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男「魔王拾っちまったわけだが」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2011/10/04(火) 22:28:30.97 ID:nIaO3cdE0

男 「気付いたら俺が新魔王になっていた」

男 「何を言ってるかわからねぇと思うが」

男 「……」

男 「どうしてこうなった」


■前スレ
男「魔王拾っちまった」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313283147/
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

2 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2011/10/04(火) 22:31:58.83 ID:nIaO3cdE0
ごく簡単なおさらい

魔王
 筋肉ムキムキのでかいオッサン
 エルフと鬼のハイブリッド
 童貞


 農家 人間 新魔王

側近
 吸血鬼(真祖) 名前の通り側近 ロリっ子

後輩メイド
 半獣人(柴犬) 通称わんこ 美乳

大賢者
 ダークエルフ 銀髪 ツルペタ


メイド
 万能スペシャルメイド メガネ たゆんたゆん

街娘
 わんこの友人 よろず屋の看板娘 美巨乳

魔剣
 炎熱の魔剣 喋る・飛ぶ・護る

騎士団長
 魔王の父 鬼 身長3mの巨漢 ロリコン


その他以下省略。
3 : :2011/10/04(火) 22:34:48.44 ID:Xl5UfRxSO

つまんね
4 :O [sage]:2011/10/04(火) 22:40:11.99 ID:2PY0ytOIO
おもしろ
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/10/04(火) 22:43:48.18 ID:GqekdZHAO
スレ立て乙!
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/04(火) 22:43:58.25 ID:YEZJMaoq0
待っていたぞ!>>1
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/04(火) 22:45:41.95 ID:+rCLvJJSO
新スレキャンペーンで>>1一人当たりの単価が安くなってるらしい
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/04(火) 22:52:26.42 ID:YEZJMaoq0
また市場が荒れちゃう!
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/10/04(火) 22:59:45.03 ID:zuDU1mFto
新スレやっと出来たか
これからも期待してるよ
10 : :2011/10/04(火) 23:04:03.84 ID:Xl5UfRxSO

つまんね
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/04(火) 23:06:07.09 ID:3L0dQKuFo
追いつきワッフル
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/10/04(火) 23:26:10.16 ID:S8oodMgl0
スレ立て乙ー
そういえば今日>>1が安かったから晩飯>>1鍋だったわ
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/05(水) 00:17:11.50 ID:ttSsLGlP0
乙ー
新スレでもここは相変わらずだな
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/05(水) 01:52:24.93 ID:wiGO8oCIO
新スレ乙!

しかし>>1は解ってないな。
このスレ的に>>1が童貞かどうかは問題ではないよ。
問題は>>1が処女かどうかだ。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/05(水) 13:09:48.01 ID:9gg5JBUG0
俺が購入した>>1、なんかサイボーグだったうえにビルドアップして巨大な頭に変形したりするんだけど
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/10/05(水) 17:43:59.98 ID:tRSsulkDo
>>15
欠損部位を機械補助して、投薬治療した個体だろ?
薬の副作用でそうなることもあるって取説に書いてあるよ
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/05(水) 20:27:40.76 ID:YkOp2g+S0
>>15
俺なんて怒ったりハイテンションになると月光蝶だすんだぜ?
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/05(水) 21:00:10.53 ID:Trzs9C+1o
お前が月光蝶するのかよwww

>>1はやくこないかな
19 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/10/05(水) 21:32:53.85 ID:RPCkUkKi0
何度でも言いたい

君達は俺を何だと思ってるんだ

それはそうと、隔日〜3日に1回更新くらいで安定すると思います
日常編開始はとりあえずは明日からってことで
どこまで続くかわかりませんが、宜しくお願いします。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方) [sage]:2011/10/05(水) 22:14:50.48 ID:5RjYSzK3o
>>1に「オプティマーーーーース!」って叫んだらトランスフォームしたぞ
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/06(木) 21:49:17.88 ID:bMkfhws00
まさかとは思いますが、この「>>1」とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。
22 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/06(木) 22:04:13.10 ID:bMkfhws00

男 「そういえば」
 
23 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/06(木) 22:04:49.84 ID:bMkfhws00

側近 「はい?」

男 「魔王って何するの?」

側近 「ええと」

側近 「……」

男 「……」


側近 「……何もしてなかったですね」

男 「……ダメだ、あいつは参考にしちゃダメだ」
 
24 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/06(木) 22:05:22.60 ID:bMkfhws00

メイド 「魔王としての仕事ですか?」

男 「はい」

側近 「よく考えたら、すぐいなくなるせいでいなくても平気になってて」

メイド 「はぁ。それで男様が何をすればいいのかわからなくなった、と」

男 「恥ずかしながら」

メイド 「恥なのはあのバカだと思いますけど」

男 「」
側近 「」

25 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/06(木) 22:05:55.98 ID:bMkfhws00

男 (俺耳おかしくなったかも) ヒソヒソ

側近 (私もかもです) ヒソヒソ

メイド 「あのバカがいいかげんすぎるのが全ての原因ですわ」 ハァ...

男 「」
側近 「」

メイド 「何か?」

男 (……触れたほうがいいのかな)

側近 (……聞くのが怖い気もします)

男 (とりあえずスルーしとこうか)

側近 (はい)


26 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/06(木) 22:06:34.25 ID:bMkfhws00

男 「それで、俺は結局どうすればいいんでしょう」

メイド 「そうですね……。
 一度こちらで業務の見直しを致しますので、今日明日は城下を見回ってみてはいかがでしょう?」

男 「お手数かけます」

メイド 「いいえ、魔王陛下のサポートをするのが私どもの仕事ですわ」

側近 「じゃあ、私もメイドさんと一緒に」

メイド 「ダメです」

側近 「はい?」

メイド 「側近様は男様に付き添って下さい。案内も立派な仕事ですよ?」

男 「あー。それじゃ、お願いします」

側近 「あ、はい……」


27 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/06(木) 22:07:07.21 ID:bMkfhws00

メイド (側近様) コソコソ

側近 (?)

メイド (デートですよ) ボソッ


側近 「」 ガタタッ!!


男 「?」

メイド 「なんでもありませんわ」

男 「はぁ」

側近 (でででデートって! 急に何言い出すんですか!?)

メイド (あらあら。私はお二人はお似合いだと思ってますのよ?)

側近 (お、お似合い?!)


男 (……実は丸聞こえとか言えない)


28 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/06(木) 22:07:41.27 ID:bMkfhws00

男 (しかし、デートか)

男 (俺と側近さんって、恋人同士に見えたりするんだろうか)

男 (…………)

男 (それってロリコンに見えるってことだよな)

メイド 「男様?」

男 「」 ゾクッ

メイド 「……」 ニコッ

男 (こえぇ……)

側近 「デート…デート…デート……」 ブツブツ...


29 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/06(木) 22:08:12.05 ID:bMkfhws00

後輩メイド 「はっ! 今抜け駆けの気配を感じたッス!」

大賢者 「ワシもじゃ!」

後輩メイド 「大賢者さん!」

大賢者 「犬!」

後輩メイド 「行くッス!」

大賢者 「おうとも!」

兵士長 「お土産買ってきてね〜」

大臣 「いや止めろよ仕事途中やぞ!? うぅ……胃が……」


30 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/06(木) 22:09:00.72 ID:bMkfhws00

騎士A 「はい胃薬」

大臣 「どうも」


大臣 「いや待て何故いる」

騎士A 「ちょうどそこで後輩メイドさんたちとすれ違ったので」

大臣 「貴方が神か」

騎士A 「違います」

兵士長 「ちょうどいいや、手ぇ空いてるなら手伝ってってくんない?」

騎士A 「もちろん」

大臣 「神様!」 ガシッ

騎士A 「違います」 ハナシテ


31 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/06(木) 22:10:02.59 ID:bMkfhws00
短いですが本日ここまでです ではまた。

大臣は禿げ上がった小太りの小さいオッサンです
ホビット的な種族です
ちなみに兵士長はジャージを着てだらけきったライアンを想像していただきたい



だめだ想像できねえ

32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) [sage]:2011/10/06(木) 22:28:45.78 ID:MdB3MJ8No
ホビットかわゆす
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/06(木) 23:18:53.37 ID:MqFxD2W90
乙!
今日起きたら>>1がおもらししてた・・・
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/10/06(木) 23:38:19.86 ID:R/Pb62uPo
何気に男キャラも不思議な魅力を持ってる・・・と良いなぁ
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/07(金) 00:12:23.35 ID:pcrZ9P0wo
実際、男共もかなりしっかりキャラたってるから面白い
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/07(金) 01:14:08.52 ID:Ngm+BBGSO
乙です
魔王はもっと愛されてていいはず

>>1に抱きつこうとしたらサマソ決められた
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/10/07(金) 21:46:27.82 ID:dXXCFedl0
俺は>>1の寝込み襲ったらヨガフレイム食らった
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/08(土) 22:23:11.64 ID:GPQC/ebSO
乙!

>>1に寝込みを襲われたと思ったら夢だった…
39 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/10/08(土) 22:59:33.61 ID:Rr2Y69YJ0
すまない、今日投下するつもりだったんだが、仕事疲れと眠気で投下どころじゃない
明日には投下します ではまた
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/10/08(土) 23:36:28.42 ID:gUgr31fdo
無理せず頑張れよ〜
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/10/09(日) 00:03:11.78 ID:DgVJL1qBo
こっちも楽しみだが実生活第一で無理しちゃだめだぞ〜
42 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/09(日) 20:06:23.87 ID:IFztwpVq0


 ・ ・ ・


側近 「それじゃあ、まずはどこに行きましょうか?」

男 「んー……、もう午後だし城内の探索かな。

 正直まだ全然覚えてないし」

側近 「あっ、そうですね。詳しくは歩きながらでも?」

男 「うん」


側近 「東棟から時計回りに行きましょう」

男 「東棟っていうと、わんこが直したところだな」

側近 「ちなみに魔王城は真上から見ると五角形になってるんですよ」

男 「ペンタゴンか」

側近 「ペンタゴン?」

男 「五角形のこと」

側近 「はぁ」

43 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/09(日) 20:07:01.41 ID:IFztwpVq0

男 「そういえば、中庭もあるんだよな。わんこが紅茶の葉を育ててるんだっけ」

側近 「はい。それほど多くはないですけど」

男 「日当たりとか風通しとかは問題ないの?」

側近 「魔王城は高いところでも五階までで、各棟を繋ぐ渡り廊下は三階まで。

 北半分の渡り廊下の一階部分に壁がないのと、城壁から距離があるので、風通しはいいですね。

 元々高台にあるおかげで、要塞としてはそれでも十分機能していますし」

男 「高くする必要がないわけか」

側近 「内側から吹っ飛ばされたらどうしようもないですけどね……」

男 「メイドさんは怒らせないように頑張りたい……」

側近 「それだけは本当にお願いします」 セツジツニ


 余談だが、東棟一つの修復を外注すると、城勤め全員の給料三ヶ月分の予算が消し飛ぶそうだ。

 わんこが来る前は、メイドさんを怒らせると国が傾くと言われていたらしい。

 もうあの人が魔王でいいんじゃないか?

44 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/09(日) 20:07:48.53 ID:IFztwpVq0

 大広間や玉座、魔王の私室がある北棟から、橋のように延びる廊下を歩いて東棟へ。

側近 「東棟はあんまり物が置いてないんですよね」

男 「そうなの?」

側近 「一番よく壊れるので」

男 「あぁ……」 ナルホド

側近 「しかもメイドさんもそれを知ってるから、ほんとに気兼ねなく吹っ飛ばしてましたので……」

男 「俺の中のメイドさんのイメージがどんどん壊れていくんだけど」

側近 「私も最初はそうでした」

男 「恒例と化してるのか……」

側近 「恒例ですね……。あ、この先です」

トビラ < イラッシャイ

45 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/09(日) 20:08:50.42 ID:IFztwpVq0

男 「一応扉で仕切ってあるんだな」

側近 「広間とはいえ部屋ですから。パーティーや講演会に使うこともありますし」

男 「なるほどね」

トビラ < ヒラクゼ

男 「ここ吹き抜けなんだ」

側近 「ホールです。下は、この前男さんの家から帰ってきたときに出た場所ですね」

男 「ん、ホントだ」

扉 < ゲ、マタアイツラダ...
ノブ < コワサレマセンヨウニ...

側近 「あとは上の階に一部屋あるだけです。このまま南東棟に行きましょう」

男 「了解」

46 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/09(日) 20:09:49.10 ID:IFztwpVq0

「ん?」

側近 「あ」

男 「お?」

側近 「騎士Cさん」

男 (なんというヒゲマッスル……)

騎士C 「おゥ、チビスケ。なんだなんだ、いい男を連れてどうした?」 ウホッ

側近 「あれ? 聞いてないんですか?」

騎士C 「よくわからんが、さっき起きたばかりだ!」 ガハハハハハ!!

男 「もう昼過ぎてますけど」

騎士C 「わしは一日十六時間寝るからな!」

側近 「この間は三時間って言ってましたよね」

騎士C 「んん? そうだったか?」 ハテナ?

男 (けっこういいかげんな人だな) テキトウダ

47 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/09(日) 20:10:20.57 ID:IFztwpVq0

騎士C 「それで、このいい男は誰なんだ? チビスケの“コレ”か?」 グッ

中指 < ビシッ

側近 「言いたいことは伝わりましたけどそれ違います……」

男 (ああ、アホなのか)

騎士C 「んん? そうだったか?」 ワカラン

側近 「この人は男さんで、次の魔王です」

騎士C 「ふーん」

男 「いやふーんて」

騎士C 「なんだ、てことはガキンチョはとうとう魔王クビになったか」

側近 「じゃなくて――ああもう、少しは自分の世話係から話くらい聞いてきて下さい!」 メンドクサイ!!

48 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/09(日) 20:11:06.70 ID:IFztwpVq0

騎士C 「まあ細けえことはいいじゃねえか。それより騎士団長知らねえか?」

側近 「さぁ……自分の畑でも見てるんじゃないですか?」

騎士C 「ほーん。まあいいや、じゃあなチビスケ! 色男!」 ビッ

側近 「チビスケって言わないで下さい!」

男 (色男って俺のことか?)


側近 「まったくもう……」 ハァ

男 「随分と大雑把な人だね」

側近 「魔王城の五大馬鹿の一人ですから」

男 「五大馬鹿て」

側近 「あ、今はもう四大馬鹿ですね」

男 「しかも一人は魔王さんなのか。いやわかるけど」

49 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/09(日) 20:12:23.76 ID:IFztwpVq0

側近 「魔王様、騎士団長さん、騎士Cさん、兵士Bさん、兵士長で五人です」

男 「……大丈夫なのかこの国」

側近 「大臣さんや他の責任者の方たちもいますし。各地方の統治はあちら任せなので、一応は」

男 「実際魔王さんがいなくなったのってどのくらい影響あるの?」

側近 「内政的には全く」

男 「存在意義のない魔王って……」 セツナイ...

側近 「でもそれは――っとと、次の棟に着きましたね」

男 「この先が南東棟?」

側近 「南東棟、または南第二棟です」

50 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/09(日) 20:13:00.46 ID:IFztwpVq0

男 「ここは食堂かぁ」

側近 「はい。キッチンは一階にあって、二階と三階が全部食事のためのスペースになってます」

側近 「ちなみに、基本的には城勤めの人のための食堂ですけど、一般人の利用も可能です」

男 「……それ防犯的に大丈夫なの? 王の城だよ?」

側近 「それは今私たちが通ったこの扉に秘密ありです」

トビラ < アン? ナニミテンダヨ

側近 「城内はいたるところに色んな魔法が仕掛けてあるんですけど、

 この扉の場合は『認識阻害』や『自己封印』などの魔法が組み込んであります」

男 「つまり普通は扉自体に『気付かない』し『開けられない』ってことか」

側近 「もちろん他にも色々使われてますよ。私も全部はしらないんですけど」

男 「なるほどね。ちゃんとそれなりの対策はしてるってわけだ」

51 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/09(日) 20:14:19.94 ID:IFztwpVq0

男 「ところで、東棟からここまでの廊下は南東側に部屋が並んでたけど」

側近 「あれはほとんど空き部屋ですね。

 昔は貴族が娯楽室に使ったり、一時期は学校の教室代わりに使ったりしていたそうです」

男 「なんで今は使ってないんだ?」

側近 「周囲の開拓が進むにつれて、各施設が城下に移されていったのが主な理由です。

 南西棟から西棟の間にも同じような部屋がありますね」

男 「そっちは朝方の日当たりが悪そうだなぁ」

側近 「あと、噂では閉鎖された地下室や開かずの倉庫、なんてものも……」

男 「怪談か」

側近 「たしかそういう類の噂が全部で七つありますね」

男 「七不思議のほうだったか」

52 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/09(日) 20:15:24.11 ID:IFztwpVq0

側近 「折角だから少しお茶していきませんか?

 パティシエさんの作る野菜ケーキが絶品なんですよ」

男 「野菜ケーキとな」 ピクッ

側近 (反応がわかりやすいなぁ) クスッ

側近 「それじゃ、一階に降りましょう。

 この時間なら人も少ないはずです」 ギュッ

男 「って、ちょ、手」

側近 「はい?」

男 「あー……まあいいや、うん」 ギュッ

側近 「はい♪」

53 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/09(日) 20:16:01.62 ID:IFztwpVq0

大賢者 「メイドよ、そこを退くがよい」 ゴゴゴゴゴゴ...

メイド 「いいえ。貴方様がお引き取り下さいませ」 ゴゴゴゴゴゴ...

後輩メイド 「いくら先輩の言うことでも、こればかりは退けないッス」 ゴゴゴゴゴゴ...

メイド 「ならば力付くで押し通りなさい」 ゴゴゴゴゴゴ...

大賢者 「はっ、ガキが調子に乗るでないわ」 ゴゴゴゴゴゴ...

後輩メイド 「今こそ自分の修行の成果を見せる時ッス」 ゴゴゴゴゴゴ...


パティシエ 「うん、そこまで盛り上がってくれるのは嬉しいけど、他のお客さんの迷惑になるからね?」


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側近 「」 ポカーン

男 「何してんだあいつら……」

54 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/09(日) 20:22:58.90 ID:IFztwpVq0
もうちょっと説明が簡潔かつ的確になりたい>>1がお送りしました
ではまた。


兵士B 「何か不当に貶められた気がする」
兵士A 「馬鹿だなあ、Bを貶めるのが不当なわけないじゃないか」
兵士B 「その理屈はおかしい」

兵士B 「その「何言ってんだコイツ」って目を止めろ!」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/09(日) 20:27:47.39 ID:eHPQaBRso

>>1を蒸留して作った酒の100年物はやっぱり絶品だな
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/09(日) 21:30:23.82 ID:x0Cy8FIIO
>>54
>もうちょっと説明が簡潔かつ的確になりたい>>1がお送りしました

状況を簡潔にする気がまったくない>>1がとっても素敵!!
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/09(日) 21:53:25.71 ID:ZJcCL7yU0
>>56

揚げ足取るなよww
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/10/09(日) 22:04:03.77 ID:/Pa3YWnbo
>>54
(・・・何言ってんだコイツ)
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/10/09(日) 23:29:49.30 ID:DgVJL1qBo
>>53
ここはミルフィーユの残数を書いておくほうが盛り上がったかも?かも?
とか考えてるうちにオチまで浮かんだのでやっぱいいです

>>54
(・・・何言ってんだコイツ)
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga sage]:2011/10/10(月) 14:05:45.33 ID:MF6OIkOL0
>>56
やめたげてよぉ!

>>54
(・・・そんなことより>>1食べたい)
61 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/10/11(火) 21:17:01.45 ID:XA2SD0CZ0
兵士B 「そんな目で俺たちを見るなああああああ!!」

本日中に更新予定(ただし遅くなる可能性大)
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/10/11(火) 21:31:07.67 ID:hRzaP5m7o
明日5時起きの俺に隙は無かった(;つД`)
63 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/11(火) 23:22:23.38 ID:XA2SD0CZ0

側近 「パティシエさん、三人ともどうしたんですか?」

パティシエ 「おや側近さんこんにちは。いえね、特製ミルフィーユが残り一個しかないものだから」

男 「争奪戦になったわけですか……仕事ほっぽりだして何やってんだか」

パティシエ 「騎士団長の特選野菜を使わないと作れない限定品だから、毎回似たような騒ぎにはなるんだけどね?」

男 「ああ、それなら仕方ないですね。――あ、どうもはじめまして。新任魔王の男といいます」

パティシエ 「貴方が……これは失礼しました。私はパティシエと申します、以後お見知りおきを」

男 「よろしくお願いします」

側近 「パティシエさん、特製ミルフィーユ以外で今日のオススメってあります?」

パティシエ 「ありますよ。個人的にはミルフィーユをお薦めして、争奪戦に終止符を打っていただきたい所ですが」

男 「いやぁ……」 チラッ

64 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/11(火) 23:23:15.08 ID:XA2SD0CZ0

メイド 「あらあら、こんな安い挑発に乗るだなんて、大賢者様もまだまだお子様ですのね」

大賢者 「なんじゃ、そういうおぬしこそ大口叩いておきながら今更怖じ気づいたのかえ?」

後輩メイド 「挑発しといて負けたりしたら、面目丸潰れッスもんねー」

メイド 「ア゙ァ゙? ナマ言ってんじゃねえぞガキが」

大賢者 「地が出とるぞ」

メイド 「あら……これは失礼致しました」

後輩メイド 「ふふん、先輩こそ安い挑発に乗ったりして、大人気ないッスね」

メイド 「大賢者様の後ろで生意気言うしかできないようなお子様が何を勝ち誇っているのかしら」

65 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/11(火) 23:23:48.08 ID:XA2SD0CZ0

男 「無理でしょ」

側近 「他のお客さんもちょっとひいてますし……」

パティシエ 「でしょうね。でしたら、こちらのカップル向けのベジパフェなんてどうでしょう」

側近 「かっ…!」

男 「ちょっと待てィ」

パティシエ 「はい?」

男 「なんで真っ先にカップル向けを選びなさるか」

パティシエ 「……?」

男 「わけがわからないという顔をしてらっしゃる……」

側近 「カップル…カップル…」 ポーッ

男 「側近さんしっかりして! 正気を保って!」

66 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/11(火) 23:24:18.82 ID:XA2SD0CZ0

パティシエ 「ふむ……」 チラッ

パティシエ (しっかり手を握り合いながらカップルではないと?)

パティシエ (……)

パティシエ 「引率?」

側近 「!?」

男 「いや意味わかんないから」

パティシエ 「まあ、いいでしょう。他にはこちらのキャロットチョコフランなどお薦めですが、いかがです?」

男 「そんなのもあるんですか」

パティシエ 「野菜を使うことにこだわっておりますので、色々とございますよ」

男 「ほほう……」

67 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/11(火) 23:24:52.41 ID:XA2SD0CZ0

後輩メイド 「自分がいつまでも子供だと思ったら大間違いッス」

メイド 「そうね。発育は大賢者様より圧倒的だものね」

大賢者 グサッ

大賢者 「……くくく、自己管理不足で最近太ってきたくせに言うではないか」

メイド グサッ

メイド 「……ああらあら、法術でごまかしているだけの分際で、二人こそ本当は“デヴ”なのではなくて?」

後輩メイド グサッ

後輩メイド 「ち、違うッス! そりゃ最近ちょーっと増えてきたかなとか思ってるッスけど、ごまかしたりなんてしてないッス!」

メイド 「どうだか。ね、どう思います? “貧乳”の大賢者様?」

大賢者 ピキッ

68 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/11(火) 23:25:24.72 ID:XA2SD0CZ0

ジョニィ < ハァイ

男 (いかん、雑念がっ)

男 「えーと、これとこれと……」

側近 「……」 ペタペタ

側近 ショボーン

パティシエ 「注文は以上で?」

男 「はい」

男 (速やかに退避せねばっ)

パティシエ 「それでは席のほうでお待ち下さい」

男 「どうも。側近さん、行くよ?」 クイッ

側近 「はい……」 トボトボ

69 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/11(火) 23:26:07.12 ID:XA2SD0CZ0

男 「? どうかした?」

側近 「――――…。あの、男さん」



大賢者 「ふん、ただの“デヴ”が調子に乗るでないわ」

メイド ピキッ

メイド 「まな板のくせに見下さないでもらえます?」

大賢者 「ちょっとはあるわあ!! なんだったら確かめるか?! ああ?!」

メイド 「イヤですわ、そんなもの触ってひ・ん・にゅ・うが染ったら自殺モノですもの」

大賢者 「惚れた男に置き去りにされた女が偉そうなことほざくでないわあああ!!」

メイド 「それは今関係ねえだろうがああああああ!!」

後輩メイド 「太ってないッスよね……太った……? そういや、最近また胸がキツく……」 ブツブツ



側近 「男さんは、胸が大きいほうがいいんですか?」

男 「」

70 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/11(火) 23:26:55.97 ID:XA2SD0CZ0

男 (なんてこと聞きやがるんだこの子はァー―――――ッ!!)

ジョニィ < オイオイ、カジョウハンノウダゼ、ダディ

側近 「どう……ですか?」

男 「い、いやぁ、その」 アセアセ


男 「側近さんはそのままで可愛いからいいんじゃないかなぁ? なんて……」

男 ハッ

男 (しまったああああああああ!! なんてこと口走ってんだ俺はァー―――――ッ!?)

側近 「かわっ! そ、そうですか……えへへ」 テレテレ

男 「」 キュン

ジョニィ < Foooooooooooooooooooh!!

71 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/11(火) 23:27:50.64 ID:XA2SD0CZ0

パティシエ (……面白い)

町娘 「すみません。この特製ミルフィーユをひとつ」

パティシエ 「ああ、はい。ちょうど最後のひとつだよ」



メ大後 「「「 あー―――――っ!!? 」」」



町娘 「!?」 ビクッ


大賢者 「く……っ、しまった、言い合っている間に」

後輩メイド 「そうッスよね……他にもお客さんいるッスもんね」

メイド 「私としたことが、不覚ですわ……」

町娘 「? ??」

72 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/11(火) 23:28:43.34 ID:XA2SD0CZ0

後輩メイド 「ってまーちゃんじゃないッスか。もう起きて平気なんッス?」

町娘 「あ、うん。魔剣さんがよくしてくれたから」

魔剣『我輩は看護も一流だからな』

大賢者 「ぬ、いたのか」

魔剣『当然』



男 「ありゃ、なんかあっさりケリがついたみたいだな」

側近 「さすがクイーンオブマイペース……」

男 「そんな異名持ってんのかあの子」

側近 「こーちゃんの友達ですから」

男 「……なぜ納得できてしまうのだろう。

 ――おっ。このフラン、口どけがものすごくなめらかだ」

側近 「こっちのキャロットショートもほんのり塩味がきいてておいしいですよ」

73 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/11(火) 23:29:22.51 ID:XA2SD0CZ0

男 「せっかくだから食べ比べてみる? はい、あーん」

側近 「あー…あむ。……ん〜っ、とろけますね!」

男 「ね。そっちのもちょうだい」

側近 「はい。あーん」

男 「…むぐ。うん、塩が甘さをひきたててるのか。食べやすいしおいしいね」

側近 「あっ……ふふっ、男さん? 口の端にソースがついてますよ?」

男 「え、どっちどっち?」

側近 「じっとして下さい。――はい、とれました」

男 「なんか恥ずかしいな」

側近 「そうですか?」



パティシエ (激甘……ほんとにカップルじゃないのか?)

メイド 「そういえば、後輩メイド? 貴方はまだ仕事中ではなくて?」

74 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/11(火) 23:30:08.76 ID:XA2SD0CZ0

後輩メイド 「ぎくっ! いやー、あははははは……」

メイド 「まったくこの子ったら……。いいわ、お土産を買って戻りましょう。

 パティシエさん、十人分程適当に包んでいただけます?」

パティシエ 「はいはい」

メイド 「大賢者様もいらして下さい」

大賢者 「ワシもか。言うておくが手伝いはせんぞ?」

メイド 「いえ、男様のことでお話がありますので」

大賢者 「ふむ、ならば同行しよう」

パティシエ 「どうぞメイドさん」

メイド 「どうも。ささ、行きましょう」 グイグイ

後輩メイド 「わ、わ、ちょ、先輩なんで押すんッスか」

大賢者 「もう少しのんびり行っても……」

メイド 「いいから行きますよ!」 グイグイグイ!!

メイド (男様たちに気付く前に!)

後輩メイド 「あ、まーちゃんまた後でッス!」 フリフリ

町娘 「うん。またね」 ヒラヒラ

75 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/11(火) 23:30:59.47 ID:XA2SD0CZ0

魔剣『女三人寄ればかしましいと言うが』

男 「うおっ!? 急に背後で喋るなよ」 ビビル

魔剣『貴様がいつまで気付かないか試していた。警戒心が足りんな』

男 「魔剣に叱られるとは」

魔剣『魔剣だからな』

側近 「理由になってないですけど……」

魔剣『相席しても構わないか?』

男 「スルーか……。いいぞ別に」

魔剣『うむ。町娘、こっちへ』

76 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/11(火) 23:32:07.14 ID:XA2SD0CZ0

町娘 「はい?」 クルッ


おっぱい < ユサッ


男 「oh...」

ジョニィ < シゲキテキィィィィィィ!!


側近 「ふん!」 ズムッ!!


足 < ウワラバッ!!


男 「ッ!! ――――〜〜〜ッ!!」

魔剣『……何をしているんだ』

男 「なんでもねぇ……ッ」 フルフル...

側近 「つーん」 プイッ

77 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/11(火) 23:32:47.25 ID:XA2SD0CZ0

町娘 「えっと……?」

男 「あぁ、気にしないで座って」

町娘 「はい……」 シツレイシマス

魔剣『我輩も椅子に寄りかからせてもらおう』

側近 「え、あ、そっか。座れないですもんね」

魔剣『魔剣だからな』

男 「魔剣じゃなくても座れないだろ、足ないんだし」

魔剣『足なんぞ飾りだ』

男 「いや飾り以前に必要ないだろ、剣なんだから」

魔剣『違う、魔剣だ』

男 「そこは譲らないのか……」

側近 「プライドあるんですね」

町娘 ポケー…

78 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/11(火) 23:33:22.96 ID:XA2SD0CZ0

魔剣『時に、我輩は貴様の名を聞いておらんのだが』

男 「あ、悪い忘れてた。俺は男、農家だ」

側近 「男さんは新しい魔王なんですよ」

魔剣『なん……だと……』

町娘 「魔王様になるんですか?」

魔剣『待ってくれ、我が主はどうしたのだ』

男 「なんか西に行ったらしいけど……まさか置き去りにされたのか、お前」

魔剣 マッシロ

側近 「……伝えてなかったんですね」

町娘 「えと、げ、元気出してください」

男 「どんまい……」

79 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/10/11(火) 23:41:36.62 ID:XA2SD0CZ0
あまり区切りがよくないけど眠気に押されたのでここまでで
ではまた。

大賢者 「補足じゃ」
大賢者 「今語られておる話は、前スレのラストより随分前の出来事じゃ」
大賢者 「具体的にはクソ弟子が旅立ったその日の午後じゃな」
大賢者 「他にも説明漏れがあるようじゃが、>>1めの眠気が限界らしいのでこれだけじゃ」
大賢者 「では、またの」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/10/11(火) 23:43:15.14 ID:CdRAumkLo
おつ
81 :魔王サイド ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2011/10/12(水) 18:06:49.03 ID:VJ9OwnSAO

魔王 「あ」

女天狗 「どうした?」

魔王 「いや、ちょっと忘れ物思い出して……まぁいいかな」

女天狗 「はーん……、それより早く先行ってくれよ。
 ちっせえ吊り橋なんだから、お前が先に行かねえとおっかなくてしょうがねえ」

魔王 「飛べばいいのに」

女天狗 「人里近くで飛べるかボケ、目立つだろが」

西の女王 「ねえまだー?」

魔王 「はいはい」 ギシッ


木/反 < バキッ


「「「 あ 」」」


魔王 「あらぁ?!」 バキバキバキ!!

西の女王 「ちょっ!」

女天狗 「おい! ロープロープ!」

魔王 「とう!」 ガシッ


ロー -プ < ブチッ


魔王 「」
女天狗 「」
西の女王 「」


魔王 「はああああぁぁぁぁぁぁぁぁ.......!!」

ヒュウウゥゥゥゥゥゥ......


女天狗 「……」
西の女王 「……」


「「 落ちたぁー――っ!? 」」
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/12(水) 22:26:20.00 ID:t+t9axd9o
??????
83 :魔王サイド ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2011/10/12(水) 23:06:49.23 ID:pGYdhV4t0

 突然ですがみなさんお久しぶり、どうも魔王です。

 あ、“元”魔王です。

 ワタクシ、襲い来る敵の軍勢を薙ぎ払い、勇んで祖国を後にしたわけですが、

 なんとその日のうちに連れ二人とはぐれる自体に陥ってしまいました。

 魔ノ国と聖都の間には川あり谷あり山ありなのですが、

 ちょうど谷を渡る吊り橋を渡っていたところ、なんと橋が自壊、

 ワタクシ、今まさに落下中でございます。


 え? 飛べないのかって?

 残念ながら、“跳ぶ”ことはできても“飛ぶ”のは無理なんですねー、これが。

 よもやこんなところで筋肉の限界を思い知ることになろうとは。

 いやー、人生わかりませんね。

 それにしても……、


「いつまで落ちるんだああああぁぁぁぁぁぁ......!!」


 谷、深すぎだこれ!!


84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/12(水) 23:39:37.27 ID:LmfjNXP7o
わっふるわっふる
85 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2011/10/13(木) 21:55:13.42 ID:IAdrEVyj0
どうも>>1です、風邪を引きました
バカでも引くんですね。のどが痛くなるまで気付きませんでした

そんなわけで番外編です
86 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2011/10/13(木) 21:55:56.72 ID:IAdrEVyj0



 サラサラサラ ポン ペラ... サラサラサラ ポン ペラ...

男 「んー」

後輩メイド 「お茶ッス」

男 「ん、サンキュ――お前顔赤くないか?」

後輩メイド 「ウィ?」

男 「側近さん、ちょっと!」

側近 「はーい。……わ、真っ赤じゃないですか!」

87 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2011/10/13(木) 21:56:34.40 ID:IAdrEVyj0

後輩メイド 「そうッス? 自分じゃさっぱりッス」

男 「医務室行くぞ。側近さん、あとお願いします」

側近 「わかりました」

後輩メイド 「心配いらないッスよー、平気へい…」


 フラッ


男 「あ、おい!」 ガシッ

側近 「こーちゃん!?」

88 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2011/10/13(木) 21:57:07.45 ID:IAdrEVyj0


 ・ ・ ・


後輩メイド 「…………――。ん、ぃ?」

男 「気がついたか?」

後輩メイド 「ぁ…れ?」

男 「いきなり倒れたんだよ。ここは医務室」

後輩メイド 「たぉ……?」

男 「……まだボーっとしてるな」 ナデナデ

後輩メイド 「ぅゃ」 ナデラレ

男 「……」 ナデナデ

後輩メイド ポヤー…

89 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2011/10/13(木) 21:58:19.21 ID:IAdrEVyj0

後輩メイド 「ぁー…、なんかあついっす……」

男 「熱があるんだよ。ほれ」 ペタリ

タオル < ヒエテマス

後輩メイド 「おぉ、ひやっこいっす」

男 「倒れるまで気付かないとか、鈍すぎるぞお前」

後輩メイド 「やー、なんかあついとはおもってたっすけど」

男 「……バカは風邪を知らんと言うが」

後輩メイド 「うぃ?」

男 「ちゃんと休めよなぁ」 ナデナデ

90 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2011/10/13(木) 21:59:12.74 ID:IAdrEVyj0

後輩メイド 「うー……」

男 「どうした?」

後輩メイド 「あせできもちわるいっす……」

男 「メイド服着たままだからなぁ」

後輩メイド 「ぬいだらだめっす?」

男 「代わりに毛布増やすか……自分でできるか?」

後輩メイド 「ん…………、ちからはいんないっす……」

男 「仕方ない、誰か呼んでくるか」

後輩メイド 「あんちゃん、いっちゃうっす?」


 ぎゅっ


91 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2011/10/13(木) 21:59:56.12 ID:IAdrEVyj0

男 「わんこ?」

後輩メイド 「いっちゃやぁっす……」

男 「いやしかしな」

後輩メイド 「もう……いなくなったら……いやっす……」 グスッ...

男 「あ……」

男 「……」

後輩メイド 「あん………ちゃん…………」 ウトウト...

男 「……ごめんな、わんこ」 ナデナデ...

92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/13(木) 22:02:22.66 ID:Q+l53fGzo
ヒャッハー!!新鮮な>>1だぁ!!!
93 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2011/10/13(木) 22:03:55.53 ID:IAdrEVyj0
この後脱がして拭いたりうっかり触ったり見られて修羅場ったりとか色々考えたけど風邪が悪化しそうなので自重っていうね

寝て起きたら声が出なくてびっくりした>>1でした
次回は日曜日に。ではまた


魔王 「僕いつまで落ちてんのさああぁぁぁぁァ ァ ァ ァ ... ...」
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/13(木) 22:50:19.91 ID:6f2cgPWoo
おつ

そこで転移魔法使うと畑に頭から刺さるんだろか >魔王
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/14(金) 01:47:21.81 ID:P37jWdSIO
>>魔王様
テメェはわんこの熱が下がるまで落ち続けてりゃあいいんだよ!
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2011/10/14(金) 07:38:47.72 ID:b5EBxqgHo
転移魔法はあくまで「別の場所に移動する」だけなので
今まで「落ち続けて溜まりに溜まっている加速度」も一緒に転移するんだよな・・・ww
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/14(金) 22:30:06.40 ID:OBwuGY85o
側近の足元から上方向に転移すればスカートに…

おっと誰か来たようだ
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チリ) [sage]:2011/10/14(金) 22:58:28.81 ID:mWxhes/5o
すごい勢いで股にぶつかって大変なことになるな……
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/15(土) 03:45:23.24 ID:nXrkfb78o
谷の下にから谷の上に転送したら永久機関が出来るんじゃね?
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2011/10/15(土) 09:55:00.40 ID:Ta18f14Wo
>>99
転送にかかるエネルギーは無限じゃないだろ
101 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2011/10/16(日) 10:59:24.24 ID:9XSSxSJ20
側近の足元から真上に飛び出したら……、
うまくすれば体格差的に上に乗っかりそうだなぁ
そして高々と舞い上がった挙句、魔王だけ落ちる

※側近は飛べます

まあ、魔王や側近は『一定空間をまるごと入れ替える』方式しか出来ないんですけどね
大賢者様のイジワルを鵜呑みにしてる二人です

病み上がりなんでゆっくり書きます。ではまた夜に。

>>99-100
設定上それをやると、マナががっつり持っていかれて周囲が不毛の地になります
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/16(日) 11:20:50.37 ID:sGP6DE4Ao
待ってるよー
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/10/16(日) 16:07:18.07 ID:i89MhVBro
待ってるけど病み上がりはゆっくり休まないとぶり返すぞ?
104 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2011/10/16(日) 18:38:52.07 ID:9XSSxSJ20
>>91
- - -

男 「って、汗どうにもしないまま寝ちまった」

男 「……追加の毛布もタオルもあるが」

後輩メイド 「んん……」 モゾ...

男 ...ゴクリ

男 (いや、大丈夫だ落ち着け、わんこの裸は一度見てる)

男 (精神を統一すれば脱がせて汗を拭くくらい、可能ッ!) クワッ!!

後輩メイド 「ン…ふ……」 モゾゾ...


おっぱい < ムニュン


男 「谷間がッ!?」 ガタッ!!

ジョニィ < Hey!!

105 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/16(日) 18:39:53.33 ID:9XSSxSJ20

男 (くっ、うろたえるな男! 訓練された農家はうろたえない!)

後輩メイド 「ぅ……暑……」

男 「っと、はしゃいでる場合じゃないな。拭いてやらないと」

ジョニィ < ダディ、クールダナ...

男 (とにかく服を脱がして……)

男 「まずはリボンを」

 シュルシュル...


 プルンッ


男 「」
ジョニィ < ...

106 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/16(日) 18:40:57.27 ID:9XSSxSJ20

後輩メイド 「すー…、すー…」

男 「――はっ、意識が飛んだ」 アブナイ

男 (なんたるおっぱい……まさに凶器!) フー...

男 (薄暗い露天風呂と明るい室内とじゃ威力が違うぜ……)

男 「いかんいかん、心頭滅却、精神統一、煩悩退散」 ブツブツ

ジョニィ < bye!

男 「よし、大丈夫だ」

側近 「何が大丈夫なんですか」


 ガタッ!! ガタガタガタ――ガシャーン!!


男 「……、イツカラソチラニ?」

側近 「ぶつぶつ言いながら手を合わせたあたりです」

男 (視線が痛い……)

107 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/16(日) 18:41:50.09 ID:9XSSxSJ20


 正座させられました。


側近 「熱で無抵抗なこーちゃんを脱がせて、どうするつもりだったんですか」

男 「いやあのね、うん、汗を拭こうとしてただけでね?」

男 (声に抑揚がなくて怖い!)

側近 「着替えもないのに脱がすつもりだったんですか」

男 「それはね、わんこが離さなくてね? 代わりに毛布を足すつもりでね?」

側近 「でもこーちゃんの裸を見るつもりだったんですよね」

男 (――駄目だ、否定できねえ!!)

側近 「それどころか触るつもりだったってことですよね」

男 (冷や汗が溢れてヤバイ) ダラダラダラダラダラ......


側近 「この変態」


男 「」 キュン
ジョニィ < oh?

108 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/16(日) 18:42:47.99 ID:9XSSxSJ20

側近 「男さんにはおしおきが必要ですね……」

男 ドキドキドキ...

男 (――いかん、なんだかわからないが、このままだと何かがヤバイ)

ジョニィ < ダディ?

側近 「……視界を塞ぎます」 スッ

タオル < ヨウ、アンチャン

男 「……見えません」 ←目隠し状態

側近 「そのまま正座してなさい」

男 「え」

側近 「こーちゃんのお世話は私がします」

男 (……)

男 (……おしおき?)


 シュル...


109 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/16(日) 18:43:49.03 ID:9XSSxSJ20

男 (!!)

 シュル... シュルシュル... ス...

男 (こっ…これは……ッ!)

ジョニィ < oh... jesus...



 シュルッ プチ シュ シュル...

 スルッ シュルル...

「…ぅん……」

 シュル... ス ススス...

「ん……ふ……」

 ポチャ ポタポタポタ キュッ

 ペタ スッ スッ

 ペタ ス... 

「…ゃ……ン……」

 ス スス... キュッ

「ぁん……」

 ペタ スッ スー… スス...

「ふ……んぅ……」



男 (――ッ! ――――ッ!!) ギリギリ...

110 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/16(日) 18:45:20.57 ID:9XSSxSJ20

男 (音と声だけで攻める、などと…ッ!)

男 (なんという…、なんという……!!)

ジョニィ < ――。 (ビキビキ


 スルッ スッ スッ スス...

「ん……んー……」

 スー… スー… ス...

 ポチャ

「よし、と」

 バサッ


男 (お、終わった……?)

側近 「いいですよ、外して」

111 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/16(日) 18:46:27.90 ID:9XSSxSJ20

後輩メイド 「くー……、くー……」

側近 「服を脱がせて体を拭いて、毛布とその下にタオルケットを足しました」

側近 「後はおでこを冷やしてあげながら、布団が崩れないように見ていて下さい」

男 「……了解ッス」

側近 「いつまで正座してるんですか」

男 (立てないんだよおおおおお!!)

ジョージ < hahaha, コマッタモンダ

側近 「それじゃ、私は仕事に戻りますから」

側近 「くれぐれも。 く れ ぐ れ も 、おかしなことをしないで下さいね」

男 「……了解ッス」

 ガチャ パタン

男 「…………」


男 「――これが生殺しってヤツか……」

112 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/16(日) 18:48:44.51 ID:9XSSxSJ20
病み上がりの童貞が頑張った結果がこれだよ!
もうちょっとだけ続きます、ではまた。

>>102-103
養生してきます
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/10/16(日) 20:36:05.68 ID:i89MhVBro
いや手を出さなかったり微妙に連想させそうなIDがそれっぽくて(≧∇≦)b
お大事に〜・・・ってジョージは初めての初登場?
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/10/17(月) 12:47:23.42 ID:/8tQkznAO
>>113
一応前スレでお目見えしとります
ジョニィが進化すると……ね
115 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/10/17(月) 12:48:47.00 ID:/8tQkznAO
まさかの酉忘れ

まるで成長していない
116 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/10/19(水) 21:59:35.81 ID:78FkYicAO
気付いたら水曜日の夜でした
そんな馬鹿な……

待ってくれてる方には申し訳ないです
少々間が開いてしまいますが、土曜の夜頃に更新できるかと思います

連絡なく失礼しました。では後ほど
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/19(水) 23:24:47.50 ID:2mlJq4RIO
お、生きてた

大丈夫。みんな童貞には優しいから。
生暖かい目で待ってるよ。
118 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:04:02.66 ID:2IPvMsla0
本気出す
119 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:05:20.14 ID:2IPvMsla0
>>111
-


男 「はぁ……」

ジョージ < ギンギンダナ

男 「畜生、そもそも女医どこ行ったんだよ……医務室空けやがって」

女医 「呼んだ?」 ガチャッ

男 「今更かよ遅ぇよ!」

女医 「え、なんで怒られんの?」

120 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:06:03.85 ID:2IPvMsla0

後輩メイド 「くー……くー……」 スヤスヤ

女医 「なるほど、ついにブッ倒れたのか」

男 「あんたまさかわかってたんじゃねえだろうな」

女医 「そこまで万能じゃないよ」 シュボ

タバコ < アッツィ!

男 「吸うな点けるな」 パシッ

女医 「あ、返せコラ」

男 「あんたは医者でここは医務室だろうが」
121 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:06:34.79 ID:2IPvMsla0

女医 「医者だってタバコくらい吸うの、返せってば」

男 「外で吸えよ」

女医 「メイドがうるさいんだもん」

男 「つか、あんた狐のくせに火とか煙平気なのかよ」

女医 「稲荷神をその辺の畜生共と一緒にするな。いいから返せ、祟るよ」

男 「どんだけニコ中だよ」

女医 「いいだろ別に」

男 「マナーくらい守れ」

122 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:07:09.62 ID:2IPvMsla0

女医 「全部とりあげられた……くっそイライラする」

男 「あんたそれ病気だからな?」

女医 「仕方ないじゃん、今更やめるのも無理だし」

男 「あんたそんなだから何百年も処女のままなんじゃねえの」

女医 「うおーい! そいつは禁句だよ!?」

男 「はいはいごめんなさいね。それよりわんこ診てくれよ」

女医 「ちっ、仕方ないなあ……」

男 「それが医者の態度か」

123 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:07:44.38 ID:2IPvMsla0

わんこ 「すぷー……きゅー……ふゅるるるる……」 スヤスヤ

女医 「……めっちゃ熟睡してるわね」

男 「……だな」

女医 「熱は――」 ペタリ

女医 「……けっこうあるわね、なんで寝てられるのかしら」

男 「倒れるまで気付かないような子だしなぁ」

女医 「よし、押し倒せ」

男 「テメェ何言い出すんだ!?」

124 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:08:12.26 ID:2IPvMsla0

女医 「えっ、そのつもりで脱がしたんじゃないの?」

男 「汗まみれになってたからだっつーの! どういう脳みそしてんだ!」

女医 「やだ、このエッチ」 ポッ

男 「歯ァ食いしばれ」

女医 「冗談なのに」

男 「…………」

女医 「そんな目で見ないでよ、濡れる」

男 「よーしブン殴る」

女医 「冗談だってば」

125 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:09:14.06 ID:2IPvMsla0

男 「で、どうなんだよ」

女医 「診たところ普通の風邪ね。最近は随分慌ただしかったし、疲れが溜まってたんじゃない?」

男 「そうかい」 ホッ

女医 「なになに、やっぱり心配なわけ?」 ニヤニヤ

男 「あたりまえだろ……何笑ってんだよ」

女医 「あんたほんとジゴロよね〜」

男 「」


男 「お…ま、え、なあああ! どんな誤解してんだ!!」 ギリギリギリギリ...

女医 「だだだだだ! 割れる、割れるから!!」

126 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:09:54.96 ID:2IPvMsla0

女医 「粉になるかと思ったわ……」

男 「ったく、どう聞いたら俺がジゴロ扱いになるんだ」

女医 「えー? みんな言ってるわよ、新魔王陛下は女たらしだから気を付けろ〜って」

男 「……マジか」

女医 「マジマジ」

男 「お前ら俺を何だと思ってんだ……」

女医 「ジゴロでしょ?」

男 「違う」

127 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:11:14.27 ID:2IPvMsla0

男 「つか、心配くらい誰でも普通にするだろが」

女医 「私でも?」

男 「当たり前だろ」

女医 「……やっぱあんたジゴロよね」

男 「違う」

女医 「じゃあモテ男」

男 「なんでそうなる」

女医 「朴念仁」

男 「喧嘩売ってんのかテメェ」

128 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:11:59.56 ID:2IPvMsla0

女医 「ま、この話はまた今度ね」

男 「あ、おいどこ行くんだよ」

女医 「屋上で吸ってくるわ」

男 「仕事しろ!」

女医 「ゆっくり寝かせとけば治るわよ。それとも、汗かかせてみる?」 ワキワキ

男 「その指の動きは止めろ……ッ!」

女医 「あはは、じゃーねー」

 ガチャ バタン!

男 「あっ、――マジで行きやがったあの女……」

後輩メイド 「ムニャムニャ……スピー……」

129 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:12:57.62 ID:2IPvMsla0

< コンコンコン

< シツレイシマス

 ガチャ

メイド 「男様、後輩メイドの様子は――どうかなさったんですか?」

男 「ここの医者を信用すべきか真面目に悩んでるとこ」

メイド 「はぁ。腕は確かですから、信用していいと思いますよ?」

男 「せめてモラルくらい身に付けてほしいわ……」

メイド 「あぁ……」

130 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:14:06.05 ID:2IPvMsla0

メイド 「まぁ、ババアですからね」

男 「……メイドさん?」

メイド 「はい?」 ニコリ

男 「……ナンデモナイデス」



女医 「なんか悪口言われてる気がするぞ」 プカー

騎士C 「日頃の行い悪いしな」 プカー

女医 「そんな馬鹿な」 プカー

131 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:14:40.87 ID:2IPvMsla0

男 「ところでメイドさんはお見舞いに?」

メイド 「はい。それと、着替えと昼食をお持ちしました」

男 「もうそんな時間か……」

メイド 「手軽に召し上がれるようにサンドウィッチにしましたが」

男 「ありがとうございます」

メイド 「それから後輩メイドにはお粥と、しょうが湯をポットに入れてきましたから、あとはお願いしますね」

男 「ん。了解」

メイド 「それでは失礼いたします」 ペコリ

 ガチャ パタム

男 「……慌ただしいな」

後輩メイド 「はっ、ごはんのにおい」 カッ

男 「そしてこっちは起きよった……食いしん坊か」

後輩メイド 「うぃ?」

132 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:15:29.54 ID:2IPvMsla0

男 「起きられるか?」

後輩メイド 「むりっす」 キリッ

男 (何故どや顔に……)

男 「起こすぞ。よっ、と」 グイッ

後輩メイド 「うぇぃ」 オキアガリー


 ぺろん

 プルンッ


男 「」

ジョニィ < ハッ!!

後輩メイド 「ぅに、さぶ……」 クルクル


後輩メイド 「……? あんちゃん、うしろむいてどうしたっす?」

男 「気にしないで、私は平気」

ジョニィ < キリッ

133 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:16:03.89 ID:2IPvMsla0

男 「それより、調子は?」

後輩メイド 「んー、まだちょっちふらふらーっすね」

男 「舌もまわってないしな。お粥食べられるか?」

後輩メイド 「あーんで」

男 「はいはい。……スプーン短いなこれ」 カチャ

男 「ほれ、あーん」

後輩メイド 「はぷ」

男 「指まで食うな」 ササルゾ

後輩メイド 「ひりはひはらへーひっふ」

男 「何言ってるかわかんないし……」

134 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:16:40.71 ID:2IPvMsla0

 ガチャ

大賢者 「おい犬、見舞いn」

男 「あ」

後輩メイド 「ぷ?」 ←裸毛布で指ちゅぱ

大賢者 「」



大賢者 「……ごゆっくり」

 パタム

男 「オォイ! またこのパターンか!」

135 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:17:54.60 ID:2IPvMsla0


 ・ ・ ・


大賢者 「まぎらわしい真似をするでないわ」

男 「いや今回は深読みのしすぎだろ……」

後輩メイド 「あんちゃん、あんちゃん」 クイクイ

男 「はいはい。あーん」

後輩メイド 「あー……はぷ」

男 「指まで食うなというに」

大賢者 「……」 ジトー...

男 (視線が痛い)

男 (メイドさんこれ絶対わざとだろ……)

136 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:18:39.34 ID:2IPvMsla0

男 「ん、空になったな」

後輩メイド 「ごちそうさまっす」 ニャムニャム

後輩メイド 「……っくち!」

男 「くしゃみかそれ。しょうが湯飲むか?」

後輩メイド 「のぶっす」

男 「の前に鼻かんどけ。ほれハンカチ」 ハナツマミ

後輩メイド 「ぶぃ。ん゙ーっ!」 ビーッ

男 「大丈夫か?」

後輩メイド 「だいじょぶっす」

男 「ん。ほれしょうが湯」

男 「はい、大賢者さんも」

大賢者 「よいのか?」

137 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:20:07.64 ID:2IPvMsla0

男 「ちょっと多いんで」

大賢者 「ではいただくかの」


男後大 「「「 ほふぅ〜…… 」」」


大賢者 「最近は冷え込むからありがたいの」

後輩メイド 「じぶんもかぜひいたっすからねー」

男 「あ、そうだ。大賢者さん、わんこの着替えお願いできます?」

大賢者 「ふむ、よいぞ」

男 「服は……これ寝間着ですかね」

後輩メイド 「あー、じぶんのっすね」

大賢者 「動物の足跡柄か」

後輩メイド 「ねこっす」

男 「そこは犬じゃないのな」

138 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:20:54.84 ID:2IPvMsla0

男 「俺は外出てます」

後輩メイド 「えー」

大賢者 「出ていかんでも、後ろを向いておればよかろう」

男 「生殺しは勘弁で」

後輩メイド 「なま?」

大賢者 「……なるほどの」

男 「じゃ、お願いします」

大賢者 「任された」

 ガチャ パタム

139 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:21:32.08 ID:2IPvMsla0

男 「……ふぅ」

兵士B 「お」

男 「ん?」

兵士B 「よっす、見舞いきたぜ」

男 「ああ。少し待ってろ、今着替え中だから」

兵士B 「ほう」


男 「覗こうとか考えたらお前の首を二回転させてやる」

兵士B 「回らねえよ!?」

男 「考えたのか」

兵士B 「はっ!」 ヤベッ

140 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:22:16.76 ID:2IPvMsla0

騎士A 「……何してるんです?」

男 「制裁」 ギリギリギリ...

兵士B 「もげるもげるもげるもげるもげるもげる!!」 アダダダダダダ!!

騎士A 「取ればいいじゃん」 ヒョイ

騎士A(頭) 「こんなかんじで」

兵士B 「いや普通とれねっ! あ゙っ゙、今ゴキッつった! ギブギブギブ!!」 ギリギリギリ...

男 「この際だからデュラハンの仲間入りしとけ」 ギリギリギリギリ...

兵士B 「できるかっ!!」 HANASE!!


騎士A 「ちなみに俺はデュラハンじゃなくて首無しですよ」

男 「妖怪?」

騎士A 「いや、大昔の都市伝説です」

141 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:23:41.59 ID:2IPvMsla0

兵士B 「いつつ……マジ容赦ねぇ……」 イテェ...

騎士A 「これ騎士団からの見舞い品です。旬の果物詰め合わせと、甘くない野菜スイーツ特選セット」

男 「紙袋ふたつ分て……多いわ」

騎士A 「みんな後輩メイドさんのこと心配してるんです。ほっといたら全員押しかけてきそうだったんで、自分が代表で」

男 「そっか、伝えとくよ。ありがとう」

兵士B 「俺ガン無視かよ……」 ヘコムワー


 ガチャ

大賢者 「男、終わったぞ。――む、おぬしらもおったのか」

騎士A 「どうも」

兵士B 「うぃす」

142 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:24:14.76 ID:2IPvMsla0

大賢者 「見舞いかぇ?」

兵士B 「そのつもりだったんだけどよ」


< ゴーン……


男 「あぁ、もう一時か」

兵士B 「つーわけだから戻るわ。兵士Aにどやされるし」

騎士A 「では自分も」

男 「顔くらい見ていったらどうだ?」

兵士B 「また後でなー」 ヒラヒラ

騎士A 「失礼します」 ペコッ


< イソガナイトブチコロサレルナ

< カゲキダカラナァ、ヘイシAクン

143 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:25:05.28 ID:2IPvMsla0

男 「……タイミングの悪い人たちだなぁ」

大賢者 「とりあえず中に戻れ。廊下は冷えるじゃろ」

男 「はい」

 パタン


後輩メイド 「あんちゃん、だれかきてたっす?」

男 (パジャマかわいい)

男 「少しな。ほれ、騎士団からの見舞い品だとさ」


フルーツ < ドッサリ

スイーツ < モッサリ


大賢者 「……多いの」

男 「ですよね」

144 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:25:36.72 ID:2IPvMsla0

後輩メイド 「あ、りんごたべたいっす」

男 「じゃ剥いてやる。刃物がナタしかないが」

大賢者 「何故……」

男 「農家なので」

後輩メイド 「いまはまおーっすよ」

男 「ないと落ち着かなくてなぁ」 スチャ

ナタ < オレニオマカセ!

男 「皿はーっと、紙皿があるな、これ使うか」 ヒキダシゴソゴソ

男 「さて。よっ」

 ポイッ

145 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:26:23.55 ID:2IPvMsla0

 男はりんごを投げた。

 りんごはくるくると回りながら宙を舞う。

 そのりんごにナタを向け、男がぽつりと呟く。

「農家流、――」

 瞬間、刀身が消えた。

「――『りんごうさぎ』!」

  ザ ン ッ

 目にも留まらぬ速さで斬り裂かれたりんごが、紙皿の上に落ち、並ぶ。

 その全てが芯を綺麗に切り落とされ、うさぎ型に皮を残して剥かれていた。

146 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:26:55.90 ID:2IPvMsla0

大賢者 「」 ポカーン

後輩メイド 「おー」 パチパチパチ

男 「久々でもできるもんだなぁ」

ナタ < ドヤッ

リンゴウサギ < キリッ


女医 「病室で刃物振り回さないでよバカ」 プカー

後輩メイド 「ふぁ、ひょいひゃん」 リンゴモグモグ

男 「タバコ消してから言え」 パシッ

女医 「ああ、忘れてたわ」 メンゴ

大賢者 (……ツッコミのタイミングを逃した)

147 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:27:35.29 ID:2IPvMsla0

女医 「あれ? 大賢者じゃん、どしたの?」

大賢者 「おぬしが仕事せんからメイドに呼ばれての」

女医 「あらら、ごめんごめん」 アハハ

男 「で、用事は?」

女医 「そうそう。薬作らせてきたから、はい」 パース

男 「袋投げんなっ」 キャッチ

大賢者 「なんじゃ、薬師の所に行っておったのか」

後輩メイド 「うぇ……くすりにがてっす」

女医 「なくても治るけど、長引くとみんなにうつるわよ?」

後輩メイド 「それはやっす……」

女医 「だったら飲んで休んで、さっさと治しな」

後輩メイド 「うぃ」

148 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:28:26.97 ID:2IPvMsla0

男 「……まさか仕事するとは、意外だ」

女医 「男君は私を何だと思ってるのよ……」

男 「めんどくさがり」

女医 「正解!」 グッ

大賢者 「笑顔で何を言うとるんじゃ」


男 「この薬、しょうが湯で飲ませていいのか?」

女医 「いいんじゃない? 薬師が言うには泥水で飲んでも効くって話だし」

男 「それは別の病気になるだろ……ほれ、わんこ」

後輩メイド 「うぃ。んく――ぷぁっ」

大賢者 「さて、ワシはそろそろお暇しようかの」

149 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:29:27.47 ID:2IPvMsla0

女医 「あら帰るの? それじゃ私も」

男 「さらっとサボろうとすんな」

女医 「えー、いいじゃんどうせあんたずっといるでしょ?」

男 「他に病人怪我人来たらどうすんだよ」

女医 「そん時はほらそこ」 ユビサシ


 [呼び出し]


女医 「それ押せばすぐ来るわよ」

男 「……こんなもんあったのか」

女医 「そんじゃねー」 ヒラヒラ

大賢者 「ではな」 フリフリ

男 「あっ」

 ガチャ パタン

後輩メイド 「いっちゃったっすねー」

男 「文句言う暇もねぇし……」 ハァ...

150 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:32:52.64 ID:2IPvMsla0

後輩メイド 「あんちゃん、あんちゃん」

男 「どうしたわんこ」

後輩メイド 「てひひ、よんだだけっす」

男 「……そうかい」

後輩メイド 「あんちゃん、て」

男 「手?」

後輩メイド 「つないでてほしいっす」

男 「はいはい」 キュッ

151 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:34:03.58 ID:2IPvMsla0

後輩メイド 「あんちゃん、あんちゃん」

男 「どうしたわんこ」

後輩メイド 「てひひ、よんだだけっす」

男 「……そうかい」

後輩メイド 「あんちゃん、て」

男 「手?」

後輩メイド 「つないでてほしいっす」

男 「はいはい」 キュッ

152 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:36:43.41 ID:2IPvMsla0

後輩メイド 「にしし、あんしん、あんしんっすねー」

男 「なんだそりゃ……」

後輩メイド 「あんちゃん」

男 「うん?」

後輩メイド 「ねるまでこのままでもいいっす?」

男 「……しょうがないな」

後輩メイド 「あんちゃんのて、おっきーっすねー」

男 「そうか?」

153 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:40:57.23 ID:2IPvMsla0

後輩メイド 「それにあったかいっす」

男 「うーん、自分じゃよくわからないな」

後輩メイド 「すごくあんしんするっすよ」

男 「……うーん」

後輩メイド 「あんちゃん」

男 「うん?」

後輩メイド 「あたま、なでてほしいっす」

男 「はいはい」

 ナデナデ

後輩メイド 「〜♪」

154 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:44:22.81 ID:2IPvMsla0


 ・ ・ ・


後輩メイド 「くー……、くー……」 スヤスヤ

男 「……」 ナデナデ

男 (結局手をつないだまま寝ちまったなぁ)

男 (離してくれそうもないし)

男 (……ま、今はいいか)

男 「もういなくなったりしないからな」 ナデナデ

後輩メイド 「んー……、ふひひ……」 スヤスヤ

155 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:49:45.95 ID:2IPvMsla0


−医務室 外−


側近 「どうです?」 ヒソヒソ

兵士A 「後輩さんは寝たみたいだね。男さんはずっと一緒にいるみたいだ」 カベニミミアリ

魔剣『どうやら手を握りあっているようだぞ』ショウジニメアリ

大賢者 「わかるのか?」

魔剣『我輩は魔剣だからな、透視くらい可能だ』

騎士A 「仲睦まじくていいね」

町娘 「こーちゃん大丈夫でしょうか?」

女医 「回復早い子だし心配ないわよ」

156 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:52:36.45 ID:2IPvMsla0

パティシエ 「どれ、私も中の様子を見てみたいね」

騎士C 「俺にも見させろ」

魔剣『では視界を共有化する。しばし待て』ミョインミョイン

兵士長 「便利だね」

兵士B 「エロいことにも使えそうだな」

兵士A 「死ね」

兵士B 「」 グサッ

騎士団長 「まだか?」

157 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 22:57:16.86 ID:2IPvMsla0

魔剣『今繋がる――』ミョインミョイン……


メイド 「何をしているのかしら?」


 ゾ ワ ッ


騎士団長 「くそ、散れッ!!」

全員 「「「 はっ!! 」」」

 シュバババッ!!

メイド 「逃がすかァ!!」 グワッ


< ウワ、コッチキヤガッタ!

< ハシレハシレ!

< マテヤゴルァァァァァァ!!

< コワイコワイコワイコワイコワイコワイ!!

< トマルナ、クワレルゾ!

< ニゲロニゲロニゲロ!!

158 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 23:02:51.83 ID:2IPvMsla0


−その頃、事務室−


大臣 「………………」

大臣 「グスッ」

書類の山 < ガンバレ、超ガンバレ

159 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 23:09:48.59 ID:2IPvMsla0
サバ重いって次元じゃねぇ……
こつこつ溜め込んでたらこのようになりました
おかしいな、もっと短い話のはずだったのに

次回から初心に帰って1日5レス目標で、本編?に戻ります
俺頑張る。ではまた。

大臣 「終わらない……終わらないよぉ……」 シクシクシク...
160 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/22(土) 23:14:03.13 ID:2IPvMsla0
更新履歴

男「新魔王はじめました」
>>22-30
>>42-53
>>63-78

魔王「落ちた」
>>81
>>83

番外*わんこ風邪
>>86-91
>>104-111
>>119-150
>>152-158
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/22(土) 23:46:52.82 ID:pw9eTC4SO
おぉ、わかりやすい
乙です。最近は>>1が弄られることが少なくて何より
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2011/10/22(土) 23:56:28.35 ID:dTpZpbOD0
>>152がにんしんにみえた・・・
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国地方) [sage]:2011/10/23(日) 00:00:53.89 ID:BL5CHzIZo
ぶっちゃけ後期の>>1いじりネタって行き過ぎてクドすぎたからなぁ・・・
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/23(日) 00:02:21.56 ID:neMiaEbI0
>>162
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/23(日) 00:03:07.60 ID:neMiaEbI0
>>162
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/10/23(日) 03:03:21.21 ID:mvjkpAk4o
いじり尽くしたっていうか、新しい獲物が見つかったっていうか、そんな感じッスねー
167 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/23(日) 22:09:21.27 ID:LCdUKrnB0
>>78
-


側近 「ごちそうさまでした」

男 「ごちそうさまでした」

パティシエ 「はいどうも。またいらして下さい」

魔剣『我々も行くとしよう』

町娘 「はい」

男 「街に降りるのか?」

魔剣『建物も随分と破壊されたのでな、確認だ』

側近 「それじゃ、また」

町娘 「それでは」 ペコリ

魔剣『またな』

男 「お疲れ」 ヒラヒラ

168 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/23(日) 22:10:04.46 ID:LCdUKrnB0

男 「……元気そうでよかった」

側近 「……そうですね」

男 「さて、と。残りは西側?」

側近 「はい。あちら側は兵舎に繋がっている都合で施設が集中していますので、ゆっくり行きましょう」

男 「了解」



側近 「まずは一度外へ出ましょう。三階からも渡れますけど、普段は立ち入り禁止なので」

男 「そうなの? なんでまた」

側近 「通路まるごと武器庫なんです」

男 「……あぁ」

側近 「危険なので、扉も封印してありますし」

男 「忘れがちだけど、要塞なんだよなここ」

側近 「そういうことです」

169 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/23(日) 22:10:35.24 ID:LCdUKrnB0

男 「いい天気だなぁ」

側近 「でも少し冷えてきましたね」 ホフゥ

男 「もう陽が傾き始めてるしな」

 ギュッ

側近 「あ、手……」

男 「ん?」

側近 「……いえ、なんでも」

 ギュッ

170 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/23(日) 22:11:06.63 ID:LCdUKrnB0

兵士B 「お前ら人の目の前でイチャイチャしてんじゃねえよ」

側近 「いっ?!」

男 「兵士B、と兵士Aか。何してるんだ?」

兵士A 「や、どうも」

兵士B 「見てわかんねえか、仕事してんだよ」

男 「……つっ立ってるだけにしか見えんが」

兵士B 「そういう仕事だ」

兵士A 「門番兵なもので」

男 「ああ」 ナルホド

側近 「イチャイチャ……イチャイチャ……」 ブツブツ

171 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/23(日) 22:11:34.47 ID:LCdUKrnB0

兵士B 「そっちこそ何してんだよ」

男 「城を案内して貰ってるんだ。まだ来たばっかだしな」

兵士A 「なんだ、デートかと思ったのに」

側近 「!?」

男 「似たようなもんだな」

側近 「へぁ?!」 ボッ!

兵士A 「羨ましいなぁ」

兵士B 「ははは、もげろ」

男 「断る」

172 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/23(日) 22:12:09.60 ID:LCdUKrnB0

兵士A 「ところで側近さん煙噴いてるよ?」

側近 「〜〜〜っ」 プシュー...

男 「……あらま」

兵士B 「お熱いこって」 ヤレヤレ

兵士A 「うぶだなぁ」

男 「側近さーん? 次行くよー?」

側近 「ぅゅぇらぁやひぇ」 グルグル

男 「……ダメだこれ」

173 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/23(日) 22:14:40.18 ID:LCdUKrnB0
>>166にホッとしたような寂しいような妙な気分の>>1でした
明日はたぶん番外編

魔王 「そろそろ落ち続けるのにも慣れてきたなー」

ではまた。
174 :寒くなってきましたね ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/24(月) 22:25:12.19 ID:I065w+fY0

男 「最近急に冷え込んできたなぁ……」

側近 「ですねぇ……暖炉使います?」

男 「いや、そこまでじゃないんだけどさ。冬場はやっぱり毎日使ってるの?」

側近 「はい。でも夜はどうしても火の管理ができないので、朝は辛いですね」

男 「予報士の話じゃ、今年は特に寒くなるらしいしなぁ」

側近 「以前は魔王様と魔剣さんが早起きして、お城中の暖炉を点けてたんですが」

男 「ああ、魔剣のやつ炎の剣なんだっけ……でも今あいつ町娘さんにべったりだからなぁ」

側近 「そうなんですよね……何か考えないと」

175 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/24(月) 22:26:09.02 ID:I065w+fY0

男 「先代の――あ、今は先々代か。あの人の頃はどうしてたんだろ」

側近 「先々代には専属の暖炉番がいたそうですよ。ドラゴン族はあまり寒いと冬眠してしまうとかで」

男 「……トカゲ?」

側近 「……ですね」

男 「けどその案は使えないかもなぁ。見てよこれ」 ペラッ

側近 「? 木材の入荷のリスト、ですか」

男 「去年と比べたら三倍近く値上がりしててさ、薪の確保も難しそうなんだよね」

側近 「……まずいですね」

男 「そうなんだよなぁ。何かこう、もっと効率的な暖房があればいいんだけど……」

側近 「うーん……」

男 「うーん……」

176 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/24(月) 22:26:51.62 ID:I065w+fY0

 ポク、

 ポク、

 ポク、

 チーン。

男 「あ」

側近 「はい?」

男 「そういえば、東の国に風変わりな暖房器具があったな」

側近 「風変わり、ですか?」

男 「なんて言ったかな……たしか、コタツ?」

側近 「こたつ……ですか」

男 「後はヒバチとか」

側近 「ひばち……」

男 「――よし、ちょっと大使館で聞いてくるよ」

側近 「一緒に行きましょうか?」

男 「何かあったら困るから残ってて」

側近 「はい」

男 「じゃ、いってきます」

側近 「いってらっしゃいませ」

177 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/24(月) 22:27:26.31 ID:I065w+fY0

〜城下 大使館〜

東の使者B 「炬燵に火鉢ですか」

男 「ええ。どんなものなのかなと」

東の使者B 「それでしたら、僕らの部屋に現物がありますよ」

男 「おぉ……見せてもらっても?」

東の使者B 「どうぞ。今日はAが寒がって、ちょうど使ってるところなので」

男 「もう使ってるのか……」

東の使者B 「本国はここより暖かいもので」

男 「なるほど」

178 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/24(月) 22:28:21.45 ID:I065w+fY0

東の使者A 「あ、陛下じゃないですか」 グデーン

東の使者B 「……だらけすぎだって」

男 「みかんが山積みに……」

東の使者A 「食べます? おこたで食べると最高ですよ」 マグマグ

男 「いや……、それよりこたつってのを見に来たんだけど」

東の使者A 「はぁ、これを?」

東の使者B 「今Aが入ってるのが炬燵です。

 低いテーブルの上に厚手の布団をのせて、中に燃焼中の炭を仕込んでるんです」

男 「燃えたりしないの?」

東の使者B 「それは――こうなってます」 ペロッ

東の使者A 「うわ寒い! めくらないでよ!」

179 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/24(月) 22:28:52.04 ID:I065w+fY0

男 「なるほど、テーブルの下に宙吊りにしてるのか」

東の使者B 「ただ、このタイプは受け皿も必要になるので少し足元が狭いですね」 パサッ

東の使者A 「あー寒かった」 ヌクヌク

男 「他の形もあるの?」

東の使者B 「中を掘り下げて、底面の中心部に熱源を設置するタイプがあります。

 通称、掘りごたつです。個人的にはこちらがオススメですね」

東の使者A 「私は寝っころがれるからこっちの普通のタイプが好きでーす」 ダラダラ

男 「……なんだろう、すごい堕落してる感じが」

東の使者B 「すみません、こういう子なんです……」

東の使者A 「違うよー、おこたの魔力のせいだよー」 ゴロゴロ

180 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/24(月) 22:29:27.88 ID:I065w+fY0

男 (……まるで説得力がない)

男 「あ。ところで炭ってすぐ消えちゃうんじゃ?」

東の使者B 「え?」

男 「ん? あれ……燃えカスですよね、炭って」

東の使者B 「え、いや、あれ?」

東の使者A 「あー、この国には炭を作る文化がないからね。Bちゃん勉強不足ゥ」 ミカンミカーン

男 「炭を作る?」

東の使者A 「東の国だと、長く燃え残る強い炭を職人さんが作ってるんですよー。おこたにはそれを使うんですなー」 マグマグマグ

男 「へぇ……」 ナルホド

東の使者B 「Aにダメ出しされた……」 ガーン...

181 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/24(月) 22:29:59.27 ID:I065w+fY0

東の使者A 「ちなみにこれが備長炭ってやつですたい」 ニュッ

備長炭 < カッキィーン!

男 「おぉ……なんか綺麗だ」

東の使者A 「ウン百年と受け継がれてきた伝統の職人技で作られた逸品でござい。堅く締まってるんでけっこう重いんですぜー」 フリフリ

男 「はぁー……、昔の人はすごいな」

東の使者B 「あ、そうそう。火鉢にもそれを使ってるんですよ」

男 「そうなの?」

東の使者A 「こちらがその火鉢!」 ユビサシ

火鉢 < アタタマルガヨイ

男 「意外と小さいな」

東の使者A 「そんかわり灰が敷いてあるから深さはありますぜー。近くにいればそこそこあったかさね」

東の使者B 「A、さっきから喋り方崩れに崩れてるよ?」

182 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/24(月) 22:30:42.17 ID:I065w+fY0

東の使者A 「ふふふ、これがおこたの魔力」 キリッ

東の使者B 「炬燵に責任なすりつけるなよ……」

男 「あー。これいいな、ぬくい」 ヌクヌク

東の使者B 「いつの間にか入ってるし!」

東の使者A 「お城なら火鉢使わなくても、暖炉で炭使うようにしたらいいんじゃないっすかね。

 薪よりかなり保ちますよ」

男 「そうか、そういう手もありか。……それにしても、こたついいなこれ」 グデーン

東の使者B 「あああ……陛下がこたつの餌食に……」

183 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/24(月) 22:31:25.89 ID:I065w+fY0

東の使者A 「Bちゃんも入ったら?」 ダラダラ

男 「そうだねぇ、入りなよ」 グデグデ

東の使者B 「下手に入ると出られなくなるんですよ……」

東の使者A 「まあねー」 ゴロゴロ

男 「なんかわかるわぁ」 ゴロン

東の使者B 「ああ……陛下まで寝転がって……」

男 「うーん、うん。これはたまらないなぁ」 ダラダラ

東の使者A 「でっしょおー? 世界平和に貢献できるレベルだよねー」 グデグデ

男 「こたつで始まる世界平和かー……」 ゴロゴロ

東の使者B 「いやいやいやいやいやいや……」

184 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/24(月) 22:32:00.84 ID:I065w+fY0

男 「うん、こたつはアリだな。早速普及させよう」 ウン

東の使者A 「そんならついでに知人の炭職人も呼び寄せますよー。そのかわりみかん下さい」

東の使者B 「ちょっ」

男 「みかんならいい農家知ってるぜ。味は俺が保障する」

東の使者A 「ほほう、そいつは期待大ですな」 キュピーン

東の使者B 「世間話のノリで国際交渉が……」

男 「あぁ……これがこたつの魔力か」

東の使者B 「炬燵罪深すぎでしょ。適当すぎだこれ……」

185 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/24(月) 22:32:43.71 ID:I065w+fY0

 ・ ・ ・

メイド 「なるほど、これはヤバいですね」 ダラーン

男 「ねー。もう出られないよねー」

側近 「あったまりますねー……」 ホフゥ

後輩メイド 「ぬくぬくッスねー」 グデーン

大賢者 「……大臣に泣きつかれて来てみれば」

男 「あ、大賢者さん」

大賢者 「おぬしらだらけすぎじゃろ! メイドまでなんじゃその体たらくは!」

メイド 「いやー、だってこれすごい気持ちいいんですよ?」 ダラダラ

大賢者 「――側近!」

側近 「ふぁい?」 フアァ...

大賢者 「……犬!」

後輩メイド 「うぃ?」 ゴロゴロ

大賢者 「………………」



大賢者 「 全 員 そ こ に 直 れ ぇ い ! ! 」



186 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/24(月) 22:34:28.85 ID:I065w+fY0
みんな仲良く折檻されました

本日分 >>174-185
ではまた。
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/10/24(月) 22:40:04.16 ID:wogsIwp30
乙!
コタツはもう指名手配レベルの罪深さだと思うんだ
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2011/10/25(火) 02:07:24.81 ID:3KBeBRZdo

そういえば前わんこがゆーきやこんこんあられやこんこんって歌ってた気がする
だからコタツ知ってるのか
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/25(火) 04:41:41.57 ID:lAY+CaHEo
乙んこー
190 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/10/26(水) 05:16:51.88 ID:20EUGfTAO
更新前に寝落ちしちゃったし……
待ってくれてる方、申し訳ないです
今日の晩に更新します
今回は魔王側に進展ありです
191 :わんこ ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/10/26(水) 05:19:58.67 ID:20EUGfTAO
『ぅー……、……』
『わんこ、眠いのか?』
『…………』
『わんこ?』
『……はっ』
『寝てたな?』
『…………』
『わんこ?』
『……はっ』
『寝てたな』
192 :魔王サイド ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/26(水) 22:34:28.92 ID:3vZJkg3z0


 ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ......

魔王 「……おかしいな、底に着かないなんて」

 吊り橋から落ちて十分は経っただろうか。

 既に上空の明かりは途絶え、辺りは薄闇が支配している。

 しかし、いつまで経っても底に達しない。

 それどころか、あるはずの壁すら見えない。

魔王 「空間が開けてるのはまだいいとして……ここまで深いのは異常だなー」

 当の魔王自身は落下に慣れてきてか、姿勢を制御しいつでも着地できる態勢だ。

 それも、地面がなければ意味がないのだが。

魔王 「空間がねじれてるのか?

 それとも、まさか――」

 結界?

 そう思い浮かべた瞬間、突如として周囲がまばゆい光に包まれた。

魔王 「な――!」

 驚愕する暇すらなく、魔王の姿が光の中へと消えていく――。



193 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/26(水) 22:37:13.26 ID:3vZJkg3z0

 ――――……。

 ――、……――。

 ……。――――、……。

 ――……。


 声が聞こえる。

 聞き慣れない言葉だ。

 何を話しているんだろう。

 耳を澄まし、思考を切り替える。

 そこでようやく、自分が寝転がっていることに気付いた。

 目を開く。

 にじんだ視界が、ゆっくりと馴染んでいく。

 目に映ったのは仄かな灯り。土の天井、壁。

 そして僕の顔を覗き込む、少女とも少年ともつかない、幼い姿の人物。

「起きた か」

 その子はぎこちない言葉遣いでそう呟くと、起きるのを促すように半歩距離を取った。

 自然と体を起こし、視線を合わせる。

194 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/26(水) 22:38:52.30 ID:3vZJkg3z0

(……一人だけ?)

 先程までは、会話をしていたように聞こえていたのだが……、

「ここ ひとり。つち はなす」

「土と話す?」

「そう」

(いや待てよ……今、思考を読んだか?)

 そう考えたところで、頷きを返された。

「つち ジブン おなじ ジブン セイレイ つち まもる」

「ええと、君と土が同じ? で、君は精霊で、土を? が? 守ってると……」

 なんとか言葉をつなぎ合わせて、話を拾う。

「そう」

 だいたい合ってるらしい。

「……解読大変だし、念話とか使えないの?」

195 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/26(水) 22:42:44.53 ID:3vZJkg3z0

「ネンワ……」

『こうでしょうか』

 同じ声色で、自然な言葉遣いが脳内に響いた。

 どうやらきちんと会話できそうだ。

 無表情だけど……。

『必要がなかったので』

 そろそろ思考を読むのも自重してほしいなー。

『わかりました』

 おもくそ読んでるやないけ!

『おっと。これは失敬』

 ……意外とおちゃめなようだ。

196 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/26(水) 22:47:33.22 ID:3vZJkg3z0

「で、土の精霊さんだっけ。何て呼んだらいい?」

『“ノーム”とでも』

「ノームね。……ってまんまやないけ!」

 ※ ノーム = 土の精霊(妖精)

ノーム『貴方は魔王様だそうですね。土に聞きました』

「あーいや、今はもう元なんだ。

 だから、そうだな……。

 まぁ、適当に“旅人”とでも呼んでよ」

ノーム『わかりました』

旅人 「はいよろしく。

 ところで聞きたいんだけど、ここはどこなんだい?」

ノーム『ここは十字大渓谷の深部、人の支配が届かない大地の底であり、我々ノームの最期の集落です』

197 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/26(水) 22:51:08.90 ID:3vZJkg3z0

旅人 「最期って?」

ノーム『我々ノームは、かつて人間と敵対関係にありました。

 初代魔王様が亜人種を統括し魔ノ国を作った際、我々に与えられた命令は二つ』

ノーム『一つはこの十字大渓谷の制圧』

ノーム『もう一つは、ここで時期を待つこと』

旅人 「…………」

 初代魔王が魔ノ国を作ったのが、およそ千年前。

 それじゃあノームは千年もの間、ずっとこんな場所に……?

ノーム『それも今日で終わりですが』

旅人 「ん?」

 ん?

ノーム『私はノームの代表として、貴方の旅に同行します』


 …………………………。


旅人 「………………はい?」

198 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/26(水) 22:56:51.19 ID:3vZJkg3z0


 ・ ・ ・


 カツーン... カツーン...

ノーム『貴方の他の同行者の方々には、我々から状況をお伝えします』

旅人 「それならいいけど、他にルートはないの? まっすぐ登るとかさ」

ノーム『ありません。初代魔王様がお作りになった結界の影響で、我々ノーム以外はこのルートしか使えないのです』

旅人 「地下水脈か……無事に出られるかな……」

ノーム『さあ』

旅人 「不安だなー……」

 ……ォォォォォォォォォォォォ……

旅人 「音が聞こえてきたね」

ノーム『では先に変装を』

旅人 「なんで?」

ノーム『水脈の先は人里の近くです。貴方の知名度を考えれば、必要な措置かと』

旅人 「あ、なるほどね」 ウッカリ

旅人 「そんじゃ法術でちょちょいと」


旅人 「変☆身!」 カッ!!

 ヴォン...


妖刀 < …………。

199 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/26(水) 22:59:29.10 ID:3vZJkg3z0


 ――――――……


『――――本気なのか』

『ああ。僕は王になる』

『……しんどいぞ』

『そうだろうね』

『今以上の血が流れるだろう』

『未来のためなら、それでもいいよ』

『未来か……そのために、今を切り捨てろと』

『僕は残酷かな?』

『悪魔に見えるほどな』

『はは……魔王か、それもいいね』

『だが、お前は』

『いいんだ。……決めたんだ』

『……そうか、ならば――――』


 ……――――――


200 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/26(水) 23:00:33.01 ID:3vZJkg3z0

旅人 「――…っつあ!」 ズキッ

妖刀 < ――――――。


旅人 (今のは……?)

ノーム『どうしました?』

旅人 「……いや、なんでもない。

 それより、変装うまくいってる?」

ノーム『少々若作りが過ぎると思いますが』

旅人 「え、あれ?

 ……ごめん、鏡とかある?」

ノーム『では、土中の元素を再構築します』 ヴーン...

鏡 < ニョキッ

旅人 「さんきゅ。どれどれ……」

201 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/26(水) 23:01:55.37 ID:3vZJkg3z0

鏡の中のイケメン < ヨウ

旅人 「誰だ貴様ァー―――――ッ!!」

 ガッシャアアアアアン!!

ノーム『!?』 ビクッ

旅人 「はぁーっ! はぁーっ、はぁ……っ」


 変身魔法について説明しよう。

 法術師が一般的に用いる変身魔法は、自分の体の“過去の記憶”を読み取ることで機能する。

 魔王(旅人)が用いたのもこの魔法であり、本来ならば彼自身の過去の姿に変身――つまりは若返るはずである。

 はずなのだが、

旅人 「僕こんな髪長くないっつか色から違うし!

 背は大体合ってるけど!

 体こんな細くないし!

 ――細いだと!?」 クワッ

ノーム『』 ビクッ

旅人 「僕の筋肉がああああああぁぁぁぁー―――――…!!!!」
 ァァァァァァァァァァァァァァァ......

ノーム (耳が割れる!!) ビリビリビリ...

202 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/26(水) 23:02:30.72 ID:3vZJkg3z0

旅人 「ごめん、取り乱した」 キリッ

ノーム『はい』

旅人 「何故か元にも戻れなくなってしまったので、ひとまずこのまま行こうと思います」

ノーム『はい』

旅人 「…………」

ノーム『…………』

旅人 「……ごめんなさい」 ←正座中

ノーム『もう大声出さないで下さい』

旅人 「はい……」

妖刀 < ……。

203 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/26(水) 23:03:34.41 ID:3vZJkg3z0

 ザァァァァァァァァ......

旅人 「はー……、思わぬトラブルだったなー」

ノーム『心当たりはないのですか?』

旅人 「うーん、変身使った時に変な声が聞こえたけど……」

ノーム『声、ですか』

旅人 「でも関係あるかといったら、びみょー」

ノーム『つまりわからない、と』

旅人 「不満だけど仕方ないかなー。……おっとと」

 ザバァッ

舟 < オイ、シッカリ舵トレヤ

ノーム『代わりますか?』

旅人 「んや、まだこの姿に慣れてないだけだし、へーきへーき」

204 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/26(水) 23:04:31.97 ID:3vZJkg3z0

ノーム『そうですか。

 もうじき流れが早くなるようです。気を付けて下さい』

旅人 「はいよー。えんやーこーらぁえんやーこーらぁ、あどっこいせぃー」

ノーム『風にぃーたなびっくぅー大漁ぉーお旗ぃー』

旅人 「……ノーム君意外とイケるクチかい?」

ノーム 「しらない わからない」 プイッ

旅人 「ごまかすなっ」

 ガタンッ

 …――ドドドドドドドドドド――…

旅人 「……流れ、早くなってきたね」

ノーム『……はい』

旅人 「……水音、うるさくなってきたね」

ノーム『……はい』

旅人 「……嫌な汗が止まらないんだけど」

ノーム『奇遇ですね、私も』

205 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/26(水) 23:05:19.71 ID:3vZJkg3z0

 ドドドドドドドドドドドド......

 ゴオオオォォォォォォォォォォォォ......

ノーム『――汗で済めば儲けものだと思います』

旅人 「言ってる場合か! 舟にしがみついて!」

ノーム『こういう時って、お約束があると思いませんか?』

旅人 「……ごめん、正直一回やってみたかった」

ノーム『では、せーので』

206 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/26(水) 23:06:52.33 ID:3vZJkg3z0

旅ノ『「 せーの…… 」』

 ト¨ト¨ト¨ト¨ト¨ト¨ト¨ト¨ト¨ト¨ト¨ト¨ト¨ト¨‥‥‥!!



「「 滝だぁー―――――――――っ!! 」」



 コ¨コ¨コ¨コ¨コ¨コ¨コ¨コ¨コ¨コ¨コ¨コ¨コ¨コ¨‥‥‥!!



207 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/26(水) 23:08:50.89 ID:3vZJkg3z0
更新分 >>192-206

続きます ではまた。
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/10/26(水) 23:33:50.60 ID:fR4S2ysDo

次はいつごろになるかね
209 :おやすみなさい ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/10/26(水) 23:46:05.79 ID:3vZJkg3z0
>>208
目標:毎日5レス↑ です(キリッ
うっかり寝たりしなければ明日も更新できますです
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 00:37:45.22 ID:SwLaVPlJo

魔王は落ちるの好きだなあ
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/27(木) 02:58:25.56 ID:xG3Z3oMNo
次は水の精霊か
212 :魔王サイド ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/27(木) 23:17:15.90 ID:iVcEedNp0


 〜大渓谷 最端部〜


剣士 「国を離れてはやひと月」

剣士 「河原で水浴びを済ませ、洗った衣服が乾くのを待ちながら釣りをしていた昼下がり」

剣士 「上流から、なんか半壊した小舟が流れてきた」

剣士 「挙句釣り針に引っかかった」


旅人&ノーム 「「」」 ←気絶してる


剣士 「……どうしよう」



引き続き、旅人=魔王でお送りしております。

213 :魔王サイド ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/27(木) 23:18:11.55 ID:iVcEedNp0

旅人 「いやあ、助かったよ」 アッハッハ

剣士 「はぁ」

剣士 (やけに綺麗な人だな……髪の毛も長いし)

剣士 (体つきと格好で男だってわかるけど) ジロジロ

ノーム 「…………」

剣士 (……そしてこっちは無言無表情。ちょっと怖いな) ジー…

旅人 「えっと、何かな?」

剣士 「あ、いえ」

剣士 「いけないいけない、ついつい他人を観察する悪い癖が……」

旅人 「思いっきり声に出てるけどいいの?」

剣士 「はうあ!?」

旅人 (面白い……)

ノーム (面白い……)

214 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/27(木) 23:18:46.68 ID:iVcEedNp0

剣士 「こ、こほん。すみません、どうにも昔から時々考えたことが口から出てしまうらしく……」

旅人 「あはは、苦労してそうだねー」

ノーム 「おもしろい」

剣士 「おもっ!?」 ガーン!

旅人 「うおい!」 ズビシッ

ノーム 「とても いい」

剣士 「え、あ、あれ……ほめられてる?」

旅人 「いやいやいや」

ノーム 「滑稽」

剣士 「」 ガンッ

旅人 「失礼すぎだろお前」

215 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/27(木) 23:19:17.84 ID:iVcEedNp0

旅人 「ごめんねツレが」

剣士 「」

旅人 「もしもーし?」

剣士 「――――…はっ! あ、何の話でしたっけ?」

旅人 「記憶が飛ぶほどショックだったのか」

ノーム 「愉快」

旅人 「うん、せめて表情を変えろ。無表情は怖い」

剣士 「あ、すみません」

旅人 「いや君じゃないからね? 君めっちゃ表情変化してるからね?」

216 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/27(木) 23:19:53.16 ID:iVcEedNp0

旅人 「てか話が進まないじゃないの」

剣士 「何の話でしたっけ」

ノーム 「なにも」

旅人 「とりあえず自己紹介しとこうか」

剣士 「あ、はい」

旅人 「僕は旅人だよ、よろしくね」

剣士 「自分は剣士です。よろしくお願いします」

ノーム 「ノーム」

旅人 「……」

剣士 「……」

ノーム 「……」

旅人 「いやそんだけかい!」 ビシッ

ノーム 「?」

剣士 「マイペースな人ですね……」

217 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/27(木) 23:20:21.39 ID:iVcEedNp0

剣士 「そういえば、御二人は何故あの舟に?」

旅人 「あー、ちょっと事情で川を下ってたんだけど」

ノーム 「途中 滝 あった」

旅人 「しかもデカいのがね。んで飲まれちゃって、気付いたらここってわけ」

剣士 「よく無事で……」

旅人 「正直けっこう頑張ったと思う」 ウンウン

ノーム コクコク

剣士 「御二人はどちらに向かわれてらっしゃるのですか?」

旅人 「最終的には聖都まで行くつもりだよー」

剣士 「え、ここからですか」

旅人 「? 何かおかしい?」

218 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/27(木) 23:21:08.92 ID:iVcEedNp0

剣士 「ここからだと、ひと月以上はかかりますよ?」

旅人 「……マジで?」

剣士 「はい。直線距離で見ればそうでもないですけど――途中の大渓谷と大山脈が無茶すぎますね」

ノーム 「……今 どこ いる?」

剣士 「えーっと、ここです」

 そう言って指差したのは、大陸の南西端。
 十字大渓谷によって大きく四つに分断された大陸の、東西を地続きで渡れる唯一の場所だ。
 なお、聖都は北西、魔ノ国は北東にある。

旅人 「随分流されたなー……」

ノーム 「想定 以上」

剣士 「仮に直線で行けたとしても、最速で三週間ってところでしょうか」

旅人 「気が滅入る遠さだわ……」


219 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/27(木) 23:21:39.39 ID:iVcEedNp0

ノーム クイッ クイッ

旅人 「ん、どった?」

ノーム『かえって都合がいいかもしれません』

旅人 「うん?」

ノーム『他の精霊たちも各地で貴方を待っているはずです。

 ここからならどうとでも動けます』

旅人 「あ、そうなの」

剣士 「……会話、してるのかな」

ノーム 「してる」

剣士 「してるんだ」

旅人 (念話だから他の人は聞こえないけどねー)

220 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/27(木) 23:22:26.03 ID:iVcEedNp0

旅人 「さてさて……とりあえず、これからどうしようかなー」

剣士 「あ、ちょっといいですか?」

旅人 「うん?」

剣士 「もしよろしければ、自分も同行させてもらえませんか」

旅人 「いやそりゃいいけど、旅の途中じゃないの?」

剣士 「途中――だったんですけど、ね」

旅人 「……ふむ」

旅人 (事情ありかー……。気になるけど訊かないでおこう)

ノーム 「剣士」

剣士 「はい?」

ノーム 「握手」 スッ

221 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/27(木) 23:22:51.34 ID:iVcEedNp0

剣士 「あ、どうも」 スッ

ノーム 「よろしく」

剣士 「はい!」

旅人 「んじゃ僕も」 スッ

剣士 「よろしくお願いしますっ」 グッ


旅人 (一応訊くけど、問題ないの?)

ノーム『こちらの装備を考えたら、むしろ歓迎すべきかと』

旅人 「あ、そうか」

剣士 「はい?」

222 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/27(木) 23:23:31.60 ID:iVcEedNp0

旅人 「ごめん、僕ら無一文だわ」

剣士 「なんと!?」

223 :行き当たりばったり ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2011/10/27(木) 23:29:24.78 ID:iVcEedNp0
拾われる男、魔王(=旅人)

以降、男サイドの合間にこの三人のぶらり旅をお届けします
明日は崖の上に取り残された二人の話の予定です ではまた。
224 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/10/28(金) 22:22:04.85 ID:hMSBVOcL0
前回 >>212-222
225 :女二人 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/28(金) 22:23:39.79 ID:hMSBVOcL0

 吊り橋跡に、二人の女性が佇んでいる。

「……どうするよ?」

「……どうしよう」

 一方はスレンダーな――というか母性の象徴が皆無な――しかしそれでいて女性らしさを損なっていない、全体的に猫のような印象を受けるボーイッシュ系美人。

 もう一方は、その気がない人でも目覚めてしまいそうなほど美しく愛らしい、ウサギじみた幼女である。
 繰り返す。幼女である。

 どうやら二人は連れが橋ごと落ちたために困っている様子だ。

「参ったな……死にはしねえだろうけど、置いていくわけにもいかねえし」

「……というか、よく考えたら目的地をちゃんと聞いてない、かも」

「……あのヤロウ、後でシメる」

 ふーむ、心配しているわけではないようだね。

226 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/28(金) 22:24:46.38 ID:hMSBVOcL0

 ふっふっふ、美少女が二人こんな場所で取り残されるなんて、なんと危険なんだろう。

 ああ危険さ、危険だとも。これは助けてあげなくちゃね。
 今まで千年も地下にいたんだ。このくらい役得があってもバチはあたらないはずさ!

「……なあ」
「……うん」

 さあいざ参らん! 桃色の世界へ!

  バッ!!

「はぁ〜ズィメましてお嬢s「「 ダブルパンチ 」」

  ドゴォッ!

「バッハぁ!?」 ブフォア!!

227 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/28(金) 22:25:44.11 ID:hMSBVOcL0

 ・ ・ ・

「精霊だぁ?」

「はいそうですごめんなさい」

「恥晒しですね」

「おっしゃるとおりですごめんなさい」

 平身低頭。簀巻きにされてるだけだけど。

 嗚呼、神よ……千年ぶりに外に出たと思ったら、いきなりご褒美なんて。


 アンタわかってるな。


「……なんかこいつキモい」

「……落とそっか」

「待って下さいやめて下さい死んでしまいます」

228 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/28(金) 22:26:20.05 ID:hMSBVOcL0

「死ねよ」

 あぁん! 視線だけで感じちゃう!

「落とすよー」

「やめてー! お連れの方の行き先を伝えに来たのよー!」

「じゃあさっさと言えよこのカス野郎」

 きゅん。

「やっぱり落とすよー」

「むしろ指を一本ずつ落としてみるか」

「やめてー! ちゃんと話すからやめてー!」

 やだもうこの子たちサドい!
 神様ありがとうございます!

「じゃあまずは髪の毛を燃やしつくそうか」

「それはマジでやめろ!!」

229 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/28(金) 22:27:13.64 ID:hMSBVOcL0

「えー、お連れの方は地下水脈から渓谷の南端に向かうことになってます」 サカサマプラーン

「なんで南なのかな」 ロープキルヨー

「そっちしか出口がないからですねー」 ヤメテー

「ますます面倒だな……ま、とりあえず南下するしかねえか」 ユラシテミル

「それで道中の道案内を仰せつかってましてー」 ア、マワルマワル

「なんか移動手段あるのか?」 モットツヨク

「最寄りの集落に竜車を預けてあるので、それで行きます」 ブラーンブラーン

「竜車?」 サラニ、カイテンヲクワエル

「昔は馬車よりポピュラーな乗り物で……あ、待って待ってもう吐く吐く」 ゲンカイ



 −しばらくお待ち下さい−



「失礼しますた」

「謝ってるのかそれ」

230 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/28(金) 22:28:12.77 ID:hMSBVOcL0

「ところでしつもーん」

「はい小さいお嬢さん」

「名前はなんですか?」

「おっとっと、これは失敬失敬。

 自分のことは「「変態」」と呼んでーって違うし!」

「じゃあロリコン?」

「ノゥ! 美しければ老婆から赤子まで等しく愛する! それがワタクシの流儀でしてよ!」

「うわぁ……」
「うわぁ……」

「その汚物を見るような眼差しがたまりません」

「死ねよ」

「」 キュン

「ところで案内人さん」

案内人 「さらっと呼ばれ名が決定した。なんでしょう?」

「私達いちおう正体隠さなきゃ危ないんだけど」

231 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/28(金) 22:29:12.93 ID:hMSBVOcL0

「あー……特にお前はなぁ」

案内人 「それでしたら偽名を使っては?

 お二人が何者かは存じませんが、顔が知られてさえいなければどうとでもなるかと」

「そうするか。とりあえずお前は“僧侶”でいいよな」

僧侶 「うん」

「んじゃオレは……“術師”でいいや」


案内人 「ずいぶんあっさり決めましたね」

術師(女天狗) 「わかりやすく手っ取り早くってな。オヤジの受け売りだ」

僧侶(西の女王) 「じゃー、行こっか」

232 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/28(金) 22:29:57.65 ID:hMSBVOcL0

  ズリズリズリ...

 ほどいてもらってると思ったかい?
 まだ簀巻きのままさ!

案内人 「てかあだッ! ひきずァッ! らヌァッ! いデレバッ!」

  ガッ ゴッ ガツッ ガンッ!!

 痛い痛い! さすがにこれはご褒美じゃない!

術師 「呻いてないでキッチリ案内しろよ」

  ズリズリ...

 ええい、無茶を言うお嬢さんだ! 正直たまらんわ畜生!

  ガッ ガゴッ ゴンッ ガンッ ガッ ゴキッ ……



233 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/28(金) 22:30:51.48 ID:hMSBVOcL0

 ・ ・ ・

案内人 「」 死ーん...

僧侶 「うわあ、ブサイク」

術師 「森ン中を最短距離で通ったからなー、死んだか?」

僧侶 「精霊って死ぬのかな?」

案内人 「死ぬよー」 ムクッ

僧侶 「あ、生きてた」

術師 「じゃあトドメ刺すか」

案内人 「いやいや、普通には死にませんよ」

術師 「どっちだよ……」

案内人 「私達は『そのもの』なんですよ」

僧侶 「?」

234 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/28(金) 22:31:30.82 ID:hMSBVOcL0

案内人 「土の精霊は、土を操り、土を守り、土を従え、土に尽くします。

 我々は土であり、土は我々です」

術師 「……よくわからんから簡潔に」

案内人 「今足下に土がありますよね」

術師 「うん」
僧侶 「うん」

案内人 「それが私です」

術師 「うん」
僧侶 「うん」

案内人 「……」

術師 「……」
僧侶 「……」

術師 「……なんにも情報増えてねえんだけど」

案内人 「あるぇー?」

235 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/28(金) 22:32:20.23 ID:hMSBVOcL0

術師 「……なんつーか、あれだわ」

案内人 「はい」

術師 「テメェ、オレらのツレに似てるわ」

僧侶 「あー」

案内人 「えー? どんな人なんですか?」


術師 「でかいオッサンで」

僧侶 「ハゲで童貞で」

術師 「暑苦しくて」

僧侶 「鈍感で」

術師 「ドMで」

僧侶 「ロリコン」


案内人 「ドMしか合ってませんよね!?」

236 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/28(金) 22:33:44.86 ID:hMSBVOcL0

僧侶 「スカートちらり」 ピラッ

案内人 カッ!!


案内人 「秘技・しゃくとりヘッドスライディンッ!」 ズザッ!!


僧侶 「下はスパッツだよ」

案内人 「これはこれで!! ――はっ」

僧侶 「うわぁ……」
術師 「訂正。ヤロウよりタチ悪いわ……」

案内人 「その蔑んだ目がたまりません」

術師 「死ねよマジで」

案内人 「死ねないからドMになったんです」 キリッ

僧侶 「じゃあバラバラに解体してみよっか」


案内人 「秘技・しゃくとり五体投地!」 ビターン!!


案内人 「すいませんでしたぁーっ!!」

術師 「どうしよう、本気でウザい……」

案内人 「よく言われます」 キリッ

237 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/28(金) 22:35:37.98 ID:hMSBVOcL0

 〜その頃〜

旅人 「ハゲでもロリコンでもないわぁー―――――ッ!!」

剣士 「!?」

 アー… ァー… ァー……

旅人 「はぁ……はぁ……はぁ……」 ゼーハー

剣士 「あ、あの、大丈夫ですか?」 オロオロ

旅人 「あーうん、大j「延髄切り」ぉぶすきゅあっ!」 グハッ!!

剣士 「ちょっ、ノーム君!?」

ノーム 「大声 止める 言った」

旅人 「……すんません」 ピクピク...

238 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/28(金) 22:36:48.97 ID:hMSBVOcL0

 ・ ・ ・

僧侶 「? 今何か聞こえた?」

術師 「いや、何も?」

僧侶 「気のせいかな……」

案内人 「ところでいつになったらほどいていただけるのでしょう」

術師 「めんどい」
僧侶 「転がれば?」

案内人 「えー、どうせなら蹴って下さいよ生足で」 カモーン

術師 「安全靴で蹴っ飛ばすか」

案内人 「ごめんなさい死にます。死なないけど死にます。止めて」

239 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/28(金) 22:38:32.53 ID:hMSBVOcL0

僧侶 「じゃあ竜車の所まで引きずって行こっか」

術師 「そうだな。集落の手前でいつまでも遊んでられねえし」 グイッ

案内人 「あ、竜車は正門側から入って右手側四件目の店で管理してますんで」 ズリズリ...

僧侶 「その状態でも仕事はするんだね」

案内人 「ドMでもプライドがありまガッ! すかラマッ! ちょっ、道ガヂッ!」

  ゴッ ガッ

  ガンッ!!

案内人 「アルフッ!!」 ガクッ


案内人 「」 シーン...


案内人 ズリズリズリズリ......

240 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/28(金) 22:40:56.06 ID:hMSBVOcL0
本日分 >>225-239
続くかもしれません ではまた。
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 23:03:43.76 ID:iMvtiLg90

今日滅亡しなかったのは>>1が関わってるらしいね
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山形県) [sage]:2011/10/28(金) 23:17:14.45 ID:choTAmSNo
>>241
俺達の知らない間にこんな事があったのさ・・・




        ┼─┐─┼─  /  ,.          `゙''‐、_\ | / /
        │  │─┼─ /| _,.イ,,.ィ'    ─────‐‐‐‐ゝ;。←隕石
        │  |  │     |  |  | イン ,'´ ̄`ヘ、   // | \
                          __{_从 ノ}ノ/ / ./  |  \
                    ..__/}ノ  `ノく゚((/  ./   |
        /,  -‐===≡==‐-`つ/ ,.イ  ̄ ̄// ))  /   ;∵|:・.
     _,,,...//〃ー,_/(.      / /ミノ__  /´('´   /   .∴・|∵’
  ,,イ';;^;;;;;;;:::::""""'''''''' ::"〃,,__∠_/ ,∠∠_/゙〈ミ、、
/;;::◎'''::; );_____       @巛 く{ヾミヲ' ゙Y} ゙
≧_ノ  __ノ))三=    _..、'、"^^^     \ !  }'
  ~''''ー< ___、-~\(          ,'  /
      \(                 ,'.. /
      ↑>>1
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/10/29(土) 04:59:23.57 ID:+mhZLymWo
>>1と隕石はいいとして真ん中のは誰だよ
スレ住民に♀がいるとも思えないし
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/10/29(土) 09:35:04.57 ID:D/9iSkiXo
私だ
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方) [sage]:2011/10/29(土) 10:01:19.23 ID:Z1rXCoFeo
お前だったのか
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/29(土) 14:56:48.04 ID:0xvxySYIO
おまえ誰だよwww
俺なんだけど!俺、俺!
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/29(土) 15:43:24.23 ID:YiP9GuuHo
お前ら……イチローが防いだに決まってんだろjk
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/29(土) 18:00:18.79 ID:kCSJCunAO
イチローが女装……だと……
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/29(土) 18:59:02.05 ID:YiP9GuuHo
知らなかったのか?
イチローは性別を自由に変化できるんだぞ?
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/10/29(土) 19:14:10.57 ID:QY2cVlWLo
いつからイチローが人間だと錯覚していた?
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/29(土) 20:50:05.97 ID:OOs1wJLc0
>>1をカスタムしていったらイチローになるとか何とか
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/29(土) 22:39:34.83 ID:wGgXRn4U0
>>1が・・・カスタムできる?
おい聞いてねぇぞkwsk
253 :マグロ的な何か ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/29(土) 22:49:49.19 ID:4SMEXO880
とうとう俺だけでなくまさかのイチローまで……

投下します。今回は前スレで省略したエピソードです
254 :温泉と月見酒(前スレ224〜) ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/29(土) 22:50:41.24 ID:4SMEXO880

兵士B 「また惨敗した……」

兵士A 「Bは本当に弱いよね」

兵士B 「やっべ、マジですっからかんだ……」

兵士A 「貸そうか? 利子十倍で」

兵士B 「暴利すぎるだろ?!」

兵士A 「冗談だよ」

兵士B 「なんだそうか……で、貸してくれるのか?」

兵士A 「もやし料理頑張ってね」

兵士B 「ですよねー」

255 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/29(土) 22:51:23.63 ID:4SMEXO880


〜魔王城 大浴場(男湯)〜


魔王 「お」

兵士B 「ん?」

兵士A 「どうも、こんばんわ」

男 「あぁ、昼間の」

兵士A 「兵士Aです。こっちの冴えないブサイクは兵士B」

兵士B 「否定するとハードルが上がる!?」

魔王 「そうか、B君のBはブサイクのBだったのか」

兵士A 「うまいこと言いますね」

兵士B 「ブサイクのBではねぇよ?!」

男 (元気な人だなぁ)

256 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/29(土) 22:52:12.95 ID:4SMEXO880

魔王 「それで、二人とも温泉?」

兵士A 「ええ。そうだ陛下、どうせなら兵舎にも引いて下さいよ」

兵士B 「おーそうそう、向こうじゃボロっちいシャワーしかないからさ、頼むよ」

魔王 「その辺は大臣と相談しないとかなぁ……でも大浴場で十分じゃない?」

兵士B 「魔王よ」 ガシッ


兵士B 「ち○このちいせぇやつのことも考えてやろうや……」

兵士A 「……」



兵士B 「いでででででギブギブギブ!!」

男 「おぉ、卍固め」

257 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/29(土) 22:53:00.53 ID:4SMEXO880

兵士A 「このまま関節バラバラにしてあげようか?」

魔王 「それより風呂入ろうよ。とっておきの米酒も持ってきたし」

兵士A 「月見酒ですか」 パッ

兵士B 「ぷらっ」 グシャリ

男 「あ、それ北の辺境の地酒ですよね?」

魔王 「手に入れるのに苦労したよこいつはー。市場じゃまず拝めないし」

兵士A 「陛下の放浪癖もたまには役に立つんですね」

魔王 「温泉も僕の功績なんだけど」

男 「どっちも娯楽じゃないですか……」

258 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/29(土) 22:53:44.40 ID:4SMEXO880


〜脱衣所〜


魔王 「ふうぅぅぅ……ふっ!」 ムキッ

男 「脱いで早々何してんですか」

魔王 「いやー、今日の筋肉の具合をね。日課みたいなものさ」

男 「はぁ……」

兵士A 「それはいいですけど、毎日その暑苦しいポーズ取るの止めてもらえませんか?」

魔王 「えー? そんなに暑苦しいかな」 ムゥン

男 「だいぶ鬱陶しいです」

魔王 「そうかなー」 フム

兵士B 「お前ら俺を放置すんなよ……」 ハイズリ

259 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/29(土) 22:54:31.63 ID:4SMEXO880

男 「それにしても」 ジッ


魔王 「うん?」 マッシボゥ

兵士A 「なんですか?」 ヒョローン

兵士B 「あん?」 ムキッ


男 「……改めて見ると、魔王さんってほんとに筋肉の塊ですね」

魔王 「ふふふ、まあね」 ドヤッ

兵士B 「鍛えすぎだと思うがなあ」

男 「そういう兵士Bさんも結構筋肉質じゃないですか?」

兵士B 「そりゃ兵隊だしな。むしろAこそ異常だろ、ひょろすぎる」

260 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/29(土) 22:55:13.37 ID:4SMEXO880

兵士A 「これでも魔術師だからね。Bみたいに体力任せじゃないのさ」

兵士B 「魔術封じられたら終いじゃねえか……少しくらい鍛えろよ。見てみろ男の体」

男 「はい?」 ムキムキッ

兵士B 「細く絞られちゃいるが、いい体してるだろ? せめてこれくらいに」

兵士B 「おい待てなんで距離を取る」

魔王 「そりゃあ……」

兵士A 「ねぇ……」

男 「ごめん……俺そっちの気はないから……」

兵士B 「どう誤解してんだ?!」

261 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/29(土) 22:55:57.64 ID:4SMEXO880

男 「っていうかさっさと入りましょうよ」

兵士A 「そうですね」

魔王 「一番いただき!」 ダッ!

兵士B 「おい待て誤解を解いてけ! あと風呂場で走るんじゃねえ!」

兵士A 「風呂で大声出さないでよ響くんだからさ」

兵士B 「ぬぐっ……」


< ドゴッ!!

< アプラッ!?


男 「……」
兵士A 「……」
兵士B 「……」

262 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/29(土) 22:56:58.26 ID:4SMEXO880


〜温泉(露天)〜


魔王 「死ぬところだった」

男 「魔王が風呂場で滑って死亡とか止めて下さいよ」

兵士B 「いっそ手摺でもつけるか?」

魔王 「まさかのジジイ扱い」

兵士A 「実際孫がいてもおかしくない歳ですよね」

男 「そしてその実態は童貞」

兵士B 「魔王超頑張れ」

魔王 「フォローなの? 追い討ちなの?」

男 「まあまあ」


男 「――それにしても、はぁ……」

兵士A 「んー……」

兵士B 「あ゙ー……」

魔王 「ふぃー……」

四人 「「「「 いい湯だなぁ…… 」」」」

263 :カスタマイズ>>1 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/29(土) 23:00:17.84 ID:4SMEXO880
更新分 >>254-262

魔王と兵士Bは書いてると落ち着く
しばらくこの時のエピソードを語らせていただきます。ではまた。
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/10/29(土) 23:11:10.83 ID:QY2cVlWLo
>>1乙!
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/29(土) 23:31:05.96 ID:0xvxySYIO
おつ・・・なんだけど、唐突に昔の日常風景ぶっこんできたなw
これはあれか、イチローに打ち返された隕石的な何かが時間の巻き戻り的なアレでそれな訳か?
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/30(日) 09:20:00.23 ID:1qKX6p6jo
>>250
そんな事言わないでくれ。僕は只の

「野球選手(メジャーリーガー)さ」

                          . . ....-‐…‐-. . .. .
                        /.:.:.:::::゚.::::::::::::/.:::::::::::`: . .、
                        , ′.:.:.::::::::::::::::::/.:::::::::゚:::::__:::::丶
                          /:::::::::/'ヽ.::::::::::::::::::::::::::::7/:__::::::ヽ
                      /::::::/  ノ.:.:::::::::::::::::::ヘ.ノ/((.! {|D)N
                     ,⊥/   /::::::::::::::::::::::: ゝ∠二Z,ノ-‐‐}
                        j/    /___::::::::::::::::::::::::::` <..イ.:::::::::::|
                   /   ∠;;;;;;;;ヽ、 ̄ ̄ ̄ ゙゙゙̄ー―-=ニ:/
                   / ー''"´  Y/´ \、:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                 /´     ̄ ̄`ヽ}′   `::ー-ニ二三三三三二ニ丶、
.                /     )ーく  }    `ヾテヽ`ヾ'' . : ::;;;;{`ヽ三三::ヽ
               /     厂  ゝ {、         ̄`  .ィテ>''   `ーニ彡′
               ,.ヘ/     /`ヽィ八 ノノ         {  ,′
               /::::::\   /     /         ,    |/
           ,../.:::::::::::::::::\     /;;.,   ,.::、  `ヽ ノ/
        ,.く::::\:::::::::::::::::::::::\ ...イ::.、\; .     ゝ ー- フ´  
       /.:::::\.:::\.::::::::::::::::::::::>'\\:`::::ヽ:.;.     ¬'′
      /.::::::::::::::::ヽ.:::::ヽ.:::::::::::/ヽ.\\\:::::::`ト ;;.:;.:.,.ノ
    /.:::::::::::::::::::::::::::\.:::\ノ.::::::::::::ヽ.\\\{:川::::\`ヽ
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/30(日) 16:33:44.19 ID:r4R2hR500
>>226
かっけぇなおいwwwwww
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/30(日) 17:10:10.29 ID:bW3P34rIO
さすがPSUの認証サーバーであらゆるアクセスを拒んできただけあるな
269 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/30(日) 21:47:18.30 ID:03V2G4Ui0
>>267
案内人 「これは果たして私への賞賛なのでしょうか。それとも>>266の誤植なのでしょうか」

>>265
適当なタイミングで書こうとはしていたので、ここらでやっておこうかと
あと投下しようとしてた書き溜めが誤って消し飛んだもので……


本日分投下開始。
270 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/30(日) 21:48:21.61 ID:03V2G4Ui0


〜魔王城 大浴場(女湯)〜


大賢者 「ん〜……っ、ふいぃ……」 ノビーン

メイド 「いいお湯ですわねー」 ハフゥ

後輩メイド 「ッスねー」 ダラーン

側近 「……」 ブクブクブク...

後輩メイド 「ていっ!」 コチョッ!

側近 「ぶっ! ふひゃ!? ちょっこーちゃやっあっひゃん!」 バチャバチャバチャ

後輩メイド 「スネたふりして黙り込もうったってそうはいかないッス!」 コチョコチョコチョ

大賢者 「これこれ犬、あまり暴れるでない」

271 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/30(日) 21:49:00.92 ID:03V2G4Ui0

メイド 「…………」 ウズウズ

大賢者 「……メイド、混ざろうとするでないぞ」

メイド 「あら、なんのことでしょう?」 ウズウズ

大賢者 (思いっきりそわそわしとるやろがい!)

側近 「ふひゃ、ちょ、も、やめっ!」 バシャバシャバシャ

後輩メイド 「うりうりうりうりうりうり〜」 フニフニフニフニフニフニ

側近 「はゃ、ぁ、ふあっ、あんっ!」 バチャッバシャバシャ

後輩メイド 「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ……!」 フニフニフニフニフニフニ

大賢者 「……揉んどるな」

メイド 「うっ」 タリ...

大賢者 「鼻血出すな阿呆」

272 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/30(日) 21:49:26.98 ID:03V2G4Ui0


 ・ ・ ・


側近 「うぅぅ……」 ブクブクブクブク......

後輩メイド 「てひひ、やりすぎたッス」 ツヤツヤ

メイド 「いい仕事ですわ」 ツヤツヤ

大賢者 (……大丈夫かこやつら)

メイド 「さて、そろそろ本題に移りましょうか」 ニコッ

側近 ビクッ

大賢者 「あーそんなに怯えるでない。何も無理に聞く気はないわい」

後輩メイド 「えー、自分は超聞きたいッス」

メイド 「私も是非」

大賢者 「おぬしら……」

273 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/30(日) 21:50:03.66 ID:03V2G4Ui0

後輩メイド 「だって気になるッスよー。自分はそーちゃんと仲良しになるまですーっごい大変だったんッスよ?」

メイド 「最後の吸血鬼、かの氷の姫君があんなに取り乱すなんて、何かあると思いますでしょう?」

大賢者 「まあの。ワシも聞くつもりで風呂まで連れてきたわけじゃし」

側近 「だ、大賢者様ぁ〜……」 ウルウル

大賢者 「じゃが言いたくないものを聞くのは無粋というものじゃ」 ウム

メイド 「はぁ。大賢者様がそう仰るのでしたら、仕方ありませんわね」

後輩メイド 「ぶー。つまんないッス」 ブーブー

大賢者 「ついさっきしっかり堪能しとったろうが」

側近 「ぅ……」 カァー…

後輩メイド 「それはそれ。これはこれッス」 キリッ

274 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/30(日) 21:50:32.38 ID:03V2G4Ui0

大賢者 「やれやれ……お」

メイド 「どうかなさいましたか?」

大賢者 「なに。月が綺麗じゃと思うての」

メイド 「まぁ……大賢者様ったら……」 ポッ

側近 「? メイドさん、何で照れてるんですか?」

後輩メイド 「月が綺麗だと何かあるんッス?」

大賢者 「見事にスベっとるぞ」

メイド 「あ、あらー……?」

大賢者 「さすがに“月が綺麗ですね”はわからんじゃろ」

メイド 「うーん……“死んでもいいわ”と返すべきだったでしょうか」

大賢者 「それは風流じゃが、余計伝わらんわ馬鹿者」

側・後 「「 ? ?? 」」

275 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/30(日) 21:51:04.05 ID:03V2G4Ui0

メイド 「でも、本当に綺麗ですね」

大賢者 「じゃの」

後輩メイド 「自分はなんか遠吠えしたくなるッス」

側近 「ちゃんとお月様を見たの、久しぶりかもしれないです」

メイド 「側近様は働きすぎですもの。もう少し周囲に頼っていただきませんと」

側近 「そうですか? そんなことないと思いますけど」

後輩メイド 「大臣さんも内心で心配してるみたいッスよ?」

側近 「うーん……」

大賢者 「ふむ」

276 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/30(日) 21:51:34.08 ID:03V2G4Ui0

大賢者 「まぁ、今くらいはゆるりと過ごすがよかろうて。

 良い湯に良い月、今宵は良い夜じゃ」

側近 「……そうですね」

メイド 「折角ですし、私がお二人のお背中をお流しいたしますわ」

後輩メイド 「あ、ずるいっす! そーちゃんは自分がやるっす!」

大賢者 「おぬしまたセクハラする気じゃろう」

側近 「う」 ビクッ

メイド 「では私が」 ウズウズ

大賢者 「……、鼻血」

メイド 「はっ!」

大賢者 「嘘じゃ。側近の背中はワシが流す、よいな?」

後輩メイド 「ぶー」 ブーブー

メイド 「くっ、仕方ありませんわね……」

側近 ホッ

277 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/30(日) 21:52:39.67 ID:03V2G4Ui0


 カポーン...


大賢者 「側近は肌も髪も綺麗じゃの」 ゴシゴシ

側近 「そうですか? でも、それなら大賢者様だって」

大賢者 「こう見えても歳相応に衰えておってのう……」 ワシワシ

側近 「そうは見えないですけど」

大賢者 「ま、元よりエルフ種は長命じゃからの。

 その分若い時間も長いのじゃが――流すぞえ」 バシャ

側近 「んっ。……そういえば、私の一族も本来は長生きなんですよね」

大賢者 「うむ。最長老に昔会うたことがあるが、あやつは三千年生きてきたと言うておったな。

 いや、既に死んでいる、とも言っておったか」 バシャ

側近 「わぷ。三千年……すごいですね」

大賢者 「ほれ、今度はワシの番じゃ。あまり強くこするでないぞ?」

側近 「はい」

278 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/30(日) 21:53:10.73 ID:03V2G4Ui0

後輩メイド 「見えそうで見えないッス」 ジー…

メイド 「目を開けていると泡が入るわよ?」 ワシャワシャ

後輩メイド 「あー……先輩の手は気持ちいいッスー……」

メイド 「そう? 誉め言葉として受け取っておくわね」 ワシャワシャ

後輩メイド 「誉めてるんッスよー」

メイド 「それにしても、相変わらずのクセっ毛ね」 ワシャワシャ

後輩メイド 「柴犬ッスからね」

メイド 「関係あるのかしら……こら、尻尾を動かさないの」 グッ

後輩メイド 「ひゃうっ! しっぽつかんだらだめッスよ!?」

279 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/30(日) 21:53:45.72 ID:03V2G4Ui0

メイド 「……ふぅん」 クリッ

後輩メイド 「ひやっ」

メイド コリコリ

後輩メイド 「ふぁん!」

メイド 「……」

メイド 「あらいけない、鼻血が」

後輩メイド 「もぉーっ! 先輩、放してッス!」 ヒュッ

桶 < クラエッ

 コーン!!

メイド 「あいたっ」

眼鏡 < ポーン...

280 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/30(日) 21:54:27.73 ID:03V2G4Ui0

メイド 「あら、眼鏡が……」

後輩メイド 「あ、ごめんなさいッス」

大賢者 「何をしとるんじゃおぬしらは」 ヤレヤレ

眼鏡 < ドモ

メイド 「あらあら、ありがとうございますわ」

後輩メイド 「先輩、前が見えないッス」 アワダラケー

メイド 「はいはい今流すわね」

大賢者 「先に湯に戻っておるぞ」

メイド 「はい」

後輩メイド 「んーっ。次は自分が背中を流すッスよ」

メイド 「それじゃあお願いするわね」

後輩メイド 「了解ッス!」

281 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/30(日) 21:55:03.06 ID:03V2G4Ui0

大賢者 「あー……」 ダラー…

側近 「ふー……」 グデー…

大賢者 「たまらんのー……」

側近 「たまりませんねー……」

大賢者 「……本当のところ、どうなんじゃ?」

側近 「何がですかー……」

大賢者 「男のことじゃ」

側近 「うーん……」

< スキアリッス!!

< ナッ、コラヨシナサイソコハ、ヒァンッ!?

大賢者 「言うなら今のうちじゃぞ。心配せずともばらしはせんよ」

282 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/30(日) 21:55:36.12 ID:03V2G4Ui0

側近 「…………」

側近 「実は、よくわからないんです」

大賢者 「ふむ?」

側近 「素敵な人だな、とかは思ってるんです。

 惹かれてるのは確かなんですけど……、これが恋なのか」

大賢者 「ふむ……」

側近 「でも、なんていうか……。

 男さんのそばにいると、すごく懐かしい感じがして、温かくて」

大賢者 「……」

側近 「不思議なんですけど、初めて会った時、全然怖くなかったんです」

側近 「私、人見知りなのに」

大賢者 「……なるほどの」

283 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/30(日) 21:56:08.55 ID:03V2G4Ui0

< コノッ、オカエシヨ!!

< ヒャア!? ミミハダメッス!!

大賢者 「……」 チャプ

側近 「……月」

大賢者 「ぬ?」

側近 「綺麗ですね……」

大賢者 「そうじゃの……」

284 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/30(日) 21:56:45.33 ID:03V2G4Ui0


〜男湯〜


< ヤラレタラヤリカエスッス!!

< クッ、フヤッ!? ヤ、ハ、アンッ!!


兵士B 「……死ぬかもしれん」 ダクダクダク......

兵士A 「死ね」

男 「桶一杯の鼻血とかどんだけですか……」

魔王 「かく言う僕も湯から出られそうにありません」

兵士A 「死ね、なるべく惨めに死ね」

男 「……Aさん?」

285 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/30(日) 21:57:33.19 ID:03V2G4Ui0
本日>>270-284

ではまた。
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2011/10/30(日) 23:04:44.93 ID:iNgNsOyKo
乙!
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/31(月) 00:16:56.12 ID:8vc3+iiIO
乙!なるべく惨めに乙!
288 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/31(月) 23:01:07.44 ID:3TxlJ6Rs0



魔王 「さて、そろそろ……」

兵士B 「お、飲むのか」

男 「Bさん大丈夫ですか?」

兵士B 「元々血の気は多いからな」

兵士A 「関係ないでしょそれ」

兵士B 「ないか?」

兵士A 「ないよ」

男 「って多いですね」 ヒーフーミー

魔王 「とりあえず十本ばかし出してきた」

兵士A 「飲みきれなかったら味が悪くなっちゃいませんか?」

兵士B 「そこは大丈夫だろ、俺がいるし」

魔王 「まあとにかく乾杯しようよ乾杯」 ホラホラ

289 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/31(月) 23:01:43.62 ID:3TxlJ6Rs0

男 「月見酒で?」

魔王 「あれ? するもんじゃないの?」

兵士B 「いいんじゃね、たまには」

兵士A 「そうだね、たまには」

魔王 「遠回しに普通はしないと仰るか。親父に騙されたかな……」

男 「うーん……まあ、たまにはいいかもしれないですね」

魔王 「毎回やってる僕の肩身が狭いです」

兵士B 「ま、好きにすりゃいいだろ」

男 「…………」

男 (――考えてみれば、乾杯するなんてのも随分久しぶりだな)

男 (“あいつ”も最近は来なかったし)

290 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/31(月) 23:02:20.65 ID:3TxlJ6Rs0

魔王 「それじゃ、何に乾杯しようか」

男 「まず月ははずせませんね」

兵士B 「なら温泉もアリだろ」

兵士A 「お酒もね」

魔王 「それじゃ……」

男 「月と」

兵士B 「温泉と」

兵士A 「美酒と」

魔王 「新しい出会いに」


魔王 「乾杯!」

三人 「「「 乾杯! 」」」

291 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/31(月) 23:02:54.36 ID:3TxlJ6Rs0

魔王 「ところでお酒に乾杯って何か違わない?」

兵士B 「いいだろ細かいことは」

男 「ふむ……これは中々……」

兵士A 「恐ろしく飲みやすいですね」

魔王 「ぐいぐいいかないように気をつけてねー。ただでさえ温泉なんだし」

兵士B 「特にAはそんなに強くないしな。だがまぁ、こいつはイケる」

魔王 「あはは、気に入ったようで何よりだよ」

大賢者 「なんじゃ、おぬしら酒なんぞ飲んでおるのか」

男 「」 ブフォッ
魔王 「」 ゴフッ
兵士A 「」 ピタッ
兵士B 「」 キュピーン!

292 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/31(月) 23:03:27.24 ID:3TxlJ6Rs0

男 「大賢者さん何してんですか……」

大賢者 「見ての通り男湯を覗いとる」

魔王 「キャー! お師匠様のエッチィー!」 キャー!

兵士A 「陛下キモいです」

魔王 「」

兵士B 「くっ、もう少しこっちに乗り出してくれれば……っ」

兵士A 「握り潰すぞ」

兵士B 「」 キュン

男 「危ないですよ」

大賢者 「案ずるな。ちゃんと魔法で浮いておる」

男 「ならいいんですが」

魔王 「いやよくはないでしょ」

293 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/31(月) 23:04:18.40 ID:3TxlJ6Rs0

< ダイケンジャサマ、ナニシテルンデスカ!!

大賢者 「おっと……おいクソ弟子、こっちにも五本よこせ」

魔王 「半分だと……」

大賢者 「なんじゃ文句があるのかえ」

魔王 「……くそう」 シブシブ

大賢者 「よしよし、素直なのは良いことじゃぞ。ではな」

男 「……酒貰いにきたのかあの人」

兵士B 「あのナリで意外に飲むからなあ」

兵士A 「Bが潰されたくらいだしね」

男 「Bさんは強いんですか?」

魔王 「あー、わりとね」

兵士B 「泡盛くらいなら十本はいける。それ以上は味がわからなくなってくるから飲まん」

294 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/31(月) 23:04:55.06 ID:3TxlJ6Rs0

兵士B 「つーか男っつったか? お前敬語止めろ」

男 「は?」

兵士B 「見たとこ同い年くれぇだろ、ンならいちいち喋り気にするこたねぇんだよ」

兵士A 「Bはいいかげんすぎだと思うけど。陛下にまでタメ口じゃん」

兵士B 「いいんだよこのハゲは馬鹿なんだから」

魔王 「ハゲじゃないよ!?」

男 「馬鹿は否定できないんですか」

魔王 「うん」 キッパリ

兵士B 「な、馬鹿だろ」

兵士A 「……なんでこうこの人たちはこんないいかげんなんだろう」 ハァ...

男 「……ご苦労様です」

295 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/31(月) 23:05:42.35 ID:3TxlJ6Rs0

男 「しかしタメ口か、タメ口なぁ……」

兵士B 「あん?」

男 「まあ追々直していくよ。この十年そんな相手もいなかったし」

兵士A 「十年――って、一体何してたのさ」

男 「ん? 農業だが?」 ドヤッ

魔王 「そこで何故ドヤ顔に……」

兵士B 「……なんか騎士団長と同じにおいがするんだが」

兵士A 「あー……」

男 「騎士団長って?」

魔王 「えーっと、まあそのうち会うよ」

魔王 (僕の親父だし)

296 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/31(月) 23:06:21.28 ID:3TxlJ6Rs0

兵士B 「っておいA、もう顔真っ赤だぞ大丈夫か?」

兵士A 「んー……動いたら危ないかもね」

魔王 「知らない間に随分飲み進めたみたいだね」

男 「飲みやすいですからね、これ」

魔王 「とりあえず飲むのは少し休んだら?」

兵士A 「でももったいないですし、飲みたいし」

兵士B 「限界寸前で何言ってんだ」

兵士A 「限界を超えてこそ見えるものがあるかもしれないじゃん」

男 「そこを超えたら極めて現実的な絶望しかありませんて」

兵士B 「ダメだ、キャラが崩れはじめてる」

魔王 「一応空の桶を用意しておこう」

297 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/31(月) 23:08:01.55 ID:3TxlJ6Rs0

兵士A 「もしかしたら絶望の底に希望があるかもしれないじゃん」

男 「パンドラの箱の底に希望があったのはそれが絶望でもあるからです」

兵士A 「なにわけわっかんないこと言ってってんだよ! いいから飲ん、飲ませればいいじゃん!」

男 「ダメだ、本格的に酔ってる」

兵士A 「だれがダメだってよー! 飲ましぇっ飲まっ飲むぞっていってんじゃんよー!」 グルングルン...

男 「何これ誰? Aさんはどこに行ったの?」

兵士B 「受け入れてくれ、これがAなんだ」

兵士A 「にゃににっにぇんにゃにょにゃー! にににゃにゃにょにゃにゃにゃにゃー!!」 ニャーン!!

男 「……にゃ?」

魔王 「あぁ、彼いちおう猫獣人なんだよ。四分の一らしいけど」

男 「はぁ」

兵士B 「呆れてねぇで桶よこせ。そろそろ――」

298 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/31(月) 23:08:41.81 ID:3TxlJ6Rs0

兵士A 「にゃぷ」 ウプ

三人 「「「 あ 」」」


兵士A 「う、ぷ……、――――――」



 〜しばらくお待ち下さい〜



兵士A 「ゔぇ゙ぇ゙ー―――……、気持ぢ悪い゙……」

男 「湯に吐かなくてよかったよ」

兵士B 「対応すんの慣れてるからな。つまり慣れるほどなんだけどよ」

男 「そりゃまた……」

魔王 「相変わらず勢い任せだねー」 ウチワパタパタ...

兵士A 「ぁ゙ー―――……」

299 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/31(月) 23:10:25.75 ID:3TxlJ6Rs0


〜女湯〜


大賢者 「ふむ、男湯が静かになったのう」

メイド 「大方、兵士Aが粗相をしたのでしょう」

後輩メイド 「あー、いつもの」

側近 「お酒弱いですもんね」

メイド 「だというのに飲むものですから、始末が悪いですわ」

大賢者 「ふむ。酔い潰れるという感覚がどうにもよくわからんの」

側近 「私はそもそも飲んだことがないです」

後輩メイド 「自分もッス」

メイド 「あげませんよ?」

大賢者 「というか二人とも未成年じゃろうが。それとメイド、酒ビンを抱きしめるな」

後輩メイド 「……なんかものすごくダメな人に見えるッスね」

メイド 「なんと言われようとこのお酒は渡しません」 キリッ

側近 「うわぁ…………」

300 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/10/31(月) 23:15:02.22 ID:3TxlJ6Rs0
変なところで切れますがここまで
本日>>288-299

ではまた。

兵士A 「うぶ」
兵士B 「やばい、第二波だ」
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/31(月) 23:28:17.00 ID:oXCE3BQIO
おっつー
302 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/01(火) 23:25:29.71 ID:ObRyUBWa0

メイド 「なんて冗談は置いておくとしまして」

側近 「あ、冗談なんですか」

大賢者 「ならばそいつをよこせ」 プリーズ

メイド 「いやですわ大賢者様ったら冗談ばっかり」

後輩メイド 「渡す気ゼロじゃないッスか」

メイド 「それとこれとは話が別なのよ」

側近 「つまり飲みたいんですね」

大賢者 「というか何が冗談なのかわからんのじゃが」

メイド 「話が進まないわね……」



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303 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/01(火) 23:26:12.82 ID:ObRyUBWa0

メイド 「ともかく。これは私が晩酌にいただくとしまして」

後輩メイド 「やっぱり飲むんッスね」

メイド 「……さておき! 私はお先に失礼しますわ」

大賢者 「なんじゃ、ここで飲めばよかろうに」

メイド 「一旦お酒の話から離れて下さい」

側近 「兵士Aさんのことですか?」

メイド 「ええ。それから、魔王様と男様のお着替えも」

大賢者 「む、そういえばワシも着替えがなかったか……」

メイド 「そちらも含めて用意してまいりますわ」

後輩メイド 「自分も行くッスか?」

メイド 「貴女はもう少し温まってからいらっしゃい」

後輩メイド 「ウィ」



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304 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/01(火) 23:26:55.03 ID:ObRyUBWa0


大賢者 「……あやつも人のことを言えんの」

側近 「何がですか?」

大賢者 「ほれ、先ほどおぬしが働きすぎじゃという話があったじゃろ」

後輩メイド 「あー……」

側近 「確かに、メイドさんがゆっくり休んでるのってあんまり想像できないですね」

後輩メイド 「先輩は生粋の世話好きッスからねー」

大賢者 「好きこそもののなんとやら、かの」

側近 「仕事してるほうが似合ってるというか、いきいきとしてますよ」

後輩メイド 「……、止まったら死ぬんじゃないッス?」

大賢者 「マグロかっ」



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305 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/01(火) 23:27:57.83 ID:ObRyUBWa0

側近 「マグロといえば、そろそろ旬の季節になりますね」

後輩メイド 「え、マグロに旬とかあったんッス?」

大賢者 「いちおうあるぞ。昨今は氷魔法で冷凍保存することが多い故、あまり季節感はないがの」

側近 「元々そんなに多く食べるものでもないですしね」

大賢者 「じゃが、東の国では頻繁に食卓に並ぶと言うぞ。それも生での」

後輩メイド 「生ッスか……それって危なくないッス?」

側近 「さすがに何か処理してるんじゃないかな」

大賢者 「いや、普通に冷凍しとるだけじゃったぞ。腹も壊さんかった。

 昔食い道楽に立ち寄ったことがあるが、東の国の食文化は魔ノ国とは一線を画するのう」

後輩メイド 「悪い意味でッス?」

大賢者 「いや、良い意味でじゃな。正直、何を食うてもうまい」

側近 「はー……」



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306 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/01(火) 23:28:34.79 ID:ObRyUBWa0

後輩メイド 「でも生は怖いッスよ」

大賢者 「なあに、怖いのは最初だけじゃて。慣れてくれば、これが案外とやみつきになるのじゃ」

側近 「そうなんですか?」

大賢者 「うむ。まあ、多少の生臭さなどはあるがの」

後輩メイド 「う……においッスか……」

側近 「あ、こーちゃんは強い匂いは苦手なんだっけ」

後輩メイド 「これでも犬ッスからねー……」

大賢者 「しかし潮の香りはよいものじゃぞ。おぬしら海に行ったことはあるかの?」

側近 「私はずっと山暮らしなので」

後輩メイド 「川とか湖はあるッスけど、海はないッスねー」



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307 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/01(火) 23:29:01.46 ID:ObRyUBWa0

後輩メイド 「海の水はしょっぱいって言うッスけど、ほんとなんッスか?」

大賢者 「うむ。しょっぱいというよりは塩辛いといった具合かの」

側近 「そして生臭いんですか……」

大賢者 「……そうに言われると、むぅ」

後輩メイド 「でも水平線は一度見てみたいッスねー」

側近 「あー……」

大賢者 「ならばそのうちに行ってみるのはどうじゃ? なんなら案内するぞえ」

側近 「それもいいかもしれませんね」

後輩メイド 「そしたらその時はあんちゃんも一緒がいいッス」

大賢者 「おぬしはほんに男にべったりじゃのう」



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308 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/01(火) 23:29:49.94 ID:ObRyUBWa0

後輩メイド 「あんちゃんは自分の一番ッスから」

大賢者 「ほぉ」

側近 「そういえば、こーちゃんと男さんって昔馴染みなんですよね」

後輩メイド 「そうッスよー。もう十年近く前に二年くらい一緒にいただけッスけど」

大賢者 「それにしては随分信頼を寄せておるではないか」

後輩メイド 「何せ一番ッスからね」

側近 「答えになってないような……」

後輩メイド 「あんちゃんがいなかったら、きっと自分はここにはいないッスよ。

 だから、そういう意味で一番なんッス」

大賢者 「ふむ……?」

後輩メイド 「あんちゃんはヒーローッスからねー」



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309 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/01(火) 23:30:15.37 ID:ObRyUBWa0


〜男湯〜


兵士A 「死ぬ……死にそう……」

兵士B 「毎度懲りないなーお前」

魔王 「湯冷めしないうちに上がったら?」

兵士A 「そうします……」

男 「じゃあ俺もそろそろ」

兵士B 「いや、そっちはそっちでゆっくりしてていいぞ?」

男 「長湯はのぼせるし、頃合でしょ」

魔王 「んじゃ僕も上がろうかな」

兵士B 「なんだ、結局全員上がるのか」



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310 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/01(火) 23:30:48.41 ID:ObRyUBWa0

魔王 「フンフンフーン……お、着替えが出てる」

男 「俺のもありますね。メイドさんでしょうか」

魔王 「あー、だろうね」

兵士B 「ハッカの飴玉まで置いてあるぞ」

兵士A 「(ころころ)」

男 「早速舐めてるし」

兵士B 「ま、ごまかしくらいにはなるだろ」

兵士A 「(こくこく)」

魔王 「フゥゥゥー……、ぬんっ!」 ムキッ

男 「上がって早々何してんですか」



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311 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/01(火) 23:31:44.39 ID:ObRyUBWa0
魔王が暑苦しいですが今日はここまでです
更新>>302-310

ではまた

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312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/02(水) 01:38:54.54 ID:RtLRTkoIO
おっつー

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313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(沖縄県) [sage]:2011/11/02(水) 20:24:15.51 ID:Rw9GZ9Ypo
314 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/02(水) 23:13:19.78 ID:4rz4S6ng0

魔王 「んー、いい湯だった」

兵士B 「最後ぐだぐだだったけどな」

男 「Aさん大丈夫?」

兵士A 「(こくこく)」

兵士B 「んじゃ、俺らはこっちだから」

魔王 「またねー」

男 「また」

兵士A 「(ふりふり)」

兵士B 「おう。ほらA掴まれ」

315 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/02(水) 23:16:18.40 ID:4rz4S6ng0

< オマエ、マスマスヨワクナッテネ?
< ベシッ!
< イッテ! タタクナヨ...


魔王 「さーってと。部屋で飲み直ししよっかなー」

男 「まだ飲むんですか」

魔王 「クソババアに半分持ってかれたしねー」

大賢者 「誰がクソババアじゃクソ弟子」 ゲシッ

魔王 「あだっ!?」 ズテッ

男 「あ、大賢者さんも今上がりですか」

男 (濡れた髪がきらきらしてらっしゃる……) ウーム...

大賢者 「うむ。側近めが少しばかりのぼせてもうての」

316 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/02(水) 23:17:03.90 ID:4rz4S6ng0

後輩メイド 「そーちゃんしっかりするッス」

側近 「にゃー……」 フラフラ

男 (わんこも側近さんも色っぽいなぁ)

男 (これが風呂上がり効果か)

男 (……もてあますぜ) フゥ...

ジョニィ < ン?

男 「側近さん、大丈夫?」

側近 「あ、ふぁい。それなりに」

大賢者 「無理はいかんぞ。男、手を貸してやれ」

男 「はいはい」

317 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/02(水) 23:17:51.02 ID:4rz4S6ng0

男 「ところでメイドさn「お呼びですか?」」 ドゲシッ

魔王 「ぐえっ?!」 フマレタ!!

男 「――――……っくりしたぁ! 驚かせないで下さいよ」

メイド 「失礼しました。ちょうど今しがた戻ってきたものですから」 ペコリ

魔王 「ぎっ! 体重移動でカカトがっ!」

大賢者 「どこに行っておったのじゃ?」

メイド 「寝室の用意をさせていただいておりました」

男 「ああ。ありがとうございます」

大賢者 「すまんの、わざわざ」

メイド 「これもメイドの務めですから」 ニコッ

318 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/02(水) 23:18:55.67 ID:4rz4S6ng0

魔王 「そろそろ退いてくれませんかね……」

メイド 「あら、いらしたんですか?」

魔王 「白々しい……っ!」

男 (……でも無理に押しのけたりはしないんだな)

男 「…………」 ンー...


男 「いっそピンヒールで踏んでみたらどうだろう」


魔王 「なにそのご褒美」


メイド 「え」
後輩メイド 「ウィ?」
側近 「うわぁ」
大賢者 「ほう」

男 「……やはりドMか」

魔王 「! しまっ、違うよ!?」

319 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/02(水) 23:19:34.91 ID:4rz4S6ng0

大賢者 「クソ弟子が救えない変態であることは知っておったが」

魔王 「やめて! それは誤解なのよ!」

後輩メイド 「魔王さんうるさいッス」

側近 「あとキモいです」

メイド 「黙って足蹴にされることもできないんですかこの無能」

男 「……メイドさん?」

魔王 「なんだこのフルボッコ……」

大賢者 「まあ気にするな。今更変態だろうとおぬしが童貞であることは変わらんからの」

魔王 「確かに童貞だけどそれとこれとは関係ないですよね?」

メイド 「そう思ってるから童貞なんですよこの童貞」

男 「…………メイドさん?」

320 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/02(水) 23:21:26.09 ID:4rz4S6ng0

側近 「っくち!」

大賢者 「む、少し冷えたか」

メイド 「では立ち話も何ですから、側近様のお部屋に行きましょうか」

側近 「あ、すいません――ってなんで私の部屋?」

メイド 「こんなこともあろうかと布団を運び込んでおきました」 ドヤッ

大賢者 「いやいや」

後輩メイド 「先輩何してるんッスか……」

魔王 「え、僕も行っていいってこと?」

メイド 「テメェは惨めに這いつくばってろや」

魔王 「」

男 (メイドさぁーん!?)

側近 「……男さんは来ますか?」

321 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/02(水) 23:21:55.36 ID:4rz4S6ng0

男 「ん?」

側近 「あ、えっと」

大賢者 「折角じゃ、晩酌に付き合え」

後輩メイド 「おお、それじゃ自分がお酌するッスよ」

メイド 「あらそれはいい考えね。どうぞ男様、ご遠慮なさらず」

側近 「って私の部屋なんですけど……」

男 「んー……側近さんがいいなら行くけど」

側近 「あっ、わっ、私は構わない、です!」 アセアセ

男 「そう? じゃあ、少しだけ」

メイド 「決まりですわね」

後輩メイド 「じゃあ早速行くッス!」

大賢者 「側近の部屋はどっちじゃ?」

側近 「こっちです。ついてきて下さい」

322 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/02(水) 23:23:30.72 ID:4rz4S6ng0

< アンチャン、ハーレムッスネー
< オヌシハマタイワンデオイタコトヲ...
< ハ、ハーレムッテ...
< シマス?
< ナンノハナシデスカ......シマセン
< アラアラ、ザンネンデスワ
< メイドサンッ!!

ワイワイガヤガヤ……


魔王 ヨッコイショウイチ

魔王 「……途中から完全に存在を忘れられていました、魔王です」

魔王 「……」

魔王 「部屋で寂しく独り酒でもしよう……飲んで忘れよう……」

魔王 「……」

魔王 「もげろよ畜生……」

323 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/02(水) 23:25:34.93 ID:4rz4S6ng0

 もげろ

本日>>314-322 ではまた。
324 :眠れない ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/11/03(木) 02:14:04.79 ID:vsHOwDwJ0
『あんちゃんあんちゃん』
『ん……わんこ?』
『ねられないっす』
『あぁ、昼間ずっと寝てたもんな』
『おてんきだったっすからねー』
『思わぬ弊害だな』
『へーがい?』
『失敗したかなーってこと』
『でもでも、きもちよかったっす』
『だなぁ。たまには木陰で横になるのもいいな』
『あ、でもそれだけじゃないっす』
『うん? なにかあったか?』
『てひひー、ひみつっす!』
『何だよ気になるな……眠れなくなるじゃないか』
『うぃ? きになるとねられないっす?』
『色々考えてると目が覚めるからな』
『じぶんはむづかしーことかんがえるとねちゃうっすよ』
『ああ……わんこは考えるの苦手だもんな』
『でもでも、あんちゃんがいるからへいきへいきっす!』
『人任せかっ』
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(沖縄県) [sage]:2011/11/03(木) 20:56:07.40 ID:NE1zeaJ9o
もげろ

326 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/11/04(金) 05:33:49.13 ID:lyKSn8kAO
気付いたら朝……

読んでくれてる方、申し訳ないです
更新は夜に
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 08:39:40.81 ID:Vsc8FDBno
楽しみにして待ってる。
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関西・北陸) [sage]:2011/11/04(金) 23:57:54.29 ID:00qW0+dAO
きたか…
329 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/11/05(土) 00:06:45.13 ID:6OdjNUxJ0


〜魔王城 魔王私室〜

  トクトクトク...

  クイッ

魔王 「……っはー」 プハッ

魔王 「やっぱ部屋から見る月もいいなー」 トクトクトク...


  コン コン コン

魔王 「ん? 誰ー?」

兵士B 「よ」 ガチャ

魔王 「あれB、どしたの?」

兵士B 「飲み足りなくてよ。どうせお前もだろ?」

魔王 「よくわかったねー」

兵士B 「何人つるんでると思ってんだ、お前のことならお前より知ってるっつーの」

330 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/11/05(土) 00:07:28.15 ID:6OdjNUxJ0

魔王 「そのセリフはできれば伴侶に言ってほしかった……」

兵士B 「鈍感を直してから言え。いくつフラグ折ったと思ってやがる」

魔王 「建てた覚えがないんだけど」

兵士B 「それが鈍感だっつってんだよ」

魔王 「あー……」

兵士B 「よくわかってねぇだろ」

魔王 「わかってたらこの歳で童貞やってないと思うなー……」


魔王 「やばい、泣けてきた」 ヘコム...

兵士B 「何自滅してんだ……」

331 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/05(土) 00:08:04.00 ID:6OdjNUxJ0

魔王 「まーいいや」 ケロッ

兵士B 「相変わらず切り替わりが早いな」

魔王 「数少ない取り柄のひとつだからねー。ほい、盃(サカズキ)」

兵士B 「おう」

魔王 「こうやって飲むのも久々だねー」 トクトクトク...

兵士B 「ととと……、まあお互い立場ってもんがあるからな。ほれ貸せ」

魔王 「ほい」

兵士B 「騎士団にゃ消灯もあるし、今日みたいなことでもなきゃなぁ」 トクトクトク...

魔王 「さんきゅ。そうだねー……昔みたいにはいかないや、ははっ」

332 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/05(土) 00:08:59.17 ID:6OdjNUxJ0

兵士B 「そう考えりゃあ、お前の家でもたまにはアリだな」

魔王 「悪い考えだなー」

兵士B 「お前魔王だろうが」

魔王 「そうだった」

兵士B 「ま、さておき。ほら」

魔王 「ん」


 「「 乾杯 」」


兵士B 「――そういや魔王よぉ」

魔王 「うん?」

333 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/05(土) 00:09:36.98 ID:6OdjNUxJ0

兵士B 「お前、なんであいつ連れてきたんだ?」

魔王 「あー、男君?」

兵士B 「他にいねぇだろ……丸十年もほっぽっといて、今更どうしたんだよ」

魔王 「いや、ちょっとね」

兵士B 「……西の勇者の件か」

魔王 「ま、そんなとこ」

兵士B 「下手に接触されるよりは、手の届く場所にいてもらうほうが、ってことか?」

魔王 「うーん……まーそれもそうなんだけどさー……」

兵士B 「んだよ引っかかるな」

魔王 「いやぁ、これ一応魔王しか知らないことだから、言っていいものかなーと」

334 :温泉と月見酒 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/05(土) 00:10:26.81 ID:6OdjNUxJ0

兵士B 「はーん……ま、言えねぇならいいさ。つーか」

魔王 「うん」

兵士B 「あの野郎、また記憶吹っ飛んでねぇか?」

魔王 「あ、やっぱり?」

兵士B 「ナリが変わっちまったお前は仕方ねぇだろうけどよ、俺はさすがに気付くだろ」

魔王 「Bは全然変わらないからねー」

兵士B 「つーか一方的に俺らのこと助けといて、テメェはことごとく忘れてるってのがむかつく」

魔王 「それ言ったら僕も忘れられてるんだけど」

兵士B 「お前はいいんだよ、薄いんだから」

魔王 「ひどいなぁ」


兵士B 「髪が」

魔王 「ハゲてないよ!?」

335 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/11/05(土) 00:15:31.17 ID:6OdjNUxJ0
日付またいでた……お待ちいただいた方、遅くなり申し訳ない
更新>>329-334

次回でこのエピソードは一応ひと段落する予定です
それと、魔王は薄いですが、ハゲではないはずです
ではまた。
336 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/11/05(土) 00:20:22.05 ID:6OdjNUxJ0
そして読み返して誤字に気付く切なさよ……
>>332 ×お前の家でも〜 → ○お前の家出も〜
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/05(土) 03:27:17.72 ID:S7epDioIo
おつ
実は>>329の「何人」も「何年」の間違いじゃね?
338 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/11/05(土) 10:30:02.15 ID:YJkXq2kAO
>>337
うわぁい、マジだ……
いつになく誤字だらけで申し訳ない orz
339 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/06(日) 22:35:44.39 ID:APArqbu10


 ・ ・ ・


「はぁ……」

 部屋の惨状を見て、ついため息を漏らしてしまう。

 側近さんの部屋に集まったまではよかったのだが、それから気付けば酒盛りの様相を呈し、

「くー……、くー……」
「すぴー……ふひひっ……」

 挙句、いつの間にか側近さんもわんこも酒を口にしてひどく酔っ払い、今では揃って潰れていた。

 布団は部屋の隅に寄せていたのだが、床には代わりに古今東西の銘酒・珍酒の空瓶がゴロゴロと転がっている。

 それに加え、メイドさんが手早く用意したツマミ類や、側近さんが所有していた菓子類のカスやゴミが散乱しており、
 このまま側近さんが朝を迎えたら、目覚めて早々に卒倒してしまうのではないかという有様だ。

340 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/06(日) 22:36:34.59 ID:APArqbu10

 ……でもまあ、ただ散らかってるだけならメイドさんがなんとかするはずだ。

 そう思っていたものの、

「すー……くぴー……んん……青年のアホぉ…………」

「完っ璧に寝てらっしゃる」

 そんなわけで、今は俺と大賢者さんの二人で片付けている最中だったりする。
 頭の痛い話だ。

「こやつも飲むわりには弱いからの。吐かないだけ兵士Aよりはマシじゃが」

「ほんと、いきなり寝ましたよね」

「うむ。しかも本人は弱い自覚がないというオマケ付きじゃ」

「始末が悪いですね……」

 話しながらも、ゴミを拾い集める手は止めない。

 結局粗方片付けるだけで三十分ほどを費やす羽目になった。

341 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/06(日) 22:37:21.71 ID:APArqbu10

 ようやく綺麗に――というほどでもないが、それなりに元通りになった部屋を見回す。

「こんなもんでいいじゃろ。後はメイドにやらせればよい」

 やれやれじゃ、とため息をつく大賢者さんにつられて、自分もまたため息。

 文句を言いつつきちんと後始末をしているのは、俺や大賢者さんが甘いのか――、

「明日にでも隙を見て折檻してやる」

 ――甘いのは俺だけのようだ。

 まあ、この人の場合は自分の都合が大きいんだろう。
 メイドさんは布団をこの部屋に用意してしまったし、寝る場所が汚いのはあまり良くないし。

「まぁ……」

 片付いた床に布団を床に敷きながら、思わず思考の一部が口をつく。

「俺は楽しかったんでいいんですけどね」

342 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/06(日) 22:38:04.41 ID:APArqbu10

 なんだかんだ言いつつ、楽しんでいたのは事実だ。
 大勢と酒を飲み交わし、加減なく騒いではしゃぎまわるなんて、もう何年ぶりになるだろうか。
 思い出せないほど昔のことなのだと思うと、自分がどれだけ人と離れすぎていたかを痛感する。

 俺は、逃げすぎていたのだろうか。
 この国の人たちは、こんなにも優しいのに。

 ――みんなが変わり者なだけかもしれないけど。

「よっと」
「うぃ……んー……」

 適当に転がっていただけのわんこを抱え上げて、布団に寝かせる。
 側近さんはベッドへ。
 メイドさんは――まず酒瓶をひっぺがさないといけないな。まだガッチリ抱えこんでるし。

343 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/06(日) 22:38:43.37 ID:APArqbu10

「どんだけ酒好きなんですかね、メイドさん」

「ふむ。いや、酒というよりは酔うのが好きだと言っておったな」

 大賢者さんが思案顔で、記憶を掘り返しながら答える。

「元々が考えすぎるたちだそうでな。それで眠れない時は酔って寝てしまうとすっきりするのだそうじゃ」

「酔ったら寝るのまでは理解してるんですね」

 なのに弱いつもりはない、と。

「そうなんじゃよ……」

 思案顔を崩し、やれやれと頭をふる。

 どうやらメイドさん自信もまた、他人に苦労をかける要因の持ち主らしい。
 これじゃ魔王さんばかり悪くは言えないなぁ。
 自覚はないんだろうけど。

344 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/06(日) 22:39:18.70 ID:APArqbu10

「しかしこれ……」

 メイドさんが抱えている酒瓶を引っ張ってみる。

  ずりずりずり……

 ……メイドさんごとついてくる。しかも当人は寝たままだ。

「……どうしましょうか」

「面倒じゃからそのまま布団につっこんでしまえ。どうせ掃除はこやつの仕事じゃ」

 大賢者さんの鶴の一声で、メイドさんをそのまま布団に押し込むことにする。

 酒瓶を抱き枕に眠る美人メイド……シュールだ。
 あ、眼鏡は外しておこう。危ないし。

345 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/06(日) 22:40:33.26 ID:APArqbu10

「――さてと。これからどうします?」

 ベッド以外に部屋にある布団は四つ。
 つまり、俺と大賢者さんもここで寝るのが前提らしい。
 しかし俺としては別室で寝るか、いっそ自宅に戻ってしまうというのも手の一つか。

 いずれにしろ、寝るなら他で寝ることになるだろう。
 考え直したいこともある。

 俺の問いかけに、大賢者さんは少しだけ考え、

「寝る前にちとクソ弟子の所へ行ってくる」

「魔王さんのところですか?」

「うむ」

 大賢者さんは、にやり、と邪悪な笑みを浮かべた。

346 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/06(日) 22:41:26.50 ID:APArqbu10

 その笑みの意味を訊く間もなく、大賢者さんは颯爽と部屋を出て行く。
 後を追ってもよかったが……やめた。

 折角だから、少し一人で思案にふけることにしよう。
 確か最上階に展望台があったはずだ。

 ドアに手をかけ、

「おやすみなさい」

 部屋の中に声をかけ、ドアを閉めた。
 返事はない。



 ほどなくして、城中に野太い悲鳴が轟いた。

 なるほど、さっきの笑みはそういう意味か。
 魔王さん、ご冥福をお祈りします。

347 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/06(日) 22:51:41.36 ID:APArqbu10
【重要なお知らせ】

事情により、今後しばらくはよくて週一、悪ければ月一程度のペースでの投稿となります。
読んで下さっている方には大変申し訳ありません。
忙しついでに今後の展開についても練ってこようかと思います。

隙あらば、わんこ劇場くらいはこっそり投稿つもりですが。

ともあれ、予定が見えなくなってしまったのでいつになるかわかりませんが、また後ほどお会いしましょう。
それでは。

ちなみに今後もまだこのスレを使うのでHTML化はしない方向でお願いします。
348 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/11/06(日) 22:54:55.09 ID:APArqbu10
お知らせで脱字て俺……
>>347 正: わんこ劇場くらいはこっそり投稿“する”つもりです

以下ここまでの更新履歴

男「新魔王はじめました」
>>22-30
>>42-53
>>63-78
>>167-172

魔王「落ちた」
>>81
>>83
>>192-206
>>212-222

美少女二人とバカ一匹
>>225-239

-
番外*わんこ風邪
>>86-91
>>104-111
>>119-150
>>152-158

番外*魔族はこたつで骨抜きになる
>>174-185

番外*温泉と月見酒
>>254-262
>>270-284
>>288-299
>>302-310
>>329-334
>>339-346

わんこ劇場
>>191
>>324
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/06(日) 23:11:50.45 ID:hk56reNMo

気負わずやればいいと思うよ
わんこ劇場wktk
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/06(日) 23:20:52.73 ID:o2Hb1diIo
旧魔王の出番が少なくて寂しい
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/11/07(月) 00:02:37.35 ID:f9/r9YD/o

忙しいなら、なんも書かなくてもいいから月一で「生きてます」くらいの生存報告はしてよろ
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(長屋) :2011/11/07(月) 00:38:10.11 ID:+M4hsVnko
マジかよやべぇよやべぇよ‥‥
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/07(月) 07:55:08.74 ID:Zz2JgqoZo
まじかよ
俺ワンコ劇場読みにくいから全部飛ばしてる
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/07(月) 23:10:11.15 ID:5B5Qy5Xgo
俺はワンコ劇場だけで満足
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(不明なsoftbank) [sage]:2011/11/07(月) 23:40:38.24 ID:rv685Ey1o
かわいければおk
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/10(木) 04:29:38.70 ID:xyJrf8CIO
魔王「落ちた」編がよく分からない....
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(愛知県) [sage]:2011/11/10(木) 11:04:51.37 ID:z4osQ/CIo
俺もちょっと
必死で理解しようとはしてるんだけど如何せんキチガイなもんで
358 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/11/10(木) 12:31:24.93 ID:Ffdh4MiAO
『あんちゃんあんちゃん』
『どうしたわん――なんだそれ』
『くりっす!』
『栗か。イガ付きは初めてみたな』
『あんちゃんあんちゃん』
『うん。うん?』
『いたいっす……』
『……そりゃあ、素手じゃあな』
『てい』
『ちょおま投げつけんな!』
359 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/11/10(木) 12:35:55.84 ID:Ffdh4MiAO
>>356-357
状況説明不足しまくりで申し訳ない
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [saga sage]:2011/11/10(木) 13:17:38.74 ID:yO2qa4y/0
「落ちた」編で抜けてるのは

1.落下→ノームとの出会い の間にあるべき「底に着いた描写」

2.ノームが着いてくると言った理由(他の精霊も同様)

3.変装時、突如現れた妖刀

4.及び、変装後の姿のこと全般

 ぐらいか?

1は別に必要ない描写だろうし(インパクトの瞬間にノームが何かしたとか、元魔王が予め自動発動系の魔法使っていたとか)

2は隠してるのか描写し忘れなのか分からない。

3と4はいわゆる複線部分だろうから今話す事じゃないと思う。

どこら辺が理解できないのか分からないからこれまた推測でしかないけども。長文失礼。
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/10(木) 16:29:09.57 ID:ZHlMR8uEo
まだ青いイガってやわやわしてて結構気持いいよね
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(不明なsoftbank) [sage]:2011/11/10(木) 19:59:26.14 ID:Rlt7Q50Io
地図帳見てたらトルコあたりに「ワン湖」っていう湖があってわろた
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/11(金) 16:10:38.59 ID:YvBkP5I2o
落ちた編は魔王の名前がコロコロからるから意味わからなかった
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方) [sage saga]:2011/11/12(土) 09:29:15.04 ID:1bh7MpLU0
・・・・・へ?

魔王=>>194~>>196の漢字を使う「」=旅人 後は回想シーンなどもろもろ

だろ?それも必要に応じて変化させてただけで、特別ややこしい部分はないし。
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/12(土) 11:06:00.64 ID:TDPhWrVIO
落下編の会話を全部、落ちて死に瀕した魔王の幻覚だとすると…
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(愛知県) [sage]:2011/11/12(土) 11:42:20.40 ID:g9zw6vdxo
おいやめろばか
367 :時間がとれなーい…… ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/11/17(木) 07:30:09.23 ID:Hu/RS2zAO
『あんちゃんあんちゃん』
『どうしたわんこ』
『へんなくもっす』
『雲? ――ああ、鰯雲だな』
『いわし』
『いわしだ』
『じぶんはあゆのほうがすきっす』
『うん。そうじゃなくてね?』
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/17(木) 17:54:47.69 ID:+WwxjxCho
キテタ━━━(゚∀゚)━━━!!
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/18(金) 13:29:31.18 ID:LzqUIhA7o
ワンコ劇場もいいが、側近劇場も見たい気がする
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方) [sage]:2011/11/18(金) 19:15:56.86 ID:eeOHRmMYo
この始まり方、どうしてもドリフのバカ兄弟を思い出してしまう
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/18(金) 20:20:21.14 ID:2d4gBc6Wo
>>370
おれもそう思ってた
しむらで再生される

でもワンコ大好き
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(北海道) [sage]:2011/11/18(金) 23:33:12.10 ID:8jNhhRnmo
>>371
仲本だろ?
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/19(土) 08:29:14.87 ID:WKO2gGmUo
>>372
なん・・・  だ と
俺の頭の中の声は志村だ。なんでだろ
374 :番外 ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/11/21(月) 12:10:13.34 ID:lG8DTdfAO
男 「うぃーす」

東の使者A 「へいらっしゃい」

男 「ここは何屋だ」

東の使者A 「こたつとみかん?」 モクモク

男 「あ、みかん届いたんだ」 コタツニハイル

東の使者A 「甘味がすごいねこれ」 タベル?

男 「今年は特に出来がいいらしい」 タベル

側近 「ふぁ……、あれ?」 モゾ...

男 「側近さんもここにいたの?」 ミカンムキムキ

東の使者A 「隙あらば来てるんよー」 モクモク

男 「城じゃ禁止されたからなぁ……」 モグモグ

側近 「あ、私にも下さい」

東の使者A 「ほい」 ッパ

側近 「どうも」

東の使者A 「何でまた禁止なん?」 ツギノミカンー

男 「出られなくなるから」 モグモグ

東の使者A 「なるほろ」 キレイニムクゼー


僅かにできた暇で頑張って書くつもりがこたつに喰われたでござる
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/21(月) 19:08:35.47 ID:3un9a4XE0
こたつの魔翌力には参ったな!
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/22(火) 03:55:02.74 ID:8cl/tq5mo
コタツはリアルに国を傾かせるほどの兵器だと思う
日本は戦艦大和作るよりコタツをアメリカに輸出するべきだった
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]:2011/11/22(火) 17:14:57.33 ID:vH3QL+BXo
もたず
つくらず
もちこませず
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/22(火) 17:36:39.01 ID:uLbjZ38IO
非コタツ三原則wwwwww
379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(岡山県) :2011/11/22(火) 21:30:39.98 ID:myhK9m5B0
ドイツ人の同僚が、うちで始めてコタツに入った時に
「悪魔が人間を堕落させるために作った道具としか思えない!」
ってコメントしたときには吹いた。
380 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/11/26(土) 12:43:40.84 ID:LBSUOHgAO

大臣 「うおおおおおおおおお!!」 ガガガガガガガガガガッ!!

兵士長 「〜♪ 〜〜♪」 サラサラサラ、ペラッ サラサラサラ、ペラッ

騎士A 「ひーふーみー……ほいっと」 トントン、パサ シャッシャッシャッ

大臣 「おおおおおおおおお終わったあああああああああああ!!」 ガガガガガ ズバアァー―ン!!

兵士長 「こっちも終ーわりぃ」 シュパッ

騎士A 「はい。お疲れ様でした」 トントン トン

大臣 「もう指一本動かないぞー……」 ガクリ...

メイド 「あら、おしまいですか?」 ガチャ

兵士長 「やふー。ついさっきね」 ギシッ

メイド 「では改めさせていただきますね」


メイド 「……あら?」

大臣 「ん?」

メイド 「すみません、この計算に使用した資料はどちらに?」

兵士長 「これだけど」 ペラ

騎士A 「何か問題が?」

メイド 「…………。この資料、一昨年のものですわね」

大臣 「」

兵士長 「うそん……」

騎士A 「うはぁ、マジですか」

メイド 「はい。一枚目以外は全て一昨年のものです」 ミオボエガアリマスワ

騎士A 「ということは」

兵士長 「ほぼ全滅かー……」

大臣 「」

兵士長 「大臣?」


兵士長 「死んでる?」

大臣 「いっそ殺して……」 シクシクシクシク......

381 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:36:41.78 ID:n7s41EyN0
久々に更新できる……

男「新魔王はじめました」

>>22-30
>>42-53
>>63-78
>>167-172 ←ここから
382 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:37:13.58 ID:n7s41EyN0

男 「どうしよう?」

側近 「きゅ〜……」 グルグル...

兵士B 「いっそ背負っていったらどうだ。重いもんでもないだろ」

兵士A 「変態」

兵士B 「なんで?!」

男 「ふむ。よ……っと」 オブルー

側近 「ふにゃぁ〜……」 グテーン

兵士A 「それにしても、倒れるなんて珍しいね」

兵士B 「疲れてんのかね」

383 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:37:50.50 ID:n7s41EyN0

男 「側近さんの仕事って大変なのか?」

兵士B 「詳しくは知らんが、少し前までは魔王のアホが騒ぎ起こしまくってたな」

男 「あぁ……」

兵士A 「基本すぐに失踪するしね……」

男 「王としてどうなのそれ」

兵士B 「そうは言うけどな、他の候補もみんな似たようなもんだったんだぜ?」

兵士A 「特に女天狗さんとかね」

兵士B 「そうそう。正直俺が一番まともだった自信があるね」

男 「ん、兵士Bも候補だったのか」

384 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:38:39.39 ID:n7s41EyN0

兵士B 「最初だけな。魔王と女天狗が出てきてすぐ抜けたよ。

 他にも何人かいたが、まあそのうち会うだろ」

男 「はぁ」

兵士A 「それより側近さん大丈夫?」

男 「軽すぎてちょっと怖い。あとやわらかい」

兵士B 「オーケー歯ァ食いしばれ」

兵士A 「嫉妬は見苦しいよ?」

男 「そもそも俺を殴ったら側近さんにもダメージが行くと思うんだが」

兵士B 「むしろそんな普通に返答されるとは思わなかったわ」

兵士A 「ズレてるなぁ……」

385 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:39:22.08 ID:n7s41EyN0

男 「しっかしほんとに軽いんだが、ちゃんと食べてるのかな?」

兵士B 「食ってないってことはないはずだぜ。何度も食堂で見てるし。

 ただまあ、最近は魔王の無茶も減ってたところに今回の騒ぎだからな。

 久々で体がついていかなかったのかもしれん」

男 「そういうもんかね」

兵士B 「さもなきゃあれだ。血が足りてねぇんじゃね?」

兵士A 「死ねよ」

兵士B 「」

男 「?」

386 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:40:11.23 ID:n7s41EyN0

男 「吸血鬼ってのは聞いたけど、真祖なんだろ?

 真祖でも血って必要なのか?」

兵士A 「や、そっちじゃなく……」

男 「?」

兵士A 「……」

兵士B 「……」

男 「……」

兵士A 「……ごめんなさい」

兵士B ポンポン

387 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:40:45.51 ID:n7s41EyN0

「おーい」


男 「ん?」

兵士B 「お、女医じゃん。外出してたのか」

女医 「あんたら何そんなとこでたむろしてんの?」 プカー

男 (白衣にタバコ……と)

男 「すげえ尻尾だな」 モッフモフジャン

女医 「第一声がそれかい」 フー...

兵士A 「大きいし目立つもんね」

兵士B 「まあ実際すげえよな」 ソー...

女医 「言いながら触ろうとしてんじゃないわよ。祟るよ」

388 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:41:15.10 ID:n7s41EyN0

男 「た……?」

兵士A 「女医さんはお稲荷さんなんですよ」

女医 「その言い方はなんかイヤだわ……」 スパー

男 (稲荷神が医者、ねぇ)

男 (……大丈夫なのか?)

女医 「あんた、今何か失礼なこと考えてるでしょ」

男 「はい」

兵士B (真顔だ……)

兵士A (真顔だ……)

女医 「初対面でこの野郎……」

389 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:42:11.26 ID:n7s41EyN0

女医 「てか、新しい魔王ってあんた?」

男 「まあ一応」

女医 「見えないわー」

男 「そりゃ農家だしな」

兵士B 「関係あるのかそれ」

男 「ないか?」

兵士B 「ないな」

女医 「人間だって聞いたけど」

男 「まあ一応」

女医 「名前は?」

男 「男だ」

女医 「男君ね。私は女医よ、よろしく」

390 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:42:45.79 ID:n7s41EyN0

女医 「ところで男君はなんで側近ちゃん背負ってるワケ?」

兵士A 「実はさっき倒れちゃったんですよ」

女医 「倒れたあ? あんた何したのよ」 ジロッ

兵士B 「待てなんで俺を見る、何もしてねえぞ」

女医 「日頃の行いよ」

兵士B 「テメェのほうが悪いだろうが」

女医 「覗き魔に言われたくないわ」

兵士B 「こっちこそ不良医者に言われたくねえよ」

男 「……この二人、仲悪いの?」

兵士A 「そこそこ」

391 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:43:16.65 ID:n7s41EyN0

側近 「ん……ぅ?」 モゾ...

男 「あ、起きたかな」

側近 「……」 ボー...

兵士A 「側近さん?」

女医 「っと、大丈夫?」

側近 「…………」 ボー...

兵士B 「?」

男 「……?」

392 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:43:49.44 ID:n7s41EyN0

側近 くあっ


側近 「はぷ」 ガブリ

男 「あいだっ!?」

兵士A 「」

兵士B 「」

女医 「」


男AB医 (( 噛んだァー―――ッ!? ))

393 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:44:24.50 ID:n7s41EyN0

側近 「んく……」 ジュル...

男 「っ!」 ゾクッ

ジョニィ < パウッ!!

側近 「んー……」 チューチュー

女医 「ちょ! 吸われてる吸われてる!!」

兵士B 「いやまあ吸血鬼だし吸うだろ」

女医 「馬鹿!」

兵士B 「馬鹿?!」

女医 「男君人間なんでしょうが!」

兵士B 「あー」

兵士A 「……ああっ!」

394 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:44:59.92 ID:n7s41EyN0

男 「いやまあ問題ないよ」

側近 「んー……」 チュルチュル

兵士B 「なんで前かがみになってんだ」

男 「ちょっとジョニィが荒ぶってな」

女医 「何のん気に話してんの! 血清打つから医務室、早く!」

兵士A 「そうだよ急がないとグールになっちゃうよ!?」

男 「いや俺平気なんだってば」

男 「だって前にも一度吸われてるし」

395 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:45:45.43 ID:n7s41EyN0

女医 「は……」

兵士B 「そうなのか? てっきり元勇者だからそのへんの耐性もあんのかと」

兵士A 「へ?」

男 「あぁ……どうだろう、魔眼持ちになった後の話だから」

兵士B 「そういやもう半魔化してんのか」

男 「魔眼や勇者の件を知ったのはつい先日だけど」

男 (というか昔噛まれたってことも今さっき思い出したんだけど)

396 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:46:22.52 ID:n7s41EyN0

女医 「……」

兵士A 「……」

兵士B 「ん? どうした二人とも」


女医 「……おい、一発殴らせろ」

男・兵士B 「「なんで?!」」


兵士A (元勇者……?)

兵士A (彼が……?)

397 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:47:07.48 ID:n7s41EyN0

側近 「んゅ……ふぁ」 クァ...

兵士A 「あ。今度こそ起きましたね」

側近 「ふゃぇあぇぁえあぇぁぅ……はれ? 私なんで外で寝て……」


女医 「フシュゥゥゥゥ……」 ゴゴゴゴゴゴ...


兵士B 「」 ←壁にめり込んでる

男 「」 ←地面に刺さってる


側近 「…………何事?」

兵士A 「ちょっと色々ありまして……」

398 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:47:57.20 ID:n7s41EyN0

男 「――っぶは!」 ボゴッ

兵士B 「ぬ お お ……」 ギリギリギリ...

男 「いつつ……いつかの魔王さんみたいになるかと思った」

兵士B 「やっべ、腕抜けねえ」

女医 「慌てさせた罰よ」

男 「理不尽極まりない」

側近 「男さん、大丈夫ですか?」

男 「あー、平気平気。これでも頑丈だから」

兵士A 「引っ張るよ?」

兵士B 「なるべくゆっくり頼――いててててて!」

399 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:48:47.88 ID:n7s41EyN0

兵士B 「ふー……、壁の一部としてオブジェになるところだったぜ」

兵士A 「それは呪われそうだなぁ」 シミジミ

兵士B 「遠い目で言うな」

側近 「えっ、私噛んじゃったんですか?」

男 「うん。でも俺は耐性があるから」

女医 「幸いホントに平気みたいだけど、気を付けなさいよ?

 ツキのモノの時期は真祖でm「わー! わー! わー!」

側近 「しれっと何をばらしてるんですか女医さん!」

男 (――あ、血が足りないってそういうことか) ナルホド

女医 「いいじゃない別に。どうせ付き合ってるんでしょ?」

側近 「なぁー―――っ!?」

400 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:49:30.38 ID:n7s41EyN0

男 「誤解な上に関係ないと思うんだけど」

女医 「そう? 大事なことでしょ、ほら夜のいとn「メイドキック!」 ガスッ!

女医 「ぐはっ!?」 ズザー


メイド 「なぁにをいらないことをベラベラと喋ってるんですか貴女は……」 ゴゴゴゴゴゴ...

男 「おおう、メイドさんなぜここに」 ビックリシタ

メイド 「打撃音がしたので取り急ぎ様子を見にきたのですわ」

男 「めりこまされた時か……」

女医 「いったぁー……、よくそんなの聞こえたわね」


メイド 「メイドイヤーは地獄耳ですわ」 キリッ

男・女医 「「 いやいや 」」 ナイナイ

側近 (あ、私空気だ……)

401 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/05(月) 00:53:18.84 ID:n7s41EyN0
更新分>>382-400

大した量になってなくてへこむ……
仕事が落ち着くまでもうちょっと頑張ります

ではまた。
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]:2011/12/05(月) 01:34:41.21 ID:8Z5KABKEo
キター側近カワユス乙
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 03:18:44.03 ID:ymBuquVZ0

メイドにもらわれたい
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) [sage]:2011/12/06(火) 16:43:12.06 ID:gWzXkH52o
乙、頑張れ
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/07(水) 15:53:58.47 ID:9V/OMJ9Bo
乙ー
前スレから一気に読んだ
側近もらっていきますね
406 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/13(火) 22:36:36.04 ID:eqixsztB0
じゃあ俺は>>1
407 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/18(日) 18:50:01.99 ID:EyP61UlO0
>>406
前スレからすげぇ間が空いてるからもう忘れられたと思ってたのに!

待ってくれてる方々、更新遅すぎてすみません
少し余裕が出てきたので徐々に改善できると思います
男ルート以外にも手を付けられるかなぁ……
408 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/18(日) 18:50:43.86 ID:EyP61UlO0

メイド 「それはそれとしまして」

兵士B 「さらっと流したな」

メイド 「男様、側近様。お話することがございますので、会議室までいらしていただけますか?」

兵士A 「さらに無視されたね」 ポム

兵士B 「正直最近慣れてきたわ」

女医 「どんまいハゲ」 フー...

兵士B 「ハゲてねぇから! なんでお前らは人をすぐハゲ呼ばわりするの?!」

メイド 「うるせえ少し黙ってろハゲ」

兵士B 「ハゲてねぇっつってんだろ!? 何回目だよこんチクショウ!!」

女医 (面白い……)

男 (変にリアクションとるからなのでは……?)

側近 (フォローしたほうがいいのかな……)

409 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/18(日) 18:51:26.37 ID:EyP61UlO0

メイド 「はいはい。馬鹿は放っておいて行きましょう」

兵士B 「」

兵士A 「……」 ポムポム...

男 「あー……。じゃ、また」

側近 「また」 ペコリ

女医 「じゃーにー」 フリフリ


男 「いや何ナチュラルについてきてんですか」

女医 「医務室まで方向一緒だし」 フー...

男 「煙いから離れてくれませんかね」

女医 「何だとこの野郎」 プハー

410 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/18(日) 18:52:18.86 ID:EyP61UlO0

兵士B 「なあ、俺の扱いってここまで酷かったっけ?」

兵士A 「それを訊いちゃうのかい?」

兵士B 「哀しみを湛えた目で見ないでいただけませんか」

兵士A 「人をケンシロウみたいに言わないでくれるかな」

兵士B 「誰だよケンシロウ」

兵士A 「あれ、知らない?」

兵士B 「知らん」

兵士A 「……それはそうと、訊きたいことがあるんだけど」

兵士B 「あー? まあ検討はついけるけどよ」

兵士A 「じゃあ訊くけど。いいの?」

411 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/18(日) 18:53:14.22 ID:EyP61UlO0

兵士B 「いいも何もないだろ」

兵士A 「でも、衛兵さんのことは――」

兵士B 「いいんだよ、俺らが納得してんだから」

兵士A 「……そう」

兵士B 「まあそりゃ、たまに思い出すこともあるけどよ」

兵士B 「あんな被害者しかいねえ事件に対して、何をどうしろってんだよ」

兵士A 「…………」

兵士B 「最悪の手段で最悪の結果、でも被害は最少だったと思うぜ」

兵士B 「後輩ちゃんには悪いけどな」

兵士A 「でも……」

412 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/18(日) 18:54:09.71 ID:EyP61UlO0

兵士B 「でも、だのもし、だのは今更だろが。
 ――どっちにしろ、男がいなけりゃそれ以前がもっと悪い結果だったんだ。
 助けられたから助け返した。それだけだろ」

兵士A 「…………そっか」

兵士B 「それにまあ、あれだ」

兵士A 「?」

兵士B 「ダチだからな、あいつは」


 ゴーン、ゴーン、ゴーン、ゴーン、ゴーン……


兵士B 「って、もうこんな時間か」

兵士A 「暗くなってきたね。灯りの用意してくるよ」

兵士B 「あいよ」

413 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/18(日) 18:54:49.62 ID:EyP61UlO0

男 「西側は東側より広いんですね」 キョロキョロ

側近 「元々が西側からの攻撃に対する防衛拠点ですから」

男 「ああ、なるほど」 ホホゥ

女医 「……なんか、上京してきた田舎者って感じよね」

側近 「ちょっ」

男 「まさしくその通りだから反論できない」

女医 「ふーん、前どこにいたわけ?」

男 「山奥で一人暮らしだ。畑作って耕してた」

女医 「さっき言ってたわね。その筋肉は農筋か……」

男 「ちなみに十年やってる。うちの野菜はうまいぞー?」

414 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/18(日) 18:55:56.09 ID:EyP61UlO0

女医 「十年って……アンタ仙人じみてるわね……」

男 「あたらずしも遠からずだ。
 とは言っても、それなりに他人との接触はあったけどな。
 場所が場所だけにほとんど俺から足を運ぶしかなかったが」

女医 「山奥とか私だったら三日で発狂する自信があるわ」

男 「仮にも稲荷神がそんな自信を持つな」

女医 「おちこぼれなのよ、悪い?」

男 「知らんて」

側近 (会話に入れない……) ショボーン

メイド (しょんぼりする側近様可愛いですわ) ハァハァ

男 (そういや畑大丈夫かな……“あいつ”がいりゃ問題なかったんだけど)

415 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/18(日) 18:56:46.73 ID:EyP61UlO0

女医 「おっと、んじゃ私こっちだから」

男 「あいよ。またな」

女医 「またねー」 フリフリ

 トットットットットットッ......

尻尾 < フリフリフリフリ

男 「尻尾めっちゃ揺れとる……」

側近 「……しっぽくらい私にもあります」 ボソッ

男 「はい?」

側近 「なんでもないです」 ムー…

メイド (むくれ顔の側近様も可愛いですわ) ●REC

416 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/18(日) 18:57:48.22 ID:EyP61UlO0

男 「ふむ……」 ムゥ

 ぎゅっ

側近 「ふえっ?」

男 「手、つないで行きましょうか。寒いし」

側近 「あ……」

側近 「えへへ、はいっ」


メイド (側近様のはにかみ顔チェキ! 男様グッジョブ!) ●REC

メイド (しかし身長差のせいか兄と妹にしか見えないのよね……)

メイド (もう一押し何かないかしら)

メイド (私が現役のうちに側近様の子供をお世話するためのこの計画――)

メイド (題して『男様×側近様らぶらぶ夫婦化プロジェクト』に失敗は許されませんわ!) カッ


 そのまんまである。

417 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/18(日) 18:58:28.79 ID:EyP61UlO0

男 「……何故かメイドさんから不穏な気配を感じる」

側近 「……私もです」

メイド 「あらあら、何もありませんよ?」 ニコニコ

男・側近 ((怪しい……))


後輩メイド 「はっ! 何か今とんでもないことが起こっている予感がしたッス!」

大賢者 「ワシもじゃ!」

後輩メイド 「大賢者さん!」

大賢者 「犬!」

大臣 「ちょ、またかよ!」

兵士長 「元気だよねー」

418 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/18(日) 18:59:07.91 ID:EyP61UlO0

後輩メイド 「行――」

騎士A 「はいストーップ」 アシバライ

後輩メイド 「きゃいんっ」 ビターン

大賢者 「おのれ、我らの行く手を阻むか貴様!」

騎士A 「探すの面倒だからおとなしく待機してて下さいって」

大臣 「神様!」 ガシッ

騎士A 「違います」 ハナシテ

後輩メイド 「ちゃんす!」 ダッ

メイド 「何をしてますの貴女は」 ペチン

後輩メイド 「はうんっ」 ステーン

419 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/18(日) 18:59:41.71 ID:EyP61UlO0

大賢者 「ぬ! いつの間に……」

メイド 「たった今来たところですわ。――あら、他の方は?」

兵士長 「帰ったよー、あとで連絡くれってさ」

メイド 「はぁ。皆さんマイペースですわね」

側近 「ちょ、メイドさ、早い……」 ゼー、ゼー、…

男 「側近さん大丈夫?」

後輩メイド 「あー――――――っ! そーちゃんとあんちゃんなんで手ェつないでるんッスか!」 ガバッ

側近 「ほあっ!? あ、や、これはそのあのその……」 ワタワタ

男 「落ち着けわんこ」 ナデリコ

後輩メイド 「はわっ」

420 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/18(日) 19:00:20.73 ID:EyP61UlO0

男 「うりうり」 ナデナデ

後輩メイド 「わぅ……んにゅー」 ナデラレー

大賢者 「むぅ……」

 コソコソ……ピトッ

男 「……大賢者さん? なんで背中にしがみついてくるんですか」

大賢者 「なんじゃ文句でもあるのかえ」

男 「身動きとれないんですけど」

大賢者 「…………」 ギュー―ッ

男 「ちょ痛い痛いつねらないで!」

大臣 「何この光景」

421 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/18(日) 19:01:01.25 ID:EyP61UlO0

兵士長 「うらやましい」

騎士A 「つねられるのがですか?」

兵士長 「はい!」 ニカーッ!

大臣 「何故そこでいい返事いい笑顔?!」

メイド 「はいはいそこまで。本題に入りますわよ」 パンパン

側後賢 「「はーい」」

男 (……なんだろう、メイドさんがお母さんに見える)

メイド 「男様、今何か失礼なことを考えませんでしたか?」

男 「いやいや、関心してただけだよ」

メイド 「はぁ。では席の方へお願いします」

422 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/18(日) 19:12:29.98 ID:EyP61UlO0
更新分 >>408-421

何故だろう……このスレではもっとダラダラした話を書く予定だったはずが、気付けばストーリーが進行してしまっている……
違うんだ、本当は魔王城でのグダグダ話を書くための前振りをしたかっただけなんだ
でも頑張る。

以下遅すぎるレス

>>360
1.はお察しの通り冗長になりそうだったので省略、2.と4.は魔王ルートでわりと早めに書いていく予定
3.の妖刀は前スレを読まないとわからないッスね……、先代魔王こと老紳士からの預かり物です。


あとコタツは封印しないと危険すぎると思う。ないと凍死するけど
とりあえず今日はここまでです、ではまた。
423 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 19:32:57.35 ID:cF5J99aSO

>>1モフモフ
424 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 19:45:29.88 ID:pUMqkVeDo

>>1ナデナデ
425 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 20:45:07.50 ID:baz9IZpho

>>1ムシャムシャ
426 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 21:12:50.11 ID:TxhaD8IP0

>>1ペロペロ
427 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 02:42:55.32 ID:axkK9PCqo

>>1サワサワ
428 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 18:27:03.87 ID:/ORAh+1qo

>>1シャキシャキ
429 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 03:08:42.67 ID:4ydXbQD4o

>>1ツンツン
430 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 07:54:01.18 ID:OB6mM3vko
>>1スリスリ
431 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 07:57:52.03 ID:3RtFGwYDo

>>1メメタァ
432 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/21(水) 23:11:35.51 ID:ACJPP0TJ0
君たち一体何をしているんだ!?


突然ですが番外編です。
433 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/21(水) 23:13:06.34 ID:ACJPP0TJ0

東の使者A 「そういや、もうすぐクリスマスかぁ」



男 「なにそれ?」

側近 「……?」 ミカンモグモグ

東の使者A 「おおう、これが文化の違いというものか……」

東の使者A 「まー、つまりはお祭りなんよ」

側近 「お祭りですか」

東の使者A 「そ。元々は大昔の偉い人の誕生日だかを祝う日だったらしいんだけどー」 ミカンムキムキ

東の使者A 「うちの国じゃ、いつの間にか恋人同士で過ごす日になってたのさー」 シロイノモトルゼー

男 「ちょっと対象者偏りすぎじゃない?」 オチャズズー...

東の使者A 「そうでもないよ。一般的には家族や友達と過ごすものだからね」 ハグッ モグモグ...

側近 「恋人……」

434 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/21(水) 23:15:34.50 ID:ACJPP0TJ0

東の使者A 「クリスマスに乗じてプロポーズする人なんかも多いらしいねー」 モグモグモグ

側近 「!」

側近 (プロポーズ……!)



男『メリークリスマス、側近さん』

男『これ、クリスマスプレゼント』

男『そんな立派なものじゃないんだけど――』

側近『! これって』

男『結婚指輪、です』

男『受け取って貰えますか?』


435 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/21(水) 23:16:27.27 ID:ACJPP0TJ0

側近 「……ふへへ」 ニヤァ


男 (また側近さんがゆるんどる) ズズッ

東の使者A (わっかりやすいなー) モグモグ...


 ガチャ

東の使者B 「ただいま――って、また来てたんですかお二人とも」

男 「や、どうも」

東の使者B 「何の話してたんです?」 コタツー

436 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/21(水) 23:17:21.20 ID:ACJPP0TJ0

東の使者A 「クリスマスの話をね」

東の使者B 「」


東の使者B 「き さ まぁぁぁぁぁぁぁ……っ! 何故そんな忌々しい話をっ!」

東の使者A 「あっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!」

男 「? 忌々しい?」

東の使者A 「いや実はねー、Bってばクリスマスに「ぎゃああああああああああ!!」っとぉ」

東の使者B 「やめろ思い出したくもねえ! あんな女のことは忘れるって決めたんだあああ!」 ウオオオオオ……

東の使者A 「言いながらばっちり思い出してんじゃん」 アホダ、アホガイル

男 「なんかBさんらしからぬうろたえっぷりなんだけど、何かあったの?」

東の使者A 「彼女が二股しててふられたのよ」

男 「oh...」

東の使者B 「ばらすなああああああ!!」 ァァァァァァァァァァァ......

437 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/21(水) 23:18:14.31 ID:ACJPP0TJ0


東の使者A 「いやぁ、あんときのBのピエロっぷりったらないわね」

東の使者A 「プロポーズする気満々で指輪まで用意しててさー」

東の使者A 「高級ホテルの最上階に予約取って、スタッフにプロポーズの時の演出もお願いしててさー」

東の使者A 「薔薇の花束やら特大のケーキまで用意して、私相手に決めゼリフのリハまでやって」

東の使者A 「んで当日待ち合わせ場所に行ったと思ったら、丸二時間待ちぼうけ」

東の使者A 「挙句風邪引いて、翌日電話で『ごめん、B君のことは遊びなの。ばいばい』だもんね」

東の使者A 「幼馴染の私ですらフォローできない見事な爆死だったわ」


東の使者B 「テメエ俺になんか恨みでもあんのかああああああああああああ!!(血涙)」

男 「うわぁ…………」

438 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/21(水) 23:20:02.86 ID:ACJPP0TJ0

東の使者A 「あ゙?」 ギロッ

東の使者B 「」 ビクッ

東の使者A 「あのさぁ……」


東の使者A 「私アンタのせいでその年に彼氏にふられてんですけど!?

 例のリハのせいで誤解されてそのまんまシングルベルに突入したんですけど!!

 大体人のことディスってるくせにいざとなると私に頼るのいいかげんやめろってんだよ!

 ここに来たのもそう!

 一人じゃ不安だから一緒の学校、一緒の職場、一緒の部署、一緒の仕事……私はアンタの保護者かっつーの!

 私が何年片思いしてたか知ってるか!?

 必死んなってようやく恋人になれたと思ったらわずか一週間で手すらつながずに全部がパーだよ!

 しかもそれが最初で最後! アンタとの噂のせいで二度と彼氏はできませんでしたとさ!

 二十半ば過ぎて処女どころかファーストキスもまだとか私どんだけ純潔なのさ!

 なのにアンタは普通に彼女とっかえひっかえ……、


 その罪、死 す ら 生 ぬ る い !」

439 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/21(水) 23:21:28.11 ID:ACJPP0TJ0

東の使者B 「」

男 「フォローするとかそんなレベルじゃなかった」

側近 「ふぇ?」


東の使者A 「というわけで、B君には責任持って幹事をしてもらおうと思いまーす」 ケロッ

東の使者B 「…………は?」

男 「切り替え早いなぁ」

東の使者A 「折角だしこれを期にうちの国の文化を広めてみようかと思って」

東の使者B 「えぇー……」

男 「うーん、まあいいか。年中行事は色々あったほうが盛り上がりそうだし」

側近 「そうですね、ハロウィンや牛追い祭りはありますけど、牛追いは一部の地域だけですし」

東の使者A 「その点クリスマスは用意するものが少ないし、単にパーティーするだけだから気楽なもんだぜー」

東の使者A 「っていうかハロウィンはあるんだ?」

側近 「はい。城下のみなさんも積極的に参加して下さいますし、とてもにぎやかですよ」

東の使者A 「いいなぁそれ。うちの国じゃ逆にハロウィンには消極的なんだよねー」

440 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/21(水) 23:22:04.74 ID:ACJPP0TJ0

東の使者B 「あのー……」 オズオズ...

東の使者A 「何?」

東の使者B 「幹事ッテ何スレバイインデショウカ」

男 (カタコトになっとる)

側近 (何かあったのかな?) ←妄想してて聞き逃した人

東の使者A 「そりゃ準備全部だよ」

東の使者B 「……全部?」

東の使者A 「全部」 ウン

東の使者B 「」

男 「真っ白になっとる」

441 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/21(水) 23:22:50.70 ID:ACJPP0TJ0

側近 「フォローはいいんですか?」

男 「事情聞いちゃうとなぁ」

東の使者A 「ちなみにわざと聞かせましたとも」

男 「やだこの子、さりげに黒い」

側近 「はぁ」

東の使者A 「でも手伝うなら手伝ってもらっていいですよ。

 どうせ普及するのには色々知らなきゃなんないですし」

男 「うーん……そのあたりはメイドさんに任せるかな。たぶんそろそろ」


ドア < コンコンコンコン


東の使者A 「どうぞー」

 ガチャ

メイド 「失礼します。男様は……」

男 「いるよ。ナイスタイミング」

442 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/21(水) 23:23:44.25 ID:ACJPP0TJ0

メイド 「くりすます、ですか」 コタツヌクヌク

東の使者A 「そ。詳しくはBに聞いてちょ」 ミカンミカーン

メイド 「またパティシエが喜びそうですわね」 ホフゥ...

男 「ああ……うちの野菜も使ってもらおうかなぁ」 オレモミカーン

側近 「男さん、ちょっと後ろ寒いです」

男 「はいはい」 ギュッ

側近 「♪」

東の使者A 「……あまりに自然でツッコミできなかったんだけどさー」 モグモグ

男 「ん?」

東の使者A 「君らはあれかい? だっこがデフォなのかい?」

443 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/21(水) 23:24:16.38 ID:ACJPP0TJ0

東の使者B 「――っは! 意識が飛んでた」

東の使者A 「もうちょい黙ってて」 ドスッ

東の使者B 「エンッ!」 ガクッ

東の使者A 「で、どうなん?」

男 「どうと言われても」 モグモグ

側近 「そういえば、いつもこうですよね」

メイド 「なん……だと……」

メイド (いつの間にそんな仲に! くっ、私としたことが!)

男 (メイドさんがまた変な顔しとる……)

東の使者A 「ふーん……」 モグモグ、モグ……

444 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/21(水) 23:25:12.99 ID:ACJPP0TJ0

東の使者A 「……」

東の使者A 「…………」

東の使者A 「……………………」

男 「?」

側近 「?」

メイド 「ブツブツ……ブツブツ……」

東の使者A 「……ふむ」



東の使者A 「なるほど三股か、この外道」

男 「ちょっと待て何の話だ!?」

445 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/21(水) 23:29:28.07 ID:ACJPP0TJ0
更新 >>433-444
東の使者Aが若干フリーダム、そんな大使館。誰か行き遅れる前に貰ってあげて下さい。

番外編は2、3回で終わるはず……クリスマスの主旨にはあんまりつっこまないと思いますが
ひとまずここまでです、ではまた。
446 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/22(木) 01:06:13.18 ID:QZVzedjno
おい深夜に「側近!側近!フへへへへへへへへへへwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」って声出しちまったじゃねぇかどうしてくれる
447 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/22(木) 01:39:33.26 ID:tMCmvUUIO
なんかまとまりなくて色々と支離滅裂になってるような
もうどんだけキャラがいてどんなヤツでどんなストーリーだったか思い出せないや
448 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/22(木) 02:31:59.78 ID:o+H1aR8Fo
乙ー
東の使者Aは誰かにやるよ。オレは側近をもらっとく
449 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/22(木) 03:49:55.62 ID:ES1cS9MQ0
なら俺は使者Aとローストした>>1でも食べながらクリスマス過ごすわ
450 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 14:19:53.37 ID:EgNyn6N/o
魔王サイドの話がなくて泣いた
451 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/12/25(日) 10:00:23.02 ID:SaBYvQ7A0
ああくそ、もう25日じゃないか
書き溜め途中で寝落ちるとかなんという……

夜には投下できると思います
以下レスと見苦しい言い訳

>>446
>>448
うばいあえー!

>>447
正直自分でもぐちゃぐちゃだと思う でも頑張る
キャラ名鑑も作ってるんだけど人数いすぎてビビった。何故ここまで増やしたし俺

>>449
僕は食べ物じゃないよ、わけがわからないよ

>>450
すまぬ……すまぬ……!

いっそ魔王サイドは別スレをたてようかと考えてます。混ざるし
その場合はまた似たようなスレタイになるんじゃないかと


そんな感じです、では後ほど。
452 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 21:57:10.49 ID:SaBYvQ7A0

−翌日−

−魔王城 食堂−


後輩メイド 「解せぬ。……ッス」

町娘 「あはは……」

魔剣 『不機嫌だな』

後輩メイド 「だいたい、あんちゃんは乙女心をわかってないんッスよ」

町娘 「ま、まあまあ……」

後輩メイド 「いくら休めたって、あんちゃんと一緒じゃないのはつまんないッスもん」 グデリ

町娘 「……こーちゃんは、お兄さんが大好きなんですね」

後輩メイド 「もちのろんッス!」 ガバッ

453 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 21:58:17.36 ID:SaBYvQ7A0

後輩メイド 「あ、でもでもまーちゃんも好きッスよ?」 ウン

町娘 「うん。私もこーちゃんのこと、好きだよ」 ニコッ

後輩メイド 「てひひー」 ニマッ

魔剣 『お前達は仲が良いのだな』

後輩メイド 「そッスよー。友達ッスからね」

町娘 「ふふっ」

魔剣 『(友達か……、少しばかり羨ましいな)』

パティシエ 「お待たせ。キャロットショートとハニーミルク、特製スパイスタルトとコーヒーね」

町娘 「どうもです」

後輩メイド 「いただきますッス!」

魔剣 『ちょっと待て』

454 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:00:00.11 ID:SaBYvQ7A0

後輩メイド 「ウィ?」

魔剣 『何だ、その……スパイ……』

パティシエ 「スパイスタルト。全十七種類の香辛料を餡に混ぜて練り合わせてタルトにしてみたんだ」

魔剣 『真っ赤ではないか』

後輩メイド 「これが辛くてイケるんッスよ。魔剣さんも食べるッス?」

パティシエ 「本当はお遊びの罰ゲーム用に作ったんだけど……」

後輩メイド 「なんと」

魔剣 『いや、どちらにしろ我輩は食えないのだが』

町娘 「こーちゃんは甘いの苦手だから」

魔剣 『納得いかん……』

455 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:00:58.50 ID:SaBYvQ7A0

東の使者A 「おー、いたいた」

パティシエ 「おや。珍しいお客さんだ」

東の使者A 「わーんちゃんっ、何食べてんの?」 ダキツキッ

後輩メイド 「ひゃわっ! あ、使者Aさん」

東の使者A 「うんうん、Aちゃんですよー」 スリスリ

後輩メイド 「うひゃあ! 頬ずりしないでほしいッス!」

東の使者A 「ケチんぼー」 ウリウリ

町娘 「でもこーちゃん、しっぽパタパタしてるよ?」

シッポ < パタパタパタパタ

東の使者A 「ほほう」 ニヤリ

後輩メイド 「ま、まぁちゃあぁん……っ」

456 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:01:50.91 ID:SaBYvQ7A0

東の使者A 「堪能したぜー」 ツヤツヤ

後輩メイド 「うぅ……汚されたッス……」 シクシク

東の使者A 「いやあメンゴメンゴ。毛並みとかがうちで飼ってた豆柴にそっくりだからさー」 アッハッハ

パティシエ 「あまり刺激的な光景は控えて欲しいね。人の目もあるから」

東の使者A 「パティは細かいにゃ〜。あ、私アプリコットね」

パティシエ 「はいはい」

町娘 「こーちゃん大丈夫?」

後輩メイド 「撫でられて気持ちよかった自分が憎いッス……」 グッタリ

東の使者A 「ふふふ、慣れだよ!」 ドヤッ

魔剣 『そこで何故ドヤ顔になる』

東の使者A 「まあそんな話は置いといて」 ミギカラヒダリニ

東の使者A 「ちょっと訊きたいことがあるんだけどいい?」

457 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:02:39.98 ID:SaBYvQ7A0

 ・ ・ ・

後輩メイド 「さんたくろおす」

東の使者A 「そ」

町娘 「聞いたことないですね……」

町娘 (三択ロース……牛と豚と、熊とか?)

東の使者A 「そっかぁ。予想はしてたけど、実際聞くと残念だわ」

魔剣 『話を聞く限りでは、幻想種の一種のようにも思えるな』

後輩メイド 「空飛ぶトナカイとか天馬の仲間ッスかね?」

町娘 (でも私はカルビの方がいいなぁ)

東の使者A 「まあいないなら仕方ないさね。それで――」

町娘 (ハツ……レバー……ミノ……タン塩……)

町娘 (ピータン……そういえばピータンってなんだろう?)

町娘 (ピータンとピーマンって似てるなぁ。野菜なら玉ねぎは外せない)

町娘 (でもお肉はやっぱりカルビがいいなぁ)

町娘 (塩ホルモンも捨てがたいけど)

458 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:03:32.79 ID:SaBYvQ7A0

東の使者A 「――というわけ」

後輩メイド 「……なんていうか、使者Aさんって世話焼きッスね」

魔剣 『うむ』

東の使者A 「そーぉ? 面白いほうに転がしてるだけだよ?」

魔剣 『そうか――いや、お前にとっては自然なことなのだろうな』

東の使者A 「むぅ、ケンケンに達観したように言われてしまった……」

魔剣 『……ケンケン?』

東の使者A 「まあそれはいいや。で、どう? 手伝ってくれる?」

後輩メイド 「自分はいいッスよ。まーちゃんはどうするッス?」

町娘 「はい?」

東の使者A 「あー、まっちー話聞いてなかったな?」

魔剣 『……まっちー?』

459 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:04:18.49 ID:SaBYvQ7A0

後輩メイド 「まーちゃん、さんたくろおすの話ッス」

町娘 「え、あー。私はカルビのほうが……」

東の使者A 「…………はい?」

町娘 「? 焼肉の話じゃないんですか?」

東の使者A 「なんで?!」

後輩メイド 「やきにく……」

後輩メイド 「…………」

後輩メイド 「!」 ピコーン

後輩メイド 「なるほど、ロース!」

魔剣 『おおっ』

東の使者A 「いや違うから。全然違うから」

パティシエ 「アプリコットお待たせ」

東の使者A 「あ、どもども」

460 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:05:21.02 ID:SaBYvQ7A0

東の使者A 「クリスマスの話は聞いてるっしょ?」 ズズッ

町娘 「はい」 ア、ミルクサメチャッタ

東の使者A 「で、サンタクロースは良い子のところにプレゼントを配るわけ」

町娘 「はい」 デモアマイヤ

東の使者A 「でも少なくともこの国にはいないわけじゃん」

町娘 「はい」 ケーキオイシー

東の使者A 「だから、代わりに私が使者Bのプレゼントを用意するから」

町娘 「はい」 オカワリホシイナ

東の使者A 「そのプレゼント選びの手伝いを……あのさ、ちゃんと聞いてる?」

町娘 「聞いてますよー」


ちなみにサンタクロースが来る日は厳密に言うと12月6日で、吊るした靴下に翌朝入っているのはお菓子なんだってさ。

一体どこでキリストの聖誕祭と混ざったんだろうね。

461 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:06:13.59 ID:SaBYvQ7A0

後輩メイド 「せんせー」 ハイッ

東の使者A 「何かねわんちゃん」 キリッ

後輩メイド 「使者Bさんってもういいかげんいい大人だと思うんッスけど」

東の使者A 「さすがわんちゃんツッコミが鋭いじぇ」 オーゥ

魔剣 『何か事情があるのか?』

東の使者A 「いやー、事情ってほどのもんでもないんだけど」

東の使者A 「まあとりあえず場所変えようか。プレゼント探しながら話すよ」

パティシエ 「お会計かな?」

町娘 「あの、できればおかわりを」

魔剣 『町娘』

町娘 「?」

魔剣 『太るぞ』

町娘 「はうっ!?」

462 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:07:12.87 ID:SaBYvQ7A0

−城下 大広場−

「おいボウズ! 『つりぃ』ってなあこんなもんでいいのかい!」

「兄ちゃん、この組み木はどうすりゃいいんだ!」

「バッキャロー! 危ねえだろウロチョロすんじゃねえ!」

「アパーム! 釘持って来いアパーム!」

東の使者B 「ちょっ、ちょっと待っ」

「ちんたらしてんな陽が暮れっちまうぞお!」

「親方ァ! 差し入れでさァ!」

「おーい、誰かノコ持ってねえか?」

東の使者B (しっ、死ぬ! 忙しさで死ぬっ!)

463 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:08:19.48 ID:SaBYvQ7A0

男 「いやー……あっという間にお祭り騒ぎになったなぁ」

大賢者 「活気があってよいではないか。時に側近と犬めはどうしたのじゃ?」

男 「側近さんはメイドさんたちと一緒に裏方仕事」

男 「わんこは最近働き詰めだったから、昨日と今日と休暇にしてる」

大賢者 「ふむ」

大賢者 (ということは、今は邪魔者がおらぬということか)

大賢者 (…………)

 ……ピトッ

男 「大賢者さん?」

大賢者 「なんじゃ」

男 「何故腕にくっついてるんです?」

大賢者 「……」

464 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:09:06.12 ID:SaBYvQ7A0

 ギュッ

男 「……何故抱きしめるような形でしがみついてくるんです?」

大賢者 「最近は男成分が足りなかったからの。補充じゃ」 ギュムー

男 「はぁ」

大賢者 「それに冷えるしの」

男 「そうですねぇ」


< オイ、ロープノナガサガタリネェゾ!!

< ウルセェオレニイウンジャネエ!!

< ンダトヤンノカゴルァ!!

< ナニオウ!!


男 「……向こうは暑苦しいなぁ」

大賢者 「近付きたくないのぅ……」

465 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:09:50.61 ID:SaBYvQ7A0

商人頭 「ちわーす! ご注文の品物、お届けにあがりやし……っとお邪魔でしたかい?」

男 「あ、どもども」

大賢者 「邪魔じゃ邪魔じゃ、しっしっ」

男 「いやいやお互い仕事なんだから」

大賢者 「ワシは違うぞ」

男 「そうでした」

商人頭 「あっはっは! お二人さんお似合いだねえ!」

商人下っ端 「頭ァ、荷物どうすんすか」

商人頭 「おっといけねえ。ほい兄ちゃん伝票」

男 「はいはい。…………ふむ……うん、オッケーです」

大賢者 「どれどれ、む? 雷魔石なんぞ何に使うんじゃ」

男 「さあ……俺も詳しくは」

466 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:10:36.46 ID:SaBYvQ7A0

商人頭 「そいじゃ、まいどありゃあったしたー!」

商人下っ端 「あざったー」

男 (何言ってるかわかんねぇ)

大賢者 「……それにしても、おぬし魔王扱いされておらんの」

男 「え? ああ。今のところはあくまで代理ですしね」

大賢者 「そのわりにはメイドめによく叱られておるではないか」

男 「あれは八つ当たりのような気がしますが……」

大賢者 「と、ところでじゃな、男よ」 モジモジ

男 「はい?」

467 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:11:14.17 ID:SaBYvQ7A0

大賢者 「聞けば“くりすます”とは恋仲の者同士で過ごすものだそうじゃな」

男 「あぁ、使者Aさんが言ってましたね」

大賢者 「じゃがおぬしはその日は忙しいのじゃろう?」

男 「そうですね。裏方で色々と……いわゆるミサみたいなこともしてみようって話ですし」

大賢者 「そうじゃろう? そこでじゃな、その……」

大賢者 「くりすますの前でも後でも、ワシがおぬしをねぎらってやろうかと思っての」

男 「はぁ。いえ、そう気を遣っていただかなくても」

大賢者 「却下じゃ」

男 「oh...」

大賢者 「拒否権はないぞ」

男 「薄々そうくるんじゃないかとは思ってました」

468 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:11:52.18 ID:SaBYvQ7A0

大賢者 「まあ、そういうわけじゃ」 ギュゥーッ

男 「それと抱きついてくるのとの関係は?」

大賢者 「ない」 キッパリ

男 「さいですか」 ムゥ

男 (それにしても、髪からすげぇいい匂いするのは何なんだ……?)

男 (さらさらして手触りもいいし、きらきらしてて綺麗だし) サワサワ

大賢者 「んっ……男?」

男 「あ、すみません」

大賢者 「……撫でてもいいんじゃぞ?」

男 「いやそれは」

大賢者 「撫でろ」

男 「はい」

469 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:12:38.56 ID:SaBYvQ7A0

男 「……」 ナデナデ

大賢者 「んん……ふ……」

男 (何故かエロい……) ナデナデ

大賢者 「はふぅ……んぁ……」 ゴロゴロ

ジョニィ < ――ッ! ――――ッ!!

男 (細い髪だなぁ、指通すと気持ち良いな) サラサラ

男 (耐え抜けジョニィ)

大賢者 「んー……おぬしの手は気持ちいいのぅ」

男 「そうですか?」

大賢者 「うむ。側近と犬が病みつきになるのもわかるの」

男 「……」

男 (遠回しに病みつきになりそうだって言いたいんだろうか)

470 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:13:21.89 ID:SaBYvQ7A0

東の使者B 「……何してるんですか真面目に」 ゼー、ハー…

男 「うわっち!? どうしたの息切らせて」

大賢者 「というかボロボロじゃの」

東の使者B 「ケンカの仲裁でブッ飛ばされたんですよ……血の気多すぎですよ」

男 「あー、まあ職人なんてそんなもんだよ」

大賢者 「それを止めるのもおぬしの仕事じゃろう?」

東の使者B 「僕本来はただの外交官なんですけどね!」

男 「嫌なら断ればよかったじゃない」

東の使者B 「そんなことを言うのはこの口ですか! この口ですかぁ!!」 グイグイグイ!!

男 「ひひゃひゃひゃひゃ! あにひゅんのしゃ!」

471 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:14:38.13 ID:SaBYvQ7A0

東の使者A 「おうコラ何してんだバカと書いてB」 シュッ

スパナ < トビマス

東の使者B 「だにゃっ!?」 ガツーン!!

東の使者B 「」 パタリコ

男 「おお、ナイス投擲」

大賢者 「スパナなぞどこから持ってきたんじゃ」

東の使者A 「わんちゃんが出してくれた」

大賢者 「犬めも大概謎じゃの……」

後輩メイド 「あんちゃん大丈夫ッス?」

男 「ちょっと頬引っ張られただけだから」

大賢者 (折角二人きりかと思ったのじゃがのぅ……)

472 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:15:25.07 ID:SaBYvQ7A0

東の使者A 「はいさっさと起きる!」 パシャアッ

東の使者B 「冷たあっ!? 冷っ! 死ぬ! 寒い!!」 ガバアッ

東の使者A 「寒いならその分動きなー。ほーれ行ってこーい」 パチーン!!

東の使者B 「あ痛ッ! くぅ……少しくらい休んだって……」 トボトボ

東の使者A 「まったくもー、甘えたなんだから」 ヤレヤレ

男 「完っ璧に保護者だな」

東の使者A 「もうちょっとしっかりしてほしいんだけどねー。本人はあれでもしっかりしてるつもりなのよね」

男 「俺よりはしっかりしてそうだけどなぁ」

東の使者A 「君は義務は果たしてるじゃない」

男 「自信はないが……ところで何か用があってきたのか?」

473 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:15:58.00 ID:SaBYvQ7A0

東の使者A 「うんにゃ、単に通りがかっただけ」

後輩メイド 「これからアンティーク通りに行くんッスよ」

男 「買い物?」

東の使者A 「そ、ちょっと色々ね。一緒に来る?」

男 「いや俺一応仕事中だから」

魔剣 『それにしては何もしていないようだが』

男 「おわっち、いたのか魔剣」

魔剣 『我輩は町娘がいる所なればどこにでもいる』

大賢者 「……風呂でもかえ?」

魔剣 『ぬ……それはさすがに離れるが』

町娘 「あははは……」

474 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:16:30.44 ID:SaBYvQ7A0

後輩メイド 「あんちゃん、ヒマなら一緒に行くッス!」

男 「そんなに暇そうに……そりゃ見えるか」

大賢者 「基本は立っておるだけじゃしの」

男 「一応全体を見てフォローやらサポートやら連絡やらしてるんだけどなぁ」

東の使者A 「ちなみにいなくなるとどうなるの?」

男 「連絡とかの遅延で作業効率が低下して、準備時間とコストが余計にかかるね」

東の使者A 「なるー。ほんなら連れ出すわけにもいかないねぃ」

後輩メイド 「うー、残念ッス」

男 「悪いな、また今度だ」

大賢者 「む……」

475 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:17:10.26 ID:SaBYvQ7A0

東の使者A 「じゃー暗くなる前に行きましょっかねー」

後輩メイド 「ウィ。あんちゃん、大賢者さん、またッス」

町娘 「失礼します」 ペコリ

魔剣 『さらばだ』

男 「ああ、後でな」

大賢者 「さっさと行け」 シッシッ

男 「……? 大賢者さん、なんか怒ってます?」

大賢者 「なんでもないわい」 プイッ

男 (拗ねながら言われてもなぁ)

男 (かえってわかりやすいというか) クスッ

大賢者 「なんじゃ! 何を笑っておる!」

男 「なんでもありませんよ」

476 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/25(日) 22:22:13.47 ID:SaBYvQ7A0
番外*東の使者A「メリークリスマス!」
>>433-444
>>452-475 ←New!

使者Aが妙に生き生きしているような……
クリスマスの話なのにクリスマスを過ぎて続いてしまうという惨状になってしまいましたが私は元気です

ではまた。
477 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 00:47:52.83 ID:mFCfWFW10

日本人はクリスマスよりも天皇誕生日祝うべきだ!
478 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 00:48:18.43 ID:mFCfWFW10

日本人はクリスマスよりも天皇誕生日祝うべきだ!
479 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 22:16:30.36 ID:QWZXh9gh0
もうこんな時期か、鏡餅と>>1を買いに行かなくちゃな
480 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 23:24:16.93 ID:b+zYI1y3o
俺は毎年神社で>>1を引くのがすげー楽しみなんだ
481 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 02:05:03.40 ID:OyNNKpSCo
新しい>>1を買ったら、前年までの>>1を札所に納めないとな
482 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/30(金) 15:21:44.50 ID:GNVGDSbI0

東の使者A 「サンタクロースはいないわけじゃん」

東の使者A 「でもさ、Bってば未だにサンタクロース信じてるのよね」

東の使者A 「もういい歳した大人なんだけど珍しいわ、ほんと」

東の使者A 「原因は私なんだけどさ」

東の使者A 「私のほうがお姉さんだからさー、ちょっと年上ぶりたかったっていうか」

東の使者A 「ずーっとちっこい頃にね? サンタのふりしてプレゼント置いてったことがあるんよ」

東の使者A 「そしたらまー、喜びようがすごくてさ」

東の使者A 「喜んでるBを見て、こう、ね?」

東の使者A 「嬉しい反面罪悪感がひしひしとさ」

東の使者A 「そこからずーっと。いやほんとにずーっと私がサンタクロースやってて」

東の使者A 「正直今までバレてないのが不思議ではあるよね」

東の使者A 「まあ、そんなわけなのよさ」

483 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/30(金) 15:22:42.37 ID:GNVGDSbI0

 そんなこんなで。


 その後もなんやかんやと色々ありながらも準備は進み、

 あっと言う間に訪れたクリスマスイブの夜のこと。


 魔王城を開放して催されたパーティーでは、大勢の人々が身分を問わずに集い、酒を酌み交わし料理を味わっている。

 ある人が弦を爪弾き始めれば、それに続いて音楽隊が太鼓を打ったり、管楽器を吹き鳴らしたり、

 そうして生まれた即興のメロディーに合わせて、貴族も労働者もなく即興のダンスを踊ったり、

 あるいは名も知らぬ他人と肩を組んで声高らかに歌を紡ぎ、気付けば誰も彼もが参加する大合唱となっていたり。

 その一方で、城下では魔王城から響くそれらの歌声と音楽をBGMに、ある人は恋人と、ある人は夫婦と、

 ガラス細工で装飾されて光を振り撒くツリーを見上げ、その星空のような美しさに心を震わせる。

 城下の大広場中央では、城まで行けない人たちのためにといくつかの屋台が出店しており、そこそこの賑わいを見せている。

 広場の中央にそびえるクリスマスツリーの天辺で、ガラスに包まれた雷魔石が星のようにキラキラと輝いていた。

484 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/30(金) 15:23:21.49 ID:GNVGDSbI0

東の使者A 「あー面白かった!」

 パーティーを抜け出して飛び出した屋上で、思い切り背筋を伸ばして声を上げる。

 眼下にはツリーを中心にして夜に浮かぶ城下町。

 広場から随分と離れてはいるが、ツリーの周りには何組ものカップルが見受けられた。

 他には大道芸人や吟遊詩人、似顔絵師など、色んな人たちが集まっているのが判る。

 そして、そこにいる人たちがみんな笑顔を浮かべていた。

 手ごたえとともに嬉しさがこみ上げてくる。

 もはやクリスマスとか関係なしのにぎわいっぷりだし、我ながらうまくやったものだ。

東の使者A 「贅沢を言えば雪が降って欲しかったかなー」

 しかしそこは天気の気まぐれ、無理を通せる道理もない。残念無念、また来年。

485 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/30(金) 15:23:52.26 ID:GNVGDSbI0

男 「お。なんだ先客がいると思ったら……」

東の使者A 「うな? どしたん男君、嫁どもは?」

男 「嫁じゃねえよ。……側近さんは間違えてシャンパン飲んで女医さんに介抱されてる。

 わんこは裏方と交代。大賢者さんは職人さんたちに混じって飲んでるよ」

東の使者A 「つまりほっとかれてるわけか、さーみしーい」 ケラケラケラ

男 「寒いのに一人で外に出てる人に言われたくはないなぁ……」

東の使者A 「やー、ちょいと酔ったしちょうどいいのさ。それに結果を見ておきたかったしねー」

男 「結果?」

東の使者A 「そ。城下のほうのね」

男 「あぁ」

486 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/30(金) 15:24:25.28 ID:GNVGDSbI0

男 「こんな寒い中でも随分賑わってるよな。やっぱりお祭り効果かな」

東の使者A 「本来のクリスマスからは程遠い有り様かもだけどもねー」

男 「いいんじゃないか? どうせまともな文献資料なんて残ってないだろうし」

東の使者A 「それもそだねぃ。ま、楽しんだモン勝ちってとこかにゃ」

男 「……というかぶっちゃけただの飲み会になってるしな、こっち」

東の使者A 「確かに」 ケラケラ

東の使者A 「正直ここの人らってさ、魔族でもうちら人間とぜーんぜん変わんないのね」

男 「そりゃあ……亜人がどうのこうのってのは、聖都の連中が言い出しただけらしいしなあ」

東の使者A 「ごめん、振っといてなんだけど難しい話は勘弁な」

男 「同感だ、とだけ言っておく」

487 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/30(金) 15:25:08.06 ID:GNVGDSbI0

男 「ま、みんな楽しんでくれてるわけだし、笑顔には人種も歳も関係ないさ」

東の使者A 「そうさねー。しかしその裏では孤独に震えるBの姿が!」

男 「あんまりいじめてやるなよ……」

東の使者A 「愛だよ、愛」 キリッ

男 「歪みすぎだ。いやむしろ歪みないのか」

東の使者A 「でも恋ではないのよ」

男 「それは知らん」

東の使者A 「つれないにゃー」

男 「お前酔ってない?」

東の使者A 「酔ってるって言わなかったっけ」

男 「……言ったな、そういや」

東の使者A 「ちゃんと聞いとけよう」

488 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/30(金) 15:25:41.38 ID:GNVGDSbI0

東の使者A 「うぃっきし!」 クシュン

男 「さすがに冷えたか」

東の使者A 「あ゙ー、ダメポ。戻るべ戻るべ」

男 「送っていこうか?」

東の使者A 「いらなーい。代わりにどこでもドア貸してちょんまげ」

男 「“どこでも”じゃあないんだけど……」

東の使者A 「男君や、うちの国にはこんな言葉があるんだぜ?」

男 「うん?」

東の使者A 「細っけえこたあいいんだよ!」 ドヤァ

男 「そこでドヤ顔になる意味がわからねえよ」

489 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/30(金) 15:26:33.95 ID:GNVGDSbI0

東の使者A 「ねえ男君」

男 「ん?」

東の使者A 「サンタクロースって、いると思う?」

男 「…………」


男 「――いるんじゃねえの?」


東の使者A 「おや、意外な答えが」

男 「(目の前にいるしな)」 ボソッ

東の使者A 「はい?」

男 「ほら、戻ろうぜ。風邪ひいちまう」

東の使者A 「釈然としないぬぅ……」

男 「細っけえことはいいんだよ」

490 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/30(金) 15:27:51.11 ID:GNVGDSbI0

−そして、翌朝−


東の使者B 「ふっふっふ……」 ニヤニヤ

東の使者A 「どしたの、朝っぱらからニヤニヤと」

東の使者B 「いやいや、やっぱり僕は“いい子”らしいなあってね」

東の使者A 「あ? あー、そう。よかったね」 ハイハイ

東の使者B 「でも今年は不思議だな」

東の使者A 「何が?」

東の使者A (何か変なことしたっけ?)

東の使者B 「何でかわかんないけど、プレゼントが三つも置いてあったんだ」

東の使者A 「ふーん……」



東の使者A 「……は?」

491 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/30(金) 15:28:28.48 ID:GNVGDSbI0

東の使者B 「何かの手違いなのかな?」

東の使者A 「? ??」

東の使者A 「ごめん、ちょっと全部見せて」

東の使者B 「うん。少し待ってて」

 タッタッタッタッ……

東の使者A (私が用意したのは一つだけ……)

東の使者A 「どうなってんの?」


東の使者B 「持ってきたよ」

東の使者A 「うん。――ん?」

東の使者A 「リボンのところに……何これメッセージカード?」

東の使者B 「あ、ほんとだ」

492 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/30(金) 15:29:03.09 ID:GNVGDSbI0

 私が用意したプレゼントの包みにはBの名前。

 あとの二つには、二つ折りのメッセージカードが挟まっていた。

 それを抜き取って開き、メッセージを読み上げる。

東の使者A 「“メリークリスマス、東の使者A ”」

東の使者A 「私?」

東の使者B 「あ、こっちは僕宛だ」

東の使者A 「……どういうこと?」

東の使者B 「うーん……もしかしてサンタクロースさんが二人きたのかな?」

東の使者B 「Aは靴下用意しなかったでしょ?」

東の使者A 「そりゃまあ……」

東の使者A (あげる側だし)

東の使者B 「だから僕のところに代わりに置いていったんじゃないかな」

493 :番外*東の使者A「メリークリスマス!」 ◆TctB4xXhw6 [saga]:2011/12/30(金) 15:29:35.80 ID:GNVGDSbI0

 無邪気という表現がぴったりな無垢な笑顔で言うB。

 こいつはやっぱり、本当にサンタクロースを信じているんだろう。

 Bから差し出されたプレゼントのひとつを受け取る。

東の使者A 「じゃあ、まあ、貰っとく」

東の使者B 「それがいいよ」

 もしかしたら、サンタクロースが私のところにこないからとか、

 そんな理由でこいつが用意したのかもしれないけれど。

東の使者B 「メリークリスマス、A」

東の使者A 「はいはい」

 もしかしたら、本当にいるかもしれないサンタクロースに、

東の使者A 「メリークリスマス!」

 感謝してみてもいいかな、なんて思った。

494 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2011/12/30(金) 15:40:31.42 ID:GNVGDSbI0
よく考えたら番外ネタをやるための2スレ目だったことを思い出した。

更新 >>482-493
クリスマスネタなのにクリスマスを派手に通り過ぎました、申し訳ない
余談ですが「どこでもドア」は男の空間接続魔術で大使館と直結しているドアがあって、それのことを言っています
何故そんなドアがあるかというと、こたつのせいです
大賢者様にバレたら折檻されると思います。

読んでくれる皆さんありがとうございました
来年もまだ続きます、ではまた

よいお年を。
495 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 15:48:30.63 ID:SvY01533o
>>1乙!
心温まるストーリー
496 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 02:25:13.98 ID:foghTPkz0
>>1乙!
・・・っと、もうこんな時間かー。そろそろ>>1を買いにいかないと在庫が切れちまう!
497 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 10:49:54.88 ID:0adAa/dSO
こたつのせいなら仕方がないな
乙!新年に備えて>>1買っといたよ!
498 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 10:14:53.96 ID:LHF27uN40
あけおめ

今年のお年玉で>>1を買うか
499 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 20:02:28.89 ID:QB4h5X2Z0
あけおめー

お年玉で買った>>1を元々あった>>1>>1したらすごくかっこよくなった
500 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 15:02:07.83 ID:vOrnQf1q0
おいお前ら!
さっきそこのスーパーで国産の霜降り>>1がたたき売りされてたぞ!
501 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 01:08:10.05 ID:Kzrsr2PDO
あけ
おめこ
とよろ
502 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/01/05(木) 00:37:52.93 ID:0BG6bopa0
俺は一体なんなんだ……!?

遅ればせながら、あけましておめでとうございます
なんだかんだでいつ更新できるのか未だに安定しない状態です、面目ない
新年一発目は早くても日曜の夜だと思います
ゆるりとお待ちいただければ幸いです。では後ほど。
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/06(金) 07:51:23.21 ID:D3X7fB0Ko
日曜夜だと?
地元の祭りだ・・・orz

楽しみにしながら舞ってくる
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 18:53:36.01 ID:kRuOOMu4o
魔王はやくきてくれええええええ
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 22:16:34.41 ID:Q5slixzSO
前スレから…やっと追い付いたッ!!
相変わらずの>>1の扱いにワロタwwwwww
個人的には町娘と魔剣の組み合わせがすごく気に入った
面白いぜ応援してる!
506 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/01/09(月) 02:15:41.05 ID:WfKAYg+m0

−とある浜辺−


 ザザーン……

剣士 「……」

旅人 「……」


剣士 「……夜、明けましたね」

旅人 「……そうだね」

剣士 「……」

旅人 「……」

剣士 「……年も、明けましたね」

旅人 「……そうだね」

507 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/01/09(月) 02:16:27.13 ID:WfKAYg+m0

 ザザーン……

腹の虫 < ぐ〜ぎゅるるるるる......

剣士 「……」

旅人 「……」

剣士 「……おなか、すきましたね」

旅人 「……そうだね」

剣士 「……ノーム君、戻ってきませんね」

旅人 「……そうだね」

 ザザーン……


 ザザーン……

508 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/01/09(月) 02:17:10.80 ID:WfKAYg+m0

旅人 「…………。まさか、三人全員方向オンチだったとは」

剣士 「あはは……すみません」

旅人 「いや君のせいじゃないんだけどね」

旅人 「そもそもひと月前に地図とコンパスを魔物に壊されたのは僕なわけだし」

剣士 「いえ、でもそこは自分が守りきれなかったせいで……」

旅人 「それを言ったら、今の実力を見誤ってた僕の問題でもあるんだけど」

旅人 「まさか筋肉だけじゃなく魔力までガタ落ちしてるとは思わなくてさー……」 ハァ...

剣士 「えぁ、えと、あのっ、呪いのせいなら仕方ない、んじゃないかと」 アセアセ

剣士 「あ! それに治癒系の魔法はちゃんと使えてるじゃないですか! だったら大丈夫ですよ!」 ワタワタ

509 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/01/09(月) 02:18:03.33 ID:WfKAYg+m0

旅人 「ふふふ……無理な慰めはいらんのですよ……」 ドヨーン

旅人 「元々筋肉のない僕なんて釣り針のない釣り竿みたいなもんなのさー……。

 魔力がなくったってそこから釣り糸もなくなったとかその程度なのさー……」 ドヨンド

剣士 「くっ、空気が暗い!」

剣士 「あああ……どうフォローすれば……」 オロオロ

ノーム 「うざい」 ゲシッ

旅人 「あふん!」

剣士 「ちょっ!?」

ノーム 「気に する な。これ バカ だから」 ゲシッゲシッゲシッ

旅人 「ちょっ、おっ、まっ!」 ゴスッガスッゲスッ

剣士 「踏みすぎです踏みすぎですめり込んでます!!」

510 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/01/09(月) 02:18:57.56 ID:WfKAYg+m0

旅人 「肉体強度だけは高めで良かったよ」 スナマミレ

ノーム 「次 こそ 埋める」

剣士 「埋める気だったんですか!?」

旅人 「できれば骨は故郷の丘に……」

剣士 「それ死んでるじゃないですかダメですよ諦めたら!」

旅人 「いや諦めって」

ノーム 「ツッコミ どころ が おかしい」

剣士 「え、なんですかこの突然のアウェイ感」

旅人 「それはそうと食べられそうな魚獲れた?」

ノーム 「大 漁」 ドヤッ

剣士 「何か言って下さいよっ!」

511 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/01/09(月) 02:19:33.90 ID:WfKAYg+m0

旅人 「悪いね、僕カナヅチだからさ」

ノーム 「素潜り は 昔 取った 杵柄」 キリッ

剣士 「あ、ノーム君可愛い」

ノーム 「?!」 ガーン!!

旅人 「剣士さんや、声に出てますですよ」

剣士 「はっ!?」

旅人 「まあ珍しくショック受けてるノーム君が見れたから良し」

ノーム 「」

剣士 「固まってますけど……」

旅人 「魚さばいちゃおうか」

剣士 「せめて会話をして下さい」

512 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/01/09(月) 02:20:36.88 ID:WfKAYg+m0

旅人 「火をおこす程度の魔法ー」 キュィィン

 ボッ

薪 < アッヅゥ!!?
火 < ジョウネツヲ…モテアマス…

剣士 「血抜きしてウロコをはいで内臓抜いて串に刺して……でいいんですよね」 テガフルエル...

魚 < オイ、ヒトオモイニタノムゼ...?

旅人 「……代わろうか?」

剣士 「すみません、お願いします」 シンゾウニワルイ...

旅人 「魔物はザクザク斬ってくのにねー」

剣士 「だって、あれは殺さないと殺されるじゃないですか」

旅人 「いやまあ魚だって殺して食べなきゃ死ぬから結果一緒だけど……」

513 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/01/09(月) 02:22:00.32 ID:WfKAYg+m0

旅人 「というか、最初会った時釣りしてたんだよね? どうする気だったの?」

剣士 「そこはあのー、なんと言いましょうか。その、何事も経験、かと」

ノーム 「目 が 泳ぐ してる」

剣士 「ひょわっ!?」

旅人 「あ、起きた」

ノーム 「塩」 スッ

岩塩 < キラッ☆

旅人 「おお、天然物」

剣士 「うわ、すごい結晶ですね。そんなの初めて見ました」

ノーム 「むこう に まだ ある」

旅人 「なるほど。じゃあ食後にいくらか採っていこうか」

剣士 「はい」

514 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/01/09(月) 02:22:45.75 ID:WfKAYg+m0

旅人 「これからどうしようか」

ノーム 「モグモグ……」

剣士 「海沿いなら、もしかしたら猟師町か港町にぶつかるかもしれませんね」

旅人 「港かー。港ならもっといい魚も手に入るかな」

ノーム 「モグモグモグ……」

剣士 「でも、東のほうでは最近海の魔物が増えてきたらしくて、漁獲量が減ってきているそうですよ」

旅人 「ありゃ、そうなの?」

剣士 「はい。船が襲われることも多いみたいで、商団に有志を募って討伐隊を組んだそうですが」

ノーム 「モグモグモグモグ……」

剣士 「漁獲量を増やせても討伐隊への出資とつりあわなくて、結局止めてしまったんだそうです」

旅人 「あらら」

515 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/01/09(月) 02:23:40.15 ID:WfKAYg+m0

旅人 「ところで東ってどっちだっけ」

剣士 「ええと……地図で北を前方向に見たとき右側が東、逆が西、自分側が南で……あれ?」

旅人 「何その回りくどい覚え方」

剣士 「すみません、太陽ってどっちから昇るんでしたっけ」

旅人 「あー」

旅人 「えーっと……」

剣士 「…………」

ノーム 「モグモグモグ……」

旅人 「…………。ノーム君、どっち?」

ノーム 「東」

剣士 「おお」 ポンッ

516 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/01/09(月) 02:24:35.24 ID:WfKAYg+m0


 ・ ・ ・


旅人 「武器よーし。寝具よーし。塩よーし」

旅人 「みんな忘れ物はないよね?」

剣士 「はい」

ノーム 「ばっち」

旅人 「それじゃ、東に向かってレッツゴー!」

剣士 「おーっ!」
ノーム 「おー」


旅人 「あわよくば馬車が欲しいなー、遠回りだし」

剣士 「それは着いてから考えましょうよ」

旅人 「町を出る頃には忘れてる気がする」

ノーム 「精霊」

旅人 「ああ、それも探さなきゃだね」

517 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/01/09(月) 02:25:41.28 ID:WfKAYg+m0

旅人 「っていうかノーム君さ、居場所知らないなら最初に言ってほしかったんだけど……」

ノーム 「うっかり」

剣士 「そういえば、御二人は何故精霊を探しているんですか?」

旅人 「大人の情事です」

剣士 「じょっ!?」

旅人 「あ、間違えた。事情ね事情」

剣士 「は、はぁ……」

旅人 「まぁ理由の一つは僕の呪いだよね」

旅人 (嘘だけど)


旅人 「あとは、まあ――」


 腰に下げた妖刀に手をやり、空を仰ぐ。


518 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/01/09(月) 02:26:37.40 ID:WfKAYg+m0





「――不条理への抵抗、かな」





519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 02:33:41.25 ID:LiJqqasco
乙!
愛しの旅人がついに
520 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/01/09(月) 02:39:53.92 ID:WfKAYg+m0
更新 >>506-518
久々の魔王(=旅人)でした。

昼頃に力尽きたと思ったら時計が半回転していた時の重い絶望感
待ってくれてる皆さんありがとうございます、遅くて申し訳ない

>>505
小ネタ的にあの2人視点で城下を歩く話を書きたいんだ
ただ、時間が足りないんだ……

書きたいことが多いのってある意味贅沢な悩みなのかな、とか思う>>1でした
ではまた。
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 02:46:28.23 ID:SnZbiGCso

久しぶりすぎて誰だか忘れてしまっていた
522 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/01/09(月) 03:01:32.89 ID:WfKAYg+m0
一応、魔王サイドのアンカー一覧を

魔王「落ちた」ノーム「拾った」剣士「釣りました」
>>81
>>83
>>192-206
>>212-222
>>506-518

間が開きすぎでしたな……気を付けます。
523 :わんこ ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/01/09(月) 10:22:35.82 ID:O7ue6xpAO
『あんちゃん』クルン
『ほいさ』ペタン
『あんちゃん』クルン
『はいさ』ペタン
『あんちゃん』クルン
『よいさ』ペタン
『もういいっす?』
『そうだな』

『おしょうがつはもちつきっすねー』
『結構腰に来るけどな』
『しょーゆのりまき』
『きなこ』
『おぞーに』
『お汁粉』
『あんちゃん、あまいのばっかっすね』
『普通は逆だよなぁ……』
『でもじぶんはあまいのにがてっすよ』
『いいんじゃないか? 俺は醤油海苔巻きも雑煮も好きだぞ』
524 :【はねつき】 ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/01/09(月) 21:23:56.96 ID:O7ue6xpAO

東の使者A 「そおい!」 カンッ

< アンチャーン!

側近 「わわわ、ていっ」 コンッ

< ワンコー!

東の使者A 「甘い甘い甘い!」 カンッ

< アンチャーン!

側近 「くぅ、えいっ」 コンッ

< ワンコー!

東の使者A 「もらったぁ!」 カン!

< アンチャーン!

側近 「わあっ!」 スカッ

< ワンコー!

525 :【はねつき】 ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/01/09(月) 21:26:02.19 ID:O7ue6xpAO

東の使者A 「ふふふふふ、羽子板マスターと呼ばれた拙者に勝てるのは三丁目の遠藤さんくらいでござるよ!」 ドヤァ

< アンチャーン!

側近 「もおぉ……少しは加減して下さいよぉ」

< ワンコー!

東の使者A 「お断りします。さあて次は何を書こうかしらん」

< アンチャーン!

側近 「うぅ……お手柔らかにお願いします……」

< ワンコー!

東の使者A 「無☆理」

<アンチャーン!

<ワンコー!

526 :【はねつき】 ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/01/09(月) 21:27:53.47 ID:O7ue6xpAO

東の使者A 「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ! こりゃひっどいわ!」 ケタケタケタ

側近 「」 ←カイゼル髭+猫髭+一本眉

メイド パシャパシャパシャ!!

側近 「ちょっ! 撮らないで下さい! 撮らないで下さい!」

メイド 「ダメです! 側近様のいかなる姿もアルバムに残します!」

側近 「やめてぇーっ!」

東の使者A 「焼き増しヨロピコ☆」

側近 「いやあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

527 :【はねつき】 ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/01/09(月) 21:28:51.62 ID:O7ue6xpAO

大賢者 「新年早々賑やかじゃのう」 ズズ...

大賢者 ほふぅ

大賢者 「それにしても……」


<アンチャーン!

<ワンコー!

<アンチャーン!

<ワンコー!


大賢者 「……こっちはいつまで続くんじゃ」


 ラリー開始から二時間経過

528 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/01/09(月) 21:30:56.63 ID:O7ue6xpAO
あ……携帯で詰めて書いてたらスペース直すの忘れた……
まあいいか
529 :わんこ ◆TctB4xXhw6 :2012/01/12(木) 10:31:43.02 ID:b2MZNcrAO
『あんちゃん! あんちゃん!』
『どうしたわんこ』
『ゆきっす! ゆきっす!』
『お? おお、道理で寒いわけだ』
『つもるっすかねー』
『そうだな、積もるといいな』
『はやくたべたいっす』
『食うな』
530 :わんこ ◆TctB4xXhw6 :2012/01/12(木) 10:32:24.91 ID:b2MZNcrAO
『あんちゃん! あーんーちゃーん!』
『どうしたわんこ』
『ゆきっす! つもったっす!』
『お。おお……すっかり銀世界だな』
『きんめだいっす?』
『違う』
『ひやっこくておいしいっす』
『雪食うなっての』
531 : ?  ◆TctB4xXhw6 :2012/01/12(木) 10:33:06.01 ID:b2MZNcrAO
『……また来たんですか』
『暇だし』
『寒くないんですか?』
『寒いよ』
『なら村で大人しくしてればいいじゃないですか』
『やることないんだよ』
『暇人ですね』
『暇人ですよ』
532 : ?  ◆TctB4xXhw6 :2012/01/12(木) 10:33:38.54 ID:b2MZNcrAO
『……また来たんですか』
『かまくら作ろう』
『嫌です』
『じゃあ雪合戦は?』
『嫌です』
『じゃあ何する?』
『帰って下さい』
『嫌です』
533 : ?  ◆TctB4xXhw6 :2012/01/12(木) 12:03:42.86 ID:b2MZNcrAO
『……はぁ』
『諦めたか』
『今度は何ですか?』
『何で外に出ないんだ?』
『寒いじゃないですか』
『寒いよ』
『じゃあ帰って下さい』
『寒いじゃないですか』
534 : ?  ◆TctB4xXhw6 :2012/01/14(土) 15:14:00.42 ID:nzX8ndWAO

『……何なんですかもう』
『何だかんだと聞かれたら』
『……』
『……』
『……?』
『わかんないか』
『何なんですか……』
『さあてね』
535 : ?  ◆TctB4xXhw6 :2012/01/14(土) 15:15:12.52 ID:nzX8ndWAO

『よ』
『またですか』
『そう言いつつ鍵は閉めないんだな』
『……外、寒いじゃないですか』
『来てもいいってこと?』
『……知りません』
『閉めてても開けて入るけど』
『不法侵入で訴えますよ』
536 : ?  ◆TctB4xXhw6 :2012/01/14(土) 15:16:05.38 ID:nzX8ndWAO

『ウノしない?』
『しません』
『毎日本ばかり読んでて飽きないのか?』
『毎日私の部屋を訪ねてきて飽きないんですか?』
『俺は飽きないな』
『私も飽きません』
『一緒だな』
『全然違います』
537 : ?  ◆TctB4xXhw6 :2012/01/14(土) 15:17:02.50 ID:nzX8ndWAO

『トランプ遊びをしよう』
『じゃあルールを教えて下さい』
『おお……』
『? なんですか』
『いや珍しく乗り気だなと』
『やっぱり読書します』
『じゃあその隣で独り七並べをしよう』
『わかりましたやりますからそれは止めて下さい。――ちょっと何ニヤニヤしてるんですか!』
538 : ?  ◆TctB4xXhw6 :2012/01/14(土) 15:18:03.06 ID:nzX8ndWAO

『トランプタワー五段』
『十段です』
『すげぇ』
『意外に行けますよ?』
『よしリトライ』
『もう日が暮れちゃいますけど』
『よし、泊めて』
『帰って下さい』
539 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/01/14(土) 15:23:06.10 ID:nzX8ndWAO
Q.[ ? ] は誰と誰でしょう。


本編は進まないのに小ネタばかり溜まっていく問題発生中
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/14(土) 17:04:41.78 ID:AY8eICd5o
寒い日にじっくりコトコト煮込んだ>>1に決まってる
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/15(日) 18:45:42.34 ID:sgmsCXzAo
馬鹿野郎
俺と>>1に決まってるじゃないか
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/15(日) 22:08:37.65 ID:1drc23B+0
>>514
その中に俺も入ってるはず
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/16(月) 00:41:42.92 ID:ipqgyHJp0
誰かわからないがどちらかに魔王が入ってたら俺は>>1を掘る
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/17(火) 23:26:11.79 ID:9UEACxGD0
>>542
誤爆った。>>541だった
545 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/01/22(日) 23:47:20.98 ID:oMDyuqnd0
うん、そう返されると思ってた!思ってた!! でも一つだけ言わせて?
>>543
勘弁してください(土下座)

【謝罪と連絡】
待ってくれてる方、更新が停止していて申し訳ないです。
自分なりに考えたのですが、今のまま書いていくとスレの内容が[男サイド][魔王サイド][番外編]の三つが入り混じった状態が続いてかなり読みづらいかと思うので、後ほどスレを最大三分割してみようかと思います。
その際は初見の方でも読み易いように一定の配慮をするつもりです。
今は私事情で時間がありませんが、スレ建ての際はこちらに報告させていただきます。
ちなみに、このスレは番外編メインのゆる?いスレになる予定です。もうなってますが。
そんなわけで、飽きるまででも構いません、今後もよろしくお願いします。
では後ほど。
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 23:51:47.21 ID:x/rE4lCEo
待ってる
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 01:48:43.86 ID:/lA3LngYo
完結してくれるのならいつまでも舞ってる
548 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/01/29(日) 15:24:10.60 ID:hfAY/yRAO

大臣 「」 死ーん

兵士長 「せっ」
 お湯ばっしゃあぁぁぁぁぁ!

大臣 「ぅ゙あ゙熱い゙ィィッ! ――はっ、ここはどこ!? 私は誰?!」

兵士長 「ここは執務室で君は大臣君だね」

 確認完了。

大臣 「あぁぁ……意識が飛んでしまった……」

兵士長 「寝てないしねぇ、人差し指が三本に見えるよ」

大臣 「っていうかお湯が冷えてきて冷たい。目は覚めるけど冷たい、死にそう」

兵士長 「着替えてくればいいのに」

大臣 「そもそもお湯をかけないで欲しかったんですがね!」

兵士長 「残り少ない髪が張り付いてオッシャレーぇ!」

大臣 「給料減らしてやろうか」

兵士長 「ごめんなさい」

549 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/01/29(日) 15:29:41.32 ID:hfAY/yRAO

大臣 「書類が無事でよかった……」

兵士長 「床はびったびただけどね」

大臣 「お前のせいだよお前の! ……ぐぅ、胃がっ」

騎士A 「はい薬です」

大臣 「どうも」

騎士A 「いえいえ」

兵士長 「今更言うのもなんだけどさー」

大臣 「?」

兵士長 「魔王城ってブラック企業だよね」

騎士A 「あー」

550 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/01/29(日) 15:35:05.43 ID:hfAY/yRAO

大臣 「ソンナコトナイヨ?」

騎士A 「大臣さんしっかりして、カタコトになってます」

大臣 「トッテモタノシイショクバダヨ?」

兵士長 「目が死んでるぞー」

大臣 「つーかやんなきゃ終わんねんだよ! 社畜? アホか! やんなきゃ終わんねんだよ!!」

騎士A 「大事なことなので二回言いました」

兵士長 「まあその通りだしね。続きしようか」

騎士A 「はい」

大臣 「でもこれだけは言いたい! 家族サービスくらいさせろこんちくしょおぉぉぉぉぉぉ!!」


 大臣、妻と娘と別居中。

551 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/01/29(日) 22:37:20.52 ID:hfAY/yRAO
いかん、ついsageていたことに今気付いた
小ネタで失礼。
未投下の正月ネタがあるのに既に月末という事実に驚嘆せざるをえない。時間が一瞬で……

それはそうとオッサン書くと落ち着く
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/29(日) 23:25:28.04 ID:RsCNbjbAo
ブラックならしょうがないよな
乙!
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/07(火) 23:49:38.93 ID:gVi4aDt10
早くするだァァァーーーー。
554 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/20(月) 22:43:06.30 ID:zkPcAZuAO
仕事に追われたり余所に浮気したり展開考え込みすぎて煮詰まったりしてる間に3週間も過ぎていた……だと……
待ってくれてる方、心の底からごめんなさいorz

今からしばらく小ネタ行きます。1日5レス区切り
555 :ある日の誰かと誰か ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/20(月) 22:45:05.75 ID:zkPcAZuAO

『……また来たんですか』

『君が! 部屋から出るまで!』

『出たら止めるんですか?』

『止める気はないけどな』

『面倒くさい人ですね』

『そう言われたのは初めてだ』

556 :ある日の誰かと誰か ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/20(月) 22:46:11.95 ID:zkPcAZuAO

『お帰りはあちらです、お疲れ様でした』

『今来たばかりだぞ俺』

『今日中にこの本を読み終えたいんです、邪魔しないで下さい』

『辞書並みにぶ厚いように見えるんだけど』

『普通じゃないですか?』

『それを普通と言えるのは素直にすごいと思う』

『褒めたってお茶しか出ませんよ?』

『出すんかい』

557 :ある日の誰かと誰か ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/20(月) 22:46:41.13 ID:zkPcAZuAO

『……』ペラ...

『……』ボケー...

『……』ペラ...

『……』ボケー...

『……』ペラ...

『……』ボケー...

『……』ペラ...

『……』ボケー...

558 :ある日の誰かと誰か ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/20(月) 22:47:07.76 ID:zkPcAZuAO

『ウノがやりたい』

『独りでどうぞ』

『やっていいのか?』

『……やっぱり怖いのでやめてください』

559 :ある日の誰かと誰か ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/20(月) 22:47:51.89 ID:zkPcAZuAO

『今日もですか』

『当然』

『……なんでそんなに私に構うんですか』

『似てるから』

『……? 誰にですか? 何にですか』

『それは秘密だ』

『言えないんですか』

『さあてね』

560 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/21(火) 21:16:07.46 ID:49luYupAO

『ん、寒……』

『あ……吹雪……』

『……薪、足りるかな』

『……今日も来るのかな』

『……来たら、泊めてあげようかな』

『…………寒いなぁ』

561 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/21(火) 21:16:36.16 ID:49luYupAO

『よ』

『今日は遅かったですね』

『お、待ってた?』

『あ、いや。別に……』

『色々持ってきたんだけど』

『またゲームですか』

『将棋にチェスにオセロにジェンガに人生ゲームに双六に花札に』

『ちょっ、いくつあるんですか!?』

『そしてウノ!』

『またですかウノ!』

562 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/21(火) 21:17:07.65 ID:49luYupAO

『王手』

『甘い、王手お返し』

『む、むむむ……』

『まだひっくり返せるよ』

『ひっくり……』

『待て、盤を掴むな』

『冗談です』

『目がマジだったぞオイ』

563 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/21(火) 21:17:47.59 ID:49luYupAO

『コーヒー?』

『……ミルクで』

『ですよね』

『む。なんですかその言い方』

『年相応なほうが可愛いと思うぞ』

『……別に私は』

『蜂蜜入れる?』

『そこまで子供じゃないですっ』

564 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/21(火) 21:18:24.13 ID:49luYupAO

『寒い』

『よく毎日来られますね』

『実は昨日は遭難しかけた』

『猛吹雪でしたね。しかもその中を往復するなんて、バカなんですか?』

『否定はしない。でも泊まるわけにもいかないだろ』

『……一言言えば』

『ん?』

『なんでもないです。それより何します?』

『ウノで』

『推しますねウノ!』

565 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/22(水) 21:34:57.23 ID:BcTMcQ9AO

『チェックメイトです』

『やるな』

『勉強しましたから』

『もう一戦するか』

『もう二十戦目ですよ』

『じゃあウノしよう』

『休みませんか?』

『とうとうスルーされたか』

566 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/22(水) 21:35:28.48 ID:BcTMcQ9AO

『ミルク?』

『コーヒーで』

『飲めるの?』

『お砂糖があれば』

『ふむ。いくつ入れる?』

『五個ほど』

『大人しくミルクにしなさい』

『いいじゃないですか別に』

567 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/22(水) 21:36:11.26 ID:BcTMcQ9AO

『コーヒー牛乳』

『カフェオレじゃないですか?』

『正直違いがあまりわからん』

『コーヒー牛乳はもっと甘い気がします』

『ああ、カフェオレは苦いかな』

『私はコーヒー牛乳のほうが……』

『子供舌め』

『子供ですので』

『この娘開き直りよった』

568 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/22(水) 21:36:51.61 ID:BcTMcQ9AO

『外に』

『出ません』

『引きこもりか』

『なんとでもどうぞ』

『太るぞ』

『』ビクッ

『太るぞ』

『二回言わないで下さい!』

569 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/22(水) 21:37:55.10 ID:BcTMcQ9AO

『寒い……』

『なら運動がてら雪合戦でもするか』

『部屋に戻ります』

『せっかく出てきたのに』

『せめて晴れた日に誘って下さいよ』

『冬場はずっと曇りだろ』

『じゃあ春になったら起こして下さい』

『冬眠すんな』

570 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/23(木) 21:19:24.66 ID:L4aTIMtAO

『来ない……』

『暇……』

『本、読もうかな……』

『……』

『つまんない……』

『……』

『なにかあったのかな……』

『……』

571 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/23(木) 21:21:03.57 ID:L4aTIMtAO

『よ』

『遅いですよ何してたんですか』

『ちょっと買い物を』

『あ、コート……』

『それと手袋に耳当てにマフラーに』

『わざわざ買ってきたんですか』

『カイロにカイロにカイロにカイロに』

『ちょっ! カイロ多いですよ!?』

『そしてウノ!』

『何故そこでウノ!?』

572 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/23(木) 21:23:37.10 ID:L4aTIMtAO

『やっぱり寒いです』

『でも昨日よりはマシだろ』

『まぁ』

『晴れればいいんだけどなあ』

『めったに晴れませんよ』

『夜に星も見えないし』

『星ですか……ちゃんと見たことないです』

『なんだ、せっかく山間に住んでるってのにもったいないな』

『あまり外に出ないですから』

『じゃあ今度見てみろよ。正直ちょっとビビるぞ』
573 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/23(木) 21:24:55.03 ID:L4aTIMtAO

『……一緒に、とか言うのかと』

『いや、俺春には帰るし』

『え』

『あ、今ちょっと残念だった?』

『……別に』

『と言っても、こっちも都合があるからな。よそに長居は出来ないし』

『……。じゃあ、また来ますか?』

『どうだろうなぁそれは。確約はできないぞ』

『……』

『あ、雪』

『え、あ……』

『戻ろうか』

574 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/23(木) 21:26:54.39 ID:L4aTIMtAO

『……もしまた来たら』

『うん?』

『してあげてもいいですよ、ウノ』

『お、よし』

『ただし二人でじゃなくて、もっとたくさんでやりましょう』

『いいね』

『だから、それまでおあずけです』

『ああ。じゃあ今日は何するか』

『ジェンガとかどうですか?』

『いいね』

575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/23(木) 22:25:05.24 ID:Z/QShhwwo
バックギャモンなんかいいね
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/02/23(木) 23:50:24.84 ID:kp4OUKOAO
本編はまだかな
577 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/24(金) 21:46:51.36 ID:X00P8/KAO

『予想はしてた』

『そちらの番ですよ』

『いや無理だろ……』

『まだ倍くらいまでいけますよ?』

『斜めにブロック積んでる時点でおかしいって』

『えっ、普通違うんですか?』

『何故それを普通と思ったのか』

『だって安定しますし』

『しねえよ』

578 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/24(金) 21:47:28.19 ID:X00P8/KAO

『また来ない……』

『まだかな……』

『来ないのかな……』

『そうだ、コーヒー』

『たまにはブラックで』

『……』

『にがっ』

『まだかなぁ……』

579 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/24(金) 21:48:08.20 ID:X00P8/KAO

『...zzZ』スヤスヤ

『寝てらっしゃる』

『あ、コーヒー飲みかけだ』

『冷めてるな』

『……』

『甘っ!』

『入れ直すか』

『……寝顔初めて見たな』

580 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/24(金) 21:48:45.17 ID:X00P8/KAO

『ん……』モゾ...

『お』

『ふゃ……ぅん……』クァ...

『起きた?』

『…………ぅぃ』ボー...

『……』

『……』

『……?』

『………………………くぅ』スピー

『寝んのかい』

581 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/24(金) 21:50:06.65 ID:X00P8/KAO

『日が暮れてしまった』

『...zzZ』スヤスヤ

『……』ナデナデ

『んん……ふへへ』ンー...

『なんか猫っぽいな』ナデナデ

『...zzZ』スヤスヤ

『どうしようかな』

『服の裾つかまれちまった』

『…………ぱなき』ボソッ

『!?』

582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/24(金) 23:13:39.75 ID:oiduOfO4P
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [sage]:2012/02/25(土) 10:16:34.60 ID:8jttGUL+o
話し進んでなさすぎだろ・・・
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/02/25(土) 11:28:52.33 ID:Tw4l2wSGo
これはこれで好きだけどなあ
585 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/25(土) 20:12:05.31 ID:88hHP9IAO

『……夜ですね』

『はい』

『すみません、寝てしまって』

『いいよ。待っててくれたんだろ?』

『あ、それは、あの……』ワタワタ

『……』ナデナデ

『ふあっ? な、なんで撫でるんですか?』

『なんとなく』

586 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/25(土) 20:13:00.67 ID:88hHP9IAO

『最初は嫌がってたのになあ』

『言っても帰らなかったじゃないですか』

『もし退いたら親父さんに喰われるところだった』

『……初耳なんですけど』

『義父がドラゴンとか贅沢すぎる。半分くれ』

『意味が分かりませんよ?!』

『冗談だ。二割だが』

『八割本気なんですか!?』

587 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/25(土) 20:13:34.70 ID:88hHP9IAO

『嘘です』

『はり倒しますよ』

『雑談しよう』

『会話をして下さい』

『言葉のキャッチボールか、俺豪速球だけどいい?』

『受けきれなかったら避けます』

『人はそれをスルーと呼ぶ』

『受けてほしいならそれなりに投げて下さいよ……』

588 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/25(土) 20:14:26.89 ID:88hHP9IAO

『それにしても寒い』

『寒いですね』

『寒すぎてウサギも凍りました』

『ええっ!?』

『はい雪ウサギ』

『あ、あ、わ! 早く暖めないと!』

『いやこれ雪だってば』

『わああああ!? 融けた! 融けちゃいました!!』

589 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/25(土) 20:15:04.76 ID:88hHP9IAO

『おーい』

『むー……』

『ごめんって』

『むー……』プクー

『てい』ホッペプニ

『ぷぅ』

『ふっ』

『がぶ』ガブリ

『あだぁ!?』

590 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/25(土) 20:16:58.76 ID:88hHP9IAO

 ―――
 ――
 ―

男 「ということがあったんだよ」

東の使者B 「なんでそれを僕に話すんですか」


男 「いやぁ、せっかく思い出したから誰かに話したくて」

東の使者B 「つまり理由はないんですね……」

男 「暇そうなやつがお前しかいないってのもある」

東の使者B 「否定できない自分が悲しい……」

591 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/25(土) 20:18:07.00 ID:88hHP9IAO

東の使者B 「それで、その子とはどうなったんですか?」

男 「どうもこうも」


側近 「男さ――あ、お話中でした?」

男 「んや、今はまったりしてるとこ」

側近 「そうですか。じゃあ私もご一緒していいですか?」

男 「いいよ、おいで」

側近 「はいっ」

東の使者B (……当たり前のように抱っことか)

男 「こんなかんじだ」

東の使者B 「はい?」

側近 「? なんですか?」

592 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/25(土) 20:19:49.86 ID:88hHP9IAO

男 「使者Bが死ぬほど鈍いって話」

側近 「はぁ」

東の使者B 「いやそんな話してなかったですけど!?」

東の使者A 「おーう何だまた来たん? 二人とも」

男 「ようA。Bのやつ鈍いよな」

東の使者A 「ああ鈍いね。察しが悪いとも言うね」

男 「困ったもんだ全く」

東の使者B 「なんでいきなり罵倒されなきゃならないんですか意味がわかりませんよ?!」

593 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/25(土) 20:21:13.68 ID:88hHP9IAO

後輩メイド 「あんちゃんウノ持ってきたッス!」

男 「ご苦労。さあこたつに入るがいい」

後輩メイド 「あ、そーちゃん抱っこいいなぁ……」

側近 「譲りませんよ?」

後輩メイド 「おおう、そーちゃんが反抗的ッス」

男 「なんで嬉しそうなんだお前……」

東の使者A 「つか君らウノしに来たのかい?」

男 「約束したからな」

側近 「? 約束?」

男 「気にするな。わんこカード配ってくれ」

後輩メイド 「おまかせあれッス!」

594 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/02/25(土) 20:22:23.98 ID:88hHP9IAO

東の使者B (……約束? ……ウノ…………)


東の使者B 「………………」


東の使者B 「…………あー」

男 「今気付いたのかお前」

595 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/02/25(土) 20:26:11.20 ID:88hHP9IAO
オチのしょうもなさはいつものこと。

仕事が落ち着いてきたらしいのでそろそろ頑張れると思いますの
ただ最初期ほどペースは上がらないと思う、すまない

さあて、何から書こうかな……。
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/02/27(月) 13:16:08.28 ID:J4LE7Dp/0
・・・隊長
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 02:24:08.23 ID:pD5RHqmDO
磯野ー ウノしようぜー!
598 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/02(金) 12:40:19.32 ID:XmUp7eFAO

『改めて言うけど』

『はい』

『寒い』

『お布団最高です』

『最初座敷童かと』

『座敷童はこんなじゃないです』

『鞠でもついてみる?』

『どこから出したんですかそれ』

599 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/02(金) 12:40:53.37 ID:XmUp7eFAO

『ジェンガのブロックをさ』

『はい』

『どこまで縦積みできるかな』

『……』


『天井に届いた、だと……』

『なんだかつっかえ棒みたいですね』

『ここは俺に任せて先に行け?』

『絶対折れると思います』

600 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/02(金) 12:41:28.31 ID:XmUp7eFAO

『風呂に入るときよりもさ』

『はい』

『風呂を出る瞬間のほうが寒い』

『あー』

『温まり足りないのかと思って長湯したんだよ』

『オチが見えました』

『案の定……』

『のぼせないように気を付けましょう』

601 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/02(金) 12:41:59.65 ID:XmUp7eFAO

『前にいた村でさ』

『はい』

『雪が降るたび食べる子がいたんだよ』

『普通じゃないですか?』

『えっ』

『えっ』

『なにそれこわい』

『……言いたいだけですよね、それ』

602 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/02(金) 12:42:36.28 ID:XmUp7eFAO

『オセロってさ』

『はい』

『別に先手が有利なわけじゃないよな』

『置く場所が決まってますからね』

『四ヶ所あるように見えるけど』

『実質二ヶ所ですね』

『つまり勝負は中盤以降だ、頑張れ』

『こうも真っ白だと逆転できる気がしませんけど……』

603 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/02(金) 12:44:27.38 ID:XmUp7eFAO
上司 「仕事余裕出るって言ったが、すまんありゃウソだった」

俺 「」


そんなわけでまだ小ネタが続きます……
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/02(金) 17:43:34.10 ID:sY+qcEi+o
上司ェ
605 :側近さん幼少期 ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/04(日) 10:29:06.91 ID:M2FhLZGAO

『その本面白いの?』

『読みますか?』

『たまにはいいか』

『ちなみに全十三巻です』

『……一冊二千頁はあるように見えますが』

『三日あれば読めますよ』

『ははぁん、さては寝てないな?』

『どうしてわかったんですか?』

606 :側近さん幼少期 ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/04(日) 10:29:34.08 ID:M2FhLZGAO

『色のない紅茶貰った』

『それは白湯なのでは』

『でも味と匂いはあるんだよ』

『なんだか不完全燃焼な感じがしますね』

『謎の恐怖を感じる』

『あぁ……』

『でも冷静に考えると色付きもそれはそれで』

『謎の恐怖を拡散しないで下さい』

607 :側近さん幼少期 ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/04(日) 10:30:05.97 ID:M2FhLZGAO

『シュークリームを入手しt』

『ください』

『土下座!?』

『くれるまでこのままです』

『あげるから普通にしてお願い』

『冗談です』

『してやられた気分だ』

『ふふふっ』

608 :側近さん幼少期 ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/04(日) 10:30:34.32 ID:M2FhLZGAO

『エクレア』

『稲妻でしたっけ』

『どこを見て稲妻なんだろ』

『そういえば稲妻って』

『うん』

『普通なら いなづま ですよね』

『……あー』

『でもイナズマって書くんですよね、調べたら』

609 :側近さん幼少期 ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/04(日) 10:31:06.99 ID:M2FhLZGAO

『オレオでオセロの代用をしようとしたんだ』

『既にオチが見えてるんですけど』

『クッキーを片方はがして使ったんだ』

『予想以上にダメなオチでした』

『案の定……』

『わかってるなら止めましょうよ……』

『なお、オレオはその後スタッフがおいしくいただきました』

『誰ですかスタッフって』

610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/04(日) 17:10:47.86 ID:s8zY2NyI0
突込みが冷静だなぁ
ボケは・・・
シュークリーム回の側近さんは珍しくボケてるしwwww
611 :わんこ ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/05(月) 18:20:30.23 ID:uPRNYFPAO

『あんちゃんあんちゃん』

『どうし……顔赤いぞどうした?』

『てひひぃ〜♪』ピトッ

『ん? げ、お前酒の匂い……』

『あーんーちゃん♪』ムギューッ

『おい誰だ飲ませたの何してんの!』

『ん……あついっす……』ヌギヌギ

『待て待て待てわんこ! 脱ぐな!』

『とうっ』スポーン

『だあああああっ! 隠せ阿呆!』

612 :わんこ ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/06(火) 10:27:05.07 ID:IS0u9BfAO

『あんちゃんあんちゃん』

『どうしたわんこ』

『いいてんきっすねー』

『そうだな、今日は暖かいくらいだ』

『ふぁ……ねむくなってきたっす……』

『ほらおいで』

『わん』

『よしよし』

『すぴー……』

『早っ』

613 :そーちゃん ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/08(木) 12:32:10.93 ID:ll0PJytAO

『炭酸飲料あるだろ?』

『はい』

『思い切り振るんだよ』

『よい子は真似しないで下さい』

『そして容器上部に小さく穴を開けると……』

『……どうなるんですか?』

『噴水』

『うわあ』

614 :そーちゃん ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/08(木) 12:32:44.61 ID:ll0PJytAO

『ごぼう』

『木の根ですよね』

『ほぼ繊維質だしな』

『裏を返せば』

『うん』

『木の根でも食べられるってことでしょうか』

『食べられるかはともかく』

『食べたくはないですね』

615 :そーちゃん ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/08(木) 12:33:24.32 ID:ll0PJytAO

『ひ……非常識』

『金閣寺』

『G線上のアリア』

『アヴェ・マリア』

『商人(あきんど)』

『泥棒』

『ウノ!』

『好きですねウノ!』

616 :そーちゃん ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/08(木) 12:34:16.19 ID:ll0PJytAO

『フカヒレってあるだろ?』

『はい』

『作るのに何ヶ月、ものによっては年単位』

『手間かかりすぎですよね』

『何故そうまでして食べようとしたのか……』

『というかどうして食べられると思ったんでしょうか』

『美味いからいいんだけどさ』

『そこが一番の謎な気がします』

617 :そーちゃん ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/08(木) 12:35:13.76 ID:ll0PJytAO

『ケーキ』

『キクラゲ』

『ゲノム』

『ムラサキシメジ』

『時差』

『砂糖』

『ウノ!』

『またウノ!?』

『言えと言わんばかりにウで振ってくるんだもの!』
618 :そーちゃん ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/08(木) 12:36:14.82 ID:ll0PJytAO

『酒と』

『煙草と』

『コーヒー』

『なんでコーヒーがそこに並ぶんでしょうね』

『嗜好品ってことかな』

『中毒性じゃないですか? カフェインとか』

『でも実はカフェインって紅茶のほうが圧倒的に多いんだよね』

『いっそカフェイン飲んだらいいと思います』

『身もフタもねえな』

619 :そーちゃん ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/08(木) 12:36:45.95 ID:ll0PJytAO

『お酒って』

『ダメだぞ』

『まだ何も言ってませんけど……』

『前いた村にいた子が誤飲してえらい目に遭ったんだ』

『何があったんですか』

『裸になって抱きつかれた』

『ぶっ』

『社会的に死ぬところだった』

620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/09(金) 11:18:29.36 ID:VTwKxhf8o
一気につまらなさがましたな
やる気ないならもういっそのことやめちまえよ
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/09(金) 12:40:06.18 ID:I6yPjAPgo
>>620
そういうのは書き手にも読み手にも迷惑だからやめような


622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/09(金) 20:30:44.91 ID:1sX8XjNjo
いつもの奴だろほかっとけ
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/03/09(金) 22:38:11.26 ID:bGbo/wNyo

NGIDしてからほぅっておくのが正解だがね
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/17(土) 19:17:20.22 ID:sVeA+XkAO
まだかなまだかな
625 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/03/26(月) 22:41:20.32 ID:GMjs75iK0
すみません、放置しすぎました
お待ちいただきありがとうございます。

男サイド切り離し。ちょっと都合で時系列が変わってます

男「魔王でもいい」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1332767844/

進行は遅いです

次は魔王サイドに行くと思います
こちらも相変わらずの遅筆になりますがご容赦下さい。
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/26(月) 23:21:05.58 ID:ExBlgbuso
待ちながら舞ってる
627 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/03/29(木) 22:21:07.29 ID:Ngzzn2Pv0
魔王サイド切り離し

剣士「自分は勇者を――」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1333025922/

若干のリメイクを含みます
できるだけペースは上げていきたい

次はこっちで小ネタがあります
そんなわけでまた後ほど。
628 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/01(日) 10:44:09.25 ID:7OlsTxtAO

東の使者A 「ちょいと使者Bさんや、いいことを教えてやんよ」 チョイチョイ

東の使者B 「え、なになに?」

東の使者A 「外で両手を空に向けて「るー」って叫ぶと宇宙人が来るんよ」

東の使者B 「えっ! ほんと!?」

東の使者A 「嘘です」 キリッ

東の使者B 「ておーい!」 ズコー

東の使者A 「ふはははは、エイプリルフール!」 ドヤァ

東の使者B 「…………あー」 ポンッ

東の使者A 「リアクション薄いなー」

東の使者B 「どう返せって言うのさ……」
629 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/01(日) 11:01:13.84 ID:7OlsTxtAO

東の使者A 「魔ノ国にはエイプリルフールがないんだってさー」

東の使者B 「そうなの?」

東の使者A 「嘘だけど」

東の使者B 「」 ズルッ

東の使者A 「そんなわけでちょいとお城行ってくるは」 シュバッ

東の使者B 「いやどういうわけ――ってもういないし!」

東の使者B 「変なことしなければいいんだけど……」 ハァ…
630 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/01(日) 16:19:47.83 ID:7OlsTxtAO

東の使者A 「さーて、次の獲物はっと」 ツカツカキョロキョロ

側近 「こっちが会議の資料で……こっちが……」 ブツブツ

東の使者A 「おおっと、あれに見えるは側近ちゃん。

 何かぶつぶつ言ってるのは仕事かにゃー」

東の使者A 「…………にひっ」 ニヤリ

東の使者A 「――――ターゲット、ロックオン!」 キュピーン

東の使者A 「側近ちゃーん!」 タタター…

側近 「あ、使者Aさんおはようございます」 ペコリ

東の使者A 「ととと……おはようございます」 ペコリ

側近 「何か用事ですか?」

631 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/01(日) 16:31:08.99 ID:7OlsTxtAO





東の使者A 「知ってる? 兵士A君って実は女の子なんだって!」

側近 「ええっ!?」

東の使者A 「嘘だけどね!!」

側近 「」

東の使者A 「ふはははは! エイプリルフゥゥゥゥゥゥル!!」 ヒャッハー!!

東の使者A 「さらばだ!」 ダッシュ!

側近 「あっ、待っ! ――もういない!?」 ガビーン

側近 「…………なんでしょうあれ、辻斬り……?」

632 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/01(日) 16:41:59.96 ID:7OlsTxtAO

東の使者A 「ふひひひ、唖然とした表情がたまらんぜ!」 スッタカター

東の使者A 「次は誰に何を吹き込んでやろうかなーっと」

後輩メイド テクテクテク...

東の使者A 「お、わんちゃんはっけぇ〜ん♪」

東の使者A 「おーい!」

後輩メイド 「ウィ? おお、使者Aさんおはようございますッス」

東の使者A 「おはようございます」

東の使者A 「ねえわんちゃん、聞いた?」

後輩メイド 「なにッス?」

633 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/01(日) 16:48:20.26 ID:7OlsTxtAO





東の使者A 「パティシエさんってゲイなんだって!」

後輩メイド 「知ってるッスよ?」


東の使者A 「えっ」


後輩メイド 「ウソッスけど」 ニヤリ

東の使者A 「――はっ! カウンター!?」

後輩メイド 「パティシエさんはほんとはバイッスからねー」 ケラケラ

東の使者A 「!?」

東の使者A 「いや騙されないぞ! どうせそれも嘘なんだよね!」

後輩メイド 「ウソならよかったんスけどね……」

東の使者A 「……え、ガチで?」

後輩メイド 「ウソッス」 シレッ

東の使者A 「ナァーウッ!!」 クハッ!

634 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/01(日) 16:54:59.09 ID:7OlsTxtAO

 ‥‥‥

東の使者A 「くそう、まさかああくるとは……」

東の使者A 「ネタを選ばないとかにゃー、こりゃ」

東の使者A 「ふふふ、腕が鳴るぜェ……」 ニヤァ

兵士B 「何ニヤニヤしてんだおめぇは」

東の使者A 「うひゃい!? 急に声かけないでおくれよ!」

兵士B 「はぁ? 手で合図でもしろってのか」

東の使者A 「いやそゆ話じゃなくて」

兵士B 「それはそうと、さっき何かポケットから落ちたぞ。ほれ」 パス

東の使者A 「え、なんだろ?」 ドモー

635 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/01(日) 17:00:04.85 ID:7OlsTxtAO





っ『オカマバー 優待券』

東の使者A 「なにこれ!?」

兵士B 「お前がそんなもんに興味あるとはなぁ……」

東の使者A 「ちょっ、違うよ誤解! これ私のじゃないよ!」

兵士B 「隠すな隠すな、いいじゃねえか。

 人間誰しも他人に言えねー趣味のひとつやふたつあるもんだろ」

東の使者A 「それには同意するけどこれは私のじゃなぁぁぁぁぁいッ!!」 ウガアァァァァ!!


兵士B 「そりゃそうだ、それフェイクだし」

東の使者A 「」

636 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/01(日) 17:06:21.74 ID:7OlsTxtAO

兵士B 「まだまだ甘ェなぁ」 ポン

東の使者A 「くそぅ……まんまと……ッ」 ガクッ

兵士B 「こういうのはペースを喰ったやつが勝つからな、まあ頑張れや」 グシグシ

東の使者A 「んにゅっ、どさくさにまぎれて頭撫でんなよこら」 ニゲル

兵士B 「ははは、じゃあな」 ツカツカツカ...

東の使者A 「……キザなやっちゃなー。負けたから何も言い返せないけども」

637 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/01(日) 17:13:00.40 ID:7OlsTxtAO

東の使者A 「しかし、小道具まで持ち出してくるとは」

東の使者A 「意外とみんな全力……?」

東の使者A 「ともあれ連敗は避けたいなぁ」

東の使者A 「おっ、あれは……」

魔剣『確かに届けたぞ』

女医 「あんたさ、パシリにされてんの?」

魔剣『配達も業務の内だ』

女医 「……薬師のやつますます引きこもりそうね」

魔剣『それは……うむ』

638 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/01(日) 17:48:34.85 ID:7OlsTxtAO

東の使者A 「へいほーお二人さん」

女医 「よ」

魔剣『お前か』

東の使者A 「珍しい組み合わせじゃん」

魔剣『配達でな、たまたまだ』

女医 「そっちこそ城内にいるなんて珍しいじゃない」 カチッ シュボッ

女医 「ふー……」 スパー

魔剣『当たり前のように煙草を吸うな』

女医 「アンタまで言うのか」 フー…

東の使者A 「そんなの吸い込んでよく平気ね……」

女医 「試してみる?」 スー…

東の使者A 「いらないって」

女医 「つまんないわね」 フー…

639 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/03(火) 21:15:11.02 ID:QKo0yb5b0

女医 「そういえばアンタ城の連中にホラ話ふっかけられなかった?」

東の使者A 「むしろふっかけにきたんだけど、一勝二敗」

女医 「は、なぁんだ考えることは一緒なわけか」 クックッ

魔剣『…………』

東の使者A 「黙り込んでどしたん?」

女医 「いやコイツ、エイプリルフール知らなかったらしくて兵士Bに思いっきり騙されたんだよね」

魔剣『剣生一生の恥だ……』

東の使者A 「あぁ、私もヤられたわー」

女医 (……『ヤ』の発音がおかしいのはつっこむべきなのかしら)

640 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/03(火) 21:16:33.28 ID:QKo0yb5b0

東の使者A 「ちゅーか兵士Bくんはちょいとズルいと思うんよ」

女医 「小道具使ってきた?」

東の使者A 「うん」

魔剣『お陰で町娘と気まずくなってしまった……』

東の使者A 「何仕掛けられたの?」

魔剣『黙秘させてくれ……』ズブズブズブ...

女医 「おーおー沈んで……おいこら床に刺さるな!」

床 < コゲル! コゲル!!

東の使者A 「物理的に沈んでどうすんのさ」

641 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/03(火) 21:17:28.34 ID:QKo0yb5b0

女医 「まぁホラ吹き合戦するならメイドとかには気を付けな。

  さらっと嘘吐くから油断すると喰われるわよ」

東の使者A 「女医さんはやんないの?」

女医 「思考読めるからやってもつまんないのよ」

東の使者A 「なんと!」

東の使者A (その尻尾をもふもふさせろー!)

女医 「嫌」

東の使者A 「oh」 ホントダ

642 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/03(火) 21:18:23.34 ID:QKo0yb5b0

魔剣『我輩は帰るぞ、まだ配達が残っている』

女医 「あいよ。町娘ちゃんによろしく」

東の使者A 「またねー」 フリフリ

魔剣『うむ』

女医 「あーちょっと待った」

魔剣『なんだ?』

女医 「床直してけ」



女医 「ホントに直せるとは思わなかったわ」

東の使者A 「何あの魔剣マジ万能」

643 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/03(火) 21:20:05.34 ID:QKo0yb5b0


 ・ ・ ・


東の使者A 「よーし、リベンジ行くかぁ」

東の使者A 「と言ってもエンカウント待ちだけども」

 タッタッタッタッ…

東の使者A 「ん?」 クルッ

兵士A 「死ね!!」 ブンッ

東の使者A 「にょわっち! 槍!?」 ヨケル!

東の使者A 「ちょ、何なに!?」

兵士A 「とぼけるな! 側近さんにとんでもない嘘吹き込んだくせに!」 ブンッ

東の使者A 「うえっ!? まさかあの子本気にしたの?!」 カミヒトエッ!

兵士A 「おかげで周りから変な目で見られたじゃないか!

  責任とって死ね!!」 ブンッ

644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/04/03(火) 21:20:48.40 ID:QKo0yb5b0

東の使者A 「どわっち!」 カスッタ!

東の使者A 「くそぅ、まさかこうなるとは……逃げる!!」 ダッシュ!!

兵士A 「待てこのォオ!!」

東の使者A 「断固ことわーる!!」

騎士A 「おいおい何の騒ぎだ?」

東の使者A 「! デコイ発見!」

騎士A 「は?」

東の使者A 「兵士Aくん真犯人はこいつだよ!」

兵士A 「お前かああああああ!!」

騎士A 「はぁ!?」

645 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/03(火) 21:21:52.64 ID:QKo0yb5b0

< ブッコロォース!!

< マテマテマテオチツケ!!

東の使者A 「フー……なんとか逃げきったじぇ」

東の使者A 「思わぬトラブルが出たにゃー」

男 「何してんだお前は」

東の使者A 「ふぉおうふ!?」 ビクーン!

東の使者A 「〜〜〜〜っくりしたぁ、男くんかぁ」

男 「驚きすぎだろ」

東の使者A 「めんご」 ニャハハ

646 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/03(火) 21:22:36.89 ID:QKo0yb5b0

男 「それより静かにしてくれ、メイドさんに見つかりたくない」

東の使者A 「なぜにホワイ?」

男 「会話の節々に嘘を絡めてくるから無茶苦茶疲れるんだよ……」 ハァ...

東の使者A 「あー、女医さんも気を付けろって言ってたにゃー」

男 「昼まで部屋に立てこもろうとしても乗り込んでくるし」

東の使者A 「なんで昼まで?」

男 「知らないか? エイプリルフールって午前中だけなんだよ」

東の使者A 「ダウト!」 カッ!

男 「残念だが事実だ」

東の使者A 「なんと」

647 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/03(火) 21:23:47.52 ID:QKo0yb5b0

男 「大賢者さんも大賢者さんで嘘か本当か区別がつかない小話披露してくるし」

東の使者A 「それはまた鬱陶しい」

男 「兵士長は旅土産の菓子箱に『ハズレ』とか入れてくるし」

東の使者A 「何してんのあの人」

男 「騎士団長に農作業に誘われてついてったら落とし穴に……」

東の使者A 「既に嘘とか関係ないね」

男 「人間不信になりそうだ」

東の使者A 「魔族ですやん」

男 「そうだった」

648 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/03(火) 21:24:31.34 ID:QKo0yb5b0

男 「そんなわけで俺を癒してくれ」

東の使者A 「ふへ?」

男 「抱きつかせていただきます」


 ぎゅ〜っ


東の使者A 「」


東の使者A 「℃¥$¢£%#&*@§☆!?!?」

男 「ふむ、みかんの匂いがする」

東の使者A 「〜〜〜〜〜〜ッ!!」 ボンッ!!

東の使者A 「ぇぅ……」 クタッ

男 「あ、気絶しちまった」

649 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/03(火) 21:26:48.40 ID:QKo0yb5b0

男 「意外に耐性なかったのか……冗談だったのに」

大賢者 「ほう、何がじゃ?」

男 「」


男 「農家的超加速!」 ピャッ!!

大賢者 「逃すかうつけェ!!」 ダッ!!


 ダダダダダダダダダダ……


 …………


< ア゙ー――――――――ッ!!


東の使者A 「ふにぃー……」 プシュー…



 そして気絶している間にエイプリルフールはすぎていきましたとさ。

650 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/04/03(火) 21:30:32.03 ID:QKo0yb5b0
エイプリルフールネタを即興でやろうとしたら、真昼間っから意識が飛ぶこと飛ぶこと
結果2日も過ぎました、どうも>>1でした。

ではまた。
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/03(火) 21:33:55.47 ID:V0otiYm90
>>1
いったい兵士Bは魔剣に何をしたのか…
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/04/05(木) 10:00:53.11 ID:7QdidVBAO
乙です
653 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 20:53:00.02 ID:2kei8WNy0

男 「花見?」


654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/04/09(月) 20:58:42.26 ID:jpNcm6VAO
投稿ミス?
655 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 20:59:39.15 ID:2kei8WNy0

男 「するの? 城のみんなで?」

メイド 「はい、毎年。ですが今年はいつも伺っている村で開花が遅れているそうで」

男 「あぁ、最近まで寒かったからなぁ」

メイド 「それで皆さんに他の場所の心当たりを訊ねて回っているところなのですわ」

男 「心当たりね。あるにはあるよ」

メイド 「あら。ちなみにどちらですか?」

男 「俺ん家」

メイド 「まあ」

656 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 21:03:59.74 ID:2kei8WNy0

 〜男の家〜

大賢者 「む、遅いぞ男よ」

男 「すみません。事務仕事が長引きまして」

大賢者 「こんな日くらい仕事なぞほうっておけばよかろうに」

男 「そうもいきませんって。他の皆さんは?」

大賢者 「もう勝手に始めとる」

男 「あれま」

657 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 21:10:14.24 ID:2kei8WNy0

 ワイワイガヤガヤヤンヤヤンヤ

男 「うーむ、畑が種蒔き前でよかった。二百人近くなるとさすがに……」

大賢者 「人がゴミのようじゃの」

男 「思っても言ってはいけません」

側近 「あっ、男さ――じゃなかった、魔王様! こっちですよ!」 ブンブン

男 「やほ。別に名前でいいんだけど」

側近 「そうですか? そうですね、お花見ですし」

後輩メイド 「あーんーちゃん!」 ノシッ

男 「ぬあっ! 急におぶさるなわんこ!」 コシガッ!

後輩メイド 「てひひー♪」 スリスリ

男 「うわアルコールくせえ! 誰だ飲ませたの!」

大賢者 「ワシじゃ」

男 「何してんだアンタ!」

658 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 21:13:58.86 ID:2kei8WNy0

後輩メイド 「んーっ、あんちゃん背中ひろびろッスー♪」 ギューッ

 ムニュンムニュン

男 「」

男 (静まれジョニィ!)

ジョニィ < ムチャヲイウナヨ…

側近 「むむむ……」

大賢者 「何を唸っておる側近」

側近 「…………」 ジー…

大賢者 「ぬ?」 ペターン

側近 「……うん」 ウン

大賢者 「貴様失礼なことを考えておらぬか?」

659 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 21:18:27.64 ID:2kei8WNy0

兵士B 「来て早々なぁに乳繰り合ってんだお前ら」

男 「あ、B」

後輩メイド 「ちち?」

男 「そこだけ復唱すんな!」

兵士B 「珍しくツッコミが鋭いな。いつもダルげなのに」

男 「いつもって、俺そんなにだるそうか?」

兵士B 「厨二病治しそこなったまま大人になった似非ニヒルみたいな感じではある」

男 「すまんがわかる言葉で喋ってくれ、なんだチュウニビョウって」

兵士B 「知らねえか?」

男 「知らん」

後輩メイド 「あんちゃん自分ともっとお話するっす!」 ギュイーッ

男 「いひゃいいひゃい! ひょおひっぱんにゃ!」

660 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 21:24:16.65 ID:2kei8WNy0

側近 「……」 コソコソ

側近 「――えいっ」 ピョン ガシッ

男 「おわっち! 側近さん?」

側近 「……」 ギューッ

兵士B 「コアラみてえだな」

大賢者 「ふむ」 ピョン ガシッ

男 「ちょっ!?」 フエタ!

後輩メイド 「むー、二人とも離れるッス!」

側近 「こーちゃんが離れたら離れます」

大賢者 「右に同じと言っておこうかの」

兵士B 「……男よ、重くないか?」

男 「口が裂けても言えねえよ!」 ギギギ…

大賢者 「加重力でも使ってやろうかの」

兵士B 「死ぬぞ」

661 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 21:30:50.29 ID:2kei8WNy0

東の使者B 「なんだ、騒がしいと思ったら」

男 「あ、もう一人のBが来た」

兵士B 「まぎらわしいから帰れ」

東の使者B 「今来たばかりですけど!?」

兵士B 「そんなことより使者Aちゃんはどうしたんだよ」

東の使者B 「そんなこと!? 僕の存在ってそんなぞんざいな扱いなの!?」

男 「ショック受けすぎリアクションでかすぎ」

兵士B 「いじってくれと言わんばかりだよな」

東の使者B 「人のことドMみたいに言わないでもらえませんかねえ!!」

後輩メイド 「使者Bさん」

東の使者B 「はい?」

後輩メイド 「うるさいッス」

側・賢 コクコク

東の使者B 「」

兵士B 「ざまあ(笑)」

男 「フォローのしようもない」 ナームー

662 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 21:37:16.49 ID:2kei8WNy0

東の使者B 「くそぅ……みんな酷い目に遭えばいいのに……」 トボトボ

男 「何しにきたんだあいつは」

兵士B 「酒が入ってやさぐれてんじゃねえの」

男 「酒癖悪い人多いなぁ」

兵士B 「ちなみにうちのAは既に撃沈している」

男 「ダメダメじゃねえか」

兵士B 「毎度のこった」

男 「よりダメさが増したけど」

兵士B 「フォローじゃねえからな」

男 「Bも大概酷いな」 ハハッ

兵士B 「むこう行こうぜ。騎士団長たちが集まってる」

男 「うん」

 ずりずりずり……

後輩メイド 「あ゙ー」
側近 「いー」
大賢者 「うーむ」

兵士B 「あんたらいつまで貼り付いてんだ」

男 「大丈夫だ、慣れたから」

兵士B 「どんだけだお前」

663 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 21:45:58.74 ID:2kei8WNy0

男 「やほ」

東の使者A 「げ、男君」 ササッ

女医 「? なんで私の後ろに隠れんのよ」

男 「……俺何かしたか?」

兵士B 「いやぁ、今のお前の有り様見りゃ普通ヒくって」

兵士長 「さながらフルアーマーだね!」 キリッ

大臣 「うまいこと言ったつもりか馬ァァァァ鹿!!」 ヒック

騎士団長 「よくきたな! まあ座れ! そして俺の酒を飲め!!」 ガハハハハハ!!

騎士C 「騎士C! 清酒一升イッキ行きます!」

薬師 「――――」 チビチビ

騎士A 「薬師さん、折角来たんだから桜見なよ」

薬師 「――興味――――なし――――――」 チビチビ

男 「…………」

男 「B、帰っていいか?」

兵士B 「諦めろ。部下の面倒見も上司の務めだ」

664 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 21:50:34.59 ID:2kei8WNy0

男 「よっと」

東の使者A 「ちょ、なんで隣に来んのさ!」

男 「? いや他に空いてないし」

女医 「使者A、あんた男と何かあったの?」

東の使者A 「なななな何もないわさっ!!」 カァーッ

女医 「…………」

女医 「ふぅん」 ニヤリ

東の使者A 「はっ!? ちょっと女医私の思考読んだ!? 読んだっしょ!!」

女医 「ハハハ、マサカァー」 ニヤニヤ

東の使者A 「それで誤魔化してるつもりかァー―――――ッ!!」 ガァーッ!!

男 「賑やかだなぁ」

後輩メイド 「あんちゃん、お酌するッス」

男 「うん。それよりまず離れような」

665 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 21:57:48.46 ID:2kei8WNy0

騎士B 「あ」

兵士B 「お。よう、こっち座るか?」 オイデオイデ

騎士B 「いえ、私は……」

兵士B 「いいからいいから。折角だし注いでやるよ」 ポンポン

騎士B 「は……」 オズオズ

兵士B 「こういう空気は苦手か?」

騎士B 「……そんなことは」

兵士B 「ははっ、まあ無理すんなよ。たまには肩の力抜いてけ」

騎士B 「はっ」

兵士B 「返事が硬いぜ?」

騎士B 「あ、も、申し訳ありません!」

兵士B 「くくくっ、お前おもしれえなぁ」 ハハハッ

666 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 22:02:21.55 ID:2kei8WNy0

兵士C 「おーいB、うちの主人口説いてんじゃねえよ」

騎士B 「ぶっ!!」 ブフォッ

騎士B 「ぐ、げほっげほっごほっ!」 ケホケホッ

兵士B 「お前ふらっと現れてアホなこと抜かすな馬鹿。大丈夫か?」 サスサス

騎士B 「こほっ、すっすみませ――あ」 フラッ

兵士B 「っと、むせて一気に回っちまったか。少し休んどけ」

騎士B 「あ……はい」

兵士C 「B……お前ってやつは……」

兵士B 「なんだよ、なんか文句あんのか」



667 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 22:08:18.79 ID:2kei8WNy0

騎士C 「続きましてェ! 不肖ッワタクシめと!」

騎士団長 「俺様による! 超美麗腹筋踊りをとくと御覧じろ!!」

兵士長 「ヤバい! 暑苦しさが通常の三倍だ!」

大臣 「よーしてめえこの野郎、俺の脂肪っ腹で筋肉率マイナスにしてやんよ!」

兵士長 「ヒーハー!!」

女医 「後輩メイドちゃん、目を合わせちゃダメよ」

後輩メイド 「はいッス」 ジー…

男 「だからって俺を至近距離で見つめるな」

側近 「じー」

大賢者 「じー」

男 「二人も真似せんで下さい」

東の使者A 「むぅ……」 チラチラ

668 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 22:19:35.64 ID:2kei8WNy0

薬師 「――――」 チビチビ

男 (……我関せずでチビチビ飲んでる)

男 (ある意味すごい)

大賢者 「おい男、注げ」

男 「あぁ、はいはい」

大賢者 「ん……。ほれ、返杯」

男 「ども」

側近 「……」 ジー…

男 「? 何?」

側近 「お酒っておいしいんですか?」

大賢者 「少なくともワシは美味じゃと思うとるの」

男 「お酒は二十歳になってから」

大賢者 「ワシはこれでも四百歳じゃぞ」

後輩メイド 「自分はじゅーはち? じゅーく? あんちゃん、どっちッス?」

男 「俺に聞かれても」

側近 「私も一応結婚できる年齢なんですよ?」

男 「うん、なぜそこを主張するのかな」

側近 「言っておかないと子供扱いするじゃないですか」

男 (否定できない……)

669 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 22:31:35.49 ID:2kei8WNy0

東の使者A 「うーむ……」

女医 「男君は競争率高いわよ」

東の使者A 「ブフォッ!」 ブハッ!!

女医 「ぷっ。ちょっとあんたうろたえすぎだって」 ケラケラケラ

東の使者A 「ゔ、げほっ。……もう、変なこと言わないでよ」

女医 「ごめんごめん、あんまりにういもんだからさー」 シュボッ

東の使者A 「自然な動作で煙草を吸わない」

女医 「おっとつい癖で。ま、屋外だし無礼講ってことで」

東の使者A 「……まーいーけど」

女医 「ちなみに男君は煙草好きじゃないみたいよ。吸ってなくてよかったわね」 ニヤリ

東の使者A 「くっ……」

東の使者A (これもしかして延々いじられる流れなんじゃ……っ)

女医 「私が飽きるまではいじり倒すわよ」

東の使者A 「思考を読まないでよあーもー!」

670 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 22:40:13.98 ID:2kei8WNy0

パティシエ 「むこうは賑やかですねぇ」

メイド 「薬師様もあちらにいらっしゃいますけど、よろしいのでしょうか?」

老紳士 「彼女はああ見えて賑やかな場を好んでいるからね。心配いらないよ」

魔剣『そうは見えないが……』

町娘 「お団子おいしいですねー」 マグマグ

兵士D 「すぴー…………」 スヤスヤ

パティシエ 「おかわりはいるかい?」

町娘 「はい」

メイド 「こっちはまったりしていますわねー……ふぁ……」 クァ…

老紳士 「おや、君があくびとは珍しいね」

魔剣『眠いようなら休んではどうだ。たまにはいいだろう』

メイド 「……襲わないで下さいね?」

魔剣『するか阿呆っ!!』

671 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 22:47:56.40 ID:2kei8WNy0

男 「…………」

騎士A 「なにか?」

男 「いや、首無しでも酒飲めるんだなあ、と」

騎士A 「たまに漏れますけどね」

男 「あまり想像したくない光景だ」

騎士A 「トマトジュースなんかが漏れた日には……」

男 「軽いホラーだな……」

騎士A 「魔王城七怪談の一つです」

男 「やったことあんのかよ」

672 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/09(月) 22:50:40.54 ID:2kei8WNy0
一区切り
思いつくままに書いていきます。
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/09(月) 23:09:48.03 ID:+MjcPYkTo
乙んつん!
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/09(月) 23:24:35.16 ID:m5/W/mMP0
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/04/09(月) 23:30:36.54 ID:jpNcm6VAO
乙です
676 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/10(火) 12:35:03.01 ID:2HQInMXAO

兵士A 「あ゙ー……死にそう……」

兵士C 「加減なく飲むからだ。大人しく桜でも見てろ」

兵士A 「BとDは?」

兵士C 「Dは寝てる。Bはうちの主人と飲んでる」

兵士A 「騎士Bさんって飲める人なの?」

兵士C 「毎食ワイン飲んでるからそこそこだろ」

兵士A 「ふーん……」

 ワイワイガヤガヤヤンヤヤンヤ

兵士A 「……平和だねー」 ボー…

兵士C 「そうだなー」 ボー…

677 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/12(木) 12:33:02.16 ID:RoKsnf9AO

後輩メイド 「花見といえば」

側近 「お団子ですね」

東の使者A 「言い出しっぺは誰なんだろ」

大賢者 「大昔からあるからのう……魔族じゃったら生きておるやもしれんが」

女医 「いやぁ、さすがに死んでるでしょ」

後輩メイド 「惜しいッスねぇ」

東の使者A 「何する気だったのさ……」

678 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/12(木) 12:39:04.75 ID:RoKsnf9AO

大賢者 「三色団子じゃの」

側近 「何の意味があるんでしょうか」

東の使者A 「由来は色々あるみたいだよ」

東の使者A 「三色だけに!」 ドヤァ

後輩メイド 「…………」
側近 「…………」
大賢者 「…………」
女医 「…………」

東の使者A 「な、なんか言えよう!」

女医 「すごいね(棒)」

東の使者A 「うわあい、ごめんなさい」

679 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/12(木) 12:46:56.88 ID:RoKsnf9AO

大臣 「俺の腹踊りをみろぉおお!」 ブルブルブルブル!!

贅肉 < アバババババババ
兵士長 「むしろ腹が踊っとるやないかーい!」

騎士団長 「ちったあ鍛えろ! 見よこの肉体美を!」 ムゥン!!

腹筋 < カッキーン!

騎士C 「おおっと負けるか!」 フン!

後背筋 < ビキビキッ

大臣 「筋肉なんぞに負けるか! 見ろよぷるっぷるやぞ! ぷるっぷるやぞ!」 ブルブルブルブル

「「「「ぎゃはははははははははは!!」」」」

騎士A 「鬱陶しい……」

680 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/04/12(木) 12:52:39.24 ID:RoKsnf9AO
今更だけど登場人物多いなぁ
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/04/13(金) 08:04:20.44 ID:DP4ed4EAO
乙ー
大臣wwwwww
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/21(土) 23:56:49.15 ID:MFkmSnrg0
騎士Aってデュラハン?
他のレスで表記あったらスマソ
683 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/22(日) 14:37:42.31 ID:InaPVUxAO
>>682

騎士A 「東の国に伝わる、首なしライダーという都市伝説の怪人です。一種の妖怪ですね」

騎士A 「初めは何せ首がないもんで、落とした頭を探すのが大変でしたよ」 ハハハハハ...

男 「それは笑いどころなのか……?」


仕事が落ち着かないでござる
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/04/22(日) 18:23:24.89 ID:xYPvQ1aAO
>>683
乙です。
685 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/04/25(水) 12:52:29.16 ID:UMPF85yAO

後輩メイド 「あり? あんちゃんどこ行ったッス?」 キョロキョロ

大賢者 「む、いつの間にかおらんの」

女医 「あぁ、さっき 「城の外の連中ン所行ってくるわ」 っつって行ったけど?」

側近 「むぅぅ、勝手にいなくなるなんてだめな人れすね!」 プンスカ

東の使者A 「……側近ちゃん酔ってない?」

後輩メイド 「はいはーい! 自分が飲ませたッス!」 キャッホウ

女医 「おいコラ未成年」 ギリギリギリギリ…

頭蓋 < オ オ オ オ オ ォ ォ … !!

後輩メイド 「あだだだだだ! 割れるッス! 割れるッス!」 バタバタ

大賢者 「ガキの頃からタバコ吸っとるおぬしが言うてものう」 クピクピ

大賢者 「む、酒が切れた」

側近 「なるぇばわらしがとってきゅるのれす!」

東の使者A 「いや何言ってるかわかんないから。ほら横になるー」 グイー

側近 「うぃー」 タオサレー

側近 「...zzZ」 スピー

東の使者A 「はやっ!?」


686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/05/05(土) 03:57:46.43 ID:PDA3As4j0
(′・ω・`)
687 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/05/22(火) 09:04:35.49 ID:xLuoVwEAO
>>1 「俺、GWになったら一日中書き続けるんだ」

友人 「とっくに過ぎたぞ?」

>>1 「(゚Д゚)!?」



どういうことなの……
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/05/22(火) 11:32:50.49 ID:puA2DihAO
>>687
続きお願いします
689 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/05/24(木) 22:35:44.84 ID:pOvm2/hAO
突然ですがここからは未登場キャラが出まくります
顔見せ程度だと思っていただければ

ただ進行は死ねるほど遅いです。
690 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/05/24(木) 22:36:24.22 ID:pOvm2/hAO

 ・ ・ ・

男 「なんとか抜け出せた」 フゥ…

男 「女三人寄れば姦しいとは言うけど、あの人数は賑やかすぎて落ち着かないなぁ」

「随分と贅沢な悩みを抱えているのですね」

男 「贅沢……贅沢かぁ?」 ウーン…

男 「あ、それはさておき久しぶりだな預言師」

預言師 「ええ、お久しぶりですわ、男さん」

預言師 「どう? 私の預言は役に立ちまして?」

男 「こうしてここにいるんだから、無駄にはならなかったんだろ」

預言師 「ふふっ……それは重畳」


691 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/05/24(木) 22:38:00.91 ID:pOvm2/hAO

男 「他の連中は?」

預言師 「向こうに。みんな逢いたがっていましたよ?」

男 「獅子王さんちは割としょっちゅう会ってたはずなんだが……」

預言師 「でも氷竜王様や妖精王様とは随分逢っていないのでしょう? 拗ねていましたよ」

男 「……拗ねる様子が想像できないんだけど。特に氷竜王さん」

預言師 「でしたら直接御覧になって下さいな。
  今なら酔いが廻って本音が濁流の如しですわ」

男 「お前の喩えはわかるようでわからん……」

預言師 「わざとですから」 シレッ

男 「オイ」


692 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/05/24(木) 22:39:45.65 ID:pOvm2/hAO

男 「相変わらず長い髪だな。
 手入れ面倒じゃないか? 切らないのか?」

預言師 「願掛けみたいなものですよ。それに、髪は女の命ですもの」

男 「その辺りの機微はよくわからんが」

預言師 「そうでしょうね。わかるようになったら男さんではないですもの」 クスクス

男 「バカにしてないかそれ」

預言師 「個性を尊重しているだけですわ」 クスクス

男 「……やれやれ」 ハァ...


693 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/05/24(木) 22:42:55.06 ID:pOvm2/hAO
小休止。

誰か俺に多重影分身の術を伝授してくれ……
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/25(金) 08:11:59.88 ID:dFk37HwIO
695 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/05/28(月) 22:58:17.83 ID:ckEBpTAAO

「アニキーっ!」 タタタ...

男 「お、このk
「オラァ!!」 ブンッ!!

男 「甘い」 パシッ

男 「ふんっ」 クルッ

「のわあっ!」 ドシンッ

男 「相変わらずやんちゃだなぁ獅子丸」

獅子丸 「くっそー! 今日こそイチゲキ入れられると思ったのにー!」 グヌヌ...

預言師 「獅子丸君、不意打ちなら声をかけては無意味ですよ?」

獅子丸 「」 ハッ

男 「アホだなぁお前」 グシグシ

獅子丸 「おお? なんだなんだ、なでてもなんにもでねーぞ?」

男 「何だ喜んでんのかお前」

獅子丸 「アニキの手はでっかいなー! 父ちゃんみてーだ!」

男 「いや獅子王さんほどはデカくないからな?」

獅子丸 「そーか?」

男 「ああ」


696 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/05/28(月) 22:59:25.94 ID:ckEBpTAAO

 〜 男の家 裏手 〜

男 「こっち側にいたのか、道理で姿が見えないわけだ」

氷竜王 「おぉ、久しいな婿殿」

男 「誰が婿ですか誰が」

獅子王 「ほう……あの犬娘がいながら他の娘にも手を出していたか」 ハッハッハ!

男 「人聞きの悪いことを言わんで下さい」

妖精王 「英雄色を好む……貴方様にはぴったりの言葉ですわね」 ジトー

男 「あのー、妖精王さん? 何故睨んでらっしゃるので?」

預言師 「……」 フルフル

妖精王 「……」 ハァ...

機械王『オ前ハ鈍イナ』

男 「機械に鈍感呼ばわりされた!?」


697 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/05/28(月) 23:01:30.03 ID:ckEBpTAAO

大天狗 「おぉ……男殿よ……」 フラフラ

男 「あ、どうも大天狗さん……。
 大分ふらついてますけど大丈夫ですか?」

獅子王 「天狗の大将は孫娘が心配でたまらんらしい」 ヤレヤレ

男 「孫娘……あぁ、女天狗さん」

大天狗 「うぅ……孫娘よぉい……、早よう帰ってきておくれぇ……」 シクシク

氷竜王 「気持ちはわかるぞ天狗の。
   我も何度娘のために魔王城を訪ねようとしたか……」

男 「大騒ぎになるんで止めて下さい。
 てか、今会っていけばいいじゃないですか」

氷竜王 「否! 次会う時は娘の結婚が決まった時と決めておるのだ!」 キリッ!

男 「んなことキメ顔で言われても困る」 アホカ


698 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/05/28(月) 23:04:52.03 ID:ckEBpTAAO

氷竜王 「だから婿殿、さっさと娘をもらってくれぬか?」

男 「いや、ですから……つーかこの人酔ってやがるな」

預言師 「ふふ、案外もうすぐかもしれませんよ?」

妖精王 「なっ!?」 ガーン!

男 「預言師さんちょっと黙って。確実に面倒くさくなるから」

機械王『罪深キ男ダナ……』

男 「アンタも少しはフォローしてくれ」

機械王『No, sir.』

男 「ぶち壊すぞガラクタ野郎」 イラッ


699 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/05/28(月) 23:06:44.14 ID:ckEBpTAAO

男 「そういえば『混沌』は?」 ミアタラナイ

獅子王 「性に合わぬと言って欠席だ。少しは種の長の自覚を持ってもらいたいものだがな」

男 「うーん、今度様子見がてら野菜でも差し入れてみるか……」

妖精王 「あんなの放っておけばよいのです。大体異形種はどいつもこいつも女性とみればセクハラばかり……」 ブツブツ

男 (……何かされたのかな?)

獅子丸 「なーアニキ、もう畑仕事しねーのか? オイラたちヒマでしょーがねーよ」

男 「ん? いや、大賢者さんに家の管理がてら弄ってもらうことになってるから、なんなら話通しとくぞ?」

獅子丸 「うん!」 パァッ


700 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/05/28(月) 23:08:11.60 ID:ckEBpTAAO

獅子王 「大賢者殿か。……こう言ってはなんだが、大丈夫なのか?」

妖精王 「あの子は魔法以外はてんで駄目だったと記憶していますけど」

男 「随分はっきり言いますね……一応ひと通りのことは俺から教えますんで。あとは獅子丸がいるならなんとかなると思いますよ?」

獅子丸 「任せろ!」

機械王『楽観的ダナ』

男 「アンタと違って信頼してるんだよ」

預言師 「……男君、機械王様に対してだけツッコミがキツくないかしら」

男 「気のせいです」


701 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/05/28(月) 23:16:47.79 ID:ckEBpTAAO
小休止。


大賢者 「今回出てきた面子の補足じゃ」



獅子王(♂)
 体長5mを超える大きなライオン
 子沢山
 獣人・獣魔の王

氷竜王(♂)
 体長50m近い蒼白のドラゴン
 ドラゴン族の末裔

妖精王(♀)
 身長30cm程度のフェアリー
 エルフやドワーフなど妖精・妖魔の長

機械王(?)
 オプティマスプライム的な巨大ロボット
 九十九・無機生物の代表

大天狗(♂)
 まさに天狗という見た目で大柄な老人
 一部を除く妖怪・亡霊の長


預言師(♀)
 事象視(予見と過去視)の能力を持つ魔人

獅子丸(♂)
 獅子王の子供で末っ子
 半獣人半獣魔
 男によく懐いている


混沌(?)
 不定形の生命体で大きさすら不安定
 異形種の王



大賢者 「以上じゃ」


ではまた。
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/28(月) 23:20:53.15 ID:vCbv8rRro
おつんぽ!
703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/29(火) 08:40:42.99 ID:5lbZYQfoo
獅子丸の好物はちk
704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/05/29(火) 23:44:00.62 ID:vCnID0nHo
半角カナが気になって集中できない…残念
705 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/06/27(水) 20:18:53.52 ID:2SGLjqIAO
生存報告……
誰か俺に時間を……
706 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/07/22(日) 20:55:10.75 ID:2BoY0EiAO


男 「閑話休題」


707 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/07/22(日) 20:55:39.25 ID:2BoY0EiAO

男 (あれから結局日が暮れて空が白むまで宴会は続き)

男 (夜が明ければあたりは死屍類々)

男 (無事な人が総出で片付けたものの、終わった頃にはまた日が暮れて)

男 「一日分の遅れを取り戻すのに執務室に缶詰め状態とかもうね……」 ハァ...

側近 「あはは……」

側近 「でも、今の分が終わればまたしばらくは余裕が出るそうですから」

男 「それ毎回言われてる気がするなぁ」

708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/07/22(日) 20:57:56.35 ID:2BoY0EiAO
まあそんな感じで……
勢いつけてもっと書きたかったけど時期も過ぎに過ぎたので。

書きたいものはあるのに書けないジレンマ
ガッツが足りない
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/23(月) 05:15:12.60 ID:Q7OV6wHKo

時間ができたら好きなだけ書いていいのよ
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/23(月) 08:58:08.78 ID:vPKsLDLIO


気がのったら書きなっせ
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/08/01(水) 10:21:40.60 ID:4TlPiZ33o
メイドさんの種族って出てたっけ?
たゆんたゆんしか覚えてないでござる
712 :ちょっと小ネタ ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/02(木) 12:48:48.95 ID:iOzxaF5AO

【トランプ】

後輩メイド 「ほっ」 バラバラバラ

トランプ < アーッ!

側近 「あー」

男 「何してんだ?」

側近 「男さん」

後輩メイド 「トランプ混ぜてるッス」

男 「散らばってるが」

後輩メイド 「てひひ、失敗したッス」 テレテレ

側近 「綺麗に混ぜるコツとかあるんでしょうか」

男 「ふむ。貸してみ」

後輩メイド 「はいッス」

男 「ほっ」 パララララララ…

トランプ < アバババババ…

後輩メイド 「おおっ、手から手に飛ばすやつ!」

後輩メイド 「……技名がわからないッス」

男 「なんだったっけ……」 パララララララ…

トランプ < ウェヒヒヒヒヒヒヒ…

側近 「巧いですね」

男 「まあこれやっても混ざらないけど」

側近 「え、あっ」 ハッ

713 :ちょっと小ネタ ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/02(木) 12:50:46.61 ID:iOzxaF5AO

【タワー】

後輩メイド 「ぐぬぬ……」 プルプル…

トランプ < オジョウチャンオチツケ

後輩メイド 「……っと!」 トン

 パタパタパタッ

トランプ < アーッ!

後輩メイド 「あぅ……難しいッス」 ションボリアン

男 (耳がへにゃってなってかわええ……) ナデナデ

側近 「男さんこーちゃん!」

後輩メイド 「うぃ? ――にょぉう!?」 ビクッ

男 「どうし――うおう!?」 ビクッ

そびえ立つトランプタワー < ドヤァ!!

側近 「五十段ですよ!五十段!」

後輩メイド 「怖ぁっ!!」 ゴーン

男 「やりすぎだよ!?」 ガビーン

714 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/08/02(木) 12:56:19.87 ID:iOzxaF5AO
暑いよー……休みもないよー……

メイドさんは一般的な魔人ですの
大昔に人間から魔族化した人の末裔にあたります

ちなみに魔王の両親は純血種でこの時代では珍しい部類だったりします。
715 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/02(木) 22:14:28.12 ID:iOzxaF5AO


【魔ノ国の夏】


東の使者A 「暑い」 グダー...

東の使者B 「資料の上で伸びないでよ……」

東の使者A 「どーせもう棚の奥でカビが生えるまでしまいっぱなしになるんだからいいっしょー」 ダラーン

東の使者B 「何かあった時に困ってもしらないよ?」

東の使者A 「その時は管理責任をあんたに押し付けるから問題なし」

東の使者B 「ちょっ!?」 ガビーン

716 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/02(木) 22:15:57.70 ID:iOzxaF5AO

東の使者A 「にしてもあっついわ……。

 カラッとしてるから本国よか楽だけど」 バサバサ

東の使者B 「スカートをバサバサやらない!」

東の使者A 「あによ、照れてんの? うわキモッ」

東の使者B 「はしたないっつってんの!」

東の使者A 「B」

東の使者B 「何?」 イライラ

東の使者A 「暑い……」 コテッ

東の使者B 「」 ズルッ

東の使者B 「…………ソウデスネ」 ハァ...

717 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/02(木) 22:18:11.98 ID:iOzxaF5AO

東の使者A 「なんとかならないかしら」

東の使者B 「側近さんにでも冷やしてもらったら?」

東の使者A 「氷漬けになれと申すか」

東の使者B 「そこまでは言ってない」

東の使者A 「クーラーが恋しい……せめて扇風機があればなぁ……」

東の使者B 「電源がないでしょ。そもそも持ち込み禁止だし」

東の使者A 「本国の連中が羨ましいわ……」

東の使者B 「向こうは蒸し暑いけどね」

東の使者A 「理想の環境はないというのか……」

718 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/02(木) 22:20:13.86 ID:iOzxaF5AO

東の使者A 「海行きたーい」

東の使者B 「そんな時間ないでしょ」

東の使者A 「じゃあせめてプール」

東の使者B 「プールかぁ……」

東の使者B 「そういえばその手の施設ってあるのかな」

東の使者A 「プールはないみたいよ? つか、大体川で涼んでるんだってさ」

東の使者B 「ないの知ってて言ったのね……川とかなんか生臭そう」

東の使者A 「たまに魚も穫れるとか」

東の使者B 「ワイルドだなぁ」

719 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/02(木) 22:21:00.06 ID:iOzxaF5AO

東の使者A 「閃いた」 ピコーン

東の使者B 「ん?」

東の使者A 「ちょっと男君のとこ行ってくる」 スタスタスタ

東の使者B 「えっ、ちょ、仕事は!?」

東の使者A 「任せた〜」 ガチャ パタン

東の使者B 「ええええええ!?」

720 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/02(木) 22:21:55.82 ID:iOzxaF5AO

東の使者B 「なんて身勝手なんだ……」 ボーゼン...

東の使者B 「まあ途中からだからマシかなぁ」

東の使者B 「…………」

東の使者B 「手付かず……だと……」 ガクガクブルブル

721 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/02(木) 22:23:24.39 ID:iOzxaF5AO

男 「魔導式自動冷房機?」 パタパタ

東の使者A 「そ。名付けてマジカルクーラー!」 キリッ

男 「名付けなくていいです。

 っていうかその手の機械は一応ロストテクノロジー扱いになってるんだけど」 パタパタ

東の使者A 「ないものは創ればいいのよ!」 カッ

男 「……一理あるか」 パタパタ

722 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/02(木) 22:24:34.12 ID:iOzxaF5AO

側近 「それあればすずしくなりますか……?」 グッタリ

男 「今みたいにダウンする事は少なくなるかな」 パタパタ

東の使者A 「ありゃ、熱中症かい?」

側近 「いえ、暑いの苦手で……」

男 「側近さんは雪国育ちだしね」 パタパタ

東の使者A (膝枕とか羨ましい……)

723 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/02(木) 22:26:01.01 ID:iOzxaF5AO

後輩メイド 「そーちゃん、氷貰ってきたッスよ」 ヨッ

山盛りの氷 < ヒヤスゼー、超ヒヤスゼー

男 「多いな」 パタパタ

後輩メイド 「余ったらかじるッス」

東の使者A 「! その手があったか」 ピコーン

側近 「?」

男 「また何か思い付いたのか?」

東の使者A 「おうよ! ちょっと待っててね〜」 タタタタタ...

後輩メイド 「元気ッスねー」

724 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/02(木) 22:27:30.60 ID:iOzxaF5AO

男 「わんこ、メイドさん呼んできてくれるか?」 氷ペトー

後輩メイド 「はいッス」 タタタタタ...

側近 「こーちゃんも負けず劣らずですよね」 ヒエヒエー

男 「俺とわんこは農家育ちだから」 ツイデニパタパタ

側近 「あー」 ハフゥ...

男 「炎天下での作業とか慣れてるし」

側近 「考えただけで汗が出そうです……」

725 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/02(木) 22:29:06.59 ID:iOzxaF5AO

メイド 「お呼びですか?」

男 「この書類に目を通してもらえます?
 使者Aさんが持ってきたんですけど」

メイド 「はい。……はあ、冷房機、ですか」

男 「研究所のほうに回してくれればいいから」

メイド 「かしこまりました」

726 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/02(木) 22:31:50.46 ID:iOzxaF5AO

東の使者A 「たっだいまー!」

後輩メイド 「ただいまッス〜」

東の使者A 「おりょ、メイドちんオイッス」 ィョゥ

メイド 「あらあら、使者Aさんはお元気ですわね」

東の使者A 「東のAさんは元気が取り柄さ!」 ビシッ

東の使者A 「それはさておき、わんちゃん例のブツを!」 シュバッ

後輩メイド 「はいッス」


硝子皿 < チワーッス

下ろし金 < ドウモー

果実シロップ < ウーッス


男 「? そんなもん持ってきてどうするんだ?」

727 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/02(木) 22:34:58.22 ID:iOzxaF5AO

東の使者A 「ふっふっふ……こうするのさ!」 ガシッ

氷塊 < エッ?

東の使者A 「おりゃりゃりゃりゃりゃあー―――〜〜っ!!」

 ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ!!

氷塊 < ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!

氷 < アアアアアアァァァァ...

かき氷 < シャラァーン

男 「……ああ、なるほど」

東の使者A 「やっべ、腕疲れた。男君後やって」 ホイ

男 「はいはい。わんこ、側近さん看てあげて」

後輩メイド 「おまかせあれッス!」 ビシッ

728 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/02(木) 22:39:22.24 ID:iOzxaF5AO

 ・ ・ ・

東の使者A 「かき氷機もないとか、お姉さんびっくりだよ」 シャクシャク

男 「それで下ろし金か」 シャクシャク

側近 「生き返ります……はふぅ」 シャクシャク

メイド 「たまにはいいですわね」 シャクシャク

後輩メイド 「あ゙ーっ! きーんって! きーんって!」 ジタバタ

大賢者 「それもまた風情」 シャクシャク

東の使者A 「うひょぉう!? いつの間に……」 ビビッタ...

大賢者 「黙っておっただけでずっといたのじゃがの」 シャクシャク

男 「ソファの裏でのびてたんだよ」 シャクシャク

大賢者 「あそこは涼しいがちと空気が悪いの」 シャクシャク

側近 「普通そんなところに寝たりしませんよ」 シャクシャク

東の使者A 「うーむ、まだまだ行動が読めないぜぃ……」 シャクシャク

729 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/08/02(木) 22:43:51.79 ID:iOzxaF5AO
なんか使者Aが主役のような感じに
それもまた一興

久々すぎるまともな更新でした
読んでくれる方々に五体投地で感謝
ではまた。
730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/08/03(金) 01:32:03.83 ID:ir433Zdeo

へにゃってなってるわんこのミミさわりてー
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/03(金) 08:09:13.53 ID:JvYQDbIIO
おっつ
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/08/03(金) 12:29:57.80 ID:GIR1YQteo
大量更新乙
733 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/03(金) 21:20:59.59 ID:5ONUyMnAO

 〜翌日〜

メイド 「試作機が届きましたわ」

男 「早っ! 昨日の今日ですよ?」

メイド 「研究所の方々も今年の暑さには参ってらっしゃるようで」

男 「あぁ……渡りに舟ってことかな」

メイド 「それで、こちらで実際の使用に問題がないかテストして欲しいと」

男 「そこは丸投げなのか」

側近 「涼しくなるならなんでもいいです……」 ヘロヘロ

大賢者 「側近もへばっとるし良いのではないかの」

後輩メイド 「執務室は風通し悪いッスからねぇ」

男 「その内改築するか……」

メイド 「では試作機のほうをお持ち致しますね」

734 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/03(金) 21:25:00.71 ID:5ONUyMnAO

東の使者A 「オイッスー。おろ、またみんな集まってんの?」

男 「ああ、ちょうどよかった。冷房の試作機ができたからこれから試すとこなんだ」

東の使者A 「早っ!」

後輩メイド 「反応があんちゃんと同じッスね」

メイド 「研究所のほうも暑さに参っているそうで」

東の使者A 「あーにゃるほど、渡りに舟だったわけね」

大賢者 「発言が男と丸被りじゃぞ」

東の使者A 「なんと」

735 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/03(金) 21:28:01.98 ID:5ONUyMnAO

メイド 「こちらがその試作機です」 ゴロゴロ

扇風機っぽいもの < ア、ドモドモ
謎の小箱 < ククク...

東の使者A 「扇風機っぽいやつはわかるけど……何そのちっさい箱」

メイド 「ええと……この箱とこちらの装置を繋げば冷たい風が出る、ということのようですわね」 ゴソゴソ

東の使者A 「なにその謎技術」

男 「東の国のは違うのか?」

東の使者A 「全然冷えない冷風扇っていうのとかはあるけど、クーラーはもっとでっかいよ。
 部屋の外に排熱装置も必要だし」

男 「へー」

大賢者 「効力はどんなもんなんじゃろうかの」

メイド 「今説明書を読み上げますわ」

736 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/03(金) 21:31:22.82 ID:5ONUyMnAO

メイド 「『〜超強力!魔導フリーザーのススメ〜』」

男 「ネーミングが酷い」

東の使者A 「私がマジカルクーラーって名前つけたじゃんかよー!」 ブーブー

大賢者 「どうでもええじゃろ……」

メイド 「えー、

『魔導フリーザーは回転するプロペラの外輪から凍結魔法を展開し、
 通過するものを問答無用で凍り付かせるスゴいヤツ!

 これで貴方のお宅も真冬に逆戻り!』

 ……だそうです」

男 「いやダメだろ」

側近 「いきなり真冬はちょっと……」

後輩メイド 「なんかバカっぽい煽りッスね」

大賢者 「製作者のセンスが疑われるの」

737 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/03(金) 21:35:29.63 ID:5ONUyMnAO

東の使者A 「出力の設定とかはあるの?」

メイド 「小箱背面のツマミで調整、とありますね。
 風量と冷却力の二つです」

側近 「動力はどうするんでしょう」

メイド 「『アクアジェムとウインドジェムを一つずつ放り込んでスイッチオン!
 内部の魔法陣が起動して後は勝手に冷やします!』だそうです」

男 「なんかアバウトだな……」

後輩メイド 「ジェムなら自分が持ってるッス」 ジャラジャラ

東の使者A 「どっから出したのそれ」

後輩メイド 「乙女の秘密ッス」

男 「とりあえず動かしてみるか」

メイド 「かしこまりました。出力は」

男側後使 「「「「最大で」」」」 アツイシ

738 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/03(金) 21:39:09.93 ID:5ONUyMnAO

 ポイッ ポイッ ―カタン

 フイイィィィ...

東の使者A 「おお、機械っぽい音が」

プロペラ < クルクルクルクル...

メイド 「プロペラ部分が回り出しましたね」

後輩メイド 「あー、いいかんじに風が」


プロペラ < ――ギュイイイイイイイイイ!!

 ゴオオオオオオオオオ!!


男 「うおぅっ!?」 ボウフウ!?

側近 「ああっ、書類がっ!」

東の使者A 「ちょ、風強すぎ!」

大賢者 「メイド! 止めろ!」

メイド 「はっ、はい!」 カチッ

プロペラ < ヒュオォォォン...

後輩メイド 「」 ポカーン

739 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/03(金) 21:42:36.74 ID:5ONUyMnAO

東の使者A 「びっ…………くりしたぁ、どんだけハイパワーさ」

側近 「一瞬で部屋が滅茶苦茶に……」

後輩メイド 「片付けるッス」

男 「あービビった。風の威力は下げたほうがいいね」

メイド 「そうですわね。では最弱から調整していきましょう」

東の使者A 「ちゅーか、冷静に考えたら弱いのから上げてったほうがいいに決まってるよね」

後輩メイド 「そうッスねぇ」

大賢者 「暑いからと早まったの」

740 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/03(金) 21:45:56.44 ID:5ONUyMnAO

メイド 「……あら」 グッグッ

東の使者A 「なした?」

メイド 「冷却力側のツマミが動かなくなってしまいました」

ツマミ < 無理スルト折レルゼ

大賢者 「故障かの?」

男 「試作品だしなぁ」

後輩メイド 「要報告ッスね」 メモメモ

メイド 「ひとまず風量で調整してみましょう」 カチッ

 フイイィィィ...

プロペラ < クルクルクルクル...

側近 「今度は大丈夫でしょうか……」

プロペラ < ブ――――……ン...

東の使者A 「あー、いい感じいい感じ」

741 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/08/03(金) 21:47:42.92 ID:5ONUyMnAO
小休止
なんとか時間見つけて書ける程度には復活したぜぇ……

扇風機といえばやることはひとつ
ではまた。
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/08/04(土) 15:44:36.57 ID:lhfV+e75o
    ウァ゛ー  
    ∧ ∧γ⌒'ヽ
    (,, ・∀i ミ(二i
    /  っ、,,_| |ノ
  〜( ̄__)_) r-.! !-、
          `'----'
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/04(土) 16:07:23.58 ID:ceQ8/p6vo

そんなこと言うと書きたくなるから辞めてw
744 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/04(土) 20:44:30.99 ID:gaeFgGiAO

 ブ――――……ン...

側近 「いい感じに冷やっこいですねー」 アー…

東の使者A 「これってどうやって回ってんのかな。
 モーターじゃないんっしょ?」

男 「んー……」 キィ―ン...

男 「内部で風の魔法が循環してるな。
 風車の要領で、ギアを使って間接的に回転させてるんじゃないか?」

側近 「そんなのも見えるんですか。
 男さんの魔眼って凄いですね」

大賢者 「ふっふっふ、何せワシの特別製じゃからの」 フフン

745 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/04(土) 20:54:15.53 ID:gaeFgGiAO

東の使者A 「でもそれ直接風出したほうが早くない?」

男 「それだとエネルギーロスが大きいんだよ。

 桶に入れた水を回すのと、減らない水を掻き出し続けるのとなら、回すだけのほうが楽だろ?」

東の使者A 「わかるようなわかんないような……」

後輩メイド 「ふむふむ」 メモメモ

側近 「なるほど」

メイド 「お二人はわかったみたいですね」

東の使者A 「何この敗北感」

男 「凍結魔法も周囲に拡散させずに条件付けして発動させてるから、
 消費してる魔力もそれ程大きくないみたいだな」

後輩メイド 「どんな条件付けッスか?」

男 「さっきの説明にもあったろ?

 プロペラの後ろから前に通っていくものに反応して、瞬間的に凍結魔法を起動してるんだ。
 だからプロペラ自体は凍らないで空気だけが凍るわけ。

 正確には空気中の微粒子がマイナス温度まで瞬間冷却されて……」 ドータラコータラ

側近 「それじゃあ例えば――」 コレコレシカジカ

男 「その場合は――で――から――」 シカクイムーヴ

東の使者A 「……何故か魔法談義に発展してしまったでござる」 ツイテケナイ

746 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/04(土) 21:02:06.70 ID:gaeFgGiAO

 ブ――――……ン

大賢者 「ふむ。確かに風の来る辺りは冷えとるが、周りはちとイマイチじゃの」

メイド 「少し風量を上げてみましょうか」

東の使者A 「あ、ちょっと待って」 ヨッ

メイド 「? 正面に座って何を?」

東の使者A 「ふぇっふぇっふぇっ、東の国には扇風機にまつわる伝統的な遊びがあるんじゃよ」 ニヤリ

側近 「遊びですか?」

東の使者A 「こうやるのさ」

東の使者A 「あ゙ー―――――……」 ア゙―…

後輩メイド 「おおっ?」

男 「声が変わったな。いや濁った、か?」

東の使者A 「扇風機を見たらこれをやるのが大人のマナーです」 キリッ

側近 「マナーなんですか!?」 ナントッ

大賢者 「本気にすな」 ビシッ

東の使者A 「ヷ レ゙ ヷ レ゙ バ ヴ ヂュ ヴ ジ ン゙ ダ 」

男 「いや何言ってんのお前」

747 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/04(土) 21:06:28.66 ID:gaeFgGiAO

後輩メイド 「自分も! 自分もやるッス!」 キラキラパタパタ

東の使者A 「よ゙じぎだ!」 カムヒア!

男 「聞き取り辛っ!」

後輩メイド 「わ゙ん゙! お゙お゙ーっ!」 ブンブン←尻尾超振ってる

側近 「あっ、私もやってみていいですか?」

大賢者 「面白いの。ワシもやろう」

メイド 「あらあら」

東の使者A 「ふっふっふ、魔族も虜にするとは流石扇風機! 世紀の発明よ!」 フハハハハァ!

男 「……遊んでる間にちょろっと魔法陣でも書いとくか」 ヨッコイショウイチ

748 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/04(土) 21:10:55.84 ID:gaeFgGiAO

男 「部屋の四隅と……あと入口から窓に向けてかな」 カリカリ

メイド 「何の魔法陣ですか?」

男 「風の魔法をね。
 ちょうどいい見本が見られたし、気流の操作もできそうだから」 シャッ、シャッ

男 「俺の魔力で勝手に風が流れるよう、に……っと」 カリカリ シャッ

男 「メイドさん、これ天井か壁にでも貼り付けといて」

メイド 「かしこまりました」

簡易魔法陣 < ヨロシク頼ムゼ姉チャン

大賢者 「ぞゔい゙え゙ばがぜの゙ま゙ぼゔばみ゙ぜでお゙ら゙な゙ん゙だの゙」

男 「普通に喋って下さい、聞き取れません」

側近 「ま゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙」

東の使者A 「あはははははははは! うはははははははは!!」 ゲラゲラ

男 「笑いすぎだろ……大丈夫かお前……」

749 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/04(土) 21:13:27.38 ID:gaeFgGiAO

メイド 「貼り終えましたわ」

男 「ん。そしたら魔導クーラーを端に持っていって」 ハイミンナドイテー

後輩メイド 「魔導フリーザーッス」

東の使者A 「NO! マジカルクーラーだよ!」 カッ

大賢者 「なんでもええわい」

男 「この辺かな。風量上げるよ」

側近 「はい」

プロペラ < ブゥゥゥゥゥ――――…ン...

男 「で、俺の魔法を『起動』っと」 キィィ―…ン...

簡易魔法陣 < イクゼ、ダチコウ!

風 < ソヨソヨ、ソヨソヨ

東の使者A 「おぉう、室内に気流が」

750 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/04(土) 21:16:00.17 ID:gaeFgGiAO

男 「これでしばらくすれば全体的に冷えるだろ」 ヨシ

後輩メイド 「これも要報告ッスね」 メモメモ

男 「ただ、今は俺の魔力使ってるから俺がいなくなると風も止まるけどな。
 風の調整も俺がやってるし」

側近 「そうなると、自律的に調整しながら気流を起こす装置が必要になりますね」

後輩メイド 「ふむふむ」 メモメモ

東の使者A 「わんちゃんマメだねぇ」

後輩メイド 「何事も積み重ねが大事ッスよ」

東の使者A 「やべえ、耳が痛い」

751 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/04(土) 21:19:23.12 ID:gaeFgGiAO

メイド 「後は様子見でしょうか」

男 「ですね。ひとまず仕事しましょうか」

側近 「……の前に掃除からですね」

男 「だなぁ……」

東の使者A 「頑張れ若人〜」 ソファニゴロン

大賢者 「おぬし手伝う気皆無じゃな」 オナジクゴロン

東の使者A 「大ちゃんこそ〜」

大賢者 「大ちゃん!?」

男 「大ちゃん!?」

側近 「大ちゃん!?」

メイド 「まあ……」

東の使者A 「え、なんかおかしいこと言った……?」

後輩メイド 「さすがにその呼び方はねーッスよ……」

東の使者A 「そげなアホな」

752 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/08/04(土) 21:21:32.40 ID:gaeFgGiAO
大ちゃんはねーわ

社会に出てはや数年、ようやく部屋にクーラーが配備されることになりました

……8月末にだがな!!
ではまた。
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/05(日) 09:34:47.62 ID:3cCvOXdIO
754 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/08/05(日) 21:32:06.26 ID:NbcOqjyAO
きょーぉーはーお休みィィ〜〜(ビブラート
がんばるよー
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/08/06(月) 06:52:32.44 ID:4r1kBlhpo
おはよ乙
寝落ちか?
756 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/06(月) 21:23:20.00 ID:cpX90H5AO

 ・ ・ ・

男 「側近さん、こっちの予算多すぎじゃない?」

側近 「どれですか? あれ、計算間違ってますね。すみません直します」

後輩メイド 「あんちゃんお茶ッス」

男 「さんきゅ。メイドさんそっちの資料取って」

メイド 「どうぞ」

男 「どうも。んー、これはOKっと」

側近 「こちらも確認お願いします」

男 「ほいほい」

東の使者A 「月見酒! ……でもってこいこい!」

大賢者 「甘いの。猪鹿蝶じゃ」

東の使者A 「ノォウ!?」

男 「静かに遊んでくれませんかね」

757 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/06(月) 21:25:22.14 ID:cpX90H5AO

東の使者A 「あー、それにしても快適だわぁ」 ノビーッ

大賢者 「じゃのう」 ダラダラ

側近 「仕事しやすくて助かります」

後輩メイド 「でも外に出ると暑いッスよ」 バサバサ

男 「こらこら、スカート捲らない」

後輩メイド 「見るッス?」

男 「やめなさい」

東の使者A 「堅いねぇ」

男 「はしたないでしょ」

東の使者A 「Bと同じことを申すか」

758 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/06(月) 21:26:45.90 ID:cpX90H5AO

メイド 「ん……」 ブルッ

側近 「どうしました?」

メイド 「いえ、少し冷えすぎではないかと」

男 「風量下げていいですよ。充分冷えてますし」

メイド 「では失礼します」

メイド 「……あら」 グッ

東の使者A 「なした?」

メイド 「……ツマミが下がりませんわ」

759 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/06(月) 21:30:30.93 ID:cpX90H5AO

大賢者 「また故障かの?」

男 「やけに壊れやすいな……ならこっちで調節するか。わんこ、窓開けてくれ」

後輩メイド 「はいッス」 テッテッテ...

 ガラッ

魔導フリーザー < ム、ネッキ!!

 ヒュォォォォォ…

東の使者A 「うっ」 ゾクッ

東の使者A 「ねえ、なんか冷気強まってない?」

後輩メイド 「そうッスか?」

男 「少し外気を入れてみるよ」 アブラカタブラ〜

760 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/06(月) 21:33:47.62 ID:cpX90H5AO

 ヒュォォォォォォォォォ…!

大賢者 「……これは」

メイド 「明らかに強まってますわね……」

男 「……わんこ、ドアのほうも開けてくれ」

後輩メイド 「はいッス」

 ガラッ

 ――ビュォォォォォォォォォ!

東の使者A 「寒っ!」

大賢者 「ますます威力が上がったの……」

側近 「これまずくないですか?」

男 「メイドさん、説明書貸して下さい」

メイド 「どうぞ」

761 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/06(月) 21:37:13.55 ID:cpX90H5AO

 ヒュンッ ――コッ

東の使者A 「あだっ! なんか飛んできた!」

側近 「へ?」

 ヒュンッ ヒュンッ ――コッ コッ

東の使者A 「た! 痛っ、ちょ何これ!?」 イタイイタイ!

後輩メイド 「ほっ!」 パシッ

後輩メイド 「――これ、氷ッスね」

メイド 「……」

大賢者 「……」

側近 「……」

((( もしかしなくても、ヤバい? )))

大賢者 「男! はようせい!」

男 「待って下さい……これか?」 パラパラ...

762 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/06(月) 21:39:59.81 ID:cpX90H5AO

『超便利!温度感知術式搭載!(未完成)

 貴方のお部屋の暑い場所を狙って無慈悲なる徹底冷却!

 さらに、広域冷却モード搭載!

 最大出力なら半径五十メートルをわずか三十分で永久凍土に!

 ※ 迷惑ですので屋外での使用はご遠慮下さい。※』


男 「」

東の使者A 「パネェ……」

後輩メイド 「あ、追記があるッス」


『追記…

 この試作機の感知術式はテスト段階です。

 有効範囲内で温度の上昇を感知すると、自動的に広域冷却モードに移行します。

 危険ですので使用時に窓を開けないようにお願いします。』


側近 「」

大賢者 「」

メイド 「あらあら……」

東の使者A 「やっべえ」

男 「――わんこ、窓閉めろ!」

後輩メイド 「はいッス!」

763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/07(火) 13:09:17.36 ID:6l23kGo8o
そしてシステムが不可逆と…
764 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/07(火) 22:06:34.27 ID:JoMqDlYAO

後輩メイド 「……あんちゃんあんちゃん」

男 「どうしたわんこ」

後輩メイド 「窓が凍って閉まらないッス」

東の使者A 「(゚Д゚)」

男 「なん……だと……」

大賢者 「くっ、こうなればワシの火炎魔法で!」
側近 「わああストップストップです! そんなことしたら出力上がっちゃいますって!」

 ビュオオォォォォォ...!

メイド 「気のせいか風量も上がってきていますわね……」

後輩メイド 「気のせいじゃないと思うッス」

東の使者A 「誰だこんな駄機能付けた奴はぁ!」

男 「これ以上風が強くなるとさすがに制御できないぞ……」

765 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/07(火) 22:17:43.92 ID:JoMqDlYAO

 ビュオオォォォォォ…ッ!

東の使者A 「さささ寒い寒い寒い寒い寒い寒い!!」 ブルブルブル...

簡易魔法陣 < ゲンカイダーッ!!

 ――ベリッ ビリビリッ

竹 間易 麻 鬼 法陣 < アッ…

男 「簡易魔法陣が壊れた!」

東の使者A 「状況悪化ァ!!」 ガタガタガタ...

大賢者 「一向に勢いが治まらんぞ……!」

後輩メイド 「窓に氷柱が出来てるッスね」

メイド 「」 ガチガチガチ...

側近 「男さん、メイドさんが限界です!」

男 「ああもう仕方ない、カーテンに発熱の魔法陣を描いて……メイドさんこれ被ってて下さい」

メイド 「」 コクコク ガタガタ...

後輩メイド 「カーテンがあって良かったッスね」

東の使者A 「てか君らなんで平気なん!?」

男側わ 「「「慣れです(ッス)よ、慣れ」」」

東の使者A 「冬場はおこたにハマってたくせに……!」

男 「それはそれ、これはこれ」

側近 「実のところ耐寒魔法かけてるだけなんですけどね」

後輩メイド 「自分にしかかけられないから使い勝手がイマイチッス」

大賢者 「おお、その手があったか」 ハッ

東の使者A 「おのれ魔術師!!」

男 「というか先生は普通に自分で気付いて下さい」

大賢者 「あーあー聞こえぬなあ!」

766 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/07(火) 22:32:22.46 ID:JoMqDlYAO

メイド 「助かりましたわ……」 ブルブル...

東の使者A 「私を後回しにしたことを一生根に持ってやる……」 ガタガタ...

男 「いやあ、でもこれ問題があるんだよ」

男 「要は俺達の周囲だけ高温になるわけだから」

魔導フリーザー < ヒャッハー!!

 ビュヒュオオォォォォォォォォォ!!

男 「冷やそうとして、ますます冷気が強くなるんだよね」 アー、ツメタイ

東の使者A 「アカンがな!」 ツメタイッテレベルジャネーゾ!

メイド 「なら、一度室外に……きゃっ!」 ツルッ

床 < カチンコチンデスノ

男 「危ない!」 パシッ

男 「――って、うおう!?」 ツルルッ

後輩メイド 「あんちゃん!」 ガシッ

後輩メイド 「うきゃあ!」 ツルツルッ

 ズテーン!!

側近 「足下がカチコチに……」

東の使者A 「だ、大丈夫?」

 ふよんふよん

男 「……なんか柔らかいです」

メイド 「」

メイド 「――――〜〜ッ!!」 カアァッ

男 「落ち着いてメイドさんこれ不可抗力! わんこ早く退いて!」

後輩メイド 「あいやはらやはー……」 グルグルグル

男 「」 ピーンチ

メイド 「――」


 ぶちっ


メイド 「――このド変態がああああああああ!!」

  奥 義 !
   メ イ ド ア ッ パ ー !


 ドゴオオォン!!

男 「ばぐんっ!」 アゴガッ!!

側近 「男さー―――ん!?」

大賢者 「床が歩けぬなら壁を伝って……冷たぁっ!?」

767 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/07(火) 22:42:35.28 ID:JoMqDlYAO

男 「……OK、一旦落ち着こう」 カクカク

大賢者 「馬鹿やっとる間に窓が氷で塞がりよったぞ」

東の使者A 「これはいよいよピンチなのでは……」

男 「仕方ない……こうなったら本体をぶっ壊す!」

東の使者A 「うん、初めからそうすればよかったよね」

メイド 「試作品ですから、なるべくなら原型を保ったままでお返しするべきなのですが」

男 「そうも言ってられないからね……みんなちょっと離れてて」 鉈用意

側近 「はい」
後輩メイド 「ラジャーッス」

男 「せーの」


  必 殺 !
   農 家 ・ 唐 竹 割 り !


 ――パキイン

男 「…………」

男 「鉈が折れた」

東の使者A 「」

男 「接触した途端に凍結粉砕したぞ……」

大賢者 「とんでもない威力じゃの……」

メイド 「直に触れたら死んでましたわね……」

768 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/07(火) 22:46:34.98 ID:JoMqDlYAO

東の使者A 「てかいよいよそこら中凍りついてきてるんだけど!?」

側近 「故郷のお城を思い出しますねぇ……」

男 「だなぁ」

大賢者 「呑気に言うとる場合かっ!」

メイド 「このままでは建物自体も危ないですわね……」

側近 「……修繕費は研究所に請求しましょう」

男 「! そうだ!」

男 「わんこ、造形魔法であの機械丸ごと封じ込めろ!」

後輩メイド 「おおっ、了解ッス!」

769 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/07(火) 22:54:19.64 ID:JoMqDlYAO

後輩メイド 「『リライト』!」 パアァァァ…!

石壁 < ニョキッ

魔導フリーザー < ッ! ナニヤツ!?

石壁 < サー、ドンドンシマッチャウカラネー(ズズ…

魔導フリーザー < ナッ、チョ、ヤメ…

魔導フリーザーin石箱 < アッー!

男 「よし、これで」

魔導フリーザーin石箱 < ナンテナァ! アマイゼboy!

 ピキーン!

大賢者 「囲った石が一瞬で凍りよった!?」

東の使者A 「もうわけわかんねえええぇぇぇぇぇぇ!!」

男 「わんこ、もう一回だ!」

後輩メイド 「『リライト』!」 パアァァァ…!

魔フリin石箱in石箱 < ヌワー!

側近 「今度こそ……」

 カキィーン!

魔フリin石箱in石箱 < マダマダァ!

側近 「ええええええ!?」

男 「くそっ、もう一回だ!」

770 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/07(火) 22:57:38.26 ID:JoMqDlYAO

メイド 「…………」

メイド ハッ

メイド 「いけません! それ以上は――!」


床 < ピシッ


男 「あ」
側近 「い」
東の使者A 「う」
大賢者 「え」
後輩メイド 「お」

メイド 「……床が脆くなってしまいますわ」


 ピシッ! ビシビシビシビシッ!!

魔フリin石箱マトリョーシカ < モロイ床ト重イオレ、ドウナルトオモウ?


 ボコォッ!!


「「「「「……やっちまったァー―――(ッス)!!」」」」」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

771 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/07(火) 23:04:56.27 ID:JoMqDlYAO


兵士B 「今日もあっちーなあおい」

兵士A 「わざわざ言わないでほしいな。余計暑苦しくなるし」

兵士B 「しかしこうも暑いとなぁ」

兵士A 「言いたくなる気持ちはわかるけど……」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

兵士B 「ん? 何の音だ?」


<ぎゃー! なんか降ってきたぁ!

<寒っ!? なんだこれ寒ぅう!!

<畜生、持っていかれた!

<いかん、落下の衝撃で石箱が…

<もう冷気どころか吹雪だよねこれ!

<魔王様あんた何してんだぁあ!!

<やかましい! さっさと避難しやがれ!!

<メディーック! メディイイー―――ック!!


兵士B 「……なんか後ろが騒がしいんだが」

兵士A 「見ない振りをしよう」

兵士B 「だな」

<なんじゃこりゃああああああああああ!!

兵士A 「……平和だねぇ」

兵士B 「全くだ」

772 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/07(火) 23:06:14.03 ID:JoMqDlYAO


 ミーンミンミンミンミー…

 ジョワジョワジョワジョワジョワ…

東の使者B カリカリ...カリカリ...


 チリーン... チリンチリーン...


東の使者B 「んー……、いい風だなぁ」

東の使者B 「やっぱり夏と言えば風鈴だよね」


 チリンチリーン... チリーン...


773 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/08/07(火) 23:14:02.70 ID:JoMqDlYAO
最終結果 … 魔王城半壊。

風鈴の音色は癒されます
軒先にひとつ吊してみては如何でしょう。

あと連日寝落ちした、申し訳ない

メイドさんのおっぱいに飛び込みたい>>1でした。ではまた。
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/08(水) 00:56:41.74 ID:bcXQqmVVo
乙!
わんこのフサフサを触りたい
775 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/10(金) 21:45:40.32 ID:fYZGwR5AO

 〜城下街 とある日〜


『狐から魔女へ。目標を確認した、どうぞ』

『了解しましたわ。引き続き背景にとけ込みつつ監視を続行して下さい』

『こちら柴犬ッス。目標は喫茶店に入る模様ッス、どうぞ』

『こちら妖精。どうでもよいが何故わざわざ名前を隠すのじゃ』

『ノリですわ』

『左様か』

『狐から妖精へ。目標はそちらへ向かっている模様』

『む、わかった。監視交代じゃな』

776 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/10(金) 21:47:50.43 ID:fYZGwR5AO

 カランカラーン

「いらっしゃいませ。何名様ですか?」

男 「二人、禁煙席で」

「かしこまりました。お席のほう御案内させていただきます」

側近 「結構空いてますね」

男 「いい時間だったみたいだね」


「御注文決まりましたらお呼び下さい」

男 「どうも。……接客丁寧だなぁ」

側近 「普通じゃないですか?」

男 「聖都はすごい雑だったからなぁ……」

側近 「はぁ」

男 「客がいるのにホールからスタッフが消えたりするからね」

側近 「営業中なのにですか?」

男 「営業中なのにですよ」

777 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/10(金) 21:48:43.46 ID:fYZGwR5AO

男 「なにより料理が不味いのが耐えられなかった」

側近 「あ、それよく聞きますけど、そんなにひどいんですか?」

男 「根底に食べられれば十分って考えが根付いてるみたいで……」

側近 「それはまた随分おざなりな……」

男 「その点こっちに来てからは食への不満はなくなったかな」

側近 「でも確か、三十年ほど前まではこちらも大変だったみたいですよ」

男 「そうなの?」

側近 「はい。それで、騎士団長さんが各地を耕して回ってなんとかしたそうです」

男 「耕して?」

側近 「耕して」

778 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/10(金) 21:50:34.16 ID:fYZGwR5AO

『何やらメニューを見ながら雑談しておるの』

『なかなか決まらないみたいッスねー』

『こちら狐。あんパンとミルクを確保した、どうぞ』

『あら、おごりですか?』

『いや払えよ』

『ケチですわね』

『あ、自分も欲しいッス』

『なにしとるんじゃお主ら……む、店員を呼んだようじゃの』

779 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/10(金) 21:51:17.05 ID:fYZGwR5AO

『ふぁにをひゅうもんひはっふは?』

『狐から柴犬へ。飲み込んでから喋れ』

『うぃ』

『むむ……「らぶらぶじゃんぼぱへせっと」じゃと?』

『(ガタッ、ガシャーン!)』

『魔女から妖精へ!録画を!録画の準備を!!』

『狐から魔女へ。うるさい』

『あーんする気ッスかね?』

『あああズルいですわ!私もしたいくらいですのに!』

『やかましいのぅ……』

780 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/10(金) 21:52:28.25 ID:fYZGwR5AO

「お待たせしました。ラブラブジャンボパフェとホットコーヒー、ミルクティーになります」

男 「どうも」

側近 「お、大きすぎません?」

男 「二人で食べるならちょうどいいんじゃないかな?」

側近 「そうでしょうか……」

男 「食べきれなければ俺がなんとかするし。はい側近さん、あーん」

側近 「ふぇ!?」

781 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/10(金) 21:54:38.19 ID:fYZGwR5AO

『おおっ、あんちゃんのほうから行ったッスよ!』

『こちら狐。あのスケコマシ、ごく自然にやりやがったわね』

『録画は!? 録画はどうなっていますの!?』

『ちゃんとやっとるからちと黙れ』

『てひひ、そーちゃん真っ赤になってかわいいッスね〜』

『こちら狐。あんたら側近ちゃん好きだなオイ』

『大好きッスよ?』

『あの魅力がわからない人は男じゃありませんわ!』

『いや私もアンタも女だよ』

『言い合っとる間にあーん合戦になっとるぞ』

『(どばっ)』

『ぴっ!? こ、こちら柴犬! 魔女が鼻血噴いて倒れたッス!』

『はいはい、急患一名入りまーすっと』

『何をやっとるんじゃ、全く……』

782 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/10(金) 22:00:08.60 ID:fYZGwR5AO

側近 「うぅ……ひどい辱めを受けた気分です……」

男 「いやぁ、だってスプーン一つしかなかったからこういうことかなぁと」

側近 「だからってしれっとやらないで下さいよ。誰かに見られてたらと思うと……」

男 「あーん」

側近 「あむ」

男 「言う割に素直に食べるよね」

側近 「もっふぁいらいららいへふは」

男 「うん、飲み込んでから喋ろうか」

783 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/08/10(金) 22:08:22.54 ID:fYZGwR5AO

側近 「んく……ふぅ。でもいいんでしょうか、こんな急に休みなんて」

男 「メイドさんがわざわざ取り計らってくれたんだし、無碍にするのも失礼でしょ」

側近 「そういうものですか?」

男 「そういうものですよ」

男 「それに、なんだかんだで城下街を見回る暇もなかったからちょうどいいし」

側近 「あぁ……確かにそうですね」

男 「というわけで案内は宜しくお願いします」

側近 「ふふっ、はい。任せて下さい!」

男 「それじゃ、まずはゆっくり地図でも眺めようか」

側近 「すぐにでも案内できますよ?」

男 「まあまあ。急がずにのんびり行こうよ」

男 「せっかくのデートなんだから」

784 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/08/10(金) 22:11:59.51 ID:fYZGwR5AO
男は割としれっと恥ずかしいことをします

最近夜はそこそこ涼しくなってきましたね
油断して夏風邪をひかないよう気を付けましょう
ではまた。
785 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/11(土) 13:22:52.21 ID:zApV6QBJo
786 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/08/11(土) 20:34:16.37 ID:37a9WmwL0
787 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/08/12(日) 04:26:11.32 ID:aRbkvePso

ニヤニヤで顔がもとに戻らなくなったぞどうしてくれる
788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/08/21(火) 22:27:34.95 ID:XGLuhpCoo
乙乙!
789 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/19(水) 04:06:12.20 ID:3/Bbyymzo
待ってるでござるよ
790 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/09/29(土) 04:58:49.77 ID:F9p5GXvAO
おかしい……時間の感覚が完全に狂ってる……

生存報告です、お待ちいただき申し訳ない
791 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/09/29(土) 17:36:01.11 ID:wRuHQ4bFo
待ってる
792 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/11(木) 19:19:57.71 ID:0g8pFxPT0
どうもお久しぶりです
今回ちょっと見る人によっては軽い絶望を味わうかもしれません

メイドさんに幻想を抱いている方は見ないほうがいいかも……
793 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/11(木) 19:20:59.22 ID:0g8pFxPT0

【休日 メイドさんの場合】


 チュンチュン チュンチュン …

メイド「んー……」モゾモゾ...

メイド「――はっ! 朝!」ガバッ

メイド「うわっ、時間! 遅刻!?」バタバタバタ...

メイド「ああもう! 何で今日に限って寝坊なんて……」ドタドタドタ...

メイド「…………」ピタッ

メイド「……あ、そっか休みなんだった」ハッ


794 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/11(木) 19:22:04.72 ID:0g8pFxPT0

メイド「顔よし、髪よし、服よし。さて……」


無数の酒瓶(空) < ゴローン

脱ぎ散らかした服 < グシャグシャァ

蹴飛ばした毛布 < フンモッフ

ツマミの残骸 < ヤレヤレダゼ…

詳細不明のゴミの山 < カタヅケヨウゼ、アネサン…


メイド「……あー、めんどくさっ」ハァ...

メイド「ハウスキーパー雇おうかしら……いやでもメイドの沽券に関わるわね……」

 ※既にそんな次元じゃない

メイド「そもそも前片付けたのいつだったかしら」

メイド「……独り言増えたなぁ」

メイド「それもこれもバカ魔王のせいね。帰ってきたらコキ使ってやる」ブツブツ

 ※理不尽


795 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/11(木) 19:23:09.31 ID:0g8pFxPT0

メイド「はぁああ……たまの休みだしゆっくり羽を伸ばしたいけど……」

メイド「…………」

メイド「止めた、掃除屋呼びましょ。ええと、通信機は……と」ガサガサ


  ・ ・ ・


女医「それで昼間っからウチに来た理由は? こっちも休みたいんだけど」

メイド「あんたの部屋綺麗なんだもの。はぁー……、だるっ」

女医「……普段の猫被りからは想像もできないわね」

メイド「ちゃんとしてないとメイド長が煩いのよねぇ。こちとら育ちの悪さは筋金入りだっつの」

女医「筋金入りの使い方間違ってない? ほらコーヒー」

メイド「さんきゅ。……あー、やっぱ美味いわ」

女医「そりゃどうも」


796 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/11(木) 19:24:02.55 ID:0g8pFxPT0

メイド「ぶっちゃけるともー、正直メイドの代表やるのめんどい」

女医「またえらいぶっちゃけたわね」

メイド「愛想振りまくの苦手なのよ。世話焼くのは好きなんだけど」

メイド「四六時中他人の目があるってのがどうにもね」ダラー…

女医「もういっそ地で行けば? メイド長もじきに引退だし、そうなれば次はどうせあんたでしょ」

女医「早めにカミングアウトした方が楽だと思うけど?」

メイド「それはなんか嫌」

女医「ああ、そう……」


797 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/11(木) 19:24:51.50 ID:0g8pFxPT0

メイド「これでもプライドはあるのよ。私が地を見せられるのは家族とあんたとバカ魔王だけね」

女医「また薄っぺらなプライドねぇ」

メイド「息抜きも必要だもの……ふぁ……ふ」

女医「何、眠いの?」

メイド「んー……、新体制に向けて兵士長とか男さんと使者Aさんとかで遅くまで話し合いしてて……」

メイド「山場を越えれば一気に仕事量が減るから、今は頑張り所なんだけど……」ウトウト…

女医「返事になってないし。ほんと疲れてるみたいね」

メイド「んー……ごめんちょっとだけ寝る……」ウツラウツラ

女医「ああほら、床で寝るなってベッド貸すから」

メイド「うん……」フラフラ ドサッ

メイド「………………ぐぅ」スピー…

女医「あらら……」


798 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/11(木) 19:25:52.17 ID:0g8pFxPT0

  ・ ・ ・

メイド「朝です」

女医「いや夕方だけど」

メイド「言ってみただけですわ」

女医「あれ、猫被りモード?」

メイド「気を抜きすぎるとうっかり人前で地を出してしまうかもしれませんから」

女医「うへ、やっぱ気持ち悪い」ゲェ

メイド「あらあら、申し訳ありませんわ」

女医「それはそうと休めた? 寝覚めはいいみたいだけど」

メイド「ええ、ばっちりと。ありがとうございました」ペコリ

女医(違和感がハンパない……)


799 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/11(木) 19:26:50.58 ID:0g8pFxPT0

女医「帰んの? 夕飯は?」

メイド「カフェテリアにでも寄っていきますわ。それでは失礼致します、また明日」

女医「はいよ」

 ガチャ パタン

女医「誤魔化ししてないで料理覚えればいいのに」

女医「…………」

女医「外で一服してこよ」


 〜翌日〜

メイド「男様、側近様、おはようございます」

側近「おはようございまふ……ぁふ」クァ…

男「おはようございます。昨日は休めました?」

メイド「ええ、お陰様で。今お茶をお持ちしますね」ニコッ

女医「…………」ジー…

女医(猫被りもあそこまでいくと感心するわね……)


800 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/11(木) 19:30:38.12 ID:0g8pFxPT0
変なとこですがここまで
メイドさんの他人に見せない部分をちょっとだけお届けしました。

なんとなくですが、メイドさん的には猫かぶり状態もある意味で「素」のような気がします。なんとなくなのでよくわかりませんが
こんな大人の女性は嫌いですか? 俺は割と好きです

ちなみに女医は自室では吸わない主義
メイドさんにとっての数少ない対等な友達です

読み返したら男と対等くらいの女キャラは女医と使者Aだけだった、なんでだろ……

前回で続きを期待した方には申し訳ありません、デート経験のない俺には難易度がアンノウンでした
今後基本的には1回で1話区切る形にしていきます、たぶん、きっと

後書きとお知らせは以上です
では、また後ほど。


次レスはスレ内容と関わりない話なので反転。実は反転コマンド使ってみたかっただけですが。
801 : ◆TctB4xXhw6 [sage !orz_res]:2012/10/11(木) 19:32:19.08 ID:0g8pFxPT0





ストレスって気付かないうちに溜まるんですね、発狂寸前になってようやく自覚しました
自覚した途端にびっくりしすぎて雲散霧消しましたが。人体怖ぇ

息抜きに某深夜で書いた魔王系スレがあるんですが
(酉同じ。酉かマジヤバいでググると出てきます。
 前に言った浮気はそれですごめんなさい)
あれが全キャラ対等くらいの関係でさらっと書けたから今回試してみたらほんとに書けたよ……なんだこれ

あとこれかなり今更だけど前スレでちゃんと当初のオチ入れて一回話区切った方がよかったなぁと思った。
考え込むと止まるから流れとノリだけでストーリーはオマケ程度に考えたほうが筆の進みが早い気がする。気のせいかもしれないけど。

初期目標の毎日5レス以上、せめて3日に1回は更新できるようにしたい
……とか考えながら、せめて週1、せめて2週に1、という風にずるずる目標が下がっていった結果が今だよ!!
誰か俺を殴ってくれ。避けるけど。避けるなよ俺。
目指せ調子回復。

頑張ろう
頑張ります。
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/10/11(木) 20:10:15.43 ID:8fPwBBoWo

頑張らないでちゃんと休んだ方がいいぞ
803 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/12(金) 21:26:32.34 ID:IY9sc0IX0

【休日 兵士A〜Dの場合】


兵士B「休みっすか?」

兵士長「そだよん。特に君らほんと休まないから、これはむしろ命令〜」

兵士A「予定の休みはちゃんと貰ってますけど……」

兵士長「うーん、まあその辺りはぶっちゃけ建て前でね」

兵士長「正門のほうの開閉で、自立制御魔導式の導入テストをしたいんだ」

兵士B「そらまたえらい今更っすね」

兵士長「いやー、それが開発依頼申請の書類が未提出になってて」アッハッハッハ

兵士A「そんなアホな……」

兵士長「十年もほったらかしになってたよ」

兵士A・B「「!?」」ガビーン


804 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/12(金) 21:27:27.12 ID:IY9sc0IX0

 〜兵舎 兵士A〜Dの部屋〜

兵士C「……また随分間抜けな話だな」

兵士D「...zzZ」スピー

兵士A「つまり十年余計な仕事させられてたってことだよね」ゴゴゴゴゴゴ...

兵士B「顔怖ぇぞA。まあ今更だろうが仕事が減るならそのほうがありがたいけどな。ダルいし」

兵士C「つかセキュリティ大丈夫なのかそれ」

兵士B「その辺の兼ね合いもあるんだろ。にしても十年前の申請書類なんかよく出てきたなぁ」ダラー

兵士C「なんかこの間の半壊騒ぎん時に片付けてたら出たらしいぞ」

兵士B「原因はアレか……」


805 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/12(金) 21:28:32.72 ID:IY9sc0IX0

兵士B「あー、にしても今日どうすっかねェ。急に休めっつわれてもなぁ」グデー

兵士A「考えてみたらやることないんだよね」

兵士C「いっそガッツリ寝るとか」

兵士B「んなDじゃあるめぇし」

兵士D「...zzZ」スカピー

兵士A「……前から疑問だったんだけど、Dって起きてる時間短くない?」

兵士B「……つーか殆ど見た覚えがねぇな」

兵士C「仕事中は一応起きてるぞ。一応な」イチオウ

兵士B「どんだけ寝るんだよ……」

兵士A「種族なんだったっけ」

兵士C「確かナイトメアじゃなかったか?」

兵士B「夢魔か。もしかして夜行性なのか?」

兵士C「いや、夜もガッツリ寝てるな……」

兵士A「えぇぇー……」

兵士D「...zzZ」スピー ヒュルルルル…


806 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/12(金) 21:29:16.49 ID:IY9sc0IX0

兵士A「それでよく騎士仕えが務まってるね」

兵士C「よそなら確実にシバかれてると思う」ウン

兵士B「お前らんとこは温厚代表だもんなぁ」

兵士A「温厚って言ったら騎士Aさんじゃない?」

兵士C「いや、あの人はイケメンだがなんだかんだでかなり厳しい」

兵士B「イケメン関係あんのかそれ」

兵士C「なんか優しそうだけと厳しいっていうギャップが人気らしい」

兵士B「なんだそりゃ、意味わかんねぇ」


807 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/12(金) 21:29:58.52 ID:IY9sc0IX0

兵士B「あ、つーかお前らは今日は仕事は?」

兵士C「あれ、言ってなかったか? 毎週この日は休みなんだよ」

兵士A「そうだったっけ?」

兵士C「まあそん代わし翌日は外回りだけどな」

兵士B「普通逆じゃねーのそれ」

兵士C「だよなぁ……」

兵士A「たまにヘトヘトになってるのってそれ?」

兵士C「おう。一日中馬に乗ってると流石に尻が痛くなるんだよなぁ……」

兵士B「……待った、その間Dはどうしてんだ?」

兵士C「起きてりゃ乗らせる。寝てりゃ荷台だな」

兵士B「行く意味あんのかそれ」

兵士C「たまにこいつ居ないと困るトラブルとかあるから、まあ一応な。一応」イチオウ


808 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/12(金) 21:30:35.05 ID:IY9sc0IX0

兵士A「ごめんちょっと出掛けてくる」

兵士B「あん? なんか用事か?」

兵士A「用事じゃないけど、せっかくだし彼女のとこにね」

兵士C「」

兵士B「あー」

兵士C「What?」

兵士B「どうした間抜け面して」

兵士C「えっ、Aって彼女いたのか?」

兵士A「いるよそりゃあ……」

兵士B「もう三年だったか?」

兵士A「ううん、四年生だよ」

兵士B「おお、卒業間近か。早いもんだな」

兵士C「しかも学生かよ!?」ガビーン


809 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/12(金) 21:31:47.41 ID:IY9sc0IX0

兵士A「学生っていっても魔術師学校の後輩だよ。もう成人してるし」

兵士C「意外だ……」

兵士A「失礼だなぁ」

兵士B「まあ一番意外なのはDが既婚者だってことだけどな」

兵士A・C「「は?」」

兵士B「あれ? 知らなかったのか?」

兵士C「ちょちょちょちょっと待て! 既婚!? 彼女とかじゃなくか!?」

兵士A「B、そういう嘘はどうかと思う」

兵士B「じゃあ証拠。Dの左手」

兵士D「...zzZ」スヤスヤ

結婚指輪 < アンマミナイデクダサイヨ

兵士C「」

兵士A「えぇー……?」ウソダァ…


810 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/12(金) 21:32:31.54 ID:IY9sc0IX0

兵士D「...zzZ」スカー

兵士C「バカな……Dにすら女がいるだなんて……」ガタガタ

兵士B「つーか何度も顔合わせてるだろお前」

兵士C「!?」

兵士C「まっ、まさか騎士Bさんか!?」

兵士B「違う。お付きのメイドAのほうだ」

兵士C「メイドAちゃんだと!? そ、そんな……バカな…………ッ」ガクガク

兵士A「へぇー、じゃあ夫婦で騎士団に入ってるんだ」

兵士B「逆、逆。ここ来て知り合ったんだと」

兵士A「よくそんなの知ってるね」

兵士B「たまにDの様子訊かれるんだよ。あと夫婦の心得とか」

兵士A「アドバイスなんかできるの?」

兵士B「多少な。多少」チョットダケ


811 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/12(金) 21:33:42.24 ID:IY9sc0IX0

兵士C「そ、それじゃあ、何か? この中で女性経験皆無なのって……」カタカタカタ

兵士B「まあお前だけだな」ウン

兵士A「もう行っていい? 時間なくなっちゃうし」

兵士C「待てええええい!!」

兵士A「何さ……」

兵士C「A……後生だ……!」バッ


兵士C「彼 女 の 友 達 紹 介 し て く れ !!」
 ズシャアアアアアア!!
※スライディング土下座


兵士A「ごめん、デブはちょっと」ムリ

兵士C「デブ!? えっ、俺デブ!? デブって俺!?」

兵士B「おいおいA、そんな」コラコラ


812 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/12(金) 21:34:24.03 ID:IY9sc0IX0

兵士B「本当のこと言うなよ」ダメダゾー

兵士C「俺デブなの!? デブだと思われてんの俺!?」
 ガーン ガーン ガーン …(エコー

兵士A「もう行っていい?」

兵士C「待った! デブは否定してけ!」

兵士A「否定する要素はどこに?」

兵士C「いやいやよく見ろよほら!」


兵士C「この引き締まった腕!」

兵士B「ラリアット得意そうだな」

兵士C「男らしさ溢れる顔!」

兵士A「常に笑ってるみたいな造りだけど」

兵士C「鍛え上げられた体!!」

兵士B「よくレスラーって呼ばれねえ?」

兵士C「どこをどう見たらデブなんだよ!!」

兵士A「どこをどう見てもデブだよ」


813 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/12(金) 21:35:10.68 ID:IY9sc0IX0

兵士C「デブじゃねえよ! せめて恰幅がいいくらいだよ!」

兵士B「だが重量級には違いないな」

兵士A「否定の余地なしだね」

兵士C「うおおおおい!? ガタイのよさなら騎士Cの旦那のほうが上だろ!?」

兵士A「あの人はそういう種族だし」

兵士B「ごく普通の魔人でこれはやべーよ。実はあだ名トロルだもんお前」

兵士C「トロル!? そんな酷いの俺!?」

兵士A「トロルに謝れェエ!!」カッ!!

兵士B「そうだそうだ。Cのくせにトロル見下してんじゃねえ」ナゲヤリ

兵士C「ええええええ!?」


814 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/12(金) 21:35:57.63 ID:IY9sc0IX0

兵士D「……うるさい」モゾ…

兵士C「いやでもトロルはねえだろ! せめてクマだろ!?」

兵士A「クマに謝れェエ!!」カッ!!

兵士B「そうだそうだ、クマをバカにすんな」ヤンヤヤンヤ

兵士C「俺どんだけ下なの!?」

兵士D「…………」クシクシ

兵士D「………………」ボー…

兵士B「お、Dが起きた」

兵士C「あっ、D! そうだ、Dは俺の味方だよな! な!!」

兵士D「…………」


815 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/12(金) 21:37:13.90 ID:IY9sc0IX0

 ガシッ

兵士C「へ?」←肩掴まれた

兵士D「…………」スゥ…



兵士D「――――黙ってろデブ」



兵士C「」

兵士D「...zzZ」ゴロン

兵士A「じゃ、もう行くよ」

兵士B「おう。彼女によろしく」


816 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/12(金) 21:38:16.24 ID:IY9sc0IX0

兵士C「………………」

兵士C「――――〜〜ッ」ワナワナ…



「 納 得 い か ね え !! 」



その声は魔ノ国全土に響き渡ったという……。


817 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/12(金) 21:42:30.97 ID:IY9sc0IX0
更新 >>803-816

なんか兵士Cが酷い目に遭いました
社会人になると予定外の休みって逆に困りますよね
そのわりにこいつらなんか学生じみてますが。気のせい?

兵士Dは起きないわけじゃないんだ……ただ寝てる時間が長いだけなんだ……
変な病気とかではないです、彼はいたって健康体です
あ、兵士Cは正真正銘のメタボです。

ではまた。
818 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/13(土) 16:44:30.33 ID:dBonl8oN0

【敬語】


大賢者「男の敬語が直らん」ズゥゥゥゥン…

側近「はぁ……」

わんこ「敬語ッス?」モグモグ

大賢者「対等じゃとッ、言ったのにッ!」ガンッ ガンッ

テーブル < イタイイタイ、脚蹴ルノヤメテ

わんこ「ふーん」モソモソ

大賢者「無関心じゃの、この犬……」

わんこ「柴犬ッス」ハイ

側近「そういえば……」


 ホワンホワンホワン…


819 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/13(土) 16:45:17.60 ID:dBonl8oN0

 〜回想〜


男「メイドさんメイドさん」

メイド「はい?」

男「これうちで採れたトマト。今みんなに配ってるんですけど、良かったら」

メイド「あら、綺麗な赤色ですわね」

男「自慢の逸品ですよ」フフリ

メイド「いただきますわ。ありがとうございます」

男「どういたしまして。あ、おーいB!」

兵士B「あん?」


820 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/13(土) 16:45:53.06 ID:dBonl8oN0

男「トマト食うか? 味には自信ありだ」

兵士B「おお、さんきゅ」

男「ついでに兵士Aさん達の分も持ってってくんね? 兵舎遠いし」ゴソゴソ

兵士B「あいよ。うわ甘っ!」

男「だろ?」ニヤリ

兵士B「お前農家のほうが向いてんじゃねえの」モグモグ

男「いや農家だよ」

兵士B「そうだっけ。ん、ごち。じゃーな」

男「うん」


821 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/13(土) 16:46:31.94 ID:dBonl8oN0

女医「あ、トマトだ」ウマソウ

男「食う?」

女医「食う食う」

男「じゃあ尻尾モフらせてくれ」←真顔

女医「えー……いやいいけどさ」

男「いいんかい」ビシッ

女医「まあ男君なら。兵士Bには絶対やらせないけど」

男「ああ、あいつちょっとエロいところあるよね」モフリ

女医「この前なんて騎士Bの胸ガン見してたわよ。んー、美味美味」マグマグ

男「昔からおっぱい星人だからなぁ……」モフモフ

女医「ちょっと、モフりながら喋んないでよ」コソバイ

男「んー……。ふぅ、堪能した」

女医「あんた尻尾好きよね」

男「このモフモフ具合がたまらんのよ」

女医「意味わかんね。じゃね」

男「おー」ヒラヒラ


822 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/13(土) 16:47:23.44 ID:dBonl8oN0

パティシエ「トマトですか」

男「ええ。かなーり甘いですよ」

パティシエ「ほほう……そのまま食べてもおいしそうだ」

男「トマトでお菓子って作れるんですか?」

パティシエ「コツが要りますが、いくつかありますよ。試食しますか?」

男「じゃあ、今度お願いします」

町娘「あっ、魔王様」

男「まだ代理ですよー。町娘さんトマト食べられます?」

町娘「トマトですか……」

男「ありゃ、苦手?」

町娘「皮がちょっと……」

男「皮かぁ……今度改良策考えてみよう」

パティシエ(それは農家の仕事なのでは……)


823 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/13(土) 16:48:36.33 ID:dBonl8oN0

魔剣『ほう、瑞々しいな』

男「魔剣さん……は流石に無理ですよね」

魔剣『武士は食わねど高楊枝、だ』

男「いや武士じゃないでしょ」

男「もう人型に変化する魔法開発させましょうか? 魔王権限で」

魔剣『案ずるな。我輩は今のままで満足している』

男「トマトうまいんだけどなぁ……」

メイドB「あ! ダイリオーだ!」

女兵士A「ほんとだ代理王だ!」

女兵士B「なんか持ってるぞー! 取っちゃえ取っちゃえ!」

男「ダイリオーってなんだよ。トマトだけど食べられる?」

女兵士A「もちろんですとも!」

女兵士B「なになになに、トマト投げ祭でもすんの?」

男「しないよ」

メイドB「これ洗ってあるのー?」

男「洗ってあるよー」


824 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/13(土) 16:49:26.09 ID:dBonl8oN0

メイドB「なんかねー。マオーダイリだと長いからってねー」モグモグ

女兵士B「みんなでぇ、呼び方考えててぇ」マグマグ

女兵士A「にゃあらいいほーれいいにゃんってれー」ガツガツ

男「飲み込んでから喋ろうか。てかあんま変わんなくない?」

メイドB「じゃーダイオウ!」クワッ

男「それ意味違う。普通に名前呼びでいいのに」

女兵士B「メイド長が煩いんだもーん」

男「あー、なら俺から言っとくかな」


825 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/13(土) 16:50:05.98 ID:dBonl8oN0

男「思いの外減ったなぁ。……おっ、騎士Bさん」

騎士B「だっ、代理殿!?」ビクッ

男「っと、すみません驚かせました?」

騎士B「い、いえ。何かご用ですか?」

男「トマト食べます?」

騎士B「トマト……?」

男「うちで採れたやつなんですけど、折角なので」

騎士B「は、い、いただきます……」オズオズ

男「ついでで悪いんですけど、他の騎士の方々にも配ってもらっていいですかね?」

騎士B「あ、うま……。わかりました。それなら騎士仕え達の分も預かりますが」

男「なら、お願いします」ゴソゴソ

騎士B「ではこれで」

男「はい」ヒラヒラ

男「何してたんだろ、あの人」ポツリ

騎士B(兵士B殿をストーキングしていたとは言えない……)


826 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/13(土) 16:50:40.07 ID:dBonl8oN0

男「うーん、我ながらいい出来」←自分でも食う

東の使者A「よ」

男「よ」モグモグ

使者A「何食ってんのそれ」

男「自家製トマト。食う?」

使者A「普通のなら食べる」

男「普通のだよ。もしかしてプチトマトが駄目なタイプ?」

使者A「なんか、なんだろ、よくわかんないけど苦手なんだよね」ガブ

使者A「ん〜、甘い!」ッカァー

男「だろ?」ドヤァ

使者A「もう農家やったほうがよくない?」

男「いや農家だよ」

使者A「だっけ?」


827 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/13(土) 16:51:35.35 ID:dBonl8oN0

使者A(よし、普通に喋れてる、よし)←密かに変な汗かいてる人

男「トマトと言えば側近さんの故郷がトマトの名産地でさー」

使者A「そうなの?」

男「これがまたうまいんだけど、なかなか追いつかないや」

使者A「これよりうまいトマトかぁ」ウーン

使者A「うちの国も食べ物うまいけど、この国のには負けるなぁ」

男「そうなの?」

使者A「どっちかって言うと料理がうまいのよね。もっと言えば高品質化に特化してるっていうか」

男「へぇー」

使者A「もいっこ貰っていい?」

男「いいよ。っていうかいくつか持ってっていいよ。使者Bさんの分も」

使者A「ああ、ダメダメ。あいつトマト大の苦手だから」ケラケラ

男「そうなの?」

使者A「もう近付けるだけでみるみる弱ってくの。ほんと笑っちゃうわ」アッハッハッハ

男「……やべぇ、ちょっと見てみたい」


828 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/13(土) 16:52:23.84 ID:dBonl8oN0

男「後はーっと……いたいた、騎士団長さん!」

騎士団長「あん? おお、どうした?」

男「…………」スッ

騎士団長「……いただこう」

 ガブ モグモグモグ…

騎士団長「…………」

男「…………」ドキドキ

騎士団長「…………」グッ

男「!」パアッ

騎士団長「やるなぁ。これブランド付けて売り物になるレベルだぜ!」

男「マジですか!」ッシャア!

騎士団長「さすが本職はちげぇなあ。あー土いじりたくなってきた。ちょっくら行ってくる」

男「ありがとうございます!」ヒラヒラ

男「伝説の農家のお墨付きをいただいてしまった……」

男「……ふふふ」ニヤニヤ


829 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/13(土) 16:53:01.61 ID:dBonl8oN0

男「兵士長さん、大臣さん、トマト食べられます?」

兵士長「トメィトゥ?」

大臣「なんでちょっといい発音だよ。どうしたんですそれ」

男「うちの畑で採れたんですよ。それであちこちに配ってるんです」

男「なんと騎士団長さんのお墨付きをいただきました」ニヤニヤ

兵士長「ほう」キュピーン

大臣「どれ、では一つ」

兵士長「…………」モグモグ

大臣「…………」モグモグ

男「…………」

長・臣「「ンまあァー―――――イィッ!!」」ヒャッハァー!!

男「ッシャアァ!!」グッ!!


830 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/13(土) 16:54:08.48 ID:dBonl8oN0

 〜回想終了〜


側近「という感じだったみたいですよ」モグモグ

大賢者「言葉遣いに統一性がないのう……あむ」ガブ

わんこ(相手の口調に合わせてるだけだと思うッスけど)モクモク

大賢者「うむ、美味じゃ」マグマグ

わんこ「あんちゃん野菜作り上手ッスからねー」ガブリ

側近「ものすごい楽しそうでしたしね」モウイッコー

大賢者「しかしトマトだけで腹が膨れそうじゃ」マグマグ

わんこ「確かにちょっと多いッス」モグモグモグ


831 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/13(土) 16:54:52.36 ID:dBonl8oN0

大賢者「ところで気になったのじゃが」

側近「はい?」

大賢者「おぬし何故に男の行動を知っておるのじゃ?」

側近「ああ、それは」


側近「諜報部に依頼してまして」


賢・わ((職権乱用……!))


832 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/13(土) 16:58:17.25 ID:dBonl8oN0
更新>>818-831

投下してから気付いたけどトマトの話だこれ
あと携帯にメモるのに文字数減らしで名前変えてたとこそのままだった……迂闊

わんこ=後輩メイド(言わずもがな)
使者A=東の使者A(他に出てないから大丈夫だよね)

では失礼をば。
833 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/10/13(土) 17:07:05.13 ID:dBonl8oN0

大賢者「む、久方ぶりの仕事かえ」

大賢者「途中に出てきた三人娘の紹介じゃの」

大賢者「まずメイドBは騎士に仕えとるメイドの一人じゃ。同じ騎士仕えの女兵士A・Bとよく行動を共にしておるようじゃな」

大賢者「それと、ちと頭が弱いようじゃ」

大賢者「女兵士Aじゃが、こやつは行儀が悪いのう。三人の中では一番威勢がいいようじゃ」

大賢者「元気なのはいいが、少々考える頭が足りんらしいの」

大賢者「最後に女兵士B。とにかくいいかげんな輩じゃ。しかし三人の中では一番常識がある」

大賢者「飄々、のらりくらり。ちと兵士Bや男に似ておるやもしれん」

大賢者「まあ出番がまたあるかどうかは知らんがの。以上じゃ」

大賢者「ではの」


834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/14(日) 07:03:25.26 ID:ewaw0YG1o
835 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:08:06.13 ID:MSRHwqcI0
休日は休むもの

行きます。
836 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:08:52.33 ID:MSRHwqcI0

 【料理】


黒い物体 < タベラレマセン

極彩色の塊 < ドクデハナイハズ

謎の蠢くもの < イキテルワケジャナイヨ


側近「………………」ズーン…

大賢者「これは……なんというべきか……」

後輩メイド「予想以上ッス……」

側近「死にたい……」ズーン…


やたら青い粘液 < イチオウ、ジブン、カレーノハズナンデスガ…

金属質っぽい何か < モハヤレンキンジュツデスワ


パティシエ「えーっと……レシピ通りにやったん、です、よね……?」

側近「死にたい…………」ズゥゥゥゥン…

後輩メイド「おおう……負のオーラが……」ヒキッ


837 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:09:54.94 ID:MSRHwqcI0

 〜ことのきっかけ〜


兵士A「Bって料理とかできるの?」

兵士B「あん? 一応できるけど、どうした急に」

兵士D「...zzZ」

兵士A「いや実はさ、彼女の家で夕飯ご馳走になったんだけど」

兵士C「死ね」

兵士A「断る。お父さんが男でも簡単な料理くらいできたほうがいいって言ってて」

兵士B「それでなんで俺」

兵士A「男でも作れる料理とか詳しいかなって思って」

兵士B「つまり教えろって?」

兵士A「うん。頼める?」

兵士B「そのくらいなら別にいいが……Cお前何考え込んでんだ」

兵士C「料理ができたほうがいいってことは、料理ができればモテるのかと」

兵士A「関係ないと思うよ?」

兵士C「少しくらい希望を持たせてくれよ……はぁ……」

兵士B「そもそもお前できるのかよ」

兵士C「できないけどよ」

兵士A「駄目じゃん」

兵士C「ちくしょう」


838 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:10:34.56 ID:MSRHwqcI0

兵士B「つか、料理だったら多分俺より男のほうが上手いぜ」

兵士C「男さん? そうなの?」

兵士B「作るとか育てるとか好きだからなあいつ。十年以上自給自足で自炊生活してた実績もあるし」

兵士B「……そういや側近ちゃんとか後輩ちゃんとかはどうなんだろうな」

兵士A「できるんじゃない? 女の子なんだし」

兵士C「それ根拠にならなくねぇ?」

兵士A「そう? うちの彼女は料理うまいよ」

兵士C「よし、死ね」

兵士A「断る。友達もそこそこできるみたい」

兵士B「まあ、女で料理できないのは正直やべえよなぁ」

兵士A「掃除洗濯炊事は基本だよね」ウン


839 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:12:02.28 ID:MSRHwqcI0

兵士B「その点でいけばメイドさんはすげーよな。できないことあんのかってレベル」

兵士A「あの人は規格外じゃない? なにかと先回りして用意してたりとか、ちょっと凄すぎ」

兵士C「まあ魔王付きのメイドやってたくらいだしそんなもんじゃねえ?」

兵士B「あそこまでいくと何か欠点欲しいよなぁ」

兵士A「実は私生活ぐちゃぐちゃとか?」

兵士B「それは別の意味でやべえだろ……」

兵士C「……いや、アリだな」

兵士B「狙うな狙うな」

兵士A「Cはまず顔を覚えてもらわないと」

兵士C「え、俺そんな段階!?」

兵士B「つーか視界に入ってねんじゃね?」

兵士A「あー」

兵士C「ちょっ、お前ら酷くね!?」

兵士B「でも実際ありえそうだしな」

兵士A「ね」

兵士C「」


840 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:12:44.19 ID:MSRHwqcI0

兵士D「…………」ムクリ

兵士A「あ、Dが起きた」

兵士D「…………」ボー…

兵士B「そういやDも料理得意なんだよな」

兵士A「そうなの?」

兵士B「メイドAちゃんに教えてたし」

兵士D「…………? うん」ボケー…

兵士C「」

兵士B「いつまで止まってんだC、オイ」

兵士C「絶望に打ち拉がれてた……」

兵士A「そのまま死ねばいいのに」←いい笑顔

兵士C「今日俺にキツすぎじゃねえ!?」

兵士D「…………風呂……」ウツラウツラ

兵士B「おお、もうこんな時間か」

兵士A「お風呂に起きたのか……」

兵士D「入らないと怒られるし……んー」ノビー

兵士C「無視か無視なのかこんちくしょう」


841 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:14:03.34 ID:MSRHwqcI0

 〜大浴場〜


男「あ、Bも風呂?」

兵士B「おう、奇遇だな」

男「ちょうどいいや。城門の自動開閉魔導式なんだけど」

兵士B「待て待て、まず風呂に浸かろう」

男「そうだな。あれ、三人も一緒?」

兵士A「お疲れ様です」ペコ

兵士C「どうも」

兵士D「やー」ヒラヒラ

兵士A「挨拶くらいちゃんとしなよ」

男「いや気にしなくていいよ。タメ口のほうが気楽だし。……はー」ハァ…

兵士B「なんだ疲れてんのか」

男「主に気疲れだな。研究所の所長が堅物でめんどくさくって」

兵士B「おお、あれの相手したのか……背中流してやろうか?」

男「いやいいよキモいな、止めてくれよ」

兵士B「キモかねえだろ!?」ガビーン

兵士A「いや、Bはキモいよ」ウン

兵士B「しまった! Aの毒舌の矛先がこっちに向きやがった!」

兵士C「ドンマイB」ポン

兵士B「うるせえ黙ってろデブ!!」

兵士C「デブじゃねえよ!!」

男「先行くぞ」スタスタ

兵士D「A、髪」

兵士A「いいかげん自分で洗えるようになりなよ……」


842 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:15:11.14 ID:MSRHwqcI0

<デブ!!

<ムッツリ!!

<デブ!!

<ムッツリ!!

<デブ!!

<ムッツリ!!


男「D君、親父さん達元気してる?」

兵士D「この前腰壊したって」

男「うわ、そりゃ危ないな。もう歳なんだから無理しないように言っときなよ」

兵士A「あれ、二人とも旧知なんですか?」

兵士D「うちは農家だから」

兵士A(ナイトメアなのに農家……?)

男「ちなみに畜産ね。うちは畑作だからよく物々交換に行ってたんだよ」

兵士D「毎度ご贔屓に」ペコリ

兵士A「はぁ、さいで」


843 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:15:57.09 ID:MSRHwqcI0

兵士B「先に行くなよお前ら……」

男「ケンカすんなよお前ら」

兵士C「正論すぎてぐうの音も出ねえ」

兵士A「ほら流すから目ぇ閉じて」ザバァ

兵士D「ん」

兵士B「毎日温泉に入れるってのは最高だなぁ」

男「ありがたみがなくなる気もするけど」

兵士B「ありがたがってどうすんだよ」

兵士C「外回りから戻ってから入る温泉が最高すぎる」

兵士A「ちゃんと体洗いなよ? お湯が豚小屋臭くなるから」

兵士C「ならねえよ!?」

兵士B「まあせめて女に嫌われねえようにはしとけや」

男「え、何? Cさん嫌われてんの?」

兵士C「そんっ! ……なこと、ない……よな……?」

兵士A「…………」フイッ

兵士D「…………」フルフル

兵士B「大丈夫だ、世の中にはデブ専もいる」ポン

兵士C「それフォローじゃなくてトドメだよなぁ!?」


844 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:16:54.33 ID:MSRHwqcI0

男「賑やかだなー」

兵士D「風呂は静かに入りた゚い゚」ブクブク

男「毎日こんな感じ?」

兵士D「ま゚あ゚ね゚」ブクブク

男「……息苦しくない?」

兵士D「ぷはっ。まあね」フゥ…

兵士A「Dがまともに会話してる……」

兵士D「まあね」

男「まあねしか言ってなくない?」

兵士D「まあね」

兵士B「無限ループかっつーの」

兵士A「あ、そうだ。男さん料理得意ですか?」

男「料理? 割といけるけど」

兵士D「おにぃの料理は手軽でうまい」

兵士B「お前Dにまで兄貴呼ばわりされてんのか」

男「そんなに兄っぽいかな俺……?」

兵士A「じゃあ保証付きか。暇があったら料理教えてもらえませんか?」

男「いいよー」

兵士C「はいはいはい! 俺にも教えろ下さい!」ザバザバザバ

兵士B「湯を掻き分けて走るな波が立つだろがデァヴ!!」

兵士D「ごぼっ、げほ! ぱな゙にはい゙っ! っぷし!!」

男「あーあーあー、大丈夫?」

兵士A「Cサイテーだよ。もっと周り見て行動しなよ」

兵士C「え、何このフルボッコ……」スゲェヘコム...


845 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:18:51.93 ID:MSRHwqcI0

 〜その頃、女湯〜


側近「〜♪ 〜〜♪」フンフン

わんこ「そーちゃん上機嫌ッスねー」

側近「えっ、わかりますか?」

わんこ「鼻歌出てたッス」ウン

側近「ほにゃっ!? い、言ってよもうっ!」ワタワタ

大賢者「鼻歌くらい良かろう。しかし何か良いことでもあったのかえ?」

側近「え、あ、えーっと……」

わんこ「あんちゃん絡みッスね」

側近「なんでわかるの!?」ビクーン!

わんこ「おお、当たったッス」

側近「はうっ!」ヒッカケ!?

大賢者「おぬし間が抜けとるのう」

わんこ「にしししし、ひっかかった以上白状するッスよ」ニマー

側近「あぅ……えっと、実は今度お料理をご馳走になることになって……」モジモジ

わんこ「えー、なにそれズルいッス」ブーブー

大賢者「男め……ワシに一言もなしか……」ゴゴゴゴゴ…

側近「あ、あのっ、私がお願いしたからでっ!」

わんこ「そーちゃんにハブられたッス!?」ガーン

大賢者「ほぉう……よーし小娘ぇ、覚悟はよいな……?」ゴゴゴゴゴゴ…

側近「あああああっ! そうじゃなくてぇ!」

わんこ「てひひ、冗談ッス。そーちゃんが作ってーってお願いしたってことッスよね?」

側近「そ、う、うん。そう……」モジモジ

大賢者「む、そうなのかえ?」

わんこ「なんだと思ったんッスか……」


846 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:20:08.31 ID:MSRHwqcI0

<もっと周り見て行動しなよ

<え、何このフルボッコ……


大賢者「む、男湯に誰ぞおるようじゃな」

わんこ「さっきあんちゃんも入るって言ってたッスよ」

大賢者「ふむ、では一緒に入っておるようなもんじゃな」

側近「それは違うと思います……」サスガニ

わんこ「何の話してるんッスかねー」



 〜所戻って男湯〜


兵士A「やっぱり男性でも料理はできたほうがいいんですかね」

男「うーん……できないからって困るものでもないけど、できるから困るってことはないと思うよ?」

兵士D「要はできないよりマシ」

兵士A「なるほど……」

兵士C「料理できればモテますか?」←必死

男「え……それは知らないけど……」

兵士B「あれだよな、将来的に結婚するとしてだ。もし嫁さんと共働きだったらできないと困るよな」

兵士A「あ、そっか。うちはそういう可能性もあるや……」フム...

男「え? Aさん結婚するの?」

兵士A「彼女とはそのつもりで付き合ってますよ」

男「しっかりしてるなー……」

兵士A「そうですか? 当たり前のことだと思いますけど」


847 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:22:11.14 ID:MSRHwqcI0
兵士C「視点を変えよう」

兵士B「なんだ急に」

兵士C「例えば俺らが女だったら、どんな男が理想なのか」

兵士A「無駄な足掻きは止めなよ……悲しくなる……」

兵士B「少なくともお前は許容範囲外だろ」

兵士C「相談くらい許せよっ!!」バッシャアアン!!

男「うわっぷ! 湯面を叩くなって!」

兵士C「あ、すんません……」

兵士D「Cはまずマナーを覚える゚ぺき゚」ブクブク

兵士B「沈みながら言うなよ」ガビーン

兵士C「くっ、そうか、マナーか……」

兵士A「その前に痩せなよ。…………痩せなよ……」

男(消え入るような声で……)

兵士B「話戻るけどよ。実際俺らが女だったとして、旦那は料理できたほうがいいと思うか?」

兵士D「できないよりマシ」ウン

兵士A「まあそうだね。できないよりは……うん、いざという時助かるかも?」

兵士C「やっぱり料理を覚えるべきか……っていうかBが訊くと普通に答えるのかお前ら……」

兵士A「まあ料理できてもCはモテないけどね♪」←本日最高の笑顔

兵士C「」グサァッ!!

兵士B「男はどうだ? できたほうがいいと思うか?」

男「そりゃあ」


848 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:22:53.00 ID:MSRHwqcI0





男「結婚するなら料理できる人のがいいだろ」



 カコーン コーン コロコロコロ…

側近「」


849 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:24:56.08 ID:MSRHwqcI0

 〜そして現在〜


側近「…………死にたい……」シクシクシク...

後輩メイド「だ、大丈夫ッスよ! 失敗は誰にでもあるッス!」アセアセ

大賢者「いや……これは失敗とかそんな次元ではないぞ……」


発光する物体X < フゥゥゥゥハァァァァァァ!!

無数の魚骨が浮かび泡立つ蛍光色の液体 < ナンナンデショウカネ、オレラ


パティシエ「……途中アレンジとかは」

大賢者「しとらん。……しとらんのにこうなった」

後輩メイド「摩訶不思議ッス……」

側近「………………死にたい…………」エグエグエグ...

パティシエ「これは私の手には負えませんね……」

大賢者「弱ったのぅ……」

後輩メイド「なんとかしないと、そーちゃんの負のオーラで地面が沈むッスよ……」

大賢者「冗談言うとる場合かえ」

後輩メイド「いえ冗談じゃなしにッス」クイクイ


地面 < ズズズズズズ...

側近「………………」ズウゥゥゥゥゥゥン...


大賢者「お、おぉ……落ち込みすぎて空間歪曲が発動しとるの……」ヒキッ

パティシエ「何か手はありませんかねぇ」ウーン

後輩メイド「料理、料理……あんちゃんに教わるわけにはいかないッスよね」

大賢者「理由が理由じゃしの」

パティシエ「他に料理が出来る人か」ウーン...


850 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:26:54.31 ID:MSRHwqcI0

パティシエ「あっ、メイドさんはどうだい?」

側近「」ピクッ

後輩メイド「おお、先輩ッスか」

大賢者「なるほど。適任やもしれんの」

後輩メイド「じゃー早速呼んでくるッス!」シュバッ

大賢者「急げよー」


  ・ ・ ・


メイド「…………」ヒク、ヒクヒク...


皿と同化した粘液 < トカシマース

煙を上げるスポンジ状の何か < イブシマース

転げ回る触手塊のようなもの < マワリマース


メイド「申し訳ありません……私錬金術はちょっと……」

大賢者「料理じゃ」

メイド(マジで……?)フラッ...

後輩メイド「現実は厳しいッス」

メイド「この事態は完全に想定外ですわ……」

メイド(これでは男様×側近様イチャラブ夫婦計画に支障が……なんとかしなくては……)

メイド(しかし、それはつまり……)

パティシエ「なんとかできませんかねぇ」

大賢者「おぬしだけが頼りなのじゃ」

後輩メイド「先輩、お願いするッス」

メイド「う……」タジ...

メイド(い、言えない……っ)


メイド(魔法で誤魔化してるだけで、自力だけじゃ本当は料理できないなんて言えない……っ!)ダラダラダラ... ※滝汗


851 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:28:44.46 ID:MSRHwqcI0

側近「メイドさん……」ドヨーン...

メイド「側近様……」

 がしっ

側近「特訓でも何でもしますから……」


側近「私に料理を教えて下さい……!」ウルウル...

メイド「」ズキューン


メイド「――任せて下さい」ユラ…

メイド(もうプライドとかどうでもいいや……)

メイド「とっておきの技を伝授致しますわ!!」カッ!!

パティシエ「おおお、頼もしい!」パチパチパチパチ

後輩メイド「そーちゃん頑張るッス!」パチパチパチパチ

大賢者「これでひと安心かのう」パチパチパチパチ


852 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:30:08.36 ID:MSRHwqcI0

側近「あの、でも本当にできるようになるんでしょうか……」ハラハラ

メイド「心配には及びませんわ。……耳を貸して下さいまし」

側近「? はい」

メイド「私も本当は料理が苦手なんです。でも、今はとある魔法でなんとかできるようになったんですよ」ヒソヒソ

側近「えっ、それって……」

メイド「この魔法さえ覚えれば、すぐにでも料理を作れるようになりますわ」ニコッ

側近「あ……」

側近(でも、それって……)

メイド「ズルいかもしれませんけれど、そう思うなら『それを目標として』練習すればいいのですわ」

側近「…………」

側近「そう、でしょうか……」

メイド「そうですわ。それに、これもれっきとした技術ですし、なにより」

メイド「料理は愛情、と言いますでしょう?」

側近「…………愛情……」ポー…


853 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:30:56.30 ID:MSRHwqcI0

側近「――やります! 私、頑張りますっ!」グッ

メイド「それでは、メイドの必殺☆マジカルクッキング講座を始めますわ!」カッ

側近「」ガクッ

メイド「あら、どうかなさいました?」

側近「いえ、なんでも……」

側近(センスがひどい……なんで必殺なんだろ)

メイド(ふふふふふ、側近様の魔法料理で男様のハートをコロリと逝かせてみせますわ)ゴゴゴゴゴゴ...



男「……っ?」ゾクッ

兵士B「どうした?」

男「いや、なんか今すごい寒気が……」


854 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/15(月) 23:38:28.88 ID:MSRHwqcI0
更新>>836-853

おお……今日は長いな
最後かなり無理矢理でしたごめんなさい。
あとまた途中でわんこの記述直すの忘れた俺は馬鹿だ

何故か兵士A〜Dがここにきてよく動く怪奇。
書きやすさが異常、読みにくさも異常 目が滑るね……
というかなんで男ばっか書いてんだろう俺

書きやすいからか? 書きやすいからだな
書きやすいせいです。いやほんとむさ苦しくてすみません。

ではまた。読んでくれてる方感謝。
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/10/15(月) 23:40:47.10 ID:FLFgtKy7o
おつ!
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/10/15(月) 23:40:59.58 ID:+z03MsKro

何でだろうなDが可愛く見える
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/10/16(火) 01:13:08.73 ID:Livm67+ao
858 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/10/16(火) 20:30:02.30 ID:v0xsmmfY0
だめ しぬ やすむ
ごめn
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/10/16(火) 20:41:39.08 ID:Mgjj4VHSo
>>1ィィィィィ
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/10/16(火) 21:38:24.20 ID:245dwesDO
なんかA〜Dが俺でもやっと区別つくようになったw
ゆっくり休んでくださいましm(__)m
861 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/17(水) 21:57:35.95 ID:ljJxxTXA0
うつ病にならないコツは忘れること
打たれ弱さと回復力の高さに定評があります
いくらドMでも限界くらいあるわ。どうも>>1です。

>>856 そんな貴方に兵士Dのプロフィール

兵士D
 混血ナイトメア(夢魔+獣人)
 母がサキュバス系の夢魔族で母親似
 父はミノタウロス種。全く似てない
 背が低いのが唯一の悩み
 次男坊(兄弟姉妹全部いる。大家族)
 既婚
 男だけどよく可愛いと評価される
 しかし本人は気にしていない様子
 ただし怒るとなんかすごく恐い

実はサブキャラなのに異様に設定が充実してるキャラの一人
比較↓

兵士C
 デブ、童貞
 顔自体が笑ってるみたいな造り

少ねえ(笑)


余談だけどうちの子たちは大半が名前があったり
本編には影響ないから殆ど出しませんが

では参ります。今回は短め。兵士Dいないです、すまぬ。
862 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/17(水) 21:59:03.13 ID:ljJxxTXA0

 【B】


女兵士B「ややこしい」

兵士B「あん?」

女兵士B「あんたいるとややこしい」

兵士B「何が」

女兵士B「名前だよ!」ガーッ!

兵士B「お、おお。今更だな」


863 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/17(水) 21:59:58.82 ID:ljJxxTXA0

女兵士B「なんなの! なんであんたもBなの!」

兵士B「知らねえよ、産まれた時からBだよ」←本名もビー

女兵士B「もう名前変えなよ」

兵士B「嫌だよ。なんでだよ」

女兵士B「ややこしい」

兵士B「さっき聞いたよ」

女兵士B「もう名前変えなよ」

兵士B「何これ無限ループ?」


864 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/17(水) 22:00:49.67 ID:ljJxxTXA0

女兵士B「うちら三人で話してると途中でわけわかんなくなる……」カオスダヨ

兵士B「いやそこはわかれよ、会話の流れとかで」ドンダケダヨ

女兵士B「急に話題変わるからわかんないの! もうなんなの!」ムガーッ!

兵士B「それこそ知らねえよ! キレんなよ!」

女兵士B「もう名前変えてよ!」

兵士B「なんでそんな変えさせてえの!?」

女兵士B「ややこしい」モウヤダ

兵士B「さっき聞いたっつの」ループスンナ


865 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/17(水) 22:01:46.93 ID:ljJxxTXA0

兵士B「つかそれ言ったら騎士Bさんはどうなるんだよ」

女兵士B「あの人は騎士じゃん」

兵士B「じゃあお前は女兵士じゃん」

女兵士B「兵士と女兵士じゃ性別しか違わないでしょおおお!」モーッ!

兵士B「充分な差だろ、なんなんだよ!?」

女兵士B「だって私らの中だと私もBだもん」

兵士B「だから知らねーって」

女兵士B「もう名前変えろよ」モウ...

兵士B「ついに命令か。嫌だっつったじゃん」

女兵士B「ワガママ言うな!」モーッ!

兵士B「いやそれ俺のセリフじゃね!?」ナンナノ!?


866 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/17(水) 22:02:50.60 ID:ljJxxTXA0

女兵士B「あ、じゃあ騎士になって。名案」

兵士B「今度は騎士でBが被るだろ。迷案だろ」

女兵士B「あ、メイド」

兵士B「俺男だよ。また被るし」

女兵士B「じゃあ何ならいいのよ!」モオオォォォ!!

兵士B「だから変えねえっつーの!」シツコイナ!!

女兵士B「いやもうぶっちゃけあんたと被ってるのが気に食わない」

兵士B「じゃあ逆に言うけど被ってんのお前だからな?」

女兵士B「ひ、人をパクリ呼ばわり!」ヒドイ!!

兵士B「言ってねえよ! なんなんだお前!?」


867 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/17(水) 22:03:45.53 ID:ljJxxTXA0

兵士B「そもそも後から入ってきたのお前じゃん」

女兵士B「早い者勝ちとか今時流行んないよ」ヤレヤレ

兵士B「なんでちょっと呆れてんだ」

女兵士B「もう名前変えなよ」

兵士B「しつこいなお前。むしろお前が変えろよ」

女兵士B「お、親からもらった名前を変えろよとか!」ヒドイ!!

兵士B「言い出したのお前だろ!?」ガビーン


868 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/17(水) 22:04:50.53 ID:ljJxxTXA0

兵士B「マジなんなの!? 何が嫌なのお前!?」

女兵士B「いや別にあんたがBなのはどうでもいいのよね」ウン

兵士B「そこ主題じゃなかったのか」ビックリダヨ

女兵士B「ただあんたと被ってるのが気に食わない」ウン

兵士B「はいさっき聞いたァ!!」

女兵士B「き、聞いてたなら言ってよ恥ずかしい!!」カァーッ

兵士B「お前今まで誰に喋ってたんだよ!?」

女兵士B「え、なんかこうBという名のもやっとした何かに」モニョット

兵士B「急にテンション戻すの止めろ。あともやっとした何かってなんだよ怖ぇな」

女兵士B「だってできればあんたを認識すらしたくないと常日頃から考えてるもの!」←いい笑顔

兵士B「そんな笑顔で言うこと!?」ヒデェ!!


869 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/17(水) 22:05:50.97 ID:ljJxxTXA0

東の使者B「あ、兵士のほうのBコンビだ」トオリスガリ

兵士B「おお、馬鹿のB」

女兵士B「ほんとだ、馬鹿のBだ」

東の使者B「エンカウントするなり失礼すぎない!? 東の使者Bだよ!!」ガビーン

男女兵士B「「長い」」

東の使者B「それは僕のせいじゃないよ……」ナンナノ?

女兵士B「もう名前変えなよ、ややこしい」

兵士B「待て待て。お前の理屈だとややこしくはねえだろ」

東の使者B「え、一体何の話?」

女兵士B「兵士Bの名前を変えようと」

兵士B「断ってんのに食い下がってくる」シツコイ

東の使者B「ごめんマジ意味不明」ワケワカメ

東の使者B「今のままじゃ困るの?」

女兵士B「いやもう困るとかややこしいとかはどうでもよくなってきた」

兵士B「おお、進歩したな」

女兵士B「ただお前らと被ってるのが気に食わない」ウン

兵士B「さらりと悪化した!」ウワァ!

東の使者B「僕もダメなの!?」ガーン!!


870 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/17(水) 22:06:58.17 ID:ljJxxTXA0

女兵士B「もうどっちかでいいから名前変えなよ……」ヤダモウ

兵士B「おお、落ち着け。少なくとも馬鹿のBは何ひとつ悪くないぞ。あと俺は名前変えない」

東の使者B「フォローするか傷口抉るかどっちかにして……」ナキソウ

女兵士B「もう名前変えろよ!!」モウッ!!

兵士B「急に叫ぶなよびっくりするわ!」

女兵士B「なんなの! だったらどこなら変えていいの!」モオオォォォ!!

兵士B「だから変える気ねーっつってんじゃん」クドイワ

東の使者B「もう女兵士Bさんが騎士にでもなったら?」

女兵士B「それじゃ騎士Bさんと被るでしょおおお!!」バカジャナイノ!!

兵士B「お前、俺にはなれっつったくせに!」ワガママ!!


871 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/17(水) 22:08:16.74 ID:ljJxxTXA0

<あーでもないこーでもない

<わいのわいの

<どうたらこうたら

<わーでるよーでる

<ちくわ大明神


騎士B「…………」コソコソ

騎士B(楽しそう……)イイナァ...

 ※不審者


872 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/17(水) 22:10:10.51 ID:ljJxxTXA0
Bだらけ。最後の騎士Bが一番書きたかった
メイドBも出すか迷ったけど女兵士Aがハブになるから回避
そして東の使者Bの一人称を忘れた俺。多分今兵士Cと並んで不憫なキャラ。

更新は>>862-871 ではこれにて。
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/10/17(水) 22:23:52.32 ID:NgWc/+i+o

俺血液Bだわ
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方) [sage]:2012/10/17(水) 22:55:40.10 ID:b0lChjcao
誰だ今の
875 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/18(木) 20:40:00.64 ID:lx8P3Ilk0
血液型占いって実は他の血液型の欄みても結構一致するよね

いきます、文量控えめ。
876 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/18(木) 20:41:58.43 ID:lx8P3Ilk0

 【かまって】


兵士B「…………」スタスタスタ...

女兵士B「あっ」ハッケン

女兵士B「お
兵士C「B聞いて聞いて! 俺痩せたかもしんない!!」ドーン!!

兵士B「ぬあっつ! 体当たりすんなデヴ!!」アブネェ!!

兵士C「ふっふっふ、俺をデブと呼べるのも今のうちだぜ! 今のペースなら来月にはガリガリだあ!!」ドヤァ

兵士B「いやそれ病気を疑うレベルだろ大丈夫か?」

女兵士B「ぁぅ……」スゴスゴ...
 ↑基本、他人がいると声かけられない

877 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/18(木) 20:43:17.51 ID:lx8P3Ilk0

兵士B「つーか痩せたってどこが」ワカラン

兵士C「腹だ腹。なんとベルトの穴ひとつ分」

兵士B「おお、頑張ったな」スゲェ

兵士B「でも言いにくいけど、お前多分痩せてもモテないからな」キッパリ

兵士C「そんなのやってみなきゃわかんねえだろ!」マケナイ

兵士B「いや、なんつーかお前……骨格が既にデブだから……」

兵士C「骨格が!?」ガンッ

兵士B「ほら肩幅あるし顔デカいし、そのまま痩せるとなんかもうキモい逆三角形のオブジェみたくなる」

兵士C「そっ……そんな…………」ガクッ...

兵士B「さらに言うとお前から脂肪を取り上げたら何も残らないしな」ウン

兵士C「え、俺の個性デブだけ?」マジデ?

兵士C「いやいやさすがにそんな……他にもあるだろ? な?」オロオロ

兵士B「あーうーぅんん、っふ、ふくよかさとか?」

兵士C「意味一緒じゃねえかああああああ!!」アアアアアア!!

878 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/18(木) 20:44:13.56 ID:lx8P3Ilk0

女兵士B「ぅー……」コソコソ

兵士C「ちくしょう! 俺の何が悪いってんだ!」

兵士B「泣くなよ……ぶっちゃけるとお前必死すぎてキモい」

兵士C「慰めるか追い討ちかけるかどっちかにして下さああああい!!」

兵士C「ちくしょおおお! Bの頭頂部ハゲろおおおおおお!!」ダダダダダダ...!!

兵士B「俺の髪は関係ないだろ!?」ガビーン

兵士B「なんだったんだあいつは……」ワケワカラン

女兵士B「!」イマダッ

女兵士B「ちょ
騎士A「あ! 兵士B君ちょっといいかい?」

兵士B「あん?」

女兵士B「はぅ……」スゴスゴ...

879 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/18(木) 20:45:22.35 ID:lx8P3Ilk0

騎士A「義父さんたちの結婚記念日の贈り物で悩んでるんだけど」カタログズラリ

兵士B「おお、今年もちゃんとお祝いすんのか。いいことだ」

騎士A「自分には親がないから、妻の分くらいはと思って」アハハ

兵士B「いい婿してるなぁ。去年は花だったか?」

騎士A「小さな鉢植えだね。こっちが恐縮するくらい喜んでもらえたから、嬉しいやら恥ずかしいやらで」テレテレ

兵士B「そういやそんな話もしたっけか。で、今年は?」

騎士A「記念品か、時期が合えば東に旅行もいいかなと思うんだけど」

兵士B「東か。……ああ、お前そういや大元は東の出身なんだったっけか」

騎士A「うん。もう随分と里帰りしてないから、少し不安だけど」

兵士B「なるほどなぁ……あ、東のことなら使者二人に訊けばいいんじゃないか?」

騎士A「ああ!」ポンッ

兵士B「相変わらず妙なとこ抜けてんのなお前」

騎士A「首とか?」スポッ

兵士B「ダルマ落としかっ」ビシッ

騎士A(頭)「兵士B君は面白いなあ」クスクス

兵士B「いやお前ほどじゃねーよ」ウン

女兵士B「……」ムムム...

880 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/18(木) 20:47:31.49 ID:lx8P3Ilk0

女兵士B「ぅー……にー……」グヌヌ...

 ↑話したい

 ↑でも兵士B以外はなんかこわい

 ↑でもやっぱり話したい

騎士A「とりあえずまた相談するよ」ジャ

兵士B「おー、かみさんと仲良くなー」ヒラヒラ

女兵士B「…………」

女兵士B「……」

 ズン ズン ズン ズン ズン …

兵士B「ん?」

881 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/18(木) 20:48:33.84 ID:lx8P3Ilk0

女兵士B「……」ピタッ

兵士B「おお、どうし
女兵士B「ばああああああああああか!!!!」


 ド ゴ オ ッ!!


兵士B「だぶるすっ!!」

 ※腹に頭突き

女兵士B「ふんっ!」プイッ

 ズン ズン ズン ズン ズン ズン …

882 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/18(木) 20:49:47.56 ID:lx8P3Ilk0

兵士B「ぉ……おぉぉおぉ……っ」ガクッ...

兵士B「俺が何をしたあぁぁァァァァ……っ!!」ドサァ...


騎士B「…………」ジー…

騎士B(倒れてる兵士B殿も、イイ)ウン

壁 < タスケロヨ、オイ…

883 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/18(木) 20:53:21.23 ID:lx8P3Ilk0
見てないで助けろよ……
割と誰とでも仲のいい兵士Bと、そんな彼にかまってほしい人見知り気味な女兵士Bでした

でも男と東の使者Bは平気。男はBと似てるから。使者Bは単に眼中にないだけ(酷)
では失礼をば。
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/10/18(木) 23:26:10.56 ID:0EUNBx17o
乙なの
885 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/19(金) 20:22:17.02 ID:KkhosemY0
ちょっくら小ネタ4連発
特に脈絡はない。
886 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/19(金) 20:24:06.87 ID:KkhosemY0

 【ボール】


男「キャッチボールをしよう」

兵士B「…………頭でも打ったか?」

男「失礼だな。片付けしてたらボールが出てきたからやってみたくなっただけだよ」

兵士B「子供か」

男「いやぁ、子供はこんなの投げないでしょ」ヨイショ


 ず しっ…!

砲弾 < ヤア!!


兵士B「」

兵士B「砲弾じゃねえか! それはボールとは呼ばねえだろ!?」ガビーン

男「とりあえず投げるから喰らってよ」

兵士B「殺す気か!?」


 夕飯のおかずを横取りした翌日の出来事。

887 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/19(金) 20:25:32.16 ID:KkhosemY0

 【アラブ化】


女兵士B「今日ヒマ?」

兵士B「超ヒマだけど何?」

女兵士B「なんかうちのパパがあんた呼んでこいって」

兵士B「は? なんで? 面識ねえだろ」

女兵士B「よくわかんないけど「うちの娘をアラブ化してんのは誰だ!!」みたいなこと叫んでた」ヨクワカラン

兵士B「アラ……なんだって?」

女兵士B「さあ……」サッパリ

兵士B「とりあえず断っとけ。意味わかんねえし」

女兵士B「ママも「あらあら、問屋はお弟子さんね」とか言ってた」イミフ

兵士B「……??」

兵士B「親御さん大丈夫か? 医者紹介するか?」

女兵士B「たぶん大丈夫。……大丈夫」←不安

兵士B「つかアラブ化って何だ……?」

女兵士B「私石油でも掘るの?」

兵士B「いや知らんがな」


 女兵士Bは両親によく兵士Bの話をするらしい。

888 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/19(金) 20:26:52.96 ID:KkhosemY0

 【食べる】


兵士D「…………」モグモグモグモグモグモグ

兵士D「…………」ガツガツガツガツガツガツ

兵士C「……不条理だ」

兵士A「何がさ」

兵士C「Dはこんだけ食ってて何で太らねーんだ?」

兵士A「さぁ……体質じゃないの?」

兵士A「ああほら、口汚れてる」

兵士D「拭いて」

兵士A「仕方ないなぁ」フキフキ

兵士C「…………」モソモソ

兵士A「……何してんの」

兵士C「俺も口元汚してたら誰かに拭いてもらえねぇかなと」

兵士A「キモいな、死になよ」

兵士C「そこまで言うことなくね!?」


 兵士Dの胃はブラックホール。

889 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/19(金) 20:28:00.12 ID:KkhosemY0

 【折る】


女兵士B「うっぜ! あんたマジうっぜ!」

兵士B「何度でも言うが俺のセリフだ」

騎士B「…………」タシーロ


兵士C「…………」



男「わんこ降りろ、動けねえ」

後輩メイド「いやッス」

男「荷物持ってんだけど……」

大賢者「よーしそのまま動くでないぞ」

男「混ざらんで下さい」

側近「よいしょ」

男「側近さんまで!?」

東の使者A「……何してんのさみんなして」


兵士C「…………」

890 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/19(金) 20:28:46.71 ID:KkhosemY0

兵士C「絶対におかしい」

兵士A「何が?」

兵士C「俺だけモテないのは絶対におかしい!」ガンッ

兵士A「………………そうだね(哀)」

兵士C「マジメに聞けよおおおおお!!」

兵士A「めんどくせえ。思わず口調が乱れるほどに」ハァ

兵士C「お前最近酷くねえ!?」

兵士A「そんなことないよ、うん」パラパラ

兵士C「雑誌読みながら言うなよ! 聞けよ!!」

兵士A「別にいいじゃんモテないくらい。死ぬわけでもあるまいし」

兵士C「じゃあ彼女くれよ」

兵士A「折るよ?」

兵士C「折る!?」

兵士A「全身の骨という骨を折るよ、淡々と」

兵士C「怖ぇよ! 冗談だよ!」

兵士A「そう。まあこっちは本気だけど」

兵士C「何こいつエグい!!」


 兵士Aは淡々と骨を折る。

891 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/19(金) 20:30:45.88 ID:KkhosemY0
今更これ言うのもなんだけど

このスレ魔王関係ねえ

ではまた。
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/20(土) 05:51:43.95 ID:snmiZoh/o
そろそろバトルもみたいなーなんて(チラッ
893 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/10/20(土) 21:30:16.27 ID:hj77bl3R0
うまくととのわなかったからきゅーけー
眠いし

>>892
過去編のほうで近々戦闘がある予定が
うまくかけるかわかんないけど
894 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/10/21(日) 18:44:06.31 ID:0UF43iBN0
今更気付いたけど矛盾があるなぁ、立場とか
前スレの最後に書いた設定と今の状況の食い違いが……
まあいいか。

ちょっと次スレに向けて整理中 今日はお休み、また明日。
895 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/10/22(月) 23:09:33.47 ID:88z/QjvAO
魔王サイドを更新〜
 今日はそれで勘弁して下さい
896 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 01:29:56.68 ID:JoOsSPMho
>>1はアイちゃんにか天狗にでも消されたんだろうか
897 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/24(水) 12:12:01.39 ID:oKUgLBXJo
>>896
男の過去話更新来てるー
898 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/24(水) 22:02:10.05 ID:1EQ7ji9S0
なんかすみません
昨日はあれ投下してからブッ倒れてました
向こう二つは書くのに集中力が要るっぽい。なんかしらんが。

では参ります。
899 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/24(水) 22:02:51.05 ID:1EQ7ji9S0

 【袖】


兵士B「お前ちっこいよな」ウリウリ

女兵士B「うあー、なでうなああ」グラグラ

兵士B「だからって手に首の動き合わせんなよ。何人形だ」ウリウリ

女兵士B「やめれえええ」グラグラ

兵士B(面白ぇ……)ウリウリ

女兵士B「うあああああ……うぶ」ウップ

兵士B「うお、悪いやりすぎた」パッ

女兵士B「」カクンカクン

兵士B(まだ揺れてんし……)


900 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/24(水) 22:04:36.38 ID:1EQ7ji9S0

女兵士B「川の向こうにグランパが」クラクラ

兵士B「おお、何か言ってたか?」

女兵士B「泳げないんだから無理すんなって」フラフラ

兵士B「渡るな渡るな。つか泳ぐなよ舟あんだろ」

女兵士B「小舟とかやだ。絶対吐く」グッタリ

兵士B「なんだ揺れに弱いのかお前。そうとは知らず悪かったな」ナデナデ

女兵士B「だからなでうなああ」カクンカクン


901 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/24(水) 22:05:30.85 ID:1EQ7ji9S0

兵士B「いやお前ちょうど撫でやすいとこに頭があんだもんよ。何cmだ?」

女兵士B「150ない」

兵士B「148くらい?」

女兵士B「たしか143」

兵士B「側近ちゃんより小せえのな」

女兵士B「年上なのに……」

兵士B「ちゃんと食ってんのかお前」

女兵士B「食っとる食っとる。もりもり食っとる」

兵士B「運動とか睡眠は?」

女兵士B「走るの超好き。がっつり寝とる」

兵士B「なんで伸びねえんだろうなぁ」

女兵士B「せめて160は欲しかった」


902 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/24(水) 22:06:15.17 ID:1EQ7ji9S0

女兵士B「Bいくつ?」

兵士B「一応178」

女兵士B「でけえ!!」

兵士B「急に叫ぶなよびっくりするわ。そこまででかくねぇし」

女兵士B「30cmでいいからくれよ」

兵士B「身長入れ替わるじゃねえか。あと無理だ」

女兵士B「なんでそんな無駄にでかいの」

兵士B「男だからじゃねえの?」

女兵士B「D君ちっこいじゃん」

兵士B「それ本人に言うなよ、気にしてるから」

女兵士B「私だって気にしてるし!!」

兵士B「急に叫ぶなよびっくりするわ」


903 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/24(水) 22:07:11.02 ID:1EQ7ji9S0

女兵士B「正直支給の制服もでっかい」

兵士B「袖折れよ、手ぇ隠れてんじゃん。だるだるだし」

女兵士B「引っ張ってたら伸びた」

兵士B「何故引っ張った」

女兵士B「引っ張られるの。メイドBちゃんとか超引っ張るの」

兵士B「オモチャにされてねえかそれ」

女兵士B「かも」

兵士B「いっそ切るか? ってかそうか、詰めてもらやいいじゃん」

女兵士B「詰めても引っ張られる」

兵士B「なんなんだ一体……」

女兵士B「わかんない……」


904 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/24(水) 22:07:56.33 ID:1EQ7ji9S0

女兵士B「マフラーとか普通のでも長い」

兵士B「具体的には」

女兵士B「顔埋まる」

兵士B「そこまでか」

女兵士B「セーターも子供サイズだし」

兵士B(やばい、泣けてきた)

女兵士B「そんでまた袖引っ張られるの」

兵士B「セーターもか……」

女兵士B「っていうか服全部袖伸びた」

兵士B「半袖とかに変えたらいいんじゃねえの?」

女兵士B「1回着てみたけど」

兵士B「うん」

女兵士B「なんか、「違う……違う……」って呟いてて怖かった」

兵士B「……お前イコール袖なのか」


905 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/24(水) 22:09:18.89 ID:1EQ7ji9S0
なんか引っ張るの好きな子ってたまにいるよねって話
しかしこいつら仲良いな

無駄に長い袖とか好きな>>1でした。萌え袖って言うんだっけ?
では失礼。

ちなみに騎士Bもいました







          ほら後ろに


.
906 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/25(木) 00:44:12.97 ID:8lyr2vaXo
不憫な子!
907 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/25(木) 22:30:04.83 ID:660+NMxS0

 【ラーメン】


東の使者A「ラーメン食べたい」

東の使者B「…………」

東の使者A「…………」

東の使者B「……また唐突だね」

東の使者A「だって思い返せばもう何ヶ月も食べてないじゃんかよぅ」

東の使者B「インスタントのがなかったっけ?」

東の使者A「そんなもの来て一ヶ月で食べ尽くしたでござる」

東の使者B「ちょっ! 僕一個も食べてないよ!?」ガーン!!

東の使者A「知るかヴォケエ!! 私はラーメンが食べたいんじゃああああ!!」

東の使者B「それこそ知るかあ!! ふざっけんなぁああああああ!!」


<ギャースカギャースカギャーギャーギャー

<ギャーギャーワーワーどーたらこーたら

<ソイヤ!ソイヤ!ソイヤ!ソイヤ!

<ドタドタバタバタひーこらえーこら

<ばよえーん

<オンドゥルルラギッタンディスk…アウアッ!

908 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/25(木) 22:31:05.01 ID:660+NMxS0


 〜間〜


東の使者B「よし、一旦落ち着こう」ゼー、ゼー...

東の使者A「そうね、落ち着きましょう」ヒー、ヒー...

東の使者B「っていうか魔ノ国にラーメンってないのかな」

東の使者A「ありそうなもんだけど……どうだろ」

東の使者B「訊いてみようか」

東の使者A「そうね」

909 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/25(木) 22:31:43.69 ID:660+NMxS0

男「ラーメン屋? あるよー」

東の使者A「おお、ほんとに?」

男「一件しか知らないけど、うちの近くで屋台で店出してる人がいてさ」

東の使者B「え、男さんの家って結構山奥なんじゃ?」

男「頑固一徹ラーメン一筋、妥協を一切許さない人だから」

東の使者A「そういう問題……? いや食べられるんなら何でもいいんだけども」

男「じゃあさくっと行こうか」

東の使者B「え、今から?」

男「今から出れば開店すぐくらいに着くから。ちょっと変な道通るけどね」

910 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/25(木) 22:33:39.39 ID:660+NMxS0

  ・ ・ ・


東の使者A「……変な道とは言ったけどさぁ」


 ギシギシ… ギシギシ…

踏板 < はみ出すなよ嬢ちゃん

崖壁 < しっかり掴まってなァ!!


東の使者A「これって道って言う!? エル・カミニート・デル・レイも真っ青だよ!!」

東の使者B「高い怖い高い怖い高い怖い高い怖い高い怖い高い怖い……」ガタガタブルブル

男「大丈夫、落ちても下は深くて流れの遅い川だから」

男「その手前に枝葉の柔らかいよくしなる木も群生してるし、死ぬ確率はかなり低いよ」

東の使者A「落ちるの前提にすんの止めて! Bが飛び込みかねないから!!」

東の使者B「高い怖い高い怖い高い怖い高い怖い高い怖い高い怖い……」ガタガタブルブル

男「壊れたからくり人形のようだ」ウム

東の使者A「しみじみ言うな! B意識をしっかり! 下を見ずに前だけ見て!!」

東の使者B「落ちれば楽になるのかなぁ……あはは……」

東の使者A「正気を保てえええええええええ!!」



※「エル・カミニート・デル・レイ」で画像検索してみよう!

911 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/25(木) 22:34:46.23 ID:660+NMxS0

東の使者A「男君に着いて来るのを後悔したのは初めてだわ……」ゼー、ヒー...

東の使者B「むり……あるけない……あれはみちじゃない……」ゼヒー... ゼヒー...

男「そんなひどいかな?」

東の使者A「デンジャラスにも程度があらぁな!」

男「確かにたまに落ちるからデンジャーと言えなくはないか」ウン

東の使者A「落ちてんじゃん!」アリエネェ!!

東の使者B「魔族の感覚を侮っていた……」アァァ…↓

男「ははは、でもここからはただの山道だからもう大丈夫だと思うぞ」ハハハハハ

東の使者A「いや笑いごっちゃねえ、笑いごっちゃねえよ……」

東の使者B「僕ここに何しに来たんだっけ……ロッククライミング?」

912 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/25(木) 22:36:33.96 ID:660+NMxS0

東の使者A「…………確かにっ、崖、では! な・い・け・ど・もぉ!!」ガァッ!!


地面 < 滑るから気を付けてな

岩石 < お前さらさらすぎんだよ、見ろよ俺の苔生した肌

倒木 < アタイに触ると転がるよ!


東の使者B「道? ねえ道? これ道って言うの? ねえ?」

男「わりと頻繁に使われてるれっきとした道だよ」

東の使者A「足場悪すぎ高低差ありすぎ道なき道だよ文字通りにな!!」

男「テンション高いなー」

東の使者A「誰のせいさ誰のぉ!!」ガァアッ!!

男「あんま暴れると滑るぞ」

913 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/25(木) 22:37:25.37 ID:660+NMxS0

男「ほら、もう少しだから頑張れー」

東の使者A「まさか……はぁ、頂上まで……ひぃ、登る羽目に……ふぅ……っ」ゼーッ、ゼーッ

東の使者B「こんな……とこに……なんで……、うげぇ……」ウエップ

男「道端に吐くなよー?」

東の使者A「容赦ないわねあんた……」ゼィ... ゼィ...

男「ラーメン食いにきてゲロ踏んだら嫌すぎるだろ」

東の使者A「……あぁ、そうか。ラーメン食べに来たんだった」

東の使者B「もう修行してる気分だったよ……男さんどんどん先に行くし」アー…↓

男「そりゃ案内してるんだから先に行くさー」

東の使者B「ついていくほうの身にもなってよ、わりとマジで……」

914 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/25(木) 22:38:17.79 ID:660+NMxS0

東の使者A「つか、こんなとこにラーメン屋なんてあるの?」

男「あるよ。むしろここしか知らない。ほらそこの岩」

東の使者A「岩ぁ?」


[絵に書いたようなラーメン屋台] ←そのまんま岩に彫ってある

[営業中] ←木札が立て掛けてある


東の使者B「」

東の使者A「モロにうちの国の言葉ァア!! なんだこれ!?」ガビーン

男「大将の出身がそっちらしくて」

東の使者A「何してやがんだ東国人!!」

東の使者B(もうつっこむ気力もない……)

915 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/25(木) 22:40:15.43 ID:660+NMxS0

男「いつもこの岩の向こうの開けたとこでやってるんだよ」

東の使者A「これで看板通り絵に書いたような屋台があったら笑うわ」

東の使者B「ははは、いやそんなまさか」



絵に書いたようなラーメン屋台 < へいラッシャイ!!



東の使者A・B「「絵に書いたようなラーメン屋台だあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」」アアアアアアァァァァァァ...!!

 ァァァァァァァ...!!

 ァァァァァ...!!

 ァァァ...!

 ↑山彦



男「ちわーっす」

大将「おう兄ちゃん、なんだ久しぶりだなァ」

男「ちょっと色々ありまして」

東の使者A「すごい普通のオッサンが出てきた……」

東の使者B「もう何に驚けばいいのか……」

男「つっ立ってないでこっち来いよ。今なら席空いてるから」

916 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/25(木) 22:41:53.30 ID:660+NMxS0

御品書 < 御注文受けたまァリァス!!


東の使者A「めっちゃ普通にラーメンとかチャーシューメンとか書いてあるし」ナンダコレ

男「景気はどう?」

大将「ぼちぼちといったところだな」

男「そりゃ何よりだ」

東の使者B「うわぁ、テンプレみたいな会話だぁ……」

東の使者A「ここ本国?」

男「いや魔ノ国だよ」

大将「んー? なんだい、あんたら東の出かい」

東の使者A「あ、はい」

大将「そうかそうか。そいじゃ同郷のよしみだ、今日はお代はサービスにするかねェ」

東の使者B「へ? いや、そんな悪いですよ」

大将「なぁに、どうせもともと道楽だ。他の客が来るまではゆっくりしてくんな」

917 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/25(木) 22:42:37.64 ID:660+NMxS0

東の使者A「目の前に置かれたのは何の変哲もないラーメン」

東の使者B「鶏がらベースのしょうゆスープにメンマ、刻みねぎ、なると、チャーシューを乗せたシンプルな一品」

東の使者A「ぱっと見には普通のラーメンにしか見えないけど……」

男「いつまでも見てると伸びるぞ」

大将「悪いモンは入ってねぇから心配すんねィ」

東の使者B「いやもうここに至るまでがアレだったから……」

東の使者A「せーのでいく?」

東の使者B「うん」


東の使者A・B「「せーの」」

 ぱくっ

918 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/25(木) 22:44:13.44 ID:660+NMxS0

東の使者A「う」ピキーン
東の使者B「ふ」キュピーン



東の使者A・B「「――――――うまあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああい!!!!!!」」

 ウマアアァァァァ…ィ...

 ウマアァァァ…ィ...

 マァァ…ィ...

 ↑山彦



東の使者A「何これなんなの何事どうなってんの!? どう考えても普通のラーメンなのに無茶苦茶うまいんだけど!?!?」

東の使者B「………………(泣)」ハラハラ...

男「うわ、静かに泣いてるし」

東の使者A「え、何どういうこと!? なんでうまいの!?」

東の使者A「超うまいけどうまい理由が全然わかんない! なにこれこわい! うまい!! こわい!! うまい!!」

男「食べるか叫ぶかどっちかにしろよ」

大将「あっはっはっは! おもしれぇ連中じゃねえか!」ゲラゲラゲラ

919 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/25(木) 22:45:35.26 ID:660+NMxS0

東の使者A「うわぁあ……うまいよう、こわいよう……」ズルズル

東の使者B「………………(泣)」ズルズル

男「そういや最近ミノっさん来てます?」

大将「あー、腰やったっつってからは来てねぇなァ。ガキどもはしょっちゅう来るけどよ」

男「ありゃ……結構ひどいのかな」

大将「これを機に養生したほうがいいと思うがね。長男坊もとっくに一人前だっつーのに」

男「あの人も頑固だもんなぁ……」

東の使者A「おかわり!」

東の使者B「同じく……!(泣)」

大将「おっ、あいよ! ちょっと待ってくんな!」

男「使者Bさんまだ泣いてんの……」キモイ…



 ※ミノっさん … ミノタウロスのおっさん。兵士Dの父

920 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/25(木) 22:46:31.80 ID:660+NMxS0

「こんちゃー」

「うぃーッス。あれぇ、男じゃんよ」

男「おぉ、どうもお久しぶりです」

「どうもー。おや新顔がいるね」

男「あー、俺の知り合いです」

「大将、外の席勝手に出していい?」

大将「おう、悪いな」

「すんません席空いてます?」

「おーこっちこいこっちこい。大将ォ、ラーメン大盛りみっつ!」

大将「あいよー!」

東の使者A「……急に超にぎやかになった」ズルズル

東の使者B「みんなあの道通ってきたのかな……」ズルズル

921 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/25(木) 22:47:28.48 ID:660+NMxS0


  ・ ・ ・


東の使者A「あんな山奥どころか山の天辺なのにあんだけ人が集まるもんなんだねぇ」

男「大将はとにかく顔が広いんだよ。近隣の農家やら猟師やらを直接訪ねて材料買い付けたりしてるし」

東の使者B「すごいタフネスだなぁ……」

東の使者A「ほんとに同郷かよと疑うレベルだわさ……」

男「ちょっとした集会所みたいになってるから、なくてはならない存在って感じなんだよね」

東の使者A「そういえば、お客の人種が異様に多彩だったけど」

男「ん? ああ、ここちょうどいくつかの領地の交錯点だから」

東の使者A「へぇ……」

東の使者A(ちょっと大将が声かけたらえらいことになりそうね……)オッカネェ...

東の使者B「それにしてもうまかったなぁ……」シミジミ

男「たしか昔、王道を限界まで極めに行く! って言ってた気がする」

東の使者A「いやもう極まってるよ、アレ以上美味くなったらリアクションで山が崩れるよ」

男「一応霊峰だから崩れると困るなぁ」

東の使者B「霊峰の天辺でラーメン屋台……」

東の使者A「スケール大きすぎでしょ……」

922 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/25(木) 22:48:49.08 ID:660+NMxS0

東の使者A「美味いんだけど、頻繁に行くには道が厳しすぎよねぇ」

東の使者B「そんな頻繁に行かなくてもやっぱり道が危なすぎ」

男「ん。じゃあ俺が作ろうか?」

東の使者A・B「「は?」」

男「昔大将に教わったし」

東の使者A・B「「…………」」



「「先に言ええええええええええええええええええええ!!」」エエエエェェェェェェ......!!



 二人の叫びは魔ノ国中に響き渡ったとかなんとか。

923 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/10/25(木) 22:51:16.14 ID:660+NMxS0
ここまでー

おお、思ったより長いな。ラーメンひとつでこんなことになろうとは……
なんか最近小ネタひとつひとつが長くなりがちな傾向が見られるわ
まあいいか
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/26(金) 14:18:34.02 ID:VNuG112zo

もっと長くなってもいいのよ
925 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/10/26(金) 22:43:13.51 ID:PT8xKxKA0
ごめんちょっと3日間休憩
ことのほかネタが長い。
926 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/10/29(月) 21:31:44.86 ID:OVq6stLAO
ネタが5つ食いっかけ止まりに
とにかくひとつずつ纏めよう……

次スレどうしよう、ネタが一定量貯まったら建てようかな
スピンアウトって書いてて楽しいんだけど、読みづらくなりがちなんだよねぇ……
927 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/11/03(土) 10:19:13.85 ID:ksN8NF/AO

【崖】

男「女兵士Bちゃんと騎士Bさんが崖から落ちそうになっています」

兵士B「…………おう」

男「どちらか片方を助けるとその間に片方が落ちてしまいます」

兵士B「……なんだ、変な本でも読んだか?」

男「どっちを助けますか」

兵士B「聞けよコラ」

男「どっちを助けるのかって訊いてんだよ!」ガンッ

兵士B「テーブル叩くな。どっちもは無理なのか?」

男「無理という前提で」

兵士B「じゃあ一緒に落ちる」

男「その心は」

兵士B「着地をフォローしたほうが早ぇ」

男「じゃあ下がマグマだったら?」

兵士B「え、この質問まだ続くの?」

男「いいから早く」

兵士B「あー……ロープとかはなしか?」

男「全員全裸としよう」

兵士B「別の意味で一大事だろ!?」ガビーン

兵士B「てーかそもなんでその二人だよ」

男「わかってるくせに」

兵士B「顔恐ぇよ……んな事言われてもなぁ」ポリポリ

男「迷うような関係なのか」

兵士B「相手が誰だろうと迷うわ」

男「じゃあ兵士A君と兵士C君なら」

兵士B「A」

男「即決じゃねえか!」

兵士B「迷う余地がどこにある!」

男「ないな」

兵士B「だろ」

兵士C「お前ら酷くねえ!?」
928 :sageとsaga間違えた ◆TctB4xXhw6 :2012/11/03(土) 10:22:02.85 ID:ksN8NF/AO

【茄子】

兵士D「喧嘩した」

兵士B「おお、珍しいな」

兵士D「泣かせた。そして泣いた」

兵士B「お前もか」

兵士D「三人娘も泣いた。阿鼻叫喚の図」

兵士B「何してんだお前ら……」

兵士D「茄子を食べられないとか言うから」

兵士B「……全然わかんねぇ」

兵士D「口移しで食べさせた」

兵士B「馬鹿か」

兵士D「キスなら普通にしてほしいと怒られた。泣かせた。泣いた」

兵士B「何故泣いた」

兵士D「目撃者が壁殴ったり机叩き割ったりして阿鼻叫喚の図」

兵士B「もっとわかるように言ってくれ」

兵士D「三人娘が掃除当番だった。三人とも泣いた」

兵士B「そりゃあ……」

兵士D「阿鼻叫喚の図」

兵士B「それはもういい」

兵士D「俺のせいになった。泣いた」

兵士B「泣くなよ……」

兵士D「どうしよう?」

兵士B「何ひとつ状況がわからねえよ馬鹿」

兵士C「何? D別れんの?」

兵士D「ブチ[ピーーー]ぞデヴ」

兵士C「」

兵士B「とりあえず仲直りしてこいよ」

兵士D「もうした」

兵士B「したのかよ!!」

兵士D「うちの嫁がかわいいと言いたかっただけ」

兵士B「ノロケだったのかこれ!?」
929 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/11/03(土) 10:24:17.73 ID:ksN8NF/AO

【夫婦】

女兵士B「B掃除得意?」

兵士B「…………なんで?」

女兵士B「メイドBちゃんと女兵士Aちゃんが下手すぎる……」

兵士B「ああ、そういう」

女兵士B「部屋の片付けが終わらないの」

兵士B「大変そうだな」

女兵士B「もうなんなの!!」

兵士B「急に叫ぶなよびっくりするわ」

女兵士B「脱いだら脱ぎっぱなしだし」

兵士B「知らんが」

女兵士B「お菓子食べたらカス散らかりっぱだし」

兵士B「お、おお……」

女兵士B「布団も畳まないし干さないし!」

兵士B「……まさか全部お前がやってんのか」

女兵士B「そのまさかだよ!!」

兵士B「叫ぶなうるせぇ」

女兵士B「私は二人のお母さんか!!」

兵士B「ちっさいお母さんだなぁ」

女兵士B「歯くらい自分で磨いてよ! 爪くらい自分で切ってよ!」

兵士B「おま、そんなことまでしてんの!?」

女兵士B「ぶっちゃけ髪洗うのもやってる」

兵士B「急にテンション戻ったな」

女兵士B「あ、でも着替えは自分でできる」

兵士B「できなかったら大問題だろ」

女兵士B「お父さんからも何か言ってやってよ……」

兵士B「誰がお父さんか。そういうのはお母さんの仕事だろ」

兵士C「え、何お前ら結婚してたの?」

兵士B「死ね」

女兵士B「なるべく惨めに死ね」

兵士C「え、俺なんか悪いこと言った!?」


騎士B(今のはダメだろう……)ビキビキ…

柱 < チョ、イテエッテマジデ!!
930 :sagaも忘れるというね ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/11/03(土) 10:26:59.20 ID:ksN8NF/AO

【肥】

側近「とんと暇になりましたねぇ」

メイド「ですわねぇ」

側近「かえって退屈じゃないですか?」

メイド「あら。側近様はご趣味などございませんの?」

側近「あんまり考えたことないですね……」

側近「それより最近デスクワークばかりだったので運動不足のほうが問題で……」

メイド「あら……少し失礼します」

 ぷにっ

側近「わひっ!? ちょ、くすぐったいですよ!」

メイド「あらあら……まあまあ……なるほど」

メイド「……側近様」

側近「う、はい」

メイド「痩せましょう」

側近「」グサァッ!!

兵士C「ん? 側近さん太っ」

メイド「メイド・イン・ヘヴン!」

 ド ゴ ォ ッ !!

兵士C「ダイソンッ!」ボゴンッ!!

側近「……あれ、今誰か」

メイド「気のせいですわ」

兵士C「」

 *いしのなかにいる。
931 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/11/03(土) 10:28:19.59 ID:ksN8NF/AO

【夜】

兵士C「俺が何をした……」ズーン…

兵士A「それをわかってないからダメなんだよ」

兵士B「他人の会話に割り込むなよデヴ」

兵士D「しかも面白くもない」

兵士C「いいじゃねえかちょっと混ざるくらいよおおおおおお!!」ァァァァァァ…!

兵士A「特に仲良くもないやつに話しかけられたら普通はヒくよ」

兵士C「ヒくなよ!」

兵士B「ヒくわ」

兵士C「ヒくなよ!!」

兵士D「じゃあ押す」

兵士B「屋上から」

兵士A「命綱なしでね」

兵士C「遠回しに飛び降りろと!?」

兵士B「いやいや、そうじゃねえよ」

兵士C「じゃあなんだよ」

兵士B「死ねっつってんだよ」

兵士C「素直すぎるだろ!!」


男「廊下にまで響いてら」

後輩メイド「賑やかッスねー」

大賢者「阿呆の群じゃの」


 こうして魔王城の夜は更けていく……。
932 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/11/05(月) 01:22:23.36 ID:Hjn5SBBQo
933 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2012/11/14(水) 22:37:10.81 ID:fV7yBoSeo
みんなが>>1食べたからなくなっちゃったじゃん
934 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2012/11/17(土) 20:24:32.07 ID:1E/Q1MgAO
え、俺まだ喰われてんの……

すみません、また手が止まりました
ほんとすんません
935 :小ネタ1個しか上がらんかった…… ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/11/17(土) 20:26:19.21 ID:1E/Q1MgAO

 【骨】

兵士C「膝枕されてみたい」


兵士A「……」←無視して読書開始

兵士B「……」←シカトしつつ茶ァ飲んでる

兵士D「...zzZ」←椅子で寝てる


兵士C「せめてなんか反応をおおぉぉぉぉ!!」

兵士A「キモい」

兵士C「キモかねえだろ!」

兵士B「いやキモいわー」ナイワー

兵士C「キモかねえだろおおおお!!」

兵士D「...zzZ」スヤスヤ

兵士A「今ならDのひざが空いてるよ」Go.

兵士C「違ェよ!女子にしてほしいの!」

兵士B「そんなら彼女に頼めよ面倒くさいな」

兵士C「いねええええええええよ!!」

兵士A「うっぜぇ……」

兵士B「じゃあ作れよもう、ほんとに」

兵士C「できたらやっとるわ!!」

兵士A「じゃあ素直に諦めなよウザいな」

兵士C「ウザがるなよ!少しは相談に乗れよ!」

兵士A「痩せなよ」

兵士C「痩せたわ!!」

兵士B「え、痩せたのか?」

兵士A「うわぁ、他人の意見に流されてるこいつ」ウワー

兵士C「そこでヒくなよ!」

兵士A「でも体格変わってないじゃん」

兵士B「ほら、こいつ骨格が既に、ほら、な」

兵士A「あー」

兵士C「はっきり言えよ畜生!」

兵士AB「「デヴ」」

兵士C「デブじゃねええええよ!!」

936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/12/01(土) 09:05:45.02 ID:GBQ3nFb8o
わくてか
937 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/12/02(日) 21:56:42.14 ID:zfsp8Fvb0

  【M】


  〜 食堂 〜


兵士C「優しくされたい……」

兵士A「何だよ急にキモいな」

兵士C「それだよ!」

兵士B「どれだよ」

兵士C「みんな冷てぇんだよ! 主にお前らのせいで!」

兵士A「人のせいにするとか何様?」

兵士B「単に自業自得だろ」

兵士C「それだよおおおお!!」

兵士B「どれだよ……」

兵士A「意味わかんね」

兵士C「お前らがちょいちょい冷たいからみんな真似すんだよおおおおおお!!」

兵士D「...zzZ」

938 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/12/02(日) 21:57:50.83 ID:zfsp8Fvb0

女兵士B「また叫んでる」

女兵士A「にぎやかだよね」

メイドB「Dくんねてるー」

女兵士A「ちょっとすごいよね」

女兵士B「何で太らないんだろう……」

メイドB「夢魔族、別名ナイトメア。本来は夜行性であり、日中の行動は負担が大きく通常より多くのエネルギーを必要とする。基本的には食事による

エネルギー摂取で消耗分を補うが、睡眠時に体を冬眠と近い状態にすることでエネルギー消費を抑えることが可能で、日中の行動時には食事と併せ

て長時間の睡眠をとるのが一般的となっている。その燃費の悪さからいくら食べても太ることがなく、あたかも体内にブラックホールがあるかのようで

ある」スラスラ

女兵士A「そうなの!?」

メイドB「しらない」フルフル

女兵士B(なんで嘘を言うときだけ流暢になるんだろう)

939 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/12/02(日) 21:59:20.98 ID:zfsp8Fvb0

男「混んでるなぁ…っと」

兵士B「おお、男か。こっちゃこいこっちゃこい」チョイチョイ

男「お前、なんかオッサン臭いぞ」座るけども

兵士B「三十路手前なんだから間違っちゃいねえだろう」

男「さり気なく他人を巻き込むな」

男「Cさん突っ伏してどうしたんだ?」

兵士C「みんなが冷たいんだ……」

兵士A「そしてそれを周りのせいにしてるんですよ。死ねばいいのにね」ニコッ

兵士C「いい笑顔で言うなよ!」

男「なんだいつも通りか」

兵士B「いつも通りだ」ウン

兵士C「ほら冷たい! もっと優しく!!」

男「でも俺達が優しくしたらCさんつまらないでしょう」

兵士C「誰がドMか!」

兵士B「お前だろ」

兵士C「ドMじゃねえよ!」

兵士A「そんなこと言ってー」

兵士C「ドMじゃねえええよ!!」

940 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2012/12/02(日) 21:59:50.00 ID:zfsp8Fvb0

女兵士B「あ、ダイオーだ」

女兵士A「ほんとだダイオーだ」

男「ん? あぁ、女兵士Bさん達か」

兵士B「おお、何気にいたのか。お前らもこっちこい」チョイチョイ

メイドB「なになになーにー?」ピョコピョコ

兵士A「兵士CがドMっていう話だよ」

兵士C「違うよ!? みんなが俺に冷たいって話だよ!!」

女兵士B「……普通じゃん」

女兵士A「だねー」

兵士B「ほれみたことか」

兵士C「お前らのせいだよ! お前らのせいだろ!!」

女兵士B「うるせー……、ねえBちょっとこいつの首もいでよ」

兵士C「もげねえよ!?」

兵士B「いやイケるイケる」スッ

兵士C「もげねえよおおお!? やめろ手を伸ばすな!!」

男「やっぱ楽しそうだよね」

女兵士A「だーねー」

メイドB「せやねー」

941 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2012/12/02(日) 22:01:05.44 ID:zfsp8Fvb0
おお……メモ帳そのままコピペしたら変なところで改行入ってしまった
しかし兵士Cテンション高いな

ではまた。
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/02(日) 23:42:05.60 ID:MdNwBxjNo

Cが報われる日は来るのだろうか
943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/04(火) 01:06:43.13 ID:FDE4UKfco
愛されてるなC、扱い酷いけど
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/25(火) 05:56:58.93 ID:EsfLEL4IO
そうだな
945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/09(水) 21:19:10.91 ID:CJjQvJJF0
まだかのう・・・(´・ω・`)
946 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2013/01/12(土) 21:43:57.48 ID:RXykua7d0
生存報告になるんだけどさ、
ひとつ貴重な体験をしたよ

書き溜めって、本当に消えるんだね……
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 02:01:33.91 ID:T6REkrAHo
消えるけどもちろんバックアップはあるんだろう?(ゲス顔)
948 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/01/13(日) 23:24:46.45 ID:EyW1yqA/0

  【勤】


 ――その日、執務室では書類が宙を舞っていた。

大臣「バツ!バツ!バツ!マル!マル!バツ!マル!バツ!」
  ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!

大臣「バツ!だあああああ!これもこれもこれもバツ!! 書類不備多すぎだ馬鹿野郎!!」

側近「移動費滞在費食費燃料費水代寝具虫除け動物除け仮設照明……」ブツブツ...

ソロバン < カカカカカカカカッカカカカッカカカカカカカ!!

後輩メイド(指の動きが速すぎて全く見えないッス……)スゲェ

騎士A「この山再計算に回して。こっちは全部つっ返して書き直させて」

後輩メイド「はいッス」

男「俺農家なのに何で書類チェックとかしてんすかね……」

兵士長「それは君が魔王だからさぁー―っ!」←いい笑顔

男「代理です」

兵士長「そうでした」

949 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/01/13(日) 23:25:39.41 ID:EyW1yqA/0

メイド「失礼します。追加の書類が届きましたわ」フラフラ...

台車 < アー、軋ム軋ム

書類の山A(目測120cm) < チハァーッス
書類の山B(目測140cm) < ヨロシコー

男「oh...」

兵士B「どっから出てくるんだこれ」

兵士A「明らかに人手が足りない件について」

男「そもそもデスクワークがこなせる人材が少なすぎる……!!」

メイド「元々側近様と大臣様のツートップで持ちこたえているようなものですし」

男「……帰ってきたらまずそこから手をつけよう。そうしよう」ウン

騎士A「それよりまず目先の仕事をしましょうよ。日が暮れますよ?」

男「終わると思う?」

騎士A「終わらないと思います」

大臣「為せば成る!」カッ

兵士長「為さねば成らぬ!」クワッ

  バターン!

ドア < グヘァッ!!

騎士団長「何事も!!」キリッ

おっさん三人「「「どやぁ……!」」」

兵士B(口で言った……)

男(口で言った……)

後輩メイド(馬鹿がいるッス……)

950 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/01/13(日) 23:26:18.44 ID:EyW1yqA/0

騎士団長「それはそれとして人手拾ってきたぜ」

女医「ちくしょおおおおおお!!はなせえええええええええ!!」ジタバタ

東の使者B「」←気絶

女兵士B「何で私まで……」プラーン

騎士団長「せい」

女医「えぷっ!」ビターン

東の使者B「もっふ!」ゴチーン

女兵士B「うわっちち」シュタッ

騎士団長「じゃあもう一回行ってくるわ」

兵士長「よろしこー」

  タタタタタタ……

東の使者B「」

男「一人死んでるんだけど」

兵士B「放っとけ、そのうち生き返るだろ」

951 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/01/13(日) 23:27:27.20 ID:EyW1yqA/0

女医「ええい、こんな修羅場にいられるか!私は自分の部屋(医務室)に戻るぜ!!」バッ

男「わんこ」

後輩メイド「確保ッス」ガシッ

女医「うおおおおおおおお!HA☆NA☆SE!!」ズルズルズル...

後輩メイド「一名様ご案内ッス」

大臣「いらっしゃい(暗黒微笑)」

兵士長「Welcome to underground.」フヒヒ...

兵士B「んでここの記入チェックして」

女兵士B「ふんふん」

側近「木材石材石油縄藁水モルタル鶴嘴スコップ猫車ロードローラー……」
  カカカッカカッカカカカカッカッカカッカカカカカカカカカカカ!!!!

ソロバン < WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!

東の使者B「――っは! き、筋肉の壁!?」

兵士A「起きるなり何言ってんのコイツ」

男「精神をやられたか……」

東の使者B「え、なにこれ何の騒ぎ?」

952 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/01/13(日) 23:28:04.54 ID:EyW1yqA/0

男「二ヶ月先までの分とはいえこの量はやばいって……」

男「うし、ひと山終わり。はい次!」

メイド「どうぞ」

  ズ ン ッ!!

書類の山(目測210cm) < Hello!!

メイド「それと」

  ド ス ン ッ!!

書類の山(目測190cm) < ヘイホー

メイド「さらに」

  ズ ゥ ゥ ゥ ン!!

書類の山(目測240cm) < ポポポポポポ…

男「」

男「 あ り え な い で しょ ! ? 」ゴーン!!

兵士B(アカン)

メイド「ちなみにここまででようやく三割といったところです」

男「聞きたくなかった!!」

兵士A「生きて帰れるのだろうか……」

953 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/01/13(日) 23:28:36.67 ID:EyW1yqA/0

騎士C「どっせい!!」

  バゴォーン!!

ド/ア < アッー――――――!!!!

騎士C「はい人員追加ァ!!」

男「ドアを壊すなアアァァァァァァァ!!」

騎士C「あれっ、怒られた!?」

後輩メイド「無駄な仕事が増えたッス……」

薬師「――――」ボー…

騎士B(兵士B殿と仕事兵士B殿と仕事兵士B殿と仕事兵士B殿と仕事兵士B殿と仕事……)

兵士B「おー、騎士Bこっち手伝えこっち」チョイチョイ

女兵士B「む……」

騎士B「あ、はい」

騎士B(兵士B殿と仕事兵士B殿と仕事兵士B殿と仕事兵士B殿と仕事兵士B殿と仕事……)

騎士B(――ハッ! こ、これは共同作業というものでは!?)

騎士B ニヘラ…

兵士B・女兵士B「「!?」」ビクッ!!

954 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/01/13(日) 23:29:20.87 ID:EyW1yqA/0

大賢者「……ワシはこういうのはさっぱりなんじゃがの」

メイド「大賢者なのにですか?」

大賢者「ワシは魔法以外はからっきしじゃからの!」キリッ

メイド(じ、自慢にならねぇ……!)←ヒきすぎて一瞬素に返った

男「とりあえず魔法関連の専門知識貸してもらえればいいんでこっちきて下さい」

大賢者「ふむ。では邪魔するぞぇ」チョコン

男「……こっちとは言ったけれども何故膝に」

大賢者「おさまりがよかろ?」フフン

男「……まあいいか」

側近「…………」
  ミシミシミシ…

ソロバン < アッ、アッ、アッ…!!

後輩メイド「あああ、余計な仕事が……」

大臣「執務室でイチャコラしてんじゃねえええええええええええよ!!」

騎士B「ひっ! ご、ごめんなさい!」

女兵士B「えっ!?」

兵士B「えっ!?」

騎士A(騎士Bのイチャコラの定義が甘すぎて切ない件について)

兵士A(基本ポンコツですからね、騎士Bさん)

騎士A(辛辣だね)

兵士A(正直見ててすっげえイライラするんですよ)

 ※テレパシー

955 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/01/13(日) 23:30:05.09 ID:EyW1yqA/0

大賢者「叫ぶでないハゲめ。やかましいわ」

大臣「いいや、叫ぶね! 何故なら俺はハゲではないから!」

兵士長「いやハゲだよ」

兵士B「ハゲだろ」

騎士A「ハゲでしょう」

兵士A「ハゲですよ」

女兵士B「どの角度から見ても」

男「反論の余地も無いほどに」

騎士C「紛うことなく」

メイド「ハゲですわよ」

大臣「馬鹿野郎! ハゲはハゲでも天辺だけだこの野郎!!」

東の使者B「止めてください! ハゲにだって人権はあるんですよ!?」

大臣「唐突になんだ!?」

薬師「――毛生え薬――――要る――――?」

騎士B(まざり損ねた……)

側近「人件費保険料技術料特別褒賞扶養手当交通費残業手当税金云々……」
  カカカカカカカッカカカカッカカッカカカカカカッカカッカッカッカッカカカカカカ!!!!

後輩メイド「お茶淹れてきたッス。みんな一休みするッス」

全員「「「はーい!」」」

956 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/01/13(日) 23:30:46.29 ID:EyW1yqA/0

パティシエ「やあどうも、差し入れですよ」

側近「」ガタッ

男「側近さん、ステイ」

後輩メイド「特製S.V.ミルフィーユはあるッスか!?」

パティシエ「ありません」

後輩メイド「わう」ズコー

男(パティシエさんナイス判断)

パティシエ(また争奪戦(>>53以降参照)を起こされたらかなわないからね)

 ※テレパシー

パティシエ「代わりといってはなんですが、新作の試食をお任せします」

女性陣「「「!」」」ガタタッ!!

パティシエ「人数分あるので取り合ったりしないで下さいね……?」マジデ

男(パティシエさんry)

パティシエ(また争奪ry)

 ※テレパシー

957 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/01/13(日) 23:31:41.37 ID:EyW1yqA/0

女兵士B「…………」ウツラウツラ

兵士B「おお、しっかりしろB」

騎士B「はっ! すみません!」ハッ

兵士B「いやそっちじゃなく」

東の使者A「ちーっす。手ぇ要る?」

全員「「「要る」」」 即答

東の使者A「そんなにか……」

男「何気に外がもう真っ暗だし」

大臣「タアアアァァァァァァフネエエエェェェェェェェェス!!!!」
  ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!

兵士長「うるせえハゲえええええええええええええええ!!!!」
  シュバババババババババババババババババババ!!!!

側近「浄清空虚六徳刹那弾指瞬息須臾逡巡模糊漠緲埃塵沙繊微惚糸毛厘分割……」
  カカカコココココココココココココココココココココココココココココ!!!!

騎士A「この三人の異常な持久力ったらないよね」

女医(側近ちゃんが呪文呟いてるみたいで怖ぇ……)

女医「ほらアンタらはこの薬飲んで湿布貼って寝ときな」

兵士A「もはや腕も上がらない……」

東の使者B「っていうか変な色になってないこれ……?」内出血で…

958 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/01/13(日) 23:32:17.55 ID:EyW1yqA/0

メイド「今のペースを維持すれば明日には全て終わりますわ」

大賢者「ほう」

メイド「ただし徹夜前提で」

兵士B「殺す気か!?」

メイド「はい」ズバッ

兵士B「」

男「どんだけ時間がかかるかわからないとはいえ、二ヶ月分は無理があったか……」

側近「そういえばいつ“潜る”んでしたっけ」
  ココココココココココココココココココココココココココココココココ!!!!

ソロバン < モエアガレオレノコスモォォォォォォォォォ!!

後輩メイド(指が止まって見えるッス……)

男「ん、ちょうど一週間後だね」

カレンダー < チナミニマダ11月ダゼ

兵士長「最短記録が三日で最長記録が一年だってさー」

騎士A「随分ブレますね」

兵士長「まあ平均は一ヶ月強なんだけど」

大臣「何食って生きたんだそれ……」

兵士長「湿度がひどいからキノコとかじゃない?」

男「毒草毒茸の知識が完璧な俺に死角はなかった」

兵士B「サバイバル能力競う大会じゃねえよ」

959 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/01/13(日) 23:33:06.97 ID:EyW1yqA/0

男「というか、死んだらどうやって確認するんだろう」

兵士長「死んだ例がないからわっかんねー」

メイド「不適正なら初めから降りられませんから」

男「あー、じゃあ入れる時点でもう結果は決まったようなものってことか」

兵士長「まあ正直そんなもんだね」

男「Bは降りたことあるんだっけ?」

兵士B「ん? ああ、途中で止めたけどな。よっと」ヒョイ

女兵士B「...zzZ」スピー

男「中断可能なのか」

兵士B「いやもうメンドくせぇし飽きたしそもそもやる気なかったから壁ブチ抜いた」

騎士A「ちょ!?」

兵士B「『証』は取らなかったから失格になってたなぁ」

兵士長「別のところに原因がありそうな……」

後輩メイド「毛布持ってきたッス」

兵士B「おう、さんきゅ」

960 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/01/13(日) 23:33:46.45 ID:EyW1yqA/0

男「なんか思ってたより難しくなさそうだな」

兵士B「ぶっちゃけ降りるだけなら落とし穴探して跳ぶとすぐだぞ。無論罠だが」

男「罠じゃダメだろ」

兵士B「まあそうか」

騎士A「中ってどうなってるんです?」

兵士B「まあ文字通りのダンジョンだな。下の入り口から入ると罠だらけで進めねえらしい」

男「そりゃ魔王城直通ルートなんだからそうだろう」

兵士B「七不思議のひとつの『閉鎖された地下室』もダンジョンのことだしな」

男「あぁ、それで閉鎖されてるのか」

兵士B「戻ろうとしたら罠が起動するからって理由で立ち入り禁止なんだよ、あれ」

騎士A「……もしかして地下室から響く謎の呻き声って」

兵士B「前に魔王が出られなくなった時のやつだな」

男「なにしてんだあの馬鹿……」



◆魔王城七不思議『閉鎖された地下室』

 一度入れば出られないと言われる謎の地下室。

 閉ざされた扉の向こうからは正体不明の呻き声が響き続けているという。

 一説には死後の世界に繋がっているのではと言われている。

961 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/01/13(日) 23:34:35.31 ID:EyW1yqA/0

メイド「はいはい、雑談はそこまで。急がないといよいよ時間がなくなりますわ」

男「ああっと!!」

兵士B「ちょい腹ァ減ってきたな」

薬師「――食べる――――?」スッ

蠢く謎の固形物 < オンギャアアアアア!!

兵士B「…………いや、それは要らない」

薬師「――――そ」

男(なんだ今の……)

側近(何か懐かしいものが見えた気が……)

兵士B(今のは食べるようなものなのか……?)



 そんなこんなで忙しい夜は更けていく。



962 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2013/01/13(日) 23:39:47.65 ID:EyW1yqA/0
ひと区切り 残りが40を切ってしまった……
あと2つ……いや1つか? 今回の続きか締めの話か、両方か片方か
それだけ書いたら全編の安価表作って貼って一旦おしまいかもねん

眠気がすごいことになったよパパン。では失礼
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/13(日) 23:40:46.46 ID:PjZ/BxXv0
乙乙!
それじゃ俺は>>1食いに行くかの
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/01/13(日) 23:59:56.40 ID:xO5leo/zo
潜るって何に?
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/01/14(月) 22:25:07.71 ID:kihwQzA7o
話の流れ的に地下ダンジョンじゃね
966 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/10(日) 01:28:55.49 ID:Q72ERwP80
まだかな?
967 : ◆TctB4xXhw6 [sage]:2013/02/27(水) 00:04:45.85 ID:xGMjjoLjo
と、とりあえず生存報告と簡単な連絡を
ちゃうんです。ここはあとツギハギして縫い目を整えるくらいでええはずなんです
ただそれをする暇すらないだけなんです、マゾで。いやマジで
待たせるばかりでほんとに申し訳ない

で。

とりあえずですね、他2スレに少しでも集中できるようにここはこのスレで一度区切ろうかと
まともに更新できなくなって久しいですし、余裕が持てるようになってからまた同じようなの建てようかなぁと
その際はあくまで「過去スレを読んでるとちょっとニヤニヤできる」くらいにするつもりなんですが、男を中心にした人外達の暮らしは今と変わらずなんかちょっとアレな感じのままなんじゃないですかね
あくまで予定というか、私個人の希望のようなものなんですけどね

まあその話はまた最後に
今週末はがんばりますよー(急な仕事さえなければですが……)
968 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/02/28(木) 07:46:51.43 ID:B3P+L9Kco
待ってる
969 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/03/04(月) 18:41:02.57 ID:KTUv0/8vo
年度末納期な業界だと、この時期[ピーーー]るよね…。

そこに病気が入るともう…(((((((( ;゚Д゚))))))))ガクガクブルブルガタガタブルブル
970 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/04(木) 10:45:35.81 ID:iQfsYIov0
一ヶ月か
971 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/04/07(日) 21:55:30.13 ID:UOc/uNnH0
なんとかエピローグでっち上げ
当初の予定とはだいぶ違う上にかなり無理矢理
アンド過去に出た設定と矛盾が出まくってたりするけどあまり気にしないでもらえれば助かりまする

読みやすいように安価表も貼ると言ったけどあれは嘘になるかもしれない
972 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/04/07(日) 21:56:58.17 ID:UOc/uNnH0

 12月──


メイドB「最近ダイオーいないね」

女兵士A「ねー」

女兵士B「なんか地下に潜ってるらしいよ」

メイドB「ちか?」

女兵士A「ダイオーってモグラ?」

女兵士B「たぶん違う。なんかねー、魔王城の下にでっかい遺跡があるんだって」

メイドB「ふんふん」

女兵士B「でー、正式に魔王になるのに一番下まで行かないとなんだってさー」

女兵士A「なにそれー」

女兵士B「知らなーい。なんかあるんじゃない?」

メイドB「ミミズとか」

女兵士B「モグラか」ビシッ

女兵士A「ダイオーってモグラ?」

女兵士B「たぶん違う」

メイドB「モグラダイオー!」オー!

女兵士B「それじゃモグラの王様じゃん」

女兵士A「ダイオーモグラ!」ラ!

女兵士B「……ほんとにいそうだ」

メイドB「地下を最高時速200kmで掘り抜ける世界最大、最速のモグラ。
 その嗅覚は星の裏側で誰がすかしっぺをしたか嗅ぎ分けるほど。
 ヒレに似た形状の巨大な爪を用いて毎時20tもの土を掻き出す。
 眼は退化し土竜族共通の弱点たる光を完全に克服したが、嗅覚に頼っているため近距離での強い臭気に極めて弱い」スラスラ

女兵士A「いるの!?」

メイドB「しらない」フルフル

女兵士B(なんで嘘を吐く時だけ流暢になるんだろう)



兵士A「今どの辺りなのかなぁ」

兵士B「んー、まあまだ精々上層の真ん中辺りじゃねえ?」

兵士A「下の地表より下が下層なんだっけ」

兵士B「俺も下層までは降りたことねぇけどな」

兵士A「そういえば中にいる間食糧とかどうするんだろ」

兵士B「結構自生してるキノコとかが食えるぞ。あと魔物」

兵士A「うわぁ……あんまり想像したくないなぁ」

兵士B「サバイバル耐性ないとキツいわな。まあ、男なら問題ねーだろ」

兵士A「サバイバル慣れしてる魔王ってのもどうなの?」

兵士B「それを言っちゃあお終ぇよ。つーか前にもこの話しなかったか」

兵士A「正直あの日の記憶がない」

兵士B「限界を超えたか……」
973 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/04/07(日) 21:58:16.88 ID:UOc/uNnH0

東の使者A「人事調整かぁ」

東の使者B「僕らには関係ないんじゃないの?」

東の使者A「いやさぁ、もしかしたら男君がこっちに来ることもなくなるのかなーって思って」

東の使者B「ああ……そっか、もしここでも外交官を別に立てるようになったら、そうなるのか」

東の使者A「接点がなくなるなー……」イジイジ

東の使者B「普通に遊びに行けば? 仕事はしてもらわないと困るけど」

東の使者A「いやさーでもさー、考えてみたらうちらもいつ帰国するかわかんないじゃん」

東の使者B「あー」

東の使者A「いつまでバカやってられんのかねー」

東の使者B「バカやってる自覚あったの!?」ガビーン

東の使者A「んー……」

東の使者A「……ま、なるようになるかねー」

東の使者B「うわ自己完結してるし」

東の使者A「ところでコタツ火ぃ点けていい?」

東の使者B「いいけど、その前に重ね着しなよ」

東の使者A「服とか重い。いっそ全裸で生きたい」

東の使者B「止めて下さい。本国のモラルが疑われます」



メイド「後輩メイド、ちょっと」

後輩メイド「なんッスか?」

メイド「貴女のメイド服を新しくするから、採寸に行くように指示が来てるわ」

後輩メイド「ウィ? 自分は今のままでいいッスよ?」

メイド「ダメよ。立場が変わるのだから、他と同じままでは示しがつかないもの」

後輩メイド「立場ッス?」

メイド「そう。男様がお戻りになられたら、正式に貴女が専属になるのよ」

後輩メイド「あんちゃん専属ッス!?」キラキラ

メイド「ええ。ただその代わり、私も総侍従長になって現場統括は貴女の仕事になるから、負担が増えると思うけれど」

後輩メイド「大丈夫ッス! あんちゃんのためなら火の中水の中ッス!」ビシッ

メイド「もう、そうやって無理をして風邪を引いたのは誰だったかしらねー」

後輩メイド「わう!? も、もうあんな風にはならないッスよ!」ワタワタ

メイド「そのために、も」ピッ

後輩メイド「ウィ?」

メイド「ちゃんと他のメイドやバトラー達の手も借りて。全部自分でやろうなんて思わないで」

メイド「貴女が倒れたら、男様にも心配をかけてしまうのよ? わかるわね?」

後輩メイド「はいッス!」ビシッ

メイド「よろしい」ニコッ
974 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/04/07(日) 21:59:39.88 ID:UOc/uNnH0

 1月──


『こちら機甲士団第四小隊。侵入者の殲滅を完了した。これより帰還する』

獅子王「了解。ご苦労だった」

老紳士「指揮を執らせてすまないね。もはやこの老いぼれの身では警戒網を維持するのが関の山だ」

獅子王「長い付き合いなのです、遠慮なさるな。しかし、少数とはいえこう何度も侵入を許すとは……」

老紳士「初代陛下の結界が保たなくなるのが先か……“彼”が決着を着けるのが先か、といったところかな」

獅子王「しかし、もう一年ですか」

老紳士「焦ってはいけないよ。我々は千年を待った。それに比べれば、一年も二年も短いものさ」

獅子王「新たな勇者の動向は掴めないままなのです。不安にもなりましょう」

老紳士「君が弱音とは珍しいね」

獅子王「勇者の力……その威力は身をもって知っておりますゆえ」

老紳士「ああ……。だが、案外なんとかなると思うよ?」

獅子王「楽観的ですな……」ハァ...

老紳士「悲観的になるよりマシさ。何事も前向きに」

老紳士「我々は死ぬためにいるわけではないのだから」



騎士A「自分が副団長に、ですか?」

騎士団長「ああ。兵士長の爺さんもそろそろ歳だろ? 仕事を減らす意味でもいい加減誰かにやらせようと思ってよ」

騎士A「人望に関して言えば騎士B、実力なら騎士Cさんのほうが上だと思いますが……」

騎士団長「騎士Bには別の仕事だ。それに、俺の右腕って意味じゃお前の実力は問題ねえ。むしろ作戦指揮のほうが重要だ」

騎士団長「お前、自分が思ってるより求心力あるからな。いざって時にゃあ総指揮までやってもらわにゃならんし」

騎士A「そうは言いますが……」

騎士団長「嫁さんがいるとこ悪いんだがな、正直俺はお前しかいねえと思ってる」

騎士A「はあ……」

騎士団長「まあそう難しいこっちゃねえさ。いざってことにならねえように手を打つのも仕事のうちだしな」

騎士A「っていうか、休み減ります?」

騎士団長「あ、そこ!? そこ気にしてんの!?」

騎士A「大事なことですよ。大臣さんとか見てますから特に」

騎士団長「ありゃヒドい例だろ……まあ、そんな変わんねえだろ、多分、頑張れば」

騎士A「この話はなかったことに」

騎士団長「そんなつれないこと言うなよ」
975 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/04/07(日) 22:01:16.79 ID:UOc/uNnH0

町娘「なんだか慌ただしいですね」

パティシエ「そう見えますか?」

魔剣『むしろ祭の前日のような雰囲気を感じるな』

パティシエ「まあ、似たようなものかもしれませんねぇ」

魔剣『む、そうか例の……』

町娘「?」

パティシエ「しばらくすればわかりますよ。紅茶のおかわりは?」

町娘「あ、いただきます」

パティシエ「はい」ニコッ



大臣「」ズーン…

側近「大臣さん、どうかなさったんですか?」クライ...

兵士長「とうとう離婚が決まったんだってさ。親権も取られてついに独り身に……」ナムナム

大臣「俺が何をした……何もできなかったのが悪いのか……」ブツブツ

側近「ちょっと怖いんですけど……」

兵士長「そのうちケロッと治るさ〜。それより新魔王君の心配したほうがいいんじゃない?」

側近「大丈夫ですよ」

兵士長「それは楽観かい?」

側近「いいえ、信頼していますから」

兵士長「うはぁ、アツい! アツいなあ!」ケタケタ

側近「はい?」

兵士長「でも万一戻ってこなかったらどうするんだい?」

側近「死にます」

兵士長「えっ」

側近「死にます」

兵士長「えっ」
976 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/04/07(日) 22:02:20.84 ID:UOc/uNnH0

 3月──


大賢者「……ふむ、風が変わったの。男めようやく大分下まで降りたと見える」

騎士B「よくわかりますね」

大賢者「伊達に長く生きてはおらんよ。王の資格を持つ者が近付くほど、かの地は強く共鳴するでな」

騎士B「大賢者様は地下にあるものをご存知なのですか?」

大賢者「詳しくは知らんがの。初代が残した最後の遺産、だそうじゃ」

騎士B「遺産、ですか」

大賢者「うむ」

兵士C「周辺の調査終わりましたよ」

兵士D「眠い……だるい……」

騎士B「ご苦労。戻って休みなさい」

兵士C「うス。ほらD起きろっての」

兵士D「運んで」

兵士C「しょうがねえな……」



大賢者「兵士Dめはよう寝よるの」

騎士B「愛らしいではないですか」

大賢者「あまり甘やかすでないぞ。次の主が難儀するじゃろ」

騎士B「騎士Dなら気にも留めないでしょう。彼女はおおらかですから」

大賢者「それはそれで困りものなのじゃが」

騎士B「……それより私は自分のほうが不安でもうヤバいです」カタカタ...

大賢者「んん? おお、そうか確か次は」

騎士B「タンマで。口に出して言われると緊張がもはやマッハです」ガタガタ...

大賢者「ヘタレじゃのう」

大賢者「やれやれ、兵士Bも苦労しそうじゃなぁ」



兵士B「ぶえーっく!」クショイ!!

兵士A「うわ汚っ!」

兵士B「おぅ、すまん」

兵士A「何、花粉?」

兵士B「いや、それはないはずなんだが。誰か噂でもしてんのかね」

兵士A「いよいよBの生え際が怪しくなってきたとか?」

兵士B「根も葉もない嘘を定着させようとするのやめろォ!!」

兵士A「そうだね、毛根がないね」

兵士B「あるわ! むしれるほどあるわ!」

兵士A「少ない毛と書いて毟る。自虐ネタとは落ちたね」フッ

兵士B「はっ倒すぞテメェ」

女医「正門のど真ん中で漫才やってんじゃないわよ」
977 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/04/07(日) 22:04:11.43 ID:UOc/uNnH0

後輩メイド「」グデーン

側近「」チーン

メイド「あらあら」

兵士長「おお!? なんだいこの有り様」

後輩メイド「あんちゃん成分が切れたッス……」

側近「男さん男さん男さん男さん男さん男さん……」ブツブツ

兵士長「側近ちゃん怖ぇよ!?」

メイド(洗濯しないでおいた衣類の匂いを嗅がせるなどして誤魔化していたんですが、とうとう限界のようでして)

兵士長(こいつ直接脳内に……!)

兵士長(というかこの子たち変態だァー―――!!)

メイド「ところで何か御用ですか?」

兵士長「あ、忘れてた。みんな東棟ホールに集合だって」

後輩メイド「集合ッス?」

兵士長「なんか預言師さんがもうすぐ男君帰ってk」

側近「さあ行きましょうぐずぐずしている暇はありませんさあさあさあ!」

後輩メイド「二人とも置いていくッスよ早く!」

兵士長「……速っ!」

メイド「あらあら」ニコニコ



大賢者「あまり急に呼びつけられては面倒で敵わんのじゃがの」

預言師「すみません、ギリギリまで予見が出来なかったもので」

大賢者「ふむ。ま、下は異世界のようなもんじゃからの」

騎士団長「飾り付けこんなもんでどうよ」

騎士A「いいんじゃないですかねぇ(棒)」

兵士B「何してんだよアンタ……」

騎士団長「少しでも盛り上げてみようかと思ってよ」ドヤッ

兵士A「普通に迎えてあげれば十分でしょうに」

側近 ソワソワソワソワ

後輩メイド ウズウズウズウズ

東の使者A「うわ何この人数」

<大将!バルコニーの花ァこんなモンっすかねぇ!

騎士団長「悪くねえがもっとだ! もっと飾り付けろ!」

兵士B「どこまでやる気だ!?」

東の使者B「え、何、お迎えじゃなくてパーティーなの?」

薬師「――――大騒ぎ――」

魔剣『やれやれ、男は帰ってくるというのに我が主は今頃何をしているのやら』

女医「うわっ、あんたら居たの?」

町娘「あはは……どうも、お呼ばれてしまいました」
978 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/04/07(日) 22:05:22.29 ID:UOc/uNnH0

商人頭「ちわーす。坊主が戻って来るって?」

商人下っ端「親父、先に仕事だ仕事」

兵士C「おう商人ズ、久しぶりだなぁはっはっは!」

パティシエ「おやおや、料理足りますかね」

メイド「お手伝いしますわ」

メイドB「わたしもー」

女兵士A「うぇーい!」

女兵士B「え、二人とも料理できたの!?」

二人「「んーん、できない」」

メイド「隅っこでおとなしくしていて下さい」



兵士B「なんか殊の外大所帯になってんな」カチャカチャ

兵士A「卓一個しかないから困るよねぇ」ジャラジャラ

兵士C「お前らなんでいつの間にか雀卓囲んでんの!?」

東の使者B「いやだって暇だしさ」

大臣「今なら天和も出せる気がする……絶望の力で」

兵士B「まだひきずってんのかあんた……」

兵士D「…………」スヤスヤ

女兵士B「ねえB、ダイオーってどこから戻ってくるの?」

兵士B「なんで俺に訊く。預言師に訊いてこいよ」

預言師「お呼びですか?」

女兵士B「うひゃい!?」ビクッ

兵士A「あ、ちょうどいいや。男――っと、魔王が戻ってくるのってどこから?」

預言師「ああ、それはですね……」



扉 < オレタチノデバンダゼ、ノブゥ!!

ノブ < ヒサシブリスギルゼェ…



騎士団長「はーい、全員静粛に静粛にぃ」パンパン

<ウィース

預言師「もうまもなく男さん、改め新魔王陛下がご帰還なされますので」

<オオォー

東の使者A「ただのお出迎えがお祭り騒ぎだねぇ」

大賢者「毎度大体こんなもんじゃ」

預言師「えーと……」チラッ

古時計 < ナニミテンノヨォ!!

預言師「あと30秒ほどですね。皆さんお迎えの用意は宜しいですか?」

<ハーイ
979 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/04/07(日) 22:06:39.67 ID:UOc/uNnH0

側近「」ガタッ

後輩メイド「」ガタタッ

兵士B「A、側近ちゃん抑えとけ」

兵士A「ほら二人とも落ち着きなって」

預言師「! 来ますよ!」

<ガタッ!

騎士団長「うおっ!?」ビクッ

大臣「一斉に動くなよ怖えよ!?」


 ガタッ!


大臣「だから怖えって!」

兵士長「いや今の音は違うよ?」

大臣「ん?」


 ガチャガチャ ガチャ…


ノブ < イテテ、モウチョットヤサシク…

扉 < アレ、コノパターンマエニモ…


「またか、ここたてつけ悪いのかな」


後輩メイド「!」ググッ

兵士B「ちょ、力強ぇ!」

側近(男さん男さん男さん男さん男さん男さん……)ジリジリ

兵士A「側近さんストップストップ!」


「……仕方ない、壊すか。せーの」


扉 < ア、チョ、マ
980 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/04/07(日) 22:09:04.37 ID:UOc/uNnH0

「 そ ぉ い !」



扉 < ウ、ウワアアアアアア!!


 ド ゴ ォ ン !!


 戸/
 ./非 バキィッ!!


ノブ < ト、トビラァァァァァァァ!!



「うわっぷ、ホコリすごっ、げほっ、ごほっ!」


メイド「……掃除担当は誰だったかしら」

メイドB「はーい」挙手

メイド「減俸1ヶ月ね」

メイドB「!?」


「あーもう、後でわんこに直して貰わないと……って、あれ?」


兵士A「あ、駄目だ腕限界だ」パッ

兵士B「同じく。すまぬ男」パッ


男「みんな集まって……何ごt」

後輩メイド「あーんちゃあああああああああああん!!」

側近「男さん男さん男さん男さん男さん男さん男さん 男 さ ん !!」

男「ファッ!?」


 どーん!!


男「ダブルタックル!?」グハッ

男「ちょ、ここ後ろ階段……あ」グラァ…


<あああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ……!



   ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ……ドシーン!!



騎士団長「……落ちたな」

大賢者「落ちよったの」
981 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/04/07(日) 22:10:39.35 ID:UOc/uNnH0

男「帰って早々階段転がされるとは思いませんでした」イテテ…

側近「うぅ……すみません」ショボーン

後輩メイド「反省しきりッス」セイザー

大賢者「と言いつつ顔が笑っとるぞ、三人とも」ニヤニヤ

男「いやあ、なんだか戻ってきたんだなーと実感がわきまして」

兵士B「よ、おつかれさん」

男「ああ、うん。ただい「ストップ」

男「?」

メイド「さあ、側近様も後輩メイドもこっちへ」

後輩メイド「はいッス」

側近「はい」

騎士団長「そんじゃ、せーの……」



「「「おかえりー!!」」」



男「…………!!」

男「〜〜〜〜〜〜っ」



男「ただいま!!」



982 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/04/07(日) 22:11:46.77 ID:UOc/uNnH0

 そして──


男「まさかあのまま街中挙げてのお祭り騒ぎに発展するとは……」

男「なんか、何かと理由つけて祭やってるような気がするなぁ」

男「いいのかなあれ……。まあいいのか」

男「それにしても久々に仕事すると疲れるなぁ……」

男「いや地下にいた時はもっと大変だったけども」

男「独り言増えたし」

男「さて……」

男「うん、こっちも久しぶりだな」

男「折角の休みなんだし」

男「レッツ畑仕事!」キリッ

男「とりあえず水車小屋のほうから道具引っ張り出してこないと……」

男「…………」

男「……あれ、誰かいる?」

男(なんかデジャブ……)
983 : ◆TctB4xXhw6 [saga]:2013/04/07(日) 22:13:30.98 ID:UOc/uNnH0

女勇者「うぅ……おなか……すいた……」シクシクシク...

男「」



男「仕事もひと段落しての里帰り」

男「久々に思い切り農作業に勤しもうと決めた春の朝」

男「水車小屋の前に、童顔巨乳のすんごい美少女がぶっ倒れていた」

男「というか勇者だった」



男「……どういうことだ」



 つづく
984 : ◆TctB4xXhw6 [saga sage]:2013/04/07(日) 22:19:52.27 ID:UOc/uNnH0
まあ、こんな感じで
オチが弱いのはいつものことみたいなね。マジヤバいシリーズ見るとよくわかるけども
長々と待たせるばかりのわりにこんな終わり方で面目ない
これの前に差し込む予定だった話は次に続編スレ建てた時にでも。何故か書き上がってないし

ここまでお付き合いいただいた方々、本当にありがとうございます

さあて、後は残り2スレ書いていかないとだな……
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/08(月) 02:20:32.57 ID:V+4TS1fWo

続きも楽しみにしてる
986 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/04/12(金) 06:29:41.15 ID:BDlMYEMfo
乙 楽しかった
こっちは日常ほのぼのストーリーだから、これからも変わらずに
やっていきそうだって判るオチで満足です
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/05/03(金) 00:24:18.73 ID:g523gt8gO
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