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マミ「ここは…どこ?」 落田「しあわせ島でやんす」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:10:08.89 ID:OJ0wjx5G0

・マミさんinパワプロクンポケット6 裏サクセス しあわせ島編
 マミさんが、しあわせ島に流れ着きます。


・作品紹介

 パワプロクンポケット6 裏サクセス しあわせ島編
 野球ゲームシナリオ
 野球ゲームのはずだが、重い展開かつ人が空しく死んでいく。
 が、最後は救われる。
 明らかに、CEROAではない。


 魔法少女まどか☆マギカ
 魔法少女アニメ
 魔法少女物のはずなのだが、重い展開かつ魔法少女が空しく死んでいく。
 が、最後は救われる。
 明らかに、子供向けではない。


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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:15:53.76 ID:OJ0wjx5G0

―某所―


???「本当にいいんですか? まがりなりにも法律上はあなたの娘でしょうに」

???「勝手に死んであんなのを押し付けたアイツが悪いんだ。私が面倒をみる義理は無い」

???「わかりました。じゃあ、彼女をつれていく、ということでよろしいですね?」

???「ああ、やってくれ。これでせいせいする」

???(幼子から遺産をかすめ取ったくせに。よくいうよ)


3 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:16:44.99 ID:OJ0wjx5G0


???「では、契約書にサインを。ところで方法はどうします?」

???「何でもいい。それより、これで借金は本当になくなるんだろうな?」

???「ええ。あなたの借金は私たちが肩代わりしますから。そのかわり、本来は労働力を提供してもらうんですけれども」

???「それは、アイツにやらせてくれ。そういう契約だ」

???「わかりました」


4 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:17:22.86 ID:OJ0wjx5G0

―見滝原市―


マミ「ふぅ、今日の魔女は中々強敵だったわね」

QB「お疲れ様、マミ」

マミ「ありがとう、キュゥべえ。帰ってご飯にしましょう」

QB「そうだね。もう、気配はないみたいだ。家に戻るとしよう」

マミ「ええ、そうしましょう」


5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/10/11(火) 21:17:30.44 ID:KZV8qctYo
幸せ島か
そういえば6主は未来の資料かなんかで魔法少女の存在は知ってるのかな?
期待してるぞ
6 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:17:53.90 ID:OJ0wjx5G0

―マミ宅―

QB「ごちそう様」

マミ「お粗末様、キュゥベエ。それじゃあ、お風呂に入りましょうか」

QB「ごめん、マミ。僕はこれから用事があるんだ」

マミ「え…」

QB「ここ最近、魔女が多いからね。君以外の新しい魔法少女が必要だと思うんだよ。
   佐倉杏子はこの街から離れてしまったし、いつまでも君ひとりに無理をさせるわけにはいかないだろう?」

マミ「あ…、そう…よね」

QB「だから素質のある子を探してくるよ。それじゃあ、ちょっと出かけてくるね」

マミ「…うん。いってらっしゃい…キュゥべえ」



7 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:18:23.67 ID:OJ0wjx5G0

マミ(…今日も、一人ぼっち)

マミ(少し前までは佐倉さんと一緒にご飯を食べたりしたけれど、彼女は私の下から居なくなってしまったわ)

マミ(お父さんも…お母さんも死んじゃって…、佐倉さんも…)

マミ(学校の友達はいるけれど、魔法少女のことを話せる友達なんていないのよね)

マミ(…私、このままずっと一人ぼっちなのかしら)

マミ(このままずっと一人で魔女と戦って、一人で生きて、一人で…)



8 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:18:50.37 ID:OJ0wjx5G0

マミ「…!」ハッ

マミ(いけない、いけない。そんなこと考えたらダメよ、マミ!)

マミ(貴方にはキュゥべえがいるじゃない。それにキュゥべえが探してくれてるんだから、新しい魔法少女の友達もきっとできるわ!)

マミ(そんなことじゃこの街を守れないわ。ただでさえ魔女が多いんだから頑張らないと! 弱気は禁物よ、マミ!)



マミ「…うん!」

マミ(きっと疲れているから、こんな弱気になっているのね…。ここの所、使い魔も魔女も多かったから)

マミ(キュゥべえ…は窓から入ってくるから、玄関を閉じても大丈夫よね?)

マミ(それじゃあお風呂に入って、今日はもう寝ましょう)



9 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:19:21.88 ID:OJ0wjx5G0



ピンポーン



マミ「…あら?」

マミ(こんな時間に誰かしら?)ノゾキ

???「すみません。宅配便です」

マミ「あ、はい。今開けます」

マミ(こんな時間に珍しいわね)ガチャ



10 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:19:50.13 ID:OJ0wjx5G0

???「…」ガバ

マミ「え…? んっ!」

???「…」

マミ「んー! んー!」

???「…」

マミ「…」


11 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:20:30.76 ID:OJ0wjx5G0

―???―


マミ「…はっ!」



うおん、うおん、うおん…



マミ「こ、ここは?」

???「…あら、あなた起きたの?」

マミ「あ、あなたは…?」

???「あなたと同じ、お金で売られた人間よ」

マミ「え…? な、何を言っているの?」

???「あら、あなたも分かっているでしょ? 私たちは売られたの」

マミ「あ、あの…?」

???「ここのこと? ここは船のなかよ。これから私たちは遠いどこかに運ばれて、働かされるの。
    まぁ、女ばっかり集められているから、ロクな場所じゃないでしょうけどね」

マミ「…」




12 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:21:01.85 ID:OJ0wjx5G0

マミ(えーと…。状況を整理しましょう)

マミ(覚えていることは、玄関で宅配のお兄さんに何かされたこと。気を失ったから、薬か何かかしら?)

マミ(それで、今は船の中。行先は遠いどこか。そこで、…働かされる?)

マミ(あの人は借金と引き換えって言っていたけど、私はもちろんしていないし、お母さんたちがしていたという話を聞いたことはない)

マミ(まさか、後見人のあの親戚の人? お金使いは荒いと聞いていたけれど…)

マミ(…)



13 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:22:08.64 ID:OJ0wjx5G0

マミ「な、なんてことなの…!」

???「なによ、うるさいわね。他の人もいるんだから静かにしなさいよ」

マミ「何か逃げる方法はないんですか、ねぇ?!」

???「あなた、知らないうちに売られてた口? あきらめなさい、ここは海の上。逃げ場なんてないわよ」

マミ「そ、そんな…」

???「まぁ、そのうちどこかの港につくでしょ。目的地か、燃料入れるのかは知らないけど」

マミ「…!」

???「でも、無理よ。アタシみんな縛られているんだから、逃げようがないわ」



マミ「…」

マミ(寄港…。その時が勝負ね!)




14 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:22:38.41 ID:OJ0wjx5G0

―どこかの港―


マミ「ティロ・フィナーレ!」チュドーン


 ワー! ワー!


マミ(変身して、脱出したわ。混乱しているうちに、早く逃げないと!)

マミ(あの人たちも逃げてくれているといいけれど…、とりあえず今は自分のことが優先ね)

マミ(どこかに日本に戻りそうな船は…)

マミ「…あ!」



15 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:23:18.02 ID:OJ0wjx5G0



 しあわせ丸



マミ(日本の名前の船! これなら日本に戻るんじゃないかしら?)

マミ(どこに着くかはわからないけれど、とりあえず日本の土を踏むのが第一課題だわ)

マミ(それじゃあ、早く乗り込みましょう)イソイソ



マミ(それにしても、どうしてこんな目に…)

マミ(早く見滝原に帰らないと…。魔女が多くて大変なんだから)

マミ(何だか、どっと疲れたわ。時間もかかりそうだし今日はもう寝ましょう)ZZZ



16 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:24:12.73 ID:OJ0wjx5G0

―しあわせ島―


BB兵「今回の補給物資は、またえらく大量だな」

船員「新しい収容者が増えたからな。まぁ、すぐ数が減って元に戻るだろう」

BB兵「そうか。…ん?」

船員「どうした? 何かあったか?」

マミ「…ZZZ」

船員・BB兵「…」


17 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:24:57.51 ID:OJ0wjx5G0

―所長室―


ヘルガ「補給船に、女が紛れ込んでいただと?」

マコンデ「はい。といってもまだ子供ですが」

ヘルガ「ふむ。素性ははっきりしてるのか?」

マコンデ「ええ。どうやら別の島に運ばれる予定だった収容者のようです。どうやら、あの騒ぎで逃げ出したのが紛れ込んだようですな」

ヘルガ「ああ、あれか。結局、敵対組織の襲撃だったのかどうかもよくわからなかったな」

マコンデ「人身売買がバレてあの収容所はもう使えないとの、連絡がありましたな」

ヘルガ「さて、どうするか…」

マコンデ「ほっほっほ、それなら所長。それなら私めに良い考えが…」



18 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:26:06.21 ID:OJ0wjx5G0

―広場―


マミ(ああ…、なんてこと。眠っている間にまた捕まってしまったわ)

マミ(変身は…銃を突きつけられているから、できそうにないわ。変身中に撃たれたら終わりよね)

マミ(とりあえず、ソウルジェムの指輪を奪われなかっただけ、良しと考えるべきかしら…)



マコンデ「こいつです、所長」

ヘルガ「なんだ、本当に子供だな。これでは労働力は期待できんか」

マコンデ「そうでしょう? やはり私めの提案通り、リフレッシュ小屋送りが得策かと…」

ヘルガ「しかし、最低の100日も耐えられると思えん。壊れては元も子もないぞ」

マコンデ「ほっほっほ、元々、イレギュラーな人材です。このさい、短期間での成果に期待してはいかがでしょう?」

ヘルガ「…」

マミ(意味は分からないけれど、恐ろしいことを言われている気がする…)



19 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:26:57.65 ID:OJ0wjx5G0

(そのころ…)


6主「ああ、今日も暑いなぁ…」

落田「あ、6主くん。おはようでやんす」

6主「きのう、試合で負けてペラを取られてから、やる気がわかないよ。試合には結局出られなかったし…」

落田「規則だからしょうがないでやんす。負けたらみんなで払う。これが基本でやんす」

6主「手もちは残り56ペラ。1000ペラにはとおいなぁ…」

落田「がんばるでやんす! がんばるしかないでやんすよ! 6主くん!」

6主「はぁ…」

6主(俺、こんなんで任務を果たせるのかなぁ…)


20 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:27:23.58 ID:OJ0wjx5G0

6主「…ん?」

落田「どうしたでやんすか?」

6主「なにか、向こうで兵隊が集まってないかい? 新しい収容者かな?」

落田「ホントでやんす。でも、まだ収容者がくる日じゃないでやんすけど」

6主(気になるなぁ…)

落田「…もしかして、行ってみようとか思ってるでやんすか?」

6主「うん」

落田「あんまり色んなことに関わっていると、この島では生きのこれないでやんすよ?」

6主「まぁ、ちょっと見てくるだけだから」

落田「やれやれでやんす。くれぐれも見るだけにするでやんす」



21 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:28:01.35 ID:OJ0wjx5G0

BB兵「おい、貴様。何をやっている! さっさと仕事場に行け!」

6主「今日は管理棟のそうじなんですよ」

BB兵「なんだそうか。早く行けよ」

6主(あれは…女の子? 女の子なんてめずらしいなぁ。でも、この島の子じゃないみたいだ)



マコンデ「だから、やはりこの娘はリフレッシュ小屋が良いと…」

ヘルガ「しかし、規則がだな…」


6主(リフレッシュ小屋だって!)ダッ

BB兵「あ、おい待て! 貴様!」


22 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:29:05.43 ID:OJ0wjx5G0

6主「ちょっと待て! こんな子をリフレッシュ小屋で働かせるつもりか!」

マコンデ「貴様は、このあいだ来たばかりの…。おい、なにをやっている早く連れて行け!」

6主「しつもんに答えろ!」

ヘルガ(…!)



ヘルガ「ああ、そうだ。この娘は手違いでこちらに来てしまってな。この島ではこんな子供が働ける場所はない。
    だから、せめて少しでも役に立ってもらおうと思ってな」

6主「それなら、その働ける場所に移動させればいいだろ!」

ヘルガ「今日の船はもう出てしまった。次に来るのはまた先だ。こいつ一人に船を出すわけにはいかないのだよ」

6主「だからって…」


23 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:29:42.80 ID:OJ0wjx5G0

マミ「あの、すみません」

ヘルガ「なんだ、小娘?」

マミ「私が、その『リフレッシュ小屋』という場所で働けばいんですか…?」

ヘルガ「それなら、話はまとまるのだがな」

マミ「じゃあ、そこで…」

マミ(次の船が来るというし、それまでそこで我慢すれば…)


24 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:30:20.16 ID:OJ0wjx5G0

6主「ダメだ!」

マミ「え? な、なんでですか…?」

6主「とにかくダメなものはダメだ! あそこは君みたいな子が行くような場所じゃない!」

マミ「でも、それしかないんじゃあ…」

6主「とにかくダメ!」

マミ「え、ええ…?」

6主「君のようなCEROAのゲームしかしないような子が、行ってはいけない場所なんだ!」

マミ(わけがわからないわ)




25 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:30:59.64 ID:OJ0wjx5G0

ヘルガ「じゃあ、どうするというのだ。貴様は?」

6主「それは…」

ヘルガ「この島に来た以上は、ペラをためなければ日本に帰ることは出来ん。この娘が帰れる可能性を取り上げるのか?」

6主「でも…!」

ヘルガ「ペラをためなければ帰れない。それがここに規則だ。ペラさえあれば、期間が来れば返してやれるのだがな」

6主「…」


26 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:31:39.55 ID:OJ0wjx5G0

6主「その子は、どのくらいのペラを溜めればいい?」

ヘルガ「…」

マコンデ「なにをいっているんだ、貴様は?」

ヘルガ「マコンデ、答えてやれ」

マコンデ「は? はぁ、資料によれば1500ペラですが」

ヘルガ「だ、そうだが?」



27 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:32:29.92 ID:OJ0wjx5G0



6主「じゃあ、俺がその子の分までペラを稼ぐ!」



マミ「え?!」

マコンデ「な、なんだと?!」

6主「ペラをためれば帰れる! なら俺が用意すれば文句はないだろ!」

ヘルガ「いいのか? 貴様の分も合わせて2500ペラだ。それだけのペラを溜められるのか?」

6主「そうしないと、この子が帰れるアテはないんだろ? ならやるだけだ」

ヘルガ「…」

マコンデ「き、貴様、勝手に話を進めおって…」

マミ「あ、あの…」



28 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:33:11.57 ID:OJ0wjx5G0

ヘルガ「…いいだろう。それならば、貴様がその小娘の面倒をみるがよい」

6主「言ったな、約束だぞ?」

ヘルガ「ああ」

マコンデ「し、所長いいんですか?」

ヘルガ「あの男が二人分働くと言っているんだ。それならば、こちらにとっても得だろう」

マコンデ「しかし、どう考えても、耐えきれるとは思いませんよ?」

ヘルガ「ダメになったら、その時にまたあの小娘をリフレッシュ小屋に送ればいい。特に問題はないと思うが」

マコンデ「はぁ…まぁ所長がそういうなら」

ヘルガ「団長には私が話しておく。それと…だ」

マコンデ「まだ、なにか?」



29 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:33:56.43 ID:OJ0wjx5G0

ヘルガ「不敬罪。鞭打ち30回、その男にしておけ」

6主「え?」

マコンデ「よし、その男を連れて行け」

BB兵「はっ!」

6主「ああああああ、落田くーん、その子をよろしくー!」ズルズル

マミ「…」ポカーン

落田「ああ、やっぱりこんなことになったでやんすね…」



30 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:34:37.21 ID:OJ0wjx5G0
投下はここまでになります。
31 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:35:08.17 ID:OJ0wjx5G0

    キャラ紹介


・巴マミ
 魔法少女まどか☆マギカ 登場人物
 頼れる先輩だが、人一倍、寂しがりやな人
 本編での活躍で、色んな意味でファンに愛させれている
 巨乳


・パワポケ6主人公(6主)
 パワプロクンポケット6主人公 23歳
 とある目的のために町工場を守るために働いていたが、失敗し、多額の借金を背負ってしあわせ島に送られてしまった。
 歴代主人公の中で、3番目の戦闘能力を持つ男(8>9>6>3>その他)。
 熱い男。アニメが好きだったりする。


・ヘルガ
 しあわせ島の所長 女性 24歳
 コンゴで国連の治安維持部隊に従軍していたことがある
 ノルウェー国籍だが、祖父がドイツ人であるためドイツ人だと主張している
 基本的には冷酷な軍人



32 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:35:53.16 ID:OJ0wjx5G0

Q&A


Q.しあわせ島にマミさん以外のまどかキャラ来るの?
A.きません。


Q.しあわせ島に女の子って、野獣の群れに肉を入れるようなものだけど?
A.6主が守ってくれるます。


Q.あれ? 6主って女子高生とホテルに…
A.好感度MAXにならなければ大丈夫です。


Q.6主の目的とか、しあわせ島の真相はネタバレしていい?
A.そこだけ自重してくれると嬉しいです。


Q.野球ゲームとは思えない単語が出てくるんだけど?
A.パワポケではよくあること 



33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/10/11(火) 21:36:53.94 ID:KZV8qctYo
乙でした
34 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/11(火) 21:38:09.40 ID:OJ0wjx5G0

今日の分はここまでです。
またここでSSを書かせてもらいます。よろしくお願いします。

次の投下は、日曜日を予定しています。
お読みいただきありがとうございました。


35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/10/11(火) 21:45:39.84 ID:VRISGqkz0
6は途中で挫折して、マギカは見ていない。
果たしてこのスレを見るべきなのか。
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/10/11(火) 21:46:18.20 ID:sZXcuhsAo
なんか読んだら凹みそうな予感がするタイトル
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2011/10/11(火) 21:56:23.07 ID:KZV8qctYo
身体能力だけなら6主よりマミさんの方が上のような気がするぜ
まあ対人戦に慣れてるか慣れてないかの経験の違いはあるけどな
魔法少女が幸せ草を食べたらどの位身体能力が高くなるのだろうか?
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/10/11(火) 21:58:56.58 ID:xAacOqU20
6裏は友人からサイコロ目押し習うまでクリアできなかったな俺
リフレッシュ小屋…ごくり
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/11(火) 22:33:08.95 ID:6FSEQ7vEo
以前どっかの人がやるって言ってたけどその人かな?
乙乙
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/11(火) 22:34:30.54 ID:X9HFSPAIO
しかし楽しみ
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2011/10/11(火) 22:48:51.44 ID:zXVegmmBo
最後アレ出てくんのかな
期待
42 : ◆ctuEhmj40s [sage]:2011/10/11(火) 23:38:22.27 ID:OJ0wjx5G0
>>39
前のSSスレで、作りたいと言った者です、はい。
だいぶアイディアが固まったので書くことにしました。
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/12(水) 00:22:22.05 ID:s/X0oUDW0
思い出した。ちっちゃいほむら書いてた人か
あのSSもリアルタイムで追ってたのでこちらもリアルタイムで追うことにする
パワポケ×まどマギとか俺得すぎるから全力で期待
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/12(水) 00:57:29.36 ID:WgNjBVE9o
パワポケのSSとか珍しいな

期待
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/12(水) 05:56:46.06 ID:4gdaAH10o
マミさんみたいな子が送られたらそりゃ……

魔法少女だから死にはしないだろうけど
3日と持たずに絶望がマッハ
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga sage]:2011/10/12(水) 07:56:38.73 ID:c0WGHr7W0
鈴音たんは俺の嫁
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/12(水) 11:41:28.85 ID:UEr2egvIO
期待してる
彩さんはもらっていきますね
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/10/12(水) 22:51:31.71 ID:bJVvXNZm0
>>47
おまえには鬼鮫コーチがいるだろ
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga sage]:2011/10/13(木) 07:59:57.15 ID:uAzv834j0
期待。しあわせ島の陽気なBGMが聴こえてくるぜ。
俺も「怪奇!ハタ人間編」のパロディとかやりたいなあ。
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/13(木) 20:18:43.15 ID:/nkdEvyp0
>>49つ「言い出しっぺの法則」
スレ立ていつでも待ってる
51 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 20:52:19.32 ID:lDJ3/w3r0
期待に沿えるよう、頑張ります。
52 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 20:53:02.19 ID:lDJ3/w3r0

―宿舎―


落田「まったく、6主くんのお人よしっぷりには呆れるでやんす。あんなんじゃ、いつまでたっても日本に帰れないでやんす」

マミ「あ、あのー…」

落田「ああ、もう少し待ってるでやんす。もうちょっとたったら、きっと帰ってくるでやんす」

マミ(…やんす?)



53 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 20:53:47.08 ID:lDJ3/w3r0


6主「痛てててて…」

落田「あ、6主くんお帰りでやんす」

マミ「あの…大丈夫ですか…?」

落田「6主くんはしあわせ島に来て早々、反抗的な態度を取ってボコボコにされた男でやんす。このくらいは、平気でやんすよ」

6主「平気じゃないよ、痛て、痛ててて…」

マミ「すみません。私のせいで…」

6主「ま、まぁ、心配しなくても大丈夫だよ。こっちもなれてきたから…」

マミ「そ、それでここはどこなんですか…? しあわせ島って…」



54 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 20:54:22.77 ID:lDJ3/w3r0


(そして…)


マミ「借金を抱えた人が送られる島…?」

落田「それが、しあわせ島でやんす」

マミ「そんな場所があるなんて…」

6主「信じられないかもしれないけど本当なんだ。ここでは借金を肩がわりしてくれるけど、その代わりに労働力を提供しなきゃならないんだ」

落田「でもって、働くと『ペラ』と呼ばれるお金がもらえるでやんす。これを溜めるとこの島から出られるのでやんすよ」

6主「他にも、この島ではこれで色んなものが買えたりするんだ。ここではペラが全てなんだよ」



55 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 20:55:35.24 ID:lDJ3/w3r0

落田「でも、えーっと…、名前をいいでやんすか?」

マミ「あ、はい。巴マミです。よろしくお願いします」

6主「マミちゃんか。なんかどこかで聞いたことがあるような名前だなぁ」

落田「むかし、そんな名前のアイドル魔法少女アニメがあったでやんす。6主くんも意外とマニアックでやんすね」

マミ(一応、本物の魔法少女なんですけど…)

落田「マミちゃんはどうしてこの島にきたでやんすか? とても借金をするとは思えないでやんす」

マミ「確証はないんですが、おそらく…」



56 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 20:56:33.80 ID:lDJ3/w3r0

(そして…)

6主「な、なんだってー!」

落田「ヒドイでやんす! 借金を押しつけるなんて、とんでもないヤツでやんす!」

マミ「前から引き取ってくれた叔父の噂は聞いていたんですが、早々にお金を渡されて一人暮らしをしてましたし、詳しくは知らなかったんです。
   まさかこんなことをするなんて…」

6主「それで、逃げるときにここにくる船に乗ってしまったのか」

落田「まだよかったでやんす。きっとそのままだったら、きっと、もっとヒドイところに連れていかれてたでやんすよ」

マミ「は、はぁ…」

マミ(ここも、あまり変わらないような…)



57 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 20:57:06.22 ID:lDJ3/w3r0

6主「でも、所長たちはマミちゃんの借金の資料を持っていたんだよな。ということは、ほかにもBB団系列の収容所があるのか」

落田「そうなんでやんすか? BB団も意外とグローバルでやんすね」

マミ「あの…BB団って?」

6主「この島を支配している秘密組織だよ。ちなみにさっきの女の人がここの所長、ヘルガだ」

落田「隣の男が副所長のマコンデでやんす。所長は美人でやんすが、マコンデはすぐに収容者をなぐる、いやなやつでやんす」



58 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 20:58:08.62 ID:lDJ3/w3r0

マミ「とにかく、ここではペラをかせがないと、日本には帰れないんですね…」

6主「あと最低100日は滞在しないと、この島から出ることができないんだ」

マミ「ひゃ、100日も?! こんな南の島で?!」

6主「うん、そうなんだ。俺も早くペラを溜めて、こんなところから脱出したいんだけど…」

落田「ああ、6主くんは10日まえにこの島にきたのでやんす。マミちゃんと同じ、新入りさんなんでやんす」



59 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 20:58:40.01 ID:lDJ3/w3r0

マミ「ペラを溜める以外に、島からでる方法はないんですか? 物資を運んでくる船に密航するとか…」

落田「港は兵士で厳重に警備されているでやんす。さらに海にはBB団の砲艦がいて、ほかの船で脱出しようとしてもムリでやんす。
   ペラをためる以外、方法はないでやんすね」

マミ(魔法少女に変身しても、脱出できそうにないわね…)

6主「もし2500ペラためても、俺とマミちゃんで10日のズレがあるのか。なんとかならないかな」

落田「あ、それならマミちゃんの着替えを持ってきた兵士が、期間は6主くんと同じでいいといっていたでやんす。
   予定外の収容者のために、スケジュールの変更はおこなわないそうでやんす」

6主「となると、あと90日で2500ペラか…」


60 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 21:01:53.16 ID:lDJ3/w3r0

マミ「あ、あの、お二人ともお名前を聞いていいですか?」

落田「そういえば、自己紹介がまだだったでやんすね。オイラは落田でやんす」

6主「俺は6主だよ。よろしく」

マミ「すみません、迷惑をかけてしまったみたいで…」

6主「気にすることはないよ。こんな女の子に変なことさせようなんてこと見過ごせないからね」

落田「まったく、6主くんはお人よしでやんす」

マミ「それであの…、お二人はどうしてこの島に?」


落田「オモチャを買いすぎたでやんす」
6主「野球の試合に負けて」


マミ(わけがわからないわ)

6主「とにかく、あと90日で2500ペラをかせぐ方法を考えよう。こんな島に100日以上もいたくないだろう?」

マミ「はい…」




61 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 21:02:40.44 ID:lDJ3/w3r0

(そして…)


6主「うーん、なかなかいい案がないなぁ」

マミ「その仕事場の『キツイ仕事』を毎日やるではダメなんですか?」

落田「ムリでやんす。あんなの3日も連続で続けたら、死んじゃうでやんすよ」

マミ「やっぱり、私が『リフレッシュ小屋』に…」

6主「それはダメ!」

落田「CEROが許してくれないでやんす!」

マミ(い、一体どんな場所なのかしら…)



62 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 21:03:12.91 ID:lDJ3/w3r0

6主「プレイルームで一攫千金…も、ムリだろうなぁ」

落田「6主くんは目押しができないでやんすからね」

6主「じゃあとにかく、俺ががんばって働くことにするよ。できるだけ、キツイ仕事も入れてみる」

マミ「すみません…6主さん」

落田「じゃあ、今度は寝床を作るでやんす。女の子なんだから、ちゃんと男とはわけなきゃいけないでやんすからね」

マミ「すみません、落田さん…」



63 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 21:03:39.17 ID:lDJ3/w3r0

―夜―


江川「…というわけで、うちの班に新しいメンバーが加わることになった。巴マミくんだ」

マミ「巴マミです。よろしくお願いします」

小杉「お、女の子?」

布具里「女の子がなんでこの島にいるんだ?」

江川「彼女はBB団の事情によりこの島で働くことになった。なお、彼女の管理は6主がおこなうらしい。そうだな?」

6主「はい。そうです班長」

江川(私ではなく、なぜこいつが…)



64 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 21:06:19.98 ID:lDJ3/w3r0

中田「ま、いいんじゃないか?」

渡辺「まぁ、男が増えるよりはいいことだな」

三谷「マミ助か! よろしくな。工場で働くなら俺にきいてくれ!」 

倉刈「ああ、日出子…。元気にしてるかな…」

マミ「みなさん、これからお世話になります」

江川「お世話か…。シャワーやトイレに関しては6主と話して決めてくれ、私は知らん。以上だ」フン

マミ「あ、あの…」

落田「気にしちゃダメでやんす。班長は自分の思いどおりにならないと、キゲンが悪くなるでやんす」

6主「君のことは、俺たちに任せるのがBB団の方針らしいから。班長になにかいわれても、俺に話をとおしてくれ」

マミ「は、はい」



65 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 21:07:02.54 ID:lDJ3/w3r0

マミ(服は作業着。シャワーも、トイレも男性用…。6主さんたちが色々便宜を図ってくれているけれど…)

マミ(私、ここでやっていけるのかしら…)

マミ(ううん。私にはあの街を守るという使命があるんですもの! がんばって絶対に戻らないと!)


(マミのやる気が上がった!)





残り90日 手持ち56ペラ 犬レベル5





66 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 21:07:35.67 ID:lDJ3/w3r0

―???―


???「ふう、今日も使い魔だけか…」

???「はやく、何とかしないと…」



67 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 21:09:02.73 ID:lDJ3/w3r0

―キャラ紹介―


・落田太二

しあわせ島編におけるメガネ。本家の矢部ポジション。
やはりマニアであり、食玩を買いすぎて多額の借金を作ってしまい、しあわせ島にやってきた。
本人も知らない異母兄弟が沢山おり、他のパワポケの主人公と関わっている。
メガネにしては、珍しくイライラするイベントがない稀有な存在。

ショート
落田○
ミAパC走A肩A守A


・マコンデ

しあわせ島の副所長。
病気を蔓延させて大量の収容者を死亡させてしまった責任を問われ、半年前に所長から副所長へ降格された。
女の下で働いている現状が不満らしい。
そのため、収容者に暴力を振るっている。


・江川茂

野球班の班長。
元々は一流銀行の部長候補だったが、嵌められて島に来たと言っているが、実は麗香というキャバクラの女性に熱を上げて、
銀行の資金を横領してしまったために転落し、島に送られる事になった。
リフレッシュ小屋にて、人形を麗華に見立てて見立てて会話したり、暴れたり、泣き出したりしている。
この姿にドン引きしたプレイヤーは多い。




68 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 21:09:50.65 ID:lDJ3/w3r0

―システム用語―


・犬レベル

 しあわせ島編のみ存在するメーター。
 主にBB団に従うと上昇、反抗すると下降する。
 グラウンドで野球の練習をしても下降するため、一定の値を維持しないといけない。
 0になると反乱分子とみなされて、射殺される。
 100になると、完全にBB団の犬になってしまい、島から脱出できなくなる。


・ペラ

 しあわせ島編で使用できる通貨。
 これを目標額までためると、一応ゲームクリアとなる。
 働くともらえ、リフレッシュ小屋・グラウンドを使用すると使用料を払う。


・リフレッシュ小屋

 しあわせ島編の休憩施設。
 ここに行かないと、気力を回復することができない。気力が0になると、死亡しゲームオーバーとなる。
 コマンドは、昼寝・テレビ・本・ビデオ・ さおりちゃん二号・メスヤギ
 右に行くほど回復効果が高く、ペラがかかる。
 どうみてもOUT



69 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/16(日) 21:10:45.86 ID:lDJ3/w3r0
今日の投下はここまでです。

次は火曜日に投下予定です。
お読みいただきありがとうございました。
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/10/16(日) 21:45:26.03 ID:JTKqkwJAO
おっつー

どう頑張ってもUSAスーパーヒーローズに勝てなかったのはいい思い出
アルバム&プロフィールの残りそれだけだったのに
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/10/16(日) 21:49:37.54 ID:T5R7/1V+0
乙!
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/16(日) 22:20:34.67 ID:3DAoltqIO

中学生の時だが2000ペラも貯めれなかった……
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/16(日) 23:07:22.18 ID:k0nOQBqWo
パワポケ6は始めてやったパワポケだな〜懐かしい

当時はヤギとかホテルPAWAとかの意味まったくわからなかった
普通にヤギをみて和んでいるものだと思っていた
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/17(月) 02:54:50.11 ID:yrJXcZvUo
乙!

>>73
おまおれww
出た当時は中2だったかな
いまでもパワポケ6の2004年カレンダー持ってるよ
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2011/10/17(月) 13:04:42.78 ID:FZo2E6JAO
はやくたすけにきて
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga sage]:2011/10/17(月) 16:09:00.31 ID:imALc2d/0
>>75
おいばかやめろ

とにかく乙
>>49がやるのか分からないけど、
まどマギとパワポケのパロは自分も書いてみたいなあ
『怪奇!ハタ人間』の他にもいろいろあるし

77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/17(月) 17:39:55.33 ID:JJjqwC4IO
とりあえず、やつに金を貸してやるんだ
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/10/17(月) 18:17:54.28 ID:oS/48Nxdo
ヤギって普通に和んでると思ったけど、違うのか?
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/17(月) 23:23:41.62 ID:CweIreAQ0
>>77
イベント発生が遅すぎて金丸損した思い出がorz
80 : ◆ctuEhmj40s [sage]:2011/10/18(火) 21:11:23.80 ID:CO/uxKdO0
>>78
ヤギに関しては、知らないままのほうがいいかと…。
81 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:12:33.27 ID:CO/uxKdO0

―朝―


 ザワザワ ザワザワ


マミ「な、なにか周りから見られているような気がするんですけど…」

小杉「女なんてめずらしいからな」

落田「髪型も変えて、胸にさらしをまいてみたでやんすけど、やっぱり隠しきれないでやんすね」

6主「離れちゃダメだよ。絶対にウチの班の連中以外と一人にならないこと。いいね?」

マミ「はい…」


82 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:12:58.78 ID:CO/uxKdO0

収容者「お、お、お、…」

マミ「?」

収容者「女だぁー!」

マミ「きゃっ!」

6主「とりゃ!」バキッ

収容者「げふっ」

マミ「い、一体なにが…」

落田「男だらけで、うるおいがないでやんすから。女の子がいるだけでこれでやんす」

マミ(想像以上に危険な場所なのね…)



83 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:13:32.84 ID:CO/uxKdO0

BB兵「おい、貴様ら何をやっておる!」

6主「はっ、急に襲ってきたのでやむなく抵抗しました!」

BB兵「何だと? よし、そいつを連れていけ。残ったものは洗面! 早くしろ!」パーンパーン


 ゾロゾロ


マミ(とりあえず、手持ちのグリーフシードは3つある)

マミ(何かあったら迷わず変身しないと)パシャパシャ




84 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:14:23.10 ID:CO/uxKdO0

BB兵「おい、お前はこっちだ」

マミ「え? きゃっ!」

6主「おい! その子に乱暴するな!」

BB兵「うるさい!」バキッ

6主「あう…」ドサ

BB兵「心配するなとの所長からの伝言だ。貴様は自分の職場に行け!」

マミ「6主さん!」

落田「マミちゃん、6主くんはオイラが見るでやんす。マミちゃんも、なにかヒドイことされたら、ちゃんというでやんすよ」

マミ「落田さん、お願いします」

マミ(6主さんだけに苦労はさせられない。私もがんばるわ…!)



85 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:15:13.95 ID:CO/uxKdO0

―プレイルーム―


よしこ「はいじゃあ、これに着替えてね」ドン

マミ「あの…ここは?」

よしこ「ここはプレイルーム。3つの仕事場をまわったら、くることのできる賭博場よ。
    あなたには、ここで収容者の案内をしてもらうわ。そしてこれが、制服よ」

マミ「な、なんですか! この服は!」

よしこ「見てのとおりの、バニーガールの衣装よ? カジノにバニーはつきものでしょう?」

マミ(胸が強調されて、ハイレグに網タイツ…。こ、こんな服を着るの?)

よしこ「所長からの支給品らしいから、扱いは慎重にね。はい、着替えた着替えた」

マミ(ううう、我慢我慢…)



86 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:15:39.45 ID:CO/uxKdO0

よしこ「うん、サイズもぴったりね。それにしてもその年齢でそのスタイル、うらやましいわ〜」

マミ「…ありがとうございます」

よしこ「じゃあ、収容者が来たら案内すること。セクハラされたら兵隊さんに報告するのよ。リフレッシュ小屋の意味がなくなっちゃうからね。
    それじゃあ、よろしく〜」

マミ(この人はどうしてこの島にいるのかしら…。謎だわ…)


87 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:16:27.03 ID:CO/uxKdO0

(そして…)


渡辺「さてさて、今日は勝てるかな、っと」

マミ「い、いらっしゃいませ!」

渡辺「あれ、マミちゃんじゃないか。なにやってるの?」

マミ「それが、ここで働くようにと言われて…」

渡辺「あー、なるほど。うん」

マミ「あ、あの…?」

渡辺「いいんじゃないか? ここなら、兵士の監視があるから、安全だろうし」

マミ「でも、この格好は…」

渡辺「俺は似合ってると思うけど。エロいし」

マミ「エ、エロ…!」

渡辺「はいはい。いいから案内する。さぼってたら兵士に怒られるぞ」

マミ「じ、じゃあ、こちらになります…」

渡辺「一発当てて、すこしでもペラを返さないとなぁ…」



88 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:17:12.30 ID:CO/uxKdO0

(数日後…)


収容者A「おい、プレイルームにあの子が働いているらしいぞ」

収容者B「なんでもバニーの格好をしているとか…」

収容者C「噂だと、あそこで大当たりを出せばあの子と1日だけ…」



89 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:17:40.73 ID:CO/uxKdO0


マコンデ「所長。ここ数日の、収容者の労働力が大幅に上がっています」

ヘルガ「そうか。あの小娘をプレイルームに配置したのは正解だったな。うわさも尾ひれがついてうまく機能しているようだ」

マコンデ「ただ、リフレッシュ小屋の利用者も増加してるようですか…」

ヘルガ「労働量が増えれば当然だろう。さしたる問題はない」

マコンデ「ところで、あの服はまさか所長の…」

ヘルガ「団長の私物だ! バカモノ!」



90 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:18:13.28 ID:CO/uxKdO0

―宿舎―


落田「いやー、マミちゃんが安全に働ける場所ができて、よかったでやんす」

マミ「ちっともよくありませんよ! 色んな人にじろじろ見られて恥ずかしくて…」

6主「まぁまぁ、ずっとウチの班の連中がガードに付くわけにもいかなかったし。
   安全な所にいれられるだけよしとしないと」

小杉「けっ、良いよな。あんな服きて台に連れて行くだけでペラがもらえるんだから」

倉刈「マミさんはまだ子供ですから。あんまり無理はさせられませんよ、小杉くん」

小杉「小杉『くん』? 『さん』だと、何度いったらわかるんだよ!」

倉刈「ああ、すみません。小杉くん」

小杉「けっ、このバカ! 俺はもう寝るぞ!」スタスタ



91 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:18:59.28 ID:CO/uxKdO0

マミ「私、嫌われているんでしょうか…」

落田「小杉は、誰に対してもあんな感じでやんす。気にする必要はないでやんすよ」

マミ「ちょっと前まで好きだった野球選手に、顔も名前も似てるんですけど、中身は別人ですね…」

落田「ああ、それなら似てるんじゃなくて本人でやんす」

マミ「え?」

6主「それって小杉優作選手のことだろ? 本人だよ。あれが本物の小杉」

マミ「え、だって、え?」

落田「なにがあったかは知らないでやんすけど、こんなところにくるまで落ちぶれたのでやんす。
   入団当初は大型ルーキー選手だったのでやんすけどね」

マミ「…ショックです」

倉刈「あ、私もプロ野球選手だったんですよ。一応、チームが日本一になったこともあるんですけど」



92 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:20:16.07 ID:CO/uxKdO0


三谷「おおい、マミ助。こっちにきて酒を注いでくれ」

落田「三谷さん。マミちゃんは晩酌係じゃないでやんす!」

三谷「いいじゃねーか。一回だけだよ一回」

マミ「私は別にいいですよ?」

落田「マミちゃん、イヤなら断らなきゃダメでやんす」

マミ「いえ、大丈夫ですから…。はい」トクトク

三谷「マミ助はいい子だなー。ウチの娘とは大違いだ」グビグビ



93 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:21:20.09 ID:CO/uxKdO0

マミ「あのー、三谷さん。少し気になったんですけど、そんなにお酒飲んでペラは大丈夫なんですか?」

三谷「うぐっ…。そうなんだよなー。だからいつまでたっても、帰れねーんだよなー」ショボン

マミ「三谷さん?」

落田「三谷さんは稼いだペラのほとんどをお酒とつまみに使ってるのでやんす」

マミ「そうなんですか…」

落田「ペラを飲んでいるようなもんでやんすね。だから4年いるけど、たくわえはほとんどないみたいでやんす」

6主「4年…気が遠くなりそうだよ」



94 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:22:14.19 ID:CO/uxKdO0

6主「あれ、中田さんと布具里は?」

落田「中田さんは、風邪をひいて隔離状態でやんす。布具里はかさかさ虫に取りつかれてダウンでやんす」

マミ「かさかさ虫? そんな虫がいるんですか?」

三谷「ああ、違う違うマミ助」

落田「仕事場の音のせいでなる、精神病みたいなものでやんす。耳から音が離れなくなるのでやんすよ」

三谷「まぁ、マミ助とは無縁だろうが。なってもパニックになるんじゃねーぞ。あんまり騒ぐと兵士に撃ち殺されるからな」

マミ(…さらっと恐ろしいことを言われた気がするわ)




95 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:23:04.01 ID:CO/uxKdO0

マミ「それにしても…」

マミ(島は酷い暑さ。プレイルームの仕事は1日2ペラ。宿舎には虫が這っていて、食事にもたまに虫が入っている事がある。
   想像以上のひどさだわ。覚悟はしていたけど、ここまでなんて…)

マミ(周囲は、男の人ばかりだし…)

マミ(ケーキや紅茶は、もちろんない。そのかわり、従ってさえいれば命の危険はないみたいだけれど。一人で魔女退治をする生活が、こんなに恋しくなるなんて…)

マミ(これで『しあわせ島』。なんて皮肉が効いているの…)



96 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:23:36.17 ID:CO/uxKdO0

6主「マミちゃん、大丈夫か?」

マミ「あ、6主さん…」

6主(苦しいだろうけど、我慢してくれ。俺もこんな場所からは早く抜けだしたいんだ)ボソ

マミ(え?)

6主(こっちでも島の住人や管理棟の間取りはしらべてある。それと団長と呼ばれる人物がいるらしい。
   そいつをどうにかすれば、もっと早くこの島を脱出できるかもしれない)

マミ(あ、あの…?)

6主(とにかく、あきらめないでくれ。希望をすてないで。君はかならず日本にかえすよ)



97 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:24:12.47 ID:CO/uxKdO0

落田「あー! 6主くんがマミちゃんにセクハラしてるでやんす!」

三谷「なんだと。6主! 見そこなったぞ!」

6主「こらー、誤解だ! 落田くん!」

落田「問答無用でやんす!」



ボコボコボコボコ!!


マミ(…なんだったのかしら?)

マミ(でも、6主さんのいう通りね。あきらめたら終わりだわ。希望をもっていきましょう)

6主「マミちゃーん! 無実を証明してくれー!」

マミ「…うん。がんばりましょう」




98 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:24:59.76 ID:CO/uxKdO0

―次の日―


マコンデ「今日は2軍選手の力を見てやろう」

江川「はい、副署長様。おい、お前たち! とっとと始めるんだ」

マミ「あの、これは一体…」

落田「ああ、マミちゃんは知らないのでやんすね。これは野球班の実力テストでやんす」

マミ「野球?」

落田「BB団はスポーツに力を入れていて、収容者は各スポーツ班に配置されるのでやんす。ウチは野球班なんでやんすよ」

マミ「はぁ…」

落田「他にもマラソン班やサッカー班、重量挙げ班などがあるでやんす。
   まあ、他の班に移動することはないでやんすから、気にしないでいいでやんすよ」

マミ「悪の組織なのに、ずいぶん健康的なんすね…」

落田「育成能力もすごいでやんす。この島に来てから、メキメキと才能を開花させた人が一杯いるのでやんすよ」

6主「実力が認められると、一軍にいくことができるんだ。そうなったら待遇もよくなるし、働かなくてもペラを大量にもらえるようになる。
   こうなったら、なんとか一軍にいってペラをかせぎたいところだね」

落田「そうなったら2500ペラためられる可能性が、グッと高くなると思うでやんす。6主くんはがんばるでやんすよ」




99 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:26:16.59 ID:CO/uxKdO0

(そして…)


マコンデ「ふぁ〜あ。退屈だからそろそろ帰るか」

江川「次で最後なんですが…」

マコンデ「ん、誰だ? ああ、アイツか」



6主(よーし、ここで実力を見せてやる!)ブンブン

マミ「6主さん、がんばってくださいね」



マコンデ「んん〜? あの娘はやらんのか? 野球班なのだろう?」

江川「はぁ、子供ですから必要ないと思いまして…」

マコンデ(…いいことを思いつきましたよ!)ニヤリ



100 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:27:06.34 ID:CO/uxKdO0

マコンデ「やらせろ」

江川「は?」

マコンデ「あの娘にやらせろ。新入りだからといってやらせないのはかわいそうでしょう。野球班としての実力を見てあげますよ」

江川「わかりました、副所長様。おい、巴!」

マミ「は、はい! 何ですか?」

江川「打撃のテストだ。バットを持ってそこに立て」



101 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:27:32.19 ID:CO/uxKdO0

マミ「え?! で、でも…」

江川「お前も野球班だろう。実力テストだ。早くしろ、私に恥をかかせる気か!」

6主「おい、どういうことだ。女の子なんだから、試合に出られるわけないだろう!」

マコンデ「実力があるならそうしますよ。私は実力主義者だからな。これはそれを知るためのテストだ」

6主「嘘つけ! どうせ嫌がら…」

落田「6主くん! 抑えるでやんす! 危険分子とみなされて殺されちゃうでやんすよ」

6主「でも…!」



102 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:27:59.12 ID:CO/uxKdO0

マミ「…6主さん、大丈夫です」

6主「マミちゃん!」

マミ「私が打てたら、6主さんのテストもやってください。お願いします」

マコンデ「いいだろう」

マミ(野球なんてしたことないけど…)

マミ(でも、私が打てれば何の問題もないわ…!)




103 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:28:58.12 ID:CO/uxKdO0

(そして…)



10球 0安打



マコンデ「ふん。使えんな、やはりただの子供か。私は帰るぞ」

江川「はい、副所長様。お気をつけて…」

野球班「…」

江川「おい、貴様ら何をやっている。テストは終わりだ! さっさと仕事場に戻れ!」

小杉「…おう。わかったよ」


104 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:31:19.16 ID:CO/uxKdO0

マミ「6主さん。ごめんなさい…」ポロポロ

6主「マミちゃんのせいじゃないよ。ああほら、泣かない泣かない」

マミ「でも、せっかく一軍にいけるチャンスだったかもしれないのに…」

落田「気を落とさないでほしいでやんす。きっとまだチャンスはあるのでやんす」

マミ「…」グスグス

6主(…この子はこの島じゃ長続きしそうにない)

6主(最悪でも、あと80日後には脱出しないと…!)

(マミのやる気が下がった!)



105 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:32:05.97 ID:CO/uxKdO0

残り80日 手持ち256ペラ 犬レベル3


収入
マミ 20ペラ
6主 192ペラ

支出
リフレッシュ小屋 −12ペラ


106 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:33:44.33 ID:CO/uxKdO0

―キャラ紹介―


・小杉勇作

元・スタープロ野球。
入団1年目に新人王に輝いた実力者だったが、2年目からスランプに陥り成績が急降下。
そのまま成績が戻らず、球界から姿を消し、友人の裏切りによってしあわせ島に送られた。
昔は謙虚な性格だったが、今はとても横暴な性格になっている。
実はもの凄い秘密がある。詳細はパワポケ5をプレイ。

ピッチャー
小杉○
球速150 コントロールB スタミナB
スライダー3 フォーク3 シュート2


・三谷権造

初老の男性。野球班のメンバー。44歳
かなりの技術屋でありバイク屋を経営していたが、悪徳金融に引っかかってしまい島に来た。
そのため工場の仕事に関しては、非常に頼るになる。
酒豪で、稼いだペラは全てがビール代に消えてしまっている。
奥さんと娘さんがおり、仲も良好だった。

キャッチャー
三谷○
ミAパA走D肩B守A




107 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 21:35:02.05 ID:CO/uxKdO0

次は木曜日に投下予定です。

お読みいただきありがとうございました。


108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/18(火) 21:39:57.76 ID:rpMB1saIO

野球で魔法少女の力を使えばエライことになりそうだな
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/10/18(火) 21:49:05.57 ID:DpTdObbWo
魔法少女の力で脱出できないほどパワポケ世界って凄いの?

インキュベータ涙目じゃん。
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/18(火) 21:52:04.33 ID:ywIpZJPlo

今ならともかくこのころのパワポケはそうでもなかったはず
単純にどことも分からない島から帰るのは無理なだけじゃね
111 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 22:00:12.80 ID:CO/uxKdO0
>>106
※修正

―キャラ紹介―


小杉勇作

元・スタープロ野球選手。
入団1年目に新人王に輝いた実力者だったが、2年目からスランプに陥り成績が急降下。
そのまま成績が戻らず、球界から姿を消し、友人の裏切りによってしあわせ島に送られた。
昔は謙虚な性格だったが、今はとても横暴な性格になっている。
実はもの凄い秘密がある。詳細はパワポケ5をプレイ。

ピッチャー
小杉○
球速150 コントロールB スタミナB
スライダー3 フォーク3 シュート2


三谷権造

初老の男性。野球班のメンバー。44歳
かなりの技術屋でありバイク屋を経営していたが、悪徳金融に引っかかってしまい島に来た。
そのため工場の仕事に関しては、非常に頼るになる。
酒豪で、稼いだペラは全てがビール代に消えてしまっている。
奥さんと娘さんがおり、仲も良好だった。

キャッチャー
三谷○
ミAパA走D肩B守A


112 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/18(火) 22:04:42.51 ID:CO/uxKdO0
>>109
脱出には船が必要ですが、海にはBB団の砲戦が数隻絶えず巡回しているので、撃沈させられてしまいます。
かといって船なしでは脱出できませんし、そもそも島の位置が分からないので魔法少女単独では無理かと…。

>>110
犬井さんなら、ワルプルギスの夜相手でも勝てるますかね…。

113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/18(火) 22:18:43.28 ID:LQuQUCsE0
乙!
まあ、犬井さんなら仕方ないと言わざるを得ないし、ホンフーとか新谷でも一応なんとかなりそうではある。 そういえばパワポケ13にはQBと一瞬で契約しそうな緑髪の彼女候補がいたな…
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/18(火) 22:52:10.04 ID:+/SyqNAKo
カズは10時点で山を持ち上げたりしてるし12ならビル叩きつけたりして勝てそうな気がする
ツナミ上位の超能力者はワルプルギス以上の災害起こせそうなやつがいて困る
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/19(水) 00:48:50.46 ID:nMai9gMno
流石にワルプルギスには勝てないんじゃね?w
犬井の能力次第だけど

逆にいえば魔法少女なら組織でも上位に入れる力があるんじゃないかな
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga sage]:2011/10/19(水) 01:07:09.03 ID:kBESFA5o0
ある意味QBより凶悪な契約を迫るキャラがいるよね、パワポケ。
野球仙人とかマジンとか。
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/10/19(水) 01:11:54.28 ID:zGppd/Lb0
マジンとかは契約することによるリスクが第三者にまで被害が出ない分だけましじゃないか?
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/19(水) 01:20:23.90 ID:oF09k1bIO
その代わり当人のリスクがヤバイけどな
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/19(水) 01:56:20.39 ID:hYpAZ8oSO
マジンは心があるだけQBよりマシだ
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/19(水) 07:05:48.83 ID:uEABlJxOo
心があってあの契約持ちかける方がタチが悪いって考え方もあるけどな
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/19(水) 16:23:56.80 ID:wpMzFGDU0
犬井は存在するものなら殺せるらしいがワルプルはどうなんだろう。
ホンフー先生はバジリスクの能力があるから傷つけることができるならいけるな。
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/19(水) 18:25:57.10 ID:lXYq6bST0
でもバジリスクがワルプル倒せるかと言われれば無理と言いたくなる
能力はチートでもバジリスクには(笑)とかつけたくなる
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/19(水) 21:02:14.48 ID:wpMzFGDU0
バジリスク自体は小物だからな。
ホンフーみたいな奴が傷付けたものを生物非生物問わず[ピーーー]なんてチート持っちまったからヤバくなったけど。
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/10/19(水) 21:18:51.63 ID:YZZVmfwCo
お前らが一体何の話をしているのかがわからない……
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/19(水) 21:37:05.88 ID:oF09k1bIO
エッ?ヤキュウノハナシデスヨ…ハハハ
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/19(水) 22:46:39.27 ID:lXYq6bST0
ヤキュウガデキテ、タノシイナ
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga sage]:2011/10/19(水) 23:57:54.15 ID:kBESFA5o0

 し あ わ せ
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/20(木) 00:09:59.11 ID:1ZYYx2hD0
どうでもいいことだけど前々からしあわせ島編とカイジの地下編が妙に似てると思う
主人公がやって来た経緯がでかい様で小さかったり(パワ6主は未来からやって来て野球に負けた、カイジは大企業の社長に噛み付いたが返り討ちにされ、結果借金)
どっちも大本が大企業で、通貨がペラとペリカ、最後は上の人間に痛い目にあわせるとか
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga sage]:2011/10/20(木) 00:50:13.53 ID:NHALIuxY0
>>128
パロディってやつでしょう。
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/10/20(木) 02:33:28.15 ID:atahCEYHo

未来から…?見ちゃいけないネタバレだったか…?
パワプロはわかるがポケはわからないだけに、気になる単語だらけでw
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/20(木) 09:40:36.11 ID:AfXVkOmIO
6裏はそんなに関係しないから大丈夫じゃね
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/20(木) 10:09:27.77 ID:ehl3i3AR0
十三番高校の監督。フルネームは巫紅虎(ウ・ホンフー)。江蘇省の出身。
 女性の様な外見であるが男性。物語の序盤では主人公(13)にアドバイスを行った人物でもある。ジャジメント会長のジオット・セヴェルス直属の部下であり、組織内で三番目に強い事からナンバー3とも呼ばれる。正式なコードネームはバッドエンド。
 冷酷、かつ気まぐれでイタズラ好きな性格で、展開によっては危険人物である雨崎千羽矢を大神博之を利用してまでも助ける事もある。


 元々は中華系資本グループ「九百龍」の所属の暗殺者であり超能力無しでも世界五指の実力を持つ殺し屋と言われていたが、13の3年目の4年前に、ターゲットのジオットと意気投合して部下兼友人として配下に加わった経歴を持つ。
 暗殺者ではあるが、無意味な暴力は好まない主義であり、ジオットの配下となった今でも九百龍と良好な関係を保つなど、柔軟な思考の持ち主。


 超能力者であり、他人の動きや能力をコピーできる能力を持っている。パワポケ13作中ではデス・マス、バジリスク、大江和那の超能力、さらに超能力でないブラックの消える能力や、高校球児の投球フォームまでもコピーしていた。
 能力変更を行う際には「ドゥームチェンジ・○○」と発言するが、能力使用後に台詞を述べたりするため必ずしもこの台詞を言わないと能力を変更できないわけではないと思われる。
 また、異能力を使用せずとも装甲型の戦闘員を一撃で倒すなど生身での戦闘力も高い。

なにこれェ
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/20(木) 11:37:51.87 ID:mjv5nQ7Ro
野球バラエティーのキャラだから何もおかしくないな
あくまで野球バラエティーだから
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/20(木) 12:40:58.24 ID:AfXVkOmIO
ほーむらんをうつけどひっともうつよ
135 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 21:55:05.98 ID:kq+/1whG0
>>124
ある意味、まどか以上に絶望しかない世界観ですんで…。

続きを投下します。
136 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 21:55:47.22 ID:kq+/1whG0

―朝―


6主「10日でかせいだペラが、二人で200ペラか…」

マミ「このままじゃ、あと80日で2500ペラには届きませんね…」

6主「かといって、これ以上仕事は増やせそうにないし。なにか方法を考えないとなぁ」

マミ「そうですね…」




137 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 21:56:38.36 ID:kq+/1whG0

6主「ところで今日の健康診断はなんだったんだ?」

落田「たまに、こうやって予告なく健康診断が行われることがあるのでやんす」

マミ「何かへんな注射も打たれたんですが…」

落田「予防接種じゃないでやんすかね。こんなさいはての島でやんすから、変わった病気があるのかもしれないでやんす」

6主(本当にそうなのか…?)

マミ(何故か体が軽い…。こんな感じ、始めて。もう何も怖くない!)


(マミのやる気が上がった!)



138 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 21:57:57.77 ID:kq+/1whG0

6主「さて、今日も仕事場に行くか…あ」

ヘルガ「…」

マミ「所長…!」

ヘルガ「…ん。なんだ小娘か。どうだ、島には慣れたか?」

マミ「…おかげさまで」

ヘルガ「ハハハ、どうやらまだ目は死んでいないようだな。それくらいの元気がなければ、この島ではやっていけんぞ」

マミ「…そうですか」



139 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 21:58:54.92 ID:kq+/1whG0

6主「所長は、なにをしておられるんですか?」

へルガ「なに、本を読んでいただけだ。…そうだこの本をやろう」

6主「え、いいんですか?」

へルガ「何度も読み返すような内容でないからな。それにこの島では、小娘には娯楽がなかろう。壊れてもらっても困るからな」

6主(ふーん…冒険小説か)

マミ「…結構です」

ヘルガ「こんな島では、なにか楽しみがなければやっていけないのは、お前も十分わかっているだろう。
    一時の屈辱に甘んじてでも未来を繋ぎ止めることは、恥ずかしいことではないぞ、小娘」

マミ「…」



140 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:00:35.83 ID:kq+/1whG0

6主「では、お借りします。所長」

マミ「6主さん!」

6主「まぁまぁ、少しでも息抜きできることがあるのはいいことだよ」

ヘルガ「読み終わったら感想でも聞かせてくれ。…仕事場に戻れ」

6主「わかりました、所長」



141 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:01:36.55 ID:kq+/1whG0

マミ「…6主さんて。プライドがないんですね」

6主「かっこ悪いけど、危険分子として射殺されるわけにはいかないからね」

マミ「それにしたって…」

6主「それと、はい」

マミ「え?」

6主「夜中とか、不安であんまり眠れていないでしょ。本を読めば、すこしは落ち着くかもよ」

マミ「…ありがとうございます」

マミ(鈍いのか鋭いのか、よくわからない人…)



142 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:02:36.74 ID:kq+/1whG0

―プレイルーム―


マミ(6主さんのいう通り、このままじゃ後80日で2500ペラは溜められない…。
   かといってこの島に+100日もいられないわ。早く帰って魔女退治に戻らないと…)

マミ(いっそのこと、プレイルームで…。でも、ギャンブルなんてリスクが大きすぎるわ)

渡辺「マミちゃん、順番いいかな?」

マミ「あ、渡辺さん。いいですよ。では、こちらの席へ」

渡辺「ここ最近、プレイルームの利用客が増えたよな。おかげで、なかなか順番がまわってこないよ」

マミ「…渡辺さんは今日もギャンブルですか? そんなことしてたら、いつまでたっても島から出られませんよ?」

渡辺「島をでるペラをためる前に、返さなきゃいけないペラがあるんでね。そうもいってられないのさ」

マミ「え?」



143 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:05:11.96 ID:kq+/1whG0

(渡辺はマミに説明をしました)

マミ「…呆れました。色んな人たちから、だましてペラを借りているんですか?」

渡辺「失礼な。ちゃんと利子をつけて返すんだから、だましているわけじゃないよ」

マミ「返す当てもないのに借りるのは、詐欺と変わりませんよ?」

渡辺「そう言わないでくれよ。しかし、そろそろ返さないと怒る人が増えてきていてね。ここで一発当てでもしないと、俺の明日がない」

マミ「だからってギャンブルは…」

渡辺「ま、これも俺なりの責任の取り方ってやつでさ。手持ちのペラじゃ返しきれないしね」



144 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:07:11.99 ID:kq+/1whG0

マミ「そんなに借りているなら、いっそのこと一人からたくさん借りて、借金を一元化したらどうです?」

渡辺「ん?」

マミ「そうすれば急場はしのげますし、時間も出来てコツコツ働いて返せますよ?
   嫌なことは一度にまとめてしまうのと、同じ考えです」

渡辺「…そうか、そういう手もあったか。しかし、よくそんなこと思いつくね」

マミ「一人暮らしをしてましたから。何かと効率よくやらないといけないんです」

渡辺「俺もひとり暮らしだったんだけど。うーん、女の子はやっぱり違うな」

マミ「でも、ちゃんと返さないといけませんからね。一人だからって踏み倒すのは無しですよ?」

渡辺「んー、わかってるわかってる。よっぽどのことがない限りちゃんと返すから。よし、そうと決まれば借りてこよう」タタタ

マミ(あの様子だと、踏み倒すつもりかしら。借りられる人はご愁傷様ね…)


渡辺(借りるのは6主くんかな。時間がかかっても、許してくれそうだし)

渡辺(でも、借りっぱなしも悪いから、ちょっとまじめに野球もするかな)


(渡辺がパワーアップしました!)
(マミのやる気が下がった!)



145 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:07:50.05 ID:kq+/1whG0

―広場―


中田「おう、マミちゃん。調子はどうだ?」

マミ「あ、中田さん。まぁまぁです」

中田「どうだ、メシの時間までキャッチボールをしないか? みんな疲れててやってくれないんだよ」

マミ(キャッチボール…。また、前みたいに急に野球をやらされるかもしれないから、練習したほうがいいかしら?)

マミ「そうですね、やりましょう」

中田「よし、それじゃ、あっちでやろう!」



146 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:08:27.28 ID:kq+/1whG0

中田「おお、だいぶさまになってきたな」シュ

マミ「でもまだ、上手く投げれなくて…」ヒョイ

中田「やったことないなら、こんなもんだよ。ととと」

マミ「あああ、すみません!」

中田「しかしこんなんじゃ、次の試合は出せそうにないな」シュ

マミ「試合?」ヒョイ

中田「20日ごとにBB団一軍との試合があるんだよ。勝ったらペラがもらえるんだけど、負けたらペラを払うんだ。全員でね」シュ




147 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:09:59.44 ID:kq+/1whG0

マミ「え…?」

中田「6主くんの実力もよくわかんないし。ここ最近勝てた覚えがないから、こりゃあまた負けかな。50ペラ用意しないと」

マミ「50ペラも払うんですか?!」

中田「ああ、一人ね。マミちゃんも払うだろうから、6主くんにいって用意してもらったほうがいいよ」

マミ(50ペラも払うだなんて…。二人で100ペラ。これじゃあ2500ペラがますます遠く…)

マミ(もしかしたらもう帰れないのかしら…)


(マミのやる気が下がった!)




148 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:10:50.21 ID:kq+/1whG0

―宿舎―


マミ(はぁ…今日も今日とて粗末な食事。こんなのでも、貴重だから食べないと…)

マミ(何で私がこんな目に合ってるのかしら。しかも、帰れる算段がまるでないなんて…)

マミ(もう嫌…)

マミ(…)イライラ



149 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:11:40.14 ID:kq+/1whG0

小杉「おい、ガキ! 落田! ちょっとこい!」

マミ「な、なんですか?!」

6主「小杉! マミちゃんに何をするんだ!」

小杉「野球の特訓だよ! 次の試合はどうしても勝たなくちゃいけないんだ。こいつに足を引っ張ってもらっちゃ困るんだよ!」

6主「なんだよ。またプレイルームで負けたのか?」

小杉「うるさい! 落田、お前はキャッチャーやれ! こいつには、せめてヒットの一つでも打ってもらわなきゃいけないんだ!」

落田「オイラ、今日はもう寝たいでやんす…」

6主「おい、小杉いい加減に…」

小杉「なんだよ。このままじゃ足手まといなのは本当のことだろ。試合に負けてもいいのか?」

6主「それは…」

小杉「別に煮て食ったりはしねぇよ。俺も、こんな所に流されてきたバカなガキに興味はないからな」

マミ「…」ブチッ



150 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:12:55.73 ID:kq+/1whG0

マミ(…ふふふ)

マミ(我慢の限界だわ…!)

マミ(何で私がこんな目に合わなきゃいけないのよ! 好きでこんなところに来たわけじゃないわよ!)

マミ(こうなったら、魔力を使っても構わない…)

マミ(マミ、この鬱憤をこの人に叩きつけてやるのよ!)

マミ「よろしくお願いします! 小杉さん!」

小杉「俺は手加減はしないからな、覚悟しておけよ」

落田「…まぁ、ヤバそうになったらオイラが止めるでやんすよ、6主くん」

6主「大丈夫かなぁ。っと、俺も少しでも野球の練習をしないと」




151 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:14:07.56 ID:kq+/1whG0

―翌日―


6主「結局、昨日はどうなったんだろ。あ、マミちゃん」

マミ「おはようございます。6主さん」

6主「大丈夫だった? 消灯時間ぎりぎりまで外にいたみたいだけど」

マミ「ええ、大丈夫ですよ。いい練習になりました」スタスタ

6主「元気そうだから大丈夫かな? あ、落田くん、ってずいぶん疲れているね」

落田「ろ、6主くん。マミちゃんはタフでやんす…。野獣でやんす…」

6主「なにをいってるんだ」

落田「人は見かけによらないでやんすよ、6主くん」

6主「小杉は…リフレッシュ小屋か。アイツまたサボってるな」

落田「あんなにされたら当然でやんす…」

6主「そういえば、そろそろ1軍との試合か。今度は試合に出れるかなぁ…」



152 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:15:01.28 ID:kq+/1whG0

―夜―


落田「…毎日これはキツイでやんす」

小杉「…」シーン

マミ「…」ペラペラ(読書中)



マミ(はぁ…小杉さんにストレスをぶつけてもしょうがないわ。明日になったら、謝りましょう)

マミ(でも、少しはボールを打てるようになったわ。これで、足手まといにならずに済むかしら?)

マミ(とにかく。明日は試合よ。悔いのないようにしないと…)

マミ(さて、寝る前にトイレへ…)



153 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:18:51.17 ID:kq+/1whG0

―外―


マミ「…」ヒタヒタ

マミ(消灯時間を過ぎると本当に暗いわ。足元には気をつけないと)

マミ(トイレも外にあって本当に不便。日本って、あんなにも住みやすい国だったのね…)

マミ(…あら?)

マミ(あそこに誰かが…。暗くて顔は…)



154 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:21:19.94 ID:kq+/1whG0

???「…班長、これを」

江川「これは…ははは、君もここでのやり方がわかってきたようだね」

???「では、明日の試合はお願いしますよ」

江川「ああ、いいだろう。君をスタメンで出そう」

???「ありがとうございます、班長」

江川「いやいや、君の善意に対しては当然の事だろう? はっはっは」

マミ「…」



155 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:24:08.68 ID:kq+/1whG0

―試合の日―


6主「よし、今日は一軍と試合だ!」

江川「おい、6主。今日はお前、スタメンだから。頑張れよ」

6主「ようし、頑張るぞ!」

マミ「わたしは控えですね。がんばってください」

6主「うん、がんばるよ。あれ、小杉は?」

落田「マミちゃんとの練習の疲れがたまって、今日はダウンでやんす」

6主「なんだよ、エースなのにだらしがないな」



156 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:26:16.01 ID:kq+/1whG0

(そして…)


マミ「最終回で5-3。負けちゃってますね…」

落田「6主くんが頑張ってヒットを繋げてるでやんすけど、布具里くんが炎上して台無しでやんす」

布具里「いや〜、悪い悪い」

三谷「こりゃあ、今日も負けだな」

中田「下位打線だしな、さすがに無理だろ」



157 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:28:53.94 ID:kq+/1whG0
落田「あ、下山くんが打ったでやんす」

布具里「地味に活躍するよな。守備も上手いし」

落田「あ、中久保くんが続いたでやんす。これはチャンスでやんすよ! 一発決めれば、サヨナラでやんす!」

渡辺「次は、6主くんか。今日は調子がいいから、ひょっとしたらひょっとするかもな」

落田「あれ? 6主くんの様子がおかしいでやんすよ?」


158 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:32:49.67 ID:kq+/1whG0

マミ「6主さん! しっかりしてください!」

6主「ううう…」

落田「6主くんしっかりするでやんす!」

三谷「こりゃあ、ヤバいな。ドクターを呼ぶか」

6主「だ、大丈夫です。今、打席に行きますから…」

倉刈「ああ、だめですよ。ここでは体を壊したらお払い箱なんですから安静にしないと」




159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/20(木) 22:35:50.33 ID:6w+SiImIO
下山くん地味にいい選手だよな
立ち絵会話一切ないのに
160 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:36:47.14 ID:kq+/1whG0

落田「休憩時間を返上して野球の練習なんかするからでやんす。ただでさえ仕事を増やしてたのに、無茶しすぎでやんすよ」

マミ「え? そ、そうだったんですか?!」

6主「だ、大丈夫、大丈夫…」

三谷「はいはい。病人はゆっくり養生してろよ」

渡辺「とにかく、これじゃあ打てそうにないな。誰か代打で出ないと」

マミ「6主さん…」



161 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:39:40.69 ID:kq+/1whG0

マコンデ「2軍は何をやってるんだ?」

BB兵「はぁ、なんでも6主とかいうバッターが過労で倒れたとか」

マコンデ「な〜んだ、またアイツか。だらしがないやつだな」

BB兵「今、誰を代打で出すか決めているそうです」

マコンデ「そんなものに私の貴重な時間を使わせる気か? 面倒だから、またあの小娘にやらせろ。
     どうせ2軍なんて誰が出ても一緒だからな」

BB兵「はっ!」



162 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:43:13.04 ID:kq+/1whG0

(そして…)


落田「副所長の命令で、マミちゃんが代打になっちゃったでやんす…」

布具里「こりゃあ、負けは確定か。あ〜あ」

三谷「マミ助。怪我だけはするなよ」

倉刈「6主くん、とりあえずベンチに寝かせましたよ。あとドクターを呼びました」

マミ「…はい。がんばります」ゴゴゴ

落田「…なにか様子がおかしかったでやんすね? ありゃ、寒気がするでやんす」ブルブル



163 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:46:17.32 ID:kq+/1whG0

マミ「…」

マミ(虐げられた扱い…! 不当な要求…! 理不尽な境遇…! 汚い大人…!)

マミ(もう、うんざりだわ…!)

マミ(魔力で体も強化したわ。ふふふ、何か黒いものが体から湧き上がるわね…!)

マミ(練習したせいで、ボールの軌道もよく見える…!)

マミ(この溜まりに溜まった鬱憤を叩きつけてやるわ!)



164 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:48:37.13 ID:kq+/1whG0

孫「…!」シュッ

マミ(腑抜けたストレート。案の定舐められてる!)

マミ「…」グッ

マミ(こんな現実なんて…吹っ飛ばすわ!)



マミ「ティロ・フィナーレ!」カッキーン! 



マミ「…」フッ

全員「…え?」



165 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:49:53.49 ID:kq+/1whG0

―宿舎―

6主「それじゃあマミちゃんがサヨナラホームランを打ったのか?」

落田「すごかったでやんす! あまりの出来事にみんな絶句してたでやんす!」

マミ「6主さん、6主さん! それよりこんなにボーナスをもらえたんですよ!」ドサ

6主「え、300ペラ?! どうしてこんなに…?」

マミ「6主さんと私が、それぞれ個別で50ペラのボーナスだそうです!
   6主さんが3打席3安打。私は最後のホームランが評価の理由だといわれました!」

落田「それから1軍に勝ったので、全員に100ペラのボーナスでやんす。しめて300ペラのボーナスでやんすね」

マミ「それで、考えたんですけど6主さん!」

6主「な、なに? マミちゃん?」

マミ「野球でペラを稼ぎましょう!」


(マミのやる気が上がった!)




166 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:50:43.44 ID:kq+/1whG0

残り70日 手持ちペラ587ペラ 犬レベル15


・収入
マミ 20ペラ
6主 205
試合ボーナス 300ペラ

・支出
渡辺の借金 −150ペラ
リフレッシュ小屋 -12ペラ
??? −30ペラ



167 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:51:20.09 ID:kq+/1whG0

―キャラ紹介―


・渡辺彰俊

親の多額の借金を抱え込み、返済のためにしあわせ島にやってきた元フリーターの男。
借金癖は親譲りで、同じ班の人間からも借金をしている。
ペラを貸し続けると、最後に利子と特殊能力をつけて返してくれるが、そこまでイベントが進まないとペラを持ち逃げされる。
ハイリスク・ハイリターンなイベントの人物。

セカンド
渡辺○
ミAパB走A肩B守B


・下山&中久保

モブチームメイト。ゲーム中には人物として登場しない。
が、モブとは思えない驚異的な能力値と鉄壁の守備・中々の打率を誇るため、妙に印象に残るモブ。
よっぽど良い当たりでない限り、飛んだ打球はほとんど処理する。

センター
下山
ミAパD走A肩A守A

レフト
中久保
ミAパD走A肩C守D



168 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/20(木) 22:52:25.41 ID:kq+/1whG0

今日はここまでです。

次の投下は土曜日になります。
お読みいただき、ありがとうございました。
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/10/20(木) 22:54:41.81 ID:eTtqMRPB0
漆黒のオーラを纏ったマミさんwwww
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/10/20(木) 23:18:48.56 ID:atahCEYHo

途中に入るやる気やステータスUPが何気に好きだww
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga sage]:2011/10/21(金) 00:06:56.82 ID:MCR+Va/e0
あれ、野球してるぞ?
なんのSSだっけこれ
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/21(金) 01:02:29.47 ID:og08emb+o
野球風ファンタジーSSだろ
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/21(金) 09:30:03.72 ID:6leaRorIO
いや野球風アドベンチャーSSじゃなかったか
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/10/21(金) 12:43:02.10 ID:ekDRpAX8o
俺は野球風テーブルトークだと思っていたが
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/21(金) 19:21:17.97 ID:Uskd+weA0
このころってメロンパン工場の人は何やってるんだっけ
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/21(金) 20:14:57.47 ID:hN8NgsRn0
>>175
どっかの支社の部長か社長くらいじゃね

このころのパワポケの野球はホント酷かった
今のやつは普通に楽しめてるけどね
>>128
ジオット「制裁っ…!今やる気なく「はあ…」と言った君…制裁…!」
こうですか?わかりません
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [hage]:2011/10/22(土) 01:28:02.24 ID:N0V8eRYV0
>>175
小物の副官やってんじゃないの
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/22(土) 09:36:13.77 ID:r6lIxksDO
孫さん涙目w
179 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:30:35.49 ID:ZZnsxWKX0
続きを投下します
180 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:31:12.92 ID:ZZnsxWKX0

―管理室―


ヘルガ「あの小娘が、試合でホームランを打っただと?」

マコンデ「はっ、それはもう見事なもので…」

ヘルガ「ドクターがなにかしたのか? 無理な投薬をしたのなら…」

マコンデ「確認しましたが、特別なことは何もしていないそうです。そもそも、貧弱そうな被献体には興味はないとか」

ヘルガ「ふむ…、では小娘との相性が良かったということか」

マコンデ「どうしますか? 良いデータが取れるなら別の班にでも…」

ヘルガ「いや、しばらくは様子見だ。収容者の作業効率も上がっていることだしな」

マコンデ「はぁ…」

ヘルガ「ところで、収容者の謎の死亡事故はどうなっている? 調査は進んでいるのか?」

マコンデ「そちらの方ですが、まだ原因は…」



181 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:32:01.96 ID:ZZnsxWKX0

―広場―


落田「野球でペラをかせぐ、確かにそれしかないかもしれないでやんすね」

マミ「いいアイデアですよね! 聞いたら、打撃のテストでも良い結果を出せばペラがもらえるそうじゃないですか!
   これしかありませんよっ!」

落田「でも昨日の試合は、不意打ちみたいな部分が大きいでやんす。次の試合でも勝てるとは限らないでやんすよ?」

マミ「だからみんなで練習しようと思うんです。ペラを払えばグラウンドを使えるんですよね?
   だったら、もっと練習してみんな上手くなればもしかしたら…」

落田「まぁ、確かにみんな、昨日のマミちゃんと6主くんの活躍でやる気は上がってるでやんす。
   練習しようっていえば、ついてきてくれるかもしれないでやんすね」



182 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:32:34.54 ID:ZZnsxWKX0

マミ「そういえば、6主さんはどうしたんですか?」

落田「そういえば見ないでやんすね。どこにいったやんしょうか」

6主「…」トボトボ

マミ「あ、6主さん! って、その顔どうしたんですか!」

6主「…ああ、落田くんにマミちゃん。おはよう」

落田「また、兵士に反抗したんでやんすか? そのうち本当に死んじゃうでやんすよ?」

6主「…それより、ちょっと手伝ってもらっていいかな? マミちゃんは早く仕事場に…」

マミ「あ、私も手伝いますよ。まだ時間もありますから」

6主「いや、でも…」

マミ「大丈夫です。それより、何をするんですか?」



183 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:34:01.08 ID:ZZnsxWKX0

―墓地―


落田「…」

マミ「あの、この人は…」

6主「さっき、副所長にゲロをかけちゃってね。ずっと調子が悪そうだったんだけど、そのせいで兵士にボコボコに…」

マミ「ひ、ひどい…」

6主「…助けようとしたんだけど、無理だったよ」

落田「6主くん。今後はそんなことになっても、絶対に手を出したらいけないでやんす。そんなのバカのやることでやんすよ。
   マミちゃんも肝にめいじておくでやんす」

マミ「落田さん、でも…」

落田「6主くんやマミちゃんがこんな姿になるのは、おいらは嫌でやんすよ」

マミ「でも…!」

6主「いや、いいんだ。落田くんのいうとおりだよ。手伝いありがとう。さ、早く仕事場にいかないと…」

マミ「6主さん…」

マミ(魔法少女なのに、こんな時に何もできないなんて。でも魔女を倒せば解決するという話ではないし…)

マミ(私って、こんなに無力だったのね…)


(マミのやる気が下がった!)



184 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:36:10.82 ID:ZZnsxWKX0

―グラウンド―

6主「けっこうみんな集まってくれたなぁ」

落田「マミちゃんが、がんばって呼びかけをしてくれたでやんすからね」

三谷「マミ助が前の試合であれだけがんばったんだから、俺たちもがんばらねーとな」

渡辺「ペラの件で世話になったし、練習なら付き合うよ」

マミ「みなさん…。ありがとうございます」

6主「さて、じゃあマミちゃんの特訓と行こうか」

マミ「よろしくお願いします」

落田「守備はやったことないでやんすよね? それじゃあ、まずどこを守るか決めるでやんす」



185 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:37:24.40 ID:ZZnsxWKX0

(そして…)


6主「うーん、やっぱりファーストかな。そこなら、俺と同じポジションだから教えられるし」

落田「能力が低いなら、たいていファーストになるでやんす」

マミ「じゃあ、そこでお願いします。野球のことはまだよくわかりませんけど、がんばりますから」

6主「と思ったけど、マミちゃん意外と肩もいいんだよなぁ。キャッチャーや外野もなかなか…」

落田「いきなり配球を考えるとかムリでやんす! それに遠投も難しいから、やっぱりファーストがいいでやんすよ」

6主「でもしばらくは代打要員かな。守備は難しいし、それなら打撃を伸ばしたほうが良いよね落田くん」

落田「そうでやんすね。じゃあ布具里に投げてもらうでやんす」

布具里「よ〜し、いくぞ〜」

マミ「お願いします!」




186 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:38:37.07 ID:ZZnsxWKX0

(そして…)


マミ「ティロ・フィナーレ!」カキーン

布具里「…」

落田「なんというか、ホントにバッティングはすごいでやんす…」

6主(…というか、どう考えてもおかしい。明らかに女子中学生の身体能力じゃないぞ?)

落田「布具里が完全に自信を失っているでやんすね」

6主「まあ、すぐに立ち直るだろ」

マミ「6主さんどうですか? とりあえず、打てるボールは全部打ってみたんですけど」

6主「う、うん。打撃は問題ないから、あとは守備かな」

落田「じゃあ、ノックの準備をするでやんす」

6主「ところで『ティロ・フィナーレ』ってなに? 『最終射撃』って、これバッティングなんだけど…」

マミ「あ、意味わかるんですか? 必殺技なんです! かっこいいですよね!」

落田「おお、わかるでやんす! 必殺技はロマンでやんす! 様式美でやんす!」

マミ「ですよね! ロマンですよね!」

6主「…まぁ、タイミングが取れてるならいいか」




187 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:39:41.57 ID:ZZnsxWKX0

(そして…)


落田「つかれたでやんす〜」

6主「よし、今日はここまでにしよう」

マミ「みなさん、ありがとうございました!」

中田「まぁ、俺たちもいい練習になったしな」

倉刈「あ、片付け終わりましたよ」


(ぐう〜)


6主「しかし、すごく腹が減ったなぁ〜」

落田「オイラも減ったでやんす〜」

マミ「でも夕食までは、まだだいぶ時間がありますよ。材料と火さえあれば、何か作れるんですが…」

落田「そうでやんす! 海で魚を釣って食べるでやんす! どうでやんすか?」

6主「よし、釣りに行こう!」

マミ「でも、いいんですか? 兵士に見つかったら…」

落田「秘密の場所があるでやんす。たまにシャワー代わりに汗を流したりもしているでやんすよ」

6主「じゃあ、そこに行ってみようか」



188 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:40:32.42 ID:ZZnsxWKX0

―海辺―


6主「うまかったなぁ〜」

落田「いっぱい釣れて、ラッキーだったでやんす〜」

6主「マミちゃん、料理も出来るんだね。おいしかったよ」

マミ「焼き加減を調整しただけですけど、お口にあったみたいですね。よかったです」

落田「マミちゃんがいてよかったでやんす! 最高でやんす!」

マミ「そ、そんな…」テレテレ

マミ(でも、食べて大丈夫な魚だったのかしら…。もう、食べてしまったけど)




189 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:41:13.71 ID:ZZnsxWKX0

バオ「あ、お前らは!」

インミン「あ、6主ね」

落田「あ、バオにインミンでやんす」

マミ「知り合いの方ですか? 収容者には見えませんけど…」

6主「この二人はこの島の人だよ。元々住んでいる人もいるんだ」



バオ「だれだ、この人?」

6主「俺たちと同じ収容者だよ。巴マミちゃん」

マミ「こんにちわ、巴マミです」

インミン「コンニチワね」

バオ「ふーん、女の収容者なんて珍しいな」



190 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:41:43.43 ID:ZZnsxWKX0

(そして…)


マミ「そうなんですか。BB団にこの島を…」

バオ「大人たちは砂糖とか服とかもらってだまされているけど、俺はだまされないぞ!」

6主「バオ達には、なにかあった時に協力してもらう手はずになっているんだ。
   といっても、今のところなにかしてもらう予定はないんだけど」

落田「オイラは止めろっていってるでやんすけどね。まぁ、オイラに迷惑にならない範囲なら協力するでやんす」

インミン「はい、島の果実ね。食べるよ」

マミ「あ、どうも…」



191 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:42:29.34 ID:ZZnsxWKX0

バオ「そうだ、6主! 島の洞窟でスゲーもん発見したんだぞ!」

6主「すごいもの? なにそれ」

バオ「ええと、『ニジューゴバン』? とにかくすごいんだ!」

落田「25番? それって旧日本軍の爆弾でやんすが…」



マミ(島の住人とも仲良くなって、着々と反抗の準備をしている…。6主さんって本当に何者なのかしら?)

6主「却下。ムリだな」

バオ「ええー。これであいつらをどかーんって」

落田「そこまでの破壊力はないでやんす。せいぜい、建物一つが限界でやんすね」

6主「まぁ、でもなにかに使えるかもしれないな。BB団に見つからないようにできるか?」

バオ「ああ、あいつらにはわからない場所にあるから大丈夫だよ」

落田「あ、そろそろ帰らないとまずいでやんす」

6主「それじゃあ、帰るかな。じゃあ、管理はたのんだぞ、バオ」

バオ「おう、任せとけ!」

インミン「じゃあね、マミ」

マミ「はい、さようならインミンさん」



192 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:44:49.05 ID:ZZnsxWKX0

―次の日―


落田「すまんでやんすが、今日は仕事場にいかせてもらうでやんす。三谷さんも来れないでやんすよ」

マミ「わかりました。お仕事がんばってくださいね」

落田「マミちゃんに応援されたらがんばるしかないでやんす!」スタスタ


マミ「そういえば、仕事場って具体的に何をしているんですか?」

6主「仕事場として『鉱山』と『幸せ草畑』と『兵器工場』の3つがあってね。そこで働くんだ」

マミ「『しあわせ草』?」

6主「なんでもこの島でしか取れない植物とか。そんなもん、収穫してなにに使うかは知らないけど」

マミ「それにしても、兵器工場って…」

6主「ああ、ここで作って紛争地域に売っているみたいだ」

マミ「…」



193 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:50:24.85 ID:ZZnsxWKX0

6主「俺だって、いいことだとは思ってないよ」

マミ「え?」

6主「生きるためっていっても、人を殺すものを作っているのは変わりないさ。恨まれてもしょうがないね」

マミ「そ、そんなことは…」

6主「いいんだ。肝心なことからは目をつむっている偽善者って考えるのが、普通だよ」

マミ「6主さん…」

6主「マミちゃんはその考えを忘れないでくれ。ここにいると、なにがいけないことなのか分からなくなるからさ」

マミ「…わかりました。でも6主さんも忘れないでくださいね。そういう自分の管理は、自分でやってもらわないと困ります
   良い大人なんですから、中学生に甘えないでくださいね」

6主「はは、きびしいね…」

マミ「それじゃあ、6主さん。グラウンドに行きましょうか」

6主「あ、その前に寄るところがあるんだけどちょっといいかな?」




194 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:53:13.52 ID:ZZnsxWKX0

―所長室―


6主「所長、本を返しに来ました」

へルガ「ん? ああ、そんなこともあったな」

マミ「…」


マミ(ちょっと6主さん! そう言って、所長に会いに行くなんてどういう神経してるんですか!)

6主(だって、本は返さないといけないし。それに、所長室に入るいい口実だからさ)

マミ(さっき悪いこと悪いことだと忘れないって言ったのに、それなのに所長と仲良くするんですか?)

6主(それは、それ。これは、これ。これくらいの本音と建前は使いわけないと)

マミ(…大人って汚いです)

6主(ヒドイいわれようだな)



195 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:55:27.82 ID:ZZnsxWKX0

ヘルガ「なにをコソコソ喋っているんだ?」

6主「は、ちょっとした大人と子供の意見の食い違いです」

ヘルガ「ふむ、興味深いが今はよそう。で、本はどうだった?」

マミ「…」イライラ

6主「感想ですか? そうですね…」

マミ「…」

6主「私の考えとしては…」


マミ「単純すぎますね」

6主「?!」

マミ「子供向けのつもりでしょうが、薄っぺらいです。ハッキリ言って面白くなかった、と言えばいいですか?」

6主「…」

ヘルガ「…」

マミ(…ふん!)





196 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:56:07.26 ID:ZZnsxWKX0

へルガ「なんだ、同じ意見か。まぁ、当然といえば当然か」

マミ「え?」

ヘルガ「うむ、それは私も感じた。どうやら作者は子供を意識して書いたようだが、いささか物語の掘り下げが足りない。
    子供だまし、というやつだな」

6主「子供はそういうのに敏感だから、子供もだませないんじゃないですかね」

へルガ「ハハ、なかなかいいことを言う。確かにその通りだ。子供は純粋であるがゆえに、ごまかしがきかないからな」

マミ「え? え?」



ヘルガ「どうした? 私はなにかおかしなことを言ったか? 小娘」

マミ「い、いえ。別に」

ヘルガ「もしや、私が『私の本をバカにするとは万死に値する』とでもいうと思ったのか? 心外だな」

マミ「そ、そんなことはないです…けど…」

ヘルガ「そもそも、そんな大事な本なら収容者に渡すわけがないだろう。何度も読み返すような内容でないから、渡したまでだ」

マミ「う…」

ヘルガ「まったく。挑発なら、もっと考えてからしてもらいたいものだな」

マミ「…」ズーン




197 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:56:57.82 ID:ZZnsxWKX0

ヘルガ「さて、こんなものでよければそこの棚にまだまだあるぞ」

6主「うわ、ほんとだ。小説をこんなにたくさん?」

へルガ「ここでは本は手に入りにくいから、島から出るたびについつい買ってしまうんだ。まぁ、あの部屋に比べればどうってことはないがな」

6主(あの部屋?)

へルガ「そうだな…。次はこれなんてどうだ?」

6主「…モダンホラーですか?」

へルガ「うむ、話は良くできている。いっておくが、この本のために作業をさぼったりするんじゃないぞ」

6主「はい。気を付けます」

ヘルガ「小娘もだ。別のことに気を取られて、本来の目的を忘れるなよ」

マミ「…」



198 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:57:30.99 ID:ZZnsxWKX0

―グラウンド―

マミ「ティロ・フィナーレ! ティロ・フィナーレ! ティロ・フィナーレ!」

布具里「マミちゃ〜ん、もうかんべんしてよ〜」

落田「マミちゃん荒れてるでやんすね。何かあったでやんすか?」

6主「大人の懐の深さを思い知らされたのさ」

落田「?」

マミ「ティロ・フィナーレ!」イライライラ


(マミのやる気が上がった!)




199 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:58:20.98 ID:ZZnsxWKX0

―宿舎―


落田「また、布具里がめった打ちだったでやんす」

6主「まぁ、すぐに立ち直るだろ。布具里だし」

落田「そうでやんすね」

マミ「あ、落田さん。洗濯物まとめておいてくださいね。あとで全員分持っていきますから」

落田「分かったでやんす」

倉刈「マミさん、私も手伝いますよ」

マミ「倉刈さん、ありがとうございます」

落田「それにしても、マミちゃんは明るくなったでやんすね。少し前とは大違いでやんす」

6主「ペラをためる具体的な方法が見えたからね。希望があることはいいことだよ」

落田「6主くんもがんばらなきゃいけないでやんすよ。マミちゃんとは運命共同体なんでやんすから」

6主「わかってるよ、落田くん」

落田「運命共同体だからって、手を出すのもご法度でやんすよ」

6主「人をどんな目で見てるんだよ!」




200 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 21:59:06.78 ID:ZZnsxWKX0

マミ「三谷さんも洗濯物お願いしますね」

三谷「ん…? ああ、ありがとうな、マミ助。…はぁ」トボトボ

マミ「?」

6主「どうしたの?」

マミ「今日の三谷さん、元気が無いですけど、何かあったんでしょうか…」



落田「ああ、三谷さんは禁酒に失敗したのでやんす」

6主「禁酒? あのビールは酒じゃないっていってる三谷さんが?」

落田「なんでもマミちゃんを見て、家族の居る家に早く帰ろうと決心したらしいのでやんす。
   それで、ペラのかかるお酒を止めようと思ったのでやんすよ」

マミ「でも、どうして禁酒に失敗したんですか?」

落田「今日、工場でミスしてしまったのでやんす。三谷さんが工場でミスするなんて、初めて見たでやんす」

6主「それって、お酒を飲まなかったから?」

落田「一晩飲まなかっただけで、あんなことになったのでやんす。早めに切り上げてよかったのかもしれないでやんすね」




201 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 22:00:18.03 ID:ZZnsxWKX0

マミ「三谷さん、大丈夫でしょうか…」

6主「うーん、どうにかならないかなぁ。お酒を飲まないわけにはいかないみたいだし…」

マミ「ちょっと、励ましてみます。私が力になれるかどうかわかりませんけど」

落田「頼むでやんす。こんなときは若い子の応援が一番でやんすよ」

6主「マミちゃんが元気だと、みんなやる気が出るからお願いするよ」

マミ「は、はい! がんばります!」タタタ

落田「マミちゃんの方はしばらくは大丈夫そうでやんすね」

6主「でも、こんな島にいつまでもいさせるわけにはいかないよ」



202 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 22:01:45.97 ID:ZZnsxWKX0

―野球テストの日―


江川「今日は、野球のテストをするぞ!」

6主・マミ「はい!」

江川「では打撃のテストからだ。始めろ」

マミ「6主さん! がんばりましょう!」

6主「前回はテストできなかったからね。ここで一発アピールしないと!」



203 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 22:02:38.25 ID:ZZnsxWKX0

(そして…)


6主「まぁ、こんなとこかな」

落田「今回はちゃんと受けられたでやんすね」

6主「まぁ、副所長もいつまでも嫌がらせをするほどヒマでもないんだろ」

落田「最後は、マミちゃんでやんすね。おや?」

6主「どうしたんだ? 落田くん」

落田「ピッチャーが小杉に代わってるでやんす」



小杉「お前のおかげで俺のプライドはズタズタだ…!」

マミ「あ、小杉さん」

小杉「だが、俺は元プロだ。小娘に負けっぱなしじゃいけないんだよ!」

マミ「は、はぁ…?」

小杉「俺とお前、どっちの野球の腕が上か! 勝負だ!」

落田「…しばらく、仕事場に姿を見せてなかったと思ったら特訓してたみたいでやんすね」

6主「アイツも、無駄にプライドだけはあるからなぁ…」



204 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 22:03:19.66 ID:ZZnsxWKX0

(そして…)


マミ「ティロ・フィナーレ!」カキーン

小杉「ちくしょー、次は負けないからな!」

マミ「は、はい…」

落田「あっさり返り討ちでやんす」

6主「7安打か。流石にホームランはなかったけど」

落田「それにしても凄いでやんす。また一段と打撃が冴えわたっているでやんすね」

6主「マミちゃん、成長期だからなぁ。こりゃあ、まだまだ伸びそうだ」

落田「肉体はもう十分育ちきってるでやんすけどね」

6主「…」ボカッ

落田「痛いでやんす…」



205 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 22:04:13.26 ID:ZZnsxWKX0

残り60日 手持ちペラ740ペラ 犬レベル30


収入
マミ 10ペラ
6主 108ペラ
テストボーナス マミ7安打 48ペラ 
        6主6安打 44ペラ


支出
リフレッシュ小屋 -12ペラ
グラウンド代 −50ペラ



206 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 22:10:15.39 ID:ZZnsxWKX0

―キャラ紹介―


・布具里珠男

『ふぐりたまお』
大手下着メーカー「フールグーレ」の御曹司だったが、実家の会社が倒産したためにトレジャーハンターに転向。
宝探し中にしあわせ島に流れ着き、夜な夜なしあわせ島にあるという宝を探している。
特殊能力に『ムラッ気』があり、ゲーム中に登板するとよく炎上する。ふぐりしね。
とても卑猥な顔をしている。

ピッチャー
布具里○
140km コントロールA スタミナC
スライダー4 フォーク4


・バオ&インミン

しあわせ島の原住民
BB団にしあわせ島を支配されてからは、物資を貰う代わりにBB団基地内で食事を作ったり、残飯を片付けるなどの仕事をしている。
一部島民からはこの支配に対して不満が出ており、BB団を島から追い出そうとしている。



207 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 22:11:18.66 ID:ZZnsxWKX0

―しあわせ島の仕事場について―


・鉱山

しあわせ島の鉱山で鉱物の採掘作業を行う。
ここで採掘された鉱物を使い、工場にて武器を製造する。
筋力が上がる。


・幸せ草畑

しあわせ島のみで採取できる幸せ草を栽培し、収穫する。
採取されたしあわせ草は島のドクターや、研究施設に送られている。
素早さが上がる。


・兵器工場

鉱山で採掘された鉱物を使い、武器を製造・開発する。
製造された武器はBB団の販売ルートを通して、表立って武器を買えない組織(反政府組織やテロリストなど)に売られている。
技術が上がる。


・プレイルーム

上記三つの仕事場を一回づつ回ると入れるギャンブル施設。
謎の人物・吉田よしこが受付嬢をしており、勝つとペラや仕事用具・特殊能力がもらえる。
実はサイコロを目押しできる。




208 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/22(土) 22:12:47.59 ID:ZZnsxWKX0

今日の投下はここまでです。

次は月曜日に投下予定です。
お読みいただき、ありがとうございました。
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/10/22(土) 22:14:43.93 ID:AFGL4GJ30
乙!

ポケ6をやり込みまくった俺が言うのもなんだが、
相変わらずパワポケに出てくる固有名詞は野球ゲームのそれじゃねーなwwww
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/10/22(土) 22:20:45.51 ID:SYfg1ht20
瑠璃花は肩たたきの延長をさせられる運命じゃなかったと希望を持たせてくれるss
ただマミさんしあわせ草すでに飲んでるし、逃げた後も摂取してかないといけないのかな・・・

しかしやはり6は一番野球してるなww
裏が戦争物とかファンタジー物とか忍者世界とかじゃないからだと思うけど・・・明らかに野球ゲームじゃないです本当にありがとうございました
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/10/22(土) 22:26:59.58 ID:k0At6MsG0
やっと追いついた!

パワポケ6か、懐かしいな。
小4の時、指を野球で骨折して、手術して入院した時があったんだけど、麻酔が切れて手術した所がメチャメチャ痛かったんだよね。
で、ばぁちゃんが何でも買ってあげるから我慢しなさいって言うから、SPとパワポケ6を買ってもらった。 ………その後、高い買い物したってばぁちゃんがお袋に影で愚痴ってたという思い出がある。

それを中3まで遊んでた。
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/22(土) 23:19:34.27 ID:/CG7UViIO

今更ながらプレイルームの給料安すぎだろwwwwwwww
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/22(土) 23:20:25.59 ID:/CG7UViIO

今更ながらプレイルームの給料安すぎだろwwwwwwww
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/10/23(日) 00:20:01.78 ID:KhPW7grxo

所長が良い人そうに見えるんだが…
6プレイ済みの人はニヤニヤ読んでるんだろうなww
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/23(日) 01:24:58.99 ID:tgRDtkw6o
6主逆らいまくってるけど犬レベル大丈夫かw
銃殺エンドとかやだぞww
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/23(日) 10:21:57.55 ID:tSno9srIO
確かヘルガイベで犬上がったはず
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/10/23(日) 11:23:15.87 ID:sptj+TMi0
>>216
だな。ヘルガさんマジ天使

やっぱ皆、鉱山でキツい→普通→ラク→回復を30日の試合まで続けるよね!
あとはもう練習だよね! これ定番の流れだよね!
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/10/23(日) 14:25:49.73 ID:O8am/SWl0
プレイルームで荒稼ぎしてましたサーセン
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/23(日) 22:24:34.03 ID:1famHKlu0
簡単×3→プレイルームで目押しわっしょい→犬度にのみ気をつけつつほとんど練習
普通だよな?
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2011/10/23(日) 22:26:32.17 ID:qjuf8G1AO
目押しが出来れば4日目に数千ペラ+超特とか余裕だからなぁ
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/10/23(日) 23:29:44.16 ID:sptj+TMi0
>>219>>220
一度やったことがあるがあれはいけんwwwwww
やって出来ない事は無いが異常に疲れる上成功しても失敗してもストレスめっさ溜まるんだよな
PPP狙いの時は>>217安定だと思うんだよ!

……でも、つい出来心で51日目にセンス○狙っちゃう
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/24(月) 00:51:54.92 ID:7B68by4L0
>221
子供の頃は目押しに一生懸命取り組めたけどな…
いまとなっちゃやる気もできる気もしないorz
223 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 21:39:14.33 ID:PF9orA0+0
続きを投下します。
224 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 21:41:30.21 ID:PF9orA0+0

―グラウンド―


小杉「おい、ガキ! また、どっちの野球の腕が上か勝負だ! 今度は50ペラ賭けてな!」

マミ「いいですけど…」

小杉「俺が負けるはずがない…! 俺は元スター選手だからな!」

マミ「あの、自分で『元スター』というのはどうかと…」




落田「あれから、小杉は練習があるたびにマミちゃんに勝負をしかけているでやんすね」

6主「まぁ、いいんじゃないか。マミちゃんのバッティング練習になるし、小杉もグータラから真剣に野球に打ち込むようになったしな」

落田「小杉からペラも巻き上げられて一石三鳥でやんすね。
   マミちゃんに手加減するように言わない当たり、6主くんもなかなかの悪者でやんす」

6主「ははは、何を言っているんだい落田くん。小杉が勝手に払ってくれるだけだよ」

落田「そういうことにしておくでやんす」




マミ「もうこんなことはしないほうが…」

小杉「くそっ、勝つまでやめないからな!」


(小杉がパワーアップしました)



225 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 21:42:17.15 ID:PF9orA0+0

―広場―


マミ「それにしても…」

落田「どうしたでやんすか、マミちゃん」

マミ「BB団の目的ってなんなんでしょうね。わざわざこんな島で、草の刈り取りや武器なんか作って」

落田「オイラは団長じゃないでやんすから。聞かれても分からないでやんす」

マミ「団長? 所長じゃないんですか?」

落田「ああ、ヘルガ所長はあくまでこの施設の所長なんでやんす。団長は別にいるのでやんすよ」

マミ「どんな人なんですか?」

落田「さあ? ただ相当なマニアであることは確かでやんす。たくさんの食玩やおもちゃが船で運ばれてきたのを見た人がいるそうでやんすから」

マミ(まるで落田さんみたいな人ね…)

落田「きっといいやつでやんす。マニアに悪いやつはいないでやんすからね」

6主(どっちかっていうと、悪いやつの比率の方が高そうだけど…)




226 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 21:43:56.76 ID:PF9orA0+0

6主「なあ、落田君」

落田「なんでやんすか?」

6主「この島全体が、大きな武器工場みたいなもんだよな? でも誰が買うんだ? こんな非合法なものを」

落田「世界中の犯罪者と過激派に売りつけているそうでやんす。兵隊がそう話してたでやんすよ」

6主「長距離ミサイルやロボットまで? 小さな組織でそんな高い武器を変える連中って、そんなにいないだろ」

落田「ここだけの話、武器が表だって買えない国なんかにも売っているみたいでやんす。
   それに基本的にもうけることは考えてないどうでやんすから。格安なので、買える人間は多いみたいでやんす」

6主「へ? もうける気が無い? なんだよそれ。武器をばらまくのが目的なのか?」

落田「まあ、悪の組織の考えなんてオイラには理解不能でやんす」

6主「まあ、そうだよな」

マミ「結局、謎のままですね…」




227 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 21:47:05.25 ID:PF9orA0+0

落田「まったく、武器を作るならもっといい設備を作るでやんす。わざわざこんな質素な島で作るなんて、どうかしてるでやんすよ」

マミ「そういえば、所長の部屋も質素でしたね。本はたくさんありましたけど」

6主「確かに、儲けているようには見えなかったな」

マミ「…何がしたいんでしょうか、BB団って」

落田「あ、そういえば、知ってるでやんすか? 地下の工場で巨大ロボットを作ってるでやんすよ」

6主「…何だって?」

落田「あれはよく理解できるでやんす。巨大ロボットは、悪の組織のロマンでやんすからね!」

6主(…そうかぁ?)

マミ「男の大人でも、そういうのが好きなんですか?」

6主「大きなお友達は好きなんじゃないかな?」


228 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 21:47:38.92 ID:PF9orA0+0

―所長室―



(…は依然として抵抗を…空港は一時的に…)



ヘルガ「…」

マコンデ「所長、緊急の呼び出しとはいったい何事です?」

へルガ「このテレビ放送を見ろ。リアルタイムの中継だぞ」

マコンデ「は? これは戦争…ですか?」

ヘルガ「ちがう。テロ組織アルサハクの本拠地が国軍の奇襲攻撃を受けた」

マコンデ「アルサハクというと、ウチの製品の仲介をやってたところじゃないですか! 薬や兵器が売れなくなってしまう!」



229 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 21:48:16.69 ID:PF9orA0+0


???「心配することないでやんす」

ヘルガ「これは団長!」

???「こういうこともあろうかと、ちゃんと他の販路は確保しているでやんす。じゃ、オイラは出かけてくるでやんす」

マコンデ「おお、さっそく行動ですな! ではこの私めも一緒に…」

???「いや、今日はチョコタマゴの新シリーズの買い出しでやんす」

ヘルガ・マコンデ「…は?」




230 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 21:53:18.81 ID:PF9orA0+0

―しあわせ島・村―


6主「今日は、村から食料を運ぶ作業か…」

落田「この仕事はペラが出ないでやんす。まったく、タダ働きほどやる気の出ないことはないでやんすよ」

6主「そうだね。だからさっさと片づけようよ、落田くん」

落田「ああ、早くグラウンドに行って、マミちゃんの飛び散る汗が見たいでやんす…」

6主「…」バキッ

落田「冗談でやんすよ、6主くん」タンコブ




231 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 21:55:43.72 ID:PF9orA0+0


(ぷ〜ん)


6主「ん? 甘いにおいがするな、何だろう」

落田「おいらには、そんな匂いはしないでやんすよ」

6主「いや、確かにこっちのほうから…」

落田「6主くん、犬見たいでやんすね」

村長「ん? ああ、これはですな…」

232 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 21:56:40.61 ID:PF9orA0+0

(そして…)


マミ「お酒を作ってたんですか?」

6主「ドブロク、というお酒らしいね。なんでも、昔この島にいた日本兵から作り方を教わったそうだよ」

落田「あんなの、お酒じゃないでやんす! クセが強すぎて飲めないでやんすよ!」

6主「俺も一口もらったけど、島民以外、誰も欲しがらない理由がすぐにわかったよ…」

マミ(あれ? でももしかしたら…)

6主「作り方は簡単だったけど、あれじゃあ誰も飲まないだろうな」

マミ「あのー?」

落田「ん? どうしたでやんすか。マミちゃん」



233 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 21:57:28.43 ID:PF9orA0+0

(次の日…)


三谷「グビグビ、ぷはっ…。なんでい、もう終わりかよ」

マミ「あの、三谷さん。よかったらこれ飲んでみてください」

三谷「ん、マミ助か。なんだこりゃ?」クンクン、ペロッ

マミ「一応、お酒なんですが…」

三谷「ドブロクかっ!! どれ、お味は…」ゴクン



マミ「…」ドキドキ

三谷「ぐ…きつい味だな。いや、しかしこのアクの強さがクセになるな。いったいコレどうしたんだ?」

6主「村の爺さんに作り方を教えてもらったんですよ。これでビール代のペラ、節約できますよね?」

三谷「6主、マミ助、おまえら…」グスッ

マミ「な、泣かないでください三谷さん! まだ、ありますから…」

三谷「すまねぇ。しかし、もらいっぱなしってのはオレの気がすまねぇな」

6主「それじゃあ…」

マミ「野球をがんばってもらえませんか。私たち、どうしても試合に勝ちたいので…」

三谷「そうだな、勝てばペラももらえるんだし、こんな楽しみができたんならがんばらねーとな!」



(三谷がパワーアップした!)



落田「しかし、よかったでやんすか? お酒を作るのに、6主くんのご飯を使ってしまったでやんすよ?」

6主「まあ、いいってことさ」グゥ〜



234 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 21:58:12.11 ID:PF9orA0+0

―試合の日―


6主「よし、今日は一軍と試合だ!」

江川「おい、6主。今日はお前、スタメンだから。頑張れよ」

6主「ようし、頑張るぞ!」

マミ「わたしは今日も控えですね。がんばってください」



235 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 21:58:57.52 ID:PF9orA0+0

(そして…)


落田「3-2で勝ったでやんす!」

マミ「やりましたね!」

落田「最後は小杉がいい感じで押さえてくれて、何とかなったでやんす」

6主「打線も、三谷さんが爆発してよかったな」

マミ「私の代打ホームランも、見事に決まってよかったです!」

落田「もう、マミちゃんはウチの主砲でやんすね」

マミ(野球がこんなに楽しいなんて…。見滝原でもやってみたいけど、魔法少女で忙しいからできないわよね…)


(マミのやる気が上がった!)




236 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 22:00:06.34 ID:PF9orA0+0

―宿舎―


6主「俺がボーナス50ペラ、マミちゃんが30ペラ」

マミ「それに、試合に勝った報酬で合わせて200ペラですね」

6主「うん、いい感じに溜まってきたな」

マミ「そうですね。2500ペラまで現実味が出てきたと思います」

6主「よし、このまま野球でペラを稼ぐ方法で行こう。それにはもっと練習しないとなぁ」

マミ「すこし仕事をする回数を減らして、練習に当てたほうがいいかもしれませんね。一回でも負けると、だいぶ苦しくなりますから」

6主「そうだね」



237 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 22:02:05.61 ID:PF9orA0+0

BB兵「おい、お前ら何をやっている。もう消灯の時間だぞ!」

6主「はっ、申し訳ございません!」

マミ「それじゃあ、寝ましょうか。ペラの管理はお願いしますね」

6主「分かってるよ、それじゃあおやすみ」

マミ「おやすみなさい」



238 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 22:03:00.39 ID:PF9orA0+0

―夜―


マミ(ふう、夜にトイレに行きたくなると大変ね。蛇とかいないといいのだけれど)

マミ(それにしても、臭いがひどいわ…。何とかならないかしら? 簡単な設備だから、少し手を加えれば改善しそうだけれど)

マミ(そのうち、皆さんに提案してみようかしら)

マミ(…ん?)ピクッ



マミ(これは…使い魔の反応?!)

マミ(そんな、こんな島にまで魔女がいるなんて!)

マミ(反応があったのなら、近くにいるはず…。探さないと!)




239 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 22:03:57.54 ID:PF9orA0+0

―外―


マミ(使い魔はどこに…)

マミ(こんな島だから、人死の多い場所なんてありふれているし…。せめて手がかりの一つくらいでも…)

収容者「…俺はもうダメだ。俺はもうダメだ」フラフラ

マミ(あれは…使い魔に操られている!)

収容者「…あははははは、いひひひひひ、うふふふふふ」

マミ「ていっ!」ボカッ

収容者「えへっ!」ドサ

マミ(気絶させたから、もう大丈夫よね)

マミ(さて、ということはここらへんに使い魔がいるはず…。変身!)ピカッ




240 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 22:05:30.07 ID:PF9orA0+0

―魔女空間―

使い魔「…」カサカサ

マミ(こ、こ、こ、これは…)

使い魔「…」テカテカ

マミ「ゴ○○○ーーーーーーーーーーーー! いやぁーーーーー!!!!」

使い魔「…」ツヤツヤ
使い魔「…」ツヤツヤ
使い魔「…」ツヤツヤ
使い魔「…」ツヤツヤ
使い魔「…」ツヤツヤ




241 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 22:06:00.73 ID:PF9orA0+0


マミ(無理無理無理! しかも何でサイズが大きいの?! 子供の背丈ぐらいあるじゃない!)


使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ


マミ(しかも数が多い! 何でこんなにいるのよぉ!)

マミ「こ、こっちにこないでーーーーー!」バンバンバン




242 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 22:07:12.93 ID:PF9orA0+0

使い魔「…」プシュー

マミ「はぁ、はぁ…。こ、この調子で残りも…」

使い魔「…」プリッ
使い魔「…」プリッ
使い魔「…」プリッ

マミ「え…?」


 パーン ワラワラワラ


アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ



243 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 22:08:00.66 ID:PF9orA0+0

マミ(つ、使い魔が生んだ茶色いものから、普通サイズのアレが…!)


  ワラワラワラワラワラワラワラワラワラ


マミ「「うっ、うっ……うわあああああん!」」パンパンパンパンパンパン

使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ

マミ「もう……許してよぉ……!」パンパンパンパンパン

使い魔「…」プシュー
使い魔「…」プシュー
使い魔「…」プシュー

マミ「う、え……うえええええん!!」ボロボロ



244 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 22:08:33.71 ID:PF9orA0+0

(そして…)


マミ「ひっく、ぐす、ひっく。も、もういないよ…ね…」

収容者「…」

マミ(こ、この人も、無事。使い魔はいなくなったんだよね…。そうだよね?)

BB兵「おい、こっちで何か物音がしたぞ」

マミ「ふぇ……?」

マミ(い、いけない…。ここから離れないと…)



245 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 22:09:51.38 ID:PF9orA0+0

―宿舎―


マミ(うう…。体から寒気が抜けない…)

マミ(結局、あの場から一目散に逃げ出しちゃったわ…。兵士には見つからなかったと思うけど…)

マミ(使い魔は全部倒したから、あの人も無事なはず…。おいてきて大丈夫よね?)

マミ(と、とにかく今日はもう無理! 絶対に無理! ま、魔女探しは別の日にしましょう!)




246 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 22:10:36.52 ID:PF9orA0+0

マミ(それにしても、こんな島にも使い魔がいるなんて…)

マミ(使い魔がいるということは、必ず魔女も近くにいる。被害が増える前に倒さないと…)

マミ(でも…)

マミ(あんな使い魔を使役してる、本体の魔女はたぶん…)


虫「…」カサカサ


マミ(…)ゾクッ



247 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 22:11:48.62 ID:PF9orA0+0

残り 50日 手持ちペラ1208ペラ 犬レベル45



・収入

マミ 10ペラ
6主 120ペラ
小杉との勝負 150ペラ
試合ボーナス マミ 30ペラ 
       6主 50ペラ
       勝利 200ペラ   


・支出

リフレッシュ小屋 -12ペラ
グラウンド代 −50ペラ
??? −30ペラ




248 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 22:12:42.45 ID:PF9orA0+0

―キャラ紹介―


・しあわせ島の使い魔(オリ)

 黒光りしていてつやつやしているあれ。
 小型・中型の二種類がおり、卵を産んで通常サイズ分身を産みだし攻撃してくる。
 耐久力はない。
 元ネタはパワポケ6にてプレイヤーを阿鼻叫喚させたミニゲームの雑魚キャラ


249 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/24(月) 22:13:49.22 ID:PF9orA0+0

今日の投下はこれで終わりです。


次は水曜日の予定になります。
お読みいただきありがとうございました。


250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県) [sage]:2011/10/24(月) 22:24:49.21 ID:u8eg7i5Bo

Gが分裂してくるとか想像しただけで鳥肌が立った
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/10/24(月) 22:30:50.72 ID:MYSaeuvx0
ぐおおおおおおあああああああああああ!
バッティングマシーンのために頑張ったが虫嫌いの俺にあのミニゲームはうわああああああああああ!
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/24(月) 22:42:55.00 ID:COzN2JOco


あのゴキとか…だれかレーザーとか出せる殺虫剤もってこい!!
出来ればプラズマ砲とかも欲しいな!!
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/24(月) 22:45:25.04 ID:9cJmegkt0
パワポケといえばGだよね
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/10/24(月) 23:07:19.94 ID:wRHgfXaZo

アレが増えた所は悪い意味で震えた…w
泣きながらも殲滅させるマミちゃんww
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/24(月) 23:15:42.24 ID:l+UcHpgDO
6をやったことがないから殺人クワガタを連想しとく
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga sage]:2011/10/24(月) 23:42:16.46 ID:83l1uE630
パワポケでは定番のアイツかwww
プレイヤーから苦情が出てるのにやめる気ないんだよな、コナミ
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/24(月) 23:45:43.06 ID:YtI/6Wn8o
裏のあれは毎回リアルで困る
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/10/24(月) 23:55:36.04 ID:ZRDCnzNg0
マミさんめっさ『アレ』苦手そうだよねww

俺も大嫌いです!! ゲーム的にもリアル的にも!
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/24(月) 23:56:43.27 ID:eorHHaPIO
あのミニゲーム結構面白いかった思い出がww
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/10/25(火) 02:01:10.28 ID:66xrGhi40
あれはあれでGへの耐久性があがったのは事実。
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/25(火) 16:45:05.27 ID:ft8USBgDO
あのミニゲーム好きだったから、本スレとかで真面目に嫌ってる人が多くて意外だったな
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/25(火) 17:10:42.26 ID:CWNekXnEo
だって…ゴキなんだぜ?
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2011/10/25(火) 19:18:15.66 ID:kiO257p90
3DSに移行したらあのミニゲームが帰ってくるよ!
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/25(火) 22:22:32.82 ID:q2iPsTdIO
>>262
でもゲームだぜ?
俺だって本物のGは嫌いだがあれはなんとも思わなかったわ
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 19:35:17.83 ID:cWMBKUgDO
これは期待
266 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:14:00.93 ID:juvY7v6U0
グロイ虫はパワポケの華

続きを投下します。
267 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:14:55.23 ID:juvY7v6U0

―宿舎―


6主「ふぁ〜あ」ネムネム

落田「6主くんおはようでやんす。今日はめずらしく最後でやんすね」

6主「昨日はちょっと寝つきが悪くてね。…あれ?」


三谷「マミ助。これをこっちにやってくれ」

マミ「はい、わかりました。持っていきますね」

渡辺「これは、こっちかな?」

小杉「ちげーよ。まったく、いい加減なやつだな」

布具里「いや〜、小杉にそれをいわれたらおしまいだな」

倉刈「あのー、私はなにをしたら…」



268 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:15:37.21 ID:juvY7v6U0

6主「朝から、なにやってんの?」

落田「環境改善のための、宿舎設備の改良でやんす。マミちゃんの一声で始まったでやんすよ」

6主「マミちゃんの?」

落田「まぁ、前々から匂いとか気になってたやんすからね。でも、面倒だから誰もしようとしなかったでやんす」

マミ「あ、6主さん。おはようございます。ちょっと手伝ってもらえませんか?」

6主「ああ、いいよ」

マミ「これで、少しは住み心地が良くなるといいんですが…」

三谷「まぁ、幾分かはマシになるだろ」

6主(…まぁ、いいか)

江川「…くそっ、なんでみんなあんな小娘のいうことに賛成するんだ…」ブツブツ




269 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:16:15.14 ID:juvY7v6U0

中田「しかし、マミちゃんは働き者だなあ。俺も見習わないと」

マミ「皆さんのためだけじゃなくて、私のためにもなりますから。おあいこですよ」

中田「いやいや、立派だって。俺もしっかりしないとな。お袋も待っていることだし」

マミ「え?」

中田「ん? いやさ、田舎にお袋がいるんだけど、長い間ここにいるからほったらかしになってるんだ。
   無事に帰れたら、親孝行しようと思ってるんだけど、なかなかペラが溜まらなくてなぁ…」

マミ「…」




270 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:17:04.94 ID:juvY7v6U0

マミ「…中田さん」

中田「ん?」

マミ「がんばりましょう!」

中田「へ? ど、どうしたの?」

マミ「がんばってペラを溜めて、早くお母さんに親孝行するんです!」

中田「そうなんだよ。わかってるんだよ。でも全然ペラが溜まらないんだよ。どうすれば…」

マミ「がんばるんです! がんばるしかないんです! とにかくがんばらないと、いつの間にかお母さんがいなくなってしまうかもしれないんですよ?
   それでもいいんですか?!」

中田「…そうだよな。お袋もいつまでも生きてるわけじゃないんだし。
   よし、一緒にがんばろうぜ。マミちゃん。一日も早く脱出できるように!」

マミ「はい! その意気です、中田さん!」

6主「なんか今度は中田さんが励まされてるな」

落田「ホント、マミちゃんは希望の光でやんす」


(中田がパワーアップしました!)




271 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:18:16.39 ID:juvY7v6U0

―グラウンド―


マミ「じゃあ、今日も練習しましょう!」

一同『おー!』

6主「すっかり、チームを引っ張っているな」

落田「女の子に応援されて、がんばらない男はいないでやんすからね。こんな島じゃなおさらでやんす」

6主「さて、それじゃあ俺も負けないように頑張らないと」

落田「オイラも気合を入れるでやんす!」





272 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:19:00.54 ID:juvY7v6U0

マミ「ティロ・フィナーレ!」

小杉「ちくしょう。何で勝てないんだ!」

落田「そりゃあ、今まで適当にやってたからでやんすね。体がなまっても仕方がないでやんす」

小杉「凡田は黙ってろよ!」

落田「だから、オイラは落田でやんす!」

中田「まぁ、落田は平凡だから『凡』田でもいいんじゃないか? 『落』よりはいいだろ」

落田「わーん中田さん、酷いでやんす〜」

一同『わははははは』

マミ「ちょっと、みなさんひどいですよ?」

6主「いや、ごめんごめん」

落田「やさしいのは、マミちゃんだけでやんす!」




収容者「…」




273 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:20:25.76 ID:juvY7v6U0

(そして…)


6主「うん。守備もだいぶ上手くなったね」

落田「これなら、ファーストを任せても大丈夫そうでやんすね」

マミ「でも、それだと6主さんとポジション争いになっちゃいますね…」

6主「まあ、俺がポジションを変えてもいいし。最悪、俺とマミちゃんどちらかが出られればいいよ」

落田「ショートは止めてほしいでやんす」

マミ「代打のままでも、気楽でいいんですけどね」

落田「じゃあ、守備用の必殺技を考えるでやんす!」

6主「へ?」

マミ「いいですね! 考えましょう!」

落田「取ったボールの勢いを利用して素早く送球する『ジャイロキャッチ』なんてどうでやんすか?」

マミ「私としては銃撃のような送球をする『ティロ・キャッチ』も捨てがたいんですが…」

落田「おお、それもかっこいいでやんすね!」

6主(…『射撃補球』?)



(マミのやる気が上がった!)



倉刈「それじゃあ、私は道具を片付けますね」

マミ「あ、お願いします」




274 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:21:14.90 ID:juvY7v6U0

―翌日―


マミ「そういえば倉刈さんって、どうしてこの島にいるんですか? 良い人だし、とても借金をするような人には見えませんけど…」

落田「倉刈さんは、娘さんの大学のお金を作るためにここに来たのでやんす」

6主「娘さんには昔の知り合いの人がついているから大丈夫みたいだけど、なにもいわないで来ちゃったらしいんだ」

マミ「…」

落田「マミちゃん、どうしたでやんすか?」

マミ「いえ…。私、両親がいませんから、そういう話を聞くとちょっと…」

6主「ああああああ! ごめんマミちゃん。ほら、落田くんも!」 

落田「ごめんでやんす、マミちゃん」

マミ「だ、大丈夫ですから。そんなに頭を下げないでください」





275 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:22:48.54 ID:juvY7v6U0

倉刈「あの〜何か用ですか? 呼ばれた気がしたんですが」

6主「あ、倉刈さん」

マミ「倉刈さん、娘さんに何も言わずにここに来たって本当ですか?」

倉刈「いや、恥ずかしい話で…ホントにダメな父親ですよね私…」

マミ「そんなの悲しいです。生きているって、分かっているだけでも、どんなに嬉しいか…」

落田「マミちゃん…」

倉刈「ええ、そうです。そんなことも分からなかったダメな父親なんですよ、私は…」ションボリ

マミ「…」

6主(なんとかして、娘さんと連絡できないかな? この島で、外部との連絡ができる場所といえば…)


(マミのやる気が下がった!)





276 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:23:28.49 ID:juvY7v6U0

―プレイルーム―


よしこ「はい、景品はこちらになります。また来てね〜」

マミ「また来てくださいね」

よしこ「やっぱり、マミちゃんが手伝ってくれると、客の入りがいいわね〜」

マミ「あはは…」



マミ(さっきは、倉刈さんにひどいことを言ってしまった。あとで謝らないと)

マミ(ああ、早くグラウンドに行きたい)

マミ(野球の練習もしたいところだけど、でも今日はプレイルームで仕事をしないと。あんまり仕事場から離れると、またあの所長に嫌味を言われるかもしれないし)

マミ(でも、暇があったらグラウンドに行ってみよう。チームに貢献できるように、はやく一人前にならないといけないわ!)




277 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:24:16.83 ID:juvY7v6U0

インミン「あ。ここにいたね」

マミ「あ、インミンさん」

インミン「6主、知らないか? バオが用があると言って探してるのだが?」

マミ「6主さんですか? 今はグラウンドにいるはずですが…」

インミン「グラウンド?」

マミ(あら、場所を知らないのかしら?)

マミ「よしこさん、少し休憩していいですか?」

よしこ「いいわよ〜。というか今日はもう、抜けても大ジョブよ。マミちゃん」

マミ「あ、そうですか。じゃあ、ちょっとグラウンドの方に行ってきます」

よしこ「がんばってね〜」




278 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:24:48.79 ID:juvY7v6U0

収容者「あれ、マミさんは?」

よしこ「ちょっと、用事ができたから早めに上がったわ」

収容者「なんだよ、じゃあ今日はやっぱり…」

よしこ「だめよ〜? 一度入ったらちゃんとプレイしてもらわないと。兵隊さんも見てますからね」

BB兵「…」

収容者「ちっくしょう。マミさんがいないんじゃ俺は何のために…」

よしこ「はいはい、男は度胸。しっかり、稼いでいってね〜」

収容者「ああ、マミさん…」

よしこ「一度、マミちゃんが居ることが流れれば、あとは入れ食いだわ〜」





279 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:25:27.24 ID:juvY7v6U0

―ジャングル―


6主「バオ。急にどうしたんだ? こんなところに呼び出して」

バオ「向こうだと、兵士に気付かれるかもしれないだろ? 秘密の話なんだ」

マミ「私も来てよかったんでしょうか…」

バオ「いいのいいの。秘密を知ってる仲間だし。むしろいてくれないと困るよ。…あれ、オチタは?」

6主「落田くんなら、BB兵にリフレッシュ小屋の掃除を押し付けられたってぼやいてたよ」

バオ「大変だな、6主たちも。マミは大丈夫なのか」

マミ「大変ですけど、班の皆さんが守ってくれてますから…」

6主「ところで、用は何なんだ? 世間話したいわけじゃないんだろ?」




280 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:26:22.05 ID:juvY7v6U0

バオ「そうそう! 思いついたことがあるんだ。あんたらが畑で作っているしあわせ草ってあるだろ?」

マミ「何故か畑で栽培している、妙な草ですね」

6主「あの草が、どうかしたのか?」

バオ「あれは、もともとこの島に生えていたものなんだけどさ。あれを食べると生き物が大きくなるらしいんだ」

マミ「大きくなる?」

バオ「そう。食った分だけどんどんな!」



マミ(もしかしてあの使い魔はただの…。いえ、結界があったし、大きくなったアレじゃないわよね)

6主「なんだそりゃ? 本当に?」

バオ「北側の洞窟に、ニホン人が勝っていたトカゲがいるんだ。こいつが、しあわせ草を食って大きくなったって、じじいから聞いたぜ」

6主「ふーん、…それで?」





281 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:27:48.01 ID:juvY7v6U0

バオ「だからさ、その辺の生き物片っ端から食わせて、大きくなった生き物に兵隊たちを襲わせるのってのはどうだ!」

マミ「うーん…、でも、そんなに簡単に上手くいくんでしょうか」

バオ「いけるいけるって。草なんて、畑にたくさんあるし、少し盗んでも…」

マミ「あれ? 島に生えてるんじゃないんですか、バオさん」

バオ「生えてるけど、あれだけじゃ数が足りないよ。わざわざ栽培してくれているんだから、そこを利用しないとな!」


6主「…だめだな」

バオ「えー、どうして?」

6主「まず、あの草は変な臭いがするのか、虫もよらない。だから食べさせるのは難しいな。
    次にそんな作戦だと、俺たちも村の人たちも危ない。  
    最後に…その飼われていたトカゲって、人を襲うのか?」

バオ「いやぁ、おとなしいもんだぜ。…………あっ!」

6主「根本的にダメじゃないか、やっぱり無理があるよ」




282 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:28:51.10 ID:juvY7v6U0

バオ「だめか、良い案だと思ったんだけどなー」

6主「とはいえ、良い情報だったよ。これも何かの役に立つかもしれない。俺たちの方でも考えてみるからさ」

バオ「わかった。一緒にあいつらをこの島から追い出そうぜ!」

マミ「がんばりましょう、バオさん。きっと、そう遠くないうちに解放されますよ」

バオ「あたり前だ! 絶対に自由になって見せる! だから、お前もがんばれよ」

6主「そういえば、爆弾の方は大丈夫か?」

バオ「ああ、見つかってない。もともと、ジジイが厳重に隠していたものだから。そう簡単にはバレないよ」

6主「じゃあ、引き続き管理を頼むよ」

バオ「わかった!」




283 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:29:33.03 ID:juvY7v6U0

6主「…にしても、食べると大きくなる草ねぇ」

マミ「なにか信じられません。そんな草があるなんて…」

6主「そうだよなぁ。かといって、バオがそんな嘘をつくとも思えないし」

マミ「BB団を倒すことに真剣ですからね、バオさん」

6主「しあわせ草しあわせ草…何かに役に立つかなぁ」

マミ「自分たちで食べて大きくなるとか…はダメですよね」

6主「戻る方法があれば、それもいいけどね。そもそも人間にも効果があるのかわからないし」

マミ「大きくなったら、体にどんな悪影響が出るのかもわかりませんし、ダメですねやっぱり」




284 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:30:10.99 ID:juvY7v6U0

6主「それより、そんな草をわざわざ栽培してるBB団が気になるな」

マミ「この効果を知ってる…ということになるんでしょうか?」

6主「でも、さっきも話した通り動物に食べさせることは難しいし。大きくさせたくらいじゃ、コントロールできないんだよなぁ」

マミ「口当たりなんて何とかできるんじゃないでしょうか? 敵のいる場所で、動物を大きくさせて暴れさせているとか…」

6主「制御できない兵器なんて、意味がないよ。もし失敗したら自分たちにも被害が出るんだし、買い手がつくとは思えないな」

マミ「うーん…」

6主「まぁ、BB団がそんな草を栽培している理由はひとまず置いておこう。とにかく、この島を脱出することをまず考えないと」

マミ「…」




285 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:31:20.72 ID:juvY7v6U0

マミ(でも、この島を脱出しても、この島の人たちはBB団に支配されたままなのよね…)

マミ(私たちだけ、脱出する…。それで本当にいいの?)

マミ(この島でBB団を追い出すまで、この島に滞在する。一度約束したのなら、そこまでとしないといけないんじゃ…)

マミ(島にいるのは苦しいけど…、でも…)



6主「マミちゃん、余計なものまで背負っちゃだめだよ」

マミ「ひゃっ…!」

6主「ああ! ごめんごめん。なんか色々考えているみたいだからさ」

マミ「い、いえすみません。私も変な声出して…」

6主「ゴホン。それで、マミちゃんに忠告! 余計なことまで考えないこと、とにかく島を出ることだけを考えるんだ」

マミ「はい…」

6主「君はまだ中学生だし、できないことなんて沢山ある。だからできないことがあったって、そのことを責める人間はいないよ。
   自分で何でもしようとしないで、できないことはいっそのこと他の人に任せちゃうこと! いいね?」

マミ「それでいいんでしょうか…?」

6主「良いも悪いも、出来ないことなら自然とそうなるんだからいいんだよ。
   そのかわり、自分に出来ることは一生懸命やる。それで世の中上手く回るものさ」

マミ「そういうものでしょうか…」

6主「そういうものだよ。さ、戻ってグラウンドに行こう。時間があるなら、少しでも練習しないと」

マミ「そうですね。戻りましょう」

マミ(自分に出来ることを一生懸命にやる…)

マミ(魔法少女の力を使えば、もしかしたら…)


(マミのやる気が上がった!)





286 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:31:54.36 ID:juvY7v6U0

―???―


収容者A「おい、最近マミさん、プレイルームにいないときが多いと思わないか?」

収容者B「何でも野球の才能があって、グラウンドで練習しているらしいな」

収容者C「くそっ、野球班の連中だけズルいじゃないか! マミさんを独り占めして!」

収容者D「さっきなんて、いつも一緒にいる男と人気のない場所に行っていたぞ…」

収容者E「ああ、俺たちのマミさんを…!」

収容者F「なぁ…こんなのは不公平じゃないか?」

収容者G「ああ…マミさん…マミさん…」





287 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:32:40.11 ID:juvY7v6U0

―翌日―


マミ「おはようございます」

落田「おはようでやんす」

マミ「洗濯物、乾いたのを皆さんの寝床に置いておきました」

落田「いつもスマンでやんす」

マミ「いいえ、私の方こそお世話になっていますから。このくらいはしないと」

6主「おはよう〜。ふぁ〜」

落田「今日も眠そうでやんすね? 不眠症でやんすか?」

6主「いんや、ちょっとね」

落田「まさか、就寝時間後に抜け出しているんじゃないでやんすよね? 最近、そんな人が増えていると兵士が言ってたでやんす」

6主「そうなの? いや、別にそんなことしてるわけじゃないんだけど」

マミ(あの使い魔のせいかしら。早くなんとかしないと…)




288 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:34:27.72 ID:juvY7v6U0

ワーワー ワーワー


6主「ん? なんか騒がしいな」

落田「なんかウチの班の連中と他の班がケンカしているみたいでやんすね」

マミ「ケンカですか…。あまり見たくないですね」

落田「大丈夫でやんすよ。巻き込まれそうになったら、おいらが守ってあげるでやんす!」

6主「やれやれ、また小杉かな…。ん?」




289 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:35:13.84 ID:juvY7v6U0

収容者A「おい、江川班! お前たちだけマミさんを独占してズルいぞ! 俺たちにもマミマミさせろ!」

小杉「知るかよ。ていうか、何だよマミマミって」

収容者B「マミマミはマミマミだ!」

収容者C「もう、三日もバニー姿を見てないんだぞ!」

収容者D「マミ成分が切れる!」

収容者E「そんな言葉も理解できないお前らに、マミさんを独り占めする資格はない!」

ファン一同『そーだ! そーだ!』

渡辺「なんか恐ろしいことになっているな」




290 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:36:02.36 ID:juvY7v6U0

収容者A「とにかく、江川班だけにマミさんを独占していることに異議を申し立てる!」

ファン一同「そーだ! そーだ!」

小杉「だいたい、あのガキがウチにいるのは俺たちが決めた事じゃないんだ。文句はBB団に言えよ」

収容者A「BB団に逆らったら殺されるだろう! これは俺たちとマミさんの間で決めるべき問題だ!」

ファン一同「そーだ! そーだ!」

収容者A「俺たちにマミさんをマミマミさせろ!」

ファン一同「そーだ! そーだ!」





291 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:36:35.24 ID:juvY7v6U0

マミ「…」

6主「…なんかすごいな」

落田「いつの間にか、こんなにファンがいたのでやんすね」

6主「なんで『さん』づけなんだろ」

落田「気持ちはわかるけど、こうやって見てみると気持ち悪いでやんす」

6主「…」

マミ「…」

落田「何で離れるでやんすか? マミちゃん」





292 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:37:21.82 ID:juvY7v6U0

収容者A「あ、いたぞ!」

収容者B「マミさんだ!」

収容者C「マミマミさせろ!」

収容者D「マミマミマミマミマミマミマミマミマミマミ!」



マミ「ひっ…」

落田「6主くん。ちゃんとマミさんを守るでやんすよ」

6主「何で君もさん付けなんだよ! というか手伝え!」

落田「オイラ、暴力はからっきしでやんす」

一同『マミマミマミマミマミマミマミマミマミマミ!』


(パーン)


BB兵「やめんか、バカモノども!」





293 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:38:20.42 ID:juvY7v6U0

―所長室―


BB兵「…ということがありました」

へルガ「いかんな。収容者どもにストレスが溜まっている」

BB兵「ここ最近、マミさんはグラウンドに入りびたりでしたから。姿を見れなくてストレスがたまったものと思われます」

ヘルガ(マミ『さん』…?)

ヘルガ「とにかく、収容者の要望をおいそれと聞くわけにはいかん。我々は管理者なのだからな」

BB兵「しかし、やつらの言い分ももっともですよ。野球班がマミさんを独占しているのはおかしいと」

ヘルガ「…とはいえ、どうしたものか…」

マコンデ「それならば所長。この私めに、良い考えが…」





294 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:39:04.25 ID:juvY7v6U0

―宿舎―


6主「えっ、班対抗の運動会?」

江川「うむ、10日後に行うらしい」

落田「また急でやんすね」

江川「なんでも、巴が賞品で勝った班が新しい所属班になるらしい。あとペラも、もらえるとのことだ」

マミ「え?」




295 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:40:10.33 ID:juvY7v6U0

6主「どういうことですか! 班長」

江川「知らん。ここに種目を置いておくから勝手に決めてくれ。私はもう寝る」フン

6主「あ、ちょっと!」


小杉「こいつが賞品?」

三谷「わけわかんねーな。マミ助なんぞ賞品にしたって、しようもなかろうに」

渡辺「ま、ペラがもらえるならがんばらないとな」

中田「俺、これがいいなマラソン」

布具里「じゃあ、おれは砲丸投げかな」

倉刈「あのー、騒がしいですがなにかあったんですか?」

マミ「わ、私が賞品…?」





296 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:40:49.28 ID:juvY7v6U0


落田「はい、全員聞くやんす!」


小杉「なんだよ凡田」

落田「オイラは落田でやんす。とにかく、これは野球班の危機でやんす! 仲間が一人連れ去られようとしているでやんすよ!」

三谷「まぁ、そうだな。マミ助を移動させる意味がよくわからんが」

落田「これは、人権無視の非道なおこないでやんす! 人間を賞品するなんて許されないことでやんすよ!」

中田「いまさらこんな島で人権叫ぶのも変な話だけどな」

落田「うるさいでやんす!」





297 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:41:30.62 ID:juvY7v6U0

落田「見るでやんす! マミちゃんは泣いているでやんすよ!」

落田(はい、泣くでやんす。マミちゃん!)

マミ(え、あ、あの…)シクシク

落田「はい。こんなに悲しそうでやんす!」

倉刈「ああ、マミさん泣かないでください…」

6主(いやいや倉刈さん…)

落田「一体、ここ最近一番この班のために働いていたのは誰でやんすか。他でもないマミちゃんでやんす!
   こんないい子を、あんな野獣の群れに放り込んでいいわけがないでやんす!
   こんな不当な扱いをするBB団に、我らの意地を見せなければいけない時が来たのでやんすよ!」

一同『…』





298 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:42:13.79 ID:juvY7v6U0

渡辺「まぁ、言われなくても適当にやる気は無いけどな」

三谷「おう、マミ助は大事な仲間だ!」

中田「ここ最近、試合に勝てているのもマミちゃんのおかげだしな」

小杉「よーし、あいつらに今日の借りを返してやるぜ」

布具里「マミちゃんに打たれまくったおかげで、俺も打たれ強くなったからな〜。パワーアップした気がする」

倉刈「あ、私は…」

マミ「み、みなさん…」

落田「マミちゃん。マミちゃんは必要とされているでやんす! 君は全力で守るでやんすよ!」

マミ(私…必要とされているんだ…)



落田「皆の衆! 10日後は、がんばるでやんす!」

一同『おう!』





299 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:43:05.59 ID:juvY7v6U0

6主「…ところで、何で落田くんはそんなにやる気があるの?」

落田「マミちゃんがいなくなると生活に潤いがなくなるでやんす」

6主「本当にそれだけ?」

落田「そうでやんす」

6主(…本当かなぁ?)

落田(マミちゃんが他に行くと、写真が売れなくなるでやんす)



(布具里がパワーアップしました!)





300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2011/10/26(水) 21:44:46.71 ID:Ti+onXt40
わけがわからないよwwwwwwww
収容者色々と溜まり過ぎワロタwwwwwwwwwwwwww
301 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/26(水) 21:45:57.76 ID:juvY7v6U0

今日の投下はここまでです。
ちょっと長いので、50日〜60日編は半分にします。

次は明日投下予定です。
お読みいただき、ありがとうございました。




302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/26(水) 22:18:56.97 ID:YRT9i+Pfo
落田そんなことしてたのかwwwwww

その写真売って下さい
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 22:34:13.40 ID:9WtRNSkPo
賞品ってことはマミさんは走らないんだよな
だとしたら揺れる様が眺められないじゃないか…
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/10/26(水) 22:40:31.02 ID:ya9HavmJ0
>>303
原作で所長が却下したあのコーナーで出るかもしれないじゃないか。
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/10/26(水) 22:40:32.73 ID:btecwSdJo
倉刈さん運動会でいっつも負けるよな
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 08:25:57.38 ID:CKgWMQHIO
渡辺と小杉は◯ついてりゃほとんど勝ってくれたはず
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/27(木) 08:36:43.35 ID:3cAY58fpo
兵士まですっかりマミマミストになってやがるww
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/27(木) 20:31:25.79 ID:vTKrkfYgo
なんか紅の豚思い出した
309 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:23:53.22 ID:3N47b1By0
>>305
運動会までにパワーアップすれば、絶対に勝ってくれるんですけどねぇ…。

続きを投下します。


310 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:29:05.82 ID:3N47b1By0

―グラウンド―


落田「それじゃあ、練習をがんばるでやんす!」

一同『おおー!』

マミ「みんながんばっているのに、私だけ何もできないなんて…」

6主「競技に出れないからね。こればっかりは仕方ないよ」

マミ「はい…」

6主「それにしても、マミちゃんを賞品にするなんて。何を考えているんだBB団は?」

マミ「私、何かまずいことでもしたんでしょうか…」

6主(…ちょっと、確かめに行ってみるか。口実もあることだし)


落田「絶対に勝つでやんすよ!」

一同『おう!』

落田「口でクソたれる前と後に“Sir”と言え 。分かったか、ウジ虫ども! 」

一同『死ねっ! 』





311 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:29:51.03 ID:3N47b1By0

―所長室―


マミ「こんにちわ」

6主「所長、本を返しに来ました」

へルガ「ん? ああ、お前たちか。そんなこともあったな。で、どうだった?」

6主「確かに面白かったですが、心理描写が足りないですね。登場人物にあまり共感ができませんでした」

マミ「私も同じ意見です。ストーリーにはドキドキしたんですが…」

へルガ「そうだな。ストーリーは良くできているが、登場人物がどれもこれも薄っぺらに感じるな」

マミ「それと、残酷描写がちょっと…。過激すぎて嫌な気分になりました」

へルガ「……ほほう?」





312 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:32:10.57 ID:3N47b1By0

6主「所長、一つよろしいでしょうか?」

ヘルガ「許可する。なんだ?」

6主「今度の運動会のことです。彼女は私に任せるとのことだったのでは?」

マミ「…」



ヘルガ「収容者内で野球班に対する不満が溜まっていてな。このままでは管理に支障が出る、それを取り除くための措置だ」

6主「それじゃあ話が違う! ペラを含めて、この子の面倒は俺が見るとの約束だったじゃないか」

ヘルガ「この島で唯一の女収容者を野球班のみに配置しているという不平は、正論だ。不満が出るのも当然の事だろう。
     それらを我らが無理に従わせても、結局は不満は溜まることになり問題解決にはならん。
     溜まりに溜まって、問題や反乱を起こされても厄介なのでな。こうするに至ったのさ」

6主「銃や暴力で脅しておいて、今さら反乱が怖いだって? そういう淡い希望を徹底的に排除しているのが君らのやり方だろ。
    たかだか、班同士の小競り合い程度のケンカにどうしてそこまで気を使うんだ?」

マミ「そうです! それに、ここでは秩序が保たれています。私が野球班にいることくらいで、そんなことになるなんて…」




313 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:33:27.59 ID:3N47b1By0



ヘルガ「貴様ら、地雷でバラバラになった死体を見たことがあるか?」



6主・マミ「え?」

へルガ「では、大勢が無抵抗の人間をなぶり殺しにすることは? 女子供が無残な姿にされるところは見たことがあるか?」

6主「何の話をしているんだ?」

ヘルガ「この程度の秩序など、むき出しの憎悪と狂気の前では無意味だ。たかだか女一人といったが、この環境では女も立派な動機となりうる。
    我らの力も、本物の大多数の暴力を前にしては無力も同然だよ」

6主「…だから、その原因は見逃せないというのか?」

ヘルガ「ああ。火種となりうるものは徹底的に排除する。それこそ、危険分子から小娘の配置に至るまで、な。
    現実は常に予想の一歩上を行くものだからな」

マミ「そんなこと…」

ヘルガ「小娘、先ほどお前は本の残酷描写が嫌だといったな。あの程度の残酷さなど現実に起こっていることに比べれば、どうということはない。
    所詮は、作り物だよ」

マミ「それは…」

マミ(魔女…使い魔…。佐倉さんの家族…)

マミ「…それを知っておきながら、こんな島を作ったんですか? 世界中に不幸をばらまくような、こんな場所を」

ヘルガ「…」




314 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:35:13.27 ID:3N47b1By0

6主「…君は、一体何を見たんだ?」

へルガ「紛争地域の平和維持活動だ。慣れるほど地獄は見てきた」

6主「…」

へルガ「さっきの無礼な口調と問いかけは不問にする。…下がれ」

マミ「…」

ヘルガ「それから、もしお前たちの班が勝てば、小娘の配置はそのままだ。
    この程度の現実など跳ね除けられなければ、期日までに2500ペラを溜めることなど不可能だぞ」






315 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:38:09.61 ID:3N47b1By0

―広場―


6主「あれじゃあ、考えを変えることは出来そうにないな」

マミ「そうですね…」

6主「ごめんね。結局、何もできなくて」

マミ「いえ、私の方こそ、いつも助けてもらってばっかりで…」

6主「こうなると落田くんの言う通り、運動会で勝つしかないか」

マミ「…」



6主「でも、マミちゃんががんばってくれたおかげで、みんな練習に打ち込むようになったし。
   もしかしたら大丈夫かもしれないな。こうなったら、それにかけてみよう。」

マミ「そんな…私なんて何もできなくて…」

6主「そんなことないよ。君のおかげで、みんなこんな島でも希望を持てるようになったんだ。
   こうなったら、それにかけてみようよ。みんな君のことを守りたいって思っているんだからさ」

マミ(私、役に立てているの…?)

マミ(良かった…)





316 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:38:49.73 ID:3N47b1By0

落田「こらー、6主くん! どこに行ってたでやんすか! マミちゃんが奪われるかもしれない瀬戸際なんでやんすよ!」

6主「わかってるよー、落田くーん。じゃあ、俺は練習に行くけど、マミちゃんはどうする?」

マミ「応援させてください。私にはそれくらいしかできませんから」

6主「それで、十分だよ。じゃあ行こうか。みんな待ってるよ」

マミ「はい!」





317 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:39:15.86 ID:3N47b1By0

―数日後―


6主「ふう、今日もみんなよく練習したなぁ」

落田「マミちゃんの今後がかかっているでやんす。やる気が出るでやんすよ」

マミ「お二人とも、お疲れ様です。みなさん、宿舎に変えられるみたいですよ」


(ぐう〜)


落田「それにしても腹が減ったでやんす。また海に釣りに行かないでやんすか?」

6主「そうだな。そうしよっか。マミちゃんはどうする?」

マミ「あ、それじゃあ私もご一緒します」





318 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:40:42.50 ID:3N47b1By0

(そして…)


6主「うまかったなぁ〜」

落田「いっぱい釣れて、ラッキーだったでやんす〜」

マミ「お粗末様でした♪」

6主「しかし、今日の夕日はきれいだな」

落田「腐っても、南の島でやんすからね。海から見る夕日は格別でやんす」

マミ「BB団さえいなければ、この島も良い場所だと思います」

6主「バオ達がBB団を追い出したがる気持ちがよくわかるよ。やつらさえいなければ、ここも本当にしあわせな島なんだと思うな」

マミ「そうですね…」




319 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:41:58.78 ID:3N47b1By0

落田「それにしても、マミちゃんの応援を聞くと元気になるでやんす! 魔法の声でやんすね」

マミ「そ、そんな…普通ですよ」テレテレ

6主「どの競技もいい記録が出てきたし、この分なら上位入賞は確実だな」

落田「何いっているでやんすか! 狙うは優勝、マミちゃんはどの班にもわたさないでやんす!
   マミちゃんも他の班より、ウチの班がいいでやんすよね?」

マミ「は、はい…」

マミ(6主さんと離れるのはいかないし、それに見滝原に帰るまでに、もっと野球をやっていたい…)





320 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:43:07.87 ID:3N47b1By0

落田「いやー、マミちゃんを見ていると昔の魔法少女のアニメを思い出すでやんす。みんなの希望の星でやんすよ」

マミ「あ、もしかしてそれって…」ゴニョゴニョ

落田「それでやんす! まさかマミちゃんの年齢で知っているとは思わなかったでやんすよ」

マミ「面白かったですよね! アイドルになりたいって、思いましたもん!」

落田「あれはシリーズの、一作目なんでやんす。アイドル魔法少女ものはたくさんあるんでやんすよ」

マミ「知ってます! エミちゃんとかララちゃんですよねっ!」

落田「おお、そっちも知っているでやんすか! こんな近くに同好の士がいるとはでやんす!」

マミ「もちろんです! 魔法少女は大好きでしたから、たくさん知ってますよ! 砂沙美ちゃんとか可愛いですよね!」

落田「オイラは美紗緒ちゃん派でやんす!」





321 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:43:40.45 ID:3N47b1By0

6主(そういえば、何か忘れているような…なんだっけ?)

6主(まぁ、ペラも順調に溜まってきているし、ペラ関係じゃなければ大丈夫だろ)

6主(それよりも、あの問題も早く解決しないとなぁ…)

落田「たとえー2人ー離れーばなれーになってもー♪」

マミ「わーたしはー、世界ーを変えるー!♪」

6主「…おーい、二人ともそろそろ帰るよー。明日はテストなんだから、早めに休まないと」


(落田がパワーアップしました!)





322 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:45:07.10 ID:3N47b1By0

―次の日―


江川「今日は、野球のテストをするぞ」

6主「はい!」

江川「では打撃のテストだ。順番を守って始めるように」

落田「うおおおお! 真の仲間を見つけたオイラに不可能はないでやんす!」

マミ「落田さん、気合入ってますね」

6主「俺もがんばらないとな」





323 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:45:36.34 ID:3N47b1By0

(そして…)


江川「…大したもんだな」

6主「どうやらうまくいったようだな」

落田「オイラも存在感を示せたでやんす」

マミ「私もいい結果でした!」



BB兵「テストの成績が良かったものから、既定の賞金を渡そう」

落田「ふふふ、今日はオイラの勝ちでやんす」

6主「別に勝負をしてるわけじゃないよ。落田くん」

BB兵「次! 巴マミ!」

マミ「はい!」

BB兵「今回もいい成績だったな。その年でこの成績は自信を持っていいぞ」

マミ「は、はい!」

マミ(褒められたのって、久しぶり。魔法で強化しているけど嬉しい…!)

落田「なんだか、全体的に好成績でやんすね」

6主「がんばったんだ。このくらいの成果が出るのは当然さ」


(マミのやる気が上がった!)





324 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:49:00.30 ID:3N47b1By0

―宿舎―


三谷「いやー、俺らもなんだかんだ言いつつ力がついているな」

小杉「ふん。俺は元プロなんだから当然だ」

布具里「あの、俺は罰金だったんだけど…」

倉刈「この感じ、あの頃を思い出すなぁ」

中田「仕事の合間にもキャッチボールしていた成果が出たかな?」

渡辺「運動会に勝てばペラが貰えるんだったな、そろそろ6主くんに返さないと」




325 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:49:37.37 ID:3N47b1By0

落田「諸君、今日はいい成績が出たでやんすが、油断は禁物でやんす!」

布具里「あの〜、俺は罰金だったんだけど」

落田「歩く卑猥物は黙っているでやんす。敵は女を見れば野獣のように襲ってくる連中でやんす!
   おそらく、奴らも運動会に向けて恐ろしい訓練を積んでくるものと思われるでやんす!」

中田「向こうも必死だからな。分からなくもないけど」

落田「今日のこの結果に満足するのではなく、明日からはこれを超えるよう努力するでやんすよ!
   そうしないと、我らが仲間を守ることができないでやんす!」

マミ「落田さん…」グズ

落田「さあ、明日からも気合を入れるでやんすよ!」

一同『うおー!!』

6主(いつの間にか、落田くんがリーダーになっているな)



マミ(私、こんなに必要とされてる…。こんなの初めて…)

マミ(見滝原で戦っていても、こんなに必要とされたことなんて…)






326 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:50:57.33 ID:3N47b1By0

6主「うーん…」

落田「どうしたでやんすか6主くん。一人だけテンションが低いでやんすよ」

6主「いやさ。やっぱり最近、何か忘れているような気がして」

落田「そんなのどうでもいいでやんす。ちゃんと練習に集中してくれないと困るでやんすよ」

6主「ひどいな。どうでもいいかどうかはわからないだろ?」

落田「忘れるようなことなら、基本的にはどうでもいいことでやんす。どうでもよくないなら、そのうち思い出すでやんすよ」

6主「うーん、そうなのかなぁ…」

落田「さ、今日はもうとっとと寝るでやんす。明日も練習するでやんすよ」

6主「はいはい」





327 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:51:33.36 ID:3N47b1By0

―夜―


マミ「…」

マミ「……」ゴソゴソ

マミ(起こさないようにしないと…)

一同「ZZZ…」

マミ(それじゃあ、ちょっといってきます)





328 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:52:20.28 ID:3N47b1By0

―海岸―


マミ(班のみなさんががんばっているのに、私だけ楽をしているわけにはいかないわ)


マミ(今日こそ魔女と使い魔を倒して、せめて私ができる範囲でこの島を平和にしないと…!)

マミ(あんな姿をしていても、所詮は使い魔…。ずっと見滝原を守っていた私の敵じゃない!)

マミ(私がこの島を守る! あなた達の好き勝手にはさせないわ!)





329 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:52:48.95 ID:3N47b1By0


マミ「さぁ、使い魔! かかってきなさい! この魔法少女・巴マミが相手になるわ!」


使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ





330 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:53:37.11 ID:3N47b1By0

―宿舎―


6主「あああああああああああああああああーーーーーーーーーー!」

落田「…うるさいでやんす、6主くん」

6主「思い出した!思い出した!思い出した!思い出した!思い出した! 思い出した! 思い出した!」

落田「いきなりなんでやんすか。こんな夜中に大声出さないでほしいでやんす」






331 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:54:11.40 ID:3N47b1By0

(そのころ…)


マミ「ひぃぃぃぃぃぃぃいいいーーーーーーーーー!!!」パンパンパン


使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ





332 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:54:40.93 ID:3N47b1By0





6主「マミちゃんって、魔法少女だ!」


落田「…何、いってるでやんすか?」







333 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:55:20.79 ID:3N47b1By0


残り 40日 手持ちペラ1400ペラ 犬レベル65


・収入

マミ 10ペラ
6主 120ペラ
テストボーナス マミ 62ペラ 8安打  
        6主 62ペラ 8安打 

・支出

リフレッシュ小屋 -12ペラ
グラウンド代 −50ペラ




334 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:55:59.09 ID:3N47b1By0
―キャラ紹介―

・倉刈仁志

愛娘・日出子を大学(医学部)へ行かせるために、多額の借金を背負いしあわせ島へ来た人。
2・3・5・6・11と出演したパワポケシリーズ最大の苦労人。
再登場するとほぼ必ず不幸になるというパワポケの伝統にもれず、シリーズが進むたびに悲惨な人生となっていった。
11にてついに引退。その結末は…。

ライト
倉刈○
ミAパB走A肩B守B


・中田洋一

実家に母親を残し上京するが、ふとしたことで借金生活に陥り、しあわせ島にくることになった。
田舎に帰って実家の農家を継ぐのがささやかな夢。
この人自身はおかずを分けてくれたり道具をくれたりと良い人なのだが、イベントが進むと、必ず風邪をうつされるために嫌われてしまう悲しい人。

サード
中田○
ミBパB走C肩A守C




335 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/27(木) 21:57:03.10 ID:3N47b1By0

今日の投下はここまでです。

次の投下は日曜日になります。
お読みいただきありがとうございました。




336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/10/27(木) 22:01:13.64 ID:Z9TOWgth0
巨大化したアレを想像すると気持ち悪すぎて泣きそう、マミさんは逃げて良いと思うww
なぜか今までのところパワポケ絵で脳内再生余裕だけど逃げるシーンを脳内再生しようとするとできないのは
逃げる顔グラのマミさんが想像できないからだと思ったww

そしてこの流れはパワポケ的に6主が信用を失うんじゃないかとww
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/10/28(金) 00:59:57.71 ID:dYO1UeHxo

野球班の人達が良い人過ぎww
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/10/30(日) 05:38:35.75 ID:Ii3tcsoZo

布具里はブレないな
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/30(日) 06:24:55.61 ID:3oh4jxFh0
乙〜
>>落田「たとえー2人ー離れーばなれーになってもー♪」
>>マミ「わーたしはー、世界ーを変えるー!♪」

2人ともいいコンビになれるwwww
大勢の仲間に囲まれてある意味しあわせですねww ヤキュウガデキテタノシイナ
340 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:23:38.88 ID:5Eyf6RMs0
続きを投下します。
341 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:24:44.46 ID:5Eyf6RMs0

―宿舎―


江川「今晩、江川班は追加の作業があるぞ」

6主「運動会で使う道具を作るのか。こういうのくらいは、BB団が用意すればいいのに。まったく…」

落田「6主くん、チャンスでやんすよ! この玉入れに細工をして…」

6主「…まともに作れ。イカサマして勝ったらイチャモン付けられるぞ!」

落田「ちぇー、でやんす」




342 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:25:54.35 ID:5Eyf6RMs0


一同『…』ギラギラ


マミ「なんか、みなさん目が血走ってるんですが…」

落田「大丈夫でやんすよ。一同! マミちゃんを奪うものは!」

一同『殺す!』

落田「よくできたでやんす」

マミ「ほ、本当に、大丈夫なんですか…?」

落田「ちょっと今日に向けて、発破をかけ過ぎたでやんすかね? まあ、闘争心があるのはいいことでやんす」

6主(これも才能…か?)





343 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:26:43.54 ID:5Eyf6RMs0

―所長室―


へルガ「しかしマコンデ。お前にしては健全な提案だったな。これならば、勝っても負けても自己責任でケリがつく」

マコンデ「ほっほっほ、それに関しては続きがあります。所長」

へルガ「ん?」

マコンデ「これからは、あの娘の収容先を定期的に変えるのですよ。今回のことは配置換えもあるというキッカケにすぎません。
     さらに兵士にペラを渡せば、配置に関して要望を聞くという噂を流します。
     一人の女を巡って、収容者は我らに賄賂を送るようになり、さらに互いに憎しみを増大させるよう仕向けるのですよ!」



へルガ「却下だ」

マコンデ「ええっ!」

へルガ「そもそも収容者同士が不満を取り除くのが目的なのに、いっそう大きくさせてどうする。
    それに少々毒が効き過ぎだ。それが発端となって殺し合いを始められても困る」

マコンデ「連中が結束するよりは、よほどマシだと思いますが…。賄賂のペラを稼ぐために労働力も上がりますし」

へルガ「現状で労働力に問題はない。それに、これ以上搾り取ろうとすれば死者が出るぞ。新しい収容者を集めるも楽ではない。
    それにそういった賄賂が平然と行われるようになれば、秩序が崩壊するぞ。そうなれば管理は困難になり、生産に支障が出る。
    『ペラを渡せばBB団は尻尾を振る』などという認識が広まるのも避けたいところだな」





344 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:27:32.39 ID:5Eyf6RMs0

???「ブルマでやんす! 運動会と言えばブルマと相場が決まっているでやんす!」バンバン

へルガ「団長。そんなものはこの島にありません」

???「オイラの私物があるでやんす! これを、あの娘に着せるでやんす!」

マコンデ「…分かりました。手配させましょう」

???「ついでにヘルガ。おまえも…」

へルガ「お断りします!」





345 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:28:15.79 ID:5Eyf6RMs0

―運動会当日―


マコンデ「ウォッホン! それでは、第1回しあわせ島班対抗運動会を開催する!」


(ぱーん!)


BB兵「副所長、実弾を撃つのはお止め下さい!」

マコンデ「そうだったか? まあ、大丈夫だろ」




346 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:29:30.19 ID:5Eyf6RMs0

6主「暑いなー、こりゃ何人か熱中症で倒れるんじゃないか?」

落田「出番が来るまで、倒れるんじゃないでやんすよ。なにせ選手の替えが効かないのでやんすから」

6主「マミちゃんは…壇上か。本当に賞品扱いだな」

落田「うおおおおおおお、ブルマでやんす! 体操服でやんす! BB団も気が利くでやんすね!」

6主(あんな服がなんであるんだろ?)

落田「わかってるでやんす! 用意したのは相当のマニアでやんすね!」

6主(てことは、団長が…?)





347 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:29:56.53 ID:5Eyf6RMs0

6主「にしても…」

野球班『…』ギラギラ

他の班『…』ギンギン

6主「なんというか、全くガス抜きという雰囲気じゃないな」

落田「男たちの真剣勝負でやんす。当然でやんすよ」

6主「この分なら、乱闘系の競技が少なくてよかったよ。でも、玉入れと騎馬戦は危なそうだな…」

落田「6主くんは砲丸投げでやんしたね。流れ弾に気を付けるでやんす。記録を出す前に潰されたら元も子もないでやんす」

6主「こわいこというのは止めてくれ。落田くん」





348 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:31:00.30 ID:5Eyf6RMs0


『WWWWWWWWOOOOOOOOOOOOoooooooooo!!!!!!!』


マミ(…。運動会ってこういうものだったかしら?)

収容者「…」ギラギラ
収容者「…」ギラギラ
収容者「…」ギラギラ

マミ(オマケに何かものすごく視線を感じる…)

マミ(こんな恰好をしているのが、いまさらながら恥ずかしい…)

マミ(ううん。班のみんなががんばっているんですもの。このくらいのことは耐えないと!)




349 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:32:22.13 ID:5Eyf6RMs0

他の班A「行け! つぶせーーー!」

他の班B「死んでも勝て! マミさんは俺たちのものだ!」

落田「6主くん、流れ弾を狙うでやんす!」

6主「物騒なことをいうな!」



マミ(凄い気迫…。男の人ってこういうものなのかしら)

マミ(勝ちたいと思うのは普通のことだとはわかっているけど、こんなのを見せられると普通のことじゃないように思えてくるわ)

マミ(ペラがもらえるだけなのに…。それだけでこんなにまでなるのかしら?)




350 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:33:04.30 ID:5Eyf6RMs0

他の班A『マーミ! マーミ!』

他の班B『マミマミマミマミマミマミマミマミ!!』

収容者「マミさんを渡せ!」

落田「マミちゃんは絶対に渡さないでやんす!」

収容者「マミさんは俺たちにとっては光なんだ!!」

落田「知ったこっちゃないでやんす!!!」


マミ「…」ゾクッ




351 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:34:41.88 ID:5Eyf6RMs0

ヘルガ「さぞ、気分いいだろう? こんなにまで人に必要とされるのは」

マミ「所長…様」

ヘルガ「ん? 話しにくそうだな。この場に限り、対等に話すことを許そう」

マミ「…わかったわ」

ヘルガ「意外と物怖じしない性格だな」

マミ「あら、対等に話すしてもいいと言ったのは、そっちでしょう? なら遠慮はしないわ」

ヘルガ「ふむ。しかしよかったな。大の男たちが自分を求めて争う。これは女としては極上の喜びだ。初めての経験だろう? 男を手玉に取るというのは」

マミ「…そんなことはないわ。自分を賞品にされるなんて屈辱よ」

ヘルガ「そうか? 心なしか嬉しそうに見えたのでな」

マミ「私は野球班の応援をしていただけよ。大事な仲間だし、私はあの場所を離れたくないから」

ヘルガ「離れたくない…か。まあ、いいだろう」





352 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:35:50.05 ID:5Eyf6RMs0

マミ「所長」

ヘルガ「なんだ?」

マミ「他人が苦しむところを見て、そんなに楽しい?」

ヘルガ「急におかしなことを聞くな」

マミ「こんなことをするのも、結局はそういうことでしょう? 
   現実の残酷さを知っていてこんな島を作るなら、それはそういうのが『好き』ということでないかしら?」

ヘルガ「私が、サディストとでも言いたいのか。まあ、選んでこんなことをしている以上、否定はしないが」

マミ「やっぱり…!」

ヘルガ「しかしそれは軽薄な考えだな。個人の感情以外で物事をえらぶこともある。いや、むしろそちらの方が多い。
    そういうことは多いぞ、小娘」

マミ「…こんな島を作ることが、やらなきゃならないことだっていうの?」

ヘルガ「ああ、現実にこの島は必要だ。お前にはわからんだろうがな」

マミ「わかりたくないわ」

ヘルガ「こちらも理解されようなどとは思わんさ」





353 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:36:53.15 ID:5Eyf6RMs0

マミ「貴方が、本を読むのもそれが理由なのかしら?」

ヘルガ「ん?」

マミ「貴方から借りた本は、全部ファンタジーやホラー。架空の話だった。
   そうね、今理解したわ。そういうのを好んで読んでいるのは、この現実から逃避するためでしょう?」

ヘルガ「ヒドイ言われようだな。逃避しているのではないさ。もはや人類にとって神秘の世界など宇宙や海の底など、個人では手の届かない場所にしか残っていないのだ。
    それを作り話に救いを求めて何が悪い?」

マミ「神秘…?」

ヘルガ「そうさ。奇跡も魔法も、身近にはありはしない。あったとしても、個人の努力で見れるものではないさ」

マミ「…」




354 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:38:03.16 ID:5Eyf6RMs0

へルガ「それから、私はこのつまらん現実と戦う気を失ってなどいない。だがいささかうんざりはしている。
    例えばこの島だ。どうも、お前は大きな勘違いをしているような気がする」

マミ「…どういうこと?」

へ「いいか、私が管理するこの島ではあの収容者達をさらったりはしていない。あれは自分たち自身の事情でこの島にいるのだぞ?」

マミ「それは…」

ヘルガ「お前は例外だがな。だから、ある程度のわがままは聞いたつもりだ。
    とはいえ、ここに連れてこられるような状況になったのも、やはりお前の都合だ」

マミ「…じゃあ、どうすればよかったというの?
   勝手に売られるような、そんなことを避けられることが私ができたっていうのかしら?」

ヘルガ「そんなことは知らん。そんなことを考える義理は私にはないからな。出来るのは安い同情だけだ。
    だが、こんなところに来るのがお前の願望だったわけではないだろう?」

マミ「…」





355 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:38:37.26 ID:5Eyf6RMs0

へルガ「話を戻そう。それをなんだ、恨みがましい目で。挙句の果てに脱走だの反乱だの企てる。うんざりだよ、全く」

マミ「でも、銃で脅されて働かされていたら、そういう風には考えられるわけないじゃない」

へルガ「フン。こちらも単なるボランティアでこんなことをやっているわけではない。お前たちを利用しているんだ。我々は持ちつ持たれつの関係となのだよ」

マミ「なんのために、そんなことをするの?」

へルガ「人類に、希望をもたらすためだ」

マミ「え?」





356 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:39:10.64 ID:5Eyf6RMs0

ヘルガ「ここまでだ」

マミ「待って! いまのはどういう…」

ヘルガ「ここまでだと言った。これ以上は不敬罪を適用するぞ」

マミ「くっ…」

ヘルガ「…どうやら、野球班が優勢のようだな。配置換えはなさそうだ。よかったな小娘」

マミ「…みなさん、良い人ばかりですから。やさしい人ばかりですよ。だから、私の事にも一生懸命になってくれるんです」

ヘルガ「なるほど、良い人か。もしかしたらそれが原因か」

マミ「え?」





357 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:39:46.60 ID:5Eyf6RMs0

ヘルガ「小娘、お前は本当にこの島から出ていきたいのか?」

マミ「…?」

ヘルガ「気付いていないのか? まあいい。私がいわずとも、あの男がいうだろう」

マミ「何をいって…」

ヘルガ「さらばだ。私は終わりのフォークダンスまで待たせてもらう」スタスタ

マミ「あ…」

マミ(フォークダンス…。あるの?)





358 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:40:42.66 ID:5Eyf6RMs0

(そして…)


BB兵「結果を発表する! …野球班の勝利!」

野球班「やったー!」

他の班「ちっくしょぉぉぉぉぉぉ!!!」

BB兵「負けたチームからは50ペラを全員から徴収し、勝ったチームに渡すことになる。以上で本日の運動会を終わる。解散!」



マミ「あれ? フォークダンスはしないんですか?」

落田「もしかしてしたかったでやんすか? かわいいでやんすね」

マミ「い、いえ。しないなら別に…」

マミ(所長…楽しみにしていたのに…)




359 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:41:30.56 ID:5Eyf6RMs0

―宿舎―


(わいわい…)


6主「はぁ〜、今日は疲れたなぁ」

落田「運動会の打ち上げということで夕飯が豪華になるとは、BB団も気が利くでやんすね」

マミ「お疲れ様です。6主さん、落田さん」

落田「ふふふ、オイラたちの力があれば、ざっとこんなもんでやんす」

6主「これで、マミちゃんを他の班に移動するなんてことは当分ないだろ。ホント、勝ててよかったよ」

マミ「はい…」

6主「ありゃ、元気が無いね。どうしたの?」

マミ「いえ…大丈夫ですよ」

落田「あんなところにずっと座らされてたら、そりゃ疲れるでやんす」

6主「いつにもまして暑かったからね。日射病にならなかった?」

マミ「日よけがありましたし、飲み物も貰えましたから」




360 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:42:29.07 ID:5Eyf6RMs0

6主「…しかし」


(わいわいわい…)


6主「…なんだろうな」

マミ「あんなに、激しい運動会だったのに。もう、あまりいがみ合っているようには見えませんね。ちょっと、不思議です」

6主「いや、そうじゃないんだ。こうしてみると、みんな、ここの暮らしに満足しているように見えてさ」

マミ「そうですか? BB団への不満を聞かない日はありませんよ?」

6主「それでも、本当に何かを進言したり、行動を起こすことは滅多にないだろ?」

落田「人間、管理される側はらくちんでやんすからね。何も考えずに、ただ従っていればいいでやんすから。
   少しの不自由さえ我慢すれば、ここも表の世界も、それほど変わらないかもしれないでやんす」

6主「そうかもね。支配される側は、文句さえ言っていればいいんだからな。まあ、ここではその文句さえ言えないんだけど」

落田「でも、それでもみんな満足しているみたいでやんすよ?」




361 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:46:17.05 ID:5Eyf6RMs0


(わいわいわいわいわい…)


6主「満足か…。たぶん、本当に満足してしまってるんだろうな」

マミ「満足…ですか? こんな何にもない島で」

6主「人間低いところでとどまっていると、そこでよどむんだよ。よどんでしまったら、人間は終わりさ」

落田「そうでやんすね。オイラもこんな場所で満足したくないでやんす」

6主「落田君。俺は元の世界に戻るからな、絶対に!」

落田「オイラもでやんす!」



6主「ね? マミちゃんも」

マミ「…」

6主「マミちゃん?」

マミ「あっ、え…あ、すみません…ちょっとボーっとしてました」

落田「やっぱり疲れているでやんすよ。今日は早く寝るでやんす」






362 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:46:56.07 ID:5Eyf6RMs0

―試合の日―


6主「よっしゃ、今日も勝ったぞ!」

落田「6主くんとマミちゃんが来てから、連勝でやんす!」

三谷「もう、一軍と二軍交代してもいいじゃねーか? がははははは!」

小杉「これが俺の実力だよ。やりゃあできるんだ」




363 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:47:22.52 ID:5Eyf6RMs0

マミ「…」

落田「マミちゃんは今日は不調だったでやんすね」

マミ「すみません。ちょっと調子が上がらなくて…」

6主「まぁ、そんな日もあるよ。でも野球はチームプレイさ。一人が調子悪くても、みんながそれを補えばいいんだから」

マミ「ありがとうございます」

BB兵「集まれ! 今回の個別評価を行う!」

6主「それじゃ、行こうか」

マミ「はい…」





364 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:47:58.91 ID:5Eyf6RMs0

―夜―


マミ(今日こそは魔女を仕留めないと…!)タッ




―魔女の結界内―


使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ


マミ(もうだいぶ慣れてきたわ…! 怖いことなんて何もない!)




365 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:48:34.98 ID:5Eyf6RMs0


ドドドドドドドドドド!!!



使い魔「…」シュー
使い魔「…」シュー
使い魔「…」シュー
使い魔「…」シュー



マミ「ふぅ…」

マミ(一匹一匹は大して強くない。姿さえ気にしなければ、これまで戦ってきた使い魔の中でも、弱い部類に入るわ)

マミ(大丈夫、この分なら本体の魔女の力も大したことないはず。がんばるのよ、マミ!)




366 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:49:27.28 ID:5Eyf6RMs0


  ガサガサガサガサガサガサ


マミ「…」

マミ(…向こうから、何かものすごい音が聞こえたような)

マミ(あ、反応がある。…こっちなのね)

マミ(ものすごく嫌な予感がするけど、覚悟を決めないと…)

マミ(…よし! 行くわ)




367 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:51:07.11 ID:5Eyf6RMs0

(そして…)



魔女「…」ガサガサガサガサガサガサガサガサガサ

マミ「いゃあああああああああああああああああ!!!!」





368 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:52:15.42 ID:5Eyf6RMs0

マミ(無理無理無理無理無理無理無理、こんなの絶対に無理よ!)

マミ(大きさがおかしいわなんでこんなに大きいの無理無理無理)

マミ(はやくしとめましょう。ええしとめましょう。さっさとしとめましょう!)

マミ「ティロ・フィナーレ!!!!」


ドゴォオオオオン!!!




369 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:52:50.34 ID:5Eyf6RMs0

(もくもく…)


マミ「ハァ…ハァ…」

マミ(た、倒したわよねっ…! もういないわよねっ…!)

マミ(とんでもない強敵だったわ。もう二度と見たくもない、ううう…)

マミ(さあ、帰って寝ましょう…。今日のことはもう忘れたいわ…)




370 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:53:49.21 ID:5Eyf6RMs0



  ぎゃーーーーーーーーー!!



マミ「!?」

マミ(今の悲鳴は…。誰かが結界の中に?!)

マミ(というか、魔女の結界が元に戻っていない…。まさか、逃がしたの?)

マミ(ううん、今は早く助けに行かなきゃ!)





371 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:54:22.25 ID:5Eyf6RMs0

???「や、止めろ! くるなー!」ズビー!

魔女「…!」ガサガサガサガサ

???「ふう…」



使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ
使い魔「…」カサカサ

???「くっそ、次から次へと…」




372 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:54:49.57 ID:5Eyf6RMs0

マミ「はっ!」ドンドンドンドンドンドンドン!!!!

???「?!」


使い魔「…」シュー
使い魔「…」シュー
使い魔「…」シュー
使い魔「…」シュー


マミ「もう、大丈夫――。って…」


373 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:56:20.00 ID:5Eyf6RMs0



6主「…マミちゃん」

マミ「ろ、6主さん?!」



6主「やっぱり…」

マミ「6主さん、どうしてこんなところに?!」

6主「その前に!」プシュプシュプシュ


使い魔「…」シュー
使い魔「…」シュー
使い魔「…」シュー


マミ「え…?」

マミ(武器を持ってる…。でもどうして…)

6主「話は後! 魔女と戦った?」

マミ「え、あ、はい。どうも逃がしてしまったみたいで…って、どうして魔女のことを知ってるんですか!」

6主「あ、ごめん。こっちの武器はもうエネルギー切れみたいだ。きょうはもう戦えそうにないよ」

マミ「え、戦うって…」

6主「どうする? 戦いに行くのなら止めないけど、こうなった以上、君と協力したいんだ。
   別の日になれば、こっちも万全の状態で挑めるんだけど…」

マミ(え、だって6主さんは普通の野球好きの人で…え?)

6主「…もしかして混乱してる?」

マミ「当り前です!」

6主「…そーだよなぁ」




374 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:57:05.48 ID:5Eyf6RMs0

マミ「とにかく、6主さんはもう戦えないんですね?」

6主「ごめん。もう手持ちの武器が燃料切れで…」

マミ「じゃあ、今日は逃げます。こっちも消耗しているし、6主さんを連れて魔女と戦えるかどうかわかりませんから」

6主「わかった。結界を抜ける方法は知ってるんだよね? こっちも把握してるから、使い魔がきたらお願いしてもいいかな」

マミ「わかりました」

6主「じゃあ、いこう。長居は無用だ」

マミ(使い魔や魔女。結界のことまで…)

マミ(でも、魔法少女であるわけないし…。でも、そうじゃないと説明が)

マミ(ううん、今は無事に結界を出ることを考えましょう)






375 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:57:48.16 ID:5Eyf6RMs0

―外―


6主「なんとか抜けたね…」ゼェゼェ

マミ「はい…。大丈夫ですか?」

6主「そっちこそ大丈夫? グリーフシードがないと、ソウルジェムを回復できないんでしょ?」

マミ「あ、はい。まだ、2個。持ってますから…。あと一個はこれ以上穢れを移せませんけど…」

6主「やっぱり、これ以上長引かせるわけにはいかないよなぁ…」




376 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 20:59:33.07 ID:5Eyf6RMs0

マミ「あの…」

6主「俺のこと…だよね?」

マミ「どうして魔女のことを知ってるんですか? 魔女の知っているのは魔法少女だけのはず…」

6主「うん…」

マミ「しかも魔女は見えているし、結界にも出れる。どういうことなんですか? しかも使い魔とも戦えるなんて…」

6主「…」

マミ「…もしかして、本当は魔法少女なんですか? 魔女の影響で変わり果てた姿になったとか…」

6主「か、変わり果てた…。それ、結構傷つくなぁ」ガーン

マミ「ご、ごめんなさい。で、でも、それくらいしか…」




377 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 21:00:05.29 ID:5Eyf6RMs0


6主「あのね、マミちゃん」

マミ「はい」

6主「俺が未来から来たっていったら、信じる?」

マミ「…え?」




378 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 21:00:39.80 ID:5Eyf6RMs0


残り 30日 手持ちペラ1788ペラ 犬レベル75



・収入

マミ 10ペラ
6主 120
ボーナス マミ 20ペラ 
     6主 50ペラ
     勝利 200ペラ
運動会勝利 100ペラ


・支出

グラウンド代 −50ペラ
リフレッシュ小屋 -12ペラ
??? −50ペラ





379 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 21:01:12.92 ID:5Eyf6RMs0

―キャラ紹介―


・パワポケ6主人公(6主)
 
 未来から来た男。
 タイムパトロールに所属しており、時間犯罪者の野望を阻止するためにこの時代にやってきた。
 本来ならばこの任務を果たして未来に帰る予定だったが、あえなく失敗し、しあわせ島に流されてしまった。
 原作でも、タイムパトロール所属の未来人であること以外、全ての経歴が不明。
 未来から物は持ち込めないため、現地調達で武器を作る能力がある。
 


・しあわせ島の魔女(オリ)

 巨大な黒光りしていてつやつやしているあれ。
 体当たりと、巨大な腹部から通常サイズ分身を産みだし攻撃してくる。
 やわらかい腹部が弱点。
 元ネタはプレイヤーを絶句させたミニゲームのボスキャラ




380 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/10/30(日) 21:02:32.25 ID:5Eyf6RMs0

今日の投下分はこれで終わりです。

次は水曜日になります。
お読みいただきありがとうございました。



381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国) [sage]:2011/10/30(日) 21:04:48.06 ID:5JX0UkVAO
wktkが止まらん
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/30(日) 21:32:24.76 ID:LMFMqZzVo

野球班はマミ助にとって擬似家族みたいなものなんだろうな。
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/30(日) 21:41:57.47 ID:3oh4jxFh0
乙〜
今の今まで6主が未来から来た事を完全に忘却していたww
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2011/10/30(日) 22:04:09.18 ID:6VgKIH2Qo
元ネタを知らない人間は唖然とするしかない……

面白くないって意味じゃないぞ。
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2011/10/30(日) 22:18:17.85 ID:Ii3tcsoZo
今思うと表と裏のサクセス主人公が同じってかなり珍しいな
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/30(日) 22:57:15.31 ID:lErka+Q5o
>>384
パワポケにはよくある事だ
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長野県) [sage]:2011/10/30(日) 23:44:07.01 ID:2jGab+8Uo
俺はもうニコ動の彼女攻略シリーズでニヤニヤしてるだけだ・・・・本編攻略できる自信が無い……
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/30(日) 23:58:45.66 ID:bwLP7PmIO
「パワポケ、げんきでいますか?
母のお仕事を手つだったりしていると、
やけに時間がたつのが早く思えます。
くるしいこともあるけど、
たいせつな思い出をかてに、なんとか
すごしています。
ケガや病気に気をつけて、野球せんしゅ
になれるよう、がんばってください。
きっと、いつの日か、またあなたと
であえる日をしんじて。」
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2011/10/31(月) 00:48:34.65 ID:eY5d8P4Fo

マミさんの体操着姿とか眼福過ぎる。
6主タイムパトロールかw
この引きは上の方で未来人って見てしまっただけに唖然は無かったなww
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/31(月) 01:16:15.08 ID:paS3arTLo
>>385
今となっちゃね
6の時点では、1は無しで3が地雷ゲームだから表と裏の主人公が違うのは5だけだった。
(2裏は2主の夢、4裏は神隠し後の4主)
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/31(月) 02:03:37.51 ID:2NaebqaIO
>>388
おいやめろ
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/11/02(水) 01:31:21.53 ID:6GzZVSOH0
>>391
大丈夫だよ、肩たたきの延長みたいなものだからさ!
ほら瑠璃花ちゃんも喜んでらっしゃる

サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/
393 : ◆ctuEhmj40s [sage]:2011/11/02(水) 22:52:07.68 ID:pYCv6j7W0
瑠璃花ちゃんは何やってるんでしょうね…。
大学生になって、D主といちゃいちゃしてれば何も言うことは無いんですが。

続きを投下します。


394 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 22:53:24.80 ID:pYCv6j7W0

―夜―


マミ「な、何を言ってるんですか…? 6主さん」

6主「いや、冗談にしか聞こえないだろうけど。本当のことなんだ」

マミ「実は女で魔法少女っていわれた方が、まだ納得できます!」

6主「あー、そうだよね。うん」

マミ「しょ、証拠は?! 未来の硬貨とか、免許証とか…」

6主「と、いわれても、武器はこっちに来ててせいで作ったやつだし。そもそも、未来から物は持ちこんじゃだめっていわれているしね」

マミ「タイムパラドックスの回避…! 因果律を守るための措置ですか?! まさか本当に…」

6主「まぁ、そんなところ。といっても、こうやって過去に人を送っている以上、対処療法みたいなものなんだけれど」

マミ「で、でも、それも証拠には…」

6主「うーん。魔女とか見えるのは未来の技術なんだけど、証拠にならないよね?」

マミ「素質があれば見えますから…。大人の男の人で、魔女が見える人というのは聞いたことがあ
りませんけど」

6主「どうしようか…」




395 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 22:54:00.52 ID:pYCv6j7W0

マミ「じゃあ聞きますけど、未来でも魔女は存在しているんですか?」

6主「それは…」

マミ「魔女や魔法少女のことを知っているなら話してください。普通の人は知らないことですから。ある程度の判断材料には、なると思います」

6主「…辛い話になるかもしれないけど。それでもいいかい?」

マミ「お願いします。とにかく情報をください。真偽はこちらで判断しますから」

6主「…わかった」



マミ(本当に6主さん未来人かどうかはわからない)

マミ(でもキュゥべえやソウルジェムとか単語を知っているなら、未来人かどうかは別にして魔法少女に関係している人である可能性は高いわ…)

マミ(とにかく、どういう人なのか判断しないと…)




396 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 22:55:37.52 ID:pYCv6j7W0

6主「まず、魔女は存在している。半世紀くらい前からインキュベーターが大量発生して少女と契約しようとするようになってね。
   それに対抗するために、以前から進められていた対魔女用の技術が投入されたんだ。それが、俺の体にも仕込まれている」

マミ「え、インキュベーター?」


6主「魔法少女を仕立て上げる宇宙人のことだよ。その目的はエネルギーの採取と聞いてる。知っているだろ?
   第二次性徴期の少女の、希望と絶望の相転移をエネルギー源として考えているらしい。それによって宇宙のエントロピー問題を解消しようというのが奴らの目的だ。
   奴らの手口は、巧妙だ。契約しそうな素質のある少女の下に現れて、メリットのみを話してデメリットをひた隠しにして契約を迫る。
   中には選択の余地のない状況で迫って、無理矢理契約を行う場合もあるらしいね。
   奴らは一度だけ、どんな願いでもかなえてくれる。でも、その代償は大きすぎる。魔法少女は途中で止めることはできないし、その末路は悲惨なものでしかない。
   戦いによる体力と精神の消耗によってソウルジェムがグリーフシードへと変わるとき、やつらはそこで発生させる膨大なエネルギーを採取して…」


マミ「ちょ、ちょっと待ってください! ソウルジェムがグリーフシードに変わるって、何を言っているんですか?!」

6主「え? これが魔法少女を増やしたくない君の理由だろ? 魔法少女は魔女になるしかない。だから君は…」

マミ「魔法少女が、魔女になる…?」

6主「もしかして…。げ、まだ何も知らないのか?!」

マミ「どういうことですか! 答えてください!」

6主「…」

マミ「6主さん!」




397 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 22:56:31.85 ID:pYCv6j7W0

(そして…)


マミ「そんな…そんなことって…」

6主「ごめん。まだ知らないとは思わなかったよ。この話は君から多くの人に教えられた情報だったから…」

マミ「私が…?」

6主「うん。君がこの情報を人々に知らせた最初の魔法少女だったんだ。資料を見れば、必ずその名前は出てくる。だから俺も君の名前を知ってたんだ」

マミ「…未来の私は、一体何をしたんですか?」

6主「インキュベーターと呼ばれる生き物が、少女をだまして魔法少女にし、魔女を生んでいること。それを伝えたんだ。
   おかげで、魔法少女になる子供は減少し、魔女そのものの数も減少傾向にある。
   一般的には知られていないけれど、俺みたいにタイムパトロールとかそういう仕事に就いた人間なら誰でも知っているよ。
   人類に警告を促した、最初の魔法少女だってね」

マミ「タイムパトロール?」

6主「それが仕事なんだ。時間犯罪者を追って、その犯行を阻止する。今はこんな身だけどね」

マミ「…」





398 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 22:57:27.15 ID:pYCv6j7W0

6主「…やっぱり、信じられないか」

マミ「…すみません。ちょっと時間を下さい」

6主「一ついいかな。俺はこの島にいる魔女を倒したい。
   武器の準備には少し時間がかかるから、それまでに一緒に戦えるかどうか、返事をくれないかな?」

マミ「…わかりました」

6主「なにか聞きたいことがあったらなんでも聞いてね。これくらいのことは、誤差の範囲内だから」

マミ「はい…」


6主(未来でも、魔法少女を人間に戻す方法は確立されていない…。魔法少女は見つけたら、即…)

6主(でも、そんなことは彼女には伝えられないよな…)

6主(過去の世界で魔女を倒すことは禁じられていない…。インキュベーターによる犠牲者は可能な限り少なくしないと…)

マミ「…」




399 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 22:58:04.82 ID:pYCv6j7W0

―所長室―


マコンデ「そろそろ、例の大会ですな」

ヘルガ「チームの仕上がりはどうか?」

マコンデ「は、万全です。あの大会の景品がなんなのか、未だにわかりませんが…」

ヘルガ「そんなものはどうでもいい。上位入賞、できれば優勝だ。しあわせ草の宣伝こそ。われわれの目的なのだからな」

マコンデ「しかし、優勝となると…。あの国のチームに勝ってしまうわけですが」

ヘルガ「…それだ。わが組織の今度を考えると、あの国のチームにはわざと負けるのが賢明かもしれん」

マコンデ「しかし、そうなると…」

ヘルガ「ああ、わが組織の技術が、かの国に劣ることになる。何か良い方法はないものか…」

マコンデ「そういえば、先ほど団長がお呼びでしたよ。この件に関することかもしれません」

ヘルガ「そうか…では向かうとしよう」





400 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 22:58:43.22 ID:pYCv6j7W0

―???―


ヘルガ「団長! 何の御用ですか?」

???「ああ、入るでやんす」

ヘルガ「では…うわっ」

ヘルガ(ま、また物が増えている…)

ヘルガ(こんなに大量のマニアグッズ、集めてどうしようというのだ? いや集めること自体に価値があるのか…)





401 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 22:59:13.68 ID:pYCv6j7W0

???「ヘルガ! まだ船は来ないのでやんすか?!」

ヘルガ「ハッ、三日後になるかと思います」

???「到着が遅れると、ダブったガチャガチャをネットで売る時期を逃すでやんす。
    オイラは完璧なマニアでやんすから、それは困るでやんす! この島には空港が必要でやんすね!」

ヘルガ「…ヘリポートはいかがでしょう? 比較的早く完成しますが」

???「頼りにしてるでやんすよ。オイラは誰よりもマニアでなくてはならないのでやんす」

ヘルガ「…」

ヘルガ(絶対に満たされない欲望か…)

ヘルガ(だからこそ、世界に絶望を振りまきたいのかもしれんな)





402 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 22:59:54.85 ID:pYCv6j7W0

―グラウンド―


落田「ここ最近、マミちゃんはずっと体調を崩しているでやんす。大丈夫でやんすかね?」

三谷「ここにきて、疲れが出たのかもな。まー、6主がついているから大丈夫だろ」

小杉「くそっ、練習に張り合いがねーぞ」

倉刈「マミさん、早く元気になってほしいですね」





403 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:00:23.52 ID:pYCv6j7W0

―宿舎―


マミ「…」

マミ(キュゥべえの目的がそんなことだったなんて…)

マミ(6主さんが嘘をついている、と考えられれば楽だけど…。そんな嘘をつく理由がないわ)

マミ(ということは、魔法少女が魔女になるというのは真実?)

マミ(それじゃあ、私がしてきたことって…)




404 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:03:13.10 ID:pYCv6j7W0

6主「マミちゃん、大丈夫?」

マミ「あ、6主さん…」

6主「インミンから島の果物をもらってきたよ」

マミ「…ありがとうございます」

6主「今日のはなかなかおいしいよ。こんなものでも気晴らしになるかと思ってさ。さ、食べよ」

マミ「…」コクン





405 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:04:05.92 ID:pYCv6j7W0

マミ「あの…」ムグムグ

6主「なに?」モシャモシャ

マミ「未来の私がどうして、魔女や魔法少女の真相を知ったのか知りませんか?」

6主「え?」

マミ「私、けっこう長い間魔法少女でいるんです。それなのに、そんなこと何一つ聞いたことがなかったからどこでそんなことを知ったのか気になって…」

6主「一応答えられるけど…。大丈夫?」

マミ「…もう、だいぶ落ち着きましたから」

6主「俺が見た資料によると、仲間の一人が目の前で魔女になったらしい。そう書いてあったよ」

マミ「…その人って、佐倉杏子さん?」

6主「いや、違う。美樹さやかっていう子だったかな。確か」

マミ(知らない名前…。これから会うのかしら?)




406 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:06:15.96 ID:pYCv6j7W0

6主「佐倉杏子…。その名前も記憶あるな。彼女はその魔女を倒すときに犠牲になったらしい」

マミ「そんな…」

6主「他にも君には仲間がいたよ。確か、他に出てくるのは暁美ほむらと鹿目まどかって名前だったかな」

マミ「…知らない名前ばかりです。本当に私なんですか? それ」

6主「少なくとも、見滝原市という場所で魔法少女をしていたとは書いてあったけど」

マミ(じゃあ、間違いは…ないわ)


6主「この2人は、色々あったみたいだね。ほむらって子がまどかって子を魔法少女にしないために頑張っていたらしい。
   結局、契約してしまったらしいけど」

マミ「…当然ですね。こんな残酷なことを知っていれば、絶対に魔法少女に誘いません」

6主「魔法少女に関することは、このほむらって子から教えてもらったとあったよ。インキュベーターが隠していたことも全部ね」






407 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:06:44.20 ID:pYCv6j7W0

マミ「凄い人なんですね。その『ほむら』て人は。私とは大違いです」

6主「いや、この子は君の後輩だったらしい」

マミ「え、でも…」

6主「何でも、時間を戻せる能力があって、親友だったまどかって子を助けるために何度も時間を変えてやり直していたらしい。
   彼女の能力は、魔法少女の尋常じゃない能力の例として記録されている」

マミ「何度も時間を…?」

6主「…結局、その願いは叶わなかったけどね。その最後もあわせて、彼女のことは魔法少女の危険性を伝えるため伝えられているよ」





408 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:07:47.27 ID:pYCv6j7W0

マミ「…私にそんな仲間がいたんですね」

6主「うん。色々あって、仲間って呼べるようになるには時間がかかったみたい。でも、かけがえのない仲間だったらしいね。
   君に関する情報では、この四人が仲間として出てくる。…残念ながら、全員亡くなったそうだけど」

マミ「…後の二人も?」

6主「暁美ほむらは魔女と戦いで死亡。最後に鹿目まどかのことを託されたそうだよ。
   鹿目まどかは…その、君が最後に介錯をしたみたいだ」

マミ「…!」

6主「それから君は彼女たちのような犠牲を生まないために、人々に魔女の存在を伝えたらしい。
   君に何があったかは、そこまでしか分からないな」

マミ「そうですか…」




409 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:08:28.38 ID:pYCv6j7W0

マミ「…6主さん」

6主「?」

マミ「未来って変えられるんでしょうか?」

6主「可能だよ。それを防ぐために、俺みたいなタイムパトロールがいるんだけど」

マミ「私が未来を変えようとしたら、私も捕まりますか?」

6主「魔女を倒すのなら、その必要はないよ。インキュベーターに関しては、歴史に干渉してでも、その目論見を阻止するように言われているんだ」

マミ「…いいんですか、それ? 歴史が変わってしまいますよ」

6主「それほど、未来でのアイツらに対する憎悪は大きいんだよ。なにせ、こっちをエネルギーを生む家畜にしか考えていないらしいから」

マミ(キュゥべえ…。私たちをそんな風に見ていたなんて)





410 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:09:01.36 ID:pYCv6j7W0

マミ「…ご心配おかけしました。もう起きれそうです」

6主「大丈夫? もう少し寝ていても平気だよ」

マミ「ここで寝ていても、何も始まりませんから。とにかく、今は脱出と魔女のことが最優先ですよね」

6主「うん。でも、こっちの準備にはまだ時間がかかるんだ。それからでいいかい?」

マミ「はい。じゃあ、グラウンドに行きましょう」

マミ(体を動かしていた方が、気持ちも楽になるし…)




411 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:10:06.75 ID:pYCv6j7W0

―広場―

BB兵「ちょうどよかった。貴様らに仕事がある」

マミ「あ…」

6主「彼女は、病み上がりです。仕事なら私が引き受けますが」

BB兵「いや、その娘もいたほうがいい。重労働ではないから、着いて来い」

6主「しかし…」

マミ「私なら、大丈夫です。それに重労働じゃないみたいですから」

BB兵「では、ついてこい。こっちだ」




412 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:10:48.34 ID:pYCv6j7W0

―墓地―


6主「あの、この人は…」

BB兵「昨晩、容体が急変してな。そのまま、回復しなかった」

マミ「…」

BB兵「小娘、こいつはお前のファンだった男でな。良かったら、少し祈りを捧げてやってくれないか?」

マミ「え?」

6主「マミちゃん、お願いしてもいいかな?」

マミ「は、はい…」

BB兵「あまり変な様式とかにはこだわらなくていい。ただ、安らかに眠れるように祈ってやってくれ。
   それが一番喜ぶだろうからな」

マミ「…」





413 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:11:38.68 ID:pYCv6j7W0

BB兵「本当は、牧師か何かいればいいのだがな。お前たちのなかにもいないだろう」

6主「…残念ながら」

BB兵「明日は我が身だ。俺たちも他人事ではない。そういうのがいれば、少しは気は楽になるのだがな」

6主「…ここに埋められて平気か?」

BB兵「平気ではないな。だからこうやって、自分を慰めている」

6主「…」

BB兵「すまなかったな、もう戻っていいぞ」

マミ「はい…」




414 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:13:37.89 ID:pYCv6j7W0

―広場―


6主「…」

マミ「…」

へルガ「ここでなにをしている」

マミ「…先ほど、収容者の人がお亡くなりに」

ヘルガ「ああ、埋葬作業か。ご苦労だったな」




415 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:15:21.38 ID:pYCv6j7W0

マミ「…あなたは、平気なんですか?」

ヘルガ「なにがだ?」

マミ「こんな島じゃ、死ぬことはあなたにとっても他人事ではないでしょう。
   いつ何が起こってもおかしくありませんし。こんな最果ての場所で誰にも知られず死んでいくなんて…」

ヘルガ「私には目的がある。それを成すならば、それくらいは些末なことだよ」

マミ「些末って…」




416 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:16:10.30 ID:pYCv6j7W0

6主「…」

ヘルガ「お前はどうした? 心ここに在らず、といったかんじだが」

6主「ちょっと考え事をね。この組織…BB団は、単なる普通の犯罪組織には見えないな」

へルガ「犯罪組織の『普通』というのも奇妙に聞こえるな」

6主「いや、この組織には動機がある。それが何かはわからないけれど、少なくとも金じゃないな。この島は快適とはほど遠い
   それなのに活動できるのは、強い信念があるからだ」





417 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:17:56.05 ID:pYCv6j7W0

へルガ「…まあ、貴様らになら話しても良いだろう。教えてやろう、BB団の目的を」

マミ「目的なんてあるんですか? こんなことをする目的が」

ヘルガ「当然だ。BB団の目的は、人類を救うことだ」



6主・マミ「…はぁ?」

へルガ「お前達は気づいていないかもしれないが、今、人類は危機に直面している。文明と科学の進歩がまねいたことだ」

6主「具体的にどういう危機なんだい。核爆弾か? 汚染か? 電磁波とでも?」

マミ(まさか…魔女?)

へルガ「ふむ、それは滅亡にいたる方法にすぎん。われらが問題にするのは、動機の方だ」

6主「へ? 動機…だって?」

へルガ「疫病、飢饉、戦争…。こういったものはたしかに存在し、今でも大きな問題ではある
    だが、それはほんの10年前と比べてもどんどん改善されている。いずれ、人間をおびやかす外的な要因は弱まり、無視できるようになるだろう」

マミ「それって良いことじゃないんですか? それなら、みんな幸せになるということでしょう?」





418 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:18:36.63 ID:pYCv6j7W0

へルガ「そして人類は直面することになる。己自身の闇に、な」

6主「なにを言って…」

へルガ「生きるのが困難で忙しいうちは良い。あまり、それを考えなくてすむからな。克服すべき障害、戦うべき敵を失った時、誰もが冷酷な真実に気づくのだ」

6主「…」

へルガ「そう、もはやこの世界に未来を託すべき希望、夢も神秘も残されてはいない。
    もし、この世界から解決すべき問題がなくなってしまったら、そこには絶望しか残っていないのだ」

マミ「…!」




419 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:19:10.85 ID:pYCv6j7W0

6主「絶望しか残ってないって…」

ヘルガ「その事実に、目を向けさせないために我々は存在している」

6主「なんてことだ…。まさか、君たちは?」

へルガ「そうだ! 人間には敵が必要なのだ。憎み、戦い、打ち倒す。自分たちが不幸であることの言い訳となってくれるものがな」

6主「ばかな! そのために世界中の犯罪者とテロを援助しているのか? それは単に不幸な人を増やすだけだ!」

へルガ「その苦しみが一つ終わった時、それ以上の人間が希望を得るさ。これで幸せになれる、とな。悲劇と絶望なくして希望の種は育たんのだよ」





420 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:20:55.18 ID:pYCv6j7W0

マミ「そんなのは間違ってます! 希望を持つために敵を作るなんて、そんなことは本末転倒です!」

ヘルガ「もはや、そんなことをしなければ希望を持てないほど、世界は行き詰っているのだ。お前にも覚えがあるだろう?」

マミ「…何の話ですか?」

ヘルガ「今のお前を見ればわかるさ。お前は行きづまっていた。以前の生活にな。なにをしていたのかは知らないが」

マミ「勝手なことをいわないでください! そんなことありません! こんな島にいるよりはまだ…」

ヘルガ「そうか? 今のお前はこの島での生活を楽しんでいるように見えるぞ」


マミ「え…?」

ヘルガ「さぞ、気分がいいだろうな。周りから必要とされて、それに答えられるという環境にいるのは。
    反抗すべき敵もいて、無力であるがゆえにその敵が消えることもない。
    今のお前にはこの島に来た時のような、反抗的な目が感じられん。他の収容者と同じ、飼い慣らされたものの目だ」

マミ「私がこんな島にいることを望んでいるっていうんですか? そんなことあるわけない!
   私はあの街に戻りたいんです! 私が守っていたあの街に…」

ヘルガ「本当にそう言えるのか? よく思い出せ。お前の住んでいた街での生活を。本当に戻りたいのか?」

マミ「そんなの、あたりまえ…」




421 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:22:37.01 ID:pYCv6j7W0


(…私、このままずっと一人ぼっちなのかしら)
(このままずっと一人で魔女と戦って、一人で生きて、一人で…)



ヘルガ「躊躇したな?」

マミ「っ…」 

ヘルガ「絶望から脱けだすためならば、人間どんなことでもするさ。こんな島で生活することもな。
    だから人類全体の絶望から救うためには、敵が必要なのだよ。その犠牲に見合う対価は、十分すぎるほどだ」

6主「そんなの…!」

へルガ「まぁ、よく考えるのだな。そうすれば、理解できるはずだ。私の正しさが、な」スタスタ




422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/02(水) 23:22:44.52 ID:2S8mxEFho
最近やっとこのヘルガのセリフの意味がわかってきたぜ
身近な敵なんてものはいないからな…自分以外は
423 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:24:19.11 ID:pYCv6j7W0

マミ「…」

6主「マミちゃん、気にすることはないよ。とにかく、もう期間も間近なんだ。魔女を倒して、ペラを稼ぐことを考えよう」

マミ「はい…」

6主「所長…それは間違っている、絶対に」





424 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:25:43.73 ID:pYCv6j7W0

―グラウンド―


マミ(私はどうしたっていうの…?)

マミ(所長の言う通り、この島から出たくない? ううん、そんなわけないわ。こんな地獄のような場所からは早く抜け出したいもの)

マミ(…でも、見滝原に帰って私は何が出来るというの?)

マミ(キュゥべえは味方なんかじゃなかった。魔女と戦っても、私が魔女になるだけ…)

マミ(ううん、そんなこと考えてはダメだわ。あの街には思い出がある。それを守るためにも魔女と戦わないと…)




425 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:26:24.85 ID:pYCv6j7W0

マミ(…魔女と戦いたい? 私は魔女に居てほしいの?)

マミ(そうすれば、嫌なことを忘れられるけど…。でも、そんなのあの所長と同じじゃない)

マミ(嫌…そんなの…)

マミ(その前に見滝原に帰れる? 以前のような生活に戻れるの?)

マミ(もうあの親戚の人はいない。こんなに長い間離れていたら、マンションだって引き払われている可能性だって…)

マミ(あの街に、私の居場所は残っているのかしら)





426 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:26:59.31 ID:pYCv6j7W0

マミ「…」

落田「マミちゃん、やっぱり調子悪そうでやんす」

渡辺「6主、練習させていいのか? まだ休ませたほうがいいんじゃないかな」

中田「それより、ペラは大丈夫なのかよ。ちゃんとこんな島から出してやれよ」

布具里「う〜ん、ライバルがいないと張り合いがないな〜」

倉刈「6主くん、無理しないでくださいね。私のことなんて後回しでいいですから」





427 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:27:36.00 ID:pYCv6j7W0

―打撃テストの日―



BB兵「よし。成績の良いものから、既定の賞金を渡す! 呼ばれたら物から来るように!」

落田「マミちゃん、成績は好調でやんしたね。もう大丈夫なんでやんしょうか?」

6主「…」

BB兵「次、巴!」

マミ「はい」

BB兵「相変わらずいい成績だな。所長も褒めているぞ」

マミ「…はい」




428 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:28:24.14 ID:pYCv6j7W0

6主(マミちゃん)

マミ(何ですか? 6主さん)

6主(武器の調整が終わった。予定通り、今夜魔女を仕留めようと思うんだけど、大丈夫?)

マミ(…はい)

6主(じゃあ、夜になったら抜けだそう)

マミ(わかりました)





429 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:28:51.86 ID:pYCv6j7W0

―魔女の結界内―


6主「じゃあ、行こうか」

マミ「はい!」ヘンシン!

6主「…うーん、こうしてみると本当にアニメみたいなんだな、魔法少女って」

マミ「あ、あんまりジロジロ見ないでください…」

6主「ああ、ごめんごめん。俺、魔法少女にあったことなかったから、めずらしくてね」

マミ「未来で、魔法少女にあったことはないんですか?」

6主「管轄が違うからね。まぁ、それでも魔女と戦えるような訓練はさせられたんだけど」

マミ「訓練で何とかなるんですか? 魔女って相当に危険ですよ」

6主「体に色々仕込んだりね。まぁ、魔女と戦う以外じゃ使えないようになっているんだけど」





430 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:29:24.28 ID:pYCv6j7W0

マミ「あの、その武器は…」

6主「これはこっちの時代に来てから作ったんだよ。未来からあんまり物は持ち込めないから。基本的に現地の部品を使って作るのが、規則なんだ」

マミ「ゴキジェットにしか見えないです」

6主「まぁ見た目はね。でも性能は …ほら!」ズビー!

マミ「ビーム…! 凄いですね」

6主「厳密には違うんだけど。広範囲型と、一点集中型の二つのモードに切り替えるように調整したんだ。これで、使い魔と魔女、両方に対応できるはずだよ」

マミ「じゃあ、役割を決めましょうか。魔女との戦いは私の方が経験があるようですから、私が前に出て戦うということでいいですか?」

6主「うん。こっちは使い魔の方を相手にするよ。集中型は消耗が激しいから、短時間しか使えないんだ。追いつめたら、一緒に一気に畳み掛けよう」

マミ「じゃあ、最後は『ティロ・フィナーレ』で決めましょう」

6主(やっぱり、それが必殺技なんだな)





431 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:30:00.25 ID:pYCv6j7W0

(そして…)


6主「おりゃ!」ピュンピュンピュン

使い魔「…」プシュー
使い魔「…」プシュー
使い魔「…」プシュー

マミ(本当にあんな武器で戦えている…)

マミ「使い魔はお願いします! 6主さん!」

6主「わかった!」

マミ「私は魔女を!」

魔女「…」ガサガサガサ




432 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:30:35.15 ID:pYCv6j7W0

マミ(大きいくて素早いけど、攻撃や動きは使い魔と変わらない…! そんなに強い魔女ではないわ)

マミ「ハッ!」ドンドンドン

魔女「…」ガンガンガン

マミ(ただ、外殻は比較にならないほど固いみたい…。後ろを取って腹部を狙わないと!)

魔女「…」プリッ ワラワラワラ

6主「しつこいぞ!」ピュンピュンピュン

マミ「6主さん、何とかして後ろを取りましょう。正面からは、あんまり効果がありません!」

6主「わかった! こっちが囮になるから、マミちゃんがその間に!」

マミ「はい!」





433 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:31:01.13 ID:pYCv6j7W0

6主「おりゃおりゃおりゃ!!」ピュンピュン

魔女「…」ガサガサガサ

マミ(腹部がこちらに向いた…! 今!)

マミ「くらいなさい!」ドンドンドンドンドン!!!

魔女「…!」

マミ(動きが止まった!)

マミ「6主さん、今です! 挟み込んで!」

6主「よし、これで止めだ!」

マミ「ティロ…」




434 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:31:33.65 ID:pYCv6j7W0


「そうか? 今のお前はこの島での生活を楽しんでいるように見えるぞ」


マミ「…!」

6主「ちょ、マミちゃん! 照準、照準!」

マミ「あ…」

マミ(手元が…!)





435 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:32:08.01 ID:pYCv6j7W0

 チュドーン


6主「おわ!」

マミ「6主さん!」

魔女「!」ガサササササ

マミ(魔女が逃げる…けど、6主さんが!)




436 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:32:49.58 ID:pYCv6j7W0

(そして…)


マミ「6主さん、大丈夫ですか…?」

6主「いてて、うん俺は大丈夫。だけど、魔女は…」

マミ「…逃げられてしまいました」

6主「ごめん、俺を気にしたからだよね。ソウルジェムの方は大丈夫?」

マミ「はい。6主さんの方は…」

6主「こっちもまだ残量に余裕があるよ。でも、今日はここまでにした方がよさそうだ。
   また、体制を整えなおして次に備えよ?」

マミ「…」




437 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:33:29.29 ID:pYCv6j7W0

マミ「…すみません」

6主「そんなに謝らなくていいよ。調子が悪いのに無理させたこっちも責任があるし。次は万全の状態で…」

マミ「違うんです…」

6主「え?」

マミ「あの時、絶対に外さない状態だったんです。外したのは、私が余計なことを考えたから…」

6主「マミちゃん?」

マミ「これで倒せるって時に、考えちゃったんです。この魔女を倒したら、この島での、私のいる一つ意味がなくなっちゃうって。
   魔女がいれば、このままこの島でも人々を守れる魔法少女のままでいられるって、そんなことを…」

6主「ちょ、ちょっと待って。いったい何を…」




438 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:34:19.68 ID:pYCv6j7W0

マミ「…きっと、わたしはこの島から出たくないんです」

6主「そんなことないよ。君はこれまでずっとがんばってきたじゃないか」

マミ「思い出しちゃったんです。外に出たって私には…。だったら、この島にいたほうが、幸せでいられるって…、きっと…、そんなことを…」

6主「そんなの…!」

マミ「だって、私にはもう何もないんですよ?」

6主「え…?」

マミ「あそこに居ても、希望なんて見えないんです。だったら居心地のいいこの島で暮らしてもいいないじゃないですか…」

6主「そんなの何も解決していない! 目を逸らしてるだけだ! こんな島で淀むなんて、君らしくない!」





439 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:34:52.24 ID:pYCv6j7W0

マミ「私らしい…?」

6主「そうだよ。こんなの君らしくないよ」

マミ「私らしいってなんですか! 何にも知らないくせに!」

6主「君はこんな島に来たって、あきらめなかったじゃないか! だからみんな君のことが好きだったんだよ」

マミ「そんなの、何も知らなかっただけです! こんなこと、知っていればそんな風に振る舞えません!」

6主「そんなことない! 君はこの島で行われていることが許せるのか? 
   許せないから、あんなに所長に噛みついたり、野球をがんばってこの島から出ようとしたんだろう」

マミ「そんなの知りません!」

6主「マミちゃん!」




440 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:35:38.06 ID:pYCv6j7W0


マミ「貴方は知ってるんですか?! 一人で寝ることの寂しさや魔女と戦うことがどれほど怖いのか!
   それでも、魔法少女になって魔女から人を守るって考えれば我慢できたんです!
   でも、それももう無理です! 私はキュゥべえに利用されてて、魔女になるんですよ! こんなの耐えられるわけないじゃないですか!」

6主「君は一人じゃない! それに魔女と戦う以外の生き方だってあるだろ!」

マミ「一人なんです、私は!」

6主「そんなこと…!」

マミ「あの、何もない生活に戻りたくないんです。誰もいない、待っていてくれない暗い部屋に戻りたくない!
   それなら、こんな島での生活の方がまだ救いがあるじゃないですか!」

6主「本気で言っているのか! そんなこと!」

マミ「さっき魔女を倒せなかったのが、私の本心なんです! 魔女がいれば、使い魔や魔女を倒すという使命を、嘘でも果たし続けることができるから。
   どうせ、収容者は沢山いるしこんな島に来る人間なんだから、死んだって構わない。そう考えたんです、私は!」

6主「そうじゃない! そんなこと君が考えるはずないだろ!」   

マミ「そんな人間じゃないんです…。最低なんです、私…!」

6主(…?)





441 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:37:32.83 ID:pYCv6j7W0

6主(おかしい…)

マミ「6主さん、私はどうすればいいんですか…」

6主(不安を抱えていたけど明るい子だったのに、この変化…。何があったんだ?)

マミ「この島がおかしいのはわかってます。でも、帰っても私には何もないんです」

6主(明らかに言動がおかしいぞ。思考がネガティブな方向に走りすぎている)

マミ「友達もやるべき事も、未来も。結局なにも変わらないんですよ。それなら、このしあわせ島にいる方が、しあわせじゃないんですか…?」

6主(絶望…。呪い…。資料にあった通りなら、これってソウルジェムがヤバいんじゃないか?)

マミ「でも、本当にそうだとも思えなくて…。こんな島が間違ってるってことも、どうしようもなく感じてしまうんです」

6主(マズイ! どうにかしないと…)

マミ「もう、どうしたらいいかわからない…。わからないんです」

6主「…」




442 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:38:21.28 ID:pYCv6j7W0

6主「君はどうして、魔法少女になったの? そのことは資料には書かれていなかったから」

マミ「事故にあったんです。そこにキュウベエが来て、願いを…」

6主「…選択の余地はなかったんだね」

マミ「自分だけ生き残って、一人になりました。だから、この命を人のために役立てようって思ったんです。
   でも、それももう無理です。魔法少女は魔女になるしかない。もう私には何もないんですよ。使命も、友達も、家族も、なにも…」

6主「本当に何もないのか?」

マミ「じゃあ、私に何があるっていうんですか?」

6主「君が戦ってきたことで助かった人がいるのは確かだ。何もないないなんてことはない。そうやって、正しく生きてきたって誇りがあるだろ?」

マミ「…」

6主「何にもない人間なんてこの世の中には居ないんだよ。どんな人間だって、思い出や他人や過去を背負って生きてるんだ」

マミ「そんなもの、私には何にもならないです! 誰も、私の事なんか知らないし、居なくなっても気にしてもくれない。
   もう一人ぼっちは嫌なんです。誰かに居て欲しいんです…」





443 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:38:55.83 ID:pYCv6j7W0

6主「だったら君は、なおのこと、この島から出るべきだ。君が欲しいものはここにはないよ」

マミ「え…」

6主「こんな閉じた場所に逃げ込んでも、君の感じている寂しさからは解放されないよ」

マミ「でも…あの部屋に帰っても…誰も…」

6主「もう一度、よく思い出すんだ。君が今まで出会った人や思い出、街や学校のことを。
   君が欲しいのはそういうものなんだろう? こんな島で過ごすことなんかじゃないはずだ」

マミ「…」

6主「君の人生は君のものだ。BB団のものじゃないし、ましてや未来が決めることでもないんだ。君が考えるんだよ」





444 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:39:47.31 ID:pYCv6j7W0

マミ「…」

6主「俺はこれからもペラを貯めるよ。絶対に君をここから解放する、約束だ」

マミ「…でも」

6主「それと、ちょっとソウルジェムを見せてもらえるかい」

マミ「え? …あ」

6主「やっぱり大分濁っているね。グリーフシードでちゃんと浄化しないとダメだよ?」

マミ「…すみません」シュウゥ

6主(これで気持ちが落ち着くといいけれど…)

マミ「…」

6主(…マミちゃん、信じてるぞ。君はこんな島にいる子じゃないんだから)





445 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:40:14.94 ID:pYCv6j7W0

残り 20日 手持ちペラ 2128ペラ 犬レベル75


・収入

マミ 0ペラ
6主 208ペラ
グラウンド代 0ペラ
ボーナス
     マミ 72ペラ 8安打
     6主 68ペラ 7安打


・支出

リフレッシュ小屋 -18






446 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/02(水) 23:43:19.50 ID:pYCv6j7W0

今日の投下はここまでです。

次の投下は日曜日の予定になります。
お読みいただきありがとうございました。




447 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(三重県) [sage]:2011/11/02(水) 23:45:42.89 ID:KOmMITMB0
インキュベーター絡みなら歴史を変えることも許されてるのか……
なんか頼もしいなおい、脚も鼻も口も無いくせに頼もしいな!
やるじゃないか6主!
448 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga sage]:2011/11/02(水) 23:48:42.84 ID:Sbct3XKX0
弾道が上がった!
449 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2011/11/02(水) 23:53:23.79 ID:BzTCZHGZ0
その後、朝まで二人で楽しく過ごした
450 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(兵庫県) [sage]:2011/11/03(木) 00:02:01.11 ID:TtTVVDBio
タイムパラドックスなんてレベルじゃねーぞ。
いいのか、こんだけバラして。
451 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(三重県) [sage]:2011/11/03(木) 00:32:08.30 ID:NzcczOXz0
>>450
いいんじゃね?
ほむほむもあれだけやって未来を変えられなかったんだし、
そもそも6の作中で『人間一人死んだ程度』じゃ未来変わらないって言ってるしね。
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 02:14:02.87 ID:k6iWzNTvo
>>450 >>451
しかも13で地球の運命がどれだけ変わろうと、広大な宇宙にとっては殆ど意味が無い的なことが言われてるしな
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(京都府) [sage]:2011/11/03(木) 02:16:57.95 ID:L1UYgU7Lo

6主がまどか達の事伝えたらタイムパラドックスになるなと思ったけど、
未来変えてもQB達を阻止したい状況なんだなww
まぁ未来でマミさんが6主庇って嘘ついてるって可能性もあるだろうけどw
454 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 08:26:29.44 ID:fTSidBNOo
なんという俺得スレ…
6は詩乃ちゃんが可愛くて仕方なかった。
詩乃ちゃんだけ何回も攻略しまくったのはいい思い出。
おかげで豪打・剛球持ちが大量に量産されたな…
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 08:53:15.17 ID:lnRz9NaDO
あらためて見るとヘルガの言葉は考えさせられるな…

ってか魔女になっちゃってしかもゴキとか救われないな
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [sage]:2011/11/03(木) 09:03:16.79 ID:GFb4b1s6o
「しあわせ島」って名前がどんなセンスだよと最初思ってたが、
あの台詞聞いたうえでこの名前である意味を考えると
これ以上ないほど適切なネーミングだって思ったな
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/03(木) 11:42:58.51 ID:nQazGU3u0
ヘルガの台詞って妙に説得力あるね
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 11:53:36.34 ID:jK1Qv9RDO
しあわせってなんだっけ
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 12:37:17.97 ID:ojX+V0hKo
魔女になってアレになったって、一体何を願ったんだろうな

厳しい環境でも生きられる健康な体か
それとも餓死に困らずにすむよう何でも食べられる体なのか

どっちにしろ報われないな
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(長野県) [sage]:2011/11/03(木) 13:35:26.17 ID:vaCwa9BZo
>>459 後者がなんかふらんけんフラン思い出すような感じなんだが
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 18:10:51.72 ID:tD4z0r0SO
6主っていつもリフレッシュ小屋はどれにしてんのかな?
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(三重県) [sage]:2011/11/04(金) 20:05:47.34 ID:JoDhNGPD0
>>461
2500ペラも貯めるんならキツイ仕事率も結構高いだろうし、ヤギ安定じゃね?
コスパ的にはさおりちゃんだがな
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関西地方) [sage]:2011/11/04(金) 22:00:55.29 ID:fJh+/wfFo
そういやなんでヤギやらさおりちゃんと居るだけでリフレッシュしてるんだ?
やっぱ動物見て和むてきな??
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(山形県) [sage]:2011/11/04(金) 22:36:55.93 ID:oHFpv9iLo
ヤギさんはむかしせいしょりにつかわれてたんだよ
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 22:51:48.74 ID:JT9enosS0
いまでは瑠璃花が山羊ポジションか・・・胸が熱くなるな
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/04(金) 23:31:28.59 ID:Fo9j6Fqk0
>>465
おいやめろ
るりちゃんはダッ主と幸せになったんだよ(;ω;)
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関西地方) [sage]:2011/11/05(土) 00:02:01.07 ID:uEJllIyIo
>>464
そうだったのか……
なんか…ごめん
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [sage]:2011/11/05(土) 01:08:24.94 ID:yirSIYORo
冒頭でマミさんがリフレッシュ小屋送りになりかけたときに
6主がなんで必死だったと思ってたんだ
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(北海道) [sage]:2011/11/05(土) 01:36:40.47 ID:IsRAgbVqo
マミさんマミマミ
まあ、俺は杏子派だけどね

それはそうと、何とかして救われてほしいもんだね
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [saga sage]:2011/11/05(土) 09:16:06.12 ID:VMgbetpp0
「鹿目さん、げんきでいますか?
母のお仕事を手つだったりしていると、
やけに時間がたつのが早く思えます。
くるしいこともあるけど、
たいせつな思い出をかてに、なんとか
すごしています。
ケガや病気に気をつけて、魔法少女
になれるよう、がんばってください。
きっと、いつの日か、またあなたと
であえる日をしんじて。」
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(岩手県) [sage]:2011/11/05(土) 09:53:50.43 ID:kxZBBxPPo
お、おう
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関西地方) [sage]:2011/11/06(日) 18:11:45.09 ID:91gHT2pIo
プレイルームの目押しが出来ない…
コツ教えてください
473 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:40:52.45 ID:zJRj076j0
>>461
6の倍数なので基本はエロ本です。

ちょっと手間取っているので、今回は番外編です。
続きを待っていた方にはご容赦をば。



474 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:44:09.01 ID:zJRj076j0



―番外編・その頃の見滝原




―???―


杏子「はぁ? マミのヤツがいなくなった?」

QB「うん。マミの行方がわからないんだ」

杏子「それって魔女やられたってことなんじゃねーの?」

QB「いや、あの日は魔女を倒して、もう休むってマミは言っていたよ。反応もなかったし、あの後戦いにいったとは考えにくいな」

杏子「急にまた新しく反応が出たんじゃねーのか? あのエリアは人も魔女も多いし、アイツは『正義の味方』なんだからさ」

QB「まあ、消えた経緯はあまり問題じゃないんだ。問題なのは、今あのエリアに魔法少女が誰もいないということなんだよ」

杏子「で、アタシのところに来たと?」

QB「そう。君ならつい先日まであの街にいたし、最適だと思ってね。新しい魔法少女が生まれるまで任せたいんだ」

杏子「そんなのいらねーよ。もうあのエリアはアタシのものだ。グリーフシードも全部な」

QB「やれやれ。まあ当分の間は頼むよ。素質のある子がなかなか見つからなくてね」

杏子「…いらねーってんのに」





475 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:44:58.42 ID:zJRj076j0

―魔女の結界内―


杏子「ロッ…うおりゃ!」

魔女「…」

杏子「へっへっへ。大量大量」

杏子(魔女も使い魔を多いし、餌もたくさん。グリーフシード狩り放題だな)

杏子(全くいい狩場だよ。ここで稼いだら、もっとアタシのエリアを広げてみるか。これだけありゃ負けることもないだろうし)

杏子(さて、グリーフシードを孕んだヤツは狩り終わったし、そろそろ帰るとするかな)




476 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:45:56.84 ID:zJRj076j0

―マミホーム―


杏子「…ただいまー」



シーン



杏子(ってアタシはなにやってんだ。誰もいないってのに)

杏子(鍵をとっておいて正解だったな。これで寝床もゲット、と)

杏子(とりあえず、あんまり騒がないようにしないと。行方不明なんだし、怪しまれてばれたら元も子ねえ)

杏子「…さーて、飯飯っと」

杏子(材料はあるけど、そのまま食えるものはすくねーな)

杏子(ケーキ…は止めた方がいいな。食えそうに無いものは捨てちまおう。ゴミも出さないと、臭いがきついな)

杏子(うーん、食えるもんはないな。仕方ない、何か買いにいくか。金はあるし)

杏子(しっかし、絶好の狩場に拠点もある。サイコーだなここは。あー、ベッドがフカフカだなぁ。今日はもう寝ちまうかなぁ…)





477 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:46:42.36 ID:DKYEFbwp0



「佐倉さん――」




杏子(知るかよ)

杏子(勝手にいなくなった、アンタが悪いんだ。この街はアタシがもらうよ)

杏子(それに、アタシはもうアンタみたいにはなれないんだ)




478 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:47:32.40 ID:zJRj076j0

(そのころ…)


???「博士、出かけるのでバッタ? あそこになにがあるのでバッタか?」

???「そーだぜ、それより悪の組織らしいことをやろーぜ博士」

???「お前ら何も知らんのか。今、あの街には謎の行方不明事件や自殺が頻繁に起きておる」

???「そいつがどーかしたのか?」

???「するのじゃよ。何とも言えない悪の香りが。何か、とてつもない陰謀が渦巻いているのかもしれん」

???「陰謀でバッタか!」

???「そいつは悪の組織としては見過ごせねーな」

???「そうじゃろうそうじゃろう。ならば我らでこの陰謀を突き止め、我が組織に吸収してやろうではないか。片田舎で行なっておるんじゃ。大した組織ではあるまい。
    役に立ちそうに無ければ、陰謀だけ奪い取ってこちらで利用してもよかろうて」





479 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:48:14.26 ID:zJRj076j0

???「おおー、何か極悪人みたいでバッタ!」

???「ケケケ、悪の組織として久々に血が騒ぐぜ」

???「まずは吾輩が情報収集してくる。何が起こっているのか調べねばなるまい。行動はそれからじゃ」

???「博士が行くのか? 俺たちが行ってやってもいいんだぜ」

???「お前たちではバカすぎて話にならん。留守番を頼んだぞ」

???「わかったでバッタ。気をつけて行ってくるでバッタ」

???「博士、土産に焼きまんじゅう買ってきてくれ。名物らしいからよ」




480 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:48:50.86 ID:zJRj076j0

―路地裏―


杏子(今日だけでグリーフシードが三つ…)

杏子(思った通り、使い魔が育ちまくってるな。これなら予想以上に稼げそうだ)

杏子(他人が犠牲になろうが知ったことかよ。アタシはアタシ自身のために魔法を使うって決めたんだからな)

杏子(そうだ。正義の味方なんてバカじゃねぇか。だったらアタシは悪の手先で十分だよ)

杏子(…お?)




481 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:49:56.73 ID:zJRj076j0

杏子(魔女の結界だ! おいおい今日はまだ稼げんのかよ!)

杏子(やっぱ、ここは最高の狩り場だぜ!マミのやつにはもったいなかったな!)

杏子(さーて、ちゃちゃっと片付けるとするかな)

???「――ぬおぉぉぉぉぉぉ」

杏子(…ん?)





482 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:51:10.74 ID:zJRj076j0

???「な、なんだここは! どうしたというのだ!」

杏子(なんか悲鳴が聞こえるな。誰か迷い込んだのか)

杏子(悪いが、アタシはマミみたいな正義の味方じゃないんだ。恨むんなら、こんなことに巻き込まれた自分を恨みなよ)



???「くそっ、もしや吾輩の頭脳を狙った組織の陰謀か! 一人で行動していたのがあだとなったか! だが、こんなもので吾輩は屈せんぞ!
    必ずや、この窮地を脱出し、この世の真理を見つけ出してみせよう! そのためなら、いかなる困難も敵ではないわ!
    天上天下どこにあろうとも吾輩のほかに悪はなし! 吾輩をおいて真理なし! 天地開闢から終末に至るまでの、あらゆる事象は吾輩によって…」

杏子(…うるせーなぁ)




483 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:51:44.56 ID:zJRj076j0

(そして…)


杏子「死ねっ!」

魔女「…」

杏子「ふぃー、終わりっと」

杏子(流石に4戦目はキツイな…。今日はもう帰るか)

杏子(しっかし、たった数日でこんなに稼げるとはね。これなら、まだまだ稼げそうだな)

杏子(さーて、今日は何を食うとするかな。昨日はラーメンだったから、今日はピザでも…)





484 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:52:26.31 ID:zJRj076j0

???「おや、景色が戻ったのう。もしかして出られたか」

杏子(ん、この声は。生きてたのか、運の良いやつだな)

???「ん? 何じゃ貴様は?」

杏子「…」

???「おお、ちょうどいい。今さっきまで、ここに変な空間が広がっていなかったか? ダリの『柔らかい時計』のような…」

杏子「は? 何言ってんだじいさん? ボケてんのか?」

???「本当に知らんのか? ううむ、ボケたとは思いたくないが…」

杏子「…もういくぜ。徘徊してねーで家に帰れよ」

杏子(…変な服着た爺さんだったな。黒マントかよ)





485 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:53:07.21 ID:zJRj076j0

―数日後―


杏子(今日も大量大量っと。笑いは止まらねーな、こりゃ!)

杏子(狩っても狩っても狩りつくせねぇ。使い魔がガンガン人を襲ってくれるから、育てるのも楽だなこりゃ)

杏子(この調子でグリーフシードを集めて、もっとエリアを広げてみるか。これだけありゃ、他の魔法少女に負けるはずねーからな)

杏子(くっくっく、夢が広がるぜ…!)

杏子(さてと、今日はもう帰って寝るかな)




486 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:53:44.27 ID:zJRj076j0

―マミホーム―


杏子「ただい…」

杏子(っと、またやっちまった。返事なんか返ってくるわけねーのに)

杏子(いい加減、一人も長いんだからな。慣れないと)

杏子(今日は、何を食べるかな…)


???「おう、帰ったかの」

杏子「…は?」

???「外で待っているのも辛いのでな。勝手に上がらせてもらったぞ」

杏子「…」




487 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:54:25.53 ID:zJRj076j0

杏子(おいおいおい、何だこのジジイ?!)

杏子(い、いや、その前に何で勝手に部屋に上がっているんだよ。鍵はかけといたぞ)

杏子(まさか、ボケて上がりこんだってことはないよな? 鍵はかかってたんだし)

杏子(もしかして新手の空き巣か? この野郎、人の家に土足で上がりこみやがって!)


杏子「出ていけ、ジジイ! 今なら冗談で許してやるよ」

???「ん? なんじゃ。何か気に障るようなことでもしたか?」

杏子「人の家に勝手に土足で入られて喜ぶ人間がいるかよ! ここはアタシの家だ! 出て行かなきゃ警察呼ぶぞ、ジジイ!」

???「何が警察じゃ。お前さんも他人の家に上がりこんでるくせに」

杏子「なっ!」

???「知っとるぞ。ここの本当の家主は行方不明じゃろ。お主は勝手にここで住んでいるにすぎん。警察を呼んでもわしは別にかまわん。
    ボケたふりしてやり過ごすからの」





488 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:55:06.51 ID:zJRj076j0

杏子「…爺さん。何者だ?」

黒野「よくぞ聞いてくれた! 吾輩こそは悪の天才科学者・黒野鉄斎じゃ!」

杏子「なんだ、やっぱりボケジジイか」

黒野「失礼なやつじゃな」

杏子「自分のことを悪だの天才だの言うやつは、ボケてるのと変わらねぇよ!」

黒野「事実なんだから、仕方ないじゃろ。自己分析は重要じゃぞ」

杏子「…で、その悪の天才科学者がなんのようだよ。アタシをスカウトしにでも来たのか?」

黒野「ふん、生意気な小娘がわが組織に入ろうなぞ10年早いわ」

杏子「こっちだってそんな変なもんに入るなんて願い下げだよ」




489 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:56:11.18 ID:zJRj076j0

黒野「お主、あの変な空間のことを知っておるじゃろ」

杏子「…なんのことだよ」

黒野「とぼけても無駄じゃ。ここ数日、行動のデータを取らせてもらった。お主の行く先々であの妙な空間が広がっておる」

杏子「んなっ!」

黒野「最初にあった時も、あの空間を出た瞬間だったからな。何かあると思って、発信機を付けておいたのが正解だったみたいじゃな」

杏子「外せ! 今すぐ外しやがれ!」

黒野「外してもいいが、その前にあの妙な空間のことを教えんか。なんじゃ、大神かプロペラ団の残党が何かしとるのか?」

杏子「やっぱいいや。位置を教えるくらいなら、気にしないしな」

黒野「いまここで警察を呼んでもよいぞ。わしはボケたふりをするから、お主はさっさと補導されるんじゃな」

杏子「…このクソジジイが」

黒野「いいからさっさと教えい。秘密を教えれば、こちらも可能な限りで何か報酬を払うぞ?」

杏子「…別にいいけど。どうせ信じないだろうし」




490 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:57:08.65 ID:zJRj076j0

(そして…)


黒野「ふうむ、魔女に魔法少女か…面白いの」

杏子「…やけにあっさり信じるんだな」

黒野「世の中には色々あるからな。このくらいじゃ、もう驚きもせん」

杏子「色々ってなんだよ。こんなバカの妄想みたいな話が他にもあるってのか?」

黒野「吾輩の知り合いには神隠しの呪いにかかった高校生や、他人とぶつかった拍子に体が入れ替わった野球選手がおるぞ」

杏子「は? なにそれ? 冗談でも笑えないんだけど」

黒野「吾輩から見れば、お主の方が冗談みたいな存在じゃがな」

杏子「うるせぇ」


黒野「それで、お主がその魔法少女なんじゃろ?」

杏子「ちげぇよ、アタシはただの一般人。魔法少女のことを知ってるだけ」

黒野「つまらん嘘を付くでない。そうじゃなければ、わざわざ結界なんぞに近づく理由なぞないわ」

杏子「ちっ…」

黒野「魔法少女なら変身してみい。報酬は出すと言ってるじゃろ」

杏子「さっきから何だよ報酬って。金でもくれるのか、ええおい?」




491 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:58:05.28 ID:zJRj076j0

黒野「金かでいいのか? ほれ」ドサ

杏子「なっ…」

黒野「遠征のために、ある程度は持ち合わせがあるからの。変身すれば、その半分をやろう」

杏子「やっぱ止めた。いいよ金なんて。そんなもんアタシも持ってるし」

黒野「そうか? じゃあ、何が欲しい」



杏子「アンタの目的を教えろ」

黒野「そんなことでいいのか? それを聞いてどうするんじゃ」

杏子「どうするかは、アタシが決める。あんたは目的を教えてくれればいい」

黒野「まぁ、いいじゃろ。教えてやろう」

杏子(この爺さんが、なんなのか。手札も全く見えやしねェ)

杏子(とにかく情報が必要だ。アタシの邪魔をするようなら、変身したついでにそのまま…)




492 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 21:59:04.65 ID:zJRj076j0

杏子「ほれ、これが魔法少女だよ」ヘンシン

黒野「ふうむ――」

杏子「触るなよ。何かしたら警察に突き出してやるからな」

黒野「…この宝石で変身したのか? たしかソウルジェムといったか」

杏子「ああ、そうだよ。魔法の力でちょちょいのちょいってね」

黒野「一つ聞くが、これが濁りきるとどうなるんじゃ? 定期的に濁りを取らなくてはならんとか言っていたが」

杏子「知らねーよ。魔法が使えなくなるんじゃないの? 使ったら濁るんだし」

黒野(おかしいの。使ったら、普通は何かしら減るものだと思うが、濁りが増えるとはどういうことじゃ?)

杏子「ほれ、もういいだろ。変身して見せたんだから、さっさとアンタの目的を教えなよ」

黒野「謎は尽きないんじゃが…。まあいいだろう」





493 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:00:16.55 ID:zJRj076j0

(そして…)


杏子「…世界征服?」

黒野「そうじゃ。男としてこれ以上の目標はあるまいて」

杏子「なんだ。やっぱりただのボケジジイか」

黒野「ふん。そうやって、バカにしておるがよい。吾輩は寛容じゃからな。
   それに有益な情報をくれた例じゃ。征服した際にはお前さんさえよければそれなりのポジションを用意してやろう」

杏子「いらねーよ、そんなもん」

黒野「な、なんだと! おのれ、このような破格の待遇を蹴るとは。物の価値がわからん奴め」

杏子「そんな重荷みたいなもん、アタシはごめんだね。それに悪どいことなら今でもやっているし、スカウトされなくても勝手にやってやるよ」

黒野「ほう。魔法少女なんて人々を守る仕事をしているくせに、悪どいこととな?」

杏子「…なんだよ?」




494 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:01:20.25 ID:zJRj076j0

黒野「どうせ仕事をサボって寝てるとかそんなもんじゃろ? そんなものと、吾輩の悪を一緒にするでないわ」

杏子「あんだと! そっちだって、どうせ口だけで何もしてないんだろ!」

黒野「そんなことはない。吾輩の組織は、平和の水面下で着々とその勢力を伸ばしておる。
   プロペラ団の研究や実験体の確保にも成功しておるからの。つい先日も怪人製造マシーンの開発に成功した。
   世界征服のための準備は確実に進んでおるわい」

杏子「なんだよ、プロペラ団って?」

黒野「知らんのか? 奴らの活動は、一時期は表だっていただろうに。主にスポーツ界で問題となったじゃろ」

杏子「アタシんちはテレビがなかったんだよ。スポーツの事情なんか知らないね」

黒野「なんじゃ、意外と苦労人なんじゃな」

杏子「うるせぇ」

黒野「まあいい。この街に来たのも、活動の一貫じゃ。ここ最近、この街で行方不明者が続出しておることを聞いての。
   何かあると思ってきてみれば、この通り収穫あり。これだけでも、成果といえるんではないかの?」

杏子(ちっ…。あんまり派手に動きすぎると、こんなのが寄ってくんのか。面倒くせぇなぁ…)

杏子「ふん。それでも、大して結果は出ていなんだろ?」

黒野「まぁ、まだ目に見えた大きな結果は出ていないな。それも時間の問題じゃ。大事には辛抱も重要じゃからの」

杏子「何もしてないのと同じじゃねえか。アタシの悪事とは比べものにすらならないね」

黒野「では聞くが、お前さんは具体的になにをしているのだ? そこまで言うなら、相当な悪人なんじゃろ?」

杏子「当然だ。アタシのしていることは、しょぼい爺さんの悪事なんかとは違うんだからな。自分勝手に好き勝手やってるのさ」

黒野「良いから、早くいうてみい」

杏子「ああ、聞いて驚くなよ」




495 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:02:08.76 ID:zJRj076j0

杏子「アタシは使い魔に人間を食わせているのさ」

黒野「ほう…」

杏子「使い魔が人間を食うのは説明しただろ? ならグリーフシードを孕ませてから倒した方が得だからな!
   こうやって、アタシはグリーフシードを集めているのさ」

黒野「なるほど。そうやって、効率よくグリーフシードを集めているというわけか」

杏子「ああ、そうすれば好きなだけ魔法が使えるからな」

黒野「魔法が使えれば、どんな相手にも負けることはない。そういうことじゃな?」

杏子「わかってんじゃねーか。そういうことだよ」




496 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:03:30.61 ID:zJRj076j0

黒野「で、それのどこが、悪いことなんじゃ?」

杏子「は?」

黒野「そのグリーフシードが無ければ、魔法が使えんのじゃろう? なら集めるのは当然のことじゃろ」

杏子「だ、だってその為に使い魔を放っておいているんだぞ? 人間を襲うのに!」

黒野「自分のために他人を蹴落とすなど、普通に誰でもやっていることではないか」

杏子「え、あ、それはそうかもしれないけど…」

黒野「それに魔法が使えるといっても、魔女を倒すために使うのなら良いことではないかの」

杏子「そんなことねーぞ! 新しく狩場を手に入れるために、他の魔法少女と戦ったりだな…」

黒野「それでも、結局は世の中に呪いをまき散らす魔女と戦うのじゃろ?
   むしろ人一倍魔女と戦う分、真面目な魔法少女ではないか。そんなもの、悪事でもなんでもないわ」

杏子「んな…!」




497 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:04:00.24 ID:zJRj076j0

黒野「もっと何かないのか? 悪の魔法少女というなら、なんかそう言えるだけのものを」

杏子「え、えっと…。食い物盗んだり、お金をちょろまかしたり、ATMぶっこわしたり…」

黒野「ショボいな」

杏子「う、うるせえ!」

黒野「お前さんは悪人でも何でもない。ただの苦労人じゃ。変に悪ぶる必要などないぞ?」

杏子「なんだよ! アタシが良い人だとでもいうつもりか!」

黒野「そのキュゥべえの言い付けどおり、魔女を倒している以上、善人な方じゃろ。それがお前さんにとって正義なのかどうかは知らんがの」





498 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:05:10.23 ID:zJRj076j0

杏子「…出てけ」

黒野「ん? なんじゃ?」

杏子「出て行けって言ってんだ! このクソジジイ!」

黒野「やれやれ。お前さんだって、この部屋の部外者ではないか。ま、今日はひとまず退散するとするわい」

杏子「うるさい! もう2度と顔見せんな!」

黒野「わかったわかった。それじゃあ、また今度会うとするかの」バタン

杏子(善人なんて、そんなことあるわけない…!)

杏子(アタシはこの力を全て自分のためだけに使い切るって決めたんだ! 自分の為だけに!)

杏子(善人なんて、それじゃあ人のために戦っているみたいじゃねぇか!)

杏子(そうなったら親父みたいなことがまた…。もうあんな間違いはしないって決めたんだ、絶対に!)




499 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:05:40.19 ID:zJRj076j0

―路地裏―


杏子「はっ!」

使い魔「…」シュウゥ

杏子「…グリーフシード、ゲットっと」

杏子(…あー、なんかつまんねぇ)

杏子(相変わらず、この街は使い魔の育ちもいいし、数も減らない。グリーフシードも順調に手に入る)

杏子(思いのままに魔法も使えるし、不満なんかあるはずねぇのに)

杏子(…いや、不満ならあるか)





500 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:06:14.68 ID:zJRj076j0

黒野「今日も見事じゃな。こちらも良いデータが取れたわ」

杏子「…」

黒野「しかし、小娘がこれだけの力を発揮できるとは驚きじゃ。やはり、魔法ではなく身体そのものが変化しているとしか…」ブツブツ

杏子(このクソジジイ…!)





501 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:09:45.31 ID:zJRj076j0

杏子「おい!」

黒野「なんじゃ。いまこっちは解析に忙しいんじゃからあとにせんかい」

杏子「なんで、ずっとついてきてるんだよ! 邪魔だっつーの!」

黒野「吾輩は目的をちゃんと話したじゃろうが。なのに魔法少女のことは、まだ全部知ることができておりゃせん」

杏子「こっちはちゃんと変身しただろ!」

黒野「吾輩は、秘密を教えろといったんじゃ。そっちが提示した対価は払ったんじゃから、吾輩には知る権利がある。
   お前さんが知らんことはこっちで調べるから、さっさと戦わんか。今はデータがとにかくほしいからの」

杏子「…ていうか、何なんだよ。その機械やらゴーグルは」

黒野「お前さんのいう、魔女や使い魔を計測する機械じゃよ。普通の人間には見えないと言っていたからな。
   手がかりさえつかめれば、吾輩の頭脳があればこんなものを作るのも容易いわ」

杏子「本当かよ、それ? 機械を使ってあいつらが見えるなんて聞いたことねーぞ」

黒野「不可能を可能にするのがマッドサイエンティストじゃからな。このくらいできなければ名折れじゃ。ほれ、のぞいてみるか?」

杏子「いいよ。アタシは元々見えるんだから、見えたとしても本当にその機械が動いているのかわからないし」

黒野「それもそうじゃな」

杏子(とはいえ、このジジイ。勝手についてきている割には使い魔がきたら一目散に離れるし、居場所はちゃんとわかってたんだよな…)

杏子(性格はともかく、本当に天才科学者だったんだな)





502 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:10:23.17 ID:zJRj076j0

黒野「ん? 何じゃこの白いのは。また使い魔か?」

QB「…」

杏子「キュゥべえじゃん。なにやってんだ?」

黒野「ああ、こやつが例の…」

QB「…杏子。どういうことだい? だれだい、この人は。どうして僕の姿が見えるんだい?」

杏子「悪のマッドサイエンティストだって。真理を探究してるんだと」

黒野「黒野鉄斎じゃ。さて、質問をさせてくれんか。お前さんに聞いた方が早いことがいくつかあるのでの」

QB「…」





503 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:11:07.45 ID:zJRj076j0

QB『杏子』

杏子『なんだよ』

QB『彼は何者だ?』

杏子『さっきいっただろ。それより、あんたからも言ってやってくれ。何を言っても勝手についてくるし、発信機でこっちの場所見つけるし。もう疲れたよ…』

QB『いや、他に疑問がある。どうして、僕や魔女が見えるんだ? 素質がなきゃ見えないはずなのに』

杏子『さっき、マッドサイエンティストって言っただろ。自分で見える装置を開発したって』

QB『本当かい? …いや実際彼にはこっちの姿が見えている。しかし、この星の技術レベルではまだ…』

杏子『言っておくけど、アタシに説教するのはおかしいからな。一般人にバラすな、なんて言われたことないし』

QB『…ああ、それはいいよ。しかし、一つお願いだ。彼と行動するのは今後一切…』





504 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:11:52.83 ID:zJRj076j0

黒野『――ああ、ようやく聞こえたわい』ワンワン

杏子『ぎゃぁっ!』

QB『!』

黒野『テレパシーとはなるほど。ふむふむ、こういうものか。癖を掴めば、ラジオと変わらんな』ワンワン

杏子『な、なんだジジイ! どうやって念話を…』

黒野『ふっふっふ、吾輩を甘く見るでない。急に黙ったら、何か内緒話をしていると疑うのは当然じゃ!
   テレパシーのことはお前さんから聞いておったからの。ピーンときたわい。
   いい機会じゃから、先日開発したテレパシー装置の試験駆動に付き合ってもらったぞ。うむ、これも見事に成功じゃな』ワンワンワン

杏子『勝手に変なもん作るな! あと、うるせえよ! ボリューム下げろ!』

黒野『む? そんなものはないぞ。そもそも相手の技術を利用して勝手に割り込むものじゃから、細かい操作は…』ワンワンワンワン

杏子『あ”あ”あ”あ”ーーーーーー。頭がーーーーーーーー!!!』





505 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:16:33.79 ID:zJRj076j0

(そして…)


杏子「あー、死ぬかと思った…」

黒野「ふむ…。まだ、問題点は山積みのようじゃな。よい、実験結果が得られてよかったわ」

杏子「勝手に人で実験すんじゃねぇよ! 脳みそに変なの叩き込むんじゃねぇ!」

黒野「科学の発展には犠牲が付き物じゃ。死体にならなかっただけ、吾輩に感謝せい」

杏子「死ね! 本当にくたばれこのクソジジイ!」

黒野「おことわりじゃ。まだ世界征服しとらんからの」

杏子「ったく、キュゥべえのやつはいつの間にか消えちまったし。アイツは本当に死んだんじゃねぇの? 体弱そうだしな」

黒野「逃げられただけじゃろ。まぁ、別にかまわん」

杏子「そりゃ、いきなりあんなことされちゃあな。ビビるだろ、フツ―」

黒野(まあ大方、バレると困る隠し事がったんじゃろうて)




506 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:18:15.90 ID:zJRj076j0

―マミ宅―


杏子「…ねぇ」

黒野「なんじゃ。今、データをまとめるのに忙しいんじゃ。食事は作っておいたじゃろ」

杏子「ああ、うん…」

黒野「まったく、一匹オオカミを気取っているくせに、食事の一つも作れんとは。情けないのう」

杏子「悪のマッドサイエンティストが、一人台所に立ってるのも十分情けないと思うんだけど?」

黒野「何を言う。自分の身の回りのことも出来ない男が、世界征服なんぞできるものか」

杏子「そーいうのは、普通部下にやらせんじゃねーの? アタシに言わせれば、飯の一つも作ってくれる部下の居ない男なんてボス失格だね」

黒野「口の減らない小娘じゃな。立花もたかゆきも、留守を任せているのだからしょうがなかろう。
   ほれ、これを機に何か覚えんか。スパゲティなんか楽じゃぞ?」

杏子「いーんだよ。どうせアタシは家なしだし。ジャンクフードで十分だよ。この一瞬を生きてりゃいいの」

黒野「刹那的じゃのう。若者の特権といえば特権じゃが、お前さんの場合はそうではあるまいて」

杏子「わけわかんねー。いただきます、っと」

黒野「そういえば食器くらいは洗わんか。昨日も洗ってなかったぞ」

杏子「アタシは悪い子なんだから、そんなことはしないの」





507 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:18:42.53 ID:zJRj076j0

杏子「今の今まで聞かなかったんだけどさ」ハムハム

黒野「なんじゃ?」

杏子「この部屋に居て何でばれないの? アンタ普通に玄関から入ってるけど、家主は行方不明ってことになってるんだけど」

黒野「ああ、広域催眠装置でマンション一帯にお前さんが家主に見える暗示をかけたから大丈夫じゃ」

杏子「勝手にとんでもないことしてんじゃねえよ!」

黒野「ちなみに吾輩はお前さんの祖父ということになっておる。行方不明になっておったから、様子を見に来ているという設定じゃ。
   溜まっておった家賃も払ってあるから、追い出される心配もないぞ」

杏子「そういうことは早く言えよ! 毎日、ベランダから入ってたアタシがバカみてーじゃねーか」

黒野「施しが嫌いそうだったんだでな。吾輩の気遣いに感謝せい」

杏子「他に気を使うことがあるだろ!」

黒野「勝手に部屋を使っているお前さんが言えた義理か」





508 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:19:18.95 ID:zJRj076j0

杏子「ていうか、何でこの部屋で居ついているんだよ」

黒野「この街にはまだわが組織の拠点がないからの。利用させてもらっているというわけじゃ。家賃は払っているのじゃから、問題はなかろうて」

杏子「勝手に全部進めやがって」

黒野「家主はお前さんではないからの。有効利用させてもらっただけじゃ」

杏子「今はアタシがここの持ち主だ。知り合いの家だしな。アンタよりはここに居る権利があると思うけど?」

黒野「持ち主に許可を取っていない以上、吾輩もお前さんも空き巣とそうかわらんわい。大体何でお前さんはここにおるんじゃ。自分の家に帰ればよかろうに」

杏子「アタシ、家はないの。家族はみんな死んじまったから」

黒野「ほう。大変じゃな」

杏子「だからわかるだろ? 生きるためには何でもしなきゃいけないの。それこそ汚いことだってなんだってしてな」

黒野「じゃが、皿くらいは洗わんかい。それを言い訳にしてサボるでないわ」

杏子「うるさいな。どうせもう普通の生活には戻れないんだから、アタシは好き勝手やるって決めたんだ。
   食器の片付けなんてかったるいことやってられっかよ」

黒野「好き勝手生きるとな?」

杏子「ああ、そうだよ。そのせいで、知らない誰かが死んだって構うもんか。アタシは自分の為だけに力を使うって決めたの」





509 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:19:52.70 ID:zJRj076j0

黒野「前から聞きたかったんじゃがの」

杏子「なんだよ。魔法少女のことならもう知ってることはないけど」

黒野「いや聞きたいのはお前さんの事じゃ。魔法少女は自分の願いを叶えて魔法少女になると聞いた。で、お前さんは魔法少女になって何がしたいのじゃ?」

杏子「そんなもん簡単だよ。アタシはこの力を使って自分の為だけに…」

黒野「だから、具体的に何をするのかと聞いておる」

杏子「グリーフシードを集めるのさ。でもって魔女を狩る。思う存分な」

黒野「なんじゃつまらん」

杏子「なんだと!」

黒野「好き勝手やるとは言っているが、やることは魔法少女の仕事をこなすだけではないか。面白くもなんともない」





510 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:20:19.74 ID:zJRj076j0

杏子「あ?」

黒野「義務を淡々とこなすだけ。そんなもの、そこら辺のサラリーマンと何も変わらんわ。
   真面目な生き方かもしれんが、悪のマッドサイエンティストであるワシの興味は引けんな」

杏子「アタシは真面目じゃねぇ! グリーフシードのためなら、どんなことでもやるんだぞ!」

黒野「そのグリーフシードを集めたところで、やることは魔女狩りじゃろう。キュゥべえとやらの契約条件にある仕事じゃ。
   飯を食べて、寝て、仕事をこなす。魔法少女の枠組みから見たら、実に真面目な生き方ではないか」

杏子「そんなわけあるか! アタシは自分の為にしか力を使わないって決めてるんだ!」

黒野「と、いわれてものう。というか、何を怒っておるんじゃ?」

杏子「他人のために力を使うのはバカのすることさ。アタシはそんな奴になりたくないんだよ」

黒野「ああ、なるほどのう…」

杏子「だからアタシは正義の味方なんて真っ平ごめんだね。やるなら悪の手先が一番さ。好き勝手に暴れられるからな」





511 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:21:19.81 ID:zJRj076j0

黒野「悪を舐めるでないわ、小娘」

杏子「なんだよ、急に」

黒野「ハッキリ言ってやろう。お前さんのしていることは悪でも何でもない。単なるその日暮らしと何も変わらん」

杏子「あんだと!」

黒野「悪を語るなら、もっとでかいことをやってみんか。契約なら何やらルールで縛られているお前さんに悪を語る資格なんぞないわ」

杏子「うるせぇよ。何で悪いことするのに資格がなきゃいけないんだ」



黒野「お前さんは、単に失敗でもしてヘコんでるだけじゃろ」

杏子「んなっ…!」

黒野「吾輩を舐めるでないわ。なんじゃ、信じていた相手に裏切られたか? それとも自分のせいで友人でも不幸になったのか?」

杏子「…」

黒野「まあいい。そこまで自分の為だけに力を使おうとするのなら、それ相応の理由があるのじゃろ。
   じゃが、それで足を止めるのはならんぞ。自分の為に戦うのなら、もっと強欲に生きんか。中途半端に真面目に生きても辛いだけじゃぞ」

杏子「…なんだよそれ」

黒野「グリーフシード集めると言ったが、集めて何が楽しいんじゃ。他のエリアを乗っ取ると言ったが、結局は魔女退治をすることに変わりはないんじゃろ。
   結局、お前さんは自分の為に生きてはいない。契約内容をただこなすだけに生きておる。自分勝手が聞いて呆れるの」

杏子「…」





黒野「自分勝手に生きたいのなら、契約なんぞ無視せい。自分を縛っているルールなんぞ、壊してみんか。それが自分勝手ということじゃよ」
512 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:22:15.49 ID:zJRj076j0

杏子「…んなことできるのかよ」

黒野「そこまでは知らんわい。自分勝手に生きたいのなら、そのくらい自分で初めてみんか」

杏子「じゃあ、魔法少女にとって悪ってのはなんなんだ? どんな手段を使っても魔女を倒すことが真面目っていうなら、何すりゃ不真面目になるんだよ?」

黒野「魔女退治をサボって呑気に生きればいいのではないか? もしくは、キュゥベエを脅してもっと多くの願いを叶えさせるとかでもいいじゃろ。
   新たな魔法少女が生まれるのを邪魔するのもいいかもしれんな」

杏子「ただの嫌がらせじゃねぇか!」

黒野「そうじゃ、嫌がらせじゃよ。ルールに対する反逆じゃ。既存のルールに囚われずに自分勝手に動いて、目的を達成するんじゃ。
   悪とはそういうロマンに溢れたものじゃよ」



杏子「悪はロマン…ねぇ。なんか悪者っぽいな」

黒野「そうじゃろう、そうじゃろう」

杏子「んじゃ、アタシがルールに縛られないためにも、家事は全部爺さんがやってくれよ。当番制も無しな」

黒野「なんじゃと?! ええい貴様、都合よく物事を解釈しおって!」

杏子「だって、そういったのは爺さんだぜ。それにアタシはこの部屋がどうなろうと別にいいんだ。爺さんも適当にやりゃいいのに」

黒野「バカなことを言うでない。ゴミ屋敷に住む世界の支配者がいるものか。人に見られる職業なのだから、それ相応の姿でいなくてはならんのじゃ」

杏子「じゃあ、炊事洗濯は頼むぜ。世界征服を企んでんだから、身の回りはキッチリ清潔でないとな」

黒野「まったく、最近の子供は…」ブツブツ

杏子(しかし、爺さんの言うとおりだな。何でわざわざ、キュゥべえの言うことに従わなくちゃいけないんだ。面倒くせぇ)

杏子(考えてみたら、キュゥべえ脅して親父達を生き返らせりゃいいんじゃないか? アイツも命は惜しいはずだし、とっ捕まえてちょっと刺せばいうこと聞くだろ)

杏子(というか、キュウベェ殺しちまえばもう魔法少女は生まれないんだから、叶えてもらったら始末しちゃったほうが…)

杏子(…)





513 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:23:01.45 ID:zJRj076j0

(数日後…)


黒野「吾輩は基地に戻るぞ。今まで世話になったな」

杏子「また、えらく急だな。どうしたの?」

黒野「魔女や魔法少女に関するデータが揃ったのでな。ここいらで、一度向こうでまとめておきたいんじゃ」

杏子「はー、そりゃご苦労なことで」

黒野「だが、また戻ってくるかもしれん。家賃は半年分払ってあるからの。それまではここを使っていてもよいぞ」

杏子「そりゃどうも。んじゃ、遠慮なく使わせてもらうよ」





514 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:24:37.19 ID:zJRj076j0


黒野「それと、ほれ」ピラッ

杏子「ん? なにこれ?」

黒野「ワシの組織の連絡先じゃ。暇ならわが組織に協力せい。良い戦力なるから、それなりの待遇で迎えるぞ」

杏子「んー…まあ、貰っておくよ。でもアタシにもやることができたから、期待すんなよな」

黒野「そうかい。そりゃよかったの」

杏子「なんだよそれ」

黒野「別に、ただ嬉しいことがあっただけじゃよ」

杏子「気持ち悪いジジイだな、相変わらず」








515 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:26:24.78 ID:zJRj076j0

黒野「それじゃあな、杏子よ。悪を目指すなら、またどこかで会うこともあろうて」

杏子「おー。爺さんも元気でな」


杏子(さーてと、今日もキュゥべえに嫌がらせしに行くかな)

杏子(なんたって、アタシは悪の魔法少女なんだからな!)





516 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:26:57.11 ID:zJRj076j0

―キャラ紹介―


・佐倉杏子

魔法少女。マミさんの後輩。
昔は行動を共にしていたが、色々あってマミとは別れることになった。
天涯孤独の身。年齢不詳なので、小卒か中卒かも不明。
初対面の相手には厳しいが、懐くと意外と仲間思い。


・黒野鉄斎

悪のマッドサイエンティスト。真理を探究するもの。
パワポケ4・5・7・8・11に登場。
初登場71歳。11で90歳を超えていると思われる凄い人。
本家で言うダイジョーブ博士のポジションのキャラだったが、空気ではなく本編にもガッツリ絡む。
独特の美学により世界征服を企んでいるが決して悪人ではなく、行動が一貫しているのでむしろ良い人。
7で大活躍。彼の正義と悪の話に惚れ込んだプレイヤー多し。




517 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/06(日) 22:28:41.52 ID:zJRj076j0
番外編はこれで終わりです。

次の投下は木曜日になります。
お読みただきありがとうございました。




518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(三重県) [sage]:2011/11/06(日) 22:34:01.85 ID:naF7ln1R0
乙でした。

確かに7での彼は格好良い
7プレイしてあれを見てないのは愚かだってレベル
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(京都府) [sage]:2011/11/06(日) 22:35:36.06 ID:B9nyie4Io

この番外編がどう本編と繋がるのか楽しみだ
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/06(日) 22:45:05.08 ID:cTW6fA9bo
>>518
でも難いんだぜアレを見るまでの
ヒーロー戦とヒーロー抜き甲子園とVSヒーローは…
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(中部地方) [sage]:2011/11/06(日) 22:48:36.18 ID:LEdKaVKeo
dsk7キター

GJ
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(三重県) [sage]:2011/11/06(日) 23:00:42.33 ID:naF7ln1R0
>>520
俺の嫁こと真央ちゃん攻略時なら、ちっとは楽になるよね。
それでもドギツいが。

個人的に7は異次元野球システムも相まって甲子園優勝難易度はMAXだと思う
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [sage]:2011/11/07(月) 01:19:54.33 ID:4B5F4lrlo
乙!

7はセンターゴロがあるからな
でも初期ROMなら1人転生システムのおかげで能力MAX楽勝っていうww
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(四国) [sage]:2011/11/07(月) 22:34:24.99 ID:kCmFmQjAO
ソウルジェムの秘密に気づいたら、このあんこちゃんはどうするんだろう
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/08(火) 00:19:47.23 ID:pBVlUtgSO
悪と正義の話ってひろしが言ったことになってる正義の反対は正義だってやつ?
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/08(火) 18:30:53.87 ID:xLQh7iFjo
黒野博士チート過ぎて笑ったw

個人的に1番キツかったのは6の裏野球大会かな
7は甲子園優勝は楽だけどヒーローのミニゲームがクリア出来なかったw
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/08(火) 21:51:42.45 ID:l580BFTc0
悪の魔法少女っていうとかずみ☆マギカを思い出すな

プレイアデス教団…奴らは人殺しの集団なのさ!!
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(長野県) [sage]:2011/11/09(水) 08:37:48.02 ID:uVKTOhaWo
まぁ、ある意味間違っちゃいないがな・・・・・・
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(三重県) [sage]:2011/11/09(水) 21:48:36.03 ID:jiSRU2VU0
>>526
6に関しては智林兄弟を駆使した盗塁技があるから余裕なんだぜ
この二人と太眉アメフトをパワーうpさせとけばおk
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/09(水) 22:16:24.68 ID:nlZtcDYa0
帰ってきた暁にはマミさん宅には博士と杏子さん在宅か

にぎやかになるなww 割と幸せになれそうww
531 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 21:19:07.43 ID:B6QwT6rd0
>>473
失礼。エロ本じゃなくて、ビデオの間違いです。

>>522
真央を攻略しようとすると、ほむほむの気分になってきますね。
グッドエンドに辿りつけるためには大団円ルートかつフラグ成立確率25%…


続きを投下します。今回は20日〜10日目前篇です。


532 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 21:19:44.52 ID:B6QwT6rd0

―仕事場―


6主「はぁ…今日も疲れたなぁ」

落田「6主くん、今日は一緒に飲みに行くでやんす!」

6主「ああ、仕事終わりの一杯はいいよなぁ。でも、ごめん。今日は止めておくよ」

落田「そうでやんすか? 残念でやんす」

6主「そろそろ期限が近いからね。一気にペラをためて、目標額までにしておきたいんだ」

落田「あんまり無理しちゃダメでやんすよ? 休みも取ってないみたいでやんすし」

6主「わかってるよ。それより、明日でいいからマミちゃんを練習に誘ってあげてよ。ちょっと、精神的に参ってるみたいだからさ」

落田「分かったでやんす」





533 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 21:20:45.84 ID:B6QwT6rd0

―広場ー


6主(キツイ仕事ばかりやるのは、大変だなぁ…。でも、最後の踏ん張りなんだから、がんばろう!)

6主(そういえば、倉刈さんにも娘さんと電話させてあげたいな。どうにか管理所のスキを見つけられないかなぁ)



ヘルガ「おい、貴様」

6主「あ、所長」

ヘルガ「あの小娘はどうなっている? ここ最近、プレイルームでも練習場でも見かけないと聞いているが?」

6主「ちょっと、色々考える時期でね。だから、休みをあげているんだ。その分俺が働いているから、文句はないだろう?」

ヘルガ「ふむ…。あまり仕事をサボるようなら罰を与えなければならんが?」

6主「あの子の管理は俺の管轄だ。責任は俺にある。罰なら、俺が受けるよ」

ヘルガ「分かっているようだな。まぁ、本当に罰を与えるなどとは言わん。健康管理も重要なことだからな」




534 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 21:21:42.88 ID:B6QwT6rd0

6主「もしかして、心配してくれたのか? マミちゃんのこと」

ヘルガ「当然だ。収容者の管理が仕事だからな。壊れやすい小娘となれば、扱いも慎重になる」

6主「ああ、そう…」

ヘルガ「そういえば、ペラの方はたまっているのか?」

6主「うーん、何とかなるかも…ってところかな」

ヘルガ「言っておくが、期限までに1ペラでも足りなければ、もう100日この島に滞在してもらう。
    情けをかけるつもりはない。それが規則だからな」

6主「わかってるよ。そんなことを許してくれるような人じゃないからね、君は」

ヘルガ「現状を認識しているならそれでいい」

6主「最悪、マミちゃんだけでも脱出できればOKだ。そうなったら、俺だけもう100日間働くよ」




535 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 21:23:28.35 ID:B6QwT6rd0

ヘルガ「しかし、あの娘はこの島を出る気になるかな?」

6主「! …知ってたのか?」

ヘルガ「あの手の輩は、この島では珍しいものではない。小娘もそうだとは思わなかったがな」

6主「出る気になるさ。あの子の居場所はこんな所じゃないんだ」

ヘルガ「強要するのか? この島で生きることの方が、小娘にとって幸せかもしれんぞ」

6主「俺はそうは思わないよ」

ヘルガ「…まあいい。小娘のことは小娘自身が決めることだからな」スタスタ





536 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 21:23:56.42 ID:B6QwT6rd0

―次の日・グラウンド―


マミ「…」

マミ(私は、どうしたら…)

小杉「おい」

マミ「は、はい!」

小杉「止めだ。やる気がないのなら、勝負しても意味がないしな」

マミ「え、あ、すみません…」

落田「負け続けているから、止めどきを探してたでやんすね」

小杉「うるせーぞ! 凡田!」

落田「オイラは、落田でやんす!」




537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/10(木) 23:15:59.50 ID:ENWKukp5o
鯖復活した?
538 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:16:56.69 ID:B6QwT6rd0

マミ(6主さんはああ言ったけれど、でも街に戻って何があるっていうの…?)

マミ(結局、魔女と戦い続けて最後は魔女になる…。どこに居たって、同じじゃない)

マミ(新しく仲間を増やすことも、もうできない。こんなことに誰かを巻き込むなんてことは、許されることじゃないわ)

マミ(魔法少女はどこにいても一人で、私を知ってくれる人なんてどこにもいない)

マミ(6主さんが教えてくれた未来の仲間だって、最後は死んでしまう。良いことなんて、何もないじゃない)

マミ(でも、BB団に協力するなんてこと…)


落田「そういえば、マミちゃんはそろそろ滞在期限でやんすね」

マミ「はい…」

三谷「おお、そういえばそうか。ペラの方はどうなんだ?」

マミ「まだ、溜まってはいないですけど…。でも、次の試合に勝てればなんとかはなりそうですね」

渡辺「それはよかった」

三谷「一足早くマミ助がいなくなるのか…。なんだか寂しくなるな」

落田「ちょっと間だけでやんすよ。オイラたちもさっさとこんな島を出るでやんす!」

中田「そうだな。試合にも勝てているし、俺も、もうちょっとでペラが溜まりそうだよ」

マミ「…」




539 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:17:45.78 ID:B6QwT6rd0

三谷「しかし6主の奴、100日で二人分のペラを溜めちまうとはなぁ」

落田「無駄に熱い男でやんすからね。それがいい所なんでやんすが」

渡辺「ペラも貸してくれたしな」

布具里「まぁおせっかいなやつだしな。無駄に首突っ込むし」

小杉「裏切られてから、気が付くタイプだな。バカなんだよ」

マミ「でも、いい人ですよ?」

小杉「それだけじゃ、世の中渡っていけないんだよ」

落田「でも、意外と抜け目もないでやんすよ。班長にワイロを渡していたり、やることはしっかりやっているでやんす」

三谷「あ、ばか!」




540 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:21:36.20 ID:B6QwT6rd0

マミ「え…?」

三谷「い、いや、何でもないぞ、マミ助」

マミ「ちょっと待ってください。ワイロってなんですか…?」

三谷「ワ、わいろうっていうお菓子があるんだ! いやーあれは…」

マミ「答えてください!」

落田「べ、別に大したことじゃないでやんす。そんなに悪いことじゃないでやんすよ?」

マミ「それは私が決めます。何ですか、ワイロって」

一同『…』




541 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:22:45.56 ID:B6QwT6rd0

小杉「…ワイロはワイロだよ」

三谷「おい、小杉!」

小杉「いいじゃねぇか。大なり小なり、みんなやってるんだ」

マミ「…どういうことですか?」

小杉「試合のスタメンだよ。メンバーを決めるのは班長だが、ワイロを贈れば優先的にスタメンに入れてもらえるんだ」

マミ「…!」

小杉「どうしても試合にでたけりゃ、班長にペラを贈ればいいんだ。簡単な話だろ?」

マミ「…それを、6主さんがやってたんですか?」

落田「マミちゃん。6主くんを責めちゃダメでやんす。これも、ペラをためるためでやんすよ」

マミ「…もういいです」スタスタ

三谷「…マズったなぁ」

渡辺「おい、落田くん。お前のせいだぞ」

落田「スマンでやんす…」

小杉「…」


マミ(…結局、みんな同じなんじゃない)

マミ(みんな汚ないことをして。じゃあ、私が悪いことをしても、何がいけないっていうのよ…!)




542 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:23:58.73 ID:B6QwT6rd0

―宿舎―


落田「ごめんでやんす、6主くん」

6主「まぁ、しかたないよ。ばれちゃったもんはしょうがないし」

三谷「それで、マミ助とは話ができたのか?」


マミ「…」


6主「それが、どうにも話すきっかけがなくて…」

渡辺「とにかく、早く仲直りするんだな。時間が経つとますます気まずくなるぞ」

布具里「俺たちからも頼むよ。視線が痛くて痛くて…」

落田「純粋な眼差しが心に突き刺さるでやんす…」

6主「わかったよ。こっちも話したいことがあるし、何とかしないとな」




543 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:25:06.84 ID:B6QwT6rd0

―外―


マミ「…なんですか、用って」

6主(何とか外に連れ出したものの、どうしよう…)

マミ「何もないなら、帰ります」

6主「ちょ、ちょっと待ってマミちゃん!」

マミ「早くしてください。6主さんも仕事で疲れているんでしょう?」

6主「えーっと…、怒ってるんだよね。俺が…その…ワイロを贈ってたから…」

マミ「…」

6主「ごめん。君に相談するべきだったよ。隠すようなことをしていたのも謝る。この通り!」




544 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:25:39.15 ID:B6QwT6rd0

マミ「…別にかまいません」

6主「え?」

マミ「そうしないと、試合に出られなかったんですよね? じゃあ、仕方ないじゃないですか」

6主「う、うん。そうなんだけど…」

マミ「いいんです。責めるつもりはありません。正しいことだけしても、どうにもなりませんものね」




545 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:27:02.60 ID:B6QwT6rd0

6主「…怒ってるよね?」

マミ「怒ってません」

6主「いやでも…」

マミ「怒ってません」

6主「あの…」

マミ「怒ってません」

6主「…」

マミ「もう、戻ります。明日も早いですから。6主さんも早めに休んでください」スタスタ

6主「あ…」

6主(…どう考えても、軽蔑されてるよな?)




546 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:28:32.29 ID:B6QwT6rd0

―グラウンド―


マミ(…みんな同じじゃない)

マミ(悪いことをする人が良い目を見て、正直な人は不幸になるだけ)

マミ(だったら、私だって悪いことをしたって何が悪いっていうの?)

マミ(こんな島で働いて、魔女になるまで残りの人生を過ごしたって…)

マミ(魔女になっても、死ぬのはBB団だけ。人がいなくなったら、後はこの島で一人ぼっちね。そうすれば、もう誰も襲うことはないわ)

マミ(誰にも迷惑かけないし、それ以外私の魔女で被害が出ることもない。あの街の平和を守るためにも、これが最善なんじゃないの)

マミ(そうよ、それでいいじゃない…。それで…)




547 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:29:16.03 ID:B6QwT6rd0

落田「マミちゃん、ちょっとお話ししたいでやんす」

マミ「…何ですか? 落田さん」

落田「6主くんのこと、許してあげてほしいでやんす」

マミ「許すもなにも、私は別に…」

落田「嫌な部分を見てショックなのはわかるでやんす。でも、6主くんもしたくてしたわけじゃないでやんすよ」

マミ「…そんなことは、わかってます」

落田「ああ見えて、6主くんはそういうのを一番嫌っている男でやんす。それでもあえてあんなことをした気持ちを、どうかくみ取ってほしいでやんす」

マミ「…」





548 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:30:19.63 ID:B6QwT6rd0

6主「おーい、落田くん。倉刈さんのことだけの上手くいった…」

落田「あ…6主くん」

マミ「…」

6主「…」

落田「あの…6主くん、オイラは…」

6主「言い訳はしないよ。マミちゃん」

マミ「…?」

6主「俺がやったことは悪いことだ。どんな理由があろうとそれは変わらない。だから君は…」

マミ「綺麗なままでいてくれっていうんですか?」

6主「え…?」

マミ「ふざけないでください。貴方の勝手な願望を私に押し付けないでください」

6主「そんなことは…」

マミ「自分だけそうやって悪いことして、私には綺麗でいろっていうんですか。
   何でみんな悪いことをしているのに、私はしちゃいけないんですか? そうしないとどうにもならないのに?」

6主「そういう状況だし、正しいことだけじゃ生きられないも本当だ。でも、それをマミちゃんがやる必要はない。こういうのが大人の役割なんだ」

マミ「それが勝手だっていうんです。自分のことは自分で面倒見ます。どうせ魔女になるんだったら、それまで好きなように生きたって…」





549 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:31:31.50 ID:B6QwT6rd0

6主「ダメだ」

マミ「…どうしてですか?」

6主「今の君は、後ろしか向いていない。それじゃだめだ」

マミ「それのなにが悪いんですか? もうどうしようもないなら、逃げるしかないじゃないですか」

6主「本当に逃げられる相手ならそれでもいい。でも君は、今の君の相手からは逃げることは出来ないよ」

マミ「そんなこと、やってみないとわからないじゃないですか!」

6主「やらなくても分かるよ。相手はマミちゃん自身だ。誰も自分を止めることはできないし、何時でも側に居る相手から逃げられるわけないじゃないか!」

マミ「…!」

6主「不安は正体がわからないから不安なんだ。じっくり見つめて正体を明かさないと消えないんだ、マミちゃん」

マミ「6主さんは勝手です! 勝手すぎます!」

6主「そうだよ、君の問題は君が解決するしかない。周りは勝手なことしか言えないんだ。それでも解決するしかないんだよ。その勝手な言葉を聞き入れてでも。
   マミちゃん、不安なら向き合うしかないんだ!」

マミ「それでも酷い! わたしの側にも居てくれないくせに、そんなこと言わないでください!」





550 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:32:15.35 ID:B6QwT6rd0

6主「え…?」

マミ「誰が居てくれれば私だってこんなに悩まなくて済むんです。この島の外で一緒に居てくれる誰かがいれば、それで!」

6主「それは…」

6主(俺は任務が終わったら未来に…)

マミ「解決する方法を持っているのに、それをしてくれない人の勝手な意見なんて聞きたくないです!」ダッ

6主「あ、マミちゃん!」

落田「6主くんダメでやんす。あの様子じゃ、6主くんの言葉は今のマミちゃんには逆効果でやんすよ」

6主「でも、あのままじゃ…」

落田「どうしたもんでやんすかね。オイラたちのようなダメ人間が何を言っても無理なような気がするでやんす」

6主「…」


6主(もしかして、覚悟が足りなかったのか? 一度関わったら最後まで付き合うって覚悟が…)

6主(中途半端に付き合ってもそれはただの同情で、本当に相手のためにならないんじゃないんだろうか?)




551 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:34:13.78 ID:B6QwT6rd0

マミ「…」

マミ(私っていつからこんなに嫌な子になったんだろう。あんなに親身になってくれた人に、酷いことを言うなんて…)

マミ(もうダメみたい、私)

マミ(6主さんは私のことを正しいっていってくれたけど、そんなことない。正体を知らずに魔女を倒していたんですもの)

マミ(私なんて、こんな島で死んだほうが…)



552 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:35:09.66 ID:B6QwT6rd0

小杉「おい、ちょっと来い」

マミ「え? きゃっ…」

小杉「…」ズンズン

マミ「ちょ、ちょっと、離してください!」

小杉「…」ズンズンズン




553 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:35:58.41 ID:B6QwT6rd0

マミ「…なんですか、小杉さん」

小杉「さっさと、6主と仲を戻せ」

マミ「そんなこと、あなたに言われる筋合いがありません」

小杉「迷惑なんだよ。班の空気も悪くなるし、お前も練習に身が入ってないからな。このままじゃ、試合に負けるだろうが」

マミ「またペラですか? それしか考えることがないんですね」

小杉「当り前だ。この島じゃペラが全てなんだからな。追い求めて何が悪い」

マミ「…それをなんで私にいうんですか?」

小杉「どうせお前がくだらないこと考えて、わがままを言ったんだろ」





554 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:37:20.13 ID:B6QwT6rd0

マミ「くだらないってなんですか」

小杉「何だよ、なにか文句でもあんのか?」

マミ「私だって悩んでるんです。それを勝手にくだらないなんて言わないでください」

小杉「知るかよそんなこと。ガキの悩みなんて能天気に飯食って寝れば解決するようなもんだろ。
   そんなもんで、これ以上空気を悪くすんなって言ってんだよ」

マミ「貴方にわたしの何がわかるっていうんですか? 悩みも知らないくせに」

小杉「知らなくても、この島でガキが大人より苦労しているわけないからな」

マミ「そんなことありません。小杉さんにはわからないかもしれませんが、私だって悩むくらいの苦労はしてるんです」




555 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:41:03.42 ID:B6QwT6rd0

小杉「じゃあ、お前は文句が言えるほど自分が苦労しているっていうのか?」

マミ「確実に小杉さんよりは苦労はしてるでしょうね」

小杉「あんだと! この俺がスター選手になるまでにどれだけ苦労したと思ってんだ!」

マミ「でも、結局こんな島に来ることになったんでしょう? それって苦労が足りなかったってことなんじゃないんですか?」

小杉「うぐ…」

小杉(確かに俺のスターの座は…)

小杉「そ、それはお前だって同じだろうが!」

マミ「私は売り飛ばされてきた身ですから。自分の知らないところで巻き込まれた分だけ、苦労してるんじゃないですか」

小杉「ホントむかつくガキだな、お前!」

マミ「何も知らない人に能天気呼ばわりされれば、こうもなります!」




556 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:41:38.72 ID:B6QwT6rd0

小杉「いや、お前が6主より苦労しているわけがない! やっぱり悪いのはお前だ!」

マミ「何でそうなるんですか。それは、6主さんは苦労してると思いますけど」

小杉「あいつがどんなに身を削ってたかお前は知らないだろう。わがまま言って困らせるんじゃねぇ」

マミ「身を削るっていっても、悪いことをしてペラを稼いでいただけでしょう? ズルをする苦労なんて、苦労って言えるんですか?」

小杉(! ここだ…! このクソガキを言い負かせるにはここしかない!)



557 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:42:22.22 ID:B6QwT6rd0

小杉「ズルっていうがな、それを6主が本当に好きでやってたと思ってるのか?」

マミ「…どういう意味ですか?」

小杉「あいつは人一倍、そういうのが嫌いなんだよ。不正がまかり通るっていうのがな」

マミ「知っていますよ。だからどうしたっていうんですか。悪いことだと分かっているのにやるなら、さらに悪いことだと思いますけど」

小杉「お前のためにしていたのに、その言いぐさかよ。アイツも報われないな」

マミ「…?」

小杉「何でそんなことをしたかといえば、お前が一日でも早くこんな島から出られるようにするため決まってるじゃねぇか。
   そのために、自分の矜持を曲げてまでBB団に媚を売ったんだよ」

マミ「そんなの関係ないです! それで試合に出るためにワイロを渡すなんてことしたら、BB団と何も変わらないじゃないですか!」

小杉「しかたないだろ。只でさえ、アイツは班長に嫌われてるからな。お前も知ってんだろ?」

マミ「それでも他に方法が…」

小杉「ないな。ワイロの一つでも渡さなきゃ、試合には絶対に出られなかっただろうな。そうなったらペラを貰えないどころか、負けてペラを支払う羽目になっただろうぜ。ウチの班は負け続きだったしな」

マミ「でも、悪いことです!」

小杉「あのなぁ、自分の正義を守るのとこの島から脱出するの、どっちが大切だと思ってるんだよ。
   それにアイツはお前も島から出さなきゃならなかったんだ。自分のことなんか優先してる余裕なんかあるわけないだろうさ」

マミ「でも…でも…!」

小杉「綺麗なままで目的も果たせるなら、それが一番いいんだろうさ。
   でもアイツはそんなことよりも、お前が島から出られる方法を優先したんだろ。それこそ、汚いことでも何でもしてでもな。
   アイツはそういうやつなんだよ。見えないようにやってたのも、お前に重荷を背負わせるわけにはいかないって言ってたぜ」

マミ「6主さんが…?」

小杉(全部、俺の創作だけど)




558 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:44:07.13 ID:B6QwT6rd0

小杉「アイツが、超のつくお人よしだってこと知ってんだろ。自分のことより、誰かの事を優先しちまうんだよ。
   さっきだって、倉刈のために危険なことしてたしな」

マミ「倉刈さん…?」

小杉「ああ、娘に一言電話させるために管理棟に忍び込んだんだ。俺に兵士の気を引くようにペラを渡してきたぜ。
   まったく、見つかったら銃殺されるっていうのによくやるよ」

マミ「だ、大丈夫だったんですか?」

小杉「俺がヘマをするわけないだろ。倉刈の奴と無事に帰ってきたし、何とかなったんじゃねぇの」

マミ「よかった…」

小杉「そんな奴なんだ。自分の事より、他人のことを優先しちまうんだよ。それこそ、自分がどんなことになろうともな。
   お前がのほほんといられたのも、そのおかげなんだよ。アイツがいなかったら、速攻でリフレッシュ小屋に送られてただろうしな」

マミ「あの、前から気になってたんですがリフレッシュ小屋って?」

小杉「…知りたいか?」ゴニョゴニョ





559 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:46:10.84 ID:B6QwT6rd0

マミ「な…!」///

小杉「アイツ、お前に気を使って小屋で休むのもためらってたんだぜ? お前が来てから人形も使ってなかったみたいだし。
   そこまで6主の世話になっていたお前に、責める資格なんてあるのかよ」

マミ「それは…」

小杉「リフレッシュ小屋を使わないのはどれだけ辛いのか、お前は知らないだろ?
   毎日、それこそ死ぬ寸前まで搾り取られて気力も無くなって、そんな地獄での唯一のオアシスがあそこなんだ。
   あそこをわざわざ使おうとしないなんて、俺には自殺したいようにしか見えないね」

マミ「…」

小杉「ふてくされているお前より、どんなことをしてでも帰還するために行動している6主の方がよっぽどマシだと思うがな」

マミ「…」

小杉「ようやく分かったか。お前はなんか、ただわがまま言って困らせてるガキなんだよ!」

小杉(決まった!)




560 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:47:55.39 ID:B6QwT6rd0

マミ「…ひっく、ひっく」

小杉「え? おいなんで泣くんだよ!」

マミ「私…酷いこと言って…」グスグス

小杉「そうだよ! 全部お前が悪いんだ! 泣けば許されると思ってるなら大間違いだぞクソガキ!」

マミ「う、あ、ああああああ…」ボロボロ




561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(三重県) [sage]:2011/11/10(木) 23:48:32.18 ID:dsB7GhOE0
決まった! って思わなければ格好良かったのに……
562 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:50:17.77 ID:B6QwT6rd0

落田「あー! 小杉がマミちゃんを泣かせてるでやんす!」

渡辺「見損なったぞ! 小杉!」

三谷「それでも大人か!」


ボコボコボコボコ…


マミ(私は自分のことしか考えていなかったのに、6主さんは…)

マミ(謝らないと…)




563 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:52:02.34 ID:B6QwT6rd0

―宿舎―


6主「…」モグモグ

6主(うーん、やっぱりこれしかないかなぁ…)

6主(とはいえ、これでいいんだろうか。俺はこの時代の人間じゃないし…)

6主(いや、迷ってちゃダメだ。俺にはまだやることがあるんだから)




564 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:52:30.11 ID:B6QwT6rd0

マミ「あの…6主さん、ちょっといいですか?」

6主「あ…マミちゃん」

マミ「お食事の後でいいんです。少し時間をくれませんか…?」

6主「うん。こっちも話があるんだ」

マミ「…」ビクッ

6主「夕飯が終わったら外に行こう。話はそこで」

マミ「…はい」スタスタ

6主(ちょうどよかった…のか?)




565 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:53:17.73 ID:B6QwT6rd0

落田「6主くん。マミちゃんは今日一日とても落ち込んでたでやんす。いろいろとあったでやんすが怒っちゃだめでやんすよ」

6主「怒る? なにを?」

落田「…まあ、怒ってないなら良いでやんす」

6主「?」

三谷「おい、絶対にしくじるなよ」

中田「もう、あんな目で見られるのはキツイよ」

6主「わかってますよ。ちゃんとマミちゃんのことは責任持ちますから」

落田「頑張るでやんす!」




566 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:54:08.50 ID:B6QwT6rd0

―外―


6主「…」

マミ「…」

6主(…どうやって切り出そう?)

6主(考えたら俺はマミちゃんに嫌われてるわけだし、いきなりこんな話をしても無理だよな?)

マミ「…」

6主(ち、沈黙が痛い! な、なにか話さないと)

6主(それとも向こうから話すのを待つか? いやいや、問題を先送りにしても何の解決にはならないぞ!)

6主「あ、あのー?」

マミ「…ご」

6主「マミちゃん、それで…」

マミ「ごめんなさい!」



567 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:56:19.13 ID:ENWKukp50

6主「へ?」

マミ「勝手なことばかり言って、本当にごめんなさい!」

6主「な、なんのこと?」

マミ「私の知らないところで守ってくれてたって、小杉さんから聞きました。ワイロだって、確実に試合に出るためには仕方のないことだったって…」

6主「え、小杉? なんであいつが」

マミ「何も知らないのに勝手なことばかり言って、私って本当に…」

6主「い、いや。それはもういいよ。悪いことしてたことには変わりないんだし」

マミ「でも、やりたくもないことをやっていたって…」

6主「所長にああいった手前、俺には君を守る責任があるんだ。俺が好きでやってることだから気にしなくていいよ」

マミ「そんなの関係ありません。6主さんが私の代わりに嫌なことを引き受けていてくれたんですよ?」

6主「それこそ、知らなかったんだから仕方ないよ。俺も言わなかったしね」

マミ「でも…!」

6主「わかってくれたのなら、それでいいんだ。正直、許してくれないかもしれないって思ってたからさ」






568 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:57:39.15 ID:B6QwT6rd0

マミ「どうして、責めないんですか? 6主さんにあんなに酷いこと言ったのに…」

6主「だいぶヘコんでいるみたいだからね。傷口に塩を塗るようなことはしないよ」

マミ「でも、それじゃあ私の気が収まりません。お世話になりっぱなしなのに、何も知らないでわがままを言っていたなんて…」

6主「いいんだよ、それで」

マミ「え…?」

6主「わがままを聞くのも大人の仕事ってね。子供はまだ成長途中なんだから、間違えたり失敗して当然なんだ。そうやって成長していくんだから」

マミ「…私、もう子供じゃありません」

6主「正しくは、子供じゃいられなかったんでしょ? ご両親の事や魔法少女のことがあって」

マミ「…はい」

6主「でもマミちゃんはさ、もっと肩の力を抜いていいと思うな。
   失敗しないように気を張っているのかもしれないけど、無理をしてもそのうちほころびが出てくるよ。
   どんなに大人になろうとしても、君は子供なんだ。子供は失敗しても、誰かが守ったり教えてくれるはすだよ」

マミ「…でも、私には誰もいないんです。ずっと一人だったし、失敗なんてしたら生きていけなくて…」



569 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:58:10.25 ID:B6QwT6rd0

6主「そのことなんだけどさ。提案があるんだ」

マミ「なんですか?」

6主「この島を出たらさ、マミちゃんさえよければ俺が君の後見人になろうと思うんだ」

マミ「え?!」

6主「ほら、『解決する手段があるのに勝手だ』って。ああだこうだ言っておいて、いなくなるなんて無責任だと思うんだ。だからさ…」

マミ「そ、そんな! あれは八つ当たりみたいなもので深い意味は…!」

6主「…やっぱり嫌?」

マミ「い、いえ! 嫌じゃないですけど…」

6主「それにさ、君はもう例の親戚の人の世話にはなれないと思うんだ。そうなったら身寄りがなくなっちゃうし、それを放っておくことも出来ないかなって」

マミ「で、でも、6主さんは未来人だし、そんなこと歴史が…」

6主「ああ、大丈夫。俺一人増えたくらいで歴史の大筋はそう簡単には変わらないから。歴史は変更を嫌う性質があるからね。
   この時代に戸籍とかないから、色々用意しなきゃいけないけど、まぁそれはこっちで何とかしてみるよ。
   未来に帰るのも、まあとっくに滞在期限は過ぎてるからさ。少しくらい伸びてもあんまり変わらないしね」

マミ「…やっぱり、未来には帰ってしまうんですよね」

6主「まぁ、いつかはね。でも任務も終わってないから、当分先だよ」




570 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:58:45.83 ID:B6QwT6rd0

6主「それでさ、俺がこの時代に居られる間に、マミちゃんには好きな人を作ってほしいんだ」

マミ「え、な、なにいってるんですか!」

6主「いやいやいや! 変な意味じゃないよ!」

マミ「す、好きな人って…」///

6主「ご、ごめん。説明が足りなかった! 今説明するから! マミちゃんは言ったよね。自分には何もないって」

マミ「は、はい…」

6主「だからさ、俺が一緒に居てあげられる間に、その何かを作ってほしいんだ」

マミ「何か…ですか?」

6主「そう。好きな人や大切な人、魔法少女として戦う理由、趣味、生活。何でもいいんだ。それさえあれば、生きる希望が湧いてくる。そんなものをね」

マミ「でも…そんなもの見つけても最後は…」

6主「確かに魔法少女は酷いシステムだ。その行きつく先は魔女になることなのかもしれない。
   でも、それは今日明日で来るものじゃない。宿命から逃れられなくても、それまでの日々が不幸である道理はないはずだ」

マミ「…はい」

6主「それには、最後まで希望を失わないものが必要なんだ。最後の最後になっても、後悔しないものがね」

マミ「…」

6主「待っているのは残酷な結末かもしれない。でもその過程まで不幸にする必要はないんだ。
   絶望で魔女になるなら、希望を持てば結末すらも変えられるかもしれない。そうなれるものを君には見つけてほしいんだよ」




571 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/10(木) 23:59:14.12 ID:B6QwT6rd0

マミ「…そんなもの、あるんでしょうか?」

6主「あるよ、絶対に」

マミ「どうしてわかるんですか?」

6主「『希望はいいものだよ。多分最高のものだ。いいものは決して滅びない』ってね」

マミ「え?」

6主「昔の映画のセリフ。映画も俺の時代まで残っているんだ。いいものは残るし、なくならないもんだよ」

マミ「…」

6主「まぁ、後見人の件は考えておいてよ。強制はしない。でも、君の手伝いをしたい気持ちは変わらないよ」

マミ「…はい」





572 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/11(金) 00:00:01.27 ID:rGd4VFvd0
今日の投下はここまでです。

次は土曜日に投下予定です。
お読みいただきありがとうございました。



573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/11(金) 00:24:28.15 ID:GL67HSyqo
乙乙!
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/11(金) 00:26:11.02 ID:xIRiqh3+o

小杉ナイスアシスト
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(京都府) [sage]:2011/11/11(金) 00:37:51.58 ID:/I6Erv30o

小杉かっこいいのかかっこ悪いのかww
謎の支出???はワイロだったのか
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(東京都) [sage]:2011/11/11(金) 01:03:51.85 ID:BtFQodKyo
乙!
久しぶりにパワポケ6やりたくなってきた
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府) [sage]:2011/11/11(金) 01:34:54.97 ID:i9BXTSYIo
中学生に口論で負けかけるんじゃねえよ小杉wwwwwwww
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(三重県) [sage]:2011/11/11(金) 20:36:54.59 ID:6hSZoOjB0
>>575
当然じゃないか
あれ、何気に痛いんだよな
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) [sage]:2011/11/11(金) 20:57:46.38 ID:/I6Erv30o
>>578
当然と言われてもパワポケを知らないからな
てかそんなコマンドまであるのか、CERO仕事しろww
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/11(金) 21:04:23.38 ID:8NKcZPYyo
>>579
なに、この位パワポケではよくあることだ
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/11(金) 21:08:47.11 ID:yri81K77o
やきゅうができてたのしいな
トッテモオイシイヨ
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(三重県) [sage]:2011/11/11(金) 21:44:30.58 ID:6hSZoOjB0
>>578
それは失礼した。

……パワポケに関してCEROの仕事しなさは異常だぞ。賄賂払ってんじゃないかってレベル。
弾道上がろうが肌同士で温め合おうがメロンパンになろうがPAWAだろうがバキバキムシャムシャゴックンだろうが
主人公が死のうがヒロインが死のうが倉刈さんが悲惨な末路を迎えようがCEROは問答無用でAだからな
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/11(金) 22:04:50.30 ID:Vr3yUz010
一切明言はしてないからなww

ただ単に背景がホテルで! 女子高生と一緒にそこをデートしてるだけだから!
やましいことは一切ないですよ!! 
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/12(土) 01:28:13.96 ID:oC8tzH/s0
でもメロンパンはシルエット見えてたじゃないですかー。
他にもボンッびちゃびちゃびちゃとか。
・・・ジオットェ
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/12(土) 01:30:12.71 ID:KdKH74aMo
そうだな、その結果体力が下がって弾道が上がって
その後妙に大人びてた態度とってもCEROAなら何ら問題ないな
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(中部地方) [sage]:2011/11/12(土) 09:59:40.59 ID:/sCoDPsNo
C ERO A
587 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:30:47.03 ID:RZCeW3Y40
>>579
試合の前日になると、イベントで班長に賄賂を渡すか何もしないかを選ぶことができます。
この時何もしないとほぼ試合に出られませんし、出られないと強制敗北になって−50ペラのペナルティを食らいます。
また賄賂にも色々あり、その中で一番高いペラを払う選択をすると、100%試合に出れるというわけです。
プライドを捨てて、尻尾を振らないと生き残れないのがしあわせ島。


続きを投下します。


588 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:31:33.71 ID:RZCeW3Y40

―朝―


マミ「おはようございます」

落田「おはようでやんす、マミちゃん」

三谷「おう、マミ助。今日は元気だな」

マミ「ご心配をおかけしました。あの…、ご迷惑をかけて申し訳ございませんでした」ペコリ

渡辺「いいよいいよ。たまにはそんな時もあるだろ」

中田「こんな島だしな」

倉刈「辛くなったら、我慢しないで言ってくださいね。力になりますから」




589 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:32:02.59 ID:RZCeW3Y40

落田「ちゃんと仲直りできたのでやんすね」

6主「まぁ、何とかね。色々と約束もしたし、ますます期限までにペラを溜めなくちゃいけなくなったよ」

落田「がんばるでやんす。あと、もうちょっとでやんすよ」

三谷「そうそう、マミ助をちゃんと脱出させてやらなかったら、ぶん殴るからな」

6主「わかってますよ」



590 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:33:22.77 ID:RZCeW3Y40


(その日のこと…)


―鉱山―


収容者A「…っと、ああ腰が痛い…」

収容者B「まったく、仕事終わりだっていうのにこんなこと押し付けやがって」

収容者A「おい、兵士に聞かれたらどうするんだよ」

収容者B「っせぇな、愚痴ぐらい言わせろよ」

収容者A「ええと、なんだこりゃ? 何か動かないぞ?」





591 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:34:16.25 ID:RZCeW3Y40

BB兵「おい、そこ! 何をグズグズやっているか!」

収容者A「あ、すみません。トロッコの車輪に何かが挟まって…」

BB兵「どれ、見てやろう」


(ぐらっ!)


BB兵「え?」

収容者A「あ」

BB兵「うああああ!」グシャ




592 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:34:54.91 ID:RZCeW3Y40

収容者A「あ、あああああああ!」

収容者B「おい、お前…なんてことを!」

収容者A「やっちまった…。トロッコを倒してBB団兵士に大けがさせちまった…!」


「すぐに逃げろ!」「殺されるぞ!」


収容者B「ちょっとまて! …こいつ銃を持っているな」

収容者A「え? ああ、そうだな…」

収容者B「…使えそうだ」

収容者A「おい、まさか!」

収容者B「へへ、『毒を食らわば』なんとやらだ。島民を人質にとって、このふざけた島から逃げ出そう」

収容者A「そんなことして、もし失敗したら殺されるぞ!」

収容者B「じゃあ、どうすんだよ! どのみち、俺たちは兵士をやっちまったんだ。何もしなくても殺されるぞ」

収容者A「そ、それは…」

収容者B「俺はやるぜ。こんなところで殺されてたまるか。お前はどうすんだよ」

収容者A「…」





593 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:35:38.51 ID:RZCeW3Y40

―村―


村長「…すみませんな。色々いただいて」

マコンデ「ほっほっほ。まあ、あなた方からは食べ物を供給してもらってますからね」

6主(なるほど。この島で作れない、衣服や砂糖で島民を手なずけているのか。バオが言っていた通りだな)

マコンデ「おい、お前たち! さっさと持ってきたものを村の倉庫に運び込まんか!」

6主「はい」

マミ「それじゃあ、私たちも運びましょう。6主さん」

落田「オイラは、向こうの方を手伝ってくるでやんす」

6主「わかったよ」




594 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:36:11.99 ID:RZCeW3Y40

落田「マミちゃん、疲れたらさっさと6主くんに全部任せるでやんす」

6主「おい! いくらなんでもこれ全部は無理だ!」

マミ「私は大丈夫ですよ。この島に来て体もだいぶ鍛えられましたから」

落田「マミちゃんは真面目でやんすね。やっぱりいい子でやんす」

6主「ほらほら、落田くん。向こうで中田さんが呼んでるよ」

落田「おっと、じゃあ行ってくるでやんす。6主くん、ここで全部運んだら男の株が上がるでやんすよ」スタスタ

6主「…まったく、落田くんは」

マミ「じゃあ、早く運んでしまいましょう。6主さん」




595 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:36:52.04 ID:RZCeW3Y40

6主「そういえば、どうだい? 好きなこととかやりたいことは見つかりそう?」

マミ「すみません、まだ…」

6主「まぁ、焦ることはないよ。こっちの任務も全然手についてない状態だし、時間がかかりそうだしね」

マミ「…何も思い浮かばないんです。お父さんやお母さんが死んじゃってから、ずっと魔女と戦ってて遊んだりする暇もなくて…。
   こうしてみると、私って魔女退治のことしか考えてなかったんだな、って」

6主「うーん、魔法少女仲間とはいないのかな? ほら、報告書にあった子たちとか」

マミ「それが、ほとんどまだ聞いたことの人ばかりで…。佐倉さんは知ってるんですけど」

6主「その子とはどうなんだい。大切な仲間だったりとかは…」




596 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:38:07.55 ID:RZCeW3Y40

マミ「…あの子とは、その、魔法少女の在り方について喧嘩別れしてしまって」

6主「なにかあったの?」

マミ「佐倉さんは、魔法少女は自分ためだけに戦うべきだって言うんです。だから、使い魔が人を襲っても放っておいてグリーフシードを孕むまで待ったほうがいいって。
   それで、一緒に居られなくなってしまったんです」

6主「でも、グリーフシードがないと魔法少女は…」

マミ「はい。でも、その頃はそんなこと知りませんでしたから。戦って、それで別れてしまって」

6主「…難しいところだね。どっちも間違ってはいない分、余計にね」

マミ「でも、人を襲わせるなんてことはできません。未来の私に何があったのかはわかりませんけど、とても彼女とはもう…」





597 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:39:23.63 ID:RZCeW3Y40

6主「無理に、主義主張をぶつける必要はないんじゃないかな?」

マミ「え?」

6主「世の中、理解できない考え方や価値観が山ほどあるんだ。いけないのは、意固地になって無視することじゃないかな」

マミ「でも、佐倉さんの考えはとても私には…」

6主「別に君がそうするってことじゃないよ。お互い尊重すること、どっちも間違ってないならなおさらだよ」

マミ「…綺麗ごとじゃないでしょうか?」

6主「でも、君はその子のこと心配なんだろ?」

マミ「そ…! …そうかもしれません」

6主「じゃあ、仕方ないじゃないか。綺麗ごとでも何でも、一緒に居られる道を探さないと」

マミ「そうでしょうか…」

6主「大丈夫、きっとできるって!」

マミ「はい…」

マミ(…でも、魔法少女の未来は決まっている。運命は変えられない)

マミ(そんな行き詰った世界で、希望を持てるものなんて…)




598 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:39:50.68 ID:RZCeW3Y40

マミ「6主さん、ちょっと未来のことを聞いてもいいですか?」

6主「いいけど、あんまり面白くないよ? 話せないことも多いし」

マミ「あれ? でも、魔法少女のことはよかったんですか、話して?」

6主「うっ…」

マミ「…ダメだったんですか? もしかして」

6主「…うん」

マミ「…」

6主「…」




599 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:40:38.30 ID:RZCeW3Y40

マミ「き、気が動転していたんですからしかたないですよ!」

6主「そ、そうだよね! 仕方なかったよね! 伝説の魔法少女を目の前にしてたんだし!」

マミ「それにそのお陰で私は本当のことを知ることができましたし。私は感謝してますよ! 教えてくれて」

6主「だよね。ちょっと知るのが早くなったくらい大丈夫だよね! イベントの予定が進んだくらい問題ないよな!」

マミ(タイムパトロールとは思えない不用意な発言が多すぎますよ、6主さん…)

6主「ま、まあ、話せる範囲で答えるよ。何か聞きたいの?」

マミ「あ、はい。未来のこと…というより6主さんのことを聞きたいんですが」

6主「俺のこと?」

マミ「タイムパトロールとか聞きましたけど、正直あまり現実味がなくて」

6主「まぁ、それくらいなら大丈夫かな。そのまんまの意味だよ。歴史を変えようとする時間犯罪者を捕まえるのが俺の仕事。今回も、その任務でこの時代に来たんだ」

マミ「じゃあ、この島にその時間犯罪者がいるんですね。やっぱり所長なんですか?」




600 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:41:36.03 ID:RZCeW3Y40

6主「あ、いや、この島に来たのと任務は関係ないんだ」

マミ「えっ?」

6主「将来歴史を変えるスゴい発明をする製作所を守るのが任務だったんだけど、失敗して倒産させちゃって。それで借金を背負ってこの島に…」

マミ「そ、それって、大変なことになるんじゃないですか…?」

6主「うん。だから、早く島を出て再建しないと…。あああ、こうしてる間にも歴史が…」

マミ(本当にタイムパトロール…?)




601 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:42:16.51 ID:RZCeW3Y40

マミ「タイムマシンもあるんですよね、本物の」

6主「まあね。それがないとこの時代に来れないし」

マミ「どんなものなんですか? タイムマシンって。引き出しに空間が広がっているとか、車型で雷を落とすとか…」

6主「あはは。それってアニメや映画だよね。面白いかったよなぁ、あれ」

マミ(未来でも残っているのね…。なんだか凄い話)



6主「とはいえ、君に現物は見せられないな」

マミ「やっぱり、機密事項なんですか。そういうものって」

6主「いや、違うよ。この時代もってきてないんだ。未来のものは、ほとんど持ち込み禁止だし、タイムマシンなんてオーバーテクノロジーなんてもっての外なんだよ」

マミ「え? じゃあ、どうやってこの時代に来たんですか?」

6主「未来にマシンがあって、そこから送ってもらったんだ。だから外見は転送装置に近いかな」

マミ「はぁ…。あれ? じゃあどうやって未来にタイムワープするんですか?」




602 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:43:03.98 ID:RZCeW3Y40

6主「しないよ」

マミ「え?」

6主「そもそも、過去に戻るタイムマシンはあるけど、未来に行くタイムマシンはまだ開発されていないんだ」

マミ「じゃ、じゃあどうするんですか?! もしかして、一度タイムマシンを使ったら二度と帰れないとか…」

6主「まぁ、帰れないね。というか未来に行く機械がないんだし」

マミ「まさか、置き去りなんですか? 任務で過去に行ったらあとはもう…」

6主「いや、未来に戻る場合はコールドスリープをすることになるんだ。それをするための秘密の施設がこの時代にもあってね。
   そこで、元の時代になるまで眠るんだよ」

マミ「…何か、ちぐはぐしてますね。技術はすごいのに、方法は単純すぎるような」

6主「そんなもんだよ。一見凄くても中身は単純なものさ」




603 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:44:55.09 ID:RZCeW3Y40

マミ「…でもそれって、戻った時代は元居た時代とは違うんですよね」

6主「そうだね。過去に人を送った時点で、歴史が変わっているわけだし。
   歴史改変から守るための仕事だから、まるっきり違うってことはないけど、微妙な差異ならよく見るかな」

マミ「…」

6主「読んでいた小説の作者が、戻ったら小説家じゃなくなってたってこともあったよ。まあ、別の人が似たような小説を書いているんだけど。。
   でも文体が全然違うんだよなぁ…」




604 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:45:27.01 ID:RZCeW3Y40

マミ「…怖くないんですか?」

6主「ん?」

マミ「だって、戻っても前とは違う世界だし、知っている人でも同じ人じゃないんですよ?
   そんなの、世界でたった一人ってことじゃないですか…」

6主「うーん、そうなるかな。もう何度も任務でタイムスリップしてるから、なんか慣れちゃってて」

マミ「慣れるものなんですか? そういうのって…」

6主「わからないな。言われて見れば不思議な感じだよ」

マミ「…私はそういうのに慣れたくないです。悲しいじゃないですか、寂しいかどうかも分からないなんて」

6主「寂しいのかな、俺?」

マミ「寂しいですよ。世界でたった一人で、知り合いも誰もいないなんて…」

6主「うーん…」





605 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:47:07.14 ID:RZCeW3Y40

(パーン! パーン!)


マミ「?!」

6主「今のは! 銃声だよね?」

マミ「ええ…!」

6主(銃を使うような状況になるなんて、大事だぞ…!)




606 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:47:53.45 ID:RZCeW3Y40

マコンデ「誰ですか、村で銃を打っているバカモノは!」

収容者A「う、うわっ!」パーン

マコンデ「ひ、ひえええっ?!」

6主「なんだ? 反乱か? とにかくマミちゃんは隠れてて」

マミ「は、はい!」




607 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:48:57.26 ID:RZCeW3Y40

マコンデ「どうして、あいつらが銃を持っているんですかー?!?」

収容者B「おい、弾は少ないんだ。無駄に撃つな」

収容者A「だって、あそこに副所長が…」

収容者B「なに? 捕まえて人質にするんだ!」

収容者A「わかった! ついでにこれまでの恨みを晴らしてやる!」

マコンデ「ひっ、あっちに行け!」タタタタタ

6主「なんか凄いことになっているな…。って、副所長の奴こっちにくるぞ!」

マコンデ「お、おい! そこのお前! 私を助けろ!」

6主「おい、こっちに来るな! マミちゃん逃げるぞ!」

マミ「は、はい!」

マコンデ「あああ、待て待ってくれ!」



608 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:49:33.23 ID:RZCeW3Y40
収容者A「畜生、逃がすか!」ガガガガガガガ!!!

マコンデ「ひっ、ひぃいい!」

6主「おいバカ! こっちに向けて撃つんじゃない!」

収容者A「うるさい! 殺されたくなかったら俺たちに協力しろ!」

6主「こんな無計画な脱走に付き合えるか!」

収容者A「じゃあ、お前も死ね!」

マミ「む、無茶苦茶ですよ!」

マコンデ「ペ、ペラを出すぞ! だから私を撃つのを止めろ!」

6主「んなことしているじゃないじゃないだろ! 早く逃げろ!」





609 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:50:09.42 ID:RZCeW3Y40

収容者A「逃げられるくらいなら、殺してやる!」ガシャ!

6主「危ない!」ドン

マミ「きゃっ!」


ガガガガガガガ!!!


6主「はうっ!」バタ

マミ「ろ、6主さん! しっかりしてください!」

マコンデ「ひ、ひぃぃぃぃぃ!」

収容者A「あ、あんなところに逃げた! この…!」

収容者B「おい、村長を捕まえたから逃げるぞ!」

収容者A「あ、ああ!」タタタ

マコンデ「た、助かった…」




610 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:51:11.51 ID:RZCeW3Y40

マミ「6主さん! しっかりしてください! 6主さん!」

6主「…」

マコンデ「こ、この! よ、よくも私を守らずに逃げようとしおって…」

マミ「やめてください!」

マコンデ「何だ小娘! 私に逆らうのなら…」

マミ「銃で撃たれたんです! 早くドクターを呼んでください!」

マコンデ「な、何で私がそんなことしなくてはならないんだ! 私は副所長だぞ!」

マミ「早く! でないと6主さんが…」

落田「マミちゃん! 今、倉刈さんが呼びに行ったでやんす! こっちに早く運ぶでやんすよ!」

マミ「落田さん!」

マコンデ「ふ、ふん! 役立たずめが!」スタスタ

マミ「6主さん…」

マミ(こうなったら、回復魔法で…)ポウ





611 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:53:31.38 ID:RZCeW3Y40

―海辺―


収容者B「村長、外海に出られる船はどこだ!」

村長「そこじゃ、そこにあるが…」

収容者B「なんだよ! ハッキリ言え!」

村長「わし一人では、うごかせん。もっと人の手がなければ…」

収容者B「くそ、それでもやるしかない! おい手を貸せ!」

村長「は、はい…」




612 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:54:27.75 ID:RZCeW3Y40

収容者A「おい、待てよ、あれはなんだ?」

収容者B「ん? あれは軍艦じゃねぇか?!」

収容者A「あ、砲台がこっちに向いて…」


(ヒュルルルルル)


収容者B「あ…」


(ズガーーン!)




613 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:54:51.36 ID:RZCeW3Y40

―管理棟―


ヘルガ「…着弾したか?」

BB兵「はい。目標には直撃していません」

へルガ「よし。行って脱走者をとらえよ」

BB兵「はっ!」タッタッタ

へルガ「…さて、問題はこの後の処理だな」




614 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:55:40.19 ID:RZCeW3Y40

―医療室―


6主「あー、死ぬかと思った…」

落田「本当に大丈夫でやんすか? なんかどくどく血が出てたでやんすけど…」

6主「大丈夫大丈夫、ほらこうやって喋れるし」

落田「まあ元気そうならいいでやんす。それにしても、運が良かったでやんすね」

6主「なんか、撃たれたけど当たり所は良かったみたい。ドクターにも言われたよ」

三谷「でも、しばらくは養生してるんだぞ。鉄砲玉食らったんだからな」

中田「ほんと、大事じゃなくてよかったよ」

小杉「けっ、くたばりぞこないが!」

倉刈「小杉くん、そんなこと言ってはいけませんよ」




615 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:56:29.16 ID:RZCeW3Y40

マミ「あ、6主さんお水持ってきました」

6主「ありがとう」

落田「ちゃんとお礼を言うでやんすよ、一番心配していたのはマミちゃんなんでやんすから」

6主「わかってるよ。ありがとうね、助かったよ」

マミ「い、いえ…」


落田「マミちゃん。6主くんの事、任せてもいいでやんすか? 男が世話をするより、女子中学生の方が6主くんも喜ぶでやんす」

6主「人を変態みたいに言うな!」

マミ「わかりました。じゃあ、みなさんはもう宿舎に帰ってください。私ももう少ししたら、戻りますから」

落田「わかったでやんす」

三谷「マミ助も、あんまり根をつめるなよ」

マミ「はい」




616 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:57:36.13 ID:RZCeW3Y40

(そして…)


6主「いやー、助かったよ。マミちゃん」

マミ「…これからは、あんな無茶をしないでくださいね」

6主「いや、俺もする気は無かったんだけどさ。無意識に体って動くもんだね」

マミ「…本当に…心配…したんですから…」

6主「ごめんごめん」

マミ「6主さん…本当は大けがだったんですよ? 私が、回復魔法を使えたからよかったものの、そうじゃなかったら今頃…」

6主「…やっぱり、そうだったんだね」

マミ「しばらく一緒に居てくれるって言ったのに…、嘘ついたら…、許しませんからね?」

6主「分かってるよ。約束は絶対守る。そうじゃなきゃ、大人じゃないもんね」

マミ「…はい」




617 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 21:58:12.44 ID:RZCeW3Y40

6主「しかし、マズイな。治るのにちょっと時間がかかりそうだ」

マミ「あ…」

6主「もうそんなに深い怪我じゃないけど、これじゃあ、次の試合は出れそうにない…」

マミ「も、もういちど。魔法を使います! それなら…」

6主「ちょっとまった! これ以上傷の治りが早かったら、さすがにBB団に疑われるよ。それは非常にマズイ!」

マミ「で、でも…」

6主「ただでさえ、今日の件で副所長に目をつけられているんだ。今はなるべく、目立つような行動はとらないほうがいい。
   魔法少女のことがばれたら、絶対に悪用されるぞ」

マミ「でも、そうしないと試合が…」

6主「…」

マミ(6主さん…)

マミ(このままじゃ試合に出られない。もし負けたりしたら、期日までにペラを集められなくなってしまうわ)

マミ(何か、何かないの? 私に、出来ることは…)




618 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:00:28.18 ID:RZCeW3Y40


「綺麗なままで目的も果たせるなら、それが一番いいんだろうさ」


マミ「…!」


「島から出られる方法を優先したんだろ。それこそ、汚いことでも何でもしてでもな」



マミ「…」

マミ(そうだ…ワイロを渡せば、確実に試合に出ることができる…)

マミ(もう綺麗汚い言っている場合じゃない。そうしないと、ペラを稼げない…!)

マミ(それに、6主さんにこれ以上汚いことを押し付けるわけには…)




619 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:01:48.08 ID:RZCeW3Y40

マミ「大丈夫ですよ!」

6主「え…?」

マミ「まだ、試合に出られないと決まったわけじゃありません! 
   私だっていますし、それに野球班もだいぶ強くなったじゃないですか。試合だってきっと勝てますよ!」

6主「う、うーん。確かに強くはなっていると思うけど…」

マミ「6主さんは、一人で頑張りすぎです。怪我をした時くらい、周りを頼ってください」

6主「そ、そうかな? 結構、周りに頼ってたとおもんだけど…」

マミ「野球は、一人のスポーツじゃないんですから。みなさんのことを信じましょう?
   こんな島で一緒に戦ってきた仲間なんですから!」

6主「そうか…。うん、そうだよね」

マミ「…」

マミ(私がワイロを出せば…、試合に出れる…)

マミ(ワイロを渡せば…)




620 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:02:53.58 ID:RZCeW3Y40

―所長室―


???「ヘルガ、お前の管理が手ぬるいから、今回のような脱走が起きるのでやんす!」

ヘルガ「申し訳ございません。少々、アメを与えすぎました」

???「とりあえず、見せしめとして無差別に10人処刑でやんす! なるべく残酷な殺し方をするでやんすよ!」

へルガ「我々が、残忍であることを見せるというわけですね」

???「そうでやんす! 恐怖こそ、人を縛る最大の鎖でやんすからね」

ヘルガ「それならば、もっと良い方法があります」

???「ほーう? 本当でやんすか? それなら今回はまかせるでやんす」

ヘルガ「わかりました。では、さっそく手筈を」

???「ただし、また連中が舐めた真似をしたらお前と言えども処分でやんす。次はないでやんすよ?」

へルガ「…肝に銘じておきます」




621 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:04:03.96 ID:RZCeW3Y40

―数日後―


(ざわざわ、ざわざわ…)


マミ「6主さん、歩けますか?」

6主「大丈夫だよ、痛むけどね。しかし、急になんなんだ?」

落田「どうやら、収容者の全員がここに集められてるでやんすね」

マミ「入院中の人も来るように言われるなんて…」

6主「一体、何があるんだ。なにか知らないか?」

布具里「どうも、この前に脱走しようとした奴らを処刑するらしいぜ。兵士がいってたぞ」

マミ「しょ、処刑…?」

布具里「ほら、この間の…」

小杉「しっ、始まるぞ」




622 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:05:52.37 ID:RZCeW3Y40


収容者A「…」ビクビク

収容者B「…」ガタガタ


へルガ「この二人は、この島の設備に重大な損失を与え、BB団の兵士に怪我をさせた」

収容者A「…」ブルブル

収容者B「…」ガウガク

ヘルガ「しかし、幸いなことに私は寛大だ。お前らに助かるチャンスをやろう」

収容者B「…」ブルブル

へルガ「わたしがこれから言うことを、ちゃんと同じように言えたら許してやる」

収容者B「わ、わかりました」




623 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:06:19.34 ID:RZCeW3Y40


へルガ「どうか」


収容者B「ど、どうか」


へルガ「わたくしめを」


収容者B「わたくしめを!」




624 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:08:23.17 ID:RZCeW3Y40






へルガ「殺して」







収容者B「え?!」

へルガ「どうした?」

収容者B「え…あ、いや…。でも…」

へルガ「早く言え。そうすれば許してやる。それとも、こんな簡単なことも言えないのか?」

収容者B「い、いや、でも…」

ヘルガ「早くしろ、と言ったが?」

収容者B「ひ、ひ、ひ、ひ、」

ヘルガ「ひぃぃぃ、ひぃぃぃ、ひぃぃぃ、いやだ、いやだ、いやだ、やめてくれ! やめ」




625 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:09:26.06 ID:RZCeW3Y40
失礼、訂正します
626 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:10:00.90 ID:RZCeW3Y40







へルガ「殺して」







収容者B「え?!」

へルガ「どうした?」

収容者B「え…あ、いや…。でも…」

へルガ「早く言え。そうすれば許してやる。それとも、こんな簡単なことも言えないのか?」

収容者B「い、いや、でも…。ひ、ひぃぃぃ、いやだ、やめてくれ!」

へルガ「…」

収容者B「やめて…。やめ…」




627 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:10:37.80 ID:RZCeW3Y40


パン!


へルガ「…片付けろ」

BB兵「はっ!」

収容者B「…」ズルズル




628 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:11:08.07 ID:RZCeW3Y40

ヘルガ「よし次!」

収容者A「お…俺?」

へルガ「さて、とっとと片付けよう。私を殺して」



収容者A「わたしを…」


へルガ「殺して」


収容者A「こ、殺して!」


へルガ「ください」


収容者A「ください!」





629 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:11:41.94 ID:RZCeW3Y40


パン!


へルガ「フム、よかったな。願いが叶って」

収容者A「…」

ヘルガ「さてショーは終わりだ。解散!」

一同『…』シーン

6主(…むごいな。ん?)

へルガ「…」

6主(あの表情…まだ少しは良心があるようだが。なんとかしてこんなことはやめさせないと)




630 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:12:20.45 ID:RZCeW3Y40

マミ「…」

6主「マミちゃん、大丈夫? 気分が悪いなら休んだ方が…」

マミ「…」

6主「マミちゃん?」

マミ「…6主さん」

6主「?」

マミ「私、この島にはもう居たくありません」

6主「…そうだね」



(マミのやる気が上がった!)



631 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:13:06.28 ID:RZCeW3Y40

―試合前日の日―


江川「おい、明日江川班は試合だ。準備しておけよ」

落田「6主くんは出られそうにないでやんす。残念でやんす」

三谷「なあに、今の俺たちなら一軍なんて楽勝さ」

小杉「…ふん」

渡辺「もうちょっとで、6主くんに返せそうだな」

中田「渡辺、また借りてるのか」

渡辺「ちゃんと返しますよ。そのうちね」

中田「この極悪人め」



632 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:13:59.17 ID:RZCeW3Y40

(わいわい…)


マミ「…」

マミ(6主さんは今までずっと私のために泥を被っていてくれた)

マミ(今度は私の番。ワイロを渡して確実に試合に出て勝つ…。もう手段を選んでいる場合じゃない)

マミ(やらないと…。そうしないと、ぺラが…)


「ハハハ、君もこの島でのやり方がわかってきたようだね」
(汚ない大人…!もううんざりだわ)


マミ(躊躇ってちゃダメ…!何も解決しない…!)

マミ(義務や強要じゃない。自分の意思でするのよ。子供のままなにもできないんだから…)




633 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:14:27.78 ID:RZCeW3Y40

マミ「あ、あの…!」

江川「ん?なんだ?」

マミ「こ、これを…」



落田「あ、マミちゃん。違うでやんす!」

マミ「えっ…」

落田「そのペラはオイラが集金するのでやんす。班長に直接渡すんじゃないでやんすよ」

マミ「え、あの、なんの…」




634 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:15:02.36 ID:RZCeW3Y40

江川「おい落田。いきなり何をいっているんだ? 巴は私に用があるのではなかったのか?」

マミ「そ、そうです!江川班長にこれを…」

落田「マミちゃんは共益金を払いにきたのでやんすよ。6主くんが入院中でやんすから、その代わりでやんす!」

マミ「え、違…」

江川「なんだ。それなら集金係は落田だ。ちゃんと払っておいてくれ」

落田「マミちゃん、間違えちゃダメでやんすよ。班長は忙しいのでやんすから」

江川「そういうことだ。私の手を煩わせるなよ。忙しいんだからな」スタスタ

マミ「ま、待って…」

落田「ささ、マミちゃんはこっちに来るでやんす。共益金の説明をするでやんすよ」グイグイ

マミ「落田さん離してください。離して…」





635 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:15:54.17 ID:RZCeW3Y40

(そして…)


マミ「な、なんで邪魔をするんですか…? こうしないと試合に出れないのに…」

三谷「悪いなマミ助。でもな、何か泣きそうになっているマミ助を見ていたら放っておけなくてよ…」

マミ「余計な…お世話です…」

小杉「それなら、そんな顔してるんじゃねぇよ。うざったくてしょうがねぇ」

落田「辛かったでやんすね。気づいてあげられなくてごめんでやんす…」

渡辺「こういうのは6主くんがよく気がついていたからなぁ。でも一言相談してくれてもよかったのに」

落田「渡辺さんはいい加減でやんすからね」

渡辺「酷いな。守れる約束は守るぞ」




636 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:17:18.65 ID:RZCeW3Y40

マミ「言えるわけ…ないじゃないですか…。ワイロを渡してみなさんを蹴落とそうとしてたのに…」

渡辺「ワイロなんてどうしても出たかったら、みんな渡してたからな。そんなに気に病む必要はなかったのに」

落田「そうそう。誰も人のこと言えないでやんす」

三谷「ただな、そんなに辛いならやるんじゃない。自分を殺して生きても楽しくも何ともないぞ」

倉狩「マミさんは真面目ですから…」

落田「そうそう、無理はいけないでやんす」

マミ「でも、そうしないと…」




637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(三重県) [sage]:2011/11/12(土) 22:18:21.31 ID:WN/UdAIV0
今の仲間たちなら主人公無しでも勝ちそうで困る
638 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:18:49.91 ID:RZCeW3Y40

落田「勝つでやんす」

マミ「え?」

落田「要するに、6主くんとマミちゃんが出ないと勝てないから、試合にどうしてもでたいのでやんすよね?」

中田「まあ、この二人の活躍で一軍に勝っていたもんだし」

布具理「安心して投げれるから、俺も炎上しなくなったし」

落田「なら、オイラたちが試合に勝てば、何の問題もないでやんす!」

三谷「個人ボーナスはもらえないが、6主と合わせて200ペラだ。あと何ペラ必要なんだ」

マミ「え、えっと、それで約2300ペラです」

渡辺「じゃあ、俺が借りてた分、利子をつけて返して200ペラ。これで2500ペラ溜まるだろ」

落田「渡辺さん! あんた6主くんからも借りてたでやんすか!」

渡辺「失礼な。投資だよ投資。ちゃんと増やして返すんだから」

落田「まったく、6主くんは本当にお人よしでやんす」

三谷「とはいえ、これでペラの問題は解決だな。あとは勝つだけだ」

マミ「え、あ、あの…」




639 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:19:25.35 ID:RZCeW3Y40

落田「と、いうわけでやんす。マミちゃんがわざわざ賄賂を渡す必要はこれでないでやんす」

マミ「で、でも…」

三谷「マミ助。たしかに世の中、綺麗ごとだけじゃやっていけないのは確かだ。汚いことをしなきゃいけないこともある。
   だが、その覚悟をこんなところで使うんじゃねぇ。その覚悟は将来、どうしてもやらなきゃならないときができた時に取っておくんだ」

マミ「でも、これは私の戦いです。みなさんにご迷惑をかけるわけには…」

落田「勝てば得するのはみんな同じでやんす! それに野球は一人のスポーツじゃないんでやんすよ、マミちゃん」ドヤッ

中田「お、クサいセリフを言ったな落田」

落田「うるさいでやんす!」

小杉「ガキのくせに、一人で何でもやろうなんて生意気なんだよ」

倉刈「みなさん、マミさんや6主くんに頼りきりでしたからね。ここで少しは恩を返しませんと」

マミ「…」




640 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:19:59.52 ID:RZCeW3Y40

(そして…)


落田「結局、マミちゃん、泣いちゃったでやんすね」

三谷「一人でずっと悩んでたんだろう。可哀そうなことしちまった」

渡辺「ま、俺たちもいい大人なんだから、子供の一人でも守らないとな」

倉刈「こういうときに守ってあげるのが、大人の役割ですからね」

小杉「…ふん」

布具里「俺も気合を入れて、炎上しないようにしないと」

中田「とにかく、明日は決戦だ。キッチリ勝って、かっこいいところを見せないとな」

落田「当然でやんす!」




641 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:21:51.60 ID:RZCeW3Y40

―試合の日―


江川「おい、巴。今日はお前、スタメンだから。頑張れよ」

一同『…』

マミ「…」


落田「よく考えたら、今6主くんを除いたらマミちゃんより強力な選手がいるわけないでやんす」

三谷「元々、賄賂なんか渡す必要なかったんだな」

中田「昨日の、俺たちの決意は一体…」




642 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:22:46.33 ID:RZCeW3Y40

マミ「な、なんかすみません…、せっかくの皆さんの好意を…」

落田「いや! マミちゃんのせいじゃないでやんす!」

渡辺「ここで勝たなきゃ、マミちゃんがピンチなのは変わらないからな」

落田「そうでやんす! ふぬけている場合じゃないでやんす!」

三谷「おっしゃ、気合を入れていくぞ!」

小杉「俺はいつでも本気だ!」

中田「カッコイイとこ見せなくちゃな!」

倉刈「日出子…。お父さんがんばるよ…」



マミ(もしかしたら、これが最後の野球になるかもしれない…)

マミ(うん! 一生懸命がんばりましょう!)


布具里「俺が先発だな、よ〜し、いいところをみせるぞ〜」




643 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:23:26.94 ID:RZCeW3Y40

(そして…)


一回終了 7-0


落田「死ねでやんす!」

三谷「いきなり炎上してるんじゃねぇ!」

ボカボカボカボカ!!!

布具里「悪かったよ〜」

小杉「もういい! 俺が行く! もう一点もやらねぇぞ!」

中田「こうなったら、ガンガン撃ちこまないとな」




644 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:24:00.01 ID:RZCeW3Y40

(そして…)


最終回 7-7


落田「な、なんとか追いついたでやんす…」

中田「あと一発…」

三谷「小杉はもう無理だな。よくやったぞ、小杉!」

小杉「…」ゼェゼェ

渡辺「次の打者はマミちゃんか」

倉刈「あんまり力まなくていいですよ。もう延長戦に入れますから」

マミ「…」




645 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:24:36.79 ID:RZCeW3Y40

マミ「みなさん、ありがとうございます」

落田「どうしたでやんすか? 急に?」

マミ「みなさんがいてくれたおかげで、ここまで来ることができたんです。それで、お礼を。
   もし、みなさんがいなかったら、とっくに私はダメになっていたと思います」

落田「そんなの気にする必要ないでやんす」

三谷「俺たちもマミ助に十分世話になったからな。おあいこだよ」

マミ「それでも、言わせてください。ありがとうございます」

布具里「いえいえ、こちらこそ」

落田「お前がいうな、でやんす!」

布具里「なんでだよ〜」

倉刈「でも、まだ試合は終わってませんよ。そういうのは、終わってからにしましょうマミさん」

マミ「はい。じゃあ、行ってきます」

落田「ご武運を! でやんす!」





646 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:25:06.59 ID:RZCeW3Y40

マミ(この島で過ごした、時間のことを、私は一生忘れない…)

マミ(辛いこともたくさんあったけど、学ぶこともたくさんあった)

マミ(でも、こんな島はあってはいけない。こんな酷いことが行われている島を認めることは出来ないもの)

マミ(だから、私は理不尽と戦っていく)

マミ(私のことなんかどうでもいい。魔法少女になった時点で、幸せなんて手に入らないもの。
   一人になっても構わない。誰も一緒に居てくれなくてもいい。
   魔女もこんな島も許さない。この体が朽ちるまで、あらゆる理不尽と私は戦っていくわ)


マミ「ティロ・フィナーレ!」





647 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:25:35.74 ID:RZCeW3Y40

―医務室―


6主「本当に一人で大丈夫?」

マミ「はい。一人で決着をつけたいんです。私のせいで、ここまで長引いてしまったようなものですから」

6主「でも…」

マミ「大丈夫です。もう、出る決意は出来ましたから。この島で過ごすことは、もう私にはできません」

6主「そっか…。でも危なくなったら逃げるんだよ?」

マミ「大丈夫ですよ。それにこれくらいしないと、6主さんに申し訳ないですから…」



648 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:26:14.40 ID:RZCeW3Y40

―魔女の結界―


マミ「はっ!」パンパンパン

使い魔「…」プシュー
使い魔「…」プシュー
使い魔「…」プシュー

マミ「やぁっ!」ドン!

使い魔「…」ドカーン





649 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:28:23.44 ID:RZCeW3Y40

マミ「さて…お出ましね」

魔女「…」ガサガサガサ

マミ「今日は、絶対に逃がさない!」


魔女「…」プリッ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ


マミ「決着をつけるわよ!」







650 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:29:34.48 ID:RZCeW3Y40

マミ(貴方も、本当は可愛い魔法少女だったはずなのに…。こんな姿になって…)

マミ(ごめんなさい。私が迷っていたせいで、貴方をこんな姿のままにさせてしまって)

マミ(もういいの。そんな姿でいる必要はないわ。貴方は私が解放してあげる!)


マミ「はっ! とぉっ!」パンパンパン
魔女「…」ガンガンガン
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ
アレ「…」カサカサ

マミ(今更だけど、敵の動きが良く見える。野球の練習がこんな形で役に立つなんて…)

マミ(この島に来て、なにか色々と体の動きが良くなった気がするわ。これも、野球のおかげかしらね)

マミ(でも、それももうおしまい)

マミ(もう、野球なんてしてる暇ないもの。この命が続くまで、魔女を倒し続けないと)

マミ(私には、もうそれしかないんだから…)




651 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:30:11.63 ID:RZCeW3Y40

マミ「遅い!」シャッ

魔女「…」ガサガサガサ

マミ「腹部が丸見えよ!」パンパンパンパンパン!!!

魔女「…!」ガンガンガンガンガン

マミ(動きが鈍った!)

マミ「こんどは、外さないわ…!」



マミ「ティロ・フィナーレ!」






652 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:31:44.46 ID:RZCeW3Y40

―外―


マミ「…終わった」

マミ(このグリーフシード、しばらく大切にしましょう。貴方には酷いことをしてしまったから…)

マミ(今まで、辛かったわよね。安らかに眠ってちょうだい…。見知らぬ魔法少女さん)

マミ(これで、魔女はいなくなった。使い魔はまだいるのかしら。6主さんと手分けして探さないと)

マミ(それが終われば、この島での魔法少女としての仕事はおわりね)





653 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:32:24.14 ID:RZCeW3Y40

マミ(さて…)


マミ「………………」

マミ「……………」

マミ「…………」

マミ「………」

マミ「……」





マミ「ペラが足りない。どうしよう…」グスッ





654 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:32:59.84 ID:RZCeW3Y40


残り 10日 手持ちペラ 2266ペラ 犬レベル5


・収入

マミ 0ペラ
6主 100ペラ
渡辺の返済 200ペラ
試合ボーナス マミ 50ペラ


・支出

グラウンド代 -100ペラ
リフレッシュ小屋 -12ペラ
試合敗北     -100ペラ




655 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/12(土) 22:34:07.03 ID:RZCeW3Y40
今日の投下はここまでです。
途中のミス、大変失礼しました。

次の投下は火曜日になります。
お読みいただきありがとうございました。




656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/11/12(土) 22:34:46.93 ID:mNwXg4PAo
犬レベルひっくww
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/12(土) 22:36:45.55 ID:0xk1zkRgo
負けちゃったか…
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(北海道) [sage]:2011/11/12(土) 23:38:37.88 ID:V79bRIKTo
乙!試合負けたのか・・・いよいよクライマックスなの?
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(三重県) [sage]:2011/11/12(土) 23:51:07.85 ID:WN/UdAIV0
負けたのかよwwwwww
そして犬レベルwwwwwwランダムイベント一個でポシャるレベルじゃねーかwwww

えっと、足りないのは234ペラか……残り10日、全部練習で小杉が出まくれば余裕だがこのスレじゃ小杉戦は終わってるし……
ここはやはり、プレイルームに行くしか……!
ラク×3のみに抑えればプレイルームに2回行ける、その2回で欲張らず100ペラを二回当てればいいんだ
これは決して不可能じゃない、つーか魔法少女の動体視力なら余裕だ
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/11/13(日) 00:13:04.61 ID:KdZ6j66Ko
最後の試合で勝てばおk
ってか裏はUSに勝つの楽だよな
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/11/13(日) 00:29:47.09 ID:EZlBqbuCo
ここまで来てプレイルーム目押しとか……
あ、いや待て、汚いことも必要ってそういう……
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(三重県) [sage]:2011/11/13(日) 00:40:38.32 ID:9a8u8yoN0
>>660
主人公がピッチャーならな
そういえばその場合、どういうわけか小杉が選手登録されてないんだった
せっかく野趣小杉はパワーうp無しでもかなりの性能を誇るのにね
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) [sage]:2011/11/13(日) 01:16:38.79 ID:BtyUTUXUo

こんな大事な試合で炎上wwww
試合負けた時は居た堪れなかっただろうな
犬レベルは副所長に逆らったからか
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(滋賀県) [sage]:2011/11/14(月) 18:13:49.32 ID:krCqblpvo
でもこれマミさんが見滝原に戻ったとしてもしあわせ草中毒で廃人コースじゃないですかやだー
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/14(月) 20:03:55.66 ID:FaVsyM9b0
マミさん宅に博士いるしきっとなんとかなるよ! と希望的観測

良い感じに青春してるマミさんが見れていいww
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(三重県) [sage]:2011/11/14(月) 21:48:14.62 ID:GoFPXcnY0
反乱起こせば良くね?
としおくんがワルプルギスの夜より強いってこともないだろうし
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/11/14(月) 22:35:34.37 ID:rTaqWBWbo
反乱ルートかな
ゼル伝かゴエモン、どっちに転ぶかまだわからんがww
668 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:32:32.88 ID:9FTVxszl0
>>665
マミさん中学生なんですよね。部活もできないなんて、魔法少女は辛すぎます。

続きを投下します。



669 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:33:24.66 ID:9FTVxszl0

―所長室―


???「裏野球大会には2軍を使うでやんす」

マコンデ「しあわせ草の効果のデモンストレーションが優先で、試合の勝ち負けはどうでもいいと?」

ヘルガ「まあ、あの超人チーム相手ではまず勝てないだろうが、そこそこの試合はするだろう。
    島に入った直後のデータをまとめておいてくれ。試合前に顧客たちに送るんだ」

マコンデ「なるほど。しかし二軍連中が試合で惨敗したらどうします? 有用性を示すことができなくなりますが」

ヘルガ「それはないだろう。今の二軍はやるぞ。昨日こそ負けたが、ここ最近の勝率は驚異的だ。下手をすれば、一軍より上かもしれんな」

マコンデ「はぁ…。そういえば、あの娘はどうします?」

ヘルガ「もちろん、出場させろ。あの娘の能力の伸びは随一だ。よいサンプルデータになるだろうからな」





670 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:33:56.29 ID:9FTVxszl0

―広場―


6主「あと、250ペラ…」ズーン

マミ「どうしましょう…」ズーン

6主「副所長を脱走騒ぎの時に助けなかったせいか、仕事場の昇給は0に戻ってるし…」ズーン

マミ「このまま毎日働いても、届きませんね…」ズーン

6主マミ「…」ズーン




671 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:35:50.38 ID:9FTVxszl0

落田「二人とも元気を出すのでやんす。気が沈んでいても、何も解決しないでやんすよ」

6主「落田くん…おはよう…」

落田「みんな意気消沈してるでやんすね。宿舎もお通夜状態でやんす」

マミ「あれだけやる気を出していたのに、負けちゃいましたから…」

落田「過ぎたことを悩んでも仕方ないでやんす。早く気持ちを切り替えて、先を見つめるでやんすよ」

6主「そうはいってもなぁ…。働いても、2500ペラに届かないし、もうどうしようも…」

マミ「こうなったらプレイルームに賭けてみますか? 6主さん…」

6主「大当たりの確率は216分の1…。こんな野球に人生を左右されたクズの俺にも、博打の神様が奇跡を起こしてくれるかなぁ…」

マミ「逝ってしまいましょうか、博打の理に導かれて…ふふふ」

落田「重傷でやんすね」




672 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:36:58.14 ID:9FTVxszl0

落田「二人とも元気出すでやんす。きっと道は切り開けるでやんすよー」スタスタ

6主「…さて、どうしようか?」

マミ「本当にどうしましょうか…」

6主「とりあえずここははっきりさせておこう。もし2500ペラ溜まらなくても、君は100日目の審査をクリアして日本に変えるんだ。
   俺は残りのペラを稼ぐよ」

マミ「…わかりました。でも、それは最後にどうにもならなかった時の話ですよ? 二人とも脱出することを考えましょう」

6主「ああ、でも他に頼れる人がいないんだっけ。それはマズイなぁ」

マミ「そうなると最悪、どこかの施設に行くことになるんでしょうか…」

6主「君を預けられる知り合いがいればよかったんだけど、この時代に知り合いは少ないしなぁ…。
   和桐の社長はそれどころじゃないし。山田くんの住所も聞いておけばよかったな…」

マミ「私の親戚の人には頼れませんし、どうしましょうか…」





673 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:37:48.61 ID:9FTVxszl0

6主「よし、こうなったら、考え方を変えてみるか」

マミ「え?」

6主「そもそも島から出られれば、問題はないわけだ。ペラにこだわらなければ、他に方法があるんじゃないかな?」

マミ「脱走ですか? そうはいっても手だてが…」

6主「いや、もう一つある」

マミ「?」

6主「反乱だよ反乱。BB団に反乱を起こして島を取り戻すんだ。そうすれば、ペラも関係ない。堂々と脱出することができる。一応、やろうと思えばできないこともないし」

マミ「うーん…。そんなに上手くいくでしょうか」

6主「所長が言っていただろう。『本物の大多数の暴力を前にしては無力も同然』って。収容者の数は、兵士よりも圧倒的に多い。
   その気になれば、数で押しこめるんじゃないだろうか。バオ達も言えば協力してくれるだろうし」

マミ「でも、やっぱり難しいと思います。この前の、その、処刑でみなさん反抗する気をなくしていると思いますし」

6主「…うん、それはわかってる。でも――」





674 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:38:22.43 ID:9FTVxszl0

マミ「私は、大丈夫ですよ」

6主「え?」

マミ「一人で島を出ても、6主が来てくれるまで何とかしてみます。こんな島でも頑張れたんです。
   普通の街で生きることくらい、なんてことないですよ」

6主「本当に?」

マミ「正直に言えば、ちょっと怖いですけど。でも、がんばって見せます」

6主「…とにかく、まだ時間があるんだ。あらゆる方法を検討してみよう。諦めるには、まだ時間があるよ」

マミ「そうですよね、考えてみましょう」




675 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:39:05.78 ID:9FTVxszl0

落田「ああ、まだここにいたでやんす。よかったでやんす」

6主「あれ、仕事場に行ったんじゃなかったの?」

落田「班長から緊急の招集でやんす。なんでも、急な連絡があるそうでやんすよ」

6主「急な連絡? またBB団からの無茶な命令じゃないだろうな…」

マミ「一体なんでしょうか?」





676 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:39:41.28 ID:9FTVxszl0

―宿舎―


江川「…と、いうわけだ」

6主「う、裏野球大会?!」

落田「世界的な大会の決勝戦にオイラたちが出るんでやんすか?!」

江川「そうだ。しかも勝てば200ペラのボーナスだぞ」

渡辺「そりゃまた、随分太っ腹だな。それって一人200ペラなのか?」

江川「もちろんだ。しかも負けてもペナルティは無しだ。お前たち、存分に力を発揮しろよ」

マミ「6主さん、これで!」

6主「ああ。ペラが溜まる。島から出られるんだ!」




677 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:40:47.84 ID:9FTVxszl0

小杉「待てよ、江川班長」

江川「何だ小杉。質問か?」

小杉「ああ、そんな大会聞いたこともないぞ、それにどうして決勝戦なんだよ」

江川「そこまでは、一軍の連中が勝ち上がってきたからだよ」

小杉「ますます、おかしいじゃないか。どうして、決勝戦も一軍でやらないんだ?」

江川「ははは、私らに対外試合をさせて刺激を与えたいんじゃないかな?」

小杉「…」


落田「…なんか、うさんくさいでやんすね?」

6主(ん? でも、島の外に出るということは、脱走のチャンスだよな)

6主(勝てるかどうか、確実じゃない。もしかしたら、これが最後の機会になるかもしれないな)

マミ「がんばりましょう。これが最後のチャンスですよ」

6主(いざと言う時のために、準備はしておいた方がいいかもしれないな…)





678 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:42:21.18 ID:9FTVxszl0

―グラウンド―


BB兵「今日から貴様らには大会向けて練習してもらう。大会までの期間はグラウンド代は無料だ。存分に練習をするように、いいな」

落田「グラウンド代が無料とは、BB団は裏野球大会に本気でやんすね」

6主「やっぱり変だよ。それなら一軍を使うべきだ。何でわざわざ二軍の俺たちをつかうんだろ?」

落田「きっとオイラたちの実力が評価されたのでやんす。いやーBB団も見る目があるでやんすね」

6主「前回、試合で負けたじゃないか。昨日の今日でそんな評価するかな」

落田「あっ、6主くん。ダメでやんす!」


一同『…』ズーン

落田「まだ、あの敗北から完全に立ち直れていないでやんす! やる気を削ぐようなことを言うんじゃないでやんす!」

6主「うわー! やる気が一気に絶不調に!」

落田「もう一度、戦意高揚を促すでやんす。とにかく、これがマミちゃんを脱出させる最後のチャンスなんでやんすから、しっかり練習するでやんすよ!」

6主(マミちゃんだけ脱出させる分のペラならもう溜まっているんだけど、黙っておいたほうがよさそうだな)





679 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:43:07.12 ID:9FTVxszl0

(そして…)


BB兵「よし。今日はそこまでだ。大会までの食事はこちらで管理させてもらう。全員、時間までに食堂に来るように」

落田「やれやれでやんす。練習メニューを決められると、意外とやりにくいでやんすね」

6主「でも、思っていたほどじゃなかったな。これなら、仕事の合間に練習してた時の方がキツかったし」

落田「これが一軍のメニューなのだとしたら、恐れるに足りないでやんす」

6主「まぁ、向こうより練習してなきゃ勝てなかっただろうしね」




680 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:43:40.57 ID:9FTVxszl0

マミ「6主さん、今日は私たちが片付けの当番ですよ」

6主「あ、そうだったね。今行くよ」

落田「ありゃ、帰るのはオイラ一人でやんすか」

マミ「寂しいなら、一緒に片付けを手伝ってくれてもいいんですよ? 落田さん」

落田「大人が寂しいのは至極普通のことでやんす。それじゃあ、先に帰っているでやんす」スタスタ

6主「さてと、じゃあさっさと片付けちゃおうか」

マミ「そうですね。早く帰って、食堂に行きましょう」





681 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:44:29.44 ID:9FTVxszl0

(そして…)


マミ「道具は集め終わりましたね」

6主「それじゃあ、倉庫に運んじゃおう。軽いのは持ってもらっていいかな?」

マミ「はい。よいしょっと…」

6主「マミちゃんはさ、日本に帰ったらどうするの?」

マミ「そういう6主さんはどうするんです?」

6主「俺は早く任務を果たさないと。社長を見つけて会社を新しく立て直して…。
   あー、やらなきゃいけないことがいくらでもあるよ…」

マミ「大変ですね」

6主「まぁ、これが仕事だからね。で、マミちゃんは?」

マミ「私は…」





682 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:45:14.16 ID:9FTVxszl0

マミ「…見滝原を守ろうと思ってます。あの街を守りたい気持ちは、今も変わりませんから」

6主「そっか。うん、いいんじゃないかな」

マミ「…すみません」

6主「ん?」

マミ「魔女になるってわかっても、結局、これしかやりたいことがなかったんです。あの街を守ることしか、私には…」

6主「でも、それがやりたいことなんでしょ?」

マミ「はい…」

6主「じゃあ、大丈夫だよ。住んでる街を守りたいっていうのは立派なことさ」

マミ「それでいいんでしょうか…。6主さんに言われて、それなのに何も変わっていないのに」

6主「考えに考えた結果なら、それは同じじゃない。俺も応援するよ」



マミ(でも、結局私は何も変わっていない)

マミ(あの狭い部屋でずっと、魔女になるまで生活して…)

マミ(でも、それでいい。終わりが決まっている人生だとしても、それで…)

6主「さ、片付けも終わったし。明日も練習だから帰って休もう。2500ペラ、何としても溜めないとその応援も出来ないからね」

マミ(すみません、6主さん…)




683 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:45:47.47 ID:9FTVxszl0

―次の日・グラウンド―


落田「こんな、メニューじゃかったるいでやんす! もう練習はこっちでやらせてもらうでやんす!」

BB兵「貴様! 黙ってメニューに従って練習しろ!」

落田「大体、こんな練習でその大会で優勝できると本気で考えているのでやんすか!」

小杉「そうだな。世界的な大会の決勝戦なら、こんな練習じゃ勝てねぇだろうな」

三谷「そう言えば、小杉と倉刈はプロ野球選手だったんだろ? プロってのはどんな練習してたんだ?」

中田「というか、元プロが二人いるならプロの練習を再現してやったほうがいいじゃないか?」

倉刈「そうですねぇ…。人によってまちまちですよ。一生懸命にやる人もいれば、女性とデートばかりする人もいますし」

小杉「試合のある日は思っているよりも練習はないが、キャンプとかになると隔離されてかなりの量になるな」

渡辺「じゃあ、そのキャンプの練習をやろう。どうせ、練習以外俺たちにはやることがないんだし」

倉刈「いいですけど、私たちはコーチじゃありませんよ?」

三谷「いいんだよ。少なくともこんな普通の練習よりは成果が出るだろ」

BB兵「あ、おい! 貴様ら!」




684 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:46:19.63 ID:9FTVxszl0

―所長室―


マコンデ「所長! 野球班の奴らが勝手に練習を!」

ヘルガ「いいんじゃないか? 別に」

マコンデ「は? しかし…」

ヘルガ「そもそも、ボロ負けされても困るのだ。連中がもっと練習したいというのならさせてやってもよかろう」

マコンデ「もし、勝ってしまったらどうします? かの国に勝ってはわが組織の今後が…」

ヘルガ「お前は、連中があの超人チームに勝てると思っているのか? 随分と買っているのだな」

マコンデ「滅相もない! だれがあんな連中など信用するものですか!」

ヘルガ「ならば、もっと痛めつけてもよかろう。奴らもそれを望んでいるのだ。最低限、いい試合をしてもらわなくては困るのだしな」

マコンデ「は、はぁ…。では、練習量を増やすように指示を…」


ヘルガ(小娘にとっては、最後のチャンスのようだからな。このくらいは良かろう)

ヘルガ(少々甘やかしすぎかな。私も温くなったものだ)




685 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:46:53.88 ID:9FTVxszl0

―朝―


落田「さあ、今日も張り切っていくでやんすよ!」

一同『おっしゃー!』

マミ「みなさん、タフですね…」

落田「大丈夫でやんすか? 苦しいなら、休んでもいいでやんすよ」

マミ「いえ、私も野球班ですから。このくらいじゃヘコたれません…」

渡辺(おい、無理にでも休ませた方がいいんじゃないかな?)

三谷(随分疲れが溜まっているみたいだしな。今の今まで忘れてたが、女で中学生なんだし、この練習量はキツすぎるんじゃねぇか?)

落田(でも、仲間外れにするのも可哀そうでやんすよ。マミちゃんは一人ぼっちが嫌みたいでやんすから)

三谷(そりゃそうだが、このまま練習させても怪我するだけだろ)




686 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:47:28.63 ID:9FTVxszl0

バオ「お、オチタだ。おーい」

落田「ありゃ、バオでやんす。兵士に見つかったら、また殴られるでやんすよ?」

バオ「6主、知らないか? ちょっと面白そうなものがあったんで見てほしんだが」

落田「6主くんでやんすか? それなら先にグラウンドに…」

三谷(!)



687 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:48:04.24 ID:9FTVxszl0

三谷「マミ助。6主の奴を呼んできてくれねーか?」

マミ「あ、はい。分かりました」

三谷「それから、6主の用事に付き合ってやってくれ。アイツがキツイ練習から逃げださねぇようにな」

マミ「6主さんはそんな人じゃないと思いますけど…」

三谷「念のためだよ。念のため」

マミ「わかりました。じゃあ、呼んできますね」タタタ

落田「…三谷さん、グッジョブでやんす。これで、少し休めるでやんすかね?」

三谷「こうでもしねーと、サボってくれそうにないからな。真面目なのはいいが、息の抜き方も覚えてほしいもんだ」





688 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:48:59.96 ID:9FTVxszl0

―しあわせ草畑―


バオ「おーい、こっちこっち」

6主「こんなところで大丈夫なのか。見つかったらただじゃ済まないぞ?」

バオ「ここなら、見つかりそうになったらすぐに逃げられるし、お前たちも作業のフリができるだろ?」

マミ「あの、今は練習に専念するように言われているんです。グラウンドを離れているだけであまり良くないんですが…」

バオ「あ、そうなのか?」

6主「まぁいいさ。で、なんだ? 用事って」

バオ「そうそう。ちょっと変なモノ見つけたんだ。これ、読んでくれないか?」ピラッ





689 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:50:09.55 ID:9FTVxszl0

マミ(…古びた本?)

6主「なんだこれ?」

マミ「ノート…ですね。随分と古いものみたいですけど」

6主「ととと、うっかりしたら壊れそうだ」

マミ「中を見せてください。内容は…日本語みたいですね。これなら、バオさんでも読めるんじゃないですか?」

バオ「日本語は話せるけど、読むのはダメなんだ。教えてくれる人がいないしな」

6主「それじゃあどれどれ…えーっと。…海軍の日誌だって?」




690 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:50:42.93 ID:9FTVxszl0



5月19日
あいかわらず上層部ヨリ積極的な回答は、得ラレズ。
コノ危急のとき、かような薬効ヲ偶然発見できたノハ、天佑以外の何ものにもあらザレバ、焦燥ス。
鈴木上等兵ハ、短距離走にオイテベルリンオリンピックの記録ヲ抜ク。
なお、彼は元陸上選手にアラズ



マミ「…なんでしょう? コレ」

バオ「もしかしたら、昔この島にいた日本兵のものか?」

6主「そういえば、そんな話もあったな。えーと、続き続きっと…」





691 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:51:21.96 ID:9FTVxszl0




6月3日
昼、岡田二等兵の容体急変。夕刻、日没を前に死亡ス。
研究者と実験個体さえアレバ避け得た犠牲と覚え、無念ナリ。
島民ハ耐性がアリ、あいかわらず「草」の効果に発症セズ。
コノ実験には適サズ、残念ナリ。




10月15日
独潜水艦の艦長は、草に強く感心ス。
すぐ独逸海兵の志願者に高濃度のエキスを注入するも発症セズ。
人種にヨル、効能の差を実感スル。




10月21日
昨日、米軍レイテ島に上陸ス。
わが隊にも転身が命じラル。
今夜、この島を離れるにあたり、草の資料の写シを、われ独断で独潜水艦の艦長に渡しオク。
鈴木上等兵は、禁断症状のタメこの島に残留セザルを得ズ。
戦局、スデニ、くつがえし難シ。タダ、ひたすら無念ナリ。





692 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:51:51.28 ID:9FTVxszl0

6主「…」

マミ「これって…」

バオ「なんだか、わっかんねー話だな。草ってなんだよ草って」

6主「…そうだな」

バオ「ちぇ、あいつらをやっつける役には立たないか。何かあるんじゃないかと思ってたんだけどな。それじゃな!」スタスタ




693 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:52:20.64 ID:9FTVxszl0

マミ「…6主さん」

6主「『草』がしあわせ草のことだとすると…。くそっ、カラクリが見えてきたぞ!」

マミ「それよりも、もしかしたら私たちの体はもう…」

6主「…いや、この手のものには必ず解毒方法があるはずだ。それにマミちゃんは魔法で何とかなるんじゃないか?」

マミ「こういうのを治した経験は…」

6主「とにかく、まだ秘密しておこう。BB兵に知られたら、絶対に処刑されるぞ」

マミ「はい…」




694 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:53:03.34 ID:9FTVxszl0

ヘルガ「我々がどうしたのか?」

6主「!」

マミ「所長…!」

6主(マミちゃん! 抑えて…)

マミ(…はい)


ヘルガ「練習を見に行ってみれば、お前たちの姿が見えなかったのでな。こんなところで何をしている?」

6主「マミちゃんが体調を悪くしてね。ちょっと、一休みしてたのさ」

ヘルガ「こんなところでか。宿舎に戻るなりなんなり、他の方法はあるだろうに」

6主「宿舎じゃこういうものが食べれないからね」ヒョイ

ヘルガ「なんだこれは?」

6主「自生してる果物だよ。慣れれば意外とおいしいよ?」

ヘルガ「あまり感心しないな。食事も我らの管理下だというのに」

6主「こんなもの、腹の足しにも嗜好品にもならないだろ? 学校の帰り道に口が寂しくなって花の蜜を吸うようなもんさ」

ヘルガ「わからんな、ヤパーナにはそんな伝統があるのか?」

6主「俺も、人づてに聞いただけだけどね」





695 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:53:42.67 ID:9FTVxszl0

マミ「…所長」

6主(ちょっと待った!)

マミ(大丈夫ですから…)

ヘルガ「何だ小娘?」

マミ「ペラが溜まりました。私は、この島から出ていきます」

ヘルガ「そうか。よかったな」

マミ「2500ペラにはまだ届いていませんが、6主さんが私を優先させてくれるそうです。それだけのペラはもうありますから」

ヘルガ「そうか」




696 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:54:48.10 ID:9FTVxszl0

マミ「私、この島が嫌いです」

ヘルガ「…」

マミ「私は帰って、やるべきことをやります。だから、もうここにはいられません」

ヘルガ「行き詰った元の生活にか? 酔狂だな」

マミ「やらなくちゃいけないことがあるんです。そのために自分であそこに戻るんです。何の後悔もありません」

ヘルガ「決めた瞬間に後悔なんぞあるわけなかろう。後悔というのは、予想しなかった現実に相対した時に出る言葉だ。
    そして現実は大抵予想の上を行くものだよ」

マミ「…それでも、私は出ます。こんな何もしない所に居ても、どうしようもありませんから」

ヘルガ「何もないとはおかしなことを言うな、小娘。ここに何かあったから、この島を出ることを躊躇したのだろう?
    それを一番理解しているのはお前のはずだ。目を逸らしても無駄だぞ」

マミ「いえ、もうここに居たくありません。居心地が良かったとしても、あなた達の下にいることが、もう私には耐えられませんから」

ヘルガ「まぁ、いいさ。好きにするがいい。どこに居ようが、現実はついて回るからな。逃げ場はない」

マミ「…」

ヘルガ「早く練習に戻れ。勝てばペラは溜まってその男も出れるんだろう? ここまで世話になった恩を返すんだな」スタスタ

マミ「…貴方に、言われなくたって」

6主「…」




697 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:57:00.97 ID:9FTVxszl0

―医務室―


ドクター「えっ、3倍? そんな量を投与したら副作用が…」

マコンデ「明日の試合は、長年に渡って研究してきた、しあわせ草のデモンストレーションだ。2軍の選手は全員死んだって構わん」

ドクター「…それは団長と所長の許可はもらっているんですよね?」

マコンデ「当り前だ」

ドクター「では、手配しておきます」

マコンデ(…本当はわしの独断だがな)ニヤ




698 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:57:54.03 ID:9FTVxszl0

―外―


ドクター(しかし、前日になってこんなことを依頼するとは。少しはこちらの苦労も考えてほしいものですねぇ)

ドクター(成分の抽出にもそれなりに時間がかかるというのに、もっと早めに言ってもらわないと)

ドクター(さて、早くこれを医務室に持っていかんと…)

ドクター(やれやれ、島民の村との道も、もう少し整備してもらいたいものです)




699 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 21:59:36.41 ID:9FTVxszl0

がさっ!


ドクター「あ…」パキッ

ドクター(ぎゃぁ、ビンを一つ落とした! 貴重なエキスが…)

ドクター(こりゃいかん! すぐに新しく抽出を始めないと…!)タタタ



???「キュー、キュー」

???「…キュ?」

???「…」ピチャピチャペロペロペロ




700 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:00:25.70 ID:9FTVxszl0

―グラウンド―


倉狩「練習はここまでにしましょう」

小杉「明日は試合だからな。お前ら早めに休めよ」

6主「やれやれ、これで終わりか。流石に疲れたな」

落田「そのおかげで、以前とは比べ物にならないくらい上達したでやんす。フフフ、もう一軍なんて屁でもないでやんす」

6主(でも、確実に勝てるかどうかは別問題だよな…。やっぱり脱走を考えた方が…)

落田「明日は決戦でやんすね。景気付けに一杯いかないでやんすか?6主くん。兵士の目を盗めば何とか…」

6主「止めとくよ。小杉の言う通り早めに休もう」

落田「それもそうでやんすね」




701 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:01:25.98 ID:9FTVxszl0

マミ「…」

6主「マミちゃーん。宿舎に帰るよー」

マミ「あ、はい。今いきます」

6主「やっぱり不安?勝てるかどうか」

マミ「いえ、そういうわけじゃないんです。ただ…」

6主「ただ?」

マミ「これで、もうこのグラウンドで練習することはないじゃないですか。ちょっと名残惜しくなって」

6主「そういえばそうか。これが練習納めだね」




702 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:02:32.01 ID:9FTVxszl0

マミ「辛いことばかりでしたけど、野球はとても楽しかったです。野球がなかったら、この島じゃたぶんダメになっていたと思います、私」

6主「ははは、そういってもらえると野球好きとしては嬉しいな」

マミ「この島来て、数少ないよかったことです。本当に、楽しかった…」

6主「そんな、大げさな。今生の別れじゃあるまいし。街に帰ったら、またやってみればいいじゃないか」

マミ「いえ、見滝原に帰ったら魔法少女の仕事がありますから。野球をしてる暇なんてありませんよ」

6主「あ、そうか…」

マミ「私、今まで部活動とかしたことなかったんです。魔女とずっと戦っていてそれで…。
   だから、こういうみんなで一丸となって何かをするってことがなくて」

6主「そうなんだ。クラスで行事をすることとかはなかったの?」

マミ「仲良くはしてましたけど、心のどこかで自分はこの人たちとは違うって感じちゃってて、一丸で何かやっているようには考えられなかったんです
   こんなに楽しいものだったんですね。青春を棒に振っちゃってちょっと後悔、かもしれません」

6主「マミちゃん…」

マミ「だから、いい思い出になりました。こうやって仲間がいれば一人じゃできないことも何とかなるってことも、勉強できましたし良いことづくめです
   もう、野球は出来そうにありませんけど、このことは私一生の忘れません」




703 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:04:42.56 ID:9FTVxszl0

6主「野球をするってのもいいんじゃないかな」

マミ「え?」

6主「ほら、例の好きなこと。じゃあさ、野球をするっていうのもアリなんじゃないかと思うんだ」

マミ「でも、魔法少女でいる限りそんな暇は…」

6主「じゃあ、野球ができるような生活になるようにするっていうのはどう? 
   とりあえず、最初は魔法少女をやりながらプライベートな時間を増やすこと。最終目標が女性初のプロ野球選手になるってことで」

マミ「随分、気の遠い計画ですね」

6主「でも、それくらいのほうがやりがいがあるだろ?」

マミ「ふふっ、そうですね。考えておきます。さ、戻りましょう? 明日は早いんですから、早めに休まないと」

6主(…好きなスポーツも、自由に出来ないのか)

6主(魔法少女が絶望して魔女になった理由って、もしかしたらこういう些細なことが発端になるんじゃないだろうか?)





704 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:05:22.95 ID:9FTVxszl0

―宿舎―


江川「明日は、船に乗って移動となる。全員、早めに休むように」

三谷「いよいよ、明日だな」

落田「絶対に勝つでやんす! それがオイラ達大人のプライドを守る最後の砦でやんす!」

布具里「でも、これで負けたら本当に立ち直れそうにないよな〜」

渡辺「やる前から、やる気がなくなるようなこと言うなよ…」

中田「とにかく、頑張ろう。ペラももらえることだしな」

小杉「先発は俺だな。布具里は信用できないし、完封してやらないと」

倉刈「まあまあ、みなさん。とにかくミーティングを…」


マミ(…こういう喧噪を見るのも、最後になってしまうのね。なんだか寂しいわ)

マミ(でも、もうここを出るって決めたんだもの。未練なんて残さないようにしないと)

マミ(みなさん…今までありがとうございました)ペコリ

6主「…」




705 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:09:04.00 ID:9FTVxszl0

―夜―


落田「えっ、脱走でやんすか?」

6主「しっ、声が大きいよ!」

落田「やめたほうがいいでやんすよ。向こうもきっと警戒してるでやんす。捕まったら、間違いなく処刑でやんすよ」

6主「分かってる。でも、やらなきゃいけないんだ」

落田「ダメでやんす。万に一つの可能性もないでやんす」

6主「もう、これしか手段が無いんだ。こうなったらもう…」


落田「…マミちゃんのためでやんすか?」

6主「そう。あの子はもうここを出る決心を固めた。でも、あの子一人だけ身寄りがないまま、外に返すわけにはいかないんだ。
   俺も一緒に出て、せめて落ち着くまでは支援してあげないと」

落田「試合に勝つんじゃ、ダメでやんすか?」

6主「確実じゃない。負けたら、もう100日の滞在が確定だ。あの所長が情けをかけてくれとも思えないし、それなら脱走を考えたほうが…」




706 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:11:27.31 ID:9FTVxszl0

落田「勝てば、問題ないでやんすよね?」

6主「え。まあ、そうだけど…」

落田「なら、絶対勝つでやんす。マミちゃんの未来がかかっているなら、みんなやる気を出すでやんすよ」

6主「…いや、そういって前回負けたじゃないか」

落田「あれは布具里のバカのせいでやんす! あれがなかったら勝ってたでやんす!」

6主「とにかく、そんな不確実な方法にマミちゃんを巻き込めないよ。だから、脱走を…」




707 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:12:13.68 ID:9FTVxszl0

落田「ムキ―! 6主くんはオイラたちのことを信じてないでやんすね!」

6主「いや、だって、実際負けてるし…」

落田「もう怒ったでやんす! ふざけるなでやんす! こうなったら、みんなにこのことを話すでやんす! 
   でもって勝って、絶対に6主くんの鼻を明かしてやるでやんす! これはプライドをかけた戦争でやんすよ!」プンプン

6主「あ、落田くん!」


6主(くそっ、落田くんの協力は得られなかったぞ)

6主(…あれ? よく考えたら、俺達が脱走したら試合はどうなるんだ? 選手が足りないから不戦敗?)

6主(そうなったら元も子もないから、警備は必要以上に厳重になるよな。いや、もしかしたら野球班全員にペナルティを負わせて、班内で監視をさせてくる可能性も…)

6主(うーん。脱走は諦めたほうがいいかもな…)





(そして次の日、俺たちは船に乗せられて裏野球大会の会場に行くこととなった…)





708 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:12:41.67 ID:9FTVxszl0

―洞窟―


収容者1「はー、やれやれ」

収容者2「まったく、あんな作業ばかり、マジになってやってられねェよ」

収容者1「野球班の連中が変な大会のせいでいないからな。ったく、しわ寄せがなんでこっちに来るんだっつーの」

収容者2「あの子もいないし。やる気でねーよ」

収容者1「ここは、良いサボり場所だな。ホント」

収容者2「だろ? そのうち村の女でも誘って…」



709 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:13:25.82 ID:9FTVxszl0




グルルルルルル……




収容者1「…」
収容者2「…」

収容者1「何だ、今の? 洞窟の奥の方から聞こえてきたけど」

収容者2「変だな。あんな鳴き声は初めて聞いたぞ」

収容者1「何か住み着いたんじゃないのか?」

収容者2「オイオイ、そりゃあ困る。よし、追い出そう」



710 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:14:15.87 ID:9FTVxszl0

(そして…)


収容者1「……遅いな。おーい、大丈夫か?」


シーン


収容者1「おーい。ったく何やってんだ?」


グルル……


収容者1「えっ」





711 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:14:55.45 ID:9FTVxszl0


???「……」


収容者1「ヒッ! なんだよ、お前?! ち、近寄るんじゃねぇ!」

???「…」

収容者1「あ、あ、あ…」



(ぎゃああああああああああっ……)



???「……」バキベキグシャグシャボリボリムシャムシャ…




712 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:15:29.08 ID:9FTVxszl0

―裏野球大会決勝会場―


マミ「ここが会場なんですね」

6主「ドームじゃないか。凄いな。誰が大会を運営してるんだろ?」

落田「そういうのが一切不明な大会らしいでやんす。噂では、色んな国の権力者が資金を出し合っているとか…」

江川「おいそこ。うるさいぞ」

落田「すまんでやんす」

江川「あー。みんな、今日は久しぶりに私らは島の外にいる。だが、大会が開かれているこの島は他の世界から隔離されている。
   脱出は不可能だし、一人でも脱出を試みれば全員が罰を受ける。だから、バカことは考えず、堂々と戦ってペラを得ようじゃないか」

マミ(脱走…。そういえば、そんな手も考えてみるべきだったのかしら)

マミ(でも、逃げたら班の皆さん全員に迷惑がかかる。考えても、そんなことできないわね)




713 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:17:51.45 ID:9FTVxszl0

6主「…あの、落田くん?」

落田「なんでやんすか?」

6主「腕しばられちゃ、何もできないんだけど…」

落田「絶対に逃がさないでやんす…。試合に勝って、オイラたちがマミちゃんを救うんでやんす…」

マミ「何をやってるんですか。お二人とも?」

落田「何でもないでやんす。ちょっとした集中力を高めるための儀式でやんすよ」

マミ「そうですか。もしかしたらこれが私の最後の試合になるかもしれません。絶対に勝ちましょう!」

落田「当り前でやんす! 一同、そうでやんすよね!」

一同『ああ…』ギラギラ

6主(な、何かこの展開、前にも見たような…)




714 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:18:26.31 ID:9FTVxszl0

(そして…)


6主「USスーパーヒーローズ?!」

マミ「あの…なにか向こうのチームどこかで見たような人たちばかりなんですけど…」

落田「なんでも、何人か大リーガーが偽名で入ってるらしいでやんす」

6主「はあ?!」

落田「どうやら、向こうのチームの出資者はかの国の大統領らしいでやんす。大方、権力をふるいまくってドリームチームを結成したんでやんすね」

マミ「ま、まぁどんな相手でも、野球なら勝てる可能性があります。がんばりましょう、みなさん」

6主「いやいや…」




715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/11/15(火) 22:19:10.44 ID:RmX1D3Wao
あのBGMと目に黒線の入った自由の女神が脳裏をよぎるww
……って、あれは表だけだっけ?
716 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:19:22.49 ID:9FTVxszl0

落田「いや、なんの問題ないでやんす…」

渡辺「…ああ、何の問題もないな」

中田「…こんな連中、今の俺たちの敵じゃないよな」

三谷「…ガキ一人守れないで、何が大人だっていうんだ」

小杉「俺のプライドを守るんだ、守るんだ、守るんだ…」ブツブツ

布具里「俺だって、好きでこんな顔に生まれたわけじゃあ…」

倉刈「子供は守る、子供は守る、子供は守る、子供は守る、子供は守る、子供は守る、子供は守る、子供は守る
    子供は守る、子供は守る、子供は守る、子供は守る、子供は守る、子供は守る、子供は守る、子供は守る
    子供は守る、子供は守る、子供は守る、子供は守る、子供は守る、子供は守る、子供は守る、子供は守る
    私はダメな父親じゃないんだ…」ブツブツブツブツブツブツブツブツブツ

落田「一同、絶対に勝つでやんすよ…。マミちゃんはオイラたちが守るでやんす…」



マミ「す、凄い、やる気…。これなら勝てるかもしれませんね」

6主(俺、もしかしたら、無事じゃすまないかもな…)




717 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:25:06.86 ID:9FTVxszl0

オーダー


1番 ショート   落田○ ミAパC走A肩A守A 盗塁○ 走塁○ 

2番 ライト    倉刈○ ミAパB走A肩B守B 逆境○ ヘッスラ 盗塁○ 粘り打ち○ 代打○

3番 レフト    6主  ミBパA走A肩B守B チャンス◎ ムードメ―カー 固め打ち 
                         ヘッスラ 逆境○ 広角打法 走塁○ 対左打法○  

4番 ファースト  マミ  ミBパA走B肩B守C ムードメーカー 固め打ち 流し打ち パワーヒッター バント○

5番 キャッチャー 三谷○ ミAパA走D肩B守A 代打○ 体当たり

6番 セカンド   渡辺○ ミAパB走A肩B守B 

7番 サード    中田○ ミBパB走C肩A守C

8番 センター   下山  ミAパD走A肩A守A

9番 ピッチャー  小杉○ 球速150 コントロールB スタミナB
              スライダー3 フォーク3 シュート2 威圧感 短気




6主「よ、よし! 皆行くぞ!」

一同『WAAAAAAAOOOOOOOOUUUUU!!!!!!!!』

マミ(最後の試合に最後のチャンス…。絶対に、勝つわ!)




718 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:26:17.85 ID:9FTVxszl0

(そして…)



―所長室―


ヘルガ「そうか、勝ったか」

マコンデ「はっ。顧客の評判も上々です。特に子供でもあれだけ効果があるというのが、大きなポイントになりましたな」

ヘルガ「では、早急にサンプルを送ってやれ。ところで賞品とはなんだったんだ?」

マコンデ「ガラクタでした」

ヘルガ「そうか。報告ご苦労。下がっていいぞ」

マコンデ「では、しつれいします」

ヘルガ(勝ったか。あの小娘にも現実と戦う力はあったということかな…)




719 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:27:52.50 ID:9FTVxszl0

ドクター「失礼します。2軍選手のデータをお持ちしました」

ヘルガ「うむ、ご苦労。………………?!」

ドクター「いかがいたしましたか?」

ヘルガ「なんだ、この投薬量は! 規定量の三倍ではないか!」

ドクター「は? それなら副所長の指示で…」

ヘルガ「あのバカモノがぁああ!」




720 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:28:36.08 ID:9FTVxszl0

……………………

………………

…………

……





721 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:30:00.07 ID:9FTVxszl0

―最終日・所長室―


ヘルガ「裏野球大会、ごくろうだった」

6主「はい」

マミ「…」

ヘルガ「ところで、お前たちは2500ペラ獲得できているのか?」





722 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:31:07.64 ID:9FTVxszl0

6主「2674ペラしか持ってないです」

ヘルガ「お前、嫌味か」

6主「軽い冗談ですよ」

ヘルガ「ふむ、よくやったと誉めてやろう。正直、100日で溜められるとは思わなかった。良かったな小娘」

マミ「…」

ヘルガ「お前たちの勝ちだ。数日後、船が来るからそれに乗って日本に帰るがいい」



6主「…」
マミ「…」

ヘルガ「どうした? 嬉しくないのか?」




723 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:36:15.50 ID:9FTVxszl0
>>722
ミス修正 2674ペラ→2666ペラ




6主「ひょっとして、俺達は日本に帰っても長生きできないんじゃないか? しあわせ草なしだと」

ヘルガ「……ふむ、本当は日本に帰る船の中で教えることになっていたんだが…貴様らは気づいていたか」

マミ「…! じゃあ!」

ヘルガ「いかにも、その通りだ。しあわせ草には人間の肉体能力を大幅に強化する効果がある。だが強い習慣性があり、いったん中毒になれば…」

6主「それをこの島の食事や飲み水に混ぜていただろう! 俺たちを、みんな中毒にするために」

ヘルガ「ああ、そうだ。この島の収容者でしあわせ草の中毒になっていない者はいない。我らの呪縛から逃れられる者など、一人もおらんよ」

マミ「この島は人体実験が目的なのね。さしずめ、これも商品の一つ、といったところですか」

ヘルガ「ははは、正解だ」

マミ「最初から、一人も解放するつもりはなかったんですね。貴方は…!」

ヘルガ「当然だ。でなければ、こんな島があることはとうの昔にバレている。秘密組織がそんなことを許すはずがないだろう?」





724 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:36:45.84 ID:9FTVxszl0

6主「収容者を使ってしあわせ草の実験をし、その上がった身体能力で鉱物を掘って武器を作り、しあわせ草を栽培させる…それがここのサイクルなんだな」

ヘルガ「良くできているだろう? さらにしあわせ草は薬物検査にも引っかかることは無い。表に戻った連中がスポーツで活躍させれば、それもまた宣伝にもなる」

6主「何とも効率の良いことだな。この間の裏野球大会もそれが目的か!」

ヘルガ「ああ。本音を言えば、勝たずにそこそこいい勝負をしてくれた方がこちらにとっては有益だったのだがな。おかげであの国との商売に支障が出た」

マミ「何でもかんでも、思い通りになると思ったら大間違いだわ」

ヘルガ「だがしあわせ草の宣伝は、思いのほか上手くいったよ。特に小娘、お前の存在は殊の外役に立ったぞ?
    女で、しかも子供があの最強チームと互角に渡り合える、とな。おかげで販売に困ることは無さそうだ。買い手はいくらでも付きそうだからな」

マミ「なっ…」

ヘルガ「お前たちの行動は、すべてこちらの利益になるように設計されているのがこの島だ。何をしようが、一矢報いるなど不可能だよ」




725 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:37:22.02 ID:9FTVxszl0

6主「…俺たちはどうなるんだ?」

ヘルガ「この島のことを黙っていれば、定期的にしあわせ草を届けさせるが? しあわせ草の効果でスポーツ界で大活躍できるぞ?」

マミ「ふざけないでください! 買収する気ですか?!」

ヘルガ「ふざける? いや、本気なんだが」ギロ

マミ「っ!」

ヘルガ「特に小娘。お前のしあわせ草との相性は驚異的だ。成長途中の身体にも関わらず、驚くべき運動能力が計測されている。
    スポーツなら何をやっても一流になれるな。どんな夢でも叶えることができるぞ?」

マミ「そんな夢なんて…」

ヘルガ「その先には輝かしい人生が待っている。誰もが貴様を必要とする、そんな人生がな」

マミ「…いりません。そんなもの」

ヘルガ「まあいい。船が来るまでじっくり考えるんだな。どうこうするのが得なのか、な」

6主「…」
マミ「…」




726 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:37:53.24 ID:9FTVxszl0

残り 0日 手持ちペラ 2666ペラ 犬レベル1


・収入

マミ 0ペラ
6主 0ペラ
試合ボーナス 400ペラ


・支出 なし




727 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:38:28.66 ID:9FTVxszl0

―単語紹介―


・BB団(ブラッドバタフライだん)
 
 世界中に武器を売りさばく秘密組織。
 武器を密造し、その武器を表立って武器を買えない組織(反政府組織やテロリストなど)に売り、
 またしあわせ島にて、しあわせ草の研究の実験を行うのが、主な活動内容。
 BB団で密造した武器の販売価格は、市場価格より安い。その理由は、BB団の活動目的が「金儲け」ではなく「世界に悪を広めること」にあるため。
 実はとある組織の下部組織であり、さらに上位の秘密組織が存在するのだが、団長以下数名の幹部しかそのことを知らない。


 
・しあわせ草
 
 しあわせ島のみで栽培できる植物。
 その効果として、人間が服薬すると凄まじく身体能力が向上するという特徴がある。
 が、同時に副作用として強度の中毒性があり、使いすぎると禁断症状を引き起こしてしまう。その習慣性は強く、ほぼ麻薬と変わらない。
 また、人種によって効果の差があり、そのためしあわせ島では一番効果の高い日本人が集められていた。
 しあわせ島の収容所では、飲み水や食料に抽出したしあわせ草のエキスを混ぜられており、自覚のないまましあわせ草無しでは生きられない身体になってしまう。   
  




728 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/15(火) 22:39:34.05 ID:9FTVxszl0

今日の投下はここまでです。

次の投下は、土曜日になります。
お読みいただきありがとうございました。



729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(中部地方) [sage]:2011/11/15(火) 22:39:53.85 ID:GR4dFw9yo
おつ

ヘヴィだぜ……
730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(三重県) [sage]:2011/11/15(火) 22:41:11.50 ID:5jRnXRcl0
乙乙乙ゥ!
倉刈さんが怖い件についてww
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/15(火) 22:42:24.23 ID:I9S9RLuso
乙マミ

次回か次々回あたり、最終回かな?
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(兵庫県) [sage]:2011/11/15(火) 22:43:50.42 ID:ukpWZhNRo
魔女化するよりましじゃね?
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(四国) [sage]:2011/11/15(火) 22:44:50.83 ID:07ZWC00AO
ほんとに野球のゲームかよ…
734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/11/15(火) 23:01:31.91 ID:RmX1D3Wao
乙!
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/15(火) 23:19:05.41 ID:tCGcb3w2o
表で優勝したことないんだが、裏野球大会の賞品って何?
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) [sage]:2011/11/16(水) 00:23:16.46 ID:ME4T/Nwuo

また絶望的な内容に…ソウルジェム大丈夫か…?
途中マミさんが6主の事さん付けじゃなく呼び捨てにしてるんだけど、それが台詞と合ってて燃えたww
脱字だと思うけどww
737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/16(水) 08:42:43.25 ID:xB+LmgV70
としおくん!
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]:2011/11/16(水) 23:43:29.59 ID:gPoAcnR20
これは何ルートにいくかな、としおくんかメカ[切腹]か…
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/11/17(木) 00:02:25.47 ID:sRBd/1Rqo
イベント的にとしおくんだろうね
ポケシリーズの歴史はメカ撃破でBB団壊滅ルートが繋がってるらしいけど
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(群馬県) [sage]:2011/11/17(木) 00:28:05.81 ID:TaICsOQUo
>>739
あれ?
正史ってとしおくん騒動に乗じてしあわせ島を壊滅させた後に和桐製作所を立て直したのであってBB団はまだ壊滅して無かったのでは?
そういえば和桐製作所再建後の6主の消息って確か不明だったよな
結局現代に残ったのだろうか?
それとも未来に帰ったのかな?
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(滋賀県) [sage]:2011/11/17(木) 01:06:49.30 ID:iXg6OIJto
BB団は壊滅してるよ確かそういう話があったはず
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/17(木) 01:11:44.69 ID:GbT6bfkAo
>>740
こんどのパワポケは山田と落田がでてくるからその辺の事情は語られるかもね
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/19(土) 08:10:32.93 ID:lUEayRlDO
ヘルガの言葉が重いぜ…
744 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:25:32.73 ID:49cMIoEQ0
続きを投下します。
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/19(土) 21:25:55.50 ID:C+RVzEaAo
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
746 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:27:48.25 ID:49cMIoEQ0

―夜・宿舎―


6主「うーん……。俺はどうするべきなんだろう」

マミ「…私は、決心ができました。この島を放っておくことは出来ません」

6主「…いいの? やるなら、命がけになるよ?」

マミ「今までだって、命がけだったんです。今更そんなこと言っても止まりませんから」

6主「でも、君にはやりたいことが…」

マミ「これだって放っておけないことですよ。この島で行われていることは間違っています。何でも言ってください。協力しますから」

6主「…よし、わかった。みんなに本当のことを話そう!」



747 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:28:22.54 ID:49cMIoEQ0

(そして…)


6主「…と、いうことなんだ」

マミ「私たちは騙されていたんです」

落田「なんとそうだったでやんすか!」

小杉「俺たちはハメられていたのか! ちくしょう!」

中田「こうなったら、すぐにでもこんなところから逃げ出そうぜ」





748 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:30:03.92 ID:49cMIoEQ0

布具里「ちょっと待てよ。俺たちが中毒だとすると、しあわせ草がもらえなくなったら困るんじゃないか?」

渡辺「俺たち全員、例外なく中毒らしいからな。逃げても、禁断症状で死ぬだけだぞ。麻薬と同じだな」

三谷「なんてこった…、島から出てもこれじゃあ家族に会えねぇな…」

倉刈「逃げても、どうしようもないですよ…」

落田「そもそも、脱走する手段がないでやんす。逃げるのに失敗したら、処刑されちゃうでやんす…」




749 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:32:16.49 ID:49cMIoEQ0

6主「そう。だから、逃げるんじゃなくて、アイツらをやっつけるんだ」

落田「え?! でも、むこうは銃を持っているでやんすよ」

6主「でも、人数は収容者よりずっと少ない。だからまずはドクターを捕まえて、しあわせ草のエキスを手に入れる」

落田「なるほど、パワーアップをするでやんすね!」

6主「しあわせ草は身体能力を上げる。だから、やつらも軍事利用のために研究していたんだ。
   これで数と質は完全にこっちが上だ。これで一気に、この島を制圧する」

落田「おお。なんか行けそうな気がしてきたでやんす!」

三谷「どうせ、もう中毒になってるんだから、最後に一花咲かせるのいいかもしれないな」

マミ「ダメですよ、三谷さん。私たちはこの島から自由になるんです。死んじゃったら怒りますからね?」

三谷「お、おう。しかし、他の班の連中が協力するかな。前に処刑があったし、ビビッて動かないことも…」




750 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:33:31.23 ID:49cMIoEQ0

落田「ならそっちは、オイラに任せるでやんす」

小杉「お前が? いったいどうするんだよ」

落田「真相を聞かせれば、きっと動揺するでやんす。これで働いていたら自由になれるっていう希望を奪えるでやんすね。
   そして、次にマミちゃんの登場でやんす!」

マミ「え、私ですか?」

落田「そうでやんす! 希望が失われたところに、マミちゃんが反乱の誘いをするでやんす!
   希望が失われたところに現れる、新たな希望! これで、どんな連中もこっちの計画に縋ってくるでやんす」

三谷「まぁ、マミ助は人気者だからな。頼めば向こうも乗ってくるだろ」

落田「希望を全部奪ってやったところで、マミちゃんの一押しでやんす。これで落ちない奴は、いないでやんすね」

6主「じゃあ、落田くんはそっちを頼むよ。明日の朝には行動を起こしたいんだ。これが作戦の予定表ね」

落田「わかったでやんす。さ、マミちゃん行くでやんすよ」

マミ「あ、あの。といっても、何を言えばいいのか…」

落田「セリフはこっちで用意するでやんす。この通り言えばいいでやんすよ」スタスタ

6主「じゃあ、頼んだよー」

小杉「おい、6主。それでどんなふうに攻めるのか、当てはあるんだろうな?」

6主「ああ、それは…」





751 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:34:00.63 ID:49cMIoEQ0

(そして…)


落田「行ってきたでやんす!」

マミ「無事に協力を取り付けることができました」

6主「じゃあ、みんなが各班に行って時間になったら行動を起こしてくれ。
   速さが勝負だ。敵が体制を整える前に所長と副所長を確保したい。海の砲艦に戻ってきたら、こっちが負けるからな」

小杉「わかったよ、速攻でケリをつけるんだな」

6主「それじゃあ、決行は明日の夜明け前だ!」

一同『おう!』





752 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:34:41.89 ID:49cMIoEQ0

マミ「あの、私はどの班に行けばいいんでしょうか?」

6主「あ、マミちゃんには別の仕事あるんだ。そっちをやってくれないかな」

マミ「別の仕事ですか?」

6主「前にバオが見つけた旧日本軍の爆弾があっただろ? ほら25番とかいうやつ」

マミ「爆弾でしたよね、確か。どこかに隠してあるっていう…」

6主「まず、これから落田くんと村にいって、反乱を起こすことを伝えてほしい。そしたら、その爆弾を確保して宿舎まで持ってきてほしいんだ。
   いざという時に役に立つかもしれないから」

マミ「わかりました。じゃあ、これからまた落田さんと行ってきます」

6主「頼んだよ。もしかしたら必要ないかもしれないけれど、できるだけ手札は多くしておきたいからさ」

マミ「はい。あの、私も戦力として考えてくださいね。グリーフシードも二つ残ってますし。いざとなったら、変身しますから」

6主「うん」




753 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:35:21.73 ID:49cMIoEQ0

6主「…じゃあ、任せたよ」

落田「わかったでやんす。事が終わるまでに、収容所に近づけさせなければいいでやんすね」

6主「仲間はずれかもしれないけれど、巻き込ませたくないからさ」

落田「そんなの、オイラも同じでやんす」

6主「25番はサイズ的に、運ぶのには相当手間がかかるはずだ。これで何とか時間稼ぎをしてくれ」

落田「任せるでやんす。マミちゃんが収容所に行かないよう、キッチリ監視するでやんすよ」

6主「頼んだよ、落田くん」





754 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:37:58.16 ID:49cMIoEQ0

―村―


マミ「…というわけなんです。協力してくれますか?」

バオ「もちろんだ! で、何をすればいいんだ?」

マミ「前に話してくれたじゃないですか。ええと、爆弾がどうとか…」

バオ「ああ、あのでっかいやつな。あれを運べばいいのか?」

マミ「はい。敷地内に運んでおきたいんです。お願いします」

バオ「こっちだ。前にBB団に見つかりそうになったから、場所を移しておいたんだ」

落田「じゃあ、その場所に案内するでやんす」





755 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:38:34.69 ID:49cMIoEQ0

(そして…)


バオ「どーだ! これがその爆弾だぞ」

マミ(お、大きい。これは、どうやって運べば…)

落田「思っていたよりも大物でやんすね。こんなに大きいと収容所まで運ぶ方法がないでやんす…」

マミ「野球班のみなさんに応援を頼みますか?」

落田「この時間だと、みんなもう配置についているでやんす。オイラたちで何とかしないといけないでやんすよ」

マミ「困りましたね…」




756 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:40:50.54 ID:49cMIoEQ0

バオ「としおくんに頼めばいいんじゃないか?」

落田「誰でやんすか、それは?」

マミ「収容者の方ですか?」

バオ「あれ、前に言わなかったっけ? しあわせ草を食べて大きくなったトカゲだよ」

落田「トカゲ? なんでそんな名前でやんすか?」

バオ「日本人がつけたんだよ。普通は洞窟でコケを食べているおとなしいやつなんだけど、力持ちなんだ」

マミ「でも、トカゲにこれを運ぶことが出来るんでしょうか…」

バオ「大丈夫だよ。ここにこれを運べたのも、としおくんのおかげだし」

落田「それなら利用できるかもしれないでやんすね。ちょっとそいつのところまで案内してくれでやんす」

バオ「ああ、いいよ」

マミ「作戦の時間も近づいています。急ぎましょう」


落田(…悪いけど、もう始まっているでやんす)

落田(このまま、時間を稼げばマミちゃんを巻き込まずに終わることができるでやんすね)




757 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:41:27.22 ID:49cMIoEQ0

―収容所―


6主「よし、いくぞ!」

小杉「積年の恨みを晴らしてやる!」ダダダ


ワー! ワー!! ワー!!!


BB兵1「何だ貴様らは、止まれ!」

小杉「ソリャ!」ボカッ

BB兵2「貴様、なんて事を! 死ねっ!」ガガガガ!

小杉「そんなへなちょこ弾に当たるか!」ヒュンヒュン

BB兵2「なっ、弾を避けた?!」

小杉「くたばれ、この野郎!!!」バキッ!ボカッ!ゲシッ!




758 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:41:54.28 ID:49cMIoEQ0

三谷「おーい。宿舎は完全に制圧したぞ!」

渡辺「監視所の一つもそろそろ墜ちそうだ。予想以上に上手くいっているな」

三谷「人死にも少ないみたいだしな。こっちもあまり血は見たくないし、いいことだな」

6主(予想以上にこちらが優勢だな。まあ、寝こみを襲ったし、当然と言えば当然か)

6主(さて、早く所長と副所長を確保しないと…!)





759 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:42:22.01 ID:49cMIoEQ0

―洞窟―


マミ「ここに、その、『としおくん』がいるんですか?」

落田「何だか、妙に荒れているでやんすね。ところどころ崩れているでやんす」

マミ「あっ、とと」

落田「大丈夫でやんすか? 足元に注意するでやんす」

マミ「すみません。でも本当にいるんでしょうか? こんな住みにくそうな場所にいるとは思えないんですけど」

バオ「ここには餌の苔がたくさんあるんだ。あんまり外に出たがらない奴だし、多少荒れてても問題ないよ」

落田「とにかく、慎重に進むでやんす。怪我をしたら危ないでやんす」




760 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:42:54.92 ID:49cMIoEQ0

バオ「あれ? おかしいな」

マミ「どうかしたんですか?」

バオ「なんか変だ。洞窟のこのあたりの苔が、みんななくなってる。びっしり生えていたはずなのに」

落田「そのとしおくんが子供でも生んだんじゃないでやんすか?」

バオ「オスだぞ? そんなわけないって。でも、それじゃあ一体…」

マミ「もうじき夜明けですよ。はやく宿舎に爆弾を運ばないと…」

バオ「そうだな。えーと、どこに…」




761 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:43:52.40 ID:49cMIoEQ0




ぐぎゃあああああああああん!!!!




バオ「うわっ!」

マミ「な、なんですか?!」

落田「なんでやんす?! 今の声は!」





762 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:45:20.91 ID:49cMIoEQ0




(ずしん! ずしん! ずしん!……)




マミ「ええっ!!!

落田「げぇーーっでやんす!」




としおくん「ぐるるるる……」ズーン





763 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:50:52.57 ID:49cMIoEQ0

落田「とんでもない大きさでやんす!」

マミ「凄い…。こ、このサイズなら、爆弾なんて簡単に運べますね…」

落田「まるで怪獣でやんす! ゴジラみたいでやんす! というか、これなら暴れてもらった方がいいんじゃないでやんすか?」

マミ「本当に、おとなしくてコケしか食べないんですか? とてもそうは見えません…」

落田「人食い怪獣って言われても信じちゃうでやんす」




764 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:51:52.31 ID:49cMIoEQ0

バオ「こ、これ違う!」

マミ「え?」

バオ「オレが知っているのより、ずっとずっと大きいよ、コレ!」

マミ「え、ど、どういうことですか…」

落田「……あのマミちゃん」

マミ「あ、はい。落田さん」

落田「あいつの口から飛び出ているの、何でやんすかね?」

マミ「え? あ、そういえば何かが…」




としおくん「ぐるるるるるる…」ピョコ






765 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:52:35.05 ID:49cMIoEQ0

マミ「なんでしょうか。棒のようなものが…」

落田「…オイラが思うに、あれはズボンをはいた人間の足じゃないでやんすかね?」

マミ「ああ、そう言われてみれば確かに…、え?」



落田・マミ『…』

としおくん「グルル…」ジュル




落田「冗談じゃないでやんす! 逃げるでやんす!」




766 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:53:20.73 ID:49cMIoEQ0

(そのころ…)


―管理所―


BB兵「宿舎・北の監視塔・工場は奴らに占領されました!」

マコンデ「ええい! 兵士は何をしている!」

BB兵「しかし、やつらは信じられないほど力が強く…、動きも素早くてライフルの弾も当たりません!」

マコンデ「そんなはずがあるか! もっとしっかり反撃しろ!」

BB兵「ダメです! 数も多く、我々では…」





767 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:55:24.07 ID:49cMIoEQ0

ヘルガ「なるほどな。しあわせ草だよ、マコンデ」

マコンデ「は?」

ヘルガ「しあわせ草を使って戦闘能力を上げたんだ。まあ、過度の服用にさえ気をつければ、強力な武器になるからな。
    我らも、そのために研究をしていたのだから」

マコンデ「し、しかし、やつらの食事にはそこまで高純度のエキスは投薬していませんぞ?!」

ヘルガ「おそらく、最初にドクターを押さえ、高純度のエキスを入手したのだろう。…そうか、首謀者はあの男か」

マコンデ「な、ならばこちらも…」

ヘルガ「無駄だ。医療室はもう押さえられている。それに、今から注射しても効果が表れるまで時間がかかるだろう。
    既に中毒になっている収容者にはすぐ効果が出るだろうがな」

マコンデ「で、ではどうすれば…!」

ヘルガ「攻めるのではなく、防戦に徹するよう連絡しろ。哨戒中の砲艦が来るまで耐えるんだ。
    あれがこちらに到着すればこの状況は覆せる。いくら向こうが数で押していても、砲撃には勝てまい」

マコンデ「わ、わかりました!」

ヘルガ(我々の開発したしあわせ草の威力を身をもって知ることになるとはな、皮肉なものだ)




768 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:55:50.66 ID:49cMIoEQ0

ヘルガ「…ん?」

マコンデ「どうしました、所長?」

ヘルガ「おかしいな。畑の方面から収容者が逃げてくる」

マコンデ「おお、あそこはわが兵が押しているのですな。使えるやつもいるものだ!」

ヘルガ「しあわせ草のドーピングを行った連中に攻め込める兵がいるのか? そこまで練度を高めた記憶はないが…」

マコンデ「んなっ、兵も逃げている! 全く役立たずどもめ!」

ヘルガ「どういうことだ…?」




769 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:57:22.74 ID:49cMIoEQ0

BB兵「た、大変です。所長!」

ヘルガ「どうした。落ちついて何事か報告せよ」

BB兵「か、か、か、怪獣です!」

ヘルガ「は?」

BB兵「山の向こうから畑を横切って!」

ヘルガ「……怪獣だと? 何を訳の分からないことを言っている。ちゃんと報告しろ!」

BB兵「早くお逃げください! じきにここにも…」



ガァァァァァァァァァアァァァア!!!



ヘルガ「?!」

マコンデ「な、なんだ!?」




770 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 21:58:58.72 ID:49cMIoEQ0

―しあわせ草畑―




としおくん「ぐぎゃああああああああああ!!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

収容者・BB兵「うわぁあああああ、ひぃぃぃいいいいいいいいいい!!!!」




6主「な、何だアイツは!」

小杉「おい6主、早く逃げろ!」

としおくん「ぎぃゃああああああああああ!!!!」ドカーン! メキメキメキ!

6主「収容所を壊しているけど、このままじゃこっちも巻き添えだー!」




771 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:00:05.58 ID:49cMIoEQ0

―管理室―


BB兵「ああ、とうとうここにまで!」

ヘルガ「信じられん…」

マコンデ「しょ、所長! どうします? とりあえず反乱の鎮圧は後回しにして戦いますか、それとも逃げるんですか!」

ヘルガ「戦う……アレとか? 」

マコンデ「ええ! 早くご命令を!」

ヘルガ「フフフ、アレと戦うだと?」

マコンデ「所長?」

ヘルガ「フフフフ、あはははははははははは! あはははははははははははは!!!!」

マコンデ「え? あ、あの、所長どちらへ! 所長!」





772 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:01:17.26 ID:49cMIoEQ0

―収容所―


落田「大変な騒ぎになっているでやんす」

マミ「大混乱ですね。BB団は壊滅できそうですけどこれじゃあ…」

マミ(魔法少女に変身して止める? でも魔女なんかと比べ物にならない大きいわ。変身しても、倒しきれるかどうか…)

落田「マミちゃん、早くオイラたちも逃げないと。巻き添えを食らうでやんすよ!」

マミ「でも、なんとかしないと…」

落田「こんなの、オイラたちじゃどうにならないでやんす! 地球防衛隊でもないと無理でやんすよ!」

マミ「そんなアニメみたいなもの! ありません…よ――?」





773 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:03:42.13 ID:49cMIoEQ0

マミ(待って、確か兵器工場で巨大ロボットを作っているって落田さんが前に…)

マミ(それを使えばもしかしたら!)ダッ!

落田「あ、マミちゃん! どこに行くでやんすか!」

マミ「落田さん! 先に逃げていてください!」

落田「えっ、ちょっと。ああ、オイラはどうしたら…」



としおくん「ぐぎゃああああああ!!!」



落田「ひいいい! マミちゃん、一緒に逃げるでやんすー!」





774 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:05:13.74 ID:49cMIoEQ0

―工場―


マミ(ここはまだ壊されていないけれど、それも時間の問題…。早く探さないと!)

???「うわっ…」ドン

マミ「きゃっ…すみません。って、6主さん?!」

6主「マミちゃん?! どうして君がこんなところに?」

マミ「6主さんこそ…」

6主「俺は、ここにあるロボットを探しに来たんだけど」

マミ「わ、私もです! どんなものかはわかりませんけど、それを使えば…」

6主「ああ、あいつを倒せるかもしれない。ていうか、アイツは何?」

マミ「としおくんだそうです。しあわせ草を食べて、あそこまで大きくなったみたいで…」

6主「としおくん? まあ、とにかく早く探さないと! ここを潰されたら、本当に手が付けられなくなるぞ!」




775 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:06:06.94 ID:49cMIoEQ0

―格納庫―


マミ「あった!」

6主「よし、コックピットは開いている。ええと、操作は…」


ギャアアアアアアアア グガッァァァァァァァア


マミ「近づいている…! 6主さん、早くしないと――」

6主「マニュアルは見つけた。ええと、起動するには…」





776 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:07:02.76 ID:49cMIoEQ0

ヘルガ「それは動かんよ」

6主「所長?!」

ヘルガ「誰か一人くらいこれを使うと思ってきてみれば、お前たちか。なかなかやってくれる、いや考えることは同じということか。
    それよりも動かそうとしても無駄だ。それにはパスワードが設定されているからな」

マミ「なら、早く教えてください! 早くやっつけないと、この島のみんなが…」

へルガ「ハハハ、やっつけるだと?」

マミ「そうです! あなただって、こんなところで死にたくはないでしょ!?」





777 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:07:31.88 ID:49cMIoEQ0

ヘルガ「…このバカモノが」

マミ「え?」

ヘルガ「あれを殺すだと? 何をバカなことを言っている。アレは、我らの命すべてより価値のあるものだぞ?」

マミ「…何を言ってるの?」

ヘルガ「我らはこの地球に残された数少ない神秘に遭遇したのだ。その意味に比べれば、人間の命など取るに足らん」

マミ「そんなの! ただ殺されるのが正しいっていうの?」

ヘルガ「見てみろ。あれこそが本物の希望だ。人殺しや戦争を起こして得られる血生臭いものではない、純粋なる希望。私が渇望していた本物だ。
    それに比べれば、こんなまがい物の島など不要。消えて当然だ」

マミ「だからって、そのために人が死ぬのは間違ってるわ! 人を犠牲して希望を得るなら、あなた言うまがい物と同じじゃないの!」





778 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:08:30.85 ID:49cMIoEQ0

ヘルガ「ならば、お前が私に希望をくれるというのか?」

マミ「それは…」

ヘルガ「貴様にも分かっているだろう? 希望が何もないことの恐ろしさは。閉塞感は。世界の終わりを目の当たりにしたような絶望。それが、我らの敵だ」

マミ「…!」

ヘルガ「私もお前と同じさ。行き詰っていることが怖い。未来のすべて、世界の果てを知ってしまったかのようなこの感覚こそが絶望さ。
    これがやがて人類を蝕み、殺していくんだ。その未来を変えるためなら、少数の人の命など些細なことだよ」

マミ「私は…」

マミ(私は、何も変わらない…)

マミ(魔女を倒して、そして魔女になって死んでいく…。これが私のこれからの運命であり人生)

マミ(私にこの人を非難する資格があるの? その運命をただ受け入れただけの私が、この人を…)

マミ(私は…)





779 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:09:07.16 ID:49cMIoEQ0



6主「…そういう考えだから、こんな組織を作ってしまうんだよ」



へルガ「なんだと?」

マミ「6主さん?」

6主「君が何を知っているっていうんだ? 超能力が実在することは知っているのか? 人の妄想があらゆるものを具現化することは?
   何でも願いを叶える宇宙人や魔人のことは? 時間を移動する機械のことも、君は何も知らないだろう!」

ヘルガ「貴様、何を言っている?」




780 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:10:35.12 ID:49cMIoEQ0

6主「いいか、よく聞け! この世界は、こんなあと百年たっても解明できない謎と神秘に満ち溢れているんだ!」

ヘルガ「?!」

6主「世界も人類も行き詰ってなんかいない! 君が、勝手に、行き詰っていると、思い込んでいるだけなんだよ!」

マミ「!!」

へルガ「こ、この…見てきたようなことを!」

6主「こんな島で引きこもって、小説を読んで世界を知った気でいる君に何がわかる!
   世界は、そんなに単純じゃない! 世界はずっと、どんな時代も複雑で、絶望も希望も悲しみも喜びもある色々なものでできているんだよ!
   絶望しか知らない君が知ったふうな口をきくな!」

ヘルガ「貴様ぁ!」





781 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:11:19.43 ID:49cMIoEQ0



 ぎゃおおううううう!!!




ヘルガ「なに、工場内に?!」



ガララララララ!!!!



…………………
……………
………





782 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:14:09.38 ID:49cMIoEQ0

6主「いてててて…、崩れてきて危なかった…」

マミ「だ、大丈夫ですか?」

6主「ギリギリでコックピットのハッチが閉まって大丈夫だったみたいだ。マミちゃんは?」

マミ「こっちもなんとか…。開きませんね」ギィ

6主「どこかに開閉スイッチがあるはずだ。ええと…おしりの辺りにない?」

マミ「ちょ、ちょっとまってくださいね。…これですか?」ガコン

6主「ああ、開いた。……?! 所長!」ダッ




783 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:14:57.21 ID:49cMIoEQ0


ヘルガ「…」

6主「お、おい! 大丈夫か!」

ヘルガ「……足を…どうやら、私の運命はここまでらしいな…」

6主「バカ、あきらめるな!」

ヘルガ「ふ…お前たちの運命は違うようだな。パスワードは『ラムセス』だ」

6主「え…?」

ヘルガ「かまわんさ。敗者は勝者に道を譲らねば。私は大丈夫だ早く行け」

6主「…ありがとう!」タタタ



ヘルガ「…私に向かって『バカ』か。フ、フフ……」



バタッ




784 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:16:00.62 ID:49cMIoEQ0

マミ「あの、所長は?」

6主「…たぶん、大丈夫さ。それより、パスワード入力っと…」



(ブゥン)

BOOT……OK
SYSTEM……NORMAL
TYPE-GT……STANDBY



6主「よし、起動した!」

落田「おーい、マミちゃんどこにいったでやんすかー!!」

マミ「あ、落田さーん。ここです!」

落田「ぬおおおおおお!! ガンダーロボでやんす! 本当に作っていたのでやんすね」

6主「落田くん! アイツはどこにいった?!」

落田「としおくんなら、今は鉱山の方で暴れているでやんす!! もう手が付けられないでやんすよ!」




785 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:17:28.66 ID:49cMIoEQ0

マミ「急ぎましょう。6主さん。早くこのロボットで倒さないと。私も変身して援護を…」

6主「いや、君には他のことを頼みたい」

マミ「え?」

6主「この騒ぎだ。頭のいいやつなら、どこかに逃げ出そうとするだろう。そして、未だにこれだけの騒ぎなのに姿を見せていない奴がいる」

マミ「団長…ですか?」

6主「こんな場所はあっちゃいけないんだ。ここできたら、一気に根まで絶とう。団長を捕まえることを君に任せたいんだけど、いいかな?」

マミ「で、でも…居場所が…。それにいくらロボットがあるからって、一人で立ち向かうなんて…」

6主「俺なら大丈夫。それに居場所の見当もついている。所長室だ
   何度も入って確認したけれど、建物の構造上おかしな箇所があの部屋にはある。きっと、隠し通路か何かだろう。その先に団長がいるはずだ」





786 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:18:04.30 ID:49cMIoEQ0

マミ「…死なないでくださいね?」

6主「そっちもね。本当はこんな危険なこと、君に頼みたくはないいんだけど」

マミ「私だけ、何もしないのは嫌ですから。ここまできて、仲間はずれは嫌ですよ?」

6主「それじゃあね、マミちゃん!」

マミ「はい! また後で必ず!」ヘンシン




787 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:19:25.29 ID:49cMIoEQ0

落田「あれ? マミちゃんその恰好はなんでやんすか?」

マミ「落田さん! 行きますよ!」

落田「え、どこにいくでやんすか! マミちゃ〜ん!」

6主「…さてと、こっちも始めるか」

6主(Aでソード、Bでバルカン、LRでロケットパンチ…? ははは、まるでゲームだな、こりゃ)

6主(でも、おかげで簡単に操作ができそうだ! これならいける!)

6主(ようし! どうせなら、とことんノリノリでやってみるか!)



6主「――ガンダーロボ!」

としおくん「ぐぎゃあああああああああ」

6主「発っ進!」

ガンダ―ロボ「ガォオオオオオオオン!!」





788 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/19(土) 22:19:40.68 ID:C+RVzEaAo
2つのルートを同時攻略するのか
789 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:22:16.47 ID:49cMIoEQ0

―所長室―

落田「マミちゃーん、本当にこんなところに団長がいるでやんすか?」

マミ「はい。6主さんの話では、どこかに隠し通路があるってことらしいんです。早く探さないと…」

落田「それより、その恰好のことについて聞きたいでやんす! そんな可愛い服をどこに隠し持っていたでやんすか!」

マミ「あとで説明しますから…、それより今は隠し通路を!」

落田「絶対でやんすよ!」

マミ(ここに来る途中で、BB兵に何人か遭遇したけれど、全部落田さんが倒してしまったわ)

マミ(銃の弾も軽々と避けていたし、私と落田さんの二人なら団長を捕まえることも可能なはず! 急がないと!)





790 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/19(土) 22:24:00.79 ID:DmAANfxxo
落田△
ハイパー化してるな
791 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:24:28.93 ID:49cMIoEQ0



ぐぎゃあああああん!!!

がおおおおおおおん!!!!



落田「6主くんは派手にやっているみたいでやんすね。オイラも操縦したかったでやんす」

マミ「落田さん! 真面目に探してください!」

落田「ごめんでやんす…。あ、本棚が動いたでやんす!」ゴゴゴ

マミ「これは…、地下へ下りる階段ですね! やりましたね落田さん!」

落田「6主くんの話なら、この先に団長がいるのでやんすね!」

マミ「早く追いかけましょう!」

落田「ここまで来たら、絶対に逃がさないでやんす!」






792 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:25:19.17 ID:49cMIoEQ0

―地下道―


マミ「こんな地下道があったなんて…」

落田「ふむふむ…」

マミ「どうしたんですか? 落田さん」

落田「この地下道は、だいぶ古いものでやんす。ここ数年で作られたものじゃないでやんすね」

マミ「それじゃあ、この島に元々あったもの、ということですか?」

落田「バオの話で出てきた、旧日本軍のものだと思うでやんす。この島に前線基地を作っていたのでやんすね」

マミ「それなら、これは脱出路か何かですか?」

落田「たぶん、元は退避のための防空壕か何かだと思うでやんす。とにかく、今は地下道として利用されているみたいでやんすけど」

マミ「急ぎましょう。逃げられる前に、団長を捕まえないと…」





793 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:26:04.82 ID:49cMIoEQ0

???「だれが、だれを捕まえるでやんす?」

落田「へ?」

マミ「え?」

???「まったく、こんなところまで来るとは、ヘルガは何をやっているでやんすか」

マミ「え、あれ? お、落田さんが2人?!」

落田「オイラはこっちでやんす!」

マミ「…もしかして、生き別れの双子ですか?」

落田「いやいや、6主くんが言っていた同僚の山田くんという可能性も…」



メカ亀田「何を言っているでやんす。オイラこそがブラッドバタフライの団長、メカ亀田でやんすよ!」

マミ・落田『……』

メカ亀田「ふっふっふ、驚いて声も出ないでやんすね」




794 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:27:20.16 ID:49cMIoEQ0

マミ「……あの、亀田さんって誰ですか?」

メカ亀田「は?」

落田「オイラも知らないでやんす。親戚にもそんな人はいないでやんす」

マミ「いきなり知らない人の『メカ』が出てきても困るんですが…」

落田「本物より先にニセモノが出てきても、全く意味がないでやんす。ネーミングセンスを疑うでやんす!」

メカ亀田「ニセモノ…?」

マミ「だって『メカ』って名前にあからさまに…」

メカ亀田「オイラはニセモノでないでやんす! 本物を超えた存在なのでやんす! バカにしてるでやんすか!」

マミ「と、いわれても…」

落田「元がたいしたことなくても、オイラたちには全然わからないでやんすからねぇ。
   ま、ここは一つ、この落田様のニセモノということで勘弁してやるでやんす」

メカ亀田「ま、またニセモノと言ったでやんすね!」





795 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:28:08.69 ID:49cMIoEQ0

落田「と、その隙をついて、先制攻撃でやんす!」

マミ「えっ?」

落田「せいや!」バキッ

メカ亀田「…」

落田「あれ? バットが折れちゃったでやんす」

メカ亀田「…今度はこっちの番でやんすね」



バリバリバリ! ギャー!!



796 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:30:36.00 ID:49cMIoEQ0
落田「…」プスプス バタ

マミ「ああっ! 落田さんがあっという間に黒コゲに! 電撃?!」

メカ亀田「その通りでやんす。この電磁バリアーがある限り、オイラは無敵でやんすよ」

マミ(近づくのは無理…でも!)

メカ亀田「さあ、小娘。あとはお前だけでやんす」

マミ「そう簡単にはやられないわ…!」

メカ亀田「ほう、何ができるというのでやんすか?」

マミ(先手必勝。バリアーもティロ・フィナーレなら…!)





797 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:31:13.05 ID:49cMIoEQ0

メカ亀田「しあわせ草でパワーアップしたところで、所詮人間などタンパク質とカルシウムの塊でやんす。
     チタンとスチールで出来ているオイラに勝つことなど…絶対に不可能なのでやんす!」

マミ「あら、そんなこと、やってみなくちゃわからないんじゃないかしら?」

メカ亀田「この程度の予測も不可能とは…。やっぱりバカな人間は皆殺しでやんす!」

マミ「バカなのは貴方の方よ。貴方の予測は所詮は常識の範囲内でしょう? でも世の中には、それだけじゃない。奇跡や魔法があるの」

メカ亀田「何を言っているでやんすか?」

マミ「こういうことよ!」バッ



マミ(狭い地下通路、絶対にはずさない!)

マミ「ティロ・フィナーレ!」





798 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:32:02.05 ID:49cMIoEQ0



ドカーン!!!



(もくもくもく…)

マミ(ティロ・フィナーレの一撃。これで、団長は…)



バシュ! バシュ! バシュ!


マミ「?!」



799 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:33:34.75 ID:49cMIoEQ0

マミ(小型ミサイル!?)パンパンパン チュドーン

メカ亀田「…不意打ちとは中々やるでやんすね。それにその力、興味深いでやんす」

マミ「なっ、効いてないの?!」

メカ亀田「残念だったでやんすね。言ったはずでやんすよ? 電磁バリアーがある限り、オイラは無敵だと」

マミ(効果なし…。今まで魔女以外に撃ったことはなかったけど、でも全く効かないなんて…!)

メカ亀田「この理路整然とした科学技術の粋を結集して作られた体には、一部の隙もないでやんす。そんなあやふやで不確かな力など、通用しないでやんすよ」

マミ「…いかにも機械がしゃべりそうなセリフね。不確かなら、通用するかどうか判断するのは早計じゃないかしら?」

メカ亀田「結果はこの通りでやんす。それにしても、その力。しあわせ草のドーピングだけじゃないでやんすね? 興味深いでやんす」

マミ「…」ギリ





800 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:34:35.21 ID:49cMIoEQ0

メカ亀田「かわいい女の子だから、オイラのコレクションに加えようと思ったでやんすけど、気が変わったでやんす。
     解剖して、その能力を新たな商品にさせてもらうでやんす!」バシューン!

マミ「そんなこと、お断りよ!」

メカ亀田「ほらほら! 早く逃げないとクローの餌食でやんすよ!」バシューン! バシューン!

マミ「見知らぬ男の人と手を繋ぐなんて、はしたないことはできないわ!」バンバンバン!!!

メカ亀田「ほう、銃をどこかから取り出して、撃ち落としたでやんすか! 俄然、興味が湧いてきたでやんす!」

マミ「こっちは興味ないの、近づかないで!」パンパンパンパン

メカ亀田「無駄でやんす! さっきの一撃でも破れなかったでのでやんす! そんな弾じゃ傷一つつかないでやんすよ!」バチバチバチ

マミ(くっ、射撃じゃ有効打を与えられない。でも近接戦はもっての外…!)

マミ(何とか、一撃でも与えられる方法を考えないと…!)




801 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:35:59.49 ID:49cMIoEQ0

メカ亀田「さあ、次はこいつでやんす!」ヴィルルルル バシューン!

マミ「こんなの!」パン!

メカ亀田「無駄でやんす! この追跡型の電気玉は撃ち落とせないでやんすよ!」

マミ「こんな遅い弾! 動き回っていれば当たらないわ!」

メカ亀田「じゃあ、これでおさらいでやんす!」バシュ バシュ バシューンバシューン

マミ「くっ…」

マミ(ミサイルとクローの波状攻撃、捌ききれるの?!)

メカ亀田「ほらほら、どうするでやんす!」

マミ「この、撃ち落として…!」バンバンバンバンバンバン!!!!! 

メカ亀田「おっと、電気玉を忘れているんじゃないでやんすか?」

マミ「え」


ビリリリリリリリイリリリリ!!!


マミ「!!!!!!!」バタ

メカ亀田「狭い通路で、この波状攻撃をかわすのは無理でやんす。オイラを追いつめたつもりみたいでやんすが、残念でやんしたね」





802 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:36:26.77 ID:49cMIoEQ0

マミ「く…う…」ビリビリ

メカ亀田「おや、まだ息があるでやんすか?」

マミ「まだ…負けて…ないわ…!」ビリビリ

メカ亀田「無駄でやんすよ。あと一押し、次で終わりでやんす」

マミ「やってみなくちゃ…わからないでしょう…!」

メカ亀田「全く、本当に愚かでやんすね。人間という生き物は。ありもしない希望に目を囚われ、大局を見失う。そんなことだから、隙だらけになるのでやんす。
     もっとも、そのおかげでこの組織を作ることができたのでやんすがね」




803 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:37:12.33 ID:49cMIoEQ0

マミ「世界を救う…あなた達の目的ですか」

メカ亀田「は?」

マミ「だけど、そんなこと認めないわ…! わざと不幸を撒いて希望を得るなんて、そんなことは…」

メカ亀田「何を言ってるでやんすか? 何でオイラがそんなことしなくちゃいけないでやんす?」

マミ「でも所長はBB団の目的を、そうだと…」

メカ亀田「ああ、アレはそんなことを考えていたのでやんすか。道理で妙なところで甘さが見えていたわけでやんす。所詮、あれも人間でやんしたか」

マミ「…違うっていうんですか。じゃあどうしてこんな組織を作ったんですか!」

メカ亀田「目的? そんなものはないのでやんす」

マミ「え…?」

メカ亀田「しいて言えば目的がないのが目的でやんす」

マミ「何を言ってるんですか?! 何の目的も無しに、こんなことをしているのではないでしょう!」

メカ亀田「だから何の目的もないでやんす。この島で行われていることも、武器を売って人間が何人死んでも意味なんてないのでやんす」

マミ「意味が…ない?」





804 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:38:32.33 ID:49cMIoEQ0

メカ亀田「自分たちが犠牲になって、何か意味があると思っていたのでやんすか? 調子に乗るなでやんす。お前たち人間の命など何の価値もないのでやんすよ」

マミ「価値が無い、ですって…?」

メカ亀田「そうでやんす。命に価値が無いからちょっと武器を与えてみれば、すぐに殺し合いを始める。楽でしょうがないでやんす。
     価値が無いものは消えても何の意味もないのでやんす」

マミ「…人間を滅ぼす。そういうこと? あなたの目的は?!」

メカ亀田「何を聞いていたのでやんすか。そんなのどうでもいいのでやんすよ。滅びようが、生き残ろうがどうでもいいでやんす。
     そんなこと気にしたら、価値が生まれてしまうじゃないでやんすか」

マミ「じゃあ何で世界中に武器なんか…」

メカ亀田「だから目的なんてないでやんすよ。ただ武器を売れば、それなりに世界が面白くなるでやんすからね。
     前に通学バスに爆弾を仕掛けて50人ほど吹き飛んだのは中々だったでやんす。
     ああいう連中に武器を売れば売るほど、命を粗末に扱ってそのことを証明してくれるでやんすね」

マミ「な…」

メカ亀田「命に価値があるなんて、とんだ思い違いでやんす。70億もいるのに、たかだかそこら辺の一つ一つにどうして大そうな価値が生まれるでやんすか」

マミ「そんな…そんなことのために、世界中に武器を売っているっていうんですか?!」

メカ亀田「とはいえ、この島はもう終わりでやんす。これだけ破壊されたら、組織の維持は不可能でやんす。
     とっとと逃げて、新しい土地でやり直すのが得策でやんすね。データさえあればまた新しく組織を作れるでやんす」





805 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:39:54.83 ID:49cMIoEQ0

マミ「逃がさ…ない…!」ググッ

メカ亀田「お、立つのででやんすか」

マミ「ここで負けるわけには、いかないもの…!」

メカ亀田「その回復力。どんな技術でやんす? とても人間とは思えないでやんす」

マミ「あなたなんかに、私たちの未来を渡してたまるものですか。命の価値も分からない人なんかに!」

メカ亀田「外道だとでも言いたいのでやんすか? 生憎その言葉は、人間同士が使う言葉でやんす。
     元より人間でないオイラが人の道を外れていると言われても、そんなの当然のことでやんすよ」



マミ(この人は魔女と同じだわ…!)

マミ(呪いの代わりに悪意を撒き散らして、理不尽に人の命を奪う。こんな人を絶対に放ってはおけない!)

マミ(私はこの人を倒して、この島を出る)

マミ(生きて、仲間や街を守る。守って見せるわ。無理だって言われても絶対に諦めない)

マミ(だって、私の世界は行き詰ってなんかいないんだから!)





806 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:40:41.37 ID:49cMIoEQ0

メカ亀田「お喋りは終わりでやんす! 回復するなら、その意識ごと吹き飛ばすでやんす!」ヴィルルルル バシューン!

マミ「!」バララララララララララ!

マミ(これが、今出せるだけのマスケット銃…! これで終わりにしないと!)

メカ亀田「ミサイルとクローでやんす。数を増やしてやるでやんすよ」バシュ! バシュ! バシュ! バシューンバシューン

マミ「っ! のっ!」パンパンパンパン!!!!!

メカ亀田「これだけの数、良く撃ち落とすでやんすね。褒めてやるでやんす」

マミ(こんなの、野球のノックの練習に比べれば大したことない! 軌道も読めるし、撃ち落とせる!)

メカ亀田「ほら本命が来るでやんすよ!」

マミ(ダメ! この球じゃファールだわ!)サッ

メカ亀田「ほう、電気玉は回避して、他は全部撃ち落とすつもりでやんすか。でも、銃の弾はいつまで持つでやんすかね」

マミ(この球も、違う!)サッ

メカ亀田「守りに入った時点で負けでやんす。オイラは持久戦は通用しないでやんすよ」バシュバシュバシュ





807 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:41:10.88 ID:49cMIoEQ0



「でもしばらくは代打要員かな。守備は難しいし、それなら打撃を伸ばしたほうが良いよね落田くん」



マミ(私の持ち味は守りじゃない…。バッティングにある!)



「なんというか、ホントにバッティングはすごいでやんす…」



マミ(魔法の力で破れないなら、相手の科学の力を利用するまで!)

メカ亀田「ほら、正面が周りに気を取られて、おろそかでやんすよ!」

マミ(…きた! この球!)




808 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:41:37.66 ID:49cMIoEQ0

マミ(狙うはピッチャー返し! 絶対に決めてみせる!)

メカ亀田「ん? 銃身を両手に握ってどうするでやんすか?」

マミ(絶望的状況でも、諦めずに試合と勝敗を引っくり返すのが、選手の仕事!)

メカ亀田「諦めたでやんすか。いい判断でやんす」

マミ「…っ」グッ

マミ(それが、野球で私が学んだことだもの!)

マミ「りゃあ!」カキーン!




809 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:42:39.55 ID:49cMIoEQ0



ビューン! バリリリリリッ!!!!!!!



メカ亀田「なっ!」バリバリバリ!

マミ(バリアが剥がれた! 後は!)ガシャ!

マミ「これで、終わりよ!」

メカ亀田「ちょ、ちょっと待つで…」

マミ「ティロ・フィナーレ!」


ドゴォォォォォォオォン!!!



810 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:44:05.76 ID:49cMIoEQ0

マミ「はぁ、はぁ、はぁ…」

マミ(やった…の?)

マミ(バリアを破っての一撃。これで倒れなきゃ、あとは本当に殴りかかるくらいしか…!)


(バチバチ…)

メカ亀田「…そんな…バカな」

マミ「…!」

メカ亀田「オイラはオリジナルを越えた…完璧な…マニアのはず…でやんす」

マミ「そんなことと、実際の強さは関係ないわ! 団長、私の勝ちよ」

メカ亀田「…オマエは…何もわかっていない」

マミ(喋り方が変わった?!)

メカ亀田「ワタシに…トって…マニアとは…」

マミ「その姿。サイボーグじゃない、正真正銘のロボットね…!」






811 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:44:40.02 ID:49cMIoEQ0

メカ亀田「…」サッ

マミ「あ、待ちなさい!」

落田「マミちゃん! 追うでやんすよ!」

マミ「落田さん?! 大丈夫なんですか?」

落田「少し気を失ったら元気になったでやんす! さ、行くでやんすよ!」

マミ(そ、そう! 今は早く追いかけないと!)





812 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:45:22.07 ID:49cMIoEQ0

―団長室―


マミ「こ、この部屋は…?」

マミ(オモチャの山…?)

落田「凄いでやんす! お宝の山でやんす!」

マミ「そ、そうなんですか?」

落田「そうでやんす! 合金ガンダーロボに、『超人ライダー』のボトルキャップでやんす! あれ、でもなんだか…」

マミ「どうしました?」

マニアグッズ『…』

落田「…なんだか変でやんす。何というか…置き方に愛がないでやんすね」

マミ「愛…ですか?」

落田「どれもこれも、埃を被っているでやんす。こんなんじゃグッズが可哀そうでやんす」




813 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:47:41.84 ID:49cMIoEQ0

メカ亀田「ククク…愛だと? そんなものはシラヌ」

マミ「団長! 落田さん、下がって!」

メカ亀田「…カメダについて教えよう。カメダは、組織ヲ裏切った男ダ。ワタシは、その男を捕まえるために造られた…ニセモノだ」

マミ「え?」

落田「おかしいでやんす。なら、どうしてそんな強力な武装をしているでやんすか。殺しちゃうでやんす」

メカ亀田「ワタシは亀田がニクイ。ワタシを作った奴らがニクイ。勝手に造っておいて『こんなバカなものはイラナイ』とステタやつもニクイ。
     ダカラ、復讐のタメ…ガガ、ワタシを、ワタシが、ザザ、時間をかけて改造したのダ」

マミ「自分で自分を?」

落田「ただのロボットなのに、そんなことが出来るなんて、凄い知能でやんすね」

メカ亀田「だから、ワタシはッ! あらゆ・点で、オ・ジナルより、優れ・イナケレバなら・い!
     ヤツがハタセな・った世界征服も、ワタシなら実現で・る。
     あら・るデータがヤ・ヲマニアとい・ナラば、最強のマニア・あることダケが、ワタ・の存在理由ナ・ダ」
814 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:49:10.14 ID:49cMIoEQ0

マミ「…それだけ?」

メカ亀田「…アア、ソウだ」

マミ「たった…、たった、それだけのことでこのBB団を作ったの? こんな組織を、それだけのために…?」

落田「そんなのおかしいでやんす! それじゃ結局、アンタはそのカメダの真似をしているニセモノのままじゃないでやんすか!」



メカ亀田「…モ、モウジキ…ハツバイビ…買・集め…ナクテハ…」



ドカーン



落田「壊れちゃったでやんす…」

マミ「…なんだか、悲しいロボットでしたね」

マミ(嫉妬も憎しみも理解できるほど人間らしかったのに、ニセモノにしかなれなかったなんて…)

マミ(他に、あったんじゃないのかしら。体を改造できるなら、本物になることだってできたはずなのに)

マミ(結局、自分で勝手に世界を狭めていたら、こんなことに…)






815 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:50:12.86 ID:49cMIoEQ0

落田「ああっ! そういえば、外はどうなっているんでやんすか!」

マミ「あ、そうですよね! 苦戦してるなら援護しないと!」

落田「ここは、オイラが見張っているでやんす! だから、マミちゃんは外の様子を見てきてほしいでやんす!」

マミ「は、はい!」


マミ(いざとなったら魔法少女の力は使わないと。落田さんが残るなら、戦っている姿は見られないから好都合…!)

落田(さて、この部屋のグッズをすべていただくでやんす。いらないのは売りさばくでやんすよ)



816 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:50:44.15 ID:49cMIoEQ0

―VSとしおくん戦―


6主「くっそ、いいかげん倒れろ! ロケットパンチ!」



ガンダーロボ「ィィィィィイィン!!」バシューン

としおくん「ぐぎゃあああ…」ボボボボボボボ…



6主「か、勝った…!」

6主(ようし、こっちは片が付いたぞ。あとはマミちゃんが団長を上手く捕まえてくれてればいいんだけど)




817 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:51:30.95 ID:49cMIoEQ0

―広場―


マコンデ「おお、倒したか! さあ一体誰が倒したんだ! 勇者の顔を見せてくれ!」



6主「…」

6主(…さて、一番強い武器はどれかなっと)ギラギラ


マコンデ「どうした? なぜ顔を出さない?」

BB兵「あの…、もしかしたら乗っているのは兵士ではなく収容者なのでは?」

マコンデ「な、なんだと?! それはマズイ!」


ガンダーロボ「ガォォォォォォン!!」ズビー! ドカーン


マコンデ「ひ、ひぇええええ!」

6主「お前ら! 全員武器を置いて降伏しろ!」




818 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:52:05.34 ID:49cMIoEQ0

三谷「どうやら、終わったみたいだな」

布具里「やったー、自由だー!」

渡辺「やれやれ、借金生活ともこれでおさらばか」

中田「かーちゃんに親孝行しないとな」

小杉「さて、俺はどうするかなぁ…」

倉刈「日出子…お父さんやりましたよ…」

バオ「何か知らないが、上手くいったみたいだな!」



6主(これで、BB団は終わりだな)

6主(さて、マミちゃんと落田くんは大丈夫かな…)




819 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:53:34.29 ID:49cMIoEQ0





(こうして、俺たちのしあわせ島での生活は幕を閉じた…)




(そして、三か月後…)




820 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:54:00.98 ID:49cMIoEQ0

―キャラ紹介―


・としおくん
 
 しあわせ島に住んでいたトカゲ。カブトムシのツノとムカデの尾を付けたアマガエルのような生き物。
 元々は普通のトカゲだったが、しあわせ草を口にしたことで巨大化した。名付け親は日本人。
 それでも洞窟の中のコケを食べ、バオらにもなつく大人しいトカゲだったのだが、ドクターが落としたしあわせ草のエキスを舐めて更に巨大化してしまう。
 結果、洞窟内のコケを食べつくし、それでも空腹に追いつかずに洞窟に侵入した人間を捕食するようになった。 
 村民協力ルートラスボス。ガンダーロボに搭乗して、ゴエモンインパクト風バトルで戦うことになる。
 


・メカ亀田
 
 BB団の団長。メガネ一族とよく似た風貌をしているマニア。
 その正体は、昔、プロペラ団という組織が、裏切り者である『亀田』への嫌がらせのために製作したロボット。
 一応、亀田を捕まえるという目的があったが、目的が果たされる前に捨てられてしまった。
 そのため自分を作った人間と、オリジナルである亀田を憎むようになり、復讐心から自分の体を改造した。
 目的はオリジナルである亀田を超え、世界に復讐すること。そのため世界に悪意をばらまき、マニアグッズを買いあさっていた(亀田がマニアであったため)。
 反乱ルートラスボス。バットを使って、ゼルダの伝説風バトルで戦うことになる。




821 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/19(土) 22:55:06.91 ID:49cMIoEQ0

今日の投下はここまでです。

次回は、火曜日になります。
お読みいただきありがとうございました。




822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/19(土) 22:55:24.94 ID:HdgUNoZ0o
乙!
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/19(土) 23:00:33.08 ID:C+RVzEaAo
乙!

824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) [sage]:2011/11/19(土) 23:02:42.72 ID:EzkzMxOFo

未来人にしかできないあのセリフに痺れたw
・・・しあわせそうな終わり方をしたがまだ問題は残ってるよな
さあどうなるのか期待
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長野県) [sage]:2011/11/19(土) 23:05:41.19 ID:3W3jIpnYo
乙なんだよ

ところで、[切腹]って3以降何してんだ?
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(静岡県) :2011/11/19(土) 23:11:28.47 ID:VjcmMwke0
乙です
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(三重県) [sage]:2011/11/19(土) 23:18:51.90 ID:B1EYwg3j0
乙・フィナーレ!

6主とマミさんの説教が格好良すぎる件について
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(北海道) [sage]:2011/11/19(土) 23:20:33.50 ID:bzJBIbH5o
おお!パワポケやったこと無いけどすごく面白かったよ!
もうすぐ終わってしまう予感だけど今までありがとう!
829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/19(土) 23:23:14.99 ID:QP0nWF1xo
830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/19(土) 23:39:51.37 ID:YTup1REmo
乙!!
ヘルガもメカ[切腹]も間違ったことは言ってないんだよな…
ただ、未来人からすればいくらでも言いようがあるし、
未来がある少女からすればいくらでも考え様があるだけで…
831 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/19(土) 23:48:40.38 ID:jC4DtVblo
お疲れ様でした。

まこと、人間もその被造物も複雑怪奇でありますね・・・・・。
832 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage saga]:2011/11/20(日) 00:05:01.33 ID:8/GlQvfco
おつ!

>>825
5にグラサンかけて登場した(綾香関連のイベント)
9ではカンタが亀田をおじちゃんと呼んでたから面識があるらしいってぐらい
13以降は買ってないから知らん

裏のカメダは10以降どんどん扱いが悪くなってったな
833 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(群馬県) [sage]:2011/11/20(日) 00:15:15.26 ID:q3TMn5Xzo

としおくんENDとメカ[切腹]ENDの両方とは想定外だったな
後は島から出た後の後日談かな?
834 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage saga]:2011/11/20(日) 09:36:21.70 ID:5L6L9EbFo
亀田ってNGワードなのかよwwww
835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/11/20(日) 12:28:29.80 ID:ltIV6wCJ0
三か月後…
そこには幸せそうにお腹の子供に話しかけるマミさんの姿が!
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(兵庫県) [sage]:2011/11/20(日) 12:42:42.60 ID:MykSDsuP0
>>835
そうだったな…パワポケの主人公は雑食ってレベルじゃなかったな…
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(滋賀県) [sage]:2011/11/20(日) 12:49:35.81 ID:FUgOTZbwo
まあ待て流石に中学生が孕むのはいけない
838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(兵庫県) [sage]:2011/11/20(日) 14:35:58.84 ID:MykSDsuP0
12は中学生に餌付けされてたからなぁ…
839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/20(日) 15:40:34.25 ID:cmRG5EAdo
流石に中学生相手に弾道上がるイベントはなかったけどな
840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/20(日) 18:58:20.64 ID:5L6L9EbFo
6主は高校生とホテル行ってたよな・・
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(三重県) [sage]:2011/11/20(日) 23:02:14.31 ID:o94M6vyM0
パワポケの主人公は、相手が
ロリだろうがババアだろうがツンデレだろうがヤンデレだろうが
貴族だろうが貧乏人だろうが大企業の跡継ぎだろうがアイドルの卵だろうが
サイボーグだろうが幽霊だろうが超能力者だろうが犬だろうが
それの性別が雌でさえあれば愛せる雑食だからな!
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/21(月) 00:00:14.52 ID:0vbRAopso
流石に実妹は無理だったな
愛してるからこそとも言えるが
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(滋賀県) :2011/11/21(月) 00:01:15.28 ID:ydsJiRYXo
孫は攻略するけど
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(四国) [sage]:2011/11/21(月) 00:32:55.99 ID:Ym15KkaAO
鬼鮫ェ…
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(兵庫県) [sage]:2011/11/21(月) 01:47:41.76 ID:Vjv88vyc0
次はゆまちゃんでパワポケダッシュだな…
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/21(月) 08:33:25.69 ID:A7DFKni1o
杏子がボールになるのか…
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(静岡県) [sage]:2011/11/21(月) 19:21:01.81 ID:JbRU3I7Go
「願い事を三つ決めてよ!」
848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(兵庫県) [sage]:2011/11/21(月) 20:39:56.68 ID:OdCbNxo20
>>847
おいやめろ
本当に契約不履行の詐欺師じゃないか
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/22(火) 01:46:13.80 ID:QZZWazz/0
>>838
ただしルート次第じゃドラゴン型生物兵器(超能力によりアサルトライフルまでの遠距離攻撃を無効化。直径1mほどの火の玉を吐ける)相手に接近してこの距離ならバリアは貼れないな!とかいいつつ冷静に戦っちゃうイケメンに。
こいつ一般人ちゃうんかい。
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(三重県) [sage]:2011/11/22(火) 19:16:50.44 ID:isluzzMi0
>>849
空洞ヒーローと合体したあげく本気で殺しに来る敵の前でその変身を解く度胸を見せたりな。
主人公さんマジかっけえっす
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(滋賀県) [sage]:2011/11/22(火) 19:19:11.08 ID:4QUh8zZQo
殺しに来てねーよ
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/22(火) 19:22:10.52 ID:b5Vsfcczo
殺さないって知ってるから変身といた訳だしな
853 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 21:46:52.42 ID:uanUfwbp0
>>847
魔人はまだ、自分が意地悪をしていることを理解していますから、愛嬌があります。
QBは本当に混じり気がないから性質が悪い。

続きを投下します。
今回で最終回です。



854 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 21:48:36.85 ID:uanUfwbp0

―刑務所―


ヘルガ「…」

6主「やあ、久しぶりだね」

ヘルガ「…お前か」

マミ「お久しぶりです。所長さん。意外に元気そうですね」

ヘルガ「小娘も一緒か。この刑務所でしょぼくれている姿を想像していたか?」

マミ「あんまり想像できませんね、あなたの場合は。看守を部下に仕立て上げている姿なら、簡単なんですけど」

ヘルガ「フフ、それもいいかもしれんな」

6主「尋問とかされているのかい? やっぱり」

ヘルガ「当然だ。裁判にかけられることだしな」

マミ「裁判…ですか」

ヘルガ「まあ、覚悟していたことだ。これが敗者の姿だ。文句を言わんよ」

6主「…やっぱり、潔いね。君は」


ヘルガ「ところで、しあわせ草の中毒は? 解毒はかなり難しいと思っていたのだが」

6主「ああ、酷い目にあったけど、俺も含めてほぼ全員が快方に向かっているよ。酷い症状の人もいるけどね」

ヘルガ「そうか…悪いことをしたな。小娘、お前はどうだ?」

マミ「私はもう問題ないです。患者の中でも、特に治りが早い方でしたから」

ヘルガ「それはよかった。薬品としての研究はしていたが、治療の方はあまり行っていなかったからな。
    どうなることになるかと心配していたのだが、それなら安心だ。お前は特にしあわせ草の効果が出ていたからな。無事でよかったよ」

マミ「え、あ、それは…どうも…」

ヘルガ「なんだ? びっくりしたような顔をして」

マミ「あなたに、そんなこと言われるとは思っていなかったから…」

ヘルガ「これでも、お前のことは気にかけていたのだぞ? あの収容所で唯一の女性仲間だったからな。
    リフレッシュ小屋に送るのは阻止するつもりだったし、団長のわがままも届かないようにしていた。全く、男とは女を何だと思っているのだか」

マミ「それなら、島から早く出してほしかったです! そのせいでどれだけ苦労したと…」

ヘルガ「所長としての立場があったからな。無暗にそんなことは出来んよ。
    それに、甘えたような目つきが気にくわなったからな。少々、苦労させて方が今後の人生の為になると思ってな」

マミ「…やっぱり貴方のことは好きになれません」

ヘルガ「そうか? 残念だな」





855 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 21:49:47.86 ID:uanUfwbp0

6主「今日はお別れを言いに来たんだ」

ヘルガ「何だ? 私の処刑は、もっと先だと思っていたが」

6主「ああ、そうじゃないんだ。今日、収容者の迎えが来る。それで俺たちは国に帰ることになるんだ」

マミ「しあわせ島は国際機関の管理に置かれるそうです」

6主「それで俺は、その、まだ仕事があるんだけど、それが終わったら故郷に帰るんだ。まちがいなく、2度と会えない」

マミ「…」

ヘルガ「…そう、か。事情は知らないが、やはりお前には何か任務があったのだな。他の奴らとは違うと思っていたよ」

6主「あの島に来たのは、単なる偶然なんだけどね」

ヘルガ「なに? なら我々はついでに滅ぼされたというわけか。ハハハ、傑作だな」

6主「それで、以前あの島で話した時に言ってなかったことを、言っておこうと思ってね?」

ヘルガ「なんだ?」


6主「人類はまだまだ滅んだりしないよ。ずっと、ずうっと長く続くんだ」


マミ(6主さん…)

ヘルガ「どうして、そう言い切れる?」

6主「さあね。ただ、君が考えている以上に、神秘は身近なものかもしれないよ」

ヘルガ「…たわごと、だな」

6主「まあ、そういうとは思っていたけどね。じゃあ、さようなら!」

マミ「こういうとおかしいかもしれませんけど、どうかお元気で」





856 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 21:51:10.91 ID:uanUfwbp0

ヘルガ「あ。おい、ちょっと待て!」

マミ「え?」

ヘルガ「お前たち、あの島で最初に貸した本を覚えているか?」

6主「ファンタジーの冒険小説だったよね。確か」

マミ「王子様が死んだお姫様を生き返らせる話、ですね」



ヘルガ「私はあの手の話が嫌いだ。死んだはずのヒロインが、あっさりと結末でよみがえるからな」

マミ「…」

ヘルガ「死は絶対だ。安易に打ち消されるようなものであってはならない。そう思うんだ」

マミ「…それは」

6主「…裁判で、助かる可能性はないのか?」

ヘルガ「誰かがこの事件の責任を取らねばならんのだ。納得は、している」

マミ「そんな…。BB団があったのは、あなただけの責任じゃないのに…」

ヘルガ「全てに罰を受けさせるのは不可能だよ。だから、目に見えて一人が重罪となる必要がある。二度と、こんなことが起こらんようにな」

マミ「でも…貴方は死ぬのが怖くないんですか?」

ヘルガ「怖くないわけがないだろう?」

マミ「え…」

ヘルガ「死ぬのは怖いよ。だから罰になる。何も感じられず、思い出せず、何も考えられない暗黒。とても怖い、な」

マミ「ヘルガ…さん」

ヘルガ「ハハ、実のところ、この恐怖を楽しんでいるところもある。心配するな、罰を受ける前に、壊れたりはせんよ」

6主「…君は」

ヘルガ「ではさらばだ…6主」

6主「あ、ああ」




857 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 21:52:06.47 ID:uanUfwbp0

ヘルガ「小娘。いや、マミだったか。元気でな」

マミ「…はい」

ヘルガ「絶望に負けるな。それでは何のために私が絶望を撒いたのかわからなくなるからな」

マミ「…私は、あなたのようにはなりません。絶対に」

ヘルガ「それでこそ、だ」



マミ「だから、これはお礼です」

ヘルガ「ん?」

マミ「あなたのことは忘れない。一生、なりたくないものとして覚えておきます。これは、そのお礼」

ヘルガ「なにを…」

マミ「魔法はあるんですよ、本当に――」





858 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 21:53:00.28 ID:uanUfwbp0

(そして…)


看守「面会は終わりだ。独房に戻るぞ」

ヘルガ「…ああ」

看守「早く歩け。手を煩わせるな」

ヘルガ「ああ、わかっているよ」



ヘルガ(神秘は身近なものかもしれない…か)

ヘルガ(この世には、神秘はまだまだあるのだな…ふふ)




859 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 21:54:54.63 ID:uanUfwbp0

―某国・施設―


6主「元気そうだったね、所長。最後まで軍人、か」

マミ「…6主さん」

6主「ん?」

マミ「やっぱり、私が生きているのって間違いなんでしょうか?」

6主「どうして?」

マミ「さっきの所長の言葉です。『死は絶対だ。安易に打ち消されるようなものであってはならない』って」

6主「ああ…」

マミ「私は、死んでしまうところをキュゥべえにと契約して、生きることができました。でも、これって間違いだったんじゃないでしょうか」

6主「…でも、そうじゃなければ死んでしまったんだし、しょうがないよ」

マミ「でも、それってやっぱりズルで、だから魔法少女になって魔女と戦う運命になって…」

6主「…」

マミ「…これは、罰なんですよ。条理を無理やり捻じ曲げた事への私への。死をなかったことに対しての。
   それじゃあ、私は…。何があっても、ずっと戦い続けたほうが…」





860 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 21:55:32.32 ID:uanUfwbp0

6主「それじゃあ、所長は怒ると思うよ。きっと」

マミ「え?」

6主「死ぬことは絶対だ。そして死ぬのは怖い。所長はそう言っていただろう?」

マミ「…はい」

6主「だからさ、それまでは悔いがないように一生懸命でいなきゃいけないんだよ。簡単に生き返る命に、誰が一生懸命になれると思う?」

マミ「あ…」

6主「粗末にしないこと。それが所長の気持ちだよ。君が繋ぎ止めた命を悔いが残るようなことに使うなら、それは一番所長が嫌うことさ。きっと」

マミ「…そうかもしれません」

6主「命は大事に有効に。せっかく拾ったんだから、なおさらだ」

マミ「…そう。そうですよね」




861 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 21:56:47.42 ID:uanUfwbp0

6主「さーてと、日本に帰ったら色々とやらないとなぁ。君の後見人にもならないと」

マミ「私は、とりあえず親戚の人に話をしてみます。例の人は、もう行方が分からないそうですけど」

6主「そうなの?」

マミ「結局、また借金をしたんじゃないでしょうか? そういうのってクセになるそうですから」

6主「ああ、渡辺さんとかね…」

マミ「学校とかと連絡を取って、なんとか住居も探してみます。でも、早くしてくださいね?」

6主「わかってるよ。和桐製作所も立て直さないといけないし、俺はここからが仕事の本番だなぁ」

マミ「わたしもですよ。ここからです、本当に頑張らなきゃいけないのは」

6主「お。ということは、何かやりたいことができたの?」

マミ「はい。見つけることができました。だからもう、閉じこもったり怖がっている暇はありませんよ」

6主「何か変わったね、マミちゃん」

マミ「まあ、色々ありましたから。色々と、ね」

6主「ホントにね」




862 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 21:58:06.81 ID:uanUfwbp0

落田「おーい、6主くーん」

マミ「あ、落田さん」

落田「そろそろ、飛行機が到着するそうでやんすよ。準備をしないといけないでやんす」

6主「ああ、わかったよ」

落田「これでようやく帰れるでやんすね。久々の日本でやんす!」



6主「そういえば落田くん。俺は和桐って会社を作るんだけど、そこに入社する気はないかい? きっと気に入ると思うよ」

落田「野球部があるなら、考えてやってもいいでやんす」

6主「当然だよ。よし、決まりだな!」

落田「6主くん、気が早いでやんすね」

マミ「良かったですね、落田さん。これで日本に帰っても安泰です」

落田「6主くんの会社でやんすからね。そうそう上手くいくとは思えないでやんす。ところで、マミちゃんはどうするでやんすか?」

マミ「私は、故郷の街に帰ります。親戚の人とも話をして…。でも、6主さんに後見人になってもらうつもりです。
   向こうもそちらのほうがいいでしょうから」

落田「そうなんでやんすか? こりゃ6主くん、頑張らないといけないでやんすね」

6主「そうだね。早く、会社を立ち上げてみんなを呼び戻さないと!」





863 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 21:58:49.88 ID:uanUfwbp0





落田「ところで、オイラはその会社で何をすればいいのでやんす?」

6主「未来を作るんだ。自分たちの手で、明るい未来をね」





864 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 21:59:33.65 ID:uanUfwbp0



マミ(こうして、私は日本に帰れることになった)

マミ(しあわせ島で過ごした100日間の生活は最悪なものだった。もう二度と経験はしたくないとつくづく思う)

マミ(けれど、あの島での生活や、仲間たちと戦ったことは忘れることはない。
   いい経験だった、とは認めたくないけれど、大きなものを得たのも確か。それは否定できないこと)

マミ(そして、絶望と希望を教えてくれた、二人の大人のことを、私は絶対に忘れることはないだろう)

マミ(私の物語はこれで終わったわけじゃない。むしろ、これからが始まり)

マミ(必ず、街も仲間も救って見せる。絶対に!)



(マミがパワーアップしました!)





865 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:06:14.21 ID:uanUfwbp0


―選手登録―


・巴  

・右投 右打 ノ―マル ファースト
 
 ミートB
 パワーA
 走力A
 肩力B
 守備C 
 
・特殊能力 

 ムードメーカー 固め打ち 流し打ち パワーヒッター バント○



866 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:07:12.50 ID:uanUfwbp0


―エピローグ―



6主(日本に帰った俺たちは、和桐製作所を復活させた。社長や山田くん、かつての仲間たちも呼び寄せ、元の場所に工場を立て直した)

6主(こうしてなんとか歴史を修復する俺の努力は成功しつつある。…長い任務になっちゃったなぁ)

6主(しあわせ島はBB団から解放され、島民たちは自由に外の世界と行き来できるようになった。
   最近聞いた話だと、観光地にする計画も持ち上がっているとか)

6主(そういえば、巨大怪獣としおくんは、さっそくB級映画のネタになった。関連グッズもたくさん発売されたが、すぐで飽きられてしまい、今では誰にも見向きされていない。
   ところで、不思議なことに俺の倒したとしおくんの死体はいつの間にかなくなっていたらしい。誰かが隠したのか、それとも…)




867 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:07:48.32 ID:uanUfwbp0

6主(あの島での仲間たちは、それぞれの場所に居る)

6主(三谷さんは廃業になったスクラップ業者の設備を譲り受け、復活させた。島に居た時のように、元気に若手叱り飛ばしているらしい。
   奥さんと娘さんとも再会し、楽しくやっているそうだ。お酒の管理は徹底されているそうだけど)

6主(渡辺さんは、特に何も考えずフリーターに戻ったそうだ。退屈な日々を送っているらしいが、しあわせ島よりはマシだと言っている)

6主(小杉は会社に誘ったのだが、断られた。何でも、俺の下に働くのは嫌らしい。
   風の噂によると、布具里と共にトレジャーハンターとなり、世界中を旅しているそうだ。まあ、本人がいいのならそれでいいのだろう)

6主(倉刈さんは、しあわせ草に後遺症に苦しんでいる。一応、帰国はしたがその後の行方は知れていない。
   無事に娘さんに再会できたといいんだけど)

6主(実家に帰れた中田さんは、島で考えていた親孝行しようという気持ちもすっかり忘れ、今度はいつ家を出ようかと算段する日々が続いているそうだ)

6主(そして…)





868 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:08:28.71 ID:uanUfwbp0

―処刑場―


ヘルガ「…」

執行人「何か言い残すことはあるか?」

ヘルガ「…いや。それより目隠しは必要ない。最後まで風景を見ていたい」

執行人「…そうか」



ガシャ! ガシャ! ガシャ!



ヘルガ「よく狙え、兵士よ。こんな極悪人を撃ち殺せることは、滅多にないのだからな」



ヘルガ(…不思議なものだ)

ヘルガ(思えばこうして物を考え、景色を見ることのできる「私」の存在こそ、神秘かもしれんな…)

ヘルガ(…それも、これで最後だ)




869 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:09:35.60 ID:uanUfwbp0




「魔法はありますよ、本当に――」




ヘルガ(…そういえば、あの娘の名前は何と言ったかな)

ヘルガ(それに、私を罵倒したあの男の名前も…)

ヘルガ(…ククッ)

ヘルガ(最後の最後で思い浮かんだのが、あの二人とはな。女々しいことだ…)





兵士「くたばれ、この魔女め!」



ズダダダダーン!






870 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:10:48.68 ID:uanUfwbp0


―和桐製作所―


ガガガガガ ガシャコガシャコ


落田「6主くん。明日は試合でやんすよ。会社が復活して、初めての試合でやんす。白星を挙げるでやんすよ」

6主「分かっているよ。山田くん」

落田「オイラは、落田でやんす! いつになったら見分けがつくようになるでやんすか!」

6主「ああ、ごめんごめん。でも、いまだに見分けがつく人はいないじゃないか」

落田「まったく、失礼でやんす。今のところ見分けがついたのは、ほるひすだけでやんすよ」

6主「ああ、うん。あの人はね…」



山田「呼んだでやんすか? 6主くん」

落田「ああ、山田くん。何でもないでやんすよ」

6主「うーん。やっぱり、見分けがつかないなぁ。本当に双子じゃないの?」

落田「違うでやんす。でも、趣味は合うし、他人とは思えないのは確かでやんすね」


山田(ああ、まさかオイラの一族が同じ会社の社員になるとは思わなかったでやんす…)

山田(天本さんといい、オイラたちの父親は一体どれだけ種をまいているでやんすか!)


6主(まだまだ未来には帰れそうにないなぁ…。結局、犯人も捕まえられなかったし。会社が安定するまではこの時代に留まらないと)





871 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:11:41.99 ID:uanUfwbp0

―野球グラウンド―



山田「先発はオイラでやんす!」

6主「山田くん、がんばれよ!」

落田「ショートは鉄壁でやんす!」

山田「任せるでやんす! 甲子園に行き、大神選手とも張り合った腕を見せてやるでやんす!」




ワーワー! ワーワー!




寺岡「…あー。野球の試合ですか。いいですねー」

寺岡「大学での研究も飽きてきましたし、オモチャを作るのもいいかもしれません。ここに就職しましょうかねー」




872 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:12:24.64 ID:uanUfwbp0


―見滝原市―


マミ「ただいま…」

マミ(ようやく帰ってきたわ、この部屋に)

マミ(それにしても、先生があんなに泣いてくれるなんて。親戚の人なんてみんな冷たかったのに)

マミ(この部屋にしてもそう。てっきり引き払われていると思っていたのに、大家さんは残してくれていたわ。
   しかも家賃は当分いらないなんて言ってくれた。もう払ってあるなんて嘘までついてくれて)

マミ(最初から一人じゃなかったのに、こんな事にも気が付いていなかったのね。私って…)

マミ(さて6主さんに連絡しないと。新しく住居を用意してもらう必要もないし、何とか前と変わらない生活も出来そうね)

マミ(いえ、同じじゃない。新しい生活が始めないとね)

マミ(無事、復学も出来るみたいだし。遅れた分、勉強も頑張らないと!)





873 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:15:42.34 ID:uanUfwbp0

(そして…)


マミ(…まずはキュゥべえに真相を問いただすのが先かしら?)

マミ(鹿目さん、美樹さん、暁美さんはまだ居場所もわからない。でも、鹿目さんは暁美さんが魔法少女にならないようにしていたのよね。
   なら、キュゥべえに見つかる前に何とか見つけないといけないわ)

マミ(あら、でも暁美さんが守っているなら大丈夫なのかしら…? それなら、先に暁美さんと合流しないと)

マミ(でも、もし何かの間違いでキュゥべえに見つかってしまったらいけないから、鹿目さんの居場所は確認しておかないと。魔法少女になっていないなら美樹さんも…)

マミ(6主さんの資料によると、ワルプルギスの夜がこの街に現れるとも言っていたわ。鹿目さんや暁美さんが死んでしまうのは、おそらくそれが原因…。
   みんなが私の前に現れるまでは到来しないにしても、準備は進めないといけないわ)

マミ(魔法少女の力だけじゃ対抗できないかもしれない。6主さんにも協力を…)ブツブツ



マミ(うん。とにかく、まずやることは佐倉さんと仲直りすることね)

マミ(考え方は違うけど、そんなの違う人間なんだから当り前。大事なのはお互いを尊重すること…よね!)

マミ(だって放っておけないもの、仕方ないじゃない。ならそうなれるように、努力しないと!)

マミ(まずは佐倉さんを探しましょう。それからあのときのことを話して、また協力しないか提案して。断られたらそれから…)


杏子「ただいまー」

マミ「え?」

杏子「あ…」





874 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:18:40.60 ID:uanUfwbp0

―魔女空間―


マミ「安打! 二塁打! 三塁打!」バキッ!ボガッ!ベキッ!

杏子『おい、あんまり前に出るなよ!』

マミ『この程度の使い魔、簡単に打ち返せるわ。私はいいから隙を作って!』

杏子『お、おう!』

杏子「おい、こっち向け!」ヒュン ザン!

魔女「aaaaaaaaaaaaa!!」

マミ『離れて。決めるわよ!』

マミ「ティロ・フィナーレ!」チュドーン!





875 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:22:19.43 ID:uanUfwbp0

―廃ビル―


杏子「なー、アタシがいる必要あるのか? 遠近両方とも、一人で何とかできるんじゃ…」

マミ「そんなことないわ。近距離っていっても魔女クラスじゃ対応できないし、せいぜい使い魔を相手にするのが関の山よ。
   だから佐倉さんは魔女を攻撃することに集中して頂戴? こっちは自分の身は自分で守れるから」

杏子「本当に何やってたんだよ、そのしあわせ島で。聞く限りじゃ、大分ひどい目にあったんだろ?」

マミ「だから野球よ。あれで私は生まれ変わったの。佐倉さんもやらない?」

杏子「いいよ別に。ったく、わけわかんねぇ」

マミ「あら、残念。教える方になれば、また『マミさん』って呼んでもらえると思ったのに」

杏子「呼ばねーよ!」

マミ「ふふっ、いつでも歓迎するわよ?」

杏子(ちっ、調子狂うなぁ…。使い魔を放っておいても、何も言わないし)

杏子(本当に、こっちのやり方には何も言わないのか? なら、寝床のあるし、協力を受けても…)






876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) :2011/11/22(火) 22:22:53.67 ID:uanUfwbp0

―マミ宅―


杏子「おいマミ! お前、アタシが放置していた使い魔全部狩っただろ!」

マミ「あら、なんのこと?」

杏子「とぼけんじゃねぇ! アタシが狩らなかったら、マミしかいないだろ!」

マミ「あの…ごめんなさい。本当に覚えがないのよ」

杏子「え、マジ? ご、ごめん疑ったりして…」

マミ「パトロールの最中にストレスが溜まったから、使い魔でバッティングした記憶しかなくて…」

杏子「やっぱお前じゃねーか!」




877 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:23:35.47 ID:uanUfwbp0

―路地裏―


マミ「今日は一緒にパトロールね」

杏子「放っておいたら、勝手に使い魔狩るからな。もう、一人にはさせねぇぞ」

マミ「ふふっ、うれしいわ。せっかく一緒に住んでるのにバラバラに行動していたし、やっぱりこうでなくちゃ」

杏子「なぁ、次あんな真似してみろ。あんたとの協力関係は即刻…」

マミ「佐倉さん、アイス食べない? 私はバニラにするつもりなのだけど」

杏子「人の話を聞け!」

マミ「奢るけど?」

杏子「ストロベリーがいい」




878 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:25:00.10 ID:uanUfwbp0

―マミ宅―


QB「やぁ、マミ。ひさしぶりだね」

マミ「キュゥべえ! ひさしぶり。あなたこそどこに行っていたの?」

QB「何故か佐倉杏子が、僕のことを目の敵にするようになってね。会うたびに攻撃されるから、しばらく身を隠していたのさ」

マミ「まぁ、本当に? 許せないわね」

QB「マミ。彼女は危険だ。君がいない間にこのエリアを乗っ取って、好き放題している。僕にも危害を加える始末だ。
  今帰ってきて知らないかもしれないけれど、この部屋を勝手に根城にしているよ。昔の仲間だったかもしれないけれど、街を守るなら早急に排除を考えたほうが…」



杏子「ただいま…。って、ああ!」

QB「!」

マミ「あら、お帰り佐倉さん」

杏子「キュゥべえじゃん。ようやく現れたのか」

QB「マミ、早く変身を! 今の彼女は何をするかわからないよ!」


シュルシュルシュル


QB「マミ、何をするんだい? 僕じゃなくて杏子を…」

マミ「ねぇ、キュゥべえ。聞きたいことがあるんだけど――」




879 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:26:02.66 ID:uanUfwbp0

―見滝原中学校―


クラスメイト「鹿目さーん、美樹さーん」

まどか「あ、はーい」

さやか「なーにー?」

クラスメイト「お客さーん。巴さんって人ー」

まどか「巴さん?」

さやか「誰だろ? まどかの知り合い?」

まどか「ううん。私も知らない…」





880 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:26:54.80 ID:uanUfwbp0

―マミ宅―


マミ「――それで、ワルプルギスの夜と戦うには戦力が足りないと思うのよ。対策や練習もするけれど、それで万全とは言えないわ」

杏子「アタシとマミとその暁美ってやつで三人。アイツら二人を魔法少女にするわけにはいかないから、実質これが頭数か。
   何度も繰り返しているって話が本当なら、たぶんこの人数で挑んでも、敵わなかったんだろうな」

マミ「6主さんは協力してくれるっていうけど、焼石に水かしらね…」

杏子「なぁ、そのうち会わせてくれよ? 色々聞きたいこともあるし」

マミ「そのうちね。でも、どうしようかしら。他の魔法少女も探せないし、他に戦力を集められる方法をなにか…」

杏子「うーん…」

マミ「やはり、無理かしら…。戦力になるなら、魔法少女に限らなくてもいいのだけれど、そんなにうまくはいかないわよね…」


杏子「…当てはないこともないよ」

マミ「え? 本当に?!」

杏子「あー…、でもなぁ…」

マミ「何か問題があるの? 金銭を要求されるとか…」

杏子「いや。たぶん大丈夫だし、面白がって協力してくれるだろうけど…」

マミ「けど?」

杏子「…あんまり頼りたくないんだよなぁ」




881 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:27:56.71 ID:uanUfwbp0

―悪の秘密基地―


立花「博士ー。電話でバッタ」

黒野「電話? 今忙しいから後にせい」

立花「それが、緊急の用らしいでバッタ。すごい剣幕で、怒鳴っているでバッタ」

黒野「何じゃ研究で忙しいというのに。いったい誰じゃ?」

立花「それが『悪の魔法少女』らしいでバッタ」





882 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:28:38.66 ID:uanUfwbp0

(そして…)


―病院―


ほむら「…」

ほむら(…また、ダメだった)

ほむら(ワルプルギスの夜を倒すどころか、私に関わったばかりにまどかが…)

ほむら(ごめん、ごめんねまどか…。助けられなくて、死なせてしまって…)

ほむら(私はどうなってもいい。でもまどかだけは絶対に…)

ほむら(泣いている暇なんてないわ、暁美ほむら。早く行動を始めないと)





883 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:29:50.15 ID:uanUfwbp0

―街中―


ほむら(…おかしい)

ほむら(インキュベーターの姿が見当たらない。現れるポイントを張っているのに姿を見せていない。どういうこと?)

ほむら(まどかの周囲にも現れていないから問題はないのだけれど…。不気味ね)

ほむら(イレギュラーが起こっている可能性がある。好機と判断するには早いわ。慎重に事を進めましょう)

ほむら(とりあえず、武器を早めに補充しないと…)





884 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:31:15.40 ID:uanUfwbp0

―空き地―


エイミー「にーにー」ゴロゴロ

ほむら「…」ウリウリ


ほむら(まどかじゃなくてごめんなさい。あなたも私なんかより、まどかと遊んでもらった方が楽しいでしょうに)

ほむら(…本当、何をしているんでしょうね。あれだけやり直して、未だに約束を果たせないなんて)

ほむら(餌は、これくらいでいいわよね。時間があったらまた見に来ましょう)

ほむら(本当は飼えればいいのだけれど、私はいついなくなるかわからないから。あんな部屋に閉じ込めるよりは、外に居たほうが貴方もいいわよね)


???「あ、あのー…」

ほむら「え?」

まどか「その仔、あなたの猫ですか?」

ほむら(ま、まどか?!)

ほむら「あ、あなた、どうして!」

まどか「え、ご、ごめんなさい…。勝手に餌をあげちゃって。でも、野良猫だと思っていたから…その…」

ほむら(まさか…すで契約しているの?! 監視を抜けられた? それとも、キュゥべえが現れなかったのはもう契約済みだったから?)

まどか「あ、あの…?」

さやか「まどかー、どしたー?」

まどか「あ、さやかちゃん」

ほむら(…! 美樹さやか…)




885 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:32:03.57 ID:uanUfwbp0

(そして…)


ほむら「あの仔は私の猫ではないの。あなたと同じ、たまに餌をあげていただけよ。誤解させてごめんなさい」

まどか「ううん、私の方こそごめんなさい、急に声をかけちゃって。とてもびっくりしてたみたいだったから…」

ほむら「退院したばかりで、人と接するのに慣れていないの。あなたが謝ることではないわ」

まどか「でも…」

さやか「ほらほら、あやまり合戦は終わり! いつまでもそんなことしてたら、日が暮れちゃうよ?」

まどか「さやかちゃん…」

ほむら「…」


ほむら(思いもかけず、この二人と接触してしまった…)

ほむら(どうして、この二人がここに居るかはわからない。キュゥべえが見当たらないことと、何か関係があるの?
    とにかくこれでイレギュラーが起こっていることは間違いない。各人の行動がこれまでと違いすぎる)

ほむら(大丈夫、問題はないわ。二人ともソウルジェムの指輪をしていない。今、重要なのはこの一点。
    それなら学校で出会うはずの予定が、少し繰り上がっただけよ)

ほむら(…でも、このままだとまどかと親しくなってしまう)

ほむら(そうなったら、また前と同じように…。もうあんな終わりにはさせられない。あんな辛そうなまどかはもう…)

ほむら(まどかと、距離を置く方針は変えられない。まだ、出会っただけなら修正も出来るはず)

ほむら(…覚悟を決めなさい。重要なのはまどかの運命を変えること。隣に私がいなくても問題ない)

ほむら(まどかが助かれば、それで…)





886 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:33:15.73 ID:uanUfwbp0

ほむら「それじゃあ、私はこれで。さようなら」

まどか「あ、ま、待って!」

ほむら「まだ何か用があるのかしら?」

まどか「あの、その、えっとね…」

ほむら「何もないのなら、もう行きたいのだけれど」

まどか「あの…ね。私も、その、これからもその猫ちゃんに会いに来ていいかな? また、触りたくて…」

ほむら「…別にこれは私の猫ではないわ。あなたの好きにしなさい。何なら世話をしてもらいたのだけれど。
    もう、触るのも飽きてきたことだし」

まどか「え、あ、そう…なの…」

ほむら「それじゃあ、さようなら」スタスタ

まどか「あ…」


さやか「…何か冷たいやつだなあ」

まどか「でも、良い人だよきっと。猫と遊んでいるとき、とっても優しそうな顔していたもん」

さやか「そうなの? うーむ、ということはアレは照れ隠しか。クールビューティーの照れ隠し…」ジュル

まどか「…さやかちゃん、よだれよだれ」

さやか「おっと」




887 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:34:06.02 ID:uanUfwbp0

―転入の日―


ほむら(…結局、この日までインキュベーターの姿は見えなかった。どういうこと?)

ほむら(他のエリアに行っている? それなら、後はワルプルギスの夜を倒すことだけを考えることができるけど…)

ほむら(いえ、希望的観測は止めましょう。巴マミが健在な以上、インキュベーターもこの街にいると考えるべき。
    彼女の存在は確認している。それなら、アイツも近くにいるはずだわ。姿を見せない理由はわからないけど)

ほむら(とにかく、方針は変わらない。まどかとは距離をおいて、ワルプルギスの夜を倒す算段を付ける)

ほむら(イレギュラーが起きている以上、ここでまどかの運命を変えられる可能性がある。だからこそ、状況を見極めて事を進めなければ)



早乙女「えー、暁美さんは長い間心臓の病気で入院してまして――」

ほむら「…」



さやか「あれ、あの転校生…」

まどか「あの人…、あの猫ちゃんの…」




888 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:34:40.96 ID:uanUfwbp0

―廃ビル・魔女の結界―


ほむら(…どうやら、この魔女は存在するようね)

ほむら(魔女の数が他の時間軸と比べて少ない…。これもイレギュラーの影響かしら?)

ほむら(グリーフシードの手持ちが心もとないわ。ここの魔女は確実に狩っておかないと)


ほむら「…」テクテク


ほむら(もしかしたら、巴マミと遭遇するかもしれない。今の状況なら、彼女の協力を取り付けられるかもしれないわ)

ほむら(キュゥべえがいないのなら、その可能性は十分にある。こちらの印象が悪くなければ、街を守るために必ず彼女は協力してくれるはず)

ほむら(真相を隠し通せれば、以前のようなことになる心配もない。誰かが魔女化するような事態にならなければ平気なはず)

ほむら(それが上手くいけば、あとは佐倉杏子の勧誘で戦力がそろう)

ほむら(この二人の相性は良くないけれど、私情を挟んで自分の目的を忘れるほど愚かではないはず。必要以上に接触させなければ、問題はないわ)

ほむら(…とにかく、この状況はこちらにとって有利なはず。上手く立ち回らないと)

ほむら(まどかとも距離が取れている。このままいけば、何にも巻き込まずに済むことだって…)





889 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:35:33.26 ID:uanUfwbp0



「いっ、いやぁぁぁぁぁぁ!」

「さやかちゃん!」



ほむら「?!」

ほむら(この声…まさか!)

ほむら(まさか、キュゥべえにおびき出された?! とにかく急がないと!)





890 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:36:19.99 ID:uanUfwbp0

ほむら(…! 居た!)


使い魔「…」
使い魔「…」
使い魔「…」
使い魔「…」

まどか「さ、さやかちゃんが…」

まどか「電話は、繋がらないし。どうしたら…」





ほむら「っ!」パンパンパン


使い魔「!」プシュー


まどか「え…?」

ほむら「怪我はない?」

まどか「ほ、ほむらちゃん!?」

ほむら「話は後。どこかに隠れていて。こいつらは私が」

まどか「ほ、ほむらちゃん! さやかちゃんが…さやかちゃんが連れてかれちゃったの!」

ほむら「!」

さやか「どこかに連れてかれちゃってたの! さやかちゃんが…どこかに…このままじゃ…」

ほむら「とにかく隠れていて。話は後で聞くわ」





891 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:37:05.61 ID:uanUfwbp0

(そして…)


まどか「ほむらちゃん! 大丈夫?!」

ほむら「問題ないわ。それよりあなたの方は…」

まどか「あ、うん。私の方も大丈夫…。それより、ほむらちゃん、その姿…」

ほむら「ごめんなさい。わけがわからないわよね。でも、とにかく今は私の話を聞いて。美樹さやかが連れ去られたのでしょう?」

まどか「あ、そ、そうなの! さやかちゃんが連れてかれちゃって…」

ほむら「彼女は私が助けに行くわ。その前に貴方を安全なところまで連れて行く。着いてきてくれる?」

まどか「だ、ダメだよ! 私よりさやかちゃんを助けてあげて!」

ほむら「美樹さやかは必ず助ける。でもあなたを放っておくわけにもいかないわ」

まどか「でも…」

ほむら(…やはり、引いてくれそうにないわね。でも、まどかを危険な目に合わせるわけにはいかないわ)


ほむら「…足手まといだって言っているのがわからないの?」

まどか「え…」

ほむら「あなたがいると、助けられるものも助けられなくなる。だから、先に面倒を片付けたいの。分からないの?」

まどか「それは…そうだけど…」

ほむら「あなたは今なにが起こっているのかもわかっていないでしょう? 何も知らないなら、黙って私の言うことを聞くことね。
    あなたはただ巻き込まれただけで、何の関係もないのだから」




892 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:37:59.91 ID:uanUfwbp0

まどか「…何も知らないなんてこと、ないよ」

ほむら「え?」

まどか「知ってるよ。あれは使い魔で…人を襲うんでしょ。その使い魔を生んでいるのが魔女で、色んな呪いを振りまいている…だよね?」

ほむら「な…」


まどか「理由のはっきりしない自殺や殺人事件は、魔女が引き起こしていて…。呪いはよくわからないものになって、人間を内側から蝕んでいくって…」

ほむら(どうして…どうしてまどかがそのことを。キュゥべえとは接触させてない…。こんなこと知る機会はなかったはず。ならどうして…)

まどか「その魔女と戦うのが魔法少女。キュゥべえに願いを叶えてもらって、その代償に魔女と戦うことになる女の子」

ほむら(結局、何をやってもまどかを魔法少女に巻き込まれるというの? どうやっても、まどかの運命は変えられないの? そんな…)

まどか「それで…、ほむらちゃんは、その…魔法少女なんでしょ?」

ほむら「…!」




893 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:38:29.57 ID:uanUfwbp0

(そして…)




まどか「ほ、ほむらちゃん。一人で歩けるよ!」

ほむら「黙って。あなたの足に合わせていたら間に合わなくなるわ」

まどか「で、でも…抱っこなんて…」

ほむら「あなたが美樹さやかを早く助けてくれと言ったのでしょう? これくらい我慢しなさい」

まどか「そうだけど…ひゃっ!」





894 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:39:08.60 ID:uanUfwbp0


まどか『あのね…巴マミさんって人から教えてもらったの。魔女の事とか、魔法少女の事とか色々』

まどか『一年生の時に急にさやかちゃんと一緒に呼び出されて…素質があるから街を守る手伝いをしてくれないかって』

まどか『私? ううん、私は違うよ。結界の印を見つけたら、マミさんに連絡してるだけ。結界には絶対に入らないように言われているから…』

まどか『魔女の結界には近づかないように言われていたんだけど、なにか助けを呼ぶ声が聞こえて…』



ほむら(巴マミ…! 無理にまどか達をこんなことに巻き込むなんて何を考えているの!)

ほむら(これが今回のイレギュラーね。こうも積極的に仲間を増やすために動くなんて予想外だわ。契約していないのは不幸中の幸いだけど、楽観はしてられない)

ほむら(やはり、彼女はまどかを守る障害になる。おそらく契約させるために、魔法少女のことを美しく飾って話しているはず)

ほむら(巴マミと付き合っている期間が長いなら、そのイメージを覆すのも難しい…。かといって、私が真実を話しても絶対に信用されない)

ほむら(まどかも彼女を信頼しているようだし、彼女から引き離すにはどうすれば…)

ほむら(とにかく、今は美樹さやかの所に急がないと…)





895 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:39:35.34 ID:uanUfwbp0



ほむら「…この中ね」

まどか「ここに…さやかちゃんが?」

ほむら「連れ去るタイプの使い魔なら、魔女の下に運ぶはず。間違いないわ」

まどか「ほむらちゃん。さやかちゃんこと…」

ほむら「心配することはないわ。あなたは隠れてなさい。下手に動かれると、こちらも対処できないから」

まどか「う、うん…」

ほむら「じゃあ、行くわよ」

まどか「…お願い、ほむらちゃん」





896 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:40:14.37 ID:uanUfwbp0


ほむら(これは…!)



魔女「…! ! !」

杏子「せぃりゃあ!」



ほむら(佐倉杏子。どうしてここに…)

まどか「杏子ちゃん!」

杏子「まどかか! さやかはそっちだ!」

さやか「まどか!」

まどか「さやかちゃん、大丈夫!」

さやか「まどかこそ…。あれ、そっちは転校生? その恰好は――」

まどか「うん。ほむらちゃん魔法少女で、私のこと助けてくれて…」

さやか「マジで?!」

ほむら「…別に。見過ごせなかっただけよ」

さやか「ありがとう、転校生! まどかを守ってくれて!」

ほむら「…」




897 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:40:43.12 ID:uanUfwbp0



ドンドンドンドンドンドン!!!

魔女「g…a…!」



杏子「おいマミ! 遅いぞ!」

ほむら「!」

マミ「ごめんなさい! 一気に決めさせてもらうわ!」

まどか「マミさん!」

さやか「やっちゃってくだい!」




マミ「ティロ・フィナーレ!」





898 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:42:18.83 ID:uanUfwbp0

―廃ビル内―


杏子「ったく、こっちがキュゥべえ狩りしてたからよかったものの、そうじゃなかったらヤバかったぞ?」

まどか「ごめんなさい…。でも、助けを呼ぶ声が聞こえて、それで――」

マミ「きっと、キュゥべえの仕業ね。鹿目さんたちと契約するために一芝居打ったんでしょう」

杏子「何かあったら、アタシらに連絡しろって言っただろ。バカのお守はしたくねーぞ」

さやか「だって仕方ないじゃん! もし、本当に誰かが襲われてたらどーすんのよ!」

杏子「襲われてたのは、さやかたちだったけどな。連絡くれればすぐに駆けつけるし、もっとこっちを信用してくれてもいいんじゃないか。…さみしーぞ?」

さやか「え。あ、その……ごめん」

杏子「冗談だけど」

さやか「きょーこ!」


マミ「まぁまぁ、佐倉さん。今回は誰もケガしなかったんだから、結果オーライということにしましょう、ね?」

杏子「はいはい。でも今度からは注意しろよな、二人とも。お前らが死んだら、困る奴が沢山いるってこと、忘れるなよ?」

まどか「うん…ごめんね。杏子ちゃん」

杏子「うむ、よろしい」

さやか「くそー。杏子のくせに偉そうに…」

杏子「てい」プス

さやか「痛っ、刺すなよ! アンタ街を守る魔法少女でしょうが! 善良な一般人を攻撃するんじゃないわよ!」

杏子「アタシは悪の魔法少女だからねー」





899 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:44:01.04 ID:uanUfwbp0


マミ「それでそちらは? 見たかぎりだと魔法少女の様だけど…」

ほむら「…」

まどか「あ、はい。この子は――」



ほむら「…巴マミ」

マミ「あら、どうして私の名前を…」

ほむら「あなた、何を考えているの? 何も知らない一般人に魔女狩りの手伝いをさせるなんて。そんなに危険な目に合わせたいの?
    だとしたら、救いようのない愚か者ね」

さやか「ちょっ、転校生! マミさんはそんな人じゃ…」

ほむら「少し黙っていて美樹さやか。あなたには、関係のない話だわ」

さやか「んなっ!」


900 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:44:41.41 ID:uanUfwbp0

マミ「…そう思うのは当然ね。その指摘は正しいわ」

ほむら「間違っていると分かっているのに、こんなことをしているのかしら?」

マミ「…私は、仲間のためにこの子たちを守らなきゃいけない。そのために、何かあったら駆けつけられるように連絡を取れるようにしているの。
   危険に合わせたいわけではないわ。むしろ、その逆なの」

ほむら「だったら、何も知らせずにしておいたほうが賢明ね。守るというのなら、こんなことに巻き込むのは本末転倒だと思うけど?」

マミ「…そうね、本当にそう思う。でも、運命がきっと彼女たちを放ってはおかないから。こんなこと、あなたに言っても分からないでしょうけど」

ほむら「ええ、訳が分からない。運命、なんてものありはしない。あなたのはただの言い訳よ」

マミ「言い訳、か。これで守りきれなかったら、本当にそうなっちゃうわよね」

ほむら「…?」



さやか「おい、転校生! マミさんのことを悪く言うな! 結界探しをしているのだって、アタシ達が無理言って勝手に…」

まどか「ほむらちゃん、違うの! マミさん達は、本当に私たちを…」






901 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:45:23.54 ID:uanUfwbp0

マミ「え…?」

ほむら「あなた達には関係ないわ。これは魔法少女の…」



マミ「ほむ…ら?」

ほむら「まだ何か言いたいことでもあるの? もう言い訳は聞きたくなのだけれど」

マミ「まさか…。あなた、暁美ほむら…さん?」

ほむら「? そうだけれど。それがどうかしたかしら?」

杏子「お、おい、マミ! こいつは…!」

マミ「…」

ほむら「一体なに? 変な名前だとでも言いたいの? 失礼な人――」




902 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:46:23.27 ID:uanUfwbp0

マミ「暁美さん!」ダッ

ほむら「なっ――」

マミ「良かった…。やっと会えたわ!」ギュ

さやか「えっ」

まどか「わ、わ、わ…」カァー

マミ「暁美さん暁美さん暁美さん!」

ほむら「は、離しなさい巴マミ! 一体どういうつもりなの!」

マミ「離さないわ、絶対に! 最後の仲間がそろったんだもの!」

ほむら「な、何を…」



マミ「もういいの。一人で頑張らなくていいの」

ほむら「え…?」

マミ「一人で頑張るのはもう終わり。あなたは一人じゃない。私たちがついているから」

ほむら「あ、あなた何を言って…」

マミ「鹿目さんも美樹さんも佐倉さんもこの街も、そしてあなたも。絶対に未来を見せてあげる」

ほむら「巴…マミ?」

マミ「だから、もう時間をやり直す必要なんてないわ。あなたの旅はここで終わり。もう誰も、悲しんだりはしないから」

ほむら「…!!」




903 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 22:47:24.77 ID:uanUfwbp0

マミ(そう…未来は決まっていない)

マミ(どんな絶望的な状況でも、それは変わらない。世界はこんなにも広いんだから、未来が決まっているなんてそんな狭いことはないわ)

マミ(だから、わたしは未来を作って見せる!)

マミ(街も、仲間も、自分の運命も、明るく照らされているそんな未来を!)



マミ「さあ、未来を作るわよ!」




――マミ「ここは…どこ?」落田「しあわせ島でやんす」完――




904 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(福岡県) [sage]:2011/11/22(火) 22:47:57.88 ID:N+VaE2PRo
乙!
楽しかったよ!
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/22(火) 22:49:57.84 ID:BgPdHEEbo


倉刈ィィィィィィィ!!
906 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長野県) [sage]:2011/11/22(火) 22:50:20.90 ID:BdST+5Y1o
乙! 
907 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/22(火) 22:50:35.97 ID:/6jk/i2eo
乙!
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府) [sage]:2011/11/22(火) 22:50:37.20 ID:7B3UNWPeo

すげー面白かった
909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/22(火) 22:54:27.78 ID:NbKjDCyjo
乙!本当に長いこと乙!
よく完結させてくれた
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/22(火) 22:55:44.29 ID:ZSmwF2EIO
いやーパワボケだねー
911 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) :2011/11/22(火) 22:58:40.55 ID:yxYw0gvb0
乙なんだよ!
倉刈さん…彼に救いは…
912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/22(火) 22:59:43.20 ID:11lp9N8Co
お疲れ様でした。
913 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(滋賀県) [sage]:2011/11/22(火) 23:00:32.45 ID:4QUh8zZQo
どこかで願い事で人を釣る魔人に騙されてる馬鹿な野球バカが助けてるかもよ
914 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 23:01:25.73 ID:uanUfwbp0
当SSはこれで一応終わりです。

一か月以内に終わらせる予定が、微妙に伸びてしまいました。
今、読み直すと誤字・脱字も多く申し訳ございませんでした。


ご質問、ご指摘がありましたらよろしくお願いします。


おまけで、ゲームでシナリオ確認で作ったマミさんです。パスワードでどうぞ。

ぬへぬ をづら ゆまご にぐど はがく がだけ ずろそ
せがる いぶふ やづず ゆよえ むろぬ んぢか







915 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(四国) [sage]:2011/11/22(火) 23:09:15.88 ID:+BpCwk7AO
乙!
最高のSSをありがとう!
916 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/22(火) 23:21:09.37 ID:LH3aPqTDO
凄く面白かった
このSS読んでパワポケ興味出たよ、ありがとう!
是非ともまた書いてほしい、乙!
917 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(岩手県) [sage]:2011/11/22(火) 23:29:48.60 ID:XL4fQOmWo
おつ!
6またやりたくなってきたぜ!
918 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/22(火) 23:31:57.78 ID:uanUfwbp0
>>916
そう言っていただけるとうれしいです。はい。
パワポケは面白いですよ〜。14発売までに終わらせることができて一安心です。

12月1日 パワポケ14発売!
落田・山田も再登場!



919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/22(火) 23:35:43.82 ID:YjxssOQ+o
乙!マジ乙!

久しぶりに6引っ張り出すかな
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/22(火) 23:37:14.75 ID:1Ky/Q8SSO
乙!
パワポケってただの野球ゲームじゃなかったんだな!
明日辺り買ってくるわ
921 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/22(火) 23:48:33.16 ID:z5TZqmFWo
乙‼最高のSSをありがとう‼
パワポケのSSはあんまりないからもっと増えるといいな
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(京都府) [sage]:2011/11/23(水) 00:17:35.02 ID:rZRINnQUo
超乙!
中毒の問題結構あっさりとww
なんて希望のある終わり方に。凄く面白かった!楽しかった!
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/23(水) 00:23:55.91 ID:I7LzYH9P0
乙!
924 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/23(水) 00:26:57.12 ID:+BLroMTZ0
>>922
原作がこんな感じなので…。そのかわり倉狩さんがひどい目にあってますが。

パワポケ10での設定のように、副作用でマミさんが超能力に目覚める展開も考えたんですが、止めめてしまいました。
マミさんの世界を革命するのが一応このSSのコンセプトだったので、精神面ではなく能力面を強化するのはどうかな、と。

925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/11/23(水) 00:39:00.82 ID:1vvkeuzeo
完結乙
このマミさんたちならもう希望しか見えない
926 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage saga]:2011/11/23(水) 00:53:57.16 ID:RkxbnPYM0
このあとアルバムで杏子だけ死んでたりするのがパワポケ
927 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/23(水) 06:22:22.32 ID:n7f1AmhEo

パワポケは主要キャラでも結構無意味に死ぬからな…
928 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(静岡県) :2011/11/23(水) 08:43:44.37 ID:xc5l6rB50

最高に面白かった
929 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/23(水) 11:05:27.71 ID:x/UNStFIO
ROM専だけどずっとみてたぞー
完結乙!
930 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) [sage]:2011/11/23(水) 12:41:06.98 ID:QErT1rKG0

分かっちゃいたけどヘルガさんの最期で泣いた
931 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(愛知県) [sage]:2011/11/23(水) 13:49:33.28 ID:Piq87q/0o
一気に読んじまった
ヘルガを下手に助けないで、心情の変化をふまえつつきちんと殺したのがよかった
また書いてね!
932 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(静岡県) [sage]:2011/11/23(水) 15:44:18.06 ID:n8jVom4ho
乙乙
933 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(青森県) [sage]:2011/11/23(水) 17:34:28.63 ID:MqHS+bfSo
これ、ワルプル乗り越えた後にツナミにインキュベーターも魔法少女も飲まれて行きそうだ…
がんばれマミさん
934 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(青森県) [sage]:2011/11/23(水) 17:35:07.66 ID:MqHS+bfSo
おっとそうだ 乙でした
935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage saga]:2011/11/23(水) 17:55:19.96 ID:ZF3y2VmM0
仕事の合間に読んでたぜ、お疲れ様です!

さて、今日も仕事で眠れない…

936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/23(水) 18:10:30.52 ID:3dE9WyWDO
乙!

6もストーリー上で15年くらい前の話なんだよな…
937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(山口県) [sage]:2011/11/23(水) 19:21:50.56 ID:i8ptCbxJo
938 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(三重県) [sage]:2011/11/23(水) 20:40:46.14 ID:NBjLYX2c0
倉刈さんに救いはねえのかよォ……

逆に魔法少女サイドはもう救いしか見えないな
悪の魔法少女→悪の科学者→正義の味方のパイプが出来てるとか無敵すぎて困る

大江さん、ワルプルギスの夜なんて吹っ飛ばしちゃってください!
939 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/23(水) 20:54:27.15 ID:P57ckiOHo
乙乙!
次はマミさんをどんな目に合わせるのかしら
940 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/11/23(水) 22:19:29.15 ID:+BLroMTZ0
>>931
生存ルートも一応考えましたが、ヘルガさんは責任を取る大人なキャラ+死ぬことが救いの面があったので、どうにも蛇足感がぬぐえませんでした。

>>938
倉刈さんの最後は、何気に目的はすべて果たして、娘とモグラーズ仲間にみとられてますので、そんなに不幸だとは思えないんですよね。
生存したら、記憶喪失のままホームレスですし…

ワルプルギス対策には、技術部に、黒野博士に加えて、和桐に就職した寺岡さんもいますので。
もしかしたらソウルジェムの問題も何とかしてくれるかもしれません。
代わりに、大神・ジャジメント・ツナミとの戦いが待ってますが。



941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/11/23(水) 23:46:34.98 ID:RkxbnPYM0
>大神・ジャジメント・ツナミとの戦い

ワルプルとは違う底知れない恐ろしさがあるよね
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/23(水) 23:49:01.11 ID:I7LzYH9P0
ワルプルよりジャジメントのほうが恐ろしい気が
943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) :2011/11/24(木) 02:15:49.23 ID:W84vgUUI0
パワポケやった事ないけど
ヘルガがブラクラのバラライカみたいな姿で脳内再生される・・・
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(北海道) [sage]:2011/11/24(木) 18:25:31.72 ID:nbqXgRlDO
そういえば体が縮んだほむらはHTML化しなくて良いんですか?
945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/24(木) 20:51:16.14 ID:VtH/U7Z2o
そういえば6主が未来は行き詰まってないっていってるけど、
パワポケ未来には人類が増えすぎて管理のために極端に自由を制限してるっていう
行き詰まってる時代もあるんじゃなかったっけ?

パワポケ6やったこと無いからよくわかんないけど
946 : ◆ctuEhmj40s [sage]:2011/11/24(木) 22:00:56.80 ID:QyMTpzf20
>>944
報告してきました。ご指摘ありがとうございます。


>>945
ネタバレになりますが、こちらに詳しく書いてあります。
http://wikiwiki.jp/pawapoke/?%BC%E7%BF%CD%B8%F8%286%29

おそらく、その時代のさらに先の未来から来たと思われますが、未だに真相は闇の中です。
14で明かされるかもしれませんが。

947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(福岡県) [sage]:2011/11/28(月) 20:01:35.46 ID:/LkyHOa0o
乙!

面白かった 俺得ssだった
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/29(火) 19:35:34.39 ID:W9zp9+TU0
>>1は次書く予定のSSとかあるの?
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/01(木) 06:31:24.20 ID:uoAHhLTIO
>>1
超良かったよ
まどまぎはあんまり知らなかったけど、マミさんが一番好きになった
950 : ◆ctuEhmj40s [saga]:2011/12/01(木) 12:12:28.31 ID:GXO7r4OC0
>>948
まどか「薔薇の花嫁に死を!」ウテナ「世界を革命する力を!」

さやか「みんなには内緒にね!」ほむら「!?」


どちらにしようか考え中です。


951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長野県) [sage]:2011/12/01(木) 13:26:56.66 ID:dJEWcaj+o
俺は後者を見てみたい   ゼル伝スレになる予感!
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/01(木) 14:18:31.45 ID:XDvIJDOA0
さやかスキーの俺に光を
953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/01(木) 15:27:49.68 ID:92hhoAgDO
後者すごく見たい!
954 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(三重県) [sage]:2011/12/01(木) 17:08:01.18 ID:KUITwtmN0
後者マジ期待

…以前VIPでそれのマミさん版や杏子版を見たが、そのネタはまどかの扱いが難しいぜ。
>>1の手腕に期待だぜ!
955 : ◆ctuEhmj40s [sage]:2011/12/01(木) 17:49:44.95 ID:GXO7r4OC0
>>951
ゼル伝では無いです。
どちらにしろ、まだ流れしかできていないので投下するには時間がかかりますが。

14で反エントロピー能力の超能力者登場でQB涙目。


956 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]:2011/12/01(木) 21:29:36.12 ID:GrtNtZN7o
おもしろかった ありがとう
957 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(兵庫県) [sage]:2011/12/02(金) 20:39:11.79 ID:zxO3ZD520
グフフ、いやらしいですなオマエラ!
って事にならなかったのがホッとしたような残念なような…
958 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方) [sage]:2011/12/07(水) 04:17:46.68 ID:bQWrl425o
楽しかったよ、ありがとう!

そういや8か9の喫茶店でしあわせ草を摂取出来た記憶があるなー
959 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/08(木) 20:00:44.88 ID:pz2cuKNy0
コーヒーに入ってたやつか
960 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/08(木) 20:11:59.01 ID:1V/tKhKPo
あのイベント進めると中毒になるからいっつも期限ぎりぎりに起こしてたなー
961 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 17:06:57.81 ID:D1WeXJ+P0
ホンフーさんにデスマスの能力でコミュニケーションそのものを禁止させられるQBの姿が!
962 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 21:12:38.71 ID:Vca0wy0Fo
なんでhtml化されないんだ?
963 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 21:19:55.14 ID:6oxpPedWo
続きはいつぐらいだろうか
964 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 21:19:56.53 ID:hk+tN+Rlo
SS速報は>>1000行くか>>1がhtml化依頼出すか一ヶ月だか二ヶ月だか立たないとならない仕様
965 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 18:34:49.00 ID:Ql4WPTHp0
だから>>1は依頼出さなきゃいけないんだが・・・。
出したのか?
966 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 18:39:29.14 ID:2YCEEuHWo
出してないしもうこのスレは見てないだろうな
もう30ちょいだし>>1000まで埋めるか?
967 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 18:52:04.63 ID:cnw4FRyoo
瑠璃花ちゃんと瑠璃花ママのバニー姿を妄想しながら埋め
968 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/19(月) 23:42:06.85 ID:B1EHSj59o
969 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 00:44:28.39 ID:3Wnw4bIDo
パワポケ15がでると信じて・・


埋め
970 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 23:11:33.50 ID:5P0ekxCIO
>>969
でないんじゃない?
14本編でこれまでのは終わりですって言ってたし

でるなら完全別のストーリーかな
971 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 01:12:02.11 ID:kZ9/wdJVo
実況パワポケ3DSとかかね
972 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 03:08:13.66 ID:NUKd27eLo
ギャルゲーパートのシステム強化して新シリーズだろ
973 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 07:11:16.26 ID:pRn0KuzIO
さらに鬱ゲー化ですね分かります
974 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 22:15:56.43 ID:7MXALytRo
ぶっちゃけ能力バトル物になってガッカリしたから終わってくれるならそれはそれで
975 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 20:19:13.88 ID:88+4Do4w0
能力バトルになってはまった奴もいるんですよ!
976 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 20:39:52.78 ID:ZdYf/qono
和那ちゃんって山を投げられるんだっけ
つまりまどか山をね、ぽいっと
977 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 20:49:55.98 ID:yQEOhPSSo
10当時は山が浮いただけだったような
12の時には護衛艦ぶん回したり触れなくても5m以内なら自由に操作できるようになってたけど
978 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 12:29:12.54 ID:CeiROHIF0
14でエントロピーの問題なんてどうにでもできる最強の超能力者がマジで出てきてわろす
979 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 08:43:36.26 ID:vgGiPrRW0
ジャジメントの上位五人のうち一人でもいればワルプル撃破できそうだな。
980 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 15:31:42.61 ID:TzLJUosIO
ジオット「僕と契約してエアレイド的なのになってよ」
981 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 15:38:53.09 ID:2O/ZyLbNo
マダラ「ワシと契約してラブブレイカーにならんか?」
982 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 09:49:32.30 ID:O1/iBTCd0
>>979
センノヤイバ通じるのかな・・・。
犬井なら確実に行けそうだけど。
983 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 01:49:29.81 ID:h4JVmx0uo
まあワルプル撃破しても根本的な問題は何も解決しないんだけどな
984 : ◆ctuEhmj40s [sage]:2011/12/30(金) 16:39:31.18 ID:Bva5EhyZ0
お久しぶりです。
なにか思いつけば、後日談とかを考えていたのですが、どうにも蛇足感が拭えないのでこれで当SSは終わりになります。
これからHTML化を申請してきます。

沢山のご感想、ご意見ありがとうございました。
また何か投稿するつもりなので、その時はよろしくお願いします。

最後に、これまでお読みいただきありがとうございました。


985 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 19:08:05.00 ID:ARZIdWbVo
お疲れ様でした。
986 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 19:45:51.12 ID:NlPqc5jZo
おつ!
次の楽しみにしてるよー
987 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 22:49:38.35 ID:gnaCfhrJo
楽しかったよーお疲れ様!
パワポケ世界もまどマギ世界もいい方向に進むといいね
988 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 00:25:14.55 ID:ZHHSx5Z3o
乙でした

パワポケSSは少ないのでまた思いついたら書いてくれると嬉しいです!
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