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とある雀士達の大覇星祭 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/10/26(水) 23:55:21.01 ID:M606eYZso
総合に投下したものです
なにかどうしようもないミスをしてしまったので逆に吹っ切れてスレ建ててしまいました
よければお付き合い頂けると幸いです

【スレ概要】

・ところどころ地の文あり

・麻雀SSです
ストーリーもそれほどあるわけではないですし、麻雀がわからないときついと思われます

・麻雀の理論については鵜呑みにしないでください
全然違くね?と言われても責任は持てません

・話のアイデアはいくつかあるけどどちらからやったらいいのかわからない場合等、
安価やアンケートを取る予定です。もちろん人がいればということにはなるのですが、
よければこれもお付き合い頂けると幸いです

・カップリングについてはあると思われるとだけ。詳細は未定です
話の順番によって少し変わることもあるかと思いますし、もしかしたらないかもしれません
その点については寛容な目で見ていただけるとありがたいです

・ショートストーリー詰め合わせみたいな形式にするつもりです

・感想はもちろん、批判も歓迎

こんなところでしょうか。では、さっそくやっていきたいと思います

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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

2 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/26(水) 23:56:52.11 ID:M606eYZso

【第1話/開幕・大覇星祭!師の導く声を聞け】


ここは学園都市。
麻雀に魅せられた人間が作り、麻雀に魅せられた人間が集う都市。
そこで例年開かれる麻雀大会、その名前を大覇星祭と呼んだ。

今日はその大会の予選開催日である。
学園都市のとある高校、そこでも予選の準備が進められていた。

「はーい、それでは野郎ども、子猫ちゃんたちにカードを配布するのですよー。
一応再発行はできますけど、なくさないでくださいねー?先生との約束なのですよー?」


そういいながらこのクラスの担任である月詠小萌が配るは大会用のカードである。
大会には予選があるのだが、その予選は学園都市の全域で行われる。
このカードをカードリーダーにさし、指定された10半荘以上を打つ。
その成績に応じて予選通過の可否が決まるわけである。
なおこのカードにはそれまでのデータも記載されており、
これを参考にして打つことが期待されている。

カードはすぐに全員に行きわたる。
それは当然、このクラスの一員である上条当麻も例外ではない。


上条当麻/レベル0
対局数 0/10
順位率
予選中 予選前
1 0% 14%
2 0% 28%
3 0% 26%
4 0% 34%


「……はぁ。やっぱり負けてばっかだなあ」
「なになにカミやんどうしたの……あらー、これはちょっとひどすぎやねえ」
「どれどれ?うわ、これはさすがに酷過ぎだぜい……」

こうして話しかけてきたのは青髪ピアス・土御門元春の二人である。
上条が腐れ縁ということで長年仲良くしている二人だ。

「なんだよ、それならオマエらもデータ見せてみろよ!」
「ん?ええよー」
「俺も構わないぜい」

ペロー、っと差し出されたカードは以下の通り。

----/レベル1
対局数 0/10
順位率
予選中 予選前
1 0% 19%
2 0% 30%
3 0% 34%
4 0% 17%

土御門 元春/レベル2
対局数 0/10
順位率
予選中 予選前
1 0% 21%
2 0% 25%
3 0% 28%
4 0% 26%
3 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/26(水) 23:57:58.67 ID:M606eYZso

「う……確かに、上条さんよりは大分……」
「そうやろー? つっちーには及ばへんけどねえ」
「青ピはラス回避麻雀しすぎなんだぜい、まったく……
学園都市は基本はトップ率を重視するから、レベルあげたかったらトップを狙っていかないといけないんだにゃー」
「わかってるんやけどねえ……どうしてもラスはイヤやねー。
だから基本的にはオカがない雀荘に行くようにしてるんやけど」
「そういや青ピ、オマエその名前はどうしたんだよ?」
「んー、なんか登録で手違いだしてしもたらしくてねー。
小萌センセがあとでちゃんとなおしとくから、とりあえず今はこれで我慢してくれって」
「珍しいこともあるもんだにゃー」
「そうやねー」

穏やかな談笑が続く。
そこに三人の担任である小萌がやってきた。

「あれセンセ、どないしたん?もしかしてボクに会いに……」
「あたらずも遠からずなのですよー。
青ピちゃんには、もう一度しっかり登録ミスのことで謝っておかないといけないと思いましてー……」
「ああもうセンセ、そんな表情で見つめられたらボクもう……!」
「やめろ変態!」
「やめるんだにゃー!YesロリータNoタッチだぜい!」
「つっちーに言われても説得力0やー!!」
「せ、先生はロリではないのですよー!」


手を振り上げ抗議しても無駄と悟ったのか、コホンと咳払いをして調子を整える。


「そ、それはそれとして。ちょっとアドバイスをしようとも思ったのですよ」
「アドバイス?」
「まず予選では、対戦した相手のレベルも考慮されるのです。
だからあんまり弱い者イジメをしてばかりじゃダメってことなのですよー」
「うっ」
「カミやんの考えそうなことだにゃー」
「スキルアウトのいるあたりでもいこうと思ってたんやろうねえ」
「それと、上条ちゃんは最近特に成績が落ち込んでるのですが、気にしすぎも毒なのですー。
ですからもし三人がよければなのですが……」
「もしかしてもしかして、あれやねセンセー!ボクはいつでも歓迎やー!」
「小萌先生とは最近してなかったら丁度いいにゃー」
「え、え、なに?」
「……この流れ、普通はわかるはずだぜい……」
「カミやんはさすがやねえ」
「先生と一局打ちませんか、ということなのですよ。
時間があまりないので東風になってしまいますが……」
「せ、先生ー!」
「うわっぷ、か、上条ちゃん抱きついちゃだめなのですよー!
ふ、二人とも見てないで助けてほしいのですー!」
「目の保養やねえ」
「そうだにゃー。でもカミやんはあとでぶっとばす」
「もちろんやねー」

4 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/26(水) 23:59:10.17 ID:M606eYZso

『とある高校・宿直室』

【ルール】
点3
オカアリ・ウマ1−2
『東風』アリアリ
赤牌はそれぞれに1枚ずつ、計3枚
4飜30符、3飜60符は切り上げ満貫
ダブロンアリ。リー棒、積み棒は頭ハネ
槓ドラは即乗り
チーとポンはポン優先
ダブル役満アリ。スッタン、純正チューレンや国士無双13面などもダブル
包アリ。大明槓包もアリ
シーサンプートーアリ
四風連打、九種九牌、四開槓による流局あり

5 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 00:00:09.83 ID:66llNnGao

「じゃ、先生の親から始まりなのですよー」

東1局 親・小萌

東 小萌 25000
南 青ピ 25000
西 上条 25000
北 土御門 25000

ドラ・3p

・上条配牌
二二四六14889s5p南南北

(……なんといういつも通りの配牌。あ、いつもよりちょっといいか)
(カミやんのわかりやすさはある種の才能やねえ)
(とりあえずカミやんは警戒しなくてよさそうだにゃー)
(上条ちゃん、頑張るのです……勝負は時の運なのですよ。
それを見極めるのが肝要なのです)


『5順目』
・土御門手牌
二三四八4r567s3488p北 ツモ北

(うーん、役牌としての北にはそれほど興味はないけどにゃー。
ピンフ系ならソウズを伸ばすのは既にほぼ確定だぜい。
それなら安全を買う意味で、八切りと行こうかにゃー)

《土御門 打 八》

「ポン!」
「ああん、ボクもセンセに食べられたいでー」
「そ、そういうつもりではないのですよー」

《小萌 打r5p》

「「「!」」」 
「うーむ、センセ早そうやねえ」
「どうなのでしょうねー?」
「やれやれ、油断はできないにゃー」


『8順目』
(小萌先生、さっきの鳴きからもう怖いなー。さて、上条さんはと……)

・上条手牌
二二二四五六899s45p南南 ツモ3p

(おお、絶好のドラ引き!あまり高くはないけど南も9も一枚も出てないし、まだ5順目。
一枚切れの7よりもアガれそうな9と南のシャボでリーチだな!!)

「リーチ!」

《上条 打 8s(リーチ)》

「……それ、ロンなのですよー」
「うえっ!?」

・小萌手牌
三四五34567s33p[←八八八]

「親のタンヤオドラドラ、5800なのです」
「ちょっと高いし……不幸だ……」
「ここは満貫なかったことを喜ぶところかもしれないにゃー」
「迷わず鳴いて赤切るアタリはさすが小萌センセやねえ」
「アレ切ったら聴牌だったので、ノータイムでの行動なのですよ。
満貫を夢見るのはもちろんいいですけど、確実なアガリも大切なんですからね!」
「身にしみました、ハイ……」


東 小萌 25000→30800
南 青ピ 25000
西 上条 25000→19200
北 土御門 25000

【info:リーチ宣言牌でアタった場合は、リー棒を出す必要はありません】
6 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 00:00:31.51 ID:66llNnGao

東1局・一本場 親・小萌

東 小萌 30800
南 青ピ 25000
西 上条 19200
北 土御門 25000

ドラ・八

・上条配牌
一一二三六六八349s2p東中

(お…!上条さんにしてはそこまで悪くない配牌!)
(上条ちゃんが落ち込んでないのですー……
上条ちゃん、チャンスが来たならそれを逃がさないようにするのですよー?)


《小萌 打 発》

「あ、それポンやねー」
「せっかちだにゃー」
「もう一枚が王牌で眠ってたらどうするんつっちー!」
「上条さんにありがちなことですねー」
「そ、その、そういう時もあるのですから一概に一枚目で鳴くのもあながち間違いだとは言えないのです。
もちろん、他に手代わりしていく可能性を捨てているのは確かですが、
青ピちゃんの手牌が見えない以上はあまり多くは語れないのですよー」
「そういうことやねー」


『7順目』

・上条手牌
一一二三四六七八349s23p ツモ2s

(これは良い、三色もあるし、これは一体誰の手なんでせうか!
高め狙いでここはダマでいくか!)

《上条 打9s》

(ふーむ……だにゃー)

《土御門 打4s》

「あ、土御門ちゃん……」
「それ、ロンやー!」


・青ピ手牌
六七八23456s白白[←南南南]
ドラ・八

「南ドラ1、2000は2300やね」
「ふいー、あんまり高くなくてよかったぜい」
「うおお、上条さんの満貫が……!うおお……!」
「……」


・青ピ捨牌
一北8s西6p3s
5s

・土御門手牌
三五五七八2256s2344p



東 小萌 30800
南 青ピ 25000→27300
西 上条 19200
北 土御門 25000→22700
7 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 00:00:58.86 ID:66llNnGao

東2局 親・青ピ

北 小萌 30800
東 青ピ 27300
南 上条 19200
西 土御門 22700

ドラ・中

(ぬぐぐ……上条さんにあんな手は今後来るんでせうか……)

・上条手牌
一三五33479s56p中中中

「きたああああああああああ!!!」
「うひゃあっ!」
「うるさいぜいカミヤん……」
「……上条ちゃん、素直なのは先生も好きですけど、ポーカーフェイスも麻雀の大事な要素なのですよ……」
「き、気をつけます……」
「全くもうカミやんときたら、困ったもんやねえ」

《青ピ 打 二》

「チー!」
「あらー……」
「イヤな鳴きしてくれるぜい……」
「ま、まあ、勝負手が来たならそう悪い選択ではないと思うのですよ。多分……」


『6順目』
・上条手牌
五六339s56s中中中 [←一二三] ツモ7s

(よし、聴牌だ!)

《上条 打 9s》

(むう、これはどうしようもないにゃー……)

《土御門 打 9s》

(上条ちゃん、聴牌したんですかねー……ここはとりあえず回すのです)

《小萌 打 7s》

(うーん、親やし結構いい手やし……まっすぐやね)

《青ピ 打 五》

(来い、ツモれ!ツモれ!)

・上条手牌
五六33s567p中中中 [←一二三] ツモ七
ドラ・中

「良し、ツモった!中ドラ3、2000-4000だ!!」
「……ボク、結構危なかったんやねえ」

北 小萌 30800→28800
東 青ピ 27300→23300
南 上条 19200→27200
西 土御門 22700→20700
8 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 00:01:36.34 ID:66llNnGao

東3局 親・上条

西 小萌 28800
北 青ピ 23300
東 上条 27200
南 土御門 20700

ドラ・南

(よし、いいぞ、良い流れだ。こういう時こそ慎重に、慎重に……)

・上条配牌
三四r五33577s2445p西白

(これもいい手牌だ!鳴いてタンヤオドラ1ができる!)
(……カミやん、浮き足だってるにゃー?)
(なんか土御門君が悪い顔してる気がするでー……)

《上条 打 西》

「ポン!」
「「「!」」」
「なに驚いてるんだにゃー?それ、五切って先生の番ぜよ」
「……やりにくくなってきましたねー。ここが正念場なのですよ」


『8順目』

(いい手にはなって来たけど、土御門にピンズが危ない……)

・土御門捨牌

五七4s9s3s南
四2p

(でもあの土御門だ、本当にピンズ待ちなのか?
いや、でも南は捨ててるし赤ドラがあるかなんていちいち気にしてたら闘えない。
自分で一枚持ってるから最大で赤赤だし、
染め手じゃなかったらそう大した点じゃないんだ。
張ったらピンズ以外は真っ向勝負だ…!)

「なーんかカミやんがごちゃごちゃ悩んでるみたいやけど、
その前にボクがリーチやー!」

・青ピ 打 一(リーチ)


・青ピ手牌
二三四四四五六七45s888p 待ち:36s
ドラ・南

・青ピ河
東東2s3p5p白
7s一(リーチ)

(やばい、全然青ピケアしてなかった……3-6sあたりか!?
でも先生も、ウラ筋とか信用し過ぎるなって言ってたしな……回せれば回したい。
いやでも、ここは弱気になる手じゃない!テンパったら行く!!)

9 :問題のシーン。当然修正済みです… ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 00:02:10.74 ID:66llNnGao

『9順目』
・上条手牌
三四r五33r577s23445p ツモ6s

(よし!三色は見込めなくなったけど、良い形だ!切る牌もちょうど青ピの安全パイだし、
アタリ牌も青ピの河にある!土御門が下りるか、先生が土御門よりも青ピを気にすればでる!
この手にリーチはいらない!)


《上条 打 7s》

「カーミやーん」
「ん?」
「悪いけど、そ れ な ん だ よ にゃー」

・土御門手牌
r5666s4r56p南南南 [←西西西]
ドラ・南

「……は?」
「南ドラ5。ハネ満だぜい」
「は、はああああ???染め手だったんじゃ!?
それに南って、一枚切ってるのに!?」
「……なんとも、老獪な一手なのです……
先生も、ドラの南を引いてきたら多分カンしてるのですよー」
「はあー、さすがつっちーやねえ……ボクも絶対そのアガリにはならんわー。
あーあー、まあでも振り込まなくてよかったわー」
「さ、カミやん。12000、耳をそろえて払ってもらうぜい!」
「ふ、ふ、不幸だー……」

西 小萌 28800
北 青ピ 23300→22300
東 上条 27200→15200
南 土御門 20700→32700

【info:青髪ピアスはリーチをしているので、リー棒分の1000点を失います】
10 :問題のシーン。当然修正済みです… ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 00:03:44.87 ID:66llNnGao

東4局(オーラス) 親・土御門

南 小萌 28800
西 青ピ 22300
北 上条 15200
東 土御門 33700

ドラ・2s

「うおー……」
「うおう、カミヤんのテンションが……」
「まああれにあたったらしょうがないんやない?」
「先生もあれは、当たり得たのですよー……
土御門ちゃん、やっぱり麻雀うまいですねー?」
「レベル2捕まえて麻雀うまいなんて、買い被りもいいとこですにゃー」
「うーん。まあ、先生は深くは聞かないのですよ」
「……にゃー」
「?」
「?」
「二人は気にしなくていいのです!さ、土御門ちゃんが切らないと始まらないのですよ!」
「あ、ごめんだぜい、二人とも!」

《土御門 打 一》

「それ、ポンだ!」
「あらら……今日はよく染め手が……いや、染め手『っぽい』鳴きが入る日なのですよー」

・上条手牌
二四七九九58s345p [一一一→]
(点数的に、これはもう染め手に行くしかない!
どうせラスなんだし、もうどうとでもなれだ!)


『4順目』
「チー!」
「あら、鳴かれてしもたかー」

『7順目』
「ポン!」
「うう、そろそろ厳しいのですー」

『9順目』
・上条手牌
五六七南[一一一→][←三二四][九九↑九] ツモ三

(よし、待ちはよくないけど清一色張った!)

《上条 打 南》

・上条手牌
三五六七[一一一→][←三二四][九九↑九] 待ち:三 
11 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 00:04:16.63 ID:66llNnGao

「うーむ、参ったにゃー」

《土御門 打 南》

「……」

《小萌 打 1s》

「振りでもしたらボクがラスやしなあ…といってもツモられてもダメなんやけど」

・上条手牌
三五六七[一一一→][←三二四][九九↑九] ツモ四

(お……でもどっちに受けるかな?
場に見えてる枚数は同じだし……なんとなく、四-七で待ちたい気がするな。
三-六のがいいのかもしれないけど、どうせ出ないだろうし…よし)

《上条 打 三》

「おおう……まあそれが通るってのはありがたい話だぜい」

《土御門 打 三》

「……」
「センセ?センセの番やでー」
「……先生はですね、一生懸命頑張っている生徒さんの姿が大好きなのです」
「?」
「麻雀でもそれは同じで、上条ちゃんみたいに頑張ってる生徒さんはどうしても応援したくなっちゃうのですよ。
だから青ピちゃんには悪いんですけど、順位も変わりませんし、許してほしいのですよー。
今度お昼ご飯奢ってあげるのですー」

《小萌 打 四》

「え……あ、ロン!」
「野郎ども、大覇星祭、しっかり頑張ってくるんですよ!」

『――――終局!』

12 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 00:05:05.20 ID:66llNnGao

順位
一位 土御門 元春 レベル2
二位 上条  当麻 レベル0
三位 ---- ---- レベル1
四位 月詠  小萌 教師


「ああんもうセンセってば、カミやんばっかりずるいー」
「ご、ごめんなさいなのですよ……でも青ピちゃんはまだ手が遠そうだったので、それならと……」
「さすがセンセ、そこまでわかってたんやねー」
「はー……そんなところまで気を配る余裕無かったなあ」
「カミやんのアタリ牌もわかってたに違いないぜい!」

「いやその、あれはあまり確証があったわけではないのですけど、
上条ちゃんの手を見てると新しくツモった牌は三の隣に入れたのがまず一つなのです。
上条ちゃんは理牌が素直ですから、三より大きい数字なのはほぼ間違いなかったのです。
それで八は先生が三枚持っていて、青ピちゃんが一枚切っていたので、
四五六七か四四五六、五六七七の形がありそうだと思っただけなのですよー。
あれが空切りだったり、567あたりのシャボだったらわからなかったのです」

「……」
「カミやんが固まってるぜい」
「この顔は理解できとらんねえ」
「……ま、麻雀って、奥が深いんですね……」
「その通り!上条ちゃんも、まだまだ勉強なのですよ!
あ、でも麻雀以外もちゃんと勉強してほしいのですよ?」
「が、頑張ります!まずは大覇星祭頑張ってきます!」
「その意気なのです!では、先生は用事があるのでそろそろお暇するのです。
もし使いたければそのまま宿直室を使ってしまって構わないのですよー」
「あ、ありがとうございました!」

ぶんぶんと手を振って宿直室を出て行った小萌。
どうせ今からではメンツも集まらないので、それに続くようにして上条達も宿直室を出ていった。
13 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 00:06:23.04 ID:66llNnGao

「大覇星祭かあ……」

ぶらりぶらりと歩きながら呟くは上条当麻。
学校からの帰り道、青ピと土御門の二人と別れ、いつも通る公園に差し掛かったところである。

「ちょっとアンタ!」
「ん?」

そこで声をかけたのは、常盤台中学に通う序列第3位の御坂美琴。
なにやら険呑なその視線には上条に対する敵対心が伺えた。

「なんだ、御坂か。また勝負か?」
「それもあるけど、そうじゃなくて。あ、アンタ、大覇星祭参加するんでしょうね?」
「あー、そうだなー……参加するつもりではあるけど」
「よし、それなら今日はとりあえず対局はお預けでいいわ。
予選で決着ついてもつまらないし」
「そうだなー……」

ふと、先ほどの対局が上条の頭をよぎった。
おこぼれで貰ったような2位だったが、アレで予選を勝ち抜けるだろうか。

「どうしたのよ、急に遠い目しだして」
「ああいや、さっきの対局を思い出しててな」
「なに、もうやったの?気が早いわねー」
「いや、先生がやってくれるって言うからさ。勝たせてもらったってカンジかな、正直」
「ふーん?」

どこか訝しむような目つきを向ける美琴。
彼女は上条のことを、ただのレベル0だとは思っていないきらいがある。
それには止むに止まれぬ理由があるのだが……

「そ、それはいいとして。どうかしたのか、御坂のほうは」
「ん。あのさ、ここらへんで私の妹みなかった?」
「妹?って、どっちだ?」
「打ち止めのほう」
「見てないなあ。なんかあったのか?」
「待ち合わせしてたんだけどねー……見当たらないし、連絡もつかなくてさ」
「まさか……」
「……や、やめてよね。誘拐とかそんな……」


「おいクソガキィ!いつまでも周りチョロチョロしてンじゃねェ!」

横から聞こえたその怒声に上条と美琴が振り向いてみれば、
そこにいたのは美琴の妹と、白髪の謎の少年。

「……ゆ、ゆ、誘拐!?」
「誘拐だって……!?」

だっ、と靴音を鳴らしながらその男に駆け寄る二人。

「おいオマエ!」
「ン?」
「あ、カミジョーだ」
「おいオマエ、そんなことしたくてこの都市に来たのかよ!?
ちげえだろ!!誰もが憧れるような最強の雀士になりたくてここに来たんだろ!?
金がない?麻雀で勝てない!?いいぜ、それでオマエが打ち止めを誘拐するっていうなら、
まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!!!!!」

そうして放たれた上条の決死の右ストレートは、あえなく避けられたのであった。

14 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 00:13:10.00 ID:66llNnGao
一旦終わりです。
2話までは書きためておいたので、後ほど投下する予定です。

需要の少ないスレだとは思うのですが、需要は書いて作れ……ということで。
禁書にあまり興味がない人でも麻雀を知っていれば楽しめるものにしようと思いますので、
どうぞよろしくお願いします。
禁書を蔑ろにするという意味ではないですよ?


あと、おまけがてら毎話の終わりに人物紹介的なものをつけることにしました。
原作とどう変わっているのか、どういう雀風なのか等々……

そこでは打ち方の特徴などを能力という言い方をしていますが、
異名とか、精々アビリティのようなものと思ってください。
明確に能力として浸透しているわけではないですし、そう無茶苦茶なものはつくらないつもりです。

それでは拙作を読了頂きまして、ありがとうございました。
15 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 00:19:12.95 ID:66llNnGao

・対局ファイルNo.1

・上条当麻/レベル0
プロフィール/1話の主人公。
基本的に不幸には定評があるが、今回はお情けで勝たせて頂いた。
不幸属性のため、これからの成長に期待できるかどうかは微妙。
インデックスとはいろいろあって一緒に住んでいるが、お互い記憶は無事である。

能力
@幻想殺し
物事をあまり深く考えずに楽天的なため、深読みさせるタイプの罠にあまりかからない。
しかし今回はまんまと土御門に振りこんでいるため、絶対的なものではない。
とはいえ、あれはただ切るべき余剰牌を切ったら当たったというものなので、あまり責めては可哀想。

A不幸
とにかく不幸。ツモと配牌的にまともに戦えることはあまり多くないので、
負けが多くてもあまり責めては可哀想。

B主人公補正
そんな彼でも稀に神がかり的なツモをすることがある。
人はこれを主人公補正と呼び、オーラスは緊張感に溢れる時もある。

対局数 0/10
順位率
予選中 予選前
1 0% 14%
2 0% 28%
3 0% 26%
4 0% 34%

・土御門元春/レベル2
プロフィール/今回の強敵。
飄々とした上条の親友だが、その実力はなかなかのもの。
まだ真の実力を隠しているようだが、披露することはあるのだろうか。
妹の舞華とは人には言えない仲。

能力
@背中刺す刃
相手の裏をかく戦法を得意とする。
時には味方のフリをし、時には敵として相手を嵌める、一筋縄では攻略できない男。

A???
未知数。まだ奥の手を秘めているようだ……

対局数 0/10
順位率
予選中 予選前
1 0% 21%
2 0% 25%
3 0% 28%
4 0% 26%

・青髪ピアス/レベル1
プロフィール/今回は比較的空気。
女の子が大好きな上条の親友。
ラス回避麻雀を信条としており、ラス回避ではなく真っ当に打っていればレベル2はあると思われる。
麻雀はゲーセンの脱衣麻雀で覚えた。
そのため理不尽への対処は得意だが、今回は日の目を見ることはなかった。

能力
@???
不明。

対局数 0/10
順位率
予選中 予選前
1 0% 19%
2 0% 30%
3 0% 34%
4 0% 17%

・月詠小萌/教師
プロフィール/とにかくいい先生。
上条達の担任をしており、麻雀から心理学からなんでも教えている。
麻雀はかなり強く、レベル3強ないしはレベル4に相当すると思われる。
雀風は堅実そのもの。
でも学園都市は強い人間が多いので、ちょこちょこ負けている。ギャンブル好きだからそれも仕方がない。
上条達は彼女に麻雀を教わり、かなり強くなった。
ただ上条は持ち前の不幸でどうにもならないので、そのことについて頭を痛めている。
16 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 00:27:51.46 ID:66llNnGao
大事なことを注意書きに書き忘れていたんですが、
この作品には現段階で主人公らしい主人公はいません。
その話ごとの主人公というのは一応いますが(今回は上条さん)、全体としての主人公は想定していません。

つまり、上条さんが出てくるときもあれば出てこない時もあるし、
一方さんが出てくるときも出てこない時もあるし……そしてそれは他の登場人物にも言えるということです。
書いておこうと思っていたのですが、忘れていました。
すみません。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 00:48:15.11 ID:0mT2fdhp0

台詞に改行入れてもらえると見やすいと思います
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2011/10/27(木) 00:49:44.40 ID:yM32pqOAO
だいじょうぶ、私はそんな>>1を応援している


(聖人の幸運とかどうするんだろう…)
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西) [sage]:2011/10/27(木) 00:54:06.52 ID:OHq0V/Cs0
乙。
>>18
禁書で麻雀漫画書いてた人がいたけど、神裂は天和あがってたな。いや、これはどうか知らんけど。
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/10/27(木) 06:56:43.03 ID:M8oB2dN7o
こういうのを待ってた、全力で待ってた
超期待してる
21 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 11:44:32.73 ID:66llNnGao
なんだか昨日の夜はエラーがでて書き込めませんでしたね。
昨日の内に2話も書きこんでしまうつもりだったのですが、すみませんでした。

>>17
地の文形式なのでほとんど改行は入れなかったのですが、そうですね。
見直してみると見にくいので、ある程度入れていこうと思います。
毎行改行するのもそれはそれで見にくい気がするので、適宜。
と、いいつつ少し今回も見にくいかもしれません……改善できるように頑張ります

>>18 >>19
神裂さんは本編には登場の予定は今のところありません。
本編というのは、この作品は短編集のようなものなのですが、
それでも大きなストーリーというのはあるのでそういう意味での本編ですね。

番外編としてネタは考えていますが、やはりかなりの豪運です。
そう遠くない内に書くつもりです。

そして早速で申し訳ないですが、一か所修正です。
人物紹介のところでカードのデータを更新してませんでした。
まあ、正直予選中のデータはあまり重要ではないんですが……
正しくは以下の通り。

上条当麻/レベル0
対局数 1/10
順位率
予選中 予選前
1 0%   14%
2100%  28%
3 0%   26%
4 0%   34%

----/レベル1
対局数 1/10
順位率
予選中 予選前
1 0%    19%
2 0%    30%
3100%  34%
4 0%    17%

土御門 元春/レベル2
対局数 1/10
順位率
予選中 予選前
1100%  21%
2 0%   25%
3 0%   28%
4 0%   26%


さて、それでは気を取り直して第2話です。

しかし、自分ではそれなりに納得してるんですが、
見直してみると宣伝スレでうたったような本格麻雀SSとはちょっと言えないかもしれない……
22 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/10/27(木) 11:45:24.64 ID:66llNnGao

【第2話/運命の悪戯?か弱き少女よ、最強の名を呼べ!!】


「もう!この人が誘拐だなんて失礼なこと言っちゃだめだよってミサカはミサカは注意してみたり!!」
「「すみませんでした……」」
「善人面じゃねェのは自覚してるが……勝手に纏わりつかれて勝手に誘拐犯呼ばわりはあンまりだろォ……」


白髪の少年の前で、美琴と上条の二人は平伏していた。
善良な一市民を誘拐犯呼ばわりした挙句殴りかかれば当然の対応である。


「でもアンタ、こんな人とどこで知り合ったのよ?」
「こンな人、ねェ……」
「あ、いやその、悪い意味じゃなくて、その……ゴメン」
「……」

「この人はね、ミサカの恩人なのってミサカはミサカは説明してみたり!」
「「恩人??」」
「勘違いだろ」
「もう、違うでしょ!!あなたってばいつまでもそんなこと言ってるんだからってミサカはミサカはツッコんでみたり!」
「うぜェ」
「もー!!」

………
……

23 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 11:46:23.69 ID:66llNnGao

……およそ一ヵ月前。

「むう……全然ダメだーってミサカはミサカはしょげてみたり」

ある雀荘。打ち止めと呼ばれる少女が唸っていた。
少ない小遣いを握りしめて意気盛んに雀荘に乗り込んだはいいが、既に4半荘連続ラス。
現在も上家からリーチがかかっており、金銭的にも追いつめられた状況だ。
彼女はレベル3の称号を持っておりそこまで弱い打ち手ではないのだが、今日は運と相手が悪かった。

「これかなー……えーい!」

《打ち止め 打 5s》

「……御嬢ちゃん、さっきから運がないねえ」

・上家(男3)手牌
二二六七八2344677s3p4p5p

ドラ・二  裏ドラ・7p
「メンタン一発ドラドラと。裏のらなくてよかったねえ、御嬢ちゃん」
「むー!!ってミサカはミサカは唸ってみたり!!」

南2局

北 男1 31600
東 男2 33000
南 男3 27000→35000
西 打ち止め 8400→ 400

(なんだかよくわからないけど、さっきからなんだか当たり方がおかしいってミサカはミサカは考えてみたり。
さっきからカンチャンペンチャンに一発であたったり、一発でツモられたり。
なにかやってるような気がするんだけど、ミサカにはわからないという事実にミサカはミサカは愕然としてみる……)



「――やれやれ。見てられねェな」



不意に打ち止めの後ろから声がかかる。
ややハスキーな少年の声だ。打ち止めに聞き覚えはない。
振り向いて見てみれば、そこには白髪赤眼の少年が立っていた。

「見てられないって何、ってミサカはミサカは憤慨してみる!!
「オマエじゃねェ。そいつら三人だ」

突然の少年の言葉に、打ち止めと対局していた三人は口を開いて呆けている。
数瞬の後に言われた内容に思い至り、顔を赤く染めた。

「なんなんだオマエは、急に後ろから!!」
「事実を言ったまでだ。おいオマエ」

少年は、すっと打ち止めの方を見る。
その口が描くは三日月のような、空間を裂くような笑み。

「代われ。俺がやる」
「えっ、えっ……」
「負け分は全部俺が払う。もし勝ったらその分はオマエが持って行ってかまわねェ」
「なんでそんな……」
「こいつらにちょっと痛い目見せてやろォと思ってな。いいだろ、どけ」

そういうと少年は、打ち止めの襟首をぐいと掴んで後ろに立たせた。


「ま、オマエはそこで突っ立って見てろよ」


少年が首をひねるのに合わせて、コキリという音がした。
24 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 11:46:54.15 ID:66llNnGao

「さァてお兄さン方。始める前に一ついいですかねェ?」
「……なんだよ?」
「レート、いくらでやってたンだ?」
「点3だ。大したレートじゃねえが……」

「そのレートで初心者やガキ相手に小銭稼いで喜ンでたって訳だ。
さァてそンな金のないお兄さン方に朗報も朗報。
どォだ、レートを10倍にしねェか?」
「10倍!?」
「正気かよ、オマエは今400点しか持ってないんだぜ?」
「400点をどう思うかはそっちの勝手だけどなァ。どォする?」

男たちは顔を見合わせて、ニヤリと笑った。

「決まりだな」




【ルール】
点3ピン。(=点30)
オカアリ・ウマ1−2。
東南アリアリ。
赤牌はそれぞれに1枚ずつ、計3枚。
4飜30符、3飜60符は切り上げ満貫。
チーとポンはポン優先。
ダブロン『ナシ=頭ハネあり』。
槓ドラは即乗り。
ダブル役満アリ。スッタン、純正チューレンや国士無双13面などもダブル。
包アリ。大明槓包もアリ。
シーサンプートーアリ。
四風連打、九種九牌、四開槓による流局あり。
25 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 11:47:47.87 ID:66llNnGao

南3局 親・男3

西 男1 31600
北 男2 33000
東 男3 35000
南 ???   400

ドラ・発

「リー棒もないのに無茶だよってミサカはミサカはあなたを止めてみたり……!」
「リー棒?そンなモンすぐに手に入る」
「言うじゃねえか。精々飛ばないようにするんだな?」



『9順目』
・???手牌
三五234668s4689p発 ツモ 3p

《??? 打 9p》

(この順目でこの手……もうダメだーってミサカは絶望してみたり!
でも負け分をこの人に払わせるわけにはいかないってミサカはミサカは財布を握り締めてみる……)
「そンなモン置いとけ、必要にならねェからよォ」
「で……でも!」
「俺が勝算ナシで代打ちするほどのバカに見えるか?」
「う……」

そう言われ、言葉に詰まった打ち止めはそっと財布をポーチに戻した。
しかし打ち止めの不安は依然として消えたわけではない。
その不安を後押しするかのように、次の瞬間。

「リーチ」

《男2 打 9p(リーチ)》

・男2 捨牌
西北一1p8s1s
中3p9p

対面、北家の男2からリーチがかかる。
その光景を見ると、どうしても打ち止めの手は再び財布に伸びていく。
だが、その打ち止めの表情とは対照的に、白髪の少年はニヤリと笑っていた。

《男3 打 中》

・???手牌
三五234668s3468p発 ツモ中

「よかった安牌だー……」

少年は、一瞬辺りを伺うようにしながら思考する。
そして―――

《??? 打 8p》

「えーっ!!?」

(安牌で浮いてる中を切らないで、8p切りってコラー!!ってミサカはミサカは憤慨してみる!!
あれだけ大口叩いておいて負け分増やそうとしてるだけじゃないって、
ミサカはミサカは今更強引にでも自分で打っておけばよかったって後悔してみる!
あ、でも負け分はこの人が払うって言ってたっけ……?
もう、本当に払ってもらっちゃおうかなあってミサカはミサカは前言撤回してみたり……)

「はあ、あんだけ言うからなにかと思えば……ま、これで終わりだな。ロンだ」

男はそう言うと、カチャと音を立てて理牌をする。
この男がこれまでもしてきた動作だ。
その瞬間、白髪の少年がその手をガシと抑えつけた。
26 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 11:50:12.37 ID:66llNnGao

「!? なにしやがるてめ……」
「お、お客様一体どうなされましたか!?」
「あァ、丁度いいところに。店員さァン。ちょっとこれ見てくれよ」

・男2 手牌
七八九789s222p789p発発 ロン 8p

「……え?既にアガってるし、8pも持ってる……?
……ミサカはミサカは状況がわからなかったり」
「これ多牌だよなァ、店員さンよォ?」
「あ、ハイそうですね。……ウチだと多牌は満貫払いですけど……いいんですか?」
「なンか問題でもあンですかァ?」
「いえその……お客さんがいいなら、いいんですが」

そういうと店員は去って行った。

「さァ、耳をそろえて2000-4000。払ってもらえますかねェ?」
「グッ……テメエ……!」

まさに一触即発の雰囲気である。
しかし、遠目に店員がこちらを見ていることもあり、男2は強く出ることができない。

(この白髪野郎、最初から俺のイカサマを気づいていて……
打牌前の一瞬の躊躇!あれは店員がこっちに来るタイミングを見計らって……!!
……しかも、店員が来るタイミングを見計らったってことは、だ。
この列……気付かれてるってことかよ!)


【info:@男2が行ったことは、チョンボはチョンボですが、それ以上にイカサマです。
やり方は以下の通り。予め多牌で既に和了した状態にしておいて、
リーチをします(しなくてもいいですが、多くの場合はします)。

そしてどこかの所持牌か、もしくは順子に隣り合う牌を引いてきた、
あるいは切られたときにツモやロンを宣言。
理牌するフリをしながら、手牌から一枚抜き、切られた、あるいはツモってきた牌にアガれるような形にします。
このイカサマを使用するとかなりの確率で一発が出ますし、狙い打ちも容易です。

例:七八九789s222p789p発発 ツモ 8p
この時、手牌からこっそり8pを抜き、手中に隠し持つ等とにかく相手に見えないようにする。
その後…
七八九789s222p79p発発 8p
この状態で上がれるということです。

また…
七八九789s222p789p発発 ツモ 6p
こういう形だったとしても、
七八九789s222p78p発発 ツモ 6p
という形で上がれます。

自動卓でも可能な、非常に効果の大きいイカサマの一つだと言えます。
絶対に真似しないでくださいね!


A『列』とは複数人で手を組んで麻雀を打つことを言います】



南3局 親・男3

西 男1 31600→33600
北 男2 33000→25000
東 男3 35000→39000
南 ???   400→ 2400


(コイツ……あのチビを助けてえだけなら、ここで俺達を摘まみだすように店員に言やいい。
そうしなかったってことは……)

「勝てる気でいる……そういうことかよ」
「なンの話だ?偶然多牌してくれて助かった……そンだけの話だと思ってたンだがなァ」
「……いい度胸だぜ、オマエ」
27 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 11:50:53.04 ID:66llNnGao

南3局・一本場 親・男3

西 男1 33600
北 男2 25000
東 男3 39000
南 ??? 2400

ドラ・4s


【info:基本的にチョンボでは親は流れません】


・???配牌
一一二二二256s399p白発

(さっきよりは大分よくなったかも!ってミサカはミサカは興奮してみたり!)


『4順目』
・???手牌
一一二二二二2345679s99p ツモ1s

(……アレ?)

「カン」

一一二二二二1234567s99p
→一12345679s99p西 [■二二■] ツモ・8s
ドラ・4s 新ドラ・二

「リーチ」
(アレレレ????)

・???捨牌
白発3p西


・???手牌
一123456789s99p [■二二■] 待ち?:123456789s9p

(この人もイカサマしてるー!!!?)

【info:多牌をした上で、隙を見て山と手牌をすり替えていました。
山はわからないので、単純にツモが一度増えるようなもの。
ですが、ある場所と自分の手牌をすりかえると……】

(っていうか後ろで見てて気づかないって、どんだけうまいのってミサカはミサカは驚愕してみたり!
でもその一萬はなんなんだろうって、明らかに無駄な一枚にミサカはミサカは疑問を覚えてみる……)

「ぐっ……」
《男1 打 九》

「……」
《男2 打 西》

「通せ!」
《男3 打 1p》

「……ツモ」
28 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 11:51:47.66 ID:66llNnGao

先ほどの男と全く同様のイカサマである。
しかし先ほどの男よりも更に一枚多くの牌を自在に使い、
そして最後の瞬間に腕を掴まれる要因となった理牌を、白髪の少年はほとんど必要としなかった。
――男たちが気づくことは、ない。

・???手牌
12345678s99p [■二二■] 待ち:369s ツモ 9s

ドラ 4s カンドラ 二
裏ドラ二 カン裏  1p

「リーチ一発ツモイッツー、ドラ9。8000-16000」
「「「……は?」」」
(あ、ドラ表示牌に一を……!)

【info:???は自分が持っていた一を、カンドラ及び裏ドラとすり替えました。
そのためドラ8つ分がイカサマによって乗ったことになります】


南3局・一本場 親・男3

西 男1 33600→25500
北 男2 25000→16900
東 男3 39000→22900
南 ??? 2400→34700

「い、イカサマだ!」
「なにを人聞きのワリィ……くだらねェこと言ってる暇あったら、
気持ち切り替えて次の局進ンだほォがいいンじゃねェの?」
「そんな、そんなことが……」

(正直イカサマは褒められたことじゃないけど、すっごいっ!!!!ってミサカは感動してみたり!!!!
お姉さまを見てるみたいって、ミサカはミサカは最大級の褒め言葉を使ってみる!!!!)
29 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 11:53:30.50 ID:66llNnGao

南4局 オーラス 親・???

南 男1 25500
西 男2 16900
北 男3 22900
東 ??? 34700

ドラ・東

・???配牌
三四五六22257s13p東東西

《??? 打 西》

(いわゆる、できあがったってヤツねとミサカはミサカは推測してみたり。
これでさっきみたいに、ツモすり替えをやれば……)

「おお?さっき見た時とは随分様子が違うねえ!」
「……あンまり、後で見られてると落ち着かないンですけどねェ」
「ん、この子だって見てるんだし、まあ気にしない気にしない!」
(うっわー、これがKYかってミサカはミサカはここで話かけてくるメンバーにドン引きしてみたり……
さっきの人とはまた違う人だけど……さっきの人なら空気呼んだはずってミサカはミサカはKYメンバーを睨みつけてみたり)

【info:雀荘の店員さんのことをメンバーと言ったりします】

店員が白髪の少年の後ろに陣取り、ニコニコと笑いながら場を見ていた。
その視線は白髪の少年の手牌に。
人知れず、打ち止めは嫌な気配を感じていた。


『5順目』
・???手牌
三四五六七222557s東東

「……」
《男2 打 6s》

「ポン!」
《男3 打 八》 [←666s]


「ならこっちもポンだ!」
《男1 打 1s》[八八↑八]

(むむむ。この人の有効牌がどんどん枯れて行ってる……)
30 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 11:54:45.32 ID:66llNnGao

『6順目』
(まあでも、この流れなら問題はないよねってミサカはミサカは確信してたり)

・???手牌
三四五六七222557s東東 ツモ 東

「リーチ」
《??? 打 7s(リーチ)》
三四五六七22255s東東東 待ち:二五八

(あれ、リーチ!?アガリトップなのに…!)
「……」

「クソッタレ!でもわからねえなら行くしかねえ!」
《男1 打 七》

「やってらんねえよこんな……」
《男2 打 一》

(うー、惜しい!ってミサカはミサカは落ち着かなくて表情にでてないか心配だったり……)

「……どうだ?」
《男3 打 二》

(それ、アタリだよ!!ってミサカはミサカは小躍りしてみたり!)

「……」
「……え?どうしたの、あなた……」
「おィ、アンタ」
「……ん、どうかしたかな?」

白髪の少年が後ろの店員を呼ぶ。
打ち止めには何が何だかわからないが、
変なミスをする人ではないはずと心を落ち着かせる。

「アレ、どっから鳴いたか覚えてるか?」

・男1手牌
?????????? [←八八八]

(――え?)
「んー……君の方向いてるんだし、君が切ったんじゃないかな?」
「そォか。そォだよな、悪かった」

(なんで、なんでこっちから鳴いたことになってるのってミサカはミサカは――ハッ!
またこっそり変えたのねってミサカはミサカはあまりにも卑怯な相手に怒りがおさまらなかったり!!
……あ、でもこの人もイカサマしたんだっけ……
ってミサカはミサカは我が身を省みて複雑な気持ちになってみたり)

「どうしたよ……まさかフリテンしてるわけじゃねえんだろ?」
「ンなわけねェだろ?『してなかった』ぜ?」
「……フン」



『17順目』

「テンパイ」
「テンパイ」
「……ノーテン」
「テンパイ」

南4局 オーラス 親・???

南 男1  25500→26500
西 男2  16900→13900
北 男3  22900→23900
東 ???    34700→34700
【供託:1000点】

「やれやれ、諦めの悪ィヤツらだ」
「その余裕も今のウチだ……!」
31 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 11:55:43.94 ID:66llNnGao

南4局・一本場 オーラス 親・???

南 男1 26500
西 男2 13900
北 男3 23900
東 ??? 34700
【供託:1000点】

ドラ・四

・???配牌
二四r五六4488s5679p白

――パタリ、と音を立てて、白髪の少年が手牌を伏せた。

「?」
「なにを……」
「いやなに、どうも前の局の調子がよくなかったもンでなァ。
そォいう時は、こういう風に変わったことして、気分変えることにしてンだよ。
まァ気にすンな」

(……なんとなくの印象だけど、この人はそういうオカルトなものを信じる打ち手じゃないような
気がするってミサカはミサカは考えてみたり。と、いうことは――)

「……」

(この笑顔の店員さんが、通しをしてる……?
わからないけど、そうなのかもってミサカはミサカは疑心暗鬼!
……でももしそうだとしたら、このまま打つ気なのってミサカはミサカは驚愕してみる!!)

【info:通しとは、相手の待ち牌を伝えたり、
自分が欲しがっている牌を伝えること。
事前にサインが定められており、それを使って牌の有無などを伝える。】

「――ま、気分転換でもなんでもいいけどよ。
さっさと切ってくれるか」
「おォ、悪ィ悪ィ……ククッ」

《??? 打 白》

「さァ、楽しィ楽しィ麻雀の始まりだ」


『8順目』
「……よく牌伏せたままで打てるね、兄さん」
「大した話じゃねェよ。最初の牌姿を覚えちまえばあとはそれを更新していくだけだ」
「……そうかい。まあ、兄さんの気分が変わろうが何だろうが――」
「ンー?」
「こっちが上がっちまえば、関係ねぇってな。リーチ!」

《男1 打 四》
・男1 捨牌
西3s七8p中二
西四

「ったく、しょうがねえなあ。安牌……は、ねえや」
《男2 打 8p》

タン、と音を立てて軽く8pが切られる。そこにそれほど気負った空気はない。
それもそのはず、組んで打っている彼らは総合的にプラスならばなんの問題もないのだから。
そもそも当たり牌もわかっていると考えるのが自然だろう。
つまり、彼の反応は全くの茶番。
油断。慢心。安堵の表れ。

しかし、それこそが最大の敵だということに男は気付けない。
32 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 11:56:51.89 ID:66llNnGao

「ポン」
《??? 打 二》

「なんだよ、一発消しとかつまらねえことしやがる。
……チッ、ツモらねえ」
《男1 打 9p》


そしてその油断故に――


《男2 打 9p》

「これはどうかな、っと……」
《男3 打 三》
「それだ!ローン!!」
・男1手牌
四五345567s33567p ロン V




男たちは、敗北する。



「悪ィな、それ……頭ハネだ」
「―――え?」

・???手牌
三四r五六456s456p [88↑8p] ロン 三

「タンヤオ三色ドラドラ。満貫だ」
「……あ……?」
「12000は12300、耳をそろえて払ってもらおうか」

南4局・一本場 オーラス 親・???

南 男1  26500
西 男2  13900
北 男3  23900→11600
東 ???    34700→48000
【供託:1000点】→0

「くそ、嘘、嘘だろ、嘘だろこんな……!」
「……今月は、生活厳しくなっちまうな……」
「……クソッタレ。いくらだよ、これぇ……」


「あのォ。なーンか、勘違いしてませンかねェ?」
「え……?なに、勘違い……?」





「だ・れ・が、終わりっつったンだよ?
オーラス続行に決まってンだろォ?」


その日、とある雀荘から死人のような三人組が出てくるのが目撃されたという……
33 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 12:01:22.01 ID:66llNnGao

「ねえねえ、あなたのお名前教えてほしいなってミサカはミサカは腕をぎゅっと掴んでみたり!」
「うっぜェ……」
「もー、そんな言い方はひどいんじゃないかなってミサカはミサカは抗議してみる!」
「うっっっっぜェェェェ……」
「もー!!」

ある大通りを、白髪の少年と小さな女の子が連れ添って歩く。
不思議な組み合わせは人目を引いたが、本人たちにそれを気にした様子はない。

「……ミサカはただ恩人のあなたの名前が知りたかっただけなのになって、ミサカはミサカはシュンとしてみたり……」
「……」
「……」
「……チッ」
「?」
「一方通行」
「えっ?」
「一方通行……そォ呼ばれてる」

パっと顔を輝かせた打ち止めに、照れ隠しか白髪の少年―― 一方通行は頭をガシガシと掻いた。

「ねえねえ一方通行!最後のアレって、待ちがわかってたんだよね?
どうしてわかったのってミサカはミサカは聞いてみたり!」
「ン……待ちがわかってたってことぐれェはわかンのか。上等だ、説明してやらァ」


【※超解説パートです!
興味ない人はこのレスの残りと、あと次の1レスを飛ばしましょう。
あと興味ある人も信じすぎないようにしましょう】


「まず、なぜ待ちがわかってたことにオマエが気づけたのか一応おさらいしておくか。
俺の最終形はこォだ」


三四r五六456s456p [88↑8p] 待ち:三六


「8pを鳴いて切ったのが二だからな、
既に一四七でテンパイしてたのにそれを崩してまで一発消しやるのはバカとしか言えねェ。
わざわざこっちのツモを飛ばして相手にツモ回した挙句、待ち減らすってのはバカバカしいわな」
「ミサカもそう思うよ、ってミサカはミサカは同意してみたり!」

「で、読みの話だが……まあ、オマエに参考になることはすくねェかもしれねェが」
「それでもいいよって、ミサカはミサカは少しでも勉強になることは聞きたいことを伝えてみたり」
「……まず、相手が満貫を欲しがってるってことが前提だ。
点数状況がこォだからな」


南 男1  26500(リーチ者)
西 男2  13900
北 男3  23900
東 ???   34700
【供託:1000点】

「ハイ先生!ツモ狙いの可能性はないんですかってミサカはミサカは質問をしてみる!」
「……いい質問だ。それにはアイツらが列……組んでたってことが重要だ。
もちろんツモ狙いの可能性は0じゃねェが、列のどちらかから上がれる状況を作ったと考えるのがベターだ。
……それに、アイコンタクトらしきものもあったしなァ」

「……アイコンタクト。そんなの覚えてないよって、ミサカはミサカはちょっとションボリ……」
「気にすンな、大体のヤツが見逃す程度のものだ。
リーチしてやったって仲間にドヤ顔してやがったって線も一応捨てきれねェ程度のな」
34 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 12:02:51.01 ID:66llNnGao

「それでそれで?ってミサカはミサカは先を促してみたり」
「で、満貫以上を張っていると仮定する。……まず、相手の河はこォだ」

・男1 捨牌
1p1s8p七中二
西四

「……あなた、全部覚えてるのってミサカはミサカは改めて驚愕してみる……」
「クセみてェなもンだ。まず注目すべきはリーチ宣言牌の四だ」

「結果から見て、四四五っていう形で持ってたっていうことだよね?
ってミサカはミサカは確認してみる」
「そのとォり。まァそれはまだわからねェことで、徐々にわかっていくことだがな。
で、次に4順目の七と6順目の二に注目する」
「ふむふむ……」

「まずこの順目での七切りの時点で四を持っていることは疑っていい。
どォいう形で手が進んでいったのかまではさすがにわからねェが、
満貫という条件と河がタンピン系なことからして、六が入ってカン五になろォがドラを取っておこうって腹だろォ。

そして仮に四四五六七や四五六七と持っているなら今度は七切りが早すぎる。
例えば二三四五六七七の形から他に頭があったなら決しておかしい切り順ではねェが、
今度は最後の四切りが不自然だ。

まあ他にもパターンはあるが、大方四が浮いてる状態だったと考えていい」

「あまり萬子ばっかり膨らませても手が重くなっちゃうよねってミサカはミサカは確認してみる」

「そォだ、だから七は切った。で、二の切り順からして、二四の形に五が入ったか、
あるいは二三四に五をツモって振り替わりと推測される。
ま、そォじゃねェことは宣言牌でわかるがな。

あとはこれが結局は本線だが、二四四五の形で持っていたが他のメンツが揃っちまって二を持ち切れなくなったという状況。
そこで一向聴と来て、一巡無駄ヅモしてから他の部分が入ってリーチだ。
……ちなみに事実として、西は手出しだった」


「むむ……でも、入り目だったらどうしたのってミサカはミサカは聞いてみたり」
「簡単なことだ。アイツにはテンパイした場合、待ち部分の塔子を端に寄せたがる癖があった。
そしてリーチ宣言牌の四を切ったあとに――」
「その付近を動かしてた!?」
「そォいうことだな。……まァ、このクセだけでも見ておけば大体の読みはできたかもな」

「そうはいっても索子かもしれないし筒子かもしれないし、四がたった一枚浮いてたのかもしれない。
待ちが萬子で両面という確信を持つための捨て牌読みだったってことってミサカはミサカは聞いてみたり」
「そォだ。……オマエ、レベルいくつだ?レベル0や1じゃこォはいかねェな……レベル3ってとこか?」

「おお!わかっちゃうんだすごい!ってミサカはミサカは再びあなたの腕につかまってみたり!」
「離れろ、このクソガキがァ!」
35 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 12:03:37.90 ID:66llNnGao
【解説パートは終了しました。お疲れ様でした】


「……そういえばあなたのレベルっていくつなの?ってミサカはミサカは今更な質問をしてみたり」
「……レベル5」
「え」
「……」
「え、えー!!!すご、すごーい!!!ってミサカはミサカはーー!!」
「うぜェ!!」

幼女に絡まれる白い少年、この珍妙な光景を目撃した人は意外と多かったそうである。
36 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 12:04:55.96 ID:66llNnGao

……そして現在。

(……後から聞いたら、この人って学園都市第一位だったのよねってミサカはミサカはあの時の驚きを思い返してみたり。
お姉さまは第三位っていう自分の序列に誇りを持ってるからこのことは秘密なのだって、
ミサカはミサカは気づかいのできる女であることを暗に示してみたり!)

「……打ち止め?どうかしたの?」
「ううん、なんでもないよお姉さま!ってミサカはミサカは首を横に振ってみたり。
うーん、でもこの人との馴れ初めは秘密にしたいかもって、ミサカはミサカは頬を染めてみる……」
「馴れ初めってなンだアホか」
「誘拐犯じゃないけど、ロリコンだったのでせうか……?」
「殺すぞ」

「……まあ、打ち止めがいいならいいけど……」
「うん。お姉さま、ミサカはこの人が大好きなんだよって、ミサカはミサカは大胆告白してみたり!」
「……ロリコン……?」
「ロリコンね……」
「殺すぞオマエらァ!!」


およそ一月前、打ち止めと一方通行が歩いているところを目撃した人は多い。
そしてその目撃者曰く、「少年の方も満更ではなかったように見えた」……とか。
彼がロリコンかどうか、それは彼のみぞ知ることである。
37 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 12:14:48.92 ID:66llNnGao

対局ファイルNo.2

・???(一方通行)/レベル5
プロフィール/学園都市第一位。
  冷静かつ理論的な麻雀を打つ。
  流れなどは信じないタイプだが、それでも100回打って100回負けない麻雀を目指す。
  原作と比較すると相当丸いが、実験とか反射とかはないのでこんなもの。
  杖はついていないが、右脚を引きずっている。
  一部ではロリコン説がささやかれるが、真偽のほどは不明。
  ちなみに南3局までずっと後ろで見ていたわけではなく、
  自分の対局が終わったあとの換金中に一局見ていただけである。

能力
@超解析(別名:一方通行)
異名の元ともなった超人的な洞察力で人間の癖や視線の動きを観察する。
また、牌に僅かでも傷や汚れが付こうものならその牌はもはやガン牌されたも同様である。
今回その記憶力は日の目を見ることはなかったが、
これは打ち止めの対局時はほとんど牌に目をやっていなかったため。

Aベクトルアロー
一気通貫が好き。理由はあまりない。
好きなのでよく狙うが、出る確率が異常に高いなどということは特にない。

B一流の……
ありとあらゆるイカサマに長ける。
普段は決して使わず、相手がイカサマを使ってきた時のみ容赦なく使用する。
だがあまりにもイカサマがうまいため、打ち止めには普段やっていないことを中々信じてもらえなかった。

一方通行/レベル5
対局数 0/10
順位率
予選中 予選前
1 0%  74%
2 0%  18%
3 0%   8%
4 0%   0%



・打ち止め/レベル3
プロフィール/御坂家末妹。
  好奇心旺盛で手間がかかる子供。御坂家末妹。
  レベル5とレベル4(番外個体)の姉に囲まれて育ったため、麻雀は非常に強い。
  奔放な打ち筋で、時には大胆な一打を打つ。
  レベル3と御坂一族の名に恥じない実力の持ち主。
 でもまだまだ純粋で、イカサマには弱い。

能力
@ミサカネットワーク
敏い子供としての経験は姉たちの状況をある程度察知する。
その時の補助役としての力は並大抵のものではない。

御坂 ???/レベル3
対局数 0/10
順位率
予選中 予選前
1 0%    29%
2 0%    29%
3 0%    26%
4 0%    15%


・男123/レベル1から2
プロフィール/モブ。
  生活費が欲しかったので、高レートのところで誰かをカモろうと思いたった。
  その練習として打ち止めが当たったが、それ以上に悪い相手を引き当ててしまったようだ。
  この一件で懲りに懲りて、ノーレート雀荘に入り浸るようになった。

・店員1/レベル2
プロフィール/モブ。
  いい人。麻雀も結構打てる。
 
・店員2/レベル1
プロフィール/モブ。
  あんまり強くない。文中で明言はされていないが、男達に通しをしていた。
  特に失敗も敗北もしてないのでここではお咎めナシだが、
  その後客が少ない時間帯にやってきた一方通行と同卓しなければならず、
  こっぴどく敗北してメンバーをやめた。
38 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 12:24:50.52 ID:66llNnGao
本日は以上です。
自分ではそんなつもりはさらさらなかったのですが、気づけばイカサマ中心になっていましたね。反省。

3話についてなのですが、構想はあるのですがどれにしようか悩んでるので少々アンケートを。
どれがいいか多数決で。人が来ないとかで特に決まらなければ@になります。
同数の場合は先着順。

@疑心暗鬼!その名は女王・心理掌握
     
【登場人物/食蜂・初春・佐天・黒子】


A理解不能!狂気の未元和了!!

【登場人物/垣根・心理定規・絹旗・滝壺】


B閑話・上条家の魔術的一局

【登場人物/上条・インデックス・ステイル・神裂
※三麻が中心で、上条さんはほとんど打たない予定です。
また、他の二つや今までの話と比べるとかなりトンデモ系・オカルト系です】

よければ適当に見たいものでも書いていって頂けるとありがたいです。

読了ありがとうございました。
39 :名無しNIPPER [sage]:2011/10/27(木) 15:22:36.76 ID:vPPH/ZAAO
@に一票
食いたんと食いかえあり?後人和とオープンリーチはどういう扱い?
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2011/10/27(木) 17:17:00.11 ID:a0txqqS4o
うわ迷う
でも三麻そんなに詳しくないからAで
41 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 17:47:59.09 ID:66llNnGao
またまた修正……1投下1ミスはデフォなんでしょうか
打ち止めさんの%おかしいじゃないですかー
以下が正しい数字です

御坂 ???/レベル3
対局数 0/10
順位率
予選中 予選前
1 0%    29%
2 0%    29%
3 0%    26%
4 0%    16%


>>39
東南アリアリ→食いタンあり、後付けあり、です
わかりやすく明記しておけばよかったですね

食いかえはナシです
人和は倍満
オープンリーチはアリ、2役です
リーチせずに、つまりうっかり振り込むと役満です

もっと細かいところまでちゃんと決めておくべきでしたね、すみません
今後はこの点も明記していきます


>>40
一応現在でも時々やっているように、【info:】という形で説明を普段よりじっくりと入れていくつもりです
三麻はおっしゃるようにわからない方も多いと思うので……
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 17:55:16.31 ID:aVBiblxSO

この一方さんは今に顎が尖ってきそうだな

Aで
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/27(木) 18:14:14.28 ID:cO7r+VeDO
全部みたいけどBに1票
見たかんじ科学=デジタル、魔術=オカルトって事なのかな?
44 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/27(木) 22:03:45.80 ID:66llNnGao
>>43
そんなカンジです
でも科学側にも妙な打ち手はいますし、魔術側も最低限のデジタルは兼ね備えているので、
極端にどちら側がどうこうというのはない……かもしれません



それで一応Aが二票なので、もうAで決定にしちゃいます
本当なら今日の12時くらいまで待とうかと思ってたんですが、
1票リードしているということは@かBは2票とらないといけないのでもういいだろうと

早ければ今日の深夜、多分明日中に投下できると思います
垣根と食蜂さんはこのSSやったら絶対書こうと思ってたキャラなので、
今回は垣根になりましたがとにかく気合い入れて頑張ります
45 : ◆DrjYTeJyCk :2011/10/28(金) 18:01:17.01 ID:ds3MfPyvo
こんばんは

宣言通り、これから投下します

46 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:02:44.97 ID:ds3MfPyvo

【第3話/理解不能!狂気の未元和了<ダークマター>!!】



そんなこんなで上条達4人がワイワイ騒いでいたのとほぼ同時刻。
ある雀荘を二人の少女が訪れていた。


『雀荘 培養器』


「……超アレな名前ですね……」
「面白いよね」

絹旗最愛と滝壺理后の二人である。
レベル5、麦野沈利が主催する麻雀サークル『アイテム』に所属する二人は、
麦野からの要請を受けてこの雀荘の調査に来ていた。
なんでも、ここがライバル的存在であるサークル『スクール』の根城と化しているのだと麦野は語った。

『アイテム』は好きでも実際のところサークル間のいざこざにはあまり興味がない二人だったが、
麦野曰くそれが逆に丁度いいとかでちょっと打ってこいと送りだされたのである。


「ま、少々入りづらい雰囲気ですが、麦野の指示でも超ありますし……行きましょうか、滝壺さん」
「うん」


おっとりとした雰囲気の黒髪美人と、活発そうではあるがまだ幼さを残す二人組。
一見するとただ可愛らしいだけで麻雀なんて碌に打てそうにはないのだが、
実際はこの二人は押しも押されぬレベル4。
見知らぬ雀荘に入ることに尻ごみするような二人ではなかった。


「いらっしゃいませー」
「すみません、フリーで超打ちたいんですが……」
「後ろはお連れ様で?」
「うん」
「はい、フリーのお客様二名様ご来店でーす」
「「いらっしゃいませどうぞー!」」

(案外、超普通ですね……)
(『スクール』の人がいるかどうか、聞いてみようかな)

「あの、すみません」
「? はい?」
「『スクール』の人たちがここにいるって聞いてきたんですけど……」
「あ、何、あの人たちの知り合いなんですか?最近ファン増えてるんですよねー」
「知り合いというか、なんというか……とにかく、出来れば一度超打ってみたいんですけど」
「んー、砂皿さんもゴーグル君も入ってるから……垣根さん……は、ちょっときついもんなあ」

「かきね……って、『未元和了』?」
47 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:03:33.69 ID:ds3MfPyvo

「あ、やっぱり知ってます?そうそう、『スクール』で空いてるのはその人と心理定規さんくらいかなあ……」

「ね、滝壺さん」
「……ちょっときついかもよ?」
「大丈夫ですって、私達二人なんですから……
勝てなかったとしても、一矢報いることくらいは超できますって!」
「……うーん……」

「今度セブンスヘブンでパフェご馳走しますから!」
「……大丈夫、そんなきぬはたを私は応援してる」
「そうこなくっちゃ!じゃ、すみません。
その垣根さん、超呼んでもらって構いませんか?」

「え、え、いいですけど……あの人と打つのはやめておいたほうが……」
「大丈夫ですって、これでも私達レベル4なんですから!」

そう言っても尚店員は険しい表情を変えない。
7人いるレベル5の中で、上位2名だけは他のレベル5と次元を異にすると言われている。
『スクール』のトップを務める垣根帝督はまさにそのレベル5、第二位であった。

しかし絹旗と滝壺の二人は今まで何度か『アイテム』のトップである麦野沈利に勝利したことがある。
そのことが二人の自信へと繋がっていた。
同じレベル5、太刀打ちできないはずはない、と。


「いいじゃねえの、俺とやるっていってるんだから」
「あ、垣根さん……」


ふらりと店の奥から表れた、ホスト風の若い男。
この男こそ、レベル5第二位。『未元和了』、垣根帝督であった。


「初めまして御嬢さんがた。
君たちみたいな可愛い子とどこかであったかな……?
生憎と記憶にはねえが。リクエストとあらば歓迎だ、奥で打とうぜ」
「……なるほど、レベル5ですか……雰囲気からして違いますね」
「おや、会ったことがあるんじゃなかったか」
「むぎのから聞いてきた」


その瞬間、へらへらとしていた男の表情が僅かに引き締まる。


「麦野?『和了崩し<メルトダウナー>』か?」
「超その通りです。私達は『アイテム』の構成員ですからね。
私は絹旗最愛。モアイじゃないですよ。それでこちらは滝壺さんです」
「よろしく、かきね」

「そうかよ、『アイテム』の……こりゃあ面白くなりそうだ。
こちらこそよろしく頼むぜ、絹旗……と、滝壺だったか。楽しませてくれよ」
「フン。言われなくてもその鼻っ柱超叩き折ってやりますよ!」
「……痛そう」
「……物理的に折るわけじゃ超ないです」


やはり麦野の狙いは功を奏したのか、それほど険悪な空気にはならずに談笑しながら奥の卓へと向かう。
そこでは一人の、キャバ嬢風の女性が待っていた。


「こちら、『アイテム』のメンバーだとよ」
「へえ、面白そうね。私は『心理定規』と呼ばれてるわ。よろしく」
「絹旗最愛です」
「滝壺理后」

「さあ、自己紹介も終わったことだし。さっそく始めようぜ?」
48 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:04:14.53 ID:ds3MfPyvo

『雀荘 培養器』

【ルール】※いろいろ追加しました。追加したところは『』で囲んでいます

・基本ルール
点5。
オカアリ・ウマ1−2。
東南。
『喰いタンあり、後付けあり。』
赤牌はそれぞれに1枚ずつ、計3枚。
4飜30符、3飜60符は切り上げ満貫。
チーとポンはポン優先。
ダブロンナシ=頭ハネあり。
『トリプルロンは流局。』
槓ドラは即乗り。
『フリテンリーチ・フリテンツモアリ。』
『食いかえナシ。』
『【食いかえとは:例えば345sから3sを鳴いて3sを切る、あるいは6sを鳴いて3sを切ること】』
『送りカンなし。』
『【送りカンとは:リーチ後、例えば345555sとあったところに2sを引いてきて、5sをカンすること】』
『平和とツモの複合アリ』

・役関係
『人和は倍満扱い。』
『流し満貫アリ。』
『オープンリーチはアリ。2飜。』
『リーチせずに振り込むと役満。』
『国士無双の暗カンロンは認める。』
ダブル役満アリ。スッタン、純正チューレンや国士無双13面などもダブル。
包アリ。大明槓包もアリ。
シーサンプートーアリ。
四風連打、九種九牌、四開槓による流局あり。
49 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:04:43.89 ID:ds3MfPyvo

東一局    親・心理定規

東 心理定規 25000
南 絹旗最愛 25000
西 滝壺理后 25000
北 垣根帝督 25000


「ちょっと2-2でお互い固まっちゃったわね」
「別にお互いのサークルの威信がかかってるわけでもねえ。気にすることはねえだろ」
「超その通りです」
「あ、その前に……ちょっとゴメンね」

皆に制止をかけるとなにやら店員を呼ぶ滝壺。
絹旗はなんの用か気づいていたようで、呆れたような顔をしている。

「超やめた方がいいと思うんですが……」
「ううん、いいのきぬはた。ここは全力でいかないと」
「一体なんの話だ?」
「さあ……?
「あの、ご用は……?」



「あの」

「は、はい」



「れ○どぶる、ください」

50 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:06:07.88 ID:ds3MfPyvo

ゴクゴクと音を立ててレッド○ルを飲み干す滝壺。
彼女はいつも全力で麻雀をするときはこうしたドリンクを飲んでいた。
滝壺は効き目があると主張して止まないが、
実際にドリンクを飲み干した彼女の眼は先ほどまでの眠たそうなものではない。
カッと見開かれたその目には、確かに強者の眼光が揺らめいていた。

「じゃ、やろうか」


東一局    親・心理定規

東 心理定規 25000
南 絹旗   25000
西 滝壺   25000
北 垣根   25000

ドラ・五


《心理定規 打 二》

(さて、私の配牌は超どうでしょうか……?)

・絹旗配牌
三四五468s1299p西南南 ツモ北

(ん……なかなかいいですね)
《絹旗 打 北》

(どうだろう……)
・滝壺手牌
二二五八235s1479p中中 ツモ 発

じっとレッドブ○の缶を見つめる。
仕方がない。ああいうドリンクに運をあげる効果はないのだから。

《滝壺 打 発》
(……きぬはたの調子はどうかな……?)


《垣根 打 中》

(ここで鳴いても、あとで苦しいよね。
むぎのなら鳴くかもしれないけど……)
51 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:07:13.25 ID:ds3MfPyvo

『7順目』

「いいですね、超リーチです!」

《絹旗 打 1p(リーチ)》

・絹旗手牌
三四五五六678s99p南南南 待ち:四七
ドラ・4s

「調子いいのね。羨ましいわ」
「全くだ。こっちにはさっぱり来ないぜ」
「日頃の行いが超いいからですね!」

「……日頃の行い、わるかったかな……?」
「あらら、お仲間が傷ついてるわよ?」
「そ、そういうつもりじゃ超なかったんです!
滝壺さん超ごめんなさい!」



『12順目』

「超ツモです!」

三四五五六678s99p南南南 待ち:四七 ツモ 四
ドラ4s 裏ドラ1p


「リーチツモ南!点パネして1300-2600ですね!」


【info:この形の時、四ツモはカン四待ちとも捉えられる。
なので、南暗刻の8符、カンチャン待ち2符、ツモ2符で32符となり、3飜40符で計算する。
慣れていないと見逃しがちなミス。】


「裏ドラは乗りませんでしたけど、超幸先いいです!」

東一局    親・心理定規

東 心理定規 25000→22400
南 絹旗   25000→30200
西 滝壺   25000→23700
北 垣根   25000→23700
52 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:08:12.55 ID:ds3MfPyvo


東二局    親・絹旗

北 心理定規 25000→22400
東 絹旗   25000→30200
南 滝壺   25000→23700
西 垣根   25000→23700

ドラ・白


・絹旗手牌
三五五七34567s226p西北

(これまた結構いいですね……)
《絹旗 打 西》

・滝壺手牌
一二三七八23477s14p北 ツモ 東

(うーん、使いづらい……切るなら今のウチかな?
きぬはた、使いたがってたりしないかな……)
《滝壺 打 東》


『5順目』
・滝壺手牌
一二三七八23477s34p北 ツモ六
(聴牌したけど、ただの平和……うーん。
きぬはたは一回リードを取れば堅いから、もうちょっと頑張らせてあげたいな)

《滝壺 打 北》
・滝壺手牌
一二三六七八23477s34p 待ち:25p

(一応、四がくれば三色もあるし。ここはまだダマだね。
きぬはた、頑張って!)
(滝壺さんがなにかこっちに目線を送ってる気が……
かなり早そうでしたが、もしかして、安いから私のこと超待ってくれるってことですか!?
滝壺さん超大好きです!!)


『7順目』
《垣根 打 2p》

「!」

(どうしよう。でもまだかきね達の手は時間がかかりそう……)

・心理定規捨て牌
四七r五1p8p三

・垣根捨て牌
東西発北西中
2p

(うん、ふたりともツモ切りが多いし、まだかかりそう……きぬはたはどうだろう?)

・絹旗捨牌
西北五一9p4p
3s

(絹旗はあとちょっとみたいだから、アガるのはまだ)

53 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:08:55.52 ID:ds3MfPyvo

『9順目』
「よし、この局も超リーチです!」

《絹旗 打 七(リーチ)》
・絹旗捨牌
西北五一9p4p
南1p七

・絹旗手牌
三四五34r5567s2267p
ドラ・白

「……なるほどねえ。いいコンビだわ」
「!」
「超なにがです?」
「いや。俺の勘違いかもしれねえし、わざわざ言うほどのことでもねえ。
気にするなよ」

(かきね達の進行度を見て、見逃したのがばれたのかな……?)
(滝壺さんが私の番だから気を使ってくれたことに気付かれたんでしょうか……)


『11順目』

《心理定規 打 8p》

「それ、超ロンです!」

・絹旗手牌
三四五34r5567s2267p ロン8p
ドラ・白 裏ドラ4s
「メンタンピンドラドラ、12000です!!」
「あちゃー……」

東二局    親・絹旗

北 心理定規 22400→10400
東 絹旗   30200→42400
南 滝壺   23700
西 垣根   23700

「……でも正直、超危なかったですね」
「そうだね、きぬはたが振り込むようなことにならなくてよかった」
「上がれなかった手なんてなんの意味もないわ。さ、次行きましょ、次」


・心理定規捨て牌
四七r五1p8p三
3pr5p白南8p

・心理定規手牌
1223444577889s 待ち:234569sのどれかでチンイツ聴牌
54 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:10:03.13 ID:ds3MfPyvo

東二局・一本場 親・絹旗

北 心理定規 10400
東 絹旗   42400
南 滝壺   23700
西 垣根   23700

ドラ・6p


「おいオマエ、飛ぶのだけはやめろよ?」
「そう言われてもね、こればっかりはどうしようもないわよ」
「おいおい……俺がなにもしないうちに半荘終了なんて、笑えねえぜ?」
「知らないってば」

・絹旗配牌
三四五六1117s389p中白発

「このまま超ぶっちぎってやります!」

《絹旗 打 発》

「きぬはた、がんばって」

《滝壺 打 発》


『8順目』
・絹旗手牌
三四四五六1117s3678p ツモ4p
《絹旗 打 7s》

(そろそろ……来るかな?)
《滝壺 打 一》

「オマエらにばっかりいいとこ取られちゃ、第二位の名折れだよなぁ。
ここらで一ついいとこ見せておくかな。カン!」

・垣根手牌
??????????????
→??????????[■4s4s■]
ドラ・6p カンドラ・白

「……ツモはねえ、か。だがリーチだ!」
《垣根 打 南》


・垣根捨牌
二八8p発中6s
9s南
55 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:11:01.01 ID:ds3MfPyvo

「『スクール』の面目躍如、といったところかしら」
「オマエはなにもしてねえがな」
「めじゃーはーとは振り込んだだけだね」
「……あなた、結構言うのね……」

《心理定規 打 9s》

(……超どうしましょうか)
・絹旗手牌
三四四五六111s34678p ツモ 5p
ドラ・6p

(私は超親ですから、出来る限り行きたい……どうせ確実な安全牌もありませんし。
でも垣根の捨て牌……特筆すべき点が超あるわけじゃありません。絞り込むことは難しい。
私の手牌から、切る候補は三、四、1s。打点は1sが一番期待できますが……さて。

……いえ、そういえば垣根は4sをカンしています。
ということは4sのスジの両面待ちは消えたも同然。
とすると1sは単騎がシャボでしか待てませんが、1sは滝壺さんが既に一枚切っています。
残りの三枚は私の超手中……当たりようがありません!)

「超追っかけリーチです!」

《絹旗 打 1s》

「……悪いな、それなんだわ」
「え?」

・垣根手牌
九九九23888s66p[■4s4s■]
ドラ・6p カンドラ白
裏ドラ・1p カンドラ・6p

「リーチ一発三暗刻ドラ4。16000は16300だ」
「……うそ、きぬはたがあれだけ自信を持って切った牌で……」
「超あたり……?っていうかなんですかその手牌は!!」
「ん?」
「ん?じゃありませんよ!さっきツモ切りだったってことは、
ツモ三暗刻ドラドラアガってるんじゃないですか!!」
「一応2対2なんだ。直接取った方がいいに決まってるだろ?」
「そんな……」
「満貫ツモの見逃しなんて超ありえません!」
「ハッ、オマエらにいいことを教えといてやるよ」






「俺の麻雀に、常識は通用しねえ」







東二局・一本場 親・絹旗

北 心理定規 10400
東 絹旗   42400→26100
南 滝壺   23700
西 垣根   23700→40000
56 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:12:22.10 ID:ds3MfPyvo

「あんなの……あんなの超まぐれあたりです!
私の『理論装甲<オフェンスアーマー>』が敗れるはずありません!!」
「『理論装甲』……?どこかで聞いた名前だな」

「……『理論装甲』は、第一位の思考パターンを元にして強化された私のスタイルの異名です」

『理論装甲』は、『理論爆槍」と並んで一方通行の思考パターンを模した麻雀スタイルである。
その振り込み率は学園都市でも最高水準で、並ぶ者はそういない。

苦労の下で身に付けた打ち方、その強さを絹旗は誇りに思っていた。


「ってことはなんだ?俺のリーチは第一位の野郎にも通用する、そういうことか。
第一位なんて言っても大したことはねえな」
「……その言葉は、私達に対する侮辱とも超受け取ります。
あンなもの、子供のリーチとおンなじなンですよォ!!
無茶苦茶で、理論に沿ってない。だから読めない、超そンだけの話です!!!」

「きぬはた、一旦落ちつこう?頭に血が上った状態で打ってもいいことないよ?」
「でも滝壺さン……! ……いえ……超わかりました。すみませン……」
「きぬはた、偉いね。……始めるよ」


冷静じゃない状態で打ったとしても負けるだけ。
それは麻雀の基本であり、絹旗もそれはイヤというほど知っていた。
落ちつかなければならないと自分に言い聞かせ、もう一度だけ垣根を睨みつけたあとは再び卓に向き合った。
滝壺の方に目を向け、コクリとうなずく。

そうして各々思うところを抱えたまま、東3局が始まった。


東三局  親・滝壺

西 心理定規 10400
北 絹旗   26100
東 滝壺   23700
南 垣根   40000

ドラ・三


・滝壺配牌
二二三四六3778s5p東東南南
(うん、いい配牌)
《滝壺 打 3s》
57 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:15:24.57 ID:ds3MfPyvo

「やれやれ、倍満あてただけでひどい言われようだったな」
「……あんなのバッシングされて超当然です」
「……やれやれ」
《垣根 打 東》

「! ぽん!」
《滝壺 打 5p》
二二三四六778s5p東東南南
→二二三四六778s南南 [東東東→]

「うわ、きついところ鳴かれちまったな」
「ふふん」
「……かわいいし、許そう」
「……そこは私のバッシングも超許すべきじゃないですか」
「……あと二年かな」
「超不愉快です!!!」

「私は大丈夫かしら?」
「オマエは味方だろ、適用外だ」
「……なんか、イヤな響きね」


『7順目』
「ぽん!」
《滝壺 打 8s》

・滝壺手牌
二二三四五六八[←南南南][東東東→] 待ち:七

(……そろそろですかね。山越は垣根に超効くでしょうか……)


【info:山越とは、切られた牌をあえて見逃し、次順にその牌が通ると誤解した他者が振り込んでくれることを期待する戦法です。
ここでは絹旗が七を切り、それを滝壺が見逃します。
その場合、垣根や心理定規が通ると思って出してくれるかもしれない、という戦法です。】


・滝壺捨て牌
3s5p1s7s西7s
8s

(いや、さすがに超難しいですか。
それほどぬるい打ち手が第二位を名乗れるはずはありません。
……先ほどのリーチは、レベル5とは思えない不可解さでしたが)

《垣根 打 4s》

《心理定規 打 4s》

《絹旗 打 西》



『8順目』
・滝壺手牌
二二三四五六八[←南南南][東東東→] ツモ 五
《滝壺 打 八》
 →二二三四五五六[←南南南][東東東→] 待ち:四七

「おおっと、そろそろ怖いな」

《垣根 打 4s》

「もし満貫振ったら私飛んじゃうわね。でも今日は早く帰るのもいいかしら」
「マジでやめろ」
「冗談よ」
《心理定規 打 9s》
58 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:17:35.35 ID:ds3MfPyvo

・絹旗手牌
二三四九23488s2348p ツモ7p

(この九はおそらくですが滝壺さんの当たり牌じゃありません。
入れた場所、切られた場所からして、六八の形で持っていたところに五を引き、
待ちを広くしたというのが超有力ですね。

それに六九はすでに超薄いです、滝壺さんの手牌はわかりませんが、
シャボやペン七の方が山にいそうですから、受けられるならそっちに受けるはずです……
となれば、垣根を抑える一手にはなるかもしれません。
仮に当たり牌だったとしても滝壺さんは私からは取らないでしょうから問題はないですが、
逆に山越を警戒して普段なら出したかもしれない九を出さなくなるかも……
単純に私が超いい手というのもありますが、そういう意味でも超九切りですね。)

《絹旗 打 九》

・絹旗手牌
二三四23488s23478p  待ち:69p

・絹旗捨て牌
九 八中六9s5p
(南)3s九

(……きぬはた、これはどういう意図なんだろう。あとで教えてもらおう)

『13順目』
《滝壺 打 6p》

(あっ……!)

《垣根 打 9p》

《心理定規 打 6p》

(ぐっ……超やられました!)

・絹旗手牌
二三四23488s23478p ツモ七

(……超切りたくないですが。これで警戒して抑えられたらごめんなさい、滝壺さん…!)

《絹旗 打 七》

(…当たり牌、わかってたわけじゃなかったのかな?)

『14順目』
「つも」

二二三四五五六[←南南南][東東東→] ツモ四
ドラ・三

「ダブ東ホンイツドラ1。4000おーる」

東三局  親・滝壺

西 心理定規 10400→6400
北 絹旗   26100→22100
東 滝壺   23700→35700
南 垣根   40000→36000


「私、九だとばかり思ってたわ……てっきり山越狙いかと」
「そんなわかりやすいことするほどの雑魚じゃねえってことだろ。
面白いじゃねえか」

「……そっか、きぬはたは九以外を出させようと思って……」
「……単純に、自分の手がいいからっていうのもありましたけどね。
それに、後で結局七は出しちゃいました」

(……でも、やれてます……!
大丈夫、私はまだまだ超やれるんですよ!)
「きぬはた……肩の力、入りすぎだよ?もうちょっと力抜こう?」
「大丈夫ですって滝壺さん!この調子で超やってやりましょう!」

「『理論装甲』の強さ、見せないといけないものね?」
「! めじゃーはーとは静かにしててっ!」
「いえ、超その通りです。侮辱されたまま、黙っているわけにはいきません……!」
「きぬはた……」
59 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:18:49.28 ID:ds3MfPyvo

東三局・一本場  親・滝壺

西 心理定規 6400
北 絹旗   22100
東 滝壺   35700
南 垣根   36000

ドラ・4p

《滝壺 打 北》

《垣根 打 北》

《心理定規 打 1p》

・絹旗手牌
三r五1579s22446p東西
(この手牌なら……)

《絹旗 打 西》


『8順目』
《心理定規 打 2p》

「超ポンです!」
《絹旗 打 7s》

・絹旗手牌
三四r五45s44567p [←222p] 待ち:3-6s

(これで超満貫です!
さあ垣根、心理定規、とっとと超振り込むがいいです!)


『13順目』
(かきねたちもきぬはたの危険牌、抑えてるのかな?
私が出しちゃうとそこ狙って切られちゃうよね…)

・滝壺手牌
五六七八八八33667s67p ツモ 8p

(…………)

・絹旗捨牌
西東1s西白2s
9s7s八二白西
7s

《滝壺 打 7s》

(超出ないです……)

「リーチ!」

《垣根 打 5p》

・垣根捨て牌
北6s7p四北5s
4s1p八1s中中
5p
60 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:19:55.78 ID:ds3MfPyvo

(……超妙な捨て牌です……チャンタ系でしょうか)

「私から当たらないでよ?」
「そもそも出すなよ」
《心理定規 打 4s》

(……)
・絹旗手牌
三四r五45s44567p [←222p] 待ち:3-6s ツモ 2p
(! 四枚目の2p……)

「すみません、ちょっと超長考します……」

(……満貫手。両面……逃げる理由は超ありません。
それに垣根は5p切りリーチ。スジひっかけがないではないですが、
いくらドラとはいえ、3枚見えてるカンチャンでリーチはしません……ありえません!
この牌は超通しです!それならば……!)

「カン!これでツモれば……!」

「……悪いな、それなんだわ」
「!?」

・垣根手牌
一二三九九112233s13p
ドラ・4p 裏ドラ・7p

「リーチ一発チャンカン、ジュンチャン三色イーペーコー。……倍満だ」

【info:チャンカンは加カンが成立する前に上がる役なので、一発は消えずに複合します。
同様の理由から、カンドラは乗りません】

「……倍満……?」
「チャンタ系の捨て牌ではあっただろ。
……しかし、不思議なもんだな。
確率的にはそれこそ針の糸を通すような事柄が、卓の上では平気で起こりやがる。
案外、まだ科学じゃ証明しきれないことが起きてたりするんじゃねえか?」
「……面白い話だけど、あっちにあなたの戯言を聞く余裕はないみたいよ?」

「……この私が、二回も……倍満に……」
「きぬはた……」
「……別にオマエになんか恨みがあるわけじゃねえんだよ。これが俺の麻雀だ」
「守りに自信がある人ほど刺さる。彼の麻雀にはそういうところがあるわ。
あなたの『理論装甲』には相性の悪い相手よ」
「……」


東三局・一本場  親・滝壺

西 心理定規 6400
北 絹旗   22100→5800
東 滝壺   35700
南 垣根   36000→52300
61 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:20:50.52 ID:ds3MfPyvo

東四局 親・垣根

南 心理定規  6400
西 絹旗    5800
北 滝壺   35700
東 垣根   52300

ドラ・四

「満を持しての親番ってわけだ。……空気はあまりよくねえが」
「そりゃね。あなたとか心理掌握は、相手のテンションを下げるって有名だしね」
「心配するな、自覚はある。……心理掌握と同じレベルとは思ってなかったけどよ」
「……そうね、あっちよりはいいかもしれないわ」
「それを聞いて安心したぜ。さあ、始めるか」


『6順目』

(……やりにくい。さすがにかきねはまだ聴牌はしなそうだけど……)

・垣根捨牌
4s7s5p3p6s7s

(……)

『11順目』
「よし、リーチだ」
《垣根 打 九》

「容赦ないわね……」
「手加減するほど弱い相手じゃねえだろ?」
「心がもう折れてるように見えるけどね……」
(きぬはた……)

・垣根捨牌
4s7s5p3p6s7s
1s北白二九

《心理定規 打 1s》
「なんだ、またベタオリか?」
「あなた、当たり牌出したら後ですっごくうるさそうだもの」
「……間違いねえ」

「……超わかんない、です……」
「……」
「索子でも筒子でも、現物以外は全部当たりそうにみえます……」

・絹旗手牌
三四五六七八44678p66s ツモ9s

《絹旗 打 6s》
 
・滝壺手牌
一二三七七23456799s ツモ 7p
(あんなきぬはた、みてられない。
大丈夫、私がきぬはたを守るから……!
まだ私がかきねを討ち取れば、勝ち目はある!)

《滝壺 打 7p》
62 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:21:19.97 ID:ds3MfPyvo


『12順目』

「……そういやツモしてねえな」
《垣根 打 北》

「変なリーチしてアタってばかりだからでしょ」
《心理定規 打 白》

「……」
《絹旗 打 6s》
(もう安牌が超ありません……!これで次に安牌が増えなかったら、9s切り……
そうですよね?そうですよね、一方通行……)

「!」
・滝壺手牌
一二三七七23456799s ツモ 8s

「これで、かきねを討ち取ってみせる……リーチ」
《滝壺 打 9s》

「そうはいかねえんだよな。ロン」
「……!」

・垣根手牌
三三四四九九r559s東東中中 待ち:9s
ドラ・四 裏ドラ・3s

「リーチチートイドラドラ。ハネ満だ」
「……そんな」

東四局 親・垣根

南 心理定規  6400
西 絹旗    5800
北 滝壺   35700→17700
東 垣根   52300→70300


(……私はまた当たってました。次には9sを切ろうと……
一方通行、あなたの麻雀は最強なんじゃなかったんですか?
私は防御だけは誰にも負けないんじゃなかったんですか……!)
63 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:22:24.42 ID:ds3MfPyvo

東四局・一本場 親・垣根

南 心理定規  6400
西 絹旗    5800
北 滝壺   17700
東 垣根   70300

ドラ・3p

『8順目』
「リーチ」
《垣根 打 八》

・垣根捨牌
北白中1s2p4s
5s八

《心理定規 打 4s》

・絹旗手牌
四r五六45688s22678p ツモ 7s

(タンピンドラ1の聴牌……
超行くべきなんでしょうが、8sはまだ超通ってないです……

……普通に考えれば、4s5sと手出しで切りだしているということは両面を切り捨てたということ。
つまり他の形も十分形、5sのスジであるカン8sで待っているということは……超ありえません!
もちろん三色等の可能性がないではないですが、
この8s切りを恐れる局面では超ない……はずです)

「……まあ、誰がどう見ても大事な局面だ。ゆっくり打てよ」
「……超ありがとうございます」

(しかし、この垣根という男!自称するように、本当に常識が通用しない麻雀を打ちます……
今までも、ありえないとそう思った牌が面白いように待ちに超吸い込まれて行きました。
……8sは、切りたくありません……)

「……うう……」

《絹旗 打 5s》

「オリ……か?」
「苦渋の選択って訳かしら」
「きぬはた……」



「でもそれ――ロンよ?」



「えっ……?」


・心理定規手牌
三四五五六七2234s34r5p 待ち:2-5s
ドラ・3p

「タンピン三色、ドラドラ。12300で、ラストね」


東四局・一本場 親・垣根

南 心理定規  6400→19700
西 絹旗    5800→-6500
北 滝壺   17700
東 垣根   70300→69300

64 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:22:52.18 ID:ds3MfPyvo

・心理定規 捨て牌
中南1p一8s6s
2p3s

「……2-5s……超危険牌です」
「垣根のリーチがかかってから、私のことが見えなくなっていたのね。
冷静であるということは本当に重要だわ」
「……あの、待ちを教えてもらっても超いいでしょうか……?」
「ああ、構わないぜ」

・垣根手牌
二三四六七八4567888p 待ち:3-6-9,4-7p待ち


「8sは通ってる……そうですよね、通りますよね……」


ぐっ、と押し黙る絹旗。
強く握りしめられた手は白く染まっていた。


「……失礼します。滝壺さん、行きましょう」
「うん、きぬはた……」
「あ、おい……!」


そう言い残して、絹旗と滝壺の二人は足早に雀荘を出て行った。



『――終局!』



結果

心理定規 19700
絹旗   -6500
滝壺   17700
垣根   69300


順位
1 垣根帝督/レベル5
2 心理定規/レベル3
3 滝壺理后/レベル4
4 絹旗最愛/レベル4
65 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:24:16.62 ID:ds3MfPyvo

帰り道。
二人で帰途についた絹旗と滝壺だが、やはり今日の麻雀は思い返さずにはいられない。
まさに完敗。

レベル4として自らの実力には誇りを持っていた二人がここまで負けたのは、
本当に久しぶりのことである。
それに加えてあの垣根のアガリ方は、防御に自信のある絹旗を打ち砕くのに十分な威力を持っていた。
そしてなにより……


「……なんで、最後まで自分の理論を信じられなかったんでしょうか」
「……」
「滝壺さん、超すみません。滝壺さんの言うとおり、私にはまだ早かったみたいです」
「きぬはた、いいよ」
「ありがとうございます。……でも私、悔しいです!超悔しいですよ……!!」


自分の理論を信じ切れなかったこと。
自分の読みを最後の最後に裏切ってしまったこと。
それが結果として正着打だったのならばまだ自分を納得させることはできただろう。

しかし最後の読みにはなんの問題もなかった。
なによりもそのことが絹旗の誇りを傷つけ、心を折っていた。


「……また、強くなったらやりかえしにいこうよ」
「……もう、嫌ですよ。あんなのと打つのは……」
「きぬはた……」
「……もしかしたら、もう私は麻雀が打てないかも、しれません……」
「!」
「……疲れてるんですかね、帰って、少し休みましょうか」
「そうだね。そしたらきっとまた、元気になるよ。帰ったられっどぶ○あげるね」
「それは超いらないです。……でも、超ありがとうございます」


大きな挫折を経験した、絹旗最愛と滝壺理后。
彼女達が再び立ち上がる日は、いつの日になるだろうか……
66 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:26:52.23 ID:ds3MfPyvo

対局ファイルNo.3

垣根 帝督/レベル5
プロフィール/学園都市第二位、サークル『スクール』所属。
 常識の通用しない麻雀を自称しており、その名に相応しい麻雀を披露した。
 なお、常にこういう麻雀を打っているわけではなく、
 序盤で絹旗達が相手の捨て牌からかなりの情報を得ていることを察知して、
 それに合わせるようにしてとりわけ今回は常識の通じない打ち方になっていた。
 ツイている時や、相手が深く物事を考えない人間ならばそれに相応しい打ち方をする。
 様々な打ち方を状況によって変える、恐ろしい打ち手である。
 なお、今回の内容は本人的にはご満悦。
 最近ホームの雀荘だと打ってくれる人間がいなくて困っている。

能力
@未元和了<ダークマター>
常識の通用しないアガリを見せる。
『ありえない』、相手がそう思う牌で待ち、相手からのアガリを拾う。
理詰めで相手の手について熟考するタイプとの相性は非常にいい。

A唯我独尊
コンビ打ちをしている時でも、全てを自分一人でこなそうとする。
相方に期待することは自分の和了の邪魔をしないことのみ。
その点、心理定規はよく彼の期待に応えていたと言える。

Bメルヘン思考
いわゆるロマン役やロマンアガリに傾倒しがち。
堅実な麻雀を打つのはあまり得意ではない。


垣根 帝督/レベル5
対局数 1/10
順位率
予選中 予選前
1 100% 69%
2 0%  22%
3 0%  7%
4 0%  2%



心理定規/レベル3
プロフィール/サークル『スクール』所属。
 『スクール』では発足当初からいる古株。
 垣根との付き合いも長く、扱いには慣れている。
 麻雀の腕は中々のものだが、それ以上に得意とするのは心理戦である。
 今回、垣根への振り込みに動揺する絹旗を更に煽るような発言にその片鱗が見られた。
 垣根と共に打っていると、自分がほとんど空気であることが最近の悩み。

能力
@心理定規<メジャーハート>
相手の心の状態を測り、時には動揺させ、時には落ちつかせる。
いわゆる三味線の一種だが、牌やアガリに関する言及はほとんどしない。
卓外の話のみで相手の心情をコントロールする、その能力についてはかなりのもの。
ただ相手によっては動揺が良い結果を生む時もあるので、使いどころは難しい。

---- ----(登録エラー)/レベル3
対局数 1/10
順位率
予選中 予選前
1 0%  20%
2100%  48%
3 0%  14%
4 0%  18%

※垣根と打つことが多く、一位率は大分下がっています
67 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:27:36.75 ID:ds3MfPyvo

絹旗最愛/レベル4
プロフィール/サークル『アイテム』所属
 学園都市第一位一方通行の思考パターンを植えつける実験、
 『暗闇の五月計画』の被験者。
 まさに実験的に行われた計画だったが思った以上の効果を見せ、何人かレベル4を生んでいる。
 一方通行の防御性を植えつけられた絹旗もその一人であり、『暗闇の五月計画』の最高傑作と呼ばれるほど。
 そういった点からも自分の実力については高い誇りを持っている。
 『アイテム』の中では実力は2番手。
 ただ滝壺には世話になっており頭が上がらず、地位的には3番手である。

能力
@理論装甲<オフェンスアーマー>
 一方通行の理論による、高度な防御力を持つ。
 オフェンスアーマーという別称は、
 防御力を高いということは即ち大胆な攻撃に出られるということだから。
 学園都市でも最高水準の低振り込み率を誇っている。

A雀士の誇り
 自分の実力にプライドを持っているため、それが打ち砕かれると激しく動揺する。
 また、納得のできない敗北や振り込みをすると不機嫌になる。
 平で(イカサマをせずに)打つことが至上と考えており、
 イカサマする相手には容赦なく怒りをぶつける。


絹旗 最愛/レベル4
対局数 1/10
順位率
予選中 予選前
1 0%  30%
2 0%  28%
3 0%  36%
4100%  6%


滝壺理后/レベル4
プロフィール/サークル『アイテム』所属。
 栄養ドリンク中毒の気がある女の子。
 普段は眠そうな目をしていて思考もそれに準ずるが、
 栄養ドリンクを摂取すると目を見開き、思考も活性化する。
 いろいろ呑んでみたが、最近はレ○ドブルがお気に入り。
 単純においしいから、らしい。
 浜面とは出会っておらず、特に気になる男性はいない。
 
能力
@手牌解析
 防御系の能力で、その名の通りに相手の手牌を解析する。
 絹旗は当たり牌、待ち牌などの読みに特化するが、
 こちらは手牌の構成を読むことに特化する。
 目立たないが、残す牌の選択など活躍の場面は多い。

A眠気
 半荘があまり長く続くと、栄養ドリンクの効き目が切れて思考力が低下する。
 栄養ドリンクを飲まない状態では常に低下している。


滝壺 理后/レベル4
対局数 1/10
順位率
予選中 予選前
1 0%  27%
2 0%  40%
3100%  23%
4 0%  10%


※絹旗と滝壺はサークル仲間で打つことが多いため強者と打つことが多く、
本来の勝率よりやや低めです。
68 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/28(金) 18:33:47.93 ID:ds3MfPyvo
終わりです

気づいたら絹旗ちゃんがフルボッコにされていました……
割と絹旗ちゃん達に救いのある話も用意してますが、披露する機会があるでしょうか

垣根のアガリについては、見ながら『!?』ってなっていただけていれば幸いです


今後の展開はまたアンケとってやろうと思ってたんですが、ちょっと明日から3日4日ぐらいPCに触れません
ですのでまだ始めて間もないのですが、構想練りの時間も含め、小休止ということにさせていただきます

閑話的な何かになるかと思いますが、
一応一週間以内になにかしらの投下はしようと考えています


そんなわけで少しだけ時間は空きますが、またご覧になっていただけたら幸いです。


それでは本日もお読み頂き、ありがとうございました。
69 :名無しNIPPER [sage]:2011/10/28(金) 19:51:25.19 ID:ypthAnDAO
おつおつこういうのを待っていた
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 22:52:11.06 ID:Amq23nrDO
おつー
ちょっと超長考でどうしても噴くw
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/28(金) 23:46:25.46 ID:In7IeRaDO
乙、残り1枚のカン2pでリーチか…残り1枚のカン2p待ちはダマでハネ満あるからアリだと思うけど…
垣根の麻雀は常識は確かに通用しないけど麻雀漫画ではよくあるベタな事に見えるのは俺だけかな?
あと重箱の隅をつつく事かも知れないけど>>53での心理定のチンイツ…8sがきても2s切りでカン6sのチンイツテンパイがはいりますよ。

72 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/10/29(土) 01:19:59.32 ID:inXkiNIPo
毎度恒例の修正とちょっとだけ返信です。

>>53のチンイツは、>>71で言われたように8sでも聴牌です。
自分では大分チンイツにも慣れたつもりでしたが……まだまだですね。
精進します

>>60の、
いくらドラとはいえ・…という一文は見なかったことにしてください。
制作段階の試行錯誤が残っていました。

>>71
麻雀マンガであるよくある、というところまで突っ込まれると正直かなり厳しいですね……
自分は元ネタとかはナシでほとんど自分で一から考えているんですが、
それでもおそらく麻雀マンガ等の創作では自分の考えつくようなことはほとんどやられてしまってるでしょうし。
自分自身結構麻雀マンガも読むので、血肉となって無意識に反映してしまってるところもあるでしょうし。

ですがそれ以上を期待されていると思って、期待に添えるように頑張りたいと思います。
こういったある種厳しいコメントは、特にこういう読者の少ないジャンルでは得難いものです。
今後も目についたところがあれば指摘してくださるとありがたいです。


チンイツに関してはその通りですね……上にも書きましたが、自分もまだまだでした。
より一層注意してみていきたいと思います。
ご指摘ありがとうございした!
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/10/29(土) 01:39:17.38 ID:EhZg6+6DO
>>71ですが十分面白いですよ、よくあるとは書きましたが見たことがある程度に訂正してください(汗)
麻雀漫画とかで1〜2回みただけで他の麻雀漫画でもあったように錯覚してたみたいです。
冷静に考えたらよくある事ではないな…
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/29(土) 03:50:42.26 ID:S17N/uyAO
乙です。

麻雀漫画はえげつない上がり方が多いしなぁ。普通リーチしてまでカン2待ちはないと考えてもやむなしだわな。
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2011/10/29(土) 04:09:59.23 ID:R9r1fDPmo
>>66
>見れねな
>DT13ポスターフラゲ


>再録20枚                 テーマ新規          ウル&スー&テーマ魔法罠
>ゴゴゴゴーレム           ......|ジェムナイト・サニクス  ..|イビリチュア・リヴァィアニマ
>ビッグ・ジョーズ             |ラヴァル・フロギス      |ジェムナイト・ジルコニア
>デイブレイカー             |リチュア・アバンス      |ラヴァルバル・チェイン
>アマゾネスの鎖使い        ......|ガスタ・グリフ        .|ダイガスタ・エメラル
>オネスト                  |セイグリッド・シュラタン  |セイグリッド・ヒアデス
>N・グラン・モール           ..|セイグリッド・ダバラン   .|セイグリッド・プレアデス
>ボルト・ヘッジホッグ         ...|セイグリッド・グレディ  ....|ヴェルズ・ナイトメア
>機皇帝ワイゼル∞          ..|セイグリッド・ポルクス   .|ヴェルズ・バハムート
>ホワイト・ホーンズ・ドラゴン      |セイグリッド・エスカ    .|
>ブリザード・ドラゴン           .|セイグリッド・スピカ    .|炎熱伝導掘
>馬頭鬼                  |ヴェルズ・べリオロープ  |リチュアの写魂鏡
>魔轟神レイヴン           .....|ヴェルズ・ザッハーク   .|セイグリッドの星痕
>XXーセイバーフォルトロール     |ヴェルズ・カイトス     .|魔石融合
>No39 希望皇ホープ        .....|ヴェルズ・オランダ   ......|ガスタの風塵
>キメラティック・オーバー・ドラゴン  |ヴェルズ・マンドラゴ   ...|侵略の侵喰感染
>カオス・ソルジャー          ...|ヴェルズ・フレイス      |
>カオスの儀式            ......|               ...|
>オーバーロード・フュージョン     .|               ...|
>くず鉄のかかし           ......|               ...|
>ガトムズの緊急司令          |               ...|

ささ
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2011/10/30(日) 05:39:10.96 ID:W8RumEMAO
>>75
どこの誤爆かは知らんが、セイクリッドに濁点が多いんじゃないかとだけ突っ込んでおく
77 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/11/04(金) 20:11:06.94 ID:AM+AKT7Co
>>73
そこまで気にしてるわけじゃないので気にしなくて大丈夫ですよー



というわけでこんばんは
なんとかギリギリ一週間ですかね、早速投下していきたいと思います
78 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/11/04(金) 20:14:10.75 ID:AM+AKT7Co
【閑話/上条家の魔術的一卓】


あれから上条は美琴ら三人とはすぐに分かれ、家へと帰ることにした。

結局あの白髪の少年が誰だったのか、打ち止めは明言しなかった。
本人もめんどくさそうにしながら隠していたので深くは聞かなかったが、
ひょっとするとかなりの有名人なのかもしれないと上条は考えている。
まさにその通りなのだが、それは彼が知る由もない。
そのことは深く気にせずに帰路へとついたのだが……

家へと着いた上条を待ち受けていたのは地獄であった。
いや、地獄というには語弊があるかもしれない。
要は、帰ったら同居人と知り合いが麻雀をしていた。それだけのことなのだが……


「とうま、お帰りなんだよ!」
「久しぶりだね上条当麻。もっとも僕は、会いたくなどなかったが」
「上条当麻、お久しぶりです。無断で上がってしまって申し訳ありません」
「ステイル、神裂……ああ、久しぶりだな」


誰の家だここ、という思いが上条の脳裏をよぎった。
実際のところ、ここで勝手に麻雀していること事態は構わないのだが、
問題は上条自身が入る席が用意されているらしきことである。
なにせ彼らは三麻をしているのだからこの後誘われる可能性は非常に高い。
当たり前だが、別に麻雀が嫌いなわけではない。
今からでも土御門や青髪ピアスに誘われれば一局打ちにいくのも悪くはないと思っている。

しかし、同居人のインデックス。
そして神裂火織、ステイル・マグヌス。
この三人は、上条とは比較にならないほどの腕の持ち主なのであった。


【info:三麻とは、三人でやる麻雀です。
萬子の二から八までをすべて抜き、それ以外の牌で行います。
関西ではかなりメジャーなスタイルで、四人いても三麻でやることがあるそうです。
なお北家は存在せず、北は抜きドラとして扱うのが主流です。
また、三麻ではチーはできません。

抜きドラとは北をドラとして扱うというものです。
やり方は北をツモって来た時に任意で、「北」や「ドラ」などと宣言し、
自身の右側、鳴いた牌を置く場所に北を置き、リンシャン牌を一枚ツモります。
そうすると北は手牌とはみなされず、ただ手牌にドラが一枚付与されただけという扱いになります。
わかりにくいかもしれませんが、花牌のようなものです。

なお、北を抜いてリンシャン牌からツモってきた牌で上がるとリンシャンカイホーも付きます。
性質は加カンに近いと言えるかもしれません。

もちろん、四麻での北と同様に手牌に組み込んで使用することも可能です。
その時の北はドラにはなりません。

また、他家が抜いた北をロンすることも可能です。
ただし、カンではないためその時はチャンカンにはなりません。
とはいえ取り決め次第なので、みなさんがプレイする時は違うルールでやっているかもしれませんが、
作中ではそのように取り決めた、ということでご了承願います。】
79 :言い忘れましたが、今回は割とトンデモ系です ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/11/04(金) 20:15:25.91 ID:AM+AKT7Co

「まだ東3局だから、終わるまでもうちょっと時間がかかるかも!
のんびりしてていいんだよ!」
「やっぱり入るの前提なのかよ!?」

「え……とうま、今日は麻雀しないの?残念なんだよ……」
「上条当麻から見れば、僕らははるか格上。やりたい相手ではないだろうね」

「う……い、いや、とりあえずこの半荘を終わらせようぜ。
そのあと決めてもいいだろ?」

なるほど、とインデックス達はひとまず納得したようである。
ステイルは別に上条のことはどうでもいいようだったが。





『上条家』

【ルール】
三麻。抜きドラアリ。
点1。
オカアリ・ウマ1−2。
東南アリアリ。
赤牌はそれぞれに1枚ずつ、計2枚。
4飜30符、3飜60符は切り上げ満貫。
ダブロンアリ。
槓ドラは即乗り。
ダブル役満アリ。スッタン、純正チューレンや国士無双13面などもダブル。
包アリ。大明槓包もアリ。
四風連打、九種九牌、四開槓による流局あり。

『抜き北のロンあり。』

『50000点持ち、60000点返し。
また神裂火織による起親はナシ。』





「あ、今回も5万点持ち6万点返しなんだな。
それに神裂も起親じゃないし」
「かおりが起親だと東一局で終わっちゃうことが多すぎるからね。
点数も5万点は持ってないと、一局で終わることが多すぎてやってられないかも!」

苦笑する神裂とステイル。
しかしインデックスの言うことを否定はしない。
なぜなら、それが紛れもない事実だからである。

聖人神裂。その名に恥じぬ豪運、そしてその運に依存するのではなく、
研ぎ澄まされた刀のように磨き上げられた技術。
その二つを併せ持つ彼女に匹敵する雀士は全世界を探しても数えるほどしかいない。

そしてその神裂と同卓する二人は、その数少ない対抗馬である。

「神裂の親って、大概中々終わらないもんな……」
「そ、その言い方はやめてほしいのですが。
それに今のところは全局ステイルがあがっていますから、油断はできません」
「そうだね、自分で言うのもなんだけど僕には気をつけた方がいい。
Fortis931の名前は伊達じゃないよ」

「その……魔法名?っていうのが、よくわからないんだよなあ」
「とうまには多分理解できないかも……」
「ぬあっ、確かに上条さんは頭良くはないですけどね、その言い方はどうなんだ!?」

「そ、そういうことではありません。科学の世界でデジタル打ちとして長く生きていると、
もう私達の世界は理解できるものではないのです。
もっとも、時折理解を示す特殊な人間もいますが……」
「……はぁ。わかったよ、とりあえず理解するのは諦める」
「それがいい。それじゃ、そろそろ続きを始めようか」
80 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/11/04(金) 20:15:52.30 ID:AM+AKT7Co

東3局 親・神裂

南 ステイル   50000
西 インデックス 55000
東 神裂     45000

ドラ・一


・神裂手牌
一一一234567s268p西北

「……なるほど」
《神裂 打 西》

(さすがの配牌だなー……羨ましい。
それはさておき、上条さんは学習しましたのことよ。
北は他者のリーチ後に抜けば一発消しにもなる。
基本的に安全牌でもあるし、見たら即抜くだけが能じゃないって)

《ステイル 打 4s》

「この配牌なら北はもう抜いちゃうんだよ!」

《インデックス 抜 北》
《インデックス 打 2s》

「そういう時もあるね」
「奥が深いなー」


『5順目』
・神裂手牌
一一一2345678s56p北 ツモ 西
《神裂 打 西》

「今一つツモが悪いですね……これもまた麻雀ですか」
「君にもそういう時があると聞くと、少し安心するね。
……よし、リーチだ」

《ステイル 打 3s》
・ステイル捨牌
4s九9p2p3s

・ステイル手牌
?????????????

「んん……んー?
これと似た牌譜は……あったかも」

何事か呟きつつ、思考の海に沈むインデックス。
彼女の完全記憶能力、それは時には何よりも心強い剣となり、また盾となる。

「……これなんだよ」
《インデックス 打 2p》
(ベタオリか…?いったいどんな手で……)

・インデックス手牌
455667s3456p発発北
「……え……?」


『6順目』
「都合よく安牌を引いてきました。ありがたい」

《神裂 打 九》

「さて……一発はなしか。残念だよ」

《ステイル 打 2p》

「そうそう一発でツモられても困るかも……」

《インデックス 打 4s》
81 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/11/04(金) 20:17:11.16 ID:AM+AKT7Co

『7順目』

「ふむ……」

《神裂 打 2p》

「……北だ」

《ステイル 抜 北》
《ステイル 打 5p》

「むむむ……いやでも、まさかということもあるかも!」

《インデックス 打 5p》


『8順目』
・神裂手牌
一一一2345678s56p北 ツモ 1s

「では……北!」
《神裂 抜 北》

「――それだ」
「!」

・ステイル手牌
九九2299s88p東東南南北 [北] 待ち:北単騎
ドラ・一 裏ドラ・2s

「リーチチートイ、ドラ3。ハネ満だ」
「北、単騎……」

「既に抜いてる北で待つって、そんなのアリなのか!?」
「もちろんなんだよ。フリテンは自分で切った牌か同順切られた牌、
もしくはリーチ後に切られた牌ででアタることかも。
抜きドラや加カンは捨ててるわけじゃないからフリテンにはならないかも」
「あ、それでインデックスは北を……!」
「そういうことなんだよ!」

「神裂はもちろんツキが怖いが、それナシでも弱い打ち手じゃない。
だから直接討ち取りたいならこういう捻った打ち回しが必要なのさ。
ツモリ損もバカにならないしね……先ほど、最善手と言ったろう?」
「……さすが、ステイルです」


東3局 親・神裂

南 ステイル   50000→62000
西 インデックス 55000
東 神裂     45000→33000

「いいアガリを見て、燃えてきたかも!」
「私も久しぶりにヘコんで、燃えて来ましたよ」
「……それは怖い話だね。お手柔らかに頼むよ」


【info:ツモリ損とは、三麻でツモアガることです。
例えば親の跳ね満はロンアガリでは18000点ですが、
ツモると6000オール、つまり二人しかいないので12000点になってしまいます。
これをツモリ損と呼びます。
これを避けるために、ツモの場合は1000点多く払うなどの対処を取っているところもあるそうです。
例・満貫→3000-5000 跳ね満→4000→-7000など。】
82 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/11/04(金) 20:17:55.67 ID:AM+AKT7Co

南一局 親・ステイル

東 ステイル   62000
南 インデックス 55000
西 神裂     33000

ドラ・8s

(確か以前、ステイルはアガればアガるほど強くなるって聞いたけど……どうなんだ?)
・ステイル手牌
一33445r568s18p東東北
《ステイル 打 1p》

(確かにツイてるな……俄かには信じがたい話だけど……)
「……あまり後ろをうろちょろするなよ、上条当麻。
気が散るだろう」
「あ、悪い……」

「とうまもすているが優れた魔雀士だってようやくわかったのかな?
字牌の天才と呼ばれるステイルから勉強することは多いと思うんだよ!」

「む……」
「オマエって、照れてるとき結構わかりやすいよな」
「だ、誰が照れてるって言うんだ!?」
「上条当麻、あまりステイルをいじめないであげてください」
「いじめられてなどいない!!」

《インデックス 打 西》

「では、失礼して」

《神裂 抜 北北》

「いきなり二枚!?」
「……実に豪快だね」
「……いい牌をツモれる、そんな確信があるのかも」
「その通りです。……リーチとは、行きませんが」

《神裂 打 4s》


『4順目』
「それでは……リーチです」
「早いっ……いや、キミなら普通か」
「……普通かも」
「ハハハ……」

《神裂 打 8p》

・神裂捨牌
4s5s3p8p
83 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/11/04(金) 20:19:31.89 ID:AM+AKT7Co

「ふーむ……」
《ステイル 打 西》

「西はトイツ落としと見たんだよ!」
「わかるかい?狙わないでくれよ?」
「第一打で切ってるんだよ!
すているは私にフリテンロンさせたいのかな!?」
「冗談さ」

《インデックス 打 北》

「残念だけど、まだ闘える手じゃないかも」
「では、遠慮なく」

『5順目』

「……ツモ!」

・神裂手牌
一一九九九999s12399p [北北] ツモ 9p

ドラ・8s 裏ドラ・西
「げ――」
「……!」
「……厳しいね、これは」

「リーチ一発ツモ、ジュンチャン三色三暗刻、ドラドラ。
一本足りませんでしたが……6000-12000です」


聖人・神裂。その名に恥じぬ大物手である。



南一局 親・ステイル

東 ステイル   62000→50000
南 インデックス 55000→49000
西 神裂     33000→51000


「いっぱいとられちゃったんだよ……」
「はぁ。……ここは禁煙だったかな?」
「禁煙だ!現実逃避は構わねえけど、ここで吸うのはやめろ!!」
84 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/11/04(金) 20:20:07.43 ID:AM+AKT7Co

南二局 親・インデックス

西 ステイル   50000
東 インデックス 49000
南 神裂     51000

ドラ・4p


「……はあ」
「すている。そんなに落ち込むほどの点差じゃないかも!」
「いやなに、僕ってほら……Fortisの性質のせいで、
連荘が止められたり、最初の方で上がれなかったりすると運気がかなり下がるだろう?
それで一時期、炎の魔雀師(焼き鳥的な意味で)とか焼き鳥屋ステイルとか呼ばれたのを思い出してね……」

「……トラウマを抉ってしまったでしょうか」
「いや、今は立派に一流の魔雀師として通ってるからいいんだけど……」
「なんか同情するな……」
「上条当麻にまで同情されるとは……屈辱だね」


『5順目』
・インデックス手牌
九九67799s2366p南南

・インデックス捨て牌
5p9p白5p4s

(捨て牌気持ち悪っ!!)
「とうま、とうまはこの打ち方はよくわからないかもしれないけど、
これでいいんだよ」
「え……」
「このアガリには絶対の自信があるかも!」
「お、おお……ガンバレよ!」
「うん!!」


『9順目』

「リーチだ」
「むう、これは中々厳しい……」

《ステイル 打 9s(リーチ)》

・ステイル捨牌
1p8p一5p西九
白1s9s

・ステイル手牌
????????????? [北]

「んふふ……すている?」
「なんだい?」
「私がこのまま黙っていると思ったら大間違いなんだよ!リーチ!!」

《インデックス 打 3p(リーチ)》

・インデックス手牌
九九67799s2266p南南 待ち:6s

・インデックス捨牌
5p9p白5p4s2s
西発3p
85 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/11/04(金) 20:20:40.35 ID:AM+AKT7Co

「その捨て牌は……」
「ふふん。この待ちで負けるはずがないかも」
「……意味がわからないんですが」
「だから当麻にはきっとわからないんだよ……
でもこの手なら引力がアタリ牌を勝手に引き寄せてくれるかも!」
「なるほど、わからん」

《神裂 打 3p》

《ステイル 打 1p》


『10順目』

「これが……トイツの力かもー!!!」

・インデックス手牌
九九67799s2266p南南 待ち:6s ツモ 6s
ドラ・4p 裏ドラ・北

「リーチ一発ツモ、チートイツ!裏は乗らずで4000オールなんだよ!!」
「……懐かしいですね、このトイツ理論は」
「ああ。これを完全に使いこなせる人間はなかなかいないよ」
「さすがはインデックスです」


南二局 親・インデックス

西 ステイル   50000→46000
東 インデックス 49000→57000
南 神裂     51000→47000


(上条さんの蚊帳の外感がやばい)
「……一応解説してあげるかも」
「マジですか!ありがとうございますインデックスさん!!」

「私の手牌と捨牌はこれかも」

・インデックス手牌
九九67799s2266p南南 待ち:6s

・インデックス捨牌
5p9p白5p4s2s
西発3p

「6sは対子になった7sと隣あってるかも!
だからまずこの牌はかなりの引力を持ってるんだよ」
「……ははあ」
「しかも対子った9sのスジでもあるかも。二つの引力が合わさって完璧なんだよ」
「……なるほど?」

「ちなみに、この局は隣り合いの引力を強く感じていたかも。
それは最初に566pとあって5pを落としたんだけど、
後から5pを引いてきたからかも」

「……ドラそばを一打目に切るとか、あとから5p引いてきたからとか、よくわからないんですが……」

「天秤は自殺行為かも!!
それにチートイに向かう時は捨て牌と照らしながら打つのが基本なんだよ!」

「……なるほど、ひとかけらも理解できなかった」
「だから忠告したろう」
「まあ、特に今回は相手が悪いというところもありますがね」

「むー!!この打ち方は私達の世界では実績も年季もある、
すでにしっかりと確立されている打ち方なんだよ!?」
「上条当麻は科学側。彼に理解しろというのは、いささか難しい相談だね」
「……わかったかも。……次の局に行くんだよ……」

(なんだか上条さんが悪いことした気になるんですが……
いや、でもあれの理解は無理だ)
86 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/11/04(金) 20:21:08.25 ID:AM+AKT7Co

南二局・一本場 親・インデックス

西 ステイル   46000
東 インデックス 57000
南 神裂     47000

ドラ・3p

「いい配牌かも!このまま流れに乗っていくんだよ!!」

《インデックス 打 3s》

「……ダブリーです」

《神裂 打 4p》

「うわあ……」
「うわあ、かも……」
「言葉もないね」

「う、う、でもテンパってるんだから仕方ないじゃないですか……!」

「まあ、なんでもいいんだが……さて」

・ステイル手牌
九22257p3578s西西西 ツモ一

(一、九共に通りそうではあるが……どうせアガれる局ではないだろう。
ならこれだな)

《ステイル 打 西》

「……すみませんステイル、それなんです」
「!?」

・神裂手牌
445566777p西白白白
ドラ・3p 裏ドラ・西

「ダブリー一発、メンホン白イーペーコー……裏裏。16000は16300です」
「……やれやれ。これだから聖人は……参ったな」


南二局・一本場 親・インデックス

西 ステイル   46000→29700
東 インデックス 57000
南 神裂     47000→63300


(この麻雀に入ってなくてよかったーーーーーーーー!!!)
「……安心してるのがバレバレかも」
「い、いやいやいや?そんなことはありませんのことよ?」
「そういうことにしておいてあげるんだよ」
87 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/11/04(金) 20:21:57.33 ID:AM+AKT7Co

南三局(オーラス) 親・神裂

南 ステイル   29700
西 インデックス 57000
東 神裂     63300


「これは……」

《神裂 打 4p》

「また香ばしい牌なんだよ……ガタガタ震えることしかできないかも」

《インデックス 打 9p》

「とはいってもね……僕に出来ることは限られてるし。
一応、役満ツモでまくれるのが唯一の救いかな

《ステイル 打 6s》


『14順目』

《神裂 打 7p》

「……意外と長いんだよ。
というか、二人とも捨て牌がアレすぎるかも!」

・神裂捨牌

4p6pr5s2s7p
5p2s 2s7p

・ステイル捨牌
6s一6s8p一4p
3p2p九5s

「それは申し訳ない。でもこちらとしてもやれることは限られてるので……ね!」

《ステイル 打 3p》


『16順目』

(ステイルのやつ……どんな手牌なんだ?)

・ステイル手牌
東東南南西西北北白発発中中  待ち:白

(げぇっ、大七星テンパイ!??)

【info:大七星とは、チートイの字一色のことです。
ローカルルールではダブル役満。
ダブルを採用してない時でも、そもそもこの役でアガれることはほとんどないため、
敬意を払ってあえて大七星と呼ぶ人も多いようです。
なお、作中においてはシングル役満、ただの字一色です。】
88 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/11/04(金) 20:22:23.61 ID:AM+AKT7Co

《神裂 打 7s》

・ステイル手牌
東東南南西西北北白発発中中 待ち:白 ツモ 発

(おしいいいい!!行け、行くんだステイル!
役満あがって神裂を見返してやるんだ!!
始めようぜ魔雀師――!)
「……これは、負けた……かな?」
「え?」

《ステイル 打 発》

「ロン」

・神裂 手牌
一九19s19p東南西北白発中 待ち:一九19s19p東南西北白発中

「国士無双十三面です」
「手牌全部当たり牌、か。全く、本当にキミは大した打ち手だよ」


南三局(オーラス) 親・神裂

南 ステイル   29700→-66300
西 インデックス 57000
東 神裂     63300→159300


「いえ、しかし……私にとっても危機一髪といったところだったのでしょう?」
「結果が全てさ」
「ううん、本当の意味でかおりを追い詰めたのはやっぱりすているなんだよ!」
「ええ。久しぶりに緊張感のある、いい麻雀を打てました。
インデックス、ステイル。ありがとうございます」
「お安い御用なんだよ!」
「……次は負けないさ」


『――終局!』

結果
ステイル   -66300
インデックス 57000
神裂     159300

順位
1 神裂 火織 
2 インデックス
3 ステイル=マグヌス



「すごい麻雀だったな!どうする、そろそろ夕飯食べるか?」
「それもいいが……せっかく四人揃ったんだ。上条当麻、君も参加したまえ」
「それがいいんだよ!」
「是非。あなたとは長らく打ってませんからね」

「いや、上条さんはあんまり、ホラ、大覇星祭もありますし……」
「ここで調整するといいんだよ!」
「そんな冒険に出たての主人公がラストダンジョンでレベル上げするかのような所業をお望みですか!?」
「いやいやいや。大丈夫さ、うん。きっと大丈夫」
「根拠0じゃねーか!!」
「……私達とやるのがそんなに嫌ですか?」
「うっ……」

「とうまがかおりを涙目にさせてるんだよ……!」
「女の敵だね。英国なら嬲り殺しにされても文句は言えないよ」
「英国治安悪いな!?……チクショウ、わかったよ!やればいいんだろ!!」

「そうこなくっちゃ、なんだよ!」
89 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/11/04(金) 20:23:10.36 ID:AM+AKT7Co

………
……

「それはロンだ。リーチメンホン白ドラ3……16000だね」
「地獄単騎!?」

「ロン!メンピンイッツードラドラで18000かも!」
「うう、リーチさえかけてなければ……」

「ツモ、タンヤオドラドラで1000-2000ですのことよ!」
「粘りますね!」
「粘るんだよ」
「ああ、粘るね」
「なんだよ、良いだろこれくらい!?」

「ツモ、チンイツトイトイ三暗刻。4000-8000ですね」
「上条さんの1000-2000がっ!?」

「「ロン」」
「……四暗刻単騎。64000です」
「ホンイツチャンタ中西ドラ3。16000だね」
「……不幸だーー!!!」


上条の悲鳴は寮中にこだましていたという。
なお、その日の上条家の夕飯は神裂とステイルの援助により少しだけ豪華であった。
それはまるきり、上条の慰安会の様相を呈していたそうである。
90 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/11/04(金) 20:23:50.29 ID:AM+AKT7Co

対局ファイルNo.4

・インデックス(Index-Librorum-Prohibitorum)
プロフィール/上条の同居人。
 完全記憶能力を持ち、その能力を生かして(利用されて?)
 10万3000冊もの麻雀理論書の内容を記憶している。
 そのため打ち方の引き出しは非常に多く、万能。
 流れが悪かろうが良かろうが、対子場だろうが順子場だろうが、色が偏ろうが字牌が偏ろうが、
 ありとあらゆる状況に平然と対応してみせる。
 上条と同居し始めた経緯はイギリス清教の環境に嫌気がさしたため。
 現在では上条にほのかな好意を抱いているが、自覚もなければ伝わってもいない。
 上条に自分たちの麻雀を叩きこもうとするが、どうにもうまくいかない。
 なお、記憶については完全に無事である。首輪なんてなかった。

能力

@禁書目録
記憶している10万3000冊の理論書を利用して、現状にもっとも即した打ち方を取る。
その打ち方はデジタル的なものもあれば、解説が不可能なほどオカルト染みたものまで様々。
彼女が万能の打ち方はこの能力に起因している。

今回彼女が参照した本から特筆するべきは日本の雀士、土田浩翔の著書各種。
不可思議な対子の残し方、あがり方は彼の影響を色濃く受けたものである。


A健啖家
鳴くと運気が少し上がる。


BDedicatus545(献身的な子羊は強者の知識を守る)
誰かに振り込む、あるいは鳴かせるなどしてアガりを助けた時は運気があがる。



・神裂 火織
プロフィール/天草式十字凄教女教皇。
 および、イギリス清教第零聖堂区「必要悪の教会(ネセサリウス)」所属。
 ネセサリウスはイギリス清教内の麻雀サークルの名称である。
 世界でも数少ない聖人と呼ばれる人間の一人。
 常人には理解しがたい身体能力や幸運等を持ち、その能力の全てを駆使して麻雀に挑む。
 まさに世界トップレベルの雀士である。
 インデックスとは昔からの付き合いで、その関連から上条とも交流がある。
 天草式と呼ばれる、イギリス清教参加の組織のトップを務めている。

能力

@聖人
信じがたいほどの幸運を持つ。
彼女にかかれば役満はそう珍しいものではなくなるため、東1局での終了なども日常茶飯事。
しかしその分、周囲に自分と打ってくれる人間が少ないことを気にしている。
その能力により今回のようにインデックス達とやる時は50000点持ちかつ神裂は起親禁止が基本となっているが、
神裂自身も皆と打てるならと喜んでそれを享受している。


Aウエスタンルックサムライガール
特徴的な格好をしているが、これにはオカルトな意味がこめられている。
ただでさえ豪運な彼女の運気がこれによって強められるのだから手に負えない。

あとなんといっても、同卓した男の気が散る。
こればっかりはしょうがない。


BSalvare000(救われぬ者に救いの手を)
誰かを飛ばすと次の半荘でしばらく運気が大きく下がる。

91 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/11/04(金) 20:24:58.04 ID:AM+AKT7Co

・ステイル=マグヌス
プロフィール/イギリス清教第零聖堂区「必要悪の教会(ネセサリウス)」所属。
 愛煙家。実年齢は14歳だがそうは見えないので、雀荘でも気兼ねなく煙草を吸っている。
 インデックスとは小さなころからの付き合い。
 彼女に対しては並々ならぬ想いを抱いているが、例によって伝わらない。
 ネセサリウスでは友人ポジションだけは死守すると息巻いている姿が確認されている。
 イギリス清教内でも指折りの雀士なのだが、格上の相手をすることが多いため勝率はあまり高くない。
 特にイギリス清教のトップであるローラ=スチュアートの付き人という役目もあり、
 彼女と麻雀をしていると面白いほどに勝てないため、通算成績はマイナスである。


能力
@字牌の天才
字牌の扱いに長け、いつのまにか字牌の天才と呼ばれるようになっていた。
時には他者から当たり牌を誘いだし、時には安牌として確保していた牌を切りだす。
その見切りのタイミングは完璧であり、誤ることはほとんどない。
また、やけに字牌が集まるのも特徴。

A愛煙家
煙草を吸えないとイライラして気が散る。

Bイノケンティウス
必ず殺すを意味する言葉で、誰か一人を狙うことに長ける雀風を指してこのように呼ばれた。
ステイル自身も誇りに思っているようで、時には自称することもある。

C信念
インデックスからあがると運気が下がり、
インデックスに振り込むと運気が上がる。

DFortis931(我が名が最強である理由をここに証明する)
アガることで運気が大きく上昇する。
限度はなく、誰かが止めない限りは青天井に運気が上昇していく。
ただし、誰かに連荘を蹴られた時はリセットされ、
運気が上昇している状況にあった時はそれに比例して運気が低下する。



・上条当麻
プロフィール/紛う事なき被害者。今回は特筆すべき点はない。
 三麻をすると必ず一度はチーと言ってしまう。
92 : ◆DrjYTeJyCk [sage saga]:2011/11/04(金) 20:28:39.43 ID:AM+AKT7Co
終わりです


目標としてるトンデモではない麻雀SS、というのとはややかけ離れた1話でしたがいかがでしたでしょうか

ちなみにプロフィールの欄でも名前を出していますが、
インデックスのチートイツ、及びトイツ理論は実在のプロから借りてきています
あの人は存在がオカルトだから、こういう時は映えますね

今後の話は今のところ未定です
アンケ取るほどの構想もまだ出来ていないので、
また思い浮かんだら改めて

アンケ取る前に思いついたのを書いてきてしまうかもしれませんが、
その時はその時ということで


それでは今回も読了ありがとうございました
次回もまたよろしくお願いします
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(新潟・東北) [sage]:2011/11/04(金) 20:46:17.96 ID:Po5ZxmOAO
土田さん確かに魔物じみてるWWWW
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(新潟・東北) [sage]:2011/11/04(金) 20:58:37.68 ID:Po5ZxmOAO
土田さん確かに魔物じみてるWWWW
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 21:26:09.47 ID:tQEV7AdDO
乙、土田さんはトンデモ系だなトイツ理論はわからん。
今回の三麻は天○を参考にしたのかな?関西(大阪)は北は基本抜く場合は空気扱いでリンシャンはつかないし…(抜かない場合は全員共通の役牌
)しかも5p、5sは全部赤だし…そのため手が高くなりやすい(最高でドラ12上がった事がある…ちなみに関西三麻は14ハンから役満の場合が多い)
レートが点1は安いって思ったけど神裂さんと卓をかこむ場合は点1のほうがいいな…
あと、ステイルが北待ちの時北が5枚ありますよ…(ステイルが1枚抜いて、手の内に1枚、インデックスが1枚抜いて、手の内に1枚、神裂さんが切った1枚で計5枚)
96 : ◆DrjYTeJyCk [sage]:2011/11/04(金) 22:22:36.55 ID:+QzmTc2DO
>>95
ああ、当初はインさんが北抜く予定じゃなかったからですね……スミマセン、またやっちゃいました
ホント毎度のようにミスしてますね……
お手数ですが脳内補完お願いします

点1はおっしゃるような理由からです。単純に遊びの一環で、というカンジで。
土田さん以外は特に参考にしてないんですけどね、天○は読んでないですし。
また被っちゃいましたか、うーん、難しい……

ともあれ今回もガッツリ読んでいただいたようで、ありがとうございました!
またよろしくお願いします
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/04(金) 22:44:26.55 ID:tQEV7AdDO
>>95ですが天牌じゃなくてネット麻雀の天鳳の事なんですが…
伏せ字にする必要がありませんでしたね…次回も楽しみにしています。
98 : ◆DrjYTeJyCk [sage]:2011/11/04(金) 23:09:46.85 ID:+QzmTc2DO
あら、そっちでしたか。ルールが似てるのかな?
あんまり意識はしてなかったですが…
改めて軽く調べてみて、面白さとメジャーさの間をとったつもりでした

次回も頑張りますのでどうぞよろしく!
99 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/11/05(土) 17:20:38.04 ID:vXvRgRWEo
特に自分の中で決まらなかったので適当にアンケ
どれか見たいヤツがあったらさくっと選んでくれるとありがたいです

投票0なら一番上、同数なら先着順です
ついでにちょっとやってみたかった、映画のあらすじ的なものをつけてみたり



@防御能わず!破壊神和了崩し!

【登場人物/麦野・フレンダ・海原・結標】

概要/『アイテム』と『グループ』、二つの有名サークル間での対局が実現。
しかし『アイテム』の絹旗と滝壺はなぜか対局を拒否する。
『アイテム』のリーダー麦野は微妙な心境のまま、フレンダをお供に対戦に望むことになる。

一方の『グループ』も、エースである一方通行が土壇場で欠席。
レベル2である土御門は他の二人に出番を譲り、海原と結標の二人で対局することに!

お互いが不安な気持ちを抱えたまま、レベル5の一角を交えた対局が始まる。




Aミサカ尽くし?二つの計画の狭間で

【登場人物/一方通行・打ち止め・番外個体・御坂妹・(御坂美琴)】

※美琴は打ちません

概要/絶対能力進化計画、その被験者の一方通行は実験場所と指定された雀荘へ向かう。
そこで待っていたのは御坂妹であり、実験の概要をその場で伝えられる。
曰く、御坂妹との対局で2万局連続で勝利すること。
嫌々ながらおそらくは可能だろうと考え、承諾する一方通行。
そこに現れたのは番外個体と打ち止め、そして御坂美琴の三人である。

番外個体は一方通行を打倒することを目的とする計画<サードシーズン>の被験者であり、
一方通行と対局できることを妹から聞き及んでここに辿りついたのであった。
打ち止めはいくら一方通行でも1対2では厳しいと考えて。
御坂美琴は第一位ってどんなやつ、と単純な好奇心から。

御坂一族に囲まれた不可思議な環境の中、一方通行を巡る二つの計画が交差する。
その結果とは?



B大胆奔放、戦慄の念導爆弾!

【登場人物/削板・黒子・初春・佐天】

概要/先日、レベル5食蜂に手痛い敗北を喫した黒子達。
気分を変えて違う雀荘で打とうということになり、
卓が立つのを待っているとなんとそこに現れたのはレベル5、削板軍覇だった!

多くの人間からわけがわからないと称される高位の雀士に、
果たして黒子達は太刀打ちできるのだろうか?


というわけでまたも三択です。
あと食蜂さんのは今やっちゃうと後でネタが枯渇てしまうことに気付いたので、
後々のためにお預けで。

絹旗とか滝壺がでてくるやつも考えているんですが、
同じキャラを連続で本編の中心に据えてしまうのも微妙かなと思って今回は保留です。

もしお好みのものがあればよろしくどうぞ
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/05(土) 17:38:54.14 ID:IFTIIIRSO
>>99
全部気になるが、とりあえずBで
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/05(土) 18:32:23.78 ID:bpKOvBIDO
@で…麦野がどんな麻雀するかみたい
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(不明なsoftbank) [sage]:2011/11/05(土) 19:35:43.88 ID:1DyOqZf8o
Aかな、一方無双wwwwww
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(長屋) [sage]:2011/11/05(土) 20:49:02.66 ID:AnP9GQc5o
A!A!
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/05(土) 21:14:05.82 ID:GV+6Ap2D0
@が気になる
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage]:2011/11/06(日) 09:27:16.16 ID:Z8lNMDobo
Bで
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(長崎県) [sage]:2011/11/06(日) 10:44:24.64 ID:sCmipX98o
Aで
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関西・北陸) [sage]:2011/11/06(日) 17:38:15.26 ID:efVteCUAO
Aだな。
サマなしの一方通行も見てみたい。
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(岩手県) [sage]:2011/11/07(月) 01:56:25.18 ID:mRH93Nh1o
2で

最近麻雀にはまり始めた俺にはタイムリーなスレだ
109 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/07(月) 06:51:15.44 ID:p/TaDL90o
丸一日以上待ったので、これにて締め切りです。


みっつとも同数の投票を得た時はどうなることかと思いましたが、
ついでに構想も考えにくくてそわそわしましたが、蓋を開けてみたらAの圧勝でしたね。
一方さん人気か、単純に内容が気になったのか、あるいはミサカシリーズの力か……果たして。


@は詳細もある程度考えているので、いずれ書きそうな気がします。
また他に面白そうなのが浮かべばそっちにいってしまうかもしれないですが……

Bは始まり方が突然な分、少し不利でしたかね。
削板はいずれ書くつもりだったんですが、
彼と繋がりがあるキャラがよく掴めてないのでやや唐突なキャラ選になってしまったかもしれません。




ともあれ、今回は時期の指定は少し難しいんですが、
一週間以内を目安に書いていきたいと思います。
実際、書いてみてどうなるかはわかりませんが……もしかしたら難産になるかもしれませんしね。
ただなるべく宣言通りに行くようにはしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。


>>108
楽しんで頂けたら嬉しいですが、あまり実践の参考にしないでくださいね。
妥当なことを書いていることもあれば、適当なこともあるので。
一応、自分なりの麻雀哲学・理論が反映されているはずではありますが……はい。
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(関西・北陸) [sage]:2011/11/10(木) 01:01:24.30 ID:gKWBxCqAO
いずれにせよ楽しみに待っているのである。
111 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/11/12(土) 01:02:30.94 ID:DcgQW3Zyo
いやはや、気づけば日付が変わってました
といいつつ、まだ全ては書き終わってないんですが……

ちょっと今回、対局以外のシーンが予想外に長くなりまして、
前後編に分けることにしました

今回の投下は前編、東場終了までということになります

一週間以内にという目標よりも大分遅くなってしまいそうですが、ご了承願います



それでは投下していきます

112 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:03:57.17 ID:DcgQW3Zyo

【第4話・前編/ミサカ尽くし? 二つの計画の狭間で…】



『雀荘・操車場』。

そんななんとも言えない名前の、やや寂れた雀荘に一方通行は向かっていた。


今日は彼の所属するサークル『グループ』とサークル『アイテム』が対戦する日だが、
彼が向かっている場所はその対戦場所ではない。
招集はされているものの、それは無視した。
『グループ』は所詮、サークル単位での対局でまだ見ぬ強敵と出会えることを期待して入っているにすぎない。
そのためサークルでの活動は彼にとってなんら重要なものではなく、
今から向かう雀荘はサークルとは全く関係のない場所である。

『グループ』の相手である『アイテム』は確かにまだ見ぬ強敵として相応しい相手ではあったが、
そもそも一方通行がそうした手合いと対局したがるのは単に自分が更に強くなるためである。
今回はそれよりも確実に強くなれるという話が来ているのだから、
果たすべき義理などない『グループ』のイベントが無視されるのも自然な成り行きであった。

確実に強くなる手段とは、今彼が向かっている先で行われる絶対雀力進化実験と呼ばれる実験のことである。
詳細は説明されていないが、その実験をこなすことで彼はレベル6になれるとのことだ。
一方通行の下へは雀荘に着き次第、実験の詳細が説明されるとの連絡がきている。

得も言われぬ高揚感を覚えながら、『雀荘・操車場』のやや重い扉を開ける。
パラリパラリと客が見える中、フリーの卓待ちとも思えぬ様子で立っている少女がいた。
おそらく実験の関係者であろうその少女は、一方通行にとって見覚えのある少女であった。


「……御坂美琴……とかいったか。オマエが実験の説明をしてくれンのか?」

「確かにミサカは実験の協力者ですが、ミサカはお姉さまではありません。
と、ミサカは被験者の認識を修正します」

「あァ?」


以前打ち止めと行動している時に遭遇した彼女の姉、御坂美琴。
目の前に立つ女がその御坂美琴で、今回の実験の協力者であると思っていたのだが……


「ミサカはお姉さまの妹です。御坂妹、とでもお呼びください」

「妹……だァ?」

「おや、知りませんでしたか?
第三位が四人姉妹なのは有名な話かと思っていたのですが……と、ミサカは確認します」

「……そォいや、クソガキがなンかごちゃごちゃ言ってたよォな気がするが……」

「クソガキ?」

「オマエらの一番下の妹じゃねェかと思うが」

「打ち止めのことですか、とミサカは納得します」


納得といいつつ、その無表情にわずかに浮かぶのは驚きだった。
どうやらあの少女は家族に一方通行のことは伝えていないらしい。
113 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:06:34.38 ID:DcgQW3Zyo

「……まァ、そンなことはどォでもいい。で、実験の内容はなンなンだ」

「はい。当初の予定では、第三位、お姉さまに128回連続で勝利する、というものでした。
と、ミサカは報告します」

「128回、ねェ……」

「しかし、お姉さまも非常に優れた打ち手です。
いくらあなたでも128回勝利し続けるのは不可能だと判断されました」

「……ほォ」

「顔を強張らせないでください。怖いです、と、ミサカは懇願します。
……もちろんそれだけが理由ではありません、と、ミサカはフォローします。
仮にあなたが連続して勝ち続けたとしても、それはそれで問題があるのです、
と、ミサカは懇切丁寧に説明します。
既に周知されていることですが、あまりにも連続する敗北は人を変えます。
悲惨な敗北は『自分だけの雀風』への悪影響が大きいのです、とミサカは既知であろうことを再確認します。

「……あまりにもひどく、連続した敗北は自分の雀風に疑問を抱かせる。
時にはそれがプラスに働くこともあるが……」

「もしも『自分だけの雀風』が崩れれば、お姉さまは第三位の座を降りなければならないでしょう。
そうなればあなたとの実験の継続も不可能、つまりこの計画は初めから不可能だったのです、
と、ミサカはドヤ顔を決めます」

「表情変わってねェよ。……ンで、オマエが来た理由があるんだろ?」

「はい、と、ミサカは肯定します。ミサカの雀風はいわばお姉さまの下位互換です。
つまり、ミサカとの闘牌はお姉さまと闘うのと似た状況と言えるのです、と、ミサカは胸を張ります」

「……つってもよォ、さっきの問題は解決されてねェンじゃねェの?
オマエだって『自分だけの雀風』が崩れたらなンの意味もなさねェだろォが。
それとも何だ、オマエは実はクローンで他にも似たようなのが一杯いて、
そいつらと一人一人対局していけとでも言うンですかァ?」

「……なぜか悪寒が走りました、と、ミサカは報告します……」

「……不思議なもンだな、俺もだ」

「……まあそれはいいのですが、と、ミサカは強引に話を変えます。
ミサカの特徴の一つとして、非常に機械的なメンタルを持っていることがあげられます。
と、ミサカは指を立てて得意げになります」

「機械的なメンタル?」

「精神的な動揺が非常に少ない、とでも言いましょうか。
どれだけ負けても『自分だけの雀風』が崩れることがないのです、と、ミサカは改めて胸を張ります。
……お姉さまはそれだからミサカは強くなれないのだと良く言いますが、と、ミサカは消沈します……」

「……少しくらい表情変わらねェのかよ。
まァいい、ンで、オマエに128局連続勝利しろってかァ?」

「128局ではありません、と、ミサカは否定します」

「……だろォな。オマエと128局やって目標が達成できるなら第三位に用なンざねェからな。何回だ?」

「驚かないでくださいね、と、ミサカは前置きをします」

「早く言え」


「二万局です、と、ミサカは発表しました」
114 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:07:45.39 ID:DcgQW3Zyo

「二万!?」

「はい。聞こえていたでしょうか、と、ミサカは被験者一方通行の耳を暗に心配します」

「驚いただけで、別に正常に聞こえてンだよ!」

「そうですか、と、ミサカは納得したフリをします」

「……」

「顔が怖いです、と、ミサカは……」

「うるせェな、やるならさっさとやンぞ!!」

「実験を承認するということでよろしいですか、と、ミサカは確認します」

「あァ。イヤになるような数字だが……やってやらァ」

「では、さっそく席に行きましょうか、と、ミサカは誘導します」


そう言うと、御坂妹は店員に何事かを話し、2席空いている席へと座った。
自然、一方通行もそこに座ることになる。
特に同卓者との挨拶もないまま、準備は進んでいく。


「では、実験開始と行きましょうか、と、ミサカは―――」


「ちょっと待ったぁ!!!!」


バン、と大きな音を立てて雀荘の扉が再び開かれた。
何事かと雀荘の客が振り向けば、そこに立っていたのは御坂妹と酷似した三人の少女であった。


「……おおう、なぜここに……と、ミサカは驚愕します」

「ダーメじゃん妹ちゃん? こんな面白そうなことがあるなら、このミサカを呼ばないとさあ!」


やや身長の高い、目の下の隈が印象的な少女がそう言って御坂妹の肩に腕をまわした。
あまりにも突然の展開に、一方通行を含む店内の人間は何も言葉を発することができない。


「ね、あなたたちさ、ちょっと席変わってくれないかにゃーん?」


そう言い、少女は同卓していた二人に退席を促す。
そこそこの時間を待ってようやく卓につけた二人はやや不満そうだったが、
少女の『この人、第一位だよ?』という言葉を聞くと逃げるように卓をたった。


「実験の妨害行為はやめてください、と、ミサカは姉にお願いします」

「まあまあいいじゃんいいじゃん。このミサカが変わりに入ってあげるからさ。
いいでしょ?」

「……オマエは?」

「番外個体、そう呼ばれてる。サードシーズン……そういってわかるかなぁ?
あなたを倒すための特別プログラム漬けになった変わりものだよ。
よろしくね、第一位」

「!」
115 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:09:08.37 ID:DcgQW3Zyo

学園都市は強力な雀士を中心にして授業等のプログラムを組んでいる。
プログラムは有能な雀士の強化やそれと同等の雀士を量産するのもそうだが、
強者の雀風に対応するのも大きなテーマとなっている。

この『絶対能力進化実験』や絹旗最愛の受けた『暗闇の五月計画』は一方通行を更に強化し、
そして時にはその強さを取り入れるような、いわば一方通行を肯定的にみる実験・計画である。

一方で、最強と呼ばれる雀士を打倒することに執心する研究者もいる。
強者の雀風に対応する、すなわち一方通行を打倒する。
そういった、言うならば一方通行を否定的に見る計画。
その筆頭が番外個体の受けた、第三次製造計画<サードシーズン>と呼ばれるプログラムであった。


「最強を作り、更に強化し、そして打倒する。その三段階目、即ちサードシーズンってわけ」

「ハッ、なるほどなァ。面白くなってきたじゃねェか……
そォと決まればさっさと始めよォぜ」

「決まりだね」


そう言うと番外個体は御坂妹を強引に席からどかし、スルリと一方通行の対面に座る。
あたかも当然のことをしただけですよ、というような動作には違和感がない。


「……そこはミサカが座る予定だったのですが、と、ミサカは暗に席を譲ることを要求します」

「いいじゃん、どうせ妹は二万回対局するんでしょ?
その全部が対面なわけないんだから、気にしない気にしない」

「……やや釈然としませんが、いいでしょう。と、ミサカは大人な部分を見せつけます」

「大人、ねえ……?」

「……ンなことはどォでもいい。で、最後の一人はどォすンだ?」



「私が入るわ」



「……今度こそ、御坂美琴でいいンだな?」
「そうよ。……まさかアンタが、第一位だったなんてね」


顔見知りが第一位だったという事実に対する驚きと、
身内に隠されていたという不快感からか美琴の顔は険しい。
そしてその表情の険しさは一方通行も同様だった。
あたかも以前あった時には隠されていた闘争心が表に表れたように。

お互いレベル5同士、意識しないことは難しい。
両者の間には、目に見えぬ火花が散っていた。


「めんどくせェことになりそォだったからな。言わなかっただけだ」

「そうでしょうね、知ってたら絶対対局しろって言ったはずだし。
……でも、今日は対局してもらうわよ。まさか文句はないわよね?」

「構わねェよ」
116 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:10:04.39 ID:DcgQW3Zyo


「ちょーっと待った!それはこのミサカ達が困るんだよねえ」

「その通りです、お姉さまは引っ込んでてください、と、ミサカはじとっとした目を向けます」

「え、ちょ、なんでよ!いいでしょ別に!?」


「いや、美琴が入っちゃうとこのミサカが勝ったとしても美琴の力で勝ったってセンが出てくるでしょ。
つまりサードシーズンの目的を達成できたかどうかを確認できなくなる。
言ってみれば美琴は実験の邪魔ってこと」

「な――」

「絶対能力進化実験においても、あまり影響が大きすぎる不確定要素は出来る限り排除したいと考えています。
と、ミサカは懇切丁寧に事情を説明します。
本来ならレベル4である番外個体を入れるのもあまり好ましくはないのですが、
レベル5であるお姉さまを入れた場合、ミサカと一方通行の対局という色合いが
ほぼゼロの状態で終わってしまう恐れがあります、と、
ミサカはお姉さまに入って欲しくない理由を述べます。
始めの対局ですのでなるべくデータを取りたいのです、と、ミサカは研究者の思いを代弁します」

「……わかったわよ……」


「それじゃあミサカの出番だねってミサカはミサカは喋るタイミングが掴めなかった鬱憤を晴らしてみたり!
いくらあなたでも2対1だと少し厳しいだろうから、
ミサカが味方してあげるねってミサカはミサカは恩返し宣言!」

「いらねェ」

「えー!?」


とにもかくにも、こうしてメンツは決まったわけである。
117 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:10:58.83 ID:DcgQW3Zyo

『雀荘・操車場』

【ルール】
※『』は新たに付記したルール。

点5。
オカアリ・ウマ1−2。
東南アリアリ。
赤牌はそれぞれに1枚ずつ、計3枚。
4飜30符、3飜60符は切り上げ満貫。
チーとポンはポン優先。
ダブロンナシ=頭ハネあり。
トリプルロンは流局。
槓ドラは即乗り。
四風連打、九種九牌、四開槓による流局あり。
『四家リーチは流局せず。』
『アガリ止めあり。』
フリテンリーチ・フリテンツモアリ。
食いかえナシ。
【食いかえとは:例えば345sから3sを鳴いて3sを切る、あるいは6sを鳴いて3sを切ること】
送りカンなし。
【送りカンとは:リーチ後、例えば345555sとあったところに2sを引いてきて、5sをカンすること】
平和とツモの複合アリ。


人和は倍満扱い。
流し満貫アリ。
オープンリーチはアリ。2飜。
リーチせずに振り込むと役満。
国士無双の暗カンロンは認める。
ダブル役満アリ。スッタン、純正チューレンや国士無双13面などもダブル。
包アリ。大明槓包もアリ。
シーサンプートーアリ。
118 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:11:45.20 ID:DcgQW3Zyo

東一局    親・打ち止め

東 打ち止め 25000
南 番外個体 25000
西 御坂妹  25000
北 一方通行 25000

ドラ・2s


「うーん、しかしこんなことになるとは思いませんでしたなあ、ってミサカはミサカはつぶやいてみたり」

「このおちびってば第一位と知り合いってこと隠してたんだからなあ。
御坂の風上にもおけないね」

「ワーストお姉ちゃんはこういう風に突撃しちゃうだろうから教えてなかったんだけどなあ、
ってミサカはミサカはある意味予想通りでションボリしてみたり……」

「私にも秘密にしてたみたいだしねー」

「だってだって、お姉さまとこの人がいがみ合うのは見たくなかったんだよってミサカはミサカは……うう……」

「いがみ合うって、アンタねえ……」

「まあ、全ては終わったこと。いいではないですか、と、ミサカは暗に早く対局を始めようと提案します」

「そうだね。ホラおちび、さっさとやるよ!」

「……よーし! あなた見ててね、ミサカ頑張るからねってミサカはミサカは大奮起!」

「だからそォいうのはいらねェって……」

「頑張るぞー!ってミサカはミサカは気合いを入れてみたり!」

「聞いてねェし……」


《打ち止め 打 南》

《番外個体 打 中》

《御坂妹 打 発》


・一方通行手牌
一三六七七八1269s38p白

《一方通行 打 9s》

(ま、こンなもンかねェ)
119 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:12:36.87 ID:DcgQW3Zyo

『11順目』

「リーチ」

《一方通行 打 北(リーチ)》

・一方通行捨牌
9s白発8p9p
一三1s北


「むう。まあしょうがない、先手は譲ってあげるよ。感謝してよね」

「ほざけ」

「さすがあなた!でも待ちが全然わからないってミサカはミサカはいろんな意味でどうしようもなかったり!」

「そういう時は真っ直ぐ行くのです、と、ミサカは末妹からの振り込みを期待します」

「姉の風上にも置けないわね、アンタ……」


『14順目』

「ツモ」

・一方通行手牌
六六七七八八2267s345p 待ち:5-8s ツモ・8s
ドラ・2s 裏ドラ・中

「メンタンピンツモイーペーコー、ドラドラ。3000-6000だ」

「いきなり跳ね満とはさすがですね、と、ミサカは心にもない賛辞を述べます」

「む、ミサカ的には親っ被りがアレかもってミサカはミサカは……ハッ!
適当にミサカが振り込んで飛べばいいのかってミサカはミサカは小悪魔的発想を思い浮かべてみたり」

「おちびはそれだからダメなんだよねー。
まあいいや、やれるものならやってみたら?」

「むっ!!ワーストお姉ちゃんにそこはかとなくバカにされてる気がするって、
ミサカはミサカは憤慨してみる!」

「そこはかとなくねェだろ……」



東一局    親・打ち止め

東 打ち止め 25000→19000
南 番外個体 25000→22000
西 御坂妹  25000→22000
北 一方通行 25000→37000


(……この雀荘、寂れてるだけあって牌の状態がよくねェ。
だが好都合だ、ヒビだの汚れだののおかげで勝手にガン牌してくれてるよォなもンだ。
既にある程度牌は覚えた。もう一局あの牌でやれば半分程度の牌が『見える』だろォな……
南場に入ったら楽勝かねェ?)
(……)


【info:全自動麻雀卓は勝手に牌を積んでくれる便利な道具です。
仕組みとしては中に二組の麻雀牌が入っていて、一組を使って麻雀をしている間に
機械がもう一組を積んでおいてくれる、というわけです。

二組の牌をローテーションで使用しているといいかえるとわかりやすいかもしれません。
つまり一方通行が今回使った牌は次の次の局で使用されるので、
今使用していた牌を実質的にガン牌、つまり傷や汚れを覚えて伏せられている牌を区別できたととしても、
次の局ではまだ活用できません。】
120 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:13:39.82 ID:DcgQW3Zyo

東二局    親・番外個体

北 打ち止め 19000
東 番外個体 22000
南 御坂妹  22000
西 一方通行 37000

ドラ・九


(……悪くねェ配牌だ)

・一方通行配牌
一三五六七345s1168p東

(すぐ聴牌しちまうンじゃねェか?)


『7順目』

一三四四五六七八34r5s11p ツモ・二

「リーチ」

《一方通行 打 四(リーチ)》

・一方通行手牌
一二三四五六七八345s11p 待ち:三-六-九

ドラ・九


・一方通行捨牌
東8p5s6p西八



「あらら、第一位ってばノってるねえ」
「そのままいっちゃえーってミサカはミサカは応援してみたり!」

《打ち止め 打 7p》


『8順目』

(……)

・番外個体手牌
六六七九九678s23456p ツモ・7p

ドラ・九


(六が通るか、通らないか……
普段なら行くところなんだけどね、第一位に勝つためには直撃されるとキツイ。
一巡前の八は手出しだったし、六はかなり臭う……オリるのは性じゃないけど……
……第一位はあの捨て牌からペンチャンカンチャンのリーチはほぼ打たないはず。
だからこれは通る……!)

《番外個体 打 七》

(ふう。一安心ってところかな?
……いやしかし、やっぱりここで七切りはなかったかな?
ちょっと第一位とやるってことで、ミサカとしたことが萎縮してる気がするよ。
いけないいけない……)
121 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:14:36.24 ID:DcgQW3Zyo

《御坂妹 打 四》

《一方通行 打 3p》

《打ち止め 打 六》

「……」

(……これじゃないのかな、ってミサカはミサカは満足に差し込みもできない自分が嫌になったり……)

(ぎゃはっ、なんか意気消沈してるみたいだけどさ、おちび……それだよ!
第一位の顔を見ればわかる!あなたは結構ポーカーフェイスだけど、
さすがに差し込みを当たらないなんて状況はそうないでしょ?
だからだろうね、表情にでたよ……!今、第一位はフリテンの状態だ!)

(当たらないのね……? 単純にこの対局を終わらせるなら、さっき打ち止めが言ったように、
振り込んでくる打ち止めからあがって終わらせるのが手っとり早いっていうのに。
信念?プライド?……もしかしてロリコンだからとか……いやないか、それはないか)


『9順目』
・番外個体手牌
六六九九678s234567p ツモ・七

ドラ・九


「……オッケー、気を取り直してリーチだよ!」

《番外個体 打 六》

・番外個体手牌
六七九九678s234567p 待ち:五-八

ドラ・九

・番外個体捨牌

1s1s発西三3s
二七六


「……チッ」

「おや、第一位様もあれかな? ちょっと焦っちゃうかなぁ?」

「ンなわけあるかよ、うるせェな」


《御坂妹 打 三》

《一方通行 打 3s》

《打ち止め 打 1s》

(これも違うの?ってミサカはミサカはあなたの待ちがわからなかったり……)
122 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:15:21.50 ID:DcgQW3Zyo

『10順目』

「クハッ、こんなのツモって来ちゃうかなあ?ぎゃははっ」

《番外個体 打 九》

「……」

「なにやらあなたと番外個体だけの勝負になっているような気がしますね、と、ミサカは一抹の寂しさを訴えます」

「そンなもンだろ」

「あるあるだねってミサカはミサカは同意してみたり」


《御坂妹 打 西》

《一方通行 打 5p》

《打ち止め 打 5p》


『11順目』

「ツモ!」

・番外個体手牌
六七九九678s234567p 待ち:五-八 ツモ・八
ドラ・九 裏ドラ・1p

「のらないか、メンピンツモドラドラで4000オール!」

「むー……」

「仕方ないですね、と、ミサカは気前良く4000点を払います」

「……」


「あなたは何待ちだったの?ってミサカはミサカは勝手に手牌を覗きこんでみたり!
って、え……!」

・一方通行手牌
一二三四五六七八345s11p 待ち:三-六-九
123 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:17:06.48 ID:DcgQW3Zyo

「み、ミサカの捨て牌で当たってるじゃないってミサカはミサカは驚愕してみたり!」

「……」

「こら打ち止め、マナー悪いことしないの!」

「ご、ごめんなさーい!ってミサカはミサカは謝ってみたり!
でもでも、折角差し込んだのに……!」

「いらねェって言ってンだろォが、そォいうのは」

「え……」

「だからわかってないって言うんだよ、おちびは」

「それどういう意味ってミサカはミサカは尋ねてみたり……」

「この人はね、そういうアガリはしない。
公平な土俵に立って、自分の力で相手を叩きのめしたいんだよ。
施しみたいなアガリは嫌いな強情っぱリなの。知らなかったかな?」

「な、な、なー!あなた、それ本当なのってミサカはミサカは問い詰めてみたり!
それでミサカの差し込みを見逃したのってミサカはミサカは……!」

「ン……まァ、否定はしねェ」

「……!」


打ち止めの中で何かがキレた。
非常に勝手な話ではあるが、彼女なりに一方通行には恩義を感じて今まで行動してきた。
全てはよかれと思ってやってきたことなのだ。
それが実らないことはそれこそ数多くあったが、こうも無下にされたことはなかったように思う。
そのためだろうか、ここにきてついに打ち止めの日頃の鬱憤が爆発したのである。


「もう知らない、あなたなんて負けちゃえばいいんだってミサカはミサカは爆発してみたり!
お望み通り敵側に回ってあげるよってミサカはミサカは下剋上宣言!」

「なァに切れてンですかァ?」

「知らないもん!」


とはいえ一方通行としては元々1対3だろうがなんだろうがやるつもりだったので、
状況としてはそう騒ぐほどのものではないのだが。
とにかく、本番はこれからということらしい。


東二局    親・番外個体

北 打ち止め 19000→15000
東 番外個体 22000→34000
南 御坂妹  22000→18000
西 一方通行 37000→33000
124 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:19:40.88 ID:DcgQW3Zyo

次局、東2局一本場は誰もアガらず、流局となった。
テンパイ者は番外個体・一方通行・御坂妹の三人である。
打ち止めは妹としての経験から姉妹たちのテンパイ気配・待ち牌をかなり正確に察した分、
回らざるを得なかったようである。


東二局・一本場    親・番外個体

北 打ち止め 15000→12000
東 番外個体 34000→35000
南 御坂妹   18000→19000
西 一方通行 33000→34000


(……単純に流局するなら、ガン牌できる牌が増えていく俺に味方することは間違いねェ……

それよりもこの番外個体とかいう女。どォにも妙だ……レベル4って言ってたはずだが、あれはホラか?
前局にしても結果的に振り込みになるとはいえあそこで六を切れないようじゃ話にならねェ。
それで俺に勝てるとでも思ってンのか……?
地力がそもそも足りてねェンじゃねェのか?

……それともまさか、一点読みしたってのか?

……いや、あの捨て牌で一点読みはありえねェ。
第三位のヤツにしても、通しをしてる様子はねェし……
となれば、大した根拠もねェ七切りっていうことになる……

カンチャンやペンチャンを考慮しなかったのかしらねェが、そんな中途半端な回し打ちをするようじゃ俺の敵じゃねェ。
慣れない状況で緊張状態にあったなンて解釈もできなくはねェが、
どちらにしろ敵じゃねェことに変わりはねェしな。

……なにより、コイツはクセがひでェ。
カチャカチャ几帳面にやりやがってよォ、そんなに牌の上下が気になるかねェ?
さっきから全部の牌をキレーに上下整えて並べてやがる……
色の並べ方も今のところ均一だしなァ、萬子・索子・筒子でキレーなもンだ。

しかもいつかのクソ共みてェにテンパイしたら待ちになってる塔子が右端にきてねェと落ち着かねェと来た。
ガン牌と合わせりゃほぼ待ちが完璧に読み切れるぜ?
まァ、ある意味クソガキの姉ってのも納得だがなァ……その素直さは中々ねェわ。

……サードシーズン、とンだ期待外れだな)


好敵手と出会えた、そんな予感を裏切られたという失望を一方通行は隠さない。
その彼を見て、番外個体が口角を挙げたことには気付かないままに。
125 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:21:05.05 ID:DcgQW3Zyo

東二局・二本場    親・番外個体

北 打ち止め 12000
東 番外個体 35000
南 御坂妹   19000
西 一方通行 34000

ドラ・7s


「そろそろおちびがやばいかな?
そのままじゃ飛んじゃうかもしれないもんねえ」

「でもお姉ちゃんはこのままミサカが飛んだ方がいいんじゃないの、
ってミサカはミサカは尋ねてみたり!」

「折角の対局なんだよ?ここで終わらせちゃあ勿体ないじゃん」

「……ミサカの実験にとっても、あまりいい終わり方とは言えません。
ある意味ではミサカがなにもできないまま被験者一方通行が和了、
打ち止めを飛ばすに至る状況を形成したとは考えられますが、
それこそ折角ですのでもう少しデータの収集がしたいです、とミサカは要望を伝えます」

「……はァ。どいつもこいつも変わり者なこったなァ……」


『8順目』

「そういうリクエストがあるなら仕方ない!ってミサカはミサカは大胆リーチ!」

《打ち止め 打 4p》

(……どんなもんかしら?)

・打ち止め手牌
三四四四r五34567sr555p 待ち:2-5-8s

(お、待ちも打点も結構いいわね)

・打ち止め捨て牌
中九8p1p西1s
4s4p

(んー、まあでも一方通行を討ち取るのはやっぱり無理かしらね。
他の二人が振り込まなきゃいいけど……)


《番外個体 打 1s》

《御坂妹 打 8p》

(ベタオリ? まあそうよねー)

《一方通行 打 2p》

「!」

(この捨て牌に2pなんてそうそう切れる牌じゃない。コイツ、もう聴牌間近なの…?)

(……多分これは、2pが当たりじゃないことは“わかってた”んだ……
傷とかヒビから持ってる牌を読まれた? それともおちびの癖は良く知ってて、それから?
どっちにしてもさすがだね……!)

「ホントにあなたってば卑怯かもって、ミサカはミサカは戦々恐々としてたり……」

「そォかい。まァ、間にあうかどうかはまた別の話だがなァ」
126 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:21:57.60 ID:DcgQW3Zyo

『13順目』

「よかった、ツモったよってミサカはミサカは大喜び!」

・打ち止め手牌
三四四四r五34567s555p 待ち:2-5-8s ツモ・2s
ドラ・7s  裏ドラ・1p


「メンタンツモドラドラ、2000-4000の二本付けだよってミサカはミサカは声高らかに宣言してみたり!」


東二局・二本場    親・番外個体

北 打ち止め 12000→20600
東 番外個体 35000→30800
南 御坂妹   19000→16800
西 一方通行 34000→31800


「あらら、捲られちゃったなー」

「こンなもん捲ったうちに入らねェよ。まだ東二局なンだ」

「まあねー」

「ミサカの空気さがヤバイです、と、ミサカは次の局こそ活躍することを心に決めます」

「振り込んでないとも言える、ってミサカはミサカはナイスフォロー!」

「さて、さっさと次の局行こうか」

「姉の冷たさが身にしみます、と、ミサカは呟きます……」

「なんじゃそのツイッター……!ってミサカはミサカは突っ込んでみたり!」

「ツッコミどころがわからねェよ……」
127 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:23:26.05 ID:DcgQW3Zyo

東三局    親・御坂妹

西 打ち止め 20600
北 番外個体 30800
東 御坂妹  16800
南 一方通行 31800

ドラ・西


「さあ気を取り直してミサカの親番です、と、ミサカは気合いを入れます」


『4順目』

・御坂妹手牌
三三五六六78s3577p南西 ツモ・南
ドラ・西

(嫌な形になってきました、と、ミサカは頭を悩ませます。
ですがこれだけ対子があれば……やはりアレでしょうか)


《御坂妹 打 3p》


・御坂妹捨牌

1s中九3p



『10順目』

・御坂妹手牌
三三五六六88s577p南南西 ツモ・r五
ドラ・西

(む、これで満貫確定にできますね。
一方通行から討ち取るためにはやはりダマでしょうか……)

《御坂妹 打 5p》


(……5p切り、ねェ。アイツの手牌は今手持ちの情報じゃァ読み切れねェ……だが七対子の気配は濃厚だ)

・御坂妹捨牌
1s中九3p5s6s
7s四6p5p

(……5pは手出し。これは赤受けを考えて取っておいたと考えるのが自然だろォな……
とすれば、出あがりが期待できそうな字牌を引きこんで取っておいたか、
あるいは既に……テンパイか)


・一方通行手牌
七八九44s789s3478p西 ツモ・6p

(こちとらめでたくピンフのみの出来上がりだ。
……あっちの手がチートイドラドラだとしても、直撃なら十分すぎる点数だ。
この手は危険を冒すに値する手じゃねェな。
……ドラは先に切っておくべきだったか?)

《一方通行 打 4s》

(……ここからドラを抑えるのね。
私なら希望を捨てられずにドラを切って振り込んでいたかもしれない……
ファインプレーかしらね)
128 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:24:14.36 ID:DcgQW3Zyo

『16順目』

「ツモです、と、ミサカは宣言します」

・ミサカ妹手牌
三三r五五六六88s77p南南西 待ち:西 ツモ・西

「チートイツモドラ3。ハネ満、もとい18000です」

「そこは6000オールって言わねェか?」

「18000っていい響きじゃないですか?
なんだか親近感がわきますよね」

「……さっぱりわからねェ」

「大丈夫、私にもわからないから」

「このミサカは少しだけわかるかなー」

「ミサカもミサカも!ってミサカはミサカは元気よく手を挙げてみたり!」

「……まァ、いいけどよォ」


東三局    親・御坂妹

西 打ち止め 20600→14600
北 番外個体 30800→24800
東 御坂妹  16800→34800
南 一方通行 31800→25800


「打撃戦ってカンジね。大物ばかりバンバンと出て怖い雰囲気だわ」

「『流れ』……とでも言う気か?」

「確率の偏りに流れという名前を付けるならそうね」

「確率が偏るのは確かだが、新たな試行をする度にその試行は独立したものになる。
次に出る手がでかいかどうかなンてのは完全に五分五分の状態だろォが」

「まあ、それはそうなんだけどさ」

「全く、夢がない男っていやだねえ」

「夢なンてのがあったら第一位になンざなってねェよ」

「至言かもね、それ」
129 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:25:11.82 ID:DcgQW3Zyo

東三局・一本場    親・御坂妹

西 打ち止め 14600
北 番外個体 24800
東 御坂妹  34800
南 一方通行 25800

ドラ・一


「しかし折角抑えても、あれだけ大きいのあがられちゃうと痛いわね?」

「否定はしねェが、だからと言って悲観するほどの問題じゃねェよ」

「そう?……それならお手並み拝見と行こうかしら」

「確かに待ちはドラの単騎でしたが、抑えられるほどミサカのテンパイはわかりやすかったでしょうか、
と、ミサカは質問します」

「いや、確信が持てたわけじゃァなかった……念のためってやつだな」

「……むう、そうですか。と、ミサカは改めて第一位の実力を確認しました」


『2順目』

《打ち止め 打 発》

「ポン」

・一方通行手牌
三五六八4r55s7p南南中 [発発発→]

《一方通行 打 中》

・一方通行捨て牌
西中


『6順目』

《御坂妹 打 七》

「チー」

・一方通行手牌
五六r55s7p南南南 [←七六八][発発発→]

《一方通行 打 7p》

・一方通行捨て牌
西中三4s7p


「随分早そうですね、と、ミサカは一方通行の動向に注意を向けます」

「この捨て牌から何が読めるのかなって、ミサカはミサカは姉の動向に注意を向けてみたり!」

「……ちょっとわからないですね、と、ミサカは早々にギブアップします」

「だろォな」

「おちび、何事も過度な期待はよくないよ」

「実感したよってミサカはミサカは姉に生温かい視線を向けてみたり」

「妙に居心地が悪いです、と、ミサカは世間の目が冷たいことを感じ取ります……」
130 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:26:40.69 ID:DcgQW3Zyo

『7順目』

《御坂妹 打 四》

「ロン」

・一方通行手牌
五六r55s南南南 [←七六八][発発発→]
ドラ・一

「発南ドラ1。5200は5500だ」

「……もうですか、と、ミサカは驚きを露にします」

「運がよかったもンでな」

「あれ、夢があること言うね?」

「……ちょっとした冗談だ」

「なるほど、ひっでえセンスしてるってことはよくわかったよ」

「……オマエ、マジでいい度胸してるよなァ」

「ぎゃはっ、お褒めの言葉どうもありがとう☆」

「あ、そいつにはなに言っても無駄よ?」

「安心しろ、もォよォくわかってる」

「……あはは、そうみたい、ね」


東三局・一本場    親・御坂妹

西 打ち止め 14600
北 番外個体 24800
東 御坂妹   34800→29300
南 一方通行 25800→31300
131 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:27:24.79 ID:DcgQW3Zyo

東四局      親・一方通行

南 打ち止め 14600
西 番外個体 24800
北 御坂妹  29300
東 一方通行 31300

ドラ・2p

・一方通行配牌
三四五45778s23r5p東南発

(……なかなかいいじゃねェか)

《一方通行 打 南》

《打ち止め 打 南》

《御坂妹 打 東》

《番外個体 打 中》


『7順目』

「さて、リーチと行こうかな」

《番外個体 打 3p(リーチ)》

・番外個体捨て牌
中発一八6p8s
3p

《御坂妹 打 3p》


『8順目』

・一方通行手牌
三四五345778s234r5p ツモ7s


(……テンパったか。
2-5pのどちらかを切って、6-9,8sに受ける方法と、
安牌の8sを切って2-5pに受ける方法の2通りがあるが……
当然、三色も確定できて待ちも広い2p切りで、6-9,8sに受けてェ。

……捨て牌から見れば、正直2-5pはかなりくせェ。
ただでさえ両方ともドラだしよォ……

だがアイツ、また待ち部分の塔子を右端に寄せてやがる……
そしてその塔子は、俺のデータにはまだねェ牌だが……牌の上下を整えたな?
オマエに牌の上下を整えるクセがあるのはもォわかってる……

筒子で上下の概念があるのは6と7のみだ。
つまり、この2pで当たられることはねェ……!)
132 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:28:46.51 ID:DcgQW3Zyo

「リーチ」

《一方通行 打 2p》

「リーチとはいえ第一打にドラですか、と、ミサカは再び驚きを露にします」

「はぁ……でもこの人のことだから、また通っちゃうんだろうなってミサカはミサカは嘆息してみたり」

「……その心配はないよ、おちび」

「え?」

「その牌で、アタリだからね」




「……はっ?」




・番外個体手牌

四r五六六六345678s34p 待ち:2-5p
ドラ・2p 裏ドラ・5s

「メンタンピン一発、ドラドラ……あ、裏も乗ってドラ3か。
まあ裏は関係ないけどねー」

「あらー……まあその手牌なら私も2p切ってるかなー」

「この人があれだけ自身ありげにきった牌が当たるなんてって、
ミサカはミサカは驚愕してみたり!
ワーストお姉ちゃん、どんな魔法を使ったのってミサカはミサカは尋ねてみたり!!」

「んん? いや、なんでだろうねえ……このミサカにはわからないけど。
……ぶっは、どうしたのさ第一位、そんな顔しちゃって! 最っ高に笑えるんですけど!
つーかちょっとミサカの嗜虐心刺激しちゃってるつもりだったりすんのかなぁ?
それだったらあなたの想像以上の効果を挙げたっていうかさあ、
もうミサカ色んなところが勃っちゃいそうなんですけど!」

「……ずいぶンとまァ饒舌じゃねェか……!」

「んー? まあ噂の第一位を直接討ち取れたっていうのが嬉しくてね☆ ぎゃっは……!」


やや俯くようにしていた一方通行が、顔を挙げる。
その目はギラリと煌めくような眼光に満ち、
その口は裂けるように大きく釣りあがっていた。

まるで獲物を見つけた猛獣のように。



東四局      親・一方通行

南 打ち止め 14600
西 番外個体 24800→36800
北 御坂妹   29300
東 一方通行 31300→19300
133 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:29:31.80 ID:DcgQW3Zyo

(コイツ……この野郎! クセなンかじゃなかった!
わかってて、いざというときのために餌をまいてやがったンだ……
俺がその行動をクセと読むと知っていて!
今までの局ではわざと牌の上下を整え続けていて、
ここぞって時に仕掛けて来やがった!

アイツが回転させていた牌は4pだ……牌の上下なンてねェ!
単純に俺をハメるための罠だったってことかよ……!

……そりゃそォじゃねェか、サードシーズンなンてのは俺をぶっ潰すための計画だ……
俺の打ち方を研究してねェはずがねェ!
待ち部分の塔子を右端に寄せるクセも、おそらくは萬子・索子・筒子と並べるクセも、
俺がそれを読むと知っていてやってやがったンだ!

……おもしれェ)


「……なァンだよォ……ちゃァンと俺の敵やってンじゃン?」

「……ぎゃはっ、そりゃそうだよ!
このミサカはあなたを倒すためにいるんだからさあ!」

「おっもしれェ、さいっこうにおもしれェぞ、オマエェェェ!!」

「かかっておいでよ、ぶっ潰してあげるからさあ、第一位!」


一方通行は思う。
なるほど、今日ここに来た甲斐は十分にあった。
目の前のコイツはおそらく、下手なレベル5なんかよりもよっぽど楽しませてくれるに違いない、と。
134 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/12(土) 01:35:18.14 ID:DcgQW3Zyo
続く。



途中でやべえ対局ファイル書いてないやと思ったけど、
常識的に考えて後編も終わってからのがいいですね。


後編ですが、終わりまでの構想は割としっかりしてるんですが、
書くのに実際どれほどかかるかはちょっとわかりません
今度こそ一週間はかからないはずですが……

もしかして対局部分以外をいろいろと考えすぎなんじゃないかとも思ったんですが、
そういうのもお話的には大事だと思いますしね。
のんびり付き合って頂ければ幸いです。


また他力本願なようですが、今回はそれなりに気合いを入れて目を通したつもりですが、
またミスがあったらどうぞ指摘のほう、よろしくお願いします。

それでは読了ありがとうございました。
また次回もよろしくお願いします。
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(新潟・東北) [sage]:2011/11/12(土) 17:46:35.75 ID:em/IhYvAO
きてた!
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/12(土) 19:39:05.67 ID:Rjb0H/7SO


多分ミスは、無い……かも?
とりあえず次回が楽しみだ
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) [sage]:2011/11/14(月) 07:14:36.61 ID:aUMNdvcAO
乙です。

>>125で打ち止めがリーチ
>三四四四r五34567sr555p 待ち:2-5-8s

>>126で上がった時にr5pが5pになってるな。
>三四四四r五34567s555p 待ち:2-5-8s ツモ・2s
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/15(火) 11:03:44.99 ID:oRVdxGdDO
更新に気づかなかった…遅くなったけど乙。
単位に局を使ってますが、東南戦を1つとするなら半荘が正しくないですか局が単位だと御坂妹が上がってるからすでに実験が失敗してますよ。
でも御坂妹との実験が空気だな…わかってたけど二万回するのか、1回に40〜45分で終わっても1日20回…1000日、2年9ヶ月はかかるなwww
139 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/15(火) 15:54:13.11 ID:s6R6D3YMo
>>137
r5pなんてなかった、そういうことにしておいてください

>>138
間違いない。脳内補完でよろしくです

なんせほら、妹さんは二万回勝利できる前提ですからね
必要な時間は原作でもまあ似たようなカンジですし、
あと一方さん的には別に飛ばせばいいンじゃね?って思ってるに違いない
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(岩手県) [sage]:2011/11/16(水) 01:49:01.65 ID:oFNBlqE+o
ほー

牌の上下、なるほど
そんな考え方がありましたか
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/16(水) 23:53:42.27 ID:eBN4DwJLo
pの模様は"一応"上下あるけどな
142 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/11/21(月) 21:32:21.50 ID:nmyNRoGdo
>>141
相手がそこも気にして上下を整えるかもちゃんと見ていたと考えるなり、
学園都市の牌には筒子の上下はないと考えるなり。
どうぞご自由に想像してください。



いやはや、しかし予想より大分時間がかかってしまいました。
南場だけなんだったんですがね……
一応一通り作ったのは土曜だったんですが、
納得いかなくていろいろ修正しているうちにこんなに時間が経ってしまいました。
申し訳ないです。

かかった時間に見合うクオリティかどうかは……ノーコメントということで。
それでは投下していきますね。
143 :書き忘れてましたが、キャラ崩壊してる人が一人いる気がします ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:33:48.56 ID:nmyNRoGdo

【第4話・後編/決着!幾多の実験の向こうに】


南一局      親・打ち止め

東 打ち止め 14600
南 番外個体 36800
西 御坂妹  29300
北 一方通行 19300

ドラ・発


(ミサカに勝ちの目があるとすればここが踏ん張りどころかな、
ってミサカはミサカはこの局はなにがなんでもあがって見せるって覚悟を決めてみたり!)

(……これはいわゆる面白い展開、というやつでしょうか……
ミサカも少しだけ、燃えて来ました。と、ミサカは意外な反骨精神を内心で燃え上がらせます)


・打ち止め配牌
一三三247s488p東西北中白

(……これはひどい、ってミサカはミサカは……いやホントひどい。
勝負所って気合い入れた時に限ってこういう配牌来るよねってミサカはミサカは思い返してみたり。
でもここで少しあがらないと、この三人を捲るのはつらいかも……ってミサカはミサカは考えてみる。
……よし!)

《打ち止め 打 北》



『5順目』

《番外個体 打 三》

「ポン!」

・打ち止め手牌
一六2467s4488p東 [三三三→]

《打ち止め 打 一》
144 :まあ、ある意味みんな崩壊してるとも言えるんですがね ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:34:51.16 ID:nmyNRoGdo

『9順目』

《一方通行 打 8p》

「それもポン!」

・打ち止め手牌
六七4r567s44p [←888p] [三三三→] 待ち:五-八

《打ち止め 打 7s》


『8順目』
《番外個体 打 3s》

《御坂妹 打 1s》

《一方通行 打 八》


「ロン!ってミサカはミサカは当たり宣言!」

・打ち止め手牌
六七4r56s44p [←888p] [三三三→] 待ち:五-八 ロン:八
ドラ・発

「タンヤオドラ1で2900だよって、ミサカはミサカは点棒を要求してみる!

「……チッ」

・一方通行手牌
二二五六七r567s567p発発
ドラ・発

(間一髪ってところね……ナイス、打ち止め)


南一局  親・打ち止め

東 打ち止め 14600→17500
南 番外個体 36800
西 御坂妹  29300
北 一方通行 19300→16400
145 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:35:19.86 ID:nmyNRoGdo

続く南一局・一本場はまたも打ち止めが早い鳴きを仕掛け、タンヤオのみを御坂妹から和了。
自らトップを取るという気概があることを見せつける。


南一局・一本場   親・打ち止め

東 打ち止め 17500→19300
南 番外個体 36800
西 御坂妹  29300→27500
北 一方通行 16400


「それあがらなくていいんじゃないの? 色んな意味で」

「ミサカもトップ取る気があるのよ、
ってミサカはミサカは二人の全面的な味方でもないことを明らかにしてみたり!」

「油断しました……と、ミサカは妹に刺さったのは正直予想外だと告白します」

「まあ、麻雀って基本一位を目指すゲームだし
しょうがないわね」

「そォいうこった。次からは気を付けるこったな」

「……はい。と、ミサカは気を引き締めます」
146 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:36:00.73 ID:nmyNRoGdo

南一局・二本場   親・打ち止め

東 打ち止め 19300
南 番外個体 36800
西 御坂妹  27500
北 一方通行 16400

ドラ・2s


・打ち止め配牌
一三四八九579s18p南南北中

(……なんていうか、うーん。さっきよりはいいのかなって、ミサカはミサカは自分を慰めてみたり……)

(打ち止めってば、さっきから運ないわねー……)


《打ち止め 打 北》


(まあ、ミサカのやることは変わらないよねってミサカはミサカは気を取り直してみたり)



『3順目』

《番外個体 打 南》

「ポン!」

・打ち止め手牌
一三四八九九579s8p中 [南南南→]

《打ち止め 打 8p》

「……なんかやけに鳴かせちゃってる気がするなあ。
このミサカとしては一刻も早くこの半荘を終わらせたいところなんだけど」

「折角の対局なんだから早く終わったら勿体ないでしょっ、てミサカはミサカは意趣返ししてみたり!」

「……成長したのは麻雀だけじゃなかったってわけだ。
……育て方間違えたかな?」

「いや、アンタの背中を見て健やかに育った結果だと思うわ……」

「なんだかひどい言われようねってミサカはミサカはさすがに少しヘコんでみたり……」

「あの姉に似るというのはそれだけのことなのです、と、ミサカは憐れみの目線を送ります」

「アンタらさあ……」

「まあまあ、第一位のいる前ですよ。あまりみっともないところは見せられないのでは?
と、ミサカは被験者一方通行をうまく利用します」

「うるさいなぁ、もう!」

「……オマエらもォ少し静かに麻雀できねェの?」

「家だともっと賑やかよ?」

「……そォかよ……」

「ゴメンねあなた、ってミサカはミサカは姉妹を代表して謝罪してみたり」

「このミサカは謝罪なんてしませんけどー」

「わかったから、さっさとやるぞ」

「うわ、第一位ってばノリ悪いね!」

「どォすりゃいいンだよ!」

147 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:38:38.43 ID:nmyNRoGdo

『8順目』

・一方通行手牌
二三三四七七4599s35p中中
ドラ・2s


《一方通行 打 9s》

(……さすがにこの人は鳴かせてくれないなあ、ってミサカはミサカは落胆してみたり……)

・打ち止め手牌
一二三四八九九5s中中 [南南南→] ツモ:七

(おお、これは神ヅモねってミサカはミサカは喜びをあらわに……しちゃダメなんだった)

《打ち止め 打 5s》

(アホ毛が揺れてンだが……)

(揺れてますね、と、ミサカはおそらく周囲と同じ点に目をつけます)

(テンパイ……かな? まだテンパイしてない可能性もあるけど、進んだのは間違いなさそうだね)

(さて、これは三人ともどうするのかしらねー)


『11順目』

・打ち止め手牌
一二三四七八九九中中 [南南南→] ツモ:六

《打ち止め 打 四》

・打ち止め手牌
一二三六七八九九中中 [南南南→] 待ち:九中

(……むぅ。中で満貫だけど、この順目でこの捨て牌じゃ出してもらうのは厳しいかなって、
ミサカはミサカはツモるしかないという現実に愕然としてみる……
あと念のためチャンタもみておくのは大事よねってミサカはミサカは冷静さを内心アピールしてみたり!)

・打ち止め捨て牌
北1p 1s8p9s6p
7s5sr5p4s四

(張ったか)

(おちび、張ったかな?)

(テンパイしたと見るのが妥当ですね、と、ミサカは警戒します。……とはいえ……)

・御坂妹手牌
122235567789p発

(こんなんアタリ牌でてっちゃいますよね、と、ミサカは緊張に身を固くします)

(うーん、どうなることかしらね……)
148 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:41:18.77 ID:nmyNRoGdo

『16順目』

「ッ……」

《御坂妹 打 九》

「ロン!」

・打ち止め手牌
一二三六七八九九中中 [南南南→] 待ち:九中
ドラ・2s

「……参りましたね、と、ミサカは俄然厳しくなり始めた状況に気落ちします」

「……まあ、それは止まらないわね」

「ですよね、と、ミサカはお姉さまに同意を求めます」

「まァ、染め手が面前で出来上がってるなら仕方ねェな」

「……すみませんがそういうことは、できれば手牌を見てからいってください。
と、ミサカは見ないでもサクサクこちらの手をあててくる被験者一方通行にドン引きします」

「いや、この読みはそれほど難しい話じゃねェだろォが……」


南一局・二本場   親・打ち止め

東 打ち止め 19300→25700
南 番外個体 36800
西 御坂妹  27500→21100
北 一方通行 16400

149 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:41:45.37 ID:nmyNRoGdo

南一局・三本場   親・打ち止め

東 打ち止め 25700
南 番外個体 36800
西 御坂妹  21100
北 一方通行 16400

ドラ・9p


「よーし、このままトップまでどんどん行くよってミサカはミサカは意気ごみ新たに臨んでみる!」


『7順目』

《御坂妹 打 2s(リーチ)》

「リーチです、と、ミサカはリー棒を出しながら宣言します」

「うう……ダメかー、ってミサカはミサカは絶望してみたり……」

「やっとおちびの連荘が終わるのかね?
第一位が振り込んでくれるともっといいんだけどなあ」

「ほざけ、誰が振り込むか」

「このリーチを避けて手を作るのは無理そう、ってミサカはミサカは無念のベタオリをしてみる……」



『11順目』

「ツモ、と、ミサカはそっと牌を置きます」

・御坂妹手牌

三四五六七333s45666p 待ち:二-五-八 ツモ・二
ドラ・9p  裏ドラ・1s

「ぐっ……裏は乗りませんか。
リーヅモタンヤオ……1000-2000は1300-2300です、と、ミサカは申告します」

南一局・三本場   親・打ち止め

東 打ち止め 25700→23400
南 番外個体 36800→35500
西 御坂妹  21100→26000
北 一方通行 16400→15100


「ミサカの親番が終わっちゃった、ってミサカはミサカは嘆いてみたり……」

「でもそれくらい持ってるならいいじゃない。
逆転も全然あるわよ」

「まあ、させないけどね。誰にも」


そう言うと、番外個体はニヤリと笑った。
150 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:42:28.17 ID:nmyNRoGdo

「今となっては一方通行も大分苦しいわよね。
ラス親があるとは言っても2万点差はなかなか大きいし」

「どォってことねェよ」

「またまた、第一位ってば強がっちゃってー」

「まァ、どォ受け取ろォとオマエの自由だがな。
それで痛い目みるのもオマエの自由だ」

「……終わった時が楽しみだね、第一位」

「同感だな」


南二局   親・番外個体

東 打ち止め 23400
南 番外個体 35500
西 御坂妹  26000
北 一方通行 15100

ドラ・中


・番外個体配牌
一二二四五六七57s33p東東南

(……いいね。これならホンイツで決まりだね……形も悪くないし。
ツモ次第では面前で仕上げてもいいし、鳴いて東ホンイツでもいい。
できればイッツーか南も付けて……うん)

《番外個体 打 7s》


『8順目』
・番外個体手牌
一一二二四五六七3p東東南西

(……もっと手が進むものかと思ったけどな)


『11順目』
・番外個体手牌
一一二二四五六七東東南西発

(だー! なんなのもう! 全然進まないし、東も鳴けないし!
そろそろ誰かからリーチかかるんじゃねえの!?
第一位もなーんか胡散臭い捨て牌してるしさあ……)


・一方通行捨て牌
4p5s五三5p6p
白南七2s
151 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:42:55.24 ID:nmyNRoGdo

「リーチです、と、ミサカは勢い盛んにリーチを繰り出します!」

《御坂妹 打 5s(リーチ)》

「やっぱりねー。っていうかアンタのほうだったか」

「? どうかしましたか番外個体、と、ミサカは質問します」

「大方他の人間が来ると勝手に踏んでたンだろ」

「いやいや、そんなことないよ?」

「しかし、誰かが来るという前兆でもあったのでしょうか」

「適当だろそンなもン。……とりあえず手は進ンでなかったよォだが、
まァ直接関係はねェしな」

「さっぱり進まないこともバレるっていうのは、
あなたとやってるとちょっとイヤなところだよね。
って、ミサカはミサカは言われた時の自分を思い返してみたり」

「……うるさいなあ、もう……」


・御坂妹捨牌
北白8p八 西 2p
東三8p9p(5s)

(比較的素直な捨て牌かな…? やや萬子の出は少ないけど誤差の範囲だね。
正直、待ちは全く絞れない。第一位ならできるのかもしれないけど……
オリだねこりゃ)

《番外個体 打 東》



『16順目』

《番外個体 打 南》

(やっべー、もう安牌ないじゃん)

・御坂妹捨牌
北白8p八 西 2p
東三8p9p(5s)2s
4p7p三

・番外個体手牌
一一二二四五六七367s6p発


「うっ、これは少し怖いですね……と、ミサカはおそるおそるツモ切りします」

《御坂妹 打 七》

(確かに第一位のチャンタ気配が怖いね。
でもとりあえず通ったか、第一位の手が進まなきゃいいんだけど……)

《一方通行 打 4s》

(ツモ切り! よっしゃ、あんだけツっぱるってことはテンパイしてるのかもしれないけど、
とりあえず七は両方に安全牌だ!)

《打ち止め 打 五》

(ナーイスおちび! ほとんど警戒してなかったけど、おちびも結構いい手なのかな?
でもこれであと二順はどうにかなるね!)
152 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:43:34.22 ID:nmyNRoGdo

『17順目』

「ま、でもとりあえず……第一位が怖いからね、先にこっちかな」

《番外個体 打 七》


「……それだ」

「え?」

「その七でアタリだ、クソ野郎」


・一方通行手牌

七八八九九11789s789p

「ジュンチャン三色イーペーコー……12000だ」

「……え? はぁ? はぁぁぁぁあああ?
え、山越しってこと? この局面で?
ありえねぇぇぇぇぇええええ!!
第一位はそんな打ち方するヤツじゃない!
絶対ありえないでしょ!?」

「普段の俺ならな。だがオマエならそう踏んで七を切り飛ばすと思った。
だから見逃した、それだけだ」

「……このミサカの考えを読んだっていうの?」

「そォいうことだ。……まァ、正直賭けの部分はあった。
コイツのアタリ牌を引いてこねェとも限らなかったし、
オマエが七を持ってるっつゥ確証があったわけでもねェ。
……萬子染めみてェだったから持ってる可能性が高いとは思ってたがな」

「……そこまでして直撃狙い、か……」

「一番の脅威はオマエだからな。取れる時に取っておきたかった」

「……クソ……コイツ、ホントうざいんだけど……」

「お褒めの言葉、どォも」


南二局   親・番外個体

北 打ち止め 23400
東 番外個体 35500→23500
南 御坂妹   26000
西 一方通行 15100→27100


(この局面でこれがあがれないのは苦しいですね……
と、ミサカは散って行った手に思いを馳せます……)

・御坂妹手牌
四五六4r577s567p発発発
ドラ・中

「これあがれたらかなり違ったわねー」

「そうですね、残念です。と、ミサカはお姉さまに同意します」

「本当なら12000取られてたはずなんだからいいじゃん!」

「確かにそれはそうですね、
と、ミサカはまんまと被験者一方通行に嵌められた長女を憐れみの目で見つめます」

「……」

「なるほど、姉妹だなァ」

「うるさいうるさいうるさい!」
153 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:44:06.87 ID:nmyNRoGdo

南三局     親・御坂妹

西 打ち止め 23400
北 番外個体 23500
東 御坂妹   26000
南 一方通行 27100

ドラ・白


『10順目』

(張った……が……)

・一方通行手牌
五六七67s2268p白白白中 ツモ・5s

《一方通行 打 中》

(ドラ3の大物手……7pは既に場に二枚出てる。
……だが次の俺のツモ牌、あれは付着してる汚れから見て7pだ。
普段ならリーチしてるが、番外個体の野郎がいやがる……
あの野郎が俺のガン牌を見逃すはずはねェ。

事実、前局では記憶している筈の情報を実際の牌にいくつか食い違いがあった。
……この状況でリーチはできねェ。5pを引けば三色の目もある上、既に出あがりも効く状態だ……!
ここは見! それで間違いねェ!)


『11順目』

「ぐっ……」

・一方通行手牌
五六七567s2268p白白白 待ち:7p ツモ・7p

「ツモ……だ」

(なんであんな苦々しい顔なのかしら……確かに結果は一発を逃したけど、
その状況じゃリーチできないでしょ。
結果的に満貫のツモだし、文句を言うような場面じゃないはず。
そういうのを悔むヤツじゃないと思ってたんだけど……?)

「……ミサカの努力は無駄じゃなかったってことかな」

「「「??」」」

「なんでもないよ。ミサカと第一位だけのヒ・ミ・ツ♪ ね、第一位」

「……オマエ、俺がアガったってこと忘れてンじゃねェだろォな」

「忘れてないよ? すっげえムカついてるから、安心してよね」

「……そォですかァ……」

「お姉ちゃんはこういう人だから、なんていうかその、わかってあげて、
ってミサカはミサカはフォローしてみたり……」

「要は慣れです、と、ミサカも続いてフォローします」

「うん、慣れよね慣れ……アハハ」

「……さすがのミサカも複雑なんだけど」

「自業自得よ」


南三局    親・御坂妹

西 打ち止め 23400→21400
北 番外個体 23500→21500
東 御坂妹   26000→22000
南 一方通行 27100→35100

154 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:48:23.91 ID:nmyNRoGdo

南四局    親・一方通行

南 打ち止め 21400
西 番外個体 21500
北 御坂妹  22000
東 一方通行 35100

ドラ・二


「泣いても笑ってもこれが最後ってね。
さって、さくっと逆転するかなあ」

・番外個体配牌
二二五六144s57p西西北中

(条件は基本的にはハネツモか満直。
満直はないものとして、ハネ満……ね。
うん、ツモ次第では出来なくはない。……頼むよ、ホントに)


『6順目』

《打ち止め 打 西》

「!」

・番外個体手牌
二二五六44s557p西西北北

(……ダメだ、西を鳴いたらどう足掻いても満貫。
それも本当に出来るかどうかはわからない、鳴くわけにはいかない……!)


『8順目』

・番外個体手牌
二二五六44s557p西西北北 ツモ・r5s

(よし、いいのが来た! 少なくとも満貫は確定だね)

《番外個体 打 4s》

(三色も付けられれば理想的なんだけどねー……)
155 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:48:51.21 ID:nmyNRoGdo

『10順目』

《御坂妹 打 西》

「ぐっ……ちょ、ちょっと待った」

「鳴くのか?」

「今それを考えてるんだよこのクソモヤシ!」

・番外個体手牌
二二五六4r5s557p西西北北

(ミサカとこのクソモヤシの点差は13600。
だから本来ならハネ満が必要なわけだけど……
ただ、最終手段も最終手段、倫理度外視のウルトラC。
満貫ツモで逆転を実現する方法が一つだけある……

……6pは既に二枚切れ、つまり三色の目はほとんどなし。
そして11順目でこの形。西を払って行って再度テンパイ、和了……なんていうのは夢を見過ぎてる。
あとドラをなんとか二枚持ってくる?
……第一位はここでドラを出すようなアホじゃないハズ。
妹二人は持ってない様子だし……
少なくとも、そこに勝負を預けるだけの可能性はない。
でも鳴かなくちゃおそらくアガリはない。なら……!)


「……ポン」

「……」

《番外個体 打 7p》

・番外個体手牌
二二五六4r5s55p北北 [西西西→]



『11順目』
・番外個体手牌
二二五六4r5s55p北北 [西西西→] ツモ・北

(……うん。もちろんドラが欲しかったのは欲しかったけど……これでもいい。
これはしょうがない)

《番外個体 打 5p》

156 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:49:49.14 ID:nmyNRoGdo

『12順目』

(ミサカの手はもう無理っぽい、ってミサカはミサカは自らの勝利を諦めてみたり……
流局したとしても、あの人はノーテンと言うだけ言って手を伏せればいいだけ。
連荘はない、ってミサカはミサカは状況を確認してみる。

……ワーストお姉ちゃん、あの時大分悩んでたってミサカはミサカは思い返してみたり。
鳴いても十分な手だったら迷わず鳴くはず。……それに、この点差。
今ミサカがするべきことは……)

「リーチ!」

《打ち止め 打 3s》

・打ち止め手牌
一一二五七七九2289s4p南 待ち:なし


「チー!」

《番外個体 打 5p》

・番外個体手牌
二二五六北北北 [西西西→][←34r5s]

(つまりはこういうこと。
ノーテンだろうがなんだろうが、二人がリーチすればリー棒の差で満貫ツモで捲れるようになる!
頼むよ、妹ちゃん♪)

(番外個体……そうですか、そういう意図の鳴きでしたか。しかし……)

《御坂妹 打 5p》

「……牌が横になってねェが、いいのかよ?」

「……構いません、と、ミサカは頷きます」

「!」

(妹……! リーチしないなんてどういうつもりなわけ!?
……いや、そっか、その捨て牌……)

(すみません、番外個体。ですが、ミサカも勝ちうる状況なのです。
と、ミサカは長女に目で謝罪します)

・御坂妹手牌
1112333456889p


(……参ったな。これじゃツモったってしょうがない。
……ロンアガリを期待するしかない、か)
157 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:50:29.87 ID:nmyNRoGdo

『13順目』

・番外個体手牌
二二五六北北北 [西西西→][←34r5s] 待ち:四-七 ツモ・四

(クソ、そりゃない、そりゃないでしょ!?
顔に出すな、顔に出しちゃいけない……!)

《番外個体 打 二》

(ワーストお姉ちゃん……)

(運がなかったわね……あと一歩だと思うんだけど)


『14順目』

(よし、張り直した!)

・・番外個体手牌
二四五六北北北 [西西西→][←34r5s] ツモ・七

《番外個体 打 二》

(……アイツが出すとは思えないけどね。でも、もしかしたら……!)



『15順目』

・一方通行手牌
三四四四五六七444678p ツモ・北

「ぐっ……!」

(北は生牌だ……本来、生牌だからと言って字牌で当たられる確率はそこまで高いもンじゃねェ。
頭にしている、既に暗刻の形になっている……なンだっていいがよォ。
だが、この御坂妹のヤツは明らかに染め手!……オリるか?
しかし、オリるにしても番外個体の野郎に振り込みでもしたら笑えねェぞ……?
アイツの捨て牌からは待ちを絞り切れねェ、萬子は九しか切れてねェンだ。
俺が区別できる牌もほとンどねェ、この状態じゃ読みなンてしよォがねェ!
かといって筒子なンて切れるわけもねェしよォ……どうする……!?

……いや待て、今使われている牌の北には稲妻に似た形状の傷が付いているハズだ。
汚れならともかく、傷をあの番外個体の野郎がどォにかできるとは考えにくい。
どこだ、どこにある?)

「……」

(見たところ、少なくとも二枚は番外個体が持ってやがる。
……頭だ、頭だろ? 他に切るもンなンてねェぞクソッタレ!
少なくとも、今までアイツは字牌のシャボで待ったことはねェ!
ここの土壇場、ありえねェ話じゃねェが……!
あらゆる意味で、これしかねェ!)


《一方通行 打 北》

「……うん、それじゃあこのミサカは当たれない。
ここに三枚あるんだから、他の連中も当たれない」

「三枚……か」

「そ。このミサカのやることは、第一位ならもうわかってるよね。……カン!」

(……包狙い。 クソッタレ、コイツマジで勝つことに全力じゃねェか……)
158 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:50:57.71 ID:nmyNRoGdo

・番外個体手牌
四五六七 [北北↑北北] [西西西→][←34r5s] 待ち:四-七 ツモ・三


「……ホント、悔しいね」

《番外個体 打 三》

「でもまだだよ。新ドラ次第では、ミサカはツモアガることができる」

「新ドラは……七ですね、と、ミサカは報告します」

(……よし!高めツモなら逆転できる!
順目は少ないけど、期待するには十分だね)

(……番外個体のあの執念。
ミサカも見習うべきなのかもしれません……)

・御坂妹手牌
1112333456889p ツモ・9p

(他に入ってきて欲しい部分があったのですが……仕方ありません。
と、ミサカは強引に自分を納得させます)

《御坂妹 打 2p》


『16順目』

「……クソ、いつになく緊張感のある対局じゃねェかよ」

《一方通行 打 三》

(……誰のアタリ牌も掴みませんように、ってミサカはミサカは祈ってみたり……!)

《打ち止め 打 9s》

(七、七……! 来いってば!)

《番外個体 打 6s》

(面白いものですね、麻雀というものは……まだしばらく、この時間が続いて欲しいとミサカは思います)

《御坂妹 打 九》


『17順目』

「ツモ!」

・一方通行手牌
四四四五六七4446788p 待ち:5-8p ツモ・5p


「タンヅモドラ1。……まァ、そンなことはもォどォでもいい、な」

南四局    親・一方通行

南 打ち止め 21400→19400
西 番外個体 21500→19500
北 御坂妹  22000→20000
東 一方通行 35100→41100


『――終局!』

結果
打ち止め 19400
番外個体 19500
御坂妹  20000
一方通行 41100

順位
1 一方通行/レベル5
2 御坂妹 /レベル3
3 番外個体/レベル4
4 打ち止め/レベル3
159 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:51:23.38 ID:nmyNRoGdo

ハァ、と大きく息を吐くと、一方通行は椅子の背もたれに身を預けた。
ギリギリで駆け引きしているという緊張感。
麻雀の醍醐味であるとも言えるその感覚、そしてそこを掻い潜っての勝利に彼は浸っていた。


「ハァ……やっぱりあなたは強いねってミサカはミサカは溜息をついてみたり……」


そういう打ち止めの表情はしかし晴れやかである。
敵対しておきながらも、一方通行がもし負けたら……と、不安に思う気持ちもあったのかもしれない。
なにせ、彼女にとっての一方通行はヒーローなのだから。


「……勝てない、か」

「三対一でも勝てないとは、と、ミサカは驚愕します……」

「厳密には三対一じゃなかったけどなァ……
本当に三人でかかって来られてたらさすがに今回ばっかりは無理だった」

「お、おお……この人が相手を認めるようなことを言うなんて、ってミサカはミサカは驚愕してみたり」

「ね、第一位からみてこのミサカはどうだった?」

「あァ?」

「自分では結構追い詰めてやったと思ってるんだけどさ。
……サードシーズンの結果も知りたいし、その、アンケ―トにご協力願えますかってカンジかにゃーん?」

「アンケート、ねェ……」


ふむ、と一方通行はしばし目を瞑って対局に思いを馳せる。
とはいえ、彼の中での返答はほとんど決まっていたようなものだった。


「……なかなかいいンじゃねェの?
正直、何回かやったら負けることもあるかもしれねェな」

「……ホント?」

「オマエみてェなやつにリップサービスかましてなンになるンだ」

「ふ、ふふふ……」

「……ンだァ? 妙な笑い方しやがって、気持ち悪ィな……」

「実は、番外個体がサードシーズンに参加したのにはしっかりとした理由があるのです、
と、ミサカはこっそり情報をリークします」

「理由? 最強になりてェとか、そォいうもンじゃねェのか」

「それが全然、本当に全然違うんだよってミサカはミサカは大暴露!」

「あ、ちょ、こら二人ともやめてよ!」

「ふふふ、まあいいじゃない。別にばらしたからって問題あるわけでもないんだし」

「問題アリアリでしょ!」

「実は番外個体は……うわっぷ」

「あなたの大ファンなのだー!ってミサカはミサカは口を塞がれた姉の代弁をしてみたり!」




「……はァ?」
160 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:52:25.24 ID:nmyNRoGdo

「コ、コラおちび! なに適当なこと言ってんのさ!」

「適当も何も、ホントのことじゃない」

「違う違う! ミサカ、全然こんなモヤシなんて好きじゃないって!」

「ああ、まァ普通に考えたらそォだよなァ……
ファンやるほど好きなやつにこンだけ暴言吐けるわけねェわ」

「あ、いやその、それはこのミサカの性格っていうか、別にあなたが嫌いなわけじゃなくてね……?」

「番外個体って結構可愛いところあるわよね、って思っちゃうのは感覚がマヒしてるのかしら」

「なかなか難しい問題です、と、ミサカは回答します」

「……仮にそれが本当だったとして、なンでサードシーズンに参加することになンだよ」

「強かったらあなたが相手してくれるかなーってことらしいよってミサカはミサカは解答してみたり!」

「あーいや、なンつゥか……えェ?」


場が固まる。
いや、正確に言うと、固まっているのは一方通行と番外個体の二人だ。
周りの三人はワイワイと何事かで盛り上がっている。
しばらくの後、一方通行が番外個体より先に活動を再開した。


「……とりあえずよォ」

「あ、な、なにかな!?」

「……次の半荘やるか」

「そうだね! それがいい! さっすが第一位、単にモヤシなだけじゃなかった!」

「うるっせェなオマエは本当に!」

「ミサカの実験のためにもそれが望ましいです、と、ミサカは賛成します」

「あー、それなンだが……」


一方通行はなにかを言いにくそうに頭を掻くと御坂妹を見つめた。


「実験は止めだ」


御坂妹が目を驚きに見開く。
他の三人にとっても実験の中止は予想していなかったようで、
驚きを隠さない。
161 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:53:08.43 ID:nmyNRoGdo

「……理由を聞いてもいいでしょうか、と、ミサカは質問します……」

「あァ。……オマエ、さっきは機械的なメンタルがどうのこうの、とか言ってたが……
自覚はねェのかもしれねェが、それは見当違いだ」

「見当違い、ですか……?と、ミサカは聞き返します」

「オマエ、勝負の最中に熱くなってたのに気づいてねェのか?」

「……ミサカが熱くなっていた……?」

「自覚はなかったらしィな。だが、そォいうわけだ。
おそらく、繰り返しやり続けりゃオマエだって自分だけの雀風が崩れるだろォよ」

「……そうでしょうか、と、ミサカは問いかけます……」

「確かに、お姉ちゃんは今日はちょっと普段と違った気がするってミサカはミサカは思い返してみたり!」

「そういうところもあるんだね、意外とさ」

「……わかりました……実験は、中止します。ですが……」

「当然、まだやるんでしょ?」

「はい、まだ打ちたいです。と、ミサカは要求します……」

「勝手にしろよ。別に実験抜きにしたって断りゃしねェ」


御坂妹はホッとしたようだった。
胸を撫でおろすようなその動作がどこかぎこちない。
実験がなくなった今、再び一方通行が打ってくれるかどうかが
それほど不安だったということなのだろう。
逆に言えば今回の対局がそれほど彼女にとって楽しいものだったということでもある。
そうして次の半荘に向かおうとする一同に、美琴は椅子から立ち上がった。


「じゃあ次は私入ってもいいわよね?」

「ダメだよ?」

「お断りします、と、ミサカは解答します」

「お姉さまは強すぎるからダメー、ってミサカはミサカはお断りしてみたり!」

「えええええ!?」

「……ン、まァそォいうこった。オマエはやきそばでも食って帰るンだな」

「ちょ、ちょっとおおお!!」


騒ぐ美琴のことを完全に無視し、同じメンバーで次の半荘が始まる。
美琴もしばらくは文句を言っていたが、すぐに諦めたようで再び椅子に座った。
溜息をつきながら、今日の麻雀は長くなりそうだな、と言う感想を抱く。
なんにせよ、楽しく麻雀ができるというのは素晴らしいことだ。

たまにはそれを傍から見ているのも悪くはないのかもしれない。
美琴はそう思いながら、カレーライスを注文した。
本当はちょっとやきそばも食べたかったな、とも思いながら。

162 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:55:58.08 ID:nmyNRoGdo

対局ファイルNo.4


・一方通行/レベル5
プロフィール/サークル『グループ』所属。
 最近はどうにも歯応えのない相手が多く、今回の対局はかなり楽しめたようである。
 夜になって『グループ』からドタキャンを責める電話がかかって来たが、無視した。
 後日顔を合わせた際に御坂姉妹と打っていたことを知られると、
 サークルのある同期から殺気の籠った視線を送ると同時に、
 ドタキャンしたことについて納得したような表情をされ、無性に苛立つことになる。

能力
@〜Cは紹介済みにつき省略。

Dアンチアンチ一方通行←NEW!
自らに対処するべく経験を積んできた人間に対する対処法を今回の経験で学んだ。
自分の行動パターンを読む相手の思考を更に読み、対処が可能。
とはいえ、相手が常に一方通行を陥れようとしているとは限らないため、対処に限界はある。


一方通行/レベル5
対局数 68/10
順位率
予選中 予選前
1 91%  74%
2 9%  18%
3 0%   8%
4 0%   0%


・番外個体/レベル4
プロフィール/御坂姉妹長女。
 元々かなりの実力者であり、次期レベル5入りが有力視されるほどだったが、
 ある日から一方通行を倒す為に長いことプログラムを受けることに決める。
 その理由はふとした時に見た一方通行の強さにほれ込んだため。
 そして彼の気を惹くためならば、彼と敵対できるような実力が必要だと考えたため。
 反面、雀力自体はその時からあまり変わらず、やや伸び悩んでいる。

 御坂姉妹の長女として、時折悪い扱いを受けながらも、
 なんがかんだで結構慕われているようである。
 とりあえず一方通行とアドレスは交換した。

 なぜかキャラ崩壊してしまった方。
 サードシーズンに参加する動機を考えていたらこうなっていた。 

能力
@アンチ一方通行
一方通行の思考パターンを完全に把握し、それに対処できる。
ガン牌、クセ読み、捨て牌読み……彼の判断材料をコントロールし、
時にそれを利用して一方通行を陥れる。
彼の天敵と言えるだろう。

A性悪
口が悪く、言葉巧みに相手を熱くさせる。
とはいえ素の性格がそれなので、意識してやっているわけではない。

B攻撃的
むやみやたらと攻めるわけではないが、防御よりも攻めにやや特化する。
そのためトップ率はかなり高いが、(レベル4にしては)ラス率も低くない。
163 :間違えて途中で途切れてしまった…… ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 21:58:43.49 ID:nmyNRoGdo
御坂 ???(番外個体)/レベル4
対局数 16/10
順位率
予選中 予選前
1 44%  46%
2 38%  26%
3 12%  12%
4 6%  16%



・御坂妹/レベル3
プロフィール/美琴の双子の妹であり、御坂姉妹の三女。
 妙に世間知らずなところが多く、感情も妙に希薄。
 麻雀は美琴の方がうまく、その点は少しコンプレックスになっている。

 実験が中止になり、やることがなくなった。
 しかし正直、実験とかちょっと面倒だったかもしれないとも思い始めており、
 現在は空白の時間をどう使うかに妄想を膨らませている。

 クローンなんてなかった。
 彼女は御坂一家の中で十分な愛情を受けて平和に楽しく暮らしている。


能力
@機械メンタル
何が起きても動揺が非常に少ない。
常に自らの構築したシステムに基づいて打つことができる。
ただこの一戦を経てやや感じるところがあったようであり、
今となっては必ずしも動揺しないとは限らないだろう。
とはいえそれが彼女にとってプラスかマイナスかは一概には言いきれない。

A単価180000の共感
なんの因果か、18000という数字に共感を覚えずにはいられない。
だからと言ってもそうポンポン親ッパネが出せるものではなく、共感自体にあまり意味はない。

御坂 ???(御坂妹)/レベル3
対局数 12/10
順位率
予選中 予選前
1 25%  30%
2 33%  24%
3 17%  24%
4 25%  22%



・打ち止め/レベル3
プロフィール/御坂姉妹の末妹。
 今回の空気担当?
 相変わらず一方通行にくっついている。
 家族に一方通行のことを隠していたのは実は番外個体と一方通行を引き合わせないためでもあったが、
 とりあえず仲良くやれているようだったので別にいいかと思っている。


能力は新規に取得したものはないため、省略。

御坂 ???(打ち止め)/レベル3
対局数 8/10
順位率
予選中 予選前
1 25%    29%
2 38%    29%
3 12%    26%
4 25%    15%



・御坂 美琴/レベル5
プロフィール/御坂姉妹次女にしてレベル5の一角。
 なんだか不遇な扱いになってしまった人。
 当然だが、別に一方通行に対して悪い印象は特にない。
 いずれ一方通行と対局することはあるのだろうか。
 姉妹仲は非常にいいが、信奉者が多い分友達は少ない。

 余談だが、なんと今回本名が明らかな人はこの人だけである。
 
164 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/21(月) 22:02:57.57 ID:nmyNRoGdo

終わりです。


カードの登録名本名じゃなくてもできるようにしておけばよかったと思ったのは後のまつり。
大変ややこしいことになってしまった。
まあ、本編には全然関係ない自己満だから構わないんですが。


番外個体はいろいろ考えてたら、なぜかこんなキャラになってました。
お好みに合わなかったらごめんなさい。

結局この時は美琴さんと一方さんの対局はなかったわけですが、
いつか対局する日が来るでしょう。きっと。多分。

打ち止めの空気感がやばくて、やっぱり四人で対局して全員に見せ場を作るのは
難しいっていうか、もうまるっきり無理だなと思いましたよね。



それに関連して、牌の見やすさや対局の描写具合等々についてご意見あったらどしどしお願いします。
一局一局の描写はもっと省いてもいい、メインになりそうな局だけ丁寧に描写しろとか。
全ての局もっと描写せい、とか。

見にくい、というご意見にも応えられるように頑張りますので、
改善のためと思って一つお願いします。

あと対局中やそれ以外の日常の描写・会話についても気になるところがあったらどうぞ。


続きについてはまた今度アンケを取らせて頂ければと思います。
今回も読了頂きありがとうございました!
それではまた!
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/21(月) 22:30:45.25 ID:MTM/ziP+0

南四局14順目 番外個体の二万で一方さんはあがれたんでは?
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/22(火) 01:32:37.91 ID:6Bpjdg3DO
乙、ちょっとオーラスの番外個体さんがちぐはぐな事をしてたかな…1枚目の西を鳴いても北とドラの二が来たり鳴けたらハネ満狙えるし
r5sをツモった時に4s切ってますが七対子イーシャンテンを崩してるし(チートイツモドラ2赤1でハネ満、三色は456だけを考えて7p切りかな)
北大明カンでのパオは北嶺上開花赤1で50符3飜6400直撃+リー棒で逆転できますが、その後新ドラ七で高めツモならOKっていってますが北ドラ2赤1の満貫だから逆転できません。(そもそもツモってしまった時に頭のドラの二を落としている事に違和感が…)
まぁ色々言いましたが、面白いんで次回も楽しみにしてます。
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/22(火) 01:49:10.49 ID:6Bpjdg3DO
↑で北を役牌と勘違いしてました、番外個体さんは西家でしたね…北の部分は西と置き換えてぐださい(汗)
168 : ◆DrjYTeJyCk [sage]:2011/11/22(火) 03:44:46.65 ID:oP+h3eEDO
あ、これはひどい
今までしてきたミスの中でも最大のミスですねころ
もはやオーラスなんてなかったレベル……いやあ、死にたい

いろいろいじくり回した結果ミスったって言ってもね、やれやれ……
見やすさ云々とか言ってる場合じゃないな

どうしよこれ。
修正できるレベルじゃないし……
もし差し替えられたら差し替えますけど、なんかもうこの話はアレかもしれない、ダメかもしれない
169 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/22(火) 11:23:28.99 ID:UI4bfAnvo
おら南4局だけ差し替えじゃああああああああああああ

展開的には完全に同じなので、細かいことはいいんだよという人は飛ばしてくださって結構です。
いや、ホント今回はあんまりにもひどいミスをやらかして申し訳ないです。



南四局    親・一方通行

南 打ち止め 21400
西 番外個体 21500
北 御坂妹  22000
東 一方通行 35100

ドラ・二


「泣いても笑ってもこれが最後ってね。
さって、さくっと逆転するかなあ」

・番外個体配牌
二二五六144s57p西西北中

(条件は基本的にはハネツモか満直。
満直はないものとして、ハネ満……ね。
うん、ツモ次第では出来なくはない。……頼むよ、ホントに)


『6順目』

《打ち止め 打 西》

「!」

・番外個体手牌
二二五六44s457p西西北北

(……ダメだ、西を鳴いたらどう足掻いても満貫。
それも本当に出来るかどうかはわからない、鳴くわけにはいかない……!)


『8順目』

・番外個体手牌
二二五六44s457p西西北北 ツモ・r5s

(よし、いいのが来た! 少なくとも満貫は確定だね)

《番外個体 打 7p》

(三色も付けられれば理想的なんだけどね……)
170 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/22(火) 11:24:09.23 ID:UI4bfAnvo

『10順目』

《御坂妹 打 西》

「ぐっ……ちょ、ちょっと待った」

「鳴くのか?」

「今それを考えてるんだよこのクソモヤシ!」

・番外個体手牌
二二五六44r5s45p西西北北

(ミサカとこのクソモヤシの点差は13600。
だから本来ならハネ満が必要なわけだけど……
ただ、最終手段も最終手段、倫理度外視のウルトラC。
満貫ツモで逆転を実現する方法が一つだけある……

……6pは既に二枚切れ、つまり三色の目はほとんどなし。
そして11順目でこの形。西を払って行って再度テンパイ、和了……なんていうのは夢を見過ぎてる。
ドラをなんとかあと二枚持ってくる?
……第一位はここでドラを出すようなアホじゃないハズ。
妹二人は持ってない様子だし……
少なくとも、そこに勝負を預けるだけの可能性はない。
でも鳴かなくちゃおそらくアガリはない。なら……!)


「……ポン」

「……」

《番外個体 打 4s》

・番外個体手牌
二二五六4r5s45p北北 [西西西→]



『11順目』
・番外個体手牌
二二五六4r5s45p北北 [西西西→] ツモ・北

(……うん。もちろんドラが欲しかったのは欲しかったけど……これでもいい。
これはしょうがない。ここでミサカが作るべきは満貫手……!)

《番外個体 打 4p》


『12順目』

(ミサカの手はもう無理っぽい、ってミサカはミサカは自らの勝利を諦めてみたり……
流局したとしても、あの人はノーテンと言うだけ言って手を伏せればいいだけ。
連荘はない、ってミサカはミサカは状況を確認してみる。

……ワーストお姉ちゃん、あの時大分悩んでたってミサカはミサカは思い返してみたり。
鳴いても十分な手だったら迷わず鳴くはず。……それに、この点差。
今ミサカがするべきことは……)

「リーチ!」

《打ち止め 打 3s》

・打ち止め手牌
一一五七七九1189s24p南 待ち:なし


「チー!」

《番外個体 打 5p》

・番外個体手牌
二二五六北北北 [西西西→][←34r5s]

(つまりはこういうこと。
ノーテンだろうがなんだろうが、二人がリーチすればリー棒の差で満貫ツモで捲れるようになる!
頼むよ、妹ちゃん♪)

(番外個体……そうですか、そういう意図の鳴きでしたか。しかし……)
171 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/22(火) 11:24:43.75 ID:UI4bfAnvo

《御坂妹 打 5p》

「……牌が横になってねェが、いいのかよ?」

「……構いません、と、ミサカは頷きます」

「!」

(妹……! リーチしないなんてどういうつもりなわけ!?
……いや、そっか、その捨て牌……)

(すみません、番外個体。ですが、ミサカも勝ちうる状況なのです。
と、ミサカは長女に目で謝罪します)

・御坂妹手牌
11123334r56889p


(……参ったな。これじゃツモったってしょうがない。
……ロンアガリを期待するしかない、か)


『13順目』

・番外個体手牌
二二五六北北北 [西西西→][←34r5s] 待ち:四-七 ツモ・四

(クソ、そりゃない、そりゃないでしょ!?
顔に出すな、顔に出しちゃいけない……!)

《番外個体 打 六》

(ワーストお姉ちゃん……)

(運がなかったわね……あと一歩だと思うんだけど)

(なんて顔してんのさ、二人とも。ミサカ、まだ諦めてないよ!)


『14順目』

(よし、理想的な形で張り直した!)

・番外個体手牌
二二四五北北北 [西西西→][←34r5s] ツモ・二

《番外個体 打 五》

(……アイツが出すとは、思えないけどね。でも、もしかしたら……!)
172 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/22(火) 11:25:16.52 ID:UI4bfAnvo

『15順目』

・一方通行手牌
三三22678s444678p ツモ・北

「ぐっ……!」

(北は生牌だ……本来、生牌だからと言って字牌で当たられる確率はそこまで高いもンじゃねェ。
頭にしている、既に暗刻の形になっている……なンだっていいがよォ。
だが、この御坂妹のヤツは明らかに染め手!……オリるか?
しかし、オリるにしても番外個体の野郎に振り込みでもしたら笑えねェぞ……?
アイツの捨て牌からは待ちを絞り切れねェ。

……4sを切っちゃいるが、ここで7s切りは自分を追い詰めるだけだ。
そもそもアイツに当たらない保障もねェ。
468から4を先切りして7で当たる、なンてェのはいかにもアイツがやりそうなことだ……

萬子は六は切れちゃいるが、三はドラそばだ。
こんな状況、少しでも点数欲しいヤツの状況からしたらドラは最後まで取っておくはず!
そしてあの捨て牌、ドラを絡めるために六五と捨てて行ったようにも見える!

……おそらく、元々ヤツが狙っていたのは満貫。
そしてそうなれば、仕掛けからしてドラは三枚持ってたはずだ。
赤が一枚見えてるンだからな、ドラは最低でも2枚……
だとすればどういうケースがありうる?
……もしかするとアイツ、一度アガってるのか?
思い返せば六切りの一瞬、躊躇うような素振りを見せてたな……
と、なれば二二四五六から六、五と切っていき、二を引きいれての二二二四……?
ありえねェ話しじゃねェ。他のどこかで待っている可能性もあるが……
と、なれば三は超危険牌だ。

……クソ。俺が区別できる牌もほとンどねェ、この状態じゃ読みなンてできねェよ!
かといって筒子なンて切れるわけもねェしよォ……どうする……!?

……いや待て、今使われている牌の北には稲妻に似た形状の傷が付いているハズだ。
汚れならともかく、傷をあの番外個体の野郎がどォにかできるとは考えにくい。
どこだ、どこにある?)

「……」

(見たところ、少なくとも二枚は番外個体が持ってやがる。
……頭だ、頭だろ? 他に切るもンなンてねェぞクソッタレ!
少なくとも、今までアイツは字牌のシャボで待ったことはねェ!
ここの土壇場、ありえねェ話じゃねェが……!
あらゆる意味で、これしかねェ!)


《一方通行 打 北》

「……うん、それじゃあこのミサカは当たれない。
ここに三枚あるんだから、他の連中も当たれない」

「三枚……か」

「そ。このミサカのやることは、第一位ならもうわかってるよね。……カン!」

(……包狙い。 クソッタレ、コイツマジで勝つことに全力じゃねェか……)


・番外個体手牌
二二二四 [北北↑北北] [西西西→][←34r5s] 待ち:三四 ツモ・五


「……ホント、悔しいね」

《番外個体 打 五》

「でもまだだよ。新ドラ次第では、ミサカはツモアガることができる」

「新ドラは……4sですね、と、ミサカは報告します」

(……よし!ツモれば逆転できる!
順目は少ないけど、期待するには十分だね)

173 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/22(火) 11:26:17.74 ID:UI4bfAnvo

(……番外個体のあの執念。
ミサカも見習うべきなのかもしれません……)

・御坂妹手牌
1112333456889p ツモ・9p

(他に入ってきて欲しい部分があったのですが……仕方ありません。
と、ミサカは強引に自分を納得させます)

《御坂妹 打 2p》


『16順目』

「……クソ、いつになく緊張感のある対局じゃねェかよ」

《一方通行 打 六》

(……誰のアタリ牌も掴みませんように、ってミサカはミサカは祈ってみたり……!)

《打ち止め 打 9s》

(三か四……! 来い、来いってば!)

《番外個体 打 6s》

(面白いものですね、麻雀というものは……まだしばらく、この時間が続いて欲しいとミサカは思います)

《御坂妹 打 九》


『17順目』

「ツモ!」

・一方通行手牌
三三22678s444678p 待ち・三,2s ツモ・三
ドラ・二 カンドラ・4s

「タンヅモ。……まァ、そンなことはもォどォでもいい、な」

南四局    親・一方通行

南 打ち止め 21400→20400
西 番外個体 21500→20500
北 御坂妹   22000→21000
東 一方通行 35100→38100



『――終局!』

結果
打ち止め 20400
番外個体 20500
御坂妹   21000
一方通行 38100

順位
1 一方通行/レベル5
2 御坂妹 /レベル3
3 番外個体/レベル4
4 打ち止め/レベル3



差し替え終わりです。
なぜか無駄に長くなる一方さんの思考パート。

もしこれにも致命的なミスがあったら、もう↓のこれに差し替えといてください。
いやホント今回はすみませんでした。

・南4局
番外個体達も善戦したし
正直結構キツかったけど
まあ最終的には一方通行がツモって勝った
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) [sage]:2011/11/22(火) 17:09:52.40 ID:V40Npf6AO
投下来てた! 差し替えも乙ですー。

そして差し替え後で少し気は引けるが、南2と南4でそれぞれ御坂妹と打ち止めがリー棒払ってないのよな。
南4のはともかく南2の分が一方さんに入ると、点差が供託2本+満ツモでも返らないよミサワさん…。
175 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/22(火) 22:43:24.36 ID:UI4bfAnvo
Oh...確かに
再度の差し替えはみなさんを混乱させるだけのような気もするけど、どうしようか
正直今日の差し替えと違うところとは言え、もう一度差し替えるのはめんどくさい……

っていうかミス多すぎワロえないですね
どうにかならないものか……さておき、昨日の方も含めミスの指摘感謝です
精進します。いやホントに
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(空) [sage]:2011/11/23(水) 01:44:24.01 ID:drpyYnXXo
やっと追いついた!
面白いしそこまで詳しくないので多少のミスは気にしない
喰いかえのルール説明が3鳴いて3切るってなってるが2ツモかな?
個人的にはピンズは@なんかが見やすいです
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/23(水) 13:07:24.98 ID:ZKFAdscIO
>>176
その書き方は

@
T
で書く必要が出て索子が読みづらい
178 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/11/24(木) 00:33:56.98 ID:8WfPNvJko
どうもこんばんは。
今回改めて指摘されたミスの方はもう修正しないことにしてしまいました……
大変申し訳ないですがご了承頂けると幸いです。

2週間くらいずっとヤツらの対局考えてたから、
もう次の話書きたいんですよホント……


>>175-176
お二人の意見を統合するとこういう形になりますかね?

二三四五六七AADEF56 ロン・7

あるいは……

二三四五六七AADEF5s6s

とか。
現状のままでいい、今書いたような形がいい等々あったらご意見頂けたら合わせます。



さて、今回もアンケのお時間です。
次レスの方にもし見たいものがあれば是非投票の方をよろしくお願いします。
もし投票がなければ@になり、同数の投票があった場合は先着順に決定します。

そしてあまり重要な話じゃありませんが、おそらく今回の候補にあるものを全て(あるいは2,3話)
消化したら大覇星祭の本選の方に行くことになるかと思います。
予選の最中だってことをあんまり意識してない人が多いんじゃないかと思いますけどもね。
なんせ書いてる本人もあんまり意識してないですからね。

さておき、本選の話は予選の話とストーリー上の絡みも持たせた対局を考えています。
正直今回以降の話が本選では大きく絡んでくることになるかもしれませんが。

そういう意味では、もしかすると今回の本編である3つの話は全て消化できないかもしれないので、
今後の出番も変わってくることも念頭に選んでいただいたほうがいいかもしれないですね。
それではどうぞよろしくお願いします。

179 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/11/24(木) 00:35:12.11 ID:8WfPNvJko
>>176-177でしたね、ごめんなさい!



@防御能わず!破壊神和了崩し!

【登場人物/麦野・フレンダ・海原・結標】

概要/『アイテム』と『グループ』、二つの有名サークル間での対局が実現。
 しかし『アイテム』の絹旗と滝壺はなぜか対局を頑なに拒否。
 『アイテム』のリーダー麦野はやや不安な心境のまま、フレンダをお供に対局に望むことになる。

 一方の『グループ』もエースである一方通行が土壇場で欠席。
 レベル2である土御門は他の二人に出番を譲り、海原と結標の二人で対局することに!

 お互いが不安な気持ちを抱えたまま、レベル5の一角を交えた対局が今始まる。



A大胆奔放、戦慄の念導爆弾!

【登場人物/削板・黒子・初春・佐天】

概要/先日、レベル5食蜂に手痛い敗北を喫した黒子達。
 気分を変えて違う雀荘で打とうということになり、
 卓が立つのを待っているとなんとそこに現れたのはレベル5、削板軍覇だった!

 多くの人間からわけがわからないと称される高位の雀士に、
 果たして黒子達は太刀打ちできるのだろうか?



B閑話・窓のないビルにて

【登場人物/アレイスター・エイワス】

概要 /妙に暇を持て余したアレイスターは、
 他にメンバーも集まらなかったためエイワスを誘いなんとか麻雀を楽しもうと画策する。
 しかし二人でできる麻雀がそうあるわけでもなく、
 しかも二人ともいわばオカルトの世界の頂点とでも言うべき存在。
 まともな勝負ができるわけもなく、様々なやり方を考えながら麻雀をしようとするが……

※この話は本編には特に関係ありません。つまり話は進みません。
また、まともな麻雀はしない予定です。オカルトとかそういうレベルの話ではありません。
無茶苦茶なら無茶苦茶なりにちゃんとして麻雀を期待する方はお気を付けて。



X壊された『自分だけの雀風』!取り戻せ、雀士の誇り!

【登場人物/絹旗・黒夜・一方通行・芳川】

垣根との一戦を経て、自信を完全に失った絹旗。
それに伴い絹旗の『自分だけの雀風』が崩壊していってしまい、目も当てられない状態に。
茫然自失とした中で、麦野の提案により再び『暗闇の五月計画』の関係者へとコンタクトを取る絹旗。
その結果、同じ計画の被験者の中で並んで優秀と称される黒夜海鳥も呼び、
一方通行との対局をすることになる。

研究者として同席する芳川も入れた四人での対局に臨む絹旗は、
果たして『自分だけの雀風』を取り戻すことができるのだろうか?

※登場人物が直前の話と被るため、この一話は今回は選択できません。
一応次回のアンケではこういうのも用意してありますよ、という紹介だけで。

180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/24(木) 11:41:23.41 ID:2Hr/nibwo
B
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/24(木) 12:48:32.80 ID:hjCqIwGDO
@
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/24(木) 14:16:08.25 ID:HHpBNTtno
@

見やすさ云々言ってたものですが書き手が書きやすいやつでどうぞ
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/24(木) 14:19:39.50 ID:6YF8koZV0
@で
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) [sage]:2011/11/24(木) 20:51:21.88 ID:7GgTXTOAO
牌の表記は現状のままでもいいと思うけどにゃーん。麻雀の描写も今くらいが丁度いいかと。
全局全キャラにスポットあてるのは大変だろうし、情報過多になる。描写少なすぎだと物足りないけど、今ン所そうは思わないし。
まぁやりやすいようにしてくれればおKです!

投票は@で。あわきんと黒子の能力はサマしか思いつかねぇww
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/24(木) 22:02:17.74 ID:PSG9HkdR0
牌の表記は今のままがいいな
数字が半角の方がなんとなく好き

投票はこの流れであえて2を選ぶぜ
削板の打ち筋が面白そうだ
186 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/11/26(土) 00:07:42.65 ID:dKLVwzwzo
>>176の喰いかえについてレスするの忘れてましたね……

喰いかえですが、あれはあの表記で正しいです。
要は鳴いたものと同じものを切ってはいけない、的なカンジで理解していただければ。
他にも喰い変えに該当する場合があるんですが、
ちょっと口頭ではあの例示以上に上手く説明できる自信がないので
気になるようだったらご自分で調べてみてください。

さすがに作中で禁止されてる喰いかえやるヤツはいないと思うので、
知らなくても問題はないはずですが。



さて、丸二日ほど経ちましたしかなり票も偏ってるのでこれにてアンケは締め切りということで。

本当はいつもちゃんとした締め切りを設けようと思ってるんですが、
なぜか投稿する段になって忘れてしまうんですよね……


さておき、次回は@の麦野達の話になります。
少々お待ち頂ければ幸いです。

牌の表示についてですが、現状のままが良いという方もいるようなので現状維持ということで。

それでは投票ありがとうございました。
187 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 15:47:27.00 ID:ekkVDiCAO
もうすぐ1ヶ月か…。
まだなのかにゃーん。
188 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:27:13.52 ID:7gKfeSCYo
いやはや、本当に久しぶりな投下になってしまいました
なんとか一か月以内に帰って来れたことが唯一の救いでしょうか

大変申し訳ありませんでした、これより投下します
189 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:28:04.19 ID:7gKfeSCYo

【第5話/防御能わず!破壊神和了崩し!】

『雀荘・暗部の音』。


ここは学園都市内でも屈指の有力サークル、『アイテム』と『グループ』のまさに決戦の地である。
本日行われる予定となっている代表者同士での対局は学園都市内でもかなりの注目を集めている。
しかし、その会場である店内ではなんとも言えない重苦しい空気が流れ始めていた。

それもそのはず。
行われるはずだった対局、その雲行きが怪しくなってきているのだから。
参加するはずだったサークルの面々は元より、
対局を見に雀荘へきたギャラリーの表情もどこか沈んでいる。


実際のところ、対局ができないわけではない。
『アイテム』のエースである麦野は心身共に充実した状態で来ているし、
『グループ』の側もレベル4二人がしっかりと目立たない場所で控えている。
しかし……


「第一位来ないのかよ……」


ギャラリーのどこかから漏れ出たその一言がこの空気の原因を完璧に表していた。
第一位、一方通行の不在。
学園都市の頂点に君臨する彼の欠席が、
ギャラリーと『グループ』のメンバーにどれほどの落胆をもたらしたか想像するのは容易である。
それはもしかすると対戦相手のアイテムにとっても同じことだったかもしれない。


しかしこのような陰鬱とした空気を良しとしない人間がいた。
誰であろう、『アイテム』のエース、麦野沈理である。

彼女は自分がレベル5として最強の一角を占める存在であることを誇りに思っている。
だからこそ一方通行が来ないことであからさまに落胆されているこの状況が許せない。
確かに一方通行は強いだろう。第一位は酔狂で名乗れる称号ではない。



しかし、だからといって自分が軽んじられていいはずがない。



そんな思いが彼女のフラストレーションを爆発寸前まで引き上げていた。
怒りを内心にどうにか隠し(眉がピクピクと動いているのはこの際見ないこととする)、
『グループ』の面々に近づいた。


「ちょっと」


『グループ』の構成員、土御門元春、海原光貴、結標淡希の三人が麦野へ視線を向けた。
全員が全員眉をひそめたしかめ面でいるのが妙におかしく見えて、
それが麦野の溜飲を少しだけ下げた。

190 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:29:31.23 ID:7gKfeSCYo

「……にゃー。わざわざご足労頂いたところ申し訳ないんだけどにゃー、
ウチのエースはどうやらドタキャンしやがったようだぜい……」

「全く、彼にも困ったものですね……先ほどから携帯にはかけてはいるのですが、
どうやら電源を切られてしまっているようです」

「『グループ』が第一位サマに頼りきったワンマンサークルなんてことはないんでしょ?」

「……一方通行ナシでもやるって言うの?」

「このままじゃあこっちとしても収まりがつかないんだけど?」

「……にゃー。よし、海原、結標、行って来い!」

「ちょ、ええ!?」

「本気ですか、土御門さん!?」


リーダー的存在である土御門の指示に、海原と結標の表情が強張る。
対する土御門は飄々とした態度を崩さない。


「だってほら、俺ってレベル2なんだぜい?」

「……はぁ。ですが……」

「無下にこの提案を断ることは『アイテム』のメンツも傷つける。
大体、今日ここに集まったこのギャラリ―をどうするつもりだ?」

「……確かに、それはそうですが」

「……厄日ね、今日は……」

「元々お前らのウチどちらかは出る予定だったんだぜい?
気張らないで打ってくるといいにゃー」

「……わかりました」

「仕方ないわね……」

「話はまとまったってわけね。いいわ」


そういうと麦野は自分の仲間たちの下へ帰っていく。
帰りかけていたギャラリーも、その様子に目を引かれてふと立ち止まる。


「結局やるのか?」

「そうみたいだな。第一位が来ないとはいえ、あの姉さんもレベル5なんだろ?
やっぱりちょっと見ていこうぜ」

「そうするかー」


そういうとギャラリーの大多数が別室の観戦室の中へ入っていく。
この観戦室とは、なるべく対局に影響を与えない形で多くの人間が観戦できるように設置された部屋である。

学園都市の一部の雀荘には録画・放送のための機材が設置されていて、
対局の様子を観戦室等々へ放送している雀荘が存在するが、ここもその一つだった。
ここが対局の場に選ばれた最たる理由はそれである。

191 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:29:58.15 ID:7gKfeSCYo

「ったく、それにしても観戦室だなんだって大げさったらないわよね。
まあ、後ろで変な顔されても困るし、別室に放送するくらいは別にいいんだけど。
……で。絹旗、行ける?」

「……いえ、今日は……その……」

「まだダメか。仕方ないわね……滝壺は?」

「私もちょっと。……体調がよくなくて」


絹旗最愛、滝壺理后。この二人は以前の垣根との対局以来、調子を大幅に崩していた。
復調の兆しもなく、その崩れ方を知っている麦野としては無理強いはできない。


「……ちょっとちょっと。アンタ達二人がダメだったら誰とやれって?」

「結局、私がいるってわけよ!」

「ん? 幻聴かにゃーん?」

「麦野ー!」


フレンダ=セイヴェルン。
『アイテム』の一員であるが、実力・地位ともに『アイテム』の最下位に位置する不遇の女である。
レベルは2。レベル4二人を相手にするには少々心許ないことは確かだった。


「……しょうがないかな。フレンダ、負けたら承知しねえぞ」

「結局、任せてくれて構わないって訳よ!」


やれやれ、と言いたげに首を横に振り、麦野は卓へと向かう。
そのあとを追うようにしてフレンダも駆けていき、その場には滝壺と絹旗の二人だけが残された。


「きぬはた、大丈夫?」

「滝壺さんこそ。……ずっと体調悪いのが長引いてるって、超何してるんですか?」

「ひみつだよ。でも、きぬはたが元気になったら教えてあげるね」

「……はい。超楽しみにしてます……」

「むぎの達のこと、応援しに行こっか」

「そうですね。一方通行のいない今、麦野ならあんなやつら超敵じゃありません!」

「そうだね。きっとむぎのなら大丈夫」

(……前のきぬはただったら、きっとその言葉は卓上で出てたんだろうな。
どうにかできないのかな……)


二人の悩みなど知らないまま、対局の準備は進んでいく。
滝壺達は観戦室へと向かい、サークルメンバー専用の席に腰を下ろした。
対局室では席決めと起親決めが行われている。
まもなく、学園都市2大サークルの対局が始まろうとしていた。
192 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:30:24.97 ID:7gKfeSCYo

【雀荘・暗部の音】



【ルール】『』は今回特筆すべきルール。

『チーム戦。勝敗はチームの合計点が多いほうの勝利。
合計点を計算する際には順位点、オカ等も計算に含める。』

点ピン。『清算はチーム単位。』
オカアリ・ウマ1−2。
『トビ賞アリ、一万点。
ただし飛んだ人間のトビ賞は、誰が飛ばしたかを問わずに相手チームに折半されて入る。』
【トビ賞とは:本来は飛ばされた人間から飛ばした人間に移る、飛ばしたご褒美のようなもの。
敗者に鞭打つややひどいルールのようにも思われるが、トビ寸前の人間が自棄になりにくい等のメリットもある。
今回は一度有利になったチームが相方を飛ばして終了にするのを防ぐための措置。】

東南アリアリ。
赤牌はそれぞれに1枚ずつ、計3枚。
4飜30符、3飜60符は切り上げ満貫。
チーとポンはポン優先。
ダブロンナシ=頭ハネあり。
トリプルロンは流局。
槓ドラは即乗り。
四風連打、九種九牌、四開槓による流局あり。
四家リーチは流局せず。
アガリ止めあり。
フリテンリーチ・フリテンツモアリ。
食いかえナシ。
【食いかえとは:例えば345sから3sを鳴いて3sを切る、あるいは6sを鳴いて3sを切ること】
送りカンなし。
【送りカンとは:リーチ後、例えば345555sとあったところに2sを引いてきて、5sをカンすること】
平和とツモの複合アリ。


人和は倍満扱い。
流し満貫アリ。
オープンリーチはアリ。2飜。
リーチせずに振り込むと役満。
国士無双の暗カンロンは認める。
ダブル役満アリ。スッタン、純正チューレンや国士無双13面などもダブル。
包アリ。大明槓包もアリ。
シーサンプートーアリ。
193 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:31:08.08 ID:7gKfeSCYo

「さて、始めるとするか」

「お手柔らかにお願いしますよ」

「そうお願いしたいわね」

「結局、麦野のことだからそっちの都合なんか知らずに最初から全開ってわけよ!」

「それは参りました。こちらも頑張らなくてはいけませんね」

「あんまり人聞き悪いこと言わないでくれるかにゃーん?」



東一局 親・海原

東 海原   25000
南 フレンダ 25000
西 結標   25000
北 麦野   25000

『グループ』 50000
『アイテム』 50000

ドラ・2s


『2順目』

(……正直、この麦野という女性はどういう打ち手かまだ分かってはいません。
和了崩しという呼び名だけが一人立ちしているような状況ですが……さて)

《海原 打 9s》

「――ポン」

《麦野 打 3p》

(9sポン? この段階で3pを切りだすということは……トイトイでしょうか?
役牌バックの可能性もありますが……)


『4順目』

「ツモ」

「「えっ?」」


・麦野手牌

r五六七22567s67p [999s→] ツモ・5p
ドラ・2s

「三色ドラ3。満貫」

「な……なにそれ!?あの順目で9s仕掛けて三色の片アガリ!?」

「結局、これが麦野らしいアガリってわけよ!」

「……今まで会ったことがないタイプですね」

「褒められてる気がしねえんだけど?」

「いえいえ、とんでもない」


東一局 親・海原

東 海原   25000→21000
南 フレンダ 25000→23000
西 結標   25000→23000
北 麦野   25000→33000

『グループ』 50000→44000
『アイテム』 50000→56000
194 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:32:57.42 ID:7gKfeSCYo

「……確かにこんな喰い仕掛けするヤツがそういないのは確かだけど。
だからってへぼな打ち手みたいに思われるのも癪だし……
別に打ち方がバレたところであまり問題はないわね。説明してあげるわ」

「拝聴させていただきましょうか」

「そうね、面白そうだわ」



【info:むぎのんのハイパー解説タイム始まるよ!
興味のない人は次レスのinfoまで飛ばしてください。】



「配牌はこれ」


r五六七226799s367p白 


「ふむ……」

「ここに5sをツモってきた。白を切るとこうなる」

r五六七2256799s367p

「三色が見える上にドラが二つ。かなりいい状態ですね」

「結局、この順目ならなかなかお目にかかれない配牌って訳よ」

「でも、あなたはここから9sを鳴いたわけでしょ?それってどうして?」

「……まあ、普通の打ち手なら9sは見逃す。
それで2s9sがアンコるのを待つか、3pへのくっつきを狙って9s落としと、
まあそんなとこだろうけど……冷静に考えてみれば鳴きもそう悪い話じゃないのよ」

「……そ、そうかしら……?

「もちろんドラでも9sでも、アンコればそれが最高。
とはいっても一枚切られた時点で残りは2種3牌で、かなりツモれる可能性は低い。
先に5-8pが入る確率のが圧倒的に高いわ。
それに対子にだけ目を向ければ、良形への変化もドラへのくっつきからドラ切りしか存在しないから、
あまりいい変化があるとは言えない。

で、対子が暗刻にならずに5-8pが入ったとしてリーチするのかっていう話。
5pならまだしも8pが入った時はリーチしないとあがれない。
でもリーチしたとしても、ドラと一枚切れのシャボ待ちっていうかなり苦しい形になる。
そうするくらいなら私ならここで鳴きを選ぶわ。

9sを切って3pへのくっつき狙いもあるけど、くっついたと言える12345pのウチ2つはカンチャン。
1つは現状と同じくトイツ。……3pの場合はまあタンヤオもつくから鳴いても確実に上がれるって利点はあるし、
カンチャンにしても5pの場合は結局三色が出来上がるから悪くないけど。

一つ言えるのは、トイツを暗刻にする以外の手では結局時間がかかるってこと」
195 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:34:04.96 ID:7gKfeSCYo

「悪くない状態だと思うけど……」

「まあ、本来ならそう文句が出るような状態じゃないわね。
別に私にしても無暗にあの状態を嫌ったわけじゃないわ。
要は鳴いた場合との天秤。まず9s鳴いたらテンパイってのは猿でもわかる。
で、あがれる牌は1種4牌……フリテンさえ恐れなければカンチャン待ちと同じってわけ。
フリテンになるかと言われれば、そりゃなる時もあるけど確率は50%。
ロンアガリも考えるなら8pは見逃せる分、もっと確率はあがる。
感覚的には65%前後ってところかしら?

そしてこの手は鳴いても満貫あるんだから、あとはスピード。
2順目で満貫テンパイだ、片アガリでも上等……そういうことよ」




【info:ここまでハイパー解説タイム】



「……なんと無茶な……」

「わかってないわね……麻雀において早いってのはなによりも強いってことなんだよ。
仮にオマエが毎局役満を張るとする。いや、一定の順目であがることができたとする。
でも私がそれよりも速く、全局あがり続ければオマエの勝ちはない。
……それが私の二つ名、和了崩しの由来ってわけ」

「……賛否はあるだろうけど、すごくやりにくいわ……そして油断もできない」

「そのようですね……これは本当に心してかからなければならないようです」

「今更?」

「ふふ。そうですね、今更でした」

「……その笑顔が歪む時が楽しみだにゃーん?」

「そういって頂けるとこちらとしても笑顔の甲斐があったというものです」
196 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:35:12.37 ID:7gKfeSCYo

東二局 親・フレンダ

北 海原   21000
東 フレンダ 23000
南 結標   23000
西 麦野   33000

『グループ』 44000
『アイテム』 56000

ドラ・九


『7順目』
(結局、麦野にいいところ取られるばかりじゃないってとこ、見せないとね)

・フレンダ手牌
三三六七八135s4567p北 ツモ・8p

(よしよし。これなら……!)

《フレンダ 打 5s》


『10順目』

「リーチ!」

《フレンダ 打 北》

・フレンダ捨て牌
南白1p8s白一
5s二4s北


「……親リーですか。これは怖いですね」

「今のところは推されっぱなしね、私達」

「まだ時間はあります。焦りは禁物ですよ」

「ふふん。結局私がさくっとアガっちゃえばそんなことは言えなくなるって訳よ!」

「……あんまり調子に乗りすぎんなよ?」

「結局ツンデレってわけね!?」

「ぶち殺すぞ?」

「……ごめんなさい」
197 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:35:59.31 ID:7gKfeSCYo

『14順目』

(……折角のひっかけなのに、さっぱり出ないってわけよ。……あっ)

「……ツモ」

・フレンダ手牌
三三六七八13s456789p ツモ・2s
ドラ・九 裏ドラ・4s

「……リーヅモ……1000オール」

「……ひっかけてるのに自分でツモってるあたり、ある意味フレンダらしいアガリね。
詰めが甘いっつーかさぁ……それで、なにか言いたいことは?」

「……け、結局運がなかったってわけよ!」

「だからレベル2なんだよてめえは!! 満ツモ逃してんじゃねえぞフレンダァ!」

「……直撃狙いというのは評価できますが……」

「なるほどね。あっちの大将は骨が折れそうだわ」

【info:麦野の言う満ツモは、フレンダの捨て牌を良く見ると一発ツモができる手順があったことを言っている。
4s→北という切り順でリーチをしているが、5sを残していた場合は北を既に切っている。
そして4sが入ったタイミングでテンパイ、1s切りで369p待ちのリーチがかけられる。

麦野の目から見て待ち等の詳細まではわからないが、少なくともテンパイができたことは伺える。
4sの次に北切りでリーチをしているということは何か有効牌がその順目で入ったということであり、
その場合はリーチ一発ツモとなっていた。待ちが何であれ、裏ドラの4sが乗っているため満貫となる】


東二局 親・フレンダ

北 海原   21000→20000
東 フレンダ 23000→26000
南 結標   23000→22000
西 麦野   33000→32000

『グループ』 44000→42000
『アイテム』 56000→58000
198 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:36:50.86 ID:7gKfeSCYo

東二局・一本場  親・フレンダ

北 海原   20000
東 フレンダ 26000
南 結標   22000
西 麦野   32000

『グループ』 42000
『アイテム』 58000

ドラ・白


「あーもう、やっぱりフレンダに任せとくのは不安だわ」

「ちょ、結局ひどいってわけよ麦野!?」

「いや、あれはそう言われてもしょうがないんじゃないかしら」

「しょうがないでしょうね」

「ニコニコしながら言う台詞じゃない!?」


『5順目』

《結標 打 八》

「チー!」

《麦野 打 r5p》

・麦野手牌
?????????? [←八七九]


(この順目で赤が出てくるとは……ホンイツでしょうか)

・海原手牌
二三四五六七八345s34p白 ツモ・4p

(……どうしたものですかね。あの鳴きに白は少し厳しいですし……
……ここはツモ切りですか。
イッツーも見たいところですが、ここはこれで十分……!)

《海原 打 4p》

「ロン」

「はっ?」


・麦野手牌

一二三四r五六22sr56p [←八七九]
ドラ・白

「イッツードラドラ。3900は4200」
199 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:37:34.43 ID:7gKfeSCYo

「こ……この手であの鳴きですか……?」

「言っただろ、フレンダには任せておけねえって。
コイツが親っ被りしたり、親だからとか言って変に突っ張って振られても困るんだよ」

「普段のあなたならやる鳴きではなかった……と?」

「さあね? そこまで教える義理はないでしょ?」

「……その通りです」

(結局、なんか空気ってわけよ!?)

(なんだか空気ねえ、あの子。ってよく考えたら私の方が今のところ空気だったわ)



東二局・一本場  親・フレンダ

北 海原   20000→15800
東 フレンダ 26000
南 結標   22000
西 麦野   32000→36200

『グループ』 42000→37800
『アイテム』 58000→62200


(……振り込んでしまいましたか。
しかし、素直に打っていれば相手のアタリ牌を活用できる形で二枚引きいれた。
そしてあの牌姿……『流れ』はこちらに来ています。
……フフ、『流れ』などというと一方通行さんは怒りそうですが、ね)
200 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:38:00.47 ID:7gKfeSCYo

東三局  親・結標

西 海原   15800
北 フレンダ 26000
東 結標   22000
南 麦野   36200

『グループ』 37800
『アイテム』 62200

ドラ・発


(……ひっでえ配牌)

・麦野配牌
一一三八九468s59p東西白

(……これは、撒いておいた餌を回収する時かにゃーん?)


『5順目』

《結標 打 一》

「ポン」

《麦野 打 5p》

・麦野手牌
?????????? [←一一一]

「またですか……」

「キツイわね。やりにくいったらないわ」

(……でも、この捨て牌。今までの鳴きからするとテンパイも見える…?)

・麦野捨て牌
九白9p8s3p5p

(……仕方ないわね)


『8順目』

《フレンダ 打 五》

「チー!」

《結標 打 八》

《麦野 打 五》

「五萬ツモ切り……!?」

「無駄な鳴きだったみたいね?」

「くっ……」
201 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:38:33.38 ID:7gKfeSCYo

『10順目』

「ツモ!」

・結標手牌

44556s4r5688p [←五四六] ツモ・3s
ドラ・発

「……タンヤオ三色ドラ1。2000オール」

「うわ、ツモられた。でも結局あそこで五鳴かせたのは私の手柄ってわけよね麦野!?」

「んー……まあね」

(……本当にそうでしょうか?)


・麦野手牌
三四46s23p東西西白 [←一一一]


(……イヤなカンジだわ。あそこであの鳴きは正しかったはず……
和了崩しにアガられたらそれこそハネ満をテンパろうがなんの意味もない。
……でも、結果的に私はハネ満をあの順目でテンパっていた……)

(……ふふ。アンタのその手は本当ならタンピン三色高めイーペーコードラ1のテンパイだった。
紛うことなき親ッパネ。それが崩れたのは私の鳴きに焦ったから……
ここまでのスピードからアイツらは私のことを超速効野郎だと思ってる。
そこでこんな、バカみたいな鳴きでもいいから一鳴きいれればアラ不思議……

和了形は本来のモノから、勝手に崩れ落ちていく。
それが私の二つ名、“和了崩し”のもう一つの由来……!)


(……彼女の鳴きは本当に恐ろしいですね。自由に麻雀が打てなくなります……
ですがそう気落ちしなくても大丈夫ですよ、結標さん。
……おそらく、次の局は……『流れ』が来ますので)


・海原手牌
一一一三三三222234s中




東三局  親・結標

西 海原   15800→13800
北 フレンダ 26000→24000
東 結標   22000→28000
南 麦野   36200→34200

『グループ』 37800→41800
『アイテム』 62200→58200
202 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:39:16.41 ID:7gKfeSCYo

そして次の東三局一本場はフレンダが(今度は至って真っ当な)リーチをかけるも、
その後海原がフレンダからハネ満の直撃を取ることに成功する。
これにより一時優勢だったアイテム側が一気に逆転もあり得る状況に立たされることになった。


「フレンダー?」

「な、なに麦野……?」

「オシオキ確定ね」

「いやー! だ、だってほら麦野見て、両面!
しかも結局、リーチしてきっちり満貫って訳よ!?」

「確定」

「うわー!!」

「仲いいわねえ」

「そうですねえ」


東三局・一本場  親・結標

西 海原   13800→27100
北 フレンダ 24000→10700
東 結標   28000
南 麦野   34200


『グループ』 41800→55100
『アイテム』 58200→44900
203 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:39:44.88 ID:7gKfeSCYo

東四局  親・麦野

南 海原   27100
西 フレンダ 10700
北 結標   28000
東 麦野   34200

『グループ』 55100
『アイテム』 44900

ドラ・中


(……はっきり言って、フレンダのあの直撃は痛い。
ただでさえハネ満のところ、ツモってくれればまだしも直撃じゃ点差は24000広がる。
おまけにリー棒まで渡しちまうし。おかげであっという間に逆転……
ここらでいっちょ、気合い入れるしかないか)

(完全に『できあがり』ましたよ、『アイテム』のお二方。
この勝負、こちらが貰います……!)

・海原配牌
二三四33456s2355p南

『3順目』

《結標 打 九》

「ポン!」

「またなの!?」

《麦野 打 9s》

《海原 打 七》

「ポン!」

「……!」

《麦野 打 2p》

・麦野手牌
???????? [七七七→][←九九九]

・麦野捨て牌
1s西3s9s2p

(今度こそホンイツ? チンイツまで見えるかしら?
いや、ただのトイトイ可能性もある。そうだとしたら、これまた警戒しにくいわね……)

(……手牌が全く読めませんね。
しかしなんにしても、こちらは既にテンパイです……!)

・海原手牌
二三四33456s23455p
204 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:40:10.96 ID:7gKfeSCYo

『5順目』

「カン」

《麦野 加カン 七》

(……好都合です。次にツモってきた牌次第ではリーチを――)

「……ツモ」

・麦野手牌
二三四八八西西 [七七七七→][←九九九] ツモ・八
ドラ・中

「ホンイツ、リンシャンカイホー。2600オールよ」

「……バカホン?」


【info:バカホンとは、読んでそのままバカなホンイツのこと。
わざわざ二鳴きしてあがってみたら2000点……のようなものを言う。
今回はリンシャンカイホーがなかったので、そのままならツモって1000オール。
十分にバカホンと言っていい】


「誰がバカだって?」

「……まさか、あの配牌で負けるとは……まずいですね」

「さすが麦野って訳よ!」

「オマエがヘマしなけりゃもっとのんびり麻雀できんだけど?」

「……あ、あはは……」


東四局  親・麦野

南 海原   27100→24500
西 フレンダ 10700→ 8100
北 結標   28000→25400
東 麦野   34200→42000

『グループ』 55100→49900
『アイテム』 44900→50100
205 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:40:48.91 ID:7gKfeSCYo


東四局・一本場   親・麦野

南 海原   24500
西 フレンダ  8100
北 結標   25400
東 麦野   42000

『グループ』 49900
『アイテム』 50100

ドラ・3s

『7順目』

「リーチ」

《麦野 打 五》

「なんだかあなたがリーチしてるのって新鮮ね」

「それ、たまに言われるわ」

《海原 打 西》

《フレンダ 打 五》

「怖いから一発消しでもしておきましょうか。チー」



『12順目』

「ツモ!」


・麦野手牌
三四五六七八22345s34p ツモ・2p
ドラ・3s  裏ドラ・4p

「メンタンピンツモドラ1。4000オールの一本付け」



東四局・一本場   親・麦野

南 海原   24500→20400
西 フレンダ  8100→ 4000
北 結標   25400→21300
東 麦野   42000→54300

『グループ』 49900→41700
『アイテム』 50100→58300


(……一発消しがなかったら彼女がツモってたのは赤5p。
ド高め一発ツモですか……思わぬ拾いものをしましたね)

(海原の表情からすると一発ツモしてたのかしらね。
運が良かったと考えるべきかどうか……)

「ちょ、麦野! 私そろそろ飛んじゃうってわけよ!?」

「ちょうどいい、私が満貫ツモればトビ賞払っても余裕だからにゃーん?」

「……あ、あはは……」

(単なる冗談だったらいいんですが……それが可能な状況ですからね、これは)
206 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:41:20.45 ID:7gKfeSCYo

東四局・二本場   親・麦野

南 海原   20400
西 フレンダ  4000
北 結標   21300
東 麦野   54300

『グループ』 41700
『アイテム』 58300

ドラ・中


『10順目』

「リーチ」

《麦野 打 西》

・麦野捨て牌
西東発一2s九
4p八五西


「このままだと本当に終わりかねないわね……」

「しかしここで終わっては土御門さんに顔向けができません。
ここが正念場でしょうか」

(……まったく、こんな状況じゃしょうがないわね)



『14順目』

(いやあ、これはどうしようもないですね。
……仕方ない、いきますか)

《海原 打 七》

「ロン」

・麦野手牌
五六r56788s456p中中中
ドラ・中 裏ドラ・1p

「リーチ中ドラ4。18000」

「あら、でもあなた、それ……」

「ん?」

・麦野捨て牌

四東発一2s九
4p八五(西)2p2s
南5s
207 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:41:46.72 ID:7gKfeSCYo

「!?」

「……一打目に、四?」

「つまり、これはフリテンロン。親の満貫払いね」

「ちょ、ちょっと結局こんなのありえないってわけよ!
こんな意味のわからないフリテンを麦野がするわけ――」

「フレンダ、黙れ。……オマエ、“置いた”な?」

「“置いた”? なんのことかしらね」

「……」

「……」

「……やられるほうがアホって言うのがこの街のルール。
今は勘弁してやるけど……アンタ、ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね」

「……いやあ、背筋が凍りますね」

「……ホントにね」



東四局・二本場   親・麦野

南 海原   20400→24400
西 フレンダ  4000→ 8000
北 結標   21300→25300
東 麦野   54300→42300

『グループ』 41700→49700
『アイテム』 58300→50300
208 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:43:18.91 ID:7gKfeSCYo

東四局・三本場   親・麦野

南 海原   24400
西 フレンダ  8000
北 結標   25300
東 麦野   42300

『グループ』 49700
『アイテム』 50300

ドラ・8s

「まあ結局、親が流れないルールだったってことが幸いしたってわけよ」

(……果たして、それはどうでしょうか?)


『7順目』

(大したことはない手ですが……今ならこれでもいいでしょう)

「リーチ」

《海原 打 4s》

「……めんどくせえことしやがる」

「光栄です」


『10順目』

「ツモ」

一二二三三四4577s789p ツモ・3s
ドラ・8s 裏ドラ・7s

「メンピンツモ裏裏。2000-4000の3本付けです」

「裏裏……」

「結局、ただのメンピンだってわけよ……」

「裏ドラも考えて打つのがリーチでしょ。
……まあ、なんかコイツのリーチはやけに乗るイメージがあって嫌なんだけどね」

「そんなこと言ってると一方通行さんに怒られますよ?」

「……海原が言わなければいいことじゃない」

「善処しますよ」

(第一位ってそういうぐちゃぐちゃうるさいタイプなのかにゃーん?)

(一方通行さんについてあらぬ誤解を生んでいる気がしますが……まあいいでしょう)


東四局・三本場   親・麦野

南 海原   24400→33300
西 フレンダ  8000→ 5700
北 結標   25300→23000
東 麦野   42300→38000

『グループ』 49700→56300
『アイテム』 50300→43700
209 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:43:51.38 ID:7gKfeSCYo

南一局    親・海原

東 海原   33300
南 フレンダ  5700
西 結標   23000
北 麦野   38000

『グループ』 56300
『アイテム』 43700


《麦野 打 三》

「ロン。7700です」


南一局    親・海原

東 海原   33300→41000
南 フレンダ  5700
西 結標   23000
北 麦野   38000→30300

『グループ』 56300→64000
『アイテム』 43700→36000



南一局・一本場    親・海原

東 海原   41000
南 フレンダ  5700
西 結標   23000
北 麦野   30300

『グループ』 64000
『アイテム』 36000


《麦野 打 6s》

「ロン。3900は4200です」

「……仮テン……ね」


南一局・一本場    親・海原

東 海原   41000→45200
南 フレンダ  5700
西 結標   23000
北 麦野   30300→26100

『グループ』 64000→68200
『アイテム』 36000→31800
210 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:44:18.02 ID:7gKfeSCYo

南一局・二本場    親・海原

東 海原   45200
南 フレンダ  5700
西 結標   23000
北 麦野   26100

『グループ』 68200
『アイテム』 31800

ドラ・西

『9順目』

「結局このままじゃ終われないってわけよ! リーチ!」

《フレンダ 打 四》


『12順目』

「……」

《フレンダ 打 東》

「ツモ」

「えっ……」

・結標手牌
三三四四五五345s345p西 ツモ・西

ドラ・西

「三色ツモイーペーコードラドラ。3000-6000は3200-6200ね」

「……」

「フレンダ、ボケてんじゃねえぞ」

「気持ちは痛いほどわかりますが……」


南一局・二本場    親・海原

東 海原   45200→39000
南 フレンダ  5700→ 1500
西 結標   23000→36600
北 麦野   26100→22900

『グループ』 68200→75600
『アイテム』 31800→24400


(理想的な流れ方です。もちろんフレンダさんを飛ばせればそれがベストでしたが……十分でしょう。
……あの『アイテム』も、これで終わりでしょうか? そうだとすればあまりにもあっけない終わりですが……)

「……その安心したような表情がいつまでも続くと思うんじゃねえぞ?」

「! いや、これは大変失礼しました」

「ふん」

(……少なくともあちらの大将にはまだ戦意があるようですね。
まだ南1局が終わっただけです。それに最後までなにが起こるかわからないのが麻雀……油断はできませんか)
211 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:45:13.52 ID:7gKfeSCYo

南二局     親・フレンダ

北 海原   39000
東 フレンダ  1500
南 結標   36600
西 麦野   22900

『グループ』 75600
『アイテム』 24400

ドラ・四


「フレンダ、とりあえず飛ぶな。飛んだらコロス」

「……わ、わかったってわけよ!」

「あの眼光、思わず竦んじゃうわね」

「あんなことした結標さんが言うと、白々しいにもほどがありますね」

「それこそ光栄ね」

(結局、サマを認めちゃってもいいわけ?)


・フレンダ配牌

一二三四八八九3r57s24p南

(……この形なら、鳴いてタンヤオドラドラでいいってわけよ)

《フレンダ 打 九》
212 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:45:45.58 ID:7gKfeSCYo


『6順目』

《海原 打 6s》

「チー!」

《フレンダ 打 2p》

・フレンダ手牌

二三四八八34s45p西 [←r567s]

・フレンダ捨て牌
九南一9s2p


『11順目』

「ツモ!」

・フレンダ手牌
二三四八八34s345p ツモ・2s

「タンヤオドラドラ、2000オール!」



南二局     親・フレンダ

北 海原   39000→37000
東 フレンダ  1500→ 7500
南 結標   36600→34600
西 麦野   22900→20900

『グループ』 75600→71600
『アイテム』 24400→28400


(と、勢いよくあがってみたものの……これ、あの時の2pとっておけば三色だったってわけよ!
麦野怒ってるんじゃ……)

「……」

(あれ? それほど怒ってない……?)

「安心しな、オマエにはそれほど期待してねえから」

「……け、結局、複雑ってわけよ……」

「……まあ、これくらいなら打ち方の好みだと思いますよ? 多分……」

「しかも敵に慰められてるー!?」
213 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:46:16.70 ID:7gKfeSCYo

南二局・一本場    親・フレンダ

北 海原   37000
東 フレンダ  7500
南 結標   34600
西 麦野   20900

『グループ』 71600
『アイテム』 28400

ドラ・中


・フレンダ配牌
三四五五44689s78p西北中

(む、そこそこの配牌って訳よ!)

《フレンダ 打 西》

「……」

「どうかした?」

「……なんでもないにゃーん?」


『5順目』

・フレンダ手牌
三四五五六44568s78p中 ツモ・七

《フレンダ 打 8s》

(よしよしよしよーし! これでどこかに入れば……!)
214 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:46:38.95 ID:7gKfeSCYo

『9順目』

・フレンダ手牌
三四五五六七4456s78p中 ツモ・9p

(入ったー! でも一番安そうなところ……安手もいいけど、
結局この状況なら点数も欲しいってわけよ。それだったら、ドラの中単騎!
相手は私の親リーで萎縮するはずだし、あとはツモるのを待つのみって寸法なわけよ!)

「リーチ!!」

《フレンダ 打 4s》

「……ロン」

・麦野手牌
三四r五56678s12223p
ドラ・中

「平和ドラ1。2000は2300」

「……へっ!?」

「……親番の味方からアタるなんて、御乱心かしら?」

「単純に、あんたらをヤルのは私一人で十分ってこと。
変な勘繰りしてる暇あったら次局の準備でもしたら?」

「麦野……」


南二局・一本場    親・フレンダ

北 海原   37000
東 フレンダ  7500→ 5200
南 結標   34600
西 麦野   20900→23200

『グループ』 71600
『アイテム』 28400


(いや、中々思い切ったことをしますね。しかし……)

・海原手牌
3334r5s4r5678p中中中

(結果的には、それが最善手だったかもしれませんね?
……もちろん、真意は読めませんが)
215 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:47:14.02 ID:7gKfeSCYo

南三局    親・結標

西 海原   37000
北 フレンダ  5200
東 結標   34600
南 麦野   23200

『グループ』 71600
『アイテム』 28400

ドラ・一

(あの状況で味方からアガるなんて、ありえないってレベルじゃないわ。
それでも勝てると思ってるの? もし仮にそうだとしても――)

・結標配牌
一二二二三五123s13p東白発

《結標 打 白》

(この状況であなたになにかできるの?)


『7順目』

(……結構時間かかるわね)

・結標手牌
一二二二三五六1236s13p ツモ・4p

(あっちの捨て牌も不穏だし、早めにあがっておきたいけど……)

《結標 打 6s》


・麦野捨て牌
四8p3p白5s5p

《麦野 打 発》

(……嫌なカンジね)
216 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:47:44.66 ID:7gKfeSCYo

『8順目』

(よし! 良いところを引いてテンパったわ!)

一二二二三五六123s134p ツモ・2p

(平和三色ドラ1。本来ならダマで十分すぎるくらいの手だけど……
南四局には縺れ込ませたくない。それなら――!)

「リーチ!」

《結標 打 4p》

・結標 捨て牌
白発西東8p2s
6s4p

「うっ……この点数状況だと、結局やばいって訳よ……」

(麦野ー! さっきの麦野のアガリがなかったら親ッパネツモられても飛ばなかったのにー!)

(どう? オリた方がいいんじゃない?)

「……ふん」

《麦野 打 r五》

(……やっぱり、そのつもりはないってわけね)


『9順目』

《結標 打 5s》

(いやあ、結標さんもなかなか怖いところを引いてきてますね。
このリーチ、吉とでるか凶とでるか……さて)

《麦野 打 3p》

《海原 打 3p》

《フレンダ 打 五》


『12順目』

「リーチ」

(……早まったかしら)
217 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:49:07.27 ID:7gKfeSCYo

『14順目』

(ぎゃーっ!)

《結標 打 6s》

「……くっ」

《麦野 打 1s》


『16順目』

(もうこのまま流局でいいわ……)

《結標 打 9s》

「……ツモ!!」



・麦野手牌
七七七66699s南南南西西 ツモ・9s
ドラ・一 裏ドラ・7p

「四暗刻、8000-16000!」

「……私の9sは見逃し!? ハネ直をスル―したの!?」

「これでピッタリ、ウチの勝ちだからにゃーん?」

「勝ちって……あ」

「ああー……なるほど」

「……け……結局、いい仕事したって訳よ!!」

「ぶち殺すぞ」

「ごめんなさい」



南三局    親・結標

西 海原   37000→29000
北 フレンダ  5200→-2800
東 結標   34600→17600
南 麦野   23200→55200

『グループ』 71600→47600
『アイテム』 28400→52400


「おお、キッチリ捲ってる。さすが麦野!」

「あとトビ賞がこっちに移る、と……」

「……あ、あれ?」


海原   29000→34000
フレンダ -2800→-12800
結標   17600→22600
麦野   55200

『グループ』 47600→57600
『アイテム』 52400→42400
218 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:51:08.27 ID:7gKfeSCYo

「……麦野?」

「ん?」

「次は順位点ですね」

「あー!」

「とはいっても、1位と4位がアイテム、2位と3位がウチでは順位点は何も影響ありませんね」

「……ねえ麦野?」

「だから、何?」

「で、オカがあるから……」

「……結局、なんでもないって訳よ!」

「……フレンダさあ。オマエそんなバカだったっけ?」

「まあ、いろいろあって混乱しているのでしょう」

「たまにやる計算ミスみたいなものだと思ってあげたら?」

「……ひどい言われよう……」


海原   34000→29000
フレンダ -12800→-17800
結標   22600→17600
麦野   55200→70200

『グループ』 57600→47600
『アイテム』 42400→52400



『――終局!』

結果
『グループ』47600
『アイテム』52400

海原   29000
フレンダ -17800
結標   17600
麦野   70200

順位
1 麦野沈理/レベル5
2 海原光貴/レベル4
3 結標淡希/レベル4
4 フレンダ・セイヴェルン/レベル2


【info:オカの表示については悩みましたが、強引に点数の授受として計算しました。

オカを採用すると、25000点が原点のところを30000点返しにして計算します。
その差分の5000点はトップの人が受け取る、それがオカというルールです
ですので、今回は2位以下の三人の5000点を1位に渡すような形で表記しました。
非常にわかりにくいと思いますが、ご了承ください】
219 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:52:15.98 ID:7gKfeSCYo

「とまあ、こんな調子で――」

「『アイテム』の勝利! って訳よ!」

「いやあ、負けましたね」

「あれだけのリードを一気に返されるとは思わなかったわ」

「もし自分があの立場だったら結標さんからアタってたでしょうから、
『アイテム』ならではの勝利でしたね」

「さすがは麦野って訳よ!」

「……なーんでオマエが誇らしげなのかにゃーん?」


『アイテム』対『グループ』。
学園都市に名だたる二大サークルの対戦は『アイテム』側の勝利に終わった。
役満の和了、またそれ以外の点でもドラマティックな対局に、観戦室からでてくる人々は興奮冷めやらぬと言った様子である。
それぞれのサークルのメンバーも観戦室から出てきては各々の仲間の下へと向かう。


「むぎの、ふれんだ、お疲れ様」

「さすが麦野です、超辛勝とはいえ格の違いを超見せつけましたね!」

「アンタたちが入ってくれればもっと楽だったんだけどにゃーん?」

「……のーこめんと」

「右に超同じです」

「……結局、他にコメントすることがあると思うわけよ」

「……どんまい、フレンダ」

「超気にしないことですよ」

「……慰めが心に来る時もあるわけね……」



「まったく参ったぜい、あれだけ優勢だったのにあっと言う間に逆転されちまうんだからにゃー」

「そう言われると返す言葉もありませんね……」

「いいのよ、文句があるなら自分でやれっていう話になるだけだから」

「そう言われるとこっちも返す言葉がないにゃー」

「……それより土御門さん、折り入ってお願いがあるのですが……」

「んー? そんな改まってどうしたんだぜい?」

「実は――」
220 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:52:49.95 ID:7gKfeSCYo

「……?」

何か悪寒のようなものを感じ、知らず麦野は身を竦めた。
周囲の祝勝ムードから生まれるとは考えにくい、粘質な悪寒である。

「むぎの、どうかした?」

「いや、なんか見られてるみたいな……?」

勘は良い方であるから、どうにも気のせいだとは思えなかった。
とはいえ辺りを見回しても目につくものは何もない。
そのことがまたなんとも気味が悪かった。

「超ストーカーでもできたのかもしれませんね?」

「ちょっとやめてよ、気持ち悪い」

「結局、そういうのってほとんどが気のせいってわけよ。
そんなこと気にしない方がいいと思うけど」

釈然とはしないが、そうまで言われてなおうだうだと言い続けるのも決まりが悪い。
麦野は軽く頭を振り、どうにか気持ちを切り替えた。

「……それもそうね。さて、ここに本当にわずかながら勝ち取った資金があるんだけど」

「? ありますね」

「そろそろ大覇星祭も本選だし、今回の祝勝とメンバーの英気を養うのを兼ねて、
サークルのリーダーとしてちょっとしたパーティーを提案するわ。
もちろんこの資金をベースに、私持ちで」

「超太っ腹です!」

「ほうぼうが食べたいな……ほうぼう」

「結局、高級鯖缶が食べたいってわけよ!」

「んー、鯖缶はあれだけど。それなら魚料理がおいしいところがいいか。
ほうぼうがあるかはわからないけど」

「ほうぼう……」

「麦野の行くお店は外れ知らずですからね! 超楽しみです!」


わいわいと賑やかなまま、『アイテム』の面々は店外へと消えていった。
それを土御門と海原は遠目で眺めている。
その表情は先ほどまでの弛んだものとは異なる、刃のように研ぎ澄まされたそれである。
221 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:53:17.57 ID:7gKfeSCYo

「……まあ、お前の言うこともわからないではないが……」

「でしょう? あれは波乱を生む打ち手です、そのままにしておくべきでは……」

「しかし、私怨の域をでない提案だろう。少なくとも俺の目的とは合致しない提案だ」

「……では、これを……」


そう言うと、海原は何かを土御門に差し出した。
土御門はそれを見ると目を丸くし、丁重に受け取ると急いで懐へとしまった。


「……仕方ないにゃー、まったく……」

「恩に切ります」

「……ま、時が来るまではじっとしておくことだ。
お前の目的を考えれば、いずれ否が応にも動く時がくるんだからな」

「心得ていますよ。それではまた」

「あ、結標のヤツが飯食べに行こうって言ってたぜい?」

「……あまり待たせてはいけませんね。早く行きましょう」

「また野菜専門店なんていいださないといいけどにゃー」

「そうですね……」

(……麦野沈理……非常に苦しい相手でした。
自分が全力を出していても勝てなかったかもしれません。
いえ、少なくとも一体一なら負けていたでしょうね……
あなたほどの打ち手が御坂さんと衝突することは避けたい。それを避けるためならば、自分は……)


学園都市の夜は更けていく。
様々な者の思いが交差する大覇星祭、その本選まであと少しである。
222 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:53:49.41 ID:7gKfeSCYo

対局ファイルNo.5

・麦野 沈理/レベル5
プロフィール/サークル『アイテム』所属。リーダーを務める。
 自他共に認める超攻撃的麻雀の打ち手。
 鳴きも駆使する超高速でのアガリはスピードにおいて学園都市の頂点と言っても過言ではない。
 その打ち方は批判も多い半面、憧れを覚える人間も多い。
 ただしなんでもかんでも鳴いているわけでは決してないため、
 その点を見極められない人間が真似をすれば火傷するのみ。
 信条は『早さは強さ』。

 その攻撃的スタイルのせいかトップ率は高いが、反面レベル5の中ではラス率が高め。
 ナンバーセブンの削板に続く振り込み率、ラス率であることは正直少し気にしている。

 目つきや言葉遣いが非常に悪く、実際性格もかなり攻撃的だが、これでも実は良家のお嬢様。
 また、原作よりは大分丸くなっている。はず。
 大人びて見られることが多いが、その点は指摘しない方が賢明である。

 ちなみに今日の夕飯は石狩鍋だった。

能力
@レーザービーム
急所を鳴き、アガリへの最速を駆け抜けるその様はレーザーの如く。
気づけば飛んでいた……なんてことにも。

A和了崩し
圧倒的スピードで敵に和了を許さない。
また、そのスピードが敵に焦りを生み、
本来の打点よりも遥かに劣った状態での和了をさせられることになる。
術中に囚われた時には最も恐ろしい能力の一つかもしれない。

B死にがまるは
必要と感じた時はわが身を省みずに突っ張って行き、アガリを掠め取る。
失敗に終わることもあるが、いざという場面の見極めについては右に出るものはない。
結果としてラス率・振り込み率をあげているのもこの能力によるものだが、
その分トップ率はなかなかのものである。

C唯我独尊
コンビ打ちをしている時でも、全てを自分一人でこなそうとする。
相方に期待することは自分の和了の邪魔をしないことのみ。
フレンダから出あがった段階で、既に麦野は自分がアガり続けることを決心していたのだろう。

麦野 沈理/レベル5
対局数 30/10
順位率
予選中 予選前
1 70%  68%
2 10%   6%
3 7%  12%
4 13%  14%
223 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:54:26.22 ID:7gKfeSCYo

・フレンダ・セイヴェルン/レベル2
プロフィール/サークル『アイテム』所属。
 空気担当というより不憫担当となってしまった少女。
 まだ空気のがよかったかもしれない。
 なんだか上条さん達よりよっぽど弱いように思われるけども、そんなことはない。はず。
 サークル内でもわりと不憫な扱いだが、それもある意味では愛情表現なのかもしれない。

 トラップマスターを自称し、相手をだまし取るような戦法を好む。
 今回はその点がうまく発揮されなかったが、騙す力にかけては本物。
 ただ、どうにもトラップと打点やスピードなどとの折り合いが悪く、力を発揮しきれていない。

 妹とは現在同居中。そっちの出番がどうなるかは不明。

 今日の夕飯は鯖の味噌煮。結局、ご満悦ってわけよ。

能力
@トラップマスター(自称)
スジひっかけや地獄待ち、迷彩等々相手をひっかけるようなアガリを好む。
ただし、点数が安くなったりそもそもあがれなかったりすることも多い。

A不幸レベル2
あまり運がない。上条さんをレベル5とすると、レベル2。
妙に薄い相手のアタリ牌を引いてきたり、広い待ちでアガれないことが多い……気がする。

B麦野好き
麦野が近くにいると、共に卓を囲んでいるいないに関わらずやる気が増す。
ただひっかけが好きな性格上、やる気が出ることが必ずしもプラスに働くわけではない。


フレンダ・セイヴェルン/レベル2
対局数 20/10
順位率
予選中 予選前
1 30%  32%
2 25%  20%
3 20%  26%
4 25%  22%


224 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:55:00.37 ID:7gKfeSCYo
・結標 淡希/レベル4
プロフィール/サークル『グループ』所属。
 レベル5に最も近い人間の一人と呼ばれる。
 ただ彼女の使う技(イカサマ)のうまさから、最近は対局してくれる人間が減っている。
 やられる人間が悪いというのが学園都市のルールであるとはいえ、相手も人間。
 限度はあるということだろう。
 
 その点について自覚があるのか、最近ではほとんどそういった技は使わなくなった。
 今回は状況がかなり厳しかった上にサークルの名前を背負った対局だったために使ったが、
 果たしてそれがサークルの名前を上げる行為なのかは本人にしても少し疑問である。

 ちなみに他のサークルメンバーとはかなり仲がよく、一緒に遊びにいったりもしているようである。
 今日の夕飯は野菜たっぷりのパスタ。味も栄養も満足だった。

能力
@捨牌移動<ムーブポイント>
イカサマ。相手の河から牌を拾ったり置いたりする。
その華麗な手つきはサマを相手に気付かせず、まるきりテレポートでもしたように感じられるとか。
ただ、なぜか自分の河のコントロールは非常に苦手。
一説では一方通行と対局した際にトラウマを植えつけられたせいだと言われている。

A露出癖?
一部男性の気が散る。しょうがない。

Bサーチライト
これと決めた一名に対する集中力がスバ抜けて高い。
鳴かせない、振り込まない、等々……
今回は途中から麦野に焦点を当てていたが、ツモはどうしようもない。
照射!

C正太郎……
小さな男の子がいるとテンションが上がる。
ボーイッシュな女の子でもギリギリ行けるようである。
表にはあまり出していないため、周囲にはほとんどばれていない。


結標 淡希/レベル4
対局数 24/10
順位率
予選中 予選前
1 41%  44%
2 25%  32%
3 21%  12%
4 13%  12%



・海原 光貴/レベル4
プロフィール/サークル『グループ』所属。
 常盤台理事長の息子にしてレベル4の高位雀士。
 常に浮かべるニコニコとした笑顔は胡散臭いと評判である。
 麻雀の打ち方についてこれといって突出した点はないが、全ての能力が平均的に高い。
 一つ特筆するなら、結標曰くリーチでやけに裏ドラが乗るイメージがある、とのこと。
 それが何に由来するものなのかは現状では謎。
 ちなみに一方通行のことは気にいってるようである。

 土御門とはよく内密な話をしており、お互いにただならぬ繋がりがあることを伺わせる。
 しかし両者の目的が一致しているかというとそうではなく、お互いに独自の目的を持っているようである。

 夕飯はミートソーススパゲッティ。彼の中では定番。

能力
@ポーカーフェイス
常にニコニコとした表情を崩さず、その内心を相手に読ませない。
いい手が入ろうと悪い手が入ろうと、相手が表情からこちらの手を読むことは不可能だろう。

A御坂コンプレックス
御坂姉妹もしくは御坂美鈴が付近にいるとモチベーションが激増する。
反面、御坂一族に対して彼が勝利を収めることはおそらくない。


海原 光貴/レベル4
対局数 14/10
順位率
予選中 予選前
1 35%  34%
2 28%  48%
3 21%   6%
4 16%  12%
225 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 17:56:02.33 ID:7gKfeSCYo

・土御門 元春/レベル2
プロフィール/サークル『グループ』所属。
 レベル2の割には実質的に『グループ』のリーダー的ポジションに収まっている。
 海原同様、彼は彼なりに独自の目的を持って学園都市で生きており、
 その本来の実力は未知数だと考えるべきだろう。
 ちなみに本編で海原からもらったものはLO特装版(超プレミア、入手不可能)である。

 夕飯はピザ。しかし外れを引いたらしくあまりにも口にあわなかったため、
 海原のスパゲッティを横から掠め取ったりした。


・絹旗 最愛/レベル4
プロフィール/サークル『アイテム』所属。
 元々は今回の対局に参加する予定だったが、先日の垣根との対局以来、
 レベル4相当の力を失ってしまっている。その自覚もあるため今回は辞退した。
 一応本選に参加できる程度の成績を残してはいるものの、
 現状のままでは参加しても得るものはないと考えており、苦悩している。

 今日の夕飯ではマグロが超おいしかったそうである。


・滝壺 理后/レベル4
プロフィール/サークル『アイテム』所属。
 本来絹旗が参加できなかった場合は彼女が参加する予定だったが、
 ある事情から体調を崩し、不参加となる。
 正直なところそれほど今回の対局に意気ごみがあったわけではないので、
 万が一負けてもまあいいか、と思っていた。

 夕飯ではリクエスト通りホウボウを煮つけにして食べた。
226 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/23(金) 18:06:50.53 ID:7gKfeSCYo
終わりです

楽しんで頂けたら幸いですが、今回は少しクオリティ低目かもしれません……
散々待たせた挙句で申し訳ないですが……いやはや
フレンダの扱いはもうちょっと良くしてあげればよかったなあと反省

なお毎度のことですが、作中の理論を鵜呑みにしてアホみたいに負けても当方は責任持てません
1から10まで無茶苦茶言ってるつもりはさらさらないですが、あんまり信用しすぎないでくださいね


>>184
バレとる……と思ったのは本編を見ていただければ一目瞭然

ちなみに一番最初に考えた時はそれほどリアル麻雀一辺倒ではない予定だったので、
流れを読み鳴きを入れて相手に有効牌を入れさせない順番移動とかそういうものになる予定でした

黒子はイカサマさせないつもりなんですが、おそろしく地味になってしまって悩んでいる最中だったりします



次回の投下は……ちょっと考えますけど、もしかしたらアンケ取らないかもしれないですね
その時はその時、話が決まったらまたお知らせします

次回もご覧いただけたら幸いです、読了ありがとうございました
227 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 18:11:36.35 ID:VB48q4oc0
228 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 19:47:37.92 ID:sqZHKg4AO
乙なんだよ!
亜空間殺法を駆使するあわきんもそれはそれでかっこいい気はするな。

しかしLOで懐柔される暗部のリーダーって…。
229 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 19:48:58.80 ID:NZXiu7Kvo
乙です!
230 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 21:16:52.62 ID:/rqbR0EAO



>>228
だって暗部ちゃうし
サークルのニイチャンやし


アイテムの女の子4人組雀士とか咲を想起させられるが本格度でいえばこのSSの方が上だわな
231 : ◆DrjYTeJyCk [saga]:2011/12/28(水) 23:35:53.91 ID:EIbaynRWo
なんとも嬉しいお言葉、これからも精進します



さて、そんなわけで今回は予め伝えておいた通り、アンケなしで次話へと向かっていきます
お次はこちらです
まあ前回の安価のコピペですが……


『壊された『自分だけの雀風』!取り戻せ、雀士の誇り!』

【登場人物/絹旗・黒夜・一方通行・芳川】

垣根との一戦を経て、自信を完全に失った絹旗。
それに伴い絹旗の『自分だけの雀風』が崩壊していってしまい、目も当てられない状態に。
茫然自失とした中で、麦野の提案により再び『暗闇の五月計画』の関係者へとコンタクトを取る絹旗。
その結果、同じ計画の被験者の中で並んで優秀と称される黒夜海鳥も呼び、
一方通行との対局をすることになる。

研究者として同席する芳川も入れた四人での対局に臨む絹旗は、
果たして『自分だけの雀風』を取り戻すことができるのだろうか?



というわけで、今回は絹旗を中心にまた一方通行が出てくるお話です
一月上旬には投下できればいいなと思っていますが、さて……

次話も読んで頂ければ幸いです
それではまた!
232 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2011/12/28(水) 23:47:00.92 ID:EIbaynRWo
投下でもないのにageてしまった……お目汚し失礼しました

謝るためだけに連投するのもなんなので、折角だし次回予告でもおいていきます……




「ふざけンな、オマエが負けたのは自分の麻雀を信じなかったからだろォが。
自分のメンタル棚に上げて悲劇のヒロイン気取ってンじゃねェぞ」



「……そりゃ私だって、超悔しいですよ! やり返してやりたいですよ! でも……!」



「ひっはは、ひどい有様じゃねえの絹旗ちゃぁん? 私の方がよっぽど強いってことで決まっちゃうんじゃねえのこれ?」



「……いやほら、私ってば優しいんじゃなくて甘いから……これはアガっちゃってもしょうがないわよね」





「最強は依然としてこの俺だ。未元和了だかなンだか知らねェが……やるってンならぶっ潰すだけだ」




coming soon...

※内容は予告なく変更される場合がございます。ご了承ください。



というわけで、誤age大変失礼しました
233 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 00:42:13.41 ID:afiVAewDO
どんまい!
別に予告で上げてもいいと思うのぜ
楽しみに待ってるわー
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/24(火) 13:42:25.30 ID:M2zOkpBDO
追いついた 次回も楽しみにしている
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/22(水) 11:14:38.27 ID:QlCfv7Ml0
芳川さんの麻雀スタイルが気になる
黒夜はガン攻めっぽいけどどーだろ
236 : ◆DrjYTeJyCk [saga sage]:2012/02/22(水) 18:46:15.45 ID:625+3cn4o
月日の経つのは早いものです……
投下もしないまま、気づけば二月ももう終盤に。

本日はひとまず生存報告に来ました
これだけ投下が遅れているわけはちょっとネタ切れ気味であることと、
最近麻雀に触れてなくてモチベの維持がうまくいってないことによります。

ですがある程度このスレの大筋は見えていることもあって、しっかり終わらせるつもりです。
どうか見捨てずに付き合って頂けたら幸いです。

それでは今日はここで失礼します。
今度はそう遠くないうちに投下できるように努力致します。
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/20(火) 20:43:49.28 ID:cGGGZD6N0
まだかなー
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/03/25(日) 11:56:04.65 ID:xuFlI2YXo
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
  バン       バンバンバン゙ン バンバン
  バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
   _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
      \/___/ ̄

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