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梓「エンディングが見えた!」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) :2011/10/05(水) 20:11:07.80 ID:aTQYDKL60
新入部員の梓が軽音部員を攻略していく百合ストーリーです。

タイトルから判る通り
けいおん!と神のみぞ知る世界とのクロスオーバーです。
ただ、クロスオーバーといっても神のみは、ハクア以外は出ない予定
舞台はけいおん!の世界で、原作の二巻に該当。

初めて物を書いて、投稿します。
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713613334/

ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/

旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

2 :flog.01ガールミーツガールズ :2011/10/05(水) 20:14:51.68 ID:aTQYDKL60
夜の帳が下り、見慣れた街並も日中とは様子が違う。 
住民たちが帰宅し団欒を取り戻しただろう住居、マンションからカーテン越しに漏れる光。 
その光に照らされた路地は、その光源とは裏腹に、行き交う人々を淋しくさせる。 
その薄暗い路地の中で、ギターケースを背負った一人の少女が家路を急ぐ。 
その足は何時もよりも速かった。 後ろからだろうか、前からだろうか、
人の気配がするからである。 その気配は、少女の事を追っているという不気味さを感じさせた。 
ふと記憶を振り返ってみれば、昨日にもその気配を感じていた。 
今日と同じく、ライブハウスに参加した帰りのことだった。 
今忍び寄る気配と符合し、その時は気のせいだと楽観していた認識を改めてしまうと、
一層不安が募る。 
夜間灯に照らされた公園を視界に捉えると、追っ手を撒くかのように少女は足取りを加速させた。
公園に辿りつき、安堵のため息を吐いた瞬間、一つの影が動く。 動いた影は、夜間灯に照らされて、少女の視線に捕らわれる。
「だ、誰ですか」
抱いていた不安が確信に変った、それでも少女は恐怖を堪えて、夜の闇に問い掛ける。
その問いかけに、答えるかのように、公園の塀の上に、人が現れた。

3 :flog.01ガールミーツガールズ [sage]:2011/10/05(水) 20:16:45.71 ID:aTQYDKL60
現れたのは少女だった。 少女はその背丈を超えるぐらいの大きな鎌を構えて、獲物を狙うかのように塀の上から見下ろす。 髪はロングで潤いに満され、夜間灯の光の粒子をまとわせ、その佇まいと表情も相まって少女を凛とした存在に際立たせる。 ショールを思わせる薄手の布はよく見ると羽衣のようなものに見える。 夜風がその羽衣のようなものをなびかせ、少女の柔和さも感じさせた。

「あ〜あ残念。 気づかれてしまったみたい」
かくれんぼで鬼に見つかった様な台詞を言う。 しかし、発した台詞に反して、悔しがる素振りを見せず、ただ偽悪に満ちた表情をしている。 
「単刀直入にいうわ。 中野梓さん」
名前を知っているという事を突きつけ、少女の反応を待たずに攻め立てる。
偽悪的な表情は崩すどころか、度合いは増し、笑みも浮かべた。
「お前、私のバディにならない?」
それは悪魔の笑顔だった。

「何で私の名前を」
名前を呼ばれた少女、梓は怪訝な顔をする。 背負っていたギターケースを下ろし、鎌に対するかのように、身構える。
「中野梓、桜が丘女子高等学校1年2組、軽音部所属、担当はギター。 お前の事を調べ、
4 :flog.01ガールミーツガールズ [sage]:2011/10/05(水) 20:19:04.78 ID:aTQYDKL60
言動を観察させてもらったわ」
「ギターケースを持っていたら、ギターを弾くことぐらい察しがつきます!」
「お前のギターはムスタング。 ここは、核心をつくべきかしら。 
お前は軽音部に入ったばかり、だけど早速その入部したことを後悔している。 
不真面目な部活動に失望して、軽音部ではなく、学校の外で音楽活動を考え始めている。 
お前を狙うにあたって、音楽のことを調べたわ。外バンっていうやつかしら。」
「……」
梓は沈黙するが、怪訝な顔がより警戒の色に染められる。
「外バンを組むために、ライブハウスへと足を運んだが、
集まる人々の誰にも声をかけずに、早々切り上げている。 ライブに心は動かなかった。 
琴線に触れなかった」
目の前の少女をにらみつけている梓の顔、その眉がかすかに動く。
「お前は悩んでいる。 その証拠はそれ」
少女は、梓が下ろしたギターケースを指差した。
「今日それを開けたかしら?」
梓は、答えない。 だが、少し表情を曇らせる。
「昨日も開けていない。 ここ数日、ギターケースを開けてギターを弾くことはなかった。 
ライブハウスでも家でも。 だけど、唯一弾いているときがあるわ。 学校だけ、軽音部でね」
梓はギターケースに視線を落とす。
目の前の少女の指摘したとおり、梓は高校入学してしばらく、軽音部に入部した。 
梓にとって華やかな青春の一ページ、一ページがこれから記されるはずだった。 
しかし、雲息は怪しい。 その原因は、練習せずに、喫茶店みたいにお茶、
デザートを飲み食いして怠けている軽音部員。 それでも自分の期待に応えてくれることを望み、
セッションを誘うように、ギターを自分ひとりだけ弾いても反応が鈍い。 
自然と、梓は軽音部から身を遠ざける。
5 :flog.01ガールミーツガールズ [sage]:2011/10/05(水) 20:21:01.38 ID:aTQYDKL60
「失望しているはずの軽音部員達になぜか、魅せられるものがある。 心の奥底では、バンドを組む相手は決まっている。 軽音部員とバンドでつながりたいと思っている。 だけど、何に魅せられているのか、答えが出てこない。 ライブハウスに集う人々にはなくて、軽音部にあるものが存在する、それがなんだかわからない。 それがお前の悩み」
梓の視線がギターケースに落ちている間、塀の上にいた少女は何時の間にか、梓の背後に気配を移していた。その気配に振り返る梓。 
少女は満足げな顔をして梓に詰め寄る。
「図星かしら?」

――私の名前はハクア・ド・ロット・ヘルミニウム。 地獄から派遣された「駆け魂隊」悪魔よ。 
お前とはまた会うことになるわ。
そう告げ、悪魔と名乗った少女は姿を消した。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/05(水) 20:21:56.82 ID:dELikAwDo
もうちょっと空行多めで
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/10/05(水) 20:23:55.04 ID:aTQYDKL60
今日のところは以上です。
少なすぎて申し訳ないです。
超遅筆なので、ペースには期待しないでください。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/05(水) 20:24:56.26 ID:dELikAwDo
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/10/05(水) 20:44:45.71 ID:aTQYDKL60
>>8
ありがとうございます。
今度から、改行とスペースを意識して投稿します。
反応があってうれしい。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/10/05(水) 23:36:10.71 ID:JAQDUg6SO
地の文と台詞の間には改行が必要だな

あと、長くなるなら適当に次の段落に分けるのもいいし

地の文をぎっしり書くなら、改行の頭を一マス開けたらいいよ。そしたら、多少なり見やすくなる



連続していて読みづらい
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/06(木) 02:18:43.48 ID:soKHrdhSO
flogってカエルじゃね?
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/10/06(木) 22:44:47.84 ID:okFuSfzSO
>>11
カエルは「L」じゃなくて「R」
13 :flag.01ガールミーツガールズ [sage]:2011/10/06(木) 22:54:08.16 ID:uWPHdrqf0
昨夜の公園で悪魔と自称した少女のことは、夢の中での出来事のように、梓は思えた。 
だが、朝起きて、登校するときにギターケースの底に髑髏マークのシールを見つけてしまう。 
そのシールにはなにやらわからない小指サイズの装置が付着されていた。 
みたこともないような装置で、人類の産物ではないような外観をしている。 
もしかすると、少女との出会いは現実で、この装置を使って自分を付けていたかもし
れないと梓の脳裏をよぎった。 昨日のハクアといった少女とのやり取りを思い出す。

 梓は、小学校4年のときからギターに親しんできた。 毎日練習をつんできた、もちろん、スランプに陥るときもあったが、そのときは、息抜きで他のジャンルの音楽を聴いて頭を切り替えようとした。 或いは、ギターを全く弾かずに、一日中別のことで過ごして、心をリフレッシュさせた。 そして、そのあとは自分の音楽が洗練されていく境地にもたどり着いた。 音楽活動一筋の青春を過ごしているというのは大げさかもしれないが、梓の青春時代の大部分はムスタングとともにあった。 受験、試験、病気を除いて、数日にわたって、ギターから離れたことはなかった。 だが、今ギターに触れてない日が続いている。 

「梓ちゃーん、おはよう」

登校途中で思案していると、後ろから声がかかってきた。

「あ、琴吹先輩。 おはようございます」

後ろを振り返る梓、一瞬驚くような表情を作り、すぐさま笑顔で返す。 だが内心少し焦りを感じている。 梓と同じ学校の制服を着た少女が梓に手を振り、駆け寄ってくる。
14 :flag.01ガールミーツガールズ [sage]:2011/10/06(木) 22:55:11.16 ID:uWPHdrqf0

後ろを振り返る梓、一瞬驚くような表情を作り、すぐさま笑顔で返す。 だが内心少し焦りを感じている。 梓と同じ学校の制服を着た少女が梓に手を振り、駆け寄ってくる。

琴吹紬 2年2組 軽音部所属 担当キーボード

梓にとっては軽音部先輩であるが、気まずい。 入部したばかりの軽音部に数日、通っていないからだ。 そんな梓に対してやさしく微笑みかける。

「梓ちゃんって、ギターはいつのころから弾いているの? この前部室で聴いたとき、とってもうまかったわ。 何年も練習をしてきたのでしょ」

「はい!私、小学校4年生の時に、このムスタングを譲ってもらいそのときから弾いています。 親がジャズバンドやっていたので、親に教えてもらいました」

「へー、すごいわ梓ちゃん、」

「えへへ」

紬は、ほんわかとした表情で、愛嬌のある先輩だ。 髪はロングで、肩を越すほどに伸びて、その毛一本一本がシルクのように滑らかに流れている。 
一際、存在感をあらわす彼女の眉毛は、沢庵を思わせるかのごとく太いが彼女の温和な人柄を魅力的に引き立てる。 
「紬先輩は、いつからキーボードをやられていたのですか?」
15 :flag.01ガールミーツガールズ [sage]:2011/10/06(木) 23:06:05.25 ID:uWPHdrqf0
「去年の軽音部入部からよ。 それまでに何回か演奏したことあるけど、そのとき初めて本格的に取り組み始めたわ」

「意外です。 あ!もしかして、ピアノをやっていませんでしたか?紬先輩」

「そのとおりだわ。 梓ちゃん!」

「じゃあ、ピアノ暦は長そうですね」

「ええ、4歳から親のすすめで習い始めたわ」

「親の勧めで、いろいろなお稽古事をやっていたわ。 華道に、茶道に、日本舞踊に、あとは乗馬もやっていたわ」

「へー、多彩なことをやられていたのですね、琴吹先輩」

梓の家は音楽が家族を密接につながらせている。 
だが、両親は音楽の世界とは程遠い、業界で生計を立てている。
自分にとっても音楽で食っていくことには確信がもてない。
この音楽を志した人はたくさんいる。 
ただ、その業界で食っていける人間はほんの一握り。
音楽に限らず、どこの世界でもそうだ。
16 :flag.01ガールミーツガールズ [sage]:2011/10/06(木) 23:06:54.92 ID:uWPHdrqf0
「でも、一番長く続いたのはピアノかな」
 
「本当は、軽音部に入部するつもりはなかったの。 合唱部に入るつもりで音楽室準備室に入ったら、二人が居合わせて――」
『軽音部に入りませんか? 今部員が少なくて……』
『こら!! そんな強引な勧誘したら迷惑だろ!!』
『澪っ!! あのときの約束は嘘だったのか?! 私がドラム、澪がベースでずっとバンド組もうって!!――』
『――それでプロになったらギャラは7:3なって、ぅふぇ!』
『捏造するな!!』
――ぷっ……くすくす……
紬は、そのときの光景を面白そうに話した。
「先輩達らしいやりとりですね。 」

「私は軽音部のみんなと仲良く活動していきたいの。 律ちゃん、澪ちゃん、唯ちゃん、そして梓ちゃんとね」

17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/10/06(木) 23:16:39.93 ID:uWPHdrqf0
今日はここまでです。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/10/06(木) 23:21:43.63 ID:okFuSfzSO
台詞と回想の部分も改行いれた方がいいな

「」『』と括弧を使い分けてるけど

あと、一対一らしいけど複数登場させる時は、地の文が面倒なら括弧の前に名前いれるのもありだからな
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/10/06(木) 23:36:09.86 ID:uWPHdrqf0
>>10>>18
折角アドバイスもらったのに、チグハグのままですみません。

ワードで作っていたんですが、今度からメモ帳に転記した上で、投稿します。

あと、会話文形式に地の分はいるパターンについては、
私としては不自然かなと思って、今のスタイルにしてますが、要望が強ければ変えます。

何というか、初めてなので、産みの苦しみ見たいのを感じてます。
今まで、ロム専でしたが、SS投稿ってすごい大変ですね。

>>11>>12あちゃー、やってしまいました。訂正します。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/10/06(木) 23:44:24.94 ID:okFuSfzSO
あと、キャラの説明いるかな?

けいおん知ってる人なら、容姿は頭に思い浮かべられるし
細かい家のことの説明も、いらない気がする。


てか、無駄に説明しすぎって感じかな
21 :flag.01ガールミーツガールズ :2011/10/08(土) 00:48:42.76 ID:HpiaxXFa0
学校にたどり着き、二年の紬先輩と別れて、一年の下駄箱に向かう。

「おはよう、中野さんっ!」
「おはよう」

上履きを履いたとき、クラスメイトから声がかかってきた。

「さっきの中野さんと歩いていた先輩、二年の琴吹先輩だよね」
「そうだけど……、私の所属する軽音部の先輩なんだ」
「へえー、軽音部かぁ。 いいな。 琴吹先輩って大企業の社長の令嬢
だって、しかも嫌味なところはなくて、人柄は温厚って評判だよ」

このクラスメイトは入学したとき、最初に梓に話し掛けてきた人だ。
その時、梓と同じく共学出身であることを話し、夢見ていた女子校ライフを語っていた。
お嬢様の存在をまるで、芸能人のように憧れている。
その瞳はきらきらと光る星を宿らせているようだ。
自分の所属する部活の先輩をほめられて、悪い気がしない梓。

お稽古事にいそしんでいた紬。 そのしぐさ、人との接し方を見ると品格を備えている。
梓にとっても、お嬢様は憧れの対象だ。
中学まで共学の学校に通っていた梓は深窓の令嬢と呼ばれる
少女とは縁遠く、ドラマや漫画のみの存在だった。
それが、その深窓の令嬢とこうして親交を深めている。
梓も女子校に進学する前に少しばかりは思い浮かべていた女子校ライフを実現させている。
22 :flag.01ガールミーツガールズ [sage]:2011/10/08(土) 00:49:29.74 ID:HpiaxXFa0
昼休み時間、担任の先生から日直の仕事でプリント運びを手伝わされる。
その仕事を終えた後、職員室とつながる渡り廊下にあるベンチに座り、
小休憩を取っていた。 そのとき、不意にほほに冷たいものが押し当てられる。

「ひゃっっ! 冷たいっ!」

梓は驚愕の声をあげ、上半身を頭上から波打ったように身震いさせた。

「あーずさっ!」
「あずさちゃん!」

いたずらした子供みたいな声と猫撫声を背後からかけられる。
その声の主たちに振り返ると、梓が見知った二人の姿があった。

「やっぱり、梓だ」「梓ちゃんだ」

「びっくりしましたよ! 田井中先輩、平沢先輩。 もし、私じゃない人だったらどうするんですか。」

「後姿とそのツインテール見たら、100%誰だかわかるだろ」

すると、平沢唯は田井中律に向き直り、敬礼をする

「やりましたな!りっちゃん隊長!、清涼飲料水を後輩の頬に当てる大作戦、成功しました!」
「うむ、任務ご苦労であった。 唯隊員のおかげで、任務は無事完了した。 
その功績をたたえて、このオレンジジュースを与えよう」

 声色を変えて、軍人のように振舞う二人。
再び、梓に向き直る律。 その両手が梓の前に伸び、二つのドリンクが差し出された。

「梓もドリンクいるか? 汝が落としたのはこの金のサイダーかこの銀のウーロン茶か」

「どっちも、色が全然違っていますけど……ウーロン茶をいただきます」

「汝は正直に答えた。 よって、銀のウーロン茶を与えよう」
23 :flag.01ガールミーツガールズ [sage]:2011/10/08(土) 00:50:30.92 ID:HpiaxXFa0
「ありがとうございます、田井中先輩、平沢先輩」

礼を述べると、律は人差し指を口の前で振り出した。

「ノーノーノー、律だ。 律先輩って呼んでくれ」

「私も唯先輩ってよんでね。 梓ちゃん」

「ありがとうございます。 律先輩、唯先輩」

「うむ、それでよし」

その時、チャイムが鳴り出した。

「次は移動教室だ。 急ぐぞ!唯隊員!」

「アイアイサー。 じゃあね。 梓ちゃん」

二年の教室がある方向へと駆ける二人。 
梓も一年の教室へ向け、立ち上がり、二人とは反対方向へ歩き出す。

――さっきの梓ちゃんが驚いた仕草、猫がびっくりしたときみたいだったよ
――そうだったな
――かわいい

すると、二人の足音は急にやんだ。

「あずさーーっ!、サボってばかりで悪かった。 練習するから、きてくれよな!」
「梓ちゃん!、待ってるからね」
24 :flag.01ガールミーツガールズ [sage]:2011/10/08(土) 00:51:03.66 ID:HpiaxXFa0
放課後、部活動の時間になった。

音楽準備室前で立ち尽くす梓。
そう、軽音部の部室の前だ。
眼前には、階段と部室を隔てる一枚の扉が存在する。
その扉は、木製で、一目見ても年季が入ったものとわかる。
ドアノブを軽くひねれば、簡単に開く扉と見てもわかるし、実際に入室したこともある。
だが、この木製の扉が、鋼鉄の城門にみえてしまう。

音楽準備室の前で、すでに10分は経過しただろうか。
新勧の時に演奏していた音楽を演奏している音が、遮音性のない扉を通ってはっきりと聞こえる。
そして、中のやり取りも聞こえてくる。

――梓の奴、くるかな
――梓ちゃん、くると思うわ。
――梓ちゃん、かわいいからきっとくるよ。
――梓はかわいいが、かわいさは関係ないと思うぞ。

勇気を振り絞り、手を伸ばしだす。
その先にあるのは、ドアノブだ。 
ゆっくりゆっくり、伸びていき、その手は――――届かなかった。
扉の鋼鉄には、罪悪感がコーティングされている。
梓は、足取り遅く、立ち去ってしまう。
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/10/08(土) 01:04:12.30 ID:HpiaxXFa0
今日はここまでです。

あずにゃんと呼ぶ前の、唯の梓に対する呼称は、わからなかったので、
「梓ちゃん」としときます。

>>20けいおんの再構築ということを意識していたので、
ゼロから描くというのを考えていましたが、原作キャラを説明してもくどい
ようですので、変えました。

あと、美少女描写というものを勉強したいという目的もありました。
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2011/10/08(土) 09:54:28.93 ID:UjRggXWFo
乙でした!
今後の展開楽しみにしてます。
SSと言うよりは投稿小説という感じかな。
台詞前に名前入れたりとかは読みやすくなる一方で読み取る楽しさは損なわれてしまうので、
アドバイスはアドバイスとして自分なりの工夫で進めればOKだと思います。
頑張ってください!
27 :flag.01ガールミーツガールズ :2011/10/09(日) 15:37:18.16 ID:8IBknkSh0
翌日、学校へ登校し、自分の教室へ入る。
だが、教室はいつもよりも騒がしかった。
――職員室前で見たよ
――どんな人だったの?

との会話が断片的に聞こえてくる。

「おはよう、モブキャラさん、純」

「おはよう、中野さん」

「おはよう、梓」

「クラスのみんな、なんの話をしているの?」

「さあ、何だろうね。 騒がしいけど、さっき着たばかりだから、私もわからない」

「驚愕の事実!教師Aと教師Bは不倫関係にある! しかも、お腹の中には二人の
愛の結晶が――」

「えっ、それは本当なの? 純。 確かに二人が仲良さそうに、ベンチで話してい
たのを見たことあるけど……」
28 :flag.01ガールミーツガールズ [sage]:2011/10/09(日) 15:40:41.22 ID:8IBknkSh0
「――とかだったら、面白いね」

「面白くない。 つまらない嘘つかないでよ。 純」

「ごめんごめん」

と、ここで始業のチャイムがなり、教室は静寂を取り戻し始める。

「みなさん、おはようございます」

 チャイムが鳴り、2分ほど経過したころに、担任が入室し、教壇に立ち挨拶をする。
 それに対して、全員が返した。

「みなさん、今日は素敵なお話があります」

 と、担任は朝のHRで幾つかの連絡事項を伝えた後、そう話を切り出した。
 担任は、なぜか扉の方へ、梓の方へ、それぞれ視線を配りながら話す。

「今日は、皆さんの新しいクラスメイトが来ています。 転校生を紹介するわ」

 担任は教室の外に佇む気配に向かって、入室を促した。
 その仕草とともに、一人の少女が入室する。

 その姿を見て、きれい、と生徒の囁きが聞こえてくる。
 潤いに満たされた長い髪に、凛とした表情、薄手の羽衣のような布。
 特徴一つ一つを認識するにつれ、梓は自分の瞳孔が広がっていくのがわかった。

少女は、教壇の前に進み、チョークを手に取り、黒板に
中野ハクア
と記した。
29 :flag.01ガールミーツガールズ [sage]:2011/10/09(日) 15:42:03.89 ID:8IBknkSh0
生徒側に向き直り、愛想良い笑顔を浮かべた。
「本日転校してきた中野ハクアと申します。 姉の梓共々よろしくお願いします」

 呆然と前方を見詰める梓。

――同い年で姉妹とか珍しいね。
――似ていない姉妹ね
――姉妹かぁ、双子で、二卵性双生児じゃないのかな。
――はっ! ねえ!、さっき、中野さんたちから「不倫関係」とか「愛の結晶」とかの話が聞こえたわ。
――じゃあ、中野さんがお母様のおなかの中にいたころ、父親は……
――複雑そうな家庭環境ね。
――子供に罪はない。 せめて、当人同士は仲良くなくては、不幸な姉妹になるわ

 ひそひそと囁く声に混じり、二人の不幸な姉妹を案じて涙し、鼻をすする音に教室は満たされる。

「静かに」

と担任は注意する。

「じゃあ、中野ハクアさんはお姉さんの前の空いている席に座って頂戴」

「わかりました」

 ハクアは席まで近づいていき、着席するとき、梓に一瞥した。

「驚いた? 梓"姉さん"」
30 :flag.01ガールミーツガールズ [sage]:2011/10/09(日) 15:43:12.62 ID:8IBknkSh0
 昼休み時間、梓はハクアを連れ屋上に行く。
 ハクアより、駆け魂と協力者(バディー)の話を持ち出される。

「そんなオカルト話を信じるわけがありません! それに、駆け魂の所在は不明でしょ」

「ええ、駆け魂は地球上いたるところに浮翌遊して、人間の心のスキマを見つければ
、入り込む。 浮翌遊して宿主を探している状態では捕まえられないの。 
捕まえるのには宿主の心のスキマを埋めた後、追い出して弱っているところを
捕まえる必要があるわ。
 だから、普通の駆け魂の捕獲のためには、賭け魂そのものではなく、
隠れ家にしている宿主を探し出さなくてはならないの。 
数十億人に上る人間の中から探し出さないといけないわ。 
でもね、お前の場合は違うの。 」

「私は、既に協力者(バディー)がいるのよ。 だが、私に特命が
下って、その特命を遂行するための協力者(バディー)が必要になった。 それがお前」
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/10/09(日) 15:45:30.62 ID:8IBknkSh0
今日はここまでです。
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/09(日) 21:01:48.45 ID:pO30geFdo
>>28
 >潤いに満たされた長い髪に、凛とした表情、薄手の羽衣のような布。

布??
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/09(日) 21:02:14.49 ID:pO30geFdo
>>28
 >潤いに満たされた長い髪に、凛とした表情、薄手の羽衣のような布。

布??
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/09(日) 21:56:33.60 ID:l6TMwOteo
乙です。次で事情説明完了して、軽音部員の攻略開始かな?

割と描写が丁寧な中、

>>27
>「おはよう、モブキャラさん、純」

これはちょっと違和感が。モブキャラさんて。
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/09(日) 22:14:05.64 ID:mOJFFBPgo
なんか変なところでSSに毒されてきたなあ
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/10/09(日) 23:50:49.99 ID:Ik6c1+oSO
純ちゃんカワイソウ
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/10/10(月) 00:39:30.56 ID:6bmVGZBho
梓主人公か
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/10/11(火) 01:09:42.54 ID:pOmMffRb0
>>1ですが、今書いている最中で今日は投稿できません。


>>32梓から見て、羽衣に見える正体不明のものを表現するのに、迷ったのですが
ここは、布とはいわずに、「織物」といったら自然でしょうか
ですので、
>>3×ショールを思わせる薄手の布→○ショールを思わせる薄手の織物
>>28×薄手の羽衣のような布→○薄手の羽衣のような織物
に訂正します

>>34
梓たちの同級生の資料がなかったので、どうしょうかと思って
ストレートに表現しましたが、
ここは「同級生」にしときます。
×「おはよう、モブキャラさん、純」→○「おはよう、同級生さん、純」
実質的には変わっていませんが。

次の投稿で最初のFLAG01を終わらせて、その次から攻略をはじめる予定です。

>>36
一応、梓、同級生さんと純の三人の場面ですので、純が
モブ扱いを受けたわけではないです。
ただ、三人いながら、純としか話してなかったのが中途半端でした。


あと、神のみの駆け魂には
宿主を精神的に陥らせるパターンと
宿主に異変を起こさせるパターン(小人化とか分身とか巨大化)がいますが、
攻略では後者の方を中心に描こうと思っていますが、
前者の方が受け手にとって受け入れやすいものなのかな、と悩んでいます。
どうなんでしょう。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/11(火) 01:19:41.70 ID:D5iyUNPso
同級生にしても不自然さは変わらないというか、
梓のクラスメイトなら純以外にも名前のあるキャラがいるじゃないですか。

駆け魂は宿主に異変を起こさせるパターンの方が分かりやすいかなと。
ただ原作の異変のネタそのままはやめて欲しいけど。
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/10/11(火) 01:28:37.56 ID:pOmMffRb0
憂は今後、出すので、今は出したくなくて、それ以外で

ttp://dic.nicovideo.jp/a/%E3%81%91%E3%81%84%E3%81%8A%E3%82%93!%E3%83%A2%E3%83%96%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%A9
ここを見ると名前がついてないので、同級生としました。

あと、異変は自分で練ったものを描く予定です。

41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/11(火) 13:15:33.87 ID:qqT/bNAUo
おはよう、だけでいいじゃん。
何故殊更不自然さを強調するんだ。
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2011/10/11(火) 23:35:42.89 ID:6GXuJFkSO
梓の同級生で名前あるのって、憂と純くらいしかいないじゃないか

姫子とかいちごは唯達の学年だし


>>1は、けいおんを知らないんじゃないか?
43 :flag.01ガールミーツガールズ :2011/10/12(水) 02:11:07.84 ID:gJKA2Gdj0
「特命? なお更、受けられるはずがありません」

「ええ、そういうと思ったわ。 だけど、この特命にはあなたにとっても
重要な意味を持っている」

「重要?」

「この駆け魂隊の協力者(バディー)には、弁護士、心理カウンセラー、詐欺師、
ホスト、ホステス、営業、そしてゲーマーと、人を篭絡する素養を持った者がリスト
アップされ、契約が結ばれるわ」

「最後のゲーマー、素養を持っているようには思えないけど……」

「…………、ええそうね。 間違っていたわ。 ゲーマーになんか素養を持っていない。
あいつなんかが駆け魂を捕獲できたことは間違っている――」

視線を落とし、悔しそうに口を力ませ、ブツブツと小言を呟くハクア
そんな、ハクアを心配そうに心配したように覗き込み、声をかける。

「あのー、ハクアさん?」

「ごほんっ、本題に戻るわ。 そんな経験がなさそうだし、今のお前には
素養がないわ。 でも、もっと重要なのは、素養ではなく、素質なの。 」

「私は篭絡する素質なんて持っていない」

「いいえ、お前は素質を持っている。 今にわかるわ。 その素質は篭絡というよりも攻略。
そして、その素質が、この学園に潜伏する駆け魂を捕獲するために、必要な要素だわ。
この学園、具体的には音楽準備室を中心に駆け魂を探知するセンサーの反応があるの。
お前にとって、重要なことでしょ?」
44 :flag.01ガールミーツガールズ [sage]:2011/10/12(水) 02:12:10.31 ID:gJKA2Gdj0
☆☆☆
 桜高の軽音部に入ろうと思ったきっかけは、高校受験を控えた去年の秋だった。

「ねー、梓、進路調査はどうかいたの?」
 
休日のファーストフードで当時の同級生と談笑しているとそう話題を切り出された。
高校受験は中学生活の集大成であり、クライマックスであり、話題によく上る。 
当然、進学を考えている梓にとっては最懸案事項。

「んー、私の学力に見合う、○○高、××高、桜高を書いたよ」

「ふーん、そうか、あっそうだ、これ聞いてみる?」

と渡されたのは、ICレコーダー。

「私も桜高の受験を考えていてね、この前桜高の学園祭に行ってきたんだ。 梓、ギター好きでしょ。
 そのときの学園祭のライブで、部活の演奏があったんだ。 だから、録音してきたの」

 再生させたICレコーダからは、学園祭らしい喧騒に混じり、バンドの演奏が聴こえてくる。
☆☆☆
45 :flag.01ガールミーツガールズ [sage]:2011/10/12(水) 02:12:46.38 ID:gJKA2Gdj0
ハクアとのやり取りを終え、屋上から教室へ戻る。
ハクアから聞かされたことは、軽音部員たちが駆け魂に憑依されていることを示唆していた。
自分は軽音部でやっていけないかもしれないと考えていたのに、そんなことを
聞かされては混乱してしまう。
その途中、階段の踊り場で知る人物と遭遇する。
最も慕う人で、最も今の瞬間、会いたくない人物。

「あっ、秋山先輩」

「おう、梓か。 どうした、顔色が悪いぞ」

梓の顔を心配そうに眺める秋山澪。

「…………」

「……もしかして、軽音部やめてしまうのか」

「ち、違います。 秋山先輩、話があります」

 慌てて首を横に振る梓。 
そのツインテールの髪の毛は肩にかかり、乱れたまま。
さっき聞かされたことを話そうかと思ったがどう説明をしたらいいのかわからない。

「……私、軽音部に入る前に……、桜高入る前に、去年の軽音部の学園祭ライブを録音で聴きました」

自分がいうべきことを見失ったと思った梓。
46 :flag.01ガールミーツガールズ [sage]:2011/10/12(水) 02:13:21.77 ID:gJKA2Gdj0
☆☆☆

 そのICレコーダーは客席から録音されたものだから、観客の熱気がよく伝わる。

「ギターの人うまいな」

 とICレコーダーの演奏を聴き、短く感想をもらした梓。
 だが、そのそっけない感想に反して、こみ上げてくる情熱が梓の心を燃やした。
 高校受験を控えて、進路を考えているこの時期に、この演奏を聴いたのは自分へ
の天の啓示だと思った。

「これって、何部だったの?」
☆☆☆

だが、その梓が持ち出した学園祭ライブの話に、気恥ずかしそうに顔をほんのりと赤らめる澪。

「私、そのときから軽音部に入りたいと思っていました。 そのときの平沢先輩、
いや唯先輩のギターを聴いて、憧れました。 志望校を桜高に一本に絞り、軽音部に
入部することを夢見て勉強しました。 でも、でも入ってから、唯先輩は、とってもいい
加減な人で、怠け者とも思いました。 そんな、唯先輩と調子を合わせている律先輩もとっても
お調子者。 琴吹先輩もお茶ばかりの用意して、練習の雰囲気を壊していく。 
入ってから、失望ばかりなのに、思い描いた高校生活と全く、違うのに――」

「――初めて聴いた時の情熱が心に残ったまま、新歓ライブの光景は残ったまま。
私、外バンを組もうかと思っても、軽音部の事ばっかり考えてしまう」

神妙な顔をして梓を見つめる澪。

「ご、ごめんなさい、先輩たちのことひどく言ってしまいました」

「ううん、梓の本心を知れてよかったと思っている。 本音ではなく、本心だ。 
口は本当のことも、嘘のことも言うが、心は嘘つかない」

梓の肩にかかった髪の毛に触れ、梓のツインテールを整える澪。
そしてその手は、上にあがり、梓の頭をやさしく撫でた。

「秋山先輩、外バンをやろうとは思わなかったのですか?」

「梓、私は、外バンはやらないよ。 私はもともと、文芸部に入ろうと思ったんだ。
律の奴が強引に巻き込んで、軽音部を作ろうって言い出した。 紬が入り、唯が入部して、
軽音部が結成した。 律の奴、いいかげんだから部活申請用紙出してなかったけどな」

笑いかける澪。

「外バンは考えたことあるけど、この軽音部が何よりも大切だ」

「梓、今日の放課後必ず部室に来てくれないか? 梓も自分の本心がわかると思う」
47 :flag.01ガールミーツガールズ [sage]:2011/10/12(水) 02:13:49.81 ID:gJKA2Gdj0
放課後、音楽準備室に入室した梓。
その梓の入室を合図としたかのように、律が掛け声を出す。
新歓で見たときと同じく、バンドが組まれている。

「行くぜーーーっ! ワン、ツー、スリー!」

演奏が始まる。


『私は軽音部のみんなと仲良く活動していきたいの。 律ちゃん、澪ちゃん、唯ちゃん、そして梓ちゃんとね』

『あずさーーっ!、サボってばかりで悪かった。 練習するから、きてくれよな!』

『梓ちゃん!、待ってるからね』

『外バンは考えたことあるけど、この軽音部が何よりも大切だ』




48 :flag.01ガールミーツガールズ [sage]:2011/10/12(水) 02:14:24.91 ID:gJKA2Gdj0

「来てくれると思っていたよ。 梓」

「後輩ができてうれしいぜ梓」

「よろしくね、梓ちゃん」

「待っていたよ、梓ちゃん」

「よろしくお願いします!秋山先輩、律先輩、琴吹先輩、唯先輩」

瞳を潤わせ、先輩に応える

「二人だけ、ずるいわ。 私もりっちゃんと唯ちゃんみたいに、名前で呼んでほしいわ。 梓ちゃん」

「私も名前で呼んでほしいな」

「はい! 澪先輩、律先輩、紬先輩、唯先輩」

こうして、梓は軽音部員として活動を始め、協力者(バディー)になることを決意した。

FLAG01ガールミーツガール 終

49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/10/12(水) 02:24:52.52 ID:gJKA2Gdj0
せっかく書き上げたのに、板にエラーが出たみたいで、50分ぐらい書き込めませんでした。
今日の投稿をあきらめるとこでしたね。

やっと、一話目を終わらせることができました。
基本は梓が軽音部員を攻略させるストーリーですが、
この一話はその逆で、梓が軽音部に攻略される、心を軽音部に心を寄せていくというのを
描いたつもりです。


>>41
わかりました。
×「おはよう、モブキャラさん、純」


○「おはよう」

梓は、机の周りで談笑する純と同級生に挨拶をした。

に訂正します。


>>42
>梓の同級生で名前あるのって、憂と純くらいしかいないじゃないか

>姫子とかいちごは唯達の学年だし

同じことをいっているのですが……。
名前つきのクラスメイトが純と憂しかない中で、憂は今ださないため、
純しかいないということです。
資料については、ページのタイトルと下のほうを見れば、わかると思います。


第二話についてはしばらくかかります。
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/12(水) 17:31:40.98 ID:wJjuY9Gjo
変なとこで改行してるのはわざと?
わざとじゃないのなら専ブラ入れた方がいいんでね

あと[sagesaga]のソフトバンクはよそでも変なレスしてる読解力のないヤツだからスルーした方がいいと思う
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/10/25(火) 00:34:31.11 ID:letqqbQp0
生存報告ゥゥーーー

あと、投稿には一週間ぐらいかかります。
構想を練っていますが、いざ文章に起こすと違和感ありまくりで
腑に落ちずになかなか進めないでいます。

投稿するときは、ワンエピソードを連日投下できるようにするつもりです。
あと紬先輩はおかしかったですね。 ムギ先輩のほうが正しいですね。
ムギ先輩に改めます。


>>50
改行は大雑把にしてしまいます。
バランスがわるいのでしょうか。

専ブラ、普段携帯を使っているので、PCではIEで済ませてましたね。
投稿するときは専ブラにします。
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府) [sage]:2011/11/27(日) 21:44:36.10 ID:TnpTh2sGo
1です。一週間といいながら投下できずにすみません。
見ている人は皆無だろうけど、今、構想を練っています。
まだ、時間がかかります。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2012/01/08(日) 18:33:57.41 ID:Rmxm4Od5o
mada-
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