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タケシ「久しぶり、ボクちゃん」ボク「…うん」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) :2011/11/16(水) 18:56:40.52 ID:TviyJXTJ0


私があの民宿で過ごした夏休みから、八年の月日が流れていた。


公立高校に入学し、初めての夏休みを迎えた私の元に一通の手紙が届く。


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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) :2011/11/16(水) 18:58:56.92 ID:TviyJXTJ0
・遅筆
・不定期投下
・文才糞

ご理解いただける方はお付き合いお願いします。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) :2011/11/16(水) 19:00:58.29 ID:TviyJXTJ0


私はその日のうちに家を出ることにした。



家にある一番大きなバッグに、ありったけの着替えとお金を詰め込んで。

弟が何事かと部屋を覗きこんできたが、構っている暇すら惜しかった。


とうとう来た。八年間待ち続けた招待状が遂に来たのだ。




「――――そうだ」


そして荷物をまとめ終え、一番大切なものを思い出した。

4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) :2011/11/16(水) 19:01:29.48 ID:TviyJXTJ0

毎日おばちゃんと"おじいちゃん"の肩叩きをして

貯めた十円玉で買った、戦艦大和のプラモデル。



―――――の、隣にあるフォトフレームだ。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) :2011/11/16(水) 19:02:11.47 ID:TviyJXTJ0


「……」



青空をバックに、白い煙を吐きながら真っ直ぐ上へと飛んでゆく鉄の塊が写っていた。


私が富海の町で過ごした最後の日、サイモンが撮影して後日送ってくれた特大の写真だ。

それ以来、この写真と戦艦大和は私の勉強机の半分を占領している。


この写真を見るたびに、あの夏休みの想い出が私の脳裏を駆け巡るのだ。
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) :2011/11/16(水) 19:02:56.37 ID:TviyJXTJ0

民宿に集まった、それぞれの物語を持つ人々。

仲直りした靖子姉ちゃんと洋兄ちゃん。

山に籠って炭を焼くオオカミじじい。

虫相撲でヒミツのヒミツ兵器に勝った後、兄弟が連れて行ってくれたトッテン山。


そして――――――…

7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) :2011/11/16(水) 19:03:25.05 ID:TviyJXTJ0



『――――そうそう。オレがここの主人になったら』



『まず、真っ先にボクちゃんを招待してやるぜ!』







あの約束から、八年。




8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) :2011/11/16(水) 19:04:37.48 ID:TviyJXTJ0

―――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――






『本日は塩館汽船をご利用いただきまして、誠にありがとうございます――――』


『本船は40分ほど時間を掛けまして、伊豆半島に―――――…』




流れるアナウンス。

頬に当たる海風。

海の上に浮かぶ、白い入道雲。


全てがあの時と同じだった。懐かしさから、思わず私は頬を緩ませる。




船頭「―――久しぶりだね、ボクちゃん!」


9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) :2011/11/16(水) 19:05:56.76 ID:TviyJXTJ0

ボク「あはは……。もう高校生になったんですから、『ちゃん』は勘弁してください」


船頭「なあに、小学生も高校生も大して変わらないって」

船頭「いいだろう?俺にとっちゃ、君はいつまでもあの時のボクちゃんなんだよ」

ボク「……」


ボク「船頭さん、ちゃんと僕のこと憶えていてくれたんですね」

船頭「当然。俺は一度乗せたお客の顔は忘れないタチでな!」


船頭「特にあの夏は色々あったし、ボクちゃんのことはよく覚えてる」

ボク「そうですね。谷口さんも芳花さんも、それに保田さんも……本当に色々ありました」

ボク「あっ、あとサイモンさんと凪咲さんがけっk」

船頭「それは禁句」

ボク「ごめんなさい…」
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) :2011/11/16(水) 19:06:20.20 ID:TviyJXTJ0

船頭「まあ、あとはロケット少年が三段ロケットを真っ直ぐ飛ばしたとかだな…あの色男、彼女の前でカッコよくキメやがって」

ボク「あ、やっぱりあの後靖子姉ちゃんと…」

船頭「まあそういうわけ。次の年から洋くんも同じ高校に行ってたよ」

船頭「今年は二人とも職場の夏休みで帰って来るらしいし、会えるんじゃないかな」

ボク「本当ですか!?楽しみだなぁ」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) :2011/11/16(水) 19:08:09.55 ID:TviyJXTJ0

船頭「…さて、そろそろだよボクちゃん」


ボク「え?」




『間もなく伊豆半島に到着いたします。皆様お手荷物のご確認をしてお待ちください―――』




船頭「―――富海の町が見えてきた」


12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) :2011/11/16(水) 19:10:41.78 ID:TviyJXTJ0
今日はこれで打ち止め。
多分これからも10〜20レスくらいの投下ペースになると思います。

書いてたらぼくなつやりたくなってきた…
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(神奈川県) [sage]:2011/11/16(水) 19:12:40.45 ID:QdMzkMzxo
ぼくなつかぁ…大好きだぜ乙
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) [sage]:2011/11/16(水) 19:22:50.82 ID:qkVWAt7Qo
唯一やったぼくなつだよ
超懐かしい乙
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) [sage]:2011/11/16(水) 20:07:36.93 ID:TviyJXTJ0
初っ端から間違えました

>>1
×「初めての夏休み」
○「二度目の夏休み」

説明書読みながら計算したのに…
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/16(水) 21:19:06.73 ID:tIYz9QZ4o
ぼくなついいね



保守
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/16(水) 21:19:32.27 ID:tIYz9QZ4o
ぼくなついいね



保守
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/17(木) 09:58:19.06 ID:4200bf+IO
鬱じゃないよな
19 : ◆MIakkP10Bo :2011/11/17(木) 17:23:18.30 ID:VgaAhGf/0
ぼちぼち投下します

>>18
一応鬱になる予定は無いです
20 : ◆MIakkP10Bo [saga]:2011/11/17(木) 17:24:56.11 ID:VgaAhGf/0



ボク「……」



下船し茜屋へ向かう途中、海岸で真っ赤なカニを見つけた。


ボク「……」ウズウズ


ボク「……」キョロキョロ







ボク「――――やったぁ!」ビシッ


一応人目が無いことを確認してから、懐かしい決めポーズと共に叫んでみた。
21 : ◆MIakkP10Bo [saga]:2011/11/17(木) 17:25:40.39 ID:VgaAhGf/0

ボク「えへ。でも今は入れ物が無いんだ。ほら、逃げていいよ」


ベニイシガニをそっと海に放す。


そういえば八年前、この海で大物を釣ったっけ。

防波堤でイシダイを釣って、光とのヒミツの場所でマコガレイを釣って…

おばちゃんの作ってくれた夕食は本当に美味しかったな。
22 : ◆MIakkP10Bo [saga]:2011/11/17(木) 17:26:29.56 ID:VgaAhGf/0
※視点が未来のボクくんから現在のボクくんに変わっています
23 : ◆MIakkP10Bo [saga]:2011/11/17(木) 17:29:03.95 ID:VgaAhGf/0


ボク「……ん?」



ふと、海の中に何か光るものが沈んでいることに気が付いた。あれは―――…




ボク「…よし」

ちょうど海に適した薄手の七部丈パンツも履いている。何の迷いもなく僕は上着を脱いだ。


そして荷物を置いて僕は…いや、"ボク"は―――――





海に飛び込んだ。

24 : ◆MIakkP10Bo [saga]:2011/11/17(木) 17:30:10.52 ID:VgaAhGf/0


水が冷たい。


海が青い。


塩辛い海水の味も変わらない。


時には溺れるまでひたすら夢中で泳いだ、あの頃の海と何も変わっていない。


時期が早いため魚だけはまだ少ないが、何より体が憶えている水の手ごたえが嬉しかった。




ボク「…!……むぐ」




あの頃より長くなった足で、ボクは光に向かって水を蹴った。

25 : ◆MIakkP10Bo [saga]:2011/11/17(木) 17:31:02.07 ID:VgaAhGf/0


ボク「―――ぶはあっ!………ふぅ」




海から上がり、乾いた海岸にひっくり返る。

夏の陽射しは強い。こうして海岸に寝そべっていれば、すぐに服も乾くだろう。


ボク「…あは。やっぱりそうだった」


王冠No.3、アンキロザウルス。

昔ボクがこの場所で見つけた王冠だった。



ボク「でも、どうして同じものがここに…?」








??「―――さすが。目敏いな、ボクちゃん」ヒョコッ

26 : ◆MIakkP10Bo [saga]:2011/11/17(木) 17:40:20.92 ID:VgaAhGf/0

ボク「!」


タケシ「ボクちゃんが来るってんで、オレが沈めといたんだよ。懐かしいだろ?」

ボク「タ…タケシ兄ちゃん!」
27 : ◆MIakkP10Bo [saga]:2011/11/17(木) 17:40:47.21 ID:VgaAhGf/0

タケシ「久しぶり。お互いデカくなったな、ボクちゃん」

ボク「うん!迎えに来てくれたんだ!」


実に八年ぶり。十九歳になるタケシ兄ちゃんは、おじちゃんそっくりの大人に成長していた。

短髪に大柄な体。兄貴肌特有の強い眼差し。上から下までよく焼けた肌。
顎には髭まで生えている。


タケシ「まあな。実は船を出たところからこっそり見てた」

ボク「え、どうして?」

タケシ「正直、八年経ったボクちゃんがどんなヤツになってるか全然分からなかったからさ。その王冠で試したんだ」

タケシ「そしたらいきなり服脱いで飛び込むんだもん。ダメ元のつもりだったんだけど…」

タケシ「やっぱりボクちゃんはボクちゃんのままってことだな」

ボク「なんだか誉められてるのかからかわれてるのか分からないや…」
28 : ◆MIakkP10Bo [saga]:2011/11/17(木) 17:41:28.69 ID:VgaAhGf/0

ボク「でも本当にタケシ兄ちゃん大きくなったね!一瞬おじちゃんかと思ったよ」

タケシ「オヤジ!?やめてくれよ、オレはまだ十代だし、あんなビールっ腹じゃねえぜ!」

ボク「あははっ、ごめんなさい」


ボク「そういえば、おじちゃんたちは民宿?」

タケシ「ああ。もうみんなボクちゃんを待ってるぜ」



タケシ「じゃあ、行こうか。オレの民宿に」


29 : ◆MIakkP10Bo [saga]:2011/11/17(木) 17:45:09.64 ID:VgaAhGf/0


-茜屋-



タケシ「へへ、いらっしゃいボクちゃん。オレの茜屋へようこそ!八年ぶりだな」


シゲル「いらっしゃいボクくん!久しぶり!」


おじ「けっ、なーにが"オレの"だよ。まだまだ半人前のクセしやがって」


おば「まあまあ。タケシは約束通りちゃんと立派に継いでくれたじゃないの、大目に見てあげたら?」

おじ「へっ」


おじ「大体なぁお前ら。いらっしゃいじゃねえ、ボクちゃんが帰ってきたんだぞ?"おかえり"って迎えるところだろうが!」




おじ「よく来た。おかえり、ボクちゃん!」ワシワシ



ボク「……あ…」





ボク「―――――…た、ただいま!みんなお久しぶりです!」

30 : ◆MIakkP10Bo [saga]:2011/11/17(木) 17:50:09.65 ID:VgaAhGf/0

おじ「ガハハハハ!!!ほら喰えボクちゃん、もっと喰え!飲め!今日は昼間から騒いでいいぞ!」


ボク「は、はい!」


おば「デカい声で騒いでるのはあんただけです!未成年に酒を飲ますな!」ゴスッ

おじ「いてえーっ!畜生何しやがる!」


シゲル「母ちゃんも充分騒いでるじゃん…」

タケシ「まあいいじゃん母ちゃん、今日くらいはさ!ほら母ちゃんも!」

おば「ええ?じゃ、じゃあちょっとだけ……―――ってタケシ、アンタまで飲んでるわね!?」

タケシ「ゲッ、何でバレた!」

おば「息が酒臭い!」

シゲル「ねえお兄ちゃん、ボクも飲んでみたいなー」

タケ・おば「「お前は一番駄目!」」

シゲル「ええ、何でー!?」



ボク「ボ、ボクはやめときます……あはは…」
31 : ◆MIakkP10Bo [saga]:2011/11/17(木) 17:52:08.18 ID:VgaAhGf/0

ボク「このシーフードカレー美味しい!やっぱりおばちゃんの料理は最高ですね!」

おば「ふふ、ありがとうボクくん。でも敬語は使わなくていいのよ?なんだか堅苦しいわ」

ボク「あ、えと。はい、分かりまし……じゃなかった」


ボク「…分かったよおばちゃん!」


おば「うん、それでよし!」


おじ「ボクちゃん、ここにいる間は遠慮なんかすんじゃねえぞ!」

ボク「うん!」

タケシ「へへ、何だかあの時に戻ったみたいだな」

シゲル「今回はオッサンが二人に増えてるけどね」

タケシ「シゲル、お前……!?」
32 : ◆MIakkP10Bo [saga]:2011/11/17(木) 17:53:42.64 ID:VgaAhGf/0

シゲル「だって元々似てるのに、ヒゲまで生やしてるんだもん。父ちゃんより父ちゃんぽいよ」

タケシ「これはアレだよ。民宿の主人になった訳だし、威厳出さなきゃいけないだろ?」

シゲル「あ、そっか。主人になったんだっけ……って、それじゃますます父ちゃんじゃん」

タケシ「シーゲールー!?」

シゲル「きゃー許して父ちゃん」


ボク(シゲル、図太くなったなぁ……反抗期気味?)


おじ「おいタケシ、お前そんなに俺に似るのが嫌ってか」
33 : ◆MIakkP10Bo [saga]:2011/11/17(木) 18:01:38.13 ID:VgaAhGf/0
今日はここまで。

次に登場する人
安価>>35

1.靖子

2.光
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) [sage]:2011/11/17(木) 20:04:11.33 ID:OxgxUim5o
1
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/17(木) 23:41:44.61 ID:QmBhBEwV0
1
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/22(火) 21:17:06.18 ID:qcp31WT+0
続きまってます。 保守
37 : ◆MIakkP10Bo :2011/11/23(水) 13:55:47.18 ID:N+EnzaQV0


ガラッ


??「こんにちは。私たちも混ぜてくださーい」


おば「え?あら、今日は休業の札を下げておいたんですが…どちら様―――――…


おば「…あっ――――」



靖子「むっ、お酒臭い。みんな呑んでますね?」


タケシ「や、靖子姉ちゃん!」

靖子「こら、タケシくんってば。まだ来年まで未成年でしょう?」
38 : ◆MIakkP10Bo :2011/11/23(水) 13:59:22.70 ID:N+EnzaQV0

ボク「靖子姉ちゃん、もう来てたんだ!」

靖子「えへ。久しぶりだねボクくん、憶えててくれたんだ?」


靖子「あ、えらいぞボクくんっ。ちゃんとジュース飲んでるね!良い子に育ってくれてお姉さんは嬉しいぞー」

靖子「くれぐれも、そしてこれからも!こういう悪ーい大人たちに毒されちゃ駄目だからねっ」


おじ「おいおい靖子ちゃん、誰の事だいそりゃ」

靖子「あはは、ごめんなさいおじさん。ほら、洋くんも入って!」


洋「どうも、おじゃまします」
39 : ◆MIakkP10Bo :2011/11/23(水) 13:59:49.15 ID:N+EnzaQV0

ボク「洋兄ちゃん!」

洋「やあ、大きくなったねボクくん」


洋「それから、御無沙汰してますおじさんおばさん」

おじ「おう洋くんもか。二人揃ってご登場ってこたぁ、一緒の船で来たんだな。………ん?まさか…」

おば「あ、…そういうこと?」

洋「はい。今日はその挨拶も兼ねて来ました」


洋「今年でもう僕は23、彼女は24ですし、来月で籍を入れようと思ってます」

40 : ◆MIakkP10Bo :2011/11/23(水) 14:05:37.48 ID:N+EnzaQV0

おじ「おおっ、とうとうか。おめでとう!良かったな靖子ちゃん」

靖子「ありがとうおじさん!」


ボク「ええっ、靖子姉ちゃんと洋兄ちゃん、結婚するの?」

洋「うん。ありがとうボクくん、僕たちの縁は君が結んでくれたようなものだよ」

靖子「私たち学校を卒業してから一緒に住みはじめてね。とりあえず結婚しても洋くんと共働きでやっていくつもり」

ボク「へえー、二人は何の仕事をしているの?」

靖子「私は一応OL。洋くんは企業の研究チームに入って、相変わらずロケット作ってるわ」

靖子「たまに家でもカリカリ仕事してるけど、もう八年前の三角関数……覚えてる?あれどころのレベルじゃないの」

靖子「もう暗号よ暗号。あんなに理論組み立て続けて、何だか洋くんの頭が心配だわ」

洋「ひどいなあ。一応僕が好きでやってる仕事なのに」



??「……あのさ、お二人さん。私はいつまで待っていれば良いわけ?」
41 : ◆MIakkP10Bo :2011/11/23(水) 14:26:28.70 ID:N+EnzaQV0


『ねえ。あんたんちって弟が生まれたんだし、働き者の女の子が家にいたら何かと便利じゃない?』


『でも二学期の途中で学校が変わると、ちょっと面倒なのよね』



その言葉通り、光はボクが家に帰ってから約半年後の3月、本当にボクの家に転がり込んできた。


彼女はきっちり年度を終え、大きな鞄を抱えて塩館の港にやって来た。

おじいちゃんと僕の両親をどう言いくるめたのか、それは今でも教えてくれない。

ただ、毎日家事を手伝ってくれる娘が出来た、とお母さんは喜んでいた。
42 : ◆MIakkP10Bo :2011/11/23(水) 14:40:41.42 ID:N+EnzaQV0
ミス。>>41と逆になってしまいました…脳内補完お願いします



靖子「ああゴメン、すっかり忘れてた!ほらあんたも入って入って!」

??「ふんだ。何が忘れてたーよ。ノロケ話の間ずっと待ってた私の身にもなりなさいよ」

靖子「う…あんた久しぶりの再会だってのに、そのヘソ曲がりは相変わらずね」



光「―――どうも。おじちゃん、おばちゃん。御無沙汰してます」



ボク「え……ひ、光!?どうしてここに!」

43 : ◆MIakkP10Bo :2011/11/23(水) 14:48:04.54 ID:N+EnzaQV0

>>41から



それからボクと同じ学校に通い、進学し、ホームステイを始めてからの7年間を一緒に過ごしていた。


正月はおじいちゃんに会うため帰っていたけれど、それ以外の用事で富海に来たことは一度も無い。

ボクが家を出るときも、光には何も言わなかったはずなのに……

どうして、ボクが到着してすぐに光が?


光「どうしても何も無いわよバカ。アンタ、私に何も言わずに出発するってどういうこと?」ギロッ

ボク「あ、いや、あの時はバタバタしてて…つい……その、えーと!」


光「はあ……もういいわよ。まったく」


光「毎朝届いた手紙と新聞を取りに行くの、誰の仕事か忘れたの?」

ボク「あ…そっか」


光「悪いとは思うけど、あんたより先に招待状を見ちゃったのよ」

光「どうせあんたのことだし、その日のうちに出るだろうと思って私も準備したの」
44 : ◆MIakkP10Bo :2011/11/23(水) 14:59:46.84 ID:N+EnzaQV0

ボク「え、でも知ってたんならどうしてボクに黙ってたの?」

光「そんなことしたら、あんたと一緒の船に乗ることになるじゃない」

ボク「ダメなの?」

光「……物分かりが悪いわね」


光「いい?あんたと同じ船に乗ったら、二人同時にここに着いちゃうでしょ?」

ボク「????」
45 : ◆MIakkP10Bo :2011/11/23(水) 15:00:21.99 ID:N+EnzaQV0



光「だから、タケシとの約束なんでしょ?タケシが主人になったこの民宿に、一番最初に招待するのはあんただって!」

ボク「あ…」




ボク「…そっか。ありがとう、光」

光「ふん」


46 : ◆MIakkP10Bo :2011/11/23(水) 15:03:01.46 ID:N+EnzaQV0

ボク「でもよく憶えててくれたね、その約束のこと」

光「どの口が言うかどの口が」ギギギギギ

ボク「いひゃい、いたいってヒカリ。ひっぱやないで」ムギュー


光「あんたってば七年間そのことばっか話すんだもん、こっちが嫌になっちゃうわよ」

ボク「あはは…」ヒリヒリ
47 : ◆MIakkP10Bo :2011/11/23(水) 15:03:29.88 ID:N+EnzaQV0
本日分しゅーりょー
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/11/23(水) 19:24:46.73 ID:+BwyTPLQo
期待しまくりんぐ
>>1頑張れ
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/23(水) 22:02:07.45 ID:nPf3YCdl0

期待 
続きまってます
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/24(木) 18:02:40.47 ID:u9KrYvRIO
懐かしすぎて1と2がごっちゃになってるww

オオカミムスメが1でじじいが2だっけ?
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/27(日) 09:52:27.05 ID:qk0gPMIV0
たしかそのはず
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) [sage]:2011/11/27(日) 19:03:27.95 ID:Df5E9nXg0
>>50
合ってる
53 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 02:24:01.87 ID:byoZW4F60
>>1 待ってるよ〜
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