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唯「あずにゃん図鑑ー?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/24(月) 23:22:40.76 ID:8iIoIozK0
和「そう、これが今日あんたを呼び出した訳よ」

唯「え、もしかしてコレくれるの!? さすがあずにゃん博士ー!」

和「あんたにはこれを持って全国を巡ってもらうわ」

和「全てで151匹のあずにゃん。調査してちょうだい」

唯「えー、面倒臭い……部屋でポテチ食べてゴロゴロしてる方がいいよぉ」

和「あんたねぇ、ニート一直線で危ういあんたの為に仕事を用意してあげたのよ?」

和「このままじゃ履歴書に何も書けないわ。悪いようにはしないから行ってきなさい。プチ旅行よ」

唯「うぐー……」

和「とりあえず、手持ちにあずにゃんが一匹もいないことには何も始まらない」

和「ここに3つのボールがあるからどれか一つ選んで持ってきなさいな」

唯「わぁ……ボールの中にちっちゃいあずにゃんがいるよ」
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寝こさん若返る @ 2024/05/11(土) 00:00:20.70 ID:FqiNtMfxo
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第五十九回.知ったことのない回26日17時 @ 2024/05/10(金) 09:18:01.97 ID:r6QKpuBn0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715300281/

ポケモンSS 安価とコンマで目指せポケモンマスター part13 @ 2024/05/09(木) 23:08:00.49 ID:0uP1dlMh0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1715263679/

今際の際際で踊りましょう @ 2024/05/09(木) 22:47:24.61 ID:wmUrmXhL0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1715262444/

誰かの体温と同じになりたかったんです @ 2024/05/09(木) 21:39:23.50 ID:3e68qZdU0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715258363/

A Day in the Life of Mika 1 @ 2024/05/09(木) 00:00:13.38 ID:/ef1g8CWO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715180413/

真神煉獄刹 @ 2024/05/08(水) 10:15:05.75 ID:3H4k6c/jo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715130904/

愛が一層メロウ @ 2024/05/08(水) 03:54:20.22 ID:g+5icL7To
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715108060/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/24(月) 23:30:33.30 ID:8iIoIozK0
唯「ねぇ、和ちゃん! この子は?」

和「それはエレキにゃんね。読んで文字の如く、電気を体に帯びているあずにゃんよ」

和「体がよくビクビク痙攣を起こしているのがわかるでしょう?」

エレキにゃん「んんっ……ぁー、っ……」ビクンビクン

唯「なんかえっちぃねぇ〜」

唯「じゃあじゃあこっちはー?」

和「そっちはカメにゃん。首を体の中にしまうことができるあずにゃんよ」

和「そんな様子が亀の様だからカメにゃん。捕食のときは首が限界まで伸びて不気味と言われてい
るわね」

カメにゃん「かめかめかめ…」グググ

唯「へぇー、最後のこれは?」

和「そっちのはあんたもよく知ってるあずにゃんでしょ。よく家の壁に張り付いてるヤモリにゃん
よ」

唯「ああ」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/10/24(月) 23:35:09.42 ID:8iIoIozK0
唯「なんかどれもイマイチ……」

和「そうかしら? この3匹は即戦力にもなるし、だいぶ愛嬌がある方だと思うんだけど」

唯「私、もっと可愛いあずにゃん知ってるもん!」

和「それって……あんたが昔見たっていうあずにゃんのこと?」

唯「うん! あれこそあずにゃんだよ」

和「唯、あんたから聞いた特徴をまとめてみたんだけどね。そのあずにゃんは」

和「あずにゃんの中のあずにゃんと呼ばれる、あずにゃんの始祖。ナカノアズサだと私は思うの」

唯「アズサ?」

和「そう、伝説のあずにゃんよ。ホント、奴が見れるだなんてあんたは運が良いわ」

唯「ナカノアズサかぁ……」

?「大変大変大変ー!」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/10/24(月) 23:40:12.53 ID:8iIoIozK0
憂「大変だよ、和ちゃんー!」

唯「あれ、憂?」

憂「お姉ちゃん! ここにいたの!?」

和「どうしたの憂? そんなに慌てて……」

憂「あ、うんっ、それが……」

ドーン!

ワーキャー

「!?」

唯「え、何の音!?」

和「外が想像しいわね……まさか!!」

タタタ…

唯「えぇ!? の、和ちゃんまでどうしたの!?」

憂「とにかく外が大変なの、お姉ちゃんっ」
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/10/24(月) 23:44:18.53 ID:8iIoIozK0
和「これはひどい……」

ガチャリ

唯「和ちゃん!」

和「ああ、唯……あれを見なさい」

唯「え……!?」

イナゴにゃんs「ブブブー!!」

「た、助けてくれぇ!! 俺の家が、俺の家がぁっ!」

「ワシの農作物を食い荒らさんでくれぇ〜!!」

イナゴにゃんs「キシシシシッ」

唯「和ちゃん……!」

和「図鑑を開いてみなさい、唯。奴らの詳細がそれで埋まるわ……」

『イナゴにゃん。害虫あずにゃん。ある時期になると突然住処周辺の町を襲い、建物や農作物を飽きるまで食いつくす』

唯「図鑑が喋ったー!?」
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/10/24(月) 23:52:59.70 ID:8iIoIozK0
和「私が作ったのだもの、喋らせるぐらい何て事はないわ」

和「それより、イナゴにゃん……いつからここら周辺に住みついていたのかしら。それにあの数はまずいわ!」

憂「このままじゃ町がボロボロになっちゃう……」

唯「ど、どうしよう……」

和「ほのおタイプのあずにゃんがいれば奴らを追い払うことができるわ。でも」

唯「いないの?」

和「……ええ、ここには」

唯「うへぇ……」

イナゴにゃん「キシッ、キシッ、キシィッ……キシッ」

イナゴにゃん「キシャー!!」バッ

憂「きゃあああぁぁぁ!?」

唯「憂!? 危ないっー!」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/10/25(火) 00:01:22.16 ID:hIBPn/l50
?「マグっち、かえんほうしゃ!」

マグマにゃん「マグニャンニャン!」ボォォ

イナゴにゃん「イギィッ!? イギャアアアアアアアアアアア、ア、ア、ウアアアアアアアア……」

ジュウウ…

憂「……え?」

唯「憂、憂ぃ! 大丈夫!?」

憂「う、うん。なんとか……それより、あれ」

?「マグっち、あっちの大群も1匹残らず焼き払うんだ」

マグマにゃん「マググ」

唯「あ、そうだ」パカッ

『マグマにゃん。灼熱あずにゃん。火山の底から生まれたドロドロの溶岩の様なあずにゃん。その
体から発生するガスは有毒』

和「驚いた、こんなタイミングであなたが現れるなんて」

和「助かったわ、澪」

澪「いや、無事でよかったよ。和」サ
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/10/25(火) 00:09:21.55 ID:hIBPn/l50
唯「和ちゃん、この人と知り合いなの?」

和「ええ。彼女は秋山澪、隣町の将来有望なあずにゃんトレーナーの1人よ。ね?」

澪「そんな紹介やめてくれ……照れる」

澪「話は聞いてるよ、平沢唯さんでしょ? あずにゃん図鑑を埋めるだなんて大役を任されたとか」

唯「え、あ、はい!」

澪「そんなに畏まらなくていいよ。私たち同い歳みたいだし、よろしくね」

唯「はぁぁ〜……!」パァ

唯(なんかこの子カッコいいよぉ!! 輝いてるー!)
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/10/25(火) 00:17:54.42 ID:hIBPn/l50
プス…プス…シュ〜

マグマにゃん「グ」

澪「あらかた片付いたな。よくやったぞ、マグっち」

和「ご苦労様。そしてどうもありがとう。町のみんなを代表してお礼を言うわ」

澪「大したことじゃないよ、それに放っておくわけにもいかないだろ」

唯「ううん! 大したことだよっ、憂のことも間一髪で助けてくれたんだし!」

憂「危ないところを……」

澪「ケガがなくてよかったよ。でも……」

澪「イナゴにゃんが人に襲いかかるなんて珍しいな、和」

和「そうね、どうも調べてみる必要があるみたい。そのためにも唯」

和「あんたには早くその図鑑を埋めてもらわなきゃね。まだまだあずにゃんは未知の生物なんだか
らわからないことだらけなの」

唯「で、でも……私なんかにそんな大変そうなことできるかなぁ……」

澪「弱音を吐く前にまずは行動してみよう? ね」

唯「澪ちゃぁん……」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/10/25(火) 00:25:20.23 ID:hIBPn/l50
唯「私、頑張ってみるよ! まだわからないことだらけだけど!」

和「そう言ってくれて安心したわ、唯」

憂「でもなんだか心配……1人で大丈夫?」

唯「だい……じょうぶかなぁ」

澪「それなら安心して。私がしばらくの間、旅のお供に着くよ」

和「澪!? あなた、いいの? あずにゃんマスターになるという夢もあるのに」

澪「なに、ジムは旅をしながら巡ることもできるし、それに全国を巡るなら私と平沢さんの目的は
だいたい同じ。そうだろ?」

唯「本当!? いいの!? 澪ちゃんっ」

澪「うん。よろしく、平沢さん」ス

唯「唯! 私のことは唯でいいよっ! 澪ちゃん!」ガシッ

澪「あ、ああ……唯……」

こうして、私の世界を巡る冒険は始まったのです。

151匹なんて大変な数も埋めなきゃだけど、心強いパートナーの澪ちゃんもいるし!


とりあえずがんばってみようかなって思いました!
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2011/10/25(火) 00:28:20.97 ID:hIBPn/l50
短いけど最初はこのくらいで
続きは明日にまたちょろっとって感じです

12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 19:16:44.00 ID:9jIEi6Nz0
1ばんどうろ


唯「〜♪」

澪「そんなにリュックに一杯。何詰めてきたんだ?」

唯「お菓子! ジュース! って感じかなぁ〜んふふぅ」

澪「はぁ……」

澪「いいか、唯。遠足気分なのはいいけどもう旅は始まったんだ」

澪「それなりの緊張感は持たないと!」

唯「でもだって、この辺ならしょっちゅう歩くよ? 隣町まで遊びに行くのに」

澪「まさか1人で?」

唯「うん!」

澪「そんな、野生のあずにゃんに襲われたりしなかったの!?」

唯「ん〜……草むらは避けて普通の道だけ歩いてたし、それに」

唯「私、昔からあんまし野生のあずにゃんに襲われないんだぁ。ていうかよくなつかれたりする方が多かったり〜」

澪「す、すごいな……そういうところを見て、和は唯に図鑑を託したのかもしれない」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 19:24:26.42 ID:9jIEi6Nz0
唯「ところで澪ちゃん。澪ちゃんはどうしてあずにゃんトレーナーになったの?」

澪「どうして……うーん、なんとなくって言ってしまえばそれで終わっちゃうんだけど」

澪「友達に影響を受けてというか、無理矢理誘われてというか……だな、うん」

唯「友達の影響?」

澪「そう。これがまた強引な奴でさ、人の話もよく聞かないし、勝手に1人で突っ走るし」

澪「今もそいつはあっちこっち1人でウロウロしてる」

唯「自由主義ってやつだねー」

澪「ああ、自由すぎる。バカなんだよ、あいつは」クス

ガサガサ…

澪「!」

澪「唯、そこから離れていろ……」

唯「へ?」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 19:33:42.19 ID:9jIEi6Nz0
?「ピキー!」

野生の???があらわれた!

唯「おっ」

澪「唯こんなときこその図鑑だろ」

『いもにゃん。でんぷんあずにゃん。あちらこちらに生息しているあずにゃんである。食料としても扱われ、万国共通で夕食のおかずにおいて人気が高い。目には微量の毒がある』

唯「いもにゃ〜ん! おいしそうだねぇ……」ジュルリ

澪「待て待て! そのまんま食べたらばっちい!」

澪「それに一応こいつは野生のあずにゃん。自分の身を守るために攻撃してくることもあるから注
意だぞ」

唯「え、この芋っころが? 知らなかった」

澪「ここは気づかないふりしてさっさと行こう」

唯「えー、美味しそうなのにぃ……」

バサバサバサッ

?「ギャオース!!!」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 19:36:51.14 ID:9jIEi6Nz0
澪「?……この鳴き声、まさか」

唯「澪ちゃん、あれ! 上だよ!」

?「ギャオーーーーースッッッ!!」ガブッ

いもにゃん「キピーィ!? アガッ…ビ、ギ……ィィギィ……」

ミチャ、ムグチ…グチャリ

唯「ぎゃーぎゃーぎゃー!? いもにゃん食べられたぁっ!?」

澪「うぷっ、惨い……そして、こいつは!」

『ハーピーにゃん。鳥人あずにゃん。少女の裸体をベースに鳥の体が合わさっている半身半鳥型の
あずにゃん。足にある鋭い爪でどんな鉱物も切り裂くぞ。主に人を攫って食べることがあり大変危
険』

唯「でもいもにゃん食べちゃったよ!」

澪「絶対の情報が詰まっているわけじゃないんだろ……驚いた、まさかあずにゃんを食べるだなん
てな」

澪「ていうか、こいつ! この辺に生息してるはずないのに……どうして」

唯「えぇっ」
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 19:43:19.70 ID:9jIEi6Nz0
ハーピーにゃん「ムチャッ、フグッ……ウップ」ギロッ

澪「気づかれた!」

ハーピーにゃん「ギャオオォォォス!」ガバァッ

唯「なんかヤバそうだよ、澪ちゃんっ」

澪「攻撃態勢を取ってる……どうも逃げられそうにないな」

澪「唯、ここでこいつを撃退する。ここで野放しにして近隣の人が襲われたら危険だ!」

澪「ゆけ、マグっち!」ブンッ

ポン!

マグマにゃん「マグニャンニャー!」ボボボ

唯「ボールからあずにゃんが出てきた!?」

澪「さっきのはにゃんにゃんボール。あれにいつもは手持ちのあずにゃんを入れているんだ」

澪「唯、危ないからさがっていて……マグっち、かえんほうしゃだ!」ズビシィ

唯(カッコいい〜!)
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 19:46:47.32 ID:9jIEi6Nz0
ハーピーにゃん「グエェッ! ギャオー!」ザクザクッ

マグマにゃん「キュウウ…!」

唯「な、なんかマグマにゃんヤバそう……」

澪「っ……あいつ強い……こうなったら!」サ

澪「えいっ、えいっ」ビシッビシッ

唯「澪ちゃん!? 石なんて当てたらこっちが狙われちゃうよ!」

澪「いい! むしろこっちに注意が向いてくれたときっ……その時に!」

ハーピーにゃん「クエエエェェェェェ!!!」バサッ

唯「うわわっ、言わんこっちゃない!」

澪「く……い、今だ! マグっち、大技で仕留める!」

マグマにゃん「マグゥ」

澪「ふんか だ!!」

マグマにゃん「マググゥ!」

ハーピーにゃん「グェッ!?」

ドカーン
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 19:50:38.36 ID:9jIEi6Nz0
ハーピーにゃん「」シュ〜…

澪「危ないところだった……まさかここまで苦戦するなんて」

唯「いつもあんなのが出てくるわけじゃないの?」

澪「あ、当たり前だろ……いつもあんなのじゃ、こっちの身が持たないよ……」

澪「マグっちもボロボロだ。早く町に行って回復させないと」

唯「そういえば、澪ちゃんはマグマにゃんに名前つけてるよね?」

澪「ん? ああ、ニックネームをつけると何だか愛着が沸くだろ? それに可愛い!」

澪「唯も自分のあずにゃんが手に入った時は名前をつけてみるといいよ」

唯「名前かぁー……うーむ」

澪「今から考えても仕方がないってば。……ん?」

唯「どうしたの?」

澪「倒したハーピーにゃんがもういないんだ……立てる体力だとは思えないんだけど」

唯「食べられちゃったりなんかしてんじゃないかなぁ? ほら、早く行こうよ!」

澪「あ、ああ。うん」

?「こいつはいいあずにゃんを捕まえたなぁ……ふふ」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 19:54:21.61 ID:9jIEi6Nz0
・・・

唯「わあぁ……見て見て! 澪ちゃんっ、人が一杯いるよ!」

澪「唯は何度も来てるんだろ? そんなのわかったことじゃないか」

唯「あはははっ、いやでもうちの田舎と違って活気があるからいつ来ても面白いなぁって!」

澪「ここよりももーっと活気がある町が海の向こうにはあるんだぞ。唯が見たら腰が抜けちゃうか
もなぁ」クス

唯「なんか旅が楽しみになってきたよ、私!」

澪「もう、始まってるんだけどな……ははは」

澪「とりあえずあずにゃんセンターに行かせてくれ。マグっちが心配だ」

唯「場所わかるの?」

澪「いや、ここ私の故郷だし知ってるに決まってるだろ」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 20:01:34.65 ID:9jIEi6Nz0
あずにゃんセンター


「ではお預かりしますねー。しばらくお待ちください」

唯「あの機械で回復するの?」

澪「ああ、科学の発展の賜物だな。傷ついたあずにゃんは死にさえしなければアレで全快なんだ」

澪「さ、まだ時間もかかるし少し町の中でもうろつこうか? 色々案内するよ」

唯「わーい」

スタスタスタ…

澪「あれがここでは美味しいってよく言われてるあずにゃん焼きのお店。それでそれで、あそこが
私のお気に入りのクレープがあるお店でなー!」

唯「食べ物ばっかしだね?」

澪「うっ……」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 20:05:34.73 ID:9jIEi6Nz0
唯「ねぇ、澪ちゃんはあずにゃんマスター目指して世界を回ってるんだよね?」

澪「ああ、そうだけど。どうして?」

唯「んーどうしてまた自分の町の近くまで戻って来たのかなって」

唯「まさかもう世界一周してきちゃったの!?」

澪「あはは、そんなバカな。ちょっと故郷が恋しくなっただけ」

唯「ホームシックってやつ?」

澪「ん……まぁ、そんなところ」

唯(本当かな?)

澪「あ、ほらあそこ」

唯「え?」

澪「あそこが1番目のあずにゃんジム。あそこがマスターへの道の始まりの場所なんだ」

唯「ほへー……でっかー……」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 20:09:01.08 ID:9jIEi6Nz0
澪「唯、これを見て」パカッ

唯「それは?」

澪「ジムリーダーに勝つことで貰えるバッジ。これは8つ集めることでチャンピオンロードってと
ころへ進むことができるんだ」

唯「へぇー……おお、4つもある」

澪「唯はこういう事にはあんまり興味ない?」

唯「そうだねぇ、んー」

唯「でも澪ちゃんがあずにゃんに指示して戦ってるのはすごくカッコよかった!」

澪「そ、そう……?」

唯「うん! なんていうか、言葉で言い表すのは難しいけど……憧れる!」

澪「そっか……なら、早く唯も自分のあずにゃんを手に入れなきゃだなっ」

唯「そういえばまだ持ってなかったんだっけ……!」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 20:14:08.82 ID:9jIEi6Nz0
澪「さてと、そろそろ戻ってもいいころかな……」

唯「マグっちお向かいに行かなきゃだねぇ」

ドン

唯「わ、わ、わったっ!?」

?「あっ、ごめんなさい!」

澪「ん……? お前」

澪「聡じゃないか!」

聡「澪姉、戻ってきてたの!?」

澪「ちょっと用事があってな」

唯「お知り合い?」

澪「ああ、さっき言ってた友達の弟」

聡「田井中聡です。よろしく」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 20:18:16.63 ID:9jIEi6Nz0
・・・

澪「へぇ、それじゃあ聡もあずにゃんマスターを目指してるのか」

聡「うん。でもまだ姉ちゃんや澪姉には敵わないよ」

唯「姉弟揃って同じ夢持ってるってすごいねぇ!」

聡「そうでもないですよ。あずにゃんマスターは全国共通みんなの夢ですもん」

唯「そうなの?」

澪「むしろ唯が知らなかったこと自体結構驚きだよ」

唯「へぇ……あずにゃんって奥が深かったんだねー……」

唯(私、あずにゃんの事なんにも知らなかった)

唯「あんまりにも身近だったから……って言い訳にならないかなぁ」

澪・聡「?」
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 20:26:47.81 ID:9jIEi6Nz0
唯「ところで聡くん。聡くんはバッジ持ってるの?」

聡「それが……まだ1つめのジムすら突破できなくて」

澪「聡、1番始めが肝心。私だって1回目だけじゃどうにもならなかったよ」

澪「初めのうちは……指示も上手く出せなくて、緊張して……目の前が真っ白で、お財布の中身が
半分になってて」

唯(よくわかんないけど、トレーナーって大変そう!)

聡「……でも、澪姉のあずにゃんは」

澪「ん?」

聡「そんじょそこらの奴より強いじゃん……俺のはどうせ」

澪「聡、それは」

聡「最初だからしょうがないって言うんだろ? 俺にもっと強いあずにゃんさえいれば……」

澪「……」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 20:27:17.32 ID:9jIEi6Nz0
「お待たせしましたー、みんな元気になりましたよ」

澪「ありがとうございます。マグっち、いい子にしてたかぁ?」ニコニコ

マグっち『マグマグ』

唯「ボールの中にいても会話できちゃうんだね」

澪「ああ。でもできれば外に出してあげてコミュニケーションをとってあげた方がいいんだけど
な」

澪「それより、聡……何か心配だ」

唯「何か悩んでたっていうか、なんというか、うーん……」

唯「あれ、そういえば聡くんどこいったの?」

澪「さぁ……? トイレかどこかかな」

唯「ところで私ジム見てみたいんだけど、ダメかな!?」

澪「それって図鑑を埋める為にってこと?」

唯「あ、」

澪「忘れてたんだな……でも、ジムには色んなあずにゃんがいるからな。図鑑を埋めるにはいいか
もしれない! 行ってみようか」

唯「よしっ」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 20:31:12.13 ID:9jIEi6Nz0
第1のジム


唯「ここがぁ……へぇ……」

澪「もしかして、意外と中は普通だって思ってる?」

唯「あ、ううんっ! そ、そんなことありませんよぉ〜……やだなぁ」

澪「大丈夫。私も初めのころはそう思ってたからな。でもバトルの中身は」

唯「あ、見て見て! あっちでバトルしてるー! すごぉい!」

澪(話、聞いてない……)

「いけー! いわにゃん!」

『いわにゃん。岩石あずにゃん。主な生息地は山であり、よく坂から転がってきて登山者を困らせ
る。ちなみに時々珍しい鉱物を体に身につけていることがあり、よく狩られる』

唯「岩のあずにゃんだよ! 澪ちゃん!」

澪「そうだな。そしてここのジムリーダーはいわタイプを主に使ってくるんだ」

澪「だからほのおタイプのマグっちを苦戦させちゃってなぁ……」

唯「すごいすごい! 体で相手のあずにゃん潰したー!!」

澪(だから……話、聞いてない……)
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 20:32:04.63 ID:9jIEi6Nz0
?「澪? 澪じゃないかぁ!」

唯「ほえ?」

澪「あ、どうも。久しぶり」

澪「唯、この人がここのジムリーダーの信代ちゃん」

信代「おーおー! 新しいチャレンジャー? ガッハッハッ」

唯(なんかごっつい!)

澪「いや、唯はまだあずにゃんを持ってないんだ。だから見学ってところかな」

信代「ふぅーん。お、その手に持ってるのが噂のあずにゃん図鑑?」

唯「え、あっ、はっ、はいっ!!」

信代「ガッハッハッ! そんなに緊張することないよ。いいさ、気が済むまでうちを見ていくといい
よ」

澪「信代ちゃん、ありがとう。唯、お言葉に甘え……」

唯「うほぉー……おほ〜!」ジロジロ

澪「甘えてるな、既に……」

信代「ガッハッハッ!」
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 20:33:23.57 ID:9jIEi6Nz0
唯「ふぃー」
澪「色々見過ぎて疲れたか?」
唯「ううん! まだまだ見ててもよかったぐらいだよー!」
唯「それにジムのあずにゃん覗くだけでこんなに図鑑が!」パカッ
澪「んー……でも、まだまだ151匹の道は遠いな」
唯「うっへぇ……」
澪「とりあえず今日はうちに泊まるといいよ」
唯「お泊り!? 澪ちゃんちで!? やったー!!」ピョンピョン
澪「じゃあ行こう」
ヒュー…
?「ケケェー!」ヒュー、パシッ
澪「!?」
唯「うわ、鳥のあずにゃん!?」
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 20:34:40.52 ID:9jIEi6Nz0
?「ケケェーッ」ヒュー…

唯「すごい近く飛んでったね、危ないなぁもう」

澪「大変だ、唯っ!!」ガシッ

唯「え!?」

澪「ささ、さっきのあずにゃんに私の荷物が盗られた!!」

唯「えぇー!?」

澪「しかも……あの中には私のあずにゃんたちが……あ、あ、あ」

唯「まずいよそれ!? どうしようっ、あの子もうあんなに遠くに飛んで行っちゃってる……」

澪「……う、ううっ」

唯「とりあえず! 警察に行ってなんとかしてもらおう? もしかしたら……」

澪「どう、かな……」

唯「澪ちゃん……」

澪「はぁ……」ガックシ
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2011/10/25(火) 20:36:09.29 ID:9jIEi6Nz0
?「ケケェーッ」ヒュー…

唯「すごい近く飛んでったね、危ないなぁもう」

澪「大変だ、唯っ!!」ガシッ

唯「え!?」

澪「ささ、さっきのあずにゃんに私の荷物が盗られた!!」

唯「えぇー!?」

澪「しかも……あの中には私のあずにゃんたちが……あ、あ、あ」

唯「まずいよそれ!? どうしようっ、あの子もうあんなに遠くに飛んで行っちゃってる……」

澪「……う、ううっ」

唯「とりあえず! 警察に行ってなんとかしてもらおう? もしかしたら……」

澪「どう、かな……」

唯「澪ちゃん……」

澪「はぁ……」ガックシ
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2011/10/26(水) 08:53:28.03 ID:Vq06V05+o
捕まえやすいマタタビボールがあるんですね
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2011/10/26(水) 09:32:22.99 ID:/tpGHcQ4o
意外と殺伐としてるな
期待
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/26(水) 21:42:45.32 ID:wPfo+Kwi0
澪の家


澪母「突然帰って来たと思ったら」

澪「……」

澪母「こんなに沈んで帰って来て、どうしちゃったの?」

唯「え、えっと、これには深いワケがありましてね……えっと」

澪母「……まぁ、せっかくだからゆっくりしていってね。お風呂、沸いてるわよ」

澪「唯、入っていいぞ」

唯「え、でも」

澪「お先にどうぞ……」

唯「あ、はい……」

唯(うぅ、澪ちゃん……何とかしてあげたいよ……)

唯(あ、そうだ!)
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/26(水) 21:50:25.10 ID:wPfo+Kwi0
町の外


唯「うーん」

唯「やっぱりこんなに暗くなってからじゃ、あのあずにゃん探すのも骨が折れそう……」

唯「でも澪ちゃんの為にも何とかマグっちを助けてあげなきゃ」

バサバサバサッ、ヒソヒソ…

唯(ん?)

?「まったく、いつまで飛び回っているつもりだったんだお前」

?「とりあえずご苦労様だよ。クックにゃん」

クックにゃん「ケケー」

『クックにゃん。鶏あずにゃん。鶏と酷似しているが、本来のそれと違って大空を飛び回ることが
できる。クックにゃんが生む卵は珍味とされ、お摘みに最適』

?「!」

?「誰だ!?」

唯「うわっ、ごめんなさい!」

唯「ってアレ……?」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 21:56:31.45 ID:wPfo+Kwi0
唯「君って、もしかして聡くん?」

聡「あなたはさっきの」

クックにゃん「ケケー!」

唯「あ、その鳴き声! 澪ちゃんの荷物泥棒!」

聡「な……何を」

唯「ていうかそのバッグって澪ちゃんのだよね?」

聡「……」

唯「もしかしてその泥棒あずにゃんを聡くんが捕まえてくれたの!?」

聡「……え、あ……え?」

唯「ありがとぉ〜っ!! すっごく困ってたんだよ! 助かるよぉー!」ガシッ

聡「いや、あの……どうしてそういうことに……」

聡「はぁ」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 22:03:59.47 ID:wPfo+Kwi0
唯「えぇー!?」

唯「ってことはそのあずにゃんは聡くんのあずにゃんで」

唯「澪ちゃんの荷物、盗ませちゃったってこと!?」

聡「ええ」

唯「あれ、でもそんなこと正直に話してくれていいの?」

聡「いやぁなんか、こっちが恥ずかしかったんで」

唯「むー……なんかバカにされてる気がするよ……」

聡「ていうことで唯さん」

聡「この事は俺とあなたの秘密ってことにしておいてくれませんか」

唯「秘密って……そんな! だってそれ澪ちゃんのなんだよ!」

聡「あとでっ、あとで澪姉には絶対返しますから……!」

唯「何でそんな……」

聡「……勝ちたいんです、俺」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 22:08:07.30 ID:85NBT1SSO
マグマにゃん=ヒードラン=
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 22:09:24.09 ID:wPfo+Kwi0
唯「勝ちたい?」

聡「ジム戦ですよ。俺は勝たなきゃいけないんです!」

唯「それなら、そのクックにゃんを使って」

聡「こいつじゃ勝てないんですよぉっ」

聡「どうも相手との相性も悪いみたいだし、強さ的にも差があって……」

聡「だから! 澪姉の強いあずにゃんを使えば第1のジムなんて余裕に……っ!」

唯「それって……なんか違うくないかなぁ」

聡「は?」

唯「だって、人のあずにゃん借りて戦っても、意味ないんじゃないかと思うの」

唯「私、バトルとかマスターとか全然よく分かってないけども……うん」

聡「だったらあなたには関係ない話じゃないですか!」

?「いや、唯の言ってる事は間違ってないよ。聡」
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 22:15:10.43 ID:wPfo+Kwi0
聡「げっ、澪姉ぇ!?」

澪「……」

唯「澪ちゃん! なんでここに?」

澪「唯、お前を探してたからに決まってるだろ……ホント探したんだからなっ」

唯「ご、ごめん」

澪「まぁ、それは置いておくとして」

澪「聡、人のあずにゃんを盗むのはトレーナーとして最低の行為だぞ」

聡「うぅ……」

澪「ジムに勝てないのはあずにゃんのせいなんかじゃない。聡に原因があるんだ」

唯「聡くんに?」

澪「そう」

聡「ぐうぅ……」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 22:21:25.51 ID:wPfo+Kwi0
聡「そ、そんなことない……」

聡「俺の指示は完璧なんだ……なのに、こいつが上手く俺の期待に答えてくれなくて」

クックにゃん「ケー」

澪「なら特訓あるのみだと私は思うな。それに、もっとその子に聡が歩み寄らなきゃいけない」

唯「あずにゃんは意外とすぐ心開いてくれるんだよー」

聡「そんな……だって、うぅ……」

澪「……」

澪「そうだなぁ、聡。少しだけ、私のあずにゃんを貸してあげるよ」

唯・聡「え!?」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 22:27:44.40 ID:wPfo+Kwi0
澪「ほら、すぐにでもジムに行こう。まだ閉まってはいないはずだよ」

唯「で、でも澪ちゃんっ」

澪「私のあずにゃんでならジム戦を乗り越えられるんだろう? 強いから」

聡「そ、そうだよ……強いあずにゃんなら」

澪「なら見せてもらおうじゃないか。その子たちで聡が勝てるかどうか」

聡「……!」

澪「勝てるんだろ?」

聡「あ、当たり前だろ! わかった、やってやるよ!」

唯「澪ちゃんってばぁ……」

澪「大丈夫。いい勉強になってくれるはずだから……聡」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 22:30:59.12 ID:wPfo+Kwi0
ジム


信代「おー? あんた達、また来てくれたのかぃ? 嬉しいね」

澪「うん。ただ今度はチャレンジャーを連れて来たんだ」

信代「へぇ! まさか……あんた?」

唯「わ、私!? 違う違うっ」

聡「……俺ですよ」

信代「お、こっちか。あら、あんた前にも挑戦してくれた事があったよねぇ」

信代「今度こそ私を打ち負かしてくれるんだろうね?」ガハハ

聡「ええ、やってやりますよ」

信代「ん? 大した自身だ。じゃ、すぐ始めちゃおっか」

唯「ジム戦……なんかワクワクしてきたよぉ!」

澪「今から始まることに期待はしない方がいいとは思うよ、私は」

唯「澪ちゃん?」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 22:34:55.56 ID:wPfo+Kwi0
信代「さぁ、始めるよ! いきな、いわにゃん!」

ポン!

いわにゃん「ゴロー」

唯「あのあずにゃんは!」

澪「さすがいわタイプを主力としてるジムリーダーってところだろ?」

聡「先鋒がいわにゃん……よし!」

ポン!

マグっち「マグマ……マグ?」

唯「でたー! 澪ちゃんの主力あずにゃんのマグっち!」

澪「休ませてすぐ戦わせちゃうなんて、申し訳ないことしちゃったな……マグっち」

信代「さぁ、どっからでもかかってくるといいよ!」

聡「望むところ! ゆけ、マグにゃん! ひのこ!」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 22:38:24.26 ID:wPfo+Kwi0
マグっち「……?」

シーン…

信代「……ん、どうした?」

聡「あ、あれ!?」

聡「っ……じゃあ! たいあたりだっ」

マグっち「……ファ〜」

唯「欠伸してる? バトルの最中にのん気だねぇ?」

澪「……」

信代「おいおいおい〜? 一体全体これは何だい?」

聡「マグにゃん!! 動けよ、戦えよ! 俺の為に勝ってくれよぉ!」

マグっち「」プイッ

聡「え!?」

信代「……いわにゃん、たいあたり!」

いわにゃん「イグゥゥッ」ドッ
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 22:44:07.87 ID:wPfo+Kwi0
マグっち「…マ、グゥ……」

聡「え、え、えぇ!? 何で戦わないんだよ! バカか!?」

信代「ちょっと、その子はもうひん死状態だよ! 早く次を出さないか」

聡「あ、えっ……く、くそぉ!」

ポン!

ラブにゃん「ウフフデス」

『ラブにゃん。信愛あずにゃん。愛ゆえにあずにゃんは悲しまなければならない、愛ゆえにあずにゃんは苦しまなければならない。そんな愛の辛さを象り、儚さを身にしませたあずにゃんだ』

唯「……?」

唯「なんか壮絶あずにゃん……」

澪「ラブちゃんは強いぞ。使いこなせばの話だけどな」

聡「今度こそ……いけっ、にどげりだ!」

ラブちゃん「」ピュー

聡「に、逃げたっ!?」
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 22:50:29.16 ID:wPfo+Kwi0
聡「お、おい! どこ行くんだよ、バトルの最中なんだぞ!?」

ラブちゃん「ウフフ」ピタピタ

澪「よしよし、ラブちゃん」ナデナデ

聡「どういうことだ!?」

澪「この子は私によく懐いてるからな……」

聡「っ……!」

信代「勝負はついたようだね?」

聡「ま、待って! まだ他のあずにゃんが」

信代「手持ちのあずにゃんに懐かれてもいない、信用されてもいない。話にならないさ」

信代「こんなんじゃロクな試合にならないよ」

聡「そ、そんな……」ガクッ

唯「聡くん……」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 22:56:04.14 ID:wPfo+Kwi0
澪「わかったか、聡」

澪「お前のやろうとしてた事は甘いんだ。言ったろ、トレーナーとして最低だって」

聡「……」

聡「俺が間違ってたのかよぉ……」

信代「あんた、前に連れていたあずにゃんはどうしたんだい?」

聡「クックにゃんのことですか? あいつじゃ話にならない……」

信代「バカやろー!」バチーン

聡「うぐぅっ!?」

信代「自分のあずにゃんも信じてやれないような奴が、バトルに勝てるわけがない!」

信代「このペーペーのトーシローがッッッ」キッ

聡「う、うう……」

唯「言いすぎじゃ」

澪「唯」

唯「うー……」
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 23:00:24.25 ID:wPfo+Kwi0
ポン!

クックにゃん「ケー」

聡「お前! 勝手にボールから出てきたのか……?」

クックにゃん「ケーケー」スリスリ

唯「あれって……もしかして慰めてくれてるのかな?」

澪「うん」

聡「クックにゃん、お前……」

クックにゃん「ケー!」

信代「ガッハッハッ!! やれやれ、自分のあずにゃんに慰められるようじゃざまぁないねぇ!」

信代「……その子はあんたのこと、信頼し始めてるみたいだよ。どうだい、1からやり直してみた
ら」

聡「1から……」

クックにゃん「ケー」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 23:09:03.26 ID:wPfo+Kwi0
聡「澪姉、これ……返すよ」ス

澪「うん。聡、いい顔になったな」

聡「俺、信代さんが言ってた通り、1からやり直してみるよ」

クックにゃん「ケー」

聡「もちろんこいつと一緒にさ!」

唯「よかったぁ〜」

唯「ホントどうなるか心配してたんだよぉ。大丈夫、聡くんならいいトレーナーになれるから!」

聡「あ、ありがとう……!」

信代「ガッハッハッ! それじゃあ私は家の酒屋の手伝いに戻るよ! じゃあねぇ」

澪「ありがとう、信代ちゃん」

信代「なぁに、いいってことさ」フッ
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 23:13:48.50 ID:wPfo+Kwi0
次の日


唯「んごー……んごー……」

澪「唯ー、唯ってば」ユサユサ

澪(こいつ、全然起きないぞ)

澪「おーきーろー! そろそろ起きないと出発に遅れちゃうぞ!」

唯「ん〜……あと、5分〜」

唯「ぐぅ」

澪「〜……」

澪「朝ご飯、唯の分は抜きでいいかな」ボソ

唯「それは勘弁してつかんさぁいっ!!」

澪「すぐ起きれるじゃないかお前っ!!」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 23:19:00.15 ID:wPfo+Kwi0
・・・

唯「だーって、昨日だけで色んなことあったじゃん? さすがに私も疲れちゃってて」

澪「これから旅するのにそんな弱音吐いてどうする」

澪母「あら、もう出ちゃうの?」

澪「うん。今日中に船に乗っちゃいたいし」

澪母「あらぁ、そう」

唯「船ぇ!? 船に乗れるの? ってことは海ー!?」

澪「ふふ、はしゃぎ過ぎだ。疲れはどこ行ったんだよ」

唯「海見れるならそんなのもう関係ないです! うわぁ〜♪」

唯(海ぃ……いいなぁ〜)

唯「あぁ、澪ちゃんっ。私、水着持ってきてないよ!」

澪「泳ぐ気かお前は!」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 23:24:14.66 ID:wPfo+Kwi0
澪母「それじゃあ、澪ちゃん、唯さん。体に気をつけていってらっしゃいね」

澪「うん」

唯「お世話になりましたー」

澪母「ああ、そういえば田井中さんちの聡くんが用があるって言ってたわよ?」

澪「聡が?」

唯「なんだろ? あー、もしかして昨日のお礼がもらえたり〜」

澪「唯、図々しいぞ」

澪「ありがとう。とりあえず出る前に探してみるよ」

澪母「そう。それじゃあ、行ってらっしゃいな」

澪「うん。じゃあ……またね、ママ」ギュッ

唯「おや、ママ?」ニヤ

澪「う、うるさい……!」
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 23:27:37.26 ID:wPfo+Kwi0
聡「……」

唯「あ、聡くんいたー」

澪「おーい」

聡「あ」

澪「聡、私たちに用があるんだって?」

聡「うん。ちょっと渡したい物と、お願いしたい事があって」

唯「えっ、パシリ!?」

澪「こらこら……」

聡「あははは……それでこれを」ス

唯「これってー」

聡「釣り竿です」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 23:33:29.16 ID:wPfo+Kwi0
聡「こんな物しか渡せないけど一応昨日のこともあったし、お礼に」

澪「これ、お前が大事にしてた物じゃないのか?」

聡「そうさ、これは俺の大事な大事な竿。だけどケジメをつけるという意味でも貰ってほしいんだ」

聡「それに2人はこれから海を目指すんでしょ? なら、使ってないよりは使ってもらったほうが良いよ」

唯「海釣りだよ、海釣りですよ澪ちゃん! 心躍るねぇ!」

澪「あのな……わかった。それじゃあこれはいただくことにするよ、ありがとな」

聡「それと、図々しいようだけど最後にお願い」

聡「姉ちゃんに会ったら、この手紙を渡してほしい」

唯「姉ちゃん……?」

澪「昨日いったろ。私の友達だよ」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 23:39:37.07 ID:wPfo+Kwi0
聡「どうも差出人がわからないっぽいんだけどさ、うちにこんなの届いても意味ないし」

聡「それにあいついつ帰ってくるかわからないから。お願いしたいんだけども……」

澪「ああ、大丈夫。任せておいて」

澪「それに律なら私も丁度探しているところだったしな」

唯「そうなの? やっぱり友達だし、しばらく会ってないと寂しい?」

澪「ん、まぁ……いや」

澪「……とりあえず、そろそろ行こうか。唯」

唯「え、ああ、うん……?」

聡「それじゃあ2人とも、気をつけて!」

唯「いってきま〜す!」


こうして2つめの町で澪ちゃんの友達の弟さん、聡くんと出会って

そんでそんで! ジムも見れたりして!


私たちの旅はまだ始まったばかりなのでした。
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 23:44:37.53 ID:wPfo+Kwi0
トボトボ

唯「う〜……」

澪「どうした?」

唯「疲れたんだよぉ」

澪「あ、あのな、まだ2時間も歩いてないんだぞ?」

唯「だってぇ……」

澪「それに目的地は」ス

唯「んー?」

澪「ほら、すぐそこだ」

唯「ん〜……ん? お、お、おぉ……お〜!!」

唯「海ぃー!!」キラキラ

唯「ィヤッホー!」タタタ

澪「ばてたり騒いだり、ホント唯といると飽きないよ……」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 23:48:35.78 ID:wPfo+Kwi0
ボォー

唯「澪ちゃん、あの音は?」

澪「船の汽笛だな。ギリギリ乗れるかなぁ」

唯「アレに乗れるのー!?」

澪「ん、唯は船に乗ったことないのか?」

唯「ないない! ていうかここまで来たのだって初めてだし!」

澪(そうか、唯はうちの町までしか来たことがないんだっけな)

澪「よし」

唯「ん?」

澪「乗船時間を遅らせて港町を見ようよ」

唯「え、大丈夫なの?」

澪「うん。別に急ぐ必要もないんだからな」

唯「やったぁー!」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 23:52:03.83 ID:wPfo+Kwi0
港町


唯「澪ちゃんっ、人がいっぱいだよ!」

澪「それ、前の町でも言ってたろ?」

唯「だってぇ〜」

澪(唯、私以上に箱入りだったんだな)

『かもめにゃん。水兵あずにゃん。海辺周辺に主に生息している。性格は大人しく、人懐っこい。かっぱえびせんが好物である』

かもめにゃん「クエークエー」

唯「かもめにゃんもいっぱいだぁ」

澪「気をつけて。かもめにゃんが飛んでいる下にいると時々フンが落ちて」

ビチャ ギャッ…

澪「あっ」

唯「うえぇぇ〜……」

澪「言わんこっちゃないな……どこかでお風呂借りよう?」

唯「うぅー……こんなのってないよぉ」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/26(水) 23:59:49.95 ID:wPfo+Kwi0
ガヤガヤ

「てことは、主が現れたのか?」

「ああ、海は大荒れだ」

「まいったなぁ……」

唯「なんか町がガヤガヤしてる」

澪「そうだな、何があったんだろう?」

?「ちょっと! そこのお嬢さん方!」

唯・澪「?」

唯「もしかして、私たち?」

男「そうそう、あんたたちだよ」

澪「何か用ですか?」

男「いやー、あんたたちは運が良い! ちょっと、こいつを見ておくれよ……」

パカッ

???「ピチッ、ピチピチ」
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 00:04:20.26 ID:PBYuYlAI0
唯「このあずにゃんは」

『フィッシュにゃん。魚あずにゃん。海に住むあずにゃん。海を集団で泳いで、自分より大きな害敵の目を誤魔化す。なお、食糧としても扱われるあずにゃんである』

男「どうだい? 中々の大物だろう」

澪「はぁ」

唯「美味しそう〜」

唯「それでこれがどうかしたの?」

男「こいつはねぇ、大きさ的にも色合い的にも珍しいフィッシュにゃんなんだよ。それを今なら200
0円であんたたちに譲ってやろうと思ってねぇ」

澪「に、二千って」

澪(フィッシュにゃん如きでそんな値段! 聞いたことがないぞ)

唯「安いの?」

男「ああ!」

澪「唯っ」
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 00:09:51.14 ID:PBYuYlAI0
澪「私たちには聡から貰った釣竿があるだろ? こいつならすぐ釣りあげられるよ」

男「いーやっ、こいつは絶対にかからないねぇ」

男「何せ、このあずにゃん海港の主の子なんだからさ!」

唯「主?」

男「おや、知らなかった? ここら辺あちらこちらでみんな話てるだろ。主が暴れ回っているって」

澪「たしかに町の人たちが何か話してたけど……主って」

男「そいつが海で暴れ回っているお陰でねぇ、今船は出せないそうなんだよ」

澪「え!?」

唯「ってことは向こうの大陸には渡れないの!?」

男「今はねぇ……」

澪「そ、そんなっ」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 00:13:19.21 ID:PBYuYlAI0
唯「澪ちゃん……」

澪「まいったな、最悪遠回りして行くしか」

男「ところがどっこい! その主もこのフィッシュにゃんを買えば」

唯「静かになってくれるの!?」

澪「そんなわけあるかっ」

男「こいつをあんたたちが手に入れて、丹念に育てて進化させれば主を抑えつけられるような強い
あずにゃんになるんだぜ!」

唯「だって!」

澪「……このあずにゃんが?」

男「お兄さんは嘘つかないからな! ほら、見た目からして物語ってる!」

澪(どう見ても胡散臭い……)

唯「……私、買ってみようかなぁ」

澪「唯!?」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 00:19:29.66 ID:PBYuYlAI0
男「おぉ、本当かい? ならすこーしだけお安くしてあげても」

澪「唯!」

ガシッ

唯「わっ、な、何? 澪ちゃんっ」

澪「悪い事は言わないからやめておきなよ……」

澪「あれはきっと詐欺か何かだ」

唯「え、詐欺!?」

澪「ばっ! 声が大きいっ!」

澪「とにかくいいか? ここは断って……」

男「1000円までまけちゃうかなぁ」ボソ

唯「買ったー!」

澪「ああ……」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 00:23:21.69 ID:PBYuYlAI0
フィッシュにゃん「オッオッ…」ビチビチ

男「まいどあり〜。それじゃあ、頑張ってそいつを育ててくれよ」

唯「〜♪」

澪(本当に買っちゃった……)

澪「今度から唯のお財布は私が管理しようか?」

唯「え、なんで!?」

澪「〜……」

唯「ふふっ、私の初めての手持ちのフィッシュにゃん〜」

澪(まぁ過程はどうあれ、唯はこれで手持ちのあずにゃんが1匹になったわけなんだよね)

澪「一応、おめでとうだな。唯」

唯「一応は余計!」プンプン
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 00:29:39.25 ID:PBYuYlAI0
唯「……」キリ

フィッシュにゃん「」ビチビチ

唯「ゆけ、フィッシュにゃん! みずでっぽう!」

フィッシュにゃん「」

フィッシュにゃん「」ビチビチ

唯「あ、あれ……?」

唯「おかしいなぁ」

澪「こいつは本来水の中に住むあずにゃんだからな、陸では本領が発揮できないのかも」

唯「てことは水の中ならさいきょー!?」

澪「いや、どうだろ……」

唯「フィッシュにゃん、はねるだ!」

フィッシュにゃん「」ビチビチ

唯「やった、言う事聞いてくれたよ〜!」

澪(言われなくてもさっきからはねてばっかりじゃないか……?)
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 00:30:09.82 ID:PBYuYlAI0
澪「ところで唯、にゃんにゃんボールは?」

唯「へ?」

澪「持って……るわけないか」

澪「今回は初めてのあずにゃんのお祝いに私が1個あげる」ス

唯「え、いいの!?」

澪「うん。それにそのままだとその子も辛そうだし」

フィッシュにゃん「」ビチビチ

唯「それもそうだねぇ」

唯「それでこれはどう使えば?」

澪「まずは正式にゲットしなきゃだからな、フィッシュにゃんに向けて投げつけるんだ」

唯「えー!」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 00:33:03.49 ID:PBYuYlAI0
唯「とりゃっ」ポイ

澪(えー、とか言ってたわりに躊躇なしで投げてるな)

フィッシュにゃん「」ポカッ

カポン!

唯「フィッシュにゃんがボールの中にー!? ていうかちっちゃくなった!?」

唯「どして?」

澪「説明すると長くなるけど?」

唯「じゃ、じゃあいい……」

澪「とりあえず宿を探そう。お前、まだ頭に糞が乗ったままなんだぞ」

唯「え、あっ……」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 00:35:45.30 ID:PBYuYlAI0
宿屋


唯「澪ちゃん澪ちゃん! こっから海が見えるよー」

唯「でっかくて、きれいだね〜!」

澪「海ならさっきいっぱい見ただろ? でも、いい景色だなぁ」

唯「でしょー」

チョコン

澪「……ふぅ、なんだか疲れちゃったよ」

唯「私はまだまだ元気いっぱいです!」フンス

澪「そう、じゃあ私はしばらくここで休むよ」

唯「じゃあ私、もうちょっと町の中見てくるね!」

ガチャリ、タタタタ

澪「あ、ちょっ!」

澪(ゆ、唯、まだ頭の上に糞が……)
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 00:41:52.42 ID:PBYuYlAI0
ガヤガヤガヤ

唯「やっぱ騒がしいー。さっきのお兄さんが話してたことは本当なんだぁ」

唯(本当なら本当で困ったなぁ……これじゃあ向こうの大陸に行けないし)

唯「……あぁ!! そうだっ」

ポン!

フィッシュにゃん「」ビチビチ

唯「澪ちゃんが言ってたけど、みずタイプのあずにゃんはなみのりって技を覚えるんだよね」

唯「だったらこの子がなみのりを覚えてくれたら、私たち海を渡れるかもしれない!」

フィッシュにゃん「」ビチビチ

唯「……でもこんなちっこいのにはさすがに乗れないよねぇ」

唯「うーん……」

フィッシュにゃん「コッ、コココ…コ!」

唯「ん?」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 00:50:12.93 ID:PBYuYlAI0
フィッシュにゃん「コココココっ…!」

唯(もしかして何か伝えたがってる?)

唯「どうし――――


ゴンッ


唯「〜……」キュー

?「へっへっへっ……!」

?「こんな裏通りに1人で入ったら危険ですよ〜、うひひ」

?「どれどれ、何か持ってないかなー」ガサゴソ

フィッシュにゃん「」ビチビチ

?「お金になりそうなの全然持ってないなぁ、中々育ちが良さそうな子なのにー」

?(まぁ、頭に糞乗ってるけどサ……)
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 00:57:11.89 ID:PBYuYlAI0
フィッシュにゃん「」ビチビチ

?「おっ、何だコレ?」

?(何かの機械みたいだけど……わかんないな)

?「ま、一応戴いときますけどね〜」ス…

?「……まぁたお前は」ザッ…

?「げっ!? 姐御っ」

姐御と呼ばれる女「何気が げっ、だ。こんなところで道草食いやがって」

?「こ、こいつが何か金目になる物持ってるかと思って……」

姐御「純ー! 私たちの目的はー!」

純「え、えぇっ! えっと……その」

純「全てのあずにゃんを根こそぎ私たちの物にする、です」

姐御「……うむ」

姐御「だったら、そんな物より優先して戴くのがそこにいるだろ」

純「えぇっ、まさか……そこのフィッシュにゃんですかー!?」

フィッシュにゃん「」ビチビチ
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 00:59:06.98 ID:PBYuYlAI0
姐御「何か文句でも〜?」

純「あ、いえっ」

姐御「だったらそいつがのびてる内にさっさと……」

唯「ん、んー……ん?」

「げっ」

唯「あれぇ……私……」チラッ

唯「誰……?」

純「あ、私たちは!!」

姐御「何でもないよ。あんたが道で倒れてたから気になって見ていただけ。な?」

純「えっ、あ、はい!」

唯「そうなの? 何かごめんなさい……でも、何で倒れてたんだろ?」

姐御「さぁ、じゃあ私たちはこれで」サ

唯「あ、はい! じゃあね〜」

姐御・純「」ソソクサソソクサ
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 01:00:15.80 ID:PBYuYlAI0
純「姐御、あのフィッシュにゃんはよかったんですか……」

姐御「あの子が起きた手前で奪うわけにもいかないだろ」

姐御「なに、あんな奴なら海に出れば腐るほどいるさ。焦る必要もないって」

純「自分がさっさと奪え言ったくせに……」ボソ

姐御「何かー?」

純「ああっ、いえいえ! 別に〜」

純「ところで……今、船が止まってるみたいですよぉ」

純「これじゃあ向こう側に渡る事もできないし、どうするんです?」

姐御「ふん、どうも海の主ってやつが騒いでるみたいだなぁ」

姐御「どうせそいつもあずにゃんなんだろ? 簡単な事」

姐御「私たちがそいつを戴いちまえばいいだけ!」

純「てことはそいつ探すんですかー!?」

姐御「当たり前だろ。さ、行くよ。純」スタスタ

純「ひぃー! ま、待ってくださいー!」タタタ…
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/28(金) 02:01:06.63 ID:9qccL4xC0
「まいどありー」

唯「おいひー!」モグモグ

唯「ここのアイス屋さんとっても美味しいよ〜、憂と和ちゃんにも味あわせてあげたいぐらい」

唯「〜♪」ペロペロ

唯「おっ……」

ズーン!

唯「ここってもしかしてジム? おぉ」

唯「……そうだ!」

唯(さっそくあずにゃん手に入れたんだし、私もジム戦ってのやってみよう!)

唯「何事も経験ですよ〜。たのもー!」ガチャリ

「……んー、でも」

「海の主を狩るなんて罰あたりじゃないかしら」

「しかし、このままだと困るし……」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/10/28(金) 02:06:00.40 ID:9qccL4xC0
唯「あのー」

男「頼むよ、あんたしかいない!」

ジムリーダー「それはわかったけれど。他に方法はないのかしら……?」

「?」

ジムリーダー「あれ、表の張り紙見えなかった? しばらくはジムはお休みよ」

唯「そうなんですか?」

ジムリーダー「ごめんなさいね。こんな大変なときだから……知ってるかしら?」

唯「海の主が暴れてるって聞いたんですけど」

男「そう、そうなんだよ! だから船を出す事もままならないんだ」

男「いや出せないわけではないけど……」

唯「え、出せるの!? 船!」

男「うーん……少し港までついてきてくれないかな」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 02:12:36.02 ID:9qccL4xC0



男「見ての通り、ここらはまだ晴れていて何ともないんだが」

男「向こう側を見てくれないか。ほら、あの暗雲がかかっているところ」

唯「うわ、真っ暗」

唯「宿の部屋の窓からは見えなかったのに!」

男「向こうの大陸へ渡るにはあそこを通るしかないんだ……」

男「実は、さっき主の怒りを鎮めに何人かが船であそこまで行ったんだが」

唯(じゃああの時の汽笛はそれだったんだ)

男「嵐のせいでどうも難破してしまったようだ。さっき連絡が来たんだよ……」

男「無茶とわかってはいたのに……うう」

唯「ぶ、無事だといいですね!」

男「本当だよっ、くぅ……主さえどうにかすればあいつらを助けに……」

唯「主を……」

唯「よしっ」

男「え?」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 02:15:12.45 ID:9qccL4xC0
・・・

唯「というわけです!」

澪「無責任すぎるっ!!」

澪「海の主をどうにかするだって? 相手がどんなあずにゃんかもわからないのに危険すぎるぞ!」

澪「それに一歩間違えば命を落としてしまうかもしれない……っ」

澪「すぐに断ってきなさい!」

唯「えー、あー……その、それがね」

コンコン

ジムリーダー「ごめんください。この部屋で……合ってたかしら?」

男「ああっ、唯さん! どうですか相方の凄腕トレーナーの方も誘っていただけました?」

澪「あ〜……」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 02:17:25.68 ID:9qccL4xC0
ジムリーダー「というわけなのよ」

唯「ねっ、難破した人たちの事も心配だし、港町のみんなも困ってるんだよ!?」

澪「……だ、だからと言って」

ジムリーダー「念の為、私もついて行くことにはしてるの。これでもジムリーダーの端くれだし、
力にはきっとなれるわ」

澪「あれ、ジムリーダー?」

澪「この町のジムリーダーなら確か……」

ジムリーダー「前のジムリーダーは引退したわ。別にやることがあると言ってね」

恵「そういうわけで、私がこの町のジムリーダーを受け継いだの。曽我部恵です。よろしくね」ス

澪「え、ええ。こちらこそ」

ギュ

恵「はぁっん!!」バリバリバリ

男「どうしたんですか? 曽我部さん」

恵「で、電流が……今電流が走った気がするの……」

男「はぁ?」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 02:19:31.42 ID:9qccL4xC0
唯「澪ちゃぁん……」

恵「どうか手伝ってもらえないかしら。1人でも助けが欲しいのよ……」

澪(海の主と呼ばれているあずにゃんは天候を歪めて嵐すら起こしてしまう強力なあずにゃん。私
なんかじゃ到底相手になるかどうか)

澪「うー……」

唯「私ね、放っておけないんだよ。……これがわがままってことはわかってる。けど」

唯「お願い!」ペコペコ

澪「ゆ、唯っ! 何も土下座までする必要はない!」

澪「……はぁ、わかった」

澪「どうせ向こうへ渡るには船を使うしかないし、私でよければ力にならせて下さい」

恵「本当!? ああ、助かるわっ」

男「ありがとう! ありがとう!」

唯「み、み、澪ちゃ〜んっ!!」ギュウッ

澪(こ、こうも感謝されると何かな……あはは……)
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 02:21:10.98 ID:9qccL4xC0



唯「船でっか!」

澪「……」

唯「澪ちゃん?」

澪「は、話しかけないでくれ……緊張してるんだ……」

恵「するな、と言うのが無理というのはわかるけれど、あまりにもガチガチだとどうにもならなくなってしまうわ」

澪「ええ……」

唯「頑張ろうね!」

恵「さ、そろそろ出港準備が整った頃合いね」

船長「私がこの船の船長であるー!!」バーン

男「出港準備、だいたい整いましたー!」

船長「だいたい〜? 完全、完璧に準備しろバカたれめ!」

男「ひーっ」ピュー
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 02:23:17.59 ID:9qccL4xC0
ボォー

澪「いよいよか……」

唯「澪ちゃん! 港からどんどん離れてくよ〜!」

澪「ママに最後に手紙書いて置くんだった……」

恵「大丈夫。きっと何とかできるわ、私たちなら」

澪「……その自身はどこからきてるんですか」

恵「女の感、かも」ニコ

唯「当てにしていいですか?」

恵「」

恵「え、ええ……大丈夫です……」

澪「ところで、唯は主をどうするつもりなんだ? まさか倒せるとは思っていないよな」

唯「えぇ? ……あ」

澪「何も考えてない!?」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 02:25:25.62 ID:9qccL4xC0
恵「町のみんなからは討伐しろという意見が上がっているのだけれど」

恵「それは最悪の場合としておいても、バトルは恐らく免れないでしょうね……」

澪「私の手持ちでどうにかなるかどうか」

唯「大丈夫! 澪ちゃんのマグっちたちはあんなに強いんだもん!」

澪「嵐を起こすようなあずにゃんに勝てるはずがないだろ……!」

唯「澪ちゃんっ」

澪「え?」

唯「前に聡くんに言ってたよね。自分のあずにゃんを信じろって」

澪「……」

唯「きっとみんな澪ちゃんの期待に答えてくれるよ! だって最高のパトーナーなんだもん」

澪「そ……そうだな。ああ、そうだ! 私は私のあずにゃんたちを信じるよ」

恵「ふふっ……さ、そろそろ目的地よ!」

男「みんなぁーっ! 振り落とされないようにどこかに掴まれーっ!」


ゴオオォォ・・・ゴオオォォ・・・
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 02:28:07.00 ID:9qccL4xC0
ドカーンッ、ゴロゴロゴロ・・・


恵「荒れてるわね……これが、あずにゃんの仕業だというの?」

男「せせせ、船長ぉっ! 引き返すなら今ですよー! 今しかなぁーい!」

船長「降りたい奴はさっさと降りろー!! 後は知らんがなぁー!」

澪(そんな無茶なっ)


ビュオオオオオ、ビュオオオオオ


恵「うっ、本格的になってきてる! 近づいているの!?」

男「恐らく、はいっ!」


オオオオオオ、ギャオオオオオオオオオ、ゴオオォォ・・・


唯「……?」

唯「風の音と一緒になんか声が聞こえなーい!?」

澪「なんだぁー!? 聞こえないっ!」

唯「……」ドキドキ

唯(何でだろう、こんなに大変なときなのに! ワクワクしちゃう!)



ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォ!!
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 02:32:09.69 ID:9qccL4xC0
ゴオオォォッ、ドーン!


?「ギャオオオオオオオォォォォー!!」

男「あ、あ、現れた! 化けモンだぁー!!」


唯・澪「」ゾクッ


唯「あ、あっ、えっと! あのあずにゃんは……」

唯「あれ……?」

唯「澪ちゃーんっ!! あずにゃん図鑑がないよぉー!!」

澪「ううっ……すごい威圧感だ……」

唯(聞こえてない!?)

恵「あれが海の主……!」

男「り、り、りぃっ……リヴァイアにゃんだぁぁぁーーーッ!!」




リヴァイアにゃん「ギャオオオオオーーーーース!!」
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2011/10/28(金) 16:58:56.83 ID:+9UWnc3Xo
このあずにゃんたちはどんな顔してんだろう
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 17:18:25.30 ID:X6Jzax8DO
おもしろくなってきた
がんばれ
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 21:55:17.29 ID:1wYFbVtK0
王道展開突き進んでて素直に面白い
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 22:36:39.28 ID:9qccL4xC0
恵「2人とも気をつけて! リヴァイアにゃんは怒りに我を失っているわ!」

澪「むむむむ、無理だ……あんなの相手じゃ……」

ポーン!

マグっち「マグ」

澪「ま、マグっち! 勝手にボールから出てきちゃったのか!?」

唯「マグっちは戦う準備万端みたいだよ!」

澪「マグっち……!」

マグっち「グッ」

恵「どうも穏便に済ませられそうにないみたいね、やむを得ない」

恵「いきなさい。マーメイドにゃん!」

マーメイドにゃん「ニャフーン」

恵「私のあずにゃんはみずタイプのみ……! ちょっとキツイかもね……」


リヴァイアにゃん「ギャアアーオオオオォォッ!」


男「向こうさんっ、やる気みたいだぜぇー!?」

澪・恵「来いッ」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 22:39:21.68 ID:9qccL4xC0
リヴァイアにゃんの みずのはどう!


リヴァイアにゃん「ガアアー!」ドーン!

澪「まずっ、もどれ! マグっち! そして……」

澪「ゆけ、ボルボル!(ボルトにゃん)」ポン!

ボルボル「オー」

恵「そのあずにゃんはでんきタイプ! やつに有効ね!」

澪「はいっ、ボルボル! でんきショック だ!!」

ボルボル「ボルボルボルボル…」ビリビリ、バチッ

ビガッ

リヴァイアにゃん「ッ……フン!」


ブンッ・・・


唯「危ないよぉー!! 船がー!」

恵「まっ、マーメイドにゃん!!」

マーメイドにゃん「ニャ〜ァァ」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 22:45:04.20 ID:9qccL4xC0
マーメイドにゃんの エコーボイス!

ー♪ー♪

リヴァイアにゃん「」キッ

澪「上手く注意が反れた、うまい……!」

恵「……船は私が守り抜くから、あなたはやつへの攻撃に集中なさい!」

澪「はい! ボルボルッ!」

唯「……」

唯(ど、どうしよう……私に何かできること、できることはー……)アタフタアタフタ

ポロッ、コン、コンコンコン…

唯「これ、フィッシュにゃんの入ってるボール……!」

唯「えいっ」ポン!

フィッシュにゃん「」ピチピチ

唯「この子は陸ではイマイチだけど、もしかしたら」


ゴオオォォ・・・


唯(でもこんな大嵐の海に入れなんて言えないよ……)
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 22:53:08.19 ID:9qccL4xC0
リヴァイアにゃん「ギャアアアアアオオオオオオオス!」ボォォ…

リヴァイアにゃんの りゅうのはどう!

ドーン!


ボルボル「キュウウ…」

澪「ああっ、ボルボル……!」

恵「しまった!?」

澪「も、戻るんだ!」ヒューン

澪「ゆけ、ラブちゃんっ(一撃でボルボルが……なんて凶悪な威力)」ポン!

ラブちゃん「ウフフフフ…ウフ!?」

ガクガク…

恵「リヴァイアにゃんのプレッシャーに押しつぶされてしまっているわっ」

澪「ラ、ラブちゃん!?」

リヴァイアにゃん「オオオオォォォー……」


リヴァイアにゃん はちからをためている!
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 22:59:23.63 ID:9qccL4xC0
リヴァイアにゃんの ドラゴンテール!

ドカーン、バキバキィッ…


男「うああぁぁっ!? ふふふ、船がぁーーーッ!?」

マーメイドにゃん「キュウ…」

恵「なんて威力なの……これでは……」

唯「あ、あわわ……」

澪「これで、終わりなのか……パパ、ママ、律ぅ……」

唯「なんとか、なんとかしなきゃ! フィッシュにゃん!」


フィッシュにゃん「」ピチピチ


唯「はねるじゃなくて! ああーもぉっ! うぅ……」

リヴァイアにゃん「グルルルルル……」


リヴァイアにゃん はふたたびちからをためている!
澪「おわっ、た」
恵「ここまでなの……」
リヴァイアにゃんの ドラゴンテール!
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 23:05:13.11 ID:9qccL4xC0
ブゥン・・・


澪「っ」

唯「ふぃ、フィッシュにゃんッ!!」

フィッシュにゃん「」ピチピチ…カッ


ブゥンッ!

ボオオオォォォォッ!


リヴァイアにゃん「ギャウ!?」

澪「……え?」

恵「この技は……」

フィッシュにゃん「ギョギョー!」


フィッシュにゃんの りゅうのいぶき!


フィッシュにゃん「ギョォーーー」ボォォ


ドーン!


リヴァイアにゃん「ギャッ!」

フィッシュにゃん「」ピチピチ

唯「え、フィッシュにゃん?」
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 23:11:46.69 ID:9qccL4xC0
澪「さっきの技はまさかそのあずにゃんが!?」

唯「そのまさかだよ! たぶんっ」

恵「……そういえば聞いたことがある」

恵「フィッシュにゃんの中には稀に単体のみで敵を追い払うことができる大物がいるって」

恵「そして、ドラゴンの力を持つと言われているわ。でもまさか、それがその子だなんて」

唯「そ、そんなに凄かったんだね。お前っ」

フィッシュにゃん「」ピチピチ

澪「運が良いというか、なんというか……!」


リヴァイアにゃん「ギャアアアアアアアアス!!」


唯「なんかさっきより怒ってない?」

澪「怒ってる! 怒ってるー!」

恵「今、奴に対抗できる力を持っているのはあなたのあずにゃんだけよ! 平沢さん!」

唯「よ、よーし……」
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 23:16:21.44 ID:9qccL4xC0
リヴァイアにゃん「ギャオオオオオース!」

リヴァイアにゃんの りゅうのはどう!


唯「フィッシュにゃんッ!」

フィッシュにゃん「ギョギョーッ」


フィッシュにゃんの りゅうのいぶき!


ゴゴゴゴゴ、ゴオオオォォォォ・・・

ふたつのちからが ぶつかりあう!


フィッシュにゃん「ギョホォ…」クラッ

唯「頑張ってー! 大丈夫、フィッシュにゃんなら大丈夫だよ!!」

唯(だって私、あなたを信じてるもん! きっと勝つって……!)

澪「唯、一か八か! 大技を!」

唯「大技!?」

澪「あいつと同じ、りゅうのはどう!」

澪「その子ならやれる!」

唯「りゅうのはどう……よぉし、フィッシュにゃん!」
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 23:22:08.31 ID:9qccL4xC0
唯「りゅうのはどう だよ!!」


フィッシュにゃん「ギョ…!」

フィッシュにゃん「」

フィッシュにゃん「ギョギョォォォォォ―――!」


フィッシュにゃんの りゅうのはどう!

ドオオォーン!!


リヴァイアにゃん「ギャアアアアアアァァァァァァァッッッ!?」ブンブンッ

リヴァイアにゃん「ギャッ、ギャ、ギャアアアウウウウゥゥゥゥ……」


―タスケテタスケテ イタイデス ユイ…ンパ…― ジジジ

―ワタシ ナニモシテナイ ミンナガ オトウサンオカアサン―

―キライデス―


バシャバシャ、ザブーン・・・


澪「海の中へ逃げた……追い払えたの、か?」

恵「ええ、なんとかね……」

澪「ゆ、唯……! 唯っ! やったぞ、唯ぃっ! 唯のお陰で海が――」

「フィッシュにゃんー!?」
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 23:30:17.64 ID:9qccL4xC0
フィッシュにゃん「ギョボォ……」ピチ…ピチ…

唯「どうしたのフィッシュにゃん!? フィッシュにゃんっ」

澪「唯、どうしたんだ!?」

唯「澪ちゃぁんっ、フィッシュにゃんが、フィッシュにゃんの様子が変なの……」

フィッシュにゃん「ウボォ…」

澪「あ……」

唯「あ、あれ……あんなに元気にはねてたのに……あれ、あれ、えぇ……?」

恵「……平沢さん。その子」

澪(ただでさえ威力の高いりゅうのいぶきを出していたのに、それ以上の大技を無理に出してしまったから)

澪「力、尽きてしまったんだ……!」

フィッシュにゃん「ォ…」

唯「う、うそっ」
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 23:37:03.28 ID:9qccL4xC0
男「海の主は消えたぞぉ〜!」

男「ひゃっほぉー!! 嵐が晴れたぁ!」

船長「港に連絡を取るんだー! 嵐が止んだ! これから難破船を助けに行けと!」

わーわー、ぎゃーぎゃー

唯「フィッシュにゃん……」

フィッシュにゃん「ゥオ…」

澪「私が、私がりゅうのはどうを出せなんて言ったからっ」

恵「でも、あの場であの指示がなければ船もろとも私たちも海へ沈んでいたわ……」

恵「その子は、私たちを、海を救ってくれた英雄よ」

唯「うっ、うう」

フィッシュにゃん「」ピチ、ピチピチ…

唯「フィッシュにゃん……?」

恵「あなたには泣いて欲しくないって。元気でいて欲しいって」

唯「……」


ピチ、ピチ、ピチ

ピチ…


フィッシュにゃん「」

100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 23:41:18.32 ID:9qccL4xC0
港町2


「海の主が消えただってぇー?」「やったぞ、これで漁へ行ける!」

「向こう町の家族ともようやく会える……」「嵐がやんだー!」

恵「見て、この町の活気を。すべてあなたのお陰よ」

唯「私、なのかな」

澪「唯……」

「お、そのフィッシュにゃんが海を救ってくれたのか!」

唯「えっ、ちょっ……ちょっと」

「すげぇ! すげぇ!」

「こいつこそ海の主、いや海の守り神だな!」

「それに比べて嵐を起こしていた主は最悪だな! ただの化けモンだ!」

「邪神だ、邪神だー!」「弱っているうちに狩ってしまおう!」「そうだ、そうだ!」

男「そのフィッシュにゃんの死体を渡してくれ! 今からそいつを港のシンボルとして……」


唯「だめぇっ!」


澪「ふんっ!!」バチーン

男「うげぇっ!?」
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 23:43:27.32 ID:9qccL4xC0
澪「この子はあなた達のものじゃない。唯の大切なあずにゃんだ!!」

澪「唯、行こう」

唯「澪ちゃん……」

恵「何だか……ごめんなさい。あなた達には悪いことをしてしまったわ」

澪「……」

唯「そんなこと、ないですよぉ」

「え?」

唯「フィッシュにゃんは死んじゃったけど……でも、海をなんとかできたんだし」

唯「難破した人たちだって助かったんでしょ? だったら」

恵「あなた……」

唯「澪ちゃん、次の町に行こうよ! 私たちはフィッシュにゃんの分も頑張んなきゃなんだよ!」

澪「唯……うん、そうだな!」

恵(なんて強い子たちなのかしら)

恵「そうは言わず、今日はこの町で休んでいきなさい? 疲れているでしょう」
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 23:48:17.27 ID:9qccL4xC0
宿屋


唯「ふー、ただいまぁ」

澪「唯、どこに行ってたんだ? 唯だって疲れてるのに動きまわっていちゃ……」

唯「曽我部さんと一緒に、フィッシュにゃんのお墓を作って埋めてきたんだ」

澪「あ……」

唯「すごい立派なお墓作ってもらったんだよ!? こーんなでっかくて!」

澪「唯……」

唯「……フィッシュにゃんはね、最後は満足した顔してた」

唯「だからもう、後悔しちゃダメなんだと思う! あの子のためにも」キリッ

澪「……そっか」ニコリ

コンコン

唯・澪「?」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 23:52:59.06 ID:9qccL4xC0
恵「こんばんは。お邪魔だったかしら」

澪「曽我部さん」

唯「あれ、まだ何か用事あったんですかぁ?」

恵「……え、えっとね、その、個人的な用事なんだけどね、そのぉ……」モジモジ


恵「秋山さん! いいえ、澪タンと呼ばせてっ」


「……」

澪「は……」

恵「この色紙にサインしてくれないかしらっ? あの、その……私あなたのファンになっちゃったみ
たいで」

澪「……ファン?」

唯「澪ちゃんモテモテ〜!」ヒューヒュー
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 23:58:08.92 ID:9qccL4xC0
恵「それじゃあ、ファンクラブができたらきっと連絡するわね! おやすみなさーい!」

ガチャリ

唯「面白い人だったんだねぇ」

澪「はぁ……あ、ある意味今のが今日一番で疲れたかも……」

唯「ふふっ、モテるトレーナーはつらいね〜。こいつー」

澪「茶化すなっ、あー……」グッタリ

澪「……そういえば唯、あの時、嵐の中で私に何か言ってたけど。あれなんだったんだ?」

唯「嵐の中? ん〜、えっとぉ……?」

唯「!!」

唯「わああああああぁぁぁーーーー!!」ガバッ

澪「ひっ!?」

唯「そうだよ、そうっ!! 無いの!!」

澪「な、何が!?」

唯「図鑑! あずにゃん図鑑が無くなっちゃったんだよぉ〜っ!!」

澪「えぇー!?」


こうしてまるで嵐の様な……ホントに嵐だったけど、

私にとって初めての大冒険だった1日はおわったのでした。


ただ、図鑑なくなっちった……和ちゃぁ〜ん……
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府) :2011/11/02(水) 00:17:38.67 ID:uCA99rB5o
続きを待ちます

サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(大阪府) [sage]:2011/11/02(水) 00:19:31.03 ID:uCA99rB5o
上げてたorz…

サーバを移転しました@荒巻 旧サーバ:http://vs302.vip2ch.com/
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 22:22:22.96 ID:kz6FqZfS0



唯「〜……」

澪「あのな、唯」

澪「こんな所で釣竿の糸垂らしていたって図鑑は見つかるわけないだろ……」

唯「で、でもでも! もしかしたらあの時海に落っことしちゃったのかもだしっ」

唯「もしかしたら上手く釣り上がってくれるかもだし……!」

澪「そんなわけあるかっ」

澪「とりあえず、曽我部さんたちにもこの事伝えたんだろ? だったら私たちは大人しく」

バシャバシャ!

唯「かかった!?」

澪「え!」

唯「うっ……んーん〜……!」

唯「重いよ! 手ごたえありッ!」

澪「大物!?」
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 22:27:45.26 ID:kz6FqZfS0
唯「み、澪ちゃんっ、引っ張って! 手伝って〜!」

澪「う、うんっ!」

グイグイグイ…

グイグイグイ…

…ポン!

唯「釣ったぁぁっ!」


ベチャ


澪「……ベチャ?」

純「」

唯「みみみみ、澪ちゃんっ」

唯「ドザエモンが釣れた……!」

澪「うわあああああああっ!?」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 22:32:37.55 ID:kz6FqZfS0
宿屋


唯「拾ってきちゃったのはいいけど」

唯「どうするの?」

澪「放っておくわけにはいかないだろ……」

澪「とにかく命に別状は無いみたいでよかったよ」

澪「もしかして、難破したメンバーの1人だったのかもしれない」

唯「だったら船長さんたちにも伝えなきゃね!」

澪「そうだな……ん」

純「……無理ですよぉ…………あずにゃんでぇ〜嵐の中ぁ突っ切るのはぁ〜……うぐぅ」

唯「寝言?」

澪「だろ」

純「……はぁっ!?」

唯・澪「」ビクッ
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 22:35:19.34 ID:kz6FqZfS0
純「はぁ、はぁ、はぁ……うぐぅっ、ぎもぢわどぅ……うっぷ」

澪「ちょ、ちょっと待って!」

唯「トイレこっちだよー!」


ゲエージュワ〜


唯・澪「ああ……」

純「ひぃ、ひぃ」キラキラ

唯「……ぞ、雑巾持ってくるね」

澪「……お願い」

純「ここは、ここはどこですかッー!? 海? まだ海の中!? ひぃーっ!」

澪「お、落ち着いて。大丈夫、君は助かったんだよ」

純「た、助かった……?」

澪「ああ、偶然にも私たちが君を見つけて。それでここへ運んだんだ」

純「ふぅ、そうだったんだぁ……あ、あれ」

純「姐御は? 姐御はどこに?」キョロキョロ
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 22:37:50.90 ID:kz6FqZfS0
純「姐御は!?」ガシッ

澪「お、落ち着いて」

<ウヘービチャビチャダヨー

澪「きっとその人も助かってる。だから心配しないで」

純「姐御ぉ……」

澪「一体、何があったんだ? 話せる限りでいい、教えてくれないか」

純「……私たち、海の主をゲットしに行ったんです」

澪「行ったって、まさかあの嵐の海に!?」

澪「あ、あきれた……」

純「うぅ」

澪「トレーナーとして気持ちは分からなくもないけれど、命を大切にしなきゃ」

唯「あぁー!!」ドッ
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 22:41:11.26 ID:kz6FqZfS0
「……」

澪「唯?」

唯「思い出した、その子!」

唯「あのときっ、私が倒れてた時にいた人だよね!?」

澪「倒れてた……そんな話聞いて」

純「」

澪(なんだこのげっ、て顔は)

純「えっと、その節はどう、も……あははは」

唯「いえいえ〜」

澪「知り合いだったんだ。とりあえず、そのアネゴって人を探してみようか」

純「姐御ぉ……」
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 22:46:35.80 ID:kz6FqZfS0
純「〜〜って名前なんですけど」

男「いんやぁ、そんな人はいなかったな」

男「もしかしたら海で……」

純「ひっ!」

唯「大丈夫だよっ、きっと何とか」

純「て、てきとうなこと言わないで……!」

純「いつかはこうなるとは思ってはいたけど、あの人バカだから……」

純「バカでバカでしょうがなかったから!」

澪(散々な言われようだな……)

唯「もっと他の人に当たってみよう! あー、えっとぉ」

純「……鈴木純です」

澪「それじゃあ佐藤さん」

純「鈴木ぃぃぃ」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 22:51:15.62 ID:kz6FqZfS0
「知らないわねぇ」

「溺れちゃったんじゃないかねぇ……」

「さぁ」


・・・


純「……」

唯「元気だしてー……」

澪「そうは言われても、な」

純「姐御は」

純「姐御は1人になって心細かった私の拠り所だったんです」

純「バカだけど。そんなバカでも私は尊敬してたし、大好きでした」

純「私のたった1人の仲間、だったんです」

「……」
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 22:54:34.75 ID:kz6FqZfS0
唯「だったら!」

澪「待て、唯」

唯「え?」

澪「お前、また余計なこと言いだす気じゃ……」

唯「余計とは失礼なぁ! ね、純ちゃん」

唯「しばらくの間、私たちと一緒に旅しない?」

純「え」

澪「はぁ……」

唯「そのアネゴさんって人を見つけるまで、ね?」

純「姐御を……?」

唯「うん! もしかしたら、ううん! 絶対どこかで生きてるに違いないよ!」

唯「だから、見つけよう? それまでは私たちが純ちゃんの拠り所! 仲間です!」

純「仲間……」
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 22:59:28.46 ID:kz6FqZfS0
唯「だったら!」

澪「待て、唯」

唯「え?」

澪「お前、また余計なこと言いだす気じゃ……」

唯「余計とは失礼なぁ! ね、純ちゃん」

唯「しばらくの間、私たちと一緒に旅しない?」

純「え」

澪「はぁ……」

唯「そのアネゴさんって人を見つけるまで、ね?」

純「姐御を……?」

唯「うん! もしかしたら、ううん! 絶対どこかで生きてるに違いないよ!」

唯「だから、見つけよう? それまでは私たちが純ちゃんの拠り所! 仲間です!」

純「仲間……」
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 23:00:05.86 ID:kz6FqZfS0
純「い、いいんですか?」

澪「えっ! わ、私!?」

澪「えっと、えっと、その……」

唯「いいよね澪ちゃん!」

澪「……仕方がない」

唯「本当!? やった、やったよ純ちゃん!」ガシッ

純「あ、えっ、はいっ!」

唯「一緒に頑張ろうねぇ」

純(嬉しいけど……なんか複雑)

純(姐御ぉ……)

唯「〜♪」
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/03(木) 23:12:13.31 ID:kz6FqZfS0
澪「さて、最初に言っておくけど、次の町まで結構歩くぞ。唯」

唯「えぇー」

恵「もう行ってしまうの?」

唯「うん! あんまりこの町にいてもすることないし」

恵「そう。ああ、図鑑は見つけたらすぐ連絡するから安心してね」

純「」ピクッ

唯「はーい」

澪「色々とお世話になってしまって、ごめんなさい。曽我部さん」

恵「そんな! いいのよぉ〜気にしなくてっ。それより澪タン!」

恵「私、とっても応援します! ねっ」

澪「は、はぁ……」

唯「それじゃ行こっか! ほら、純ちゃんも行くよー」

純「あ、ちょっ、ちょっと待ってくださぁ〜い!!」


タタタタッ…
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 21:58:18.18 ID:q74Gk4eQ0
唯「本当に結構な距離歩くんだね……」

澪「どうした、もう限界か?」

澪「鈴木さんなんて文句も言わずに着いてきてるのに、後輩の前で情けないぞ」

唯「が、がんばる」

純「がんばってくださいー」

純「それにしても唯さん凄いですねぇ、全国のあずにゃんを図鑑?に埋める旅だなんて」

唯「その図鑑もどっかいっちゃったけどね…は、ははは」

純「あー……」

純(隙を見て偶然これ(図鑑)を見つけたってことにして渡そうか)

純(いやいや! 凄そうな物なんだから質に入れてお金に換えるのが)

澪「ストップ」

純「うっ」ドン

純「ど、どうしたんですか……?」

澪「向こうを見て」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 22:01:13.78 ID:q74Gk4eQ0
ざわわ・・・ざわわ・・・

純「鬱蒼とした森、ですね? って、あそこって……」

唯「知ってるの?」

純「むしろ知らないんですか?」

純「あずにゃんの森ですよ。多くのあずにゃんたちがあの森に生息してるんです」

澪「そう。そしてあの森を今から通る……」

純「マジですか!?」

唯「え、え」

唯「何かマズイの?」

純「マズいっていうか、あの森……凶暴なあずにゃんだっているんですよ!?」

純「……まぁ、伝説のあずにゃんも住むと言われてますけど」

唯「で、伝説のあずにゃん!? 凄そうだね、強そうだねー!!」

純「まず私たちじゃ敵いっこないですよ……」

唯「ふふーん、これでも私たちリヴァイアにゃんをやっつけたことあるんだよ!」

唯「だから問題ないって」

澪「いや、あれは唯のお陰じゃないだろ……」
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 22:06:15.93 ID:q74Gk4eQ0
純「リヴァイアにゃんって、あの海の主を!? うそ!」

澪「本当。まぁ、完璧に倒したわけでもないし、私たちの実力で倒したわけでもないけど」

純(何々!? この人たちって滅茶苦茶強かったの!?)

純(もう姐御じゃなくてこの人たちに着いて行った方がいい……?)

澪「さ、お喋りはこの辺にしておいて森に入るぞ。のんびりしてたら夜になる」

唯「森の中で遭難しちゃったりしてー」

澪「……そ、そうならないために明るいうちに入るんだ!」

澪「いいか? 絶対変なとこ行ったり、私から離れないように」

唯・純「はーい」
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 22:09:30.50 ID:q74Gk4eQ0
あずにゃんの森


ざわわ・・・

唯「ひぇー、真っ暗だねぇ」

澪「……」

純「木が日の光を塞いじゃってるんですね」

『この先まっすぐ』

唯「この看板通りに行けば出口までいけそう〜」

純「あー、それは分かりませんよぉ」

唯「へ?」

純「知ってます? 実はこの森には迷い込んだ旅人の〜」

澪「わーわーわー!!」

「……」

唯「澪ちゃん?」

純「もしかしてあずにゃんでも飛び出して…きてませんよね?」

澪「い、いや何でもない。何でもないんだ」

澪「さぁー! 行こうー! 早くしなきゃ日が暮れちゃうぞー! はっはっはっー」

唯・純「?」

純「澪さんっていつもあんな感じなんですか?」

唯「どうだろ」
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 22:10:23.27 ID:q74Gk4eQ0
あずにゃんの森


ざわわ・・・

唯「ひぇー、真っ暗だねぇ」

澪「……」

純「木が日の光を塞いじゃってるんですね」

『この先まっすぐ』

唯「この看板通りに行けば出口までいけそう〜」

純「あー、それは分かりませんよぉ」

唯「へ?」

純「知ってます? 実はこの森には迷い込んだ旅人の〜」

澪「わーわーわー!!」

「……」

唯「澪ちゃん?」

純「もしかしてあずにゃんでも飛び出して…きてませんよね?」

澪「い、いや何でもない。何でもないんだ」

澪「さぁー! 行こうー! 早くしなきゃ日が暮れちゃうぞー! はっはっはっー」

唯・純「?」

純「澪さんっていつもあんな感じなんですか?」

唯「どうだろ」
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 22:12:27.50 ID:q74Gk4eQ0
あずにゃんの森


ざわわ・・・

唯「ひぇー、真っ暗だねぇ」

澪「……」

純「木が日の光を塞いじゃってるんですね」

『この先まっすぐ』

唯「この看板通りに行けば出口までいけそう〜」

純「あー、それは分かりませんよぉ」

唯「へ?」

純「知ってます? 実はこの森には迷い込んだ旅人の〜」

澪「わーわーわー!!」

「……」

唯「澪ちゃん?」

純「もしかしてあずにゃんでも飛び出して…きてませんよね?」

澪「い、いや何でもない。何でもないんだ」

澪「さぁー! 行こうー! 早くしなきゃ日が暮れちゃうぞー! はっはっはっー」

唯・純「?」

純「澪さんっていつもあんな感じなんですか?」

唯「どうだろ」
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 22:16:19.10 ID:q74Gk4eQ0
おぅふ、連続投稿してしまった


ガサガサ

澪「っ!!」

ポコにゃん『ポンポコ』ピョン

澪「な、何だ……脅かせないでよぉ……」

唯「図鑑があればぁぁ……」

ポコにゃん『ポンポコォ』スリスリ

唯「お、お?」

純「わぁー野生のあずにゃんに懐かれるなんて珍しい!」

澪「どうも唯はそういう体質があるみたいで」

純「へぇ……」

唯「この子かっわいいねぇー!」ナデナデ

澪「その子はポコにゃんだな。たぬきみたいなあずにゃんだろ」

ポコにゃん『ポコォ…ポコ!?』ダッ

唯「あ、逃げちゃった!」

純「何か一瞬危険察知してるように見えたんですけど」

澪「もしかして凶暴なあずにゃんが」

純「いえ、きっとこの森に住まう亡霊が!」

澪「うぎゃー!!」

「!」
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 22:20:19.34 ID:q74Gk4eQ0
澪「」ブルブル

唯「み、澪ちゃん?」

純「もしかして、怖い話系ダメな人……?」

澪「!」

澪「そんな事はないぞ! 大丈夫、大丈夫だー! はっはっはっ」

唯「澪ちゃん無理しなくてもいいんだよぉ」

澪「いやいや! そんなこと!」

ギャーギャーギャー、バサバサバサ

澪「やあぁー!!」ギュゥ

唯「澪ちゃあん……」

純「ダメなんだ」
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 22:25:16.55 ID:q74Gk4eQ0
澪「本当はこんなとこ通りたくなかったぁ……」

純「じゃあどうして、他のルートだってあったのに」

澪「……その、先輩トレーナーとしてカッコいいところ見せたいなぁ……って」

澪「うぅ……」

純「逆に可愛いところ見せちゃったんですねぇ」

澪「言わないで……」

唯「そんなことしなくたって、澪ちゃんカッコいいよー」

唯「私の憧れですし!」

澪「え……?」

唯「だから大丈夫だよぉ。ね、頑張って先に進もう?」

澪「ゆ、唯ぃ……」

純「あの」

唯「え?」

純「仲積むましい所申し訳ないんですけど、私気づいちゃいました」

純「……この看板見てくださいよ」
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 22:28:28.08 ID:q74Gk4eQ0
唯「看板?」

『この先まっすぐ』

澪「これがどうかしたの?」

純「この看板、さっきも見ましたよね?」

澪「確かに同じ事が書かれた看板はさっき見たけど」

澪「まさか、同じ看板だなんて言うつもり?」

純「はい」

唯「んん〜言われてみれば」

澪「まさか。前に通ったときはこの看板通りに行って迷わず出口まで出れたんだぞ」

澪「書かれてる内容が同じってだけだよ。さ、行こう」

純「……そうかなぁ」

唯「ここは澪ちゃんを立てて素直に進もうよ」

純「んー、唯さんがそう言うなら……」
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 22:32:30.37 ID:q74Gk4eQ0
澪「……」

唯「澪ちゃん怖い?」

澪「う、ううん……唯たちがいてくれてるから全然っ……」

純「……あの、また気づいちゃったんですけど!」

唯「また?」

純「はい。今度は……さっきから全然あずにゃんの姿が見当たらないんです」

純「ここは野生のあずにゃんがいっぱいいる所なんですよ? なのに」

澪「……確かに、何か不自然な気がする」

唯「そういえばポコにゃんと会ってから全然だねぇ」

純「これ感なんですけどね、とっても嫌な予感します」

澪「うーん……」

唯「あ、見て!」

澪「どうした?」

唯「これ……」
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 22:42:07.44 ID:q74Gk4eQ0
『この先まっすぐ』

澪「!」

純「やっぱり! ていうかこの辺よく見てくださいよ!」

純「あの変な形の木! それにここだけ日の光が差し込んでいる!」

純「同じ、同じです! さっき私たちがいた所と……!」

「!!」

唯「……純ちゃんよく見てるねっ」

純「」

純「わ、私これでも観察力だけは人一番に自信があって」

純「だから自信あります。ここは絶対にさっきまで私たちがいた場所!」

澪「そんな……でもそんなことってありえない……」

唯「はっ、まさか亡霊の仕業じゃ!」

澪「やめてぇっ!」

唯「ハイスミマセン」

純「でも一理あるかも」

澪「うぅっ……!」

純「に、睨まないでくださいよぉ……」
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 22:48:33.30 ID:q74Gk4eQ0
唯「あ、私ちょっと先進んでみるよ」

澪・純「は!?」

澪「唯っ、そんな危険な!」

純「そうですよ! もう少し考えて」

唯「でもそしたら今の状況が何か変わるかもだし」

澪「それもそう、だけど」

唯「澪ちゃん1人でなんて行かせられないし、ほら後輩にはいいとこ見せたいしねー!」

純「はぁ」

唯「そいじゃ、何もなければすぐ戻ってくるよー」タタタ

純「だ、大丈夫でしょうか」

澪「私、情けない……」
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 22:51:24.46 ID:q74Gk4eQ0
澪「唯、遅い……大丈夫なのか?」

純「どうでしょう……もしかしたら……」

澪「そういう変な想像を掻き立てる事は言わないでっ」

タタタタタ…

澪・純「」ビクゥ

純「足音、後ろから聞こえて来てませんか……」

澪「ひぃーっ!!」

「あれ」

澪・純「きゃあああー!!」

唯「もしかして2人の後ろに来ちゃった?」

澪「……唯!?」
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 22:54:09.01 ID:q74Gk4eQ0
唯「おっかしいなぁー、ちゃんとまっすぐ進んでたんだよ?」

純「やっぱり……」

澪「もういい!!」

澪「もしかしたらこの道はどこかで入り組んで元の場所へ戻ってきちゃうのかも」

澪「……仕方がない。別の方向から進んでみよう」

純「それって、この獣道ですか!?」

澪「そう」

純「ひぃー……」

唯「今度こそ!」

スタスタスタスタ…

?『ウネウネウネ…』
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 22:58:19.77 ID:q74Gk4eQ0
『この先まっすぐ』

澪「はぁはぁ……ど、どうして!」

純「ぼ、亡霊の呪い……!」

澪「だからっ」

純「ちゃんと話を聞いてください! 実は姐御から聞いたことがあるんです」

純「この森では時々こうやって今の私たちのように森で迷う人たちが出るって」

純「それはこの昔、森で彷徨った末死んだ旅人たちの怨念がそうさせる、とか」

澪「……」ゾゾゾッ

唯「本当?」

純「あくまで噂だとは思うんですけど……実際こういう状況になると」

澪「ウソだぁぁぁっ……わ、私は信じない、信じないぞ……あううう……」

唯「どうしよう」

純「こんな森の中じゃ電波も届いてないでしょうし、参っちゃいましたね……」

唯「……たぬきに化かされた」

純「え?」
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 23:00:47.60 ID:q74Gk4eQ0
唯「ほら、よく山で何かおかしなことにあったりしたときにそんな事言わない?」

純「化かされる……」

純「まさかこれはあずにゃんの仕業じゃ」


キャー!!!


唯・純「!」

純「今の声って」

唯「澪ちゃんの声だよ!!」

純「で、でも澪さんならここに……え、いない……?」

唯「あっちの方から聞こえたよね? 行ってみようっ」タタタ

純「あ、ちょっと! 唯さん!」
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 23:03:37.79 ID:q74Gk4eQ0
タタタ…

純「唯さん、唯さんってば! 待ってー!」

唯「澪ちゃんのピンチなんだよぉー!!」

純「だとしても――――」

ボスッ

純「へ?」

ズボォオッ!

純「あんぎゃー!?」

唯「!」

唯「じゅ、純ちゃんー!? どこー!」

<ココデスー!

唯「どこ〜?」

<ココ、アナノナカデスー!

唯「穴? ……あ」

純「ううぅ、痛っ……」
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 23:07:17.64 ID:q74Gk4eQ0
唯「どうしてそんな所に落ちてるの?」

純「知りませんよ! 私が聞きたいぐらい!」

グイグイ

唯「うぅ、重ー……ふん、すっ」グイッ

純(重いって)

純「あ、ありがとうございます」

唯「うん。それより……」

唯「ここ、通ったことないよね?」

純「え? ……あ、確かに。初めてです。ここ」

唯「澪ちゃんが心配……早く先に進もうっ」

純「ゆ、唯先輩! あんまり動き回っちゃ!」

唯「……!」

唯「澪ちゃんいたぁっ!」

純「えぇ!?」
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 23:11:48.81 ID:q74Gk4eQ0
澪「きゃーきゃーきゃー!」

シュルシュルシュル

プラントにゃん「モ~モ~」

ウネウネウネ

澪「ひぃー!? 触手がぁー!!」

唯「澪ちゃん!」

澪「ゆ、唯助けてっ」

純「こいつ、プラントにゃんですよ! くさタイプの厄介者!」

純「人間やあずにゃんを食べちゃうんです!」

唯「えぇー!?」

澪「ひぃ、ひぃっ!」

ポコにゃん「ギ、ギギ…」

唯「! あの子も捕まってるよっ」

純「さっきのポコにゃん……?」

澪「な、なんでもいいから! 助けてっ、ひぃぃ! ウネウネいやぁー!!」

ウネウネ
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 23:14:51.63 ID:q74Gk4eQ0
純「ど、どうしよう! 私の手持ちにアイツに敵いそうなあずにゃんは」

唯「マグっち! そうだ、マグっちだよ!」

唯「澪ちゃん! バッグはどこー!?」

澪「下ぁっ! 下に落ちてるぅ!!」

プラントにゃん「モモモ」

ウネウネウネ

唯「うわっ……」

純「下って、あれじゃあ取れっこないですよ! すぐに触手に捕まっちゃう!」

唯「でもあの中にマグっちが!」

純「……あのバッグを取ってくればいいんですよね?」

唯「え」

純「私のあずにゃんはこういう事が得意なんです」

カチッ

純「正確には……盗みがですけど!」

純「ゆけ、ゴエモンにゃん!」ポン!
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 23:17:31.27 ID:q74Gk4eQ0
ゴエモンにゃん「テヤンデー!」

唯「何このあずにゃん!?」

純「ゴエモンにゃん! あそこにあるバッグをかすめ取るんだよー!」

純「どろぼう!」

ゴエモンにゃん「テヤンデ――――」

しゅしゅっ

唯「あれ、消えちゃった!?」

純「ちっちっちー! 違うんだなぁ、これが」

純「見えないほどの素早さで、物を盗み取る。これが」

ゴエモンにゃん「ベラボウメー」ス

唯「! 澪ちゃんのバッグっ」

純「私のゴエモンにゃんちゃんですよ!」

唯「よし! いけ、マグっち!」

ポン!

唯「後は澪ちゃんがんば!」

澪「ひぃぃ……!」
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 23:20:54.17 ID:q74Gk4eQ0
澪「まま、マグっちー! ひのこだー! 手加減してね!」

マグっち「マグ」

ボオオォォ

プラントにゃん「ギィイイイイイイイイイイイ!?」

ヘナヘナヘナ…

澪「っ」ボトッ

ポコにゃん「」ボトッ

プラントにゃん「ギィ! ギィィ……!」ワラワラワラ…

純「上手く追い払えましたね!」

澪「食べられちゃうかと思ったぁ……」

唯「本当に危機一髪だったよー」

唯「でも、澪ちゃんいつの間にあのあずにゃんに捕まってたの?」

澪「いつの間にというかだな、どうやらお前たちより先にさいみんじゅつの効果が切れたみたい
で」

唯・純「さいみんじゅつ?」
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 23:22:46.70 ID:q74Gk4eQ0
澪「そう。しかもこのポコにゃんのな」

唯「えぇ!? どうしてこの子が」

澪「おそらく、プラントにゃんにかけようとしたんだとは思う。けど、間違ってなのか私たちにか
かっちゃって」

澪「それで同じ道をぐるぐる回るような幻を見る集団催眠にかかったみたいだ」

純「供用できるようなものなんですか? 幻覚とかなんじゃ」

澪「まぁ、それは私が知った事じゃないけれど。催眠が切れた私はすぐにこの子を見つけてな」

澪「原因はこの子だと思ってすぐに捕まえようとして追いかけた。そしたら」

純「あんなことに、と」

澪「……うん」

澪「しばらくの間は触手、見たくない」

唯「ていうかフツー見なくない?」
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 23:25:29.22 ID:q74Gk4eQ0
ポコにゃん「ポンポコポーン」トテチテ

唯「よっ、と……おぉ!」

唯「2人ともー! 出口だよー!」

純「まさかあずにゃんに道案内されるとは」

澪「看板辿れば迷う事ないのにな」

ポコにゃん「〜♪」

澪「嬉しそうだからいいか」クス

純「たぬきの恩返しってところですかねぇ」

唯「きつねのじゃないの?」

ポコにゃん「ポンポコ〜」

唯・純「ばいばーい!」
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(千葉県) [sage]:2011/11/05(土) 17:44:07.91 ID:R91BTe5Mo
野生のシコにゃんが現れた!

          -‐..::::  ̄ ̄ ::::::......、、        γ⌒ヽ
       /:::::::::/::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::ヽ、 、、    .i   )
, ー- 、 || r'´:/:::::::,イ:::::::::: |::jハ;:::::::::ヽ:::::::::::\      ゞ__ノ
(   )   |::/::::::::/│::::::::::|::| |::::ヽ:: ',:::::|:::::::..',
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     ノ:|::::/   レヘ:::::/   V  ';::|:::::|::::::::::|:::::.i
    . !:::{从     ∨  r  u V::::::|::::::::/::::: | 
    /:::::::::リイ三ミ    イ三ミ /::::::/::::::/:::::::::| || 
    |:::::::: ′/// ,     、/// /:::::::「`)イ::::::::::::|
⌒ , || |:::::::小、u  '-=-'    /::::::::::r'´ |:::::::::::::| 
 、  |∧:::| l::> .. _ U   .イ::::::::::/  |:::::::::::::|
 )   l| V !:::::::::|rュr勹   フ::::/V    |:::::::::::::| ||
'        |:::::/ん)´  /:/ン勹ぅ- 、│:::::::::::|
  ビクビクッ |::/ r')ヘ   んr'´ノ´   ヽ ::::::::::::|
        l;' /  `⌒´  ( {、  u  |:::::::::::::| ブルルッ
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府) [sage]:2011/11/26(土) 23:09:59.00 ID:SpKUXwWFo
マダカナマダカナ
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