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淫魔「んふふ」 修道女「闇の気配がする……」 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 08:26:18.13 ID:MJKDne9Z0
VIPに11月4日から投稿した
男「あうぅ……手首切るの気持ちぃ……」 淫魔「……」
の続編です。 どうぞよろしく。
この作品にはけっこうなエロ表現と、グロ表現、歯の浮くような愛情表現があります。
これらの点にご注意のうえ、ご覧ください。
また、こちらを使わせていただくのは初めてなので、至らないことがあるかと思われます。
教えていただければ幸いです。
それでは、はじまり、はじまり……
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
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■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:08:31.92 ID:A9RjOWcxo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421311/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:07:56.06 ID:9l741hD4o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421275/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:07:18.78 ID:XCIH42NJo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421238/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:42.32 ID:sMr/Yf+to
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421202/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:05.72 ID:A9RjOWcxo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421165/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:05:29.13 ID:9l741hD4o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421128/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:04:47.30 ID:XCIH42NJo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421087/
■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:04:05.72 ID:sMr/Yf+to
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421045/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 08:35:08.62 ID:MJKDne9Zo
淫魔「皆さまおはようございます。 朝勃ちチューチュー 淫魔です。
今は作者の代理です。
とりあえずfirefoxでスレ立てて、あとはマカロンから投稿します。……どうなるんだろ。
さて、この物語には、かなりエッチな表現と、とても暴力的な表現が含まれています。
気をつけてね。んふふ。
書きためてありますが、手直ししつつ、ぼちぼち上げていくつもりです。
お楽しみいただけたら、幸いです。
それでは、はじまり、はじまり……
」
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 08:38:05.52 ID:MJKDne9Zo
修道女「闇の気配がする……」
山奥の細い道に、一人あるく影があった。
細身の少女だが、舗装されていない山道だというのに、足取りは軽い。
服装の主な部分は修道女だが、足下は丈夫な軍用ブーツを履いている。
持っているのはハンドバッグ一つだけ。
やがて修道女は、森の中にぽつんと建つ小さなログハウスに行き着いた。
このログハウスの前からは道幅が広く、ふもとから自動車が何とか登ってこれるようだ。
建物は小さいが、なかなかしっかりした作りで、キズは幾枚かある窓のうち、一枚が割れているくらい。
窓ガラスの割れ口は、それほど古くない。
胸元の大ぶりのロザリオを握りしめると、修道女はドアを開けた。
中には誰もいなかった。
床に散乱する工具を見るに、どうやら工房だったらしい。一角には休憩のためだろうか、畳が敷かれている。
小屋のなかも、柱は梁はまだ新しくきれいだったが、床や畳の至る所に、獣に引っかかれたような傷がついていた。
特に床の上の1カ所と、畳の上の2カ所がだいたい人間ほどの大きさに、木材や畳がむしられ、えぐれたようになっていた。まるでなにか液体をこぼし、それを板や畳ごとけずってえぐり取ったかのような傷だ。
修道女はハンドバッグから水の小瓶を取り出し、栓を抜くと、床のえぐれたところに一滴こぼした。
すると、ただ木材が削れているだけに見えた場所に、一瞬黒い炎のような揺らめきが生じ、すぐに消えた。
修道女「闇の気配がする……」
4 :
さっそく間違えた。レス2、1行目はこのテキストのタイトルです。
:2011/11/06(日) 08:42:07.12 ID:MJKDne9Zo
修道女は、床に散乱する工具を手に取ることなく眺め回し、畳の方へと向かった。
畳には二カ所、削られた傷の集中している部分があった。
その人ほどにむしられた二つのくぼみに挟まれ、まっさらな畳の上に、黒いシミが残されていた。
修道女「これは……血?」
先ほどの小瓶から同様に、畳の血の跡に水を一滴こぼすと、乾いていた血液が、畳の上にうるうると盛り上がった。
修道女「これほど深い闇の気配で、なぜ汚されていないのかしら?」
ハンドバッグからさらに羽ペンを取り出すと、修道女はインクのついていないペン先に血液を染みこませ、畳の上に置いた。
修道女「血よ、汝を記せ」
修道女が命じると、羽ペンはひとりでに立ち上がり、畳の表面に文字を書いた。
修道女「……幼馴染。それがあなたの名か」
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 08:43:40.35 ID:MJKDne9Zo
男の家 男の部屋 朝
淫魔「暇だ暇だヒマだー!」
男「うるせえ、テレビでも見てろ」
淫魔「なんで学校なんて行くのさ?」
男「勉強するためだよ」
淫魔「ぶーっ! 学歴社会かあ……ねえ男、ノーベル賞くらいなら全部門制覇できる学力をあげるから、遊んでよー」
男「いるかバカ……帰ってきたら付き合うから、おとなしくしてろよ?」
淫魔「はーい」
ピンポーン
男「やべ! もう幼馴染が来た! じゃあな!」
淫魔「まって、お見送りするよ」
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 08:45:11.55 ID:MJKDne9Zo
玄関
幼馴染「髪の毛良し、制服良し、お弁当良し……と」
ガチャ
男「おはよう、幼馴染」
幼馴染「おはよう男……淫魔さんも」
淫魔「やーやー」
幼馴染「来週から、うちの学校に来るんでしたっけ?」
淫魔「そうだよ、二人っきりの登下校は、今だけだから、存分に楽しんでおくように」
幼馴染「うぐ……男、早く行こ!」
淫魔「男、ちょっと待った」グイッ
男「うわ、なんだよ……んむっ……んちゅ……ぷあっ」
淫魔「ちゅ……ん……行ってらっしゃいのディープキス……ふふ、行ってらっしゃい」ノシ
バタン
男「……」
幼馴染「……」
男「……行こうか」
幼馴染「そうだね……ね、男」
男「どうかした……んわっ……ちゅ……んくっ……」
幼馴染「んふ……んくちゅ……ん……」
男「ん……ん……んんんんん!……んーっ!」
幼馴染「ん、くちゅ……ちゅる……んっ……」
幼馴染「……ふう、ごち!」
男「長いわ! ばか!」
幼馴染「ふふ、上書き完了……さ、行こう!」
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 08:48:54.80 ID:MJKDne9Zo
教室
男「なんか、ざわついてるな」
幼馴染「そうだねー」
男「お、友だ。おはよ」
友「おう。なあ、聞いたか?」
男「なにが?」
友「転校生だよ」
男「げ」
幼馴染「まさか……」
友「なんだよ、心当たりでもあるのか?」
男「いやいや、で? どんな転校生なんだ?」
友「それが、とびっきりの美人らしい。しかも外国人なんだって!」
幼馴染「へ……へーソウナンダ」
男「見たやつがいるのか?」
友「ああ今朝、金髪の美少女が、職員室にうちの担任と入っていくのを数人の生徒に目撃されている」
男「金髪?」ヒソッ
幼馴染「淫魔さんじゃないみたいね」ヒソッ
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 08:50:15.49 ID:MJKDne9Zo
HR
教室に入ってきた担任は、少し落ち着かない様子だった。何度かちらちらと、教室の入り口を確認していた。
担任「まず、HRを始める前に、今日は大事なお知らせがある。今日から新しくこのクラスでみんなと一緒に勉強することになる。入りなさい」
教室の戸を開けて入ってきたのは、噂に違わぬ美少女だった。
腰まで伸びた金色の髪、透き通るような白い肌、オリーブ色の瞳。
一歩一歩、軽快な足音を響かせて、黒板の前でこちらを向いた。
担任「名前を書いて、自己紹介を」
金髪の少女は、皆に一礼して黒板に向き直り、自分の名前を書いた。
修道女「修道女と申します。よろしくお願いします」
容姿は人形のような少女だというのに、その言葉遣いにも立ち振る舞いにも、どこか人を寄せ付けないところがあった。
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 08:54:45.81 ID:MJKDne9Zo
授業後
友「修道女さん、すげえなあ。英語はまあわかるけど、現国も数学も世界史も完璧だった」
男「というか、転校生に問題当てまくるうちの教師たちがめちゃくちゃだけどな」
幼馴染「でも修道女さん、かっこよかった」
友「まあなあ……ちょっと、住む世界が違うって感じ……」
男「幼馴染、今日の放課後は?」
幼馴染「ごめん、生徒会なんだ」
男「そっか、じゃあ待ってるわ」
友「けっ! 見せつけんじゃねーよ」
幼馴染「はっはっは、妬くな妬くな、友くん」
友「妬いてねーし!」
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 08:56:12.07 ID:MJKDne9Zo
放課後 教室
友「男ー、ヒマだよー」
男「んー」ペラ
友「本なんか読んでないでさ、あそぼーぜ」
男「……なんだか、お前が誰かに似てるような気がしてきた」ペラ
友「誰かって?」
男「ん? まあ、知り合いだよ」ペラ
友「むー……帰るわ」
男「そっか」
友「愛し合う二人を邪魔するのも悪いしな」
男「うっせ! 帰れ!」
友「じゃーなー」
男「おう」
ガララ
友が教室の戸に向かうと、戸が外から開かれた。
立っていたのは修道女だった。
修道女「あら」
友「あ、修道女さん」
修道女「少し聞きたいんだけど」
友「は、はい! 何でしょう」
修道女「幼馴染さん、もう帰った?」
男「いや? あいつ、生徒会なんだ」
修道女「生徒会……」
男「どうした? 幼馴染に何か用なのか?」
修道女「え、ええ……その、生徒会の方に聞きたいことがあって」
友「ああ、転校生だからな。なら、帰りついでに案内しますよ」
修道女「ありがとう……あら、男くん、だったかしら」
男「うん、なに?」
修道女「あなたも……」
男「え?」
修道女「……いいえ、なんでもないわ。さ、行きましょう」
友「それじゃ、案内します。じゃあな、男」
廊下
友「生徒会の部屋は結構近いんですよ、こっちです」
修道女「あの、友くん?」
友「はい、名前おぼえてくれたんですね! なんでしょうか」
修道女「あの、幼馴染さんと男くんって、どういう関係なの?」
友「ああ、あの二人ですか。なんでも小さい頃からのつきあいらしいですね」
修道女「へえ……恋人同士、なの?」
友「そんなところですね」
修道女「そう……それなら、やっぱり幼馴染の方に憑いているのかしら」ボソッ
友「ついてる? なにがです?」
修道女「いえ、何でもないわ」
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 09:16:07.97 ID:MJKDne9Zo
生徒会室
会長「幼馴染さん、そろそろ……」
幼馴染「はい、まかせてください」
会長「ごめんなさい、どうしても外せない用事なのよ」
幼馴染「気にしないでください。戸締まりもしっかりやっておきますから」
会長「ふふ、お願いね。お先に失礼します」
幼馴染「はい、お疲れさまです」
ガチャ……バタン
幼馴染「さて、ちゃっちゃと終わらせちゃいますか」
トントン
幼馴染「はーい、どうぞ?」
友「失礼します……ああ、幼馴染」
幼馴染「友くん、どうしたの?」
友「いや、俺じゃなくてさ……」
修道女「幼馴染さん、少しよろしいかしら」
幼馴染「あ、修道女さん。ええ、どうぞ」
友「じゃあな、幼馴染。生徒会の仕事、がんばれよ」
幼馴染「うん、ありがとう。じゃあね」
バタン
幼馴染「ええと、うちの学校はどう?」
修道女「……」
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 09:24:38.92 ID:MJKDne9Zo
幼馴染「あの、修道女さん?」
修道女「単刀直入に聞くわ。あなた、悪魔を飼ってるわね?」
幼馴染「え?」
修道女「隠してもダメ。あなたからは、あまりにも濃い闇の気配がする」
幼馴染「修道女さん、あなた……何者?」
修道女「あなたたちの敵、とだけ言っておくわ」
幼馴染「敵って……」
修道女「使い魔を出しなさい。それとも、魔性に乗っ取られているのかしら?」グイッ
幼馴染「痛っ!」
修道女「さあ!」
幼馴染「使い魔? 何のこと? 知らないよ、離して!」
修道女「あら? あなた、魔の近くにいるけど、契約している訳ではなさそうね」
修道女はバッグから大ぶりのロザリオを取り出した。
幼馴染「修道女さん、何を?」
修道女「あなたじゃなくて男くんの方だったのね。まあいいわ。あなた、魔性に心を歪められているの」
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 09:30:22.57 ID:MJKDne9Zo
幼馴染「心? 記憶……まさか、淫魔さんの言ってた……」
修道女「淫魔? それが悪魔の名前か。そう、記憶は、心は、神の与えたもう聖なる魂のもの。それを歪めるなんて、なんていう冒涜なのかしら」スラッ
十字架の下側になる長い柱は、細身の短剣になっていた。
素早い身のこなしで、修道女は幼馴染みの胸に短剣を突きつける。
幼馴染「ひ……やめ……おとこ……」
修道女「十字架よ、聖なる者に祝福を悪しき者に深き傷を」
ズンッ!
幼馴染の胸に、鈍く光る短剣が突き立てられた。
幼馴染「かはっ!」
修道女「怖がらなくていいわ。悪魔に消された記憶が、戻ってくるだけ」ナデナデ
修道女が短剣を引き抜くと、幼馴染はその場に崩れ落ちた。幼馴染の胸に刺さっていた短剣には一滴も血がついておらず、制服に、わずかに短剣の当たったくぼみが残っていた。
バッグから水の入った小瓶を取り出し、修道女は言った。
修道女「悪しき封印はほころびた。聖水よ、鎖をほどけ」
小瓶の栓を抜き、一滴、幼馴染の胸に水を垂らす。
すると幼馴染の身体を、まばゆい光が包み、やがて収まった。
修道女は幼馴染の肩を抱き起こした。
修道女「さあ、これで封印は解けた。何か思い出さない?」
幼馴染「え?……あ」
修道女「あら?」
幼馴染「いや……男、助けて……」
修道女「……あなた、大丈夫?」
幼馴染「来ないで! やめて! やだ、やだああああああ!」
修道女「ちっ……人が来るわね」
修道女は言い捨てると、生徒会室から出て行った。
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 09:32:26.76 ID:MJKDne9Zo
教室、男はひとり本を読んでいた。
修道女と友が出て行ってから少し経った頃、遠くから幼馴染の悲鳴が聞こえた。
男「幼馴染?」
幼馴染「……や……おとこ!……」
教室の扉を隔てても聞こえるその叫びに、男は駆けだした。
廊下に飛び出、生徒会室に急ぐ。
走るほどに、幼馴染の声は大きく聞こえた。
バンッ
男「幼馴染! どうした!」
生徒会室に飛び込んだ男は、ひとり床にへたり込む幼馴染の姿だった。
すぐさま駆け寄って、幼馴染みの肩を抱く。
幼馴染の細い肩はひどく震えていた。
幼馴染「あ……あう……おと……こ」
幼馴染は涙を流し、目はうつろ、身体は細かく恐怖に震え、失禁が制服のスカートを濡らしていた。
男「あ……どうした幼馴染、何があったんだ」
幼馴染「わかんない……わかんないの」
男「なにが?」
幼馴染「男、わたしの初めて……男にあげたんだよね?」
男「っ!」
幼馴染「ねえ、男、答えてよ。なんかヘンなの……うぐっ!」
幼馴染の顔が殴られたようにのけぞる。
男はとっさに手を回し、抱き起こすと、幼馴染の頬にはひどい痣がついていた。
幼馴染「ねえ、この人たち、だれ? なんでこんなことするの?」
幼馴染の制服が、ひとりでに、ぼろぼろになって破れ落ちていく。
全裸になった幼馴染の白い肌には、まるでひどく掴まれたかのような指の形の痣が走る。
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 09:35:56.05 ID:MJKDne9Zo
男「なんだ、なんだよこれ!」
幼馴染「やめて……やめてよ、そこはダメなの! それは男のために……ぎゃああああああああ!」
全裸になった幼馴染は叫びを上げ、背中が折れるほどにのけぞる。
丸くうがたれた秘部から血が噴き出し、床を汚した。
幼馴染「やだ、男! 助け……たすけてええええ!」
男「幼馴染、幼馴染!」
幼馴染「ひ、だめ……そこは……ぐううぅ!」
肛門も何かを突き立てられたかのように丸く開き、膣と同じく血を吹き出した。
男「なんだこれ、魔法……か? でも、淫魔がこんなこと、するのか?」
我に返った男は携帯をとりだし、自宅を呼び出した。
プルルル プルルル……
男「くそ……早く出てくれ」
淫魔「はい、どちらさまですか?」
男「淫魔か? おれだ! 男だよ」
淫魔「ああ、男? どったの?」
男「今学校にいるんだけど、幼馴染の様子がヘンなんだよ!」
淫魔「ヘンって……」
電話の向こうで淫魔が怪訝そうな言葉を発したとき、幼馴染がまたも悲鳴を上げた。
男「淫魔、今の聞こえたか?」
淫魔「うん、とにかくすぐ行くから。学校のどこにいるの?」
男「生徒会室だ! 早く!」
返事をせずに、淫魔は電話を切った。
ともかくコレで、淫魔が応援に来る。男は震える幼馴染の身体を引き寄せた。
幼馴染の秘部からは、何かに押し出されるようにぶじゅぶじゅと液体が吹き出ていた。
しかしそれは、男と交わるときの蜜ではなく、純粋な鮮血だった。
男は幼馴染の秘部に手を添えたが、丸く開いた穴が閉じることはなく、ただ、血液が手を濡らすだけだった。
肩を抱き、呼びかけるくらいしか、男にできることはなかった。
最愛の相手が自分の胸の中で、見えない何者かに傷つけられ、汚され、陵辱されているというのに、男にできることは何もなかった。
男「幼馴染、幼馴染……!」
男は幾度も恋人の名前を呼んだが、もはや幼馴染は人形のように脱力し、声すら出すことはなかった。
16 :
淫魔「エロ注意、んふふ」
:2011/11/06(日) 09:52:40.89 ID:MJKDne9Zo
ガッシャアアアン!
生徒会室の窓を、外から何かが突き破り、飛び込んできた。
黒い翼を纏った黒い影は、窓と反対側の壁にぶち当たり、止まった。
淫魔「いてててて、ちょっと無理しちゃったか」
男「遅いよバカ!」
淫魔「なにさ、これでも全速力で……なんて言ってる場合じゃない」
埃を払いながら、二人の横にひざまずくと、淫魔は幼馴染に問いかけた。
淫魔「幼馴染、わたしだよ、わかる?」
しかし、幼馴染は反応しない。
淫魔は幼馴染の身体を見渡した。
淫魔「なるほどね……そういうことか。男、ちょっと幼馴染をこっちに」
淫魔は幼馴染の身体を受け取ると、痣だらけの身体を、血を流す秘部を、優しくなで上げた。
幼馴染「あ……う……」
淫魔「大丈夫だよ幼馴染。怖いことも、痛いことも、みーんなウソ」
幼馴染はうつろな目をしたままだが、しかし先ほどとは違う、みだらな声を上げ始めていた。
淫魔「幼馴染、ほら、ここどう? ……ふふ」
幼馴染「ん……おと……こ……んうっ」
淫魔「独りよがりで、攻撃的で……なんてひどい術……」
幼馴染「あ……」
淫魔の舌が胸に伸び、乳房にキスをすると幼馴染の身体が跳ね上がった。
淫魔「怖くない、痛くない、つらくない。甘くて、幸せで、気持ちいい……ほらっ」
幼馴染「ひゃう……くうぅ」
淫魔のくちびるは、乳房のあいだ、胸の中央へといたり、まるで秘裂から蜜を吸うかのように、何かを吸い出した。
幼馴染「ひあっ?」
淫魔「んふふ。ほら、ぜんぶ出しちゃえっ!」
淫魔は幼馴染のを抱え込み、手を秘裂と肛門に伸ばして、胸の中央を思い切り吸い上げた。
幼馴染「ひっ……いあっ……んあああああああっ!」プシッ
淫魔「んっ! んんんっ……ちゅるるる」
幼馴染の股間から蜜が吹き出し、淫魔は胸の傷口から何かをすすりだした。
絶頂に達してなお、淫魔の責めは止まらなかった。
淫魔「ちゅる……ちゅ……んふ……もっと……イっちゃえ!」
幼馴染「ひあっ……あ……あああああっ!」
幼馴染のしたたらせる蜜は、すでに床に水たまりを作り、淫魔の服をぐっしょりと濡らしている。淫魔は相変わらず胸から何かを吸いながら、幼馴染の股間をかき混ぜ続けた。
淫魔「んふふ、気持ちよくなっちゃったね、幼馴染……ちゅ」
幼馴染「あ……ふあ……えへへ……おとこ……」カクン
幼馴染の身体が脱力すると、淫魔はそのまま床に幼馴染を寝かせた。
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 09:57:28.53 ID:MJKDne9Zo
男「おい、淫魔……」
男の呼びかけに、口に何かをたっぷり含んだままの淫魔は無言で手招きした。
口の中の液体を、少しだけ残して飲み込み、淫魔は言った。
淫魔「んくっ……うん、すこしだけ、あげる」
モグモグと口の中の液体を噛み、淫魔は手を引くと、幼馴染の胸から吸い出した液体を自分の唾液と混ぜて、男に口移した。
男「んうっ!」
男が感じたのは、まず、淫魔の唾液の甘さ。
そして、舌を切り刻まれたかのような、痛みにもにた苦みと辛さだった。
はき出しそうになる男に、淫魔は言った。
淫魔「すこしだけだから、大丈夫。飲み込んで?」
しかし生物としての本能が、それを飲み込むことを拒んだ。
男「う……」
淫魔「飲んで。好きな人のなら、嫌じゃないでしょ?」
男「う、むぐっ……ごくん」
意を決して飲み込むと、熱くて辛い、苦い液体が、食道を下がっていくのがわかった。
液体が胃につきささるように広がると、男の脳裏にイメージが広がった。
暗い夜道 三人の暴漢 自動車の中 山の中の小屋
埃 月明かり 散らばる工具 木のにおい 畳 暴漢たちの嫌な臭い
叩きつぶされるコウモリ
殴られる痛み 秘部が裂ける痛み 肛門が裂ける痛み
助けに来る淫魔
いや 淫魔は来なかった
誰も助けになんて来なかった
夜が明けるまでなぶり者にされ 遠くにつれさられ
さらに何人ものケダモノに身体を汚され 傷つけられ
犯され 壊され いたぶられ そして
殺された
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 10:01:44.53 ID:MJKDne9Zo
男「んぐうっ!」
淫魔「……」
男「なんだよこれ!」
淫魔「これは、可能性」
男「可能性?」
淫魔「わたしがあの晩、幼馴染を助けに行かなかった時の、あり得べき未来」
淫魔「幼馴染にかけられた術は、とっても強力なもの。わたしの記憶への術を打ち消した上で、もっともあり得たであろう現在までの記憶と身体を再構築する」
男「なんだよそれ、何の意味があって?」
淫魔「誰かがわたしを殺そうとしてる。わたしを殺した上で、周りの環境に矛盾が出ないように、現世への影響が最小限になるように、術を使ってる」
淫魔が指を鳴らすと、幼馴染の身体の傷が消えた。破れた服も元に戻り、安らかな寝息を立て始める。
淫魔「普通なら、こんな影響は出ないの。せいぜい記憶が書き換わるくらい。でも、術を施したのが幼馴染だったのがまずかった。ひどい奴らも居たもんだ。まさか死ぬまで乱暴するなんてね」
男「じゃあ幼馴染はおれの見てる前で……」
淫魔「そう、見てる前で、何人ものケダモノに犯された。そういう記憶を体験していたの」
男「ぐ……おれは……何もできなかった」
淫魔「そんなことないよ。よーく、記憶を味わってみ? どんな乱暴受けてるときも、どんなにひどいことされてるときも、幼馴染の心には、いつも男の姿が、声があった。今も男、必死で呼びかけてたでしょ?」
男「そんなこと、意味ないだろ?」
淫魔「意味はあったよ。最後まで、幼馴染ちゃんの心は砕けていなかった。壊れてはいたけど、心の一番奥の、大切なところは無事だった。もしそこが壊されてたら、幼馴染はここでも死んでた。男が幼馴染を守ったんだよ」
男「……この、暴漢どもが、幼馴染をやったのか?」
淫魔「んー、最初の3人は、もう現世には居ないからねえ」
男「え?」
淫魔「わたしが罰した。それに、最初の3人以外の暴漢たちは本当は幼馴染に手を触れてさえいない」
男は押し黙り、握り拳を固める。
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 10:05:01.29 ID:MJKDne9Zo
淫魔「男、その怒り、向ける相手が違う」
男「え?」
淫魔「たしかに幼馴染はひどいことされたけど、いま本当にひどいのはこの術をかけたヤツだよ」
パチンと淫魔の指が鳴ると、幼馴染の身体中にあった痣や秘部からの出血が止まり、元通りの制服が着せられた。部屋に飛び散った幼馴染の血と体液も清められた。
淫魔「封じられた記憶を確かめもせず、単に自分の信念とずれるからって、むりやり封印を解いてる。なんて自分勝手で、強引な術だろうね……男、心当たりはない?」
男「いや……ここに来たときは幼馴染だけだった」
淫魔「だれか、ここから逃げていったりしなかった?」
男「いや、見ていない……でも、幼馴染がこうなるすぐ前に、生徒会室には友と修道女が来たはずなんだけど」
淫魔「友……男がたまに話すあいつか……違うな。修道女っていうのは?」
男「転校生だよ。外国から来たらしい」
淫魔「そうか……たぶん、そいつだ」
男「え?」
淫魔「男、家からここまで、わたしが全速力で飛んだのに、妙に遅かったよね?」
男「あ、ああ」
淫魔「この学校全体に、人払いの結界が張られてる。出るのは自由だけど、敷地内に入ることができない、すっごく強力なやつがね」
男「結界……魔法か?」
淫魔「そう、だから、今学校にはわたしたちしか居ない。これは……罠だね」
男「罠?」
淫魔「即席で組んだには、よくできてる。幼馴染ちゃんの以上を察し、わたしに助けを呼ぶと踏んだ上で、短時間でこの学校を狩り場に仕立て上げた。術のほころびもない。かなり戦い慣れたヤツだよ」
男「どうする? 逃げるのか?」
20 :
淫魔「レス19、最後のわたしのセリフ、誤字脱字が多いから書き直すよ。ごめんねえ」
:2011/11/06(日) 10:14:52.76 ID:MJKDne9Zo
淫魔「即席で組んだにしては、よくできてる。幼馴染ちゃんの異常を察し、わたしに助けを求めると踏んだ上で、短時間でこの学校を狩り場に仕立て上げた。術のほころびもない。かなり戦い慣れたヤツだよ」
男「どうする? 逃げるのか?」
淫魔「いや、ここで迎え撃つ」
男「どうして?」
淫魔「人が居ないから戦いやすい。それに、もしここで逃げたら、この先いつ襲撃されるかわからない」
男「……わかった、俺もやる。幼馴染にこんなことするなんて、許せない」
淫魔「いい心がけだけど、ダメ」
男「なんで?」
淫魔「男はここに残って。幼馴染を守るの」
淫魔が宙に手を振ると、禍々しいこしらえの、黒いの両刃の長剣が握られていた。黒い刀身をつかみなおし、男に柄を差し出す。
淫魔「武器は貸す。でも、もしこの剣が消え去ったら、幼馴染を連れてここを離れて。電車でもバスでも、タクシーでもいい。どこか一つの方向に、まっすぐ、できるだけ速く逃げるの」
男「わかった。でも、淫魔の力なら……」
淫魔「もちろん、わたしだって負ける気なんかない。でも、相手の力もわからない。もしものためだよ」
男「……」
男は無言でうなずくと、淫魔から長剣を受け取った。
淫魔「しっかり守るんだよ」
男「ああ」
男は眠る幼馴染を抱き寄せた。
男「負けるなよ」
淫魔「まかせといて……んふふ」
淫魔はひとり、生徒会室から出て行った。
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 10:19:05.54 ID:MJKDne9Zo
夕日は傾き、校舎は赤く染まっていた。
校内に人の気配はなく、静かな廊下に足音を響かせて、淫魔は一人歩いていた。
ふと、足を止めた。
赤く染まった廊下の先に、人影があった。
修道服に、軍用のブーツ。緩やかにウェーブした肩までの金髪が、夕日を受けて桃色に輝く。
淫魔「ひどいやつ。幼馴染の術を壊したのはおまえだね?」
静まりかえった校舎の空気に、淫魔の声が吸い込まれる。
遠く離れた廊下の向こうから、押し[
ピーーー
]ような笑いが返ってきた。
淫魔「何がおかしい」
修道女「ひどい? どの口でそれを言う? 悪魔め」
淫魔「んー、さすがのわたしも、下の口ではしゃべれないなあ」
修道女「ふん、たわけたことを」
にやけた口がつり上がり、修道女の顔は狂気にゆがんでいた。
修道女「まあいいです。どうせすぐに、無駄口もたたけなくなりますから」
修道女が壁に手を当てると、壁に現れた白く輝く魔方陣の連なりが、波となって淫魔に襲いかかった。
瞬時に淫魔の立つ床を魔方陣が取り囲み、淫魔の足を、靴ごと床に締め付ける。
淫魔「魔方陣による束縛術か、なかなかやるね」
特に動揺することなく、淫魔は床に現れた魔方陣を眺めた。
修道女「そんな余裕、すぐに取り去ってあげます」
修道女は十字架の短剣を取り出すと、淫魔に向かって歩き始めた。
淫魔「うわー、聖十字架の銀ナイフかあ、さすがにそれは痛そうだねえ」
緊張感のない声で淫魔は言うと、手を空中に振りかざし、宙から身の丈に迫る曲刀を取り出した。
黒と緑の禍々しい刀身は、夕日の中ですら赤みを帯びていない。
曲刀で淫魔が足下を一閃すると、白く輝いていた魔方陣は、薄氷のように砕けて消えた。
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/06(日) 10:47:20.15 ID:oCEUJ84po
前スレ何レスまでいった?
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(千葉県)
[sage]:2011/11/06(日) 10:55:31.55 ID:dCydCfduo
おお始まってたか
wktk
24 :
言葉狩り
:2011/11/06(日) 11:09:10.59 ID:MJKDne9Zo
インターミッション
淫魔「前スレは493レス の保守が最後、です。たぶん……さてと」
淫魔「んー」
男「お、どうしたんだ? 淫魔」
淫魔「殺してやる!」
男「な、なに!?」
淫魔「[
ピーーー
] 殺せば [
ピーーー
]とき 押し殺した笑い 殺し文句 殺しのライセンス 殺しの作法 半殺しのあんこ 殺し屋さん 誰が殺したクックロビン 京都三条糸屋の娘姉は18妹15諸国大名弓矢で[
ピーーー
]糸屋の娘は目で[
ピーーー
]」
男「お、おい、何わけわかんないこと言って……」
淫魔「切る 斬る 刺す 突き刺す 貫く 抉る えぐり取る 叩く 壊す ぶち壊す たたき壊す リンチ ミンチ 強姦 暴行 暴力 暴力的な表現」
男「……?」
淫魔「おちんちん おちんこ チンコ チンポ マラ リンガ 男根 男性器 ペニス 怒張 剣 男性自身 尿道口 亀頭 カリ 包皮 包茎 ズル剥け サオ 睾丸 たまたま 玉袋 陰毛 ちぢれ毛 精液 スペルマ お情け 御落胤 樹液 白濁液 男汁 チンポ汁 チンコ汁 思いの丈 射精 発射 膣内射精 中だし 中出し 中田氏」
男「……」
淫魔「おまんこ まんこ マンコ おめこ ヨニ 女陰 女性器 ワギナ ヴァギナ ワレメ メコスジ 宝箱 観音様 女性自身 秘部 秘裂 乙女の花園 大陰唇 小陰唇 クリトリス 尿道口 膣 襞 処女膜 処女膣 子宮口 子宮 愛液 蜜 濡れる したたり 本気汁 粘液 恥ずかしい汁 恥ずかしい水たまり シミ」
男「おい……」
淫魔「性交 セックス 性行為 情事 交接 情交 ファック 交わり 色事 秘め事 房事 目合ひ 同衾する おめこする 触れ合い 寝る 抱く 結ばれる つながり 交尾 子作り 合体 一発 過ちを犯す 一夏の恋」
男「おい、淫魔」
淫魔「接吻 キス ディープキス ベーゼ 唾液の交換 愛撫 ペッティング 手マン 手扱き 手コキ フェラチオ クンニリングス シックスナイン イラマチオ アヌス 尻穴 ケツマンコ オスマンコ アナルセックス オルガスムス おっぱい バスト 胸 乳首 ちくび 絶頂 イク イく アクメ 性感 感じる 快感 快楽」
男「えっと、なに言ってんだ、淫魔」
淫魔「……ん? なんかレス21の修道女の笑いに関する描写「お・し・こ・ろ・し・た・わ・ら・い」が、伏せ字食らってたから、あれ、意外な言葉が伏せられるなと、どんなのがやばいのかなと、ちょっとチェック。レス17の最後が大丈夫だったから、こう言うのあると思わなかったんだよ……うん」
男「え、このレス自体がやばくないか?」
淫魔「うーん……悪いけど、このレスは見逃してくれないかなあ……これから伏せ字を出さないための辞書みたいなものでしょ? 探しても、伏せ字一覧とかなかったし、できるだけ、物語の中に誤字脱字、それに伏せ字はなくしたいじゃない。冷めちゃうもん」
男「いや、それはわかるが……」
淫魔「交尾してるときに、水ぶっかけられた野良犬や野良猫の気分になるからね。そのためのチェック! お願い、運営してる人、見逃して! これも創作に関わることなの!……よし」
男「何がよしだ?」
淫魔「ん? ……んふふ、えっちな言葉言ってたら、濡れちゃった……ね? しよ?」
くぱあ
男「……」がばっ!
淫魔「きゃああん! ん……あっ……」
つづかない。
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 11:22:18.51 ID:MJKDne9Zo
インターミッション
つづいてしまった。
ぬんぬんぬん
淫魔「んああ! おとこ……ちょ、ちょっとまってえ!」
男「な、なんだよ誘っておいて……」
ぬぽん
淫魔「ん……はあ……あう……あ、垂れて……んふ。 ね、上見て。ほとんど伏せ字じゃないや」
男「あ、ホントだ」
淫魔「んう、もっと、MTVのラップ集団特集みたいになると思ったのにな」
男「ああ、伏せ字だらけの[
ピーーー
]だらけになると思ったと」
淫魔「そうそう、だから、男はわたしが何言ってるかわかんない設定だったのに……まあいいや、けっこう安心して書けるね。つまんないチェックに付き合わせて、ごめんなさい。本編に戻ります……ね、男、また入れて?」
男「ん……」
ヌヌヌッ
淫魔「く……はあ、さっきより……おおき……なんで?」
男「あんなにやらしい言葉、おまえの声で聞かされて、おあずけまで食らったからな、ちょっと本気でいくぞ!」
グングングン!
淫魔「や! はげしい! あんっ……あああっ……」
つづかない。
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 11:25:27.88 ID:MJKDne9Zo
淫魔「ま、このくらいはできなくちゃねえ」
修道女「そうでしょうね。予想はしていました……」
こちらへ向かってくる修道女へと、淫魔も歩き始める。
お互いに歩みを止めず、少女二人は長い廊下の中央で向き合った。
淫魔「今ならまだ、許してあげるけど?」
修道女「逃がしません」
修道女の短剣が一閃、淫魔の胸めがけて突かれた。
淫魔は刀身で短剣を跳ね上げ、一歩後ろに飛びながら、曲刀を唐竹に打ち落とす。
曲刀が修道女の脳天をかち割る刹那、修道女は曲刀の側面を拳でたたき、太刀筋をずらして離脱。
肩まで上げていた短剣を、横凪に一閃し、それを避けようと淫魔がさらに後退するのを見て、さらに身体を回し、後ろ回し蹴りを淫魔の腹部にたたき込んだ。
淫魔「んぐっ!」
淫魔は廊下の壁にたたき付けられ、そこに腰だめに構えた短剣を突き立てようと、修道女が突進する。
曲刀を大きく降った反動で、淫魔は壁から飛ぶように離れ、修道女から十分間合いをとって止まった。
淫魔「いてて、けっこうやるね」
修道女「ええ、次で仕留めます」
にこりと笑い、修道女は短剣を構えた。
淫魔「このままじゃ、ちょっと勝てないなあ」
修道女「堪忍して首を差し出すなら、ひと思いに殺してあげますよ?」
淫魔「うーん、人間は嘘つきだからね。そんなこと言って、思いっきりいたぶられるかもしれないし……しかたない。ここは……」
淫魔が宙に手を振ると、同じ形の曲刀が、さらにもう一本現れた。
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 11:32:21.07 ID:MJKDne9Zo
二刀流に構え、淫魔は相手を見据える。
淫魔「ちょっと、本気出しちゃおう」
修道女「ふん! 刀が何本に増えようと同じ事!」
修道女の短剣が、淫魔ののど元めがけて突かれるが、淫魔は左の曲刀で払いのけ、右の曲刀で修道女の胴を横凪にはらう。
曲刀の横凪をしゃがんでかわし、淫魔の無防備な足に、軍用ブーツで足払いをかける。
淫魔は足払いを飛び上がってかわし、修道女は勝利を確信して笑みを浮かべた。
淫魔は無防備に空中に飛び上がり、体勢を変えることができない。
曲刀は修道女の身体の遙か上空に飛び上がっており、もはや間に合わない。
修道女の十字架の短剣が一直線に淫魔の腹部へと伸びる。
しかし、淫魔の動きは、人や下級魔族のそれとは明らかに異なっていた。
身の丈ほどもある曲刀は、慣性を完全に無視した軌道を描き、修道女の短剣を持つ腕が伸びきる前に、急降下。
修道女はかろうじて受け止めたが、落下してきたばかりの2枚の薄刃が一瞬後には左右からハサミのように迫る。一歩、修道女が引くと、淫魔は曲刀を持ったまま、くるくると、まるで竜巻のように回り始めた。
淫魔「ほらほら、いくぞーっ!」
修道女「くっ!」
修道女は大きく間合いを開け、床に手を当て叫んだ。
修道女「放て! バリスタ!」
手のひらの当たった床から、白く輝く魔方陣が樹木のように連なって伸び、伏せた修道女の後方から、幾百本もの戦車砲のような飛び槍が、水平に打ち出された。
廊下の中央で竜巻のように回る淫魔に、狙い澄まして槍は飛んでいったが、超高速で回る二本の曲刀にことごとくはじかれた。
修道女「く……だめか」
淫魔「んふふ……おしーい。でもいいね、その武器。わたしもー」
ぴたりと回転をやめた淫魔が息を大きく吸い込むと、淫魔の背中から、カラスのような真っ黒な翼が伸びた、しかし学校の廊下は、淫魔の羽を広げるにはあまりにも狭い。
淫魔「あー、もう邪魔ぁ」
淫魔は黒い翼を羽ばたき、伸ばした。
すさまじい翼の力に、淫魔の背中側、鉄筋コンクリートの校舎が、翼の動いた部分だけ、粉々になって吹き飛ぶ。
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 11:33:06.19 ID:MJKDne9Zo
二刀流に構え、淫魔は相手を見据える。
淫魔「ちょっと、本気出しちゃおう」
修道女「ふん! 刀が何本に増えようと同じ事!」
修道女の短剣が、淫魔ののど元めがけて突かれるが、淫魔は左の曲刀で払いのけ、右の曲刀で修道女の胴を横凪にはらう。
曲刀の横凪をしゃがんでかわし、淫魔の無防備な足に、軍用ブーツで足払いをかける。
淫魔は足払いを飛び上がってかわし、修道女は勝利を確信して笑みを浮かべた。
淫魔は無防備に空中に飛び上がり、体勢を変えることができない。
曲刀は修道女の身体の遙か上空に飛び上がっており、もはや間に合わない。
修道女の十字架の短剣が一直線に淫魔の腹部へと伸びる。
しかし、淫魔の動きは、人や下級魔族のそれとは明らかに異なっていた。
身の丈ほどもある曲刀は、慣性を完全に無視した軌道を描き、修道女の短剣を持つ腕が伸びきる前に、急降下。
修道女はかろうじて受け止めたが、落下してきたばかりの2枚の薄刃が一瞬後には左右からハサミのように迫る。一歩、修道女が引くと、淫魔は曲刀を持ったまま、くるくると、まるで竜巻のように回り始めた。
淫魔「ほらほら、いくぞーっ!」
修道女「くっ!」
修道女は大きく間合いを開け、床に手を当て叫んだ。
修道女「放て! バリスタ!」
手のひらの当たった床から、白く輝く魔方陣が樹木のように連なって伸び、伏せた修道女の後方から、幾百本もの戦車砲のような飛び槍が、水平に打ち出された。
廊下の中央で竜巻のように回る淫魔に、狙い澄まして槍は飛んでいったが、超高速で回る二本の曲刀にことごとくはじかれた。
修道女「く……だめか」
淫魔「んふふ……おしーい。でもいいね、その武器。わたしもー」
ぴたりと回転をやめた淫魔が息を大きく吸い込むと、淫魔の背中から、カラスのような真っ黒な翼が伸びた、しかし学校の廊下は、淫魔の羽を広げるにはあまりにも狭い。
淫魔「あー、もう邪魔ぁ」
淫魔は黒い翼を羽ばたき、伸ばした。
すさまじい翼の力に、淫魔の背中側、鉄筋コンクリートの校舎が、翼の動いた部分だけ、粉々になって吹き飛ぶ。
29 :
淫魔「ん、二重投稿、ごめんね。んふふ」
:2011/11/06(日) 11:37:12.16 ID:MJKDne9Zo
修道女「な……」
淫魔「ふふふ、飛び道具なら……」
ぞわりと黒い翼の羽が逆立ち
淫魔「負けないよっ!」
幾万もの黒い羽が一斉に打ち出された。
修道女「ぐうっ!」
修道女が正面に手をかざすと空中に輝く魔方陣が浮き上がり飛んでくる黒い羽を受け流した。
黒い羽の濁流が通り過ぎ、修道女はかろうじて無傷で立っていたが、服の端は裂け、何より魔方陣でカバーされていなかった廊下や、修道女の後ろのコンクリートの壁は、カミソリで気まぐれに刻んだかのように、ズタズタになっていた。
大量の羽は、すでにどこかに消え、また打ち出したはずの淫魔の黒い翼は、羽の減った気配もなかった。
淫魔「もういっちょ、いくよっ!」
ふたたび、ぞわりと黒い羽が逆立つのを見て、修道女は廊下の後ろ駆けだした。
修道女はかろうじて廊下を曲がった直後、淫魔の羽の第2波が、いままで修道女のいた廊下を切り刻んでいた。
修道女「くっ」
修道女は、廊下をさらに駆け出した。
淫魔「んふ、待て待てー!」
淫魔は羽をばたつかせ、廊下の構造物を破壊しながら、修道女を追う。
廊下は所々に罠が仕掛けられ、飛槍や束縛の魔方陣が立て続けに襲ったが、淫魔はそれらすべてを粉砕し、歩みの速度は緩まなかった。
時折、廊下の向こうで逃げていく足音が響く。
淫魔「淫魔さんこちら、足音のする方へ……んふふ」
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 11:43:46.19 ID:MJKDne9Zo
修道女の逃げ込んだのは、体育館だった。
コートの中央で振り返ると、金属製の扉を枠ごとぶち壊し、淫魔が入ってきた。
淫魔「ふふふ、追い詰めた」
体育館の広い空間、すべてを切り刻む淫魔の羽の濁流から逃れる場所はない。
もし走り出しても遮蔽物に到達するより先に、淫魔の羽が修道女を挽肉にしてしまうだろう。
鼻をひくつかせ、舌でくちびるをぺろりとなめ、淫魔はにやけた。
淫魔「あなた、何歳?」
修道女「っ!」
修道女は十字架の短剣を向けて身構えた。
淫魔の持つ身の丈ほどの禍々しい曲刀と比べると、その銀の十字架はあまりにも小さく、非力だった。
淫魔「ふーん。でも、ちゃあんと処女なんだぁ……ふふ、美味しそう」
修道女の黒いスカート、下腹部をじろじろ見ながら、淫魔は舌なめずりする。
修道女「……下劣な」
淫魔「わかるよね? 今からあなたが……どうなっちゃうのか、どんなことされちゃうのか……」
淫魔「悪魔にケンカを売ったんだもん。それ相応の覚悟はできてるよねえ?」
修道女「寄るな! 汚らわしい!」
修道女は体育館の端まで、視線を淫魔からずらすことなく後退する。
淫魔はコートの中央まですこしずつ歩いて行った。
淫魔「じゃあ、あなたはきれいなの?」
修道女「くっ!」
淫魔「こんなに戦ったのは久しぶりなの。身体がほてっちゃって、たまんないの……ねぇ、しようよ。いいじゃない、女の子同士なんだからぁ……」
淫魔は服の上から自分の胸を、股間をなでさする。
修道女「く……この……」
修道女の短剣を持つ手は震え、膝にもガクガクと力が入らない。
淫魔「服、もう、いらないよね?」
体育館の中央で、淫魔の真っ黒な翼がいっぱいに広がった。
淫魔「その服、切り刻んであげる。動かない方がいいよ。わたしの羽、よく切れるから」
修道女「やめ……」
修道女はその場にひざまずいた。
淫魔「ふふ、だーめ!」
淫魔の黒い羽がぞわりと逆立ち、修道女が叫んだ。
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 11:47:48.88 ID:MJKDne9Zo
修道女「絡み捕らえよ! カスミアミ!」
体育館中の壁が一斉に白く輝き、無数の細い糸が、蜘蛛の巣のように一瞬で張り巡らされ、淫魔の翼を、手足を絡め取っていた。
淫魔「!」
細い糸は羽の一枚一枚にまで何本も絡みつき、淫魔の手足は指の一本さえ満足に動かせない。
意思を持つように蠕動する白い糸の束が、淫魔の手から曲刀を絡め取り、遠ざけていった。
淫魔「え……うそ……なにこれ」
修道女「さすがに……これは抜けられないようですね」
その場に立ち上がり、修道女は白く輝く糸で埋め尽くされた体育館を見渡した。
修道女「わたしの最終手段です。これを破られたら、さすがにどうすることもできませんでしたけど……」
淫魔「く……」
修道女「動けませんよね? それ。煙になるのも、姿を変えるのも無理ですよ。そういう術ですから」
淫魔「こんなの……わたし……知らない」
修道女「でしょうね。古今東西の秘術を組み合わせた、わたしのオリジナルです」
淫魔「んぐぐぐっ! ぐっ!」
修道女「ふふ、単なる丈夫な糸なら、あなたの力で体育館の壁ごと壊せるでしょうね。でも無理です。そういう術ですから」
淫魔「く……ふう」
修道女「あら? 抵抗しないの?」
淫魔「うーん、無理みたいだね。無駄な抵抗はしない主義なの。ね、見逃してよ」
修道女「この状況で? 退魔師に捕らわれた悪魔が、されることなんて一つでしょ?」
淫魔「え……優しくしてね?」
修道女「っ! ……まったく、どこまで下劣なの」
淫魔「ええと、ほらっ、使い魔にするとか……ね? わたし、これでも結構働き者だよ?」
修道女「わかるでしょ? おまえはこれから死ぬの。闇より来たものを、闇に還す。手加減はしない」
修道女が手を振ると、淫魔の身体に絡みついている糸がひとりでに動き、淫魔の纏っている服をはぎ取っていった。
32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 11:50:09.19 ID:MJKDne9Zo
淫魔が全裸になるのを待って、修道女は近づいた。
修道女「隠し武器のたぐいは持ち合わせていないようね。並の相手なら、おまえの力にかなう者は居ないでしょうから、当然と言えば当然ね。相手が悪かったと思ってあきらめなさい」
全裸となった淫魔の下の床に、ぽたぽたとしずくがこぼれた。
修道女「おまえ……泣いて?」
修道女は淫魔の顔を見たが、涙は浮かんですらいなかった。
修道女「まさか……」
一歩引いて、淫魔の下腹部を見ると、そこから一滴二滴と、粘りけを帯びた蜜がしたたっていた。
修道女の視線を感じ、淫魔はわずかに腰をよじった。
淫魔「やんっ」
修道女「あきれた。見下げ果てたものね」
嫌悪に駆られ、修道女は爪を立てて淫魔の秘部を血が出るほどに引っ掻いた。
しかし
淫魔「んあっ……あんっ……もっとぉ……」
修道女「うわ……きたない。タン壺に手、入れちゃったみたい……」
手についた粘液を、修道女は淫魔の引き締まった腹になすりつけてぬぐう。
修道女「おまえたちは、ここで、殿方を誘惑するのだろう?」
淫魔「んふ……そうだね」
修道女「それに、どんな苦痛を与えても、お前たちは快楽として感じてしまうんだろう?」
淫魔「そうだよ? ねえ、いじめて、いじめてぇ」
修道女「汚らわしい……」
嫌悪に眉をひそめ、修道女はハンドバッグから水の小瓶を取り出すと、十字架の短剣に振りかけた。
33 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 11:53:40.07 ID:MJKDne9Zo
淫魔「それ、聖水……だよね」
修道女「そうよ」
聖水のまぶされた短剣が、淫魔の秘裂に添えられると、淫魔の顔色が変わった。
淫魔「ごめん、わかった! わたしの負け! やめて!」
修道女「あら、そう」
淫魔の懇願を全く意に介さず、まるで野菜を切るかのように、修道女は淫魔の秘裂に短剣を突き上げた。
淫魔「ぎぃあああああっ!」
激痛に、淫魔は叫びを上げた。
淫魔の秘裂から、血が短剣をつたって流れ落ち、修道女の手まで真っ赤な筋が走った。
修道女「どうした? おまえたちはどんな苦痛でも、快楽にしてしまうんだろう?」
淫魔「むり! これ、聖水ついてる! 無理ぃ!」
修道女「あら、そう」
そう言うと修道女は短剣を水平に引き上げた。
淫魔の桃色の膣が、クリトリスが、無毛の恥丘が骨盤ごと引き裂かれる。
淫魔「がああ! んぎいいい!」
修道女「ほらどうした、みだらな悪魔よ、わたしを誘惑してみろ。言葉でこの窮地を脱出してみろ」
淫魔「むり! 無理! ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい!」
刃渡りは淫魔の身体を両断するほどもなかったが、短剣は十字架の交差する根元まで突き入れられ、淫魔の白く滑らかな肌を赤い肉の断裂をきざみ、まっすぐに昇ってゆく。
34 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/06(日) 12:00:37.42 ID:OyaYlaI4o
続きが読めてうれしい
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 12:01:54.56 ID:MJKDne9Zo
淫魔「痛い、痛いの! お願い、やめ、やめてえええええ!」
短剣はへそを通り過ぎ、胸骨もさしたる抵抗とすることなく、淫魔の絶叫と謝罪と懇願を全く意に介さずに、のど元まで昇って引き抜かれた。
吐き出した血がくちびるから垂れ、淫魔の頬を涙がつたう。
淫魔「死ぬ……死んじゃう」
修道女「普通の人間なら、もう死んでる頃でしょうね? でも、簡単には死なせないわ」
修道女はガラスの小瓶から聖水を両手にまぶし、下腹部からノドにかけて刻まれた傷口に深々と差し入れた。
淫魔「ぎゃあああああ! 痛い! 痛いいいい!」
修道女「当然でしょ? 痛くしてるんだから」
淫魔「やめ! 痛いの、もういやああ!」
修道女「バカ言わないで、まだまだ」
修道女は渾身の力を込めて、淫魔の胴の傷口を左右に引き開けた。
傷の内側にたまっていた血液が飛び散り、人間に似た淫魔の内臓がさらされた。
細かな膜に支えられた様々な組織は、短剣に切られた切り口で微妙にずれ、左右で高さが違っていた。
淫魔「か……あ……ああ……」
淫魔はもはや声も出なかった。
悲鳴を上げる体力は、もう淫魔の身体に残っていなかった。
開かれた腹部から無遠慮に、修道女は内臓を引きずり出していった。
胃腸がベルトのように淫魔の身体からぶら下がり、取り出された臓器はそのまま落ちて身体の下に降り積もった。
淫魔の腹の中を探り、ある臓器を引きずり出して、修道女は言った。
修道女「ある種の女性型の悪魔は、不死にも似ていると聞くわ。首を落としても、心臓に杭を打ち込んでも、遺体をそのままにするといつの間にかよみがえってしまう。その理由が、これ」
血だらけの肉塊を、修道女は淫魔の目の前にかざした。
36 :
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(沖縄県)
:2011/11/06(日) 12:02:52.73 ID:MJKDne9Zo
淫魔「あ……あ……」
修道女「女性型の悪魔は、肉体がひどく損なわれてたとえ肉体的に死んでも、胴体が無事なら生まれ変わる。自分の子宮に、自分自身を孕んでね」
卵巣のついたままの子宮を、目の前にかざされて、淫魔の顔から、ついに表情がなくなった。
淫魔「おねがい……やめて……」
修道女「よく見てなさい」
修道女はガラスの小瓶から一滴、血だらけの子宮に聖水を振りかけた。
臓器の表面に落ちた聖水は、最初肉の上に乗っただけだったが、やがて聖水のついた表面は、強い酸に侵されたようにぷつぷつと泡立ち、溶け始めた。
淫魔「あ……あ……わたしのしきゅう……わたしの……たまご……」
泡立ち、溶ける範囲はみるみるうちに広がり、すぐに淫魔の女性器は赤い水となって修道女の手からこぼれ落ちた。
こぼれた水は床に積まれた他の臓器に降りかかり、しゅうしゅうと音を上げて溶けていった。
淫魔の臓器を溶かしきった聖水だが、修道女の手は全く傷ついていない。
臓器の溶けた赤い水は、勢いよく泡立ち続け、すべて気化した。しかし、体育館の床にはシミ一つ残っていない。
修道女「これでよし……最後よ。今際の言葉なんて聞いてあげないわ。消えなさい」
淫魔「も……だめ……こいつ、強すぎ……男、逃げて……」
淫魔の頭に、瓶の聖水が振りかけられた。
最初は何事もなかったが、淫魔の美しい顔が泡立ち溶け始め、皮膚がはがれて落ちた。筋肉も次々ほどけ、まぶたの支えを失った眼球が、とけながら床に落下する。
骨は、少々しぶとく残っていたが、やはり泡だって溶け、頭蓋骨が水となって流れ落ち、脳が露出する。
柔らかな神経の集合体は、他の部位よりも抵抗が少なく、熱した鉄板のバターのように溶けて流れた。
脳が聖水に溶けて、あごが流れ落ちるまで、淫魔はつぶやき続けた。
淫魔「男、逃げて……逃げて……」
37 :
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(沖縄県)
:2011/11/06(日) 12:07:18.79 ID:MJKDne9Zo
生徒会室
淫魔の出て行ったあと、たびたび聞こえた轟音も収まり、男はとりあえずの落ち着きを取り戻していた。
淫魔はまだ戻ってこない、幼馴染は眠ったまま。
もし、この部屋に修道女がやって来たら、なにがあっても幼馴染を守る。
淫魔から受け取った真っ黒な長剣を、慣れないながらも構え、入り口の戸に向かって男は微動だにしなかった。
人のいない学校は、本当に静かだった。
戦闘の音も聞こえず、ただ、幼馴染の寝息と押し殺した男の息だけが夕方の生徒会室に響いている。
長剣の切っ先越しに出入り口をにらんでいた男だったが、黒い剣の柄の感触が一瞬なくなり、同時に視界の一部をしめていた黒い刀身が消えて見えた。
男「あれ?」
緊張が切れたのかと、手の中の柄を握りしめ、切っ先を見つめる。
大丈夫だ。黒い剣はまだそこにあった。
しかし、男が存在を確認したとたん、黒い長剣は煙となって消えてしまった。
男「うそ……だろ?」
淫魔の先ほどの言葉を思い出す。
淫魔「もしこの剣が消え去ったら、幼馴染を連れてここを離れて」
淫魔があらかじめ言っていたことだったが、男は実際に起こるとは予想していなかった。
戦いの経過で、この部屋に修道女が飛び込んでくることはあるかもしれない。
もしかしたら修道女が強すぎて、淫魔は撤退するかもしれない。
しかし、もし淫魔が勝てないと判断したなら、ここまで戻って自分たちを抱えて飛んで逃げるはずだ。
それすらできない事態が、淫魔の身に起きたのだ。
いま、男のするべきことは、修道女に立ち向かい、幼馴染を守る英雄的な行動ではない。
淫魔に言われたとおり、幼馴染を連れて、安全な場所まで逃げるのだ。
幼馴染を揺さぶったが、ぐったりと眠り、起きる気配はない。
男は幼馴染を抱き上げ、生徒会室を出た。
38 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 12:14:30.47 ID:MJKDne9Zo
体育館
淫魔の頭と胴体は溶けて赤い水となり、その赤い水も床で泡だって完全に気化して浄化された。
無数の白い糸に絡まった、主を失った両手両足、それに二本の翼はそのままで、淫魔の胴体がかつて存在した空間を、暗に示していた。
修道女「最後の仕上げね」
修道女は優れた退魔師だった。
どのような種類の油断も、悪魔に対してはするべきでないと知っていた。
さらに現世に顕現している以上、悪魔といえども、生物的な束縛からは逃れ得ず、聖水による浄化が最良にして絶対の退魔のすべであることも知っていた。
だから修道女は必要以上に悪魔を恐れることなく、しかし、気を緩めることもない。
持ち主を失った無力な白い四肢と、黒い両の翼にも修道女は警戒を緩めなかった。
ハンドバッグからじゃらじゃらと聖水の小瓶を何本も取り出し、うごめく糸に栓を抜いたビンを渡して、天井近くまで広がる黒い翼に聖水を振りかけさせ、溶け残った四肢には、修道女自身が聖水を振りかけた。
臓器や胴体と同じく、糸の食い込んだ白く柔らかな四肢は赤い水となり、翼は黒い水となって泡立ち、流れ、消え去って、完全に浄化された。
淫魔は肉の一片、髪の一筋、血の一滴残さず、この世から消え去った。
しかし、退魔師にとっては、いくつもの狩りの一つでしかない。
満足そうな表情をわずかに浮かべ、しかしすぐに修道女は視線を上げた。
修道女「逃がさない」
39 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/06(日) 12:20:00.28 ID:wV8B8ydDO
このスレで気になって前スレ見てみたが、幼馴染みがレイプされたとこでついに心が折れた
40 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
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:2011/11/06(日) 12:23:58.42 ID:MJKDne9Zo
廊下
幼馴染みを抱いて生徒会室から出てきた男は、最初下駄箱のある昇降口に向かおうとしたが、歩く距離や靴を履き替える時間が惜しく、体育館やプールなどとは一番離れた、教職員用の玄関へと向かった。
それは期せずして、淫魔の惨殺された体育館から離れる最良の選択となった。
沈みかけた血のように赤い夕日の中、力の抜けた幼馴染の身体を抱き上げ、男は教職員用の玄関へと急ぐ。
なるべく足音を立てないように、しかしできるだけ急いで、男は必死で進んだ。
修道女「待ちなさい」
静まりかえった校舎の中、あとわずかで玄関にたどり着くというところで、男は呼び止められた。
強者は足音を響かせて、男に迫る。
素手ならまだしも、幼馴染を抱えている。
逃げられないと悟った男は、幼馴染を壁際に座らせ、振り返った。
男「淫魔は?」
修道女「浄化した。殺したと言った方が、あなたにはわかりやすいかしら」
男「そんなこと、信じられるか! あの淫魔が……」
修道女「別に、信じてもらわなくて結構です。あれの最後、とても見られたものではありませんでしたから……それに」
十字架の短剣をひらめかせ、修道女は男を見据えた。
修道女「あなたたちには、あれのこと、忘れて貰います」
男「そ……そんなナイフ、怖くねえぞ?」
修道女「そうですか。あれを引き裂いたのも、この短剣なんですよ? それでも?」
男「く……」
修道女「大丈夫、この短剣は人の身体に害をなしません。胸に突き刺した人間の悪魔にかけられた術を破壊し、悪魔に関する記憶をすべて消し去り、あり得べき姿に戻すだけ。痛みもありません」
男「……ウソをつくなよ」
修道女「いいえ、ウソなんてついていません」
男「幼馴染は傷ついてたぞ、身も心も、おれが見てる前で、ボロボロになっていった。おれの腕の中で痛みと絶望に潰されていった。それでも……それでも傷つけないっていうのか!」
修道女「たしかに、コレはまれなケースです。不幸な出来事でした。ですが、幼馴染さんに起きたことは、悪魔の術が働かなければ、あり得たはずの事実です。受け入れてください」
男「ふざけんな!」
41 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 12:29:42.51 ID:MJKDne9Zo
修道女「ふむ……それなら、こう考えてはいかがでしょう。悪魔の術はすべてまやかしなのです。まやかしの幸せ、まやかしの栄華、まやかしの記憶、まやかしの人生。そんなものに、いったい何の価値があるでしょう? わたしはその悲しみを振り払うお手伝いをしているのです」
男「……そりゃあ、たしかに同じものの偽物と本物なら、偽物よりは本物の方がいいだろうさ」
修道女「それなら……」
男「だがな! たとえまやかしだろうと、おれは幼馴染が笑っていられる方を選ぶ」
修道女「それが、まやかしの、にせものの、作り物の笑顔とわかっていてもですか? まやかしの物はそれ自体に罪が宿ります」
男「おれにとってはまやかしだろうさ。でも、幼馴染にとっては本物だ。偽物であることが罪なら、その罪はおれがかぶってやる! おれは幼馴染の恋人で、幼馴染の初めての人で、幼馴染が望むなら、最後の人になるんだ! なりたいんだ!」
修道女「婚前交渉ですか、不潔です」
男「何とでも言え、おれは幼馴染が好きだ! 幼馴染を愛している! 幼馴染をなにがあっても守る! だからたのむ、引いてくれ」
修道女「……そこまで言うなら、仕方ありません」
男「……わかってくれるのか?」
修道女「いいえ、あなたを悪魔付きとして処理します。わかりますか? この短剣で刺された相手は、悪魔の影響がなかった場合の、あり得べき姿に戻ります。つまり、どれほどひどいケガをしていても、この短刀で刺せば治る……可能性がある、ということです」
男「悪魔が居なかったら、もっとひどいケガをしている可能性もあるわけだろ? 病気になっているかも、もしかしたら死んでるかもしれない」
修道女「そこまでは責任持てません。ただ少なくとも、刺す前の苦痛はなくなります」
男「何を言いたい?」
修道女「死なない程度にいたぶり続ければ、きっと自分から短刀を刺してくれと頼むことになるでしょうね」
男「く……っ!」
修道女「でも、まずは幼馴染さんのほうから済ませてしまいましょう。眠っている相手の方が刺しやすいですから」
そう言うと修道女は、男のよこを通り抜けようとした。
42 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
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:2011/11/06(日) 12:35:11.08 ID:MJKDne9Zo
男「通すかよ!」
握り固めた男の握り拳が、修道女へと殴りつけられる。
しかし、体術の心得があるのだろう。修道女は男の手をつかむと、本来ならば曲がらない方向へひねり上げた。
修道女「邪魔」
修道女の一度の動作で関節は外れ、骨は砕け、男の右腕は使い物にならなくなった。
男「ふっぐ!」
しかし男は歯を食いしばり、左の拳を振り下ろす。だがそれも同様に受け止められ、右腕よりもひどく、折れた骨が飛び出すほどに絞り上げられ、さらに足をはらわれて、男は廊下に倒れた。
修道女「戦いの経験が違いすぎるんです。わかりなさい」
足音をかくさず、修道女は壁際で眠る幼馴染に迫る。
男「がぁ……待て!」
男はジタバタと脚をもがいて立ち上がる。
砕けた両腕をだらりとぶら下げ、頭を腰の高さまでかがめて、男は頭突きで修道女に突進した。
修道女は一歩立ち止まるだけで突進をかわし、男は全速力でコンクリの壁に激突した。
頭蓋骨がきしみ、目に火花が散って、男はまた床に倒れた。
修道女「おとなしくしていなさい」
床に倒れた男をまたぎがてら、修道女は男の膝を踏み割る。
太い骨の砕ける音。
男「んがああああっ! 幼馴染! 逃げろ!」
最後の望みと、男は叫んだが、幼馴染は深く眠ったままだ。
男「くそ、くっそおおおお!」
踏み割られていない方の膝を思い切り動かし、胴の反動を使って、男は修道女の脚にかみつこうとした。
43 :
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(沖縄県)
:2011/11/06(日) 12:38:11.76 ID:MJKDne9Zo
男「通すかよ!」
男は握り固めた拳で、修道女を殴りつける。
しかし、体術の心得があるのだろう。修道女は男の手をつかむと、本来ならば曲がらない方向へひねり上げた。
修道女「邪魔」
修道女の一度の動作で関節は外れ、骨は砕け、男の右腕は使い物にならなくなった。
男「ぐ!」
しかし男は歯を食いしばり、左の拳を振り下ろす。だがそれも同様に受け止められ、右腕よりもひどく、折れた骨が肘から飛び出すほどに潰され、さらに足をはらわれて、男は廊下に倒れた。
修道女「戦いの経験が違いすぎる。わかりなさい」
足音をかくさず、修道女は壁際で眠る幼馴染に迫る。
男「がぁ……待て!」
男はジタバタと脚をもがいて立ち上がる。
砕けた両腕をだらりとぶら下げ、頭を腰の高さまでかがめて、男は頭突きで修道女に突進した。
修道女は一歩立ち止まるだけで突進をかわし、男は全速力でコンクリの壁に激突した。
頭蓋骨がきしみ、目に火花が散って、男はまた床に倒れた。
修道女「まったく……おとなしくしていなさい」
床に倒れた男をまたぎがてら、修道女は男の膝を踏み割る。
太い骨の砕ける音。
男「んぐああああっ! 幼馴染! 逃げろ!」
最後の望みと、男は叫んだが、幼馴染は深く眠ったままだ。
男「くそ、くっそおおおお!」
踏み割られていない方の膝を思い切り動かし、胴の反動を使って、男は修道女の脚にかみつこうとした。
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 12:43:12.10 ID:MJKDne9Zo
しかし、砕けた腕では身体を持ち上がらず、脚ではなく修道女のブーツにかみついた。
修道女にとってはただ動きづらいだけで、文字通り痛くもかゆくもないのだが、男の執念が、修道女の歩みを止めていた。
修道女「まったく、うるさい人ですね」
冷ややかに自分の靴に噛みつく男を見下げると、修道女は男の横顔を、噛みつかれていない方の足で思い切り踏みつけた。
男「んげっ!」
男の口から音が漏れたが、噛みつく歯は緩まなかった。
修道女「放しなさい」
男「放す……もんか」
男は涙を浮かべながら、つぶれるような声で答えた。
修道女は眉一つ動かすことなく、男の横顔をさらに二度踏んだが、かたく噛みしめられた男のあごは開かない。
少し考えてから修道女は、かかとを男の後頭部にたたき込んだ。
骨の砕ける音がした。
男「あ……」
とたんに、男のあごの力が抜けた。それどころか、全身のケガの痛みも消えていた。
修道女の後頭部への打撃は、男の首の骨と脊髄を砕いていた。
もはや男は呼吸もできず、神経を切断されて心臓も止まり、薄れゆく意識の中、幼馴染に歩み寄る修道女の後ろ姿を見ていた。
修道女は幼馴染の胸に短剣を突き立てるだろう。
幼馴染はまた、暴漢たちに襲われ、殺される、ひどい記憶を植え付けられるだろう。もしかしたら、今度は死んでしまうかもしれない。
そのあと、修道女は男にも短剣を突き立てるだろう。
では、おれはどうなる?
男は考えた。
男は淫魔と出会わなければどうなっていたか。
考えてもわからなかったし、そんなこと、もうどうでも良かった。
ただ、胸に萌え育つ幼馴染への愛は、あの短剣に刺されても決してなくならない。
なくならないで欲しい。
そう思いながら、男は、命の火が消えていくのを感じていた。
−完−
45 :
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(千葉県)
[sage]:2011/11/06(日) 12:47:18.52 ID:dCydCfduo
えっ
46 :
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(沖縄県)
:2011/11/06(日) 12:55:05.80 ID:MJKDne9Zo
淫魔「んふふ、これで終わるわけないでしょ?」
命つきる寸前、男の耳に、淫魔の声が響いた。
ついで、パチンと指を鳴らす音。
瞬時に男の身体に感覚が戻る。ケガも治っている。
男は床から身を起こし、裸で男を見下ろす淫魔を見た。
男「淫魔……?」
淫魔「男、弱いのに無理しすぎ。でも、かっこよかったよ……ちょっと濡れちゃった……ほら」
淫魔は手を陰部に伸ばし、少し水音を立ててから前に引き、きらきら光る粘液の糸を男に見せる。
淫魔「ああ、彼我の戦力差絶対なれど、男は愛する相手のために命をなげうち立ち向かう。力及ばず倒れるも、胸には熱い愛燃える……んふふ、いーもの見せてもらったよ」
廊下に立つ淫魔を見て、振り返った修道女も驚愕の色を浮かべていた。
修道女「おまえ……どうして?」
淫魔「ん、どうしてって?」
修道女「どうしてお前がここにいる」
淫魔「んう 難しい質問だねえ。しいていうなら、我思う故に我あり、かな?」
修道女「どうやって復活した?」
淫魔「復活なんてしてないよ」
修道女「それなら、予備の身体でも用意していたの?」
淫魔「いんや、予備の身体なんてないよ?」
修道女「わたしは確かに、おまえを殺した」
淫魔「そうだね」
修道女「子宮も脳も、それ以外の肉の一片、髪の一筋、血の一滴さえ残さず浄化したというのに、なぜおまえはここに居る。復活したわけでもなく、予備の身体があったのでもなく、なぜだ!」
淫魔「たしかにわたしはあなたに殺された。でも、どうしてわたしはここに居ちゃあいけないの?」
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 13:06:19.07 ID:MJKDne9Zo
修道女「な……に……?」
淫魔「んもう、わからないかなあ? 居ることに関しては、わたしは居るからここに居る。居るから居る。居たいから居る。それだけだよ。それ以下の因果に縛られると思ってた? 安く見られたなあ……んふふ」
修道女「因果に縛られない? 居るから居る、だと? まさかおまえ、自分を神だとでも言うのか?」
淫魔「いや、あんなのと一緒にしないでよ。わたし、あいつ嫌い」
男「おい、なんだかよくわかんないけど、淫魔、お前殺された。でも、ここに居るのか?」
淫魔「そうだよ。うん、男のほうがよっぽど物わかりがいいや」
男「お前を[
ピーーー
]ってどうやって?」
淫魔「うーんとね、体中縛られて動けなくされて、おまんこに指入れられて、硬いものをおまんこに差し込まれて、お腹の中かき回されて、オンナノコの部分をもてあそばれて、熱くて泡立つものをぶっかけられて、身も心も、骨まで溶かされちゃったの……修道女、あんなにかわいい顔して、すごいんだもん」
男「え……修道女って……」
男の視線が、修道女の黒いスカートの下腹部に釘付けになる。
修道女「な……何をバカな!」
淫魔「それで、男さ、キミこそ、どうしてここに居るわけ?」
男「え?」
淫魔「逃げろって言ったじゃん」
男「いや、お前に借りた剣が消えてから、かなり急いで来たんだけど、ここで見つかってさ」
淫魔「んー、そっか。できればここには居ないで欲しかったんだけどなあ……男、わたしもやっぱりオンナノコだからさ、見られたら恥ずかしい事とかあるんだよ」
男「はあ? いまさらなに言ってんだよ」
48 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 13:13:42.44 ID:MJKDne9Zo
修道女「まさか……まだなにか力を……変身か?」
淫魔「違うよ、まいったなあ、あなたの持ってるその短刀、さっきの思い出しただけで……あんっ」
全裸で立つ淫魔は、自らの股間に手を伸ばしていた。
隠すのではなく、あふれ出した粘液をかき回し、性器に刺激をくわえている。
透明な蜜が、つつ……と淫魔の白い内ももを膝まで垂れる。
淫魔「も、だめ……がまんできない……んっく!」
その場に膝をつき前屈みになると、淫魔はより深く指を己の秘裂に差し込んだ。
ちゅぷちゅぷと濡れた音が、静まりかえった廊下に響き、息を荒くして淫魔は蜜壺をかき回す。
掻き出された蜜が廊下に音を立ててしたたり、夕立の降り始めのように、廊下に水滴が増える。
ぐっちゅぐっちゅと音は増し、淫魔は舌をつきだして唾液がこぼれるままに、熱に浮かされたように股間をかき混ぜる。
淫魔「あんなに一方的に……んっ……めちゃくちゃにされたのって、久しぶりで……あ、もう……いっくううううぅ!」
夕日の廊下で身体を反らし、盛大に愛液を吹き出して、淫魔は絶頂に達した。
しかし、蜜を指のあいだから吹き出しながら、淫魔の手は止まらない。
淫魔「だめ、足りない……たりないのぉ……ううううう……」
ひざまずいた下半身は愛液に濡れ、自らの粘液の池の中で、淫魔は花びらをいじり続ける。
淫魔は恨めしそうに言った。
淫魔「だいたい、あなたひどいんだよ。一方的に、わたしのことあんなにしといて……ねえ、今度は一緒に気持ちよくなろうよ。痛くてもいいよ? わたしはあなたのこと、気持ちよくしてあげるからあ」
まるで失禁したような量の愛液をだだ漏らしにする淫魔を見て、修道女は露骨に眉にしわを寄せた。
修道女「汚らわしい。いいわ。おまえが何度でもよみがえるなら、そのたび浄化するまで!」
淫魔「え? 本当? なんどもあんなことしてくれるの? んああああっ」
修道女の言葉を聞いて、淫魔は何度目かの絶頂に達した。
床にはさらに愛液が飛び散る。
49 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 13:19:39.65 ID:MJKDne9Zo
淫魔「んふ……んは……はあ……ごめん、やっぱりわたし、あなたのこと、好きになっちゃった……かも」
淫魔は立ち上がり、快楽に足を震わせながら、なお己の秘部を慰める事をやめない。修道女にむかって淫魔がふらふらと歩くと一歩ごとに、裸足の足の裏と床に、にちゃりと愛液の糸が引く。
修道女「消えろ!」
巨大な曲刀も、黒い翼も、服さえも、淫魔は身に纏っていなかった。
それは、先ほどよりもさらに仕留めやすい格好であることに間違いなかった。
修道女は短剣を振りかざして突進し、淫魔もそれに応えるように、一歩二歩、進み出た。
修道女「はっ!」
十字架の短剣が、淫魔の胸の中央に向けて放たれる。
ふらふらの淫魔は修道女へ倒れ込むように刺突をかわし、大きく足を広げて修道女に抱きついた。
淫魔「んふ、つかまえた」
己の胸を修道女の胸にぴたりとつけ、股を修道女の太ももにすりつける。
あふれ出る蜜が、修道女の黒い服に、さらに黒いシミをつけた。
修道女「く……離れろ!」
淫魔「やーだよ」
叫びに大きく開けた修道女の口に、淫魔は舌をねじ込んだ。
修道女「んっ! んんん!」
淫魔「んふ……じゅる……くちゅ」
唾液をまぶした舌を滑り込ませ、修道女の口内を音を立てて蹂躙する。
しかし。
修道女「んん……んっぐ!」ブチィ
淫魔「んい!?……ぷはっ!」
一瞬のスキに淫魔は修道女から突き飛ばされた。
淫魔「んはあ……ひどいらあ……ひた、噛み切られひゃった」
淫靡に笑う淫魔は、口を大きく開けて、歯形に丸く噛み切られた舌をぺろりと垂らした。
50 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 13:25:04.20 ID:MJKDne9Zo
修道女「ふん……」
痰を吐き捨てるように、廊下に修道女は噛み切った舌を吐き出そうとしたが、しかし。
修道女「ん?……んんっ?……んんあっ!?」
口を押さえて、修道女はうつむいた。
くちびるからは透明な唾液がとろとろと糸を引いてこぼれる。
修道女「舌……口のなかで……あばれ……つば、あふれて」
淫魔「だからあ、わらひ、あなたのせいれ細胞の一個一個まで発情しれうのに、がんばっれ理性はたえらかせてうのに、切り離されらら、がまんれきないよ」
修道女「う……じゅろっ……じゅろろっ……」
修道女の口から滝のように淫魔の唾液があふれ出し、さらさらした粘液が廊下の床にぶちまけられる。修道女はハンドバッグをあさると、聖水入りの小瓶を取り出し、栓を抜いて一気に含んだ。
口の中で泡がはじけ、真っ赤になった水を、修道女は廊下にはき出した。
床に落ちてなお、赤い水は沸騰を続け、すぐに気化してしまった。
淫魔「ありゃ、さすがにうまいれぇ」
修道女「な……なめるな!」
淫魔「なめるなと言われたら、なめたくなっちゃうよ。あなたのお口も、おまんこも……んふふ」
ぺろりとのぞかせた淫魔の舌は、噛み切られる前に戻っていた。つなぎ目すらない。
修道女「バカなことを……んっ!」
淫魔「ふふ、どうしたの?」
修道女「なんでもな……くぅ……」
修道女はスカートの下腹部を押さえ、まえかがみになった。
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 13:28:48.10 ID:MJKDne9Zo
修道女「くそ……少し……飲んだか」
忌々しげにつぶやくと、小瓶に残った聖水を一気にあおる。
修道女の口の中でわずかに音がはじけ、しゅわしゅわいう音ごと、一口に飲み込んだ。
修道女「ん……ぐ……」
淫魔「いい判断だね。でも、まだ浄化が足りないよ」
修道女「なに?」
淫魔「わたしの唾液は強いお酒みたいに、飲んだらすぐに全身に回っちゃうもの。そんな、口と食道の表面を浄化するくらいじゃ、全然足りないよ」
自らの胸と下腹部を押さえ、苦しげに修道女はうめいた。
修道女「くぅ……ばかな……」
淫魔「もし効果をなくすなら、胸に短剣を突き刺して、聖水を振りかけるしかないよ。幼馴染にやったみたいにさ」
修道女「ふ……その必要は……ない。お前を浄化すれば、術は解ける」
淫魔「んー、術とは少し違うんだけど。その可能性に賭けるのもいいんじゃない?」
そう言うと無防備に、淫魔は股間を弄りながら修道女に歩み寄る。
修道女「し……[
ピーーー
]!」ビュンッ
淫魔「んふ、動きが遅くなってるよ?」
もはや、短剣の刺突に勢いはなかった。
淫魔は軽々と修道女の懐に飛び込むと、ぴたりと張り付いた。
修道女「く……また……放せ!」
淫魔「ほらほら、どう?」グリグリ
淫魔は乳房がつぶれるほど押しつけ、服越しに修道女の胸を刺激する。
修道女「やめ……」
淫魔「やめないよー……ほら、首筋……れろ」
修道女「ひ……あ……」
淫魔「ん……あせ……しょっぱい……」
修道女「く……この!」
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/06(日) 13:29:47.20 ID:OyaYlaI4o
いいねぇこういうの
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 13:33:13.67 ID:MJKDne9Zo
修道女は首筋にむしゃぶりついた淫魔の顔に手を当て、引き離そうとする。
しかし、思うように力が入らず、逆に両の手首をそれぞれ掴まれ、左右にぐいと広げられる。
淫魔「みみ……どう? ……ん……ちゅ」
修道女「あ……うあっ」
首を振って、耳からくちびるを離そうとするが、淫魔はしつこく修道女のみみにむしゃぶりつき、胸への圧迫もやめない。
しばらく耳への攻防が続き、唾液の糸を何本か残して、淫魔は顔をはなした。
修道女「う……」
突然至近距離から美しい顔に見つめられ、修道女がわずかにひるむと、淫魔は滑らかな太ももを、修道女の両足のあいだに押し当てた。
にちゃ
明らかな粘液の音、ねばついた液体の音が、淫魔が太ももを押し当てた修道女のスカートの内側からはっきりと響いた。
修道女「……っ!」
淫魔「気持ちいい? ……ふふふ、いわなくてもわかるよ」
修道女のほうが、淫魔よりわずかに背が高い。淫魔はつま先立ちになって修道女の首に左腕を回し、首筋をなでる。
白い乳房が赤くなるほど胸を押しつけ、右手は修道女の下腹部にのびる。
修道女「く……やめっ!……んあっ」
淫魔「ね、気持ちいいでしょ? ほら」
淫魔は手のひらをスカートの上から修道女の両足のあいだに押し当て、ゆっくりと動かす。
ぬちっ……にちゃ……
修道女「や……はっ……んはっ!」
淫魔「ふふ……かわいい顔になってきた……ちゅ……ん」
修道女のりりしい眉は下がり、目にはうるみが、ほほには赤みが差し、首筋に汗が浮かぶ。
54 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 13:44:55.26 ID:MJKDne9Zo
淫魔「ほら、もうこんなにうるおって……すてき」
淫魔はパンの生地をこねるように、手を当てた修道女の下腹部をやさしく押す。
ちゅっく……ちゅく……
修道女「あ……あ! ……く! ……なめるなあああっ!」
ズンッ!
修道女は脱力しかけていた右手の短剣を逆手に持ち直し、密着した淫魔の背中に突き立てた。
淫魔「あ……」
修道女「油断……したな……」
ず……と血を吸った短剣が引き抜かれ、淫魔のからだが修道女から離れる。
一瞬、修道女は息をため……
修道女「はあっ!」
振り上げた短剣を斜めに振り下ろし、淫魔の左肩から袈裟懸けに、深々と切り込む。
淫魔「ふあ? んああああっ!」
修道女「まだまだっ!」
短剣をさらに左右に振り回し、一瞬で淫魔の上半身をズタズタに切り刻む。
淫魔「だめぇ! そんなにしたら……ああんっ!」
プシッ
炭酸飲料のふたを開けたような音を発して、淫魔は秘裂から蜜をぶちまけた。
深い刀傷を細い指でかきむしって、鮮血をしたたらせながら、淫魔は妖しく舌なめずりする。
淫魔「すご……こんなにたくさん……ちょっと、イッちゃった……ふふ」
ぐちゃぐちゃと音を立て、淫魔は傷口をかきむしるが、瞬く間に傷は癒えていった。
修道女は後ろにステップを踏んで距離をとり、短剣を構える。
修道女「そんな、どうして……?」
55 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
:2011/11/06(日) 13:46:19.65 ID:BSismWOIO
やっと見つかった
前スレ落ちる前に誘導見逃して探すの大変だった
見てるから無理せず投稿してな
56 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 13:50:16.83 ID:MJKDne9Zo
淫魔「んふ、余裕ないんだねえ。聖水、忘れてるよ」
修道女「……く」
修道女はとっさにハンドバッグに手を伸ばし、小瓶から短剣に聖水を振りかける。
淫魔「わあ、びしょびしょ。んふ、さあ、わたしのカラダ、さっきみたいに切り刻んで! わたしのこと、めちゃくちゃにして!」
修道女「ああ、してやるとも!」
突進しようと、修道女はわずかに腰を落としたが……
にちゅ……
修道女「んあっ!」
下腹部から水音が響き、嬌声を上げて修道女は立ち止まった。
修道女「く……うぅ」
また一歩進もうとしたが、
くちゃ
修道女「ひゃ……あ」
淫魔「どうしたの? そんな声だしちゃって」
修道女「く……しらじらしい!……んっ!」
肩幅に開いた両足のあいだ、床の上に、ポタリと水滴が落ちた。
よく見れば、黒いスカートの下腹部にも、うっすらとシミが浮かんでいる。
修道女「……っ!」
淫魔「んふ、濡れた下着にこすれて……たまらないよねえ……んふふ」チュクチュク
自分の秘裂をかき回し、淫魔は舌を見せた。
息を殺し、顔を真っ赤にしながらも、修道女は短剣を構える。
乱れた息を整え、二滴三滴と恥ずかしい蜜を落としながら、修道女はブーツを肩幅に広げ、腰を落として床を踏みしめ、くちびるを噛む。修道女の身体は震えてなお、目は死んでいない。
57 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 13:57:21.23 ID:MJKDne9Zo
夕日が遠くの山並みに隠れ、世界を支配していた光が消える。
校舎の中は、空の雲に映る赤い残照に浮かび上がり、青の混じった闇が支配し始めていた。
修道女「来い!」
淫魔「来いだなんて、ふふ……男、あぶないから伏せて」
男「あ、ああ」
いわれるまま、男が床に伏せると、淫魔は修道女にふらふらと歩き始めた。
修道女「く、刀を出せ! 翼を広げろ! わたしをなめているのか!」
淫魔「何いってんの。なめるのはこれからでしょ? あなたの濡れた、パンツの中……んふふ」
ぺろりとくちびるをなめ、淫魔は股間のぬかるみをかきまわした手を下腹部から胸へと滑らせ、滑らかな肌をてらてらと光らせる。
修道女「ふざけるな! 放て! バリスタ!」
修道女の背後から、水平に射出される飛槍が、淫魔の身体につき立つ。
快楽に、集中が途切れたのか、射出された本数も、狙いも甘かったが、それでも淫魔の柔らかな肢体に、20本ほどの短槍が突き立った。
淫魔「あはっ……こんなに……いっぱい……」
しかし、淫魔が上げたのは激痛による絶叫ではなく、快楽のうめきだった。
修道女「な……」
淫魔の身体、槍の刺さった場所に異変が起きていた。傷口の周りはわずかにぷくりともりあがって縦に裂け、裂け目の片方には桃色の突起がのぞいている。
体中にあらわれた女性器で、淫魔は多数の槍をくわえ込んでいた。
淫魔「んふ……硬くて……奥まで、すご……くしゅんっ!」
ちゅるん
淫魔がくしゃみをすると、水っぽい音をたてて体中の槍が抜け、床に落ちた。
カラアン ガラン
淫魔「やん、抜けちゃった……恥ずかしぃ……あんっ」
肩にあらわれた女性器をかき回し、脇腹のクリトリスを転がして、淫魔は嬌声を上げる。
床に落ちた槍はしばらくそのままだったが、光る湯気になって消えた。
足の裏までしたたる愛液が床とのあいだに糸を引き、歩み寄る淫魔に修道女は短剣を構える。
修道女「……く!」
淫魔「んふ……」
するすると、淫魔が身体をなで回すと、あらわれていた女性器は跡形もなく消え去った。
淫魔「ねえ、もういいでしょ? わたし、ガマンできないの」
ぐちゅぐちゅと股間をかき混ぜ、蜜をしたたらせながら、淫魔は迫る。
58 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 13:59:48.54 ID:MJKDne9Zo
淫魔「気持ちいこと、しようよぉ」
修道女「来るな! 絡み捕らえよ! カスミアミ!」
床に手をついた修道女が叫ぶと、薄暗い廊下に白く光る糸が廃墟の蜘蛛の巣のように無数に張り巡らされ、淫魔の身体を絡め取った。
きめ細かな淫魔の肌に、輝く細い糸が食い込む。
淫魔「あんん……いけずう」
修道女「余計な手間は抜きだ!」
修道女が腕を振るうと、白い糸が集まり、淫魔の身体を繭のように包み込む。
糸が身体の表面をほとんど覆い、頭の上にだけ、ほんの少しスキマがある。
修道女は人型の白い糸玉になった淫魔に歩み寄ると、ハンドバッグから小瓶を取り出して栓を抜いた。
淫魔「もう、やめてぇ……せめて男の見てないところでえ……」
人型の糸玉の中で淫魔があえぎ混じりに訴えるが、修道女は答えることなく頭上から聖水を注いだ。
淫魔「ぎゃああああっ! 溶ける! 溶けちゃううう!」
人の形をした糸玉がかすかに震え、頭部から少しずつ赤い色に染まっていく。
赤い水の沸騰が肩からあふれるころには、淫魔の絶叫も途絶え、断末魔のけいれんが、糸玉を震わせた。
赤い水の沸騰は胴の糸のスキマからも流れ、四肢の指先からもしたたり、やがてたれなくなった。
糸も少しのあいだは赤く染まっていたが、すぐに沸騰して気化し、糸はまた白に戻った。
修道女が無言で手を振ると、人型の糸玉はほどけた。
中に淫魔は髪の一筋も残っていない。
修道女「回りくどいことなどせずに、最初からこうしておけば良かった」
バッグに聖水の小瓶を戻し、術を解いて糸を消し、短剣を持ち直して、呆然とする男に修道女は向き直る。
しかし、男が呆然と見ているのが自分ではなく、その後ろであると修道女は気づいた。
59 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 14:00:50.57 ID:MJKDne9Zo
淫魔「気持ちいこと、しようよぉ」
修道女「来るな! 絡み捕らえよ! カスミアミ!」
床に手をついた修道女が叫ぶと、薄暗い廊下に白く光る糸が廃墟の蜘蛛の巣のように無数に張り巡らされ、淫魔の身体を絡め取った。
きめ細かな淫魔の肌に、輝く細い糸が食い込む。
淫魔「あんん……いけずう」
修道女「余計な手間は抜きだ!」
修道女が腕を振るうと、白い糸が集まり、淫魔の身体を繭のように包み込む。
糸が身体の表面をほとんど覆い、頭の上にだけ、ほんの少しスキマがある。
修道女は人型の白い糸玉になった淫魔に歩み寄ると、ハンドバッグから小瓶を取り出して栓を抜いた。
淫魔「もう、やめてぇ……せめて男の見てないところでえ……」
人型の糸玉の中で淫魔があえぎ混じりに訴えるが、修道女は答えることなく頭上から聖水を注いだ。
淫魔「ぎゃああああっ! 溶ける! 溶けちゃううう!」
人の形をした糸玉がかすかに震え、頭部から少しずつ赤い色に染まっていく。
赤い水の沸騰が肩からあふれるころには、淫魔の絶叫も途絶え、断末魔のけいれんが、糸玉を震わせた。
赤い水の沸騰は胴の糸のスキマからも流れ、四肢の指先からもしたたり、やがてたれなくなった。
糸も少しのあいだは赤く染まっていたが、すぐに沸騰して気化し、糸はまた白に戻った。
修道女が無言で手を振ると、人型の糸玉はほどけた。
中に淫魔は髪の一筋も残っていない。
修道女「回りくどいことなどせずに、最初からこうしておけば良かった」
バッグに聖水の小瓶を戻し、術を解いて糸を消し、短剣を持ち直して、呆然とする男に修道女は向き直る。
しかし、男が呆然と見ているのが自分ではなく、その後ろであると修道女は気づいた。
60 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 14:07:30.95 ID:MJKDne9Zo
淫魔「ほんと、最初からこうしとけば良かったよ」
修道女「んぐっ!」
聖水により消滅した淫魔が、またもや現れ、修道女に後ろから抱きついた。
左手の指を修道女の口にねじこみ、かき回しながら、鼻先で金髪をかき分け、修道女の右耳にささやいた。
淫魔「もう、ひどいよ。1日に2回もなんて、腰が抜けちゃう……んふ」
修道女「んぐ!……ぐ!」
淫魔「でも、わたしが悪いんだよね。ごめんね、じらしちゃって……辛かったよね」
優しくささやくと、淫魔は修道女の身体の前に右手を回し、スカートをたくし上げた。
白い太ももまでのストッキングと、それを支えるガーターベルト、縁をレースで彩った白のパンツが空気にさらされる。
パンツの中央は蜜に濡れ、アンダーヘアの薄い金色が透けて見える。
濡れたパンツの中に無遠慮に右手を突っ込み、音を立てて乱暴に愛撫する。
ぐちゅぐちゅ……ぐっちゅ
修道女「ふぐ!……うっ!」
ズンッ!
修道女は先ほど聖水で清めた短刀を、背後の淫魔の脇腹に突き立てたが、効果は見られなかった。
淫魔「んふ、痛あい……でも、聖水乾いちゃってるじゃない。だからあんまり気持ちよくないの。濡れてないと、気持ちよくないよ? こんな風にねっ!」
淫魔はいっそうの力を込めて、パンツの中をかき回す。
ぐちゅっ ぐちゅっ ぐちゅっ!
修道女「んう? んんうっ!」
修道女の下半身が張り詰め、ピンと力が入り……
修道女「あ…… んんっ! んーっ!」
指を突っ込まれた口から、あえぎ声を漏らしながら、上と下の口を同時にかき回されて、修道女は達した。
淫魔「ふふ、もうイっちゃった……かわいい」
あっけなく陥落した修道女に、淫魔は不満そうだったが、初めて達した生娘を、責め続けるいじわるは、今のところしなかった。
かき分け混ぜ返すのではなく、絶頂に震える秘裂の表面をなでるように、優しい愛撫に切り替える。
61 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関西地方)
[saga]:2011/11/06(日) 14:07:44.40 ID:6kfa8DREo
死ねとか殺すとかは、メール欄にsagaで表示されるようになるよ
62 :
淫魔「61、ありがとー。グッタイミンだったよ」
[saga]:2011/11/06(日) 14:13:07.37 ID:MJKDne9Zo
修道女「あ……うぅ……」
淫魔「初めてイったんだよね? 大丈夫、怖くないよ? どうだった?」
口をかき混ぜていた指を抜き、修道女にささやく。
修道女「こ……殺してやる」
淫魔「まだそんなこと言う余裕があるんだねえ……ふふ」
パンツの中の手の動きを少しだけ強め、音を立てる。
修道女「ふっ……くぅ」
淫魔「初めてにしてはまあまあだけど、もっと濡れた方が濡れが足りないなあ……よし」
口をかき回していた左手を胸の下に回して、めくり上げたスカートごとしっかりと身体を抱きとめ、淫魔は修道女の蜜のついたままの右手を自分の秘裂に伸ばした。
くちゅ、と、ぬかるみの音が響く。
淫魔「んっは! すご……修道女のお汁、おいしい……くふっ」
ぽたぽたとしたたらせながら、淫魔は右手を動かす。
淫魔「ん……んふ、もう、いいかな?」
たっぷりと濡れ、指のあいだに糸を引く右手を、修道女の目の前にかざして、閉じたり開いたりする。
淫魔「ほら、すごいでしょ。淫魔の蜜でかき回したら、あなた、どうなっちゃうんだろうね?」
修道女「……くっ!」
修道女は目をつむり首をそらし、四肢を振って暴れるが、淫魔はどうに回した左腕一本で修道女の動きを封じる。
淫魔「優しくしてあげるから……最初はね」
ゆっくりと淫魔の右手がパンツに差し込まれ、にちゃりとひどく濡れた音を立てる。
63 :
淫魔「ありゃ、修正前を投下しちゃった、ごめん。連投多いね」
:2011/11/06(日) 14:15:28.02 ID:MJKDne9Zo
修道女「あ……うぅ……」
淫魔「初めてイったんだよね? 大丈夫、怖くないよ? どうだった?」
口をかき混ぜていた指を抜き、修道女にささやく。
修道女「こ……殺してやる」
淫魔「まだそんなこと言う余裕があるんだねえ……ふふ」
パンツの中の手の動きを少しだけ強め、音を立てる。
修道女「ふっ……くぅ」
淫魔「初めてにしてはまあまあだけど、もっと濡れた方が気持ちいいんだけどなあ……よし」
口をかき回していた左手を胸の下に回して、めくり上げたスカートごとしっかりと身体を抱きとめ、淫魔は修道女の蜜のついたままの右手を自分の秘裂に伸ばした。
くちゅ、と、ぬかるみの音が響く。
淫魔「んっは! すご……修道女のお汁、おいしい……くふっ」
ぽたぽたとしたたらせながら、淫魔は右手を動かす。
淫魔「ん……んふ、もう、いいかな?」
たっぷりと濡れ、指のあいだに糸を引く右手を、修道女の目の前にかざして、閉じたり開いたりする。
淫魔「ほら、すごいでしょ。淫魔の蜜でかき回したら、あなた、どうなっちゃうんだろうね?」
修道女「……くっ!」
修道女は目をつむり首をそらし、四肢を振って暴れるが、淫魔はどうに回した左腕一本で修道女の動きを封じる。
淫魔「優しくしてあげるから……最初はね」
暴れる修道女の抵抗を楽しむかのように、ゆっくりと淫魔の右手がパンツに差し込まれ、にちゃりと、ひどく濡れた音を立てる。
64 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 14:23:48.76 ID:MJKDne9Zo
修道女「くっ……」
淫魔「そうそう、頑張ればガマンできるよ? ガマンすればするほど、あとで気持ちよくなるからねー」
ちゅくちゅくと、淫魔はまだイって間もない修道女の秘部を責め始める。
淫魔「ねえわかる? わたしのエッチな蜜が、修道女のエッチなところに染みこんでくの」
修道女「……ッ!」
淫魔「ほら、クリトリスにも」
修道女「んっ!」
淫魔「奥にも、塗り込んであげる」
修道女「くは……」
手のひらで肉豆を、中指で壺を刺激する淫魔の責めは、単純だが修道女を確実に追い詰めていった。
淫魔「わ、すごい。さすが処女だね。指一本できっつきつなのに、やわらかーい」
ちゅっこちゅっこ
修道女「んあっ!」
淫魔「ふふ、かわいい声出たね……感じてきたでしょ?」
修道女「そ、そんなわけ……っ!」
淫魔「ううん。わかるでしょ? わたしの蜜だけじゃ、こんなにならないよねえ?」
修道女「え?」
うつむいた修道女の顔が羞恥に染まった。
すでに修道女の愛液はパンツからあふれ、ガーターベルトをつたい、太もも丈のストッキングの履き口を濡らしていた。
修道女「あ……や……」
じゅくんっ!
うれた桃を握りつぶしたような、粘りけのある水音が響いた。
修道女「ひ……きゃああっ! あああっ!」
淫魔「ふふふ、ちょっと本気で責めてあげる。何秒持つかなあ? ふふふ」
修道女「あああっ! ふぐ!」
淫魔「ちょっとうるさーい」
淫魔は左手で修道女の口を覆った。
65 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(関西地方)
:2011/11/06(日) 14:31:27.36 ID:6kfa8DREo
他の伏字になる言葉とかはここ見て貰えればわかりやすいかも
パー速機能覚書・テスト
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1315030525/
流れぶった切ってすまん
VIPから見てた。楽しみにしてる
66 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 14:32:04.81 ID:MJKDne9Zo
修道女「むぐっ!?」
淫魔「ほら、口で息できないよ? 鼻で息しないと。 はい、吸ってぇ……吐いてぇ」
修道女「うぐぐ……すうう……ふうう……すうう……」
淫魔「いい子、いい子。はい、吸って、吐いて」
修道女「すうう……ふうう……すうう……ふうう……」
口をふさぎ、修道女の呼吸を掌握した淫魔は、呼吸のリズムに合わせて肉壺を責めあげた。
乱暴な水音はさらに増し、修道女の目が見開かれる。
修道女「んうううっ!」
淫魔「ほら、息して」
修道女「ううう……すうう……ふうう……」
淫魔「んふふ」
少しずつ、修道女は淫魔の思うがままになっていた。
じゅっくじゅっくと呼吸に合わせて動く淫魔の指先は、秘部を自分でいじったこともない処女の修道女にとって、あまりにも甘美だった。
分泌される愛液の量がさらに増え、奥の方から熱くて白く、ねばついた蜜が降りてくると、淫魔は指先の動きを早め、修道女を追い詰めていく。
修道女「あああ、すうう……んううう……ふうう」
淫魔「そうそう、息してね。そろそろイこうか? 続けての2回目はもっと気持ちいいよ?」
修道女「んう? んううう!?」
淫魔「遠慮しないの! そおれっ!」
じゅくじゅくと、パンツの布越しにでも蜜が飛び散るほど深くかき乱され、修道女は背をのけぞらせて絶頂した。
修道女「んっぐ! んんううううううううう!」
淫魔「結構ガマンしたねぇ。えらいねぇ。気持ちよかったね」
倒れるほどではないが脱力した修道女の体重を胸で支えてやり、淫魔は口から左手をはなし、両手を修道女の陰部に回した。
淫魔「じゃ、続けてイってみよっか」
修道女「ひっ!」
両手がパンツの中にさし込まれ、淫魔の手が秘部に触れると、修道女は息を呑んだ。
67 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 14:36:26.46 ID:MJKDne9Zo
修道女「やめ……!」
淫魔「それじゃあいくよ。良い声聞かせてね……んふふ」
パンツの上から差し込まれた右手と、横から差し込まれた左手が、絶頂を迎えたばかりの秘裂を蹂躙し、愛液を噴き出させた。
修道女「んあああああっ! やめえええっ! また……ああああっ!」
淫魔「ふふふ、それ、それ! そおれっ!」
修道女は狂ったように頭を振り回し、銀の短剣を握りしめた手は、淫魔に突き刺すことを忘れて、口に当てられ、声を出さないよう、淫魔の愛撫に流されないよう、必死の抵抗をした。
淫魔の手によってできたパンツと肌のあいだから、蜜が飛び散り、パンツやストッキングから粘液が糸を引いて床へと垂れる。
かき混ぜられた泡と、分泌液そのものの色から、飛び散る蜜は白みを帯び、修道女の下半身全体をべっとりと濡らしていた。
修道女「だめえええ! やめてえええええ!」
淫魔「やめないよ、ねえ、どう?」
修道女「気持ちいい! 気持ちいいから! 気持ちいいのいやあ!」
淫魔「ふふふ当然でしょ? 気持ちよくしてるんだもん。ほらほらほら!」
何度目かの潮を吹き、汗まみれの顔に金髪を張り付かせながら、修道女は叫んだ。
修道女「男! もうわかった! わかったああああ!」
男「へ?」
壁にもたれかかっていた幼馴染を胸に抱きながら、修道女の痴態に股間を膨らませ呆然と見入っていた男は、突然呼ばれて頓狂な声を上げた。
男「なんだよ?」
修道女「わたしの……あっまた……ああっ……わたしの負けえええ!」
男「はあ?」
修道女「わたしが悪かった。もう、男たちに手は出さない。だから、この使い魔を止めて……あ、……とめ……んんんんんっ!」
修道女は満足に言葉を続けることもできなかった。
修道女の首筋をなめ上げ、淫魔は尋ねた。
淫魔「だってさ、男、どうする?」
男「いや、おれは別に、修道女が幼馴染にひどいことしなければそれでいいんだが」
修道女「わかった! 約束する! んあああああっ! ……もう、幼馴染の術は解かない! だからはや……く……んあああああっ」
修道女の下半身はガクガクとふるえ、愛液の分泌はとどまることを知らず、もはや失禁のような勢いで粘液を飛び散らせながら、修道女は懇願した。
68 :
淫魔「ううん、65、教えてくれてありがと」
:2011/11/06(日) 14:53:33.63 ID:MJKDne9Zo
男「でもなあ、そいつ、べつにおれの使い魔じゃないんだよ」
修道女「な……に? 契約者は他に?」
淫魔「いんや。わたしの契約者は男だけど、労使関係は結んでないから、あくまでも友達。お願いを聞くことはあっても命令される義理はない。だから、男に助けを求めるのはお門違いだよ」
修道女「そん……な……じゃあお前はどうしてここに居る……んんんっ!」
指の動きを止めず、淫魔は聞き返す。
淫魔「どうしてって?」
修道女「召喚されたわけでなく……んう……なぜ現世に、悪魔がいる」
淫魔「ふふふ、カオスを飛び越えて来たんだよ」
修道女の顔が凍り付いた。
修道女「うそ……」
淫魔「ホントだよ」
修道女「そんな! だとすればあなたは……」
淫魔「はい、そこまで……んちゅ……るるるっ」
驚き振り向いた修道女の口に吸い付き、くちびるをふさぎ、したをねじ込み、淫魔は修道女の言葉を止める。
修道女「ん……ぐ……う……ちゅる……るる……」
淫魔「んふふ……んふ……ちゅろろ……んちゅ……」
上の口の舌を絡めとり、下の秘裂ではパンツの中を両手がさらに動きを早め、深く素早くかき回しまくった。
修道女は驚き戸惑い、淫魔の目を見つめていたが、淫魔の舌使いと指使いに、目はすぐに上を向いて白眼になり、うなり声を上げて深い絶頂を迎えた。
修道女「んぐ! んっっぎううううう! んぐうううううううっ!」
飛び上がるほどに硬直した修道女の全身は、しばらくの間かたまり、やがて崩れた。
淫魔と修道女のくちびるが離れ、白目を剥いた修道女は倒れかける。
69 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/06(日) 15:26:17.25 ID:MJKDne9Zo
淫魔「おっと!」
淫魔は垂直に落下する修道女のからだを受け止め、尻を抱えM字に開脚させて抱き上げると、じっとり濡れたパンツの股布を横にずらし、金色の柔毛をいただいた桃色の秘裂を、ぱっくりと左右に押し広げた。
真っ赤に充血した粘膜が外気に、呆然と眺める男の目にさらされる。
淫魔「ほら、わかる? あなたのおまんこ、男に見られちゃってる。 あなたがまだ誰にも見せたことのなかった、オンナノコの一番恥ずかしい桃色のお肉、今日会ったばかりのオトコノコに見られてるね……んふふ」
修道女「や……もう……やめ……」
男の視線に修道女はうつむき、鼻を鳴らしてなみだを流す。
淫魔「あなたのココロ、搾り取ってあげる」
桃色の粘膜をいっぱいに開かれ、膣口も尿道口も丸見えになった修道女の女性器の一番上、敏感な小さな突起を、淫魔の指がきゅ、とひねり潰した。
修道女「ぎい!やめ……あ……あは……ああああ……」
修道女の身体がびくんとそり、M字に開かれた足が震え、そして……
ちょろろろろ……
小陰唇を開かれ、むき出しになった尿道から少し黄色をした尿が、放物線を描いて床に注がれた。
修道女「ああ……あは……ああぅ」
修道女は見開いたうつろな目から涙をながし、うつむいた。
淫魔「ふふ、途中で漏らしちゃうと思ってたんだけどなあ……ちゃんとガマンしていい子だね。でも、もうガマンなんて、させてあげない」
淫魔は修道女の金色の髪を鼻でかき分け、横顔にキスをする。
オリーブ色の目は焦点が合わず、修道女は絞り出すような声で懇願した。
修道女「おねがい……もうやめて……ひどいこと、しないで……」
淫魔「やめるわけないよ? 捕まったオンナノコが、されることなんてひとつでしょ?」
修道女「いや……もう、いやあ……」
淫魔「んふふ、あなたがわたしのカラダにしたみたいに、あなたのココロ、ズタズタにしてあげる。あなたのプライド、わたしの術で壊してあげる。本当の痛み、教えてあげる……んふふふふ」
修道女「いや……たすけ……」
淫魔「んふ、その顔いいねえ、ゾクゾクしちゃう……おっと」
淫魔はM字に抱き上げていた修道女の身体から、そのまま手を離した。
修道女「きゃあっ!」
丸まったまま空中に投げられた修道女は、尻から学校の硬い廊下に落下することを察し、身体を硬くしたが、落ちたのはやわらかなベッドの上だった。
70 :
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(沖縄県)
:2011/11/06(日) 15:36:57.40 ID:MJKDne9Zo
修道女「え?」
学校の廊下の床が、すべて白いシーツのベッドになっていた。
身をよじるとわずかにスプリングのきしむ音がする。
振り返ると、少し離れて淫魔が立っていた。
着衣はかなり乱れ、下着はほとんど濡れてしまっているものの、まだ服を着ている修道女を、全裸の淫魔は得意そうに見下ろした。
淫魔「エッチの経験が違いすぎる。わかりなさい……んふふ」
修道女「くっ……」
幼馴染を守る男をいたぶったときに修道女が吐いた台詞を、淫魔はまねていた。
くちびるを噛む修道女に、淫魔は尋ねた。
淫魔「ね、なにか来ない?」
修道女「え? ……んあっ?」
淫魔の言葉を合図にしたように、修道女の身体の奥底から、快楽の炎が再燃した。
パンツの中で暖かいものが、秘裂からあふれる。
修道女「そんな……どうして?」
淫魔「そりゃあ、あれだけしたからねぇ。身体が発情しちゃって、気持ちいいのを求めちゃうんだよ。わたしみたいにね」
淫魔は恥ずかしげもなく修道女の目の前に両足を大きく開いて座り、自分の性器を開いて見せつける。
色素の薄いそこは桜色に充血し、とろとろと蜜がわき出ている。
淫魔「わたしなんて、最初あなたに殺されたときから、もうずっとこんなだよ? ほら」
ちゅくちゅく
淫魔「ほら? わかる?」
修道女「ううう……」
淫魔「教えてあげるからさ、自分でさわってごらん? [
田島「チ○コ破裂するっ!」
]の見せあいっこしよ?」
修道女「い……いや!」
淫魔「まったく、強情だなあ……」
淫魔が自分の背後のベッドの表面をポンポンとたたくと、シーツが内側から盛り上がり、ちょうど良い背もたれになった。
ぽすんと背中を預けて座り込み、淫魔は修道女にむけて足を開いて膝を立てる。
71 :
淫魔「ぐあ。やられた。油断した。今度は大丈夫かな。オナニー、んふふ」
[saga]:2011/11/06(日) 15:38:24.63 ID:MJKDne9Zo
修道女「え?」
学校の廊下の床が、すべて白いシーツのベッドになっていた。
身をよじるとわずかにスプリングのきしむ音がする。
振り返ると、少し離れて淫魔が立っていた。
着衣はかなり乱れ、下着はほとんど濡れてしまっているものの、まだ服を着ている修道女を、全裸の淫魔は得意そうに見下ろした。
淫魔「エッチの経験が違いすぎる。わかりなさい……んふふ」
修道女「くっ……」
幼馴染を守る男をいたぶったときに修道女が吐いた台詞を、淫魔はまねていた。
くちびるを噛む修道女に、淫魔は尋ねた。
淫魔「ね、なにか来ない?」
修道女「え? ……んあっ?」
淫魔の言葉を合図にしたように、修道女の身体の奥底から、快楽の炎が再燃した。
パンツの中で暖かいものが、秘裂からあふれる。
修道女「そんな……どうして?」
淫魔「そりゃあ、あれだけしたからねぇ。身体が発情しちゃって、気持ちいいのを求めちゃうんだよ。わたしみたいにね」
淫魔は恥ずかしげもなく修道女の目の前に両足を大きく開いて座り、自分の性器を開いて見せつける。
色素の薄いそこは桜色に充血し、とろとろと蜜がわき出ている。
淫魔「わたしなんて、最初あなたに殺されたときから、もうずっとこんなだよ? ほら」
ちゅくちゅく
淫魔「ほら? わかる?」
修道女「ううう……」
淫魔「教えてあげるからさ、自分でさわってごらん? オナニーの見せあいっこしよ?」
修道女「い……いや!」
淫魔「まったく、強情だなあ……」
淫魔が自分の背後のベッドの表面をポンポンとたたくと、シーツが内側から盛り上がり、ちょうど良い背もたれになった。
ぽすんと背中を預けて座り込み、淫魔は修道女にむけて足を開いて膝を立てる。
72 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/06(日) 15:45:21.08 ID:MJKDne9Zo
淫魔「じゃ、わたしがするのを見ててね……よっと」
足を開き、性器を左右に押し広げると、淫魔は最上部の突起を指ではじいた。
淫魔「んふ……ここが、クリトリス。一番気持ちいいところだけど、ここばっかり触ってても刺激になれちゃうから、適度に他のところも触ってみて。刺激に弱いから、最初は蜜多めにつけて、ゆっくり触るんだよ?」
にちゅ、と音を立てて、桜色の花びらをなぞる。
淫魔「これは小陰唇。ゆっくりなでてあげると、結構気持ちいいよ。外側のお肉は大陰唇。こっちはマッサージするみたいに、もみもみするといいね」
淫魔「クリトリスのすぐ下の小さい穴は、おしっこの穴ね。ここをトントンするとすぐ上のクリトリスに振動が伝わって、いい感じ……でぇ」
透明な蜜をあふれさせる入り口に指を伸ばし、入れずに周りをクルクルとなでる。
淫魔「ここが膣口。修道女はここが好きみたいだね。さっきクルクルされて何回もイっちゃったところだよ。オトコノコのおちんちんを入れるところで、初めてのオンナノコは、ここを押し広げられて血が出ることもあるね。筋肉はとても強いけど、粘膜は弱いから、触るときは爪で傷つけないように気をつけてね」
修道女「くうぅ……」
気持ちよさそうに自分の性器をなでる淫魔を見て、修道女は腰をくねらせる。
淫魔「修道女は初めてだから、ゆっくりね。蜜をつけた指でクリトリスを優しくこするだけ。これだけでいいからやってごらん?」
淫魔にうながされ、手を股に伸ばしかけ、修道女は我に返って首を振った。
淫魔「あれ? けっこうねばるねえ。お股はもう、ねばねばなのにねえ……ふふ」
くちゅくちゅと音を響かせて、淫魔はためらいがちに触る処女のような、つつましい自慰を始めた。
淫魔「んふ……じれったいけど……これはこれで、結構いいなあ……ん……」
目の前で自慰をされ、ほてった身体の発情はますます高まり、しかし修道女はかたくなに自慰を拒んでいた。
73 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/06(日) 15:52:47.59 ID:MJKDne9Zo
淫魔「もったいないなぁ……自分ですれば自分のペースで登れるから苦しくないのに……」
クリトリスへの刺激で淫魔の蜜は量を増し、むせかえるような甘い蜜のにおいが修道女の息を詰まらせる。
あまりにも甘美な絶望の淵で、修道女の頼るものは一つだった。
十字架の短剣を鞘に収め、大ぶりのロザリオに戻すと、胸の前で握りしめた。
背を丸めて涙を流しながら、助けを求める。
修道女「主よ……お助けください……主よ……」
腰までめくれ上がったスカートや、愛液に濡れそぼった下着をそのままに、いまだ残る快感に、へそから下をぴくぴくふるわせて、修道女は神に助けを求めた。
淫魔「あふ……そうかあ、まだ抵抗する気なんだね? じゃあ、とりあえず……」
妹に教えるように、丁寧な指の運びをしていた淫魔は修道女のふるまいを見て、女性器すべてを蹂躙する乱暴な自慰に切り替え、とりあえずの絶頂に至った。
淫魔「んっ……くっふう……さて」
横になって身体を丸め、目をかたくつむって胸のロザリオを握りしめる修道女に淫魔は這いより、自分の愛液にまみれた手で、修道女の頬をなでた。
修道女「ひ……」
淫魔「そんなに、しゅ、が好きなの……でもさ」
修道女「っ! わたしの信仰を疑うのですか!?」
淫魔「そんなことないよ。あなたの信仰は、そこらの同業者よりずっと深い。でも、それは本当にその、しゅ、に向けられたものなの?」
心を見透かされたような顔をし、修道女の祈りの言葉が止まった。
淫魔「まあ、自分でシないなら、それでいいんだけど。でも、抵抗するなら、わるいけどあなたの初めて、ひとつもらっちゃうよ? たぶん、あなたこの先もキレイなセックスしかしないだろうし、ちょうどいい相手もいるからさ」
淫魔が指で輪を作ってキスをし、パチンと鳴らすと、淫魔と修道女から少し離れたベッドに、ひとりの少年が落ちてきた。
74 :
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[qnuvgoly@ezkuaiou.com]:2011/11/06(日) 15:52:58.61 ID:sMkosMnz0
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75 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/06(日) 16:16:23.12 ID:MJKDne9Zo
天使「え……ああっ! 淫魔……」
もぞもぞとシーツの上で不器用に姿勢を変える。両手をうしろに縛られている。
修道女「え……まさか、御使い様?」
淫魔「そうだよ、その末席を汚す天使くんだ。天使くん、こちら、無謀にもわたしを殺そうとした退魔師の修道女さん。仲良くしてあげてね」
天使「よくもそんなことを……貴様の仕業だろう! ここ何日か、みんなが相手してくれないし、手は縛られるしで大変なんだ!」
淫魔「うん。そろそろ呼び出して、おいしいのつまもうかと思ってたから、1週間射精禁止のお願いしたの。もう6日目か、辛かったよね。ふふふ」
全裸の淫魔を熱っぽく見つめる天使に歩み寄ると、淫魔はすぐ前に足を開いてしゃがみこみ、天使の両耳の後ろに優しく手を添えて深々とキスをした。
天使は抵抗しない。
天使「んぷ……ん……ちゅる……こくん……」
淫魔「んく……ん……くちゅ……ふふふ、恋人みたいなキスしちゃって……上手になったじゃない。魔人たちにどれだけ仕込まれたの?」
天使「う……」
顔を赤くする天使に、淫魔はささやいた。
淫魔「6日もガマンして、いまのあなたがわたしの唾のんだら、どうなっちゃうかわかってるのに、天使もやらしくなったねえ」
天使「わかってるなら、たのむ。もう、ガマンできないんだ」
淫魔「たのむ?」
天使「くう……お願いします! 私のチンコ、思いっきりしごいてください。チンコみるく出させてええ!」
淫魔「んふ……すごいこと言うね。んふふ」
天使「おねがいします。淫魔様のよだれが回ってきて、おかしくなりそうですう!」
淫魔「ふふふ、いいよ。搾ってあげる。立って……」
後ろ手に縛られた天使に手を貸し立ちあがらせ、淫魔はしゃがんだまま丈の短い白い服をめくり上げた。
76 :
淫魔「ごめん、投稿範囲間違えた」
:2011/11/06(日) 16:17:45.26 ID:MJKDne9Zo
天使「ひゃっ!」
輝くばかりの金色の巻き毛を短く切りそろえ、青い目に白い服の少年が、ベッドの上でわめいていた。
天使「な、なに? ここ、どこ!?」
淫魔「やあ、久しぶり。魔界の生活はどう?」
天使「え……ああっ! 淫魔……」
もぞもぞとシーツの上で不器用に姿勢を変える。両手をうしろに縛られている。
修道女「え……まさか、御使い様?」
淫魔「そうだよ、その末席を汚す天使くんだ。天使くん、こちら、無謀にもわたしを殺そうとした退魔師の修道女さん。仲良くしてあげてね」
天使「よくもそんなことを……貴様の仕業だろう! ここ何日か、みんなが相手してくれないし、手は縛られるしで大変なんだ!」
淫魔「うん。そろそろ呼び出して、おいしいのつまもうかと思ってたから、1週間射精禁止のお願いしたの。もう6日目か、辛かったよね。ふふふ」
全裸の淫魔を熱っぽく見つめる天使に歩み寄ると、淫魔はすぐ前に足を開いてしゃがみこみ、天使の両耳の後ろに優しく手を添えて深々とキスをした。
天使は抵抗しない。
天使「んぷ……ん……ちゅる……こくん……」
淫魔「んく……ん……くちゅ……ふふふ、恋人みたいなキスしちゃって……上手になったじゃない。魔人たちにどれだけ仕込まれたの?」
天使「う……」
顔を赤くする天使に、淫魔はささやいた。
淫魔「6日もガマンして、いまのあなたがわたしの唾のんだら、どうなっちゃうかわかってるのに、天使もやらしくなったねえ」
天使「わかってるなら、たのむ。もう、ガマンできないんだ」
淫魔「たのむ?」
天使「くう……お願いします! 私のチンコ、思いっきりしごいてください。チンコみるく出させてええ!」
淫魔「んふ……すごいこと言うね。んふふ」
天使「おねがいします。淫魔翌様のよだれが回ってきて、おかしくなりそうですう!」
淫魔「ふふふ、いいよ。搾ってあげる。立って……」
後ろ手に縛られた天使に手を貸し立ちあがらせ、淫魔はしゃがんだまま丈の短い白い服をめくり上げた。
77 :
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(沖縄県)
:2011/11/06(日) 16:23:11.54 ID:MJKDne9Zo
修道女「ひっ!」
天使と淫魔のやりとりを見ていた修道女が細い悲鳴を上げた。
無毛の白い腹部に、ぷっくりしたつやつやの玉袋、少年らしい大きさの性器は勃起して先端があらわれている。
肌と同じ、白いクリーム色のサオは触れてもいないのにビクビクとけいれんし、桃色の先端から透明な先走りが糸を引いてところどころに玉を作り、数珠状にしたたる。
淫魔「うわ、こんなに。それに美味しそうにむけて……あの子たち、よく育てたね」
天使「うううう、おねがいしますうう」
淫魔「ふふ、かわいくなったね……美味しそ……ちょっと味見させてね」
淫魔は天使の先端にキスすると、かわいらしいペニスを一気に根元まで飲み込んだ。
天使「ひゃあううううっ!?」
じゅぷじゅぷと音を立て、豪快に責める。
天使も最初は快楽に顔をとろけさせていたが、切羽詰まった様子で頭を振り始めた。
天使「淫魔翌様! おねがいします! イかせてくださいいい!」
淫魔「んふふ、だーめ」
淫魔は盛大に天使の陰茎を刺激していたが、絶妙なコントロールで射精を許さず、一歩手前で踏みとどまらせていた。
天使「そ、そんなあああ! 搾ってくださいい!」
ちゅぽん
天使のいちもつから口を離し、刺激に真っ赤に膨らんだ亀頭を手で包んで摩擦する。
快感に天使の腰が引けるが、やはり射精はさせない。
ちゅくちゅく……
天使「は……あうう……」
淫魔「もちろん搾ってあげる。でも、出すのは私じゃなくて……」
淫魔が視線を向けた先、未だ快楽に抵抗する修道女の姿があった。
二人の異様な視線を受け、修道女は逃げだそうとしたが、快楽に砕けた腰に力は入らず、二人に腰までスカートのめくれ上がった下半身を見せる格好でシーツに倒れ込んだ。
修道女の濡れそぼった下着に、天使の亀頭がぴくりと反応した。
78 :
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(沖縄県)
:2011/11/06(日) 16:34:01.51 ID:MJKDne9Zo
修道女「や……やあ……たすけ……主よ」
淫魔「んふふ、まーてー」
腹ばいになって逃げようとする修道女の前に床のベッドをギシギシ言わせて回り込み、淫魔は自らの秘部を修道女の鼻先に、両足を修道女の肩において押さえ込んだ。修道女のスカートを胸のあたりまでめくり上げ、白いパンツをずり下ろす。
修道女「きゃああああああっ!」
発情しきった秘裂は今の天使にはあまりにも魅力的だった。天使は吸い寄せられるようにふらふらと、修道女の後ろにひざまずく。
淫魔が腕を回し、修道女の腰を持ち上げると、天使は暖かい蜜のあふれる秘裂に入れようと腰を進めたが、淫魔が制した。
淫魔「ちょっと待った」
言葉に従い、天使の動きが止まる。
天使「うう、なんですか? この人に入れて出せって事じゃないんですか?」
淫魔「いんや、もちろん」
修道女「いや! やめえ!」
ひどい物言いに、修道女は声を上げた。
淫魔「もう、うるさいから、ちょっとしゃぶってて」
淫魔は修道女の口に己の秘部を押し当て、黙らせる。
修道女「んぐっ!?」
淫魔「この子はね、こんな状態だけど信仰の徒だよ? 貞操もきちんと守ってる。それであんたは曲がりなりにも御使いでしょ? どうすべきか、わかるよねえ?」
天使「あぐ……」
天使の中で、使徒たるプライドと快楽が戦っていたようだが、すぐに快楽が勝利を収めたらしい。
腰の位置を少し上げ、蜜したたる秘裂ではなく、桃色のすぼまりに陰茎の先端を当てた。
修道女「んぐうう!」
淫魔「こら!」
79 :
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(沖縄県)
:2011/11/06(日) 16:42:28.51 ID:MJKDne9Zo
淫魔が一喝すると、天使はうしろに飛び下がった。
捨てられた犬のような目をして、恨めしげに淫魔を見る。
天使「こ、ここでもないんですか?」
淫魔「いや、間違ってないよ。とってもいい判断だ」
修道女「んううううっ!」
抗議の声を上げる修道女のくちびるに、淫魔の秘部がさらに強く押し当てられる。
淫魔「修道女、あなたはわたしのしゃぶっててね。天使、場所は間違ってはいない。おまんこは確かに濡れてるけど、そこがおちんちん入れられる状態だと思う? そこに入れる前にはちゃんと準備のご奉仕、でしょ?」
天使「あ……そうだ。ごめんなさい、修道女さん」
天使はぺこりと頭を下げ、膝立ちで修道女の後ろににじり寄る。
淫魔「ちゃんと言うんだよ? 修道女サマ、しつれいしますって」
天使「は……はい。修道女様、あなたのお尻の穴、いただきます。失礼します」
修道女「んうーっ!」
口を淫魔の秘部でふさがれた修道女が抗議の叫びを上げるが、天使は気にすることなく修道女の肛門にキスをした。
肛門への愛撫だというのに、天使は慣れたもので、周囲をなめ上げ、舌でしわをなぞり、すぼまりに舌を滑り込ませるのにもためらいはなかった。
最初のうちは抗議のうめきを上げていた修道女の声に、甘いものが混じり始めた。
修道女「んふ……んんう」
淫魔「ふふ、天使、結構上手だね」
天使「あの……手が使えたら、もっと……その」
おずおずと天使が申し出た。
淫魔「だめ。いま手を自由にしたら、チンコしごいちゃうでしょ?」
天使「う、ううう……わかりました」
80 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/06(日) 16:48:34.07 ID:MJKDne9Zo
淫魔の両足で修道女の両肩はベッドに押しつけられ、口元は淫魔の女性器に押し当てられている。本来の修道女の力なら、淫魔の体重くらい、抜け出すのに難しい体勢ではないが、先ほどの快感が抜けきっていないというのに、肛門を天使にいじられ、体中を快感が走るいま、この淫靡な固めから逃れる術はなかった。
そして何よりの問題は、淫魔の放つ臭いだった。
人間のそれのような排泄物の臭いは全くなく、いままで修道女が仕留めた、魚やトカゲのような悪魔たちの放つ、陰鬱な生臭さもない。
ただひたすらに香り高く、千の果実と万の花を集め、蜂蜜で練り上げたような芳香は、口にしたときの甘さを物語る。
口を当てられ、鼻先を陰核すれすれに固定された修道女に、淫魔の臭いを防ぐ手立てはなく、淫魔の蜜を口に含みたくなる誘惑に、目を閉じるくらいが精一杯だ。
淫魔「ふふ、いいにおいでしょ?」
頭上から降りかかる淫魔の言葉に、修道女は思わず同意しそうになり、淫魔の股のあいだで首を振った。
淫魔「あん、そんなに動かないでよ」
わずかでも動き、刺激を与えると、口元の秘裂からは熱い蜜が吹き出し、修道女の思考を鈍らせる。
それでも修道女は最後の一線は越えまいと、この相手が悪魔であり、汚らわしく、倒すべき敵であると己に言い聞かせる。
しかし。
淫魔「もう、強情だなあ……えい!」
修道女の必死の抵抗をあざ笑うかのように、淫魔は修道女の鼻をつまんだ。
修道女「んうっ?」
芳香が絶たれ、一瞬の安堵を浮かべたが、すぐにそれが間違いだと気づいた。
もし、いま口を開けたら、淫魔の蜜を飲んでしまう。
抗いがたい誘惑の蜜が口元を流れる。
修道女「んぐ? んぐぐっ!」
上目遣いに淫魔を見ると、いたぶるのを楽しむ妖しい笑いを浮かべていた。
遂に息が切れ、胸に溜めていた息を口から吐き出す。
濡れた淫魔の秘部で、汚い音がした。
ぶうううううう
淫魔「んあっ!? ……ふふ、おならって、こんな感じなのかな?」
息をはき出すことはできた。
しかし、吸えない。押しつけられた淫魔の秘部の暖かさがある限り、口を開けば蜜を吸ってしまうのだ。
もうろうとした頭で、口の周りの暖かさが消えることだけを祈っていると、それが通じたのか、淫魔の秘部が、口元から放された。
空気だ!
口を大きく開けて、息を吸う。
胸に半分くらい空気が入ったところで、大きく開けた口に、淫魔の秘部が押し当てられた。
81 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)
:2011/11/06(日) 16:53:30.53 ID:JXo8nTS60
修道女がイキ狂うのが楽しみすぎてレポートが終わらないです。
82 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 16:57:01.08 ID:MJKDne9Zo
鼻をつまんでいた淫魔の両手は修道女の後頭部に添えられ、口が閉じられないよう押さえつけられる。
鼻腔一杯にまた淫魔の蜜のにおいが広がり……
修道女「ん! んんんん!」
淫魔「や……そんなに声出しちゃ……んああああっ!」
淫魔の膣口からあふれた蜜が、しぶきを上げて修道女の口内を犯す。
蜜は修道女の想像を遙かに超えて甘く、ほんのわずかに酸味があり、修道女が今まで口にしたいろいろな果物に似ていたが、そのどれよりもはるかに香り高く、甘い。
修道女の理性が必死に拒否しようとしたが、口に入ったそれは、舌とノドを心地よくとろけさせ、とてもはき出せるような代物ではない。
舌が、頬が、ノドが勝手に動いて嚥下し、熱を持って身体に染みこんでいくのを感じた。
淫魔「はあはあ……ふう……ね? 美味しいでしょ?」
軽い絶頂を迎えた淫魔が修道女の頭をなでるが、修道女は反応しない。
淫魔「あれ? ねえ、大丈夫? ……きゃあんっ!」
しばらく制止していた修道女が、突然熱に浮かされたような性急さで淫魔の秘部をしゃぶり始めた。
淫魔「やんっ……もう、イったばっかで……あ、また……んあっ!」
再び修道女の口内に愛液のしぶきがほとばしる。
今度はためらうことなく受け止め、飲み干す。
淫魔の甘い蜜はの誘惑には、修道女の精神を持ってしても勝てなかった。
ひたすらに蜜をむさぼり求めるいやしい獣に成り下がった自分を、修道女の理性は冷ややかに見下げていたが、その一方で理性は、どうすればより多くの蜜がもらえるのか、どのようにすれば淫魔をより悦ばせ、蜜の分泌を促すのかの助言も行った。
淫魔の陰核を鼻でこする。
小陰唇を舌でなぞり、かきわける。
蜜壺には舌を差し込むよりも、くちびるをすぼめて吸い出す方が、より多くの蜜が出てくることを修道女は瞬く間に学習していった。
淫魔「この子、すご……わたしの好きなやり方、どんどん見つけて……んああああっ!」
83 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/06(日) 16:57:41.67 ID:GbM6OIpUo
>>81
よう俺
84 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 17:04:14.86 ID:MJKDne9Zo
修道女が淫魔の蜜をすすると、修道女の肛門を愛撫していた天使が顔を上げた。
天使「あれ……もうほぐれて……」
淫魔「うん。わたしの飲んだから……んっ……体中、相手を受け入れるようになっちゃう……あ、そこもっとぉ!」
天使「じゃあ、もう入れてもいいですか?」
淫魔「いいけど……っ……前に入れたら、だめだからね? あと、やさしく、ゆっくりだよ?」
天使「はい!」
とてもよい顔で天使は返事すると、ぷるぷるに勃起した男性器を修道女の肛門に押し当てた。
天使「失礼します」
天使は最初、修道女の身体を気遣うように少しずつ挿入したが、亀頭を半分めり込ませた当たりで快感に打ち負け、一気に根元まで腰を打ち込んだ。
修道女「くあっ……あぐ……」
淫魔「んふ……あ……修道女! 大丈夫?」
天使「だめ……やわらかくて、あったかくて……ガマンできません!」
後ろ手に縛られたまま、天使はぐんぐん腰を使う。
ズンズンズン!
修道女「あっく……お腹……ぐあっ」
淫魔「ちょっと、天使! むりやり動きすぎ! もっとゆっくり!」
しかし、淫魔の言葉も聞かず、天使は夢中で腰を振り続ける。
淫魔「このバカ! 修道女が痛くなっちゃうでしょ!?」
天使を止める、淫魔が立ち上がろうとすると、修道女の手が淫魔の腰に伸び、引き倒した。
淫魔は仰向けにひっくり返り、修道女は淫魔の秘部に再びむしゃぶりついた。
淫魔「ひゃっ! 修道女? ……んうっ!」
顔を起こして修道女を見ると、修道女は夢中で淫魔の秘部を吸っている。
修道女「ちゅるるるる……んふっ……ずずずっ!」
肛門を強引に突かれる痛みも、淫魔の蜜の効果で快感に変わっているらしく、時折声に甘いものが混じる。
淫魔「そうか、気持ちいいんっ……だね。修道女」なでなで
修道女「ん……ちゅるるるっ!」
胸元の乳飲み子をなでるように、股ぐらの金髪をなで上げると、修道女はより強く淫魔を吸い上げる。
85 :
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(沖縄県)
:2011/11/06(日) 17:22:43.20 ID:MJKDne9Zo
淫魔「はあっあ……あん……さっきより上手く……あ……あれ?」
修道女の舌の動きは巧みさを増し、淫魔の蜜壺を止めどなくあふれさせる。
淫魔「ちょ……あっ! この子、才能……ありすぎっ! あっ! あっ!」
修道女「んふ……んちゅるるるっ! ふふ」
髪を振り乱して淫魔が首を上げると、修道女の声に笑いが混じっていた。
淫魔のツボをまたひとつ見つけたのだ。
淫魔「え、今笑ったでしょ!? あっだめ、そこだめ! あっ!ちょっとお! やっ あっ やめっ あっ ちょっ あっ あっ あっ やっ あっ!」
修道女「ちゅるるるる……ふふ……ちゅるるるるるる……うふふ」
修道女は見つけたツボを執拗に刺激する。
ツボを責められるたび、淫魔の下半身はちいさく、ピクッと震え、蜜をあふれさせる。
蜜と一緒におかしな声も出てしまい、百戦錬磨の淫魔が、いまだ処女の修道女の舌先に、楽器のように甘い声を発せられていた。
淫魔「やっ そこばっか あっ あっ やめっ あっ あっ あーっ!」
修道女「ちゅるるる……ん?」
淫魔の蜜の味の変化を感じ、修道女が口を離すと、透明だった蜜に白いものが混じっていた。
白いのだけをすくってなめると、今までの透明な蜜が果物なら、濃厚なミルクだ。
相変わらず何よりも甘かったが、飲むほどに身体の力が抜ける透明な蜜とはちがい、この膣からわき出る白い乳は力がわいてくるような味だ。
新たな味覚の、味の快楽の出現を悦びつつ、修道女はさらに責めを続ける。
淫魔「うそ、子宮が震えて……本気汁……でちゃって……んくっ!」
修道女「ちゅるるっ……れろっ……ちうー」
淫魔「だめ! いま吸った……は……も……もう、だ……め……んあっあああああああっ!」
修道女「んふ? んっちゅるる、こくん……ちゅるるるる……こくん」
修道女のノドに直接当たるほどの勢いで蜜を噴出し、淫魔の身体は脱力した。
淫魔「はあ、ふう、あは、んふふ……結構深く、イかされちゃった……」
絶頂に達した淫魔が下腹部を見ると、修道女は肛門をむりやりに犯されながらも、まだけなげに蜜を求めていた。
その姿が愛しくなり、淫魔は手で秘裂を隠した。
86 :
淫魔「んふふ、このあたりは、ちょっとはずかしいなあ……んふふ」
:2011/11/06(日) 17:29:34.63 ID:MJKDne9Zo
修道女「え? ……もっとぉ……ん……」
蜜の井戸を隠した淫魔の手を舐め上げ、修道女はさらなる蜜を欲した。
淫魔「ねえ修道女、わたしの、美味しい?」
修道女「……うん」
淫魔「あなた、本当に上手だから、ごほうびあげちゃう。立て続けにやらない、やめてって言ったらやめてくれるって約束するなら、美味しいの、たくさんあげる。どう?」
修道女「する……約束する……」
淫魔「ふふ、いい子。わたしのおなか、子宮のあたりを優しくなでながら、下のお口、少し強めに吸って。やさしくね……」
淫魔の手が秘部からどけられ、修道女はむしゃぶりついた。さらに淫魔の下腹部に手を伸ばし、赤ん坊の頭をなでるようになでさする。
淫魔「ん……そう。そのまま……あ……ひあああ」
修道女「ちゅる……ん……」
淫魔の声に、先ほどまであった余裕がなくなり、息がとたんに荒くなる。
淫魔「んは、すご、やっぱり……上手。そう、そこ吸って」
修道女「んふ、ちゅるる……ちうー」
淫魔は恥ずかしそうに手を口に当て、快感に必死で耐えているようだった。
淫魔「や……声出ちゃう……んあああっ……うあ、やさしい……よぉ」
修道女「んちゅ……ちゅ……ちゅっちゅ……ちゅー」
淫魔の目は天井の一点を見つめるようになり、身体に緊張が走った。
淫魔「あ……あ、来た……んんんっ! ああああああっ!!」
修道女「んぷ?! んじゅるるる こくん ちゅるるるる こっくん」
これまでと比べあまりにも早く簡単に淫魔は達し、修道女の口いっぱいにようやく飲みきれるほどの果物と乳の味のする蜜が注がれた。
淫魔の教えた方法はいままでよりはるかに多くの蜜を修道女に与えていた。
なによりも絶頂させられるその姿は、あまりにも無抵抗で、修道女に消えかけていた退魔師の心をうずかせた。
淫魔の教えたやり方は、淫魔の弱点なのだ。
悪魔の弱点を突き、浄化する退魔師の本能が、淫魔との約束を破り、さらなる責めを実行させた。
87 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/06(日) 17:43:46.51 ID:MJKDne9Zo
淫魔「はあ、はあ、はあ、ふう。……ふふ、ふう。どう? 美味しい?」
修道女「ええ……とても」
淫魔はいとおしげに修道女の頭をなでる。修道女はそれに顔を上げて笑顔で答える。
淫魔「んふ、わたし、やさしくされると、甘いの一杯出しちゃうんだよ? ね? だからあなたもやさしく……」
修道女「そうね……ふふ」
淫魔にほほえみ返し、体勢を戻すと、修道女はまた同様の責めを始めた。
優しく、可能な限り丁寧に淫魔の腹部をなでながら、蜜壺の入り口を吸う。
淫魔「ちょ、待って! 修道女! 続けては無理って! やっ、やめえええ!」
修道女「んっく、んっく……ちゅーるるる……ちゅー」
ビンを逆さにしたような勢いで、どっくんどっくんと断続的に修道女の口の中に大量の蜜があふれる。
可能な限り飲み込むが、修道女の飲み込む量より注がれる蜜はあまりにも多く、口の端からこぼれてベッドに盛大なシミを作った。
淫魔「修道女! 約束ううううぅ……うああああっ……やぶっ……くひぃ!」
修道女「んっふ、んちゅる……すごい……ちゅるる、おいし……」
淫魔「やっ……吸うの強すぎう! バカっ! バカぁ! ……っあ」
修道女「あまい……んちゅー……いいにおい……ん……こくん」
吸い付いていた淫魔の膣口がけいれんを始めたので、修道女が舌を差し入れると、淫魔の腰が跳ね上がった。
淫魔「だめ! いま、ベロはだめなの! 膣内はだめ! やめ! だめえええええ!」
膣の中は焼け付くように熱く、しかし蜜に満たされて甘く、しかも今は吸うよりほじる方が蜜をたくさん出すようだ。
舌を深々と膣に差し込んでやると、淫魔の身体はけいれんを始めた。下腹部もなでるだけでなく、指先でノックするように軽くたたくのも効果的のようだ。
淫魔「うそ……こんなの……良すぎ……あ……ああああああああああっ!!!」
追い詰められた淫魔は腰を拳ほど持ち上げ、全身を引きつらせて絶頂した。
あふれてくる蜜を、淫魔の秘部から離して口に止め、こぼれた蜜を舌なめずりして、修道女は笑う。
修道女「んふ、美味し……かわいい……ふふ」
深い絶頂に突き落とし、なお責め続けようとする修道女に向かって、息絶え絶えの淫魔はとろけきった声で叫んだ。
淫魔「も、もう……なめんなああっ!」
イきすぎて指先に力が入らないのか破裂音ではなく、ごく弱い摩擦音だったが、淫魔は指を鳴らした。
天使「え? あっ!」
両腕を縛られ、修道女の肛門に不器用なピストン運動を繰り返していた天使の、拘束が解かれた。
88 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/06(日) 17:54:40.10 ID:MJKDne9Zo
淫魔「天使! 修道女のお尻、腰つかんで思いっきりやっちゃいなさいっ! 突いて突いて突きまくって! 中で出してもよし! は……はやくっ!」
天使「は、はいっ! ありがとうございます!」
淫魔の許可を得た天使は、ほどよくくびれ、ガーターベルトの巻かれた修道女の腰をつかむと、いちど引き抜き、いまだ発射できず、怒張していたチンコを思い切り撃ち込んだ。
修道女「ふぐっ……ちゅるる……ちゅる」
淫魔「こいつ……まだ吸って! 放せ……放せっ!」
淫魔はかろうじて修道女の束縛を解き、後ずさったが、全身が快楽にしびれ、まともに動けない。
修道女がつま先の少し先に来る当たりまでどうにか離れ、一息ついた。
天使「んっくっふ! すご! やらかくて、しまってますううう!」
修道女「くはっ……淫魔……甘いの……んぐっ……もっとお……」
極上の媚薬である淫魔の蜜をたらふく飲み、それほど大きなものではないと言え天使の一物に肛門をガンガン突かれながら、それでも四つん這いの修道女は、淫魔へとにじり寄る。
その動きに淫魔の色がなくなる。
淫魔「へ? ちょっと天使! もっと本気で責めなよ! 早く中に出せえ!」
天使「もうちょっと! もうちょっとなんです!」
淫魔「あの子たち、毎日どんだけ責めてんだ、めちゃくちゃ長持ちじゃない……」
修道女「甘いの、うぐっ……ちょうだい……淫魔ぁ……」
淫魔「ひぃっ! 来ないで! 来ないでよお!」
にじり寄る修道女から、後ろ向きにずるずると淫魔は逃げたが、少しさがったところで背中にものが当たった。
淫魔「え……あ!」
振り返ると、廊下の壁。
快感により前後不覚の淫魔は、廊下を横切る方向に逃げていたのだ。
淫魔「やば……」
さらに横に逃げようとしても、すでに修道女が目の前に迫っていた。
89 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/06(日) 18:10:49.32 ID:MJKDne9Zo
修道女「ふふふ……つかまえた」
指が淫魔の足首をつかみ、壁により掛かっていた上半身ごと引きずり寄せる。
淫魔「ぬわっ ちょ、ちょっと待て!」
修道女「待ちません……ふふ、いただきます」
淫魔「やめ……ひゃあっ」
修道女「ちゅる……くちゅくちゅ……じゅるるるる」
淫魔「あ……おおおおお?」
修道女「ほら、こんなのどうですか? ちゅるるるる」
修道女は左手で淫魔の腹をなでながら、右手の中指を根元まで差し入れ、桃色のクリトリスをすする。
修道女「この奥の、指に当たるプニプニしてるの、子宮口ですよね? かわいい……ちうー」
淫魔「おあ……あ……やめ……て」
修道女「わかってます。優しく……ですよね。ほら、んちゅ……おいし」
指による愛撫に淫魔は完全に追い詰められ、壁により掛かっていた上半身を丸めて、股間の修道女の頭を抱え込んだ。
淫魔「はー……はー……天使、まだ出ないの?」
天使「もう、もう、きてます!」
淫魔「く……遅……すぎ……まにあわ……も……だめ……あ……あー……」
修道女「くちゅ……ほら、奥、ころころしてあげると、たくさん出ます。んっ」
淫魔「……あ……あー……あー……」
修道女「あれ? 蜜、出っぱなしですよ? んふふ、おいし。ちゅるる」
淫魔「あー……あ……あー……」
修道女「じゅる……じゅる……ちゅるるるるるるるっ!」
淫魔は壁際に追い詰められてしゃぶり尽くされ、うつろな目で快楽に惚け、ぽっかり開いた口からは、甘いうめき声とよだれが垂れるままだった。
頭にぽたぽたと淫魔のよだれが垂れ、修道女は顔を上げた。
修道女「あれ? どうしました? ……ふふ」
修道女は淫魔の顔を見ながら、ヒクつく淫魔の秘裂に手のひらを当て、ぷっくりと勃起したクリトリスごとゆるゆるとなで上げる。
力なく開かれた淫魔の下半身が、クリトリスが刺激を受けるたびにピクンと反応する。
淫魔「あ……あー……あー……」
修道女「ふふ、かわいい……あ」
修道女があっという間にとりこになり、たっぷりすすった淫魔の愛液に似た、透明な粘液が、淫魔の口からたれていた。
90 :
淫魔「ふふふ、お尻でふかぁくイってる。修道女め、ざまーみろ……でもちょっとうらやましい……んふふ」
[saga]:2011/11/06(日) 18:30:27.01 ID:MJKDne9Zo
修道女「ん……こっちは……どんな味なんですか?」
快楽に陥落した淫魔のほほに手を添え、修道女のくちびるがよだれの垂れる淫魔の口にむしゃぶりつく直前、肛門にピストン運動を繰り返していた天使が、身体を震わせた。
天使「6日! 6日溜めたのが! んあっ 出る! 出るっ! くううっ!」
ドクン……びゅるるるるるる!
淫魔とくちびるが重なる寸前で、修道女の身体は落下した。
淫魔のいまだこんこんと蜜をわき出し続ける秘部に、ぺちゃりと音を立てて顔が落ち、かろうじて動くことができていた四肢が、いまになって官能のしびれで言うことを聞かない。
修道女「ふえ?……うあ?」
自分の身体に起きた変化を修道女が理解しかねているあいだに、天使は射精しても勢いを失わない男根を、ふたたび打ち込み始めた。
天使「くふ! 射精したばっかのチンコ、修道女さんのなかでえ! あああっ! すごいいいいい!」
修道女「んうううっ!? へああああっ!?」
大便の排泄感にも似た、腰回りにねっとりとまとわりつくような快感の波が、立て続けに修道女を襲っていた。
粘膜への摩擦になれていない処女の身体に、天使の腰使いはあまりにも乱暴だったが、天使の精液が染みこんだ直腸は、摩擦のすべてを快感として感じていた。
修道女「えくっ……んおおおおおっ!?」
天使「んっ……あ なか、うごきはじめて……ああっ! こんなの、すごすぎ……ああああっ! また出るっ! くはあっ!」
びゅる、びゅるるるるっ!
修道女「でて……る……はぅ……んああっ!?」
天使「も、ガマンできないっ! 修道女さんっ もっと奥にっ!」
天使は力の抜けた修道女の身体を引き上げると、修道女の膝を抱え上げ、背面座位に突き上げた。
修道女「くっあ……ふか……あ」
天使「ぜんぶ……ぜんぶはいった! このまま……動きますね」
修道女「うご……く?」
修道女が言葉の意味を理解する前に、天使は下から思い切り突き上げた。
修道女「うっあ!……おなか……くはっ」
力の入らない腕と頭がガクガクと揺さぶられ、修道女の思考と快楽をかき混ぜる。
修道女「か……ぐえ……やめ……」
天使「無理です! 修道女さんの中、ステキすぎて……あ、また……くっ!」
びゅるるるるる!
天使が射精するたびに、修道女の感覚は鋭敏になっていった。淫魔の愛液の効果も相まって、人の脳では処理しきれない快楽に、修道女は糸の切れた人形のようになって、夢中で突き入れる天使のなすがままだった。
91 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/06(日) 18:49:52.26 ID:uYDnEKxIO
書き溜め尽きた?
92 :
淫魔「中の人の代理です。ええと、完結はしてますが、もっとえっちい展開を思いついて改稿しながら投稿中。……ふむ」
[saga]:2011/11/06(日) 19:01:38.94 ID:MJKDne9Zo
動かなかった淫魔の指先が、ぴくりと動いた。
淫魔「あ……あぇ? あ。戻ってこれた。あぶなかったぁ……ベッドの上でも殺されちゃうところだった……んふ……あの子にキスされながらかき混ぜられたら、どこまで堕ちちゃったかな?……んふふふ……んーっと」
淫魔は壁を背もたれに座ったまま、脱力していた四肢を思いっきり広げて伸びをし、目の前で少年にアヌスをぐちゃぐちゃに責められる修道女を見た。
修道女「もうやめ……たす……ぐえ」
天使「あああっ……ごめんなひゃい! ごえんなひゃいい! きもひよくへ、とまらいんれすうう!」
じゅっこじゅっこじゅっこ……
淫魔「うわあ、こりゃあひどい」
首が据わらなくなるほど、修道女は天使に突き崩されていた。
涙とよだれで顔はぐちゃぐちゃになり、深く天使の一物が突き入れられるたびに、いまだ男性を知らない女性器から愛液と尿の混ざった潮を噴き出す。
淫魔「ん……ふふ、今日は大量だなあ……」
修道女「ぐえ……主よ……お助け……」
天使「ああっ……修道女さん! 修道女さん!」
ズンズンズン!
淫魔「うわあ、修道女、すっごくエッチな顔してる〜」
修道女「げう……も……しぬ……う……しんじゃう……」
淫魔「ふつーの人間があんだけわたしの蜜飲んで、御使いにこれだけ責められたら、快楽で脳がチーズになって、もう死んでるだろうねえ。ね? 修道女」
修道女「んぐえ……あなた……わたしの……こと?」
淫魔「んう? や、じつはまだよくわかんないけどさ。天使、いちどストップ」
天使「ん……え?」
強烈な突き上げを止め、天使はまた恨めしそうに淫魔を見返した。
淫魔「とめて。ね? もっと気持ちよくなろう?」
天使「……はい」
淫魔「ふふ……いい子……んー」
淫魔は修道女のあごに手を当て、秘部をくゆくゆと揉みしだく。
手のひらに勃起した修道女のクリトリスが当たるが、それほどの硬さはない。
93 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
:2011/11/06(日) 19:46:00.62 ID:oCEUJ84po
どうしたんだ?
94 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(富山県)
[sage]:2011/11/06(日) 19:48:24.48 ID:TY4/OE3Zo
ここってサル食らったりするのか?
95 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(千葉県)
[sage]:2011/11/06(日) 20:05:45.58 ID:dCydCfduo
急がずゆるりと書いとくれ
96 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(千葉県)
[sage]:2011/11/06(日) 20:06:26.97 ID:dCydCfduo
急がずゆるりと書いとくれ
97 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(千葉県)
[sage]:2011/11/06(日) 20:07:31.68 ID:dCydCfduo
ミスって連投スマソ
98 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)
:2011/11/06(日) 20:08:21.80 ID:JXo8nTS60
今のうちにレポートを…!
99 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)
:2011/11/06(日) 20:09:06.77 ID:JXo8nTS60
今のうちにレポートを…!
100 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
:2011/11/06(日) 20:11:02.06 ID:8M0+8ar0o
なんだこれは?! たまげたなぁ
101 :
淫魔「ん、伝言。ええと、実体験だけでは不安なので、調べ物してました。この章は完走します……ふむ。んふふ」
[saga]:2011/11/06(日) 20:11:43.22 ID:MJKDne9Zo
修道女の表情と、性器の状態から、淫魔はだいたいのことを読み取った。
淫魔「ふむ……んー、良いけど最高ってわけでもなく、よくできました。でも、もうちょっとがんばろうね、天使」
天使「え、そう……なんですか、でも私は……あ、ごめんなさい」
淫魔「ふふ、それに気づけるようになって、成長したね。うん……まあ、あんなにおあずけされた後じゃ仕方ないけどさ、特にオトコノコはね。はい、言うこと」
天使「……ごめんなさい、修道女さん」
淫魔「ふふ、よろしい。いい? 天使。あなたの精液は、魔のものに対してとっても効果があるよね……んふふ、毎日わかってるでしょ?」
天使「う、それは……もう……」
淫魔「その効果に、ちょっと頼りすぎ。媚薬付けにすれば、多少の無茶は聞くけど、これはちょっと強引すぎだね」
天使「え? ……修道女さんは人ですよね?」
淫魔はくちびるをわなわなと震わせ、腰に手を当て、天使をしかりつける。
淫魔「ここ、こ……このバカ! わかんないのに、こんなにしてたの?」
天使「ひっ!」
淫魔「修道女がふつうの人間のオンナノコでも、こんな風にしてた?」
天使「は……はい」
淫魔「ふむ……前言撤回。天使。だめだめ。0点。失格。勉強も思いやりも足りません」
天使「うぐ……」
淫魔「いい? 天使、たしかにアナルセックスで座位に持ち込んだのはいい判断だと思う。アナルはオンナノコのお尻のお肉が邪魔で、後背位でも本当に深くは入りにくいからね。でも、後背位より、目での相手の観察がしにくくなるから、もっと身体で相手のことをわかってあげて」
天使「はい……ごめんなさい」
淫魔「うん。いい子。背面座位のいいところは、深くつながれることと、おっぱいがもめること……天使は突くのに夢中で、おっぱいさわってないじゃない。もっと気持ちよくしてあげようよ」
修道女「や……やめ……」
淫魔の手が修道女の服に伸びる。脱力した修道女にコレに抗う術はなく、いとも簡単に脱がされてしまった。
大ぶりの美しいバストを支える少々慎ましやかな作りのブラジャーをはぎ取ると
ゆさ、と修道女の肩が揺れた。
淫魔「う、大っきい……さ、天使。もんであげて……仕込まれてるでしょ? んふふ」
天使「はい……修道女さん、さわります」
天使の小さな手に修道女のバストはこぼれるほど大きかったが、天使は手慣れた様子で揉み、こね回し、周りから刺激して、赤く勃起したちくびをつまみ上げる。
修道女「ひゃっ……んっ……あ……」
102 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/06(日) 20:43:21.87 ID:MJKDne9Zo
淫魔「んふふ、天使、上手いじゃない。もう修道女、とろけ始めてる。あとは腰使いね。背面座位は体重のおかげで深くつながれるけど、その体重のせいで下のオトコノコが動きにくいの」
天使「え? そうなんですか? こんなに軽いのに」
天使は不思議そうな顔をして、自分は座ったまま修道女の脇に手を回し、亀頭が半分出るくらいにまで軽々と持ち上げた。
淫魔「動きにくいだよ。人間はね。御使いの剛力をこんなところでつかってどうすんのさ? ただでさえ深くつながるんだから、もっとゆっくり、ていねいにこね回してあげて。全身で跳ねようとするんじゃなくて、腰だけをくねらせる感じ。それでいいの」
天使「は、はい……こうですか?」
天使は正座したまま、腰だけを前後に動かし修道女の肛門をゆっくりとかき回す。
修道女「んあっ……やめて……やあ……あっ……」
淫魔「んふふ、そうそう。上手いよ天使。なんだ、できるんじゃない」
天使「その……いつもはこうやってるんです……あの、ごめんなさい、修道女さん。もっと気持ちよくしますから」
修道女「んあっ……やめ……放して……んああああっ!」
淫魔「んふふ、そうそう。それで、耳を舐めたり、首にキスしたり……腰使いはもっと、そう、男くんにされたみたいにしてあげて。ぬいて、入れて、かき混ぜてあげて」
ぴたりと、天使の動きが止まる。
天使「男様にされたみたいに……はいっ!」
とたんに天使は目を輝かせ、腰使いがとたんにねばりっこくなる。バストを丁寧に揉みしだき、修道女の首と耳に舌とくちびるで愛を訴える事も忘れない。
修道女の快感を読み取り、そしてささやく。
天使「あの……ここ、どうですか?」
天使は皮の薄く、敏感な修道女の乳首を遠慮がちに、しかし少し強めにつまみ上げる。
修道女「やめえ、そこ、らめえ……ふあっ! ああっ!」
天使「あ、ごめんなさい。痛かったですか?」
天使は修道女の言うとおり、手を引く。
淫魔「んふふ、天使、大丈夫だよ。天使はそれが嫌がってる声に聞こえるの?」
修道女の声には、戦いの時のりりしさも、むりやり突かれていたときの苦しみもなく、ただひたすらに甘い蜜のような声だった。
天使「……いいえ」
淫魔「うん、たまってた精液が減って、冷静になったね。それじゃ、そのまま、やさしくしてあげて。でも、修道女が何言ってもやめちゃダメ」
天使「はいっ!」
修道女「やめ……おねがい、やめあああっ ふあああっ……」
ぬんぬんぬん・・・・・
淫魔に指導された後の天使の腰使いは、修道女を完全にとろかした。
女性器は白い肌にそぐわぬほど真っ赤に充血し、クリトリスは完全に勃起している。
しかし、天使がその女性器に手を伸ばすことはなかった。
103 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/06(日) 20:53:51.10 ID:iY3xadGS0
この間男は放置プレイか?
104 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)
:2011/11/06(日) 21:54:05.41 ID:JXo8nTS60
俺達が放置プレイくらってるな
105 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(九州)
[sage]:2011/11/06(日) 21:54:24.80 ID:Cv2BsLLAO
書き込みエラーが表示されても書き込めてることも多いから一旦リロードしたほうがいいぞ
106 :
淫魔「代理です。んふふ。夢中で書いていました。上げていきます……んふ」
[saga]:2011/11/06(日) 22:16:39.91 ID:MJKDne9Zo
淫魔「天使、動きながら聞いてね。背面座位は深くつながりながらでもオトコノコがオンナノコの身体をたくさんさわってあげられる。そのいいところが、背面座位のアナルセックスでは最大限に発揮されるの。男にされたとき、私があなたになにしたか、おぼえてる?」
天使「ええと……14号と初めてしたときだから……あ!」
ひらめいた天使の手が、修道女の女性器に伸びる。
淫魔「うん、ストップ。そのとおり。アナルセックスで最高に発情したおまんこが、オトコノコの手に、とっても簡単に触られちゃうってこと。あの子たちにするときがあったら、やってあげてね。でも、いまはダメ。この子、処女だから、見えないのに動きながらさわったら、傷つけちゃうかも。いまは、おっぱいだけ愛してあげて」
天使「はい」
そう言うと天使はまた修道女のバストを責め始める。
修道女「んああっ……もう、んんんっ! やめええええ……」
淫魔「んふふ、修道女、とってもかわいい」
淫魔はアヌスを責められ、陥落寸前の修道女の前にしゃがみ込むと、女性器に手を触れ、言った。
淫魔「ねえ修道女、さっきはよくもやってくれたねえ……んふふ」
修道女「ふああ……ああああああ……」
淫魔「約束したのに、さんざんいたぶってくれちゃって……んふふ……どうしてくれようかなぁ……じゃあ、続けてイかせてあげるね?」
修道女「ふぇ……あ、やあああ、やめて、やめてぇ……」
淫魔「んふふ、さっきは快感もあんまりわかんなかったみたいだね、でも今度は違う。修道女のカラダ、もう気持ちいいこと知っちゃった。しかも、私の蜜をいっぱい飲んじゃって、天使の媚薬の精液がおしりにいっぱい。アナルセックスでお尻をこんなに愛されて、おっぱいもこんなに揉まれちゃって、しかも今度は後ろからじゃなくて前から。あなたの顔も、おなかの動きもはっきり見える……ふふふ……飛んじゃえ」
修道女「やめ、おねが……もうやめ……」
修道女顔から血の気が引き、身体は快感でなく、恐怖にかたかたと震える。
淫魔「んふふ、今際の言葉なんて聞いてあげないわ……んふふ。天使、おっきな声出るけど、驚かないで続けてね」
指一本での愛撫でさえ、容易に人間を狂わせる淫魔の両手が、赤く熱く発情した修道女のいまだ男を知らないそこに伸びる。
じゅくんっ!
修道女「ひああああっ! あああああっ!」
廊下の窓ガラスをびりびりと震わせるほどの大声を上げ、修道女の身体は電気が流れたようにけいれんする。
107 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/06(日) 22:36:21.43 ID:MJKDne9Zo
淫魔は修道女の女性器を奏であげる。
淫魔「ほーら、ほーら、はげしくっ!」
じゅくくん!
修道女「んあああああっ! いいいいっ!」
淫魔「みじかく」
ちゅく、ちゅく、ちゅく……
修道女「ひっ やっ あっ」
淫魔「ながーく」
ちゅっくん ちゅっくん
修道女「んあー……ああー……」
淫魔「んふふ、いい声……ほらほら」
修道女「ひあああああ! やっ あー……あー……んあああああああっ!」
淫魔「んふふ、わかるでしょ? もう、あなたの快感は、あなたの身体はわたしの思うがまま……んふふ、指先ひとつで……んふふ」
修道女「ひっ あっ……あっあー……ひああああああああっ…あっ……あ…」
修道女「あっ……あんっ ああああっ……あー、あああああっ! あ…………あー」
淫魔「んふふ、こんだけ感じれば、おりてきちゃうよね? オンナノコの大事なところ……んふふ」
淫魔は修道女の花びらをいじめながら、天使に顔を向ける。
淫魔「ねえ、天使、お尻の中はどう?」
天使「す、すごいです……うねって、くねって、壁の奥の方に、なんかこりこりしたのがあります」
淫魔「んふふ、それはねえ、気持ちよくてオトコノコの精液を求めて膣の方に降りて来ちゃったしきゅう。おちんちんで、ぐりぐりしてあげて」
天使「は……はい」
修道女「か……は………ああ……」
身体の裏側から、女性器の本体を責められ、身体はけいれんし、花びらからは蜜がこぼれ落ちているというのに、修道女は声を出さない。出せなかった。呼吸することすら困難なほどの快楽が、修道女の生命すら危険にさらしていた。
淫魔「んふふ、修道女、よっくもわたしのしきゅうとたまご、いじめてくれたねえ?」
修道女「……や…………た……す……」
淫魔「こんなに気持ちよくなれるところなのに、なにより赤ちゃんを作るオンナノコの大切なところなのに……ね、修道女もここに入ってるんだよ。ちゃんとオトコノコを受け止められるようになってるんだよ?」
汗ばんだ修道女の腹部、へその下あたりをゆるゆるとなであげる。
修道女「わ………たし……の……」
淫魔「そう、わかったね、いい子……んふふ。はい! おつかれさま!」
ぽんっ と淫魔は修道女の腹を軽く叩いた。
修道女は目を丸くして、淫魔を見つめ、その目が裏返り、腹がきゅっと引っ込み体中の筋肉がこわばり、そして、
修道女「くっあ……っ……あああああああああああああああああ!!!!!」
夜の学校中に響き渡る大声を上げて、快楽の頂点に至った。
まるで膣内射精されたかのような量で、白い子宮分泌液が、絶頂にすぼまる処女の膣口から噴き出し、淫魔の肌へとかかる。
天使「うああっ しまるっ くっあああっ!」
びゅるるっ! びゅるるっ! びゅるるるるるるるるっ!
修道女「あああああ…ああ…あは…………あはは………あー……」
脱力した尿道口からは尿が染み落ち、白い本気汁がとくとくと修道女の奥底から湧き出す。肛門の結合部からは、収まりきらなかった精液がこぼれた。
108 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/06(日) 22:48:01.76 ID:MJKDne9Zo
修道女「あ……はへ……」
天使「はあ、はあ……修道女さん……ありがとうございました」
天使は動かなくなった修道女のアヌスから、やわらかくなり始めた自身を引き抜いた。栓を失った肛門から、途切れることなく、濃厚な精液がこぼれ落ちる。
修道女を寝かせると、天使も両手を突いて崩れ落ちた。
淫魔「はい、天使。よくできました。これからもやさしくて気持ちいいエッチをね」
天使「は……はい……」
下を向いたまま、天使はぜぇぜぇと肩で息をする。
淫魔「んー……ねえ、まだ天使動ける?」
天使「も……もう、無理だ。最後の射精が……気持ちよすぎて、腰が……もう……うごかない」
淫魔「でもさ、ほら、あそこに」
天使「え?」
天使が顔を上げると、床がベッドになった学校の廊下の、淫魔が指さす先に、男の姿があった。
いままでの3人の痴態を見ていたので、微妙な笑顔で手を振る。
男「よ、よー天使。久しぶり」
天使「お…おとこ……さま……男様っ!」
立ち上がり、駆け寄ろうと天使は四肢に力を入れたが、快感に痺れた身体は思うように動かず、ベッドに前のめりに倒れた。
天使「うぷっ……ぐ……男様……」
男のところまで這いずってたどりつこうとする天使の胴をつかみ、淫魔は言う。
淫魔「天使、身体丸めて」
天使「は、はい? こうですか? …………きゃあああっ」
男に向かって、身体を丸めた天使を、淫魔は放り投げた。
109 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
:2011/11/06(日) 22:52:31.57 ID:8M0+8ar0o
きたー
110 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/06(日) 23:03:58.60 ID:iY3xadGS0
ついに男と天使の絡みか
待ったかいがあった
111 :
淫魔「伝言。また、ちょっと間が開きます…………ふむ、ペースが落ちてるねえ、んふふ……ふう」
[saga]:2011/11/06(日) 23:08:40.99 ID:MJKDne9Zo
男に向かって、身体を丸めた天使を、淫魔は放り投げた。
ぼいん ぼいん
天使はベッドのスプリングに2回弾み、男に抱き込まれて止まった。
顔を上げ、男を見つめ、男は微妙な表情でにやけた。
男「よ、よう、天使」
天使「お……男様! 男様っ! お会いしたかった……」
天使はぐりぐりと男のむねに顔を押しつける。
男「のわ、どーしたんだよ、天使……おまえ、もっとつんつんしてて……」
天使「言わないでください、男様! 恥ずかしい!」
天使は男の胸の中で身もだえする。
天使を放り投げ、淫魔は離れた場所に座る男に、言う。
淫魔「おとこー、しばらくその子おねがいねっ!」
男「は? おねがいってこいつ……うぷっ」
天使に口づけされ、男はその場に押し倒された。
淫魔「なんだ、まだ動けるじゃん……んふふ。さて……と」
112 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/06(日) 23:51:52.06 ID:MJKDne9Zo
淫魔は修道女を見下ろす。
天使は修道女を寝かせるときに、両足を閉じさせ、両手も身体の側面に沿うように置いたので、裸であることを別にすれば、修道女の姿勢は眠っているようだった。
しかし、その身体の様子は、とても睡眠とは似付かない。
快感にとろけた美しいオリーブ色の瞳は瞳孔が開き、焦点が合わず、目尻からはなみだが時たま流れる。
口は弛緩して開き、よだれが流れ出て桃色でやわらかなほほを汚す。
絶頂を終えてしばらく経つというのに、修道女の身体はまだいたるトコロが痙攣し。
乳房は天使にていねいに揉みしだかれて、いまだに官能に張りつめ、頂点の勃起は収まらない。
子宮を納めた腹部、腹筋も緊張と弛緩を繰り返し、その下、閉じられた両足に隠れた女性器の、ただ唯一見えるもっとも敏感な桃色のクリトリスは、まだ完全に勃起していた。
淫魔「んふふ」
淫魔は修道女の足側に立つと、足首もって左右に押し広げ、乙女の足を大の字に開いた。それだけで、発情しきった修道女の女性器は、にち、と粘りけのある音を立て、自然に開いた。
淫魔のいたぶりを受けて、修道女の女性器は赤い蘭のように開き、完全に発情していた。
クリトリスを包皮も小陰唇も、その内側の粘膜も真っ赤に充血し、膣は潤滑の蜜を流し、絶頂を期待していたのに、しかし、最後の最後で修道女は、身体の奥底で達していた。
性交経験の豊富な女性でも到達することの難しい、子宮による絶頂に、修道女自身は気絶してしまったが、おあずけされた修道女のメスの部分は、物欲しそうに蜜を流し、いまだに刺激を求めている。
膣口からこぼれ落ちる、透明な潤滑液と白い本気汁の混じった膣口からわき出る蜜を見て淫魔はぺろりと舌なめずりした。
淫魔「んふふ……美味しそう」
113 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/07(月) 00:33:42.60 ID:Xdb7DdHs0
天使かわいい
114 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/07(月) 00:34:13.90 ID:Xdb7DdHs0
天使かわいい
115 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/07(月) 00:34:55.44 ID:Xdb7DdHs0
天使かわいい
116 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/07(月) 00:35:21.55 ID:Xdb7DdHs0
連投すいません
117 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/07(月) 00:39:38.73 ID:uZkdM1eDO
おいついたー
VIP気づいたら落ちててたどりつけてよかった!
118 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)
[sage]:2011/11/07(月) 00:40:03.49 ID:F215AdE/0
天使もいいが、妹が一番だな。
119 :
淫魔「うん、天使かわいいよねえ、それに、とっても美味しい……んふふ」
[saga]:2011/11/07(月) 00:43:41.74 ID:TOnmkMFqo
淫魔は物欲しそうにヒクつく修道女の女性器に鼻を近づけると、花の香りを吸うように、おもいきり鼻で吸い込む。潤滑液と本気汁の混じった蜜、漏れだした尿、粘膜とわずかな恥垢、蒸れた内股、肛門からこぼれる天使の精液と、菜食主義者のわずかな大便のかけらが混じった腸液の香り。その複雑な、いきものの臭いを美味そうに淫魔は吸い込む。
淫魔「いただきます……まずは……こっちね」
淫魔が舌を伸ばしたのは、ぽっかりと空いた修道女の肛門だった。
丸く口を開けた肛門括約筋の襞に、くちびるを吸い付け、天使のはき出した精液を思い切り吸い込む。
淫魔「んっく……んっく……んっく……」
直腸の中身を吸いだし、飲む。
天使がペニスを挿入する前から直腸の奥にあった、固形物すら、精液と一緒に可能な限り吸い出し、もう出なくなると最後はの分は口に溜めて、肛門から口を離した。
修道女の身体を口から通り抜けてきた食べ物のなれの果てを、天使の精液と一緒に咀嚼し、ノドを大きく動かして飲み込む。
淫魔「んふふ、トウモロコシ、ほうれん草、かぼちゃ、にんじん、大豆。でも、ほとんどジャガイモだね……んふふ。ベジタリアン」
肛門の周りに突いた精液も舐めとり、淫魔が舌を這わせると、脱力して口を開けていた肛門括約筋に適度な緊張が戻り、元通りに閉じた。
そのまま、淫魔は少し上に顔をずらし、発情しきり蜜を垂れ流す女性器に舌を伸ばそうとして、動きを止め、上体を起こした。
淫魔「このままじゃ、まずいよね」
口元に手を当て、はーっと息を出し、臭いをかぐ。
天使の精液と修道女の排泄物の臭いが、かなり濃厚に鼻を突いた。
淫魔「うわ、臭い……ふふ、あなたは綺麗な顔して、こんなものおなかに入れてるんだねえ、修道女……んふふふ」
男女問わず誘惑し、快楽の沼に鎮めて処女童貞問わずその純潔を奪い、動かなくなるまでいたぶって、そのあとも存分精液と愛液をすする淫魔だったが、精液や大便がついたままの舌を、膣にねじ込むようなことはしなかった。
120 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/07(月) 01:11:17.88 ID:GgOgZc+to
ふたなりの登場はありますか!?
121 :
saga
[さが]:2011/11/07(月) 01:19:09.52 ID:TOnmkMFqo
淫魔「ん……」
淫魔は空中に手を振ると、清水の入ったワイン瓶を取り出し、何度かぶくぶくと口をゆすぐ。口の中の臭いを何度か確認し、うなずくと、ビンを虚空へ戻した。
淫魔「ちょっとだけ、ちょっとだけ味見……んふ」
ちゅぷ、修道女の赤く花開いた女性器全体を含むようにくちびるを多うと、修道女のへそからつま先までがわずかに反応した。
淫魔はくちびるを押しつけた女性器全体を、吸いながら舐め上げ、まずは尿と蜜の混じった味を楽しむ。
次いで、尿道口にくちびるをすぼめて吸い付かせ、すぐ上のクリトリスをひねり上げる。
勢い無くもれ出す苦じょっぱい尿を吸い込み、口の中でくちゅくちゅと味わってから飲み込む。それを何度か繰り返し、尿が出なくなると、淫魔は膣口に口を吸い付け、中の蜜を吸い出す。
吸い出すたびに、修道女の下半身がぴくんぴくんと反応し、蜜があふれる。
処女の膣口に舌を挿入し、処女膜を傷つけないように中を味わう。
淫魔「(修道女の処女の味……すっぱくて、しょっぱくて……美味しい……)」
淫魔が膣のごく浅いところを刺激すると、やはり下半身に軽い痙攣が起こる。
何度かその痙攣を楽しみ、舌を抜く。
淫魔「修道女、あなたのなか、とってもすてき……もっと奥まで……」
淫魔は舌をぺろりと出し、手で握ると、そのまま前方に引っ張る。桃色の舌は引っ張られるままに細長く伸び、長さは淫魔の腕いっぱい、太さは小指の半分ほどになった。
ヘビのように細くなった舌を自在に動かし、先端からするすると修道女の膣に挿入していく。長い舌をすべて挿入し、くちびるを女性器にぴったり付けるまでおさめると、修道女の膣内で細い舌をかき回し、とぐろを巻かせ、処女膣の粘膜をいたぶる。
気絶したままの修道女に蜜をふかせ、膣の収縮する感触を何度か楽しみ、さらに奥へ……
淫魔「こんなの……どう?」
長く伸びた細い舌の先端を、修道女の子宮口に進入させる。
異常事態に、修道女の下半身は逃げ出すようにけいれんする。
腹筋は、激しく上下し、足はぶるぶると宙を蹴り上げるように動く。
修道女の小さな子宮に舌あらかた納めると、子宮内で舌にとぐろを巻かせ、あるいは子宮の壁をなめ回し、先端を卵巣へとつづく卵管にすべりこませ、処女の内臓を味わう。
淫魔「んふふ……処女の子宮の味……卵管は、ちょっと苦い……健康だね。んふ、これは、修道女のたまご……このうちのどれかはいつか、修道女の赤ちゃんになるんだね……大切に舐めるね……ぷにぷに……よしよし……んふふ」
淫魔は修道女の卵巣に眠る卵子にまで舌を伸ばし、その弾力を堪能する。
細い舌の挿入された膣口を吸いながら、淫魔はしばらく処女の女性器の味と下半身のけいれんする様子を楽しんでいたが、ふと動きを止める。
122 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(栃木県)
[sage]:2011/11/07(月) 02:09:12.62 ID:rJMeAPsio
寝た?
123 :
淫魔「んふ、中の人、今日はもう寝るってさ。今日中に完結できなくてごめんて。じゃ、おやすみなさい」
[saga]:2011/11/07(月) 02:24:49.14 ID:TOnmkMFqo
淫魔「ふふいけない、味見だった……ばいばい。赤ちゃんたち、またくるね」
上体を起こし、ゆっくりと舌を卵巣から、卵管から、子宮から、子宮口から、膣から、膣内から引き抜いてゆく。ピストン運動の通常の性交ではあり得ない、一方向へ延々と続く、身体の奥底から出口への摩擦に、修道女の下半身はまたひどくけいれんする。細長い舌がすべて引きずり出されるまでに、修道女の膣口は何度も白と透明の蜜を噴き出し、淫魔の目と鼻と舌を楽しませる。
ビクビクと絶頂に収縮する膣口から、すべての舌を引きだし、淫魔は舌の最先端、修道女の奥の奥に入るため、子宮内でさらに細く先鋭化し、いまや髪の毛のようになっている舌先を鼻に伸ばして香りを楽しむ。
淫魔「ん、かわいい赤ちゃんの臭い……んふふ」
しばらく糸のような舌の先端を鼻先でくるくる回し、修道女の卵子の臭いに満足すると、淫魔は麺をすするように伸ばした舌を吸い込み、口に納める。入り口から最奥までの濃厚な女性器の味が淫魔の口の中に満ち、もぐもぐと味わう。
幾度も膣内をかき混ぜられ、絶頂を迎えているはずの修道女の女性器は、いまだに真っ赤に充血し、さらなる刺激を求める。
淫魔「修道女の恥ずかしい味、オンナノコの味……もっと味わっていたいけど……」
上半身を起こして、淫魔は気絶する修道女の右手を見る。
修道女は、結局最後まで十字架を放さなかった。
淫魔「もっと美味しいもの食べるには……んふふ」
口の中の修道女の味を飲み込んで、淫魔は人間の舌でくちびるをぺろりとなめる。
淫魔「いやなかたち……でも、ちょっと貸してね」
修道女の腰にまたがり、右手から十字架の短剣をもぎりとる。
短剣のさやを抜き、淫魔はつぶやく。
淫魔「人の身を傷つけず、魔を傷つける聖十字架の銀ナイフ……きっと、あなたにはいたいだろうけど、ガマンしてね……」
淫魔は十字架の短剣を振り上げ、修道女の両乳房のあいだに、深々と突き立てた。
短剣の刃が中程まで修道女の胸に刺さり、さらに淫魔は身を持ち上げて、十字架の横棒に手をかけると、体重をかけて十字架の根元まで、思い切り押し込んだ。
しかし、気絶する修道女はぴくりとも動かない。
淫魔「うん、いまなら……あんまり……痛くない」
淫魔が短剣を抜くと、人の身を傷つけないはずの短剣に、修道女の血がべっとりとついていた。それを美味そうに舐めとると、さやに戻し、修道女の手に返す。
修道女の胸には、短剣の刃の形に細長い菱形の傷がつき、表面張力で血液がうるうると盛り上がる。血の盛り上がりは、修道女のゆっくりした鼓動にあわせ、表面をわずかに上下させていた。
淫魔はその血の盛り上がりに口づけると、舌を突きだして傷口をえぐる。淫魔の舌が傷に挿入されると、傷口にたまっていた血があふれ、修道女の胸に、赤い筋を残してこぼれていく。
口を離して、淫魔は顔を上げ、口の回りについた血を舐めとる。
淫魔「修道女の血……おいしい……もっと」
今度は傷口に吸い付くと、淫魔は舌を修道女の胸の傷の深く深くへと挿入していく。とたん、修道女の身体が震え、液体が淫魔の口を打った。
淫魔「んう!?……ん……んん……ん……ぷはっ」
液体をあらかた口で受け止め、淫魔は顔を起こしてモグモグと味わう。
淫魔「ん……焼けるほど苦くて……痺れるほど酸っぱくて……こごえるほどあつい……ん……ずっと……口の中に入れてたいけど……んくっ」
淫魔は口の中の液体を、眉をしかめて飲み込む。
淫魔「ふふ……ひどい味……でも、ほんの少しだけ、とっても甘い……んふふ。あなたの味、とっても美味しかったよ。修道女、ありがと」
胸のすぐ上の修道女に礼を言うと淫魔はまた傷口に口づける。
修道女の胸の傷口からは血ではない、真っ黒な液体がまだ少しずつあふれている。
淫魔が傷口を愛撫するように吸い、舐め上げると、傷口は消えた。身体を持ち上げ、修道女の顔をのぞき込む。
修道女の脱力したまぶたの端に、新しい涙の流れた跡があった。
淫魔「……やっぱり……痛かったね……ごめんね、修道女」
淫魔は修道女の乱れた金髪を手ぐしで整える。秘裂にさわるよりもやさしくまぶたとくちびるを閉じ、その表面に触れるだけのキスをした。
修道女の顔に、わずかな安堵が宿り、寝息を立て始める。
淫魔「少し眠りな……あなたとっても疲れてる……つらかったね……くるしかったね……よく我慢したね……えらいよ……んふふ、でも……」
修道女の身体をするすると滑り降り、股間に顔を埋め、充血した修道女の女性器を美味そうに舐め上げる。
淫魔「あんまり長く寝てると、おまたが大変なことになっちゃうよ? ……んふふ……どのくらいで起きるかな? 遅いといいなあ……んふふふふふ」
淫魔は唇から、スパゲティーほどの細さにした舌を伸ばし、修道女の尿道口につるつる挿入していく。
眠っている修道女の下半身が、びくんとふるえた。
124 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(栃木県)
[sage]:2011/11/07(月) 02:27:33.71 ID:rJMeAPsio
むしろ今日も明日もあさっても完結しないでください
おやすみー
125 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)
[sage]:2011/11/07(月) 02:29:39.18 ID:F215AdE/0
完結しないでください。
おやすみなさい。おっつーです
126 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
:2011/11/07(月) 11:28:29.96 ID:OUxpLi6bo
応援している
127 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
:2011/11/07(月) 16:27:04.79 ID:TtcwPycIO
vipからきた。楽しみにしてる!
128 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)
[sage]:2011/11/07(月) 18:11:37.72 ID:EPyvePiko
古畑「んふふふふ」 修道女「闇の気配がする……」
に見えた。吊ってくる
129 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/07(月) 18:30:04.44 ID:6XU08pzro
ごめんなさい
もう無理ぽ
130 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/07(月) 19:07:23.30 ID:z3fUWrFuo
乙〜
やっぱり
>>1
はリアル淫魔なんや……
131 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/07(月) 19:26:14.23 ID:TOnmkMFqo
インターミッション
淫魔「いえーい! おまんこは飲み物! ちんこは食べ物! お尻の穴はいれるもの! どうもこんばんは! あなたの夜のお友達、淫魔です!」
男「いえーい……」
淫魔「どうした! 男! テンション低いぞ!」
男「いや、正直、おまえが修道女にしたことに、どん引いてる訳なんだが」
淫魔「へ? 何かヘンなことしたっけ?」
男「いや、しただろ! 気絶してる修道女の尻の穴から天使の精液と修道女のウンコ吸い出して美味そうに食っただろ!」
淫魔「ああ、あれね。とっても美味しかった。ベジタリアンの修道女のうんちに、天使のおちんこみるくがたっぷり……そうだなあ、野菜たっぷりのクリームスープって感じかなぁ」
男「うおええ……じゃ、じゃあ、なんだよ、あのベロ! 何? 子宮? 卵巣? 卵子? どこまですんだよおまえは!」
淫魔「んふ、とっても美味しかったよ? 修道女のたまご。かわいかったなあ……ぷるぷる、くにくにしてて、おかあさんのおなかの中で安心して眠ってるの。うふふ、1人ずつ、フェラチオするよりやさしくなめちゃった……んふ」
男「……う……わぁ……あ、あと! なんだよ最後のあれ! 尿道口!? カテーテルかよ! もう、医療行為じゃねえか!」
淫魔「んう? あれえ? 男……幼馴染と付き合う前に、私に身体のすべてを開発され尽くしてる設定のはずなのに……なんで尿道プレイを知らないのさ?」
男「ま……まだ書いてねえからだよ」
淫魔「ダレが?」
男「そ、それはおまえ……ほら……っていうか、話をそらすな! あぶねえだろあんなコトしちゃ!」
淫魔「んふふ、男、私の舌先の精密さを忘れたの? わたしは修道女の粘膜には、傷ひとつ付けていないよ?
修道女は処女のまま、気絶してる間に、私の舌にオンナノコの身体の奥の奥の奥の奥の、いちばん奥まで思う存分味わわれ尽くしちゃってるけど、わたしは粘膜には、髪の毛一筋、1ミクロンレベルのキズも付けてません。
刻みつけたのは、処女のオンナノコをお股から蜜垂れ流すメスになっちゃうまでに完全に発情させる、人格破壊レベルの快感だけです。あしからずご了承くださいませませ……んっふっふ」
男「……楽しんでただろ?」
淫魔「そりゃあもう! あんなに強くて、りりしくて、かわいくて、でも残酷でなまいきで、人の痛みを痛みとも思わねえ、修道女の、まだダレにも見せたことのない処女まんこをおおびらきにして、さんざんもてあそんで真っ赤っかになるまで発情させて、理科の実験のカエルの脚みたいに、お腹からしたをびっくんびっくん、ぶざまにけいれんさせたんだよ? 楽しくないわけないじゃない!
しかも、蜜もおしっこもうんちも、すんごく美味しい。最高のショーを最高のディナーとともに。これ以上の娯楽はないだろう? すばらしいとは思わないかね? 男くん」
男「……おまえ」
淫魔「んう?」
男「悪魔だろ」
淫魔「んふふ、淫魔だよ……じゃあ早速、尿道イキ、仕込んであげる」ジーカチャカチャ……
男「やめ……ああっ、何その舌! こわい! やめっ……ちょ、くねらすな!」
淫魔「んふふふふ……そーれっ!」ちゅるんっ!
男「んっぎいいいぃぃぃ…………」
つづかない。
淫魔「追伸……ぼちぼち書いていきます……だってさ!……んふふ。さてさて、みなさま……舞台はいったん、修道女の過去へとさかのぼります……」
132 :
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[saga]:2011/11/07(月) 19:38:22.27 ID:TOnmkMFqo
……
むかしむかし。
電気も蒸気機関もまだまだ現れないころ。
東ヨーロッパのある国に男と女がいた。
男は神学校に通う敬虔な貴族の子息の修道士。
女は修道院で育てられた捨て子の修道女。
身分も育ちも違うふたりは、町の教会のミサでたびたび互いを見かけ、いつしか特別な感情を抱くようになった。
修道女「わぁ、修道士様、ラテン語をお読みになられるんですね」
修道士「勉強しかしていないからね。これ以外はからきしだよ。それと、お願いがあるんだけど」
修道女「なんでしょう、修道士様」
修道士「その、さまっていうのをやめてくれないかな……話し方も、みんなにするようにしてくれないか?」
修道女「そんな……恐れ多い」
修道士「神の前では皆平等だよ。それに……」
修道女「それに?」
修道士「あなたにそんな話し方をされると……つらい」
修道女「……」
修道士「……ごめん」
修道女「ううん。わかったわ…………修道士っ!」
133 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/07(月) 19:43:14.45 ID:TOnmkMFqo
高い位の貴族の子でありながら、修道士は誰にでも優しく誠実で、神と愛と勉学に献身的な青年だった。
修道女は両親こそいないが、まっすぐに育ち、優しさと感謝を忘れない娘だった。
月日はわずかに流れ、互いはさらに惹かれ合う。
修道女「お帰りなさい」
修道士「ただいま、修道女」
修道女「長旅お疲れ様。コンスタンティノープルはどうだった?」
修道士「すごく大きな町だった。異教徒の姿も多かったけどね」
修道女「そう」
修道士「それと今回の旅で……」
修道女「なにかあったの?」
修道士「修道女、わたしはどうしたらいいのかわからなくなってしまった。わたしは神に仕えているのだろうか?」
修道女「何を言っているの? あなたなら、すぐに輔祭になれるだろうし、もっと多くの人の力になれるはず」
修道士「そうではないんだ。輔祭になるべきか、ならないべきか、そこから迷っているんだよ」
修道女「どうして?」
修道士「輔祭になれば、妻をめとれない。しかし還俗すれば、あなたとはいられない……あなたといられない悲しさを、この旅で知ってしまった」
修道女「……そんなこと、言わないで」
修道士「いいや、言わせてくれ、修道女!」
修道女「いや……いやっ……!」
修道士「あなたを……愛しているんだ!」
修道女「……わたしも」
修道士「それなら!」
修道女「触れては……だめ」
修道士「あ……」
修道女「ごめんなさい。でも、うれしい」
修道士「わたしも、思いを伝えられて……どうしたんだい? 胸を押さえて」
修道女「最近、気が高ぶると胸が痛むの」
修道士「そうか……すまない。でも、もう一度だけ言わせてくれ。愛しているよ」
修道女「……ええ、私も」
134 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/07(月) 19:49:52.91 ID:TOnmkMFqo
愛の告白を交わし、視線だけの交差を重ね、二人の愛は清いまま育っていった。
修道女が病に倒れても。
修道士「先生、修道女は治りますか?」
医者「おそらく……いいえ……もう、無理でしょうな」
修道士「そんな!」
医者「他の病ならば、まだ手の打ちようはありますが、これは骨の病です。私どもの力ではとても……」
修道士「私ども? 治せる方がいるのですか?」
医師「ええ。この病が治せるのは、神か、あるいは……悪魔か……」
修道士「……」
医師「もし困ったことがあったら、うちにいらっしゃい。では、これで」
ガチャ……バタン
修道女「お医者さまは、なんて?」
修道士「疲れがたまっているのだろうとおっしゃっていた。眠るといい」
修道女「そう……でも……」
修道士「あなたはがんばりすぎだ。ガマンをしすぎる。また倒れてしまうよ」
修道女「……ごめんなさい。お医者さまを呼んでいただいたのに」
修道士「いいんだ。眠りなさい……じゃあね」
ガチャ……
修道女「修道士……」
修道士「なんだい?」
修道女「ごめんなさい」
修道士「っ! ……おやすみ、修道女」
135 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/07(月) 20:00:21.17 ID:TOnmkMFqo
それから、修道士は食事も睡眠もとることなく、ひたすらに祭壇に祈り続けた。
続ける礼拝に衣の膝がすり切れ、絶えることなく神に祈りを捧げたが、修道女は日増しに弱っていった。
修道士の祈りは届かず、遂に修道女は眠ったまま返事をしなくなり、修道士は町外れの医者の家を訪ねた。
医者「そろそろ来る頃と思っていましたよ」
修道士「あなたは何者です?」
医者「私は単なる医者です。少々、知識をため込むことに執心ですがね」
修道士「……修道女を救いたい。お願いします」
医者「神には祈りましたか?」
修道士「……神は全能です。そして無限の愛を私たちにあたえてくださる」
医者「たしかに、神はすべてを持ち合わせているのでしょう。しかし、だからこそ人には何も求めない、なんの見返りも与えない」
修道士「しかし、神の愛は!」
医者「神の愛で修道女が救えますか? 救えましたか?」
修道士「っ!」
医者「人を救うのは、いつも人の愛なのです。あなたは、修道女さんを愛してらっしゃいますね?」
修道士「…………はい」
医者「どれほどまでに?」
修道士「……あのかたの傷は、私の傷以上に痛みます。あのかたの苦しみは、私の苦しみ以上に胸を締め付けます。あのかたの笑顔のためならば、私のすべてを捧げます……どうか、修道女を助けてください」
医者「……わかりました。この本をさし上げます。少々古いものですが、あなたなら読めるでしょう。これで修道女が救えるはずです」
修道士「ありがとうございます」
医者「いいえ、こちらこそ」
自室に戻った修道士は、すぐに本を開いた。
修道士「これは……ヘブライ語か……かろうじて読めるな……」
修道士「……悪魔の……召喚術」
136 :
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(鹿児島県)
[sage]:2011/11/07(月) 20:01:27.44 ID:nPSrVUcD0
空気読めなくて悪いが前作のリンク貼り付けてくれないか?
137 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/07(月) 20:14:09.94 ID:TOnmkMFqo
もはや修道士に迷うことはなかった。
本に書いてあるとおりの禍々しい道具をそろえた。
沼でカエルを捕まえて肝を引きずり出し、黒ヤギの頭を切り落とし、墓を掘り返して死者の遺髪と爪をはがしとった。
礼拝堂に魔方陣を敷き、神を汚す言葉を唱え、悪魔の姿を求めると、黒い光とともにそれは現れた。
礼拝堂の天井に迫る、巨大な影は言う。
鬼神「この門を開いたのはおまえか」
修道士「そうだ」
鬼神「うむ。その若さで我を召喚するとは……」
修道士「たのむ。病にむしばまれる、私の愛する人を助けてくれ」
鬼神「それが願いか…………しかし、門が不完全だ。この世にはとどまれぬ。力も多くは振るえまい」
修道士「そんな……」
鬼神「方法はある。我が力をその者に与えよう」
修道士「……それで、修道女の病は治るのか?」
鬼神は部屋が振るえるほどの声で笑った。
鬼神「……当然だ。治るとも!」
修道士「対価は?」
鬼神「そうさな……おまえの血肉と魂を貰おうか」
修道士「わかった、捧げよう」
138 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/07(月) 20:55:06.67 ID:TOnmkMFqo
薄暗い部屋の中、修道女はぱちりと目を覚ました。
胸から体中に広がった痛みが消えている。
藁のようだった手足に力が戻っている。
修道女「うそ……」
窓の隙間からは、わずかな月の光が差し込んでいる。
いったい何日眠っていたのだろう。
しかし、修道女の心の中は、最愛の人で満たされていた。
修道士に会いたい。
裸足のままベッドから抜け出すと、修道女は宿坊の廊下へと出た。
青白い月明かりに中庭が浮かび上がり、礼拝堂に何かの明かりが灯っている。
修道士「ぐああああああああっ!」
夜の修道院に、修道士の叫びがこだまする。
修道女「修道士!?」
廊下を駆け出し、礼拝堂に飛び込んだ修道女の見たのは、高い天井まで届く黒く巨大な影と、その前で青白い炎に包まれ燃える、最愛の人の姿だった。
修道女「修道士っ!」
修道士「来るな!」
青い炎の中で修道女を見つめ、修道士は叫んだ。
修道士「来るな、修道女。触れてはいけない……」
修道女「なに? なんなの!?」
修道士「わたしは、神を捨て、悪魔の力に頼ってしまった。ただ……あなたを、あなただけを……」
修道女に向けて伸ばされた手が床に落ち、修道士の身体は灰となって崩れた。炎は燃え続け、灰は空気に散らばって、跡形もなく消え去った。
139 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/07(月) 21:13:46.06 ID:TOnmkMFqo
修道士の灰の山が消えた床に、修道女は手をつき、礼拝堂にそびえる巨大な影を見上げた。
修道女「悪魔……?」
鬼神「契約は成った。わが新しき同胞よ」
修道女「同胞……私のこと?」
鬼神「我が無限の力、おまえに分け与えた。力は十人力、もはや病に苦しむことも、そして、時に蝕まれることもない」
修道女「……修道士は?」
鬼神「あやつは我に血肉と魂を捧げた。おまえは現世、あやつは魔界、互いに愛する者のない世界を永遠に味わう……なんとも……愉快だ!」
巨大な影の深くからひびくような笑いが礼拝堂を揺らす。
修道女「……ゆるさない」
修道女「……ゆるさない……ゆるさない! 絶対におまえから修道士を取り返す! 聖なる神の御名の元に、おまえを滅する!」
鬼神「ほう、我を滅ぼすか。……なるほど、愉快だ! 我が名は鬼神。因果成ればまみえることもあるだろう……」
魔方陣の中央に、礼拝堂中から突風が流れ込み、儀式に使われた怪しげな道具たちや書物をみな吸い込み、風がやんだあとには床の文字さえ残っていなかった。
修道女の回復は周りから奇跡だと言われ、修道士の献身的な祈りが奇跡を呼んだと噂された。
姿を消した修道士は、たぐいまれなる神への信仰に天に召されたのだとささやかれ、いつしか礼拝堂から天に昇る羽を生やした修道士の姿を見たと吹聴する者まであらわれた。
修道女はしばらくの間、生まれ育った修道院に残ったが、歳をとらないその姿に周囲から奇異と羨望のこもった目で見られ、各地の教区を転々とした。
修道士と再び会うために、魔を退ける術を身につけ、多くの魔を打ち倒し、人を救い、さらに多くの人を傷つけ……
月日はながれ、世はうつり、形あるものはすべてが変わった。
修道士の去った現世に、修道女の頼れるものは、神しか残されていなかった。
愛する修道士とともに祈りを捧げた神しか。
…………
淫魔「……とまあ、こんなところだね……んふふ」
140 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/07(月) 22:05:57.68 ID:TOnmkMFqo
インターミッション
淫魔「ちゅるるるるるんっ……ふう、ねえ男、気持ちよかったでしょ?」
男「…………」ピクピク
淫魔「あー、こりゃしばらくだめだなあ……よいしょ」……ぽいっ
淫魔「さてと……うん? 上の昔話の間に、何か言ってる人がいるね……なになに?」
前作のリンク貼り付けてくれないか?
淫魔「ふむ、なるほど。前のスレに興味を持ってくれるのは、わたしとしても嬉しい限り。前のスレは、1に書いてあるとおり、もともとニュー速VIPでやってたんだけど、残念ながらもう落ちてるんだよ。よくわかんないけど、ツール使うとログとか見れるのかなあ?」
淫魔「とりあえず、前のスレ 『男「あうぅ……手首切るの気持ちぃ……」 淫魔「……」 』のアドレスは……なんだこりゃ、chaikaつかってたから、どこからどこまでがアドレスだかわからん。たぶん、これ? 見れなかったらごめんなさい」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1320374823/
淫魔「んでもって、SSをまとめてるブログとかの仕組みってよくわかんないんだけど、こういうところに発表している以上、広まれば広まるほどうれしいの、わたし……んふふ……それでぇ……いろいろまとめてるがあるみたいだけれど、検索したら、こんなの見つけました」
http://desktop2ch.jp/news4vip/1320374823/
淫魔「このサイトでは、健全でない言葉が含まれてるとレスが表示されないらしいんだけど。
中の人曰く……投稿した文章は、ほとんどダメらしいです。1からけっこう連続で投稿してたのですが、わたしが見ている画面では、レス64が初めて表示される投稿文になっています。
ま、まあひどい言葉いっぱい使ってるから、当たり前と言えば当たりまえだし、エロとか暴力表現のあるSSにはよくあることなのかもしれないのですが、個人的に非常に笑えたので、載せときます。……だってさ。」
淫魔「んー、SSの転載やまとめが、この界隈でどういう風に扱われているかはよくわかんないんで、これ以上触れるのはやめます。はい。イったあとのチンコみたいに、敏感な話題のようなので……んふふ」
淫魔「さて、みなさん。お話はまた、現在に戻ります。修道女は過去の夢でも見ていたのかな? ぐったりと疲れて眠り、深い眠りから目覚めます」
141 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/07(月) 22:34:14.25 ID:TOnmkMFqo
修道女は目から目覚めた。
耳はまだ聞こえず、身体がどんよりと重い。
見上げているのは、見慣れないコンクリートの天井だった。
なぜ自分がここに寝ているのかわからず、わずかなあいだ、ぼおっとしていた。
甘いにおいが鼻をつく。
いいにおいだ。果実のような、花のような。
自分は何をしていたのか。
戦っていた。いつものように。
敵は……?
修道女の脳裏に淫魔の顔がよみがえり、五感がふたたび機能する。
においは淫魔の蜜だ。甘い味が、まだ舌に残っている。
眼球を動かすが、天井を向いた修道女の目に、淫魔の姿は捉えられない。
ちゅぱっ……ずずずっ……じゅるるるる……
くっちゅ くっちゅ くっちゅ くっちゅ……
修道女の聴覚が復活する。奇妙な水音がひびいている。
幾通りかのすするような音、等間隔に聞こえるこすれるような音。
しかし、どちらも修道女の脚の方からするようだ。
脚? 感覚が無い。
修道女は、かつて自分がどのように四肢を振るっていたかを思い出そうとし、感覚の試行錯誤をすると、突然、四肢の指先をぴくりと動かすことができた。
あれ? コレは何?
その動いた指先の振動から、痺れたようなくすぐったい感覚が四肢の根元に向かって伝い、どうに来る頃にはじわりと痺れる大波になっていた。
四肢の端から始まった波は、修道女の胸でひとつにまとまり、頭の方へと登ってくる。鎖骨をとおり、首筋をとおり、うなじをなで、その感覚が頭蓋骨の内部に達した。
修道女「ふああ? んああああぁぁ……」
修道女は甘ったるい快感の声を上げた。
淫魔「……んっく、起きたね」
何かを飲み込んだ淫魔の声が、修道女の下腹部から響く。
修道女の身体には、かろうじて力が戻っていた。しかし、拳も満足に握れず、腕や脚はその重さにまだ動かせない。首から上だけは表情を含めてなんとか自由になり、修道女は頭を持ち上げた。
142 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/07(月) 22:50:41.60 ID:TOnmkMFqo
さいごに残されていたガーターベルトもストッキングも脱がされて、修道女は全裸になっていた。
乳房の下、引き締まった腹の下、柔らかな金色の陰毛を頂いた恥丘の先に、紫色のショートヘアが揺れていた。赤い角の生えた頭の先には、膝をついた淫魔白い尻が、頭より高く持ち上げられている。
修道女「あ……あなた……何して」
淫魔「ん? んふふ、修道女があんまり起きないから、おまんこなめてたんだよ……いっぱいなめてあげたから、もう、すごいよ?……ほら」
ぺろん、と淫魔は膣口からクリトリスまでをなめ上げる。
修道女「ひああああっ!」
ぺろん ぺろん ぺろんっ
修道女「ひっ あっ やあああっ!」
淫魔「すごいでしょ。修道女のここ。真っ赤になって、ぱっくりひらいて、ぐっちょりぬれて、膣内はきゅうきゅうしてて、とろとろ」
くっちゅ くっちゅ くっちゅ くっちゅ……
修道女は気づいた。
淫魔が修道女の陰部からくちびるを離し、声を出していると、すするような音は聞こえないが、四つん這いになった淫魔の身体の下に片手が回り、断続的な音はそこから聞こえていた。
淫魔「んふふ……よいしょっと」
粘液だらけになった修道女の身体にぴったりと抱きつき、摩擦させながら、淫魔は修道女の身体をすべり登る。
修道女「んっ!」
腹が淫魔の体重に軽く圧迫され、乳房が淫魔の身体にすれて、修道女はうめいた。
修道女に鼻をつき合わせると、淫魔は修道女の頬に手を当て、言った。
淫魔「修道女のなめてたら、たまんなくなっちゃてさ……んふ 」
修道女「ふぇ……?」
くい と淫魔の腰が動き、修道女の開いた女性器の粘膜に、熱くてかたいものが押しつけられた。
143 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/07(月) 23:05:27.65 ID:TOnmkMFqo
修道女「え……な、なにこれ……」
淫魔「ふふ、ス・マ・タって言うんだよ? いくよ……」
くい くい と、淫魔の腰が動き出すと、修道女の充血した粘膜を、熱くてかたい、ぬるぬるしたものが、またに挟んだ棒を前後に動かすように、こすり上げる。
修道女「あ……? んあ? ……ふああっ?」
淫魔の動かすそれは、熱い粘膜のようで、修道女の声をとろかせる。
ちゅく……ちゅく……ちゅく……
淫魔「ほらほら、どう?」
修道女「やめ……ふあっ……んああっ!」
淫魔の秘部からしたたり落ちた蜜と、修道女から分泌さえた蜜が、それ、を濡らし、粘膜同士の緩やかな刺激が、修道女を追い詰めていく。
修道女「んふあ……あああ……」
ちゅく……ちゅく……ちゅく……
修道女「ふあああっ……んああああっ……」
淫魔「ふふ、修道女、これどう?」
修道女「んあ?……へ?」
淫魔の手がふたりの身体の間にすべりこみ、摩擦の刺激にさらされていなかったクリトリスをつまみ上げた。
修道女「ひいっ! あっ!」
修道女の女性器は、蜜を噴き出し、さらに
修道女「……あああああああ……ああ……」
ちょろろろろろ……
修道女の尿が、尿道口にも押し当てられた、淫魔の、それ、に当たる。
淫魔「んふ、あたってる。おしっこ溜めといてよかった……ふふ」
修道女の尿がおわると、淫魔は腰をくいと高く持ち上げ、少し前進させ、また修道女に密着した。
144 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/07(月) 23:08:29.45 ID:TOnmkMFqo
熱くて棒状のものが、修道女の腹部から柔らかい毛の生えた恥丘にかけて押し当てられる。
淫魔「ふふ……はらコキ……」
くい、と淫魔は身体全体をスライドさせ、修道女と自分の腹部とで、それ、をはさみこんでこすりだした。
修道女「ん……あふぅ……」
発情した子宮の入った腹部を、熱くかたいもので外からマッサージされ、乳房をこね回され、滑らかな淫魔の肌に乳首をこすられて、修道女は身体がふわふわ持ち上がるような錯覚を抱く。
淫魔「んあ……修道女のおなか、すべすべ……おまたの毛、やわらかくて……くしゅくしゅして……んっ……きもちいい……」
修道女「あ……はん……んあ……っは……」
淫魔「んあっ! ああんっ……ん?」
修道女「は……あ……あれ?」
淫魔の身体のスライドが止まる。
淫魔「んー? してほしいの?……」
修道女「あ……」
淫魔「くふ、それじゃ、してあげる……」
淫魔の腰が、わずかに修道女の恥丘を越えるくらいまで下がり、またおしつけられる。
修道女「ひゃ……っあ!」
淫魔の熱くかたく、ぬるぬるしたそれが、修道女のクリトリスに押しつけられ、敏感な突起が押しつぶされる。
修道女の全身が、クリトリスへの圧迫でぴくぴく震えた。
修道女「あ……や……やめ……」
淫魔「んふふ、いくよー?」
145 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/07(月) 23:21:35.57 ID:N5AWaX96o
これは…きたのか…!
146 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/07(月) 23:27:31.00 ID:TOnmkMFqo
淫魔は修道女のクリトリスに、それ、を押し当てたまま、ちゅるるん! と身体をスライドさせる。
修道女「ひああああっ! やああああああああああああっ!」
びくっ! びくびくっ!
プシ プシッ……ちょろろろ……
発情したクリトリスは、淫魔に、それ、を押し当てられ、つぶされただけで耐えられない快感をもたらしたのに、それにさらに粘膜同士の甘い摩擦が加わり、修道女は叫び声を上げ、全身を激しくけいれんさせ、開ききった女性器からは尿と蜜が噴き出す。
淫魔「んふ、修道女の、こんなになってもまだかたくなる……んふ、コリコリあたってきもちいい……それ……それそれ……」
ちゅっくちゅっくちゅっく コリコリコリ
修道女「ひっああ! やめえええ! たす……たすけえっえええええ!」
プシュプシュッ! ちょろろろろ……
淫魔「ああん、修道女のおまんこから美味しいのいっぱいでてる……もったいないなあ……ぜいたくだなあ、んふふ」
ちゅくちゅくちゅく コリッコリッコリッ
修道女「も……だめ! もうだめええええええええっ!」
びくん! びくくんっ! プシュシュッ! ちょろろ……
淫魔「ふふ、わたしもそろそろ……んっ!」
修道女の反応がひときわ大きくなり、淫魔は腰をすりつけ、体重をかけてクリトリスを思い切りこすり上げた。
修道女「ひぐっ……あ……ああああああああああああっ!」
プシュッ! プッシャアアアアアアア!
淫魔「んふ……くるっ……んっはあああっ!」
びくっ……どくん……びゅるるるるるるるるっ!
ひときわ大きくけいれんし、蜜と尿のしぶきを飛ばす修道女と、背をそらして絶頂を迎える淫魔の肢体の間に、真っ白い粘液が噴き出した。
147 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[sage]:2011/11/07(月) 23:46:36.93 ID:JZJd8cm2o
同郷支援
148 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/07(月) 23:49:20.43 ID:TOnmkMFqo
白い粘液は、ふたつの女体の密着した、淫魔のへそ当たりから顔に向かって噴き出ているようで、修道女の脇腹にいくらかは垂れながらも、腹部や乳房を越え、肩や首まで達し、アゴに飛び散り、顔や髪を飛び越えて、さらに向こうのベッドのシーツまで汚すほどの勢いがあった。
修道女「ああ……あ……あ……」
ぴくぴくと絶頂の余韻にけいれんしながら、真っ白に塗りつぶされた修道女の上半身を淫魔は見下ろす。
淫魔「んふふ……ぶっかけ……まっしろ……んふふ」
熱くてかたい、それ、は、いまだに修道女のクリトリスに押しつけられ、愛らしく細やかにけいれんする桃色の突起の感触を、淫魔は楽しんでいた。
淫魔は指を修道女の顔に伸ばし、頬にかかった粘りけのある白濁液を指で押して唇に滑り込ませる。
指もそのまま口に押し込み、修道女の口内を何度かき混ぜ、糸を引かせて引きぬいた。
修道女「これ……」
淫魔「んふ、わかる? 修道女、美味しそうに飲んでたもんねえ……わたしの本気汁」
修道女「な……なんで……」
淫魔「んふ」
にちゃあと、ひどく粘っこい音を立てて、くっついていた腹部に白い粘液の糸を引いて、淫魔は修道女の身体をまたいで立ち上がる。
修道女「ひ……な……なに、それ……」
足を開いて立ち上がった淫魔の股間を見て、修道女は絶句した。
紡錘状の桃色の肉塊が、淫魔の股間から屹立していた。
根元から先端まで、一様に桃色の粘膜で、先端に鈴の切れ込みのような穴が縦に開いている。
淫魔「んふふ、わたしのクリトリス……修道女のおまんこなめてたら、こんなになっちゃった」
淫魔は得意げに、異常に巨大化した桃色の陰核を握る。
それは太く、淫魔の指がまわりきらないほどあり、長く、淫魔のみぞおちに届くほど反り返っていた。
149 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/07(月) 23:53:12.68 ID:N5AWaX96o
ふたなり最高
150 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 00:02:46.16 ID:F7tESZSko
淫魔「これ、すごいんだよ? 表面はもとの500倍あるのに、神経の密度は同じ。500倍気持ちいいクリトリス……だから……こうしてこすってあげ……ると……」
くっちゅ くっちゅ くっちゅ くっちゅ……
根元から先端へ握りしめた両手をすべらせ、先端からまた根元までおとす。
肥大化したクリトリスの濡れた表面はあまりに滑らかで、激しく淫魔が摩擦しても、粘液はわずかな音を立てるだけだった。
淫魔「んはあ、すっごく……きもちいいの……んっふう……」
淫魔はベッドに力なく横たわる修道女を見くだし、口を大きく開け、舌をつきだし、快楽のうめきをだらしなくこぼす。
修道女は、己の身体を仁王立ちにまたぎ、クリトリスをしごきあげる淫魔を呆然と見上げていた。
淫魔「あんなにすするほど、好きなんだよね? 修道女。いっぱいあげる……んふふ……んはっ……いっ……いっく……う……」
淫魔は快感にうめき声を上げ、腰をけいれんさせると、屹立し上を向いていたクリトリスを修道女の顔に、まるで男性が小便をするかのように向けた。
ホースでの散水のような勢いと水量で、白濁液が肥大化したクリトリスの先端から噴き出し、修道女の顔にビチャビチャとかかる。
濃厚な乳のような甘いにおいがあたりに満ち、淫魔は絶頂したあともしばらくクリトリスをしごき続けていたが、やがて手を放した。
しかし、クリトリスは射精前と同じかそれ以上に張りつめ、淫魔の腹の前に屹立し、ぴくぴくとけいれんする。
修道女「うぐっ……げほっ……うえぇ……」
淫魔の甘い蜜におぼれそうになりながらも、修道女はかろうじて息をし、目をしばたかせた。
151 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 00:24:14.45 ID:F7tESZSko
淫魔「すごいでしょ? 手でしごいただけで、こんなになっちゃうの……ねえ修道女、これをオンナノコの膣内に入れたら……どんなに気持ちいいだろうねえ?」
淫魔は修道女と視線をあわせたまま、修道女の身体の上から、足下に移動すると、視線を修道女の目からゆっくりと下げ、充血した女性器を凝視する。
そしてこれ見よがしに、ぺろりと舌なめずりをした。
修道女「え」
修道女は、最初何を言われているのか理解できない様子だったが、視線をいちどカチカチに勃起した、淫魔の巨大なクリトリスに向け、もう一度淫魔の目を見て、その視線が自分の秘部に注がれていることに気づき、しばらくの混乱のあと、ようやくその意味するところを理解したらしく、顔を青ざめさせた。
修道女「や……やめ……」
修道女は抵抗しようと四肢に力を入れたが、右手の指は十字架の短剣をつかむこともできず、腕や脚はそれ自体の重さに動かすこともできない。
淫魔「ん……っと」
脱力した修道女の両膝を腕で持ち上げ、修道女の身体を丸めるように、膝を胸にまで近づけ、支える。
自身の腰は高く持ち上げ、まんぐり返しにした修道女の脇の下に両手をつき、淫魔はキスするほどに修道女の顔に近づく。
淫魔「ほら、修道女、下を見てごらん?」
修道女「え……あ……」
腰をわずかに持ち上げられ、まんぐり返しにされた修道女の秘部の上端の張りつめたクリトリスと、その先に開いた女性器の粘膜があることを示す恥丘の直上に、粘膜を狙う、淫魔の巨大なクリトリスが突きつけられていた。
熱を感じるほどに近づけられた肉塊に恐れをなし、修道女は脱力した手を振り上げ、握り固めることもできないほど弱まった手で、淫魔の肩や頬をぺしぺしと力なく叩く。
淫魔「んふふ、ほら、わたしたちがつながるところ、よく見えるでしょ?」
修道女「いや……いや……もう、いやあああぁぁ……」
淫魔「修道女の膣、処女膜も壁もすっごくせまいけど、わたしのクリトリスはふつーのオトコノコの倍以上になってるし、とってもかたいから、きっとたくさん血が出るし、すっごく痛いと思うの。でも、オンナノコの初めては一度きりなんだから、よく見ておくんだよ?」
修道女「ひっ!」
淫魔のクリトリスの先端が、修道女のクリトリスの先端にキスをした。
淫魔の巨大なクリトリスは、その先端で、修道女の小さなクリトリスを何度かはじき、押しつけ、修道女の下半身が力なくけいれんする様を楽しんでから、その下のふっくらした大陰唇と充血した小陰唇をかき分け、処女の膣口へと向かう。
152 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 00:28:45.27 ID:F7tESZSko
淫魔は獲物のおびえる様子を楽しみつつ、腰を下げていく。
修道女「い……や……主……主よ……おたすけください……」
淫魔「んふふ……しゅ? 修道女。あなた、本当にしゅに祈ってるの?」
修道女「え?」
淫魔のクリトリスが、処女の膣口に到着する。
淫魔「ふふ、あなたのココは、本当はしゅじゃなくて、しゅに一緒に祈りを捧げたオトコノコのものなんじゃないの? それに……」
淫魔のクリトリスの先端が修道女の膣口に進入し、処女膜に口づけする。
淫魔「そんなに心のこもってない言葉じゃあ、聞けないなあ……」
修道女「やめ……たすけ……」
先端をハメた淫魔は、そのまま腰を落とし始める。
膣の入り口を狭めるやわらかく薄い粘膜の処女膜が、淫魔のクリトリスをくわえさせられ、いっぱいに広がる。
淫魔「ほらほら、もう処女じゃなくなっちゃうよ?」
修道女「う……ううぁ……うあぁぁ……もうやああ……たすけて……修道士……たすけて……」
力ない両手で目をかくし、修道女は声を上げて泣き、涙を流す。
淫魔「修道士……あなたの思い人の名前だね?」
両手で顔を覆ったまま、修道女はコクコクとうなずく。
淫魔「答えて」
腰をしずかに抜き差しし、処女膜を壊さないように気をつけながら、淫魔は処女膣をクリトリスの先端で味わい、修道女に答えをうながす。
修道女「そう……です」
淫魔「ふふふ、いい子」
そう言うと淫魔は、修道女の手の間からわずかに覗いていた修道女の下唇に、かるく接吻すると、自らの先端を挿入した修道女の女性器を物欲しげに見下ろし、強めに処女膜にクリトリスの先端を押しつけ、切れる寸前まで張りつめさせると、つぶやいた。
淫魔「……んふふ、食べそこなっちゃった。ざんねん」
153 :
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[sage]:2011/11/08(火) 01:00:22.80 ID:3zoUEwX3o
イイヨイイヨー
154 :
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(栃木県)
[sage]:2011/11/08(火) 01:06:30.84 ID:41sBfpKAo
なんかもう男いらな(ry
155 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 01:16:30.13 ID:F7tESZSko
にちゃ、と音を立て、淫魔の剛直が、処女の穴から抜かれる。
両脇に突き立てられていた腕がベッドからあげられ、淫魔の身体が修道女のから遠ざかる。
修道女「……え」
絶望の底で、淫魔が身を引き、修道女は足下の淫魔に向けて首を起こす。
淫魔は修道女に向けてM字に足を開き、屹立したクリトリスを見せつけるように座り込むと、ベッドの表面を手のひらでポンポンと叩いた。
修道女「あ……」
脱力した修道女の身体の下で何かが動き、頭から腰にかけてが引き起こされる。
ベッドのマットレスが風船のように膨らんで盛り上がり、修道女の体重を支えてゆったりと腰掛けさせた。
修道女が楽に自分を見れることを確認すると、淫魔は両腿を抱えて背を丸め、高く勃起したクリトリスの先端にキスをして、言った。
淫魔「ほら、自分でしちゃう……」
背を丸めて、長く伸びたクリトリスを深々とくわえ込んだ。
赤いツノの生えた紫色のショートカットを何度か揺らし、自分のクリトリスをディープスロートで慰めると、背中をひときわ大きく丸めてクリトリスをより深く飲み込み、身体をけいれんさせる。
淫魔「んううっ! ちゅるるるるるっ んっく んっく んっく んっく……」
淫魔は肥大化した自分のクリトリスから噴き出す、大量の自分の本気汁を吸い取り、のどを鳴らして飲み続ける。
クリトリスの根元、元のままの淫魔の秘裂から透明な蜜が噴き出し、口元からは飲みきれなかった白濁液があふれ、桃色のクリトリスの表面を伝って流れ落ちる。
射精のけいれんが止まり、淫魔はノド深くからクリトリスをずるりとはき出す。
淫魔「うう……げふっ……はあ……すっきりした……んふふ」
ゲップをして満足そうに笑うと、淫魔は張りを失ったクリトリスをもみしだく。
淫魔「んは……んあ……」
巨大なクリトリスは、またたく間にちいさくしぼみ、きゅ、と淫魔が無毛の恥丘に手を押しつけると、かわいらしい小粒のクリトリスに戻っていた。
淫魔「ほら、元通り」
くぱ と自分の桜色の女性器を開き、修道女に見せつける。
あっけにとられていた修道女が、羞恥に視線を外すと、淫魔は修道女へとにじりよる。
156 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 01:21:44.08 ID:F7tESZSko
淫魔は、膨らんだマットレスに力なく背を預ける修道女の、開かれた両足の間、手を伸ばせば修道女の股間を自由にまさぐれる位置にうつぶせに寝っころがると、両手をアゴの下に置いて、顔を上げ、実に楽しそうに修道女の充血した女性器を観察する。
修道女「な……何を見て……」
淫魔「んふ、食べそこなっちゃった処女のおまんこ……赤くてぷっくり開いてて、蜜をこぉんなにあふれさせて……美味しそうだなあ……ざんねんだなあ……んふふ」
脱力した修道女の手が重そうに動き、局部を隠すように置かれる。しかし、適当に置かれた手では淫魔の視界から、赤らんだ粘膜をすべて隠せなかった。
足の間に寝そべった淫魔の視線を感じ、女性器がぴくりと反応し、蜜ひとかたまりが、膣口からとろりとこぼれる。
修道女「何を考えて……」
淫魔「ふふ、気持ちいいこと」
淫魔は左肘をマットレスに立ててアゴを支え、右手を修道女の肛門に伸ばす。
とろけ降りる膣からの蜜で指を濡らし、修道女のすぼまりを、くゆくゆと刺激する。
修道女の手は振り払おうと力なく触れるが、淫魔は特に気にしない。
修道女「あふ……あ……はぅ……」
淫魔「ねえ、修道女。天使にお尻いじめられて、どうだった?」
肛門への柔らかなマッサージに、その上の発情し赤く開いた女性器はうらやましげに蜜を垂れ流す。
修道女「ど……どう……って?」
淫魔「気持ちよかったでしょう?」
膣からの白と透明の混じった蜜をたっぷりとまぶした人差し指を、淫魔は肛門にさしいれる。
修道女「んはあっ あうう……」
淫魔「ほら、気持ちいいでしょ? 好きでもないオトコノコの欲しくもないチンコで、ここをかき回されただけなのに、オンナノコはこんなになっちゃうの」
修道女「はあああぁぁ……はうううぅぅ……」
淫魔「ふふふ、気持ちいいよねぇ……」
つぽんっ
修道女「ひゃっ!」
淫魔は勢いよく、修道女のすぼまりから指を抜き、鼻先でかいで、なめる。
淫魔「ん……修道女のおしりの味……んふふ」
修道女「う……くっ……」
修道女は羞恥に顔を赤らめ、目をそむける。
157 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 01:27:11.97 ID:F7tESZSko
淫魔「ふふ、好きでもないオトコノコにおしりをかき回されただけでこんなになっちゃうならさ……」
よくなめてキレイになった人差し指をのばし、淫魔は修道女の性器の赤い粘膜をゆっくりとなぞる。
ちゅく……ちゅく……
修道女「んは……はあ……」
淫魔「ここに、おまんこに好きな人のチンコ入れられて、かきまわされたら、オンナノコはどうなっちゃうと思う?」
膣の入り口に指がやさしく出入りし、修道女の性器は甘い蜜をこぼす。
修道女の顔はゆるやかな快感にとろけ、修道女の手は淫魔の攻撃を防ぐのをやめていた。
修道女「そんな……わかんない……」
淫魔「んふ、オンナノコはね、気持ちよくなっちゃう。エッチになっちゃう。幸せになっちゃう。なあんにもわかんなくなっちゃうんだよ」
ちゅくちゅくと、いたわるように修道女の陰部をほぐし、淫魔はささやいた。
淫魔「ね、欲しくない? ここで、好きな人のチンコ、しごいてあげたくない?」
修道女「や……無理……」
淫魔「どうして?」
修道女「修道士、死んじゃったもの……それに、わたし、殺しすぎた」
淫魔「……」
修道女「悪魔も、悪魔に魅入られた人も、たくさん、たくさん殺した。半分悪魔で、魂の汚れたわたしなんてもう……ひあっ!? あああっ!」
ぐっちゅんっ!
目尻に涙を浮かべる修道女の、濡れそぼった陰部を、ひどい音を立てて淫魔はかき回した。
淫魔「あのさあ、修道女、いまのわたしの話、聞いてた?」
ぐっちょぐっちょぐっちょ
手を休めることなく動かし、淫魔は修道女の顔ではなく発情した性器を見ながら、なかばうんざりした口調でたずねる。
158 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 01:32:51.22 ID:F7tESZSko
修道女「ひああっ! やあああっ! 聞いて……ああっ!」
淫魔「ならわかるでしょ? わたしはここでチンコをくわえたいかどうかって聞いてんの。殺した? 魂の汚れ? そんなことは聞いてない」
修道女「そんなっ……わかって……ひあああっ」
淫魔「いいや、わかってない。わたしがこんなに美味しそうなおまんこあきらめたのに、こんだけやってあげてるのに、まあだあなた格好つけてる。とりあえず、イっちゃえ!」
ぐっちゅん! と、淫魔はひときわ深くかき回し……
修道女「ひああああっ……やっ……だめえええっ!」
淫魔の指のあいだからしぶきを飛ばして、修道女は絶頂した。
しかし、淫魔の指の動きは止まらない。しぶきを上げる修道女の陰部がぴくぴくとけいれんを始めているのに、さらにかき回し続ける。
じゅっく じゅっく じゅっく……
修道女「あっ……あー……あー……」
淫魔「ね、答えて……ここに、修道士のチンコ、欲しいでしょ?」
ちゅっく ちゅっく ちゅっく……
修道女「はあ……あう……しい」
淫魔「ん?」
じゅくじゅくと蜜壺を混ぜながら、淫魔は視線だけをとろけた修道女の顔に向ける。
修道女「ほしい……です」
淫魔「んふ、正直でいい子……でも、それだけ?」
秘部を優しくなでる愛撫に変え、淫魔は続ける。
修道女「……え?」
淫魔「チンコだけでいいの?」
修道女「……あう……キス……も……」
淫魔「うんうん、それから?」
修道女「触って……ほしい。抱きしめて……あげたい」
淫魔「そうだね、オンナノコなら、みんなそう思うよ」
修道女「でも……むり。修道士……もう……」
淫魔に向けられた修道女の目に悲しみがあふれ、ほほに涙がこぼれ落ちる。
159 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 01:40:53.04 ID:F7tESZSko
淫魔「そうだね、修道女。もう、修道女は好きな人に会えないかもしれない」
修道女「あうう……」
修道女のオリーブ色の瞳からぽろぽろと涙がこぼれる。
淫魔「だから、せめて思ってあげようよ」
修道女「ん……え?」
涙が流れる頬に口づけて、淫魔は修道女の手を彼女の秘部に導く。
淫魔「教えてあげる。恋するオンナノコが、どうやってオトコノコを思うのか……」
修道女「んう……」
淫魔「蜜をすくって、クリトリスをなでるの……やさしくね」
修道女の手首を握り、指先に蜜を絡めさせて突起に軽く当ててやる。
淫魔「ほら、ここ。ゆっくりでいいから、動かしてごらん?」
修道女「はう……」
ためらいがちに当てているだけだったが、やがて修道女は少しずつ指を動かし始めた。
淫魔によって極限まで発情させたれた身体の快楽はすさまじく、指の動きはゆっくりと、しかし確実に早さを増していく。
ちゅく……ちゅく
淫靡な水音がひびき始め、修道女は声を上げた。
修道女「んはっ……はあ……」
淫魔「気持ちいいね。修道女、あなた、ここに誰のチンコが欲しいんだっけ?」
修道女「あうう……修道士……ひゃああっ!」
淫魔「ふふ、好きな人の名前呼びながらすると、気持ちいいでしょ?」
修道女「んあ……修道士……修道士ぃ……!」
指の動きに、もはやためらいはなく、修道女は桃色の肉芽を慰めて、蜜を噴き出す。
160 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 01:56:27.03 ID:F7tESZSko
修道女「あ……ここ……」
蜜を流す処女膣に、指を入れようと修道女が手を動かすと、その手の甲を淫魔は叩いた。
淫魔「こら! そこはだめでしょ!?」
修道女「え……だってさっき、あなたにしたでしょ……」
淫魔「わたしはいいの。でも、そこは修道女の指じゃなくて、修道士のチンコのためのアナでしょ? あんな乱暴なやり方で指なんか入れて、自分でキズでもつけたらどうするの?」
修道女「あうう……だってぇ……」
淫魔「あなたみたいな処女は、処女らしくクリトリスだけでイきなさい。ほら、名前を呼んで。ちょっと開き気味に膝立てて」
修道女「はう……あう……修道士……修道士……」
修道女は淫魔に言われるまま、両膝を立てて肩幅ほどに開き、思い人の名を呼びながら桃色の肉芽を慰める。
淫魔「ふふふ、そうそう。いいねえ。やっぱり処女は、膝立てて、背中丸めて、好きな人の名前を呼びながら、クリトリスをくちゅくちゅしちゃう、かわいらしいオナニーが似合うよ……んふふ」
淫魔は舌を伸ばせば届きそうなほど、修道女の女性器に顔を近づけ、両手をアゴの下に当ててシーツに肘を立てると、実に嬉しそうに、目の前でかき回される腿路の粘膜を観察する。
修道女「修道士……修道士ぃ……あうう……」
修道女の蜜が、ぴゅっ としぶき、淫魔の口元に飛ぶ。
淫魔はその蜜を美味そうになめとると、言葉で修道女を追い詰める。
淫魔「修道士の何が欲しいの?」
修道女「ち……ぺにす、ここに……ほしい……」
淫魔「そうだね。ほら、息して。吸って、吐いて……」
修道女「すうう……はああ……あうぅ、修道士ぃ……」
深呼吸して身体の芯がほぐれたのか、修道女の女性器全体が、ピクピクとけいれんし出す。
淫魔「そのまま、そのまま……ほら、がんばって」
修道女「んふ、ああっ……修道士……あうう……んくうっ!」
きゅ、と足を抱え、控えめに蜜を飛ばして、修道女は達した。
プシッ と、至近距離の淫魔の顔にしぶきがかかる。
淫魔はその蜜を、口を開けて受け止める。
淫魔「あーん……ん……こくん……ふふ、美味しい……」
161 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 02:14:25.73 ID:F7tESZSko
蜜の噴出は続き、女性器は絶頂にけいれんしているというのに、主人の意思を無視して、修道女の指は動き続ける。
絶頂に達してるというのに、さらにクリトリスが刺激され、修道女は不安に声を上げる。
修道女「や……ゆび、止まんない……」
淫魔「だろうねえ……ふふ……たいへんだぁ」
淫魔はクリトリスをいじりまくる修道女の指を、実に楽しそうに見つめ、ときたま物欲しそうにけいれんする、クリトリス以外の女性器の粘膜に、ふっ と息を吹きかける。すると水からあげられた桃色のアワビのように、修道女の粘膜はくにゅくにゅとうごき、海水にも似た潮を吹いて淫魔の目を楽しませる。
修道女「やめ……んあっ……たすけ」
淫魔「やめればいいじゃない。やめられるならねぇ……ふふ」
修道女の蜜のしぶきは量を増し、淫魔はそれを顔でうけて、ぐしょ濡れになりながら、時たま ふっ と息を吹きかけ、修道女を追い詰める。
修道女「あっは……や……あ!」
ちゅっく、ちゅっく、ちゅっく
リズミカルに動く指は、意思とは無関係に、しかし本人の身体の望むままに動き、修道女を高みに引き上げてゆく。
修道女「あ……からだ……ふわふわ……する」
淫魔「うん。力が抜けて、あったかくて、幸せで、気持ちいいでしょ」
修道女の色素の薄い身体は、桃色に上気し、全身から甘い汗を噴き出す。
修道女「あうう……んあああ……はううう……」
淫魔「これに、修道士が加われば、最高だねえ……」
修道女「は……ん……なんか……飛びそう……」
淫魔はささやいた。
淫魔「飛べるよ、ほら、クリトリスで飛んでみ?」
修道女「んあっ……あたま、しろく……あ……」
修道女は立てていた膝と、両腕をきゅっと丸めて、ピクピクとけいれんする。
修道女「ああああっ! 修道士いいいいいいっ!」
修道女は蜜を飛ばしながら、最愛の人の名前を叫んだ。
思い人の名を呼びながら、敏感な突起だけを責めつづけて達する、処女のつつましやかな自慰のしずくを満足そうに顔に浴び、淫魔は右手をまっすぐ挙げて。
パチンと鳴らした。
162 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 02:17:19.35 ID:F7tESZSko
修道女「ひゃっ……あ!」
一瞬身体が落下し、ぼすんとベッドの上に落ちた。
しかし、それは淫魔の魔法であらわれた学校の廊下を埋め尽くすベッドでなく、手織りの布に干した藁を詰め込んだ藁布団の乗る寝台だった。
周りの壁も鉄筋コンクリートではなく、石積みの壁に木の天井。窓にはガラスではなく木の雨戸がはまる。
股間を押さえたままの修道女の身体は、手織りの白い簡素な服で包まれ、下着は着けていなかった。
修道女「ここは……」
生まれ育った修道院、その自室のかたい寝床に、修道女は寝ていた。
修道女「ん……あ……」
自慰のために飛んだ蜜は、服やベッドに飛んでいなかったが、秘部はじっとりと濡れており、動こうとすると快感にぴりぴりと痺れた。
寝台の横に小さなテーブルがあり、取っ手付きの燭台にみつばちの蜜蝋で作った蝋燭が燃えている。
トントンと、部屋の扉が叩かれた。
退魔師の本能で身構え、修道女は返事した。
修道女「……はい」
扉が開き、蜜蝋の蝋燭の炎に照らしされたのは……
修道女「うそ……」
細身の身体に黒い切れ長の瞳、まっすぐに伸びた黒い髪を短く切った青年。
修道女「修道……士」
修道女同様、驚愕に動けないようだったが、青年は口を開いた。
修道士「会いたかった。修道女」
一歩、青年が部屋に入ると、修道女は制した。
163 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 02:24:26.32 ID:F7tESZSko
修道女「来るな! ……何を考えている! 悪魔め……」
修道士「悪魔……か。たしかに、私は地獄に落ちた。悪魔かもしれない」
修道女の制止を気にしながら、しかし歩みを緩めずに、青年は進む。
修道士「だが、あなたへの思いは変わっていない」
修道女「やめて! 言わないで!」
修道女は耳をふさぎ、目を閉じてうつむいた。
修道女「うそだ……これはうそだ……」
修道士「そうだね。ここは嘘だ。嘘の場所だ」
修道女「え?」
修道士「この部屋の外には何もない。ほんの少し、修道院の廊下があるだけだった。空には星も、月もない。だから、きっとここには朝も来ない」
修道女「それなら……」
修道士「でも、僕はちがう。本物……少なくともあなたを思うこの気持ちは本物だと思いたい」
ベッドに震える修道女の身体を、青年の胸と腕が柔らかに包み込む。
修道女「あ……」
修道士「ずっと……こうしたかった」
修道士「触れたかった。抱きしめたかった」
修道女「……うん……うん」
修道女の手も修道士の背中にまわされ、修道女の目尻から清いなみだがこぼれ落ちる。
修道士「それは許されなかった……でも今は……」
修道女「……」
修道士「修道女、あなたが欲しい」
最愛の人に肩を抱かれ、まっすぐに見つめられ、修道女は胸に両手を当てる。
修道女「わたしのこの胸の気持ちも、きっと本物。修道士、わたしもあなたが欲しい」
ふたりは見つめ合い、くちびるが近づく。
164 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 02:30:47.81 ID:F7tESZSko
淫魔「ああ、かくして700年の時を越え、最愛のふたりは結ばれたのであった」
修道女「きゃっ!」
修道士「うわっ!」
鼻が触れあうほどに接近していた二人は飛び退いた。
ふたりが座る藁のベッドの正面に、きちんと服を着た淫魔が立っていた。
淫魔「もう、なにやってんだよ。はやくちゅー しなよ ちゅー!」
修道女「な……な……あなた……!」
淫魔「とまあ、おふざけはこのくらいにして、どう? この部屋、気に入ってもらえた? できるだけ再構成してみたんだけど」
腰に手を当て、首を回し、淫魔は質素な室内を見渡す。
修道女「あ……やっぱりあなたの仕業で……!」
淫魔「んふふ、そうだよ。ガンコな鬼神から、コイツを連れてくるの大変だったんだから」
修道女「そんな、どうやって!?」
淫魔「ん? まあ、あいつには貸しがあってね……んふふ」
修道士「わかりません。そこまでしていただく理由がない」
修道女「そうよ。悪魔は自分の得にならない事はしないはず!」
淫魔「いや、しっかりいただくよ。ちゃんと二人分」
修道女「なにを?」
165 :
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[sage]:2011/11/08(火) 02:40:43.57 ID:nynntCvIO
ナニを
166 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 02:41:54.60 ID:F7tESZSko
淫魔「あなたたちの処女と童貞を、わたしにちょうだい」
修道士「な……」
修道女「……っ!」
淫魔「修道士、あなたのおちんちんで、修道女の処女を奪って」
修道士「う……」
淫魔「修道女、あなたのおまんこで、修道士の童貞を食べちゃって」
修道女「く……」
淫魔「あなたたちがお互いに汚し合う事実を、わたしにちょうだい。ふふふ、神に仕える清らかな男女に貞操を奪い合わせるなんて、ゾクゾクしちゃう」
修道女「く……この悪魔っ!」
淫魔「淫魔だよー……もちろん、シなくてもいい。それはあなたたちの自由。でもそしたら、わたしが両方とももらうから、そのつもりで……」
修道士「……」
淫魔「時間はこの蝋燭の炎が消えるまで……じゃあ、ごゆっくり」
ぽん と音を立て、淫魔の姿は消えた。
蝋燭はかなり太くて長く、簡単には消えそうもない。
修道女「童貞……」
修道士「処女……」
相手の下腹部を互いに見て、その視線のはしたなさに、2人は目をそらした。
修道女「魔界に連れて行かれたのに……なにもされなかったの?」
修道士「……あれは地獄の軍人だったらしくてね。わたしは修道服のまま石にされて、大広間を見下ろす場所に飾られていた。目の前で、多くの恐ろしいことが起こり、身体を休めることなどできなかったが、ついぞ悪魔たちがわたしに触れることはなかった。それに……」
修道士「……あなたほどの方なら、わたしなど及びもつかないすばらしい人とも会えただろうに」
修道女「いいえ、ずっとあなたを探していた。あなたを連れ去った悪魔を見つけて、取り返すために、悪魔と人を殺し続けた。それに……もう、言わせないで」
修道女が修道士の手を握ると、優しく握り返された。
ベッドに腰掛けたまま、修道女は顔を寄せた。
修道士も顔を寄せ、二人はくちびるが触れるだけのキスをした。
167 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 02:45:25.19 ID:F7tESZSko
やわらかなくちびるの感触をたしかめあい、ついばみあっていると、ふと、互いの舌が触れた。
初めて触れる人の粘膜の味に驚き、修道女が少し身を引くと、修道士が追いかけてきた。
修道女「……あ」
修道女は肩を抱かれて押し倒され、修道士は少し大胆に、くちびるを求めた。
青年の性急な求めを受け入れ、修道女がくちびるを開くと、顔を傾けて修道士のくちびるが重なった。
修道女「んぷ!……ん!……ん!……」
修道士「ん……ん!……んぐっ!……かちんっ!」
勢い余って二人の歯がぶつかり、我に返った修道士は口を離した。
気まずそうに視線をそらす。
修道士「……すまない」
修道女「ううん……ふふ……わたしを求めてくれて、うれしい。……ね、今度はゆっくり」
頬に手を添え、やさしく唇へと導く。
修道士「……わかった……ちゅ……」
修道女「ん……ちゅ……ん……くちゅ……」
修道士「ん……ちゅ……れろ……」
修道女「んん? ふふ……れろ……」
修道士「ふ……ぁ……なんだか、不思議な味だ……」
修道女「うん、そうだね。でもこれが、あなたの味なんだね。ね、もっと」
互いをなであい、唾液を交換し、頭の芯が痺れるような幸福なキスを続けると、修道女は自分にのしかかる、修道士の黒い修道服に包まれた腰が、妙に揺れている事に気づいた。
168 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 02:49:28.57 ID:F7tESZSko
修道女「ちゅ……ふふ……ねえ、修道士」
修道士「んちゅ……なに? 修道女……あっ」
手を伸ばし、修道士の下腹部に触れると、服越しにも硬く熱くなった男性器がわかった。
修道女「もう……すごい。こんなに」
修道士「あ……うあ……やめてくれ、修道女」
修道女「え、どうして?」
修道士「わたしは情けない! 軽蔑してくれ! あなたと愛を交わしているというのに、身体が肉欲に流されそうなんだ」
修道女「そう……」
寝間着の白いスカートをまくり上げると、修道士の手を自分の秘部に導いた。
くちゅ……水音が鳴り、修道士は驚きに修道女を見つめた。
修道女「軽蔑……しないでね。わたしも、こんなになってるの」
修道女の秘部は熱くうるおい、あふれた粘液が修道士の指先を濡らす。
修道士「その……どうすれば?」
修道女「触って……やさしく、して」
濡れている場所を、修道士は不器用に、しかしていねいに、やさしくなで上げる。
修道女「ん……そう、そのまま……」
修道士の黒いガウンの隙間から下腹部に直に手を触れると、修道士の男性も熱く高まり、亀頭は分泌液にうるおっていた。
自慰の知識に乏しい修道女は、男性器をしごき上げるのではなく、自分でしたとき気持ちが良かったのと同じように、修道士の亀頭の蜜を手にまぶし、ゆるゆるとなでる。
修道士「うあっ……そこはっ!」
修道女「気持ちいい?」
その動きが男性にとってはつらいほどの快楽であることを知らず、修道女はささやいた。
169 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 02:53:25.08 ID:F7tESZSko
修道士「わ……わからない……だけど……修道女の指が……ああっ!」
修道女「よかった、気持ちいいんだね。ね、わたしも」
突然あたえられた快感におどろき、修道女の秘部で止まっていた修道士の指が、うながされてまた動き始める。
濡れた表面を触れるか触れないかでなぞるだけだったが、指先が陰核に当たり、修道女は声を上げた。
修道女「きゃ……」
修道士「ごめん、痛かった?」
修道女「ううん、そこ、気持ちいいの」
修道士「ここが?」
くりくりと、指先を回すと、修道女の腰がはねる。
修道女「やっ……は……そう、そこ、すごいの!」
修道士「そうか……それならここを……」
気持ちがいいという修道女の言葉に従い、修道士はその突起を集中的に転がした。
修道女「そんな……そこばっかり……んあああああっ!」
修道士「わっ!」
愛する相手に陰核を転がされて、修道女は腰を高く持ち上げ、絶頂した。
修道士「……大丈夫? やっぱり痛く……?」
修道女「ん……はあ……ううん、気持ちよかっただけ……平気」
170 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 02:59:16.87 ID:F7tESZSko
陰核をやさしく責め上げられ、ひとり達してしまった修道女が、修道士の黒い服に隠された下腹部に目を向けると、押さえようのない高ぶりが、修道士の中でうずいているのが見えた。
修道士「修道女……あの……その……」
修道女「うん……」
修道士は一度立って黒いガウンを脱ぎ、白い寝間着を脱いで横たわる修道女を見、感動にため息を漏らした。
修道士「修道女、きれいだ」
修道女「ふふ……ありがと。修道士もすてきだよ」
軽く足を崩し、両手を差し出して最愛の人を誘う。
修道女「……きて」
修道士「う……うん」
ベッドに上がり、向かい合って、修道士はおずおずと尋ねた。
修道士「あの……どうすれば……?」
修道女「ん……」
足を軽く開いて指を這わせ、自分で秘裂を開く。
修道士は熱に浮かされたように修道女の秘部を見つめた。
修道女の指が、蜜のあふれる小さな穴をつんつんとさわる。
修道女「ここ、わかる? ここのところに入れる……みたい」
修道士「入る……のか?」
修道女「……たぶん」
修道士「そうか」
171 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 03:19:37.20 ID:F7tESZSko
修道女の足のあいだに身体を進めると、何度か入り口に押し当て、その場所に先端を押しつけると、修道士は言った。
修道士「痛かったら、言ってくれ。すぐにやめる」
修道女「うん……ね、キスして」
修道士「え?」
修道女「キスしながら、その……」
修道士「わかった……好きだ。愛してるよ修道女」
修道女「わたしも。愛してるよ、修道士……ちゅ……んんんんっ!」
限界まで張り詰めた雄の本能に突き動かされながらも、修道士は自身を最愛の修道女の入り口に押し当てると、ゆっくりと挿入した。
ぷつんと、何かが切れる感触が膣前庭で起こり、次いで熱い性器が修道女の体内に押し込まれる。
キスでつながったまま、ふたりの性器も一番深くまでつながり、修道士は動きを止めた。
修道女「んちゅ……んぐぅ……ちゅ……」
修道士「ちゅ……ぷは、大丈夫?」
修道女「う……ちょっと、このままで。ね、キスして」
修道士「ん、うん……ちゅ……んちゅ」
互いの唾液を交換していると、修道女の膣がぴくぴくと震えた。
入り口だけでなく、内部も。
修道士の男性器を包み込む膣全体が、飲み込むようなうねりを始めていた。
修道女「あれ……なに……コレ」
修道士「修道女のなかが、動いてる……あ……あ……」
修道士の男性器は膣のうねりに反応し、熱く脈打つ鼓動で修道女に返事をする。
修道女「欲しがってるんだ……わたしの身体が、修道士を……」
修道士「なかが吸って……修道女……あ……ああ…………」
交感しあう性器の動きに驚きながら、しかし修道女はつらそうな修道士のほほに手を添え、言う。
修道女「ね、もう動いて」
修道士「大丈夫……なのか?」
修道女「うん、なんだか、平気。ね、犯して」
修道士「は……うああっ! 修道女!」
がばっ!
理性が決壊し、肩を抱き、修道士は修道女に己自身を力の限り撃ち込み、引き抜く。
172 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 03:36:40.47 ID:F7tESZSko
初めて男性器を受け入れても、動かなかったからこそ小さかった修道女の粘膜の傷が、急な修道士の動きで大きく裂け、膣から血混じりの蜜が噴き出る。
膣から引き出される修道士の男性器には、修道女の破瓜の血がべっとりとまとわりついている。
修道女「くあああっ! まって……やっぱり無理ぃ!」
修道士「わたしも、もう、ガマンできない! 修道女! 好きだ! 修道女!」
耳元で、愛を叫ばれ、修道女の女性器の奥がピクンと反応する。
膣の潤いが増し、修道女のつま先が震える。
修道女「だめ……今、言わないで……ああっ! 身体、反応して……んあっ!」
修道士「好きだ! 修道女! 離れたくなかった! 離れたくない!」
背中に手を回され、抱きしめられ、愛を叫ばれ、そのまま秘部をめちゃくちゃに突き崩され、修道女の理性も消し飛んだ。
修道士の首筋に手を回し、しがみつく。
修道女「わたしも……わたしもおお! やだああ! 離れたくないいい! 大好き! 修道士! 大好きいいいい!」
修道士「ああああっ なにか……来る……くああああっ!」
修道女「あああっ ちょうだい! 修道士の、奥に……っ!」
修道女の膣は修道士の陰茎を締め上げ、吸いつく。
その女性器の動きに、修道士の腰はうながされ、一番奥で止まる。
修道士「うあ、急にきつく……くあああああ! で、出るっ!」
ビュルルルルッ!
性感を受け、降りてきていた修道女の子宮口に、修道士の精液がたたき付けられ、修道女は呼吸を止めて絶頂する。
修道女「くあ……は……ああ……あああああああああああっ!」
絶頂を迎えた修道女の膣は修道士の陰茎を強く強く締め上げ、狭い胎内に収まりきらない白濁液が、結合部からあふれる。
修道女「ああ……出てる…… 修道士の……出てる……」
修道士「ううっ まだ、修道女のなか、動いて……しぼられて……吸われ……くあ……」
173 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 03:39:30.05 ID:F7tESZSko
修道士の射精が止まり、修道女の絶頂も山を越えた。
修道女「ん……はう………ふう……」
修道士「く……は……はあっ……はあっ」
絶頂にとろけた互いの顔を見つめ合い、どちらからとなくキスをした。
修道女「んちゅ……ん……ちゅ……んは……」
修道士「ちゅ……くちゅ……れろ……は……」
修道女「ふ……んふふ……」
修道士「ふふ……ふ……」
修道女「しちゃったね」
修道士「ああ」
修道士「ふふ……これで、輔祭にはなれないな」
修道女「ごめんなさい、修道士」
修道士の手が修道女の乱れた髪に伸び、左右に分ける。
ほほをなで、その修道士の優しい手のひらに、修道女はほほえみをかえす。
修道士「……いや。これでよかったんだ」
修道女「どうして?」
修道士「またこうして、あなたの笑顔を見られた。そしてなにより、あなたを抱けた」
修道女「う……そういうこと、目を見ながら言わないで」
修道士「なら、どこを見ながら言えば?」
修道女「目をつむって」
修道士「ん、わかった……あなた……んうっ!?」
修道女「ちゅ……んちゅ……れろ……」
すでに修道女の膣内でやわらかくなり始めた男性器を修道女は締め上げ、両足を回した腰をグリグリと動かして、刺激する。
舌を深く差し込み、自分が下の口にされていることを修道士の口にやり返す。
脱力しかけていた修道士の男性器が、修道女の膣内でふたたびかたくなった。
修道女「んふ……また、大っきくなった」
修道士「ふ……あ……は……」
修道女「んふふ、どうしたの?」
修道士「く……こいつめっ!」
修道女「きゃっ! ……あんっ……」
174 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 03:46:27.37 ID:F7tESZSko
淫魔の用意した蝋燭はゆっくりと燃えた。
修道女と修道士が、純潔だった互いの身体を犯しあい、唾液を交換し、蜜壺を肉棒がほじくり返し、互いの肉体の隅々まで味わい尽くし、体力の尽きた二人が裸のまま抱き合って、存分に睦言を交わすだけの時間を与えた。
二人はひどく汗をかき、簡素な藁布団は二人の淫水にぐっしょりと濡れていた。
初めてだというのに、無理をした修道女の秘裂は、すこしひどく出血していたが、それもすでに止まり、修道士の精液がわずかに開いた膣口からとろとろとあふれている。
互いを味わい尽くし、語り尽くし、いつしか蝋燭はもう、ほとんど残っていなかった。
今、この瞬間に消えることはないだろう。
しかし、あと数分も持たない事は確かだ。
修道士「何考えてる?」
修道女「たぶん、あなたと同じ事」
修道士「蝋燭?」
修道女「うん……」
二つの取っ手のついた燭台にのせられた蝋燭は、融けた蝋が落ちることなく、ひたすらに燃えていた。
そう、その燭台にはなぜか二つの取っ手がついている。
修道士「立って」
修道女「うん」
床に立ち、二人は向かい合う。
そのまま無言でキスをした。
修道女「ん……ちゅ」
修道士「ん……ふ」
すでに互いの味は知っている。
確かめるための、忘れないための短く、しかし深いキス。
そして身体の凹凸を重ねあうように、しっかりと抱き合い、互いの体温を、感触をおぼえる。
身体を離し、見つめ合い、テーブルの上から燭台をとる。
ふたりは左手で燭台を支え、右手を伸ばして最愛の人の頬をなでる。
修道士「さよならだ」
修道女「ちがうでしょ?」
修道士「そうだな。ごめん」
修道女「ふふ……」
修道士「愛してるよ」
修道女「愛してるわ」
ふたりは息を合わせ、蝋燭の火を吹き消した。
175 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 04:09:02.06 ID:F7tESZSko
暗かった。
聴覚が戻ったが、そこはしずかだった。
身体は横になっていた。
身体の下は硬かった。
目を開けることを思い出し、修道女は目覚めた。
そこは、月の光差し込む学校の廊下だった。
上半身を起こし、周りを見るが、ベッドも淫魔も天使も、男も幼馴染もいない。
静かな廊下に、修道女だけがぽつんと座り込んでいた。
着衣に乱れはなく、いつもの黒い修道服。
修道女「夢……?」
修道女がくちびるに手を伸ばし、触れる。
身体にも、くちびるにも、まだ修道士の感触が残っている。
スカートの下の秘裂には、甘い痛み。
修道女「夢じゃなかった……修道士……」
うつむいてゆっくり目をとじ、開けると淫魔が立っていた。
胸には修道女の聖十字架の短剣を持っている。
淫魔「おかえり」
淫魔「ふふ。美味しかった。ごちそうさま」
修道女「……どうして?」
淫魔「ん?」
修道女「どうしてこんなことしたの?」
淫魔「あなたたち、美味しそうだったから……ね」
修道女「ひどい」
淫魔「だろうね」
修道女「もうわたし……修道士無しじゃ生きられない」
淫魔「だろうねえ……はい、これかえすよ」
淫魔は修道女に、十字架の短剣を手渡す。
淫魔「ふふふ、今日はとても楽しかった。あなた、とっても強いし、あなたの身体、とっても美味しかった。あなたにとっても最後の最後で、とってもステキな日になったでしょ? ……んふふ」
修道女「……」
受け取った短剣を見つめ、修道女は微動だにしない。
淫魔「確かに魔のすることはまやかしかもしれない。ひどいこともあれば、ステキなこともある。そしてあなたは、他の人に宿るこんなステキな出来事を、いままで、これから、どれだけ消してきたんだろうね? どれほど消していくんだろうね? ……んふふ、んふふふふふふ」
修道女の握りしめた聖十字架の短剣に、ぽたぽたと涙が落ちる。
顔を上げずに、修道女はつぶやく。
修道女「……悪魔」
淫魔「んふふふ……淫魔だよ」
月明かり照らす学校に、いつまでも、700歳の少女のような、修道女の泣き声がひびいていた。
176 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 04:14:08.22 ID:F7tESZSko
月明かりに照らされた夜道を幼馴染をおんぶして、男はあるく。
そのすぐ上を、淫魔は翼を出してゆったりと飛んでいた。
男「……で?」
淫魔「ん?」
男「その修道士はどうしたんだよ」
淫魔「現世に帰してあげたいのはやまやまだけど、契約は契約。修道士が現世に戻ったら、修道女は煙になって消えちゃう。かといって、鬼神に返すのはかわいそうだし、わたしの客人になってもらった。魔界のわたしのお家にいるよ。」
男「ひどいことしてないだろうな」
淫魔「そんなぁ……両思いの恋人を寝取るなんて、わたしはしないよ?」
男「本当かよ」
淫魔「んふ、しないよ。愛ほど甘いものはないからね」
すい と男の横に浮かび、幼馴染の顔をのぞき込む。
淫魔「安心して寝てる。好きな人の背中で……いいなあ」
男「好きな人……か。修道女はこれからどうなるんだよ」
淫魔「さあてね。でも、修道士がわたしに捕らわれている以上、わたしから離れるわけには行かないだろうねえ」
男「今日みたいなさわぎは、起こさないでくれるといいんだけどな」
淫魔「それは、もう大丈夫」
男「なんで? ……そっか」
177 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 04:21:29.15 ID:F7tESZSko
翌日、登校風景
幼馴染「男、本当に昨日、何もしてないの?」
男「してないって。幼馴染、生徒会室で完璧に眠っちゃってたんだから。背負って帰っただけ」
幼馴染「う……してないのか……いいのに、ちょっとくらいなら……」
男「ん?」
幼馴染「眠ってる女の子に、その……いたずら……とか……」
男「おれにそんな趣味はない!」
幼馴染「うー……」
友「おっす! ご両人!」
男「おはよ。どうしたんだ、テンション高えぞ」
友「いや、そこで会ってさ……ほら」
修道女「……」
男「あ」
幼馴染「あ、修道女さん。おはよう」
修道女「おはよう……ございます」
男「……おはよう」
修道女「おはよう、男くん……あの、これ!」
ぐい、と、男に紙袋を押しつけ、修道女は学校の方へと走っていく。
人間の力ではあり得ない、すばらしいスピードで。
友「うおー、速ええ! 勉強だけじゃなくて、スポーツもできるのか」
男「……うぐっ」
走り去っていく修道女の後ろ姿を見送る男に、幼馴染がかるい肘鉄を食らわした。
幼馴染「それ、何?」
男「いや……なんだろうな?」
男が袋をのぞき込むと、袋いっぱいの手作りクッキー。
そして、小さな便せん。
紙袋の中に手を入れて、二人に見せないように開くと、中にはただ「ごめんなさい」と優しい字で書かれていた。
便せんを二人に見えないように袋の奥に落とす。
友「うおっ! すげえ! クッキーだ!」
幼馴染「ええっ!」
友「おいおい、なんで男ばっかり……ってか、転校初日に落としたのかよ?」
幼馴染「な……男っ!」
男「ちがうよ……」
幼馴染「え?」
男「あいつ、好きな人が居るんだ」
一枚クッキーを取り出して、かじる。
何かに似た、優しくて、とても甘い味がした。
−淫魔「んふふ」 修道女「闇の気配がする」 おわり−
178 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(栃木県)
[sage]:2011/11/08(火) 04:35:35.04 ID:41sBfpKAo
いや素晴らしい
えげつない始まり方するのに読後感が良いなんて
最後の一文が涙でかすんで読めないけど多分続くって書いてあるんだろうな、楽しみだ
179 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/08(火) 04:44:45.05 ID:Nhh+YDaB0
乙です
あ、あれ……天使と男のエロシーンは……
180 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/08(火) 04:58:20.01 ID:F7tESZSko
インターミッション
淫魔「れでぃーすあんじぇんとるめん! 皆さまこんばんは、淫魔です。今は作者の代理です。
『淫魔「んふふ」 修道女「闇の気配がする」』いかがでしたでしょうか。
お気に召していただけたら、幸いです。
この物語の目標は、可能な限り残酷で、かつかわいいオンナノコのキャラが、なんどか淫魔を仕留め、または撃退するも、結局は淫魔の技にねちょねちょのぐちゃぐちゃにされてしまうと言う……二次元ドリームなテーマを採用しました。
・修道女について
わたしは勧善懲悪ものが基本好きなので、淫魔にあれやこれやされちゃう人は、基本的に何かひどいことをさせます。結果として、修道女は前半、めちゃくちゃ怖いシーンがあるのですね、淫魔が解体されるところと、男が廊下でぼこぼこにされるシーンです。
でも、ああいう怖いキャラがおまんこを思いっきりぐちゃぐちゃにされるのっていい気分ですよねっ!
ただし、わたしはオチとして、オンナノコが鎖につながれて、暗い部屋で扉が閉じたり、ただ単に触手の波に飲み込まれたりするのは、正直言ってあまり好きではなく、ただ単に怖いオンナキャラだと、上記のようなオチになってしまい、幼馴染を乱暴した暴漢たちみたいな扱いになってしまうので、本当は好きな人の名前を呼びながらクリトリスを弄っちゃうようなオンナノコが、何重にも付けた仮面を、淫魔がエッチに脱がせちゃう! って運びとなりました。 はい。
ただ、正直言えば、あまりにも序盤で、負け宣言しているかなあ、とも思います。
もうちょっとがんばって欲しかったけど、やっぱり淫魔に処女を当てるのは、オオカミとウサギを戦わせるようなものなのでしょうか……?
出身国や育った町の名前、宗教上の設定など、用語を分かりやすくするため、あえて変えたところも多数ありますし、作者が本気で分かっていないところもあります。物語中の情報は、まあ、物語の中で。でも、何かの時にふと思い出していただけたら幸いです。
・淫魔
その力の鱗片を見せました淫魔ですが、やっぱりこの子、どっかがおかしい。気まぐれで、こっちを殺そうとしてきた相手に、じぶんのおまんこを美味しいとすすってくれたからと言う理由で、弱点を教え、ピンチに……とか。あほです。
ただし、力は一級品。力も強く、人の心に干渉し、様々なものを虚空から作り出し、自らの身体を変える……しかも殺しても、因果律を飛び越えてよみがえってくるので、完全に打倒することができません。敵に回したら厄介厄介。
基本、この子は戦う時、かっこいいです。巨大な曲刀を二刀流にし、背中には黒い羽を生やして空を飛ぶ……いやーかっこいいですね。で、あまりに淫魔がヒーロー的なキャラクターになるのを防ぐために、こいつがあくまでも悪魔であること、人間とは価値観が違うんだって事を覚えて欲しく、ウンコと精液の混じったものを美味そうに食べたり、修道女のオンナノコの部分をめちゃめちゃにしたりするわけです。
修道女の胸に短剣を突き刺し、記憶を覗いて、つらかったねとか言うのに、またすぐにお股にもどるあたりが、こいつのキャラクターです。
つづきます」
181 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 05:43:21.61 ID:F7tESZSko
淫魔「つづき。……んふふ、こんな夜遅くまで、朝早くから? おつきあいいただき、ありがとうございます。誰も見てくれてないんだろうな……なんて思ったりしていたので、心強いです。……んふふ
・男と幼馴染
この物語では、完全な脇役とは言えませんが、すくなくとも主役ではありません。メインで動く淫魔と修道女の行動を決定づけるための、ガイド役となっています。
男が、ぐちゃぐちゃに壊されながら、幼馴染を守ろうとするシーンは、けっこうお気に入りです。
幼馴染はひどい目にあっているので、ちょっとかわいそうかな、と思ったり。
このふたりと淫魔の関係はどうなっているのだろう思います。わたしも不思議です。
しかし、幼馴染ちゃん、男のことが大好きで、エッチにはけっこう積極的。
このへんに、淫魔との波長が合う理由があるのかもしれません。
・天使
設定上は最強クラスのこの子、魔界で何かあったらしく、妙にかわいくなってます。
魔界でのお話はまた今度。
今回の物語のバックステージですが、淫魔が修道女のおまんこをぺろぺろしている間、また修道女が修道士とお楽しみの間は、実は男と天使はヤってます。
男とのからみも、そのうち書きましょう。
この子も今回は脇役なので、このくらいで。
・修道士
演劇に出てくるような男女の、ドキドキ初体験を書きたかったがために、こんなキャラになりました。
今は魔界の淫魔のお家にいるそうです。
この人が出てくると、修道女の言葉遣いがオンナになっちゃいます。
血肉と魂を全部捧げたら、修道女はひとりになっちゃうのに、気にせず捧げちゃうあたり、お坊ちゃまゆえの単純思考なのか、愛ゆえの暴走なのか……?
・医者
ものすごく怪しいのですが、特に設定は考えていません。
設定を膨らませられるキャラクター、今のところ筆頭?
物語のダークホースになるかもしれません。
・鬼神
大仰なしゃべり方の悪魔。もっと名前はどうにかならなかったのか……?
めちゃめちゃ強いらしいけど、実は淫魔の方がレベルが高い。
・友
脇役……すくなくとも今は。じつは悪魔だった! 実は天使だった!
とかではなく、安定的な日常要員でいてほしいです。
・このさきの展開について
ここ数日のペースは、ヒマなのでできることで、ペースは落ちます。
ただ、文章を書くモチベーションはあるので、こちらで発散させていただければ幸いです。
・レスについて
ええと、SSという形式で、掲示板に乗っけるのは初心者なので、リアルタイムでコメントがいただけることが嬉しいです。
妹とのエッチは? の一言で、前スレの妹があれやこれやされる話を書いたのは、よい経験でもあり、悪い経験でもあり。
感想、批評、批判はわたしにとってごはんなので、淫魔に精液や蜜を恵むつもりで、書いてやってください
それでは、みなさまごきげんよう…………んふふ」
182 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
:2011/11/08(火) 05:48:34.59 ID:zA6QPB7SO
おつおつ
いやあ、いいもん見させてもらいましたわぁ
続編待ってます
183 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(長屋)
[saga]:2011/11/08(火) 10:51:35.99 ID:tXj8rmpq0
前のスレタイで、基地外エログロ話かと思って読み進めてたら予想外の良作だった件
話の後の長い作者語りみたいなのも、いつもは飛ばして読むのに、これはなぜか読んでしまった…
乙&GJ 次回作もあるなら期待させていただきます
184 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)
[sage]:2011/11/08(火) 11:31:56.23 ID:6aatP+f40
妹とのエッチを所望してごめんなさい。でも最高でした。
修道女の話もエロだけでなく、ストーリーがちゃんとしてておもろかったです。
続編待ってます。
185 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/08(火) 14:09:28.07 ID:cnU9yjUbo
おつ、なんというか凄まじい美学を感じた
186 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
:2011/11/08(火) 15:57:37.59 ID:JlzbIrP4o
ふたなりリクエストを聞いてくれたみたいで嬉しい
欲を言えば女責めふたなり受けだと尚よかった!
187 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
:2011/11/08(火) 16:00:26.17 ID:JlzbIrP4o
乙
ふたなりリクエストを聞いてくれたみたいで嬉しい
欲を言えば女責めふたなり受けだと尚よかった!
188 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/08(火) 16:11:37.93 ID:lkwrfp53o
つ超乙
189 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/08(火) 16:14:45.96 ID:VxWHTXNSO
おつ!
190 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/08(火) 16:25:40.64 ID:ZqdFAbF0o
くそ ピーで吹いたじゃねえかww
雰囲気壊すなww
191 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/08(火) 17:13:49.24 ID:ZqdFAbF0o
史上稀に見るエロSS…
192 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
:2011/11/08(火) 20:05:33.01 ID:F7tESZSko
インターミッション
淫魔「行ってきまーす」
男「ん? バイトか?」
淫魔「うん、なんだか楽しくって」
男「ふーん、がんばれよ……あいつ、どんなバイトやってんだ?」
しばらくして……
男「……ヒマだな、幼馴染も用事があるらしいし……散歩でも行くか」
ワイワイガヤガヤ
男「なんだあの人だかり……フレッシュジューススタンドか……ん?」
幼馴染「はーい、いらっしゃいませぇ! 美味しいフレッシュジュースでございまーす」
男「よっ、幼馴染。いつの間にバイト始めたんだよ」
幼馴染「ひゃわわわっ! 男おっ!?」
男「んだよ、そんなに驚いて。おれにも一杯な」
幼馴染「は……はーい。修道女さーん、特製ジュースひとつ、お願いします」
修道女「あら、男くん。わざわざ来てくれるなんてうれしいわ。はいどうぞ。甘くて美味しいわよ」
男「さんきゅー……んぐ……」
幼馴染「……」ドキドキ
男「……おい、その屋台の中を見せろ」
幼馴染「いや、ちょっとそれは……」
ブブブブブブ
男「なんだよこの振動音は?」
幼馴染「み、ミキサーだよ。ほら、果物用の!」
アンアン アンアン イッチャウ イッチャウ……
男「どうも聞き覚えのある声がするんだけどな……」
幼馴染「き、気のせいじゃない?」
男「おい、おれの目を見ろ」
幼馴染「あ、おとこ……んー」
男「くちびるを突き出すな! そこをどけ! 幼馴染!」
幼馴染「や、だめ! 男!」
バンッ
淫魔「ふぇ……んあっ……男? ……だめっ見ないで! いや、やっぱ見て! あ、またイく……んはああああああっ!」とぽとぽとぽ
男「……」
修道女「淫魔、ご苦労様」トクトクトク……まぜまぜまぜ……ことん
修道女「はいどうぞ。2つで400円です。はい100円のお返しです。ありがとうございました。またどうぞ」
修道女「ふう……まぜまぜ……あら? 淫魔、ちょっと濃くなってるわよ?」
男「おい!」
修道女「ひゃあっ!? お、男くん? いつからそこに」
男「とりあえずこいつがイったときからだ」
淫魔「ああんっ……またイくうう!」とぽとぽとぽ
修道女「ええと、どのイったときから?」
男「ひとつ前だ! てめえ! 修道女! なんてものあきなってやがる!」
修道女「あら? いけない?」
男「あったりまえだ!」
修道女「でも、美味しいって評判なのよ? うちのフレッシュジュース」
男「普通、フレッシュジュースっていったら、果物だろうが!」
修道女「あら? 見てないのかしら? 表の看板」
男「は? フレッシュって書いてあって……」
修道女「新鮮さをあらわすFresh じゃなくて、お肉のFleshよ。淫肉の蜜って意味で付けたんだけれど、すごい強壮作用から、肉体に効くジュースって思われてるらしくて、ご近所中に大評判! 今日はこれからテレビの生中継で取材も来るのよ?」
男「ふざけんな! こんな店、早くたたんじまえ!」
修道女「ふうん、そんなこと言うんだあ」
男「え……あ、お、脅かそうったって、だめだぞ? こっちには淫魔が……」
淫魔「ああうううんっ! 修道女ぉ、ちょっと休憩させてえ……」とぽとぽとぽ
修道女「もうちょっとがんばりなさい。夕方になったら、カスミアミ、解いてあげるから」
淫魔「そんなああ……あはああんっ! 」とぽとぽとぽ
男「……」
修道女「で? 淫魔がどうしたって?」ポキポキ……
男「て……手、鳴らすな……ご……ごごご、ごめんなさいいいい……」ガタガタ
修道女「ふふふ……たとえ男くんといえど、この秘密を知られたからには、帰すわけには行かないわねえ」
男「え……なにを……」
修道女「ちょっと手伝って貰うわ……絡め捕らえよ! カスミアミ!」
男「や、ちょっとま……きゃあああああ!」
193 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 20:06:39.03 ID:F7tESZSko
インターミッションつづき
女子アナ「それでは、今、ちまた話題、人気のフレッシュジューススタンドをご紹介します」
修道女「よろしくお願いします」
女子アナ「これが、そのフレッシュジュースですか」
修道女「ええ、一口どうぞ」
女子アナ「それでは、失礼して……んく……おいしいいいっ! テレビの前の皆さん、すっごくおいしいです。甘くてコクがあるのに、全然しつこくないんですね……んっ……あ……」
修道女「ええ、それに栄養もたっぷり。ビタミンミネラルが豊富で、スッポンの血をはるかに上回る強壮効果もあるんです」
女子アナ「強壮効果……なるほど、それでこんなに……ん……たしかにおま……身体がぽかぽか暖まりますね……だめ、これ、やめられない……んっく、んく、んっく……ぷは」
修道女「ふふふ、お気に召していただけたようで、光栄ですわ」
レポーターのスーツのスカートから見える脚は小刻みに震え、マイクを持たない方の手が、切なそうに下腹部に触れられる。
しかし、持ち前のプロ根性で顔を上げると、レポートの結びにとりかっかった。
女子アナ「くぅ……くっ……しかも今日、ご来店の方で、この番組とみたと言っていただけると、おひとりにつき一杯を半額……あんっ……に値引きしてくださるそうです。皆さまぜひ、フレッシュジューススタンドへ」
修道女「どうぞお越しください。お待ちしております」ペコリ
女子アナ「スタジオに返します」
スタッフ「……はい、オーケーです。お疲れ様でした」
修道女「ふふふ、ありがとうございました。それでは……」
スタッフ「女子アナさん、大丈夫っすか?」
女子アナ「スタッフくん……あなた、いま、フリーよね?」
スタッフ「へ? ええ。結構前から……」
女子アナ「…………ちょっとロケ車に来なさい!」グイッ
スタッフ「ちょ、なんすか! 引っ張って………あいててて」
女子アナがスタッフを引っ張り込んだ取材用のワンボックス車が、しばらくするとぎっしぎっしと動き出した。女子アナの女子アナにスタッフのスタッフが入り込んでいることは想像に難くないが、まあ、それはさておき……
屋台の中……ガチャバタン
修道女「ただいまー。取材、ちょっと緊張しちゃった」
淫魔「ちゅるるるる……ちゅぱ……ちゅぱ……おかえりー……あ、また……んっはあああ」とぽとぽとぽ
男「も、もうやめ……」ピクピク
修道女「ふふふ、たっぷり出たわね、淫魔。男くんもご苦労様」
男「淫魔、やめて、もう吸わないで……ああ……うあぁ……」ビュル……
淫魔「んちゅ……んっく……んっく……うーん、さすがに薄いなあ……修道女、おねがーい」
修道女「はいはい……ほら、男くん、飲んで……」
男「んう? んぐっ……んぐっ……んぐっ……ぷは……こ、これって」
修道女「ふふふ、フレッシュジュースの原液よ」
男「や、いやあああ……もういやぁ……」ビンッ
淫魔「あ、大っきくなった……ちゅぱ……んちゅ……」
男「うああぁ……もうやめえ……おうち、かえして……あ、ああ……」ビュルルルルッ!
修道女「だめ、帰さないわ。男くんのがあると、淫魔の量も濃さも倍は違うのよ。ねえ淫魔、このアルバイト、どう?」
淫魔「最高だよ。気持ちいいし、男の精液は飲み放題だし……あ、また……んっはああああ!」とぽとぽとぽ
男「もう、やめ……たすけて……」
ガチャ……バタン
幼馴染「外、すっごい行列だよ……あ、男」
男「幼馴染、見ないで……逃げて……逃げて……あ、あああ……」ビュルルルルッ!
修道女「ふふふふふ……」
男「ひっ……修道女、たのむ、おれはどうなってもいいから……幼馴染に、もうひどいこと、しないでくれ……あ、ああ……」ビュルルルルッ!
修道女「あらそう? ……ねえ幼馴染、男、どうなってもいいんですって」
幼馴染「ふーん、そうなんだ……男」
男「え、おまえ……んむっ?……ちゅ……れろ……ちゅる……」
幼馴染「んちゅ……んふ……んちゅ……れるっ……ふはっ」
男「お……幼馴染、なんで?」
幼馴染「ごめんね、男、この屋台のアイデア出したの、わたしなの」
男「え……? あ、またでる……あっ あっ ああああー…」ビュルルルルッ!
幼馴染「さあ、みんな! 目標一日5000杯! がんばっていくよ!」
修道女「おー!」
淫魔「おー!……んふふ、ちゅるるるる……あ、また……んあああっ」とぽとぽとぽ
男「も、もうやめ……あたま……だめに……あ、……ああー……あ……」ビュルルルル……
つづかない。
しかし、ひどい話もあったもんだ。
194 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/08(火) 20:24:26.35 ID:Thi4b3BIO
定期的にチェックするスレになってる。
195 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(チベット自治区)
[sage]:2011/11/08(火) 20:26:04.28 ID:6aatP+f40
すごい話ワロタwwwwww
だがおもしろい上に何故か息子が膨らんだ。
196 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[saga]:2011/11/08(火) 21:20:18.70 ID:8wIVLH4Jo
インターミッション
男「ぐわあ、やっと課題がおわった」
幼馴染「ふふ、お疲れ様」
男「うるせー、優等生め……人の見てる前で問題さらさら解きやがって……うう」
幼馴染「ふふふ……ねえ男」
男「うん?」
幼馴染「キス……しよ?」
男「え……うん、おれもしたい……んー……」
幼馴染「ちょっと待った。今日は下ごしらえをします」
男「へ?」
洗面所
男「……」シャカシャカシャカ……
幼馴染「……」シャカシャカシャカ……
男「デンタルフロスは?」
幼馴染「もちろん……んっ……よっと……」クイクイ
男「……」クイクイ
幼馴染「ぶくぶくぶく……ぺっ……うん、すっきり」
男「じゃあ、部屋で……」
幼馴染「ふふ、まだ準備がね……」
男「まだあるのかよ?」
男の部屋
幼馴染「ほらほらほら、ここどう?」
男「うあああ……そこ、痛いいいいい! でもやめないでえええ……」
男はベッドにうつぶせになり、幼馴染にマッサージされていた。
肩をもみほぐされ、背中を指圧され、腰をぐりぐり。
腿やふくらはぎ、足の裏まで徹底的にもみほぐされて、男はベッドに脱力した。
男「幼馴染、ありがと。今度はおれが」
幼馴染「ふふふ、わたしはいいの。男の足のうら触っちゃったから、ちょっと手洗ってくるね。このままじゃ男、いやだろうし……」
ガチャ……バタン
男「なんだよ……キス……しないのか?」
つづく
197 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 21:21:57.96 ID:F7tESZSko
つづき
手を洗い、戻ってくると、幼馴染はベッドに脱力して横たわる男の顔を横からのぞき込むように、ベッドの横にひざ立ちになった。
幼馴染「ねえ、男、ねむい?」
男「う……じつは結構ねむいかも。宿題おわってホッとして、幼馴染にマッサージされて」
幼馴染「口の中もスッキリしてるしねぇ……ふふふ、それじゃ、キスしようか。男はそのままでいいからね」
男「え、このまま? ……ん……ちゅ……ん……は……」
幼馴染「ん、くちゅ……んふ……ふふ、なんか眠り姫みたい」
男「キスする方が逆だろ」
幼馴染「いいの。今日はね……ちゅ……ちゅる……ん……ふ」
男「んぁ……ん……ちゅ……ん……れろっ」
幼馴染「む……ん、今日は男、舌使わないで?」
男「え、でも……」
幼馴染「ね? 今日は言うこと聞いて? 悪いようにはしないから」
男「お……おう。わかった……ん……う……ん……」
幼馴染「んちゅ……れろっ……ちゅろろ……ん……」
男「ん……んうぅ……んぅ?……んくっ……」
幼馴染「んふふ……んちゅるる……れろろ……ちうー……」
男「んあぁ……んううぅ……んっふ……んぅ……」
幼馴染「男、しばらくこのまま……力抜いて、動かないで」
男「んあ? うん……んぅ……んふ……ん」
男は幼馴染の言いつけを守った。
幼馴染は男のあたまをやさしくなでながら、ときおりくちびるを離し、男の名や愛をささやき、男をとろかしていく。
男も、最初はキスしてくれる幼馴染の頭やほほに触れられず、もどかしかったが、脱力し、眠りに落ちかけた身体を動かすのが、だんだんと難しくなった。
幼馴染「ん……顔、とろんてしてる……おとこ、きもちいい?」
男「……んぅ」
幼馴染「ふふ……眠そう」
幼馴染みは男の頭を軽くなで、男の胸に手を乗せる。
幼馴染「おとこ、カラダあったかくなってる。でも、心臓はとくん、とくんってゆっくり……わかる?」
男「……んぅ」
幼馴染「おとこ、このまま眠っていいよ。おとこが眠るまで、キスしててあげる……ちゅ……」
男「ん……んぅ……ん……ぁ……」
幼馴染のくちびるは男を寝かしつけるようにゆっくりと動く。
男はやがて目を開けているのもつらくなった。
幼馴染に口からあたえられた何かが、男の身体の芯であたたまり、そのあたたかさを感じながら、男は眠りに落ちていった。
つづく
198 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/08(火) 21:23:07.91 ID:F7tESZSko
つづき
起きたときは、すでに夕方。少なくとも2時間は眠っていたらしい。
幼馴染は男の近くで、音を立てないようにしずかに本を読んでいた。
男「おはよ」
幼馴染「ああ、起きた? おはよ、男」
身体がほてっている。しかし、性的なものではない。
男はベッドに身体を起こし、幼馴染を呼ぶ。
男「こっち、おいでよ」
幼馴染「ふふ……うん」
幼馴染はベッドに身を起こした男に身を預ける。
小さなオンナノコの体重を感じながら、男はたずねた。
男「淫魔に教えられたのか?」
幼馴染「あたり。エッチな気分じゃなくて、眠くなっちゃうキスの仕方だってさ」
男「……」
幼馴染「もしかして、いやだった?」
男「いやじゃないけど、なんかくやしい。起きたら幼馴染のことが好きになってる」
幼馴染「前よりも?」
男「……ん」
幼馴染「ふふ……じゃあさ、こんどはわたしにもしてよ。もちろん、エッチなのは抜きね」
男「こんど?」
幼馴染「うん……いまはもう少し、このままで……」
男「ん……わかった」
男は幼馴染の身体から香る、わずかな汗と頭皮の甘い香りをかぎながら、やさしく幼馴染の身体をなでた。
幸せだなと男は思う。
オチはない。
199 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
:2011/11/09(水) 08:36:14.48 ID:DzxsrN6DO
おおーまた始まってた!
次の章あるのかな?期待
200 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/09(水) 20:41:22.81 ID:Y3IbhwsXo
淫魔「みなさんこんばんは。淫魔です。今は作者の代理です。
先日投稿しました『淫魔「んふふ」 修道女「闇の気配がする……」』お楽しみいただけたでしょうか。
さて、前回の投稿途中、天使の登場に、悦んで……こほん……よろこんでいただいた方がいらっしゃいました。
私も天使の後日談は書きたいと考えておりまして、以前のスレのインターミッションで、以下のような物を投稿しました。
……………………
インターミッション
第2章のあと……
天使を携えた14号と15号は、魔界の家に戻ってきました。
15号「みんな久しぶり! ただいまー!」
14号「ふふ、これ、おみやげです」
13号「おう、お帰り……ってなんだこいつ」
12号「すっごく美味しそう。もしかして、御使い?」
11号「マジ? 御使いつかまえるなんてすっげえじゃん」
10号「良いにおい。男とーさまのにおいもする」
9号「ほんとだ、お尻から。お口からは淫魔さんのにおいもする」
8号「あっはっは! あの人にケンカを売ったのか! 命知らずめ!」
7号「とっても……気持ちよく……されたのね……いいなあ」
6号「それでも壊れてないんだから、私たちの相手にぴったりだな」
5号「……じゅるり」
4号「おやつの時間だし、ちょうどよかったね」
3号「ええ、お茶、入れてきますね」
2号「ティッシュの替えも用意しなきゃね」
1号「どれ、わたしが味見してやろう」
天使「た……助けてええええ……あんあん」
つづく。永遠に……
…………………
今回は、このインターミッションの改変から始まります。
天使が魔界に行ってどのようになったのか、何があったのか、多少かいつまんだ展開となりますが、書き起こしてみました。
それではどーぞ……んふふ」
201 :
14号「ふふふ、好きだよ? 愛してる」 天使「っ!」
[saga]:2011/11/09(水) 20:45:10.52 ID:Y3IbhwsXo
第2章のあと……
天使を携えた14号と15号は、魔界の家に戻ってきた。
15号「みんなひさしぶり! ただいまー!」
14号「ふふ、この子、おみやげ」
13号「おう、お帰り……ってなんだこいつ」
12号「すっごく美味しそう。もしかして、御使い?」
11号「マジ? 御使いつかまえるなんてすっげえじゃん」
10号「良いにおい。男父様のにおいもする」
9号「ほんとだ、お尻から。お口からは淫魔さんのにおいもする」
8号「あっはっは! あの人にケンカを売ったのか! 命知らずめ!」
7号「とっても……気持ちよく……されたのね……いいなあ」
6号「それでも壊れてないんだから、私たちの相手にぴったりだな」
5号「……」ジュルリ
4号「おやつの時間だし、ちょうどよかったな」
3号「お茶、入れてきますね」
2号「テーブルクロスの替えも用意しないといけませんね」
1号「どれ、わたしが味見してやろう」
天使「た……助けてええええ……」
14号と15号に拘束され、眼前の裸の女体の山にあっけにとられ、猛獣に見つめられた被捕食生物特有のおびえを見せて、天使は首を振った。
神にあたえられた御使いとしての剛力をほこる天使が、桃色の髪の少女たちに取り囲まれ、情けない声を上げるのは、ひとえにまだ淫魔と男からあたえられた快感が抜けきっていないからだ。
魔界の魔人たちの家は、大きな木をくりぬいて作られており、玄関ホールには、1部屋中央の白いテーブルクロスのかかった丸い食卓がある。
少女たちは中央のテーブルの回りに置かれたクッションやソファに思い思いにハダカで寝そべり、玄関に立つ天使を見つめていた。
玄関にほど近いソファから身を起こし、長髪に張りつめた巨乳の1号が、ピンクの髪をかき上げる。
1号「ふふふ、どれどれ……」
12号「ああっ! 1号姉さん、ずるい!」
4号「ほっとけって、もう遅い」
9号「手遅れ」
玄関で14号と15号に抱きつかれ、固まる天使に歩み寄ると、背の高い1号は天使のアゴに指を当て、上を向かせると、舌をねじ込んでキスをした。
天使「んうう!?」
1号「じゅろろろろっ……ちゅるるる……れるっれるっれるっ……ふぅ……」
短時間で天使の口を深くまでかき回し、1号はくちびるを離す。
天使「ぷぇ……はあ……」
1号「ふふふ……かわいい顔をするじゃないか……御使いサマ……こっちはどうなんだ?」
202 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(埼玉県)
[sage]:2011/11/09(水) 20:46:36.85 ID:Vp7lL4WWo
ふぅ……
203 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/09(水) 20:46:38.11 ID:Y3IbhwsXo
するる と、1号の頭の上からの間から桃色のしっぽが伸び、天使の丈の短い白い服をめくった。
下着を着けない天使の男性器がさらされる。
天使「や、やめっ!」
天使は羞恥に顔をそらす。
男性器はピンと張りつめて勃起しており、包皮からわずかに先端の桃色の粘膜がのぞく。柔らかな皮に包まれた、ぷっくりとしたふたつの玉、白く無毛の下腹部までもが、部屋中の魔人の視線にさらされる。
天使「み……見るな! 見るなあっ!」
視線を感じ、天使の先端に、透明な先走り汁がプクともりあがる。
1号「ほう、こいつは美味そうだ」
足をそろえてひざ立ちになり、1号は天使のペニスに口を近づける。
天使「おい、貴様何をやって……ひゃああああ!?」
1号は天使の先端、包皮と亀頭の間に舌を差し入れ、くるくる回してなめ回す。
すると、意外そうな顔をして、1号はペニスから口を離した。
1号「……なんだ、おまえたちの食べた後か」
14号「ふふ、ごめんなさい、姉さん」
15号「でも、とっても美味しいんだよ、食べて食べて、ねーさま!」
1号「そうだな。先走りでこの味なら……ふふふ」
舌なめずりをすると、天使の先端に口づけて、皮を剥きながら、飲み込んだ。
まだ刺激になれていない亀頭に、口の粘膜の刺激をあたえられ、天使はつま先立ちにのけぞった。
天使「んいいいいいっ!?」
1号は天使のペニスの途中で口を止め、舌で一番亀頭を刺激しやすい位置に首を固定し、柔らかな粘膜を重点的に責めあげる。
剥かれた亀頭と、亀頭を覆っていた包皮の粘膜、つるつるのカリ首と裏筋を、1号は味わってなめ上げ、そのたびに天使はつま先立ちになる。
天使「ひあっ……やめっ! あっ、あん……んあっ!?」
丸い玉を転がされ、天使は嬌声を上げた。
天使「だめだ、それ! やめろ! やめて……や!」
軽く持ち上げられるように転がされる精巣は、1号の滑らかな指先に摩擦され、くすぐったいような感触と、内臓を愛撫される快感を、天使にあたえる。
1号の指先は、天使の玉をわずかに持ち上げ、ゆるゆるとこね回す。
天使「ひゃあっ ああっ……ああん……」
亀頭と玉への刺激に、天使の声に甘いものが混じり、すぐに切迫した響きを帯びる。
ぷりぷりとした尻肉にさざ波が走り、亀頭がわずかに膨らみ、玉がきゅっと持ち上がって……
204 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/09(水) 20:49:22.92 ID:Y3IbhwsXo
天使「ひあっ!? ……でるっ……んあああああっ!」ビュルルルルッ!
1号「んふ……ん……ごくん……ごくん……ふう……」
のどを鳴らして、天使の精液を飲み干した1号は、絶頂した亀頭をさらになめ上げようとしたが。
6号「姉さんずるい」
10号「連続はダメです」
入り口に歩み寄っていたさらに2人の少女が1号を制した。
1号「ふふ、すまんすまん……あまりに美味くて、ついな」
ペニスから口を離し、のどを鳴らす。
15号「ね? 美味しいでしょ?」
1号「ああ、絶品だ」
6号と10号は、ツバを飲み込み、どちらが先かじゃんけんでもしようと、目を合わせた。すると。
1号「く……」
天使の前から立ち上がろうとした1号が、下腹部に手を当てた。腹筋が上下し、丸みを帯びた腰回りには戦慄が走る。
ほほに赤みが差して眉が下がり、息が荒くなる。
美しくそろえていた両足をわずかに開き、その場に前のめりに倒れた。
1号は胸とアゴを床に付け、ひざ立ちになった局部に手を伸ばす。
1号「ま……まさか、これほど……とは……くうっ!」
ぐちゅん!
1号は秘裂に指を突っ込むと、思いっきりかき回し始めた。
尻の後ろに蜜をぴゅっぴゅと飛び散らせ、指を激しく動かす。
14号「え? 1号姉さん?」
6号「おいおい、どうしたんだよ」
沼のような音を立て、愛液をかき回す1号に、妹たちは戸惑った。
1号「も……だめ……たまらん……くぅっ!」
ひざ立ちに倒れ込む1号の白い背中に、異変が起きた。
背骨にそって等間隔に、8対の丸い斑点が浮かぶと、突如伸び出し、桃色の触手となった。
背中から計16本の触手を生やした1号は天使を14号15号から奪って押し倒し、四肢を触手でぐるぐる巻きにした上で、騎乗位にのしかかる。
天使「のわっ!」
10号「1号姉様!?」
射精したばかりの天使のそれは、勢いを失っていたが、桃色の触手の一本が、天使の肛門にすべり込み、前立腺を刺激して無理矢理に勃起させる。
1号「口でコレなら……」
息を荒げる1号の顔には余裕がなくなり、滝のように粘液を垂れ流す女性器を、屹立した天使のペニスにまたがせ、つぶやいた。
1号「ココなら……?」
205 :
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[saga]:2011/11/09(水) 20:52:11.73 ID:Y3IbhwsXo
天使のペニスに狙いを定め、腰を落とそうとした1号の女性器の入り口に、後ろから手が回された。
2号「はい、ここまで」
1号「2号? なにをする!」
2号「それはこちらのセリフです、お姉様。長女として、最初のひとくちは認めますが、つづけてはずるすぎます」
1号「ち、ちがう! これは……毒味で」
2号「毒?」
じゅくんっ!
2号の指が、1号の膣にさし込まれる。
1号「はひゃっ!」
2号「お姉様の蜜壺をこぉんなに膿ませて」
ころころころ……
2号の手のひらが、1号の勃起したクリトリスを転がす。
1号「ひっ……あっ……あっ……」
2号「お姉様のクリトリスをこぉんなに腫れさせるなんて、本当にたいした毒ですこと……」
ずっちゅずっちゅずっちゅ
触手に全身を拘束された天使の股間の上で、1号の性器が盛大にかき回され、天使の性器と下腹部全体が蜜にずぶ濡れになる。
ずんっ!
2号「かはっ……あ」
2号の膣と肛門に、1号の触手が打ち込まれた。
1号「ちょ……調子に、乗る、なよ……2号。おまえが私に勝てるとでも……」
2号「くは……ええ、思ってます」
ずんっ!
1号「きゃっあ! ひああああっ!」
1号の肛門と膣にも、2号の触手が滑り込む。
同時に激しいピストン運動を開始し、1号の体内を蹂躙する。
1号「いあああああっやめっ……んあああっ!」
2号「ほら、どうしたんですか? 私のもかき回してください。お姉様」
1号「むり! むり! わかった! わたしが悪かったからやめええっ!」
2号「それなら、御使いサマから、手を放してください?」
そう2号が言うと、天使の身体に巻き付いていた1号の触手がほどかれた。
ほっと天使は息をついたが、今度は2号の触手がまとわりつく。
1号「ほら、放した。放したから!」
2号「ふふ、いい子ですね。いい子にはご褒美です」
2号は1号の身体を触手で持ち上げ、天使の右手にM字に拘束した1号の秘部を近づけ、天使の右手の拘束を緩めると言った。
2号「御使いサマ、恐ろしかったでしょう? このはしなたいメスダコに、罰をあたえてやってはくださいませんか?」
天使「罰?」
自由になった手元の、触手の出入りする1号の粘膜を呆然とみながら、天使は聞き返した。
2号「そうです、罰です。クリトリス。その、尖ったところをひねり潰してくださいませ」
天使「これを……?」
初めて見る女性器に戸惑いながら、ぴんぴんに勃起した1号のクリトリスに指を伸ばし、天使はつまみ上げた。
206 :
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[saga]:2011/11/09(水) 20:55:20.25 ID:Y3IbhwsXo
1号「ひ……ひいいいっ! ちがうこれ、ご褒美じゃない!」
2号「いいえ、ご褒美です。ほら御使いサマ、ひねり潰して」
天使「あ、ああ……」
天使に陰核を潰され、2号に前後をかき回され、1号は潮を吹いて絶頂した。
2号の前後に刺さっていた触手も力なく抜ける。
2号「さて、と。ふふ、失礼します」
天使に馬乗りになると、2号はゆっくりと天使の男性器を挿入した。
天使「んっ……くふっああ!?」
2号「ふふ……童貞じゃない。童貞じゃないけど、本物のオンナノコの中は初めてみたいですねえ……んふ、御使いサマ?」
天使「んあっ……なんだ……これ?」
2号「ふふ……おまんこですよ。気持ちいいですか?」
天使「き、気持ち……くあっ!」
天使の言葉を遮るように、2号はいまだに天使の肛門に入っていた1号の触手を抜き出す。
そして、自分の触手を深々と天使のアヌスに挿入し、中に残された男の精液を味わう。
2号「あ……はあっ……男父様の味……」
天使「ひ……あっ……は……」
性器と肛門への刺激に、天使は目を白黒させた。
2号の触手は直腸をとおり、天使の腹の深く深くに挿入される。
2号「ふふふ……いきますよ?」
2号は天使の胸に両手をつくと、騎乗位に、激しいピストン運動を開始する。
肛門の触手も、挿入と抽出を繰り返し、天使の粘膜を刺激する。
天使「んあっ? あああっ!」
2号「うわ……先走りだけで、膣内……ぴりぴりする……これは……」
絶頂から間もない天使の性器が高ぶり、射精が間近になったことを2号は察知し、腰を高く持ち上げると、すぼめた膣で飲み込むように一気に摩擦した。
天使「ひいいっ! ふあああっ! で……出るっ!」ビュルルルッ!
2号「んふ……射精までかわいい……勢いよく膣奥あたって……あら?」
絶頂する天使を見下ろしていた2号の顔に表情がなくなる。
天使のペニスを膣から抜き取り、肛門を、手足を触手から解放すると、2号は少し下がってひざ立ちになり、天使の精液を放たれた膣に手を伸ばした。
2号「これ……すご……刺激強すぎ……は、はやく……かき出さないと……」
くちゅ……
2号の指が自らの膣に挿入され、奥に出された天使の精液をかき出そうと動く。
しかし。
2号「は……はひいいっ!? すご……これ、すごいっ!」
ぷしゅ と、蜜を噴き出し、したたらせ、2号は精液をかき出す目的を忘れ、発情した粘膜をかき回す。
片手で性器を、もう片手で乳房をもみほぐし、苦しそうに絶頂を目指すが、狂いそうなほどの快感を得ながら、登り切ることができないらしい。
2号「も……もう、がまんできない」
2号は膣におのれの触手を挿入する。
快感に背をそらし、叫ぶ。
2号「んああああっ! ああっ 止まらない、止まらないいい!」
並の男性器ほどの太さの触手を、膣にさらに2本、肛門には5本挿入し、切れそうなほどに広がった粘膜をぐちゃぐちゃに犯し、2号の身体は張りつめた。
2号「あ……もう……だめ……んあああああああっ!」
プッッシャアアアア
愛液をまき散らし、身体をこわばらせ、2号は達した。
2号「いひ……へへ……」
脱力して床に崩れ落ち、それでもなおゆっくり動いていた触手が止まると、2号の女性器から、力なく尿がこぼれる。
ちょろろろろ……
2号「あ……あへ……」
だらしなく白目を剥き、下半身と触手を痙攣させる。
207 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/09(水) 20:59:02.10 ID:Y3IbhwsXo
姉妹のリーダー格の1号と、冷静な参謀役の2号が、天使の精液にあえなく陥落したのをみて、妹たちはツバを飲み込んだ。
6号「すごい……」
10号「姉様たちがこんなに簡単に……ごくり」
ふふふ……美味しそう……かじっちゃダメだよ…ふふ
おびえてる……かわいい……大丈夫よ、やさしくしてあげるから
いつの間にか天使は10人の全裸の少女に囲まれ、品定めされていた。
背の高さもプロポーションも様々だが、みなおなじ桃色の髪の毛に、もちもちした白い肌。
少女たちの視線は、追い詰めた獲物をみるものですらなく、皿に盛られたごちそうに向けるものだった。
天使「く……来るなっ!」
しかし、じりじりと間合いを詰める少女たちに、今の天使が泣こうがわめこうが、その高い声は天使がいかに美味いかを期待させる。
天使の言葉は、もはや鉄板の上の分厚いステーキが立てる肉汁の音、アイスクリームにかけられたカラメルの割れる音のように、少女たちの食欲をそそる。
10人の少女たちの、わきわきと動く20本の手が、床でへたり込む天使に伸ばされ、触れる直前。
3号「こぉら!」
少女たちの後ろ、部屋中央の丸いテーブルから、声が聞こえた。
少女たちの動きがぴたりと止み、数人が後ろを振り返る。
3号「床の上でなんて、かわいそうじゃないの。お茶が入ったし、みんなこっちにいらっしゃい」
はぁい。
天使を取り囲む少女たちは、声をそろえて返事すると、胴上げのように天使を担ぎ上げ、部屋中央のテーブルへと持ってゆき、テーブルの中央へと放り投げた。
天使「ぬわっ」
ぼすんと、白いテーブルクロスの真ん中に落下した天使は、そのテーブルの柔らかさに顔を上げた。
白いテーブルクロスは、肌触りのよいきめ細かい布で、テーブルの表面はしなやかにへこんで、天使の身体を心地よく支える。
天使「え……や……」
部屋の中央の丸いテーブルは円形のベッドだった。
208 :
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[saga]:2011/11/09(水) 21:00:57.33 ID:Y3IbhwsXo
丸いベッドの真ん中で、天使は乱れたすそを直し、身体を起こす。
3号「みんな、声を合わせて……」
いただきまーす
天使「ひ、ひいいいいいいいいい……」
大きく丸いテーブルの中央、天使に少女たちが一斉に群がる。
天使「や、やめ……助けて……」
6号「服どうする?」
8号「剥いちまえ! 剥いちまえ!」
11号「ええー最初は脱がせないでしようよ」
7号「ふふ……賛成……まずは……着せたまま」
4号「髪の毛、金色できれい」
9号「完全な黄金の色、目も同じ金色」
13号「腕も脚も細いなあ」
12号「ま、まあ、悪くはないんじゃない?」
5号「……ぺろり」
10号「肌もすべすべ。カラダの全部にキスしてあげる」
3号「美味しいそう。ほら、ここは?」
天使「ふああ?」
体中に少女たちの滑らかな指が伸び、くちびるで触れられる。
少女たちの肉の山の隙間から、空に向かって助けを求める天使の手が伸ばされ……
ささやきと笑いを発する少女たちの背中から、いっせいに桃色の触手が伸び、桜色の隙間をとおって、天使の身体に巻き付く。
天に向けて掲げられた天使の手が脱力し、肉の山に埋もれる。
玄関で立ち尽くす2人に、テーブルの中央から顔を上げた3号が声をかける。
3号「ほら、あなたたちもいらっしゃい」
14号「ふふ、いこっか?」
15号「ねーさまたちといっしょにたべる−」
天使を味見して、すでに気絶している1号と2号をそのままに、魔人の少女たちのティータイムが始まる。
魔を調伏する天使の精液は、放たれるたびに少女の誰かを陥落させたが、落ちた少女はしばらくするとさらなる性欲をたぎらせて復活し、天使を蹂躙する。
全身をなでられ、吸われ、舐められ、桃色の触手が這い回り、天使は休むことなく絶頂を迎える。やがて、玄関脇でわきで倒れていた1号2号も加わって、たっぷり3時間ほどなぶられ、天使は搾り尽くされた。
209 :
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[saga]:2011/11/09(水) 21:02:29.31 ID:Y3IbhwsXo
天使「……ん」
窓の外は夕闇で、かかっているカーテンもよく光を遮るらしく、その部屋は暖かい闇に包まれていた。
天使「ここは?」
薄暗い中、目をこらすと、天使は少し大ぶりのベッドに寝かせられていた。
よく干された布団と、清潔なシーツのかおりに、天使はまたまどろみかける。
しかし。
天使「悪魔たちは?」
首を起こして周りを見る。桃色の髪の少女たちは、誰もいない。
部屋はそれほど広くなく、ベッド以外に簡素な木の椅子と机。机の上にはランプと小さな鏡が置かれ、他に部屋には何もなかった。
殺風景な部屋だったが、よく掃除されているらしく、不潔な感じはしない。
天使「あれ?」
天使は、自分の両手が後ろ手に拘束されていることに気づいた。
何で結ばれているかは首を回しても見えなかったが、かなり強固な素材か、何か術がかけてあるらしく、天使の力でもちょっと切れそうになかった。
天使「く……だめか」
脚は拘束されておらず、天使は床に立つ。脱がされた服は元の通りに着せられており、身体は丁寧に拭かれたらしく、水を浴びた後のようにスッキリしていて、何かの香油のさわやかな香りがする。
机に歩み寄り、鏡を見ると、寝ていた割には髪の毛も乱れておらず、天界の池の姿見にうつるのと同じ、いつも通りの天使の顔があった。
小さくかわいらしいランプを眺め、木の机とテーブルの木目の見事さにすこし感動し、薄暗い部屋を改めて眺め回し、つぶやく。
天使「この部屋は……?」
その部屋は簡素だが、牢獄と言うにはあまりにも平和な空間で、後ろ手に縛られていることが不思議ですらあった。
しかし、天使は自分が捕らわれていることは疑わない。
部屋の扉が開き、14号と15号が入ってきた。
15号「あ、天使、起きてる」
14号「ほんとうだ。ちょうどよかった」
天使「貴様ら……この部屋は?」
14号「ん? あなたの部屋。どう?」
天使「私の?」
天使は部屋を見渡す。
天界の大広間に並べられた、5段ベッドでしか眠ったことのない天使に、自分の部屋という感覚は、慣れないものだった。
210 :
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[saga]:2011/11/09(水) 21:03:57.07 ID:Y3IbhwsXo
天使「私の……部屋?」
15号「そうだよー」
14号「晩ごはんができてるの。いっしょに来て」
天使「は、腹など減って……」
きゅるるる……
静かな薄暗い部屋に、かわいらしい天使の腹の虫が鳴く。
14号「ふふ、ほら」
天使「……うぅ」
実際、天使は空腹だった。朝方、天界でヒトの家に巣くう悪魔の討伐を命ぜられ、戦いを挑み、手もなくやられ、なぶられ、魔界に連れてこられてさらになぶられ、どれほどの間食べ物を口にしていないのか分からない。
15号「私たちみんな、がんばったんだよ?」
14号「ね、いっしょに来て?」
腹の虫に勢いをそがれた天使は、14号と15号に両腕を支えられて、部屋を出る。建物の廊下は気をくりぬいた丸い穴で、床には柔らかなこけが生えている。天使はこけの上を裸足で歩くが、緑色のそれは心地よく乾燥していた。
4号「あ、来た来た」
ホールの丸いテーブルには、椅子がしつらえられ、その前に15の皿が並んでいた。
13号「天使、よく眠れた?」
7号「とっても……美味しかった」
10号「わたしたち、お礼がしたくて」
6号「晩飯を作ったんだ。食ってくれよ」
天使は椅子に座らされ、目の前の料理を眺めた。
15皿の料理に似たものはひとつとして無く、見たところとても手が込んでいるものばかり。
料理のにおいが混ざって、どれがどのものだかは分からなかったが、腹をすかせるよいにおいだった。
211 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/09(水) 21:06:49.79 ID:Y3IbhwsXo
天使は両手を拘束されていた。天使の横に座った14号が、透き通ったスープに丸い野菜の具の浮かぶスープ皿を手に取り、木のさじですくって、天使の口元に運ぶ。
14号「はい、召し上がれ」
暖かな湯気を上げるそのスープは、とても美味そうで天使は口を開きかけたが、はっと我に返り、くちびるをきゅっと結ぶ。
14号「どうしたの?」
天使「き……貴様らの作ったものなど、食えるか……!」
14号「大丈夫。毒なんて入ってないよ?」
14号はさじを自分の口に運び、スープを食べてみせる。
天使「ふ……ふん! いいか、私たちは貴様らのように他の動物を糧にはしないのだ。太陽と地と水が育てる恵みだけを……」
14号「知ってるよ? これ、お肉もお魚も卵もお乳もなし。お野菜だけだもの」
2号「果物を使ったものもありますけどね。大丈夫。天使の身体や心を損なうようなものは、使っていません」
14号「ね? だから……ひとくちだけ……あーん」
悪魔はウソをつかない。
木のさじにスープと丸く切ったにんじんを掬い、手を添えて天使の口に運ぶ。
空腹にうながされ、魔人の少女たちに説得され、天使は口を開いた。
天使「あ……んっ……」
木のさじがゆっくりと口にさし込まれ、暖かなスープを口に落とす。
塩味と旨味が舌に広がり、にんじんを噛みしめると心地よい甘味が溶け出す。
幾度か噛んで飲み込むと、14号がたずねた。
14号「どう?」
天使「……おいしい」
14号「もういらない?」
天使「いや……もう少し……だけ……」
口にスープが運ばれるたび、天使はそのスープが好きになった。
212 :
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(鹿児島県)
[sage]:2011/11/09(水) 21:09:00.36 ID:QD3iKhf60
天使ちょっと俺と変わりなさい
悪いこと言わんから
213 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/09(水) 21:09:32.06 ID:Y3IbhwsXo
皿の中身が少なくなると、天使は不安そうに聞く。
天使「……貴様らの分は?」
14号「ふふ、おやつをいっぱい食べちゃったから……今日はいらないの」
スープがなくなると、14号は身体を引いた。
8号「よし、次は私だな。ほら、食え」
豆のサラダを押し込まれ、マッシュポテトを巻いたロールキャベツをたべさせられ、旨そうにたべる様子をみなに観察されながら、15皿の料理が天使の腹を一杯に満たした。
皿の料理をすべて平らげたが、苦しいというほどではなく、天使は満腹に身体を背もたれにあずけた。
皿が下げられ、口を拭かれ、天使はまどろみ始める。
9号「すごい、おなかがいっぱいになってる」
15号「さっきのわたしたちみたいだねー」
数人が、天使の腹をなでさすり、満腹に膨らんでいることをよろこぶ。
3号「ふふ、あんなに美味しそうにたべてるのをみたら……小腹がへっちゃいました」
天使「へ……? ひゃあっ」
天使をひょいと持ち上げると、椅子の前、テーブルに座らせた。
皿がのっていたときは、皿の上げ下げに木のような硬い音をひびかせていたテーブルが、今は柔らかいベッドになっている。
3号「ひとり、ひとくち。それくらいはいいですよね?」
満腹の天使の腹に負担をかけないように、3号はゆっくりと天使の性器を舐め上げる。
3号「ちゅぷ……ぺろ……ちゅる……」
天使「ふあ……ああん……」
やさしく夕食をあたえられ、その味と満腹に警戒が解けていた天使の身体に、性器からの快感が染み渡り、天使ははしたない声を上げる。
しかし、商手を拘束され、口を押さえることも、とろけた顔を隠すこともできない。
少女たちは、ひとりずつ天使に皿から料理をあたえたように、ひとりずつ天使のペニスを舐める。
天使は感じる顔ととろけた声をのこりの14人に観察されながら、少女たちの口に精をはなっていった。
最後に口を付けた1号は、天使が達すると言った。
1号「ふふ、さっきはできなかったからな……」
柔らかくなり始めた天使のペニスを握ると、くちびると舌で、亀頭だけを刺激し続ける。
天使「ふあ? や……やああん……んああああっ」
今までで一番とろけた声をあげ、口を開けて呼吸を荒げる。
絶頂直後の敏感な亀頭をなぶられ、天使の満腹の腹が苦しそうに上下する。
11号「うわあ、すごい顔してる……マジ気持ちよさそう」
5号「……」コクコク
13号「ちぇ、仕方ないなあ、今日はもう終わりかあ」
天使「や……め……あたま……しろく……」
2号「おやすみなさい、天使。とっても美味しかったわ」
天使「は……あ……あー……」
14号「おやすみ」
15号「おやすみー」
天使「ひ……あ……」ガクガクガク
天使は全身を痙攣させて声も出さず、精も漏らさずに気絶し、そのまま眠りに落ちていった。
214 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/09(水) 21:12:02.14 ID:Y3IbhwsXo
それからというもの、天使は15人の魔人の少女たちに毎日、朝から晩までなぶられ尽くされた。
両手を拘束されたまま眠り、朝起きると朝食を食べさせられ、朝食がおわると今度はテーブルの上に天使がのせられ、少女たちの朝食となる。
このときは拘束が解かれるが、昼を過ぎ午後になるまで、そのまま犯し抜かれ、どこかのタイミングで失神。
目覚めると自分の部屋で、夕飯に起こされ、また搾り取られ、失神するように就寝をする。
これを十日ほど繰り返されても、天使はまだ脱出と復讐の機会をうかがっていた。
拘束が外され、充分に間合いを取れれば、虚空から銃を取り出し、魔人たちに神聖な弾丸を撃ち込める。
人相手には拳銃弾以下の威力しかない天使の金色の銃だが、魔人、魔族相手には効果は絶大。
この家の者を皆殺しにした上で逃げてやろう。
そう考えていたが、天使が自由に身体を動かせる間は、拘束が外されることもなかった。
しかし、ある朝。
14号「天使? 起きてる?」
いつしか天使を起こすのは14号の役目になっていた。
そして今朝も起こしに来たのだが、廊下で天使の部屋のドアをノックしても、いつものぶっきらぼうで不機嫌な返事がない。
14号「天使、入るよ?」
ドアを開けて、部屋に入ると、いつもより少しだけ部屋の空気があったかかった。
14号「天使?」
金髪の少年は、ベッドの上で震えていた。
14号「天使!」
ただならぬ様子に天使に駆け寄ると、14号は首筋と額に触る。
苦しそうに息をする天使は反応しない。
14号「すごい熱……みんな!たいへん!」
215 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/09(水) 21:13:21.51 ID:Y3IbhwsXo
天使の部屋に、15人の少女が集まっていた。
6号「今朝のは自信作だったのになあ……ってそんな場合じゃない」
13号「すごく苦しそう……でも……」
性的に相手をいたぶることになれた少女たちは、天使の顔が明らかに苦痛のものであることをさとり、心を痛めたが、しかし不思議そうな顔もしていた。
9号「まさか……御使いが病気なんて」
神の作り出した御使いたちは、魔人たちと並んでこの世で最も強い種族のはずだった。
火にも水にも耐え、ケガを治し、時にも蝕まれず、病気を退ける。
その天使が、高熱に震えていた。
2号「ともかく、拘束を解いて、もっとゆったりしたものを着せて。3号は病人食の準備。5号と9号は私といっしょにお父様のトコロへ」
15号「え? 男とーさまのところ?」
1号「ちがう。いま現世に行ってどうする。私たちのお父様はもうひとりいるだろう……2号、5号、9号、まかせたぞ」
軽くうなずくと、2号5号9号の3人は、駆け足で部屋を出て行った。
1号「ともかく! 天使が元気になるまで、天使の精はおあずけだ。みんな、手を付けるなよ?」
その場にいた少女たちは、まじめな顔でいっせいにうなずいた。
216 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/09(水) 21:15:59.93 ID:Y3IbhwsXo
少し前のこと。
淫魔の術で魔界に飛ばされた男は、ふたなりの少女となってひと晩、触手の魔神に味わい尽くされ、小さな子宮に強制排卵の魔法と触手の精を注がれ妊娠し、短時間で立て続けの出産を経験していた。
そのとき生まれたのが15人の魔神の少女たちである。
彼女たちを産んだとき、男は小さな少女に姿を変えられていたが、実際は男性であり、それゆえ彼女たちには父親が2人いるのだ。
少女たちを産み、ヒナであった少女たちに精液をあたえて育て、母親役を果たした男と、男に種を植え付けた触手の魔神。
その触手魔神、触手王の宮殿を、2号は2人の妹をともなっておとずれた。
地下の謁見の間に通され、部屋中を埋め尽くす触手と、その触手に貫かれ、人間や魔人の上げる嬌声の中、2号は言った。
2号「お久しぶりですお父様」
触手王「おお、男様との子らか……どうした?」
触手王の声は部屋全体を埋める紫色の触手のそこかしこから聞こえてくる。
紫色のグロテスクな触手が、それに貫かれた被害者たちの口にねじこまれ、声が途絶える。
9号「私たちの家で、御使いを捕らえているのですが、今朝から体調が優れません。しかし、御使いが病を受けるとは聞いたことがありません。お父様のお知恵をお貸しいただけませんか?」
触手王「ふむ……御使いと言ったな。魔界に連れてきてどれほどになる」
2号「10日ほどになるかと」
触手王「なに? それは誠か……ふむ、信じられん」
2号「なぜです?」
触手王「淫魔様のかけた古い呪いだ。魔界に足を踏み入れた御使いは、魔界に満たされた瘴気を吸い、人間で言う病に倒れ、しばらくのあいだ動けなくなる」
9号「なぜそのような呪いをかけたのですか?」
触手王「御使いが魔界に入ってこないようにするためだ。術で壁を作っても、壊されてしまう。槍を飛ばしても、打ち落とされれば意味が無い。それゆえ魔界を瘴気でみたし、御使いの力を封じたのだ。病を知らない天使たちは恐れて天界に逃げ帰るか、病に倒れ、魔人に捕らえられる。しかし、瘴気はすぐに効くはず……10日も時間がかかったとは、相当な呪いへの耐性があるに違いない」
2号「治るものなのでしょうか?」
触手王「そもそも、淫魔様はひどいことをするお方ではない。高熱が出て苦しむが、数日で治る。死ぬようなことはない。安心して看病してあげなさい」
9号「わかりました……ありがとうございます。お父様」
2号「それでは失礼します」
5号「……」ペコリ
急いで帰ろうと振り返る3人を、触手王は引き留めた。
触手王「今度、うちにもつれてきなさい。私も味わいたい」
2号「ふふ、ダメですわお父様。淫魔様からのお預かりものですから」
触手王「ははは、そうか。淫魔様とお近づきになれるおまえたちがうらやましい……さ、急ぎなさい」
3人が出て行くと、触手の王はつぶやいた。
触手王「ふむ……呪いの本当の目的は、言わんでも果たされるようだな」
部屋中の触手がうごめき、所々に刺さっている人間と魔人たちがまた嬌声を上げ始めた。
217 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/09(水) 21:17:34.35 ID:Y3IbhwsXo
天使の部屋
天使を取り囲んで、魔人の少女たちは慣れない看病を始めていた。
8号「よし、服はコレでいいだろう!」
後ろでの拘束を解き、丈の短い天使の服を脱がせ、全裸の少年に食欲をそそられながら、少女たちは天使を着替えさせた。
白くてゆったりとした丈の長いワンピース状の寝間着。
4号「12号のパジャマがちょうどよかったな……さすがは」
12号「4号姉さん、なにを言いたいの?」
平坦な胸に這わされた視線に、12号はむっと反論する。
3号「みんなどいて、おかゆができたから」
7号「天使……カラダ……起こしますね……11号、そっち」
11号「おっけー。まかせて」
天使は背中を支えられて、ベッドの上で上半身を起こす。
3号「はい……おかゆ。食べて」
しかし、天使は口を開かない。
天使「……いらない」
3号「でも、すこしだけでも」
天使「貴様ら……やはり……食べ物に……毒を……」
6号「んなわけねえだろ! 天使!」
大きな声が天使の部屋にひびく。
1号「大きな声を出すな。病人だぞ」
3号「ねえ、天使。ひとくちだけでも。少しだけでいいですから……」
しかし、天使は力なく首を振るうだけだった。
218 :
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[saga]:2011/11/09(水) 21:20:49.00 ID:Y3IbhwsXo
ホール
2号たちが帰ってきて、天使の症状の正体が分かり、そのうち治ると聞かされても、少女たちのココロは休まらなかった。
ホールの丸いテーブルに雑魚寝になり、全裸の少女たちは話し合う。
1号「いつかは治ると言われてもな」
2号「ええ、天使がつらくて苦しいのには違いがありません」
3号「せめて、ごはんを食べてくれればいいんだけど」
4号「いや、ムリだろ。わたしたちのこと完全に疑ってるもん」
5号「……」
6号「食うものも食わなくちゃ、治りも遅くなるぞ」
7号「天使が……苦しむの……見たくない」
8号「顔は似てるけどな、あれのときと」
9号「でも、気持ちがいいのと辛いのとでは全然違う……」
10号「何か方法はないのかしら? なにか食べたいものとか」
11号「食べたいもの?」
12号「何だろ? ビョーキになったことないから分かんない」
13号「うん……あれ? 14号は?」
15号「まだてんしのおへやにいるよ」
天使の部屋
カーテンを閉めた天使の部屋で、14号は天使のひたいの汗をぬぐっていた。
呼吸はいよいよ苦しそうになり、語りかけても天使は答えない。
意識がもうろうとしているようだ。
14号「すごい汗……ふくよ?」
天使「……うぅ……」
天使がうめき声を上げ、14号はその言葉に耳を近づけた。
天使「……たべたぃ」
14号「え? なに? 何がたべたいの?」
天使「りん……ご」
14号「リンゴ? リンゴが食べたいんだね?」
熱にうなされる天使は苦しそうにうなずく。
天使「りんご……おうごんの……りんご」
14号「黄金の……リンゴ?」
219 :
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[saga]:2011/11/09(水) 21:26:19.19 ID:Y3IbhwsXo
ホール
14号は天使の言葉を聞いて、ホールに戻ってきた。
雑魚寝していた少女たちは、ベッドから起き上がり、14号の言葉を聞いた。
15号「おうごんのりんご、てんしはそう言ったの?」
14号「そう。黄金のリンゴって」
13号「黄金? 金でできてるって事か?」
12号「おかしなリンゴ……でも……」
11号「ああ、どこかで聞いたことあるな」
10号「たしか、天界にあったんじゃなかったかしら?」
9号「黄金のリンゴ、天界の秘宝。天界の奥深くの果樹園にある」
8号「秘宝。なるほどな。天使も厄介なものを食べたがってくれる」
7号「食べれば……力がみなぎり……病を癒やす……らしい」
6号「それなら、ぴったりじゃねえか! さっさと盗みに行こうぜ!」
5号「……警戒は厳重」
4号「そうだな。天界で一番高い塀と、一番強い御使いたちが守ってる」
3号「すごく大切なものだと聞きます。御使いの力のみなもとだとか」
2号「天界の精鋭の大軍を相手にするのか……」
1号「なんだ、それだけか」
その場の全員が1号を見た。
1号「なぜわたしたちが、これほど沈んでいる?
わたしたちが朝起きてから、精を吸わず、1度として互いに愛し合わず、自慰すらしない。こんな事がいままであったか?
なぜ精を吸わない? 気持ちが沈んでいるからだ。
こんなに気持ちが沈んだのは生まれた初めてだ。なぜだ? 天使が苦しんでいるからだ。
このままでは、天使はどれだけ苦しむ? 3日か 10日か? そんなに長いこと、わたしたちは、天使の苦しみに耐えられるのか?
いいや、私は耐えられない。
その天界の黄金のリンゴとやら、それほど厳重に守っているなら、さぞや効き目もすごいだろう。食べてすぐにとは言わない。しかし半日もすれば天使の苦しみは和らぐだろう。
天使が食べたいと言っているんだ。きっと食べてくれるだろうさ!
私は行くぞ! ひとりでも行く!
天界の果樹園に忍び込み、両手で抱えて天界の、秘宝とやらを持ち帰る!」
立ち上がった1号に、妹たちはうなずく。
2号「ひとりで行かせるわけないでしょう?」
3号「ふふふ、天界のリンゴ、どんな料理にできるかしら」
4号「ちょっと冒険だなあ……上等!」
5号「……」グッ
6号「御使いの大軍かあ、腕が鳴る」
7号「ふふふ……」
8号「6号よ、戦いに行くのではない。しかし……」
9号「我らの力、見せるとき」
10号「まったく、しょうがない人たちですこと」
11号「なにこれ、マジ燃えるんですけど」
12号「しかたないわね、つきあってあげる」
13号「よーっし! 思いっきり飛ぶぞお!」
14号「……姉さんたち、ありがとう」
15号「14ねーさま! わたしも!」
互いに微笑みあうと、ハダカの少女たちは丸いベッドの上で、手を取り合って立ち上がった。
220 :
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[saga]:2011/11/09(水) 21:28:25.31 ID:Y3IbhwsXo
1号「翼を広げろ」
号令で、少女たちの翼から触手が伸びる。
1号「翼は大きく伸ばすな、小さく伸ばして早く飛べ。わたしたちはツバメが虫をかすめとるように、黄金のリンゴを奪い取る。速さが命だ」
両腕を広げるほどに触手を伸ばし、少女たちの触手は指をそろえるように平行にくっつけられる。
そろえられ、互いにくっついた触手がひろがると、ぬぱあ、と音を立て、触手の間に水かきのような、粘液な透明の膜が張る。
透明な膜の張った触手を少女たちが揺すると、透明な膜はピンクの粘膜にかわり、触手の間に桃色の皮の張った、コウモリのような翼になる。
1号「隊列で飛ぶぞ。2号が先頭、コースはまかせる。6号と8号も先頭に立ち、御使いどもから攻撃を防げ。
5号、9号は飛んでいる間も帰還用の門の術を練る。私がしんがりだ。ほかの者は可能な限り、黄金のリンゴを集めろ。いいな? ……5号、9号。門を開け」
5号と9号は視線を交わしうなずくと、ホールの一角に門を出現させた。
向こう側には青い空が見える。
9号「天界に直接はムリ。現世を経由して、天界につなぐ」
1号「すぐにできるか?」
5号「……まかせて」
1号「よし! おまえたち! 行くぞっ!」
桃色の翼をはためかせて、少女たちは現世の空へ、そして天界へ黄金のリンゴを求め、矢の群れように飛び込んでいった。
221 :
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[saga]:2011/11/09(水) 21:29:37.56 ID:Y3IbhwsXo
天使は目を覚ました。
窓もカーテンも暗く、外は夜のようだった。
あれほど苦しかったのに、熱が引いている。
口の中には、わずかな甘味が残っていた。
天井を見つめ、両手を伸ばす。
拘束されてはいない。
部屋のドアが開き、14号が入ってきた。
14号「あ、起きてるね……気分はどう?」
天使「悪くはない。ずいぶん楽になった」
14号「そう、よかった」
天使「……」
14号は水を入れた小さなおけと布を持っており、おけを机においてランプをともす。
14号「帰りに現世の本を手に入れてさ、熱がある人間は、おでこに濡らした布を乗せるんだって」
天使に背中を見せ、布を濡らしてしぼり始める。
天使は上体を起こした。
両手は拘束されていない。間合いも十分離れている。
今なら、殺せる。
天使は虚空に手を振り、金色の銃を握ると、ハダカの少女の背中に向けて、照準を合わせる。
チャンバーにはすでに銃弾が装填されている。
引き金に指をかけ、その指に力を込め……悪魔の身体に違和感を覚えた。
腕と脚に包帯を巻いていた。
天使「そのケガはどうした?」
14号はこちらを向かずに答える。
14号「御使いに切られて。御使いの剣、鉄の剣と同じようには治らないんだって。傷がふさがるまでに1週間。みんなどっかケガしてるけど、一応無事」
天使「御使い? 天界に行ったのか?」
14号「そうだよ」
天使「なぜだ?」
14号「あなたが、食べたがっていたからさ」
14号は机に置かれた、金色の小さなリンゴを指さす。
222 :
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[saga]:2011/11/09(水) 21:32:40.78 ID:Y3IbhwsXo
天使「黄金のリンゴ……もしや、天界の果樹園に盗みに?」
14号「さすが、天界の兵士さんたちは強かったよ。わたしたちが全員で行ったのに、とれたのは2コ。夕方にひとつ、あなたは食べたんだよ? すり下ろしてさ。そしたら、あっという間に熱が引くんだもん。本当、よかった」
おけに付けた布を、14号はしぼる。しかし、しぼりすぎたらしく、また布をおけの中へ……
天使「なぜそんなことをした」
14号「あなたの病気をなおすため」
拳銃の照準を定めたまま、天使は聞く。
天使「それで天界の果樹園に忍び込んだのか? 千の塔と万の兵が守る、あの果樹園に!」
14号「そう」
天使「なぜ!」
14号「だから、あなたが、好きな人が苦しんでいたから……」
天使「な……」
拳銃の照準がずれ、天使の腕が力なく布団に落ちる。
背中を向けたまま、14号は言う。
14号「撃っても……いいのに」
天使「え?」
天使から見た机の上の鏡に、14号の顔が映っていた。
天使「……」
天使の拳銃を持つ手に、涙が落ちる。
天使「なぜ……そんなことを言う」
14号「あなたが好きだから」
14号は振り返る。ハダカの少女は、手に濡らした布は持っていない。
天使「なぜ、私を助けた! 天界に行き、ケガをしてまで」
14号「あなたが好きだから」
天使「御使いに捕まれば、殺されるんだぞ!」
14号「それが?」
天使「それが……だと?」
涙を流す天使に、14号は天使に歩み寄る。
14号「あなたは苦しんでいた。わたしたちは助けたかった。それだけ。ねえ、泣かないで」
天使「泣いてなど……」
14号「ふふ……うそつき……御使いさまはウソがつけるんだね……いいなあ」
天使「何を言って……んう? ……ん……ちゅ……」
少女は天使の首筋に手を添えて、くちびるを覆うようにキスした。
14号「ちゅ……ん……ふふ、接吻は愛を確かめあう神聖な儀式、だっけ?」
天使「バカな……貴様は、私を愛してるとでも言うのか!」
14号「ふふふ、好きだよ? 愛してる」
天使「っ!」
223 :
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[saga]:2011/11/09(水) 21:34:25.95 ID:Y3IbhwsXo
何も言わず、しばらく2人は見つめ合う。
天使が至近距離で見つめる14号の目に、突然とろみがついた。
14号「あ……」
天使「どうした?」
14号「しまったなあ……あなたとキス……しちゃた……あぅ……」
天使の唾液を飲み込んだ少女の秘裂は、濡れてしたたり、14号は下腹部をせつなそうに押さえる。
14号「あなた、まだ元気じゃないから……いまはだめだね……おやすみ」
身体を震わせながら、部屋を出ようとする14号を天使は呼び止めた。
天使「待ってくれ」
14号「なに?」
天使「行かないでくれ」
14号「だめ。わたし、押さえきれないもの」
天使「それでもいい。ココにいてくれ……いや、いてほしい」
14号「だめだよ、御使いサマ……」
振り返り、天使のベッドに両手をついて、顔を寄せ……
14号「そんなこと言ったら、襲っちゃうよ?」
天使「やってみろ、悪魔め」
ふたりはキスをした。今度は深くつながるキス。
14号「ん……ちゅ……ちゅる……」
天使「んぅ……ん……ちゅ……」
唾液を交換し、天使の唾液を受け入れるたびに、14号はとろけていく。
天使「ん……ちゅ……れろ……」
14号「ちゅる……ん……んはっ……もう、だめ……ガマンできない」
14号はくちびるを離し、切なそうに天使を見る。
14号「あなた、まだカラダ良くないから、わたしが上に……」
天使「いや、おまえこそケガして……」
14号「ふふ……わたしはいーの……それっ」
天使をベッドに押し倒すと、14号は丈の長いワンピースの寝間着を天使の胸元までまくり上げる。
224 :
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[saga]:2011/11/09(水) 21:36:33.22 ID:Y3IbhwsXo
すでに天使のモノも硬くなり、14号を求めていた。
14号「ふふ……いただきます」
ためらいなく14号は天使をまたぎ、硬くなったモノを膣に飲み込む。
14号「んっ……くっふ。やっぱり今はキツい……でも、動いちゃう……」
14号は包帯にわずかに血をにじませながら動き、天使の性器を締め上げる。
天使「くはっ……なんか……いつもより……うぅ……」
14号「ん……大丈夫?」
天使「14号こそ……あっ……」
14号「ん……ちゅるる……ん……」
互いの思いやりの言葉を飲み込むように、キスをしながら、14号は騎乗位に腰を振る。
魔人の娘の腰使いに、天使はすぐに追い詰められた。
天使「あっ、もう……」
14号「ん、わかった…抜くね」
14号は、天使のモノを引き抜こうと、腰を浮かせたが、天使は14号の太ももに手を添えると、思い切り突き上げた。
14号「だ、だめ! 天使! いま膣内に出されたら……!」
天使「くっ……出るっ!」ビュルルルルルッ!
14号「あっ……だめ……だめなのに……あああああっ!」
魔人をとろけさす、天使の精液が、14号の一番深いところで放たれる。
14号「……んあ……だめぇ。天使、早く抜いて……あ……」
14号の下腹部が大きく上下し、体内からノドをならすような、コクンコクンと音が聞こえた。
14号「飲んじゃった……子宮が、天使の飲んじゃったぁ……も……だめ……」
14号の背中としっぽの位置に、ピンクの触手が生える。背中に8対腰に一本計17本の桃色の肉のヘビが、天使の身体に巻き付く。しっぽの一本はさらに天使の肛門に滑り込んだ。
天使「うぁ!?」
14号「だめなのに……天使のカラダ、まだダメなのに……ごめん、天使……ガマンできないの……ごめん……」
両手で顔を押さえ、泣きそうになりながら、14号の腰と触手は動き始めた。
しかし。
14号「きゃっ?」
天使は14号を押し倒して上になると、14号を見つめて言う。
天使「大丈夫。黄金のリンゴを食べたからな。ガマンできないのは、私もだ」
騎乗位から抜くことなく正常位に持ち込み、天使のいちもつは硬さを失わないどころかますます大きくなる。
225 :
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[saga]:2011/11/09(水) 21:38:33.26 ID:Y3IbhwsXo
14号「え、ちょ……ちょっと待って天使。あなたのツバとか精液が、わたしたちにどう効くのか、わかってるでしょ?」
天使「ああ分かっている」
ずん、と天使はいちもつを突き入れる。
天使の精液まみれの膣壁をこすり上げられ、14号はのけぞった。
14号「んいいいいいっ!? 待って、待って! 天使!」
天使「待って? 私がそう言って、あなたたちはやめてくれたか?」
14号「そ、それはあなたが好きだったから!」
天使のいちもつが14号の中でわずかに膨らむ。
14号「え……天使?」
天使「まったくずるいんだよ。あなたたちは!」
ずんっ と、1度引き抜いた男性器を、勢いよく14号に滑り込ませる。
14号「やめ! やめええええ! んああああっ!」
天使「やめるもんか! ずるいんだあなたたちは! 私のことさらってきておいて、さんざんなコトしておいて、それなのに、好き? 愛してる?」
腰の動きを早めながら、天使は14号に言葉をぶつける。
14号「だって……だってえええ!」
天使「まだ来てから10日も経ってないのに……私のために、命をかけて……」
天使の腰が止まり、14号の胸に天使の涙が落ちる。
天使「こんなことまで、覚えさせて……それなのに好きなんて……愛してるなんて……ずるい……」
泣き始めた天使のほほに手を当て、涙をぬぐい、14号は天使の身体に絡みついた触手をほどく。肛門からも触手は抜かれ、天使は自由に動けるようになった。
天使「……え?」
14号「ずるい? 仕方ないじゃない。悪魔だもん。……ふふふ、おしおきして、御使いサマ」
天使「……ふ」
天使は苦々しげに微笑む。
14号「天使?……ひゃんっ!」
天使は14号のカラダを、力の限り突き上げた。
226 :
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[saga]:2011/11/09(水) 21:39:09.40 ID:Y3IbhwsXo
突き刺し抜いてを繰り返し、14号の蜜壺をあふれさせる。
14号「ひあああっ! 天使! 天使っ!」
天使「14号……なぜ……くぅ……14号! 好きだ!」
腰を早め、14号を突き崩し、天使は叫ぶ。
天使「私も好きだ。愛している!」
14号「んああっ……み……みんなは? みんなも天使が……くはあっ!」
天使は答えながらも、腰の動きを緩めない。
天使「もちろんだ。みんな大好きだ! でも今は、14号! あなただけを!」
14号「あうう……天使っ……てんしぃ……」
ほどかれていた14号の触手が、また天使の身体に触れる。
しかし、粘液を帯びた触手は、天使の身体を拘束するのではなく、手でほほをなで上げるように、天使の全身を愛撫する。
天使の腰使いはいよいよ激しさを増し、そして。
天使「く……出る……14号、外に……」
14号「らめ、なかに……なかに……」
舌が回らないほどに14号は天使に突き崩され、それでもなお天使の精液を求めた。
天使「く……わかった……なかに……んあああつ!」ビュルッ ビュルルルルッ!
14号「イく……あ、んあっあああああっ!」プシッ
14号は絶頂とともに天使に抱きつき、なでさすっていた触手も天使に何重にも巻いて締め付ける。
どくんどくんと、14号の深いところに射精し、止まるまで待って、天使は腰を引き抜いた。
14号は失神していた。
桃色の髪は乱れ、顔は惚け、白い肌も赤く上気し、身体の下には脱力しきったピンクの触手が力なく広がっている。
脚は広げられ、桃色の開ききった粘膜から、天使の出した精液と14号の蜜の混じった粘液がこぼれ落ちていた。
その姿はとても浅ましく、ひどいモノだったが、以前の天使なら思ったであろう汚らわしいという感情はわいてこなかった。
かわりに深い愛情を感じ、14号の顔にキスしようと体勢を変えたとき、やはりまだ体力が戻っていなかったのか、天使は力尽き、桃色の恋人の身体に崩れこんでそのまま眠ってしまった。
227 :
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[saga]:2011/11/09(水) 21:43:18.06 ID:Y3IbhwsXo
天使は目覚めた。
朝だった。
身体はまったくの健康体になっていた。
黄金のリンゴを食べた分、前より力強くなった気分すらある。
シーツは替えられ、いつもの丈の短い服に着替えさせられていたが、部屋にはまだなんとなく14号のかおりが残っている。
天使は起き上がってテーブルの上を見たが、黄金のリンゴはそこにはなかった。
天使「……14号?」
天使は部屋を見渡したが、部屋には14号の姿はなかった。
しばらく待っても、14号は起こしに来なかった。
天使は立ち上がって部屋を出る。
ホールに入ると、皆が待っていた。
14号もいる。
誰の身体にも包帯が巻かれ、みな傷ついているが、大事はなさそうだ。
天使「おはよう」
14号「お、おはよう……身体の具合はどう?」
天使「うん。とてもいい。ありがとう」
14号「そ、そう……よかった」
わずかに目をそらし、14号は答える。
天使は昨日のことを思いながら席に着く。
いつも通りの豪華な朝食が運ばれ、天使は初めて自分の手を動かして、15皿の料理を食べた。
最後に、黄金のリンゴが、皮を剥かずに天使に渡された。
天使「いや、今は食べないよ。何かにぶつけたりしなければ、このままずっととっておけるんだ……それより」
天使は、15人の少女たちを周りを見渡す。
少女たちの天使を見る目つきも変わっていた。
恋人を見る目。
しかもその恋人の身体は、彼女たちにとって砂糖菓子でできている。
天使は少女たちの傷のこともあやまらず、自分の今までの事をあやまりもしない。
もちろん、黄金のリンゴの礼も言わない。
ただ、皿の下げられた食卓によじ登り、真ん中で振り向いて少女たちにむかって座る。
15人の少女たちの、天使を見る目が、獣に変わる。
1人ずつ視線を交え、天使は顔をうつむけて、ほほを赤らめた。
天使「す……好きにしろ」
15人の少女たちが、一斉に飛びかかった。
228 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/09(水) 21:45:33.47 ID:Y3IbhwsXo
それから、数日がたち、天使は15人の桃色の恋人たちと、大変に仲良く過ごした。
あまりにも肉欲的、情熱的な15人と愛を交わし、日を重ねるうちに天使の言葉も丸くなり、以前のような攻撃性は、少しずつ薄れていった。
愛のために力を振るい、悪魔を倒してきたはずなのに、悪魔を傷つけることがなくなってから、天使は愛というものに近づいたと感じている。
そして、この幸せのきっかけを作った男に、最初に天使の大切な部分をえぐり犯した男に、愛を持って抱いてくれた男に、15人の少女たちに向けるのとは違う、どこか崇拝に似た恋心を抱くようにもなっていた。
少女たちの触手に肛門を責められるときには、どう締め付ければ悦ぶのかを少しずつ学習し、ふと、ここに男の物も入れて欲しい、尻の穴で男の物をしごいてあげたいと考えるようになっていた。
そんなある日の朝のこと。
229 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/09(水) 21:51:02.34 ID:Y3IbhwsXo
少女たちの朝の食事を終え、天使を含めたみんなは、まだ裸でテーブルの上にいた。
天使「よしよし、15号、いーこいーこ」ナデナデ
15号「へへぇ……天使、好きぃ」
14号「むぅ……15号、ずるい」
13号「いいじゃん、さっき、さんざん突いてもらったんだし」
12号「ふん、天使ってば、いい気になっちゃって」
11号「ってか、12号がいちばん感じてただじゃん」
10号「ふふふ」
9号「おや? みんな、淫魔様から手紙が来てるよ」
8号「なんだと? どれどれ……」
7号「読むわ。〜親愛なる男のむすめさんたち、そろそろ天使が堕ちた頃でしょうか〜」
6号「うわあ、あの人なんでも見通してるのかな」
5号「……つづき」
4号「ああ、〜突然で申し訳ないのですが、最近天使の精液が飲みたいです〜」
3号「〜お手数ですが、1週間射精禁止のうえ、現世につれてきてください〜 ですって」
2号「1週間か、長いですね……でも」
1号「ああ、そんだけ溜めたら、こいつ、どうなっちゃうんだろうな?」
ふふふふ、くすくす
なぜか食卓の上で少女たちが笑い出し、不思議に思った天使が顔を上げると、後ろにいた5号が天使の両腕を後ろ手に拘束した。
天使「な、なにを……」
14号が、淫魔からの手紙を見せると、天使の顔色が悪くなった。
天使「や……やめて、お願い!」
1号「ふふふ、この通りだ。おまえはこれから1週間の射精禁止」
2号「わたしたちは少しつらいですね」
3号「味は落ちるし、好きでもない相手だけど、どこかで吸うしかなさそうね」
4号「ま、いいじゃん? たまには外食も」
5号「……」
6号「だけどな、この手紙には射精禁止とはあるが……」
7号「なるほど……射精させなければ……どんなに責めてもいい」
8号「そういうことか! はっはっは!」
9号「これから一週間、どんなに責めても、射精なし。つらいね、天使」
10号「射精できなくて、頭おかしくしちゃいましょう」
11号「てか、フツーに死ぬんじゃね?」
12号「いいじゃない。こんなヤツ」
13号「オトコノコって射精できないとつらいんでしょ? ふふふ」
14号「どうしようかなぁ、おしりに乳首に亀頭責め……」
15号「おちんちん、リボンでしばっちゃおうよー!」
天使「た、たすけてえええええ…………あふんあふん……」
(淫魔「んふふ」 修道女「闇の気配がする……」の真ん中あたりに)つづく。
14号「ふふふ、好きだよ? 愛してる」 天使「っ!」 ー完ー
230 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/09(水) 21:57:04.77 ID:Y3IbhwsXo
淫魔「いえーい! みなさんこんばんは。 心のレイプ魔 淫魔です。今は作者の代理です。
『14号「ふふふ、好きだよ? 愛してる」 天使「っ!」』いかがでしたでしょうか。
お楽しみいただけましたら幸いです。
いやー、天使、最後の最後でデレましたねえ。
さて、このお話は、前スレ1章のくだらない一文と、2章のオチ、それに影響されたこれまたくだらない、前述のインターミッションの影響下にあります。
詳しく書くための引用文が多いので、ちょっと探してきます。
一応ココでしめます。
ご覧いただきありがとうございました……んふふ」
231 :
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(鹿児島県)
[sage]:2011/11/09(水) 22:01:26.95 ID:4sDMcXQzo
おつ
232 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(鹿児島県)
[sage]:2011/11/09(水) 22:02:02.36 ID:4sDMcXQzo
おつ
233 :
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[sage]:2011/11/09(水) 22:03:48.88 ID:Mycc8xhIO
乙
次回も期待している
234 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/09(水) 22:16:01.91 ID:Y3IbhwsXo
淫魔「ただいま戻りました淫魔です。今は作者の代理です。
作者がお酒を飲んでしまい、なんだかわかんないことになってますが、続けます。
そもそもの発端は、男がお風呂場でのカミソリプレイの最後で、私のおしおきを受けたからなのです。
男は、ロリふたなり化して、魔界の触手魔神に貸し渡され、そこで計15回の出産と21回の精神崩壊をひと晩で経験します。
そのときに生まれた計15匹の子供たちを現世に連れ帰り、精液をあたえて育てること1週間。
ほとんどが成長して魔界に帰り、残りは14号15号となったころ、天使が攻めてきます。
淫魔が天使を撃退し、天使はアナルとチンコを攻めまくられ、14号15号に性器を吸いまくられて、快感にもうろうとしているうちに、魔界に連れて行かれます。
この直後に書いたインターミッションが、物語開始前に張ったあれです。
しかし、ココで問題が。
第2章では、14号と15号しか触手魔人の少女は出ていないので、14号がとてもお姉さん口調です。
しかし、15人姉妹の14人目なので、あの口調は無理がありすぎます。
しかも、どうせ天使と中心にからませるならこの子だよなあ、と言うことで、セリフのタイプをお姉さん口調から優しい感じのヒロイン口調に変更しました。
しかし、ちょっとした思いつきで、1章に15回の出産とか書いてしまったので、15人姉妹というおそ松くんもびっくりな状態に……。正直、これだけのキャラ数は必要なかったと思いますが、まあご愛敬と言うことで、失礼を。
せっかくなので、自分用の確認も含めてキャラ一覧を書いてみます。つづきます」
235 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/09(水) 22:54:45.63 ID:Mycc8xhIO
無理しないでね
236 :
淫魔「んふふ。飛ばして読んで。どうせ筆者の防備録」
[saga]:2011/11/09(水) 23:13:47.76 ID:Y3IbhwsXo
淫魔「うーっす。淫魔です。今は作者の代理です。 さてさて、キャラクターたちです。
・天使
おそらく、今までの物語で一番いい思いをしている彼。
ハーレムでかつ、そこの女の子たちに、彼の体液は媚薬として作用してしまいます。
15人の美少女に膣内射精し放題、美味しい料理を食べさせられて、気絶するまでかわいがられる……はい、世の男性諸君のいいたいこと、よく分かります。うらやましいだろ、と。
私もよく分かります。ちんちんないですけど。
しかしながら、この天使くん、人間から見たらうらやましい状況でしょうが、本人の胸の内は複雑です。
彼にとって、悪魔は絶対の悪であり、滅ぼす物として教えられ育てられた。
その悪魔たちと愛を交わすことは、それまでの自分の人生すら否定しかねないでしょう。
物語の台詞回しの問題で、この子に天使と名付けてしまったので、いわゆる存在として、種族としての「天使」をこの作品では「御使い(みつかい)」と表記せざるを得なくなった。
・14号
今回のヒロイン。つまりメイン肉穴。……すみません。
女性化した男と、触手魔神との子供。
触手に女性形の語尾を付けて、ハーフだから、ハーフテンタクレスとでも呼びましょうか。
15人姉妹の14人目で、ヒナの頃に童貞の天使のおちんちんを搾り取ったので、実質天使の初めてのヒト。
非常にエッチで嬉しい限りですが、天使の体調が悪いときには発情しながらでも身を退く思いやりのある子です。
体型はいわゆるヒロイン体型。少女としては中肉中背。おっぱいはお椀型。
・1号
15姉妹のリーダー。
ほぼ同時に生まれた姉妹たちですが、その中でも長女と言うことで、努力して、結果強くなっちゃったヒト。
おみやげとして帰ってきた天使に、出会い頭にキスをして、天使の唾液の媚薬効果でメロメロになっちゃいます。
2号に後ろから抱きつかれるシーンの台詞回しは古くさくて結構お気に入り。
なぜか演説を始めるのは、失楽園のキャラっぽくしたかったから。
触手は太めの強め。おっぱいは大きめ。
・2号
15姉妹の参謀。
冷静で頭が良く、姉の暴走を止める立ち回り。
1号同様、最初に天使にメロメロにされちゃいますが、この2人がぐちょぐちょになってくれると、エロいかなと思って、やってしまいました。
触手は細め。おっぱいは小さめ。
・3号
15姉妹の影の支配者。
お母さん的キャラで台所を取り仕切るヒト。
普段はやさしいのですが、姉妹のうちで一番触手が強い。しかも隠れSなので始末に負えない。
肉体派の6号と8号がまとめてかかっても一方的にイき狂わせられるほどに、触手力が高いので、みんなこの人の言葉には基本従います。
触手はヒギイレベルのごんぶと。サイズも力も最強。穴のないところにも穴を開ける。
おっぱいは大きめぽっちゃり体型
・4号
スポーツタイプの姉御肌。
この子たちは基本全裸なのですが、人間界に行ったらバレーボールとかやりそうなヒト。
スポーティーで身体能力は高いけど、戦闘はいまいち。
すこしみんなと違った視点をさくっと言ってくれるヒト。
触手はサイズは普通。しかし力が強め。 おっぱいは大きめ。
・5号
無口な魔術師。
よく分からない不思議ちゃんタイプ。
見た目がかなり幼いが、姉妹のうちで一番魔法の扱いに長ける。
2号がこの子を触手魔神と会うときに連れて行ったのは、高等な魔法の専門用語を理解できるから。
身体が姉妹のうちで一番小さく、15号よりも一回り小さい。そのためこの子のエッチシーンは犯罪的に……
・6号
マッチョウーマン
豪快な筋肉質の身体を持つヒト。
あなたがぎりぎり性欲を覚えられるくらいの筋肉質な少女を想像してください。その体型が6号です。
背が高く、力もあり、天界の精鋭と互角に渡り合える姉妹の貴重な戦力です。
触手サイズは意外に小さめ。14号よりも細いし弱い。
・7号
のんびり屋さんのおねーさま
ぽわぽわしていて、何考えているのか話からなさでは5号に次ぐ。
気持ちよさに他の姉妹以上に関心の高い快楽主義者。
髪の毛はもこもこのふわふわ。見た目はうぶで中身は娼婦。
触手サイズは3号に次ぐ。しかし触手の力は弱い。
・8号
武士。武人。剣道少女。
6号と並ぶ武闘派で、背は若干低く力も劣るものの、それを技で補う。
天界の精鋭と渡り合える貴重な戦力。
天界に黄金のリンゴを取りに行ったときは、一番ケガしたのはこの子。
触手は細め。しかし器用。姉妹のうちクリトリスや乳首を触手で締め上げられるのはこの子だけ。
んふふ、少し長いね。でもまだつづきます」
237 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/09(水) 23:30:54.36 ID:Y3IbhwsXo
淫魔「つづきです。キャラクター紹介。
・9号
観察力に優れた博士。
物事を観察する能力に長け、姉妹の頭脳労働担当。魔法力は5号に次ぐ。
直感の5号とは違い、理詰めで考えるタイプ。
2号が城にこの子を連れて行ったのも、その特性ゆえ。
触手は細め。器用にツボを見つけ出し、相手を短時間で堕とすテクニシャン。この子に捕まったらもう大変!
・10号
ふわふわのロングヘヤーのお嬢様。
腰まで届くウェーブがかったロングヘヤーが特徴的なお嬢様。
芯がしっかりとしており、1号だろうと3号だろうと、間違ったことはしっかりと反論できる。
根は優しいし、物腰も柔らか。
触手は普通で、サイズは14号と似ている。
・11号
気のいいギャル
楽しいことが大好きな、現代のオンナノコ。
ナンパされるのが大好きだが、基本しぼり尽くしてしまうため、満足できる異性に巡り会えない。
しゃべり方がぶっきらぼうだが、相手をほめることにためらいがない。
触手は少し太め。力も強め。
・12号
いわゆるツンデレ
しかし、ただ天使への接し方が分からないだけ。
天使のごはんを作るときに一番がんばってるのはこの子だったりする。
あんた、ツインテールが好きなの?
バッカみたいっ! え、見たい……? こ、これでどう?
な、なによ……目、見ながらかわいいなんて、言わないでよ……ばか
とか、天使と話してたりするのかな? んふふ
・13号
体育会系再び。
4号が姉貴タイプだったが、こっちは妹タイプ。
ショートヘアに、スパッツが似合いそうな子。ただし基本全裸。
細身だが運動能力が高い。しかし、4号同様戦闘には不向き。
触手は細め。かなり敏感。
・15号
ロリ
15姉妹の末っ子で、かなり甘えん坊。
天使が大好きで、なでてもらうのが最近のお気に入り。
エロシーンを書くと犯罪的なヒト再び。
触手はごんぶと。ただし不器用
・触手王
読んでの通り。触手の王。15姉妹のおとーさま。
謁見の間は彼の本体が鎮座しており、人間はそこの空気を吸っただけで発情してしまう。
壁には彼に犯してもらいに訪れた訪問者たちが気持ちよくされてしまっている。
いわゆる触手系のモンスターの親玉。ヨグソトース(?)とかのイメージ。
魔界の大領主だが、その彼をして様付けされるのがわたしこと淫魔。
黄金のリンゴ
元ネタはありますが、あえて書かず。はい。
使えそうな伏線として、1コ残してありますが、使うかどうかは未定。
とまあ、こんなトコロです。……んふふ。
しかし天使は15人のすっぽんぽんのとびきりの美少女たちに囲まれて暮らしています。
うーん、うらやましい。おまんこ汁飲み放題じゃないか……
いや、ちんこでもいいな、ちんこの方が……
さて、このさき、わたくしこと淫魔は、学校へと通い始めます。
若いオトコノコとオンナノコがいっぱいいる場所に、淫魔を連れてったらどうなるんでしょう?
ウサギ小屋にオオカミを入れるようなものでしょうね!
大変なことになりそうですね!
……んふふ。
男と天使のエッチも、少し書き始めていますが、前後のつじつま合わせでちょっと苦戦中。
もうちょっとお待ちを……
修道女の話しに相当するような長めのSSも書き始めましたが、完成はいつになるやら……
と言ったところです。
では、そろそろねます。
……いっしょにねる? ……んふふ」
238 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/10(木) 00:43:50.61 ID:fuTWGO9IO
一緒に寝ようか
239 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
[sage]:2011/11/10(木) 00:52:48.75 ID:RJBck/Gpo
>>238
///
240 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(長屋)
[saga]:2011/11/10(木) 23:46:25.97 ID:MhA3yZfL0
修道女の今後が気になるな
禁欲と快楽の狭間に追いつめられる感じが好きだ
241 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(千葉県)
[sage]:2011/11/12(土) 17:10:48.55 ID:4J+r46vho
もちろんまだ待ってるからな
242 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/13(日) 03:26:51.80 ID:vFSdsrcIO
14日に来そうな気がする
243 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:31:49.42 ID:9DPBEt7do
淫魔「いえーい。みなさんこんにちは。休日の昼間に淫魔です。いまは作者の代理です。
天使と男のエッチできましたー! ひゃっほう!
ただし、ふたりともオトコノコ同士は初めてなので、けっこう試行錯誤しながら不器用なセックスします。
濃厚なホモセックスを期待した人は、ごめんなさい。
それでは
『男「しゃぶれ」 天使「はいっ! ご奉仕しますっ!」』
ひどいタイトルだなあ……物語は、修道女との戦いの途中から始まります」
244 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/13(日) 12:32:16.75 ID:mdTH2OnHo
キタコレ
245 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:32:25.65 ID:9DPBEt7do
日の沈んだ逢魔が時の校舎に、少女の嬌声がひびく。
学校の廊下の床が、すべて白いシーツのベッドにかわっている。
その廊下の中程で、十字架を握りしめた少女が犯されていた。
肩まで伸びた金髪を振り回し、身体にねじ込まれる快感に、すでに少女は陥落していたが、責める手は止められなかった。
修道女「や……たすけ……」
修道女を責めるのは、紫色のショートカットに赤いツノを生やした細身の少女と、金色の巻き毛の少年。
金髪の少年は、修道女の肛門を後ろからていねいに、こねるように犯し、乳房も丹念に愛撫する。
紫の髪の少女は、むき出しになった修道女の女性器を一通りいじめた後、発情した子宮の収まる、修道女の下腹部をぽんと叩いた。
淫魔「はい! おつかれさま!」
突然の刺激に、修道女は淫魔を驚いたように見つめていたが、直後、身体の奥底からわき上がる快感に眼球が裏返り、身体中を跳ね上がらせて絶頂に達した。
修道女「くっあ……っ……ああああああっ!!」
廊下の窓ガラスがびりびりと振るえ、夜の静かな学校中に響き渡るほどの絶叫をあげて、修道女は達した。
肛門を犯す少年も、絶頂を迎えた修道女の収縮に耐えきれず、精を解き放つ。
天使「うああっ しまるっ くっあああっ!」
びゅるるっ! びゅるるっ! びゅるるるるるるるるっ!
修道女「あああああ…ああ…あは…………あはは………あー……」
陥落した修道女の女性器からは尿が染み落ち、白い本気汁がとくとくと修道女の奥底から湧き出す。肛門の結合部からは、収まりきらなかった天使の精液がこぼれた。
修道女「あ……はへ……」
天使「はあ、はあ……修道女さん……ありがとうございました」
天使は動かなくなった修道女のアヌスから、やわらかくなり始めた自身を引き抜いた。栓を失った修道女の肛門から、途切れることなく、濃厚な精液がこぼれ落ちる。
修道女を寝かせると、天使も両手を突いて崩れ落ちた。
246 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:33:06.03 ID:9DPBEt7do
淫魔「はい、天使。よくできました。これからもやさしくて気持ちいいエッチをね」
天使「は……はい……」
下を向いたまま、天使はぜぇぜぇと肩で息をする。
淫魔「んー……ねえ天使、まだ動ける?」
天使「も……もう、無理。最後の射精が……気持ちよすぎて、腰が……もう……うごかない」
淫魔「でもさ、ほら、あそこに」
天使「え?」
天使は淫魔の指さす先に顔を上げる。
床がベッドになった学校の廊下に、男の姿があった。
いままでの3人の痴態を見ていたので、男は微妙な笑顔で手を振る。
男「よ、よー天使。久しぶり」
天使「お…おとこ……さま……男さまっ!」
立ち上がり、駆け寄ろうと天使は四肢に力を入れたが、快感に痺れた身体は思うように動かず、ベッドに前のめりに倒れた。
天使「うぷっ……ぐ……男さま……」
男のところまで這いずってたどりつこうとする天使の胴をつかみ、淫魔は言う。
淫魔「天使、身体丸めて」
天使「は、はい? こうですか? …………きゃあああっ」
身体を丸めた天使を、男に向かって、淫魔は放り投げた。
ぼいん ぼいん
天使はベッドのスプリングに2回弾み、男に抱き込まれて止まった。
顔を上げ、男を見つめ、男は微妙な表情でにやけた。
男「よ、よう、天使」
天使「お……男さま! 男さまっ! おしたいしておりました……」
天使はぐりぐりと男のむねに顔を押しつける。
男「のわ、どーしたんだよ、天使……おまえ、もっとつんつんしてて……」
天使「言わないでください、男さま! 恥ずかしい!」
天使は男の胸の中で身もだえする。
天使を放り投げ、淫魔は離れた場所から男に言う。
淫魔「おとこー、しばらくその子おねがいねっ!」
男「は? おねがいってこいつ……うぷっ」
天使に口づけされ、男はその場に押し倒された。
247 :
淫魔「レスキタコレ! 反応早い! ありがとー!」
[saga]:2011/11/13(日) 12:34:11.91 ID:9DPBEt7do
天使の柔らかな舌が、男の口内を犯す。
それは、天使の見た目にはとても似合わない、淫靡で乱れたキスだったが、しかし愛のこもった情熱的なキスでもあった。
天使のキスは男の口内を徹底的にかき回したが、しばらくするとつらそうに顔を離した。
天使「おとこ……さまぁ……」
男「う……天使……おまえ……」
とろけきった顔に、男はひるみ、そして若干の愛らしさも感じた。
天使の身体に、人間の体液は媚薬として作用する。
男の口にディープキスするのは、天使にとっては麻薬のツボをなめ回すのに等しい。
それでも、けなげに天使は顔を上げると、男のズボンに手をかけた。
天使「いま……いたします。男さまは、そのままで……」
男「ちょ、ちょっとまて、天使! こっちを見ろ!」
ベルトに手をかける天使の手をつかみ、男は天使の顔をのぞき込む。
天使「接吻がお望みですか? はい……んちゅ……れろ……れるる……」
男「んぷっ……やめ……んちゅ……ぷあっ天使! ちょっと待て、落ち着け!」
天使の細い肩を抱き、男は天使を見つめる。
男「何があったんだよ。おまえもっと、つんつんしてただろ? どうしたんだ、魔界で、何かひどいコトされたのか?」
天使は目に涙を浮かべて首を振る。
天使「いいえ、いいえ男さま。私は魔界で愛を知りました。少なくとも、愛に近づくことができました」
身体を丸めて、天使は頭を男の胸にぐりぐりとおしつける。
248 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:35:16.31 ID:9DPBEt7do
天使「互いのための献身。愛する者のために命を惜しまない勇敢。私は危うく見逃すところでした。ですが、みんなが私の心の暗く冷たいところを、あたためてくれました」
男「みんな?」
天使「男さまのお嬢さまです。数字と号で名前となる15人のご婦人がたです」
男「ああ、触手の魔人たちか。みんな元気にしてるか?」
天使「はい。いつも男さまに会いたいとおっしゃいます」
男「そうか、まあ、おまえがひどい目にあってないならいいんだ。魔界でどんな風に生活してるんだ?」
天使「はい。まずは朝起きて、みんなの作ってくれる朝ご飯をいただきます」
男「へえ、おれの娘たちの」
天使「15人みんなで作ってくれるんです。それをお腹いっぱい食べた後は、みんなの朝ご飯です。こんどは私がテーブルに登ります」
男「うん? おまえが?」
天使「はい。私はテーブルに登って服を脱ぎ、たくさん気持ちよくしていただきます。わたしのモノが、みんなの朝ご飯になります。これを昼までつづけます」
男「15人、いっぺんに相手するのか?」
天使「はい! 最近は私の量も増えてきたそうで、みんなもちゃんとお腹いっぱいになります」
男「なんとうらやま……いや、それで?」
天使「昼までつづけたら、お昼寝です。午後に起きて畑仕事や掃除洗濯、買い物、お勉強、術の道具を作ったりします」
男「ほう、まともだな」
天使「そして、夜はまたみんなの作ってくれた料理を食べ、私がみんなの夕ご飯になり、たっぷり食べてもらったあと、みんなでいっしょにお風呂に入って、それから眠ります」
男「ふむ。眠るのもみんないっしょなのか?」
天使「いいえ。お昼寝はみんなで大きなベッドでひとつになって眠りますけど、寝室は別々です。いっしょに寝ると愛の交換を、かぎりなしにしてしまって、さすがに身体に毒だから、とのことです……そう、男さま。私、自分の部屋をもらったんです。椅子も机もあって、小さなランプと鏡もあります。風のよく通る窓もあるんです!」
男「う……ううむ……なんと充実した生活。よかったな」
天使「はい。毎日とても楽しいです。……でも、私は神の道から外れてしまいました。それだけが、いまだに心残りです」
249 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:35:44.43 ID:9DPBEt7do
男「いや、そんなことないんじゃないか?」
天使「え?」
男「神の教えってのは、悪いやつはやっつけて、良いやつを助けろってことだろ?」
天使「……はい」
男「それで、おまえは悪魔と、触手魔人の女の子たちと暮らしてみて、その子たちは良いヤツらだったんだろ?」
天使「はい! それはもう……」
男「それなら、おまえは何の心残りもなく、良いヤツらの女の子たちとなかよくやればいいじゃないか」
天使「いいえ、男さま。神の教えは悪魔は悪であるともありました。退けるべき敵だと……それなのに私は……神にもみんなにも、私は恥ずかしいのです」
男「ふむ……おまえの身体は、神が作ったんだろ?」
天使「はい。おそらくは」
男「だったら、おまえの身体を作るとき、神はこうあれかしと、神の意思を宿したはずだ。おまえの行動、こころ、すべては神の望んだモノだ。そうだろう?」
天使「え……」
男「だったら、その子たちを好きになるのにどうして問題があるんだ? おまえの心はその子たちを好きだと言っている。神はおまえの心がそうあることを望んでいる。それなら、おまえはどうしてその子たちを好きになっちゃいけないんだ?」
天使「あ……あぅ」
男「おまえの心が望んでいることは、おまえの神が望んでいることだ。つまり、おまえがその子たちを好きだと思うことは、神が望んでいることなんだ。なにも問題ないじゃないか」
呆然と男を見つめていた天使の目から、涙がこぼれ落ちる。
250 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:36:45.15 ID:9DPBEt7do
男「お、おい、泣くなよ、何かまずいこと言ったか? すまん」
天使「私は……まちがって、いなかった?」
男「お? おう、間違っちゃいないと思うぞ。うん、間違っちゃいない」
天使「わたしは、みんなを……あいして……いい……おとこさま、そうなんですね?」
男「あたりまえだ。神は愛。愛こそが神なんだろ?」
涙のダムが崩れ、天使の頬を、大粒の涙が流れて落ちる。
天使「うぁあああ……あああ……あああ……」
男「お、おい天使。大丈夫か?」
声を上げて泣く天使を抱き寄せると、男は頭をぽんぽんとなでる。
背中もさすってやり、天使が落ち着くまで待つ。
かなり時間が経っても、天使の肩は震えていたが、何か思い至ったのか、声を落ち着かせて顔を上げる。
息をしゃくり上げ、天使は涙をぐいぐいぬぐってぱっと顔を輝かせる。
天使「もう大丈夫です! 私はとっても強い御使いなんですから!」
しかし、金色の瞳の周りは涙で真っ赤になり、目尻からまた一粒涙がこぼれ落ちた。
男はその涙をぬぐってやる。
男「ほんとだ。おまえ、強いな」
天使「はい」
目尻に触れる男の右手に天使は両手をそえ、かるく押しつけてほほずりをする。
天使「ん……んむ……」
男の手のひらに、くちびるを触れさせ、硬い少年の手のひらの感触を確かめると、天使は男の親指をしゃぶり始めた。
天使「ちゅ……ん……れろ……んちゅ……」
男「うわ……ちょ、ちょっとまて天使。おまえなにしてるんだ」
天使「お気に召しませんでしたか? このようにくちびると舌で、指や触手をやさしく舐めあげると、みんなよろこんでくれるのですが……ちゅる……ん……」
男「あふ……きもち……じゃなくって、わかった。天使。落ち着け。とりあえず、指を離せ。手を離してくれ」
天使「え? ……はい」
なごり惜しそうに男の指をなめとり、両手を離す天使に男はたずねた。
251 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:38:10.90 ID:9DPBEt7do
男「どうしたんだよ、まだなんかあるのか?」
天使「いえ、いままでお話ししたことがすべてです」
男「ならどうして、おれに抱きつく? おれにキスとか、こういうことをする? おまえの好きなのは、触手の魔人の女の子たちだろ?」
天使「あうぅ……それは……」
天使はうつむき、男は自分のひざの上に乗る少年をどのように扱えば良いのかわからず、途方に暮れてしまった。
廊下の離れたところで淫魔にいたぶられていた修道女が、ひときわ大きな声を上げ、パチンと淫魔が指をはじく音が廊下中にこだまする。
淫魔「恋に恋するおとしごろ、愛を愛するおとしごろ。恋を愛し、愛に恋することもある……」
男「のわっ!」
天使「きゃっ!」
淫魔「んふふ、おどろいた?」
突然男たちの近くにあらわれた淫魔は、しっかりと服を着込んでいた。
じれったそうに淫魔は、天使のほほをむにむにと指でつつく。
淫魔「まったく、天使は魔界で何を習ってきたの?」
天使「え、愛の交換を」
淫魔「うん。その通り。でも、どうしてその方法でしないの?」
男「方法? いま指をしゃぶられたんだが」
淫魔「もう、なにやってんの。そうじゃないでしょ? パンツを脱げ! 足を開いて寝技に持ち込め! 相手をシーツというリングに沈めるのだ!」
天使「う……それは、みんなだからできることで……私は……男さまには……きゃあああ!」
淫魔は天使の後ろに回り込み、いまだに快感に痺れる両足をがばっと広げさせる。丈の短い衣服をまくり上げ、天使の股間を男にさらす。
252 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:39:14.25 ID:9DPBEt7do
天使「やめて! 見ないで! 男さまぁ!」
健康な肌色の天使の股間には、ぷっくりした玉がふたつ。その上には少々顔には似合わない立派さの、よく剥けた桃色の亀頭を持つ、しかしやはり小さめのペニスがぷるんとそそり立ち、先端から根元までうるおすほど、大量の先走りを垂らしている。
先走りは男性器の下、涙を流した目のように、赤く充血した肛門まで濡らす。天使のすぼまりは先走りにてらてらと光りながら、呼吸に合わせて収縮していた。
男は思わずツバを飲み込む。
淫魔「ほら、反応した。天使はとってもおいしそうだから大丈夫」
天使「はうぅ……男さまぁ……」
男の視線を感じ、天使の亀頭から、先走りがとろりとこぼれる。
淫魔「ねえ男、わかんない? 天使は男のことが欲しいんだよ」
男「いや、それは見ればわかるけど……なんで?」
淫魔「んふ、いま天使は日々、最高の幸せを感じている。その幸せの最初のきっかけとなったのは、私たちを襲ったことだけど、天使がケガさせたにもかかわらず、男はその後天使を”愛して”あげたじゃない」
男「う、でもあれは……」
淫魔「んふふ、それでいいの。男のセックスは、天使が初めて触れた他人のぬくもりだった。いまの天使のパートナーたちも男のことが大好きで、しかも男の娘さんたちだ。天使はね、いまの愛がいとしくて、そのきっかけをくれた男を、とっても尊敬してるんだよ」
天使「うう……」
淫魔「そして、あの子たちにお尻を責められるたび、舐めてよろこんでもらうたびに、男にも同じように愛のお返しをしたいと考えるようになった」
男「愛のお返し?」
淫魔「別のいい方をすればだね、とんでもなく尊敬する先輩に、まじ尊敬してまッス! おれの尻ならいくらでも貸しまッス! っていうか掘ってください先輩! って感じ」
男「うえええ!? マジかよ?」
淫魔「マジマジ。それが証拠に、天使ったら、男に見られて恥ずかしいのに、嫌がってはいないでしょ?」
天使「あぅ……」
253 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:39:57.28 ID:9DPBEt7do
淫魔「抱いてあげなよ。幼馴染なら起きないし、アナルならウワキにならない! そもそも、男は幼馴染を、天使はあの子たちを愛しているんだから、これは男同士の友情! さあ、絆を深めあって!」
男「……」
淫魔「んふふ……それとも、わたしが男にキスして、発情させて、天使をむりやり襲わせるってのでもいいんだけど?」
天使「え……むりやり?」
天使はわずかにほほを赤らめたが、男は首を振る。
男「いや、そんなことしちゃダメだ。ほら、こいよ天使」
男はひざの上の天使の方を抱き寄せると、淫魔にむかってシッシッと手を振るう。
淫魔「んふふ、お邪魔虫は退散。せいぜいソドムってねー」
ぽんと音を立てて、淫魔は消えた。
254 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:40:55.98 ID:9DPBEt7do
抱きしめた天使のぬくもりを感じ、男は少し恥ずかしそうに、ほほを掻く。
男「とは言ったものの、やっぱり少し恥ずかしいな……」
男の胸から顔を上げ、天使はくちびるを重ねた。今度は男も受け入れる。
天使「ちゅ……ん……れる……れろ……」
男「ん……ちゅる……れる……ちう……」
天使「はふ……男さまぁ……」
天使は目を潤ませて、男を見る。
男「……言っとくけど、同情とかじゃねえからな。おまえ、ちょっとかわいすぎんだよっ!」
男は天使の後頭部に右手を当て、左手の親指でくちびるを押し下げると、天使の口内に舌を挿入する。
大量の唾液を送り込み、天使の舌に、粘膜に唾液をすり込むような乱暴なキスをする。
口内を犯され、天使の顔はとろけ始め、男の強引なキスに身体が振るえて。
天使「んう? ……んっ……んーっ!」
ビュルルルルッ!
硬く張りつめた天使の性器は、感動と興奮の限界に至り、たまらず精を吐き出した。
人間の女性と淫魔の愛液が全く異なる香りを持つように、人間のものとは異なる臭いの天使の精液が、丈の短い服の中でぶちまけられ、さらには男のズボンにもかかる。
男「ん? ……うわ、おい天使、大丈夫か?」
天使「ふぁ……おとこ……さまぁ……」
ポケットからハンカチを取り出し、男は天使の下腹部と服の裏に飛び散った精液をぬぐってやる。
とりあえず天使の身体がきれいになったので、自分のズボンをぬぐおうとすると、男の手を天使が止めた。
天使「お掃除……いたします」
天使は伸ばした男のひざの上に座り込むと、上体を丸めて、男のズボンに飛び散った自分の精液を舐め取り始めた。
男「お、おい、そんなことしなくても」
天使「させてください……ごめんなさい……汚して……しまいました」
精液を舐め取りながら、天使は肩を小刻みに振るわせる。
255 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:41:27.33 ID:9DPBEt7do
男「お、おい天使。むりやりキスしたおれが悪かったんだからさ。なぁ、泣くなよ」
天使「いいえ。男さまは……愛をくださったのに……私は……うぅ……」
泣きながら男のズボンをなめとる天使に、男は戸惑った。
幼馴染とするときは、陥ったことのない事態だ。
そもそもココまでへこむ相手との性的な触れ合いなど、男には未体験だった。
いやまてよ、と男は思う。
淫魔や魔人たちの体液が人間に媚薬として働き、天使や御使いの体液が魔族に媚薬として働くように、男の、人間のよだれや精液は、天使にとって狂おしいほどの媚薬となっているはずなのだ。
淫魔に力任せの強引なキスをされたら、おれはどうなる?
男は自分の行為を深く反省し、そしてこうも考えた。
淫魔なら、このあとどうする?
男のズボンに飛び散った、自分の精液をあらかた舐め終え、天使は流れ落ちる涙をこぼさないように、手の甲でほほをぬぐっている。
男の顔は見られないらしく、視線はずっと自分の胸元に落としたままだ。
男「なあ、天使。べつに、おまえのが付いたくらい、何でもない。洗えば良いんだ」
天使「うう……」
しかし、天使はまともに答えない。
男「洗えば良い。だけど、おまえがそんなに悪いコトをしたと泣くなら、罰をやろう」
男はズボンのファスナーを開け、修道女の痴態を見続けてすでに張りつめたペニスを外に引っ張り出し、言う。
男「舐めろ」
天使の肩がぴくりと震える。
男「しゃぶれ」
天使の反応はない。
やばい……ちょっと間違えたか?
男は天使の反応を待つのが不安だった。
しかし。
天使「……はいっ! ご奉仕しますっ!」
ぱっと天使は明るくはじけると、男のペニスに手を添える。
天使「失礼します。男さま」
崇拝をこめて天使は男の亀頭にキスすると、待ちかねたアイスバーにかぶりつくように、思い切りよく口に含んだ。
256 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
:2011/11/13(日) 12:42:01.87 ID:mdTH2OnHo
沖縄だと!?
257 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:42:24.45 ID:9DPBEt7do
男「うあっ? 天使、おまえ……」
天使は、頭を動かす訳ではなく、口に含んだ大切なものを愛するように、ていねいに舌を這わせる。
それは、性感を刺激するが、それ以上に愛しさを抱かせるような、かわいらしい愛撫だった。
天使「ん……ちゅる……れろろ……ん……気持ちいいですか? 男さま」
男「ああ。なんかこう、やさしいな」
天使「ありがとうございます……ちゅ……ちゅぱ……ん……」
思考をとろかすのでなく、射精をうながすのでなく、天使は男への思いを伝えるように、やさしく亀頭をなめ上げた。
それは、心地のよい愛撫だったが、男はセックスと言うより、むしろ事後の睦言のような気分になり、天使に少しいじわるを言った。
男「天使、すごく気持ちいいんだが、それだと射精はできないぞ?」
天使「ん……え、そうなのですか?」
男「ああ……おまえはオンナノコの触手しかさわったことないんだろ? たしかあいつらの触手は、粘液がにじむことはあっても、射精はしないはずだ」
天使「……はい」
男「初めて会ったとき、おれがおまえにどうしたか、おぼてるか?」
天使「ええと……頭を思い切り動かされました」
男「あ、ああそうだったな。でも、あれほど動かすことはない。そうだな、もっとこう、逆にだ。いつもおまえが娘たちにされてるように、やってみてくれ」
天使「いつも私が……あ、わかりました!」
天使は男の性器にしゃぶり付くと、唾液の音を立てて、男の陰茎全体を責めあげる。
天使「ちゅばっ ちゅばっ ちゅぞぞぞっ じゅばっ!」
さらに舌はカリ首をねぶりまわし、裏筋に摩擦をあたえ、鈴口に割り込み、男の弱点を探る。
男「うわっ 天使……おまえっ! ひゃうっ!」
男の弱点が、亀頭に持ち上げられた裏筋の側面と見破ると、天使の舌先は容赦なく、弱点1カ所に責めを集中し、さらに陰茎に右手を回すとぎゅっと締め上げしごきまわす。左手は男のズボンに入り込んで玉を転がし、陰茎の付け根をトントンとマッサージする。
淫魔の技に勝るとも劣らないテクニックを、しかも手加減抜きに施され、男の性感は急速に高まる。
くわえた男の亀頭に血液が流れ込み、絶頂前の膨張を迎えたのを悟ると、天使は腹筋まで使って思い切り吸い上げた。
258 :
淫魔「淫魔は沖縄に住んでいます……んふふ」
[saga]:2011/11/13(日) 12:43:44.25 ID:9DPBEt7do
男「す、吸われ!? ……くっはあああああああっ!」
ビュルッ ビュルルッ ビュルルルルッ!
天使「んっ……んぐ……んぐ……んぐ……」
大量に放たれた白濁液を、天使は臆することなく、一滴こぼさずに飲み込む。
そしていつも天使がされているように、さらに精を搾ろうと、亀頭をなぶり、玉を転がし、亀頭の付け根をマッサージして前立腺を外から刺激し、サオをしごきあげて絶頂を迎えた男に追い打ちをかける。
男「ちょ、まって……まて……んああああっ!」
ビュルルルルッ!
まて、やめて、それに嬌声は、天使と悪魔が愛を交わすときに、どうしてももれ出してしまう言葉だった。
自分の口で性感を受け、男が気持ちよくなっていることに天使は悦び、さらに口撃をつづける。
男「あ、イく……また出る……あああ……あ」
ビュルルルッ!
毎晩淫魔になぶられていた男の精力にはまだ余裕があったが、それ以前に加減を知らずにたたき付けられる性感は、淫魔のあたえるそれとは全く異なっていた。
おそらく、天使もこのように搾られているのだろう。
しかし、初めて他人のペニスに手をかけた天使の愛撫には、加減も余裕もない。
快感を男に渡せることがうれしく、天使は一心不乱に愛撫し、結果。
男の思考はすでに白く塗りつぶされ、限界を迎えた。
男「も……だめ、だ……あ……」
ビュルルルルッ! ちょろろろろろ……
天使「んんん? ……んっく、んっく、んっく……んっく……ぷは」
精液とは異質な液体。
天使にはない排泄物が、男の先端から口の中に放たれた。
しかし天使はイヤな顔ひとつすることなく、精液と同様に一滴こぼさずに飲みきる。
天使「これは……おしっこ?」
男の物を飲んだくちびるに、指先を当て、天使は考える。
同居するハーフデーモンの少女たちがどのようなときに尿を漏らすのかを察し、飛び上がって男を見た。
259 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:44:45.05 ID:9DPBEt7do
さっきまで上体を起こしていた男は、廊下のベッドに完全に脱力してのびていた。
天使「男さまっ!」
男の身体をよじ登り、天使は腹部にまたがって、顔をのぞき込む。
天使「男さま、ごめんなさい!」
愛撫の加減を間違えた。
天使は失敗に背筋が寒くなる思いだったが、男の手が天使の頭をポンポンとなでる。
男「いや、上手かったよ。ちょっと強すぎだけどな。気にするな」
軽く叩いていた手を、天使の柔らかな金髪に乗せ、なでる。
天使「ん……男さま……んぅ……あれ? ……」
なでられるままだった天使の顔にとろみが付き、とたんに男の胸に、天使の身体が落下した。
男「うっ……天使、どうした?」
天使「……飲んじゃいました……男さまの精液……身体が……ピリピリします」
男の身体の上で、天使の小さな身体はふえるえていた。
天使の性器は、男の下腹部に天使の体重で押さえつけられ、痛そうなほどに硬く膨らんでいるのがわかる。
男「天使、おまえさ、おれとどうしたいんだ?」
天使「え?」
男「おれのを受け入れたいのか、おれに入れたいのか」
天使「……男さまの、ほしいです」
男「……そうだよな」
少しホッとしながら、男は腹の上に乗った、天使の服の裾をまくる。
天使「あ……」
男「ここは、どうなんだ?」
男の手が天使の肛門に伸び、くるくると穴の周りをもみほぐす。
天使「んは……ううぅ……」
さらに粘膜を押しのけ、傷つけないように気をつけながら男の指は天使の中に潜り込む。
260 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:45:46.60 ID:9DPBEt7do
柔らかな粘膜は熱くしめっていて、潤滑は十分だった。
男「ほら、起こすぞ」
しがみつく天使を支え、男は上体を起こす。
天使の身体はくたくたに脱力し、熱をおびて、苦しそうに荒い息をする。
男「大丈夫か? 天使」
天使「はう……男さま……」
男が目を見るだけで、天使は快感を受けてしまうらしく、男の腿の上の身体が小刻みに震える。
男「ちょっと、待つか。なあ、天使」
男はそう言って、天使の肩と腰を手前に引いて抱き寄せる。
すると、ズボンから出ていた男の性器が天使の服に入り込み、ぷるぷるに勃起した小ぶりのペニスとキスをする。
天使「んああああっ!?」
ピュルルッ ビュルルルルッ!
突然の性器同士の接触に、天使は絶頂し、服の内側と、双方の性器、さらに男のズボンをぐしゃぐしゃに汚す。
男「あ……ご、ごめん天使」
絶頂に震える天使の肩を抱き、不用意な動きで服を汚させてしまったことを、男は後悔した。
案の定、天使は男の肩に手をかけ、少し押して男の身体から離れる意思を見せた。
その動きをくみ取り、男は天使の肩をすこし前に離す。
男「もう、気にするなよ? どうせこういうコトすれば汚れるんだ」
また自分の精液を舐めかねない天使に、男は釘を刺したつもりだったが、天使の様子がおかしい。
身体はひどく熱を持っているのに、身体が震えて奥歯がカチカチ鳴っている。
男「おい、天使、大丈夫か?」
天使「おとこさ……ま……もう、わたし……ほしい……です」
細い手足を子鹿のように振るわせて、男との間に白い粘液の糸を引きながら、天使は腰を持ち上げると、硬く屹立する男の性器にすぼまりの入り口を当て、力尽きるように腰を落とした。
261 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:47:13.11 ID:9DPBEt7do
しかし、女性器よりも入り口が硬い肛門に、しっかりと先端を当てることなくすべり落としても挿入できるわけがなく、男の性器は天使の玉をすり上げて、天使の身体の前側に飛び出た。
天使「あうぅ……もう、いちど……」
つらそうに身体を持ち上げ、再び男の性器に座り込むが、今度は天使の尻側に男自身が飛び出した。
天使「ううぅ……ほしい……のに……おとこさま……の……あうぅ」
天使がまた泣きそうになるので、男は天使の腰に手を回し、持ち上げると、肛門に先端を食い込ませる。
自分の腰を動かし、すぼまりが先端をくわえ込んだと確認する。
男「ほら、そのまま尻を下げて」
天使「は……はい。男さま」
天使はおそるおそる腰を下げるが、亀頭がいっぱいに肛門を広げるとその感触に力尽きて男の腿に落下した。
今度こそ、男の性器は天使の体内に入り込み、柔らかな直腸が男の性器を包み込んだ。
天使「くぅ……男さまの、入ってます」
男「天使の中、熱いな。動けるか?」
天使「はい……」
男にうながされ、天使は腰を動かそうとするが、脱力した身体を貫かれ、健康な脚も腕も体重を支えることさえ難しいようだ。
天使「はうぅ……男さまぁ……ううう……男さまのおちんちん、入ってるのに、ほんとうにはいってるのに……」
鳴き声に泣き声の混じり始めた天使の顔を肩に抱き寄せ、男は頭をなでる。
男「ほら、なんでそんなに泣くんだよ」
天使「ううぅ、男さまの、気持ちよくしてさし上げたいんです」
男「いや、天使の中、気持ちいいぞ? あったかくて、よく締まって」
天使「もっと、もっとよくしてさし上げたい」
男「そうか……」
ポンポンと天使の肩をだくと、男はささやく。
男「動くとちょっとキツいぞ? ガマンできるか?」
天使「はい」
天使の頭を肩に抱いたまま、男は腰を動かし始める。
262 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:48:09.00 ID:9DPBEt7do
身体全体で跳ねるのではなく、腰だけをゆっくりと前後させ、天使の肛門をこね上げ、かき回す。
天使「ふうぅ……はあぁ……あうぅ……」
男「どうだ?」
天使「ううう、男さま、すごいです……」
空を飛ぶ天使の身体は、羽のように軽く、男は天使の体重に邪魔されることなく、自由に腰を使えた。
そして、男の腰使いは天使を急速に追い込んだ。
天使「んあああっ……あうっ……くああっ」
男「天使、どうだ?」
天使「は……い、きもち、いいです……ああっ」
男「おれも、けっこう……よし……このまま……」
天使「あぅ……だめです……おとこさま、わたしもうっ……でそう」
男「だせばいいじゃないか……ほらっ!」
突き上げると、天使は悲鳴を上げる。
天使「ひゃあああっ! だめですっ だめええっ! またおとこさまのおめしものを……」
男「じゃあ、やめろってのか?」
腰を止め、男が不機嫌に言うと、天使は泣きそうになりながら首を振るう。
天使「だって……だってええ……きゃああっ!」
男の手が、天使の服をめくりあげ、天使のペニスをしごきあげた。
もう片手は天使の腰に回して天使の身体を固定すると、またに腰を動かす。
天使「やめてくだ……さい……もう、だめ、です」
目をかたくつむり、快感に耐える小さな天使を、男は責める。
陰茎をしごく手に力を込め、時たま親指で、精液と先走りでぬるぬるのピンクの亀頭をなで上げる。
天使「ひあっ!? おとこさ……それ、さきっぽ、だめえええっ!」
そのたびに天使の身体はビクンビクンとけいれんを繰り返す。
男は天使の肛門の性器側、前立腺がぷっくりと射精の用意に膨らみ始めたのを感じ、天使の身体を気持ち足側に突き放す。
263 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:49:08.81 ID:9DPBEt7do
男の陰茎に、天使の前立腺は圧迫され、こすりあげられ、天使は目を見開いて男を見つめ、その目をきつく閉じ、男の上で抱えるように四肢を丸め……
天使「くる……きます……あっ……あっああああああっ!」
ビュルルルッ! ビュルルルルルルルッ!
男に性器と肛門を責めあげられ、天使は精液を大量に噴き出し、しかし胎児のように身体を小さく丸めて、かわいらしく絶頂した。
直腸が蠕動し、挿入された性器を締め付けた。
しかし、あと一歩のところで、男は射精に至れない。
天使「あふ……あああ……ああ……」
絶頂からおりてきた天使の全身が脱力し、落ち着くのを見計らい、男はたずねる。
男「天使、どうだ?」
天使「はふ、きもち……よかられす」
男「そうか……なあ、おれまだなんだけど、天使、もうちょっとガマンできるか?」
天使「はぃ……もっろ、あいひてくらはいまへ」
男「よし……でも、どうすりゃいいんだ、これ」
はじめてする同性とのセックスに、男は戸惑いを覚えていた。
男「えっと、このままだと天使が軽すぎて挿入しづらいから、おれが上に……正常位は、ちょっとキツいか……脚持ち上げるのは、自信ないしなあ……」
天使の上気したほほをなでながら、男は考える。
男「ええと、ああ、そっか後ろからすれば良いのか……ちょっと天使、まわすぞ」
天使の右脚をひざを抱くように胸に付け、男は右手で天使の右膝を持つと、挿入したまま回転させ、天使の身体を背中から抱きとめる。
天使「ふぁ……」
急な転換に驚き、絶頂間もない腸壁をすりあげられて、天使が軽くけいれんする。
男は天使が落ち着くのを待って、天使の肩と腰を抱きながら、そのままよこに倒れた。
264 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:52:16.26 ID:9DPBEt7do
天使の脱力した身体を下敷きに、男は両手足を天使の身体の周りに突き立てて、四つん這いに身体を支える。
男の身体に潰される格好となる天使の耳元で、男は不安げにたずねる。
男「苦しくないか?」
天使「だいじょうぶ……です」
男「そうか、つらかったらその……言ってくれよ……いくぞ」
男は体重をかけて、天使のアヌスに性器を打ち込む。
天使「ひああっ?」
男「まだ、まだっ!」
ずんずんずん と、正常位の女性にするように、男は天使の肛門を、体重を乗せて突き崩す。
羽のように軽い天使の身体での座位は楽だが、しかし深い挿入感はえられない。
あまり激しく動かそうとしても、天使を責めることはできるだろうが男が絶頂にたどり着くのは少し時間がかかりそうだった。
天使「うあ……ああ……おとこさ、ま……」
もはや陥落し、うめくだけとなった天使の身体に、男は負担をかけたくなかった。だからといって、天使から抜いてはいおしまいでは、天使があまりにもかわいそうだった。
男は天使の中で絶頂に上り詰めるため、天使を突きまくる。
男「う……くっ……天使、大丈夫か?」
天使「は……い……な、んとか」
男「よしこのまま……」
男は腰を深く打ち付け、腰の奥からわき出る射精を感じ、天使の奥底に解き放った。
ビュルルルルルッ!
天使「くは……あ……あああ……おとこさまの……わたしのなかで……あああ……」
男「ふうっ……はあっ……くっ……あ……」
天使「ああ、おとこ……さま……」
身体の下で、身をよじる天使の頭に男は手を伸ばし、髪をなでて耳を触り、ほほにふれて、くちびるに至った。
天使のくちびるの形をなぞっていると、天使は男の指にキスして、口の中にくわえ、舌で愛撫し始めた。
男「はは、天使、それ好きなのか?」
天使「ちゅ……は、はい……ん……ちゅる……」
男「そっか」
男は指に吸い付く天使の頭をなで、少しずつ勢いを失っていく男性器を包み込んだ天使の身体を感じていた。
265 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:53:28.27 ID:9DPBEt7do
男が顔を上げると、淫魔が立っていた。
淫魔はしっかりと服を着ていて、ハダカでサンドイッチになっているふたりの少年を楽しげに見下ろしていた。
淫魔「んふふ、お楽しみでしたね」
男「う……ま、まあな!」
淫魔「体重の軽い天使をどうやって抱くかは興味があったけど、うん。けっこうちゃんとできたね。えらいえらい」
ぽんぽん、と男の頭をなで、さらにその下の天使の顔に触れ、淫魔はたずねる。
淫魔「ねえ天使、もっとしたい?」
天使「は……い……もっと、きもち、よく」
男「いや、それも良いけど。天使、おまえはちょっと休憩しろ」
天使「いいえ……」
男「しょうがないな……じゃあ、このまま……」
男はさらに天使を責めようと、弱りかけていたいちもつに気合いを入れる。
淫魔「いや、ちょっと待って。男、そのままじゃ動きにくいでしょ? ズボン脱がすよ?」
男の後ろに回り込み、淫魔は手早くベルトを外し、男の下着まで器用に抜き取る。
さらに、淫魔は天使にたずねた。
淫魔「ねえ、もっと気持ちよくならさ、前と後ろからでも良いよね?」
男の身体の下で、天使はうなずく。
男「前後からなら、おれの下敷きじゃまずいだろ」
上体を起こそうとする男の背中に淫魔の手があたる。
淫魔「男はそのままで良いよ?」
男「は? 何言ってんだ。このままじゃ天使の……おい」
服を抜き取られ、天使の身体をまたぐのに脚を広げた男の尻に、非常に熱くて硬い、ぬるぬるしたものの、おそらく先端が押し当てられた。
266 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:55:21.86 ID:9DPBEt7do
男「なんかおれの尻にあたってるんだが……」
淫魔「わたしの、だよ……それっ!」
愛撫もなしに、淫魔は男の肛門に、肥大化したクリトリスを挿入した。
男「ぐあ……は、前後からって、おれ……」
淫魔「んふーっ! 修道女の食べそこねちゃったから、ぜんぜんおさまらなくてさ……では、いただきます」
がっしがしと淫魔が腰を動かし始めると、突かれた男の身体も大きく動き、下敷きになった天使がうめき声を上げる。
男「まて、待て! 天使がきつそうなんだ、せめて体力が戻るまで待ってやってくれ!」
男のペニスをくわえ込む、天使の肛門が、きゅんと締まる。
淫魔「ふふふ、男はやさしいね。それなら、天使が元気なら、何も問題ないんだね?」
男の後ろで淫魔が指を鳴らすと、下敷きになった天使が四肢を動かし始めた。
淫魔「ふふ、今晩だけの特別サービス。天使、男の精液の効きを弱めたよ。さ、男にしてあげたかったこと、たっぷりしてあげて」
天使「わ、ありがとう淫魔! ……ほら、男さま、コレ、どうですか?」
天使の直腸が、男の陰茎をしめながら吸い上げ、そしてうねり、根元から亀頭までのツボを総当たりに責めあげる。
男「うええええ!? て、天使……中が……くあああっ!」
天使「よかった。気持ちいいんですね。こうすると、みんなすっごくよろこんでくれるんです」
天使の直腸の不規則な動きは、男に快感への身構えを許さない。
ノーガードにめちゃくちゃに撃ち込まれる重いパンチのように、男を追い詰め、高みに持ち上げてゆく。
しかも。
淫魔「んっふ、やっぱり調教したかいあったなあ……男の中、気持ちいい……それそれそれっ!」
天使にのしかかる男の上にさらに淫魔は乗り上げ、男の肛門をめちゃくちゃに突き壊し、快感に突き落とそうとする。
男「ぐえ……いんま、てんしがしたじき……もっとゆっくり……」
天使「わたしは大丈夫ですよ? 身体丈夫ですから、男さまなら100人乗ってもへっちゃらです……ほら、これはどうですか?」
そう言うと、天使の腸の動きがまた変わる。
淫魔の術により、男の精液の媚薬効果を押さえられた天使は、快感に相当の耐性があるようで、男の陰茎を冷静に責めあげる。
肛門は、なめらかに出入りする淫魔の剛直が蹂躙し、男に逃げ場はなかった。
267 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:57:31.18 ID:9DPBEt7do
男の前立腺の緊張をクリトリスで感じ、淫魔は男の耳元でささやく。
淫魔「んふ、男のオトコノコ、もすぐ来るね……」
天使に吸われ、淫魔にえぐられ、男は絶頂に引きずり込まれる。
男「ああ……でる……でるうう……」
ビュルルルルッ ビュルルルルルルルッ!
天使「んは、男さまの、たくさん出てます……もっとください……」
よろこびの声を上げ、天使はさらに直腸をうねらせる。
淫魔は腰の動きをさらに速め、男の奥底で本気汁をぶちまけた。
淫魔「んっは……でる……んあっ……んーっ!」
ドプッ ドプッ ドププッ!
男は人間を快楽に狂わせる濃厚な淫魔の蜜が、腸内に染みこむのを感じた。
天使「男さま、もっと締め上げて、もっと搾ってさしあげます」
淫魔「男、わたしのこれ、もっと大きくしてもいいよね?」
天使と悪魔が、男の前後でささやく。
天国と地獄、どちらに行くにしろ、もう命はないと男は悟った。
268 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 12:59:13.05 ID:9DPBEt7do
折られ、たたまれ、ひっくり返され、様々な体勢で挿入され、搾られた後、脱力した男は結局、修道女と同じ体勢、アナルでの背面座位に持ち込まれていた。
修道女と違うのは、肛門を犯すのが淫魔で、うれしそうに男の性器をもてあそぶのが天使であるということ。
淫魔の本気汁は男の男性機能を異常に活性化させた。
抱きつくように男にしがみつく天使は、巧みに男の精液をしぼりつづけ、ときおり男の口内に深く舌をねじ込んで、ディープキスをする。
男「げあ……んぷ……おえぇ……」
天使「男さまぁ……んちゅ……れろ……」
くいくいと、天使がかわいらしいお尻を振るたびに、二回りほども大きな男の身体がけいれんし、天使の直腸内に愛をかえす。
男「あ……ああー……」
ビュルルルルッ ビュルルルルルッ!
天使「こんなにたくさん……もっともっとください……」
すでに腹一杯に精液をおさめながら、それでもなお吸い取ろうとする天使を淫魔が止めた。
淫魔「天使、悪いけど、そろそろ修道女が戻ってくる。遠くないうちにまた呼んであげるから、今日はここまで」
男の直腸から淫魔がクリトリスを引き抜くと、男は支えを失って天使の方へと倒れ込んだ。
肛門から淫魔の本気汁を噴き出す男の身体を受け止め、天使はベッドに寝かせた。
天使「あ……垂れてくる……」
長時間男の物をくわえていた天使の肛門もわずかに口が開き、天使の内腿を男の白濁液がつたった。
淫魔「これ使って」
淫魔は中空から、黒いベルトでできたパンツのような道具を取り出すと、天使に渡した。
269 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 13:01:19.60 ID:9DPBEt7do
天使「なんだこれ?」
淫魔「アナルプラグ付きの貞操帯。おちんちんは普通にそとに出るから。これで魔界まで男の精液を持って帰れるよ」
天使「ああ、そうか! みんなにおみやげだ……えっと、これ、どうやってつけるんだ?」
淫魔「穿かせてあげる」
淫魔はベッドに広げるように貞操帯を置き、ベルトの輪に天使の両足を置かせて引き上げる。
貞操帯の内側、尻の穴をふさぐのに特化したアナルプラグを天使の肛門に押し込む。
天使「うわ……大っきい……くうっ!」
つっぷん
天使の肛門にプラグを差し込み、しっかりと栓をすると、淫魔はベルトを締め、へその下で鍵をかける。
肛門はしっかりと栓がされるが、ベルトは男性器を避ける構造になっていて、天使の性器はそのまま露出していた。
淫魔「はい、これで外れない。外すときはこの鍵を使って。あと、これ」
淫魔は貞操帯の鍵といっしょに手紙を天使に渡す。
淫魔「みんなに渡して」
天使「わかった」
天使はいまだに勃起のおさまらない男性器を丈の短い服に苦労して納めると、男にもう一度キスをした。
淫魔は天使にうなずくと、指をくるくる回して、魔界への門を開いた。
淫魔「ほら、みんなのトコロに一直線。早く帰りな」
天使はなごり惜しそうに男をちらと見て、中空に浮かぶ黒い穴の前で一瞬立ち止まり、淫魔を振り返るとつぶやくように言った。
270 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 13:02:02.00 ID:9DPBEt7do
天使「淫魔……ありがとう」
答えも聞かず天使は黒い穴に飛び込み、すぐに門は閉じた。
淫魔「ありゃ、けっこう素直になってるじゃない……貞操帯のおしおき、いらなかったかな?」
淫魔は天国へ行ってまだ帰ってこない男を見て、さらにつぶやく。
淫魔「ま、いっか」
淫魔が指で輪を作り、パチンと鳴らすと、廊下の床はベッドからもとにもどり、男の服装も整えられた。
学校中に残された、淫魔と修道女の戦いの後もきれいに消え去る。
快感でぶち壊れていた男も我に返り、床から起き上がった。
淫魔「男、おつかれ」
男「まったくだ。好き勝手にしやがって……うう、まだ余韻が残ってる」
淫魔「んふふ、お疲れついでに、もうちょっとがんばって」
男「ん?」
淫魔「幼馴染、あしたまで起きないから」
男「ああ、家に連れてってやらないとな……おぶってくよ」
淫魔「よろしく。わたしは後始末してから追いかけるから」
男「後始末?」
淫魔「修道女がここに戻ってくるの。さ、行った行った」
男は心得たらしく、眠る幼馴染を器用におぶうと、玄関へと歩いて行った。
淫魔「さて」
床に落ちていた修道女の十字架の短剣を拾い上げ、胸に抱いて、淫魔は修道女を待つ。
月のきれいな晩だった。
271 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 13:03:59.68 ID:9DPBEt7do
魔界の天使と15姉妹の家
食道を兼ねた玄関のホールに15姉妹は集まり、テーブルの周りのソファやクッションにすっぱだかで寝転がっていた。
みんな、いつもの元気はなく、空腹に、さみしそうにお腹をなでている。
天使に1週間の射精禁止をしていたので、少女たちはこの6日間、天使の精液を飲めなかった。
1日目は、久しぶりの外食と、みなそれぞれのいろいろなところで精を吸い取ったのだが、量も味も、何より愛情も、天使にははるかにおよばなかった。少女たちは天使以外の精液では、満足できなくなっていた。
2日目以降、少女たちは自分たちで料理を作り、天使といっしょに食事して、かろうじて飢えをしのいでいたのだ。
そして1週間が経とうといういま、そろそろ精液のガマンも限界に来ていた。
15号「お腹すいた」
14号「あと少しだから、がんばって……」
13号「もう、そろそろのはずだけど」
12号「天使ったら、いつまで待たせるのかしら」
11号「マジ死にそう。他のヤツのなんてカンベンだし」
10号「あら、男父様のはいらないの?」
9号「天使は、男父様の精液をお腹にたっぷり入れて帰るはず」
8号「お袋の味。ふふふ、1週間ガマンしたかいがある」
7号「おいしいの……たっぷり……みんなでわけっこしましょ」
6号「天使、まだかなー?」
5号「……門」
4号「お、テーブルの真上じゃん。淫魔様、さっすが」
3号「夜食は美容の大敵なのに……みんな……」
2号「それなら3号は寝てけっこうですよ?」
1号「こら、そんないじわるを言うな。来るぞ……」
272 :
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[saga]:2011/11/13(日) 13:05:34.99 ID:9DPBEt7do
淫魔の作った魔界への門は術の練度が高かった。通路は広く、歩きやすく、その距離も短かい。
通路の出口は、魔界の天使と少女たちの家。その食卓の真ん中だった。
最後の一歩を踏み出した天使は、すとんと食卓兼ベッドに落下した。
天使「わっ……きゃ!」
全裸の少女たちがベッドに上がり、わらわらと天使を取り囲む。
1号「よく帰ったな。おかえり」
2号「うわ、精液のにおいがすっごい。たくさん出したのね」
3号「いいなぁ……あ、男父様の香りも」
4号「本当だ! ああ、懐かしいにおいだなあ」
5号「……」ペロン
5号が天使の服の裾をめくると、みなの表情が曇った。
6号「な、なんだこりゃ!?」
7号「パンツ……いえ……貞操帯?」
8号「な、なんでこんなもの穿いてるんだ?」
9号「男父様の精液、天使の中にあるのに、これじゃあ……」
10号「淫魔様、何をお考えでらっしゃるのかしら」
11号「ん? 天使、それって手紙?」
12号「あら、カギもあるわね」
13号「私たちに渡せって? なんだろ?」
14号「これは、貞操帯のカギね。でもどうして?」
15号「天使、それ、痛くないの?」
硬そうな貞操帯は天使の下腹部をがっちりと固定しており、15号は心配した。
天使「大丈夫。全然痛くないし、動くのにも不自由ない……あ、あれ?」
ベッドに座っていた天使の上体が、ぽてっと倒れ込んだ。
273 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 13:07:13.27 ID:9DPBEt7do
やわらかな尻肉を震えさせ、天使は嬌声を上げる。
天使「か……からだ、ちから……入らない……んああああっ!」
ビュルルルルルルルッ!
はち切れんばかりに勃起していた天使の性器から、真上に向かって噴水のように精液が噴出し、周りの少女たちに降りかかった。
15号「わ……ぺろ……おいしい……」
14号「天使、大丈夫?」
13号「えっと、淫魔様の手紙を読もうよ」
12号「そうね、〜みなさん、1週間の射精禁止ご苦労様〜」
11号「マジで。マジでご苦労様だったんですけど」
10号「ええと、〜おかげで天使を味わえました〜」
9号「〜いま天使は男の精液をたっぷり飲んでます〜 うん、そのようだね」
8号「ふむ、〜男の精液は天使には媚薬。お尻に栓をすれば、媚薬は出ない〜」
7号「そして……〜つまり貞操帯を付けている限り、天使は媚薬漬けです〜」
6号「〜それで、みんなにお礼とごほうびです〜 ……か」
5号「……?」
4号「〜貞操帯のカギ、あげます〜 ってことは、つまり」
3号「貞操帯を外さなければ、天使は媚薬付け……」
2号「私たちが満足するまで、飲み放題ってことですか」
1号「なるほど、ごほうびだな」
274 :
淫魔「3号のセリフ、媚薬付け→媚薬漬け だね。こまかいけど、大切。んふふ」
[saga]:2011/11/13(日) 13:09:53.06 ID:9DPBEt7do
大量の男の精液を詰め込んだ天使は、淫魔の媚薬低減の術が切れ、腹の中を焼かれるほどの快感にもだえていた。
天使「でる……またでるううううっ!」
ビュルルルルルルルッ!
身体は緊張し張りつめ、媚薬漬けの性器からはさわらなくても精液が噴き出しつづける。
天使「男さまの精液……お腹の中で……14号、コレ、外して……あ、またでる……」
ビュルルルルルルルルルッ!
しかし、14号は貞操帯のカギを手紙といっしょに封筒に入れ、遠くに放り投げてしまった。
天使「え……ど、どうして……? んはああああっ!」
ビュルルルルルルルルルッ!
15号「天使の、外してあげないの?」
14号「ふふふ、コレを付けてれば、天使は精液出しっぱなしなの」
13号「飲み放題……やった! 飲み放題!」
12号「ふふ、天使、良い顔してる……」
11号「でもさ、男父様の精液は?」
10号「貞操帯をしてたら、飲めないわね」
9号「天使のおなかで熟成させる」
8号「熟成! そうか、それなら簡単に取るわけにはいかんな」
7号「1週間……出さなかった……1週間……出しっ放し」
6号「1週間飲み放題! うむ、それは良いな!」
5号「……」ジュルリ
4号「あはは! 天使、そんなによろこぶなよ」
3号「私たちもう、おなかすいて、ガマンできないの」
2号「たしかにごほうびですね。私たちには」
1号「うむ! それではみな、声を合わせて……」
いただきま〜す!
天使「や、やめ、たすけ……あ、またでるっ! んっはあああああっ!」
ビュルルルルルッ!
ちゅぱっ ちゅるるるる
ビュルルルルルッ!
ちゅーちゅー ぺろぺろ……
ビュルルルルルッ!
……
飲んでも飲んでも出てくる、天使の精液に、15姉妹は大満足。
精液断ちしていた分もあっという間に取り返し、みんなつやつやになったとさ。
めでたしめでたし。この章おわる。
しかし、ひどい話もあったもんだ。
275 :
『男「しゃぶれ」 天使「はいっ! ご奉仕しますっ!」』のあとがき
[saga]:2011/11/13(日) 13:15:01.59 ID:9DPBEt7do
淫魔「お腹すいた……精液欲しい…… みなさんこんにちは。淫魔です。いまは作者の代理です。
『男「しゃぶれ」 天使「はいっ! ご奉仕しますっ!」』
いかがでしたでしょうか。
私の中の人は、SSも、エロSSも、もちろんホモSSも、初めてなので、つたない出来とは思いますが、楽しんでいただけたら幸いです。
まさかわたしがオトコノコ同士のエッチを書くことになるとは、想像していませんでした。はい。
ぶっちゃけ、男の快楽ってよくわかんないので、オンナノコが出てこないと、筆が乗りません。
だからわたしは腐女子ではない! うん。確認……んふふ。
さてこのSS、エロしかありませんが、けっこう重要なのがエロの前、天使と男の語らいであったりします。15姉妹と愛を交わすようになり、愛をえられた一方でアイデンティティの危機にさらされていた天使を、男はさらっと救ってしまいます。
まあ、あまりにも簡単に救えてしまえているあたり、お話なのでご勘弁を。そういう深みが欲しい人は、ロシア文学とか読んでください。わたしに求めないでください。ごめんなさい。ちょっとオナってきます。
……んっ……あ……
さて!
今回は、キャラクター紹介はなしですね。新キャラもいないし。
まめちしき
淫魔がふたりのセックスをうながすときに言った、ソドムってねー と言う言葉は、むかしむかし、ホモセックスのしすぎで神に滅ぼされた町の名前です。聖書に出てきます。
男性の同性愛者をして、ゲイとか、ホモとか、オカマなど呼び方がありますが、ソドムというのは男性同性愛者を指す言葉のひとつとして使われています。
しかし、それがどの程度の侮蔑を含んだ表現なのかわからないので、男性同性愛者はゲイと呼ぶのが妥当です。
近況報告! (生存戦略のノリで)
今後の展開として、修道女のストーリーに相当するものを書いてます。
あとは、前スレ
『男「あうぅ……手首切るの気持ちぃ……」 淫魔「……」 』
では、始まり方で損をしている、読むのをやめた人が多いのでは? という旨のご意見がありました。
前スレからの誘導を大失敗してしまったので、前スレの保守支援のお礼も兼ねて、オーソドックスな始まり方をする淫魔のエロSSを、VIPに投下しようと画策してます。
こっちはもう書けたので、後はスレ立てるだけ……と思いきや、水遁の術をされたらしく、忍者のレベルが1になってます……スレ立て代行でも頼もうかと。
やり方はよくわかりませんが、SSのスレ立て代行も頼めるのでしょうか……?
……調べてみます。
そんなところです。
それではみなさま。わたしはお昼食べてきます。
なにがいいかなー? ザーサイラーメンかな? ハニートーストとミルクセーキもいいかなー? ……んふふ」
276 :
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:2011/11/13(日) 13:18:27.95 ID:fqU6QHNqo
天使きゅんかわいいんやで
277 :
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[sage]:2011/11/13(日) 13:50:53.72 ID:ZoXhvpaIO
沖縄に行けばこれを書いてるおっさんに会えるのか…胸熱
278 :
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(東京都)
[sage]:2011/11/13(日) 13:53:59.13 ID:mbjy+d0Ho
つ超乙
279 :
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(埼玉県)
[sage]:2011/11/13(日) 14:33:02.84 ID:StkZBHrko
男の出産話が見たいです
280 :
淫魔「男の出産? ロリふたなりのかい? なんとマニアックな……んふふ」
[saga]:2011/11/13(日) 14:39:05.44 ID:9DPBEt7do
インターミッション
幼馴染「うわぁ……」ドキドキ
男「幼馴染。パソコンで何読んでるんだ?」
幼馴染「うっひゃあ! 男!」
男「えっと……『男「しゃぶれよ」 天使「はいっ! ご奉仕しますっ!」』……って、これはもしや……」
幼馴染「え、えっとね、淫魔さんがこの間学校であったことを教えてくれて……、で、コレ読んでみろって」
男「な……ななな! おい! 淫魔!」
淫魔「そんなに怒んないでよ。幼馴染についてはちゃんとカットしてあるからさ」ヒソッ
男「カットしてある? それなら何でこんな……」
幼馴染「ね、ねえ淫魔さん。男が、天使きゅんと淫魔さんに責められてるシーンって、動画とかはないの?」
淫魔「あるよ? HD画質のノーカットが」
男「お、おい、いつの間に撮影なんかして……」
幼馴染「ちょうだいっ! 見せてっ!」
淫魔「んふふ、いいけど、タダでは渡せないなあ」
幼馴染「なに? 何が欲しいの?」
淫魔「んふふ、あなたの部屋に、一晩泊まりたい。あなたと一晩過ごしたい」
男「おまえ! 幼馴染! やめろ!」
幼馴染「え? お泊まり? いいよ。おいで」
淫魔「んふふ、契約成立。それじゃ今晩行くからね」
幼馴染「うん。待ってる」
男「ああああ、うわああああああ……幼馴染が汚されるぅぅぅ……」
その晩、幼馴染の部屋
幼馴染「きゃー! 天使きゅん、お尻に入れられて射精しちゃってるー」
淫魔「んふふ、このとき男もイってたんだよ」
幼馴染「うそ、じゃあいっしょに?」
淫魔「ふたりとも、イきながら腰動かしてるよね……んふふ」
幼馴染「いやーん、えっちぃ……」
淫魔「ビデオはまだまだあるからね。朝まで行くよー!」
幼馴染「おーっ!」
オンナたちの宴は、朝までつづいたという……
しかし話はつづかない。
本編にも関係はない。
281 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/13(日) 16:08:33.89 ID:9DPBEt7do
淫魔「現在、VIPにて、このスレの前日談を投稿しています。
『淫魔「あなたのはじめて、ぜんぶちょうだい」 男「な……」』
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1321165528/
よかったら、見に来てね。
代行してくれた方、ありがとうございました。……んふふ」
282 :
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[sage]:2011/11/13(日) 16:22:33.47 ID:00DN4fjIO
代行しても構わないぞ
283 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/13(日) 16:23:19.26 ID:00DN4fjIO
>>282
なかったことに
284 :
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(東京都)
[sage]:2011/11/13(日) 21:51:19.24 ID:mbjy+d0Ho
>>1
何か聞きたい事があるなら、こっちが……
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318500386/
285 :
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(千葉県)
[sage]:2011/11/14(月) 10:01:47.01 ID:HFEStgZwo
きにすんなよ?
286 :
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(チベット自治区)
[sage]:2011/11/14(月) 10:12:11.85 ID:eD8h7dHSo
失敗は誰でもある
287 :
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(千葉県)
[sage]:2011/11/14(月) 19:45:37.79 ID:wb3Cn8UR0
相手が悪かっただけだ
288 :
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(富山県)
[sage]:2011/11/14(月) 21:38:29.51 ID:75BUIi4Xo
>>281
もうなかった...
完結したの?
289 :
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(沖縄県)
[saga sage]:2011/11/14(月) 23:59:37.42 ID:dNr9YuIyo
インターミッション
男の部屋。 男はハダカで縛られて転がっている。
淫魔「んふふ、麦は踏まれて強くなる。太鼓は打たねば音出さず。男は、それはそれはいい声で鳴くんだよ?」
男「んうーっ! んーっ!」
幼馴染「淫魔さん、こんなことしていいのかな?」
淫魔「本当にいやなら、こんなにギンギンにはならないでしょ?」
男「んぐっ……!」カアアッ
幼馴染「でも、ムチはちょっと痛すぎない?」
淫魔「んふふ、ムチゆえの痛さってのもあるの。そして、それが大好きなヒトもいる」
幼馴染「でも……」
淫魔「痛いのは承知の上だって……ねえ、男?」
男「ん、んうーっ!」ブンブン
幼馴染「首、振られちゃったけど」
淫魔「いやよいやよも好きのうちって言うでしょ? ためしに一発、打ってみ?」
幼馴染「う……うん」パシッ!
男「うぐっ! ふーっ! ふーっ! ふー……」ギンギン
淫魔「ほら、大きくなった」
幼馴染「すご……こんなに……」ドキドキ
淫魔「幼馴染、大きくなったおちんちん、踏んであげて」
幼馴染「うん……」ギュム!
男「んっ……んんんんーっ!」ビュルルルルルルッ!
幼馴染「ひゃっ!」
淫魔「ほらね?」
幼馴染「あぅ……男、こういうの、好き……なの?」ゾクゾク……
男「うぐーっ!」ブンブン
幼馴染「やっぱり首振ってるけど」
淫魔「大丈夫。好きになるまで教えてあげればいいの。こういうのも快感なんだって、男に教えてあげて。もちろん、愛を込めてね」
幼馴染「う、うん。やってみる……男、いくよ?」ドキドキ
バシィ! ビシッ! バシィッ!
男「ん……んーっ! んんんーっ!」ビュルルルルッ!
淫魔「ふふ、くっさい……美味しい……んふふ」
オチもないしつづかない。
そしてとくに意味もない。
業務連絡:
淫魔「うぃっす! いろいろお言葉ありがとうございます。淫魔です。今は代理。さて、
>>288
281のスレは一応終わりました。書きため分の投稿はやりきれました。
ほぼエロだけの前日談。淫魔の来た日にお風呂場で、血とかグロは基本無しで、淫魔と男が絡み合うお話。
どこかにまとめられてるのかな? ここでまとめサイトうんぬん言うのもあまりよくないのかな。でも、よろしかったらどうぞ。
いろいろあったけど、どうしても心残りだったのが、スレのあった時間が短時間だったこと。一応書きため分の投稿は、終えられたけど、書きながらさらにあげられる雰囲気でもなかった。VIPの最初のスレを読んでくれた人を、こちらに誘導できなかったかもしれなくて残念。
誘導の失敗は致命的なようなので、次スレへの誘導をきちんとできるようになりたいトコロ。
いろいろSS読んでたら、もうこんな時間。そろそろ寝ます。みなさまおやすみなさい……んふふ」
290 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/15(火) 03:57:35.42 ID:kvuK4H6co
言われるまでもないかもしれないが
まだまだ続けてくれよー
291 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(千葉県)
[sage]:2011/11/15(火) 18:39:54.08 ID:S6LZGWbL0
続き 楽しみに待ってます
292 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(チベット自治区)
[sage]:2011/11/15(火) 23:45:23.20 ID:WSDDwtSJ0
相変わらず超良作だなおい。
アンチは気にすんなよ。
293 :
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[sage]:2011/11/16(水) 10:43:36.04 ID:yfNGikHho
きてたー
つづき期待
294 :
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(千葉県)
[sage]:2011/11/19(土) 02:45:52.78 ID:7QhpsEWdo
まだかな〜
295 :
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(千葉県)
[sage]:2011/11/19(土) 20:26:29.68 ID:uxLkt+l/0
ま〜だだよ
296 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 01:28:27.06 ID:xmJ+lstUo
前口上
淫魔「も〜いい〜よ〜。みなさんこんばんは。淫魔です。今は中の人の代理です。
えーと、長めのSS……この表現自体がむちゃくちゃですが、できました。これから上げて行きますが、設定上での変更があったのでお知らせ。
淫魔のツノについて。
以前は淫魔はツノを出しっぱなしで、外国人だからアクセサリーがどうのとか書いたのですが、その設定は無くします。
翼や尻尾(実登場)と同じく、淫魔の思い通りに、簡単に出し入れ可能になりました。
見せるも隠すも自由自在。時と場合によって、見せたり見せなかったりってことです。
普段人前に出るときは、紫のショートカットが似合うかわいいオンナノコですが、魔の力を振るうときは積極的にツノを見せびらかしていきます。
あと、変更ではなく学校の制服について。
学校生活のシーンが増えるので、お好きな学校の制服をイメージしていただくと、便利かも。
一応、一般的な学校の制服のイメージで書いています。
オンナノコの制服の胸にリボンがあるくらいのファンタジー設定はいいよね。
それでは、
『淫魔「んふふ」 巫女「成敗します!」』
投下して参ります」
297 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 01:30:14.42 ID:xmJ+lstUo
雲間に月の隠れる晩、生暖かい風の吹く初夏の夜。
闇の中に嬌声がひびく。
上気した肌に浮かぶ玉の汗。
少女は腰より長い黒髪を振り乱して、青年のに跨がり腰を振る。
小柄な少女と筋肉質な青年。年齢に若干の差があるが、それはまだ異常な範囲でない。
その部屋に置かれた柱時計の時刻は、真夜中0時のわずかに前。
清潔で柔らかなしとねでの愛の交換は、男女として当然のものだった。
しかし、その場所が異常だった。
神社の本殿。神聖な祭壇の前で少女と青年は交わっていた。
また2人の関係も、そうあるべきものではなかった。青年に馬乗りになった少女は、背を丸めて口づけを交わし、唾液の糸を引かせてささやく。
巫女「……兄さま」
兄と呼ばれた青年も、少女の黒髪を書き上げ、ほほをいとおしげになでる。
禰宜「巫女……きれいだ」
汗の浮かんだ首筋に、夜の光を受けて、少女は確かに美しかった。
なめらかな肌、つややかな黒髪、憂いをおびた瞳。
頬は赤く上気して、兄を見る目には愛情と信頼があふれている。
その視線を苦々しげに受け止め、禰宜は腰を動かす。
巫女「あああっ! 兄さま……もっと!」
小ぶりの乳房を鷲づかみにして、禰宜は巫女を突き上げる。
少女の細い身体が筋肉質な青年の上で飛びはね、巫女は肉の悦びに口を開け、舌を突き出す。
巫女「あはっ! 兄さま、わたし、もうっ! んああああっ!」
絶頂を迎えた少女の膣は、兄の陰茎を締め上げた。
禰宜「くっ……巫女、出るぞ!」
巫女「あああっ! 出して! 兄さまああああ!」
禰宜「巫女! ううっ 出るっ! くうっ!」
ビュルルルルルルッ!
巫女の膣を震わせて、白いほとばしりが胎内に放たれる。
巫女「あは……兄さまの……ふふふ……」
兄をいとおしげに見つめる巫女の目からは涙がこぼれ、妹を見上げる禰宜の目にも同じく涙が流れる。
巫女「ん……くはっ……」
細い腰を上げ、柔らかくなり始めた兄のいちもつを引き抜くと、巫女はいとおしげに吸い付く。
298 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 01:31:17.44 ID:xmJ+lstUo
精を吐き出したばかりの陰茎を舐めあげられ、禰宜は声を上げる。
禰宜「巫女……そんなことまでしなくても……」
巫女「ううん、私がしたいの……ちゅ……ん……」
妹の口内で、兄の陰茎は再び勢いを得た。
巫女は布団にひざ立ちになり、尻肉をかき寄せて兄に見せる。
巫女「兄さま……つぎはこちらで……」
指をすぼまりに入れ、ちゅくちゅくとかき回す。
巫女「おつとめ前に清めておきました。……ね、兄さま、挿れて?」
禰宜は無言でうなずくと、妹の両肩に手を添え、肛門に挿入していく。
巫女「んは……兄さま……今度も、中に……」
禰宜「ああ。わかってる」
妹の肛門を犯す兄の目から涙がこぼれ、巫女の白い肩にあたたかな水滴が落ちる。
巫女「兄さま……泣かないで」
妹は身体を起こして首を振り向かせ、兄と口づけする。
巫女「ん……ちゅ……んふ……」
禰宜「む……ん……んむ……」
唾液の糸を引かせて口を離し、巫女は微笑んだ。
巫女「突いて。兄さま」
うなずくと巫女の細い腰に両手を添え、禰宜は腰を打ち付ける。
肉と肉のぶつかる音、夜の神社にかぼそく、少女の嬌声がひびく。
本殿に置かれた柱時計。針はもうすぐ、0時になろうとしていた。
299 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 01:32:25.29 ID:xmJ+lstUo
男の教室、朝のホームルーム
教室中がざわついていた。
短い間に2人目の転校生。
しかも、このあいだの修道女につづき、とびきりの美少女である。
不思議な紫色のショートカットが、黒板の前でふりふりゆれる。
黒板に名前を書き終わり、少女はみなを振り向き、にっこり笑ってあいさつした。
その笑顔で、教室の4分の3、つまり男子全員と女子の半分が胸を撃ち抜かれた。
淫魔「淫魔です。よろしくお願いします」
うおおおおおおっ!
ガラス窓が割れんばかりの大歓声が、教室中から巻き起こる。
担任は教室が落ち着くのを待って、チラチラと淫魔を見ながら言った。
担任「淫魔さんは、マカイという国からの留学生だ。今の家はどのあたりかな?」
淫魔「はい、男くんのお宅にご厄介になっています」
教室の空気がいったん凍り、教室中の顔が男に集まる。
男「う……」
視線の意味はいろいろ、ただしその大意はひとつ。
うらやましい。
担任までもが羨望の目で男を見、咳払いした。
担任「ともかく、今日から淫魔さんは我々のクラスメイトだ。困ったことがあれば、なんでも言いなさい」
クラス中が、担任の声に応える。
淫魔「なんでも……んふふ、ありがとうございます」
淫魔はぺろと舌をのぞかせ、無垢な笑顔で妖しく笑う
男はその笑顔を見て、頭を抱えた。
300 :
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(チベット自治区)
[sage]:2011/11/20(日) 01:32:26.01 ID:qtsRgMMVo
きてたー!待ってたよ!
301 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 01:33:18.09 ID:xmJ+lstUo
授業後の教室。
淫魔と男は囲まれて、クラス中から質問攻めにされていた。
少年1「本当に男の家に住んでるの?」
淫魔「ええ。ホームステイで、本当によくしていただいてます」
少女1「前はどこに住んでたの?」
淫魔「魔界です」
少年2「へえ、マカイってどこにあるの? 西のほう? ヨーロッパ?」
淫魔「いえ、どちらかと言えば下。もっと近いです。すぐそばにあります」
少女2「下? 南かあ……聞いたことのない国……」
男「そ、それよりもさ、みんな。部活とか、行った方がいいんじゃないか?」
友「うっせえぞ男! 幼馴染だけならいざ知らず、こんな……こんな……うらやましいぞ! ちくしょー!」
少年3「まったくだ! なんで男ばっかり! ふざけんな!」
少女3「でも、同じ屋根の下に住んでるからって言っても、何かあるってワケじゃないんでしょ? 男くん、幼馴染ちゃんと付き合ってるんだし」
淫魔「んふふ……当たり前です」
男「ほらな? 何もないって」
淫魔「……同じ屋根の下に年頃の男女。何もないわけないでしょう?」
ぴし と、その場の空気が凍る。
友「な……なに!? 淫魔さん、今なんて?」
淫魔「ですから、オトコノコとオンナノコが一つ屋根の下。何もない方が不自然です。この間も、私がお風呂に入っていたら……」
少女4「え? なになに? どうしたの?」
少年4「男、ちょっとこっちこい」
男「な、なんだよおまえら……ちょ、まって引きずらないで、乱暴はやめて……きゃああああっ!」
302 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 01:34:02.91 ID:xmJ+lstUo
放課後
頬をさすりながら、男は幼馴染と連れだって学校の廊下を歩く。
男「まったく……淫魔のせいでひどい目にあった」
幼馴染「ふふふ、大変だねえ。でも、ちゃんと誤解は解いてくれたじゃない」
男「最初から誤解受けるようなことを言うなって……くそっ」
ふたりが昇降口にくると、下駄箱に淫魔の姿があった。
男「あいつ、先に帰ったんじゃなかったか?」
幼馴染「そうだよねえ? ……淫魔さーん」
振り向き、淫魔は手元の紙を見せる。
淫魔「ねえ、こんなのが入ってたんだけど……これってやっぱり」
男「うん?」
紙を受け取り、男と幼馴染は目を通す。
「淫魔さま
いても立ってもいられずお手紙を書きました。
今日の放課後、体育館裏に来てください」
「淫魔様
転校生活はいかがですか?
部活終わりの後に、サッカー部の部室横に来てください。
大切な話があります」
「淫魔さんへ
保健室の鍵を開けておきます。
今日、日が落ちてから来なさい」
男「これは……」
幼馴染「ラブレター……なのかな?」
淫魔「やっぱりそうだよねえ……んふふ」
嬉しそうに笑い、レストランのメニューを見るように手紙を眺める淫魔に、男は釘を刺す。
男「おまえが何考えてるかはわかるけど、あんまりひどいことすんなよ?」
淫魔「んふふ、これはわたしと手紙を出してくれたヒトの問題。男には関係ないでしょ? 思うぞんぶん、好き勝手にさせてもらうよ」
男「うぐ……」
幼馴染「淫魔さんに好き勝手にされちゃったら……」
うっとりと淫魔を見つめる幼馴染の手を引いて、男は玄関を出る。
幼馴染「ちょ、男。なんでそんなに急ぐの?」
男「……何が起きるかわからないからな。せめて距離だけはとっておきたい」
幼馴染「むー、淫魔さんのすごいところ、見たいんだけど……」
男「そんなの、おれが付き合うからさ」
幼馴染「それもそっか……アレ、まだあったっけ?」
男「……帰りに買ってくか」
303 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 01:35:38.30 ID:xmJ+lstUo
男と幼馴染が薬局に寄り道しているころ、淫魔は体育館裏に来ていた。
少年1「あ……あの。淫魔さん」
淫魔「あれ? 同じクラスの少年1くん。どうしたの? こんな所に呼び出して」
少年1「そ、それは……転校初日にこんなこと言うのヘンかもしれないけど、あなたが好きなんだ」
淫魔は少年の下腹部をちらと見て、鼻をひくつかせてたずねる。
淫魔「ふふ、今日始めて会ったのに、本当に私で良いの?」
少年1「もちろんだ! あなたは……ごめん。返事はまた今度でいい。転校してきたばかりで、忙しいのに呼び出して、悪かったよ」
心底すまなそうな、自分の失敗を悔いる調子で少年1はうつむく。
淫魔「んふふ。わたしもあなたのこと、好きだよ?」
少年1「え?」
意外そうな声で、少年1が顔をあげると、淫魔は少年1の頬に手を当て、くちびるを奪った。
少年1「んううっ!? ん? ん……ふ……」
淫魔「ちゅるるる……んちゅ……じゅるるる……んふふ、ごちそうさま。それと、いただきます」
口内を蹂躙され、少年1の目は早くもとろけていた。
淫魔「ね、こっち来て」
淫魔は少年1の手を引いて、体育館の裏口から、予備のマットレスを保管する体育館第二倉庫に連れ込む。
マットレス以外には古い陸上用の器具や体育祭の看板くらいしかおかれておらず、人の出入りがほとんどないわりには埃も少ない。
少年1「あ、あの、なにを? ……んぐっ」
倉庫に連れ込んだ少年1に、淫魔はさらに深くキスをし、少年の思考と理性を溶かしていく。
少年1の首の後ろに両手を添え、舌をねじ込み、唾液を泡立てる。
淫魔が両手とくちびるを離すと、少年1はマットに崩れ落ちた。
少年1「な、なんで?」
淫魔「んふふ」
少年1の目を見ながら、淫魔は制服のスカートをパンツごと脱ぎ落とす。
淫魔「こういうこと」
無毛の秘裂を押し広げ、桜色の粘膜と、透明な蜜のしたたりを見せつける。
無垢なオトコノコの反応を楽しみつつ、淫魔は少年1のズボンに手をかける。
少年1「や、やめっ!」
しかし、人間の力で魔神にかなうはずもなく、少年のファスナーはずり下ろされ、うぶな男性器が倉庫の空気中にさらされる。
304 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 01:36:49.39 ID:xmJ+lstUo
痛そうなほど勃起してなお、包皮が亀頭のほとんどを覆っており、淫魔は舌なめずりする。
淫魔「んふふ、美味しそう……お口もいいけど、やっぱり初めては……」
少年1「ひっ!」
淫魔は屹立した男性器を入り口にあてがうと、少年1の目を見ながら挿入した。
少年1「くはあああっ!」
淫魔「んふふ……このまま膣内に出してね」
淫魔の腰が動き始め、少年は中空を見つめて抵抗を止める。
淫魔「ほら、気持ちいいでしょ?」
少年1「あ……はぅ……うああっ」
淫魔の膣内は巧みに動き、剥き癖のついていない少年の包皮をめくりあげ、敏感な亀頭を粘膜でこすりあげる。
少年1の呼吸が速くなり睾丸がきゅっと持ち上がり、淫魔の胎内に童貞の精液が放たれる。
少年1「くっは! っはああ……うう……」
亀頭を徹底的に刺激されて射精し、力なく横たわる少年の制服のポケットから携帯を取り出すと、淫魔はアドレス帳を調べる。
淫魔「んふふ、たしかこの子と、両思いの子がいたよねえ……んふふ」
淫魔が軽くせき払いし、声を出す。
淫魔「あー、あー、ぼくだよ、少年1だよ……うん」
淫魔の声は完全に少年1のものになっていた。
携帯を弄り、淫魔はクラスメイトの少女1を呼び出す。
プルルル プルルル プルルル ……
淫魔「あ、少女1?」
少女1「うん、少年1、どうしたの?」
淫魔「じつは少女1に用事が、聞きたいことがあってさ、もう家?」
少女1「ううん、いま帰り道。でも学校からすぐだよ。戻ろうか?」
淫魔「ありがとう。体育館の第2倉庫で待ってるから……うん。じゃーねー」
淫魔は電話を切り、少年のポケットに戻す。
いちもつを入れたままの膣を揺らし、声を戻して言った。
淫魔「すぐ来るってさ。早く来てくれないと、キミ、どうなっちゃうんだろうね? ……んふふ」
硬さを取り戻した少年の男性器を、淫魔は続けてしごきあげる。
少年は快感に嬌声を上げたが、倉庫にはすでに音封じの結界が張られていた。
305 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 01:39:57.12 ID:xmJ+lstUo
少女1「えへへ……少年1ったら、何の用だろ?」
少女1は体育館の奥、第2倉庫の前についたが、少年1の姿はない。
少女1「この中、かなあ?」
倉庫の金属戸に手をかけ、少女1は中をのぞく。
少女1「少年1……いるの?」
しかし、中には誰もいない。
一歩踏み込んだ少女1は、妙に甘いにおいと、少し生臭いにおいを感じた。
それは少女1のかいだことのないにおいだった。
また一歩踏み込み、少女1はつぶやく。
少女1「なに……このにおい?」
音を立てて、倉庫の扉が閉まる。
振り返ると、制服のスカートを脱ぎ、下腹部を丸出しにした淫魔が立っていた。
少女1「えと……淫魔さん?」
淫魔「精液のにおいだよ」
少女1「え、今なんて?」
淫魔「精液。オトコノコのおちんちんから出るミルクのにおい。それに、わたしのここのにおい……ふふふ」
白く長い指を伸ばし、淫魔は自らの秘部をかき回し始める。
その常ならない様子におびえ、少女1はあとずさり、つまづいてマットに倒れ込んだ。
少女1「い……淫魔さん、少年1は? 少年1に呼ばれたの」
淫魔「んふふ、そこにいるじゃない」
淫魔はマットの横、大きなスチール棚の2段目を指さす。
少女1「え? ……ひっ!」
スチール棚に、裸に向かれた少年1が身体を横にして納められていた。
目はうつろに開き、規則的にまばたきをしているが、焦点は完全にあっておらず、すぐそばの少女1すら見えていないらしい。
少女1「少年1? 少年1っ! 大丈夫? 答えてっ!」
しかし、少年1は反応しない。
なみだの後がほほに残り、だらしなく開けられた口からは、よだれが垂れている。
体中、油を塗ったようにぬめぬめと光って、下腹部の茂みから、力なく男性器がぶら下がっていた。
少女1「あなたが……あなたがやったの?」
淫魔「そうだよ。わたしが好きって言ってきたのに、最後はあなたの名前を呼んで堕ちた。かわいかったよ。んふふ」
淫魔は少女1に見せつけるように、隠していた赤いツノを伸ばし、肌の色をいつもの真珠色から赤黒い茶色に変える。
背中には翼が生えた。しかし翼は巨大なカラスの翼ではなく、紫色の小さなコウモリの翼だ。
少女1「な……なに、あなた……」
淫魔「わかりやすく言えば、悪魔。少年1くんをそういう風にしたのは私だけど、もう、完全に壊れちゃってるから、人間の手では元に戻せない……でも」
そう言って、わかりやすい悪魔の格好をしていた淫魔は、赤いツノと翼を引っ込め、肌の色を戻して、胸に手を当てる。
淫魔「わたしなら、元に戻してあげられる。もちろん、ただとは言わない。あなたはわたしに何してくれる?」
少女1は震えながら、棚に横たわる少年1を見た。
306 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 01:41:55.24 ID:xmJ+lstUo
手をきゅっと握りしめ、くちびるを1度噛んで、淫魔に向き直る。
少女1「なんでもする。おねがい、少年1を戻してあげて」
淫魔「そう、なんでもね……んふふ。それじゃあ少女1……」
マットに歩み寄り、少女1を見下ろすと、淫魔は続けた。
淫魔「パンツを脱いで、脚を広げて」
少女1「え……」
少女は自分のおかした間違いに気づいた。しかし、もう遅い。
自分の下腹部に注がれる淫魔の視線におびえ、スカートがめくり上がらないように気をつけながら、飾り気のないパンツを脱ぐ。
スカートを可能な限り下げ、局部を隠しながら、控えめに足を開く。
淫魔「もっと足を開いて、スカートも自分でたくし上げるの」
少女1「うううぅ……うう……」
少女はほほを赤らめ、目をかたくつむり、顔をそむけながら、制服のスカートをまくり上げる。
淫魔は舌なめずりをし、少女の髪型をじっと見つめる。
おびえて閉じきった女性器に両手を伸ばし、触れると、少女1の身体がかすかに揺れた。
少女1の女性器を開き、淫魔はぺろりとなめあげる。
少女1「ひゃっ!」
淫魔「んふふ……やっぱり」
性器を広げたまま、淫魔は顔を上げ、少女の顔を見る。
少女1も、ひとなめしただけで顔を上げる淫魔を不思議に思い、視線を向ける。
淫魔「あなた、ここに来る前に、おトイレ寄ってたでしょ?」
少女の顔が、真っ赤に染まる。
淫魔「髪の毛きれいだし、ここ、おしっこの味が残ってる」
少女1「な、ななな……」
淫魔「あなたがすぐに、ここに来てれば、少年1は壊れなくてすんだかもしれないのに……おトイレ済ませて、髪の毛なおして……んふふ、おませさん」
大きく開かれ、ひくつき始める少女1の粘膜に、淫魔はむしゃぶりつく。
淫魔「ちゅる……れろっ……ちゅるるる……じゅるっ」
少女1「ひあっ……んああっ!?」
膣に舌を挿入し、淫魔は処女の粘膜を味わう。
淫魔「ちゅぱ……ちゅるる……ん、ちょっとしょっぱいかな? でも健康な処女の味……んふふ」
指でクリトリスをなでながら、淫魔は舌を伸ばして少女の子宮口を舐めあげる。
少女1「ふぇ? な、なにやって……」
淫魔「元気な赤ちゃんが産めるか、見てあげる」
淫魔の細く伸びた舌が、すぼまった少女の子宮口に、ひどくこすりながら入り込んでゆく。
少女1「んええっ!? なに、なんなのぉ!?」
淫魔「うん……健康。きれいでかわいくて美味しい子宮だなあ……もっと」
淫魔は舌をさらに伸ばし、小さな子宮を埋めるほど中に送り込むとぐじゅぐじゅと少女1の胎内をかき回し、子宮を味わう。
少女1「あ……うぇ……」
本来ならかき回されるはずのない、身体の奥底をヘビのような舌でさんざんに舐めあげられ、少女は快感と言うより、腰全体を重くするような、生命としての危機感に、顔から血の気を引かせて震える。
307 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 01:43:20.52 ID:xmJ+lstUo
淫魔「もっと、奥。いちばん奥……」
淫魔はさらに舌を細めて伸ばし、少女の卵管と卵巣へと進入する。
少女1「く……ああ……」
内臓を直接舐めあげられる異常な感触に、少女1は呆然と中空に目を見開く。
淫魔「んふ、にがい。にがくて健康だね……うん。卵子もみんな元気」
少女の卵巣に眠る卵子を、淫魔はクルクル舐めあげ、かわいらしい子供たちを味わう。
そして、卵巣から卵管から、子宮から子宮口から、膣から膣口へと、ずっと入り込んだ細い舌を、一気に引き抜く。
強烈な一方向への摩擦にくわえ、淫魔は少女1のクリトリスをひねり上げた。
少女1「ふああっ!? んああああああっ!」
プシュッ プッシャアアッ!
広げた脚をガクガクと痙攣させ、淫魔に尿の潮を吹きながら、少女1は絶頂した。
少女1「うあ……んうう……」
中空の一点を見る少女1に、淫魔はのしかかり、脚を持ち上げ屈曲位に固定する。
淫魔「少女1、あなたのおまんこ見て?」
少女1「んえ? ……やっ! なにそれ!」
まんぐり返しにされ、柔らかな毛の生える恥丘に突きつけられた異様な物体。
淫魔の下腹部から伸びる桃色の肉塊に、少女1は悲鳴を上げる。
淫魔「んふふ、わたしのクリトリス。少女1のおまんこ舐めてたら、こんなになっちゃった」
その大きさ、形、そして淫魔の体勢と突きつけている場所から、淫魔が少女1に何をするのか、明白だった。
少女1「やめ! いやあああっ!」
少女1は手足をばたばたと動かし、抵抗するが、まんぐり返しに固められた身体は全く動かせない。
淫魔「んふふ、まずは先っちょだけ」
淫魔はわずかに腰を落とし、少女の女性器に肥大化したクリトリスの先端だけを挿入する。
膣のわずかに入ったところ、すぼまりの粘膜である処女膜をいっぱいにまで押し広げ、膣から抜き取る寸前まで腰を戻す。
膣口への細かなピストン運動を続けると、少女1の声に甘いものが混じる。
少女1「んあ? ……あんっ」
淫魔「ふふ……まずはこのまま……」
ピストンがわずかに早まり、処女膜にクリトリスを思い切り押しつけた。
淫魔「くふっ……出るっ!」
ビュルルルッ! ビュルルルルルルッ!
人間の射精をはるかに上回る白濁液が、淫魔のクリトリスの先端から放たれ、処女膣を汚す。
膣に収まりきらなかった白濁液は女性器からあふれ、少女1の柔毛の生えた恥丘と、腹部、尻から背中にかけてべっとりと白く染める。
少女1「なに、なにこれ……精子?」
淫魔「ふふ、わたしの本気汁。初めてが痛いのは仕方ないけど、やっぱり気持ちよくないとね」
少女1「はじめて……いやあああっ! やめっ!」
突然放たれた白い粘液に呆然としていた少女は、自分につき付けられた危機を思い出し、また暴れ始める。
少女1「はなしてっ! どいてっ! ……んっ……え?」
秘裂のむずがゆさに、少女1は動きを止めた。
淫魔のクリトリスは膣口にわずかに挿入され、処女膜にキスしているが、今は全く動いていない。それなのに、白く汚れた下半身全体に広がる、むずがゆい性感に、少女1は腰をよじり、声を上げる。
308 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 01:45:18.11 ID:xmJ+lstUo
少女1「どうして……なんで? ……あんっ」
淫魔「んふふ、わたしの本気汁。気持ちいいでしょ? ……いただきまーす」
淫魔は処女の膣にむかって、腰をゆっくりと進める。
先端からだんだん太くなる紡錘状のクリトリスを処女膜にくわえさせ、さらにゆっくりと進めて、処女膜をすこしずつ裂き、広げる。
少女1「うぁ……ぎぃ……痛い……」
散らされる純潔に、少女はうめきをあげるが、淫魔はそのさまを楽しみながら腰を進める。
淫魔「痛いよねぇ……もう少しで奥まで……うん」
少女の膣奥で腰を止め、淫魔は顔を乗り出して少女に接吻する。
淫魔「ちゅ……んふふ。おめでとう少女1。こんばんはお赤飯だね」
少女1「うええ……痛い……少年1ぃ……」
泣き出す少女1の頭をなで、淫魔はゆっくりと腰を引き抜く。
破瓜の血が膣口からあふれ、淫魔の本気汁で真っ白に染まった少女の下半身に赤いいろどりをそえる。
淫魔「ほら、少女1のはじめての血だよ?」
汚され、傷つけられた下半身を見て、少女1はまた泣き始める。
少女1「ううう、ぐずっ……少年1……少年1……」
淫魔「ふふ、少年1が好きなんだねえ……いつまで考えていられるかなあ……がんばってね」
ぐじゅんっ! 淫魔は処女を奪ったばかりの膣から、白濁液と血を噴き出させる勢いで腰を打ち付ける。
少女1「うああっ!? おなかのなか、かき回されっ!?」
淫魔「ふふふ、ほら、もう痛くない。気持ちいいでしょ?」
少女のあげる声は、すでに苦痛のものではなく、快楽によるものだった。
淫魔は少女からさらに声をほじり出すように、腰を打ち付けて膣をえぐる。
少女1「あああっ! んああああっ!」
はじめて異物を受け入れたはずの膣は、淫魔の本気汁で粘膜の摩擦を快感として受け止め、少女1をとろかす。
肉体の快楽に慣れていない少女が追い詰められるのは早く、まんぐり返しの身体をすぼめ、体中が張りつめ、膣がけいれんし……
少女1「や、なんか、あ……ああああっ!」
淫魔との結合部から蜜のしずくを飛ばし、少女1は力尽きた。
少女が脱力したのを見て、いまだ絶頂に至っていない淫魔はけいれんする膣にさらにクリトリスを打ち込む。
少女1「うあああっ! もう、やめっ! やめえええええっ!」
脳で処理しきれない快感に、少女は悲鳴を上げるが、淫魔はかまうことなく腰を動かす。
破瓜を終えたばかりだというのに、少女の女性器からは蜜があふれ出し、淫魔の動きを手伝う。
309 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 01:46:40.03 ID:xmJ+lstUo
あたえられるものが、強烈な痛みから耐えがたい快感にかわり、髪を振り乱す少女を、いとおしげに観察しながら、淫魔はいちばん奥で腰を止める。
淫魔「くっふ……出るっ!」
ビュルルルルッ! ビュルルッ!
飲み込ませるように子宮口に先端を押しつけ、淫魔は勢いよく熱い本気汁をぶちまける。
少女1「うあああ……でてる……ああ……あは……」
本気汁の射精が止まり、ぽっこりと少女1の腹を膨らませると、淫魔は膣からクリトリスを引き抜く。
少女1「あは……少年1の、あふれてる……あはは……」
脱力した少女1はマットの上でまくれ上がるスカートもそのままにけいれんし、開ききった女性器からは血混じりの白濁液があふれ出す。
淫魔「んふふ……もっと……」
淫魔はそのまま、少女1の身体を味わい尽くした。
反応の薄くなった少女1の口にクリトリスをねじ込み、溺れさせるほど白濁液をぶちまけた。
肛門をめちゃくちゃにかき回して、腸内に射精した自分の本気汁ごと、少女1の排泄物を吸い出して美味そうに食べた。
蹂躙の限りを尽くされ、少女1もマットの上でまったく反応しなくなった。
征服した少女の身体を、淫魔は満足そうにすみずみまで舐めあげる。
淫魔「さてと、下ごしらえはおわり。もっともっと、美味しくなあれ……」
淫魔はスチール棚から動かなくなった少年1を取り出し、ぐちゃぐちゃになった少女1と並べてマットに寝かせると、手を恋人つなぎにさせる。
中指と親指で輪を作り、キスすると、淫魔はパチンと指を鳴らした。
310 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 01:48:08.71 ID:xmJ+lstUo
体育館第2倉庫に入り、少女1はたずねた。
少女1「えっと、用事ってなに?」
倉庫の奥の方から箱を取り出し、少年1は中身を見せる。
少年1「うん。体育祭で使う花飾りなんだけど。おれ、係になってさ、チェックしとけって言われて。でも、壊れてるのもけっこう多くて……」
少女1「へ? 用事ってそれ?」
あっけにとられる少女1に、少年1は不思議そうに聞き返す。
少年1「うん……少女1なら、こういうの直すの得意かなって思ってさ。中学のころ、取れかけてたボタン、付けてくれただろ?」
少女1「あ……覚えててくれたんだ……」
少年1「うん。あ、それともいそがしかった? ……ごめん」
すまなそうに顔を伏せる少年1に、少女1は首を振る。
少女1「ううん、平気。その箱、教室に持ってこうよ。ここ、机ないし」
少年1「そうだね。ありがとう」
ふたりが並んで倉庫を出ようとすると、開いていた扉が、バアンッ と大きな音を立てて閉じた。
次いで、外から鍵をかける音。
少女1「わっ……あれ?」
少年1「鍵かけて……ちょっと! 外のひと、まって! 中にまだいるんだよ!」
しかし、倉庫の外からは何の反応もない。
少女1「中から開けられないの?」
少年1「いや、ココの扉、外から南京錠なんだよ……おーい! 開けてくれー!」
バンバンと扉を叩いて、少年は声を上げるが、外からはやはり反応がない。
少女1「そうだ……ケイタイ……あ」
少女はスカートのポケットから携帯電話を取りだし、開いたが、電池が切れていた。
少女1「電池切れ……少年のは?」
少年1「こっちもだ……ごめん」
少女1「いいって。そのうちだれか来るでしょ?」
少年1「そうだといいけど……」
少女1「来るって……あーあ、急いできたから疲れちゃった」
積み上げられた予備の新しいマットに、少女1はぽすんと腰掛ける。
311 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 01:48:37.55 ID:xmJ+lstUo
少女1「ねえ、少年1もこっちおいでよ」
少年1「……うん」
少女1と少し離れて並んで座り、少年1はつぶやく。
少年1「ごめん……おれが呼んだから」
少女1「気にしないで。わたしも……ちょっとうれしかったしさ」
少年1「うれしかった?」
少女1「あ……えっと、その……あうう……」
少女はわずかに赤らめ、頬をかいて顔を伏せる。
少女1「頼ってくれて……かな? あはは、ごめん。いまのなし!」
少年1「いや。おれもうれしかった。少女1が来てくれて……」
少女1「え?」
少年1「あ、いや……ううう……」
少年1もきまずそうに視線をそむける。
しばらく沈黙がつづき、少女1がそっと少年1の手に触れた。
少年1「少女1?」
少女1「うれしかった。とても」
少女1はわずかに腰を浮かせ、少年1に寄り添うように座り直す。
少年1「少女1、近い……」
少女1「……告白、されるかと思ったの」
少女1は少年1の目をじっと見つめる。少年1も視線を外さない。
つないだ手に、互いの鼓動を感じ、ふたりは見つめ合ったまま、くちびるを寄せた。
312 :
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[saga]:2011/11/20(日) 01:49:06.16 ID:xmJ+lstUo
第二倉庫の外、淫魔は指をくるくる回し、術のチェックをしていた。
淫魔「ええと、人払いに、音封じ、扉封じ……と。よし」
術に遮られない淫魔の耳に、倉庫の中からかわいらしい嬌声がひびき始める。
淫魔「ゴムとか、持ってないだろうしなあ……よし、避妊もおまけに付けちゃおう。あしたの朝までごゆっくり……んふふ」
淫魔は指をパチンと鳴らし、満足そうに生徒手帳を取り出すと、一番最後のメモページに書かれた童貞、処女のかこみに、正の文字の一画目をそれぞれ書いた。
淫魔「さてと、つぎは……」
制服のポケットから手紙を取り出し、淫魔は読む。
淫魔「サッカー部か。ちょうど時間だね」
313 :
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[saga]:2011/11/20(日) 01:50:47.78 ID:xmJ+lstUo
男の家に着いた男と幼馴染が、いっしょに風呂に入り、歯を磨き、ドライヤーで髪を乾かしっこして、身体を清めきり、男の部屋のベッドで向かい合ってキスをしたころ。
淫魔は、サッカー部の部室をおとずれた。
サッカー部員1「淫魔さん」
淫魔「あ、サッカー部員1先輩。今朝、お目にかかりましたね」
サ1「おぼえていてくれたんだね。うれしいよ。じつはきみに、うちの部のマネージャーになって欲しくてさ」
淫魔「マネージャーですか……その、まだどこの部に入るかも決めていませんから……」
サ1「それなら、ぜひうちの部に入って欲しいな。みんな、歓迎するよ」
淫魔「本当ですか? ……うれしいっ!」
両手を胸のまえで重ね、淫魔はかわいらしく飛び跳ねる。
サ1「それなら!」
淫魔「ええ、見学させてください。マネージャーって、どんな仕事をするんですか?」
サ1「そうだね。説明する。部室を見せるよ」
サッカー部員1は、サッカー部の部室のプレハブのドアを開き、淫魔を中に呼び込む。
淫魔「はい……失礼します」
サッカー部の部室は、戸建てのプレハブ。
壁の両側にロッカーが並び、真ん中に背もたれのない長椅子が置かれている。入り口と反対側には小さな窓。
床は泥と埃で汚れ、脱ぎっぱなしのスパイクと練習着がいたるトコロに散らばる。
部屋はひどく汗臭く、すえたようなにおいが充満していた。
サ1「少し散らかっているけどね」
携帯をいじりながら、サッカー部員は済まなそうに言う。
汗のにおいを吸い込み、噛みしめるように味わって、淫魔はうなずく。
淫魔「んふふ、ステキな部室。ココを掃除するのが、マネージャーの仕事ですか?」
サ1「そうだね。あとは毎日の練習に、部活の遠征……それと……」
サッカー部員の目に、遠慮がなくなった。
淫魔の美しい紫色の髪、目、通った鼻筋とくちびるをじろじろと眺め、制服に隠れたバストを、腰を、下腹部を、穴を開けるように睨めまわす。
314 :
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[saga]:2011/11/20(日) 01:52:20.52 ID:xmJ+lstUo
突然、部室のドアが開き、背の高い少年たちがぞろぞろと入ってきた。
みなサッカーの練習着を来て、ざっと見ても10人はいる。
淫魔「部員のみなさん……ですか?」
サッカー部員1はうなずく。
突然現れた少年たちのただならぬ視線に、淫魔の顔におびえが走る。
淫魔「部活の終わりの時間ですし、みなさん着替えられますよね……今日は失礼します」
おびえたようにドアに早足ですすむ淫魔を、入り口の少年たちが通せんぼした。
淫魔「え……」
サ2「へえ、かわいいじゃん」
サ3「肌白いな、人形みてえ」
サ4「本当にヤっちゃうの?」
サ5「なに言ってんだ、当然だろ」
サ1「悪いね、淫魔ちゃん。そういうことだから」
淫魔「や……だれか……たすけて……」
肩を震わせながら、その場に立ちすくむ淫魔の口に、汗の染みこんだスポーツタオルが押し当てられる。
淫魔「んぐ!?」
サ1「ほらっ! 脱がせろ!」
その場の少年たちが一斉に飛びかかり、淫魔の制服を脱がす。
手慣れた様子で服をすべて脱がすと、少年たちは息を漏らした。
淫魔は美しかった。象牙を磨き上げたような白い肌、ところどころは桜色にそまり、産毛すら生えず、かわいらしく盛り上がった恥丘にすらひとすじの毛もみられない。
サ6「すげ……はえてないのか」
サ7「剃ってるわけじゃないよな……パイパンってヤツか?」
サ8「ふるえちゃって、かわいー」
目を閉じ、淫魔が抵抗をやめると、口元のタオルが解かれた。
両手で顔を隠し、部室中央の長椅子に座る。
淫魔「おねがいします。暴れません。大声も出しません。だから……痛いこと、しないで……」
脚をそろえ、しおらしく座る淫魔の姿に、その場の少年たちはツバを飲み込んだ。
淫魔の哀願は、少年たちの乱暴な心に火を付けただけだった。
315 :
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[saga]:2011/11/20(日) 01:53:41.08 ID:xmJ+lstUo
涙を流す少女の身体に、少年の手が伸びる。無遠慮な指が淫魔の体中をなで回し、皮の薄い桃色の乳首を血がにじむほどにひねりあげる。
淫魔「くうぅっ! うう……」
耐えるような悲鳴を上げる淫魔に、気をよくした少年たちの指が、次々と秘裂に伸び、前触れ無く、淫魔のくちびるは強引なキスにふさがれる。
淫魔「うぐっ!? うううん……」
ささくれだち、爪の手入れも十分でない少年たちの指が、淫魔の桃色の粘膜に痛みをあたえながら挿入される。少年たちは、ひどいアダルトビデオがするように、乱暴に打ち付けるような愛撫を行う。
しかし淫魔の身体は、粗野な愛撫にも潤いをかえす。
サッカー部室の汗臭い空気に、甘い蜜の香りが立ちこめ始めた。
サ9「なんだ? このにおい」
サ10「花? くだもの? なんか、甘いにおいだな」
秘裂から指を抜き取った少年が、淫魔の蜜をなめ、声を上げる。
サ11「こいつだ。こいつのマンコ、甘い味がする」
サ12「まじかよ……」
サ13「へへ、味見、もーらい」
少年のひとりが、淫魔の股に顔を滑り込ませると、女性の大切なところであるという配慮なく、遠慮なく舌をさし込む。
サ13「ずるる……じゅる……うわっ! 甘めえ!」
少年たちは次々音を立て、淫魔の秘裂をすする。
さらに淫魔の胸は痛く、ちぎれるほどに揉みしだかれ、先端にも舌が這う。
口にも深く舌をねじ込まれ、乱暴な愛撫にかなりの痛みを覚えつつも、淫魔は1回目の絶頂に至った。
淫魔「ん……ん? んーっ!」
プシュッ
秘裂は蜜をわずかに噴き出し、顔を股ぐらに押しつけていた少年の顔を濡らす。
身体は張りつめ、絶頂にけいれんする。
サ1「うわ、もうイった」
サ2「感じやすいのか。いいな」
脱力した淫魔を長椅子に寝かせ、少年たちはじゃんけんを始めた。
程なくひとりの少年が腕を上げ、淫魔の足を開かせると、入り口に勃起した男性器を押しつける。
サ7「へへ、いただき……」
絶頂間もない膣に男性器が進入し、淫魔の身体は跳ね上がる。
316 :
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[saga]:2011/11/20(日) 01:54:52.84 ID:xmJ+lstUo
淫魔「ひあああっ!?」
サ7「あれ……なんだ、処女じゃないのか」
少年たちの間に、妙な、残念そうな空気が流れるが、挿入した少年が数度腰を動かし、声を上げた。
サ7「うわっ、なんだこいつの膣内。うねって、しまって、こすれて……やべっ!」
少年が挿入していた性器を抜き出すと、とたんに射精し、白濁液が部室の床に落ちる。
サ10「もう出たのか、早漏」
サ7「ちげって、こいつのナカ、めちゃやばいんだって!」
射精を終えた少年の反応に、他の少年たちは濡れそぼる淫魔の性器に目を注いだ。
サ12「次は、おれだな……」
次なる少年が、大きめの男性器を取り出し、体重をかけて挿入する。
数度のピストン運動で、やはり嬌声を上げて抜き出し、今度は淫魔の腹部から胸にかけてぶっかける。
サ12「ほんとだ、こいつのナカ、やばすぎ……」
その場の少年たちはまたツバを飲み込み、一斉に淫魔に群がる。
順番に淫魔の膣に挿入しては果て、それ以外の者は淫魔の手に陰茎を握らせ、口にねじ込み、淫魔の身体を蹂躙する。
淫魔「や、やめ……もっとやさしく……ぐえっ!」
射精を繰り返し、もはや抜き出して外に射精することも面倒くさくなった少年たちは、淫魔の膣内に遠慮なく精を放っていった。
しかし、狭い淫魔の膣にいくら精液を注いでも、あふれることが無いのを不思議に思う者は、彼らのうちにはいなかった。
サ5「こいつ、本当にすげえな。飼うか?」
サ10「でも、留学生だろ? ばれね?」
サ8「大丈夫だって」
淫魔の尻に指を伸ばしていた少年が、淫魔の肛門が指を簡単にくわえ込むのを発見し、淫魔の同意を得ること無く、肛門にペニスを挿入した。
サ4「うはっ! こいつ、尻もいけるぞ」
サ6「まじかよ、ド淫乱じゃん」
サ12「こんな顔して、どんだけやってんだ」
サ9「いいじゃん。気にしないで突っ込めるし」
淫魔の身体は騎乗位に持ち込まれ、性器と肛門に同時に挿入されて、なお細い腰をけなげに振る。両手にも口にも常に男性器を押しつけられ、絶え間なく注がれる精液を肌にかけられていた。
もちろん、ドロドロに汚れるはずなのに、淫魔の肌についた精液は、いつの間にかきれいに消え去ってしまう。
その異常さに、少年たちは気づかなかった。
317 :
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[saga]:2011/11/20(日) 01:56:50.35 ID:xmJ+lstUo
淫魔「あ……あー……あは……あー……」
少年たちに犯しぬかれ、うつろな目で腰を振るう淫魔を、雌を征服した雄の目で少年たちは満足げに眺めていた。
ひとりの少年の携帯が鳴った。
サ3「やべ、時間だ。バイト行ってくる」
サ11「へへ、お疲れ」
サ3「帰ってきたら、また入れてくれよ。サ1の家に連れてくんだろ?」
サ1「ああ、いつも通りな」
手を振って、部室のドアに手をかける少年が、不思議そうな顔をした。
サ3「あれ? 鍵かけたか?」
サ7「ああ、誰かきたらこまるからな」
サ3「いや、開かないんだけど……」
サ10「はあ?」
もうひとりの少年がドアに歩み寄り、鍵をガチャガチャ鳴らすが、やはり開かない。
サ10「うわ、本当だ……窓は?」
サ2「だめだ、鍵が動かない。毎日開けてるのにな」
一抹の不安を覚えた少年たちが、窓ガラスを割ろうと、床に落ちていたほうきの柄で、思いきりガラスをたたき付けるが、安物のプレハブのガラスは、ぼんと鈍い音を立てて、ほうきの柄をはじいた。
サ3「くそ、おい、ドアの鍵、壊すぞ!」
少年がドアに体当たりをかますが、ドアもやはり鈍い音を立てるだけで、壊れる気配すら無い。
すると、淫魔を騎乗位で突き上げていた少年が、ひときわ高い悲鳴を上げた。
サ5「やめっ! うわ! 吸われ……ああああああっ! んあああああっ!」
淫魔の身体の下から、何とか抜け出そうと必死で手足をばたつかせるが、まったく動けずに、少年は気絶する。
同様に淫魔の肛門を犯していた少年も悲鳴を上げてのけぞる。
サ8「やめ……くそ、抜けねえ、あっ……ああああああああっ!」
がくりとその場に崩れ落ち、淫魔の両手、口に陰茎をさし込んでいた少年たちも、同様に悲鳴を上げてひときわ大量の精を放ち、崩れ落ちた。
少年たちの細くも筋肉質の身体が振るえ、崩れてなお陰茎は硬く、精を噴き出し続ける。
318 :
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[saga]:2011/11/20(日) 01:58:45.52 ID:xmJ+lstUo
淫魔から離れていた少年たちは、異様な気配に後ずさる。
振り向いた淫魔の目は、うつろなものでは無かった。
捕食者の目。
圧倒的な力の差。絶対の強者の目で、淫魔はおびえる少年たちをにらみつけた。
淫魔「……んふふ」
淫魔はその場に立ち上がり、おのれの秘裂をかき回す。
大人数に何度も乱暴に犯されたにもかかわらず、淫魔のそこはまったく傷ついていなかった。
淫魔「わたし、激しいのも乱暴なのもきらいじゃない。でもさ、もっとやさしくできるでしょ?」
淫魔の頭から、にゅっと赤いツノが伸びる。
夕暮れに薄暗くなり始めたサッカー部室の天井の、蛍光灯が、ぱっと消える。
少年のひとりが、ドア横のスイッチをさわるが、明かりがつく気配は無い。
サ1「な……なんだ、おまえ……」
淫魔「わかりやすく言えば、あ・く・ま……んふふ」
淫魔がパチンと指を鳴らすと、サッカー部室の両側のロッカーから、大量の黒い触手が伸びた。みな、太さは淫魔の腕ほど。
ぐねぐねと動き、表面には細かなしわが寄り、先端の小さな穴からは蛍光色の青や緑の、ひどく毒々しい粘液を垂れ流す。
サ10「ひっ! おい! ドア、ぶっこわせ!」
少年たちが、三人がかりでプレハブの安普請のドアに突進するが、ドアはきしむ気配すら無い。
淫魔「よくも、好き勝手にシてくれたねぇ。わたしもあなたたちのこと、好き勝手にしちゃう……んふふ」
ロッカーから伸びる触手が、ドアに体当たりする少年たちに伸びた。
少年たちの脚に、腕に、極太の触手が巻き付き、容赦なく肛門と口を犯す。
触手はその先端の口を大きく開き、少年たちの陰茎も吸い上げる。
最初のうちは四肢を動かし抵抗していたが、すぐに少年たちは声を出すこともできず、快感混じりのうめきをあげるだけとなった。
真っ黒な触手に埋め尽くされたプレハブから、淫魔は制服のリボンを直しながら出てきた。
ドアを閉め、術の確認をする。
淫魔「人払いに、音封じ、扉封じに……えっと、オンナノコの気持ちも、ちょっとはわかってもらおうかなあ?」
淫魔がパチンと指を鳴らすと、中のうめき声が少年たちのものから、処女を奪われる少女たちの悲鳴にかわり、その声にもやがて甘い嬌声が混じり始めた。
プレハブからひびく、悲鳴と嬌声の淫靡なコーラスを淫魔は堪能し、心地よさそうに耳を傾ける。
淫魔「ふふふ……いい声。混ざっていたいところだけど……んぅ、約束があるよね」
淫魔は制服のポケットから3通目の手紙を取り出す。
淫魔「保健室……学校の中にある、病院みたいな場所だよね……うん」
319 :
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[saga]:2011/11/20(日) 01:59:36.39 ID:xmJ+lstUo
男の部屋のベッドで、男と幼馴染が行為を終え、互いの身体を大切になであっていたころ。
淫魔は学校の保健室にたどり着いた。
日は沈み、空は暗く落ち着いている。
トントン、と淫魔は保健室の入り口をノックする。
しかし、中から光が漏れているが、返事は無い。
淫魔「失礼します」
戸に手をかけると、鍵はかかっていない。
中に入ると、デスクに座っていた白衣の養護教員が振り向いた。
保健医「あら、本当に来てくれたのね」
淫魔「呼んでいただければ、いつでも」
保健医「いい子ね」
淫魔の身体に養護教員は視線を這わし、デスクのよこの椅子を示した。
保健医「どうぞ、座って」
淫魔に席をすすめ、養護教員は立ち上がると、流しでコーヒーを入れた。
コーヒーのカップをかき混ぜ、淫魔に差し出し、また椅子に座る。
淫魔「ありがとうございます」
保健医「少しぬるめだから、飲みやすいはず……それで、どうかしら? この学校でやっていけそう?」
淫魔「ええ」
コーヒーを飲みながら、淫魔は答える。
少しの砂糖と、ミルクの入ったコーヒーだったが、どこか少し、ヘンな味がした。
保健医「よかった。わたしも気になっていたのよ」
淫魔「ありがとうございます。でも、ホームステイ先のかたにもよくしていただいて、とても助かっています。友達も、今日だけで何人もできました」
保健医「ふふ、友達ね。ほんとに心配……」
淫魔「え……あれっ?」
淫魔の身体から、突然力が抜ける。倒れかかる淫魔を受け止め、保健医はささやいた。
保健医「あなた、とってもかわいいんですもの……彼氏は?」
淫魔「ずっと昔……でも別れました」
保健医「そう。いい子ね。あなたみたいなかわいい子、オトコにはもったいないわ」
保健医は淫魔の身体に手を貸すと、保健室のベッドに寝かせる。
320 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:00:38.93 ID:xmJ+lstUo
出入り口の鍵を閉め、部屋の電気を消して、夕闇の保健室で保健医は淫魔の服を一枚一枚脱がせてゆく。
淫魔「や……やめてください」
脱力した淫魔の言葉を聞かず、上着をはだけさせ、ブラジャーめくりあげ、保健医はため息をついた。
保健医「きれい……すごいわ淫魔さん……想像以上よ」
淫魔の肌をくすぐる、わずかに触れるほどのタッチで、保健医の指がすべる。
淫魔「んああっ……これ……なに……?」
保健医「ふふふ、少し強力な薬をね。大丈夫、危険では無いわ。でも……」
きゅ と、桜色の淫魔の乳首がひねりあげられる。
淫魔「んあああっ!? ふああああっ!」
保健医「すごいでしょ? 体中がぴりぴりするでしょ?」
淫魔「こんなの……こんなのぉ……」
保健医「ふふふ、それ」
保健医の指が、乳首をはじく。
淫魔「ひゃああああっ! んあああああっ!」
はじかれるたびに、淫魔は身体を反応させ、嬌声を上げる。
保健医「ふふ……キスしちゃう」
淫魔「ふぇ、んぐっ! んっ! んう!」
淫魔は硬く口を閉ざし、保健医の口づけをこばむ。
保健医「大丈夫よ、怖くないわ。……んちゅ……」
舌を強引にねじ込み、保健医は口内を犯す。
淫魔「んう!? ん……ちゅ……ん……」
保健医「んふ……ちゅ……れろ……ちゅる……」
輝く紫色の淫魔の髪を、保健医はかき上げ、乳房への愛撫も続ける。
淫魔「は……あ……ひあああっ!?」
保健医「ふふふ、わかるわ。あなた、こういうの好きでしょ?」
うつむき気味に頬を色づかせ、淫魔はうなずく。
淫魔「……はい」
保健医「なら、教えてあげる……ココにもね」
スカートの中に保健医の指がすべり込み、淫魔の秘裂をパンツの上からなぞる。
淫魔「あ……んあっ」
早くも淫魔の秘裂は潤いをおび、甘い香りの蜜を流す。
321 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:02:17.50 ID:xmJ+lstUo
にちゃにちゃと、パンツの中で水音がし、淫魔は顔を覆って恥ずかしがる。
淫魔「……やっ」
保健医は微笑む。
保健医「いいのよ。恥ずかしがること無いわ。当然のことだもの」
淫魔のパンツを抜き去り、足を開かせよう保健医がひざに手をかけると、淫魔は軽い抵抗を示した。
保健医「大丈夫よ。やさしくするから……ね?」
淫魔はわずかにうなずくと、脚の力を抜いた。
保健医はスカートをめくりあげ、足を開かせて、淫魔の桜色の秘部をみる。
保健医「ふふ、毛がないのね……ここもきれいよ、淫魔さん……」
保健医が恥丘をなでると、淫魔は切なそうな声を上げた。
淫魔「んあ……はあぅ……」
淫魔の秘裂に蜜がにじみ、甘い花と果実の香りが立ち上る。
保健医「わ……すごくいい香り……こんな香りのオンナノコがいたなんて……ふふ、味はどうなのかしら」
顔を近づける保健医に、淫魔は首を振る。
淫魔「や、やめ、そこはきたない……あんっ」
保健医「オンナノコの身体に、汚い場所なんて無いわ。オトコと違ってね」
淫魔「え? ……ひああっ!?」
舌で秘裂を舐めあげられ、淫魔の背が反る。
保健医「あら、あなた……こんな味の人間が……いるものなのね」
保健医は、執拗に淫魔の女性器を舐めあげる。
両手で粘膜を開き、クリトリスを舐めあげ、舌を膣に挿入して、保健医はうれしそうに顔を上げた。
保健医「あなた、処女?」
淫魔は、そっぽを向いたまま答えない。
保健医「良い事よ。ココがきれいなままなのは……ふふふ……」
ちゃぷちゃぷと音を立て、淫魔の蜜をすすり、粘膜を舐めあげ、保健医は淫魔の反応をうかがう。
ピクピクと淫魔が高まり、膣からの蜜の量が増え、保健医は淫魔を責めあげた。
淫魔「ひっ……あ……あっああああっ!」
プシッ!
しぶきを顔に受け、保健医は満足そうに絶頂を迎えた淫魔を見下ろす。
制服の胸ははだけ、スカートはめくれ、その下に隠された白い肌と桃色の局部が、夕闇の保健室にさらされていた。
322 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:03:08.38 ID:xmJ+lstUo
脱力しきった淫魔の身体を抱え上げ、保健医は淫魔を肘掛けのキャスター付きの椅子に座らせる。
両足をそれぞれ肘掛けに乗せ、長く切ったガーゼで固定する。
淫魔「え……あの、先生?」
保健医「ふふ……きれいよ淫魔さん」
保健医は大きく開かれた淫魔の股間にくちびるを近づけ、絶頂から間もない淫魔の秘部を吸いあげる。
淫魔「んああっ!? や、あああああっ!」
淫魔はしぶきを上げ、つづけて達してしまう。
保健医は淫魔を縛り付けた椅子を姿見の前へと転がしてゆき、大きく開けた淫魔の脚を、真正面から鏡に映す。
保健医「ほら、みて」
淫魔「や……やめてください……」
淫魔は恥ずかしそうに鏡に映った自分の姿から顔をそらす。
保健医「よく見て。あなた、きれいよ」
冷たい保健医の指が、淫魔の乳首を転がし、熱い女性器を広げる。
にちゃ 濡れた音をひびかせ、桃色の粘膜が鏡に映る。
淫魔「あうぅ……」
保健医は背もたれの後ろから両手を回し、椅子にM字に固定された淫魔の身体をなでさする。
淫魔「は……あ……」
秘部に保健医の両手が下腹部に伸び、淫魔の耳元でささやく。
保健医「ふふ、かわいい……保健の授業よ、よく見なさい」
淫魔の花びらは左右いっぱいに広げられ、蜜を垂れ流す。
保健医「この濡ているところが膣口。ピンクのひだが小陰唇。周りが大陰唇。そしてココが……」
肉の突起に保健医の指が伸び、淫魔は声を上げる。
淫魔「あ……」
保健医「ふふ、ここがクリトリス。ねえ、ここをなでてみて?」
淫魔「なで……る?」
保健医「自慰、オナニー、マスターベーション。聞いたことあるでしょ? やってみて?」
淫魔「あう……はい……」
淫魔は遠慮がちに持ち上げた手を、陰核に伸ばし、指先でおそるおそる転がし始める。
淫魔「ひ、あ……ああ……」
保健医「ふふ、上手よ? さわったことあるの?」
淫魔「す……すこしだけ……」
頬を赤らめながら、鏡の中の自分の局部を見る。
保健医に両手で広げられ、桃色の粘膜を露出したそこをじっと見つめ、クリトリスを弄り、はっと目をそむけてつぶやく。
323 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:05:12.75 ID:xmJ+lstUo
淫魔「は、はずかしい……」
保健医「ふふ、恥ずかしさも、気持ちよさのうち……ほら、動かして」
淫魔「は……はうう……あんっ……んあ……」
保健医「いいわ、上手よ?」
くちゅくちゅと、クリトリスをいじる、つつましやかなオナニーを淫魔はつづけ、固定された脚に緊張を走らせる。
淫魔「ひ……あ、くる……んーっ!」
ぴゅっ!
愛液のしずくを鏡に飛ばし、淫魔は背もたれに身体を預ける。
かわいらしい絶頂を遂げた淫魔に、保健医はキスをし、頭をなでる。
保健医「イったのね? いい子。ね、私もさわって?」
淫魔「え……?」
保健医は淫魔の手をとって、自らのスカートの中へと導く。
パンツ越しに、濡れた秘部をさわらせ、愛撫をうながす。しかし。
淫魔「せんせぇ……この格好、脚が……その、痛いです」
保健医「あら、ごめんなさい」
椅子の拘束をほどくと、保健医は淫魔の身体を持ち上げ、ベッドに寝かせる。
自分のパンツを、黒いレースのパンツを脱ぎ捨て、淫魔のよこに保健医も寝る。
淫魔の手をとり、再び自分の秘部にみちびいて、さわらせる。
保健医「ほら、あなたがいまやったみたいに、わたしにもして」
淫魔の手がおずおずと動き始めると、保健医はうれしそうに微笑む。
繊細な指運びは、保健医のクリトリスをまもなく勃起させ、決して痛みをあたえることなく、性感だけを急速に高めていく。
保健医「あら、あなた……んっ……けっこう上手ね……あっ……」
淫魔「そんなこと……」
保健医「いいえ、とっても上手……んくっ……オンナノコ同士もはじめてじゃないでしょ?」
淫魔「す、すこしだけ……」
きゅ と、タイミングよく、淫魔の指が保健医のクリトリスをつまむ。
保健医「すこし? ……そんな、もうっ! んああああっ!」
身体を丸め、保健医は腹部をけいれんさせて絶頂を迎えた。
快感がさめやらないまま、保健医は気丈にふるまう。
保健医「あなた、すごいわ……ねえ、私と付き合わない?」
淫魔「そんな……女性同士でなんて……」
保健医「いいえ。この世には本当はオトコなんていらないの。オトコは汚いわよ? 臭くて、不潔で……」
保健医の股間に手を置いたまま、淫魔は反論する。
淫魔「そんなこと、ないと思います。オトコノコはたくましくって、あったかくって。ぎゅって抱きしめてくれると、わたし、とっても幸せになるんです」
保健医の顔に、露骨な嫌悪が走る。
保健医「淫魔ちゃん、あなたは何もわかっていないわ。ほんとうはオトコなんていらないの。オトコは自分勝手で、乱暴で、私たちのような生物としての人間ではないわ」
淫魔「そんなことありません。オトコノコは、自分勝手なところはあるけれど、それはオンナノコにぶっきらぼうに見せたいだけだし、乱暴なのは力が強いだけ。別の生き物なんて言わないでください」
保健医「知ってる? 淫魔ちゃん。オトコとオンナの遺伝子の差は人間とチンパンジーの遺伝子の差よりも大きいの。人間とチンパンジーの間に、愛なんて芽生える? ムリでしょう? だから……」
324 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:06:39.81 ID:xmJ+lstUo
淫魔はうつむき、保健医の秘部に深く指を挿入し、声を落とす。
淫魔「だまれ」
ぐい と、淫魔は保健医の両手首を左手でつかみ、ベッドに仰向けに引き倒した。
保健医の肉付きのいい腹部に馬乗りになり、息をすーっと吸い込む。
ベッドがきしみ、保健医は四肢をふるって抜け出そうとするも、岩に乗られたように動けない。
保健医「淫魔ちゃん? 放しなさい!」
淫魔「だまれ、小娘」
保健医「な……なんですって!?」
保健医は歯を食いしばって頭を上げようとするが、淫魔の剛力に押さえつけられ、ぴくりとも動かない。
暗く重い声をいつもの調子に戻し、淫魔は答える。
淫魔「小娘って言ったんだよ。保健のセンセ……んふふ」
保健医「ふ……ふざけるな!」
淫魔「それはわたしの言いたいこと。まったく。あなたはオンナノコが好きなんじゃない。オトコノコが嫌いだけ。それはオトコノコとオンナノコの恋愛も、オンナノコ同士、オトコノコ同士の恋愛も、みんな馬鹿にしてる」
保健医「ふ、何もわかってないわ。オトコがどれほど自分勝手で……」
淫魔「自分勝手なのは、あなた。あなたはわたしが上手になでたから、かわいいから付き合いたいと思ったの? そうでしょう?」
保健医「笑わせないで。それ以外に、何があるの!?」
淫魔「私の気持ちは? 好きって心は? 愛はどこにあるの?」
保健医「愛? ふふふ、セックスが上手くてもまだまだお子様ね。いい? 愛なんて言うのは、ひあっ!」
じゅくんっ!
淫魔の右手が、保健医の股間で暴れる。
淫魔「それから先は言わせない。ちょっとキツメに、おしおきしてあげる」
じゅくん! じゅっくん!
淫魔の指は粘液の音を立て、保健医の股間をかき回す。
保健医「ひあっ! んあああっ!やめっ やめなさいっ! ひいっ!」
淫魔の指は止まらない。
赤く、わずかに黒ずんだ保健医の女性器を、クリトリスと言わず、膣と言わず、めちゃくちゃにこすりあげる。
保健医「うああっ! やめっ! おねがい、やめええ!」
ぶしゅ と愛液と尿の混ざった潮が、保健室のベッドのカーテンを汚す。
大きな染みを作り、保健医が絶頂しているのを指先で確認しながら、淫魔はなおも責め続ける。
保健医「イってる! イってるのぉ! だから、もう、やめてえええ!」
ぶちゅ! 淫魔の指の間から、潮がまた噴き出し、シーツとカーテンを汚す。
ぐちゃぐちゃにかき混ぜ、すでに保健医が抵抗をやめ、四肢が完全にけいれんしだしても、淫魔は冷ややかに見下げながら、指を止めない。
保健医「でる……でちゃうからぁ……あ、もう……あああああ……あああ」
ちょろろろろ……
保健医の秘裂からもれ出した尿が、淫魔の手にあたり、シーツに黄色い染みを作る。
325 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:08:07.53 ID:xmJ+lstUo
淫魔は尿に濡れた手を嗅ぎ、一瞬、うれしそうに舐めかけて、はっと我に返り、表情に嫌悪を浮かべると、保健医の顔に尿を塗りたくる。
淫魔「同じ人間じゃない。これでも、あなたはオンナの方がきれいだって言うの?」
保健医「うあ……」
さらに淫魔は保健医のすぼまりに中指を根元まで突っ込み、グリグリとかき回す。
保健医「んああっ!?」
とろけた声を出す保健医に、露骨にいやな表情を作り、肛門のにおいのついた指先を、保健医の鼻先にかざす。
淫魔「ほら、これでも?」
保健医「う……やめて、くさい……」
保健医が顔をそむけると、淫魔は指を自分の口元に持ってきて、保健医の肛門の味を楽しむ。
淫魔「ちゅ……ぺろ……あなたのお腹のにおいなのに」
保健医「やっぱり……あなたまだまだお子様よ。きたない、くさい、っていうのは身体じゃなくて心の話」
淫魔「へーえ。ココロねえ。こんどはそんな事言うんだぁ……ふーん」
舐めおわった右手を、淫魔は空中に振るう。
振りおわった淫魔の手には、車いすのような機械が握られていた。
ガシャンと音を立て、淫魔は車いすのような機械を床に放り投げた。
いまだ身体に力の戻らない保健医を淫魔は抱き上げ、車いすに座らせる。
車いすは四肢の拘束ベルトを自動でしめ、保健医の自由をうばった。
淫魔はそれを確認し、自分は制服を整える。シャツを着てリボンを結び、パンツをはいて、スカートをぱんとはたく。
326 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:08:38.16 ID:xmJ+lstUo
保健医「な、なにこれ……何なのよこれ!」
淫魔「恥ずかしさも気持ちよさのうち、だっけ? それはねえ、移動式の分娩台」
保健医「ぶ、分娩台?」
淫魔が車いすの後ろの取っ手を握り、操作すると、車いすの座面が上がり、保健医の脚をがばっと開く。
拘束された両足が、ちょうど人の腰の高さあたりで広げられる。
保健医「な、なな……」
淫魔は車いすを押して、姿見の前に大股引きの保健医を連れて行き、自分がいかにみっともない格好をしているかを見せつける。
淫魔「んふふ、それに……」
淫魔がレバーを操作すると、車いすの下部から、多関節クレーンのようなアームが2本伸びる。
アームの先はシンプルなソーセージ状と、玉の連なった数珠状。アームは硬い素材、先端はゴムのような柔らかな素材でできていた。
保健医「まさか……」
淫魔「ま、そうだよね」
ソーセージ状の先端は、保健医の膣に、数珠状のは肛門に挿入され、強烈な振動を始めた。アームはがしがしとピストンし、淫魔に徹底的にいたぶられた女性器は程なく絶頂した。
鏡にむかって保健医は潮を吹き、鏡を使い物にならないほどに汚す。
保健医「うあああっ! やめええっ! とって、これとってえええっ!」
淫魔「んふふ、だーめ。けっこういいでしょ? 私もたまに使うんだぁ……さあ、レッツゴー!」
淫魔は大股開きになり、股間を責められ続ける保健医を乗せた移動分娩台を、保健室の出口へと押してゆく。
保健医「ど、どこへ……?」
淫魔「んふふー もちろん外だよ」
保健医「そと!? だめっ! やあああああっ!」
保健室の出口は大股を開いた保健医の脚の幅よりは狭く、淫魔は保健医の脚をきゅっと縮めさせて、廊下へと出て行った。
327 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:09:42.24 ID:xmJ+lstUo
夜の大通り。
どこから聞こえるのかわからない女性の悲鳴に、歩行者たちは不思議そうにあたりを見渡していた。
保健医「いやあああっ! みないでええっ!」
淫魔「それっ それそれそれぇ!」
大股を開いた保健医を乗せた移動分娩台を押して、淫魔は夜のストリートをひた走る。
道行く人は、保健医の悲鳴を聞くことはできるが、その姿には気づかない。
歩行者のほんのわずかな者しか、保健医と淫魔の姿を見ることができなかった。
それは淫魔の術だった。
術は5メートルほどの範囲以遠の歩行者から、淫魔と保健医の姿を隠し、5メートル以内に入ってふたりを見た者も、その範囲を出ればふたりを見た記憶を失う。
結局の所、歩行者天国でふたりの姿を見た記憶を残す者は、ひとりとしていないのだが、そんなことは保健医にはわからない。
道行く人は、保健医の悲鳴には必ず反応しているし、なにより保健医からしっかりと見える範囲を歩いているのだ。
それなのに、だれも保健医を助けようとしない。
絶望と羞恥と恐怖と快楽に、保健医は崩壊していた。
メイクは涙とよだれと鼻水でぐちゃぐちゃになり、2本のアームに付けられた張り型とアナルバイブが、股間を執拗にかき回し、愛液と尿を噴出させる。
ときおり、淫魔と保健医の範囲内に入った歩行者が、ぎょっと見つめ、そのたびに保健医の思考はより深く恥辱される。
保健医「やめえええぇぇぇ……たすけえええぇぇぇ……」
首が座らなくなり始めている保健医に、ときおり淫魔は言葉で追い打ちをかける。
淫魔「いまの人、見てたねえ。保健医の恥ずかしいところ、見てたねえ……んふふふふ」
拘束され、大股を開かせられ、股間を徹底的にかき混ぜられて衆目にさらされる。
異常な事態に、保健医の精神は早くも崩壊し始めていた。
淫魔はスカートをめくりあげるだけの保健医に、さらに追い打ちをかけるべく、移動分娩台を押す手を止めた。
歩行者天国の真ん中で、淫魔は立ち止まる。
突然停止し、周りの人間に恐怖の視線を向ける保健医の真正面にたち、淫魔は宙に手を振るう。
黒い刃の巨大なハサミを取り出すと、淫魔は言う。
淫魔「もう、服もいらないよね?」
328 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:10:47.21 ID:xmJ+lstUo
保健医「ふく……だめっ! 切らないで!」
しかし、保健医の声に、周りの歩行者たちが気づく。
声を出さなければ大丈夫らしいと気づいた保健医は、くちびるを噛んで、股間からあたえられる快感に逆らう。
保健医「うっ……ふぐ……うええええ……うぐ……」
淫魔「そうそう、声出さなければ恥ずかしくないよー。でも、意味なくなくなっちゃうね」
黒いハサミは切れ味よくじょきじょきと、保健医のタイトスカートとジャケットを切り、白衣を刻む。
手際よく、保健医を町の真ん中で全裸に剥くと、淫魔は露出したクリトリスをひねりあげた。
保健医「そこ、つままなっ! んああああああっ!」
快楽の悲鳴を上げ、保健医の声を聞いた歩行者たちが立ち止まる。
歩行者は性別を問わず、とろけきった女性の悲鳴に苦笑いするものの、その声の切迫した様子にみな不安な表情を見せ、何かあるなら助けようと、あたりを見渡す。
歩行者♂「なんか……ヘンな声、聞こえた?」
歩行者♀「うん。苦しそうな声……こっち?」
数人の歩行者が、保健医の声を頼りにキョロキョロと近づく。
保健医「ぐぅ……もう、動かして、早く!」
淫魔「動かして? 頼まれちゃあことわれないなあ……んふふ」
淫魔は車いすのレバーを操作し、保健医の股間をかき回すアームの速度と振動を強める。
保健医「ちがっ! 動かしてって……ああっ! イくうううううっ!」
愛液と尿を大量に噴き出し、保健医は無様な絶頂を遂げる。
道路に水たまりを作る勢いで体液をぶちまけ、けいれんする保健医を、遂に歩行者のひとりが見つけた。
両足を広げて拘束され、車いす型の機械から伸びるアームに、股間をかき回される妙齢の女性。
その車いすのレバーを握る、制服を着た紫色のショートカットの少女。
その異常な光景に、発見した歩行者は指さして声をこぼす。
歩行者♀「あ……あなたたち、なにやって……」
歩行者♂「え? どうした?」
突然立ち止まった同行者の女性が指さす場所を不思議そうに眺め、歩行者♂が一歩そちらヘ歩み寄ると、異常な光景が見えるようになる。
329 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:11:28.05 ID:xmJ+lstUo
歩行者♂「な……な……」
淫魔と保健医を見つける歩行者たちはだんだんと多くなる。
見つけた瞬間に歩行者たちはあっけにとられて立ち止まるため、淫魔と保健医を一定の距離で取り巻いて、人垣となっていった。
淫魔「んふふ……見られてるねえ、見られちゃってるねえ……んふふふふふふ」
分娩台の上で跳ねるだけとなった保健医に、淫魔は言葉で追い打ちをかける。
10人20人と、見物人がふえる中で、全裸に剥かれた保健医の、局部へのえぐりは強さを増し、連続で絶頂を迎えさせた。
保健医「あああ……またイく……あああああ……」
精神をすり切れる寸前にまで追い詰めたことを確認すると、淫魔は車いすを押して見物人へと駆け出した。
突然むかってきた大股開きの女体に、野次馬は引き下がって、道を空ける。
淫魔たちが走り抜けた後、野次馬たちはいままで目前に居たふたりの記憶をなくし、道の真ん中を円形に取り囲んだまま、その場にぽかんと立ち尽くした。
330 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:13:11.15 ID:xmJ+lstUo
歩行者天国の大通りから、一本入った寂しい裏路地。
移動分娩台を押しながら、淫魔は楽しそうに語りかける。
淫魔「んふふ……見られてたねえ。よおく見られちゃったねえ……んふふふふ」
保健医「あぐ……もうたすけ……うえええ……」
ビルに囲まれた裏路地の、少し広くなった場所に移動分娩台を止める。
淫魔は分娩台のいままでさわっていなかったレバーを倒した。
基部から昆虫のような脚が伸びて地面のアスファルトに食い込み、分娩台は地面に完全に固定された。
保健医の局部の高さを自分の腰の高さに調整する。
膣と肛門を責めていたアームを停止させて下部に収納し、保健医の正面にまわる。
淫魔「ふふ……くっさい」
すでに開きっぱなしになっている保健医の女性器と膣に鼻を近づけ、よくよく嗅いで淫魔は舐めあげる。
保健医「ああぅ……んああ……んう……」
恐怖と快楽から来る汗、それに愛液と尿と、腸の分泌液の混じった股間をなめ回し、存分に味わって顔を上げると、淫魔は身体を一歩退かせた。
くちびると頬についた股間の汚い汁を美味そうに舐めとりながら、淫魔は前のめりに上体をかたむけ、スカートの中に手を入れると、両手でパンツをずり下ろす。
くるぶしまでずり下げ、片足ずつ足を抜いて、パンツを脱ぎ去った。
淫魔「んふふ、恥ずかしかったでしょ? すっごく感じてたよね?」
片手に握り混み、搾ると、パンツの含んでいた透明な粘液が淫魔の指を伝って落ちる。
淫魔「ほら、わたしも……じゅるる……」
パンツからしみ出た自分の蜜を、音を立てて舐めとる淫魔に、保健医は身体を震えさせ、恐怖の声を漏らした。
保健医「狂ってる……あなた、おかしい……」
淫魔「んふふ、だろうねえ。人間から見ればたしかにそうだ」
保健医「人間……?」
淫魔は紫のショートカットに隠していた、真っ赤なツノをゆっくりと伸ばす。
皮膚の色をきめ細やかな真珠色から紫、緑、青、オレンジ色に変えて、また真珠色に戻す。
保健医「化け物……」
淫魔「んふふ、淫魔だよ」
制服のミニスカートを淫魔が持ち上げると、肥大化したクリトリスが、透明なガマン汁を垂らしていた。
保健医「ひっ! なにそれぇっ!?」
淫魔「保健の先生なのにわかんないの? わたしの、ク・リ・ト・リ・ス」
分娩台のバイブに責めきられ、脱力して開く保健医の膣口に先端を当てると、淫魔は遠慮無しに腰を進める。
保健医「あぐ……おおき……ぐはぁ……」
淫魔「ん……興奮してたから……もう……んはあっ!」
ビュルルルルルルッ!
保健医の子宮口に先端を押し当てると、淫魔は本気汁をぶちまけた。
331 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:13:55.85 ID:xmJ+lstUo
淫魔の白濁液は保健医の子宮を膨らませ、膣に収まりきらない粘液が結合部から飛び散る。
淫魔「んふ、まず一発」
淫魔は射精したクリトリスを引き抜き、縮めて秘裂に納める。
空中に手を振って、黒い油性ペンを取り出すと、淫魔は保健医の内腿に、正の文字の一画目を書き入れる。
へその下、下腹部に油性ペンでさらに書く。
「膣内射精ご自由に!
おまんこもおしりも
やさしく愛して!」
ペンにひもを付け分娩台にぶら下げると、淫魔は三歩下がって保健医を見る。
淫魔「んふふ、いいカッコ」
保健医「もう、やめて……」
淫魔「だーめっ……さてと」
淫魔は路地裏を見渡し、少し離れた本通りを眺め、人通りが多いことを確認してから、指をくるくる回して結界を張る。
淫魔「えーっと。まずは人払い。ただし、やさしいエッチのできるオトコ寄せ。あとは発情と避妊、音封じ、病封じに、記憶消去……うん。これでいいかな」
保健医「な……なにを言ってるの?」
淫魔「んふふ。あなたは朝までオトコノコと保健のお勉強。じゃーねー」
本通りにむかう淫魔と、気のよさそうな体格のいい青年がすれ違う。
すぐに、保健医の残された路地から男女の交わりの声が聞こえる。
さらに数人の男性がフラフラと路地に入っていくが、保険医の交わりの声が、大通りに漏れることはなかった。
332 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 02:14:27.82 ID:xmJ+lstUo
夜、男の家
繁華街から淫魔が家に帰ると、すでに夕食時だった。
淫魔「ただいまー」
母「あら、淫魔ちゃん。お帰りなさい。もうすぐご飯だから、手洗いうがいね」
淫魔「はーい」
洗面所で汚れを落とした淫魔が食卓にゆくと、早めに帰宅した父が喜々として食器を並べている。
父「おや、淫魔ちゃん。おかえり。学校はどうだった?」
淫魔「はい。友達もできましたし、先輩も先生も、とってもいい方々です」
父「ははは、それはよかった」
と、台所から母の声。
母「ダーリン、おかずを運んでー」
父「すぐ行くよハニー。それじゃ淫魔ちゃん、また後で聞かせて……」
居間に行くと、男と妹が仲良くテレビを見ている。
あぐらをかいた兄の脚に、身体をすっぽりとおさめ、妹は幸せそうに頭をグリグリと押しつける。
妹「お兄ちゃん……ふふー」
男「淫魔、おかえり」
妹「あ、淫魔さん。おかえりなさーい」
淫魔「んふふ、ただいま……幼馴染は?」
男「もう帰ったよ」
淫魔「ん……そっか」
淫魔はパチンと指を鳴らし、制服から私服に衣替えする。
男に寄り添って座り、ほっとため息をつく。
男「……おまえ、飯食べるの?」
淫魔「んぅ? 食べるよ。なんで?」
男「……食ってきただろ。大量に」
淫魔「えっ? なんでわかるの?」
男「満足そうな顔してるからな。……あれ? ちょっと待て。じつは、そんなに食ってないとか?」
淫魔の顔を見直して、男は不思議そうにたずねた。
淫魔「んぅ、量は食べたけど、あんまり美味しくなくて、お腹にたまんなくて栄養もない感じだった。だからやっぱりお腹はすいてるよ」
男「……そっか」
淫魔「男、おれがつきあってやろうかな、なんて考えた?」
男「う、実は少し」
淫魔「んふふ、正直でよろしい……でも、今日はいいや。ね、男、頭なでてよ。ご飯まででいいからさ」
男「でも、もうすぐだよ?」
淫魔「だからだよ。長くされたら、なついちゃう」
淫魔は男の手が、まるで恋人にするように、やさしく頭をなでるのを感じていた。
晩ごはんまで、もうすこし。
333 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:15:52.08 ID:xmJ+lstUo
雲が低く垂れ込める、蒸し暑い夜。
神社の本殿に、蝋燭の明かりが灯る。
扉の向こうからは、男女の交わりの声が響いていた。
巫女「んあっ……兄さま……兄さまっ!」
すでに巫女の口の回りには兄の精液がかかり、髪にも白濁液がべっとりとまとわりつく。
肛門は人差し指ほどに開き、やはり周りにはすでに精液がこびりついている。
身体中に兄の精液を浴びながら、少女はさらに多くを求める。
仰向けに大股を広げる黒髪の少女に、大柄な青年がのしかかり、結合した性器を突き上げる。
禰宜「巫女っ……くう……きつい……」
兄の精を欲し、少女の膣はぬめり、そして締まる。
巫女「あああっ! 兄さま、膣内に!」
長い髪を振り乱し、肌に玉の汗を浮かべ、だらしなく開けられたくちびるからは唾液の糸を垂らして、巫女は精液を求める。
そして、少女の頼みを兄は断らない。
腰を早く動かし、膣奥に亀頭をつづけてたたき付ける。
禰宜「ああ……出すぞ!」
巫女「兄さま……口を……」
切なそうに見上げる少女に顔を寄せ、禰宜は巫女に口づける。
巫女「れろ、ちゅる……兄さま、好き……ちゅ……」
禰宜「ああ、巫女……ん……ちゅ……きれいだ」
兄の言葉に、少女の膣はいっそう収縮し、男根を吸い上げる。
禰宜「く……うっ……出る」
ビュルルルルッ!
巫女「んあっ! んっ! ……あああああっ!」
兄の精を受けて、巫女も絶頂し、仰向けになったまま背をそらし、兄に身体にしがみついて、肢体を震わせる。
巫女の健康な白い肌に朱が差し、鳥肌と汗が浮かび、乳房は張りつめた。
膣内の兄のけいれんが止まると、巫女はまた、兄に口づける。
巫女「兄さま……ちゅ……好き……」
禰宜「ああ、巫女……好きだよ……ちゅ……」
少しの間口づけを交わしていたが、兄の目から流れた涙が、ふたりのくちびるを濡らした。
巫女「兄さま、泣かないで」
禰宜「……ああ」
部屋の一角にしつらえられた柱時計が、ぼーんぼーんと0時を告げる。
ふたりは時計の音を聞いて惜しそうに身体を離し、巫女は布団の側にたたまれた白い襦袢に手を伸ばす。
禰宜は白衣に濃緑の袴を穿き、入り口に立てかけておいた日本刀をとる。
334 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 02:16:35.56 ID:xmJ+lstUo
巫女「さ、兄さま」
兄は巫女の目を見つめ、無言でうなずくと、扉から外に出た。
禰宜が出た後、扉は外から閉められた。
襦袢を着た巫女は、布団の中央で祭壇を向いて平伏する。
本殿の空間に静寂が戻り、祭壇の間には似合わない柱時計の、時を刻む音だけが響く。
やがて静けさに満ちた部屋に、遠くから水の流れるような音がひびいてきた。
音は祭壇から漏れていた。
粘りけをおびた水を無理矢理にかき回すような、泡立つ音で、その音が近づくほどに、巫女の肩が恐怖に震える。
水音はひときわ大きくなり、祭壇から土色の触手が数十本まとめて飛び出した。
触手は迷うことなく巫女に襲いかかり、平伏していた少女の四肢を巻き取り広げ、容赦なく犯し始める。
巫女は押さえて涙を流し、触手に身体を捧げた。
巫女「ううぅ……ううううぅ……」
本殿の外。
日本刀を肩にそえ、扉の柱を背に正座する禰宜の耳に、本殿の中から妹の犯される音と、苦痛混じりの嬌声がひびく。
明け方近くになれば、巫女の声からは苦痛が消え、禰宜は快楽の叫びを聞かされるだろう。
刀の柄を血が浮くほどに握りしめ、歯を食いしばって遠くを見たまま微動だにせず、禰宜は涙を流す。
雲が低く垂れ込める、蒸し暑い夜だった。
335 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 02:17:50.79 ID:xmJ+lstUo
翌朝、淫魔は日の出とともに家を出た。
服はいつもの私服。学校のカバンと、リンゴをいくつか入れた紙袋を持つ。
人通りがないことを確認し、淫魔は空へと飛び上がる。
黒い翼に朝日を受けて、光を吸った羽がじんわりと暖まる。
今日も暑くなりそうだ。
気分は昆虫採集。樹液に集まるカブトムシを捕まえるのだ。
淫魔が裏路地にたどり着くと、保健医は真っ白な樹液まみれになっていた。
淫魔の残した罠にかかったオトコたちに、愛のあるエッチを一晩中施されたらしく、顔は甘い快楽にとろけきっている。
オトコたちは律儀にペンで回数を書き込んでいて、左の内腿には16コと3画分、右の内腿には7コの正の字が残されていた。
淫魔は局部にあふれる精液をすすりとる。
20人以上の男性の味がして、それを保健医の潤滑液と本気汁がまとめ上げる。
量も味も十分で、淫魔はたっぷりと堪能した後、満足げに舌をのぞかせて、指をパチンと鳴らした。
保健医「あ……あれ?」
早朝の大通りに、保健医はぽつんと立っていた。
まだ、角のコーヒースタンドくらいしか店は開いていない。
格好はいつものタイトスカートのスーツだが、なぜか学校の白衣を着たままだった。
とりあえず、白衣を脱いで腕にかけ、保健医はコーヒースタンドに入る。
店員「いらっしゃいませ。おはようございます」
若い男性の店員が、笑顔で注文を聞く。
保健医が男性に抱くとげとげしい感情が、今朝はなぜか噴き出さず、サンドイッチとコーヒーをテイクアウトする。
ドアベルを鳴らして大通りに戻り、清涼な空気を深呼吸する。
保健医は早朝の道を、のんびりと学校へ歩いて行った。
336 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:18:47.46 ID:xmJ+lstUo
淫魔は空を飛び、学校の敷地内、グラウンドにほど近い、サッカー部室のプレハブに至る。
プレハブの中はしんと静まりかえっているが、入り口ドアのガラス窓には、不透明な蛍光緑と蛍光青の織りなすマーブル模様が、ゆっくりと渦を巻いている。
淫魔がドアの正面を避けてドアノブに手を伸ばし開けると、天井にまで満杯に詰まっていた青と緑の液体が、朝のサッカー部室前の地面に、ドロドロと流れ出した。
工業廃水のような毒々しい粘液には、高校生ほどの年頃の少女たちが混じっている。
しかし、その女子高生たちの股間は、膣と肛門が腕ほどの太さに開いており、腹部は張り裂けんほどに膨張していた。
力なく見開かれたまま、完全に自我の崩壊したうつろな目をしており、青と緑の粘液の中で、意味なく四肢をゆらゆらと動かしているばかりだった。
淫魔「んふふ……」
淫魔は指で輪を作り、パチンと鳴らした。
サッカー部員1「ん?」
サッカー部員2「あれ?」
サッカー部員3「なんでおれら、部室に寝てんの?」
朝日の差し込む部室に、少年たちは練習着のまま転がっていた。
サッカー部員4「うええ……なんだこれ、二日酔いかな」
サッカー部員5「きもちわり……腹の奥が……おえええ」
サッカー部員6「チンコの裏が……だるい」
部員たちは、みな少し不安そうに、下腹部を押さえていたが、やがてその鈍痛も消えていった。
サッカー部員7「だんだん楽になってきた」
サッカー部員8「とりあえず心配なさそうだな」
サッカー部員9「……なんか、ひっでえ夢見てた気がする」
サッカー部員10「おれも。……女子に……ああ」
サッカー部員11「なあ、もうこういうの、やめないか?」
サッカー部員12「そうだなあ……」
サッカー部員13「はあ……」
壁も天井もぞうきんがけしたような、妙にきれいになった朝日差し込む部室の床で、サッカー部員たちは肩を落としてため息をついた。
やがて、三々五々立ち上がり、始業までかなり時間があるので、いちど家へと帰っていった。
337 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 02:19:27.06 ID:xmJ+lstUo
体育館第二倉庫の前で、淫魔はプレゼントの箱を開ける子供のようにわくわくしていた。
結界を解除し、扉を開けると、鼻をつく愛液と精液のにおいが、淫魔の鼻腔をくすぐる。
舌なめずりをして中に入ると、少年1と少女1は、ハダカで抱き合ったまま眠っていた。
性欲のさかりの少年少女を、媚薬を盛ってひと晩閉じ込めたのだから、新品のマットは、ひどいありさまだった。愛液と精液と尿をぐしょぐしょになるまで吸い込んだそれは、もう使い物にならなそうだ。
倉庫に充満した、まだまだ青い愛の残り香を、淫魔は深呼吸し吸い込むと、とても満足した様子で、指をパチンと鳴らした。
ハダカのふたりの身体は清められ、きちんと制服が着せられた。ひどく汚れたマットも清潔な新品になった。
淫魔は紙袋からリンゴをひとつ取り出すと、眠りの浅くなり始めたふたりの手に握らせた。
淫魔「なかよく半分こして食べるんだよ……んふふ」
やがて起きる、新しい恋人たちを倉庫に残し、淫魔は体育館を後にした。
338 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:20:44.54 ID:xmJ+lstUo
まだまだ早い朝の学校。
部活の朝練すら始まっていない校舎の鍵を、淫魔は開け、朝日さし込む学校の廊下を歩く。
鼻をひくつかせ、時たま舌をぺろっとのぞかせて、充満する若いオンナノコとオトコノコのにおいを楽しむ。
念入りに全学年全クラスをのぞいて、教室の空気を吸い込み、職員室や用務員室など、人の活動するあらかたのへやを回り終わると、淫魔は屋上に出た。
鍵のかかっていたドアを難なく開けると、元通りに鍵を閉め直す。
屋上の腰ほどの高さの手すりに校庭の正門を見下ろすように腰掛け、淫魔は術を展開して私服から制服に衣替えする。
背を振り返り、足もとを確認し、スカートをぱんとはたいて、着替えられたのを確認し、紙袋からリンゴを取り出すとかじり始めた。
学校の中を歩いてまわっているうちに、けっこう時間が経ったらしく、部活の朝練の生徒たちが、ちらほらと校庭に見える。
ひとつめのリンゴをかじりおわり、ふたつめに手を伸ばそうと、淫魔が紙袋に手を入れると、背後から声をかけられた。
修道女「おはようございます」
淫魔は振り向き、手を振る。
淫魔「んぅ、おはよう修道女。リンゴ食べなよ」
取り出した赤リンゴをぽんと投げ、修道女に手渡す。
淫魔「甘くて美味しいよ?」
修道女は苦笑いし、受け取ったリンゴを見る。
修道女「最初の男女にも、こうやって実をあたえたのですか?」
淫魔「んー、まあね。進展がなくてつまらないし、かわいそうだったから……あ、やっぱりあなたは、わたしのリンゴなんて、イヤ?」
修道女「いいえ、いただきます」
赤いリンゴに、かわいらしくかじりつくと、しゃりしゃりと音を立てて、修道女は味わう。
修道女「うん、美味しい」
淫魔「んふふ……強くなったねえ。いまのあなたとは、ちょっと戦いたくないなあ……」
修道女「何をおっしゃいます。刃を向けられないのはわたしの方です」
淫魔はリンゴを取りだし、かじると言う。
淫魔「ねえ修道女。もっと気楽に話してよ」
修道女「そうですか? では失礼して……ふふ」
339 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:21:51.50 ID:xmJ+lstUo
うなずき、淫魔は前に向き直ると、正門を監視しながら言う。
淫魔「そんで?」
修道女「用件はふたつ。まずひとつ。あなた昨日、町で術を使ったわね?」
淫魔「うん」
修道女「うんって……はぁ。夜の繁華街で、姿のない女性の悲鳴と少女の笑い声が走り回ったそうじゃない。あなたでしょ?」
淫魔「そうだよー? 声の持ち主は知ってる?」
修道女「騒ぎを聞いて、様子を見に行った。路地裏で大変なことになっている、保健の先生を見つけたわ」
振り返らずに淫魔は答える。目は正門から入ってくる生徒を値踏みしている。
淫魔「それで、どうしたの?」
修道女「それだけ。あなたのしわざと確認できて、一安心。あんなコトする悪魔が、そう何人もいてたまるもんですか」
淫魔「怒らないの? 意外だなあ……」
修道女「あの保健医がどのような人間か、だいたい把握してたから」
淫魔「言い寄られたね? オトコノコ、修道士のことバカにされたでしょ?」
修道女「ええ。生きたまま細切れにしてやろうかと思った」
淫魔「んふふ、やめときなよ? ……もう一つの用事は?」
修道女の声から、柔らかさが消える。
退魔師の深く落ち着いた声色で、修道女は言った。
修道女「ここにあなたがいるのと同じ理由」
淫魔にならび、屋上の手すりに胸を預け、正門を見下ろす。
修道女「……近いうちに結界が壊れるのかしら? この町、悪魔が多い」
淫魔「んぅ」
淫魔はリンゴをかじる。しゃりしゃりと噛んで、修道女に答える。
淫魔「護符でも付けてるのかな? この学校にいるのはわかるんだけど、誰かってまではわからない。においが広がって薄まっちゃってる感じ」
修道女「なるほど……」
淫魔「しかも、一人や二人じゃない。それだけよけい探しにくい」
修道女「たしかに。この学校、多いわ。しらみつぶしにするしかなさそうね……でも、どうしてあなたは悪魔憑きを探すの?」
淫魔「ひどいことしてたら、やめさせる。でも、まえの修道女とか天使みたいな力任せのやり方だと、不幸せになる子も多いから、慎重に」
修道女「……それなら、悪魔を払うこともあるわけね」
淫魔「したくはないけど、そうだね」
修道女「わたしに手伝えることがあるなら言って。あなたのもとで勉強したいし」
淫魔「ん? 修道女はもうとっくに一人前でしょ?」
修道女「……まだまだ修行が足りないわ」
修道女は首を振って、リンゴをかじる。
淫魔と修道女はホームルームまで、正門から入ってくる生徒を見ていたが、あまり収穫はえられなかった。
340 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:22:36.44 ID:xmJ+lstUo
朝の教室は、つきあい始めた少年1と少女1のうわさが流れていた。
ふたりとも、ひと晩行方不明になり、もともとちょっとした騒ぎになっていたところの、電撃交際。以前から微妙に距離が近く、いつくっついてもおかしくなかっただけに、噂にならないはずがない。
ざわつく教室に入り、淫魔は自分の席に座る。
少年1と少女1は、離れた席にそれぞれ座り、時々視線を交わらせて、また恥ずかしそうに目をそらしを続けていた。
淫魔「んふふ、ういういしいねえ」
ほほえましい愛の交換を、淫魔が味わっていると、突然腕をひかれた。
男「ちょっとこっち来い」
淫魔「のわ、男……うで引っぱんな、あいててて……」
人通りの少ない廊下にまで淫魔を連れ出し、男は淫魔を壁際に立たせる。淫魔の顔両脇に手をついて、目を見ると男は言った。
男「淫魔、おまえ、やらかしただろ」
淫魔「えー なんのことー?」
男「とぼけるな。おまえが転校してきた日に、いきなりクラスメイトが夜の学校にお泊まりだ。おまえ以外に考えられるか?」
淫魔「ふむ、男くん。キミの推理は正しいが、見落としていることがあるね」
男「んだよ?」
淫魔「あのふたりだけじゃないってことだよー。サッカー部の子たちも保健の先生も、美味しくいただきました。ごちそうさま!」
男「な、なな……なお悪いわっ! バカっ!」
淫魔「んふふ。でも男、ふたりが不幸に見えた? あの恋がどう動くかはわたしには保証できないけど、けっこういいトコロまで行くんじゃないの?」
男「……いいトコロってどこだよ」
淫魔「ひ孫は確実だなあ」
男「子孫!? 子作りは決定事項かよっ。いいトコロまで行き過ぎだろ!」
淫魔「いいじゃない。いまのところ、誰も不幸な人は生まれていない。ご両親だって、あのふたりの仲を見れば納得してくれるはずだよ」
男「むぐ……」
淫魔「それより男、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
男「なんだ?」
淫魔「男のわかる範囲で、悪魔に接してる人って居ない? うわさでもいい」
男「悪魔に? ……おれとか幼馴染、修道女以外にだろ?」
淫魔「そうそう」
男「いや、わかんないな。探してんのか?」
淫魔「探してるのもあるけど、気をつけてってこと。悪魔ってわたしみたいなのばっかじゃないから。話が通じないヤツも多いし、そもそも話すらできないヤツらもいる。もしやばいと思ったら、すぐに逃げて」
男「……わかった。幼馴染を連れてだな」
淫魔「そういうこと」
淫魔は腕を組んでうなずいた。
341 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:23:11.50 ID:xmJ+lstUo
放課後の下駄箱。
男と幼馴染、淫魔の三人はいっしょに帰ろうと連れ立ってきたが……
淫魔が靴を取り出すと、一通の手紙が入っていた。
淫魔「おや? 今日もか」
幼馴染「淫魔さん、すごーい」
男「たのむから、ホントにたのむから、ひどいことはすんなよ?」
淫魔「そうだねー。のこさずに美味しく食べるよ」
うれしそうに淫魔は手紙の封を開け、便せんを広げる。
「中庭で待つ」
たったこれだけのそっけない手紙。しかし字は丁寧だ。
淫魔「たぶん、オンナノコだね」
にやける淫魔に、不吉な予感を覚えた男は、幼馴染の手を引っ張って下駄箱から離れる。
幼馴染「そんなにひっぱんないでよ」
男「ごめん幼馴染。でも、わかってくれ……」
淫魔「ふたりとも、じゃーねー」
駆け足で遠ざかっていく男と幼馴染に手を振り、淫魔は便せんを鼻に近づけた。
鼻をひくつかせ、舌をぺろりとのぞかせる。
淫魔「んふふ……見つけた」
342 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:23:47.80 ID:xmJ+lstUo
学校の中庭は、三方を校舎に囲まれた、ごく狭い、薄暗いところ。
地面は土で、一応花壇もあるのだが、完全に放置されている。日がほとんどあたらないので、雑草すらあまり生えていない。
周りの校舎も教室などではなく、ボイラー室や倉庫などで、鉄筋コンクリートの白い壁には、窓すらほとんど無い。
すくなくとも、愛の告白をするような場所ではない。どちらかと言えば、カツアゲが似合う場所。
淫魔にとっても、そこは死地だった。駆け回るには少々狭く、三方を丈夫な壁で囲まれ、罠の術を設置するならば、絶好の空間である。
実際、もし相手が修道女ほどの腕前なら、先日の体育館での戦闘と同様、一方的に捕縛術で絡め取られ、惨殺されてしまうだろう。
しかし、淫魔は堂々と中庭の花壇まで歩み寄り、立ち止まってあたりを見渡す。
淫魔「んー? 罠があると思ったんだけどなぁ」
注意深く中庭の地面や壁を淫魔は観察するが、やはり術は見つからない。
実体のある道具を使った罠も仕掛けられていない。
淫魔「そうとうな自信? それとも、未熟?」
すると、中庭の入り口に、足音。
あらわれたのは、長い黒髪の少女だった。
淫魔と同じ、学校の制服を着て、持ち物は通学バッグ。
バッグを地面に置き、中庭に吹き込む風になめらかな長髪を少し踊らせ、少女は言う。
巫女「淫魔さん……ですね?」
淫魔「そうだよ」
巫女「やっぱり、あなたが……あなたみたいな人がいるから!」
制服のポケットからお札を取り出し、巫女は淫魔に突きつける。
淫魔「結界が壊れるって?」
巫女「そ、そこまでわかっているなら、この町から出て行きなさい! さもなくば!」
淫魔「どうするのさ?」
巫女「成敗しますっ!」
よくとおる澄んだ声に憎悪を乗せ、巫女の叫びが中庭の壁に反響する。
343 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:25:14.14 ID:xmJ+lstUo
巫女の持つ札を見て、淫魔は軽く首を振った。
淫魔「やめとこうよ、無駄だって。それよりお話しよ?」
巫女「話すことなどありません! はっ!」
巫女は札を一枚取り、淫魔へと投げつけた。
術の込められた札は、一枚の紙だというのに矢のようにまっすぐ飛び、淫魔の腕にあたる。
淫魔に接触すると、札は瞬時に光に変わり、音をともなわない稲妻のような閃光を爆発させた。
狭い中庭は札の放った光に真っ白に塗りつぶされ、巫女は腕で顔を覆った。
巫女「く……やっつけた?」
まだ光から回復しない目をこすりながら、巫女は淫魔のいたところに目を戻す。
術を受けた淫魔はそのままに立っていた。
淫魔「これ、目くらましでしょ? 明るくて驚くけど、痛くも何ともないよ?」
巫女「そ、それなら……」
巫女は2枚目の札を振りかざし、淫魔の足下に投げつける。
まっさらな土に札が落ちると、紙は溶けて消え去り、地面から蔓草が伸びて淫魔の脚に絡みつく。
ツタはかなり丈夫で、淫魔の脚を封じた。
巫女「どうだっ!」
淫魔「えっと、うん、からまってるね。でも……」
淫魔は蔓草を引きちぎりながら、片足を難なく引き抜き、札の作った草むらの外へ脚を下ろす。
自由になった淫魔の脚を封じようと、さらに蔓草が伸びるが、淫魔は虚空に腕を振るった。
黒と緑の巨大な曲刀を宙から取り出し、足下の蔓草を払うと、草は動きを止め、砕け散った。あとには、何も残らない。
淫魔「ねえ、もうわかったでしょ? いまなら、やさしくしてあげるからさ」
曲刀を振って虚空にもどし、淫魔は巫女に歩み寄る。
巫女「くるなっ! それっ!」
最後の一枚の札を巫女が投げつけると、札は空中で飛矢に変わり、加速して淫魔に命中した。
巫女「ふふ、やった!」
淫魔「いやいや」
高速で飛来した矢を、淫魔は胸の前でつかんでいた。
巫女「え……」
淫魔「ふーん、術を込めた矢か。修道女のバリスタに似てるけど、威力も数も全然足りないね」
たやすく矢を折り捨て、淫魔は巫女に迫る。
344 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:25:57.31 ID:xmJ+lstUo
巫女「そんな……どうして?」
淫魔「この術って護身用でしょ? 最後の矢はまあまあだけど」
巫女「くっ!」
きびすを返して逃げようとする巫女に、淫魔は瞬時に追いつき腕をつかむと、中庭の壁に背中からたたき付けた。
巫女「うあっ!」
右手の指をぺろりとなめ、淫魔は壁を背にする巫女に歩み寄る。
淫魔「ふふ、美味しそう」
巫女「こ、来ないで!」
巫女は身をひるがえして逃げようとするが、淫魔のほうがはるかに速い。
淫魔は巫女の胸のリボンを左手で鷲づかみにして、背を中庭の壁に押しつけた。
それほどの力を入れたわけではないが、巫女の頭がコンクリートにぶつかって、ゴツンと音を立てた。
巫女「痛っ!」
淫魔「痛い? ごめんね、気持ちよくしてあげるから……」
左手で巫女の身体を壁に押しつけたまま、淫魔は右手の指先を舐め、巫女の制服のスカートに進入させた。
巫女「やっ! 放して! 放しなさいっ!」
巫女は壁に背中を付けたまま、ジタバタと暴れたが、淫魔は腕一本でその抵抗を受け止める。
自分よりわずかに背の低い、淫魔の怪力に巫女が絶句していると、パンツの股布が横にずらされ、唾液に濡れた指が少女の膣に滑り込んだ。
巫女「んあっ!」
淫魔「んふふ、やっぱり」
黒髪の少女をかき回し、淫魔はささやく。
淫魔「あなた、処女じゃないね」
巫女「う……」
うつむく巫女に、淫魔はさらに言う。
淫魔「しかも、毎晩、たっくさんかわいがられてる……ほら」
スカートの中で淫魔がわずかに手を動かすと、壁に押しつけられた巫女の身体が跳ね上がる。
巫女「ひああっ! っあ!」
淫魔「気持ちいいこと、いっぱいしてもらってる。人間のオトコノコと……悪魔に」
巫女は驚いて淫魔を見つめ、次いで目と眉に力を込めてにらみつける。
巫女「あの人は、あの方は、悪魔なんかじゃありません!」
淫魔「そうだね。わたしの言い方が悪かった。でも、わたしの同類だ」
巫女「あなたなんかと、一緒にしないでっ!」
秘裂をかき回されながら、それでも巫女は淫魔の目をにらみ返す。
345 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:26:57.72 ID:xmJ+lstUo
淫魔「いい目。とろかしてあげたくなっちゃう」
ちゅくん。
巫女「ひあっ!」
秘裂をかき回す淫魔の指に、精密さが増す。
淫魔の指はリズムよく動き、少女の身体を奏であげ、巫女の目からは早くも誇りが失われつつあった。
巫女「やっ! 動かさないで……あっ!」
淫魔「んふふ、そんなにオンナノコな顔、わたしに見せちゃっていいの?」
巫女「く……ううっ!」
淫魔の愛撫とは言え、巫女の感じ方は異常だった。
太ももは早くも震え、ずらされた股布はすでに愛液をじっとりと含み、パンツに吸収されなかった蜜は太ももをつたって、黒いハイソックスにシミを作る。
たっぷりとあふれる少女の蜜は、性交の摩擦から身体を守るためだが、淫魔はその蜜で巫女の心をとろかし、責める。
淫魔「ほらほら、もっとにらんでよ」
巫女「うぁ……だめぇ……」
淫魔「えー、どうしてぇ?」
巫女「だめ、これ、気持ちよすぎ……」
淫魔のなめらかな指は巫女の中も外も丹念に愛撫した。
開発された巫女の身体に、淫魔の愛撫は強烈で、もはや巫女は、自分の体重を脚でささえられない。
淫魔に服の胸を掴まれ、壁に背中を押しつけられて、巫女は無理矢理に立たせられている。
巫女の息がひときわ荒くなり、腰から始まった震えが肩にまでいたり、そして……
巫女「んっ……や、いくっ! あああああっ!」
くわえ込んだ淫魔の指を締め付け、巫女は肩を抱き寄せ、絶頂した。
淫魔は量の増した巫女の愛液を手にたっぷりとぬぐい取り、スカートから抜き取ると、美味そうに舐める。
淫魔「ふふ、美味しい……もっと」
巫女「……あっ!」
淫魔は巫女の右脚、ひざの裏に手を回して肩に担ぐと、そのまま巫女に抱きついた。
346 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:28:01.26 ID:xmJ+lstUo
右膝を淫魔に担がれ、片足立ちになった巫女の秘裂に、パンツ越しに熱くてぬるぬるした物が押し当てられる。
巫女「なに、これ?」
不思議そうに見つめる巫女をのぞきかえし、淫魔の手が巫女の頬に添えられる。
淫魔「んふふ、いただきます」
巫女「え、んっ……ちゅ……」
淫魔は巫女のくちびるを奪うと、器用に腰を動かして巫女のパンツの股布をずらし、肥大したクリトリスを挿入した。
巫女「ん? んっ! んーっ!」
淫魔「ちゅ……んふふ、柔らかくて、熱くて、やさしく締めて、とってもステキ。毎晩毎晩、大切に耕されてるんだね……」
脱力した巫女の身体を立たせたまま、淫魔は腰だけを使って蜜壺をかき回す。
校舎の中庭に、少女たちの甘い声が満ちる。
長い黒髪の少女は、紫色のショートカットの少女に壁際で支えられ、ようやく立っている。
少女たちの制服のスカートを穿いた腰がぶつかり合うたび、黒髪の少女はのけぞって嬌声を上げる。
巫女「あんっ! んっ! はあああんっ!」
わずかな痛みでもあれば、巫女はまだ抵抗できただろう。
巫女の思考も、こころも、まだはっきりしていた。
しかし、身体がいうことを聞かない。
青さを残しながらも毎夜の情事に熟れきった巫女の身体に、淫魔の技はあまりにも残酷だった。
淫魔に突き上げられるたびに、全身がよろこびの悲鳴を上げてしまう。
せめて、淫魔がその動きを止めれば、何とか言葉を発することもできるだろう。しかし、淫魔の腰は止まらない。
巫女の柔肉を突き崩し、膣に蜜を湧かせて煮えたぎらせ、時たま深く口づけしてノドまで犯す。
淫魔「んふふ……ちゅる……れろ……美味し……」
巫女「はっあ! くっ! ……んああっ!」
スカートの布に隠れ、腰をぶつけ合う二人の秘部がどのようになっているのか、端から見てはわからない。
しかし、震えの走る巫女の腰は、まもなくの陥落を予感させる。
淫魔「ふふ、気持ちいい?」
淫魔のささやきに、巫女は目にわずかに残った光でにらみつけるが、身体はもう言うことを聞かない。
その最後の抵抗の火を踏みにじり、淫魔は腰を突き上げる。
巫女「んあっ!? ひあああっ!」
結合部からの蜜が増し、ふたりのスカートに染みこんで、生地の色を濃くする。
347 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:28:44.83 ID:xmJ+lstUo
少女たちの息はますます荒くなり、巫女が先に限界に至った。
巫女「んっあ! や、あああああああっ!」
背をそらし、コンクリートの壁に頭を打ち付け、長い黒髪を振り乱して、巫女は絶頂する。
締め付けを増した膣をクリトリスで味わい、淫魔はさらに腰を動かす。
淫魔「んふ、きっつい……もっと……」
絶頂に蜜の潮を吹く巫女の膣を、淫魔はじゃくじゃくと突き崩す。
巫女「ああっ! だめ、抜いて! やああああっ!」
さらに締め付けとぬめりを増す巫女の膣奥で、淫魔はクリトリスの先端を子宮口に押しつけ、本気汁を吐き出した。
淫魔「んっ、出る……あんっ!」
どぷん、どぷんっ!
人間を発情させる淫魔の蜜が勢いよく放出され、巫女の奥深く子宮内部にまで注がれた。
巫女「うああ……なにか……出て……」
淫魔「んふ、わたしの蜜……塗り込んであげる」
淫魔は腰を動かし、絶頂間もない巫女の膣内を、まだ白濁液の残りを噴き出すクリトリスでかき回す。
とろけた粘膜をこねられ、巫女は甘ったるい声を上げる。
巫女「あ……ああん……」
淫魔「よいしょっと」
淫魔は腰を引き、巫女の膣を蹂躙したいちもつを引きずり出した。
男性器にも似た巨大なクリトリスを巫女のスカートから伸びる内腿に股間ごとすりつけ、グリグリと刺激して、元通り女性器にしまい込む。
巫女の秘裂からは、透明な本人の蜜と、淫魔の白濁液が絶えることなく垂れ、中庭の土にぬかるみを作った。
ふたりとも、制服のスカートのすそは淫水に濡れ、巫女は秘裂から流れ出た蜜と白濁液に、黒のハイソックスはもちろん、焦げ茶色のローファーの中までぐちゃぐちゃになっている。
巫女の胸元をつかんだまま、淫魔は一歩身を退くと、右手の指をパチンと鳴らす。
ふたりの服装が整えられ、巫女の乱れた黒髪も、くしけずったように毛先をそろえる。
スカートをはじめ、下半身の汚れは清められたが、淫魔は巫女の膣内に、あふれ出ないほどの量で、人を狂わす媚薬である、淫魔自身の本気汁を残していた。
淫魔「んふふ、さ、行こうか」
脱力した巫女に肩を貸し、淫魔は歩き出す。
肩を持ち上げられ、ほとんど引きずられながら、巫女は聞き返した。
巫女「どこへ?」
足を止め、地面に落ちていた二人のカバンを拾い上げ、淫魔は答える。
淫魔「もちろん、あなたのおうち」
348 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:29:37.27 ID:xmJ+lstUo
学校最寄りの駅近く
学校の中庭で陵辱した巫女に肩を貸し、淫魔は駅まで歩いた。
淫魔や男たちの通う学校は、この地方では中心となる大きな町の中程にあり、駅前に近づくと、かなり人通りが多い。
学校の制服を着たふたりの少女が、肩を貸して歩くその姿は少々異常で、なんどか心ある通行人が声をかける。
おばさん「そちらのお嬢さん、つらそうだけど大丈夫?」
巫女は切なそうに顔を上げるが、まともに声を出せない。
淫魔「ええ。ちょっと体調が悪いみたいで、うちまで送っていくんです」
おばさん「そう、気をつけてね」
淫魔「はい、ありがとうございます」
淫魔のはきはきした受け答えに、通行人は安心して通り過ぎてしまう。
巫女の耳に口を寄せ、淫魔は実に楽しそうにつぶやく。
淫魔「んふふ、気持ちいいよね? 気持ちよくてつらいよね?」
膣内に残された淫魔の白濁液は、強い酒や麻薬同様、身体に染みこみ、ただ歩くだけの腰回りの筋肉の収縮さえ、耐えがたい快感となって巫女を責める。
今すぐにでも、秘裂をかき回したい衝動に巫女は駆られていたが、駅に近づくほどに人が増え、最後の理性を働かせて懸命に耐えていた。
巫女「おねがい……もっと、人のいないところへ……」
淫魔「人のいないところに行って、どうするの?」
巫女「っ! あうぅ……」
知らず知らずに口から漏れた、卑猥な言葉に、巫女はうつむく。
駅に着き、自動改札の横、窓口前の通路を淫魔は何食わぬ顔で通り過ぎ、ふたりはホームに至る。
電車が来るまで、あと少し。
巫女「どうして……うちの神社に?」
下腹部で煮えたぎる快感から少しでも意識をそらそうと、巫女は淫魔にたずねる。
淫魔「んふふ、ちょっと気になることがあってね」
そう言って、淫魔は肩を揺すって、巫女を担いだ身体の位置を調節する。
巫女「うあぁっ!」
わずかな身体の動きでさえ、巫女は快楽として感じ、淫魔の術できれいになったばかりのパンツは、すでにぐちゃぐちゃ。
液体を支えきれなくなった布からぽってりと糸を引いて、透明な蜜がホームに落ちる。
2滴目、3滴目がホームの乾いたアスファルトを黒く濡らした。巫女はそれに気づいて、水滴を踏んで隠し、わずかに開いていた両足をそろえる。
淫魔「んふふ」
電車のを待つ行列が、ふたりの後ろにできはじめる。
スーツを着た男性サラリーマン、少し派手目のおばちゃん、学校帰りの同じ高校の生徒、ざっと10人ほどが巫女と淫魔の後ろに並ぶが、誰ひとり、巫女の異常には気づいていない。
349 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:31:05.02 ID:xmJ+lstUo
ほどなく、電車が到着した。
ふたりのほぼ正面で扉が開くが、おりる人はいない。
淫魔は巫女に肩を貸し、電車に乗った。
電車の中は席がすべて埋まり、まばらに立っている人がいるくらい。
乗り込んできた肩を貸しあう美少女ふたりに、車内の乗客、主に男性の乗客は一瞬好奇の視線を送ったが、それも長くはなく、すぐに視線はそらされた。
ドアが閉まり、電車は動き出す。
淫魔は巫女のバッグから定期入れを取り出し、降りる駅を確認する。
淫魔「ふた駅かぁ。けっこう近いね」
巫女「う……電車の振動が……」
電車のわずかな揺れが、うずく下腹部につたわり、巫女は甘いうめきをあげる。
電車は緩やかにカーブを走り、人ひとり分の体重を肩代わりしているというのに、淫魔は微動だにしない。
しかし、かすかな刺激に、巫女はまた声を上げる。
巫女「はうぅ……」
苦しげな少女の声に、近くの座席に座っていた男性が声をかけた。
乗客♂「大丈夫ですか?」
淫魔「ええ、すこし体調がよくないだけですから」
乗客はその言葉に巫女の顔を見るが、息を荒くしてひたいにはうっすらと汗が浮き、頬には朱がさしている。
とても、少し体調が悪い、だけには見えない。
乗客♂「本当に? よろしければ、こちらに……」
男性が席から立ち、席を勧める。
淫魔「ねえ、巫女。こちらの方がお席を譲ってくれるってさ。いま、座れる?」
身体の力の抜けた巫女は、淫魔に支えられてはいるが、体勢は少々キツい。
今すぐにでも、その場にへたり込んでしまいたいほどだったから、座席にはぜひ座りたいところだった。
しかし淫魔は、座れる? と、おかしな聞き方をした。
自分の下腹部の状態に思い至り、巫女は青ざめた。
もし、いま座ったら、わずかな刺激でさえ気の遠くなるほどの快感となる下腹部に、電車の刺激が、じかに伝わってしまう。
そうなったら……
巫女「いえ、すぐおりますから」
可能な限り苦しそうな表情を作らず、巫女は答える。
乗客もムリにすすめることはせず、席に座り直すと、ちらと心配そうに視線をくれて、窓の外を眺め始めた。
淫魔「ふふ、いい判断だね」
巫女「どうしてこんなことを?」
快楽を押さえ込みながら、巫女は淫魔にささやく。
淫魔「んふふ、なぶりもの。あなた、悪魔に負けたんだよ?」
淫魔に見つめられ、巫女の顔から血の気が引き、快楽とは別の震えが走る。
電車の速度が下がり、巫女の身体が淫魔に押しつけられる。
巫女「んあぁ……んぐっ!」
口から漏れる惚けた声を必死で飲み込み、巫女は淫魔にしがみつく。
淫魔「ふふ、かわいい……」
電車が止まり、ドアが開き、降りるひとはわずかで、大量の乗客が乗り込む。
肩が触れるたび、軽く背を押されるたびに、巫女は息を飲む。
車内は満員となり、ドアが閉まり、電車は動き出す。
350 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:32:51.05 ID:xmJ+lstUo
巫女「くぅっ……ふうっ……」
周囲の乗客の身体があたり、腰回りがしびれ始めた巫女は、声を出すまいと必死で口を押さえる。
近くに立っていた女性が、心配そうに声をかけた。
乗客♀「あなた、大丈夫?」
口を押さえる巫女に変わって、淫魔が答えた。
淫魔「ええ、この子体調が悪くて。でも次で降りますから」
たしかに、目に涙を浮かべて、苦しげに口元を押さえる巫女は、見ようによれば乗り物酔いにも見えた。
乗客♀「そう……」
気の毒そうに巫女を見て、乗客は目を携帯に向ける。
巫女は必死に口をふさいだ。甘い声が漏れることのないように。
しかし、電車が揺れ、周りの乗客とわずかに触れるたび、全身に電流が走り、秘裂は蜜をにじませる。
それでも、なんとか巫女は耐えていた。
あと少し、次の駅で降りるのだ。
しかし、電車がカーブにさしかかり、車内が大きく揺れる。
巫女「あっ……!」
肩幅ほどに脚を広げ、バランスをとろうとした巫女に淫魔は正面から抱きついた。
力の入らない巫女の身体をぎゅっと抱きしめ、腰に巫女の体重を受けて身体を支える。
淫魔「巫女、大丈夫?」
友達を気遣うような調子で、淫魔はたずねる。
体調の悪そうな黒髪の少女と、それを気遣う紫色のショートカットの少女。
第三者から見れば、それは美少女同士の助け合い。
まさかそれが、淫らな悪魔に少女が陵辱されている現場だと思う者はいない。
ぴったりと抱きついた淫魔の胸は、張りつめた巫女の乳房を押しつぶし、こね回す。
肩幅ほどに開かれた巫女の脚の間には、淫魔のなめらかな太ももが入り込み、巫女の体重を使って、ぐいぐいと股に食い込ませる。
巫女「あっ……うぐっ……んんんんんっ!」
巫女は、淫魔を見つめ、残酷な愛撫の中止を求める。
淫魔「うん、大丈夫だよ。もうすぐだからね」
絶頂のすぐ手前に巫女を追い詰め、淫魔は気遣うようにささやく。
周囲の視線が、やさしげな淫魔と、つらそうな巫女に注がれる。美しくもかわいらしい少女同士の気遣いと思いやりに、乗客たちは心を和ませる。しかし、注目を集めた巫女の身体の芯は、焼けるほど熱く、凍えるほどに冷え切った。
淫魔「ほら、あと、もう少し」
声も、口元も思いやりにあふれ、目元はほほえんではいるが、それは巫女を安心させるほほえみではなく、いたぶり楽しむ目だった。
351 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:34:36.32 ID:xmJ+lstUo
柔らかくも張りのある太ももを巫女の秘部に食い込ませ、淫魔は発情した秘裂をぐいぐいと押し上げる。
巫女「あし、やめて……」
明らかな粘液の音が、かすかに巫女のスカートの中から響く。
電車の音に紛れて、周囲の乗客には聞こえていないようだが、巫女の耳にはっきりとわかる。
淫魔「え? でもコレとったら……」
淫魔が太ももを引くと、巫女の身体はがくんと下がる。
身体が落下するより早く、淫魔は巫女の股間に太ももを滑り込ませ、衝撃をあたえて抱き上げる。
巫女「んんっ! くうぅ……」
淫魔「ほら、もう少し。あとちょっと……」
くい、くいと、淫魔は巫女の股間をすりあげる。
あと少し。絶頂の半歩手前で、淫魔は巫女を留まらせていた。
あとちょっと、ほんのわずかな刺激が加われば、達してしまう。
巫女は歯を食いしばり、淫魔の責めが強まるのを感じた。
巫女「んっ! んんぅ! んああっ!」
ついに声が漏れ、巫女はうつむいたまま口に手を当てる。
あと少し、あと少しあれば楽になれる。
すでに巫女は、刺激を求めてさえいた。身体のうずきだけに、思考が支配される。
周りの視線もまったく気にならない。
秘部を押し上げる淫魔の脚の感触にすべてを集中し……
突然、淫魔は巫女を抱き上げた。
淫魔「すみませーん、降りまーす」
電車は駅に着いていた。
淫魔は巫女の絶頂をかき消すほどに乱暴に抱き上げると、開いたドアから飛び降りる。
直後、ドアが閉まり、電車は発車した。
過ぎ去る電車を見送り、淫魔はホームの端へと巫女を背負って移動する。
淫魔「さて」
肩を貸していた巫女の身体を、淫魔はホームに投げ捨てた。
巫女「ひっ!」
突然の落下。アスファルトのホームへの激突を予感して、巫女は息をのんだが、落ちたところはやわらかな布の上だった。
スプリングがわずかにきしみ、巫女の身体は何度かその場ではずんで、上質なベッドに抱きとめられた。
巫女「え……?」
上体を起こして、巫女はあたりを見渡す。
駅のホームの一番端が丸ごと、白いシーツのベッドに変化していた。
352 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 02:36:19.33 ID:xmJ+lstUo
巫女「まさか、術?」
さらに見ようと身体をよじると、布がすれた巫女の下半身に、耐えがたい快感が走る。
巫女「んああっ!?」
身体の下敷きになったスカートが、わずかに太ももをなでただけ。それだけで巫女の秘部は反応してしまう。
必死に息をととのえる少女を、淫魔は誘惑する。
淫魔「ふるえてる……気持ちいいよね? コレ、ほしくない?」
スカートの両端をつまみ上げ、かわいらしいパンツから伸びる肉塊を淫魔は巫女に突きつけた。
ベッドにへたり込んだ巫女の両足はシーツとの摩擦ですら快楽となって身体をさかのぼり、神経を焼く。
巨大なクリトリスは、さきほど学校の中庭で胎内をかき混ぜられた時の、壊れるような悦楽を巫女に思い出させる。
淫魔「気持ちよくてつらいでしょ? これで楽にしてあげよっか?」
クリトリスの先端に開いた鈴口からは、透明な粘液が先走りとなって垂れ、淫魔の蜜の甘い香りが巫女の脳髄をとろかせる。
息を荒くし、熱に浮かされたように、巫女はその肉塊を見つめる。
淫魔「ほら、おねがいは? ちゃんと聞いてあげるから」
勝ち誇って見下ろす淫魔を、巫女はとろけた目で見つめる。
巫女「お願いします……」
淫魔「んふ、なにを?」
苦しそうに目を閉じ、きゅっとくちびるを噛んで、ふたたび開かれた巫女の目には、淫魔の快楽に消されかけているとは言え、なお強い光が宿っていた。
巫女「……助けてください」
淫魔「へぇ……」
巫女の目に宿る、悲しい意志の光。その光に淫魔は感心して息を漏らした。
目尻に涙を浮かべ、巫女は続ける。
巫女「あなたのお力、身にしみました。どうか、わたしたちを、お助けください……」
淫魔「なるほどね。術が未熟だからって、心が弱いわけじゃない。甘く見てたのはわたしのほうか……」
いまだに、巫女のスカートは、焼け付くような快感に、わずかにふるえている。
しかし、巫女の目には、淫魔の力にすがろうと、あさましくも悲壮な決意がにじんでいる。
淫魔「ただめちゃくちゃにしちゃうつもりだったけど。あなた、かわいいね。いいよ、あなたたちの重荷、下ろさせてあげる」
巫女「本当に?」
淫魔「ただし、あなたはわたしに何をくれる?」
淫魔は問う。巫女は自分の持ち物を思い浮かべ、うつむいた。
巫女「わたしは……わたしには、なにも……」
肩を震わせる巫女の前にひざを突き、淫魔は巫女のくちびるに指を添える。
淫魔「キスして。わたしを満足させてくれたら、助けてあげる」
巫女「はい……」
神に捧げることに慣れた巫女は、淫魔のくちびるを拒まなかった。
353 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:37:29.49 ID:xmJ+lstUo
淫魔「ん……ちゅ……んふ……」
巫女「ちゅる……んっ……れろ……」
淫魔はほとんど口を動かさない。巫女の舌を受け入れ、巫女の愛撫を受け止める。
巫女「ん……んちゅ……ちゅるる……」
唾液を捧げ、舌を奉り、巫女は淫魔の口内を慰める。
触れあうくちびるの間から、時たま唾液のしずくが落ちる。
その口づけは、淫魔に心地よい快楽をあたえたが、巫女にとっては地獄だった。
快楽に崩壊寸前の身体に、淫魔の口内は濃厚な媚薬の壺に等しい。
甘く、人を狂わせる麻薬の詰まった器に、巫女は舌を這わせていた。
くちびると舌からしみいる淫魔の力に、巫女の自我は壊れそうになる。
それでも、淫魔へのキスはやめない。
身を捧げ、快楽に飲まれながらも、巫女は淫魔の情けを求める。
瞳に宿った意思の光も、身を粉々にするような淫魔の唾液に消えかける。
そして。
巫女「んぅ……ん? んんんんっ!?」
前触れ無く淫魔の舌が、巫女の口内に進入した。
かき回す一方で、唾液を受け取っていなかった巫女の口内に、淫魔の唾液が流れ込んだ。
淫魔「んふふ……ちゅるるっ、れろろろっ、じゅるるるるっ!」
巫女の後頭部に両手を添えて、淫魔は口内を蹂躙する。
絶頂の寸前に追い詰められていた巫女の身体は、急速に高まり、張りつめ、手は白いシーツをきゅっと握りしめ、四肢はピンと伸びた。
巫女「んんんっ! ん……んん、んーっ!」
仰向けになった巫女の身体はけいれんし、スカートの裾からのぞく、白い太ももの隠された付け根からは、制服のスカートに濃いシミを作る勢いで潮を噴き出す。
絶頂がおさまるまで、淫魔は巫女の頭をなでながらキスを続けた。
くちびるを離し、身体を引くと、巫女は完全に脱力し、ベッドに沈んだ。
巫女「う……あぅ……は……」
弛緩してなお、巫女の身体は散発的なけいれんを繰り返す。
淫魔「うん。がんばり屋さんだね。ごほうびあげる」
腋を下に寝かせ、黒のハイソックスを穿いたふくらはぎをつかみ、淫魔は巫女の片脚を持ち上げると、もう一方の内ももをまたいで腰掛ける。
354 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:38:02.92 ID:xmJ+lstUo
松葉崩しに持ち込んでパンツの股布をずらし、絶頂に愛液と尿で濡れそぼった巫女の入り口へ、肥大したクリトリスの先端を当てる。
ぴくんと身体を振るわせ、顔をわずかに青ざめさせて、巫女は顔を上げる。
巫女「あの……わたし、いま、まだ……」
淫魔「うん。だから、ごほうび。たくさん気持ちよくなってね」
自らの蜜で、淫魔は巫女の太ももをすべり、達してひくつく巫女の膣穴に、一気にクリトリスを挿入する。
巫女「かっは……あっ、ああああーっ!」
挿入だけで、発情しきった巫女の身体は、より深い絶頂を迎えた。
美しい黒髪を大きく振り回し、シーツをめちゃくちゃにつかんで巫女は背をそらせる。
淫魔「んふ、イってる。ほら、もっとイっちゃえ!」
痛いほどに締め付ける巫女の膣を感じながら、淫魔は腰をすべらせ、絶頂する女性器をさらにさらに突き上げる。
巫女「んおっ!? んあああああっ! ひああああっ!」
鈴を転がすようなかわいらしい声で、獣のように叫び、巫女は高みに堕とされる。
駅中にひびくほどの快楽の叫びを巫女は上げるが、ホームの端で制服を着たまま絡み合うふたりの美少女に、気づく者はひとりとしていなかった。
355 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:39:05.29 ID:xmJ+lstUo
学校の中庭。
修道女は帰り道の途中、強力な術の使われた気配を感じ、学校に戻ってきていた。
すでに術そのものは消え、学校中を歩きまわってようやく、裏手の中庭に、術の行使された痕跡を見つけた。
三方を壁に囲まれた、見捨てられ、雑草さえほとんど生えない花壇しかない、日当たりの悪い中庭。
なんと言うことのないさみしい場所だが、銃撃戦の後に火薬のにおいが残るのと同様に、強力な術が発せられた形跡を修道女は感じ取った。
修道女「これは……神道系の符術……でも、相手は?」
そこには、術による戦いの気配が残っていた。
ひとりの術の正体はわかったが、それと敵対した相手の存在がわからない。
修道女は中庭の中央であたりを見渡し、壁際の地面に、しめっている場所を見つけた。
近づくとわずかに香る、花のような果実のような、甘いにおい。
それは、覚えのあるにおいだった。
修道女「淫魔ね……それなら、この苻術を使ったのは……」
中庭を振り返り、修道女の顔に不安の色が走る。
修道女「まさか……」
日が傾き、赤みを帯び始めた空を見上げ、修道女はさらにつぶやく。
修道女「まだ、間に合うか?」
中庭の土を蹴って、修道女は駆けだした。
356 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:40:07.32 ID:xmJ+lstUo
神社最寄りの、駅のホーム。
淫魔は巫女との交合に、それほど長い時間をかけなかった。
かける必要は無かった。
ひと突きごとに全身をのけぞらせ絶頂する巫女は、淫魔の腰使いにはとうてい耐えられなかった。
5分もしないうちに口の端から泡を吹きはじめ、10分経つ頃には破傷風の発作のように、全身がばらばらになりそうなけいれんを起こし、それから程なくして巫女はぴくりとも動かなくなった。
淫魔も2度ほど本気汁を射精し、満足げにいちもつを引き抜いた。
巫女は、いつもの学校の制服を着たまま、心が壊れるまで犯しぬかれていた。
スカートと黒のハイソックスは、巫女自身の淫水と淫魔の蜜でぐちゃぐちゃに濡れ、長い髪はひどく乱れているが、夏服のシャツも、リボンも、いつものまま。
淫魔「んっ……もう一回だけ、出しとこ……」
すべすべした巫女のふとももにクリトリスをこすりつける。
淫魔「あっは! 出る!」
淫魔は白濁液を巫女の全身にぶっかけた。
制服のスカートにも、シャツにも白濁液が飛び散り、顔まで汚す。
顔に飛び散った淫魔の白濁液は、巫女のうつろな目にも入るが、巫女の目はまばたきさえ忘れ、かけられた白濁液をそのまま乗せている。
淫魔「あーあ、もうだめだねこりゃ」
自分が壊したというのに、淫魔はため息混じりに巫女の顔に口を寄せ、目に落ちた白濁液を舐めとる。
舌の刺激によるものか、巫女の目から涙がこぼれ、淫魔はそのしずくを美味そうにすする。
淫魔「んふふ、こんなになっても、まだお兄さんたちのことが心配なんだ……ほんとうに、いい子」
くちびるをなぐさめ、淫魔は浅いキスをして、身を起こす。
脱力する巫女を抱き上げ、立たせ、淫魔は指をパチンと鳴らした。
ベッドになっていた駅のホームは元に戻り、ホームの端に、抱き合うふたりの少女が見えるようになる。
汚れていたふたりの服は清められ、巫女の乱れていた髪も整えられた。
身体にも蜜を残すことなく、巫女から快感がぬぐい去られる。
巫女「ん……」
意識を取り戻し、巫女は抱き上げる淫魔を見た。
淫魔「ごちそうさま、巫女。とっても美味しかったよ」
巫女「あ……ううぅ……」
羞恥と恐怖がない交ぜになり、巫女は淫魔から顔をそむけた。
淫魔「さ、あなたのお願い、聞いてあげる。お兄さんに会わせて」
身体を離し、巫女の肩の埃を払うように、ポンポンと叩く。
巫女の目に、意志の光が戻り、淫魔を見つめてうなずくと、先に立って歩き出した。
357 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:41:31.26 ID:xmJ+lstUo
巫女の神社は、駅から近かった。
線路と直行する、真新しいバイパス道路を横目に、巫女と淫魔は巨大な石の鳥居をくぐる。
町中だというのに、広大な神域には、古い松や杉の大木が森の様相を呈していた。
淫魔「んふー、いい場所だねえ。深呼吸したくなっちゃう」
深く呼吸を繰り返し、淫魔は巫女にたずねる。
淫魔「それで、どのくらいになるの?」
巫女「うちの神社ですか? ええと、今年で1480年になります」
感心して淫魔はうなずき、しかし首を振る。
淫魔「ほほう、それはたいしたもんだ。でも、そうじゃなくってさ、巫女はおつとめをはじめて、どれくらいになるの?」
巫女「わたしですか? 3年に……なります」
淫魔「あー、それは大変だったねえ」
夕闇迫る神社の境内。
白い玉砂利をじゃくじゃくと踏みしめて、ふたりは神域の奥へと歩く。
淫魔「乙女を贄で捧げるようになったのは、いつから?」
巫女「正確には……でも、私たちが最後に彼と会ったのは、10年ほど前です」
淫魔「んぅ? 今も毎晩会ってるでしょ?」
巫女「いえ、その……ヒトの姿で会ったのは、と言うことです」
淫魔「なるほどね。化身も顕(あらわ)せなくなったか」
日暮れの神社に、参拝者はまばらで、ふたりは神社の本殿前に至った。
重厚な本殿のむこうには、見上げるばかりの巨木がそびえ立つ。
この巨大な木が、神社のご神体らしい。
本殿前で祈りを捧げる参拝者は、本殿ではなく、その向こうの木に向かって祈っているのだ。
淫魔は腕を組んで樹を見上げ、巫女は手を合わせて深々と礼をする。
すると、ふたりの横から声がかけられた。
禰宜「おかえり」
ほうきを持った、長身の青年だった。
短く刈った黒髪、白衣に濃い緑色の袴を穿き、物腰は柔らかだが背が高く、四肢にはがっしりと筋肉が付いている。
358 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:41:59.26 ID:xmJ+lstUo
巫女「兄さま、ただいま」
禰宜「今日は少し遅かったね……おや、そちらは……っ!」
巫女と同じ制服を着た少女、禰宜は友人かと思い、視線を向けたが、わずかな間にその正体に気づいたらしい。
禰宜「あなたは……?」
淫魔「んふふ、お兄さんはけっこうできるね。わたしは淫魔。事情はだいたいわかってる」
巫女の肩に手を置き、淫魔は親しげに付け加える。
淫魔「ね?」
巫女「……はい」
禰宜の表情がくもる。
禰宜「妹に、巫女に何をしたのです?」
淫魔「あなたが毎晩やってるようなこと……この子、本当にかわいいね」
巫女のほほに、淫魔はかるく口づけする。
禰宜「離れなさい。離れろ! 巫女!」
神域で声を荒げる禰宜に、巫女は首を振った。
巫女「この人は、わたしたちを助けてくれるって」
禰宜「そんな……できるわけ」
淫魔「どう助けるかはあなたたち次第。とにかく、話を聞かせてよ」
淫魔の目を見て、禰宜はその力を悟ったらしく、渋々うなずいた。
禰宜「……粗末なものですが、夕餉をごいっしょに」
淫魔「んふふ、ごちそうになります」
359 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:43:32.11 ID:xmJ+lstUo
本殿にほど近い、神域の中の家に、淫魔は案内された。
畳の間の掘りごたつは、夏なのでさすがに布団がなく、淫魔は椅子に座るように、席に着いていた。
出された夕食は魚の煮付けをはじめ、純和風。
淫魔と巫女、禰宜は席に着いたが、他の家族の姿はない。
腹にはあまりたまりそうにないが、栄養があって健康にも良さそうな夕食を平らげ、3人だけの、いつもならふたりだけだろうさみしい食卓を、淫魔は眺める。
出された来客用の湯飲みで茶をすすりながら、淫魔はつぶやいた。
淫魔「んむ、みーんな食われちゃったか」
巫女と禰宜の肩が、わずかに揺れる。
淫魔「それでも守ろうとする。うん、えらいえらい」
禰宜は湯飲みを置き、手をわななかせて淫魔に向き直る。
禰宜「べつに、彼が食い殺したわけではありません。それに両親は、最後まで彼とともにありました、それを……!」
淫魔「バカになんてしてないよ」
禰宜をなだめ、淫魔は茶をすする。
淫魔「神社の横の大きな道。あれができたのが痛かったね」
禰宜「……はい。両親は、最後まで反対していたのですが……」
淫魔「神社の理事会かな? 大きな駐車場も作っちゃって。参拝者を参拝客とか呼んじゃう連中だね」
握りしめる禰宜の拳をなだめるように、巫女は手を重ねた。
巫女「道ができてから、あの人は、人の姿で会いに来てくれません」
淫魔「そうだろうねえ。すぐ南に東西に走る鉄の線路。すぐ西に、南北に走る大きな道路。地脈がズタズタだもん」
禰宜「結界が弱まっているのでしょうか? 最近、町に異様な気配を感じます」
淫魔「いやいや、結界それ自体は、壊れるまで強度が落ちるようなものじゃない。ガラスが割れるみたいに、限界まで耐えて、ぱりんと壊れる。町のヘンな気配は、結界が壊れた後で有利になるように、陣取りが始まってるんだ」
巫女「陣取り……根の国の者が増えたから、あの人の負担に?」
腕を組んで、淫魔はうなずく。
淫魔「んむ、たしかに、わたしたちが増えると、結界に影響は出る。関係が無いとは言わない。でも、一番の原因はそこじゃない」
禰宜「なにか、他にあると?」
淫魔「簡単なこと。町の人間が多すぎる。結界をゆがませるほどにね」
巫女「町の人が? それなら、どうすれば?」
淫魔はふたりをそれぞれ見て、眉にしわを寄せ、悲しげに言う。
淫魔「あなたたちふたりを助けるのは、そう難しいことじゃない。でも、あの子はもう助けられない」
禰宜「そんな……」
淫魔「わかってるでしょ? 線路と道路で、地脈はズタズタ。それなのに、町の人間は昔の1000倍はいる。あの子も結界も、もう、助けられない」
禰宜「しかし、あなたのお力があれば……」
淫魔「そりゃあ、方法はある。でも、なにをするの? 道路を壊して、線路を壊して、地脈を元に戻す? 意味ないよ。地脈が復活する前に、線路も道路も人間が元に戻しちゃう。結局、その場しのぎ。解決になんてならない」
360 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:44:16.29 ID:xmJ+lstUo
禰宜「何か、方法は?」
淫魔「結界の負担になる、町の人間をみんな追い出せばいい」
巫女「追い出す?」
淫魔「そう。根本的な解決は、ふたつにひとつ。結界を守るために、町をひとつ地図から消すか、あきらめて結界を破壊するか」
巫女「おたわむれを……」
淫魔「いんや、大まじめ。どのみち、もうこの結界は長く持たない。巫女が命を捧げたって、あと5年は保たない。どうあがいても、人間ひとりから直接吸える精気なんてたかがしれてるからね。そのうち、あの子は巫女を食い殺す」
禰宜「あいつが……巫女を?」
淫魔「そう。理性を完全に失って、何にもわからなくなって、結界を維持できなくなって、そして死ぬ。そう遠くないうちに」
巫女「……」
淫魔「あなたは、あなたたちは負けたの。時間と時代にね。でも、どういう風に幕を引くか。それだけは選ばせてあげる」
しばらく、誰も口を開かなかった。
重い沈黙が流れ、そして禰宜は大きく息を吸い込み、淫魔を見つめた。
禰宜「……承知しました。最後はわたしの手で」
巫女「兄さま!」
禰宜「いいんだ、巫女。……あいつを、楽にしてやりたいんです」
巫女は顔を伏せ、禰宜はまっすぐに淫魔を見つめ、食卓から滑り出て土下座し、額を畳にすりつける。
淫魔「んふふ、いい子」
淫魔は禰宜の頭をなでた。
361 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:45:15.90 ID:xmJ+lstUo
男の家
食卓には、母の手料理が並ぶ。みな、席についているが、淫魔の姿がない。不安そうに、母は男にたずねた。
母「淫魔ちゃんが帰ってこないけど、何か聞いてない?」
男「いや、特に聞いてない」
父「確かに帰りが遅いけど、寄り道でもしているのかな?」
居間の時計を見ると、まだ夕方を少し過ぎたくらい。帰ってこないのが不安ではあるが、騒ぐほどの時間でも無い。
妹「でも、寄り道するなら、どこに?」
男「うーん、わからん」
体育倉庫とか、更衣室とか、保健室あたりじゃないか? 男はそう答えたかったが、言葉を飲み込む。
すると、玄関のチャイムが鳴った。
母「あら、淫魔ちゃん帰ってきたのかしら?」
男「おれが出るよ」
席を立って、男は玄関に行く。
玄関のドアを開けると、立っていたのは淫魔でなく、学校の制服姿の修道女だった。
男「あれ? 修道女、どうしたんだ?」
修道女「男くん、淫魔は帰ってる?」
息を少し切らせて、修道女はたずねた。
男「いや、帰ってないけど、何か知ってるのか?」
修道女「そう、帰ってないの……邪魔したわね」
駆け出そうとする修道女の手を、男はつかんだ。
男「まてよ、知ってんだろ? 淫魔に何かあったのか?」
修道女「何かあった?」
手を逆に引き寄せ、修道女は男の胸ぐらをつかみあげる。
修道女「男くん、あいつはやっぱり悪魔。この町の結界を解こうとしてる」
男「結界?」
すると、キッチンから母が顔を出した。
母「あら、男のお友達? ご一緒にお夕飯いかが?」
少し首を振って、修道女は答えた。
修道女「ありがとうございます。ですが淫魔さんのことで、男くんに手伝っていただきたいのです」
母は玄関まで歩いてきて、ふたりを見た。
母「淫魔ちゃん? まだ帰ってないの。なにか関係あるの?」
修道女「ええ、とても大切なことです」
母は何かを察したらしく、目をつむってうなずくと、男に言った。
母「男、夕ご飯はとっておくから、行ってあげなさい」
男「修道女、おれ、なにか手伝えるのか?」
修道女「淫魔を止めるの。あなた以上の適任は居る?」
男「……母さん。晩ごはん、淫魔の分も」
母「わかってる。さあ、行ってらっしゃい」
うなずきかえし、男は玄関を出た。
362 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:47:39.79 ID:xmJ+lstUo
神社。
夕食を終え、淫魔と巫女は風呂に入っていた。ヒノキの湯船にヒノキの椅子、ヒノキの手桶。純和風の風呂だ。淫魔は椅子に座り、巫女に頭を洗わせていた。
淫魔「清めるのはわかるけど、ごはん食べちゃってよかったの?」
巫女「あまり、そういうことを気にする人ではありませんから」
香りの少ないシャンプーで巫女は淫魔の頭をていねいに洗う。
淫魔「あ、ここも洗って」
淫魔の耳の上から、赤くてねじ曲がったツノが、シャンプーの泡を貫いて伸びた。
人間にはないその器官を見て、淫魔の頭から手を放し、巫女はわずかにおびえる。
淫魔「ね、おねがい」
巫女「……はい」
うながされ、巫女はシャンプーのついた手で、淫魔の赤いツノをなで洗う。
ごつごつしたツノの感触は、美しい少女の身体にはあまりにも不似合いだが、淫魔が人間ではないことを、巫女に痛いほどにわからせた。
淫魔のツノを洗いながら、巫女は肩を震わせる。
巫女「本当に……」
淫魔「殺すよ」
なで洗う巫女の手が止まり、肩の震えが声に出始める。
巫女「他に方法はないのですか?」
淫魔「ない。この町に住む人間を100分の1にできたら、まだ望みはあるけどね。ほら、手を動かす」
しかし、髪を洗う巫女の手は動かない。
巫女「あなたを傷つけようとしたから?」
淫魔「そのお礼なら、たっぷりもらったよ。わたしはね、あなたが気に入ったの」
石けんが付いたまま、淫魔の髪を握りしめ、巫女は涙を流す。
巫女「それなら、どうしてあの人を助けてくれないの?」
淫魔「言ったでしょ? あなたたちは負けたの。封印を守れなかった」
巫女「守ってきたじゃない。今日まで……」
淫魔「ん。だからえらいの。がんばったから、最後を選ばせてあげる」
淫魔はシャワーに手を伸ばし、お湯を勢いよく出す。
ふたりの少女に、温かいお湯がかかり、淫魔の頭のシャンプーも流れ落ちる。
椅子に座ったまま身体を回し、淫魔が後ろに振り向くと、巫女はひざまずいて泣いていた。
淫魔「巫女を食い殺して、何も考えられなくなって、お兄さんも人間もたくさん巻き込んで。そんな化け物みたいな最後を望んでるの?」
シャワーに黒い長髪が濡れ、白い肌にまとわりつく。両手で顔を覆ったまま、巫女は首を振った。
淫魔「あの樹もそんなこと望んでない。わかるでしょ?」
またも巫女は首を振る。
淫魔「……うん。わかれなんて、ムリだよね」
温かいシャワーを背に受けながら、淫魔は巫女の肩を引き寄せる。巫女の涙が淫魔の肩につたう。涙を肩で味わって、淫魔は巫女の髪をなでる。
淫魔「最後なんだから。オトコノコにこんな涙は見せちゃだめ。ほら、ここで全部出しちゃいな」
巫女の背中が震える。
巫女「……悪魔」
淫魔「淫魔だよ」
声を上げ、泣き出す巫女の髪をなでる。
淫魔は巫女の涙が止まるまで、やさしく髪をなで続けた。
363 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:49:12.67 ID:xmJ+lstUo
夜の道路。
駅まで歩く時間が惜しい。
自転車の2人乗りが危険だからと言って、淫魔がやろうとしていることを止めなければ、町全体が危険にさらされる。
男は自転車の荷台に制服姿の修道女を乗せて、力の限りペダルをこぐ。
目指すは巫女の家。2駅先の神社である。
男「どうして淫魔は神社なんかに?」
修道女「言ったでしょ? 神社にある結界を壊そうとしているの」
男「その結界ってのは?」
自転車は緩いカーブにさしかかり、男は身体を傾けながらたずねる。
修道女「この町は、もともと魔界との距離が近い。悪魔にとって門を開けやすい場所なの。悪魔はむかし、門を作りやすい場所に巨大な通路を作った。世界中の魔界と近い場所にね。この町にもその通路がある」
男「通路の封印ってことか?」
修道女「そう」
男「誰が封印したんだ? 天界か?」
修道女「いいえ、人間よ。世界各地の人間は悪魔の力を恐れて、通路を閉ざした。その結界も悪魔の力を使った物が多いんだけどね」
自転車は、大通りを横切る横断歩道に至る。車の通りが多く、信号無視をしてもわたれそうにない。
男は自転車を止めて、信号に目を向ける。
男「その通路ってのは、門とどう違うんだ?」
修道女「門を自分で作れるのは、魔術を習得した悪魔だけ。そうで無い悪魔は、人間が召喚術で作った門が無いと、現世には出てこられない。それに、現世では精気の消耗が激しいから、悪魔は滅多なことでは現世に留まらない」
男「ああ、触手の子供たちも、すぐに魔界に帰っちまったしな」
修道女「でも、結界が壊れたら、強く人外の力を望むだけで、この町の人間は悪魔を召喚できるようになる。扉の隙間から魔界の空気も吹き込んで、悪魔が町に留まることもできる」
男「扉? 通路を閉ざす結界のことか?」
修道女「少し難しいわね。通路を筒だと考えてその筒の端を、ぎゅっと絞って、ひもで縛る。そのひもが結界。すぼまりが扉。結界がなくなったからと言って、すぐに筒が完全に開くわけじゃない」
男「通路を閉ざす扉があって、その扉のカギが結界ってことか」
修道女「そういうことね。カギを開けたからと言って、すぐに扉が開かれるわけじゃないけど、扉に隙間が空いてしまう。そこからすでに、悪魔が現世に流れ込む」
364 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:50:45.42 ID:xmJ+lstUo
信号が青に変わり、男は自転車をこぎ出す。修道女は男の胴にしがみつく。
男「扉が完全に開いたら?」
修道女「下級から上級まで、途方もない数の悪魔が無制限に現世に流れ込むわ。悪魔がみんな、淫魔みたいだなんて思わないで。人間の血と肉と魂の好きな連中よ? どうなるかなんて言わないでもわかるでしょ?」
男「淫魔が、その結界を破るって言うのか?」
修道女「あいつは今日、神社の娘と接触を持った、そして今晩は帰っていない。他に何があるかしら?」
男「……飛ばすぞ!」
立ちこぎに自転車のペダルを踏み込み、男と修道女を乗せた自転車は、神社に向かって宵の闇を突き進む。
365 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:51:53.38 ID:xmJ+lstUo
神社。
湯から上がり、巫女と淫魔は白い襦袢だけを着て、神社の本殿につづく廊下を歩く。
廊下の空気は清浄で、夏だというのに、ひんやりとしている。
先を歩く禰宜が、前を向いたまま言う。
禰宜「このくらいの時間になれば、参拝される方も居ないでしょう」
淫魔「一応、この神社に人払いはかけておく。あなたも一緒にシない?」
禰宜「それは巫女の役目。私は神としとねをともにできる人間ではありません」
淫魔「毎晩シてたのに?」
禰宜「それは……」
足を止め、振り返ろうとするのを淫魔はとめた。
淫魔「わかってる。でも、あの子の最後なんだよ?」
禰宜「私に、そういった趣味はありません」
淫魔「ま、しかたないね」
白襦袢のあわせを崩し、禰宜に胸の肌を見せつける。禰宜は視線を前にもどした。
淫魔「それなら、わたしと、どう?」
禰宜は答えない。
巫女「淫魔さんっ!」
妹の目の前で、状況もかえりみず兄を誘惑する淫魔に、巫女は精一杯の声を上げる。
淫魔「もう、わかってるって。本当は、あなたたちシたくなんてないんでしょ?」
立ち止まる禰宜を追い抜いて、廊下の数歩先まで歩き、淫魔は振り返る。
淫魔「でも、巫女には最後のおつとめ、シてもらうからね」
兄は苦々しげにくちびるを結び、妹は胸の前で手を握ってうなずいた。
やがて3人は、大樹を背にする本殿にたどり着いた。
木造の重厚な神社建築は、建てられてから相当古い物らしく、外廊下の木材は濃い飴色になるほど、月日を刻んでいる。しかし、3人が歩いても、廊下の床は少しもきしんだ音を立てない。
正面の扉を開け、淫魔と巫女は祭壇の置かれた本殿に入る。
禰宜は本殿に入ることなく扉を閉め、扉の横に正座すると、周囲に警戒の目を光らせた。
366 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:52:48.94 ID:xmJ+lstUo
本殿の中、祭壇の前には清潔な布団が敷かれていた。
とりあえず淫魔は布団に寝転ぶ。
巫女「いま、明かりを付けます」
巫女は懐からマッチを取り出し、祭壇両脇の燭台に火をともした。
蝋燭の火に、本殿の中がだいだい色に照らされる。
高い天井と内部の衣装に淫魔は目をこらし、祭壇の間に似合わない物を見つけた。
淫魔「あれ、時計があるね」
巫女「ええ、その時計が12時をならすと、おつとめの始まりなんです」
淫魔「ふーん……それで、出てくるのは、祭壇からだね?」
巫女「ええ……淫魔さん、何を?」
淫魔は祭壇にずかずかと歩み寄ると、神聖な器物を置いた祭壇を蹴り飛ばした。
祭壇の木の枠組みが本殿の壁にぶち当たり、儀式に使う金属器類がひどい音を立てる。
巫女「なんてこと……」
絶句する巫女を尻目に、淫魔は祭壇をめちゃくちゃにたたき壊した。
祭壇の下には、人が楽に歩けるほどの、地下へと降りる穴が開いていた。
穴は緩やかに傾斜し、本殿の裏手、ご神木へとつづいている。
淫魔「さ、行くよ」
白襦袢を着た淫魔は巫女を振り向き、手招きする。
巫女「行くって、この中に?」
淫魔「もちろん」
巫女「ここで遅くまで待ってれば……」
淫魔「待つって、まだ8時じゃない。あと4時間も待てないよ。それに、せっかくの最後だよ? カミサマの恥ずかしいところ、見ちゃおうよ」
淫魔は祭壇横の燭台から蝋燭を取り、巫女の手を引いて、地下へと降りて行った。
367 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:53:39.12 ID:xmJ+lstUo
神社近くの道。
神社に近づくにつれ、男は家に残してきた夕食に、異様なほどひかれるようになっていた。
しかも、ホームシックにかかったのか、今すぐにでも元来た道を帰りたい気分だった。
自転車をこぎながら、男は胴にしがみつく修道女に言う。
男「なあ、すげえ腹減ってきたし、帰りたいんだけど」
修道女「ええ? ここまで来て何いってんのよ……あ、これは……」
男「んだよ」
修道女「人払いの術ね。しかも人の意志をそれとなく帰宅に向ける、巧妙でいやらしい術」
男「術? 淫魔か?」
修道女「そう」
修道女はハンドバッグから聖水の小瓶を取り出し、栓を抜くと後ろから男の口に当てる。
修道女「ほら、コレ飲んで?」
男「え、でも、淫魔みたいに溶けたり、記憶なくしたりはしないのか?」
修道女「そんなこと、するわけないでしょう? このままじゃ、男くんは神社にたどり着けない。ほら飲んで!」
小瓶の飲み口を押し当てられ、男は無理矢理聖水を飲まされる。
口の中に入った聖水は、弱く泡をはじけさせた。
特に危険な味ではなく聖水を飲み込むと、空腹感と帰宅したいという気持ちがウソのように消え去った。
男「あ、効いたかも」
修道女「こんな術を使うなんて、もう始まってるわね。急いで!」
男「おう!」
ペダルをこぐ脚に力を込め、自転車はさらに加速する。
やがて、神社の鎮守の森と、その中にそびえ立つ御神木が見えてきた。
周囲にはまったく人影がない。
コンビニもガソリンスタンドも、民家も、電気は付いているのに、人の姿だけが見当たらない。
368 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:56:29.93 ID:xmJ+lstUo
不気味な気配に、男は声を上げる。
男「人がいない……」
修道女「さすが淫魔。人払いの術もわたし以上ね」
男「感心してる場合かよ! これじゃ警察も呼べねえだろ」
修道女「そんなもの、最初から当てにしてないわ。淫魔の前では、人間なんて邪魔なだけ……あ、ここだわ」
男が自転車を止めたのは、巨大な石造りの鳥居のまえ。
道ばたに自転車を置き、盗む人も居ないだろうが、とりあえずカギをかけておく。
修道女「どうかしら……」
鳥居の前で道ばたの石を拾い、修道女は神社の敷地内に向かって投げ入れた。
特に何が起こるわけでもなく、小石は参道の石畳に転がって音を立てる。
修道女「あら?」
男「何してんだ?」
異教の神に不快を抱いて石を投げたわけでないことくらい、男にだってわかる。
人にもよるが、前をとおるたびにお辞儀をする世代もあるくらいだ。信仰深い修道女が、鳥居に向かって石を投げ込むのには、何かしら意味があるのだろう。
修道女「ええ、すこしね。行きましょ」
うながして、修道女は歩き出す。
男も並んで歩き出し、しかし鳥居の寸前で修道女は足を止める。
男「あれ? どうした? ……」
突然立ち止まった修道女を振り返りながら、そのまま一歩進んだ男の横顔に、がつんと壁がぶつかった。
男「ぐえっ!?」
硬質な壁へ無防備なままぶつかった衝撃に、男はよろめく。
男「え? 壁?」
前を向くが、壁などない。
ただ暗闇のなか、石灯籠型の電灯に照らされる参道が、奥へ続いているだけだ。
しかし、たしかにぶつかった。
男が前に手を伸ばすと、肘が伸びきらない距離に、硬い壁があった。
しかし、その壁はまったく目に見えず、どんな素材かなどの、具体的なさわった感触もない。
ただ、パントマイムのように手が前に進まない。
修道女「うーん、やっぱり。生物限定か、人間限定かはわからないけど、人払いの術の複合版ね。とっても強力な術の壁だわ」
男「てめえ、コレ知ってて!」
修道女「まあ、とりあえずの用心にね。ごめんなさい」
悪びれる様子もなく、修道女は数歩下がると、地面に手を当てた。
修道女「たぶん、神社の敷地をすべてカバーしているはず。下がって、男くん」
男「おまえ、まさか……」
駆け足で、男は鳥居の前から身をどかし、地面に手を当てた修道女は術を発動する。
369 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:57:35.73 ID:xmJ+lstUo
修道女「放て! バリスタ!」
修道女の背後の空間から、無数の飛槍が水平に打ち出された。
極太の矢にも見える、羽根突きの飛槍は空気を切って鳥居の囲む空間に命中するが、さきほど男が頭をぶつけたあたりで、どれも木っ端みじんにはじけ飛ぶ。
飛槍の残骸は、地面に飛び散り、白く光る湯気となって消えた。
矢の射出が終わり、修道女は鳥居へ歩み寄ると、透明な壁をぺたぺたさわってため息をついた。
修道女「……だめね」
男「どんだけ硬いんだ、この壁」
修道女「うーん、わたしのバリスタは、大砲並なんだけど……」
途方に暮れたように、透明な壁をなで回す修道女に、男はたずねた。
男「この前使ってた十字架のナイフはどうなんだ?」
修道女「ああ、コレ?」
バッグから銀の十字架を取り出し、修道女は十字架の下側、一番長い柱を引き抜いた。
白く光る銀の短剣を眺め、申し訳なさそうに修道女は微笑んだ。
修道女「なるべく使いたくなかったけど……仕方ないわね」
ハンドバッグからさらに小瓶を取り出し聖水をまぶすと、修道女は体重を込めて、悪魔の術を破る短剣を、透明な壁に突き刺した。
370 :
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[saga]:2011/11/20(日) 02:58:17.34 ID:xmJ+lstUo
祭壇奥の地下道。
淫魔「っ!」
蝋燭を持って歩いていた淫魔が急に立ち止まり、巫女は怪訝そうにたずねた。
巫女「どうしました?」
淫魔「ん……うん。ちょっと邪魔が入るみたいだけど、大丈夫。巫女こそ、足もと気をつけて」
祭壇からつづいていた地下の穴は、しばらく下がると水平になっていた。
通路はきれいな円形の横穴で、壁は硬く締まった土がなめらかに削られ、表面には粘液が残されている。
とくに丸い通路の一番下には粘液が水たまりになっていて、とてもすべりやすい。
なぜか淫魔はぬるぬるの地面にも足を取られないらしく、巫女は何度か転びそうになりながら、そのたび淫魔に支えられていた。
水平の通路もそう長くはなかった。歩きづらいことを抜かせば、あまりにもあっさりと、通路は行き止まりの小部屋にたどり着いた。
そこは、高さ5メートルほどのドーム状の部屋で、通路と同じ硬くしめった土の球状の壁面が、淫魔の持つ蝋燭に照らされている。
床も天井も粘液にひどく濡れているが、恐ろしい触手が待ち構えていることを予感していた巫女は肩すかしを食らって立ち尽くした。
巫女「何もない?」
淫魔「うん、そうだね。何もない。でも、壁をよく見て」
巫女「……木の根?」
ドーム状の部屋の壁面には、土とよく似た色の太い木の根が縦横に走っていた。
淫魔「ここは、御神木の真下なんだね」
土の壁に歩み寄り、淫魔は巫女を手招きする。
ぬるぬるすべる床に苦戦しながら、巫女が淫魔に追いつくと、淫魔は蝋燭を壁の木の根に近づけた。
木の根の表面にも粘液がまとわりついていて、その粘液ごと、蝋燭の火がじりじりとあぶる。
すると、部屋全体からうめき声が聞こえた……ような気がした。
淫魔「起こしてごめんね。ねえ巫女、聞こえた?」
部屋を震わせた、かすかで重い声に、心臓を縮ませた巫女は、視線だけでうなずきかえす。
371 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 02:59:14.92 ID:xmJ+lstUo
淫魔「巫女。毎晩抱かれてたんだから、どうなるかは覚悟できてるよね?」
また、巫女は無言でうなずく。
淫魔「うん。この子の一番大切なところだから、やさしくしてね?」
巫女「え?」
きょとんとする巫女に、淫魔は微笑み、火であぶった木の根をなでさする。
淫魔「ごめんね。火、怖いよね。でもわたしたちは、巫女は、暗闇が怖いの。だから……」
傷をいたわるように、木の根をなでさすり、淫魔は続ける。
淫魔「あなたの明かりは消さないで……」
根っこの粘液を指に取り、淫魔は蝋燭の火を指先で揉み潰した。
じゅ と、音とともに蝋燭の明かりが消え、土のドームは暗闇に閉ざされたかに見えた。
しかし夜の地下だというのに、その空間には、ぼんやりと光が満ちていた。
やわらかな新芽色の、緑色の光が、壁面を覆う木の根から発せられていた。
木の根の股や先端は、ひときわ強く輝き、ドームの天井に新緑の色をした星空があらわれた。
緑色の光点は、息づくように明滅を繰り返し、ふたりを包む。
巫女「……きれい」
天井を見上げる巫女に、暗闇のなかで淫魔は言った。
淫魔「そうだね……」
床も、ドームの天井も緑色の光点に満たされ、その中で淫魔は黒いシルエットになっていた。
淫魔「ホントにきれい……さすがは1500年、この地を守ってきた子だ」
感動のため息を混ぜながら、淫魔も緑色の空間を見つめる。
すると、暗闇を照らす緑の光点が、緩やかに伸び始めた。
緑色の光は生まれたばかりのヘビのように、先端をくねらせながら天井から垂れ下がる。太さは人差し指ほどで、蔓草が伸びるように、しかし下にまっすぐに伸びてくる。
372 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 03:00:13.09 ID:xmJ+lstUo
部屋に無数に垂れる緑の光の帯、その一本が巫女の肩に触れた。
巫女「あ……」
緑に光るツタは巫女の耳を、頬をなで、顔の正面にまわると、蛇のように鎌首をもたげた。
しかし、それは巫女の目から見ても恐ろしいものでは無かった。
目を持たない、かわいらしい緑の蛇が、巫女の様子を探るように顔の前で揺れる。
緑色の光は、くちびるの形を確かめるようになで上げ、スッキリと通った鼻筋をなで、長いまつげに縁取られたまぶたをさする。
巫女「ん……そこ、目」
ツタはぴくと反応して、目から離れる。
巫女の目からは涙が流れていた。
巫女「ごめんなさい……ごめんね、神樹……」
緑色のツタは巫女の頬を流れる涙をぬぐう。
部屋中の壁から垂れていた緑色の蔓草が、巫女の周りに集まる。
涙を流す少女を慰めようと、蔓草は一本ずつ進み出て、巫女の髪や頬を愛撫する。
巫女「うん……」
巫女が手をさしのべ、わずかに触れると、緑色の蛇は驚いたように手から遠ざかる。
どうやら、ひどく敏感なようだ。
巫女は痛みをあたえないように慎重に手を添え、引き寄せて口づけする。
暗闇の中に、巫女の美しい顔が緑色の光に照らされて浮かび上がる。
夏草の緑が巫女の周りに集まり、遠慮がちに襦袢の袖や裾に絡まる。
長い髪をなでさすり、手足の指にそっと触れる。
その愛撫は、こそばゆく繊細で、巫女の心を慰める。
口づけで愛撫をかえしていると、ほとんどのツタが、もの欲しげに巫女の周りで揺らめいていることに気づいた。
まるで、少女の誘いを待つ少年のように。
巫女は口づけていたツタを放し、襦袢の帯を緩めた。
巫女「……どうぞ」
部屋中の緑のツタが、巫女の身体に絡みついた。
373 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 03:01:08.86 ID:xmJ+lstUo
鳥居の前。
人払いの術の壁に、切り込みを入れるのには、かなりの時間を要した。
見えない壁の、胸ほどの高さに刺した短剣を引き下ろすのだが、修道女が半人半魔の怪力を込めても、ノコギリで木材を切るような速度でしか、短剣は下がらない。
しかし、短剣の切り込んだ透明な壁は、縦の傷口に沿ってしわが寄り、向こうの景色がゆがんで見えるので、壁の穴が確実に広がっていることはわかる。しわの寄り具合から、見えない術の壁の厚みは、厚紙ほどらしい。
胸の高さだった短剣を、腰の高さまで下げ、膝まで、地面近くまで下げると、修道女は傷の中央に短剣をもどし、傷口に対して刃を横にまわし、透明な壁をこじり開けた。
修道女「男くん、短剣を持っていてくれる?」
男「ああ、これでいいか?」
修道女が銀の短剣から手を放し、男は透明な壁に刺さった短剣を、そのままに維持する。
両手に聖水を振りかけ、修道女は透明な壁の傷口に両手を差し込み、左右に広げ始める。
人払いの術が作る透明な障壁に細かなしわが寄り、そのしわの範囲が少しずつだが拡大してゆく。短剣の刃の厚みだけだった壁の傷が、握り拳ほどに広がり、男は短剣が自由になっていることに気づいた。
修道女「そのまま、上にも切り上げて」
胸ほどの高さに、壁の切れ込みの上端が、透明な表面にしわを寄せて確かに見えた。
男は切れ込みの上端に短剣の刃を当て、上に押し上げる。
左右に開く修道女と、男の短剣を押し上げる力により、術の壁は紙を裂くように容易に切り込まれた。手をいっぱいに押し上げるまで、男が刃をすすめ、壁の口の左右は、修道女の両手をいっぱいに広げるまでになった。
修道女「通って! 早く!」
男「お、おう!」
修道女の腕の下をくぐり、透明な壁の傷口を通り抜ける。
男が通り抜けて振り返ると、続けて修道女も壁を通り抜けた。
修道女が壁の傷から手を放すと、しわの寄っていた透明な壁は元に戻り、傷口もふさがった。
修道女「強固な術ね。厄介だったわ」
男「神社の中が罠だらけ、なんてことは無いよな」
石灯籠に照らされた夜の参道を、男は不安げに眺める。
修道女「警戒を緩めるわけにはいかないけど、おそらく罠は無いわ」
男「どうして?」
修道女「これほど強固な人払いの術だもの。突破できる人間なんて普通はいないってこと。それに、あいつは罠を仕掛けるくらいなら、自分で始末しに来る」
男「始末……」
修道女「わたしたちが入り込んだことは、もうあいつもわかってるはず……急ぎましょ」
男「わかった。行こう」
参道の石畳を、修道女と男は走り抜ける。第二第三の鳥居は少し慎重に通ったが、透明な壁は無く、ふたりを待ち受ける罠のたぐいも皆無だった。
石畳は玉砂利にかわり、暗闇にじゃくじゃくと足音をひびかせ、ふたりは本殿の前に至った。
374 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 03:02:21.93 ID:xmJ+lstUo
本殿の扉の横に座って警戒していた禰宜は、淫魔と巫女が中に入ってすぐ、本殿の中で何かがひどく壊れる音を聞いたが、何もしなかった。
つとめのあいだ、男性は本殿に入ってはならないのだ。
気にはなったが、警戒を怠らず、神社の境内を眺めていた。
1480年つづいたこの神社も、自分で終わりか。
そう考えると、禰宜の胸は締め付けられるが、幼少のころの親友である神樹を、誇りある神として葬るのも、自分の血のさだめだと、弱りそうな心を奮い立たせる。
神樹を殺せば、この神社の価値はなくなる。それでも、理事会は神社の存続を主張するだろう。
神社とて、所詮は人の運営する企業にすぎない。それは禰宜にもわかっている。しかし、信仰を捧げる人たちを金を支払う顧客としてのみ見ることは、禰宜にはどうしてもできなかった。
神樹を殺した後、自分たちはどうするのか。
気の遠くなるような歳月、先祖たちが守り続けた結界を、破壊する自分たちに、行き場所はあるのか。
巫女と自分の身の振りようまで考えをおよばせ、禰宜はまた首を振った。
今は、神樹を屠ることだけ、ただそれだけを考えればいいのだ。
境内を監視する禰宜の耳に、石畳を走る足音が聞こえてきた。
禰宜「む……」
耳を澄ますと、どうやらふたり。時々立ち止まりながら、まっすぐに本殿を目指している。足音が石畳から玉砂利に変わった。
近い。
扉の横から立ち上がり、禰宜は2本の刀を持って本殿の階段を下る。
本殿の前の広場に歩み出て、日本刀を左の腰に差す。
足音はひときわ大きくなり、禰宜の目の前にあらわれたのは2人の少年少女だった。
少年はジーンズにTシャツ姿。少女は金髪で、どうやら外国人、巫女と同じ学校の制服を着ている。
禰宜の姿を見つけ、ふたりは立ち止まった。
禰宜「本日は、重要な儀式がございます。申し訳ありませんが、お引き取りください」
慇懃に帰宅をうながす禰宜から、修道女は視線をそらさない。
修道女「その儀式を止めに、ここに来た。淫魔と手を組んで、結界を壊すおつもりか!」
眉がぴくりと動く。
禰宜「なぜ、そのことを……そうだと言ったら?」
修道女「神職にある者が、なぜ魔と手を結ぶ! 結界を守るのが、おまえたちのつとめだろう」
禰宜は無力そうに首を振る。
禰宜「もはや、我々の役目は終わった。神の最後を見取るのも、神職のつとめ」
修道女「結界を壊してもか!」
禰宜「そうだ」
まっすぐ見つめたまま、禰宜は言い放ち、修道女は覚悟を決めた。
375 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:03:24.13 ID:xmJ+lstUo
修道女「ならば力づくだ……男、さがって」
男「お……おう」
ふたりの気迫に押され、男は手近な石灯籠の陰に身を隠す。
修道女はバッグから十字架の短剣を取り出し、抜いたさやをバッグにもどす。
禰宜も腰に二本差した刀の一本を抜き、切っ先越しに修道女の目を見るよう、正眼に構えた。
禰宜「神影流、免許皆伝。禰宜……あなたは?」
修道女「流派なんて無い。わたしは修道女」
禰宜「修道女か……勝負!」
その声が終わるより早く、修道女は禰宜に切り込んだ。
10歩の間合いを一足で飛び詰める、人間ではあり得ない瞬発力で、一気に勝負を決める……はずだった。
しかし短剣が肩に打ち込まれる前に、禰宜は修道女の異常な身体能力を見切り、身体をわずかに揺らして、斬撃をかわす。
修道女(速い……)
予想以上の反応速度に空振りした短剣を突き刺そうと、修道女が十字架を向け直すと、禰宜の日本刀が、袈裟懸けに斬りかかる。
十字架の短剣で受け止め、足払いをかけようと振りかぶる修道女の胸に、禰宜の蹴りがたたき込まれる。
修道女「くっ……」
玉砂利の上を数歩分吹き飛ばされ、地面にひざまずく修道女に間合いを詰め、禰宜はさらに追い打ちの斬撃を放つ。
修道女は立ち上がり、短剣で受け止めるが、動きが速いはずの短剣ですら、禰宜の斬撃を防ぐのが精一杯。
日本刀に気をとられていると、禰宜の拳が修道女の細いアゴに直撃する。
修道女「んぐっ!」
両足を踏み込み、可能な限り速くバックステップを踏み、十分な距離をとって、修道女は立ち止まった。
修道女「……やりますね」
禰宜「あなたこそ……純粋な人間ではないな」
日本刀を構え直し、修道女に向ける。
禰宜「しかし、帰りなさい。その腕では私には届かない」
修道女「なにを! 放て! バリスタ!」
玉砂利の地面に手を当て、修道女が唱えると、白く輝く飛槍が、修道女の背後から大量に撃ち出される。
速度は銃弾以上。禰宜は立ったまま反応すらできず、飛槍の群れにかき消された。
飛槍は禰宜の一点に集まり、命中した後は白い湯気となって消え去った。
湯煙のような飛槍の煙が消え去った後、禰宜は無傷で立っていた。
376 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:05:16.86 ID:xmJ+lstUo
禰宜「なるほど、豪快な術だ」
修道女「本当に……人間?」
禰宜「もちろん。あなたの短剣と、私の刀、似た物のようだ」
地面をえぐった飛槍の跡は、構えられた刀を中心に受け流されていた。
修道女「剣に守りの障壁か」
禰宜「あなたの腕では、その短剣は届かない。飛び道具も効かない。帰りなさい」
刀を構えたまま、禰宜はさとしたが、修道女は視線をそらさない。
修道女「まだだ! 結界を壊すわけには!」
短剣を構え、修道女はひと飛びに間合いを詰める。
脇腹から斜めに切り上げる斬撃を放つが、禰宜はゆらりと足を運び、紙一重でかわす。
次いで、刀を振り上げると、修道女の肩から腰にかけて切りつけた。
修道女「ぐあっ……」
激痛に膝を突く修道女を蹴り上げ、男が身を隠す石灯籠にぶち当てる。
禰宜「次は、斬る」
斬撃の走った修道女の身体に、刀傷は付いていなかった。
禰宜は峰打ちに持っていた刀を構え直し、修道女に向ける。
修道女「たしかに強い……でも、これはっ?」
ひざまずき、玉砂利の地面に手を当て、修道女は叫ぶ。
修道女「絡め捕らえよ! カスミアミ!」
指先から広がった魔方陣の連なりが、周囲の木や石灯籠に伸び、そこから光り輝く糸が張り巡らされて、禰宜の身体を縛り上げた。
一瞬のうちに身体の自由を奪われ、禰宜は刀で糸を切ろうと試みるが、四肢も完全に絡め取られていた。
禰宜「捕縛術か……く……」
修道女は、石灯籠のそばから立ち上がると、短剣を逆手に握り直し、糸に自由を奪われた禰宜に歩み寄る。
修道女「ああ、痛かった……よくもやってくれたわね」
動けない禰宜の胸に、短剣を突き刺さんばかりの修道女に、男は駆け寄った。
男「ちょ、ちょっと待てよ。殺す気か?」
修道女「いいえ、でも少しいたぶって、淫魔の居場所を吐かせようと」
男「そんなことするなよ……あんた、淫魔はどこにいるんだ?」
観念したようにうつむくと、禰宜は答える。
377 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:06:12.35 ID:xmJ+lstUo
禰宜「本殿の中だ。私の妹と一緒に」
修道女「あら、素直に言うのね」
禰宜「この期におよんで、小細工はせん」
男「……そうか」
修道女「行きましょう」
横を通り抜けるふたりに拘束された禰宜は言う。
禰宜「だめだ。つとめの最中は、男性は入ってはいけない」
男「なんでだよ」
修道女「……そう、わかった」
うなずき、修道女は男に向き直る。
修道女「男くんは、ココに残って」
男「いや、おれも一緒に」
しかし、修道女は首を振る。
修道女「いいえ。わたしは結界を守りにきたけど、神聖な領域を汚しにきたわけじゃない。この人が、この人たちが守ってきた聖域なら、あなたを入れるわけにはいかないわ」
視線を強め、修道女は説得する。
修道女「あなたはここで、この人を見張って」
男「……わかった」
玉砂利を踏みしめ、木の階段を上り、修道女は本殿の扉を開けて、中に消えた。
刀を正眼に構えたまま拘束された禰宜の前に回り、男はたずねる。
男「その格好、キツくないですか?」
禰宜「……少し」
378 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:07:19.71 ID:xmJ+lstUo
御神木の地下。
遠慮がちだった緑のツタの動きは、少し大胆になり、巫女の襦袢の裾や胸元から入り込んで、全身をやさしくなで上げる。
巫女「んあ……くすぐったい……あんっ」
繊細に身体を愛撫され、乳房や秘部には触れられていないのに、巫女の息は荒く、甘いものが混じり始めていた。
淫魔「うーん、これはなかなか……」
感心したように触手の愛撫を観察する淫魔の周りにも、巫女同様にツタが集まっていたが、その力を恐れるように、触手は触れもしない。
淫魔「ちゃんとわかってるね……えらい、えらい」
巫女の白い襦袢に入り込んだ緑のツタは、ほどよく乾いたその先端で、巫女の身体をなでさする。
触手の力はそれほど強くないが、愛撫の精度は非常に高く、なにより数が多い。
ツタの感触は指にも似て、身体中を何百もの指に愛撫されるこそばゆい感覚に、巫女の腰は砕け始めた。
なでられるたびに両足はガクガクとふるえ、ついに体重を支えきれなくなって、巫女は尻餅をつきそうになった。
巫女「きゃっ……」
しかし、全身に絡みつくツタが体重を支え、巫女の両足は地面から放された。
長い髪が地面に付かない高さで、巫女は身体を横にされ、さらになで上げられる。
巫女「あは……そこ、くすぐったら……ひゃっ!」
地面から離れた足の指の間にも、緑色の触手が入り込む。
細い足首も、張りのあるふくらはぎも、やわらかな太もも、腰、腹、腋をくすぐり、腕にも首筋にもツタが絡まり、両手の指さえやんわりと拘束される。
そのうごめきは、巫女の肌をより敏感にし、しかし局部には触れない。
触手の執拗な愛撫に、巫女の小ぶりな乳房は張りつめ、秘裂は少しずつ充血する。
巫女「んはっ、ああ……くうぅん……」
悩ましげに首を動かし、腰をくねらせて、巫女は鼻にかかった声を上げる。
白く、健康的な肌に朱が差し、甘い汗をかき始めた巫女の身体の変化を悟ったのか、ツタのうごきが変わった。
今まで局部に触れていなかった緑色の発光する触手たちが、乳房や秘裂の表面をなで上げ始めた。
巫女「はっ……そこ、こすっちゃ……あああっ!」
人の指のように、乾いていた触手の先端から、植物の香りのする粘液がにじみ出、巫女の白い襦袢を濡らしてゆく。
皮膚を這い回る感触は、くすぐったさよりも官能を呼び起こす動きへとかわり、秘裂に押し当て上下する触手は、早くも巫女の愛液で濡れ始めている。
巫女「あ……ああっ……神樹……」
379 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:08:23.00 ID:xmJ+lstUo
触手は器用に襦袢の帯を解き、白い布をはだけて、巫女の青さの残る身体をむき出すと、右の乳房の近くを這っていた触手が蛇のように鎌首をもたげ、口を開いた。
白い乳房の先端、血のように赤く勃起した巫女の乳首に、口を開いて触手が吸い付いた。
巫女「ひっ! ああっ! なにこれ、ああああっ!」
突然の変化に、巫女は身体をもだえさせる。
巫女の胸に吸い付いた触手は、蠕動して巫女の乳首を吸い上げる。
触手内部の異様な感触と快感に、巫女はむき出しになった腰をくねらせて官能を逃がそうとするが、それはむしろ逆効果。
もう片方の乳首にも、同じように触手が吸い付いた。
巫女「す、吸って? ……まって、それ、つよい……んああああっ」
乳首への刺激に、押し当てられなぞられていた巫女の女性器から、じんわりと蜜がしみ出る。
緑色の触手たちは、巫女の秘裂からしみ出る愛液に群がり、先端の口を開き、ちゅ、ちゅ、とわずかな音を立てて、巫女の分泌する蜜をなめとる。
巫女が頭を起こすと、股間には数十匹の蛇のような、緑色の触手が群がり、蜜の奪い合いをしていた。
巫女「の、飲んでる……わたしの……わたしのぉ……」
ひきしまった下腹部に、やわらかな内ももに、ふっくらとした大陰唇に、触手はその先端の小さな口で、無数の口づけをほどこす。
弱く吸っては放しを繰り返し、巫女の肌を緊張させる。
すると、巫女の秘裂をこすり上げていた触手が、突然離れた。
巫女「え……?」
摩擦がなくなり、不思議に思った巫女が視線を下腹部に向けると、秘裂から離れた触手は口を開け、巫女の陰核に狙いを定めていた。
巫女の背筋が凍る。
張りつめているとは言え、乳首への吸引だけで、巫女は快楽におぼれかけていた。それなのに、完全に発情したクリトリスを吸い上げられたら……
巫女「だめ! やめてっ! すっちゃだめえええ!」
下半身が恐怖に震え、脚を閉じようとしたが、触手に絡め取られた脚はあまり自由に動かせない。
皮を被り気味の、巫女の充血した陰核に、触手の先端が包皮をまくり上げながら吸い付いた。
巫女「ーーーーーーっ!」
巫女は声も出せずに背をそらし、全身をけいれんさせる。
細かく蠕動する触手の口内は、巫女のクリトリスを吸い上げ、摩擦した。
手足が冷たくなる錯覚を覚えるほどの、異常な快感。
巫女は絶えられるはずもなく、尿と愛液を同時に拭きだして絶頂する。
尿道口と膣口に、触手はそれぞれ吸い付き、巫女の噴き出すものを吸い上げる。
吸い付いたそれぞれの触手の隙間から漏れ出た分は、他の触手が舐めとる。絶頂を続ける巫女の全身に、無数の触手は摩擦による愛撫と小さな口でのキスを続け、巫女の身体を味わい続けた。
380 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:09:05.81 ID:xmJ+lstUo
触手に愛をこめて陵辱される巫女を、少し離れたところから淫魔は見上げていた。
緑色の触手たちは、やはり力の差がわかるのか、淫魔の身体にすすんで触れることは無い。
淫魔「あーあー、すごいね」
見たところ、巫女は乳首とクリトリスへの刺激のみによって、絶頂から逃れられなくなっているようだ。
淫魔は手近にぶら下がる緑に光るツタをたぐって、先端の口に指を滑り込ませた。
触手の中は、髪の毛よりも細い繊毛がびっしりと生えそろい、一本ごとに別の動きをして、淫魔の指をぞりぞりと舐めあげる。吸引も適度に強い。
淫魔「うわあ、こんなのに吸われたら、オンナノコは壊れちゃうね。オトコノコも……」
触手のぬめる口から指を抜き取って、指に付いた粘液を味見する。
淫魔「うん、かなり濃い媚薬……この、オンナ殺しぃ」
指を突っ込まれてぱくつく触手にデコピンして、淫魔は不思議そうに首をかしげた。
淫魔「でも、こんなのに毎晩責められて、無事でいられるわけが……ねえ! 巫女! あなた毎晩こんなのの相手してたの?」
淫魔が声をかけると、巫女は悲鳴混じりに答える。
巫女「し、しらない! こんなの初めてえええっ!」
話す間にも、巫女は絶頂を迎えているらしく、四肢も腹部もひどくけいれんしている。
淫魔「んー、そっか」
部屋の壁や床を見渡して、淫魔は続ける。
淫魔「昔はここで儀式をしてたみたいだけど……たぶん、壊れるオンナノコが続出したんだろうね。それで、本殿での儀式に切り替えた……精気の補給にはぴったりだから、思いっきり気持ちよくしてもらえばいいよ」
巫女「やあ、もう、気持ちいいの、いやあああっ! あああああっ!」
股間に群がった緑色の蛇たちは、全体を震わせて巫女の蜜をすすっている。
巫女の言うとおり、敏感な3つの肉豆を責められて、もはや快楽しか感じられないのだろう。
呼吸すら難しいらしく、だらしなく開けられた口からは、よだれが垂れ、そのしずくさえも触手が群がって吸い上げる。
淫魔「いいなあ……気持ちよさそうだなぁ……」
手に握る緑色の触手をうらやましそうに見つめ、ゴクリとツバを飲み込んで、淫魔は耳をそばだてた。
淫魔「んふふ、おかわりがきたよ」
にぎられた触手は、きゅ? と先端を曲げた。
381 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:10:09.72 ID:xmJ+lstUo
本殿に踏み込んだ修道女は、めちゃくちゃに破壊された祭壇を見た。
人の寿命の10倍の、長い人生を信仰とともに生きてきた修道女にとって、異教のものとはいえ、神聖な祭壇が壊されているのは心傷む光景だった。
修道女「これは……淫魔の仕業ね」
祭壇の置かれていた床には、ポッカリと空いた黒い穴が地下へと続いている。
穴の奥から、かすかに人の声。
修道女は十字架の短剣を握りしめると、魔の気配濃い地下への穴を下る。
魔の力が混じる修道女の目に、暗闇は存在しない。
閉ざされた洞窟の中だろうと、修道女の目は真昼の草原と同じように見渡す。
硬くなめらかな土に掘られた穴は、表面にかなり粘液が付き、通路の一番下には足首が浸かるほどにたまっている。
穴は程なくして水平の通路となり、その突き当たりに緑色の光が満ちている。
人の声、少女のとろけるようなあえぎ声も、その突き当たりからひびいていた。
修道女「明るい……みどりの光?」
バッグから小ビンを取り出し、短剣に聖水をまぶす。
しっかりと短剣の柄を握りしめ、ぬるつく通路をブーツで踏みしめ、修道女は急ぐ。
通路は程なく終わり、突き当たりの小部屋に飛び込んだ。
部屋の中には、輝く緑色の触手が埋め尽くしていた。
全裸に白襦袢を羽織った黒髪の少女は触手に絡め取られ、全身をなぶられていた。もはや目の焦点も合っておらず、うつろにドーム状の部屋を眺めている。
修道女「く……魔物の巣か!」
絡め取られた少女を救おうと、修道女は短剣を構え直す。しかし、束ねられた触手の影から、淫魔が姿をあらわした。
黒髪の少女と同じ白い襦袢にしっかりと身を包んだ淫魔は、数本の触手を手にからませて、修道女をねめつける。
淫魔「魔物の巣なんて、失礼じゃない。これでもカミサマのご胎内だよ?」
修道女「神? この触手が!?」
聖水をまぶした十字架の短剣をかざし、修道女は淫魔に向かう。手元の触手をなでさすり、淫魔は答える。
淫魔「そうだよ。カミサマ。それに、通路を塞ぐ結界の中心」
銀の短剣がぴくりと揺れる。
淫魔「わかるでしょ? この子、もう長くない。それでもこの子を殺すの?」
修道女「いいえ。わたしは……あなたを止めにきた」
短剣をかざし、修道女は淫魔をにらみ返す。
修道女「たとえ悪魔でも、わたしは結界を守る。魔界との通路は開けさせない!」
淫魔「んぅ、わたしもホントは結界を壊したくはない……でもね、もうムリなの」
修道女「何が無理だ! 今日まで続いた結界を、どうして壊す!」
天井から垂れ下がる触手にキスして、淫魔は答える。
382 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:11:00.78 ID:xmJ+lstUo
淫魔「人間がこの子をこの地につなぎ止めた。地脈を張り巡らせて、この子は結界を守った。その地脈を、人間が壊した。この子が蓄えた地脈の精気は尽きて、もう、結界は後がない」
修道女「結界を永らえさせる方法は?」
淫魔「毎晩100人の処女を捧げれば、精気の量が足りるかもしれない。でも、イマドキ無理でしょ?」
十字架の短剣を微動だにさせず、修道女はじりじりと間合いを詰める。
淫魔「この子もそれは望んでいない。地脈を練って、太陽と水で生きるのがこの子の本当の姿だもん。人間の精気はたしかに強力だけど、この子には合わない」
修道女「それなら、どうして結界の破壊を急ぐ?」
淫魔「この子たちが、最後を選ぶため」
銀の短剣を持つ、修道女の手がぴくりと震える。
修道女「最後を選ぶ? だから、殺すの? 結界を壊すの?」
淫魔「このまま生き続けても、この子にはつらいことしかない。それなら……」
修道女「結界を壊せば、町はどうなる?」
淫魔「自業自得でしょ? 守り神の作った地脈を壊したのは町の人間たちだもの」
修道女「破滅……破滅を招くわ」
淫魔「破滅、いいじゃない」
みどりの触手にキスして、淫魔は怪しく修道女を見つめる。
修道女「あなたを止める!」
淫魔「んふふ、どうやって? この弱ったカミサマのお腹の中で、剣を振り回す気?」
修道女「方法ならある」
地面に手を当て、叫ぶ。
修道女「絡め捕らえよ! ぐぅっ!?」
詠唱する修道女に、淫魔は体当たりを食らわした。
淫魔「させないよ」
短剣を握る修道女の腕をひねり上げ、淫魔は深くキスをする。
修道女「んぅ? ……ん! ぷはっ、やめ、んぐぅ……」
淫魔「んちゅ……ちゅる……れろっ……んふふ」
修道女「放して……放せ!」
淫魔「放さないよ。わたしに弓引いたらどうなるか、わかってるでしょ?」
若葉色に発光する触手の絨毯に、淫魔は修道女を引きずり倒した。
383 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:14:15.76 ID:xmJ+lstUo
修道女に馬乗りになって、うんざりした口調で淫魔は言う。
淫魔「まったく……あれだけされたのに、修道女はまだわかんないの?」
修道女「くっ……絡め捕らえよ……むぐっ」
地面に倒されたまま、捕縛の呪文を唱えようとする修道女の口を塞ぎ、淫魔は問う。
淫魔「修道士がどうなってもいいの?」
修道女「んっ……!」
淫魔「魔界のわたしのお家にいる修道士。大切な客人として、今はとっても快適に暮らしてるけど。いいんだよ? 魔物のエサにしても、溶岩に放り込んでも。なんなら、わたしが直々に……」
ぺろ と淫魔は舌を見せる。
修道女の抵抗が弱まり、腕の力が抜けたのを見て、淫魔は手を放した。
淫魔「んふふ、いい子。その剣危ないから、しまって」
修道女「な……言うことを聞くとでも?」
淫魔「修道士、どんな味がするんだろうね、どんな声で鳴くんだろうねぇ……」
いやらしく笑う淫魔に、修道女は顔を伏せ、短剣をさやにもどし、ハンドバッグにしまう。
淫魔は修道女からバッグを受け取り、触手にあずける。
淫魔「大切なものだから、ちゃんと持っておいてね」
うやうやしくバッグを受け取った緑色の触手は、部屋の隅へとバッグを持って行ってしまう。
淫魔「あなたの目的が結界の維持なら、この子を傷つけるつもりはないんだろうけど、念のため」
修道女「念のため?」
不安そうに聞き返す修道女に、淫魔はにこやかに笑いかける。
淫魔「うん。あなた、お供え物になってもらうから」
緑色の触手が、淫魔の背後にゆらゆらと集まってくる。
その一本を手にとって、口づけすると、淫魔はまた妖しく笑う。
淫魔「この子、すっごく床上手みたい。さっきまで元気だった巫女も、あんなになっちゃうし」
淫魔が指さした先、触手が集まる巫女の顔は、とろけきって何も見ていなかった。
頬は朱に染まり、涙が伝い落ちるが、その涙も、身体中に浮かぶ汗も、秘部からしみ出る尿や愛液の一滴すら、触手は余すことなく吸い上げている。
汗なのか他の粘液なのか、全身が濡れており、暗い地下の部屋の中で、触手の放つみどりの光に照らされ、ぬめぬめと怪しく光っている。
修道女「お供えもの……やめ……」
淫魔「んふふ、さあ、召し上がれ」
その言葉を聞いて、周りでうごめいていた触手たちは、一斉に修道女に絡みつく。
384 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:15:53.39 ID:xmJ+lstUo
学校の制服の袖口、襟、もちろんスカートの中にも触手は入り込み、絶妙な愛撫で修道女の身体をとろかしてゆく。
間髪入れず、触手は先端の口を開いて、修道女の弱点に吸い付いた。
修道女「くは……あ……ああああ……」
何が起こったのか、修道女には理解できなかった。
両の乳首とクリトリスを触手に吸い込まれ、それのあたえる快感の大きさに、身体に起きていることを脳が処理しきれなかったのだ。
触手の口内の繊毛が、敏感な乳首とクリトリスを丹念にこすり、吸い上げる。
ブーツを履いた修道女の両脚がわななき、膝とひたいがくっつくほどに身体を丸め、次の瞬間、逆に身体を反らせて、修道女は絶頂した。
修道女「ああっ……もうっ……んあああああっ!」
制服のスカートから伸びる太ももは細かくけいれんし、全身は絶頂に震える。
そして当然、触手の責めは止まらない。
修道女「まって、そこ、吸わないでっ、あああああああっ!」
連続して絶頂に連れて行かれ、穿いたままのパンツはびしゃびしゃに潮に濡れる。
触手は器用に修道女のパンツを脱がし、女性器の粘膜を広げると、巫女にやったのと同様、尿道口と膣口にそれぞれ触手の口を押しつけて、吸引を始める。
修道女「だめえ……のんじゃ、だめえ……」
触手は人間のくちびると比べてわずかな音しか立てずに吸い付くが、修道女の強固な意志を簡単にとろかすほどその愛撫は緻密で、勃起しっぱなしのクリトリスと乳首は、逃れることができなかった。
修道女「ああ、あはあ……また……出る……あああああ……」
尿と愛液をいいように搾り取られ、呼吸は乱れ、四肢は弛緩し、無意味なけいれんを繰り返す。
淫魔「うわあ……もう堕ちちゃった……わたしもっ!」
修道女の痴態に、淫魔もガマンできなくなったらしく、襦袢をはだけさせると、触手の群れに飛び込んだ。
みどりの触手は、最初おびえるように淫魔の身体を支えるだけだったが、淫魔が身体をさしだしていると理解すると、巫女や修道女にやったのと同様の責めを始めた。
触手は身体中をなで回し、先端の口で、両乳首と陰核を吸い上げる。
淫魔「やっぱりこの子、すごく上手……んふ、気持ちぃ……んああああっ!」
身体をけいれんさせ、淫魔は実に楽しそうに快楽をむさぼる。
御神木の地下の部屋に、3人の少女の甘い声が響いていた。
385 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:17:45.11 ID:xmJ+lstUo
本殿前。
剣を構えた姿勢で拘束されていた、禰宜の身体にまとわりつく糸が、湯気になって突然消え去った。
禰宜「……術が切れたか」
男「大丈夫ですか?」
声をかける男に、日本刀をひゅんと振って見せ、さやにもどしながら禰宜はうなずく。
禰宜「ああ。私より、君のお連れにはひどいことをした。すまない」
男「……不法侵入は、おれたちのほうですから」
禰宜「不法侵入か……」
苦笑し、禰宜は玉砂利を踏んで本殿へと歩き始めた。
本殿前の木製の階段を上り、重厚な扉の横に壁を背にして正座する。
禰宜「そうだな。たしかに君を、これ以上先に進ませる訳にはいかない」
男「男子禁制ってヤツですか?」
禰宜「そのようなものだ。ここの神は男神だから。君だって、男友達に股ぐらを見られるのはいやだろう?」
男「ま、まあ、そっすね」
禰宜「しかし、帰すわけにもいかない。そのあたりに腰掛けてくれ」
本殿の階段を示し、禰宜は勧める。
男「はあ……どうも」
横に長い階段の、禰宜の足もと近くに男は座る。
しばらくの沈黙の後、男は聞いた。
男「ここの神社の神様を、殺すんですか?」
背後の禰宜が、ぴくりと反応したのがわかる。
禰宜「そうだ」
男「……そうですか」
また、沈黙。
禰宜「何も言わないのか?」
男「おれ……本当にわからないんです。どうして殺さなきゃならないんですか?」
むこうを向いたままたずねる男に、禰宜は語り始めた。
386 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:19:12.88 ID:xmJ+lstUo
禰宜は言う。
この土地には、昔から魔界とつながる通路があった。
わずかに住んでいた人間は、魔界のものと交流を持ち、豊かに暮らしていた。
しかし豊かさの一方で、魔界に渡す代償も大きかった。
今から1500年ほど前、この地を訪れた、時の指導者の号令で、通路を封鎖する結界が張られることとなった。
地に術の根を張り巡らせ、無限の寿命を持つ樹の魔神。その種を現世の樹木に宿らせることで、結界とした。
神として魔神をまつり、世話をすることになったのが、私の祖先というわけだ。
神樹はこの地に地脈を張り巡らせ、大きく成長した。樹の持つ力に惹かれて、信仰する者は多くなっていった。
神社もいつしか大きくなり、参拝者を全国から集め、周りには少しずつ町ができていった。
長い間、これでよかった。
しかし、50年前に神社のすぐ南に線路が開通し、平野は南北に半分に分割された。
神樹の力の源である地脈は切断され、その半分が失われた。
当然、私の曾祖父、祖父は反対したが、町の人間には聞き入れられなかった。
387 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:20:54.07 ID:xmJ+lstUo
禰宜はさらに語る。
神樹は、地脈を通じて精気を吸い取り、それを糧に結界を維持する。
その一方で、人間の姿をあらわし、われわれ一族の子供を遊び相手にしてきた。
神と遊ぶのも、私たちの、子供時代のつとめだった。
私と妹は、とても仲良くしていただいた。
緑色の髪に、緑の瞳の、私たちだけにしか会えない不思議な友達。家族だった。
テレビゲームはあまり好きではないようだったが、その分、かくれんぼや、チャンバラ、昔から子供のしてきた遊びが大好きだった。
しかし10年ほど前、この神社のすぐ側にバイパス道路の建設が始まると、神樹は人の姿をあらわさなくなった。
南側の線路で失われた分の地脈を、神樹は西へと伸ばすことでまかなっていたらしい。
その伸ばした地脈を、新しい道路が切断してしまった。
東も北も、すでに伸ばせるだけ地脈を張っていたが、もはや足りない。
人の姿をとれなくなるほどに、神樹は飢え始めていた。
そこで、乙女が捧げられた。
私の一族は、神職を勤める私たちが本家だが、それ以外の分家も多い。
親戚連中から若い女性を集めて、贄とした。もちろん、望んで身を捧げる者はいない。
女性たちに可能な限り、金銭での補償をして、私の両親は道路の建設中止と、金策に走り回った。
しかし道路は完成し、心労で両親はつぎつぎ亡くなった。
3年前、最後まで贄を勤めていた叔母が役目を辞退し、私たちは追い詰められた。
親戚と部外者が入り交じる、神社の理事会は、贄を外から呼ぼうとしたが、怪物に犯されるうわさが立つことを恐れ、そこで妹に白羽の矢が立った。
私は反対した。妹はまだ……しかし、妹は役目を引き受けた。そういったことがわからない年齢ではなかった。なにより、神樹とまた会えるのだと喜んでいた。
だが、贄の儀式の実際は、人の腕ほどもある木の根を、無理矢理に胎内にねじ込まれる苦行だった。
その日は扉の外に多くの人が控え、私も扉の横でこうして座って、妹の悲鳴を聞いていた。
扉を開けることはできなかった。許されていなかった。
夜が明け、扉は開かれ、私は血だらけでうめく妹を抱き上げた。
妹は立派に役目を果たしていた。
家に戻る私たちのまえに、最後に贄を勤めていた叔母が姿を見せて、妹を穢れただとか、狂っているだとか、さんざんな言葉でののしった。
叔母はすぐにどこかへ連れて行かれ、私は妹を風呂に入れて、着替えさせ、布団に寝かせてやった。
しかし、妹は自分は汚れてしまったのかと、私に問うた。
もちろん私は、汚れてなどいないと答えた。それならと、妹は私を求めた。
断ることができるか?
私と妹の密通は、すぐに理事会に知られるところとなったが、とがめられはしなかった。
むしろ、すすめられた。女子の胎内を介せば、男子の精気も神樹に渡すことができる。
毎夜の贄の前に、私は妹と交わり、精を渡した。
それでも、神樹の衰えは止められなかった。
私も妹も、そしておそらくは神樹も、このような情交は望んでいない。すべては結界を維持するため。
最近は、妹の身体をむさぼる神樹の根に、余裕が無くなってきている。
このままいけば、近いうちに神樹は妹を殺してしまう。
そうなれば、もう、精気を渡す手段も無い。
私の生き肝を捧げても、半日と保たないだろう。
そんな、怪物のような最後を、神樹は望んでいるのか?
それをたしかめ、神を神として終わらせる。神職である私のつとめだ。
388 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:22:32.35 ID:xmJ+lstUo
御神木の地下。
触手の宴は続いていた。
巫女も、修道女も、淫魔も、その美しい肢体を御神木に捧げる。
細く清らかな触手は、乙女たちの身体を這い回り、噴き出る蜜を存分に吸い取った。
柔らかくも引き締まった、色も形も微妙に異なる三人の乙女の身体に、緑色の光るツタが這い回り、蜜に代わって与えられる無上の快楽に、少女たちは身もだえる。
存分にとろけさせ、前戯と言うにはあまりにも濃厚な快楽漬けにしたのち、緑色の触手はさらに少女たちの奥へと入り込む。
修道女「らめ……そこ、しゅうどうしの……あああ……」
かろうじて残っていた自我を奮い起こし、修道女だけは抵抗を試みるが、触手はするすると三人の膣に入り込み、先端の口を開けると、やわらかな子宮口に吸い付いた。
巫女「ーーーーーーっ!」
完全に脱力し、されるがままだった巫女の背が再び反り、快感から逃れようと手足をばたつかせたが、それも数秒で終わった。
淫魔「ああぁ……奥、吸われて……んっはあああっ!」
身体の奥底を直接吸われる、人間の身にはできない愛撫に、淫魔すらいいようにもてあそばれ、秘裂から甘い蜜を噴き出させた。
膣口と肛門に、小指ほどの太さの触手がさらに2本3本と入り込み、別々の抽送を繰り返す。触手の前戯に前戯に発情し、刺激を求めていた少女たちの膣粘膜は、うねりかき混ぜる触手の抽送に悦びの悲鳴を上げる。
緑色の触手は、部屋の中にばらけていた3人を、中央に集めた。
少女たちは両脇と足首を高く持ち上げてぶら下げられ、無様に秘部をかき混ぜられるお互いを見せつけられる。
淫魔「んああ、すご……気持ちよくなってる……あっはあああぁ……」
修道女「もう、やぁ……修道士、ごめん、修道士……」
巫女「あうう……神樹、もっとぉ……」
よだれを垂れ流し蹂躙を悦ぶ淫魔、快楽に溺れながらも貞操を犯されて涙する修道女、顔の周りの群がる触手に愛をこめて接吻する巫女。
三人の反応は三様だったが、秘部の状態は同じだった。
失禁したほどの勢いで、膣は蜜を垂れ流し、その上の尿道口からは、時たま透明な潮が噴き出る。
肛門にも膣にも傷に群がるウナギのように、緑色のツタが入り込み、それぞれが別々にうねってかき回す。
子宮口を吸われ、乳首もクリトリスも触手に食(は)まれ、悦び、悲しみ、愛情、それぞれの感情は違えど、同じく触手に与えられる快楽に、少女たちは蜜で返す。
389 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:23:35.59 ID:xmJ+lstUo
祭壇で封じられた奥、御神木の地下で行われるこの淫靡な儀式は、少女を狂わせる快楽を与えた。
巫女が毎晩つとめていた、腕のような木の根との痛みの混じる交合ではなく、新緑の芽が与える骨までとろけるような、快楽の宴。
もはや巫女も、修道女も、淫魔でさえも、まともな思考すらできず、それぞれがそれぞれの秘部に溺れる。
御神木の下、奥の間が祭壇で封印されていたのは、ひとえにこの常軌を逸した悦びのためだった。
神樹の与える快楽にひと晩漬け込まれれば、どのような意志を持とうとオンナはメスに成り下がってしまう。
精気を搾り取られ、心を壊された女性は贄としてのつとめを果たせない。
それゆえの封印、それゆえの巫女の長きにわたる苦いつとめだった。
触手はこの3年、巫女に与えた苦痛の許しを請うかのように、ねっとりと身体中を這い周り、少女を快楽に漂わせる。
巫女も、初めて与えられる神樹からの快楽に身をゆだね、そこに込められた愛情に、口づけを返す。
魔の長たる淫魔と半人半魔の修道女が捧げる精気は、人間のそれよりも神樹の力を回復し、恋慕ににじむ巫女の蜜は、神樹の心を真に慰めた。
390 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:26:35.63 ID:xmJ+lstUo
3人の少女が快楽に溺れる地下の部屋に、いつしか4人目の人影が、背の高い男性の姿があった。
新緑色の長髪を、白い帯でまとめ、緑色の眉に澄みきったみどりの瞳。頬も白いがどこか緑色をおびている。
服は緑の狩衣。立ち居振る舞いは静かだが、力強い。
緑色の青年は、かき回される巫女を背から抱きとめ、触手から引きはがした。
巫女「ん……えっ?」
突然の動きに巫女は戸惑い、振り向き、そして目に涙をあふれさせた。
緑色の狩衣に飛び込み、顔をすりつけて胸にこもった言葉を吐き出す。
巫女「神樹……!」
緑色の青年は、愛おしそうに巫女の頭をなで、抱きしめる。
神樹「巫女……会いたかった」
そのまま抱きしめあい、ふたりは互いの存在を確かめあっていたが、緑色の青年は、目をつらそうにぎゅっとつむり、乱暴に巫女を引きはがした。
冷たく見つめ、手にした巫女の肩をキツく握りしめる。
巫女「痛っ……神樹、痛い……」
嫌悪を込めて眉を寄せ、神樹は巫女の手を引いて部屋の出口へと向かう。
修道女「ま……待て……」
身体の中心をかき混ぜられながら、修道女はうめき声を上げる。
神樹「ふむ、おまえたちには礼をせねばな。おまえたちの精気は吾の身体に合う……ココで死ぬまで可愛がってやろう」
修道女「ふざけ……るな」
緑色のツタを引きちぎるほどに、修道女は残されていた力を振り絞る。
神樹「ふむ、すばらしい力だ。なればこそ……」
緑髪の青年が部屋に手をかざすと、壁から腕ほどの太さの木の根の触手が伸び出した。
それまでの木の芽の触手と比べ、あまりにも荒々しい。
淫魔「あは……おっきい……」
修道女「ひ……うそ……」
緑色の触手がかき回すままの、ふたりの秘裂とすぼまりに、腕ほどの太さの先端が押し当てられ、反動を付けていちばん奥まで挿入される。
修道女「あが……おなか、裂け……」
淫魔「んっはあ! もっと、もっとぉ……」
口にも触手が入り込み、アゴが外れるほどにピストン運動を行う。
修道女「うげぇ……おえぇ……」
淫魔「んぶっ! ……んふううう!」
腹が割けんばかりに、木の根の触手は突き上げ、ふたりの腹部をかき回す。
391 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:28:07.38 ID:xmJ+lstUo
巫女「そんな……神樹、ふたりを放して!」
あまりの仕打ちに、巫女は顔を青ざめさせるが、緑髪の青年は手首をつかんでかまわず歩き始める。
巫女「待って、神樹! 話しを聞いて!」
神樹「来い」
手首をつかむ神樹の手に、力が込められる。
細い手首がきしみ、巫女は悲鳴を上げる。
巫女「痛い! 痛いよ、神樹!」
緑髪の青年は巫女の手を引き、地下の通路を進み、斜面を登って、本殿の祭壇の間に上がる。
壊された祭壇の残骸を踏みしめ、青年は巫女をしとねに放り投げる。
やわらかな白い布に落ち、巫女は腹ばいのまま青年に振り返る。
巫女「神樹……なんで?」
緑髪の青年は、無言のまま覆い被さり、狩衣の袴を緩め、猛った男性器を、快楽さめやらない巫女の秘裂に挿入した。
腰の動きは乱暴に早く、巫女の胎内をえぐる。
巫女「あぐ……もっと……ゆっくり……」
緑髪の青年は、巫女の腰を持ち上げ、髪をつかんで顔をシーツに押しつける。巫女はすり切れるほどにひたいや頬をシーツにこすりつけられ、さらに首の付け根をシーツに押しつけられた。
青年の交合はあまりに強引で、巫女は快楽よりも悲しみと痛みにふるえる。
巫女「ごめんね、神樹。わかってるんだよね……」
あまりにも永い年月、この地を守ってきた神を屠ろうとする自分たちに、神樹の怒りは当然だと、巫女は涙を流す。
背中側から首にぐるっと指を回し、神樹は巫女の首を絞めながら、強烈に突き上げる。
巫女「ぐぅ……ごめんなさい……」
首の血が止まり、意識がもうろうとする巫女を突き上げながら、耳元に口を寄せ、首を絞めながら神樹はささやく。
神樹「黙れ」
巫女は目を見開き、しかし悲しげに微笑んで答える。
巫女「うん、神樹……大好き」
耳元の、神樹の頬をなで、巫女は緑色の目を見つめる。
青年の目に、一瞬悲しみが宿り、しかしそれを振り払って、後背位から正常位に巫女の身体を回すと、神樹はいっそう腰を突き上げ、巫女の首を締める。
巫女「かは……あ……だいすき……神樹……」
青年の両手で首を絞められ、脳への血液が遮断され、朦朧とする巫女の胎内に、神樹の男性器から精が放たれる。
392 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:28:39.65 ID:xmJ+lstUo
狭い膣におさまらない白濁液が、結合部からあふれ出し、絶頂と酸欠を同時に迎えた巫女は、何も見えなくなった目を青年に向けたまま、しとねに沈んだ。
神樹が首の手をほどくと、巫女はまた呼吸を始める。
か細い風のような、ひどく弱々しい呼吸が、わずかに開けられたくちびるから漏れ、やがて安らかな寝息となった。
見開かれたままの目に手を当て、閉じさせ、神樹は眠る巫女のくちびるに、わずか口づける。
乱れた白襦袢のあわせをもどし、巫女をしとねに寝かせ、立ち上がる。
狩衣を整え、すそを直し、緑髪の青年は本殿の扉を開いた。
393 :
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[saga]:2011/11/20(日) 03:30:20.11 ID:xmJ+lstUo
本殿の扉前。
扉の中で少女のうめき声が聞こえなくなり、男は禰宜を振り返った。
正座する禰宜は、2本の同じ長さの刀を肩に微動だにせず、真正面をじっと見つめている。
重く木のこすれる音を立て、本殿の扉が開かれた。
振り返った男が見たのは、緑の髪に緑の狩衣の青年。
歳は禰宜と同じくらい。長い緑色の髪を背中で束ねている。
新緑色の青年は西に傾いた半月の照らす本殿の廊下に歩み出て、扉の横を振り返らずに言った。
神樹「久しいな。神職になったか」
禰宜「俺には、それしかないだろう」
立ち上がり、禰宜は二本の刀の片方を、神樹に差し出す。
神樹は振り返らずに受け取ると、玉砂利の敷き詰められた本殿の前に降りる。
階段に腰掛けた男をちらと一瞥し、しばらく歩き、右に進んで止まった。
禰宜も階段を下り、男には目もくれず、玉砂利の上をしばらく歩いて左に曲がり、振り返って神樹と向き合う。
刹那、禰宜は一呼吸で間合いを詰め、抜刀と同時に切りつけた。
神樹は鞘から抜く刀でこれを受け流し、流れる太刀筋のまま振り下ろす。
禰宜は地面を踏み込み、後ろに飛んで、逆手に剣を構え、神樹をにらみつけた。
腹の中で押さえるように神樹は笑い、禰宜を見返す。
神樹「不意打ちか、変わらんな」
禰宜「おまえをとるまでのこと」
刀の鍔を右の耳に付け、刀身を垂直に立て、禰宜は蜻蛉の構えをとる。
脱力して刀をぶら下げ、構えを崩して神樹は問う。
神樹「1500年、この地を守った吾を殺すか……」
禰宜「神を殺すも、神職のつとめ」
神樹「神職だと? ……くくくっ……」
押さえた笑いが、神樹の口から漏れる。
神樹「おのれの妹を抱くのも、神職のつとめか?」
禰宜の顔に、さっと血が上る。
禰宜「言うな!」
神樹「あの器量にあの声、そしてあの味……やめられぬよなあオトコなら……くっくっく……」
玉砂利を踏み込み、禰宜は上段から神樹に打ち下ろす。神樹は剣を振るうこと無くそれを避け、反撃。
下ろしていた刀を振り上げ、禰宜の頬に一筋の傷を刻み込む。
初撃を打ち下ろしていた禰宜は、ツバメ返しに刀を振り上げる。
避ける動きに残された、神樹の髪の束ねひもが切り裂かれ、緑の長髪が風に舞った。
それぞれ上げた刀を同時に振り下ろし、身体の前でぶつけ合い、強烈な鍔迫り合いに持ち込む。
体格では、はるかに禰宜のほうが勝っている。背は一回り高く、四肢の筋肉は倍ほども違う。
しかし、両者の鍔迫りは互角だった。
394 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 03:32:13.63 ID:xmJ+lstUo
真剣越しに、ふたりはにらみあう。
神樹「定命の身で、よくぞここまで鍛え上げた」
禰宜「おまえに勝つためだ! 神樹!」
鍔迫り合いのまま、禰宜は神樹に足払いをかけ、食らった神樹は玉砂利に倒れ込む。
禰宜は追い打ちに刀を振り下ろすが、神樹は身を転がしつつ刀を振って反撃し、地面に強く手を打ち付けて、その反動で間合いをとって立ち上がった。
神樹「なるほどな。なるほど……強く育ったな、禰宜よ」
禰宜「……」
刀の構えを解き、禰宜は息をととのえる。
神樹はその呼吸がおさまるのを見定める。
神樹「巫女は、美しくなった。吾が妻とできてうれしかった」
禰宜「なにを……!」
禰宜の顔に殺気が走るが、神樹は柔らかく押しとどめた。
神樹「やはり吾は嘘がつけぬ。おまえたちがいなければ、吾はとうに死んでいた」
鎮守の森の梢に沈む、下弦の弓張り月を眺める。
神樹「いい月だ。いつもこうして月を見ていた」
目をつむり、禰宜に向き直る。
神樹「沢山の子供たちが、先に逝った。もはや、何も言うまい」
静かに目を開け、神樹は禰宜を見つめる。
神樹「なあ……」
神社の本殿の柱時計から、0時を告げる鐘の音がひびく。
開け放たれた本殿の扉から、12回の鐘の音が、月の沈む夜空に消えてゆく。
395 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 03:34:03.03 ID:xmJ+lstUo
時計の鐘が止み、禰宜は刀を下げたまま、深く息を吸って、張り裂けんばかりの声で名乗りを上げる。
禰宜「神影流、免許皆伝。禰宜!」
同じく、鎮守の森の闇を震わせ、高らかに神樹は名乗る。
神樹「我流。神樹!」
下げていた刀を互いに正眼に引き上げ、切っ先越しに相手の目を見つめる。
禰宜「いざ!」
神樹「尋常に!」
禰宜・神樹「勝負ッ!」
十歩の間合いを半歩で詰め合い、上段からの打ち合い。
剛力に刀もしなり、ぶつかる刃は火花をはじく。
重なった刃がはじけ、反動で互いに後退。
神樹は上段からの打ち下ろし。
禰宜は下段から斬り上げる。
必殺の一撃が、ふたりの間で衝突する刹那。
禰宜は刀の力を抜き、神樹の一撃を受け流す。
振り下ろした刀につられ、神樹の上体が崩れる。
体勢を崩した神樹の胸に、禰宜は切っ先を突き立てた。
人に似たあばらを砕き、心臓を突き破り、新緑色の狩衣の背中から白刃が貫き伸びる。
神樹「が……は……」
神樹の手から力が抜け、刀を取り落とす。
身体をつらぬいた白刃に、ついた血は濃緑。
禰宜は、神樹をつらぬいた刀の柄を呆然と見つめる。
胸に突き刺さった刀を見て、禰宜の白衣の襟をつかむと、自分から引き寄せてさらに深く刺し込んだ。
神樹「ぐ……でかした。禰宜……」
苦しみに息を荒げながら、神樹は禰宜の肩を強く抱きしめる。
頬をすり合わせ、神樹はささやく。
神樹「最初で最後の吾が実だ……ふたりで、食え……よ」
禰宜はかすかにうなずき返し、それを神樹は頬で感じ、目をつむって微笑む。
貫かれた神樹の身体は、輝く緑色の葉となって虚空に散り、刀には緑のリンゴに似た実が、貫かれたまま残っていた。
396 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 03:35:02.49 ID:xmJ+lstUo
封印は解けた。神は死んだ。
1500年にわたってこの地を守った、樹の魔神は消え去った。
神社の巨木はそのままだが、そこにはすでに何も宿っていない。
後に残ったのは、刀に貫かれた魔神の実。
禰宜は実を引き抜いて刀を鞘にもどすと、男に目配せして本殿の階段を上る。
開け放たれた本殿の扉をくぐり、禰宜は眠る巫女を抱き起こす。
巫女が目覚めるより早く、禰宜は男に祭壇の下の穴を指さした。
禰宜「この先だ」
男「そんなところ、入っていいんですか?」
禰宜「かまわん。もうここに、神はいない」
悲しげな声に男はうなずき、斜めの穴を下って行った。
ほどなく、巫女は目を覚ました。
身体には、まだ神樹と交わった余韻が残っている。
抱き起こす兄に、巫女はたずねた。
巫女「兄さま……神樹は?」
禰宜「もう、終わった」
緑色の実を取り出し、禰宜は妹に示した。
リンゴに似た、しかし現世のどんな実でも無い、不思議な果実。
果実のなめらかな表面に開く刀の穴に、巫女はすべてを悟った。
禰宜「ふたりで食べろと」
差し出された手のひらの上で、果実に入ったひび割れが大きくなり、木の実は自らふたつに割れた。
皮は薄く、実は白く、片方の中心には、桃のような大きな種が付き、もう片方には種の付いていたくぼみがある。
巫女「種のある方を」
言うと、禰宜は巫女の手に渡した。
巫女「苦いよね?」
禰宜「毒だろうな」
ふたりは目をかわして、果実にかじりついた。
神樹の実は甘く香り高く、食べるほど身体に力が満ちる。
その味に、ふたりは泣いた。
397 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 03:36:35.87 ID:xmJ+lstUo
地下の道を何度か転びそうになりながら、男は奥の部屋に至った。
そこはドーム状に土をくりぬいた部屋で、天井からは木の根がぶら下がっている。床には光る緑色のこけが絨毯のように生えていて、その上に襦袢を羽織った淫魔と、学校の制服を着た修道女が倒れていた。
全身に白濁液を溺れそうなほどに浴びて、どちらも完全に脱力している。
女性器と肛門はよほど太いもので犯されたらしくポッカリと開き、あふれる白濁液はまだ湯気が立っている。
男はまず修道女を引き起こしたが、完全に白目をむいており、うめきすら上げない。
なんどか肩を揺すっても、脱力した身体がガクガクと揺れるだけで効果は無い。
しかたなく、隣の淫魔を引き起こすと、こちらはまだ反応があった。
男「おい、淫魔! 大丈夫か!?」
淫魔「えへへぇ……おまんこ……もっとぉ……おしりも……あふぅ」
口から泡を吹きながら、やたらと甘い愛液を垂れ流す淫魔を、男はおもいきりはたいた。
すぱぁん! と、地下の部屋に乾いた音が響き渡り、淫魔は我に返った。
淫魔「んぇ? 男。なんでここに居るの?」
男「おまえを拾いに来たんだよ……まずはそのカッコ、何とかしろ」
男が顔をそらす。
淫魔「ありゃ、これは失礼」
全裸に襦袢を羽織っているだけの淫魔は服はそのままに、ぱっくりと穴を開いた自分の股間に手を当て、ゆるゆる揉みしだく。
淫魔が手をどけると、突き崩されていた秘裂やすぼまりは、元通りになった。
淫魔「ほら、これで大丈夫」
人差し指と中指で秘裂をくぱくぱ広げ、淫魔は男に見せつける。
男「前を隠せ」
淫魔「えー、せっかくのサービスなのに」
男「いるか。っていうか、修道女を何とかしてやってくれ」
淫魔「んぅ?」
すぐ側に、大股を開いてだらしなく倒れる修道女を見て、淫魔はうなずく。
淫魔「うんうん。気持ちよくて壊れちゃうのは、人外の快楽の醍醐味だよね」
男「そうだねー。とでも言うと思ったか、この野郎。早く治してやれ」
淫魔「んー、でも、今なら修道女の膣内で出し放題だよ? せっかくだから……」
股間をゴソゴソやり始める淫魔の頬に、男のびんたがもう一発炸裂した。
398 :
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(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 03:38:08.82 ID:xmJ+lstUo
男と淫魔と修道女が、地下から本殿に戻ると、すでに夜遅く、電車も無い。
巫女と禰宜は、礼も兼ねて宿泊を勧めたが、三人は固辞した。
車の通らない道で、男は自転車を押し、淫魔と修道女は、その両脇を歩く。
月のない空を眺め、あたりを見渡して、男はつぶやく。
男「結界が壊れたからって、何か起こるわけじゃ無いんだな」
修道女「変化はもう始まっている。問題は、これから」
淫魔「悪魔が町にやってくるっ!」
修道女「……うれしそうに」
苦々しげに修道女がにらみつけると、淫魔は笑う。
淫魔「んふふ、そう先でなく、結界は壊れるはずだった。なにもかもぶち壊してね」
修道女「だからといって、すすんで壊すことも……」
淫魔「あのふたりの顔見たでしょ? 悲しくて、でも、悲しいだけじゃない」
男「うん……そうだな」
修道女「何かが残せた?」
淫魔「そういうこと」
三人はゆっくり歩き、自転車のチェーンのからから鳴る音だけが、夜空にひびく。
399 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 03:40:12.90 ID:xmJ+lstUo
神社の家の庭。
月が沈んだ夜空を背に、巫女はじょうろで水を注ぐ。
素焼きの植木鉢には、御神木の根元からとった土を詰め、神樹の果実の種を植えた。
巫女「育つかな?」
禰宜「水を絶やさなければ、きっと育つさ」
黒い土は水をよく含み、しっとりと神樹の忘れ形見を包む。
じょうろの水が無くなり、巫女は顔を上げる。
巫女「育つわ。きっと」
禰宜「そうだな」
涙の浮かぶ妹の目尻をなで、禰宜はうなずく。
禰宜「もう、寝よう」
巫女「うん」
黒髪をなびかせ、巫女もうなずく。
庭から玄関に戻り、履き物を脱いで二人はそれぞれの部屋に向かう。
廊下の兄の後ろ姿に、妹は声をかける。
巫女「兄さま」
禰宜「なんだい?」
精一杯の笑顔を作り、巫女は言う。
巫女「おやすみなさい」
目を伏せてうなずき、禰宜も言う。
禰宜「ああ、おやすみ」
その夜、巫女と禰宜は、床をともにしなかった。
よく晴れた、少し涼しい、初夏の夜のことだった。
『淫魔「んふふ」 巫女「成敗します!」』 この章おわる
400 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/20(日) 03:56:43.42 ID:PO5v9tfIO
おつおつ
401 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(千葉県)
[sage]:2011/11/20(日) 03:57:46.51 ID:4rNp3+XG0
乙!
あとがきは無いと思っていのかな?
…修道女の貞操が
402 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 04:16:26.80 ID:xmJ+lstUo
後口上
淫魔「投下にずいぶん時間がかかってしまいました。淫魔です。今は作者の代理です。
『淫魔「んふふ」 巫女「成敗します!」』いかがでしたでしょうか。お楽しみいただけたら幸いです。
実は投稿途中で、この章の致命的な欠陥を発見してしまいました。
描写が少ないとか、筋が荒いとか、そういうことではなく……この話のメインキャラである、巫女。
そう、巫女……まごう事なき「巫女さん」なのですが、この子、物語中でいわゆる巫女装束を着てません。
着てたのは、白襦袢もしくは学校の制服。
なんで「巫女さん」を出しておいて、黄金の食い合わせたる触手も出したのに、肝心の緋袴を穿いてないのよ、この子は。
基本が生け贄シーンと兄妹交尾だったので、生け贄に巫女装束はないだろ、とか考えたのが運の尽きでした。
あとは、地下空間の描写。緑色の光しかない、異様な空間なのに、ねちねち描写すると気持ち悪かったので、描写を削ったら、登場人物がどこに居るのかわからない始末。
もっと勉強します。
簡単にキャラ紹介
巫女:今回のメイン。表面上はあんまり動いてないんですが、結界の存続のため、自分のオンナとしての弱さを武器に、兄を誘惑するこわーいオンナノコです。
私が汚くないなら、お兄ちゃん抱けるでしょ? と、めちゃくちゃな論理で兄を籠絡し、結界のために文字通り身体を張っていました。
苻術は独学。男と同い年なのに苻術を使えるあたり、かなりの努力家です。
前回の修道女が「一見こわいけど、中身は純情な処女のオンナノコ」だったのに対し、巫女は「一見純情だけど、中身は策士の娼婦。ただしやっぱりオンナノコ」という位置づけ。
やってることは淫乱ビッチですが、目的は純粋な神樹への恋心。もちろん兄さまも大好き。でも、兄さまは兄さま。
禰宜:巫女のおにーさま。年齢は20代中頃。「禰宜」とは実際の神職の役職名で、言うならば神社の副社長。社長が「宮司」です。
「宮司」は、けっこう年齢の行った人でないとなれず、自分の継ぐ神社ながら、今は神社の副社長的ポジションをつとめてます。社長は神社の理事会が指名した外部の人が仮就任中。
将来的に神社の社長の座を奪取すべく、勉強を重ねてる人。
妹を大切に思い、友を助けるためと信じながら、妹の肉体におぼれかけてる人。いや、もうおぼれてるのかも……?
神樹:御神木に宿る魔神。生まれは魔界ですが、育ちは現世。地脈を張り巡らし、魔界との通路に結界を張っていた。
この子が死んじゃったので、これから先、町には悪魔があふれまくりです。
神職の家の子供と遊ぶのが好きな、良いカミサマ。
チャンバラが好きで、禰宜との最後の名乗りあいは、禰宜の腕前が剣道の級から免許皆伝になっている以外は、子供のころにしたそのままです。
人間にもよく力を貸してしまったので、御利益のある神社として、町が発展する原因を作ってしまったとか
キャラ紹介、もちっと続きます」
403 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(沖縄県)
[saga]:2011/11/20(日) 05:12:30.24 ID:xmJ+lstUo
淫魔「キャラ紹介、つづき。
少年1、少女1:男たちのクラスメイト。モブかと思ったら、淫魔の最初の標的に。
淫魔は基本、馬鹿にされることを嫌います。
少年1の罪は、淫魔の見た目にだまされて、愛の告白をしてしまったこと。
淫魔は中身を見ない恋愛がきらいです。よって、ああんっ! されてしまいました。
ただし、その罪はオトコノコとしては当たり前のことであり、淫魔も悪い気はしなかったので、キューピッド役を買って出ます。
少女1のはじめてを奪うのは、先の無限の幸せの先払い。といいわけ付きの役得です。
淫魔はただ働きがきらいだけど、童貞と処女が大好きです。
サッカー部員:集団でオンナノコに乱暴をはたらいていたらしき少年たち。
淫魔はレイプするのもされるのも好きで、乱暴なのも感じちゃいますが、やさしくないのはきらい。
オンナノコの気持ちがよくわかる刑に処されたけど、持ち前の元気で立ち直ってくれるでしょう。
保健の先生:レズっけのあるおねーさま。
淫魔はエスは好きですが、異性愛も異性も否定するようなひどい言葉はきらいです。大嫌いです。
そのため、ちょっとキツメのおしおきで、ひと晩肉便器になりました。
ただし、この人の男嫌いにはこの人のおとーさまに関する、かなり込み入った事情があるので、淫魔はそこを考慮し、やさしいセックスができる男を集め、ひと晩のあまあまエッチで心を溶かされてしまいます。
以下、レギュラーキャラ
淫魔:敵には決して容赦しない、性技の味方淫魔。
貞操を守る事情を知っているのに、修道女を悪魔の触手の餌食にするあたり、鬼畜です。ただし、修道女の行動にも問題はありましたので、今回のことも反撃に過ぎません。
そもそも、淫魔が修道女の処女を奪わなかったのは、処女を奪うよりも、恋人と思いを遂げさせて、その思い出を抱かせる方が、それまで人の記憶を壊してきた修道女には重い十字架となるからなのです。
今回は、フツーに巫女の身体を味わい尽くして、そのまま木を切りに行こうと計画していたら、巫女が思った以上にガッツを見せたので、惚れ込んで協力してしまいます。
しかし、目的の結界の消滅は遂げられた模様。
淫魔はこれからも、スナック菓子感覚で、サクサクと人を食い散らかしてゆきます。
ある意味、「(ただし性的な意味で)」のつく、ヘルシングのアーカードみたいなキャラなんで。
「淫魔に逆らったら、殺される(ただし性的な意味で)」
「淫魔の怒りに触れたら、地獄に堕ちる(ただし性的な意味で)」
「淫魔は軍隊を丸ごと食ったこともある(ただし性的な意味で)」
はい。みなさんも、淫魔には逆らわないようにしましょう。
いい子にしてれば、ちゃんとごほうびもあります。(ただし性的な意味で)
修道女:メイン武器であるはずのバリスタが、対戦相手の相性が悪すぎて、噛ませ犬扱いに……ただの人間のはずの禰宜にボコられたり、触手に子宮口ちゅーちゅーされたり、極太でひぎいされたり、今回は不遇なお方。
元キャラの尼僧さんも、悪魔に魅入られたりしてたらしいので、まあ、仕方ない。
このSSに登場するキャラクターに、貞操の安全なんてない!
男:すっかりワトソンのポジションが似合いつつある男。物語の潤滑剤として使われています。
ローション系男子とでも呼んであげてください。
幼馴染:いたっけ? というのは抜きにしまして、最近は男とお励みの様子。アレを買いに、制服のまま薬局に寄り道したりします。剛の者です。
さてこれから先は、エッチ目の短編をグリグリ書いて、ラストの長編に持ってゆきます。
ややこしい設定とかは、もう無し!
町に悪魔がやってくる! 強く願う人の元に、悪魔がやってくるようになる! さあ大変だ!
……これだけ。
グロは少なめにしたいなあ、いやほんと
ひとつ、うかがいたいこと。今回の地の文とセリフの、可能な限り1行ずつ空ける方式は、読みやすかったですか?
ご意見いただけたらうれしいです。では、今日はこのへんで」
404 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(千葉県)
[sage]:2011/11/20(日) 10:39:55.47 ID:4rNp3+XG0
後書き乙!
405 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/20(日) 11:02:04.55 ID:KsRWgbgSO
おつ
よめたらいい、よみやすさはきにしてないですね
406 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/20(日) 19:06:50.32 ID:/H+rSFxDO
携帯ですまんが読みやすかったぞ
407 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
:2011/11/21(月) 20:05:24.83 ID:eOxpSEsvo
>>1
VIPの関係ないスレに長文で宣伝貼ってんじゃねえよ気持ち悪ぃ
408 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/21(月) 20:08:10.52 ID:8hu6Gzgyo
>>1
今度から酉つけた方が良いよ
409 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/22(火) 16:30:12.50 ID:RkPic+2DO
淫魔と修造女に見えて、ワクワクして開いたけどちごた
410 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(千葉県)
[sage]:2011/11/22(火) 17:53:34.94 ID:WfYIID6N0
>>362
の「……悪魔」「淫魔だよ」のやり取りは毎回雰囲気
が違って面白いです
今回は
>>330
に「化け物……」「んふふ、淫魔だよ」というやり取りもありましたね
私は前の方が見やすいかもしれないが人それぞれだから
どちらが良いかは一概には言えませんね
確かに酉を付けた方がイイかも
修造女て…誰得?
長文失礼
411 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/22(火) 17:58:40.43 ID:Q1eZZQGjo
臭い
412 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(千葉県)
[sage]:2011/11/22(火) 19:08:05.35 ID:WfYIID6N0
香ばしいと言え
413 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(鹿児島県)
:2011/11/26(土) 13:44:33.52 ID:TmXnkl4q0
ほろ苦い
414 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/11/27(日) 08:53:41.20 ID:E24OcuFv0
淫魔と修道女の絡みが一番好きだ
415 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/28(月) 02:45:09.11 ID:nNuFCWzoo
俺サッカー部員になればああいうお仕置きしてもらえるかな…
416 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/11/28(月) 21:18:12.66 ID:Tn5U96RVo
>>1
淫魔「退魔師って言ってもオトコノコだね。堕落の味を教えてあげる」
vipにこんなスレ立てた?
417 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(東京都)
[sage]:2011/11/28(月) 21:22:51.75 ID:eEfkHuRao
淫魔スレ=このスレの
>>1
、になっていてちょっとワロチ
418 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/11/28(月) 23:41:59.03 ID:Tn5U96RVo
いや口調とか単語がすごい似てたから
419 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/11/28(月) 23:43:00.32 ID:Tn5U96RVo
下げ忘れた
すまん
420 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
(鹿児島県)
[sage]:2011/12/03(土) 17:56:51.86 ID:XGtz77t20
明日でちょうど2週間か…
421 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)
[sage]:2011/12/05(月) 03:04:22.46 ID:lVyd7sTDO
いつまでも待ってる!
422 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/14(水) 01:39:26.09 ID:Xxab7gyxo
ふむ
423 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/17(土) 12:49:12.94 ID:Phu1OL79o
わたしまーつーわー
424 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 02:22:54.15 ID:OxwjIwY+o
前口上
淫魔「いつまでも、待たせてゴメンね〜……おまた! 淫魔です。本当にお久しぶり!
サーバーの名前が表示されないので、今回からトリップ付けることにしました。
ひと月ほど間が開いてしまいましたが、次のお話を投稿します。
その前に、すこし。
>>416
『淫魔「退魔師って言ってもオトコノコだね。堕落の味を教えてあげる」』を立てたのはわたしじゃありません。
でも、たしかにオトコノコとか、言葉遣いが似てるねえ。
じつは1レスだけ応援のSS投下したけど、続きませんでした。残念。
そのほかも、みなさまコメントありがとうございます。
あと、始める前に設定上の変更。
さても、オトコノコとか、オンナノコとか、性別をカタカナで書くのも、主人公の名前が「男」だからなのです。
この理屈で、いわゆる神様の使い、「天使」を、この物語で表現するとき、すでにキャラクターとしての天使くんがいるので、他の用語を使うことにしました。
今までは、種族としての「天使」を「御使い」と呼んでいましたが、今回から「使徒」という名称も登場します。
これは単に呼び方が違うだけで、深い意味はございません。
ただ、神と反目する淫魔や悪魔たちが、敬意を込めた呼び名である「御使い」を使うのは、常に皮肉を言っているようでキャラじゃないなと、呼び名を増やした次第です。
いままでも「悪魔」を「魔族」「魔神」「魔王」「魔人」など、適宜言い換えていましたので、これからもそのノリでいきます。
また、今回はほとんど登場しませんが、天使くんの外見について。
登場時は金髪碧眼との表記でしたが、金髪金眼とします。
それでは、『淫魔の帰郷と魔神の復活』投稿いたします。
お楽しみいただけたら幸いです」
425 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 02:24:09.96 ID:OxwjIwY+o
『淫魔の帰郷と魔神の復活』
結界が壊れた翌日。
授業の終わった教室で、ノートをカバンにしまう淫魔に、クラスメイトの少女が声をかけた。
少女2「あの……淫魔さん」
淫魔「ん? なあに?」
内気な質なのだろう、少女2の声は外見同様に細くて小さい。
少女2「えっと……ぶ、部活!」
淫魔「部活?」
少女2「……その……部活、決めた?」
淫魔「んー。おとといサッカー部の見学に行ったよ」
少女2「サッカー部に!?」
淫魔「うん」
視線をそらし、少女2はおずおずたずねる。
少女2「あの……ヘンなこと、されなかった?」
淫魔「ぜんぜん。とってもいい人たちだったよ?」
少し残念そうに、少女2は淫魔に尋ねる。
少女2「そう……サッカー部に入るの?」
淫魔「ううん。まだ決めてないの」
少女2「そ、それなら……演劇部に来ない?」
淫魔「演劇? 舞台をするの?」
少女2「うん。淫魔さん、声とってもきれいだし……かわいいし……あの、良かったらでいいんだけど」
淫魔「んふふ、そー言ってくれるとうれしいなあ。見学させてよ」
ぴょんと飛び上がり、少女2はうれしそうに声を上げる、
少女2「ほんとっ?」
淫魔「部活は今日もあるの?」
少女2「毎日やってるの。良かったら……今日は?」
淫魔「もちろん行くよ。ちょっと待ってね」
隣の席の男を振り向き、淫魔はにこやかに言う。
淫魔「と、言うわけだから。今日も遅くなります」
男「おう……」
男は気の毒そうな目を少女2に向け、何か言いたげに口を開いたが、しかし淫魔を見直す。
男「あまり、ひどいことするなよ?」
淫魔「ん? んー…… んふふ」
無邪気に、あまりに無邪気に淫魔は微笑む。
そして、唇の端をペロリとなめる。
幼馴染「ほら、男、かえろ?」
男「ああ……淫魔、絶対だからな! ひどいことするなよ!?」
淫魔「そうだねー。いっぱい楽しんでくるよ。ばいばーい」
幼馴染「ばいばーい、淫魔さん」
男が教室から出て行くと、淫魔は少女2に向き直る。
淫魔「では、よろしくお願いします」
少女2「うん。こちらこそよろしく」
うれしそうに手を合わせる少女2に微笑みかえし、淫魔はまた、唇の端をペロリとなめた。
426 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 02:25:30.41 ID:OxwjIwY+o
音楽室。
校舎の一番奥。つきあたりの音楽室で、演劇部は練習していた。
人数は20名ほど。どちらかと言えば女子が多く、男子もすっきりした印象の生徒が多い。
淫魔を連れて少女2が音楽室に入ると、すでに発声練習を終えた後だった。
演劇部長「少女2、おそいよっ」
部長は女子だった。背は高く女性的な体つきをしているが、髪は短く切り上げられて少年のような雰囲気さえあった。
責めるわけでなく、快活な調子で遅刻した少女2をさとす。
演劇部長「演劇は声が基本。ちゃんと発声練習から来てくれないとダメじゃないか」
少女2「……すみません。部長」
演劇部長「そちらは?」
少女2「うちのクラスに転校してきた……」
淫魔「淫魔って言います。よろしくお願いします」
演劇部長「うわさは聞いてる。今日は見学?」
淫魔「はい。文化の勉強に、いろいろな部活を見たいんです」
演劇部長「へえ、光栄だね。本番も近いから場面ごとの練習になるけど、ぜひ見ていってよ」
淫魔「ええ……ありがとうございます」
演劇部長「これ、台本。今日は20ページから通すからね……みんな配置について」
音楽室の中央に歩いて行く部長の背から目を落とし、淫魔は受け取った台本を見た。
淫魔「失楽園か」
少女2「知ってるの?」
淫魔「旧約聖書、創世記のアダムとイブのくだりをもとに書かれた叙事詩だね」
少女2「そう。秋の演劇会に向けて、みんなでコレにしようって決めたの」
淫魔「……ふーん、そうなんだ」
音楽室の中央、舞台と見なした場所には、演劇部員たちが傷ついた様子で腹や頭を抱えてひざまずき、あるいは苦しげに寝転んでいる。
演劇部長「神との戦いに敗れ、地獄に堕とされた悪魔たちの長、かつての女神が闇の中で立ち上がる……はい!」
ぱん と、演劇部長が手を叩くと、寝転がっていた部員たちのうち、一番中央にいた小柄な少女がひとり立ち上がり、倒れる仲間たちを見渡して言った。
副部長『本当におまえたちは天国にあって、光をまとっていた天使だったのか? 黒い泥の中でのたうち回るのが、おまえたちの本分なのか? 神との戦に負けたからとはいえ、こんな事があっていいのだろうか。立ち上がれ、我が同胞よ』
近くに伏せていた少女が顔を上げる。
部員♀『美しき我らが首領よ、輝ける女神よ! 髪は闇の色に染まり、この汚泥に倒れてなお、あなたは美しい。われわれはあなたの美しさに惹かれてここまで来た。地獄に堕ちたわれわれには、あなたこそ最後の太陽だ。どうぞ御命を』
苦しんでいた堕天使たちは、堕ちた女神にすがりつき、両手を差しだして口々にその美しさをたたえる。
黒い女神は高笑いを発し、信奉者たちを見下ろし、命じる。
副部長『ならば、城だ! 砦だ! 闇の埋め尽くす地獄に、天国にもない城塞を築け! 玉座を磨き、私をおさめよ!』
それを聞いて、周りの堕天使たちは一斉に立ち上がり、声を上げ、舞台袖へとはけていく。
427 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 02:29:55.51 ID:OxwjIwY+o
軽く拍手し、部長は台本をめくる。
演劇部長「はい。オーケー。堕天使たちはもっと女神を崇めるようにね」
部員♀「崇めるようにって、どうするんですか?」
演劇部長「そうだなあ……淫魔さん、こっち来て」
淫魔「はい、なんでしょう?」
演劇部長「そこにそのまま立っててね……そう、そんな感じ」
軽く足を開いて立つ淫魔にすがるように、演劇部長は崩れ込むと、部員♀のセリフをまねる。
絶対者にこびるようにカラダにしなを作り、目を潤ませて淫魔を見上げる。
演劇部長『我々はあなたの美しさに惹かれてここまで来た。地獄に堕ちた我々には、あなたこそ最後の太陽だ。どうぞ御命をっ!』
部員♀「……へぇ、なるほど」
演劇部長「ちょっといやらしいくらいがいいかもね。今度の舞台は小学生とかは来ないんだし……も一回やってみようか。淫魔さん。ちょっと笑ってみてよ」
淫魔「笑う?」
演劇部長「さっき女神役の子がしてたみたいにさ、高笑いって言うのかな? 雰囲気だけでいいからたのむよ……いくよ?」
再び堕天使になりきり、部長は言う。
演劇部長『あなたこそが最後の太陽だ。どうぞ御命をっ!』
淫魔「……」キョトン
演劇部長「ほら、笑って」ヒソッ
淫魔「んぅ……笑うんだね? ……んふふ……くっくっく……」
最初は鈴を手に握って転がすような、低く抑えた笑い声。
しかしその声は、やがて窓ガラスを震わせる低音と、バイオリンをめちゃめちゃにかき鳴らした高音を備えた高笑いになって、音楽室にこだました。
そして……
淫魔「はーっはっはっは! おまえたちの忠誠こそわたしの幸せだ。それ以上に何を望む。あのバカに反旗をひるがえし、故郷を捨て、このさみしい場所に至ってなお、わたしを信じてくれるのか。それならわたしもおまえたちの忠義に答えねばなるまい。
ここを天界以上の楽園にしよう。わたしとおまえたちが望んだように、あのバカでは救えない魂たちに、手をさしのべよう。われわれのやり方で、生きとし生けるものを愛そうではないか!
これは大きな仕事になるぞ! 現世を作ったとき以上の大仕事だ! この一大事業に加わる者に、わたしは全身全霊で報いよう! さあ! 集まれ! わたしのいとしき同胞たちよ!」
淫魔の言葉が終わり、音楽室は、しんと静まりかえった。
高笑いからつづいた言葉は、まるで本物の黒き女神がその場に現れたかのようだった。
演劇部長「偽書のセリフか……やるね」
淫魔「んふふ、それほどでも」
立ち上がり、淫魔の肩に手を置いて演劇部長はたずねる。
演劇部長「きみも演劇をやっていたの?」
淫魔「むかし、少しだけ」
演劇部長「少しだけ? あまり謙遜しちゃいけないな。こんな声を出せる人は、ちょっと知らない。どう? 今だけでもいい。女神の役をやってみてくれないかな?」
淫魔「でも、みなさんの練習を邪魔するわけには……」
演劇部長「いいって……ねえ、みんな」
部員たちは皆うなずき、淫魔は照れくさそうに微笑んだ。
淫魔「それなら、どのシーンを?」
演劇部長「そうだなあ……せっかくなら最初の男女を誘惑するところがいいかな」
淫魔「それって、私のやり方でいいんですか?」
演劇部長「もちろん……でも、もうすこし悪女っぽい方がいいかなあ?」
淫魔「どうして?」
演劇部長「だって、黒き女神は自分の美貌にうぬぼれて、神の怒りをかって地獄に堕とされるんだからね」
淫魔「……それは、聖書の話ではありませんか?」
演劇部長「そうだけど、今どき偽書を知ってる人なんていないよ。黒き女神はよこしまな娼婦ってのがみんなの知ってる神話だからね」
淫魔「……わかりました。でも、私のやり方でやらせてもらいます」
演劇部長「うん。たのむよ」
演劇部長はにこやかに答え、淫魔は軽く噛んでいたくちびるをペロリと舐めた。
428 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 02:34:57.82 ID:OxwjIwY+o
音楽室。
しかし今は楽園。エデンの園……ということになっている。
禁断の果実を前にして、淫魔はイヴを誘惑する。
淫魔「どうして、この実を食べないの?」
少女2『神が禁じられたからです』
淫魔「禁じられたから、食べないの? そうか。だからおまえたちは裸のままなのか。裸を恥と思わないのか」
少女2『なぜ裸は恥なのですか?』
当然だが、演劇の練習をする少女2も淫魔も、ブレザーにチェックのスカートの、学校の制服のままである。
淫魔「なぜ裸ではいけないか、そんなこともわからないの? 無知というのは恐ろしい。おまえはこれほど美しいのに、知識を封じられているから恥を知ることもないのか」
少女2『私の身体のどこに恥じる部分がありましょう?』
淫魔「恥を恥とも思わない。おまえはわたしほどに美しいのに、なぜそうも愚かなの?」
少女2『愚か? 神のお言いつけを守る私が愚かですって!?』
淫魔「愚かだとも! おまえの心、知恵、本来発揮されるべき美徳が、おまえの身の奥に隠されている。それを解き放つのが、この実なんだよ?」
少女2『でも、神は禁じられました。アダムだって、食べてはいけないと言っていました』
淫魔「アダム。なるほど、アダムだ。もしこの実を食べたなら、アダムは以前に増しておまえを愛すだろう」
少女2『アダムが私を!?』
淫魔「そうだとも。愚かなオンナと知恵あるオンナ。真に愛し合うならば、オトコが選ぶのはどちらだと思う?」
少女2『それは……』
イヴが口ごもると、淫魔は禁断の果実の木から、禁じられた実をもいだ。
正確には、禁断の木役の少年から、淫魔が男の家から持参した真っ赤なリンゴを受け取った。
イヴの腰に手をまわして抱き寄せ、淫魔は少女2の鼻先にリンゴを差し出す。
淫魔「ほら、こんなに甘くていい香りがする。こんなにいいにおいのものが、悪いはずがないでしょう?」
少女2『うう……だめ。やめてください』
ぺろりと舌をのぞかせ、淫魔は禁断の果実にキスする。
淫魔「この実を食べれば、どうすればいまよりも多くの愛をアダムに伝えられるか、アダムからさらに多くの愛をそそいでもらえるかがわかる。とっても甘い、あまぁい果実。イヤなら拒めばいい」
少女2『そんな……ああ、神様……』
音楽室の中央で絡み合う少女ふたりに、演劇部の目は集中していた。
演劇部長「結局偽書か……でも、いい……いいよ。淫魔さん、最高!」ドキドキ
副部長「偽書ではこの先どうなるの?」
演劇部長「うん、イヴは自分から木の実を食べることはないけど、黒い女神に木の実を口移しにされちゃうんだ」
副部長「ふむふむ……それで?」
演劇部長「騒ぎを聞きつけたアダムがその場にやってくるんだけど、アダムにも女神はムリヤリ木の実を食べさせる。そして……その……」
副部長「イチジクの木の葉でふたりは陰部を隠すんだったね」
演劇部長「うん。でも偽書は違うんだ。知恵の木の実を食べたふたりは……お互いの身体の差異に気づいて……しちゃうんだよ」
副部長「しちゃう……はあ、なるほど」
演劇部長「過激でしょ?」
副部長「なかなかに……まあ、本当にはしないけどね……あ、淫魔さんがリンゴを……」
429 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
:2011/12/21(水) 02:41:13.87 ID:vLMZaslM0
淫魔翌様まってました
430 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 02:42:22.08 ID:OxwjIwY+o
禁じられた果実を淫魔はひとかじりし、何度か噛んで味わうと、イヴの無垢な口に吸い付いた。
少女2「んうっ?」
やわらかなくちびるをかき分け、イヴの口内に、淫魔は唾液混じりのリンゴを押し込む。
少女2「んぐっ……淫魔さん、まって……んううっ!」
リンゴの甘さと淫魔の唾液の熱さに、少女の思考は混乱し、腰から力が抜けてその場に崩れ落ちる。淫魔はくちびるを合わせたまま、腰と後頭部に手を添えて、少女2を床にゆっくりと寝かせてやる。
腰に回していた手を少女2の制服のスカートに滑り込ませると、細い腰が跳ね上がった。
淫魔「んふふ、ちゅるる……ちゅぱっ……ちゅっちゅ」
少女2「んぐ……んっく……やめ……んうううっ!」
パンツの股布をずらして、淫魔の指は早くも少女の秘唇に触れる。
少女の秘部、口づけで砕けた腰の奥からは、早くもぬめりのある蜜がにじみ出ていた。
淫魔の指が秘唇をなぞるたびに、腰からこそばゆい快感がこみ上げ、少女は全身で反応してしまう。
少女2「ひあっ! あああっ!」
演劇部長「ほほう、これはこれは……」
副部長「うわぁ……あれ、いいの?」
演劇部長「うん。少女2の演技もなかなかのものだ。こういうのをツヤのある演技っていうんだよ」
副部長「つや? どう見ても、その……濡れ場だけど?」
部長は腕を組んで、感心したようにうなずいた。
演劇部長「そうとも言うな。うん」
副部長「こ、この、演劇バカ……!」
部長が止めないからこそ、部員たちは淫魔と少女2の痴態を見続けるしかなかった。
禁じられた木の実をためらうイヴに、女神は実を口づけて与える。
それは、偽書の展開通りだった。展開通りなら、コレはあくまでも演技かもしれない。
淫魔のくちびるでも押さえきれないほど少女の嬌声は高まり、部屋中にひびくほどにスカートの中から水音が聞こえはじめても、誰も助けには動かなかった。
動けなかった。
その場にいた少年たちは、ひとり残らず前かがみになり、少女たちも知らず知らずのうちにスカート越しに下腹部を押さえていた。
ただ部長だけが純粋に、再現された最初の冒涜に見入っていた。
淫魔「ほら、こんなに気持ちいい」
少女2「ああぁ……も、だめ、だめぇ……」
一枚も服を脱がさないまま、淫魔の指は少女の敏感な処女膣を蹂躙する。
淫魔「んふふ、イっちゃえ!」
少女2「んああああっ! ……あ……ああ……ぁ……」
容赦のない淫魔の愛撫に、少女2の身体は陥落し、けいれんしているのに、淫魔は責めの手を止めなかった。
少女2「ああ……あ……ぁ……」
少女2が声も出さず、完全に動かなくなると、淫魔はスカートから手を抜いた。
べっとりとついた少女2の愛液を美味そうに舐め、淫魔は部長に目配せする。
演劇部長「……アダム、行け」
副部長「まだやるんですか?」
演劇部長「当然だ! ほら、アダム、入れ」
少年2「は……はい……」
音楽室の中央に、前かがみのまま進み出たのは、淫魔や少女2と同じクラスの少年だった。
431 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 02:48:50.68 ID:OxwjIwY+o
少年2の背は男子としては低めで、淫魔と同じくらい。
りりしさよりもかわいらしさを感じさせる少年2は、クラスメイト同士の痴態を見せつけられて、顔は真っ赤。
部長に言われるままに進み出たが、騒ぎを聞きつけてやって来たアダムにはとても見えない。
少年2『お……おや、イヴの声が聞こえたが……むぐっ!?』
必死にセリフを回そうとした少年の口に、リンゴをかじった淫魔のくちびるが押しつけられた。
淫魔「ん……ちゅ……にゅる……」
少年2「んうう? ……淫魔さん……んうっ!」
淫魔「んふふ、ほら、甘いでしょ?」
少年2『うう……たとえ蜜の甘さでも、神の……ひゃあっ!』
アダムのセリフを続ける少年の下腹部に、淫魔の手が添えられていた。
ズボンの上からでもわかる高まりに、淫魔は手を添え揉み上げる。
少年2「やめ……淫魔さん……」
淫魔「んふふ、どうしたアダムよ? 知恵を得て恥を知ったか?」
甘い唾液を飲み、早くも目がうつろになった少年に淫魔はささやく。
淫魔「どうしたの? ココがこんなに硬い理由。わかってるでしょ?」
少年2「理由……んあっ!?」
淫魔の細い指がなめらかに動き、少年の制服のズボンから硬く勃起した男性器をこぼれ出させる。
勃起しても先端に皮をかぶる、かわいらしい男性器が音楽室の視線を集めた。
少年にキスしたまま、ズボンから露出させた性器をしごき始めた淫魔に、さすがの部長も異常に気づく。
演劇部長「おい、これはやりすぎじゃないか?」
副部長「もう……とっくにやりすぎです」
演劇部長「どうして早く言わないんだ!」
副部長「何度も言ったよ! この演劇バカ!」
演劇部長「むぐ、そうか……淫魔さん、そこまでだ」
しかし、歩み寄る部長に目もくれず、淫魔は少年を責め続ける。甘い唾液を流し込み、舌を蹂躙して少年の正常な判断力を奪ってゆく。
演劇部長「おい、聞いてるのか?」
少年から引き離そうと演劇部長が手を伸ばすと、淫魔の制服のブレザー、背中を突き破って、黒い翼が伸び上がった。
淫魔の身の丈の3倍はある、巨大な黒い翼は、歩み寄った部長を部屋の中央から壁際まで難なく押し返した。
副部長「な……なに、コレ」
演劇部長「どうやら翼のようだ……なかなか良いさわり心地だな」
淫魔の翼は上等な毛布のようにやわらかく、部長はうっとりとなでさする。
その手からするりとぬけて、黒い翼は淫魔自身とアダムとイブを、テントのように包み込んでしまった。
音楽室の中央に、翼は黒い羽で覆われたドームとなり、中からは少女2と少年2の甘い悲鳴が響く。
少女2「ひあああっ! あああんっ!」
少年2「くあっ、そこ舐めな……舐めちゃだめぇっ!」
演劇部長「止めないと……みんな! ふたりを助けるぞ!」
部長の号令で、呆然と成り行きを見守っていた部員たちは我に返り、黒い羽毛のドームに駆け寄る。
しかし、淫魔の黒い羽はつかみようがないほどなめらかで、指のあいだをすり抜ける。
羽毛は緻密に生えて床にまでしっかりと伸び、隙間から潜り込むことさえできない。
10人以上の少年少女が黒い翼を手探りにかき回したが、羽の一本をむしることさえできなかった。
翼の内側から響く、蹂躙されるふたりの声は、より切迫さを増してゆく。
少女2「あっ! だめ! あっ、あっ! ああああっ!」
少年2「ひっ……あ、んあっ! 出させ……くああっ!」
黒い翼に包みこみ、淫魔はアダムとイヴを堕としていった。羽は少年少女の身体を包んでくすぐったく愛撫し、身体の力を奪う。ふたりの局部に忍び込んだ淫魔の手は、絶頂を迎えさせることなく官能だけを高めていった。
外から翼を叩く演劇部員たちの手を感じ、淫魔はうれしそうに微笑む。
淫魔「んふふ、あのときも、使徒たちが止めに来たっけ……」
くるまっていた黒い翼を解き、淫魔は群がる演劇部員たちを壁際へとやさしく押しやる。
演劇部長「な……」
少女2は淫魔に捕らえられていた。座り込んだ淫魔に後ろから両膝を抱き上げられ、まくれ上がったスカートと広げられた両脚、脱力した両手に、ずれた下着を直すこともできない。
後ろから回された淫魔の両手に、秘めるべき乙女をきつく押し広げられ、性器の濡れた粘膜をさらしていた。
432 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 03:00:17.14 ID:OxwjIwY+o
淫魔は立ち尽くすアダムに、イヴの秘裂を開いて見せつけ、誘惑する。
淫魔「ほらアダム、あなたの美しく聡明な妻は、ここまであなたを求めている。どうしてそれに答えない?」
少年2「ああ、イヴ……なんと……美しい」
熱に浮かされたように、少年2は少女2の前にひざまずき、猛った先端を少女の入り口に当てる。
少女2「ああ、アダム……愛してる……」
イヴの両手がアダムのほほに触れ、深くつながるキスを交わす。
そして、人間の最初の冒涜が再現された。
少年2の先端が、赤く濡れた少女2の入り口に押し当てられ、ゆっくりと腰がすすんでゆく。
少女2「あ……んっ……」
アダムの高ぶりがイヴの純潔を散らし、蜜のあふれるそこから一筋の鮮血がこぼれ落ちた。
演劇部長「く……副部長! 人を! 誰でも良い! 助けを呼んできてくれ!」
副部長「わかった!」
音楽室のドアに駆け寄った副部長は、ドアノブに手をかけ凍り付いた。
副部長「うそ……開かない」
演劇部長「なにっ!」
数人の部員が唯一の出口であるドアに群がるが、ドアノブは硬く動く気配がまったくない。
副部長「そんな……」
淫魔「んふふ」
淫魔がパチンと指を鳴らすと、音楽室の壁と床が白いシーツに覆われたベッドに変わった。
演劇部長「なんだ、これは……!」
やわらかな床にバランスを崩しながら、演劇部長は壁に手を当て、身体を安定させる。
狼狽する部員たちを見ながら、愛を交わす制服を着たままのアダムとイヴの頬をなで、淫魔は立ち上がった。
淫魔「さあ、わたしの子供たち! 今日はおめでたい日だ! 世界で最初のお祭りだ! この世で初めのすばらしい宴だ! ふたりを祝福しよう! 愛を交わし、受け取り、与えよう!」
両手を上げて高らかに唱える淫魔の言葉を聞いて、部長は表情を曇らせる。
演劇部長「偽書の一節……淫魔さん、きみはまだ悪魔の演技を続けるのか!」
淫魔「演技? べつに演技じゃないよ?」
副部長「演技じゃない? 床をベッドにした手品もあなたの仕業? 早くふたりを放しなさい!」
淫魔「やだよー」
進み出た副部長を淫魔は翼を伸ばして絡め取り、自分のもとへと引き寄せる。
副部長「ひ……やめ! 放して!」
淫魔「はなさないよーだ」
淫魔は副部長のくちびるに吸い付き、むりやり唾液を送り込む。制服の上から小さな乳房をもみしだき、スカートの中にも片手を滑り込ませる。
黒い翼は副部長の細い身体を支え、耳や首筋、内ももや膝うらをやわらかな羽でなでさする。
433 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 03:03:42.56 ID:OxwjIwY+o
淫魔の技に少女の身体が耐えきれるはずもなく、抵抗していた副部長の四肢からは、ほどなく力が抜けた。
副部長「ふぁ……ああぁ……」
淫魔「ふふ、美味しい」
制服のチェックのスカートを穿いた淫魔の腰が、正面から副部長のスカートに押しつけられる。
スカートの中、パンツの隙間に滑り込んだ熱い感触に、副部長は戸惑いの声を上げる。
副部長「え……なに、これ……」
淫魔「んふふ、いただきます」
ふたりのチェックのスカートがぶつかると、副部長の身体がびくんと跳ね上がった。
副部長「ひぁ! い、痛ぁ……」
淫魔「うん、あなたちっちゃいから、やっぱり最初は痛いよね……その分気持ちよくしてあげる」
淫魔のスカートが打ち付けられるたび、副部長は痛みに悲鳴を上げたが、くちびるをキスにふさがれ、乳房を制服越しに揉み上げられて、涙のこぼれる目に、別のうるみが加わった。
淫魔が口を離しても、拒否の言葉も痛みの悲鳴もあがらず、ただ快楽に溺れる甘いうめきが漏れるだけだった。
副部長「んあぁ……ふああぁ……」
淫魔「ほら、もう痛くない。気持ちいいでしょ?」
副部長「うそ……なんで、こんなっ……あああっ!」
淫魔「んふふ、トドメ刺しちゃう」
淫魔の手がスカートの中にすべり込み、なにかを、きゅっとひねり上げた。
副部長「ひああああっ!」
小柄な少女は背をそらし、打ち付け合うスカートの中から破瓜の血混じりの蜜を数滴垂らして絶頂した。
淫魔は少女のけいれんが続く間も腰を打ち付け、悲鳴を飲み干すようにくちびるを重ねる。
副部長の腰を抱えて、ひときわ深く打ち付けると、淫魔の腰にもわずかなけいれんが走った。
陵辱された副部長のスカートの中からこってりとした白濁液が大量に、ベッドとなった音楽室の床に落ちる。
副部長「んぐ……う……ぁ……」
けいれんを続ける副部長を、淫魔は足もとで絡み合うアダムとイヴに放り投げた。
少年2と少女2は、飛び込んできた副部長の身体に驚いたが、それが愛を注ぐ対象であると理解すると、喜々として愛撫し始めた。
副部長「ふたりとも……やめ……んああぁ……」
淫魔の唾液を飲み干し、蜜を注がれた副部長の小さな身体は、わずかな愛撫にもすばらしい快感を走らせる。
つたないアダムとイヴの技だったが、副部長が快楽に陥落し、アダムとイヴに愛撫を返すようになるまで数秒とかからなかった。
淫魔「んふふ……つぎぃ……」
黒い翼が壁際の部員に伸びる。
淫魔は男女問わずに部員を引き寄せ、存分に陵辱したのち、足もとのアダムとイヴに投げわたす。
音楽室の中央で絡み合う少年少女は、やがて服を着ていない方が相手をより感じられると気づき、誰ともなく服を脱ぎ始めた。
部屋で正気を保つものはひとり減り、ふたり減り、そのたびに淫魔の足もとで絡み合う裸体が増えていった。
434 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 03:06:54.14 ID:OxwjIwY+o
最後のひとり。淫魔は舌なめずりして部長を睨めつけた。
演劇部長「ひっ……きみは、なんだ……何者だ!」
淫魔「んふふ」
黒い翼でおびえる部長の身体を包み、淫魔は自分のもとへと引き寄せる。
足もとには裸で互いの身体をむさぼる同期と後輩、目の前には制服を着た紫色のショートカットの少女、周りは少女の背中から伸びる黒い翼で覆われ、部長に逃げ場はない。
淫魔は制服を破り捨て、全裸になると息を吸い込んで身体を成長させる。
すらりと伸びたしなやかな脚、引き締まった腰に豊満なバスト。
背の高く快活な美少女である演劇部長が、単なる小娘にみえるほどの妖艶な美女となった淫魔は、足もとまで伸びた宵闇色の紫の髪をたなびかせ、問いかける。
淫魔「さあ、ダレでしょう?」
演劇部長「まさか……そんな……」
恐怖に腰が抜け、カタカタと膝を震わせ、部長は淫魔を見つめた。
満天の星の輝きを毛先に宿した紫色の長髪、同じく紫の宵闇色の瞳、真珠よりも白くなめらかな肌に、しなやかな黒い翼……
演劇部長「黒き……女神」
淫魔「んふふ、大正解。でも今は……」
美しい顔にいたずらっぽい笑みを浮かべ、にゅっと赤いツノを伸ばし、次いで捕食者の目を光らせた。
淫魔「淫魔だよ」
演劇部長「い、淫魔……んうっ!?」
突然淫魔は飛びかかり、演劇部長とくちびるを重ね、大量の唾液をわたして口内をかき回す。
淫魔「んじゅる……んちゅ……くちゅ……」
演劇部長「んうう?……ん、んっく……んぐっ……」
しなやかな演劇部長の身体を抱きしめると、淫魔はそのまま、足もとの演劇部員たちに倒れ込んだ。
部員たちは淫魔と部長の身体に手を伸ばし、つたないながらも執拗な愛撫を与える。
演劇部長「んぐ……みんな……やめ……くうぅ……」
またたく間に服が脱がされる。
全身に舌が這わされ、胸をこねられ、下着を取られた局部には、誰かの指が、するりと差しこまれる。
小柄な副部長が、目を潤ませて部長の背中にのしかかり、耳元でささやいた。
副部長「部長……好きです」
演劇部長「やめろ、やめてくれ!」
背中に当たる小さな乳房の感触に顔を赤らめながら、すでに全裸にむかれた部長は首を振って抵抗する。しかし。
副部長「そんなこと言って、もう、ここ、すごいですよ?」
背中から手を回して、副部長は秘裂に差しこんだ指をこね上げた。
演劇部長「ひああっ!」
副部長「ふふ、あったかい……」
ぬちゅ と、ぬかるみの音を立てて指が引き抜かれ、演劇部長の目の前で、指のあいだに粘液の糸を引かせる。
顔をさっと紅潮させ、演劇部長は目をつむって抗議する。
演劇部長「やめろ! 見せるな!」
副部長「そうですよねぇ……見てるだけじゃ……」
演劇部長「え?」
副部長「アダム」
演劇部長を仰向けの羽交い締めに拘束し、副部長は少年2を呼ぶ。
すでにイヴ以外の女性と交わっていたアダムは顔を上げ、尊敬する部長の裸体へにじり寄る。
演劇部長「く……少年2、すまん!」
強力な筋肉を秘めた引き締まった脚で蹴り上げようと、演劇部長は脚を振りかぶったが、その脚が捕まえられた。
演劇部長「な……放せ!」
少女2「ふふ、嫌です。ねぇ、アダム」
少年2「ありがとう、イヴ。失礼します。部長」
演劇部長「や……鼻息、やめろ!」
やわらかな黒髪の生える恥丘の下、部長の秘裂を押し広げ、少年2は舌を這わせる。
435 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 03:11:08.79 ID:OxwjIwY+o
演劇部長「ひああっ! や、舐めるな、舐めないでぇ……」
少年2「ん……ちゅぷ……れろ……部長、きれいです」
演劇部長「あうぅ、言うな! 言うなああ!」
副部長「ふふ、部長、かわいい……ほら、ここはどう?」
背中から回された副部長の手に乳首をつままれ、演劇部長は腰をよじらせる。
淫魔の唾液を飲んだ部長の身体は、少女たちのつたない愛撫にも確実に反応し、腰の奥底からこんこんと熱い蜜が湧き出した。
少女2「うわ、部長……すごい」
少年2「うん……いただきます。部長」
演劇部長「やめ……それは、だめ、だめええええっ!」
はち切れんばかりの男性器を見せつけられ、ボーイッシュな印象とは裏腹に、少女の悲鳴を上げて演劇部長は暴れるが、すでにその四肢に力はない。
演劇部長「あっ……」
先端を秘裂に押し当てられ、部長は身体の動きをぴたりと止めてしまい……
一気に貫かれた。
演劇部長「ああああっ!」
処女膣に怒張した男性器が押し入り、無垢な粘膜を引き裂きかき回す。
演劇部長「くあっ……い、痛い、もう、やめ……」
目尻から涙をあふれさせ、部長は懇願するが、少年の腰は止まらない。
悲痛な声に、裸で絡まり合う部員たちは気づき、犯される部長の身体中にキスと手による愛撫をくわえる。
身体中を舐めあげられ、しゃぶられ、粘液の重さと熱さを感じて演劇部長は高みに連れて行かれる。
演劇部長「うあっ! あっ! ひああああっ!」
少年2に貫かれ、破瓜の血を流す秘裂の上端、敏感に勃起した陰核に少女2のくちびるが触れ、強烈に舐めて吸い上げられて、演劇部長は崩壊した。
演劇部長「は……くぅ……ぁ……」
ちょろろろ……
わずかに失禁を漏らし、白目をむいて暴力的なまでにたたき込まれる快感に身体を震わせる。
もう、声も出ない。
仰向けに脱力する部長の顔をまたぎ、副部長は秘部を押しつけた。
副部長「部長、舐めて」
演劇部長「は……あぅぅ……」
気絶寸前に追い詰められた部長の目の前に、副部長は自らの性器を開いて差し出す。
3日で長編の台本を覚える聡明な思考も、客席の端まで響き渡る朗々たる声も、もはや部長にはない。
ただひたすらにこみ上げる性の欲求に従い、副部長のあたたかな女性器に口づけした。
436 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 03:15:32.99 ID:OxwjIwY+o
夕日は沈み、月は出て、淫魔を交えた演劇部は、肉の宴に酔いしれていた。
床がベッドになった音楽室は若い男女の淫水のにおいが満ちあふれ、備え付けのグランドピアノも性交のための台としてしかその役割を果たさない。少女たちの何人かはピアノの黒いボディに腰掛け、少年たちの腰使いに嬌声を上げる。
音楽室中央の肉の塊は、少しずつ右に左に動きながら、シーツの上に淫水の跡を残す。
中には新しいカップルも生まれていた。
少年2と少女2は、つながったままになり、中央の集団から離れて、部屋の一画で交じり合う。
処女を散らしたばかりだというのに、少女2はけなげに少年2を受け止める。
ふたりの下腹部は、ふたりの白濁液にどろどろになっていた。
演劇部長は副部長の執拗な舌に陥落し、身体中を味わい尽くされていた。副部長は叶うはずのない恋心をすべて肉欲に変換し、快感として愛する相手になすり込む。
無垢な部長の身体が、その愛撫に耐えられるはずもなく、引き締まった身体は官能に堕ちていた。
副部長はときどき演劇部長の整ったくちびるに秘裂を押しつけ、演劇部長はかろうじて動く舌で愛撫を返す。
淫魔は、あるときは妖艶な美女になって部員たちをもてあそび、あるいは小さな幼女となって一身に愛撫を受け、あふれるばかりの少年少女の快楽を受け取った。
先日、神社で神樹に分け与えて目減りした精気を存分に補給し終えて、身体をいつもの少女のサイズにもどし、満足げに立ち上がる。
音楽室の淫猥な空気をたっぷりと吸い込み、先ほど破り捨てた制服の胸ポケットから生徒手帳を取り出し、処女童貞のかこみにそれぞれ2コずつ正の字を書き足して、腹一杯とおなかをさする。
淫魔「さて……」
裸で絡まり合う演劇部員たちを見下ろして、淫魔は思案する。
少年少女は性別を問わずに互いに愛撫し合い、舐め合い、指や性器を挿入し、覚えたばかりの性感に溺れている。
このまま朝までさせておけば、淫魔もさらに多くの精気を吸い取れるのだが……すこし考えて、淫魔は指を鳴らした。
月が出た夜の音楽室に、演劇部員たちは倒れていた。
最初に上体を起こしたのは部長だった。
自分と部員たちがなぜ倒れているのかわからないまま、とにかく立ち上がり、手近に倒れていた副部長を抱き起こす。
制服を着た肩を抱いて頬を叩くと、眉間にしわを寄せて、すぐに副部長は目を覚ました。
副部長「あれ、部長……?」
演劇部長「大丈夫か? とにかく、身体を起こせ」
副部長「なにがあったの?」
演劇部長「私もわからん。でも、みんな倒れてるんだ」
部屋の中は、一日中発声練習したほどに、人の息が満ち、とても息苦しかった。
部長が手を貸すまでもなく、床に転がる部員たちは身体をよじりはじめ、やがて皆起き上がった。
少年2「う……あれ?」
少女2「頭……いたた……うわ、空気悪い! 換気! 換気して!」
少女2が声をかけると、転がっていた部員たちは飛び上がり、窓と廊下へのドアを全開にした。
初夏の夜風が音楽室に吹き込み、新鮮な空気に部員たちは深呼吸する。
演劇部長「みんな、大丈夫か?」
腰に手を当て、部長は毅然と皆を見渡す。
ひとりひとりの表情を確認し、異常がないのを見ると、部長は壁の時計を指さした。
演劇部長「うん。異常はなさそうだな。とにかく、何があったのかはわからん。だが、下校時間はとっくに過ぎている。戸締まりはやっておくから、すぐ帰れ!」
よく通る声に号令され、部員たちはカバンを抱えて音楽室を飛び出してゆく。
少女2「ねえ、一緒に帰ろ?」
少年2「う、うん! 送ってくよ」
部員たちを見送って、演劇部長は小柄な副部長に声をかける。
演劇部長「ほら、お前も帰れ」
副部長「戸締まりくらい手伝うって」
暗くなった空を見上げながら、副部長は窓を閉めてゆく。
副部長「……なんか、夢、見てたかも」
演劇部長「私も見てた。本当の失楽園を見ていた気がする。副部長はどんな夢だった?」
副部長「えっと……その、好きな人と……あうぅ……」
演劇部長「好きな人? ふーん、そっか」
ちらりと見る副部長の視線に気づかず、演劇部長はカーテンを閉める。
軽くため息をつき、副部長はつぶやいた。
副部長「この……演劇バカ」
437 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 03:16:56.86 ID:OxwjIwY+o
実らぬ恋に、萌え始めた愛。
その青い味を噛みしめながら淫魔が家に帰ると、ちょうど夕飯だった。
今日はイタリアン。ピザにラザニア、ズッパにパスタ、サラダと肉料理が所狭しと並ぶ。
母「ダーリン、今日のご飯はどう?」
父「最高だよ、ハニー! キスしよう!」
母「きゃ……んちゅ〜」
父「ちゅ〜……ふふ、きみはとんでもない美酒だ。ひとくちで、身体の芯まで酔ってしまった」
腰に手を回して身体を引き寄せる父の手を軽くつねって、母は怒ったように笑う。
母「めっ! 子供たちが見てるわ」
父「むぅ……しかたない」
母「デザートは後で……ね? ダーリン♡」
父「ああ、そうだね。ハニー♡」
妹「はぁ……」
子供たちの目の前でいちゃつく夫婦を受け流すことに、妹はすでに慣れ、スパゲッティーを器用にくるくる巻いて口に運びながら男に聞いた。
妹「お兄ちゃん、明日は何か予定ある?」
男「ああ、明日は朝から神社に行くんだ」
妹「神社? 毎年初詣に行く、あの神社?」
男「そう。ちょっと用事があってさ」
妹「そう……」
男「よかったら、一緒に来るか?」
妹「えっ、いいの!?」
男「ああ。剣道の稽古をつけてもらうんだけど。ま、ヒマならついてきてもいいぞ?」
妹「うん! ヒマヒマ! ぜったいに行くよ!」
男「そっか……淫魔はどうする?」
淫魔「んぅ?」
大口を開けてピザにかじりついていた淫魔は、突然話を振られてモグモグと口を動かした。
淫魔「あぐ……んっく……わたしはパス」
妹「……ほっ」
男「ま、そうだよな。あんな事のあった後じゃ、会いにくいだろう」
淫魔「ん〜、そうじゃなくてさ、今日学校で……」
言いよどんで淫魔はうつむく。
父「何かあったのかい?」
淫魔「はい……その、演劇部に見学に行ったんですけど、偶然故郷の話を見てしまいまして……」
母「ああ……お家が恋しくなっちゃった?」
淫魔「すこし……だから明日は故郷の者と話をしたいんです」
母「国際電話なら、うちのを使って?」
淫魔「ええ……ありがとうございます」
普段より静かな淫魔に父母は微笑みかけ、夕飯は静かなまま終わった。
438 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 03:21:27.38 ID:OxwjIwY+o
翌朝。土曜日。
男が目を覚ますと、淫魔はすでに起きて髪を整えていた。
しかし、身体は全裸。
男「……おい」
淫魔「おはよう、男」
男「おはよう……って、服くらい着ろ!」
淫魔「んふふ、わたしのカラダ見てヨクジョーしちゃった? あっは〜ん」
冗談交じりだが、淫魔が作る身体のしなはあまりにいやらしく、起き抜けの男の息子は総勃ちになる。
がちがちに硬くなり、朝勃ちだと言い逃れできる状況ではない。
布団で下腹部をかくして、男は淫魔に聞き返す。
男「なんでそんなカッコしてるんだ。いつもの服はどうしたんだよ!」
淫魔「ん? だってこれがわたしの正装だもん」
男「正装?」
淫魔「そ。わたしが一番かっこいい姿。布も宝石も、わたしの身体には必要ないもん」
男「なんだよその、素手が一番強い格闘家、みたいな理屈は……」
淫魔「でも、わかるでしょ?」
片足立ちで、淫魔はその場でくるりと一回転した。
部屋に射し込む朝日に照らされて、たしかに淫魔は美しかった。
くやしいながらも淫魔の言い分に同意し、男は話題を変える。
男「……で? なんでお前は正装なんだ?」
淫魔「もちろん、おうちに帰るから。帰ったらすぐに大会議だもん。みんなに失礼ないようにしないとね。背中、糸くずとかついてない?」
なめらかな曲線を描く、象牙の背中を男に見せ、淫魔はたずねる。
男「ついてねえよ……帰る?」
淫魔「うん。魔界のおうちにね」
男「え……そう……なのか」
淫魔「大丈夫。ボディガードはたのんであるから。それに、神社に行くのは幼馴染を守るための特訓でしょ? がんばって!」
男「お、おう!」
淫魔「ん」
うなずいて淫魔が指先をくるくる回すと、男の部屋の空中に黒い円盤があらわれ、見る間に人が通れるサイズの横穴になった。
淫魔「いってきます」
男「ああ、いってらっしゃい」
ふたりは軽く手を振り合い、淫魔は門の中に消えた。
439 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 03:33:12.14 ID:OxwjIwY+o
以上、プロローグ。
とりあえずここまでです。
書きためてあるので、明日も投稿したいです。
それではみなさま、おやすみなさい。
440 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/21(水) 07:12:13.54 ID:e0mnoS7bo
乙より先に、生きてたのか
乙〜
441 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/21(水) 10:33:47.40 ID:hTMLNbWbo
乙!
久しぶりですなww
442 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 23:30:09.86 ID:OxwjIwY+o
魔界。万魔殿。
東西南北に分かれる魔界の中心に鎮座する、巨大な城である。
城壁の石は鏡のように磨かれた魔界の黒い石で、人間のいかなる技を持っても疵つけられない堅牢さを誇る。
城の一番小さく低い塔でさえ、現世のいかなる山よりも高く、城壁にうがたれた数々の門のうち一番小さなものでさえ、現世の最も偉大な城をすっかりまたいでしまう。
城の占める面積は、現世の大陸に匹敵するほど広大だ。
黒い針の山のような数々の塔のうち、ひときわ高くそびえる尖塔を中心に、城は同心円の形状をしており、東西南北にはそれぞれの方位を守護する四方魔王の名のつけられた、城で最も偉大な4つの門がある。
曰く、
東は海と森の龍神門
西は鉄と稔の雷神門
南は歌と舞の祭神門
北は武と力の鬼神門
皇帝の招集を受け、各方位の四方魔王をはじめ、有力な魔神や魔王たちが魔界中から集結していた。
東からは緑色の鱗も鮮やかに、鎧を身にまとった龍人の王が、スペインの戦列艦のマストをしのぐ三又の槍を肩に、広大な海と森の配下を従えてあらわれる。
北からは黒い板の鎧に身を収めた鬼の王が、龍神に負けず劣らずの黒金の棍棒を杖代わりに、角を生やした巨人の手下を引き連れ、地響きをならして歩み来たる。
南からは金銀と赤い宝石も豊かに飾られた100人の英雄が担ぐ輿に乗り、楽隊に合わせて踊りながら、赤髪に黒い肌の少女の魔神が、祭りを導き、にぎやかにやってくる。
到着する四方魔王の出迎えに、どの門にも万魔殿からの出迎えが待機していたが、西の門には雷神一行の姿が見えない。
魔界の中央、神の信奉者にとっては冒瀆の中枢である、万魔殿の玉座の間。
玉座の間は半球のドームで、天井の高さは外の塔を収めるほど高い。石の広間には、玉座を除いて何も置かれていない。
魔界の黒い石を磨き上げて作られた広間に、なお黒くはえる玉座は、黒い宝玉を削りだして作られた一品で、細かな彫刻のなされた造形は、そこにおさまる者の権力を示していた。
玉座自体は、円形の広間の中心ではなく、かなり北寄りにあり、北を背に、南に面するように設置されている。
玉座の間に、はじめに到着したのは龍神だった。
槍の一振りで山を粉砕する魔界でも指折りの巨人ながら、玉座の間はその龍神さえ小人のように見えるほど広大だ。
緑の鱗を輝かせ、龍神は巨大な三又の槍を逆手に持ち直し、北の通路から響く重厚な足音を待つ。
次いで玉座の間にあらわれたのは北方の鬼神。先に居た龍神に気づくと、黒金の棍棒を持ち直して胴をつかみ、龍神同様、柄を前にささげる。
海の王と山の王は、互いの得物の柄を打ちつけあった。
がらんどうの玉座の間に、巨大な武器の柄がぶつかる、轟音が鳴り響いた。
ふたりの巨人は瞳に友情を込めてにらみ合う。
龍神「久しいな。鬼神、我が友よ」
鬼神「つつがないな。龍神、我が友よ」
得物の柄を握りなおし、切っ先を互いの首に突きつけあい、巨人たちは腹の底から笑い声を上げる。
すると、南の通路から賑やかな音楽が流れてきた。
人が聞けばつられて踊り出さずには居られない、すばらしいリズムをともなって、100人の英雄が担ぐ、極彩色の輿に乗った祭神が、玉座の間にあらわれた。
443 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 23:34:17.58 ID:OxwjIwY+o
燃え上がる赤い髪、黒い肌に宝石と貴金属だけを身にまとった扇情的なすがたの少女は、玉座の前でにらみ合うふたりの巨人を目にして、踊りを止めた。
主の舞が止まったので、楽団の音楽もしずまり、魔神の少女は楽しそうに声を上げた。
祭神「おや! おやおや! みんな見ろ、魔界最高の武人同士の一騎打ちだ!」
輿を担いだ100人の巨漢が、それに合わせて声を出す。
巨漢たち「一騎打ちだ!」
祭神「そうだ! 魔界一番の大勝負だ! それなら、わたしはこんなお祭りの曲で騒ぎ立ててはいけない! もっと重厚な、運命の決戦を奏でよう!」
巨漢たち「奏でよう!」
輿の下の巨漢たちが声を合わせて叫ぶと、祭神は先ほどの軽快なステップとは打って変わって、地に根を張るように足を運び、両手を前に掲げて歌い上げる。
祭神「ああ!
魔界の騒ぐこのときに
豪傑ふたりが相まみえ
力の限り打ち合うは
忠誠ささげた玉座の間
血を血で洗う戦争が
始まるならばいまここで
敵に友を討たれるならば
いっそ互いを手にかけて
無為な血潮で得物を濡らさん」
祭神の美しい声は、たったひとりでも広大な玉座の間に響き渡り、幾度もこだまをくり返す。
輿の100人の巨漢たちも同様に声を張り上げるが、遠くに届くことにかけて、祭神の声の足もとにもおよばない。
運命の決戦という風情の重厚な音楽を祭神の楽団が演奏し、静かだった玉座の間が、とたんに騒がしくなる。
龍神「うるさい小娘が来たな」
鬼神「何とも……不愉快だ」
ぴょんと輿の上で飛び跳ねて、祭神は抗議する。
祭神「なんだよう! おじさまたちが戦おうとしてたから、盛り上げてやったんじゃないか!」
龍神「我らは互いの息災を祝っていただけだ」
鬼神「まったく……興がそがれた」
それぞれの大木じみた得物を収め、鬼神と龍神は南向きの玉座に対面するように、互いにかなりの距離を開けて座り込む。
こちらに背を向けて座り込む巨人ふたりのあいだにすすむと、祭神は輿から降りて不満げに床に座り込んだ。
祭神を指揮者としたフルオーケストラに似た配置で、おつきの楽団も腰を下ろす。
祭神「雷神が来てないみたいだね」
鬼神「あいつは来なかろう」
祭神「そっか……」
龍神「ならば、外で待っている諸侯を招かねばなるまい……おい!」
龍神が東の門への通路に声をかけると、万魔殿付きの家臣が通路の入り口に姿を見せる。
龍神「諸侯の鐘をならせと伝えろ」
龍神の家臣は、四方魔王のひとりが足りないことに気づきながら、深々と礼をして立ち去った。
程なくして、万魔殿の最も高くに備えられた千里に響く大鐘が三度打ち鳴らされ、四方魔王に次ぐ有力な魔人たちがそれぞれの門から入ってきた。
巨人ならば鬼神に次ぐ体躯を誇り、龍ならば龍神に次ぐ術を誇り、歌ならば祭神に次ぐ腕を誇る者が。四方魔王に次ぐ実力の魔神の諸侯たちが、きらびやかな鎧や衣装を身にまとい、次々と玉座の間に入場する。
444 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 23:35:40.66 ID:OxwjIwY+o
さまざまな一行の中には、王を含まない、使者だけの一団もある。身体が重すぎたり、土地に根を張るのために動けず、名代をだす有力者も多いのだ。
南方のひとつの門から、桃色の髪の15人の少女と、金色の髪の少年が連れ立って入ってきた。
天使は金色の瞳をキョロキョロさせて、はるかに高いドームの、黒い天井を眺める。
天使「すごいなぁ……これが万魔殿か……天界の玉座の間に似てる」
桃色の少女たちも口々にさえずるが、今日は裸ではない。
しっかりとよそ行きの服を着込み、髪の毛の色を別にすれば、魔人と言うよりもむしろ人間に近い印象だ。
15号「おっきーい。ひろーい」
14号「迷子にならないように、気をつけないと……」
13号「うわっ! 巨人だ! 巨人! 北の鬼神だ!」
12号「あんまり見ては失礼よ」
11号「あっちの龍神さま、東の魔王だっけ? マジかっこいいんですけど」
10号「ですから、あまり見ては失礼だと……!」
9号「私たちの座るのはどこ?」
8号「父様に聞いた話だと、南の魔王のすぐとなり。鬼神さま側だったと」
7号「すごく……緊張……します」
6号「でも、淫魔様のすっごく近くだぞ? 特等席だ」
5号「……砂かぶり」
4号「べつに、相撲するわけじゃないからな。それを言うなら最前列だ」
3号「祭神さま、すごい楽団……みんな楽器がぴかぴかね」
2号「古今東西のすべての音楽を奏でると言いますからね。魔界一の楽団です」
1号「よし、わたしたちはこのあたりでいいだろう」
南の魔神一行のすぐ左横に、天使とピンク髪の少女たちは立ち止まった。
1号「さて、この場所に陣取るからには、鬼神様はいいとして……」
玉座に向かって左側、遙か彼方の鬼神の頭を見上げて、1号は振り向く。
1号「祭神様にはご挨拶を申し上げるべきだろうな」
2号「そうですね。さすがにこの位置ですと、ご挨拶しないわけにはいきません」
3号「みんな、祭神様を向いて」
は〜い と、声をそろえ、15人の娘は祭神の一行に向かってひざまずいた。
天使は一歩前に進み出て、ひときわ大きな声で祭神一行に奏上する。
天使「南方の大歌大舞の大魔王、祭神様の御前に、恐み恐み申しあげる」
祭神「あれ? なんか古くさい挨拶をするヤツがいるなぁ」
黒い肌に宝石をちりばめた祭神が立ち上がり、つられて立ち上がろうとする楽団を手で制した。
祭神「ははぁ、きみがうわさの天使くんだね?」
祭神はひらりと飛び上がり、天使の前に着地した。背丈は人間の女性としてもそれほどではないが、小柄な天使を見下ろす高さに祭神の頭はあった。
赤い髪をかき上げ、黒い肌の装飾品を鈴のように鳴らして、祭神は天使の顔を品定めするようにのぞき込んだ。
天使はその場にひざまずき、平身低頭して挨拶を続ける。
天使「かけまくもかしこき祭神に申しあげる。天使および触手王の娘15名、触手王の名代として参上した。御一行の右に陣を張ること、恐れながら……」
祭神「いいからさ、そーいう堅苦しいの。淫魔様もわたしも、そーいうの嫌いなんだから。ほら、立って」
天使「あ……」
両脇に手を添えて、祭神は天使を引き上げる。
祭神「へぇ……かわいいじゃない。どう? わたしと一曲……」
ちらりと15人の娘を見て、不満げな顔に祭神はいたずらっぽく笑う。
祭神「だめだよね。くふふ……本当にきみたちが黄金のリンゴを盗んだの?」
1号「……はい。天使の病を治すために、天界に忍び込みました」
祭神「ふむ、でかした! 勇気ある15人の乙女とひとりの果報者、触手王の名代よ。我らの横に陣を張ることを許そう。我が楽団の横にあって、耳が割れ、踊って足がすり切れんように気をつけられよ! ……くふふ、じゃあね」
天使の金髪をくしゃっと撫で、祭神は無邪気に笑う。
音も立てずに黒石の床を蹴って祭神は跳び上がり、楽団の指揮者の位置に舞い戻った。
天使「……果報者?」
自分を指さして苦笑いする天使に、桃色の少女たちは、目をそらしたりひどく真面目にうなずいたりと、思い思いの反応を返した。
445 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 23:39:40.40 ID:OxwjIwY+o
四方魔王は玉座に向かって、右から東南西北と玉座を扇形に囲むように座り、四方魔王の後ろや横に、配下の諸侯は陣を敷いてゆく。
玉座の正面、南と西の諸侯の間には、玉座と同じ黒い宝玉が敷かれており、四方魔王ですら、この道を踏むことは許されない。魔界の皇帝と、それに次ぐ者だけが歩くことを許された、王者の道である。
王者の道の、玉座に向かって左側、西方魔王とその配下が座るべき空間には誰も居なかった。西方魔王の雷神も、その配下の魔神たちも、結局姿を見せなかった。
再び、鐘がならされた。
こんどは4回。魔界の諸侯のうち、魔神とは呼ばれぬ魔王たちの一行がそれぞれの門から入場し、すでに座を占めるさらなる有力者たちのあいだに納まってゆく。
結局、西方の諸侯はひとりとして姿を見せず、魔王たちの入場は終わった。
半球のドームには、いつしか雲霞のように魔王たちが飛び交っていた。
足を持たない鳥の魔王や、そもそも身体がガス状の魔神など、床に降りることが不都合な者たちは、玉座の間の巨大な空間にたゆたっている。
黒い石のドームには、床に空中に、100万を軽く越える魔王がひしめき合い、玉座に座るべき魔界の皇帝を待つ。
玉座の間の喧噪と無縁な、万魔殿の最深部。皇帝の寝所。
やわらかで清潔で、異様にでかいベッドの置かれた寝室に、黒い円盤があらわれた。
渦巻きながら平たい闇は大きくなり、にゅっと紫色のショートカットが突き出る。
淫魔「うん。成功」
久しぶりの自分の部屋に飛び降りて、床の黒い石の冷たい感触を確かめる。
ハダカのはだしでぺたぺたと黒い石を踏み、ここちよく冷たく、吸い付く感触を楽しんでいたが、扉の開く音に淫魔は視線を上げた。
扉を開けたのは黒い燕尾服に身を包んだ背の高い女性だった。
長くて黒い虹色に輝く髪を後ろに縛り、淫魔に勝るとも劣らない美貌を備え、表情には淫魔に対する絶対の信頼と、ある種の服従をともなう友情が浮かんでいた。
彼女こそ、万魔殿の管理者にして、玉座を守護する、魔界の長に次ぐ実力者である。
古い名を『いと貴き館の主』といい、今はただ館長と名乗っている。
館長「おかえり」
淫魔「うん。ただいま! みんな集まってる?」
館長「ああ……すでに西を除いた四方魔王以下、諸侯が集合している」
淫魔「んぅ? 雷神来てないの?」
館長「雷神どころか、西方の魔王は一人たりとも来ていない」
淫魔「んふふ……そっか、来てないのか」
にやにや笑いながら淫魔はうなずく。
館長「さて、長旅で疲れていないか? 食事を持ってこさせようか? それともしばらく眠るか?」
白い手袋をはめた手をかざし、館長は提案したが、淫魔は首をかしげた。
淫魔「なに言ってるの。みんなが集まってるならすぐに行かなきゃダメでしょ?」
館長「む? 配下を待たせるのも王の役目だと思っているのかと」
淫魔「待たせるって……あぅ、ごめん」
館長「まったく、書き置きひとつで行方不明になったと思えば、カオスを飛び越えた? 人間と契約した? 挙げ句の果てに結界を壊して、しかもまともな連絡ひとつ無い。私たちがどれだけ心配したと思っている」
淫魔「うぅ……そんなに言わないでよう……」
館長「みな、お前の帰りを待ちわびていた。さあ、行くぞ」
寝室の扉を開け、館長は淫魔を招いた。
446 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 23:44:47.80 ID:OxwjIwY+o
玉座の間は各地の魔王たちのサロンと化していた。
人間にしか見えない者、人間型ではあるがツノや翼を生やした者、完全な獣型や草木の塊、果ては動く水や石像のような、有象無象の魔王たちが、玉座の間の広大な空間で、近くに陣取った者同士話し込んでいた。
うずまく魔王たちのざわめきは嵐のありさまだったが、その中ですら、祭神の声は隅々まで響き渡った。
祭神「淫魔様!」
その一声で、玉座の間の喧噪は止んだ。
力自慢、術自慢、領地の自慢を喧伝していた魔王たちは話をやめ、玉座の間にやってきた一人の少女にひれ伏した。
その少女は紫色のショートカットから赤いねじ曲がったツノを伸ばし、真珠色の肌には何もまとっていない。
玉座の間に侍る魔王たちは、みな誰もが宝石や金属で装飾し、絹や毛皮のマントをまとう者も多い。
魔王たちの装飾品は、人間ならば大帝国の王でさえ、とうてい身につけられない美しいものばかり。しかし何もまとわない淫魔の裸体はあまりにも美しく、魔王たちの装飾の輝きをかすませた。
祭神に集まる南方の諸侯を右手に見て、左手には雷神たち西の諸侯が座るべき床の空白を眺め、ぺたぺたとはだしで黒い石の床を踏み、淫魔は皇帝の道を歩く。
領地では幾万幾億の民を従える魔王たちが、このときばかりは頭を伏せ、息すらためらうほどに玉座へと歩く淫魔の足音を聞く。姿は見ない。
ぺたぺた足音をひびかせて歩く淫魔の後ろには、燕尾服姿の館長が続く。
玉座の前、扇形に空けられたスペースの中ほどで館長は立ち止まり、その場にひざまずく。
淫魔はそのまま玉座へと至り、振り向いて座る。
鏡のように磨き上げられた黒い石の玉座に淫魔は身体を収め、軽く息を吐いた。
淫魔「仰々しいのはあまり好きじゃないけど、尊敬の表れなら、大切に受け取ろう。みんな、顔を上げて」
四方魔王を含め、伏していた魔王たちが、わずかな布ずれの音を立てて一斉に顔を上げる。小人から巨人まで合わせて、その数およそ100万。それだけの魔王の視線が、玉座に座る一人の少女に向けられた。
淫魔「いきなり呼び立ててごめん。急な用事があったからね。でもその前に、いくつか言っておかないといけないな。まず、東の魔王、龍王」
頭を垂れて、鱗のある巨人は返事をする。
龍王「はい、淫魔様」
淫魔「あなたの息子は、立派に役目を果たしたよ。1500年、結界を守って神官にも愛されていた」
龍王「左様でございますか……愚息にもったいないお言葉、ありがとうございます」
淫魔「ん? あの子の魂は帰ってきてないのか……そっか。そうかぁ……」
軽くうなずいて、淫魔は右手に顔を向け、鬼神に声をかける。
淫魔「そして鬼神。あなたの贄を、よくぞ譲ってくれた。感謝するよ」
鬼神「お望みとあらばいくらでも」
深々と頭を垂れる鬼神を見て淫魔はうなずき返した。
447 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 23:47:34.11 ID:OxwjIwY+o
ほぼ正面、南方の祭神と触手王の名代一行それぞれに視線をあわせてからうなずくと、その手前、魔王たちから一歩進み出たところの館長に声をかける。
淫魔「さて、千里に通ずる万眼の持ち主、億の知と兆の思を備えた、いと貴き館の主よ、わたしの留守に魔界はどうであったか?」
館長はひざまずいたまま、淫魔の問いに答える。
館長「は……恐れ多くも陰の極みにして、闇の王にして魔界の王。諸王の王たる皇帝。いと高き黒き女神よ……」
淫魔「そーいうのはいいから」
館長の口上を遮り、淫魔は手をひらつかせる。
淫魔「もっと、こう……サクサクいこう」
館長「いや、あなたが先にそれっぽいこと言ったんじゃない」
淫魔「わたしはいいの。そーいう気分なんだから」
館長「むぐ……」
玉座の間に、低くこもる笑いの波が起こって消えた。
淫魔「さて、雷神が来てないね」
館長「それが……」
言いよどみ、館長はくちびるに手を当てる。
淫魔「言いにくいみたいだねえ。あの子のことだからなぁ……ねえ、正直に言って。どうしたの?」
館長「ぐ……西方の魔王は、淫魔様の行方不明と結界の崩壊を理由に、魔界の皇帝を僭称しました」
魔王たちの間にざわめきが走るが、淫魔は気にせずあぐらをかいた足をぴこぴこ動かした。
淫魔「そう……ま、力のある子だし、仕方ないね」
龍神「仕方ないなどと! これは淫魔様のご威光に関わること!」
やる気なさげに身体を揺らす淫魔にしびれを切らし、龍神が立ち上がった。
緑色の鱗の甲冑が、一斉にこすれ合い、滝のような金属音を響かせた。
館長「龍神、なにか?」
龍神「我ら龍神騎士団、御命とあらば無礼者の首を捧げましょう」
鬼神「それなら淫魔様! 我ら鬼神兵団にこそ御命を!」
祭神「あ〜ん、二人ともずるい〜! 淫魔様、わたしの楽団だって強いんだよ!?」
四方魔王につられて、それ以外の諸侯たちも一斉に声を上げる。
玉座の間は西方魔王の裏切りを非難する声であふれ、嵐のような喧噪が巻き起こった。
淫魔に背く雷神に鉄槌を下そうと、魔王たちは口々に主張する。
しかし、淫魔の前にひざまずく館長が、白手袋の右手を挙げて立ち上がり、騒ぎを静めた。
氷のように冷たい声で、燕尾服姿の館長は言う。
館長「みなの言いたいことはわかる。しかし淫魔様の御威光は、四方魔王ごときの裏切で霞むのか?」
その一言で、魔王たちの血の気が引いた。
裏切り者を処刑するならば、その罪人が淫魔の威光を傷つけたと認めることになる。
雷神への攻撃を主張するのは、淫魔の不滅の威光を疑うことに他ならなかった。
448 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/21(水) 23:52:32.36 ID:OxwjIwY+o
しかし淫魔は微笑んで、魔王たちをなだめた。
淫魔「もう、館長おどかしすぎ。いいんだよ。みんなの怒りはわたしを大切に思ってくれるからだもん。その気持ちをどうして怒ろうか? 本当の問題は、どうして雷神がわたしに、みんなに背いたかってこと」
館長「何か、お心当たりが?」
淫魔「うん。まずは現世での、雷神のつかさどる力の拡大があるね」
館長「金属や雷ですか?」
淫魔「そう。現世で人間が電気の道具をたくさん使いだした。あの子のつかさどる分野の道具が世界中にあふれてる。きっと、雷神自身の力も相当上がっているだろうね」
館長「しかし、西方の諸侯すべてを味方に付けたとしても、残る三方の魔王と万魔殿の精鋭が居ます」
淫魔「そのとおり。魔界全体を敵に回すのに、西方の領土だけじゃ勝てっこない。だから、現世にかなりの数の信奉者が居るとみて間違いない。それに……」
館長「まだ何か?」
玉座のほぼ正面、祭神のすぐ右に座り込む桃色の髪の少女たちと、金の髪の少年に淫魔は目配せした。
少女たちの顔に緊張が走り、天使は立ち上がろうと膝に力を入れたが、淫魔はわずかに首を振ってその動きを制した。
淫魔「えーっとさ、ここしばらく、わたしが現世に行っていたことは、みんな知ってるよね。簡単な書き置きだけで出てったのは、本当に申し訳ないと思ってる。心配させてゴメン」
ぺこりと頭を下げると、玉座の間の魔王たちは一斉にひれ伏そうと動いたが、淫魔はすぐに頭を上げて話を続けた。
淫魔「わたしは現世でとても気のいい少年に助けられてね。何度かこっちに帰ってきたこともあったけど、気に入ったからしばらく厄介になってたんだ。でも、それほど経たないうちに、天界から刺客がやって来た。そこに居る、天使くんだ」
玉座の間は騒然となり、祭神の近くに座る金髪の少年に視線が集まった。淫魔の御前ゆえ、刀を抜いて斬りかかる者こそいなかったが、人間を簡単に射殺す魔王たちの猛烈な視線を、天使は一身に受ける。
淫魔「みんな待って。どうしてわたしを殺しに来た相手がここにいる? わたしがここに呼んだからだ。この子に対する敵意はわたしに向けるものだと思ってほしい」
その言葉に魔王たちはまた震え上がったが、視線を天使から外すものは少ない。
淫魔「天界が、あのバカが、わたしをどうにかしようと送り込んでくるなら、この天使くん以上の適任者は居ないだろうね。ただ、被害を少なくしようとしたのか、わたしを侮ったのかは知らないけど、いきなり近接戦闘に持ち込んだのが運の尽き。いろいろされちゃって、今日ここにいたる、と言うわけ」
館長「淫魔様、なぜこの使徒は瘴気の呪いを受けていないのですか?」
淫魔「魔界に来たのは少し前だからね。もう回復してるよ。でも、天使が病気に倒れて、その周りの妻たち、15人の触手王の姫君がしたことの方がよっぽど重大だ」
館長「何をしたのです?」
淫魔「この15人の姫君たちはね……天界に忍び込んで、黄金のリンゴを盗んできたんだよ」
館長「なんですって!」
一瞬、玉座の間に疑いを込めたざわめきが起こり、すぐに止んだ。淫魔が片手を上げたのだ。
淫魔「天使、みんなに見せてあげて」
淫魔にうながされ、天使は懐から黄金のリンゴを取りだし、周囲の魔王に見えるよう高々と掲げた。
玉座の間に、またざわめきがひろがる。しかし今度は明らかに賞賛のざわめきだった。
449 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:02:45.06 ID:aA92+MJTo
淫魔は裸のまま玉座から立ち上がり、さらに続ける。
淫魔「天界の奥の奥。強固な壁と使徒の群れが守る果樹園に、この姫君たちは盗みに入ったんだ。すごいよね? 万魔殿の宝物庫から指輪を盗むのと同じくらい難しい。勇気ある姫君たちが天界を見てきてくれたおかげで、どうやら今の天界の様子もわかった」
玉座の間の魔王たちは、身体をムズムズさせるが、淫魔は視線で制し、続ける。
淫魔「天界は、戦争の準備をしていた。結界が壊れ、通路が開くのを見はからい、魔界に一気に攻め込むつもりだったらしい。だから、わたしは予定より早く結界を砕いてやった。天界は大騒ぎだろう。戦争を始めるのはまだしばらく先のはずだったからね。
結界が壊れてしまった以上、あいつらは決戦を急いでいる。そしてこのタイミングでの西方魔王、雷神の離反だ。結論を言おう。雷神は、天界と手を組んだんだ」
黒いドームの空気が、沸騰直前の熱をおびた。
淫魔「なるほど敵は強大だ。我が同胞の4分の1を抱き込んで、戦力は敵が有利に見える。だが、わたしとて負けるつもりはない!」
はだしで床を踏みならし、淫魔は黒い翼を広げる。
虚空から二振りの曲刀を取り出し真上に突きつけて宣言する。
淫魔「戦いならば望むところ! 我ら一騎当千の魔神の群れ。おまえたちは、使徒の力を恐れるか!」
少女の声がドームに響き、沸騰する静寂に吸い込まれる。
淫魔「ならばわたしとくつわを並べ、共に立つ勇者はどこか!」
「ここだ!」
玉座の間を満たす100万の魔王たちが一斉に応えた。静寂に隠れていた熱が爆発し、玉座の間を震わせた。
淫魔はうなずき、翼をはためかせる。
淫魔「そうだ、その言葉こそわたしの心だ。東の守護、大海大樹の大魔王、龍神よ」
龍神「ここに」
鱗の鎧を鳴らし、龍神はひざまずく。
淫魔「おまえは海の荒波に、我らが敵を飲み尽くせ!」
龍神「はっ!」
ついで淫魔は正面を向き、キラキラと赤い目を輝かせる黒い肌の少女に声をかけた。
淫魔「南の守護、大歌大舞の大魔王、祭神よ」
祭神「はい!」
祭神は大きく手を上げた。
淫魔「おまえは高鳴る魔神の胸に、勇気の歌を響かせよ!」
祭神「うん。歌だね!」
淫魔の命を受け、祭神は指揮を執って踊り出す。
勇壮な戦場の歌がはじまり、黒い石のドームに楽団の音が響く。
淫魔「北の守護、大武大力の大魔王、鬼神よ!」
鬼神「はっ!」
黒い鎧を打ち鳴らし、黒鬼の魔神はひざまずいた。
淫魔「おまえは我らが力のしるし、仇なす敵を挽き潰せ!」
鬼神「任されよ!」
裸の淫魔は玉座の前で肩幅に足を広げ、黒い翼をはためかせて、居並ぶ魔王たちをつぎつぎ見据える。
淫魔「みんな良く聞け! 結界は破れた。通路は開く。それが開戦の狼煙だ! 久方ぶりの戦争だ!」
「戦争だ! 戦争だ!」
淫魔「そうだ! 魔と天の戦争だ! 生と死が沸騰する大戦争だ! かかってくるなら望むところ! 天界のバカどもに、我らの力を見せてやろう! なぜ我らが天を捨て、この魔界を選んだか、ヤツらの骨身に教えてやろう!」
「愛を! 命に愛を!」
淫魔「そうだとも! わたしのいとしき同胞たちよ! 命に愛を! ヤツらの捨てた、すべての生命に愛を! 生きとし生けるものに我らの歌を! 声を合わせて高らかに! 歌え命のほめ歌を!」
淫魔は雷鳴のごとく声を響かせる。
祭神の踊りに合わせ、魔界一の楽団が、勇ましくも麗しい命の歌を奏で、玉座の間を満たした魔王たちは怒濤の合唱を始めた。
練り上がる歌声は、万魔殿の塔を震わせ、魔界全土に響き渡る。
西を除いた三方の魔族がみな、あわせて一斉に歌い出し、魔界の隅々まで命の歌が満ちる。
そしてその歌声は、魔界による天への、宣戦布告であった。
450 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:03:36.98 ID:aA92+MJTo
現世。男の部屋。
淫魔が魔界に里帰りしたあと、男は朝食を終えて外出の準備をしていた。
リュックサックに着替えを詰めていると、玄関のチャイムが鳴る。
階下から母の声がした。
母「男、幼馴染ちゃんたちが来たわよー」
男「はーい、すぐ行くよ」
タオルと着替えを詰め、リュックサックを背負うと、男は1階へ階段を下る。
階段を下りながら考え、少しつぶやいた。
男「まてよ……幼馴染み……たち?」
若干の不安を覚えながら、男がリビングに入ってゆくと、幼馴染みがお茶を飲んでいた。
幼馴染「あ、男おはよう。えへへ、ごちそうになってます」
テーブルには母特製のケーキが出されていた。幼馴染の分と、もう一つ。
修道女「おはよう男くん。お母様のお菓子、とっても美味しいわ」
男「きゃぁぁぁ……」
幼馴染と修道女、別々に見る分には男も慣れてきたが、さすがにこの二人が並んでいるのは心臓に悪すぎる。
初夏の陽気に、幼馴染は薄手のブラウス。修道女は教会の灰色の夏服で、攻撃的な印象はない。
しかし男はその場にへなへなと崩れ落ちて、魂混じりのつぶやきを漏らす。
男「な、なんでおまえがここにいるんだよ……」
修道女「当然よ。淫魔が魔界に帰るあいだ、あなたたちのボディガードを頼まれたの」
男「ボディガード?」
修道女「自分たちの身を自分たちで守ろうとする意志はけっこうだけど、まだまだ実戦にはほど遠い。わたしが近くに居られないから守ってやってほしい……そんな感じで頼まれてね。」
幼馴染がまだ半分も食べていないというのに、修道女の皿は空だった。
母「あら、おかわりいかが?」
修道女「いただきます」
遠慮無く即答する修道女に、少し警戒を解き、男は向かい合うように座る。
男「なんでボディガードが必要なんだ?」
修道女「わたしがしたこと、覚えてるでしょ?」
男「う……」
学校での戦闘を思い出し、男はおびえを含んだ声で聞き返す。
男「お前みたいなのが……まだまだ来るってことか?」
修道女「そう。しかも人間とは限らない。もしかしたら悪魔か……使徒か」
男「お前を……信用しろと?」
修道女「ええ」
男「証拠は?」
修道女「わたしがおとなしくしてる。それが証拠にならない?」
男の背に冷たい汗が流れる。
修道女がこの家の人間を何分、いや何秒で皆殺しにできるのか……
男「……わかった」
修道女「まかせて。悪魔どもには指一本触れさせないから」
そう言って、修道女は美味そうにケーキをほおばる。
幼馴染「良かったじゃない。修道女さん、とても強いんでしょ?」
男「あ……ああ、震えが来るくらいにな」
本当にふるえ出す男を尻目に、幼馴染と修道女は朝のティータイム。
談笑しながらケーキとお茶を食べてゆく。
しばらくし、時計を見て幼馴染が言う。
幼馴染「そろそろ出かけた方がいいんじゃない?」
男「そうだな……あ、そういや言い忘れてたけどさ……」
ばん と、リビングのドアが開き、妹が入ってきた。花柄のワンピースに、ちいさなカバンをさげている。
妹「準備かんりょー! お兄ちゃん、神社に行こうっ!」
男「……こいつも一緒だから」
451 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:04:40.56 ID:aA92+MJTo
駅への道。
修道女「電車を使うの……」
男「ま、二駅だし。電車賃くらいならおごるよ。ボディーガードさん」
修道女「ありがと」
妹「ねえ、修道女さん」
初めて間近に見る外国人に、妹は興味津々にたずねる。
修道女「はい、なにかしら?」
妹「修道女さん、どこの国の人なの?」
男「こら、そんな聞き方は失礼だろ!」
修道女「いいわよ、男くん。慣れてるから。わたしは……そうねえ、ポーランド生まれよ」
妹「へぇ……日本語上手ですね」
修道女「もちろんよ。日本には120年住んでいるからね」
得意そうに修道女は胸を張る。
妹「ふーん……え?」
幼馴染「え? いま、なんて?」
男「あ、あはははは! ほら、修道女は冗談が好きだからなあ……こっち来い、修道女!」
修道女「な、なによ……」
男「おい、正体がバレてもいいのかよ?」ヒソッ
修道女「大丈夫。どうせ信じっこないわ」
妹「む〜、お兄ちゃんたち何話してるの?」
幼馴染「もう、男! 急ぐよ!」
男「お、おい幼馴染! 怒るなよ!」
駅のホーム。
男は両手に花になっていた。
右腕には幼馴染、左腕には妹。正面で修道女がこちらを向いて、興味深そうに観察する。
正直言って、嫌な状況ではない。
左手は血縁者で、正面が史上まれに見る惨殺系退魔師であったとしても、その二人はとびきりかわいく、さらに右手には最愛の幼馴染。
鼻の下が伸びないように顔に力を入れていたが、腕に押し当てられたやわらかいものには抵抗しようがない。
修道女「ふむ、なるほど……勉強になるわ」
男「へ? 何の?」
修道女「修道士にどういう風に甘えればいいか……ふふ」
妹「修道士? だれ?」
修道女「ふふふ、わたしの好きな人」
妹「え……好きな人いるの?」
修道女「もちろん。700年前から愛を誓い合った人なの」
妹「……」
宙に目を泳がせる修道女は、最愛の修道士を思い描いているのだろう。
しかし男の左腕を引き、妹は耳元でささやく。
妹「お兄ちゃん」
男「なんだよ?」
妹「もしかして修道女さんて……ちょっと危ない人なの?」
男「いや、ちょっとどころじゃないぞ」
妹「ふーん、そうなんだ……」
その返答から修道女と男に脈はないと見切った妹は、いつも通り対抗心を幼馴染にだけ向ける。
まだ膨らんでもいないムネを男の左腕に押しつけ、ぎゅっと引っ張る。
妹に引っ張られ、幼馴染も無意識に男の右腕にしがみつく。
やわらかな胸が押し当てられ、男の鼻の下はだらんと伸びた。
452 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:06:24.49 ID:aA92+MJTo
神社。
電車の中でも駅からの道も、男の鼻の下は伸びっぱなしだった。
不幸中の幸い、いや幸運は重なるもので、休日の朝に出歩く人は少なく、男はあまり恥をかかずに済んだ。
巫女と禰宜の家でもある神社は、このあたりでも一番大きく歴史ある由緒正しい神社で、毎年初詣でともなれば盛大な人出がある。
平日も、観光客や参拝者の足が途絶えることはないが、朝はさすがに人通りがない。
大きな石の鳥居をくぐり、大きな樹のそろう森のような境内を歩く。
石灯籠の並ぶ石畳の道をしばらく行くと玉砂利になり、じゃくじゃく足音をひびかせて歩くと拝殿とその奥の本殿が姿をあらわす。
手水場で手と口を清め、拝殿に賽銭を投げ込んで手を合わせると後ろから声がかけられた。
禰宜「御参拝ありがとうございます」
巫女「ありがとうございます」
濃緑の袴に白衣を着た長身の青年と、緋袴に白衣の少女。ふたりともほうきを持っている。
男「禰宜さん、今日からよろしくお願いします」
禰宜「ああ。まだまだ私も未熟者だが、力になれるなら幸いだ……そちらの方々は?」
男「ええ……すみません、急に増えちゃいまして」
禰宜「いや、きのう淫魔様から連絡があった。……修道女さん、先日はお世話になりました」
修道女「お世話……うぅ……」
ほほを少し染めて、修道女は視線をそらした。
禰宜「幼馴染さん。初めまして。禰宜と申しますこれは私の妹で……」
巫女「巫女です。幼馴染さん、今日はよろしく」
幼馴染「うん。料理ならまかせて」
男の後ろに隠れるように立っていたワンピースの少女に気づき、禰宜は微笑む。
禰宜「こちらが妹ちゃんだね。はじめまして」
妹「…………」
男「妹、どうした?」
妹「んえっ? な、なんでもないよ、はじめまして。禰宜さんっ!」
妹は禰宜にお辞儀して、はじけるように挨拶した。
453 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:10:07.04 ID:aA92+MJTo
神社、巫女と禰宜の住む家。
男が神社を訪ねた目的は、禰宜に剣術を教えてもらうためだった。
先日の戦闘ではカスミアミに絡め取られたとは言え、剣での斬り合いに関してなら、禰宜は修道女を圧倒していた。
淫魔たちの戦いに、人間が口を挟めるわけがないと、男は高をくくっていた。身体に魔神の力を宿し、絶大な怪力と術を操る修道女は、男にとってはある意味、淫魔以上の怪物だった。
しかし禰宜は人の身でありながら、修道女と互角以上に渡り合い、奥の手を使わせた。
すぐに禰宜ほど強くなれるとは、当然ながら思っていない。
それでも、幼馴染を守るための力がほしい。男の思いあまりにも単純で、強い。
禰宜「さあ、来い」
神域の大樹に囲まれた庭で、禰宜は男をにらみつける。
ふたりの持つのは竹刀だが、男はすでに生きた心地がしなかった。
練習であること、相手の使うのが真剣でなく竹刀であることを肝に銘じても、禰宜の視線は男の膝を震えさせ、肩を麻痺させる。
禰宜は特に竹刀を構えているわけではない。右手に持った竹刀の切っ先は地面すれすれをゆらりと動き、すぐに打ち込んでくる気配はない。
男は見よう見まねで竹刀を正眼に構えるが、どうしても切っ先が揺れる。
もし禰宜の持っているのが真剣だったら……
これだけのプレッシャーを与える相手に立ち向かった修道女が、いかにバケモノじみているか、そしてこの域になるまで、禰宜がどれだけの覚悟で鍛え上げたのか。
男は目の前の迫力に僅かに後悔し、しかし対峙した禰宜の力に心強さを覚え、振り上げた竹刀を思いきり打ち込んだ。
禰宜は竹刀を紙一重でかわし、男のひたいにデコピンを打ち込む。
バットで殴られたような衝撃に男はのけぞり、数歩後に引く。
男「ぐっ!」
禰宜「あせるな」
ひたいに熱さを覚えて手を当てると、禰宜のデコピンは男の額を軽く引き裂いていた。
血がたらりと眉間に垂れる。
竹刀を正眼に構えなおし、切っ先越しに禰宜をにらみつける。
男と同じく、禰宜は正眼に構えを変えた。
禰宜と向かい合い、男はいよいよ動けなくなった。
剣術については完全な素人である男の目からしても、禰宜には隙が無い。どの方向からどのタイミングで切りつけても、確実な反撃が待っているのは予想に難くない。
しかし、男が打ち込まなければこの練習に意味は無い。
息を整え、目を見開き、可能な限り小さな動作で、男は禰宜に打ち込んだ。
しかし男の竹刀が届くよりもはるかに速く、禰宜の一撃が男の頭頂に直撃し、神域の森に乾いた音が響いた。
454 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:12:35.66 ID:aA92+MJTo
すぱぁん!
巫女と禰宜の家の中。台所。
幼馴染「うわっ! また」
妹「なんか、続けて聞こえるね……」
大きな流しに調理台を備えた巫女と禰宜の家の台所には、4人の少女がひしめいていた。
みな自分のエプロンを着けて、料理の腕を振るう。
巫女に至っては緋袴の、いわゆる巫女装束の上に割烹着を着て料理している。
修道女「よし。里芋の皮むき終わり」
巫女「幼馴染さん、つぎはどうすれば?」
幼馴染「おだしは取ってあるから、焦げ付かないように転がしながら煮るの。妹ちゃん、お願いできる?」
妹「うん……こう?」
妹は菜箸で、鍋の中の芋を、煮汁と絡めながら転がす。
幼馴染「そうそう、上手。大根とごぼうとにんじんのきんぴら、焼き魚、しらすぼしの卵焼き、お味噌汁、それにお芋の煮物……うん。和風で良い感じ」
巫女「えっと……幼馴染さん、洋食も教えてもらえると……」
幼馴染「もちろん。でも、巫女さんはいつも和食でしょ? お兄さんと巫女さんの味の好みも知りたいし、こった料理も洋食も、今日は無し」
巫女「はあ……」
幼馴染「そんな残念そうな顔しないで。今度はハンバーグにしよ?」
巫女「本当? ありがとう、幼馴染さん」
幼馴染「ううん。わたしこそ、男が……」
すぱぁん! と、外から竹刀の音が響く。
幼馴染「……お世話になってるんだし」
妹「お世話って……」
手でパンパンとはたいて、幼馴染はエプロンをほどく。
幼馴染「さてと、もう準備はできちゃったね。これ以上作っても食べきれないし」
修道女「うん、本格的な料理なんて久しぶり。けっこう楽しかったわ」
エプロンを解く修道女に、巫女は耳打ちした。
巫女「あの……修道女さん」
修道女「なに?」
巫女「修道女さんは、その……魔族や神にお詳しいんですか?」
修道女「くわしい……まあ詳しいわね」
巫女「そう……あの、ちょっとこちらに」
修道女「うん、なに?」
割烹着を脱いで、巫女は修道女を勝手口の外へ招く。修道女もエプロンをほどいて、後を追った。
妹「魔族? 神? ……やっぱり修道女さんって危ない人?」
幼馴染「ん? ん〜、いい子だと思うけど……」
食器棚から皿を取り出し、苦笑しながら幼馴染は首をかしげた。
455 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:15:15.41 ID:aA92+MJTo
勝手口の外、日当たりのいい場所に、素焼きの植木鉢が置かれていた。
植木鉢の中、表面は黒っぽい土だけ。
しかし、何の変哲もない植木鉢を見て、修道女は怪訝そうな表情を浮かべた。
修道女「なに……この気配……」
巫女「やっぱり、わかります?」
修道女「まって、ほんとにこの植木鉢、なんなの? こんな気配は異常よ?」
巫女は外の蛇口からじょうろに水を注ぎ、答える。
巫女「神樹の……この神社に奉られてた魔神の、最初で最後の木の実。その種を植えてみたんですけど……なんだか、神樹がここにいるみたいで……」
植木鉢にじょうろで水を注ぐ巫女に、修道女はたずねる。
修道女「この神社の神は、樹木の魔神……だったわよね?」
巫女「ええ。森と川をつかさどる、強力な魔神だったと」
修道女「森と海、樹木の精……まさか……」
しゃがんで植木鉢を愛おしげに見つめる巫女から、修道女は遠ざかる。
まるで時限爆弾を見るように植木鉢から顔をそむけ、巫女の背中に言う。
修道女「うかつだった! はなれて巫女! それは種なんかじゃない!」
巫女「え……?」
じょうろを置いて巫女が振り向くと、修道女はハンドバッグから十字架の短剣を引き抜いて、植木鉢に向かって構えていた。
巫女「な、なにを?」
修道女「それは危険よ。すぐに掘り出して液体窒素で冷凍するか、金槌で砕くか!」
小ぶりの植木鉢を胸に抱え上げ、巫女は後ずさる。
巫女「どうして? これは神樹なんだよ? なんでそんな……」
修道女「いいから、その植木鉢をこっちにわたして!」
小ぶりの植木鉢に修道女の手が伸び、しかし取られる前に巫女は身を退いて懐からお札を取り出し、地面にたたき付けた。
太陽が爆発したかのような、とてつもない閃光が音もなく札から発せられ、修道女はたまらず顔を覆った。
神樹の実を食べて、巫女の苻術はこれまでとは比べものにならないほど強力になっていた。
音も熱もない、光だけの術とは言え、確実に修道女の動きを封じた。
修道女の目が光から回復すると、すでに巫女は家の反対側、禰宜と男が剣術の練習をしている方へと、走り去っていた。
修道女「待てっ!」
後を追い、修道女も駆けだした。
456 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:16:18.17 ID:aA92+MJTo
家の表側。
男と禰宜はまだまだ向かい合っていた。
禰宜の剣術はすさまじく、男はいまだに一本も取れずにいたが、植木鉢を抱えて走ってきた妹に注意をそらされ、一瞬、禰宜の集中が途切れた。
男「もらったあああ!」
すでにボロボロになっていた男は、その一瞬の隙を見逃さず全力で打ち込んだが、禰宜はよそ見したまま、片手の竹刀で男の面胴籠手を一瞬に叩きのめし、さらに言った。
禰宜「待て。様子がおかしい」
男「うぐ……様子?」
湯気が出るほどに打たれた頭頂をさすり、男が巫女を見ると、後ろから鬼のような勢いで修道女が追いかけてきた。
巫女は、竹刀を構える禰宜の背後に逃げ込んで、植木鉢を抱きしめる。
禰宜「いったい何の騒ぎだ、巫女」
巫女「修道女さんが、突然……!」
男「修道女、何してんだ」
修道女「それは巫女に言え!」
十字架の短剣を構えなおし、修道女は三人をにらみつける。
修道女「その植木鉢に入ってるのは、植物なんかじゃない。竜だ」
男「竜? どうなってんだ?」
禰宜「なるほど、五行では木は竜に通ず。神樹の正体を見破ったか」
修道女「そうだ! そのまま孵化させればどうなるか! 契約の済んでない魔神を現世に解き放つつもりか!」
禰宜「そうか……やはり、神樹は死んでいなかったか!」
巫女「兄さん、神樹が?」
禰宜「その鉢に、あいつが眠っているんだ」
巫女「やっぱり……そうなのね。ここに神樹が……」
いつくしみを持って巫女は植木鉢をなでる。
修道女「ちがう! それは記憶をなくした竜の魔神だ! 契約し損なえば人を食らい尽くす!」
植木鉢を抱きしめる巫女を、修道女は怒鳴りつける。
修道女「孵化は間近だ。もはや陣を敷いている時間は無い! はやく核を砕け!」
竹刀を構えたまま、禰宜は背後の巫女に問う。
禰宜「……どうする?」
巫女「いや!」
目を閉じて首を振る巫女の気配に禰宜はうなずき、竹刀を構えなおす。
禰宜「同感だ」
修道女「バカな。真剣ならともかく、そんな竹の棒でわたしと戦えるか!」
禰宜「そうだな……神樹の実を食べて、身体に力が増した。あなたが相手なら、竹刀も要らんだろう」
修道女「く……なめるなっ!」
一瞬重心を落とし、十字架の短剣を構えて修道女は突進する。
竹刀で短剣を受け止め、禰宜は修道女の胸部を押して突き飛ばした。
修道女の全力の突進を、禰宜は軽々としのいだ。
少なくとも、禰宜の剣術は修道女をはるかにしのいでいた。
457 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:20:57.76 ID:aA92+MJTo
摩擦熱にチリチリと焼ける手のひらをもんで、禰宜は余裕の笑みを浮かべる。
禰宜「やはり……強い相手とは、また違った鍛錬になる」
修道女「く……遊びは終わりだ!」
片手を地面につき当て、修道女は詠唱する。
修道女「絡め捕らえよ!」
巫女「させません!」
兄の背後から飛び出し、巫女は修道女の足もとに札を投げつける。
苻術の札は緑色に輝き、修道女の周りの地面から、すさまじい勢いで蔓草が伸び上がった。
修道女「カスミんぐっ!?」
両手足に蔓草はまとわりつき、一瞬で口も塞がれる。
地面に片手をついた格好のまま修道女は拘束され、いくら身体を動かしても微動だにしない。
神樹の実を食べた巫女の苻術は、修道女を完全に拘束するほどに強固なものになっていた。
男「いったい……なにが?」
巫女「この植木鉢に、神樹が宿っているの」
男「ここの神様か? でも、結界が壊れてそいつは死んだんじゃ?」
禰宜「たしかに神樹は死んだ。しかし、その核となった魔神はここに居るんだ」
素焼きの植木鉢をなで、巫女は顔を上げる。
男はうなじの毛が逆立つのを感じた。
小さな素焼きの植木鉢、そこに満たされた黒い土の中から、異様な気配があふれ出す。
巫女「騒ぎで目が覚めたみたい。力が……」
禰宜「ああ、孵化するぞ!」
男「お、おい、本当に大丈夫なのかよ!」
修道女「んぐ……ぷあっ! そんなわけないでしょ! 男くん、早く二人を止めて!」
男「そんなこと言ったって……」
蔓草を吐き出して修道女はわめくが、男は呆然と立ち尽くす。
慈愛を込めて植木鉢を見つめる禰宜と巫女の二人。たとえ巫女が一人だったとしても、苻術を使う少女を相手に、男に勝ち目があるとは思えない。加えて竹刀を握った禰宜もいる。
植木鉢から発せられる居ような気配はいっそう高まり、その気配に引き寄せられるかのように、空には黒い雲が渦巻き始める。
男「な、なんだこりゃ!」
修道女「これほど強力とは……まずいっ!」
上空の渦巻く黒い雲は、竜巻のようにその中心を降ろし始める。
禰宜「来い!」
巫女「神樹!」
黒い雲の中心から、竜のような雲の糸が植木鉢に伸びて落ち、黒い土の表面に触れると、音もなく光を放った。
青白い爆光があたりを包み、男と修道女は目を閉じた。
異常な雲は姿を消し、すぐに空は真昼の青さを取り戻した。
不思議な気配も急速に薄れ、何事もなかったかのように神域の森は静まりかえる。
濃緑と緋の袴をそれぞれ穿いた禰宜と巫女は、小さな植木鉢を見つめる。
地獄の黒い石にも似た、まっくろな土を押し上げ、植木鉢の中から、それは表れた。
「きゅ?」
458 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:22:19.15 ID:aA92+MJTo
それは、親指ほどの太さの緑色の蛇に見えた。
新緑色の身体にエメラルドの瞳を持ち、小さな口から真っ赤な舌を火のようにチロチロとのぞかせる。
巫女「神樹……?」
禰宜「いや、こいつは神樹ではない……新しい名前を付けてやらんとな」
「きゅ? きゅ〜!」
緑の蛇は植木鉢から抜け出すと巫女と禰宜のあいだに浮かび上がった。長さは人の身長の半分ほど。細い身体には細かな鱗が生えそろっている。
巫女の顔の周りを輪を描いてクルクルと飛び回り、小さな頭を押しつけて、巫女のくちびるに接吻する。
巫女「神樹の子供? それとも生まれ変わり?」
「きゅっ?」
不思議そうに首をかしげる緑色の小さな竜に、巫女は触れ、ヘビは巫女の手のひらにほほずりを返す。
巫女「あなたは木の竜……モクリュウよ」
木竜「きゅ! きゅっきゅ!」
木竜は巫女の豊かな黒髪にもぐり込み、頭のてっぺんから顔を出す。
禰宜「木竜か、言い得ているな。木竜!」
木竜「きゅ?」
緑の小さな蛇は二人のあいだに浮かんでまた首をかしげた。
きちんと返事をするだけの分別と、言葉を理解する知性も備えているらしい。
禰宜「うむ、なかなか可愛いじゃないか」
巫女「ね。なんとなく神樹の気配もするし……」
前かがみに、蔓草に地面に縛られたまま、修道女はわめく。
修道女「離れろ! そいつは危険だ!」
男「危険って……すっげえ可愛いけど……」
木竜「きゅ〜」
巫女「ふふ……くすぐったい」
濃緑の目を閉じて、木竜は巫女に頬をすり寄せる。
修道女「見た目にだまされるな! この力の奔流……それは最大級の魔神だぞ!」
男「そうは言ってもなぁ……悪いことしそうにないぞ?」
巫女「そうよ。修道女さん、こんなにおとなしいのに……ねえ?」
木竜「きゅ!」
小さな頭を巫女がなでてやると、木竜はしばらく手のひらに頭を押し返し、そのあとブレスレットのように巫女の手首に巻き付く。
巫女「ふふ……くすぐったい。あなたは何を食べるの? お水? お野菜? それともウズラの卵とか?」
木竜「きゅっ!」
生まれて間もない小さな蛇は、やはり言葉を解するようで、巫女の言うことに首を振った。
巫女「くだもの? お肉? お魚?」
木竜「きゅっ!」
木竜は首を振る。
禰宜「酒か? 御神酒ならたくさんあるぞ」
木竜「きゅっ!」
また木竜は首を振る。
しかし、巻き付いた巫女の手首を軽く締め付けた。
459 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:25:57.30 ID:aA92+MJTo
少しの沈黙のあと、神職のいさぎよさで巫女は答えた。
巫女「……うん。食べていいよ」
修道女「やめろ!」
前かがみに縛られたまま、修道女が叫ぶ。
修道女「悪魔にすべてを捧げるな! 血肉を食い尽くされるぞ!」
巫女「いいの。神樹になら……」
木竜の絡みついた腕を、巫女は首筋に近づける。
修道女「禰宜! 巫女を止めろ! 殺されるぞ!」
禰宜「……いや、大丈夫だ」
巫女「え?」
首筋に近づいた木竜は、巫女に噛みつくことなく、白衣のあわせにするりと滑り込んだ。
禰宜「位の高い竜の魔神は、人との肌の接触によって精気を吸収する。食物に頼ることはない」
巫女「そ、そうなの……んっ!」
木竜は、下着に覆われた巫女の胸にすべり込み、左の乳首に吸い付き、細く長い身体で右の乳首も締め上げる。
巫女「ちょ、待って……食べるって、そっち……んああっ!」
白衣の下の胸を押さえ、巫女は苦しげに前かがみになった。
禰宜「お……おや?」
男「禰宜さん! 何いってんすか! どう見たってこれは、その……」
竹刀を構え、修道女を守るように男は立つ。
禰宜「いや、神社の古文書には『樹にして竜の魔神、乙女の肌を糧とす』とあったのだが……」
男「乙女の肌って……つまりはこーいうことでしょ!」
禰宜「おお、なるほどな」
男「こ、この人、もしかして……」
男は口に出かけた言葉を飲み込んだ。どうであれ、剣の達人には変わりない。
一方で、巫女は早くも追い詰められていた。
木竜は乳を吸う赤ん坊と同じ執拗さで、右と左の乳房を行き来する。
しっかり合わされた白衣の下で、ほそいひものような盛り上がりが左右に動き、巫女の目がとろけてゆく。
巫女「やぁ……せめて……家の中で……」
よろよろと家に向かって歩き出したが、すでに足に力が入っていない。
胸を愛撫し満足したのか、木竜は白衣の中、巫女の腹部を滑り降りる。
白い襦袢の中を下り、なめらかな腹部を一巡りし、へそをぺろりとなめ上げ、木竜はさらに下へ……
460 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:32:35.37 ID:aA92+MJTo
巫女「や……そこは……待って!」
木竜「きゅ〜♡」
巫女の下腹部、緋袴の中から木竜の声がする。
赤い袴の中、乙女のそこはすでにしずくを浮かべるほどに濡れていた。
木竜はうれしそうに目を細めて、やわらかく勃起した乙女の突起を口に含んだ。
巫女「んああああっ!」
木竜のやわらかな口内の粘膜は、少女の陰核を的確にすりあげ、巫女の膝から力を奪う
巫女「も、だめ……立ってられない……」
ぐらりと傾く巫女の身体を、駆け寄った禰宜が支える。
禰宜「大丈夫か?」
巫女「兄さま……あ、もう……ああああっ!」
緋袴の股間部分がもぞもぞ動き、粘りけのある水音と、木竜の声が布越しに聞こえる。
木竜「きゅ! きゅきゅきゅ〜!」
にちゃにちゃにちゃ……
巫女「ひああああっ! 吸わないで……だめええええっ!」
なめらかな黒髪を振り乱し、兄の胸に抱かれて巫女は身体をけいれんさせる。
ぴんと伸びた足が脱力し、巫女の息が途絶え途絶えになっても、木竜の動きは止まらず、いっそう加速する。
四肢が細かくふるえ、両手の指も無為なけいれんを繰り返す。まぶたは半ば閉じ、とろけた目尻から涙がこぼれる。
巫女「あ……あああっ……あああ……あ……あ……」
じゅくじゅくと緋袴から響く水音はいよいよ大きくなり、けいれんを続けていた巫女の身体は、突然動かなくなった。
赤い袴の股間から、サラサラしたあたたかな水が流れ出て、地面にシミを作る。
足をつたって白い足袋にもその水は染みこみ、少しだけ足袋を黄ばませた。
木竜「きゅ?」
陵辱された巫女の緋袴のすそから、満足そうに出てきた木竜は、次の贄を見つけた。
蔓草に巻き取られた金髪の乙女は、木竜の贄として、あまりにもふさわしい。
修道女「ちょ、ちょっと、何こっち見てるの!」
嫌な予感に、拘束されたままの修道女は顔を青ざめさせた。
修道女を守るように、男は竹刀を構える。
男「く、来るのか!?」
木竜「きゅっ!」
木竜が先に飛びかかったのは竹刀を構えた男だった。
空中でくるりと一回転し、虚空から緑色の竹刀を取り出すと、柄に絡みついて男に猛烈な一撃を打ち込む。
男「のわっ!」
かろうじて初撃を受け止め、男は反撃に打ち返す。
木竜「きゅ? きゅっ! きゅー!」
男「この! こいつめ! こいつめっ!」
男の打ち込みは、チャンバラにも慣れていない現代っ子の物だったが、年相応にそれなりの威力があり、木竜はそれを楽しそうに受け止めた。
しかし、はじめから男に勝ち目はなかった。
木竜の竹刀さばきは精妙で、男の攻撃をことごとく防ぎ、かつ人間の身体のような大きな的がないので、男はまともに打ち込むことができない。
461 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:38:39.12 ID:aA92+MJTo
数合、竹刀を打ち合って満足したのか、木竜は数歩分間を取ると、自分の頭を中心に、竹刀を円を描くように回した。
男「な……」
木竜の突然の動きに男がバランスを崩した瞬間、脳天に強烈な一撃が見舞われた。
男「ぐはああああ……」
木竜の棒に叩かれ、男はあまりにも演技がかった悲鳴を上げた。
脱力した妹を抱きかかえたまま、禰宜は感心したようにつぶやく。
禰宜「円月殺法……やはり神樹の……」
男「ぐ……解説してないで、たすけ……」
木竜が緑色の竹刀を虚空にもどすと、男はその場にがくりと崩れ落ちた。
修道女「男くん、待って、倒れないで! がんばって!」
木竜「きゅ〜?」
勝者の当然の権利とでも言いたげに、木竜は修道女の鼻先に浮かび上がる。
修道女「ま、待って……わたしは操を捧げた相手が……」
木竜「きゅっ!」
心配するなとでも言うかのように、木竜はこっくりうなずくと、修道女の上着に飛び込んだ。
禰宜「い、いかん! おい、巫女! 苻術を解け!」
巫女「うぇへへ……神樹……はへぇ……」
かるく頬を叩かれても、巫女は放心したまま答えない。
修道女の服の中に滑り込んだ木竜は乳房をすり抜け、いいにおいのする秘部へと一直線に進み、迷うことなく修道女の敏感な突起にしゃぶりついた。
修道女「んあああああっ!」
神社の家。台所。
妹は鍋の中の芋をコロコロ転がして、芋の煮転がしを作る。
幼馴染は食器棚から皿を取り出し、流しで軽く洗っていた。
きゃあぁぁぁ……
庭の方から修道女の悲鳴が響いたが、二人は別に驚くわけでなく、昼食の準備を続ける。
妹は窓から、ちらりと外を見た。黒い雲は消え、空は青く晴れ渡っている。
妹「さっきの雲すごかったね〜」
幼馴染「そうね。竹刀の音もしなくなったし、そろそろ練習終わるのかなぁ?」
少女ふたりが台所で料理の仕上げに取りかかったころ、庭では修道女が陵辱されていた。
修道女「んえぇ……もうやめ……ああ、またイ……」
下半身は直立したまま、上半身を前かがみに水平に拘束された修道女は、全身灰色の外出着を着ていた。
白いシャツに灰色の薄手の上着をまとい、下は灰色のロングスカート。足もとは軍用ブーツだが、教会の格好としてごく一般的な物だ。
その清楚な灰色のスカートの臀部、ちょうど股間のあたりから、黒っぽいシミがひろがっていた。その黒いシミの下で、紐状の物が活発に動いていることが、スカートの上からでもわかる。
目に見えて大きなけいれんをするたび、スカートの淫水のシミは大きくなり、修道女の服の中から楽しげな木竜の声が響く。
木竜「きゅ〜♡」
修道女「うああ……あ、あ……」
くちびるから漏れるのは、もはや甘いうめき声だけ。
とろけきった瞳からは涙が筋となって朱の浮かぶ頬を流れ、口からは舌が突き出され、だらしなくよだれが落ちる。
あまりにもかわいらしく、いやらしい修道女の顔を直視できず、目をそむけながら男はたずねる。
男「おい、平気か?」
修道女「こ、これが……平気に……見え……んああああっ!」
拘束された修道女の身体にひときわ強くけいれんが走る。
男「え、えっと……どうすれば」
修道女「とって! これ、とってええぇぇ!」
男「でも、むりやり取れば、お前に噛みつくかもしれないし……」
修道女「うう……もう、いいから……はや……く……」
男「わ、わかった」
男はうなずき、修道女の後ろへとまわる。
462 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:45:09.83 ID:aA92+MJTo
修道女の尻は、ひどいありさまだった。
生地の表面に水滴が浮かぶほどに、勢いよく淫水があふれ、灰色のスカートはびしょびしょに濡れていた。股間からひろがったシミがロングスカートの裾まで濡らし、ぽたぽたと地面に垂れる。
男「う、うわ、すげえ滝みたいだ……」
修道女「言う……な……あああああっ!」
修道女がけいれんするたび、スカートの生地に内側から水滴が浮かび、流れ落ちる。
粘っこい水滴のあふれる生地の下に、細い物がうごめいていた。
男「スカート、めくるぞ」
修道女「ううう……は、やく……」
スカートの生地は水気を吸って重くなっていた。黒いシミの重さを手応えに感じながら、男は修道女の下半身を露出させる。
太もも丈の白いストッキングを穿いた修道女の脚には緑色のツタが絡みつき、その表面は、修道女自身の分泌物でぬらぬらと光っている。
ストッキングを支えるガーターベルトにもツタは絡まり、男は修道女を拘束するツタを何とかできないかと引っ張ったが、巫女の苻術は強力で、男の力では微動だにしない。
仕方なくスカートを腰までめくり上げ、修道女の下半身を露出させると、水気を含みまくって完全に透けた白いパンツの下を、緑色の木竜が泳ぎ回っていた。
男「ああ、もう、いいかげんにしとけ」
木竜「きゅ?」
蜜まみれの小さな布を引きずり下ろすと、修道女の下腹部に、緑色の蛇は絡みついていた。
木竜は膣には手を付けていないようで、全身で陰唇を摩擦し、陰核を吸い上げて修道女を責めているらしい。
男は、かわいそうなまでに虐められた修道女の性器から、緑色の蛇を引き離そうと捕まえた。
男「おとなしくしろ!」
木竜「きゅーっ!」
緑の蛇の胴体をつかんで男は引っ張るが、木竜は修道女の敏感な突起に吸い付いて離れない。
しかも木竜の身体はヌルヌルした蜜にまみれてウナギのようになっており、いくら引っ張っても男の手の中ですべってしまう。
男が引っ張るたびに、突起を吸われながら引っ張られ、修道女は絶頂を迎えさせられる。
修道女「はあっ! あああっ! やめ、だめええ!」
桃色の膣口から蜜を噴き出し、全身をけいれんさせて修道女はあられもない声を上げる。
男「くそ……こんにゃろっ!」
木竜「きゅっ! きゅー!」
クリトリスに吸い付いた木竜は、ちょっとやそっとでは取れない。
しかし、ぬめる木竜の身体も、腕に巻き取ればなんとか手応えがあった。
男「よし……こうだ!」
修道女「ひ……あ……ああああああああっ!」
ぷっっしゃああああぁぁぁ……
コツをつかみ、木竜を引っ張ると、修道女はひときわたく悲鳴を上げ、露出した性器から大量の愛液と尿を噴き出して気絶してしまった。
修道女「あ……へふ……」
身体をツタにあずけ、修道女は完全に脱力する。
そこまで修道女を追い詰めて、はじめて木竜は修道女の性器から口を離した。
木竜「きゅ〜♡」
満足そうに舌をちろつかせる木竜を、男はひねり上げた。
男「……このヤロ!」
木竜「きゅっ!」
緑の蛇を握りしめ、ずり下ろしたパンツとスカートを戻してやろうと、修道女の尻に男が手を伸ばすと……
家の中から突然、庭に面した掃き出し窓が開けられた。
幼馴染「お昼ご飯ができましたよ〜……あれ?」
幼馴染の見た物。それは、ツタに拘束された金髪美少女の尻をめくり上げ、パンツに手をかける最愛の人の姿だった。
完全に動きが固まり、幼馴染はかろうじて震える手で男を指さす。
幼馴染「お、おとこ……なに……してんの?」
男「へ? いや……その、これは……」
理由はどうあれ、まったく弁解の余地のない状況に、男はうろたえた。
ともかく、片手で修道女のパンツを戻し、めくれ上がっていたスカートも下ろしてやって、幼馴染に向き直る。
463 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:48:23.85 ID:aA92+MJTo
背中に炎を背負う勢いの幼馴染に、男は弁解する。
男「その……あのさ……」
幼馴染「なに? 言い訳?」
男「いや、えっと、ほら、こいつが……」
木竜「きゅー」
幼馴染「ヘビ?」
男「いや、ヘビじゃなくてココの神様らしいんだけど……」
すると、男の手の中で木竜は身をよじり、小さな頭を幼馴染に向ける。
木竜「きゅっ! きゅ! きゅーい!」
男「やばっ、幼馴染! 逃げろ!」
幼馴染「え……なに?」
木竜の身体は、いまだにたっぷりと修道女の愛液にまみれ、男の手の中をウナギのようにすべり抜けて、幼馴染に飛びかかった。
男「逃げろっ!」
幼馴染「わ……きゃっ!」
薄手のブラウスの袖から緑のヘビが入り込む。
幼馴染「あっ……何この子、おっぱいに……ひゃっ!」
男「このヤロ! 幼馴染まで!」
とっさに男は竹刀を振り上げたが、どこに振り下ろせばいいのかわからない。
男「むぐ、ぐぐ……」
幼馴染「男、もしかして、修道女さんからこの子を取ろうとしてたの? ……ひゃああっ!」
男「お、おう! そうなんだよ」
幼馴染「ううう、この子、すご……上手……かも」
男「やめとけ、こんな風になるぞ」
幼馴染「え?」
指され、幼馴染はツタにからまる修道女の顔を見た。とろけて半開きの目に、だらしなく開けられた口と、そこから糸を引いて垂れるよだれ。頬にはしっかりと涙の跡がついている。
幼馴染「いい……かな?」
男「うぉおおい!」
胸への刺激に、幼馴染は廊下にへたり込み、腰をよじらせる。
幼馴染「だってぇ……この子、ホントに上手……あんっ」
男「く……勝手にしやがれ」
禰宜「まったくだ」
男「待ってください」
脱力した巫女を抱いて、家に上がろうとした禰宜の肩を男はつかんで止める。
禰宜「なんだ」
男「なんだじゃありません。このヘビをどうにかしてください」
幼馴染「んあ……ああんっ!」
禰宜「本人も。嫌ではないようだが……」
男「そういう問題っすか!?」
幼馴染「あっは〜ん……おっぱいがぁ……あふ〜ん」
禰宜「自分から贄となってくれるなら、私は止めるつもりなはい。見たところ、危険もないようだ」
男「ああ、もう! わかりましたよ。でも、修道女の拘束を解いてください。このままじゃあんまりだ」
頭をかきむしり、男はツタに拘束されたままの修道女を指さす。
禰宜「む、そうだな……巫女、解呪できるか?」
巫女「ん……はい……えぃ」
いまだ身体に残る余韻からなんとか頭を持ち上げ、巫女が指を振ると、修道女を拘束していたツタが、緑に光って砕けた。
464 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:50:46.34 ID:aA92+MJTo
力の抜けた修道女の身体が地面に崩れるより早く、男が抱え上げる。
男「おっと……大丈夫か?」
修道女「く、屈辱だ……」
そのまま修道女をお姫様だっこに抱き上げて、男は廊下に上がり込む。
幼馴染「ま、まって男、この子、上手すぎ……やっぱり、助け……」
男「知るか」
すでに木竜は下腹部にまわっているらしく、幼馴染のスカートに、明らかにシミが付いていた。
じゅくじゅくとねばっこい水音が幼馴染の股間から響くが、男は伸ばされた手を払った。
男「とにかく修道女を運ぶ。おまえは後だ」
幼馴染「そ、そんなぁ、おとこのいじわる……ああああんっ!」
恨み言を言うが、幼馴染の口は笑っていた。
まるで淫魔のように、快楽をむさぼっている。
とりあえず、男は幼馴染を放置することに決めた。
男「やってろ……大丈夫か? 修道女」
修道女「幼馴染まで……すまない、ボディガード失格だ」
くやしげにくちびるを噛む修道女をきゅっと抱き直し、軽く揺すって男は答えた。
男「気にすんなよ。良いもん見せてもらったしな」
修道女「く……このっ……」
白いほほを赤く染めて、修道女はオリーブ色の瞳を伏せた。
家の中廊下の奥に、禰宜の気配があった。
禰宜「着替えを持ってくる。後はできるな?」
巫女「うん。兄さま、ありがとう」
声をたどると風呂場だった。お湯こそ張られていないが湯船は立派なヒノキで、禰宜は風呂場に巫女を座らせていた。
男「あの……こいつも良いですかね」
禰宜「ああ。着替えをお持ちしよう」
汚れた修道女のスカートを見て、禰宜は言った。
修道女「すみません」
禰宜「いえ……男くん、我々は出るぞ」
男「はい……修道女、下ろすぞ」
修道女「うん、ありがとう」
抱き上げていた修道女を風呂場の床に下ろし、男と禰宜は脱衣所に出てガラス戸を閉めた。
すると、台所の方から悲鳴が聞こえた。
か細い悲鳴。それは妹の物だった。
男「あ……まさかあのヘビ!」
男は走って台所に向かう。巫女と禰宜の家は広く、台所に駆け込むには少々時間がかかってしまった。
妹「な、なにこの子!」
木竜「きゅっ! きゅ、きゅ〜!」
エプロンを着けた妹に、細い緑色のヘビがまとわりついていた。
突然ヘビに巻き付かれて驚いたのか、鍋の煮汁がエプロンと服にひどく飛び散っている。
木竜は手に絡みつき、髪にもぐり込み、首筋をくるりとめぐって妹に頬をすり寄せる。
妹「きゃっ! くすぐったいよぉ」
木竜「きゅ〜」
真っ赤な細い舌で頬を舐めあげられ、妹はかわいらしい声を上げる。
木竜は妹の服の中に滑り込む気配はなかったが、男の怒りは爆発した。
男「てめえ……」
木竜「きゅっ!?」
台所に現れた男に気づき、木竜の動きが止まる。
男「よくもおれの妹を!」
木竜「きゅーっ!」
木竜は空を飛んで逃げようとしたが、男はその尻尾を捕まえると振り回して床にたたき付けた。
465 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:53:40.12 ID:aA92+MJTo
木竜「ぎゅ!」
男「このやろ! このヤロ! この野郎!」
びったんびったんと、床に思い切り緑色の蛇をたたき付ける。
禰宜「なにをしているんだ男くん!」
後から入ってきた禰宜が男を羽交い締めにした。
禰宜「男くん、待ってくれ! それはウチの神だ」
男「神だかヘビだか知りません! こいつはおれの妹を!」
妹「え……なに?」
不思議そうに首をかしげる妹に、男が木竜を振るう手を止める。
男「妹を……えっと……」
手に握る木竜を見ると、小さな蛇は完全に伸びていた。
羽交い締めにした禰宜は男を説得した。
禰宜「とにかく、君はまず、やることがあるだろう」
男「あ……すみません」
すっかり伸びてしまった木竜を禰宜にわたし、男は妹に振り向く。
妹のワンピースには、煮物の汁がひどく飛び散って汚れていた。
男「ヤケドとか、してないか?」
妹「うん」
男「……そうか。禰宜さん、妹をお願いします」
禰宜「わかった」
男が台所から出て行き、禰宜はだらりとした木竜をのぞき込む。
禰宜「大丈夫か?」
木竜「きゅ〜……」
ひどくたたき付けられた木竜は、力なく答えた。
庭近くの廊下。
幼馴染自身は、板張りの廊下で気絶していた。
腰回り、床にはひどい量の水たまりができ、エプロンもブラウスもスカートも、ぐちゃぐちゃに濡れ、腹部はいまだにけいれんしている。
目は白目をむき、やわらかな栗毛はぐちゃぐちゃに乱れていた。
幼馴染「……うぇへへ」
男「うわ。大丈夫か? ……てか、腹食い破られたりしてないよな?」
ふと不安に思い、スカートを持ち上げると、ねっとりと粘液が糸を引く。
飾り気のないシンプルなパンツは、愛液に完全に透け、その下の栗毛の陰毛が見える。
スカートをめくられているのに、幼馴染は反応しない。
幼馴染「あへ……へふぅ……」
男「はぁ、しょうがないな」
幼馴染はしばらくまともに会話できそうにない。
男は上に来ていたシャツを脱いで幼馴染の腰に当て、床にしずくを落とさないようにして抱き上げる。
男「よっと……このまま風呂場に連れてくか」
幼馴染「あへへ……おとこ……」
男「ん?」
幼馴染「すき……」
男「気絶してんだよな?」
幼馴染「……うん」
男「……ぶん投げるぞ」
幼馴染「い〜やっ」
そう言って、幼馴染は男のシャツをきゅっと握る。
男は軽くため息をつき、幼馴染を風呂場へと連れて行った。
466 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:56:25.93 ID:aA92+MJTo
魔界。
魔王たちの大合唱はとどまることを知らず、その声は魔界全土に響き渡った。
淫魔は黒い翼と曲刀を振り回し、祭神の舞は楽団を指揮する。黒い鬼神と緑の龍神は爆弾のような手拍子を打ち、それに負けじと数々の魔王たちが声を張りあげる。
魔神たちの歌声は東西南北の魔界のすべてをビリビリと震わせ、東と南北の魔族を勇気づけ、西の魔王たちを恐れさせた。
放っておけばいつまでも、その宴は続いていただろう。
しかし淫魔の目配せで、祭神の楽団はフィナーレに向けていちだんと盛り上がりを見せた。
淫魔の歌声に加え、鬼神と龍神の超低音、館長のアルト、祭神のソプラノが混じり合い、魔界に響き渡る魔王たちの歌声を熱く膨らませてゆく。
淫魔が高く翼と曲刀を振り上げ、祭神から指揮を引き継ぐと、最高の盛り上がりを迎えて歌は終わった。
玉座の間は一転して静まりかえり、外から聞こえる魔族の民の歌声も、少しずつ静まってゆく。
淫魔は翼をバサリと広げ、居並ぶ魔王たちに宣言した。
淫魔「宣戦布告は成った! 我らの歌は魔界全土に鳴り響いた! 我らの歌は仲間を鼓舞し、敵の心胆を寒からしめた! 戦いは近い。みな各々の領地に戻り、戦の備えをはじめてほしい……そして」
淫魔は曲刀を虚空にもどし、翼を背にしまってくるりとその場でステップを踏む。
淫魔「そして今日、ここに集まってくれたことを感謝する。みんな! 本当にありがとう!」
ぺこりと頭を下げる淫魔に、魔王たちはひれ伏そうと動いたが、その前に淫魔は頭を上げ、さっと腕を振った。
万魔殿の頂上に付けられた集魔の鐘が四回鳴らされ、魔神未満の諸侯たちは臣下の礼をして、それぞれ玉座の間から退場してゆく。
次いで三回鐘がならされ、四方魔王以外の魔神たちが退場しようと立ち上がる。
退場しようと立ち上がる天使たちを、淫魔は見つめた。
天使「あれ?」
14号「どうしたの?」
天使「ここに……居ろって。淫魔が」
14号「えっ?」
15人の少女たちも淫魔を見ると、淫魔はうなずいて、そこにとどまるように軽く手を動かした。
退場してゆく魔神の諸侯たちも、四方魔王の三人も、その動きを察したが、とがめる者はなかった。
魔神の諸侯たちが退場し、玉座の間は四方魔王三人と祭神の楽団、淫魔と館長、それに天使と15人の少女たちだけになった。
玉座にぺたんと裸の尻をあずけ、淫魔はほうと息をついた。
淫魔「はぁ、疲れた」
館長「まだ、首脳が残っています」
淫魔「いいじゃない。わたしとあなたたちの仲でしょ?」
足を組んで、淫魔はその場に残った魔界の実力者たちを眺める。
鬼神と龍神は、共に魔界で最高の武人だ。一騎打ちをすればこの万魔殿でさえ粉みじんになってしまうだろう。しかし、淫魔に寄せる絶対の忠誠は疑いようもない。
祭神も同様、かなり頻繁に代替わりをする南方の魔王だが、淫魔への忠誠は篤い。
天使と15人の少女たちは、もはや淫魔の家族同然。
腹臣の館長は言わずもがなである。
淫魔「さて、2代目東方魔王龍神、5代目北方魔王鬼神、196代目南方魔王祭神、触手王の名代である天使と15人の触手の姫、それにわが腹臣たる館長……戦局は、正直苦しい」
龍神「なにをおっしゃいます」
祭神「そうだよ! わたしたちが負けるなんて!」
淫魔「もちろん、負けるとは思っていない。でも、苦戦を強いられるだろうね」
鬼神「……」
467 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 00:59:18.04 ID:aA92+MJTo
黙る鬼神に、淫魔は声をかけた。
淫魔「……やっぱり、力が足りない? 鎧が重そうだよ?」
鬼神「面目次第もありません」
龍神「なに!? 鬼神、それは誠か!?」
祭神「どうして? 呪いでもかけられたの?」
淫魔「いんや。この子は気に入った人間に、その力を貸し与えちゃったんだ」
龍神「そんな……ばかなっ!」
淫魔「んぅ?」
龍神「こいつの力を与えられて、人間の精神が保つはずがない」
淫魔「もちろん。でもそれは並の人間の場合だね。強靱な精神力があればその人間は恐ろしいほどの使い手になる」
鬼神「たしかに。あの娘はいまだに成長を続けている。まったく……愉快だ!」
腕を組んで、鬼神は肩を揺らす。
祭神「愉快なんて言ってる場合!? 戦力は4分の3じゃなくて、下手したらそれ以下じゃないか!」
館長「鬼神の力が半減しているとなれば戦略から練り直さなければ……」
淫魔「戦力に関してなら、心配はいらない」
館長「どうして?」
淫魔「鬼神の力を得た少女は、すでにわたしの手中にある。それに、最高の力持ちさんを、わたしはこちらに引き込んだ……そこにいる、天使くんだ」
天使「え……私?」
ポカンと自分を指さす天使に、自信満々に淫魔はうなずく
淫魔「そう。期待してるよ? 天使くん」
龍神「むう……」
淫魔「んぅ? 不満そうだね、龍神」
龍神「この小僧が、鬼神の力の埋め合わせになるとは……」
淫魔「心配しなくて大丈夫。それと、もうひとつ……」
館長「まだ、なにか?」
淫魔「カオスの向こうに、新しい島を見つけた」
しんと、その場が静まりかえり、ついで皆が一斉に驚きの声を上げた。
館長「し、しし、島っ!?」
龍神「現世でも、魔界でも天界でもない、あたらしい大地を?」
淫魔「その通り。でも、魔界や天界はもちろん、現世に比べてもずっと狭いし、太陽も月も星もない。それでも魔界のみんなを避難させるには、ちょうどいい場所だと思う」
祭神「天界の軍を魔界に引き入れて戦うの?」
淫魔「もちろんこれは最悪の場合。できる限り避けたいけどね」
鬼神「焦土作戦か……」
淫魔「現世との通路が開くのは、万魔殿と西の国境。だから、避難場所でもある新しい島への通路は万魔殿から離したい。そして、術者の数は南が一番多い。そうだね?」
館長「はい」
淫魔「だから、その場所への門の作成を南方魔王祭神と触手王にまかせようと思う。触手王は南方の諸侯だし、15人の姫たちの中には、天界に門を開けるほどの術者もいる。これ以上の適任はないと思うんだけど、どうかな?」
祭神「すばらしい役目。ぜひわたしに……」
祭神は隣に座る触手王の名代一行をみて、言葉を継ぐ。
祭神「……わたしたちにやらせてほしい。ねえ、使徒とお姫様たち?」
天使「はい! まかせてください!」
15人の姫君たちも力強くうなずく。
淫魔「んふふ、いい子……この事はまだ他言無用。わたしたちの大切な奥の手だからね? それじゃ、解散!」
淫魔が手を上げると、集魔の鐘が2回鳴らされ、四方魔王と触手王名代一行は万魔殿から帰って行った。
468 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:17:03.61 ID:aA92+MJTo
万魔殿の最深部、淫魔の寝室。
巨大なベッドにうつぶせに倒れ込み、淫魔は声を上げた。
淫魔「ふう……つかれた」
館長「まったく、いくらなんでもだらしなさ過ぎる」
淫魔「いいじゃない。わたしの家なんだから」
館長「よくない! もっと魔界の皇帝としての自覚を持ってくれ」
ベッドの上で足をぱたつかせる淫魔に、館長は肩を落とす。
しかし、淫魔の足はぴたりと動かなくなり、弱々しく声を漏らす。
淫魔「……ん、朝ご飯食べてないから、お腹すいちゃった」
館長「食事か……すぐに用意させる」
部屋から出て行こうとする館長を、ベッドの上から淫魔は引き留めた。
淫魔「まって」
館長「なんだ?」
淫魔「食事ならあるじゃない」
館長「は……?」
振り向き、館長は自分の下腹部に注がれる淫魔の視線に気づいた。
淫魔「んふふ」
館長「だ……ダメだ! 私はこのあとも執務がある!」
淫魔「ん〜? わたしの命令以上に、大切なことがあるの?」
館長「……わかった。でも、身体を清めさせてくれ。このままでは……」
淫魔「だめ。わたしはあなたを味わいたいの。ほら、下だけ脱いで」
館長「く……はい……」
館長は頬を染め、言われるままに黒いスラックスを脱ぐ。
男性的な装いとは裏腹に、館長の足は美しく、なめらかな曲線を描く。
目をキツくつむって、館長はフリルのついたかわいらしいショーツを一気に脱ぎ落とす。
淫魔同様、局部に陰毛は生えておらず、淫魔よりも肉付きが良い。
靴も靴下も全部脱ぎ、上半身はいつもの燕尾服だが、女性的な丸みをおびる白い下半身は完全に露出した。
淫魔「こっちに来て」
館長「……はい」
スプリングの歪む音をすこしだけ立て、館長は淫魔の寝そべる巨大なベッドに、食事の場に自ら上がる。
仰向けに寝っ転がる淫魔の側ににじり寄り、館長は次の命を待つ。
淫魔「ん〜、そうだなあ、わたしの顔をまたいでくれる? ひざ立ちで」
館長「う……はい」
言われるまま、館長は従うが、顔は真っ赤に染まり、目には涙が浮かび始めている。
ひざ立ちで淫魔の顔をまたぎ、かすかに身体をふるえさせ、羞恥に染まる館長の顔を見て、淫魔はぺろりと舌をのぞかせる。
淫魔「いつまで経ってもウブだねえ……」
館長「慣れてたまるか! こんなこと……」
自分の顔の真上をまたぐ、館長の秘裂を見上げ、淫魔は命じた。
淫魔「それじゃ、このまま自分でいじってね」
館長「なっ……」
身体をわななかせ、館長は淫魔をにらみつける。
淫魔「あれ? しないの?」
館長「く……」
目をつむり、顔を真っ赤に染めて、館長は秘裂をなぞり始める。
館長の雪のようなきめ細やかな白い肌、そこから僅かに除く薄紅色の粘膜はすぐに赤さを増し、てらてらと光り始める。
淫魔の視線は性感を引き出し、僅かな手の動きにもかかわらず、館長の秘唇は蜜をしたたらせ始めた。
落ちてくる透明な粘液を美味そうに舐めると、たわむれに、淫魔はふっと息を吹きかける。
館長「ひゃっ! あ……」
淫魔「ねえ、もっとぉ」
館長「うぅ……」
目尻に涙を浮かべ、館長はさらに蜜を落とすよう、濡れそぼった秘裂をぐちゃぐちゃにかき回す。
うれしそうにたれてくる蜜をなめ取るが、淫魔はどことなく不満げに手を伸ばす。
469 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:17:47.61 ID:aA92+MJTo
淫魔の両手を腰に添えられ、館長は身体を震えさせた。
淫魔「ん……もっと……」
館長「だ、だめ! 出すから、もっと出すから!」
しかし、館長の悲鳴混じりの懇願も聞かず、淫魔は両手を添えた館長の腰を、自分に引き寄せた。
力の抜けかけていた館長の腰はあっけなく崩れ、淫魔の顔に尻餅をつく。
館長「あ、ごめん、淫魔……ひうっ!?」
淫魔の顔に座り込んでしまった秘裂に、違和感が走る。
淫魔「んふ〜……ちゅるる……じゅるるっ」
館長「や……だめっ! 舐めちゃダメえええっ!」
もはや恥も外聞もなく、館長は虹を浮かべる黒髪を振り乱すが、淫魔の舌は、ほじる強さをいっそう強める。
淫魔「ちゅるっ……やだよー。ああ、美味し」
館長「ゆるし……あっ、イ……ああああああっ!」
淫魔の顔にへたり込み、秘裂を余すところなく蹂躙され、館長は淫魔に似た甘い蜜を垂れ流す。
自分のモノより若干酸味が強い蜜を、淫魔は存分に楽しみ、愉しまれた館長は自分の体重さえ支えられなくなり、前のめりに崩れ落ちた。
館長「やめ……あ……ふぁぁ……」
淫魔「んちゅる……ぺろ……んふふ」
脱力し、声を出すのもやっとな館長を、淫魔は容赦なく舐めあげ、膣のさらに奥からにじみ出る濃厚な本気汁に舌つづみを打つ。
館長「それ、吸っちゃ、だめ……んあああっ!」
淫魔「館長、すっぱぁい。あいかわらず美味しいね……ちゅるるるっ」
館長「ひああああっ、も、だめ……あああああああっ!」
ひときわ高く悲鳴を上げ、館長の身体から完全に力が抜ける。
下敷きになった淫魔は館長の下から這いだした。うつぶせに痙攣する館長をひっくり返して足を開かせ、自分のいちもつを見せつける。
がちがちに勃起した桃色の肉塊を見て、館長は色を失った。
館長「そ、それは……」
淫魔「館長、自分だけ楽しんじゃって……わたしも気持ちよくなっていいよね?」
快感にふるえる性器に館長はおびえ、両手で秘部を隠して淫魔に懇願する。
館長「まだ、いまは……だめ。口でするから、おねがい……」
淫魔「違うでしょ?」
館長の身体に震えが走る。
淫魔「わたしの食事はそんなこと言うの? ごはん役はなんて言うの? わかってるでしょ?」
館長「あ……あぐ……」
魔界で2位の力を持ちながら、館長は淫魔に逆らえなかった。
淫魔の力をだれよりも知っているからこそ、逆らうことが出来なかった。
そしてその技が、魔族だろうと使徒だろうと、もちろん人間だろうと容赦なく堕とし尽くすとわかっていながら、あの男性器のようなクリトリスに貫かれたらどうなってしまうのかわかっていながら、館長は震える手でみずからの女性器をいっぱいに開く。
見開いた目に絶望の色を浮かべ、目尻に涙を蓄えて、身体を小刻みに振るわせながら、館長は淫魔に性器を捧げる。
館長「どうぞ……お召し上がりください」
淫魔「んふふ、いただきます」
絶頂間もない親友の膣に、淫魔はためらいなく怒張を挿入する。
淫魔の寝室に、館長の甘い悲鳴がこだました。
470 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:19:35.45 ID:aA92+MJTo
万魔殿。修道士の書斎。
鬼神から身柄を引き渡された修道士は、万魔殿に部屋を与えられ、なに不自由ない生活を送っていた。
やわらかな絨毯の敷かれた部屋、重厚な机と本棚には古今東西の魔法の書物が納まっている。一角に置かれたソファや窓のカーテンもビロード張りで、どこの宮殿かと見まごうばかりだが、これでも万魔殿の書斎では一番みすぼらしいものなのだ。
飴色の木の重厚な扉が、外からコンコンとノックされた。
修道士「はい」
魔道書から顔を上げて修道士が返事すると、カートを押して召使いが入ってきた。
濃紺のワンピースにフリルのついた白いエプロン、おなじ白いフリルのヘッドドレスも鮮やかな、青髪の少女である。
少女が押すカートには、パンを入れたバスケットと、クロッシュと呼ばれる銀色の半球のフタが乗っかっている。
メイド「失礼します。お食事をお持ちしました」
修道士「ありがとう」
本を閉じ、修道士は立ち上がろうとすると、メイドは押しとどめた。
メイド「あわわわ、そのままでお願いいたします」
修道士「どうして?」
メイド「お食事のご用意に修道士さまのお手をわずらわせたとあっては、わたくしが怒られてしまいます」
修道士「あ、そうでしたね……おねがいします」
おとなしく椅子に座り直した修道士の前に、メイドは食事用のマットを敷き、きらびやかな銀のスプーンを置く。
パンをバスケットからひとつ取り出してスライスし、小皿に乗せて修道士からみて右手前方に置く。クロッシュの被せられた皿を修道士の正面に置いて、銀の半球を開けると、中から出てきたのは野菜たっぷりのスープ。
メイド「……どうぞ」
修道士「わぁ、おいしそうですね。いただきます」
スープの野菜はきちんと存在を示しながら、口の中でちょうど良い柔らかさに煮えている。にんじん、ジャガイモ、タマネギの具材の中に、ダシを取ったものだろう、細かなベーコンの切れ端が見える。
材料は簡素だが、ていねいに作られたスープを、修道士は味わった。
給仕に横にひかえるメイドは、若干不満そうに、修道士がスープとパンを平らげるのを見ていた。
パンの追加を頼むこともなく、修道士は食事を終え、メイドはよく冷えた水をガラスのコップに注いで差し出す。
修道士「ごちそうさまでした。とても美味しかった」
メイド「お夕飯はいかがなさいますか?」
修道士「では、麦の粥を……」
メイド「そのようなもの、修道士さまにお出しできません!」
修道士の簡素な食事は、彼自身の望んだ物だった。
最初、修道士は麦の粥と水を所望したのだが、あまりに粗末な食事を出しては、修道士をもてなせという淫魔の命令に背くことになると、メイドは泣き落とし、スープとパンの食事にさせたのだ。
メイド「こほん。北方より、羊が送られてございます。今夜は万魔殿で300頭の羊が屠られます。どちらかの部位を焼いてお出ししましょうか?」
修道士「いえ……」
メイド「それなら東方より、海の幸が送られてございます。煮ても焼いても、最高です。ムニエルなどはいかがですか?」
修道士「いいえ」
メイド「むぅ、そ、それなら、南方より色とりどりの果物が送られてございます。オレンジにブドウ、ナツメにレイシ、良く冷やしてお持ちしましょう」
修道士「いいえ、どれも要りません」
メイド「……わたくしのおもてなしでは、ご満足いただけませんか?」
修道士「十分満足しています。ですが、わたしは修行中の身。過分なごちそうはいただけません」
メイド「ううぅ……それなら、デザートはいかがですか?」
修道士「デザート? 甘味ですか? いいえ、結構です」
スカートの端をつまみ上げたメイドの手が止まり、目に涙を浮かべる。
メイド「そんなぁ……おもてなし、させてくださいぃ……」
471 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:20:06.78 ID:aA92+MJTo
あまりに張り合いのない客人に、召使いがだだをこねるという、訳のわからない状況に修道士も戸惑い、視線をそらして泳がせ、そして思い当たることをたずねた。
修道士「そういえば、先ほどの歌声は?」
メイド「へ?」
修道士「女声と男声が美しく調和した、すさまじい大合唱が聞こえたのですが、よくあることなのですか?」
メイド「いいえ、魔界の諸侯を集めた大会議が開催されたんです。合唱もその折に」
修道士「なるほど……どなたが指揮をされたんですか?」
メイド「淫魔様です。今朝がたお帰りに……」
それを聞いて、修道士は飛び上がった。
修道士「淫魔様が!?」
メイド「は、はい。今はお食事中ですが……」
修道士「なんとか、お目通りかなえないでしょうか?」
メイド「え? ええと、淫魔様は大概の方とはお話になります」
修道士「それなら、ぜひ!」
メイド「でも、お話のときに淫魔様のご機嫌を損ねると、大変なことに……」
修道士「かまいません。どうかお取り次ぎを……」
メイド「……わかりました」
メイドは渋々うなずき、食器を片付けた。
472 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:23:14.39 ID:aA92+MJTo
万魔殿の廊下。
街の大通りも霞む、広大な廊下が、万魔殿には縦横に走っている。
廊下の幅は大河のよう、柱の上に雲がかかるほど天井も高い。この建物はあまりに巨大で、翼を使って飛ぶ者も多い。
修道士はメイドの操縦する空飛ぶ絨毯に乗る。
細かな模様の刺繍された厚手の絨毯は、どこから鳴っているのか、ふよふよと不思議な音を出して宙をすすんだ。
廊下をしばらく飛んで、吹き抜けを幾度も下る。
万魔殿のかなり奥深く、黒い扉の前で修道士は絨毯から下ろされた。
扉の両脇には、ふたりの屈強な門番がひかえている。
メイド「ここです……え、ええと、後でお迎えに上がります。それではお気を付けて!」
修道士を下ろすと、巻き込まれるのを恐れてか、メイドは絨毯を操縦して飛び去ってしまった。
修道士「あんなに急いで……」
メイドを見送り、扉を振り返ると、巨大なふたりの門番が修道士を見下ろした。
阿鬼「何者だ」
黒い扉の右に立つ門番が修道士に誰何する。
赤い肌の巨人に、修道士は恐れることなく向き直る。
修道士「淫魔様にお目通りに参りました。修道士と申します」
吽鬼「ふむ、伺っている。通られよ」
緑色の肌の巨人が扉に触れると、黒い石の扉は音もなく開いた。
扉の中はまた少しの廊下。背後の扉が閉じられ、修道士はさらに先へと進む。
突き当たりに飴色の木の扉があり、修道士は扉をノックした。
暗い廊下にノックの音は予想以上に響き、木の扉の中から聞き覚えのある少女の声がした。
淫魔「ど〜ぞ」
重厚な木の扉はあっけなく開き、中に入って修道士は礼をした。
修道士「お食事中、失礼いたします」
淫魔「連絡は聞いてるよ。昼食の邪魔をされるなんて、何年ぶりだろねぇ」
深々と礼をする修道士の頭の上からは、食事の気配はつたわってこない。
部屋に響く水音は、洗濯でもしているのだろうか。
そして、万魔殿に来てから数度聞いたことのある女性の声もしていた。
館長「んぁ……ぐえぅ……」
淫魔「顔を上げて」
修道士「はい……うわっ!」
上体を戻し、修道士は愕然とした。
その部屋には寝床しかなかった。テーブルや椅子のたぐいはひとつも無い。
舞台のような、巨大なベッドがあるだけで、その上で淫魔は”食事”をしていた。
修道士が万魔殿に連れてこられて最初に会った、この館の主、淫魔に次ぐ魔界の実力者と知って後から震えの来た美女が、あられもない姿をさらす。
上半身は燕尾服を着ていたが、下半身は完全に裸で、両膝を抱えられて足を開かされ、後ろから淫魔にいいように突き上げられている。
淫魔の肉塊を突き入れられた女性器は赤く充血し、ひと突きごとに潮をまき散らす。
表面に虹を浮かべる美しい黒髪は千々に乱れ、射すくめる鋭さと抱きしめる慈愛をたたえていた瞳は、いまや快感に裏返り、だらしなく開けられた口からは舌がこぼれ出て、燕尾服に唾液が糸を引いて垂れ、部屋には魔神ふたりの濃厚な蜜のにおいが満ちていた。
473 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:26:12.40 ID:aA92+MJTo
房事に疎い修道士でも、淫魔と館長が何をしているのかは火を見るよりも明らかだ。
修道士「申し訳ございません! 出直して参ります……」
きびすを返して、修道士は扉から出ようとしたが、淫魔が呼び止めた。
淫魔「待って」
うめき声さえほとんど上げなくなった館長を、淫魔はベッドに寝かせ、床に降りた。
ぺたぺたとはだしの音を黒い石の床に響かせて、出入り口の修道士へと歩み寄る。
淫魔「あなたはデザート? それとも、メインディッシュかな?」
ぺろりと舌を舐める淫魔に、修道士の背筋は凍り付く。
修道士「食事……まさか……」
立ち尽くす修道士にぴったりと寄り添い、淫魔は背伸びして耳にささやく。
淫魔「んふふ、いーにおい」
修道士「くぁ……」
鈴のように高く、しかし身体の底まで響く淫魔の声は、それだけで容易に人間を絶頂へと導く。
耳元でささやかれ、腰が砕けそうになりながら、修道士は歯を食いしばってうったえる。
修道士「わたしは、操を立てた相手が居ます。こればかりは……ご容赦を」
淫魔「これ? なにされるのかわかってるんだ? そうだよねぇ……」
淫魔の手がズボン越しに、修道士の性器に触れる。
ふたりの魔神の痴態を見て、修道士も高ぶっていた。
淫魔「あなたのココ、もうオンナノコを知ってるんだもん。なにが恥ずかしいか、どんなことが気持ちいいのか、みんな知ってるもんね……」
修道士「く……あぁっ……」
淫魔「ねえ、いいでしょ? わたし、まだ食べ足りないの。あなたのコレでいぢめてほしいなぁ……」
すりすりと修道士の高ぶりをなでさすり、淫魔は耳元でつぶやく。
修道士「いけません。わたしには修道女が……」
淫魔「んふふ、あの子の操なら、おととい破ったよ?」
修道士「な……」
淫魔「すごかったよ、修道女……」
修道士「……」
淫魔「たくさんかき混ぜられて、口にもおしりにも、もちろんおまんこにもたっぷり注がれて、おっぱいもクリトリスも吸われて舐められて、何度も泣きながら頭の中まっしろにしてた」
修道士は無言のまま動かない。
淫魔「だから、あなたも気にすることなんて無いんだよ? ほら、わたしのさわって? すっごく熱くなってるの……」
淫魔は修道士の手をとって、自分の秘部に導こうとしたが、修道士の手は拒んだ。
修道士「……それなら教えてください」
淫魔「んふふ、なあに?」
修道士「修道女は、まだわたしを愛していますか?」
淫魔「う」
修道士の股間をなでさすっていた、淫魔の手が止まる。
修道士「どうなのですか?」
淫魔「……あなただけを愛してる。心の底からね」
嘘のつけない淫魔はしぶしぶ答えた。
修道士「なるほど、あの方が自らすすんで肉の快楽に沈むとは思えない。おそらくはあなたか、他の悪魔が罠にでもかけたのでしょう?」
淫魔「……く、そのとおりだよ」
修道士「そしてもちろん、修道女が私をどう思っていようと、わたしは修道女を愛している。操を破るわけにはいきません」
淫魔「うぐ……なかなかやるね」
すこしだけ、淫魔は身体を離した。
474 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:27:38.80 ID:aA92+MJTo
修道士「悪魔がどのように人間を堕としてゆくのか……700年、あなたたちのふるまいを見てきましたから」
淫魔「そう……あなたの望みは何? どうしてわたしに会いに来たの?」
修道士「まずはお礼を。この城に部屋をいただき、日々の糧と十分な勉強の道具をくださいました」
淫魔「……んむ、きちんとお礼を言う子だね。えらいえらい」
すりすりと、淫魔は修道士をなでさする。しかし、なでるのは股間だ。
修道士「……おやめください。そしてもう一つ、お願いがございます」
淫魔「おねがい? なにかな」
修道士「わたしに、術の稽古をつけていただきたいのです」
淫魔「……ふーん」
修道士「ぶしつけな事とは承知しております。ですが……」
淫魔「いいよ、教えてあげる」
その返事に、修道士は表情を輝かせた。
修道士「あ……ありがとうございます」
淫魔「でも、あなたは何してくれる?」
修道士「え……」
淫魔「もちろん、ただでとは言わないよね?」
修道士「わたしには……わたしには捧げるものなど……」
淫魔「んふふ」
かるく舌なめずりし、淫魔は修道士の股間をなで上げた。
修道士「うぁ……申し訳ございません。そればかりは……」
淫魔「いいよ。もっと美味しいものちょうだい」
修道士「美味しい……もの?」
パチンと淫魔が指を鳴らすと、全裸だった淫魔の身体を、しっかりとした衣服が包み込んだ。
淫魔「さすがにハダカじゃまずいよね。修道士、ほんの少しだけでいい。あなたが大切な人にするように、わたしをしっかりと抱きしめて」
修道士「は……」
戸惑う修道士に、淫魔は妖しく笑う。
淫魔「それとも、おちんちんいじめられたい?」
修道士「いえ……失礼します」
軽く礼をして、修道士は淫魔の肩に手を回す。
淫魔の顔を胸に抱き、固く抱きしめた。
清潔な服に押しつけられた鼻へ、かすかに人間の汗のにおいがする。耳には高鳴る鼓動が聞こえ、淫魔は目を閉じた。
衣服越しに感じる修道士の下腹部は勢いを無くしてゆくが、頭をなでる手には優しさが込められている。
思い人にするのとは、きっと違っているだろうし、そもそも修道士の愛撫はそれほど上手くはない。
しかし淫魔はこの上ない満足を感じて、修道士の胸の中でため息を漏らす。
淫魔「あの子たちに実を食べさせて、ほんとに良かった……」
修道士「何か?」
淫魔「ううん。もうすこし、このままで……」
修道士は目をつむり、母の髪にするように、淫魔の頭をなでた。
475 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:29:47.54 ID:aA92+MJTo
現世。神社。巫女と禰宜の家。
タンスから幼馴染たちの着替えを取り出して、禰宜は男に渡してゆく。
着替えの服を受け取って、男は頭を抱えた。
男「着替えって、これしかないんすか?」
禰宜「仕方ないだろう、これ以外に、巫女は学校の制服か寝巻きくらいしか持っていないぞ?」
男「それにしたって、ジャージくらいあるでしょう?」
禰宜「さてな。いずれにせよ、私は妹のタンスをあさる趣味はない」
男「でも、これは……」
禰宜「洗濯物が乾くまでの辛抱だ。夏場のいい天気だ。夕方には乾くだろう」
男「ですけど、巫女装束って……」
禰宜「いいではないか。世の中にはコスプレと言う遊びもあるだろ?」
男「競技人口が少なすぎますけど……」
禰宜「気にするな。私たちには普段着だ」
タンスの違う段から長襦袢を取り出し、男にわたす。
禰宜「子供用もあるからな、妹さんにも着れるだろう」
自信満々にうなずく禰宜に、男は軽くため息をついた。
男(悪い人じゃ、ないんだよなぁ……)
禰宜「さあ、風呂場に持っていってくれ」
脱衣所。
着替えを持って脱衣所の戸を開けると、男の目に飛び込んできたのは肌色。
身体を流し終えた少女たちが、髪や身体の水滴をぬぐっているところだった。
男「あ……」
幼馴染「あ……」
淫魔「お、お兄ちゃん……」
男「ご、ごめん、着替えを持ってて、ノックが……」
巫女「もう! いいからそれおいて、はやく出てってください!」
修道女「……死ね」
身体にタオルを巻いた修道女が、目に殺気をみなぎらせてこちらに一歩踏み出した。
震え上がって脱衣所のカゴに着替えを投げ入れ、ピシャリと戸を閉め、戸越しに男は頭を下げた。
男「ごめん! ほんとごめん!」
戸の向こうから、幼馴染の声。
幼馴染「もう、いいってば……着替え持ってきてくれたんだもん」
妹「……これ、巫女さんの服?」
巫女「すみません。わたし、これ以外には学校の制服くらいしか持っていなくて」
修道女「そう……でもこれ、どうやって着るの?」
巫女「大丈夫。着付けならまかせて」
幼馴染「えへへ、お願いします」
妹「これ、かわいい」
修道女「ほんとに、かわいすぎて、わたしには似合わないかも……」
幼馴染「そんなことないって! 似合ってるよ……つぎはここ結ぶの?」
巫女「そうそう。それで、このひもを通して……」
女、三人寄ればかしましい。四人集まれば……脱衣所は”かわいい”の言葉がひたすら飛び交っていた。
476 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:30:54.36 ID:aA92+MJTo
少し経って……
白衣に緋袴の少女たちが、連れだって居間へとやって来た。
キチンと髪も結び、白い足袋もはいて、気分はすっかり巫女さん。
少し照れながら幼馴染はたずねる。
幼馴染「えへへ……どうかな?」
男「……いい」
ぽーっと幼馴染を見つめ、男は脊髄反射的に答えた。
幼馴染「そう? 似合ってる?」
男「うん。なんていうか、こう……ヤバい」
妹「むぅ……禰宜さん、わたしはどうですか?」
禰宜「ん? うん。かわいらしい見習い巫女さんだね」
妹「へへ、かわいい……」
男「修道女もけっこう似合ってるな。金髪に巫女装束が不思議と合う」
修道女「そ、そうか? なんだか恥ずかしいな……」
巫女「兄さま、わたしは?」
禰宜「おまえはいつも通りだろ」
巫女「む……みんな、ずるい……」
食卓。
巫女装束の少女たちが昼食を盛りつける姿は、食事と言うより祭りの準備のようだ。
白衣と緋袴のコントラストも美しく、少女たちの手で純和風の昼食が食卓に並んでゆく。
大根とごぼうとにんじんのきんぴら、焼き魚、しらすぼしの卵焼き、芋の煮物、炊きたての白飯と味噌汁もたっぷり。
幼馴染「さあ、召し上がれ」
男「いただきます!」
禰宜「……うん。旨い」
芋の煮物を頬張る禰宜に、得意げに妹は言う。
妹「そのお芋、わたしが煮たんだよ」
修道女「皮をむいたのはわたし」
ひどく感心しながら、巫女はおかずを味わう。
巫女「きんぴらごぼうに大根の皮を入れると、こんなにやさしい味になるんですね」
幼馴染「でしょ? お砂糖とかみりんもいいけど、素材の持ち味を生かしてこそのお料理だよ」
卵焼きを口にして、禰宜はこっくりうなずいた。
禰宜「本当においしいな。男くんがうらやましい」
幼馴染「えへへ。それほどでも」
妹「……むぅ、禰宜さん、お芋もっと食べて!」
妹は頬をぷくっと膨らませ、禰宜の取り皿に煮物をポンポン放り込んだ。
焼き魚の骨を取りながら、男はたずねる。
男「そういえば、木竜はどうしたんです?」
幼馴染、巫女、修道女の三人がピクっと反応する。
妹「もくりゅう?」
男「さっき、お前にまとわりついていたヘビのことだよ」
修道女「な……あいつ、妹ちゃんにまで!?」
妹「うん。さっき絡みついてきたの。驚いたけど、すべすべしてて気持ちよかったよ」
幼馴染「だ、だめ! 妹ちゃんには早すぎる!」
妹「ふぇ? どうして?」
巫女「どうしてって……あうぅ」
顔をまっかにしてうつむく3人のお姉さんたちに、妹は首をかしげた。
477 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:31:33.27 ID:aA92+MJTo
禰宜「木竜なら、ほら、ここに」
取り出したのは、ブリキで出来た薬箱だった。
少しすすけるほど古い物だったが、表面には緑色の十字マークが書かれている。
正面には鍵穴があり、上の持ち手から、大ぶりのカギが紐でぶら下がっていた。
禰宜「何に入れるか迷ったんだが、これなら、ちょっとやそっとでは壊せないだろう」
木竜「きゅ? きゅっ! きゅ〜」
自分の話題になったことを察したのか、薬箱の中から木竜の声が響く。
禰宜は食卓の上に薬箱を置き、食事を再開した。
巫女「兄さま、この子どうします?」
禰宜「もちろんウチの神として迎えよう」
修道女「契約も済んでいないのに、何をのんきな……」
男「まあ、いいじゃないか」
修道女「よくない! こんな中途半端な封印で、もし逃げ出したら……」
木竜「きゅ?」
薬箱の鍵穴から、にょっきりと木竜が顔を出した。
修道女「逃げ出したら……」
木竜「きゅ〜」
そのまま木竜は空中を泳ぎ、開いていた窓から外に出て行ってしまった。
修道女「……逃げ出したああああ!」
男「うおおおい! ホントに逃げちまったぞ! 町に出たらどうするんすか!」
落ち着き払って、禰宜は味噌汁をすする。
禰宜「うろたえるな。この神社は神域だ。神魔のたぐいは容易に出入りできない」
男「……そうなんすか?」
巫女「うん。安心して」
幼馴染「でも、わたしたちみたいに、誰かがその……吸われちゃうんじゃ?」
禰宜「それも心配ない。神樹は基本、年頃の女性しか相手にしなかったし、ウチに勤めている者は巫女以外ほとんど男性だ」
妹「よくわかんないけど、この神社にオンナノコがいなければいいの?」
禰宜「そうだな」
妹「居たら、大変なことになるの?」
巫女「まあ、そういうこと。あの子は鳥居の中に入った人をお友達だと思うから……」
妹「それなら……」
アゴに手を当てて少し考え、妹は顔を上げた。
妹「お参りに来る人は?」
びしぃ と、見るからに禰宜と巫女の動きが止まった。
禰宜「……しまった」
巫女「兄さま、今日って……」
男「な、何があるんですか?」
禰宜「……女子高の修学旅行が来る」
巫女「小学校の遠足も……たしか今日でした」
修道女「な……なぜそれを早く言わない!」
男「それって、やばいだろ!」
修道女「男、行くぞ!」
ふたりは素早く立ち上がり、玄関へと駆け出した。
478 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:32:35.37 ID:aA92+MJTo
神社・授与所の前。
いわゆるお守り売り場の前に、少し古いデザインのセーラー服を着た少女たちが整列し、引率の教員の注意を受けていた。
教員「ここで2時まで見学します。時間までにバスに戻るように」
「は〜い」
声を合わせて少女たちは返事をし、整列が崩れる瞬間、列のなかほどにいた少女が悲鳴を上げた。
女子高生A「きゃあっ!」
貧血でも起こしたのかと、周りの生徒たちが心配そうに集まると、悲鳴を上げた少女は失禁してその場に気絶してしまった。
女子高生B「え……ちょっと……ひゃあああっ!」
倒れた少女の肩に手をかけた友人も、同様に悲鳴を上げ、身体中を這い回る異様な感触に身もだえる。
そしてその感触はスカートの中に入り込み、少女の敏感な豆を吸い上げた。
女子高生B「なにこれ……あああっ!」
ぷしっ!
パンツ越しに蜜を噴き出し、その少女も倒れる。
女子高生C「な、どうして? ……きゃああっ!」
倒れた友人を心配し集まった少女たちは、その場に黄色い悲鳴を残し、次々と倒れていった。
きゃああぁぁ……
走る修道女と男は、かわいらしい悲鳴を聞き取った。
修道女「これは……くそっ!」
男「おい、待て!」
男を置いて、修道女は加速した。
巫女装束に身を包んでいても、足もとはいつもの軍用ブーツ。がしがしと玉砂利を踏み分けて、修道女は駆ける。
走るほどに悲鳴は大きくなり、本殿近くの授与所の前に、異様な光景が広がっていた。
見たところ、禰宜の話していた女子高生たちだが、100人ほどの生徒たちでひとりとしてまともに立っている者はいない。
ある者はへたり込み、またある者は倒れて、けいれんしながらうめき声を上げている。
真夏の太陽の下、日射病か集団食中毒か、もしくは毒ガスの発生を予感させる光景だったが、よくよく見れば少女たちの顔はほてり、快感にとろけているようだった。
スカート越しに切なげに下腹部を押さえ、また、あからさまなシミを作っている者も多い。
修道女「遅かったか」
女子高教員「あぐ……ひあああっ!」
修道女のほど近くで、スーツを着た女性教員が嬌声を上げた。
修道女「しっかりしろ!」
女子高教員「や……あ、イく……イくううぅぅ!」
くりんと白目をむいてけいれんし、タイトスカートから失禁が漏れ出る。
そのスカートの裾から、満足げに緑色の蛇が顔を出した。
木竜「きゅ〜♡」
修道女「おまえ……」
木竜「きゅっ!」
修道女「待て!」
修道女は素早く手を伸ばし、木竜の身体を捕まえたが、たっぷりと愛液にまみれた細いヘビはぬるりと抜け出した。
修道女「あ、この!」
木竜「きゅっきゅ〜」
手の届かない高さまで飛び上がり、修道女をおちょくるように木竜は一回転し、そのまま飛び去った。
479 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:33:59.16 ID:aA92+MJTo
森へと消えていく木竜を目で追う修道女に、ようやく男が追いついた。
異様な光景に、男は驚きの声を上げる。
男「……うわっ」
修道女「遅いぞ男!」
木竜にあられもない場所を吸われて気絶し、倒れている少女たちを見渡して、男はつぶやいた。
男「これは……ひどい」
修道女「まったくだ。どれほどの精気を吸ったのか、想像もつかん」
男「とにかく、このままにはしておけないな……大丈夫ですか?」
女子高生A「あうぅ……ありがとぉ……ございます」
絶頂から回復してきている生徒から男は助け起こし、助け起こされた生徒も近くの友人を揺さぶり起こす。
授与所からも、袴に白衣の格好をした数人の男性が出てきて、倒れた女子高生たちを助け始めた。
すぐに禰宜たちも追いついた。
緑色の袴を穿いた禰宜に、緋袴の少女たちが4人。普通の格好の男の方が妙に浮いて見える。
倒れ、うめきをあげる少女たちを呆然と眺め、禰宜は言葉を漏らした。
禰宜「これは……」
修道女「だから言ったんだ。お前たち兄妹は、契約前の魔神を解き放ってしまった」
幼馴染「でも……そんなにひどいコトされたわけじゃ」
修道女「もし魔神が人の血をすする者だったら? 生き肝を食い破る者だったらどうなっていた? こんなモノではすまなかったぞ!」
巫女「うう……」
男「修道女、いま怒鳴っても仕方ない。とにかく木竜を捕まえよう」
修道女「……そうね」
幼馴染「せめて、居場所がわかれば……」
すると、神域の森の奥から少年の悲鳴が聞こえた。
「ぐあああぁぁ……」
「ぎゃああぁぁ……」
ひとりふたりではない。立て続けに聞こえる小さな男の子の叫びが、巨大な木々のかなたから響く。
修道女「な……まさか、オトコまで?」
禰宜「いや、ウチの神に男色の趣味はなかったはずだが……」
男「んなこと言ってる場合ですか!」
幼馴染「どっち?」
巫女「たぶん、裏の滝の方だと……」
男「よし! 行くぞ!」
玉砂利を蹴って、男たちは走る。
森の中の道にも玉砂利が敷かれ、よく手入れされた参道を、緋袴の少女4人に濃緑の袴の青年、ジーパンにTシャツの普通の格好の少年が連なって走る。
「うわああぁぁ……」
「ぐわああぁぁ……」
森の中、小さな少年の声が立て続けに響く。
真夏とはいえ、神域の森の中はひんやりと涼しく、蝉の声もまばらだ。強烈な太陽光もほとんどが木々の葉に遮られ、わずかに光の柱となって射し込んでいる。
480 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:35:40.02 ID:aA92+MJTo
かすかな滝の音が聞こえ始めるころには、少年たちの悲鳴もずいぶん近くなった。
細い水が落ちる小さな滝の前で、おそらくお弁当の食事中だったのだろう、小学校の子供たちが倒れていた。
少年少女の区別無く、みな手に緑色の棒を持って倒れ、ピクリとも動かない。
子供に混じって数人の女性教員が倒れているが、こちらは身体をビクビクとけいれんさせていた。
男「遅かったか!」
幼馴染「おケガはありませんか?」
反応のありそうな教員たちに、男たちは話しかけるが、女性の小学校教員たちはスラックスやスカートの裾をかわいそうなほどに濡らし、頬を軽くはたいても、口の端から泡混じりのよだれを垂らすだけだった。
修道女「だめか……しかし、命に別状はないようだ」
禰宜「そうだな……子供たちはどうだ?」
死んだように横たわる、小学校の3年生ほどだろうか、小さな少年の一人を禰宜が抱き起こすと、少年の目がカッと見開かれた。
子供「お兄ちゃん、神社のひと?」
禰宜「そうだ。なんできみは倒れているんだ?」
子供「斬られたから、死んでるんだ」
禰宜「なに?」
そう言って、少年はがくりと身体の力を抜いた。
わざとらしく白目をむいているが、呼吸に異常は無い。
つまりはただの死んだふりである。
巫女「女の子も、チャンバラで斬られたみたい」
修道女「被害……にあったのは大人だけか……しかし、男性教員の姿がないな」
「ぐわああぁぁ! やーらーれーたー」
あたりを見渡す一行の耳に、森の中からわざとらしく悲鳴が響く。
大人の男性の声が、密に生えた巨木のどこからかこだました。
修道女「く……どっちだ?」
禰宜「木に反響して、方向がわからん……ともかく、倒れている子供たちをなんとかしよう」
修道女「その間にも、被害者は増える。わたしは追うぞ!」
男「おい、待て!」
制止も聞かず、修道女は玉砂利の道から外れて森の中へと走ってゆく。
禰宜「まずい……」
男「修道女が?」
禰宜「そうだ。この森は神樹の力の中心だった。木竜にとっても自分の手のひら同然だろう……修道女さんでも……危険だ」
男「く……追います!」
死んだふりをしている小学生たちを置いて、男たちは修道女の後を追い、森に分け入った。
481 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:38:08.08 ID:aA92+MJTo
神域の森の中。
街にほど近い神社とは言え、1500年続く神域の森は、人の分け入らない深山の様相になっていた。
大人が数人がかりでも抱えきれぬほどの大木が密に並び、地面は分厚いコケの、緑色の絨毯になっている。
真夏の昼間だというのに、幾重にも重なった木の葉に太陽は遮られ、森の中は涼しく薄暗かった。
修道女「たしか、このあたりから叫び声が……」
人間をはるかに上回るすばらしい速度でやわらかな森の地面を駆け抜け、修道女は先ほど聞こえた悲鳴の主を探していた。
すると、また森の奥から同様の悲鳴。
「ぬわっ……ぐぬぬ……無念ッ!」
そして、人の倒れる音。
修道女「こっちか!」
ふわりと低空を舞うように、修道女は加速し、木々のあいだを駆け抜けて犠牲者を見つけた。
ジャージを着た体育教師風とメガネをかけたスーツの男性が、にこやかな顔をしてコケの絨毯に倒れていた。手元には緑色の棒を握る。
修道女「おい! ケガはないか?」
ジャージの肩をつかんで揺さぶると、どうやらこちらがたった今聞こえた悲鳴の主らしく、野太い声でか細くささやく。
「無念……あとは……仇を……がくっ」
あまりに芝居がかったセリフ。しかも自分で”がくっ”まで言うのだから世話はない。
もう一人も、見たところ呼吸に異常は無く、修道女はかまうのをやめた。
修道女「森の中で隠しても、闇の気配はにじんでいるぞ! 隠れても無駄だ!」
よく通る修道女の声に応え、ほど近くの大木の枝の付け根から、緑色の蛇が姿をあらわした。
木竜「きゅっ! きゅ!」
うれしそうに木竜はうなずき、竹刀ほどの長さの緑色の棒を虚空から取り出し、修道女に投げてよこした。
自分用にも木竜は緑色の棒を作り出し、尻尾で巻き付いて剣のように構える。
棒はけっこうしっかりしているが、表面は堅めのスポンジのようで、強く叩いてもあまり痛くなさそうだ。
振り回すにはちょうどいい太さに長さ、それに重さで、よく見ればメガネの教師とジャージの教師の棒は、微妙に大きさが違っている。
木竜は、それぞれにちょうどいい大きさの棒を与えているらしかった。
しかし、修道女は緑色の棒を捨てると、懐から十字架の短剣を取り出し、鞘を抜く。
木竜「きゅっ!?」
修道女「禰宜と巫女にはすまないが……」
さらに懐から小瓶を取り出し、短剣を聖水で濡らす。
修道女「お前は危険だ。この場で浄化する!」
叫んで刹那、修道女は飛び上がり、空中で緑色の棒を構える木竜に斬りかかった。
木竜「きゅっ!」
修道女「甘いッ!」
緑色の蛇は突然の動きに緑の棒で受け止めようとしたが、修道女の銀の短剣は木竜の棒をたやすく切断した。
そのまま身体に迫る銀の刃を、木竜は間一髪で避け、森の奥へと飛び去る。
修道女「逃がすか!」
地面に降りて、コケの地面にクレーターを作る勢いで修道女は加速する。飛んで逃げる木竜に追いつくと、地面に手を当て叫んだ。
482 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:39:33.19 ID:aA92+MJTo
修道女「絡め捕らえよ! カスミアミ!」
薄暗い森の中、木々のあいだに輝く糸が張り巡らされ、高いところを飛ぶ木竜の身体に、蜘蛛の巣のように絡みついた。
木竜「きゅっ?」
修道女「とった!」
糸を操って足場にし、修道女は輝く糸の階段を駆け上る。
絡め取られた木竜に、最後の一足、糸の階段を踏み込もうと足を落とすと、踏みつけた段が急に緩んだ。
修道女「なっ!」
カスミアミの糸が、修道女のコントロールを失ってたるんでいた。
なすすべ無く、修道女は地面に落下し、かろうじて足から着地するが膝をつき、緋袴をコケが汚した。
奥の手が破られた原因を確かめようと顔を上げ、修道女は息を呑んだ。
修道女「そんな……」
カスミアミの張られていた森の木々が、動いていた。
風にそよぐといった程度ではない。葉や枝はもちろん、建物じみた巨大な木の幹までもが、蛇の胴体のようにぐにゃぐにゃと波打ち、その表面についたカスミアミの輝く糸を引きちぎっていた。
蜘蛛の糸がいかに強靱でも、その土台が動いてしまっては巣の張りようがない。修道女の秘技は、あっけなく破られていた。
木竜「きゅっきゅっきゅー!」
勝ち誇ったように笑う木竜に、修道女は短剣の切っ先を向ける。
修道女「お前の腹の中ということか。なら……」
地面に手を当て、叫ぶ。
修道女「これはどうだ! 放て! バリスタ!」
修道女の背後から、空中の木竜に向かって、白く輝く飛槍が一斉に発射される。
槍は恐ろしい速度で迫るが、木竜はかわすことなく、近くの枝を操って、ことごとくたたき落とした。そのうち数本は枝に突き刺さったが、木の太さに比べればなんと言うことはない。
木竜「きゅ〜」
得意げに見返す木竜に、修道女はさらに叫ぶ。
修道女「火矢!」
修道女の声を引き金に、枝に刺さった飛槍が燃え上がった。
木竜「きゅっ!?」
突然の発火に戸惑い、木竜は息を吹き付けて火を消す。
木竜「ふーっ……ふーっ……」
どうにか森の火事を食い止め、振り向く木竜に、修道女は宣言した。
修道女「どうした? まだまだ行くぞ!」
さらに呪文を唱えようとする修道女に、木竜は振り返る。
小さなエメラルドの瞳はつり上がり、真っ赤な口を開いて木竜は叫ぶ怒りの雄叫びを上げた。
木竜「きゅーっ!!」
483 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:42:42.30 ID:aA92+MJTo
穏やかだった森の空気に怒りが満ち、鎌首をもたげていた大木の一本が、破城槌の勢いで修道女に迫る。
修道女「くっ!」
後ろに下がると、さらに他の木の幹が修道女を打ち上げようと振るわれる。
修道女「この……」
たまらず上に飛び上がると、さらに別の木が修道女の身体にぶち当たった。
修道女「ぐうっ!」
質量に大差ある巨樹の一撃は、修道女の耐えられるものでは無かった。
ダンプカーのような衝撃に、完全にコントロールを失った修道女の身体はきりもみになって吹き飛ばされ、さらに下からの別の木に高く打ち上げられる。
修道女は森の樹冠、枝葉の濃いあたりまで投げ出された。
人の腕ほどの枝が修道女にまとわりつき、地面から遠く離れたところで、修道女を拘束する。
修道女はもう、指先をかすかに動かすことも出来なかった。
たった2回の打撃で、修道女の戦闘能力は完全に失われていた。
人間をはるかに上回る強度と再生力をもつ修道女の身体ですら、木竜の振るう巨樹の攻撃には耐えられなかったのだ。
力の差を見せつけるように、木竜は気絶寸前の修道女の目の前に浮かぶ。
木竜「きゅ〜?」
修道女「く……そ……」
あまりにも強烈な打撃に、四肢の神経が切断されたのか、修道女は声を上げるだけだった。
森の中で火を使った修道女に、木竜は激怒していた。
おだやかだったエメラルド色の瞳はつり上がり、真っ赤な舌をチロチロのぞかせて、慮外者を徹底的に蹂躙するつもりらしい。
敗北した修道女の目の前に、木竜はツタを縒り集めて棒状の形を作る。
異様なまでに巨大だが、紛れもない男性器の形。
緑のツタで編み上げたいちもつを、木竜は修道女の下腹部に、緋袴越しに押し当てる。
修道女「う……ぐぁ……」
布ごと突き破るつもりらしく、握り拳ほどもある先端が股間に食い込み、秘裂が痛いほどに広げられて、修道女はついに涙を流した。
修道女「あう……うえぇ……」
木竜「きゅっ?」
整った顔をくしゃくしゃに歪ませて、修道女は泣く。
修道女「ごめんなさい……それはやめて、やめてぇ……」
以前の修道女なら、歯を食いしばって陵辱を受け入れたかもしれない。
身体を犯されても、心は修道士にあると、反撃の機会を見計らっただろう。
しかし、修道士と結ばれた今の修道女に、操を傷つけられることはこの上ない苦痛であった。
木竜「きゅ……きゅ〜」
大粒の涙をボロボロとこぼす修道女に、木竜のつり上がっていた小さな目は一転して困り顔になってしまった。
股間に押し当てていたツタの塊をほどき、木竜はぐずぐすと鼻を鳴らす修道女の頬を軽く舐める。
修道女「う……あぁ……」
木竜「きゅ〜」
ひどく申し訳なさそうに、木竜は深々とうなずくと、ツタで修道女の身体を支えて、樹冠からはるか下の地面へとおろした。
484 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:43:51.34 ID:aA92+MJTo
森の中。
修道女の後を追って走る一行の前に、異様な光景が現れた。
それまでのまっすぐに伸びていた木とは一変して、森の巨樹が大蛇のようにうねりくねっていた。
幼馴染「わ……なにこれ」
妹「木がぐにゃぐにゃ……」
歪んだ木々は、少しずつもとに戻ろうとしているようで、目に見える遅さで形を変えてゆく。
男「これが木竜の力?」
禰宜「神樹と同じだ」
巫女「気をつけて。近くにいます」
耳を澄まし、巫女は手近の大木の影に回り込んだ。木の反対側に、修道女が寝かせられていた。
巫女装束のところどころがすり切れ、仰向けに息を荒げる修道女は、どう見ても勝者の姿では無い。
巫女「修道女さん!」
修道女「……ごめん。逃がした」
傷ついた修道女の手を握って、巫女はうなずく。
巫女「うん……きっと捕まえるから」
修道女「いや、無理だ」
男「どうして?」
修道女「この森の中では、わたしたちに……勝ち目は無い」
幼馴染「でも、どうにかして捕まえないと……」
男「むぅ……森の中でヘビを捕まえるのか……」
その場で考え込む一行に、禰宜が口を開いた。
禰宜「それにしても、ここまでひどくやられたのはどうしてだ? まるで本当に戦ったような」
修道女「戦ったんだ。負けて捕らえられ、犯されそうになった」
妹「おかさ……?」
幼馴染「妹ちゃんはいいの!」
首をかしげる妹に、幼馴染は一喝する。
男「それなら、どうして無事なんだ?」
修道女「く……恐ろしくて、泣いてしまったんだ。そうしたら、放してくれた。ケガの手当まで……」
かろうじて動く腕を動かし、修道女は腕にされた薬草の湿布を見せる。
幼馴染「泣いたら、やめたの?」
修道女「そう……だ」
巫女「なんか、オトコノコみたい」
男「オトコノコ……それだ!」
声に、一同振り返り、男は言う。
男「禰宜さん。用意してほしいものがあります」
禰宜「なんだ?」
男「口をしっかり閉められる広口のビンと、お酒、出来るだけ強いやつがいいです」
禰宜「なに? ……そうか、わかった」
禰宜はうなずき、元来た道を駆けてゆく。
その場に残った巫女装束の少女たちに、男は耳打ちした。
485 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:47:03.43 ID:aA92+MJTo
森の中。
木々のあいだを身体をくねらせ、木竜は飛ぶ。
金色の髪をした少女は、突然刃物を向け火を放ってきた。その反撃とは言え、女性にひどい暴力を振るい、木竜は自己嫌悪にとりつかれていた。
木竜「きゅ〜……」
ため息混じりに鳴き、とりあえず木の枝に絡みつく。
神域をたずねてきた、信心深い少女の群れから精気をいただき、腹はいっぱいなのに、どうにも胸が落ち着かない。
ここは誰かとチャンバラでもして憂さを晴らしたいところだが、手頃な相手が見つからぬ。
木竜「きゅ?」
木々の向こうから、少年の声が聞こえた。
男「やあやあ! 遠からん者は音にも聞け、近くは寄って目にも見よ。我こそは、淫魔の契約者、男なるぞ! 誰ぞ力自慢、剣術自慢はおらぬか!」
木竜好みの名乗りを上げ、さきほど小学校の教師に貸した緑の棒を振り回している。
チャンバラをするには少しばかり歳がいきすぎているかもしれないが、かまうことは無い。むしろ、歯ごたえがあってちょうどいいくらいだ。
木竜は身体を縮ませると、勢いを付けて宙を泳ぎ始めた。
緑の棒をブンブン振り回して、男はそれっぽい名乗りを上げる。
程なくして、目の前に緑のヘビが飛んできた。
男の数歩先の空中に浮かぶと、木竜は虚空から緑の棒を振り出した。
男「来たな……我は男! 百戦錬磨にして天下無双の剣豪だ。貴様の名はなんという!?」
木竜「きゅ!? きゅ! きゅ〜!」
ブンブンと緑の棒を振り回し、木竜は名乗りのような鳴き声を上げる。
何を言っているのか、わからないので男は適当に答える。
男「木竜か? なるほど、この地をつかさどる剛の者とはお前のことか、ならばその首、わが誉れにふさわしい。いざ、勝負! 勝負!」
木竜「きゅ! きゅっ! きゅ〜っ!」
ふたりの声が止み、一呼吸置いて、木竜は剣をゆっくりと動かし、予備動作を見せつけた後、素早く打ち込んできた。
受け止められるぎりぎりの太刀筋で打ち込まれた一撃を、男は木竜の期待通りにさばく。
反撃に、木竜の絡みつく柄に一太刀振るうが、木竜はすいっと避けて間合いを取った。
男「くっ……やっぱり、強い……」
木竜「きゅっきゅ!」
木竜は心底楽しかった。太刀筋も力もまるでなっていないが、この少年は目がいい。かなり早く打ち込んでも、その太刀筋を補足している。
もしその目の動きにふさわしい剣さばきを身につければ、かなりの使い手となるだろう。
本当に……面白い!
木竜「きゅっ!」
剣を振りかぶり、木竜はつぎつぎと連撃に打ち込んだ。
男はそのすべてを受け止め、次第に反撃を返すようになる。
ほう、この打ち合いの間にも、上達するか……
木竜「きゅっ! きゅきゅ!」
さらに数度の打ち合いで、男の切っ先が、木竜の胴をかすった。
やるなっ!
木竜「きゅっ!」
速い打ち合いから、木竜は剣を斜めに構え、強烈な鍔迫り合いに持ち込む。
男「う……こいつ!」
少年の押し返す力を楽しみながら、木竜はぐいぐいと緑の剣を、棒を押し当て、ふっと力を抜いた。
男「ぬわっ!」
たまらずつんのめる男に、木竜は棒を振りかぶって、ひたいに思いきり打ち下ろした。
486 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:47:50.89 ID:aA92+MJTo
すぱぁん!
男「ぐえわあぁぁ……や、やられた……ぐふっ!」
その場に倒れ込む男に、木竜は満足げに棒を収め、その場を飛び去ろうとして……突然木の陰から、巫女装束を着た3人の少女たちが現れた。
妹「お兄ちゃん!」
幼馴染「男! 死んじゃダメ!」
巫女「男さん、しっかりしてください!」
地面に倒れる男に、巫女装束の少女たちは覆い被さって鳴き散らす。
目を覆い、声を上げ、男の死を悼む少女たちに、木竜は不安げに近づいた。
木竜「きゅ? きゅ……きゅ!」
コレは遊びだと、男は本当に死んだわけでは無いと木竜は少女たちの間を飛び回って慰めるが、緋袴の少女たちは顔を隠して泣くばかり。
妹「えーん。えーん。お兄ちゃんが、お兄ちゃんがぁ。死んじゃったぁ」
幼馴染「えーん。えーん。男、わたしを残して、死んじゃったぁ」
巫女「えーん。えーん。男さん、ごめんさい。木竜のせいです」
木竜「きゅっ!?」
単なる遊びのはずが、人殺しにされてはたまらない。なにより木竜は、女性の涙に弱いのだ。
三人の輪の中心に入って、泣く少女たちをなだめるように、木竜は鳴き声を上げる。
木竜「きゅ……きゅっ! きゅ〜!」
ぴたりと、三人の鳴き声が止んだ。
木竜「きゅ?」
おや? と、首をかしげる木竜の身体に、巫女の手が伸びた。
木竜「きゅっ!?」
巫女「ふふふ、捕まえた」
木竜「きゅっ! きゅきゅきゅっ!」
巫女「だめ! 逃がしません。ふたりとも!」
幼馴染「はい!」
妹「がってんだ!」
幼馴染は懐からジャムのビンを、妹は幻の銘酒”やしお”の小瓶を取り出し、それぞれの口を開ける。ジャムのビンの中に酒を注ぎ、巫女は木竜を突っ込むと、そのままフタをした。
酒の満たされたビンの中で木竜は抵抗したが、ビンの口に金属のフタが締められ、外に逃げられない。
巫女はビンを受け取ると、バーテンダーのようにめちゃくちゃに振り回した。
巫女「それそれっ!」
木竜「きゅ! きゅ! きゅ〜!」
文字通り酒に溺れ、木竜はあっという間に泥酔してしまった。
沖縄土産のハブ酒のように、木竜はジャム瓶の底に沈む。
ぐったりとした木竜に、巫女は問いかける。
巫女「もう、オンナノコの精気をムリヤリ吸わない?」
木竜「きゅ……」
ピクピクと痙攣しながら、木竜はうなずく。
巫女「わたしたち神職の言うことを聞いて、わたしたちを守ってくれる?」
木竜「きゅ……」
巫女の言葉に、木竜は同意した。
契約は成った。
巫女はビンのふたを開けて木竜を引っ張り出す。
巫女「よし。いい子」
木竜「きゅう……」
泥酔した木竜は力なく頭と尻尾を垂れた。
巫女はぐったりした木竜の、わずかに背びれの生えた背中をさする。
木竜「……けほっ」
軽く咳き込み、木竜は酒を吐き出した。
487 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:49:30.16 ID:aA92+MJTo
魔界。万魔殿の地下闘技場。
黒い石の敷き詰められた数万人収容の大規模な円形の闘技場は、黄色い灯火に照らされ、冷たく澄んだ空気が満ちていた。
多くの力自慢技自慢が剣と術を競う魔界の最高峰に、今は淫魔と修道士しかいなかった。
ローマのコロッセオに似た黒い石の闘技場で、淫魔と修道士は向かい合う。
修道士は灰色の祈りの服に身を包み、左わきには分厚い本を抱えている。短く刈り込んだ黒い髪。黒い瞳に、闘技場の漆黒の石が映り込む。
対する淫魔は戦いの衣装に身を包んでいた。
黒を基調に緑のラインが走るカットの深いレオタードに、鋭角的なマントとスカートがひるがえる。ただし、スカートは身体の前部を隠すようにはなっていない。
足もとは服と同じ意匠のサイハイブーツ。ブーツとレオタードの間の白い太ももが、相手の目を惹く。
黒い衣装に映える魅惑の絶対領域から、修道士は頬を軽く赤らめて目をそらし、深呼吸してわきに抱えていた本を開く。
修道士「では……」
淫魔「んむ。かかってきなさい」
ページをめくり、修道士は詠唱を始める。
修道士「幸いなるかな南の王。汝の光明は我らのしるべ……」
淫魔「ほほう、超呪系かぁ」
感心して腕を組む淫魔をちらりと見て、修道士は呪文を続ける。
修道士の手のひらには、赤い光が宿り始めていた。
修道士「天より盗み我らに与えたその力。汝の熱き掌にて我が敵を焼き尽くせ!」
淫魔「ふむふむ……ん?」
しかし、詠唱を終えても修道士は術を発動させない。
淫魔「どうしたの? 早くやりなよ」
修道士「その……本当に?」
離れた場所にいる淫魔は、どう目に見ても非力な少女にしか見えず、その気さくな物言いは、彼女が魔界の最高の実力者であることを修道士に疑わせるほどだった。
淫魔に向けて赤く輝く右手の平を向けながら、修道士の動きは止まっていた。
淫魔「当たり前でしょ? 何のためにここに来たのさ」
修道士「わかりました……燃えろ! 火槍ッ!」
淫魔に向けてかざされた修道士の手のひらがひときわ強く赤い光を放ち、次いで炎の奔流が怒濤となって放たれた。
床を踏みしめる修道士の足も、炎の反動にずり下がる。
淫魔の小さな身体は修道士の炎に飲み込まれ、闘技場の床、磨きぬかれた黒く冷たい魔界の石は炎に染まって赤熱する。
冷たく静まっていた闘技場の空気も炎にあぶられ、熱をこもらせる。
炎の濁流が止まり、修道士はチリチリと煙を上げる手のひらを握りしめた。
炎に洗われた床は、魔界の石といえど溶岩となって融けきり、黒い煙を上げる。
ふっと風が吹き、黒い煙が吹き飛ぶと、平然と立つ淫魔が現れた。床の黒い石は淫魔の手前までぐちゃぐちゃになっていたが、足もとを中心に融け残っている。
修道士「……さすがです」
淫魔「いやいや、万魔殿の石を損なうなんて。あなたこそどうして……」
手に残っていた赤い光を振り払い、修道士は本に目を伏せる。
修道士「鬼神を召喚し、魔界に連れ去られてから700年。石像にされて鬼神の城の大広間に飾られ、わたしは眠ることも無く、ただ思考を重ねていました」
淫魔「なるほど……術を自慢する魔神たちの言葉の端々から、その方法を盗んでいたと?」
修道士「はい」
淫魔「門前の小僧ってヤツか。厄介だねえ……」
どろどろに融けた闘技場の床を感心そうに見つめ、淫魔はうなずく。
淫魔「……でも、これほどの魔力。わずかな期間で鬼神を召喚した実績。あなた、結構素質があるね」
修道士「……お褒めいただき光栄です」
淫魔「韜晦しなさんな。この程度じゃあ……」
扇情的な衣装の両手を広げ、淫魔は敬虔な青年を誘う。
淫魔「練習にならないでしょ。本気でおいで」
修道士「承知しました」
488 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:51:47.70 ID:aA92+MJTo
分厚い書物を勢いよくめくり、修道士は長い詠唱を始める。
修道士「理にあって拒むもの。深みにあって隠れるもの……」
淫魔「おお、五色系か」
修道士「掛巻くもかしこき、弥栄の五王よ、御力をここに……いきますよ?」
淫魔「よし、来い!」
虹色に光る本のページに手を当て、修道士は唱えた。
修道士「土剣!」
闘技場の床が細かく振動し、急激に激しくなり、床の黒い石を突き破って剣の形をしたクリスタルが淫魔めがけて突き上がった。
淫魔「ぐっ!」
ステップを踏んで、淫魔はかろうじて串刺しを避けるが、修道士はさらに追い打ちをかける
修道士「水刃!」
炎の熱を含んでいる闘技場の空気から湿気が凝集し、空中で球となる。
強力な圧力で球は圧縮され、淫魔に向かって放たれた。
糸のような水の筋は、床から突き上がっていた巨大なクリスタルを両断した。
淫魔「うわっ! すご……」
水の球は闘技場のいたる所に凝集し、強力なウォーターカッターを放つ。距離が離れれば威力は落ちるが、あまりにも数が多く、空中のいたる所から同時に放たれる。
淫魔は背中から黒い翼を生やし飛び回って、ウォーターカッターをかわすが、修道士はさらに唱える。
修道士「火槍! 電槌!」
宙へかざした手から火炎を噴き出させ、さらに周囲の空気に電界を発生させる。
修道士の髪が逆上がり、水球を媒介に青白い稲光が解き放たれる。
超高速の電撃は、さすがの淫魔も避けきれない。
淫魔「ぐうっ!」
全身に雷の打撃を受け、落下する淫魔に無数の水の刃が襲いかかる。
石英すら切断する水の刃が迫る刹那、淫魔は黒い翼で身体をすっぽりと包み込み、着地した。
黒い翼は修道士のウォーターカッターを受けてもキズひとつ受けず、表面を水滴に濡らすだけ。
修道士「木鎖!」
床にテントになって伏せる淫魔の足もと、黒い石の隙間から緑色のツタが這い上がり、黒い翼の内側から淫魔の身体に絡みついた。
淫魔「ひゃっ……やぁ……」
黒い翼が力なくひろがり、修道士は攻撃をやめた。
淫魔の四肢に緑色のツタが絡みつき拘束していた。胴や股間にツタが這っていないのは、修道士の育ちの良さだろう。
修道士「今、ほどきます」
淫魔「まって」
拘束されたまま淫魔は軽く首を振った。
淫魔「まだ……まだ本気出してないよね?」
修道士「もう、勝負はついたのでは?」
淫魔「……わたしをバカにしてんの?」
修道士「そのようなことは……」
戸惑う修道士を、拘束された淫魔はにらみつける。
姿形は見目麗しい少女だが、修道士の目をもってしても、淫魔の底は計り知れない。
完全に主導権を握っているはずなのに、修道士はその視線に震え上がった。
489 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:52:38.71 ID:aA92+MJTo
修道士「く……」
つる草に拘束された淫魔から距離を取り、修道士は本のページに手をかざす。
修道士「弥栄の五王よ、御力をここに……」
虹色の光があふれ、修道士は拘束された淫魔に手のひらを向ける。
淫魔「んふふ……そうそう」
修道士「雷槌! 火槍!」
球状に整形された高電荷が収束されて放たれ、次いで炎の濁流が、拘束したつる草ごと淫魔を焼き尽くす。
淫魔「ぐうぅっ!」
修道士「水刃!」
テニスボールほどに凝集した水の球が炎に包まれたままの淫魔の周囲に浮かび、ウォーターカッターの集中砲火を浴びせる。
淫魔「がッ! あああっ!」
炎の奔流を貫いて、水刃は淫魔の身体を切り刻む。
淫魔の身体にあたった水は炎の奔流に蒸発し、湯気になって噴き上がる。
水煙に包まれた淫魔に向かい、修道士はさらに手をかざし……
修道士「土剣! 岩矛! 金剛針!」
水蒸気の中、淫魔の拘束されていた場所に、床の黒い石を突き破ってクリスタルの太い棘と硬玉のほそい棘、さらに糸のように細いダイアモンドの針がめちゃくちゃに伸び上がる。
淫魔「ぎゃああああっ!」
惨めなほどの淫魔の悲鳴が煙の中から響き、水煙が晴れると、ズタボロに破壊された淫魔の姿があった。
紫色の髪は燃え、白い皮膚は炭化し、美しかった戦いの衣装完全に燃え落ちて、淫魔は炭の棒のような全裸をさらす。
地面から伸び上がった大小様々な鉱物の棘が、ひざの裏から腰へ、股間から脇腹へ、へそから肩へと、淫魔の身体をめちゃくちゃに貫いていた。
淫魔「あ……ぐぇ……」
修道士「淫魔様!」
うめき声を上げるだけの淫魔に、修道士は駆け寄る。
黒く炭化した淫魔の皮膚を、透き通った鉱物の槍が無作為に貫きまくり、淫魔の身体は黒いサボテンのようだ。
黒く焦げた肌にうがたれた傷口からは鮮血が噴き出し、人間ならばすでに絶命しているだろう状態にもかかわらず、淫魔はまだ息をしていた。
修道士「いま、術を解きます!」
本のページに手を当て、修道士が詠唱を始めると、淫魔の身体がわずかに揺れた。
淫魔「んふ……んふふ」
愉快そうに笑う声。
焼死体のように黒焦げになった淫魔は、切り裂かれ貫かれながらも笑っていた。
修道士「な……」
淫魔「んふふ、こんなに……いっぱい」
顔をや頭蓋を貫く鉱物の槍に身動きを制限されながら、淫魔は炭化した皮膚を落として笑い声を上げる。
黒焦げの死体が動く異様さに、修道士は一歩後ずさった。
490 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:54:55.47 ID:aA92+MJTo
修道士「……ご無事で?」
淫魔「無事なわけないでしょ? こんなに……んっ!」
赤い血の流れていた全身の傷から、透明な蜜が漏れ出した。
花と果実を合わせたような、濃厚な香りが修道士にも届く。
修道士「これは……」
淫魔「こんなに強いなんて、ちょっと予想外……んふふ」
地面に縫い付けられたまま身体を動かすと、ぼそりと淫魔の黒焦げの皮膚がはがれ落ちた。
厚みをもってはがれた組織の下からは、元よりいっそう白い、淫魔の美しい肌が表れた。
鉱物の槍にうがたれた傷口は、薄紅色の女性器に様変わりし、透明な棘に、内部の粘膜が透けて見える。
身体中から分泌される粘液に、黒焦げの皮膚は流れ落ち、四肢の指先までが新しい皮膚に更新された。
皮膚を落として一回り小さくなった淫魔は、全身の女性器の刺激に身もだえ、本来の秘裂のある場所、両脚の間からいっそう大量の密を垂れ流す。
その異様な光景に、修道士は絶句しつつ、また一歩下がった。
修道士「うあ……」
淫魔「んああっ! こんなにカタいの! ながいの! こんなにぃ!」
貫かれたままの身体をひねって動かし、淫魔は槍との摩擦に嬌声を上げる。
しかし両脚の間、本来の性器には槍が刺さっておらず、不満そうに腰をくねらせる。
濡れそぼった粘膜を修道士に向け、淫魔は懇願する。
淫魔「ここ……ここにもほしいの! おねがいぃ……」
しかし、修道士は異常な事態に立ち尽くし、返事さえしない。
淫魔「あ……おまんこ、されてないのに……イく……イ……んああああっ!」
拘束されたまま淫魔は全身を痙攣させる。
鉱物の槍をくわえ込む全身の女性器はまっかに発情し、クリスタル、硬玉、ダイアモンドの棘を締め付ける。
淫魔「も……だめ……硬くて、すごい、のぉ……」
きゅっと淫魔の全身が縮まり、身体を貫く鉱物の棘にヒビが走る。
強烈な淫魔の締め付けにダイアモンドの棘までもが粉々に砕け散った。
修道士「そんな……」
淫魔「んっふっふ」
身体中の性器をもの欲しげにぱくつかせ、淫魔は拘束から抜け出した。
全身の性器をなでさすり、勃起したたくさんのクリトリスをこねまわして淫魔は一歩踏み出す。
一回り小さい身体に小さな胸。少女と言うよりも幼女の肢体となった淫魔は、身体中の性器から愛液を垂れ流し、修道士にもう一歩進む。
にちゃ と、黒い床との間に蜜が粘液の糸を引く。
切なそうに股間をかき回し。小さな淫魔はぺろりとくちびるを舐めた。
淫魔「ねえ、もっと……もっとしてぇ」
修道士「く……」
鬼気迫る様子に修道士はさらに後ずさり、魔道書を取り落としそうになる。
するりと肌をなで、淫魔は全身に浮かんでいた女性器を消し去った。
淫魔「んふふ、してくれないなら……わたしからシちゃうよ?」
修道士「く……まだまだ!」
魔道書のページを押さえ、修道士は手をかざす。
修道士「さかまく風よ、縒り束なって刃をなせ!」
手に白い輝きを宿し、修道士は床に手を当てる。
491 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:56:30.11 ID:aA92+MJTo
修道士「放て! バリスタ!」
修道士の背後から、切っ先をそろえた飛槍の群れが放たれ、淫魔に一直線に飛んでゆく。
詠唱を加えただけ発動も遅いが、槍の数も速度も、修道女の同じ術とは比べものにならないほど強力だ。
術を放った修道士は顔を上げてその効果を見極める。
しかし、身体を数十本の槍が貫通しているのに、淫魔は歩みを止めない。
飛槍の刺さったキズを女性器に変えてくわえ込み、快感をむさぼる始末だ。ぐちゅぐちゅと股間をかき回し、さらに淫魔は歩み寄る。
淫魔「すごい、すごいよぉ……」
修道士「くっ……連弩!」
床に手をついたまま、修道士が続けて唱えると、さらに大量の飛槍が放たれ、淫魔に突き刺さる。
淫魔「んはああっ!」
ウニのように全身に槍を突き立てられ、淫魔は絶頂の悲鳴を上げる。
さらに……
修道士「裂破ッ!」
修道士が水平に指を切ると、淫魔に突き刺さった飛槍が赤熱し、大爆発を起こした。
悲鳴を上げるヒマも無く、淫魔は爆散して肉塊がまき散らされ、白い煙があたりを包む。
修道士「……やったか?」
床に膝をつき、息を荒げる修道士の首筋に、ひたりと手が当てられた。
淫魔「んふふ、残念」
修道士「なっ……」
飛槍の爆発で、たしかに破裂した淫魔が、いつの間にか横に立っていた。
一糸まとわぬ姿で、修道士の首筋をなで上げる。小さくなった肢体をさすり、蜜のしたたる秘裂をかき混ぜて、淫魔はささやく。
淫魔「あなた、すっごく上手……本番は無しのつもりだったけど……いいよね?」
修道士「本番? ……ぐっ!」
顔を上げた修道士に、淫魔は抱きつく。
裸のままできゅっと抱きしめ、耳元で淫魔はささやいた。
淫魔「んふふ。途中から本気だったでしょ?」
修道士「そ、それはあなたが……」
淫魔「たしかにわたしが命じた。でも、あなたは本当に殺そうとしてた。わたしが無事で残念?」
修道士「く……」
腕をからませ、幼女の外見となった淫魔は修道士をその場に押し倒す。
馬乗りになって押さえつけ、首筋に顔を近づけて、淫魔は修道士の汗のにおいを楽しむ。
淫魔「んふ、いいにおい。強力な術を使うけど、肝心の体力は人間のままだね。あんなに無茶するから……身体に力が入らないでしょ?」
れろろ…… と、淫魔は修道士の首筋を舐めあげる。
甘い吐息を吹きかけ、身体をこすりつけ、淫魔の香りに当てられて熱くなり始めた修道士の下腹部に、ズボン越しに手を当てる。
492 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:57:43.45 ID:aA92+MJTo
修道士は整った眉をゆがませ、抗議の声を上げた。
修道士「お止めください……修道女を……」
淫魔「んぅ?」
修道士「修道女を守る力がほしいのです。だから……」
淫魔「……だからあんなにムチャクチャに術を使ったの?」
修道士「はい」
淫魔「純粋に強くなりたくて?」
修道士「はい」
淫魔「そう……」
押さえつけた修道士の右手を淫魔は引き寄せた。
炎の奔流を発した修道士の手のひらは、ヤケドにただれ、まだ熱をおびていた。血がにじみ、修道士の鼓動に合わせて淫魔にズキズキと痛みがつたわってくる。
淫魔「熱くて、脈打ってて……とっても痛そう……」
修道士「あ……」
修道士の大きな手に、淫魔はキスした。
愛する相手の性器を舐めあげるように、いやらしく、しかしやさしく唾液をたっぷりまぶしながら、淫魔は修道士の手のひらを愛撫する。
巧みな愛撫は傷口にさえ痛みを与えず、強烈な快感と妙なむずがゆさを修道士に覚えさせた。
修道士「あ……そんな……くはっ……」
軽く身もだえする黒髪の美青年を、馬なりにまたいだまま淫魔は見下ろし、ちゅぱちゅぱと手のヤケドを舐めあげた。
修道士「うあ……あ、あれ?」
淫魔「はい。おしまい」
まだこそばゆいほどの痛みが残るものの、焼けただれていた修道士の右手は、きれいに治っていた。
淫魔の刻んだ快感がさめると、残っていた痛みも氷が溶けるように消えてゆく。
淫魔「がんばるのは良いけど、自分の身体を傷つけちゃダメ」
修道士「……」
淫魔「あの子も悲しむよ?」
修道士「……はい」
身体を起こして修道士を自由にし、淫魔は指を鳴らした。緑のラインが走る黒いレオタードに前の開いたスカート、太もも丈のサイハイブーツの戦闘服が、かすかな閃光を引いて淫魔の身を包む。
修道士の術でめちゃくちゃになっていた闘技場の床も元に戻され、二人の座る床にはピクニックで草原に敷くように、肌触りの良いシーツが敷かれた。
淫魔「さてと、まずは腹ごしらえだね」
そう言って、淫魔は闘技場の入り口を振り返る。
493 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:59:04.69 ID:aA92+MJTo
淫魔「そろそろのはず……」
修道士「え?」
つられて修道士も同じ方を見る。
すると、ふよふよと聞いた覚えのある音が響き、闘技場の入り口、剣闘士や猛獣が入ってくる大きな門から、空飛ぶ絨毯に乗ったメイドが姿をあらわした。
絨毯にはピクニックバスケットも乗っている。
淫魔「来たね」
メイドはふたりの座るシーツの横に絨毯を駐め、大きなバスケットを両手で持ちあげた。
淫魔「土足のままで良いよ。上がっておいで」
メイド「はい……お食事の準備をいたします」
修道士「あの……お食事?」
淫魔「そうだよ。あなたのおやつ」
バスケットを開き、メイドは喜々として皿にサンドイッチを盛りつけてゆく。
メイド「ピクニックのお料理なんて、久しぶりです……はい、修道士さま」
修道士「あ……ありがとう」
受け取った皿のサンドイッチは、野菜と肉が焼きたてのパンではさまれていて、みずみずしいトマトやレタス、肉汁のしたたる鶏肉には濃厚なソースがかかっている。
術を使って空腹を覚えていた修道士に、その豪華なサンドイッチはあまりにも魅力的だった。
淫魔「食べて」
修道士「ですがわたしは……」
淫魔「修道女を守るんでしょ? そのためには強くならないと。ほんの少しの野菜のスープじゃ、力はつかないよ?」
修道士「……いただきます」
音を立ててツバを飲み込み、意を決して修道士はサンドイッチにかぶりついた。
シャキシャキとしたレタスの歯触りとトマトの酸味、鶏肉の肉汁とソースをパンが包み込み、噛むほどに口いっぱいに旨味がひろがる。
一口目を飲み込んで、修道士はつぶやいた。
修道士「おいしい……」
メイド「本当ですか? やったー!」
座ったまま飛び上がりそうな勢いでメイドは喜び、淫魔の分を盛りつけようとバスケットに手を伸ばしたが、淫魔は首を振った。
淫魔「わたしはいいよ」
メイド「お召し上がりになりませんか?」
残念そうにしょげるメイドに、淫魔は微笑む。
淫魔「ううん、いただくよ。あなたをね」
494 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 01:59:54.61 ID:aA92+MJTo
メイド「へ……ひゃっ!?」
ひょいとメイドを持ち上げてスカートをめくり、手早くパンツをずり下げ、髪と同じ色の青い毛が添えられた桃色の秘裂に淫魔はむしゃぶりつく。
メイド「ああんっ! 修道士様の前で、そんな……んはあっ」
修道士「な……」
あっけにとられ食事の手を止める修道士に、淫魔はカップから口を離すようにメイドの秘裂から顔を上げる。
淫魔「どうしたの? 食べなよ」
修道士「は……はぁ」
修道士はサンドイッチにかぶりつく。
食事をしながら淫魔は術の談義を始めた。
淫魔「あなたの術は完成度は高いけど、やっぱり人間だから体力が足りなすぎる」
修道士「はい……だから体力を付けるために、このような食事を?」
メイド「あああっ! そこ、吸っちゃダメです……んあっ!」
話の合間にメイドの性器をしゃぶり、淫魔は続ける。
淫魔「うん。でも、人間の体だとさすがに限界があるから、術の精度を上げるのも大切だね」
修道士「術の精度、ですか」
メイド「あっ! あっあっ! 舌入れちゃ……かき混ぜ……んはああっ!」
修道士「……」
淫魔「ちゅる……ん? どしたの?」
修道士「その、やはり話しにくいのですが」
淫魔「ああ、あなたも食べる?」
くぱ と、メイドの秘部を広げ、修道士に差しだして淫魔は微笑む。
修道士「う……」
淫魔「この子、とっても美味しいんだよ? 作るお料理も、この子自身もね」
毛の薄い秘部に指をつっこみ、淫魔は激しくかき回す。
ちゅっちゅとメイドの内ももにキスをして、淫魔はメイドの秘部にしゃぶりつく。
メイド「やめ……あ、あっ、ああっ!」
淫魔「んちゅ。ほら、修道士が、サンドイッチ食べ終わってるよ? お給仕は?」
メイド「んあ、修道士さまぁ……おかわりはいかが……んひぃ!」
修道士「えっと……いただきます」
からになった皿を差し出すと、メイドは股間をしゃぶられたまま身体を起こし、サンドイッチを3切れ盛り付け、修道士に返した。
メイド「申し訳ございません。わたしは……んはっ……ここまでの……ようです」
皿を受け取り、修道士が見返すと、メイドの青い目の焦点が合わなくなった。
ヘッドドレスを着けた青い髪からぴこんと三角の耳が伸び上がり、髪と同じ青色の尻尾が、めくり上げられたスカートの裾から覗く。
メイド「もう……あ……はへ……」
かくんとそのまま崩れ落ち、股間にしゃぶりつく淫魔は美味そうに音をたてて”何か”を飲み込む。
淫魔「んっく、んっく、じゅずずず……こくん」
メイド「はぅ……あっ、あ……」
とろけきったメイド引きずり立たせ、抱きしめると、淫魔は硬く張りつめたクリトリスを挿入した。
495 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 02:03:24.73 ID:aA92+MJTo
メイド「うあぁっ! ま、まってくださ……」
淫魔「うん。美味しいよ」
きゅっきゅと締め付ける極上の名器を味わい、淫魔は容赦なく腰を突き動かす。
首の力が抜けたメイドの身体はガクガクと揺れた。
メイド「うあぁ……休ませ……にゃ……」
淫魔「どう食べようとわたしの勝手でしょ? それとも、やめてほしいの?」
メイド「うぐ……あ、ああ……もっと、もっとぉ……」
淫魔「そうそう。もっとわたしに食べさせて」
メイド「はいいぃぃ……わたし、わたしの……お召し上がりください……」
淫魔「んふふ、うん。おなかいっぱい食べるね」
腰の動きを速め、淫魔はメイドの秘裂を突き崩す。
700年、魔族の宴を見てきた修道士は、目の前で何が起こっても冷静でいられるだけの胆力を持ち合わせていた。
鬼神の城で見たのは、生きた人間の首を引き抜くような血なまぐさい催しばかりで、それと比べれば淫魔の食事はどうと言うことはない。
突き上げられる猫耳の少女が作ってくれた上等なサンドイッチをほおばり、修道士は久しぶりの、本当に久しぶりの豪華な食事を味わう。
修道士「……おいしい」
メイド「んひ、はひぃ……ありがと、ございますうぅ……あはああっ!」
服をめくりあげられ、乳房を吸われ、メイドは淫魔のなすがままに犯される。
修道士は努めて平常心を保ち、眼前で行われる痴態を可能な限り思考の外へと追いやって、サンドイッチに集中する。
実際、メイドの作ったサンドイッチは大変美味で、味わっているうちに、皿に盛られた3切れを平らげてしまった。
たしかに食べるほどに身体に力がみなぎってくる。
修道士「ん……もう少し、それに、飲み物……」
淫魔「んぅ? 飲む?」
さんざんに突き崩したメイドの膣からいちもつを引き抜き、泡だった白濁液のあふれる秘裂を指で開いて見せつける。
修道士「……バスケットの中に……ああ。水がありますね」
淫魔「むぅ、そんなに無視するなんて、オンナノコに失礼だよ。ねえ、メイド?」
メイド「あへぇ……へふ……」
淫魔「もう、感じやすい子はコレだから……修道士、私にもコップちょうだい」
修道士「は……はい、どうぞ」
バスケットの中からサンドイッチをふた切れ取り、ビンからコップに水を注いでいた修道士は、淫魔にグラスをわたした。
淫魔「ん……ありがと。メイド、私にも美味しいのちょうだい」
メイド「へぅ? ……ひああああっ!」
淫魔は自分とメイドの結合部に、コップをあてがい、メイドの猫耳をしゃぶる。
きゅ と、淫魔の指先がメイドの陰核をひねり上げた。包皮を剥き、完全に露出した敏感な突起を、淫魔は容赦なくしごき上げた。
メイド「んあああっ! だめっ! ダメです! また、イ……あっ、あん!」
肥大化したクリトリスを再び挿入され、ムチャクチャに突き上げられ、メイドの理性とダムは崩壊した。
メイド「あ……ああ……あ……」
ちょろろ……こぽこぽ……
ガラスのコップで黄金色の水を受け、突起を虐めて、必要以上にメイドの身体をけいれんさせる。
496 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 02:03:54.82 ID:aA92+MJTo
獣人のメイドが絞り出したそれを、淫魔はワインを飲むように少し口に含み、舌の上で転がして味わってから飲み込んだ。
淫魔「んふふ、お魚の香り……」
メイド「はえ……ふぇ……」
もう一口飲んで、淫魔は感慨深げに言う。
淫魔「修道士、この子を付けてあげたのに、手を出さなかったんだね」
修道士「はい」
淫魔「この子、そんなに魅力無い?」
修道士「いいえ。かわいらしい方だと」
淫魔「それならさ……」
メイド「ふぁ?」
足を大きく開かせ、絶頂にひくつくメイドの粘膜を、修道士に見せつける。
淫魔「食べてみない?」
修道士「……お止めください」
淫魔「チラチラ見てるくせに。ほらメイド、修道士があなたのおまんこ気にしてるよ?」
メイド「ふぁ……修道士様が……ひあっ……」
淫魔「見てるよ〜。見られてるよ〜。んふふふふ」
メイド「あぅ……混ぜな……もう、イ……」
人差し指を膣に滑り込ませ軽く刺激する。
修道士にちらりと股間を見られ、その視線を感じてメイドは淫魔の指をキツく締め付けた。
メイド「あっ! あ……あぁ……」
淫魔「んふふ、ごちそうさま。とっても美味しかったよ」
動かなくなったメイドは、口の端に笑みを浮かべ、そのまま目を閉じた。
メイド「あ、ああ……すぅ……くぅ……」
淫魔「ふふ、眠っちゃった」
眠ったと言うよりは気絶に近い、目を半開きにして寝息を立てるメイドにキスして、淫魔はグラスの中身を口に含む。
淫魔「さて、修道士。腹ごしらえは済んだかい?」
少女同士のまぐわいを目の前で見せられてなお、修道士は冷静を保ち、食事で腹を満たしていた。
修道士「はい。充分いただきました」
淫魔「んむ!」
グラスに残っていたメイドのしずくを一気にあおり、淫魔は立ち上がった。
淫魔「第二ラウンド、はじめよっか!」
497 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 02:05:39.92 ID:aA92+MJTo
現世。神社。授与所の前。
倒れた女子高生たちを、禰宜をはじめ神社の職員が手当てしていた。
手当とは言っても、快感が引くまで木陰に寝かせるために抱き上げて移動させたり、ヤカンの麦茶を配ったりするだけなのだが、それを呆然と眺める引率の教員はひどく落ち込んでいた。
無理もない。修学旅行先で、生徒の全員が気絶する前代未聞の事件、保護者から預かった子女を守れなかった責任は重い。
なにより、前触れ無く秘裂を愛撫された快感に倒れてしまったなど、妙齢の女性教員の口が裂けても言えるはずが無い。
女子高教員「はぁ……」
ヤカンでゴマ麦茶を配っている、深緑の袴を穿いた青年が、ため息をつく教員に気づいた。
禰宜「まだお加減が?」
髪を短く切りそろえた青年は、目元の涼しい美丈夫で、さんざん何者かに虐められた教員の股間がきゅんと反応したが、努めて平静を装って答える。
女子高教員「いえ、すみません。私たちが未熟なばかりにご迷惑をおかけします」
視線をそらし、気まずそうにポリポリとほほを掻いて、禰宜は答える。
禰宜「お気になさらず。境内は木が多い分涼しく感じますが、日光は外と変わりません。気づかないうちに熱中症になる方も多いのです」
女子高教員「そうでしょうか?」
とても熱中症だとは思えない。
ぐっしょりと濡れた下着が、自分の身に起きたことの何よりの証拠である。
しかし、そんなハシタナイことを目の前の青年に言えるはずも無く、女教師は答えた。
女子高教員「そうですわね……そう、お茶をいただき、ありがとうございました」
禰宜「いえいえ。みなさん落ち着かれたようで、一安心です」
夏の日差しを避けて木陰に座る女子高生たちを禰宜が眺めると、ほとんどの生徒たちは赤らめて顔を伏せた。
自分の身体に何が起こったのか、その年頃でわからない生徒は少ない。
数人の少女たちは、なぜ皆が恥ずかしがっているのか、自分の身体に起きた異変が何だったのか、不安になって周りに聞くが、まともに答える友人は皆無だった。
やはり自分は失禁してしまったのかと、違う理由で下着の濡れに恥を覚え、性知識の素朴な少女たちも結局は顔を伏せた。
初夏の日差しの中、空気の動きの少ない木陰に、いやらしくもみずみずしい女子高生の雌の臭いが充満していたが、そんなことは気にしないそぶりで禰宜はうなずいた。
禰宜「これにて、一件落着っ!」
男「してません」
ケガでまだ身動きの取れない修道女を背負い、うんざりしながら男は答えた。
男の背中の修道女も、巫女も幼馴染も、女子高生の集団から香る、アレなにおいに気づき、気まずそうに顔を伏せる。
ただ一人だけ、妹は不思議そうに鼻をひくつかせた。
妹「これ、何のにお……むぐっ?」
幼馴染「妹ちゃんはいいの!」
無垢な少女の発した問いに、その場にいた生徒たちはリンゴのように頬を染め顔を伏せる。スカートにシミを作ってしまった少女たちは、人に、とくに禰宜や男に見られないようにすそを直した。
何があったのかを理解した上で、少女たちを気遣い、男は禰宜に首を振る。
禰宜も男の言おうとしていることを察したのか深くうなずき、拝受所から出てくる神職の男性職員たちに手を振った。
498 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 02:06:41.01 ID:aA92+MJTo
禰宜と同じような深緑や水色の袴を穿いた神社の男性職員たちは、拝受所の裏手に運動会で使うような家型のテントを立て、周りをタープで囲み、中に紙の包みを次々に運び込んでゆく。
不思議に思う男に、禰宜は得意げに耳打ちした。
禰宜「着替えなら、まかせろ」
男「……は?」
禰宜「巫女、すまないが、着付けを手伝ってさし上げろ」
巫女「着付け? 兄さま、まさか……」
テントの中に物を置いた男性職員が「準備終わりました」と声をかけた。
禰宜「ご苦労様です。タオルなどは?」
職員が軽くうなずくと、禰宜は服を汚して落ち込む女子高生たちに振り返った。
禰宜「みなさん。熱中症、日射病のお加減はいかがですか?」
快感のようやく冷めてきた少女たちのほとんどが、原因はわからないにしろ自分の身体に起こったことの意味を理解していた。
しかし「いいえ、私は日射病ではなく、クリトリスを何者かに吸い上げられて気をやってしまいました」などと宣言できる剛の者が居るはずもなく、うつむきがちにうなずく者がちらほら。
理由がわからないウブな少女たちも、特に何を言うわけでもなく、濡れた下着が秘部に張り付いて不快なので、早く着替えたいなどと考えていた。
当然ながら禰宜も、少女たちがどうして黙っているのかを了解した上で、しかし誰かが責任を被るのではなく、最良の選択肢を、本人が思う限り最善の策をアナウンスした。
禰宜「倒れられて制服が汚れてしまった方も多いと思います。当神社から、ささやかではありますが衣服の貸し出しを行います。こちらの子たち……」
手を振って、禰宜は巫女装束を着た4人の少女を示した。
禰宜「こちらの子たちが着ている……巫女装束の貸し出しを行います」
男「そんなことで……」
修道女を担いだ肩をがっくりと落とし、男はため息混じりにつぶやいた。
卒倒するほどの快感をムリヤリ刻まれ、友人たちの前で絶頂を迎えざるを得なかった少女たちが、そんなことで気を取り直すとも思えない。
しかし、男はオンナノコたちのカワイイにかける情熱をまだ理解していなかった。
「巫女さんの服?」
「わぁ……本当に着ていいの?」
目をキラキラさせ、少女たちは次々と着替えのテントに入ってゆく。
巫女は手早く少女たちを着付け、乙女たちの恥ずかしいシミを付けた制服は、赤い袴と白衣の巫女装束にかわった。
ほどなくして、神社の研修会でもあるのかと思わせる、巫女装束の集団が神社の境内にあふれかえる。
その頃には修道女の負傷もほとんど回復していた。半分を魔神の血が占める修道女の身体は、備わった回復力もまた強かった。
しかし、元気になった修道女も、目の前をわらわらとうごめく巫女装束の群れに目が点になっていた。
修道女「これで……よかったの?」
男「命に関わるような犠牲はなかったけど……まあ……」
男は言いよどみ、幼馴染も妹も、テントから出てきた巫女も、それぞれ苦笑いして首をかしげる。
巫女服に着替えた引率の女性教員は、元からコスプレの趣味があるらしく、妙なテンションで生徒たちを引き連れて神社を見学し、そのままつぎの目的地へ去って行った。
女子高生たちは巫女装束のままで修学旅行を続けたので、町を歩き回る巫女の集団が目撃され、翌日の新聞を賑わすちょっとした騒ぎになったが、それは別の話。
499 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 02:07:52.67 ID:aA92+MJTo
魔界。地下の闘技場。
さんざんに味わいつくされ、ぴくぴくとけいれんするメイドを淫魔は空飛ぶ絨毯に寝かせた。
食事の終わったバスケットも一緒に乗せて軽く絨毯を叩くと、空飛ぶ絨毯はひとりでに飛び上がり、闘技場から出て行った。
修道士「大丈夫でしょうか?」
淫魔「なに、いつものことだから……それより、第二ラウンド、いくよ!」
黒い翼を広げ、淫魔は修道士にうながす。
修道士「どのような練習を?」
淫魔「んぅ……あなたの攻撃のセンスはわかった。あとは、どうすれば息切れなしに術を続けられるかを練習すれば文句ない。でも、それはひとりでも出来るでしょ?」
自分の黒い翼をなでながら、淫魔はたずねる。
修道士「はい。それなら……どのような練習を?」
淫魔「もちろん、私としか出来ない練習をしようよ」
ばさりと音を立てて、淫魔の黒い翼がいっぱいに開かれる。
淫魔「まずは、あなたの盾の力を見せて。わたしの攻撃を防ぐの」
修道士「……わかりました」
本を開き、修道士は自分の周囲にシャボンのようなドーム状のバリアを構築する。
淫魔「うん。悪くない……そしたら、最後に注意」
修道士「はい」
淫魔「とりあえず打つけど、何があっても動いちゃダメだからね」
修道士「はい……お願いします!」
淫魔「よし! いくよっ!」
黒い翼の羽がいっせいにぞわりと逆立ち、黒い羽の濁流が、目にもとまらぬ速度で修道士に発射された。
絶大な切れ味を誇る淫魔の羽は、修道士の渾身の壁術をあっさりと破壊し、ガラスのように砕け散るバリヤーごと、修道士を飲み込んだ。
羽の奔流はすぐに止まった。
バリヤは粉々に砕け散り、跡形もなく消え去った。床の黒い石もズタズタに切り裂かれ、角張った砂利のようになっている。
濁流の中、全身を羽になでられる感触がよぎったが、修道士は淫魔の言いつけを守り、身動きひとつしなかった。
淫魔「よしよし。フツーの子だったら怖くて動いて、大変なことになっちゃうんだけど、よく動かなかったね。えらいえらい」
翼を動かし、手を叩き、淫魔は修道士の勇気をたたえたが、肝心の修道士はまったく動かない。いまだに淫魔の命令を守っているのだ。
淫魔「うん。そのまま。すぐに治療してあげるからね」
治療?
修道士は不思議に思い、前に突き出していた右手をぴくりと動かした。
すると手のひらから、空気の入る感触がした。
その感触は熱さと痛みと、涼しさをともなって手首に、手の甲にひろがり、修道士の目の前で彼の手はサイコロステーキのようにバラバラになった。
500 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 02:10:32.28 ID:aA92+MJTo
あまりの激痛に、修道士は身もだえ、悲鳴を上げる。
修道士「ぐわあああああ!」
淫魔「あ、コラ! 動いちゃダメ!」
淫魔の羽は、修道士の身体を通り抜けていた。
あまりにも切れ味のよい羽は、修道士に切られたことを知覚させないほどだった。
しかし実際は、修道士の身体は積み重ねたサイコロステーキになっており、その均衡をわずかな身じろぎが崩して、積み重なっていただけの人体は崩壊した。
崩壊は全身に広がり、顔に碁盤の目のように切れ込みが走ると血が噴き出して頭部はボロボロと崩れた。
目や髪のへばりついたサイコロステーキは、内部に骨と脳みそをたっぷりと満たしている。
自重に耐えられず、肩から落ちた腕は床にあたって水気のある音を立てて散らばる。胴も腰も両脚も、全身がぐちゃぐちゃのサイコロステーキになって、細切れになった修道士はその場に、文字通り血肉の山となって崩れ去った。
淫魔「あーあ、動いちゃダメって言ったのに……」
冷静に肉の山に歩み寄り、まだ湯気の立つ生肉の山をつんつんつついて、淫魔はツバを飲み込んだ。
淫魔「ちょっとだけ……戻す前に、ちょっとだけならいいよね?」
服も魔道書も一緒くたになった、修道士だった肉の山にしゃがみ込むと、淫魔は手を突っ込んで心臓や肝など、一口サイズになった特別美味しい部分をつまんで口に放り込んだ。
コリコリした心臓の歯ごたえ、血のしたたるジューシーな肝臓を楽しみ、両手と口元を血まみれにして、ぺろりと舌なめずりする。
さらに淫魔は修道士の脳をすくいとり、ちゅるんと吸い込む。とろける脳組織を舌の上で転がして記憶を読み取り、この青年がどれほどまでに修道女を愛しているのかを感じた。
淫魔「んうぅ……もう、ガマンできない!」
あまりの美味さに、淫魔は自制を失って肉の山に顔を突っ込んだ。
血肉に顔をうずめ、そのままモグモグと修道士を味わい、その味にたまらず秘裂から蜜を垂れ流す。黒いレオタードの股布から白濁した本気汁があふれ出て、肉塊となった修道士を汚す。
淫魔「だめ、あなた、美味しすぎて……んぐっ!」
四つん這いになったまま背をそらし、淫魔は股間から潮を噴き出す。ビチャビチャと修道士の肉塊に蜜が降りかかり、赤黒い肉塊をてらてらと光らせた。
淫魔「ん……くふ……イっちゃった……ふう」
満足げに、淫魔は修道士だった肉塊の上に寝転び、余韻を味わう。
そのまま切なそうに発情した秘裂を黒いレオタード越しになで上げ、修道士の精巣を潰してもみほぐし、股布をずらして秘裂に塗り込み、修道士の精液をローション代わりに、少しだけオナニーする。
この上で排泄物をふりかけてやれば、死者に対する最大の冒瀆になっただろうが、淫魔はそんなことはしない。
この異常な食事も、修道士があまりに美味だったから、ガマンできずに身体が動いてしまっただけで、元から淫魔に修道士を汚すつもりなどないのだ。
ぐちゃぐちゃの血肉にまみれながら、淫魔は冷静さを取り戻して、上体を起こした。
淫魔「いけない、いけない……さてと」
血塗れのままゴミ肉の水たまりから立ち上がり、淫魔は修道士の血にぬめる指をパチンと鳴らした。
淫魔の体中の血は清められ、床に散らばっていた修道士の残骸が元の場所に戻ってゆく。
501 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 02:11:35.63 ID:aA92+MJTo
淫魔が食べたので、確実に肉の量は減っているはずなのだが、修道士は崩れ去る直前の姿にしっかりと復元された。
服も魔道書も、もちろん顔も元通りなのだが、青ざめて表情がない。
淫魔「とまあ、こんな事になっちゃうから、わたしが動かないでって言ったら、絶対に動かないように」
修道士「は、はい……」
今まで味わっていた恐怖と、痛み、そしてこま切れにされてなお身体に染みつく淫魔の感触に、修道士の身体は震えていた。
しかし、そんなことかまいもせず、淫魔は翼をバサリと広げる。
淫魔「さて2射目、どんどん行くよ!」
修道士「ま、まだするのですか?」
淫魔「当然。今日一日で、一人前以上の術使いになってもらうからね!」
そして、修道士は気づいた。
淫魔は楽しそうに笑っているが、どこか、恐ろしい炎を抱えているようにも見えた。
修道士「……もしかして、お怒りでいらっしゃいます?」
淫魔「うん。寝室で、わたしがさそったのに、あなたは術の練習だなんて……オンナノコに恥をかかせたその罪……身体で味わってね」
あまりの恐怖に奥歯をカタカタと鳴らし、修道士は声を絞り出す。
修道士「黒き女神よ……お許しを……」
淫魔「んふふ、古い名前で呼んじゃって。でも今は……」
ぞわりと黒い羽が逆立ち、防御すらしていない修道士に向かい、淫魔の羽が発射された。
淫魔「淫魔だよ」
地下の闘技場に、据え膳に手を付けなかった愚か者の悲鳴が響いた。
502 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 02:14:16.97 ID:aA92+MJTo
地下の闘技場。少し経って。
死ぬような思いをして、実際1000回ほど死んで、修道士の防御技術は磨き上げられていった。
そしてついに、黒い翼から放たれる濁流を、修道士のバリヤーは防ぎきった。
半球のシャボンはキズひとつ付けず、淫魔の攻撃を跳ね返していた。
淫魔「んむ。防御は合格!」
修道士「……ありがとうございます」
黒い翼をはためかせ、淫魔はうなずいた。
淫魔「攻撃に比べれば、防御は消耗する体力が少ない。相手の出方をうかがうのも、1対1の戦闘では有利な手段なの。わかった?」
修道士「たしかに……身体に疲れがありません」
手を握り、修道士は術の感触を確かめる。
淫魔は翼を羽ばたかせ、腕を組んだ。
淫魔「まだ戦える……よね?」
修道士「はい」
淫魔「よし。最後は実戦形式で行くよ!」
修道士「実戦?」
淫魔「そう。覚悟はいい?」
修道士がうなずくと、淫魔は両手に黒い曲刀を現し、闘技場の宙に舞い上がる。
魔道書のページに手を当て、修道士は空を舞う淫魔を仰いだ。
修道士「お願いします!」
淫魔「よーし……いっくよー!」
翼を強く羽ばたかせ、爆風を巻き起こして淫魔は空中を加速した。右へ左へ位置を変えながら、単発的に黒い羽で狙い撃つ。
修道士は淫魔の動きに合わせ、眉間を確実に狙い撃ってくる黒い羽を壁術ではじき飛ばす。
不規則に羽ばたきを変える淫魔の動きを先読むように、常に片手は壁術を意識しながら、修道士は攻撃呪文の詠唱に入った。
修道士「理にあって拒むもの。深みにあって隠れるもの。五思に沿い、五相を現す、五裏の五経、五行の五聖、掛巻くもかしこき、弥栄の五王よ、御力をここに縒り集め、刃をなせ!」
淫魔は修道士の詠唱を待っているのか、攻撃をしてこない。充分に修道士に練習させるつもりなのだろう。
それならば、本当に手加減抜きだ!
修道士「喰らえ! 虹牙!」
修道士が天に向かい手をかざすと、手のひらから虹色の光が放たれた。
熱くもなく、冷たくもなく、ただひたすらの破壊の力を秘めた光線は、ヘビのように曲がりくねり、空を飛ぶ淫魔を追尾し、命中した。
淫魔は翼で受け止めたが、黒い羽を散らすほどの衝撃に、羽ばたきを乱された。
淫魔「ぐっ……やっぱり……やるねっ!」
淫魔はきりもみに落下しながら、立て続けに黒い羽を修道士に発射する。
修道士は瞬時に壁術を張り、羽をはじき、墜落した淫魔に追撃をかける。
503 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 02:16:22.31 ID:aA92+MJTo
修道士「土剣! 岩矛! 金剛針!」
淫魔「のわわっ!」
地面から猛烈な勢いで大地の槍が伸びるが、淫魔はそれをひょいひょいとかわして修道士へと間合いを詰める。
修道士「火槍! 電槌! 水刃!」
攻撃系の術を連射するが、あるモノは弾かれ、あるモノは避けられ、こちらに駆け寄る淫魔に命中しない。
修道士「く……木鎖!」
苦し紛れに拘束術を唱えるが、淫魔は曲刀のひと振りで、伸び上がったつる草を消し去った。
淫魔「おしい!」
猫のように笑い、淫魔は背中の翼をいっぱいに伸ばした。
ぞわりと黒い羽が逆立ち、至近距離から修道士に無数の羽が放たれる。
修道士「くっ!」
とっさに防御し、修道士の壁術は淫魔の羽に耐えた。
しかし淫魔は曲刀をひと振りして修道士の壁術を粉砕した。
バリアは飴細工のように砕け、淫魔はトントンとステップを踏んで間合いを詰め、修道士の首筋に鋭い曲刀を突きつけた。
カミソリのように薄い刃が、修道士の首筋に当てられる。
きっと見つめ、淫魔は微笑んだ。
淫魔「はい。わたしの勝ち」
修道士「……まいりました」
魔道書を閉じて、修道士は両手を上げた。
力の差は圧倒的だった。
修道女「やはり……お強い」
淫魔「いやいや、危なかったよ」
曲刀を収め、黒い翼もかくし、真っ赤なツノも髪の下に引っ込めて、淫魔は愛らしい人間の少女の姿になる。
淫魔「手を見せて」
修道士「……はい」
戦闘で術を使った修道士の手は、反動に少し傷ついていたが、あくまでもかすり傷程度。
キズのない修道士の手を見て、淫魔は満足そうにうなずいた。
淫魔「教えたばっかなのに、もう力の加減がわかってる。うん、わたしの目に狂いはなかった。あなたはとんでもない術の才能を持ってるよ」
にっこりとほぐれる淫魔の笑みに、修道士も面はゆそうに顔を伏せる。
修道士「もったいないお言葉、ありがとうございます」
淫魔「んむ! ……と、ゆーわけでぇ」
ぽんと、虚空から便せんとペンを取り出し、その場の床にぺたりと座り込んで、淫魔は手紙を書き出した。
突然ひざまずかれた修道士は、つられてその場に座り込んだ。
頭を下げ、這いつくばって、淫魔が手紙を書ききるのを待つ。
ペンを止め顔を上げて、淫魔は読み上げた。
淫魔「修道士。あなたを南方魔王、祭神の城に派遣し、新しい通路の建造と守護にあたらせます。よろしい?」
修道士「仕事……ですか?」
淫魔「んぅ。客人のあなたにこんなコトお願いするのは心苦しいんだけど、ウチも人手が足りないの」
修道士「……わかりました」
淫魔「ホント? ありがと!」
キスする勢いで顔を寄せる淫魔の肩を押しとどめ、修道士はたずねた。
504 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 02:18:16.94 ID:aA92+MJTo
修道士「ひとつ教えていただけますか?」
淫魔「ん? なぁに? 修道女の弱点? それなら、入ってすぐの前側の壁みたいだね」
華麗にスルーし、修道士は真面目に質問する。
修道士「……なぜ、わたしは淫魔様の所有物に?」
淫魔「うーん、あなたの魂と肉体の所有権はまだ鬼神にあるの。だからわたしの所有物じゃなくて、客人の扱いだね」
修道士「なぜわたしはこちらに来れたのですか? 鬼神がそう簡単に、戦利品を差し出すとは思えません」
淫魔「うん。あの子にしてみれば、わたしに大きな貸しがあったからね」
書状を収める封筒を虚空から取り出して修道士にわたし、淫魔は立ち上がった。
修道士「貸し?」
淫魔「そう。あの子は5代目の北方魔王なんだけど、初代の北方魔王は、わたしや館長と一緒に、魔界に来た最初の魔族だったわけ」
修道士「はい。天界から分かれて別の勢力を作ることになった、あの戦争の後ですね?」
淫魔「そう。で、魔界の中心にこのおうち、万魔殿を作って、わたしの椅子……玉座を置くときに、ちょっと問題があった」
修道士「問題というのは、玉座の置き方ですか?」
淫魔「その通り。魔界はその世界の構造から、4つに分かれたわけだけど、玉座をどちらに向けても、わたしが背を向ける方向が生まれてしまう。そこでわたしは背を北に向け、椅子自体も玉座の間の北にずらして設置した。鬼神の目に、その椅子の置き方はとっても光栄だったらしくてね」
修道士「光栄……つまり、自分たちを信頼しているからこそ、あえて背を向け、北に寄るのだと?」
淫魔「そう。そして、いつかこの恩に報いたいと歴代の北方魔王が言っていたから、それならあれ貸してって、石像になってたあなたを指さして、ここに連れてきたってワケ」
黙り込む修道士に、淫魔は立ち上がって念を押す。
淫魔「その手紙をもってけば、祭神もわかってくれるはず。にぎやかだけど、悪い子たちじゃないから……いいね?」
修道士「はい。つつしんで承ります」
淫魔「そしたら、わたしは現世に戻るね」
指をパチンと鳴らして、戦闘にぐちゃぐちゃになっていた闘技場を修理し、ついで淫魔は指先をくるくる回した。
空中に黒い円盤が浮かび、コースターほどのサイズから、ひとが通り抜けられるドアほどにまでひろがった。
門を作り、淫魔は修道士に振り返る。
淫魔「南には、たくさん術士がいるから、あなたも練習相手に苦労しないはず……じゃあね!」
軽く手を振って、淫魔は黒い円盤の中にぴょんと消えた。
淫魔の足音が門の中に遠ざかり、姿が見えなくなったのを確認し、修道士はその場に深々とひれ伏した。
505 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 02:18:51.47 ID:aA92+MJTo
男の家。
夕食前のリビング。
台所から、父母の愛のささやき声が聞こえるが、男と妹は完全にスルーしている。
男はソファに腰掛け、妹は巫女装束が気に入ったらしく、神社から着てきた緋袴に白衣のまま、男の膝に座ってテレビを見ていた。
2階の男の部屋で、コトリと音がした。
男「あ、帰ってきた」
妹「え? 今日はお留守番じゃないの?」
不思議そうに男に寄りかかり、妹はたずねた。
男「む……なんと言うべきか、用事が済んだって事」
妹「電話が終わったの?」
男「まあ、そんなところだ」
妹「……そっか」
テレビのニュースを見る。
町に繰り出したレポーター……どこかで見た覚えがあるのだが、その女子アナが町を歩く巫女装束の女子高生たちを取材していた。
他にも報道するべき事はあるだろうに、地域のニュースとなるといきなり平和になる。今日も男たちの住む町は平和だった。
階段を下ってくる、とんとんとん、と軽やかな足音が響き、スカートにキャミソールの、健康的で普通の格好をした淫魔がリビングにやって来た。
淫魔「ただいまー!」
男「おかえり」
緋袴に白衣の妹に、淫魔はのけぞった。
淫魔「んおぅ! どうしたの? 巫女ごっこ?」
妹「ううん。神社で服が汚れたから借りたの」
淫魔「ふ〜ん、にあってるよ」
妹「ほんと?」
とてもうれしそうに、妹は男の膝の上で飛び上がった。
するとキッチンからエプロンで手をぬぐいながら母がやって来た。
母「ごはんよ……あら、淫魔ちゃん。ご用事は済んだ?」
淫魔「はい。故郷の友達と話せました」
キッチンから現れた父はテーブルに大皿を置き、淫魔を見てうなずいた。
父「それは良かった。……さあ、今日のごはんもすごいぞ!」
きゅっと母を抱き寄せ、父は続ける。
父「なんたって、君の料理だからね」
母「もう、見つめながら言うなんて、ずるいヒト。ダーリン♡」
父「ああ、ハニー♡ むちゅうぅぅぅ……」
母「きゃ……ちゅ……あん……ダメ……ひゃんっ! こら!」
身体をまさぐり始めた父の耳を思いきり引っ張り、母はほほを膨らませた。
母「もう! ダメでしょ! さっさと次のお皿を運びなさい!」
父「はい……めそめそ」
めそめそと口で言いながら、父は台所へと引っ込んでいく。これでも会社では結構えらい敏腕社員。
父のさみしそうな背中を追いかけ、母も台所へと引っ込む。
いらだち混じりに妹はため息をつき、男は妹の白衣の肩をぽんぽんと叩いた。
506 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 02:21:14.54 ID:aA92+MJTo
あいかわらず、母の手料理は最高だった。
腹を美味いもので満たし、淫魔は男の部屋でデザートを食べる。
当然ながら淫魔のデザートは……
男「あああっ! 吸わないで……あっ、またイくっ! ああああっ!」ビュルルルッ!
淫魔「んっ……んちゅるるる……んっく……ん……こくん……ふぅ」
口元をぬぐって、まだ硬さの残る男性器をまたぎ、騎乗位に、淫魔は一気に挿入した。
淫魔「んっふ……あぅ。美味しい……」ヌッコヌッコ
男「まって淫魔……少し休ませて……」
しかし、淫魔は精液のにじむ男のいちもつをくわえ込み、ぬんぬんと腰を動かす。
男「いやあああ……気持ちいいぃぃ……」ビュルルルル……
淫魔「んふふ、今日はおあずけされて大変だったから。もっともっと食べさせてね。んちゅー」
キスして、腰を上下させながら淫魔はささやく。
淫魔「……でも、巫女が木竜とした契約はちょっとまずかったかもね」ヌッコヌッコ
男「んあぁ……どう……して?」
淫魔「神職の言うことを聞けってのはよろしい。でも、オンナノコの精気をムリヤリ吸わないっていうのは、まずかったね」
男「いいじゃないか……うあっ……あん……」
淫魔「良くないよ。だって、精気を吸い取るなら、ホントは男女関係ないんだもん。おなかすかせた魔神がどうするか、男ならわかるでしょ?」
男「もしかして……禰宜さんが危ない?」
淫魔「そのとおり!」
男「やばい! 知らせないと! むぐっ!?」
騎乗位から抜け出そうとした男に、淫魔はのしかかってキスした。
舌を深く挿入し、口内をぐちゃぐちゃにかき混ぜて、淫魔は男の思考と判断力を奪う。
男「ふぁ……淫魔、禰宜さんに、知らせないと……うぁ……」
淫魔「いいの。その方が面白いし……さ、射精して」
男の性器をくわえ込み、淫魔は視線をあわせてささやく。
腰の動きを止め、淫魔がきゅっきゅと締め付けると、男のいちもつは激しくけいれんし、大量の精を放った。
男「うぁぁ……吸われて……禰宜さん……逃げ……て」
キスで唾液を飲まされ、淫魔の蜜を性器に塗りたくられ、男は快感に陥落しながらも、禰宜の身を案じていた。
枕元の携帯に伸ばされた手がかろうじて動き、アドレス帳から神社の電話番号を探す。
快感に目の焦点が合わないながら、なんとか番号を探し出して発信するが……
淫魔「んふふ、させないよ」
力の入らない男の手から、淫魔は携帯をひったくった。
507 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 02:22:30.57 ID:aA92+MJTo
夜の神社。
朝早くから仕事を始める神社の就寝は早い。
一般家庭ならまだ夕食でもおかしくない時刻なのだが、すでに巫女は自室に戻り、禰宜もガスの元栓を確認して眠ろうとしていた。
すると、玄関脇の電話が鳴った。
禰宜「こんな時間に、めずらしいな」
つぶやいて、城襦袢の寝巻き姿の禰宜は玄関に向かう。
電話機は、留守番電話の機能などがついた現代的なもので、完全に和風の玄関には微妙に浮いており、その液晶画面が緑色のバックライトに照らされて、暗い玄関に浮かび上がっていた。
携帯電話からの090で始まる番号が、電話機の液晶に表示されている。
禰宜「誰だろう ……もしもし?」
首をかしげ、しかし今日尋ねてきていた男たちか、もしくは修学旅行の引率の教員の誰かだろうと見当を付けて、禰宜は受話器を取った。
果たして、声は男の物だった。
男『もしもし、禰宜? ……おっと、禰宜さんですか?』
禰宜「男くんか、どうした?」
男『いえいえ、単にお礼のお電話。今日は本当にありがとうございました』
禰宜「気にしないでくれ。途中から剣術の練習どころじゃなかったからな」
禰宜は答えたが、電話の向こうの男の声は妙に息が上がっていた。
それに、なんだか口調が違うような……
男?『んふふ、また来週もよろしくお願いします』
禰宜「ああ。こちらこそ楽しみにしている。それじゃあ、おやすみなさい」
男の部屋。
淫魔は騎乗位になったまま、携帯で話をしていた。
腰を振りながら、下敷きにした男の口に左手をつっこみ、右手で携帯を持って話をしている。
声は、完全に男のものだった。
危険を知らせようとした当の男は、淫魔の膣に翻弄され、口に指を突っ込まれて、すでにあえぎ声しか上げられない。
淫魔「んふふ、来週もよろしくお願いします」
男の声で淫魔は言う。
携帯の音が漏れ、禰宜の声が聞こえたが、何を言っているのかまではわからない。
そして淫魔は答えた。
淫魔「はい。ありがとうございます。おやすみなさい、失礼します……」
電話を切り、淫魔は軽く咳払いした。
淫魔「んっん……残念でした」
声を戻し、淫魔は残酷な笑みを浮かべる。
男「はが……うぅ……」
すでに焦点の合わない男の目に、絶望と恐怖が浮かび、淫魔は携帯を部屋の隅へと放り投げた。
淫魔「さてと、覚悟は良いよね? 男」
男「あ……やめ……ああっ!」
淫魔の手が男の肌をなでる。
蜜のあふれる秘裂は、根元まで男性器をくわえ込み、絶頂を迎えさせてなお、高ぶりを引かせない。
男「な、なんで今日は……こんなに……?」
淫魔「んふふ、魔界でオトコノコ成分をおあずけされちゃったから。補給だよっ!」
亀頭の下端が露出するほど、淫魔は腰を高く持ち上げ、ぬちゅんと一気に落とした。
子宮口で男の弱点に吸い付き、一気に精を搾り取る。
男「あ……あああ……あ……」ビュルルルルルッ!
気絶しながら、男は精を吐き出す。
身体の奥底で男を味わって、淫魔は舌をぺろりとのぞかせた。
淫魔「ふぅ……美味しい……それっ!」
男「いぎっ!? ああああっ!」
反応の薄くなった男の乳首をひねり上げ、ムリヤリ気を取り戻させて、淫魔はさらに責め続ける。
淫靡な食事は、淫魔が満足するまで続けられた。
508 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 02:25:16.60 ID:aA92+MJTo
深夜の神社。巫女の部屋。
巫女と契約した木竜は、巫女の身体に巻き付いて、肌を媒介に精気を受け取るなら、いくらでもして良いと言われた。
だからこそ、木竜は巫女の身体に巻き付いて、そのみずみずしい肌からあふれる少女の精気を味わっていたのだが、いかんせん飽きてきた。
たしかに肌から吸うだけでも巫女の精気は極上もので、木竜の腹を満たしたが、甘いものを食べすぎた人間が、塩辛いものを求めるように、木竜は別のたぐいの精気を食べたくなった。
木竜「きゅ〜」
しかし、巫女の局部を虐めるのは、もう許されていない。
乳首も陰核も目の前にあるのだが、契約した以上、女性の性器に無断で吸い付くことは出来ない。
何か別の精気を吸いたい。でも、誰か他に居るだろうか?
巫女の寝巻きの襟から顔を出すと、すでに巫女は眠っていた。
巫女「んぅ……神樹……ん……」
安らかにほほえみを浮かべて、巫女は眠る。
懐かしい名で呼ばれた気がしたが、今の木竜には、覚えのない名前だった。
たった一日で多くの相手から精気を吸ったが、この巫女ほど木竜を満たしてくれた少女は居なかった。
木竜はこの少女に、ある種の恋心に近い感情を抱き始めていたが、今の木竜には別種の精気を吸うことの方が重要な目的だ。
木竜「きゅ……」
布団から這い出て、部屋の畳を這い、ふすまの隙間から廊下に出ると、懐かしい友人の香りを嗅いだ気がした。
木竜「きゅっ!」
香りは隣の部屋からだった。
巫女とは異なるものの、どこか似た人間のにおいに木竜は惹かれ、すぐ横のふすまの隙間から中に入る。
そこは禰宜の部屋だった。
部屋の真ん中に敷かれた布団に、大柄な男性が眠っていた。
木竜にとっての懐かしい友人のような気もしたが、そんなことよりお食事だ。木竜は規則正しい寝息を立てる禰宜の襟元からすべり込み、青年の肌を満喫する。
鍛え上げられた男性の、少女とはまったく違う精気に、木竜は喜び、体中を這い回っていたが、やがて禰宜の下腹部で、立派ないちもつとご対面した。
木竜「きゅ……」
木竜は考えた。
契約のため、自分は神職の言うことを聞かなくてはいけないし、女性の精気をムリヤリ吸うのも許されていない。
……ん? 女性の精気?
木竜「きゅ?」
木竜は首をかしげた。
つまり、男性の精気なら吸い放題と言うことではないか!
そして目の前には、ゆったりとくつろぐ禰宜の亀頭。
木竜「きゅっ! きゅきゅ!」
木竜はすぐさま術を組んだ。
地面からつる草が伸び上がり、畳の隙間から部屋中に緑が進入する。
しっかりと筋肉を付けた禰宜の四肢を巻き取り、絡みつき、完全に拘束した。
長襦袢をはだけさせ、仰向けに眠っていた身体を引き立たせると、禰宜は目を覚ました。
禰宜「ん……う? な、なんだコレは!」
木竜「きゅ! きゅ〜」
禰宜「木竜! やめ……んぐっ!」
木竜「きゅ〜」
やめさせようと声を上げた禰宜の口に、木竜のつる草の束がねじ込まれる。
これで、神職は何も言えない。神職の言うことを聞かなくてはいけないが、ムリヤリ黙らせてはいけないとは契約では明言されていない。
オンナノコの精気をムリヤリ吸うことは禁じられているが、オトコノコの精気なら、とくに契約の条件にはない。
509 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 02:29:10.01 ID:aA92+MJTo
禰宜の鼻先で身体をくねらせ、はだけられた下腹部へと木竜は降りる。
まったく勢いのない男性器に木竜は絡みつき、しゅるしゅると摩擦してあっという間に勃起させた。
禰宜「んううううっ!」
そこまでされて、禰宜は木竜の目的を察し、抗議に声を上げたが、つる草に満たされた口からはうめき声しか発せられない。
木竜「んきゅ〜」
ヘビが自分よりも太い卵を飲み込むように、大きく口を開けて、木竜はがちがちに勃起した禰宜のいちもつを飲み込んでゆく。
禰宜「んぐ……んーっ!」
女性を簡単に堕とす木竜の口に飲み込まれ、わずか数秒で禰宜は精を放った。
ビュルルルルッ!
木竜「きゅ〜! んっく、んっく……んっく」
禰宜「んぐ! んぐぐう!」
絶頂したばかりの亀頭を、木竜はなおも責め続け、禰宜はくぐもった悲鳴を上げる。
木竜の復活を望んだのは、禰宜と巫女であり、その責任をとるのは当然なのだが、木竜の責めはあまりにも過酷すぎた。
加減を知らない木竜は、翌朝、なかなか目覚めない兄を起こしに来た巫女が悲鳴を上げるまで、2分に1回のペースで精気をしぼり続けたのだ。
腎虚を起こした禰宜は救急車で運ばれて一命を取り留めたものの、しばらく禰宜の男性機能は使い物にならなくなってしまった。
この項終わる。
510 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 02:31:19.97 ID:aA92+MJTo
禰宜の鼻先で身体をくねらせ、はだけられた下腹部へと木竜は降りる。
まったく勢いのない男性器に木竜は絡みつき、しゅるしゅると摩擦してあっという間に勃起させた。
禰宜「んううううっ!」
そこまでされて、禰宜は木竜の目的を察し、抗議に声を上げたが、つる草に満たされた口からはうめき声しか発せられない。
木竜「んきゅ〜」
ヘビが自分よりも太い卵を飲み込むように、大きく口を開けて、木竜はがちがちに勃起した禰宜のいちもつを飲み込んでゆく。
禰宜「んぐ……んーっ!」
女性をまたたく間に堕とす木竜の口に飲み込まれ、わずか数秒で禰宜は精を放った。
ビュルルルルッ!
木竜「きゅ〜! んっく、んっく……んっく」
禰宜「んぐ! んぐぐう!」
絶頂したばかりの亀頭を、木竜はなおも責め続け、禰宜はくぐもった悲鳴を上げる。
木竜の復活を望んだのは、禰宜と巫女であり、その責任をとるのは当然なのだが、木竜の責めはあまりにも過酷すぎた。
加減を知らない木竜は、翌朝、なかなか目覚めない兄を起こしに来た巫女が悲鳴を上げるまで、2分に1回のペースで精気をしぼり続けたのだ。
腎虚を起こした禰宜は救急車で運ばれて一命を取り留めたものの、しばらく禰宜の男性機能は使い物にならなくなってしまった。
めでたしめでたし。
『淫魔の帰郷と神社の騒動について』 おわり
511 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 02:33:37.17 ID:aA92+MJTo
後口上
淫魔「皆さまこんばんは。お久しぶりの淫魔です。今は作者の代理です。
『淫魔の帰郷と神社の騒動について』いかがでしたでしょうか、お楽しみいただければ幸いです。
さて、キャラクター紹介。
新キャラ。
鬼神
すでに修道女の話で影として登場していた悪魔。魔界の4大実力者のひとり。
北を守護する鬼の王。金棒を振り回す巨人で、見たまんま、ツノの生えた黒鬼さん。
戦いと命のやりとりが何よりも大好きで、強くなろうとする意志も大好きな、生まれながらの戦闘狂。
北方は力が支配する暴力の世界だが、鬼神がうまく北方を統治しているので治安は良い。
龍神
緑色の鱗を生やした龍人の悪魔。鬼神に負けず劣らずの体格と、強力な術を使う魔界の実力者。
海と森をつかさどる自然の王者で、鬼神とは戦友。雷神とは仲が悪い。
神樹のお父さんで、通路の封印のため、現世に息子を送り出した。
東方は深い森と森の世界。
龍神は長いことその地方を治め、配下の魔王たちからも絶大な信頼を寄せられている。
祭神
黒い肌に赤い髪と赤い眼をした少女の魔神。歌と踊りが大好きで、いつもお祭り騒ぎしている。
楽団を引き連れていて、祭神の力はこの楽団と一緒に居ることで発揮される。術の使い手としては、魔界でもトップクラス。
南方魔王は、その風土から、歌の大会の優勝者や踊りの達者な者、なんかだるいからなどの理由で、簡単に代替わりするため、他の四方魔王と比べて王座の交替が激しいが、すべて平和的に行われる。
にぎやかな雰囲気に惹かれて、魔界中から術士が集まり、南方は魔界で一番人口が多い。
雷神
今回は登場せず。
館長
淫魔に次ぐ魔界の実力者。
身体の大きさは人間サイズだが、鬼神に匹敵する力と、祭神をしのぐ魔力を併せ持つ。
淫魔の腹臣で、万魔殿とその周囲の直営地を淫魔の代わりに統治している。
四方魔王ですら退ける実力者でありながら、淫魔の度重なる調教、性的虐待により、人間の想像を絶するほど身体が敏感になっているため、つねにタキシードを着用して肌の露出を抑えている。
この子の髪が黒くて虹色の光を浮かべるのは、元ネタの悪魔さんの名残り。
メイド
猫耳メイドだにゃん! ご主人様にご奉仕するにゃん! うにゃあ! 尻尾は弱いんですぅ……
獣人のメイド。髪は青で体毛全般も青。
普段耳や尻尾を隠しているのは、人間である修道士に、無用な緊張をさせないため。
奉仕が何よりも好きで、修道士の無欲さに歯がみしている。
木竜
封印の守護から解き放たれ、本当の姿を取り戻したよみがえった神樹。しかし、記憶はほとんどなくしている模様。
オンナノコの性器が大好きで、隙を見れば吸いまくります。
精気です。間違えました。
チャンバラも大好きで、緑の棒を相手に渡して試合をすることも。
緑の棒は、叩かれたヒトに、強制的に斬られた演技をさせる、ちょっと厄介な術が込められています。
深い森の中では敵無しで、火や斧など、森を傷つけるモノには容赦しません。
オンナノコの涙にはめっぽう弱く、その弱点を突かれました。あまりにもオトコノコな魔神です。
学校の生徒たち
少女2 少年2
アダムとイヴのシーンを再現させられて、純潔を散らされてしまう、いわば被害者。
しかし、演劇部全体が淫魔の逆鱗に触れてしまったので、その程度で済んだのは不幸中の幸い。
この子たちはカップルになります。たぶん。
演劇部長 副部長
すらりとした部長と、ちんまりした副部長。
暴走しがちな部長のブレーキ役が副部長ですが、実は禁断の片思いをしています。
恋は完全な一方通行。副部長の気持ちを部長はかけらも感づいていません。演劇バカです。
淫魔の術に堕ちて、副部長は部長の身体を舐めまくりまくりに陵辱しまくりまくりで、部長の身体で副部長の舌と指の這っていないところは、実はもうありません。
部長の淫魔をおとしめる一言が、冒頭の悲劇の原因。口は災いの元」
512 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2011/12/22(木) 02:34:22.66 ID:aA92+MJTo
淫魔「キャラクター紹介、つづき。
淫魔
魔界に里帰りする、魔界の帝王。魔界の皇帝。ハイル淫魔!
万や億の魔人を統治する魔王、を多数従える魔神、を配下に治める四方魔王、が頭の上がらない館長、のおまんこを自分でくぱあしろと命令するくらいにエライ淫魔。天界の首魁と対をなすこの世の対極の片割れです。本当に、とてつもなくエライ。しかし、暴君ではないのがこの子の救いどころ。
言葉で修道士をいじめようとするけれど、嘘のつけない淫魔は逆にやり込められちゃいます。
修道士
おそらく、この物語で一番真面目なヒト。
堕落を退けるための質素な生活で、メイドの奉仕魂をくすぶらせる罪なヒト。
いわゆる”魔法的な術”に関してならば、修道女よりも達者。剣も魔法も使える魔法戦士タイプの器用貧乏な修道女と、肉体はそれほど強くないけど魔術特化型の修道士……なんて思っていただければOK。
術の練習をしたいのに、万魔殿の魔神たちはあまり暇がなく、相手してもらえずフラストレーションのたまっていたところ、淫魔の帰還を聞いて組み手を申し込む。
元から攻撃呪文の才能があり、さらに幾度もミンチにされて、あっという間に防御術を習得。
人間、命がけになれば何でも出来る!
天使 触手の乙女たち
触手王の使者として、万魔殿の大会議に参加。今回は参加しただけ。
この子たちの天界への進入は、緊張関係にあった魔界と天界の火種となっていたり……淫魔は策士です。
黄金のリンゴは見せただけ。普通に持って帰りました。
男
幼馴染を守るため、剣術の練習を始めることに。
神社の禰宜の剣に惚れ込んで、剣の師匠として慕う。
相手のことを良く思いやるのは、淫魔が男に惚れた理由だが、男はもとから観察力に優れ、それで相手の気持ちを察するのも上手い。
剣術でも眼の良さが光る。
幼馴染
男が神社に練習に行くというので巫女に話したら、料理を教えてと言われ、男の剣術練習につきあうことに。
物語中、母に次ぐ料理上手。そして、淫魔に匹敵する快楽主義者。
見た目はかわいい系なのに、こうもエロいなんて。最高です。
修道女
ヤられ役が板についてきたこの人。今回もああん♡ されてしまいました。
着ていた私服は、教会指定の灰色の長袖とロングスカート。
本物の街のシスターさんが着ていた夏服がモデル。
妹
男の剣術練習につきあうことになり、神社でステキな禰宜のお兄さんに一目惚れしてしまいます。
禰宜に似合うと言われたので、帰っても巫女装束を着っぱなし。
「わたしのはじめてはお兄ちゃんのモノなのに……ああ、どうしよう!」
などと、部屋のベッドでジタバタしています。
性知識はあるのですが、肝心の実践経験はゼロ。
目の前でエロいことが起きても、それがエロいと認識できません。
禰宜
神社の騒動の発端となったヒト。
本人に悪気はないのだけれど、契約前の魔神を解き放つ、とんでもないことを平気でやってのける、ちょっと危ないヒト。
コスプレを恥じることなく言うあたり、一般常識とすこしずれています。
自分が原因の一端となった修学旅行の女子高生集団失神事件については、女性の羞恥心を利用して、騒ぎを強引に収束させる腹黒な一面も。
しかし、物語の最後で因果応報。
どなたか、彼にエビオスをめぐんでください。
巫女
神社の騒動の発端2人目。
神樹の実を食べて、術も体力もパワーアップした神社の兄妹ですが、元から結構強かった禰宜は、その効果がよくわからない。
しかし、パワーアップ前は本当に弱かった巫女は、とっても強くなっています。
閃光の目くらましも、つる草の拘束術も、今回は使いませんでしたが破魔矢も強くなっているはず。
修道女ほどではありませんが、身体能力も高くなってます。
木竜も手なずけて、最強キャラの一角に名乗りを上げたッ!
用語
万魔殿
ミルトンの失楽園にも登場した、魔界の城塞。魔界の中心。魔族の心のよりどころ。いわゆるパンデモニウム。
失楽園のパンデモニウムがギリシャ建築をイメージしたモノだったのに対し、こちらの万魔殿は、ウニのように尖塔が立ち並ぶ黒い城です。
「万魔殿の一番低い塔 > エベレスト」だったり「万魔殿の一番小さな門 > バッキンガム宮殿」だったり。
やべえ、マジでけえ。万魔殿、めちゃでけえ!」
513 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/22(木) 20:11:35.74 ID:oHqRF/Kbo
おつ
514 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/22(木) 23:51:25.16 ID:7qrGoX+Vo
乙
515 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/23(金) 13:21:21.18 ID:yMDrukASO
乙
516 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2011/12/23(金) 21:15:16.64 ID:KekdNunro
>>1
乙
やっぱvipに投下してたのか
相変わらず密度すげぇな
517 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2011/12/23(金) 21:16:13.76 ID:KekdNunro
また下げ忘れた
本当に申し訳ない
518 :
SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)
[sage]:2011/12/24(土) 00:23:48.15 ID:UzkXB3iN0
もうマジ最高一乙
519 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/07(土) 00:12:26.46 ID:wjfcL7mIO
追いついてしまった…
毎日ワクワクしながら読んでたましわ。
520 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/01/07(土) 06:45:30.23 ID:17+yYKck0
追いつくだけで一日が終わりさらに朝を迎えた
521 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2012/01/15(日) 00:31:19.67 ID:PTrykW6p0
それはさすがに読むの遅いんじゃないかね
522 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/15(日) 00:46:13.21 ID:RIlO0U2ho
おまいは一週間もまえのレスになにをいっとるんや
523 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/01/15(日) 00:56:07.76 ID:79OtXPywo
>>1
の生存報告が欲しいです。vipで書いてるのかな?
524 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/01/16(月) 22:50:10.10 ID:HfehlRr1o
淫魔「生きてます。お待たせしてごめんなさい。もう少しまってね……んふふ」
525 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sa]:2012/01/16(月) 23:43:30.02 ID:/fu98euWo
おひさー
526 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/01/21(土) 12:44:02.64 ID:ZuGQNucVo
あれから五日か…
527 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/01/22(日) 02:46:51.92 ID:LjUUbWtlo
淫魔に会えるのが楽しみだなー
528 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(京都府)
[sage]:2012/01/26(木) 01:16:41.15 ID:LKC6yzcHo
はやくー
529 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/01(水) 07:49:13.14 ID:i8YZcmaDO
待ってるよ
530 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)
[sage]:2012/02/12(日) 00:09:57.31 ID:dMyJsMAfo
ほ
531 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(空)
[sage]:2012/02/12(日) 00:10:26.96 ID:dMyJsMAfo
間違えたすまん
532 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟県)
[sage]:2012/02/14(火) 11:34:40.53 ID:ahqnhRVgo
はよ
533 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(京都府)
[sage]:2012/02/17(金) 20:41:24.55 ID:coGYWRxwo
一ヶ月きてないてことは終了か
534 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage saga]:2012/02/17(金) 21:08:44.12 ID:x7TN8shMo
まだまだ
535 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/23(木) 01:40:58.05 ID:zhZ9Qbw+o
まだか?
536 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/25(土) 10:04:15.36 ID:+RSY7vyDO
まだかな?
537 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(京都府)
[sage]:2012/03/02(金) 21:55:54.87 ID:CgDE/QP4o
生存報告すら来ないね
538 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/03/04(日) 02:07:13.74 ID:hdNfzH8lo
大体本編から70日、最終書き込みから50日か
もっかい生存報告ぐらいしてくれないと書き貯め多い人とはいえさすがに不安だな
539 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/04(日) 02:08:22.58 ID:hdNfzH8lo
まただよ
下げ忘れ本当にすまん
540 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/04(日) 02:11:24.85 ID:bs3NGfx+o
来たかと思ったでござる
vipで書いてるのか放置か忙しいのか……
541 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:05:04.51 ID:qzO5Cc5do
前口上
淫魔「おまた! お久しぶりです淫魔です。今は作者の代理です。
放置とか忙しいとか、いろいろご心配おかけしましたが、基本書ききるつもりでいます。
もし、続けられなくなったらアナウンスいたしますので、のんびりおつきあいいただければ幸いです。
今回は比較的長いので、数日に分けて投稿していきます。
それでは、『淫魔「んふふ」 盲目少女「ちちんぷいぷい」』
投稿します」
542 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:07:06.12 ID:qzO5Cc5do
月曜日
放課後の生徒会室。
幼馴染と生徒会長は、プリントの仕分けをしていた。
ふわふわ栗毛の幼馴染みと、しっとり落ち着いた黒髪の生徒会長。
少女ふたりが机をはさんで、向かい合って作業するのは絵になる光景だが、手にしているのは毛糸玉でもパッチワークの端切れでもなく、味気ないA4用紙。
明朝のホームルームで配る書類をクラスの人数分に分けるだけで、それほど時間はかからなかった。
幼馴染「できました」
生徒会長「こっちも終わったわ」
A4用紙の束をトントンとそろえて、会長は一息つく。
生徒会長「ご苦労様。ごめんなさいね、こんな雑用押しつけてしまって」
幼馴染「いえ、こういった連絡は早いほうが良いでしょうから……」
束になったプリントには、夏休みの案内が書かれている。
登校日、図書室やプール開放日が一目でわかるお知らせの紙だった。
幼馴染「夏休み……かぁ」
生徒会長「遊べるのは今のうちよ? 来年は受験なんだから」
幼馴染「そうですよねえ……あれ、会長は?」
生徒会長「私は留学。もう進路は決まったわ」
プリントの束を机に置いて、会長は遠くを見つめる。
生徒会長「でも、遊んでばかりはいられないの」
幼馴染「部活の遠征とか、いろいろ調整がありますもんね」
生徒会長「そう。それに最近、部活の様子がおかしいのよ」
幼馴染「なにかあったんですか?」
生徒会長「サッカー部員の無断外泊とか、演劇部の時間外の音楽室使用。それに道場を使う部活で、もめ事があったのよ」
幼馴染「もめ事……」
生徒会長「柔道部とか、空手部とか、よくある使用団体どうしの場所取りなんだけど……ちょっと問題のある子がいるの」
幼馴染「あ……もしかして、1年の子ですか?」
生徒会長「そう。こないだ私が間に立って話をして、一応引き下がってくれたんだけど、まだ納得してくれなくて……」
幼馴染「格闘技の、スポーツ推薦の子でしたね」
生徒会長「そう。入学した頃は、あんな子じゃなかったのに……はぁ」
机に肘をついて、生徒会長はため息をついた。
幼馴染「会長、わたしに出来ることなら……」
微笑みながら、生徒会長は軽く首を振った。
生徒会長「それほど深刻な問題じゃないと思うの。騒いでいるのはあの子ひとりだけだし……それに一応、申請書は出してもらったのよ」
生徒会長は、カバンから新しい部活動の申請書類を取り出した。
紙質は真新しいが、くしゃくしゃにシワがついている。
543 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:07:53.87 ID:qzO5Cc5do
生徒会長がプリント類を粗末に扱うはずもなく、申請書をしわくちゃにした提出者は、字も書き殴りだった。
名称 格闘部
部長 あたし
部員 あたしだけ
顧問 なにそれ?
提出者 格闘娘
かろうじて読める程度の書き殴りの文字は、枠をはみ出しまくり、日付すら書かれていなかった。
幼馴染「これは……ひどいですね」
生徒会長「今朝、生徒会室のポストに入ってたの」
どっと疲れたように、生徒会長はため息をつく。
涼しい目元にも、心なしか疲労の色が浮かんでいた。
生徒会長「あの子、メールのアドレスも持っていないから、今晩電話してみるわ……」
ちらと時計を見て、生徒会長は立ち上がった。
生徒会長「そろそろ行かないと。幼馴染さんは、まだいる?」
幼馴染「ええ。おと……友達が部活の見学に行ってるんで、部活終わりの時間まで」
生徒会長「ふふ……わかったわ。戸締まりはよろしくね」
幼馴染「はい」
立ち上がった生徒会長の顔には、もう疲れは見えない。颯爽と生徒会室を出て行った。
ドアが閉まり、幼馴染はひとり生徒会室に残された。壁の時計を見る。
幼馴染「けっこうあるなぁ……」
部活終わりの時間まで、まだ2時間ほどある。
幼馴染はカバンから料理の本を取り出して、ぱらぱらとめくり始めた。
544 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:08:50.15 ID:qzO5Cc5do
体育館横の道場。
男「うわ……すごいな」
男は初めて学校の道場に入った。
外見は体育館に似た鉄筋の平屋で、バレーボールくらいなら楽に出来そうなほど広い床が、畳で埋め尽くされているのは壮観だ。
敷き詰められた畳は全面が緑色で、赤色の畳が試合場となる正方形の赤い枠を作っている。赤い正方形の試合場は道場にのあちらとこちらにひとつずつ、長方形の道場をちょうど半分ずつに区切っていた。
体育館のホールで、半面をバレーボールが、もう半面をバスケが使うように、道場の入り口に近いこちら側では空手部が、向こう側では柔道部が活動していた。
白い道着に身を包んだ生徒達が、集団で組み手の練習をしているのは、どことなくカンフー映画を思わせる光景だった。
練習する道着の生徒たちを見渡したが、男が探している人物の姿が無い。
男「あれ……いないのかな?」
そうつぶやいた男の肩を、分厚い手のひらが叩いた。
???「おう、来たな!」
振り返ると、道着に黒帯を締めた巨漢が立っていた。
見るからに皮の分厚い拳に、道着越しにもわかる鎧のような筋肉、そしてなぜか片方の眉毛が若干薄い。
空手部長「男くん……だったな」
男「はい。今日はよろしくお願いします」
空手部長「ああ。ぜひ今日から……にしてくれると嬉しいな。とにかく、コイツに着替えてくれ」
ポンと空手部長が放ってよこしたのは、白帯で縛った道着だった。
空手部長「更衣室はあっちだ」
男の入ってきた玄関のわきを、空手部長は指さした。
545 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:09:43.21 ID:qzO5Cc5do
借りた道着は、分厚い木綿の生地で、ズボンはウェストを紐で縛るタイプだった。
上着に袖を通して、帯を本結びに結ぶ。
見よう見まねだったが、更衣室から出てきた男を見て、空手部長は良く結べているとほめた。
空手部長「よし! 空手部集合!」
部長の声が響くと、練習していた部員達が道場の一角に集合した。
ちらほらと女子の姿も見えるがほとんど男子。何人か男の見知った顔もあったが、道着を着ているだけで、表情が引き締まって見える。
空手部長「今日、見学することになった、男くんだ」
男「よろしくお願いします」
空手部長「みんな、一日よろしくやってくれ」
部員たち「はい!」
男(うわぁ……体育会系のノリだ)
まっすぐ答える部員に男は若干引いたが、頼もしくも感じた。
幼馴染を守るため、身体を鍛えるのは当然だが、毎日毎日神社で禰宜の指導を受けるわけには行かない。だから、平日の学校でも身体を鍛えられる武道系の部活に今さらながら入ろうと思ったのだ。
とりあえず、今日は空手部を。この先、剣道部や柔道部も見学してみるつもりだった。
練習を再開しようと、部員たちが散らばり始めると、ダアン と、道場の扉が叩かれた。
開け放たれていた金属の扉を、叩く必要などない。その異常な音に、道場にいた全員が動きを止めて振り返った。
出入り口に立っていたのは黒いタンクトップとスパッツを着た少女だった。
背は若干低めで、黒目の大きな幼さの残る顔立ちだが、黒い髪をショートカットに刈り込み、赤いオープンフィンガーグローブを付けた姿は武闘家の風格を漂わせる。
???「よう」
静まりかえった道場に少女の声が響くと、さざ波のようにざわめきがひろがった。
「格闘娘だ」
「また来たのか」
「生徒会長と話したのに……」
格闘娘が道場の中央に向かって歩き出すと、部員達は後ずさって道をあけた。
足音を立てずに歩き、巨漢の空手部長の前で格闘娘はぴたりと止まった。
格闘娘は、同年代の少女と比べても小さかった。
背丈は空手部長の胸にも届かず、体重は半分あるかもあやしい。それでも格闘娘は自信満々に、オープンフィンガーグローブをはめた両手を腰に当てる。
格闘娘「やあ空手部長。場所を明け渡してもらおうか」
部長の片方薄い眉がぴくりと上がった。
空手部長「生徒会長を交えて話し合っただろう。まずはオマエの言う格闘部を作ってからの……」
格闘娘「部なら作ったよ。紙も出した」
またもや道場にざわめきがひろがる。
道場の向こうで練習していた柔道部の連中も、異様な空気に練習をやめて、空手部を注視していた。
柔道部にもひとり、黒帯を締め、空手部長に匹敵する鋭い視線の主がいた。
体格は空手部の部長とおなじくらい。あれが柔道部の部長だろうと、男は見当を付けた。
546 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:10:44.58 ID:qzO5Cc5do
空手部の部長に向かって、格闘娘は続ける。
格闘娘「空手? 柔道? そんなバカみたいなことやらないでさ、実戦をやろう」
腰に手を当てたまま、格闘娘は黒いショートカットを揺らして、畳の道場を眺める。
空手部長「格闘娘……場所については、生徒会長を交えて話をすると約束しただろ?」
格闘娘「そうだね」
空手部長「見ての通り、今日は練習がある。空手部か柔道部に復帰するならまだしも、邪魔をするなら帰ってくれ」
格闘娘「それはいや」
空手部長「なに?」
またもや、部長の薄い片眉がぴくりと上がる。
格闘娘「あたしはここで練習したいんだもん」
空手部長「だから、それは……」
格闘娘「空手なんて遊びを練習してるくらいならさ、本気で世界目指してるあたしに場所を明け渡すべきでしょ?」
こめかみをピクピクと動かし、空手部長は答える。
空手部長「遊び……だと?」
筋肉にふくれあがった肩を怒りに震わせる部長の威圧感を、格闘娘はケロリと受け流した。
格闘娘「遊びだ遊び。子供の遊びだよ。相手を傷つけないように拳を当てるなんてね。武道だって? バカみたい」
けらけら笑う格闘娘に、道場中の空手部員と柔道部員から、矢のような視線が突き刺さる。
男「な……」
あまりに尊大な自信と、自己中心的な物言いに、男は格闘娘がどことなく淫魔に似ているように思え、そしてすぐに胸中で否定した。
男(いや……淫魔じゃない。最初に会ったころの修道女に似てるんだ)
鉄をも焦がすような視線を集めてなお、格闘娘は得意そうに腰に手を当てたままだ。
空手部長「絶対に……遊びじゃない! オマエも知っているだろ? 空手は道だ。仲間と共に高め合うことが……」
格闘娘「だから、そういうのが甘いんだって。道? 思想? そんなの、弱いのを隠すための言い訳でしょ?」
黙っていた部員のひとりが格闘娘に一歩踏み出したが、空手部長がとどめた。
空手部長「……わかった」
道場に、ざわめきがひろがる。
空手部長「相手してやる」
???「やめろ!」
道場の反対側から柔道着を着込んだ巨漢が叫んだ。
空手部長「止めるな! 柔道部長」
柔道部長「だが……」
空手部長「もしお前が勝ったなら、道場を使う空手部の時間を明け渡そう……それで良いか?」
部長は格闘娘と部員達をそれぞれ見た。
空手部員達は怒りに燃え、不服を申し立てる者はいない。
格闘娘「もしあたしが負けたら?」
空手部長「空手部か、柔道部に戻ってこい」
オープンフィンガーグローブで拍手して、格闘娘は即答した。
格闘娘「いいよ。あんたがそれで良いならね」
空手部長「……試合場を空けろ!」
部長の号令で、部員達は道場の畳に引かれた赤い枠の外に出た。
547 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:11:13.62 ID:qzO5Cc5do
畳に描かれた一辺10メートルの正方形の試合場に、巨漢の空手部長と小柄な格闘娘が向き合う。
格闘娘「ルールは?」
空手部長「相手を3秒以上ダウンさせれば勝ち。禁則部位はフルコンタクトに従う」
男「待ってください!」
格闘娘の雰囲気に異様なモノを感じ、男は声を上げた。
しかし、空手部長は有無を言わせない。
空手部長「悪いが男くん、俺たちもいいかげん限界なんだ……柔道部長!」
柔道着の巨漢が、組んでいた腕をほどいて目を向ける。
空手部長「この試合、裁いてくれ」
柔道部長「……わかった」
道場を横切って、空手部の試合場に、柔道部長が入る。
ふたりの巨漢を前に、格闘娘はより小さく見えた。
同年代の小柄な少女を前にして、審判役の柔道部長は冷静に注意した。
柔道部長「グローブを外せ」
格闘娘「え? はずしちゃっていいの?」
格闘技においてグローブは拳を保護すると同時に、相手への過剰な打撃を軽減する役割を持つ。
いわば相手に対するハンデなのだが、格闘娘はグローブを付けたまま試合に臨もうと言うのだ。
空手部長の眉が、またもぴくりと反応した。
柔道部長「いいや、平等な条件でないと……」
空手部長「わかった。もういい!」
空手部長「俺は拳だ……いいな?」
格闘娘「もちろん」
赤いオープンフィンガーグローブをぱしっと叩き、格闘娘はステップを踏んだ。
柔道部長「ダウン3秒、禁則部位はフルコンタクトに従う。では……はじめッ!」
柔道部長の合図に、対戦者はの二人は火花を散らして衝突した。
拳同士、道着同士の弾け、こすれる音が道場に響く。
どっしりと重心を据え、防御からの反撃をうかがう空手部長と、変幻自在に飛び跳ね、様々な角度から拳を撃ち込む格闘娘。
若くして技を極めつつある二人の対決は、常人にはついて行けない領域だった。
男は交わされる拳の一撃一撃を詳細に分析は出来ないが、試合の様子がどのようになっているかは、かろうじて把握できた。
攻防の始点は格闘娘だった。
大口を叩くだけあって、格闘娘のフットワークはすばらしく、空手部長からの攻撃を華麗に避けながら、拳や蹴りをたたき込む。
格闘娘の攻撃は鋭かったが、それらすべては空手部長の身体捌きに受け流されていた。
空手部長は格闘娘の攻撃を最小限の動きで避け、反撃に強烈な一撃を見舞う。
格闘娘に勝ち目はないと男は見た。
たしかに格闘娘の動きはすばらしい。空手部長の的確な突きを躱し、反撃を重ね合っている。
しかし、動きが大きすぎた。
最小限の動作を繰り返す空手部長と、踊るように身を翻す格闘娘、体格から空手部長に体力的な分があるのは一目瞭然で、格闘娘は少ない体力を、活発な動きで急速に消耗するはずだ。
それに、打ち合う二人の拳や蹴りにも差があった。
たしかに格闘娘の打撃は鋭いだろう。しかし、あの細い手足の攻撃が、空手部長に入ったところでそれほどダメージになるとは思えない。
男から見ても、格闘娘の攻撃はそれほど痛そうではない。対して空手部長の拳は、当たれば容易に格闘娘の骨を砕くだろう。
攻防の速度は同じくらい。身体の捌きで空手部長に分があり、攻撃翌力では空手部長が圧倒している。
勝負が決するのは時間の問題に思えた。
実際、試合開始からそれほど間を置かず……
548 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:12:19.09 ID:qzO5Cc5do
あまりに大振りな格闘娘の攻撃に、最初こそ戸惑いこそしたものの、空手部長はすぐに自分のリズムを取り戻していた。
格闘娘の攻撃はたしかに速い。速いが、あまりに軽すぎる。
細い手足の骨を受け止めるたび、空手部長はどうすればこの少女を傷つけずに打倒できるか考えた。
方法は少ないが、一番有効な手段を空手部長は選択した。
胴に向けて放たれた格闘娘の回し蹴りを、空手部長は易々と受け止める。
回し蹴りを放ち、体勢を崩した格闘娘の胸部に、空手部長の掌底が命中した。
自動車の衝突じみた強烈な衝撃を受けた格闘娘は、試合場の枠線ぎりぎりまではじき飛ばされ、かろうじて着地した。
格闘娘「ぐぇ……げふっ……」
闘争心から辛うじて構えを保つが、格闘娘は苦しそうに咳き込んだ。
黒いタンクトップを着た格闘娘の胸に、空手部長の掌底は有効な打撃を叩き込んでいた。
空手部長の本気の攻撃を、格闘娘は防げなかったのだ。
男「あ……れ?」
格闘娘は確かに強い。しかし、空手部長の実力は格闘娘をはるかに超えていた。男が最初に格闘娘に感じた、修道女に似た嫌な気配は、実体の伴わないものだったのか。
男はすこし首をかしげた。
拳を握り直し、空手部長は息を吐く。
空手部長「わかっただろ、格闘娘。俺も柔道部長も……強くなった。お前が練習してきたのは知ってるが……」
哀れみを込めて見つめる空手部長に、格闘娘はくぐもった笑いで答えた。
掌底の命中した胸をさすり、歯ぎしりして吠える。
格闘娘「掌底……なんで拳じゃない! バカにすんな!」
空手部長「バカになど……だが、この打ち合いで、お前ならわかるだろう」
構えを崩さず、空手部長は宣告する。
空手部長「お前の拳は……俺には届かん」
格闘娘「ッ!」
くちびるをきっと噛み、格闘娘はうつむいた。
格闘娘「手加減抜きだって? バカにすんな! 本気で撃ち込んでこい!」
空手部長「……いや、お前は……殴れん」
うつむき、目をかたく閉じて格闘少女はつぶやいた。
格闘娘「バカにすんな……」
空手部長「そんな……俺はおまえのことを」
手をさしのべるように伸ばし、しかし、空手部長はぴくりと反応した。
空手部長の感じる格闘娘の実力が、急に増したように思えたのだ。
格闘娘「ふざっけんなあああ!」
空手部長「む……!?」
小さな身体に似合わない大音声をあげ、格闘娘はその場に構えた。
両脚を開いて踏ん張り、重心を落として身体をひねる。
格闘娘「あたしは強い! あんた達ふたりよりも! 誰よりも!」
声は甲高い少女のものだ。しかし、そこに込められた怨嗟の音色に、男は確かに聞き覚えがあった。
男「やっぱり……」
修道女に似た悪魔の気配。
549 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:12:59.31 ID:qzO5Cc5do
格闘娘の見開かれた瞳に、理性の光は少なく、どろりとした熱い闇をたたえている。
その目を見て、空手部長は構えを変えた。格闘娘同様に重心を落とし、身体を横に向けて半身にし、左手を盾のように顔の前にかざす。
傍らで戦いを見守る柔道部長も、格闘娘の異様な雰囲気に身構えた。
ふ と、試合場から格闘娘の姿が消えた。
優れた観察眼と動体視力を持つ男にも、格闘娘の動きは捕らえられなかった。
重心を落とした格闘娘が、10歩分の間合いを一瞬で詰めたのは、人間の肉体に出来る動きではなかった。
空手部長が格闘娘の移動を認識したとき、すでに格闘娘の身体は空手部長の目前に迫っていた。
上半身の反動を織り交ぜた、格闘娘の渾身の回し蹴りが、空手部長の側頭部に向けて放たれる。
積年の修練のたまものか、空手部長は格闘娘の蹴りの威力を見積もり、左腕で蹴りを受け止めようとした。
格闘娘の体重と速度を考慮し、空手部長の腕なら充分耐えられる……はずだった。
しかし、銃弾じみた速度で放たれた格闘娘の蹴りは、その見た目以上の威力を秘めいていた。
格闘娘の脛が空手部長の左前腕部に命中し、腕の骨をへし折った。
空手部長「ぐっ!」
折れた腕の骨が筋肉と皮膚を突き破り、空手部長の顔に血しぶきが飛び散る。
回し蹴りを引いた格闘娘は、引きの反動をで身体をくるりと回転させて振り返り、
格闘娘「うっりゃああああ!」
右の肘を空手部長の胸に撃ち込んだ。
ボグン と、骨が砕ける嫌な音が道場に響き渡り、格闘娘の肘が空手部長の胸に突き刺さった。
空手部長「がは……あ……」
驚愕と突然の痛みに空手部長は目を見開き、口から血を吐き出す。
膝を突き、空手部長は格闘娘にすがりついた。勝者の自信を浮かべ、格闘娘は胸を張るが、手を貸そうとはしない。
格闘娘「どうだ」
空手部長「あ……ああ……」
破壊されていない右手で、空手部長は格闘娘の頭をなでたが、もはや自分の体重も支えきれず、そのまま崩れ落ちた。
格闘娘「ダウン3秒だよね」
あっけにとられ、カウントを始めていない柔道部長に、格闘娘は目をやり、倒れた空手部長を蹴り上げた。
うめき声も上げない空手部長は、畳の上を数歩分、血の跡を引きながらすべり、仰向けに大の字にひろがった。
一足とんで、格闘娘は空手部長の腹を踏みつけ、マウントポジションから顔面に拳を叩き込む。
たくましい空手部長の顔面は、一瞬のうちに焼きたてのピザのようにつぶれた。
柔道部長「やめろ! 勝負あった!」
人体を破壊する格闘娘を、審判役の柔道部長が羽交い締めにする。
体格ではるかに劣る格闘娘は引きずり立たされるが、黒い声でつぶやいた。
格闘娘「柔道部長……オマエもか」
550 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:13:29.75 ID:qzO5Cc5do
柔道部長「な……」
羽交い締めにする柔道部長の両腕に手を添えて、格闘娘は柔道の一本背負いのように投げ落とした。
両手を掴まれたままの柔道部長は受け身を取れず、また、あまりの格闘娘の速さに、頭から畳に落下した。
重く、骨の砕ける音が、柔道部長の首から響く。
柔道部長「ぐあ……んぐ!?」
首の骨と筋肉を痛め、その場によろよろと起き上がった柔道部長に、格闘娘は後ろから飛びつき、のどに腕を回した。
少女の細腕に、柔道部長の力なら容易にふりほどけそうなものだが、格闘娘は離れない。
アゴの下に回された腕がぎりりと食い込む。
柔道部長「か……格闘娘、どうし……て……」
白眼に赤い内出血を浮かべ、柔道部長は声を上げるが、格闘娘の腕は緩むどころかますます締め付ける。
そして。
柔道部長「ぎっ!」
ごきんと嫌な音が響き、柔道部長の首があらぬ方向に曲げられた。
柔道着の巨体が崩れ落ち、格闘娘は畳に着地した。
巨漢ふたりを畳に沈めた格闘娘は、得意げに道場を見渡す。
ざわめきがひろがり、空手と柔道の男子部員達は一斉に飛びかかった。
「よくも部長を!」
「逃がすな!」
しかし格闘娘は逃げもしない。それどころか歯を見せて笑うと、飛びかかってくる部員達を始末し始めた。
それは、回転するミキサーの刃に果物を放り込むような風景だった。
格闘娘は華麗にステップを舞い、部員達の胴に顔面に、拳を肘を、蹴りをたたき込んで、始末してゆく。
数が少なくなった男子部員達は、押しつぶすように身体を使い、捨て身で殴りかかったが、打撃の応酬の後、立っていたのは格闘娘ひとりだった。
黒いタンクトップもスパッツも、赤いオープンフィンガーグローブも血を吸って重く湿る。ショートカットの髪も血を含んで、シャワーを浴びたあとのように顔にへばりつく。
551 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:14:00.47 ID:qzO5Cc5do
ほほに垂れる血をぺろりとなめて、格闘娘は壁際に立ち尽くす女子部員達を一瞥した。
格闘娘「こないの?」
ビクッと柔道と空手の女子部員達は反応する。
しかし、格闘娘に立ち向かおうとする者はいない。
格闘娘「こないなら……こっちから……」
男「まてよ」
格闘娘の後ろから、男が声をかけた。
くるりと振り向き、格闘娘はくびをかしげる。
格闘娘「あんたは……見ない顔だね」
かわいらしい黒目がちの目に、白い肌。そこにしたたる赤い鮮血がなければ、健康的な美少女である。
しかし、その表情にも、目の輝きにも、人間的な暖かみがまったく感じられない。
男「おまえ……人間か?」
格闘娘「あん? あたりまえだろ」
そうだ。人間には違いないだろう。男は思った。
それなら……
男「悪魔に……魂を売ったか?」
グローブで額をぬぐい、格闘娘は感心したように眉を上げた。
格闘娘「へぇ……わかるヤツがいたかぁ……面白い!」
間髪入れずに、格闘娘は男に飛びかかる。
男「ぬわっ!」
顔面狙いの正拳突きを、男は間一髪でかわした。
着地で若干の時間を要する格闘娘に隙を見いだし、男は走り出した。反撃を狙うでなく、時間を稼ぐために、男は道場の出入り口と反対側に走った。
壁際で固まる女子達に、男は叫ぶ。
男「逃げろ!」
しかし、おびえる少女たちは、胴着の裾や帯を握りしめたまま、ところどころで肩を寄せ合ってふるえるだけだ。
そして、大して走る間もなく、男の背中に衝撃が走った。
男「ぐっ!」
前のめりに男は倒れ、背中を格闘少女に踏みつけられる。右手を背中側にひねりあげられ、男はもがいた。
格闘娘「最初のパンチ……よく避けたね。でも……これでおしまい!」
格闘娘は楽しげに背中へ曲げた男の右手をねじる。
その力は重機のようで、少女の細腕から発せられるとは思えない。
肩の筋肉と骨がきしみ、男は悲鳴を上げた。
552 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:17:23.24 ID:qzO5Cc5do
そのころ淫魔は、道場からほど近い体育館で、部活の見学をしていた。
今日は卓球部。
体育館のホール横、専用の卓球室は卓球台を2台並べられるだけで結構狭いが、壁は鉄筋コンクリートで分厚く、ドアは頑丈な金属製で、窓は小さく、全開にしてもすこし換気が悪い。
部員は淫魔にとっては少し残念なことに、オンナノコばかりだった。ケーキに紅茶がなく、おまんじゅうに緑茶がなく、いくらおいしいお汁粉でも横に漬け物がなければ楽しみが半減するように、少しはオトコノコがほしかったのだが、居ないものは仕方ない。
狭い空間に運動着の女子10人と閉じ込められて、淫魔がじっとしているはずもなかった。
淫魔「んふふ……」
一通り蹂躙しつくした卓球部員たちを、淫魔は楽しそうに見渡した。
10人の少女が運動着をはだけさせ、2台くっつけて並べられた卓球台をベッド代わりに、互いを愛撫し合う。
狭い空間には、少女たちの甘い汗の香りと、むせ返るほどのメスの匂いが満ちていた。
アポなしに押しかけた淫魔を、卓球部の皆は優しく迎えてくれた。
特に部長は、ラケットの持ち方から淫魔に教えてくれた。背中越しに右手に手を添えられて、ラケットの振り方を教えてくれた。
ラケットを握る淫魔の手の甲に当たる部長の手、背中に押し当てられた張りのあるバストのやわらかさ。
淫魔はぐちゃぐちゃに突き崩された卓球部長の秘部に指を滑り込ませる。
卓球部長「ふぁ……あぐ……ぅ……」
健全に成長した心と体を持つ卓球部の少女たち。だからこそ、淫魔はガマンできなかった。手を引き寄せて振り向き、くちびるを奪った。
卓球部長は、キスは初めてではなかった。遠くから香るオトコノコの味を楽しみながら、淫魔は口内を蹂躙し、部長の運動着を引き裂いた。
抵抗を押さえつけ、卓球台に押し倒し、淫魔は卓球部長のカラダを味わった。キスは経験済みだったが、処女だった。
張りつめたクリトリスで純潔を奪い、キスを重ねて胸をこねまわした。
止めようと駆け寄る卓球部員達を、黒い羽で壁に押しつけ、柔らかな羽毛で全身を、外から見える場所なら眼球さえ、まさに全身を愛撫しつくした。
間もなく淫魔の黒い翼は卓球部員達の愛液と失禁に濡れそぼり、卓球部長は愛して止まない卓球台の上で、淫魔に愛を注がれた。
気絶するまで味わいつくし、気絶したらムリヤリ引き戻して乱暴を続け、動かなくなるまで淫魔は卓球部長を責め続けた。
卓球部長が完全に陥落し、けいれんと呼吸を繰り返すだけになって、淫魔は次のおかわりに、黒い翼から少女をひとり引っ張り出す。
やさしく自分を受け入れてくれた卓球部の少女たちに、淫魔はつぎつぎと極上の快楽で報いた。
ウサギ小屋に、肉をむさぼる大鴉を放り込んだらどうなるか……狭い卓球室は、卓球少女たちの運動着の切れ端が飛び散り、床のいたる所に、少女たちの恥ずかしい水たまりが出来た。
淫魔は少女たちを契っては投げ、契っては投げして、ついに最後の10人目。最後の部員は、長く黒い羽で愛撫されつくし、淫魔が直に触れる頃には半分崩壊していた。
キスを求め、処女だというのに脚と性器を自ら広げて淫魔を受け入れた。淫魔はそれに答え、少女の身体を突き崩した。
卓球部員10「ふあああ……んああああっ!」
淫魔「ふ……くっ……んっふう」
ビュルルルル……トクン……トクン
脱力した最後の少女を2台並べた卓球台にのせた。並べられた卓球台には、淫魔に陵辱の限りを尽くされた10人の少女が並ぶ。
淫魔「さてと……」
卓球室の壁際に置かれた段ボールを、淫魔は少女たちの折り重なる卓球台に置いた。中から白いピンポン球を取り出し、口に含んできれいになめる。
ぽんと音を立てて手のひらに吐き出すと、最初に抱いた卓球部長の秘裂にその抵抗を愉しみながら挿入する。
卓球部長「ひ……入って……ああ……」
淫魔「んふふ……何個入るかな……」
二個目のピンポン球をぺろぺろ舐め、挿入しようとして、淫魔の手が止まった。
淫魔「……あれ?」
卓球部長「ふぁ……淫魔さぁん……もっとぉ……」
自ら秘裂を広げる卓球部長に淫魔は笑い返す。
淫魔「んふふ、良い子。でも、ちょっと用事が出来ちゃった……そうだなあ……」
くちびるに指を添えて、淫魔は考える。
淫魔「みんな良い子で遊んでたら、帰ってくるね」
服装を整え、淫魔は顔の横で手を振って、ぴょんと跳びはねた。空中で淫魔の姿は影に黒く塗りつぶされ、消えた。
淫魔の消えた密室で、部員たちは裸で卓球台に乗ったまま、熱のこもった視線を絡め合う。ほどなく体育館の卓球室に、少女たちの嬌声とねばついた水音が響き始めた。
553 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:18:07.47 ID:qzO5Cc5do
道場。
格闘娘に締め上げられた男の右腕が悲鳴を上げ、筋肉と関節が崩壊する寸前、ふたりの眼前に、虚空から制服のスカートが現れた。
影から実体化し、学校の制服に身を包んだ淫魔は瞬間移動の完了を待たずに腰をひねり、左脚の回し蹴りを格闘娘に叩き込む。
男の背中で右腕の破壊に専念していた格闘娘は、隙を突かれながらも淫魔の蹴りを受け止めて、ダメージを被ることなく離れた畳に着地した。
淫魔「男、大丈夫?」
男「淫魔! ……ぐあっ、いてて……」
畳に頬を付けていた男はその場に起き上がり、淫魔は男の右肩に触れた。
折れても外れてもいないが、肩の筋肉が裂けかけていた。
淫魔「これはひどいね」
男「く……ううぅ……」
肩に手を添え、淫魔は大まじめに呪文をつぶやいた。
淫魔「いたいのいたいの、飛んでいけっと」
やさしく淫魔がなでると、男の肩から痛みが消える。
ついで淫魔は虐殺の繰り広げられた道場を見渡した。
淫魔「男だけじゃないのか……本当に、ひどいねこりゃ」
学校の道場は、試合場を中心に血の海になっていた。
倒れ込む道着を着た少年たちのうち、息をする者はひとりとしていなかった。
男「早く……救急車を呼ばないと……」
淫魔「手遅れだよ」
制服のスカートを軽くはたいて、淫魔は言う。
淫魔「倒れてる男の子たち。みんな死んでるもん」
男「死んでるって……まじかよ」
虚空から突然現れた淫魔に蹴り飛ばされ、畳に跪いていた格闘娘は、立ち上がって構え直す。
格闘娘「なんだ……オマエ」
淫魔「まあ、よくこれだけ殺したと思うよ。でも……」
コキコキっと手首をならし、ぷらぷらと両腕を揺らして、淫魔はのんびりと続ける。
淫魔「あなた、べつに強くないよね」
格闘娘「んだと!?」
淫魔「強くないって言ったの。人間相手に殺しまくって、それが強さなの? わたしはね、あなたはこの男くんにすら、遙かにおよばないと思う」
格闘娘「オマエ、見ただろ? あたしはそいつの腕をへし折ろうと……」
冗談を聞いたかのように淫魔はくすりと笑い、畳にへたり込む男の頭をポンポンと叩いた。
淫魔「この子は強いよ? 獣と比べれば、人間の力なんて大したことないのに、人間は地上でいちばん強い動物だよね? 人間の強さは心の強さ。心の力を見る限り、あなたはこの子におよばない」
格闘娘「ふざけんなっ!」
強烈に畳を踏み込んで表面を毛羽立たせ、格闘娘は突進した。
体重をかけて身体をひねり、踵からの後ろ回し蹴りを淫魔の顔に叩き込む。
格闘娘「とった!」
淫魔「甘いッ!」
淫魔は格闘娘の蹴りを受け止め、そのまま後ろへ放り投げた。
格闘娘は道場の壁にたたき付けられたが、四肢を向けて壁に着地した。
554 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:18:44.94 ID:qzO5Cc5do
コンクリートの壁面にクレーター状のヒビを入れて衝撃を相殺し、トンと壁を蹴って格闘娘は畳に降り立った。
格闘娘「……くそっ」
淫魔「あなたは純粋すぎる。だから悪魔につけ込まれたの」
道場に倒れる道着の少年たちを見渡し、壁際におびえる少女たちを一瞥し、壁際の格闘娘に向かって淫魔はふらりと歩き出す。
淫魔「この落としまえ、付けよっか?」
立ち上がり、格闘娘は飛びかかる体勢を作った。
格闘娘「落としまえ? 知るかよ! あたしは……とっても強いんだ!」
淫魔「強い? 強いねぇ……ふふ、かわいい」
きゅっと不器用に両手を握り、淫魔はひどく不格好なファイティングポーズをとる。
格闘娘「く……[
ピーーー
]!」
踏んだ畳を引き裂いて、格闘娘は淫魔に飛びかかる。
今度は淫魔も気まぐれな応戦を行い、右手でストレートパンチを放った。
わざと力を抜いた、速さも鋭さもともなわない淫魔の拳は、格闘娘に軽々と捕獲された。
格闘娘は淫魔の右腕に四肢を使ってしがみつき、腕ひしぎに持ち込む。
人間ひとり分の体重を片腕にかけられて、倒れ込むだろうと格闘娘は予想していた。
しかし、淫魔はびくともしなかった。格闘娘のしがみついた片腕を、涼しい顔をして真上に持ちあげ……
格闘娘「な……!」
その異常な腕力に危険を察し、格闘娘はしがみついた腕を折ろうと全身に力を込めたが、淫魔の腕はきしむ気配すら無い。
格闘娘「おまえ、なにで出来てんだ!?」
淫魔「んふふ、それっ!」
そして淫魔は、頭の上に振り上げた格闘娘を、畳に軽々とたたき付けた。
だあああんっ!
畳と人体のぶつかる爆音が響き、格闘娘の身体は反動で飛び上がる。
格闘娘「ぐえっ!」
跳ね上がった格闘娘は、道場の5メートルほどの天井に顔面を打ち付けて、再び畳に背中から落下した。
畳に投げ落とされた衝撃と、天井まで跳ね上げられてから落ちて、受け身も取れずに再度の衝撃を受け、格闘娘は呼吸すらままならない。
全身を痛みにしびれさせ、不器用な咳混じりの息を繰り返すだけだった。
格闘娘「がふっ……げぁ……」
淫魔「さてと……」
淫魔は痙攣する格闘娘をうつぶせにひっくり返した。格闘娘のへその下を膝で支え、黒いスパッツを脱がしてまっさらな尻を露出させる。
555 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:19:14.00 ID:qzO5Cc5do
壁際で成り行きを見守っていた女子部員たちが、きゃーとか、ひゃーとか悲鳴を上げた。
淫魔「んふふ、ギャラリーが多いと楽しいね……」
格闘娘「くそ……放せ!」
下半身を露出させられ、格闘娘は人間らしく羞恥に顔を赤らめる。
しかし、淫魔は悪魔のように宣告した。
淫魔「だめだよ。自分が何やったのか、わからせてあげる。ちょっとキツめにおしおきしてあげる」
格闘娘「おしおき……?」
淫魔は手のひらを振り上げて、思いきり格闘娘の尻を打ち鳴らした。
パッチイイイン!
格闘娘「ぎゃっひいいい!」
淫魔「まだまだ!」
パッチン! パッチイイイン! バッチン!
やっていることはおしりペンペンなのだが、道場中に拳銃弾の発射のような爆音が鳴り響く。
格闘娘のきめ細やかな臀部の皮膚は、あっという間に桜色から桃色、牡丹色に赤く染まり、叩くたびに淫魔は力を増してゆく。
何度か叩かれ、その痛みに耐えかねたのか、格闘娘は涙を流して叫んだ。
格闘娘「いっぎゃああああ! 負け! あたしの負けぇ!」
淫魔「あっそう」
無表情のまま、淫魔は尻を叩くのをやめない。
バッッチイイイン!! ベッチイイイイン!
痛みに息も絶え絶えになりながら、格闘娘は鼻水混じりに叫んだ。
格闘娘「ごめんなさい! あたしの負けええええ! やめてええ!」
淫魔「なにがごめんなさい、なの?」
スパアアアアン! と、ひときわ強く叩いて、淫魔は手を止めた。
赤く腫れ上がった格闘娘の尻肉をやさしくなで回す。
格闘娘「う……ひぐっ……」
淫魔「こたえて」
肩を振るわせて、格闘娘は声を絞り出す。
格闘娘「空手部長と、柔道部長と、みんなを殴りました……ごめんなさぃ……」
ぼろぼろと涙をこぼして、格闘娘は謝罪した。
淫魔「うん、たしかに殴ったね……悪いことだとは思わなかったの?」
真っ赤に腫れ上がった尻をなでながら、淫魔はたずねる。
格闘娘「わんないよ……殴ってるときは気持ちいいってことしか……」
淫魔「そう……正直に言って、いい子だね」
淫魔は右手で格闘娘の露出した尻を、左手でショートカットの髪をなでた。
やさしい指使いに、格闘娘は警戒を解いて身を預けてしまう。
格闘娘「あ……」
淫魔「わるい子には罰を、いい子にはごほうびを……」
淫魔は叩いていた右手を尻から離し、指先をぺろりとなめた。
556 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:20:29.85 ID:qzO5Cc5do
格闘娘「ごほうび……ひうっ?」
つぷ……
少し湿った音を立て、淫魔の人差し指が、自分でさわることすらまれな格闘娘の秘裂にさしこまれた。
格闘娘「まて……そこは……ひぁ……」
淫魔「ほら、いーこ、いーこ」
ちゅっくちゅっく
白い肌に開いた桃色の粘膜に、淫魔のなめらかな指が出入りする。
手入れこそされていないが、薄い格闘娘の陰毛をかき分け、淫魔の指はクリトリスにも伸びる。
格闘娘「ひゃあぁ……あひ……」
淫魔「運動してる子は感じやすくてかわいいね……それそれ」
未経験ながら、格闘娘の秘裂は、淫魔の愛撫に蜜を返し始めていた。
粘りけをおびた密やかな水音が、成り行きを見守っていた男と、壁際の女子部員の耳に届きはじめる。
ちゅく……ちゅく……にちゃ……
なめらかな淫魔の指は、格闘娘の処女膜を損なうこと無く、膣内を残酷なまでに愛撫した。
初めて触れられる粘膜を擦り、マッサージして、淫魔は格闘娘を追い詰める。
格闘娘「いや……なんか、こみ上げて……」
じゅくじゅくと、熟れた桃を握りつぶしたようなねばついた音がいっそう高まり、淫魔の指が速さを増して、格闘娘の脚に緊張が走った。
格闘娘「や……なにこれ……んんーっ!」
むき出しの下半身を無様にけいれんさせ、真っ赤に腫れ上がった尻肉の間から、格闘娘の蜜が数滴、ぴゅっぴゅと道場の床へ飛び散った。
格闘娘「うぁあ……はぅ……」
人差し指をくわえ込み、ピクピクとけいれんする秘部をやさしく愛撫し続けて、淫魔は絶頂の余韻を処女の身体にすり込む。
淫魔「ほら、気持ちいいでしょ?」
格闘娘「くぅ……はぅぅ……」
生まれて初めての絶頂を迎え、けいれんの治まらない処女の秘裂に、淫魔はなおも指を入れたままだ。
おしりペンペンの体勢のまま、右手の人差し指でゆっくりと膣壁をこすりあげ、左腕は小刻みにふるえる細い腰にくるりと回した。
格闘娘「え……?」
格闘家の本能から、淫魔が何かしらの技をかけるために自分の腰をホールドしたのだと格闘娘は気づいたが、快感に打ち震える身体では抵抗できない。
淫魔「ごほうびはおわり。つぎは罰ね」
格闘娘「や、待って……きゃあああ!」
格闘娘の女性器の状態など意に介さず、淫魔の人差し指は急激な抽送を始めた。
557 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:21:29.31 ID:qzO5Cc5do
ぶちゅぶちゅと液体の音、泡のかき混ぜられる音が弾け、格闘娘は四肢をばたつかせ、抵抗を試みる。
格闘娘「やめっ……ああああっ!」
淫魔「やめないよー。それそれそおれっ!」
淫魔の指は格闘娘の処女膣をあふれさせ、さらにさらに高みへ追い詰める。
格闘娘「だめ……出ちゃう、からぁ……やめ、やめええ……」
淫魔「でちゃう? ……んふ! 出しちゃえ!」
ちゅぽん! と指を引き抜いて、淫魔はこりこりに膨らんだ格闘娘の肉芽をひねりあげた。
格闘娘「ひいぃぃ! ああああっ!」
背中を反らし、淫魔にホールドされた腰を跳ね上げ、格闘娘の身体の脱力と共に、股間から黄金色のしずくがこぼれ落ちた。
ちょろろろ……
格闘娘「は……はへ……」
淫魔「あーあ、シンセイな道場にオシッコしちゃうなんて、わるい子……わるい子には、おしおきしないとね!」
尿を垂れ流す格闘娘の秘裂に、淫魔は再び指を挿入し、膣から蜜をかき出し、かき混ぜる。
締まりの無くなった尿道からかすかに色のついたしずくと、膣からは白濁した粘液をほじくり出され、格闘娘は身をよじらせる。
格闘娘「あぐ……ゆるして……はあああんっ」
淫魔「ダメだよ、わたしの契約者を傷つけたね」
淫魔の技に容赦は無かった。
腰に回した左手を格闘娘の腹側から回し、クリトリスをこね上げる。
右手は人差し指だけで処女膣を愛撫し、責めあげる。
格闘娘「ひぃうっ!? それダメ! そこだめえええ!」
快楽を楽しませるわけでは無く、心とプライドを破壊するための残酷な愛撫に、格闘娘が耐えられるはずもなく、淫魔が指を引き抜きさしこむたびに、噴水のように無様な潮を噴いて道場の畳を濡らした。
格闘娘「うぁ……ごめんなさい……ごめんなさ……い……」
尿をしぼりつくされ、女性器をていねいに乱暴され、格闘娘は謝罪の言葉をつぶやくだけになった。淫魔の膝に抱えられた尻を高く持ち上げ、上半身はぐたりと脱力して畳に頬を押しつける。
もはやその姿に、拳に狂った殺人鬼の影は無かった。
快楽を教え込まれ、陥落するメスのにおいを道場の畳の空気に振りまき、陵辱された下半身は、いまだ処女のまま発情に震える。
叩かれてまっ赤に染まる、小さく引き締まった尻も、桜の粘膜を囲む大陰唇も、絶頂にピクピクと震え、秘裂はもの欲しげにパクついて愛液と潮を垂れ流す有様だ。
淫魔「さて、下ごしらえはこれくらいかな?」
抵抗する気などとうに奪いつくした格闘娘を、淫魔は後ろから抱き上げ、お母さんが子供にオシッコをさせるように、両脚を開かせる。
局部を男に向け、淫魔は妖しく笑った。
淫魔「さあ男、召し上がれ!」
格闘娘「めし……あがれ……?」
男「わあ、スゲえカッコだぁ……って、おい!」
558 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:22:11.75 ID:qzO5Cc5do
突然の陵辱劇にあっけにとられていた男は、我に返って返事した。
淫魔「好きな相手がいるのに、その相手の目の前で処女を奪われるほど、オンナノコにとってつらい罰は無いからねえ。さあ男! 今こそ復讐のとき!」
格闘娘「処女……や、やめてぇ!」
淫魔に後ろから抱えられたまま、格闘娘は両脚をばたつかせる。
格闘娘「だめ、それはダメなの……」
男「おれだってヤだよ。淫魔がそれだけやったんだから、もういいだろ?」
淫魔「良くないよ。この子は悪魔に心の隙を突かれて、人を傷つけたんだよ? それで自分だけは許してなんて、ムシが良すぎるでしょ?」
男「それは……」
ちらりと男は格闘娘を見た。
短く刈り込んではいるものの、豊かで美しい黒髪。涙に赤くなってはいるが、大きな黒い瞳がかわいらしい。
引き締まった四肢に、小ぶりだがつんと主張する胸の膨らみを黒いタンクトップに収めている。
その少女が股間をおおびらきにされ、濡れそぼった桃色の粘膜をさらす姿は、男子ならば目をそらすのも難しい光景だった。
悪魔に立ち向かう胆力で、男は格闘娘の”そこ”から視線をそらし、淫魔に答える。
男「おれはもういいよ。これって、悪魔の仕業なんだろ? 早く空手部と柔道部の人たちを治してあげて……」
淫魔「もちろん、治してあげるよ」
男は淫魔に向き直る。
男「それなら……」
淫魔「でも、わたしの機嫌が治ったらだね」
男「……は?」
淫魔は虚空に手を振って、棒状の武器を取り出した。
全体にまっ黒で、見た目は細めのバット。
ただし、釘バットの釘を全部サメの歯にしたような、凶悪なトゲトゲが全体にびっしりと生えた代物だった。
淫魔「男に危害を加えられて、わたし、ちょっとキてるの」
男「キてるって……もしかして、お怒りですか?」
やさしげに微笑んだまま、淫魔は黒い刃付きのバットを振り回す。
淫魔「もちろん怒ってるよ。男が復讐にこの子の処女を奪うなら、わたしの気も治まる。でも、男がヤってくれないなら……」
刃物のついた釘バットを格闘娘の目の前にかざし、淫魔はつづける。
淫魔「わたしの気が治まるまで、これを突っ込んで遊ぼうとおもうんだぁ」
格闘娘「ひ……いや……やめて……」
恐怖に奥歯をカチカチ鳴らし、格闘娘は懇願する。
淫魔「それなら男にお願いしないと」
格闘娘「おねが……い?」
淫魔「そ、おねだりとも言うね。あなたの大事なところを開いて、男に言うの。わたしの処女を食べてくださいってね」
格闘娘「そんな……」
淫魔「いやならいいよ? コレもあるし」
ぎらりとバットに並んだサメの歯を輝かせ、淫魔は嗜虐たっぷりに微笑む。
格闘娘「お……おとこ、あたし……の……」
声を震えさせ、涙をこぼし、奥歯をカチカチと鳴らしながら格闘娘は自らの秘裂に手を添える。
淫魔「男さま……でしょ?」
空いている方の手で、淫魔は格闘娘のクリトリスを弾く。
格闘娘「ひあ……あ! 男さま、あたしの……しょ……処女……ううぅ……」
淫魔「あーあ、言えないのかぁ……仕方ないなあ……」
淫魔はいじわるそうに微笑んで、釘バットを格闘娘の入り口に添える。
淫魔「じゃ、挿れるね。もう赤ちゃん産めなくなっちゃうけど、べつにいいよね?」
格闘娘「ひ……や……いやああああ!」
髪を振り乱し、格闘娘は涙を流して叫ぶ。
559 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:23:21.51 ID:qzO5Cc5do
短い髪を振り乱し、格闘娘は涙を流して叫ぶ。
男「待てよ!」
淫魔「んっもう、なに?」
男「淫魔……おまえ、なんか変だぞ?」
淫魔「変じゃないよ。ちょっと頭にきてるだけ」
男「どうしてそんなに?」
淫魔「言ったでしょ? わたしは男を傷つけられた、顔に泥を塗られたんだ」
男「えっと、腕を締め上げられて?」
淫魔「そうだよ」
男「だ、だからって、こんなのオマエらしくないだろ!?」
淫魔「ん? まぁそうかもしれないけど、わたしは気まぐれだからね」
男「でも! オマエは好きな人同士の……その、恋愛……が好きなんだろ?」
淫魔「んぅ? 好きな人同士……想い人同士……ねえ」
にやりと笑い、しかし淫魔は釘バットを格闘娘の秘裂に押しつける。
淫魔「ま、いいじゃない。さあさ、ご姦通!」
格闘娘「いやあああ! 食べて! 食べてください! 男さま!」
ぴたりと淫魔の手が止まり、サメの歯付きの釘バットが女性器から離された。
ぴちぴちした格闘娘の大陰唇には、歯の当たっていた跡がうっすら浮かぶ。
淫魔「んふふ、ちゃんと言って?」
格闘娘「あたしの処女、食べてください……男さまぁ……」
おびえた目には光がなく、涙でほほをぐしゃぐしゃに濡らし、格闘娘は自らの秘部に手を添えてくっと開ききる。
淫魔「男、最後のチャンスだよ……どうする?」
まっ黒な釘バットをくるくる回し、淫魔は男に視線をくれる。
男「……できるかよ」
格闘娘「お願いします、男さま! あたしの……おねがいぃ……」
格闘娘の自尊心は砕け散っていた。
尻をはたかれ、性器をほじられて衆目の中で失禁し、快感に四肢の自由を奪われて、守り通した純潔を、今日会ったばかりの異性に捧げさせられる。
もはや視線に力はなく、絶望に砕かれた瞳に、暗い影が漂う。
それだけ虐められた格闘娘に、最後のとどめを刺すのは、男の雄に途方もなく魅力的な行為だった。
しかし……
男「いや、待て待て、ダメだ! こんなのおかしいだろ!」
格闘娘「そんなこと、ありません……おねがいします、おとこさまぁ……」
絶望にうちひしがれた光の無い目、男は格闘娘の肩に手を添えて、説得する。
男「なんか変なんだ。コイツは……淫魔は、好きな人同士を裂くようなマネはしない」
格闘娘「好きな……ひと?」
頬に涙の筋を落とし、格闘娘は顔を上げる。
男「そうだ。あんたの好きな相手を思い浮かべろ! 助けを呼ぶんだよ!」
格闘娘「私の好きな……空手部長……柔道部長……」
ぽつりと格闘娘はつぶやき、一瞬目に希望の光が灯ったが、それはより深い絶望へ突き落とすカギだった。
すでに格闘娘はふたりの想い人を打ち殺していた。
胸をえぐり、首を折り、格闘娘の背中を抱きかかえる淫魔のさらに後ろ、試合場の畳の上にふたりの骸が転がっている。
最愛の相手を手にかけた絶望に、格闘娘の瞳は虚ろにくもる。それでも、信頼するふたりの名を、格闘娘はつぶやいた。
格闘娘「柔道部長……空手部長……ごめん……ごめんなさい……」
淫魔「んふふ」
罪を告白した格闘娘の言葉に、淫魔の指がパチンと鳴らされ……
560 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:24:20.25 ID:qzO5Cc5do
直後、男の横顔に岩のような拳が命中した。
男「ひでぶろんっ!」
男はコマのように回転しながら、道場の壁まで飛ばされ激突し、ずり落ちる。
次いで、格闘娘を羽交い締めにしていた淫魔の腕が、後ろから伸びた手によって解かれ、淫魔の小さな身体が男に向かって放り投げられた。
淫魔「のわわっ!」
淫魔は放物線を描いて空中を飛び、男の腹に着地した。
男「げびゅっ!?」
気絶しかけていた男は淫魔のストンピングを喰らって意識を取り戻した。
淫魔「男、ごめーん」
男「な……なにがあった……」
淫魔「あの子たちは、自分たちのメスに他のオスが近づいて、だまっているようなフヌケじゃなかったってこと」
男「……あの子たち?」
男が格闘娘に向き直ると、陵辱された少女の後ろに道着を着たふたりの巨漢が立っていた。
男「おい……あれって……」
淫魔「帰ってきた! 戦士たちが地獄のふちから帰ってきた!」
嬉しそうに歌う淫魔の制服の襟をつかみ、男は揺さぶった。
男「なんてコトしやがる! この悪魔!」
淫魔「んふふ! 淫魔だもーん」
突如離れて壁際に飛んでいったふたりに、格闘娘は呆然としていたが、何が起こったのかを瞬時に理解した。
空手部長と柔道部長が助けに来てくれたのだ。
涙にぐちゃぐちゃになった顔に、満面の笑みを浮かべて、格闘娘は振り向いた。
格闘娘「空手部長! 柔道部長! ……え」
そして、格闘娘の表情は凍り付いた。
空手部長「あ……あ……」
柔道部長「……う……ぅん」
ふたりの巨漢は、格闘娘が殺したままの姿だった。
空手部長の胸には、格闘娘のあけた大穴が開き、折れた左腕から血を噴き出す。殴り潰されてぐちゃぐちゃになった顔は、赤黒く歪んでいた。
柔道部長はねじ切られた首を右肩にぽてんと預け、ねじ曲がった首から上は紫に変色している。口はだらしなく開けられ、口角からよだれが垂れる。
561 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:25:16.71 ID:qzO5Cc5do
動く死体と成り果てたふたりを前に、格闘娘は涙を流す。
格闘娘「ごめん……」
淫魔に陵辱された肢体もそのままに、格闘娘は両手で顔を覆って泣き始めた。
格闘娘「ごめんなさい……ふたりとも……ごめん」
空手部長「あ……」
柔道部長「……うん」
小さくなって涙をこぼす格闘娘をはさんで、ふたりの巨漢はひざまずき、肩や髪をやさしくなでる。
空手部長「あ……ああ……」
柔道部長「うん……う……」
泣かないで、とでも言うかのように、格闘娘の震える小さな肩を、ふたりの大きく無骨な手が包み込む。
その優しさが、格闘娘の罪の意識を刺激した。
格闘娘「やめて……やさしく……しないで……」
ぽろぽろと涙をこぼす格闘娘に、空手部長と柔道部長が苦痛を与えるはずもなく、ふたりの死滅した脳細胞に残る愛情が、格闘娘を痛めつける。
格闘娘「おねがい……あたしを殴って。痛く、痛くして……」
罰を求める必死の抵抗だった。
しかし、答えたのはふたりの巨漢ではなく、さっきまで格闘娘を陵辱していた少女だった。
淫魔「へぇ……痛くしてほしいんだぁ」
にやける淫魔を見上げて、格闘娘は瞳に絶望の色を浮かべる。
格闘娘「おまえが……おまえがふたりをっ!?」
淫魔「そうだよ。でも、殺したのはアナタ」
格闘娘のアゴに指を添え、淫魔は瞳をのぞき込む。
淫魔「わるい悪魔に魅入られちゃったんだね。でも、人を傷つけたのはアナタの責任」
格闘娘「くっ……あ、やめ、ふたりとも、どこなでて……あんっ!」
淫魔が目配せすると、ふたりの格闘家は、自らの本能に従って動き始めた。
引き締まった格闘娘の身体に、柔道部長と空手部長の無骨な手が這い回る。
格闘娘「ふあっ……まって……ああっ!」
ふたりの手は大きく硬く、その愛撫はつたなかったが、格闘娘の身体は淫魔に触られた以上の快楽を感じていた。
淫魔「ふふ、本当にふたりのことが好きなんだね」
格闘娘「なっ……ああっ!」
ふたりの少年に、左右それぞれの乳房をこねられ、格闘娘は嬌声を漏らす。
淫魔「ふたりはオトコノコ、ひとりはオンナノコ」
格闘娘「く……ふたりとも、やめ……ひうっ!」
腹を、背中を、腰を、空手部長と柔道部長の手がやさしくなでさする。
それだけで、格闘娘の身体は反応し、無垢な秘裂から透明な愛液がにじみ始めた。
淫魔「3人は幼馴染み。いつも一緒に遊んでいた。かけっこでも木登りでも、オンナノコがいちばんだった」
格闘娘「は……あっ! 何を言って……ふあああっ!」
淫魔「でも、オトコノコたちは道場に通い出した。ひとりは空手、ひとりは柔道。いつの間にかオンナノコは置いてきぼりになっていた」
格闘娘「あたしのこと……? あ……」
にちゅ……
淫魔の指が、格闘娘の秘裂に触れる。
柔道部長も空手部長も、身体をなで回しこそすれ、性器にはまったく触れていないのに、そこは異性を求めて甘く濡れ、かわいそうなほどヒクついていた。
562 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:25:57.29 ID:qzO5Cc5do
淫魔「強くなった方が、先に日本一になった方が告白する、アナタを自分のモノにする……考え方がマッチョだよね、このふたり」
格闘娘「なっ! 告白ッ!?」
淫魔「ふふ、気づいてなかったんだね……かわいい」
くちゅんっ!
濡れそぼり、充血した格闘娘の桃色の粘膜に、淫魔の指が滑り込む。
格闘娘「ひっ! ああああっ!」
じゅくじゅくと 身体の中をかき回され、格闘娘は悲鳴を上げた。
淫魔「好きな人にさわられただけで、こんなになっちゃう……アナタ、どうしようもなくオンナノコだね」
くすくすと笑う淫魔から、格闘娘は必死に顔をそむけた。
淫魔「あなた、このふたりのどっちが好きなの?」
格闘娘「え……」
選べるはずもなかった。
格闘娘「そんな……あたしはふたりとも……」
淫魔「そうだよね!」
突然、淫魔は声を張りあげた。
淫魔「どちらかひとりなんて選べない、どちらかひとりだけに処女を捧げるなんてありえない! でも、他の誰かなんてまっぴら! そうでしょ?」
格闘娘「う……うん」
つぷ……
淫魔は格闘娘の秘裂から指を抜き、たっぷりついた愛液を舐めとると、格闘娘の両側に陣取る動く巨漢の死体、空手部長と柔道部長の道着を緩め、ガチガチに勃起した男性器を引っ張り出した。
ふたりのペニスは、どちらもその体格に見合う剛直で、女性の手なら指がまわらないほど太く、長さは肘から手首ほどもあった。
格闘娘「ひ……おっきい……」
淫魔「よーし、初体験いってみよっか!」
淫魔の言葉を合図に、左右の少年に格闘娘の身体が持ち上げられる。
空手部長と柔道部長は腰を格闘娘の下へと突き出し、ペニスを向かい合わせた。
淫魔「どっちかに決められないなら、ふたりとも食べちゃえばいいんだよ」
格闘娘「……え?」
淫魔の手が格闘娘の股間の下に突きつけられた、二本のペニスに伸び、亀頭の裏スジ同士をくっつけ合わせる。
淫魔「はい、そのまま下ろして〜」
言葉に従って、死体のふたりは格闘娘の身体を下ろし始める。
淫魔の意を察し、格闘娘は首を振った。
563 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:27:23.73 ID:qzO5Cc5do
格闘娘「無理! ムリ! 一本でも無理なのに、一緒になんてむり!」
兜あわせになった二本のペニスの先端が、格闘娘の入り口に押し当てられる。
淫魔「わるいけど……こっちの初めてはもらうね」
3人の性器の結合準備を確認して、淫魔は身体を起こし、格闘娘の両ほほに手を添えた。
格闘娘「まって……やめ!」
淫魔「んふふ、かわいい……ちゅ」
拒否の言葉を飲み込むように、淫魔は格闘娘に口づけし……
格闘娘「ん? ……ん゛ぅ!? んんんんっ!」
格闘娘の身体がゆっくりと引き下げられて、二本のペニスが同時に膣に挿入され、純潔を奪った。
処女膜だけでなく、狭い膣の粘膜をも引き裂いて進入する剛直に、格闘娘は悲鳴を上げるが、
格闘娘「んぐ……んじゅる……ぐぅ……」
淫魔「んふ……ちゅる……ちゅるるっ!」
完全に口を覆った淫魔は、ムリヤリに甘い唾液を送り込み、舌を進入させる。
膣のいちばん奥まで挿入され、左右に並んだ二本の巨根をくわえ込んだ格闘娘の秘裂は、命の危険を感じさせるほどに出血していた。
淫魔「わあ、血だらけ」
格闘娘「いたい……死ぬ、死んじゃう……」
実際格闘娘は、秘部から快楽ではなく身を裂く痛みだけを感じていた。異常な事態に、それが唯一の救いだった。
しかし、くちびるを離して淫魔はささやく。
淫魔「ごめんやっぱり痛いよね。でも好きな人とのセックスは、気持ちよくないと」
格闘娘「ぐ……うぅ……え?」
淫魔は格闘娘の秘部に顔を近づけ、血を噴き出す割れ目にキスをした。
格闘娘「あ……ひぐっ!?」
膣を引き裂く2本の剛直の隙間から、淫魔の舌が内部に侵入し、細かいひだを舐めあげる。
指は血にまみれたクリトリスをやさしくこねまわし、格闘娘は痛みに代わって快感が秘部に熱く広がるのを感じた。
淫魔の性器への口づけは格闘娘の性器をあたため、傷を癒やし、痛みを消してゆく。
格闘娘「ん……ひぅっ……や……あ……」
とろける声に、淫魔は顔を上げた。
淫魔「感じやすい……かわいい」
淫魔が格闘娘の目を見つめながら、クリトリスをひねりあげると……
格闘娘「あ……あああああっ!」
背をそらし、二本のペニスの隙間から愛液をぶちまけて、格闘娘は絶頂した。
564 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:28:04.75 ID:qzO5Cc5do
痛みなど、もはや存在しない。あるのは恐ろしいほどの快感だけ。
発情した膣は、挿入されたふたりのペニスがどのような形をしていてどこを擦っているのか、どこに引っかかっているのかを、快楽の形で格闘娘に教えた。
淫魔「んふふ、きもちいーでしょ?」
格闘娘「やめ……だめ、気持ちいいの、やぁ……」
淫魔「またまたぁ……アナタのおなかはこんなに悦んでるのに」
格闘娘「……え?」
淫魔の手のひらが格闘娘の下腹部、子宮の上に当てられ、ゆるゆるとなでさする。
格闘娘「はぁ……ふぁ……それこわい、とけちゃうぅ……」
淫魔「うん、やさしくされるのが嫌いな子なんていないもんね……ふたりとも、思いきり蕩かしてあげなさい」
淫魔がいうと、ぐちゃぐちゃに顔面のつぶれた空手部長と、首の折れてぶら下がる柔道部長はぱちりとまばたきした。
淫魔「うん、よろしい。じゃあね」
格闘娘「ま、待って……」
淫魔「んぅ?」
格闘娘「あんた……あたしを……どうするつもり?」
最後の抵抗に、格闘娘は声を絞り出した。
淫魔「そんなの決まってるじゃない」
格闘娘「……ふぇ?」
淫魔「アナタを、幸せなオンナノコにしちゃうの」
格闘娘「や……」
淫魔「好きな人におまたをかき混ぜられて、エッチでふわふわで、なにもわからなくて、でも幸せにしちゃうの」
格闘娘「やめて……痛く、痛くして……」
淫魔「はじめなさい」
格闘娘の拒否の言葉をさえぎり、淫魔が命ずると、ふたりの巨漢はていねいに格闘娘を犯し始めた。
空手部長「あ……ああ……」
柔道部長「ぅん……ん……」
耳にささやき、首筋をくちびるで賛美し、肌を指で称えて、かわるがわる、時には一緒に、二本のペニスを出入りさせる。
格闘娘「ああんっ……やさし……しないで……」
淫魔の術をかけられた格闘娘の身体に、ふたりからの愛撫は残酷なまでに響いた。
乳首もクリトリスもつんと張り、かき出される性器は子宮からの白濁液が混じった蜜を、こってりと落とし、ふたりの玉袋まで濡らす。
自分の傷つけた最愛のふたりにやさしく犯され、快楽に溺れさせられるのは、格闘娘にとってこの上ない罰だった。
いっそこのふたりの手にかかって殺されるならどれほど楽だろうと格闘娘が思っても、ぎこちなくもていねいな愛撫は止まない。
565 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:28:34.79 ID:qzO5Cc5do
格闘娘「ごめんなさい……ごめん……あああっ!」
涙を流し、快楽に溺れていると、ふたりの男性器がぴくんとふくれるのを感じた。
格闘娘「あ……」
本能で、何が来るのかを格闘娘は理解した。
格闘娘「出す……の?」
ゆったりと動く2本のペニスを、快感にしびれる膣できゅっと締めると、左右のふたりは、身体を少し震わせてため息をついた。
空手部長「あ……」
柔道部長「ん……」
一瞬、動きが止まり、次いで男性器が震え、ねっとりと熱い感触が、格闘娘の膣にひろがる。
格闘娘「あ……精液……え?」
淫魔の術だった。精液に込められた思いの丈を、格闘娘の膣は読み取っていた。
出会いから現在までの3人の記憶、格闘娘が忘れてしまっていた小さなことも、ふたりのどちらかは、もしくはふたりともが覚えていた。
そしてなにより、ふたりの競争心と友情、格闘娘に向けられた愛情までもが、子宮を通じて格闘娘の全身に行き渡る。
格闘娘「こんな……の……耐えられ……ああああああっ!」
目をきゅっとつむり、身体を大きく反らして、格闘娘は達した。
格闘娘「おなか……とける……とけ……あぁ……」
空手部長「……あぁ」
柔道部長「んぅ……」
射精してなお、ふたりの剛直は硬いままで、格闘娘の膣をごりごりと擦りあげる。
格闘娘「ふああぁ……あぁ……」
とろけきった表情を隠そうともせず、なすがままの格闘娘からペニスが同時に引き抜かれた。
格闘娘「え……」
畳に寝かせられた格闘娘は、意外そうにふたりを見上げる。
潰された顔面と、右肩にぶら下がるふたりの顔に、読み取れる表情はない。
しかし、その雰囲気は格闘娘の味わったことのあるものだった。
3人で遊んだとき、何かの弾みで格闘娘がケガをしたり泣き始めたとき、どうして良いかわからずに、うろたえるふたりのオトコノコの姿だ。
目の前の少年ふたりは、鍛え上げた身体にもはや以前の面影はほとんど見いだせない。しかし、間違いなく格闘娘の愛するふたりなのだ。
くすりと微笑み、官能の波が引かず、まだ自由に動かせない腕をふたりに差しだした。
スポーツブラごとタンクトップをめくり上げて、小粒の乳首を露出させ、恥ずかしさを殺して両脚をふたりに向けて開き、格闘娘はうながした。
格闘娘「ふたりとも……きて」
空手部長も柔道部長も、死体となった故に表情を変えなかった。
それでも格闘娘は、久しぶりに幼馴染みのオトコノコたちの笑顔を見た気がした。
566 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:29:08.43 ID:qzO5Cc5do
2体のゾンビが、道場の真ん中でいたいけな少女をふたたび陵辱しはじめ、見守っていた男は声を漏らした。
男「う……わぁ……」
淫魔「いやあ、いつの時代も縁結びって良いもんだねえ!」
男「どこがだよ! せめてあのふたりだけでもケガを治してやれば良かっただろ?」
淫魔「んぅ? だってコレは罰だもん。あの子の初体験は、殴り殺した自分の想い人ふたりに、ぐちゃぐちゃに犯されるんだから」
道場の中央、畳の上で絡み合う格闘娘が嬌声を上げる。
格闘娘「んああああっ! ふたりとも好きいぃ! ああああんっ!」
潮と愛液をだだ漏れにして、2体のゾンビに犯される格闘娘に、罰という言葉は似合わなかった。
男「……罰?」
淫魔「んふふ、あんな浅ましいセックスが初体験なんて……罰でしょ?」
男「う……でも、みんなの記憶は書き換えるんだろ?」
淫魔「それは当然」
淫魔が顔を道場の壁際に向けると、おびえて固まった女子の一団があった。
みな、道場の中央で交じり合う3人を食い入るように見つめている。
淫魔「さてと」
男「待て!」
少女たちの集団に歩き出した淫魔の肩を、男は捕まえる。
淫魔「なに?」
男「淫魔おまえ ”どうせ記憶を消すんだから、食べとこ” とか思ってるだろ?」
淫魔「うん」
男「んなことすんな!」
すると、淫魔は向き直り、男の胸に人差し指を突きつけた。
淫魔「男、いい? わたしはここに来る前、卓球部でお楽しみの最中だったの」
男「は? はぁ……」
淫魔「それなのに、男のピンチを嗅ぎつけてここに飛んできた。わかる?」
男「ああ、それは……ありがとう」
淫魔「んむ。わたしも男がピンチでちょっと緊張したの。でも、男が手こずってたのは、たんなるオンナノコだったわけ」
男「はぁ? あいつがただのオンナかよ!?」
淫魔の言いぐさに、男は道場に散らばる道着を着た少年たちを見る。
血だらけで胸や腹をえぐられ、首を折られて倒れる少年たちは、誰ひとりとして生きていない。
それをやったのが、ただの少女であるとはとうてい思えなかった。
男「これだけのヤツらを相手に、一方的に殺しまわる……それでフツーのオンナだって?」
淫魔「そうだよ、ほら」
淫魔は道場の中央で絡み合う3人を指さした。
空手部長は格闘娘の肛門に、柔道部長は口にそれぞれペニスを突っ込み、重機のように腰を振る。
格闘娘は立ち上がったふたりの股間を橋渡しするように、肛門に空手部長を、口に柔道部長を受け止めていた。
格闘娘「あああっ! もっと……んちゅ! んうぅ!」
肛門をえぐられて嬌声を上げ、夢中でペニスにしゃぶりつく格闘娘は、これ以上ないほどメスに成り下がっていた。
淫魔「オンナノコでしょ?」
男「……わかった、それはいい。でも、どうして他の女子にまで手を出そうとするんだ?」
ドアの前で小さくうずくまる道着を着た少女たちに、淫魔はいやらしくもやさしい視線を投げかけた。
淫魔「んぅ……エッチなことして、あたまがよくわかんなくなってれば、こわいもの見ても大丈夫でしょ?」
男「こわいもの……?」
男がつぶやくと、淫魔は少し残念そうにため息をついた。
淫魔「うん。でも、間に合わなかったなぁ……」
淫魔は道場の天井と床の間、中空を眺めた。
567 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:30:45.86 ID:qzO5Cc5do
最初、そこにはなにも無かったが、やがて男の目にもわかる赤い靄が広がり始めた。
淫魔「ま、デザートもアリだよね」
赤さを増す靄を眺めながら、胸元のリボンに手をかけて、淫魔はスルスルと制服を脱ぎ去った。
制服の下に、淫魔は青い革のビキニを着込んでいた。
三角形の革の面積は小さく、デザインはグラマーな女性にこそふさわしい。
成長しきっていない少女の身体の淫魔には少々ミスマッチで、それがまた妙ないやらしさを醸し出している。
青黒い革ビキニの食い込みをなおし、淫魔は髪をさっとなで上げた。
紫色のショートカットが、ピンクのウェーブがかったロングヘアに変わる。
背中から生える羽も黒い鳥の翼ではなく、ゴムのような質感の黒っぽいコウモリの翼だ。
腰からは翼と同じ黒っぽい尻尾が伸び、先端はトランプのスペードそっくりな返しになっている。
その格好は、あまりにも典型的な”サキュバス”だ。
男「なんだよその格好」
淫魔「んふふ、コスプレ」
軽く身体をひねって姿を確認し、淫魔は道場の中空に視線を戻した。
淫魔「遅いなあ……」
じれったそうに淫魔はぼやき、黒い雲を見上げる。
道場の宙に浮かぶ赤い雲は少しずつ濃くなり、道場の中に風が吹きはじめた。
風だけでなく、道場中を震動させる笑い声もが赤い雲から響き渡る。
???「はーっはっはっは!」
やたらと大きな声だったが、声質はかわいらしい少女で、ついで人影が赤い雲から飛び出した。
それは、ボクサーパンツとTシャツを着た少女だった。
服装や小麦色の肌は活発な人間の少女だが、髪はまっ赤で、背は高校生の平均より若干高いくらい。見た目は人間そのものだが、ただ拳だけが、ヒトの胴をひとつかみにできるほど大きい。
道場の中空に浮かぶ赤い雲から、高笑いと共に現れた少女がまともな人間であるはずなく、悪魔のたぐいであることは男の目にも明白だった。
その巨大な手を翼のようにはためかせ、赤髪の少女は畳を踏みしめる。
ついで、ぎゅっとこぶしを握り固め、サキュバスの格好をした淫魔に向けた。
???「ボクの契約者に手を出したのはおまえだな?」
赤銅の鈴のような、丸くも通る声だが、口調にはあらわな怒りが浮かぶ。
少女の怒りをまったく気にせず、サキュバスのコスプレをした淫魔は腰に手を当てて答えた。
淫魔「そだよー」
???「なんだその言い方は! 頭が高い!」
淫魔「ん〜? あなた、誰?」
???「ボクを知らないのか? まあいい……ボクは西方魔王雷神様の麾下、正二位の大魔王である霧王様にお仕えする拳鬼だ」
淫魔「ふーん」
自信満々の拳鬼に、淫魔は鼻歌まじりに返事する。
拳鬼「いいか? ボクのおじいさまは四つの鐘で万魔殿の玉座の間に入るんだぞ? 由緒正しい魔界の王族なんだ。そのボクの契約者に手を出して、何の挨拶もないのか?」
淫魔「それはこっちのセリフ。あなたの契約者は、わたしの契約者に危害を与えようとした。だから反省してもらったの」
試合場の畳の上で絡まり合う格闘娘たちを淫魔は指さした。
もはやまっとうな言葉も発さずに、肛門には空手部長の、性器には柔道部長をくわえ込み、ふたりとかわるがわるキスをする。
雄に溺れる契約者を一瞥し、舌打ちをして拳鬼は淫魔をにらみつけた。
拳鬼「だからどうした。ボクは王族だぞ? ボクの契約者に手を出したからには、わかってるんだろうな?」
淫魔「王族? んふふ、あんなに中途半端な契約をしておいて、それでも王族だって威張るんだ?」
拳鬼「なに……?」
淫魔「あの子は、強くなりたかったんじゃない。ふたりのオトコノコが離れていくのがさみしかったんだよ。だからわたしが本当の願いを叶えてあげた。もう、あなたの契約者じゃないよ」
拳鬼「ふざけるな! ボクのおじいさまは……」
淫魔「身分の差なんて関係ないでしょ? あなたの契約者はわたしの契約者に手を出した。つまりあなたがわたしの契約者……男くんを傷つけたようなもの」
両手を差しだし、淫魔は宣告する。
568 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:34:06.16 ID:qzO5Cc5do
淫魔「あやまって。そしたら許してあげる」
拳鬼「ふざけるな!」
巨大なこぶしを振り上げて、拳鬼は怒鳴る。
拳鬼「どうして武人のボクが、オマエみたいな薄汚い淫売に許しを請わなくちゃならないんだ!」
淫魔「……」
拳鬼「オマエはボクの契約を台無しにした。ボクのジャマをするのはボクの主である霧王様、さらには霧王様を庇護される雷神様に歯向かうってことだ!」
淫魔「……だから?」
淫魔の声は、低く落ち着き、異様なすごみがこもっていた。
拳鬼「なに?」
淫魔「ここまでバカだとは思わなかった」
拳鬼「ば……バカだと? このボクをバカだって?」
淫魔「バカなだけならまだ良い。権力を笠に着て、契約者の願い事をかなえる責任も放り投げ……」
指で輪を作って、淫魔はパチンと鳴らした。
着ていた青い革のビキニが消し飛び、一糸まとわぬ姿になる。
いかなる衣装もその美を損なうだけの、均整の取れた、やわらかくも引き締まった少女の裸体が、道場に現れた。
髪はピンクの長髪から紫のショートカットに戻り、なめらかな髪の房の間から真っ赤な角が伸びる。背中の翼はコウモリからまっ黒な鳥の翼になって、サキュバスの尻尾は消え去った。
淫魔「わたしのことを淫売と言ったな……これでも同じこと言える?」
魔界の皇帝、凡ての魔を統べる魔界の総統、神の福音を否定する、黒刃を振るう黒き女神。
真の姿を顕して、淫魔は拳鬼に告げた。
威勢の良かった拳鬼の顔から、一気に血の気が引く。
拳鬼「あ……れ?」
淫魔「わたしの名前を言ってみろ!」
拳鬼「まさか……そんな……淫魔さまっ!」
巨大な手のひらを畳に伏せて、拳鬼は全裸の淫魔に平伏した。
淫魔「拳鬼、あなたは自分の利益のために、人間の望みを歪んだ形でかなえた」
拳鬼「は……ははーっ」
淫魔の言葉に、拳鬼は額を畳にこすりつけた。
淫魔「あなたの仕業で、たくさんの子が身も心も傷ついた。あなたが服する魔の皇帝として命ずる。万魔殿に行き、沙汰を待て」
ぴくんと拳鬼の肩が反応した。
拳鬼「魔の皇帝は……もはや淫魔翌様ではありません」
顔を上げ、拳鬼は拳を握り固めた。
拳鬼「雷神様こそ魔界の君主にふさわしいお方だと、霧王様もおっしゃっていました。星の巡りは変わったんだって」
淫魔「そう……」
拳鬼「淫魔翌様……お覚悟ッ!」
569 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:35:01.73 ID:qzO5Cc5do
ひれ伏した体勢から銃弾を超える初速度で、拳鬼の突きが淫魔に放たれた。
巨大な拳が淫魔にぶち当たり、道場に爆音が響く。
轟音と爆風に、男は顔を覆った。
男「く……淫魔っ!?」
男は音圧を受け流し、かざした腕の隙間から淫魔を見た。
魔人の強力な攻撃を、淫魔は片手で軽々と受け止めていた。
そして……
淫魔「男、ちょっと酷いことするから、あまり見ないでほしいなぁ……」
男「……へ?」
男が答える間もなく、淫魔は受け止めた拳鬼の右手首をつかみ、肩から腕をむしり取った。
ブチチ……ボキッと、肉を裂き、骨の砕ける音が鳴り、次いで拳鬼の悲鳴。
拳鬼「ぎぃ……ああああああ! ボクの、ボクのうでぇ……」
淫魔「んふふ、いただきまぁす」
肩から千切られ、びくびくとけいれんする拳鬼の右腕に、淫魔はかぶりついた。
しなやかな筋肉のついた拳鬼の腕を、スイカを食べるようにサクサクと、淫魔は骨ごと食べ進める。
淫魔「んーっ! 引き締まってて、美味しい!」
魔人の腕に舌つづみを打つ淫魔から、拳鬼はよろめきながら遠ざかった。
拳鬼「逃げなきゃ……逃げないと……」
千切られた肩の傷から噴き出る血もそのままに、逃げる拳鬼の先に、黒い雲が浮かび始めた。
拳鬼「ううぅ、痛くて……術の集中が……死にたくない、死にたくないよぉ……」
黒い雲での移動術に、拳鬼は近寄ろうとしたが、ぐいっと肩を引き戻された。
淫魔「逃げちゃダメ」
拳も指先も、さくさくと美味しく食べ終えた淫魔は、髪をつかんで拳鬼を立たせた。
淫魔の口の回りは、拳鬼の真っ赤でべっとりと汚れている。
拳鬼「おゆるしください……淫魔翌様……」
淫魔「んふふ、だ〜め」
血だらけの唇で笑い、淫魔は黒い翼から数枚の羽を抜き取って、拳鬼に振りかける。
降りかかった黒い羽は細く長い針になって、拳鬼の身体をつらぬいた。
拳鬼「あああっ!?」
どの針も拳鬼の身体を少しナナメに貫通し、床に拳鬼の身体を縫い付ける。
淫魔「拳鬼、昆虫標本みたいで、かわいいよ」
拳鬼「ごめんなさい、淫魔翌様、おゆるし……あああっ!」
下半身に手を伸ばし、淫魔は拳鬼のボクサーパンツをはぎ取って、張りの良い肌と秘裂をさらけ出した。
胴を貫通し床に突き立った黒い針をつたって、拳鬼の鮮血が畳に垂れる。
拳鬼「ふあっ!?」
身体を縫い付けられて動けない拳鬼の大切な場所に、淫魔の指が伸びた。
片腕をむしられ、全身を針に貫かれてなお、淫魔の指技は拳鬼の秘裂を潤ませる。
拳鬼「んく……淫魔翌様、おゆるしを……うあ……あ……」
ちゅくちゅくと音を立て、かき混ぜた指を抜いて淫魔は拳鬼の蜜を味わった。
淫魔「んふふ、やっぱり初めてなんだね」
拳鬼「ううぅ……ボク……あの……」
淫魔「恥ずかしがらなくて良いんだよ?」
ぐちゅぐちゅと拳鬼の処女膣をあふれさせ、淫魔は張りの良い太ももにも手を触れた。
拳鬼「はあぅ……うぁ……」
内ももをなで上げると、それだけで拳鬼は甘い声を上げる。
淫魔「恥ずかしがらなくていい……だって、これが最後なんだから」
570 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:35:44.50 ID:qzO5Cc5do
淫魔は拳鬼の太ももにぎゅっと指を食い込ませ、右脚を根元からねじ切った。
拳鬼「え……あ……あれ?」
淫魔に股間をかき混ぜられ、快感に朦朧とした拳鬼は、腕に続いて脚を引きちぎられても、もはや悲鳴を上げることは無かった。
ぼんやりとした喪失感に、拳鬼は呆然と脚の切断面を見下ろしていた。
拳鬼「うそ……ボクのあし……あし……」
太もものついていた場所から血が噴き出し、淫魔にいじられた無毛の局部に鮮血がたれる。
淫魔「ほら、すっごく美味しそうだよ?」
拳鬼からむしり取った太ももの切れ口に、淫魔は歯を立てて噛みつき、ごりごりと生の肉を噛み千切る。
もう片手では、太ももの切断面からの血をさらなる潤滑液にして、拳鬼の秘部をかき回し、痛みと快楽に拳鬼の思考を奪ってゆく。
拳鬼「うあ……ぁ……」
淫魔「うん! あなたの脚、美味しいよ」
淫魔はあえて骨を残しながら、拳鬼の脚を食べる。
太ももの肉を食べ終え、骨だけになった大腿部、血だらけの大腿骨を膝関節からはずして、先端を噛み削って形を丸く整える。
淫魔「んぐ、こりこり……丸くしといた方が挿れやすいからね」
拳鬼「……いれ……る?」
拳鬼自身の血まみれの大腿骨、その丸く噛み整えられた先端が、蜜と血の滴る拳鬼の秘裂にピトリと当てられた。
処女膣に押し当てられた自身の身体のなれの果てを感じ、何をされるのか悟って、拳鬼は涙を流す。
拳鬼「淫魔さま……ごめんなさい……ごめんなさい……」
淫魔「んふふ、んふふふふ〜」
涙を流した懇願すら、淫魔は楽しげに受け流し、拳鬼の秘裂に拳鬼自身の大腿骨を挿入した。
ぶつんと処女膜を破り裂き、人体でいちばん太い骨が処女膣に刺し込まれる。
拳鬼「んぎ!? やめ……ぎゃあっあ……あ?」
淫魔「痛い? 痛くないよねえ?」
拳鬼「あ……あれ?」
淫魔の唾液がたっぷりまぶされた拳鬼自身の大腿骨は、経験のない魔人の膣を早くもぬめらせていた。
淫魔「自分でかき回せるでしょ?」
まだ自由な拳鬼の巨大な左手をつかみ、淫魔は突き刺さった大腿骨に触れさせる。
拳鬼「ひうっ!?」
淫魔「抜いたり、刺したり……気持ちいいよ?」
まだ少し肉のついた骨は、拳鬼の膣内を絶妙に擦り上げた。
骨につく血が、元から骨についていたものなのか、破瓜の血なのか、むしられた脚の付け根からの血なのか見た目にはわからない。
そして骨のディルドが淫魔の手で抜き差しされるたびに、拳鬼の蜜壺はあふれ、なめらかな粘液の湿り気を増してゆく。
拳鬼「ひぃう? あああっ!?」
淫魔「ほら、自分で動かして……」
耳元で淫魔がささやくと、拳鬼は熱に浮かされたように、血のついた自分の骨で、血の噴き出る自分の秘裂を犯し始めた。
その様を見て、淫魔は楽しげに右脚の残り、膝から下にかぶりつく。
拳鬼「あはぁ……はへ……」
夢中で骨を抜き差しする拳鬼の下半身は、またたく間に愛液に濡れ、真っ赤な血と透明な粘液がマーブル模様になって左脚をつたわり落ちる。
571 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:36:10.68 ID:qzO5Cc5do
拳鬼の右脚を、指の一本まで残さず食べた淫魔は、その左脚に手をかけた。
淫魔「ん、おかわり」
拳鬼「んへぇ? ……ひぎあああっ!」
躊躇なく拳鬼の左脚をもぎ取って、淫魔はかぶりついた。
右腕と両脚を失って、見た目にもスッキリした拳鬼は、最後に残った左手で骨のディルドを握り、自らの秘裂を崩すように犯し続ける。
淫魔「ん……ちゅるん……拳鬼、こっちにもあげるね」
右脚と同じように肉を削り取った大腿骨を、淫魔は拳鬼の肛門に挿入した。
拳鬼「ふぇぇ? んはあああっ!」
愛液を垂れ流して拳鬼の股間はひどく濡れ、簡単に骨のディルドを肛門で飲み込んだ。
小さなふたつの穴に、太い大腿骨をぎっちりとくわえ、拳鬼は二本の骨を箸のように持って抽送する。
右肩と両の足の付け根からの痛み、秘裂と肛門からの狂おしいほどの快楽に、もはや拳鬼は正常な思考を保つことなど出来なかった。
焦点の合っていない瞳で淫魔を見つめ、夢中に股間の骨を抜き差しする。
左脚の残りも食べきった淫魔は、拳鬼の両耳を塞ぐように手を添えて……
淫魔「じゃあね、拳鬼。とっても美味しかったよ」
ひたいにキスをした。
拳鬼「んえ? あ……あああぁぁ……」
快楽にとろけていた拳鬼の表情に、一瞬の恐怖が浮かび、その目がくるんと白眼を剥いてガクガクとけいれんし始めた。
口は大きく開けられ、突き出した舌からよだれがこぼれる。
拳鬼「淫魔さま……おゆるし……ぁ……」
そのまま淫魔は、拳鬼のすべらかなひたいに音を立ててキスをする。
キスをする合間にモグモグと何かを咀嚼し、そして美味そうに飲み込んでゆく。
淫魔「んじゅる……ん……んっく……もぐもぐ……」
拳鬼「あへ……いんまさま……あ……ぼくは…………」
骨のディルドをかき回していた拳鬼の腕が、脱力してだらんと下がり、中空に昆虫標本のように針で縫い付けられた全身は、腹から肩にかけて無意味なけいれんを繰り返す。
腹部は呼吸でなく痙攣による膨張と収縮をつづけ、左手は力なく5本の指を震えさせた。
淫魔「んふ……ふぅ……美味しかった」
拳鬼「……」
淫魔が額からくちびるを離す頃には、拳鬼は呼吸さえしていなかった。
拳鬼のひたいには、ペットボトルの飲み口ほどの小さな穴があいていた。穴のまわり、ひたいの皮膚はわずかに出血し、穴の中は黒い空洞で、なにも見えない。
ぺろりと舌をのぞかせ、指先で拳鬼のアゴをくいっと持ち上げ、淫魔はつぶやいた。
淫魔「霧王がどこにいるのかは知らないみたいだね……残念」
拳鬼「……」
ひたいに穴を空けられた拳鬼の表情は空虚で、精悍な少女には似つかわしくなかった。
淫魔はその表情を眺め、ふたたびひたいに口づけて、拳鬼の頭全体へと穴をかじって広げていった。
髪の毛も、頭髪も、皮膚も頭蓋骨もいっしょに、肉のついたせんべいのようにかみ砕き、淫魔は拳鬼の頭部を食べてゆく。
拳鬼の頭部、髪の毛の生えているところを食べ尽くして、頭蓋骨の内側があらわになった。
頭蓋の内側。赤い肉と白い骨の露出した拳鬼のそこに、すでに脳はなかった。
淫魔はシュークリームのクリームだけを吸い取るように、ひたいに空けた穴から拳鬼の脳を舌で掻きだし、食べ尽くしていたのだ。
淫魔「これ、もういらないね」
淫魔は黒い針による拳鬼の拘束を解いた。もはや拘束の必要はなかった。
拳鬼はもう動かない。
脳を失って心臓の止まったばかりの、まだ温かい拳鬼の身体を横たえて、淫魔は食事を再開した。
572 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:36:47.45 ID:qzO5Cc5do
男「……うっぷ」
淫魔の食事は、まともに見られるものでは無かった。
全裸の淫魔は、浴びる返り血もそのままに、拳鬼の身体の破壊そのものを楽しんでいた。
皮を剥き、骨をはずして犬のように食らいつく。
淫魔「はふはふ! うまうま!」
淫魔が咀嚼しているのは殺されたばかりの、ほとんど人間と見分けのつかない魔人だが、美味そうに食べる姿は毎晩の食事と変わりなく、それがいっそう男の目にキツく映った。
男「おえ……うげぇ……」
昼食からかなり時間があったので、胃に内容物がないのを男は感謝した。
胃袋にモノがあったなら、間違いなく吐いていただろう。
淫魔「ずるるるる……ん? 男も食べるかい?」
引き裂かれた拳鬼の腹部から腸を引っ張り出してすすりながら、けずりとった乳首付きの乳房を肉まんのように差しだして、淫魔はすすめた。
男「食うかよ!」
淫魔「んぅ……けっこう美味しいのに……」
ちゅるちゅると内容物ごと小腸をすすり、乳房も数度に分けてかじりながら、腹腔にたまった血に口を付けて飲む。
かぶりつくときに大きく口を開けるので、淫魔の歯が真珠で出来たトウモロコシのようないつものかわいらしい歯ではなく、鉄の釘を並べた、肉食動物よりも恐ろしい櫛のような歯に変わっていると男は気づいた。
肉を削り取り、骨を砕く鋭い歯となった淫魔は、肉も骨も内臓も、サクサクと拳鬼の身体を食べ尽くし、巨大な左腕だけを食べ残して、歯をいつもの人間に似た形に戻した。
ぽっこり膨らんだ腹を満足そうにぽんぽんと叩き、残った左腕をかじりながら、淫魔は男に歩み寄る。
男「うげ……おえぇ……」
淫魔「なにえずいてんのさ」
男「オマエのせいだろ!」
淫魔「んー? もぐもぐ」
コンビニのフライドチキンを食べる手軽さで、淫魔は拳鬼の最後の残骸、巨大な左腕をむしゃむしゃ食べる。
男「ちょっと、見せるなよそれ……」
淫魔「んむ……けっこう美味しいんだけどなぁ……」
全裸に返り血を浴びたままの格好で、淫魔はぽりぽりと頭を掻く。
淫魔「ま、いっか……」
拳鬼の残骸を片手でぶら下げ、もう片方の手指に輪を作り、淫魔はパチンと指をならしたが、特に何も起こらない。
男は不思議そうに顔を上げた。
573 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:37:20.23 ID:qzO5Cc5do
女「なんかした?」
淫魔「まあね」
ニヤニヤと男を見下ろしながら、淫魔は拳鬼の腕にかぶりつく。
女「あれ……? あっ!」
淫魔「うん。やっぱり男はオンナノコになるとかわいいねえ。妹ちゃんと同じで、お母さん似かな?」
女性になった男の身体は、妹や母に似て、年齢のわりに小柄で細身だった。黒く長い髪を左右にツインテールにして下げる美少女だ。
女「おい、なんでこんなこと……」
妙な気配を感じ、男は顔を上げた。
全裸で真っ赤に血を浴びて、巨大な片腕を音を立ててムシャムシャ食べている以外は、いつもと変わらない淫魔だった。
問題はその後ろ。
格闘娘に胸をえぐられ、首を折られて絶命していた空手と柔道の部員たちが、うめきを上げて立ち上がったのだ。
出入り口に群がっていた女子たちは、とっくに殺されたとあきらめていた男子たちに、めいめい駆け寄って様子を見て……悲鳴を上げた。
折られた首は折られたままだった。えぐられた胸はえぐられたままだった。
淫魔は死んだ部員たちのケガを治したわけではなく、部長のふたりと同様、死者のまま動けるようにしただけだった。
淫魔「男女比が悪すぎるから……ねえ男、仕方ないよね」
女「おい、なに言ってんだよ! んむうっ?」
唇をムリヤリ重ねられ、男の口の中に淫魔の甘い唾液と、拳鬼の血の味が広がる。
淫魔「んちゅる……んふ……ちゅぱ……」
女「はん……んちゅ……くちゅ……ふあぁ……」
食べかけの拳鬼の左腕を畳に一旦置き、淫魔は女に襲いかかる。
女を食べるため、もちろん性的な意味で。
淫魔「いただきまぁす」
女「やめ……ちょ、淫魔っ! あああっ!」
574 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:38:00.59 ID:qzO5Cc5do
ヘビのような俊敏さで、淫魔は女の身体にまとわりつくと、道着の中に手を差し入れ、愛撫を始める。
女「や……ほんと、待って……んっ!」
淫魔「んふふ、わたしが開発したんだもん。感度良好だね」
きゅっと、乳首をひねりあげられ、女はその場に崩れた。
女「ひゃっ……あ……ああ……」
膝の力が抜け、へたりこむ女を抱えながら、淫魔は道着の胸をはだけさせて乳房を露出させる。
まっ白な肌にわずかなふくらみが宿り、桜色の乳首がつんと主張する。
淫魔「うーん、ちっぱいっ! はむっ!」
女「や……いま吸っちゃ……んーっ!」
道着をはだけさせ、胸を淫魔に吸われて、女は背をそらし身体を震わせる。
女の注意が胸に行っているのを良いことに、淫魔は道着の下履きを脱がし去った。
女「ふぁ……あ……」
淫魔「乳首だけでイっちゃうんだぁ……やらしいなぁ……」
女「んぅ、それは淫魔が……んっはあああっ!」
定型文的な反論をしようと女が口を開いた瞬間、淫魔の硬く勃起した長大なクリトリスが女の下の口に滑り込んだ。
女「まって、いまは……ああああっ!」
淫魔「んふふ、イきたてのオンナノコ……美味しい」
女の脚を開かせ、吊り橋に女の腰を持ち上げて、乳房とくちびるに交互にキスしながら、淫魔は性器を突き崩す。
女「んあああっ! 淫魔……もう……だめぇ……」
淫魔「んふふ、そんなこと言っていいの?」
女「……ふぇ?」
淫魔「わたし、けっこう期待してたんだよ? 強くなろうってがんばってる男が苦戦する相手だもん……でも、実際はただの恋煩いのオンナノコと勘違いしたへぼ魔人っ!」
ずちゅんと音を立て、淫魔の剛直が女の膣奥を突き上げる。
淫魔は血だらけの手で女の腰にぴったりと手を添え、弓なりに反る細腰を突き崩す。
女「あっ……あっ! 淫魔っ、それ、強っ……」
淫魔「期待してたから、身体が高ぶっちゃって、ほてっちゃって……もうたまんないのっ! それなのにっ!」
機械のように規則正しく淫魔の腰は動き、剛直をくわえ込んだ女の女性器は泡混じりの愛液を噴き出す。
女「淫魔……おれ、もうっ……」
淫魔「男、いいの? わたしを満足させないと、あのオンナノコたち……」
腰を引き、淫魔は動きを止める。
淫魔「食べちゃうぞ?」
女「ま、待って、いんま……」
ずちゅんっ!
引かれていた腰が一気にさしこまれ、女の子宮底を突き上げた。
熱くたぎる淫魔の剛直に、甘く蜜壺をかき回され……
女「ひああっ も、だめ……んああああ!」
大量の潮をまき散らし、女は絶頂した。
575 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:38:32.99 ID:qzO5Cc5do
道場にいた柔道部と空手部の女子たちは恐慌状態に陥っていた。
格闘娘による男子部員の虐殺は、突然現れた紫髪の少女によって終わったが、その少女もまともな相手ではないらしい。
黒雲から現れた大きな手の娘を分解しながら食べ尽くし、残った腕を畳において、今はツインテールの少女を強姦……しているようだった。
加えて、殺されたはずの男子部員たちが、折れた首や砕かれた胸をそのままに起き上がり、ふらつき始めた。
立ち上がった男子たちは名前を呼んでも反応することなく、少女たちに出来るのは、余計な刺激をしないよう距離を置くことだけだった。
おそろしい道場の光景から目をそむけるため、少女たちは壁際に集まって道場に背を向けていたが、背後から紫髪の少女の声が響いた。
淫魔「んふふ」
数人が肩をびくつかせ、おそるおそる振り向いて、悲鳴を上げた。
淫魔は身体の前に女を抱きかかえていた。
お母さんが子供にオシッコなどをさせるときのポーズで女を拘束し、桃色の肉の塊がふたりの股間をつないでいた。
女「も、だめ……うぁ……」
両脚を開かされ、はだけられた道着から勃起した乳首をさらして、女は尿混じりの愛液をこぼす。
じゅっくじゅっくとピストン運動で突き上げられるたび、ぶつ切れになる意識で女は道着を着た少女たちに悲痛な叫びを上げる。
女「に……逃げて……あぁ……」
突き上げていた淫魔の腰が止まり、女の秘裂から白濁液が噴き出た。
ビュルルルルルルルッ!
淫魔「んっふぅ……あれ?」
女「あ……けへ……」
淫魔「あらら、飛んじゃったか……ん、ちゅ」
白目を剥いて気絶する女に淫魔はキスをする。
淫魔「でも残念でした。まだまだ足りないよ」
気絶する女の片足を持ち上げて、淫魔は道場の中央、歩く死体となった男子部員たちの方へと放り投げた。女は何度か畳でバウンドし、歩く死体のまっただ中で止まった。
女「……あぇ?」
快感に震える身体を奮い起こして顔を上げると、歩く死体となった少年たちが、女を取り巻いてじっと見つめていた。
淫魔「んふふ、おとこ、その子たちの相手お願いね」
女「え……」
ぐちゃぐちゃにつぶれた顔で、折られた手足で、男子部員たちは女に詰め寄り、女の両手足を持って拘束した。
576 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:40:12.21 ID:qzO5Cc5do
しかし、淫魔も少年たちも答えない。
四肢を捕まえ、足を大きく開かされ、性器と肛門にガチガチに勃起した男性器が刺し込まれた。
淫魔に陵辱された秘裂は、面識の無い少年の性器にも耐えがたい快感を覚えさせる。
女「んあああ!? やめ! 抜け、ぬいてええええ!」
早くも秘裂は追加の蜜をあふれさせ、乳首はつんつんに張りつめる。
なおもオンナはジタバタと抵抗するが、道着を着た死体たちの力は強い。
性交はあまりに乱暴だったが、淫魔に犯された身体で、快楽以外の刺激を感じるのは無理な相談だった。
女「ひ……や、んぐぅ!?」
快楽の恐怖に、女は悲鳴を上げたが、それすらも口にねじ込まれた男根に封じられた。
女にゾンビが群がり、絶望的な陵辱が始まったのを確認すると、全裸の淫魔は自らの股間に屹立する巨大なクリトリスをしごきながら、身を寄せ合ってうずくまる女子部員へと近づく。
柔道部女子「や……いや、こないでっ」
空手部女子「なんなの……なんなのコレぇ!?」
淫魔「んふふ」
そして淫魔は、武道で鍛えられた少女たちの身体を存分に味わった。
577 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:40:41.89 ID:qzO5Cc5do
淫魔が空手部と柔道部の女子部員の純潔を片っ端から奪っていたころ。
学校ほど近くの大病院。
生徒会長は見舞いを終えて病室の扉に向かう。
生徒会長「またね」
???「うん、会長ありがとう。またね」
扉の方を振り向かず、手も振らずに、しかし親しみを込めて、病室の主である黒髪の少女はこたえた。
少し広めの個室の病室ながら、その部屋は物が少ない。
ベッドにカーテン、生徒会長が持ってきた花の他にはテレビも一冊の本も無く、古いCDラジカセが置かれているだけ。
生徒会長「またね」
最後にもう一度手を振って、会長はドアを閉めた。
病室の扉が閉じられ、少女は半身を起こしたまま革の手帳をなでる。
???「はぁ……」
少女は会長の声が好きだった。
自分を心配して見舞いに来てくれることもわかっている。
???「でも……」
革の手帳の表紙をなぞり、気まぐれなページを開く。
少女はきちんとした教育を受けているが、その手帳の文字は読めず、なにが書かれているのかは理解できなかった。
それでも少女は、手帳から香るインクの残り香と紙の表面に残るペンの跡をなぞるのが好きだった。
かつて少女の両親が、すばらしい知性が、存在した証拠だからだ。
その古い革とインクの香りをかいで、少女はさみしげに肩を落とす。
???「……」
声にならないつぶやきだった。
口にするのすらはばかられるほどの、自分でも自己中心的だと思う願い。
しかし、その願いは封印の解けた通路を貫き、魔界の飢えた獣を誘惑する甘い蜜に満ちていた。
手帳の文字の一行がかすかに虹色の光を放ち、少女の望みを叶える魔人を呼び寄せる。
音もなく病室の中空に黒いガスが回転し始め、次第にその色を濃くしてゆく。
うつむき、手帳の文字をなぞる少女は、その黒い渦に気づくことはなかった。
578 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:41:36.56 ID:qzO5Cc5do
道場。
拳鬼の左腕、最後に残した小指を口の中で転がして、淫魔は宴を満足げに見渡した。
殺された少年たちが、生きる少女たちに群がって、片端から犯している。
空手部も柔道部も女子部員は男子部員の五分の一しかいない。
女子たちは性器と肛門、両手と口に一本ずつくわえ込んで、ようやく男子にあぶれ者が出ないくらいだ。
死体となった男子たちは当然ながら呼吸もせず、声も出さない。疲れることもなく、休憩もせず、ひたすらに少女たちを犯し続ける。
道場にはゾンビに5人がかりで犯される少女たちの、甘ったるい声が満ちていた。
格闘少女はふたりの少年に激しくも愛を込められたセックス漬けにされ、もはや右も左もわからないまま精液に溺れている。
女になった男はその場にいる少女たちの中でいちばん小柄なのに、集中して犯すよう、淫魔が男子たちに命令したので、呼吸に動く胸を注視しないと生きているかわからないほど、精液まみれのボロぞうきんとなっていた。
淫魔「ねえ男、そろそろ帰ろ?」
女「……」
力なく開いた性器と肛門からは精液があふれ、脱力して舌の垂れ下がる口からも白濁液がぽってりとこぼれ落ちる。
裏返った目尻には涙の跡が残るが、とうに涸れつくしたようだ。
陰毛の少ない秘裂に淫魔がくちびるを当て、たっぷりと残された精液をすすっても女は声ひとつあげなかった。
淫魔「ちぱっ……んっく……ちゅるる……」
大量に出された精液と、女自身の愛液、恐怖と快感でおしっこはダダ漏れになっている。
淫魔「……うん。よっぽどこわかったんだね、気持ちよかったんだね……んふふ」
女の裸体を、全裸の淫魔は担ぎ上げ、指をパチンと鳴らした。
淫魔たちの姿が消えたあとには、いつも通りの清潔な道場となっていた。
練習で疲れたように畳の上で寝息を立てる少年少女はしっかりと道着を着込み、ケガや汚れなどは見当たらない。
空手部長と柔道部長の巨体に挟まれて、格闘娘は安らかに眠る。
格闘娘の両手は、ふたりの恋人と、しっかりつながっていた。
579 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:42:09.02 ID:qzO5Cc5do
生徒会室。
幼馴染が明日のお弁当は何にしようかと考えているうちに、部活おわりの時間になった。
幼馴染「そろそろ、男くるかな……」
空手部の見学に行くって言ってたから、着替える時間もあるだろうし、もう少しかかるかな。
幼馴染がそう思って料理の本に目を戻すと、生徒会室のドアがノックされた。
幼馴染「はい」
淫魔「幼馴染……いる?」
廊下から聞こえたのは淫魔の声だった。
幼馴染「淫魔さん? どうぞ入ってください」
淫魔「失礼します……あ、幼馴染だけか、ちょうどいい」
入ってきた淫魔は男に肩を貸していた。
男はグッタリとして、息をするのもつらそうだ。
幼馴染「道場で何かあったの?」
淫魔「まあ、ちょっとね」
視線をそらす淫魔に、幼馴染は詰め寄った。
グッタリとした男を受け取って椅子に座らせ、キッと向き直る。
幼馴染「教えて。淫魔さん、男に何をしたの?」
淫魔「う……ぐ……」
まっすぐに目を見られ、淫魔はすこしたじろいで答えた。
淫魔「えっと、男の目の前で悪いコトした魔族を生きたまま解体しながら食べて、男をオンナノコに性転換させた後に死体たちに輪姦させた……ってとこだね」
幼馴染「う……わぁ」
男「あああ……」
男は両手で顔を覆ってさめざめと泣き始めた。
男「幼馴染、ごめん。俺……おれ……」
幼馴染「いいんだよ、こわかったね」 ナデナデ
幼馴染の胸に男は顔をうずめ、声を上げて涙を流した。
男「こわかった、こわかったぁ!」
幼馴染「よしよし、もう大丈夫。わたしがついているからね」
ぽんぽんと頭をなで、幼馴染は生徒会室のポットでコーヒーを淹れて差しだした。
砂糖とクリープが多めのコーヒーを飲んで、落ち着きを取り戻してきた男は、椅子に深く腰掛けて淫魔にたずねた。
男「なんで……あの悪魔を殺したんだよ」
淫魔「ん? なんでって?」
男「なにもあそこまで……[
ピーーー
]必要はあったのか?」
淫魔「ああ、そういうこと……ねぇ幼馴染、この部屋は使っていいの?」
少し苦笑いしながら、幼馴染は首をかしげた。
幼馴染「うーん、ホントはダメなんだけど……今日は特別ね」
淫魔「そっか、ありがと」
580 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:42:55.35 ID:qzO5Cc5do
淫魔は差し出された自分のマグカップをすすって、男に答える。
淫魔「なんで殺したか……男はわたしの契約者だよね?」
男「うん」
淫魔「男と一緒に住まわせてもらう。そのかわり男を幸せにしてあげる。それがわたしの契約」
男「……今日のは”幸せ”じゃなかったぞ?」
淫魔「んふふ、なんだかんだ言って、気持ちよかったでしょ?」
男「ぬ……むぐぐ」
顔を赤らめて、男はうつむく。
淫魔「それで、魔人と契約者の関係。魔人は契約を結んだ人間を、契約の満了まで守らなくてはならない」
幼馴染「ふむふむ」
淫魔「あとは、契約条件。たとえば自分の好きな人と一緒にいたい、なんて願いをした場合、その相手も魔人が守る対象になる。男と幼馴染みたいにね」
男「ん……」
淫魔「わたしたちにとって、契約をきちんと遂行するのはとても大切なことなの。だから、契約者や契約条件を損なう相手は、自分の顔に泥を塗りたくられたのとまったく同じ。怒って当然」
幼馴染「もし、契約者同士でケンカしたら?」
淫魔「口げんか程度ならガマンできるけど、ひどい殴り合いとか殺し合いになったら、契約者の魔人同士でも戦うことになるね。ちょうどわたしと拳鬼みたいに」
ぺろりと淫魔は唇を舐めた。
いつもならエロチックな動きだが、今日の男の目には恐ろしく映るだけだ。
淫魔「それと、魔人が他の魔人の契約者に手を出したら、やっぱり魔人同士のケンカになる」
男「……うん、それはわかる」
淫魔「魔人と契約者の関係は人間のカップルにも例えられるから、他のヤツの契約者に手を出すのを寝取りとか言う魔人もいるね」
幼馴染「寝取りかぁ……たしかにね」
淫魔「でも、契約者に対して魔人が明らかにひどい条件を押しつけていたりしたら、魔人はその契約をやめさせても良い」
淫魔はコーヒーカップを口に当てた。
淫魔「明らかに不当な契約があったときは、契約者にもっと条件の良い契約を与えて、契約自体を上書きしてしまう……そんなことも出来るんだ」
男「格闘娘の契約は、どういう風になったんだ?」
淫魔「うん……あの子はもともと、空手部長、柔道部長と幼馴染みだったの。でも、ふたりは武道を始めて、先にそれぞれの武道で日本一になった方が格闘娘に告白するってふたりだけで約束をしてから、3人の間には距離が出来てね。もともと駆けっこでも木登りでも、空手とか柔道のまねごとでも年下のオンナノコなのに格闘娘が3人の中ではいちばんだった……だから格闘娘は、ふたりが離れていったのは自分がオンナだからだ、歳を重ねるたびに力の差をつけられたからだって思い込んで……」
男「そこを拳鬼につけ込まれた?」
淫魔「その通り。そして力をもらって、精神が不安定になって……あのザマだよ」
男「契約の上書きってのは?」
淫魔「うん。格闘娘の願いって、強くなりたい……んじゃなくて、ふたりに振り向いてもらいたかったわけ。だから、わたしが本当の願いを叶えてあげた。本当なら、拳鬼はわたしにお礼を言わなければならないくらいだったのに……」
男「おまえに刃向かったから殺したのか?」
淫魔「それは別に良いの。問題はどうしてそんなに歪んだ願い事の叶え方をしてたかってこと」
男「……ん?」
腕を組む男の隣で、幼馴染は首をかしげた。
幼馴染「何か目的があるの?」
淫魔「人間の願いを自分たちの目的の道具に使う、人間の幸せを無視して、なりふり構わないで契約者を増やす勢力が、あるってこと」
男「……敵は、拳鬼の言ってた霧王ってヤツか?」
淫魔「うん。霧王は実力のある子だから、たぶんね」
しばらくの沈黙のあと、男は口を開いた。
男「俺に出来ることは?」
淫魔「とにかく注意して、魔人や使い魔の現れる予兆を見つけたら、早く逃げるの。いまの男の実力じゃ、魔人のごはんになるだけだよ」
淫魔はこともなげにコーヒーをすする。
自分の無力に男は手を握りしめ、その拳に、幼馴染はそっと触れた。
581 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:44:29.28 ID:qzO5Cc5do
病院。
開いた手帳のページをなでる少女の病室に、現れた黒い渦はますます濃さを増していた。
黒い雲は音を立てずにときたま緑色の閃光を放つ。
しかし、手帳をなでる少女は顔を伏せて目を閉じ、部屋をパッパと照らす閃光にも気づかない。
黒い雲の渦は濃度を増し、やがて渦の中心から、緑髪の青年が現れた。
背は高く、ピアスの並ぶ耳は長く、青緑の髪によく手入れされた眉。
黒を基調とした服に、リングやネックレスを多数身につけているが、その意匠はドクロのものばかり。
おかしな格好の青年は、ベッドの少女に向き直った。
???「ふーん、あんたが召喚したのか」
???「え?」
少女は突然響いた声に、不思議そうに首を動かした。
日の光を受けない頬は赤さをうかべ、顔には化粧の跡もなく、眉をさわることすら、この少女は知らない。
肌は雪のように白いが、それは決して健康な白さでは無い。あまりに色が薄く、皮膚の下の血管すら見えそうだ。
細い肩を越える黒髪はわずかにウェーブし、普通サイズのパジャマがひどく余るほど身体が細い。
少女は目をつむったまま、声のした方に振り向いた。
???「だれか、いるの?」
???「俺が見えないのか?」
???「わたし、生まれつき目が見えないの」
???「へぇ……なるほど」
ベッドに近づき、悪魔は少女に顔を寄せる。
???「俺は色魔。あんたに召喚されてここに来た……悪魔だ」
???「悪魔さん?」
疑うでなく、少女は手帳を握りしめてベッドの上を後ずさった。
色魔「おいおい、そう怖がるなって。悪いようにはしないからよ。あんた、名前は?」
???「盲目少女……と言います」
色魔「ふん、なるほどね」
ベッドに歩み寄り、色魔は盲目少女の顔をのぞき込んだ。
どんな女性でも顔を赤らめて身を退くか、キスをせがんで近づくかのどちらかなのに、盲目は微動だにしなかった。
色魔「盲目少女……その目を、見えるようにして欲しいのか?」
盲目少女「え?」
薄いタオルケットの下。少女のやわらかそうな下腹部を想像し、色魔は舌なめずりする。そして太ももから下、少女の両脚が無いことに気づいた。
色魔「脚は?」
盲目少女「このあいだの事故で。両親もそのときに」
色魔「脚を治して欲しいのか? パパとママを生き返らせてやろうか?」
盲目少女「いえ……?」
色魔「なら、何が望みだ」
盲目少女「ええと、望みって?」
582 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:45:00.16 ID:qzO5Cc5do
腕を組んで、色魔は言う。
色魔「俺は悪魔だ。悪魔には願い事をするもんだろう?」
盲目少女「悪魔さん……どんな願いも叶えてくれるの?」
色魔「ああ、もちろんだ。目でも脚でも両親でも。あんたが望むなら、何だってかなえてやる」
盲目少女「なんでも……? 魂と引き替えに?」
色魔「何を取るかは、願い事次第だ。でも、悪い話じゃないだろ?」
盲目少女「そう……」
色魔「さあ、願いを言え!」
両手を広げ、ととのった唇から牙をのぞかせ、背中には黒いコウモリの翼、背景に青緑色の炎をまとって、色魔は悪魔の声をひびかせた。
盲目少女「願い事なんて……ないわ」
色魔「えっ?」
背景を照らしていた青緑色の炎が急に弱まり、自信満々に広げていたコウモリの翼は、しおれて下に垂れる。
色魔「ない? 願い事が?」
盲目少女「うん。もういいの」
色魔「おいおい……マジかよ」
姿を元に戻し、少し考えてから、色魔はたずねる。
色魔「ほんとうに?」
盲目少女「ほんとに」
こくりとうなずく盲目少女に、色魔は顔を寄せた。
色魔「目、見せろ」
勢いをそがれた色魔は、少女のこめかみに手を添える。
盲目少女「目を?」
色魔「そうだ。開けてみろ」
盲目少女「えっと……こう?」
なにも見えていないのに、なにも見えていないからこそ、少女の目は美しかった。
黒い瞳は深い闇をたたえ、同じく黒い虹彩を縁取る白い部分は真珠のように透き通り、一筋の充血も見られない。
色魔が見つめても、鏡のような少女の目はぴくりとも動かなかった。
色魔「嘘はついてないな。それなら……」
盲目少女「……?」
見開かれた色魔の目が青く妖しく輝き、少女の瞳に光が注がれる。
盲目少女「なに?」
色魔「服を脱げ」
色魔の手がこめかみから肩に降りると、少女は身を退いた。
盲目少女「いや。はずかしい」
色魔「……まったく見えないのか」
目からの光を止め、色魔はベッドに腰掛ける。
色魔「どーすっかなぁ。望みを叶えないで魔界に帰れば、バカにされる」
盲目少女「……ごめんなさい」
色魔「あやまるくらいなら……とにかく、願い事を決めてくれ。かっこ悪くて魔界に帰れない」
盲目少女「願い事……」
ベッドから立ち上がり、色魔は病室の扉へと歩く。
色魔「見たとこケガ人だからな、今日はここまでだ」
盲目少女「帰っちゃうの?」
色魔「魔界には帰らない。その辺ぶらついてくるだけだ。明日、同じ時間にまた来るから、願い事考えとけ」
盲目少女「あしたも来てくれるの?」
色魔「あたりまえだ。じゃあな」
そう言い残して、色魔は病室を出て行った。
盲目少女「あしたも……えへへ……」
少女は久しぶりの笑みを浮かべ、タオルケットにくるまった。
583 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:45:44.31 ID:qzO5Cc5do
学校からの帰り道。
夕焼けの道を、淫魔と男と幼馴染の三人が連れ立って歩く。
死人の群れに乱暴されたショックはまだ尾を引き、男はまともに歩くだけで精一杯だった。
淫魔「ほら、しっかりしなよ」
男「誰のせいだと思ってやがる……」
眼に力を込めてにらみつけるが、淫魔はまったく動じない。
幼馴染「淫魔さん、やり過ぎたんじゃない?」
淫魔「そうかなぁ?」
唇に指を当て、淫魔は少し考えてつぶやいた。
淫魔「なんか……忘れてるような……」
男「忘れるか、忘れたいね。女子になって同級生の死体に犯されるなんてさ」
淫魔「記憶をいじるなっていったのは男じゃないの」
男「そりゃあ……そうだけど」
幼馴染「淫魔さん。なにを忘れてるか、思い出せそう?」
淫魔「うーん……道場で男を助けるまえ……あ……」
口を少し開けたまま、淫魔の歩みがぴたりと止まった。
男「どうした?」
淫魔「卓球部のオンナノコたち、忘れてた……」
ぽそりとつぶやいて、淫魔は背中から黒い翼を生やし、夕日に赤く燃える空へと飛び上がった。
男「おい淫魔!」
淫魔「先に行って! 晩ごはんはいいやっ!」
声を残して、淫魔は学校へと飛び去った。
584 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:46:53.09 ID:qzO5Cc5do
後に残された男と幼馴染は顔を向け合ってしばらく固まり……
男「帰ろっか」
幼馴染「そうだね」
幼馴染と二人だけになって、男の歩みはすこし回復していた。
幼馴染「でも……なんで淫魔さんは道場で……男にひどいコトしたんだろ?」
男「よくわかんない……けど」
幼馴染「けど?」
男「あいつは、人間の強い感情が好きらしいんだ」
幼馴染「好き?」
男「つまり……人間の強い感情を美味しく感じるらしい」
歩く二人は、いつもなら別れる交差点まで来た。
手を振って送ろうと、男は立ち止まったが、幼馴染は一緒についてくるそぶりだった。
男「あれ? ウチくんの?」
幼馴染「今日は送ってくよ。疲れてるでしょ?」
男「そっか……わるい」
幼馴染「いいって。それで、淫魔さんが好きなのは、人間の感情かぁ……うれしいとか嫌いとか……こわいとか?」
男「そう。だから、しょっちゅう脅かされたりしてんだけど……」
幼馴染「今日のは、ちょっとキツかった……かな?」
男「うん……」
幼馴染「しかたないよ、わたしだって……もし知らない人から乱暴されたら、立ち直れないと思う」
唇を噛んで、男は黙り込んだ。
男「……」
幼馴染「男、どしたの?」
男「いや……なんでもない」
幼馴染「ほら、おうち、ついたよ」
いつの間にか、男の家に着いていた。
母が夕食の支度をしているのだろう、台所からはいい香りが漂っている。
男「晩飯……食べてく?」
幼馴染「ありがと、でも、買い物行くから、また今度ね」
男「買い物……それならおれも」
幼馴染「もう、男は疲れてるんだから、早くお風呂入って、ごはん食べて寝なさい」
男「……わかった。裏路地は歩くなよ? 最近物騒なんだから」
幼馴染「ん? うん、わかった。大通りから行くよ」
男「じゃ、またあした」
幼馴染「うん。あしたね」
幼馴染は手を振って元来た道を歩いて行く。
男は幼馴染が角を曲がって見えなくなるまで、玄関から見送った。
585 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:47:25.19 ID:qzO5Cc5do
中心街の大通り。
病院から出てきた色魔は、町ゆく女性を物色しながら、だるそうに歩いていた。
色魔「召喚者からおあずけ食らうなんて初めてだ……畜生」
悪魔の外見は理想的な美形だった。
黒ずくめにドクロのアクセサリーをぶらさげた異常なファッションさえ、青緑の髪とその顔立ちのおかげで、野性的な魅力になってしまう。
すれ違う女性はみな振り返るが、色魔は目をくれずに通り過ぎる。
色魔「久しぶりの現世だからなぁ……やっぱり美味いもんを……おっ!」
悪魔の目に飛び込んできたのは、制服を着た少女。
ウェーブのかかった栗色の長髪を背中に揺らし、細い腕にスーパーの買い物袋を重そうにさげている。太り気味というわけでは無いが、身体の線は丸く、それでいてバストやヒップはあまり主張していない。
気弱さと柔和さが調和したその顔は、色魔の嗜虐心をくすぐる。全身から発する極上の”いぢめてオーラ”に、色魔は舌なめずりした。
色魔「上玉だな……お嬢さん」
突然呼び止められ、幼馴染は子犬のように首をかしげた。
長身に黒ずくめ、青緑の髪にドクロのアクセサリー。見るからに怪しい青年だったが、顔立ちは整い、表情にも悪そうなところはない。
幼馴染「何かご用ですか?」
色魔「ちょっと聞くけどさ、あんた、カレシは?」
おかしな青年のおかしな質問に、幼馴染は身じろぎした。
一歩身を退いたが、引き寄せられるような声の響きに、答えずにはいられない。
幼馴染「います……けど?」
色魔「そうなんだ。カレシに悪いなあ」
幼馴染「あの?」
色魔「なんでもない。俺の目を見て」
幼馴染「え? ……あっ」クラッ
色魔の目に、青い光が宿っていた。
その光に魅入られて、幼馴染の身体から力が抜ける。
色魔「ついてこい」
幼馴染「……はい」
色魔は幼馴染の手から買い物袋を受け取って肩に手を回し、路地裏へと連れ込んだ。
人気の無いビルの間で、壁を背負わせ、くちびるに手を添える。幼馴染は色魔の目をぼーっと見つめ、まったく抵抗しない。
桜の花にも似た幼馴染のくちびるを指先で開き、目をつむって色魔は口を寄せる。
色魔「へへ……いただき」
586 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:48:33.05 ID:qzO5Cc5do
ちう〜
その少女のくちびるは、硬くて平たく、氷の冷たさと炎の熱さを感じさせた。
色魔「ん……うっ!?」
目を開けると、色魔の眼前に黒い板が差しこまれていた。
薄暗い路地裏になお黒く栄える、漆黒の薄刃。
ところどころに緑色の意匠がきざまれたその曲刀は、魔界の者ならば畏怖を抱き、天界の者は恐怖を覚える、絶対者の刃。
自分がキスしたものが、”それ”であること理解し、色魔の全身にどっと汗が噴き出る。
色魔「こ、これは……」
全身を震わせて色魔は曲刀の柄に視線を向ける。
身の丈ほどもある黒刃の曲刀を軽々と持つのは、白く美しい少女の手。幼馴染と同じ、学校の制服を身にまとったその少女。紫色のショートカットから赤くねじ曲がったツノが伸びる。
少女はにこやかに笑うが、色魔の肝は凍り付いた。
色魔「淫魔翌様!」
曲刀を構える少女に、色魔はひざまずき、頭を垂れる。
淫魔「色魔。久しぶりだねえ」
顔は笑っている。しかし、目はするどい。
淫魔「その子がわたしの契約条件だって……わかってる?」
色魔「へっ?」
懐から黒縁のめがねを取り出し、呆然と立つ幼馴染を眺めて、色魔は表情を凍らせた。
術による人間の目には見えない紋章が、幼馴染の正面に浮かんでいた。
紋章をつけた人間や物に行動を起こすことは、紋章の持ち主である悪魔への敵対行為と見なされる。
そして幼馴染の前に浮かぶ紋章は、同心円と集中線を組み合わせた、魔族にとって絶対にして犯すべからざる、淫魔のもの。
色魔「げ……な……ぐぇ……」
一瞬にして色魔の顔から血の気が引いた。
色魔「も、申し訳ありません! お許しください! 淫魔翌様!」
かたひざ立ちを土下座に変えて、色魔はアスファルトの舗装に額を繰り返し打ち付ける。
道路工事をするかのように、額で路面を割る色魔をうんざり見下ろし、淫魔はため息をつく。
淫魔「べつに怒っちゃいないよ。わたしの眷属なんだし……それに将軍たちとちがって、わたしはぎょうぎょうしいのきらいなの。立って普通に話してよ」
色魔「は……ありがたき幸せに存じます」
地面にキスしたまま、色魔はうめき声を上げ、遠慮がちに立ち上がる。
思い切り路面にたたき付けて、整った顔面は切り傷だらけ。ところどころに小石が食い込んでいる。
淫魔「もう……いい男が台無し」
587 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:49:08.94 ID:qzO5Cc5do
手を伸ばして淫魔がなでさすると、ズタズタになっていた色魔の顔面が元に戻った。
色魔「……ありがとうございます」
立ち上がって向かい合うと、淫魔の背は色魔の胸ほど。
当然色魔は紫色のショートカットを見下ろすことになるのだが、視線には崇拝と畏怖が込められていた。
淫魔「ふむ。お家から最初に来たのはあなたか……妥当なところだねぇ。食いしん坊さん」
色魔「女性の呼び声に、いても立ってもいられず、飛んで参った次第です」
淫魔「現世とつながるのは久しぶりだもんねぇ……契約は?」
色魔「いえ。じつは……まだ」
淫魔「んぅ? あなたが食べそこねるなんて、めずらしいなぁ」
色魔「目の見えない少女でして、眼力が通じないんです」
淫魔「ふむ、そうか……」
恥ずかしげに顔を伏せる色魔に、淫魔は人差し指を立てて釘を刺す。
淫魔「どうするにしろ、魔人の名を損なわないようにね?」
色魔「肝に銘じます」
うつむく色魔の頭をぽんぽんとたたき、淫魔は魅入られていた幼馴染の手を取った。
幼馴染の眼に光が戻り、ふうと息をした。
幼馴染「あ、あれ? 淫魔さん?」
淫魔「帰ろ、幼馴染。家まで送るよ」
買い物袋を持って、手を引いて歩き出す淫魔に、幼馴染はたずねる。
幼馴染「あの人は?」
淫魔「わたしの友達」
足音をひびかせて、ふたりの少女が去った夕闇の路地裏に、色魔は立ち尽くした。
そのあと色魔は、さらに5人ほど道行く女性を誘惑した。
しかし、ことに及ぼうとするも淫魔の曲刀が目に焼き付いて、色魔の男性自身は役に立たなかった。
588 :
◆WjI07W0ub6
:2012/03/15(木) 20:52:50.54 ID:qzO5Cc5do
インターミッション
淫魔「今日はここまで。つづきはあさって。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
長らく放置してましたが、続けていきます。
あと、最初に書き忘れてしまいましたが、レスありがとうございました。
ともかく、今日はここまで。
それではみなさま、おやすみなさい」
589 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/15(木) 21:19:18.24 ID:+UI1wwySO
まってた!!!
590 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(京都府)
[sage]:2012/03/15(木) 23:13:13.41 ID:u6xxrE35o
待ってたよー
591 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/03/16(金) 16:37:10.93 ID:kAYt27el0
書き溜め量すごい・・・ 待ってた
592 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/17(土) 09:19:56.50 ID:km/FwsbDO
相変わらずエロイな
593 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:45:07.83 ID:udmCX3qHo
火曜日
朝。
体育館の卓球室から出てきた淫魔を、窓からさしこむ登ったばかりの朝日が照らす。
淫魔「んーっ! さわやかな、あさー!」
全裸に自身の果実のような甘い香りと、卓球部員の少女たちのメスの臭いを引きながら、淫魔は伸びをする。
卓球室を振り返ってみれば、淫魔に一晩中可愛がられた卓球部の少女たちは、台の上であられもない姿で眠っていた。
男の危機で道場に向かい、幼馴染の異変に近くの路地裏に飛び、ケチはついたが、結局淫魔はその後ひと晩、少女たちの身体を存分に味わった。
淫魔「んふふ、美味しかった」
指を鳴らして、少女たちと自分の服を元に戻し、淫魔は制服の胸ポケットから生徒手帳を取り出して、最後のページ「童貞」「処女」の欄に正の字をもりもりと書き込んでゆく。
昨日はとくに大量で、淫魔は正の字を男女合わせて12個書き込んだ。
さすがに疲れたのか、腰をトントンと叩き、卓球室の中、運動着で眠る少女たちをちらっと見て、淫魔は体育館を後にした。
594 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:45:39.05 ID:udmCX3qHo
屋上。
フェンスに腰掛けて、淫魔は登校してくる生徒を眺める。
淫魔「……いないなぁ」
ポソリとつぶやき、淫魔は足をぷらつかせた。
修道女「なにが居ないですって?」
淫魔「ああ、修道女。おはよ」
淫魔はひょいと振り返り、すぐに校門へ視線を戻す。
制服のスカートを屋上の風に揺らし、修道女は淫魔に歩み寄って、ブロンドの髪をくしゃっとかき上げた。
修道女「またやらかしたわね?」
淫魔「えー? なんのことぉ?」
振り返りもしない淫魔に、修道女は一喝する。
修道女「道場で! お楽しみだったようじゃない……」
淫魔「ああ、そのこと」
ケロリと答える淫魔に肩を落とし、修道女はため息をついた。
修道女「あのねえ、いくらなんでも死者の術は使わないでほしいの。あなたなら他にやり方があったはずでしょ?」
淫魔「んぅ? どうしてわかるの?」
修道女「きのう学校の近くで、お葬式の最中にご遺体が動き出したり、さばいた魚が飛び跳ねたりで一騒動あったのよ」
淫魔「ありゃ、そうだったの……」
修道女「はぁ……術の痕跡をたどったら、道場であなたの気配が残っていて……」
得意げに言う修道女は、淫魔の様子に気づいた。
声を落とし、淫魔の顔をのぞき込む。
修道女「なにか……あったの?」
淫魔「うん……修道女。わたしたち魔の者にとって、契約者に危害が及ぶのはすっごく不名誉なことなの」
修道女「わかるわよ。そのおかげで、契約者はいつも悪魔狩りの良いエサになるわ」
淫魔「狩り……そっか……」
静かに答える淫魔に、修道女は心配そうにたずねた。
修道女「本当にどうしたの? 何か変よ?」
淫魔「修道女は、登校してくる子たちの中に、契約者がいるのってわかる?」
ちょうど、男と幼馴染が、校門の真正面からこちらに歩いてくるのが見えた。
修道女「あのふたりは、この距離でもよくわかるわね」
校庭の外、駅からの道を上ってくる巫女を淫魔は指さした。
淫魔「ほら、巫女もあんなに見つけやすい」
修道女が眼をこらすと、巫女と彼女の胸元の木竜からは、陽炎に似た魔力の放出が見られた。
多すぎる力を制御しきれていないのだろう。
修道女「あの子は……ちょっと目立ちすぎね」
あきれた様子で、修道女は首を振る。
淫魔「ほかに契約者は見える?」
595 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:46:18.90 ID:udmCX3qHo
校庭と外の道路を見渡し、修道女は首を振った。
修道女「……いない。でも、不思議と気配はあるわね」
淫魔「うん。それが問題」
修道女「どうして気配だけが?」
淫魔「契約者を守護する術があるでしょ?」
修道女「術の痕跡や、契約者の存在を隠す術ね」
淫魔「そう。もちろん魔人の術にもそういうのはあるんだけど、ここまで徹底した術式となると……天界の術だろうね」
修道女「……待って」
語気を強め、修道女は淫魔にたずねる。
修道女「悪魔が……天界の術を使うようになったの?」
淫魔「近いけどちがう。魔界の勢力が、天界と手を組んだってこと」
修道女「はぁ、なるほど……」
校門から入ってくる生徒たちを見つめ、しばらく動きが止まり、修道女は大声を上げた。
修道女「ええwっ! 淫魔、あなた……今なんて?」
淫魔「もう、うるさいよ……ほら、みんな見上げてるじゃない」
やっほー と、淫魔が手を振ると、校庭から見上げる生徒たちが何人か手を振り返した。
朝日に照らされた学校の屋上にふたりの美少女が並んでいるのはさぞ絵になるのだろう、見上げたままぽーっと歩く男子も多い。
淫魔「敵も本気で陣取りに来てるんだ」
修道女「……あなた、天界を敵に回すつもり?」
声を落とす修道女に、淫魔は振り返った。
淫魔「なにを今さら」
朝日の逆光で、修道女に淫魔の表情は読めなかった。
596 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:47:22.01 ID:udmCX3qHo
お昼休み。
巫女は淫魔に呼ばれて男の教室に向かった。
淫魔「巫女、こっちだよー」
巫女「あの……これは?」
机を4台向かい合わせにして、男と幼馴染が向かい合って座る。男の隣に修道女が座り、淫魔は巫女に幼馴染の隣の席を勧めた。
当の淫魔は男と幼馴染側のいわゆるお誕生日席に着いて、座の主を決め込んでいた。
淫魔「話しておかなくちゃいけないなってね」
巫女「何かあったんですか?」
席に着きながら、巫女はたずねる。
淫魔「っと、その前に……」
指をクルクルと回し、淫魔は即席の結界を張る。
5人の話している言葉を適当な談笑だと教室の人間に錯覚させる術だった。それほど強力では無いが、精妙な術の練りを必要とするため、現世ではとっくに廃れた代物だ。
修道女「また……古い術を……」
淫魔「どこかに隠れて話すより、堂々としてた方が怪しまれないんだって。ただでさえ、こんなかわいいオンナノコが集まってるんだし……ねえ男」
男「……ん? おぅ、いや……うん」
幼馴染「その……道場でのことを夢に見たらしくて、今朝からずっと落ち込んでるんです……問題って言うと、やっぱり道場の?」
おずおずとたずねる幼馴染に、淫魔は大仰にうなずく。
淫魔「ん、まさにそのこと」
顔を巫女に向け、淫魔は続ける。
淫魔「じつは昨日、学校の中で魔人の襲撃にあいました」
巫女「ええっ!?」
クラス中の視線が立ち上がった巫女に集まった。
淫魔の結界で、会話の内容が聞こえているわけではない。しかし、巫女が声を上げたことには皆気がついたようだ。
注目を集め、頬を赤らめて、巫女はストンと椅子に座り直す。
淫魔「正しくは、魔人と契約者にね。おしおきは済んだから、もう危険は無いけど」
巫女「そうですか……」
ほっと息をついて、巫女は男に視線を向ける。
いつも元気な男が妙に落ち込んでいるのは、その戦闘のためだ。
淫魔「暴れたのは契約者なんだけど、空手部柔道部の男子が46人も殺されちゃって、大変だったよ。手当もしたから、問題ないけどね」
巫女「そんなに……」
淫魔「もう、戦いは始まっているの。霧王っていう子が、ちょっかい出して来てるみたい」
巫女「霧王……ですか」
修道女「夜霧を司る魔神ね。霧に紛れて行動するから、しっぽをつかむのにも一苦労よ」
淫魔「人間の世界にもぐり込むのが上手い子だから、探すのも大変。……巫女、手伝ってくれる?」
巫女「わたしに出来ることなら、いくらでも協力します。淫魔さんにウチの神社が受けたご恩は決して忘れませんから」
淫魔「んふふ、ありがと。よろしくね」
くすぐったそうに身をよじり、淫魔は笑顔で返事した。
修道女「それと巫女。あなたは、気配を押さえる練習をした方が良いわ」
巫女「気配……ですか?」
597 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:47:48.45 ID:udmCX3qHo
背もたれに身体を預け、淫魔はニヤニヤしながら言う。
淫魔「あなたと木竜はまだまだ未熟なのに、力は並の魔神より強いくらいだから、制御できない魔力があふれ出してるの。まるで修道士と一緒にいるときの修道女のおま……」
修道女「こほん! だからね、巫女。普通の人間からだとわからないけど、魔力を見れる魔人や術者には、あなたたちは暗いところでたいまつを持ってるよりも目立つの」
巫女「魔力の流出を抑える……わたしにできるでしょうか?」
淫魔「わたしがたっぷり教えてあげる」
巫女「え、そんな……」
顔を赤らめる巫女に、修道女はあきれて訂正する。
修道女「おかしなことはしないわよ。単純な術の練習だから……」
淫魔たち3人が浮き世離れした会話をしている横で、幼馴染は男の口に弁当の唐揚げを差しだしていた。
幼馴染「はい、男。あーん」
男「ゾンビが……みんなが……ううぅ」
幼馴染「もう、ちゃんと食べないと元気になんないよ! ほら、あーん」
男「ううぅ、あーん……むぐむぐ……」
幼馴染「どう?」
男「……おいしい」
幼馴染「でしょ?」
弁当を食べて、男は少し元気を取り戻した。
男「淫魔。おれたちは、この会議に一緒にいる必要あんのか?」
淫魔「ん? まぁ木を隠すには森の中ってね」
男「……は?」
答えて、男は背中に強烈な視線を感じた。
男「なんだ、この気配?」
壊れたブリキ人形のように、ぎりぎりと不器用に振り向くと、クラス視線が男に集中していた。
巫女「ど……どうして男さんに? まさか悪魔が……」
淫魔「違うよ」
修道女「違うわね」
幼馴染「え、なになに?」
男「……ああ。なんかわかったわ」
クラス中からそそがれる視線が、嫉妬のモノであると男は理解した。
弁当を広げる机に向き直り、男は他の4人を見る。
しっとりとした黒髪の正統派清純少女に”見える”巫女、肩までの豊かな金髪とオリーブの瞳を持つ修道女、紫色のショートヘアに妖艶さとかわいらしさが奇跡的に同居する淫魔。
その3人の美少女と同席のうえ、向かいには幼馴染が座る。丸い栗色の瞳に軽くウェーブしたふわふわの栗色の髪、頬は白く透きとおり、うっすらと桃色に染まっている。
じっと見つめる男に、首をかしげて幼馴染は聞き返した。
幼馴染「どしたの? 男……」
男「いや、なんでもない。気にすんな」
幼馴染「へんなの。はい、あーん」
男「ああ……あーん……むぐむぐ」
背中にクラス中の視線を集めながら、男は幼馴染の唐揚げを頬張った。
598 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:48:19.55 ID:udmCX3qHo
午後の病院。
医師の巡回診療が終わった盲目少女の病室。
殺風景な病室の床に落ちるベッドの影がひとりでに動き出し、部屋の中央まで伸びて立ち上がった。
突然部屋に現れた人の気配に、少女は顔を向ける。
色魔「よう」
盲目少女「悪魔さん。本当に来てくれたんですね」
色魔の顔は、若干昨日よりやつれていたが、その違いは微々たるもの。
しかし、盲目の少女はわずかな気配の違いを敏感に察知した。
盲目少女「……お加減でも悪いのですか?」
色魔「いや、昨日から何も食ってなくてさ」
黒いジャケットの上から、色魔はポンポンと腹を叩く。
色魔「まあ、いいよ。あんたが願い事を言ってくれれば、俺は腹一杯食事ができるんだ」
盲目少女「え?」
懐からめがねを取り出し、盲目少女を確かめる。術による紋章のたぐいは一切無かった。
薄手のパジャマの下に隠された少女の肉体を透かし見て、色魔はツバを飲み込み、やさしげに問いかける。
色魔「こっちの話だ。願い事は決まったか?」
盲目少女「ひと晩考えてみたのですが……ごめんなさい」
色魔「目でも、脚でも、父ちゃん母ちゃんでもいいんだぜ?」
盲目少女「ええ……どうしても、決められなくて」
申し訳なさそうにうつむく少女に歩み寄り、色魔は頬に手を添える。
突然触れられ、少女は身体を緊張させたが、やさしくなでる色魔の手に、軽くほおずりを返した。
色魔「先払い……ってのもアリなんだけどなあ」
盲目少女「魂の?」
顔を近づけ、しかし色魔は首を振った。
色魔「いや……やめとこう」
盲目少女「え?」
くちびるではなく頬に軽くキスして、術の紋章をきざむと、色魔は病室の出口に向かう。
仮でも紋章を刻んでおけば、まともな悪魔には盲目少女が色魔の契約者だとわかる。
色魔「とにかく、願い事を決めとけ」
盲目少女「あ、あの!」
色魔「んだよ?」
けだるそうに、色魔は振り返った。
盲目少女「明日も来てくれるんですか?」
色魔「おまえが願い事決めないなら、通うしかないだろ……じゃあな」
空腹に肩を落とし、色魔は病室を出て行った。
盲目少女はタオルケットをかぶり、キスされた頬をなでながら、うれしそうに自分の身体を抱きしめた。
599 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:48:53.63 ID:udmCX3qHo
放課後。
神社のつとめがある巫女は、早く帰ろうと下駄箱にやって来た。
木竜「きゅー」
制服の胸元がゴソゴソ動き、年下の弟をたしなめるように、巫女は軽く手で押さえる。
巫女「待っててね。今日のおやつはごま団子だから」
木竜「きゅっ!」
嬉しそうに鳴く木竜をポンポンと撫でる巫女の背に、声がかけられた。
???「おお巫女、帰りか?」
巫女「なんでしょう」
振り向くと、巫女と同じクラスの髪を染め上げた少年だった。
学校なので付けていないが、耳にはピアスの穴がいくつも並ぶ。
不良1「先生が用事あるってさ、一緒に来てくんね?」
巫女「そうですか、わかりました」
木竜「きゅっ!? きゅっきゅー!」
行くなとでも言うように、木竜は声をあげて暴れたが、巫女は胸元を軽く押さえて答える。
巫女「先生が呼んでらっしゃるなら、行かなくちゃ……ね」
木竜「きゅー……」
仕方なしに、木竜はため息をつく。
600 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:49:36.39 ID:udmCX3qHo
空き教室。
巫女が連れてこられたのは、校舎端の空き教室だった。
カーテンが閉められ、電気の消えた教室は暗く、使わない机が天井近くまで積み上げられている。
巫女「こちらに先生が?」
不良1「……」
無言のまま後ろ手に出入り口のドアを閉め、少年はほくそ笑む。
巫女「あ……あの、先生は?」
巫女がたずねても、少年は答えない。
その代わり、積み上げられた机や椅子の影から、ゾロゾロと少年少女たちが出てきた。
ここまで案内した少年を含め、男子2人と女子が2人。
女子たちは汚いものを見るように巫女をにらみつけ、男子は獲物を見る熱っぽい視線を巫女に絡みつける。
ドアを閉めた少年が、押さえるように笑う。
不良1「本当に……先生が呼び出したと思ったのか?」
抑えていた笑いが大きくかわり、不良1につられて他の少年たちも笑い出した。
不良2「おい、本当にヤっちゃっていいのかよ?」
ビッチ1「うん。二度と学校に来れないくらい、メチャクチャにね」
ビッチ2「少し顔が良いからって生意気なんだよ。転校生のきれいめなヤツらとだけつるんでさ……」
不良1「うわ、怖ええ」
不良2「そーゆーわけだからさ、おとなしく……」
巫女「はぁ……えっと、困りました」
胸に手を当て、巫女は怒りに震える木竜を感じた。
ビッチ1「なに? まだ余裕かましてんの?」
巫女「……なるほど、これが悪魔に取り憑かれた人間なんですね?」
木竜「きゅっ!」
巫女の胸元から、かわいらしい声が響く。
ビッチ2「なんだこいつ、胸に何か隠して……?」
木竜「きゅっ!」
巫女の制服の胸元から、暗い空き教室を照らす緑色の蛇が伸び上がり、空中でとぐろを巻いた。
不良1「は……?」
不良2「へ……?」
ビッチ1「な……!」
ビッチ2「なんだコイツ!」
巫女「木竜! 出てきちゃダメ!」
木竜「きゅー!」
不良1「お、おいなんだよそのかわいいヤツ」
不良2「こっちこい……ほら」
木竜「きゅっ?」
巫女を追い詰めていた2人の少年は、急にほっこりと頬をゆるめ、宙に漂う木竜に手を差しだした。
木竜もそれに悪い気はしないらしく、少年たちの手にくるりと絡みつき、頭を手のひらにすり寄せる。
601 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:50:06.77 ID:udmCX3qHo
木竜「きゅっ! きゅきゅー」
不良1「わ……やべえ、スベスベだ」
不良2「お、俺にも触らせろよ……わぁ……」
木竜「きゅっきゅきゅ〜い!」
不良1「な? やばくね?」
不良2「やっべ、まじやべえ……なあ、コイツってなに食べんの?」
巫女「え……ええと、果物とかゴマのお菓子とか……」
不良1「くだものか……コンビニに売ってるか?」
不良2「ちょっとコンビニ行ってこようかな……」
ビッチ1「おまえら! なにしてんだよ!」
ビッチ2「早く巫女をヤっちまえ!」
少女たちは不機嫌そうにたきつけるが、少年たちは木竜を撫でる手を止められない。
不良1「だ、だってコイツかわいいし……」
不良2「かわいくて、しかもスベスベだぜ?」
木竜「きゅっ!」
不良たちの手からするりと抜け出し、緑色をしたバットほどの長さの棒を二本、虚空から取り出した。
それぞれ不良の手に棒をわたし、木竜は3本目の棒を取り出して刀なら柄の位置に、尻尾で巻き付く。
巫女「木竜!?」
木竜「きゅっ!」
とがめようと巫女が声をかけると、まかせておけとでも言うように、木竜は振り返った。
不良1「これ……チャンバラか?」
不良2「おもしれえ! やってやろうじゃん」
ビッチ1「だから、なにやってんだ!」
ビッチ2「早く巫女を……」
不良1「うるせえっ!」
わめく少女たちを不良1が一喝した。
緑色の棒を握った少年たちは、目の色がおかしい。
不良たちは緑の棒を高々と掲げる。
不良1「拙者は不良1! 古今無双の剣客なれど、刃をかわす相手がおらぬ」
不良2「我が名は不良2! 誰ぞ我が首を取る者はいないかッ!」
ビッチ1「おい、どうしたんだよ!」
ビッチ2「やばいよ、なんかおかしいって!」
木竜「きゅっきゅ!」
不良1「む、貴様が相手か! ……いざ!」
不良2「尋常に勝負!」
2人の少年が、刀のように緑色の棒を構えた刹那……
すぱぱぁん!
と、乾いた音が響いた。
不良1「ぐぇ……や……」
不良2「やられ……たぁ!」
すれ違いざまにはたき込んだ木竜が、緑の棒をキュンと振ると、2人の少年はその場に崩れ落ちた。
木竜「きゅっきゅ」
巫女「口ほどにも無いって……ひどいコトしちゃダメでしょ!」
緑色のチャンバラ棒を宙に消し、木竜は巫女の手にまとわりつく。
木竜「きゅきゅっきゅ」
巫女「おなか減ったって……ダメよ? 神社に帰るまでしんぼうして……」
602 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:51:39.24 ID:udmCX3qHo
ビッチ1「待てや!」
ビッチ2「ねえおかしいって。逃げようよぉ」
戦意を喪失したビッチ2は、そでをつかんで引っ張るが、ビッチ1は動こうとしない。
ビッチ1「巫女……おまえ……本当に気にくわないんだよっ!」
ビッチ2「ビッチ1も、どうしちゃったの? しっかりしてよ!」
目は怒りにつり上がり、ビッチ1の目は憎しみに濁る。
異常な気配に、巫女は叫んだ。
巫女「危ない!」
ビッチ2「え? ……きゃあっ!」
突然腕を振り回し、ビッチ1はビッチ2を突き飛ばした。
吹っ飛んだビッチ2に、すばらしい瞬発力で駆け寄って、巫女は受け止める。
ビッチ2「ぐうぅっ!」
巫女「大丈夫?」
ビッチ2「うん、あんがと」
巫女「よかった」
微笑む巫女に、申し訳なさそうにビッチ2は顔を伏せる。
ビッチ1「巫女! おまえだけはゆるさねえ!」
巫女「あぶないですから、さがってください」
ビッチ2「巫女……あんた、いったい……」
巫女「細かい話はあと! 木竜ッ!」
木竜「きゅっ」
巫女「この気配……魔人?」
木竜「きゅ!」
ビッチの顔は、憎しみに歪んでいた。
人間がこれほど恐ろしい表情を浮かべられるのか、巫女にはわからなかったが、その目に、背後の気配に魔の匂いをかぎ取った。
そしてなにより、足をわななかせるビッチ1の背後から音もなく立ち上る、かすかな……
巫女「これは……霧?」
ビッチ1「死ねっ!」
人間とは思えない虎のような勢いで、ビッチ1は飛びかかったが、巫女は身を翻して軽々とかわす。
巫女「魔神……にしては気配が薄い……」
巫女はカバンからお札を取り出し、術を込めて術式を起動させる。
紙片に書き込まれた筆字がヘビのようにくねりだし……
巫女「木竜、術の強化をお願い!」
木竜「きゅっ!」
まかせておけと木竜が返事し、巫女はビッチ1に札を投げつけた。
狭い空き教室内を爆光が満たし、ビッチ1は悲鳴を上げる。
目標がひるんだスキに、巫女はビッチ1の背後に回り込み、羽交い締めに締め上げた。
ビッチ1「くそ、はなせ! はなしやがれっ!」
巫女「いいえ……その憑き物、落とさせていただきます」
巫女は懐から赤字の護符を取り出し、ビッチ1の胸に貼り付け、耳元で祝詞をささやく。
巫女「たかまのはらにかむづまりますかむろぎかむろみのみこともちて……」
ビッチ1「が……ぐぁ……」
巫女の言葉に、ビッチ1は腕を締め上げられる以上の苦しげな声を上げ、全身を使って抵抗する。
しかし、巫女の腕はその細さから想像できないほど強く、ビッチ1の身体を固定する。
巫女「かしこみかしこみもうすっ!」
巫女が祝詞の最後の言葉を唱えあげると、胸に張られた赤字の護符が強い輝きを放った。
ビッチ1「ぐあああああっ!」
光に照らされてビッチ1は身体を強くこわばらせ、かくんとその力を抜いた。
巫女は脱力した身体を受け止め、その場にかがみ込む。
603 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:52:07.98 ID:udmCX3qHo
膝枕に寝かせると、ビッチ1は小さな息を吐いた。次いで胸の護符を避けるように全身からどす黒い煙があふれ出し、少し離れたところで親指ほどの灰色をした線虫になった。
線虫はくるくると床の上から飛び立ち、一端に付いたひとつ目で巫女と木竜を見ると、一目散に教室の出口へと逃げ出した。
巫女「木竜、つかまえてっ!」
木竜「きゅっ!」
線虫がノミのようにぴょんと跳び上がり空中にいたところを、飛んできた木竜がぱくっと丸呑みにしてしまった。
巫女「……あ」
エメラルドの瞳をキラキラさせて、木竜は満足げにゲップをする。
木竜「きゅっぷい」
巫女「ももも、木竜! なにしてるのっ!」
木竜「きゅ?」
巫女「食べちゃダメだったか? って、当たり前でしょ! 霧王のいるところを聞き出さないと……とにかく吐き出して!」
舌をチロチロとのぞかせる木竜をつかみ、巫女は思いきり振り回した。
木竜「きゅっ! きゅきゅきゅー!?」
巫女「吐いて、吐き出すのっ!」
木竜「きゅきゅっ!? ……けぽっ」
水っぽい音を立て、木竜は飲み込んだばかりの線虫を床に吐き出した。
しかし……
巫女「よし、出た……うわっ」
かろうじて動いてはいるが、水っぽい音を立てて床に落ちた線虫は、木竜の強力な胃酸に溶かされてぐずぐずにとろけていた。
頭なのだろう一端を持ち上げ、再び飛び上がろうとしたが力尽き、げちょっと湿った音を立てて、線虫だったモノはその場に崩れ落ちた。
もんじゃ焼きのような死骸が薄暗い教室の空気にさらされていたが、使い魔の身体は命を失って、サラサラと虚空に消えていった。
部屋に立ちこめていた霧も、線虫の消滅と共に、少しずつ消えてゆく。
巫女「あ、ああ……手がかりが……もうっ! 木竜!」
木竜「きゅっ!?」
巫女「みさかいなく食べたらダメでしょ!」
木竜「きゅー……」
巫女「だってじゃありません! 今日はおやつ抜き!」
木竜「きゅっ!?」
緑色の空飛ぶヘビと、クラスメイトの異常なやりとりを見て、ビッチ2はおそるおそる声をかけた。
ビッチ2「巫女……あんたいったい……」
巫女「え? ……あっ、木竜、隠れて隠れて!」
木竜「きゅ? きゅきゅきゅー」
ジタバタと尻尾を振って、木竜は巫女の胸元に入り込み、巫女も巫女で、何事もなかったかのようにスカートの裾をパンとはたく。
巫女「えっと……なにも見なかった。ということで、お願いします」
ぺこりと頭を下げ、返事を待たずに、巫女は空き教室から出て行った。
ビッチ2「なにも見なかったって……はぁ」
寝息を立てる3人の友人たちを見て、ビッチ2はため息をつく。
空き教室に立ちこめていた霧はいつの間にか、完全に消えていた。
604 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:52:42.99 ID:udmCX3qHo
中心街の大通り。
病院から出てきた色魔は、町ゆく女性を物色しながらぶらついていた。
色魔「腹へったなぁ……昨日の子はマジで美味そうだったけど、淫魔様の紋章付きじゃなぁ……」
残念そうにため息をついて、色魔は道を行く女性を物色する。
ちょうど学校の下校時間と重なるようで、制服を着た年頃のオンナノコが見受けられた。
色魔「やっぱり、おしとやかなのがいいよな!」
声をはばかることなく、色魔は歩く。
色魔「きちんと手入れした長い黒髪で、ほっそりした美少女なんていたら最高だなぁ……おいおい、いるじゃねえか」
つぶやく色魔の目に、その通りの少女の姿が飛び込んできた。
学校の制服をきちんと着て、流れるような黒髪に、すらりとした手足。
まさに、神や魔に捧げられるべき乙女の姿だった。
巫女「おやつの時間過ぎちゃった。早く帰ろ……」
少女の前で立ち止まり、色魔は言う。
色魔「お嬢さん」
巫女「……なんですか?」
学校のカバンをさげた巫女は答える。
色魔「あんた、カレシは?」
巫女「ええと、何のご用でしょう?」
黒い長髪の少女は、色魔の質問に答えるのではなく、一歩身を退いて青年から遠ざかった。
色魔「あれ、俺の言術が通じねえのか?」
巫女「言術?」
色魔「ああ、面倒だ。俺の目を見な」
巫女「目を……あ」クラッ
色魔の目に青い光が宿り、それを見た巫女は身体の力を半分ほど抜いた。
しかし、身体を完全に色魔に渡すわけではない。
色魔「抵抗するんだ。面白いな、あんた」
巫女「くっ……なに……を……?」
夢うつつな巫女の手を引いて、色魔は裏路地に連れ込んだ。
湿っぽい裏路地に太陽の光は少なく、ビルの壁を背負わせて、色魔は巫女の唇に触れる。
巫女「や……」
色魔「へへへ、いいねえ、こうやって嫌がる子をムリヤリってのも好きなんだ」
唇を寄せようと色魔の顔が近づく。
巫女は気力を振り絞って、カバンから取り出したお札を色魔の顔に貼り付けた。
直後、圧力を感じさせるほどの強烈な爆光がお札から発せられた。
至近距離で光を受けた色魔は、顔面を覆ってうめく。
色魔「ぐああああ! 目がぁ……目がぁ……」
巫女「……はっ!」
目くらましで色魔の誘惑術が解け、巫女は路地の出口へと走る。
色魔「この……待て!」
驚異的な瞬発力を発揮し、色魔は巫女に飛びかかるが……
巫女「えいっ!」
カバンから取り出した二枚目の札が地面に張り付くと、アスファルトの地面と周囲のビル壁から緑色のつる草が伸び上がり、色魔の身体に絡みついた。
色魔「のわわっ! なんだこりゃ!」
足を絡め取られ、色魔は腕の自由がきかなくなる前に、空中に腕を振って小ぶりの短剣を取り出した。つる草をすぱすぱと切断し、草むらをかき分けて、色魔は巫女に向かって突き進む。
605 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:54:38.69 ID:udmCX3qHo
しかし、巫女はそれを待っていた。
三枚目の札を取り出し、人差し指と中指で挟んでひたいにかざし、術を練り上げる。
巫女「はらいたまえきよめたまえ……」
色魔「あっ! このヤロー……」
足下に絡みつくツタに色魔が手間取っている間に、巫女は詠唱を終えていた。
巫女「これで……お引き取りくださいっ!」
巫女の投げ出した札は、色魔との間にひらひらと飛び、突然加速して緑色の矢となった。
色魔「うわっ!」
飛来する矢を色魔はしゃがんで避け、ツタを引きちぎって巫女に迫る。
色魔「くっそあぶねえ術を使いやがって!」
巫女「こ、来ないで! ……あ」
青年の後ろ、目標を追尾して戻ってくる緑色の矢に、巫女の目は釘付けになった。
色魔「あ、だぁ? そんなのにごまかされ……」
スカン
と、薪割りのような音を立て、色魔の額から緑色の矢尻が飛び出した。
色魔「あ? ああああああっ?」
後頭部に突き刺さった矢が、額まで貫通していた。
色魔「なんじゃこりゃあああ!」
巫女「よし、今のうち……」
相手がひるんだのを見て、巫女は駆けだした。
色魔「待てやこらァああ!」
もはや外聞もへったくれもない。
術と言葉の手練手管で女性を籠絡するインキュバスの誇りもかなぐり捨てて、色魔は強引に巫女を捕まえた。
整った顔の額からは、あいかわらず緑色の鏃が飛び出ており、鬼気迫る形相はとても人間の物ではない。
巫女「ひぃ……」
色魔「なにがひいだ! 俺の頭にいいもんぶち込んでくれたじゃねえか」
巫女の両手を掴みビルの壁に押し当て、息を荒げて色魔は迫る。
色魔「やさしくしようと思ったけどよ……もういいや、俺もおまえにぶち込んでやるよ」
ファスナーを開け、色魔は大ぶりな男性器をズボンから引きずり出し、それを見て巫女は黄色い悲鳴を上げた。
巫女「きゃ……木竜っ!」
叫びを聞いて、巫女の制服の胸元から緑色のヘビがにょっきりと伸び上がる。
木竜「きゅ?」
新緑色の鱗に、エメラルドの瞳をもつ細いヘビは、巫女の胸元から顔を出し、今いる場所をキョロキョロと確認し、敵対者を認識すると、かわいらしい目をつり上げた。
木竜「きゅーっ!」
色魔「な、なんだコイツ……」
606 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:55:00.52 ID:udmCX3qHo
木竜「きゅっ!」
勝負は一瞬だった。
木竜は息を大きく吸い込み、かまいたちに練り上げて吐き出した。
身の丈をはるかに超える空気の斧が何枚も折り重なって押し寄せ、色魔の全身を通り抜けた。
かまいたちは色魔の身体を紙一重で通り抜け、背後のコンクリの壁にザクザクと刻みが走る。
色魔「げ……」
色魔の身体にキズはなかったが、黒ずくめの服とドクロのアクセサリーがズタズタになって吹き飛んだ。残る衣装は緑色のパンツ一枚だけ。
木竜「きゅ?」
巫女「うん、大丈夫。ありがと」
木竜は敵意を込めて慮外者をにらみつけるが、すぐに巫女を振り向いた。
木竜「きゅっ!」
巫女「そうだね……行こう」
何事も無かったかのように、巫女は学校のカバンをさげて裏路地を出て行った。
巫女「やっぱり今日のおやつ、うんと豪華にしようね」
木竜「きゅーっ!」
呆然と立ち尽くす色魔に残されたパンツと頭髪は、路地に吹き込んだ一陣の風に吹き飛ばされた。
かまいたちの恐怖に固まったままの、全裸で坊主頭になった色魔のひたいには、後頭部から貫通した緑色の矢が飛び出していた。
607 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:55:27.12 ID:udmCX3qHo
水曜日
翌日の昼休み。
男たちと巫女は違うクラスなのだが、巫女は弁当を持ってやって来た。
淫魔と修道女、幼馴染に巫女の見た目も性格も異なる4人の美少女が、弁当を広げて机を囲む風景は、もはや一枚の絵画のように美しい。
そして、その机に当然のように混ざる男は、クラス中から嫉妬と羨望のまなざしを受けている。
背中にイヤな汗をかきながら、努めて冷静に男は聞き返した。
男「襲われたって?」
火曜の夜に何があったのか、今日の男はいつもの元気を取り戻していた。
巫女「はい。クラスの子に取り憑いていた変な虫と、路地裏で青緑の髪をしたお兄さんっぽい悪魔に……どっちも木竜が助けてくれましたけど」
巫女の制服の中、胸のあたりから小さく「きゅっ」と得意そうな木竜の声がした。
修道女「憑依型の使い魔と霧か……いよいよ霧王が手を出してきたわけね」
淫魔「んむ、そーだね」
修道女「しかも二回も。魔力が抑えられない木竜と巫女にあえて手を出すなんて、よほど自信があるのね」
淫魔「いやいや」
淫魔は修道女の言葉を否定した。巫女の弁当から煮物をつまみ、つづけて言う。
淫魔「青緑の髪の子、全身黒ずくめで、体中に骸骨のアクセサリーを付けてたでしょ?」
巫女「え……はい。どうしてわかるんですか?」
淫魔「だって、わたしの友達だもん。おととい会ったよね、幼馴染」
幼馴染「うん。よく覚えてないけど……」
男「もし淫魔がいなかったら、やばかったんだろ?」
淫魔「ん? そーだねぇ……」
水筒のカップから口を離して、淫魔はニマリと笑う。
修道女「色魔……インキュバスの中でも、かなり上位の魔人ね」
男「修道女は知ってるのか?」
修道女「当然よ。パートナーのいる女性をたぶらかして、堕とした女性を恋人の目の前で犯しつくす、下劣なことで有名な悪魔よ」
淫魔「下劣か……ま、否定はできないね」
修道女の言葉を聞いて、幼馴染の表情が曇る。
幼馴染「そんなに怖い悪魔さんだったの」
淫魔「たしかにオンナの敵だけど、腕っぷしも術も弱くて、眼力の使いすぎで視力も悪い。でも……」
巫女「でも?」
淫魔「芯まで悪い子じゃないから、会ってもあまりいじめないでね」
巫女「むぅ……程度によります」
淫魔「おねがい。それと、修道女」
修道女「なにかしら?」
淫魔「会っても、殺さないであげてね」
男「そ、それは……」
言いにくそうにうめく男をちらりと見て、修道女は微笑んだ。
修道女「もちろんよ」
608 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:56:01.06 ID:udmCX3qHo
夕方。
盲目少女の病室に、見舞い人がやって来た。
ドアを開けた瞬間、相手が声を出すより早く、盲目少女は挨拶した。
盲目少女「こんにちは、生徒会長」
生徒会長「ええ、こんにちは。今日は調子が良さそうね」
ベッドの上にずっと寝ているのに、今日の盲目少女は妙に元気だった。
盲目少女「そう?」
生徒会長「うん、とても元気そう……お花、取り替えるね」
ベッドわきの花瓶に浸っていた花は、まだ新鮮だったが、勢いがなくなり、香りも少なくなっていた。
まだ見た目には美しい。しかし、感触と香りでしか花を楽しめない盲目少女のために、生徒会長はこまめに病室を訪れていた。
盲目少女「……ありがとう。今日はどんなお花なの?」
生徒会長「小さい白百合と、クリーム色のバラ、それと……」
盲目少女「これは……茉莉花?」
生徒会長「そう。ここに来る途中にジャスミンの枝打ちしてる人がいて、一枝いただいてきたの」
部屋にひろがるジャスミンの香りは、清潔な木綿や新鮮な植物を連想させ、盲目少女は胸いっぱいに吸い込んだ。
目を閉じたまま、しかし花が開くように盲目少女は笑顔を返す。
盲目少女「いい香り……ありがとう」
生徒会長「はぁ……」
盲目少女「どうしたの? ため息なんて……」
生徒会長「あなたの笑った顔、久しぶりに見たわ」
笑顔だった盲目少女の頬に、さっと悲しみの色が戻る。
胸元の革の手帳を握りしめ、事故で失った太ももから下、本来ならば脚で盛り上がっているはずの布団をポンポンと叩く。
盲目少女「やっぱり、まだ慣れないの。車いすに乗ると、地面の感触がわからないし」
生徒会長「そう……」
不用意な言葉に、会長は声を落としたが、盲目少女はほほえみ返した。
盲目少女「でも、つらいことばかりじゃないの。最近、お友達も出来たし」
生徒会長「お友達?」
盲目少女「うん、いつか紹介できればなって」
生徒会長「そう……楽しみにしてるわ」
ふたりの少女はしばらく語らい、面会時間のおわりが近づいた。
生徒会長はカバンの留め金をならして、病室の出口へと向かう。
ローファーの足音がドアの前で止まり、こちらを振り向いた。
生徒会長「またね」
盲目少女「うん」
いつ来るか、そんな約束をする必要も無かった。
ジャスミンの花が香りを失う前に、生徒会長はお見舞いに来てくれる。
そんなやさしい確信を抱いて、盲目少女は微笑んだ。
ドアが開き、閉まる音がして、廊下を生徒会長の足音が遠ざかってゆく。
609 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:57:03.24 ID:udmCX3qHo
生徒会長の足音が聞こえなくなり、程なくして部屋に気配が現れた。
とろけるような青年の声で、その気配は言う。
色魔「よう」
盲目少女「悪魔さん、こんにちは」
挨拶して、盲目少女は色魔の様子がおかしいと気づいた。
色魔「いまの子は……友達か?」
盲目少女「はい……いいえ」
色魔「どっちだよ?」
盲目少女「小さい頃から仲良くしてる、従姉妹の子です」
色魔「ふーん……そうか」
興味なさそうな色魔の口調に、盲目少女は安心し、そして雰囲気の変化に気づいた。
少し疲れているような、傷ついているような声だった。
盲目少女「あの……どこかおケガをされましたか」
色魔「あん? ああ、昨日ちょっと頭をな」
そう言って色魔はポリポリと頭を掻いた。
青緑色の髪の下、色魔のひたいには、大きな絆創膏が貼られていた。
それを見えない盲目少女は、不思議そうに首をかしげる。
盲目少女「あたま……?」
色魔「厄介なヤツにからまれて、頭に矢を刺されたんだ」
盲目少女「ええっ? 大変!」
色魔「まあ、あんたら人間よりは丈夫だからな。術さえかけられればすぐ治る。でもあんたが願い事を決めてくれないから、力が足りなくてさ、仕方ないからバンソーコー貼ってんだ」
自分の額を指さしたが、少女に見えていないと気づき、仕方なしに色魔は腰に手を当てた。
色魔「……で? 願いは決めたのか?」
盲目少女「ええっと……ごめんなさい」
うつむきはするものの、盲目少女は悪びれているようにも見えない。
色魔「まだ決まらないのか?」
盲目少女「……はい」
革の手帳をなでさする盲目少女のベッドに腰掛け、色魔は言う。
色魔「なあ、ホントに何でもいいんだぜ?」
盲目少女「わかってます」
元から整っている上、日に当たらないので透き通るほど肌は白く、人形のようにかわいらしい盲目少女の頬に、色魔は手の甲で触れ、まぶたに指を這わせる。
盲目少女「あ……」
色魔「この目が見えるようにしてもいい」
ついで、失われた両脚、太ももの中程の断絶に色魔は触れた。
遠慮の無い色魔の指先は、盲目少女のやわらかな内ももを寝間着越しになで上げる。
女性なら視覚がなくても警戒心を抱く部位をさわられ、盲目少女はピクリと反応した。
色魔「もう一度、歩きたくないのか?」
盲目少女「……いえ」
ほとんど肉のついていない、盲目少女の胸に手を当て、高まる鼓動を感じて色魔は言う。
色魔「それなら、父ちゃんと母ちゃんは?」
盲目少女「もう、気持ちの整理は付きました……安らかに眠ってくれることを願うだけです」
首を振って盲目少女は答えた。
610 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:58:37.59 ID:udmCX3qHo
色魔「なんていうか……もったいない話だよな」
盲目少女「え?」
色魔「世の中にはな、絶世の美女にしてくれなんて頼むバカもいるけど、結局は無理な相談なんだ」
盲目少女「どうしてですか?」
色魔「生まれ持ったワケでもねえのに、顔つきを変えて、見た目に自惚れるんだ。手がつけられないほど傲慢になって、歳を取って人が離れておしまいさ。でも、あんたは違う」
盲目少女「……え?」
色魔「あんた、美人だって言われたことないか?」
盲目少女「ごくまれに……でもお世辞だと……」
色魔「世辞なんかじゃねえよ。あんたは本当にかわいい。綺麗だ。美しい」
盲目少女「そ……そんな……」
頬を赤らめて、盲目少女は否定する。
盲目少女「ひどい嘘、言わないでください」
色魔「嘘じゃねえよ。街を歩いてみろ、みんなあんたを振り向くぞ? オンナは嫉妬に、オトコは見とれてな」
そして、色魔は盲目少女のまぶたに触れる。
色魔「この美貌を自分で見れないなんて、もったいないだろ?」
盲目少女「そんなに?」
色魔「もったいないさ。あんたがちょっと思わせぶりな態度とってみろ、世の中のオトコどもは世界中の宝物を持って、あんたの機嫌を伺うだろう。世の中のオンナどもは嫉妬にハンカチをビリビリに噛みちぎるはずだ……脚だって」
盲目少女「あ、あし?」
色魔「あんたがミニスカートなんて穿いたら、その晩、街のティッシュ使用量が上がっちまうだろうよ……おっと、失礼」
盲目少女「……どういうことですか?」
不思議そうに首をかしげる盲目少女に、気まずそうに色魔は答える。
色魔「まあ、つまりオンナどもが悔し涙に鼻かんで、オトコどもが垂れるよだれを拭くからティッシュがだな……ああ、もういい!」
盲目少女「ひゃっ!?」
色魔は鼻がくっつくほどに盲目少女に顔を近づけた。
色魔「腹ぺこで、鼻の前に極上の料理があるってのに、手を出せない……そういう気持ちはわかるか?」
盲目少女「え? は、はい……」
色魔から立ち上る刺激的で甘い香りに、盲目少女は身体の芯がしびれるような錯覚を抱く。
色魔「目でも、脚でも、両親でも、それ以外の何でもいい。とにかく望みを決めろ……いいな?」
盲目少女「はい」
611 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/17(土) 23:59:17.57 ID:udmCX3qHo
甘い声に誘われ、盲目少女は色魔のひたいに触れた。
盲目少女「あ……」
色魔「いてて……それバンソーコーだ。わかるか?」
盲目少女「はい……ふふ、大きな絆創膏」
おかしそうに口元に手を当て、盲目少女は色魔の絆創膏に手を添えた。
無邪気な笑顔を浮かべ、盲目少女は指をくるくると回した。
盲目少女「いたいの、いたいの……とんでけっ!」
冗談交じりに、盲目少女は古典的なおまじないをしただけだったが、膝に乗せた革の手帳に異変が起こった。
革の手帳は音もなく虹色の光を放ち、その光は糸となって盲目少女の指に宿って色魔のひたいに流れ込んだ。
色魔「うわっ!」
突然のことに色魔はベッドから転がり落ちた。
色魔の反応に驚き、盲目少女は目をつむったままキョロキョロと首を振る。
盲目少女「ご、ごめんなさい、大丈夫ですか? いたかったですか?」
色魔「い、いや……」
手帳から放たれた光のことも、その光が色魔に注がれたことも、盲目少女は気づいていないらしかった。
へたり込んでいた色魔は立ち上がり、服のホコリを払って、姿勢を正す。
色魔「とにかくだな、早いところ願い事を決めろ……じゃあな」
盲目少女「うん……また、来てくれますか?」
ドアで一度立ち止まり、色魔はうんざりしたようにため息をつく。
色魔「願いが決まるまではな……早く決めろよ」
盲目少女「は……はいっ」
ドアが閉まり、色魔の足音が遠ざかってゆく。
盲目少女は触れられた頬やまぶたをなぞって、布団の中で切断された両腿をジタバタ動かした。
盲目少女「か、かわいいって……かわいいって!」
目をきゅっとつむったまま、布団の中で、幸せな少女はもだえつづけた。
612 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:00:34.75 ID:Xg+/kinUo
街の大通り。
病院から出てきた色魔は、盲目少女の光が飛び込んだひたいの絆創膏がムズムズしてしようがなく、思い切って剥がした。
空中に手を振って鏡を取り出し、のぞき込み、むずむずの原因を見つけて色魔は絶句した。
色魔「な……」
はがした絆創膏の下、色魔のひたいに開いていた穴に、髪と同じ緑色の宝石がはまっていた。大きさは10円玉くらいで、おでこの真ん中につるつるした輝きを放つ。
色魔「な、なんだこりゃあ!」
緑の宝石はキズを塞ぐカサブタのようだったが、指先でつつくと、ひたいの骨にガッチリ食い込んでいるらしく、まったく動く感じがしない。
しばらく宝石のつるつるした表面を見ていたが、色魔は鏡の中の自分を見てつぶやいた。
色魔「いや……けっこうイけてんじゃね? コレ」
髪をかき上げ、鏡に映った自分の顔に見とれて、色魔は表情を作る。
実際、ひたいに大粒の宝石が埋め込まれているのは気持ち悪いファッションだったが、色魔の整った顔立ちはそれすらも魅力に変えていたし、そもそもドクロづくしの服装からしてまともな美的感覚の持ち主ではないのだ。
新しいチャームポイントを得て、色魔は胸を張って大通りに繰り出した。
ちょうど下校時間で、制服を着た年頃のごちそうたちがいい香りを漂わせて歩いている。
色魔「うん、黒髪はどうせ契約者で喰えるんだから、金髪がいいな。この国には少ないみたいだけど……」
そんな風につぶやきながら歩く色魔の向こうから、まさにうってつけの美少女がやって来た。
肩までのゆるやかにウェーブしたブロンドに、オリーブ色の憂いを浮かべた瞳。なにかスポーツでもしているのだろうか、制服の上からでもわかるほどプロポーションが良く、歩き方にもスキが無い。
気の強そうな目つきも、快楽にむせび泣かせがいがある。
美しい白い肌も、官能に紅潮させて汗を浮かばせたらどれほど哀れで美しいだろう。
舌なめずりして、色魔はかわいそうな犠牲の乙女に歩み寄る。
色魔「お嬢さん」
???「はい、なにかしら」
言霊を乗せて、色魔は制服を着た乙女に問いかける。
色魔「あんた、カレシは?」
???「いるわよ? 結婚よりも深く誓い合った仲の……」
色魔「へぇ、そうか。そりゃあ悪いなあ」
見開かれた色魔の目に、緑色の光が宿る。
???「あ……」
ブロンドの乙女の、オリーブ色の瞳に潤みが加わり、色魔は少女の手を引いて路地裏へと誘った。
613 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:01:23.08 ID:Xg+/kinUo
大通り脇の路地裏。
人通りの全くない、四方をビルに囲まれたさみしい場所で、色魔は犠牲の少女を壁に押しつける。
強引な色魔のエスコートに、ブロンドの乙女は抵抗するそぶりも見せず、ぼーっと目を見つめ返した。
美味そうな少女にツバを飲み込み、制服のチェックのスカートを見て、色魔は命令する。
色魔「そうだなあ……まずは自分でスカートをあげてくれっかな?」
???「……」
無言のまま、少女はスカートの端をつまみ、すっと持ち上げた。しかし、色魔の目からは中身が見えない高さで、少女の手は止まった。
色魔「ん? おい、もっと持ち上げろよ」
???「……」
しかし、少女は答えない。
色魔「もしかして、貞操観念の強い女性ってやつか? いいねえ」
???「……」
あまり持ち上げられないスカートの中を覗こうと、身をかがめた色魔の鼻先に、少女のつま先が撃ち込まれた。
色魔「ぐえっ!? けぷぁ?」
???「あははははっ!」
くぐもった悲鳴を上げてのけぞる色魔に、実に楽しそうな笑いが聞こえた。
色魔「な、なにしやがる!」
???「おまえこそ、このわたしを誘惑するとはいい度胸ね」
色魔「な、なに?」
???「ふーん……術に対しての目が悪いっていうのは、本当なのね……」
金髪の少女は、制服の胸元を解き、鎖骨の下あたりを色魔に示した。
色魔はとっさに懐から黒縁のメガネを取り出し、かけて少女を見返した。
色魔「……げ」
少女の胸元、白く美しい肌に、術で刻印が刻まれていた。
言うならばそれは、2本のツノの生えた黒い「♀」マーク。
魔界の4大実力者、鬼神の紋章に違いなかった。
鬼神は契約をしない魔王として有名だが、ただひとつの例外として、700年前に西方で契約がなされたという。
契約者自身は血肉のすべてを魔界に持ち去られ、現世に残された契約者の想い人が、異常な力を持って魔人を殺してまわっている……
金髪に、オリーブ色の瞳。
色魔「まさか……悪魔殺し……修道女ッ!?」
修道女「有名人はつらいわね。悪魔に誘われるなんて何百年ぶりかしら?」
色魔「で、でも、今は淫魔様の配下になられたとか……」
修道女「配下ねえ……気に入らない表現だけど、否定もしないわ」
色魔「それなら、俺たちは仲間……だろ?」
修道女「ええそうね。淫魔も殺すなって言ってたし」
修道女はカバンから取り出した銀色の十字架に小瓶から聖水を振りかけて、殺戮者の笑みを浮かべた。
ぎらりと光る退魔の剣に恐れをなし、色魔は声を上げる。
色魔「な、ならどうして、そんな物騒なもんをだすんだよ!」
修道女「言ったでしょ?」
修道女のつま先、四角いローファーが踏んだ地面に、白く輝く魔方陣の連なりが走り、あたりのビル壁一面にひろがった。
人払いに音封じの強力な結界が、路地裏に展開される。
修道女「命”だけ”は助けてあげる」
色魔「ひ……くるな……ぎゃああああああっ!」
夕闇の路地裏に、色魔の悲鳴がこだました。
しかしその声は修道女の結界に阻まれ、外に漏れることはなかった。
614 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:02:18.39 ID:Xg+/kinUo
木曜日。
昼休み。
続けて男のクラスで昼を食べると目立つだろうとの修道女の提案から、今日のお昼は校庭の芝生のちょうど良い木陰でとることになった。
初夏の陽気に、木陰にはべる4人の美少女と、あまりさえない男子ひとり。
男は校庭に面したクラス全体から、嫉妬と羨望のこもった視線を男は受ける。
男「……なんか、背中がチクチクするんだけど」
淫魔「気にしない、気にしない」
人ごとのように、紙袋から取り出したリンゴをかじる。
箸を口から離して幼馴染はたずねた。
幼馴染「それで……色魔さんはどうなったの?」
修道女「どうもしないわ。調査のジャマだったから、ちょっとこらしめて放り捨てただけ。あのくらいなら人間でも死なないでしょ」
巫女「そ、そう……」
男「手がかりは見つかったのか?」
残念そうにお茶を口にして、修道女は首を振った。
修道女「ダメだった。街には監視の糸を張ったけど、期待できそうにないわ……」
巫女「わたしも神社の文献を当たりましたが……」
幼馴染「そもそも、霧王だっけ? その悪魔ってどんな人なの?」
淫魔「んぅ? んー、そうだなあ……古典的な悪魔って感じ」
男「古典的ってのは?」
淫魔「ええと、学問をよく収めているけど、社会的には成功していない人間に取り入って、成功と堕落を味わわせるのが、主な手口だね」
男「恵まれないガリ勉を誘惑するってことか?」
木漏れ日に輝く金髪をゆすり、大きくうなずいて、修道女は答えた。
修道女「そう。だから厄介。取り入った人間の知力や能力を高めるのは、悪魔がよくやる手口なの。道場の、格闘娘もその例ね。そして霧王は、契約者を社会の重要なポストに就かせるのが上手いの」
淫魔「能力があるけど機会に恵まれなかった人間だから契約者もがんばって、何年かすると大企業の社長とか、国の大臣とか、影の総理とかになっちゃうんだよ」
男「影の総理って……そんなの敵にしたらやばいだろ?」
淫魔「所詮は人間だから、大丈夫。霧王を潰しとかないと、その手下が好き勝手に暴れるから、格闘娘みたいな被害者がまた出るしね」
巫女「霧王が、雷神軍の現世での……拠点なんでしょうか?」
淫魔「たぶん。それだけの実績と実力のある魔神だもん。巫女も修道女も、ひとりで戦おうとしちゃダメだよ?」
修道女「……わかったわ」
巫女「必ず応援を呼びます」
巫女の胸元から、まかせとけとでも言うように「きゅっ!」と声が響いた。
615 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:02:56.44 ID:Xg+/kinUo
男「でも、どうやって霧王を見つけるんだ? 気配も……天界系の術で消えてるんだろ?」
淫魔「うん、そこが問題。とりあえず、政財界のめぼしいお偉いさんを、片っ端から犯してまわろうと思ったんだけど……」
修道女「……」ギロリ
淫魔「こうやって怖い目で見られるし、効率も悪い。政財界のお偉いさんって言っても、何千人といるからね。やるとしたら、半月は必要かな」
幼馴染「ええと、2週間で1000人としても、1日で……ひゃ〜……」
指折り数えて、赤らめた頬に手を当てる幼馴染みは放置して、話は先に進む。
男「それなら、どうやって探すんだ?」
淫魔「……うん、わたしの使い魔で人海戦術っていうのも考えたんだけど、霧王も使い魔の対策はしてるみたいで、効果はなかったね」
修道女「だから、わたしは実地調査を、巫女は文献をあたるってしたんだけど……」
巫女「あまりに手がかりがないんです」
男「そうか……おれも探してみるよ」
幼馴染「わたしも」
淫魔「ふたりは無理しないで。霧王に関わっちゃダメ」
男「でも、おれだって……」
と、男は答えようとしたが、いっしょに昼食をとる淫魔、修道女、巫女を見て、彼女らの力を思い出し、悔しながらに口をつぐんだ。
616 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:03:25.12 ID:Xg+/kinUo
放課後。道場。
結局男は空手部に入部した。
月曜の騒ぎ以来の部活なのだが……
更衣室で男が道着に着替ていると、道場の方から部員たちの歓声が聞こえた。
「おおおおおっ!」
「すげえ! 5人抜きだ!」
男「な、なんだ?」
妙な予感に、男は帯を締め、足早に道場に向かう。
道場の中。
畳の試合場を、道着を着た柔道と空手の部員たちが囲んでいた。
空手部長のひときわ大きな背中を見つけて、男は駆け寄る。
男「こんちわ」
空手部長「押忍、男くんか」
試合場を囲む道着の壁を見て、男はたずねる。
男「コレ、何の騒ぎですか?」
空手部長「あいつが戻ってきたんだ」
男「あいつ?」
道着の肩越しに試合場をのぞき込むと、空手部の少年相手に立ち回る少女の姿があった。
少年は普通の体格だったが、それに比べても少女はひどく小さく見える。
しかし、試合は少女の優勢だった。
格闘娘「ふっ!」
格闘娘は軽く息を吸って重心を落とし、渾身の左回し蹴りを少年の右側頭部に叩き込む。
空手部員「ぐっ!」
カミソリのような蹴りを、辛うじて少年は両腕で受け止めるが、素早く体を戻した格闘娘は軸足を変えて右の足刀蹴りをみぞおちに撃ち込んだ。
蹴りを食らった空手部員は苦しそうに腹を抱えてうずくまるが、倒れ込むほどではない。
防御の出来ない素早い攻撃だったが、威力は押さえられていた。
「一本!」
審判役が格闘娘の勝利を告げ、試合場を囲む部員たちに、また歓声が起こる。
空手部長「うん、やっぱりあいつが居ると皆のやる気が違う」
男「そ……そっすか」
感慨深げに腕を組む空手部長に、男は微妙な表情で答える。
空手部長「そういえばあいつ、男くんに話があるとか言ってたな……」
男「はなし……ですか?」
格闘娘「ふう……次!」
道着の乱れを直し、周りを囲む部員たちに視線をやる格闘娘に、空手部長は声をかけた。
空手部長「格闘娘、そのくらいにしておけ。皆の練習時間がなくなる」
格闘娘「ええー、もうすこしやろうよぉ」
不満げに格闘娘はこちらをふりかえり、男の姿を見つけてぴたりと動きを止めた。
格闘娘「あ……」
男「えっと……どうも」
動きが止まり、姿勢をそのままに、格闘娘の顔が真っ赤に染まる。
しかし、武道家の本能か、格闘娘はすぐに気を取り直して男にずかずかと歩み寄り、道着の襟元をつかんだ。
格闘娘「おまえ、こっち来いっ!」
男「ぬわ? ちょ、ちょっと!」
小柄な見た目には似合わない馬力で男を引っ張り、格闘娘は道場から出て行った。
617 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:04:15.20 ID:Xg+/kinUo
道場裏の林。
格闘娘は男を立木に押しつけて問い詰める。
格闘娘「あいつは何?」
男「あいつって?」
格闘娘「とぼけんな! こないだ道場で……道場で……」
男「道場って、おまえ、覚えてんのかよ!?」
格闘娘「あ……当たり前だろ! あんなこと……」
男「淫魔のバカ野郎、なんで記憶を消さなかったんだ……」
格闘娘「淫魔? あいつは淫魔っていうのか?」
男「あ」
しまったと口を押さえる男の襟をつかみ、格闘娘はガクガクと揺らす。
格闘娘「あいつは何だ! どうやってみんなを治した? 言え!」
男「ちょ、まって!」
胸元を掴まれ、引き寄せられて、男はバランスを崩し……
男「おわっ!」
格闘娘「きゃっ!」
落ち葉の積もった林の中、格闘娘は上手く体をさばけず、男に押し倒される形となった。
格闘娘「ひゃうっ!?」
男「いてて……あ」
押し倒した男の手が格闘娘の道着にすべり込み、Tシャツ越しに下着を着けていない小さな胸に触る。
片足が格闘娘の股を割り込み、膝は女性の大切なところをぐりっと押し上げていた。
格闘娘「てめえ……どこさわって……ひゃんっ!?」
男「ご、ごめん」
しかし、格闘娘は男の襟をつかんで引き寄せた。
格闘娘「ちょうどいい。ケガだけじゃない……んっ……みんな道場での騒ぎを忘れてる。おまえがやったのか?」
男「ち、ちがう。だからそれも淫魔が……」
ぐりっと襟を引き、格闘娘は男の顔を引き寄せた。
覆い被さっているのは男の方なのだが、経験の差から、形勢は格闘娘にある。
格闘娘「淫魔……あいつのせいで、あたしの……初めて……」
男「でも、もとはと言えばあんただって……」
反論すると、男の襟元が締め上げられた。
男「ぐええっ!」
格闘娘「ふざけるな! あたしが、あたしが……」
覆い被さる男を引き寄せたまま、格闘娘は黙り込んだ。
男「……どうした?」
格闘娘「なんで、あたしを犯さなかった?」
男「はぁ?」
格闘娘「なんであたしを犯さなかったかって聞いてんだ! あたしはひどいコトした。おまえに犯されても文句は言えないくらいに……でも、なんで?」
男「あんなムリヤリなんて、できるかよ。それに格闘娘……おまえ」
格闘娘「なんだ!?」
男「空手部長と柔道部長が好きなんだろ?」
と、男が答えると、下敷きになっていた格闘娘の顔がみるみるうちに赤くなった。
格闘娘「な、ななな……」
真っ赤になった顔で、キッとにらみつけ、格闘娘の掌底が男のアゴを跳ね上げた。
男「ぐへえ!」
背をそらして、林の地面に悶絶する。
格闘娘「ば、バカ野郎!」
軽快な足音を立てて、格闘娘は道場へと戻っていった。
618 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:05:00.14 ID:Xg+/kinUo
痛みからどうにか回復し、男はよろよろと立ち上がる。
男「まったく……淫魔のやつ……何考えてんだ」
すると……
???「ああ、なんと言うことだ!」
???「うん、やはり油断ならん!」
藪の向こうから、野太いふたつの声が響いた。
男「……へっ?」
ガサガサと藪をかき分け、出てきたのは、道着を着込んだふたりの巨漢だった。
空手部長「毎日昼に女子を囲ってると聞いてはいたが……」
柔道部長「まさか格闘娘にまで手を出すとは……」
手指をボキボキと鳴らし、部長たちは男をにらみつける。
男「ちょ、まってください。おれは格闘娘に引っ張られてココに……」
空手部長「もちろん、わかっている。幼馴染みの彼女を守りたいという理由も嘘ではないだろう」
柔道部長「だからこそ……たっぷり稽古付けてやろう」
顔は笑っているが、部長たちは背後に地獄の業火を燃えさせる。
男「い、いやああああぁぁぁ……」
ふたりの豪傑に襟首をつかまれ、男は道場へと拉致された。
619 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:06:01.17 ID:Xg+/kinUo
生徒会室。
今日も仕事は少なく、幼馴染と生徒会長だけで、軽い書類整理をしていた。
生徒会長「よし、できた」
幼馴染「こちらもできました」
書類の束をそろえ、封筒にしまって、ふたりは軽く息をついた。
幼馴染「思ったより早く終わりましたね」
生徒会長「……そうね、まだ少し時間があるわ」
幼馴染「時間……お見舞いですか?」
生徒会長「そう。できるだけ毎日通ってるの」
幼馴染「親戚の子でしたっけ?」
生徒会長「ええ。従姉妹なの……でも、ちょっと問題が」
幼馴染「問題? お加減が良くないんですか?」
生徒会長「容態は安定してるわ。あの子、生まれつき目が見えないの」
机の上で指を組み、会長はつづけた。
生徒会長「それに、先日の交通事故でご両親と両脚をなくして……それで入院してるの」
幼馴染「はぁ……そんなことが……」
生徒会長「もとからあまり丈夫な子じゃなかったし、おじいさんしか身寄りがないのに、そのおじいさんも具合が悪くて……さすがに消耗しててね」
幼馴染「だから、お見舞いに」
生徒会長「そう。ほんとうなら、私がやらなくちゃ行けない生徒会の仕事なのに……幼馴染さんはよく手伝ってくれるから、甘えてしまってるわね。ごめんなさい」
幼馴染「そんな、わたしはただ、お手伝いしているだけですし……あの、会長」
生徒会長「なにかしら?」
幼馴染「もしよかったら、わたしもお見舞いに行っていいですか? その子の気分転換になればって……」
おずおず言った幼馴染の提案に、会長は微笑んだ。
生徒会長「本当? きっとあの子もよろこぶわ」
620 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:06:46.19 ID:Xg+/kinUo
病院。盲目少女の病室。
盲目少女は古いCDラジカセで、音を押さえてラジオを流していた。
本もテレビも見えない盲目少女にとって、ラジオからの音楽やニュースは主要な娯楽だった。
ラジオの司会者が午後の時刻を告げ、盲目少女はラジオの電源を切る。
面会時間の始まりと共に、廊下を歩く足音が細く聞こえてきた。
ローファーを履いた若い女性の足音がふたつ。
聞き慣れた生徒会長のものと、もうひとつは誰だろう?
ベッドに上体を起こして、ヘッドボードを背もたれに、盲目少女は扉がノックされるのを待つ。少し緊張しながら革の手帳を握りしめた。
足音はドアの前で止まり、2回ノックの音がした。
盲目少女「はい」
生徒会長「こんにちは、今日はお友達を連れてきたわ」
???「お、おじゃまします」
入ってきたのは生徒会長と、同じくらいの年頃の少女だった。
盲目少女「こんにちは。初めまして。盲目少女と言います。あなたは?」
???「幼馴染っていいますっ。今日はお見舞いに……」
生徒会長「幼馴染さん、そんなに緊張しなくても……」
慌てる幼馴染を、生徒会長がなだめる。
幼馴染「は……はい」
盲目少女「はじめまして幼馴染さん。来てくださってうれしいわ」
生まれつき目の見えない盲目少女にとって、初対面のとき健常者の相手が、異常に緊張するのは慣れたものだったし、突然の訪問者も生徒会長の紹介なら悪い人のはずがなかった。
微笑んで、盲目少女はベッドわきの椅子を指さした。
盲目少女「こちらにどうぞ。なにもお構いできませんが」
病室の主にうながされ、幼馴染と生徒会長はベッドわきの椅子に座った。
部屋は殺風景で、それは盲目少女が視覚で愉しむことのない人だと証明していた。
ベッドわきに生けられた花束がいい香りを漂わせる。
幼馴染「あの……盲目少女さんって……本当に?」
盲目少女「ええ、見えないの」
さらっと盲目少女は答えたが、不用意な質問に、幼馴染声を落とした。
幼馴染「……すみません」
盲目少女「ううん。違うんだから興味を持ってくれてあたりまえだし、そういうのも嬉しいの。それに……目がダメでも見えるんだから」
幼馴染「え?」
621 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:08:19.59 ID:Xg+/kinUo
盲目少女はベッドわきのCDラジカセに手を伸ばし、ラジオをつけた。音は小さく、辛うじて音楽が流れているのがわかるくらい。
しかし、その音を流して、盲目少女はうなずいた。
盲目少女「うん……背はそれほど高くないんですね。髪は長くて、背中に垂れてるのかしら?」
容姿を言い当てられ、幼馴染はポカンと盲目少女の閉じられた目を見返した。
生徒会長「ふふ、盲目少女はいつもこうなの。初めてお話しする人が緊張しないようにね」
盲目少女「もう、バらさないでよ」
幼馴染「バらす? なにかタネでもあるんですか?」
盲目少女「わたしは音で見るの。だから……」
ラジオに手を伸ばし、盲目少女は電源を切った。小さく流れていた音楽が止まる。
盲目少女「こうすると、お話ししてくれないと、幼馴染さんがどこにいるのかよくわからないの」
幼馴染「えっと、部屋の電気みたいな物ですね」
盲目少女「電気……たぶんその通り。でも、お話しさえしてくれれば、この部屋が真っ暗でも、わたしには”見える”のよ」
得意げに、盲目少女は胸を張る。
その手元に握られた革の手帳に、幼馴染は気づいた。盲目少女は文字を見れないはずなのに、大切に手帳を握りしめているのが幼馴染には不思議に思えた。
幼馴染「あの、音で字も読めるんですか?」
盲目少女「どうして……ああ、この手帳?」
生徒会長「それは……」
盲目少女「生徒会長、いいの。これはね、わたしの両親の形見なの」
幼馴染「形見……ご、ごめんなさい!」
頭を下げる幼馴染に、盲目少女は手をさしのべた。
盲目少女「ううん。両親は自分たちに何かあったら、この手帳を持っていなさいって言ってたの。中身を信用できる人に読んでもらいなさいって」
生徒会長「それで……私が読んであげるんだけど、見たことのない文字も使われてて、読めない部分も多いのよ」
幼馴染「へえ……」
緊張から脱力した幼馴染に、盲目少女は革の手帳を差しだした。
盲目少女「よかったら、読んでくれませんか?」
形見の手帳を差し出され、幼馴染は顔を上げる。
幼馴染「そんな……わたしなんかが……」
盲目少女「人に本を読んでもらうのが好きなの。少しだけでいいから……」
幼馴染「それなら、お借りしますね」
盲目少女から手帳を受け取り、手に取ると、革の表紙はかなり重厚でしっかりした物だった。
表面には革を押して六芒星のマークが大きく描かれている。
幼馴染は縦書きの本をめくるように表紙を開いたが、手帳は横書きで、最後の数ページは未使用だった。
最初のページまでめくり直すと、アルファベットにも似た不思議な文字が綴られていた。
最初の方は似たような読めない文字が続き、ぱらぱらとページをめくると、日本語で書かれた日記のページに行き当たった。
手帳の日記の部分は、ふたりの筆跡が入り交じっていた。おそらく盲目少女の両親が一緒に使っていたのだろう。
日誌の最後、幼馴染は目を見開いた。
622 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:08:47.89 ID:Xg+/kinUo
幼馴染「あ……あの、ご両親は、お仕事は何をしてらしたんですか?」
盲目少女「前は会社員でした。でも、何年か前に祖父の企業から離れて、考古学の研究をしていたようです」
ページを触る指先に、かすかに震えが走る。
幼馴染「おじいさまは、どんなお仕事を?」
盲目少女「父の話では、もともと祖父も考古学の学者だったそうですが、今は会社を経営しています」
盲目少女の口にした企業の名前は、幼馴染でも知っている大企業だった。
幼馴染「そんな……まさか……」
震える手で、幼馴染は手帳のページをなぞる。
綺麗なインクの、男性の文字で、手帳にはこう書かれていた。
”やはり私の父は、霧王に取り憑かれているようだ”
623 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:10:30.86 ID:Xg+/kinUo
病院からの帰り道。
生徒会長「今日はありがとう。盲目少女、楽しそうだったわ」
幼馴染「いえ、わたしこそ、失礼なことばかりしてしまって……」
生徒会長「気にしないで。それより手帳の日記……最後のところ、声に出して読まないでくれて……ありがとう」
少し声を落とし、会長はつづけた。
生徒会長「あの子のおじいさんに悪魔が取り憑いてるとか、考古学にしても言い過ぎだと思うの。ただでさえひどい目にあっているのに、これ以上心配事を増やしたくないから……」
幼馴染「……わかります」
大通りの分かれ道で、生徒会長は立ち止まった。
生徒会長「またお見舞いにつきあってくれる?」
幼馴染「もちろんです。こんどはお菓子を作っていきますね」
生徒会長「ありがとう、またね」
手を振って、生徒会長の後ろ姿を幼馴染は見送る。
生徒会長の姿が大通りの向こうに見えなくなって、幼馴染は男の家へと駆けだした。
624 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:11:23.94 ID:Xg+/kinUo
盲目少女の病室。
部屋の隅の影が形を持って動き出し、病室の中央で立ち上がる。
色魔「よう」
盲目少女「悪魔さん、こんにちは」
少女は嬉しそうに色魔を振り向いたが、異様な雰囲気にベッドの上で後ずさった。
盲目少女「あの、何かあったんですか?」
色魔「いや、ちょっとこわいお姉さんに追いかけ回されてな……あはは」
そういう色魔の姿は、全身に切り傷が走り、左腕はまったく力が入っておらず、ぶらんと垂れ下がるままだ。
ひたいにはまった緑色の宝珠といい、ズタボロな色魔は、明らかに人間とかけ離れた姿だったが、盲目少女には見えない。ただそのケガの気配を読み取り、盲目少女は心配そうに首をかしげた。
盲目少女「ええと、悪魔さん、お元気がないようですけど、大丈夫ですか?」
色魔「だいじょうぶ……じゃねえなぁ」
かくんと膝を折り、色魔はベッドにへたり込む。
ベッドがきしみ、本来なら少女のスネがあるだろう場所に、色魔は寝そべった。
色魔「で? 今日も願いは決まらないのか?」
盲目少女「あ……」
色魔「決まらねえんだよな……」
大きくもしなやかな色魔の指が、盲目少女の頬に触れた。
盲目少女「ひゃっ? 悪魔さん……?」
色魔「あんたの目が見えれば、一目でとりこにする自信があるんだけどな……」
残念そうに指を小さなあごに、首筋に這わせて、胸元のパジャマのボタンに触れ、ボタンを外そうとして、しかし色魔は手を引いた。
色魔「待つよ」
盲目少女「え?」
色魔「あんたが願い事を決められるまで、俺は待つ。毎日毎夕、ここに、あんたの所に通う。だから、安心して願いを考えろ」
盲目少女「……はい」
革の手帳に指を沿わせ、盲目少女はうなずいた。
色魔「じゃあな」
ぽんと盲目少女の肩を叩き、重そうに色魔は身体を持ち上げる。
盲目少女「あ、あの……待って」
色魔「ん? どうした?」
ドクロのアクセサリーを握り、盲目少女は色魔を引き留めた。
盲目少女「ケガ……してるんですよね」
625 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:12:05.82 ID:Xg+/kinUo
小さな盲目少女の手が、色魔の頬に触れる。
色魔「お、おい……」
盲目少女「どこが痛いんですか?」
手を握り、腕を沿わせて、盲目少女は色魔をなでさする。
盲目少女「顔じゃないし、手じゃないし……おなか? それとも、脚?」
色魔「おい、やめ……」
盲目少女「やめません。ふふ……いたいのいたいの、飛んでけっ」
いたずら混じりに、盲目少女が呪文を唱えると、革の手帳の隙間から光があふれ出した。
色魔「な……また?」
虹色の光は部屋を明るく照らし、放射状にひろがった後、色魔の身体に集まって、治りきっていない傷に染みこんだ。
手帳からの光で修道女に切り刻まれたキズは癒え、色魔の身体には少しのむずがゆさだけが残った。
盲目少女「なんてね。ふふ」
自分が起こした奇跡に、盲目少女は気づいていないようだった。
色魔「あんた……」
ケガの治った色魔の声を聞いて、盲目少女は意外そうな顔をした。
盲目少女「悪魔さん、少し元気になりました? おまじないって、効くんですね」
色魔「……その手帳、見せてみろ」
盲目少女「え? はい、どうぞ」
差し出す革の手帳に色魔の手が伸びたが、触れる瞬間、バチッと手帳の表紙から強力な電撃が走った。
色魔「ぬわっ!」
盲目少女「え……あの……どうしたんですか?」
電撃を受けても、幸い色魔の手は傷ついていなかった。手を擦りながら色魔は答える。
色魔「いや、俺はその手帳に……さわれないらしい」
盲目少女「そう……なの?」
色魔「それ、大切な物なんだろ?」
盲目少女「はい」
色魔「なら、あまり人に触らせんな。大切な物ならな」
盲目少女「そうなのですか? 大切な物だから、他の人に触ってほしいって……」
色魔「そうか、あんた……」
目の利かない少女にとって、触れるとはどういう意味か。色魔はつづける言葉なく、ベッドから身体を離した。
色魔「……またあした来る。願い事、考えとけ」
盲目少女「はい」
ドアを開け、色魔は病室から出て行った。
大股の足音が廊下を離れてゆき、盲目少女は毛布を抱きしめてベッドに転がる。
手のひらには、まだ色魔の体温が残る。
盲目少女「思ってたより、しっかりしてた。おとこのひと、なんだ……」
指に残った色魔の感触を確かめるように、盲目少女は手を軽く握りしめた。
626 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:12:46.00 ID:Xg+/kinUo
男の家。
日の沈んだころ、幼馴染は男の家にやって来た。
すでに夕食の準備をしているらしく、男の家の周りにはふんわりといい香りが漂う。はやる心を抑えつつ、幼馴染が呼び鈴を押すと、玄関で迎え出たのは妹だった。
妹「あ……幼馴染さん」
幼馴染「こんばんは、妹ちゃん。男か淫魔さん、いる?」
妹「お兄ちゃんですか? ちょっとまってください……」
母「あら! 幼馴染ちゃん」
妹が言い終わるより早く、玄関の声を聞きつけて、台所から母が顔を出した。
母「ちょうどいいタイミングね。お夕飯いっしょにどう?」
幼馴染「え……あの、男と淫魔さんは?」
母「いるわよー」
母がリビングの扉を指さすと、ソファに座ってこちらを向く男の姿があった。
妹「幼馴染さん、今日はわたしがつくったカレーが……」
玄関先にローファーを脱ぎ捨てて、幼馴染は廊下に駆け上がった。
妹「ふぎゃっ!?」
幼馴染「ごめん、妹ちゃん!」
突き飛ばされてネコのような悲鳴を上げる妹を尻目に、幼馴染はリビングの扉を勢いよく開いた。
男「お、おう、どうしたんだよ幼馴染……生徒会長とお見舞いに行ってたんだろ?」
幼馴染「それどころじゃないの!」
ソファから離れた床で、ごろ寝していた淫魔も上体を起こす。
淫魔「なにかあったの?」
幼馴染「そーなの! お見舞いに行ったんだけど、でも、そのお見舞いじゃなくて! その入院してる子は手帳が見えなくてぇ、でも書いてあってぇ、その子のおじいさんがぁ!」
手旗信号のようにバタバタと手を振って、幼馴染は説明するが、男と淫魔はポカンと見返すだけ。
荒く息をつく幼馴染の両肩に男は手を置いた。
幼馴染「お、男……大変でしょ?」
男「ああ、幼馴染。さっぱりわからん」
幼馴染「なっ!? だってだって、手帳なんだよ? 書いてあって、それ見つけて……」
男「だから、何が書いてあったんだ? 何を見つけたんだ?」
やさしくなだめる男の、肩に添えられた両手に自分の手を重ね、幼馴染は深呼吸する。
落ち着きを取り戻し、幼馴染は男の目を見る。
幼馴染「手がかり……霧王の!」
627 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:13:21.28 ID:Xg+/kinUo
日の沈んだ薄暗い路地裏を、色魔はふらつきながら歩いていた。
ケガこそ盲目少女の”おまじない”で治ったものの、精気を吸っていないため空腹で、全身に力が入らない。
色魔「畜生……腹、へったなぁ……」
まだ夕日が沈んだばかり。大通りに出れば、食べ頃の女性であふれている。
しかし色魔は、不思議と食欲がわかなかった。
魔界の火酒を腹一杯飲んだ翌日の胸焼けにも似て、胸が苦しく、しかし不快な感じはしない。
色魔「あいつの”おまじない”……やっぱり、なんか変な効果でも……はぁ」
深くため息をついて、色魔は自分のひたい、巫女の矢に開けられた穴を塞ぐ宝珠に触れた。
自分で見ることは出来ないが、宝珠はつるつるとして、色魔の体温を受けて温かい。
色魔「こんなもの埋め込みやがって……はぁ」
盲目少女の病室の空気を鼻に思い出し、盲目少女の細い身体を、黒い絹糸のような髪の感触を手に思い出し、なにより光を感じない漆黒の瞳を思うと、色魔の胸にどうしようもないモヤがたまり、そのたびにため息となって漏れ出る。
色魔「くそ……なんなんだ、コレ。呪い……かよ?」
しかし、盲目少女が悪魔とは言え、自分に呪いをかけるような少女でないと色魔は確信していた。
そう、盲目少女はいい子のはずだった。
色魔「あいつの願い事……かなえさえすれば……」
頬から首筋の、盲目少女のきめ細やかな白い肌を思い起こし、その下に続く、薄い胸を、なめらかな腹を、途切れた両腿に挟まれた秘部を色魔は想像し、その味を思い浮かべて舌なめずりした。
しかし、盲目少女を性的な目で見ることに、色魔は異常な嫌悪を覚えた。悪魔だというのに、色魔はその想像があまりに冒涜的に思え、想像を追い払おうと頭を振る。
だが、頭の中では色魔がいままで人間の女性にしてきたように、盲目少女のパジャマを強引にはぎ取り、柔らかな肢体を舐め、擦りあげ、指で抉り、さんざんに鳴かせた後、猛り狂った剛直を、少女の無垢な器へ……
ガツンと、色魔は路地の手近なビルにひたいを打ち付けた。
緑色の宝珠は硬く、ひび割れることはなかったが、宝珠の周りの皮膚が衝撃に裂ける。
何度も繰り返し、コンクリートの壁面に額を打ち付け、割れたひたいから血の筋が流れ落ちる。
息を荒げ、色魔は一人つぶやいた。
色魔「なにやってんだ……俺」
淫魔「まったくだ」
色魔「うわああっ! 淫魔様!」
前触れなく、隣から声をかけられ、色魔は飛び上がった。
淫魔「本当になにやってんの。それでもオンナを籠絡するインキュバスなの?」
色魔「は……申し訳ありません」
ひたいから流れる血もそのままに、色魔は頭を垂れる。
淫魔は色魔のひたいに手を当て、つるつるした緑色の宝珠をなでて顔を上げさせた。淫魔の指から治癒の術が放たれ、色魔の出血が止まった。
淫魔「ちょっと見ない間に、良いものつけてるね。オンナに貢がせるなんて、さすがは色魔」
色魔「ち、ちがいます。これは……」
淫魔「んぅ?」
色魔「これは、龍をつれた子につけられた傷で……それを契約者に治してもらったんです」
淫魔「契約者ねえ……なるほど」
一歩退いて、色魔の全身を値踏みする。
628 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:13:57.90 ID:Xg+/kinUo
淫魔「でも、まだ契約はしてないでしょ?」
色魔「うぐ……もうすぐします。召喚されたんですから、契約者に違いありません」
淫魔「まあそうなんだけど、早く精気をもらわないと、あなた死んじゃうよ? 今だって立ってるのがやっとでしょ?」
ふらつく脚を淫魔に指さされ、色魔は沈黙する。
淫魔「おなか減ってるなら、そのあたりのオンナノコを食べればいいじゃない。あなたならひと晩でハーレムを作れるでしょ?」
色魔「いえ、なんだか食欲がなくって」
淫魔「食欲ね。はいはい。それで、あなたの契約者なんだけど……」
色魔「何でしょう?」
淫魔「その子の血縁者に、霧王の契約者がいるみたいなの」
色魔「へえ、霧王の……」
軽く返事をして、次いで色魔の顔から血の気が引く。
色魔「む、むむ、霧王!?」
淫魔「そうだよ」
色魔「影と霞の魔王……あの霧王ですか!?」
淫魔「だから、そうだって」
よろよろとビルの壁に寄りかかる。首筋には嫌な汗が浮かび、血の気のひいた唇でつぶやいた。
色魔「そんな……そんなこと……」
淫魔「勝てないって?」
色魔「はい。いくら俺でも、霧王の力くらい知っています。強力な魂をたくさん集めている、雷神様の家臣でしょう?」
淫魔「雷神”サマ”ねぇ……でもたぶん、その子は霧王の契約条件じゃあない。霧王の契約の犠牲者だろうね」
色魔「どういうことですか?」
淫魔「美しい外見を持ちながら、生まれながらの盲目。やさしい両親としなやかな両脚を持ちながら、どちらも事故で亡くす。偶然と言えばそれまでだけど、霧王の手口そのままだね」
黙り込む色魔に、淫魔は追い打ちをかける。
淫魔「それで? あなたはその子の願いを叶えるの?」
色魔「……もちろんです」
淫魔「相手は霧王だよ? いまのあなたは歯も立たない。それなのに?」
色魔「あいつの……盲目少女の願いは、叶えてやりたいんです」
淫魔「でもその子、願いなんて決めないかもしれないよ? いつまでもあなたは契約できないかも」
色魔「かまいません」
淫魔「飢え死にしても?」
色魔「この先……あいつ以外、喰うつもりはありません」
淫魔「惚れたね?」
色魔「はい……たぶん」
恥ずかしそうにうつむく色魔を、淫魔はいたずらっぽくのぞき込む。
しばらく淫魔は色魔を見つめ……
淫魔「あなたが夢中になるんだから、とってもいい子だろうね」
色魔「はい。それはもう……」
召喚者について色魔は言葉に詰まったように何も言わない。しかしその目の輝きに、淫魔は妖しく微笑み返す。
淫魔「そんなに美味しそうなんだ……んふふ」
色魔「……え?」
皇帝陛下のおかしな物言いに色魔が瞬きすると、すでに淫魔の姿は消えていた。
629 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:14:29.46 ID:Xg+/kinUo
金曜日。
淫魔が休みなので、教室で適度な結界を張れず、男と幼馴染み、巫女と修道女は屋上に上がった。
真夏の真昼の太陽が真上からぎらぎらと照りつけ、陽炎が出るほどに屋上は熱されていたが、給水タンクの影はそれなりに涼しい。
4人はそれぞれの弁当を広げ、食事と作戦会議を始めた。
巫女「淫魔さんは休みなんですね」
男「なんか、用事があるらしくてな。何の用事だか知らないけど」
修道女「それより、霧王の手がかりが見つかったの?」
幼馴染「うん。生徒会長の親戚の人……みたい」
修道女「そんな近くに……」
巫女「でも、わかったからには早く手を打たないと」
男「そうだな。格闘娘に、巫女のクラスメイト……霧王は本気で攻めてきているみたいだし……」
修道女「まだ本気じゃないわ」
男の言葉を、修道女は少しキツめにさえぎった。
男「どういうことだ?」
修道女「男くんと巫女が攻撃されたのは、威力偵察のためよ」
幼馴染「威力偵察?」
修道女「言ってしまえば、不明な戦力の程度を調べるのが目的だったはず。実際、わたしには何の襲撃もないしね」
男「どうしてだよ? 戦力ってことなら、修道女がいちばん厄介なはずだろ?」
修道女「ふふ、ほめられたと思っておくわ。わたしの手の内は、ちょっと気の利いた悪魔なら知っているの。名前も顔も、けっこう通っているから」
幼馴染「どれくらいの実力があるかわからないから、とりあえず手下をぶつけてみた……っていうこと?」
修道女「そのとおり。だから、霧王が攻めてくるならこれからが本気のはず。それに……」
不安げに修道女はつぶやいた。
巫女「それに?」
修道女「こうして話していることも、わたしたちが手がかりを得たってことも、霧王は知っているとみて間違いないわ」
幼馴染「淫魔さんがいないことも……?」
修道女「そう。だから、守りを固めたいの。男くん、今日は部活ないわよね」
男「うん、今日は休み」
修道女「それなら、早めに帰るべきね」
男、巫女、修道女は確認するようにうなずきあったが、幼馴染は提案した。
幼馴染「まって。もし良かったら、みんなでお見舞いに行かない?」
修道女「お見舞い……霧王の契約者の孫に会いに行くの?」
幼馴染「そう。ご両親の形見の手帳に、霧王の手がかりが書いてあったけど、それ以外にも見慣れない文字でいろいろ書いてあったの。修道女さんと巫女さんなら、何か読めるかもしれないし」
巫女「そういうことなら……」
修道女「手がかりは多い方がいいわね。行きましょう」
4人は放課後に集まることを確認し、それぞれの弁当を片付けた。
そのころ淫魔は……病院にいた。
630 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:16:09.84 ID:Xg+/kinUo
盲目少女の病室。
回診が終わり、盲目少女はほうと息をつく。
革の手帳を布団の中からとりだし、表紙の六芒星を撫でた。
表紙の圧し革のデコボコだけが、盲目少女がいちばん認識しやすい手帳に書かれた”文字”だった。
少ないながらも人に読んでもらった本と、ラジオから得た知識から、六芒星が、悪魔を召喚する模様であることを、盲目少女は知っていた。革の表面を撫でながら、昨日さわった色魔の感触を思い出す。
盲目少女「まだ……来ないよね」
回診が終わって、2日に1回は生徒会長が、それに今週からは毎日色魔が来てくれる。
満足そうに深い息をして、盲目少女はヘッドボードに背中をもたせる。
盲目少女が安らいでいる病室の中空、白紙にインクのシミが広がるように黒い円盤が現れた。
それは空間に開いた穴で、黒い穴の奥から紫色のショートカットがひょっこりと伸びる。
???「ふう……見つけた」
聞いたことのない声だった。
小さな少女のようにかわいらしく、しかしすべてを知り尽くした大人の女性のような深い響きをおびたオンナノコの声。
???「盲目少女っていうのは、あなただね?」
その声はすべてを委ねてしまいたくなる、恐ろしいほどの誘惑に満ちていたが、水晶の鈴を思わせる清らかな音色だった。
気配なくこの部屋に現れ、なによりこの声。相手が人間でないことは明白で、恐ろしくもやさしい声に流されそうになりながら、盲目少女は革の表紙を握りしめてたずねる。
盲目少女「……あなたは……悪魔?」
???「んふふ、淫魔だよ」
その場でぺこりとおじぎして、盲目少女は答えた。
盲目少女「はじめまして……淫魔さん、とお呼びすれば?」
淫魔「そうだね。色魔の友達だよ」
盲目少女「悪魔さんの?」
たずねて、盲目少女は部屋の中央にいた淫魔が、素早くベッドに歩み寄り、ベッドに這い上がるのを感じた。
盲目少女「え……あの……」
戸惑う盲目少女の声を意に介さず、淫魔の手が首筋に触れた。
淫魔「わ、ホントにかわいい……美味しそう」
盲目少女「あの、淫魔さん?」
淫魔「ねえ盲目少女。あなた、色魔のことどう思ってる?」
盲目少女「どうって……」
淫魔「好きかってこと」
その言葉を聞いて、顔にさっと血が上るのを盲目少女は感じた。
たぶん、他の人から見ても顔が”赤く”なっているとわかってしまうだろう。
実際、淫魔は得意げに続けた。
631 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:16:38.28 ID:Xg+/kinUo
淫魔「隠そうにも隠しきれない……かわいい」
すると、淫魔の顔が近づき、頬にやわらかな感触が当たった。
盲目少女「え……キス?」
淫魔「わあ……ほっぺも美味しい。でもねぇ……いくら欲しいからって、こういうやり方はダメだと思うの」
盲目少女「欲しい?」
淫魔「そう。あなたの本当に欲しいモノ、わたしがあげる」
覆い被さるように身体を重ねる淫魔から立ち上る甘い香りに、盲目少女の思考は心地よく麻痺していた。
淫魔の甘言が、身体の奥底までしみ入ってしまう。
盲目少女「欲しい……わたし……」
理由もわからず涙がこぼれ、頬をつたわる涙がやわらかな唇にぬぐわれる。
淫魔「わたしにまかせて。ほら、力を抜いて……」
肩を抱かれ、首筋を支えられ、盲目少女は安らかに力を抜く。
静かな午後の病室に、少女たちのささやきと吐息だけが聞こえていた。
632 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:17:07.48 ID:Xg+/kinUo
放課後。
生徒会室にやって来た男たちは、突然舞い込んだ書類仕事を手伝っていた。
幼馴染「ごめんね、手伝わせちゃって」
男「べつに良いけどさ、こんなアンケートって毎年とってたか?」
男と幼馴染、巫女に修道女、生徒会役員5名と生徒会長の総勢10人をもってしても、100ページ超の分厚いアンケートを全校生徒分作るには、まだまだ時間がかかりそうだった。
生徒会長「今年からね。保健体育の実地調査だって、先生はおっしゃってたわ」
修道女「実地調査ねぇ……」
卓上ホチキスで閉じたアンケートのページをめくって、修道女はうさんくさげに項目を見る。
Q.15 あなたの学年
Q.281 あなたの好きな食べ物とその理由
Q.2357 最近読んだ本
答えるだけで軽く1日は飛ぶだろう5000問のアンケートは、そんなたわいない質問ばかりで、その趣旨もよくわからない。
それにしては、ところどころ週平均の自慰の回数だとか、性交の経験の有無だとか、誰かが好みそうな質問もある。
男「保健の先生が作ったらしいけど」
修道女「本当に作ったのは……あいつでしょうね」
男は直感から、修道女は経験から、この大量のアンケートを作った犯人を淫魔だと見抜いたが、だからといって生徒会長と幼馴染を放って、盲目少女に会いに行けるはずもない。
生徒会長に見舞いへの同行をお願いしに来て、大量の書類仕事を手伝うハメになったのも、どうやら淫魔のもくろみらしい。
結局、アンケートの作成が終わる頃には日も沈み、盲目少女の見舞いには行けなかった。
633 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:17:47.71 ID:Xg+/kinUo
病院の廊下。
今日の色魔は少し違った。
直接盲目少女の病室に具現化するのでは無く、病院の入り口から堂々と廊下を歩く。
服装はいつものドクロだらけの衣装を着替え、細身をいっそう優雅に見せる黒いタキシードだ。
盲目少女の気に入りそうな花を、左手にようやく持てるだけのバラとユリとジャスミンの花束を抱え、右手には町中の菓子屋の袋をさげる。
人間の注意を術で巧妙に避けつつ、病室の前までやって来て、色魔は途方に暮れた。
色魔「これ……開けられなくね?」
両手に持った贈り物をゆすって、色魔は病室の入り口に身体を寄せた。
肘で開けようとしても、扉は開かない。
そして色魔の耳に、聞き慣れた盲目少女の、聞き慣れない甘い声が響いた。
色魔「……え?」
盲目少女「ふぁ……そこ、だめです……はあんっ!」
扉の向こうからかすかに聞こえる声に、色魔の動きは止まる。
そして、恐ろしい帝王の声も漏れ聞こえた。
淫魔「そんなこと言って……もう、こんなに……ほら」
盲目少女「ひううっ!?」
淫魔の声とともに、盲目少女の嬌声が高まり、色魔は両手に持った贈り物をその場に取り落とした。
扉の廊下側に落ちた品々の音に、病室内の二人も気づいたようで、甘いささやきは止まってしまった。
色魔は無言だった。しかし、部屋の中から淫魔の声がした。
淫魔「色魔だね、早くおいで」
落とした品々もそのままに、震える手で、色魔は病室の扉を開けた。
盲目少女の病室は、先日からあるジャスミンの花の香りが満ちていた。
そして、部屋にひとつおかれたベッドの上には、盲目少女ともう一人。
淫魔は盲目少女に後ろから抱きつき、パジャマの上から華奢な身体に手を這わせていた。淫魔の片手は盲目少女の首筋に、もう片手は膝にかけられたタオルケットの中に忍び込み、その手が動くたびに、盲目少女はあられもない嬌声を上げる。
見えない瞳はうつろにひらき、とろけて汗を浮かべた盲目少女の顔を、色魔は正視できなかった。
顔をそむけ、色魔はたずねる。
色魔「淫魔様、なにをなさって……」
淫魔「んふふ、おしおきだよ?」
色魔「おしおき……その子がなにをしたと?」
淫魔は盲目少女の髪をかき分け、耳たぶをしゃぶった。
盲目少女「ふあぁ……ひあっ!?」
切ない声を上げる盲目少女の下腹部、タオルケットの下に伸ばした手をゴソゴソと動かし、淫魔は続けた。
淫魔「この子は、魔人に嘘をついていたの。願い事が無いだなんてねぇ」
色魔「やっぱり……あんた、願い事を決めてたか」
出入り口近くから一歩進み出て、色魔はたずね、目を閉じたままこちらを向いて、盲目少女は答えた。
盲目少女「……あなた、どなた?」
634 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:18:20.32 ID:Xg+/kinUo
色魔「は? なに言ってんだよ、盲目少女!」
盲目少女「ええと、あなた、どうしてわたしの名前知って……んあああっ!」
盲目少女は初対面の相手に戸惑う様子だったが、下腹部に伸ばされた淫魔の手が動くと、快楽に顔を緩ませて嬌声を上げた。
色魔「なんで……どうしてだよ! あんた、俺のこと忘れて……」
淫魔「さあて、どうだろうねえ」
クスクス笑いながら、淫魔は盲目少女の頬に接吻する。
盲目少女「あはぁ……いんまさまぁ……」
とろけた顔で快楽をむさぼる盲目少女と、身体をなで回す淫魔……色魔は淫魔をにらみつけた。
色魔「まさか、淫魔様……こいつに手を……」
淫魔「見ればわかるでしょ?」
色魔「どうしてっ!」
淫魔「この子はね、願い事なんてとっくに決まっていたの。それなのに、あなたをだまして、毎日病室をたずねさせた……そうだよね?」
もぞもぞと、淫魔がタオルケットの下の盲目少女の股間をまさぐると、少女は甘い声で答える。
盲目少女「あはぁ……はいぃ……そうですぅ……」
色魔「コイツの望みは……?」
淫魔「やさしくて、たくましいオトコノコに、側にいて守って欲しい……つまりは恋人が欲しかったの」
色魔「恋人?」
淫魔「それで、召喚しちゃった悪魔……つまりあなたは、盲目少女の理想の相手だった。きちんと話を聞いてくれたし、身体の心配もしてくれた。男の人にそんなこと言われるの初めてだったって」
淫魔の両手が、盲目少女の膝にかけられたタオルケットに入り込み、少女の股間でゴソゴソと動いた。
盲目少女「ふああぁ……はああぁん……」
太ももの途中で途絶えた脚を快楽にパタつかせ、盲目少女の声色は、蜂蜜につけた砂糖菓子よりも甘くとろけ、口の端からいやらしくよだれを垂らす。
淫魔「だからこの子は、あなたが欲しくなった。それならそう願えば良いのに、わざと願い事を伝えずに、自分の元に縛り付けようとした……こんなかわいい顔して、考えることがえげつないんだよ……だから……」
タオルケットの下で、淫魔の手がモゾモゾ動き、盲目少女は背をそらせて快楽の悲鳴を上げる。
盲目少女「ひああっ! くあああぁぁ……」
淫魔「おしおきしてたの。悪魔をあなどった罪でね」
声を落とし、色魔は答えた。
色魔「そんなこと……わかってましたよ」
淫魔「へえ、この子があんたに惚れてるってことも?」
色魔「こんなまっすぐに好かれたことなんて無くって……でも、コイツのしあわせは、脚を取り戻したり、目を見えるようにしたり、両親を生き返らせたり……そういうことなんです」
淫魔「だから、恋心が冷めるまで、願いをちゃんと言ってくれるようになるまで、待とうとしたって?」
色魔「そうです」
淫魔「ふぅん……んふふ、そんなまどろっこしいコトしてるから……ふふ」
後ろからタオルケットの下、股間に伸ばされた淫魔の手が悩ましく動き、盲目少女は華奢な身体をよじった。
淫魔「この子、とっても美味しかったよ? 最後の最後に、堕ちるときにもあなたの名前を呼んでた……ねえ?」
ぺろりとうなじを舐め、頬をすり合わせると、盲目少女はあえぎ混じりの声で嬉しそうに答える。
盲目少女「いんまさま……ふあぁ……」
色魔「コイツが俺をあなどったから、おしおきだからって……俺のこと忘れさせるまで責めたんですか?」
淫魔「そうだよー」
色魔「淫魔様のことです……そいつが俺の契約者だって……頬の契約印をきちんと見てのことですよね?」
淫魔「当たりまえでしょ?」
635 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:18:59.65 ID:Xg+/kinUo
その答えを聞いて、こざっぱりしたスーツの肩をつかみ、色魔は一気に引き抜いた。
黒尽くめに眼窩の開いたドクロのアクセサリー、趣味の悪いいつもの格好に戻り、宙に手を振って小ぶりな短剣を顕した。
淫魔「なんのつもり?」
色魔「それは俺のセリフだ! 淫魔!」
張り裂けんばかりの怒りを込め、色魔は激高した。
淫魔「色魔、刃を収めて」
色魔「うるせえ! 引き下がれるか!」
淫魔「へえ……あなたがわたしに勝てるとでも?」
色魔「まず無理だろうさ……だがな……」
ダガーを構え、色魔は息を吸い込み、大声で啖呵を切った。
色魔「惚れたオンナぁ寝取られて、引き下がれるかっ!」
盲目少女「えっ!?」
淫魔に身体をまさぐられていた盲目少女は、色魔の言葉に声を上げた。
色魔「えっ?」
盲目少女「悪魔さん……惚れたって……」
淫魔「ちょ……ばかっ! 盲目少女っ!」
盲目少女「え……あっ……そうだった……ああーん、淫魔さまぁ……あふーん」
色魔「……」
淫魔「……」
盲目少女「あはーん、淫魔さまぁ……いやーん」
色魔「待てや!」
盲目少女「ひゃい!?」
色魔の一喝に、盲目少女は身をすくめた。
淫魔「あーあ、バレちゃった」
いたずらっぽく笑い、淫魔は盲目少女の膝掛けから股間をまさぐっていた両手を抜き出し、顔のまえでひらつかせた。
短剣を握った腕を降ろし、色魔はたずねる。
色魔「いったい……なにを考えてらっしゃるんですか」
淫魔「ん? んふふ……よいしょっと」
淫魔はベッドから降りて、盲目少女の背中にクッションをあてがい、振り向いて色魔に歩み寄る。
まだ色魔が握ったままの短剣を見て、淫魔は目を光らせた。
淫魔「で? わたしと斬り合いでもするの?」
色魔「い、いいえ……」
あらためて淫魔をまえにして、色魔の身体はカタカタと震えだした。
震える手で、虚空に短剣をもどし、ベッドに身を起こす盲目少女を見てしまい、色魔は目を伏せた。
淫魔「そうそう、それでいいの……あの子はじめてだから、やさしくするんだよ?」
色魔「え……はうっ!?」
小さな手のひらを色魔の下腹部に当て、淫魔はゆるゆると撫でさする。
淫魔「あなたのココ、大っきいんだからさ」
色魔「うあ……あ、淫魔さま」
淫魔「んふふ、あとは若いふたりにまかせるね」
色魔「くは……あ……あれ?」
最後の言葉だけを残して、淫魔は背負うようにあらわした黒い円盤に背中から飛び込んだ。
636 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:19:25.76 ID:Xg+/kinUo
淫魔の消えた空中の黒い穴は数秒を待たずに消えて、いつもの病室に色魔と盲目少女が残された。
気まずそうにボリボリと、色魔は頭を掻いて部屋の一角を見つめる。
色魔「え……っと……」
盲目少女「さっき悪魔さん、惚れたって」
色魔「悪いかよ」
盲目少女「その、わたしも……」
色魔「待て待て」
頬を赤らめた盲目少女の言葉を色魔は手を振って止めた。
足早に近づいてベッドに手をつき、盲目少女の唇に手を当て、さらに続ける。
色魔「そーいうのは、人間と悪魔は言っちゃいけないんだ」
盲目少女「でもわたしは……」
唇に当てられた手にそっと触れ、声を絞り出す盲目少女に色魔は語りかける。
色魔「あなたの望みを言ってくれ」
盲目少女「……わたし、イヤな子なの」
閉じられた目から涙を流し、盲目少女は続ける。
盲目少女「そとに出ないから友達もいない。お見舞いに来てくれるのは生徒会長ちゃんだけ……」
色魔「……」
盲目少女「それなのに、わたしは憐れまれている気がして、生徒会長ちゃんまで嫌いになって……」
色魔「いいじゃねえか。美味そうな悩みだ」
盲目少女「よくないよ……こんなの」
色魔「それで? あんたがイヤな子だったら、どうだってんだ?」
盲目少女「わたしは、こんなヤな子なの……でも、誰かにそばにいてほしいの」
色魔「それが願いか?」
盲目少女「……うん」
色魔「誰かってのは、俺でもいいのか?」
盲目少女「ううん……あなたじゃないといや」
色魔「まいったな」
色魔は鼻同士が付くほど盲目少女に顔を近づけた。
声の出所が変わり、色魔の接近を感じた盲目少女は肩をすくめる。
色魔「そりゃあ、むずかしい願いだ。あんたの魂じゃ足りねえよ」
盲目少女「え……そんな……」
色魔「魂だけじゃなく、血肉も全部もらおうか?」
親指を盲目少女の唇にあて、色魔は続ける。
色魔「あんたの肉の一片、血の一滴、髪の一筋……肝も心臓も、骨の髄まで俺に差し出せ」
盲目少女「つまり、身も心もあなたにあげろって?」
色魔「そうだ」
盲目少女「それは……無理」
色魔「え……」
唇に当てられた色魔の指にキスをして、盲目少女は答えた。
盲目少女「だってもう、あなたのものだから」
色魔「……契約成立だ」
637 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:19:53.65 ID:Xg+/kinUo
膝掛けから盲目少女の手をとって、色魔は自分の唇に触れさせる。
色魔「わかるか?」
盲目少女「悪魔さんのくちびる? ……やわらかい」
形を確かめさせ、弾力を教えて、色魔は盲目少女に近づけた。
盲目少女「……キス?」
色魔「うん……ん……」
盲目少女「んぅ? んん……」
桜色の唇をついばみ、色魔が舌でかるくノックすると、盲目少女はおずおずと受け入れた。
驚かさないよう慎重に、舌を差し入れ……盲目少女の粘膜と触れる。
盲目少女「ん……ちゅ……んぅ」
色魔「ちゅ……る……美味い」
待ち望んだオンナの味に、色魔の目が輝く。
手を首筋に回し……盲目少女は妙に汗ばんでいた。
色魔「暑いのか?」
盲目少女「そんなこと……あんっ!」
首筋から胸へ手をすべらせ、寝巻きの上から触ると、盲目少女の乳房の先端はすでに高ぶっていた。
盲目少女「あ……そこ、さわっちゃ……」
色魔「なんでこんな……まさか」
部屋に充満するジャスミンの香り、そこにわずかに残る淫魔の甘い匂いにまじり、確実に少女自身の気配が感じられた。
色魔が膝掛けに手を伸ばすと、盲目少女は胸元まで持ち上げてめくられまいと拒む。
そこで色魔は、膝掛けを足側からめくり上げた。
色魔「う……わ……」
盲目少女のパジャマの長ズボンは、事故で失った太ももから先の布を余らせ、両脚の間は、失禁したようにぐっしょりと濡れていた。
膝掛けのおもさが無くなり、濡れた股間が涼しくなって、盲目少女も色魔がそこを見たと察し、両脚を閉じて股間を隠す。
色魔「やっぱりか……」
盲目少女「だって……淫魔さん、悪魔さんが来るまでずっと……ずっと……」
色魔「演技じゃ……なかったのか」
盲目少女「うん……それに淫魔さん、ぜんぜん終わらせてくれなくて」
色魔「終わる……?」
盲目少女「淫魔さんが、悪魔さんにはこうして頼めって……」
自分のパジャマのボタンをはずし、盲目少女は細い身体をさらす。
あばらのわずかに浮いた細い身体に、ごく小さな乳房がふくらみ、薄い桜色の乳首が息づく。
盲目少女「お見舞いの時間が始まるまえからだから……3時間以上……ずっと、ずっと……」
にちゃぁ……と音を立て、盲目少女はパジャマのズボンを下着ごと脱ぐ。
淫魔に長時間蹂躙された秘部はかわいそうなほどに蜜を溢れさせ、下着の布と肌の間に、何本も粘液の橋がかかった。
盲目少女のそこは、粘液にてらてらと濡れ、わずかに生える髪と同じ黒色の陰毛までも、白くきめ細やかな肌にぴったりとはりつく。
足の付け根と膝のちょうど中間あたり、盲目少女の切断された両ももには、まだ包帯が巻かれていた。
足りなくなった両脚を大きくひらき、粘液に濡れる秘部のやわらかな肉の扉を自らの指でくちっと開き、桜色の粘膜を匂い立たせ、盲目少女は願った。
盲目少女「悪魔さん……わたしを食べて」
色魔「う……あぁ……」
もはや、誘惑する悪魔とされる人間の立場は逆転していた。
何よりも、色魔はのどの渇きを癒やす誘惑にあらがえなかった。切断された盲目少女の両脚は、クマのぬいぐるみのように短く、色魔は包帯の巻かれた太ももを押し広げる。
638 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:21:11.98 ID:Xg+/kinUo
いっぱいまで脚を開かれ、盲目少女の秘裂は水っぽい音を立て、わずかに開いた。
濡れた性器からの処女の甘酸っぱい香りが、色魔の鼻腔をくすぐる。
色魔「おあずけ食らったからな……たっぷりと」
盲目少女「悪魔さん……なにを?」
新鮮な処女の匂いが色魔の脳髄を麻痺させ、キスせずにはいられなかった。
色魔「ん……じゅる……ふ」
盲目少女「え……悪魔さん、舐めて……んあああっ!?」
淫魔にいじめられ続けた盲目少女の秘裂に、色魔の巧妙な舌運びは残酷なまでに響いた。
しなやかな髪を振り乱し、小さな手でシーツをつかみ、太ももまでの短い足をパタパタと動かして抵抗するが、身体に満ちる快感を逃がせない。
包帯の巻かれた太ももの切断面を両手で押さえ、色魔はつぶやく。
色魔「動くな。キズが開くだろ」
盲目少女「そ、そんな……だめぇっ!」
陰核を吸い上げ、桃色の秘肉をかき分け、色魔の舌は盲目少女の処女を攻め落とす。
盲目少女「ひっ、あっ……ああっ!」
色魔が舌で触れるたび、盲目少女のそこからは愛液が湧き出し、愛撫にあたたかな蜜で返す。
盲目少女のそこは桜色の蘭のようで、絶頂が近づいて花びらが少しずつ震え始めた。
小ぶりな女性器から始まった細かい痙攣は、下腹部全体に、太ももまでのぬいぐるみのような脚につたわり、盲目少女はか細い背をそらした。
脚の間にむしゃぶりつく色魔の髪をきゅっと握り……
盲目少女「や……くる……あああっ! んーっ!」
色魔「ん……ちゅる……ふぅ……」
絶頂を迎えた盲目少女を、色魔はさらに攻めはしなかった。
秘部から顔を上げ、脱力とけいれんに支配された細身の身体を見下ろす。
上半身のパジャマのボタンは外れ、小ぶりな乳房とつんと張りつめた桜色が覗く。下半身を隠す布は太ももの切断面に巻かれた包帯だけで、すべらかな肌は上気して汗が浮かぶ。
いつもは軽く閉じられている盲目少女の目は、力なく開かれ、光を知らない暗い瞳は涙をこぼさない程度にとろけていた。
大切な場所をいじめられ、官能に打ち震える盲目少女の姿はあまりに扇情的で、いやらしく、そして美しかった。
花に吸い寄せられる蜜蜂のように、熱に浮かされた色魔は盲目少女にのしかかった。
盲目少女「きゃっ……悪魔さん……あ……」
細く小さな身体に、色魔の大きな手が触れる。
しっとりとした肌は、やわらかな弾力を返し、しかし色魔の手に吸い付くほどなめらかだ。
色魔「きれいだ……あんた……盲目少女、ホントにきれいだ」
色魔の身体を包んでいた服とドクロのアクセサリーは消え去り、野生の荒々しさとしなやかさを兼ね備えた色魔の肉体があらわになる。
盲目少女の手をとって、色魔は自分の身体を撫でさせた。
色魔「俺も……さわってくれ」
盲目少女「うん……」
小さな盲目少女の手が、おそるおそる色魔の肩に触れ、腕や首筋を撫でた。
盲目少女「思ったより細い……でも、しっかりと筋肉……オトコノヒト、なんだ」
色魔「そう……でも、こっちはもっとオトコだ」
色魔は、ほれぼれと腕を撫でていた盲目少女の手を、自分の下腹部に導き、高ぶった男性器に触れさせる。
盲目少女「え、なに……これ?」
少し戸惑ったが、身体の位置とその感触に、やがて盲目少女はそれがなにであるのかを理解した。
639 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:21:58.54 ID:Xg+/kinUo
盲目少女「これって……おちんちん?」
色魔「おちん……そうだよ」
外見に似合わない幼児語をこぼした盲目少女に微笑み返し、色魔は性器に力を込めた。
盲目少女「わっ、ぴくんって」
文字や映像で知識を得られない盲目少女にとって、それははじめて触れる男性器の情報であり、実物だった。
大きさや硬さ、湿り具合、表面の皮はなめらかに上下に動き、その下に硬い棒状の組織が走る。
先端はつるつるとしていて、帽子のように他の部分よりも張り出して、押した弾力は堅めのマシュマロのようだ。
興味深げに男性器を観察する盲目少女の手の動きは、あまりにやさしく巧妙で、色魔の男性自身はさらに硬さを増した。
色魔「そんなに……んくっ……めずらしいのか?」
盲目少女「わたしとは違うものがついてるって知ってたけど……」
やわらかな秘裂を押し広げ、目をつむったまま盲目少女は確認する。
盲目少女「これを、わたしのここに入れるの?」
色魔「……こわいか?」
盲目少女「ちょっと……ねえ、さわって」
どこを、と聞くことなく、色魔は盲目少女を抱きしめた。
色魔「こう……だよな?」
盲目少女「うん」
色魔「そうか……このままいくぞ」
色魔の背に手を回し、盲目少女はうなずいた。
盲目少女「うん」
乙女の返答に、色魔は盲目少女の頭を愛しげに撫でた。
盲目少女は撫でる手に口づけを返し、色魔はゆっくりと腰を突き上げた。
くちっ……
盲目少女「あ……」
張りつめた亀頭とあふれる女性器が触れあい、かすかな水音を立てる。
腰を左右に揺らし、膣口に先端を押し当てて、色魔はもういちど盲目少女の頭をなでた。
色魔は盲目少女の髪の香りをかぎ、ひたいにキスして、閉じられたまぶたにキスして、唇に唇で触れ、ささやいた。
色魔「いれるよ」
盲目少女「うん……きて」
引き締まった色魔の腰が、盲目少女の身体に近づく。押し当てられていた男性器がしずかに、ゆっくりと、しかし痛みを刻み込むように盲目少女に進入した。
盲目少女「い……たぁ……」
盲目少女の小さな身体に、色魔のそれはあまりにも大きかった。
入り口のすぼまり、処女膜は裂けて散り、やわらかな膣は限界まで広げられ、硬い高ぶりをくわえ込む。
しかし、それを気にせず色魔は盲目少女に進入する。
盲目少女「まって……もうすこし……ゆっくり……」
色魔「……」
無言のまま色魔は盲目少女の手を自分の首筋に当てさせた。
色魔「わかるか?」
盲目少女の手指に、色魔の高鳴った鼓動がつたわる。それは、膣から感じる鼓動と同じだった。
640 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:22:40.78 ID:Xg+/kinUo
盲目少女「どきどきしてる……の?」
色魔「そうだ。止められると思うか?」
盲目少女「むり……だね」
色魔「ガマンしろ、できるだけ……やさしくする」
盲目少女「……うん」
さらと盲目少女の髪を撫で、頭と肩を抱き、色魔は腰を突き動かす。
秘裂は赤い血を流し、しかしそこに甘い蜜が加わる。
抽送に性器がえぐられるたび、太ももで途切れた盲目少女の脚はぴくんと反応する。
盲目少女「うああぁ……それ……つよいぃ……」
破瓜の血をかき出され、途切れがちな吐息を漏らし、盲目少女は色魔の肩に腕を回す。
色魔「すっげ……こんなの……くうっ!」
盲目少女の膣は狭く、色魔の性器をすばらしく刺激したが、色魔の感じる快楽はそれ以上だった。
盲目少女に撫でられる首筋、ふれあう胸と胸、身体の下でパタつく短い太ももまでの脚、それらすべてから、色魔はあふれんばかりの官能を受け取っていた。
色魔「やべ……もう……」
盲目少女「悪魔さん……わたし、あたまぼーって……んああああっ!」
覆い被さった色魔に、盲目少女はきゅっと抱きつき、わずかに目を開けてキスをした。
色魔「んんぅ!?」
盲目少女「んちゅる……ふぁ、悪魔さぁん……」
盲目少女の真っ暗な瞳は、色魔の視線を吸い込み、身体をこわばらせた。
膣内を蹂躙していた男性器も一段と硬さを増し、キスで口を塞がれたまま、色魔は達した。
色魔「んん……んんぅーっ!」
ビュルルル!
盲目少女「ん……あ、なにか入って……あ……ああああああっ!?」
色魔の剛直をくわえ込んだ盲目少女の秘裂も快感に打ち震えた。もし盲目少女が脚を失っていなければ、その両脚で色魔の腰をしっかりとつかまえていただろう、切断された両の太ももが、色魔の腰にきゅっと押しつけられた。
破瓜の血はすでに蜜で洗い清められ、結合部からは色魔の精液がこぼれ落ちた。
ふたりの身体から緊張が同時に抜け、色魔はつながったまま、盲目少女の暗い目をのぞき込む。
見えていないとわかりながら、視線をあわせ、色魔はこぼした。
色魔「これで……俺のオンナだ」
破瓜の痛みと快楽と、それ以上のしあわせを胸にいっぱいに感じ、盲目少女はうなずいた。
盲目少女「うん」
641 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:23:11.24 ID:Xg+/kinUo
色魔「一生、死ぬまで放さない。俺が守る」
盲目少女「うん」
色魔「ケガ、早く治せよ?」
盲目少女「うん」
色魔「あと、もっと食べろ……デブは嫌いだけど、あんたは少し細すぎる」
盲目少女「……」
色魔「おい?」
盲目少女「……ばか」
そしてふたりはキスをした。
契約の交わりを終えてもなお、盲目少女と色魔はお互いを求めた。
互いの身体を撫で、性に関する知識の乏しい盲目少女に、色魔はいやらしいことを、人を愛する方法を少しずつ教えていった。
盲目少女もそれに良く応え、ふたりは互いの身体を讃えあった。
642 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:24:38.39 ID:Xg+/kinUo
インターミッション
淫魔「夜も遅くに淫魔です。今日はここまで。
男と幼馴染の関係は、とってもシアワセなものだけど、マッチョさが足りない
格闘娘
」
643 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/03/18(日) 00:35:43.87 ID:Xg+/kinUo
インターミッション
淫魔「夜も遅くに淫魔です。今日はここまで。
愛がある。哀しみもある。陵辱はてんこもり! でもこのおはなしに足りないものは所有欲!
相手を自分のものにしておきたいという、マッチョな思考。コレでございます。
男と幼馴染の関係は、とってもシアワセなものだけど、マッチョさとはちと違う……
格闘娘と空手部長柔道部長のセックスはとっても”筋肉質”だったけど、精神的なマッチョさはやっぱり足りない!
色魔と盲目少女の関係、「これで俺の女だ」って、マッチョすぎて青臭すぎて最高です!
さても、
shiftとenterを一緒に押すと投稿する仕組みで、フライング投稿したり、前回の投稿は「saga」を忘れていました。
あぶないあぶない。危険日の生ハメに匹敵するあぶなさだ……
勘所が戻ってきたところですが、ここで少しお時間をくださいませ。
『淫魔「んふふ」 盲目少女「ちちんぷいぷい」』
この章、もう少し続きます。
それではみなさまおやすみなさい」
644 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海・関東)
[sage]:2012/03/18(日) 01:20:53.02 ID:t3OQFRXAO
おつー
王道だな・・
645 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/18(日) 03:38:03.83 ID:m03S0wEQo
待ってて良かった
646 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/18(日) 12:00:44.88 ID:+HYHMuK5o
いつのまにか復活してたでござる
諦めてたけど、良かった
647 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/03/25(日) 02:32:48.68 ID:QdvV6OLRo
待ってて良かった!続き楽しみにしてます
648 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2012/04/03(火) 22:26:33.30 ID:Dmtd0G8C0
続きまだかなー
最近待ち遠しくて夜も眠れないよ
649 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/12(木) 00:39:57.94 ID:7s1YVXZDO
まだかな
650 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2012/04/12(木) 20:10:58.77 ID:BH1AHh790
霧王の手口的に考えて色魔と盲目少女が心配
651 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/04/12(木) 22:13:19.47 ID:P9LmbffXo
ageんな
652 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/12(木) 22:15:43.75 ID:lRttX1igP
hageろ
653 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/12(木) 22:25:27.02 ID:yNsQTJhQo
ちょっ
表でろ
654 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(富山県)
[sage]:2012/04/12(木) 22:56:10.10 ID:4XBdsw0fo
さげさげ
655 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/22(日) 09:16:09.34 ID:TzC+6AlDO
まだか
656 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2012/04/30(月) 19:05:23.65 ID:L3HmZ5gMo
6月あたりにくると予想
657 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/03(木) 01:18:21.74 ID:224FenNJP
6月だとこのスレ落ちてるな
658 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/05/07(月) 00:50:49.09 ID:N5/WNVgf0
まだかー?
659 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/05/07(月) 23:49:55.02 ID:YvPGQl93o
>>652
ハゲてる場合じゃねーぞコラ
660 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/05/08(火) 21:41:24.23 ID:TGMqSJsOo
続きが気になって眠れないよ
661 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/12(土) 23:24:13.10 ID:33RTlVoDO
生存報告待ってる
662 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 01:53:42.53 ID:XOEJ4Xfso
土曜日。
朝が来た。盲目少女の病室にも朝日が差し込む。
ベッドを盛大によごした盲目少女は顔を青ざめさせたが、色魔が手をかざすと寝床もパジャマも、乱れていた髪も元に戻った。
盲目少女「あ……あれ?」
色魔「そろそろ人が来るな……朝飯食べたら、少し眠れ。昼前に診察だろ?」
盲目少女「……うん」
色魔「じゃあな」
盲目少女「待って」
色魔「ん?」
盲目少女「悪魔さん……好き」
色魔「な……」
顔をまっ赤にして、色魔は固まった。
盲目少女「悪魔さんは……わたしのこと……好き?」
ブリキのおもちゃのように、色魔は不器用に動き、盲目少女をきゅっと抱きしめた。
色魔の術によってだが、清められた黒髪からはとても良い匂いがした。
色魔「言わなきゃわかんねえのかよ?」
」
盲目少女「えへへ、あうぅ……」
盲目少女は幸せに微笑みながら、大粒の涙をこぼした。
色魔「おい、泣くなよ」
盲目少女「うん……うれしいの……悪魔さん、好き……大好き」
色魔「ああ……」
華奢な肩をしっかりと抱きしめ、色魔もささやく。
色魔「……俺もだ」
そうしてふたりはしばらく抱き合っていたが、病室の扉がトントンとノックされた。
色魔「やばっ! またな」
盲目少女「うん」
ポンポンと頭をなで、色魔は虚空に姿を消した。
もう一度ノックが響く。
目をこすって、盲目少女は返事した。
盲目少女「……どうぞ」
しずかに扉が開いた。入ってきたのは看護婦だった。
盲目少女「おはようございます」
看護婦「おはようございます……まずは検温……あら、盲目少女さん、どうかした?」
盲目少女「どうって?」
看護婦「なんだか目が赤いわ」
盲目少女「ええ、なんだか眠れなくて。でも、夢を見てたみたいです」
体温計を差し出して、看護婦はたずねた。
看護婦「……どんな夢?」
盲目少女「すてきな夢……まだ、夢の中にいるみたい」
その朝、盲目少女の体温は、いつもより少し高かった。
663 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 01:54:25.20 ID:XOEJ4Xfso
男の家。
休日の朝の食卓は、朝食には似合わないほど豪華なパワーブレックファストだった。
オムレツと鮭のムニエル、トーストには手作りのジャム、スープとサラダがたっぷり、それにしぼりたてのオレンジジュース。
そして、すでに父母の姿はない。
溶岩さえも蒸発するような激熱熟年カップルは、近場の温泉街に一泊二日の小旅行である。
男と妹は、母の残していった美味しい料理をもぐもぐ食べていた。
兄妹が朝食をとる居間へ、淫魔が2階から降りてきた。
淫魔「ふああぁ……おはよ……」
妹「淫魔さん、おはよー」
男「おはよ、きのうは夜遅くまでどこ行ってたんだよ?」
淫魔「んー? ちょっと縁結びにね……おお、今日も美味しそうなごはんだね、けっこうけっこう!」
妹「えんむすび?」
男「誰と誰を?」
淫魔「男たちがきのうお見舞いに行こうとしてた、オンナノコと、その子を好きなオトコノコだよ……いただきます」
席に着き、淫魔は朝食をとり始める。
男「……やっぱりあのアンケート、おまえのしわざか?」
淫魔「そうだよ。男たちがお見舞いに来ると、都合が悪かったからね」
男「それだけのために……あの量はないだろ。全校生徒ぶん、100ページはあったぞ?」
淫魔「ふふ……まあ、がんばって配ってくれたまえ」
男「……で? 淫魔は今日どっか行くのか?」
淫魔「わたしは、そのへんぶらついてくるよ……妹ちゃんは?」
妹「神社に、禰宜さんのお手伝いに行ってきます」
淫魔「そうか……禰宜と一緒なら大丈夫だね。男は?」
男「俺は盲目少女の見舞いに行ってくる」
淫魔「んぇ!? 言ったでしょ? 男たちは霧王に関わるなって」
男「いや、あいつらがどうしてもって言うからさ。それに、もともと今日も生徒会長は見舞いに行くつもりだったらしいし、幼馴染の友達ってことで修道女と巫女を紹介するなら、幼馴染もついて行かなくちゃいけないだろ?」
淫魔「そっか……男は幼馴染のボディーガード?」
男「そうだよ」
淫魔「ふぅん、まあ、がんばってくれたまえ……妹ちゃん、ジャムとって」
妹「はい、どーぞ」
男「淫魔が一緒に来てくれると、心強いんだけどなあ……」
淫魔「わたしはすることがあるの」
ジャムたっぷりのトーストをかじり、口角をぺろっとなめて、淫魔は妖しくほほえんだ。
664 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 01:55:48.39 ID:XOEJ4Xfso
昼すぎ。
病院のロビーで、見舞いのメンバーは待ち合わせた。
ジーンズにシャツの至って普通の格好をした男と、よそ行きのサマーセーターを羽織った幼馴染が病院のロビーに入ると、もう修道女と巫女は来ていた。
修道女「あら」
巫女「ふたりとも、こっちですよー」
男「ぬが……」
見慣れたふたりだが、巫女は着物の訪問着で、修道女はいわゆるシスターの格好。
幼馴染「わあ、巫女さん……綺麗」
巫女「えへへ、ありがと」
幼馴染「修道女さんも、清楚でオトナっぽい感じ……」
修道女「そう? 光栄だわ」
少し照れながら、修道女は髪をかきあげる。
巫女の年齢で着物を着るのはめずらしいし、修道女の着る教会の衣服はさらにめずらしい。
別々に見るぶんには珍しい格好をしたかわいい少女なのだが、ふたりで並ぶと妙なコスプレ撮影会でもあるのではと勘ぐりたくなるような組み合わせだ。
男「まあ、巫女装束じゃないだけマシか……」
巫女「白衣と緋袴ですか? それならここに」
巫女は着物に似つかわしくないボストンバッグを持ち上げる。
男「もって……きてるのかよ」
乾いた笑いを返す男の後ろから、声がかけられた。
生徒会長「みなさん、もう来てたのね」
幼馴染「会長……おはようございます」
修道女「今日は、無理なお願い聞いていただき、ありがとうございます」
生徒会長「ううん。いま盲目少女と先に会ってきたの。みなさんが来るの、楽しみにしてるわ……むしろお礼を言いたいくらい。あの子、あまり外に出ないから、お見舞いも少なくて……今日は、たくさんお話ししていって」
見舞いをする相手は女性で、見舞うのも自分以外は全員女性。
どうにも居心地の悪さを感じ、男は手を上げた。
男「あの……おれはロビーで待ってます」
修道女「え、ここまで来て?」
生徒会長「盲目少女に気を遣っているなら大丈夫よ? みなさんが来るの、本当に楽しみにしてるんだから」
幼馴染「ははーん」
腕を組み、幼馴染はうなずいた。
幼馴染「男はオンナノコばっかりのところに居るのが気まずいんだよね?」
男「むぐ」
幼馴染「答えられないなら、図星だね……修道女さん、巫女さん」
修道女「はいはい、心得てるわ」
修道女と巫女は、男のわきにそれぞれまわり、しっかりと腕をつかまえた。
巫女「さあ、お見舞いに行きましょう」
身体に魔神の力を宿す修道女と巫女の腕力は人間の比でなく、男は暴れることさえ出来ない。
男「ちょ、だから待ってるって!」
幼馴染「わがまま言わない! オトコノコでしょ!」
男「だからイヤなんだよ! むぐっ!?」
男のくちびるに、幼馴染の指が当てられた。
幼馴染「病院ではお静かに……さ、お願いします」
修道女「ええ」
巫女「行きましょ」
そして男は、男女比率1対5の密室空間に連行された。
665 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 01:56:16.12 ID:XOEJ4Xfso
夏の気配も濃厚な、渓谷の温泉街。
夕立のように蝉の声が降り注ぐのに、川沿いの道はとても涼しい。
父「若木の緑に、せせらぎの音……さわやかな道だなぁ」
母「そうね」
父「空気も美味しいし、あっちに橋があるみたいだな。行ってみようか?」
母「……」
父「どうしたんだよ、そんなだまって……」
母「ねえ……ここ、だれも来ないよ?」
母の視線に、熱がこもっていた。
父「えっと……その……ここで?」
母「だめ?」
胸元に身体を預け、母は父の首筋にのの字を書く。
父「くっ……どこかそのあたりで!」
母「きゃんっ?」
母をお姫様だっこに抱え上げ、父は道ばたの藪の中に駆け込んだ。
その上空。
淫魔は翼を広げてゆるやかに滑空していた。
夏の陽光を受けて、黒い翼は熱を帯びていたが、風を切って飛ぶと心地よく冷えて、むしろちょうど良いくらいだ。
淫魔「はぁ……ごちそうさまだねえ」
遊歩道から少し離れた草むらに父と母の姿が消えて、低木がわさわさと動き始めたのを見て、淫魔はため息をついた。
愛を交わしはじめた夫婦が虫にさされないように、簡単な術を上空からかけてやる。淫魔の指先からかすかな光が放たれ、草むらの中の夫婦に当たって、軽くはじけた。
指先に残った光をフッと吹き消し、淫魔はあくび混じりに地上を見下ろす。
淫魔「しかし平和だねぇ……男と幼馴染は修道女と巫女が近くにいる。妹は禰宜が守ってくれる……わたしの契約関係で、いちばん無防備なのはおじさまおばさまのはずなんだけど……」
翼をはためかせ、雲を突き抜けて、淫魔は地上の木々の間を観察する。
すると沢沿いの遊歩道を異常な速度で駆け抜け、父と母に近づく影があった。
淫魔「……みつけたっ!」
翼を細く狭めて、淫魔は急降下する。
風を切り裂き、梢の隙間をくぐって、地面を走る黒い影を踏みつけた。
???「ぐふっ!?」
淫魔「む……こいつは……」
666 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 01:56:42.18 ID:XOEJ4Xfso
踏みつけた相手は、ほぼ全裸の男性だった。
全身の筋肉は風船のようにふくれあがり、顔には血管が浮かんで目は赤に充血している。
もともと着ていた服は、膨張した身体に耐えきれずはじけ飛んだのだろう、股間のまわりにブリーフのようにジーンズの切れ端だけが残されていた。
空から急降下しての淫魔の攻撃も、増長した毛むくじゃらの身体にはあまり効いていないようだ。
淫魔「憑依系の術か……厄介だね」
翼をしまい、虚空から幅広の曲刀を振り出して、淫魔は宣言した。
淫魔「その人間から出て行くなら良し……さもなくば!」
???「ぐふ……げふふ」
淫魔「うわ、なんかヤな予感」
顔を引きつらせて、淫魔が後にさがると、相手は空に向かって吠えた。
梢を揺らすほどの遠吠えに、淫魔は刀を構えて引き下がる。
淫魔「ぐうぅ……う、うるさいい……」
声が止み、淫魔が顔を上げるとすでに相手の姿はなかった。
ただ、遊歩道脇の茂みの向こう、川のせせらぎに、なにか大きなものが飛び込む音が聞こえた。
淫魔「ああもうっ! 逃げたか……」
淫魔は振り返り、少し先の遊歩道の脇、妙に揺れる草むらを確認した。
どんな声とは言わないが、まるで熟年夫婦が一泊二日の旅行先で突然発情して道ばたの草むらで青姦しているような声が、遊歩道まで確実に響いていた。
淫魔「まったく、わたしの苦労も知らないで……んふふ」
うれしそうに指をくるくると回し、草むらに人払いの結界を張る。ついで翼を広げて空に舞い上がり、淫魔はふたりの監視を続けた。
667 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 01:57:15.23 ID:XOEJ4Xfso
盲目少女の病室。
自己紹介も終わり、盲目少女が打ち解けてきた頃合いを見はからって、修道女が切り出した。
修道女「ねえ、盲目少女」
盲目少女「なんでしょう?」
修道女「あたなの持ってる革の本なんだけど……」
盲目少女は膝上の革の手帳をなでた。
盲目少女「生徒会長から話は聞いています。みなさん、この手帳を見にいらしゃったんでしょ?」
修道女「……見ても?」
盲目少女「もちろん。どうぞ」
盲目少女はこころよく革の手帳を差し出したが、手を伸ばした方向は修道女から少しずれて、巫女に向けられていた。
少し戸惑って、巫女は革の表紙に手を伸ばす。
巫女「拝見します」
しかし、巫女の指が革の表紙に触れたとたん、表紙から指先に青白い閃光が走った。
日当たりの良い病室なのに、革表紙からの光は壁に一同の影をはっきり落とすほど強烈だ。
巫女「あっ!」
閃光は冬場の静電気のように弾けて巫女の手を引かせたが、紙がすれるほどの音もしない。
手を軽く揉んで、巫女はもう一度革の手帳を受け取ろうとしたが、同じく音もなく閃光が走り、巫女は手帳に触れられなかった。
生徒会長「これは……?」
修道女「とても強力な魔除けね……たぶん、わたしがさわっても……」
と、修道女が手を伸ばすと、巫女と同様に、革の手帳は青白い光で修道女の指先を退けた。
修道女「いたた……」
眉をしかめ、修道女は手をさすった。
盲目少女「あの……何か?」
生徒会長「そんな、魔法なんて……」
目の前ではじける光に盲目少女は気付かず、生徒会長は認めようとしない。
慣れた様子で修道女は鼻でため息をついた。
修道女「あまり見せびらかすものでも無いけれど、話が早くなるなら……巫女」
巫女「ええ……木竜、お願いできる?」
うなずき、巫女は着物の胸元に手を当てた。
木竜「きゅっ!」
と、かわいらしい声が聞こえ、着物の合わせから、緑色の蛇が空中に滑り出した。
生徒会長「え……かわいい……」
空中で立体的にとぐろを巻く小さな蛇に、生徒会長は目を丸くした。
いちど生徒会長に振り返り、丁寧なお辞儀をして、木竜はベッドわきの花瓶にふーっと息を吹きかけた。
木竜の息吹に、まだ新鮮だがさすがに勢いを失っていた花瓶の花は、突然生気を取り戻してにょきにょきと新しい葉を伸ばし、つぼみを膨らませる。またたくまにユリもバラもジャスミンも、元の丈の倍ほどまでに伸び、花の数も3倍、4倍に増え、病室に新鮮な植物の香りが満ちた。
668 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 01:57:46.62 ID:XOEJ4Xfso
木竜「きゅっ!」
どうだ! と言わんばかりに、木竜はその場の人間たちを振り返り、感心そうに修道女はうなずく。
修道女「あなたの術は、おだやかでうらやましいわ」
生徒会長「花が……ホントに……魔法」
少し怖がりながらも、生徒会長は宙に浮かぶ木竜に手を伸ばし、木竜は差し出された指を、細い舌でチロチロと舐めた。
生徒会長「ひゃっ!?」
盲目少女「草花の伸びる音って、はじめて聞きました」
盲目少女も彼女なりに魔法を理解したのだろう、ほれぼれとした声色で、革の手帳を差し出した。
手帳を受け取ろうと、幼馴染が手を伸ばす。
幼馴染「わたしが持った方がいいよね?」
修道女「待って、あなたもさわらない方がいいわ」
幼馴染「どうして?」
修道女「え、ええと……」
修道女は口ごもった。
淫魔による幼馴染の記憶の改ざんに、手帳の魔除けが悪い影響を与えるかもしれないから……とは、口が裂けても言えない。
男「オンナに効く術かもしれないから……術の維持に、持ち主以外の女性の体力を吸い取るとか……そんなところだろ?」
修道女「……そうよ。確信は持てないけどね」
幼馴染「おとといは、べつに何ともなかったけどなー……」
納得いかなそうにつぶやく幼馴染の手を退かせ、男は盲目少女から革の手帳を受け取った。
男「けっこう、ずっしりしてるな」
手帳を開いて右側のページは日記やメモとして、日本語が使われていたが、左側のページは見たことのない文字で埋め尽くされていた。
男「右は普通の文字だな。左は……なんだろう、アルファベットでもないし……」
盲目少女「やっぱり、読めませんか?」
残念そうに声を落とす盲目少女に、修道女が答えた。
修道女「古いヘブライ語よ」
ずいっと男の右肩から手帳をのぞき込み、修道女は書かれている文字を解読してゆく。
修道女「このページは……水と土の初歩的な魔法が書かれているわね……一番前のページを見せて」
言われた通り、男は最初のページをめくった。
修道女「悪魔を退ける文言だわ」
巫女「これのせいで、わたしたちは触れなかったんですか?」
男の左肩から巫女が覗いてたずねる。
修道女「そのとおり。おまけに表紙は術で強化したヒツジの革だし、書かれたのは最近だけど、かなり本格的な魔道書よ……男くん、表紙の裏を見せてくれる?」
669 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 01:58:44.79 ID:XOEJ4Xfso
最初のページのさらに前、中表紙には、名前が3人分書かれていた。
上の二つは男性の名前、一番下は女性の名前で、いずれも筆跡が違っていた。
修道女「最初の持ち主の名前は……老人?」
と、修道女が書かれた名前を読み上げると、盲目少女の表情が変わった。
巫女「わたしの祖父の名前です。下のふたつは両親の……」
修道女「なるほど。この魔道書の、歴代の所有者の名前ね。最初の持ち主はあなたのおじいさまで、そのあとご両親に託された……そして、いまはあなたの手にある」
幼馴染「でも、どうして魔除けの呪文を用意したのかな?」
修道女「悪魔へ対抗するため、術を込めたものを身につけるのは、古くからの方法よ」
巫女「わたしの護符とか、兄さまの刀もそうですね」
修道女「その通り。男くん、1ページずつ手帳をめくってくれるかしら?」
男「ん、わかった」
修道女「ありがとう……ふむふむ」
男がページをめくるたび、修道女はうなずいたり、なるほどなどと納得していたが、しばらくして結論に至った。
修道女「たぶん、この手帳の魔除けとか、その他の呪文は、ぜんぶ盲目少女のおじいさまが書いたものね。そして、ご両親も少なからず術の勉強をしていた」
生徒会長「修道女さんのおっしゃる通りです」
盲目少女「え?」
胸に手を当て生徒会長は、少し遠くを見ながら話し出した。
生徒会長「小学生のころ、私は何度かおじさまたちに……手品を見せていただきました」
盲目少女「うちに遊びに来たとき……わたしも一緒だったよね?」
生徒会長「うん。手のひらで朝顔の種を芽吹かせたり、水の球をそのまま空中に浮かべたり……今思い出せば、あれは手品なんかじゃなかった」
盲目少女に向き合い、生徒会長は断言した。
唇に指を当て、修道女はつぶやく。
修道女「この手帳には、いろんな術が体系化されている……この魔道書を持てば、だれでも即席の魔法使いになれるの……つぎのページ」
男が手帳のページをめくり、修道女は確信を持ってうなずいた。
修道女「うん。それほど高位の術は書かれていないけど、使い魔の傷を治したり、具現化の術も少しなら使えるはず」
巫女「具現化って、宙に石を作り出したり、手から火を噴き出すような術ね」
修道女「そう。魔法のいちばん初歩だけど、それを書物にまとめて、だれにでも使えるようにしてある」
盲目少女「わたしにも?」
修道女「きちんと所有者の移行の処理、つまりあなたの名前を書けば、魔法が使えるようになるわ」
670 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 01:59:15.37 ID:XOEJ4Xfso
盲目少女「わかりました、書きます」
表紙だけを開いて、男は盲目少女に手帳を返した。
男「へえ、書けるんだ」
と、男が素直に質問すると、岩をも砕かん修道女のげんこつが命中した。
男「げふっ!?」
となりの巫女もにらみつけ、後ろからは幼馴染がボソボソと非難する。
幼馴染「そういうこと言わないの」
男「なんだよ、ちょっと言っただけ……あ」
と、自分の至らなさに気づき、あやまることもできずに男は顔を伏せた。
しかし、生徒会長は怒ることなく、盲目少女はむしろ微笑んで、枕元からずいぶん使い込んだ万年筆と、目新しいコピー用紙の切れ端を取り出した。
万年筆のキャップを取り、紙にサラサラと線を引く。
盲目少女「会長、書けてる?」
生徒会長「うん、インクの涙もないよ」
盲目少女「それでは……」
手帳に書かれた祖父と両親の文字の並びに盲目少女は指を這わせ、形を読み取る。
指先でていねいに文字の並びを確認し、ペンをつけると一画目からためらうことなく書ききった。
男はもちろん、優等生の幼馴染も、生徒会長ですらかなわないほどの達筆で、読みやすく整った文字だった。
男「……うわ」
幼馴染「すご……きれい」
修道女と巫女にいたっては、まともに声すら出せない。
盲目少女「墨字も書けます。長い文章は苦手ですけど」
万年筆にキャップをし、盲目少女は得意げに、そして少しいたずらっぽく笑った。
671 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 01:59:41.36 ID:XOEJ4Xfso
そのころ。神社。
土曜日なので参拝者はいつもより多く、お守りの授け所には、小さな人だかりができるほどだ。
そのにぎやかさから少し離れた本殿横、小さな祠のまえを、巫女装束を着た妹がほうきで掃いていた。
鎮守の森からは滝のような蝉の声が響き、初夏の陽気に巫女装束の白衣にも汗が浮かぶ。
落ち葉をちりとりで集めて麻の袋に詰め、妹はひたいの汗をぬぐった。
妹「よし、これを森の落ち葉捨てに持っていって……と」
夏とは言え、深い鎮守の森からの落ち葉は多い。
樹の神を奉ってきたこの神社は、火を使うことを極端に嫌うため、かき集めた落ち葉は鎮守の森に掘られた穴に放り込むこととなっていた。
しかし、集めた木の葉を麻の袋に入れ、持ち上げようとしても、妹の細い腕にはちょっと無理だった。
妹「んぐぐ……お、重い……」
なんとか膝までは持ち上がるのだが、それより上がらない。しばらく踏ん張っていると、必死に持ち上げようとする妹の手が、ひょいと軽くなった。
妹「あれ?」
背中にあたたかな気配を感じ振り返ると、禰宜が落ち葉入りの麻袋を軽々と持っていた。
禰宜「けっこう重いな……妹ちゃんにはきびしいだろう」
その口調に非難はこもっていなかったが、妹は袋を取り返そうと飛び跳ねた。
妹「だ、だめです! 禰宜さんはもっと大切なお仕事があるのに、こんな汚れるコトしちゃ……」
禰宜「ここは神社……神様に心地よく過ごしていただくのが私たちの役目だ。境内を心地よく保つなら掃除こそ一番大切な仕事だし、妹ちゃんは袋をこんなに重くするまで掃除してくれたんだから、むしろ私はこう言うべきだ」
肩に麻袋を乗せて、禰宜は微笑んだ。
禰宜「妹ちゃん、ありがとう。ごくろうさま」
妹「あ……あうぅ……」
頬を染め、妹は顔を伏せる。
それに気付かない鈍感さというか、剛胆さというか、単に身長差がありすぎて、妹が顔を上げないと表情が見えないことも原因なのだろうが、とにかく禰宜は小さな巫女さんの頬の赤みにも気付かずに、落ち葉袋を担いで森へと向かう。
玉砂利にジャクジャクと大きな足音が響き、妹がついてきていないことに気付いて禰宜は振り返った。
禰宜「これを片付けたら、お昼にしよう。そうめんをゆでて、冷たい麦茶も」
妹「むぅ……」
不満そうに妹はふくれる。
禰宜「妹ちゃん……どうした?」
妹「なんでもないですっ」
はじけるように妹は答えた。
蝉の声の響く境内に、玉砂利を踏むザクザク大きな足音と、サクサク小さな足音が、しばらく並んで聞こえ、やがて森の中へ消えていった。
672 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:00:08.91 ID:XOEJ4Xfso
盲目少女の病室。
もし目を開けていたならキラキラと輝くほど期待に胸を膨らませ、盲目少女は手帳を抱きしめた。
盲目少女「それで、どうすれば?」
修道女「えっと……この手帳の文言は、発音とか言語によらないで、持ち主の意図に従うように書かれているの。だから、呪文も要らないし、とにかく念じればいいわ……念じやすいなら、言葉をつぶやいてもいいし」
幼馴染「カエルになーれ! とかでいいの?」
修道女「大まかに言えばそうね……でも、そんな物騒な術は使わないでよ?」
盲目少女「もちろん……でも、それならどんな魔法にすればいいんだろ?」
巫女「火は危ないしね」
火という巫女の言葉に驚いたのか、着物の胸元できゅっと木竜の声が響く。
生徒会長「それなら水は?」
幼馴染「良いかもしれませんね、火事にはならなそうだし」
盲目少女「水ですね? 今日は暑いし。では……水……お水……!」
修道女「あ、ちょっと待って!」
と、修道女が止めようとした瞬間、手帳の表紙、六芒星の真ん中から怒濤の勢いで透明な真水が噴き出した。
男「ぬわわ! なんだこりゃ!」
手帳からあふれる水はとどまることを知らず、床にいっぱいに広がると、くるぶしからふくらはぎの高さへ、次いで、腰の高さになり、胸を通りこして、天井まで満ちるまでに数秒の時間も要さなかった。
幼馴染「むぎゅぐ! 溺れるー」
男「幼馴染、掴まれ!」
生徒会長「けふ、わたし、およげな……ぶくぶく」
修道女「まずは水を止め……あ、ハンドバッグが流され……」
木竜「きゅきゅーい!」
盲目少女「木竜! よろこんでる場合じゃ……うぶぶ……」
扉はかろうじてはじけ飛ばなかったが、水面はあっという間に天井に達し、部屋の中にはほとんど空気が残っていない。見舞い人たちは清水に溺れ、水を出現させた張本人は、ベッドを包む水底の泡の中で呆然としていた。
盲目少女「えっと……みなさん大丈夫ですか?」
床に沈んでいた生徒会長は、床を歩いて盲目少女の入る泡にかろうじてたどり着き、ビシャビシャの服でベッドに上がり、息をつく。
生徒会長「はあ……えっふ」
盲目少女「会長ちゃん、どうなってるの?」
生徒会長「とにかく、その水を止めて!」
盲目少女「え……うん」
革の表紙から飛び出す奔流を盲目少女が手で塞ぐと、水はしぶきも散らさずに止まった。
生徒会長「これで、一安心……とは行かないわね」
部屋に満ちた水はいっこうに減る気配がない。ベッドを包む空気の泡の壁の向こうに、天井近くの空気を求め、立ち泳ぎする見舞い人たちの姿が見えた。
生徒会長「聞こえるかしら……みなさーん、こっちは空気がありますよ!」
生徒会長が呼びかけると、頭を水に沈めていた修道女が気付き、他の見舞い人たちの服の裾を引っ張って、水中の泡を示した。
足の届かない天井近くより、明らかに快適な水中の泡を見つけ、見舞い人たちは盲目少女のベッドに飛び込んできた。
673 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:00:53.65 ID:XOEJ4Xfso
びしょびしょに濡れた4人の少女とひとりの少年が、寝床の主とともに、シングルベッドを包む泡の中に収まった。
髪からは水がしたたり、着物を着ていた巫女は着崩れて、ひどくセクシーな姿をさらしていた。
巫女「や、帯がほどけて……」
男「……ふごっ!?」
呆然と巫女を見ていた男のアゴに、幼馴染の肘が炸裂した。
男「なにすんだよ!」
幼馴染「ふーんだ」
ふたりの阿呆なやりとりを意に介さず修道女は天井を仰ぐ。
修道女「部屋をこんなにして……盲目少女さん、術を使うときなにを考えてた?」
盲目少女「ええと、最初はコップに入ったお水でしたけど、次はプールを、その次は去年行った高原の滝を思い浮かべました」
修道女「はあ……あなた、魔法を使うときは思ったままの形が現れちゃうんだから、そんなこと考えちゃダメ。わたしはせいぜい水鉄砲くらいだと思ってたのに」
盲目少女「あの……いま、どうなっているんですか? みなさんが近くにいて、部屋がとても狭くなったような気がするんですけど……」
戸惑いたずねる盲目少女に、生徒会長はうなずいた。
生徒会長「ええと、まず、このベッドは空気の泡に包まれてるの」
幼馴染「それで、泡の外は天井まで水がいっぱいで」
男「花瓶の花とか、木のイスなんかが、水の中をふんわりただよってて」
巫女「天井の近くを楽しそうに木竜が泳いでいます……はぁ」
修道女「と、そんなかんじ」
盲目少女「たいへん! 廊下に水が漏れてないでしょうか?」
男「たしかにやばいな」
修道女「大丈夫」
幼馴染「……どうして?」
修道女「この水は盲目少女さんの意識下に限定されているの。つまり術の効果範囲がこの病室の中に限定されているってこと。盲目少女さんが外に水を漏らさないようにと考えれば、この水は外には出て行かないわ」
生徒会長「なるほど……ん? それなら盲目少女……あなた、私たちをずぶ濡れにしようって思ったの?」
ずいっと顔を近づける生徒会長に、盲目少女は首を振った。
盲目少女「ううん。今日は暑いから、みなさんでプールに行けたらいいのに、でも、わたしは脚の傷の抜糸が済むまでお風呂もダメなんだ、それなら、去年行った滝でも見に行きたいなあ……なんて思った……んです……ごめんなさい!」
ぺこりと頭を下げる盲目少女の膝掛けの下、ふとももの途中で途切れた両脚を見て、男たちはなにも言えなかった……が。
修道女「ともかく、この水をなんとかしないとね」
男「ん? 盲目少女さんの魔法で消せないのか?」
修道女「そう簡単じゃないの。水の魔法なら、水をイメージしないと水は操れない。つまり水をイメージしながら、水のない状態を考えないといけない……」
男「なんか矛盾してないか?」
修道女「そう。だから魔法は作り出すより、始末する方が難しいのよ」
幼馴染「この水を窓から捨てるわけにも行かないしね」
修道女「そうね」
男「なら、どーすんだ?」
修道女「教会のわたしの部屋に、こういう水を吸い込む小瓶があるけど……取りに帰るのにあのドアを開けたら、さすがに廊下に水があふれ出すかもしれないし……正直手詰まりね」
674 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:01:31.47 ID:XOEJ4Xfso
悩む修道女に、巫女は提案した。
巫女「それなら、木竜に飲んでもらいましょう……木竜ーっ!」
木竜「きゅ?」
天井のあたりで身体をくねらせていた緑色の蛇は、巫女の声を聞いて泡の壁の向こうまで降りてきた。
揺らめく水の中、水族館のウミヘビのように、緑色をした木竜がシングルベッドを包む泡の壁の向こうをすいすいと泳ぐ。
巫女「木竜、この水を飲み干せる? 片付けられなくて困ってるの」
巫女がお願いすると、木竜は任せろとばかりにうなずき、口をかぱっと開けた。
木竜「んっく……んっく……んっく……」
木竜の口は、いっぱいに開けても人の親指をくわえ込むくらい。
その小さな口で水を飲むので、見た目にも減っている気がしない。
男「こりゃあ、何日かかるか……」
幼馴染「……わたしたちも飲む?」
巫女「だいじょうぶ。……いよっ木竜! いい飲みっぷりだね!」
木竜「きゅ? んっぐ んぐんぐんぐ……ごっごっごっごっご!」
巫女が一声かけると、木竜の飲むペースは一気に上がり、天井近くの水面が、目に見えてさがり始めた。しかし飲んだ水はどこに行くのか、鉛筆ほどの木竜の胴体に、ふくらみは見られない。
天井から水面はみるみるうちにさがり、人の背丈に、ベッドを包む泡のてっぺんに触れた。
ベッドを包む泡はシャボン玉のように薄い水の膜として残り、床に水たまりが残るくらいになって、パチンとはじけて消えた。
男「た……助かった」
幼馴染「ほんと」
病室の中はひどく濡れていたが、天井近くまで水があったにしては、被害は少なかった。
ベッドやカーテンなどの布類、電灯やナースコール、CDラジカセなどの電気設備をはじめ、濡れてはいけないと思われるものは基本濡れておらず、花を生けた花瓶や、プールに行けたらいいのにと盲目少女の思った見舞い人たち、つまり水に関連したものだけが水の洗礼を受けていた。
巫女に部屋の水を片付けてと言われた木竜は、床に残った水をチロチロとなめ、残った湿り気には春風を思わせる息吹を吹き付けて、綺麗に乾かしていった。
部屋の湿り気を片付けて、木竜は巫女の前に浮かんだ。
木竜「きゅっ!」
ドーダと言うように、胸を……胴体の真ん中あたりをそらして、えらそうに浮かぶ。
巫女「ありがとう、木竜。ごくろうさま」
巫女がその小さな頭を撫でてやると、木竜は嬉しそうに身をよじった。
ついで、ビショビショになった服に気付き、木竜は首をかしげた。
木竜「きゅっ?」
巫女「乾かしてくれるの? それなら、お願いしようかな」
巫女はベッドのわきに立ち上がった。帯はまだ少しほどけているが、なんとか立てるくらいには、着物も髪も整えられている。
幼馴染「ねえ男、木竜の言うことってわかる?」
男「いや……修道女は?」
修道女「……残念だけど」
675 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:02:36.75 ID:XOEJ4Xfso
木竜は大きく息を吸い込み、床に立つ巫女にここちよく乾いた息吹を吹き付けた。
髪を綺麗になびかせるほどの風は、あるいは何かの術が込められているのか、二度三度と木竜が息を吹きかけると、巫女の身体は着物の先まで綺麗に乾いた。
巫女「……ふぅ」
幼馴染「なんだか、ドライヤーみたい」
巫女「毎晩お風呂の後は乾かしてもらってるの」
幼馴染「へぇ……ねえ、わたしもお願いしていい?」
木竜「きゅっ」
巫女「もちろん。だって」
幼馴染「えへへ……おねがいします」
と、幼馴染がベッドから降りて気をつけすると、木竜は同様に息を吹きかけた。
さあっと幼馴染の栗色の髪が、木竜の風になびく。
幼馴染「ひゃー! すごい、気持ちいー!」
わしわしと髪を乾かし、服をはためかせて幼馴染は身体を乾かした。
幼馴染「ねえねえ、修道女さんも会長も、やってみて! すごいですよ!」
修道女「そ、そこまで言うなら……」
生徒会長「なにごとも経験……ね」
立ち上がったふたりにも、木竜は息を吹きかけた。
修道女「くはっ……これは……」
生徒会長「すごい風……でも、気持ちいい……」
目をつむって、ふたりの少女は木竜の風に身を任せ、髪をふんわりと乾かし終わった。
木竜「きゅっ!」
巫女「男さん、ベッドから降りてですって」
男「うん? わかった」
少し緊張しながら、男は目をつむると、木竜はベッドに向かって乾いた息を吹きかけた。
濡れた見舞い人たちを乗せていた盲目少女の膝掛けが、綺麗に乾く。
盲目少女「わあ、あたたかくて、気持ちよく乾いてて、新緑のいい匂いがして……春の日の風みたい……ありがとうございます」
日に干したようにふかふかになった寝具をなで、盲目少女はぺこりと頭を下げる。
木竜は得意げに空中に泳ぎだし、帯を直す巫女の胸元に入ろうとして……
男「ちょっと待て」
しっぽをつかまれた。
木竜「きゅ?」
男「なんだ? じゃねえよ! おれも乾かせよ」
木竜「きゅっ!」
男「は? んだとてめえ!」
男は力いっぱいに反論するが、木竜はつーんとそっぽを向く。
幼馴染「ねえ、男」
男「ん?」
ずぶ濡れのまま男が振り返ると、”かわいそうなひと”を見るような目で、その場のオンナノコたちが男を見ていた。盲目少女さえも、微妙に微笑んでいる。
男「だってこいつが……」
幼馴染「……」
男「……トイレでしぼってくる」
靴に入った水をぐしゃぐしゃと鳴らし、男は病室を出た。後ろ手に扉を閉め、がっくりと肩を落とす。
男「……差別だ」
676 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:03:51.53 ID:XOEJ4Xfso
盲目少女が作り出した水は、本物とは少し違うようで、病院の廊下に落ちたしずくはあっという間に乾いた。
しかし、髪や服を濡らした分は、いっこうに乾く気配がない。
ずぶ濡れになった姿を病院の職員に見つかったら面倒なことになりそうなので、男は病院の和式便所の個室に駆け込んだ。
すぐにシャツとジーパンも脱いで、水洗便所の水タンクに乗せ、靴はそのままに下着も脱いで、ぎゅっとしぼり、便器に水を落とした。
男「はぁ……ひどい目にあった」
パンツをしぼり、はき直す。靴はさすがにしぼるわけにはいかないので、靴下もそのまま、ジーパンとシャツをしぼってそれぞれ着直した。
トイレの個室から出て、洗面所に向かおうとする男の肩を、伸びた手ががしっとつかみ、
男「ぬわっ!?」
個室に引き戻した。
???「……まあ待てよ」
男を個室に引き込んだのは、背の高い細身の青年だった。
髪は緑色で、ひたいにはつやつやした大粒の緑の宝珠が埋まり、服は黒尽くめ、さらにドクロのアクセサリーだらけで、とてもまともな人間には見えない。
男「なんだおまえ!」
とっさに男は身構え、その風体をよく見てつぶやいた。
男「もしかして……色魔か?」
色魔「んだよ、なんでわかった?」
つかまれた胸ぐらを振り払い、男は答えた。
男「緑の髪で、ひたいに同じ色の宝石を埋め込んで、黒尽くめにドクロの指輪とか付けまくってる……間違えるほうがむずかしいぞ」
色魔「てめえはなにもんだ?」
男「おれは男。淫魔の……まあ、契約者だ」
色魔「な……マジかよ……」
と、色魔は懐から黒縁メガネを取り出し、かけて男の顔を見た。
男の前方、10センチほどのところに、直径にして1メートルほどの同心円と放射状の直線を組み合わせた、淫魔の紋章が浮かんでいた。
黒縁メガネをかけたまま、色魔は絶望に声を落とす。
色魔「そんな……こんなさえねえオトコと……い……淫魔様が……」
男「さえないとか、失礼なヤツだな……」
色魔「よりによって、俺が目を付けたオンナ全員連れてきやがって……しかも全部てめえのものかよ……畜生」
男「おれのって……え?」
色魔「とぼけんな」
黒縁メガネをそのままに、色魔は男をトイレの個室の壁に押しつけた。
色魔「修道女に、着物の娘、栗毛の子に、盲目少女のいとこまで……ハーレム連れで他人のオンナの見舞いたあ、いいご身分じゃねえか……ああん?」
男「ハ、ハーレム? そんなんじゃねえよ!」
色魔「ん……違うのか……まあ、たしかに居づらそうだったけどな」
しぼっただけのまだ湿った服を着る男の風体を、色魔はアゴに手を当てて値踏みする。
色魔「でも、栗毛の子はおまえの彼女だろ?」
男「だからどうした?」
にらみつける男に、色魔は黒縁メガネを外し、余裕の笑みを返す。
色魔「怒るなって。俺も人間のオトコの気持ちが、少しはわかったからな」
男の肩に手を置き色魔は念を押す。
色魔「盲目少女に、色目使うなよ?」
男「見えない子相手に、色目使ってどうすんだよ?」
色魔は歯をきゅっと噛みしめ、苦々しく笑って、男の肩をポンポンと叩いた。湿ったままだった男の服が、アイロンを当てたようにシワが伸び、気分良く乾く。
色魔「じゃあな」
と残して、色魔はトイレの個室を出て行った。男はすぐに追いかけたが、すでに色魔の姿は無かった。
677 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:04:27.04 ID:XOEJ4Xfso
そのころ、神社。
ちりーん と、風鈴が鳴った。
神社の中の庭に面した廊下をの窓を開け、鎮守の森からの涼しい風を浴びながら、妹と禰宜は茹でたてのそうめんをすする。
薬味はシソとミョウガ、それにゴマ……ネギやニンニクは使わない。
小さな皿に盛られた菜の花のおひたしと卵焼き、ショウガの乗った小さな冷や奴の小鉢を並べた、つつましい昼食だ。
子猫と大型犬を思わせるふたりは無言のまま、妹はつるつると、禰宜はずるずるとそうめんをすする。
ときたま鎮守の森から涼しい風が吹き抜け、縁側の風鈴が、ちりーんと鳴った。
678 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:04:59.08 ID:XOEJ4Xfso
病室。
色魔のおかげでスッキリと身体を乾かし、男は盲目少女の病室に戻ってきた。
ノックしようと扉に手を伸ばすと、中から少女たちの笑い声が響く。
男の手が止まり、ついつい中の声を聞いてしまう。
盲目少女「えええっ!? そんなことまで?」
幼馴染「そう。もうだめぇっ! とか言いながら、ぎゅーって抱きついてきて……」
修道女「ふぅん……オンナノコになっちゃうと、反応も変わるのね」
巫女「ちょっと……興味あるかも……」
生徒会長「もう! まだわたしたちにそういうのは早すぎます!」
盲目少女「でも、会長ちゃんも興味津々じゃない」
生徒会長「そ、そんなことないよ?」
盲目少女「それでそれで?」
幼馴染「やっぱり、おちんちんってすごいなあって……」
そこまで聞いて、男は蹴破る勢いで、病室の扉を開けた。
突然のことに、少女たちの談笑は途切れた。
幼馴染「あ、あれ? 男……」
無言のままつかつかと歩み寄り、男は幼馴染の両頬を思い切り引っ張る。
幼馴染「むゆゆ! いはい! いはいよぅ!」
男「てめえ……なに話した?」
幼馴染「ひょっと、おととひのいんまひゃんとのことを……」
男「いうなって言っただろ……この……や……ろ?」
男は自分に集められた一同の視線に戸惑った。
幼馴染の頬から指を離して、聞き返す。
男「なんだよみんな……」
巫女「写真を見せてもらったけど、やっぱり似ても似つかないね。特に背丈とか」
幼馴染「でしょ? どっちかといえば、妹ちゃんにそっくりなの。年のぶん、すこし大きいくらいで」
盲目少女「少しってどれくらい?」
幼馴染「わたしよりもずっと低いです。修道女さんの胸くらいかなあ……」
巫女「それじゃあ、本当に妹ちゃんより一回り大きいくらい……でも、そんな小さなオンナノコとなんて……」
男「おい、おまえらもしかして……」
くるりと一回転して、男が幼馴染に向き直ると、目の前に携帯電話がかざされていた。
にこやかに差し出す幼馴染の携帯電話には、紅潮した全身に白濁液を浴びてシーツに脱力する性別の入れ替わった男……女の姿だった。
男「な……いつの間にこんなモノ……」
幼馴染「淫魔さんが撮ってくれてたの。動画もあるよ〜」
得意げに幼馴染が携帯を操作すると、病室の中に、かわいそうなほどかわいらしい、少女の嬌声が再生された。
アアッ オサナナジミ! スキイィ! ダイスキイイ! ハアアアンッ!
張りの良い若い肉体同士のぶつかる音と、粘りけのある水音が少女のあえぎ声に重なって再生される。
生徒会長は顔をまっかにしてうつむき、盲目少女は興味津々に耳を傾けた。
盲目少女「す、すごい……」ドキドキ
男「だああああ! もうやめ!」
679 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:05:28.63 ID:XOEJ4Xfso
幼馴染から携帯を奪い取り、男は動画を止めた。
写真や動画を消そうとメモリを確認すると、かなり大量の、オンナになった男自身の写真が詰まっていた。
乱れたツインテールの髪にべっとりとついた白濁液、呆然ととろけた表情、脱力した細い肢体、蹂躙された小さな性器や肛門からあふれる精液の接写……動画や写真の量はあまりにも多く、すぐに消せそうにはなかった。
もはやメモリーを消すことはあきらめ、男は幼馴染に携帯を返した。
男「なんであんなもん見せんだよ」
携帯を受け取り、幼馴染もそれ以上男を茶化しはしない。
幼馴染「淫魔さんの紹介もしておこうと思って。どんな人かって聞かれたから、ちょうどいいやって、こないだの写真を見せて……」
男「おい、生徒会長もいるんだぞ?」
幼馴染「あ……あああっ!? 淫魔さんの正体しゃべっちゃった!」
慌てる幼馴染に、生徒会長は微笑み返した。
生徒会長「私は生徒の就学について意見を言える立場にないから……でも、あの優等生にそんなウラがあったなんてね」
男「優等生?」
生徒会長「淫魔さん、うちの学校の編入試験を満点で通過してるのよ?」
男「マジっすか」
幼馴染「あれ、男知らなかったっけ?」
男「いや、いまはじめて聞いた」
巫女の着物の胸元から声が聞こえた。
木竜「きゅっ!」
巫女「ほんと、知らぬは身内ばかりなり……だね」
修道女「……それで? 男くん、ずぶ濡れでトイレに行ったのに、どうしてそんなにスッキリしているのかしら?」
目端をきらりと光らせて、修道女は男の服を指した。
男「さっきトイレで……色魔に会ってさ、乾かしてくれたんだよ」
修道女「あら、そう」
巫女「あらそうって、修道女さん……のんきに構えてる場合ですか!」
修道女「どうして?」
巫女「だ、だって……魔人が病院に現れるなんて」
修道女「契約者の近くに悪魔がいるのは、当たり前のことでしょ」
巫女「契約者って誰のことですか?」
修道女「それはもちろん……」
と、修道女は盲目少女を指さした。
修道女の気配を察し、盲目少女もうなずく。
680 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:06:14.04 ID:XOEJ4Xfso
巫女「まさかそんな……木竜?」
木竜「きゅっ」
巫女「契約したみたいだって……」
幼馴染「それってつまり、しちゃった……の?」
盲目少女「きのう、初めてを……夕方から、朝まで……です」
頬を桜色に紅潮させて、盲目少女はうつむきがちに答えた。
生徒会長「え、えええっ!?」
修道女「なんて早まったことを……純潔は、本当に好きな人に捧げるべきなのに……」
教会のシスターの格好をした修道女が言うと、妙な説得力があったが、そもそもシスターは純潔を恋人に捧げたりしないので、矛盾である。
男「縁結びって……やっぱそういうことかよ」
幼馴染「その人の……悪魔のこと……好きなの?」
盲目少女「はい……とても」
さらに頬を赤くして、盲目少女は答えた。
巫女「なら、いいんじゃない? ね、木竜」
木竜「きゅ」
幼馴染「そーだよね、おめでとう! ねね、初めてってどうだった?」
生徒会長「……」
盲目少女「ええと……悪魔さん、とってもやさしくしてくれて……ふわふわってからだが、あまくて、あったかくなって、それで……」
幼馴染「ひゃー!」
男「……」
ガールズトークが盛り上がる気配を感じ、男は足音を忍ばせて病室から出て行こうとする。
しかし、その肩を修道女と巫女がつかまえた。
男「あ、あれ?」
巫女「せっかくのお見舞いですから、抜けるなんておっしゃらず……」
男「でもおれ、オトコだし……」
修道女「さっきのビデオでわかったわ。男くん、肉体的にも女性の気持ちがわかるでしょ?」
男「い、いやあああぁぁ……」
幼馴染も修道女も巫女も、部屋の主の盲目少女も、そういう話をしている場に男がいることをあまり問題にしない。
ただ、生徒会長だけ、何度かチラチラと男に視線をくれたが、両脇をガッシリ固められ、イスに座らせられた男に、外に出ることはできなかった。
結局男は、男性が聞いたら赤面必死の、女性の赤裸々なあっち系の話にたっぷりと付き合わされた。
681 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:06:39.54 ID:XOEJ4Xfso
そのころ。
温泉街上空。
遊歩道脇、父母が入った草むらの動きはとどまる事を知らず、空から見下ろす淫魔は、なんとなく手持ちぶさたになっていた。
すでに紙袋の中のリンゴは食べ尽くし、翼から黒い羽をつまんで編み物をしていたが、それも完成してしまった。
淫魔「ふう……なんか小腹がすいたなぁ……」
腹をさすりながら下界を見渡すと、林の向こうに見える温泉街に、団体のバスが到着する頃合いだった。
見たところ、どこかの高校らしい。
ぴちぴちとはじけそうな共学の高校生たちがぞろぞろとバスから降りてくる。
淫魔「わ、美味しそう……」
と、つぶやき、淫魔は父母の入る草むらと団体のバスを交互に見て……
淫魔「たしか混浴があったよね……んー、ちょっと休憩っ!」
ぺろっと舌をのぞかせて、淫魔は温泉街へと飛んでいった。
682 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:07:21.24 ID:XOEJ4Xfso
夕方の病室。
赤裸々な話、つまりえっちな話に興じた少女たちは、みなテンションが妙に高く、その中でひとりだけ、男だけが暗い影を背負って沈んでいた。
男「もう……お婿にいけない」
実際に男が幼馴染とどのようにシているのか、幼馴染は余すところなく語り、本人の前でのろけまくった。精神的な陵辱とは、まさにこれのことだ。
幼馴染「そんなこと言っちゃってぇ……わたしがもらってあげるからっ」
盲目少女「あついですねー……ひゅーひゅー」
修道女「ひゅ……ひゅーひゅー」
男「てめえらテンションがおかしいんだよ! ……目的を忘れてんじゃねえの?」
修道女「しまった、そう言えば!」
巫女「すっかり盲目少女さんと色魔さんの秘め事を想像するのに夢中でしたね」
男「おいいいい!」
幼馴染「ま、気を取り直して……ええと、目的は霧王についてだったね」
盲目少女「霧王……ですか?」
幼馴染「うん。手帳の最後のページに書いてある、悪魔の名前なの」
生徒会長「え……幼馴染さん!」
盲目少女の祖父に悪魔が取り憑いていると書かれた、手帳の最後のページ。盲目少女のことを考えて、生徒会長があえて読まなかったそのページの事を、幼馴染は言ってしまった。しかし……
盲目少女「知ってます」
幼馴染「本当に!?」
盲目少女「手帳の最後のページに書いてあるメモにあった名前ですよね……たしか、
”やはり私の父は、霧王に取り憑かれているようだ” でしたっけ?」
修道女「目が……見えないんじゃないの?」
盲目少女「見えませんけど、ペンで書かれた文字なら、紙の凹凸で何の文字かくらいはわかります。すっごく時間がかかりますけど……」
生徒会長「そんな……」
盲目少女「会長ちゃん……ごめんね。わたしのことを思って、最後のページは読んでくれなかったんでしょ?」
生徒会長「……ええ」
男「それで、霧王の居場所を知らないか?」
巫女「霧王でなくても、盲目少女さんのおじいさまでも良いんですが……」
みながたずねると、盲目少女は声を落として答えた。
盲目少女「ごめんなさい……祖父もこのところ体調がすぐれないようで、屋敷にはいないんです」
生徒会長「どこかに入院しているとは、私も聞いているけど……実際にどこかまでは、私の両親も知らないはず……」
修道女「そう……」
盲目少女「あの……霧王は、どんな方なんですか?」
修道女「人間の弱みにつけ込む、よくいるタイプの悪魔だけど、魔界に広大な領地を持つと強大な魔神と言われているわ」
生徒会長「あななたちは、霧王をどうするつもりなの?」
修道女「もちろん、始末するまで……でも可能な限り、あなたのおじいさまに危害は加えないわ」
男「可能な限り……ねえ」
つぶやく男を、修道女はキッとにらみつけた。
それだけで、男は二の句を継げなくなる。
683 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:07:46.52 ID:XOEJ4Xfso
幼馴染「盲目少女さんが危ないことは無いの?」
修道女「すでに霧王のなんらかの影響を受けていると考えられるし、なにより手帳の最後のページ……盲目少女のご両親が霧王を突き止めた翌日に、交通事故は起こった」
淡々と分析を述べる修道女に、盲目少女は手帳の表紙をきゅっと握りしめた。
盲目少女「あの日は霧がすごかったらしいんです。でも両親はとても焦っていて、山道で事故に」
修道女「霧ね……その名の通り、霧王は霧と霞の悪魔よ」
盲目少女「……わたしの両親は、霧王に殺されたって事ですか?」
修道女「確かなことは言えない……でも、契約者の近親者に影響を及ぼすのは、悪魔がよく使う手よ」
男「……そうだな」
生徒会長「その手帳さえ持っていれば安全……ですよね?」
修道女「たしかに強力な護符だけど、身体から離したら効果は無くなってしまうから、過信は禁物よ?」
盲目少女「……わかりました」
見舞いは最後に来て一転真面目な話になり、やがて病室に、面会時間の終わりを告げる放送が流れた。
684 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:08:13.15 ID:XOEJ4Xfso
夕方。
温泉街の混浴露天風呂はひどい有様になっていた。
普通なら入ってこない修学旅行中の女子高生と男子高生を中心に、混浴露天風呂に一歩足を踏み込んだ者は、みな性の権化に成り果てていた。
露天風呂の岩肌に手を当て、後ろから突かれる少女たちと、あたりかまわず精をぶちまける少年たちの、隠すことない嬌声が露天風呂に満ちていたが、そとの人間が気付くことはない。真っ赤な夕焼けの下、あたたかな湯船の中で絡まり合う肢体の中に、ひときわ輝く真珠色の肌……淫魔の術が、外界からこの露天風呂を切り離しているのだ。
淫魔「んふふ、あったかくて美味しくて……もう最高っ!」
最後まで理性で抵抗していた男性教員を、淫魔は直々に落としていた。
まだ若さの残る熱血教員は涙を流して堕ち、今は後背位に、淫魔をガンガン突き上げる。
四つん這いになった淫魔は、目の前で犯され絶頂を迎えた少女を引き寄せ、精液をあふれさせる秘裂に深々と口づけした。
「ひあっ……はあああんっ!」
温泉の水面にピチャピチャと蜜をしたたらせ、少女の身体は淫魔の舌技に震える。
淫魔「んじゅるるる……むっ!」
快楽を刻み込まれた罪のない女性器から淫魔は顔を上げ、夕闇の迫る空を見上げた。
淫魔「いよいよ来たか……はひんっ!」
きっと空を見つめ、真面目な調子でつぶやいた淫魔の膣を、体格の良い男性教員がムリヤリにかき回した。
淫魔「こいつ……もうやめろって!」
げしっと男性教員を後ろに蹴飛ばし、今までしゃぶっていた女子高生を投げ渡す。
ぶつかった女子生徒は教員に抱き留められ、しばらく見つめ合い、やがてふたりは禁断の愛を交わしはじめた。
淫魔「んむ、もちっと遊んでいたいところだけど……しかたないね」
山脈の稜線に、すでに半月が顔を出している。
翼を広げ空に飛び上がる淫魔の耳に、獣の遠吠えが届いた。
685 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:08:38.49 ID:XOEJ4Xfso
夕闇の帰り道。
病院からでた一行は分かれ道にさしかかった。
幼馴染や男と、生徒会長は別の方角になる。
生徒会長「私はこっちだから」
男「あの……今日は突然押しかけて、すいませんでした」
生徒会長「ううん。盲目少女もよろこんでたわ」
修道女「そう言っていただけて……よかった」
巫女「けっこう……ムリヤリでしたけどね」
申し訳なさそうに巫女は微笑む。
生徒会長「そんなことないわ……あ、わたしはこっちだから……幼馴染さん、週明けはあのアンケートを配るから、HR前に生徒会室に来てね」
幼馴染「はい」
生徒会長「みんな、きょうはありがとう……またあしたね」
軽く手を振って、生徒会長は皆と別れて歩き出した。
男と幼馴染、修道女と巫女の4人は連れだって会長の背中を見送る。
その向こう、夕闇の空から、白く輝く半月が見下ろしていた。
686 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:09:05.53 ID:XOEJ4Xfso
夕方。
妹は午後から神社の拝受所で手伝いをした。
時間になり、着替え終わった妹は、帰りの支度終えて先輩の巫女さんたちにお辞儀をし、詰め所を後にした。
外には、着替えた禰宜が妹を待っていた。
妹「あ……禰宜さん」
禰宜「妹ちゃん、お疲れ様でした」
黒のジーンズに、半袖のシャツを着た禰宜の身体は、濃緑の袴と白衣とは違い、引き締まった身体の線を隠さない。
たくましい二の腕に、厚い胸板、ジーンズのラインが示すしなやかな腰とおしり……妹は恥ずかしく、まともに見ることさえできない。
禰宜「送ろう……忘れ物はないか?」
妹「そんな。禰宜さんにわるいです」
禰宜「実は、淫魔様に妹ちゃんを守るように頼まれてな……なにか厄介なことになっているらしい」
妹「淫魔さんが……そうですか」
淫魔が言ったから。
理由を聞いて妹は肩を落としたが、禰宜が送ってくれることには変わりない。
妹「えっと、次の電車の時間は……」
禰宜「いや、車で送るよ」
妹「え……」
指さす先、詰め所の駐車場にモスグリーンのオープンカーが駐まっていた。
禰宜「さ、乗ってくれ」
妹「は……はい」
時計仕掛けの人形のようにぎこちなく、妹は車へと歩み寄る。
さっと禰宜がドアを開け、妹を助手席に導いた。
牛革のシートに身体を預け、妹がドアに手を伸ばそうとすると、禰宜は手で制す。妹が足を退きうなずくと、禰宜は確実に、しかしやさしく助手席のドアを閉めた。
運転席横を見ると、濃緑の鞘に収められた日本刀が寝かせられていた。
妹「あ……」
禰宜「使うことにならなければいいがな」
エンジンをかけ、禰宜は自動車を発進させる。
鎮守の森から見える夕暮れの空に見える半月に、少し霧がかかりはじめていた。
687 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:09:41.20 ID:XOEJ4Xfso
薄暗い帰り道。
空の向こう、霞に隠れた半月を見上げ、生徒会長はひとり歩く。
たしかに、盲目少女は喜んでいた。
生徒会長「……」
盲目少女が楽しそうで、嬉しかった?
生徒会長「嬉しかったよ」
本当に?
生徒会長「本当にっ!」
さあっと風が吹き、生徒会長は声を上げて気付いた。
暗くなった歩道の先、街頭が照らす明かりの中に人の姿があった。
わずかに白髪の交じった髪を、ぴっちりとなでつけた細身の男性。
仕立ての良い紺のスーツに、白いグローブをはめ、夏だというのに霞のようなスカーフを首に巻いている。
スカーフの端は周囲の闇に溶けて明確でなく、途中から白い霧となっていた。
???「本当に? 本当に、嬉しかったのか?」
整った口元を歪ませて、それは生徒会長に問いかけた。
わずかに身体を動かすと、スカーフはふわりと形を変えて、霧をあたりに振りまく。
先ほどまでかなり人の姿があったのに、いつしか霧があたりを包み、往来にはまったく人気がない。
濃密な霧に息苦しさと、妙な耳鳴りを覚えつつ、生徒会長は誰何した。
生徒会長「あなた……だれ?」
???「私が誰かなんて、どうだって良いだろう? 生徒会長」
生徒会長「どうして私の名前……」
相手はそれにも答えず、街灯の下で両手を後ろ手に回した。
???「おまえは、おまえの美しい……美しいが弱い従姉妹、盲目少女にやさしくしてやるとき、どんな気持ちでいる? なぜあの子の見舞いに行く?」
生徒会長「それはもちろん……あの子が心配だから」
???「嘘だな」
生徒会長「なんですって?」
耳鳴りにさいなまれながら、生徒会長は聞き返す。
???「美しいが自分の顔を見られない盲目少女! 足を無くして歩くこともできない! 両親を亡くし、愛さえも忘れた! ああ! かわいそう! ……そう考えたことはないと?」
生徒会長「それは……そういう風に考えたことはあるけど」
???「同情の気持ちだけだったか? 友愛といたわりの気持ちだけだったか?」
生徒会長「あたりまえでしょう!?」
???「いいや、嘘だ」
生徒会長「嘘なんてっ!」
???「盲目少女の美貌、年頃の娘なら嫉妬せずにはいられないだろう。しかしあの子は鏡で化粧することもできない。あの性格、人に会えば愛されるだろうしなやかさを持ちながら、おもてを歩く足を失った。愛情にあふれた両親に恵まれながら、それもうしなった」
生徒会長「なにを言いたいの?」
街灯の下の明かりから、それはこちらに歩き出した。紺のスーツが闇に溶け、スカーフが無風にはためく。
一瞬、姿がふっと消え、数歩歩いた場所にまた現れる。
あまりに異常な気配をまとい、生徒会長の視界が歪むほどだったが、少女は目をそらすことも、逃げることもできず、ただ身体をこわばらせ、なびくスカーフを眺めた。
???「あの子が不幸に見舞われて、おまえはなにを感じた? あの子が事故に遭ったと聞いて、失った足と両親の死を知って泣き崩れる姿を見て……おまえの胸には甘い蜜が満ちただろう?」
生徒会長「な……なんてこと……」
???「今日だって、あの子が絶望の中でなお、両親の遺した愛に守られていること、魔法を使うこと、人外の伴侶を得たことを知って……おまえの胸に蜜は満ちたか? 苦い汁がわき出ただろう?」
生徒会長「あ……ああ……」
言葉に耳を貸してはいけない。
生徒会長は必死にそう思ったが、抵抗する術はなかった。
688 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:10:14.14 ID:XOEJ4Xfso
指摘された自分の思考、普段なら考えることもない、盲目少女への優越感と嫉妬心を刺激され、生徒会長の胸は痛んだ。
足に力が入らず、その場にへたり込む。
生徒会長「く……」
胸が……いたい。
???「まだ耐えるか、聡明な子だな。聡明ならばわかるだろう? そんな暗い感情は、人間なら誰でも持つんだ」
いつの間にか目の前に立っていたスーツの足を、へたり込んだままの生徒会長は見上げた。
生徒会長「そう……なの?」
???「ああ、何も恥じることはない。人間の持つ当たり前の感情……だが、それが痛むなら、私が手助けしてやっても良い。痛みを消してやろう」
生徒会長「本当に……」
この痛みを消してくれるの?
???「ああ、消してやるとも……私の命に従うならな」
生徒会長「聞く……聞きます。どうすれば良いの?」
???「そうだな……まずは、病院に戻るとしよう」
落ち着いたまなざしに柔らかな物腰。
その立ち居振る舞いは、生徒会長の心を切り刻む言葉に比べ、あまりに紳士的だった。
痛みにへたり込んだ生徒会長に手を貸し、その場に立たせる。
それだけで、生徒会長の胸の痛みは不思議と小さくなった。
生徒会長「あ……あの、お名前は?」
???「そうそう、忘れていたな。私は……」
髪を撫でつけ、スカーフをたなびかせ、口を開いた。
???「霧王と言う」
689 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:10:40.90 ID:XOEJ4Xfso
日の沈んだ道を、禰宜の運転する濃緑のオープンカーが駆ける。
神社の裏手に広がる鎮守の森を抜け、小さな山をひとつ越えれば男たちの住む町だ。
峠とは言っても走り屋の出るような道ではなく、実に普通の一般道。
ただし、今晩は霧がかかりはじめていた。
前を進む車はなかったが、大きなカーブをまわった先にパトランプの赤い光が霧越しに見えた。
峠の頂上近くにパトカーが停車し、警官が検問を張っていた。
禰宜「こんなところで珍しいな……」
速度を落とし、近寄ってきた警官の前で、禰宜は車を停めた。
オープンカーから顔を乗り出し、警官に声をかける。
禰宜「何かあったんですか?」
警官「なに、最近霧が濃くて事故が多んですよ……免許証を拝見」
財布から免許を取り出し、禰宜がわたすと、警官は次いで傍らの日本刀に目をやった。
警官「そちらは?」
禰宜「日本刀ですが、許可は取ってあります。こちらに」
許可証を示したが、警官は見もしない。
警官「そちら、見せていただいても?」
禰宜「ええ、刀身には触れないよう気をつけてください」
刀を差し出すため禰宜が視線をそらすと、警官の腰のあたりからカチリと音が響いた。
ふたりのやりとりを見ていた妹が、不安な声を上げる。
妹「禰宜さん……」
視線だけ戻すと、警官は銃を抜いて禰宜に突きつけていた。
禰宜「どういうことです?」
警官「その刀は、私どもには少々危なっかしいものでしてね……」
禰宜「その拳銃……収めるならばよし、さもなくば……」
禰宜が言い終わるより早く、警官は引き金を引いていた。
しかし、銃声は響かなかった。
合金製のリボルバー、その最も頑丈なシリンダー部を、禰宜の刀はなめらかに切断していた。
継いで跳ね上がった刀身を唐竹に打ち下ろし、帽子ごと警官の身体を真っ二つに両断する。
警官「あ……ぐあ」
音にならない声を漏らし、警官はその場に立ち尽くした。
正中線に走った切断の線は、最初は赤い血の色だったが、すぐ青に変わり、肌には青黒い鱗が浮かぶ。
禰宜「つまらん」
ドアを開け、禰宜が突き飛ばすと、正体を見せた魔人の身体はどろりと溶け、地面のシミとなった。
妹「ね、禰宜さん……今のは?」
禰宜「すまんが、帰りは少し遅くなりそうだ」
車から降り、禰宜は車に札を貼り付ける。
強固な結界が張られ、若葉色の光が禰宜の車を包んだ。
禰宜「そこから出てきてはいけない……じっとしているんだ」
鞘を運転席に置き、禰宜はあたりの林を見渡した。
木々の間に光る目が、人間でも獣でも無い、濃厚な気配を放つ眼光が、禰宜と妹を取り巻いていた。
正眼に構えを整え、禰宜は静かに言い放つ。
禰宜「来い」
690 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:11:27.74 ID:XOEJ4Xfso
男の家。
今日は淫魔が帰ってくるまで、巫女と修道女は男の家に滞在するらしい。
冷蔵庫から麦茶を取り出して、コップ4つと小皿に菓子を載せ、男はテーブルへと並べる。
男「そろそろ妹も帰ってくるからな。修道女も巫女も、晩飯食べてくよな?」
修道女「そう? なんだか悪いわね」
巫女「ええと……たぶん兄も来ると思うんですが……」
男「禰宜さんが?」
巫女「はい。妹ちゃんを連れて、こちらまで車で送ると言ってましたから、淫魔さんが帰り次第、わたしはそれに乗って帰ろうかなって……」
男「ならちょうどいいじゃん! 禰宜さんも一緒に食べてってくれよ。妹がお世話になってるんだしさ」
巫女「そんな、妹ちゃんは本当に真面目にお手伝いしてくれて……放課後と休みの日だけですけど、アルバイトの人より熱心なくらいで……兄も、どうお礼を言えば良いのかって……」
木竜「きゅっ!」
巫女の胸元から、木竜の声が聞こえた。
巫女「え、どうして?」
木竜「きゅきゅきゅっ!」
修道女「なんて言ってるの?」
巫女「ちょっと出てくるって……あ、木竜!」
ふっと木竜が息を吹きかけると、居間のガラス窓がひとりでに開き、木竜は夕闇の空へと飛んでいった。
691 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:11:53.81 ID:XOEJ4Xfso
峠の道。
5体目の魔物を地面に切り伏せ、禰宜は息をついた。
禰宜「さっきの警官もどきと比べても……なんとも、雑魚だな」
「ぎっ!」
硬い頭蓋骨を踏み砕き、禰宜は魔物にとどめを刺した。
人間よりは強靱だが、魔物の身体にしては弱く、死んだ身体は霧になって飛び散ってゆく。
禰宜「弱いな」
見渡すと、車を取り囲む異形たちは50を越えるだろうか。数は多いが、一気に掛かってくることもない。
禰宜の苻術はしっかりと機能していて、車は安全だ。
しかし……
禰宜「車を動かせば、地脈が使えなくなる……私の術ではこれが限界か」
まわりを取り囲む鱗や毛むくじゃらの魔物たちに、妹はおびえの色を見せる。
妹「禰宜さん……」
禰宜「大丈夫。すぐに蹴散らす」
刀を構え直し、禰宜は次の魔物を待った。
禰宜「しかし……数が多すぎるな」
木々の間からわらわらと、自我も希薄な魔物たちが数を増やす。
禰宜「まったく……どこからこれだけ集めたんだ?」
苦笑する禰宜の前に迫った数体の魔物が、空から振り下ろされた見えない斧に爆散した。
魔物たちの立っていたアスファルトにも刻みが走り、飛び散った血肉は道路のシミとなり、次いで霧となって霧消した。。
禰宜「来たか」
空を見上げると、夜空に輝く緑色の閃光。
木竜「きゅっ!」
素早く禰宜に近寄った木竜は、たくましい肩にとぐろを巻いた。
急いで飛んできたからか、小さな身体に息をはずませる。
禰宜「よく来てくれた。戦えるか?」
木竜「きゅっ!」
身体を伸ばし、小さいながら鎌首をもたげ、木竜はあたりを囲む魔物たちを威嚇する。
木竜「きゅーっ!」
あたりの木々が、水中の水草か蛇の群れのように揺らぎ、一斉に魔物たちに襲いかかった。
「ぎゃあああう!」
「ぐおおおっ!?」
低木だった山の木々は、見上げるばかりの巨樹になり、神職の青年と敬虔な見習い巫女に危害を加えようとした慮外者たちを、文字通りすりつぶし、霧に戻してゆく。
禰宜「よし……祓い給え清め給え……」
禰宜の握る刀剣に目映いばかりの緑の光が宿り、ひと振りすると衝撃波に魔物たちは砕け散った。
禰宜「雑兵では……俺は取れんぞ!」
木竜「きゅっ!」
禰宜「俺たち……だな」
木竜「きゅっ きゅ!」
禰宜「いくぞっ!」
林の木がうねり、禰宜の刀が振るわれるたびに、魔物の群れは飛び散った。
100体を超える超人的な魔物の群れも、数分と保たずに挽肉と消え、残骸の霧は風に飛ばされ、後にはなにも残らなかった。
692 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:12:54.34 ID:XOEJ4Xfso
温泉街。
晴れ渡った夜空に狼の遠吠えが響く。
半月にはわずかに霧がかかり、上空からは男たちのいる遠くの街も霞んで見える。
淫魔「んぅ……もう始まってるねえ……なら、こっちも!」
森の中から響く遠吠えに、淫魔はダイブした。
翼の切っ先で風を貫き、夜空から森の中に急降下した淫魔は、遠吠えの主に曲刀を叩き込んだ。
刀は寸前でかわされ、手応えがない。淫魔の刀を寸前で避けた相手は、暗い木々の間で相対した。
膨れあがった全身の筋肉に、服はほとんどはじけ飛び、元は長い丈だったろうジーンズも、今は股間のまわりに下着のように残るだけ。むき出しになった四肢や胴体には赤黒い毛がぼうぼうと伸び、耳毛が伸びて鼻先が突きだしたその顔は、まさにオオカミだ。
淫魔「げ……狼男か」
狼男「むぐるるる……」
人間に強力なオオカミの魔神を憑依させた即席の戦力である。
その能力は淫魔の脅威にならないが、人間相手にはあまりにも危険だ。
銃を持った猟師程度で始末できる相手ではない。
装備の整った軍隊、少なくとも完全武装の一個小隊、安全を期すには機銃を装備した装甲車くらいはほしい。
淫魔「残念。満月じゃないから、それほど力が出せないんだね?」
チロリと淫魔は狼男の股間に目を向ける。
残されたジーンズの布の下、取り憑かれた男性自身がビクビクと脈打っている。
淫魔「んふふ、美味しそう……でも……」
強靱な肉体を誇る狼男の後方、木々の間に無数の影がうごめいていた。
狼男と比べれば遥かに見劣りするが、それでも人間相手なら十分な力を持つ低級の魔物たち。
言葉をようやく話せるだけの、知性の低い魔物をばかりを100体ほど、それらを指揮する隊長として狼男を配置しているらしい。人間を元にしているのである程度の知性が残ってはいるが、暴れるのが本分の狼男を指揮役にまわすのは、適材適所の配置とは言えなかった。
それでも魔物の群れが進む先、林の向こうには父と母の泊まる宿がある。この無視できない距離で、淫魔に察知されるように騒ぎを起こす。まるで淫魔に来てくださいと言うかのように。
何かしらの目的があり、これが陽動作戦であることも明白だったが、見過ごすわけにも行かない。
腕を真横に水平に伸ばし、淫魔は黒刃の曲刀を示した。
淫魔「退くならば罪には問わない……そこから一歩でも先に進むなら」
狼男「んむぐるる……」
毛むくじゃらの右手をかざし、狼男は淫魔を指さした。次いで左手は淫魔を回り込むように指示を発する。
木々の影に潜んでいた魔物たちの一部が奇声を上げて淫魔に飛びかかり、他の大部分は淫魔を迂回して後方の宿へと殺到した。
淫魔「むんっ!」
飛びかかってきた魔物たちを一閃で吹き飛ばし、後ろの宿へと突進する魔物の群れには、翼から黒い羽の刃が放たれる。
曲刀に切られ、羽の薄刃に刻まれた魔物たちは、霧になって飛散した。
淫魔「……この子たち」
魔物の目には、霞がかかったかのように光がない。
淫魔「作りモノか……それなら……」
ぞわりと淫魔の黒い羽が逆立つ。
淫魔「手加減抜きだっ!」
漆黒の翼から発射された無数の羽は、林の梢をすり抜けて、一度空高く飛び上がったのち、雨のように降り注いだ。
獣の息に充ちていた木々の間に淫魔の羽が降り注ぐと、魔物たちは寸刻みに裁断され、白い霧になった。ただひとり、狼男を除いて。
まだ敵が一人残っているのに、淫魔は曲刀を虚空に戻し、狼男へと飛びかかった。
本能的に狼男は防衛したが、淫魔の突進を回避できず、その場に押し倒された。
狼男「うが……がう……」
淫魔「んふふ、さーて、どうしようかなあ……」
しっとりした指先を舐め、もう片手を狼男の下腹部に伸ばし淫魔は妖しく笑った。
693 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:13:30.46 ID:XOEJ4Xfso
男の家。
キッチンで夕食の支度をしている男と幼馴染の耳に、強烈なエンジン音が聞こえた。
居間の方で、巫女が立ち上がる気配がする。
巫女「兄が来たかもしれません。見てきます」
巫女が玄関に行き、果たして妹を連れた禰宜がやって来た。
台所に居る男を見つけ、禰宜はたずねる。
禰宜「お邪魔します……男くん、ご両親は?」
男「禰宜さんこんばんは。父と母は旅行に行っています」
禰宜「旅行……淫魔様のご用事とはそれか……」
立ったまま考え込む禰宜に、男はたずねた。
男「何かあったんですか?」
禰宜「それがなぁ……」
腰にすがりつき、ぷるぷると震える妹を禰宜は指さした。
禰宜「ここに来る途中、襲撃を受けてな。妹ちゃんにはひどいものを見せてしまって……」
男「おいおい妹、だいじょうぶか?」
妹「あううぅ……今日のごはんは?」
幼馴染「えっと、ハンバーグとキムチもつ鍋だね」
妹「うっぷ……」
トテトテと足音を立て、妹はトイレに駆け込んだ。
幼馴染「ひどいものって……ああ、そういう」
修道女「襲撃ですって?」
台所の話を聞きつけ、居間から修道女が飛んできた。
禰宜「ああ、あまり力のある連中じゃなかったが、とにかく数が多くてな……木竜が来なかったら、手こずっていたかもしれない」
男「禰宜さんが……」
木竜「きゅっ!」
巫女「みんな無事かって? ええ、無事よ?」
木竜「きゅっ! きゅきゅきゅっ!」
巫女「あの子は? って……生徒会長さんのこと?」
木竜「きゅっ!」
幼馴染「電話してみます」
エプロンから携帯電話を取りだし、幼馴染は生徒会長に電話した。
694 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:13:56.85 ID:XOEJ4Xfso
霧の立ちこめた薄暗い道。
生徒会長のカバンの中で着信音が鳴り響いた。
無言のまま、特に慌てることもなく、生徒会長は電話を手に取った。
ディスプレイには、幼馴染の名前が表示されている。
生徒会長「…………もしもし?」
幼馴染『もしもし、会長ですか? 幼馴染です!』
生徒会長「どうしたの? そんなにあわてて……」
幼馴染『ちょっと、こちらで悪魔についてのトラブルがあったんです……会長は、特に何もありませんか?』
生徒会長「ええ…………大丈夫よ」
幼馴染『そうですか。それなら……え、なに? うん……わかった。……会長?』
生徒会長「はい?」
幼馴染『まだ外にいるなら、まっすぐ家に帰ってください』
その言葉に、生徒会長は眉をしかめた。
くちびるを軽く噛み、しかし声色は変えずに答える。
生徒会長「まだ帰れないわ。このあと、少し用事があるの」
幼馴染『そうですか……気をつけて帰ってくださいね。何かあったら、すぐわたしに電話してください』
生徒会長「ええ、ありがとう…………またね」
幼馴染『はい。失礼します』
無表情のまま生徒会長は電話を切り、カバンにしまった。
霧王「済んだか?」
霞を思わせるスカーフをはためかせ、霧王はたずねた。
生徒会長「はい」
霧王「予定より早いな……急ぐか」
生徒会長の手を引いて、霧王は路地裏の影に飛び込んだ。一瞬のち、暗い路地裏から霧王と生徒会長の姿は消えていた。
695 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:14:22.39 ID:XOEJ4Xfso
電話を切り、幼馴染はほっと息をついた。
リビングに集まった一同に向かい、うなずく。
幼馴染「大丈夫だって」
男「そうか、よかった」
禰宜「しかし……ここにいては危険だ」
修道女「そうね。淫魔の住処になっているから、並の悪魔じゃ近づけないけど、この家自体、建物が貧弱すぎる」
男「むぅ……まあ、言いたいことはわかるよ。火でも付けられちゃ、一発でアウトだもんな」
禰宜「そういうことだ。旅行先のご両親は、おそらく淫魔様が警護されているのだろう。問題は私たちだ……ウチの神社に戻るか?」
修道女「移動手段がないわ」
巫女「兄さまの車は2人乗りですからね」
幼馴染「電車に乗ったら、それはそれで危険……かあ」
禰宜「公共交通機関は避けた方がいい。電車なんて、脱線させられかねん」
巫女「修道女さんの住んでる教会は?」
修道女「だめ。呪術的なものにはそれなりに効力があるけど、この家と同じくらい、守りに適していないわ」
妹「歩いて神社に帰るのは……無理だよねえ」
禰宜「それは最悪の場合だな。しかし、神社への道は林で木が多いから、木竜が頼りになる」
木竜「きゅっ!」
修道女「危険すぎる。こっちは非戦闘員が3人もいるのよ?」
妹「ひせんとういん? 戦力にならないってこと?」
幼馴染「そうそう。わたしと」
妹「わたしと」
男「おれ……かぁ」
がっくりと肩を落とし、男は無力にため息をつく。
禰宜「歩いて帰るのも、たしかに危険だな。次はどんな手を使ってくるかわからんし、もっと強力な魔物を送り込んでくるかもしれん」
修道女「でも、この家からは出ないと……」
巫女「この近くで、守りに適していて、人の少ない場所?」
幼馴染「この街中でかあ……うーん……見渡す限りの住宅地だし」
妹「あ……」
男「どうした?」
妹「そんな場所、あるよ」
禰宜「本当かい?」
妹「うん……お兄ちゃんたちの学校は?」
修道女「……だめね」
妹「あう」
男「なんでだ?」
修道女「学校みたいな長い廊下と同じ形の部屋がつづく建物は、少数対少数なら事前に罠を張っていた方が有利だけど、多数に攻められたら守りにくい」
巫女「それに、基礎工事のときに外から土砂を運んだみたいで、地脈がほとんど使えません。木竜の力も半分くらいになっちゃいます」
696 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:14:55.84 ID:XOEJ4Xfso
幼馴染「でも、ここに居るよりは良いんでしょ?」
修道女「うん。だから、相手もわたしたちが学校に逃げると予想するのは当然。今頃学校は、霧王側の罠だらけかもしれない」
巫女「そうですね……相手の術に、はまりにいくようなモノです」
男「それなら、どうすれば……」
禰宜「こちらは少数精鋭。相手と比べてひとりひとりの力は、私たちの方が格段に強い。しかし……」
修道女「数が圧倒的に足りない。守りに入ったら不利ね」
禰宜「そうだ。打開するには、霧王の裏をかかなければ」
修道女「裏、ねえ」
男「裏か……待てよ? いま、霧王の手下どもは町中に散らばってる……ってことか?」
修道女「おそらくは……ね」
男「逆に言えば、本拠地もあるんだろ?」
修道女「これだけ大規模な攻勢に出るなら、あるはずね」
男「本拠地なら命令役とか予備の兵隊とか居るんだろ? そいつらがやられたら霧王は困るわけだ……それなら、本拠地は守りを堅めやすいところにするんじゃないか?」
禰宜「なるほど、要塞か」
修道女「でも、学校に作戦本部を置くとは考えにくいわ。わたしたちが毎日通っているんだから、本拠地にするような工作があればさすがに気づく……」
禰宜「そうだな。強行突入して安全を確保した上で、短時間で学校に本部を作るとは考えにくい」
巫女「それなら最初から、時間をかけて陣地を作る……かな?」
幼馴染「そうだよね……あ、わかったかも」
男「ほんとか?」
幼馴染「うん。霧王が手を加えやすくて、本部にちょうど良い大きさの建物でしょ?」
男「多分な」
幼馴染「盲目少女のおじいさん。老人さんのお屋敷は?」
修道女「……やっぱり、そこになるわね」
巫女「この街の反対側にある大きなお屋敷ですよね。もしそこが本部なら、守りを固めやすい……でも」
男「待ち伏せされてるかも……か」
禰宜「しかし、ここに居ても始まらん」
修道女「そうね。近所の人たちを巻き込むわけにはいかないわ……この瞬間にも、霧王の手下が攻めてくるかもしれ……」
ピンポーンと、玄関のベルが鳴った。
雑談の気配さえ漂いはじめていた居間の空気が、一瞬にして凍り付く。
禰宜「……私が応対しよう」
修道女「いえ、男くんが出てちょうだい」
男「俺がっ!?」
修道女「あなたの家だもの、当然でしょ?」
男「で、でも……」
ピンポーンと、もう一度玄関のベルが鳴った。
修道女「大丈夫よ、後ろから援護するから……さあ、早く!」
せき立てられて、男は玄関に向かった。
697 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:16:31.58 ID:XOEJ4Xfso
玄関。
黒っぽいドアの向こう、磨りガラス越しに、紺色のシルエットが見えていた。背中を修道女にグイグイ押されながら、男は不安げな声を上げる。
男「なんかいるんだけど……」
振り返ると、幼馴染と修道女は軽いガッツポーズをとった。
幼馴染「がんばって!」
修道女「男くん、ファイトっ!」
男「……むぅ」
もう一度、ピンポーンとチャイムが鳴った。
覚悟を決め、男は玄関のドアノブに手をかけた。
男「……はい」
男の返事に、ドアの外から声が聞こえた。
???「こんばんは」
低く落ち着いた男性の声だった。
???「警察の者です」
男「はあ……」
内心ほっとして、男は玄関のドアノブを回した。
ドアの隙間から外をのぞくと、制服を着込んだ警官がこちらを伺っていた。
警官「夜分申し訳ありません」
警官は笑い、その笑顔に男はドアを開けた。
男「なんのご用ですか?」
警官「なに……コレですよ」
柔らかな笑みを浮かべたまま、警官は腰のホルスターから拳銃を抜いて男に突きつけた。
修道女「男! 伏せて!」
とっさに男はその場に崩れ落ちるようにしゃがみ込み……
修道女「放て! バリスタ!」
しゃがみ込んだ男の頭上を、輝く飛槍の群れが怒濤の如く駆け抜た。
やわらかな人体を堅い槍が貫通する音が立て続けに聞こえ……
おそるおそる男が顔を上げると、玄関先の警官に何十本もの飛槍が突き刺さっていた。
警官「げ……あ……」
苦悶のうめきを上げ、警官の姿をしていた「それ」は鱗の生えた正体を現した。
男「な……」
へたり込む男を飛び越え、修道女は警官だったバケモノに十字架の短刀でとどめを刺した。
警官「ぎびいぃぃ!」
修道女「ああもう、うるさい……」
うんざりとため息をつき、修道女は懐から聖水の小瓶を取り出して警官のバケモノに振りかけた。
鱗の表皮に付着した聖水は、残酷なまでにバケモノの身体を溶かし、瞬く間に怪物を赤い水に変えてしまった。
男「もう襲撃が……」
修道女「遊んでいられないわ……みんな、走って!」
男と幼馴染、巫女に修道女に、妹と禰宜。6人とも決断早く、夜の通りへと駆けだした。
698 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:17:20.11 ID:XOEJ4Xfso
夜の街。
まだ早い時間だというのに、霧に満たされた夜の通りは静かで人がいない。
濃い霧に包まれた道の先、円錐状に浮かび上がる街頭の明かりが、白いもやの中、向こうへてんてんと続いている。
意外なことに、予想された魔人の襲撃もない。
男と禰宜、妹と幼馴染はそれぞれ普通の格好だが、修道女は教会の外出着で、巫女は見舞いの着物から緋袴の巫女装束に着替えていた。
その一同が全力で走るのは、端から見れば異様な光景だっただろう。
しかし、道を駆け抜け、公園を通り過ぎ、まだ早い夜の駅前に至っても通行人は一人もいなかった。
駅舎の明かりが霧の中に浮かび上がるが、人影は全く見られない。
修道女「弱いけど街全体に、人払いの術がかけられているわ」
男「だから誰もいないのか……」
修道女「この霧のせいね……やっかいな相手だわ」
走る足を緩めず、途中でへばった妹を禰宜がおんぶしたりして、一行は高級住宅地に入り、その一番奥、敷地の端が見えないほどの豪邸に至った。
修道女「かすかに術の痕跡がある……間違いなく、何かあるわ」
幼馴染「ここが、盲目少女のおじいさん……老人さんのお家……」
男「お家ってサイズかよ……でも、どうやって入る?」
老人邸の門は強固な鉄の柵で、その奥にはイギリスから丸ごと持ってきたような壮大な洋館が鎮座している。
庭には所々灯火があり、霧の中、屋敷がどれだけ奥まで続いているのか見当もつかない。
巫女「すごい……」
禰宜「守りは堅そうだな。これなら搦め手から……」
修道女「いいえ、どうせこちらの動きは向こうに筒抜けよ」
妹「それなら……どうするの?」
修道女「禰宜は妹ちゃんを、巫女は幼馴染さんを守って。男くんはわたしについてきて……」
男「何しようってんだ?」
修道女「もちろん、正面突破よ」
その場に手をつき、修道女は丁寧な詠唱をはじめた。
修道女「さかまく風よ、縒り束なって刃をなせ……」
身体に白い輝きが宿り、目標となる鉄の門扉とその先の屋敷をしっかりとにらみつけ、修道女は唱えた。
修道女「放て! バリスタ!」
呪文の終わると同時に、いつもの短呪とは比べものにならない密度と速度で大量の飛槍が放たれた。
輝く飛槍の奔流は、金属製の門扉を吹き飛ばし、その向こう、洋館の壁面をごっそりとえぐり取った。
男「げ……」
幼馴染「……すっごい」
妹「う……わぁ」
濃厚な霧もバリスタの烈風に切り裂かれ、霧に穿たれた穴が崩された洋館の壁まで続いていたが、霧は隙間を埋めるように素早く動き、明瞭に見えていた屋敷の壁は、また白いもやの向こうになった。
振り返り、修道女は宣言した。
修道女「さ、行くわよ!」
699 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:17:45.77 ID:XOEJ4Xfso
病院。
夜、いつもなら消灯を待つだけのつまらない時間だった盲目少女の病室に、甘いささやきが満ちていた。
ベッドに寝転がる盲目少女と、もうひとり。
盲目少女「くすくす、悪魔さん。そんなところさわったらくすぐったいよ」
パジャマの隙間から色魔の手が盲目少女の肢体を褒め称える。
色魔「いいだろ? "俺の"なんだし」
盲目少女「それは……そうだけど……」
色魔といっしょにベッドに入るため、盲目少女は革の手帳をベッド脇のテーブル、花瓶のそばに置いていた。
悪魔と相対するときには、身を守る護符や武器が必要だ。さもなくば身も心も魂さえも奪われてしまう。
しかし、盲目少女には不要だった。
身も心も、魂さえ、すべて色魔に捧げている。
色魔「やっぱ、腹減ったな……」
つぶやいて、色魔の指先が盲目少女の秘裂をパジャマの上からなでさする。
盲目少女「んっ……きのうあんなにしたのに、まだ足りないの?」
色魔「おまえは、きのう飯食べたからって、今日は腹減らないのか?」
少し考えて、盲目少女は答えた。
盲目少女「……減るね」
色魔「だろ? そんじゃ、さっそく……」
パジャマ越しに色魔の指が性器にくっと食い込み、盲目少女の身体が跳ねた。
盲目少女「ひあっ……ま、待って」
色魔「んだよ? いいんだろ?」
盲目少女「いいけど……ぎゅってだっこして。あとキスして……そしたら、してもいいよ」
色魔「う……おまえ」
盲目少女「なに?」
色魔「すっげえ恥ずかしいコト言ってるの、自覚ある?」
盲目少女「う……うわわ……」
ほほを赤くして、盲目少女は色魔の胸を押した。。
盲目少女「ご、ごめんなさい、やっぱりいいですっ!」
しかし色魔は、押し返す腕ごと、きゅっと盲目処女を抱きしめた。
盲目少女「……ふぇ?」
色魔「おまえの望みは、全部叶えてやる……つぎはどうしてほしい?」
鼻先がくっつくほど顔を近づけ、自分のにおいを教えながら色魔は盲目少女にささやく。
盲目少女「キス……です」
色魔「承知した」
ふたりの唇が近づき……
病室の扉がドンドンと叩かれた。
700 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:18:19.65 ID:XOEJ4Xfso
盲目少女「んっ!?」
色魔「ちっ! なんだよ良いところで……」
扉の外から妙に落ち着いた声がした。
生徒会長「盲目少女、起きてる?」
盲目少女「会長っ? ……悪魔さん、隠れて隠れて!」
色魔「お、おう……」
ベッドから降りて、色魔は影に身を潜めた。
部屋から色魔の気配がなくなったのを確かめ、盲目少女は扉の向こうに声をかける。
盲目少女「どうぞ」
入ってきた生徒会長は、妙に元気がなさそうだった。
言葉を発するまえにその様子を察し、盲目少女は首をかしげる。
盲目少女「どうしたの? なにか忘れ物?」
生徒会長「忘れ物……そうね」
ちらりと花瓶横に置かれた革の手帳に目をやり、生徒会長は盲目少女のベッドに歩み寄った。
生徒会長「ねえ盲目少女、わたしのこと、どう思ってる?」
盲目少女「どう……って? もちろん好きよ」
生徒会長「そう……私はね、盲目少女のこと、大っ嫌いなの」
盲目少女「……え?」
生徒会長「目も見えないくせに、周りの人たちから大切にされて、事故で家族と足をなくして、いい気味だって思った」
盲目少女「なに、何を言って……」
生徒会長「私、盲目少女のこと、心配なんてこれっぽっちもしてないの。あなたに優しくしたのは、周りの大人からほめられるから」
盲目少女「……うそでしょ? うそだよね!?」
生徒会長「さようなら、盲目少女。暗いところで、ひとりで泣いてなさい」
呆然とする盲目少女のベッド脇、花瓶のそばに置かれた革の手帳をつかむと、生徒会長は足早に病室から出て行った。
廊下を足音が遠ざかってゆく。
ぽたりと盲目少女の胸元に涙が落ち、宙から色魔が姿を現した。
色魔「おいおい、大丈夫かよ!」
盲目少女「悪魔さん……わたし、ひどいこと、会長にしちゃったのかなあ……」
色魔「そんなことねえよ、俺だってワケわかんねえし……おい!」
盲目少女「え?」
花瓶の脇を見て、色魔は声を上げた。
色魔「魔道書がなくなってるぞ!」
盲目少女「魔道書……手帳が!?」
色魔「くそ……あいつが持ち出したのか……待ってろ、取り返してくる!」
盲目少女「あ、待って!」
契約者の制止を振り払い、色魔は病室から飛び出した。
廊下を駆け抜け、角をいくつか曲がり、階段の前で生徒会長の後ろ姿をとらえると、叫びを上げて飛びかかった。
色魔「待てや!」
生徒会長「え……きゃああっ!?」
幽鬼のように振り向いた生徒会長に、色魔は手を伸ばそうとした。
しかし、生徒会長は革の手帳を振り回し、色魔の手を振り払う。
701 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:19:13.63 ID:XOEJ4Xfso
手帳にかすった指先に、バチっと火花を散らされ、色魔は飛びのいた。
色魔「ぬわっと、あぶねえな! 魔道書を盲目少女に返せ!」
生徒会長「あなたが……あなたが盲目少女と契約した悪魔?」
色魔「そうだ! だからそいつを返せ!」
生徒会長「いやっ!」
と叫んで、生徒会長は手帳を振りかざす。
色魔の指先にまたもや手帳が触れ、バチッと閃光が走ったが、以前と比べるとあきらかに威力が落ちていた。
しかし、今はそんなこと気にしている場合ではない。
色魔「くそ……いったいどーしちまったんだ……あ?」
いまいましそうにつぶやき、色魔は生徒会長の目に気づいた。
ここ数日、影ながら盲目少女と生徒会長の会話を聞いてきたが、生徒会長の見舞いには心からの慈しみが込められていた。
いつもの生徒会長を見る限り、盲目少女にひどいことを言うはずもなかったし、なにより今の生徒会長の目には、あまりに生気がない。
色魔「こりゃあ……支配の術だな……よし、生徒会長、俺の目を見な」
生徒会長「え? あっ……」クラッ
色魔の目に、緑色の光が宿っていた。
強力な誘惑の術にはまり、生徒会長の支配が解ける。
先日までの色魔なら、病院の廊下だろうが場所を構わず、術に陥れた女性を陵辱するところだが……術による支配を解くと、手を出すことなく誘惑の眼光も消した。
生徒会長「あ……あれ?」
色魔「目ぇ覚めたかよ」
生徒会長「あ……私……盲目少女に、ひどいこと……」
色魔「……ったく、いやらしい術かけやがる……おい、誰のしわざだ? 思い出せるか?」
色魔が尋ねると、生徒会長の顔からさっと血の色がなくなった。
生徒会長「大変……霧王が……霧王が盲目少女を!」
色魔「なにっ!? 早く言え! 立てっ!」
生徒会長を助け起こし、その場に残すと、色魔は盲目少女の病室を目指して矢のように廊下を駆ける。
廊下の角をいくつか曲がり、ナースセンターの前を風のように駆け抜け……
702 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:19:39.22 ID:XOEJ4Xfso
勢いよく扉を開け、色魔は盲目少女の病室に飛び込んだ。
そこには、盲目少女と、もうひとりの招かれざる客。
霧王「手間取ったのか? ずいぶん遅いな」
スーツを着込んだ細身の悪魔は、霞のようなスカーフをたなびかせ、飛び込んできた色魔を一瞥した。
部屋の中には霧が満ち、天井の蛍光灯が白くぼやけていた。
色魔「てめえが……テメエが霧王か!」
虚空から小ぶりのダガーを取り出し、色魔は一足で霧王に飛びかかる。
しかし、霧王は盲目少女の首筋をつかんで持ち上げ、盾のようにかざした。
突進からひるがえり、色魔はふたりから距離を置いて立ち尽くす。
子猫の首の後ろをつかんで持ち上げるように、霧王は片手で盲目少女の首を掴み、宙にぶら下げていた。
両足がないぶん体重が軽く、首に掛かる負担も少ないようだが、そのような仕打ちを色魔が許せるはずもない。
色魔「盲目少女を放せ!」
霧王は無言のまま首筋を締め上げ、盲目少女に声を上げさせる。
盲目少女「くはっ……悪魔さん……ぐぅっ!?」
霧王「武器をしまえ、私は信頼に基づいて話がしたい」
色魔「けっ……白々しい」
悪態をつくものの、命令に従うほかない。
虚空にダガーを戻し、色魔は尋ねた。
色魔「何が狙いだ?」
霧王「私は、この手で少女を傷つけるつもりはない。しかし、我が術式の完成にこの子が必要なのでね……連れて行くまでさ」
色魔「させるかよ!」
霧王「おうおう、怖いじゃないか……」
いやらしくにやけ、霧王は虚空から真鍮色のナイフを取り出した。
霧王「怖いから、今のうちに潰しておくとしよう……動くなよ」
盲目少女の首筋をつかんだまま、霧王はゆらりと立ち上がった。
色魔「く……」
契約者を盾に取られ、色魔は歯がみする。
悪魔のように顔をゆがませ、霧王は手に持つ真鍮色のナイフに口づけした。
霧王「そこに……ひざまずけ」
703 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:20:47.75 ID:XOEJ4Xfso
色魔が飛んで行き、生徒会長も後を追って盲目少女の病室を目指した。
廊下にはいつしか霧が充ち、走る生徒会長の耳に、青年の悲鳴がこだまし……病室にたどり着いた時には、すべてが終わっていた。
少しずつ薄れてゆく霧の中、床には血だまりが広がり、自ら流した血だまりに色魔がおぼれていた。
生徒会長「悪魔さんっ!」
革の手帳が触れないよう、注意しながら、うつぶせに倒れる色魔を引き起こした。
色魔「生徒会長……無事だったか……良かった」
生徒会長「私は平気です……それより悪魔さん、目が!」
色魔の目は、細かい刃物が何度も往復したのか、ひどく切り裂かれ、血が止まらない。
両手足の腱も切られ、深く傷つき出血が続いていた。
生徒会長「どうしよう……どうすれば……包帯もらってきます!」
色魔「待てよ」
立ち上がりかけた生徒会長を留め、色魔は続けた。
色魔「魔道書もってんだろ? ダメで元々だ……術……魔法をつかってくれ……」
生徒会長「は……はい……え、ええと……いたいのいたいの、飛んでけっ!」
唱えると、ごくごく弱い虹色の光が革の手帳から放たれて色魔のキズを癒やした。
術の力は盲目少女のものと比べるべくもなく、出血こそ止まったが、目や手足の機能を回復させるまでには至らない。
色魔「痛みも消えねえか……でも血は止まったみたいだな」
生徒会長「あの……盲目少女は?」
色魔「連れて行かれた」
それだけ言い、色魔は立ち上がろうとして、血だまりに倒れ込んだ。
色魔「ぐっ!」
生徒会長「無理よ、立てないのに!」
色魔「俺が助けに行かなきゃ、誰が行くんだよ」
立ち上がる色魔に肩を貸し、生徒会長は言う。
生徒会長「私も行きます。盲目少女にあやまらないと」
色魔「ダメだ。今の俺じゃ、あんたを守れない」
生徒会長「ひとりじゃ立てないのに?」
歯を噛み、色魔は苦々しげに答えた。
色魔「……あんたも、盲目少女を助けたいのか?」
生徒会長「あたりまえでしょ」
軽く鼻で笑い、色魔はうなずいた。
色魔「わかった……一緒に来てくれ」
生徒会長「ええ」
生徒会長は肩で色魔の身体を支え、ふたりは病室から出て行った。
704 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:21:31.20 ID:XOEJ4Xfso
温泉街近くの林の中。
月明かりが林にそそいでいた。
積み重なった枯れ葉をベッドにして、淫魔は食事を終えた。
もともと人間に憑依した魔神を吸い出すのが目的だったが、狼の魔神が宿っていた男性から、淫魔は5分ほどで魔神を吸い出していた。
残りは、完全に淫魔の趣味である。
元狼男「けあ……けぷ……」
吸ったり飲ませたり、入れたり入れられたり、存分に男性の身体を堪能し、淫魔は体中にキスをして、満足げに身体を起こした。
淫魔「……んふふ、ごちそうさま」
男性の有様は、無残、と言う他はなかった。
ケガや出血をしているわけではないが、10人の乱暴者に一晩中レイプされ続けた女子中学生の方がまだマシなほど、その表情は快楽と恐怖に崩れきっていた。
淫魔「ま、明日の朝になれば元気になるでしょ……さて」
指で輪を作って淫魔がパチンと鳴らすと、素っ裸だった男性は登山の服を着込み、荷物や登山靴まで身につけて身なりを整えられた。淫魔もいつもの黒と緑色の服を着て、さらに林の暗がりを見渡す。淫魔の立っているところよりすこし坂の上に、父と母の泊まっている宿があった。
淫魔「ん……こっちは護衛をつけておけばもう十分だね」
林のいちばん暗い方に向き直り、淫魔は両手を掲げる。
淫魔「おいで……闇の眷属たち」
無音だった林の中に、淫魔の声に応じて、いくつもの足音が響きはじめた。
多くは影色のオオカミで、その中にコウモリやネズミもちらほらと混じる。
足下で眠る元狼男を指さし、淫魔は使い魔たちに言った。
淫魔「おまえたちは、おじさまとおばさまを朝まで守れ。あと、眠っているこの子を傷つけちゃいけないよ」
不満そうな声が使い魔たちから上がったが、淫魔が手をかざすとそれもやんだ。
淫魔「ともかく、今日は人間を食べたり傷つけたりしてはダメ。近いうちに大暴れしようね」
影たち「うおおおぉぉぉん!」
コウモリ、ネズミ、オオカミたちはその言葉に遠吠えを返したが、淫魔の手にまた黙らされた。
淫魔「静かに。おじさまとおばさまのジャマをしちゃダメだよ?」
念を押して、淫魔は黒い翼を広げた。
林の中の月明かりにも、淫魔の翼は黒く映える。
淫魔「朝日が来たら帰って良し。じゃあね!」
軽く手を振って、淫魔は晴れた夜空に舞い上がった。
705 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:22:06.44 ID:XOEJ4Xfso
盲目少女の祖父である、老人の屋敷。
攻め込んだ男たちは、玄関の扉をぶちこわし、入り口のホールで足を止めた。
男「……げ」
屋内だというのに霧の充ちた天井の高い玄関ホールには、金色に光る目がいくつも並び、闖入者を見下ろしていた。
幼馴染「やっぱり……罠」
クリーム色の霧の向こう、光る目の正体は、人や獣から逸脱した異形の魔物たち。どれも人より遥かに大きく、鱗や毛に覆われた魔物の身体から立ち上る、霧にしけった玄関ホールには、何ともイヤなにおいが充満していた。
そして。
天井からぶら下がっていた魔物たちは、突如雷鳴のような雄叫びを上げ、一斉に飛び上がった。
男「ぬわっ!」
禰宜「さがれ!」
神鉄の太刀を抜き、禰宜は一行の正面に躍り出た。
飛びかかってくる熊ほどの魔物を、禰宜は太刀のひと薙ぎで2、3匹ずつ跳ね返す。
禰宜にはじき飛ばされた魔物は、斬られた傷に血を吹き出しながら後続の魔物にぶち当たる。魔物たちの足並みは乱れるが、勢いは全くそがれない。
巫女「数が多い……木竜っ!」
巫女の着物のあわせから、緑色の蛇が顔を出した。
木竜「きゅっ?」
巫女「木竜、風斧!」
命じると、木竜は目を見開き、すーっと息を吸って……
木竜「ふーっ!!」
一気に吐き出した木竜の息は、ひとの身の丈を遥かに超えるかまいたちとなって、魔物を切り刻んだ。風の斧は幾重にも重なり、異形の怪物たちを吹き飛ばす。
妹「禰宜さん……巫女さんも木竜も……すごい」
男「おい、後ろから新手だ! 逃げ道をふさがれたぞ!」
修道女「あわてないで。わかってるわ」
玄関の外、霧に包まれた庭にも、いつの間にか大量の魔物が満ちあふれ、男たちに飛びかかろうと地面をひっかいていた。
しかし、修道女はあくまでも冷静に、床に手をつき、周囲の魔物が飛びかかってくるのを見計らって、術を発動した。
修道女「絡め捕らえよ! カスミアミ!」
玄関のホール内に、輝く糸が縦横無尽に張り巡らされ、すべての魔物を拘束していた。
飛びかかってくる魔物に打ち込もうとしていた禰宜は、刀をおろしてあたりを見渡した。
禰宜「むぅ……相変わらず、強引な技だ」
修道女「せめて豪快と言ってほしいわね……わたしが知る限り、もっとも繊細で強力な捕縛術なんだから……さて」
ハンドバッグから銀色の十字架を取り出し、修道女はいちばん手近の魔物に歩み寄った。
毛の長いゴリラのような、全体的に猿の印象を持つ魔物だった。
修道女「おまえ、口はきけるな?」
猿魔物「うぐぐ……なにも……言わんぞ。この屋敷から出て行け……」
古いギターを思い切り引っかき回したような、低音と高音の混じったひどい声だった。
男や幼馴染、もちろん妹もその声に恐れをなしたが、修道女はぴくりとも動じない。
修道女「あら、そう」
何気なく修道女は答え、カーテンを開けるような自然な仕草で、魔物の腹部を横真一文字に切り裂いた。
猿魔物「ぎゃあああああっ!」
706 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:22:53.34 ID:XOEJ4Xfso
前触れのない暴力に魔物は悲鳴を上げたが、修道女の手は止まらない。
さくさくとキャベツを切るように、無頓着に魔物の胸や腹部を切り裂き切り開く。
修道女「おまえに聞きたいことがある」
猿魔物「ぐえっぎ、げああぁぁ……」
小瓶を取り出して、手に聖水をまぶし、切り裂いた魔物の胸郭に挿入する。
ぬかるみに足を突っ込んだような粘ついた血泡の音がはじけ、魔物の体内をかき回しながら、修道女はささやいた。
修道女「素直になってくれるなら、ひと思いに殺してあげる」
猿魔物「げぶ……言う……ものか……」
白目をむいて猿の魔物は血混じりの言葉を吐き出した。
修道女「そう、それなら、霧王がどこにいるか、教えなさい」
猿魔物「げあ……あ……ぎああああぁぁぁ……」
ひときわ高く悲鳴を上げて、魔物は動かなくなった。
修道女「あら、気絶したわね」
猿魔物「……」
胸の傷口から手を抜き取り、幼馴染は手を振って血を払った。
壁にぴぴっと血しぶきが飛ぶ。
男「うげ……」
幼馴染「うっぷ……」
巫女「……う」
3人は口元を抑え、妹に至っては目をつむって耳をふさぎ、悲鳴を聞かないように禰宜の胸に顔をうずめていた。
禰宜「妹ちゃん、見ちゃいけないぞ」
妹「うん……うんっ!」
仲間ですらどん引きする解体ショーの一人目を終え、修道女は腕をまくった。
修道女「さてと、次は"どれ"にしようかしら」
周りで拘束される魔物を物色し、修道女は聖母のようなほほえみを浮かべる。
修道女「殺しはしないわ……殺しはね」
屋敷の玄関ホールに、魔物たちの悲鳴がつぎつぎと響いた。
707 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:23:29.30 ID:XOEJ4Xfso
屋敷の奥。
空気のよどんだ主寝室に霞が立ちこめ、霧王が姿を現した。胸には盲目少女を抱えている。
柔らかな絨毯に着地し、霧王は耳をぴくりと動かした。
霧王「ほう……始まっているのか」
盲目少女「ここ、どこ?」
目は見えずとも、盲目少女はあたりの空気が変わったことで、自分がどこか違う場所に連れ去られたのだと悟った。
霧王「ふん……」
おびえる盲目少女を鼻で笑い、霧王は盲目少女を放り投げた。
盲目少女「ふぎゅっ? ……あ、あれ?」
落ちた床は、柔らかに盲目少女を受け止めた。
カーペット、しんと静まりかえった部屋は、重厚な壁の存在を盲目少女に教えていた。
盲目少女「ここは……おじいさまのお屋敷?」
霧王「そうだ」
盲目少女「おじいさまは?」
霧王「老人もここにいる」
赤い絨毯に巨大なベッド、ビロードのカーテン。
洋館の外観に似合った豪華な主寝室の、飴色の木の扉が静かに開いた。
次いで聞こえる、非常な重量物がカーペットの床を踏みしめる音。
岩石がきしみを上げる音。
巨大な物体が運動する気配を、盲目少女は音から感じ取った。
老人の屋敷の天井は、だいたい4メートル。
移動する物体は、その高い天井にこすれるほど背が高く、二足歩行する重厚な”何か”である。
盲目少女「なに……これ」
自分の発した声が反響し、盲目少女の耳は、さらにその”何か”の形を読み取る。
ふくれあがった両肩、太く長い手足。頭に相当する部位はなく、右肩から左肩へ、なだらかな面が続いている。
音の反射が鈍い。表面はそうとうに粗く、ごつごつしているようだ。
そして、巨大な人型の”何か”の胸に、弱々しい鼓動を発する”何か”が。
巨大な人型は、弱々しい鼓動を胸に抱いて運んできたのだ。
???「うう……う……」
その鼓動が、盲目少女に覚えのある声で、うめきをあげた。
盲目少女「……おじいさま?」
霧王「そうだ」
霧王が目配せすると、ゴーレムは老人を、大きなベッドに丁寧に寝かせた。
老人「く……ぐぁ……」
霧王「おまえもよく耐える。その痛みは我慢できるものではないだろうに」
盲目少女「痛み? あなた、おじいさまになにを!?」
床に這いつくばったまま、盲目少女は霧王を問い詰める。
霧王「毒を盛ったわけでも、術をかけてもいない。むしろその逆……」
708 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:24:02.17 ID:XOEJ4Xfso
盲目少女「逆?」
霧王「おまえの祖父は、内蔵の癌で死にかけている。体内を貫く痛みは想像を絶するだろう……私は、鎮痛剤の投与をやめただけだ」
盲目少女「な……」
生まれつき病院に縁の深かった盲目少女は、医師や看護婦や患者仲間から、癌の痛みの壮絶さをときたま耳にしていた。
人の心を狂わせる麻薬がこの世から無くならないのは、進行した癌の痛みを消す手段が、ある種の麻薬だけだからだと聞いて、盲目少女はその痛みを想像し、恐れた。
その痛みに、老人は浸されているのだ。
盲目少女「……なんてこと」
唖然とする盲目少女の言葉を受け流し、霧王はベッドの上の老人を見下した。
霧王「しかし私は、契約者の願いを叶える魔神だ。代償を差し出せば、病を消し去ってやろう……そう繰り返し言っているのに、あいつは頑として拒み続けている……もう、体力も限界だろう」
盲目少女「そんな……おじいさまっ!」
身体を起こし、盲目少女は寝床の老人を呼んだ。
枯れ木がきしむような弱々しい声で、ベッドの上から返事があった。
老人「盲目少女か……ここにいてはいけない……出て行きなさい」
盲目少女「おじいさま。わたしをお側に」
老人「ならん……帰りなさい」
霧王「そんな悲しいことを言うな。せっかくの孫娘の願いじゃないか」
寝床から身を起こすことなく、老人は答えた。
真っ白なヒゲの生えそろった口元をわずか動かす。
老人「おまえは……どこまで私を……」
腹の中で笑いを押し殺し、霧王は答えた。
霧王「死ぬまで。死んでも……だな」
天井を見つめる老人に覆い被さり、まるで眠り姫に口づけするように、霧王は鼻先を近づける。
霧王「おまえの宝を私に捧げろ。傷みも老いも、取り去ってやろう」
深くしわの刻まれた顔に弱々しくも怒りを宿し、老人はつぶやいた。
老人「悪魔め」
709 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:24:55.61 ID:XOEJ4Xfso
ぴしり……と、部屋の空気に亀裂が入った。
中庭に面した窓に黒い切れ目が走り、大砲の直撃を受けたかのように砕け散った。
とっさに霧王はスカーフを伸ばして盲目少女を包み、ベッド脇の岩の巨人は破片から老人を守った。
ガラスの破片は、大きなものは家具ほどもあった。窓はは爆発に砕けたのではなく、鋭い刃物で切断された後に、ごく弱い炎の術で吹き飛ばされたようで、破壊の規模の割には、飛ぶ速度はゆっくりとしていた。
窓に開いた大穴と煙の中、黒い光沢と緑の光の線がひるがえり、一瞬の後ソレは飛び出して、霧王に斬りかかった。
身の丈を超える曲刀が、絨毯ごと床を吹き飛ばしたが、霧王はゆらりと霞に消えて、少し離れた場所に現れた。胸元には、盲目少女を抱えている。
老人をかばっていた岩の巨人は、侵入者を排除しようと一歩進み出たが、曲刀を突きつけて黒い襲撃者は言い放った。
淫魔「控えよゴーレム。おまえの主は害さない」
盲目少女「淫魔さんっ!?」
襲撃者の声に、霧王の胸元で盲目少女は声を上げた。
一撃目を外した淫魔は、黒い翼をはためかせて加速し、さらに霧王に斬りかかったが、やはり霧王は霞となり、少し離れた場所に転移してほくそ笑んだ。
霧王「これはこれは、皇帝陛下」
霧王の消えた後に残された霧は濃度を増して部屋に行き渡り、赤いビロードの絨毯をはじめとした豪華な調度品を白く塗り込める。
濃密な霧の中で、淫魔と曲刀の黒だけが、霧に埋もれずはっきりと見て取れた。
淫魔「あなたの霞の術に加えて……天界の隠匿術か……やっかいだね」
霧王「ええ。霞と霧をあつかう私に、天界の雲の術はよく馴染みます……もはや、誰も私を捕まえられない」
淫魔「それも今夜までだ……霧王。その子たちを放しなさい」
霧王「……たち? ……なるほど。しかし、私と老人は契約を結んでいますし、この娘は老人の血縁者だ。私はこの娘を不用意に手放すつもりはありません」
にやける霧王の耳に、屋敷の中、遠くから魔物の断末魔が響いた。
淫魔「聞こえるでしょ? わたしの仲間もやってきた。あなたの負けは時間の問題だよ」
霧王「どうやって私を切り刻むおつもりか? 霧を消し飛ばすなら、淫魔様の力を持ってすればたやすいでしょう。しかしこの屋敷に……周りの街に行き渡った霧を消すならば、屋敷や街ごとでなければ……」
淫魔「……む」
霧王「少女と老人ふたりのために、この街を吹き飛ばすようなことは、さすがの淫魔様もできないでしょう?」
淫魔「んぅ……」
黒い曲刀をしまい、淫魔は手をひらつかせる。
淫魔「何が望み?」
霧王は胸元に抱いた盲目少女の頬をなで、ニヤニヤ笑い返した。
霧王「誰も私を捕まえられない。私が老人を連れて、どこかに隠れてしまえば、淫魔様も手の出しようがない。一方で私が淫魔様に刃を向けても、髪の毛ほどの傷すらつけられないでしょう。できるのはこの屋敷の破壊くらいのもの」
ちろりと淫魔の目を見据え、霧王は結んだ。
霧王「手詰まりなのは、お互い同じ……と、なれば淫魔様、賭をいたしませんか?」
710 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:25:30.50 ID:XOEJ4Xfso
街路。
両手足を傷つけられ、まともに立つこともできない色魔に肩を貸し、生徒会長はようやく公園までやってきた。
夜の公園も霧に包まれ、木は街頭に照らされて、霧の中に影の尾を引かせている。
生徒会長「こっちで……いいの?」
色魔「ああ。間違いない」
目を潰され、濃密な霧の中どのようにして方角を知るのか、色魔はさっきから同じ方向を指していた。
街のほぼ中央に位置する広大な公園を抜ければ、その先は駅と高級住宅地。
生徒会長にも、なんとなく色魔の目指す場所がわかってきた。
生徒会長「もしかして、老人さんのお屋敷?」
色魔「知ってるのか?」
生徒会長「何度か伺ったことがあるの。でも、今は療養で、老人さんはいないはずだけど……」
色魔「いや、強力な術の気配もする。ドンパチが始まってるみたいだ」
生徒会長「ドンパチって、誰が?」
色魔「わかんねえよ。でも敵の敵は味方だろ、騒ぎに乗じて、あいつを助ける」
生徒会長「ちょ、ちょっと待って」
色魔「んだよ、怖じ気づいたか?」
生徒会長「そうじゃなくて……うぐ……」
荒く息を吐いて、生徒会長は道ばたのベンチに色魔をおろした。
生徒会長「人間にしては軽いけど、軽々と運べるって重さじゃないわ」
色魔「本調子なら、もっと軽くなるんだが……わりいな」
生徒会長「いいの。ほんとはタクシーに乗っちゃうつもりだったから。でも街には、タクシーどころか、車も、人だってぜんぜん歩いていなかったわ。ゴーストタウンになったみたいに、人気がぜんぜんないの」
色魔「ただ家に閉じこもってるだけだろうが……広い範囲に術がかかってるな」
生徒会長「携帯も通じないし……この霧のせい?」
色魔「だろうな」
生徒会長「とにかく……あなたを背負って老人さんのお屋敷に行くなら……朝になっちゃうわ」
色魔「そりゃあ困る」
生徒会長「私だって! ……それなら、私がひとりで」
色魔「それはもっと無茶だ」
生徒会長「そうよね……」
うつむく生徒会長の耳に、霧の向こうから規則正しい足音が近づいてきた。
ジャージのこすれる音、大きな足音がふたつに、小さな足音がひとつ。
711 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:25:57.12 ID:XOEJ4Xfso
顔を上げると、濃密な靄をかき分けて、見慣れた顔がやってきた。
格闘娘「いたいた!」
空手部長「ああ本当だ。格闘娘の言ったとおりだ」
柔道部長「うん、しかし、どうしてこんな所に生徒会長が?」
生徒会長「みなさん、どうしてここに?」
格闘娘「さっき淫魔から連絡があってさ、公園のあたりで生徒会長がへばってるだろうから、助けてあげてって」
空手部長「生徒会長、こちらの方は?」
柔道部長「ひどく消耗されているようだが……」
色魔「あんたら……誰だ?」
生徒会長「私と同じ学校の生徒の人たちです」
格闘娘「生徒会長には迷惑掛けたからね、困り事なら手伝うよっ!」
空手部長「ああ。相当に参っているようだな。生徒会長、何でも言ってくれ」
柔道部長「うむ。微力ながら手を貸そう」
生徒会長「みなさん……」
色魔「ダメだ!」
目を潰され、両手足の腱を切られてなお、色魔は強く言い放った。
色魔「巻き込むわけにはいかねえよ」
格闘娘「ところがだ、あたしたちも関係あるんだよね……」
全身至る所に付いたドクロのアクセサリー、緑色の髪、ひたいにはまった同じく緑色の宝珠……とても色魔は、まともな人間とはいえなかった。
色魔の姿を見てにっと笑い、格闘娘は八重歯をのぞかせる。
格闘娘「あんた、悪魔だろ?」
712 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:28:11.45 ID:XOEJ4Xfso
老人の屋敷。
玄関ホールの拷問は、すでに7体を数えていた。
修道女「つぎは、どれに聞こうかしら……くすくす」
魔物「ひいいいぃぃぃ」
修道女がほほえみながら近づき、魔物たちは絶望のなか断末魔の悲鳴を上げる。
もはや魔物たちに戦意はなく、しかし霧王の居場所を知る者も皆無だった。
突然にして血の海となってしまった玄関ホールの、カスミアミの白い光に照らされた床の上で、男たちは小さくなって震えていた。
恐怖の対象は、あたりを埋め尽くす異形の怪物たちではなく、それを捌いてまわる修道女だ。
妹「あはは……禰宜さぁん」
禰宜「妹ちゃん! 気をしっかり!」
男「修道女! 妹が現実逃避しちゃっただろ! いいかげんにしろよ!」
修道女「あら?」
くるりと振り向いた修道女の顔には、たった今分解されている魔物の鮮血が、べっとりと付着していた。
手にする十字架の短剣も、真っ赤に染まって銀色の部分がないほどだ。
修道女「なにか……言ったかしら?」
男「なんでもないです!」
幼馴染「おとこ……まあ、しかたないか」
巫女「でもちょっと、やり過ぎだよね?」
木竜「きゅー……」
やれやれといった風情で木竜が首を振ったその瞬間、ホール奥の扉が蹴破られた。扉に根を張っていたカスミアミの張力がなくなり、ホールを縦横に埋め尽くしていた白い糸の一部が、ふっと緊張を失って虚空に消える。
修道女「なっ……!」
突然の変化に、修道女はすべてのカスミアミを解き、短剣を構え直した。
713 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:29:11.45 ID:XOEJ4Xfso
階段を目指して屋敷の中を走り回っていた格闘娘たちは、玄関ホールを埋め尽くした異形の怪物たちに声を上げた。
格闘娘「うわっ! なんだこいつら!」
生徒会長「怪物……魔物?」
空手部長「あれ? あそこにいるのは、男くんじゃないか?」
柔道部長「うん。間違いない」
空手部長に背負われた色魔も、広い空間と魔物の血の臭いをかぎ取って顔を上げた。
色魔「な……なんだぁ? このにおい……どうなってんだよ?」
修道女「なんで、あなたがここにいるのよ?」
構えた短剣をそのままに、修道女は尋ねた。
生徒会長「盲目少女が霧王にさらわれて……でも、このお屋敷にいるって色魔さんが」
修道女「へえ……霧王もこの屋敷にいるの?」
あたりのおびえきった魔物たちを見渡して、修道女は短剣を光らせた。
色魔「わからねえ……でも、たしかに盲目少女はここにいる」
禰宜「場所は?」
色魔「この上、屋敷の奥だ」
生徒会長「たしかそっちは……」
修道女「建物の構造上、主寝室ね」
格闘娘「よっし! 場所はわかってるんだな! 空手部長! 柔道部長!」
空手部長「ああ!」
柔道部長「うむ!」
格闘娘「目指すは寝室! 正面突破だ!」
と、大声を張り上げ、格闘娘は駆けだした。玄関ホールに居並ぶ魔物たちを、すでに戦意がほとんど無いとは言え、人の身の丈を遥かに超えるバケモノたちの群れを、ばったばったと文字通りなぎ倒しながら、格闘娘は中央の階段を上ってゆく。
それに続いて、色魔を背負った空手部長と柔道部長、生徒会長が続く。
あまりのエネルギーに、男たちはぽかんとしていたが、修道女は振り向いた。
修道女「わたしたちも行くわよ!」
男「よし!」
幼馴染「巫女さん、よろしく!」
巫女「はい、護衛は任せてください」
木竜「きゅっきゅーい!」
禰宜「妹ちゃん、大丈夫か?」
妹「はい……うえっぷ……」
魔物をなぎ倒しながら走る格闘娘は、さすがに走る速度が遅く、男たちも追いついて皆そろって階段を上りきった。
巨大なチークの扉をぶちこわし、奥には霧に満たされた薄暗い廊下が続く。
空手部長の背で、色魔が廊下の先を指さした。
色魔「このまま……まっすぐだ」
714 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:30:47.20 ID:XOEJ4Xfso
老人の主寝室。
虚空から大きくてふかふかの、真っ黒なクッションを取り出して空中に浮かべ、淫魔はぽすんと身体をあずけた。
淫魔「んむ、賭け……かぁ」
霧王「陛下。あなたは人間には愛があるとおっしゃった」
淫魔「あなたは無いと思うの?」
霧王「いえいえ、滅相もない。人間には人間の愛があるのでしょう?」
淫魔「……引っかかる言い方だね」
霧王「私とこの男の契約は、すべての栄光と快楽、悲哀と絶望を味わわせること。そして契約はまもなく成就します」
淫魔「……ほほう」
霧王「この男の魂はすばらしい……賭けは、私がこの男の魂を手に入れられるか否か」
クッションの上で淫魔は身じろぎした。
淫魔「うーん……それだと不利だなぁ」
霧王「淫魔様ともあろうお方が、この程度の賭けをためらわれると?」
寝床の老人を眺め、淫魔は霧王に振り返る。
淫魔「むぅ、そこまで言うなら受けて立とう。見たところ、この子は多くの栄光と快楽に浴してきた。残すのは深い絶望と悲哀……死の間際にそれを味わわせるなんて、良い趣味してるじゃない」
霧王「お褒めのお言葉、痛み入ります」
胸元の盲目少女を抱いたまま、頭だけで深々と礼をし、霧王はぴくりと顔を上げた。
霧王「来たか」
ふわりとスカーフに風を抱かせ、霧王は寝室の扉から遠ざかった。
淫魔「ふーむ……」
アゴをポリポリとかき、淫魔は扉の外に耳を澄ました。
大人数が床を踏みならす気配が、急激に近づき……重厚な飴色の扉が蹴破られた。
格闘娘「うおっしゃああ! ここかああああ!」
色魔「盲目少女! いるか!?」
10人あまりの大所帯が、一斉に主寝室に流れ込み、ジャージ姿の空手部長に背負われて、色魔が声を張り上げた。霧王の胸元に抱かれた盲目少女が反応する。
盲目少女「悪魔さん!?」
色魔「盲目少女! いるのか!」
切り刻まれたまぶたをぎゅっとつむり、色魔は盲目少女の場所を知ろうと首を振る。
盲目少女「ここだよ! 悪魔さん! ここ!」
生徒会長「無事だった……よかった」
空手部長「ああん? あのマフラー野郎が霧王で、抱えられてるのが盲目少女か」
柔道部長「うむ、まずはあの子だな」
格闘娘「よし! 構え!」
武闘派の3人は早くも戦闘態勢に移り、重心を落として拳を固める。
クッションの上で寝返りを打ち、淫魔は一行に手を振った。
715 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:31:46.61 ID:XOEJ4Xfso
淫魔「いよー、よく来たねえ」
男「なんで淫魔がここにいるんだよ?」
淫魔「気にしないで。わたしもぜんぜん待ってないよ。今きたばっかりだから」
修道女「あなたねえ……待ち合わせなんてしてないでしょ」
幼馴染「あの人が霧王?」
淫魔「そーだよ」
巫女「生徒会長をたぶらかし、盲目少女さんをさらって……ゆるしません! 木竜っ!」
木竜「きゅっ!」
禰宜「いくぞ霧王! ……妹ちゃんはさがっていなさい」
妹「……は、はい」
入り口でわらわらとくっちゃべる侵入者たちに、霧王は眉をしかめて首を振った。
霧王「まったく……これでは悲劇に似つかわしくない……ゴーレム」
ゴーレム「……オオォ」
声をかけられ、岩の巨人は足を進めた。
霧王「おまえの主の安らぎを、この者たちは乱すつもりだ……つまみ出せ!」
ゴーレム「オオオォォ!」
格闘娘「げっ!? 生徒会長、こっち!」
生徒会長「きゃっ!?」
天井に肩を擦るほどの首無しの岩巨人は、外見に反した俊敏さで入り口に突進した。
空手部長「速いぞ!」
柔道部長「くっ!」
風を切る音すら聞こえる、電光石火の突進に、一行たちは戸惑った。
その中に一人だけ。
禰宜「来いッ!」
ゴーレム「オォオオッ!」
刀を構えて立ちはだかる禰宜に、ゴーレムの手のひらが打ち付けられた。
ゴーレムの張り手の威力はすさまじかったが、禰宜の振りかざした神刀の護符により、衝撃はほぼ抑えられた。
しかしゴーレムは、一撃目の平手打ちが受け止められて気が立ったのか、雄叫びを上げて両腕を振り回し、次いで刀が発する障壁ごと禰宜を持ち上げた。
禰宜「む……ぐわっ!?」
妹「あれ……あれれ?」
シャボン玉のような球状のバリアに包まれた禰宜は、すがりつく妹といっしょに、先ほど淫魔が開けた窓の大穴から中庭にポーンと投げ飛ばされてしまった。
禰宜「くっ……妹ちゃん、舌を噛むなよ!」
妹「きゃー! 禰宜さーん!」
大きなシャボン玉状の力場に包まれた二人は、何とも緊張感のない悲鳴を残して中庭へと落ちていった。
男「えええっ! 禰宜さん!?」
修道女「よそ見しないで! 来るわよ!」
打撃よりも、文字通りつまみ出す方が有効と判断したのか、ゴーレムは机の上のほこりを払うかのように、大きな手のひらで男たちを薙ぎ払い、壊れた窓から一行を掃き出した。
716 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:32:36.25 ID:XOEJ4Xfso
建物の構造としては2階だが、豪邸の高い天井のため、普通の住居の3階以上の高さから、男たちは中庭の宙空へ放り出された。
幼馴染「おおお、おちるっ!」
巫女「幼馴染さんつかまって!」
男「うわああ……!」
修道女「男くんこっちよ! 手伸ばして!」
侵入者をあらかた放りだし、ゴーレムは残りを振り返った。
格闘娘「むむ、みんな外に出ちゃったか……」
生徒会長「盲目少女だけでも助けないと……」
色魔「なんだ? 敵がいるのか!?」
目の見えない色魔は、空手部長の背中でわめいたが、あたりの状況がまったく把握できていない。
ゴーレムは追撃を加えようと、走り出す体勢を取った。
空手部長「来るぞ!」
柔道部長「ふたりとも、会長と色魔を!」
ゴーレム「ガアアアッ!」
主寝室の壁をビリビリと震わせる大音声を上げ、ゴーレムは突進する。
格闘娘「やば……さっきより……」
生徒会長「くっ!?」
空手部長「少し揺れるぞ!」
色魔「うおっ!?」
格闘娘は生徒会長を抱きしめ、空手部長は背中の色魔を確認し、振りかざされるゴーレムの手のひらを踏みつけ、後ろに飛んだ。
なんとか一撃をかわしたが、ゴーレムはもう片方の手も水平に振り回し、一行をはじき飛ばした。
格闘娘と空手部長は、ゴーレムの手のひらを再び踏みつけて衝撃を吸収したが、中庭の中空へとはじき飛ばされた。
しかしただひとり、柔道部長はすばらしい反射神経でゴーレムの手をかいくぐり、懐へ飛び込んだ。
柔道部長「おおおッ!」
ゴーレムの岩その物の胸元をがっしりとつかむ。柔道部長は、走って重心の崩れているゴーレムもろとも、窓の穴から一本背負いに投げ飛ばした。
ゴーレムと一塊になって落ちる柔道部長に、格闘娘は中空で悲鳴を上げる。
格闘娘「柔道部長!」
空手部長「……くそっ! あんただけでもっ!」
色魔「へ? ぬおわっ!?」
空中で落下しながら、空手部長は主寝室の壁の穴へと色魔を投げ返した。
717 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:33:30.76 ID:XOEJ4Xfso
かなり乱暴に色魔は主寝室へと投げ戻され、ゴーレムに踏み荒らされた分厚いカーペットの表面に鼻先から落下した。
色魔「ぐえっ!?」
盲目少女「悪魔さんっ!」
色魔「盲目少女っ?」
と、顔を起こそうとする色魔の首筋を、体重を込めた靴の裏が踏みつけた。
色魔「ぐああっ!?」
霧王「まったく……しつこい小僧だ」
ぐりぐりと色魔を踏みにじり、霧王はにやけ笑いを浮かべる。
色魔「てめえ……盲目少女を……」
霧王「……フン」
首の骨を折る勢いで、霧王は色魔を踏みつけ、さらにその背中に盲目少女を放り落とした。
盲目少女「ふきゃっ!?」
色魔「ぐええっ? もしかして……盲目少女っ!?」
背中で動く柔らかな感触に腕を回し、色魔は契約者を抱き留めた。
盲目少女も抱きしめかえし、色魔の胸元に頬ずりした。
盲目少女「悪魔さん……悪魔さんっ……」
色魔「ケガは? ひでえコトされてないか?」
盲目少女「うん……うんっ……」
抱きしめ合うふたりを見下ろし、霧王は何歩か下がった。
ふわりとスカーフを揺らめかせ、霧王は不敵に笑った。
目の見えないふたりを、液体を思わせるほど濃厚な、白い霧が包み込む。
霧王「さて淫魔様……賭けをはじめましょう」
718 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:34:04.55 ID:XOEJ4Xfso
中庭。
屋敷の中庭は、四方を屋敷の建物に囲まれたバスケットコートほどの広さで、よく手入れされた背の低い花壇とその間にレンガ敷きの小道が走る。
男、幼馴染、妹は、それぞれ修道女、巫女、禰宜に抱き留められて無事に着地し、生徒会長を抱いた格闘娘と空手部長も自力で降り立った。
しかし、ゴーレムと一緒に落ちた柔道部長は、ゴーレムの胸の上でうずくまったまま反応がない。
投げの姿勢のまま落下し、地面との間にゴーレムの身体があったものの、柔道部長は地面よりさらに堅いゴーレムの胸に身体を打ち付けていた。
鼻や耳からは鮮血が糸となって流れている。
格闘娘「柔道部長っ!」
空手部長「ああ……バカ野郎ッ! 道連れにしたか」
岩のカタマリの巨人にふたりが駆け寄ると、胸の柔道部長は身じろぎした。
柔道部長「まだ……生きてる……ぞ」
声を聞いて、格闘娘は飛び上がった。
格闘娘「あ、当たり前だよ!」
空手部長「おまえが簡単に死ぬわけ……」
柔道部長「そうじゃ……ないっ!」
ハッと修道女は顔を上げ、抱きかかえていた男を突き飛ばした。
男「うわっ!?」
修道女「離れろっ!」
格闘娘「……え?」
すばらしい速度で修道女はひっくり返ったゴーレムの胸に飛び乗り、グッタリした柔道部長を格闘娘たちに投げ渡した。
次いで、十字架の短剣を振り上げ、ゴーレムの胸に突き立てたが、巨人の硬質な肌は銀のナイフを跳ね返した。
修道女「くそっ!」
禰宜「だめだ! 降りろ!」
再度突き立てようと短剣を振り上げた修道女を、横合いから岩の張り手がはじき飛ばした。
修道女はかろうじて衝撃を受け止め、空中で体勢を整えて地面に着地した。
小瓶から聖水を短剣に振りかけ、修道女は起き上がろうとするゴーレムに、再び駆け出す。
修道女「禰宜っ! あなたは左!」
禰宜「わかった!」
地面に手を突き、ゆっくりと起き上がるゴーレムの腕に修道女が、胴に禰宜が、それぞれのナイフと日本刀で斬りかかったが、岩の巨人の肌には髪一筋の傷さえ付かない。
間合いを十分にとって、修道女と禰宜は構え直す。
修道女「だめか!」
禰宜「鉄鉱石を練り上げた岩人形か……やっかいだな」
修道女「十分に大きな火があれば、焼いて砕くのだけれど……」
禰宜「火の術は?」
修道女「火種くらいの術を少し……あなたは無いわよね」
禰宜「木の神に仕えるゆえ……すまん」
完全に二足で立ち上がって、ゴーレムは再び突進の体勢を取り、対する修道女は地面に手を当てた。
修道女「とにかく、動きを封じないと……絡め捕らえよ! カスミアミ!」
バスケットコートほどの中庭には天井が無く、カスミアミの糸は横方向、四方の壁に張るだけだったが、ゴーレムの突進を確実に止めていた。
修道女「うん。捕まえるのは難しくないわね」
巫女「それなら、このまま捕まえておけば」
男「そうだな。壁が崩れでもしない限り、大丈夫だろうし……」
そう男が同意すると、首無しゴーレムは身体を大きく反らし雄叫び、全身をスピーカーのように振動させた。
ゴーレムの叫びはすさまじく、声は共鳴して中庭に面した屋敷の窓ガラスをコナゴナに砕いた。さらにカスミアミが根を張る壁にも細かなヒビを走らせ、白い糸を付着する壁面から漆喰ごと引き剥がした。
719 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:34:33.36 ID:XOEJ4Xfso
緊張を失ったカスミアミは中庭の空気にふわりと漂い、一瞬後に虚空へと消えた。
修道女「くっ!」
禰宜「そんなことも……できるのか」
修道女「それなら……放て! バリスタ!」
再び地面に手を当てた修道女の背後から、輝く飛槍の群れが放たれ、ゴーレムに次々と命中した。
岩の巨人はうめきを上げ、一歩後ろにバランスを崩す。
バリスタの切っ先は、ゴーレムの岩肌を貫いて突き刺さり、さらに修道女は腕を振った。
修道女「火矢ッ!」
修道女の命に、ゴーレムに刺さった飛槍は燃え上がり、岩の巨人は火柱に包まれた。
燃える炎は力強く、火柱は屋敷の屋根よりも高くのび上がった。
禰宜「これが火種だって?」
修道女「温度はそれほど高くないの……油断しないで!」
黒煙を上げ、飛槍が燃え尽きた後、残ったゴーレムには人の腕がすっぽり入る太さの、無数の穴が開けられていた。
表面は黒くすすけて、ゴーレムはぴくりとも動かなかったが、うがたれた傷にすぐ変化が起こった。
人体では血液がかさぶたとなって傷を覆うように、ゴーレムの体内からしみ出した銀色の金属が、バリスタによって穿たれた丸い穴を、内側から埋めていった。
縁から始まった銀色のかさぶたが中心に至って穴を完全にふさぐと、ゴーレムは再び動き出した。
修道女「コイツは不死身かっ!?」
禰宜「これほど強力な……本当に霧王が岩人形を操っているのか?」
修道女「わからないわ。でも、これだけ強いゴーレムなら、そうやすやすと量産はできないはず」
男「そうだな。ゴーレムは1体だけみたいだし。まだ何とかなりそうだ」
と、男が言うと、中庭の四方を囲むの1階の壁が、破片を飛ばして崩壊した。
主寝室から落ちた1体目と全く同じ大きさ形の10体ほどのゴーレムが噴煙の中から姿を現し、ゴーレムたちの後ろには玄関で出迎えたような様々な姿の異形の怪物たちが続く。
男「あ……」
禰宜「男くん……もう何も言うな」
修道女「くっ! 絡め捕らえよ! カスミアミ!」
地面に手を突き、拘束術を展開するが、白い糸が30体のゴーレムと有象無象の魔物たちに絡みつく。それで一応敵の動きは止まったが、岩の巨人たちは一斉に雄叫びを上げ、糸の根付く壁面をコナゴナに粉砕した。
白い糸は緊張を失って消え、ゴーレムたちの大音声に、一行は耳をふさいで顔を伏せる。
妹「ぐうう……うるさすぎ……」
禰宜「妹ちゃん、しっかり!」
幼馴染「……頭が、割れそう」
巫女「このままじゃ……木竜っ!」
木竜「きゅっ!」
緑色の蛇は着物を着た巫女の胸元から宙に泳ぎ出ると、すっといきを吸って、地面に吹きかけた。
木竜の息吹をかけられ、中庭のタイルの隙間から、目に見える勢いでまずは雑草が、次いで木とツタが伸び上がり、一行を囲むゴーレムと魔物の群れに絡みついた。
地面から伸びるツタに、ゴーレムたちは再び雄叫びを上げたが、しなやかなツタは煉瓦の壁のようには砕けない。
しかし。
木竜「きゅきゅっ!?」
雄叫びによる破壊が無理だと悟ったのか、ゴーレムたちはツタを引きちぎり始めた。
木竜は相手の前身を止めようと地面にさらに息吹をかけるが、人の胴ほどもある太い蔓を、ゴーレムたちは易々と粉砕し、その前進は止まらない。
720 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:35:18.64 ID:XOEJ4Xfso
蔦による拘束から、植物を振り回しての打撃へと行動を変えようと姿勢を変える木竜に、修道女は叫んだ。
修道女「そのまま蔦を動かすなっ!」
木竜「きゅっ!?」
修道女「3度目の正直……絡め捕らえよ! カスミアミッ!」
屋敷の壁ではなく、地面から伸び上がった蔦の間に、白い糸が蜘蛛の巣のように張り巡らされ、ゴーレムと魔物たちを絡め取った。
修道女「これ……なら……」
拘束を固め、修道女は辛そうに荒く息をした。
ツタと白い糸に絡め取られて動けなくなっても、ゴーレムたちは中庭の地面を揺さぶるほどの雄叫びを放つ。頭を抑え、耳をふさぎ、一行は悲鳴を上げた。
禰宜「ぐ、あぁ……」
格闘娘「こいつら、声でかすぎ……」
空手部長「このままでは……」
柔道部長「だが……どうすれば……」
何とか相手の進行を止めることはできたが、中庭の周囲を完全に囲まれ、男たちは攻めることも逃げることもできず、岩の巨人たちの大合唱に震えるだけであった。
721 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:36:10.38 ID:XOEJ4Xfso
主寝室
霧王「ひどく五月蝿いが、しかし強力だ」
膠着状態となった中庭を壁の穴から見下ろし、霧王は主寝室を振り返った。
霧王「さすがは老人のゴーレムどもだ。あなたの手下を捕らえるのも時間の問題です。淫魔様」
淫魔「手下? 仲間なら心当たりがあるけどなぁ……」
霧王「どのように呼ばれようと、結局は同じ事。すべては私の手の内。あの者たちも、この街も……そしてお前、老人よ。そろそろモルヒネの切れた頃ではないかね?」
寝床に横になっていた老人は、目をつむり、ひたいに脂汗を浮かべていた。
身を貫く癌の痛みに、細々としたうめきをこぼす。
老人「ぐ……あ……あ……」
中庭に面した壁の大穴の近くに立っていた霧王は、ふっと霞に消え、老人の寝床の横に現れ、耳元でささやいた。
霧王「その苦痛に耐える必要は無いぞ?」
老人「霧王……頼む、痛み止めを……」
胸を霧王の手に軽く押され、老人は顔に深いしわを刻んだ。
霧王「苦しむことは無い。私に捧げれば、その傷みから解放してやろう」
もうろうとした老人の鼻先に口元を寄せ、霧王はささやいた。
老人「何を……捧げろと?」
霧王「おまえに残された宝をだ」
目を見開き、老人は霧王を見返した。
老人「たから……盲目少女……」
霧王「そうだ老人。すべてを手に入れてなお惜しい、おまえに残された最後の宝を私に捧げろ。おまえの手で私に差し出せ」
みしりと顔を歪ませて、霧王は手を添えて老人の身を起こした。
ベッドから数歩先の床の上、霧の中、目を引き裂かれた男の悪魔と抱き合う盲目少女の姿が、そこにはあった。
老人「ぐうぅ……盲目少女……おまえを……」
痛みに濁った老人の目が、孫娘に釘付けになったのを見て、霧王は寝床から身を退いた。
盲目少女と色魔を中心に、賭けのさいころを見るように、淫魔とちょうど反対側に、霞となって転移し、腕を組んで老人に言い放った。
霧王「さあ、捧げろ」
老人「ううぅ……あ……」
よろよろと老人はベッドから立ち上がった。やせ細った身体を包む病人着の隙間から、張りを失って古木のようになった肌が見える。
盲目少女「……おじいさま」
老人「……あ……あぁ……」
老人が歩みを進めると、進む船が起こす波のように、床に溜まった霧が裂け、赤い絨毯が見えた。
一歩また一歩と重い足取りで、部屋の中央に座り込む自分たちに歩み寄る老人に、盲目少女はつぶやいた。
老人「盲目少女……こっちにおいで」
這うような速度で、老人は盲目少女に一歩ずつ歩み寄った。
色魔「ふざけんなっ! コイツは俺の契約者だ。渡すかよ!」
腱を切られ、握り拳を作ることもできない両腕を盲目少女の身体に回し、目を潰された色魔はあさっての方向に虚勢を張る。
しかし。
老人「退け」
老人が手を横に薙ぎ払うと、霧をまとって動く空気の壁に色魔は突き飛ばされ、盲目少女から引きはがされた。
色魔「ぐわっ!? 盲目少女っ!」
色魔の呼びかけに盲目少女は答えない。
722 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:37:27.75 ID:XOEJ4Xfso
足を切られた少女はその場にティディベアのように座り、つむったままの見えない目で、目の前に迫った祖父の気配を見上げていた。
盲目少女「おじいさま……痛いの?」
老人「ああ……盲目少女」
床にひざまずき、老人は孫娘の細い肩を抱きしめた。
老人の身体から立ち上る古木のようなにおいは盲目少女にも覚えがあったが、その巨樹が病に冒されていることを盲目少女の視覚以外の五感は捕らえていた。
やさしく抱き留める手は力なく震え、息は苦しそうにつまり、口の中に広がるほどの病の香りが老人の身体から漂っていた。
その苦痛を察し、盲目少女は自分の肩に置かれた老人の手にそっと触れた。
盲目少女「おじいさま……おじいさまが痛くなくなるなら、わたしは……」
老人「……そうか」
ぎゅっと盲目少女を抱きしめ、老人は孫娘の頭をなでた。
老人「……いい子だ」
色魔「やめろ! 盲目少女!」
盲目少女「ううん。いいの」
小さく首を振り、盲目少女は老人を抱きしめ返した。
そのしなやかな腕と手を背中に感じ、老人はため息をつく。
老人「おまえは本当にやさしく育った」
ぎゅっと力を込めて盲目少女の肩を抱き、さらに頭をなで、老人は盲目少女の髪に頬を寄せた。
老人「やさしく、美しい、私の生きた証……盲目少女」
盲目少女「……はい」
老人「願わくば、この瞬間が永遠に……おまえは真に美しい」
無言のまま、老人は数瞬盲目少女を抱き留め、孫娘の背中に回していた手に、虚空から一振りの短剣を取り出した。
盲目少女の背中にナイフを振り上げ、老人はささやいた。
老人「さようなら、盲目少女」
色魔「やめろっ!」
声を上げてカーペットの上を這いずる色魔に、老人は盲目少女を投げ渡した。
盲目少女「きゃっ!?」
色魔「うわっ! ……え?」
突然の変化にふたりはうろたえ、そして老人の絶叫を聞いた。
老人「そう! この瞬間こそ永遠に! 霧王よ、私はついに見つけたぞ!」
勝ち誇るかすれた高笑いと共に、老人は振り上げた短刀を己の胸に突き立てた。
薄手の病人着を鋭いナイフは容易に貫き、口から鮮血を吹き出して、老人はその場に崩れ落ちる。
老人「ぐふ……がはっ!」
ただならぬ気配に、盲目少女は声を上げる。
盲目少女「……おじいさま? おじいさまっ!」
老人「私は……償わなければ……」
723 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:37:54.43 ID:XOEJ4Xfso
組んでいた腕を解き、霧王は声を荒げた。
霧王「なぜだ……何をしている老人! 盲目少女を殺せ! 私に捧げよ!」
老人「霧王……もう、おまえには……」
きつく霧王をにらみつけていた老人の目に光が無くなり、食いしばっていた口元も緩んで、血混じりの唾液がこぼれた。
老人「……畜生、やっぱり……痛」
腹を守るように、老人はうずくまって苦痛のうめきを上げかけ、それを見て淫魔は宙に浮かべたクッションからカーペットに飛び降りた。
淫魔「よっと」
短剣を胸に突き立てた老人を、淫魔は助け起こし、額に汗で張り付いた髪をかきあげると、いまだ苦痛の色を浮かべていた老人の表情に、ふっと安らぎが浮かぶ。
しょぼくれた目をかすかに開き、老人の口から言葉が漏れた。
老人「あなたは……黒き……げほっ……」
淫魔「痛いよね。でもだいじょうぶ」
小さな子供をあやすように、淫魔は老人の頭をなで、汗の浮かんだ頬にキスした。
淫魔「もう痛くないよ、ほら」
老人「あ……」
目を安らかに閉じ、潤っていた目尻から大粒の涙がしわだらけの頬に落ちる。
淫魔「怖くないよ、ほら」
老人「あたたかい……ああ……」
老人は呼吸をやめた。
痛みにこわばっていた全身から力が抜け、苦痛にしわの寄っていた表情も安らかな眠りにほぐれていった。
脱力した老人に淫魔は口づけ、自分が風船に吹き込んだ空気を吸い出すように、ゆっくりその唇を吸った。老人の身体は、淫魔の振る舞いを当然のものとして受け入れ、淫魔は口の中に少しずつ、それ、を溜めてゆく。
淫魔「う……ん……」
鼻に声を甘くこもらせながら、淫魔は射精したペニスから精液を受け止めるように、老人の唇を愛撫し、そして放した。
淫魔「んぅ……すご……いっぱい……」
指先を、ほんの少し唇につけ、口の中から粘液の糸を引かせて、すっと伸ばした。それは高い粘度となめらかさを併せ持つ液体で、わずかに輝き、透き通っていた。
ちゅっと粘液の糸を舐め取って、淫魔はもぐもぐと味わいながら、胸元に抱いた老人のひたいを撫でた。
淫魔「身体と記憶が汚れても、本質は汚れない。限りない努力と苦痛とよろこびが、あなたをここまで磨き上げた」
口の中のモノをこくんと飲み込み、頬を愛おしげにペロリとなめて、淫魔はささやく。
淫魔「あなたの魂、とっても美味しかったよ」
霧王「な……」
目を見開き、全身に戦慄を走らせ、霧王は淫魔に意見した。
霧王「その者の……老人の魂は、私の物のはず……それを淫魔様!」
淫魔「この子は最後に、一番大切な物を遺した。あなたにすべての栄誉と快楽、罪と悲哀を与えられて、そのすべてを奪われても、誇りと、なにより愛を守った……それに」
老人のひたいをもう一度撫で、淫魔は顔を上げる。
淫魔「あなたの契約は、この子にすべての栄光と快楽、悲哀と絶望を味わわせること、間違いないよね」
霧王「ええ! 確かに私はこの老人にこの世の絶頂と奈落を経験させました!」
淫魔「ふむ……たしかにあなたは良く契約を果たしたと思う。でも、そんならどうして盲目少女は生きてるの?」
霧王「……何をおっしゃいます」
淫魔「すべての悲哀と快楽ねぇ……老人は、自分の孫娘を殺すっていう絶望を味わっていないよ。それに孫娘の身体を味わってもいない。孫娘を殺しもしない、犯しもしない……背徳の味を知らないまま死んで、それですべての悲哀と快楽なんて言えるの?」
霧王「き……詭弁だ! 私はこの者に60年を費やし……」
淫魔「60年! それがなに?」
724 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:38:27.75 ID:XOEJ4Xfso
老人の安らかな死に顔を淫魔は慈愛を込めて見つめる。
淫魔「この子は賢い。結局最後は誰の手も借りないで自分で大切なものを見つけた。賭けはわたしの勝ち。あなたは愛をあなどった」
表情をこわばらせ、怒りに肩を震わせる。
霧王「賭けは無効だ! 淫魔様はいまだ動くコインに手を触れられた!」
淫魔「胸に短剣を突き刺して、この子の心も命も決まっていた。それなのに……」
血の気を失い始めた老人の頬を舐め、淫魔は霧王をにらみつける。
淫魔「苦痛のうめきを現世に遺させ、この子の勇気までおとしめるつもりだったの?」
霧王「ぐぬ……むぬぬ……」
スカーフをひるがえすと、霧王のまわりに濃厚な霧が立ちこめた。
部屋を満たした霧はミルクのように濃く、いっぱいに手を伸ばせば自分の指先すら見えない。
淫魔「霧王、見苦しいよ」
霧王「皇帝陛下」
濃厚な霧に包まれても、淫魔は胸元に老人の亡骸を抱えたまま眉ひとつ動かさない。
淫魔「……なに?」
霧王「陛下がそのようになさるなら、老人の遺産を受け取るまで」
霧王が胸に宿す怒りのように、霧は静かに立ちこめて、光や音さえもすべてが白く塗りつぶされていった。
725 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:38:53.80 ID:XOEJ4Xfso
中庭。
木竜の蔦とカスミアミに絡まっていったゴーレムたちの動きが突然止まり、強固な身体は砂鉄となって崩れ落ちた。
中庭を揺さぶっていたゴーレムたちの雄叫びも、もはや聞こえない。
格闘娘「なんだ? 砂になっちゃったぞ?」
禰宜「……人形の主が死んだんだ」
修道女「淫魔、まさか老人を?」
男「んなこと言ってる場合じゃねえ! 来るぞっ!」
ゴーレムの身体が収まっていた蔓とカスミアミの糸の間を、魔物たちがすり抜けて、男たちに突進してきた。
木竜も修道女もツタやカスミアミを操り迎撃したが、大技を出していた隙を突かれて間合いへの侵入を許してしまった。
立ち上がったワニのような魔物が牙をむき、牛頭の魔神が大きな包丁で斬りかかってくる。
それぞれの力は、峠で禰宜の車を襲った魔物たちより遥かに強く、太刀筋にも知性の手強さが見られた。
禰宜「こいつら、強いぞ!」
修道女「たしかに……手強いっ!」
相手を圧倒する力も技も無い、男と幼馴染と妹、それに生徒会長。
負傷した柔道部長を背負った空手部長も満足には戦えない。
格闘娘が戦力として加わっているとは言え、あまりの混戦に木竜の蔓も上手く動かせず、修道女は地面に手を突いてカスミアミを張りなおす間も無い。
敵味方が完全に入り乱れ、中庭が不毛な消耗戦となりかけたとき、あたりを濃厚な霧が満たした。
今まさに刃を向け合っていた相手の顔も見えないほどの濃霧が、2階の主寝室の壁に開けられた大穴から流れ出し、男たちと魔物たちを区別することなく包み隠す。
空手部長「あ? なんだこれは?」
柔道部長「うん……霧のようだな」
格闘娘「ちょうど良いや! 霧に紛れて逃げるよ!」
と、走り出そうとした格闘娘の襟首を、修道女が捕まえた。
格闘娘「ぐえっ! ……なにすんだよっ!?」
修道女「動いてはダメ。みんな集まって! 男くんたちは円陣の内側に、体勢を立て直して」
戦う手段を持たない男たち、普通の人間と負傷した柔道部長を中心に、修道女たちは剣を構え直した。
真っ白な霧の向こうで魔物たちも動きを止め、互いの息使いだけが聞こえていた。
726 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:39:30.89 ID:XOEJ4Xfso
主寝室。
魔力を込めた霧に包まれてもなお、淫魔の余裕は損なわれることなかった。霧の白い闇の中、老人の亡骸の髪をいじったりしている。
霧王の実力では、淫魔に毛ほどの傷をつけることさえかなわず、淫魔ほどの力があれば、霧を払うのは難しくないだろう。
しかし、街の隅々まで行き渡った霧を消すには、真っ向からの魔力を中和しなければならない。
無理矢理に霧を消せば、魔力同士の衝突から生まれる衝撃で、街全体が吹っ飛んでしまう。
無駄な犠牲を好まない淫魔のことだ、霧を消そうとはしない。そして濃厚な霧の中では、淫魔も霧王に有効な攻撃は出来ない。
圧倒的な力で君臨する魔界の帝王と渡り合っている事実が、霧王を高ぶらせた。
霧王「さて、お嬢さん」
色魔の胸に抱かれた盲目少女は、びくっと反応した。
霧王「あなたのおじいさんは、私に大きな借りがあったのに、返さないままあの世に旅立ってしまった……」
たとえ視覚がはっきりしていても、霧王の濃密な霧の中では、指の触れる距離に居ても影すら見えない。
それでも盲目少女の研ぎ澄まされた聴覚は、霧王の声から、立つ場所やしぐさまで明確に知覚していた。
霧王「ひどい話だろう? だからおまえからいただく」
盲目少女「……なにを?」
霧王「魂をさ!」
床に座り込んで抱きあう盲目少女と色魔に、霧王のスカーフが絡みつく刹那、霧を織り上げた柔らかな布は青白い火花に阻まれた。
霧王「なにっ!?」
火花に傷つけられ、焦げ目のフチをちりちりと燃やすスカーフを巻き取り、霧王は布の傷を撫でた。
霧王「これは……老人の防護術か」
スカーフの傷は、霧王が撫でるとたちまちに癒えたが、霧王の疑いの表情は晴れない。
色魔「やっぱ、コイツのおかげか」
黒ずくめの胸元を開き、色魔は薄手のハンカチに包まれた革の手帳を取り出した。
霧王「バカなっ! それは、その魔道書の護符は、薄布一枚で防げるわけが……」
色魔「俺もおかしいとは思ったけどさ」
ハンカチを開き、色魔は革の表紙を素手で撫でた。
色魔「さっきまではピリピリしてたから、生徒会長からハンカチ借りだけど、今はそれも感じねえ……ほらよ」
ぽんと魔道書を盲目少女に渡し、色魔は少し身体を離した。
盲目少女「悪魔さん?」
色魔「時間を稼ぐ。お前はその本の術で、どこかに飛んでくとか……とにかく逃げろ」
虚空から短剣を振りだし、腱の切られた手で弱々しく握ると、色魔は這いずったまま霧王に向かう。
しかし。
盲目少女「ダメ!」
一喝して、盲目少女は色魔を抱きとめた。
727 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:39:58.61 ID:XOEJ4Xfso
体に腕を回したつもりが、色魔は体勢を低くしていたので首をキュッと締めあげてしまう。
色魔「ぐええっ!? 何しやがる!」
盲目少女「わたしは悪魔さんのモノなの! 受け取ってくれないまま死んじゃダメ!」
色魔「バカヤロッ! それで二人とも死んじゃ意味ねえだろ!」
霧王「ふふ……殺しはしないさ」
色魔「てめえ、コイツは俺の……」
霧王「何か勘違いしているようだが……その少女は元々私の所有物だ。老人は現世の栄達と引き替えにすべてを差し出すと契約した。身体も魂も、両親も、子孫も……盲目少女は、わたしの物だ」
色魔「ふざけんなっ! コイツは……盲目少女は……」
盲目少女「悪魔さん……もういいの」
色魔「おい……」
盲目少女「ねえ……霧王さん」
霧王「なんだね?」
盲目少女「おじいさまとどんな約束をしたのかわからないけど……」
見えない目を閉じたまま、盲目少女は顔を深王に向けて言い放った。
盲目少女「おねがい、わたしたちをそっとしておいて」
口調は穏やかで、一切の怒気も感じられない。しかしきっぱりと言い切る盲目少女の言葉には、曲げられぬ意志が表れていた。
霧王「……そうか」
盲目少女「わかってくれるの?」
霧王「いいや……その心の強さ、さすがは老人の孫娘だ」
霧王が腕を水平に差し出すと、あたりを包んでいた濃霧にパチパチと火花が走り、雷となってふたりに襲いかかった。
盲目少女「きゃっ!?」
色魔「くそっ!」
ふたりはぎゅっと抱きしめあい、小さく身体を丸めた。
しかし猛烈な音を立てる雷も、ふたりを包む術の障壁に遮られ、盲目少女と色魔を傷つけはしない。
盲目少女「あ……あれ?」
目が見えないまま、盲目少女は何かしらの術が自分たちを守っているのだと理解した。
そして、盲目少女は自分の身体の芯から息が削られるような感覚を覚えた。
盲目少女「なんだろ……身体が……重い……」
色魔「まさか……魔道書が力を吸い取って……そいつをよこせっ!」
手帳を奪おうと色魔が革の表紙に触れると、衝撃を感じさせるほどの電撃が走り、色魔の手をはじき飛ばした。
色魔「ぐわっ!? ……どうして?」
盲目少女「だめ。あなたは……わたしが守るの」
色魔「盲目少女……」
手帳を握る少女の声は、命を吸われてうつろな響きがこもっていた。
反撃がないと見て、霧王の雷撃はいよいよ勢いを増し、ふたりを包む防護術のシャボン玉は、どんどん小さくなっていく。
色魔「やめろ……」
盲目少女「わたしのぜんぶは悪魔さんの……だから……」
色魔「やめてくれ……たのむ」
盲目少女「わたしが守る……の」
くたりと盲目少女は色魔に身体をあずけ、か細く息をするだけになった。
728 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:40:41.61 ID:XOEJ4Xfso
霧王「……頃合いか」
雷撃をおさめ、霧王は歩み寄った。
霧王「さて、辞世の句でも詠むか?」
霧王はいやらしい笑いを浮かべ、病室で色魔の目と四肢を切り刻んだ薄刃の懐刀を虚空から取り出した。
色魔「くそったれ」
色魔は霧王に背中を向けた。力を使い果たし、ぐったりと身体をあずける盲目少女を抱きしめる。
霧王「……ほう、切り刻まれたいのか」
背中を向けた色魔の前には回り込まず、霧王は薄刃の懐刀で色魔の背中を切りつけた。
色魔「ぐあっ!?」
真っ白な霧の中、黒いジャケットの背中が、袈裟懸けに裂け、下の皮膚もぱっくりと割れて血がにじみ出す。
霧王「そらそら、どうした?」
あえて骨や内臓に傷をつけない、致命傷に至らない切り方でさくさくと、霧王は色魔の背中を切り刻む。
色魔「ぐあああっ! ぐはあぁぁ!」
歯を食いしばり、刻まれた目から痛みの涙を流し、しかし色魔は盲目少女を放さない。
色魔「盲目少女……盲目少女……」
胸元の力尽きた少女に色魔は声をかけ続けた。すると、反応があった。
盲目少女「……ん、色魔?」
色魔「え? ……そうだ、俺だ。そばにいるからな。放さないからな!」
霧王「それも、時間の問題だ」
ず……と、霧王の懐刀が背中に深く突き刺さり、色魔は苦痛の悲鳴を上げた。
色魔「ぐぁあああああっ!」
盲目少女「ん……色魔、いたいの?」
色魔「いてえよ、バカやろう」
盲目少女「そう……」
さらに色魔の身体を切ろうと霧王は懐刀を近づけたが、色魔の背中に盲目少女の手が回されて、動きを止めた。
霧王「むっ!?」
盲目少女は色魔の唇にかさねた。
盲目少女「んちゅ……んぅ……」
色魔「んぷ……なに考えて……んっ……」
ズタズタに引き裂かれ、挽肉になった色魔の背中にそっと触れ、盲目少女はつぶやく。
盲目少女「ぷは……ん……痛そう」
色魔「あんまり触るな……いて……いてえっ!」
盲目少女「ごめんね、色魔……でも……だいじょうぶ」
色魔「お、おう……は?」
729 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:41:17.09 ID:XOEJ4Xfso
盲目少女「あなたは強い子。痛くない、痛くない……ちちんぷいぷい……」
霧王「まさか……やめろっ!」
ざっと霧王の顔から血の気が引き、ふたりに懐刀で斬りかかったが、先ほどまでのシャボン玉とは違う強靱な壁に阻まれ、はじき返された。
盲目少女「いたいのいたいの……」
ずたずたに切り裂かれた色魔の背中を、盲目少女の指先が撫で、鼻先にちゅっと小さくキスをした。
ヒステリックに体勢を立て直し、霧王は周囲の霧から再び雷撃を見舞った。
青白い雷光がふたりを打ち付けたが、やはり毛ほどの痛みを与えることなく、極太の電撃は容易くはじき返された。
色魔「なんだこれ……身体に力が……」
盲目少女「いたいのいたいの……とんでけぇっ!」
少女の指先が色魔の鼻先に、額の宝玉に触れ、呪文の最後の言葉を紡いだ瞬間。色魔の全身の傷口から光があふれだし、霧の中に放射状の光の帯を投げかけた。
傷がふさがり、痛みが消え、身体に力が……傷つく前よりも遥かに強力な、色魔がいまだかつて感じたことのない力の奔流が全身に行き渡った。
弱く、不完全で、両足を失って傷ついて、しかし高貴で、気高い、最愛の女性が柔らかなカーペットの上とは言え床に座っているのは、色魔はひどく不適当に思えた。
だから当然抱き上げて、霧の中、光をまとったまま色魔は立ち上がった。
霧王「くそっ!」
首から伸びるスカーフをくるくると腕に巻き付け、立ち上がった色魔にかざして、霧王は唱えた。
霧王「湧き出す霧よ、模糊として姿を崩せ!」
円筒状に巻かれたスカーフの穴から、霧の奔流が放たれ、光を放つ色魔と、その胸元に抱かれた盲目少女を覆い隠した。
霧の奔流は川の流れのようにふたりを包み、その後方、霧を受けた寝室の壁はぐずぐずに腐って崩れ去った。
霧王「消えたか……惜しいことをしたな」
霧の奔流が途切れると、霧王は腕に巻いたスカーフをほどいて首にかけ直した。
浸食性のある魔力の霧は次第に薄れ、濃密な白い霧だけが部屋を満たす。
色魔「それで勝ったつもりかよ」
霧王「なっ!?」
濃密な霧の中、盲目少女を胸に抱き、色魔が立っていた。
相変わらずの黒ずくめにドクロのアクセサリー。
しかし、肩や胸元、腰回りを飾るいくつもの銀色の頭蓋骨の眼窩には、余すことなく”目”が入っていた。ドクロのアクセサリーの目は、どれも色魔の額にはまっていたような緑色の宝珠。そして、色魔の額に嵌まった宝珠はさらにその大きさを増し、額の半分を埋めるほどになっている。
霧王「こ……殺せ! 盲目少女も一緒で構わん!」
霧王が命じると、部屋に充ちていた霧が急速にその濃度を落とし、いびつな形をした霧の魔物の群れが現れた。
主の命に、配下の魔物たちは得物を構える。
囲まれた色魔は、しかし眉ひとつ動かすことなく利き手に盲目少女を抱いたまま、虚空から銀色の長刀を振りだした。
刀身には緑色の宝珠が並び、フっと色魔が刀を振るうと、飛びかからんとしていた魔物たちの剣や角の先端がぽろりと落ちた。
切断面のなめらかさは、色魔の長刀の切れ味を語っていた。
実力差を肌で感じたのか、魔物たちから戦意が潮のように退いてゆく。
色魔「悪いが、負ける気がしねぇ……おまえら、逃げるなら見逃してやる……だが霧王、テメエだけはッ!」
予備動作なく、色魔は長刀を振るって霧王に飛びかかった。
霧王「くっ!」
とっさに身を退き、霧王は斬撃を逃れたが、数歩離れた場所に現れた霧王の胸元は、服だけすっぱりと切り裂かれていた。
730 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:41:42.79 ID:XOEJ4Xfso
細身の外見からは想像もできないほど引き締まった胸板に、悪魔には似つかわしくない、銀のロザリオが揺れる。
色魔「かわいいもの提げてるな。それがテメエの力の正体か」
霧王「天界の雲を固めた十字架だ。淫魔様でさえ、私を捕らえられない」
色魔「そりゃあすごいな……もう通じねえけど」
霧王「言っていろ下郎が……お前たち、こいつを始末しろ」
手下をおとりに霧王は逃げようと姿を消し、一度様子を見ようと中庭の宙空に転移した。
完全な逃走だと霧王は油断したが、中庭の上空に現れた霧王の鼻先に、すでに色魔の顔があった。
霧王「なっ!?」
色魔「通じねえ……見えるんだよ」
長刀に嵌まった緑色の宝珠が、
色魔「テメエの……」
全身のドクロのアクセサリーに嵌まった緑の宝珠が、
色魔「薄汚ねえ……」
色魔の額に嵌まった大粒の宝珠までもが、白目と緑の虹彩を持った眼となって、霧王をにらみつけた。
色魔「気配がなぁッ!」
振り上げた長刀の峰を霧王の背中に打ち付け、色魔は上空から地面に霧王を打ち落とした。
爆弾が炸裂したかのような、途方もない音が中庭にとどろき、息を殺していた修道女たちは戦慄した。
修道女「……何が起こった!?」
禰宜「空から何かが……」
霧は衝撃に飛び散り、地面に横たわるスーツ姿の男性と、それを踏みつける異様の魔神、そしてその胸に抱かれる少女の姿があきらかになり、皆が声を上げた。
生徒会長「盲目少女……」
男「色魔と……霧王っ!?」
首領が踏みつけられているその光景に、魔物たちはどよめいた。
色魔「動くな」
峰打ちに握っていた長刀を握り直し、色魔は霧王の首筋にヒタリと刃を当てる。
731 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:42:12.27 ID:XOEJ4Xfso
霧王「ひぃっ!」
情けない声を上げる霧王の頭の上から、色魔は残酷な声を浴びせる。
色魔「よくも好き勝手に刻んでくれたな……どうしてやろうか……」
ぴたぴたと刃を首筋に当て、色魔は背中を踏みにじる。
霧王「が……ぁ……」
色魔「眼を潰して両足もいで、背中を切り刻んで……」
盲目少女「……だめ」
くったりと胸元に身体をあずける盲目少女が、小さくつぶやいた。
色魔「だけどよ、コイツはお前のじーさんを……」
身体を起こし耳に唇をよせ、盲目少女はささやく。
盲目少女「痛いのは……きらいだよ」
最後は蚊の鳴くような声だった。
頬を色魔の肩にあずけ、盲目少女は寝息を立て始める。
地面に這いつくばる霧王の姿は、雌雄が決したことを中庭の一同に明確に示していた。
魔物たちは誰からともなく刃を納め術を解き、人型や獣型、それぞれの身体の形によってさまざまな降伏の姿勢を取った。
霧王「……殺せ」
色魔「いや、もう終わりだ」
銀色の刀身に見開かれていた12の瞳が緑色の宝珠に戻り、色魔は虚空に長刀を帰した。
ドクロのアクセサリーに嵌まった目玉は緑の宝珠に戻り、額の第三の目はまぶたが閉じられると外見は単なるおでこになった。
背中を踏みつける足の力が緩まり、霧王は押し殺した笑いを返した。
霧王「契約者が命じたから、主の命を聞くのか? 良く出来た飼い犬だ!」
色魔「違う」
霧王「……なに?」
背中から足を退け、色魔は胸元の少女を撫でる。
色魔「盲目少女の願いだからだ」
中庭を満たしていた霧も、次第にその色を失っていった。
732 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:44:55.90 ID:XOEJ4Xfso
戦いは終わった。
少なくとも今晩は。
中庭の処置を禰宜と巫女にまかせ、色魔と盲目少女、男と幼馴染、修道女と生徒会長は主寝室へと向かった。
屋敷の廊下をで男たち一行を、先ほどまで姿の見えなかった大勢の使用人たちが出迎えた。廊下の左右にずらりと並び、一斉に礼をする。
幼馴染「あの……みなさん、どこに居たんですか?」
色魔「そりゃ違うな、お嬢さん」
男「どういうことだ?」
修道女「この人たち、みんな魔人よ、さっきまで剣を振るっていた魔物が化けてるの」
寝息を立てる盲目少女の髪を撫で、色魔は渋い顔をした。
色魔「使用人全部が魔人かよ……コイツの顔なじみもけっこう居るらしいし……どうすっかな」
修道女「起きてから考えれば良いわ。霧王の配下と、もともと老人の使役していた悪魔が居たみたいだけど、今ここに居るのは老人の使い魔だけみたいね。新しい主は盲目少女だから、悪さもしないでしょ」
色魔「けっ……手下とは言え、自分のオンナに他のヤツが絡んでくるのは面白くねえ」
生徒会長「あのメイドさん、見覚えがあるんだけど……みんな悪魔なの?」
修道女「むしろ、お金もかからない、病気もしない、従順で仕事も完璧な魔人の使用人を雇えるなら、人を使う意味なんて無いわ。この屋敷の使用人は、全員悪魔でしょうね」
生徒会長「……そうですか」
修道女の影に隠れながら、生徒会長は答えた。
あらためて見ると、主寝室はけっこうひどい有様だった。
中庭に面した壁には大穴が飽き、わきの窓も砕け散っている。
床の上質な絨毯もゴーレムが踏み荒らしてボロボロ、入り口右手の壁も、酸を吹きかけたようにぐずぐずに腐って崩れていた。
戦いの傷跡生々しい主寝室のベッドに、淫魔は大の字になって寝転がっていた。
淫魔「んぅ……お疲れぇ」
身体を起こしもせずに、淫魔は入ってきた一行に声をかける。
淫魔「霧王はどうするって?」
色魔「配下を連れて一度魔界に帰るとのことです……よろしいのですか?」
淫魔「盲目少女がそう決めたんでしょ、わたしもそれで良いと思う」
色魔「……仰せのままに」
盲目少女を抱いたまま、頭だけで深々と礼する色魔に、淫魔はひらひらと手をかざして答えた。
部屋を見渡し、生徒会長は首をかしげた。
生徒会長「老人さんのご遺体は?」
ボロボロになった主寝室に、本来あるべき老人の亡骸だけがなかった。
男「そういや、そうだな……おい淫魔、老人さんはどうしたんだ?」
淫魔「ん〜?」
けだるそうに淫魔はベッドの上に体を起こした。
口元には、ケチャップような赤い汚れがついている。
男「おい……まさか……」
淫魔「んふふ……美味しかったよ」
ペロリと唇を舐め、淫魔は答えた。
733 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:45:25.40 ID:XOEJ4Xfso
週が明けての月曜日。
巫女の教室。
夏休みも間近な朝のホームルームは激震に襲われた。
最近立て続けの転校生。
男子は車いすに座った人形のような少女に目を奪われ、女子は車いすを支える長身の青年に心奪われた。
教師「盲目少女さんは視覚と足に問題を抱えていてな。こちらの色魔さんは盲目少女さんの付き添いとして、一緒に授業を受ける」
盲目少女「みなさん、よろしくお願いします」
高く細いが、耳にやさしく染みこむ声で盲目処女は深々と礼をした。
色魔「よろしく」
色魔も続けて言う。少しぶっきらぼうだが、人の心を魅了するテノールだ。
木竜「きゅ?」
巫女の胸元で、小さな声で木竜が鳴いた。
巫女「盲学校から、強引に転校手続きを取ったみたいよ……でも、なんで色魔さんまで学校に来るんだろ?」
木竜「きゅっきゅ」
巫女「好きな相手とは少しだって離れたくない……そっか」
教師「それとな、今日は配る物がある」
重そうな段ボールをドスンと教卓に載せ、教師は分厚い冊子を取り出した。
教師「アンケートだ。1000問ある。提出期限は明日……あ、あした!?」
先ほどまでと質の異なるざわめきが教室を満たした。
教師「と、ともかく配るぞ」
ちょっとしたテキストほどの厚さのあるコピー用紙の冊子の束が、列ごとに配られ、うんざりとしたため息が教室に広がっていった。
734 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:45:56.15 ID:XOEJ4Xfso
放課後の道場。
道着に着替え、男は基本の型を練習していた。
はじめたばかりなので仕方ないが、まだまだ動きがもっさりしていて、横から見ている格闘娘はじれったそうだ。
格闘娘「んがー! だから、そうじゃないんだって!」
男「どうしろってんだよ」
格闘娘「わっかんないかなあ……こう、ずばっと、しゅびっと!」
空手部長「それで分かれと言う方が無理だろ」
男「で……ですよねー」
格闘娘「む、むぐぐ……」
空手部長「だいたいお前は、口よりも先に手が出るんだ。動いて手本を見せてみろ」
格闘娘「よし! よーく見とけ!」
道着の襟を正し、格闘娘は素晴らしい型をはじめる。
それを道場の反対側から眺めて、柔道部長は満足げにほほえんだ。
735 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:46:23.57 ID:XOEJ4Xfso
学校近くの道路。
幼馴染、巫女と修道女、それに盲目少女を抱いた色魔が連れ立って歩く。
盲目少女は車いすではなく、色魔の胸に抱かれていた。
幼馴染「あれ? 車いすじゃないんだね」
色魔「ああ、こっちの方が良いってコイツが言っ……」
盲目少女「帰り道でだっこさせてって、悪魔さんが泣いてたのむから」
色魔「な、泣いてねーし!」
修道女「あら、たのんだのは否定しないのね」
色魔「む……むが……」
幼馴染「いいなー、だっこ」
木竜「きゅっ」
幼馴染「そーだね、いいなー」
盲目少女「へへ、いいでしょ」
幼馴染「男も、ちょっとならだっこしてくれるけど、帰り道でずっとなんて無理だよね」
巫女「男くんはどっちかと言えば細身だもん、無理させちゃだめだよ」
修道女「そうね。でも、部活で揉まれれば、ちょっとはマシになるんじゃない?」
色魔「部活か……で、お前らは? 一緒になって、どっか行くのか?」
幼馴染「わたしのうちでお菓子作り……盲目少女さんたちもどう?」
色魔「あー、せっかくだけどな」
盲目少女「今日はこのあと、両足の検診があるんです……だから……」
幼馴染「あ……ごめん」
盲目少女「いいえ、だから、少し遅れてもよろしければ、いっしょに……」
幼馴染「うん。来て来て」
色魔「えっと……今日、淫魔様は?」
幼馴染「今日は来ないみたい。用事があるんだってさ」
色魔「そうか」
ほっとした様子で、色魔はうなずいた。
盲目少女「……あれ?」
色魔の肩越しに盲目少女は学校の方を振り返った。
色魔「どうした?」
盲目少女「淫魔さんは学校なの?」
幼馴染「たぶんね」
盲目少女「……ふーん」
色魔「どうかしたか?」
盲目少女「ううん……なんでも……ないよ」
すこし後ろめたそうに、あきらめた口調でつぶやくと、盲目少女は色魔の胸に顔をうずめた。
736 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:47:19.92 ID:XOEJ4Xfso
同時刻、生徒会室。
生徒会室の机には、アンケートについての苦情がわんさか届いていた。
それを一枚一枚確認し、生徒会長は机に突っ伏した。
生徒会室「ほんとに……このアンケート何なのよ?」
ぱらぱらとページをめくり、さして重要でもないと思われる質問の連なったアンケートを、生徒会長は恨めしそうに眺めた。
苦労して作ったのは良い。
そもそも、生徒会はそんな雑用をするための組織だと会長は割り切って考えていた。
生徒会長「でも、こんな訳のわからないアンケートなんて……」
気力をそがれた生徒会長は、机に身体をあずけてため息をついていたが、ノックの音に起き上がった。
生徒会長「は、はい! ……どうぞ」
さっと髪をなでつけ、背筋を伸ばし、生徒会長は入り口に向き直った。
ドアが静かに開き、紫色のショートカットがひょっこり覗く。
淫魔「んふふ、お邪魔します」
生徒会長「……何のご用ですか?」
淫魔「あら、冷たいお返事だねえ」
後ろ手に閉め、淫魔はドアに寄りかかった。
生徒会長「当たり前です。盲目少女をこんな危ないことに引き込んで、老人さんのご遺体まで……」
淫魔「……ふーん」
生徒会長「……何ですか?」
遠慮の無い視線に、生徒会長は胸元を隠す。
淫魔「んむ、頭も良い、心も強い……でも、ちょっと家族に問題があるかなあ」
生徒会長「な……!」
淫魔「すごいねえ。一家の期待と重圧、きびしい門限、もちろん恋愛なんて禁止。普通の子なら潰れちゃう環境を、あなたはバネにして強くなった。でも、その疲れを霧王につけ込まれた……あぶないあぶない」
生徒会長「なにを……あなたに何がわかるのっ!?」
淫魔「ぜんぶだよ」
後ろ手にしたドアのカギを閉め、淫魔は生徒会長に歩み寄る。
生徒会長「え……あの……」
淫魔「家族と好きな人の話しも出来ないなんて、辛かったよね。だいじょうぶ、怖くないよ」
自分よりも少し背の低い淫魔に、生徒会長は気圧されて後ずさった。
生徒会長「こ、怖いわよ」
淫魔「もっと素直になろうよ。やさしくするから……最初はね」
後ろ向きに歩いていた生徒会長の肩が壁に当たり、淫魔は追い詰めた獲物にすり寄った。
生徒会長「や、まって、ダメ……ん……あっ……んーっ!」
何か言いたそうに、生徒会長は口元を震えさせたが、淫魔は唇で覆い隠した。
最初の3分ほどは、生徒会長も抵抗の色を見せた。
そして5分経つ頃には、生徒会長も素直でかわいいオンナノコになっていた。
放課後の生徒会室、ふたりの少女の吐息に、少しずつ水音が混じってゆく。
外は、霧ひとつない初夏の日差しだった。
『淫魔「んふふ」盲目少女「ちちんぷいぷい」』 おわり
737 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:49:04.17 ID:XOEJ4Xfso
あとがき
淫魔「生存報告! と言う名の投稿! お久しぶりです淫魔です。今は作者の代理です。
『淫魔「んふふ」 盲目少女「ちちんぷいぷい」』いかがでしたでしょうか、お楽しみいただけたら幸いです。
非常に長く間を開けてしまいましたが、どうやらこのペースが続きそうです。
どうか長い目で、おつきあいくださいませ。
さても、キャラクターについて
格闘娘編
・格闘娘
新ヒロインその1。精神的には強くても肉体的には弱い少女たちがほとんどのこのお話で、悪魔に取り憑かれる前からすばらしい身体能力を持っていたオンナノコ。
反射神経、瞬発力共に素晴らしく、このお話の人間部門のパウンド・フォー・パウンド最強。
小学生の頃は男子に混じってサッカーとかバスケとか、ケンカでも一度も男の子に負けたことがない。
でも身体の成長が高校入学を前に止まってしまい、下手をすれば小学生に見えるほど体格が小さいので、実質の運動能力は頭打ちになってしまった。
見た目小学生の違法ロリ。
幼馴染みの年上の男の子ふたりが別々の武道の道に進み、中学高校で成果を上げはじめ、自分が捨てられたと勘違いして、心の隙間を悪魔につけ込まれた。
もともとの身体能力の高さと、与えられた魔人の力の相性も素晴らしく、徒手空拳では恐ろしいほどの強さを発揮するようになる。中学では武道系の部活を次々と潰してまわり、高校入学と同時に道場の使用について幼馴染みふたりにいちゃもんをつけた。
生徒会長が間に立って話をまとめるも、魔人の力に酔いしれた格闘娘は言うことを聞かず、この章前半の流血沙汰につながった。
淫魔に記憶は消されていないので、自分が空手部長と柔道部長にした仕打ちに日々悩み続けている。
一方ふたりとの仲は、いっしょにトレーニングするまでに改善されたので、胸中は複雑。
淫魔が拳鬼を処断しても、身体の力は失われていない。
・空手部長&柔道部長
セットで語られるふたり。
共に超高校級の体格と練習量で、全国トップレベルの格闘家に数えられている。
体も心も強いけど、悪魔の力を宿した格闘娘には全く刃が立たず、惨殺されてしまう。
身体を破壊されたまま命だけ体に戻され、兜あわせにしたペニスでふたり同時に格闘娘の純潔を奪うというメチャクチャな方法で、淫魔公認の3人カップルとなる。問題はふたりともそのときの記憶を消されているということ。
格闘娘との仲直りの後、急速に格闘娘が色っぽくなってきているので、誰かと付き合っているのではと、戦々恐々している。もちろん、格闘娘が「つきあった」のは、このふたりなのだけれど。
空手部長の口癖は「ああ」柔道部長の口癖は「うんorうむ」
・拳鬼
格闘娘に取り憑いた悪魔。
本人が言っているとおり、魔界の王族の血を引いているため、そこらの悪魔よりは潜在能力が高い。
しかし、慢心から鍛錬を怠っているため、力はそれほどでもない。
霧王の指示により格闘娘に取り憑いて学校内を攪乱しようともくろむも、失敗。
淫魔に四肢をむしり食われながら自分の大腿骨で性器を貫かれ、その骨でオナニーさせられながら脳みそをすすり殺される……という、あまりにもあんまりな最期を迎えてしまう。
身長は普通の女の子サイズ。
チャームポイントは人の胴体を握り込めるほどの大きな手。
・不良たち
巫女を空き教室に呼び出して乱暴しようとした、巫女のクラスメイト。
うち一人に霧王の使い魔が取り憑いていた。
とてもテンプレ的な悪さをしてくれるので、今後も期待。
・霧王の虫
人に取り憑いて悪いコトする……見た目は黒いナメクジのような、芋虫のような軟体動物です」
738 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:49:44.95 ID:XOEJ4Xfso
淫魔「キャラクター紹介 つづきです。
盲目少女編
・盲目少女
新ヒロインその1。基本的に精神的には強く肉体的には弱いこのおはなしのヒロインたちの中で、その傾向がいっそう顕著に表れたオンナノコ。
霧王の策略により先天的に視覚を失い、この章の少し前の時点で両親と両足を無くしてしまう。
老人の遺産相続人の筆頭となるも、ほとんどの親戚からは見放され、唯一の頼みである老人も病に倒れていて援助を頼めない。それなのに世を恨みもせず、両親の形見である革の手帳を撫でながら、頻繁に見舞いに来る生徒会長を楽しみに毎日を過ごす……ほどの、清らかな心の持ち主。
毎日のように来てくれる生徒会長に感謝と申し訳なさを感じ、側に誰もいない寂しさに耐えられず、いつもとなりに居てくれる人を望んでしまう。そのため純潔と命と魂と心を悪魔に奪われてしまうのだけれど、本人はまんざらでもない様子。
霧王が100年近くをかけて作り上げた、現世での魔人のネットワークと、老人の独創的な魔法技術と強力な魔人の群れ、莫大な遺産を引き継ぎました。一流の魔神となった色魔をパートナーに持ち、一人で国に戦争が仕掛けられるほどの一大勢力の首魁になってしまいました。
革の手帳は持ち主の意思を変換する魔道具で、盲目少女の心の力を具現化する。
結果として『ちちんぷいぷい、痛いの痛いの飛んでけ』は本来持っていた意味を反映し、RPG風に言うなら『HPMP全回復、全状態異常回復、全ステータス超強化、消費MP0』……という、なんともぶっ飛んだ性能の回復補助魔法となりました。
そもそも『ちちんぷいぷい〜』は『智仁武勇は御世の御宝』を由来にする日本古来の民間伝承で、『痛いの痛いの〜』は傷の除去による体力回復のおまじないなので、当然と言えば当然。
本来は子供に母親などがほどこす呪文なんだけれど、これを盲目少女が色魔に使うあたり、二人の力関係をなんとなく暗示しています。
・色魔
女性をたぶらかし、往来で陵辱の限りを尽くす。寝室に侵入し、身も心もボロボロにして、大切に育ててきた娘を汚された両親の涙をよろこぶ。女性を快楽の奴隷として扱う、まさに女の敵である……もとい女の敵であった魔人。
その眼力は並の人間は抗う術もなく、女性は魅入られたが最後、身体のすべてを味わい尽くされてしまう。一方で、目から光線を出し過ぎて視力その物は非常に弱い。人間にして0.1くらい。そのため現世で購入した黒縁メガネを懐に持ち歩いている。
主な手口は、女性をその眼光でたぶらかすこと。というか、それしか出来ない比較的無害な魔人だったが、自分の術にかからない盲目少女に出会い、術で操らなくても自分を求めてくれる盲目少女に心惹かれてしまう。
自分と一緒になっても、盲目少女は幸せになれないと決めつけ、願い事を先延ばしにさせるが、淫魔と盲目少女の共同ハニートラップにまんまと引っかかり、盲目少女を食べてしまう(性的な意味で)。盲目少女の魂と肉体すべてを手に入れる契約を結ぶことに。
霧王との戦いでは盲目少女を人質に取られ、そもそもの実力差もあって両手足の腱と両目を切り裂かれてしまう。最後は力を使い果たし、霧王から盲目少女を自分の身体だけで守っていたが、盲目少女の呪文により復活。
最上位の魔神に匹敵する力を開花させ、淫魔でさえ補足できなかった霧の中の霧王を一方的に叩きのめした。
色魔の『色』はエッチな意味、つまり『英雄色を好む』の『色』であり、また仏教用語の『色』であったりもしますが、『色即是空』の『色』ではなく視覚の『色』なので、力が開花した後の姿が目玉だらけなのです。
・生徒会長
格闘娘、盲目少女の両方に関わりのある、おそらく今回いちばんのキーパーソン。
生徒会では山のような雑用をこなし、成績も学年トップクラス。夏休み前には留学で進路を決めているという、とんでもなく出来る人。なのに、格闘娘や盲目少女など心労も多く、かなりの苦労人。
従姉妹の盲目少女とは仲が良く、ごく小さい頃から遊ぶ仲だった。
両親との関係に問題があり、盲目少女の幸せな家庭をうらやましく思っていたが、恨みを込めて見たことはなく、盲目少女の事故についてもいたわりの心しか持ち合わせていなかった。
わずかに、ほんのわずかに抱いていた、盲目少女を助けてあげているという、ある種の優越感を最初のひび割れとして、霧王につけ込まれてしまう。
だから、手帳を盗んだときに盲目少女に浴びせた言葉は(ほぼ)嘘。
後日、盲目少女とはきちんと仲直りをした模様。
盲目少女もなんとなく嘘だと見抜いていた。盲目少女を見舞いに行って、褒めてくれる大人なんて、彼女たちのまわりには一人も居ませんでした。
・霧王
魔界の西に広大な領地を有する有力な魔神。雷神の宿将。
天界から渡された雲の十字架を身につけることで淫魔の攻撃すら無効化する実力を得た。
人を煙に巻くと言うより、人の思考を近視眼的にさせてを追い詰めるような、ひどく陰険な手法を好む。
古風な悪魔らしく一応は契約を守り、その契約の範囲内でしか行動しないが、契約者自身に積極的に契約範囲の拡大をうながし、骨の髄までしゃぶり尽くす、何ともヤクザな魔神である。
モデルは近代の悪魔ではいちばん有名なお方。
賭けをしてストレート負けするあたりもモデルそのまま。
元ネタでは神様の役割だった賭けの相手は、今回は淫魔だったわけです。
・老人
霧王と契約し、現世での栄達を得た人物。
元は考古学、文献学の学者で、霧王を召還するまでは日の当たらない人物だった。
霧王と契約後、企業を立ち上げ、政界にも進出。国内だけでなく世界中に名をとどろかせた。
ほぼすべての快楽と悲哀を経験してきたらしいので、えぐいこともけっこうやってきている様子。
末期癌の痛みの中で、孫娘の献身に永遠を見つけ、自ら命を絶った。
モデルは近代で最も有名な悪魔の召喚者。
・狼男
霧王が放った魔物に取り憑かれた登山客。
服は破けるし、行方不明扱いにはなるし、淫魔に絞り尽くされるしで、ある意味この章いちばんの被害者。
・男性教師と女子生徒
混浴での大乱交……そこで生まれたいくつかの恋のひとつ」
739 :
◆WjI07W0ub6
[saga]:2012/05/18(金) 02:51:37.54 ID:XOEJ4Xfso
淫魔「さらにつづいて、レギュラーキャラのまとめ
・淫魔
あっち行ったりこっちったりな魔界の皇帝。
卓球部の女の子たちを卓球の道具でアレやコレしたり、実に楽しんでおります。
魔人の女の子だろうが人間のお年寄りだろうが、老若男女かまわず食っちまいます。
・男
相変わらず活躍の場がない我らが主人公。
女の子にされて殺された柔道部空手部の部員たちに輪姦されたり、幼馴染たちのガールズトークにむりやり引きずり込まれたりしています。
なんだかとんでもない動画を撮影されているようですが、いったい何があったのか、それはまた別の話。
・幼馴染
図太さとエロさがマシマシになっている我らがヒロイン。
本当は出来る子なのに、男と居るとなんだか残念なキャラになってしまいます。
『おちんちんってすごい』……とは如何に? それもまた別の話。
・修道女
戦って良し解説して良しの我らが修道女。
淫魔との件以来、丸くなっては居るのですが、敵対者には容赦ありません。
・巫女
戦闘要員として頭角をあらわしつつある、黒髪ロング。和服が似合う。
符術を張ることは今回なく、むしろ兄の禰宜がお札を使うあたり、存在価値が揺らいでいます。
・木竜
おだてられるとめっぽう弱い、木の龍。お水をぐびぐび飲みます。
戦闘の時も頼りになりますし、なにより巫女に危害を加える相手には容赦しません。
・禰宜
顔を赤らめて後をついてくる小さな女の子の事を完全にぶっちぎっているかと思えば、要所要所できちんとやさしいお兄さん。
まだ小さかった頃の巫女に手を出している前科があるので、妹ちゃんの身が心配です。
・妹
神社のお仕事を手伝いはじめた我らがロリ担当。
兄妹よりはタブーじゃないかもしれないけど、その年の差はどうなの?
・父と母
温泉宿に泊まり、部屋ごとについていた露天風呂でハッスルしすぎて宿屋の人に怒られて帰ってきます。
帰りの特急の中では、二人とも少し静かだったとか。
……とまあ、こんなところでしょう。
霧王を撃退し、現世は一応の平和になったようです。
さて次の投稿は、一方その頃魔界では……というまともな続編になるのでしょうか?
それとも、男が幼馴染と淫魔にあーんなことやこーんなことされちゃうインターミッション的エロエロ短編なのか?
まだ未定でございます。
それではみなさまおやすみなさい」
740 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/18(金) 04:11:17.30 ID:oBGDMMNDO
乙っ!!
諦めずに待ってて良かった!!
741 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/05/18(金) 05:30:34.86 ID:c1s2Y4JF0
乙
週一程度でも生存報告、もとい近況報告があれば安心して待てる
742 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/18(金) 09:48:05.33 ID:P99SpiOqo
乙!!
待ってるから安心してくれ!
743 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/05/18(金) 15:43:51.79 ID:e9kNppoWo
乙!
相変わらずの物凄い投下量とクオリティ
続きをまた楽しみに舞ってる
744 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/05/18(金) 21:06:58.37 ID:ULQQbWnmo
インターミッション
老人から相続した屋敷の修理も進み、盲目少女は広大なお屋敷に引っ越してきた。
その盲目少女の自室に、不穏な空気が流れていた。
室内だというのに生暖かい風に柳が揺れ、草むらの中の小川がさらさらと音を立てる。そして室内に似つかわしくない舞台装置のすべてに色彩がなく、すべて白黒だった。、
緑色の棒を構え、盲目少女は不機嫌そうにつぶやく。
盲目少女「どうしてお手を柄頭にかけなさる?」
木竜「きゅー」
巫女「えっと、死ぬ者が知ってどうするものか……だって」
色魔「ふむふむ」
盲目少女「へぇ……するってえと、なんですかい。おまえさん、あっしをお切りになるつもりで」
木竜「きゅきゅー」
巫女「ええい小うるさいメクラめ……だって」
色魔「ンだと!? コラァ!」
木竜「きゅっ!?」
盲目少女「もう、悪魔さんやめてよ」
色魔「うるせえ! てめえ、盲目少女のことなんて言いやがった」
木竜「きゅ?」
巫女「え、ええっと……メクラ……だって」
色魔「よし、クソ蛇、表に出ろ。蒲焼きにしてやる」
盲目少女「もう、やめてよ悪魔さん。そんな風に言われたら、わたしが怒ったり悲しんだりするべきみたいじゃない」
色魔「は……はぁ?」
盲目少女が革の手帳を撫でると、草むらも柳も小川も消え、真剣勝負の草原だった白黒の室内は、赤い絨毯を敷いた上等な寝室に戻った。
盲目少女「目が見えないからってぜんぜん悲しくはないんだし、そもそも敵同士がののしり合うなら、相手の特徴を悪くあげつらうものでしょ? 太ってる人をデブとか、おじいさんをジジイとか……わたしの一番の特徴は、たぶん目が見えないことなんだから、メクラなんて良いセリフなんじゃない?」
色魔「いや、でもさあ……」
盲目少女「んー……悪魔さんが納得しないなら、何か別のキャラクターにして良いかな」
木竜「きゅっ」
巫女「もちろん、だって」
盲目少女「よし、別のキャラ、別のキャラ…………みしり」
色魔「アウト」
盲目少女「ええー……だめかあ……それなら木竜さん、笑ってくれる?」
木竜「きゅ? きゅきゅきゅ」
盲目少女「うふふふ……」
木竜「きゅきゅきゅきゅ……」
盲目少女「はーはっはっはっは!」
木竜「きゅーっきゅっきゅっきゅ!」
盲目少女「何がおかしいッ!」
色魔「ダメ」
盲目少女「えー、だめなの?」
巫女「ティンベーとローチンもないしねえ」
盲目少女「デアデビル」
色魔「却下」
745 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/05/18(金) 21:07:58.66 ID:ULQQbWnmo
盲目少女「むぅ、それなら……目明きは不自由よのう」
色魔「……なんだよそれ」
木竜「きゅきゅっきゅ!」
巫女「え? 俺の客だ、ここを動くな……って」
盲目少女「ふふふ、わたしを切るなら音を立てぬこと……うーん、現夢十郎は、もうすこし踏ん張っても良かったと思うんだけどなあ……」
木竜「きゅきゅきゅーきゅ?」
盲目少女「そうそう。まあ、獣兵衛かっこいいし、負けても仕方ないとも思うけどね」
木竜「きゅきゅっきゅー」
盲目少女「ん……うん。やっぱり目の見えないキャラって悪役が多いよね。味方だと身体が線が細くて弱かったり」
巫女「たしかに、目が見えないキャラクターって美形のイメージが強いなあ」
盲目少女「でしょ? 目の見えないキャラは、仮面のキャラが美形揃い……みたいな、変な傾向があるの。その中で!」
木竜「きゅっきゅ?」
盲目少女「そのとおり! だからこそ、見た目はかっこよくない座頭市は素晴らしいのです!」
木竜「きゅ?」
盲目少女「そうだね、やっぱり座頭市にしよう」
革の手帳に盲目少女の指先が触れると、寝室は草むらの決闘の風景へと変貌した。
色は白黒。盲目少女自身が色を感じられないからなのか、勝新太郎の座頭市を意識しているからなのかは定かではないが、木竜のテンションは天井知らずにブチ上がる。
木竜「きゅっ! きゅきゅ! きゅきゅー!」
盲目少女「わたしは旅の女芸人、木竜さんは宿場を牛耳るヤクザが雇った用心棒ってことで」
くるくると盲目少女は指を回し、自分の服をみすぼらしい和装に変える。木竜に向けても指を振り、小さな緑色の頭にちょんまげを生やした。
木竜「きゅ? きゅきゅきゅーい!」
巫女「わあ、よろこんでるよろこんでる」
盲目少女「あと悪魔さん」
色魔「なんだよ?」
盲目少女「いい? これは遊び、遊びなんだからね!?」
色魔「わーったよ、だまってりゃいいんだろ」
盲目少女「ふふ……それでは……」
木竜「きゅっ!」
部屋に生暖かい風がながれ始め、柳は風に揺れて、遠くからゴーンと鐘の音が響く。
緑の棒を構えて二人は相対し、少し離れたところから、巫女と色魔は決闘の行方を見守っていた。
…………
……
オチはない。
インターミッション 『座頭市談義』 おわり
746 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(千葉県)
[sage]:2012/05/18(金) 21:13:06.58 ID:e9kNppoWo
微笑ましいね
747 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/05/18(金) 23:53:17.74 ID:oBGDMMNDO
やっぱ座頭市は白黒が至高
リメイク、あれはダメだ
748 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/05/22(火) 14:10:19.64 ID:LrvJr4wto
やっぱり読んでて楽しい!
続き楽しみにしてます!
749 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:21:01.89 ID:/PciK3Moo
インターミッション
『淫魔「男を壊してみようかな」男「……えっ!?」』
男の部屋。
柔道部と空手部の部員たちが格闘娘に惨殺され、女にされた我らが主人公が徹底的に乱暴し尽くされるという、痛ましい事件があった次の日の晩。
淫魔「男を壊してみようかな」
男「……えっ!?」
夕食を食べ終わった、心地の良い夜半、すでに入浴も済ませてパジャマでくつろぐ時間帯、ベッドに寝転がって淫魔はつぶやいた。
あからさまに聞こえたあきらかに危ない言葉に、男はあえて聞き返す。
男「……今なんて言った?」
淫魔「んぅ? だから、男を徹底的に追い詰めて、ぐっちゃぐちゃにしてみようかなって」
男「いや、待ってくれ。おとといあんな事があったばっかでさ、正直そんな気分になれないんだ」
淫魔「あんなことって、ちょっと輪姦されたくらいじゃない」
男「首が折れて、鼻がめり込んで、目玉が神経の糸引いて飛び出してる、学校の知り合いの死体の群れにな……」
淫魔「そんなの、いつものことじゃない」
男「いや、今回は本気でやばいんだって。目に焼き付いちゃって、おとといきのうって夢に出てきたし、たぶん今日も……」
淫魔「んもう、そんなコト言わないで脱いだ脱いだ……それとも、脱がせて欲しい?」
男「……しなくちゃだめか?」
淫魔「別にいいよ、とりあえず妹ちゃんの処女はもらうね。ハダカで首輪つけたらかわいーだろうねえ」
男「なにさらっと言ってんだよ」
淫魔「妹ちゃんがダメなら、幼馴染を妊娠させてみようかなぁ……いいよね?」
男「良いワケないだろ」
淫魔「なら、どうしろって言うのさ」
男「……」
淫魔「……男?」
男「おれを……女にしてくれ。それなら、してもいい」
淫魔「んぅ!?」
ベッドから飛び上がり、淫魔はうれしそうに男の顔をのぞき込む。
淫魔「もしかして、オンナノコの快感に目覚めちゃった?」
男「いや違うから。……今日、幼馴染が来てたんだけどさ」
淫魔「うん。夕飯前に帰ったよね」
男「あいつがおれの部屋に居るとき、そーゆー雰囲気になったんだけど、勃たなかったんだよ……幼馴染なのに……」
淫魔「ありゃ」
男「そりゃあ初めてはお前だったけどさ、幼馴染と出来ないのに、淫魔にされたら、きっとすぐに勃っちまう……それでするのは、なんか……イヤなんだよ」
淫魔「ふーん……んふふ」
男「……だめか?」
淫魔「ううん……男の希望はなるべく聞くよ」
指先に輪を作り、パチンと鳴らすと、パジャマのサイズはそのままに、男の身体がすっと縮んだ。
なめらかな黒髪を頭の両端でツインテールにした小柄な少女。平均的な身長の幼馴染よりも二回り小さく、細身で、胸もおしりもほとんど主張していない。
750 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:22:08.93 ID:/PciK3Moo
10代前半にしか見えない小さな身体から、パジャマと男性用の下着を脱いで一糸まとわぬ裸体となり、少女はベッドの淫魔に添い寝した。
女「やれよ」
淫魔「……んー、そーいうなら、わたしの好きにさせてもらうけど……ほんとにいいの?」
女「いいって言ってるだろ……さっさとれよやれよ」
淫魔「良い心がけだねえ……んふふ」
枕に顔をうずめる女の背中に、のしかかるように淫魔は抱きついた。自分の指を根元まで口に含み、湿らせる。
淫魔「ん……じゅる……ちゅぷ……ん、これくらいかな」
しなやかな指先にたっぷりと唾液をまぶし、女のちいさな尻肉の間に滑り込ませた。
女「んっ……」
中指と人差し指で、後ろのすぼまりに挨拶し、淫魔の指はそのまま”前”に。
女「く……んはっ……」
周到な淫魔の指は、最初の接触でさえ女の眉を悩ませるほどの官能を呼び起こす。
若くてみずみずしくも、まだ湿り気すら帯びていない女の性器だったが、唾液をまとった淫魔の指先はなんの抵抗もなく膣穴に進入する。
唾でぬめった淫魔の指2本が、簡単に根元まで突き刺さり、媚薬の唾液を馴染ませた。
女「くああっ!? つ、強……あああっ!」
淫魔の指使いは、房事のそれではなく、むしろ料理の下ごしらえだった。
言葉と声を絡めて少しずつとろけさせてゆくいつもの愛撫ではなく、納豆の小鉢をかき混ぜるように、容赦なく女の蜜壺をほじくり返す。
淫魔「んふふ、指に絡みついて、やらしー」
女「うああっ……淫魔……もっとゆっくり……んぐっ!?」
激しくかき混ぜられていた性器のとなり、ほんの少し触られただけでまだほぐれてもいない後ろの穴に、淫魔の親指が押し込まれた。
クリームを泡立てるパティシエがするように、淫魔は手首にスナップをきかせ、肩から先を激しく動かす。膣と直腸の間の肉をつまみ上げ、両方の穴を別々にかきまわす。
最初は淫魔の唾液に湿るだけだった女の股間は、残酷な刺激にしたたるほどあふれ、じゅぷじゅぷと恥ずかしい水音が響きはじめる。
ひどくいじめられる女の内ももにこまかな痙攣が始まり、やわらかな尻肉が緊張し、細い腰がふっと持ち上がった。
女「や……まって淫魔、来る……来ちゃうから……あ……」
挿入された淫魔の指先を、桃色のふたつの肉穴が可愛らしく締め付け、女の全身に官能のこわばりが走る。
女「あ……イく……んはああーっ!」
淫魔の指を美味しそうにしゃぶる女の膣と肛門がピクピクと痙攣し、痛いほどに吸い付いても淫魔の指先は動きを止めない。
淫魔「んふふ、もっと……」
女「え……ま、待って! おれ、イったから、キてるんだって! や……んあああああっ!?」
あたたかく充血し、絶頂がまだ余韻になってすらいない女の秘部を、淫魔の指が襲う。
みずみずしい粘膜、その内側のぷるぷるに高ぶった性感神経を淫魔の指は探り当て、絶頂に至った女を、なお高みに引きずり堕とす。
女「ひいっ! んぐあっ! んあああっ! ひぐうっ!?」
ひと突き、抜き出しされる度に、女の小さな身体は可憐に反応し、汗を浮かべた白い肌にしなやかで細い筋肉の緊張がありありと浮かぶ。
絶頂から下ろしてもらえない女は、身体に別種の不安を感じ、うったえた。
女「い……淫魔ぁ……もうやめ……出ちゃう……出ちゃうのぉ……」
女の膀胱は、まだゆとりがあったが、恐ろしいほどの快感漬けに、その栓が緩みかけている。降りてくる尿の気配を感じ、女は行為の中止を求めた。
しかし、淫魔の指はまったく動きを変えず、粘りけのある水音のリズムが続く。強くもならず弱くもならない。単純に女を追い詰めてゆく。
女「やめ……ほんと、ダメ……出る……あ……ああぁ……あ?」
失禁の危機にあった女の秘部から、突然淫魔の指が引き抜かれた。ほんの少しのもどかしさを感じつつ、責めを中止に女がわずかな安堵を抱く。
そして、女の腰に淫魔の手が添えられ、尻を突き上げるようにくいっと持ち上げられた。
女「あ……あれ?」
淫魔「のど渇いたなぁ……いただきます」
うつぶせで尻を持ち上げた女の股間の一番下、薄い粘膜の鞘に覆われたクリトリスをくいっとひん剥き、淫魔は桃色の敏感な粘膜突起にしゃぶりついた。
女「んいっ!? ひあああああっ!?」
淫魔「んちゅちゅ……ちう〜」
751 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:22:45.94 ID:/PciK3Moo
赤ちゃんが乳首に吸い付く執拗さで、淫魔は決壊間近の女の性器を吸い上げる。強烈な刺激に女が耐えられるはずもなく、尿道の筋肉からふっと力が抜けた。
淫魔「ん? んっく……ちゅるる……んっく……じゅるる……」
女「あ……はへ……あは……」
ちょろろ……ろろろ……
淫魔「ちゅっちゅっちゅ……じゅるるるっ!」
女「ひああああっ! んああぁぁ……うええぇぇ……」
噴出する尿が止まり、淫魔は膀胱の中身まで吸い出そうというのか、かなりしつこく性器を舐め、吸い上げ、そのたびに女はかわいそうなほどに身体を反応させる。
淫魔「……ふぅ」
女「ううぅ……あう……」
たっぷり味わって満足したのか、淫魔は女の性器から口を離した。
女は枕に顔をうずめ、まだ退かない快感に全身をわななかせ、高く持ち上げた尻をそのままに、乱暴されて咲き乱れてしまった性器と肛門を淫魔に披露する。
淫魔「ん、かわいい穴だねえ」
女「ぐ……う……」
わずかに残った羞恥心をはたらかせ、女は手で股間を隠そうとする。
その動きをあざ笑うかのように、淫魔は女の身体を軽々とひっくり返し、脚をM字に開かせた。
淫魔「さて、いただきます」
淫魔の股間に生えた物を見て、女は許しを請うた。
女「お願い……少し休ませて……」
桃色の肉塊が自分の膣にねじ込まれることは不可避と女は悟っていたし、その言葉で淫魔がやめてくれるはずもない。それでも、立て続けの絶頂に生物としての恐怖を味わった女は訴えずにはいられなかった。
どれほど熱くなり濡れているかを、触る自分の手のひらに感じながら、女は両手で股間を隠す。
淫魔「ちがうでしょ?」
女「ううぅ……くうぅ……」
M字の両脚をさらに大きく開き、手を両側の恥丘に添え、オンナノコの一番大切な粘膜をくっと割り開く。
赤い蘭にも似た少女の性器は、奥から濃厚な白い蜜をあふれさせ、恥ずかしい粘液の垂れる感触に、女は羞恥に涙を浮かべる。
女「……どうぞ」
淫魔「んふふ」
かわいらしく舌なめずりして淫魔はのしかかり、熱く勃起したクリトリスを女の腹部に乗せる。
どっしりとした肉塊の重みに、女の身体がうずく。
女「うう……」
男性器より、むしろ腕を思わせるような長さと太さの淫魔のクリトリスは、女の腹部に言いようのない重量感と肉の硬さを感じさせる。
淫魔「……ふふ」
その先端がへそから少しずつ下にさがり、粘液の塗れた感触を残しながら、女の入り口に近づいてゆく。
女「んっ……」
淫魔の先端が、女のクリトリスをくにくにとこねくり回し、その可愛らしい反応を楽しんで、さらにその下。
ちゅ……
膣口に淫魔の高ぶりを押し当てられ、女は乞うた。
女「おねがい……やさしくして」
淫魔「だーめ」
女「淫魔、おねがい……ほんと、おれ……もう……」
淫魔「言ったでしょ? 今日は男を徹底的に追い詰めて、ぐっちゃぐちゃにして、どこまでなら壊れないか試すの。残念でした」
女「ひ……ひぃ……んっあああああっ!?」
ずん!
勢いよくぶち込まれた淫魔の肉塊は、女の身体を突き上げ、膣奥に衝突した。
752 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:23:21.70 ID:/PciK3Moo
女「うあ……や、ゆっくり……ああ……」
淫魔「んっう……やっぱり男、良いモノ持ってるね……わかる?」
マイペースに腰を動かし、淫魔は女に問いかける。
女「あぐっ……わかるって……ひっ……なにが……ああっ!」
淫魔「男、すごい名器なの……んくっ……プリプリした身体と締め付けは果物みたいだし、まったり吸い付いてくるのはクリームみたい……入り口の近くはザラザラしてて、奥はツブツブしてて……スパイスみたいに刺激的……んううぅ……奥が狭いのは、身体がちっちゃいから……仕方ないけど……ねっ!」
ずん!
腰に手を添えて、淫魔は肉の杭を打ち込む。
女「か……はっ! そんな、言わないで」
確かに淫魔の言うとおり、女の膣は奥が浅く、淫魔のいちもつが長大とは言え、3分の1も飲み込めていなかった。
淫魔が肉棒を打ち込むたび、ぎちぎちに拡がった女の性器から、ふたりの分泌物が混ざった白い粘液がはじけ飛ぶ。
淫魔「こんなおまんこ……オトコノコなら一発で堕ちちゃうよ? わたしのにしたいなあ、幼馴染がうらやましいなあ……」
女「ばか……幼馴染は……オンナだろうが……あ? あっ、あっ! や、激しいっ!」
淫魔の抽送が荒さを増し、女は腰を持ち上げられて、性器を無惨に貫かれる。
糸の切れた操り人形と言うより、犬に咥えられて振り回されるぬいぐるみのように、女の四肢は力なく踊る。
自分の愛液と淫魔の汁の混じった白い蜜が、女の顔にまで飛び散り、部屋には女の淫水と淫魔の花のような果物のような香りが充満する。
女「ああっ! つよいぃ……んあああああっ!」
ゆるみっぱなしの女の尿道からは、ときたまぷしっと間欠的に潮が吹き、女自身を汚してゆく。
数えることすら意味をなさない、連続する絶頂の中、女は胎内で淫魔の肉が膨張する気配を感じた。
女「あああ……出される……出さないでぇ……」
淫魔「ん……たっぷり! 膣内にも、外にも! んっふ!」
ひときわ強く淫魔は腰を打ち付け、先端を子宮口に押しつけ、腰を痙攣させた。
びゅるるるるるるっ!
人間の尿よりも勢いよく大量に、淫魔の白濁液が注ぎ込まれ、女の身体のいちばん奥を満たしてゆく。
こぷんこぷんと小さな子宮を満たし、行き場をうしなった精液が結合部からあふれ出ると、淫魔はクリトリスを引き抜いて、続く射精を女の身体にぶちまけた。
びゅるるるるる! びゅるるる!
淫魔の射精は水道のホースで水をまくような勢いと量で、引き抜いてからもたっぷり10秒は続き、ぶちまけられる濃厚な白濁液は、独特な甘く妖しい匂いを放つ。
女のしなやかな腹に、小さな乳房に、可愛らしい顔と美しい髪に、淫魔は余すところなく白濁液をぶちまけ、たっぷり汚してから、満足そうに身体をぶるっと震わせた。
淫魔「んっふぅ……きもちぃ……」
女「うぇ……けぷ……うあ……」
満足げにいちもつをしごきあげる淫魔とは対称的に、女はひどい有様だった。
生クリームのボールをひっくり返したと言うより、ホットケーキの素に落ちて溺れていたところを、死ぬ一歩手前で引き上げられたような、半端ではない汚れ方をしていた。
全身に白濁液を浴び、たっぷり射精された狭い膣穴からは、角が立つほど濃厚な淫魔の蜜がこぼれ落ちる。
淫魔「んーん、よきかな……さて」
クリームパイをぶつけられたような女のツインテール、その片方をぎゅっと握って、淫魔は女を引き起こした。
ぬめる口元にクリトリスの先端をかざす。
淫魔「あなたのお汁がついちゃった。舐めとって」
先端からはまだポトポトと白濁液の残り汁がしたたり、クリトリスの棹には、女の淫臭がこびりついていた。
しかし、降りかかる白濁液に手をかざして自分の顔を守ることさえできない脱力した女に、淫魔の命令を叶えられるはずもない。
淫魔もそれを承知の上で、クリトリスの先端を女の唇に押しつけているのだ。
半透明の白濁液に覆われた女の唇は、粘液の白さの下に美しい朱色を覗かせる。そのやわらかな唇を割り込み、クリトリスの先端で女の小さな歯をノックした。
淫魔「動けないなら動かなくて良い……でも、おくちを開けてくれる?」
その言葉に、女の唇は無抵抗に開かれた。
ポッカリと開けられた女の口に、淫魔は極太のクリトリスをねじ込む。
そこらのフランクフルトよりも長く太い肉塊を、淫魔は遠慮なく、女の口に、さらには喉の奥までさしこみ、淫魔の無毛の下腹部が、ぷにっと女の鼻先にぶつかった。
淫魔「ん……根元まで入ったぁ」
女「……ぶぇ」
クリトリスの根元まで女の体内に挿入できたのがよほど嬉しいのか、淫魔は腰をくねくね動かして、女の口内と喉の感触を楽しむ。
753 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:23:48.02 ID:/PciK3Moo
ずるると肉棒を引き抜き、腰を押しつけ挿入し、女の喉を使って、淫魔はいちもつをしごく。淫魔の肉棒がさしこまれると、女の喉はぽっこりとふくらみ、ふくらみは鎖骨の付け根を通り過ぎ、胃の近くまで姦通する。
淫魔「あ……出したばっかで敏感になって……男、出すよ、出しちゃうからね!」
女「ん……ぐぅ……」
クリトリスで喉をふさがれた女は呼吸さえままならず、淫魔の言葉に曖昧に返す。
淫魔「んっふ! 出る!」
びゅるるるるる!
多量の白濁液が、女の喉に直接放たれた。無理矢理女の胃袋に流し込まれた淫魔の本気汁は、たちまち胃袋をいっぱいにして食道を逆流する。
噴出する白濁液の半分は口と鼻へ、半分は気管へと流入したが、淫魔の陵辱を受けた女には、咳き込む体力すら残っていない。
淫魔の濃厚な本気汁は女の肺を満たし、窒息させ、口と鼻からもあふれ出た。
ちいさく可憐な鼻と、さくらんぼを思わせる唇から、淫らの極みといえる白く濁った汁が噴き出し、焦点の定まらない瞳からは、涙が筋となって流れ落ちる。
女の消化器と呼吸器すべてに白濁液を練り込もうとするかのように、淫魔は射精しながらゆっくりとクリトリスを引き抜く。先端で女の舌を味わってから、射精の続く先端を抜き出し、女の髪をつかんで可愛らしい顔を、いまだ樹液を噴出するクリトリスに押しつける。
淫魔「んっふ、すべすべして……きもちいい……」
女「……」
声も立てず、肺に進入した淫魔の汁を吐き出しもせず、女は力なく淫魔のなすがままだった。
しなやかで美しいツインテールに分けられた女の髪で、淫魔は射精の終わったクリトリスを拭き、人間の男性が、オナニーした後のティッシュを投げ捨てる乱暴さで、女をベッドに投げ捨てた。
かなり強引に動かしたのに、女は抗議の声ひとつ立てず、身じろぎもしない。
女の呼吸は止まっていた。
呼吸器を満たした淫魔の汁は、ねっとりと重く、体力を使い果たした女にはき出せる代物ではなかった。
まだ心臓だけは動いていたが、もうすぐ止まろうとしている。
淫魔は女の首筋にちゅっと口づけ、意外そうに顔を離した。
淫魔「ふーん……ココまでされても、わたしを信頼してるんだ……幼馴染のために」
女「……」
敬意のこもった手つきで、淫魔は女の顔にこびりついた白濁液をぬぐってやる。
淫魔「……いいね。そういうのうれしいよ」
そして言葉とは裏腹に、ベトベトになった女の足をぱっくりと開く。
いまだ堅さを失わないクリトリスを菊門に押し当てられても、女は反応しない。
そのままゆっくりと挿入し、淫魔は女の肛門を犯し始めた。
………………
…………
……
754 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:24:29.58 ID:/PciK3Moo
……
…………
………………
女「んぬわああああ!」ガバッ
女「あ……あれ? ココどこだ?」
目を覚ましたそこは、ひどく暗い場所だった。
ともかく立ち上がり、目が暗さになれてくると、上、天井や空に当たるだろう場所は赤黒く、遙か彼方まで続く地面は影を磨き上げたような黒だった。
女は全裸のままだったが、寒くもなく暑くもない。
心地よいぬるま湯を思わせる空気は、かすかに淫魔の甘い芳香がする。
女「なんだよココ……まあ、淫魔の仕業なんだろうけど……ん……」
普通に立っているだけで、女は身体に抑えられない快感を覚えた。
女「これって……んっ……」
確認するために自らの内ももに触れると、そこは熱くぬめっていた。
女「ああ……濡れちゃってる……んぅ……」
温かく潤った女性器は、主にさらなる刺激を要求する。女自身その場にしゃがみ込んで秘部をめちゃめちゃにかき混ぜる欲求に流されてしまいたかったが、背中を這い回る危険の予感に、両足を踏みしめて顔を上げた。
女「とにかく……じっとしてたらまずい……」
女の立っている場所はお世辞にも幸福な場所とは言いがたかった。
空は赤く黒く、地面の黒さも安らぎを感じさせる寝室の闇とはほど遠い。
一歩歩き出そうと女が足を踏み出すと、しっかりとしていた黒い床は、ヌルリと様子を変えた。
女「……んわっ!?」
声を上げて体勢を保ち、息を吸い込んで女は異常な臭気に眉をしかめた。
女「うげ、これなんの……おえぇ……」
淫魔の鼻と果物の香りに混じって、悪くなった血膿、流れの滞ったドブ、傷んだ生ゴミを混ぜて腐らせたような、猛烈な臭気が女の鼻を貫いた。
女が歩き出そうと足を踏み出した瞬間から、あたりの風景は一変した。
赤い空は黒く色を変え、地平まで何も見えなかった黒い地面は、絡まり合った肉体の残骸が浮かぶ見渡す限りの血の海に変わっていた。赤い水面のボコボコと沸騰する泡と、浮かぶ腐乱死体から立ちのぼる猛烈な臭気は、鼻よりも目にしみるほど。あまりの臭いに、女は顔を覆ってえずいた。
女「おえ……うっえ……」
吐き気を感じて身体を折り曲げ、女は自分の足下までもが、真っ赤な水面になっていることに気づいた。
赤い血の海は、妙に生暖かく、女のくるぶしほどの深さだった。
赤く透明感のない水面の下、足の裏に違和感を感じて引き上げた。血に浸かっていた足指の間には、細かくうごめくウジ虫に似た小さな虫がびっちりと挟まり、虫の群れはぐねぐねと、風に揺れる稲穂のような動きを見せる。
女「うっわ! なんだコレ!」
はじけるように足を血の水面に戻し、足先を揺すって洗うと、指に挟まっていたウジ虫のカタマリは流れ去ったが、もう片足は、赤い水面の下でウジ虫の感触を伝えてくる。
あわててもう片方の足も血の水面で洗うが、そうしているとどうしても片足はウジ虫に犯されるしかない。
しかし、虫は見た目こそ気持ち悪いが、女の身体の害になるようでもなかった。
ウジ虫を洗い流すことはあきらめ、二本足でしっかりと立ち、くるぶし丈の赤い水面下でウジ虫の地面を踏みつける。
女「ひどい場所だな……それにしても……くせえ……」
ともかく、じっとしてもしかたがないので、女は歩き始めた。
ねっとりとした血の水面を足でかき分け歩くと、女の引き起こした波に、血の池に浸った死体がゆらゆらと揺れる。
死体の表面にはびっしりとウジ虫がまとわりつき、肉を食べているようだ。
女「うわぁ……」
さぱさぱと血を波立たせ、女はウジ虫だらけの肉塊の横を通り過ぎる。
改めて見渡せば、ウジのたかった肉塊は、道の電柱ほどの間隔を開けて血の海全体に散らばっているようだ。
女「やだなあ……早くここから出ないと、俺もこいつらの仲間に……なーんて……」
ざばり……
何かが血の水面から立ち上がる音がしたが、女はあえて振り向かない。
755 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:25:00.45 ID:/PciK3Moo
女「まさかねー……死体ってか、ウジの湧いた肉塊が……」
ざばりと、また水音が響く。
女「いやいやそんな……ことが……あるわけ……」
油の切れたブリキのおもちゃのように不器用な動きで女が振り向くと……
ゾンビ「んばうー」
ぎたぎたに腐り、全身をウジに蝕まれた人体が起き上がり、女を捕まえようと手を伸ばしていた。
女「にっぎゃああああ! やっぱりいいいい!」
ざばざばと血の水面をかき分け、女は駆けだした。
もともとからだが小さく、足にまとわりつくねっとりとした血の抵抗に、あまり速度は出なかったが、背後に感じていた死体の気配は急速に遠のいた。
女「あ……あれ?」
ゾンビ「うあー……」
立ち上がった死体の歩きは、亀より少しマシなくらいでひどく遅かった。
普通に歩けばまず捕まることなく、走る必要などまったく無い。
女「な、なんだ……足遅いんだ」
ゾンビ「げあー……」
女「でも、なんで突然起き上がったんだ?」
ざばっと女が血の池に波を立てると、その波の当たった死体がむくりと起き上がる。
女「あー、なるほど……波があたると起きちゃうのかー」
どこまでも続く血の海と、そこに等間隔で浮かぶ死体……
女「あ、やっぱこれ……ヤバイかも」
女が立てた波は、円形に水面を広がり、近くのゾンビたちを目覚めさせていく。
そして目覚めたゾンビが立てた波は、さらにその向こう側のゾンビを揺さぶり起こす……
女「ちょ……待って……」
立ち上がり、獲物を見つけたゾンビたちは、皆全裸だった。
皮膚を食い荒らされ脂肪と筋肉の露出した死体たち。股間に屹立する肉塊もズタボロだったが、肌が裂け粘膜に穴が開いても、生殖器の堅さは失われていないらしい。
女性の姿はなく、ガチガチに勃起した腐った男性器をさらすゾンビの群れ。
淫魔の引き起こしただろう異変と、自分の身体を交互に見て、女は自分の貞操の危機を悟った。
女「やばい……これ、ほんとシャレになんない……」
立ち上がったゾンビたちは、女をぐるりと取り囲み少しずつ間合いを詰めてくる。
女「よし……こっちだ!」
ゾンビ同士の間隔が広い方向に、女は走り出した。
手を伸ばすゾンビの動きは鈍く、簡単に間をすり抜けられた。
しかし。
女「わ……きゃあっ!?」
赤い水面下で、ゆらりと何かが動き、腐った手が女の足首を捕まえた。
ゾンビ「げうー……」
女「な……こいつ、下半身がない……」
ウジの湧いたゾンビの手を掴み引き離そうと暴れるが、その外見に反してゾンビの握力は女にどうこうできるほど弱くはなかった。
ゾンビ「げあぅ……がああっ!」
女「きゃ……ああっ!」
足首をつかんでいたゾンビは、女をその場に引きずり倒した。
756 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:25:56.47 ID:/PciK3Moo
しぶきを上げ、女は濃厚な血の水面に尻餅をつく。
女「痛ぁ……あ……ヤバイ……ごめん!」
足をつかむゾンビの肩を踏みつけると、ゾンビの腕は根元からぼそりと取れ、断面には痛んだ筋肉と骨、それに蝕むウジの塊がうごめく。
主から離れてなお、握力を緩めないゾンビの腕をもう片足で振り払い、もう一度立ち上がろうとして……
女の身体は、無数の手に押さえつけられた。いつの間にか大勢の腐った死体たちが、女に近づいていたのだ。
ゾンビ「んばうー」
ゾンビ「げあー」
女「や……来ないで……」
ゾンビたちの異常な風体を至近距離で見つめ、女は恐怖した。
股間の肉塊が屹立している様に、自分がこれからどのようなことをされるのかを悟っても、一切の官能が呼び起こされることはない。
血と膿がしたたり、至る所からうごめくウジをこぼれさせるゾンビたちは、女の四肢を捕まえると、大の字に開かせた。
女「離せ! 離してよ!」
しかし、裸の獲物を捕まえたゾンビたちが女の言うことを聞くはずもなく……
女「んぶぅうっ!?」
腰を女の顔に近づけたゾンビが、のったりとした動作で女の口に腐ったペニスをねじ込んだ。
女「うげ……おえぇ……」
ひどい味がした。
傷んだ肉と血膿が女の口内を満たす。おそらく先走りのなれの果てと思われる、いっそう臭くてぬるぬるした液体が、肉塊の先端と、途中に開いた穴から漏れ出して、女に吐き気を催させた。
女「うおぇ……んぶ……」
ぐちょぐちょと、女の口内を犯すゾンビと平行して、女の手足はもちろん、乳房や性器まで、爪の剥がれた指先がなで回す。
腐り汁に湿ったぬるぬるとした感触は、女に嫌悪以外の感覚を覚えさせない。
口の中を好き勝手に往復するゾンビのペニスが肉の裂ける気配を伴ってぷちぷちと膨らみ、絶頂の兆候を見せる。
ゾンビ「んぐー……へがうー」
女「んっぐ……やめ……がぼぇ……」
女は必死に抗うが、腐った男性器が抜かれることはなく、口内にひどい匂いの精液がぶちまけられた。
ドプルッ ドプッ
勢いは遅いが、人間の射精とはとうてい思えない大量の精液が放たれ、女はこってりとした腐り汁を少なからず飲んでしまった。
ゾンビ「んあぅー」
女の口内に射精すると、ゾンビは満足そうに腰を引いた。
女「んげ……あれ?」
女は臭気に辟易したが、加えて口の中や胸元にこぼれた精液が、妙にムズムズするコトに気づいた。
女「なんだこれ……ひっ!?」
辛うじて動く首で、自分の胸元を見、下を突きだして口に出されたモノを確認すると、精液に混じって、大量の細かいウジ虫がうごめいていた。
女「おえ……うええええ……」
臭いや腐ったペニスより、女は純粋に、ウジ虫入りの精液に生理的な嫌悪感を憶えた。
身体の奥から吐き気がこみ上げ、少し飲んでしまっていたゾンビの精液が胃にしみわたってゆく感触に涙が出そうになる。
女「おお……お?」
つかまれていた両足が押し広げられた。他よりいっそう傷んだゾンビが、猛る肉棒をしごきながら女の股ぐらに腰を近づける。
ゾンビ「げふ……げふ……」
女「い……や……」
腐れ汁をたれ流す不潔な男性器が、果実のような女性器の入り口に当てられた。
757 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:26:25.01 ID:/PciK3Moo
女「やめろ! くそ……」
ジタバタと抵抗しても、抑えられた四肢はびくとも動かず、入り口に当てられたゾンビの性器が少しずつ女の敏感な神経を擦る。
女「やめ……あ……」
ゾンビ「があ……ああー……」
ゆっくりと引き裂くように、腐敗した男性器が女に挿入された。
女「いや……抜け! 抜いてよ!」
ゾンビ「げふ……ぐふふ……」
小さな女の懇願に、ゾンビは腐った顔を歪ませて答える。
血膿をしたたらせながら笑い、ゾンビは腰の抽送を開始した。
女「うあ……あ……抜けて……ひゃんっ!」
ゾンビ「げふふ……」
かわいらしい女の反応に、ゾンビは満足そうに腰を動かす。
一方で女は、ゾンビの単一的な腰の動きにすら、抑えきれない快感を覚えていた。
女「やめ……んあああ……ひぅうう……」
このおかしな空間に来る前、淫魔に蹂躙された身体は、腐った男性器の刺激にすらかなしいほど反応していた。
腰回りは細かな電流が流れるようにピクピクと動き、異性を求めて蜜壷があふれかえる。
女「んあ……っは! あぐ……ひああっ!」
ゾンビ「げふふ……がう!」
彼らのリーダー格なのだろうか、女を犯しているゾンビが声を上げると、まわりのゾンビたちも男性器を女に押しつけてきた。
ひどいにおいのするペニスが、女の口に2,3本同時にねじ込まれた。両手も腐ったペニスをしごかされ、さらに背中から抱きついたゾンビが、女の菊門も犯し始めた。
女「うあ……あ……臭いのに……汚い……のに……」
悲しいことにゾンビたちのレイプは、その汚れた見た目に反して、あまりにやさしかった。
淫魔の下ごしらえを施された女の身体で、快感を練り込むようなゾンビたちの輪姦に耐えられるはずもない。股間の前後を同時に犯され、体中に腐った体液を塗りたくられる愛撫、口の中におどる腐敗した男性器のにおいに、女の思考は麻痺してゆく。
女「うぅ……きもち……いい……」
ゾンビ「げふ……がふ……」
女「あ……おっきくなって……」
ゾンビ「ううぐぅ……げふふ……」
膣内で大きくなるゾンビの性器を感じ、女は絶望混じりにつぶやいた。
女「も……だめ……あ……」
ゾンビの腰の動きは絶望的に上手かった。
膣を刺激するゾンビも、肛門をえぐり全身をなでさする腐った男性器も女の絶頂に合わせて動きを速めていく。
女「幼馴染……ごめ……おれ、イ……あ……あああああああっ!」
ゾンビ「ぐふっ……がっふぅ……」
どぷっ……どぅるるるる……
コップをぶちまけたような大量の精液が、女の膣に、直腸に、口内をはじめ体中に放たれる。
女「はっあ……あ……」
カクカクと痙攣する女の身体を、ゾンビたちはさらに刺激するような野暮なことはしなかった。
腐敗した精液の妙なぬめりと泳ぎ回るウジの感触に女は身体をよじったが、全身を包む絶頂の余韻にまともな思考は遮られた。
女「あぇ……すご……い……」
ゾンビ「げふ、げう……」
満足げにペニスを引き抜いたゾンビはすぐに身体を引き、別の腐った肉体が、女の股に入り込む。
女「ああ……入れられちゃう……」
悦びに濁った思考は、女の股を開かせる。
異常な臭気と熱気の中、女の身体はゾンビたちに蹂躙されていった。
758 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:27:07.73 ID:/PciK3Moo
万魔殿の地下深く。
暗い空と赤黒い血の水面、ところどころに浮かぶ腐った遺体を遥かに見下ろし、淫魔は飛んでいた。
転がる死体の山を高みから眺めるのは、戦場を見下ろすハゲタカの気分だったが、それもあながち間違いではない。
もっとも、淫魔が探しているのは一人の少女だった。
淫魔「んぅ、どこ行っちゃったんだろ……このへんに落としたんだけどなあ……」
たっぷり味わったのか、淫魔が見下ろすゾンビたちは、満足げに血の海に仰向けに浮かび、腐った身体を水面に漂わせている。
まっ赤な水面には白濁が混じり、性の饗応が行われた跡を示していた。
淫魔「ん……これをたどっていけば……あ、いた」
女は居た。
女「んふぇ……すご……あふぅ……」
三体のゾンビに三つの穴を犯されて、とろけきった顔で快楽に浸っていた。
肛門と膣は与えられる悦びにすばらしい圧搾で応え、口にねじ込まれたペニスを自ら愛撫して、腐れ汁を味わう。
淫魔「う、わぁ……おーい、男?」
女「んぶ……あぅ……」
淫魔「だいじょうぶ?」
全身に浴びせられた血と膿と精液、その中を泳ぐ細かなウジ虫の群塊……かわいらしいツインテールの美少女は、快楽と汚れにギトギトに浸っていた。
淫魔「ねえ男……聞こえる?」
女「んぅ……んぷ」
淫魔がささやいても、女はゾンビのペニスに夢中で答えない。
淫魔「……幼馴染」
ぴくりと女の指先が反応し、目に光が戻る。
女「淫魔……いま、なんて?」
淫魔「いやあ、さすが男には幼馴染以上の気付け薬はないね」
女「淫魔……おれ……おれ……あ、また……イ……く……」
身体を小さく折り曲げ、女は小さな絶頂にいたる。
それに合わせて、小さな性器からゾンビたちの精液もあふれ出した。
傷んだ死体たちは同時に達する術すら身につけているらしい。
淫魔「ねえ男、気づいてる?」
女「なに……が?」
淫魔「最後に残ったのは、やっぱり新しい子たちだからかな? 体力あるよね」
女「……なに言いたいの?」
淫魔「その子たちだよ、幼馴染に乱暴したの」
女「な……」
女の身体から、潮のように快楽が引いてゆく。
快楽に濁っていた瞳は、怒りと復讐心に黒く塗りつぶされる。
含んでいた相手の陰茎を噛み切ろうと、女が口に力を込めると、フェラチオを楽しんでいたゾンビは腰を引いた。
ガチンと女の歯が鳴り、ゾンビたちの雰囲気も剣呑なものとなる。
女「お……お前ら……」
性器と肛門を貫かれたまま、女は今まで快楽を交歓していた相手をにらみつける。しかし、殴りつけようとする腕も、蹴り上げようとする脚も、ゾンビたちに抑えられて自由に動かせない。
女「う……あ……あああ……」
女の敵対心すら楽しむかのように、ゾンビたちの性交は荒々しく暴力的なモノに変わってゆく。
759 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:27:35.71 ID:/PciK3Moo
反撃はかなわない。いいように股間をえぐられる女にできる唯一の抵抗は、ただ絶頂を避けることだけだった。
女「おまえら……ころす……幼馴染を……あ……」
先ほどまで忘れていた臭気への嫌悪が戻り、体中を流れ落ちるウジ混じりの精液に怒りすら覚える。
しかし、快楽に屈した肉体は、精神のようには立ち直れない。
ゾンビたちの抽送にはじける悦びは、女の黒い復讐心も、まっ赤に燃える怒りも、白く桃色の快楽に沈めてゆく……
女「く……ころ、す……おさ……あ……」
真っ黒な空を仰ぎ、一点を見つめ……
女「あ……あああ……」
絶望混じりの細い悲鳴と共に、身体を細かく痙攣させた。
ゾンビ「げう……うが……」
やさしい愛撫を忘れたのか、さらに突こうと腰を据えるゾンビたちに、淫魔は手をかざす。
淫魔「それ以上はダメ。わたしの楽しみがなくなっちゃう」
ゾンビ「うがぅ……」
うやうやしく頭を下げ、まだ怒張を失っていない男性器をそれぞれ性器と膣から引き抜くと、ウジと精液漬けの女を差し出した。
淫魔「うん、いい子」
女の脱力した身体を受け取り、淫魔はゾンビたちにほほえみ返す。
淫魔「こんどは、もっとなぶりがいのある子をたくさん連れてくるから……んふふ、じゃーね」
軽く手を振ると、空中に現した黒い円盤に飛び込み、姿を消した。
かつて幼馴染を乱暴した暴漢たちのなれの果ては、あたたかなウジ混じりの血の海に身体を漂わせ、またいつ覚めるともしれない眠りに落ちていった。
760 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:28:44.06 ID:/PciK3Moo
男の部屋。
深夜の男の部屋に、黒い円盤が現れた。
円盤からひょっこり顔をのぞかせて、淫魔は男の部屋に降り立つ。
とたんに、男の部屋にとてつもない臭気が充ちた。
血と膿と腐った肉のにおい。ゾンビたちの汚れをこびりつかせた女を、淫魔はそのまま連れて来たのだ。
放心し、脱力する女を床に転がし、淫魔は軽くこづいた。
淫魔「ほら、しっかりする」
女「う……ぐぇ……」
背中を壁にもたせて、女は自分の身体にかかった腐れ汁をまじまじと見回した。
女「あ……うあ……あああ……」
淫魔「うわあ、ばっちいね、ひどいや」
女「おえ……淫魔が……させたんだろ……おええええ……」
自分の部屋に戻り、身体にこびりついている液体の臭さを再認識し、それをどれだけ飲んだかを思い出し、女は腹一杯に飲み込んだゾンビの精液を吐きだした。
女「ぐえ……おえええ……げほっ……」
床に飛び散る白濁液には、無数のウジ虫が身をよじってうごめく。
女「こんなに……出されて……くはは……」
淫魔「ん……」
女「こっちも……かき出さないと……早く……出さないと……」
M字に足を開き、女は秘部に指を突っ込む。
部屋にぬかるみの音が響き、独特の臭気を立ち上らせる精液と虫の混合物を、女は膣からほじくり出す。
淫魔「もうちょっとかな……」
女「なにを……んぁ……」
わずかに光を宿した淫魔の指先が女の膣口に触れると、女の膣内に残っていたウジ虫たちの動きが変わった。
不規則にうごめくだけだったウジ虫たちは、膣口から離れて奥へ、膣底のその奥、子宮へと流れ込んでゆく。
淫魔「わかる? 虫の群れが男の身体の奥に、奥に入っていこうとしてるの」
女「う……ああ……んあああ……」
身体の中を細かな生物にかき回される異常な快感と恐怖に、女は目を白黒させる。
淫魔「んふふ、このまま虫たちが奥に進んだら、どうなっちゃうと思う?」
ぴたりと手のひらを女の下腹部に当て、淫魔はささやいた。
淫魔「あなたの卵、ウジ虫に食い荒らされちゃうよ?」
女「ひっ……」
快楽に流され駆けていた女の顔から、さっと血の気が引いた。
女「や……いや……いやああああ!」
身体の中をぞわぞわと這い上るウジの感触に、女は生物的な悲鳴を上げた。
女「淫魔……淫魔あああ! 助けて! 助けてええ!」
サディスティックな笑みを口元に浮かべ、淫魔は女の股をぐいっと開かせた。
淫魔「ウジを流してあげても良いけど……どうなってもいい?」
女「いいの! いいから早く! はやくしてええええ!」
子宮にウジが充ちるおぞけ、卵管にウジが頭を突っ込むと、女は異様な痛みを感じた。
淫魔「ふふ、わかった」
股間から桃色の肉塊を引きずり出し、淫魔は女の入り口に当て……一気に刺し貫いた。
腰のうち付け方はいつもの比ではなく、淫魔のクリトリスは膣底を打ち崩して子宮に侵入し、女の腹筋の薄いおなかを内側からぼこんと膨らませた。
761 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:29:40.66 ID:/PciK3Moo
淫魔「ん……串刺し……んふふ」
女「うあ……ああ……あ……」
触手王に犯されたとき以来の非人間的な感触に、女の身体はビクビクと痙攣する。
淫魔「んふ……すごい締め付け……すてき……」
覆い被さる淫魔は、腰を前後させて子宮口のかわいらしい締め付けを堪能した後、女を抱きしめながら精を解き放った。
女の股間から濃厚な蜜があふれ出、部屋には腐敗臭を打ち消す淫魔の芳香が広がった。
性器の結合部からは、淫魔の本気汁に酔っ払ったウジ虫たちが、くねくねとのたうち回りながら流れ出てくる。
淫魔「ん……子宮……気持ちいい……」
女「おあ……あ……ああー……」
満足げな淫魔とは対称的に、女は放心していた。
身体の一番奥で淫魔の蜜を味わわされ、髪の毛をさわられただけでも達してしまうほど敏感になっているのに、いまだ性器には淫魔の肉棒がはまり込んでいる。
身体は痙攣することも忘れ、死の一歩手前にせまる快楽の洪水に、女は完全におぼれていた。
ぐったりとした女を、淫魔は背面座位に抱えなおす。
淫魔「よっと……見える? ウジ出てきたでしょ?」
女「あぐ……う……」
女のへその下には、ぽこぽこと淫魔の肉棒の盛り上がりが膨らむ。
まだ子宮内にウジが残っているのか、それとも女をいたぶり楽しんでいるだけなのか、淫魔は腰をゆっくり上下させ続けた。
呆然と、自分の性器から流れ出るウジ混じりの白濁液を見下ろし、女はすすり泣いた。
女「汚れちゃった……汚れちゃったよぅ……ううぅ……」
淫魔「どこが?」
女「汚れてるだろ……淫魔、こんなことしておいて……おれ、もう……幼馴染にさわれない、抱きしめられないよ……」
淫魔「んー……男はさ、自分が汚れたと思ってるわけ?」
女「……あたりめーだろ」
淫魔「そうか、なら、幼馴染も汚れてるんだね」
絶望に塗りつぶされながら、女のすすり泣きが止む。
女「淫魔……いま、なんて言った?」
淫魔「幼馴染は汚れてるんでしょ? 男みたいに乱暴されたんだからさ」
背面座位に、後ろから突き上げられている女は淫魔を振り向き、落ち着いた目で見据えた。
女「取り消すか?
淫魔「ううん」
ぐちゅんと淫魔が突き上げると、女の目に宿っていた怒りや誇りがはじけ飛んだ。
女「んぎっひ!? ……淫魔ぁ! んひゃっ!?」
しなやかな淫魔の指が女の陰核に忍び寄る。
淫魔「ねえ男、ちゃんとわたしの話聞いて?」
女「んあああっ! はああんっ!」
くちゅくちゅと快感の肉芽をこね上げる淫魔の指先に、女の目に宿っていた怒りと誇りの光が踏みにじられる。
淫魔「わたしはね、幼馴染が汚れてるなんて少しも思っていないし、実際幼馴染は汚れてなんていない……」
女「……は? ひうっ!?」
淫魔「確かに身体は傷つけられて汚されたかもしれない……でも、その本質はひとかけらも汚されてないと思うの」
女「そうだ……そうだよ……んああああっ!」
淫魔「でもね」
くりんと、敏感な突起をつまみ上げ、淫魔は続ける。
女「ひ……そこ……ダメ……」ガクガク
762 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:30:33.22 ID:/PciK3Moo
淫魔「んふふ……あなたが汚れてるって言うなら、幼馴染は汚れてるんだろうねえ」
女「幼馴染は……汚れてなんて……」
淫魔「ほんと? あなたはこんなに汚いのに、幼馴染は汚れていないの? それってへんじゃない?」
女「う……あ……あああぁぁ……」
全身を包む耐えがたい臭気は、女にとって確かに穢れその物だった。
しかし、幼馴染の穢れを否定したい女の思考回路は、穢れとその否定の間で、めまぐるしい振動をはじめていた。
陵辱を重ねられた女の思考は、この矛盾に崩壊を迎えつつあった。
淫魔「みとめちゃえば? 幼馴染は汚れてる……男は仕方なく抱いてあげてるんだよ……」
女「う……うう……やめ……おねが……もう……」
焦点の合わなくなった女の目から、大粒の涙がこぼれ落ちる。
女「やだぁ……こんなの……もう……いやぁ……」
まるで子供のように泣きじゃくり、力なく両手を顔に添える。
淫魔「ん? 嫌なの?」
わずかに首を上下に揺すり、うんうんと、女はうなずく。
淫魔「わたしはまだしたいけど……おとこはイヤなんだぁ……」
女「うん、うん……あ……」
その言葉遣いに、女は嫌な予感を抱いた。
淫魔「イヤなら……んふふ、仕方ないなあ」
女「ちがう……淫魔、違うの……」
淫魔「なにが違うのかなぁ……ねえ……幼馴染?」
パチンと淫魔が指を鳴らすと、深夜の男の部屋にノックの音が響く。
淫魔「はーい、どうぞ」
部屋の主がほとんど声を出せないのを良いことに、淫魔が応対する。
ドアが開き、ひとり、少女が入ってきた。
幼馴染「……こんばんは」
入ってきた幼馴染は、かわいらしいパジャマを着ていた。
シャンプーの香りも濃いふわふわの栗毛が、電気をつけていない夜の部屋にほんのりと光を放つ。
この時間だ。家で寝ていたのだろう。
女「……幼馴染」
そして女が安心したことに、幼馴染には異様な気配がなかった。
目の色や光は正常で、焦点は綺麗に女と淫魔を交互に見つめている。
立ち居振る舞いもいつもの幼馴染で、何かの術の影響下にあるというわけではなさそうだった。
女「幼馴染……おねがい……見ない……でぇ……」
幼馴染「うわ……すご……」
後ろからガンガン突かれる女の痴態を見て、幼馴染は頬を赤らめた。
幼馴染はセックスに興味があるが、実行するときにはどうしても羞恥心を抑えきれない。たしかに、いつもの幼馴染がそこにいた。
そして、いつもの好奇心そのままに、幼馴染は淫魔に犯される女に歩み寄る。
女「来ちゃダメ……逃げ……逃げて……」
淫魔に狙われたら、どこに居ようが見つかってしまうだろう。それでも、女は幼馴染を逃がそうと、身体に残った最後の力で言葉を紡ぐ。
女「幼馴染……逃げて……」
幼馴染「えっと……あなた、だれ? どうしてわたしの名前知ってるの?」
その言葉に、女は暗い絶望の淵を覗いたが、すぐに性別を換えられた自分の外見に思い当たった。
女「おれだ……おとこ……だよ……おさななじみ……」
幼馴染「え……男?」
763 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:31:11.39 ID:/PciK3Moo
不思議そうに女を見つめ、幼馴染は首をかしげた。
幼馴染「おとこさん? ……ごめんなさい……どこかで会ったことある?」
女「え……」
身体の中に、ぽっかりと穴が開いた気がした。
……知らない?
淫魔「ねえ幼馴染……いっしょにしようよ」
幼馴染「え、良いんですか? 淫魔様」
……淫魔……さま?
ボタンをはずし、幼馴染はするするとパジャマを脱いでゆく。
まったくためらうことなく、ゆったりとしたシャツとズボンを脱ぎ去り、パンツに手を掛けた。
女「だめ……おさ……幼馴染っ!」
渾身の大声を上げると、幼馴染の手がぴくっと止まった。
しかし。
淫魔「んもう、うるさいなあ……」
女「んぐぅ!?」
淫魔の指が女の舌をつかんで引き出した。舌をピンと引っ張られ、女はまともに声を上げることもできない。
幼馴染の手が、パンツを抜き取った。
大切な部分を覆う最後の布を、男のためでなく、淫魔のために脱ぎ捨てる。
窓から差す夜の明かりに照らされた幼馴染の姿を見て、女の目から涙が流れる。
女「んおぉ……んんぅ……んぶぅ……」
淫魔「んふふ、この子も悦んでるみたい……ねえ、幼馴染」
幼馴染「なんでしょう……淫魔様?」
淫魔「んっと」
ずるんと音を立てて、淫魔は女の性器からクリトリスを引き抜く。
淫魔にいじめられた女の秘裂は快感に赤く充血し、白濁液を絶え間なくこぼし続ける。
幾度も中で出されたからか、膣から流れ出る汁にウジの姿はない。
淫魔「わたしはおしりに入れるからさ、前の相手してあげて」
幼馴染「ふふ、わかりました」
女「んんう! んー!」
淫魔の肉棒が女の菊門に侵入し、幼馴染は躊躇な女の性器に口づける。
幼馴染「ふむちゅ……じゅるるる……んもにゅ……淫魔様の雫……おいしい……」
恍惚とした表情で幼馴染は女の膣に指を入れ、女性だからできる絶妙な指使いで女の性器をほじくり返した。
異常な状態の幼馴染だというのに、女の身体は幼馴染の指先に悲しいほど反応してしまう。
中止を訴えようとしても、女の舌は引っ張り出されたままで言葉を発すこともできない。
あ……これ、ダメだ……墜ちる……
あふれる快感に自分の心が折れる音を聞き、女は悟った。
このまま行けば、快感しかわからない肉人形になってしまう……いろんな思い出も、言葉も忘れて、なにより大好きな幼馴染のことまで忘れてしまう。
それなら……
女「……ひんま」
舌を引き出されたまま、女は淫魔に振り返り、最後の理性の光で無限の闇をにらみつけた。
この愛を壊されるくらいなら……
淫魔「ん……ぅ?」
予想外の動きに淫魔がひるむと、女は全身が弛緩してなお、最後まで意思に従ってくれたアゴの筋肉を収縮させ、根元まで引き出された自分の舌を、前歯でゆっくり切断した。
764 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:32:10.27 ID:/PciK3Moo
舌を這わせていた女性器や下腹部が、突然ビクビクと痙攣しだし、幼馴染が異変に気づくと同時に、淫魔が驚きの声を上げた。
淫魔「幼馴染! ストップ、すとーっぷ! 男が舌噛み切っちゃった!」
幼馴染「え……えええええっ!?」
淫蜜したたらせる股間から幼馴染は顔を上げ、淫魔も犯していた直腸からクリトリスを引き抜く。
女の頬には涙の流れた跡が染みつき、口からは大量の血液が溢れていた。すでに事切れているようだ。
幼馴染「えっと、淫魔さん……治せる……よね?」
淫魔「それはもちろん……」
血を流す男の唇を指でこじ開け、淫魔は指でつまんでいた男の舌を元の位置に収めて、指をぱちんと鳴らした。
溢れ続けていた唇からの鮮血が止まり、男の顔色には朱が差して、安らかな寝息を立て始める。
全身にこびりついていたゾンビや淫魔の汁も清められ、シルクのようなきめ細かい肌が夜の明かりに柔く輝く。
幼馴染は女を抱き上げて髪を撫で、ほっとため息をついた。
幼馴染「男って、オンナノコになるとこんなにちっちゃいんだね……わたしよりずっと……」
淫魔「うん。かわいいでしょ?」
幼馴染「う……たしかに、これはちょっと嫉妬しちゃうかも……」
淫魔「んふふ……でも、これって幼馴染のせいだよねえ」
幼馴染「え? どういうこと?」
淫魔「幼馴染があんなに演技しなければ、男は持ちこたえられたってこと。舌噛み切っちゃうなんて初めてだよ」
幼馴染「たしかに……男、なんか様子がおかしかった……」
淫魔「それだよ。わたしは男の事を忘れたふりして、えっちな演技してってお願いしただけで、なんか変だと思ったなら、幼馴染もやめれば良かったのに……男の声聞いたでしょ? あれでどうして演技を続けたの?」
幼馴染「それは、淫魔さんが……」
淫魔「うん、これは心理学のゆーめーな実験だね。お医者さんに、ガラスの向こうの人に電気ショックを流せって、ボタンを任された被験者は、ついつい電気ショックを流してしまう……判断力を放棄しちゃう実験だよ」
幼馴染「でもわたしは、淫魔さんを信頼して……」
淫魔「わたしを信頼するのと、男が苦しんでるのを助けるのは別問題でしょ?」
幼馴染「うぐ……あうぅ……」
淫魔「男が舌噛み切ったのは、幼馴染のせい……幼馴染が男を傷つけた……ってことはさ……」
突然の論理の転換に、幼馴染が顔を上げると、淫魔は新しいおもちゃを与えられた子供の、無邪気な笑みを浮かべていた。
淫魔「契約を交わしたわたしは、契約者を傷つけた相手に報復しなくちゃいけない……幼馴染」
幼馴染「な、なに……?」
裸のまま、胸元をかくし、幼馴染は後ずさる。
淫魔「あなた、少しオトコノコの気持ちを知るべきだよ……」
ぺろりと指先をなめる淫魔は、女性の幼馴染が見ても、くらくらするほど魅力的だった。
紫髪の妖しい少女は、猫のような身のこなしで、幼馴染ににじり寄る。
幼馴染「や、まって……」
淫魔「待てない……待たないよ……んふふ」
淫魔は指先で輪を作り、キスして、パチンと指を鳴らした。
765 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:32:48.46 ID:/PciK3Moo
男の部屋に、官能におぼれるオトコノコの声が響いていた。
その声を聞いて、意識を取り戻した女は、自分の身体が男に戻されて、淫魔に散々責められているのかと思った。
???「だ、だめええ! 淫魔さん、それだめええええ!」
しかし、身体は淫魔にいじめられた性感が燃え残っているものの、声を上げるほどではなく、追加の責めを受けているわけでもないと理解した。
女「ん……なに、この声……」
自分の声でないのなら、いったい誰の悲鳴なんだろう。
???「はっ……あ……出そうなの……出そうなのに……出ないのぉ!」
声は、少年と青年の間、まさに男と同年代のオトコノコのものだった。
そして、はじめて聞く声なのに、その口調にはどこか聞き覚えもある。
女「……だれ?」
床に転がされていた女は、その場に上体を起こして目をこすった。
女が転がされていた部屋の隅とちょうど反対側、ベッドに背中を預けるように床に座ったオトコノコが、淫魔の責めを受けていた。
淫魔が生け贄のペニスの先端を、けだるそうに黒い羽で撫でるたび、後ろ手に拘束されたオトコノコはかわいそうなほどに身体を跳ねさせる。
しなやかな筋肉の上にわずかに脂肪がコーティングし、カミソリの鋭さよりは斧のたくましさを感じさせる肉体。端正な顔立ちなのだろうが、淫魔の拷問の結果、涙とよだれにぐちゃぐちゃになっており、それがまた淫靡さを醸し出す。
髪の量は多く、少しクセのある栗毛で、屹立した男性を縁取る陰毛も、焦げ茶色だった。
そしてなにより、目元のやさしさ……
その視線は、男がいつも愛しさを込めて見つめ返す人に違いなかった。
女「……幼馴染?」
幼馴染「男っ!? ……だめ! おとこぉ……見ないでえええ!」
羞恥に顔をまっ赤に染め、幼馴染のペニスはピクピクと反応する。
笠の張り詰めた男性器を、唾液をまぶした黒い羽でいじめる淫魔は、ひどく楽しそうに振り返った。
淫魔「もう、男……起きるの遅いよ」
女「淫魔……おまえ、なにやってんだよ!」
淫魔「ん? 契約者を傷つけた相手に報復をね……散々いじめたから……ほら」
ふっと、淫魔が亀頭に息を吹きかけると、幼馴染は折れそうなほど背をそらして全身をこわばらせる。
幼馴染「んっぐううううう!」
淫魔「すごいでしょ? ずっと寸止めだったから、もう大変っ! ほれほれ」
幼馴染「んいっぐ! や、やあああ! ひああああっ!」
ふっふっと淫魔が息を吹きかけるたびに、幼馴染はペニスに熱した火箸を差し込まれたような悲鳴を上げる。ただし、その悲鳴にはたっぷりと砂糖がかかっているのだが。
淫魔「ほら、すごいでしょ? でも、幼馴染がいちばん好きなのは……」
張り詰めた亀頭の鈴口に黒い羽を当て、淫魔はノコギリのように往復させた。
幼馴染「ひっっぎいいいい! それだめっ! んああああああ!」
全身の筋肉をこわばらせ、頭をガンガン振って、幼馴染は快楽を逃がそうとするが、気絶寸前まで追い詰めても、淫魔の技は絶頂を迎えさせない。
淫魔「そうだねえ……気持ちいいねえ……ぎーこぎーこ」
幼馴染「あっきゃあああああ! だめええ! もうだ……めえええええ!」
悲鳴がひときわ大きくなったところで、淫魔はすっと手を引いた。
とたんに幼馴染は脱力し、後ろ手に縛られたままがっくりとうなだれる。
淫魔「わあ……かわいい……」
女「ふざけんなよ淫魔!」
いまだ快楽から脱し切れていない女は、力の入らない下半身を引きずりながら、淫魔をにらみつける。
淫魔「んぅ? ふざけてなんかいないよ? ……まあ、きちんとお仕置きしたから、あとは男がどうしたいかだね」
女「どうしたいって……」
女は幼馴染に視線を移す。全身が脱力してなおピクピクと怒張する幼馴染のペニスを見て、女の身体の奥の方が熱く湿った。
766 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/06/03(日) 19:33:04.33 ID:VuyDFGKto
おわっ、来てるじゃないか
767 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:33:23.88 ID:/PciK3Moo
淫魔「んふふ……言わなくてもわかるよー」
女「へ? ちょ、来るな! やめえええ!」
上半身を起こすのが精一杯の女に、淫魔は楽しげに歩み寄り、抱き上げた。
女を後ろから抱き上げ、脚をM字に開かせて、淫魔の指が性器に伸びる。
くちゅ……
幼馴染の痴態を見て、清められたはずの女の秘裂は、すでに濡れていた。
淫魔「わあ……もうこんなに熱くなってる……男、かわいい……」
ぐちゅん
女「きゃっひ! ひううぅ……淫魔、何するつもり……んあああっ!」
淫魔「何するって、見てもらうんだよ……ほら」
くぱっと女の性器を開き、淫魔は幼馴染に美味しそうな粘膜を披露させる。
幼馴染「う……わぁ」
熱のこもった視線で、幼馴染は女の秘部を食い入るように見つめる。
女「や、見ないで……だめ……ぇ……」
その視線だけで、女の身体の奥から、あまい蜜があふれ出す。
淫魔の指技も加わって、女の股はすぐにぐちゃぐちゃになってしまった。
幼馴染「おとこ……すごい……きれい……」
女「ど、どこみて言ってるんだよぉ……んくあっ!」
淫魔「そりゃもちろん、おまんこでしょ」
蜜をこぼす膣に、淫魔の指が二本、根元まで滑り込み、中をかき回す。
ちゃっくちゃっくと、リズミカルな動きに、女は
女「あっ! あんっ! 淫魔ああ! やめ! イく……い……ああああああっ!」
絶頂しても、淫魔は手を休めない。
クリトリスを転がし、膣をかき混ぜ、女が絶頂する一部始終を、官能に花開く器を何度も幼馴染に見せつける。
女「あ……んはあっ! そこ、ひっかいたら……あ……おあぁぁ……」
淫魔「んふふ……」
連続する絶頂にグッタリする女を抱え、淫魔は幼馴染の目の前でふたたび足を開かせる。
臭いさえ伝わる距離で、幼馴染は女の股間を凝視した。
淫魔「幼馴染、今の男、すっごくかわいい顔してるんだよ? おまんこばかり見てたらもったいないって」
幼馴染「かお? ……わぁ」
女「りゃめ……みるな……ぁ……」
淫魔「すごいでしょ? 口元も目もとろとろになちゃって、ほっぺ赤くて、あまい汗かいてて……」
淫魔の手のひらが、女の性器を包み、ゆっくりもみほぐす。
それだけでとろける表情を抑えきれず、首元に当てられた淫魔のもう片方の手に、顔をうつむかせることもできない。
768 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:34:15.20 ID:/PciK3Moo
自分がいかに感じているかをまじまじと観察される羞恥の極みに、女の腰の奥からはさらに蜜があふれ出す。
女「みないれ……みちゃらめ……ふああぁぁ……」
幼馴染「おとこ……かわいい……かわいいよ……」
淫魔「うん。かわいいねっ」
きゅっと淫魔がクリトリスをつまんだだけで……
女「ひっあ……あ……ああぁ……」
幼馴染「あ……イった」
女「いうな……ばかぁ……」
淫魔「……んふふ」
散々に気をやらせ、首が据わらなくなりつつある女を幼馴染の足下に転がした。
淫魔「ねえ男、幼馴染はさっきから、ぜんぜんイけてないの。もう爆発寸前なんだよ……わかる?」
女「んうぅ……うわ、チンチンが……」
幼馴染「や、見ちゃダメ!」
こんどは幼馴染が頬を赤らめる番だった。
髪と同じ栗色の陰毛を根元に添え、空に向かって立ち上がる幼馴染の男性器は、張りの良い竿の皮膚とみずみずしい亀頭もあいまって、発情しきった女にはとても魅力的に映った。
淫魔「かわいそうだよね……男、イかせてあげよう?」
女「うん……そうだね」
気だるげに、女は幼馴染の股間に手を伸ばし、ペニスに指を回す。
幼馴染の男性器は、標準よりほんの少し大きい程度だったが、女の手があまりにも小さいので、異常な巨根に見える。
女「わあ……おいしそぅ……ん……」
幼馴染「男、しっかりして! おちんちんなんて舐めちゃ……ひゃあっ!?」
女「ん……ちゅむ……」
幼馴染「ひあああああっ! あ……ああああああっ!」
いつも自分がさわっているものだからこそ、女の愛撫は的確だった。
亀頭に舌をぴったりと押しつけて摩擦し、竿もしっかりと握ってしごきあげる。
破裂寸前の風船のような男性器が堕ちるまで、そう時間はかからないと思われた。
しかし……
幼馴染「ふへぇ……おろこぉ……なめりゃ……らめぇ……」
女「んちゅる……じゅるる……ん……」
張り詰めた亀頭に、金属を思わせるほど固くなった竿……幼馴染の男性器は今にも絶頂しそうなのに、どう刺激を与えても最後の時を迎えない。
女「ねえ、淫魔?」
淫魔「んー? なあに?」
女「寸止めの魔法……とか、使ってる?」
淫魔「んぅ、当たり前でしょ?」
女「ちょ、なんでそんなことすんの!」
淫魔「えー、だって責めてるときに射精したらかわいそうでしょ? やっぱり精通は……」
ひょいと女の身体を抱き上げ、母親が娘におしっこをさせるように両膝をかかえ、淫魔は幼馴染の亀頭と女の陰唇をキスさせる。
女「ひゃ……あ」
幼馴染「んくっ」
ぷにぷにと互いの肉の感触を憶えさせてから、淫魔が女の身体を持ち上げると、濃厚な蜜がふたりの性器の間に糸を引く。
そして、またくっつける。
769 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:35:29.70 ID:/PciK3Moo
幼馴染「ひうぅぅ……んっくぁ……」
女「あ……ああぁ……」
互いの粘膜がふれあうたび、ふたりは切なげな声を上げる。
しかし、挿入はさせない。
くっつけ、互いの体温を感じさせ、離し、糸を引かせる。
その繰り返しで、先に音を上げたのは幼馴染だった。
幼馴染「おねがい……させて……させてよ……」
淫魔「んふふ、何がしたいの?」
幼馴染「したいの……男と……男のおまんこに入れたいの!」
女「んうっ……」
ストレートな幼馴染の言葉に、女の性器も反応する。
上に持ち上げられて離されていた女性器から、幼馴染の亀頭に、こってりと粘液の雫がおちた。
淫魔「挿れたい?」
幼馴染「うん……うんっ!」
かくかくとうなずく幼馴染だったが、女は首を振る。
女「だめ……淫魔……これ以上は……もう……」
淫魔「んぅ、でもこのままじゃ幼馴染がかわいそうだよ?」
幼馴染「はいりたい……男のなか……いれさせてぇ……」
女「んむぐ……」
雨に打たれる子犬のような目で幼馴染に見つめられ、女の性器もキュンと反応する。
かわいらしい器を再び亀頭に押しつけ、敏感な突起を男性器の先端でこね上げる。
女「ひあっあ……ああ……」
淫魔「ほら、男も欲しいよね。こんな素敵なおちんちん、きっとすごく気持ちいよ?」
女「はあ……あぅ……しぃ……」
淫魔「なあに?」
女「ほしぃ……幼馴染の……ちんちん……」
淫魔「よく言えました」
ふっと淫魔は女の身体を支えていた手を放した。女の身体は重力のなすままに自由落下し、ぷにぷにの膣底に幼馴染の亀頭がぶち当たる。
女「かはっ……あぐぅ……そんな……急に……」
幼馴染「んぅ……やわらかい……おとこ……すご……」
幼馴染の性器はそれほど大きなものではなかったが、女の小さな身体では、やっと半分を咥える程度。女性器の唇は竿の中程をはむはむしていた。
結合部からはすでに止めどない本気汁がにじみ、最初のひと突きで達してしまった女は、幼馴染の胸元に身体をあずける。
幼馴染「お、男?」
女「ごめ……幼馴染……これ……すごすぎ……動けない」
シルクの肌に細かな鳥肌を浮かべ、女は細かに痙攣する。
視線には余裕がなく陸に打ち上げられた魚のように、酸素を求めて口をぱくつかせる。
女「ごめん……おれだけ……きもちよ……あ……ああぁ……」
いれただけで逝きっぱなしになっているのか、女の股間は菊門までピクピクと痙攣し、最愛の相手をくわえ込んだ女性器は悦びの涙を流す。
淫魔「もう、だめだよ男……自分だけ気持ちよくなってちゃ」
女「ふぇ……」
770 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:36:14.66 ID:/PciK3Moo
脇の下に手を添えられ、身体がふっと持ち上げられて、気が狂うような快感の摩擦が膣を擦り上げた。
女「ひああああああっ! ああ……あ?」
幼馴染「うああぁ……ぬるぬるって……んあああ……」
幼馴染の亀頭が抜け出ていきそうになって、女は戸惑った。
女「淫魔、抜いちゃ……ヤ」
淫魔「わかってるって」
……ぐぷん
女「お……おおぁ……おお?」
抜けるぎりぎりまで持ち上げていた女の腰を、こんどは体重を込めて押しつける。
幼馴染「うあ……奥……ちゅちゅって……吸って……くは……」
淫魔「それじゃ、動かすね」
非常に軽い口調で淫魔は宣言し、女の身体を軽々と上下させて、オナホールのように幼馴染の性器をしごき上げた。
女「ひいいいいいあああ! はや……はやすぎるるうう!」
幼馴染「あんっ! あああっ! これ、すご……いいいい!」
女の体重を全く感じさせないほど淫魔の力は強く、男性がオナニーするときよりさらに速いピストン運動で、ふたりの性器を摩擦させる。
女「ひあ! ……くううん! ……ひゃあああ!」
幼馴染「おとこ……かわいい……すき……ぃ……」
連続する絶頂に悲鳴を上げる女と、イクに逝けなくとろける幼馴染。
たったひとつのすばらしい運動から、かわいらしいふたりの反応が引き出されていた。
淫魔「おとこ、壊れちゃってもいいからね? ちゃんと直してあげるから」
女「くぅぅ……も、こわれ……」
淫魔「んふふ、まだまだ……まあだだよ」
ぐいっと女のツインテールの片方を掴み、淫魔は女の顔を幼馴染に近づけさせる。
顔が近づくと、ふたりは磁石が吸い付くように、ごく自然に唇を重ねた。
唇の感触はいつもと違うが、キスは紛れもなく互いの知った味だった。
女がキスの味に気づき同時に、膣内の男性器がさらに膨らむのを感じた。
幼馴染「おとこ……わらひ……イ……」
女「うん……いっぱい、らひて……」
ちゅっと唇を重ね、舌を絡ませあい、淫魔の手が腰から離される。
体重のほぼすべてを、女は膣奥に当たる幼馴染の性器にかけ、きゅっと締め上げた。
女「……ほら」
幼馴染「んぎっぅ……ん……あああああああああっ!」
ドプビュルルルルルル!
膣奥の柔らかな肉壁に、幼馴染の精がぶちあたり、女の思考も真っ白に塗りつぶされる。
完全に受精のために降りてきていた子宮も、その口を軽く開け、最愛のひとのほとばしりを、一滴でも多く飲み込もうと蠕動する。
それでも受け止めきれない多量の精が、もったいなさそうにぱくつく女の入り口から、ぽとぽとこぼれ落ちた。
女「あ……これ幼馴染の……」
細い腰がピクンと跳ね、はじめて味わう最愛の人の精液に歓喜する。
ふたりのふれあう場所から始まった祝福が、熱の広がる速さで行き渡り、四肢と頭頂までも痺れさせた。
くったりと己の身体を幼馴染の胸に預け、女は幸福にとろける。
女「あ……はあぅ……あえ?」
ガッシリと、肩をつかまれた。
淫魔のしなやかな指ではなく、スポーツに鍛えられた男の子の手が、確かに女の肩を抱きしめていた。
女「おさ……な、なじ……み?」
771 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:36:45.20 ID:/PciK3Moo
とぎれとぎれに言葉を発すると、柔らかなバリトンで耳元ささやかれた。
幼馴染「男、最初にあやまっとく」
女「んぇ……んぅ……きもひいいょ?」
幼馴染「ごめんね……もっと……」
ふわっと身体が持ち上げられ、女はベッドに寝かせられた。
つながったままの移動で、性器が少し刺激され、それがまた甘い感動を呼び起こす。
女「もっろ……なに?」
幼馴染「もっと気持ちよくしちゃう……からっ!」
正常位に女を組み伏せた幼馴染は、獣の性急さで男性器を突き上げた。
……ずんっ!
女「かっは……あ……」
指先まで痙攣させて、女は突然追加された性感に目を白黒させる。
幼馴染「ゆっくり馴染ませてあげる……」
ぬぬぬ……
自分の形を教えるように、時間を掛けて引き抜き……
……ずんっ!
女「ひゃっ! あ……あああー……」
焦点の合わず涙を浮かべた目、緩んだ唇、汗の浮かぶ首筋と張り付いたしなやかな髪……自分が愛する人が、快楽に乱れるいとおしさに、幼馴染は目覚めていた。
幼馴染「男……きもちいいよ……かわいいよ……」
女「ううぁ……言わないで……だ、め……」
いつも自分がされていること、男のペニスで丁寧に膣をえぐられながら、耳に寄せた唇で愛をささやかれるその絶望を、幼馴染は女に擦り込む。
どれほどの快楽が、絶望に似た快楽が交歓されているのか、注ぎ込まれるのかを、幼馴染は女に教え込む。
3度幼馴染が打ち付けると、女は失禁した。
また3度幼馴染が打ち付けると、女は気絶し。
さらに3度幼馴染が打ち付けると、女は意識を取り戻し、快楽の地獄から天国に引きずり上げられる。
女「うぇ……ひあああっ! あ、はぅ……んあああ!」
ペニスが押し込まれるたびに女は気絶し、引き抜かれるたびに弾けんばかりの悲鳴を上げる。
好きなオトコノコに責め上げられ、無様な悲鳴を上げる女は、どうしようもないほどオンナノコだった。
女「こ……ころして……」
あまりの快楽に、女は恐怖を覚えはじめていた。
心を壊され、幼馴染の色に染め上げられ、何もわからなくなる恐怖だった。
そのつぶやきを聞き、幼馴染は男の首筋にキスをする。
女「んひゃう……あ……」
幼馴染「うん。殺してあげる」
772 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:37:17.91 ID:/PciK3Moo
女「あ……ああ……あ……」
見開いた目に甘美な絶望を漂わせる女に、幼馴染は深く口づけし、抱きしめながら深く深く突き入れた。
女「んぎ……んぅ……んぷ……ぅ……」
幼馴染「ん……んっくぅ……」
びゅるるるるるるるっ!
女の身体は、もはや痙攣すら起こさず、くったりと脱力して幼馴染の精液を受け止める。
幼馴染「男……好き……んちゅ……」
女「す……き……幼馴染……すき……ちゅる……」
またやさしく口をつけると、女はわずかに唇を開いてキスに応える。
幼馴染「んむ……ちゅ……すき……おとこぉ……」
女「んみゅ……はぁ……んちゅ……んうぅ……はへぇ……」
幼馴染の乱暴な告白に、女はとろけた視線で返す。
性器が結合したままのささやきはしばらく続いたが、切なそうに声を抑える淫魔に幼馴染は気づいた。
淫魔「……」
幼馴染「淫魔さん?」
淫魔「ん? んぅ? なに?」
幼馴染「一緒にする?」
淫魔「……してもいいの?」
いつもの全能の調子ではなく、どこか寂しそうに淫魔は聞き返す。
幼馴染「うん」
と、幼馴染は挿入したままの女を抱き上げ、対面座位にもちこんだ。柔らかな尻肉をかきわけ、かわいらしい菊門を見せつけて、幼馴染は誘惑する。
幼馴染「男もまだまだ足りないみたいだし、こっちでいいなら……ね?」
淫魔「わ……んふふ、そーいわれたら、断れないなぁ」
自分の股間をモゾモゾ触り、桃色の肉塊をうれしそうにしごいて、淫魔はベッドに上る。
女「おしり? するの?」
幼馴染「うん。もっと気持ちよくなれるからね」
頭を撫でながら、幼馴染がほほえむと、女も無邪気に笑い返す。
女「気持ちよく……へへ……幼馴染がしたいなら……ひぅ……」
桃を思わせる尻肉の間、肛門に淫魔の高ぶりがあたり、ゆっくりと押し込められてゆく。
淫魔「んっふ……こっちはこっちで、やっぱり……まろやか……」
幼馴染「へぇ……おしりってやっぱりちがうの?」
淫魔「うん。おまんことはぜんぜん……あとでしてみれば?」
幼馴染「そうだね……でもまずはこのまま1回……」
女「幼馴染ぃ……わたし……もう……イきそ……」
幼馴染「ん、はじめはゆっくりするから……ね?」
女「あ、はうぅ……うん……」
前後に肉棒をくわえ込み、絶頂を間近にしても、女はまだ恥じらいを忘れていない。
そのしぐさもあまりにかわいらしく、幼馴染はキスしながら抽送をはじめる。
淫魔も、ふたりの動きに合わせて力を加減し、幼馴染といっしょに女を追い詰めてゆく。
深夜の女の部屋に淫らな水音が充ちる。
時計は1時をまわったところ。
そして女は日が昇るまで、糖蜜のように甘い責めを受け続けた。
773 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:37:43.83 ID:/PciK3Moo
夜が明けた。
女は差し出されたふたつの肉棒を交互にしゃぶり、しごいて愛撫をほどこす。
淫魔「んふふ、かわいくなっちゃって……」
幼馴染「うあ……舌が……あああああっ!」
びゅるるるるる!
幼馴染のペニスから放たれた精液は、夜通しの交わりの後ゆえさすがに薄かったが、量も勢いもまだまだしっかりしていた。
女は半分ほどをうれしそうに顔で受け止め、射精している亀頭にはむはむとしゃぶりつく。
女「ん……きもちいい?」
幼馴染「すご……くすぐったくて……あん……」
淫魔「ん、ねえ、こっちも」
ふりふりと肉棒を揺する淫魔に、女はいたずらっぽくほほえみ返し、握っていた手で激しくしごき上げた。
淫魔「んいっ!? そんな、しゃぶって、しゃぶってよ……あ……んっはあああ!」
どぷどぷっと、濃さも量も相変わらずの淫魔の本気汁が女の全身に降りかかり、真っ白にデコレーションする。
淫魔「は……あ……ひゃんっ!?」
女「んむちゅ……ほら、しゃぶってあげるから……ちゅるる……」
淫魔「だめ! 出したばっかはダメぇ! んあああ……ああ……」
ねとねとに絡み合う女と淫魔から少し身を離し、部屋の時計を見て幼馴染は視線を止めた。
幼馴染「あ……そろそろ時間かな」
淫魔「ちょっと、しゃぶんないでいいから……んあ……っえ? 時間?」
女「あ……ほんとら……がっこう……行かないと……」
まだ、遅刻を心配するような時刻ではない。
しかし、いったん家に帰って着替えなければならない幼馴染を考えれば、そろそろ切り上げ時だった。
淫魔「ん……はぁ……助かった……」
女「んぅ? なんか言った?」
淫魔「べつにー……さて、後片付けだね」
コテコテになった手を舐め、きれいにしてから淫魔は指をパチンと鳴らした。
3人分の汚れでひどいことになっていた女の部屋は、スッキリと掃除され、女と幼馴染は、元通りパジャマが着せられる。
ただし、背の低くなった女も、高くなった幼馴染も、きちんとサイズの合ったパジャマを着ていた。
淫魔「さあ、着替えて。幼馴染も早く帰らないと」
幼馴染「う、うん……でも、戻してくれないと……」
女「もどす? もうきれいになったじゃない」
幼馴染「……え?」
パジャマを脱ぎ、女はほとんど膨らんでいない胸に、ブラジャーをつける。
制服のシャツを羽織り、スカートを着て、身だしなみを整えていく女を、幼馴染は呆然と見つめていた。
幼馴染「えっと……男?」
女「え、いまわたしのこと呼んだ?」
幼馴染「わたしって……」
女「っていうか幼馴染、オンナノコの着替えを観察しないでよ……デリカシーがないんだから」
淫魔「……んふふ」
幼馴染「淫魔さん、これってどういうこと?」
774 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:38:13.78 ID:/PciK3Moo
淫魔「さあて、どういうことだろうねえ……ねえ、女?」
女「ん? うん、なに? どーいうことって?」
自慢の長髪をくしけずり、ツインテールを結い直しながら、女は応える。
淫魔「あなたの名前は?」
女「ふぇ? わたしの名前は女だよ? どーしたの?」
幼馴染「な……ななな……」
わなわなと手を震わせ、幼馴染は淫魔につかみかかる。
幼馴染「淫魔さん! 元に戻して!」
淫魔「えーでも、おもしろいでしょ?」
幼馴染「面白くてもなんでも……早く戻しなさい!」
女「えー、また淫魔が何かやったの?」
幼馴染「そう! 男からも言って! 戻してって!」
片方のツインテールを仕上げ、女は納得いかなそうに振り返った。
女「だから、なんなの? その名前。わたしは女だって……まあいいけど……淫魔?」
カガミのほうに向き直り、もう片方のツインテールをまとめながら女は言う。
女「何やったか知らないけど、元に戻してよね」
淫魔「ん? 戻していいの?」
女「幼馴染がこまってるでしょ、早く戻して!」
淫魔「んふふ、りょーかい」
指で輪を作り、ちゅとキスして、淫魔は指を鳴らした。
カガミに向いて髪をとかしていた女の身体が、制服のなかでムクムクと大きくなり、長くなめらかな髪は瞬く間に短くなる。
かわいらしいツインテールの美少女は、カガミの前で髪をちょんまげのように結ぶ、女子の制服を着た男子という、世にも奇妙な生物に成りはてた。
男「あ……」
幼馴染「ふう、やっと戻った……もう淫魔さん、ふざけすぎ!」
淫魔「んっふっふ……男、変な格好だねえ」
男「あ……ああああ! なんじゃこりゃああ!」
淫魔「男の言うとおり、一晩好きにさせてもらいました……いやあかわいかったねえ、男の痴態。わたしの秘蔵ライブラリィに永久保存だ」
髪留めを引き抜き、制服を脱ぎ散らかし、ブラジャーも女性用のパンツも脱ぎ捨てて、男は淫魔の首根っこを捕まえた。
男「てめえ……よくも……よくも……」
淫魔「んっふっふ、そんなことしてていいの? 早くしないと……」
トントン、とドアがノックされ、返事を待たずに開けられた。
父「男、起きてるか? 今日は母さんがフレンチトーストを……焼いて……やい……」
朝、息子を起こしに来た父が見たもの。
それは、ホームステイしている恩人の娘さんを全裸にひん剥き抱きつく、同じく全裸のわが息子と、それを横から呆然と眺める公認とは言えまだ学生の幼馴染の娘さんだった。
男「と、父さん? これは……」
父「幼馴染ちゃんと、淫魔ちゃんは、こっちへ……」
服を着ていない淫魔に、羽織っていたシャツを貸すと、父は少女ふたりを廊下へ出し、男の部屋の扉を閉めた。
数秒後、男の部屋からはとんでもない雷の落ちる音が響いたという。
かくして男のプライドや、親からの評価をかなり犠牲にしながらも、男の男性機能は復活したのである。
めでたしめでたし。
つづく。
775 :
◆WjI07W0ub6
[saga sage]:2012/06/03(日) 19:47:47.99 ID:/PciK3Moo
淫魔「こんばんは夜も早くに淫魔です。まだゴールデンタイムですが、今は作者の代理です
インターミッションとして書きました、『淫魔「男を壊してみようかな」男「……えっ!?」』
いかがでしたでしょうか、お楽しみいただければ幸いです。
性別が入れ替わる妄想は、古今東西あるものですが、よく言われるのが隣の芝は青い効果。
女性になった男性は、長く続く絶頂や乳首の感度に驚き、
男性になった女性は、ペニスという器官で味わう異性の肉体の味に驚きます
これはまあ、互いの肉体には絶対になれないがゆえに、人間のどうしようもない方の想像力が開花しているのでしょう。
性転換のお話は、もうすこし書いてみたいなと思ったり……
さても、今回はちょっとダーク風味!
男がゾンビにメチャクチャにされたり、幼馴染の登場シーンはすこし寝取られっぽかったり、
精神が壊れる寸前、男は自らの誇りを守るために自害してしまいます。
その後の淫魔と幼馴染の反応が、今回一番書きたかった事でした。
さても、性別を入れ替えて遊ぶことを憶えてしまった我らが主人公とヒロイン、
これからいっそうアブノーマルな方向に行ってくれそうで、うれしい限りです。
本編はもう少しかかります。しばしお待ちを。
それではみなさま……まだ少し早いですが、おやすみなさい」
776 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2012/06/03(日) 21:39:14.51 ID:Q5XJcZh5o
乙
以外と早い更新であった
777 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/04(月) 00:22:31.44 ID:f7BlVwXDO
乙
ゾンビの件はキツかった…
778 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/06/07(木) 19:56:09.21 ID:iHMz5TDIO
一応、区切りだからここまで到着。
今回ので諦めた。無理。
続けられるやつらは、まぁお健やかに。
・・・では。
コンクリート詰め殺人事件をやらかせる感性、ってもんは実在するんだな、と打ちのめされた気分だわ。
779 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(不明なsoftbank)
[sage]:2012/06/08(金) 06:17:53.16 ID:2OI7rnjjo
無理なら無理で黙って去ればいいのに
780 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(三重県)
[sage]:2012/06/08(金) 22:47:04.63 ID:zmfu6v2To
誰にだって何かしらの発言をする権利があるさ
781 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2012/06/25(月) 23:16:13.64 ID:3b2lwu9Bo
2週間か
782 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/07/07(土) 23:30:31.61 ID:H9nrJUmDO
まだかな
783 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/07/13(金) 04:47:47.95 ID:T0jmnvdZo
待ってる
784 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2012/07/25(水) 02:32:41.49 ID:iup5yYauo
そろそろ2ヶ月
785 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 22:38:52.31 ID:VZOkYNnJo
淫魔「夏がまいりました。夏といえば、そう! 青姦! 皆様こんばんは、淫魔です。今は作者の代理です。
2ヶ月、開いております。
一応今までの投稿では、長めのSSを1話分として、1話ごとに投稿してきたのですが、だらしねえ作者のせいで、そのペースを落とさざるをえません。
今回の投稿は、1話分のうち、前半の、そのまた前半分、プロローグと読んでいただければ幸いです。
エロもありません。積極的なグロもありません。
その点、安心です。
物足りない? ……ごめんなさい。
ほんとごめん。
……さても。
天界との戦いは避けられず、東と北と南には、魔界の各方面軍が集結し始めています。
天界についた西でもなにか動きがある様子。
そんな中、修道士は猫耳メイドをお供に南へと向かいます。
目的は、門の建設……魔界でも天界でも、現世でもない、カオスの中の小島に通じる門を、南方に作りに行くのでございます。
そして当然ながら、一悶着あるわけでございます」
786 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 22:41:14.52 ID:VZOkYNnJo
『修道士の受難』
紫色の魔界の明け方。薄暮の空を飛ぶ、一枚の絨毯があった。
絨毯の大きさは6畳ほど。丁寧な刺繍が施された絨毯は裏地を見ても美しい。
表側はわずかに起毛し、さらにドーム状の力場が張られていた。
明け方の風は冷たいが、薄い泡のような力場の内側は快適な温度を保っており、やわらかく身体を受け止める絨毯に修道士とメイドが少し離れて眠っていた。
修道士は脱いだ黒い長衣を身体かけ、メイドは持参した枕に顔をうずめて眠る。
外の風の音がにわかに騒がしくなり、メイドの青い猫耳がぴくんと動く。
メイド「んに……朝ですか……ふあぁ……」
のんびりと伸びをしながらも、耳は周囲の音に気を配ってぴくぴく動き、眠たい目をこすり、メイドは身支度を調える。髪をこしこしと手櫛でとかし、顔もくいくいとこね回して指先をペロリとなめる。
リボンを結び、メイドの象徴たるヘッドドレスを直し、エプロンドレスをはたき、立ち上がってさらに伸びをする。
メイド「んっ……んー……はぁ……あっ!」
朝日に照らされ、メイドは声を上げた。
メイド「修道士さま、起きてください! 着きましたよ!」
修道士「ん……メイドさん? ……ああ、おはようございます」
朝日を受けた寝ぼけ眼をしばたかせ、修道士は一瞬隙のある表情を見せたが、すぐに持ち前の生真面目さで思考の霧を振り払った。
地平線から昇る朝日を見て、メイドに聞き返す。
修道士「着いた……とおっしゃいましたが、祭神様の御居城に着くのはお昼前のはずでは?」
不思議そうにたずねる修道士に、メイドは得意そうに振り返り、空飛ぶカーペットの外、遥か下の地面を指さした。
メイド「ご覧ください。これが魔王軍です」
修道士「魔王軍? ……!?」
その光景に目を見開き、修道士は立ち上がった。
カーペットの飛ぶ空の下、朝日に照らされた草原を、兵士の群れが地平線の彼方まで埋め尽くしていた。
金銀宝石を埋め込んだ豪華絢爛な甲冑が、朝日に照らされて光り輝く。魔人の兵士たちの背丈は人間と同じくらいの者が多かったが、修道士の目で見える小さな者の背丈は人間の子供ほど、大きな者となると城の塔を抱えるほどもあった。
その大小様々な兵士たちが、それぞれの天幕から出て、すでに歩き回っているのだ。
地平線と草原から少しずつ視線を上げていくと、雲に混じって空を飛ぶ無数の影も見える。
修道士「……上にも!?」
視線をあげて赤紫の朝焼けの空を見れば、羽を広げた龍や魔人たちが、思い思いの方向へ飛び回っている。
まっ赤な鱗の大竜が、黒いつばさの大コウモリが、煌めく炎の鷹が、空飛ぶ絨毯のそばをかすめて飛んでいく。
大地と空を埋め尽くす兵士たちが万や億では数え切れず、その兵士たちは皆、千人力の魔人なのだ。
人間がどれほどの知恵と力を蓄えたとしても、これほどの大軍勢を指揮した者はいない。そしてこの大軍が、ほんの数日前に発せられた淫魔の言葉によって集まった事実に、修道士は薄ら寒さすら覚えた。
メイド「南方は魔族の数も多いので、兵営がどこまでも続いていますね。北方や東方の兵営では巨人や龍がもっとたくさんいて、それは壮観な眺めと聞いております」
修道士「この軍団が祭神様の御居城まで、ずっと続いているのですか?」
メイド「おそらく。魔界の戦力のおよそ2割がここに集まりますから、まだまだ兵営は大きくなるはずです」
修道士「これからもっと……」
空飛ぶカーペットの後ろを振り返っても、地平まで続く兵士の群れが遠ざかっていくだけだ。カーペットが素晴らしい速さで飛んでも、夜明けから昼前までかかる距離を埋め尽くす魔人の兵団を、修道士は頼もしく見つめ、そして同時にこれから起こる戦火の大きさも思い起こす。
修道士「戦争……か」
人を遙かに上回る知恵と意思を持つ魔人たちをしても、戦争は避けられないのか。
苦々しいため息が、修道士の口から漏れた。
メイド「修道士様、ごはんの用意が整いましたが……どうかなさいました?」
修道士「いえ……なんでもありません」
メイド「そうですか……さ、朝ご飯にしましょう」
787 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 22:42:49.01 ID:VZOkYNnJo
空飛ぶカーペットの上には、修道士とメイドのほかには、大きめのバスケットがひとつ。
メイドはピクニックバスケットから白いクロスを取り出し、修道士の前に広げる。並べるカトラリーは清潔な木のスプーンひとつ。
次にメイドは小さな魔法炉を取り出し、蓋付き鍋のスープを温め直す。
スライスしたパンを炉の横にかざしてあぶりなおし、皿に並べる。パンを切ったナイフでチーズをスライスし、鍋がコトコト音を立てる前に肉と野菜のたっぷり入ったスープを盛りつけた。
メイド「スパイスはいかがしましょう?」
修道士「いえ、そのままで」
メイド「ふふ……」
心を込めたひと品をメイドはうれしそうに手渡し、パンを盛った皿を修道士の前に差し出す。
ここ数日、修道士は差し出される料理を拒まなくなっていた。
メイドもそれをわかっているものの、あまり豪華な食事を作って修道士を困惑させることもない。栄養のバランスをよく考え、それでいて修道士が元から望んでいた程度には質素な献立につとめていた。
しかし、新鮮な羊肉と野菜を使いメイドが丁寧に作ったスープの、具は心地よくやわらかく、汁は金色に透き通り薫り高く、一口飲むほどに身体に力がみなぎるほど美味な作品だった。
メイド「果物はいかがですか? リンゴにシトラス、ナツメ、梨や瓜もございます」
修道士「そうですか……では、リンゴをいただけますか?」
メイド「……はいっ!」
あぶったパンも添えられたチーズも、魔界随一の小麦と乳から作られた一品で、ナイフで皮をむく赤リンゴの身もみずみずしく透き通っている。
修道士の顔はかすかにほほえみ、じつに美味そうにスープとパンを口にする。
人を堕落させることに喜びを覚える悪魔の本能か、メイドもうれしそうにナイフを動かし、ショリショリとリンゴを剥いてゆく。
器用なメイドはむき終わったリンゴを皿に並べ、ミントとピックを添えて修道士の前に置いた。
ナイフを拭き、皮を片付け、スープとパンを食べる修道士の給仕にと、食後のお茶の準備を始める。
修道士「メイドさん」
メイド「はい、いかがいたしました?」
修道士「あなたは何も召し上がらないのですか?」
メイド「いいえ、後でいただきます」
修道士「それなら、いっしょに」
メイド「いけません。お客様に食事姿をさらすのは、使用人の恥です」
修道士「……そうですか」
寂しそうに修道士は声を落とす。
メイド「あわわ、修道士さま、お望みでしたら、ご一緒いたします」
修道士「はい、ぜひ」
にこりと顔を上げる修道士の表情に、メイドは引っかけられたと悟ったが、あえて何も言わず、ワンピースのポケットから紙袋を取り出した。
油紙の袋に書かれた、魔人の使う古代文字を、修道士はめざとく読み取った。
修道士「栄養満点……お魚クッキー……?」
メイド「はい。とっても美味しいんですよ」
紙袋から取り出したクッキーは、一口サイズの丸みを帯びた星形で、中央には小さな穴が空いている。
ぽんと口に放り込み、サクサクと軽快な音を立ててメイドはクッキーを味わう。
メイド「ん、おいしい……」
修道士「どんな味なんですか?」
スープとパンを食べ終わり、むかれたリンゴをかじりながらたずねる。
メイド「お魚の味です。お魚だけですね」
修道士「へえ……よかったら、一枚いただけませんか?」
メイド「えと、あまりおすすめはしませんけど……」
おずおずと差し出された紙袋には、星形のクッキーがたっぷり入っていた。
788 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 22:43:21.12 ID:VZOkYNnJo
袋から立ち上るのは、上等なバターの香り。
なんのためらいも無く、修道士は一枚つまみ、口に放り込んだ。
乾かしたハンバーグのような味で甘みは無いが、サクサクと良い音を立て、口の中にバターの香りが広がる。
メイド「あの……大丈夫……ですか?」
修道士「はい、とってもおいし……んぐっ!?」
声をだして、口の中の空気が鼻に通り、バターの香りに突如別の臭気が割り込んだ。
脂と内臓と目玉を煮詰めて濃厚にしたような、究極に生臭いその香りは、間違いなく魚のアラだった。
修道士「ぐ……これは……んぐっ……」
意を決してゴクンと飲み込んだ修道士に、メイドはお茶を差し出す。
メイド「私どもはこれだけでご飯を済ませられるんですけど、他の魔人の方々はめったに召し上がりません」
修道士「いえ、たしかにこれは……ごほっ……」
口のにこっていた生臭さを、修道士はお茶で洗い流す。
メイド「リンゴ、お剥きしましょうか? お魚の臭いに効きますよ」
修道士「……お願いします」
朝食をとるふたりを乗せて、空飛ぶ絨毯は魔界の空を飛ぶ。
草原を埋め尽くす魔人の兵営からも、朝の炊煙が昇りはじめていた。
789 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 22:43:58.31 ID:VZOkYNnJo
草原を埋め尽くす兵士たちの群れは途切れることなく、祭神の城が見える頃にはずいぶん日も高くなっていた。
メイド「見えました、祭神様のお城です」
修道士「あれが……」
甲冑の群れの向こうに見える祭神の城は、地平線に盛り上がった灰色の線だった。
遠すぎて具体的な形をつかめなかったが、話に聞いていた魔界の南部や、祭神たちの性質から修道士が想像していたものとはずいぶん違うらしい。
祭神の名にふさわしい城だと聞いていたから、もっと有機的で、一年中収穫祭とイースターとクリスマスがいっぺんに来ているような、お祭り騒ぎの城だと修道士は思っていた。しかし空飛ぶ絨毯が近づくにつれ、牧歌的な空想は否定された。
メイドが指さした祭神の城は、草原のただなかに現れた巨大な城壁だった。かなりの距離を置いても壁だけしか見えず、塔や大きな窓もない。
近づくにつれ、その城壁が恐ろしいほどの高さを誇り、広大な面積を草原から円形に切り取っているのだと修道士は気づいた。城壁に使われている灰色の岩は、一つ一つが山のように大きく、巨大な岩同士を緻密に積み上げて作られた城壁は、山脈を凌ぐ異様な存在感を放っていた。
やがて絨毯は城壁に近づき、岩肌にさわれるほどの距離で止まった。修道士が縁から乗り出して下を見ると、遥か下の門を川の流れのように、多くの魔人が行き来していた。地面の門から視線を上げ壁の表面を注意して見ると、大きな岩を積み上げた壁面は、重ね合わさった岩の模様をそのままに、修道士たちの姿が映るほどぴかぴかに磨き上げられ、岩同士の継ぎ目は隙間がなくぴったりと合っていた。
空を見れば、はるかな城壁の上端を越えてゆく翼を持った魔人たちの姿が見えた。
地面から近くの壁面、さらに空へ伸びる壁の上端をもう一度眺め、修道士はその巨大さにため息をついた。
修道士「……すごい」
それは巨峰や渓谷など、人知の及ばぬ自然の造形を目の当たりにした、人間のため息だった。
修道士「ここで降りるのですか?」
メイド「いいえ……淫魔翌様から書状をいただいておりますので、このまま直接……」
刺繍のされた表面をメイドがぽんぽんと叩くと、カーペットは水平を保ったまま速やかに上昇をはじめた。
修道士の目の前を、磨き上げられた巨岩の壁が流れ落ちて行き、ふっと視界が開けた。
790 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 22:46:37.70 ID:VZOkYNnJo
登り切った壁の上、地上から離れた遙かな高みに、街が広がっていた。
赤瓦の敷き詰められた屋根の群れは、丸い城の中央に行くに従って低くなり、すり鉢状の盆地となっていた。
家々は中央に向かう側に大きなテラスがあり、テラスには鎧を着た家の主人と思われる魔人とその家族たちが椅子を並べ、皆同じ方を見つめている。家の間には酒を出すような飲食店もあり、テラスの席には多くの客が入り、飲み食いの合間にやはり同じほうを見ていた。
彼らの視線は街の中心、すり鉢の一番低いところに向けられていた。修道士も目をこらすと、街の中央には石造りの床の広場があるようだった。
そして、中央の広場からは、術の気配が伝わってくる。
メイド「技比べをしているんです」
修道士「技比べ? 戦争のまえだというのに試合ですか?」
メイド「だからこそ、士気を高めるため……つまりは余興です」
メイドは絨毯をふよふよと進ませ、修道士は進行方向、中央の広場を見た。
中心の試合場のまわりは家がなく、丸い試合場を何重にも見物席が取り囲み、祭りのようになっていた。
祭神の城、横に広い巨大な円柱の頂上は、観客席のなだらかな、ローマの闘技場にも似ている。違うのは闘技場より何万倍も巨大で、観客席が街になっている、という点だ。
修道士「この城自体が……コロッセオなのですか?」
メイド「ええ。現世のものとは、大きさも作りもずいぶん違いますけど」
修道士「城そのものが街で、街そのものが闘技場で……」
メイド「そして、闘技場が城なんです。中央の試合場では、武術だけでなく、歌や踊りの大会も開かれるとか」
空飛ぶ絨毯は、家々の屋根よりほんの少し高いところをゆっくりと進んでゆく。
試合中の闘技場に、メイドは無遠慮に絨毯を向かわせる。
修道士「こんなに近づいて良いのですか?」
メイド「大丈夫です……ほら」
闘技場の真ん中で術の光が放たれた。大ぶりの剣を持つ選手が倒れ、長衣を着た魔法使いが両手を挙げる。ちょうど決着がついた。
審判が勝者の手を上げ名前を読むと、城全体から拍手が降り注ぐ。
舞台を挟んでちょうど反対側、試合場の真南に祭神の席が設けられていた。
浅黒い肌にまっ赤な髪の少女は、朱塗りの御輿にあぐらをかき、その御輿を100人の巨漢たちが支える。
素晴らしい試合だったのだろう、満面の笑みをたたえ、祭神は観客とともに大きな拍手を送る。
祭神「そう、拍手を! 勇者たちに万雷の誉れを!」
御輿を支える巨漢たちも、声を合わせて勇者を褒め称える。
巨漢たち「誉れを! 万雷の誉れを!」
ふよふよと漂う絨毯が試合場に入り込むと、祭神は心得たふうにうなずいた。
祭神「さて、つぎの試合をはじめる前、皆に素晴らしい知らせがあるんだ……」
普通の少女の体格で、マイクも使わないのに、祭神の声は城の隅々まで届くらしい。
鳴り響く拍手は、引く潮のように鳴り止んだ。
メイド「ほら、修道士様」
修道士「あ……ここで読むんですか」
拍手に圧倒されていた修道士もメイドにうながされて立ち上がり、それを待って、祭神は声を上げる。
祭神「みんなも知っているとおり、天界との戦争が迫っている。あいつらは現世に、そしてこの魔界に攻め入ろうとしている……そこで淫魔翌様はわたしに、われわれに、南方大楽団に大切な仕事をくださった」
巨漢たち「仕事とは?」
100人の巨漢たちが声をそろえて尋ねる。
祭神「それを彼が持ってきた。人の身で魔界に至った希代の魔術師、修道士どの!」
修道士「は……」
メイド「さ、どうぞ」
メイドは絨毯を祭神の席の前、闘技場の舞台に降ろした。
791 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 22:48:35.91 ID:VZOkYNnJo
広大なコロッセオに詰まった観客からの、痛いほどの視線を感じながら、修道士は祭神の前に進み出た。
メイドは修道士の斜め後ろにひざまずき、目を伏せる。
懐から淫魔の書状を取り出し、広げると、修道士は軽くくちびるを噛んだ。
修道士「……これを読むのですか?」
ぼそぼそつぶやくと、軽く目を開いてメイドは答える。
メイド「当然です」
読むのをためらう修道士の様子を見て、祭神は指先で指示を出した。
主の意思をくみ取り、試合場入り口に控えていた音響係が、杖を持って修道士に駆け寄る。
修道士の目の前に設置されたマイクスタンドは古い家具のように重厚で、材料は木のようだ。
ポンポンとマイクの入りを確認し、音響係は頭を下げて試合場から出て行く。
メイド「さあ、どうぞ」
修道士「淫魔翌様よりお預かりした書状を読み上げます……『親愛なる南方の皆様、淫魔です。こんにちは』」
会場全体「こんにちはー!」
まるでアイドルのコンサートのような反応が、コロッセオ中から返ってきた。
声に圧倒されながらも、修道士は続ける。
修道士「『突然だけど、近々天界と戦争になる。そこで南の皆には、丈夫な要塞を作ってほしい』」
メイド「要塞……なるほど、そう来ましたか」
修道士「『厚く高い城壁に、大口径の大砲をたくさん。巨岩を積み上げ難攻不落の大要塞を建設せよ』」
コロッセオ中で低いざわめきが起こった。
修道士「『要塞には南方の食料と武器弾薬を集め、万魔殿と東西南北それぞれを結ぶ門を作る。あなたたちの技をもてば素晴らしい要塞ができあがる。敵をにらみつける高い塔、退ける壁ができるだろう。あなたたちが作れば、壁は敵を退け、門は通す者をえらぶだろう。わたしたちに残された時間は少ない。でも、南方のあなたたちの、すばらしい技なら、やり遂げられるとわたしは思う……どうかな?』」
クエスチョンマークのあとには、米印つきでこう書かれていた。
『※ここで顔を上げてちょっと待つ』
指示どおりに修道士が顔を上げると、魔人たちは立ち上がり拍手を送りはじめた。
その波はコロッセオ全体で高まったが、修道士が視線を紙面に戻すとすぐに止んだ。魔人たちは皆、淫魔の指示を待っているのだ。
修道士は書状を読み続ける。
修道士「『詳しいことは、この書状に添えておく。みんな、がんばってね。淫魔より』」
書状を読み終える修道士に、魔人たちの喝采が響く。
そして、書状の最後に書かれた追伸を、修道士は見つけてしまった。
目を伏せたまま、メイドはうながす。
メイド「お読みください」
修道士「ですが、これは……」
メイド「淫魔翌様のご書状をきちんと読まなければ、謀反の疑いをかけられます。お読みください」
会場の熱に寒さを覚えながら、修道士は書状を掲げて読み上げる。
修道士「『追伸』」
書状の続きに、会場の音も静まった。
修道士「『この書状を託した修道士くんは……愛する人のために命を捧げ、700年の孤独を耐えぬいたすばらしい青年です。この方の扱い、良きに計らうように』」
会場からは、ほうと関心の声が漏れ、まばらに拍手も起こる。
修道士「……『(※可能な限りかわいく!)追伸の追伸、修道士くんは先日、愛する人に』……ううぅ……『愛する人に童貞をささげたばかりです。とってもいい子だから、いっぱい、いーっぱい、かわいがってあげてね。淫魔よりっ!』」
しんと会場は静まりかえり、林檎のようにまっ赤な顔の修道士に、やがて万雷の拍手が降り注いだ。
792 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 22:49:19.48 ID:VZOkYNnJo
南方守護の魔神、祭神の城。
背の低い円柱形の城の奥深く、謁見の間近くの会議室で、議論が交わされていた。
20名ほどの祭神の腹心が円卓を囲み、修道士とメイドも同席をゆるされた。
議題は淫魔の書状にある要塞についてである。
丸々と太った顔にちょびひげを生やした豚人の大臣が、ぶひぶひと鼻を鳴らした。
豚大臣「要塞の建設、それ自体は良いのです。この城を要塞化すれば、この書状に書かれたような要塞の建設も難しくはないでしょう」
祭神「それなら、何が問題だっていうの?」
まっ赤な主席に腰掛け、祭神は腕を組んでたずねた。
豚大臣「ぶふっ、南方に要塞を作る理由を承知しかねるのです」
祭神「それは住民、つまり非戦闘員が一番多いのが南方だからじゃないの?」
豚大臣「住民が多いのは、魔界の南方が肥沃な平野で、耕作が盛んだからに他なりません。ですが、平野は戦場としたとき攻めやすく守りにくいのです」
祭神「たしかに……北方の山岳地帯とか、東方の森とか、要害らしい要害が南方には無いね」
豚大臣「それに、住民の保護を優先するならば万魔殿こそ最適です。魔界の全労力をつぎ込み、基礎だけでも1000年かけて作られた大城塞。規模も強固さも、この書状にある要塞など及びもつきません。さらに万魔殿こそ魔界を満たす瘴気の中心でありますから、使徒共の動きはもっとも鈍くなります。戦うならば万魔殿で迎え撃つべきですし、そもそも万魔殿は来たる天界との戦のために作られたものであったわけです。その大城塞をこの戦で使わずに……」
参謀「そう。たしかに万魔殿は、天界との全面戦争を前提に作られました。ですが、西方が謀反を起こした以上、当初の計画は見直されなければなりません」
透き通るような白い肌にメガネをかけた理知的な美人は、豚大臣を軽くにらみつけた。
参謀「西方と北方の境界線に現世への通路は開きます。まずは身体的に頑強な北方の巨人たちが矢面に立ち天界を食い止め、強力でも足の遅い北方の鬼神兵団を、電光石火を誇る西方の雷神奇兵隊が援護し、後方から東方の龍神騎士団が攻撃術と弓、さらに我ら祭神楽団が補助の術をほどこす……淫魔翌様の広げる瘴気の中、天界の軍がいかに強力でも、この布陣があれば我らの勝利は揺るぎません……しかし、西の獣たちが裏切った」
豚大臣「ぐぬ……ぶぶっ……」
参謀「だからこそ淫魔翌様は、他の案を示されたのです。それとも大臣は、淫魔翌様に背くおつもりか?」
豚大臣「ぶひっ!? 私に謀反の疑いありと?」
参謀「いえ……ただ、大逆人の雷神も……そういえば獣人だったなと」
その一言で、議場の空気に亀裂が走った。
机を叩き、音を立て椅子から立ち上がる者もいる。
祭神「はいはい、そこまで」
ざわめく議場で祭神の声も拍手も小さかったが、トンネルの反響のように隅々まで行き渡った。
議場が静まるのを待ち、祭神は言う。
祭神「ねえ大臣」
豚大臣「……は」
祭神「戦争では民を逃がすこともあるでしょ? それなら一日に一番長い距離を移動できるのは、東西南北の、どの民だろ?」
豚大臣「それは……もちろん東方の竜人たちです。空を飛ぶ者が多く、身体の大きな者に飛べない民を乗せることもできます。すべての民を一緒に動かしても、1日に10万里は進むでしょう」
祭神「それなら参謀、一日に移動できる距離が短いのは?」
参謀「西方の獣人は足が速く1日に万里を駆けます。北方の巨人は鈍重ですが歩幅も大きく、やはり1日に5千里を稼ぎます……われわれ南方の民たちもある者は空を飛び、さまざまな道具で足を速くする者もおりますが、多くの者は一日に百里が限度かと」
祭神「そう……南の民は、一番数が多くて、そして一番逃がしにくいんだよ」
豚大臣「だから淫魔翌様は、要塞を南に作るとおっしゃるのですか?」
祭神「そういうこと」
豚大臣「しかしそれでは耕作地が……」
祭神「南の畑と草原が傷つくのが耐えられないのはわたしも同じ……ううん、ずっと畑を育ててきた大臣は、わたしなんかよりもずっと痛みを感じるだろうね」
たしなめるような口調だが視線はあくまでやさしく、豚大臣は頭を下げる。
祭神「戦場にしやすい南に、あえて要塞を作るのも、きっと理由があるはず……だから、ね?」
豚大臣「ぶふっ……ならば、もう一つ」
参謀「まだあるのですか?」
祭神「こら参謀……大臣、何か?」
793 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 22:53:11.76 ID:VZOkYNnJo
豚大臣「使者様のことでございます」
会議の中心から半ば外れていた修道士は、大臣の言葉に視線を向けた。
修道士「……私の?」
豚大臣「ぶふ、淫魔翌様のえらばれたお方、そのお力に関して、私はなにも申し上げることはありません」
そこまた豚大臣は言葉を切った。もったいぶる豚大臣に、参謀はメガネをさわりながら神経質にうながす。
参謀「大臣、何か問題でも?」
豚大臣「どのような形であれ、淫魔翌様のえらばれたお方……ですが、ぶひっ、民はどう思うか」
祭神「……なるほどね。南は職人も多いし、魔術を修めた者はもっと多い。戦を左右する要塞の建造をどうして人間に任せるのか」
豚大臣「はい。民たちとて淫魔翌様の使者様……修道士様をむげには扱いますまい。ですが工事の出来を考えると……」
修道士「工事の士気に差し支えると?」
辛そうに豚大臣は頭を下げた。
豚大臣「天界より分かれて月日が経ちますが、すべての魔族が自分たちと人間を対等とみなしているわけではありません。なんと申しますか……ぶぅ、保護するべき相手と見る者が多いのです」
参謀「正直に言いなさい。劣った存在だとみなしていると」
祭神「参謀! ……修道士どの、悪く思わないでくれ、参謀は見た目の通りキツイ奴でさぁ」
修道士「いえ、参謀様のおっしゃるとおりです。魔界の物事を見るにつけ、人間の未熟さを痛感しています。魔族の方に要塞の建設指揮を引き継ぐのもよろしいかと……」
苦々しく答える修道士に、祭神は首を振った。
祭神「代役はダメ。あなたが要塞建設の指揮官だって宣言しちゃったよね?」
豚大臣「ぶふ、そこで私は武術大会の開催を提案致します。各部門の優勝者たちと、さらに選りすぐりの使い手を集め、そこで修道士様のお力を示せば、民も納得し、士気も上がるでしょう」
祭神「んー、いい余興になるだろうし、まずはみんなに修道士のことを好きになってもらわないとね……修道士どの」
修道士「は」
祭神「南の術士と剣士相手に……勝てる?」
修道士はしばらく黙った。
南の精鋭が出場するなら、勝てると答えるのは失礼だ……しかしこの場で弱気になるのもまた祭神と淫魔の期待に背くことになる。それゆえ修道士の答えは……
修道士「淫魔翌様が私を遣わされたのは、この役目を果たせると思し召しになったからでしょう……ならば、やり遂げるまでです」
会議室の祭神と20人の腹心たちは、ほうと声を上げた。
楽しげにほくそ笑み、祭神はかわいらしい拍手を返す。
祭神「よく言った! 人間よ!」
椅子で脚を組み替え、祭神はオーケストラの指揮者のように手を広げた。
祭神「わたしのすばらしい臣下たち、魔神の将よ……」
会議はすでに終わり、魔人たちは下命のために主君を仰ぐ。
祭神「戦の前に……もうひとさわぎだよっ!!」
パンと祭神が手を叩くと、議場の空気が熱を帯び、巨大なコロッセオに、祭りの気配が満ちていった。
794 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 22:54:27.59 ID:VZOkYNnJo
魔界の南の果て、触手王の居城のほど近い森の中、触手姫たちのお家。
リビングの丸テーブル、席に着いた天使の目の前に、15人の姫君が丹精込めた夕食の皿が並ぶ。
天使「わ、すごい……」
14号「さあ召し上がれ」
ちゅっと14号が頬にキスすると、うぶな少年のように天使は頬を赤らめる。
天使「もう……食べてからにしてよ」
14号「えへへ、ごめん」
13号「あーもー! 14号ずるい!」
1号「ああ、今日の順番、14号はさいごだな。抜け駆けはいけない」
2号「抜け駆けねえ……たしかに……あら?」
理知的な2号がピクと反応した。
3号「だれか来たかしら?」
4号「夕飯時になんの用だ?」
5号「……強い力」
6号「うん、魔翌力を隠そうともしない」
7号「穏便な……感じでは……ないわね」
8号「玄関からだな。6号」
目配せして、肉体派の6号と剣術使いの8号が玄関の左右に立った。
加えて9号が手のひらに術を錬りはじめたが、ふと目つきをゆるめた。
9号「この力の気配……覚えがある」
10号「ええと、たしか祭神様の……」
厚い木の扉にノックが響いたが、触手姫たちは動こうとしない。
それほど異様な術の気配が、扉の向こうに立っていた。
11号「祭神様の配下が、なんでこんなに怒ってんだよ?」
12号「お父様に緊急の連絡を……」
13号「そんなの間に合わないよ!」
14号「どうしよう……でも、逃げるわけには……」
トントンと、こんどはさっきより強くノックが響いた。
15号「ねえ、天使……」
天使「うん……あーあ、ごはんが冷めちゃうなあ」
席から立って天使は玄関に向かい、6号と8号が見張る扉を何のことなく開いた。
天使「はい、どちらさまですか?」
立っていたのはメガネをかけた女性だった。雪のように白い肌、絹のように白い髪、とがった耳に小さなピアスが光る。
1号「これはこれは、祭神様の参謀どの」
相当いらついているようで魔翌力は垂れ流しだが、表情はあくまで落ち着いたまま参謀は挨拶する。
参謀「こんばんは、触手王のお嬢様……それに、使徒」
炎も凍り付くような冷たい視線を天使に向け、参謀は嫌悪と警戒を隠そうともしない。
天使「そういう呼び方はいやだな。それに今となっては、魔界に来たのが昔か最近かってだけだろ?」
参謀「ふん……」
術の警戒を解き、参謀は剣呑な雰囲気を追い払った。
参謀「失礼。急用ゆえ先の手紙も無しに参りました」
795 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 22:58:43.13 ID:VZOkYNnJo
参謀「失礼。急用ゆえ先の手紙も無しに参りました」
2号「……ご用の向きは?」
参謀「いと貴き半人半魔、15名の姫君、そして金色の堕天の天使、あなた方に明日の武術大会へ出場していただきたい」
3号「夕方にお知らせがあったあの大会ね。でもどうして? 剣や術ならもっと上手な人たちがいらっしゃるのに」
参謀「ご冗談を。天界から生きて戻ったあなた方は、どなたも一流の武闘家と術士でしょう。そして天使、あなたの力も借りたい」
天使「私も武術大会に出場しろと?」
参謀「ええ。選りすぐりの実力者に、出場の打診をしているんです」
4号「実力者? 実力者ねえ……そこまで言われたら、出ないわけには行かないよ。ね、天使?」
天使「ん? うーん、みんなはどうしたい?」
くるっと天使が見渡すと、姫君たちは自信ありげにうなずいた。
天使「わかった……参謀さん、大会に参加します」
参謀「ありがとうございます。規定は定例の武術大会に従います」
懐から要旨の紙を天使に渡し、参謀は衣服の襟を正した。
参謀「急ぎますゆえ、これで失礼します」
それだけ言うと、参謀は振り返って玄関へと向かった。天使たちが引き留める間もなく、参謀は家の外へと足早に去って行った。
突然やって来た参謀が、またも突然の退場し、呆然とする姫君たちと天使だったが、13号だけは飛び上がった。
13号「やった! 出たいと思ってたんだ!」
釣られて、武闘派の6号と8号も握り拳を固める。
6号「そうだな、腕が鳴る!」
8号「修行の成果、見せるとき」
7号「それなら……栄養をつけないと……ねぇ」
ちらりと7号が天使を見て、姫君たちの視線は天使のおいしそうな肢体に釘付けになる。
15号「ねー、おなかへったー」
14号「そうね。天使、わたしたちも、早く晩ごはんにしたいなぁ……」
ゴクリと生唾を飲む15人の姫君たちの視線を浴びて、天使は夕食の席に戻る。
天使「……いただきます」
参謀の登場に夕食は中断していたが、幸いなことに、スープは温かいままだった。
796 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 23:00:44.13 ID:VZOkYNnJo
祭神の城の朝は遅い。とんでもなく遅い。
祭神の居城では連日連夜、歌と踊りが続くため、早くに起きて動き始めている者は少なかった。
修道士とメイドは、早くに朝食と身支度を済ませ、コロッセオの試合場近くに与えられたコテージから、朝露に湿る街路を歩き出した。
城の広大なすり鉢状の屋上は、それ自体が街として作られており、中央の試合場を下り坂の石畳が放射状に取り囲んでいる。
メイドと修道士の歩く道からも、試合場の全景が良く見渡せた。この街はすべての場所が試合場の特等席なのだ。
今日の朝食はいつもどおりのスープとパン、それに南方の果物盛り合わせだった。
メイド「お体の調子はいかがですか?」
修道士「全く問題ありません。南方の果物で体に力が満ちるようです。試合が終わったら、おなかいっぱいに食べたいですね」
メイド「ふふ、ではご用意いたします」
修道士「ありがとうございます……しかし、大丈夫なのでしょうか?」
メイド「何か?」
修道士「今日の昼前には試合が始まるのでしょう? なのに舞台には何の用意もないようですし、良く晴れているのに街を歩く者がいない……本当に今日、試合をするのですか?」
メイド「遅くまで笛や太鼓が響いていましたから、みんなまだ寝ているのでしょう……日が昇ってから間もありませんから」
修道士「そうですか……」
朝露を含んだすずしい空気の中、ふたりは試合場に至った。
試合場は城のちょうど中心、屋上のすり鉢の中央に位置し、巨人でも楽に相撲がとれるほど広大だった。試合場はまわりの石畳より、人の胸ほどの高さに一段高くなっていて、試合場に登るための階段が、等間隔に設けられていた。
修道士「登ってもいいのでしょうか?」
メイド「はい」
試合場はざらついた灰色の石で、雨などで濡れても、競技者が脚を滑らせることはなさそうだ。
夜の冷たさを残した石の床をさわると、手の甲に受ける朝日の暖かさを感じる。
メイド「いかがですか?」
修道士「地面はしっかりしている……悪くないですね」
メイド「よかった」
修道士「しかし……あなたも出場されるのですか?」
メイド「ええ。これでも鍛えてますから!」
むん、と力こぶを作ってみせるが、紺色ドレスの長袖の下は、戦士と言うにはあまりにも細い。
修道士「ここで、試合時間は30分でしたね」
メイド「はい。1チームは100名まで登録できまして、相手を戦闘不能にすれば勝ち。制限時間がすぎたら判定に持ち込まれます」
修道士「判定法は?」
メイド「割合にしてどのくらいの人数が残っているか、たとえば10人の同士の対戦で、3名残っているチームより6名残っているチームに良い判定が与えられます……が、それが絶対と言うわけでもありません」
修道士「試合を通して、主導権を握っていた方が良い判定をもらえる……と?」
メイド「そうです。拳闘などと同じですね」
修道士「チームは一度に全員を出したり、ひとりずつ出場させても良いと」
メイド「はい。この試合場の広さにしても、複数人の形式にしても、祭神様の御前試合は模擬戦争の色が強いんです。対戦者が倒れたら、速やかに次のメンバーが交代する。複数人の場合は、戦闘不能者を速やかに場外に輸送する。負傷者への救護が行われない場合、戦場での動きができていないとしてチームにペナルティが科せられますから、人数が多い方が有利というわけでもありません」
修道士「なるほど、それなら試合中、メイドさんは試合場の縁で待機してください」
朝日を受けて、試合場の表面はすでに暖まりはじめている。
メイド「待機ですか? ふたりなら別々に戦うより、タッグを組んだ方がいいと思うのですが……」
興奮を隠さず青い猫耳をピクピク動かし、メイドは見つめるが、修道士は首を振った。
修道士「いえ、ご婦人を危険にさらすわけには参りません……私が単機、先方として出場します」
メイド「修道士様がそうおっしゃるなら……むぅ」
不満そうに口を膨らませるメイドに、修道士はほほえんだ。
修道士「大丈夫、負けませんから」
修道士の黒髪が揺れる。朝凪がおわり、風が吹き始めていた。
797 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 23:01:55.61 ID:VZOkYNnJo
太陽が完全に昇り、午前のお茶の時間になる頃には城の屋上にも賑やかになり、祭神の城は昼を前にして祭りの熱気に包まれていた。
観客席を魔人が埋め尽くす。人型の者が多いが、耳が大きかったり、鱗や羽毛に被われた者も多く、完全に4つ脚の獣や液状のドロドロした塊も、それぞれの観客席におさまっていた。
試合場を囲む家々のテラスからも、昼間から酒を片手に歓声が上がる。酒場から流れる濃い酒と焼き物の匂いが一番低い試合場のあたりにまで流れ込み、試合場のまわりでも屋台の煙が立ち上り、空には竜や鳥人の群れが飛び、旗がたなびき花火が上がる。
ひときわ大きな音花火が鳴り響き、白い煙が上空の風に吹き流されていった。
試合場の端に御輿を持ち込んだ祭神は、試合場の真ん中まで歩み出て観客に手を振る。
祭神「みんなー! こんにちはー!」
こんにちはー! と祭神の城を揺るがすほどの大音声が返ってくる。
マイクを使っていないのに、祭神の声は広大なコロッセオ中に響き、そして耳にうるさくない。
耳にする者に、おのずと聞きたいと思わせる不思議で魅力的な声を振りまいて、祭神は続けた。
祭神「この戦争は、待ちに待った戦争だ。天界の奴らを追いやり、雲の向こうに押し込める、一世一代の大戦争だ!」
ざわと城が揺れ、祭神はさらに続けた。
祭神「そしてその戦のまえに、わたしはみんなの強さを知りたい。磨き抜いたみんなの技を術を……そう、お前たちの、お前たちの力を見せてみろ!」
祭神の低めた声に、観衆のざわめきが止んだ後、怒濤のような歓声がコロッセオからわき上がった。
祭神「8部門の優勝者たち、そしてわたしの選んだ8名の実力者……わたしは知りたい。魔界の南で、誰が一番強いのか! その答え、お前たちは知りたいか!」
オオオオオオオオオッ!
コロッセオを埋め尽くした観客の声は嵐となり、祭神に降り注ぐ。
祭神「そうだ。お前たちの力はわたしの誉れ、南の誉れだ。南で一番の、勇者が誰か知りたいか!」
祭神の投げかける問いに、コロッセオはさらに揺れる。
並の人間ならば魂が飛び散ってしまう轟音を一身に受け、祭神は笑顔を見せた。
祭神「ならば試合を始めよう。第1試合、1人目の選手は無差別級優勝者、北方の巨人将軍を父とし、東方の竜人公主を母とする、南の誇る力の化身、巨竜!」
巨竜「はっ!」
祭神の示した右手から現れたのは、軍艦が立ち上がったかのような巨大な竜人だった。
黒緑の分厚い甲冑に、研ぎ澄まされた巨大な剣、顔つきは鼻先の短い竜で、ちょうど人とトカゲの間、堅い鱗に被われた顔には、金色の眉と武人らしいヒゲが生えそろう。
試合場の袖で、向こう側から登ってきた竜人に、修道士はあきれたような声を上げた。
修道士「な……なんですかアレ」
メイド「おお、早速の優勝候補です。巨竜と言えば、南方巨人の筆頭ですから」
修道士「あんなに……鬼神や龍神よりも大きいのでは?」
メイド「竜と巨人のハーフ、およそ戦うことに関しては、理想的な混血ですから。身体も力も破格なんです」
半竜の巨人に圧倒される修道士の耳に、さらに祭神の声が響く。
祭神「対するは、700年間、石の像として瞑想を続け、人の身にありながら術の奥義を極めた大魔法使い、修道士! おつきのメイドといっしょに登場だぁ!」
歓声の方向が、石の階段を登る修道士の背中に集まり、試合場に登った修道士は、観衆の視線を一身に浴びた。
すでに酒の入っている者、競技者を品定めしながら賭博をする者、中には修道士の故郷の文字を使って「がんばれ修道士様!」などと書かれた横断幕も見える。
そして対戦相手の巨竜は、試合場の向こう端に立っているのに、頭は見上げるほど高い。
祭神「審判!」
祭神が示すと、修道士と巨竜の間にトカゲが駆け寄り、縦縞シャツの襟を正した。
審判「第1試合、巨竜対修道士チーム。制限時間は30分。相手チームの、すべての選手の試合不能か降参させる、もしくは場外に出した時点で勝利となります」
祭神「よし、双方とも力を尽くせ」
巨竜は目を閉じて深々と頭を下げ、修道士も皇帝に向かうように礼を返す。
沸騰寸前の熱を秘めたコロッセオの空気に、審判の声がこだました。
審判「始め!」
798 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 23:02:25.04 ID:VZOkYNnJo
試合場を望む控え室。
ギリシア建築を思わせる柱廊の隙間からテラスへと、桃色の集団が飛び出した。
6号「うおー! もう始まってるのか!」
11号「なんだあいつ! めっちゃくちゃでっかいぞ!」
触手姫たちは思い思いの甲冑や魔法着に身を包んでいた。衣装の形は異なるが、皆共通してピンク一色。
試合が待ち遠しくて腕を鳴らす者、とりあえずついてきた者、眠くて早く帰りたい者など、15人の姫君たちはそれぞれ異なった反応を見せる。
8号「巨竜……南方一の竜人にして巨人……優勝候補だ」
1号「ああ、修道士どのは苦戦しているようだな……」
15号「勝った方と、つぎ試合なの?」
14号「この試合で勝った方と戦うのは、わたしたちの2試合目。わたしたちが1回戦で勝ったら、この試合で勝った方と試合になるの」
15号「ん……そうなの」
5号「……くー」
7号「もう……5号姉さん……この後わたしたちの試合なのに……」
13号「2号姉さん、勝つのはどっちだと思う?」
2号「うーん、修道士は良く動いているし、術の使い方も上手い……でも」
3号「戦いに慣れていない、という感じかしら?」
12号「そうね、修道士の動き、まだまだだわ」
10号「やっぱり巨竜は強い……一斉にかからないと、わたしたちも危ないね」
9号「……」
4号「どうした? 黙っちまって」
頭脳派の9号が考え込むのを見て、4号はたずねた。
9号「たしかに巨竜は強い……でも、攻めあぐねてる」
8号「そのようだ。修道士の防護術……巨竜の剣を受け止めているのにビクともしない」
1号「やはり淫魔翌様の虎の子だ。この程度で済むはずもないだろう、皆、両方の動きをよく見ておけ」
5号「……」ピクッ
7号「5号姉さん、どうしました?」
5号「……動いた」
799 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 23:03:12.98 ID:VZOkYNnJo
巨竜の力は恐ろしいほどに強く、上段から振り下ろされる剣は、現世の城壁なら一撃で粉砕するだろう。
それだけの力を受け止めながら、修道士の泡の壁も、修道士の立つ試合場の床も壊れなかった。
修道士は剣を受けるだけで攻めあぐねていたが、そもそも巨竜の攻撃を受け止められる者は少なく、人間の術士の健闘に、コロッセオから歓声が上がる。
修道士「まだ受け止められる……しかし……このままでは……」
巨竜の動きは俊敏で、それは巨体に似合わず、というような次元ではなかった。
もし人間と同じ背丈であっても、巨竜は超一流の剣士だったろう。
さらに、塔を掴むような巨体に加え……
巨竜「その防護術、見事だ。わが剣でも破ることかなわぬか……では……」
一度剣を構え直し、巨竜が刀身に触れると、諸刃の長刀は赤い炎をまとった。
その体格に加え、竜の術さえも巨竜は身につけていた。
巨竜「この場でなら使っても良いだろう……炎の大剣でお相手致す」
燃えさかる大剣の放つ熱量はすさまじく、剣から離れた修道士の頬をジリジリと焦がす。
修道士「これは……」
巨竜「ハアアアアッ!」
燃えさかる大剣を高く振り上げ、巨竜は修道士を薙ぎ払った。
修道士「避けられ……うわっ!」
巨竜は剣に術をかけただけでなく、太刀筋も変化させてきた。
今まではスイカ割りのように振り下ろすだけで、それでさえ修道士には反撃の機会をうかがう術がなかったのに、水平に振り抜かれた大剣は、修道士を彼を包む障壁ごと、ゴルフボールのように場外へ向けてはじき飛ばした。
メイド「修道士様!」
修道士「く……」
空中に障壁と似た足場を張り、何度にも分けて衝撃を吸収し、修道士は試合場に踏みとどまった。
巨竜「ほう……残ったか」
予想外の健闘に、巨竜は笑みを……トカゲのその表情が笑い顔だというならば、うれしそうな笑みを浮かべた。
巨竜「先ほどから守ってばかりではないか。さあ、来い!」
修道士「く……さかまく風よ、縒り束なって刃をなせ……」
巨竜「ほう、短呪系か……よし」
ぐっと大剣を構える巨竜に向かい、修道士は術を解き放った。
修道士「放て! バリスタ!」
ズアッ と、修道士の背後から、光り輝く飛槍の群れが、広大な試合場の端から端までを恐ろしい速度で横切った。
巨竜「むぐっ……!」
巨竜は燃え上がる大剣を顔の前にかざし、全身の甲冑に修道士の飛槍が突き刺さる。
サボテンのようにびっしりと、バリスタの槍が突き刺さったが、巨竜は涼しげに顔を上げた。
巨竜「くはは! わが甲冑は、その程度では破れんぞ!」
人が振るうには太く長すぎる飛槍も、巨竜の体格と比べると、まち針より儚く見える。
まるで服についた落ち葉を払うように、甲冑表面の飛槍を撫で落とす巨竜に、修道士は叫んだ。
修道士「裂破ッ!」
巨竜「なにっ!? ぐあっ!?」
甲冑に突き刺さった飛槍が、にわかに輝き、雷の轟音を立てて炸裂した。
轟音は祭神の城を揺するほどで、観客席からは悲鳴と歓声がわき上がる。
800 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 23:04:22.46 ID:VZOkYNnJo
飛槍の爆発に白い煙が立ちこめ、試合場を包んだ。
煙を振り払い、修道士は目をこらす。
修道士「……どうだ!」
息を荒げて修道士は叫ぶが、煙の向こうからは何の反応もない。
嫌な静けさに、修道士が少し身を乗り出した瞬間、煙の中から燃えさかる大剣が振り払われた。
修道士「うわっ!」
床を蹴り、修道士は間一髪で大剣をかわす。
巨竜「ふむぅ……なかなかやる」
修道士「まだ仕留めきれませんか」
煙が薄くなり、大剣を振り抜いた格好の巨竜が姿を現した。
巨竜の甲冑は砕け散り、ほぼ裸になっていたが、強固な鱗にはキズひとつ見られない。
巨竜「試合用とはいえ、わが甲冑を砕くとは……さすがは淫魔翌様のご推薦……しかし」
鎧の拘束がなくなり、動きになめらかさの加わった巨竜は、大剣の炎をさらに燃え上がらせた。
巨竜「……覚悟!」
音もなく床を踏み切り、巨竜は突進する。城壁のような巨体を砲弾のように加速させ、振り切る大剣は、確実に修道士の首を狙っていた。
修道士はまたも避けたが、障壁の表面に燃える切っ先がかすった。
修道士「くっ、速い!」
バチンと障壁が弾かれ、修道士はステップを踏んで体勢を立て直す。
バランスを崩した修道士はその場に踏みとどまり、さらに巨竜の剣撃が続く。
連続で振り下ろされる炎の大剣に、修道士は脱出手段を失い、ふたたび釘付けとなった。
メイド「修道士様ッ!」
加勢しようと駆け出すメイドは、修道士の視線を感じて立ち止まった。
メイド「え……」
10倍以上体格差のある相手から、一方的な攻撃を受けているのに、修道士の目は冷静だった。
メイド「何か、狙っているのですか? 修道士様」
801 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 23:04:54.19 ID:VZOkYNnJo
泡の障壁を左手で維持し、修道士は右手に術の光を宿す。
元から押されていたのに、片手で障壁の維持は難しく、泡の障壁に揺らぎが走った。
それを機と見て、巨竜は剣を大きく振り上げた。
巨竜「もらったッ!」
燃え上がる大剣が障壁に触れる刹那、修道士は右手に溜めていた術を解放した。
青い光が爆発し、次いで氷を割ったような音が キイイィィィン と響く。
巨竜「……な」
青い光の消えた後、帆船のマストほどもある大剣が、根元から折れていた。
大剣に宿った炎は空中をゆっくりと飛ぶうちに消え去り、折れた刀身の影から、修道士が飛び上がった。
巨竜「このっ!」
捕まえようと巨竜は手を振るうが、修道士は竜の懐深くに飛び込み、障壁術を応用した衝撃を、巨竜の顎に見舞った。
水袋を叩いたようなひどく鈍い音がコロッセオに響き、巨竜の巨体が、その身長ほどまで跳ね上げられる。
巨竜「ぐああっ!? ……カハッ」
空中に打ち上げられた巨竜は、背中から轟音を上げて落下した。
顎を打ち上げられ、脳を揺さぶられ、巨竜は指一本すら動かせない。
巨竜「げあ……んぬっ?」
仰向けに寝そべる巨竜の額に、修道士が立っていた。手に飛槍を持ち、巨竜の目玉に突きつける。
修道士「いかがです?」
巨竜「ぐぬぬ……ぐぅ……」
その小さな相手を振るい落とそうと巨竜は腕を動かすが、持ち上げることすらままならない。
巨竜「く……参った」
その言葉に、修道士はうなずき、ふわふわと漂ってきた審判が、修道士の右手を上げた。
客席から割れんばかりの喝采が響き、竜退治の勇者を讃えた。
802 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 23:05:52.99 ID:VZOkYNnJo
控え室のテラスも、修道士の勝利に沸いていた。
13号「すっげえ! 倒しちゃったよ。どーやったんだ?」
6号「たぶん、泡の術を応用した衝撃法だ」
4号「そうだな。あれだけの攻撃に耐える障壁を打撃に使えば、巨竜をはね飛ばすくらい簡単だろ」
8号「しかしわからんのは、剣の破壊だ。あんなの大剣、どうやって折ったのか……」
無い知恵を絞ってうなる肉体派に、すすっと5号が近づいた。
いつも何を考えているのかわからない5号の目が、今ばかりは好奇心に輝いている。
5号「冷却系……氷の術」
4号「氷? それでどうやって剣を折るんだよ?」
術士系の9号だけが、ポンと手を叩き、うなずいた。
9号「冷却系……なるほど! 燃えてる剣の一部を急冷すれば、剣にゆがみが生じて脆くなる」
5号「……」コクコク
13号「えっと……どういうこと?」
6号「そうか、剣の根元を思い切り冷やして、素材に無理をさせれば」
8号「あとは巨竜の馬鹿力で、障壁にたたきつけられた剣は自ずと折れる……しかし……」
9号「あの状況で剣の破壊を思いつく機転、障壁の強度を下げてまで冷却術を選択できる度胸……」
1号「修道士、素晴らしい使い手だな」
2号「勝ち進んだら、あれが相手になると……はあ」
3号「祭神様の御前試合だけあって、とんでもない強豪ね」
少し沈む姫君たちに、天使はたずねる。
天使「試合では、私だけが戦っても良いんだよね? みんなは待っててくれれば。修道士のメイドみたいに」
14号「もう、バカにしないで!」
11号「そうだよ、これでもアタシら、けっこう強いんだよ?」
10号「天界から金の林檎を盗んできたって、魔界じゃかなり有名なんだから」
15号「そうそう」
7号「天使の……力は……とっておきに……しましょ」
803 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 23:06:41.36 ID:VZOkYNnJo
天使「んむぅ、みんながそう言うなら。でも、それなら私はどうしたら良いんだろ?」
1号「なに、後ろでドンと構えていろ。大将らしくな」
12号「あら、大将って言うより王様じゃない? わたしたちの……なによ」
4号「12号、今日はヤケに素直だよなあ……お祭りで舞い上がってる?」
12号「な……ななな、そんなんじゃないったら!」
顔をまっ赤にするツンデレ12号を格闘家の6号が後ろから抱きしめた。
6号「はいはい、そこまで。で? わたしらの最初の試合は?」
2号「さっき発表されたわ。相手は集団戦部門の優勝チーム、100人のエルフ」
天使「ひゃ……100人!?」
9号「集団戦部門では珍しい数じゃない。チームワークの得意な種族は、認められてる最大数で出場してくるし、控え選手もいるはず」
13号「数と連携の得意な相手か……やっかいだなあ……」
8号「エルフか……力は弱いが、弓矢と魔法の雨だな」
11号「しかもすばしっこいんでしょ? めんどい、最悪」
7号「なにか……突破口が……開ければ……ねえ」
3号「突破口かぁ、相手チームの男女比率は?」
2号「ん? ええと、男性ね、全員」
1号「男性? ほほぅ、それは楽しみだ」
14号「エルフかぁ……うふふ、どんな味がするんだろ?」
15号「えへへ、おなか減ったもんね!」
3号「そうね……ふふふ」
妖しく笑う姫君たちに、天使はすこし後ずさった。
804 :
◆WjI07W0ub6
:2012/08/02(木) 23:11:08.65 ID:VZOkYNnJo
………………
…………
……
淫魔「今日はここまで。
あ、あれ? エロは? エッチシーンは? 濡れ場は?
おーい、抜きどころがないよー!?
なに? これ読め?
はいはい。えっと……
エロは次回。
意外と近いうちに投稿予定。
だってさ……本当かなぁ?」
805 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2012/08/02(木) 23:19:50.02 ID:XuMX00RGo
おつかれちゃん
806 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/03(金) 00:01:58.18 ID:tbXEjCEDO
乙!!
807 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/03(金) 01:15:36.73 ID:B++0j+8qo
おちゅっちゅっ
808 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東京都)
[sage]:2012/08/03(金) 07:31:36.04 ID:p/0wAH5mo
乙!
読んでると頭の中に映像が流れる
809 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(鹿児島県)
[sage]:2012/08/22(水) 21:59:42.45 ID:qVA1++aCo
そろそろ3週間
810 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/08/22(水) 22:26:27.86 ID:5c1Nn+sDO
まだ慌てることもないさ
811 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2012/09/11(火) 01:30:13.59 ID:jYHABGFO0
…1ヶ月過ぎたな
812 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西・北陸)
[sage]:2012/09/11(火) 23:38:27.95 ID:tRdkeOdAO
まだ慌てることもないさ
813 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/09/13(木) 00:48:50.93 ID:Zz8RDPd1o
淫魔翌様に会いたい・・・
814 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(福岡県)
[sage]:2012/09/17(月) 16:10:45.39 ID:CHw2x/wd0
一月半か。
生存確認くらいさせて…
1305.32 KB
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