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一方通行「これからオマエのことは上条…ジョジョって呼ンでやる」 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 17:15:48.17 ID:G61DwTJg0
このスレは
http://news4vip.fam.cx/html/1317557990.html
と
http://news4vip.fam.cx/html/1317612497.html
の続きです。
先は長いし何度も言われたのもあり、あきらめてこっちに移ることにしました
しつけえって思われるかもしれないけど、今日中に終わらせるって決めてたんで…ご勘弁ください。下さるとうれしいです。
あと今気づいたけれど
アヌビス戦の最後
>黒子「オホホホホ…何か聞こえまして、黒子?」
って意味フなことになってた。ごめん。初春だね。
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
[
Twitter
]: ID:???
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ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。
(安価&コンマ)コードギアス 薄明の者 @ 2025/07/23(水) 22:31:03.79 ID:7O97aVFy0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1753277463/
ご褒美にはチョコレート @ 2025/07/23(水) 21:57:52.36 ID:DdkKPHpQ0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1753275471/
ビーノどっさりパック @ 2025/07/23(水) 20:04:42.82 ID:dVhNYsSZ0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1753268681/
コナン「博士からメールが来たぞ」 @ 2025/07/23(水) 00:53:42.50 ID:QmEFnDwEO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1753199622/
4日も埋まらないということは @ 2025/07/22(火) 00:48:35.91 ID:b9MtQNrio
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1753112915/
クリスタ「かわいいだけじゃだめですか?」 @ 2025/07/19(土) 08:45:13.17 ID:AK1WfFLxO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752882313/
八幡「新はまち劇場」【俺ガイル】Part1 @ 2025/07/19(土) 06:35:32.67 ID:BGCulupRO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752874532/
【安価・コンマ】力と魔法が支配した世界で【二次創作】 @ 2025/07/18(金) 23:44:57.84 ID:Xc8IdKRvO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1752849897/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/03(月) 17:19:52.59 ID:p7ofwZvNo
∩ ∩
| | | |
| |__| |
/ 一 ー \
/ (・) (・) |
| ○ |
\__ ─ __ノ
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 17:20:42.86 ID:G61DwTJg0
キィーッ キィーッ キィーッ
ボインゴ「…」
禁書「ん? ブランコもやったことないのかな?」
禁書「すっごく楽しいんだよ! ボインゴもやるんだよ!」
ボインゴ「…(こんな木と鉄でできた子供だましの道具に夢中になるなんて…やっぱりガキだな)」
禁書「…?」
禁書「あっ!」ピーン
ボインゴ「!?(な、なんだなんだ!? こいついきなり僕の後ろに立って…)」
禁書「まずは私がこいであげるんだよ。とうまも最初はそうしてくれたんだよ」
ボインゴ「い、いいいいい…いい!」
禁書「怖くないよ、平気だよ」
ボインゴ「怖くなんか…」
禁書「いっくよー!」
キィーッ キィーッ
ボインゴ「…!!(お、思ったよりダイナミックな動きだ…!)」
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 17:22:13.00 ID:G61DwTJg0
禁書「どお!? ボインゴ、楽しいー!?」
ボインゴ「わ、わわわからな…(心臓がどきどきする……これって『楽しい』のか…?)」
禁書「ボインゴ、立って!」
ボインゴ「え?」
禁書「こいでるから立ってー!」
ボインゴ「え、あ…」ヨロヨロ
禁書「いち、にーの、さん、で飛ぶよ!」
ボインゴ「へ?(と、『飛ぶ』!? こいつ今飛ぶって言ったのか!?)」
禁書「いち、にーの、」
ボインゴ「ま、ままま…!」
禁書「さーん!」
バッ
ボインゴ「…!!」
ドシャァァアァ
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 17:24:46.82 ID:G61DwTJg0
ボインゴ「…」
禁書「あははははは!! 面白かったんだよー!」
ボインゴ「(ば…バカじゃあないのか…こんな…)」
禁書「ね? 面白かったでしょ?」コテンッ
ボインゴ「(こ、こんな…)…あ、う…」
禁書「でもこれ、とうまの前じゃやっちゃダメなんだよ。怒られるから」
ボインゴ「そう、なんだ…」
禁書「そうなんだよ」
ボインゴ「…」
禁書「あ!」
ボインゴ「」ビクゥッ
禁書「私、とうまを探しに出かけてたんだった! 忘れてた〜!」
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 17:25:58.55 ID:G61DwTJg0
ボインゴ「…」
ボインゴ「(結局歩道橋の前まで戻ってきてしまったが…)」
禁書「とうまを見つけたらね〜ご飯食べさせてもらうんだよ。今日のとうま、お昼ごはんの用意していかずに行っちゃったんだ〜」
ボインゴ「(予言どおりなら…ここで…)」
ボインゴ「(今…何時だ?)」
ピッ…ピッ…ピッ
ポーーン
ニュース『お昼をお知らせします』
ボインゴ「…!」
禁書「あ! あそこにいるのとうまだ!! おーいとうまぁ!!」タタタッ
ボインゴ「だ、だめだ! 行っちゃいけない!」
禁書「え?」ピタッ
ボインゴ「車道で止まるなぁぁーーーーッッッ!!!」
プップーー!!
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 17:29:44.13 ID:G61DwTJg0
禁書「あっ」
ボインゴ「(ダンプカー…)」
『るん るん るん』
『車にひかれて死んでしまいました』
ボインゴ「〜〜ッ!」ダッ
ドンッ
禁書「えっ」
キキィィィッッ!!
ボインゴ「(おかしい…なんで僕が飛び出してあの子を助けてるんだ、なんで僕が轢かれそうになってるんだ…運命と違う…)」
上条「うっああああああ!!!」バッ
ボインゴ「!!(上条、当麻…!)」
上条「〜〜!!!」ガシッ
ボインゴ「(上条当麻が、僕を救う、こんなこと、予言に…)」
ドサッ ゴロゴロゴロ…
上条「い…」
ボインゴ「ハア、ハア、ハア!!(た、助かった…なぜ…?)」
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 17:30:55.50 ID:G61DwTJg0
上条「インデックスーーッ! お前、冗談じゃないぞ、お前、他の人が死んで自分が生き残るトコだったんだぞ!!!」
禁書「とうま…」
ボインゴ「ハア、ハア、ハア…!!」
上条「はい、もう一度。赤信号は?」
禁書「わたりません!!」
上条「黄色信号も?」
禁書「わたりません!!」
上条「横断歩道を?」
禁書「わたります!!!」
上条「よしっ!」
上条「君、本当にありがとうな」
ボインゴ「い、い、い、いいえ…ぼ、ぼぼ僕もあなたに、助けられった、から…」
上条「(…とりあえず木箱から出てきてくれないだろうか)」
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 17:31:29.32 ID:G61DwTJg0
上条「インデックスーーッ! お前、冗談じゃないぞ、お前、他の人が死んで自分が生き残るトコだったんだぞ!!!」
禁書「とうま…」
ボインゴ「ハア、ハア、ハア…!!」
上条「はい、もう一度。赤信号は?」
禁書「わたりません!!」
上条「黄色信号も?」
禁書「わたりません!!」
上条「横断歩道を?」
禁書「わたります!!!」
上条「よしっ!」
上条「君、本当にありがとうな」
ボインゴ「い、い、い、いいえ…ぼ、ぼぼ僕もあなたに、助けられった、から…」
上条「(…とりあえず木箱から出てきてくれないだろうか)」
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/03(月) 17:33:52.86 ID:YpT33EsZP
まだ続ける気になるとはこいつ中々の精神力…
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 17:37:11.46 ID:G61DwTJg0
禁書「うええええ…!!」
上条「インデックスもそう泣きなさんなって。結局誰も怪我しなかったわけだし」
禁書「うっ、うっ…だっでぇ、どうまがぁ、どうまがぁ〜〜!」
上条「(まっ、これだけ脅かしとけばもうあんなバカな真似はやらないだろ)」
上条「ほら顔がぐちゃぐちゃだぞー、鼻かんで」
禁書「ぶうっ、ううっ、ぐす、ひぐっ…!」
上条「はい右ー」
禁書「」ブビー
上条「はい左ー、両方ー、よくできましたー」
ボインゴ「…」
上条「はい最後、この子に何か言うことは?」
禁書「うっ、うくっ、うっ…ぐすっ、あ、ありがとうなんだよっ」
ボインゴ「…」カアアアッ…
上条「!(ほほお…これはもしかしますと…)」
12 :
>>10 追ってくる君も相当だ。ありがとう
:2011/10/03(月) 17:39:33.31 ID:G61DwTJg0
カァーッ カァーッ…
禁書「じゃーねーボインゴ!また遊ぶんだよー!」
上条「やれやれ…切り替えの早い…じゃあな、今日は本当にありがとう」
ボインゴ「…」コクリ
ボインゴ「…」
ホル・ホース「よお」ザッ
ボインゴ「…」
ホル・ホース「惚れちまった、ってわけね…」
ボインゴ「そ…じゃない。そな、じゃ、なくって……僕…ぼぼ、僕はわかったんです…
あ、あの子は死んじゃあ…いけないです、ハイ。だ、だだだって、あ、あの子は…
フツーに喋ったり遊んだりするフツーの子…子どもなんです、ハイ!」
ホル・ホース「…」
ホル・ホース「あ、そお?」
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 17:41:45.40 ID:G61DwTJg0
ボインゴ「お、おかしなことが…あります、ホル・ホース。僕の『トト神』の予言は、ひゃ、ひゃく、百パーセント、なのに…」
ホル・ホース「変わったわけだ。運命が。よかったじゃあないの」
ボインゴ「で、でででも、このあと、やっぱりどこからか、車が来て、ひかれちゃうのかも、か、かも、しれない…そ、それか、運命が変わることが運命だったのかも…」
ホル・ホース「ボインゴ…」
ホル・ホース「ホンットウ暗いヤツだなァ〜おめえはよォォ〜〜!!」バシン
ボインゴ「ヒッ!」
ホル・ホース「『運命』が変わったのは、おめえが変えたいと願ったからだよ。忘れたか? 『スタンド』は精神力! おめえさんが心から願えば、『トト神』はおめえにとって最高のパートナーになるはずなんだよ」
ホル・ホース「自信を持てボインゴ。おめえに足りないのはそれさ。…これからのおめえにな」
ボインゴ「あ、ああ、あい」コクコクコク
ホル・ホース「さて、それじゃあ俺は上条当麻を殺りに行きましょうかねぇ〜〜」
ボインゴ「だだ、だったら、僕も、一緒に…」
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/03(月) 17:41:54.26 ID:TJW26K8Z0
あんなやつとジョジョを一緒にされると困るな
15 :
NY
[emai1l@gmail.com]:2011/10/03(月) 17:42:12.58 ID:TKrYysr+0
comment3,
http://dailybooth.com/fluconazoledosagefo/17811456
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16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 17:43:04.49 ID:G61DwTJg0
ホル・ホース「おめえは命の恩人を殺せるのか?」
ボインゴ「…そ、れは…」
ホル・ホース「…ボインゴ、お前、エジプトに帰れ」
ボインゴ「えっ」
ホル・ホース「戦力にもならないガキがついてちゃ邪魔なんだよ」
ホル・ホース「ほれ、チケット。今日の14時発、『SU−HBQ』号だ」
ボインゴ「よ、用意して、いたんですか、あなたはっ…」
ホル・ホース「こんなに手間取るとは思ってなかったんで今日の分取っちまってたんだよなー無駄になっちゃあいけねえし、お前が受け取ってくりゃ丸く収まるんだけどよー」
ボインゴ「…」
ホル・ホース「……兄貴のトコに帰んな。おめえにはDIOの部下なんて向いてねーよ」
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 17:44:52.34 ID:G61DwTJg0
上条「(とりあえずインデックスは小萌先生に預けてきたけど…なんだかんだであいつまだ落ち込んでるっぽいからな…何か元気の出るメニューを…)」
ホル・ホース「」ザッ…
上条「…!」
ホル・ホース「上条当麻…だな?」
上条「あんたは…」
ホル・ホース「俺は『皇帝』のカードのスタンド使い、ホル・ホース」
ホル・ホース「『皇帝』の暗示は知ってるか…? 父性、寛大、指導力、そして…」
ホル・ホース「『屈服しない意志』ってやつさ」
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 17:46:14.07 ID:G61DwTJg0
機内アナウンス『本日は当機をご利用くださいまして、まことに…』
ボインゴ「…」
ボインゴ「本当にこれでよかったんだろうか…どう思う?『トト』…」パラリ
ボインゴ「え!? こ、これは…!」
ホル・ホース「『エンペラー』!!」メギャン
上条「くっ!」バッ
ドゴォォォーーンッ
ホル・ホース「…!?」
上条「な、なんだ? 飛行機!? 飛行機が爆発した…!」
ホル・ホース「なん…だとぉ…!」
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 17:48:03.41 ID:G61DwTJg0
ニュース『ただいま入った情報です。学園都市上空で飛行機が空中分解する事故が発生しました。機体は学園都市付近の海面に不時着、生存者は絶望的との見方で……』
ニュース『あっ、飛行機の情報が入ってきました。14時発のエジプト行き、機体ナンバーは「SU-
HBQ」……』
ニュース『繰り返します、学園都市上空で空中分解した機体は海面に不時着、生存者はいまだ見つかっておらず……』
ホル・ホース「『事故』…だと…!?」
上条「あっ、おいどこ行くんだ!?」
ホル・ホース「うるせー! 急用が入ったんだよ!」
上条「…?」
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 17:49:01.16 ID:G61DwTJg0
ド ド ド ド ド ド ド ド
ド ン ッ
DIO「ホル・ホースか……また、逃げ帰ってきたというわけか?」
ホル・ホース「…ハァ、ハァ…」
ホル・ホース「『飛行機』…」
DIO「…」
ホル・ホース「『あんたか』?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
DIO「私ではない」
ホル・ホース「…」
DIO「『灰の塔(タワーオブグレー)』の仕事だ」
ホル・ホース「!」メギャン
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 17:51:20.92 ID:G61DwTJg0
ドォォーーン
DIO「ホル・ホース…もう少しズル賢いヤツだと思っていたが…」
ホル・ホース「ガハッ!」
ホル・ホース「(ま…まただ! 知らないうちに攻撃されてる…)」
DIO「案外、感化されやすいのだな」ズボォッ
ホル・ホース「グッ…」ドサッ
ホル・ホース「…く…そ…ォ……!」
ホル・ホース「(腹に拳が貫通して…もう、助からねえな、こりゃ…)」ゼエゼエ
DIO「そこにいるのは…承太郎か?」
承太郎「…ああ」
DIO「ちょうどいい。ヴァニラに頼んで『それ』を処分しておいてくれ。私は…」
承太郎「」ピシュンッ
DIO「…」
DIO「そういえば、弾丸は遠隔操作できるんだったな」
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 17:53:19.97 ID:G61DwTJg0
ホル・ホース「ハァーッ、ハァーッ!」
承太郎「DIO…テメーの悪い癖は、そうやって余裕コキすぎるとこだ。俺の『スタンド』が取ってなけりゃ、脳天に直撃だったぜ」
DIO「フフ…悪い悪い、以後気をつけるよ」
DIO「じゃあ、私は読書に戻る……後は頼んだぞ」
承太郎「…頼まれたぜ」
ホル・ホース「…ハァーッ、くそっ……くそっ! クソッタレども! ゼェーッ、テメーら地獄に落ちやがれッ!!」
承太郎「…」
承太郎「テメーが先にな」
ドンッ
TO BE CONTINUED....
23 :
十話目
:2011/10/03(月) 18:01:56.36 ID:G61DwTJg0
ヒュゴオオオオオオ…
DIO「見ろ、承太郎……ここから見える景色すべてが、じきに私の『世界』となるのだ」
承太郎「そりゃあ結構だな…」
承太郎「しかし、なんだってあんたは『こんなもん』を欲しがるんだ? 面白いとは思うが、たいした魅力は感じないぜ、俺は」
DIO「お前のためだよ…ここなら、お前を望みを叶えてくれる人間がいるかもしれないだろう?」
承太郎「…」
承太郎「気色の悪ぃ冗談はよせ。テメーはテメーのためにしか動かねえ。そのくらい、あのヴァニラだって承知してるだろうぜ」
DIO「フ……フ、フフフ、ハハハ…!」
承太郎「やれやれ…何がおかしいんだ?」
DIO「クク…『嬉しい』のだよ、承太郎。お前はクールで意志が強い…一時の感情や同情で動くことは決してない…それがわかったから嬉しいのだ…」
承太郎「…」シュボッ
承太郎「…『で?』」フーッ
DIO「『私のため』だよ、お前の言ったとおりな……」
承太郎「…俺が聞きたいのはだ、『あんたのため』に、どうしてあのアマが必要なんだ?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
姫神「…」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
姫神「…」キッ
承太郎「やれやれだぜ…」
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 18:05:34.70 ID:G61DwTJg0
承太郎「『吸血殺し(ディープブラッド)』…テメーを一瞬で殺せる力だ。そんな物騒なモンを、何でわざわざ手元においておく?」
DIO「ひとつ、話をしてやろう」
承太郎「…」
DIO「かつて、この私を半死半生にまで追いやった男がいた。まあ、その男と私の関係は色々と複雑なものなのだが、まずは置いておこう」
DIO「その男の使う力がまた特殊でね…『波紋』、という生命のエネルギーを使う技なのだが……『波紋』の起こすパワーは太陽のエネルギーと同じもので、ゆえに吸血鬼に対して有効だ、という理屈らしい」
DIO「吸血鬼になった私は常々疑問に思っていた。『なぜ私は太陽の光で死ぬのか』と。いまいましい『波紋』が、それにヒントを与えてくれた」
DIO「いいか、吸血鬼は『太陽の光』を浴びると死ぬ。『熱』や『磁場』ではなく『光』…つまりね、太陽は常に光とともに生命エネルギー…『波紋』を紫外線や赤外線のように大地に注いでるのではないか。と私は考える」
DIO「ンンー、ここで問題だ。このグラスに注がれたワインにひとつ、波紋が起こる」
ユラァ…
DIO「どうすればこれを壊せるね?」
承太郎「…もうひとつ波紋を作って打ち消してやりゃいい」
DIO「その通り、賢いぞ」
承太郎「…」
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 18:07:56.17 ID:G61DwTJg0
DIO「そしてその『吸血殺し』だ。彼女の力は非常に『波紋』と似ている…だが、吸血鬼を『魅了する』という点が異なるな?…吸血鬼を魅了するものとは何だ?承太郎」
承太郎「…『夜』」
DIO「実につまらなそうに回答するな」
DIO「まあいい、さらに言えば『月』だ。『彼女』は、あのいまいましい太陽の光が一度死んだものを地上に注いでくれる。吸血鬼がそれに惑わされるのも道理だ」
DIO「要するにその少女の力は…『月』のヴェールをまとった『太陽』の力…ということになるのかな?」
承太郎「ロマンチックな…話で」
DIO「私は伊達や酔狂でこんなことを話しているんじゃあないぞ」
DIO「もし彼女の『魅了する力』が『月の波紋』……とでも呼ぼうかな……ならば、その『月の波紋』で『太陽の波紋』を壊すことができるかもしれない。『波紋』は『波紋』を打ち消すのだからな」
DIO「つまり、だ…姫神秋沙。君は『太陽』と『月』をその身に宿しているという点で……絶好の『実験体』なのだよ」
姫神「…」ダラリ
ド ド ド ド ド ド ド ド
姫神「(…『縮図』。この男は。私を。学園都市を使って。『実験』する気なのだ…)」
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 18:13:29.08 ID:G61DwTJg0
キーンコーンカーンコーン
上条「…何か」
土御門「よ、上やん。どーしたぜよ、浮かない顔して」
上条「いや、何かが足りない気がして…」
土御門「?」
小萌「はーいみんな、おはようなのです〜」
青ピ「ああん!小萌センセが復活しとる〜!」
小萌「そこの三人、原因不明の骨折や裂傷や感電で入院したって聞きましたけど、大丈夫ですか〜?」
青ピ「大丈夫でーす!!」
上条「生き生きしてんな…」
小萌「うんうん、それ以外の子達は先生がいない間もきちんと出席してくれてたみたいですね、先生はうれしいです」
小萌「今日も全員出席、と…」
姫神「(なぜか急に泣きたくなってきた…)」
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 18:16:12.42 ID:G61DwTJg0
上条「あっという間に放課後だな」
美琴「あーーっ! あんたっ!!」
上条「あ、忘れ物をしてしまった。これは困ったぞ。戻ろう、学校に」
美琴「白々しいのよ! ちょっと止まりなさい!」
上条「何だよビリビリ…言っておくが、忘れ物したのは本当だからな。…口実になると思っただけで」
美琴「『何だよ』じゃないのよ。それにビリビリじゃなくって御坂美琴!」
美琴「一度あんたとはきっちり話しておこうと思ってたのよ。この町がやばいってのはジョースターさんが色々と話してくれたけど、肝心のDIOや『スタンド』についてはごまかされたまんまだし!」
上条「あ゛〜〜、俺もね、詳しくは知らない…」
美琴「嘘よ!! 一方通行だって何かしら知ってたみたいだし、あんたが何も知らないわけないじゃない!」
美琴「そうでなくたって、昨日の元敵三人衆から何か聞いたんじゃないの? 私の知らないところで!」
上条「あー、うんまあ…確かにあのあと、花京院たちと色々話したんだけどよ…」
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 18:18:28.56 ID:G61DwTJg0
〜〜回想〜〜
上条「じゃ、お前らは俺たちと別行動ってことになるのか?」
花京院「DIOにとって、僕らは裏切り者だからね。もしかして君ら以上に刺客を送り込まれているかもしれない……これ以上迷惑をかけるつもりはないよ」
上条「でもDIOは強敵だ。言っちゃあ悪いが、お前たち三人だけでどうにかなるとは…」
ポルナレフ「それなんだけどよォ、DIOは本当にみんなが恐れるほど強いのか?」
上条「えっ」
アヴドゥル「どういう意味だ? ポルナレフ」
ポルナレフ「いや、ここだけの話……俺はDIOの『スタンド』を見たことがあるんだ」
上条「な」
花京院「何だってポルナレフ!」
ポルナレフ「ジョースターさんのようなイバラの『スタンド』でよ……能力も念写のようだった。俺の心を水晶玉に映し出して…」
アヴドゥル「そ、それで…?」
上条「…」ゴクリ
29 :
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(チベット自治区)
:2011/10/03(月) 18:20:28.12 ID:G61DwTJg0
ポルナレフ「それだけさ!あの時はトラウマをえぐられてまともな判断ができなかったけれどよ、パワーはてんで貧弱に見えたぜ。案外『肉の芽』にさえ気をつければ楽勝なんじゃあないだろうかと俺は思うね」
上条「そんなことが…」
ポルナレフ「いやいや、仰々しくラッピングされてるプレゼントほど中身はしょぼいもんだ。吸血鬼の迫力に俺たち全員目をくらまされちまってるだけじゃあねえの?」
アヴドゥル「私は反対だな。あまりに楽観的に過ぎる」
花京院「確かに。そうでなくともDIOは強大だ」
ポルナレフ「だからそういう先入観がよォ〜」
上条「あの…ちょっといいか?」
ポルナレフ「おお、お前は俺の考えに賛成だよな?」
アヴドゥル「少し黙っていろポルナレフ」
ポルナレフ「お前その言い草は何だよ」
花京院「ああもう、口論は後でいいから…で、なんだい?」
30 :
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(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 18:25:16.29 ID:G61DwTJg0
上条「その…ポルナレフが見た『スタンド』がフェイクだった、って可能性はないのか?」
ポルナレフ「フェイクゥ?」
アヴドゥル「残念ながらありえないな」
花京院「ああ、『スタンド』は一人一体! がルールだ。精神が一人ひとつしかないようにね」
上条「そう、それなんだ。…もし、DIOの精神がひとつでないとしたら?」
ポルナレフ「ああ?」
アヴドゥル「DIOが二重人格だというのか?」
31 :
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(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 18:28:30.25 ID:G61DwTJg0
上条「そうじゃない…ジョースターさんが初めて俺たちと出会った時に教えてくれたんだ」
上条「『DIOの体はDIOひとりのものじゃない。首から下はジョースターさんのおじいさんの肉体なんだ』…と」
花京院「なるほど…」
ポルナレフ「だがよ、『首から下』ってことはもう死んじまってるんだろ? 死んでも精神が残ってるなんてありえるのか?」
アヴドゥル「『残留思念』…かもしれない」
上条「!」
32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 18:30:35.49 ID:G61DwTJg0
ポルナレフ「なんだ、そのザンリューナントカってのは?」
アヴドゥル「生命体の思念が、その強い意志によって物質に留まったものだ」
アヴドゥル「魂の抜けた『死体』――この場合は『ボディ』か――は、もはや『物』だ。あのジョースターさんの祖父なら強靭な精神の持ち主に違いない…DIOの『ボディ』に思念が残っていたとしてもなんらおかしいことはないだろう」
花京院「そしてそれが、DIOと連動して『スタンド』能力に目覚めた、と」
ポルナレフ「ム…」
花京院「それにね、ポルナレフ。DIOはうんざりするくらい用心深い性質だ。僕らのような下っ端者にそう簡単に自分の『スタンド』を見せると思うかい?」
ポルナレフ「…フーッ、あーわかったよ、俺が軽率だった!」
アヴドゥル「何を怒ってる」
ポルナレフ「怒ってねえよ! むしろ感謝してるぜ!まんまと無謀に突っ込んで死んだマヌケになるところだったんだからな!」ズンズンズン
アヴドゥル「こら待たんかポルナレフ、また一人になって襲われたらどうする」
ポルナレフ「保護者かテメーわ!ついてくるんじゃねーーッよ!」ズンズンズン
上条「…」
花京院「ヤレヤレ」
上条「追わなくていいのか?」
花京院「ああ見えてポルナレフは自分の性格を理解してるからね。いったん頭を冷やそうと思ったんだろう。アヴドゥルはその辺が疎いから困ってしまう」
上条「(最年少だよなこの人…)」
33 :
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[saga]:2011/10/03(月) 18:32:18.71 ID:G61DwTJg0
上条「『襲われる』って…やっぱりDIOの刺客があんたらにも来てるのか」
花京院「言ったろ。僕らは裏切り者だ」
上条「その…なんて言ったらいいか…お前さ、まだ高校生だろ…なのに、その…」
花京院「…ありがとう。君の気持ちは十分に伝わっているさ。お礼といっては何だけど、質問があったら今のうちに聞いておくよ」
上条「そうか…どっちにしても一緒には来ないんだな…」
花京院「…」
上条「それじゃ、さっそくだけど」
花京院「承太郎。かい?」
上条「! …ああ」
34 :
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(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 18:38:46.82 ID:G61DwTJg0
花京院「……まさかと思ったよ。ヤツがジョースターさんの孫だったなんてね…。…あんな男が」
上条「そんなに悪いやつなのか、承太郎って」
花京院「特別ゲスだとかド外道ってわけじゃあない…むしろ、悪人にしちゃ上品なほうさ」
花京院「ただ…ひどく奇妙なヤツなんだ」
上条「『奇妙』?」
花京院「先ほどは不気味と言ったがね。僕と大して歳も違わないくせに妙に達観しているというか……いや、正直言うと、僕はあいつが怖い」
上条「…!」
35 :
名無し
[sage]:2011/10/03(月) 18:42:47.59 ID:iS8ScI/AO
読みにくいし面白くない…
36 :
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[saga]:2011/10/03(月) 18:43:18.93 ID:G61DwTJg0
花京院「こんなことがあった」
花京院「僕がDIOの仲間に引き込まれてすぐ…DIOの命令でタロットを暗示する『スタンド使い』が一堂に会した時のことだ」
上条「それ、思ってたんだけど、なんでタロットなんだ?」
花京院「いきなり話の腰を折るなよ…。さあ? DIOは気分屋だからね、大して意味はないんじゃあないか」
花京院「で、スタンド使いが召集されたわけだが、もちろん承太郎もそこにいた。少し会話したが、そっけないもんだったよ…というか、心底僕に興味がない様子だった」
花京院「そのうちDIOが言った。『おい承太郎、ちょっとそこにいる男を殺してみろよ』、と」
上条「!」
花京院「そいつがへましたとかじゃあない…きっと、DIOもそれが実行されようがされまいがどうでもよかったんだ。暇だから言ってみた、程度で」
花京院「そして承太郎は…ためらいなくそいつの頭を砕いた。バゴンッ、と」
上条「…!」
37 :
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[saga]:2011/10/03(月) 18:47:27.11 ID:G61DwTJg0
花京院「その後のんびりタバコさえ吸っていたよ。僕が真にあいつを恐ろしいと感じたのはその時だ」
上条「…とても……信じられないな。だって、あのジョースターさんの孫だろ? DIOに無理やりやらされてるんじゃないのか?」
花京院「だがこうも考えられないか? DIOに魅入られるほどの『闇』を空条承太郎という男は持っているのだ。だから今あの男の傍にいるのだ、と」
上条「…」
上条「お前も、『闇』を持ってたのか?」
花京院「フフ…そうだね。傍から見ればくだらないことさ……でもあの時は『力こそ正義』という言葉がとても魅力的に思えた…」
花京院「そして君に救われた……それだけさ」
38 :
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[saga]:2011/10/03(月) 18:50:34.20 ID:G61DwTJg0
〜〜〜〜
美琴「ふぅん…それ、ジョースターさんには」
上条「言えるわけないだろ。花京院にも口止めされたよ」
美琴「そうよねー…っていうかそれだけ? DIOのアジトとかは聞き出せなかったの?」
上条「いや…DIOがあらかじめ仕込んでたのか、それについての記憶はさっぱりなくなってるんだとさ」
美琴「…アンタそれ信じたの」
上条「? ああ」
美琴「あきれた……ま、そういう甘いところは嫌いじゃないけど…って! 勘違いはしないでよね、別にあんたのことなんか…」
上条「」スタスタスタ
美琴「待たんかいコラァ!!」ビリビリ
上条「うおっ『右手』!」パキィィン
39 :
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[saga]:2011/10/03(月) 18:52:46.93 ID:G61DwTJg0
美琴「人が話してるのにシカトしてんじゃないわよ!」
上条「いやだって、忘れ物取りに行かないと…もうすぐ完全下校になるし」
美琴「嘘じゃなかったの」
上条「言ったろ?」
美琴「そういうことなら私もついていくわよ…まだまだ聞きたいことはあるし…逃げられちゃかなわないしね」
上条「(ギクッ)…お前さあ、なんでジョースターさんでも白井でもなく俺に聞くんだ? 何、お前は実は上条さんの熱烈ファンだったりするんですか?」
美琴「はっ…はああ!? 意味わかんない!! と、ととととっとと行くわよッッッ!!」
上条「??」キーン
上条「相変わらずわからねえヤツだな…」
40 :
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[saga]:2011/10/03(月) 18:56:34.17 ID:G61DwTJg0
――とある高校・とある教室
美琴「ちょっとーあったならさっさと戻ってきなさいよね」
上条「はいはいっと…」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
上条「…」
美琴「ちょっとー、まだ?」
上条「…」クルッ
シィィーーン
上条「(少し…神経質になりすぎか…ここんところ『スタンド使い』とのバトルばっかりだったからな…)」
上条「はいはい、もういいですよっと」ガラッ
美琴「まったく、とっととかえ……!! 危ない!」ドンッ
上条「なっ!?」ピシュンッ
41 :
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[saga]:2011/10/03(月) 19:01:43.72 ID:G61DwTJg0
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
シュゴゴゴォオ…
美琴「なによこいつ……」
上条「水だ…手を模した水…」
美琴「こいつ、あんたを殺そうとしたわ!」
上条「やっぱり新手の『スタンド使い』! だ、だけど、一体ドコから沸いて出たんだ、こいつ!?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
美琴「また『スタンド』か…。ふんっ、よくわかんないけど、要するに水を使った能力なんでしょ? 私がいてよかったわね、あんた」
シュゴゴゴゴゴッ
上条「またこっちに向かってくるぞ!」
美琴「はあぁっ!!」ビシューーン
バリバリバリバリッ
42 :
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[saga]:2011/10/03(月) 19:06:11.37 ID:G61DwTJg0
上条「『レールガン』!? だが水にダメージがあるとは……なんだって!? 『水の手』がだんだん小さくなっていく!」
上条「そういえば科学の授業で聞いたことがあるぞ! ジュール熱(電流の働きによって生じる熱)! 電気コンロやコタツなどの暖房器具に利用されている放熱作用! ビリビリの圧倒的電力が生んだ熱によって、水が蒸発しているんだ!」
シュゥゥゥ…
美琴「完全に蒸発したわ…ま、私にかかればこんなもんよ」
上条「しかし、本体は一体ドコに……ハッ!?」
美琴「…?」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
キュ…キュ…キュ…
上条「(ビリビリの背後の水道の蛇口が…ひとりでに動いてる? い、一体…)」
43 :
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[saga]:2011/10/03(月) 19:10:54.25 ID:G61DwTJg0
ザアアアーー
美琴「ハッ! 水! まさか…」
上条「伏せろビリビリーー!!」
美琴「えっ」ガシッ
ドシュゥーーンッ!
上条「ぐっ!」ゴロゴロゴロ
美琴「! 『水の手』が追ってくる! あいつ、目がないのに私たちが見えてるの!?」
上条「〜〜…!」
44 :
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[saga]:2011/10/03(月) 19:12:02.19 ID:G61DwTJg0
チャッチャッチャ・チャラッチャー♪
チャッチャッチャ・チャラッチャー♪
ピタッ ギュゥゥン
ドゴンッ
上条「か、上条さんの携帯がーーッ!」
美琴「言ってる場合か!」
ガッシャアアン
上条「おお…携帯の入っていたバッグの中身が散乱してしまった…」
ジュゥゥウウウ…
上条「!き、消えた…いや、水に戻ったのか…」
上条「そうか、敵は水と一体化する『スタンド』!」
45 :
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[saga]:2011/10/03(月) 19:14:08.52 ID:G61DwTJg0
美琴「そ、それはいいから早く離れなさいよ、バカ!」
上条「あ、ああワリィ」パッ
チャリーンッ
上条「! (ビリビリのポケットからコインが…)」
シュゴォォオ ドンッ
美琴「!」
上条「なっ…」
美琴「動かないで!」
上条「!」ビタッ
美琴「おかしいと思ったのよ…なんだって『水の手』は追撃をやめて急に消えてしまったのか…」
美琴「携帯の着信音やコインの落下音に反応した…つまり『水の手』は…」
上条「『音』に反応する『スタンド』!」
美琴「バッグの中身が散乱する音にまぎれて、こっちの位置を見失ったのね!」
46 :
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[saga]:2011/10/03(月) 19:17:30.29 ID:G61DwTJg0
上条「初めて出会うタイプの『スタンド』だな……ん?」
美琴「水道がどうかしたの?」
上条「いや…なんでも。とりあえず音さえ立てなきゃ、『水の手』は襲ってこないってワケか」
美琴「それ以外にもわかったことがあるわ」
上条「え?」
美琴「考えても見なさいよ…あたしたちがこうやって『会話できている』今の状況を…」
上条「…」
上条「……ああー、確かに今こうして俺が会話もできる五体満足なのはお前のおかげだけど…」
美琴「そうじゃない! 誰がそんな恩着せがましいこというか!あんたって本当に頭脳がマヌケね。もし『水の手』が人の声にも反応するなら、私たちはとっくにやられてるはずじゃない」
47 :
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(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 19:19:43.77 ID:G61DwTJg0
上条「! そういえば…」
美琴「奴は『空気振動』による音をきいてるわけじゃない……私たちの歩く音や…」ポイッ
カランッ
ビュンッ
ドゴォッ
上条「…!」
美琴「シャーペンが地面に触れた時点で反応したわね…つまり、こいつは『床や壁などの固体が伝える振動音』に反応するのよ」
美琴「そして私は推理する。『こいつはなぜこんな遠回りな能力なのか?』と! こいつに自我なり自動追尾機能なりがあるなら、すべての音に反応してもいいのに!」
美琴「つまり『スタンド』自体が音に反応してるわけじゃない!」
美琴「私たちから距離を置いたどこかで、本体が『物音』を探知しているのよ!」
48 :
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[sage]:2011/10/03(月) 19:20:28.83 ID:lHvpn97DO
読んでるから頑張っ
49 :
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[saga]:2011/10/03(月) 19:22:11.72 ID:G61DwTJg0
上条「…フ…フッフッフ…」
美琴「…なによ?」
上条「どうやら寮暮らしの上条さんに死角はなかったようだな…」
美琴「はあ?」
上条「お嬢様には無縁でしょうが、集合住宅では騒音問題ってのがありましてね……その中でもポピュラーなのが『上階から聞こえる騒音』だ」
上条「ビリビリ、お前さっき『水のスタンド使い』は俺たちの足音を聞いてるって言ったよな? 足音を聞くにはどこにいればいいか…」
上条「俺たちが何階にいようと足音が聞けるのはッ!」
美琴「ハッ! わかったわ、『一階』! そこに本体はいる!」
50 :
改行増やしたけど見やすくなったかな…
[saga]:2011/10/03(月) 19:23:31.48 ID:G61DwTJg0
??「…上条め」
??「さっきから物を投げて我が『ゲブ神』の動きを伺っているな…このままではこのンドゥールの居場所を察知するやも…」
ンドゥール「…いや、既にしているかもしれない…早めに決着をつけるのがいいだろう」
51 :
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(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 19:25:25.48 ID:G61DwTJg0
〜〜〜
上条「さて…本体の居場所がわかったのはいいが、ここは三階…どうやって『水の手』に気づかれずに行くか…」
美琴「そんなの簡単じゃない。足音なんて、それよりもっとでかい音でかき消せばいいのよ」
上条「はい? えーっと、ものすごく嫌な予感が…」
ビシューーン
ドッゴォォーーンッ
美琴「『レールガン』で『音を出しつつ』行けばいいのよ!」ダッ
上条「おまッ! 自分の学校じゃないからっておまッ!」
美琴「グダグダ言わないで走る! 命と校舎とどっちが大切よ!」
上条「そうかもしれないけどさぁ〜〜…」
美琴「そらそらそらぁぁーー!」ビシュンビシュンビシューーン
ドゴゴゴーーンッ
上条「(小萌先生…他関係者の方々、すみません…)」
52 :
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(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 19:26:58.60 ID:G61DwTJg0
〜〜〜
ンドゥール「こ、これはッ! 上条!? いや、この大胆かつ後先を考えないアイデア、『まっとう』を自称するヤツのものとは考えにくい!」
ンドゥール「御坂美琴か! これでは足音が探知できない!」
53 :
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(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 19:28:37.46 ID:G61DwTJg0
〜〜〜
美琴「ちょっと! おかしいと思わない!?」ドカーン
上条「え!? 何!?」
美琴「だから…」ピタッ
美琴「これだけ派手に暴れてるってのに誰も来ないなんて、おかしいと思わないのって」
上条「そう言われてみれば…」
美琴「アンチスキルどころか警備も来ないなんて…これも『スタンド』の力なの…?」
上条「…」
上条「…なあ、もしかしたら、だけど…」ハッ
シュゴオオオオオオッ
54 :
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(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 19:30:07.11 ID:G61DwTJg0
美琴「『水の手』! なんで!?まっすぐこっちに向かって来る!」
上条「あぶねえビリビリ!」パッキィィン
上条「ふう…」
美琴「…最初っからそれで打ち消せばよかったんじゃない?」
上条「無茶言うなよ。あれは速過ぎる。今のだって、まっすぐお前に向かって来たから何とか軌道が読めたんだ」
上条「それに…水がある限り再生するみたいだしな…」
シュゴオオオ…
55 :
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(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 19:32:03.82 ID:G61DwTJg0
美琴「消えない…? 私たちを探してるの?」
上条「慎重にいけよ、ビリビリ。さっき『水の手』は明らかにお前を狙っていた」
美琴「だからビリビリ言うなって! …残弾が気になって控えめに撃ってたから…足音が消えなかったのかしら? とりあえず、もう一発撃って様子を見てみるわね」
上条「ああ…」
上条「(待てよ…? そもそも、なんで『水の手』はビリビリを襲ったんだ? 足音が消えてないなら俺の居場所もわかったはず…ビリビリが先頭を走っていたからか? …いや…もし『水の手』が、ビリビリの居場所しかわからなかったんだとしたら…?)」
上条「しまったビリビリ! 『レールガン』を撃つな!」
美琴「え?」ビシュン
ドゴーンッ
56 :
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(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 19:38:02.90 ID:G61DwTJg0
上条「ッ…こっちに来い!」
美琴「えっ、ちょっと待ってよ、どういう…」
シュゴオオオオ…
美琴「み、『水の手』がこっちを向いた!」
上条「御坂ァーー! 早くこっちに来るんだーッ!!」
ボンッ
美琴「うっ!? げほげほっ、なによコレー!」
上条「しまった…コンクリートを粉みじんに砕いて煙幕を…! これじゃあ『水の手』の軌道が読めない! ハイスピードの動きに対処できない!」
57 :
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[saga]:2011/10/03(月) 19:40:02.50 ID:G61DwTJg0
ドシュゥゥン
美琴「キャ!? …か、肩を…!」ブシュー
シュゴオオオオッ
美琴「つ、追撃してくる! なんでよ、なんで私の位置がわかるのよーー!?」
上条「! うおおおおっ!!!」ダッ
ピタァッ…ドシュウウン
美琴「なっ…あんた何走ってんのよ!?足音が…!」
上条「『水の手』は俺に任せろ! 俺はこのまま一階に行く!お前は俺の言うとおり行動してくれ!!」
美琴「ばっ…勝手なこと言ってんじゃ」
上条「お前にしかできないことなんだよ! 御坂美琴!」
58 :
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(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 19:42:13.17 ID:G61DwTJg0
〜〜〜
ンドゥール「フッ…『レールガン』の弱点…それは軌道が常に一直線な点にある…」
ンドゥール「爆破地点から瞬時に逆算すれば大体の位置を掴むことは可能…立ち止まったのが運のつきだったな…」
ンドゥール「ン? 妙だ。足音が二手に分かれたぞ」
ンドゥール「…こちらに向かってくる! 逆にもうひとつは遠ざかっていく…? 今度は何をたくらんでいるのだ、あのふたりは」
ンドゥール「足音から知るに、近づいてくるのは上条当麻のほうか……御坂美琴は相変わらず破壊音で足音を消しているな…厄介な…」
ンドゥール「計略がなんにせよ、まずは上条当麻を我がスタンド『ゲブ神』で迎え撃つ!」
59 :
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(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 19:43:28.85 ID:G61DwTJg0
〜〜〜
上条「うおおおおおっ!?」ドゴーン
上条「な、なんてスピードだ! おまけに一階にたどり着いてから格段に精密性が上がってる!」
上条「パワーアップした『水の手』を見るに…このへんに『本体』がいるのは確実!だが一体ドコに…」
上条「(落ち着け上条当麻…長いこと通ってきた学校だろう…? 頭の中で正確な地図を描き出すんだ…!)」
上条「うぐっ!?」ザクゥ
上条「くそ、脚を切られた…ここはいったんあそこに逃げ込む!」ダッ
ドサァ
ガシャガシャーーン
上条「ハァハァ…着地は失敗したけど…戸棚のものが落ちたおかげで居場所を見失ってくれたらしいな…」
60 :
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(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 19:46:34.42 ID:G61DwTJg0
上条「(ひとまず…これで考える時間ができた…。『本体』の隠れられそうな場所はいくらでもある…学校だもんな…水道はどこにでもあるし…。俺の記憶を頼りにした地図によると、一階で水の補給場所があるのは今俺がいる準備室に職員室、保健室も…放送室は音と関係ありそうだが、密室だし水もないからパス……部室棟も同じ理由でナシ……あとは…廊下か)」
上条「(それにしても、俺たち以外誰もいないせいで音が響く…)」
上条「(この静けさは…やっぱり…)」
上条「待てよ…?」
61 :
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(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 19:48:12.04 ID:G61DwTJg0
〜〜〜
ンドゥール「…そろそろ移動するか…奴はずいぶんと近くに来てしまっている…俺のスタンド『ゲブ神』は、接近戦は得意じゃないからな…」
カツン、カツン、カツン… ガララッ
ンドゥール「…!? なんだ、上条の気配を見失った科学準備室から異様な物音が! やつめ、物を投げて俺を混乱させようということか!」
ンドゥール「ち……『違う』! なぜだ、ヤツが…ヤツが俺のほうへ向かってくる!!まるで持久走のラストスパートのように力強く!まっすぐに!」
62 :
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(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 19:50:09.32 ID:G61DwTJg0
〜〜〜
上条「俺はずっと待っていたんだ! 床に耳をつけて、お前が物音を立てるのをな! 耳が聞こえるのは!音を聞けるのはお前だけじゃあないってことだ!!」
上条「上条さんはわかる! 今かすかに聞こえた音は『扉の音』!引き戸がガラガラ音を立てる音だ! 上条さんは知っている! ここの学校であんなに立て付けの悪い音を立てる扉はひとつしかない!あらゆる学内外の人間が毎日使うから、特別使い込まれている『あそこ』の扉!」
ンドゥール「くっ! 物を投げながら走っている、慌てるな、正確に奴の足音だけを選りだすのだ!」
ダンッ
ンドゥール「!」
上条「『職員室』…ビンゴォ…とうとう見つけたぜ…『本体』!」
ンドゥール「…上条当麻…」
63 :
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(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 19:55:00.72 ID:G61DwTJg0
上条「なるほど…目の不自由な男が『本体』だったのか…どうりでその異様な聴力…」
ンドゥール「その冷静な判断力……感服に値する…どうりで今までの戦いを生き残ってきたわけだよ…」
上条「ハァ…ハァ……ひとつだけ…質問がある…」
ンドゥール「…」
上条「お前は『人払いのルーン』を使っているな?」
ンドゥール「…」ピクッ
上条「おかしいと思ったんだ、この静けさ…そして経験したことがあると思った…。とあるいけすかない魔術師がよく使っていた、地脈だかなんだかを操って関係のない人間を追い払う術……あんたは魔術を使っているな?」
ンドゥール「…」
上条「だんまりか…ま、いいよ」キュキュキュ
ザアアアアアアア
ンドゥール「…水道の蛇口を全開に? すべての蛇口を…。何のまねだ。水は『ゲブ神』そのもの…それをわざわざ増やすとは…」
上条「増やされちゃ、困るんだろ?」
ンドゥール「何?」
64 :
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(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 19:58:49.94 ID:G61DwTJg0
上条「俺は既に『お前の弱点を見つけている』と言ったのさ。お前の言うとおり、『ゲブ神』が水そのものなら、ここにある水を全部使って一気に俺を倒してみろよ…もうシンクは一杯だぜ」
ンドゥール「…」
上条「しないだろう。『できない』んだからな」
上条「思えばおかしかった…。三階で襲われた時…『ゲブ神』は自分で開けた蛇口をしっかりと『閉めていた』んだ…補給口をわざわざ閉じたんだ…なぜ? いや、そもそもなぜ、チマチマ水道から取る必要があるんだ? たとえば…給水塔の水を全部使ったりすれば強大な力が得られそうなものなのに」
上条「答えはひとつ! お前はあの『片手分の水』しか操れないんだ。人間が100mlの水はイッキできるが1Lの水は飲み干せないように! 大量の水では『ゲブ神』を一体化することができないんだ!」
上条「証拠に! お前はこの水道にたまった水を使おうとしない! そしていつだって『片手』だけで俺を襲っていた!」
ンドゥール「…見事だ、上条。だが、わかったからといって何になる? お前に何ができる」
上条「何もできない。けど……忘れたか? 俺のほかにもう一人…強力なアタッカーがいるってことを」
65 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 20:00:52.73 ID:G61DwTJg0
ザ…ア…
チョロォチョロォ…
ピタァッ
ンドゥール「水音がやんだ…いや、水が出なくなった? なぜ……ハッ! まさか貴様、給水塔を!」
上条「ああ」
〜〜〜
ドガーーンッ
ドザアアアアアア
美琴「…完璧に破壊したわ」
66 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 20:02:23.78 ID:G61DwTJg0
上条「うちの屋上は自殺防止に壁が高くしてあるからな…きっと大きな水溜りができてるでしょうよ」
上条「『片手分』なんてかるーく超えてるだろうな」
ンドゥール「くっ…読み間違えたな。貴様がこんな『まっとう』でないアイデアを思いつくとは…」
上条「まあ…後のことは後で考えますよ…ハハハ…ごめんなさい小萌先生…」
ンドゥール「確かに…これで補給は絶たれた。が! 我が『ゲブ神』はまだ生きている!」
シュゴオオオオオオオ…
上条「…!」
ンドゥール「相対すれば速さはこちらが上!」
ンドゥール「殺れ、『ゲブ神』!」
上条「お前は、もうひとつ見落としてるぜ」
ビュンッ
ガシャーーンッ
ピシッ…ピキ…ピキッ…
ピッキィィーーン
67 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/03(月) 20:02:26.95 ID:UPX5D/He0
JOJOの台詞を禁書キャラに言わせただけで、キャラの性格、キャラの口調、キャラの出来る事、作品の設定、スタンドの設定、時間軸、全てがおかしい。
両作品の漫画や小説、アニメなどを見た事がなく、SSとか名言集だけ見て書いただろ?
あと国語を小学校から学び直した方がいいと思う。
68 :
>>67 その辺は自己解釈なので、読み流してくれたらうれしい。とマジレス
[saga]:2011/10/03(月) 20:06:08.09 ID:G61DwTJg0
ンドゥール「!? 何…『スタンド』が…動かない…!?」
上条「お前の『スタンド』は水と一体化している…水本来の弱点も持ってるんだ」
ンドゥール「まさか……凍らせたというのか、水を! だが一体どうやって…」
上条「液体窒素! 科学準備室から抜け目なくくすねてきたぜ!」
上条「これでお前をガードするものはなくなった!」
ンドゥール「おっ、おのれ上条当麻ッ!」
ンドゥール「(ヤツの足音がまっすぐこちらに…何かッ! 何かないのか!? もはや純粋な水でなくともッ、少量でもいい!『ゲブ神』と一体化させられれば…)」
ンドゥール「ハッ!」
上条「うおおおーーーッッ!!」
ンドゥール「こ、これだ!!」
69 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 20:08:21.66 ID:G61DwTJg0
ドシュゥゥーーンッ
上条「何ッ!? 『スタンド』が復活した!?」
ンドゥール「この至近距離…!絶対に外さん!」
ンドゥール「『狙撃(シュートヒム)』!!」
上条「(かわせない…一気に突っ込んでくる…!)」
上条「うおおおーーッッ!!」バッ
バッキィィン
ブシュー
70 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 20:11:59.96 ID:G61DwTJg0
上条「…ハァ、ハァ…」
ンドゥール「…ハァー、ハァー…」
ンドゥール「ぐ…はッ!」ゲボッ
ンドゥール「」ドサッ
上条「……『自分の汗』…それを、使ったのか、『ゲブ神』に…道理で動きがのろい…簡単に、『右手』で相殺できたわけだぜ…」
71 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 20:13:56.77 ID:G61DwTJg0
ンドゥール「う…」
上条「…スタンドを消せば本体にもダメージがある…大怪我だけど死にはしてないな、よかった…」
上条「フゥーッ、さて、ビリビリ中学生を回収しにいくか…」
ンドゥール「…フ…………フフ、フ……」
ンドゥール「(勝った気でいるようだが……ここまでがこの俺の計画なのだ…!)」
ンドゥール「(体中から大量に出血している…この血の海に…『ゲブ神』を一体化させれば…)」
ンドゥール「(まだだ…床に零れ落ちている分ではまだこの男を殺すのには不足……傷口から血を絞り出す!)」
ンドゥール「(…意識が…朦朧としてきた…まだだ……あと少し、ヤツを殺すまで……)」
上条「…」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ンドゥール「(DIOさまのためにも!!)」カッ
ドシュゥゥーーン!!
72 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 20:15:11.85 ID:G61DwTJg0
上条「!?」ツルッ
ンドゥール「(血に足を取られた…!)!?」
上条「ッな!?」ビシュッ
ドゴンッ ガシャーーンッ
上条「こ、こいつ、意識があったのか! 危なかった…今足を滑らせてなければ…!」
ンドゥール「(脳天を貫いていたというのに…!…バカな…俺の流した血の…しぶきが…アダに、なった、バカな…)」ガクッ
73 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 20:16:53.33 ID:G61DwTJg0
美琴「ふぅ〜〜ん、人を追い払う魔術、ねえ…正直眉唾だけど…」
上条「体験しただろ? 実際に」
美琴「わかってるわよ! …ってことは、DIOとその一味は魔術師の集団…ってことでいいのかしら?」
上条「いや。俺もよくは知らないけど…魔術っていうのは『超能力の才能がない』人間なら誰でも使えるらしい」
美琴「『スタンド』は超能力じゃないの?」
上条「う〜ん、ジョースターさんも『生命エネルギーのヴィジョン』って言ってたし……たぶん、魔術のほうがより近いんじゃないか?」
美琴「要するに『スタンド』は魔術の亜種ってこと? それとも逆?」
上条「俺に聞くなよ。俺だってどっちかっていうと学園都市側なんだから」
美琴「なによー、さっきまで偉そうに講釈垂れてたくせに」
上条「うっ……ひ、『人払いのルーン』は、多分DIOが教えたんだろうな…」
美琴「(話そらしたわね…)ってことは、DIOもある程度の魔術は使えるってことね」
上条「きっと色々と予習してきたんだろう…魔術のことも、学園都市のことも……」
上条「ん?」
74 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 20:32:18.98 ID:G61DwTJg0
上条「(ま、てよ…? 待て、待て待て待て。今なんか上条さん、すっごく大事なことに気づきそうでしたよ?)」
美琴「とりあえずアンチスキルに連絡するわね?」
上条「ちょちょちょ、ちょっと今話しかけないでくれ!」
美琴「」ムッ
上条「(…落ち着け…。…魔術……『人払いのルーン』……DIO……SPW財団……根城…どこにもいない……きっと奴は調べてきたはずだ……事件……俺たちの周囲……見つからない……見つけられない場所……学園都市の、見つけられない場所!!)」
上条「そ…」
上条「そうか!わかったぞ、ビリビリ!!」
美琴「は? え、なによ?」ビリビリ
上条「なにゆえ攻撃態勢!? っていいから早く携帯貸してくれ! ジョースターさんに連絡を! 上条さんのは壊れちまってんですよ!!」
美琴「な、なんだってのよ。まずはワケを言いなさいよね」
上条「だから! あるんだよ、学園都市にはSPW財団でも見つけられない場所が!」
美琴「は?」
上条「(『あそこ』は既に取り壊しが決まってる廃屋だ……けれど、もしまだあそこに『あの時の力』が残っているとしたら?)」
上条「『三沢塾』! まさしくこの世界の『裏』側にッ、DIOは潜んでいたんだ!!」
ンドゥール(スタンド名:ゲブ神)→再起不能(リタイヤ)
TO BE CONTINUED....
75 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 20:52:49.51 ID:G61DwTJg0
ジョセフ「三沢塾…こんなところがあったとはの…」
上条「あの時はとある錬金術師の力によって、侵入者はコインの『裏』の世界に入り込む、という結界が張られていました。結局その錬金術師は再起不能になりましたけど…死んじゃあいないんです。もし、術者が生きている限り結界も作動し続けるのだとしたら…」
土御門「そうでなくとも、造詣が深けりゃ、痕跡だけでちょちょいっと『模倣』しちまえるかもしれないにゃー」
黒子「にわかには信じられませんことね…」
イギー「ギ…」
禁書「イギーも感じる? わずかだけど、この中で魔力が渦巻いてるのを…」
上条「!」
一方通行「ふーン、ますます怪しくなってきたじゃねェか」
打ち止め「でもミサカ達の住む町にこんなところがあったなんて、とミサカはミサカは驚き半分にビルを見上げてみたり」
美琴「とにかく、ぼさっとしてても始まらないわ。入るメンバーを決めましょう」
76 :
十一話目
[saga]:2011/10/03(月) 20:54:09.24 ID:G61DwTJg0
御坂妹「くいくい、くい…と、ミサカは視線は上に定めたままお姉さまの袖を引いて注意を喚起します」
美琴「何よ?」
御坂妹「確認しますが、三沢塾は既に閉鎖された無人の廃屋なのですね?、とミサカは念を押します」
上条「らしいな。それが…」
御坂妹「…」スッ
上条「? …ッ!?」ギクッ
美琴「『穴』!コルク抜きで開けたような異様に綺麗な穴が、ビルに開いている…!」
黒子「いつの間に? さっきまでは普通の建物でしたのに!」
一方通行「いるぜェ…あそこに誰かッ…!」
ジョセフ「あの…人影は…!」
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
77 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 20:56:48.60 ID:G61DwTJg0
承太郎「…やはり…まだ日は落ちてねえぜ」
DIO「そうか…今日の日没は16分と聞いていたのだがな…」
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
上条「(陰になってて見えないけれど…間違いない、この威圧感…DIOと…)」
ジョセフ「じょ…承太郎!!」
承太郎「…」
78 :
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(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 22:29:34.09 ID:G61DwTJg0
DIO「ン、ンー、そこにいるのはジョセフ・ジョースター…そして上条当麻一行ではないか」
上条「お前が…!」
美琴「DIO…ッ!」
DIO「ようこそ…と言いたいところだが、生憎『実験』の予定日でね。出直してはくれまいか」
上条「『実験』…?」
DIO「屋上を見てみたまえ」
ド ド ド ド ド ド ド ド
上条「あそこに縛られているのは………………姫神!?」
79 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 22:30:38.81 ID:G61DwTJg0
DIO「ン、ンー、そこにいるのはジョセフ・ジョースター…そして上条当麻一行ではないか」
上条「お前が…!」
美琴「DIO…ッ!」
DIO「ようこそ…と言いたいところだが、生憎『実験』の予定日でね。出直してはくれまいか」
上条「『実験』…?」
DIO「屋上を見てみたまえ」
ド ド ド ド ド ド ド ド
上条「あそこに縛られているのは………………姫神!?」
80 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 22:32:22.21 ID:G61DwTJg0
一方通行「どんな『実験』するンだか…。知りたくもねえがよォ」
ジョセフ「承太郎…。『なぜ』とは聞かん。だが、今お前の隣にいるヤロウはお前にとって害にしかならん奴じゃ!」
ジョセフ「帰るぞ! こっちに下りて来い承太郎!」
承太郎「…」シュボッ
上条「…!?」
美琴「何今の…」
一方通行「いつの間にかタバコを咥えてやがる…なンのモーションも見えなかったのによォ…」
81 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 22:36:52.63 ID:G61DwTJg0
DIO「おい、お前の祖父が呼んでいるぞ。返事くらいしてやったらどうだ?」
承太郎「…」フーッ
承太郎「消えな。お呼びじゃないぜ」
上条「なっ…お前! 自分のおじいさんに向かってなんてことを!」
DIO「フフフッ。まあ、そういうことだジョースター…承太郎はここで私のために働きたいらしい」
ジョセフ「DIO! 貴様、わしの孫に何をッ…!」
DIO「何も。いや、本当に何もしてはいないのだよジョセフ・ジョースター。これは、彼が、彼自身の意志で決めたことだ。なあ?」
承太郎「…ああ」
ジョセフ「…!ば、バカな!」
DIO「甘やかしたい盛りなのはわかるがね、子供の独り立ちを見守ってやるのも保護者の勤めだぞォ。……ンー…いや? 『甘やかし』なんてお前には無縁だったな、承太郎?」
ジョセフ「何だ、貴様…何を言っておる!」
82 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 22:41:40.93 ID:G61DwTJg0
DIO「知ってるぞ、ジョセフ・ジョースター。
お前は承太郎が刑務所に放り込まれても面会どころか連絡だってしなかったそうじゃあないか…
自分の孫の身に大変なことが起きていたというのになあ?」
ジョセフ「…大変なことじゃと?」
DIO「おや、まさか知らなかったのか? しかし推測はできただろう。
お前と私のボディは奇妙な絆で結ばれているが……お前、お前の娘と続いて承太郎だけは例外だとでも思っていたか?」
ジョセフ「まさか…!」
DIO「そう。承太郎も『スタンド』が発現したのだよ…それもとびきり凶暴な奴でね…
今でこそ制御できるがひどいものだったよ、あれ。…刑務所に入れられたのもそのせいだ。
牢の中、一人孤独に暴走『スタンド』と対峙する『孫』の気持ちが……ンー? 想像できるか、ジョセフ・ジョースター?」
ジョセフ「なっ…違う、わしは…」
DIO「カワイソウに承太郎…ジョセフの奴、どうやら本当に、今の今までチッとも気づいてなかったらしいぞ」
承太郎「…テメーもどうでもいいことばかり喋るんじゃあねえぜ、DIO」
83 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 22:43:32.00 ID:G61DwTJg0
DIO「フフフ…そうだな。あんなちっぽけな奴らと話している場合ではなかった…」
DIO「行こうか、もうすぐ日が沈む…」
上条「……待てよ…」
上条「待てって言ってるだろうが!空条承太郎!!」
DIO「お呼びだぞ」
承太郎「言わせとけ」
上条「待ちやがれェーー!」ビリビリ
承太郎「…」チッ
DIO「ふっ…クックック…」
84 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 22:45:37.32 ID:G61DwTJg0
承太郎「…なんだ」
上条「なんだじゃないぜ…どういうことだよ、なんでジョースターさんの孫のお前がDIOの傍にいる?
そしてなんでジョースターさんを無視する!
お前は家族よりDIOをとるってことか、お前のやってることはそういうことだぞ、わかってるのか承太郎!」
承太郎「…言いたいことはそれだけか」
上条「ッ!」
承太郎「帰りな…もし上がってくるようなら、ぶちのめす。もちろんテメーも例外じゃあねえぜ、ジジイ」スッ
ジョセフ「ま、待て承太郎! ……くっ…!」
上条「ジョースターさん…」
85 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 22:46:31.28 ID:G61DwTJg0
今日中に終わりは無理かもしれないな…
86 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2011/10/03(月) 22:51:17.21 ID:l4A3EzK1o
>>1
見て一気読みして追いついた
俺はちゃんと最後まで読むぞ、がんばれー
今日中じゃなくたっていいさ
87 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 22:51:21.94 ID:G61DwTJg0
一方通行「…あァ〜〜くそ胸糞悪ィ!なンですか今の茶番はよォ!」
上条「茶番?」
一方通行「あいつら…俺たちを挑発してやがる。ジョーシキで考えてよォ、『裏』の世界にいる奴が『表』世界にいる俺らに見えるのかァ? どうなンだよ?」
上条「!」
禁書「私もそう思う…きっとあえてあちらから『表』に出てきたんだよ」
ジョセフ「なるほど…ここで尻尾を巻いて逃げ出すようなら、相手にする価値ナシ、ということか…」
上条「ジョースターさん」
ジョセフ「心配するな上条くん…何、ちょっとばかし驚いたが……どうやらあのバカ孫は、わしが直々にぶん殴ってやらんと目をさまさんらしい」
上条「……俺も手伝いますよ、な、ビリビリ」
美琴「私に振らないでよ! まあ…正直あのスカした態度はカチーンときたしね…」
黒子「お姉さまが行くのでしたら私も」
一方通行「フーッ…暑い暑い、暑苦しいこって…」
打ち止め「もちろんミサカも!とミサカはミサカは」
一方通行「残ってろ」
打ち止め「えっ」
88 :
>>86 ありがとう。せめて承太郎戦まではがんばる
[saga]:2011/10/03(月) 22:55:26.09 ID:G61DwTJg0
美琴「あんたもよ、10032号」
御坂妹「…」
美琴「わかってるのよ、あんたが惰性でついてきちゃったってことくらい…もういいのよ。戻ったって」
御坂妹「…ミサカは」
美琴「いや。戻りなさい。…本音を言うとね、あんたを巻き込みたくないの。
私はこれから学園都市の『誇り』のために戦う。でもあんたから見ればそれは自己満足だわ。
その自己満足に…巻き込んじゃいけないって、私の心が言ってるのよ…」
美琴「これ以上、私の自己満足のせいで…傷つけちゃいけない、って」
御坂妹「昔のことならミサカは気にしていません、とミサカは過去の記憶とオリジナルの言葉を重ね合わせつつ訴えます」
美琴「だったら私に背負わせるようなことはしないで」
御坂妹「…」
美琴「『お願い』よ、10032号」
89 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 22:58:19.68 ID:G61DwTJg0
一方通行「オマエが残らなきゃいけねえわけはわかるな? 要するに足手まといってこった」
打ち止め「ミサカは…ミサカはあなたの役に立ちたい、今まではできなかったけど、この戦いの中で役に立ちたい…
それがミサカにできることだから!とミサカはミサカは懸命にあなたに訴えかける!」
一方通行「ならなおさらここに残れ。オマエは…ここで俺の補助を頼む。最前線でドンパチやるのは俺の仕事だ…わかるな?」
打ち止め「でも、でも…ミサカは…うっ…」ポロポロ
一方通行「はァ〜うっとおしい。これだからガキは……」
一方通行「…これが終わったらよ、なンでも好きなもンおごってやるから…」
一方通行「…イイ子で待ってろ」
打ち止め「…」ポロポロ
禁書「とうま…ごめんね、私もこれ以上はいけないみたい」
上条「え?」
90 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 23:01:44.53 ID:G61DwTJg0
土御門「俺もダメだ。もしかしたらと思ったんだけどにゃあ」
上条「どういうことだ?」
禁書「この結界…魔術師をはじくようにできている…おまけに変な力まで合わさってるみたい…」
上条「『スタンド』?」
禁書「かも。これを逆算して解除するには…私でも半日はかかるんだよ…」グッ
上条「…インデックス」
禁書「どうしてかな…どうしていつも、とうまの大事な時に私はいてあげられないんだろ…」
上条「……大丈夫だって、そう深刻に考えるなよ。あのクソッタレ吸血鬼を『右手』でぶん殴ってやるだけさ、それだけのことなんだ、そうだろ?」
禁書「う…」
上条「大丈夫だ。絶対無事に帰ってくる」
禁書「うん…って、ふあっ!?」
イギー「クンクン」
上条「イギー…」
イギー「アギ…」
上条「ああ。インデックスを頼んだぜ」
91 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 23:03:38.79 ID:G61DwTJg0
土御門「気をつけろよ上やん。この結界が魔術師をはじく、ってことをきちんと心に留めておくんだぜい。
…もしかして、魔術師に踏み込まれたらヤバイことをする気なのかもしれない…」
上条「…『実験』……魔術か」
土御門「ああ。姫神秋沙をどう使う気かわからないが…気をつけろ」
上条「……。姫神…絶対助けてやるからな」
ジョセフ「…どうやら面子は決まったようじゃな…よし!」
行 く ぞ ッ !
92 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 23:05:56.40 ID:G61DwTJg0
――三沢塾 一階・玄関ホール
上条「(前来た時も異様な雰囲気だったけど…今回はさらに嫌なものを感じる……寒気がするような悪の気配を…)」
一方通行「どーやら既に『いらっしゃい状態』みてェだな」
上条「?」
黒子「ハッ…! 外にいたお2人がいなくなっていますわ!」
美琴「いいえ。いなくなったのは私達のほうよ」
一方通行「『裏』の世界に引きずり込まれちまってるみてェだな…」
ジョセフ「話はそこまでだ…来るぞ!」
93 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/03(月) 23:11:44.01 ID:G61DwTJg0
??「貴様らが…上条一行…」
??「DIO様に逆らおうなどという…思い上がった考えは…たださねばならないな…」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
上条「この声…一体どこから聞こえるんだ…?」
一方通行「気配がねえ…まったくねえだと…?」
ジョセフ「いかん…この感じ…『まずい』!」
黒子「…」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
黒子「!」
黒子「(…なん…ですの、この怪物…皆さんの背後に…どうやって、いつの間に潜んで……『スタンド』!!)」
黒子「お姉さま! みなさん! 危ないッ!!」バッ
一同「!」
ガオンッ
94 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/04(火) 00:18:48.25 ID:01xxIW0Z0
上条「なっ…」
美琴「黒子!?」
黒子「う…ぐっ!」ブシューッ
美琴「黒子ォ!」
黒子「ハァ、ハァ、ハ…」ガクッ
ジョセフ「どういうことじゃ、エレベーターホールの真ん中にいたはずが…いつの間にか階段の上に…」
上条「『テレポート』!白井が俺達を助けてくれた…!?」
一方通行「大方、自分を『移動』させるのが一瞬遅れたか…」
美琴「くっ…血が、血が止まらない!」
ジョセフ「落ち着くんじゃ、御坂くん。気を失ってはいるが、急所にはあたっとらん」
一方通行「ジジイの言うとおりだぜ…この程度でうろたえてンじゃ……せっかく助かった命もなくなっちまうぞ」
美琴「…!」
??「…一気に消してやる予定だったが……厄介な能力もあったものだ…」
95 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/04(火) 00:43:52.92 ID:01xxIW0Z0
上条「この声…」
美琴「〜〜!! 出てきなさい! 卑怯者!」
??「…愚か者が…私を卑怯者と呼ぶか……笑止」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
??「貴様ら…ひとりひとり……順番に順番に…このクリームの暗黒空間にばら撒いてくれる…」
一方通行「…気味の悪ィ、化けもンだ…」
黒子「うっ…おね、さま…」
美琴「黒子…大丈夫よ。すぐ病院に連れてってあげる」スッ
96 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[saga]:2011/10/04(火) 00:51:28.56 ID:01xxIW0Z0
美琴「一気にけりをつけてやるわ化け物!! くらいなさいーーッ!!」ビリビリビリッ
??「『レールガン』か…」ズルルル
一方通行「うおえっ!? 化けもンが自分の口の中に消えていく!?」
ジョセフ「『暗黒空間』…奴の力は口の中に広がる空間に相手を引きずりこむ能力か!」
??「それは少々違うぞ、ジョセフ・ジョースター…」
ジョセフ「」ハッ
??「『引きずり込む』のではなく…『飲み込み、こなみじんにする』のだ! こうやってな!!」グワッ
一方通行「うしろだジジイィーーーーッ!!」
ガキィィンッ
??「チッ」スシュンッ
ジョセフ「すまんの、助かったわい」
一方通行「だがやべェぜ…ヤロウ、別空間からもぐらたたきのもぐらみてェにピョコピョコ出てきやがる…
さっきは『噛む力』っつー原始的なモンをベクトル変化させたから問題なかったが……
異能の力に対して俺の『力』は予測不可能な反応を見せやがるからな…」
97 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 00:54:17.40 ID:01xxIW0Z0
ビシュンッ
ドゴォォーーンッッ
ジョセフ「! 『レールガン』!」
一方通行「何考えてやがる、別空間にいる相手にあンなもン通じるわけ…」
ジョセフ「いや違う! 御坂くんの狙いは……土ぼこりじゃ!」
美琴「あんたがジョースターさんを襲った時…わずかに空間が『ゆがむ』のが見えた……」
ジョセフ「つまり! 土ぼこりが不自然に『ゆがんだ』ところが」
一方通行「ヤツが顔を出す!もぐらの穴ってことかァ!」
グニアアアアア…
美琴「そして!私達の中には、『スタンド』のあんたを一瞬で消せる奴がいる!」
上条「うおおおぉぉーー!!」バッ
美琴「勝った!」
??「」ヌッ
上条「!?」
ガシィッ
美琴「口の中から人間が!?」
一方通行「とめられた…!」
ジョセフ「ううっ、まさか本体が『スタンド』の中に隠れておるとは!」
98 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 00:55:00.02 ID:01xxIW0Z0
今更だけどとリップつけてみた
続き↓
99 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 00:57:48.65 ID:01xxIW0Z0
上条「ぐっ…う…(なんて力だ…!)」ギリギリ
??「これが…『幻想殺し』か…クリームを消そうとは…悪い手だ…」
ヴァニラ「…不可抗力とはいえ、気安くこのヴァニラ・アイスに触りやがって…」グイ
上条「!」
ヴァニラ「この私に触れていいのはッ!DIOさまだけだぁぁーーッッ!!」ブンッ
上条「うわあああっ!?」
一方通行「三下ァ!」ガシッ
一方通行「くゥっ!!」
ゴロゴロゴロ
上条「いっつぅ…〜〜(ハッ)大丈夫か、一方通行!!」
一方通行「〜〜っに決まってンだろーがァ…っつー…」
上条「だ、大丈夫か…?」
100 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 00:59:44.82 ID:01xxIW0Z0
美琴「あんたたち! ぼやぼやしてないで先に行きなさい!」
上条「! でもお前たちが…」
ジョセフ「ここはわしたちが食い止める。DIOが何をたくらんでいるはわからんが、君ならその『右手』で打ち消せるはずじゃ!」
上条「…ジョースターさん…ありがとう、絶対に承太郎をつれて戻ってきます! 行くぞ一方通行!」
一方通行「指図してンじゃねェよ三下ァ!!」
ヴァニラ「行かせるか…!!」
ビシューーン
ヴァニラ「くっ!」
美琴「こっちのセリフよ…」
ジョセフ「お前の相手はわしらだ…お前が少年趣味だったらちと残念な状況じゃろうがの」
ヴァニラ「チッ…まあいい…どうせDIO様の元にはたどり着けん。ヤツに手柄を取られるのは不本意だがな…」
ジョセフ「…」ピクッ
101 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 01:10:54.09 ID:01xxIW0Z0
――上条・一方通行 移動中――
一方通行「やっ…やっと十階かよ…」ゼエゼエ
上条「…ハァ、ハァ…」
上条「…本当に大丈夫なんだろうか」
一方通行「あ゛? 置いてきちまったモンはしょうがねェだろォ」
上条「そうじゃなくて…本当に先に進みたかったのはジョースターさんじゃなかったのかな、って…」
一方通行「…。だーかーら、いちいち自分のやったこと後悔してンじゃねェよ。ンな隙だらけの精神じゃ即行ぶっつぶされちまうぞ」
上条「…もしかして、心配してくれてるのか?」
一方通行「は? ……はァァ〜〜? 足手まといはウザッてえってだけですけどォ?
どこをどうやってどうすりゃそンなおめでたい結論に行き着くんですかねェェ〜〜?
ハッ、まァ底辺でベロベロ傷舐めあってる三下にはお似合いの馴れ合い思考だがよォ〜〜」
上条「(…急に多弁になったな)」
一方通行「」ピタッ
上条「どうし……ッ!」
一方通行「どーやら…」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
一方通行「中ボス参上…ってやつかァ?」
承太郎「…」
承太郎「いや、テメーらはここで『詰み』だぜ」
102 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 01:20:00.32 ID:01xxIW0Z0
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
承太郎「言ったはずだ…上がってきたら容赦なくぶちのめすってな」
一方通行「ハッ、随分自信満々なことですねェ〜?…ッと」
上条「」スッ
上条「承太郎…ジョースターさんは下で戦ってるぞ…」
承太郎「…」
上条「何とも…ッ、思わねえのかよ…お前のために!お前の家族が戦ってるんだぞ!」
承太郎「…ピクリともこねえな」
上条「ッ…! 今のあんたを見て、ジョースターさんや家族が喜ぶと思ってるのか?」
承太郎「正しい道を進むためには、時には手を汚さなきゃならねえ…そういうことだ」
上条「…そうか。その言葉を聞いてホッとしたよ」
一方通行「?」
上条「お前は、人を傷つけたり殺したりすることを、まだ正当化してない…
きちんと悪いことだってわかってる…お前はまだ『ワル』じゃない…本当は優しいやつなんだ」
承太郎「…」
承太郎「…俺が一番ムカッ腹が立つのはな…そういう耳障り『だけ』はいい言葉なんだぜ…」
一方通行「! 下がれ、三下ァ!」
ドゴォォン
上条「…! 床がえぐれた!?」
一方通行「いや…あれの仕業だ…あいつの背後から出てきたあれの…!」
承太郎「苦悩と失望・現実を外れた理想を暗示する『星』のカード…」
承太郎「その名は『星の白金(スタープラチナ)』」ドンッ
上条「あれが承太郎の『スタンド』ッ…なんてスピードだ…動きがまったく見えなかった…!」
103 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 01:34:23.15 ID:01xxIW0Z0
承太郎「行くぜオイッ!」ドンッ
上条「(飛んだ!? いや、『スタンド』に床を殴らせ、その反動で一気に俺のところまで…!)」
承太郎「」グゥンッ
上条「ッ!」
承太郎「テメーの『右手』は厄介だ…間違って『スタープラチナ』で触れちまったらアウト…だから…」
ドゴォォッ
上条「ぐぅッ!」
承太郎「『生身』で殴る」
一方通行「三下ッ!」
カキィンッ
一方通行「!(今の一瞬で俺にも攻撃を…砕けた壁の破片を投げたか!だが問題なく反射した!)」
パッシィィァッ
一方通行「反射した破片を…受け止めただとォッ、アイツの『スタンド』が!」
承太郎「なるほど…自動反射ってやつか」
一方通行「チッ! だからどうだってンだよ肩幅広男がァァーーーッ!!」ゴオオオオッ
承太郎「『風』。風のベクトル操作…」
104 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 01:36:39.53 ID:01xxIW0Z0
一方通行「これでスピードもアップ! 攻撃範囲もアップゥ!! ついでにテメェの攻撃は全反射だ!
さァ〜〜てェ? 残念ながら絶望的戦況なわけだが、ご感想をどうぞ?」
承太郎「…」クイクイ
一方通行「…何だ何だよなンですかァ? そのスカした態度はァ…」
一方通行「自分の立場状況わかってンのかァコラァーーッ!」ドヒュゥゥンッ
上条「う…ぐ…、クソッ、あいつケンカ慣れしてる…拳は完全に正拳で、最後まで殴り抜いてきた…」
スタッ
承太郎「…」
上条「えっ」
一方通行「ッ! いつの間に三下の方にまで…!」
承太郎「風をまとわせた分、死角は増える…視力もそれほどでもなさそうだな。身体能力、テメーの弱点その1だ」
一方通行「クキッ」
承太郎「そしてその2」グイッ
上条「うわっ!?」
承太郎「反射不可能な『もの』がひとつだけ…あったぜ」
ビュンッ
上条「うおおおおおおっ!!?」
105 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 01:39:11.45 ID:01xxIW0Z0
一方通行「投げた!三下を!」
承太郎「こればっかりは『スタープラチナ』の力を借りなきゃできねえことだがな…ほれほれ、早くなんとかしねえと激突するぜ」
一方通行「(なンて威力!なンてスピードだァ)」
上条「(反射しようとする場合、一方通行は俺を抱きとめるような形になる…さっきのように! そうなると『右腕』に触れないようにするのは至難の業!)」
一方通行「(風を使って避ければ…三下はこのまま壁に激突! だが、反射するなら共倒れ…!)」
上条「(どっちがいいかなんて…わかるはずだぜ、一方通行…!)」
一方通行「〜〜〜ッ」バッ
上条「!?」
ドッゴォォォッ
ドシャァァァッ
一方通行「ガハッ!」
上条「一方通行ァァ!」
承太郎「…肋骨の5・6本もへし折れたか」
上条「馬鹿野郎!何で避けなかった!」
一方通行「…ば、カヤローはテメェだろーが……」
上条「!」
106 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 01:40:53.79 ID:01xxIW0Z0
一方通行「何、ボケたこと言ってンですかァ…あァ?
いいか……認めるのは、癪だけどよォ…ここから先を、進むべきはテメェの方なんだよ…。
テメェの『右手』しか…DIOのおっぱじめようとしてる、『実験』に対抗できるものは…ねェ…
…だからあのジジイもテメェを先に行かせたんだ……」
上条「…そんな」
一方通行「は…ハァァ〜? マジで気づいてなかったんですか、テメェは……ゲホッ」
上条「一方通行!」
一方通行「いいかァ…もう一度だけ言うぞ…俺が進んでも『意味ねェ』んだよ……自覚しろ、テメェの背負ってるモンを……」
上条「俺の…」グッ
上条「…」キッ
承太郎「いい目つきになったな、上条当麻」
上条「お前の目は死んだヒトデのままだけどな」ザッ
承太郎「近づいてくるのか…? 『スタープラチナ』にとっちゃ、テメーの拳なんてあくびが出るスピードだぜ」
上条「お前はこういいたいわけだ。『勝ち目なんかない』ってな…」
承太郎「そしてテメーはこう言いたげだ。『やれるもんならやってみろ』ってな…」
107 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 01:47:58.37 ID:01xxIW0Z0
上条「行くぞ承太郎ッ!!」ダッ
承太郎「来い…てめえの『右手』が俺を砕けるのならなッ…!」
上条「いや……『右手』は使わないッ!!」
ゴォォォォオオッッ
承太郎「なにッ、『左拳』!? そしてこの圧倒的風圧はッ…」
一方通行「ハァーッ、ハァーッ…!」ゴゴゴゴゴ
一方通行「ここから先は…ッ、一方通行だぜ…!」
上条「一方通行による風+拳のベクトル操作ッ! この相乗効果でお前の『スタープラチナ』を砕くッ!」
上条「(この拳は…俺の拳じゃあない。『俺を進めるため』一方通行が放つ拳だ! 『俺につなげるため』一方通行が繰り出す拳だッ!!)」
承太郎「…」キッ
上条「おおおおおおーーッ!!」
承太郎「オラァアーーッッッ!!」
ドゴォォォォンッ
承太郎「…」
上条「…」
一方通行「…ハァ、ハァ…」ガクッ
上条「ぐっ!?」ブシュー
108 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 01:50:38.34 ID:01xxIW0Z0
上条「(拳が裂けた!?)」
上条「うっ…まだだぁーーッ!!」ドゴォッ
承太郎「…」
上条「(よけない!? いや…当たっても、ビクとも…しない…)」
承太郎「……痛ェな…だが…全然響かねえ…」
承太郎「オラァッ!」ドゴォッ
上条「ぐふっ! …あ、…が……」
上条「くっ…そ、じょ…たろ……!」ガシッ
承太郎「…」
上条「ジョースター、さんと…っくそ、く、した……俺はっ……」
上条「(なんだ…体に力が入らない……)」ズルズル…
ドサッ
109 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 01:52:46.93 ID:01xxIW0Z0
キリがいいので今夜はこの辺で…やっぱり終わらなかったよ オロローン
次回はリベンジとDIO編…までいけるかな?
110 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2011/10/04(火) 01:55:16.56 ID:oXJMysw3o
こりゃあ・・・・乙って奴ッスかねぇ〜〜
111 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/10/04(火) 02:07:04.08 ID:9+JQgQaAO
乙!言わずにはいられないッ!
112 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/10/04(火) 18:45:18.89 ID:+IpBU92+0
ンドゥールさん原作やアニメで数十リットル以上の水を操ってますぜ
ヴァニラさん亜空間にいる間は外見えませんぜ
「にゃあ」はフレメアで土御門は「にゃー」
上条が御坂の事をビリビリと呼んでいたのは記憶喪失前
ゲブ神とか物質と混ざったスタンドは一般人でも見れるけどスタンド使い以外はスタンド見えんよ?
作者は両方未読?
113 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中国地方)
[sage]:2011/10/04(火) 18:58:33.53 ID:3OFPd/rW0
乙!
そういや、DIO側に星を暗示するスタンド使いがいなかったのは何でだろうな
114 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 20:03:26.34 ID:01xxIW0Z0
>>112
一応超能力者も波長があって見えるという設定…
ヴァニラさんは口の間からチラ見してました
しかし…そうだったんか…恥ずかしい。
禁書はアニメオンリー。ジョジョは漫画と小説だけ
やっぱ全部目を通しとかんと粗が出るよな…
まあ、ここだけのオリジ設定って事でひとつ
土御門さんだけは気をつけます
115 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 20:10:44.18 ID:01xxIW0Z0
見返してみたら確かにンドゥールさん車撒きこむ時の水1Lや2Lじゃあねえな…
とりあえず進めていきますー
116 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 20:14:53.60 ID:01xxIW0Z0
承太郎「…」
上条「…」
承太郎「……上条当麻」
承太郎「…」
承太郎「…チッ、切らしてたか」グシャッ
DIO「『困ったときにタバコを吸う癖』…なかなか直らんなぁ」
承太郎「! …DIO」
DIO「センチになるなよ、承太郎」
承太郎「…何が言いたい」
DIO「承太郎…お前はこのDIOの友になりたいか? 同じ道を歩みたいと思っているか?」
承太郎「…そうじゃあなきゃ、あんたのとこにはいないぜ」
DIO「そうかそうか。で、ここからが問題なのだが…このDIOが友に欲するもの、それは『信頼』、それひとつだ」
DIO「ではそれを勝ち取るには何が必要か?
揺るぎない忠誠心?違う。盲目的なまでの信仰心?これも違う。…『力』だ」
承太郎「…」
DIO「もちろんこのDIOに勝る力など存在せぬが…私の言いたいのはそーいうものではない。
精神の力、自分の心を貫く『力(パワー)』よ! 『力』ある者に私は尊敬の念を抱く…
が、果たして我が百年に及ぶ生涯のうちにこのDIOの『友』と呼べる存在はたったひとりしかいなかった」
DIO「…承太郎、お前では『ない』ぞ……この意味が分かるな?」
承太郎「…ああ。俺は(忌々しいことだが)テメーに試されてるってワケだ」
DIO「その少年に心惑わされ決断できぬと言うならそれでいい…私が始末すれば済むことだ。もっとも、失った『信頼』は取り戻せないがね」
承太郎「…」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
117 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 20:17:16.65 ID:01xxIW0Z0
承太郎「…ひとつ、聞きたい。こいつは『本当に』俺たちの『運命』に害ある者なのか?」
DIO「フム?」
承太郎「俺にはそうは思えねえ…こんな弱い奴らが俺たちの『運命』を左右するとは、どうしても思えねえ。
もし違ったとしたら、DIO、『俺は弱者をテメー都合でぶっ殺しちまったことになる』。
他でもねえ、俺が信頼する自分のスタンドでな…」
DIO「ほーお? それで、何が言いたいのだ?」
承太郎「オラァ!」パリーン
DIO「窓を…」
承太郎「こいつを…」グイッ
承太郎「ここから『落とす』」
上条「う…(何だ…?俺、気絶してたのか…?)」
承太郎「『もし』こいつが俺たちの『運命』に立ち向かう力があるなら、もう一度こいつはここに戻ってくるだろう。
違ったら落ちて死ぬか…運がよくて病院送りになってスゴスゴ逃げ帰るだけだ。
(死んでも俺の『友』のスタンドがやるんじゃあなければ問題はない)」
DIO「承太郎…お前は決断するのを恐怖しているんじゃあなかろうな」
承太郎「してるぜ。『テメーだって万能じゃあねえ。人違いだったらえらいこった』ってな」
DIO「…フンッ、よかろう。だが次にこいつが現れたとき、貴様は…」
承太郎「ああ。『殺す』」パッ
上条「(あれ…なんだ? 承太郎がどんどん小さく…って、え? え?)」
上条「うおおおおお!? 不幸だぁぁーーー!!」ヒュー
DIO「…」
承太郎「…やれやれだぜ」
118 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 20:29:50.61 ID:01xxIW0Z0
上条「(不幸だ)ぁあああああああ!!」ヒュー
上条「(こんな高さから落ちたら間違いなく即死だな……上条さんの奇妙な冒険もこれでおしまいか…思えば不幸な人生だった…
彼女とか作って、かわいい幼馴染とかとフラグ作って、エロゲみたいなウハウハ学園生活を送りたかった…それだけが心残りだ…)」
上条「(瞼を閉じればみんなの顔が見える……あ、インデックスのメシ作ってやるの忘れてた…)」
上条「(グッバイみんな…)」
上条「…ってこんなところでリタイヤできるかぁぁーー!!」パチッ
美琴「…!」ヒュー
上条「…?」ヒュー
上条「(あ、ありのまま今起こったことを話すぜ…『俺は目を開けたら御坂美琴と一緒に落下していた』…な、なにをry)」
黒子「おぉねぇええさまぁぁあぁーー!!!」
シュンッ シュンッ シュンッ
上条「(白井がテレポートしながら落ちてくる!?)ドラゴンボールでこんなの見たことある!」
美琴「バカ言ってないで手を出しなさい!!」
上条「え、あっ…!」
ガシッ
黒子「おねえさまぁぁーーー!!!」
美琴「黒子ぉ!!」ガシッ
シュンッ
119 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/10/04(火) 20:32:59.60 ID:+IpBU92+0
上条は右手のせいでテレポートできないからな?
120 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 20:53:45.62 ID:01xxIW0Z0
〜〜〜時間軸は戻って上条が去った後の一階ホール〜〜〜
ヴァニラ「まず貴様らだ…そしてあの2人も死体すら残さず暗黒空間にばら撒いてくれる!」シュンッ
美琴「うっ! また別空間に…」
ジョセフ「白井くんの傍を離れるな! 奴は冷静かつ残虐!おそらく弱っている白井くんを狙ってくる!」
美琴「はい!」バッ
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
美琴「(気配はない…けれど部屋中に充満するこの殺気……)」
ジョセフ「(一瞬でも気を抜けば確実にやられる…!)」
ガオンッ
ジョセ琴「!!」
美琴「て、天井…?」
ガオンッガオンガオン…ォン…ォン…
美琴「どういうつもり…? 二階、三階と…どんどん天井に穴を開けていく…」
ジョセフ「ハッ! しまったヤツめ…まさか…」
…ォン…ォン…オンガオンガオンッ!!
ジョセフ「上から攻撃する気じゃぁぁーー!!」
美琴「(しまった…! やつは『私達が警戒して黒子の傍を動かない』と見越していた…!)」
121 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 20:57:21.44 ID:01xxIW0Z0
>>119
ありがとう…わかってる…さすがにわかってるよ…
122 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 21:02:40.84 ID:01xxIW0Z0
ジョセフ「すぐにここを移動するんじゃ!」
美琴「でも黒子が!」
ジョセフ「くっ…!」
ジョセフ「『ハーミットパープル』!!」ビシュッ
ジョセフ「つかまれ御坂くん!ヤツは『モノを消した』感覚を頼りに移動しておるから、『同じ穴を通って降りてはこない』!(多分)」
ジョセフ「このまま『ハーミット』を巻き上げて上階まで行く!」
美琴「私より先に黒子を…!」
ガオンッガオンッガオンッ
ジョセフ「いや! もう間に合わん! 支えられるかは微妙じゃが三人一緒に引き上げる!」ガシッ
ギュルルルッ
ガオンッ
ヴァニラ「…」スタッ
ヴァニラ「チッ…勘付いたか」
ヴァニラ「行きがけに上条どもと鉢合わせできたらと思ってこんな戦法に出たが…裏目に出たな…」
ヴァニラ「このまま逃げられるわけにはいかん…」シュンッ
123 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 21:20:16.05 ID:01xxIW0Z0
ブチーンッ
ドサッ
美琴「い、いたた…」
ジョセフ「OH MY GOD…!やっぱり無理があったか」
美琴「(ハッ)黒子は!?」
ジョセフ「心配はない…無事じゃよ」
黒子「う…」
美琴「ハァ…ったく、世話やかすんだから…」
ジョセフ「ここは五階か…もーこのままあいつは無視してDIOのところにいっちまうかのー。わしあーゆータイプ苦手じゃ」
美琴「行くならジョースターさん一人で行ってください」
ジョセフ「!」
美琴「あいつは…黒子を…私の後輩を傷つけた! その落とし前はつけてやるんだから…!絶対に!」
ジョセフ「……じょ…ジョーダン、ジョーダン! ジョークじゃよォ〜ん! もォ〜みんなシリアスで困っちまうワイ」
美琴「…」
ジョセフ「ま、冗談は本当に抜きにして……気持ちはわかるが、そう怒りなさんな。熱くなっては、いい策は思い浮かばんぞ」
美琴「策なんかなくったって…!」
ジョセフ「それがいかん。確かに君の『レールガン』は強力だが…相手は亜空間へ逃げ込むことができる。どんな強い技も、当たらなければ意味がない」
ジョセフ「ここで考えるべきなのは。『どうやってヤツにぶちかますか』。それだけじゃ。そのための策じゃ」
美琴「…」
124 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 21:32:18.23 ID:01xxIW0Z0
ガオンッ
美琴「…来たわね」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
ヴァニラ「…」ヌッ
ヴァニラ「ジョセフは…見当たらんな……まさか貴様一人置いて先に行ったとは思えんが…」
美琴「」ビリビリビリッ
ヴァニラ「まあいい…まずは貴様から始末してくれる…!」
美琴「くらいなさい…!! 出力最大の『レールガン』をーーッッ!!」
ヴァニラ「フンッ」シュンッ
ビシュゥゥゥーーンッ
ガリガリガリガリガリッ
美琴「これが手よ…! 磁場を操ることによって!この『レールガン』は壁に沿って動くことができる!」
美琴「そしてあんたが顔を見せた瞬間…」
ヴァニラ「!」ヌッ
美琴「兆弾し撃墜する! くらいなさい!私の『レールガン』を!」
ヴァニラ「この程度ッ!」
ガオンッ
美琴「なっ…!」
ヴァニラ「この程度…『クリーム』の力で砕けぬと思っていたか…!」
ジョセフ「まだじゃァーー!!」バシュンッ
125 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 21:35:30.58 ID:01xxIW0Z0
ヴァニラ「ジョセフ・ジョースター…! 御坂美琴はこの不意打ちのためのおとりに過ぎなかったということか…!」
ジョセフ「『ハーミット…』」
ヴァニラ「だが下らんッ!」バシュッ
ジョセフ「オーノー!『ハーミット』が千切れたァー!」
ヴァニラ「貴様ごとき…」
ジョセフ「次の貴様のセリフは『貴様ごときの貧弱なスタンドが通用するか!』じゃ」
ヴァニラ「の貧弱な…ハッ!?」
バァァーーンッ
ヴァニラ「これは…!」
ジョセフ「『ハーミット・パープル・AND・波紋』の結界! まんまとかかったな!」
ヴァニラ「ばかな…! 一体いつの間に張り巡らせて…」
ヴァニラ「ハッ! 『レールガン』の軌道に沿って『ハーミットパープル』が…まさか!」
美琴「そう。私の『レールガン』はジョースターさんが結界を作るための目くらまし!」
ジョセフ「たしかにわしのは貧弱な『スタンド』じゃが、その貧弱さのおかげで気づかれなかったようじゃな」
ヴァニラ「ぐぬぬ…!」
ジョセフ「これで終わりじゃ、『オーバードライ…』」
ヴァニラ「まだだァーーッ!!」
ドンッ
126 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 21:40:23.71 ID:01xxIW0Z0
ジョセフ「OH MY GODッ!?」
美琴「『スタンド』の口からヤツがロケットのように飛び出してきた!?」
ジョセフ「そ、そうか…捕まえていたのはあくまで『スタンド』! 口の中にいた本体はまだ自由…」
ヴァニラ「そしてェェ!!」
ジョセフ「うっ!?」
美琴「ジョースターさん!」
ヴァニラ「どうやら捕まったのは貴様だな…ジョセフ・ジョースター…」ギリギリ
ジョセフ「う、うかつ…じゃった…」
ヴァニラ「ハァーッ、ハァーッ……私自身も消耗が激しい……このまま貴様の首をひねくってお終いにしてやる」
ジョセフ「ぐっ…う…」メキメキ
美琴「ジョースターさん!」バッ
ヴァニラ「『レールガン』か…撃ってみろ、小娘。
たとえジョースターもろとも腹を撃ち抜かれようと、このヴァニラ・アイス…貴様らを殺すまでは絶対に倒れんッ!」
美琴「くっ…!」
美琴「(力じゃない…真に恐ろしいのはこいつの『執念』! なにがなんでも『やってやる』という意志の強さ…!)」
127 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 22:09:09.59 ID:01xxIW0Z0
ジョセフ「フ、フフフ…」
ヴァニラ「! 貴様何を笑っている…!」
ジョセフ「こーゆー時の笑いはの…勝利の笑みってのがセオリーなんじゃよ…昔っからな」
ヴァニラ「何…!?」ガクンッ
ヴァニラ「手から…力が抜ける…これは…!?」
ジョセフ「体内電気を狂わせる! 『波紋』にはこーゆー使い方もあるんじゃよォ〜ん!」
ジョセフ「(正直できるかは微妙だったけどここは『計画通り』って顔をしてやるワイ!)」
ヴァニラ「こ…の…!」
ヴァニラ「ならば蹴り殺してくれるド畜生がァァーーーッ!!」ドゴォッ
ジョセフ「ごふっ!」
美琴「ジョースターさん!」
ジョセフ「や、やっぱり…チョーシ乗るといいことはないの…」
ヴァニラ「このままッ!首の骨へし折ってくれる老いぼれェェーー!!」
美琴「うあああああーーッ!!」ドンッ
128 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 22:11:30.93 ID:01xxIW0Z0
ヴァニラ「!?」
ジョセフ「体当たり!? …いや、彼女、自分自身を『レールガン』の弾にしたのか!」
ドゴォォンッ
ヴァニラ「ぐっ!」
美琴「ううぅっ…!」
ザリザリザリザリザリザリ
ヴァニラ「(この圧倒的パワー! 踏ん張れない…!)」
ヴァニラ「こ、この程度で…この私が死ぬと…」
美琴「ぶちぬけぇーーー!!」
バゴンッ
ヴァニラ「(何ッ…壁を、突き抜けて…)しまったァァ!!」
ジョセフ「まさか御坂くん!?」
ヴァニラ「私もろとも落下して死ぬつもりか!小娘!」
美琴「そうでもしなきゃ…あんたの『執念』には勝てないわ…!!」
ヴァニラ「お、おのれェェーーッ!!」
ジョセフ「御坂くん!」
黒子「」カッ
黒子「お…おね、さま…」
ジョセフ「白井くん、目を覚まして…」
黒子「お姉さまーー!」ダッ
129 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 22:15:25.29 ID:01xxIW0Z0
ヴァニラ「離れろ小娘ェ!」
美琴「当たり前よ! せいぜい離れたところで死にましょう!」パッ
ヴァニラ「(ぐうっ…! 死ぬだと? 私が…DIOさまから安心を約束してもらった私がッ!
だ、だが、この高さ…五階とはいえ頭からいけばあるいは…死……死!)」
ヴァニラ「(どうすれば! 『スタンド』はまだ結界に捕らわれている! どうすれば!一体どうすれば…!)」
ヴァニラ「あ…」
ド ド ド ド ド ド ド ド ド
DIO「…」
ヴァニラ「DIOさま…」
DIO「…」
ヴァニラ「DIOさま……DIOさまァァーーーッッ!!!」
130 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 22:20:14.53 ID:01xxIW0Z0
美琴「(こんな高さから落ちたら間違いなく即死ね…御坂美琴の奇妙な冒険もこれでおしまい、か…)」
美琴「(瞼を閉じればry)」
美琴「(最後に『あいつ』…会いたかったなあ…)」パチッ
上条「…ってこんなところでリタイヤできるかぁぁーー!!」
美琴「…!」ヒュー
上条「…?」ヒュー
美琴「(あ…ありのままry)」
黒子「おぉねぇええさまぁぁあぁーー!!!」
ガシッ
シュンッ
ドサッ
居残り組「…!!?」
美琴「ッ…」
黒子「ううっ…」
ドジャァッ
美琴「!」
ヴァニラ「」ガクッ
美琴「…ハァ、ハァ…」
美琴「勝った…!」
美琴「ってアレ?」
131 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 22:22:29.98 ID:01xxIW0Z0
上条「」ヒュー
上条「…」ダラダラ
上条「うおおおおお!!! 右手ええええええ!!てめえがこんなに恨めしかったことはないぜええええ!!」ヒュー
上条「おかしいよ絶対あそこで助かってるところでしょうって!!」
上条「さよなら希望!」
シュルシュルシュルシュル
ガッ
上条「!」
ジョセフ「『ハーミットパープル』…なんとか、間に合ったようじゃな…」
上条「た…助かっ、た…」ガクッ
上条当麻――生存ッ! 依然変わりなくッ!
(現在、逆戻りして三沢塾入り口前…)
TO BE CONTINUED....
132 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 23:02:32.30 ID:01xxIW0Z0
『イイ子で待ってろ』とあの人は言った。
待ってたら帰ってきてくれると。おいしいものを何でも買ってくれると。
でもなぜだか胸の奥のほうがザワザワする。
このまま、優しい言葉だけ残してあの人は――その面影すら残さず消えてしまうのではないかと。
今までなかった、そんな不安が胸をかき乱す。
いいや、きっとずっと前から持っていた不安なんだ。
表面張力ギリギリのコップみたいに、危ういところで表に出なかった不安。
それがあふれ出てしまった。
上条「本当に…すまない」
打ち止め「…頭を下げられても困るだけだよ、とミサカはミサカはつぶやいてみたり…」
美琴「一方通行がやられるなんて…ジョースターさんの孫はどれだけ化け物なのよ…」
上条「御坂!」
美琴「! すいません…」
ジョセフ「いや、かまわんよ…」
ジョセフ「一方通行くんは…おそらく殺されてはおらんじゃろう」
ジョセフ「DIOは邪魔者を確実に排除しようとしておる。上条君らと、『ジョースターの血筋』を…」
御坂妹「一方通行は、格好の『エサ』というわけですね。とミサカは確認します」
打ち止め「…〜〜ミサカは…」
上条「打ち止め…」
上条「俺が言えた義理じゃないかもしれないけど…いや! 俺の責任だからこそ一方通行は俺が助け出す、絶対に…!」
上条「だから…」
上条「『信じて、待っていてくれ』」
打ち止め「…!」
133 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 23:05:35.58 ID:01xxIW0Z0
打ち止め「(どうしよう、行っちゃう…)」
打ち止め「(彼も、あの人と同じように…いなくなっちゃう、きっと、とミサカはミサカは…!)」
御坂妹「くい、くいくい…とミサカは上位個体の袖を引っ張って注意を促します」
打ち止め「?」
御坂妹「どうやら…考えていることは一緒のようですね。とミサカは既にネットワークで取得した情報の確認をあえて行います」
打ち止め「え…?」
御坂妹「おそらくあの非常階段口からこっそり入れるはずです、とミサカはサブマシンガンをカバンから出しつつ助言します」
打ち止め「…!」
打ち止め「そっか…とミサカはミサカは目から鱗…」
打ち止め「待ってるだけがミサカじゃない!迎えに行かなきゃ!とミサカはミサカはハンドガンを両手に勇ましく言ってみたり!」ジャッキンッ
禁書「…黙ってみてるのがいいんだろーね」
イギー「イギ…」
禁書「で、どこ行くの?」
土御門「」ギクッ
土御門「あーちょっと野暮用が…」
禁書「ひ…ひとりで居残り…孤独だよぉ…」
イギー「」ペロペロ
禁書「イギーー!!」ヒシッ
上条一行――正面から再突入!
打ち止め・御坂妹――裏口から進入!
承太郎「やはり…来るか」
承太郎「上条当麻…」
134 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 23:09:01.30 ID:01xxIW0Z0
空条承太郎は感情をあまり表に出さない。
自分の喜怒哀楽は誰の目にも明らかだと思っているし、わからないヤツはわからないままでいいと思っているからである。
ゆえに他人は彼のことを、無関心で悪ぶった、クールなヤツだと誤解してしまう。
同じく悪ぶった奴らに目をつけられるのも当然の摂理で、
幸い自己防衛はできるほうだったので、そう酷いことにはならなかったが、彼の周囲から人が減っていくのは止めようがなかった。
彼はそういった人間を『相手をするに値しない』として切り捨てるので、彼はますます孤立していった。
母親「あの子は本当はやさしいって信じてるのよ。でもなんだって喧嘩したりするのかしら……やっぱり反抗期とか、そういうやつかしら……?」
そんな彼も、立ち聞きしたこれにはショックを受けた。
そして何で自分がこんなにショックを受けるのか、よくわからないまま家を飛び出し――。
考えに耽る顔がよっぽど険しくなっていたらしく、すぐ「何ガンつけとんじゃコラァ」と絡まれた。
そこで彼は合点した。
知ってしまったからだ。母親も、目の前の彼らと同様、自分を『ワル』と見なしていることに。
そして自分がそういう人間を積極的に切り捨てていたことに。
今、自分は母親を切り捨てようとしていて、それに戸惑っているのだと。
そこで初めて、承太郎は『独り』なことを自覚した。
雑念が入ると喧嘩っていうのは上手くいかない。
そもそも二十対一という時点で、もはや喧嘩ではなく一方的なリンチだ。
さしもの承太郎も膝をつき、絶望的な気分になったそのとき――。
こちらの顔面向けてバットを振りかぶったヤツの腕がひしゃげた。
その隣のヤツの頬骨がへこんで鼻が引きちぎれた。
おどろき慌てるやつらが、前から一人ずつ吹っ飛んでいく。ぐしゃぐしゃになって吹っ飛ばされていく。
何かわからないものの乱入に、その場は恐慌状態となった。
承太郎だけには、その正体が見えた。
たくましい筋肉質な肉体に、ゲームで見る戦士のような服。青い影を揺らめかせて立っている。
あちらが透けて見えるほど薄ぼんやりとしているが、どうも笑っているらしい。
こっちを向いた。やはり笑ってる。目が合った。人ではない。
承太郎はその時――大きな声では言えないが――生まれて初めて金玉が縮むほどビビりあがった。
駆けつけた警察は凄惨たる不良の山に驚き立ち竦み、
承太郎の説明を聞いて、ひどく彼を罵った。
それならそれでよかろう。
今も自分の背後でテメーを睨んでいるこいつが見えないなら、話すだけ無駄だ。
と、思った瞬間警官に拳を叩き込んだそいつを見て、承太郎はちょっと危機感を覚えた。
留置所でやくざが自分に「よお」とあざけり笑いを浮かべただけで大暴れしだしたのを見て、ちょっとどころではない危機感を覚えた。
こいつは悪霊に近い守護霊だ。
そのうち、俺が片眉をピクリとさせただけで人を殺しにかかっちまうかもしれねえ。
自分は危険だ。隔離する必要がある。
かくして、承太郎は自ら監獄にこもることに決めた。
『悪霊』は自分のためにせっせと物を持ってきてくれるから生活する分に困ることはなかったが、
警官も同房だったやつらも自分を気味悪がって近づこうしない。
母親は、結局面会に来なかった。
その事実を確認するにつけ、承太郎は奇妙な感覚に身悶えた。それというのは寂しさだった。
結局承太郎も、年相応に孤独と不安を抱え込んだいっぱしの高校生に過ぎなかったのである。
皮肉なことに、そんな彼の傍にいてくれるのは『悪霊』しかいなかった。
そうして矛盾にもなれたとき、承太郎は『悪霊』に『信頼』を覚え始めたのである。
135 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 23:21:04.00 ID:01xxIW0Z0
それから三日ほど経ったある日――忘れもしない満月の夜で、その日悪霊はアレックスのマウンテンバイクを持ってきた――のこと。
承太郎がふと目を向けると、男が檻の向こうに音もなく立っていた。
面会の話がなかったことを疑問に思う前に、匂い立つような色気に気後れする前に、奇妙な懐かしさが彼を襲った。
「『君は……』」
彼が何か言う前に、男が口を開いた。
「『他の人間にはない、何か奇妙な能力を持っているらしいね……』」
「『ひとつ、それを私に見せてくれると、嬉しいのだが』」
鳥肌が立った。
それに反応した『悪霊』が男に襲い掛かる。
瞬間、承太郎は目を剥いた。
目の前の男の傍に、自分の『悪霊』と似たような姿のものが立っていたからである。
信じられないことに、『悪霊』は押し負けたらしい。再び拳が繰り出されるが、逆に手首を打たれていなされる。
同時に、右手に痺れが走って承太郎は眉をしかめた。
「フム……やはり私たちと同じのようだ」
『私たち』と今言ったのか。
ドクリと鼓動が早まった。どうやら、『悪霊』持ちは世界で俺一人だけではないらしい。
「テメー『悪霊』を知ってるのか? なぜ俺の前に現れた」
「質問はひとつずつ、だ。承太郎」
「……なぜ俺の名前を知ってる?」
男は口角を引き上げて、尖った歯をむき出しにした。
一瞬遅れて、微笑まれたのだと知る。
「テメー、何を知ってる」
教えろ、と詰め寄るまでもなく男は勝手に語り始めた。
136 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 23:29:05.48 ID:01xxIW0Z0
「これは精神の力……魂のビジョンだ」
「誰でも持ってるというわけではない……君や、私のような『特別』で『選ばれた』人間だけが持つ能力なのだよ」
「『スタンド』……と名づけたのだがね」
男の言葉はするすると頭に入って脳深くまでしみこんでいった。
「『スタンド』?」
復唱すると、男は鷹揚にうなずいた。
「その『特別』な人間の中で……君は特に興味深い」
「俺が?」
「そう、私は君のような人間を探していたんだ」
「どういう……」
ことだ、と言う前に、鉄格子の隙間から白い手が差し出された。
「人間の世界とは狭量だ……異質な者は『独り』になるしかない」
「君の気持ちがわかる、などと思い上がった友情の押し付けはしないよ。ただ、君には悩みがある、不安がある。違うかい?」
「そして君の悩みを聞いてくれる人間は君の世界にはいない。言ったってわからないからだ。『スタンド』が見えないのだから」
「なら私と友達にならないか? 承太郎……もっと違う世界を見に行こうじゃあないか……」
「興味があるならこの手をとれ。嫌なら一生ここに閉じこもってるがいい」
承太郎はまじまじと男の手を見た。
男の言葉は的確だった。承太郎は、ずっとこの言葉を待っていたのだ。
だが……的確すぎて逆に怪しい、と思う冷静さもまだ彼にはあった。
この手をとったが最後、一気に暗いところまで引きずり込まれてしまいそうだ。
「質問に答えやがれ。テメーは何で俺の前に現れた?」
男は含み笑いした。
「とある筋から君の噂を聞いてね……思ったのだよ、君と私は同じだと」
「誰が悪いわけでもない、持って生まれた『サガ』のために君は今とてもつらい思いをしている……」
「私もそうなのだ。己の『サガ』のために苦しみを抱えている」
承太郎はここで初めて気づいたのだが――男の声はひどく優しいものだった。
同情的で、気づけば心の隙間に忍び込んでくるような危険な甘さがある。
頭を振ってそれを拭い去る。冷静な判断をしろと言い聞かせる。
137 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/04(火) 23:33:45.67 ID:01xxIW0Z0
「私は君の理解者になりたいんだ。孤独というのはつらいものだろう?」
その努力も、この言葉に吹き飛ばされた。
「……テメー、今俺が『独り』は嫌いなんだと言ったのか」
「見当違いだったかい? なら謝るが……」
「いや……俺が驚いてるのは、そんな簡単なことに今まで気づかなかった自分に対してだぜ……」
脈有りと見たか、男が身を乗り出してくる。格子に白い指がかかる。
「なあ承太郎……君の世界の人間は、君の欲しいものをくれるのかね? そう信じた結果がこれか?」
「こんな薄暗い監獄に幼い君を閉じ込めて……それを、『君がそう望んだから』『君が「ワル」だから』と正当化する。それが君の世界の人間なのかね?」
「『幼い』?」
承太郎は思わず失笑した。
「そうだろう。君はたったの17歳だ」
男は真顔で答えた。
「私は君の理解者になりたいと言ったが……それは君を守りたいと思うからだ。カワイソウな子供だと思うからだ」
「誰もそんなことは望んじゃあいねえ」
「そう思わされているだけだよ。君を『悪ぶった、クールな人間』にしたいと思っている奴らの刷り込みだよ」
「……テメーの言葉が刷り込みじゃあないという保証は?」
「君は実に賢い子だ」
男は格子をなぞって考えるそぶりを見せた。その指の動きだけで心が侵されてしまいそうだった。
「保証か……そうだね、ひとつだけ、私が君を理解しているという証拠ならある」
「私は君が悩んでいるということに『気づいた』。それは君への理解にならないかね?」
「母親さえ、君の孤独に気づいてくれなかったんだろう?」
瞬間、承太郎は立ち上がっていた。
それから頭に残るさまざまな母親を思い出した。
横顔、うつむき顔、笑顔、泣き笑い、怪我をして帰った時の驚いた顔……電話をかける、困った笑顔。
どれも自分を見ていない。
私の世界に来ないか、と男の声が囁いた。
一センチ足らずまで距離を詰めて男の目を睨みつける。
男の真っ赤な目は悠然とそれを受け止めた。
「あんたの名は?」
「ようやく私のことを聞いてくれたね」
DIO、と聞かされた名を復唱する。
その手は生きた人間の温度ではなかったが、その瞬間、承太郎は生まれて初めて、他人に心を委ねる心地よさを知った。
138 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(大阪府)
[sage]:2011/10/04(火) 23:56:12.35 ID:+IpBU92+0
VIPの方も見させてもらったけどスタンドとか設定を無視してない?
案外人気があってワルなのを自覚してるけどそれを気にしてない承太郎とか
クリームは口の中が亜空間でヴァニラinすると球体にならないとガオンできずチラ見無理とか
DIOは友として「運命と向き合う覚悟」があるプッチを尊敬してるけど、狂信者のヴァニラも死ぬには惜しい(アニメ漫画)とかポルナレフの不意打ちに驚いたり(アニメ)ヴァニラのことを信頼してるし
ここはVIPと違いすぐには落ちないから原作片手にゆっくり書いても大丈夫よ?
139 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/05(水) 00:09:58.14 ID:iRnG0P050
承太郎「…」シュボッ
承太郎「…『ラッキー』だな…。なくなったと思ったら…一本だけ残ってた」
承太郎「…」フーッ
承太郎「…タバコを吸うと落ち着くんだ。酒も好きだ。特にビールを飲むと落ち着く」
承太郎「なぜかはわからねえが、俺はピーマンやらにんじんやら、そういう苦いものが昔っから好きなんだ」
承太郎「DIOに言わせれば、それは俺が不安がってるからなんだと」
承太郎「何に対しての不安だ? どこから生まれる不安だ?」
承太郎「…それはな、俺の足が宙に浮いちまうかもしれねえ、という不安だ。この世には俺をつなぎとめているものなんかないんじゃねえかという不安だ」
承太郎「『切れない絆』とか『無償の愛』なんてものはないんだと知ってしまう不安だ」
承太郎「…お前にそういう不安はないのか? 上条当麻」
上条「…!」
ジョセフ「…」
美琴「…!」
ド ド ド ド ド ド ド ド
140 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/05(水) 00:37:59.55 ID:iRnG0P050
>>138
君…ジョジョ好きなんだね…相当…そういう人に見てもらえると嬉しいよ
ネタばれっていうのもおこがましいけれど、このSSはあくまで自分の「脳内解釈」で書いてます
クリームはあれ、どのへんのシーンを言ってるのかわからないんで答えられないけれど。アイスさんはほぼ勘と、クリームが顔見せた時のチラ見で位置関係を把握しています
うん、言わなきゃわからないのは物書きとしてダメだよね。すいません
承太郎は(ダークブルームーンの回の表紙設定で)「言わなくてもわかってくれるよね」的性格なことに衝撃を受けたことに始まり
外見と性格でレッテル貼りされてるのをクールに決めつつ、実は年相応に気にしてたらどーなるんだろー
その上スタンド発現とかして精神不安定な時にDIOさまに勧誘されたらどーなるんだろー
的な「原作にない」キャラの内面を妄想した結果がこれです。受け止めて…あげてください
DIO様はジャックとポーンならジャックを大切にするよね的な意味でヴァニラに「惜しい」と言ったんだと思ってるし、六部は別人過ぎる上回想なのでプッチのフィルターがかかってると思ってる。
まあ、超解釈をうまく消化できない自分が悪いんだけれど…
あと別にあせってはいないよ!
むしろまったりしているほうさ!
141 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/05(水) 00:49:06.30 ID:iRnG0P050
承太郎「…入ったらどうだ」
上条「」スッ…
バッタァァーーンッ
上条「なっ…」
ジョセフ「何!? 承太郎、承太郎!!」ドンドン
美琴「ちょっと! なんのつもり!?開けなさいよ!!」
上条「くそ! お前なんで二人を閉め出したりなんか…!」ガチャガチャ
承太郎「わからねえか? テメーとサシで話をしたかったからだ」
ジョセフ「上条くん!!」ドンドン
上条「俺は…大丈夫です…」
上条「承太郎…」
142 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/05(水) 00:52:49.74 ID:iRnG0P050
承太郎「さっきは小難しく言っちまったが……要は『家族』だの何だのの価値が、俺にはわからなくなっちまったってことだ」
承太郎「『お母さんを大事にしましょう』『お父さんは尊敬しましょう』…これは決して押し付けじゃあねえ」
承太郎「当たり前のことだ。親を好きでいるのは、人として当たり前だ」
承太郎「だが、俺はその当たり前が理解できなかった…頭じゃ理解してても、心はどうにも響かなかった…」
承太郎「…」
承太郎「なら『家族より価値ある者』を求めるのは『当たり前』じゃあねえか? DIOがそれだった」
承太郎「あのヤロウに言わせると――家族を『好きじゃないといけない』なんてことはないらしい」
承太郎「『大切かどうか、決めるのはお前だ』と言ってくれた」
承太郎「俺は『家族』という幻想から解放されたんだ。そこんところが、俺の思う『恩』なんだぜ。
もう一度聞くが、お前にそんな不安はないのか?」
143 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/05(水) 01:00:12.40 ID:iRnG0P050
上条「…っざけんな」
承太郎「…」
上条「ふざけんなよ! 空条承太郎!!」
上条「『価値がわからない』?『家族は幻想』だと? そうじゃねえだろうが!
人の価値をテメー都合で決めてんじゃねえよ! そんなのは傲慢だ!」
承太郎「じゃあ聞くが、テメーの頭の中以外で、どうやって他人の価値を計る?」
上条「簡単だ、人と触れ合うんだ…コミュニケーションをとりゃいいんだよ!」
上条「お前は…お前は今まで家族ときちんと話し合ったことがあるのか!? ジョースターさんの時だって…DIOの陰に隠れてばかりで、自分は何も言わないで…!」
上条「言っとくけどお前、すっげえかっこ悪かったぜ」
承太郎「…」
上条「俺にはお前の気持ちはわからない…けど!これだけは言える!
『愛』や『絆』っていうのは誰かに与えられるものじゃない、人と人とで作っていくものなんだ!」
上条「…人とぶつかり合うのは誰だって嫌さ、怖いに決まってる…でも、それを乗り越えてこそ大切な人たちになるんだろ!?
分かり合えるから嬉しいんじゃねえか! おまえは、分かり合おうって努力を少しでもしたのかよ!?」
承太郎「…そこんところだが、俺にもよくわからん」
承太郎「上条。お前の目の前に大切なものがたくさん入った宝箱があるとしよう。
顔見知りの奴らが来て、その中身を奥までグチャグチャに探る。
そして結局、これの何がいいのかよくわからん、と言われるんだ。こういう場合、テメーはどう思う?」
承太郎「俺は気が合わないんだと思うね。そして、俺はDIO以外とは徹底的に気が合わなかった。それじゃあいけねえか?」
上条「いけねえに決まってるだろうが! お前は結局人任せだ! 誰かが察してくれるのを待ってるだけの甘ったれだ!!」
承太郎「やれやれだぜ…。どうやら俺はテメーとも気が合わねえらしい…」
上条「いいぜ…お前がいつまでも自分の殻に閉じこもってる気なら…」
上条「まずはその幻想をぶち殺す!」
承太郎「来い……てめえはこの空条承太郎がじきじきにぶちのめす」
144 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2011/10/05(水) 01:09:20.47 ID:c9SfgmRbo
すごく厨二くさくていいんじゃないかな
145 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/05(水) 01:14:30.56 ID:iRnG0P050
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
DIO「…」
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
DIO「ビルに飛行機…電光掲示板か。超越した科学は魔法と見分けがつかないとはよく言ったものだ」
DIO「このDIOの生まれた時代には蒸気機関しかなかった」
バルバルバルバルバルバル
浜面「うおおーーっ!?ありのまま今おこってることを一言で言うぜ! 歩道ッ!車ッ!爆走ーーッ!!」
土御門「…」
土御門「どうやら動き出したようだぜ」
土御門「…お前は何を考えてる?」
土御門「アレイスター」
アレイスター「…」
アレイスター「…来る」
146 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/05(水) 01:18:38.05 ID:iRnG0P050
DIO「…三分経てば戻せと言ってある。無駄な時間を食っている暇はない」
土御門「あんたの仲間にテレポーターがいるのか?」
DIO「人の話を聞いてたかね…無駄は嫌いではないが今は別でね。言い直しはしない」
ド ド ド ド ド ド ド
DIO「君がアレイスターか」
アレイスター「そういうお前はDIO」
DIO「君のことは色々と調べさせてもらったよ…おそらく、君が私を調べたのと同じくらいね」
DIO「結論から言って…私は君と戦うのが賢いとは思わない。むしろ協力したいと思っている」
アレイスター「妙に殊勝だな。ワケを聞かせてもらおうか」
DIO「君は何かに対してあせっているのだろう。そして何が理由かは知らないが、自ら動くこともできない」
アレイスター「面白い視点だ…とだけ言っておく」
DIO「フッ、強がることはない。私と君は似たもの同士、というやつなのだから。
そこで、どうだね。私は君の不安(上条当麻)を消す。代わりに君も、私の不安を解消する手伝いをしてはくれないだろうか」
アレイスター「なるほど…それで協力、か」
土御門「アレイスター!」
アレイスター「確かにお前の言うことは一理ある…お互いにとって、これは悪くはない話、かもしれない…私自身、『吸血鬼』という存在に興味があるしな」
DIO「」ニヤッ
アレイスター「だが断る」
147 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/05(水) 01:28:00.82 ID:iRnG0P050
DIO「何ィ!?」
アレイスター「このアレイスター=クロウリーの最も好きなことのひとつは交渉で優位に立ってると思ってるヤツに『NO』と言ってやることだ」
アレイスター「そして『プラン』に対するイレギュラーは排除しなければならない…」
DIO「…フンッ」
ドォォーーーン
DIO「…このDIOが…」
DIO「援助など請おうとしたのがそもそもの間違い、か」
アレイスター「…」
土御門「(い、今何が起こった。DIOはいつのまに移動した?)」
DIO「勝利して支配する! それがこのDIOにとっての満足感よ!」
DIO「どうせ貴様の協力などなくとも計画は実行できる。ただ学んだのがつい最近なんで、ほんのちょっぴり魔術に自信がなかったというだけだ」
DIO「さらばだアレイスター…貴様には本当にほんの一瞬驚かされたが、これまでだ」シュンッ
土御門「アレイスター!」
アレイスター「なるほど…すでにあの術式を発動させる『何らか』を手に入れているというわけか…また『一手』遅れてしまったな」
土御門「自己完結してるな! 一体今の一瞬に何が…あんたが…あの化け物は!」
アレイスター「落ち着け。日本語になってない」
アレイスター「さっきのは…ヤツが攻撃して、私が防御した、それだけだ。それだけしか起こっていない…しかし思っていた以上の『力』だな…」
アレイスター「なにより侮れないのはあのDIOとかいうヤツの狡猾さ、か」
アレイスター「どこで知ったのか知らないが、この生命維持槽の点検(スキャン)時を狙ってくるとは…」
土御門「…!」
アレイスター「それより結標を回収したほうがいい。私の元に来るという目的を果たした今、そのへんに『使い捨て』られているだろうからな」
土御門「何…! くそっ…!」
土御門「しかしあんたが戦えないとなると…いよいよ頼みの綱は『あいつ』だけってことだ…」
土御門「皮肉なもんだな。あんたの『プラン』を邪魔していたヤツが、あんたの作った学園都市を守ろうとしている…」
アレイスター「…」
148 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/05(水) 01:57:50.42 ID:iRnG0P050
上条「ぐあっ!!」ドザァァッ
承太郎「…話にならねえな。こっちはまだ『スタンド』も使ってねえんだぜ」
上条「うっ…ぐ…」グググ…
承太郎「結局、テメーの意志なんざ力でねじ伏せられる程度のものってことだ…
…今の俺にとっての価値はたったひとつ、シンプルなもんだ。『力』。それだけだぜ」
上条「だからって選んだ道が、よりにもよってDIOの手下かよ!?」
承太郎「滅多なことは言うんじゃあねえ…俺はあいつを『信頼』してるんだぜ、一応な…」
上条「じゃあこのこと、DIOは教えてくれたか!? お前の母親が、DIOのせいで死に掛けてるって!!」
承太郎「…」ピクッ
上条「ハァーッ、ハァーッ、反応したな…」
上条「そうだよ…頭でグチャグチャ考えるようなものじゃない…こういうのは心の問題だ…
…今、『母親』というキーワードでお前の心は動いた…!」
承太郎「…」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
上条「今一瞬でも『心配』しなかったと誓えるか? お前に断言できるのか!
今わかったぜ。お前は救いようがないほど心が『鈍感』なんだ…それだけなんだ……」
上条「承太郎! お前はちゃんと家族が大好きなんじゃねえかーーッ!!」
承太郎「…」ピクピク…
承太郎「バカなこと言うんじゃあねえ、上条。
テメーの論と俺の論、どっちが合ってようが『いまさら』ってやつだ。俺はもう決めちまった…後戻りはかなわねえ」
上条「お前こそふざけたこと言ってんじゃねえ!」
上条「『決めた』だと?『後戻りはかなわない』だと?
お前はなんのために監獄に入ってまで『スタンド』の暴走を止めようとしたんだ…!
大切なもののためだろ!? それなのに…その大切なものの危機だっていうのに…
なんでその人のために戦おうとしねえんだよ!?傍に駆けつけてやらねえんだよ!?」
承太郎「目的が変わった、それだけだ。…今の俺にとってあのアマはなんの価値もねえ。
…なんなら伝言を頼むか? 『テメーの息子は学園都市で元気に人殺ししてます』…とかな」
上条「そうやってお前は結論から逃げてるんだ…やけくそに道を進んだって、何の意味もない!
お前のそれは『覚悟』でも『勇気』でもない、ただの『意地』だ!」
承太郎「だからなんだ。俺がやってきたことは絶対になかったことにはならねえ。
だから、『意地』でもなんでも…この道を行かなきゃならねえんだ。それが俺が踏みつけにしてきたものへの『責任』なんだぜ」
上条「なかったことにはできなくても…償えばいいじゃないか!」
承太郎「…!」
上条「俺はアンタが本当は優しいって信じてる! だから…探していこうぜ、償える道を!」
承太郎「…なるほどな。そういう考え方もあるか…」
上条「承太郎…!」
承太郎「だがな」
ピッ
上条「ッ!?(あ、あぶない…!タバコの温度は750〜900度…それをためらいもなく俺の顔面に向けて投げた…!)」
承太郎「言わせてもらうぜ。『ふざけるな』ってな…」
承太郎「そんな都合のいい道が…あってたまるか」
上条「このっっ……わからずやーーッ!!」
149 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/05(水) 01:59:16.20 ID:/SlvhTqLo
キャラとセリフがすっごい違和感だらけ
もう少し原作読んでから投稿したほうがよかったな
150 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/05(水) 02:00:58.01 ID:iRnG0P050
DI…DIO戦までと思っていたが、今夜はここまでで…
これからどんどん厨二展開になっていくよ
ここまで読んでくれた方(いたら)ディ・モールトありがとう
151 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2011/10/05(水) 02:15:59.05 ID:TMadKFmQo
乙なんだよ!
152 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/05(水) 03:05:34.81 ID:BBJp68lKo
>>1
の超解釈普通に面白いと思って読んでたり
続き待ってるぜ!
153 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
:2011/10/05(水) 12:56:13.81 ID:+u61ZNMAO
つまんねぇ
154 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2011/10/05(水) 19:29:59.02 ID:c9SfgmRbo
承太郎を筆頭に、キャラの性格を妙な方向に走らせてるが、一応ちゃんと理由作ってあるしこれはこれで
読むから最後まで書ききれよ
155 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/05(水) 21:57:57.57 ID:09Xh0vb90
性格改変は二次創作だし別にいいんじゃね?
ただ他の設定が脳内解釈じゃなくて完全に捏造じゃねえか
これで原作読んでるとか絶対嘘だろ
156 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2011/10/05(水) 22:09:35.27 ID:Band9oLfo
もはや原作の設定とかナニソレ状態だしな
流行ってるから書いてみたwwwwwwwwwwとか思ってるだけなんだろうか
157 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/06(木) 00:55:04.82 ID:xwBrgCaE0
愛はあるんだよ
日付変わっちゃったけど投下します
158 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/06(木) 00:57:36.47 ID:xwBrgCaE0
黒子「う…うおおおおーーッ! おねーさまーー!!」ガバァッ
禁書「あ」
黒子「!? なぜ玄関前に!?お姉さまは!? 一体何がどうなりましたの!?」
禁書「よかった〜これで孤独から救われるんだよ〜」
イギー「イギ…」クンクン
禁書「もちろんイギーのこともだーい好きなんだよ!」
黒子「それはいいから! お姉さまはどこですの!? …痛っ」
禁書「無理しちゃダメなんだよ! 応急処置はしてあるけど、とっても深いキズなんだよ…」
黒子「こんなの…ッ、意に介している暇はありませんの…お姉さまを、助けに…!」
ヴァニラ「」
黒子「ギョッ!? こ、この殿方は…確かお姉さまと一緒に落下していた…」
禁書「もう再起不能なんだよ。一応縛ってはいるけど」
黒子「と、とにかく…わたくしは行かなければ…」
ヴァニラ「…行っても無駄だ」
159 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/06(木) 01:15:06.78 ID:xwBrgCaE0
黒子「!! こ…この方、意識が!」
禁書「…!」
イギー「グルル…」
ヴァニラ「…貴様らごときちっぽけな人間どもが…立ち向かったとて、DIO様は…倒せん…
…その御姿すら見ることはかなわんだろう…」
禁書「あなたは…あなたたちは、どうしてDIOに従うの? DIOは悪いことをしてるんだよ?」
ヴァニラ「…『悪』か…そうだとしても、私は構わない……DIO様にとって、人間のものさしなど何の意味もなさん……」
ヴァニラ「あの方は誰より強く、激しく、そして美しい…
…私がビルから落下するのを見ても、あの方は眉ひとつ動かさなかった…それでいい…
私程度の人間がDIO様の心を動かせるはずがない…それで当たり前なのだ」
ヴァニラ「そして私は死ななかった…DIO様のおかげだ……ああっ…あの方は死すら超越しているのだ…」
黒子「(これはもう…狂信者の域ですわね。あらゆることをDIOの恩恵だと思い込んでいますの…)」ゾクッ
禁書「DIOは…あなたたちを救ってもいたんだね…」
禁書「でもDIOはあなたたちを救うために私達から奪ってもいる。それは許されないことなんだよ」
ヴァニラ「……もとより、許されるつもりもない。私にはDIO様だけだ……!」グアッ
黒子「なっ『スタンド』! まだそんな力が…!」
禁書「」ハッ
禁書「だめえ!!!」
ガオンッ
禁書「…!」
黒子「自分の『スタンド』を使って……自殺を……」
禁書「どうして…」
イギー「…」クゥン
黒子「あなた…」
禁書「あなたにこんなことをさせる人が、どうして救いになるの…?」ポロポロ
ヴァニラ・アイス(スタンド名『クリーム』)――死亡
160 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/06(木) 01:41:21.84 ID:xwBrgCaE0
打ち止め「」サッ
御坂妹「」サササッ
打ち止め「」キョロキョロ
御坂妹「」コクリ
打ち止め「…突入成功! とミサカはミサカは仁王立ちして言ってみたり!」
御坂妹「大声は不特定多数の敵に見つかる恐れがあります、とミサカは上位個体に対して警告します」
打ち止め「だけど見事に道に迷ったみたい!とミサカはミサカは己のうかつさをのろってみたり!」
御坂妹「ヤケクソになるのはいただけません、とミサカは上位個体に対して忠告します」
打ち止め「ううっ……そうは言われてもあせるんだよ、とミサカはミサカはいても立ってもいられない気持ちを、地団太踏んで表してみたり!」
御坂妹「その気持ちにはおおむね同意ですが…待ってください、とミサカは会話を中断し、歩みを止めます」
打ち止め「なになに?と、ミサカはミサカはその突然の行動のわけを聞いてみたり」
御坂妹「あれを見てください、とミサカはちょうど角を曲がった部屋の前を指差します」
打ち止め「あれは…見張り?とミサカはミサカは予想を立ててみたり」
御坂妹「見張りがあるということは、それなりのものが中にあるということではないでしょうか、とミサカは推測します」
打ち止め「そうでなくとも、あの人のいる部屋を聞き出せるかも、とミサカはミサカは一筋の光明を見出してみたり!」
御坂妹「しかし相手はあのDIOの手下…簡単に情報をききだせそうにはありませんね、とミサカは問題を提示します」
打ち止め「ちょっとビリビリってやってねえねえってねだれば教えてくれるんじゃない?とミサカはミサカは良案を出してみたり」
御坂妹「わかりました。さっきからこちらをチラチラ見ているようですし、それとなく情報を探ってみます、とミサカは頷きます」
ヌケサク「なっ…なんだなんだ、おい女!こっちに近づいてくるんじゃあねえ!命令だ!」
161 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/06(木) 01:50:29.80 ID:xwBrgCaE0
御坂妹「怪しいものではありません。ちょっとお尋ねしたいことが…」
ヌケサク「そーゆー奴ほど怪しいんだよなァァ〜〜…ハッ!?
さてはテメーら!この部屋にいる白髪の男を助けに来たんだな!? そうはいくか!
こいつはジョースターどもをおびき出すための『エサ』なのだからな!
DIO様に絶対に居場所を突き止められるなと命令されている以上!そのことは決して悟られるわけにはいかんのだァァ〜〜!」
妹打ち止め「…」
御坂妹「なんということでしょう、とミサカは驚愕します。尋問するまでもなく白状してくれました」
打ち止め「こーゆーのをヌケてるっていうんだねー、とミサカはミサカは実地で知ったり」
御坂妹「DIOの手下もピンキリということでしょうか、とミサカは目の前のうかつな男を遠まわしにあざ笑います」
ヌケサク「う…うう…」
ヌケサク「うるせえんだよオメーらぁぁーー!二人しておかしな変な喋り方しやがってーー!!」グアッ
御坂妹「おかしな…」
打ち止め「変な…」
ヌケサク「!?」
御坂妹「侮辱されたことに激昂しつつミサカはヌケサク野郎に焦点を合わせます」ジャキッ
打ち止め「おなじくすっごく怒ったと言いつつミサカはミサカは寸分の狂いもなくヌケサクに銃口を向けてみたり」ジャキッ
パララララララララッ
ヌケサク「うごごおっ!?」
御坂妹「無粋なヤツでした、とミサカは銃をおろします」
打ち止め「まだつまらないものを撃ってしまった…とミサカはミサカは剣豪風に決めてみたり」
ヌケサク「て…テメーら…」
打ち妹「!?」バッ
ヌケサク「なんだって俺のあだ名を知ってやがるーー!!」ガバァッ
御坂妹「驚き!それはゾンビ、とミサカは再び銃を構えます」
打ち止め「蜂の巣になっても死なないなんて、とミサカはミサカはちょっと引きつつも引き金を引いたり!」
ヌケサク「ゾンビじゃねえ! 吸血鬼だよ! 俺はDIO様の血をもらって無敵の吸血鬼と化しているのどぅわぁぁーー!!」
ビシュンッ
御坂妹「うっ!」
打ち止め「10032号が!とミサカはミサカは驚愕の声を上げたり!」
御坂妹「なんてこと…軽く腹の肉をえぐられてしまいました、とミサカはヌケサクのキャラに見合わぬ戦闘力に驚愕します…」ガクンッ
打ち止め「10032号! よくも〜!!とミサカはミサカは激昂したり!」
御坂妹「…」
162 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/06(木) 02:00:04.21 ID:xwBrgCaE0
打ち止め「ええい!!」パララララッ
ヌケサク「フアハハハハ!! そんなチンケな鉄の弾が俺様にきくかーー!」
打ち止め「!? 撃たれながら向かってくる!」
ヌケサク「テメーの脳ミソを指ですくい取ってやるノロマがッッ!!」
打ち止め「…!」
ピッタァァ…
ヌケサク「ぬ」
打ち止め「…」
ヌケサク「ぬわにィ〜〜!? 体が、動かなっ…!!」
打ち止め「チェックメイト、とミサカはミサカは勝ち誇って宣言してみる」ビシッ
ヌケサク「お、お前何をしたッ」
打ち止め「ミサカは何もしていない、とミサカはミサカはあなたの背後を指差してみる」
ヌケサク「…!」
御坂妹「……血がドバドバ、痛いけれど…終わりです、とミサカは…」ビリビリッ
打ち止め「あなたの攻撃が当たったとき、既に脳の電流を操作していたの、とミサカはミサカは解説してみたり!」
御坂妹「さて、これで事実上の先頭不能というわけですが…怪我をさせた落とし前はつけてもらいます…
とミサカはハイライトを消して威圧します」ゴゴゴゴゴゴゴ
ヌケサク「」
ヌケサク「むごっ、むごぉぉ〜〜!!」
打ち止め「ボコボコにしたのち拘束して逆さ吊り〜とミサカはミサカはあなたの状況を整理してみたり」
御坂妹「出血のわりには傷は浅かったですし、ま、この程度で許してやります、とミサカは僅かなやさしさを見せます」
打ち止め「あれ? ここ鍵が閉まってる、とミサカはミサカはドアノブを何回もひねってみたり」ガチャガチャ
妹打ち「…」ゴゴゴゴゴゴゴ
ヌケサク「〜〜〜!!(ポケット! 俺のポケットの中ですゥゥ〜〜!!)」
163 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/06(木) 02:05:00.83 ID:xwBrgCaE0
一方通行「…」カシュン…
一方通行「…あァ?」
打ち止め「やった! 充電切れでぐったりしてたけど予備のデバイスで目覚めたよ、とミサカはミサカは歓声を上げたり!」
一方通行「打ち…止めァ…?」
打ち止め「うんうんうん!とミサカはミサカは大きく何度も首を振ったり!」
一方通行「…なンて、面してやがる」
打ち止め「…だって…よかった、無事に、あなたと…会えた、とミサカはミサカは…なぜかぼやける視界をこすりこすり…!」
一方通行「」ポンッ ナデナデ
打ち止め「…懐かしい感覚…ずっと寂しかった、とミサカはミサカは…」
一方通行「はァ……やれやれ…」
一方通行「…じゃあねェな…クソッ、全然『やれやれ』じゃねェよ…」
打ち止め「…」グスッ
御坂妹「ミサカは空気を読める子です、とミサカは死角に潜みつつ呟きます」
164 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/10/06(木) 02:27:48.13 ID:LrOBlSaDO
面白い。ジョジョ知らないけど。
165 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/06(木) 03:05:01.69 ID:xwBrgCaE0
刑務所から脱走して数日。
承太郎はやるべきこともないので、DIOの住処で日がな一日を読書やDIOとの会話や『スタンド』のコントロール練習に費やしていた。
するとだんだん疑問がわいてくる。
DIOは、こんなことのために自分を連れ出したのか? 答えはもちろんノーだ。
自分は一体何を求められている。
このだらけた生活に、一体どんな意味があるというのだ。
そんな折、DIOから呼び出しがかかった。
部屋に入ると、ぞろりと男女が整列していた。自分も加わるべきが迷っている間に、DIOに手招きされて近寄る。
DIOの傍らには二人の女がいた。そのうち一人がするりと抜け出して自分の前に来た。
踊り子風で、いかにも『見ろ』と言わんばかりのセックスアピールの強い服を着ている。
「あなたが空条承太郎? ふぅーん、思ったより可愛い顔してる……僕、歳はいくつ?」
「……その服はDIOの趣味かアンタの趣味か。どっちにしろ似合ってねえぜ」
「あら……じゃ、どういうのがお好み?」
わずかにはにかむような笑みを浮かべた彼女に、周りがしのび笑いを漏らす。
なんとなくそのわけが分かってしまって、承太郎は憮然として空いていたソファに腰を下ろした。なぜか女まで一緒に座ってくる。
体を寄せてくるので、DIOを真似して、その肩を抱いた。
傍からは泰然と美女をはべらせているように見えたかもしれないが、承太郎は女の扱いなど知らない。
まさしく経験しながらコツを掴んでいるような状態だった。
とりあえずそれでオーケーだったようで、女はうれしそうに口元をほころばせ、再度承太郎の好みを聞いてきた。
「……慎ましいほうがいい」
「まさしく日本人的って感じね。三歩下がって男を立てる、ってヤツでしょう、知ってるわ」
「そこまでは要求しねえが……そうだな、最低限、色気を振りまく前に名前を名乗るくらいの良識は欲しいところだぜ」
「あら、言われちゃったわ」
女はミドラーと名乗った。
彼女がべたべたするのをいなしているうちに、またもう二三人部屋に入ってきて、DIOがふとこちらを向いた。
「花京院は確か承太郎と同じ高校生だったな…なんだったら友達になったらどうだ?」
どうやら先ほど入ってきた者の一人らしい。視線をやると、「ドーモ」と儀礼的な会釈をされた。
「ああ」
「君はずいぶん…DIO様に気安いんだね。どうしてだい?」
花京院という少年の視線は鋭く承太郎に突き刺さった。
純粋な好奇心か、それとも妬みか、どっちにしても自分にいい感情は持ってないらしい。
「ん……さあな」
承太郎は顔を背けることで会話を打ち切った。
臆病と取られたか、鼻白んだようなそいつのため息が聞こえた。
それならそれでいいのだが、言い返したほうがいいのだろうかと考えた隙に、もう話題は移ってしまったらしい。
「ンー……そうだな、お前でいい……えーっと、なんてったっけ……まあいい、とりあえずお前だ」
「呼ばれたぞ、ヌケサク」
「うるせえ!そのあだ名で呼ぶんじゃ……ありません、いえいいです、どうぞお呼びください、はい!」
列から一歩進み出た男を指差し、DIOはあっさりと告げた。
「承太郎、ちょっとそいつを殺してみろよ」
「……」
166 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/06(木) 03:11:06.27 ID:xwBrgCaE0
赤い目と視線が絡み合った。
一瞬の沈黙と緊張。
承太郎の腕は――彼の『スタンド』の腕はたやすく男の頭蓋を砕いた。残るのは拳のわずかな痺れだけだ。
意味は『ある』んだろう。
口元こそ笑っていたが、DIOの血を固めたような色の瞳は自分を注意深く観察していた。
「やだ」とわざとらしい声でミドラーがすがり付いてきた。
床にじわじわと血が広がっていく。見たこともないほどの出血量と、飛び散っているのは脳漿か。初めて見た。
一発で。
あっけないものだ。
唇を舐める。
唐突に口元がさびしくなった。
タバコが吸いたい。
胸元を探って一本取り出すと、ミドラーがこちらに手を伸ばしてきた。
火を。
「手が震えてるぞ」
気がつけばDIOが後ろにいた。
「火なら私が点けてやろう」
目だけで視線をめぐらせると、奇妙なことに誰もこちらを見ていない。というか身じろぎひとつしていない。
目の前でDIOがライターを点ける。確かに手ごたえがあったようなのに、炎は出なかった。
と、思ったら遅れて炎が出た。
同時にざっと視線が集まる。ミドラーも今更のように自分の背後を驚いた顔で見つめていた。
ざわめきも――そういえば、さっきの数秒はまったく音がしなかった。DIOの声以外は。
何だそれは。
とりあえずタバコが吸いたい。
肺いっぱいに煙を吸い込み、吐き出す。
『――様は』
そういえば。
『――DIO様は――』『――時を支配』『――きるお方じゃ――』
そういえば、エンヤ婆が何かの折に言っていたかもしれない。あの時は意味を図りかねたが…。
時を。支配。
ゆっくり振り向くと、DIOがさっきよりも鋭い目で自分を見ていた。
「……見えて、いるのか?」
「……誰も震えちゃいねえよ」
DIOは一瞬憎憎しげに目をむいたが、すぐに過剰なほどの笑顔になった。
「お前は……実に優秀だ」
口寂しさは増した。
167 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/06(木) 03:19:43.74 ID:xwBrgCaE0
とりあえず今夜はここまで。
ここまで見てくれた方ありがとう…承太郎戦はもうちょっとかかりそうです…
168 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/06(木) 23:05:07.59 ID:xwBrgCaE0
ドォォ…ンッ
ジョセフ「くっ! 中では一体何が起こっておるんじゃ!」
美琴「いっそ『レールガン』で…」
ジョセフ「だめじゃ!四散した瓦礫で上条くんが傷つく可能性が…」
美琴「じゃあどうしろってのよ!」ドンッ
美琴「当麻…!」
ジョセフ「…承太郎…」
承太郎「オラオラオラオラオラオラオラァ!!」
上条「ぐっ…うおおおっ!」
上条「(なんて速さとパワーだ…一発でもあたったらヤバイ…!)」
上条「(でも…)」
上条「…なんで、『スタンド』を出さない…」
承太郎「…」
上条「黙ってんじゃねえよ! お前にはまだ迷いがあるんだ!」
承太郎「…ない」
承太郎「…俺にはもう進むべき別の道も、戻るべき道もない。DIOの世界しか俺の居場所はねえんだ!」
上条「ッ…!」
ドゴォッ
上条「ぐあああっ!!」ドザァッ
承太郎「迷わねえ…迷うわけがねえんだ。俺は最初っからDIOの用意した一本道を歩いてるんだからな」
上条「……道ならッ…ハァ…道がないならッ……また作ればいい!」
承太郎「!」
上条「お前がまた作ればいいんだ! どうすればいいかわからないってんなら俺が一緒に作ってもいい!」
上条「俺だけじゃあない! みんないる! ジョースターさんもお前の母親も、クライスメイトも先生も、お前の周りにはたくさん人がいるだろ!」
上条「独りで勝手に…あきらめてんじゃねえよ!
お前のこと大好きな人は、たくさんいるんだ!お前のこともっと知りたいって人は!たくさんいるんだ!!
その気持ちを……過小評価してんじゃねえ!!」
169 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/06(木) 23:15:01.17 ID:xwBrgCaE0
承太郎「…!」
上条「それを無視してでもDIOの道を行くってんなら…俺がその幻想を…!」ダッ
承太郎「…ッ!」
上条「ぶち殺すッッ!!」
ドゴォォッ!!
承太郎「ぐっ…」フラッ
上条「おッうあァ!!」ドゴォッ
承太郎「ッ…」ドサッ
上条「ハァーッ、ハァーッ…」
承太郎「…」ゴシッ
承太郎「テメーは本当…嫌になるくらい熱いぜ」
上条「お前はクールすぎるんだよ…!」
上条「素直になれよ……自分の心ってヤツにさ」
上条「お前は誰かに捨てられるのが怖いから、自分から先に切り捨てちまうんだ……捨てられたくないから…
…それって『好き』ってことだろ? …誰もお前を捨てたりしねえよ。お前みたいなカッコいいやつ、捨てるわけないだろうが」
承太郎「……」
上条「…立てよ承太郎。お前はちょっと、不器用だったってだけさ」スッ
承太郎「……上条」
承太郎「テメーは」
ドズッ
上条「え…」
承太郎「がっ……!」
DIO「……承太郎…貴様……」
上条「(なん…だ、何が起こってる? いつの間に承太郎が目の前に…いや、それより、承太郎の首に、指が突き刺さって…!)」
承太郎「DIO…」
上条「こいつが…DIO…!」
ド ド ド ド ド ド ド ド ド゙
DIO「承太郎、お前は結局そうだ…誰かの信頼がほしいと喚くくせに…いざとなると裏切る!貴様はこのDIOの『信頼』すらッ!『裏切った』!」
承太郎「……そ、」ゲボッ
承太郎「…そう、か…なら…仕方ねえな……」
DIO「…だが安心しろ承太郎。貴様の血は我が血となり、肉となり、力となる。貴様はやっとこのDIOの役に立てるのだ…」
承太郎「…」
承太郎「……俺は」
ズキュンズキュンズキュンッ
ドサッ
上条「…!」
DIO「わかっているよ、お前は『実にアワレな人間だった』」
上条「じょ……承太郎ォォオオーーーッ!!」
170 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/06(木) 23:20:03.16 ID:xwBrgCaE0
忘れもしない、その日は満月で、鉄格子の間から光が差し込んでいた。
――眠れなかった。妙に胸がざわついていた。
というのも、その日『悪霊』が持ってきたアレックスの自転車を見て、コレはいくら位するのだろうと考えたのが始まりだ。
コレはいくら位するのだろう。まわりのジャケットや本は、あの警官の拳銃は、制服は……あいつらの給料は。
給料とはどういう基準で決定されているのか。働く人間の『価値』をあらわすのか。だとしたら働かない人間は価値ゼロか。
まさか。
では、何が『価値』だ。
自分にとって、ありとあらゆる人間は価値がなかった。傍にいて欲しくなるほどの価値、激しい喜びや深い絶望を分かち合おうと思えるだけの価値。
相手も自分に価値を求めてないらしかったので、その辺は苦痛ではなかった。
しかし、自分以外の人間にとっては、かつて切り捨ててきた人間は――あの教師は妻子持ちだし、あの不良もいつも傍に相棒がいた、クラスメイトも友達がいた、母親も……父親がいた――。そうだ、『価値があったのだ』。
彼らに『価値』がないと思っていたのは自分だけだ。
みなの『つながり』は馴れ合いからくる『つながり』ではない。
父が母を、あの教師が妻子の写真を見る目がどうして寂しさを埋めるだけの関係になろう。
また、馴れ合いからくる『つながり』であっても構わない。
真に相手を理解できてなくても、『つながり』そのものが意味を持つこともある。それが人生だ。
では俺は。
「そうか」
唐突に悟った。
「俺には『価値』がねえのか」
『つながり』あってこその人生。それをことごとく切り捨てた自分には何が残る? 何も残らない。
残ってない人間には『価値』がない。
誰にも『価値』を見出せない自分は誰からも価値を認められず、逆説的に『価値ゼロ』になる。
――『価値ゼロ』の人間はどうなるんだ?
気づけば、天井から輪っかが吊るされていた。
『悪霊』の仕業か。いつの間にベッドのシーツを抜いたのだろう。
とがめだてする理由もないので、しばらくその輪っかを見つめていた。
輪の向こうには鉄格子があって、満月がきらきらと輝いていた。
俺はどうして周りの人間を好きになれないのだろう。
嫌いなわけじゃない。ただ、どうしても好きになれないのだ。
重い思考の中、じっと輪の向こうを見つめていた。
死のうなんて一瞬でも考えなかった。ただ少し頭を空っぽにしたかった。
でも一晩中『独り』だったらわからなかったかもしれない。
ふと目を向けると、男が檻の向こうに音もなく立っていた。
俺は死ななかった。
だが多分、あの日心は死んでいた。
171 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/06(木) 23:41:28.49 ID:xwBrgCaE0
ドサッ
上条「じょ……承太郎ォォオオーーーッ!!」
ジョセフ「!? 上条くん!? 一体どうした!!何があった!」ドンドン
美琴「返事くらいしなさいよ! ねえ!!」
上条「承太郎、おい承太郎!! しっかりしろ、ただ血を吸われただけだ、おい!」
承太郎「…」
上条「じょうた……ッ」
上条「(う、うそだ…あんなに強いヤツが…簡単過ぎる…!あっけなさ過ぎる…!)」
DIO「フンッ」
DIO「準備は既に整った。もはや上条一行の相手をしてやる理由はない…とりかからねばならん…迅速に…」スッ
上条「こんな、こんなのって……! せっかく、お前……!」
上条「」ハッ
フオオ…
承太郎「…」
上条「…! あれは…魂、か…? 承太郎の…」
172 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/06(木) 23:44:11.65 ID:xwBrgCaE0
承太郎「…やれやれだぜ。まるでテメーが死んだような面だな…」
上条「承太郎…待て、戻って来いよ…!」
承太郎「…それはできねえ注文だ…いいか、背負うんじゃあねえぜ。これはなるべくしてなったことなんだ…これでいい…」
承太郎「俺は満足してるんだぜ…しゃくだが、お前のおかげで俺はようやく『答え』にたどり着けた気がする……遅すぎたがな」
承太郎「…俺の今までの『ツケ』は…多分、こうやってでしか返せねえんだ……だから気にするな。これはなるべくしてなったことなんだ」
上条「ふっ……ッふざけんなー! まだまだお前の『ツケ』はあるだろうが!!お前はまだ生きてる!お前はまだ生きてるんだよーーッ!」
承太郎「…」
承太郎「…あんまり俺の耳元で騒ぐんじゃあねえぜ…」
承太郎「…ゆっくり寝れやしねえ……」
承太郎「…」
ピカッ
上条「うっ…!?」
上条「承…太郎……」
バタァァンッ
上条「ハッ!」
美琴「ちょっとあんた! 無事なの!? さっきやっと扉が開いて…」
ジョセフ「……! これは…」
上条「(今のは…幻覚…?)」
ジョセフ「承……太郎……」
上条「ジョースターさ」
美琴「」グイッ
上条「御坂…」
美琴「何があったかは聞かないわ……でも、少しそっとしておいてあげましょう……」
上条「くっ…!」
花京院『傍から見ればくだらないことさ……でもあの時は「力こそ正義」という言葉がとても魅力的に思えた…』
マライア『あの方は私みたいな女を可愛がってくださるの』
承太郎『DIOの世界しか俺の居場所はねえんだ』
上条「…DIOの野郎……ッ!! そうやってあいつはッ、人の心に付け込んで……ッッ!!あいつだけはゆるせない…!」
上条「絶対にお前の幻想をぶち殺してやる、DIOッ!」グアッ
173 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/07(金) 00:11:51.45 ID:y9lW0tRZ0
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
姫神「…(彼らが来て。まだ五分と経っていない。けれど。何かあった。確実に…)」
ドゴォッ ドゴォッ ドゴォッ
姫神「!(何。この音は)」
ドコドゴドゴドゴドゴッ
姫神「……!」
ド ド ド ド ド ド ド ド
DIO「フゥーッ」ヌッ
姫神「!?(壁面に無理やり脚を突き立てて歩いてきた…!?)」
DIO「暇な時間はこれで終わりだ、姫神秋沙…」
DIO「ン? あァ〜〜壁を歩いて来たのはな、特に意味はないんだよ……ただやりたくなったんだ……ク、フフフッ」
DIO「フアッハハハハハハハハハハハッッ!!!」
姫神「〜〜…!」
DIO「いや失礼。いやワケを言わせてもらうとだな……ついさっきジョースターの血を吸ってきたのだが……予想通りこの体になじんでなじんで仕方がないッ。いやぁ、本当になじむ……若い血というせいもあるだろうがとにかくなじむ……フッ…フハハッハハハハハハ!!」
DIO「なじむ!! なじむぞォォ!! 実になじむ!! やはりジョースターの体にはジョースターの血が一番いい!! いい気分だ!! 百年前にも吸血鬼となって永遠の命を手に入れたが……ッ! ここまで絶好調のハレバレとした気分は初めてだ!!!」
DIO「最高に『ハイ!』ってやつだァァ〜〜〜〜!!!ハハハハハハハ!!!」バリバリバリバリ
グシャァァッ
姫神「ヒッ(じ。自分で頭をつぶして死……死……)」
DIO「」ムクリ
姫神「!」
DIO「ウム……これで少しは頭も冷めたことだろう。
興奮状態が続くのは望ましくないからな……このDIOが追い詰められる原因はこのハイな性格にある」
DIO「それに、これからやる『実験』には……冷静な精神が必要不可欠だ……君もそう思うだろう?」
姫神「(わ……わからない。この男……)」
174 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/07(金) 00:33:26.41 ID:y9lW0tRZ0
DIO「『伝導システム』『核』『魔力の精製』…えーっと、なんだっけ……他には何がいるんだったか」
姫神「…」
DIO「そうだ、『盾』だな。『伝導システム』が『盾』になる…完璧だ。ンー、予定通りとは行かなかったが、まあまあ順調な流れではないか」
DIO「では、始めようか。私の『実験』を…」
姫神「…」
DIO「手順その1。『君は肉体の束縛を逃れる』」
姫神「…!」カッ
ピシュッ ピシュッ ピシュッ
上条「!」
美琴「何!?」
ピシィィイッッ
175 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/07(金) 00:38:32.07 ID:y9lW0tRZ0
――ジャッジメント177支部――
固法「突然空が…!?」
初春「(これは一体…まさか白井さんたち!?)」
――学園都市・とある高校――
青ピ「小萌センセ! なんや空にでっかい絵みたいなものが!」
小萌「ふえぇ…この前は校舎が半壊するし、今日は一人しか補習に来ないし…何なのですか最近はぁ…」
青ピ「それより、なんやえらいキレーな絵やないですかぁ…」ボー
小萌「そう言われると…」ポー
――窓のないビル――
土御門「始まったみたいだぜ…」
アレイスター「あまり空の魔方陣を視界に入れないことだ」
土御門「ああ。なんだかヤバイ『魅力』に頭をバカにされそうだ」
アレイスター「今はまだ『みせかけ』のようなもの…発動するのはしばらく後だ。それが十分後か…十時間後かはわからないが」
土御門「あんたはどうする」
アレイスター「…運命に任せるのみだ。お前がどうするかまでは指示しないが」
土御門「そうかよ…じゃあせいぜい高みの見物決め込んでやがれ!!」ダッ
姫神「…」
姫神「(なんだろう。この感覚は…。私が私でないような…私の中に私がいないような…)」
DIO「君の能力は『拡散』し、陣の内側は君と私の世界となったのだ」
DIO「『下書き』は完了。手順その2。姫神秋沙を介してこの『陣』に『命』を注ぎ込む!」
姫神「ッ…」ブワッ…
176 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/07(金) 00:47:54.54 ID:y9lW0tRZ0
――三沢塾入り口前――
禁書「すごい勢いで魔力が束ねられていく…これは……ハッ!」
イギー「〜〜〜」キュゥンキュゥン
――学園都市・某所――
花京院「…この空は…」
ポルナレフ「奴さん、一体何をする気なんだ…」
アヴドゥル「うぐっ!?」
ポルナレフ「アヴドゥル!?」
花京院「アヴドゥルの体から血が…一体、ぐっ!? ぼ、僕の体からも…!!」
ポルナレフ「な、なんだ…? なんで俺はまだ無事なんだ…? アヴドゥル、花京院と来たわけは何だ…? ま、まさか」
ポルナレフ「『カード』…ぐあっ!!」ブシャッ
DIO「捧げるのは『タロット』を暗示するPowerを持ちし戦士の命!『命』とは『生き血』である!」
――学園都市・某監獄――
ラバーソウル「おいおいおいおい何だよこれは、世界の終わりか?」
マライヤ「『世界』は終わらないわ……これが始まりよ」
ラバーソウル「はあ? ってなんじゃこりゃー!!」ブシュー
――三沢塾――
ジョセフ「ぬっ……ぐおっ!?」ブシュッ
美琴「ジョースターさん!?」
ジョセフ「心配ない……ちょっぴり血が出ただけじゃ……しかし、これはまさか」
美琴「『実験』…!」
上条「あのヤロウ……今度は何をする気だ!」ダッ
美琴「ちょっとあんた!」
上条「ジョースターさん、俺は先に屋上に行きます! 俺の責任です! 俺が行きます!!」
ジョセフ「待つんじゃ上条くん! うっ…」クラッ
美琴「ジョースターさん!」
上条「御坂、ジョースターさんは頼んだ!」ダッ
ジョセフ「い、いかん……まだDIOの『スタンド』が何なのかもわかっておらんのに……くっ」
177 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/07(金) 00:57:39.62 ID:y9lW0tRZ0
DIO「17番目…『星』のカード…」ボタボタッ…
DIO「『月』と『太陽』の昇る『審判』の時ッ」
DIO「我が血を持って形と為せ!生命と死の術式よ!」
DIO「受け取れィ! 21番目の『カード』、混沌からの創造の暗示『世界(ザ・ワールド)』!!」スパッ
ブシューッ
姫神「(力がッ…私の中に…力が入ってくる…!)」カッ
バチバチバチッ
上条「な、なんだ…? 急に光があふれたと思ったら、空の『ルーン』が…輝きだした!!」
上条「なんて禍々しい輝きだ…血みたいに真っ赤な…」
チーンッ
上条「」ハッ
上条「エレベーター…? エレベーターが動いてる…俺達以外の人間が…このビルにいるのか……?」
ウォォォン…
上条「こ、この階に…最上階に来る……!」
チーンッ
ガァァァ
禁書「とうま!」
上条「インデックス!?なんでここに…魔術師はここに入れないんじゃなかったのか!?」
土御門「あの空の『ルーン』が発動したとたん、ここの結界が解かれたんだ。
両立が難しかったか…もはや侵入されても構わないと思ったのかはわからないが」
上条「土御門!」
禁書「とうま……イギーが、イギーが……!」
上条「…!」
上条「ジョースターさんも、あの魔術にやられた……まさか、あれは…!」
禁書「とうま…だめなんだよ、あれは…あれを完成させちゃあダメなんだよ…」
上条「! 知ってるのか? あの魔術を」
禁書「知らない…でも理論はわかる…」
土御門「それでいい。これは一体どんな根拠でできてるんだ?」
上条「教えてくれ、インデックス」
禁書「…」
178 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/07(金) 01:03:44.59 ID:y9lW0tRZ0
禁書「この術式は…既存の術式にタロットカードの暗示する力を組み合わせているんだよ」
土御門「『既存』?」
禁書「うん、私の十万三千冊の魔道書にも一致するものはないけど…でもこれは、あのDIOってヤツが一から作ったものじゃあないんだよ。なんていうか…完璧すぎるもん」
上条「完璧すぎるって?」
禁書「上手く言えないけど、『人間の完璧さ』に似てる」
上条「?」
土御門「今俺たちが触れている環境、目に映るすべての映像、そのすべてがまるで『誰かが人間のためにあつらえたように』完璧だ、と……そういった『創造主』を連想させる『完璧さ』ってことか…」
禁書「うん。だからすっごく奇妙なんだよね…一体何を使って作ったのか…」
上条「(人間…まさか、姫神!)」ハッ
土御門「ま!それはDIOのところに行けばわかることだ。それで?」
禁書「うん。術の前提は、ふたつの力が拮抗して『世界』ができていること。『昼』と『夜』。『太陽』と『月』」
禁書「この術式は…太陽と月の『陣』が編み物の目みたいに複雑に絡み合ってできていて、『陣』内部にいる生物の『偶像』として機能しているんだよ」
土御門「…!」
上条「『偶像』?」
禁書「こもえが私に使った回復の魔術みたいに…って言ってわかるかな?」
上条「ああ。大覇星祭のときも使ってたやつか…」
禁書「あれは患者に見立てた人形を直すことで患者の傷を治すの。この場合も、そう。私たちが患者で、『魔方陣』が人形なんだよ」
上条「『陣』が変化すれば、俺たちの体にも変化が起こるってことか?」
禁書「そう。そして今、徐々に『月の陣』が『太陽の陣』を打ち消し始めてる…」
土御門「待て。『太陽』と『月』だと? …それに象徴されるものは…」
禁書「『太陽』は私たちの生命力…」
ゴオオオオオオ…
DIO「『月』はその逆……『陽に対する陰』、死のエネルギーだ」
DIO「月が太陽を侵食するとき、術式内の人間は死のエネルギーで生きる…屍生人(ゾンビ)になる。彼らの中の太陽が『死ぬ』のだ」
DIO「これを応用すれば本物の太陽の力さえ殺せるだろう」
DIO「そして太陽の消えた学園都市は、私の最初の『世界』となる…」
姫神「…」
DIO「この魔術式が君を元に作られたことに責任を感じるかね?」
姫神「…おぞましい」
DIO「何を恐怖する? 君の忌むべき力が永遠を生み出すのだぞ」
姫神「おぞましいと言ったのは。この術式の浅ましさ…。他人の生命を食らってでも生きようとする。あなたのような外道への嫌悪」
DIO「…その目」
DIO「いつの時代も、その目を持つ者はなくならない……愚かしいことだがな」
DIO「魔術式はすでに学園都市全域に渡っている…」
179 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/07(金) 01:06:54.53 ID:y9lW0tRZ0
土御門「魔術の使用は命を削る…だが、吸血鬼は永遠の命を持つためその魔力に制限がない。学園都市全体に『陣』を張るのなんて容易いことだろうよ」
上条「なにか…方法はねえのかよ!? この状況を打開する方法は!」
禁書「あるよ…」
上条「!」
禁書「どんな魔術にも『核』がある…魔術を発動させるための『核』が…それをとうまの『右手』で壊せばいいんだよ…」
上条「よし!」
土御門「待った上やん。意気揚々と行くのはいいけど、『核』がどこにあるのか知ってるのかにゃー?」
上条「うっ」
土御門「…『核』は大概、術者のすぐそばにある。その『核』がそこらにある路傍の小石か…フーッ、それともわかりやすく、『ルーン』の刻まれた紙かなんかか、まではわからないけどな」
禁書「こんなに大掛かりな術式なら…げほげほっ…絶対に術者のすぐ傍にあるんだよ」
上条「…お前たち、大丈夫か?」
土御門「大丈夫なわけないぜぃ、上やーん」
禁書「生命力がどんどん…なくなってってるんだよ…多分、私たちは術式を理解してるから、余計早く…」
上条「なら俺の『右手』で…」
禁書「だめなんだよ、とうま。『核』を壊さない限り、根本的な解決には…ならないんだよ」
土御門「…だから俺らのことは気にすんな。お前は行け」
上条「…」
禁書「行って。とうま……そして、帰ってきて」
上条「……ああ!」
180 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/07(金) 01:10:17.61 ID:y9lW0tRZ0
きりもいいのでこのへんで。
多分明日も書きますー。
181 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/10/07(金) 01:12:38.15 ID:UYwGJnhDO
この
>>1
、やるなぁ
182 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2011/10/07(金) 01:13:15.64 ID:qTTRuY3ho
乙!このまま突っ走るんじゃ!
183 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/07(金) 01:47:06.03 ID:y9lW0tRZ0
アレイスターの二人称をなぜかずっと『お前』だと思っていた。
アニメで言ってた気がしたが、そんなことはなかった……のか……?
184 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/07(金) 02:45:04.30 ID:CfS1Nr350
アレイスターが使う二人称は『君』、
例外としてエイワスに対しては『あなた』、冥土返しには『貴方』だったはず
たぶん、アレイスターとの会話で『お前』という言葉を使ったのは土御門じゃないかな?
185 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage sage]:2011/10/07(金) 02:49:07.03 ID:R+hfxCoS0
おまえきもい
186 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage sage]:2011/10/07(金) 02:49:41.71 ID:R+hfxCoS0
おまえきもい
187 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/08(土) 02:28:08.96 ID:pmVTt2nO0
黒子「――フゥーッ、あの子(禁書目録)を振り切って入ってきてしまいましたけれど、やはりつらい、ですわね…」
黒子「テレポートが使えるのもあと数回、といったところ……」
黒子「ともかくお姉さまと合流しなければ……お姉さまを一人にしておくわけにはいきませんの……」
黒子「ハァ、ハァ…」
パキパキパキ…
黒子「? おかしいですわね…触れただけなのに壁が壊れて……それに……なんでしょう、脳内麻薬が出ているのか、痛みを感じなくなってきたような…」
打ち止め「あ」ピョコン
黒子「…! あなたは確か……!?」クラッ
黒子「(な…本当になんですの……これは……この感覚は……『渇き』! 一体私は何に飢えて…)」
打ち止め「大丈夫? 顔色が悪いよ、とミサカはミサカは手を伸ばして…」
ガシィッ
打ち止め「痛ッ」
黒子「」ハッ
黒子「(わたくし…いま、なにを……)」
一方通行「おィ打ち止め、勝手にスタスタ先行くんじゃ……ってあァ?」
黒子「あなたは…!」
御坂妹「あなたも追いついてきたのですね、とミサカはわかりきったことをあえて確認します」
黒子「あなたがた…うっ!」フラッ
一方通行「おィおィ平気かァ? ったく、しゃーねェなァ」
黒子「ハァーッ、ハァーッ、ハァーッ、ハァーッ!」
黒子「(首……白い…血…!…飲みたい……かぶりついて、滴る血をペロペロ舐めてやりたい…なんですのこれ…血…ダメ……血……!)」
黒子「KUAHHH…」
一方通行「?」
188 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/08(土) 02:41:00.70 ID:pmVTt2nO0
ガチャッ
美琴「ジョースターさん! 気持ちはわかりますけど落ち着いて!」
ジョセフ「いかせとくれ! わしはまだまだ平気じゃ!」
一方通行「あ」
美琴「あ」
黒子「お……お姉さまーー!!」ダキツキッ
美琴「わっ!? 黒子、あんた大丈夫なの?」
黒子「ええ! お姉さまさえいればこの黒子、元気百倍ですわ!」
御坂妹「本当に血の気が戻っていることにミサカは人体の脅威を覚えます」
美琴「あっ……あんたもなんでいるのよ!」
御坂妹「しまった、とミサカは思わぬ失態に舌打ちします」
ジョセフ「一方通行くん、無事じゃったか」
一方通行「なァ〜〜ンか状況がつかめねェな。何があった? どいつもこいつも顔面蒼白じゃねェか」
美琴「それは……」
189 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/08(土) 02:43:17.36 ID:+BHIvGoz0
こ れ は ひ ど い
190 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/08(土) 03:04:40.80 ID:pmVTt2nO0
DIO「不死身・不老不死。そしてこの無敵の『スタンド』能力……さらに魔術だ。私は既に、あらゆる生物をぶっちぎりで超越している」
DIO「『無能力者』のレッテルを貼られている人間などカス同然ということだ」
DIO「だが、我が道にこうもそのカスがまとわりついてくると、脅威を感じずにはいられないな」
DIO「叩いても叩いても折れない……お前はあの男によく似ているよ」
ド ド ド ド ド ド ド ド
上条「…」
ドジャァァーーン
上条「術式は完成させないぞ……DIO」
DIO「その様子ではこの魔術の仕組みは大体理解しているようだな……褒めてやろう」
DIO「だがわかったところで何だというのだ? もはや術の進行は止まらん……お前も、その仲間達もじき例外なく我が夜の亡者(しもべ)となる…
…いや?もう既になっているかもなあ。欲望に身を任せ、浅ましく仲間の血を啜っている最中かもしれん」
上条「俺達の仲間に、そんな奴はいない!」
DIO「…ン〜」
DIO「わからんな、上条。一体お前のドコからそんな自信が沸いてくるのだ? 貴様に他人の心の、なにがわかる?」
上条「俺たちには……『信頼』がある。お前には一生わからない形の信頼だろうけどな」
DIO「ならば再び問おう。その信頼とやらを背負ってきた貴様は、このDIO相手に何ができる?」
上条「食らいついてやる……そのために来た!」
ガチャッ
ジョセフ「その通り…わしらにギブアップというセリフはないと思ってもらおうか」
上条「! ふたりとも」
191 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/08(土) 03:05:42.02 ID:pmVTt2nO0
美琴「他の4人は安全なところにおいてきたわ……もう戦える状態じゃなさそうだったから」
DIO「フンッ、誰が何人来ようと同じだ。運命はとめられん」
上条「とめてみせる…!この手で!」
DIO「その手は」
三人「!?」
上条「(いつの間に背後に…!)」
DIO「届かんと言っているのだ」
姫神「…」
上条「姫神!?」
ジョセフ「何のつもりじゃ、DIO!」
DIO「戦意満々と来てもらったところ悪いがな…このDIOは、もう貴様らと戦う理由がないのだよ。時を待てば…待ちさえすれば、我が世界は完成されるのだからな」
上条「! まさかお前!」
DIO「それまでこの子に触れられるわけにはいかん……せいぜい追ってくるがいい。吸血鬼の身体能力に貴様らが追いつければの話だが」バッ
美琴「まっ……まちなさい卑怯者!!」
上条「ひ……姫神ィーー!!」
192 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/08(土) 03:06:16.12 ID:pmVTt2nO0
今日はここまで。おやすみなさい
193 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/10/08(土) 03:08:43.22 ID:CKO2dWODO
最後まで頼むぞ
194 :
名無し
:2011/10/08(土) 07:37:05.58 ID:M1df3L/AO
つまんね
195 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/08(土) 08:57:39.50 ID:7SHZpZ4DO
俺は面白いから大丈夫
196 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/08(土) 12:05:29.19 ID:XfDPA0Zeo
つまんないと言ってる割に随分付き合いがいい事で・・・ww
続き待ってるぜ
197 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中国地方)
[sage]:2011/10/08(土) 20:48:48.19 ID:I7kjDiUd0
黒子wwwwww
198 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2011/10/08(土) 21:27:34.41 ID:P9RQFycjo
ジョジョでも禁書でもないような気がするが読めるから許す
199 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/08(土) 22:09:23.73 ID:pmVTt2nO0
ヒュオオオオ
DIO「」タンッ
タッ タタタタタッ
ジョセフ「『ハーミットパープル』!」ギュインッ
DIO「!」
ジョセフ「待てィ、DIOーー!!」
DIO「ついてきたのは奴一人か……ま、ビルからビルに飛び移るなんて芸当は、普通の人間には無理がある…当然か…」
DIO「」ピタッ
ジョセフ「ハァ、ハァ……追いついたぞ、DIO!」
DIO「図に乗るなおいぼれが……追いつかせてやったのだ」
DIO「ずいぶん息が上がってるぞ。それに……ずいぶんと…顔色が悪いじゃないか…この術式のせい、だけではないようだが?」
ジョセフ「フンッ! おかげで屈辱的貧血初体験をしとるところじゃわい!」
DIO「強がるなジョセフ・ジョースター。孫を殺したこのDIOが憎いのだろう?」
DIO「その憎しみ、存分に私にぶつけてもいいのだぞ。正義だの何だのとややこしい建前は捨てて、このDIOを、衝動と欲望のまま殺しにかかってくるがいい」
DIO「こいつらのように!」
『グオオオオオオーーーッッ!!』
ジョセフ「何! 屍生人(ゾンビ)!?」
DIO「ただのゾンビではない……術式によって生まれた、いわば半屍人よ! さあどうするジョセフ・ジョースター。術式を解除すればそいつらは元の人間に戻る……だが、『波紋』で殺せばそれまでだぞ」
ジョセフ「何…!」
DIO「もっとも? 貴様が誇りなんていうチンケなものを守るため、こいつらに殺されるのを選んでも、私はぜんぜん困らんがな」
ジョセフ「……聞いていいか。わからんのでな。逃げ回ればいいところを、なぜわざわざ足を止めてわしを待った? この行為に一体何の意味があるというんじゃ?」
DIO「知れたことよ! 貴様ら『ジョースターの血統』どもは! 魂まで穢して殺さねば気が済まん!」
DIO「さあ選べ! そこの名も知らぬ元一般人どもか!この少女と学園都市か!」
200 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/08(土) 22:18:20.86 ID:pmVTt2nO0
美琴「このっ……ゲス野郎ーーーッッ!!」ドヒュゥゥゥンッ
DIO「!」
バコバコバコッ
ゾンビA「グッ」
ゾンビB「ゲッ」
ゾンビC「ギッ」
バッタァァーーンッ
ジョセフ「おお!」
美琴「くっ!当たったのは雑魚だけ…!」ガガガガガ
DIO「今のは…蹴り! 空中を超高速で移動している? 一体…」
DIO「そうか……彼女は磁力をも操れる。その反発力と吸引力を利用し、あたかもリニアモーターカーのようにビルの壁面を推進しているのか!」
美琴「でりゃああああ!!」バシッ
DIO「そして蹴り上げた鉄片を『レールガン』に……すばらしい演算能力だ、御坂美琴」
DIO「部下に一人か二人ほしいくらいだ」スッ…
バシィッ
美琴「!? 指一本で『レールガン』を弾き飛ばした!?」
美琴「…ならッ!!」ガガガガガ
DIO「! 上昇した…逃げた? いや違う」
ギュオンッッッ
DIO「…『鉄骨』!!」サッ
ドッゴォォンッ
DIO「工事中のビルの…屋上から資材を拝借したのか」
ジョセフ「OH MY…ッ! むちゃくちゃするワイ! へたすりゃわしも死んでおったぞ!」
美琴「そのくらいちゃんと計算してますよ!」ガガガガガガ
ジョセフ「とかなんとか言いながらその鉄骨は…!」
美琴「くらえええーー!!」
ジョセフ「OH MY GODDDD!!!」
ドッゴォォォオォンッッ
201 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/08(土) 22:25:17.95 ID:pmVTt2nO0
ジョセフ「ぬおおお!?」
美琴「奴は……上!? 上に逃れたのね!」
DIO「フンッ、何本投げてこようと結果は一緒だ……その程度のパワーで…」
DIO「……」
ボゴォッ!
美琴「ビルに指を突き立てて、空中で静止した!?」
DIO「抜け目ないジジイめ、ジョセフ・ジョースター……逃げ回るふりをしてこのDIOの回避軌道上に『波紋』入りの『ハーミットパープル』を張っていたな…」
ジョセフ「SHIT、それはお互い様のようじゃな。今の一瞬でそれを見抜くとは」
DIO「言ったはずだ。貴様らちっぽけな人間が何人集まろうと…」
美琴「フッ…フフフ」
DIO「?」
美琴「アッハッハッハッハハハハーー!!」
ジョセフ「HA〜〜HAHAHAHAHAHAHA!!」
DIO「無性にイラッと来るぞ……なんだその笑いは」
美琴「残念だけど」ビシィッ
ジョセフ「貴様は既にわしらの術中にはまっておる!」
DIO「…!? 何ィ…」
……ゥゥゥウンッッ!!
202 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/08(土) 23:03:36.33 ID:pmVTt2nO0
上条「うおおおーーーーーッッ!!」ドヒュゥゥゥゥンッ
DIO「なっ!? 上条当麻、ヤツが宙を逆さに舞っている……いや!」
DIO「クレーンか! 工事途中のビルに放置されたクレーン! クレーンのロープを足に巻きつけている!」
美琴「それを私の電磁波で操ってるってわけよ!」
ジョセフ「背後は『ハーミット』の結界! 逃れることはできん!」
DIO「…!」
上条「姫神ィイーーーッッ!!!」
ガシイッ
美琴「やった!」
ジョセフ「姫神くんを取り戻したぞ!」
DIO「…」
上条「姫神! 無事か!?」
姫神「…」
上条「術の影響で……昏睡状態になってるのか。あとはこの『右手』で…」
パッキィンッ
姫神「」ガクッ
美琴「空の『ルーン』の輝きがなくなったわ!」
上条「よかった、姫神、これで…」
姫神「」カッ
ピシィィィッ
上条「くっ!? な…」
ジョセフ「なんじゃとおお!?」
美琴「一瞬静まったけど、また魔術式が動き始めた!? まさか…」
上条「違う…!? 姫神は…『核』じゃ、ない!?」
DIO「ク、ククク…」
上条「」ハッ
DIO「その通りだ…考えてもみろ。この私が、そんな致命的な弱点を、そんな目立つところにさらけ出しておくと思うか? その娘は魔力を『陣』に通すための…『伝導システム』でしかない」
上条「(やられた……奴の『姫神に触られるわけにはいかない』という言葉は…俺達に姫神が核だと思い込ませるための……)」
DIO「このDIOのブラフ(ひっかけ)に、お前たちはまんまとかかったということだ」
DIO「あと一分」ビシィッ
上条「…!」
DIO「我が術式が完成するまであと一分……さて、このわずかな時間内に核を見つけ出すことができるかな?」
203 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/08(土) 23:28:40.69 ID:pmVTt2nO0
ヒュゥゥゥ…
上条「」スタッ
上条「姫神…」
姫神「…」
DIO「さて……お前たちのみっともない奮闘振りを堪能した私は、あとはこうやってのんびり座りつつ最後を見届ければいいのだが…」
ジョセフ「ぬうっ…」
美琴「核は……核は見つけられなくても! あんたを倒せば済む話よッ!!」
ドォォーーンッ
DIO「…」
美琴「!? また……いつの間にか背後にいる……!」
DIO「これももう何度も言ったかと思うがね……貴様らでは我が『世界』には届かん」
美琴「…!」
ジョセフ「くっ!(やはり奴の『スタンド』…得体がしれん!)」
上条「(このままじゃ、学園都市のみんながゾンビに…どうすれば…)」
DIO「いいぞ、その表情。徐々に絶望へと染まっていくその表情。フィナーレにはふさわしい演出だ」
美琴「このっ…!」
DIO「ほらほら、そう言ってる間にもう十秒は経ったぞ。私なんぞにかまけていていいのか?」
DIO「貴様らもうすうす感じているだろう……己の生命力がなくなっていく感覚が…理性が本能に取って代わっていっている感覚が…
…少し好戦的になっていたり、感情が暴走していたりはしないか? 御坂美琴、君は特にその傾向が強いようだが…」
美琴「黙りなさい!!」
ジョセフ「御坂くん!」
美琴「」ハッ
ジョセフ「感情に振り回されては奴の思うつぼじゃ……とにかく、上条君のいるビルまで飛び移るぞ」
美琴「…はい」
DIO「いいぞ…あがけ。みっともなく悪あがきして……最後はこのDIOの前にひれ伏すがいい…」
204 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 00:25:42.22 ID:OSLKYCDT0
上条「(考えろ上条当麻……インデックスは言っていた。『核は大概、術者のそばにある』)」
上条「(三沢塾のビルからはだいぶ離れた……にもかかわらず、術は正常に稼動している)」
上条「(ということは、やっぱり『核』はDIOが身につけている何か! あのゴテゴテした装身具のどれかだ!!)」
上条「ジョースターさん! 御坂! やっぱりあいつには特攻しかない!! 俺の『右手』で触れば核も消える! 何とか奴の隙を作るんだ!!」
ジョセフ「!」
美琴「わかったわ!」
ジョセフ「待て二人とも! 安易に行ってはいかん、奴の『スタンド』は未知数じゃ!」
美琴「そんなこと言われてもッ……もう時間がないのよ!!」
ジョセフ「!」
美琴「つかまりなさい!」ガガガガガ
上条「おう!」
DIO「やはり人間とはアワレなものだ…常住坐臥、『時』に追われているのだな」
上条「DIOォォーー!!」ガガガガガ
DIO「では、手合わせ願おうか、アワレな人間代表よ……これが正真正銘、最終ラウンドだ!」
美琴「はああーー!!」ガガガガガ
美琴「鉄骨のッ『レールガン』!!」
DIO「フンッ」
ガンッ
美琴「〜〜今度は拳一発で…!」
上条「もっとガンガン撃てないのか!?」
美琴「無茶言わないでよ! ただでさえ精神消耗する荒技なのに、あんたみたいなお荷物までついてるのよ!?」
上条「怒るなよ!」
美琴「怒ってないわよ!!」
ジョセフ「ダメじゃ…完全に頭に血が上っておる……サポートはガラじゃあないんだがの…」
ジョセフ「それに、確かにのんきに作戦ターイムとはいかんようじゃ…」
205 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 00:49:55.74 ID:OSLKYCDT0
ドゴォ ドゴォ ドゴォッ
美琴「あ〜〜もう、全然当たらない! あんたいったん降りなさいよ!」
上条「無茶言うなよ!」
ジョセフ「御坂くん!」
美琴「!」
上条「ジョースターさん!」
ジョセフ「一回よけられた技は何度やっても当たりゃせん! 大切なのはスピードでもパワーでもない、精度じゃ!」
ジョセフ「見るんでなくて『観る』んじゃ、聞くんでなくて『聴く』んじゃ! わずかな隙も見逃してはならん! パニックとか興奮とか言う言葉から離れるんじゃ!」
ジョセフ「そうでなければ……本当にバッドエンドになってしまうぞ」
美琴「……」
上条「…御坂」
美琴「わかりました。やってみます…!」
ジョセフ「そのい…」
上条「ハッ!?」
ド ド ド ド ド ド ド ド ド
ジョセフ「バカな…これはDIOの『スタンド』!?」
上条「(一体いつの間に正面に…!)」
美琴「うおおおおっ!!」バチバチバチッ
DIO「ヌッ」ジュッ
DIO「フム…超能力でも『スタンド』を攻撃できるのか……やはりどこか波長が合うらしいな、『スタンド』と超能力は…」
上条「大丈夫か御坂!?」
美琴「ちょっと今話しかけないで! 後何秒なのよ!!?」
上条「わからねえよ!!」
美琴「怒らないでよ!」
上条「怒ってねえよ!!」
ジョセフ「本当にわかっとるんじゃろうな…あの2人は…」
206 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 01:03:27.32 ID:OSLKYCDT0
DIO「あと二十秒か……今我が『スタンド』の射程範囲内にいるのは…」チラッ
DIO「フッ……そうだな。一足早く貴様をゾンビにするのも悪くはない……ジョセフ・ジョースター」
ジョセフ「!」
ドゴォォッ
ジョセフ「ぐおおっ!!?」
上条「ジョースターさん!?」
ジョセフ「(ま、またか……また一瞬にして『スタンド』が目の前に……まるでテレポートでも使ったような…)」
DIO「少し…フッ飛ばしすぎたか。『ザ・ワールド』の射程範囲外に出てしまった…」
DIO「ま、わざわざ『スタンド』で殺す必要もあるまい…たとえばこのビルの破片……」
DIO「『スタンド』の精密性はともかく…新しい肉体(ボディ)の精度はまだ実験しきっていないからな……まずは『貴様』の子孫で…」
DIO「試してみるとしよう」シュッ
上条「! まずい! おい何とかできないのか御坂!」
御坂「もうやってるわよ!」ビシュンッ
DIO「! 『レールガン』で迎撃するつもりか……だが」
スカァッ
御坂「外しっ…!」
上条「ジョースターさァァーーんッ!!」
ガシッ
バゴォッ
上条御坂「!!」
DIO「…!」
ジョセフ「う……こ、これは…!?」
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
黒子「URRYYYYY!!」
207 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 01:36:47.50 ID:OSLKYCDT0
美琴「黒子!?」
上条「何だァーッ!? 壁面に指を突き立てて体を支えてる! 100キロ近いジョースターさんを軽々と抱きかかえている!」
黒子「」パラパラ…
美琴「ビルの残骸…あの子が受け止めたの…?」
上条「そうか…白井はみんなの中でも特に弱ってた、だから『ゾンビ化』が早いんだ!」
美琴「でもあの子はジョースターさんをかばった!まだ正気なのよ!」
黒子「フゥーッ……お姉さま……」
DIO「……バカな。普通、あそこまでゾンビ化が進んでいれば人間らしい心も失っているはず……白井黒子、とてつもない精神力よ」
美琴「」ハッ
美琴「DIOが黒子に気を取られてるわ! 今よ上条当麻!!」ガガガガガ
上条「へ?」
美琴「ふっとべえぇぇーーーーッッ!!」ビュンッ
上条「うおおおーーーーッ!?」
ジョセフ「壁面を滑走するスピードを利用して、上条くんをぶん投げた!!」
上条「おおおーーッ!! DIOーーーッ!!」
DIO「チッ」
DIO「」ハッ
DIO「『ハーミット』の……また結界か……!」
ジョセフ「わしは抜け目ないジジイじゃからの! おかげで貴様の『スタンド』射程範囲内をうろちょろする羽目になったがッ!」
黒子「URRRYYYYYYY!!!」ピョォンッ ドゴォッ
DIO「一気にこのDIOのいるビルまで飛んできた…!」
黒子「逃しませんのォォーーーッ!!」ドゴドゴドゴドゴッ
美琴「下からは黒子! 空と左右は『波紋入りのハーミットパープル』! 正面にはあいつ! 逃げ場はない!!」
上条「この『右手』でッ核を消す!!」
DIO「…」
ドッゴォォォォンッ
208 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 01:58:16.11 ID:OSLKYCDT0
上条「ハッ!?」
黒子「ガッ…!」
美琴「く、黒子ーーーッ!?」
ジョセフ「バカな、いつの間にか吹っ飛ばされておる! 『ハーミット』の結界も……破られておる!? 何の感覚もなかったぞ!?」
上条「(いつの間に……ビルを飛び移ったんだ、アイツは……!!)」
DIO「そのまま激突して死ぬがいい、上条当麻…」
ジョセフ「いかん!」シュルルッ
上条「うおっ」ピタァッ
DIO「チッ」
美琴「黒子ォ!」
ジョセフ「彼女のことはわしに任せろ! それよりDIOを…!」
美琴「くっ!」
上条「御坂ァ!!」バッ
美琴「ああもう!」ガシッ
美琴「私はあんた専用の運送業者じゃないんだからね!」
上条「いいから早く! 早くしないと…術が!」
美琴「くっ……のおおおッッ!!」ガガガガガガガ
209 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 01:59:12.88 ID:OSLKYCDT0
ドンッ
美琴「ハァ、ハァ…!」
上条「ハァ、ハァ…」
DIO「やっと来たか。待ちくたびれたぞ」
美琴「ハァ、ハァ、ハァ…」
DIO「」スッ
上条「…?」
DIO「あと五秒」
上条「ッ!」
美琴「うっ…」
DIO「四秒」
美琴「ううっ…」
上条「ううぅ……ッ!!」
DIO「三秒」
上条「うおおおおーーーーーッッ!!!」
美琴「あああーーーーッ!!!」
ドォォーーンッ
DIO「届かない。と言ったはずだ」
上条「…!」
美琴「…」
美琴「……なんで…」
上条「(わからない……なんであいつはいつも、いつの間にか背後に……)」
DIO「いい表情だ…その顔が見たかった……あと二秒……」
上条「……!」
DIO「喜べ。絶対的な力の元にひれ伏すのは、愚か者の特権だ」
DIO「ゼロ」
210 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/10/09(日) 02:29:22.11 ID:GeiqVt4DO
早く
211 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 02:30:13.41 ID:OSLKYCDT0
カッ
上条「『ルーン』が!」
美琴「あっ、ぐああっ!!」ガクンッ
上条「御坂ァ!」
姫神「う…あ…」ググ…
ジョセフ「ぐっ! この…おぞましい感覚!」
黒子「…う」パチッ
DIO「いよいよ太陽が『死ぬ』! 我が世界の誕生だ!!」
上条「く…そ……」
上条「くそおおおーー!!」ブンッ
パシィッ
上条「くっ!?(く、靴底で止められた!?)」
DIO「上条当麻……貴様、承太郎に『幻想』がどうのと喚いていたな……このDIOからしてみれば…私を倒そうなどという考えはそれこそ幻想に過ぎん!」
ドグシャァァッ
上条「うああああっ!?(体重をかけてッ…床まで踏み抜かれた……ッ!)」
DIO「悲鳴を上げるのが上手いじゃあないか、上条当麻!」
DIO「どうやらこの右手のおかげで貴様は術の効力から逃れているらしいな…
ではこのまま拳を砕いたら……どうなるのか、このDIOは非常に興味がある…」グリグリ
上条「うっ…ぐっ…!」
美琴「と…うま……!」
バシュゥゥンッ
DIO「!?」
上条「えっ」
シィィーーン…
美琴「『ルーン』の輝きが…弱まった…?」
DIO「バカな…確かにあと一分の計算だったはず!」
上条「」ハッ
上条「まさか…!」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
姫神「ハァ、ハァ、ハァ…!」
上条「姫神…! 姫神が術の進行を食い止めてくれているんだ!」
姫神「……あなたには……負けない……!」
DIO「チッ…意識が戻っている。『核』から離れたことで……少し影響力が弱まってしまったか…」
上条「!」
DIO「だがそれももって十数秒……ほんのちょっぴり寿命が延びるだけのことよ!」
212 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 02:31:46.34 ID:OSLKYCDT0
ジョセフ「今のは…いよいよ終わりが近いということか? くっ、わしはどうすれば…!」
黒子「う…」
ジョセフ「白井くん? 意識が…」
黒子「(ど…どうやらやられてしまったようですの…)」
黒子「(初春……このままわたくしが死んだら泣いてしまいますわね……いや、怒るかしら、書類もためたままだったし……)」
黒子「(DIO…そうですわ……DIOの攻撃は……このゾンビの動体視力を持ってしても……奴の動きは……動きのぶれさえわかりませんでしたの…一体どういうことですの…これが意味するところは……?)」
黒子「(ジョースターさんの『ハーミット』も……一瞬で、いや、寸分の一の秒差もなく……バラバラに……『秒差』)」
黒子「(秒差がない……見えない……いや、『動いているのを認識できなかった』?)」
黒子「(動いた時を認識できない……『時』)」
黒子「(時……時、『時間』……!!)」
黒子「……!!」
ジョセフ「白井くん!? しっかりするんじゃ!」
黒子「お、じ……さま……!」
213 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 02:49:34.71 ID:OSLKYCDT0
美琴「『レールガン』!」ビシュンッ
DIO「チッ」バッ
美琴「あんた!? 無事!?」
上条「な、なんとかな…」
上条「姫神が…最後のチャンスをくれた! 今度こそ、絶対に奴を倒す! 姫神を助けるぞ!」
美琴「言われなくたってわかってるわよ!」
DIO「やはり……ジョースターとの因縁はあなどれんというわけか…その因縁の糸に絡みついたカスどもでさえ……こうもこのDIOに食らいついてくる」
DIO「ならばやはり貴様らは……このDIO最大の力で決着をつける!」バッ
ジョセフ「上条くんーー!!」
上条「!?」
ジョセフ「距離をとるんじゃ! 白井くんが奴の力を見破った!!やつの『スタンド』は時間じゃッ! DIOは時を止める能力を持ってるん」
ドォォーーン
DIO「『世界(ザ・ワールド)』」
DIO「時は止まった……が」
上条「…」
DIO「」サッサッ
DIO「フム…かざした手を目で追ったな…大切なのは『認識すること』か…よく言ったものだ」
上条「(み、見える…今までわからなかったけど…確かに、ジョースターさんの言ったとおり、『時が止まって』いる!)」
上条「(『右手』が…動く…! これを、体にかざせば…)」グググ…
DIO「無駄無駄無駄無駄ッ」
ドゴォォッ
上条「ぐはああっ!!」
美琴「はっ!?」
214 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 03:08:37.91 ID:OSLKYCDT0
美琴「い、いつの間にあいつが吹っ飛んで……これが時を止めるということなの…?」
上条「う…ぐっ、ハァ、ハァ…」
美琴「DIOがいない? 一体ドコに…」
上条「ッ!」バッ
美琴「え?」
DIO「おめでとう、上条当麻」パチパチパチ
DIO「『認識した』お前はやっと我が世界に『入門』してこれたというわけだ…白井黒子やジョセフのじじいに感謝するがいい」
美琴「い、いつの間に給水塔のてっぺんなんかに…そ、それより、あいつはさっきDIOを目で追った!見えていたのね!これで勝機が…」
DIO「しかし。貴様の場合、私はちっとも脅威に思わん」
上条「!」
美琴「…!」
DIO「なぜかわかるか? 貴様が『弱い』からだよ。貴様の『右手』は確かに我が『世界』に無粋な穴を開けてこれるほど無双だ。だが、『それだけ』だ。貴様は『打ち消す』だけで、このDIOを倒すだけの腕力も知力もないからだ」
DIO「事実、貴様はもう証明しているではないか、自分の弱さを」
美琴「…?」
上条「何?」
DIO「承太郎」
上条「!」
DIO「彼は…実に優秀なヤツだった。彼は我が『世界』に『入門』してきた最初の人物だったのだ…確か、止まった時の中を一秒か二秒か…そのくらい動けるようにさえなっていた」
DIO「覚えているか、上条当麻。お前と承太郎の戦いが決した直後、私が『突如として』現れたのを」
上条「…! まさか、あの時も『時』を…」
DIO「止めていた……そして止まった時の中で私が殺そうとしたのは承太郎ではない……」
DIO「貴様だ…上条当麻」
215 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 03:21:13.29 ID:OSLKYCDT0
上条「! ま、さか…」
DIO「そう! あの時承太郎はとっさにこのDIOの攻撃からお前を守ったのだ、その身を挺して!」
上条「(承太郎が…そうだ、確かにあの時、承太郎は『突然』俺の目の前に現れて…!)」
美琴「! 耳を貸しちゃダメよ!」
DIO「いいやよく聞け!上条当麻、承太郎は『貴様をかばって死んだのだッ』!!」
DIO「貴様さえあの場にいなければ…貴様のような足手まといさえいなければ、承太郎は死なずに済んだ…貴様が止まった時の中で動けなかったから…貴様の『弱さ』がッ!承太郎を死なせたッ!」
上条「ッ…」
美琴「嘘よ! 全部嘘だわ!」
DIO「そんな貴様が誰かを『助ける』?『救い出す』だと?」
DIO「片腹痛いわ身の程知らずが!」
上条「ううッ!」
DIO「貴様はいつだって誰かに守られて生きてきた。それを知らず…今まで逆境を潜り抜けてきたのが自分の『強さ』ゆえと思い込む…愚かなことだ。実に…滑稽だよ上条」
上条「…!」
美琴「ふ…」
美琴「ふざけんなぁぁーー!!」
DIO「!」
上条「ビリビリ…」
美琴「あんたがそいつの何を知ってるって言うのよ! そいつはずっと、正々堂々と戦ってきた、いつだって、どんなに不利な状況だからって背を向けて逃げ出すようなことはしなかった! あんたは何よ!汚い仕事は部下にやらせて、弱いって断言したこいつとすら真正面から戦おうとしない!ぴょんぴょんノミみたいに逃げ回ってるだけの臆病者じゃない!!」
美琴「そいつは…当麻は! あんたなんかよりずっと勇敢よ!!」
上条「お前…」
DIO「フンッ。では証明してみせろ……その勇敢さとやらは承太郎の『力』より強いのだと…」
美琴「当麻…特攻は私に任せて、あんたは自分にできることをやりなさい!」
上条「御坂……いや、美琴! …ありがとうな」
美琴「うっ…うるさいわね!ちょっとコイツに腹がたったってだけで、別に…あんたなんか…」
上条「じゃあ後は頼んだーー!!」ピョォォンッ
美琴「えっ、ちょ」
上条「ジョーースターーーさーーん!!」ヒュゥゥゥゥ
美琴「…」
DIO「あれが勇敢……ねえ?」
美琴「あ…あいつにはきっと策があるのよ!」
美琴「私はあいつを……信じてる!」
216 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 03:26:59.82 ID:OSLKYCDT0
上条「(そうだ……絶望してる場合じゃない。一方通行も言ってたじゃないか……みんな俺に最後を託してくれようとしているんだ)」
上条「(姫神じゃないとすれば、一体何が『核』なんだ…?
DIOが身に着けてるってのは間違いない……だけど一つ一つに触って確認するような隙を、あいつは与えてくれないだろう…)」
上条「(落ち着け…よく思い出すんだ、上条当麻。DIOだって完璧じゃない、きっとどこかでボロをッ、俺たちへのヒントを出してるはずッ…)」
禁書『これだけ大きな術式なら絶対術者の近くにあるんだよ』
土御門『どれが核かまではわからないけどな』
一方通行『自覚しろ、テメェの背負ってるモンを……』
美琴『汚い仕事は部下にやらせて、弱いって断言したこいつとすら真正面から戦おうとしない!』
ポルナレフ『案外「肉の芽」にさえ気をつければ楽勝なんじゃあないだろうかと俺は思うね』
花京院『「スタンド」は一人一体! がルールだ。精神が一人ひとつしかないようにね』
DIO『貴様ら「ジョースターの血統」どもは! 魂まで穢して殺さねば気が済まん!』
ジョセフ『こいつの首から下はッわしの祖父の肉体なのじゃぁぁ〜〜!!』
上条「…!!」
上条「そうか…そういうことか…!」
217 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 03:36:11.22 ID:OSLKYCDT0
ザァァァーー…
ジョセフ「給水塔が壊れて……体を冷やす、移動するぞ」
黒子「U…URRY……おね、さま…」
ジョセフ「これ、動いちゃいかん」
黒子「お離しになって……隣のビルでは、おねえさまが、戦ってらっしゃるのに…うっ!」
ジョセフ「だからといってその怪我では」
上条「ジョースターーさーーーん!!!」バッ
ジョセフ「OH!? 『ハーミットパープル』!」
シュルルッ ストッ
上条「どうも」
黒子「ど……どうもじゃありませんことよ…! あなた…おねえさまを戦わせておいて、こんなところに…」
上条「すぐ戻るさ。その前に、ちょっとばかし俺のお願いを聞いてくれないか?」
黒ジョセ「…?」
218 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 03:43:31.80 ID:OSLKYCDT0
美琴「ハァ、ハァ…(ま、まったく当たらない…!)」
DIO「それで終わりか? ま、少々服が土ぼこりで汚れてしまったが…」
美琴「くっ!」サッ
DIO「無駄無駄無駄ッ」
ジョセフ「『ハーミット』!」
黒子「でえええええいッッ!!!」ブンッ
上条「おおおおおお!!」
DIO「!」
美琴「! 『ハーミット』で体を縛ったあいつを…黒子の怪力でここまで飛ばしてきた!? で、でも…!」
上条「うおおおおおーーっ!!」
美琴「そんな不意打ちが通用する相手じゃないわ!」
上条「それでも! こいつに一発ぶちこまなきゃ気がすまねえぜ!!」
DIO「とうとうヤケクソになったか…」
上条「くらえっDIOーーッッ!!」
DIO「愚か者めがァッ!このまま貴様自慢の『右手』ごとカメのように頭蓋骨を陥没してやる!!」ブンッ
上条「(また蹴り…やっぱり!)」
バシャァァッ
219 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 03:46:20.48 ID:OSLKYCDT0
DIO「なっ…『鏡』!?」
黒子「まったく、くだらないこと考えますのね…」
ジョセフ「そのくだらないことに引っかかるDIOもDIOじゃがな」
DIO「(違う!水を瞬間移動させ、ジョセフの念写で立体的なビジョンを作ったのか!)」
上条「うおおおーーーッ!!」バッ
DIO「本物は背後ッ!」
上条「おおおおおおーーーッッ!!!」
DIO「小賢しいわァーッ!」
ビシュッ
美琴「は、外した! 本体の腕をかすっただけで!」
上条「いいや、それだけで十分だ…」
DIO「…ヌッ!」
バリィッ
美琴「ハッ…!? DIOの腕から、イバラのようなものが…!?」
黒子「『ハーミットパープル』!?」
ジョセフ「いや違う…あれは…まさかッ!上条君の狙っていたものとはッ! DIOでも『ワールド』でもなく!」
パッキィィーーンッ
DIO「…!」
美琴「イバラが…砕け散った…」
220 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 03:47:26.74 ID:OSLKYCDT0
姫神「…あ」
ピシッ…
ピシッ…ピシピシピシィッ
黒子「そ…空の絵が、砕けていきますの…」
上条「やっぱりな…」
パッキィィーーンッ
姫神「(…!)」フッ
姫神「」ドサッ
美琴「魔法陣が…今度こそ、完全に消滅した…」
上条「『〈核〉は術者の近くにある』! インデックスたちの言葉がヒントをくれた!」
DIO「…」
ジョセフ「なんと、DIOのやつ…我が祖父ジョナサンの『スタンド』を『核』にしておったとは…!」
黒子「だ、だから…彼と拳を交えようとは、しなかったんですのね……触れた瞬間、魔術が打ち消されるから…」
美琴「やったわ…食い止められたのよ! あんたの力で!」
上条「いや、みんなの力さ。…御坂や…みんなのおかげだ」
美琴「あっ…当たり前よ…」カアアッ…
221 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 03:49:12.85 ID:OSLKYCDT0
危機が去ったところでいったん切ります。
やべえな。今日こそ早く寝ようと思ってたのに…
ここまで呼んでくれてありがとう。そしてありがとう。おやすみなさい。
222 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 21:34:36.60 ID:OSLKYCDT0
ドゴンッ
上条「」ハッ
DIO「……き……貴様は……貴様は……」
ベキベキベキベキベキッ
美琴「ゆ……床に腕を突っ込んで…?」
上条「まさか…!」
DIO「貴様はこのDIOの逆鱗に触れたぞ上条当麻ァァーーーーーッッ!!」
ドゴゴゴォッッ
上条「なっ!?」
美琴「床をえぐった!?」
上条「正気か! お前の足場ごと崩れてるぞーー!」
DIO「よくもッ!たかが人間の分際でッ!あと少しでッ!あと少しというところでッ……ウヌオオオオオッッ!!」バキバキバキバキ
上条「うおおおっ!?」
美琴「きゃあ!?」
ジョセフ「いかん! 早くこっちに来るんじゃ、2人ともー!」シュルルッ
黒子「だ、だめですわ…『ハーミットパープル』でもギリギリ隣のビルまで届かない…!」
美琴「!」
ドゴォォォーーン
黒子「お姉さまーッ!」
美琴「」シュォォォォォッ
上条「うおおおおっ!?」
ジョセフ「『ハーミット』を電線代わりに、ロープウェイのような動きでこっちまで移動してきた!」
223 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 21:43:16.80 ID:OSLKYCDT0
美琴「」スタッ
美琴「フーッ…」
黒子「お姉さま!」
美琴「黒子……あんた怪我は?」
黒子「お腹に穴が…でも全然痛くないんですの。ちょっと動き辛いくらいで」
美琴「…あんたはもう休んでなさい」
黒子「えっ、でも…」
ジョセフ「君ももうわかっておるはずじゃ…今のそれは半屍人だからこそできる芸当。術式を解除し、元に戻ったとき……その『ツケ』は一気に君の肉体を襲うじゃろう」
黒子「…!」
美琴「元に戻った瞬間ご臨終なんて洒落にもならないでしょうが」
黒子「わかり…ましたわ」グッ
美琴「…あんたは平気?」
上条「ああ。悪いな美琴……お前には助けられっぱなしだ」
美琴「別に…目の前で死なれても後味が悪いってだけよ」
上条「それにしてもなんて奴だ…ビルがほとんど倒壊してるじゃないか」
224 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 21:45:14.37 ID:OSLKYCDT0
ド ド ド ド ド ド ド ド ド
DIO「フゥーッ、フゥーッ…!!」
ド ド ド ド ド ド ド ド ド
美琴「あいつ、なんだってあんなに逆上してるの? いくら計画を破られたからってあの怒り方は異常よ」
上条「因縁…」
美琴「?」
ジョセフ「なるほど…この術式は承太郎とわしの生き血で作動した。そして術式の『核』は我が祖父ジョナサンの忘れ形見とも言える『イバラのスタンド』!」
上条「この計画が完遂していれば、奴はまさしく『ジョースター』を魂まで穢して殺すことができていた!」
上条「あいつはしきりに『因縁』という言葉を口にしていた。DIOにとってこの計画はまさにッ『ジョースター』の因縁を断ち切るという点で重要な儀式だったんだッ!」
ジョセフ「だがそれも終わりじゃ、DIO! 貴様は結局失敗した! わしらの妨害によって!」
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
DIO「『ザ……ワールド……!!』」
ドォォーーンッ
225 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 21:46:39.53 ID:OSLKYCDT0
上条「」
上条「」ハッ
上条「時が…! いや、それよりDIOがいない? あの一瞬で、どこに消えたんだ」
『こ…ろ……して……やる』
上条「!」
『殺してやる……貴様らの首切り落としてドブにも劣る臭い生き血を搾り出しッ、腹の中のクソの詰まったソーセージと性器をその口に詰め込んでくれるわッ……!!』
パキパキッ…パキッ…
上条「(なんだ…この音は……まるで鉄筋コンクリートが崩れるような……)」
ドォォーーンッ
ジョセフ「ハッ!」
美琴「ハッ!?」
上条「上ッ!?」バッ
ドグォォォンッ!!
226 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 21:49:04.54 ID:OSLKYCDT0
DIO「三沢塾だッッ!!!!」
上条・ジョセフ・美琴「〜〜〜……うおおおおおおおォォーーーーーーーーッッ!!!!!」
ドォォォォーーーーンッッ
227 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 21:55:03.78 ID:OSLKYCDT0
上条「う……」
黒子「みなさん……ご無事、ですの……?」
美琴「黒子! あんたテレポートを……!」
黒子「おっしゃりたいことはわかってますわ……お姉さまがわたくしを心配する気持ちも。
けれど!お姉さまを守れずして何がジャッジメント、何がわたくしでしょうか!」
美琴「……いいえ。私はあんたを責めないわ。あんたの覚悟は……しっかり伝わった」
美琴「一緒に戦いましょう。黒子…」
黒子「…ッ!」
上条「なんて、野郎だ。ビルを投げつけるなんて……三沢塾には一方通行も、御坂妹も、打ち止めも……承太郎だっていたんだぞ…ッ!!」
ジョセフ「上条くん…わしの言ったことを覚えておるか?」
上条「?」
ジョセフ「おそらく…これがDIOとの最後の交戦になるじゃろう。やつに……もはや油断はない」
上条「…感情に振り回されてはいけない。見るんじゃなく『観る』。聞くんじゃなく『聴く』…一瞬のチャンスをものにするために」
美琴「あんたのためのチャンスよ」
上条「!」
黒子「決して……見逃さないでくださいまし」
上条「……ああ」
228 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/09(日) 22:15:35.54 ID:IBgF16oTo
タイトルに惹かれたけど単なる禁書マンセーでツマンネ
229 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 22:20:17.12 ID:OSLKYCDT0
ヒュオオオオオ…
DIO「……下に逃れたか」
DIO「……チッ、やはり出ない」
DIO「どうやら『貴様』は勝ち逃げらしいな…」グッ
DIO「だが、『血統』相手というならば話は別だぞ……!」
ダンッ
ジョセフ「来るぞッ!!」
シュンッ
DIO「!」
黒子「テレポートからのッ…!」
美琴「ゼロ距離『レールガン』!くらいなさい!!」
DIO「甘いッ!」ガシッ
美琴「しまっ……手をつかまれ……」
バキバキバキバキッ
美琴「うあああああッッ!!!」
DIO「邪魔だ!」ブンッ
美琴「がっ……!」ズシャァァッ
黒子「お姉さま! よくもーーッ!!」
DIO「無駄無駄無駄無駄ッ! うっとうしいぞゾンビ風情がァーー!!」
ドゴゴゴゴッ
黒子「ゴフッ…!」
上条「白井ィィーー!!」
DIO「上条当麻……ジョセフ・ジョースター……!」
DIO「このDIOは……百年の眠りから覚めて今まで、一日たりとて心休まる日はなかった! 感じていたからだ! ジョースターの因縁を! そしてそれは今ここで終わるッ!!」
230 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 22:33:04.47 ID:OSLKYCDT0
ジョセフ「上条くん! 君はまだ下がっておるんじゃ!」バッ
上条「…!」
ジョセフ「『ハーミットパープル AND 波紋』!!」
DIO「ワンパターンが過ぎるぞおいぼれッ! 『波紋』なんぞ触れなくても攻撃はできるわッ!」
DIO「ゆけィ!『ザ・ワールド』!!」
ドッゴゴゴォォッ
ジョセフ「! 地面のアスファルトを砕いてこっちに……ぐああっ!!」ドジャァッ
上条「ジョースターさんッ!」
美琴「DIOォォォーーーッ!!!」ドンッ
バゴバゴバゴバゴバゴォッ
DIO「!」
上条「DIOのえぐった地面から……地下の送電線がッ!」
DIO「こんなこともできるのか……なるほど、応用力に長けた能力よッ」
美琴「くらいなさい! 学園都市中の電気による攻撃を!!」
上条「電気をまとった何本もの地下ケーブルがッ、蛇のように襲い掛かっていく!」
DIO「無駄だ」
ドォォーーンッ
231 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 22:59:03.67 ID:OSLKYCDT0
上条「…!」
美琴「うっ!? ケーブルが……根元から断ち切られてる……!?」
上条「(時を止めて…瓦礫を弾き飛ばして切断した! あっという間の出来事だった……何もできなかった……くそッ)」
DIO「それで終わりか…小娘…」
美琴「」ハッ
上条「頭上だ御坂ァーー!!」
DIO「ノロい! このまま肩甲骨を叩き割ってッ! 腰間骨まで鯵の開きのように掻っ捌いてくれる!!」
シュンッ
美琴「!」
上条「DIOと御坂の間にッ! 白井がテレポートした!」
DIO「…」
黒子「お姉さまには……指一本触れさせませんの……!」
DIO「無駄ァ!」ドゴォッ
黒子「がっ!」
美琴「黒子ォ!」ガシィッ
ズッシャァァァッ
美琴「う…」
黒子「ハァ、ハァ、おねえ、さま……!」
上条「白井……御坂……」
DIO「次は貴様だ。上条」ズンッ
上条「…!」
DIO「…ヌッ」ハッ
ピッタァァッ
DIO「これは…まさか…」
美琴「ようやく…気づいたようね…」
黒子「すべては『布石』…このための…」
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
ジョセフ「『ロープマジック』…昔取った杵柄というやつじゃな」
232 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 23:01:15.27 ID:OSLKYCDT0
DIO「糸の結界だと……バカな!」
ジョセフ「お前は次に『ハーミットの結界には用心していたはずだ』と言う!」
DIO「ハーミットの……ハッ!?」
ジョセフ「このJOJOがそうそう凡作を敵に使うかい! どーやら感覚の目だけに頼って…現実のほうはお留守だったようじゃな!」
DIO「地下の電線ケーブル…これを利用したのか。このDIOが切断することまで予想して!」
ジョセフ「わしの持つケーブルの先端を引けば……ケーブルは貴様の体中に巻きつく!そして『波紋』を流せばお陀仏じゃ!」グイッ
DIO「チッ……だが『ザ・ワール……』」
ガシィッ
DIO「!?」
上条「ケーブルに気をとられていたな……捕まえたぜ、DIO! もうお前は『ワールド』は出せない!!」
DIO「!! ば、バカな! こんな……!!」
ジョセフ「コオオオオ……!」
DIO「こんなことでこのDIOがッ…!」
ジョセフ「『波紋疾走(オーバードライヴ)』!!」バリバリバリィッ
DIO「このDIOがァァーーーー!!!」
233 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/10/09(日) 23:24:43.61 ID:GeiqVt4DO
早く…
234 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 23:26:33.46 ID:OSLKYCDT0
一瞬!
それは一瞬の出来事だった!
『波紋』の光がケーブルを這い、DIOを包み込む……。包み込んだように見えた……。
瞬間、光がはじけて消えた。
少年の絶叫がこだました。
一体何が起こったか……その場の誰もが理解できなかった……DIO以外は。
上条「うおおおおおッ!!」
上条「うおおおおおおおッッ!!?」
美琴「当麻のッ…『右手』が!」
黒子「根元から…折れて…!」
ジョセフ「一体これは……ハッ!」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
DIO「『賭け』だ……これは賭けだった……上条の『右手』がッ、『波紋』も打ち消すのかどうかという!」
DIO「そして運はこのDIOに味方したぞ!!」
ジョセフ「奴は…奴は、『波紋』が自分に届く寸前、上条くんの『右手』を折り飛ばしてケーブルに触れさせた……そして『波紋』は消し飛んだ…!」
上条「うっ…ぐ、ぐぅッ…!」
DIO「皮肉なものだな? つい数分前まで貴様らの希望として輝いていた『右手』が……最後の最後にこのDIOを救った」
DIO「貴様らには随分と辛酸を舐めさせられたが…これで終いだ」
黒子美琴「!!」
ジョセフ「いかん!」
DIO「『世界(ザ・ワールド)』!!」
ドォォーーン
235 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 23:40:56.74 ID:OSLKYCDT0
上条「(時が、止まった…!)」
DIO「まずは貴様だ上条当麻…! 貴様が我が世界に『入門』するには『右手』を体にかざすことが必要! 今の状況でそれができるとは思わんが、貴様の精神の爆発力は侮れんものがある!」
上条「…(左手で右手を動かせば…くそ、間に合わない!?)」ググ…
DIO「さらばだ! 我が運命に現れし天敵よッッ!!」ビュワッ
上条「ッ……!」
??「オォラァーーッッ!!!」
ドッゴォォーンッ
DIO「!?」
上条「!」
上条「…ろ……」
上条「ロードローラーだ…ロードローラーが落ちてきた…! なんで…?」
上条「(さっきの声…まさか…)」
??「やーれやれだぜ…」
上条「(まさか…!!)」
??「テメーがうるせえんで、やっぱり寝そこなっちまった」
バァァーーン
上条「じょ…承太郎ーーッ!!」
236 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/09(日) 23:47:22.78 ID:OSLKYCDT0
一方通行一行と、ジョセフと美琴が三沢塾で再会したのは、上条が屋上へ向かってすぐのことだった――。
一方通行『「輸血」だァ?』
ジョセフ『そうじゃ! わしと承太郎の血液は同じB型! それに承太郎は吸血されて五分も経っておらん! 可能性は十分…』
一方通行『悪ィが、無理だ』
ジョセフ『なぜだ!? 君の「ベクトル操作」なら血管から血管に血を移すなど簡単じゃろう!』
一方通行『問題はそこじゃねェンだよ、ジジイ…こいつの心臓は、もう止まっちまってる…。
…何リットル血を注ごうが、全身スミズミにまで血を巡らすことができなきゃ意味がねェ…』
ジョセフ『くっ…!』
バシュゥゥン
一方通行『!』
ジョセフ『これは…』
ジョセフ『じょ……バカな…承太郎の「スタープラチナ」の腕!? 腕だけが出てきおった!』
一方通行『左胸に入って……まさか、直接心臓マッサージしてるってのかよォ、おィ』
ジョセフ『承太郎の……承太郎の心はまだ死んでおらん! わしの孫の生命の大車輪はたゆまず回り続けているッ!』
ジョセフ『承太郎の「誇り」がッ、無意識がッ、「立ち向かう意志」を動かしておるのじゃ!!』
〜〜〜
一方通行『ジジイの言うとおり輸血しちゃいるが……ホントーに生き返るンだろうな……失血死ってかショック死じゃねェか…』
打ち止め『失敗したって誰もあなたを恨まないよ、とミサカはミサカはあなたを励ましてみる』
一方通行『…あ』
彼が『のなァ』と続けようとしたその時――DIOがちょうど自らの『スタンド』の名を叫んだ。
あとのことは一方通行・打ち止め・御坂妹の三人には知覚できなかった。
気づけば、昏睡状態だったはずの男が、自分達を抱きかかえて隣のビルへと飛び移っていた。
さきほどまで自分達がいたビルが、二階部分から下を残して消失していた。
そして彼らが再び気づいた時には――すべては、終わっていた。
237 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/10(月) 00:12:31.52 ID:6XHhgUZm0
DIO「承太郎、貴様…何の真似だ」
承太郎「…」
DIO「何の真似かと聞いているのだ!承太郎!」
承太郎「さあな、なんのことだ…と言い逃れできる状況ではなさそうだな…」
上条「承太郎、お前…」
承太郎「DIO」
承太郎「俺は確かにテメーに救いを求めたのかも知れねえ……だが、それは人としてやってはいけねえことだった」
承太郎「テメーの欲望のために誰かを傷つけるなんざ、やってはいけねえことだった。俺は鈍感な振りをして、そこから目を背け続けていた」
承太郎「認めたくはねえが、俺はビビッちまってたんだろう。
自分の選んだ道が自分の最も嫌う『悪』の道だったってコトに…選んじまった以上、その『ツケ』を払わなくちゃいけねえって現実に…」
承太郎「テメーが悪だと知った時点で、俺はテメーを止めるなり倒すなりしなくちゃならなかった。
それをやらなかったのは、つまり、俺はテメーに甘えてたんだ。テメーの言ってた通りだぜ……俺はまだまだガキだった」
承太郎「なら成長しなくっちゃならねえな……自分の道は自分で決められるような大人に……」
承太郎「そこんとこを教えてくれたのは、上条、お前だぜ」
上条「承太郎……!」
DIO「フンッ……なるほど…所詮貴様もジョースターの血統だったと、そういうことか…」
DIO「チッ、そろそろ時を止めるのも時間切れか…よかろう承太郎、こうなれば貴様もろと、も……!?」
グググ…
DIO「な、なんだこれは…? か、体が、動かん!?」
承太郎「!」
DIO「この現象……ば、ばかな…貴様、承太郎……まさか!」
承太郎「…」
ド ド ド ド ド ド ド ド
承太郎「まさか、『スタープラチナ』…俺が時を止めた…?」
上条「」ハッ
上条「そうか!『スタンド』は精神力! 承太郎、お前は成長したんだ、確かに!」
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
上条「『スタープラチナ・ザ・ワールド』に!」
ドォォーーンッ
DIO「……!」
承太郎「…DIO。この事件は、多分俺とテメーが出会ってから始まったんだ…だから…」スッ…
承太郎「俺がすべての『ケジメ』をつける!」ピシュッ
238 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/10(月) 00:20:52.81 ID:6XHhgUZm0
承太郎「これからテメーをやるのにッ一秒もかからねえぜ、DIO!」
上条「(DIOは動けない……か、勝った!)」
DIO「」ブツブツ…
DIO「(勝利→支配、勝利→支配、勝利→支配、勝利→支配、勝利→支配、勝利→支配、勝利→支配、勝利→支配、勝利→支配……!)」
DIO「(このDIOの人生はそれだけよ…ッ! それだけが満足感よ…ッ!)」
DIO「(こんなところで、俺は敗けん…敗け! 何世紀も未来へ!永久へ生きるこのDIOが……このDIOが…!こんなところで…)」
DIO「倒れるかぁーーー!!」バッ
上条「!?」
承太郎「わずかにまだ、動ける時間を残してやがったか…」
上条「じょ……!」
239 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/10(月) 00:24:25.01 ID:6XHhgUZm0
上条「承太郎ォーーッ!!」
承太郎「DIOォォーーーーッッ!!」
DIO「ジョォジョォォオーーッッ!!」
ギュインッ
承太郎「オォラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!」
DIO「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!」
DIO「!?」ボンッ
承太郎「ッ!」ブシュッ
承太郎「うおおおおおっ!!」
DIO「WRYYYYYYYYYYY!!!」
承太郎「オラァァアッ!!!」
ドグァッシィィンッッ
上条「…!」
240 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/10(月) 00:28:39.59 ID:6XHhgUZm0
承太郎「…」ボンッ
上条「『スタープラチナ』の腕がっ!」
DIO「」ニヤリ
パキ…パキパキ……ッ
パキィィンッッ
DIO「なっ! なんだとぉぉお!?このDIOの『ザ・ワールド』がッ!」
上条「真っ二つに裂けていく…!」
DIO「ばっ…バカな……このDIOが…! このDIOがァァァアーーーーッッ!!」
承太郎「……」
承太郎「このまま朝日を待てば塵になる…」
承太郎「伝言だ。『先に待ってる』そうだぜ」
DIO「…」グラ…
承太郎「……そして時は動き出す」
ブシュゥゥゥッ
241 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/10(月) 00:31:42.98 ID:6XHhgUZm0
美琴「ハッ!?」
ジョセフ「時が…とまっておったのか、そしてDIOは…ハッ……承太郎…」
黒子「終わった…んですの?」
上条「承太郎…」
承太郎「妙な目で見るんじゃあねえ…『ケジメ』をつけた、それだけだ…」
承太郎「…」フラッ
上条「!」ガシッ
ジョセフ「承太郎!」
上条「…大丈夫…気を失ってるだけです……とっくに限界だったんだな、肉体的にも精神的にも…」
承太郎「…」
上条「…ありがとうな…」
DIO――世界〈ザ・ワールド〉……完全敗北・死亡
242 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/10(月) 00:36:10.40 ID:n9RCAAUYo
最後の最後決めてくれたかうけたまわりさん
243 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/10(月) 00:38:51.30 ID:6XHhgUZm0
学園都市を騒がせた事件は、こうして終わりを迎えた。
DIOの体は日の出とともに灰になり、衣服は燃やされ、DIOは完全にこの世からいなくなった。
みんな無言だった。
派手な喜びはなかったけれど、ようやく終わったのだ、という達成感に満たされていたように思う。
その後のことを少しだけ。
承太郎はジョースターさんによる、
承太郎「いまさらどの面下げて会えってんだ」
ジョセフ「悪いとおもっとるなら尚更面と向かって謝りに行かんかい!」
との説得から肉体言語による交流を経過して、なんとか母親の待つ実家へと連れ帰られた。
しかし……一番重態だったのは承太郎に輸血るに輸血ったジョースターさんだったのだが……年の功ってやつだろうか。
そして最近になって、ひょっこり承太郎が顔を出してきた。
承太郎はしばらく無言のままだったが、ぽつりと「どうやらテメーの予想があってたぜ」と難解なセリフを口にした。
承太郎は――この期に及んでなお――母親にちょっと顔を見せたら家を出るつもりだったらしい。
だが、その『ちょっと顔を出す』時点でその計画は破綻した。
DIOの影響で弱りきった母親の姿を目の当たりにしたのと、その母親が寝ても覚めても昏睡してもずっと承太郎を心配してくれてたと聞いたためだ。
その瞬間、承太郎の『価値』という幻想は、やっとのこと粉々に砕けてくれたらしい。
本当、頑固な幻想でした。
多分、じかにこの目で母親が倒れるのを見ていたら、DIOになびくこともなかったろう、というのは本人の言。
ついでに学校で遠巻きにされていたというのも彼の誤解だったようで、
裏で彼を番長と慕っていた不良さん方や、かわいい学級委員長やら実は秘密裏に結成されていたファンクラブやらは無事の帰還を泣いて喜んでくれたらしい。
ってなんだそりゃ。リア充じゃねえか。爆発しろ。
244 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/10(月) 00:43:40.66 ID:6XHhgUZm0
承太郎「テメーにだけは言われたくないぜ…」
上条「? しかし、そんなにファンがいたのに気づかないなんて、そーとー鈍感なんだなお前」
承太郎「誰だって2人一組を作ればハブにされ、通りかかればガンつけられ、常に半径二メートル以内に人がいない状況だったら誤解もするぜ」
上条「そりゃあ……しかし、なんだってそんな徳川時代のキリスト信仰みたいなことになっていたのでせうか……」
承太郎「それも聞いた」
上条「何だって?」
承太郎「笑うんじゃあねえぞ」
上条「そりゃもちろん」
承太郎「…」
『だってJOJO、うっとおしいの嫌いでしょ?』
承太郎「…だと」
上条「……」
上条「だっーーはっはっは!! 何だそりゃ!」
承太郎「笑うんじゃあねえと言ったはずだぜ…」
上条「要するにアレか、みんなお前のためを思ってお前を『ひとり』にしてくれてたわけだ」
承太郎「だからってな……俺一人馬鹿みてえじゃあねえか」
上条「でも話せばわかってくれたんだろ?」
承太郎「…」
245 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/10(月) 00:45:09.64 ID:6XHhgUZm0
承太郎「俺が今回の事でわかったのは……俺は俺のことばかりを考えすぎてたってことだ」
承太郎「『本当の自分』なんてどこにもいやしねえ…。ワルな俺もいるし、ワルじゃあない俺もいる…」
承太郎「だからもうテメーのことばかり考えるのはナシにした。周りの気持ちなんかも…ちょっと考えてみてもいいかもな」
上条「いいんじゃないですかね。きっと。ずいぶん」
承太郎「…」
上条「……な、なんでせうか? そんなに上条さんを凝視しても心は読めませんぜ?」
承太郎「いや。あの時は言いそびれたからな……今礼を言っておく」
承太郎「…」
承太郎「ありがとうよ」
上条「(なんというか…)」
上条「(強くなったもんだ…)」
246 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/10(月) 00:52:27.74 ID:6XHhgUZm0
??「承太郎〜?」ピョコン
上条「!?」
??「もう話は終わったの? なら早くごはん食べに行きましょうよ〜、それともうちに帰って私の手料理のほうがいい?」ダキツキ
承太郎「離れろ…うっとおしいんだよこのアマ」
??「キャー! はぁーいルンルン」
上条「ええ〜〜っと……承太郎、そのお方は……ものすごく見覚えがあるんですが……」
ミドラー「あらいたの。上条当麻」
上条「やっぱあんたかァ〜〜!! どういうことなんですか、空条承太郎さん!!」
ミドラー「どういうって……ねえ?」
上条「ダブルショック! うそだろ承太郎!」
承太郎「ああ、嘘だぜ。コイツが勝手にくっついてきてるだけだ」
上条「も、モテ男のセリフだ……この男、既に上条さんより何段も上を行っている!」
ミドラー「承太郎〜こっち向いて?」
上条「なぜですか!顔か!ハーフなのがいいんですか!このむっつりスケベ!神聖モテモテ帝国!」グイグイ
ミドラー「ねえ〜承太郎ってば〜」グイグイ
承太郎「…」
承太郎「やかましい!! うっおとしいぜお前ら!!」
ミドラー「…」ムウ
上条「(器用な噛み方をなさる)」
承太郎「…付き合ってられねえ…」バッ
ミドラー「あーん、ちょっと待ってよー」
上条「承太郎!」
上条「……もう行くのか?」
承太郎「…」
247 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/10(月) 00:53:49.35 ID:6XHhgUZm0
上条「あーなんつーか……また会おうな。俺のことが嫌いじゃなけりゃだけど」
承太郎「思いっきり嫌ってやりたいとこだが…残念ながらそんなキャラしてねえぜ。テメーはよ」
承太郎「じゃあな」
それが最後の会話。
あっさりしたやつだ。びっくりするほどクールだ。
というより……死ぬほど自分に厳しいんだろうな、と思う。
きっと承太郎は過ちを犯した自分を許しはしないだろう。人を傷つけた自分を――DIOを殺した自分さえ、許さないだろう。
でも、これから決してあいつは地面を見ない。
あいつからは、前はなかった『強い意志』を感じた。言うのも面映いが『黄金の精神』みたいなものを……。
あいつはこれから、不器用なりに強く生きていける。
かたちはどうあれ、幸せになってほしいもんだ。
248 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/10(月) 00:56:51.02 ID:6XHhgUZm0
学園都市のみんなは、ほとんどが仲良くご入院となった。
さっきまで『勝利記念座談会』と銘打って全員俺のところに集合していたのだから間違いない。
美琴「べっ、別にあんなことがあったからってあんたのこと見直したりはしないんだからねっ」
黒子「またお姉さまは迂遠なことを……ん? 承太郎×上条…初春、コレは…」
初春「やだっ、勝手に見ないでくださいよー!」
一方通行「ハー、うっとおしい」
打ち止め「とか言ってなんだか楽しそう、とミサカはミサカは意外なあなたの心情をずばりと言い当ててみたり」
御坂妹「そして上位固体はなぜかやたらと一方通行との距離が近いですね、とミサカは鋭く指摘します」
姫神「…」
ま、こんな感じで非常に元気な顔を見せてくれた。
退院してもあのテンションは変わらないのだろうな……。
――で、この俺、上条当麻はというと……。
上条「(はい、まだ入院してます。骨の五・六本も折れましたからねえ)」
禁書「ねえとうまとうま、このりんごも食べていい?」
上条「インデックスさん。お見舞いの品というのはですね、見舞い客の食べるものじゃあないんですよ」
禁書「だってとうまがいないから誰もご飯作ってくれる人いないんだよ!おうちでにぼしになっちゃうかと思ったよ!ほら!スフィンクスも!」ニャア
禁書「イギーも!」
イギー「イギ」
上条「それは…素直にすみません」
コンコンッ
禁書「はーい?」
??「あっ…あ、あの…」
??「…あ、新しいページができたから、みっ、みっ、見せて、あげ、あげ…」
249 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/10(月) 00:58:52.82 ID:6XHhgUZm0
禁書「あ! ボインゴ、また来てくれたんだ、嬉しいんだよー!」
ボインゴ「うっ、う、う、うん」
??「そうあわてなさんなよ〜、ボインゴ」
上条「あっ」
ホル・ホース「よっ、上条当麻」
上条「おう、怪我はもう平気なのか? 腹をぶち抜かれたって話だけど…」
ホル・ホース「胃は半分になっちまったがね。どっこい生きてる。そんなもんだ」
ホル・ホース「どっかの誰かさんが、この病院の前に捨ててくれたおかげでな」
上条「ああ…ボインゴも、酷い怪我だって聞いたけど…」
ホル・ホース「見た目は派手だが、『どっかのおっさん一人』の死者で済んだッつーから驚きだよな。本人は直前に『トト神』の予言が変わったせいだって信じてるみてえだが…」
上条「…」
上条「お前さ、これからどうする気なんだ?」
ホル・ホース「どーするって、俺は『暗殺』が生業なんでね。迷惑になる前に、コソッと出て行くつもりさ」
ホル・ホース「ボインゴは…エジプトに居るあいつの兄貴に押し付けてくる」
上条「ずいぶんあんたに懐いてるみたいだけどな」
ホル・ホース「やめろって。俺はアサシン・ホル・ホース。子供のお守りは専門外なのよ」
ホル・ホース「おーい、そろそろ戻るぞ、ボインゴ」
ボインゴ「あ、あ、あ、はい」
禁書「またねー、なんだよ」
ボインゴ「」コクコクコク
上条「じゃあ…またいつか」
ホル・ホース「……『いつか』はねーよ、じゃあな」
バタンッ
250 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/10(月) 01:02:05.02 ID:6XHhgUZm0
禁書「…私の知らないところで、いろんなことがあったんだね」
上条「(皮肉に聞こえるのは、罪悪感のせいだろーか…)」
禁書「…どーりで『奇妙』な魂を感じると思ったんだよ」モグモグ
上条「『奇妙』な…魂?」
禁書「そう。まるでメビウスの輪みたいにぐるぐるぐるぐる…終わりのない魂の連鎖。
きっと、この世界が終わっちゃっても、ずーっと続くんだろうなってくらい、完璧に連鎖した魂だったんだよ…もう、感じないけど」
上条「…この世界が、終わっても、か…」
上条「(ジョースターさん。承太郎。そしてDIO…)」
上条「(なんだか切ないような悲しいような、でもなんとなく羨ましいような…。不思議、いや、『奇妙』な感じだ…)」
禁書「それはそうと、とうま」
上条「ぎくっ」
禁書「私にはずぅ〜〜〜っと。内緒にしてたよね。DIOのことも。『スタンド』も…短髪やみんなには言ってたのに……私だけ……」プルプル
上条「あ、いや、それはですね、別に今回もインデックスさんをおいてけぼりにしようと思ってたわけじゃあなく…」
禁書「イギーだって突然変異ってだましたぁ!!」
上条「ヒッ!」
禁書「とーおーまー!!」
ガブッ
上条「あ゛ーー!! ふ、不幸だぁぁーーッッ!!!」
おわり
251 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2011/10/10(月) 01:05:43.85 ID:meavJDeYo
乙は砕けない
252 :
◆vJu1yeNzWM
[saga]:2011/10/10(月) 01:11:39.20 ID:6XHhgUZm0
終わった!
一方通行「これからオマエのことは上条(じょうじょう)…ジョジョって呼ンでやる」、完ッ!!
最初は承太郎って17のくせに色々抱え込みすぎだよな→よし!上条さんと友達にしてやろう!
って路線だったのに
となると説教のシーンが欲しいところだ→よし!ちょっぴしメンタル弱くなってもらおう!
から進展して、気づくと上条さんによる不良少年承太郎更正物語に。
どうしてこうなった/(^o^)\
あと今見直して気づいたけどDIO様全然ゲスくないよ。
全然正々堂々だよ
これじゃあ天国のジョナサンも大喜びだよ。
「成長したね…ディオ」ってなるよ。
そしてここまで読んでくれた方、ディ・モールト・グラッツェ!
深夜のテンションやばいんで今日はもう寝ます!
末筆ですが、原作との矛盾点等、指摘してくださった方もありがとうございました。
俺……このあと原作見直して……今度こそちぐはぐのないSS書くんだ……。
253 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2011/10/10(月) 01:12:49.23 ID:meavJDeYo
改めて完結乙だッッ
まだ次を書くというのか・・・その時を待ってるぜ
254 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/10/10(月) 02:18:13.77 ID:IOQdeeoDO
超乙!
255 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/10(月) 02:28:17.83 ID:n9RCAAUYo
安定のインさんガブリEND
乙乙だぜ
256 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中国地方)
[sage]:2011/10/10(月) 03:05:40.99 ID:90+/nq5k0
乙!
最後まで書ききった
>>1
に敬意を表するぜ
257 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/10/10(月) 13:53:53.59 ID:1eOa7PWt0
最初に読んだジョジョが三部なので、敵味方含めて好きなキャラが多いいし、いまでも時々読み直してる。
でもこの話を読んでると汚さ
258 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州)
[sage]:2011/10/11(火) 02:34:45.35 ID:2MfFf/xAO
最後まで言えよ気になるだろ
223.14 KB
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