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雲仙冥利「風紀委員《ジャッジメント》だぜ!」 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga]:2011/10/20(木) 21:38:19.53 ID:y7L6D5sAO
ペースは遅いかもしれませんが頑張って書きます
めだかボックス雲仙冥利の学園都市入りです
キャラ崩壊、口調がおかしいところ等ありますが悪しからず
お願いしますm(_ _)m
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
[
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(安価&コンマ)鉄血に狼の男が(機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ) part2 @ 2025/06/22(日) 22:47:53.63 ID:xiq+pvxz0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1750600073/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:08:31.92 ID:A9RjOWcxo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421311/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:07:56.06 ID:9l741hD4o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421275/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:07:18.78 ID:XCIH42NJo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421238/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:42.32 ID:sMr/Yf+to
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421202/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:05.72 ID:A9RjOWcxo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421165/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:05:29.13 ID:9l741hD4o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421128/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:04:47.30 ID:XCIH42NJo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421087/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/10/20(木) 21:49:23.57 ID:U7QakUnAO
めだか勢はいてもおかしくないから困……らないな、別に
ひとまず期待しておきたい
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/20(木) 21:58:20.90 ID:y7L6D5sAO
「まったく。あなたは何をしてますの!」
学園都市。
それは科学の象徴にして200万人以上もの人々が住んでいる場所である。
「だいたい貴方ときたら毎回毎回…………」
その学園都市の街の往来で憤慨し、怒号を響かせる少女が一人と、それを面倒臭そうに明後日の方を向いて聞いている少年が一人。
「いくら加害者と言えど顔の形が分からなくなる程殴るのはやり過ぎですの!」
「あの……、白井さん……」
それを不安そうな顔で見ている少女がもう一人。
「なんですの初春!」
怒号を響かせている少女の名前は白井黒子。
「ひぃ!あ、あの……、一度ジャッジメントの支部に戻りませんか……?こんな人通りの多いところじゃあ……」
怯えて不安そうな少女の名前は初春飾利。
「ああ!もう、うるせえよ!キーキーキーキー喚きやがって!」
先程まで面倒臭そうに黒子の話を聞いていたのは雲仙冥利。
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2011/10/20(木) 22:08:25.85 ID:z8UpdWkao
期待sage
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/20(木) 22:28:27.91 ID:y7L6D5sAO
「なんですの!?まったく反省してないじゃありませんか!?」
実はこの通りで先程、スキルアウトによるひったくりがあったのだ。
「俺は悪くないんだ。反省するところがねーだろ?」
そして、このパトロール中の雲仙冥利にたまたま目を付けられ、
「きぃー!この男ときたらー!」
文字通り、半殺しにされた。
「ですから白井さん。ここでは……」
オロオロと困った顔で二人を、もとい黒子を、なだめようとするが、怒り状態の黒子の耳には届いておらずやはり、冥利に向かって声をはりあげる。
「初春は少し黙っててほしいですの!今日という今日はこのお子ちゃまに社会のルールというものを……」
「あ゛?」
急に目付きが鋭くなり、射殺すような目で黒子を睨む。
「……あーら、どうしたんですの?まさかお子ちゃまと言われて怒った訳じゃありませんわよね?」
「ケケケ……、幼児体型のマセガキにお子ちゃまなんて言われて怒る訳ねーだろ」
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/20(木) 22:30:30.44 ID:y7L6D5sAO
「なんですの!?まったく反省してないじゃありませんか!?」
実はこの通りで先程、スキルアウトによるひったくりがあったのだ。
「俺は悪くないんだ。反省するところがねーだろ?」
そして、このパトロール中の雲仙冥利にたまたま目を付けられ、
「きぃー!この男ときたらー!」
文字通り、半殺しにされた。
「ですから白井さん。ここでは……」
オロオロと困った顔で二人を、もとい黒子を、なだめようとするが、怒り状態の黒子の耳には届いておらずやはり、冥利に向かって声をはりあげる。
「初春は少し黙っててほしいですの!今日という今日はこのお子ちゃまに社会のルールというものを……」
「あ゛?」
急に目付きが鋭くなり、射殺すような目で黒子を睨む。
「……あーら、どうしたんですの?まさかお子ちゃまと言われて怒った訳じゃありませんわよね?」
「ケケケ……、幼児体型のマセガキにお子ちゃまなんて言われて怒る訳ねーだろ」
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/20(木) 22:56:31.05 ID:y7L6D5sAO
「こ、この……。なんて事を……」
「あ?気にしてたか?悪い悪い」
微笑し、袖に入れた手をヒラヒラと振る雲仙冥利。
「この淑女たる私にあなたは……」
「ケケケ……、どうした?返す言葉もねえか?」
「コロス!」
プチッと何かキレる音がしたと思うと、白井黒子は雲仙に掴みかかり、手が触れた瞬間に雲仙は音もなく宙を舞った。
「ああ……、またこうなった……」
やれやれ、といった感じで初春は嘆息と同時に言葉をはいた。
身体が逆さまで頭から落ちる形になって宙を舞っている雲仙は、ゆっくり身体を反転させると、着地の大勢をつくろうとした。
(ケケケ……、良いこと思いついたぜ……)
そして、一回転。
わざと頭から、落ちた。
「雲仙くん!?」
初春が叫んだ時にはもう、雲仙は気絶していた。
(ケケケ……、こりゃあ、効いたぜ……)
当然、気絶した“ふり”なのだが。
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
:2011/10/20(木) 22:57:34.52 ID:y7L6D5sAO
すいませんm(_ _)m
今日の投下は終わりです
短くてすいませんm(_ _)m
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海・関東)
[sage]:2011/10/21(金) 00:04:32.98 ID:mmS34bQAO
支援。
雲仙姉は出ないかな。さすがに書きづらすぎる。。
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2011/10/21(金) 00:34:24.19 ID:ki5hH8jW0
乙。どちらも無双せずに進めてほしいぜ。
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/21(金) 06:44:52.64 ID:IhAP5lGAO
「もー。雲仙くん。白井さんと仲良くしてくださいよー」
ここは風紀委員《ジャッジメント》177支部。
その一室のソファにふんぞり返って座っているのが雲仙冥利。
雲仙が座っているソファでなにやら作業をしながら注意を促すようにしているのが初春飾利。
「ケッ、そりゃ無理だな。まず胸がねえ。そして色気がねえ」
黒子にやられて気絶するふりをしていた雲仙は、黒子に運ばれ、この風紀委員の支部に寝かされていた。
「もー。またそんなことばっかり言って……、あっ、最中食べます?」
そして、黒子が出ていったところを見計らって起きる。
「……いらねえよ」
「でもこの最中美味しいやつですよ?御坂さんが買ってきてくれた……」
「……。どうしてもってんなら、貰ってやるよ」
「そうそう。まだ子供なんですから全然遠慮なんていりませんよ」
「ケッ」
雲仙は、自分が丸くなった。
そう思った。
普通ならここで誰彼構わず殺戮してやるところだが、そうそう気になれない。
原因は、黒神めだかに完膚無くまでに負け綺麗に負けてしまったからだと雲仙は考える。
「あー……。何でこんなとこにいんだろうな……」
「え?何か言いました?」
「いや……。こっちのことだ」
「ホントに……。面倒臭え……」――――――
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/21(金) 07:02:37.60 ID:IhAP5lGAO
結構誤字ってしまった……
すいませんm(_ _)m
正しくは雲仙が座っているソファの後ろの方で……
と
完膚無くまで、綺麗に……です
悪しからずm(_ _)m
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/21(金) 08:15:18.65 ID:3ahwjhpIO
これは期待
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga]:2011/10/21(金) 21:37:46.82 ID:IhAP5lGAO
――――「雲仙冥利様。不知火理事長から学園都市に行くようにと、命令がありました」
その時丁度雲仙冥利は、風紀委員室の椅子に座って、副会長の呼子に肩を揉ませ、ゆったりとくつろいでいた。
目の前には箱庭学園理事長不知火袴の使いっぱしりであろう簡素な顔立ちの簡素な格好をした女が、雲仙冥利の前の地面で大人しく正座している。
「詳しくは理事室に来いとのことです」
女はそうゆっくりと告げると、おもむろに立ち上がり一礼すると、静かに退室した。
――――――――――
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga]:2011/10/21(金) 22:27:41.42 ID:IhAP5lGAO
「……思えば、あれが悲劇の始まりか……」
初春飾利のいれたお茶をすすり、最中に手を伸ばす。
「ん―!さすが御坂さんです!この最中本当に美味しいですね―」
幸せが顔に満ちに満ちているような顔をする初春。
「どうですか!?雲仙くん。美味しいですか!?」
一口。
続いて二口目、三口目。
「ああ。美味しいぜ」
ゆっくり顔を上げてにっこりと笑顔らしきモノをつくり、雲仙は初春を見た。
「ですよねー!実はコレ、あの御坂さんが美味しいから食べてみてと薦めてくれたやつでこの最中の中にある甘い餡子がとても……」
このままだとずっと喋り続ける。
そう思った雲仙は短くため息をつくと、初春の言葉を遮るように口を開いた。
「おい初春、……オレは疲れたんで仮眠をとらせてもらうぜ。適当に例の事件のパトロールにでも行く時に起こしてくれや」
食べかけの最中を全て口に放り込み、残ったお茶を飲み干すと、ソファにごろんと寝転がった。
「あ、はいわかりました。……食べてすぐ寝ると牛になっちゃいますよ―」
初春は雲仙の頭を撫でると、そう呟いく。
「なんだぁ?その原始時代に使われてたような決まり文句は?」
「もう、独り言ですから気にしないで寝て下さい」
それから数分後、雲仙冥利は寝息をたてて静かに眠った。
腹も満たされお茶で身体も暖まり、気持ち良く。
モンスターチャイルド、と呼ばれていても、こうして見るとやはり齢十程度の子供である。
「……よし」
初春はそう何か決心したように呟くと、今回の事件の報告書と、雲仙冥利がやらかした過剰防衛の始末書にとりかかるために机に向かっていく。
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage]:2011/10/21(金) 23:04:05.70 ID:BU3O88oS0
雲仙冥利ってどんなんだっけ?
白い学ラン着たちびっ子だっけ?
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海・関東)
[sage]:2011/10/21(金) 23:05:32.18 ID:mmS34bQAO
>>16
それだそれ。インフレのせいで目立たないが結構なスキル持ち。
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage saga]:2011/10/21(金) 23:50:00.76 ID:mEaxWpEu0
>>17
異常には珍しいオールマイティー型だったはず
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(九州・沖縄)
[sage]:2011/10/22(土) 00:13:40.23 ID:rdUsMO4AO
>>18
お姉ちゃんは暗号系ハンマー少女だったか
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/10/22(土) 00:17:36.60 ID:k0At6MsG0
お姉ちゃんの暗号はどうゆう法則なんだい?
そこの天才君、答えてよ。
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
[sage]:2011/10/22(土) 02:47:17.55 ID:KJrcETD7o
雲仙って箱庭じゃ風紀委員全員手篭めにしてハーレム作ってたんだよな
場合によっちゃNTR展開あるで
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/22(土) 05:57:38.35 ID:v7ahO6+AO
>>20
法則なしで適当にしているって西尾さんが言ってました
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中国地方)
[sage]:2011/10/22(土) 10:32:53.94 ID:NZWDvMZz0
というか、あの学ラン自体が最新の防護服だったはず
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/10/22(土) 11:31:15.56 ID:k0At6MsG0
>>22
ええぇ……(´д`)
あれ法則なんなのか、楽しみにしてたのに……。
まぁいいか。
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga ]:2011/10/22(土) 16:35:12.47 ID:v7ahO6+AO
「ケッ。連続虚空爆破《グラビトン》事件ねぇ……」
ここは第七学区の街の通りだ。
(出来る限り遠隔操作系爆弾のメカニズムやら素材やら調べてみたが……)
「“超能力”の街なんだよな。矛盾だらけで何も進歩がねえ」
「……ん?」
不思議な光景を目にした。
赤いワンピースをきた少女が、傍らの植え込みに小さな可愛いリュックサックを置いたのだ。
自身の所有物だろうか?
そして、女の子はそそくさと逃げるようにその場を離れる。
それにしては不自然だ。
あんな小さな女の子が、あんな綺麗な新品同然の自分のリュックサックを捨てるような事をするだろうか?
「……はぁ」
しかし、雲仙冥利は、そこで思慮を巡らす事をしなかった。
雲仙冥利は嘆息をつき、軽く舌打ちをする。
「……、まあ、大体の目処はたってんだ」
雲仙冥利は、足を止めるとくるりと踵を返し、
「行くか、第十三学区」
フッ、と笑った。
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga ]:2011/10/22(土) 19:35:33.98 ID:v7ahO6+AO
第十三学区。
ここは小学校や幼稚園が数多く点在する。
つまり雲仙冥利と年の近い少年少女が多い。
「調査報告なら……、爆発はこの辺りに集中してやがる」
怪訝そうな顔をして、一度爆発のあった場所に行ってみる。
「ふん……」
ここで違う支部の知らない“仲間”が爆弾魔の手にかかって怪我を負ったのか。
そこはピンクのただのアスファルトが広がっていた。
「本当に子供ばかりだな」
「…………あ゛?」
「あ、すいませーん」
雲仙が歩いていると、拳サイズの赤いカラーボールが後頭部に直撃した。
突然のことで少し声を荒げてしまったが、彼はいたって冷静だ。
「ああ、ほらよ」
カラーボールを投げ渡す。
「すいません。ありがとうございます」
ボールを受け取った少年は、まだボールを持ったまま雲仙を不思議なものを見る目で見ている。
「あの……、すいません、いくつ……ですか?」
「十歳。もういいか?オレは忙しいんだ」
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海・関東)
[sage]:2011/10/22(土) 19:52:30.95 ID:XvkQZ92AO
これは期待
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/22(土) 19:59:24.11 ID:v7ahO6+AO
「……あの、僕は八歳。一緒に遊ばない?今あっちで野球してるんだけど……」
面倒臭え。
と彼は思う。
実際雲仙は普段、こんな風にパトロールなどしたりはしない。
風紀委員室でふんぞり返って、手をやかせる輩に武力で介入して粛正しに行くだけなのだ。
人の上に立ち、人を使っていた箱庭学園の時とは違う。
「……はぁ。悪いな。さっきも言ったように、俺は今忙しい」
「そう……。わかった……」
とぼとぼと後ろを向いて、向こうに見える公園の方に歩いていく。
「ねえ」
(……やれやれ)
少年が向こうに歩いているうちに、後ろから声をかけられた。
「今日はよくチミッ子に絡まれるもんだぜ」
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga ]:2011/10/22(土) 21:13:28.07 ID:v7ahO6+AO
「ねーねー。お兄ちゃん。これ落としたでしょ?」
見ると小さな女の子が安っぽい合金ロボットを持ってこちらを見ている。
「あん?オレのじゃねえよ」
「えー、でもね。あっちのお兄ちゃんが……、……アレ?」
怪訝な顔を向こうに向けると、雲仙に向き直る。
「お兄ちゃん、いなくなっちゃった」
「…………はぁ」
「…………、まあいいや!これ、受け取っといて!今からお勉強しなきゃいけないから!」
そう言い放ち、手に持っているソレを胸元へ押し付けてきた。
「いらないなら捨てても良いから!」
それじゃあバイバイ、と元気に手を振って、女の子はどこかに走っていく。
雲仙は安っぽい合金ロボットを持って呆然と立ち尽くしていた。
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga]:2011/10/23(日) 06:09:52.88 ID:TDCqh9jAO
女の子は走っていく。
そして、マンションの陰に消えた。
「………………ああ」
立ち尽くしていた雲仙は女の子が視界から消えたのを合図に我に返った。
「…………、しかし、まあ…………」
合金ロボットをゆっくり眺める。
「……………………」
それにしても安っぽい。
外面は綺麗に輝いているように見えるが、指で擦ると色あせ、爪で引っ掻くとメッキがボロボロと剥がれ落ちる。
こんなモノ、たとえ本当に自分が落としたとしても、絶対に拾わないだろう。
「……ん?なんだこりゃ」
しばらくロボットを見てみて、不思議なものを見つけた。
ロボットの足の裏に、半径三センチ程度の、穴が空いているのだ。
その中を雲仙は少し不安ながらも覗く。
「あん?何でスプーンなんかが……」
中に入っていたのは数本の、先が角ばっているアイススプーンが敷き詰められていた。
「……………………!」
――――と、次の瞬間、ベコ、ベコ、と空き缶のひしゃげるような音をたてながら、中のスプーンが一斉に形を変えた。
「何なんだよ……。こりゃ」
焦る雲仙だが、そのスプーンがひしゃげる様子を、しっかりと見ていた。
そうするべきではなかったのに。
そして、また次の瞬間。
凄まじい轟音を響かせ、
合金ロボットは、
大爆発した。
「なんだってんだよこれはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そして、灰色の粉塵が、雲仙を覆い隠すようにもくもくと立ち込めた。
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2011/10/23(日) 10:41:30.02 ID:032lQg4AO
乙 投下終わったら宣言してくれると嬉しい
32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/23(日) 13:13:50.14 ID:TDCqh9jAO
わかりました
今は遠征中なので帰りのバスに乗り次第更新しますm(_ _)m
33 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga ]:2011/10/23(日) 21:48:02.30 ID:TDCqh9jAO
「ケケケケケケ。このオレ様に。良い度胸だな」
粉塵がはれ、雲仙がようやく確認出来るようになると、彼は笑っていた。
凄まじい爆発だったため、爆心地からは、数メートルほど吹き飛ばされている。
「ケケケ……、犯人のヤロウは、必ず見つけ出して、“血の粛正”をくらわしてやるぜ」
雲仙の腹の中は煮えくり返り、犯人の苦しめ方を、既に五通り考えついたところだ。
「……が、このザマじゃいまんとこ何も出来ねえか」
結論から言うと、雲仙は右手と頬に軽い火傷を負っただけだった。
風紀委員特服白虎《スノーホワイト》。
耐圧繊維で縫製された特殊な服で、その繊維は潜水艦にも使用されている。
雲仙は、この服で咄嗟に自分の身を守ったのだ。
だが、爆発の衝撃は防ぐことは出来ても、当然火の熱さまでは防げない。
あくまでも、“耐圧”繊維なのだ。
だから当然のように爆風に触れた右手の甲、右側の頬は火傷した。
「あ―。……癪だが、あいつに頼むか」
冷静に、クールに、雲仙は怒りの炎をゆっくりと鎮める。
そしてついに、“ある人物”を頼る事を決めた。
それは、雲仙に学園都市で“超能力”について教え、なおかつこの学園都市での生活のノウハウを教えた人物他ならない。
34 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga]:2011/10/23(日) 23:42:48.49 ID:TDCqh9jAO
ここは第十八学区、学園都市最高レベルの学校、長点上幾学園のとある応接室。
その一室にいるのは、黒髪にウェーブがかかっていて、大きなギョロ目が特徴的な女性と、白髪で小学生低学年程度の身長の一人の少年だ。
二人は互いに見つめ合ったまま黙っている。
(……だからこいつは苦手なんだよ)
「砥信先輩、ちょっと聞きたいことがあるんだ……、あるんですが」
「 Goodly 。ようやく敬語が使えるようになったみたいね。……それで、何かしら?」
砥信先輩。
そう呼ばれた女性の本名は布束砥信。
学園都市きっての秀才であり、学生でありながら数々の実験の助手を勤めている。
くえない奴だと雲仙は思う。
「連続虚空爆破《グラビトン》事件だ。スプーンを爆弾に変えたりする能力はこの学園都市にあるのか、教えてくれよ」
バチン、と空気が乾いたような音が聞こえる。
「…………」
布束のデコピンが雲仙のデコ目掛けてはなたれたのだ。
「……歳上には敬語」
雲仙は、布束砥信に頼った事を半ば後悔しながら、デコピンの直撃した場所を指で撫でてみる。
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/23(日) 23:44:39.60 ID:TDCqh9jAO
今日の投下は終わりです
幻想御手編と姉妹編はやってみたいです
36 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮崎県)
[sage]:2011/10/24(月) 01:54:33.77 ID:BbcUWCrS0
乙
37 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2011/10/24(月) 06:56:35.62 ID:R65n7FXAO
期待
38 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga]:2011/10/24(月) 20:31:37.87 ID:tzT4nzEAO
「おい……。あんまり調子にの……」
ぴちゃっ、と顔に水が飛んできた。
布束砥信は何処から出したか、手に霧吹きを持って構えている。
「テメエ!ふざ……」
ぴちゃっ。
もう一度。
「おま……」
ぴちゃっ。
水がさらに飛んでくる。
「 displeased 頭は冷めた?」
「……砥信先輩。スプーンを爆弾に変えるような能力はないですかねぇ?」
「そうそう。それで良いのよ」
雲仙の表情は、ひきつった笑いになり、怒りが言動から見え隠れしているが、布束は関係ないといったように、首を傾げて何かを考えている。
そして、今度は向き直り、布束砥信は真っ直ぐと雲仙冥利の目を見た。
「……詳しいことは風紀委員ご自慢のバンクを見てくれれば良いけど、アルミを爆発物に変える能力なら知ってるわ」
「…………それで?そいつの名前はなんだってんだよ?」
「 detailed 量子変速《シンクロトン》っていうの。今から支部に戻って調べてくれば良いじゃない?」
「……ありがとう。世話になったな」
「いつものことよ。あ、でも今のとさっきのは失言ね。くらっときなさい」
こうして、もう二発の霧吹き攻撃を、雲仙は顔面に受けることとなった。
39 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/24(月) 20:47:07.94 ID:tzT4nzEAO
かなり早いですが今日の投下は終わりですm(_ _)m
悪しからず
何か意見等ありましたらご指摘お願いしますm(_ _)m
40 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/24(月) 20:55:18.69 ID:oZ8T0Vlto
面白いのに1回の投下が少ないであります!でも面白いであります!
41 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟・東北)
[sage]:2011/10/24(月) 21:51:55.79 ID:iOBFechAO
乙 ノンビリどうぞ
42 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/10/24(月) 22:02:42.95 ID:9C5nDaF+0
雲仙ってなにができったっけ?
スーパーボールと爆弾とワイヤーだっけか?
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長崎県)
[sage]:2011/10/24(月) 22:07:22.27 ID:O2vMXJzoo
スーパーボールにワイヤーって室内だと強いけど開けたとこだと不利だよな
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
[sage]:2011/10/24(月) 22:47:18.07 ID:wIavR2lQo
天才的に例外的な頭脳で室内におびき寄せちまえばモーマンタイ
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/10/25(火) 00:20:12.27 ID:n2eG83XE0
乙
雲仙結構好きだしチート過ぎないから程良い活躍が期待できそう
楽しみにしてます
46 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/25(火) 09:24:03.22 ID:LTEwtcAAO
>>40
ありがとうございます
少し書きためてみましたがやはり時間がかかります
すいませんが今まで通りの更新スピードでいかせて頂きますm(_ _)m
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga ]:2011/10/25(火) 09:26:25.57 ID:LTEwtcAAO
どうも敬語には慣れない。
今まで使ってこなかったからだ。
初めの一回。
せっかく使えても、やっぱり忘れてしまう。
今まで敬語で注意された事はあったが、そんな奴らは全員叩き潰してきた。
布束砥信だって最初は潰してやろうかと思ったが、結局できなかった。
あの静かなギョロ目が、雲仙のそういう気持ちを抑制する。
それに、既にその時には住む場所も、学園都市の常識も、箱庭学園からの振込がない間の金の工面も、全て布束砥信が一人でしてくれた。
早くに両親を亡くした雲仙は正直、自分の面倒を見てくれているのが嬉しかった。
それでも、布束と共に行動している時には敬語は使えていた。
ローリングソバット、デコピン、霧吹き、キャメルクラッチに海老固め。
数々のお仕置きを受けながらようやく覚えた敬語も、一週間近く会わなかっただけでああも簡単に忘れるモノなのか。
そんな事を考えている内に、風紀委員《ジャッジメント》177支部についた。
48 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/25(火) 09:27:28.04 ID:LTEwtcAAO
重たいドアをゆっくり開けると、中にいたのは二人。
黒髪に眼鏡をかけている女性と、ピンクのツインテールの小さな女の子だ。
「おい黒子。能力者の力が分かった」
そう言うと、ピンクのツインテールの女の子黒子はあからさまに嫌な顔をする。
「…………量子変速《シンクロトン》ですの?」
「おお。分かってるなら話は早い」
「…………はぁ。会議中に居眠りなんてするからこんなことになるんですのよ…………」
「あ?」
「残念ですが、爆発の規模からして犯人はレベル4以上という事が分かってますの」
黒子のしたり顔を見て雲仙は拳を握り締める。
「まったく……、これだからお子ちゃまは。十歳にして高校二年生に飛び級した天才もここ《学園都市》ではただの子供ですのね」
この蛇足とも言える発言が、雲仙冥利の理性のタガを外す事になる。
「あ゛あ゛!?黙ってりゃあ好き勝手言いやがって!じゃあ犯人の狙いは風紀委員《ジャッジメント》って事も分かってんのか!?そして俺はお前より有能だ!あまり調子にのってると潰すぞコラ!」
49 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/25(火) 09:28:29.70 ID:LTEwtcAAO
「なんです……」
「ちょっと白井さん黙っててくれる?」
黒子が口を荒らす前に(既に荒らしている)黒髪眼鏡の女性は黒子を制止し、食い気味に雲仙冥利を睨む。
「犯人の狙いが風紀委員ってどういう事!?」
「ありゃ?やっぱり分かってなかったのか」
雲仙冥利は白井黒子が開いているノートパソコンのキーボードをカタカタと叩き始める。
「ほれ、被害者リストだ。風紀委員が九人。一般人もいたがどれも爆発の直接の被害者じゃねえ。破片や、爆風の。どちらかというと、一般人は巻き添えを喰らったような感じだぜ?」
「本当だわ。確かに、爆弾の配置が風紀委員の巡回経路上にしかない」
50 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga ]:2011/10/25(火) 17:01:59.98 ID:LTEwtcAAO
「でも……、どうやって……」
狼狽する黒髪眼鏡の女性に雲仙はニッと笑って、
「まだわかんねえのか?俺は天才で異常《アブノーマル》なのさ」
そう言い放った。
「……あぶのーまるねえ。まあ、どうでもいいですけど、犯人の狙いが我々だとしてどうしたと言うんですの?」
雲仙の手柄が納得出来ないのか、黒子は冷たくそう吐き捨てた。
「はぁー。説明すんのも馬鹿馬鹿しい。囮ってのが出来んだろ?それが、出来ると……ん?」
――突然、パソコンから防犯ブザーのように機械音が鳴り響いた。
黒髪眼鏡の女性はそれを確認すると、声を張り上げた。
「人工衛星からの通信で量子の加速を確認!」
「なんですって!?」
黒子は携帯電話を取り出し、ボタンを数回、押した。
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/25(火) 19:57:30.87 ID:LTEwtcAAO
間違えました
加速するのは重力子です
すいませんm(_ _)m
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga]:2011/10/25(火) 20:25:11.67 ID:LTEwtcAAO
「固法先輩!場所はどこですの!?」
「第七学区の洋服店。セブンスミストよ!」
黒子は携帯を耳に当て、追い詰められたような顔になる。
「話しながら行くぞ白井!俺を連れて行け!固法!応援は頼む!」
雲仙はそう言って白井黒子の手をとる。
「な……、ちょっ……、」
少し顔が赤くなる黒子に顎で行くように急かす。
「あ、もしもし初春!連続虚空爆破《グラビトン》事件の続報ですの!学園都市の監視衛星が重力子の爆発的加速を察知しましたの!」
そう言って白井黒子は
雲仙と共に“飛んだ”。
「あなたは一度外に出て応援を待ちなさい!……、え!なんですの!?良いからこちらに戻りなさい!」
何処かの空中に現れて、もう一度、飛んだ。
「そんな頭ごなしじゃダメだ!人の使い方が分からん奴だな!貸せ!」
そう言って雲仙は黒子から携帯を奪い取る。
黒子はさらに飛ぶ。
「おい初春!そっちは大丈夫か!?」
返事はない。
しかめっ面で携帯を黒子に渡す。
「……………………」
そして、また黒子は“飛んだ”。
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/25(火) 21:49:50.19 ID:LTEwtcAAO
「はぁはぁ、私はここまでですの……」
白井黒子は能力を使いすぎたのか疲労困憊と言った様子。
「すんませーん。風紀委員《ジャッジメント》で〜す」
雲仙は微塵の罪悪感もなく、少しの感謝もせずに人混みをかき分けセブンスミストに入って行った。
(……ホントに人がいねぇ。この辺は流石だな)
避難経路の獲得に避難の早さにと、関心しながら、犯人のターゲット、初春を捜す。
「さあ、根っこを潰してやるぜ」
なんて事もなく、捜すのは、犯人自身だ。
火傷の傷がヒリヒリと痛む。
雲仙冥利の頭に血を昇らせ、身体を強張らせた。
既に冷静な判断が出来なくなっていた。
(完全に中に隠れてる訳じゃなさそうだな)
雲仙冥利は、一階の帽子売り場の白い壁の前で立ち止まった。
「さあ、狩りの時間だ」
54 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/25(火) 22:26:28.93 ID:LTEwtcAAO
「おい、金出せよー」
くそっ。
この人間のクズめ。
「おいおい、こんだけかよ。しけてんなー」
うるさい。
誰か僕を助けろよ。
風紀委員《ジャッジメント》。
あいつらは何をしてる?
「おい!お前ら!止めろ!」
遅い。
このノロマめ。
お前が人間止めろ。
「何でもありませーん」
「まったく…………。君、大丈夫か?」
金をとられて殴られた。
お前らはいつもそうだ。
何か起きないと動かない。
役立たずだ。
結局金も戻らないし、殴られた事実も変わらない。
くそったれめ。
“粛正”してやる。
“復讐”してやる。
俺は“力”を手に入れたぞ。
お前らを潰すための“力”を。
「そして、今日も…………」
「これは、“天罰”だ」
55 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga]:2011/10/25(火) 22:39:38.14 ID:LTEwtcAAO
「ふははははは。今日もやってやる。正義の鉄槌をあいつら無能共に味あわせてやるぞ」
その日、仕込みが終わり、僕はセブンスミストの裏の路地から帰ろうとした。
後少しであの子に渡した爆弾が爆発するだろう。
「ホンットに愉快だ。また街で躍起になって犯人を捜すあいつらを見るのは」
「あはははははははは!!!」
――ズガンッ!!!!!!
ん?
何だ?
僕の能力が発動するまでまだしばらくの時間がかかるぞ?
「ご機嫌よう」
後ろか?
「ご機嫌よう」
「随分と機嫌が良いんだな。お前」
子供?
小学生か?
というか風紀委員の腕章?
こいつ、風紀委員か?
「ああ。さいっこうだよ」
「そりゃそうだろうな。自分が仕掛けた爆弾で自分の憎い奴らが怪我をするんだもんな」
56 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/25(火) 22:48:43.94 ID:LTEwtcAAO
ん?少しおかしいぞ?
何故こいつは俺が犯人だと分かってるんだ?
「何か言ってみたらどうだ?」
それより……、爆発。
このガキの後ろの壁に何故こんな大穴が空いているんだ?
「言い返さないのか?」
「……、ああ、ごめんごめん。何の事を言ってるのかわからなかったよ。で、なんだって?あの風紀委員ばかり狙っている爆弾魔の犯人が僕だって?面白い事を言うね君は」
「ケケケ、違ったか?それはすまなかった。それじゃあ」
……何だ誘導尋問か。
やはり無能だコイツらは。
帰ったらチーズでも買ってコーラで祝杯だ。
「まったく、人を犯人呼ばわりなんて……。気をつけろよ」
さあ、帰ろう。
――ポキッ
ん?何だこの音?
骨が軋むような……?
ああ、そうか。
これは―――――
57 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/25(火) 23:05:19.39 ID:LTEwtcAAO
「何で爆弾魔が風紀委員ばかり狙ってるって知ってんだ?このヤロウ!」
「はがぁ!!」
対人兵器超躍弾《スーパーボール》。
雲仙冥利は力も頭も普通の大人以上のものを持っている。
しかし、まだ十歳のため、身体は小さく体力も少ない。
当然、リーチが短いのだ。
この超躍弾《スーパーボール》は、そのリーチを補うためのもの。
雲仙冥利がしたことは至極単純。
この超躍弾を、力いっぱい投げたのだ。
爆弾魔の背骨は軋み、あばら骨を一本、背からしっかりと持って行った。
「挽き肉にしてやるぜ!」
「うわぁ!!」
そして、世にも残酷なショーが開演。
「そらそらそらそらぁ!」
数々の超躍弾が、爆弾魔の顎、腕、足、全身を叩き潰す。
ゴリッ、メキッ、と悲痛な叫びと共に、奇妙なリズムで路地裏に鳴り響く。
「ケケケケケケ!つまらねえなあ!オイッ!」
58 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/25(火) 23:20:49.61 ID:LTEwtcAAO
「くそう!何でこんな子供にまで!」
顔をガードする。
雲仙冥利は地面に思い切り超躍弾を叩きつけると、それは、ゴミ箱の傘の先に当たり、不規則な回転をして爆弾魔のガードを弾いた。
「ひ……!」
雲仙冥利は一気に距離をつめジャンプ。
強烈な右ストレートを叩きこむと再度地面へ超躍弾を放った。
「こんなの……。普通じゃない!」
しかし、爆弾魔もさることながら、ポケットの中に入っていたスプーンを取り出すと、雲仙冥利に向かって投げつけた。
「ケケケ……。良くわかってんな。俺は異常《アブノーマル》だ」
超躍弾は乱反射する。
雲仙冥利の緻密な計算通りの軌道描きながら。
そして……。
「何で……!こんな……?」
超躍弾は爆発直前のスプーンの前方にぶつかり、しっかりと雲仙冥利の方向に弾いた。
「もう……。おしまいだな」
スプーンは、雲仙冥利の遥か後方で爆発する。
59 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/25(火) 23:35:49.05 ID:LTEwtcAAO
今日はここまでですm(_ _)m
読んで頂き、ありがとうございます。
こんな感じで文が下手なくせに一人称と神視点?を使って書いていこうと思います
これからもお願いしますm(_ _)m
60 :
名無しNIPPER
[sage]:2011/10/26(水) 06:14:42.99 ID:JHLcPq+AO
面白い
61 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga ]:2011/10/26(水) 21:47:12.75 ID:pgtXReJAO
「誰か……、助け……」
雲仙冥利の猛攻は止まない。
うずくまる爆弾魔に、蹴り、蹴り、蹴り。
「ケケケケケケ!」
「うげっ! うがぁ!」
あばらに爪先が刺さり、また足を引いて足で同じピストンを繰り返す。
それを見ると、まるで無邪気な小学生が新しい玩具で遊んでいるようだ。
「オラ! 抵抗しないのか!?」
雲仙冥利は、爆弾魔の胸ぐらを掴み、引き上げる。
「あん? 泣いてんのか?」
見ると、予想外に爆弾魔の顔は綺麗なままで、頬には涙がつたっていた。
「もう…………止めてくれよ……。俺が悪いのは分かってんだよ……」
「……………………」
雲仙冥利は面倒臭そうに次の言葉を待つ。
まさか安いお涙頂戴話を始めるのではないか、と思いながらも。
「俺が……、弱かったんだ。自分が……、弱かったから虐められたのに……、風紀委員に逆上して……。自分を助けてくれない風紀委員に逆上して……」
爆弾魔は、泣きながら話す。
その哀感を帯びた顔は涙でみっともなく汚れていた。
62 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga]:2011/10/26(水) 21:48:06.06 ID:pgtXReJAO
「本当に……、すいません。……ちゃんと罰は受けます。償いも……、出来る限りします」
それは心からの謝罪に見えた。
謝罪した後、爆弾魔は涙と鼻水を服の袖で拭う。
「………………」
それを、無言で見ている。
雲仙冥利は、仕方ないといったように手を差しのべた。
「……、ほら、掴まれよ」
ニッと笑い、雲仙冥利は爆弾魔の手を掴む。
「ああ、ありひゃとう……」
爆弾魔は口の中でも切ったのか、少し舌ったらずの喋り方になっていた。
「ああ…………、それじゃあ」
――刹那、雲仙冥利の足の裏が爆弾魔の顔面をしっかりととらえた。
ゴシャッと耳に悪い不快な音を響かせながら。
「ケッ! 今更テメエに罪を償ってまっとうに生きる資格なんかねーんだよ!」
再度、地獄のピストンが始められる。
「このオレに泣き落としなんか通じると思ってんのか! オレ様に見つかった時点で死刑確定なんだよ! 大人しく迅速に殺戮されてろ! ボケが!」
まだ強くなる蹴り。
薄い壁なら余裕でぶち破る事が出来る強力な蹴り。
その蹴りは、何度も何度も何度も何度も、爆弾魔の鼻っ柱に突き刺さる。
「哭け! 鳴け! 泣けよオラ!」
63 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/10/26(水) 21:56:44.31 ID:ya9HavmJ0
相変わらずの鬼だなww
64 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/26(水) 22:29:07.71 ID:pgtXReJAO
今日の投下は終わりです(*^o^*)
65 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
:2011/10/26(水) 22:51:47.54 ID:MqWbIgrno
清々しいくらいの外道っぷりだな
66 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2011/10/27(木) 00:35:18.34 ID:g0TvMteAO
初期ならともかく現在のジャンプの雲仙さんはここまで外道じゃないだろ
67 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2011/10/27(木) 05:06:45.62 ID:OCnrJj7AO
>>66
なにを根拠にry
漫画のキャラと昔からの知り合いだとでも言うのか
68 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2011/10/27(木) 18:35:27.63 ID:g0TvMteAO
>>67
お前は何を略したの?
69 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中国地方)
[sage]:2011/10/27(木) 20:30:10.04 ID:AZuZpDG/0
あー……揚げ足取るみたいですいませんが、壁をぶち抜いたのは炸裂弾『灰かぶり』ですよ
第18箱で「一個ありゃ老朽化した壁くらい〜」ってセリフがありましたし
70 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/27(木) 20:36:43.01 ID:e/g2qEhAO
>>69
あれ?その他にも雲仙が壁をぶち破るシーンなかったですかね?
間違ってましたか
ご指摘ありがとうございます
次の更新はもう少しです
71 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga ]:2011/10/27(木) 21:53:35.20 ID:e/g2qEhAO
笑いながら、雲仙は蹴る事を止めない。
爆弾魔はすでに、白目をむいて気絶しているようだ。
「………………?」
それからしばらくして雲仙は足を止めると、少し向こうに見えた黒い影を見る。
少し目を凝らして見る。
逆光で見えずらい。
――と、当然雲仙の視界には閃光が走り、その閃光は一直線に胸に飛んできた。
「……ッ!」
雲仙冥利は知っている。
この閃光の正体を。
「なにやってんのアンタは!」
茶髪のショートカット、クリーム色のブラウスに黒いスカート、学園都市序列第三位の超電磁砲《レールガン》、御坂御琴だ。
雲仙は数メートル吹っ飛ばされた後、何事もなかったかのように立ち上がり、御坂を見た。
「ご機嫌よう第三位。……初春は無事か?」
そして、涼しい顔で、口を開いた。
「アンタが心配する事じゃないわよ。……なんでそこまで痛め付ける必要があったのよ」
「ケケケ……、素直に謝れば許してたかもな」
「どういう意味?」
御坂御琴は怪訝な顔をし、雲仙冥利は愉快に笑う。
「これだよ」
雲仙は爆弾魔の口の中に手を突っ込んで血に染まった赤黒い塊を取り出した。
「こいつが何か分かるか? アルミホイルだよ」
72 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
:2011/10/27(木) 22:02:07.03 ID:e/g2qEhAO
痛恨のミス!
御坂御琴と御坂美琴を間違えた!
すいません
73 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/27(木) 22:05:05.89 ID:wfAbhzTDO
君は悪くない!
74 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
[sage]:2011/10/27(木) 22:12:08.83 ID:bmYOJNpao
幼女に爆弾持たせてテロやるような奴は
どんな目に遭わされても文句は言えないと思うんだ
美琴は一発殴っただけで済ませてたけど
75 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/27(木) 22:58:15.66 ID:e/g2qEhAO
「……それがなんだってのよ」
御琴は、既に自分の中でぼんやりと答えが出ているにもかかわらず、そう質問した。
「……、オレがコイツを痛め付けた時、コイツは泣いて謝った」
妖しく、そして怪しく、雲仙は笑った。
「その時な、見ちまった。涙を拭うフリをして、口にアルミホイルを仕込むのをよお」
涼しげな表情で淡々と続ける。
御坂は嫌な汗を背中に感じながらも、話をしっかりと聞いている。
「だから、潰した。」
手を左右に大きく開いて語る雲仙冥利のその姿は、さながら自分を弁明しようとする小さな子供のようであった。
76 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/27(木) 23:00:36.95 ID:e/g2qEhAO
今日の投下は終わりです
励ましの言葉や面白いや期待との書き込みはとても嬉しいです
ありがとうございますね
77 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)
[sage]:2011/10/28(金) 00:14:55.62 ID:fCUuuyLBo
めだかちゃんが生徒会メンバー助けたあとに吹奏楽部の部屋出る時に壁を蹴破ってたような気もせんでない
乙、面白いです
78 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/10/28(金) 02:41:31.31 ID:m3JWgcST0
「こんなプリティなお子様が軽くケットバシタだけで大穴が開いちまうなんて〜」って言ってるね。(単行本3巻より)音楽室の壁ぶち抜きに炸裂弾は関係なかった。
79 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/28(金) 21:42:35.04 ID:DlUvuaLAO
「……………………」
御坂美琴は、まだ納得出来ないといったように怪訝な表情をして押し黙る。
「……まあ、お前の言うことにも一理ある事にしよう」
雲仙はゆっくりと御坂に近づき、
「でもな」
そのまま横を通り過ぎる。
「小さな子供に爆弾持たせたまんま目標に近づかせて攻撃なんざ……」
そして、また御坂の後ろをグルリと回って、爆弾魔の方へ。
「人間のヤることじゃねーよな?」
御坂は痛いくらいに奥歯を噛みしめ、そして、雲仙冥利を真っ直ぐと見た。
「……だからって、そこまでやることないじゃない!」
突然の怒号。
しかし、雲仙冥利の心には一ミリも届いていない。
「……ケッ! 殺らなきゃこっちが殺られてたんだよ!」
計算通り。
「……じゃあ、気絶したところで何でやめなかったのよ。もう反撃出来ないわよね、ソイツ」
御坂は、怒りを押さえつけ口を開く。
「アンタ、ほかの学生達の安全を守るために風紀委員やってんのよね? それとも、ほかの学生に恐怖心を植え付けて行動を抑制しようと風紀委員やってんの?」
「……………………」
「……やっぱり。何も言い返せないのね」
「……………………」
80 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga]:2011/10/28(金) 21:49:55.16 ID:DlUvuaLAO
「ホンット情けないわアンタ。小さな子まで言い訳の材料に使って、最低ね」
ここまで言われてもなお、雲仙冥利は笑っていた。
なぜか。
その心にあるのは御坂と戦いたいという願望。
御坂が現れる事も、この発言も、全ては計算通り。
そして、正義感の強い御坂をその気にさせるには、自分が卑怯になるしかなかったのだ。
「ケッ! だからなんだってんだよ! どーでもいんだよそんなゴミクズがどうなろうとよー!」
雲仙冥利の“血の粛正”は、終わったのだ。
黒神めだかに完膚なきまでに負かされて。
しかし、雲仙冥利はどうしても過去の自分に決着をつける事が出来なかった。
あの極悪非道の雲仙冥利を、自分の中で払拭出来ないのだ。
この御坂美琴という女は、どこか黒神めだかに似ている。
初めて御坂を見た時に、そう思った。
何故だか分からないが、確かにそう感じた。
だから、雲仙は御坂美琴に勝てば、あるいはまた負かされれば、過去の自分を清算出来ると確信したのだ。
もう一度黒神めだか《御坂美琴》と勝負をして。
新しい自分を見つけ出すのだ。
そして――
「分からせたいなら力でこいよ! ド貧乳ヤロウ!」
81 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海・関東)
[sage]:2011/10/28(金) 22:10:44.39 ID:lHcGrlPAO
それ言っちゃ駄目だよ雲仙さん……
そりゃあなたの大好きなおっぱい枕はできそうにないけど
82 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/28(金) 22:13:43.79 ID:DlUvuaLAO
今日の投下は終わりです
やはり書きためて一度に投下した方が良いですか?
今回は一応あと一回投下出来る時間はありますがVS御坂美琴は少し書きためてから投下しようと思います
83 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2011/10/28(金) 23:17:37.81 ID:Ia+SFH4AO
御坂は貧乳というより中途半端な残念乳
84 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2011/10/29(土) 00:01:16.22 ID:4kTSeKRC0
乙
御坂vs雲仙さんですか
いいねいいね
85 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/10/29(土) 11:58:41.77 ID:av8jGHBDO
>>78
いや、その種明かしを後でやっただろ。なんでセリフをそのままの意味でしか捉えられないんだよ。
86 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[sage]:2011/10/29(土) 12:40:49.65 ID:z0C2VCHAO
乙
しかしどう考えてもめだかと美琴は似てないと思う
美琴は所謂正しくて悪を見逃せない人間、めだかは正し過ぎる化物だし、メンタルが全く違う
流石に二人を重ね合わせるのは無茶じゃね?
87 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2011/10/29(土) 17:17:33.41 ID:uLPOcvBAO
え?御坂って自販機壊したり無抵抗の人間に電撃放ったりしてるのに正しいの?
88 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2011/10/29(土) 17:18:24.27 ID:uLPOcvBAO
え?御坂って自販機壊したり無抵抗の人間に電撃放ったりしてるのに正しいの?
89 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2011/10/29(土) 17:21:11.25 ID:uLPOcvBAO
ごめん御坂よりも俺の存在の方が正しくなかったわ
90 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/29(土) 17:30:57.73 ID:lEMObcaAO
>>86
すいません
言い訳がましいですが二人が似ているところは主人公だという点です
作中で言えそうにないので言いました
生存報告&謝罪です
明日に今日の分と合わせて投下しますね
91 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
[sage]:2011/10/30(日) 23:45:24.74 ID:d+Z7Shhpo
まだ〜
日付け変わりそうなんだけど
92 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/31(月) 06:51:43.88 ID:JuvkeQ2AO
「喰らえオラ!」
ここで質問。
雲仙はなぜ爆弾魔を必要以上に痛め付けたのか。
答えは当然、アルミホイルを口に入れていたからだ。
隙あらば雲仙に反撃するために、口に武器《アルミ》を仕込んだのが見つかったからだ。
だから、自然に仕込むためにわざわざ涙を流してそれを拭ったし、その後で舌ったらずの喋り口調になっていたのだ。
では次の質問。
何故御坂美琴の足元には沢山のカラーボールが転がっているのか?
「ケケケケケケ!」
そのカラーボールは雲仙の所有物である炸裂弾、名称は灰かぶり《シンデレラ》。
老朽化した壁なら一個でも容易く破壊出来る高威力の“武器”だ。
「ッ!」
答えは、先程の何気ないパフォーマンスだ。
御坂美琴に自分の言い分を認めさせるための強調表現のように見えた、御坂の周りを歩くという行為。
既に勝負が始まる前から雲仙冥利は無数の“武器”を仕込んでいたのだ。
93 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga]:2011/10/31(月) 06:53:09.11 ID:JuvkeQ2AO
「おっと」
雲仙冥利はすぐさま自分が空けていたセブンスミストの穴に入ると、爆炎が自分に襲いかかってこないよう、退避した。
そして――
凄まじい爆音と共に爆発する灰かぶり《シンデレラ》。
雲仙がもう一度顔を出す頃には既に全てのカラーボールが爆発し終え、辺りは黒い粉塵に包まれていた。
「やったか? ……いや、そんな訳ねーだろ?」
上の方にチラリと目をやる。
「なあ!? 御坂美琴!」
そのまま黒いカーテンに向かって超躍弾《ストリングボール》を投げつけた。
「へえ。こんな視界の悪いところでも見えちゃうんだ?」
上方向に投げた超躍弾は、御坂の雷撃の槍によっていとも簡単に撃ち落とされる。
「ケッ! 相変わらずチート性能抜群じゃねーかよ」
御坂美琴は、磁力で壁に張り付き、上方に逃げて雲仙の攻撃を回避していた。
二人の武器がぶつかったところだけ粉塵が晴れ、二人の視線が重なり雲仙冥利は笑った。
「だが、テメエは見えてねーようだな」
94 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/31(月) 06:53:58.40 ID:JuvkeQ2AO
雲仙冥利は超躍弾を上方向に右手で一個弾き、地面にも超躍弾を弾いていた。
その超躍弾は地面で跳ね、黒い粉塵を突き破って御坂美琴の視野外から――
「おっと」
しかし、避けられた。
「……!」
「あらあら雲仙先輩。面食らってどうしたの……」
一個は、避けられた。
雲仙冥利は地面に“二個”超躍弾を放っていたのだ。
一個目は御坂美琴の顔の位置の誘導。
二個目が本命。
「あがッ!」
そして、二個目はしっかりと役目をはたして御坂美琴の頬に直撃した。
「アラアラ? どうしたの面食らって?? ミサカサーン?」
95 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/31(月) 06:55:05.44 ID:JuvkeQ2AO
「あ、アンタねぇ、女の子の顔に……」
「あ゛!? ワメくな蜘蛛女! 今すぐ撃ち落としてやるぜ!」
片手に超躍弾を四個ずつ構え、全てを一斉に左右の壁に投げつける。
黒煙を晴らしながら、超躍弾は雲仙冥利の計算通り、御坂美琴、ただ一人目掛けて跳ね回って行く。
しかし、その全ての軌道が読まれているのか、一つとして当たらない。
「…………!」
「何で当たらないんだ……って顔してるわね」
御坂美琴は一度地面に降りて、口を開く。
「超能力者はね、微弱な電磁波を身体から発してるの。まあ、その電磁波の領域を侵して進んでくるモノがあったら……」
したり顔で雲仙を見下ろす。
雲仙は黙ったまま御坂を睨み付ける。
「当然、何処から何がくるかってのが分かっちゃうわけよ」
96 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/31(月) 06:56:01.00 ID:JuvkeQ2AO
「で? どうするつもり?」
「何がだよ?」
「アンタのご自慢の玩具の爆竹も、スーパーボールも当たらないんじゃどうしようもないじゃない?」
「ケッ! やかましい!」
「ッ!」
雲仙は突然飛び出すと、御坂目掛けてダッシュした。
御坂はそれに対し、電撃をを飛ばす。
「遅いぜ!」
頬に紙一重で避け、そのまま直進すると、御坂は演算を開始。
(痛いのが来るか……?)
「遅いのはアンタよ!」
確かに雲仙冥利は遅かった。
小学低学年程の体格に、普通の衣類とは比にならない程重い、風紀委員特服白虎《スノーホワイト》。
速く走れるわけがない。
それでも雲仙は力一杯進む。
「次に何がくるかってのが分かりゃ、避けれないってわけではねーぜ!」
御坂は前方の狭い範囲にに厚い雷を落とす。
普通に直進していれば、直撃だろう。
しかし、雲仙冥利は避けた。
寸でのところで短いステップを入れて。
97 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/31(月) 06:57:31.15 ID:JuvkeQ2AO
「くっ!」
雲仙は無理に避けて、体勢を大きく崩しながらも体当たりをくらわした。
御坂はしっかりとガードするが、白虎《スノーホワイト》の重さと助走の勢いで上乗せされた衝撃では立っていられる筈もなく、一、二メートル吹っ飛ばされた。
仰向けになった御坂に雲仙冥利は告げる。
「御坂美琴、見せてやるよ。オレ様の最後の“玩具”を」
雲仙冥利の最後の玩具。
「ッ! 何よこれ!」
それは、ワイヤー。
「鋼毛玉《ストリングボール》、“アリアドネ”。この白虎《スノーホワイト》を縫製している特殊な糸だ。一度使っちまったら巻き取れないから、最後の切り札ってわけ」
仰向けに寝た御坂美琴に対して、上から押さえつけるようにワイヤーが張り巡らされている。
98 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/31(月) 06:58:50.74 ID:JuvkeQ2AO
ケタケタと笑う雲仙冥利の顔は下卑た恍惚感で一杯になっている。
「ケケケケ。よう、レベル5さんよ?」
御坂美琴は打開策を考える。
周りのオプションでどう戦えばいいか。
「身動きもとれない女の子を見下すなんて気持ち良いったらねーな」
雲仙冥利は考える。
この御坂美琴にどうやって負けを認めさせるか。
「おい、御坂美琴。お前……、“努力の人”なんだって?」
(砂鉄! 砂鉄はないの!?)
「努力でレベル1からレベル5になりましたって……」
(ダメ! アスファルトじゃあ見つからない)
「違うだろ? 努力すれば伸びる“才能”があったんだろう?」
(………………見つけた!)
99 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/31(月) 06:59:44.79 ID:JuvkeQ2AO
「なあ! 才能の塊のレベル5さんよぉ!」
雲仙冥利は袖の中から一斉にカラーボールを取り出すと、それを全て突っ伏した御坂の周辺に転がす。
「間に合え……!」
「あん?」
そして、大爆発。
今度、雲仙は爆発に対して逃げも隠れもしなかった。
「ケホッ、ケホッ」
咳き込む雲仙は御坂をとらえていたところを見ている。
黒い粉塵で何も見えない。
――次の瞬間。
「ッ!」
モクモクと立ち込める黒い粉塵を切り裂いて、一筋の雷撃の槍が雲仙の胸に直撃した。
「……残念だったわね」
100 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中国地方)
[sage]:2011/10/31(月) 18:51:28.79 ID:x7WoaM7E0
>努力すれば伸びる“才能”があった
そうなんだよなあ……学園都市の高能力者、特にレベル5に関しては
事実、御坂が科学者たちに騙されたのって彼女がレベル5になる【前】だったし
101 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
:2011/10/31(月) 19:07:30.83 ID:Nh3NtJx+o
22巻の浜面のパラメーターリストだっけ?
あれ見たあとだとスキルアウトが可哀想すぎる…
102 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2011/10/31(月) 21:54:44.39 ID:B0I+CCQAO
散々周囲に努力しろ努力しろって言ってた御坂にアレ見せてやりたい
103 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga]:2011/10/31(月) 23:12:53.16 ID:JuvkeQ2AO
「ッ……、がぁ!」
悶絶。
(白虎越しでこの威力……、超電磁砲《レールガン》か!?)
「くそっ! 当たりどころが悪かったぜ……」
そう吐き捨てると、フラフラとゆっくり立ち上がる。
そして、雲仙冥利はみぞおちを押さえて呼吸をととのえようとする。
「アンタ、随分勝手なこと言ってくれたじゃない? まるで私の努力が大したことなかったみたいに?」
「ケッ、クソが!」
雲仙冥利はだめ押しの超躍弾を弾く。
しかし、御坂には簡単に撃ち落とされる。
「ハァ……ハァ……。どうやって抜けやがった……?」
「いやぁ、砂鉄がね、ここって一辺アンタが炸裂弾ぶちまけたとこでしょ?」
下に目をやる雲仙。
そこはアスファルトがはがれていて、茶色い土が顔を覗かせていた。
「ほら、コレ」
御坂は人差し指をたて、その先端に目をやる。
見ると、黒い塊がうようよと姿形を変えていた。
「いやー。さすが雲仙先輩の玩具ね。切るのに結構時間が掛かったわ」
104 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/31(月) 23:36:17.91 ID:JuvkeQ2AO
「で? まだやるの?」
それは敗北者に投げかける言葉だった。
御坂の最後の挑発。
「ケケケケケケ。終わらせたいなら、オレをコロスコトだな」
御坂はコインを構えて雲仙冥利に狙いをつける。
(ケッ、だからイラつくんだよ……。キラキラしやがって……)
「イタチの最後っ屁だ! テメエの慢心、打ち砕いてやるぜ!」
雲仙冥利は力一杯超躍弾を握りしめる。
そして――
二人の最後の一撃。
雲仙は全力のアンダースローで。
御坂はコインを弾き、その異名の由来となった技、超電磁砲《レールガン》。
二つの技は同時に繰り出された。
(ドライブ回転!?)
(ケッ! 相討ちくらいにはモッテイカセテくれよ!)
二つの技はぶつかり、超躍弾はドライブ回転をさらに強め、御坂の胸に目掛けて飛んでいく。
一方超電磁砲は、超躍弾で少し軌道を変えながらも、雲仙冥利へ向かって突き進んで行く。
105 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/31(月) 23:48:33.99 ID:JuvkeQ2AO
――二人の技がヒットするのはほぼ同時だった。
雲仙冥利も御坂美琴も、互いの技が胸部にヒットし、互いに苦悶の表情を浮かべる。
ただ一つ、違う事は、御坂美琴の一撃は雲仙冥利の意識を刈り取り、雲仙冥利の一撃は御坂美琴に傷を負わせるだけだったという事だ。
「……ッ、………………」
薄れゆく意識の中見たものは、御坂が鋼毛玉《アリアドネ》の繊維を寄せ集めたのであろう、平べったい楕円の毛糸玉をクリーム色のブラウスから取り出しているところだった…………。
106 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/31(月) 23:52:19.65 ID:JuvkeQ2AO
今日の投下は終わりです
いやー……
俺の中で雲仙冥利は勝てない子のイメージしかないので……
勝てるイメージの出来ない敵にはどんどん負けていきますね(笑)
公式戦が近くなって練試が多くなるのでカキコミが遅くなりますがごめんなさい
107 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(山陽)
[saga sage]:2011/10/31(月) 23:55:14.17 ID:JuvkeQ2AO
>>91
昨日は練試が9時近くまであり疲れて寝てしまいました
重ねてお詫びします
すいませんしたー!
108 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海・関東)
[sage]:2011/11/01(火) 00:03:46.27 ID:YvcagbxAO
乙乙
雲仙先輩がかませ安定すぎる
109 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]:2011/11/01(火) 00:14:14.26 ID:PnSdjqSz0
面白かったぞ、乙。
110 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/01(火) 15:38:54.08 ID:TkjfHSmIO
いくら犯人ボコボコにして挑発されたからって超電磁砲2発も喰らわすとかマジキチww
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111 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(山陽)
[saga sage]:2011/11/01(火) 15:56:43.80 ID:1SZGRGJAO
「 regretfully “また”負けたの?」
無表情のまま、布束砥信は口を開く。
「ああ。………………アレ? 謝った方が良いのか?」
「 needless 別にその必要はないわね。なぜ?」
「いや、さっきの沈黙が……」
ここは布束砥信の部屋。
「……、ああ、ごめんなさい。で? 本気で戦ってみて超電磁砲《レールガン》は強かった?」
二人はベッドの上で、仰向けに寝ている。
「ああ。面倒なくらいに、強かったぜ……」
寝ていると言っても、雲仙冥利は布束砥信のたわわな実りを枕にして、布束の上にちょこんとおさまっているのだが。
布束は相変わらず無表情で、雲仙冥利の頭を撫でたり、頬を引っ張ってみたりと、完全に玩具にしている。
今回、布束は雲仙の敬語をある程度許容している。
それは雲仙の傷心を察しての事であり、この静かな時にそれを注意するのは、少々無粋だと思ったからである。
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112 :
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[sage]:2011/11/01(火) 20:34:57.83 ID:g/MTfobDO
おっぱい枕が脳内再生余裕過ぎる
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113 :
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(山陽)
[saga]:2011/11/01(火) 20:40:45.73 ID:1SZGRGJAO
「それにしても……」
一度雲仙をベッドに座らせて、向き合ってまじまじと顔を見る。
「随分こっぴどくやられたわね……。火傷に、青アザ……、今日の傷は特に痛々しいわね」
「ケッ、砥信先輩が心配することじゃねえさ。こんなの、痛くも痒くも……」
上着を脱がせると、雲仙冥利の歳相応の上半身が姿を現した。
胸部には、丸い青アザが二つあった。
布束は、雲仙の胸の部分にある青アザの内の一つを押さえてみる。
「………………!」
雲仙の表情は笑ったまま固まってしまった。
「 consider 思ったとおりね。私はあなたの監視、監督を命じられているのだから、あまり怪我等をしてもらっては困るのだけど…………」
「……ああ。分かってるよ」
「本当ね? 後少しであばら骨が折れていたのよ?」
「分かった。ワーカッタ」
「 desirable あまり、私を心配させないでね」
「…………………………」
「それじゃ、おやすみなさい」
照明のリモコンを取り、電気を消す。
そうして雲仙冥利と布束砥信は、ベッドに寝転がり、そのまま眠りについた。
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114 :
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(中国地方)
[sage]:2011/11/01(火) 21:08:20.52 ID:QIzusjzh0
火傷に青痣、アバラ骨も折れる寸前とか……御坂ェ……
『恐怖心を植え付けて行動を抑制』だのどの口が言うよ、どの口が……
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115 :
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(山陽)
[saga]:2011/11/01(火) 22:27:54.25 ID:1SZGRGJAO
今日の投下は終わりです
皆さん読んでくれてありがとうございます
ちなみに皆さんは幻想御手編→姉妹編が良いですか?
それとも幻想御手編→乱雑解放編→姉妹編が良いですか?
それともよく分からないオリジナルストーリー→姉妹編が良いですか?
レスが多いルートで行かせて頂きます
ただバーストや木原クリスティーネ等の大型の敵のせいで雲仙冥利様が空気になりかねませんが……
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116 :
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(東海・関東)
[sage]:2011/11/01(火) 22:49:49.92 ID:4bCCcjMAO
幻想御手編→乱雑解放編→姉妹編を期待
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117 :
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[sage]:2011/11/01(火) 22:57:00.23 ID:ky1Eo/kpo
せっかくだからオリジナルみたいな
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118 :
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[sage saga]:2011/11/01(火) 23:07:05.56 ID:PnSdjqSz0
折角だから、禁書キャラを微妙に見え隠れさせるってのはどうだい?
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119 :
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(関西・北陸)
[sage]:2011/11/01(火) 23:10:44.66 ID:dMg00l2AO
雲仙さんが御坂をボコしてくれるならなんでも良いよ
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120 :
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(不明なsoftbank)
[sage]:2011/11/02(水) 00:36:22.06 ID:ytRakvCe0
ただの美琴アンチっぽい人は見ない方がいいんじゃない
個人的にはオリジナルが読みたいな
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121 :
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(山陽)
[saga sage]:2011/11/02(水) 21:11:32.97 ID:ZsTExQgAO
「それで……。君は、それが出きるのか?」
とある研究所。
白髪の少年と、茶髪のウェーブのかかった髪に、大きなクマが目立つ女性が二人で並んでモニターを前に立っている。
「ケケケケケケ。オレ様を誰だと思ってやがる。元十三組の十三人《サーティーンパーティー》、雲仙冥利様だぞ?」
「まあ……、何でもいいが……。それで、成功報酬は何か希望があるか
?」
「それじゃあ、枕をお願いするぜ」
「ほう……。枕なんかで良いのか?」
「ああ。まあ、この話は後にしようか。ケケケ……」
「それじゃあ、協力してくれ。期待しているぞ」
122 :
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(山陽)
[saga sage]:2011/11/02(水) 21:16:41.78 ID:ZsTExQgAO
すいません明日試合なんで今日はここまでです
短くてすいません
オリジナルストーリー、敵は垣根や絹旗、味方は高千穂や上条になる予定です
123 :
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[sage]:2011/11/03(木) 14:57:49.03 ID:JMYSR1RIO
高千穂仕種か!楽しみ
124 :
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(山陽)
[saga]:2011/11/03(木) 22:06:44.94 ID:x5IJdRkAO
昼下がり。
とあるファミレス。
四人の女の子達は一つのテーブルを占拠ていた。
「サバ缶の水炊き……! ふむ……、新しい出会いかもしれない訳よ」
透明な液体(おそらく水)にプカプカと浮いている罰ゲームでも食べたくないサバを、フォークで刺して口に運ぶ。
「ふむふむ……。結局カレーがね、カレーにいきつく訳よ。まあ、コレも悪くはないわね」
黒いベレー帽のような帽子をかぶり、黒いプリーツスカート、紺のセーターを着た金髪碧眼の少女がそう言った。
「フレンダ……。あんた味覚大丈夫?」
「な! 麦野も食べてみてよ! 悪くないはず! いや、むしろ気に入るかもしれない!」
フレンダ。
そう呼ばれた金髪碧眼の少女は、麦野と呼ばれた女性にムキになって、その奇妙な缶詰めをすすめる。
「ちょっとフレンダ。麦野が露骨に超嫌な顔してますよ」
「なによ絹旗まで! 結局この四人の中に私の味方は滝壺だけな訳よ」
125 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(山陽)
[saga sage]:2011/11/03(木) 22:28:15.98 ID:x5IJdRkAO
見た目十二歳程度の少女が絹旗最愛。
明後日の方向を見ているピンクのジャージを着た女性は滝壺理后。
「ねー滝壺」
フォークにさした透明な液体を周りにはべらせたサバを、フレンダは滝壺の口元に持って行く。
「……………………」
絹旗と麦野は、それを息をのんで見ている。
「……はむ」
滝壺はその未元物質《ダークマター》を口に入れると、表情を変えずに口をモゴモゴと動かした。
特に何を食べたというわけではなく、ただ口元に運ばれたから口に入れた、という感じだ。
「………………ふぐ!」
次の瞬間滝壺の目は見開かれ、口元に手を当てて小さな声で唸り始めた。
「なっ! そんなに!?」
「うわぁエグい。あんなに静かだった滝壺さんをここまで乱れさせるなんて。やっぱりフレンダは超味覚音痴ですね」
126 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(山陽)
[saga sage]:2011/11/03(木) 22:44:01.90 ID:x5IJdRkAO
今日の投下は終わりです
皆さん気づいてるかもしれませんが、僕は布束大好きです
127 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(長屋)
:2011/11/03(木) 22:48:37.39 ID:fG270gnko
>>126
乙!!
やはり布束好きか…
布束をこんなに出したssはみたことなかったから新鮮だ
128 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/04(金) 10:34:33.70 ID:lfje3zhIO
僕も布束好きです!
129 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(山陽)
[saga]:2011/11/04(金) 20:16:34.62 ID:xJoexIDAO
「……………………」
「ぅぅぅぅぅぅぅ……」
フレンダは唸って苦しそうな滝壺を見てから、もう一度絹旗に向き直る。
「食え」
「やです」
「食べてみなさい」
「超嫌です」
せめぎ合い。
目線が火花を散らしながら、二人は拳をかたく握りしめる。
戦士が拳を握って向かい合ってすることはただ一つだろう。
「私が勝ったら焼き肉奢ってくださいね」
「じゃあ私が勝ったらこの水炊きサバ缶を今ここで完食してもらうって訳よ」
そして、同時に拳を振り上げる。
それは竜虎相打つというように緊迫し、空気を固めて周りに息つく暇も与えない。
そしてついに麦野は食べていたシャケ弁の主役のシャケにさしかかり、滝壺はついに机に突っ伏してしまった。
お腹をおさえている。
「絶対に奢らせてあげます」
「にゃははは。結局、負ける気がしないって訳よ」
今!
しょうもない勝負のひぶたが切っておとされる!
130 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(山陽)
[saga sage]:2011/11/04(金) 20:31:03.38 ID:xJoexIDAO
「最初はグー」
「じゃんけん……」
時が止まったようだった。
二人を中心に世界が回っているようで、とても心地がよい。
「ぽん!」
そして――
勝負に決着がついた。
絹旗は、握りしめた拳の指を全て開いた。
対してフレンダ。
開いた指は二本。
「にゃははは! 結局、強い奴は勝っちゃう訳よ!」
「ッ! フレンダのくせに……」
「さあ食えすぐ食え完食しろー!」
意気揚々とフレンダは水炊きサバ缶を絹旗に押しつける。
「麦野ー……」
絹旗は麦野にヘルプを出す。
と、思い出したように麦野は口を開いた。
「そうそう。仕事がきてたのよね」
“仕事”。
この言葉の意味は、学生のやるアルバイトやお手伝いとは訳が違う。
「あのね、一人消すだけの簡単な仕事なんだけど……」
131 :
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(山陽)
[saga sage]:2011/11/04(金) 20:54:21.37 ID:xJoexIDAO
二人は動きはピタリと止め、麦野の顔を向いて話をしっかりと聞く。
「ターゲットは木山春生。幻想御手《レベルアッパー》って知ってるかしら?」
「あの巷を騒がせている、手に入れると超簡単に能力のレベルが上がるっていうあれですか?」
絹旗は眉をしかめ、麦野に問うと、フレンダを制止して大人しく座らせた。
「そうそう。それそれ。分かってるなら早いじゃない」
「でも、あれって実在するの麦野?」
「まあ、ね。音楽なんだけど、聴いたら脳に他人の脳波が流れ込むってやつ。……だったと思う」
「それで何で能力が強くなるんですか?」
「複数人でやると他人同士で脳をリンクさせて、演算がスムーズになるからよ。で、その問題の幻想御手《レベルアッパー》、ばらまいたのは木山春生。この騒ぎの主犯格ね」
「で、何でその件の主犯格を私達“アイテム”が掃除しなきゃいけないんですか」
怪訝な顔をして、絹旗はコップに入っているメロンソーダをちびっと飲んだ。
「もう、質問ばっかりね。後で資料送っとくから目を通しておいて。それと、この仕事は無能力の科学者一人消すだけだから絹旗、アンタが行きなさい」
「ええー! 何でですかー!?」
「さっきフレンダにじゃんけんで負けたでしょ?」
132 :
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(山陽)
[saga sage]:2011/11/04(金) 22:35:40.06 ID:xJoexIDAO
「フレンダ! もう一度じゃんけんです! せめて今回の“仕事”はもう一度じゃんけんしましょう!」
「にゃははは。やなこった。絹旗はサバ缶食べて“お仕事”頑張ってね」
突然大きな音が二人の近くで鳴る。
見ると、騒ぐ二人を黙らせるように、テーブルの上に手を置いた麦野が。
顔には少しの恍惚感が帯びている。
「きーぬーはーたー?」
「な、なんですか麦野……?」
「その美味しそうなサバを食べて、」
麦野の背後からは言いようもない“威圧感”が溢れ出てくる。
「ささっさと木山春生を始末してこい」
その威圧感に圧倒され、“拒否する”という選択肢を絹旗は選べなくなった。
そして、口に運ぶ。
サバ缶を。
「……おぇ゛。なんですかコレ? 美味い不味いよりも、“超くさい”です。ホントに、吐きそう」
口元を手でおさえ言う絹旗に、ムキになったフレンダは口を荒げる。
「ムキー! 絶対美味しいはず! もう一個。もう一個食べればきっと美味しく感じる訳よ!」
133 :
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(山陽)
[saga sage]:2011/11/04(金) 22:57:21.61 ID:xJoexIDAO
「そりゃないわ。どう考えても、フレンダの味覚がおかしい」
そこで口を挟んだのは麦野だった。
「だって麦野……」
「ん? まだ何かあるの? フレンダ」
さらに、フレンダの発言を許さない。
「いや……」
「ないわね。じゃあ絹旗、期待してるわよ。資料は携帯に送っとくから」
そして絹旗はダルそうに返事をすると、席を立つ。
「ぅぅぅぅぅぅぅ…………。胃薬、欲しい」
「滝壺さん、まだ唸ってたんですか!?」
「破壊力抜群ねコレ……」
「結局、このサバ缶は誰からも受け入れられなかった可哀想なサバ缶って訳よ」
絹旗は嘆息をつき、足早にファミレスを出ていった。
134 :
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(山陽)
[saga sage]:2011/11/04(金) 22:58:26.63 ID:xJoexIDAO
今日の投下は終わりです
135 :
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(関西・北陸)
[sage]:2011/11/05(土) 09:42:08.76 ID:imgOv3jAO
鯖の水煮は調理すればなかなか美味い
136 :
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(山陽)
[saga]:2011/11/05(土) 21:49:54.24 ID:yFpoKWbAO
「それにしても……、妙ですね」
第七学区の路地裏。
彼女、絹旗最愛はクレープを片手に一人物思いにふけっていた。
絹旗最愛、フレンダ、麦野沈利、滝壺理后の四人は一つの組織でありその名前は“アイテム”。
仕事は主に、学園都市の公にできない問題をあらゆる手を使い秘密裏に解決する事だ。
あらゆる手、つまり“武力”なのだが……。
なので当然、“アイテム”には高能力者が多い。
絹旗最愛もその一人だ。
(なぜ私一人なのでしょう……? 麦野にいきなり二つ同時に“仕事”がきたのでしょうか?)
そんなことを考えていたせいか、絹旗は前方にいる人影に気がつかなかった。
気づいた頃には、手に持っていたクレープをその人のTシャツに擦り付けていた。
「あ、すいません……」
137 :
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(山陽)
[saga]:2011/11/06(日) 20:46:50.75 ID:Zx2mcEhAO
「アァ!? テメエ何処見て歩いてんだ!?」
絹旗がぶつかった相手は、“いかにも不良”な風貌で、急に怒鳴ってきた。
(超面倒そうなのに絡まれました……)
「だんまりきめこんでじゃねーぞオラ! ちょっとこっち来いや!」
そう言って、路地裏の中でも廃材や曲がり角でちょうど死角になっている場所に連れてこられた。
「どうしましょう。潰しましょうか……」
ボソッとつぶやく絹旗の声は不良には聞こえておらず、また口を開く。
「へへへ……。レベルアッパーでレベル3にレベルアップした俺の力を見せてやるぜ……」
こんな小さな女の子に何を本気で能力を使おうとしているのか、と疑問に思ったが、絹旗はただ黙っている。
138 :
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(山陽)
[saga sage]:2011/11/06(日) 22:54:40.42 ID:Zx2mcEhAO
今日の投下は終わりです
すいません
最近部活が忙しくて……
一回は投下出きるように頑張りますね
139 :
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(チベット自治区)
[sage]:2011/11/07(月) 00:49:14.76 ID:n9o6wsQW0
乙
アイテム登場か…
140 :
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(山陽)
[saga]:2011/11/08(火) 21:35:03.81 ID:XZkKvwFAO
「いくぜ! 俺の空力使い《エアロマスター》の力、見せてやる!」
男の背中からロケットのように風が吹き荒れ、加速。
拳を握りしめて絹旗に殴りかかろうとする。
「……な、なんですか!?」
――突然のことに、絹旗は狼狽した。
不良のパンチは虚しく空を切り、数十センチ上空に上がっている。
「う、うわ! なんだコリャ!?」
空力使い《エアロマスター》の能力は物体から空気を噴射させる等、大気操作系全般の能力者を指す。
男が数十センチ上空に上がるくらい、レベル3の空力使いには造作もないことだろう。
しかし、不良は浮かんでいるのではなく“浮かされている”ようだったのだ。
不良自身も、状況をつかめずにいた。
「だ……、誰ですか?」
「ハッ! 正義の味方だとでも言っとくわ」
褐色の肌に180センチはあろう長身、白衣の下からでも分かる筋肉質でコーンロウのヘアスタイル、その男が不良を片手でぶら下げていたのだ。
141 :
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(中国地方)
[sage]:2011/11/09(水) 02:01:22.55 ID:O0xl16Xa0
高千穂仕種!『棘毛布』の高千穂仕種じゃないか!
142 :
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(東海)
[sage]:2011/11/09(水) 20:22:25.63 ID:PqtIchUAO
高千穂先輩って貧乳派だろ
絹旗逃げてー!
143 :
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(山陽)
[saga]:2011/11/09(水) 22:07:58.80 ID:7j0FGWCAO
「な、なんなんだよテメエは……?」
「あれー? 言わなかったっけ? だから、正義の味方だって」
男は堅く結んだ手を離すと、不良は重力のとおりに地面に落下した。
「こんなに小さな女の子に手をあげるなんていただけねえ」
白衣の男は、そのままボクシングの構えのような体勢をとると怪しく笑い、
「成敗してやる!」
手の甲を不良に向けてチョイチョイと揺らして挑発した。
「ふざけんじゃねえ!」
すぐさま立ち上がった不良は先程と同じように加速して、拳を白衣の男にぶつけようとする。
しかし、白衣の男は避けるどころか不良に向かって行った。
「逃げるよお嬢さん」
そのまま綺麗に拳と不良を通り過ぎると、絹旗を抱き抱え、蜘蛛の子散らすように……、逃げた。
144 :
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(山陽)
[saga sage]:2011/11/09(水) 22:09:04.41 ID:7j0FGWCAO
不良は避けられ、反撃がくると思ったのか素早く後ろを見る。
その目にうつったのは既に少しばかり遠くの方を走っている大男の背中と、それに抱き抱えられている女の子の姿だった。
「な……」
取り残された不良は、何とも言えない脱力感に襲われただただ立ち尽くすしかなかった。
145 :
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(山陽)
[saga sage]:2011/11/09(水) 22:10:19.13 ID:7j0FGWCAO
今日の投下は終わりです
オリジナルは木山春生防衛戦みたいな感じになりそうですね
146 :
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(山陽)
[saga]:2011/11/11(金) 15:32:17.73 ID:08HljlLAO
「怪我はねーか?」
大男はそう言い、絹旗をなめ回すように見た。
「い、いや、おかげさまで大丈夫ですけど……」
「……? おっと、すまねえな」
疑問符を頭の上に浮かべる大男だが、ようやく気がついたのか、抱えていた絹旗最愛を地面に下ろした。
「いえ、助けていただいてありがとうございます」
ペコリと頭を下げてさっさと“仕事”に戻ろうと後ろを向く。
正直これ以上この筋肉隆々の大男一緒にいるのは立場的にも絹旗という人間的にも嫌であった。
と、突然腕を掴まれる。
何事かと思って顔だけ後ろに向けてみると
「なあ、ちょいとお茶しないか? 時間が余ってたらでいいぜ」
案の定、先程の大男がにやけ顔でこちらを見ていた。
「一応、恩人の頼みだし聞いといても損はねえはずだ」
(……どうしましょう。この人超怪しいですし……)
「どうしたの? 奢るよ? 飯」
(うーん。しかし、恩人の頼みを無下にするのも超気が引けますね。 ここはお言葉に甘えときましょうか)
こうしていとも簡単に食欲に負け、絹旗は無理矢理自分を納得させると大男の提案を承諾した。
147 :
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(チベット自治区)
[sage]:2011/11/12(土) 02:59:36.39 ID:lJKcrRcE0
あれ、ヒーロー登場かと思ったら三下っぽいことやり始めたぞ…
148 :
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(関東・甲信越)
[sage]:2011/11/12(土) 11:15:09.47 ID:Z6ADcMTAO
>>147
三下というかロリコンとみた
149 :
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(愛知県)
[sage]:2011/11/12(土) 11:35:30.66 ID:g9zw6vdxo
小さいほうがいいのは
150 :
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(東海)
[sage]:2011/11/13(日) 00:14:11.32 ID:I5WXgD/AO
何でも無いよりは有った方がいいだろ
無くていいのは女の胸くらいなもんだぜ
151 :
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(山陽)
[saga]:2011/11/13(日) 07:31:57.41 ID:sz4JLSnAO
学園都市第四学区。
ここは世界中の料理が堪能出来るという食品関連の施設が集中した学区だ。
おそらくそこで五本の指に入る程高価な洋食店。
そこに二人はいた。
絹旗は分厚くジューシーなステーキを目の前にして、目を輝かせている。
一方大男は何も注文せず、絹旗の向かい側に座って水をちびちび飲んでいる。
「何も頼まないんですか? えっと……」
「高千穂仕種だ。悪いが、変なとこで余分な栄養《モン》とるのもな」
「へー」
自分で聞いといて、絹旗は興味なさそうに相づちをうつと、早速ステーキにナイフを刺した。
高千穂仕種、そう名乗った男は絹旗が食べ始めると、本を開いて静かにそれを読み始めた。
152 :
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(山陽)
[saga]:2011/11/16(水) 05:26:05.72 ID:KASDyBAAO
その後、絹旗が食べ終わるまで高千穂仕種はずっと本に向き合って、黙読していた。
絹旗に高価なものを頼まれたから自分は何も頼めないのではなく、ただ単に食べたい物がなかったからである。
本をある程度読み進め、絹旗が食事を終えるのを見計らい閉じると、高千穂は口を開いた。
「そういやお嬢さん。まだ名前を教えてもらってなかったな」
「……絹旗最愛です」
絹旗は水を少し口に含み、上目遣いに高千穂を見た。
白衣など着てるが、その下から見える引き締まった体は格闘技でもやっている人間のようで、若干の緊張を絹旗にもたらす。
「少し質問していいか?」
「別に……、かまいませんが」
「俺はこの前学園都市に来たばかりで右も左もわからないんだがよ、“木山春生さん”って知ってるかい? 少し用があって捜してるんだが……」
153 :
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(山陽)
[saga]:2011/11/17(木) 22:02:28.93 ID:pxIXa3SAO
その発言を聞いた瞬間、ピクッと絹旗の眉が震えた。
「いいえ。知りません。その人がどうかしたんですか?」
「まあ、友達から伝言を頼まれててな」
したり顔の高千穂に、絹旗の心は訝る気持ちで一杯だった。
もしかするとこの人は同業者で、自分と同じ目的なのかもしれない。
それなら相手は戦闘のプロ。
空力使いの一撃を簡単に避けたのもうなずける。
しかし、もし本当にそうなら先程の一瞬の動揺も、見抜かれていたかもしれない。
そういったあくまで“かもしれない”という思慮が絹旗を緊張させた。
「ホントにか? 何処かの科学者らしいんだが……。名前も聞いたことない?」
ホントにか? とはどういう事だろう。
向こうはこちらのことを疑っているということなのか。
もういっそのこと事情を話して一緒に木山春生を狩りに行くか。
いや、向こうの目的は木山春生の護衛かもしれない。
散々悪い方向に考えた結果、絹旗は最悪の一言を発してしまうことになった。
154 :
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(山陽)
[saga sage]:2011/11/17(木) 22:09:25.07 ID:pxIXa3SAO
最近一日一回も更新出来なくてすいません
自己解釈ばかりですいません
これからもよろしくっす
155 :
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(チベット自治区)
[sage]:2011/11/18(金) 22:19:42.66 ID:qQ2fraUH0
あわてなくていいのよ
156 :
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(中国地方)
[sage]:2011/11/19(土) 00:13:58.46 ID:8Yh33abm0
気長に舞ってる
157 :
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(中国・四国)
:2011/12/04(日) 10:29:01.28 ID:ZycTUplAO
すいません
携帯がこのサイト自体に入れなくなりました
もうかけません
これは友達の携帯電話です
158 :
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[sage]:2011/12/04(日) 10:42:45.64 ID:7gRpDCgdo
どういうことなんだぜ?
159 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(中国地方)
[sage]:2011/12/04(日) 21:00:14.77 ID:Wvl+PBGZ0
何が起こった
160 :
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(中国・四国)
:2011/12/06(火) 21:06:18.48 ID:QRqBxKhAO
今度は母に借りてインしてます
何を基準にしてるのかわかりませんが有害(有害じゃないのも)サイトに入れなくなるフィルターがかかってるので入れなくなりました
今までははいれたのですがいきなり入れなくなりました
161 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage saga]:2011/12/08(木) 20:41:21.65 ID:gQ/MJKQg0
PCないのか…
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[ Aramaki★
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