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魔法少女まどか☆マギカ外伝〜○の○○は〜 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 04:14:39.48 ID:Y8r6RRbAO
○○○「いらっしゃい、よく来たわね。 ここはわたしが出るある作品とまどか☆マギカのクロスオーバーSSよ」
 
○○○「と、言ってもわたしは出ないんだけどね〜。 ほんっと何考えてんのかしらこの1」
 
○○○「まあ取り敢えず注意点を説明するわよ。 よく聞いてちょうだい」

 
 
※何のクロスかは1話終了後分かる仕様です
最初から書いとけよ!って方はごめんなさい
 
※クロスと言ってもクロス側からはぼっちなのでそのつもりで
さらに誰得ぼっちです
 
※メインはほむら視点
たまにその他が入ります
 
※SSはぼちぼち書いてた程度
形式は地の文?バリバリ
バリバリ過ぎて展開遅いです
 
※あまり慣れてないので読みにくかったらごめんなさい
 
※キャラ崩壊、自己解釈、変な台詞回しは愛嬌です
初っ端から改変有りマス
 
※つまんね!と思ったら気軽に見捨てちゃって下さい
 
※まあ広い心で暇つぶしにでも読んでね☆マギカ
 
 
○○○「それじゃあ、本編スタートよっ!」
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/10/10(月) 04:16:37.52 ID:SxEoiYZlo
期待
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 04:18:02.57 ID:Y8r6RRbAO
第1話【ー邂逅ー】
 
 
ほむら「…ふぅ」
 
繋がった意識を確認して視力を回復させるとわたしは溜め息をつく。
 
見慣れた光景。
繰り返される時間の始まりの景色。
一面、真っ白な部屋…。
 
わたしはふと窓の外を見ると、しばらく何も考えずにぼ〜としてしまった。
 
気が付くと見始めた景色は夕焼けへと移りつつある。
精神的に疲れているのだろうか。
 
いつもならすでに行動に移っている筈なのに気力が湧いて来なかった。
 
ぼすっ…と音を立ててわたしはベッドへ沈み込む。
ふと、頭の中に前回の結末が浮かぶ。
 
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 04:19:34.54 ID:Y8r6RRbAO
 
たぶん今まででも最悪の結末だっただろう…。
そのせいだろうか?
今は何かをする気力が湧いて来なかった。
 
ほむら「まどか…か…」
 
ポツンとそう呟きが漏れた。
 
鹿目まどか。
 
何よりも大切な守りたい人。
でも何度も何度も気が遠くなる程繰り返しても救えない大事な人。
 
なのに今は何故か少し遠く感じる。
心が少し不安定になっているのかもしれない。
 
今日は…。
今日だけは何も考えずに眠る事にしよう。
 
そして、わたしはゆっくりとまどろみの中に落ちて行った…。
………。
……。
 
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 04:21:09.90 ID:Y8r6RRbAO
 
まどか『…ねぇ。ほむらちゃんはこれで良かったと思う…?』
 
ほむら『…さあ。 わたしには分からないわ』
 
まどか『そう…。 ほむらちゃんは冷たいんだね』
 
ほむら『そうね。 わたしはまどかを救う為なら幾らでも冷たくなるわ』
 
まどか『…どうしてほむらちゃんはわたしにそんなに拘るの?』
 
ほむら『(…それはあなたとの大切な約束だから…)』
 
まどか『教えてくれないんだね…』
 
まどか『…じゃあ…さよならだね。 ほむらちゃん』
 
ほむら『え!? …まどか、待って!』
 
ほむら『まどか! まどか!?』
 
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 04:22:56.74 ID:Y8r6RRbAO
 
ほむら「…まどか!」
 
気が付くとわたしは何も無い空間に手を伸ばしてそう叫んでいた。
 
ほむら「…夢…か」
 
そう分かると少しほっとする。
パサリ…と伸ばしていた手を下ろすとわたしは早鐘を打つ鼓動がおさまるのを待った。
 
…変な夢を見たものだ。
よほど前回の失敗が堪えていたのだろうか?
落ち着くと嫌な汗で体が気持ち悪かった。
 
少し気分転換に屋上へ行く事にする。
コッソリと廊下に出ると私は屋上へと向かった…。
 
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 04:24:11.23 ID:Y8r6RRbAO
 
 
…月明かりに照らされた街並み。
それを眺めながらわたしは屋上の手すりに手を乗せて顔を預けていた。
 
時折吹いてくる風が汗ばんだ体には気持ち良い。
 
しばらく眺めているとポツン…と手に落ちる物が有った。
視線を落とすとそれが目に入る…。
 
ほむら「…そっか」
 
無意識にそうわたしは呟いた。
 
何かと思えば、それは涙だった。
わたしは泣いていたのだ。
そして、分かってしまった。
 
わたしは気が遠くなる程の繰り返しに疲れてしまっていたのだ。
何度も何度も決意を改めて、何度も何度も色々な方法を試してきた。
 
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 04:25:32.76 ID:Y8r6RRbAO
 
それでも変えられない結末。
 
ほむら「…どうして…まどかを救えないの…!?」
 
苛立ちでそう叫んでしまう。
やり場の無い怒りで頭が破裂しそうだった。
 
どうしてわたしはまどかの結末だけは変えられないのだろう?
 
どうやっても、どんなに状況を変えようともまどかだけは救えない。
他の事ならば幾らでも変えれるのに。
 
まるで神様がわたしに罰を与えているかのようだ。
わたしには過ぎた願いだと…。
 
ほむら「…うっ…ぐぅっ! ひっ…ぅ…」
 
わたしは座り込むと膝を抱えて泣き続けた…。
………。
……。
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 04:27:00.64 ID:Y8r6RRbAO
 
 
…どれくらい泣いていたのだろうか?
何時の間にかゆっくりと空が白み始めていた。
 
わたしはノロノロと立ち上がると部屋へと戻ろうと体を動かした。
 
 
??「君は…運命ってものを信じるかい?」
 
 
ほむら「…えっ!?」
 
突然の声にわたしは跳ねるように驚いた。
バッっと声のした方に振り向く。
 
少し離れた所に手すりの上に座る少年が居た。
銀髪が風に揺れ、月明かりに照らされてキラキラと煌めく。
視線が合うとその少年はもう一度繰り返した。
 
 
少年「…ねぇ、君は運命ってものを信じるかい?」
 
 
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 04:28:29.04 ID:Y8r6RRbAO
 
 
そう言った少年の表情はとても落ち着いた大人びたものだった…。
 
 
――――――――――
 
 
ミサト「繰り返しの螺旋から外れた暁美ほむらの前に現れた1人の少年
彼との邂逅は暁美ほむらに何をもたらすのか?
そしてその少年の正体とは?
 
魔法少女まどか☆マギカ外伝
〜魂の価値は〜
次回、第2話【―使者―】
この次もサービスサービスぅ♪」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/10/10(月) 04:31:28.08 ID:Y8r6RRbAO
へへ…。
やっちまったぜ。
書いてて「誰か喜ぶんだよこのクロス…」って思っちゃったんだけど浮かんだ物は仕方無い。
では、続きます。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 04:33:44.52 ID:Y8r6RRbAO
魔法少女まどか☆マギカ外伝
〜魂の価値は〜
第2話【―使者ー】
 
 
ほむら「あなたは…誰?」
 
少年「僕かい? 僕は渚カオル」
 
そう名乗ると少年は柔らかい笑顔になる。
一見、悪意は無さそうに見えた。
 
ほむら「そう。 あなたは何故こんな時間にこんな所に居るの…?」
 
カオル「さあ? 僕にもよく分からないね。
一つ分かるとすれば、君に興味が有ったから…かな?」
 
ほむら「…わたしを知っているって言うの?」
 
少年の言葉に緊張しながらわたしはそう返した。
敵ならば直ぐにでも反応出来るように少年に分からないよう身構える。
 
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 04:34:48.59 ID:Y8r6RRbAO
カオル「いや、君とは初対面だね。
厳密に言えば君の力に惹かれて来たって感じかな?」
 
ほむら「わたしの…? わたしが…魔法少女だから…?」
 
カオル「魔法少女。 そうだね、この世界ではその力は魔法って呼ばれている」
 
ほむら「この世界? はぐらかさないで!
あなたは何? わたしの敵なの?」
 
意味の分からない返答に苛立ちわたしは語気を荒くしてしまう。
いつでも変身出来るようにジェムに意識を向けた。
 
カオル「僕かい? 僕はある意味君と同じ存在だよ」
 
ほむら「…わたしと同じ? …どう言う意味なの!?」
 
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 04:35:57.04 ID:Y8r6RRbAO
カオル「…君はいささか好戦的だね。 少しは落ち着いたらどうかな?」
 
訳の分からない言い回しと諭されるような言動にカッと血がのぼる。
 
カオル「まあ安心して良いよ。
少なくともこの世界では君の敵じゃないからね」
 
ほむら「…信用出来ないわね」
 
カオル「まあそうだろうね。
じゃあこう言うのはどうだい?
…君は時間超越者だろう?」
 
ほむら「どうしてそれを…!?」
 
この時間軸ではまだ誰にも悟られていない筈の秘密を指摘されてわたしは愕然とする。
ましてやまだ一度も時間停止すら使っていなかったのだから。
 
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 04:37:21.95 ID:Y8r6RRbAO
カオル「簡単に言うと僕もこの時間軸の住人じゃないからね。
言ったろう? 君と同じようなものだってね」
 
ほむら「…あなたも時間を超えて来たと言うの?」
 
カオル「うーん。 厳密に言えば時間軸と言うより次元軸かな?
要は君とは別世界の住人だよ」
 
ほむら「…そんな事が信用出来るとでも?」
 
カオル「普通は無理だろうね。
だから証拠を見せようか…」
 
そう言うと少年は腕を上へと掲げた。
すると一瞬で周囲の様子が変貌する。
 
ほむら「これは…! 魔女の結界!?」
 
カオル「いや、これはATフィールドだよ。
君達が言う魔法とは違うもう一つの心の力だね」
 
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 04:38:43.67 ID:Y8r6RRbAO
ほむら「…ATフィールド?」
 
確かによく探って見ると魔力は感じなかった。
ソウルジェムも反応しない。
ただ強い魔力のようななんらかのプレッシャーみたいな物を感じる。
 
カオル「そう。 正しくは心の壁を具現化したもの。
君達の言う魔法とやらは心の内面を具現化した物みたいだね」
 
そう言ってまた柔らかく笑うと周囲は元の空間へ戻った。
 
カオル「どうかな? 少しは話を聞いてくれる気になった?」
 
ほむら「…そうね。 害意は無さそうだから話し位は聞いて上げるわ」
 
カオル「それは良かった。 じゃあ…最初の問いに戻ろうか」
 
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 04:40:18.01 ID:Y8r6RRbAO

例えば…何度繰り返しても君が大切な人を守れない事…。
 
それは…運命だと君は思うのかって事さ」
 
わたしは話しを聞いて背中がぞわっとする感覚に襲われた。
 
何故、この少年は何度も繰り返している事を知っているのだろう?
 
何故、まるで全てを知っているかのようにわたしの事を話すのだ?
 
わたしはこの少年を知らないのに。
 
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 04:41:44.94 ID:Y8r6RRbAO
ほむら「あなたは…一体なんなの…!?」
 
耐えきれなくなってわたしはそう叫んだ。
 
 
カオル「僕は…人が持つ幾つもの可能性の中のもう一つの姿。
人間からは使徒と呼ばれてる存在。
…それが僕だよ…」
 
 
――――――――――
 
 
ミサト「暁美ほむらの前に開かれた新しい扉
使徒と名乗る少年との交わり
運命の輪は回り始める
 
魔法少女まどか☆マギカ外伝
〜魂の価値は〜
次回、第3話【―反転―】
この次もサービスサービスぅ♪」
19 :>>17訂正 :2011/10/10(月) 04:46:28.12 ID:Y8r6RRbAO
>>17の冒頭抜けです…。
 
ほむら「最初の問い…?」
 
カオル「そう。 …君は運命ってのを信じるかい?」
 
ほむら「運命…? どう言う意味なの…?」
 
カオル「そのままの意味さ。
 
…例えば、君が何度も同じ時間を繰り返している事。
 
例えば僕たちが次元を超えて出会った事。
 
例えば…何度繰り返しても君が大切な人を守れない事…。
 
それは…運命だと君は思うのかって事さ」
 
わたしは話しを聞いて背中がぞわっとする感覚に襲われた。
何故、この少年は何度も繰り返している事を知っているのだろう?
 
何故、まるで全てを知っているかのようにわたしの事を話すのだ?
 
わたしはこの少年を知らないのに。
 
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/10/10(月) 04:56:54.10 ID:Y8r6RRbAO
ミサト「今日はここまでね」
 
ミサト「ちなみに心の壁を具現化や心の内面云々は作者の勝手な解釈よ」
 
ミサト「最後のミスは>>1のお給料から引いておくわ。 許してね」
 
ミサト「次回、第3話【―反転―】の放送は見直し後に今日の夜放送予定よ。 じゃあまた会いましょう」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2011/10/10(月) 15:17:59.31 ID:xQaJYkkL0
夜楽しみにしている
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 22:32:06.47 ID:Y8r6RRbAO
魔法少女まどか☆マギカ外伝
〜魂の価値は〜
第3話【―反転―】
 
 
――――――――――
 
 
カオル「さて、これはどう言う事なのかな?
予定では僕はまだ眠っていた筈だけど…」
 
少し意識を集中すると周囲に薄くATフィールドを伸ばして探ってみる。
 
カオル「これは…? 珍しい事も有るものだね」
 
少しおかしくてそう独り言を呟いてしまう。
どうやら違う次元へと来てしまっているようだった。
 
世界を構成する要因は似ているが、そのことごとくが僕の知らない要素で作られていた。
 
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 22:33:16.39 ID:Y8r6RRbAO
長い間眠っていたがこんな事は初めての事だ。
 
カオル「少し探ってみるか…」
 
意識をATフィールドの拡散に乗せて周囲へとどんどん広げてみる。
 
すると程なくして何か心が惹かれる力を感じとった。
これがこの世界に来た要因だろうか?
 
カオル「なんだろう? 何か懐かしい感じがするね…」
 
懐かしい…とは本当は変な表現だろう。
 
実際には僕は元の世界に産まれてからずっと眠っていたのだから。
 
まあ産まれてと言うのも厳密にはおかしいのだけれど。
 
取り敢えずはその惹かれる力の元に行ってみる事にした。
………。
……。
 
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 22:35:04.53 ID:Y8r6RRbAO
 
…しばらくすると眼下に白い建物が見える。
どうやらこの世界の病院らしい。
 
その屋上に真夜中だと言うのに1人の少女が居た。
一応、ATフィールドで空間を遮断した後に透過させて姿を隠す。
 
近付いてみると少女は膝を抱えて泣いていた。
どうやら惹かれる力の持ち主は彼女のようだ。
 
カオル「申し訳ないけど、少し覗かせて貰うよ?」
 
聞こえる筈も無かったが僕はそう言うとATフィールドを泣いている少女の心へと侵食させた…。
 
カオル「そうか…。 どうりで惹かれる筈だね。
運命の神様とやらもなかなか面白い事をする」
 
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 22:36:32.01 ID:Y8r6RRbAO
惹かれる理由を理解すると僕は彼女、暁美ほむらの近くへと降りた。
 
手すりに腰掛けてATフィールドを解除する。
さて、何と声を掛けようか?
 
…そして、僕は一つの問い掛けを彼女にする事にした。
 
 
カオル「君は…運命ってものを信じるかい?」
 
 
――――――――――
 
 
ほむら「…使徒? この世界で言う魔女って事なの?」
 
仮に違う世界でだとしても人でないと言うのなら危険かもしれない。
 
けど、攻撃してくるのなら先程のATフィールドの結界とやらの中で攻撃してきていただろう。
 
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 22:40:15.30 ID:Y8r6RRbAO
油断させる為と言うのはいささか穿ちすぎに思えた。
 
カオル「あれは君達と同じ人だよ。 どんなに変質してしまったとしてもね」
 
ほむら「じゃあ! あなたは何!?
一体何の目的が有ってわたしに近づくの!」
 
何時までも答えの本質に辿り着かない苛立ちから、少し強く詰問してしまう。
 
カオル「僕は別の進化を遂げたもう一つの人の姿だよ。
まあ別世界の事だけどね。
 
そして、君と同じ世界から取り残された存在さ。
 
目的はさっきも言ったけど君の力に惹かれて来ただけだから特に無いね」
 
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 22:44:48.77 ID:Y8r6RRbAO
カオル「そんな事はしないよ。 この世界の事には興味も無いからね」
 
ほむら「なら結構よ。 じゃあ話は終わりね」
 
わたしはそう告げるときびすを返した。
 
イレギュラーな存在だと言うならなおさら関わるのは予定が狂う可能性が有る。
 
まどかを救う為にも余分な労力を裂いている暇は無い。
 
屋上のドアに手を掛けるとわたしの後ろから再び少年の声がした。
 
 
カオル「じゃあまたね。 暁美さん」
 
 
わたしはそれに答えずドアを閉めた…。
 
 
――――――――――
 
 
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 22:49:07.73 ID:Y8r6RRbAO
 
 
ミサト「再び鹿目まどかを救う為に動き始めた暁美ほむら
彼女を取り巻く状況は少年の出現によりどう変わって行くのか?
そして渚カオルの目的とは?
 
魔法少女まどか☆マギカ外伝
〜魂の価値は〜
次回、第4話【―間隙―】
この次もサービスサービスぅ♪」
 
 
ミサト「あ、次の放送は水曜日になる予定よん♪」
 
ミサト「しかし、どっかで私の出番作ってくれないかしらねぇ…」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/10(月) 22:53:48.40 ID:hlvJsRPr0
乙ですたー!
確かにカオル君ならほむらに興味を持ちそうな。
ところでミサトさん、月に代わってQBにおしおきしてやってくれませんかね?
30 :>>26>>27の間抜けです… [saga]:2011/10/10(月) 22:55:34.02 ID:Y8r6RRbAO
何となくだが理解してわたしは少し肩の力を抜いた。
どうやら当面は害は無さそうだ。
 
ほむら「そう…。 ならわたしに構わないで。
わたしにはあなたに用は無いわ」
 
カオル「だろうね。 でも一つだけ言わせて貰うよ。
僕は君に興味が有る。
だから少し仲良くしたいね」
 
そう言うと少年はにこやかにわたしに笑いかけてくる。
拒絶したばかりだと言うのになかなか図太い神経の持ち主のようだ。
 
得体のしれないところが有るのが不気味だったけれど…。
 
ほむら「…わたしの邪魔をする、と言うのなら容赦しないわよ?」
 
――――――――――― 
何故か投稿受付て無かった(^_^;)
嫌がらせ?
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/10/10(月) 22:59:11.71 ID:Y8r6RRbAO
>>29
ミサト「あなたなかなか見所が有るわね。 作者もそう思ってこれを思いついたらしいわ」
 
ミサト「あと…過去の黒歴史を出さないでくれるかしら…?」ギロリ
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/10(月) 23:25:51.04 ID:/PrltsaAO
とりあえずカオル→カヲルに変更な

名前間違えるのは流石に酷い
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/10(月) 23:31:18.34 ID:Y8r6RRbAO
しまったw
字面まで覚えて無かったよ
まあ脳内変換してくだしゃあ…
次から気を付けます

ではまた次回!
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/12(水) 22:47:05.26 ID:MJGizz+AO
ミサト「今回からカオル→カヲルに修正したわ。
以前の分は人類脳内補完計画を各自で実行してちょうだい。
作者がアホなせいでごめんなさいね。」
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/12(水) 22:55:23.98 ID:MJGizz+AO
魔法少女まどか☆マギカ外伝
〜魂の価値は〜
第4話【―間隙―】
 
 
ほむら「…で?
また現れたと思ったら ど う し て あなたが学校に付いてくるのか説明して貰える?」
 
わたしはわざとらしくそこだけ区切るように言うと少年を睨み付けた。
 
カヲル「君は相変わらずつれないね。
 
言っただろう? 僕は君に興味が有るってね。
 
今日は鹿目まどかと出会う日じゃなかったのかい?
 
だから付いて行ってるのさ」
 
理由にもならない意味の分からない事を言われて少しイラっとする。
 
しかもまどかの事まで知っているのだこの少年は。
 
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/12(水) 22:58:53.09 ID:MJGizz+AO
 
害意は無さそうだとは言え怪しい事には変わりなかった。
 
ほむら「あなたが付いて来ている事自体が不快だ…と言っているんだけど?」
 
カヲル「はは。 君はやっぱり面白いね。
じゃあどうするんだい?
力ずくで僕を排除してみるかい?」
 
ほむら「出来ない…とでも思っているの?」
 
カヲル「さあ。 どうだろうね…。
試してみたらどうかな?」
 
そう言うと少年は少し意地悪そうな笑みを浮かべる。
 
確かにあのATフィールドとやらは得体が知れないだけに不安はあった。
 
しかしわたしには時間停止が有る。
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/12(水) 23:02:57.46 ID:MJGizz+AO
 
そう易々と遅れを取るつもりは無かった。
 
今後の邪魔になると言うのなら排除しておいた方が良いかも知れない。
 
戦ってみればこの少年の力もどんな物か分かるだろう…。
 
ほむら「…良いわ。 その挑発に乗って上げる。 後悔しないでね」
 
カヲル「やっぱり君は好戦的だね。 まあ嫌いじゃないよ」
 
少年はそう言うとニヤリと笑いながら腕を上げた。
 
ギシッ…と空間が歪む気配がすると以前見たATフィールドの結界が張られる。
 
周りは周辺から隔絶された空間へと変貌を遂げた。
 
これならば周りに被害を与える事は無さそうだった。
 
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/12(水) 23:04:51.68 ID:MJGizz+AO
 
カヲル「さあ、始めようか」
 
ほむら「…そうね」
 
わたしはそう返事をするとジェムに意識を集中して変身した。
 
カヲル「へぇ、なかなか可愛い衣装だね。
とても似合っている。
好意に値するよ」
 
ほむら「な、何を言ってるの!
動揺を誘ってるつもり!?」
 
場違いな台詞にらしくもなく少し慌ててしまう。
顔が上気するのを誤魔化すようにわたしは叫んだ。
 
カヲル「はは。 それも面白そうだね。
まあ今のは思った事を言っただけだよ」
 
何だか馬鹿にされてる気がしてわたしは無視する事にした。
 
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/12(水) 23:08:38.20 ID:MJGizz+AO
 
取り敢えず、今はこの少年の力を知る事を優先するとしよう。 

可能ならば排除すれば良い。
 
これ以上関わるのはごめんだった。
 
ほむら「行くわよ…!」
 
それでも何となく気が引けてそう声を掛けてしまう。
 
しかし相手は得体の知れない力を持っている、今は戦いに集中しなければ…。
 
わたしは盾から銃を取り出すと構えた。
それを見ても気にした様子は無い。
 
やはりどこまでか分からないがわたしの力も知っていると見るべきだろう。
 
カヲル「僕はいつでも構わないよ?
君の戦う姿も興味が有るしね」
 
ほむら「そう、なら見せて上げるわ!」
 
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/12(水) 23:11:39.71 ID:MJGizz+AO
そう言うとわたしは魔力で身体強化を強めると一気に左へと飛んだ。
 
少年の視線が左へと流れるのを確認してからすぐさま時間を止める。
 
そのまま急激に反転すると、右側面から時間を止めたまま少年の足を狙って銃弾を撃ち込んだ。
 
得体の知れない相手に出し惜しみは無しだ。
 
それに足ならば命まで取る事は無い。
 
撃ち込んだ銃弾が少年の足直前でピタリと止まる。
 
後は時間停止を解けば何らかの反応が見れる筈だった。
 
カヲル「…なかなか効率的な戦い方だね。
実に理に叶った戦法だよ」
 
ほむら「…え!? そんな…!
どうして動けるの!?」
 
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/12(水) 23:13:11.28 ID:MJGizz+AO
 
有り得ない出来事にわたしは呆然としてしまう。 

時間停止は未だに解いていない。
本来なら知覚する事すら出来ない筈だった。
 
なのに少年はスッ…とこちらを向くと止まったままの銃弾を摘み上げた。
 
カヲル「驚いたかい? その顔が見たかったんだよ」
 
少年はまた意地悪そうにクスクスと笑う。
わたしはそれがとても恐ろしく見えて足が竦んでしまった。
 
それで集中力が途切れたのか時間停止が解けてしまう。
 
すると、少年の手に有った銃弾は何かに弾かれるようにキンッ…っと甲高い音を立てて弾け飛んだ。
 
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/12(水) 23:17:23.03 ID:MJGizz+AO
 
ほむら「あ…ぁ。 ど…どうして…?」
 
まるで譫言のようにわたしの口からはそう漏れる。
 
時間停止はワルプルギスにすら抵抗出来るわたしの唯一の切り札だ。
 
それがこの少年には全く効果が無い。
 
その事がわたしの自信を粉々に打ち砕いてしまっていた…。
 
カヲル「はは。 ごめんごめん。 つい意地悪しちゃったね」
 
そう言うと少年はふっと柔らかな笑顔になって破顔する。
 
カヲル「まあ気にする事は無いよ。
 
止まらないのは僕がこの世界の住人じゃないからさ」
 
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/12(水) 23:19:29.56 ID:MJGizz+AO
 
カヲル「簡単に説明すると、君の魔法はこの世界で言うエントロピーを魔力で操作して起こる現象の一つだ。
 
そして君の力はこの世界に対してのみ作用しているみたいだね。
 
つまりAとBの別世界が有るとしたら、君がAの世界で時間停止を行っても、
Bの世界のエントロピーには影響が無く動き続ける。
 
もっとも僕がATフィールドを具現化出来なければ巻き込まれていたけどね」
 
少年の言っている事はある程度理解出来たが、少年がわたしにとって脅威になる存在なのは変わりが無かった。
 
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/12(水) 23:21:46.04 ID:MJGizz+AO
 
ほむら「…わ、わたしをどうするつもりなの…?」
 
そんなつもりも無いのに声は震えてしまっていた。
 
今更、通常の攻撃を繰り出してもとても通用するとは思えない。
 
カヲル「どうもしないよ?」
 
ほむら「え…?」
 
つい呆気に取られて間抜けな声を出してしまう。
 
ではこの少年は何故こんな事をしたのだろうか?
まるで分からなかった。
 
カヲル「やれやれ…。 何度も言ったけど僕は君に興味が有る」
 
突然、少年は何を言い出すのだろう。
訳が分からずに混乱してわたしはパニック状態になっていた…。
 
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/12(水) 23:24:45.69 ID:MJGizz+AO
 
 
カヲル「ようは好きって事さ…」
 
 
ほむら「えっ…? えぇ〜!?」
 
 
あまりの驚きにわたしはそう叫んでいた。
 
その間抜けな叫び声はATフィールドの結界に響き渡ったのだった…。
 
 
――――――――――
 
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/12(水) 23:27:23.81 ID:MJGizz+AO
 
ミサト「突然始まったラブコメ
少年は暁美ほむらを好きだと告げた
 
…ってあんた何やってんのよ!
真面目にやんなさいよ!」
 
カヲル「それは心外だね。 僕は至って真面目だよ?」
 
ミサト「きぃ〜! あんたほんっとーにムカつくわね!」
 
カヲル「奇遇だね。 僕もあなたは好意に値しないと思ってるよ」
 
ミサト「ほ〜。 いい度胸じゃない! 後悔しないでよ!」
 
カヲル「魔法少女まどか☆マギカ外伝
〜魂の価値は〜
次回、第5話【―交流―】
次回もサービスしようか」
 
ミサト「ちょ! ちょっと! 勝手に人の台詞取らないでよ!」
 
カオル「ではまた次回…」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/10/12(水) 23:38:08.18 ID:MJGizz+AO
ミサト「忘れてたわ。 一応次回は金曜日放送予定よ。
じゃあまたねん♪」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/12(水) 23:39:17.22 ID:lMb0U/kc0
乙ですたー!
いやいや、誰かに振り回されるほむらってイイヨネ!
と言うわけで。
シンちゃんに言ったセリフといい、カヲル君って「好き」という意味をどう理解して使っているのか?
果たしてLIKEとLOVEの違いを理解しているのか??
とか色々ありますが、次回も楽しみにさせていただきます。
あ、ミサトさん。QBの件はパリ在住の2人組みに頼みましたんでサーセンした!
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/12(水) 23:44:49.16 ID:MJGizz+AO
ミサト「違いは理解してるんでしょうけど絶〜対にわざと含みのある言い方してるわよアイツ」
 
ミサト「ちなみに今回のは言うまでもないわね」
 
ミサト「ちなみに作者はカヲルはシンジ君一本槍だと思ってるわよ」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/14(金) 23:16:57.59 ID:ai7PRpWAO
魔法少女まどか☆マギカ外伝
〜魂の価値は〜
第5話【―交流―】
 
 
ほむら「転校生の暁美ほむらです。 よろしくお願いします」
 
先生に連れられて教室に入るといつものように自己紹介をする。
 
渚カヲルはATフィールドを使って透明化していた。
私からは見えないが教室には居るようだ。
 
通学途中に聞いたところに寄ると、どうやらATフィールドには色々な使い方が有るらしい。
 
防御に攻撃、私たち魔法少女が使う念話のような事も出来ると言う。
 
最早、何でも有りな感じだった。
少しばかりゾッとしてしまう。
 
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/14(金) 23:21:34.66 ID:ai7PRpWAO
取り敢えず邪魔者はほって置いてまどかの席へとわたしは視線を移す。
 
その無事な姿を見るだけで少し力が湧いてくるようだった。
 
そして、何時ものようにまどかと保健室へと思って移動していた時だった。
 
渚カヲル「やあ、ほむら偶然だね」
 
何時の間に現れたのか渚カヲルが堂々と廊下に佇んでいた。
 
ほむら「ちょっと…! あなた何姿見せてるのよ!」
 
カヲル「おや、いけなかったかな? 僕も転校初日で寂しかったからね。
見知った顔に会いたかったんだよ」
 
そう白々しく彼は爽やかに嘘を口に出した。
すると視線をまどかへと向ける。
 
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/14(金) 23:24:43.18 ID:ai7PRpWAO
カヲル「初めまして、かな? 僕は渚カヲル。
ほむらの友達なんだ。 よろしくね」
 
何の躊躇も無くサラリと言う。
 
何も知らなければ実に爽やかな少年にしか見えなかった。
 
まどか「は、はい! 鹿目まどかです。 よ…よろしくお願いします」
 
気のせいか、心なしかまどかの顔が赤い。
騙されちゃ駄目よまどか…。
 
確かに見た目はかなり良い部類に入るだろう。
…別の意味でも危険だった。
 
ほむら「で、何の用なのかしら?」
 
わたしはそう言いながらまどかと渚カヲルの間に割って入った。
 
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/14(金) 23:27:11.93 ID:ai7PRpWAO
カヲル「いや、君が珍しく人を連れて居たからね。
友達なら挨拶でもしようかと思ったのさ」
 
そんな言い方をされたらまるでわたしに友達が居ないみたいではないか。
 
実際居ないけど…。
 
要らない事を喋る渚カヲルを思わず睨んでしまう。
 
カヲル「はは。 まあそう怖い顔で睨まないで欲しいな。
せっかくの可愛い顔が台無しだよ?」
 
ほむら「な! 何言ってるのよあなた!」
 
思わずそう叫んで顔を赤くしてしまった。
まどかに誤解でもされたらどうするの。
 
カヲル「いや、本当の事だよ? 鹿目さんもそう思わないかい?」
 
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/14(金) 23:30:06.98 ID:ai7PRpWAO
まどか「うぇ? は…はい!
あ、いえ…暁美さんはその綺麗だと思います!」
 
突然話しを振られたまどかはしどろもどろになりながらそう返す。
 
どうもこの少年はキザったらしい事を平気で口にする癖が有るようだ。
 
なまじ容姿が良いだけにそれが似合っていて厄介極まりない。
 
ほむら「で? 他に用が無いなら私達は保健室に行きたいのだけど?」
 
わたしは少し棘の有る言い方でそう非難してみる。
 
カヲル「相変わらず君はつれないね。 まあ今日は挨拶だけにしてお暇させて貰うよ」
 
そうどこかおかしそうに言うと彼は階段へと登って行った…。
 
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/14(金) 23:33:41.03 ID:ai7PRpWAO
 
――――――――――
 
…あれが鹿目まどかか。
確かに厄介な因果を背負って居るね。
 
しかもほむらが繰り返した時の分だけ余計に因果関係が圧縮されている。 
通常の手段では最早取り返しはきかないだろう。 
インパクトクラスの改変か奇跡が必要な程に…。
 
カヲル「…ん? なんだい? 僕に引かれてきたのかな?」
 
しばらく階段の踊場で考え事をしていると、屋上の方でATフィールドとは違う結界の気配がした。
 
どうやら僕の力に引かれてやって来たらしい。
 
使徒の力は単一種族なだけに大きい。
 
魔女に取っては魅力的なのだろう。
 
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/14(金) 23:35:28.42 ID:ai7PRpWAO
階段を上り屋上へと出てみると確かに異質な空間の歪みを感じる。
 
カヲル「この辺りかな?」
 
手の先にATフィールドを固定して、空間の歪みに合わせるように腕を振り下ろした。
 
すると空間に亀裂が入る。
 
ぽっかりと開いた穴のような物から全く違う景色が見えた。
 
カヲル「お邪魔させてもらうよ」
 
そう呟くと僕は結界の中へと入った…。
 
 
――――――――――
 
 
…まどかと話していると突然ソウルジェムに魔女の気配を感じ取る。
 
今までの時間軸では無かった事だ。
 
どういう事だろう?
 
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/14(金) 23:38:07.13 ID:ai7PRpWAO
また何かのイレギュラーだろうか?
 
渚カヲルと言い今回は厄介な事が多い。
 
ほむら「ごめんなさい。 ちょっと急用が出来たから失礼するわ。
さっき話した事は忘れないでね?」
 
取り敢えず魔女をこのままほっては置けない。
 
まどかに念押しだけはしておいた。
 
まどか「…う、うん。 よく分からないけど覚えておくね」
 
ほむら「ええ、今はそれだけで良いわ。
その内分かる時が来るから。
…あともう一つだけ」
 
まどか「うん、なにかな?」
 
ほむら「わたしは屋上に用が有るからあなたはこのまま教室に戻って欲しいの。
少し厄介な事だから」
 
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/14(金) 23:40:33.50 ID:ai7PRpWAO
念の為に釘を刺しておく。
 
まだまどかに魔女を会わせるのはまずいだろう。
 
まどか「そうなんだ。 分かったよ。 じゃあわたしは教室に戻ってるね」
 
そう言うとまどかはにっこりと笑う。
 
それを見るとわたしの心は暖かくなった。
 
自然とわたしも笑みを浮かべていた。
 
ほむら「ありがとう。 じゃあまた後でね」
 
まどか「うん!」
 
そしてわたしは急いで階段を上ると屋上へと飛び出した。
 
ほむら「やっぱり結界…! どうしてこんな所に魔女が出るの?」
 
少しばかり焦ってしまうが、このままだとまどか達にも被害が及ぶ可能性も有る。
 
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/14(金) 23:42:05.36 ID:ai7PRpWAO
わたしは危険は取り除いておくべきだと判断すると結界へと侵入した…。
 
 
――――――――――
 
 
ミサト「突如現れた見知らぬ魔女
結界へと入った暁美ほむらと渚カヲルは新たな魔女と遭遇する
そしてそこに訪れたもう1人の人物とは?
 
魔法少女まどか☆マギカ外伝
〜魂の価値は〜
次回、第6話【―怨念―】
この次もサービスサービスぅ♪」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/10/14(金) 23:45:59.76 ID:ai7PRpWAO
ミサト「ちなみに次回の更新予定は月曜日ね」
 
ミサト「土日は用事が有るらしいわ」
 
ミサト「じゃあまた次回会いましょう!」
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/15(土) 00:09:46.40 ID:QdT5Qy8h0
乙ですたー・・・て、ちょ!カヲル君!!
学校でナニにちょっかい出してるのよw
別の時間軸じゃ学校に魔女が人為的に出たせいで大惨事になってるんだから自重してwww
……まあ、使途の力なら魔女もイチコロだろうけどさ
しかし彼なら魔女も「女の子だから」と口説き始めそうで心配だわ
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/17(月) 23:49:58.46 ID:Lb+xyIjAO
魔法少女まどか☆マギカ外伝
〜魂の価値は〜
第6話【―怨念―】
 
 
結界内に入ると家の中の様な風景が広がっていた。
 
どうやら入った辺りは玄関辺りのようだ。
 
学校に家と言うのも変な感じだった。
 
まあ、魔女の結界はいつも変なのだけど。
 
廊下を進むとドアが有った。
 
わたしは銃を構えつつそっとドアノブを回してドアを開ける。
 
中を覗いて見るが取り立てて変な感じは無かった。
 
使い魔の姿も見えない。
 
部屋を後にすると再び廊下を進む事にする。
 
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/17(月) 23:53:24.22 ID:Lb+xyIjAO
廊下の突き当たりまで来ると上へと続く階段が有った。
 
魔女の気配はそちらから感じる。
 
用心しながら2階へと進む事にした。
 
ほむら「……ここね。 一体どんな魔女なの?」
 
イレギュラーな魔女が相手だ。
 
一応、用心して時間を止めて入る事にしよう。
 
わたしは砂時計を止めるとドアを開けて中に入った。
 
そこは家の中にしては広い空間だった。
 
さすがに魔女が居る場所とあって普通の部屋の大きさでは足りないのだろう。
 
中には至る所にタンスや机、椅子などの家財道具が乱立している。
 
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/17(月) 23:55:15.96 ID:Lb+xyIjAO
取り敢えず危険は無さそうだった。
 
わたしは時間停止を解除すると家具に隠れながら魔女の気配を追う……。 
 
 
……しばらく進むと信じられない光景を見てしまった。
 
どうやって入り込んだのか分からないが、渚カヲルが魔女の目の前で佇んでいる。
 
驚くべきはその彼が魔女の攻撃を幾たびも受けながら、全く意に介して居ない事だった。
 
彼の正面辺りに何か光の幕の様な物が有り、魔女からの攻撃を全て防いでいる。
 
時折、黒い影のような使い魔も本体ごと攻撃を繰り出していたが、光の幕に当たると弾かれる様にグシャグシャに潰されてしまう。
 
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 00:00:50.37 ID:2R39rjPAO
あれがATフィールドの力……?
 
攻撃や防御に使えると聞いてはいたが想像以上の力のようだ。
 
何よりあれだけ長時間魔女の攻撃を防いでいるのに全く疲れた様子が無い。
 
一体、どれ程の力を持っているのか想像も出来なかった。
 
観察していると渚カヲルが手を魔女へと伸ばしているのに気付いた。
 
一体、何のつもりだろう?
 
カヲル「……ありがとう。 魔女は初めて見るから君達の事を知りたかったんだよ」
 
しばらくすると彼はそう言うとくるっとこちらを向いた。
 
カヲル「やあ、ほむら。 少しばかり魔女とやらを見させて貰ったよ」
 
どうやら隠れていたのに気付いていたらしい。
 
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 00:03:54.25 ID:2R39rjPAO
魔女もそれに気付いたのか使い魔を2体こちらに向けて送り出してきた。
 
わたしは舌打ちすると家具から飛び出して使い魔に銃弾を続けて打ち込んだ。
 
銃弾は命中するが突き抜けるように貫通してしまう。
 
どうやら銃はあまり効果が無さそうだった。
 
仕方無く時間を止めて爆弾を使い魔に投げる。
 
停止を解除すると爆発に巻き込まれて使い魔は吹き飛んだ。
 
見た目からして気体のような物なのかもしれない。
 
視線を戻すと彼は後ろを向いたままで魔女からの攻撃を変わらず弾き返していた。
 
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 00:10:18.22 ID:2R39rjPAO
わたしは魔力で身体を強化すると一気に距離を縮める。
 
すると渚カヲルを中心にして円形状に光の幕が広がった。
 
わたしも一緒に中に入ると光の幕は固定される。
 
カヲル「いきなり声を掛けてすまなかったね。
この中は安全だから良かったら少し落ち着くと良いよ」
 
渚カヲルは事も無げにそう言うとにっこりと笑う。
 
ATフィールドの外を見ると相変わらず魔女と使い魔の攻撃は続いている。
 
渚カヲルの様子からATフィールドが破られる恐れは無さそうだったが、慣れないその光景はあまり安心出来る気がしない。
 
正直、この状況で落ち着けと言うのは無理な話しだ。
 
ほむら「……どう言う事か説明して貰えるかしら?」
 
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 00:12:14.44 ID:2R39rjPAO
その内心が出たのか少し刺々しくなってしまったのは仕方のない事だろう。
 
実際、この状況は訳が分からなかった。
 
カヲル「説明かい? 取り敢えずこの魔女は僕に引かれて来たみたいだね。
僕も魔女は初めて見るから興味が有ったんだよ。
まあ、そんな感じかな」
 
ほむら「本当にそれだけなの?」
 
カヲル「そうだよ? 前にも言ったけどこの世界の事には関心も無いからね」
 
まるでこの状況が何でも無い事のように言ってのける。
 
一体、この少年はどれ程の力を持っているのだろうか?
 
正直、目の前の魔女よりもずっと恐ろしく思えた。
 
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 00:14:32.51 ID:2R39rjPAO
カヲル「で、どうするんだい? やっぱり倒すのかな?」
 
ほむら「当たり前でしょ? このままほっては置けないわ」
 
どうにも魔女の目の前とは思えない雰囲気に少しイラっとする。
 
彼には興味が無くともわたしには魔女は敵なのだから。
 
カヲル「そうか……じゃあ引き寄せたお詫びに言っておこうかな。
この魔女は引きこもりの学校に対する怨念が凝り固まっているようだね。
ここに来たのもそれが原因の一部みたいだよ。
性質的には念に近いから物理的な攻撃は多分あまり効かない。
大きな攻撃魔法の無い君には少し相性が悪いね」
 
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 00:16:16.22 ID:2R39rjPAO
彼はまるで知っているかのように魔女の特性を話す。
 
それもATフィールドの力だと言うのだろうか?
 
ほむら「……そう。 ならありったけの爆弾でも使って吹き飛ばしてあげるわ」
 
取り敢えず先程の使い魔は銃より爆弾の方が効果が有った。
 
性質的には似ているだろうからどうにかなるだろう。
 
そう思った時だった……。
 
 
??「あら、先客が居たのね。
あなた達も魔法少女なのかしら?」
 
 
後ろからの突然の声に振り向くとそこにはマミの姿が有った。
 
渚カヲルとの間の抜けた会話で失念していたが、マミもこの学校に通っている。
 
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 00:18:54.30 ID:2R39rjPAO
当然、魔女の気配を感じればやって来るのは当たり前の事だ。
 
わたしは、予定に無かった巴マミとの再会に少し頭が痛くなりそうだった……。
 
 
――――――――――
 
 
ミサト「予期せぬ新たな魔女の到来
早まった巴マミとの再会
その再会は暁美ほむらに何をもたらすのか?
 
魔法少女まどか☆マギカ外伝
〜魂の価値は〜
次回、第7話【―共闘―】
この次もサービスサービスぅ♪」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/18(火) 00:24:48.43 ID:2R39rjPAO
ミサト「さて。 次回の更新はちょっち早いけど明日の予定よん」
 
ミサト「作者が水木と予定が有るかららしいわね」
 
ミサト「ではまた明日会いましょう!」
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 22:58:24.55 ID:2R39rjPAO
魔法少女まどか☆マギカ外伝
〜魂の価値は〜
第7話【―共闘―】
 
 
新たに現れたマミはこちらの様子を見ると不思議そうに首を傾げる。
 
マミ「もの凄い防御魔法ね。 盾も付けているみたいだしあなたの魔法特性かしら?」
 
マミからすればまさか男である渚カヲルがこれをやっているとは思わないだろう。
 
実際、魔法少女でもなければ到底納得出来ない光景だ。
 
カヲル「(ほむら、どうする? 取り敢えずATフィールドの中に入れた方が良いかな?)」
 
渚カヲルが念話でコッソリと話し掛けて来た。
 
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 23:04:59.62 ID:2R39rjPAO
どうやらマミには聞こえていないようだ。
 
予定に無い再会にどう対応するか考えるのにも時間は必要だろう。
 
実際、立て続けに起こるイレギュラーに頭がいっぱいになりそうだった。
 
ほむら「(ええ、じゃあお願いするわ)」
 
マミに聞かれても困るので魔法での念話は切って返事をした。
 
心の中で思っただけだがちゃんと聞こえているのか少し不安になる。
 
カヲル「(大丈夫。 ATフィールドで接触しているからちゃんと聞こえてるよ。
じゃあ彼女には君から声を掛けて呼んで貰えるかな?)」
 
どうやら念話と違って制限は有るようだ。
 
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 23:05:49.65 ID:2R39rjPAO
どうやらマミには聞こえていないようだ。
 
予定に無い再会にどう対応するか考えるのにも時間は必要だろう。
 
実際、立て続けに起こるイレギュラーに頭がいっぱいになりそうだった。
 
ほむら「(ええ、じゃあお願いするわ)」
 
マミに聞かれても困るので魔法での念話は切って返事をした。
 
心の中で思っただけだがちゃんと聞こえているのか少し不安になる。
 
カヲル「(大丈夫。 ATフィールドで接触しているからちゃんと聞こえてるよ。
じゃあ彼女には君から声を掛けて呼んで貰えるかな?)」
 
どうやら念話と違って制限は有るようだ。
 
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 23:06:26.72 ID:2R39rjPAO
どうやらマミには聞こえていないようだ。
 
予定に無い再会にどう対応するか考えるのにも時間は必要だろう。
 
実際、立て続けに起こるイレギュラーに頭がいっぱいになりそうだった。
 
ほむら「(ええ、じゃあお願いするわ)」
 
マミに聞かれても困るので魔法での念話は切って返事をした。
 
心の中で思っただけだがちゃんと聞こえているのか少し不安になる。
 
カヲル「(大丈夫。 ATフィールドで接触しているからちゃんと聞こえてるよ。
じゃあ彼女には君から声を掛けて呼んで貰えるかな?)」
 
どうやら念話と違って制限は有るようだ。
 
77 :連投しちったw [saga]:2011/10/18(火) 23:10:29.84 ID:2R39rjPAO
ほむら「ええ。 あなたは見たところ巴マミさんかしら?
話しも有るし良かったらこの中に入って貰える?」
 
マミ「……そうね。 分かったわ」
 

初対面でそう直ぐには信用出来ないのだろう。
 
魔女の攻撃をかわしながら少し考えてそう答える。
 
マミはマスケット銃を使い魔に撃ち込み1体を仕留めつつATフィールドの中に入った。
 
マミ「初めましてかしら? あたなは私を知っているみたいだけど」
 
ほむら「ええ、初めましてよ。 わたしは暁美ほむら。 あなたの事は噂で聞いていたわ」
 
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 23:12:44.32 ID:2R39rjPAO
マミ「そうなの? ちなみにそちらの人は巻き込まれたのかしら?」
 
さて、渚カヲルの事はなんと説明すれば良いか少し悩む。
 
取り敢えず当たり障りの無いように伝えておく事にした。
 
ほむら「実は彼がこの結界を張っているの。 魔法少女では無いけど特殊な力が有るのよ。」
 
マミ「え? あなたの魔法じゃないの? 正直、恐ろしい位の結界よこれ……」
 
マミもかなり驚いたのだろう。
 
渚カヲルを観察するようにジロジロと眺める。
 
カヲル「渚カヲルです。 初めまして巴マミさん」
 
そう言うと彼はまたまた爽やかな笑顔になる。
 
79 :サーバー重い… [saga]:2011/10/18(火) 23:14:45.55 ID:2R39rjPAO
思わずそんな和やかにしてる場合じゃないって突っ込みたくなる。
 
マミ「は、初めまして……。 巴マミです」
 
案の定、耐性の無さそうなマミは舞い上がっていた。
 
場違いに深々とお辞儀までしている。
 
ほむら「じゃあ挨拶もすんだ事だし、さっさとあの魔女を片付けましょう。
あいにくわたしの攻撃はあまり効かないみたいなの。
あなたが来てくれて助かったわ」
 
あまり時間を掛けても周りに被害が出る恐れも有る。
 
わたしはマミにそう切り出して意識をこちらに向けさせた。
 
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 23:16:37.49 ID:2R39rjPAO
マミ「そ、そうね。 じゃあ暁美さんは私の援護に回って貰えるかしら?
あとあの魔女の特徴とか教えて貰えるとありがたいのだけれど」
 
渚カヲルに見とれていたのが恥ずかしかったのか、耳まで赤くしながらマミは取り繕うように言う。
 
ほむら「ええ、あの魔女の性質は念体みたいな物みたいね。
単純な銃弾や貫通力の有る攻撃は突き抜けてしまうわ。
反対に吹き飛ばすような攻撃や魔法には弱そうよ。」
 
先ほどの攻撃と渚カヲルの助言を参考にしてマミに伝える。
 
実際、マミが使い魔に打ち込んだマスケット銃の魔法弾は使い魔を消滅させている。
 
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 23:20:26.67 ID:2R39rjPAO
わたしの銃弾よりも効果が有った。
 
マミ「分かったわ。 暁美さんの攻撃方法はどんな物なの?」
 
ほむら「わたしの攻撃方法はメインは普通の銃などね。
後は爆弾類も使える。
一応、多少は魔力付加出来るけどあの魔女には爆弾系以外あまり効果は無さそうだわ。
巴さんのマスケット銃は魔力弾だから効果は大きいと思うわ」
 
そう言うとマミは少し考えてから答えた。
 
マミ「……分かったわ。 じゃあ暁美さんは使い魔を牽制しながら私の援護。
攻撃が途切れたら魔女を攻撃して動きを止めて貰えるかしら?
その隙に私の必殺技を撃ち込んで倒すわね」
 
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 23:22:01.08 ID:2R39rjPAO
そうマミが話し終わるとカヲルが念話で話し掛けてきた。
 
カヲル「(ところで必殺技ってなんだい?)」
 
実にどうでも良い事だった……。
 
ほむら「(マミは魔法攻撃とかに技名を付けてるのよ。
昔、TVで見た魔法少女に憧れてたからみたいね)」
 
カヲル「(そうなんだ? なかなか巴さんも変わってるみたいだねぇ)」
 
ほむら「じゃあ、巴さんの計画通りに先に援護に出るわ。
巴さん、魔女はよろしくね」
 
わたしはさっさと渚カヲルとの話を切り上げるとマミにそう伝えてATフィールドから飛び出した。
 
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 23:23:39.09 ID:2R39rjPAO
魔女はじれていたのか使い魔共々一斉にわたし目掛けて攻撃をしてくる。
 
マミが居るから時間停止はそうそう使えない。
 
わたしは攻撃をかわしながら引き付けるようにマミ達と反対方向へ走った。
 
途中、試しに強めに魔力を込めた銃弾を撃ち込むと3発で使い魔は消滅出来た。
 
魔力消費は増えるがこれなら何とかなりそうだ。
 
反対方向に回り切ると正反対にマミが飛び出す。
 
今の所、魔女はマミの行動には気付いていなかった。
 
マミが反対に回ったのを確認するとわたしは時間停止を使い、魔女に魔力付与した爆弾を投げる。
 
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 23:25:13.13 ID:2R39rjPAO
この状態なら魔女が壁になるからマミには見えないだろう。
 
ついでに使い魔4体にもそれぞれ3発ずつ銃弾を撃ち込んでから時間停止を解除した。
 
時間停止が解けると一斉に使い魔が消滅する。
 
次いで魔女に投げた爆弾が炸裂すると魔女の影のような本体にぽっかりと穴が空く。
 
しかし、あっと言う間に塞がってしまった。
 
さすがに使い魔のように簡単には倒せないみたいね。
 
そして魔女の注意を引き付けているとマミの準備が整う。
 
マミ「(暁美さん行くわよ!)」
 
念話が入るともう一度時間を止めて爆弾を再び投げる。
 
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 23:26:20.35 ID:2R39rjPAO
解除すると爆弾が爆発して魔女の動きを止めた。
 
マミ「ティロ・フィナーレ!」
 
マミの叫びと共に魔力最大充電の巨大な砲弾が魔女に叩き込まれる。
 
魔女は一瞬で霧散した。
 
ほむら「やったわ!」
 
相性の悪い敵を葬って少し安堵する。
 
爆弾を大量に使えば倒せるのかも知れないが無駄に消費せずにすんだ。
 
カヲル「まだだ。 油断しない方が良いよ」
 
突然カヲルがそう注意してくる。
 
すると霧散した影のような物が集まって再び魔女が現れた。
 
マミ「そんな! 今のが効かなかったらもう方法が無いわよ!?」
 
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 23:27:33.30 ID:2R39rjPAO
さすがにマミの声にも焦りが見て取れた。
 
ほむら「巴さん! 一旦離れて! もう一度わたしが注意を引き付けて同時に攻撃するわ!」
 
そう叫んですぐさまマミからの死角に入る。
 
再び時間を止めると今度は5発同時に爆弾を投げつけた。
 
爆弾の残りは10発。
 
最後のとどめに使う為に残しておく。
 
代わりにありったけの銃弾を撃ち込んだ。
 
時間停止を解除すると一斉に爆弾が炸裂して爆風を撒き散らす。
 
ほむら「やっぱりあまり効いてない! 厄介な魔女ね!」
 
すると霧散した影が戻る間にマミの砲撃準備が間に合った。
 
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 23:29:03.31 ID:2R39rjPAO
マミ「暁美さん! 準備は良いわね?」
 
マミは巨大な砲芯を構えるとギリギリまで魔力を込めていた。
 
しかし、動きが止まったその瞬間を狙って魔女から鋭い影の刃がマミに繰り出される。
 
ほむら「巴さん避けて!」
 
そう叫んだがマミはとっさの事で動けない。
 
距離が有りすぎて時間停止でも間に合わなかった。
 
マミ「ひっ……!」
 
そう短い悲鳴を上げるとマミは硬直してしまう。
 
襲い来る刃はマミを貫くように迫る。
 
……その瞬間だった。
 
ギンッ!っと甲高い音を立ててマミの眼前で影の刃が弾ける。
 
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 23:30:55.82 ID:2R39rjPAO
寸前のところで渚カヲルのATフィールドがマミを守っていた。
 
「あ、あぅ……」
 
恐怖にかられたマミはそのままへたり込んでしまう。
 
すると渚カヲルから念話が入った。
 
カヲル「(仕方無いね。 今回は僕が手伝うからカモフラージュに爆弾を何発か投げてくれるかな?)」
 
一瞬、信用して良いのか悩むが他に方法は無さそうだった。
 
ほむら「(分かったわ。 わたしがマミの方から攻撃するからあなたはマミと反対側から後ろへ回ってちょうだい!)」
 
わたしは一気に魔女の側面を駆け抜けるとマミの正面へ出た。
 
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 23:33:14.47 ID:2R39rjPAO
その瞬間、魔女はATフィールドの結界に閉じ込められる。
 
それを見てわたしはすかさず残りの爆弾を全て叩き込んだ。
 
一斉に爆弾が爆発するが、実際はATフィールドに阻まれて魔女には届いていない。
 
しかし、ATフィールドの光の幕が一気に収束すると、本当に呆気なく魔女は内部で押し潰されて消滅してしまった。
 
そのあまりの呆気なさに呆然としてしまう。
 
いったい渚カヲルはどれ程の力を持っているのだろうか?
 
なんだか、恐ろしい化け物を見ているようだった……。
 
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/18(火) 23:34:18.78 ID:2R39rjPAO
 
 
――――――――――
 
 
ミサト「渚カヲルの助力により魔女は倒された
そして、渚カヲルはとうとう白い獣と遭遇する
 
キュゥべレイ「行け! ファンネル達よ!」(嘘です)
 
魔法少女まどか☆マギカ外伝
〜魂の価値は〜
次回、第8話【―相対―】
この次もサービスサービスぅ♪」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2011/10/18(火) 23:45:58.22 ID:2R39rjPAO
ミサト「くぅ〜! 仕事の後のビールはやっぱ最高ね〜!」
 
ミサト「さて、次回は金曜日に更新予定よん♪」
 
ミサト「それじゃあまたねん!」
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/19(水) 00:01:32.34 ID:CiFw0+920
乙ですたー!
カヲル君…やっぱり強力だな…
次回はいよいよ白いヤツか。
カヲル君の反応も、ヤツの反応も楽しみ。
ミサトさん、そろそろ夜はぬる燗もよろしい気候ですぜ。
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/20(木) 23:47:19.39 ID:GUmxc44h0
これはエヴァじゃなくカヲルのクロスでいいのか
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/21(金) 06:31:23.08 ID:MMAbWCZAO
>>92
ミサト「ぬる燗も良いけどやっぱ仕事上がりはビールなのよねん♪ のんびり飲むには良いかしらね」
 
>>93
ミサト「そうなのよ。 私を出さないとかどうかしてるわ! この作者は馬鹿だから私の魅力を分かって無いのよ」
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/22(土) 14:07:06.77 ID:pqn67A4AO
ミサト「あ…ありのまま昨日起こった事を話すわ!
『作者は携帯を片手に投稿しようと思ったらいつのまにか寝ていた』
な…何を言っているのかわからないと思うけど……」
 
ミサト「……え? 分かるって? そっかぁ〜」
 
ミサト「ようはごめんねって事よ♪」
 
ミサト「って事で今日の夜に更新は変更よん」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/22(土) 23:50:36.63 ID:pqn67A4AO
魔法少女まどか☆マギカ外伝
〜魂の価値は〜
第8話【―相対―】
 
 
魔女が消滅すると結界が解かれて元の屋上へと風景が戻った。
 
わたしは取り敢えず床に落ちたグリーフシードを回収する。
 
時間停止を多用した事も有りソウルジェムはかなり濁っていた。
 
しかし、今はマミの方が心配だった。
 
わたしはマミの元へ駆け寄ると放心しているマミのソウルジェムを見る。
 
2度の大技に加えて精神的ショックでわたしの物よりかなり濁りが進んでいた。
 
回収したグリーフシードを使って穢れを取ると少し安心する。
 
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/22(土) 23:52:58.94 ID:pqn67A4AO
魔法少女まどか☆マギカ外伝
〜魂の価値は〜
第8話【―相対―】
 
 
魔女が消滅すると結界が解かれて元の屋上へと風景が戻った。
 
わたしは取り敢えず床に落ちたグリーフシードを回収する。
 
時間停止を多用した事も有りソウルジェムはかなり濁っていた。
 
しかし、今はマミの方が心配だった。
 
わたしはマミの元へ駆け寄ると放心しているマミのソウルジェムを見る。
 
2度の大技に加えて精神的ショックでわたしの物よりかなり濁りが進んでいた。
 
回収したグリーフシードを使って穢れを取ると少し安心する。
 
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/22(土) 23:55:22.41 ID:pqn67A4AO
これで当面は魔女化の心配は無いだろう。
 
ほむら「巴さん。 大丈夫? 魔女は倒したから安心してちょうだい」
 
マミ「あ……。 え、えぇ。 大丈夫。 私は大丈夫だから……」
 
マミはそう言うがまだ体は震えていた。
 
実際、渚カヲルが助けなければやられていただろう。
 
それだけにショックは大きそうだった。
 
取り敢えず放課後までしばらく有る。
 
後は保健室で休んで貰うしか無いだろう。
 
予定に無い再会で話す事も有るが、今のマミには休息が必要だった。
 
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/22(土) 23:58:46.00 ID:pqn67A4AO
ほむら「わたしは先に巴さんを保健室に連れて行くわ。
あなたには後で色々聞きたい事が有るから逃げないでね?」
 
カヲル「構わないよ。 なんなら連れて行くのを手伝おうか? 1人じゃ大変だろう?」
 
渚カヲルはそう言うが、連れて行くのは身体強化すれば問題は無かった。
 
それより部外者である渚カヲルの姿を生徒に見せる方がまずい。
 
ほむら「大丈夫よ。 それよりまどかの時みたいに学校内をうろつかれる方が困るわ。 大人しく待ってて」
 
そう釘を刺して置かないとまた好き勝手に行動しそうだった。
 
100 :今日も重いなぁ… [saga]:2011/10/23(日) 00:15:23.63 ID:eEyamCQAO
正直、これ以上厄介事を増やされるのはごめんだ。
 
今日だけで色々有りすぎていい加減にわたしも疲れが溜まっていた。
 
カヲル「分かったよ。 じゃあ僕は大人しくここで待つとしよう。
まあ逃げたりしないからゆっくりしてくると良いよ。 ゆっくりね……」
 
何故かそう含み有る言い方をすると、渚カヲルはフワリと浮かび上がると屋上にある貯水層の上へと登って行った。
 
取り敢えず、わたしはマミに肩を貸すと保健室へと向かう。

……いったい、使徒とは何なのだろう?
 
今後も関わってくるならば、詳しく聞いてみなければならない。
 
101 :おや、急に軽くなった [saga]:2011/10/23(日) 00:16:45.07 ID:eEyamCQAO
わたしはマミを保健室に送る道すがら色々と質問すべき事を考えていた。
 
 
――――――――――
 
 
カヲル「……そこに居るんだろう? 出て来たらどうかな?」
 
先程の戦いからずっと感じている視線の主にそう呼び掛ける。
 
暁美ほむらの記憶から察するとインキュベーターだろう。
 
確か巴マミとよく行動を共にしている筈だった。
 
キュ「……驚いたね。 その変わった力と言い、僕が分かる事と言い君は何者だい?」
 
そう念話が聞こえると屋上の入り口横から白い獣が現れる。
 
カヲル「僕は渚カヲル。 君と似たような物さ」
 
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/23(日) 00:17:53.15 ID:eEyamCQAO
キュ「似たような物? どう言う意味かな?」
 
カヲル「そのままの意味だよ。 少なくとも人じゃないって事さ」
 
そう告げると表情の変わらない無機質な生物は少し思案しているようだった。
 
進化の末に辿り着いた合理化ゆえだろうが、僕からすればなんの魅力も感じなかった。
 
生物は感情が有るからこそ美しい。
 
感情を無くしたらそれはただの機械と変わらない。
 
異世界の事とは言え、そんな者が人や魔法少女を裏から支配している。
 
正直、好感など持てない事だった。
 
キュ「……つまり君は何らかの地球外、または地球でのイレギュラー的な生物ってところかな?」
 
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/23(日) 00:21:51.69 ID:eEyamCQAO
そう言いながら白い獣は僕を観察するようにトコトコと貯水層の周りを回る。
 
カヲル「まあそんな物だよ。 詳しくは秘密と言う事にしておこうかな」
 
キュ「……そう。 あの契約した覚えの無い魔法少女と言い君と言いどうなってるのか訳が分からないよ」
 
相変わらずの無表情ど首だけ傾げて見せる。
 
使徒が人のもう一つの進化の姿なら、このインキュベーターはいったいどんな進化の末にこうまで合理化のみに行き着いたのだろうか。
 
元より感情と言う物が無ければ高度な進化や発展は有り得ない。
 
インキュベーターと言えども元は感情と言う物が有ったはずだ。
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/23(日) 00:24:57.32 ID:eEyamCQAO
種としての科学力と合理化の頂点に行き着いた時点でこの生物は進化と言う意味では終わっている存在なのかもしれない。
 
カヲル「君達も有る意味因果な種族だね。 少し同情はするよ」
 
キュ「同情だって? 僕達の事をかい? それこそ意味が分からないよ。
実際、この星の生物より遥かに僕達は進化しているんだ。
人間のような不完全な存在とは違うよ」
 
インキュベーターは本当に分からないと言った風だった。
 
進み過ぎた故に、生物としての根本的な部分を無くしている事に気付けなくなってしまったのだろう。
 
僕達、使徒とも通じる哀れな存在だった。
 
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/23(日) 00:25:57.66 ID:eEyamCQAO
カヲル「そう言うところが、さ。
実際、君達は高度に進化したせいで可能性と言う新しい要素を排斥してしまっている。
それは停滞や廃退となんら変わらないよ。
まあ、君達には自覚など無いだろうけどね」
 
キュ「……君は本当に人間では無いようだね。
あまりにも僕達インキュベーターの事を理解しすぎてる。
一部意見の相違は有るけど興味深いよ」
 
インキュベーターはそう言うと物を観察するようにジロジロと眺めてくる。
 
普通なら、さっきのように言われれば人なら何らかの感情の発露が有るものだ。
 
その事の重要性をやはり分かっていないのだろう。
 
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/23(日) 00:26:49.64 ID:eEyamCQAO
どれだけ高度な科学力や文明を持って居ようと、そんな生物はただの物と同じでしか無い。
 
僕にとっては路傍の石ころにしか過ぎなかった。
 
カヲル「じゃあそろそろ退場願おうかな? 時期に暁美ほむらも戻ってくるだろうしね」
 
キュ「あの魔法少女の事だね。 あの子にも興味が有るから話してみたいんだけどな」
 
そうキュゥベぇは言うが、興味と言ってもそれは感情から来る物では無くデータ的な興味でしか無いだろう。
 
もっともあのほむらがそう簡単に喋る筈も無いのだが。
 
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/23(日) 00:27:36.60 ID:eEyamCQAO
カヲル「まあ止めて置いた方が良いよ。 彼女は君達インキュベーターを嫌っているからね。
命が惜しければ、と言うより無駄に個体を減らしたくなければ消えた方が良い」
 
キュ「やれやれ、会った事も無い筈なのに嫌われてるってのかい?
君達は本当に不可解だね。
ますます興味深いよ。
けど無駄に個体を減らされるのは確かに合理的じゃないね。
今日のところは引き上げるとするよ」
 
インキュベーターはそう言うときびすを返す。
 
一定範囲内から気配が消えるのを確認すると僕は貯水層に寝転んだ。
 
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/23(日) 00:28:31.52 ID:eEyamCQAO
カヲル「しかし、どちらの世界にも無粋な輩は必ず居るものだね。
結局は別世界に行こうがそう変わらないと言う事か……」
 
取り敢えずは一番好感が持てる暁美ほむらを待つとしよう。
 
それまで、どちらも変わらない美しい空を眺めている事にした……。
 
 
――――――――――
 
 
ミサト「渚カヲルがほむら達を助けた理由とはいったい何だったのか?
そして暁美ほむらに固執する渚カヲルの真意とは?
 
魔法少女まどか☆マギカ外伝
〜魂の価値は〜
次回、第9話【―因子―】
この次もサービスサービスぅ♪」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/23(日) 00:34:00.96 ID:eEyamCQAO
ミサト「いや〜遅くなっちゃってごめんね!」
 
ミサト「途中で全く繋がらないし焦っちゃったわよ……」
 
ミサト「さて、次回の放映予定は月曜日……って言いたいんだけど、少し遅くなって水曜か木曜なのよねぇ」
 
ミサト「まあ、ちょっち時間空いちゃうけど気長に待っててねん♪」
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/10/23(日) 00:36:09.72 ID:pvcxt8gg0
乙乙!
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/23(日) 01:07:35.17 ID:zAJ2YJmA0
乙ですたー!
ウム、やはりカヲル君、QBは嫌いか。
ある種の同属嫌悪なのかもしれないけど、感情を徹底的に排除して
生きながらシステムに堕している分QBの方が使途より性質が悪いのかも。
そうそうミサトさん、ぬる燗でのんびりおでんをつっつくなんてオツなもんですぜ。
ビールにはやっぱりから揚げかパリっと焼いたウィンナーですかねー。
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/26(水) 00:31:15.73 ID:iBra0kHAO
ミサト「あら、2人とは珍しいわね(笑)」
 
ミサト「まあ、わたしはQBより使徒の方が嫌いなんだけどね……」ドヨ〜ン
 
ミサト「っとそんな事より。 次の更新はやっぱり明日ね」
 
ミサト「なんかへっぽこ作者が内容に納得出来てないみたいよ。 大して変わんないのにねぇ」
 
ミサト「じゃあ取り敢えず報告は終了よ。 また会いましょう!」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/27(木) 00:04:13.24 ID:/uSbxV/AO
ごめんちゃい
急な仕事で時間が有りません
物は出来てるので明日投下します
すんませ〜ん
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 11:16:38.91 ID:fthbVRRDO
明日に期待だね!
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/27(木) 23:38:12.48 ID:/uSbxV/AO
魔法少女まどか☆マギカ外伝
〜魂の価値は〜
次回、第9話【―因子―】
 
 
保健室から戻ると屋上に渚カヲルの姿は無かった。
 
どうやらまだ貯水層の上に居るようだ。
 
カヲル「〜♪〜♪〜♪」
 
何やら鼻歌を歌っている……。
 
ほむら「……音痴ね」
 
そう、残念ながらお世辞にも上手いとは言えなかった。
 
完璧そうに見える彼の意外な一面を知って、何故か少し安心してしまう。
 
あれだけの力を見た後だからだろう。
 
正直、あの時は化け物にしか思えない程だったのだから。
 
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/27(木) 23:39:10.29 ID:/uSbxV/AO
取り敢えず、渚カヲルには話しを聞かなければならない。
 
わたしは魔力で身体強化すると貯水層の上へと飛んだ。
 
カヲル「やあ、お帰り。 やっぱり歌は良いね。 心が安らぐよ」
 
ほむら「そ、そうね」
 
渚カヲルは寝転んだままで実に楽しそうにそう言う。
 
もしかしたらあまり音痴だと言う自覚は無いのかも知れない。
 
カヲル「……もしかして、音痴だなぁとか思ってるんじゃない?」
 
ほむら「う……少しだけよ?」
 
図星を指されて少し返事に詰まる。
 
カヲル「はは、だろうね。元々僕達使徒に歌なんて無かったからね。 まあ下手でも仕方無いんだよ」
 
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/27(木) 23:40:05.05 ID:/uSbxV/AO
あまり気にしていないのか笑いながら彼はそう告げる。
 
わたしは歌の事よりも僕達と言う部分が引っ掛かった。
 
彼の世界では使徒と呼ばれる存在は多数居るのだろうか?
 
今まではイレギュラーとして避けていたが、実力で排除できない以上はある程度知っておくべきだろう。
 
ほむら「良かったらあなたの事をもう少し話して貰えるかしら? 消えろと言ってもそんなつもりは無いんでしょ?」
 
カヲル「そうだね。 実際、僕は君に引かれてこの世界に飛ばされてきた身だ。 離れるつもりは無いよ」
 
そう言うと彼は寝転がるのを止めて貯水層の端に座る。
 
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/27(木) 23:41:00.71 ID:/uSbxV/AO
その表情はさっきまでとは違って真面目な顔だった。
 
カヲル「さて、どこから聞きたいのかな?」
 
そう問われて少し考える。
 
聞きたい事は幾つか有ったが、まずは根本的な疑問から聞いてみる事にした。
 
ほむら「何故、わたしに付きまとうの? 興味が有るってのは分かったわ。 でも知りたいのはその目的よ」
 
そう問うと彼は少し考える素振りを見せた。
 
カヲル「……目的かい? うーん……」
 
そう唸ると何故か深く考え込んでしまう。
 
ほむら「……まどかの願いの力で元の世界に戻ろうとか狙ってるんじゃないの?」
 
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/27(木) 23:42:17.42 ID:/uSbxV/AO
そう、わたしはそれが一番心配だったのだ。
 
彼はこの世界に引き込まれたと言っていた。
 
自力で戻れるなら兎も角、そうでないならまどかの力はちょうど良い筈だ。
 
わたし程度ですら時間を操れたのだから、まどかならば異世界へも行けるだろうから。
 
だが、それを聞いた渚カヲルはキョトンとしていた。
 
カヲル「えーと。 一つ良いかな?」
 
ほむら「え? な、なに?」
 
カヲル「君はもしかして、僕が何らかの魂胆が有って君達に近付いたと思ってるのかな?」
 
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/27(木) 23:43:31.86 ID:/uSbxV/AO
ほむら「当たり前でしょう? 何の理由も無く会ったばかりのアナタなんかが近付いて来る方がおかしいわ」
 
それを聞くと彼は露骨に残念そうな顔をすると溜め息をつく。
 
カヲル「つまりあのインキュベーターと同じように何らかの下心が有ると思ってた訳かい? ちょっと傷付いたよ。 傷心って事さ……」
 
ほむら「じゃ、じゃあ何だって言うの?」
 
カヲル「……仕方無いね。 じゃあ簡単にだけど説明するよ。
まず、僕が元の世界に戻る事だけど、君が時間を巻き戻したら戻れるから心配しなくて良い。
この世界は君が巻き戻すせいでその先の時間軸がまだ無い状態だ。
そこに行き着けば僕は向こうへと弾かれるさ。
僕は君と違う世界の時間軸を過ごしてるからね。
僕と君とはこのループでしか出会えないんだよ」
 
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/27(木) 23:44:28.33 ID:/uSbxV/AO
そう言うと彼は少し寂しそうな表情になった。
 
じゃあ何の為に彼はわたしに近付いて来るのだろう?
 
余計に分からない。
 
ほむら「じゃあどうしてなの?」
 
カヲル「……君は運命ってのを信じるかい? これは何回か聞いたよね?」
 
ほむら「……ええ。 どう言う意味なの?」
 
カヲル「僕が使徒と呼ばれる存在だってのは言ったよね?
使徒はね、人と違って独りきりなんだよ。
人は種としての高みへ進化する為に他人との交わりを求めた。
僕達使徒は反対にその種の力を一つに集めた存在なんだ。
確かに個体としては優れた能力を持つ事が出来た。
でも、そんな物は他人と言う自分の存在を認めてくれる者が居なければ何の役にも立たない物だったんだ。
確かに、他にも使徒は居るけど全て違う種なんだよ。
誰とも分かり合えず、世界にたった独りなんだ。
それがどんなに寂しい事か分かるかい?」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/27(木) 23:45:27.55 ID:/uSbxV/AO
……確かにそれはとてつもなく寂しい事だろう。
 
カヲル「そんな時だった。 気が付いたらこの世界に居たんだよ。 君に惹かれてね……」
 
ほむら「私に……? 何故なの?」
 
カヲル「君の境遇は僕に似ている。
でも、君は僕とは違った。
僕はね……諦めていたんだよ」
 
彼はそう言いながら自嘲気味に笑う。
 
カヲル「自分を取り巻くどうしようもない運命ってやつにね……。
けど君は違った。
何度も何度も気が遠くなる程繰り返しても諦めずに運命に逆らっている。
どれだけ孤独になろうともね。
僕には、それが眩しかったんだよ。
だから惹かれたんだろうね……」
 
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/27(木) 23:49:07.23 ID:/uSbxV/AO
そうだったのか……。
 
やっと少しだけ彼の事が分かった気がする。
 
彼はわたしと同じなのだ。
 
まるで、最初からまどかを救う事など出来ないと運命で決められているかのような繰り返し。
 
どれだけ努力しようと知恵を搾ろうとまるで変わらない結末。
 
そして、幾度もの繰り返しにいつしかわたしは独りきりだった。
 
誰にもそれを分かって貰えず、理解される事の無い孤独感。
 
繰り返せば繰り返す程、人との関わりはいつしか薄くなって行った。
 
彼は、産まれた時からそうだったのだ……。
 
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/27(木) 23:50:05.43 ID:/uSbxV/AO
ほむら「わたしは……そんな立派な物じゃないわ。
今回だってこうやって動いているけど、もうまどか救える気がしないの。
でもまどかとの大切な、一番大切な約束が有るから動いている。
ただそれだけ……」
 
そう、わたしはすでに半分諦めているような物なのだ。
 
でもまどかとの約束を無くしたくなくて未だに縋っているだけ。
 
大切な約束を無くしてしまえばわたしは本当に独りきりになってしまうから……。
 
カヲル「だからさ」
 
ほむら「……え?」
 
突然の彼の言葉に意味が分からずわたしはそう聞き返した。
 
 
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [saga]:2011/10/27(木) 23:51:39.43 ID:/uSbxV/AO
 
 
カヲル「そう……だから僕はこのループ時間軸に呼ばれたんだよ」
 
 
そう言った彼の表情はとても柔らかい笑顔だった……。
 
 
――――――――――
 
 
ミサト「少しずつ近づく2人の距離
しかし、渚カヲルにはほむらに隠しているもう一つの目的が有った
そして再び時間は動き始める
 
魔法少女まどか☆マギカ外伝
〜魂の価値は〜
次回、第10話【―不穏―】
この次もサービスサービスぅ♪」
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/27(木) 23:59:18.50 ID:/uSbxV/AO
ミサト「はい、遅くなってごめんね〜♪」
 
ミサト「まあそれでも作者は今回はちょっち納得してないらしいわよん」
 
ミサト「ひねくったって大して変わらないわよねぇ(笑)」
 
ミサト「さて、次回は日曜日の夜か月曜日になる予定ね」
 
ミサト「それじゃまたねん♪」
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [sage]:2011/12/08(木) 00:49:34.02 ID:XD5m0BRro
おtu
128 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 10:23:59.40 ID:oxi35Ai30
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