焼肉屋に向かう道の途中、垣根はくしゃみをしてしまった

心理「どうしたの?」

姫神「寒いのね。分かる。私も。常に寒さに震えている」

吹寄「・・・でも垣根は厚着してるじゃない」

垣根「どっかの兵隊がな、俺を最強の兵士だったって噂してるのさ」

心理「何言ってるのよ」

心理定規がはぁ、と溜め息をつく

白くなったそれは、少しして闇に消えた

吹寄「・・・なんか、こうやって夜に外を歩けるのが不思議ね」

姫神「最近は急に規制が緩くなったから。驚いている」

垣根「スキルアウトが減ったからな」

垣根がつまらなそうに答える

彼としては、削板がスキルアウトをぶちのめすのが面白くて仕方ないのだが

726 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 19:39:50.40 ID:JUP0NHSQ0
姫神「いいこと」

吹寄「そうね、平和が一番だから」

心理「そんなだけじゃ平和にはならないわよ」

クスクス、と心理定規が笑う

垣根「こうやって規制が緩くなれば、どうせバカをやらかすのも出てくるさ」

心理「そしてまた規制が始まる」

垣根「それに反発したやつらがスキルアウトの二の舞ってわけだ」

吹寄「なんか・・・ありそうで怖いわね」

姫神「・・・そうなったら。風紀委員は大忙し」

垣根「暴力を押さえつけるのはいつも暴力さ」

心理「そして、風紀委員や警備員はどうにかその負の連鎖を止めようとしているのよ」

姫神「・・・でも。スキルアウトがいなくなったら平和だと思う」

吹寄「・・・そうよね」

垣根「ま、夜中に出歩きすぎないのが一番さ」


727 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 19:51:38.52 ID:JUP0NHSQ0
吹寄「・・・垣根たちはスキルアウトに絡まれてもなんともないでしょうね」

垣根「絡まれることがほとんどねぇさ」

心理「・・・あなたたちは大変かもね」

吹寄「一人で歩かないから、絡まれたりしないわよ」

姫神「第一。私達みたいな地味な子には絡む不良もいない」

姫神が自虐的なことを言う

垣根「・・・そうか?お前って結構美人じゃんか」

心理「そうよね・・・吹寄さんももちろんだけど、姫神さんだって美人よ」

吹寄「・・・心理定規には敵わないわよ」

心理「あら、嬉しい」

垣根「・・・姫神も美人だからな?」

姫神「ありがとう」

心理「・・・」

垣根「お前が一番の美人だよ」

心理「あら嬉しい」

728 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 20:36:02.34 ID:JUP0NHSQ0
垣根「おー、着いた着いた」

そんな話をしながら歩いているうちに、焼肉店に四人は着いていた

心理「じゃ、入りましょうか」

心理定規が先頭になって店へ入っていく

吹寄「・・・はぁ、いい匂い」

姫神「お肉」

心理「えっと・・・4人だけど開いてるかしら?」

「はい、お座敷とテーブルがございますが?」

垣根「座敷でいいよな」

姫神「そっちのほうが。正月らしい」

垣根「座敷で」

「了解いたしました」

729 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 20:44:00.57 ID:JUP0NHSQ0
店員の誘導に従い、座敷に座る

吹寄「・・・じゃあ、頼む?」

垣根「奢りだから遠慮なく食えよな」

吹寄「なんか・・・いつもありがとう」

垣根「いいから、さっさと頼め」

姫神「・・・肉。全部食べたい」

垣根「いや、お前はそんなに腹ペコキャラじゃ・・・」


イン「あ!!かきねだ!!!」

垣根「あ?あれ、お前何してんの」

吹寄「あら?上条の友達の・・・」

姫神「どうしてあなたがここに」

イン「あいさもせいりも久しぶりなんだよ!」

心理「・・・どうしてここにいるの?」

730 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 20:52:47.04 ID:JUP0NHSQ0
イン「こもえと来たんだよ!!」

小萌「シスターちゃん!!あれ?吹寄ちゃんと姫神ちゃん・・・垣根ちゃんと心理定規ちゃんも」

心理「あら奇遇ね」

吹寄「先生も焼肉ですか?」

小萌「そうなのです!お正月といえば、焼肉なのです!」

垣根「初めて聞いたなおい」

姫神「・・・小萌とインデックスも。一緒に食べる?」

小萌「ぜひとも!」

イン「やったぁ!!かきねがいたらたくさん食べられるんだよ!」

垣根「はいはい・・・みんな適当に選んでくれよ」

垣根がサラダバーを取りに行く

なんとなく、サラダも食べたい気分だった

ぶっちゃけ、目の前で大食いシスターが肉ばっかり食べているのを見てると気持ち悪くなるだろうから、その予防策だ

ヘルシーなものなら耐えられるだろう


731 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 21:04:52.16 ID:JUP0NHSQ0
垣根「はぁ・・・」

吹寄「なに溜め息なんてついてるのよ」

垣根「あれ?お前も来たのかよ」

吹寄「私もサラダ食べたいし」

吹寄が垣根と並んで歩く

なかなか広い店だ

バイキングの店ではないのか、と思うほどの広さだ

垣根「なぁ、お前ってなんでそんなに健康オタクなわけ?」

吹寄「・・・女だったら、少しくらい気遣うでしょ?」

垣根「そうか?」

吹寄「・・・ねぇ、垣根」

垣根「なんだよ」

吹寄「・・・そのさ、なんで私と姫神によく奢ってくれるの?」

732 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 21:10:34.36 ID:JUP0NHSQ0
垣根「お前らは友達だからだよ」

吹寄「それにしても・・・」

垣根「いいじゃねぇか、面白い話をできるんだから奢るのは当たり前だろ?」

吹寄「・・・そう」

吹寄が小さく笑う

吹寄「・・・貴様と心理定規を見ていると、本当に和むわ」

垣根「へー」

吹寄「なんでかしらね」

垣根「知るかよ・・・それが当たり前だからだろ?」

たくさんの野菜やフルーツの用意されたサラダバーゾーンに垣根が立つ

垣根「サラダバーゾーンって言うんだよな?」

吹寄「・・・なに?」

垣根「いや、俺はそう呼んでいる」

吹寄「?」


733 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 21:16:37.90 ID:JUP0NHSQ0
垣根「これっくらいのー皿の中に!」

吹寄「キャベツとニンジンと・・・」

垣根「お、フルーツもっと」

吹寄「・・・?苺好きなの?」

垣根「おう、バレンタインはストロベリーチョコを頼む」

吹寄「何よそれ」

垣根「・・・お前は野菜ばっかだな」

吹寄「い、いいじゃない」

垣根「必死に痩せようとするおばさんみたいだぞ」

吹寄「そんなことないわよ!」

吹寄が少し顔を赤くして叫ぶ

垣根「あぁそうですかー」

吹寄「な・・・なんでそんなに無関心なのよ!?」

垣根「はいはい・・・帰ろうぜ」

垣根が最後に苺を入れてからくるりと振り返る

734 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 21:21:06.28 ID:JUP0NHSQ0
垣根「サラダバーよさらばだー!!!」

吹寄「それが言いたかっただけね」

垣根「ほれ、行こうぜ」

吹寄「・・・苺ばっかり」

二人が座敷へ戻る

すでにいくつかの肉は届いているようだった

イン「あ!!いっぱいフルーツがあるんだよ!」

垣根「食うか?」

イン「うん!」

お肉と苺を交互に食べるインデックス

なんとも変な食べ合わせだ

心理「・・・ところで先生」

小萌「はい、なんですかー?」

735 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 21:33:21.06 ID:JUP0NHSQ0
心理「上条君は成績・・・どうなんですか?」

小萌「全然なのですよー」

いつ頼んだのか、生ビールを片手に持ちながら小萌が首を振る

小萌「点数最悪、授業中は寝る、しかも補習もサボり気味!」

垣根「典型的な落ちこぼれだな」

小萌「ですが、最近はちゃんとがんばってるのですよ!」

小萌が嬉しそうに微笑む

心理「へぇ・・・」

姫神「上条君も。少しはマシになってきた」

小萌「そうなのですよー」

グビグビ、と小萌がビールを飲む

イン「お肉美味しいんだよ!」

垣根「お、だったな」

垣根が思い出したように手を合わせる


垣根「いただきます!」

736 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 21:40:54.26 ID:JUP0NHSQ0
ゴーグル「ただいま・・・」

フレンダ「たっだいまー」

デートの真似事を終えた二人はアイテムの家に帰ってきていた

麦野「あぁ?なんだ、遅かったな・・・もう6時だぞ」

フレンダ「え?もうそんなに?」

ゴーグル「申し訳ないです」

麦野「いいんだけどさ」

浜面「あ、フレンダも帰ってきたのかよ」

フレンダ「あ、浜面も帰ってきてた訳よ」

滝壺「フレンダ、ゴーグル、おかえり」

ゴーグル「ただいまっす・・・絹旗さんは?」

麦野「まだデートだとよ」

フレンダ(・・・上手くいってるといい訳よ)

ゴーグル(そうっすね・・・)


737 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 21:45:12.93 ID:JUP0NHSQ0
麦野「ほら、飯だ飯」

麦野がテーブルの上を指差す

ゴーグル「?麦野さんが作ったんすか?」

麦野「まさか、浜面だよ」

ゴーグル「おー、家庭的っすね」

浜面「はは・・・パシリだからな」

ゴーグル「・・・なんか哀れっす」

フレンダ「いただきまーす!!!」

フレンダは浜面の哀れな姿を無視して食事を始める

フレンダ「んー、まぁまぁな訳よ」

ゴーグル「浜面さん、たまには俺も作りますよ」

浜面「おぉ!!お前も作れるのか!」

ゴーグル「昔から一人暮らしだったんで・・・」


738 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 21:50:13.51 ID:JUP0NHSQ0
フレンダ「ん?ゴーグル、食べないの?」

ゴーグル「あ、あぁ・・・」

ゴーグル男が先につく

自分の分が用意されているのが、少し複雑だった

アイテムなんて、自分には合わないと思っていた

あんな風に子供っぽい人が多くて、そして敵だった組織なんて

そんな風に思っていたはずだ

フレンダに携帯電話の番号だけ渡して、また自分は一人だけで過ごす

それでよかったはずなのに

ゴーグル(あぁ・・・違いますね)

浜面の作った料理を一口食べる

ほんのりとした暖かさが口に広がった

ゴーグル(・・・美味しい)


739 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 21:59:40.05 ID:JUP0NHSQ0
自分が作った料理とは違う

どこかの料亭で食べるものとは違う

ゴーグル(・・・なんか、家族みたいな雰囲気っす)

ゴーグル男は考えていた

アイテムもスクールも、実際はそんなに変わらないのだろう

ただ、少し違う雰囲気だっただけなのだ

フレンダ「・・・どうしたの?ゴーグル」

ゴーグル「あ、いや・・・美味しいっす」

浜面「そうか、そりゃよかった」

麦野「浜面の料理も悪くはなかったってさ」

滝壺「よかったねはまづら」

ゴーグル(・・・そうなんすね)


ゴーグル(俺は・・・ただいまって言ってたんですよね)

フレンダ「?どうした訳よ、笑ったりなんかして」
740 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 22:05:13.68 ID:JUP0NHSQ0

ゴーグル「ごちそうさまでした」

フレンダ「ごちそうさまー!まぁまぁだった訳よ!」

浜面「なんかその感想も久々だな」

滝壺「・・・そうだね」

麦野「・・・フレンダ」

フレンダ「ん、なに?」

麦野「・・・悪かったな」

フレンダ「それはもういい訳よ・・・こうやってまた会えたんだから」

フレンダが苦笑する

フレンダ「んー・・・ヒマになっちゃったな」

ゴーグル「あ・・・俺、ちょっとゴーグル置いてきますね」

フレンダ「あぁ、私の部屋に置いてていい訳よ」

フレンダの言葉に頷いてから、ゴーグル男が二階へ上がる

741 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 22:21:12.48 ID:JUP0NHSQ0

ゴーグル「はぁ・・・今思えば、こんなゴーグルはもう必要ないんすけどね」

ゴーグル男が溜息をつく

このゴーグルは、ちょっとした便利装置だった

筋力やら瞬発力やらを底上げしてくれるのだ

それは誰にも教えていないが

ゴーグル「・・・まぁ体の一部みたいなもんすからね」

実際、このゴーグルはもはや飾りだった

わざわざ腰の機械に接続はしていない

ゴーグル「はぁ・・・しかし、いつの間にかフレンダさんの部屋の住人になってしまいましたね」

よくよく考えたら、浜面の部屋でもいいのではないか

しかし、浜面は滝壺とよく部屋でイチャイチャしているようだ

それを邪魔することはできない

ゴーグル(・・・よくよく考えたら、フレンダさんの部屋って・・・)


ゴーグル(狭いっす)

742 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 22:26:00.38 ID:JUP0NHSQ0

ゴーグル「どうも・・・って、フレンダさんはどうしたんすか?」

一階に再び戻ってきたゴーグルがリビングを見回してから訊ねる

麦野「あぁ、ちょっとトイレだよ」

ゴーグル「はぁ・・・」

浜面「なぁ、さっさと風呂入ったらどうだ?」

ゴーグル「あぁ、そうっすね」

ゴーグル男が頷く

なにやら三人がニヤニヤしているのが気になる

ゴーグル(・・・俺がゴーグル外したのがおかしいんすかね?)

そう考えながら、ゴーグル男は風呂場へ向かう

ゴーグル(・・・というか、風呂まで借りるって・・・)

もはやアイテムの一員みたいになっていた

ゴーグル(・・・それも悪くはないっすけど)


743 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 22:31:21.39 ID:JUP0NHSQ0
そう考えながら、ゴーグルは脱衣所に入った

服を脱ぎ、腰にバスタオルを巻く

え?今から風呂に入るのに?と思う人もいるだろう

しかしゴーグル男は少しだけ変わった人間だ

帽子を被るとき、前後逆に頭の上において、くるりと回してから被ったり

寝るときに頭ではなく枕の下に手を入れ込んでみたり

たんすの角に小指ではなく中指をぶつけたり

そういった変わっている人間なので、腰にバスタオルを巻くこともなんら不思議ではなかった

ゴーグル「さーて、入りますか」

勢い良く風呂のドアを開く

少し湯気の立った風呂

暖かい空気

シャワーや洗面器

そういった見慣れた光景


744 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 22:38:18.07 ID:JUP0NHSQ0
だがしかし、その光景の中におかしなものが混じっていた


フレンダ「ふんふーん♪ふ・・・」

フレンダだ

浴槽に浸かって鼻歌を歌っている

体にはバスタオルが巻かれている

ゴーグル「・・・あの」

フレンダ「・・・な、なななななな!!!」

ゴーグル「トイレに・・・行ってたんじゃ」

そこでゴーグル男は気づいた

さっき、三人がにやけていた理由は

ゴーグル(や、やられた!!!)

ゴーグル男を騙していたからだ

あの三人は、ゴーグルとフレンダの恐怖のご対面を演出したのだ

745 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 22:46:57.52 ID:JUP0NHSQ0
ゴーグル「ご、ごめんなさい!!」

もう自分が悪いのは明白だった

ドアを開いたのは自分だし、風呂に入ろうと決めたのも自分

あとであの三人にはお仕置きの一つでもしておこう

ゴーグルの出番が久々に出てきそうだ

フレンダ「アンタ!!!何勝手に入ってきてる訳よ!?」

ゴーグル「そ、その・・・」

ゴーグル男の額を冷や汗が伝う

もはやフレンダの肢体とかそういうのは目に入らない

ゴーグル男はなんだかんだ真面目だ

こんな状況で、まずは反省することから始めた

フレンダ「な、なんで覗いた訳よ!?しかも正面から堂々!」

746 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 22:51:00.36 ID:JUP0NHSQ0
ゴーグル「だ、騙され・・・」

そこまで言ってゴーグルは口をつぐんだ

どうせ言い訳にしか聞こえないだろうし、それに他のみんなも責められてしまう

ゴーグル「・・・フレンダさんが入ってるのに気づきませんでした、ごめんなさい」

ゴーグル男が頭を下げる

そして、風呂場から遠ざかろうとする

フレンダ「ど、どうしたの?」

ゴーグル「いえ、フレンダさんがあがったら・・・」

フレンダ「で、でもわざわざ服着るの?」

ゴーグル「はぁ・・・そうっすけど?」

フレンダ「あ、あのさ・・・」


フレンダ「一緒に入っても・・・いい訳よ」

ゴーグル「はい?」

747 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/05(水) 23:01:20.36 ID:JUP0NHSQ0
今日はここまで

別にフレンダとゴーグルにはエロはありません

ただちょこっとほのぼのとしたお風呂です

正月の話が終われば、アイテム勢はまたフェードアウト

正月くらいはキャラもたくさん出したかったんだ・・・

では今日の筋肉動画

2002年オリンピアのポーズダウン

みんなが一斉にポーズをして優劣を競います

この年はケビンがよかった気がするな・・・

http://www.youtube.com/watch?v=nYL8XBWtlXQ  

にしてもリーは背が小さい

それなのにまったく負けない筋量

すげぇ

ではおやすみなさい

748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/10/06(木) 00:29:41.08 ID:MWD2JzGBo
乙すみなさい
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2011/10/06(木) 00:54:19.19 ID:jPkpm7COo
>>1に俺が熟読してる証拠を見せつけてやる


>>669でフレンダたん垣根睨んでるよ
お疲れ様
750 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 10:54:06.60 ID:2pOaYUh20
>>749 見えない・・・

見えないよぉぉぉぉ!!!


ゴーグル「い、一緒にって・・・」

フレンダ「変な意味じゃない訳よ!」

フレンダが顔を真っ赤にしながら答える

フレンダ「ア、アンタは・・・まともだから」

ゴーグル「いや、でも・・・」

フレンダ「・・・私に色気なんて感じてないでしょ?」

ゴーグル「はい、全く」

フレンダ「うわ・・・やっぱり傷つく訳よ」

ゴーグル「・・・でもいいんすか?」

ゴーグル男は躊躇っていた

もちろんさっさと風呂には入ってしまいたい

だが今の状況は本当にいけない気がした

フレンダが困っているようなのだ

751 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 10:54:42.44 ID:2pOaYUh20
風呂を間違って開けた自分を許してくれるフレンダ

その優しさが嬉しかったからこそ、あまり荒い事はしたくない

ゴーグル「・・・あの、イヤだったら無理しなくて・・・」

フレンダ「ちょ、ちょうど話し相手が欲しかったし」

ゴーグル「じゃあ・・・あの、絶対変な事はしませんから」

フレンダ「うん、分かってる」

ゴーグル男が出来る限りフレンダを見ないようにして風呂場に入る

ジロジロ見られたらフレンダだってイヤだろう

フレンダ(・・・全く興味ないみたいな訳よ)

その行動も若干裏目に出ているが

ゴーグル「にしても・・・なかなか広い風呂場っすね」

シャンプーを手に取りながらゴーグル男が呟く

752 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 10:55:41.80 ID:2pOaYUh20
フレンダ「普通じゃん」

ゴーグル「・・・女性はこれくらいがいいもんなんすか?」

フレンダ「風呂くらいはゆっくりしたい訳よ」

ゴーグル「へぇ・・・」

スクールはどちらかと言えば、男が中心だった

リーダーは垣根だったし、主要メンバーは3人が男

隠れ家も女性好みな作りではなかった

だからこそ、こういう女性的な作りは興味深い

ゴーグル「・・・外国人のフレンダさんが浴槽に浸かってるのも不思議っすけど」

フレンダ「なんで?」

ゴーグル「外国人ってあんまり浴槽が好きじゃないって聞きましたけど」

ユニットバスが主流な外国では、浴槽に浸かる習慣がそもそもないのだ

753 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 10:56:48.48 ID:2pOaYUh20
フレンダ「時代遅れー、今じゃ外国人だって浴槽好きな人も多い訳よ」

ゴーグル「へぇ・・・」

そうなんだ、と納得しながらゴーグル男が髪を洗う

あまり丁寧には洗わない

今日の汚れが落ちればいいだろう、といった適当な洗い方だ

ゴーグル「ん・・・なんかシャンプーが甘い匂い・・・」

フレンダ「そりゃ麦野とか絹旗が使うんだから」

ゴーグル「それもそうっすね」

女性用のシャンプーなんだから当たり前だ

ならばあの浜面もこのシャンプーを使っているのか

あんな茶髪で鼻にピアスを付けた男が

ゴーグル(浜面さんが頭からこんな匂い漂わせてたら笑えますね)

754 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 10:57:33.10 ID:2pOaYUh20
フレンダ「?どしたの?」

ゴーグル「あぁ、いえ」

苦笑しながらゴーグル男はシャンプーを洗い流す

口に少しシャンプーが入ってしまったがそれは気にしない

ゴーグル「はぁ・・・」

ぎゅっ、と若干長めの髪を絞る

目に掛かって邪魔なのでオールバックのようにする

フレンダ「あ、なんか新鮮な訳よ」

ゴーグル「はい?何がっすか?」

フレンダ「・・・そうやって見たら、アンタも案外顔のパーツは悪くないんだ」

ゴーグル「?俺がっすか?」

ゴーグル男が訝しげな表情をする

垣根なんかに比べたら自分なんて平々凡々だろう

755 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 10:58:19.01 ID:2pOaYUh20
ゴーグル「んなことないっすよ」

フレンダ「・・・少しは喜んでほしい訳よ」

ゴーグル「内心では喜んでますよ」

適当に受け流し、体を洗おうとする

そして制止

ゴーグル「あの」

フレンダ「何?」

ゴーグル「ちょっとだけ見ないでほしいんすけど」

フレンダ「な、なんで?」

ゴーグル「下半身も洗わなきゃならないからっす」

ゴーグル男が腰に巻いたバスタオルを指差す

洗うなら、それを外さなければならない

756 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 10:59:09.42 ID:2pOaYUh20
フレンダ「あ、あぁ!」

慌ててフレンダがそっぽを向く

ゴーグル「すぐ洗うんで」

ゴーグル男がボディーソープを泡立てる

普通の青春している青年なら多少なりともドキドキするシチュエーションだろう

だが生憎、ゴーグル男は純粋なヤツなのだ

ここでハプニングを装ってあんなことをするなんて考えは湧かない

ゴーグル「・・・フレンダさんはなんで鯖缶が好きなんすか?」

沈黙を破るためにゴーグル男が尋ねる

フレンダ「そりゃ、まず味がいっぱいあるから!」

ゴーグル「はぁ・・・」

フレンダ「栄養もいっぱい!それに何より美味な訳よ!」

757 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 10:59:52.00 ID:2pOaYUh20
ゴーグル「なるほど」

よくは分からないが美味しいということだろう

ゴーグル「・・・よし、もういいっすよ」

ボディーソープを洗い流し、バスタオルを巻いてからゴーグル男が言う

フレンダ「・・・うん、やっぱりアンタは信用できる訳よ」

ゴーグル「はい?」

フレンダ「こっちの話・・・それで、アンタは浴槽に浸かりたい訳?」

ゴーグル「まぁ・・・」

ゴーグル男は浴槽に浸かるのが大好きだ

疲れは取れるし、ぼけっとしていられる

ふわふわとした浮遊感も大好きだった

フレンダ「・・・いい訳よ」

758 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:00:47.34 ID:2pOaYUh20
ゴーグル「何がっすか」

フレンダ「入っても」

ゴーグル「で、でもフレンダさんが入って・・・」

フレンダ「へ、変な事・・・しないでしょ?」

フレンダが少し笑いながら答えた

ゴーグル「・・・じゃあ失礼して」

ゴーグル男が出来る限り、フレンダから離れて浴槽に入る

広い浴槽だったから互いに体が触れ合わずに済んだ

フレンダ「・・・ねぇ」

ゴーグル「はい」

フレンダ「なんでこっち向かない訳よ」

ゴーグル男はフレンダに背中を向けていた

そんなこと、当然ではないか

759 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:01:30.66 ID:2pOaYUh20
ゴーグル「だってフレンダさん、イヤでしょ?」

フレンダ「す、透けてないし・・・大丈夫な訳よ」

ゴーグル「そういう問題じゃないっす」

フレンダ「・・・顔を見て話したい」

フレンダが甘えるような声でゴーグル男に懇願する

大抵の男なら耐え切れずにすぐさま振り返るだろう

ゴーグル男だって出来るなら振り返りたかった

フレンダはなんだかんだ自分を好いてくれている

なら、自分は少しでも彼女のためにならなければいけない

それは分かっていた

だがかといって、振り向く訳にもいかなかった

バスタオルを付けているとはいえ、裸の男女が向き合うなんて

特別な関係という訳でもないのに

760 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:02:13.89 ID:2pOaYUh20
ゴーグル「・・・それは間違ってる気がします」

フレンダ「・・・なんで?」

ゴーグル「だって・・・」

フレンダ「・・・いいから」

ゴーグル「・・・」

先に折れたのはゴーグル男だった

くるりと向きを変え、フレンダと向き合うようにする

フレンダ「・・・ありがと」

ゴーグル「はぁ・・・」

フレンダ「・・・何?」

ゴーグル「あぁ、なんでもないっすよ」

そう、なんでもなかった

761 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:02:58.57 ID:2pOaYUh20
バスタオル一枚がなんだと言うのか

完全に肌が隠れているのだから問題なかった

少しだけ肌色は透けているがそれは別に興奮を誘うものでもない

いや、普通の男性ならクラクラするはずだが

ゴーグル「・・・あの」

フレンダ「・・・何?」

ゴーグル「・・・その、フレンダさんって脚はホントにすごく綺麗っすね」

バスタオルの外にはみ出ている脚を眺める

その美しさは相当なものだった

色気だってもちろんある

だが、ゴーグル男はそれ以上に感動すら覚えた

人間の体というのはここまで滑らかな曲線を持っているのだと

762 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:03:39.47 ID:2pOaYUh20
ふくらはぎはほどよく丸みを持っている

膝は肌が綺麗だ

太もももほどよく引き締まっている

上半身の微妙な膨らみや鎖骨はもう視界には入らない

それほどまでに、フレンダの脚線美は素晴らしかった

フレンダ「・・・な、なんかゴーグルが私を褒めるなんて珍しい訳よ」

ゴーグル「これは・・・文句の付け様がないっす」

今までフレンダをそういう目で見たことはなかった

脚線美、脚線美と言われてもあまりそれを意識したこともなかった

だがこうやって直接見たら恐ろしい破壊力だ

ゴーグル「・・・あ!すいません!」

ゴーグル男が目を逸らす

763 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:04:25.71 ID:2pOaYUh20
フレンダ「・・・い、いい訳よ!なんかちょっと嬉しかったし」

ゴーグル「・・・」

ドキドキ、と胸が高鳴っていた

こういう経験は無いに等しかった人生だ

このままだと気まずくなってしまう

ゴーグル「あ、あがりますね」

フレンダ「え、もうあがるの?」

ゴーグル「はい」

ゴーグル男が浴槽から出る

フレンダ「・・・」

ゴーグル「・・・あ、あの・・・すいません」

フレンダ「・・・ねぇ」

764 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:05:31.54 ID:2pOaYUh20
ゴーグル「生理現象っす!正直、こんな状況じゃ誰だって・・・」

フレンダ「・・・そ、そうよね!」

ゴーグル男の下半身のテントから目を逸らすフレンダ

最悪だった

やっと抜けられるはずだった地獄

その出口の一歩手前には大きな落とし穴があったのだから

ゴーグル「すいません」

もう一度謝ってから、ゴーグル男は脱衣所に向かった


浜面「ははは!そりゃすげぇな!」

脱衣所から出たゴーグル男は、浜面達に事の顛末を話した

麦野「なかなかやるじゃないの、ゴーグル」

滝壺「ゴーグル、そんなゴーグルが面白い」

765 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:06:48.72 ID:2pOaYUh20
ゴーグル「こっちは最悪でしたよ・・・大体、なんであんなウソを・・・」

麦野「面白くなりそうだったから」

ゴーグル「そんだけの理由っすか!?」

浜面「まぁまぁ・・・あ、フレンダも来たか」

フレンダ「ん?どうしたの?」

麦野「いやぁ、なかなか面白いお風呂タイムだったみたいじゃない」

フレンダ「げ・・・教えたの?」

ゴーグル「もう・・・笑い話にしてもらっていいっすよ」

ゴーグル男が泣きそうな顔をする

滝壺「大丈夫、私はそんなゴーグルを応援してる」

浜面「なぁゴーグル、元気出せよ」

ゴーグル「元はと言えば・・・」

766 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:07:32.85 ID:2pOaYUh20
フレンダ「?」

ゴーグル「・・・なんでもないっすよ」

麦野「まぁまぁ・・・それよりゴーグルはお酒とか飲む?」

ゴーグル「ちょっとなら」

浜面「おぉ!飲もうぜ飲もうぜ!」

嬉しそうに浜面がビールを持ってくる

ゴーグル「あ、いや・・・」

浜面「んじゃあ!ゴーグルのアイテム加入を祝って!」

ゴーグル「は、はい!?いつの間に・・・」

浜面「乾杯!」

浜面が無理矢理ゴーグルにビールを手渡す

フレンダも麦野も滝壺も、笑っていた

そしてゴーグルの長い長い夜が始まった

767 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:08:44.01 ID:2pOaYUh20
上条「・・・どうだって?」

美琴「来れるみたいよ」

携帯を抱えた美琴はVサインを出していた

美鈴に明日、学園都市に来られるかを尋ねたのだ

上条「はぁ・・・こりゃ暇を見つけたら家にも帰らないとな」

美琴「なんなら当麻も呼べばいいのに」

上条「・・・ツッコミが足りなくなるんだよ」

美琴「?」

上条「・・・まぁ美鈴さんも旅掛さんも優しいから好きだけどな」

上条がため息をつく

大好きなことは大好きなのだが、あまりにはちゃめちゃすぎる大人なのだ

小学生がそのまま大きくなった感じだろうか

768 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:09:50.09 ID:2pOaYUh20
美琴「お母さんも当麻に会いたいって」

上条「へぇ・・・そりゃ嬉しいな」

美琴「・・・明日から二人きりにはなれないね」

上条「じゃあ・・・今晩にやれるだけ?」

美琴「そ、そんなに何回もしなくていいわよ・・・」

美琴が赤くなりながら答える

上条「んー・・・とりあえず飯から食べましょうか」

上条が冷蔵庫の中を覗く

あまり食材は残っていない

上条「・・・か、買い溜めが・・・」

美琴「どうする?今から買いに行くのも・・・」

上条「仕方ない・・・外食しましょうか」

769 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:10:37.46 ID:2pOaYUh20
美琴「やったぁ!」

美琴が上条の腕にしがみつく

上条「ん?どうかしたか?」

美琴「だって・・・二人で外食なのよ?嬉しいじゃない」

ぎゅっ、と美琴が胸を押し付ける

上条「や、やめなさいけしからん!」

美琴「ん?なになに?」

上条「う・・・早く行きますよ!」

上条が財布をポケットに突っ込み、素早くドアの元へ向かう

美琴「あ、逃げた」

上条「いいから早く!」

上条が美琴を手招きする

彼だって美琴との二人きりでのデートを楽しみにしているのだろう

770 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:11:05.42 ID:2pOaYUh20
美琴「はいはい!」

美琴も自然と笑顔になってしまう

互いの手を強く握りながら、二人は夜の街へと繰り出した


上条「・・・こうやってるとホント幸せだって実感するよな」

美琴「ホント・・・」

上条「・・・昔は不幸だ不幸だって思ってたけど」

夜道を歩きながら二人はたわいもない会話をしていた

上条「・・・最近は楽しい不幸ばっかりだから嬉しいな」

美琴「楽しい不幸って何よ?」

上条「そうだな・・・垣根に振り回されたり」

美琴「あぁ」

二人が同時に苦笑する
771 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:11:53.33 ID:2pOaYUh20
上条「最近はホント、不幸が少ないんだ」

美琴「いいことじゃない」

上条「あぁ」

上条が嬉しそうに笑う

彼は不幸がイヤだったのではない

自分が幸せで、だが誰かが嘆いている、そんな世界がイヤだったのだ

今は、少なくとも自分の守りたい人は笑顔のまま暮らせている

それなら今の幸せを喜ぶべきだ

不幸に巻き込まれなければ、上条は誰かを助けることができない

だが誰も助ける必要がないならそもそも不幸だって必要ないのだ

上条「・・・いいよな・・・平和だ」

美琴「私達の知らないところでは今も誰かが泣いてるのよ?」

772 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:12:38.75 ID:2pOaYUh20
上条「・・・それは仕方ないことじゃないかな」

誰かが笑うなら、誰かが泣く

それは壊すことの出来ないルールだった

そんなクソッタレな世界、上条はイヤだった

だが彼一人が全ての世界を変えるなんてことは出来ない

ならば、自分の守りたい世界だけはそのルールに当てはまらないようにしたかった

美琴も自分も笑顔でいられるように

それだけが上条の願いだった

大切なものを見つけていなかった昔のほうが、多くの人を助けられたかもしれない

上条「・・・でも、あのままじゃ俺達は救われなかったんだよな」

美琴「?何か言った?」

上条「なんも」

773 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:14:00.98 ID:2pOaYUh20
上条が美琴の頭を撫でる

隣に美琴がいてくれる

そんな世界が大好きだった

上条「・・・月が綺麗だな」

美琴「うん・・・雲一つないわね」

夜道で擦れ違う学生達もみんな空を見上げていた

お正月の夜に、こんな綺麗な月が見られるなんて風情があるではないか

上条はそう思っていた


垣根「へぇ・・・上条はホント授業態度悪かったんだな」

小萌「そうなのですよー!」

焼肉店の中で、垣根は小萌の愚痴に付き合っていた

小萌「いっつも寝てたり外を見てたり・・・」

心理「そりゃ成績も悪いわね」

774 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:18:16.05 ID:2pOaYUh20
吹寄「しかも、ボランティアもやらないし・・・」

垣根「いーや、あいつはそんなのとは比べ物にならないことを・・・」

吹寄「?」

イン「まったく!!当麻は女の子だったら絶対に助けるんだよ!」

心理「そうね」

姫神「ふふ。彼はもはやそういう運命にある」

垣根「小萌も苦労するな・・・」

小萌「はぁ・・・垣根ちゃんみたいな生徒だったらまだいいのですけど・・・」

心理「どういうこと?」

小萌「垣根ちゃんなら、クラスは盛り上げられますし成績優秀!おかげにルックスもばっちりなので学校の雰囲気も大幅アップなのです!!」

垣根「はっはぁ!!!まぁさすが俺ってとこかな!?」

吹寄「・・・垣根がクラスメイトなんてイヤだけどね」

垣根「なんでだよ」


775 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:22:08.49 ID:2pOaYUh20
吹寄「だって・・・」

姫神「暴れだしそう」

心理「そうね・・・」

垣根「おいおい、授業は真面目に受けるぜ?」

心理「でも授業参観のときもすごいことになってたじゃない」

垣根「あれは見る側だったろ?」

小萌「垣根ちゃんみたいな生徒も一人いると、いい刺激になるんですけどねー」

イン「はむはむ!!!かきねは学校に行ってないの?」

垣根「あぁ、興味ないし」

小萌「ならぜひとも!!!うちの学校に来てほしいのです!」

垣根「いやいや・・・」

吹寄「・・・ダメですよ先生」

姫神「私も。それは反対」

776 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:24:23.70 ID:2pOaYUh20
イン「かきね!!私も一緒に行くんだよ!!」

垣根「いやいや!!!お前はまだどう見ても中学生だろ!」

心理「そうよ、インデックス」

イン「うー!!とうまの学校に行きたいんだよ!!」

小萌「シスターちゃん、ダメなのですよ」

吹寄「言っておくけど・・・学校は遊ぶところじゃないのよ?」

イン「う・・・」

姫神「学び舎だから」

垣根「・・・学校か」

吹寄「な、なに真面目な顔になってるのよ?」

垣根「いや・・・あ、お肉焼けた」

小萌「・・・垣根ちゃん、どうですか?学校」

垣根「そうだな・・・」


777 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:38:47.45 ID:2pOaYUh20
小萌「・・・垣根ちゃんは学校、行きたくないんですか?」

垣根「はぁ?行きたいって」

小萌「ですが、どこか少し敬遠してるみたいなのです」

垣根「・・・いや、まぁ・・・学校には慣れてなくてさ」

心理「・・・まぁ、中学生辺りから通ってなかったんでしょ?」

姫神「そうなの?」

垣根「あぁ」

吹寄「・・・どうして通わなくなったの?」

垣根「焼肉食いながら話すようなもんじゃないぜ」

垣根が肉をつつく

小萌「いいんですよ、垣根ちゃん」

姫神「・・・高位能力者の悩み?」

778 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:41:34.61 ID:2pOaYUh20
垣根「・・・そうだな・・・」

垣根が顔をしかめる

垣根「小萌にも役立つかもな・・・」

小萌「能力者の悩みも聞く、それが我々の役目なのです!」

それを聞いて、垣根が小さく笑う

こんな教師ばかりなら、自分ももう少しまともな人生を歩めたのか

垣根「・・・御坂の能力は・・・努力で伸びたものだ」

姫神「どうしたの。急にそんなこと」

垣根「・・・他の能力者もそうだろうな、最初はあまり高い能力じゃなかった」

素養格付というものがある

それは、誰がどんな能力で、どれほどのレベルになれるかを細かく示しているのだ

だが、だからといって美琴が努力しなかった訳ではない

779 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:44:22.85 ID:2pOaYUh20
「彼女は超能力者になりますよ」と書かれていても、もしも彼女が努力を怠ればそうはならなかっただろう

垣根「・・・だがな、俺は違った」

イン「?どういうこと?」

垣根「・・・おそらく一方通行もそうだろうな」

小萌「・・・最初から、恐ろしい力を持っていたのですか?」

垣根「あぁ」

心理「・・・」

垣根「俺が能力開発を受けだしたのは、たしか小学生の頃だ」

吹寄「周りも大抵はそうよね・・・」

垣根「・・・最初の頃・・・俺はどんな能力だったと思う?」

姫神「・・・この世に存在しないものの解析をできるとか」

姫神が答える

誰だって、能力のレベルが低いうちは使える能力の強度も低い

それが常識だった

780 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:47:23.85 ID:2pOaYUh20
垣根「・・・違うんだ、俺の能力は最初から存在しないものを作り出すことだった」

吹寄「ど、どういうこと?」

垣根「一方通行の能力は・・・最初からベクトル操作だったんだ」

小萌「・・・つまり、最初から超能力級の力を・・・?」

垣根「そうだ」

心理「待って・・・それはおかしいんじゃないかしら」

垣根「能力の強さは経験、年齢、そんなものから決まるんじゃない」

垣根が自分の頭を叩く

垣根「自分だけの現実の強さから決まるんだ」

姫神「・・・」

垣根「御坂はなぜ低い能力から始まった?ガキの頃はなんでみんな能力値が低い?」

小萌「・・・自分だけの現実を、それほど確立していないからなのです」

垣根「そうだな」

吹寄「・・・自己の存在自体にそれほど気づいていないから?」

垣根「あぁ」

781 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:52:47.59 ID:2pOaYUh20
イン「どういうこと?」

垣根「シュレディンガーの猫・・・知ってるか?」

イン「前に小萌に教えられたんだよ」

垣根「・・・自分だけの現実ってのは、まず自分が周りから孤立した存在だと気づくべきだ」

心理「自分と周りの違いを見つけることなの、重要なのは」

垣根「・・・小学生が、最初から自分と周りの違いなんて完璧に分かるか?」

姫神「分からないはず」

垣根「普通はな」

吹寄「・・・垣根は違ったの?」

垣根「・・・自分だけの現実・・・それがより強いっていうのは、二つのパターンがある」

垣根が指を二本立てる

垣根「一つは周りと違った視点から物事を見つめられる・・・そうだな、どちらかというならプラスな方向のパターン」

吹寄「・・・もう一つは?」

782 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:55:49.96 ID:2pOaYUh20
垣根「・・・周りから外れた・・・逸脱した、狂った考えをする・・・マイナスのパターン」

心理「・・・あなたや一方通行ね」

垣根「・・・周りと違う見方を手に入れるには時間が掛かる」

姫神「・・・でも、狂った精神というのは・・・」

垣根「ガキの頃から持っている」

吹寄「・・・く、狂った・・・自分だけの現実?」

垣根「そうだな・・・お前らが犬嫌いだとしようぜ」

イン「?うん」

垣根「そして、目の前に犬がいるとする」

姫神「うん」

垣根「どうする?」

吹寄「?追い払う・・・かしら」

垣根「そうだな、それが普通だ」

783 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 11:58:18.40 ID:2pOaYUh20
小萌「・・・プラスのパターンの能力者は、自分が立ち去るんですね」

垣根「あぁ」

姫神「・・・なるほど。犬を動かすのではなく自分が動くと」

吹寄「・・・たしかに面白い考え方かもね」

垣根「・・・じゃあ、狂った考え方の能力者はどうすると思う?」

かつての一方通行や垣根が

もしも、うっとうしい類の存在を見つけたら

それが、たくさんいると知ったら

吹寄「・・・目の前の犬を・・・殺す?」

垣根「ははは・・・そりゃ、まだまともなほうさ」

心理「・・・そうね、やっぱり吹寄さんはまともな思考の持ち主よ」

吹寄「じゃ、じゃあ・・・」


垣根「世界中の犬を殺すのさ」

784 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 12:01:00.10 ID:2pOaYUh20
姫神「世界中の・・・」

垣根「目の前の問題を取り払うだけじゃない、その先の可能性さえも捨て去る」

イン「・・・な、なんて恐ろしい考え方なんだよ・・・」

垣根「・・・狂ってるだろ?超人間的だろ」

吹寄「・・・それが、垣根たち?」

垣根「あぁ」

心理「・・・そんな考え方を・・・小学生の頃からしていたのね」

垣根「もちろん、それを抑える術だって知ってたさ」

吹寄「・・・」

吹寄の背中に、何か恐ろしいものが走った

彼女が友人だと思っている垣根

そして、一度は恋をした垣根

そんな優しい彼が、狂った人間だったなんて

垣根「・・・そりゃ、学校なんて行きたくなくなるさ」

785 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 12:04:54.48 ID:2pOaYUh20
吹寄「・・・な、なんで」

垣根「俺の通ってた小学校には結構な才能の持ち主が多かった」

小萌「・・・エリート校だったんですね」

垣根「あぁ・・・だからこそ、俺はムカついたんだ」

心理「・・・騎士が怒りを覚えるのは民間人ではない、ね」

垣根「おうよ」

姫神「それは。どういう意味?」

垣根「剣の振るい方をしっている人間がムカつくのは、剣を知らないものじゃない」

心理「中途半端に剣を振るう、ごろつき達なのよ」

垣根「俺は昔から超能力の片鱗を手にしていた・・・そんなガキが、中途半端に強い能力を持っているヤツらを見て何も思わないだろうか?」

小萌「それは・・・」

垣根「まして・・・そんなヤツらが切磋琢磨していたら?」

吹寄「・・・それに・・・どうして怒りが湧くの?」

垣根「御坂なら湧かなかったろうさ」


垣根「だが、俺は狂ってたんだぜ?」


786 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 12:07:08.17 ID:2pOaYUh20
姫神「・・・うらやましかったの?」

垣根「そうだな、それもあるかもしれない」

姫神「・・・」

垣根「だからさ、小学校は途中から通わなくなったし・・・中学なんてそもそも入学式にも出なかった」

小萌「・・・ですが、学校には行きたいんじゃないですか?」

垣根「・・・まともな神経を手に入れたんだ」

吹寄「あ・・・」

垣根「・・・狂った人間だった俺が、やっと普通の人間になれたのさ」

垣根が苦笑する

吹寄「・・・やっぱり、垣根は垣根よ」

垣根「あ?」

吹寄「・・・先生、体験入学・・・できるんじゃないですか?」

小萌「もちろんなのです!」

垣根「おいおい、なんだよ急に」

787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/06(木) 15:35:18.22 ID:cNAchSdDO
しばらく見ない内に■■から姫神に進化してる
788 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 15:56:24.47 ID:2pOaYUh20
小萌「垣根ちゃん、祝学校復帰なんですよ!」

垣根「はぁ?」

心理「ふふ・・・私は授業参観に行ってあげるわよ」

小萌「一応制服も買ってくださいね!」

垣根「マジかよ・・・てかそれってもう編入・・・」

小萌「編入でもいいんですよ?」

姫神「・・・垣根みたいな能力者なら、書類なんていらなそう」

心理「そりゃそうでしょうね」

垣根「はぁ・・・インデックス、肉もっと食っていいぞ?」

イン「うん!!」

インデックスが注文を追加する

垣根「・・・学校か」
789 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 15:57:33.42 ID:2pOaYUh20
心理「いいんじゃない?」

垣根「悪くはないけどさ・・・」

小萌「垣根ちゃん、ぜひとも来てほしいのです!!!」

姫神「歓迎する」

吹寄「・・・その代わり、大人しくしなさいよ?」

垣根「はぁ・・・いつの間にか決定事項か」

垣根が溜め息をついた

しかし、なぜか顔は笑っている

小萌「垣根ちゃん、どうですか?」

垣根「そうだな・・・」


垣根「ま、ちょっとくらいならいいぜ」
790 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 15:58:18.23 ID:2pOaYUh20
フレンダ「ねぇねぇ、ゴーグル」

ゴーグル「なんすか」

フレンダの部屋で、二人はテレビを見ていた

一人一台テレビがある、なんと豪華な隠れ家だろうかとゴーグル男は感心した

フレンダ「このゴーグルがないと、アンタってなんも特徴ない訳よ」

ゴーグル「仕方ないじゃないっすか」

フレンダ「いやじゃない訳?」

ゴーグル「別に・・・目立てなくてもいいですから」

フレンダ「ふーん・・・」

Tシャツに短パン、という簡単な格好をしたフレンダが脚をバタバタとさせる

テレビでは正月特番のようなものをしていた

ゴーグル「・・・世間はやっぱり正月一色っすね」
791 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 15:59:08.02 ID:2pOaYUh20
フレンダ「そりゃそうな訳よ」

ゴーグル「よく考えたら・・・俺たちが知り合ってまだ一週間ちょっとっすね」

フレンダ「時間とかどうでもよくない?」

フレンダがゴーグル男をじっと見つめる

フレンダ「どれだけ信用してるかが大切な訳よ」

ゴーグル「そりゃそうですけど」

ゴーグル男が不思議そうな顔をする

彼女の口から「信用」なんて言葉が出るとは思わなかったからだ

ゴーグル「・・・俺のこと、信用してるんすか?」

フレンダ「うん」

ゴーグル「そうっすか・・・」

フレンダ「?どうしたの?」

ゴーグル「あぁ、いや」
792 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 16:00:09.87 ID:2pOaYUh20
ゴーグル男が苦笑する

フレンダ「・・・嬉しいの?」

ゴーグル「そりゃ嬉しいっすよ」

フレンダ「ふーん・・・」

ゴーグル「あ、なんか面白い企画やってますね」

テレビの中ではよく見る男性アイドルがなにやらリアクション芸に挑戦していた

フレンダ「一一一だっけ?」

ゴーグル「ヘンな名前っすね」

フレンダ「そりゃ芸名な訳よ」

ゴーグル「まぁそうなんすけど・・・」

フレンダ「でも、たしかにイケメンな訳よ」

ゴーグル「はぁ・・・イケメンは得っすよね」

フレンダ「・・・へぇ、リアクションもなかなか」
793 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 16:01:17.01 ID:2pOaYUh20
フレンダがじっとテレビを見つめる

ゴーグル「はぁ・・・なんか男は男を見ても面白くないですよ」

フレンダ「まぁそうな訳・・・」

ゴーグル「あ、でも後ろにいる水着の子可愛いっす」

フレンダ「かー!!!男はやっぱ胸な訳・・・」

ゴーグル「背中綺麗っすね・・・」

フレンダ「・・・アンタってもしかして背中フェチ?」

ゴーグル「あぁいや・・・でも綺麗じゃないっすか?」

ゴーグル男が水着の女の子を指差す

すらっとした背中が綺麗な印象を与えていた

ゴーグル「・・・別に背中が好きなんじゃないっすけどね」

フレンダ「あぁ、あの子が見た目的にツボって訳・・・」
794 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 16:02:03.41 ID:2pOaYUh20
ゴーグル「・・・でも脚はフレンダさんのほうが綺麗っすね」

フレンダ「と、当然!!!」

ゴーグル(はぁ・・・どうにか機嫌を取れたっす)

フレンダ「・・・にしても、アンタがこの部屋に泊まって二日目な訳よ」

ゴーグル「・・・はぁ」

フレンダ「ねぇねぇ、この後どうすんの?」

ゴーグル「この後っすか・・・」

フレンダ「もうみんな迎え入れるつもりみたいな訳よ」

ゴーグル「へぇ・・・そうなんすか」

フレンダ「・・・ねぇ、アンタは・・・まだここから出て行くつもりな訳?」

少し不安そうにフレンダが訊ねる

ゴーグル「・・・みなさんがいいって言うなら、ここにいたいって気のほうが強いっす」
795 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 16:03:02.53 ID:2pOaYUh20
フレンダ「!!ホント!?」

ゴーグル「・・・それに・・・」

フレンダ「そ、それに?」

ゴーグル「フレンダさんといるといろいろ面白いじゃないっすか」

フレンダ「ま、まぁ私はさすがだからな訳よ!!!」

ゴーグル「何がっすか・・・」

ゴーグル男が苦笑する

フレンダ「あ、見て見て!!!この企画も面白そうな訳よ!!!」

ゴーグル「あ、ホントっすね」

ゴロゴロと転がりながら、二人は再びテレビを見つめる

それはまるで、ずっと昔からそうであるかのような光景だった


796 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 16:03:53.56 ID:2pOaYUh20
上条「さて・・・何頼みますか?」

上条と美琴は近くのレストランに来ていた

レストランと言っても、ファミレスではない

さすがに正月くらいは高級なレストランに行こう、と二人で話し合ったのだ

美琴「うーん・・・ステーキかな」

上条「ステーキか・・・俺はこっちのハンバーグでいいや」

美琴「!!じゃ、じゃああーんって出来るわね!!!」

上条「ん?そうだな」

上条が微笑みながらウェイトレスに注文を伝える

美琴「・・・ここのレストランはオシャレよね」

上条「場違いじゃないかな?」

上条が自分の服を見つめる
797 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 16:04:49.84 ID:2pOaYUh20
美琴「そう?どんな服で来てもいいじゃない」

上条「そういうもんかな?」

美琴「私は当麻といられればそれでいいんだもん」

上条「はぁ!!美琴は可愛いなぁ!!!!」

上条が美琴の頭を撫でる

美琴「にゃっ!!こ、こんなとこでやめなさいって!」

上条「ん?でもニヤニヤしてますね?」

美琴「そ、そりゃ・・・嬉しいもん」

上条「へぇ・・・可愛いな」

ニコニコ、と上条が微笑む

美琴「にゃ・・・にゃに言ってんのよ」

上条「ん?どうしました?」

美琴「ニヤニヤしないでよ!」
798 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 16:09:09.29 ID:2pOaYUh20
美琴が顔を真っ赤にしながら手を振り回す  

上条「はいはい、そげぶー」

美琴「そげぶなんてしなくていいじゃない!」

上条「美琴さん、周りのお客さんがクスクス笑ってますよ?」

美琴「にゃ・・・」

美琴が辺りを見回す

たしかに、客はみんな美琴の顔を見つめていた

有名なあの常盤台の超電磁砲

それが、彼氏と普通に騒いでいる

知らない人からしたら不思議な光景だろう

上条「やっぱ注目されるな・・・」

美琴「気にしない気にしない」

当然といった感じで、美琴は手をヒラヒラと振る


799 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 16:14:36.93 ID:2pOaYUh20
少し遅れた話になるけど、ハイネが天国に行ったみたいですね・・・

利奈さんの元で過ごせて幸せだったと思いますよ、本当に

ペットは家族でありかけがえない存在ですよね

家の犬ももうちょい可愛がってあげないといけません

みなさんも家族を大切に


上条「・・・なぁ」

美琴「ん、なぁに?」

上条「美琴の超電磁砲ってさ、金属にしか使えないんだよな?」

美琴「うん、そうだけど?」

上条「もし金属がなかったらどうなるんだ?」

美琴「関係ないわよ、電撃は絶対撃てるし・・・」

上条「あー・・・大気中にも電子やらなんやらは漂ってる訳か」

美琴「そうそう」

800 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 16:24:32.79 ID:2pOaYUh20
上条「そうなると・・・万能だな」

上条が感心したようにつぶやく

美琴「まぁ・・・当麻とか一方通行とか垣根以外には負ける気がしないわね」

上条「それだけあの二人は化け物・・・か」

美琴「でも、そんなに強すぎても考え物よね」

上条「そうだな」

もしも痴話喧嘩の相手があんな化け物だったら

そう考えると、背筋が凍る

上条「あ、来た来た」

美琴「んー!美味しそう!」

運ばれてきた出来立ての料理を前に、二人が手を合わせる

上条「んじゃあ・・・」


801 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 17:32:55.91 ID:2pOaYUh20
上条「しわとしわを合わせて!!!」

美琴「幸せ!!!」

上条「脳ある鷹は!!!」

美琴「当たり前!!!!」

上条「君は!!!」

美琴「刻の涙を見る!!」

上条「いただきます!!!」

美琴「いただきまーす!!」

二人が頭を下げてから食事を始める


美琴「うん!!!美味しい!!!」

上条「おー!美味しいな!」

美琴「はぁ・・・幸せ・・・」ニコニコ


802 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 17:52:00.91 ID:2pOaYUh20
上条「はい、あーん」

美琴「あーん♪」

互いの注文した料理を交換したり、褒め合ったり

そんなことをしながら楽しい夜食のひと時を過ごす

上条「・・・外はもう暗いな」

美琴「うん・・・幻想的」

上条「あ、ここからなら月も見える」

美琴「ん、ホントだ」

さきほど夜道で見上げた月が建物の中からも見えた

上条「・・・月って綺麗だよな」

美琴「うん・・・ホント」

上条「・・・食べ終わったし、そろそろ帰るか」

美琴「そうね」


803 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 18:20:26.64 ID:2pOaYUh20
上条が支払いを済ませ、二人は外へと出る

上条(・・・思ったより安く済んでよかったな)

美琴「?どうしたの、溜め息なんかついて」

上条「あぁいや」

上条が笑いで安堵を誤魔化す

美琴「それで・・・これからどうする?」

上条「うーん・・・まだ帰るには早いかもな」

現在時刻は7時半

もう少し夜の街を歩いていてもいいのではないか

上条(・・・しっかし、上条さんは不幸だからな・・・)

このまま歩いていたら、いきなり不良に絡まれたりどこからか飛んできた矢に当たって死に掛けたりしそうだ

そういうことが本当に起きそうで困ってしまう

美琴「ねぇねぇ、どこ行く?」

上条「そうだな・・・」


804 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 18:24:20.75 ID:2pOaYUh20
上条が辺りを見回す

さすがに、この人混みの中で不良に絡まれたり矢に撃たれたりなんてしないだろう

上条「じゃあ・・・」

とりあえず適当に買い物でもするか?と言おうとした上条の顔面に何かが飛んできた

え、この人混みの中でなんで?と思ったが、それもまた不幸

では一体何が飛んできたのか


テクパトル「・・・い、いてぇ・・・」

テクパトルだった

筋肉武装されたテクパトルの大柄な体だった

美琴「テ、テクパトル!?」

テクパトル「あ、義姉さん・・・と上条か?」

上条「」

テクパトル「だ、大丈夫か!?」


20000「にゃーっはっは!!」

そんなやり取りを遠くから見ている一人のミサカ

彼女がそもそもの元凶なのだ


805 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 18:27:46.90 ID:2pOaYUh20
時は遡る

テクパトルたちは、テレビゲームに勤しんだ後食事にしようじゃないか、という話をしていた

テクパトル「で?何か食べたいのがあるヤツは・・・」

御坂妹「はいはい!!ミサカはお肉が食べたいです!」

14510「えー・・・太ってしまいますよ?とミサカは顔をしかめてみます」

19090「そ、そうですよ・・・とミサカも14510に賛同します」

17600「第一、お肉なんて一括りで言ってもテっくんが困るだろ」

13577「じゃあ・・・鍋でしょうか?」

20000「おー、いいね」

テクパトル(・・・大晦日に食べたばっかだけど、まぁいいか)

10039「ではどこに行きますか?」

テクパトル「・・・は?」

10033「もちろん食べに行くんですよね?」

テクパトル「え?」

806 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 18:31:51.88 ID:2pOaYUh20
御坂妹「そうですね・・・すき焼きなんかどうですか?」

19090「あ、いいですね!」

テクパトル「待て待て!!外に行くつもりか!?」

10039「いいじゃないですか、とミサカはしらばっくれます」

17600「なんだ、引きこもりたい年頃か?」

テクパトル「そんな年頃は存在しない!!っていうか俺たちは疲れてて・・・」

13577「自分達だけ楽しんだせいですよね?とミサカはジト目で見つめてみます」

14510「自業自得ですよね?とミサカは追い討ちをかけます」

御坂妹「それで疲れたから外には行けない、とかちゃんちゃらおかしいです、とミサカはこの前小説で読んだ言葉をここぞとばかりに使ってみます」

テクパトル「で、でもな・・・」

御坂妹「仕事も決まったんですから、そのお祝いも兼ねてですよ」

20000「なー、行こうぜテっくん」

テクパトル「・・・はぁ」

テクパトルは溜息をついていた

仕方ないか、と


それが午後の5時のことだった


807 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 18:36:16.23 ID:2pOaYUh20

テクパトル「はぁ・・・結局、こうやって大人数で食べに来てしまった・・・」

御坂妹「特殊メイクもばっちりです、とミサカはどや顔を披露します」

17600「それをやったのはミサカだ」

19090「ほえー・・・こんなお店があったんですね」

10033「どうせテっくんは一人で食べに来たことがあるんじゃないですか?」

テクパトル「ちげぇよ・・・さっき垣根にメールで教えてもらったんだ」

13577「それは便利な情報屋ですね」

テクパトル「いや・・・それはいいのか?」

20000「早く行こうぜ!!!」

20000号が先陣を切って店へと突入した


テクパトル「・・・へぇ、いろいろあるんだな・・・」

19090「甘口、辛口というのも存在するんですね」

808 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 18:38:42.61 ID:2pOaYUh20
20000「ダシかなんかの濃度を変えるのかな?」

17600「そんなことはどうでもいいじゃないか、早く頼もうぜ」

テクパトル「そうだな・・・」

テクパトルが店員に注文を伝える

少し甘めのすき焼きだ

10039「・・・鍋って、始まる前にワクワクしますよね」

14510「ご馳走ですからね・・・」

10033「鍋がご馳走というのも複雑ですね」

御坂妹「ですが、たくさん食べられるので大好きです」

テクパトル「・・・鍋だったら何が好きなんだ?」

ミサカ一同「すき焼きです!!!」

テクパトル(・・・ダジャレじゃないよな?)

そんなやり取りをしていたのは5時20分頃


809 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 19:39:03.07 ID:2pOaYUh20
テクパトル「・・・お、来た来た」

20000「?なんか綿菓子も持ってきてるけど」

「前を失礼いたします」

店員が綿菓子を鍋の中に入れる

御坂妹「おや、これを溶かすのですか・・・」

「では、ごゆっくりどうぞ」


19090「なるほど・・・これが甘口の正体ですか」

10039「・・・ほう、これは面白いですね・・・」

綿菓子が溶けていくのを、ミサカたちが不思議そうに見つめる

テクパトル「ふーん・・・美味しそうだな」

17600「さっさと食べようぜ」


810 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 20:17:28.33 ID:2pOaYUh20
一同がお肉を入れ、それに火が通るのをじっと待つ

テクパトル「・・・楽しみだよな、こういうのが焼けるの待つときって」

19090「こう・・・肉の色が変わっていくのも面白いです」

10039「・・・早く食べたいです」ワクワク

14510「食い意地が張りすぎですよ」ドキドキ

御坂妹「あなたもですよ・・・」ウズウズ

20000「みんな食べたいんだね」

13577「そりゃ久々にテっくんとの食事ですから!」

テクパトル「いや・・・そうでもないだろ」

10033「はぁ・・・テっくんは鈍いですね」

20000「ニブチンだね」

テクパトル「はぁ・・・何がだよ?」


811 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 20:26:15.88 ID:2pOaYUh20
10039「テっくん、玉子溶いてください!」

19090「!!ミサカもです!」

御坂妹「ミサカもお願いします!!!」

テクパトル「いやいや!自分でやれよ!!」

13577「やってください!!」

テクパトル「お前たちは子供か・・・」

呆れたように言いながらも、テクパトルは全員分の玉子を割っていく

17600「おう、ミサカは自分でやるよ」

テクパトル「ん・・・いいさ、ついでだし」

17600「悪いな」

御坂妹「なーんかテっくんは19090号と17600号には甘いですね・・・」

13577「まさか二股ですか?」


812 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 20:36:00.29 ID:2pOaYUh20
テクパトル「ちげぇよ!!!」

テクパトルが頭を抱えながら叫ぶ

10033「ですが、たしかに妙に17600号にも優しいですよね・・・」

19090「それは17600号がまともだからじゃないですか?」

20000「ミサカたちはまともじゃないってか!?」

13577「それは聞き捨てなりませんよ!!!」

御坂妹「19090号!!!ちょっと表に出ましょうか!!!」

19090「に、肉に火が通りましたよ!!」

14510「誤魔化すなぁ!!!!」

19090「み、みんなは少しお茶目が・・・」

10033「ちくしょぉぉぉ!!!これがヒロインの余裕だよ!!!」


テクパトル「ほれ、17600号」

17600「おう、悪いな」

御坂妹「そこぉ!!!」

813 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 20:45:23.17 ID:2pOaYUh20
19090「テっくん!!」

テクパトル「ち、違うって!」

御坂妹「ミサカたちは見た!!」

14510「浮気の現場ですよ!!!!」

テクパトル「違うからなぁ!」

御坂妹「はぁ・・・19090号、テっくんは浮気性ですよ?」

19090「そ、そうなんですか?」

テクパトル「違うって・・・」

20000「まぁまぁ、セフレまではセーフだよ」

テクパトル「アウトじゃねぇか!!!!!」

17600「いやん」

テクパトル「いやんじゃねぇ!!」

19090「テっくん・・・ミサカは信じてますからね?」

テクパトル「ありがとう!!なんかめちゃくちゃお前が癒しだ!!!」

10039「うっわぁ、惚気ましたよ」

テクパトル「いいだろ!」

814 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 20:52:35.68 ID:2pOaYUh20
御坂妹「あ、豆腐もらいますよ」

13577「ミサカもほしいです」

19090「ではミサカはしらたきを・・・」

テクパトル「みんなヘルシーだな・・・」

17600「ミサカは肉がほしいな」

テクパトル「お、はいはい」

20000「ミサカは・・・テっくんの雄雄しいソーセージがほしいな」

テクパトル「帰れ」

20000「帰れってなにさ!!!」

御坂妹「20000号、お下品です」

19090「ちょっと引きましたよ」

20000「むしろその冷たい視線が堪らない!!」

テクパトル「はぁ・・・ん、14510号・・・どした?」


815 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 20:59:56.46 ID:2pOaYUh20
14510「あの・・・これはなんですか?」

14510号がある食材を指差す

テクパトル「ん?エノキもしらないのか?」

御坂妹「エノキは美味しいですよ?」

14510「・・・な、なんか・・・グロテスクですね」

17600「そうか?美味いぞ」

テクパトル「そうそう、食べてみろよ」

10039「食わず嫌いはダメですよ」

20000「ほら、将来下のお口でキノコを食べないといけない・・・」

テクパトル「20000号ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!」

20000「ひゃっひゃっひゃ!!!!19090号はキノコ大好きだもんねぇ!!!」

テクパトル「てめぇ!!個室に分かれてる店だからよかったなぁ!!」

20000「テ、テっくんったら個室で何を・・・」

テクパトル「断じてしねぇよ!!」


816 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 21:04:37.25 ID:2pOaYUh20
14510「・・・これはどうやって食べるのですか?」

17600「普通にぱくっと」

14510「ほうほう」

14510号がエノキを口に放り込む

14510「ん、食感がなかなかいいですね」

20000「太くて・・・硬いでしょ?」

テクパトル「減点が累積1京を突破したぞ」

20000「」

御坂妹「あ、まだしらたきが・・・」

13577「そのしらたきはミサカのですよ!!!」

御坂妹「違います!!!ミサカの・・・」

10039「あ、しらたきもーらい」パクッ

御坂妹・13577「」

17600(修羅場だなこりゃ)


817 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 21:07:50.31 ID:2pOaYUh20
御坂妹「なんで勝手に食べるんですか!!!」

13577「ミサカのしらたきを!!」

10039「これが漁夫の利ですよ!!!」

御坂妹「ちくしょぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!」

テクパトル「はぁ・・・またしらたき入れればいいだろ?」

御坂妹「あのしらたきがよかったんです!」

19090「な、なんだか子供っぽい理屈ですね」

10033「くだらないことで喧嘩はしないでください」

13577「クールぶっちゃって!!!」

御坂妹「妹達がクールキャラなんて今日日流行りませんよ!!」

テクパトル「なんだよそりゃ・・・」

14510「エノキ美味しいです・・・」

17600「ミサカももらおうかな」

14510「あ、どうぞ」

818 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 21:14:38.18 ID:2pOaYUh20
テクパトル「ほら、しらたきまた入れたから」

御坂妹「うぅ・・・」

10039「ふん、弱肉強食ですよ」

20000「すき焼きだけに?」

10039「?」

テクパトル「・・・お前たちは仮にも兄弟だろ?もっと仲良く・・・」

17600「いやぁ、兄弟というのは仲が悪くてなんぼだよ」

テクパトル「そういうもんか・・・ていうかいつの間にお前は酒を頼んだ」

17600「おう、テっくんの分も頼んだぞ」

テクパトル「それはいいけどさ・・・」

御坂妹「19090号、酔った男女というのは過ちを犯すんですよ」

19090「あ、過ち?」

20000「犯すんだな」


819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/06(木) 21:17:28.80 ID:IUxVAIxF0
>>818
兄弟・・・
>>1
疲れてるなら休め
820 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 21:23:36.46 ID:2pOaYUh20
テクパトル「はぁ・・・19090号、こっちにおいで」

19090「は、はい」

19090号がテクパトルに寄る

テクパトル「言っとくけどな、俺はお前以外の女なんて興味がないんだよ」

19090「わ、わわわ・・・」

御坂妹「てめぇテクパトルぅぅううううううううううう!!!!!!!!!!!」

10033「あれですか!?なんですか!?」

20000「自問自答はやめようぜ!!!」

10039「テっくん!!興味ないってなんですか!?」

テクパトル「異性としては、だってば・・・」

17600「みんなそう怒るなよ、大体テっくんはバカに一途なんだからお前たちじゃ相手にもされないさ」

13577「されどもぉぉぉ!!!」

14510「エノキ・・・」

御坂妹「14510号、戻ってきてください!!!!」


821 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 21:40:17.09 ID:2pOaYUh20
>>819 え、女の兄弟って兄弟じゃないの・・・?

と思ったら姉妹だった

うちは姉妹じゃないからもう言葉を忘れちゃうんだな・・・


テクパトル「・・・はぁ、なんかお前たちは愉快だよな」

御坂妹「バカにしてますね!?」

10039「愉快だなぁ(笑)てことですね!?」

テクパトル「・・・17600号、頼む」

17600「ほら、テっくんも困ってるぞ」

御坂妹「ですが・・・」

17600「お前たちはテっくんにお世話になってるだろ」

13577「う・・・」

17600「その上、自分達にずーっと構えというのはガキの理論だぞ」

17600号がぐいっと酒を飲む

17600「いいか?構ってくれ構ってくれ、なんて言うヤツの要望に一一応えられるわけがないだろ」

10033「・・・で、ですけども・・・」


822 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 21:54:46.51 ID:2pOaYUh20
17600「あれだよ、ミサカたちは十分与えてもらってるんだからいいじゃないか」

テクパトル「そうだそうだー」

20000「おいおい・・・テっくんがなんか情けないぜ」

17600「はぁ・・・当たり前の幸せに覚えてはいけないぞ」

御坂妹「・・・そうですね」

ミサカたちが申しわけなさそうな顔にする

テクパトル「まぁ・・・俺も悪かったな」

19090「・・・みんな、今は美味しい食事を楽しみましょう!」

10039「そ、そうですね!」

御坂妹「では改めて!!!」

パン!!と一同が手を合わす


テクパトル「いただきます!!」

ミサカ一同「いただきます!!」


そんなてんやわんやがあったのは、午後の6時半

一時間以上、すき焼き店に滞在していた

823 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 22:01:50.64 ID:2pOaYUh20

その後、みんなで面白い話をして過ごすこと一時間近く

店もそこまで混んでいなかったため、長い間滞在できた

そして問題は起きる


テクパトル「さて・・・これからどうする?」

19090「そうですね・・・夜の街を歩くのはどうですか?」

御坂妹「あ、賛成です」

14510「では行きましょうか」

印象的だったのは、月が綺麗だったこと

こういう月を見ていると、テクパトルは19090号に名前をつけた日を思い出す

テクパトル(・・・月、か)

19090「?どうしたんですか、テっくん?」

テクパトル「いや・・・なんでもないさ」

824 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 22:05:34.24 ID:2pOaYUh20
10039「黄昏てますね」

テクパトル「そんな言葉を使うな・・・」

19090「・・・テっくん、月が綺麗ですよ」

テクパトル「あぁ」

20000「かー、ウサギが餅ついてるよ」

テクパトル「ウサギ・・・か」

13577「あれはお姫様が泣いてるんじゃないですか?」

テクパトル「そうか?老人が笛を吹いてるんだろ」

17600「初めて聞いたな、それは」

20000「・・・ん?」

20000号が突然歩みを止める

なぜか、空から視線を離していた

テクパトル「ん、どうした?」

20000「お姉様とお義兄様だ」


825 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 22:10:29.86 ID:2pOaYUh20
テクパトル「は?」

20000号の視線を追うと、二人が並んで歩いていた

ここから少し遠い場所だ

テクパトル「ふーん・・・あの二人はデートか」

20000「お姉様ー!!」

20000号が手を振るが、その声は周りの喧騒に掻き消されてしまう

テクパトル「聞こえるわけないさ」

御坂妹「そうですよ、何か気づいてもらえることをしなければ」

10033「ま、この距離からじゃどうすることも・・・」

20000「あ!何か気づくようなことをすればいいんだよね!?」

テクパトル「はぁ?そうだけど」

14510「何をするんですか?」

20000「テっくん、テっくん」

20000号が手招きをする


826 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 22:15:10.12 ID:2pOaYUh20
テクパトル「ん、どうした?」

20000「ちょっとそこに立って・・・そうそう」

テクパトル「?」

テクパトルが首を捻る

ちょうど、20000号の後ろだ

20000「ではテっくん!」

そして、テクパトルの腕がぐっと握られた

その時彼は直感で理解した

あ、投げられると

次の瞬間には、宙を舞っていた

そして


上条「うぼぁ!」

テクパトル「ぐぁぁ!」

二人と一家は交差した


それが、ちょうど夜8時のことだった



827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/06(木) 22:22:00.43 ID:/23TsKuf0
20000号の体はどうなってるんだw
828 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/06(木) 22:27:54.67 ID:2pOaYUh20
今日はここまで

では筋肉動画

元祖ボディービルダーって誰?となると、答えは出ませんね

ですが、あえて元祖を語るなら彼ではないでしょうか

「ヘラクレス」で有名「スティーブ・リーブス」

ハンサムなルックス、美しいからだ

1940年代ということはもう70年近く前

ステロイドやホルモンはもちろん、プロテインだって無かったといっていい時代にこれほどの体・・・

美しい、そして憧れる筋肉

彼はもう亡くなっていますが、今のボディビルを見たらなんと言うのでしょうかね・・・

http://www.youtube.com/watch?v=qEGv4_EpkyU 


兄弟は男だけに使う言葉

みんな、お利口さんになったね☆


ではおやすみなさい

 
829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/06(木) 22:29:48.01 ID:IUxVAIxF0
>>1

830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/10/06(木) 23:26:15.99 ID:X9pKY6BMo
20000号強杉わろた
831 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/07(金) 00:26:02.69 ID:H/gpt9kSO
20000号テッくん投げるとかどんだけ力あるんだよwwwwww
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2011/10/07(金) 00:50:51.88 ID:HnkmKNvHo
そいや妹達は軍事用クローンだったな忘れてた
833 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 10:49:06.61 ID:LHQyTIq+0
フレンダ「・・・あ、映画がある訳よ」

新聞のテレビ欄を見ながらフレンダは呟いた

時間は夜の8時

中途半端な時間だが映画が放送されるらしい

ゴーグル「・・・映画っすか?」

ゴーグル男が横から新聞を覗く

ゴーグル「ふんふん・・・アメリカの恋愛物っすね」

フレンダ「今の番組も飽きちゃったし見てみない?」

ゴーグル「いいっすよ」

ゴーグル男がチャンネルを回す

フレンダ「あ、ちょうど始まっ・・・」

映画のチャンネルに合わさった途端

全裸の男女がベッドで絡むシーンが始まった
834 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:15:12.13 ID:LHQyTIq+0
ゴーグル「うわ・・・いきなりラブシーンすか」

フレンダ「な、な!」

ゴーグル「いや、8チャンネルっすよ?」

フレンダ「なんでこんなシーンから始まる訳よ!?」

ゴーグル「そういう映画なんじゃないっすか?」

あまり興味なさそうにゴーグル男が答える

別に海外の映画ならラブシーンだって珍しくはないだろう

大体、フレンダは外国人のはずだ

そういうのにはゴーグル男より詳しそうなものだが

フレンダ「わわわ!ちょ、ちょっと・・・」

指の隙間からフレンダが映画を見る

さすがに下半身は見えてはいない

だが上半身はもう丸見えだ
835 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:15:43.03 ID:LHQyTIq+0
ゴーグル「・・・なんか微妙そうじゃないですか?」

フレンダ「な、何が!?」

ゴーグル「女優さんがちょっと演技下手ですし」

フレンダ「え、演技!?」

ゴーグル「背中に回してる手が中途半端に震えてますし・・・」

フレンダ「アンタ・・・もしかして映画好き?」

ゴーグル「そこそこっすよ」

ゴーグル男は映画に集中しているようだった

フレンダ「そんなに女優の裸が見たい訳?」

ゴーグル「違いますよ・・・」

フレンダ「・・・な、なんかスタイルはいい女優な訳よ」

ゴーグル「ちょっと静かにしてて下さい」
836 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:16:40.59 ID:LHQyTIq+0
フレンダ「な、何よ!私のテレビなのに!」

ゴーグル「しー、フレンダさんもちゃんと見ましょうよ」

フレンダ「映画なら今日見た訳よ!」

ゴーグル「はぁ・・・なんなんすか」

フレンダ「だ、だって・・・」

フレンダが何かを訴えるような目で見つめる

フレンダ(・・・あんまり裸をじっと見つめるゴーグルなんて見たくない訳よ)

ゴーグル「・・・どうしたんすか」

フレンダ「そんなに・・・裸に興味ある訳?」

ゴーグル「ないっすよ」

フレンダ「・・・もういい訳よ」

なぜかフレンダがそっぽを向いてしまう
837 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:17:28.26 ID:LHQyTIq+0
ゴーグル「・・・」

ゴーグル男は気にせずテレビに集中している

フレンダ(・・・ふん、何よ・・・)

ゴーグル(カメラワークは上手いっすね)

フレンダ(なんか少し画面に近づいてるし)

ゴーグル(うん、今の場面転換も上手いっす)

フレンダ(・・・どうせ私は貧乳ですよー)

ゴーグル(・・・もしかして、なかなかいい映画なんじゃないっすか?)

フレンダ(・・・)

フレンダ「・・・ねぇ、ゴーグル」

ゴーグル「なんすか」

フレンダ「・・・ゴーグルって胸がでかい子が好きな訳?」


838 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:18:13.99 ID:LHQyTIq+0
ゴーグル「違いますよ」

フレンダ「・・・素っ気ない訳よ」

ゴーグル「そうですか?」

フレンダ「・・・なんかつまんない」

ゴーグル「浜面さんとか滝壺さんの部屋に行ったらどうっすか」

フレンダ「・・・そうする」

フレンダが少し寂しそうな顔をしながら滝壺の部屋に向かう

フレンダ「・・・バーカ」

扉を閉める瞬間、そんなことを吐いてから


滝壺「うーん・・・この映画はなかなか電波が飛んできてる」

不思議少女滝壺理后は奇遇にもゴーグル男と同じ映画を見ていた

滝壺「うん・・・これは」

いい、と言おうとした時に部屋のドアがノックされた


839 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:18:51.95 ID:LHQyTIq+0
滝壺「はい」

フレンダ「入っていい?」

滝壺「フレンダ?うん」

ドアが開かれた

そこには拗ねたような顔のフレンダが立っていた

フレンダ「・・・ちょっといい?」

滝壺「うん、入って入って」

滝壺が手招きをする

フレンダ「・・・滝壺もこの映画見てたんだ」

滝壺「フレンダも見てたの?」

フレンダ「ゴーグルが見てた」

滝壺「一緒に見なくていいの?」


840 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:19:22.55 ID:LHQyTIq+0
フレンダ「・・・いい訳よ、あんなヤツ」

滝壺「喧嘩したの?」

フレンダ「・・・なんかね、構ってもらえなかった」

滝壺「映画に集中してたんじゃないの?」

フレンダ「・・・そうなんだけどさ」

滝壺「構ってほしかったの?」

フレンダ「うん」

フレンダがコクリと頷く

滝壺「・・・フレンダはゴーグルが好きなんだね」

フレンダ「す、好き!?」

滝壺「私にとっての浜面みたいに」

フレンダ「違う訳よ!恋心なんて無い無い!」


841 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:20:00.15 ID:LHQyTIq+0
滝壺「認めたほうが楽になれるよ?」

フレンダ「違うから!」

滝壺「・・・じゃあなんで構ってほしいの?」

フレンダ「それは・・・あいつがこのフレンダ様に構わないのがムカつくから」

滝壺「なんで?」

フレンダ「なんでって・・・」

滝壺「好きなの?」

フレンダ「・・・」

フレンダが少し口をつぐむ

フレンダ「・・・あいつは私にそっくりなんだ」

滝壺「そう?」

フレンダ「私はさ・・・アイテムの中で一番の足手まといだった訳よ」


842 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:20:34.28 ID:LHQyTIq+0
滝壺「そんなことないよ」

フレンダ「ううん・・・能力なんてないし・・・だから、アイテムの中では一番弱かった訳よ」

滝壺「・・・」

フレンダ「ゴーグルもそうだったんだ」

滝壺「垣根や心理定規のいるスクールの中で一番弱かったから?」

フレンダ「うん・・・同族感情かもしんない」

滝壺「・・・それだけ?」

フレンダ「・・・分からない訳よ」

はぁ、と深いため息をつく

フレンダ「・・・好きとかそんなこと分からないもん」

滝壺「出会ってすぐだから?」

フレンダ「うん・・・」

滝壺「ゴーグルはあんまりそういうのに興味なさそうだもんね」

843 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:21:10.55 ID:LHQyTIq+0
フレンダ「・・・そうな訳よ」

滝壺「フレンダ、ゴーグルに謝ってきたら?」

フレンダ「な、なんで私が・・・」

滝壺「困ってると思うよ?」

フレンダ「な、何も言ってないもん」

滝壺「・・・それでも、帰ったほうがいいと思うな」

滝壺がフレンダの目を見つめる

その澄んだ瞳は母親の瞳に似ている

フレンダ「・・・分かった」

フレンダが滝壺の部屋から出ようとする

フレンダ「滝壺、ありがと」

844 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:21:52.72 ID:LHQyTIq+0
滝壺「ねぇ、フレンダ」

フレンダ「ん、何?」

滝壺「私には居場所が出来たの」

フレンダ「うん」

滝壺「フレンダにも出来るといいね」

フレンダ「!」

滝壺「頑張って、フレンダ」

フレンダ「ありがと!」

満面の笑みを浮かべてからフレンダが自室に帰る


フレンダ「・・・ただいま」

ゴーグル「?早かったっすね」

フレンダ「・・・うん」


845 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:22:49.81 ID:LHQyTIq+0
ゴーグル「どうしたんすか?」

フレンダ「なんでもない訳よ」

フレンダがゴーグル男の隣に座る

フレンダ「映画、面白い?」

ゴーグル「わりといいかもしんないっす」

フレンダ「・・・私も見ようかな」

ゴーグル「見ましょうよ」

フレンダ「・・・うん」

映画の中では恋人が甘い生活を送っている

周りの住人に振り回されながらも仲良く過ごしていく、といった話だ

フレンダ「・・・こういうことをしたら幸せなカップルになれるのかな」

ゴーグル「どうなんでしょうかね」
846 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:23:34.03 ID:LHQyTIq+0
フレンダ「・・・」

そっとフレンダがゴーグルの肩に頭を載せる

ゴーグル「?眠いんすか?」

フレンダ「違う訳よ」

ゴーグル「じゃあなんで・・・」

フレンダ「したいからしてるの」

ゴーグル「はぁ・・・ちょっと重いんですけど」

フレンダ「・・・そういうことは言わないでほしかった訳よ」

ゴーグル「はいはい」

ゴーグル男が笑いながらテレビに視線を戻す

その中では、幸せなカップルが公園のベンチに座っていて

そして、彼女は彼氏の肩にそっと頭を載せていた

847 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:24:28.58 ID:LHQyTIq+0
みなさんはご存知だろうか

筋肉というのはかなり重いのだ

よく、体重が重いなら絶対に太っているという意見を耳にする

だがそれは正確には間違っているのだ

脂肪よりも筋肉のほうが重い

ボディビルの世界レベルの選手は110kgを超える体重なんて当たり前

脂肪と筋肉が同じ体積だけある人が一人ずついるなら、筋肉達磨のほうが重いのだ

そして

上条の顔面に直撃したテクパトルは言わずもがな筋肉達磨だ

彼の体重は90kg近い

それを飛ばした20000号も恐ろしいには恐ろしい

だがそれ以上に、90kgの弾丸が顔面に直撃した事実のほうが恐ろしい

上条の意識は一瞬にしてお空の向こう側に到達してしまった

848 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:25:20.11 ID:LHQyTIq+0
美琴「当麻!?当麻ぁ!」

テクパトル「か、上条!大丈夫か!?」

19090「み、水か何かで冷やしましょう!」

20000「あーあー、大変なことになっちゃったね」

テクパトル「てめぇのせいだ!大体なんで俺を投げた!?」

20000「全力出して自己アピールを・・・」

美琴「細かい事情なら後で聞くから!とにかく当麻の手当てよ!」

周りの通行人はなんの騒ぎだと見つめている

傍から見たら、マッチョなお兄さんが高校生をぶん殴った、みたいな雰囲気になっているだろう

テクパトル「とにかく!運ぶぞ!」

テクパトルが簡単に上条の体を抱える

御坂妹「あぁ、鍛えていてよかった」

13577「テクパトルはこの時そう思ったのでした」


849 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:25:56.33 ID:LHQyTIq+0
テクパトル「昔話にするな!ていうか手伝え!」

10033「近くの公園にでも運びましょう」

テクパトル「あぁ!」

人混みの中をテクパトル達が歩いていく

人間を抱えたマッチョなお兄さん

自然と人並みが裂けて道が出来る

テクパトル(・・・はぁ・・・これで俺のイメージは最悪だよ・・・)

17600「にしてもよかったなテっくん、人命救助のライセンスを持っていて」

隣で17600号がありもしない嘘を吐く

それを聞いた通行人は、一転して尊敬の眼差しでテクパトルを見つめる

テクパトル(よくやった17600号!)

17600(はぁ・・・20000号は後でぶん殴るか)


850 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:26:24.20 ID:LHQyTIq+0
20000(いやん、17600号がミサカをじっと見つめてる)

19090「お姉様、大丈夫ですよ」

美琴「当麻・・・当麻!目を覚まして!」

美琴は心配そうに上条を見つめている

20000「いっやぁ、やりすぎたね」

10039「後でテっくんからの説教が待ってますよ」

御坂妹「お姉様を泣かせるとはいい度胸ですね」

20000「こ、これは路地裏に連れていかれて痛いのに無理矢理やられちゃうパターン?」

17600「卑猥な言い方するな潰すぞ」

20000「」


テクパトル「はぁ・・・ベンチに寝かせるか」

テクパトルが上条の体をベンチに寝かせる


851 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:26:50.58 ID:LHQyTIq+0
美琴「な、何からすればいいの?」

テクパトル「まぁ・・・タオルを水に浸して頭に乗せる」

美琴「そ、それだけ!?」

テクパトル「幸い、俺の体は当たっただけだったからな」

テクパトルが苦笑する

あのまま上条の顔を押し潰すようにテクパトルの巨体が乗っていたら

顔面骨折なんてことになっていたかもな、とテクパトルは冷や汗をかく

19090「タオル、濡らしてきました!」

テクパトル「お、サンキュー」

20000「もう、そんなに早く濡れちゃうなんて!」

17600「ちょっとこっちに来い」

20000「ひぃっ!」

御坂妹(強制連行ですね)

852 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:27:27.90 ID:LHQyTIq+0
テクパトル「・・・あとは義姉さんがずっと手を握ってるのが一番かもな」

美琴「わ、私が?」

テクパトル「愛は通じるのさ」

13577「適当なこと言ってますね」

テクパトル「・・・病は気から」

19090「病ではないですよ?」

美琴「・・・アンタの巨体が当たったんだから・・・」

テクパトル「治る目覚める立ち直る!」

美琴「こ、このまま起きなかったら・・・」

上条「勝手に殺すな・・・」

上条が苦しそうな声を出しながら目を開けた

美琴「当麻!」

上条「うぅ・・・」

853 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:28:04.25 ID:LHQyTIq+0
美琴「当麻、私が分かる!?1+1は!?」

上条「かなり昔にあったようなやり取りだ・・・」

美琴「よかった!覚えてる!」

テクパトル「悪いな上条・・・20000号が俺を投げたばかりに」

上条「どうしてそうなったんだ・・・」

御坂妹「全て彼女の自己アピールの激しさが招いた悲劇です」

上条「は・・・?」

意味が分からない、という表情をしながら上条が首を捻る

17600「よう、お仕置きは終わったぜ」

20000「」

上条「・・・なんか生気が無くなってるんだけど」

17600「おいたが過ぎたガキには痛い痛いお仕置きを、だろ?」


854 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:28:33.48 ID:LHQyTIq+0
上条「怖いなおい・・・」

テクパトル「まぁ・・・まだしばらくは動かないほうがいいかもな」

上条「いたた・・・地面に頭ぶつけたんだっけ?」

頭の後ろを摩りながら上条が言う

美琴「うん・・・大丈夫?」

上条「こぶになってるな・・・」

テクパトル「本当にすまなかった・・・」

上条「お前は投げられただけなんだろ?気にしない気にしない」

20000「そうそう!」

上条「お前は気にしろ!」

御坂妹「ですが、元気になられて何よりです」

19090「そうですね、安心しましたよ」


855 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:29:02.61 ID:LHQyTIq+0
上条「いや・・・心配掛けて悪かったな」

美琴「当麻のバカ!」

上条「う・・・不可抗力だったのに」

17600「お姉様はめちゃくちゃ慌ててたからな」

テクパトル「あぁ、もうそれはそれは」

美琴「そ、そんなことないわよ!」

上条「心配してくれたのか?」

美琴「だって当麻が・・・」

上条「ありがとな、美琴」

上条が美琴にキスをする

10033「あぁ!またカップルを見せつけられました!」

14510「甘いんですよぉぉ!」
856 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:29:28.72 ID:LHQyTIq+0
上条「な、なんか・・・大丈夫か?」

17600「気にするな」

テクパトル「いつもこうだ」

美琴「なんか妹達の将来が心配になってきた」

御坂妹「大丈夫です、まっとうに生きていきます」

上条「そういうことを言うヤツに限って荒んだ人生を・・・」

13577「あ、お得意の説教ですね」

上条「違うから!ただのツッコミだから!」

テクパトル「むしろボケじゃないか?」

19090「ボケですね」

美琴「やっぱり頭を打ったから・・・」

上条「なんか変な方向に話が進んでる!」


857 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:30:21.61 ID:LHQyTIq+0
美琴「当麻!!私は当麻がヘンになっても好きだからね!?」

上条「はいぃ!?」

御坂妹「うわぁ、惚気ましたよ」

上条「なんでそうなるの!?」

上条が頭を抱える

明日、美鈴達に会わなきゃいけない

だから今日は体力温存しようねー

そう美琴と話していたのに

やはり彼はミサカに振り回される運命にあるらしい

上条「あぁもう!」


上条「久しぶりに本当の意味での不幸だぁぁ!」

美琴「な、なんでよ!?」

夜の空には、嘆き声と笑い声が響いていた

858 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:31:03.54 ID:LHQyTIq+0



垣根「だーかーらーさ、もっと能力開発は緩いやり方にするべきなんだよ!!」

バァン!!と焼肉店のテーブルが叩かれていた

ちなみにマジギレ、という雰囲気ではない

どちらかといえば酔った影響で、勢いのまま言っているという感じだ

小萌「ですが垣根ちゃん、今でも十分健康に影響はないのですよ?」

垣根「本当か!?本当にそうなのか!?」

心理「あなただって体調は普通じゃない」

垣根「違うんだよ!!!脳に電極ブッ刺したり血管に注射したり!!!それがヤバイって言ってんだよ!」

イン「そんなことしてるの?」

吹寄「でも・・・それくらいは了承してここに来たんじゃないの?」

垣根「うるせぇ!!!」

姫神「私は。能力開発は受けてない」
859 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:31:31.18 ID:LHQyTIq+0
吹寄「え、どうして?」

姫神「巫女さんだから」

垣根「さっすが姫神ぃ!」

心理「はぁ・・・」

小萌「ですが、たしかにそれを非難されることも多いのですよ」

吹寄「非人道的だ、と?」

小萌「サイボーグを作る気かぁ!うちの子供をそんなにはさせん!なんていう親もいるんですよね・・・」

姫神「でも。そんなことでもしないと、能力なんて得られない」

小萌「そうです、だからこそ原石の子は重宝されるのですよー」

小萌の言葉に姫神の肩がピクリと震える

垣根「原石・・・か」

イン「原石ってなんなの?」
860 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:31:59.09 ID:LHQyTIq+0
小萌「あんな非人道的なことをされずに能力を得た人たちです、相当に幸運なのですよ」

心理「しかも、それが超能力者の中にも一人いるんだからね」

クスクス、と笑う心理定規

彼女たちの友人こそ、そのありえない人間の一人なのだ

姫神「・・・でも。原石は科学的にも不思議な力の人が多い」

垣根「科学的に作られたわけじゃないからな」

小萌「自然的に発生したものは、ときとして科学を超えてしまうのです」

吹寄「でも、原石なんてほとんど会ったことがないわね」

心理「あら、そうなの?」

吹寄「削板だっけ?彼ぐらいだから」

垣根「・・・へぇ」

垣根がニヤニヤと笑いながら姫神を見つめる


861 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:32:25.30 ID:LHQyTIq+0
彼は学園都市の暗部にいた人間だ

少しくらい、そういう情報も伝わってはいる

垣根「姫神はどうなんだ?」

姫神「・・・私も。あまりみんなにそういうことをしないでほしい」

垣根「だろ?いつも顔を合わせてる友達がサイボーグ紛いなことされてるなんてイヤだぜ」

心理「・・・仕方の無いことじゃないの?」

小萌「・・・そこまでしても、たいした能力を得られない子達も多いのです・・・」

吹寄「・・・自分達だけの現実、そしてそれを実現させる・・・」

心理「理屈では分かっても実際に行うのは難しいのよ」

垣根「そうか?」

姫神「二人は高位能力者だから。きっと分からない」

吹寄「・・・そうね」


862 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:32:52.37 ID:LHQyTIq+0
心理「ふふ・・・あなたたちの苦労なんかとは比べ物にならないほどの苦悩を味わってるけどね」

姫神「?」

垣根「はぁ・・・なんでこんな辛気臭い話になったんだよ」

吹寄「貴様のせいよ」

垣根「なぁ、おっぱい揉ませろよ」

吹寄「貴様・・・」

姫神「垣根は。いっつもそればかり」

小萌「ダメなのですよ垣根ちゃん!!」

垣根「だってさー、科学の話したら途端にインデックスが無口になるんだぜ?」

イン「だって分からないもん」

小萌「シスターちゃんはそういうのを受けようとは?」

イン「思わないんだよ!!そんなの神への冒涜なんだよ!!」

863 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:33:48.14 ID:LHQyTIq+0
垣根「神様を言い訳にすること自体が自分への冒涜だぜ」

イン「そんなことないんだよ!」

心理「でもね、見たこともない存在なんて信じられないものよ?」

吹寄「そうそう、神の一撃だって信じがたい話しだし」

イン「神の一撃?」

垣根「宇宙が生まれるには何かしらの異常な事態が必要だった、無の中からそれが生まれたとは思えない」

小萌「では一体、誰がその異常な事態を巻き起こしたのでしょうか!?」

心理「ビッグバンの原因は、神の一撃なのよ」

イン「ほーら!!神様を認めてるんだよ!」

垣根「便宜的にそう言ってるだけだ、そもそも宇宙の生まれる前が無だったという証拠も無い」

心理「そうそう、神様なんてこれっぽっちも信じてないわよ」

イン「うー!!だったらどうして初詣で神様にお祈りするの!?ねぇねぇ!?」

864 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:34:24.67 ID:LHQyTIq+0
姫神「昔からの習慣だから」

イン「そんなことないんだよ!みんな神様を・・・」

垣根「日本は八百万の神の国だ・・・偉業を成し遂げたもの、人のためにたったもの・・・そういうものは神格化されるのさ」

心理「軍神、なんて言葉もあるものね」

小萌「日本人は先代の方々を神と奉るのですよ?」

垣根「奇跡を起こしたり、命を生んだりする神じゃないけどな・・・でも、そういう心意気が日本の素晴らしいとこだぜ?」

イン「そんなの・・・納得できないんだよ」

インデックスが頬を膨らませる

垣根「俺からしたら、一神教のほうが怖くてヤだね」

イン「なんで?」

垣根「神様のためになら人殺しも平気でやるやつが現れるだろ?」

心理「人を殺させて喜ぶ神様なんて、こっちから願い下げよ」


865 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:34:52.75 ID:LHQyTIq+0
イン「・・・それは一部の異端なんだよ」

姫神「・・・結局。神様なんているかどうかは分からない」

心理「無神論者の過ちって知ってる?」

吹寄「何それ?」

心理「神はいない、天国なんてないって思う人がいるとするじゃない?」

姫神「うん」

心理「でも実際に神様がいて、天国があったら?」

垣根「そいつは自分の考えが間違いであったことに気づくんだ」

小萌「ですが、有神論者は?もしも天国がなければ、そもそも考えることさえできないのです」

イン「自分の間違えには気づかない・・・?」

垣根「そう、だからある意味有神論者は幸せなのかもな」

心理「信じるものは救われるのかしらね」


866 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:35:20.09 ID:LHQyTIq+0
イン「・・・難しいんだよ」

難しそうな顔をしながら、インデックスがお肉を頬張る

垣根「はぁ・・・真面目になっちまったな、吹寄おっぱい揉ませて」

吹寄「黙って」

姫神「私でよければ」

小萌「ダメなのですよ、垣根ちゃんには心理定規ちゃんという立派な恋人がいるのです!」

垣根「ちぇー、つまんねぇ」

心理「あら、そうは言ってもセクハラはやめるのね」

垣根「仕方ねぇだろ」

心理「・・・インデックス、そろそろ帰るわよ?」

イン「え!?そうなの?」

垣根「もう8時半だぜ?」


867 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:35:46.66 ID:LHQyTIq+0
心理「そうよ、さっさと帰らないと」

小萌「ちょうどお肉も食べ終わりましたし」

吹寄「そうね」

イン「うぅ・・・分かったんだよ」

しぶしぶとインデックスが箸を置く

姫神「じゃあ。ご馳走様でした」

垣根「おう、支払っとくから帰っていいぜ」

吹寄「いいわ、待っておくわよ」

垣根「あぁ?いいっていいって」

吹寄「・・・いいじゃない、別に」

心理「垣根、女の子には優しくなさいな」

垣根「はぁ・・・インデックスと小萌はもう帰るだろ?」


868 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:36:15.71 ID:LHQyTIq+0
小萌「はい、では今度は学校で会いましょうなのです!!!」

イン「ありがとなんだよかきね!」

垣根「おうよ、今年もよろしくな」

手を振りながら、先に二人が帰っていく


垣根「さーて、支払いも済ませましたし・・・帰ろうか」

心理「そうね」

吹寄「・・・カードでぱっと支払うなんてすごいわよね」

姫神「私達には無理な所業」

垣根「おう、当たり前よ」

ニコニコと笑いながら垣根は歩き出す

まるで少年のような笑みだ

姫神「・・・見て、月が綺麗」


869 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:36:42.77 ID:LHQyTIq+0
夜空には綺麗な月が浮かんでいる

心理「ホントね」

垣根「・・・姫神も吹寄も、恋はしてないのか?」

吹寄「な、なにいきなり?」

姫神「今はしていない」

垣根「昔はしてたってことだな」

姫神「・・・そう」

吹寄「・・・私も」

心理「・・・恋なんて、時間をかけてゆっくり始まるものよ」

垣根「そうかもな・・・ま、頑張れや」

吹寄「・・・あんまり素敵な人がいないってのもあるけどね」

姫神「・・・垣根みたいな人が?」


870 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 11:37:14.64 ID:LHQyTIq+0
吹寄「ち、違うわよ!」

垣根「はぁ・・・俺みたいなヤツなんてロクデナシだぜ?」

吹寄「・・・そうかもね」

心理「あなたを泣かせるんだものね?」クスクス

吹寄「そ、そういう意味じゃなくて・・・」

姫神「じゃあ、どういう意味?」

吹寄「そ、それは・・・」

垣根「・・・ま、ボチボチ頑張れよ」

垣根が笑いながら空を見上げる

綺麗な月が浮かんでいた


姫神「・・・あの月を見てると。血がザワザワと疼くの」ウフフ

垣根「怖い怖い」


871 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 15:59:54.07 ID:LHQyTIq+0

上条「いってて・・・まだコブが痛いですよ」

美琴「大丈夫?」

公園のベンチで、美琴は上条の頭を撫でていた

御坂妹(ちっ・・・リア充が)

10039(・・・なんなんですか、なーんなーんでーすかー)

20000(早く帰ってオナりたいお)

19090(・・・テっくんの巨体が当たるのは痛そうですね・・・)

テクパトル「しっかし・・・20000号はよく俺を投げられたな」

20000「ミサカをナメちゃいけないぜ」

テクパトル「褒めてないからな」

14510「・・・ミサカたちも一応は軍用クローンですからね」

13577「そうですよ、あれくらいならどうにかできますよ」

テクパトル「怖いなおい」

17600「まぁただの白兵戦じゃテっくんには敵わないから安心しろ」


872 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 16:10:35.76 ID:LHQyTIq+0
テクパトル「むしろ敵ったら怖いんだよ・・・」

19090「テっくんに暴力なんて振るいませんよ!」

10039「そうそう、そんなことしたら周りのミサカからバッシングをくらいますからね」

20000「だねー」

御坂妹「・・・テっくん、お姉様たちはずっとイチャイチャしてますよ?」

テクパトル「恋人の看病ほど堪らないものはないさ」

19090「!!テっくん、看病をしましょうか!?」

テクパトル「いやいや!!何も怪我してないからな!?」

19090「そ、そうですか・・・」

20000「!!じゃあミサカが投げれば・・・」

テクパトル「わざわざ怪我をさせようとするな!!!」

美琴「もう、うるさいわよみんな」

テクパトル「あ、あぁ・・・」

上条「夜には静かに、な」

873 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 16:15:33.15 ID:LHQyTIq+0
美琴「はぁ・・・寒くなってきちゃったね」

上条「あっためてあげますよ」ギュッ

美琴「//」

上条「あったかいか?」

美琴「う、うん!!」


御坂妹「だぁぁぁぁ!!!あれがリア充だよ!!!」

10039「ムカつきますねぇ!!」

10033「あれですか、ヤキモチを妬かせるためですか!?」

13577「爆発させましょうかね!?」

14510「それは名案です!!」

ミサカ一同「げっへっへ・・・」

17600(いつからミサカたちはこうなったんだ)

19090(みんな立派になりましたね・・・)

テクパトル(もう一度教育をやり直そうかな)


874 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 16:21:49.16 ID:LHQyTIq+0
美琴「・・・当麻、そろそろ帰る?」

上条「そうだな・・・こうやってるうちにすっかり遅くなりましたね」

騒ぎから一時間

もう夜の9時近くになっていた

上条「じゃあ・・・テクパトルたち、またな」

テクパトル「あぁ」

美琴「あ、そうだ・・・」

御坂妹「?なんですか?」

美琴「明日ね、お父さんとお母さんが来るのよ」

20000「!!マジマジ!?」

上条「あぁ、だから一方通行たちにも言っておかないといけないんだけどな」

テクパトル「へぇ・・・義母さんたちが」

美琴「みんなも会いに来てよ」

10039「ぜひとも!!」


875 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 16:24:37.27 ID:LHQyTIq+0
上条「あ、そういえば垣根にお願いするの忘れてたな・・・」

美琴「そうね・・・」

テクパトル「?何かお願いするのか?」

上条「垣根のとこに美鈴さんたちを宿泊させてほしいんだ」

テクパトル「はぁ・・・大変だな」

19090「ですが、あそこはホテルよりもいいですからね」

御坂妹「・・・そうですね」

13577「はぁ・・・久々の両親とのご対面です・・・」

テクパトル「親、か・・・」

14510「・・・楽しみですね・・・」

17600「ま、正月だしいい機会かもな」

テクパトル「・・・なんか大変になりそうだけどな」

876 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 16:27:51.29 ID:LHQyTIq+0
上条「はは・・・そこはもういいじゃないか」

テクパトル「・・・イヤになりそうだ」

テクパトルが義両親を思い出す

がはは!!と笑う父親

なんだかんだ冷やかしてくる母親

めんどくさい親の典型だった

テクパトル「・・・上条、一緒にがんばろうぜ」

上条「あぁ」

御坂妹「よし!!ならさっさと帰って寝ましょうか!」

美琴「うん、じゃあおやすみ!」

一同が手を振って分かれる


877 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 16:30:46.44 ID:LHQyTIq+0

上条「さて・・・垣根に電話するか」

夜道を歩きながら、上条は携帯電話を取り出した

美琴「出るかしら?」

上条「どうかな・・・」

プルル、とコールが鳴る

上条「出ないかな・・・」

何度目かのコールが鳴った

すると、突然通話が始まった

上条「あ、垣根・・・」

心理『あら、上条君だったの』

上条「」


上条「お邪魔しましたぁ!」

心理『ちょっと、なんか誤解してるでしょ』


878 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 16:33:13.31 ID:LHQyTIq+0
上条「ご、誤解?」

姫神『誰?』

心理『あぁ、上条君よ』

吹寄『なんだ、上条からか』

垣根『人の携帯を勝手に取るな・・・』

上条「・・・」


上条(おかしい・・・男女の比率がおかしいぞ?)

上条は考えた

こんな時間に、なんで他の女も周りにいるのだろうか

垣根ならたしかにそれもありそうだが

上条「ちょっと垣根と替わってくれるか?」

心理『はいはい・・・ほら、垣根』


879 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 16:37:57.86 ID:LHQyTIq+0
垣根『よぉ』

上条「・・・お前、どういう状況だよ」

垣根『さっきまで小萌とインデックスも混ぜて焼肉食ってたんだよ』

上条「ハーレムすぎんだろ!!」

垣根『はっはっは、それが俺の素晴らしさだぜ』

上条「5回死ね!!!」

垣根『で?用件は』

上条「・・・お前の家ってさ、明日誰か泊まる予定とかあるのか?」

垣根『ねーよ、宿泊施設じゃねぇんだ』

上条「う・・・」

上条が言葉に詰まる

それもそうだろう、友達だから泊めてくれていただけなのだ

上条「その・・・頼みがあるんだけどさ」


880 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 16:40:52.09 ID:LHQyTIq+0
垣根『なんだよ、もったいぶって』

上条「明日さ・・・美琴の両親が来るんだ」

垣根『あぁ、それで泊めてくれってか?』

上条「お前の家なら広いし・・・美鈴さんが喜びそうな風呂もあるだろ?」

垣根『おーおー、いいぜいいぜ』

上条「マジか!?」

垣根『あの二人は面白いしな』

上条「助かる!!!」

垣根『なんならミサカたちも泊めてやったらどうだ?御坂やお前と違って里帰りもできないんだし、この機会に少しでも長くいるべきだろ』

上条「悪いな何から何まで・・・」

垣根『ま、感謝しろよな』

上条「あぁ!!」

881 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 16:44:03.85 ID:LHQyTIq+0
垣根『んじゃ、俺はこれから三人と遊ぶから』

上条「な、何して?」

垣根『カラオケだよ』

上条「・・・暴れるなよ」

垣根『心配するな』

上条「じゃあ・・・助かる、サンキューな」

垣根『おう、あばよ』

垣根との通話を終える

美琴「どうだって?」

上条「オッケーだってさ」

美琴「よかった!」

美琴がほっとしたように胸を撫で下ろす


882 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 16:46:25.48 ID:LHQyTIq+0
上条「これでなんの心配も無いな・・・」

美琴「あとは・・・私達もさっさと帰って寝るだけね」

上条「あぁ」

美琴「じゃ、急ぎましょう!」

美琴が上条の先を走る

上条「おい、待てって!」

美琴「捕まんないもん!!!」

上条「よーし、言ったな!!」

二人の追いかけっこが始まる

昔と同じように、でも追いかけるのは上条で

そんな幸せな時間が幸せだった


上条「いってぇ!!誰だよこんなとこに空き缶捨てたヤツ!!」

美琴「あはは!!!」


883 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 16:48:27.48 ID:LHQyTIq+0
一旦休憩

筋肉痛が心地いいのは、私がMに目覚めたから・・・?


いいえ、そうではないのです

884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/07(金) 17:19:13.86 ID:Fa3rl2zT0
>>883
SとMどっちもじゃね?
筋肉を痛めつける喜びと
筋肉痛の喜び
貴様20000号だな!
885 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 19:05:59.52 ID:LHQyTIq+0
>>884 よく考えてほしい
たとえば、サトリナが「>>1君、私の背中を愛でて」とMっぽいことを言ってきたとします
その時に取る対応は2つ、愛でるか愛でないか
まず愛でるを選択すればその時点で>>1はSになりますね
では愛でないを選択したらSではないのか
否、断じて否ッ!
愛でてほしいという願望を突っぱねることによって、サトリナは失望感、絶望感、羞恥や悲愴感を持ってしまうことでしょう
それはむしろSっぽい行動ではないでしょうか
お願いされたことを拒み、辱める
それもSなのです
つまり相手がMならば人はどのような行動を取ってもSになってしまうのです

ではサトリナが「>>1君、触ってあげようか?」とSっぽいことを言ってきたとします
もちろん、お願いします!なんて言ったらMでしょうね
辱めを自ら望んでいるのですから
では拒んだらMではないのか
否、断じて否ッ!
自分はそれでは気持ちよくなれません
そんな絶望的な状況に自ら自分を追い込むのはMの骨頂ではないでしょうか
さらに、それに怒ったサトリナがもっとひどい仕打ちをしてくるかもしれません
それを助長させるなんてMですよね
相手がSならばどうしようとMになってしまうのです

SとMというのは正反対ではない
北と南、男と女のような反対の存在ではないのです
むしろ太陽と月のように、片方が存在して初めてもう片方が生まれるといってもいいのです
痛めつける喜びと痛めつけられる喜び
その二つは表裏一体、メビウスの輪

みなさんはどう思います?

ちなみに>>1はサトリナは可愛いと思います

そして表面上はSで中身がMだと興奮します

もう意味が分かりません

とりあえず続き

886 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 19:11:43.37 ID:LHQyTIq+0

フレンダ「んー・・・」

ゴーグル(・・・どうしてこうなったんすか)

ゴーグル男は悩んでいた

フレンダは隣で、少しうつらうつらとしている

映画もそろそろ終盤、眠くなる時間でもある

もちろん、まだ夜の9時半ほどなので就寝には早いかもしれない

しかし映画というのはずーっと見てると眠くなってしまうものだ

フレンダ「ん・・・」

ゴーグル(いや、ちょっと待ってくださいよ)

そう、フレンダは映画のヒロインの真似をしてゴーグル男の肩に頭を乗せていたのだ

そんな状況で、眠そうな表情をされてしまったらどうだろうか


ゴーグル(・・・思いっきりデコピンしたいっす)ウズウズ

フレンダ「ん・・・ん?」

887 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 19:14:52.78 ID:LHQyTIq+0
ゴーグル「あ、起きちゃいましたか」

フレンダ「・・・何じーっと見てる訳よ」

ゴーグル「いや、なんか眠そうだなって」

フレンダ「・・・人の寝顔を凝視するなんて悪趣味な訳よ」

ゴーグル「いやいや、気になるじゃないっすか」

フレンダ「き、気になる!?」

ゴーグル「そりゃ重いですから」

フレンダ「・・・可愛いとか言うのかと思ったのに」

ゴーグル「寝顔って可愛いもんなんすか?」

フレンダ「・・・なんか父性本能をくすぐられたりとか」

ゴーグル「?そうなんすか?」

フレンダ「・・・アンタは寝顔を可愛いとは思わない訳?」

ゴーグル「間抜けだなって思います」

フレンダ「・・・」

888 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 19:22:54.71 ID:LHQyTIq+0
ゴーグル「な、なんで思いっきり拳を振り上げてるんですか・・・」

フレンダ「・・・なんかムカついた訳よ」

ゴーグル「ムカついたとか言わないでくださいよ・・・」

ゴーグル男が溜息をつく

垣根の口癖を思い出してしまうのだ

フレンダ「・・・私の寝顔見といてその感想とか許せない訳よ」

ゴーグル「だってフレンダさんはあんまり大人っぽい雰囲気の人じゃないですよね?」

フレンダ「なに?大人っぽい雰囲気の人の寝顔がいい訳?」

ゴーグル「寝顔は子供っぽいっすよね?いつも子供っぽい人が子供っぽい表情しても面白みがないじゃないですか」

フレンダ「・・・あ、それは分かるかも」

フレンダは過去に麦野の寝顔を見たことがある

それは、いつもと違いかなり可愛げのあるものだったのだ

889 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 19:28:52.19 ID:LHQyTIq+0
ゴーグル「つまり、フレンダさんのキリってした表情とかは逆にくるかもしれませんね」

フレンダ「・・・私は童顔ってこと?」

ゴーグル「まぁ・・・そうじゃないっすか?」

フレンダ「・・・若々しいってこと?」

ゴーグル「若いじゃないっすか」

フレンダ「ガキっぽいってこと?」

ゴーグル「ガキじゃないですか」

フレンダ「ガキ!?今ガキって言った訳よ!!!」

ゴーグル「・・・いや、そうじゃないっすか」

フレンダ「アンタにガキ扱いされたくない訳よ!!」

ゴーグル「お、俺ってガキなんすか?」

フレンダ「愛想ないし素っ気無いし!!」

ゴーグル「・・・それはガキになるんすね」

フレンダ「もう!!なんかつまんない!!」


890 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 19:40:02.46 ID:LHQyTIq+0
ゴーグル「・・・じゃあ、子供じゃないってとこ見せましょうか?」

フレンダ「へ・・・?」

真剣な表情でゴーグル男がフレンダを見つめる

よくよく考えたら、彼は立派な青年だ

そしてフレンダだって女性と言っていい年齢

そんな二人が密室にいる

しかも、今の台詞

「子供じゃない」ということを証明する、と言っているようだった

それはつまり


ゴーグル「・・・腕相撲、やりましょうよ」

フレンダ「・・・は?」

ゴーグル「俺が一応、男性だってことを・・・」

フレンダ「お、おかしい訳よ!!!」

ゴーグル「?」


891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/07(金) 19:43:34.74 ID:Fa3rl2zT0
>>885
要するに
1つ目はYES=S、NO=放置プレイする=S
2つ目はYES=M、NO=放置プレイされる=M
ってな訳ですね
よくわかりました>>1の性癖が
892 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 19:51:10.77 ID:LHQyTIq+0
>>892 間違いではないと・・・そういうことです

しかし>>1は決してMではないと言いたい


フレンダ「も、もっとエ・・・」

ゴーグル「エ?」

フレンダ「・・・エッチなことされるかと思った訳よ」

ゴーグル「いや、なんでですか?」

フレンダ「あんな台詞言われたら誰だってそう思うから!」

ゴーグル「・・・そうっすか?」

フレンダ「・・・ちょっと怖かった」

ゴーグル「ご、ごめんなさい!」

ゴーグル男が慌てたように謝る

フレンダ「・・・まぁ、いい訳よ」

ゴーグル「その・・・ああいうことは言わないほうがいいんすか?」

フレンダ「そりゃ・・・言われたら怖い訳よ」

ゴーグル「・・・申し訳ないです」
893 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 19:51:47.52 ID:LHQyTIq+0
>>891 だった  安価を間違えた



フレンダ「・・・もういいって」

フレンダがテレビを見つめる

もう映画はエンドテロップになっていた

ゴーグル「・・・終わりましたね」

フレンダ「・・・ねぇ、これから何するの?」

ゴーグル「・・・あの、ああいう会話のあとにそういう会話はダメっすよ」

フレンダ「はぁ!?エッチとか期待してた訳!?」

ゴーグル「いや・・・違いますけど」

フレンダ「わ、わわわ私はそんなに軽くない訳よ!!」

ゴーグル「・・・」

フレンダ「ダ、ダメだってば!!」

ゴーグル「・・・軽くないんすか?意外と太ってるんすね」
894 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 19:52:49.47 ID:LHQyTIq+0
フレンダ「そういう意味じゃない訳よ!!!!」

ゴーグル「そ、そうなんすか?」

フレンダ「はぁ・・・なんでそんなことになる訳よ」

ゴーグル「・・・フレンダさんって、エッチなんすか?」

フレンダ「はぁ!?な、なんでそうなる訳よ」

ゴーグル「・・・だってさっきからずーっとそういう話ばっかり」

フレンダ「してないもん!」

ゴーグル「い、いや・・・してるじゃ」

フレンダ「アンタこそ変な目で見てる訳よ!!!」

ゴーグル「見てないっすよ!」
 
フレンダ「も、もしかして期待してた訳!?ふっけつー!!!」

ゴーグル「不潔じゃないっすよ!!!」

フレンダ「結局男はみんなそうな訳よ・・・」


895 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 19:59:12.15 ID:LHQyTIq+0
ゴーグル「お、俺はそういうやらしい気持ちで接してるわけじゃ・・・」

フレンダ「・・・ホント?」

ゴーグル「その・・・冗談が過ぎました、ごめんなさい」

頭を深く下げながら、ゴーグル男が謝罪する

フレンダ「・・・まぁいい訳よ」

ゴーグル「あ、はい」

フレンダ「・・・あ、あのさ」

ゴーグル「なんすか?」

フレンダ「・・・ゴーグルは、その・・・そ、そういうこととかする訳?」

ゴーグル「そういうこと?」

フレンダ「ひ、一人で・・・とか」

ゴーグル「・・・いや、なんでいきなり?」

フレンダ「浜面には聞けない訳よ!!」

896 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 20:01:52.93 ID:LHQyTIq+0
ゴーグル「でもそんなこと聞いてどうするんすか?」

フレンダ「やっぱ男の子ってそうなのかなって」

ゴーグル「へぇ・・・」

ゴーグル男が驚いたような顔をする

女の子からしたら、思春期の男はみんなそうだと思われているのか

ゴーグル「まぁ、やる人もいるしやらない人もいるんじゃないっすか?俺はそういうのは全く興味ないんで」

フレンダ「へぇ・・・健全な訳よ」

ゴーグル「うーん・・・そういうことをしてるヒマもなかったですから」

フレンダ「でもさ・・・」

ゴーグル「・・・よくわかんないんすよ、そういうこと」

フレンダ「そりゃ分かったら怖い訳よ」

ゴーグル「・・・フレンダさんは?」

フレンダ「ふえっ!?」

897 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 20:05:53.55 ID:LHQyTIq+0
ゴーグル「あ、ごめんなさい」

フレンダ「あ・・・そ、そういうのはあんまり」

ゴーグル「あんまり?」

フレンダ「したことない訳よ」

ゴーグル「へぇ・・・純朴っすね」

フレンダ「そうかな?」

ゴーグル「なんか安心しました」

フレンダ「な、何が?」

ゴーグル「いや・・・だってフレンダさんの女性っぽいエピソードとか聞きたくないですもん」

フレンダ「うっわ・・・傷つくぅ・・・」

ゴーグル「?だって友達のそういうのってイヤじゃないっすか」

フレンダ「そりゃそうだけどさ・・・」

ゴーグル「な、なんか怒ってます?」

フレンダ「別に・・・」


898 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 20:10:11.64 ID:LHQyTIq+0
ゴーグル「・・・そうだ、フレンダさん鯖缶食べなくていいんすか?」

フレンダ「!!その存在を忘れてた訳よ!!!」

電光石火の如きスピードで、フレンダが一階へ向かう

そして数秒後、手に鯖缶を持ちながら帰ってきた

もう笑顔がすごい

ルンルン、と鼻歌を歌っている

フレンダ「はぁ・・・!久しぶりの鯖缶!!」

ゴーグル「よかったっすね」

フレンダ「・・・い、いただきます!!」

パカッ、と蓋を開け一口食べる


フレンダ「美味い!!久々の鯖缶はさらに美味い訳よ!!!」

ゴーグル「へぇ・・・」

フレンダ「この渋さがたまんない・・・」


899 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 20:19:27.08 ID:LHQyTIq+0
ゴーグル「そんなにいいもんっすか?」

フレンダ「ん?食べたいの?」

ゴーグル「いや・・・」

フレンダ「食べてもいい訳よ」

ゴーグル「・・・でも間接キスとかいやなんじゃないっすか?」

フレンダ「いまさら・・・昼間にソフトクリームも分けたし」

ゴーグル「それもそうっすね」

ゴーグル男が一口鯖缶を食べる

味噌煮込みだろう、ほんのりと柔らかくもしっかりとした味が広がった

ゴーグル「へぇ・・・これはなかなか」

フレンダ「でしょでしょ!?」

ゴーグル「水煮もいいっすよね」

フレンダ「分かってくれる!?ちょっと塩の味が効いてるだけのも美味しい訳よ!!!」

ゴーグル「分かりますよ」

フレンダ「やっと仲間ができた訳よ!!」

900 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 20:24:20.72 ID:LHQyTIq+0
ゴーグル「でも外国人なのに珍しいっすね」

フレンダ「そうかな?」

ゴーグル「なんか嬉しくなりますよ」

フレンダ「?なんで」

ゴーグル「だって日本に馴染んでるって感じじゃないですか」

フレンダ「嬉しいの?」

ゴーグル「国境を越えた友情っていいじゃないですか」

フレンダ「あはは・・・そうかもしんない」

フレンダも嬉しそうに笑う

今思えば、仕事の関係ではなくして知り合ったのは彼が初めてかもしれないのだ

フレンダ「・・・ねぇ、ゴーグル」

ゴーグル「なんすか?」

フレンダ「アンタってさ、心理定規が好きな訳よね?」

ゴーグル「あぁ・・・それっすか」


901 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 20:28:52.20 ID:LHQyTIq+0
フレンダ「違うの?」

ゴーグル「・・・憧れとか、羨望とか・・・そういうのですよ」

フレンダ「ふーん・・・」

ゴーグル「多分、フレンダさんが麦野さんに抱いてたのと同じ感情っす」

フレンダ「なんだ、好きなんじゃん」

ゴーグル「・・・なんか背筋が凍りました」

フレンダ「?」

ゴーグル「なんでもないっすよ・・・」

ゴーグル男は苦笑して誤魔化した

でも、そっと心の扉は閉じておいた

フレンダはいい友達だが、少し間違った道を進んでいると

彼はこの日初めて知った


フレンダ「・・・鯖缶美味しい・・・」

ゴーグル(・・・こうしてると普通の女の子なんすけどね)


902 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 20:36:05.56 ID:LHQyTIq+0

削板「いっやぁ・・・しかし、風紀委員の新年会に俺まで混じってよかったのか?」

削板たちは風紀委員の支部にいた

時間は夜の9時

新年会くらいは夜遅くでもいいだろう、と集まったのだ

黒子「えぇ、軍覇さんはもう一員のようなものですから」

初春「そうですよ、遠慮しないでください!」

固法「いつもお世話になってるもの」

削板「ははは!そりゃ嬉しいな!」

黒子「こうやって集まると、今年一年もがんばろうと思えますの」

初春「そうですね・・・」

固法「・・・最初の大きな行事は・・・」

黒子「そうですわね・・・やはり学期初めでしょうか?」

削板「やっぱりテンションが上がって変なことするヤツも出てくるのか?」

903 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 20:39:29.30 ID:LHQyTIq+0
黒子「そうですの」

固法「まぁ一部の生徒だけどね・・・」

初春「全く、こっちの身にもなってほしいですよね」

黒子「そんな人が犯罪は犯しませんの」

削板「はー・・・大変だな」

黒子「・・・わたくし達が治安を守ると決めましたの」

固法「強制されたわけじゃないわ、私達を動かすのは正義感だけよ」

初春「それが揺らぐことは決してありません!」

削板「素晴らしい!!!根性があるな!!」

ニコニコ、と削板が笑う

こんなにもすがすがしい正義は珍しい

削板「それなら今年も、わずかながら助太刀しよう!」

黒子「軍覇さんがいれば百人力ですの!」

初春(百人なんてものじゃないですけどね)


904 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 21:00:16.05 ID:LHQyTIq+0
削板「・・・では、みんな!!」

削板がソファーから立ち上がる

削板「まぁ・・・正式なメンバーではない俺が言うのもだんだけど、去年は本当にありがとう!」

固法「あら、こちらこそ」

初春「削板さんこそ、ありがとうございました」

削板「今年は、みんなの益々の発展を祈っている!」

黒子「なんだか結婚式のスピーチみたいですの」

削板「では!!ジュースを構えて!!」

黒子「はいですの!」


削板「今年もよろしく!!乾杯!!」

三人「かんぱーい!!」

チン、とグラスが合わさる

もちろん中身はジュースだ

風紀委員の新年会は、健全なのである


905 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 21:10:29.16 ID:LHQyTIq+0

一方

番外「よーし!!晩御飯完成!!」

打ち止め「よっしゃぁ!!ってミサカはミサカはガッツポーズをしてみたり!」

一方通行家では二人のミサカが夜食を作り終わったところだった

さきほど電話で、明日美琴の両親が来るから会ってくれとの連絡があったばかりで、二人のテンションは最高潮だ

一方「ねみィ・・・」

だが一方通行は眠そうだった

さきほどからハイテンションの二人に振り回されている

黄泉川「まぁまぁ、せっかく二人が作った料理じゃん?」

芳川「食べてあげなさいな」

一方「・・・めンどくせェ」

打ち止め「食べてくれるよね?ってミサカはミサカは上目遣いで・・・」

一方「よっしゃあ食べよォ!!」

番外(単純・・・)


906 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 21:16:01.58 ID:LHQyTIq+0
芳川「あら、上手にできたじゃない?」

番外「でしょでしょ!!」

打ち止め「ミサカたちも成長してるんだ!ってミサカはミサカは胸を張ってみたり!!」

黄泉川「偉いじゃん、打ち止め」ナデナデ

打ち止め「//」

番外「・・・」

一方「お前もありがとよ」

番外「!!うん!!」

打ち止め(いいな・・・ってミサカはミサカは嫉妬してみたり・・・)

芳川「あらあら、一方通行もずいぶん優しくなったわね」

一方「うるせェヒキニート」

芳川「前言撤回しとくわ」

黄泉川「事実じゃん」


907 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 21:26:58.20 ID:LHQyTIq+0
一方「・・・うめェ」

番外「でしょでしょ!?」

打ち止め「もっと褒めて!ってミサカはミサカはちょっとわがままなことを言ってみたり!!」

一方「よくやったな」

打ち止め「えへへ・・・//」

番外「ま、もっと上手になってあげるよん」

一方「期待しとくな」

芳川「あら、もう結婚後の相談かしら?」

一方「相手のいねェババァは黙ってろ」

芳川「ねぇ、なにこの悪口の嵐?」

黄泉川「事実じゃん」ウンウン

芳川(ひ、ひどい・・・)

黄泉川「・・・相手を探したほうがいいじゃんよ」

芳川「それくらい分かってるわよ」


908 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 21:36:19.80 ID:LHQyTIq+0
一方「・・・明日はあいつの両親と会うのか」

黄泉川「ん?何の話じゃん」

一方「なンでもねェよ」

番外「楽しみだよね」

打ち止め「うん!!!」

芳川「・・・明日は三人で出かけるの?」

一方「あァ」

黄泉川「それはちょうどよかったじゃん、明日は私も仕事があるし」

芳川「自宅の警備は任せて」

一方「哀れだな」

芳川「自覚はあるわよ」

一方「むしろダメだろ」

番外「仕事探しなよ」


909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2011/10/07(金) 21:37:15.94 ID:R291SdQG0
黄泉川さん……
あんたもだろ……
910 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 21:41:31.07 ID:LHQyTIq+0
打ち止め「一方通行、あーん!ってミサカはミサカはスプーンを・・・」

一方「あーン!!!!」

番外「喜びすぎだよ」

一方「いいだろォが」

黄泉川「あっはっは!!一方通行は打ち止めを溺愛してるじゃん」

一方「当たり前だろォが」

番外「ま、一番はミサカなんだけどね」

打ち止め「ぶー、ってミサカはミサカはぶーたれてみたり」

黄泉川「打ち止めは私が大事にしてるじゃん?」

打ち止め「うん!!」

一方「はァ?俺だしィ」

黄泉川「冗談きついじゃん」

あははは、と笑いあう四人

そこから一人だけ孤立した芳川

彼女はただのヒキニートだった


芳川(・・・仕事、探さないとね)


911 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 21:48:09.68 ID:LHQyTIq+0

フレンダ「つまり!!人間とは鯖によって構築されてる訳よ!!」

ゴーグル「いや、それはおかしいっす」

ゴーグル男は首を振っていた

救いようのない患者を診た医者の気持ちがなんとなく分かる

あの後、フレンダは一口一口鯖缶を食べるたびに何かしらの賞賛を口にしていた

もちろんゴーグル男だって鯖缶は好きなほうだ

それでも、フレンダの情熱には敵わない

というか、暑苦しい

ゴーグル「・・・その話はおいといて」

フレンダ「おかないでほしい訳よ!!!」

ゴーグル「さっきからこればっか・・・」

フレンダ「だって鯖缶は正義なのにぃ!!」

912 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 21:51:43.47 ID:LHQyTIq+0
ゴーグル「はぁ・・・なんなんすかそれは」

フレンダ「じゃあ!!じゃあさ!!」

フレンダがぐい、っとゴーグル男に詰め寄る

ゴーグル「なんすか?」

フレンダ「もっと面白い話をしてほしい訳よ!!!」

ゴーグル「面白い・・・ですか?」

フレンダ「アンタの過去とか!!こっちとしてはアンタは掴みどころないし!!」

ゴーグル(お、怒ってますね・・・)

フレンダ「どう!?話せる!?」

ゴーグル「で、ですけど・・・かなりつまんない話っすよ?」

フレンダ「いい訳よ!!私の鯖缶談義をつまんないって思わせるほどの面白い話をしてほしいなんて思ってない訳よ!!これっぽっちも!!!」

ゴーグル「思ってますよね・・・」

フレンダ「いいから!!」

ゴーグル「はぁ・・・」


913 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 21:56:29.96 ID:LHQyTIq+0
ゴーグル男が頭をかく

過去の話

それは、暗部の話などを要求しているのではないだろう

もっと昔

つまり

ゴーグル「・・・垣根さんにも・・・心理定規さんにも話したことないんすけどね」

フレンダ「それは光栄な訳よ」

ゴーグル「・・・分かりました」

ゴーグル男がフレンダの正面に回る

ゴーグル「・・・あれは俺が学園都市に来る前の・・・忘れようとしても忘れられない話っす」

フレンダ「うん」

そして、ゴーグル男は話し出す

少し笑いながら


誰にも話したことのない、秘密を


914 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/07(金) 22:00:51.66 ID:LHQyTIq+0
今日はここまで

ゴーグルの話はシリアスというわけではないと思う

ただキャラの設定をしっかりとするためには・・・過去話も必要なんだ!


いやウソです、ネタ切れなだけで


今日の筋肉動画は、MADですね

カイ・グリーンのポージングにあの歌を合わせた動画を昔見つけて

それがなかなか素晴らしくて

「強さのホントの訳を探し続けてた」カイさんです

では、どうぞ

http://www.youtube.com/watch?v=xO2_dLrqXDk  


とうとう・・・禁書に関係ある動画を貼れたぞ!

関係ないけど

ではおやすみなさい

915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/08(土) 01:38:40.28 ID:ISmJ3Zjho
乙なんだよ!
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2011/10/08(土) 08:32:13.40 ID:Po3+jW/Qo
乙!

しかし動画くっそワロタwwwwwwwwwwwwww
けどすごい柔らかい動きするねこの人
917 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:07:33.78 ID:BBnwR1370
>>916 ボディビルダーって大抵体柔らかいんですよ、実は

メルビン、カイ、カマリはダンス上手い上手い

では続き


ゴーグル「・・・忘れたことにしたかった過去なんす」

フレンダ「あ・・・もしかして、まずい話?」

ゴーグル「フレンダさんになら話してもいいっすよ」

フレンダ「・・・どうして?」

ゴーグル「・・・きっと笑ったりなんかしないからっすよ」

突然、ゴーグル男がフレンダに右肩を見せる

そこには過去に何かで切られたような傷があった

フレンダ「う、うわ!?何これ・・・」

ゴーグル「・・・虐待って知ってますか?」

フレンダ「!虐待されてたの?」

ゴーグル「・・・正確には違いますね」

フレンダ「・・・」

918 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:08:17.52 ID:BBnwR1370
ゴーグル男が目を閉じる

あれは忘れもしない

彼がまだ、小学生の年齢だった頃だ

ゴーグル「・・・俺は小学生の年齢の途中までは外にいたんす」


東京の中心

ゴーグル男はかつてそこに住んでいた

いや

住んでいたというよりは「生きていた」

名前も与えられていた

だが、そんな名前、思い出したくもなかった

今思えば、親には一度も名前で呼ばれたことはなかった

友達には?と思うかもしれない

919 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:09:27.10 ID:BBnwR1370
だがそれ以前に

友達なんていなかった

ゴーグル「だるい」

小さな、薄汚れた部屋の中でゴーグル男はつぶやいていた

部屋には一人

親の姿はなかった

当然のことだった

父親なんていなかった

逃げた、とかそもそも知らなかった訳ではない

殺されたのだ

誰に

母親に

なんで

うるさかったから

920 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:10:05.86 ID:BBnwR1370
母親が父親を殺したのは、その数日前だった

喧嘩のもつれから、出刃包丁で刺し殺した

彼の目の前で

ゴーグル男は大して驚かなかった

子供ながらに知っていた

父親と母親の間に愛情なんてなかったということを

性欲を持て余した男と、股をすぐに開く女

その二人の間に自分は生まれたのだと

そして、二人はそれを鬱陶しく思っていることを

だから

目の前で父親の眉間に包丁が刺さった時

灰色の何かがだらりと零れ落ちた時

母親が冷たく舌打ちをした時

921 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:10:58.04 ID:BBnwR1370
悲しみも恐怖も感じなかった

ただ、めんどくさいことになったとだけ思っていた

ゴーグル「ちっ・・・腹減った」

母親がいなくなったからではない

母親なんて、いてもいなくても腹は減る

大体あの母親は食事なんて作ってくれたことがない

いつも食事は、近くのごみ箱を漁って食べていた

ゴーグル「だりぃ・・・」

ゆっくりと立ち上がり、外へ向かう

部屋に鍵なんてしない

しなかったところで、盗まれるものはない

服もそろそろ調達したい

922 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:11:37.44 ID:BBnwR1370
金がほしい

美味い飯が食いたい

様々な願望を彼は持っていた

聞いた話では、学校というものが世間にはあるらしい

知らなかった

学校とは何か

どんなものなのか

ゴーグル「ちっ・・・暑いな」

外は日差しが差していた

それが鬱陶しい

ゴーグル「・・・」

表の通りを歩き出す

綺麗な服を着た一般人が歩いている

923 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:12:06.18 ID:BBnwR1370
そういえば、あの母親はなぜか綺麗な服を着ていた

金なんてないはずなのに

ゴーグル「・・・」

どうせ体でも売っていたのだろう

今頃、刑務所の中で他の囚人とセックスでもしているのではないか

あの母親は性欲が強かったから

なぜ小学生がそんなことを知っているのか、とまともな人間なら疑問に思うだろう

だがゴーグル男からすれば、それを知らないほうがおかしかった

ゴーグル「・・・」

汚い目をした少年は

汚い世界を見ていたから

ゴーグル(あのババァにするか)

924 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:12:47.50 ID:BBnwR1370
目の前を歩く女性をじっと見つめる

高そうな服、高そうな鞄

見るからに金のありそうな人間だ

その横を追い抜くようにしてすり抜ける

鞄の中から、財布だけを抜き取って


ゴーグル「・・・あ?なんだこりゃ」

路地裏で見てみると、財布の中には予想通り、大量の金が入っていた

だが彼はそれには大して目をくれていなかった

金なら見たことがあったから

疑問に思ったのは、少し固いカードのようなものだ

ゴーグル「・・・なんだ?金じゃねぇし・・・」

彼がもう少し世間を知っていたら、それがクレジットカードだと分かっただろう

もちろん彼は知らない

925 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:13:37.16 ID:BBnwR1370
ゴーグル「あんないい歳してカード集めかよ」

バカにしたように吐いた後、カードをドブに捨てる

必要ないものなんて持っていても仕方ないから

ゴーグル「さーて・・・服でも買うか」

近くの服屋で適当に服を購入する

服を盗むのは難しいから、仕方なく購入するのだ

可愛い店員さんの笑顔も、彼にはうざったいものだった

ゴーグル(・・・ケラケラ笑いやがって)

世間にイライラが募っていた

人々に嫉妬をしていた

ゴーグル(早く帰ろう)

地面に唾を吐いてから、彼は家に帰った

暮らすための家ではない

いるためだけの家に


926 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:14:16.69 ID:BBnwR1370
それからどれくらいしたか

一年か二年だったはずだ

彼は10歳になっていた

体はかなり大きくなり、力もついていた

盗みの技術も上がり、裏では少し名の知れた不良になっていた

中学生5人を相手にしても簡単に捩じ伏せる小学生

警察官から拳銃を盗んだ小学生

暴力団との繋がりがある小学生

そんな、ありもしない噂が広がった

彼は別に特別なことをしている意識はなかった

ただ、その日その日を暮らすための金を盗み

喧嘩を吹っかけてきた面倒なヤツを適当にぶちのめす

その程度の認識だった


927 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:14:46.69 ID:BBnwR1370
当たり前の日々が過ぎていた

罪悪感が消え、憂鬱感が消え、惰性が残り

彼が人としての大切なものを無くしてすぐ

誰かが家の扉を叩いた

なぜかその日は鍵を掛けていた

まるで何かを恐れるかのように

ゴーグル(あぁ?誰だ)

めんどくさい、と思いつつも扉を開けた

そこにいたのは

「久しぶりじゃないの」

母親だった

母親なんて呼びたくはない

ただのイヤな女だった

928 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:15:20.85 ID:BBnwR1370
ゴーグル「・・・何だよ」

「イヤだね、また二人で暮らせるのに」

ゴーグル「はぁ?」

「知ってる?殺人なんて案外軽い罪なんだってさぁ」

ケラケラ、とそれは笑っていた

歯は何本か欠けていた

何か薬物でも使っていたのだろう

大して興味がないため知らなかったが

ゴーグル「出てけよ」

「ちっ・・・誰に向かって口利いてんだよ!」

突然、それが平手打ちを喰らわせてきた

ガンガン、と頭が揺れる

天井が視線の先にあった

929 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:16:21.32 ID:BBnwR1370
「相変わらずしけた部屋」

ずかずか、とそれは部屋にあがってきた

ゴーグル「・・・」

「何見てるのさ、お前を見てるとイライラするんだよ」

ゴーグル「あぁそうかよ」

「お前が出て行きな」

ゴーグル「ふざけんな、ここは俺の家なんだよ」

彼がポケットからナイフを取り出す

今まで、何度も使ってきた

だが実際に誰かを刺したことはない

脅すのに使っただけだ

「へぇ、刺すつもり?いいわ、やってみなさいよ」

930 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:16:56.06 ID:BBnwR1370
それはやはり笑っていた

醜い女だな、と彼は思った

こんなのを買う男の気が知れない

そう思っていた

ゴーグル「死ねよクソババア」

その眉間を向けてナイフを突き出す

だが、腕を捕まれてしまう

中学生なんて、大した体格の差はない

しかし相手が大人なら

「お前さ、私がなんも知らない箱入り娘だと思ってるの?」

ゴーグル「ちっ・・・離せよ」

「私だってさ、ちょっと喧嘩の仕方は知ってるのよ」

手から、ナイフが奪われた

931 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:17:44.53 ID:BBnwR1370
それを握りしめ、女は近づいてきた

恐怖なんてなかった

ただめんどくさいと思った

「さすがに殺しはまずいんだよ」

ナイフが右肩に突き刺された

何かが切れるような音がした

体験したことのない痛みが走った

見たこともないような、卑屈な笑みを目にした

「だから、出ていけ」


街中をさ迷っていた

右肩からは血が出ている

なんだろうか

痛い

932 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:18:25.47 ID:BBnwR1370
Tシャツの肩が赤く染まっている

擦れ違う人々が驚いたような目で見つめてくる

めんどくさかった

ゴーグル(クソババア・・・殺してやる)

それだけを考えて歩いていた

どれくらい歩いたか

時間の感覚がなかった

血は流れていた

ふと、ビルのモニターに広告が出ているのに気がついた

そこにあったのは、力を手に入れたくないかという文字だった

あなたのお子様を、能力開発しませんかという文字だった

聞いたことはある

なんでも、学園都市というところでは超能力者を作り出す研究をしているらしい

933 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:18:57.94 ID:BBnwR1370
ゴーグル(バカじゃねぇの)

超能力なんて信じなかった

そんなものがあるなら、目の前に札束を生み出すものだ

ゴーグル(・・・今日はどこで寝る・・・?)

公園のベンチか

コンビニの裏か

どこかの家の庭か

ゴーグル(くそ・・・)

家というもののありがたみを初めて知った

肩の痛みが、だんだん麻痺していく

ゴーグル「・・・」

路地裏に入った

なんとなく、ここが一番落ち着くのだ

934 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:19:37.67 ID:BBnwR1370
肩から血が流れている

その血がドブに落ち、異様な模様を描いていく

ゴーグル「・・・」

ふと、目の前がぼやけた

あぁ、死ぬのかと思った

吐き気がした

自然と笑みが零れた

なぜ

生きているのが辛いから

だから


目が覚めたら、病院の上だった

知らない匂いがした

鼻をツン、と刺激する匂い

935 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:20:06.78 ID:BBnwR1370
ふかふかな布団

そして、よく分からないものを首からぶら下げた男

「あぁよかった・・・君ね、路地裏で倒れてたらしいよ」

ゴーグル「・・・ここは」

「病院さ・・・全く、君みたいな年齢の子が夜遊びなんてね」

ゴーグル「・・・っ・・・」

肩にズキリと痛みが走った

「あぁ・・・まだ動かないほうがいいよ」

ゴーグル「・・・帰る」

「待ちなさい、そんな傷を負ってどうするつもりだい?大体その傷はなんなんだい」

ゴーグル「うるせぇな・・・」

このオッサンは何なのか

病院、ということは医者というヤツだろうか

936 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:21:02.96 ID:BBnwR1370

「・・・誰に刺された?それは鋭利な刃物で刺された跡だ」

ゴーグル「クソババアだよ」

「・・・母親?ならば虐待ということか」

ゴーグル「虐待?なんだそりゃ」

「君、家は?」

ゴーグル「ない、追い出された」

「追い出された?全く・・・」

医者と思われる男はため息をつく

「・・・治療費はいらない、だからとにかく君はここにいなさい」

ゴーグル「御免だね」

「その傷を治せるかい?」

ゴーグル「治らなくていいんだよ」

937 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:21:43.53 ID:BBnwR1370
「はぁ・・・君ね、そんな傷を放ってはおけないんだよ」

ゴーグル「一々うるせぇな、お前は何様だよ」

「こちらからしたら小学生でそんな口を利く君のほうが何様、だがね」

ゴーグル「・・・」

「私の世話になった医者がそういう人でね、私もそれを模倣してるんだ」

ゴーグル「そりゃ大層だな」

「まぁ蛙みたいな顔までは似せられなかったが」

ゴーグル「あ?」

「・・・君は孤児ということになる・・・あぁいや、父親は?父親はどうなんだい」

ゴーグル「死んだよ、殺された」

「殺された?」

ゴーグル「クソババアにな、こうサクッと眉間を」

938 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:22:39.82 ID:BBnwR1370
眉間に何かを突き刺すジェスチャーをする

医者はそれを苦そうな顔で見つめていた

「君はなんで知っているんだい」

ゴーグル「俺の目の前で殺したからな」

「・・・ならばなおさらだ、君の身柄は確保しよう」

ゴーグル「いらねぇよ、こんな臭いとこにいられるか」

「・・・そうはいかない、私の世話になった医者は・・・」

ゴーグル「じゃあその医者に会わせろよ、文句の一つ言ってやる」

「なんでそうなるんだい」

ゴーグル「俺はいらついてんだよ」

「はぁ・・・分かった、会いたいならそうしたまえ」

ゴーグル「どこにいる」

「学園都市さ」

939 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:23:11.36 ID:BBnwR1370
ゴーグル「あぁ?あのイカれた街か」

「イカれたとは失礼な」

ゴーグル「そんなとこで何してんだよ」

「まだ医者をしているらしいよ」

ゴーグル「あっそう」

「君は子供だし・・・私が紹介しようか?中に知り合いがいてね」

ゴーグル「いらねぇよ・・・」

「超能力とかに憧れないのか?君は小学生らしくないな・・・」

ゴーグル「・・・なぁ、超能力ってのはどんなのなんだ」

「電気や火や水を操れるらしい」

ゴーグル「はぁ?マジかよ」

「君はそういうのに憧れないかい?」

940 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:23:44.57 ID:BBnwR1370
ゴーグル「・・・」

憧れなんてない

だが

そんな圧倒的な力を手に入れたら

自分の肩に傷を負わせたあの女を殺せるのではなかろうか

ゴーグル「・・・金は?」

「むしろ君みたいな親に文句を言われない子供なら、無償でやってくれるんじゃないかな」

ゴーグル「実験台・・・か」

「そういうことだね」

ゴーグル「・・・そこには飯とかあるか?」

「君はご飯を食べてなかったのかい?」

ゴーグル「たまに盗んだりしたけどな・・・基本はごみ箱漁ってた」

941 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:24:17.13 ID:BBnwR1370
「はぁ・・・君みたいな子がいるんだね」

ゴーグル「・・・うるせぇな」

「まぁいい、手続きはしておくから」

ゴーグル「なぁ、なんでそんなに構うんだ」

「言ったろう?私の世話になった医者はそうだったと」

ゴーグル「それに近づくためか」

「そうさ、それだけのためだ」

ゴーグル「へぇ」

ニヤニヤと彼は笑った

そういうエゴが大好きだった

彼もエゴに満たされているから

ゴーグル「面白いな」

初めて彼は笑った

942 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:24:56.37 ID:BBnwR1370
愉快に、下品に、狂ったように

ただ、復讐を果たすために

目の前で人を刺した、自分の肩を刺した

自分なんかを産んだあの女を殺すために


学園都市からの迎えが来たのはそれから一週間後だった

どんなことをされようが文句なんて言わない、という契約をした

正直、死んでもよかった

別に生きている理由はないから

ただ、自分が死んだらこの女を殺してほしいと黒服の男に頼んだ

男は笑っていた

「それは、君が殺すべきだ」と


彼が着いたのは、夢みたいに綺麗な街だった

943 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:25:48.16 ID:BBnwR1370
機械がうろちょろと地面をはいずり回っている

でかいビルが並んでいる

イカれた街だと思っていた街は、とても美しかった

彼の知っている世界と違う気がした

そんな気がした

ゴーグル(・・・綺麗な街だな)

ゴーグル男はらしくないことを考えた

その日すぐに、一回目の能力開発が行われた

電極を差された

注射を打たれた

脳みそに直接刺激を与えられた

普通の子供は泣きわめくらしい

944 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:26:21.79 ID:BBnwR1370
だが、彼は違った

笑っていた

ケラケラと笑っていた


結果は反応なし

つまり、超能力なんて手に入れられないということだった

それでも別に、悲しくはなかった

こんな綺麗な街に住めるだけでよかった

能力開発は楽しかった

学校に通えた

あんなに夢見た普通の生活を出来た

いつの間にか、まともな言葉遣いを覚えた

まともな思考を手に入れた

945 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:26:54.31 ID:BBnwR1370
ただ

どこか、諦めを抱えていた


ゴーグル「・・・」

無能力者の中にはスキルアウトと呼ばれる不良集団に属する人間もいるらしい

彼も、友人から誘われた

中学生になってすぐの頃のことだった

だが彼はそれを断った

めんどくさかったから

そんな中途半端な組織に属してどうするのか

不良がただ喚くだけなんて

そんなこと、学園都市の外でだってできるから

彼がしたかったのは、あの女への復讐だった

自分を産んだ女を殺すことだった

946 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:27:24.21 ID:BBnwR1370
絶対的な恐怖を植え付けて殺すことだった

かつて、彼が感じた絶望と同じほどの大きさの恐怖を

力がない、金がない

愛されていない

ゴーグル男は、何も持っていなかった

ならば捨てるものなんて何もない

暗部

学園都市の裏社会

そこに身を投じることにためらいはなかった

学校を辞めた

友人との縁を切った

もともと、憧れから作った友人だった

友情を語るつもりでも、互いを磨き合うつもりもなかった


947 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:27:59.39 ID:BBnwR1370
ゴーグル「これは?」

暗部に所属するようになってすぐ、ゴーグルを手渡された

「筋力や瞬発力を増強する装置だ、腰にはこの機械を付けろ」

黒服の男が機械を差し出してきた

どこかで見た男だった

ゴーグル「もしかして、俺がここに来たときの人っすか?」

「覚えていないな、お前みたいに堕ちた人間は多いから」

ゴーグル「そうっすか」

別に覚えてもらっていなくてもよかった

ゴーグル「で?何をすればいいんすか」

「そうだな、スキルアウトの殲滅だよ」

ゴーグル「スキルアウト?あんなヤツらをっすか」

948 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:28:39.22 ID:BBnwR1370
「頼めるか」

ゴーグル「いいっすよ、一応拳銃ももらえますか」

「あぁ」

男が拳銃を渡してきた

ゴーグル「行ってきますよ」

「行ってらっしゃい」

二人は笑っていた

何かが狂った世界だった


なるほど世界は狭いものだ

殲滅しろと言われたスキルアウトの集団の中には、友人だった人間がいた

泣きながら命乞いをしてきた

いきなり拳銃を持った男が、隠れ家を襲ってきたのだから

それがかつての友人だったのだから

949 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:29:05.98 ID:BBnwR1370
ゴーグル「久しぶりっすね・・・ってまだ3日くらいっすけど」

ゴーグル男が笑いながらそれに近づいた

ぎゃあぎゃあ泣きながら、それは何かを訴えている

ゴーグル「あぁそうそう・・・この機械試さなきゃ」

どれほどのものかと思い、標的の一人の腕を軽く掴む

いや、軽く掴んだはずだった

だが、グシャリと音を立てて、その腕がおかしな方向へ曲がった

絶叫が闇に響く

ゴーグル「うわ・・・すごいっすねこりゃ」

学園都市の技術に改めて感心した

スポーツなんかに役立てたら、世界記録連発だろう

ゴーグル「ま、スポーツなんて興味ないっす」

950 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:29:35.09 ID:BBnwR1370
今度は標的の頭を掴む

グシャリ、とそれが潰れた

灰色の何かが零れ落ちる

見覚えがあるものだった

ゴーグル「へぇ・・・脳みそなんすね」

じっとそれを見つめる

懐かしい

あの女が、父親を刺した時にも見たものだ

ゴーグル「・・・思い出したくなかったっすね」

苦笑してから、残りの標的も片付ける

襲撃を開始してからわずか15分

殲滅は完了していた


951 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:30:04.91 ID:BBnwR1370
ゴーグル「ただいまっす」

「お、なんだ生きてたか」

ゴーグル「拳銃なんていらなかったっすね」

「そうじゃない」

黒服の男がゴーグルを指差す

「それな、合わないヤツが使用したらすぐに脳みそが弾け飛ぶらしいぞ」

ゴーグル「へぇ、拒否反応っすか」

万能の機械じゃなかったんだな、と感想を抱く

「いや、誰も使いこなせないと思っていたが・・・」

ゴーグル「これもらっていいっすよね?」

「あぁ、報酬の一つだ」

ゴーグル「一つ?」

952 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:30:30.32 ID:BBnwR1370
「金もやるんだよ」

ゴーグル「おー、そりゃいいっすね」

ゴーグル男は笑った

彼が欲していたものの一つが簡単に手に入り

さらに、金も手に入ったのだから

「また頼むぞ・・・」

ゴーグル「はいはい」

ヒラヒラと手を振ってゴーグル男が立ち去る

久しぶりに

いや、初めて

清々しい一日を過ごした


それが続いた

953 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:31:14.58 ID:BBnwR1370
本当に楽しい、そして寂しい日々だった

ずっと一人で殺しを続けた

そんな日々が、ある日変わった

ゴーグル「スクール?なんすかそれ」

「暗部に組織を作るんだよ、その一つにお前は所属が決まった」

ゴーグル「へぇ・・・それなりに実力を買われてると考えても?」

「当たり前だろう、お前はなかなかの逸材だからな・・・このスクールはわりとスペックが高いんだ」

ゴーグル「・・・いくつか組織が結成されるわけっすね」

「その中でも一番に強いかもしれないぞ」

黒服の男がニヤニヤと笑う

「何しろ、超能力者の第二位がいるんだからな」

ゴーグル「・・・第二位?」

954 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:31:54.42 ID:BBnwR1370
「垣根帝督、化け物さ」

ゴーグル「へぇ・・・俺とどっちが強いんすか?」

「は?」

ポカン、としたあと黒服の男は大声で笑い出した

「お前なんか歯も立たないさ、絶対的に力が違う」

ゴーグル「へぇ・・・そりゃ楽しみっす」

「ま、お前も役には立つはずだ」

ゴーグル「で?いつ結成っすか」

「明日、指定の場所で顔合わせだ」

ゴーグル「へぇ・・・了解っす」

「ではな」

ゴーグル男がその場を立ち去る

別に居場所などではなかった



955 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:32:21.68 ID:BBnwR1370
ゴーグル(・・・絶対的?)

ゴーグル男は笑っていた

自分のこの力より絶対的

それはどれほどなのか

興味があった

ゴーグル(・・・これは、楽しくなりそうっす)


翌日

指定の場所へ、彼は向かった

ゴーグル「さーて・・・誰かいるんすかね」

ガチャリ、と待ち合わせの部屋のドアを開ける

そこには一人の青年がいた

茶髪にスラリとした長身

整った顔に、オシャレな服装

956 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:32:48.80 ID:BBnwR1370
一見すれば、表の世界で生きていそうな青年だった

だが

その目を見た瞬間に、ゴーグル男は悟った

この青年は、自分と同じだと

何かしらの絶望を抱えていると

ゴーグル「初めまして」

垣根「あぁ」

ゴーグル「垣根帝督っすか?」

垣根「てめぇは?」

ゴーグル「スクールの一員の・・・ゴーグルとでも呼んでください」

垣根「そうかよ、よろしく頼むぜ」

垣根は素っ気ない態度をしていた

強者の余裕というものが感じられた

957 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:33:33.49 ID:BBnwR1370
常に気を張り、身の危険を察知しようとしているゴーグル男とは違う

どんなに油断していようが、そこらの人間になど殺されないという余裕があった

ゴーグル「・・・たしか正式メンバーは三人だって」

垣根「知らねぇよ、どうせ遅れてきてんじゃねぇか?」

ゴーグル「どんな人っすかね」

垣根「知るか・・・むさい男だろ、スナイパーとか」

ゴーグル「そりゃそうでしょうね」

垣根「大体な、こんな世界にまともな、しかも女なんて来るわけがないんだよ」

バンバン、と垣根がテーブルを叩く

なぜかその表情は楽しそうだった

互いに、どこかしら似たものを感じていたのだろう

ゴーグル「・・・そうっすね」

958 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:34:01.94 ID:BBnwR1370
そもそも、まともな女なんていない

ゴーグル男はそう思っていた

彼が知っているあの女は狂っていたから

垣根「はぁ・・・ま、仕事に女なんて求めてねぇけどな」

ゴーグル「垣根さんはモテそうだからいいじゃないっすか」

垣根「あぁ?てめぇはモテたい願望でもあんのかよ」

ゴーグル「ないっすよ」

垣根「ちっ・・・あ?来たみたいだぜ」

垣根がドアのほうを指差す

その窓に映ったのは、盛られた髪のシルエット

盛られた髪?

ゴーグル「はぁ・・・チャラい男っすかね?」

959 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:34:39.47 ID:BBnwR1370
垣根「長い髪を適当に束ねてんじゃねぇの?」

ゴーグル「なんか小柄っすね」

垣根「小柄の男が粋がってるんだろ」

つまんねぇ、と二人が息を吐いたのと同時に、ドアが開いた

簡単に言えば、女神がいた

綺麗な女性がいたのだ

年齢はゴーグル男より下だろう

だが、その落ち着いた雰囲気や凛とした顔はかなり大人っぽく見える

胸は普通より少し大きい程度だが、体が華奢な分際だっている

心理「初めまして・・・あなたは垣根帝督ね?」

垣根「あぁ・・・お前は」

心理「心理定規よ、よろしく」

960 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:35:09.70 ID:BBnwR1370
垣根「あぁ」

心理「あなたは?」

ゴーグル「・・・あ、ゴーグルっす」

心理「あら、偽名?」

ゴーグル「はぁ・・・」

ゴーグル男が頷く

だが心理定規というのも明らかに能力の名前だ

彼女も本名を捨てたのだろう

ゴーグル「でも意外っすね・・・心理定規さんみたいな人が暗部にいるなんて」

心理「あら、どういう意味かしら」

ゴーグル「なんか・・・表にいそうな雰囲気ですから」

心理「常に気を張ってるのはダメな証拠よ」

961 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:35:41.02 ID:BBnwR1370
ゴーグル「・・・」

ゴーグル男は理解した

彼女も垣根と同じ類の人間だ

力を持っていて、それを完全に制御しているのだろう

ゴーグル「・・・それで?これからどうするんすか」

心理「どう?結成会ってことで飲みに行かない?」

垣根「はぁ?バカじゃねぇかお前」

心理「あら、ゴーグル君は行くわよね?」

ぐい、と心理定規が体を近づけてくる

清楚な雰囲気の顔が間近にある

服からは少し胸元が覗いている

普通の女性がやっていたら、軽いと思える行動

だが彼女がすると違った意味を持っていた

妖艶な雰囲気に、ゴーグル男はドキリとしてしまう

962 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:36:07.55 ID:BBnwR1370
彼が知っている女とは違う

一瞬でそれを把握する

ゴーグル「い、行きますよ!」

心理「あら、優しいじゃない?」

ゴーグル「・・・は、はい」

垣根「はぁ・・・お前ら二人で行って来いよ」

心理「いいじゃない、あなたも行きましょうよ」

垣根「ちっ・・・分かったよ」

垣根が渋々立ち上がる

そして、三人は飲み会に向かった

それまでは覚えていた

多分酔い潰れたんだろう

963 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:36:57.00 ID:BBnwR1370
気がついたら次の日の朝だった

垣根が連れて帰って来たのか、ホテルの一室にゴーグル男はいた

ゴーグル「・・・頭痛いっす」

辛そうな顔をしながらも、彼は体を起こした

身支度を整え、スクールの隠れ家へ向かう

いつも迎える朝だった

朝日も、時間も、何も変わってはいない

なのに

なのに、何かが違ったのだ

なぜか、少し楽しみだった

あの二人に会えることが

964 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 10:44:24.66 ID:BBnwR1370
こっちはあとはリクだけで埋めます

単発で、まぁわりとほのぼのできそうな小ネタリクをください!

ではどうぞ


965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/08(土) 10:50:50.96 ID:rOtYQCDB0
>>964
じゃあ、麦のんの恋人探し
966 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 11:02:04.76 ID:BBnwR1370
新スレはこちら  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318038036/  


麦野(・・・フレンダはゴーグルの野郎がいる・・・絹旗は海原・・・)

麦野は考えていた

1月2日の昼間

自分以外のメンバーは外に出かけている

麦野「ちっ・・・ヒマだな」

家から適当に外へと繰り出す


しかし、すれ違うのはカップルばかり

麦野(右も左も甘い雰囲気かよ・・・)

こうもなってくると、独り身であることのほうが異常に感じる

実際は、カップルであるほうが珍しいのだろうが

麦野(・・・ってそうだ、ナンパでもすればいいじゃねぇか)

967 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 11:07:24.91 ID:BBnwR1370
麦野が辺りを見回す

独りの男だってたくさんいる

麦野は美人の類だ

金だってあるし、名声だってある

ならばナンパくらい簡単だろう

「ど、どうすればいいの?」なんて初心でもない

麦野(・・・あ?あの男とかどうだ)

適当に独りの男を見つけ、標的にする


青ピ「はぁー・・・なんでボクぁ可愛い女の子に声とか掛けられへんのやろ」

麦野「」


麦野(やめよう、あれはダメだ)

ぶんぶん、と頭を振る

あんなのと関わったらなんかまずい

なんかがまずい


968 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 11:11:40.57 ID:BBnwR1370
麦野(・・・あれはやめといて・・・)

またぐるりと周りを見渡す

しかし、これといった独り身の男はいない

麦野(うーん・・・ん?)

さっき目を掛けた男が麦野に向かって歩いてくる

青ピ「あのー・・・この近くに地図とかってあらへんかなぁ?」

麦野「は?」

ぽかん、と麦野は口をあける

地図持ってない?とか道教えて、なら分かる

地図が街中に突っ立ってるわけなどないのに

麦野「あぁいや・・・知りませんけど」

青ピ「なんや・・・土御門との待ち合わせ場所がわからへんのやけどな・・・」

ぽつり、と男が呟く


969 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 11:15:03.79 ID:BBnwR1370
麦野(土御門・・・?)

たしか、かつて暗部に所属していた男の名前だ

この男はそいつの知り合いなのだろうか

青ピ「はぁ・・・お姉さん、この近くのメイド喫茶て知らへん?」

麦野「・・・は?」

この男は、友人とそんな場所で待ち合わせをするのか

浜面のバニー好きがマシに思える

麦野「あぁ・・・知りませんけど」

青ピ「そっかぁ・・・残念やなぁ」

麦野「・・・あの、なんで私にそんなこと聞くんですか?」

青ピ「だってどうせ道教えてもらうなら美人さんに教えてもらったほうがええもん」

麦野「美人・・・?」

青ピ「お姉さん、めちゃくちゃ美人やん」


970 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 11:22:34.55 ID:BBnwR1370
麦野「そう?ありがとう」

他人と関わるときの笑顔を浮べる

普通の男性なら、それだけでドキリとするだろう

でも、目の前の男は違った

青ピ「普通に笑ったらもっと美人さんなのになぁ」

麦野「!」

青ピ「お姉さん、人間って素のときが一番やで?笑うときも泣くときも怒るときも・・・」

麦野「わ、私は・・・」

青ピ「そんなに気張らんでもええんやで?別にボクぁなんもせぇへんし」

ニコニコ、と男が笑う

麦野「あ・・・あはは」

青ピ「それもなんか作り笑いやなぁ」

麦野「な、なんなんだよお前・・・」

971 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 11:26:59.08 ID:BBnwR1370
青ピ「ボクぁ普通の男子高校生やで!」

胸を張りながら笑う男

麦野よりかなり背が高い

麦野「・・・それより、待ち合わせには行かなくていいの?」

青ピ「あぁ、そうやったそうやった・・・」

男がくるりと向きを変える

麦野「・・・ねぇ」

青ピ「ん、どうかしたん?」

麦野「アンタの名前は?」

青ピ「内緒やで!」

親指をぐっと突き立ててから、男は走っていく

麦野(・・・ふん、バカみてぇな男だったな)

麦野は笑っていた

本当に心の底から笑っていた


972 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 11:27:30.34 ID:BBnwR1370
こんなもんかと


いや、単発で恋人探しは難しいww

次のリクどうぞ

973 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/08(土) 11:27:52.51 ID:2Zft5rhHo
ミサカ20000号と打ち止め
974 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/10/08(土) 11:28:24.93 ID:418xNBceo
むぎのんの恋人探し 続き
975 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/08(土) 11:31:49.81 ID:rOtYQCDB0
>>1
ありがとう(^▽^)ゴザイマース
>>974
良くやった( ´∀`)bグッ!
976 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/08(土) 12:13:54.88 ID:gZr6hyofo
ウイーハルが固法さんと黒子に嫉妬
977 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/08(土) 12:23:47.62 ID:FgwxXhtmo
削板寮監に再戦申し込み
978 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 12:26:41.18 ID:BBnwR1370
>>976 嫉妬の要素がまるでないww

というかあんま固法って好きじゃないんですよね


20000(・・・こちら20000号!!上位個体、起きてるか!!)

打ち止め(もっちろん!!!こちら打ち止め、一方通行が手料理を褒めてくれてるよ!!)

20000(とりあえず画像うp!!!)

打ち止め(無理!!)

一方通行宅が家族団らんを楽しんでいたとき

突然、MNWで20000号が連絡を取ってきた

20000号は打ち止めともっとも親しいと言ってもいい個体だ

ナンバリングが近い、同じ一方通行派

そんなこともあって、たまに眠れないときにはくだらない話をして時間を紛らわしていた

ちなみに今は眠れない訳ではない

20000(明日、お母さんが来るんだってさ)

打ち止め(うん、知ってるよ!)

979 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 12:30:20.99 ID:BBnwR1370
20000(楽しみじゃねぇ!?)

打ち止め(思い切り甘えるんだ!!)

20000(そしてあわよくば、おっぱいが大きくなる方法を尋ねる!)

打ち止め(そりゃ魅力的だ!!!)

20000(げっへっへ、おっぱい大きくなったら一方通行を誘惑する!!!)

打ち止め(おー、それは名案だ!!)

二人のミサカは知らない

別に一方通行は胸フェチではないのだ

もちろん、番外個体の胸は好きらしいが

打ち止め(でもさでもさ、必然的に一方通行もお母さんに会うことになるよね?)

20000(!!こっそり聞かなきゃなんないぜ!!!)

打ち止め(こりゃなかなかの隠密行動!!!)

20000(ふっふっふ・・・こちらには17600号という強い味方がいるんだ!!)

打ち止め(ずるい!!)

20000(上位個体命令を使えば従わせられるぜ!!)

打ち止め(お、おぉ・・・)

その時、MNW内で約1名のミサカがぶちぎれた

言わずもがな、17600号だが

980 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 12:32:23.95 ID:BBnwR1370
20000(ダメダメ、17600号ったら怒っちゃやーの)

打ち止め(・・・とりあえず、こちらはこれからまた食事だから!)

20000(えーつまんない)

打ち止め(明日生で話そうぜ!!)

20000(あばよ!!ダチ公!!!)

打ち止め(あばよじゃねぇ!!一緒だろ!)


そんなやり取りをしてから、打ち止めは再び食事を始める

一方「なァ、なンか目つぶって集中してたみてェだけど」

打ち止め「なんでもないよ!ってミサカはミサカはごまかしてみたり!」

一方「ごまかしてンじゃねェか・・・」

ミサカたちの秘密は

MNWの中だけにある


981 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 12:37:32.32 ID:BBnwR1370

青ピ「・・・あれ?お姉さんやないか」

麦野「ん?アンタは・・・」

あれから2時間

街中で、再びあの男に出会った

インパクトの強いルックスなため、遠目からでもすぐに分かった

麦野「何やってんだ?待ち合わせは・・・」

青ピ「それがなぁ!!聞いてくれへん!?」

麦野「あ、あぁ」

青ピ「土御門のヤツ、メイドはミニスカに限るって言うんやで!?おかしいやんか、メイドさんに求められるのは困ったお坊ちゃんを優しさから叱り付けることやろ!?お坊ちゃんがミニスカにしてくれ、なんて言ったらそれは無理ですご主人様、って断るような大人な対応!!つまりボクぁメイドさんにエロさは求めてないねん、求めてるのは大人っぽさや清楚さや!!なのに土御門のヤツはエロさが重要なんだにゃー、とか言ってミニスカを要求してたんやで!?おかしないか!?そうやろ、だってメイドさんはメイドであってグラビアアイドルやないっちゅうねん!!露出度を増やして楽しませるのなんてメイドやない、それはただのメイドの皮を被った女の子やとボクは思うんやけども!!」

麦野「お、落ち着いて・・・」

青ピ「つまり、喧嘩したから一旦お開きしたんや」

麦野「は、はぁ・・・」

麦野は呆れていた

この男、サブカルチャーが好きなようである

麦野(っていうか、女の私にメイドを語るか普通・・・?)

982 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 12:39:54.03 ID:BBnwR1370
青ピ「まぁ・・・要は、ヒマになってもうたんや」

麦野「へぇ・・・」

青ピ「お姉さんこそ、なんでこんなところでふらついてるん?」

麦野「ヒマだから」

青ピ「・・・彼氏とかおらんの?」

麦野「・・・いない」

青ピ「意外やなぁ・・・お姉さんめちゃくちゃ美人なのに」

男が心底不思議という顔をする

麦野「・・・美人なだけじゃ彼氏なんて出来ないってことよ」

青ピ「そうなんやなぁ・・・難しい世の中や」

麦野(お前の思考回路のほうが難しいだろ・・・)

青ピ「そうや、ヒマならちょっと付き合ってくれへん?」

麦野「?」


983 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 12:42:29.68 ID:BBnwR1370
青ピ「この近くに美味しいレストランが出来たんやけど・・・」

麦野「ナンパ?」

青ピ「そうとってもらっても構わんけどな」

ははは、と男が笑う

どうせ一人で行くのが恥ずかしいだけなのだろう

麦野「いいよ、付き合ってあげる」

青ピ「ほんま!?助かるわぁ!!」

嬉しそうに男が笑った

その笑顔は、それはそれは心から嬉しそうなものだった

麦野「・・・そうだ、名前・・・って内緒だったね」

青ピ「青ピでえぇで、お姉さんは?」

麦野「麦野。麦野沈利だよ」

青ピ「じゃあ行きましょか、麦野さん!」

男が麦野の手を引いていく


恋の予感は、まるでしなかった


984 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 12:45:18.07 ID:BBnwR1370

削板「・・・」

削板軍覇は、負けをほとんど知らない

彼が屈した相手は、いない

たとえ地に伏せられたとしても、彼は何度でも立ち上がる

目の前にあるのは壁ではない

ただの、踏み台なのだから

そして、削板が自分よりも強いと認めたのは三人だけだ

一方通行、垣根帝督

そして


寮監「・・・白井に会いたい?」

この阿修羅だけだ

削板「そうだ!!俺は黒子に会いたい!」

寮監「・・・わざわざ寮までお出迎えとはご苦労だな・・・御坂も最近はめっきり帰ってきていないようだし・・・常盤台の風紀はもはや無いに等しい」

削板「風紀を乱すつもりはない!!愛を貫いているだけだ!!」

寮監「ふん・・・よかろう、風紀を乱すものは私が成敗してくれよう」


985 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 12:48:01.16 ID:BBnwR1370
削板「いいだろう!!俺の前に立ち塞がるなら!!俺は拳でそれを砕く!!」

寮監「全く・・・風紀を乱すものに秩序などありはしない」

削板「お前が守っているのは、風紀ではない!!独りよがりの悲しい正義だ!!」

削板の拳が炸裂する

はずだった

しかし、それを寮監は最小限のモーションでかわす

削板(やはり・・・早い!!)

寮監「・・・ならば問おう!!!」

寮監の腕が、まるで蛇のように削板を狙ってくる

この攻撃を、彼は知っている

削板はこれを「絞め殺しの蛇」と呼んでいる

ツッコミは世間がしてくれる

文字通り、首を絞めてくるのだ

986 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 12:50:34.86 ID:BBnwR1370
削板「くっ・・・」

寮監「正義とはなんだ!?正しいものとはなんだ!?」

削板「それは!!」

パシッ、と削板が寮監の手を払う

削板「俺が、俺だけが探すんだ!!!」

寮監「勘違いもはなはだしい!!!お前のような子供に見つけられると思うてか!?」

削板「議論はいらない理屈はいらない!!!貫き通すんだよ、教科書通りの正義なんてないんだよぉ!!」

削板の拳に、説明できない力が集まる

空間が歪むほどの圧力

削板「正義とは!!!あるものではない、教えてもらうものではない!!!」

拳を、全力の拳を寮監に向けて突き出す


削板「それは!!!正義を求めるものが生み出すものだ!!!」

衝撃が、寮監を襲った


987 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 12:54:33.36 ID:BBnwR1370
寮監「この・・・程度かぁ!?」

削板「!?」

寮監「答えはない!?いや、教えてやろう!!!正義とは!!!」

寮監が突き進んでくる

あの攻撃を受けても尚

それは、まるで

削板とそっくりの瞳だった


寮監「悪を払い善を守り!!弱気を愛し強気を憎む!!平和を望み狂気を恨み!!!明日の光に手を伸ばす!!」

寮監が拳を振りかぶる

そこには、なんの特別な力などない

だからこそ、削板には強く見えた

特別な力などない彼女が

特別な力を振るう削板に、正面からぶつかってくるのだから

寮監「寮監奥義!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


寮監「禍霊!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


ドォン、と思い衝撃が削板を襲った

それは、重く、大きく

そして、強かった

988 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 12:56:47.99 ID:BBnwR1370
削板「・・・負けた・・・か」

目を覚ますと、学び舎の園の外だった

寮監との戦いが終わると、いつもこうだ

勝ったことはない

勝てると思ったことも無い

圧倒的な何かを見せられ、いつもことごとく打ち破られる

それが悔しく、そしてすがすがしい

削板(・・・くっ・・・まだまだだな・・・)

自分の力を知らない男が、正義を知る女に勝てるわけがなかった

削板「・・・よし!!」

ポンポン、と膝の泥を払い立ち上がる


削板「今日も鍛錬に励むか!!!」

削板の頭には、真っ赤な陽射しが差していた


989 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 12:57:16.53 ID:BBnwR1370
さて、リクはここまで


ちなみに>>1はこれといってメイドが好きなわけではありません

1000取りどうぞですの


990 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/08(土) 13:15:30.57 ID:FgwxXhtmo

やはり寮監には勝てんか…ってか寮監オッレルス級になってんのかよww

てっきりサイレントキリングみたく気づいたら落ちてたみたいなのだと思ってたら正面からだったとは…

ちなみに
>そして、削板が自分よりも強いと認めたのは三人だけだ 一方通行、垣根帝督 そして 寮監「・・・白井に会いたい?」 この阿修羅だけだ
…オッさんは?
991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/08(土) 13:17:08.28 ID:0h9+0yjvo
1乙!!

SSスレのなかでは驚異的な早さで書いてるけど、無理せずに続けてください!!
1スレ目からずっと応援してるぜ!!
992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/08(土) 13:18:55.60 ID:M5NB2Udmo
読み直すのに何日かかるのかな………
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/10/08(土) 13:24:01.16 ID:IZL+/u6ho
寮監わろす
994 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/10/08(土) 13:34:35.83 ID:XJzCdArT0
>>1000ならむぎのんは俺の嫁
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/10/08(土) 13:37:43.99 ID:XJzCdArT0
>>1000ならむぎのんは俺の嫁
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/10/08(土) 13:39:01.59 ID:418xNBceo
>>1000ならむぎのんの恋人探しもう一度
997 : ◆G2uuPnv9Q. [saga]:2011/10/08(土) 13:41:19.61 ID:BBnwR1370
>>990 おっさんは強いのではない、ただ圧倒的だっただけなのだ

強い=がんばれば勝てそう、というのが削板なのでw

998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/08(土) 13:48:35.93 ID:wfsby2jq0
学舎の園の外にいた・・・?
美琴と黒子のいる常盤台の女子寮、確か学舎の園の外じゃなかったっけ?
もとから外にいたんじゃ
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2011/10/08(土) 13:56:01.38 ID:IZL+/u6ho
>>1000なら>>1とサトリナが付き合う
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/08(土) 13:56:50.43 ID:0h9+0yjvo
>>1000ならむぎのんは俺の嫁!!!
1001 :1001 :Over 1000 Thread
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ここだけ戦場の避難所。コンマ00で死亡【避難所】 @ 2011/10/08(土) 12:22:20.42 ID:d9G2T19qo
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上条「異性のどこが好き!?」美琴「優しさ!」心理「温かさ」垣根「声」テクパトル「背中」 @ 2011/10/08(土) 10:40:36.41 ID:BBnwR1370
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石沢、腰の痛みを訴え病院へ緊急搬送★23 @ 2011/10/08(土) 06:06:37.14
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「何だよこれ!」「おかしいでしょ!」 小沢会見でマスゴミの記者たち激怒 @ 2011/10/08(土) 04:48:03.78
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再度告白したいんだが話を聞いてくれないか? @ 2011/10/08(土) 03:24:58.61 ID:dpJ6xNG50
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