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やる夫は娼婦館で、カカロットとターレスは冒険家、アスランは軍人の職業のようです。 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(静岡県) [sage]:2011/11/23(水) 21:24:54.22 ID:8PNVcPYf0
別タイトル「やる夫はベホマラーを唱えるのが得意なようです。」

突発的に思い浮かんだので、だらだら続き不定期更新です。
基本SSですが、挿絵としてAAが時々入ります。読みにくかったら申し訳ないです。
少ししたらプロローグを始めます。

以前書いたSS→ねこ夫で100万回生きたネコ
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(静岡県) :2011/11/23(水) 21:32:54.38 ID:8PNVcPYf0

【登場人物】

               ____
             /      \
           / ─    ─ \
          /   (●)  (●)  \
            |      (__人__)     |
          \     `⌒´    ,/
          /     ー‐    \

【名前】やる夫
【職業】娼婦館にて「コック兼掃除兼世話係」
【特技】ホイミ ベホイミ ベホマ ベホマラー
【能力】こうげき:D ぼうぎょ:D+ とくこう:E とくぼう:B すばやさ:C− 





''"~::::::::::::::::::::::::::::::::::/__/:::/   / ヤ:::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ≦二.___
:::::::::::::::::::::::::::::::::::,:ィ ィタ/:メミ、  ./  ヤ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄::フ
'"^ヽ、:::::::::::::::::::::{   ,':ム、 ヤ  l   |:::::::/ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::;>‐''"
   _>:::::::::::::::::ヽ、f   ゙   l.   {::::/  .ヤ:::::::::::::::::::::::::<___
_,.ィ´:::::::::::::::::;rー-ミ |    ,、    ,{:/==ミ.Y´`Y::::::::::::::::::::::::::`>
-ュ=ニェ::::::::;ハ/ヾ.', ヤ  ltl   ゙≦===   j オ |:::::::::::::;>‐'"´
   ,.イ:::::::::ヘ. {,.ぇ',. ヘ.____`_   、 -‐''   j lノ,イ::::::ェ≦_,
  ムュ、_:::::::::::ヘ.___ヤ '"´      〉     .j¨´::::::::;>'"´
      `゙ <::::::::::::ヽ、    ゙ー-一    ,.イ::>'"´
         ゙Z_::::::::::|>.、_   ¨¨   / .|" 
          ,.天弓| ヘ、ヘ. __ / ./ ヤ>=ミ、、  
          /了´ .水=、ヽ、      ./ ,. _,Kニミぇマ、  
        {.∧/.オ / '"〉'"Yヽr'"^ ¨Fミ、 \ ゙Yヘマ,  
        _,.-|.| ∨ .| ヤ  .|    ト、   | ノ  .| | |,L.__
    ,.ィ",.-人l 〈  |.个 ./     │〉   .i  小. |_ノー--ミァ===
【名前】カカロット
【職業】冒険家兼傭兵
【家系】ターレスとは双子の兄弟



  / / `ヽ  ',   ∧.     |.     ',       ヽ
. / / /`ヽi  |   i ',.    |   .   i         ',
│ {/     l  |   |  ',  │ //\}        ト、
│  /rzノ │∧ |  ',  |  く 、      /       | \
│. 〈 (    l/. ∨   \N   }ハ  /|.     ,'   \
│  V}⌒              /  }xイ  |    /     ',
八    ー'              ,' / } |  /   ./        ', /\   }
‐z≧ 、   )       -‐z.__  {__ (/レ' /   /           }/   \/
    ` ´           ̄`ヽ }_/ //-‐ ´
      |              V 〈/
      |                \
.     八                 \__ノ⌒{__
      { \          ___}厂 ̄      }{ー- __  ./{≧ァ
/      i  \        〈Y´   ⌒ヽ  (ン 八    `/  /
|      ',   \        _〉 (⌒         \___ノ ノ\
|      ',    \    _/    (⌒ヽ   _   (´ r<  ハ、
|       ',     {  ̄ ̄ 」 (⌒  )    ,´--`ヽ  =彡〉    | i
|       ',.    ',   〈 と     (_ノ | ー-‐' | つ i.    | |
【名前】ターレス
【職業】冒険家兼傭兵
【家系】カカロットとは双子の兄弟


3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(静岡県) :2011/11/23(水) 21:34:36.73 ID:8PNVcPYf0


.    /.:: :.: .: : .: ::l.::l'"`ヽ'、::..:. : .:. : : . :ヽ
    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|.:|l:.:l   `ヽ:、:.:.:.:.:.:. :. :.:.::.',
    |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.l_'、ト、   ヽ'、:.:、:.:.:.:.:.:.、:.、:'、
.   |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,l'、!テト=ー''  、弌、l:.:.:.:.:l:.ヾ',ヾ'、
    ll:.:.,-|:.:.:.:、:.ヽゞ='-    ィテrゞ,:.:.:.:.ト、:'、 ``
    '|:.l'´|:.:.:.:.:ヽトゝ     ヾ`'‐'"ハ:.:.:.| `ヾ
     !:.'、(l:.:.:.:.:.:.:.、\    ノ   !:.:.:ヽ:.l
    /:.:.:.`|:.:l:、:.:.:.:`ヾ、-‐ ミ  ,.:':.:.:.:.:ヾト、
.   /ィ:.:.:.:.:.l:.ト、!ヽ、:.:ヾ`、 ` ,ィ:.:.:l:.:.:.:ト、:l`
   '´l!:.:.:.:.:.ト、!-`ニミヽ:.ヽ__/! ヽl:.ト、トゝ`
 -―‐ゝ‐-、| `    `ミ`''‐、ト!  ヾ!
  ̄ ̄ ̄`'' 、`ヽ  rトl __!/〃
        `''、\ヽ ト' /〃

【アスラン・ザラ】
【職業】軍人?
【特徴】ハゲ

4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(静岡県) :2011/11/23(水) 21:35:54.88 ID:8PNVcPYf0




              第一章 「ベホマズンよりもベホマラー派」








.
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(静岡県) :2011/11/23(水) 21:44:12.26 ID:8PNVcPYf0

 
 プロローグ



  迷いの森と呼ばれる場所に4人の男が、たき火を囲んで座っていた。
 
  1人は白饅頭のような肌をもった青年、となりには道着を来た青年…

  さらに隣には鎧を着た青年がいるが 道着の青年と瓜二つで肌は色黒だった。

  最後の1人は眉間にしわを寄せ、肩を狭めた蒼髪の好青年。顔立ちは4人の中でも綺麗だった。





  「…………」 白饅頭の青年は、じっとたき火の火を見つめる

  「……腹減ったな」 と 道着を着た青年はお腹をさすり、

  「そうだな」 と 顔が瓜二つの青年が答えた

  「………はあ」 蒼髪の好青年は溜め息をついて顔を埋める。


6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(静岡県) :2011/11/23(水) 21:50:58.64 ID:8PNVcPYf0


 「明日はこのまま来た道を引き返すのかお?」

  白饅頭は道着の青年に尋ねた。


 「ああ、そうすりゃ『じっちゃん』のいるとこまで行けるからよ。」

  道着の青年は空腹でおなかをさすりながらも、にっこりと明るい口調で答えた。
  いかにもこれから会える人物との再会を明らかに楽しみにしているといった感じだ。


 「あのクソジジイの所ねぇ…まあ見つかりにくいと言えばそうだが」

  瓜二つの青年…もとい、双子の彼は納得した表情を出しつつも押し殺したような声を出した。


 「…そこなら追っ手はこないんだな?」


 蒼髪の青年は顔を上げ、希望をすがるような眼差しを3人に向けた。





7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(静岡県) :2011/11/23(水) 21:57:11.54 ID:8PNVcPYf0

 「なーに心配すんなって!あんなとこ誰も近寄ろうとしねーもんな!オラたちに任せなって」

 「…だそうだお、アスラン。ついてくるかお?やる夫は2人の意見に賛成だけど」

 「オレたちは追われる身…身の潔白を証明するならまずは考える時間が必要だと思うがな…
  こ〜んな場所じゃすぐに頭がイカレちまうぜ?どうするんだ、おぼっちゃんよ。」


 と、三人が蒼髪の青年に目を向けて意気揚々と話す。
 いいから付いてこい。とでも言わんばかりだ。




 「…わかったよ。」

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(静岡県) :2011/11/23(水) 22:02:21.11 ID:8PNVcPYf0

 蒼髪の青年はポツリと呟いた。


 それを聞いて3人はにっこりと微笑んだ。



 ほんの少し前に感じていた不安が、目の前のたき火の火のようにゆらいだ。

 4人はさらに明日の事を話してから、夜風に凍る体を丸めて眠りについた。

 実は迷いの森は夜になると、程よい静けさがある。と、呼ばれており

 周囲で鳴く虫の声が4人にとって心地の良い子守唄になっているようだった。


 4人は熟睡し、朝を迎える。

9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(静岡県) :2011/11/23(水) 22:03:49.65 ID:8PNVcPYf0



 時は少しさかのぼる。



 4人が出会う前の事…






.
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(静岡県) :2011/11/23(水) 22:08:45.89 ID:8PNVcPYf0

 バターシティ



_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_l二二二ln_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n_n
:.. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| | || | |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
森森森森森森森森п森::::::....∧Ali;'i゙i゙l'i,::;...;;.;;ii:i;;:ili、_,i斤il]il] ,,,,,__i;;ii:i;;ir=ュ;;;;;;;;,,,,,,............n........
ヮ,'lil、l゚i: :.lA゙ill#「ll!l;lfni|』┌==┬─ii┐.,,'#ll,』 |.lll,,тgi゙i゙lェli;'ュョョョ゙ill#‐「ll!l;li+;;ii: ;rヘ∧凸;;;;;;
田┐工ユE∧ヰA┌─≡─!杢卦士⊂ニ⊃;:::┌┐;;;;;;;:::,,,,,ロ卅ユ鬥H出Tエニ斤彳凵Ξ|田
=,ィ'⌒ニニエニニil]1lー-i]__森森森森_トロロロi|::rーilil==┬≡┐| ̄|─r‐┬||irr-、v冖v"|l巫]||斤
、_|il]il]_三rー| ̄ ̄|─r‐┬|iΠп/____/|  |、__\| ̄冂ПーГ┬┬ヱ ̄|─r‐┬|Π
/三三三| ̄≡≡ ̄|/二三   〉====Π/  ゙.ヘ_===_\_ |FF|ニ|i ̄ ̄i| /⌒\ /二三
/二二 /∧ ̄∧\ 「 ̄ ̄ ̄/「 ̄ ̄二二|j  ゙、_三__|  i|三三三三|i |二二! 三\
__,,.‐',. ‐'i| 田|「| | 田,. イ___/´|    |  il   |\ __] Πпr―.、=ニ二>、|| 田 |
ェェェ=‐´ 田|/二ニ,ハ_,.-_‐=_二l  |__|  '|___|   |l二ニ‐- 、 ,,_丶、` ‐ 、_,,...> ___
≡≡===> ,. - ‐''´‐ '' "´i i i i i i i| /             \ |l i l i l i`''ー-.、`、‐-、|皿皿|丶、_
ニ―-┐γ´  r''´i i| i| i_l⊥l,.-‐''´       ::'' i ''::     `''‐-.l l_i l| i| il|`ヽ、`゙ヽ、  .vi==
_,,... -┤ゝ、_゙丶i,''"´        \  .:'  :i:  ':.  /         `ヽl| il| i|ノ   )、 |! ロ
  r┐:|-‐''´/|_ `ー-ァ―ァ、 _   |圭圭圭圭圭|   _   ._,,...-‐''´  _,.イj:::丶| l^
」 .i__| :|_,,/n |  / / / ||       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄      |ヽ  ._,,..-‐<´-‐||:::::::::ヽ!
    :| | / ヽ|/∧’/ / i||    /         \       |丶\ \ | | | 川 ノ::::::::::::::ヽ
-‐  /|| ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄〒 ̄||\
  /川||_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_⊥_||川
/川 /                                                  \



 バターシティは大きな壁に囲まれた小さな娯楽街だ。

 人が年中多いせいか、周囲の魔物も多い
 中の人を守るために壁が建てられており、それは大昔からあったと言われている。


 







 …そんな中、この街で名所の1つと呼ばれる娼婦館に1人の青年が働いていた。

11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(静岡県) :2011/11/23(水) 22:13:49.75 ID:8PNVcPYf0

 娼婦館 食堂 


               ____
             /      \
           / ─    ─ \
          /   (●)  (●)  \
            |      (__人__)     |   朝っぱらから臭い匂いだして食堂に来るなお
          \     `⌒´    ,/
          /     ー‐    \



 彼、「やる夫」は娼婦館で働く従業員だ。
 仕事は給仕に掃除、時々受付をするくらいだった。


 また回復魔法の使用に長けていて、従業員の娼婦たちの疲れをとる「癒し係」としての顔も持っていた。
 
 ちなみに彼は今不機嫌である。

 仕事仲間の娼婦が朝からの仕事終わり、シャワーを浴びずに食堂に来たからであった。

12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(静岡県) :2011/11/23(水) 22:20:15.95 ID:8PNVcPYf0

「いいじゃーん。ずっと夜通しだったから、先に御飯が食べたいの」

 その子の隣に座っていた子が顔をしかめてやや席の間隔を取った。

「マジやめろお。次やったら朝ご飯抜きだお。」

「またまた〜♪そういっても御飯出してくれるじゃない。」

「はいはい、そーですね。」


 やる夫は面倒くさい態度を取りながら、朝食を取る。
 

「…やる夫〜!ちょっと腰に力が入らないからホイミしてもらってもいいかな?」


 食堂の壁にもたれながら来た長髪の女の子は、よたよたとやる夫の席に座る。


「お、あんま無理するなお」 pi!

「ありがとー」



13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(静岡県) :2011/11/23(水) 22:21:27.58 ID:8PNVcPYf0
一旦ココまでです。
もし読んでくださった方がいましたらありがとうございます。
続きは土日のどちらかです。
14 :1です :2011/11/24(木) 21:10:02.28 ID:RsNOyBYH0
>>12続き


 エーリカ「あー、私もホイミかけてくれよ!」

 やる夫「うわ!こっち来るなお!」

 シャワーを浴びてこなかったエーリカという少女はやる夫の方へと体を寄せる。
 精液でべたべたした彼女の匂いが、やる夫の顔を青ざめさせた。


 やる夫「うげええええ!」

 エーリカ「ほれほれ〜、ホイミかけてくれないとこのままキスするぞ〜。
      (ボソ…実は口の中に出されてそのまま来たんだよね…♪)


 やる夫「…!?てんめ〜…マジで明日御飯なしにするからな!!」 ホイミ!

 エーリカ「えへへー」

 2人が騒いでるうちに、娼婦の少女たちが数人食堂に入り
 やる夫たちに挨拶した後、食卓につく。

15 :1です :2011/11/24(木) 21:13:34.25 ID:RsNOyBYH0

 遅れて屈強で「良い男」が入って来た。
 

 やる夫「お、阿部さん。おはようございますお。」

 阿部「おお、おはよう。…なんだ、朝から元気があるね二人は。」


 エーリカ「へへ、実はやる夫がさっきからしゃぶれって…」

 やる夫「おいコラてめえ!!」

 間髪入れずやる夫がエーリカを怒鳴る。
 彼女はケラケラ笑いながら自分の席に戻った。


16 :1です :2011/11/24(木) 21:20:52.60 ID:RsNOyBYH0

 阿部「やる夫ぉ…随分と盛んじゃないの。いつのまに進展したんだ?」

 やる夫「阿部さんもからかわないでくれお!エーリカのやつがまたやる夫をいじめて…」

 彼がエーリカの方を睨むが既に彼女は同僚の子たちとおしゃべりをしていた。



 やる夫「…………」

 阿部「まあまあ、まずは御飯にしよう。」

 やる夫はしぶしぶ自分のそばに座り直す。


 この男…「阿部さん」はこの娼婦館の若きオーナーであった。



 やる夫が席に向かうとエーリカがこっちをチラリと向き、
 舌をぺろりと出し、ウインクした。
 無視したやる夫は自分の食事にありつこうとしたのだが… 

 やる夫「(………あ!やる夫のウィンナーが無くなってる!?なんでだお!!)」

 エーリカの皿を見ると、明らかに人数分にわけた量より多かった。
 やる夫はめんどくさくなって、そのまま黙々と朝食をとった。



17 :1です :2011/11/24(木) 21:28:02.18 ID:RsNOyBYH0


 そして朝食が終わり、女の子たちが自分たちの部屋に戻る際に…


 阿部「やる夫、ちょっと話が…」

 やる夫「お?なんですかお?」

 阿部「今夜の仕事でな。」

 やる夫「はい」

 阿部「お客さんが帝国の兵士さんなんだ。」

 やる夫「マジですかお?そりゃまた珍しい…」

 阿部「ああ、で何人かが予約してこっちに来るから。」

 やる夫「わかりましたお。」

 阿部「頼むぜ?お前のバホマラーで、訪れた兵士さんの疲れを取ってやってくれ。」

 やる夫「了解しましたお!」

 阿部「じゃ俺は一眠りして来るから、やる夫も休んでくれよ?」

 やる夫「食器洗いが終わったら寝ますお。」



 二人はそそくさと会話を切り終えると、それぞれの行動に出た。


 この館ではやる夫がホイミかベホマラーで、お客さんを癒してあげるのが日課となっている。
 お客さんに少しでも満足できるおもてなしを…というやる夫が以前来た
 旅で疲れた大富豪の方にしてあげたのが始まりだった。



 
18 :1です :2011/11/24(木) 21:32:10.38 ID:RsNOyBYH0

 やる夫の部屋



 やる夫「さーてと、ゆっくり休んでMPの回復でも…」


 コンコン…



 やる夫「…あいてますおー」

 エーリカ「…にひ」

 やる夫「なんだエーリカかお… やる夫は眠いんだから用がないなら……」

 エーリカ「ん…用ならあるよ」

 
 やる夫が「何の?」と言おうとした瞬間、エーリカは仰向けになったやる夫の上にまたがる。
 「ぐえっ」とやる夫がえづいた。



 エーリカ「ふふ…」

 やる夫「………」


 

19 :1です :2011/11/24(木) 21:38:34.95 ID:RsNOyBYH0

 エーリカ「やっぱ朝までしっぱなしだと…どうも気が抜けないんだ。
      どうにも眠れないんだぁ…からだがまだ熱くて
      だからさ…してよ。」


 やる夫「……まずやる夫のソーセージ盗んだ事を謝ってくれお」

 エーリカ「あれはぁ…さあ………やる夫のを貰いに行くよって…意味…なの。」


 エーリカがやる夫の体に自身の細く白い肌を重ねた。
 眠そうな顔してるなー。と、やる夫は思った。


 やる夫「えー、あんなのでそこまで推理なんか無理だお……」

 エーリカ「にひひ。」

 やる夫「で、マジでするの?」

 エーリカ「うん」

 やる夫「やる夫は眠りたいんだけど」

 エーリカ「「やる夫」はでしょ?でも…下の方が元気だよ。
      さ…さっきから、こすれて……」

 
 エーリカの顔が徐々にやる夫に近づいた。



 やる夫「…ちゃんとシャワー浴びただろーな」

 エーリカ「…また浴びるよ。」 チュッ




 
20 :1です :2011/11/24(木) 21:40:59.72 ID:RsNOyBYH0
一旦 休憩
21 :1です :2011/11/24(木) 22:37:44.99 ID:RsNOyBYH0




 それからあっという間に夜になりました。





 街の外



 門番A「お待ちしておりました。帝国軍の部隊の方ですね。」

 兵士長「ああ、今日からここの街を拠点に周囲の魔物への警戒任務をまかされた。
     こいつが証明書と印鑑だ。」

 門番B「…確認しました。それでは皆さんこちらへどうぞ。
     長旅ご苦労様です。本日はゆっくり休んで行ってください。」


 兵士たち「うおー!」
     「やったー!ようやくベッドで寝れるぜー!」
     「俺は早くメシが食べたい!!」
    
 兵士長「こら!お前たち静かにせんか!!」


 兵士達「へーい。」

 アスラン「……(ここがバターシティで、オレの初任務か。気を引き締めなくては…!)」

 兵士A「お、なんだよアスラン〜。緊張してるのか??」

 アスラン「あ…いえ、僕は大丈夫です。何事もなく街へ着けたので安心してた所です。」

 兵士B「いいねいいね、まあでもあんまり緊張してると損するぜ?特にこういう街だとよ」

 兵士C「そうそう」

 アスラン「?…この街には何かあるのでしょうか??」


 きょとんとしたアスラン…もとい新米の兵士である蒼髪の青年は先輩兵士に答える。
 先輩兵士たちは顔を見合わせニヤニヤし始めた。

 アスラン「??」

 兵士A「まあアスランにはまだ早いかもなー」

 兵士B「お前結構真面目だし」

 アスラン「…??」

 兵士長「こら、お前たち何を騒いでるんだ!今から街へ入るんだから気を引き締めないか!!」


 全員「も、申し訳ないです!隊長」

 兵士長「なら良し。では皆の者、今日は「特別な宿」をとってあるから思う存分休むように!」

 兵士「了解です!!!」

 アスラン「(…なんか皆の目がギラギラしてるな)」

 

22 :1です :2011/11/24(木) 22:43:22.23 ID:RsNOyBYH0



 バターシティ 娼婦館「薔薇」


 受付


 やる夫「受付の確認…と、今日は5人の貸し切りかお。珍しく楽な日だお。」

 阿部「おっす、皆の方はもう各自部屋にいるぞ。」

 やる夫「お疲れさまですお、阿部さん。それより1ヶ月貸し切りってホントですかお?」

     
23 :1です :2011/11/24(木) 22:48:29.45 ID:RsNOyBYH0

 やる夫が眉間にしわを寄せて、阿部を見上げる。
 阿部もおなじく眉間にしわを寄せて答えた。



 阿部「うーん、ホントだと。今は金庫にしまってあるけど、この前配達で前金ががっぽり入ってな。」

 やる夫「マジすか」

 阿部「まー貸し切りなんて前からあるし、帝国の兵士さんが娼婦にいくなんて別に珍しい事でもないしな。」

 やる夫「…確かに、そうですお。あの人達は凶暴な魔物から色々一般市民を守っていますし」

 阿部「ああ。でも1ヶ月の貸し切りは正直ビビったよ。
    ま、良い機会だし仲良くなっても損は無いだろう。
    仕事があった時はよろしく頼むよ。」

 やる夫「了解ですお!」

 
 阿部「じゃ、俺は今日厨房で料理を作るから、やる夫は受付が終わったら
    外のイデオンと一緒に買いもの行って来てくれ。」

 やる夫「わかりましたお!」


 阿部「悪いね。」
24 :1です :2011/11/24(木) 22:51:47.12 ID:RsNOyBYH0


 バターシティ 夜


 街には活気が溢れ、辺り一面に町民や旅人、商人の姿で溢れ返っていた。
 町中の店が照らしている照明は四方八方から照らし、眠気を防いでいるようだった。



 先程の蒼髪の青年がいた帝国の小部隊は周りを見ながら「1ヶ月滞在の宿屋」に向かった。


 アスラン「…………」


 アスランは興味津々だが顔には表さず、キョロキョロと周りを眺め兵士長たちのあとに
 付いて行った。

25 :1です :2011/11/24(木) 22:57:12.62 ID:RsNOyBYH0

  人と人が交わる大通りを進む中、ふと目にした建物があった。
 

 「ルイーダの酒場」


 かの有名な冒険家ルイーダが現役を引退後に始めた酒屋が、彼を目当てに足を運び
 いつしかさまざまな職を持った人達との交流の場となり、

 今では冒険のパートナーを募集したり旅人があつまる恒例の場となっている。




 ちょうど入り口の中から、双子らしき青年が大盛りの料理をがつがつ食べているのが目に入った。
 思わず足が止まってしまう。


 アスラン「(そういえば…小さい頃はよく母上に「将来は冒険家になるぞ!」なんて言ってたっけ)」


 店の中からは活気と音楽が入り乱れ、アスランの耳に入る。





 兵士C「あ、おい!アスラン!!何やってるんだよ、おいてくぞ!!」

 アスラン「…!すみません!!今生きます!!」




 アスランの部隊は「宿屋」に進んで行く。
26 :1です :2011/11/24(木) 22:58:08.86 ID:RsNOyBYH0
今日はココまでです。
もし読んでくださった方がいましたらありがとうございます。
おやすみなさい。
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/25(金) 07:16:10.42 ID:hHtdpA5IO
読んでるよー
28 :1です :2011/11/25(金) 20:07:23.55 ID:ayYK+nNQ0
>>27
ありがとうございます!
29 :1です :2011/11/25(金) 21:39:03.83 ID:ayYK+nNQ0

 宿屋…もとい、娼婦館「薔薇」



 アスラン「……えっ」


 アスランは目の前の宿とは思えない建物を見て、棒立ちになる。
 目線の先にはコレから寝食するであろう建物と、入り口にいる赤い警備員の人がいる。


 どう考えても宿屋ではない!と、彼はおもって先輩兵士に聞こうとしたのだが…



 イデオン「いらっしゃいませ!帝国軍444小隊のバニング大意一行ですね。」


 入り口前で、手に持ったファイルと小隊の隊長バニングの顔を交互に見て赤い警備員は答えた。


 バニング「ああ、オレがバニングだ。」

 イデオン「確認しました。
      続いて後ろの4人の方々がコウ・ウラキ様 チャック・キース様 シーブック・アノー様、最後にアスラン・ザラ様ですね。」


 「「はい!」」

  アスラン「あ…えと、はい。」


 アスランだけが現状を把握できないまま、おずおずと答えた。
 
  キース「大尉に感謝しなくちゃーな、アスラン。こんなチャンスめったにないぜ…」

  
 先輩兵士のキースがアスランに耳打ちした。
30 :1です :2011/11/25(金) 21:53:57.03 ID:ayYK+nNQ0

 イデオン「それでは皆さん中へお入りください。
      受付にて、今夜の相手を自由に選んでください。」


 バニング「どうも、おいお前ら。今夜はたっぷり楽しめよ。特にアスランはな!はっはっは!!」


 アスラン「(…なんか、イヤな予感が)」


 ウラキ「ほら行くよ、アスラン。お嬢さんたちを待たせちゃ悪いだろ?」

 シーブック「おい緊張するなって!お前は運がいいぜーははは!!」


 ぽん!と肩を押されアスランはわけがわからないまま中へ入って行った。








 娼婦館 内部

 高級…という装飾ではないが、館全体が古めかしくもどこか懐かしい感じで造られており
 小さいロビーは淡いピンク色の光が天井のランプから降り注いでいた。



 アスラン「………」


 やる夫「いらっしゃいませ!長旅ご苦労様ですお、失礼ながらも私が皆さんの疲れを癒してあげますお!」

 
 そういってやる夫は右手を5人に向ける。
 右手が緑に色に光ると、ソレはやさしくアスランたちを包む。
 
 アスラン「…!」

 急に肩や足の疲れが一瞬で吹き飛んだ。
 回復魔法か、とアスランは思って目の前の白饅頭を見つめた。

 バニング「おお、これはすごい!回復魔法を使う受付人がいるとは驚いた!!
      ありがとう!…ええと失礼だがお名前は……」


 やる夫「やる夫…といいますお!皆さん今日はゆっくり楽しんで行ってくださいお。」

 バニング「ありがとう、やる夫君。」

 やる夫「どういたしましてだお。……では、こちらの写真をご覧になってください。」



 やる夫は受付の机の引き出しから、赤いファイルを取り出した。
 それはこの娼婦館でお相手する少女たちの写真が貼られた「メニュー表」だ。
 
 基本1人に対し、1人選ぶのだが被った場合は後日改めて来るのだが、
 今日来たバニング大尉の部隊は、1ヶ月夕方から早朝まで貸し切りになったので
 自由に相手を選べる。


31 :1です :2011/11/25(金) 22:04:55.46 ID:ayYK+nNQ0

 やる夫「どうです?選ぶ時間はたっぷりあるのでご自由にどうぞ。」
 

 周りの兵士たちが写真を食い入るように見つめる中、バニング大尉とアスランは固まっていた。



 やる夫「…?どうかされましたか??」

 バニング「ああ、いや…別にたいした事じゃないんだ。…えー、えっと。」


 やる夫「?」

 バニング「…オホン!時にやる夫君、この写真に写ってる子たちは皆……10代?」

 やる夫「!ああ、そういうことですかお!! はい、確かに皆全員若く美しい10代ですお!
      それがこの店の魅力でもありますし…
      まあ今時10代の娼婦も大きい都に行けばゴロゴロあるようですが
      ここはここで自然に囲まれて育った清純な子たちがそろってますお。」


 バニング「ん…まー……えっと、彼女たちについては問題ない…うーん」

 やる夫「(あれ?…なんかマズい事でもあったのかお??でも今阿部さん厨房だしなー)」

 バニング「(なんてこった…若く清純っていうから20代前半の娘と思ったら
       まさかの10代とは……!ちょっと罪悪感が……
       いやいや!こんなとこに来ておいて何が罪悪感だ…!ええい!時には新しい体験も大事だ!!)

 やる夫「(うわ…すっごい形相で見てるお。このおっさん大丈夫なのかお??)」

 キース「隊長〜、あんま押さないで下さいよ!」

 ウラキ「う〜ん、この子もいいけどこの子も…むむむ」

 シーブック「(お!この子は好みだしこの子にしようっと!)」


 アスラン「……………」
32 :1です :2011/11/25(金) 22:17:30.01 ID:ayYK+nNQ0


 やる夫「ん?お客様、後でお選びになるようでしたら先に食堂に案内致しますが…」

 アスラン「…え!?あ、いや……僕は…その」


 アスランは困っていた。
 まさか宿泊先が娼婦館とは誰が想像できたであろうか!
 そもそも、こういう所に泊まっても大丈夫なのだろうか…

 正常な思考回路が追いつかないアスランにウラキたちが茶化す。


 キース「アスラーン…お前初めてだからって緊張しすぎだって!」

 ウラキ「そうだよ、キースの言う通りさ」

 シーブック「お前って結構女の子に持てるのに、こういうのに全然興味がないから
       いい機会だと思ったんだけどなー」


 三人の表情を見てアスランははっとした。先程からニヤニヤしていたのはこう言う事だったのか!


 アスラン「た、隊長…」


 バニング「許せ、アスラン。お前は初めての任務だ。命の危険の保証は誰も出来ない。
      だから悔いのないよう良い思い出を造るのもまた、兵士としての役目だ。
      だろ、お前たち?」


 「「「バニング大尉の言う通りです!」」」


 バニング「そういうわけだアスラン!お前はこういうのも初めてだから今のうちに覚えておけ!!
      なーに、別に強制って訳じゃないんだ。
      ただ女の子と喋ってるだけでも良いんだぞ!
      そうだろやる夫君!?」


 やる夫「へ!?…あ、はい!そうですお。別に強制はしませんしお客様のしたいように
     過ごして頂ければ…」

 バニング「だ、そうだ。1ヶ月もあるから自由に楽しめよ、アスラン!」


 バニング大尉のふざけているようで、真剣ともとれなくない言葉は
 アスランの判断を余計にぶらせる。

 アスラン「あ……じゃあ、オレ先に食堂に行って……それから選びます。」

 やる夫「わかりましたおー(なんだこいつ童貞か?顔はイケメンなのにもったいねーお)」

33 :1です :2011/11/25(金) 22:23:25.16 ID:ayYK+nNQ0



 数分後、アスランたちを食堂に案内した後。
 やる夫は名簿チェックをしまおうとしていた。

 それと同時に外から警備を終えたイデオンが入って来た。


 やる夫「お疲れだおーイデオン」

 イデオン「お疲れ、やる夫!どうだい今回のお客さんたちの反応は?」

 やる夫「それが全員1人ずつ選んだ相手が違ったから、そんなに時間は食わなかったお。」

 イデオン「本当かい!?それは珍しいね…いつもはエーリカとかカレンで取り合いが起こるのに」

 やる夫「ホントだお、のグータラコンビがなんで店で人気あるかワケわかんねーお。」

 イデオン「だよねー、一緒に暮らしてるから全然客観的に見れないや。」

 やる夫「同意」


 



 阿部さん「お、お前らも丁度終わったのか。」



34 :1です :2011/11/25(金) 22:33:38.67 ID:ayYK+nNQ0

イデオン「今終わったとこです。店の前に貸し切り告知の看板建てて置きました。」

 やる夫「やる夫もサインと印鑑の書類をわけて終わりましたお。」


 阿部「あおう、いつもありがとうな。」


 やる夫「んじゃやる夫たちも食堂で…」


 阿部「ああ、それなら……」


 阿部はポケットから幾つかの銀貨を取り出した。


 阿部「たまには外でメシ食ってこいよ。オレのおごりだ。」

 やる夫「え!?いいんですかお??こんなにお金は…」

 阿部「受け取ってくれよ。お前ら最近同じ事の繰り返しで、
    オレに取っても収まりがつかないんだ。
    ちょうど1ヶ月貸し切りのせいで仕事も楽になるしな。」

 イデオン「やった!やる夫、久しぶりにルイーダの酒場に行こうよ!!」

 やる夫「お…じゃあ、頂きます!阿部さんありがとうございますお!」

 阿部「いいってことよ。じゃ、気をつけてな。」

 
 「「行ってきまーす」」




35 :1です :2011/11/25(金) 22:36:12.99 ID:ayYK+nNQ0



 ルイーダの酒場



 カランカラン…


 店長「いらっしゃーい…あら久しぶりじゃない!」

 やる夫「久しぶりだお、おばちゃん!早速オレンジジュース頼むお!!」

 イデオン「僕はコーラで!ジョッキ1杯で頼むよ!」


 店長「いきなり注文とは腹が相当すいてるのな。持って来るから待ってな。」
36 :1です :2011/11/25(金) 22:43:41.71 ID:ayYK+nNQ0

 今日、ルイーダの酒場はいつも以上に混んでいる。
 この街の資源の輸出入期間が一昨日から始まったので、いつも以上に込んでいた。

 そのため、二人は店の奥のにある使われていないカウンターを囲んで
 注文を待った。





 やる夫&イデオン「かんぱーい!」


 グビ…グビ……!


 イデオン「うんまーーーーーい!!」

 やる夫「ふぉおおおおおおお!!」

 店長「ったく相変わらず大げさなんだから。」

 やる夫「だっておいしいんだお!」

 イデオン「やっぱコーラはここのコーラだよ。うん。」

 店長「あらあら、嬉しい事言ってくれるじゃないの。」

 やる夫「さりげなく阿部さんの口癖混じってるお。」

 店長「はっはっはっは。」

 


 と、3人が行きつけの店で、いつもの会話をしているときだった。
 


  うおおおおおおおおおおおおおお!!


 ふと店の中央の群衆から大きな歓声が上がった。



 イデオン「なんだろうね?」

 やる夫「さあ?」


 二人がジュース片手に顔を伸ばすと、
 大勢の屈強な冒険家らしき人達が1つのテーブルを囲み何やら騒いでいる。





 ターレス「さあて…これでオレたちの20連勝だ。」

 カカロット「おー結構金がたまってるじゃん!!」

    
37 :1です :2011/11/25(金) 22:50:31.28 ID:ayYK+nNQ0


 「おいおいマジかよ!20連勝してるぜ!!次はだれがやるんだ!!」
 「よーし、次はオレだ!!」
 「やれやれー!!賞金かっぱらえー!!」


 ターレス「ほう…まだやるか」

 カカロット「はやくこの金でウマいもん食いたいなー…」

 



 店長「おやおや、あの2人。20連勝もしたのかい。」


 イデオン「知ってるの?」

 やる夫「だれだお、あの…双子かお」

 店長「ついさっき、店に来た若造でね。
    2人が座ってるテーブルに元々、腕相撲での賭け事やってた連中がいたんだが……
    双子の色黒の方があっさり勝っちまって、今はあの2人がゲームのボスさ。」


 イデオン「へー、すごいねそりゃ。」

 やる夫「…え?色黒が20連勝?二人会わせて20連勝?」

 店長「ふふふ…色黒の子が立て続けに20連勝よ。」


 やる夫「マジかお!!」



  ガタン! ま、負けた…ほらよコイン1枚追加だ。
  うおおおおおおおお!!!21連勝!!! 
  勝てたら最初の勝負にとった賞金と会わせてと合計30枚のコインだぜ!!!

  おおおおおおお!!!




 ターレス「さあ…やるのか?」

 カカロット「ジュースだけじゃ腹にたまんねーって」

38 :1です :2011/11/25(金) 22:50:59.53 ID:ayYK+nNQ0
以上です。
読んでくれた人がいましたらありがとうございました。
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/25(金) 22:55:04.92 ID:hHtdpA5IO
読んでるよー
キャラと世界のごちゃごちゃ感がすげーのなwwww
40 :1です :2011/11/25(金) 23:06:27.72 ID:ayYK+nNQ0
ありがとうございます!

>>39
そうですねw
結構ゴチャゴチャしてます。一応人物元ネタです。

やる夫&阿部さん
イデオン(伝説巨神イデオン)
アスラン&バニング部隊(機動戦士ガンダムシリーズより 0083 F91 SEED)
カカロット&ターレス(ドラゴンボール)
エーリカ(ストライクウィッチーズ)
カレン(ギアス)
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/26(土) 01:33:18.17 ID:OBAQeUcY0
読んでみたけど結構独特で面白い感じ。
続けれるといいけど
42 :1です :2011/11/26(土) 20:05:10.95 ID:Lz/HjPho0
>>41
読んでくださり、ありがとうございます。
ちょっとずつですが頑張ります。
43 :1です :2011/11/26(土) 22:43:34.81 ID:SJkZKcVA0

 双子で色黒の青年、ターレスは辺りを見回しながら喋る。
 その隣で、オレンジ道着の青年カカロットはジュースをちびちび飲んで「メシはまだかよー」と小言を言っていた。

 既に二人が座るテーブルには30枚以上のコインが山積みとなり、
 酒場の照明に照らされてキラキラと輝いていた。


 「…………」


 騒がしかったのもつかの間、これ以上勝てないと思ったのかギャラリーも徐々に減り、
 ほんの数秒で酒場の中はそれぞれの話題で楽しむ冒険者のグループに分かれた。



 イデオン「…すごいな。」

 やる夫「だお。」


 二人はぽかんとしたまま呟く。
 自分たちと同年代に見える若者が、筋肉質の大人たちを打ち負かしている。

 なんとなく…不思議だったが妙に惹かれるような印象を彼らに持てた。



 店長「じゃあ、私はあの2人の料理持って来るからゆっくりしていってね♪」


 店長はやる夫たちにそういうと、店の奥へと戻って行った。
44 :1です :2011/11/26(土) 22:48:52.26 ID:SJkZKcVA0

 数分後、やる夫達の所にも料理が出て来る。
 2人はがっついて食べてたわいもない話題で盛り上がった。


 やる夫が自分の料理を食べている時、ふと双子の青年の方を見る。
 2人はそれぞれ料理を食べていたのだが……




 カカロット「お?」

 やる夫「あ」


 思わず目があってしまった。





 カカロット「♪(←よっ!のポーズ)」
 道着の青年は笑顔で挨拶した。
 やる夫「(どうも)」
 やる夫も心の中で挨拶をして会釈する。



 ターレス「どうした?」


 
45 :1です :2011/11/26(土) 22:58:31.78 ID:SJkZKcVA0

 やる夫の方向に背を向けて座っているターレスが聞いた。


 カカロット「ん?ああ、今奥に座ってるやつと目が合ってさ。」

 ターレス「奥?」


 ターレスがじろりと後ろの方を向く。
 既にやる夫はイデオンと話していてこちらに気がついていない。

 ターレス「あの白と赤いのか。どうかしたのか?」

 カカロット「いや別に。あいさつしただけさ。」

 ターレス「そうか。」

 カカロット「なあ、今年の『天下一武道会』まであと8ヶ月あるけど
       今度はどこで修行してみるよ?」

 ターレス「…もうそんな時期か。」


 カカロット「ああ、じっちゃんが出てみろ!っていうから興味あるけど
       ターレスはどうするんだ?」

 ターレス「オレも出るさ。…確か賞金ががっぽりもらえるからな。」
       
 カカロット「相変わらず金に目がねーなー。
       オラは出場できるだけでワクワクするな!へへへ。」

 ターレス「オレはお前と違って几帳面なのさ。」

 カカロット「何だソレ?」

 ターレス「お前はもうちょっと、常識を覚えた方が良いってことさ。」

 カカロット「意味わかんねーぞ。」



46 :1です :2011/11/26(土) 23:06:22.73 ID:SJkZKcVA0



 その頃… 娼婦館「薔薇」



 阿部「では各自ゆっくり楽しんで行ってください。」



 阿部は食堂を出た辺りで会釈をし、受付の方へ戻っていた。
 残されたバニング部隊の面々は、これから訪れる天使のひとときに待ちきれない様子で
 各自ご一緒するパートナーの待つ部屋へと向かった。 
 
 1階の部屋、2階の部屋、それぞれが軽い足取りで向かう。



 アスラン「…はぁぁぁ」


 皆が一目散に部屋に向かったため、アスランは一人きりになると同時に
 大きく溜め息をついた。

 「なんでこんなことになったのだろうか?」

 そう頭の中で何度もくり返したが、結論は出てこない。


 …別にこういったことに興味が無い訳でもなかった。
 どうすればいいのかわからなかったのだ。

 と、言う風に自分に言い聞かせ
 成せばなる気持ちで選んだパートナーが待つ2階の部屋へと向かった。


 アスラン「(名前はカレン・シュタットフェルト…写真を見る限りおとなしそうな感じで
       そんなにがっつかれなくて済みそうだけど。
       ああいう子もこういうところにいるんだな。)


 数歩進む毎に溜め息をついてはカレンの待つ部屋に向かう。




47 :1です :2011/11/26(土) 23:12:05.15 ID:SJkZKcVA0

 カレンの部屋


 カレン「いらっしゃい〜♪ごめんねー、ちょっと散らかっちゃって悪いけど
     あんまり待たせないからさ。」


 
 アスランが部屋に入って、思わず目を丸くしてしまった事が3つある。
 
 1つ、部屋が散らかっている…女性としてあるまじき…!清潔感がない!!
 2つ、プロフィール写真の表情と髪型がマッチしないこと。外ハネ状態じゃないか!
    がっつりきそうな感じなんだが…。
 3つ目、えっと…彼女は黒の下着姿で……よく食い込んだTバックで……


 アスラン「う…」


 そこまで目にしてアスランは一瞬目をつむってしまった。


 
48 :1です :2011/11/26(土) 23:19:38.50 ID:SJkZKcVA0

 カレン「あれ?もしかして緊張してます??
     (ラッキー!すっっごいイケメンで、こんなに緊張してる姿とかマジ好みだわ。
      ふふ…どうしようっかなー♪)


 アスラン「あ…いや、その……ん、まあそんなところだよ。」


 アスランは彼女の体の方を直視しないよう目線だけを会わせてなんとかごまかそうとする。


 カレン「そうなんですか。大丈夫ですよー、リラックスリラックス♪」

 彼女がアスランに返答した時、小刻みに 体が揺れる。
 その際、カレンの胸元に豊満に実った2つの…


 アスラン「…………」








 思わず彼は下を向く。
 その時だった。



 







49 :1です :2011/11/26(土) 23:36:49.50 ID:SJkZKcVA0


 『『 ゴギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!』』




 アスラン「!!!?」

 カレン「!!!?」



 突如鳴り響く、怒濤の叫び声…いや、鳴き声に近い。
 その一声で建物がビリビリと揺れた


 アスラン「な…!?」
 カレン「え…」


 一体何がおこったというのだろうか?
 二人に状況は理解できなかった。

 なぜなら間髪入れずに…

 
 今度は遠くの方から爆発音と窓の外が夜中にも関わらずオレンジ色に光るのが見えた。
 その間、建物は揺れ激しい地ならしと飛行機が頭上を通っているような音とも言える
 モノが鳴り響く。


 カレンが床に座り込み耳を塞ぐ。


 アスラン「な…え!?なんだ!??」

 アスランは窓の方へ向い外の様子を確かめる。
 


 
 …街は炎上していた。所々が炎につつまれ建物が燃えている。
 大きな煙が舞い上がり、夜空を泥のような色に変えていく。


 その広がる夜空で動く物体があった。






 アスラン「…ド、ドラゴン!?」

50 :1です :2011/11/26(土) 23:44:05.16 ID:SJkZKcVA0


 カレン「え…何々!?何があったの!?」

 カレンがアスランのそばにより、窓の方を見て小さく悲鳴を上げる。



 アスラン「…バカな……ドラゴンが攻めて来たのか!?」
      しかも…あんなにたくさん…!!」




 上空で数ひき空を舞うドラゴンという生き物が口から炎を拭きながら飛行していた。
 大きな2枚の翼に、するどい歯。
 頭の上から伸びた2本の触覚に、力強く伸びた太い尻尾。

 小さい手にはステンレスだろうと切り裂きそうな爪。
 そして踏みつけたモノにたいして何とも思わず、我がもの顔で地を踏む強靭な足…!


 この世界の住人にとって恐怖の象徴とも言えるドラゴンがこのバターシティに来た。
 それがアスランの目にはっきりと今、映っていた。


 アスラン「バカな…!そんな……ドラゴンだなんて!!!」


 だが目には映っても彼は真実を拒絶した。
 隣のカレンは呆然としていてガタガタと震えている。


51 :1です :2011/11/26(土) 23:46:45.40 ID:SJkZKcVA0

 「「ゴギャアアアアア!!!」」
 「「ウオオオオーーーーーーーム!!!」」
 「「ギャーーーーーーーース!!!!」」


 
 
 ドラゴンの鳴き声は、逃げ惑う住民たちの声をもかき消した。
 悲鳴すらも許されない。
 ここはドラゴンという絶対の存在の領地になってしまったのだ。




 カレン「あ…ああ……ああああああ!!!」


 アスラン「おい!しっかりしろ!!おい!!!」


 
52 :1です :2011/11/26(土) 23:47:39.23 ID:SJkZKcVA0
中途半端ですが今日はココまでです
今日も読んでくださった方がいましたらありがとうございました。
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [sage]:2011/11/27(日) 08:25:15.85 ID:0Vpj4lkoo
今読んだ。乙でした。

ここのカレンは外ハネとあるから、ギアスのカレン?
54 :1です :2011/11/27(日) 11:03:17.02 ID:nlHn1fn+0
>>53
ありがとうございます。

そうです。カレンは「ギアスのカレン」です。
55 :1です :2011/11/27(日) 14:50:40.11 ID:cHbujdzP0

 カレンが外の光景を見て錯乱し、頭を抱えて悲鳴を上げた。
 アスランが彼女を落ち着かせようとしたが、体の震えが
 彼の手に強く伝わって行った。


 アスラン「君…立てるかい?今すぐここから出るんだ!!僕について来て!!」

 カレンに今の言葉が届いたかはわからない。
 しかしアスランは、周りに散らかった衣服の上下を適当に持つと
 上着をカレンに着せ、震える彼女を部屋の外に連れ出した。


 おぼつかない足取りで進むたびに、窓の方から叫び声が響く。


 カレン「いや…いや……ドラゴンがなんでこんなところに……いや!」

 アスラン「大丈夫だ!すぐに離れれば逃げられるさ!」


 アスランは自分でも何を言っているのかがわからなかった。
 とにかくここから離れたい一心と、彼女を少しでも落ち着きさせたいという気持ちで
 言葉を選んでいる。
 むしろ彼女が暴れて1人で勝手な行動をとらなくて良かった。とアスランは思った。
 訓練中、錯乱した人間への対処法で落ち着かせる事が一番重要な事だが
 それが今役に立っているかはわからない。

 カレン「やだ…やだよ……!」


 カレンはいつのまにか泣き出して顔がくしゃくしゃになっていた。
56 :1です :2011/11/27(日) 15:05:28.30 ID:cHbujdzP0

 逃げよう。
 ドラゴンに敵う訳が無い。
 軍隊の大部隊をも壊滅させたあの怪物に、この街の人間でやれることなんかなかった。

 
 アスラン「…!!隊長にみんな…!」

 ウラキ「無事かアスラン!」

 キース「な、どうなってんだよ!!ドラゴンがこんなとこにくるなんて…」

 シーブック「とにかくやばいんだよ!!街の中央が吹き飛んでる!!」

 部屋を出ると、すぐにバニングたちが騒ぎながら女の子を連れて、廊下を走って来た。
 女の子たちは全員上着をかぶさり、下の方は下着だったりよたよたしたズボンをはいていた。
 全員怯えてないてる子もいた。
 こんなときに一々、服を気にしてる余裕も無い。


 バニング「アスラン!そっちの女の子も無事か!!」

 アスラン「はい!けどかなり怯えています。
      ほかに残ってる人は…」


 阿部「おい!!カレンたちにお客さん!全員いるのか!?」


 ドタドタと1階の階段から阿部が登って来て、大声で叫ぶ。
 顔面蒼白だったが、アスランたちと一緒にいる女の子たち…
 つまり娼婦全員無事である事を確認できて、少しだけ笑顔になった。

 カレン「あ、阿部さん…」

 カレンが阿部を見てすこし安心した声を出した。
 間髪入れずバニングが叫ぶ

 バニング「こちらは全員無事だ!今すぐ全員避難を!!」

 阿部「待った!!やる夫とイデオンがルイーダの酒場に行ったままだ!!」

 ウラキ「なんだって!?」

 アスラン「え!?確かあの店は…」

 アスランが先程の発言をしたシーブックの所へ目線をあわせる。
 シーブックもうなづいて、カタカタと震えながら喋る。

 シーブック「街の…中央の方だ」

57 :1です :2011/11/27(日) 15:10:48.08 ID:cHbujdzP0

 惨劇
 そういっても良いだろう。
 
 ドラゴン達はまず街の中央に火炎弾を放った。
 巨大な火の玉は空中で爆裂し、爆風と火の粉が周囲の街に拡散した。

 これによって周りの建物のほとんどが風でふきとばされ、降り掛かった火の粉は
 火事を引き起こした。





 やる夫「…うっ」


 やる夫達がいた酒場は街の中央から少し離れた部分にあった
 爆心地から離れていたが、爆風で店が吹き飛ばされ店は全壊。
 建物の残骸は崩れるというよりも吹き飛ばされ、地面に錯乱していた。

 やる夫「…何が……うう…」

 頭がぼーっとしてフラフラする。
 なんとか立ち上がっても、周りから風がふき真夏のように熱い。

 口の中がからからで、内側から熱を出すように全身のあつかった。


58 :1です :2011/11/27(日) 15:15:29.62 ID:cHbujdzP0

「「「ぎゃああああああおおおおおおおおおおおおん!!」」」

 空中では数匹のドラゴン達の叫び声が響く。
 意識がハッキリとしなかったやる夫も今の鳴き声で目が覚めた。

 …ようやく現在の状況を確認できた。



 やる夫「……え?うそ…」


 街は燃えていた。
 自分の暮らしていた街が中心から吹き飛んだ。

 建物はゴミのようにちらかり、辺り一面に「焼けこげた何か」
 血の匂いが充満していていた。


 やる夫「…!………!!?」


 やる夫はこれから自分がどう行動するべきか必死に頭に働きかけて…

 イデオン「うう……やる夫」



 後ろの方で声がした。
 やる夫は体ごと声のした方を振り向いた。

 イデオンがうつぶせになり倒れていたのだ。

59 :1です :2011/11/27(日) 15:36:37.06 ID:cHbujdzP0

イデオン「……うう」


 やる夫「イデオン!だいじょうぶかお!?」

 慌ててやる夫が彼の元ヘ近づく。
 
 イデオン「い、一応…全身痛いけど。」


 イデオンが弱々しく答える中、やる夫は右手を彼の頭へ添える。

 やる夫「ベホマ!」


 
 そうやる夫が叫んだ瞬間、イデオンを緑色の光が包み込む。
 イデオンの全身のすり傷などが一瞬のうちに治った。

 イデオン「あ、ありがとう…やる夫」

 やる夫「お礼はいいから、はやく阿部さんのとこへ向かわないと!!」

 イデオン「あ、ああ……!…ッ待って!おばちゃんは!?」

 やる夫「!そうだったお!!おーい!おばちゃーん!!」

 イデオン「どこ!?おばちゃん!!返事をして!!」

 瓦礫が散乱してる部分を探しまわる二人。
 2人がほんの少し、自分達の場所から離れた時だった。


 
 おばちゃんはみつかった。
 …ただ顔は吹き飛んで、無惨な姿だった。



 
 2人「…!!?…おばty…」


 2人の声は途中で止まった。
 声を出す事よりも目の前の光景を確かめる事に意識が集中しているからだ。

60 :1です :2011/11/27(日) 16:08:56.55 ID:cHbujdzP0

 店主のおばちゃんの周辺に店に板と思われる人達が血まみれで倒れていた。
 誰1人動かない。


 やる夫「ベホマラー!!!」


 突如やる夫が周辺に横たわった人全員にベホマラーを唱える



 ベホマラー…周辺にいる生物の体力を大きく回復する上級魔法











 …だがやる夫とイデオン以外誰一人指先すらも動かす人間はいなかった。

 


 やる夫「………………」
 
 イデオン「…………」




 ドラゴンの叫び声と爆発音だけが辺りを包む。
61 :1です :2011/11/27(日) 16:36:09.50 ID:cHbujdzP0


やる夫「………」


 イデオン「……!ドラゴンが……!!」


 黙ったまま動かないやる夫をよそにイデオンは上空のドラゴンの行動を追った。
 1匹のドラゴンが口を大きく開くと喉の奥から光がドンドンおおきくなり…

 イデオン「うわああ!!逃げるんだ!!やる夫!!!ドラゴンが街を…!!!うわあああああ!!!」

 ようやく自体を把握できたというのかわからないがイデオンは叫んで取り乱した。
 やる夫も混乱していた頭がようやく正常な動きになり、一気に体の芯から詰めたくなっていくのを感じた。



 逃げよう!!
 


 そう思って2人は急いで娼婦館の方へ向かった。
 まだあそこには皆がいた…無事でいてくれるだろうか?




 街の南の方から大勢の叫び声が聞こえる。
 反面、西東北からはほとんど声が聞こえない。

 ドラゴンが北の方から攻めてきたので、反射的に住民は南の門から逃げようとしたのだ。
 だがそれこそがドラゴンの餌食となる大きな誤算となってしまった。

 逃げ惑う人達は一斉に南に向かうため大きな群衆となっている。
 その「エサ」を摂取する絶好の機会をドラゴンが見逃すはずが無かったのだ。



  「「「ぎゃあああああああああおおおおおおおお!!!!」」」



 
62 :1です :2011/11/27(日) 16:36:45.99 ID:cHbujdzP0

続きは夜です。
読んでくださった方がいましたらありがとうございます。
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/27(日) 17:58:46.24 ID:FUttTHBDO
DB組はいったいどこへ…
64 :1です :2011/11/27(日) 21:35:41.31 ID:nqeXQPL10


 はるか遠くの南の門にドラゴン達が一斉に地上に降り立った。
 

 中央広場と南の門までの間一帯に3匹のドラゴンが、逃げ惑う人々を
 食い始めたのだった。

 あまりの突然の出来事にパニックになった住民は悲鳴を上げて
 自分たちの目の前にいるドラゴンからに逃げようとしたが
 別のドラゴンが火の息をふきかけ、あっというまに人間を焼き肉状態にして食事を始める。

 手づかみ、まるごと口から食べるドラゴン


 あまりにも一度に多くの人間を食べているため、やる夫たちの方にも「その音」は聞こえた。
 肉と血が混じりながらぐちゃぐちゃになる音、大量の骨が砕かれる音
 そして耳をつんざくような悲鳴……


 
 イデオン「…う…あdlkjふぁjklfh!!」 

 
 イデオンがその音を聞いてゲロをぶちまけた。
 やる夫はイデオンの方を見てなかったが、胃袋から逆流する衝動を必死で抑えた。

 悲鳴だけで何が起こっているのかが頭の中に浮かんで離れない。



65 :1です :2011/11/27(日) 21:42:28.26 ID:nqeXQPL10


 イデオン「うえ…!!…かッッおおおううう……
      に、逃げないと…ぼくたちも殺される!!」


 やる夫「あいつら…こっちの方には気がついてないお!!」
     はやくこっちに行くお!!」



 2人が遠くに見えるドラゴンのせなかをよそに瓦礫の山となった広場に行こうとした
 その時だった。





 自分たちの周囲にある死体と瓦礫の山が突然崩れ始めた。


 ドラゴンか!?


 2人が慌てて音のしたほうを向くと……



 カカロット「な…なんだよこれ…!皆…街が吹き飛んでる!」

 ターレス「…あいつらだ。ドラゴンがきやがったんだ。
      瓦礫の下で聞いた鳴き声とか音で察しは付いたがよ。」





 カカロットとターレス
 同じ店にいた双子の青年は無事に生きていた。

 カカロットの方は上半身の服が破け
 ターレスは鎧の肩パッドが片方砕け、鎧にもヒビが入っていた。
66 :1です :2011/11/27(日) 21:51:21.41 ID:nqeXQPL10

 イデオン「き、君たちは…!」


 カカロット「!…おう!お前ら無事だったか!!」

 やる夫「よかったお…」

 ターレス「…無事なのはオレたちだけらしいな。」


 ターレスが周囲の死体の山を見下ろした。
 額に汗が滲む。


 カカロット「…なあ何があったんだ!?いきなり景色が吹っ飛んで気づいたら瓦礫の下にいたけどよ。」
 
 ターレス「ああ、全身強く打って痛みで動けなかったが、急にケガが治った時は不思議だったぜ。
      おかげで出れたが…
      お前たちが助けてくれたのか?」


 やる夫「…あ、えっと」

 イデオン「えっとね…あー……」

 カカロット「2人とも回復魔法が使えるのか?」

 やる夫「今…みんな死んじゃってるけど、ここ周辺で倒れてる人に
     やる夫がベホマラーをかけたんだお…、そうすれば元気になる人が出て来ると思ったんだけど。」



 4人はやる夫の話をじっと聞いた。
 4人に話しかけて来る人間はいなかった。
 
 やる夫がベホマラーを撒いたとき、瓦礫に埋もれケガで動けなかった2人に効果が出たのだった。
 

 ターレス「ありがとよ。命の恩人だ。」

 カカロット「ああ、おめえのおかげで助かった!!」

 やる夫「ははは…」

 やる夫は力なくも笑顔で答えた。




      



 「「「ぎゃああああおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!」」」



 再びドラゴンの咆哮が響く。
67 :1です :2011/11/27(日) 22:05:52.41 ID:nqeXQPL10


 ターブル「…まずいな。今ドラゴンが来てからどうなっている?」

 やる夫とイデオンはドラゴンの方を様子見しながら南の門で何が起きてるのかを説明した。

 カカロット「ひ、ひでえ…!」

 カカロットが拳を強く握りわなわなと震えていた。

 ターレス「なら逆の北のほうに逃げた方が良いな。お前らの知り合いとかはどうなった。?」

 イデオン「そ、そうだった!!
      ぼくたち、北西の…えーっと……宿屋で働いてるんだ!!
      まだそこに皆がいたはずだけど…」

 やる夫「阿部さんにエーリカ達も北の方から逃げれたのかお!?」

 カカロット「わからねえぞ…ドラゴンが北から来て、すぐ逃げたんなら
       今頃追いつめられて南の方に…」


 4人の顔が蒼白になる。


 やる夫「助けにいかないと!!」

 ターレス「おい、何を考えている!!」

 やる夫「な、なんで止めるんだお!!」

 イデオン「気持ちはわかるけどダメだよ!!
      くやしいけど、ぼくたちまで行って死んじゃったら元もこも…!!」

 やる夫「え、エーリカ達を見捨てろって言うのか!?おい!!」

 カカロット「バカ!あんまり騒ぐな!!ドラゴン達に気づかれたらどうすんだ!!」


 カカロットの言葉が瞬時に4人を身を屈める行動に移らせた。
 ドラゴンはまだ食事と仮に夢中になっている。

 ほんの数秒の沈黙の間、建物の崩れる音が聞こえて来る。


 カカロット「まだやる夫の友達が南に言ったとは限らねえ。
       もし行って見つからなかったら、それこそ無駄になっちまう!」


 やる夫「そ、そんな…」

 ターレス「俺はお前に助けてもらったってのーに、また死ぬのはごめんだぜ。」

 やる夫「な、なら…!」

 イデオン「やる夫…」

 ターレス「………」

 カカロット「…その宿屋は北西だよな。」

 イデオン「う、うん」

 カカロット「やる夫、一旦宿屋に行って確かめよう。
       …その後の事はそこで決めるんだ。 
       でなきゃオラ達は…」

 やる夫「……」


 やる夫は宿屋の方向と、南の方を交互に見る。

 やる夫「…わかったお。」


 抑えられない衝動を胸に「宿屋」の方に足を向けた。

68 :1です :2011/11/27(日) 22:16:49.49 ID:nqeXQPL10

 北の門


 アスラン達は北の門をくぐってすぐ城壁に避難していた。
 アスラン、阿部、エーリカ達女の子はいつでも逃げれるよう準備していた。
 そとの森では鳥や動物、モンスターの悲鳴が未だに聞こえ、木はざわめき

 バビングたちはほかに生存者がいないか確かめに行っている。


 カレン「アスラン…こわい、こわいよ!」


 カレンはずっと震えたままアスランの元へ寄り添っている。
 彼女の細い体は今は魅力的な面ではなく、恐怖でしわがれたように細くなっているようにも
 アスランには見えた。


 娼婦館の女の子達も館の主人である阿部さんの周りで固まって、怯えている。
 …1人、門の柱から町中を覗いている子がいる。

 低めの身長で細い体の金髪の少女、エーリカだった。
 彼女も上着を来て下は下着だった。

 だが羞恥心を気にしている場合でもなかった。
 彼女はずっと街の方を見ている。
69 :1です :2011/11/27(日) 22:24:13.26 ID:nqeXQPL10


 アスラン達が無事なのは運が良かったとも言える。

 ドラゴンは街の北と中央にかけて上空を飛び回り、
 その時に城壁の端っこをぬうように走れば、ドラゴンの目をくぐり脱出する事が出来たのだった。
 
 アスラン達が逃げたのはすでに中央広場に攻撃が始まった時だったが
 ドラゴン達の攻撃が中央から南にかけて集中していたので、うまく逃げ切れた。


 アスランもまだ震えが止まらない。
 もしも町中にある、いつも見かけるような宿屋に泊まっていたらどうなっていたのか…と。

 この娼婦館も北の門に近い端の方にあったので、ドラゴンの攻撃に狙われにくかったのだった。



 カレンが強くアスランに体をよせて、離れたく無いとばかりに体をそえる。
 アスランはカレンの頭をやさしく撫でてあげた。

 アスラン「…あともう少しで安全な場所に行けるさ。それまで頑張ろう。」

 カレン「…うん、ありがとう。」


 カレンの体の震えが少し収まった。

70 :1です :2011/11/27(日) 22:39:52.59 ID:nqeXQPL10


 エーリカ「…やる夫、イデオン」


 エーリカが呟いた。

 アスラン「…………!」


 アスランは門の向こう側、街の中北の門から続く街の間を数人の人影が走ってくるのがわかった。

 エーリカの顔が一瞬希望に満ちあふれたが…






 バニング「はあ…!はあ…!!」

 キース「だめだ…みんな死んじまってる!!」

 ウラキ「こっちもダメだった…たぶん北の方からもう逃げた人達もいる。」

 シーブック「やる夫とイデオンってやつは…」


 バニング「…………」


 エーリカ「…そ、そんな。」

 阿部「マジかよ…2人が……」

 バニング「すまない…4人バラバラで探して
      なるべく中央広場の方まで探したが…」

 バニングが「申し訳ない」と付け加えた。
 全身ほこりまみれ、泥もかぶり顔から汗が大量ににじみ出ている。


 エーリカ「う、ウソだ…2人が……やる夫が……」


 エーリカがバニングの方へ近寄る。

  

 
71 :1です :2011/11/27(日) 22:43:25.21 ID:nqeXQPL10

 エーリカ「ねえ、もう一回探しに行こうよ!!今度は私も行くから!!
      もしかしたら館に行って入れ違いになったかもしれないんだからさ!!」
      ねえっ!!ねえってば!!」

 
 阿部「………」

 阿部がエーリカの肩をそっと掴み、バニングから離す。
 バニング達はうつむいたまま黙り、アスランは顔をエーリカからそらした。
 カレンは泣き出した。


 エーリカ「だってだって…やだよ!
      みんな無事だったのに…!無事で……」

 阿倍の顔とバニングの方を交互に見て訴えるが
 2人は無言で彼女の言葉を聞くしか出来なかった。









  「「おおおおおおおおいいいいい!! みんなーーーーーーーーーーー!!!」」


72 :1です :2011/11/27(日) 22:47:02.62 ID:nqeXQPL10


 エーリカ「!」

 阿部「!!…ぶ、無事だったのか」


 突如としてあがった聞き覚えのある声に皆が一斉に同じ方向を向く。
 バニング達が戻って来た道とは別に、建物の角から
 4人の青年が出て来る。
 
 その道はアスラン達が娼婦館から通って来た道だった。



 やる夫「みんな!みんながいるお!!おーい!!!阿部さーん!!エーリカ!!」

 カカロット「よかったな…皆無事だったぞ。」

 ターレス「ああ。」

 イデオン「みんなー!!」


 4人が一斉に身なのもとへと一目散に駆け寄り、門をくぐった。
73 :1です :2011/11/27(日) 22:51:17.70 ID:nqeXQPL10



   第一章「ベホマズンよりもベホマラー派」    完


   第ニ章「摩訶不思議アドベンチャー」へ続く
74 :1です :2011/11/27(日) 22:52:18.53 ID:nqeXQPL10
といった所で第一章終わりです。
次回は第二章です。

読んでくださった方がいましたらありがとうございました。
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/27(日) 23:12:47.88 ID:FUttTHBDO
カカロットたちが瓦礫に埋まった程度で重傷になることに違和感
ドラゴンにびびっていることにも違和感
どのぐらいの設定なんだ?
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/27(日) 23:56:14.81 ID:XFUgxZ6IO
ターレスと兄弟設定な時点で完全にオリジナルやん
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東・甲信越) [sage]:2011/11/28(月) 01:58:17.27 ID:DZl9bU2AO
>>75

そんなこといったらイデが発動しちゃうぞ★
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/28(月) 08:41:15.61 ID:ukmnAfqDO
イデ「食物連鎖は対象外ですので」
79 :1です :2011/11/28(月) 20:05:27.89 ID:JrAqEOR60
読んでくれてありがとうございました。

>>75
元祖DBに近い設定です。

>>76
そうです。ほかにも色々混じってます。

>>77>>78
警備員系のキャラを考えた時にすぐ浮かんだのが彼でしたw
80 :1です :2011/11/28(月) 21:05:24.67 ID:JrAqEOR60






          第ニ章 「摩訶不思議アドベンチャー」










.
81 :1です :2011/11/28(月) 21:17:24.30 ID:JrAqEOR60


 あれからどのくらいの時間が過ぎたのだろう。とやる夫は思った。
 少なくともまだ次の日の朝にはなっていない。

  
 ドラゴン達の襲撃から逃げ延び、
 やる夫たちは、ある場所に続く深い森の小道をさまよっていた。

 全員無事に街を脱出できた事は良かった。
 しかし、ここで次の問題が出てきている。

 やる夫たちのいたバターシティから次の街までは数日かかる距離だった。 
 その間、野生の魔物から襲撃を受ける事も想定にしなければならない。

 ドラゴンが来たとき、周囲の生き物は一目散に避難していて
 今歩いている周辺では虫の鳴き声さえ1つない。

 
 わずかな風の音と、木のせせらぐ音…
 やる夫達の不規則な足跡だけが聞こえていた。

82 :1です :2011/11/28(月) 21:24:43.88 ID:JrAqEOR60

 明かりをつけたくても、つけられない。
 一行は唯一の月明かりをたよりに進む。
 もしドラゴンや魔物の標的にもなったら一環のおしまいだ。

 足音と風の中、ハネの羽ばたく音、気配、鳴き声にカカロットたちは研ぎすました。
 
 「魔物ぐらいだったらオラたちで充分だぞ。」

 阿部が最初に魔物の襲撃を話した時に彼はこう得意げに話した。
 ウソかホントかはどうあれ、前向きな言葉は全員の心境を前に押す事になった。






 エーリカ「…西の都ってどんなとこだろうね。」

 やる夫と手をつないで寄り添いながら歩いているエーリカがポツリと呟く。
 
 やる夫「さあ…やる夫は行った事無いからわかんねーお。
     なんかでっかい街ぐらいしか聞いた事無いけど。」

83 :1です :2011/11/28(月) 21:33:31.04 ID:JrAqEOR60

 エーリカ「そっか…」


 暗くて彼女の顔が見えなくても言葉だけで
 普段の明るい彼女の面影がなくなっている。

 やる夫「まあついたらゆっくり休める事は確かだお。
     ちゃんと手をつないでてくれお。はぐれたら大変だから。」

 エーリカ「…やる夫は方向音痴だからね」

 やる夫「なんでやる夫なんだお!」

 ふふっとエーリカが笑った。
 やる夫は心の重い感じがふっと軽くなったような気がした。


 カカロット「西の都に行けば、オラの友達が部屋とメシを用意してくれるからな!」

 阿部「西の都ね…ここからだと随分と遠いが……」

 阿部が少し不安な声で喋る。

 バニング「だが行ける事には申し分ない。
      せっかく全員無事だったんだ。もう少し頑張ろう皆!」


 
 全員が一斉に返事をした。





 アスラン「(…………)」

84 :1です :2011/11/28(月) 21:50:07.94 ID:JrAqEOR60


 少しでも明るい話題を話す。
 それが今訪れている夜中の用に暗く沈んだ心を軽くした。

 アスランはやる夫とエーリカが、話をしている所を後ろから見ていた。
 仲がいいな。と、思った。

 その光景だけで、今こうして都に向かっている状況が幸せに感じた。
 気がつくとやる夫以外にも何人か話をしている。


 明るい話題もそうだが、現在いるメンバーで兵士5人、戦士2もいるのは非常にたよりな存在だった。
 街から逃げ出した時、館の女の子は皆怯えて、歩くのもおぼつかなかったが
 今では普通に歩き、バニングやウラキたちと話す子もいた。


 カレン「ねえ、アスラン」

 やる夫と同じく自分と手をつないでいるカレンが言う。

 アスラン「え、何?」

 カレン「アスランはさ、西の都に行った事あるの?」

 アスラン「西の都か…たしか子供のころに行ったきりだったかな。
      父さんが遊園地に連れて行ってくれたっけ。」







  ゝ:::::::::::::::::::::::::::::|            i|!            j::::::::::::::::::::::::::::::::::/
   ゝ::::::::::::::i'~`、:::!  ,xzュ、                  、ノ:::/⌒ヽ:::::::::::::::::/
  ヽ ゝ::::::::',  ヽ / ___ ヽ             ,x=、 ヽ::/   /::::::::::::::/
   ヾ、 ゝ::::::,   ヾ/ ,'⌒ヽ ヽ  ',  !     /  __ゝ/   /:::::::::::::"
     ヾ::::::::::,    ヽ !     ヽヽ ,  l /   / > '" j   /    j:::::, "/
      ヾ::::::,   !⌒ヽ、   ムヽ,,    / ∠!   /   '    /::::' 〆
      , -=-、  l    ヽ____ゝ l | i //_____/   ,'   /:::/      「アスラン!今日は特別に遊園地に連れてってやるぞ!」
     γ      ヽ      ',                 ,  /:::/   
     i        ヽ     ,     j         /ー':/
     l!         ',  ,      `   //    />-'       
      〉、        }  ,'、   ヽ二二 -   /|        
     /! `       ノ {  ヽ   =     / . |
   (            /   ',    ` ー‐ '"     |_≦ミ ̄ミー─
     〉        j    ',              |   ヽ  ヽ
   /   _>─────'"ヽ                  ノ ノ
  /                }、             "   ""
  ゝ                    ノヽ、` ー ─────'"   '"

              
           アスランの父親「ベジータ」


    
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/28(月) 21:51:18.97 ID:BAN2auvIO
ベジータwwwwww
86 :1です :2011/11/28(月) 21:56:38.88 ID:JrAqEOR60

 カレン「遊園地かー、いいなー」

 カレンが顔を上げ、明るくなった声で呟く。

 アスラン「君は?」

 カレン「行った事無い。えへへ。」

 アスラン「…じゃあ他の街に行ったりとかは?」

 カレン「…………一度もない。」


 カレンの言葉が曇る。
 アスランは慌てて次の言葉を慎重に選んだ。
 
 アスラン「………ごめん。」
 
 カレン「いいよ。それよりアスランが住んでた所の話とかしてよ。
     街で売ってる商品とかってどんなのがあるの?」

 アスラン「あ、うん。そうだなー…確か近所の炒飯店が…」




 
 皆がそれぞれ話している間、その時は皆の不安が無くなっていた。
87 :1です :2011/11/28(月) 22:05:31.90 ID:JrAqEOR60

 それから歩ける所まで進むと森を抜け、
 進んでいる一本道以外は均等に生えそろった草原となっている。
 月明かりに照らされ草に染み付いた夜露が光に反射し、キラキラとしている。

 その明るさはやる夫たちの沈んだ目にようやく輝きを取り戻すかのようだった。
 

 カレン「…遠くまで来たね。」

 アスラン「ああ。そうすると地形とかも変わるし、街に近づいて行ってるな。」
 
 



 すると草原に出た途端に戦闘を歩く戦士の二人、
 カカロットとターレスが足を止めバニングと阿部に話していた。

 ほんの数秒後、バニング達も足を止めると続けて後ろのメンバーも足を止める。

 ウラキ「大尉?何かあるんでしょうか?」

 キース「今夜はここで野宿とか…」


 バニング「ああその通り。」



 皆がその言葉を聞いて急に力が抜けて行ったのを感じた。


 
88 :1です :2011/11/28(月) 22:17:28.08 ID:JrAqEOR60


 カカロット「まあ寝る場所は、今いるこの出口付近の木の陰だけどな。」

 ターレス「草原の方が寝心地は良いが、いかんせんオレたちが空から目立つんだ。」


 「空から目立つ」


 その言葉で、一気に脱力から緊張感がほとばしり
 一気に皆の眠気が覚めた。


 カカロット「大丈夫だって、見張りをつける。
       オラが草原の方
       今来た道の方をキース、出口の右方向をウラキ、左方向をバニングのおっちゃんだ。」

 ターレス「今から早朝までの半分の時間毎で交代だ。
      およそ2時間から3時間だ。」

 バニング「交替後のメンバーはターレス、阿部氏、アスランにイデオンだ。」


 やる夫「えーっと…やる夫は?」


 間髪入れずやる夫が答える。

 
 阿部「お前には重要な任務がある。」


 ごくり…

 やる夫の息をのむ音が隣のエーリカにも聞こえた。
      
89 :1です :2011/11/28(月) 22:24:44.30 ID:JrAqEOR60

 バニング「阿部氏から聞いたよ。やる夫くんはゆっくりやすむという任務だ。」

 やる夫「はい?」

 阿部「その前にする事があるけどな。」

 やる夫はなんとなくだが自分がすべき事が見えて来たような気がした。

 
 阿部「やる夫、お前のベホマラーは何人まで効果がある?」

 やる夫「…!何人かはわからないですけど、この位の人数なら…たぶん出来るとおもいますお。」

 阿部「よし、じゃあ…いいんだな。」

 やる夫「やってみますお。」

 キース「お前…ベホマラーが使えるのかよ!」
 
 やる夫「ですお。」

 シーブック「すげえな。上級魔法をその年で…」

 やる夫「ははは。小さい頃にホイミ覚えてから、無茶な遊びばっかしてケガして
     毎日のようにホイミかけてたら…いつのまにか皆を回復できるようになってましたお。」

 ウラキ「う〜む…そんな事が…」


 
90 :1です :2011/11/28(月) 22:26:29.48 ID:JrAqEOR60
中途半端になってしまいましたが明日早いので、一旦終わりです。
読んでくださった方、ありがとうございました。

アスランの父親で一番に浮かんだのはベジータでした。
髪の意味でも。
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/29(火) 02:30:52.27 ID:kXKyDAyDO
元祖DBって無印のこと?
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/29(火) 02:32:55.97 ID:kXKyDAyDO
忘れてた乙
93 :1です :2011/11/29(火) 19:47:23.93 ID:JT0ejDn10
>>91
はい、そしてさらに連載初期の方な感じです。
94 :1です :2011/11/29(火) 21:22:21.32 ID:JT0ejDn10


 やる夫「じゃあ皆1つの場所に集まってくれお。
     皆が固まってれば、回復の効果が高まるかもしれないし。」



 やる夫の一声で、皆が彼の前に集まる。


 やる夫「…ベホマラー!!」











 それからの事はよく覚えていないなかった。
 
 3日間森の中を進み、夜は見張りをつけて睡眠を取った。
 冷える夜は枯れ葉などをあつめ、それを体の上にかぶせたり
 皆で固まって過ごした。

 食事は木の実などで飢えを凌いだ。
 この間、襲撃などもなく野生の魔物の気配もしなかったので
 安心して西の都へ行ける。という気持ちが全員の疲労を抑えていた。
 

 バターシティを出て4日後、運良く馬車をひく商人の夫婦を見つけたのだった。
 やる夫達のボロボロの姿を見て戸惑う二人だったが、事情を説明すると動揺していた顔が更に激しくなった。

 夫妻はバターシティに向かう予定だったのだが女の子達を場所に乗せ、あとの男集団は歩いて同行。西の都まで案内してくれたのだ。
 バニングと阿部さんが商人の人達と話をしていたのをやる夫は耳に挟む。

 西の都に付き次第、帝国の部隊と連絡を取り
 すぐさま救助と調査を出す。とバニングは行っていた。


 あの街が襲撃され4日後…生存者はいるのだろうか?
 ドラゴンが街を破壊していなければ、食料なども残っているはずだが…




95 :1です :2011/11/29(火) 21:31:02.68 ID:JT0ejDn10

 「『西の都』ならすぐに帝国の部隊と連絡が取れますから
 救助に向かってバターシティに点くのは急いでも2日はかかると思いますが。」


 商人は先程から心配そうな声で、バニング達と話を続けている。









 
 そして2時間程立った時だ。

 バニング「見えた。あれがバターシティか…。」


 森を抜け、拓けた広大な大地に大きな街が並んでいる。
 大陸でも帝国本部より大きいと言われる「西の都」だ。


 バニング「では我々4人は一足先に西の都にいる帝国の部隊に事件を伝達しに行きます。
      アスラン、お前はまだここで残りの護衛を頼む。
      街について何かあったらすぐにオレかキース達に連絡してくれ。」

 アスラン「はい。了解しました。」


 アスランを除いたバニング部隊は皆に「ゆっくり休んでくれ」と一言いうとダッシュで街へと向かった。 
 やる夫たちはバニングに街でのお礼を言うと街に向かって後ろ姿が小さくなっていく4人を
 見送った。


 やる夫「バニングさん達にはまた後で礼を言わないと…」

 エーリカ「うん、…あとさ」

 やる夫「?」

 エーリカ「…ありがとう。」

 やる夫「……」


 やる夫はエーリカの手を握ってあげた。

96 :1です :2011/11/29(火) 21:38:43.38 ID:JT0ejDn10

 
 商人「では皆さんお気をつけて、私はバターシティに向かう商人の仲間にも
    この事を伝えて回ります。では…」


 夫婦は街の入り口からやる夫たちのグループと別れて行った。
 衣服も提供してくれて、感謝の1つでは足りなかった。




 西の都



 アスラン「で、二人の友人の家というのは?」

 カカロット「ブルマん家はちょうど街の東だからなー。こっち、こっち」




 街へ入ると、バターシティのような田舎街とは違った雰囲気を持つ建物で埋め尽くされていた。
 人、人、人、周りを見れば必ず人がいて
 道路では自動車やバイクが何台も通っている。
 
 カレン「こ、ここが都か…」

 カレン達、娼婦館の女の子は目をまんまるくしてアスランに反応を求める。
 
 アスラン「ああ…都会はこんなかんじだよ。」

 ターレス「街を見て浮かれるのも良いが、あんまりボケッとしてると
      変な目で見られるぜ。」


 やる夫がターレスの言葉に反応して周りを見ると
 何人かの通行人がやる夫たちを珍しそうな目で見ている。

 いくら服を整えたと言っても、皆誇りや汚れで髪や顔がボロボロだった。

 カカロットなんか、上はジャケットで下が道着のままとセンスの無い格好をしていたのだった。


 
97 :1です :2011/11/29(火) 21:45:06.56 ID:JT0ejDn10


 エーリカ「はやくシャワー浴びたいな…」

 やる夫「もうすぐだから我慢しろっての。」

 エーリカがつい愚痴をこぼす。
 命がけで逃げて来て、ようやく安全な場所につけたので今までの我慢が
 こぼれてしまった。


 
  

 カカロット「そういやオラも腹減ったし、ブルマにごちそうしてもらおーっと!!」


 彼…カカロットは終始元気だった。

 アスランは彼のような元気の秘訣は何なんだろうな、と思った。
98 :1です :2011/11/29(火) 21:52:57.30 ID:JT0ejDn10

ブルマの家
 

                         ___ __ ____
                  , -'''二/ ___` / ,,_|´__`ヽー--、...
                // ;;;:/ :/´   .i;; ` l :|   :;;i ヽ ヽ ;;;,\\
                / /  ;;;: / :/   i;;   | :|   :;;i.  l  | ;;;, \\
               / /  ;;; / /     i;;   | :|    :;;i.  |  |  :;;, ヽ ヽ
              | | __|_|_____|_|___ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
              | | | |ミ|77 | |ミ|ロ ロ ロ ロ ロ ロ|  |;;;|口口;;;|;;;|口口;;;|;;;|口口|
              | | | |ミ|77 | |ミ|ロ ロ ロ ロ ロ ロ|  |;;;|口口;;;|;;;|口口;;;|;;;|口口|
        ..y────ヾ| |ミ|:::::::| |ミ|ロ ロ ロ ロ ロ ロ|  |;;;|口口;;;|;;;|口口;;;|;;;|口口|
        ||| |:ロ ロ ロ| |ミ|:::::::| |ミ|ロ ロ ロ ロ ロ ロ|  |;;;|口口;;;|;;;|口口;;;|;;;|口口|
        ||| |:ロ ロ ロ| |ミ|77 | |ミ|ロ ロ ロ ロ ロ ロ|  |;;;|口口;;;|;;;|口口;;;|;;;|口口|
    ___皿:|:ロ ロ ロ| |ミ|77 | |ミ|ロ ロ ロ ロ ロ ロ|  {;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;レ
    | |:::::::| ミ|:期へ器器l ̄l器l ̄l器ミ器{{ }}{{ }}{{ }};;;;;;;;;;;{{ }}{{ }};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{{ }}{{ }};;;;;
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 TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT




 カカロット「おーーーい!ブルマー!!いるかー!?おーーーーーーい!!!」




 カカロットが何度も呼び鈴を押す。
 知らない人から見たら、ただの嫌がらせだ。



 エーリカ「…でっか!え?何何?お金持ちの家!?」

 エーリカが目を輝かせながらやる夫の顔を見る。

 やる夫「どうって…どうみても金持ちの家な感じが…」

 ターレス「まあそうだろうな。ブルマの家はカプセルコーポレーションの本社だからな。」


 「カプセルコーポレーション」
 その名前を聞いた途端、皆が一斉に驚きの声をあげようとしたのだが、
 突如家のドアがあき、玄関にいる超美人な女性の怒りの声でかき消された。


 ブルマ「うっっっっっっっさいわね!!なんなのよ急に!!!
     ピンポンピンポンやかましいじゃない!!!!!!!!
     しかも馴れ馴れしく人の名前を…」


 カカロット「よっ!ブルマ!!久しぶり!!3年ぶりか?」

 
 皆が呆然とする中、カカロットだけは平然とした態度で目の前の女性に答えた。
99 :1です :2011/11/29(火) 21:56:29.61 ID:JT0ejDn10

 ブルマ「は?」


 ターレス「ようブルマ、久しぶり。悪いなカカロットの奴が呼び鈴を鳴らしちまって。」


 カカロット「え?人の家を訪ねる時は呼び鈴ならすだろ?」

 やる夫「いやいやカカロットはやりすぎだお。」

 イデオン「…ビックリした。」




 ブルマ「…え







    うっそー…もしかして孫君にター君!?」

    


 ブルマという水色髪でストレートヘアーの女性は目を丸くして
 カカロットとターレスの全身を目を凝らして見つめて呟く。
100 :1です :2011/11/29(火) 22:09:04.57 ID:JT0ejDn10

 カカロット「おう、ってブルマなんか背が低くなってねーか?」
 
 ブルマ「あんたが伸びてんのよ!
     えー!ホントに2人なの!?久しぶりねー!!
     なんだかイイ男になってるじゃない二人ともー、このこの」


 ブルマが二人の胸をこづく。


 やる夫「……なんか結構豪快な人だお」

 アスラン「あ、ああ…そうだな。」


  
 カカロット「それでよー、ちょっとブルマに用があって…」

 ブルマ「うんうん!早く上がりなさいよ!!久しぶりに会えたんだし。
     …あ、ごめんなさいね。私ブルマって行って、二人とはちょっとした仲なの。

     アナタ達も孫君のお友達?」


 ブルマがようやく後ろのやる夫たちに気づき挨拶をする。
 やる夫たち少年少女はブルマに挨拶をした。


 ターレス「じゃあお邪魔するぜ。」


 ブルマ「…あ、ちょっと待った!
     なんかアンタ達匂うわよ…まーた無茶でもしたんでしょ??」


 やる夫「……」


 やる夫たちはお互い顔を見合わせる。



 ターレス「…それも含めて用事だ。」


 ブルマは全員の目を見ると、にっこり笑って続けて。

 ブルマ「うん。全員ウチでゆっくりしていって!部屋も結構空いてるし
     シャワー室に食事たくさんあるから。」


 思わずブルマの豪快なやさしさに心がとろけるようにやる夫は感じた。


 カカロット「おっっじゃましまーす!!!」


 ブルマ「おいコラ!!!土足ではいるんじゃないわよ!!!
     あっっっっ!!!なによアンタ、足どろまみれじゃないのよ!!!」


 すかさずブルマがカカロットの頭にキツいげんこつを加え、彼はその場で悶絶した。


 ターレス「…ちょっと変わってるがゆっくりしても大丈夫だぞ。」

 テンションの切り替えが激しい彼女に、やる夫やアスランは呆然と見つめる。


     
101 :1です :2011/11/29(火) 22:17:04.21 ID:JT0ejDn10


 大浴場



 カカロット「ふいー…気もちいー……生き返るー。」

 ターレス「(体洗ってる)」


 やる夫「いやー…ブルマさんて良いひとだお。」

 アスラン「…いいのかな、オレまで」

 ターレス「どうってことねーだろ。お前さんは大尉からこっちの待機命令だし
      休めるうちに休んどかないとな。」


 アスラン「……そうですね。」


 やる夫「あ〜…眠たくなって来たお…」


 やる夫は湯船にぷかぷか浮かびながら目を打とうとし始めた。

 顔だけが水面から出ているので、遠くから見れば饅頭が風呂に浮かんでいるようだ。

  


 カカロット「ん?そういやイデオンは??」

 アスラン「なんだか眠くてしょうがないから寝て来るって行ってましたよ。」

 やる夫「いつのまに…」 
102 :1です :2011/11/29(火) 22:23:05.63 ID:JT0ejDn10


 やる夫が喋って少し全員がそれぞれ風呂を満喫している時だった。



 

 <ちょっとー、カレンたらまた大きくなってない?

 <うわ!くすぐったいからヤメてよ!

 <あーあー、うらやましいなーカレンは私にもわけてほしいくらいだ。

 <きゃーきゃー バシャバシャ…





 やる夫「…………」

 アスラン「…………」

 ターレス「…………」

 カカロット「なんかあいつら元気そうで良かったな。」


 
103 :1です :2011/11/29(火) 22:26:47.88 ID:JT0ejDn10

 アスラン「…オホン、そうだな。元気になって何よりだ。」


 アスランが顔を下に向け、湯船のお湯で一旦顔をバシャバシャと濡らす。

 やる夫「…………」


 ターレス「…………」

 カカロット「………♪」



 <そういうエーリカだって、すこしおおきくなってないか?
 <そ、そんなことない!おい、何をじろじろ見てるんだ??

 <エーリカは皆の仲で一番はだが白くてスリスリしてるからねー♪

 <うひゃうう…!




 アスラン「…ゴホ!」


 やる夫「…気になるのかお?おっおっ」

 アスラン「!!」

 ターレス「ふふふ…」

104 :1です :2011/11/29(火) 22:33:17.61 ID:JT0ejDn10

一旦終了です。
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/29(火) 23:16:46.73 ID:OULQUnqIO

ター君ってwwwwカワユスww
106 :1です :2011/11/30(水) 21:25:41.85 ID:/Oqr9G8w0

 アスラン「お、俺は先に出てる!」

 アスランはそのまま風呂から上がり、去って行った。


 やる夫「若いっていいお。」

 ターレス「お前も同い年だろうが。」

 カカロット「あいつゆでだこみたいになってたぞ。顔だけなんでだ?」



 ガラッ!
 

 阿部「おーっす。なんだかアスランが顔を赤くしながら出て行ったが
    何かあったのか?」


 やる夫「…いや」

 ターレス「何も」

 カカロット「さあ?」

 阿部「そうかい、けど何を慌てたのかしらんがパンツ一丁で出て行ったのは
    さすがに止めるべきだったか…」


 やる夫「えっ





 ブルマ「きゃああああ!!」

 アスラン「!!ど、どうしたんですか!?」

 ブルマ「ち、痴漢よ痴漢!!」

 アスラン「何!?痴漢がこの家にいるんですか!?」


 ブルマ「オバカ!!アンタの事よ!!いくらなんでもくつろぎすぎ!!!!」

 アスラン「…えっ」


 アスランが自分の格好を確認したとき…


 ガラッ!!



 エーリカ「あーさっぱりした…あ、ブルマさ…ん?」

 アスラン「おわあああああああああああああああ!!」



 
107 :1です :2011/11/30(水) 21:43:03.71 ID:/Oqr9G8w0

 エーリカ「…あんたって意外と大胆なんだね。」

 アスラン「み、見ないでくれ…オレは別に裸で来た訳じゃ…」

 ブルマ「あーもう、さっさと着替えて来る!!」

 アスラン「すみません…」




 アスランはそそくさと入浴場に戻って行った。



 エーリカ「結構鍛えてありましたね。」

 ブルマ「そりゃ軍人だからよねー。結構イケてる顔だけどおっちょこちょいね。」









 男湯 脱衣所



 やる夫「ばったりエーリカにあうとは運がないね。」

 アスラン「………」

 アスランは溜め息をつきつつ着替えた。
 脱衣所にはブルマが用意してくれた服があったので、それを着る。


 カカロット「お、この服懐かしいなー。」

 カカロット来ている服は赤色のアロハシャツだった。
 ターレスは…

 ターレス「ブルマのやつ…絶対ワザと持って来たな…」

 色黒の彼には似合わぬ、白のシャツにピンクの上着でズボンは黄色だった。
 おまけに背中には「BAD MAN」のロゴがあってやる夫はおもわず笑ってしまった。


 ターレス「笑うな!」

 ターレスは恥ずかしがってすぐ出て行ってしまった。

108 :1です :2011/11/30(水) 21:54:20.04 ID:/Oqr9G8w0




 皆が起きた時には、丁度お昼の時間い近かったのだが
 大きなリビングに集まった時にブルマが皆にこう言った。


 ブルマ「皆、疲れてるでしょうし今日はゆっくり休んで行きなさいな。」

 確かに女の子達は少しウトウトしていた。
 やる夫も思わず欠伸が出る。

 アスラン「……オレは」

 ブルマ「ああ、上司の連絡があったら私が伝えておくわ。
     ゆっくりやすむくらい別に大丈夫でしょ。」

 アスラン「でも……」

 カカロット「さっきもターレスが言ったろ?休むのに良いも悪いもねえって。
      バニングのおっちゃんの性格なら、別に怒らないとおもうけどな。」


 ほんの少し同行しただけでバニング隊長の性格を把握してるような言い分は
 アスランを不思議と納得させた。


 アスラン「では…オレも休ませてもらいます。」

 ブルマ「そんな固くならなくても良いわよ。
     アンタ達の話は今日の夜か明日にでもでいいわ。
     とにかく休んで隊長を万全にしないとね。」


 ブルマがにっこり笑って言う。
 この人は喜怒哀楽の切り替えが大きい人なのか?とやる夫はしみじみ思った。


 阿部「本当に何から何までありがとうございます。」


 阿部が皆を代表して頭を下げる。

 ブルマ「いえいえ、じゃ皆おやすみ!  
     何かあったら私に言ってね♪
     今日はずっとリビングにいるからさ。」


 カカロット「おめえまさかニートになったのか?」


 ブルマ「アホか!!失礼な事言わないでよ!!!
     今造りかけの機会があるからそれをちょっとやるのよ!!

     …ホントッッとデリカシーのないやつだわ。」


 ブルマがふふっと笑う。
 皆もつられて笑った。


 ようやく皆に普通の笑いが戻ったのだった。
109 :1です :2011/11/30(水) 22:13:56.47 ID:/Oqr9G8w0



 やる夫たちが寝付いてから数時間後…





 リビング


 ??「お客さん達はもう寝付いたのかしら?」

 ブルマ「あら?起きてたのなら挨拶すればよかったじゃない。
     皆あなたを見れば驚いたわよ〜」

 ??「そういうのはもう私からしたらお決まりのパターンだから好きじゃないの」

 ブルマ「む、かわいい顔しておもしろくないわね。」

 ??「あなたにも似たような事は言えるのだわ。」
 
 ブルマ「はいはい」

 ??「…ところで、それはいつになったら完成するのかしら?」

 ブルマ「もうちょいよ!もうちょいなのよのー…
     最後の組み立てに限って、すっっごく慎重にならないと部品が全部ダメになっちゃうのよ。」

 ??「そう、じゃあ紅茶を飲みながらゆっくり待つわ。
    …あれ?飲み物が用意されたいないけど」

 ブルマ「…あんた私の言ってる事聞いてた!?」

 ??「善処するわ。」

 ブルマ「あーもう!」



   
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
110 :1です :2011/11/30(水) 22:35:57.02 ID:/Oqr9G8w0
明日早いので、ここで切ります。

111 :1です :2011/12/01(木) 22:09:00.04 ID:EFZGa7jQ0


 …結局、その日は皆夕飯の時間を過ぎても次の朝まで眠る事となった。
 誰もいびきすらもかかないほどの熟睡だった。


 …やる夫もそうだった。
 ほんの数日前に恐ろしい事があったのにもかかわらず、寝る時は
 バターシティの宿で仕事を終えゆっくりと眠る感覚の時と同じだったのだ。

 考えてみれば、本当にあれは現実だったのだろうか?
 ドラゴンなんて何十年も前に帝国の軍隊を壊滅させた事と、大昔の伝承くらいでしか知らない。
 知識もドラゴンへの恐怖も所詮学生時代に得たモノにすぎなかったが…


 
 ……忘れよう。
 そしてあのドラゴンがこの街にこないよう祈った。


 何も考えたく無い。平和な時間でいたい。思い出したくもない。
 さいわい自分の故郷はバターシティではなく遠い地方のマサラタウンだ。
 親は無事だろうか?…無事だろう。


 …そういえばモンスターに詳しいオーキド博士はドラゴンについて知っているのだろうか?
 まあ会えた時にしよう…。






 やる夫は起きているのと眠っている中間の辺りをさまよいながら
 数分後眠りに落ちた。



 次の日、自分が旅立つ事になるのは思いもよらない。


 
112 :1です :2011/12/01(木) 22:23:06.95 ID:EFZGa7jQ0


【世界観補足@ 職業システム】 


 この世には職業システムという非常に便利な機能がある。
 自身のプロフィールに「戦士」「魔法使い」「賢者」「商人」
 この「肩書き」を持って「ルイーダの酒場」や各国の職業安定所にいけば、
 自然と仕事の依頼&受付や旅の仲間が見つかりやすいことだった。

 そもそも「肩書き」を持つには、これまた教会に行って一種の試験を受けてもらう。
 「戦士」の肩書きを持つ場合……体力テスト、実技試験、戦闘スタイルポイント、戦闘経験PR等
 「魔法使い」の場合 …… 魔法の知識、実技試験、ペーパーテスト


 これに受かれば晴れて自身に「肩書き」が付けられ、それがあると
 その肩書き専用の仕事や依頼にありつけ、食って行ける事になる。

 また肩書きを変更したい場合は、再び試験を受ける事となる。
 


 …ただし、「盗人」「遊び人」といった独自の方法で特技を身につけ、
 肩書きをもつ輩がいるが、彼らは職業システム内に存在しない肩書きなので
 見つけたらあまり深く関わらない方がよいのだ。
 ※「盗人」でも、盗まれたものをちゃんと取り返しに行ってくれる者と
  「盗人」という肩書きにもあるように、本当に盗みを働く者、取り返しに行った物を
   そのまま盗んでしまう場合もあるので要注意。
 ※ちなみに「ニート」も存在するが…



 やる夫&阿部さん&エーリカ達 … 商人の肩書き
 カカロットやアスラン達 戦士の肩書き
113 :1です :2011/12/01(木) 22:36:59.44 ID:EFZGa7jQ0






 そして次の朝…




 エーリカ「…………」

 やる夫「…………」



 目を開けると、目の前にエーリカの寝顔があった。
 …まさか寝ぼけてエーリカの部屋に?
 と思ったが自分自身、部屋に向かった際はエーリカと反対方向だったので
 彼女が使ってる部屋の番号とか場所は知らない。




 エーリカ「………ん」

 エーリカが眠ったまま顎をあげる。
 やる夫が顔を寄せれば丁度彼女と唇が重なる直線上になった。
114 :1です :2011/12/03(土) 21:10:19.06 ID:/iT8viSC0
再開しまっしゅ
115 :1です :2011/12/03(土) 21:14:40.42 ID:/iT8viSC0




 やる夫「はあ…しょうがねーやつだお。」





 やる夫は彼女を起こさないよう、そーっとベッドから離れ
 皆がいるであろうリビングに向かった。


 今後の事を話さなければ…。









 その日のお昼前



 ブルマ「そんな事が…」

 ターレス「事実だ。ここにいる全員と
      報告しに行った軍人さんも含め、
      今の所、生き残りはオレたちだけだ。
      ほかにも何割かの住人は逃げ切れたと思うけど…」


 ブルマ「……」

 阿部「オレは…まあ、宿の主人でこの子達は住み込みで働いてくれてる従業員たちなんでね。
    ここにも長くいられないし、早いとこ次の仕事もさがさなかやならないんだが…」

 カカロット「ブルマー、おまえんちってかなり広いし
       やる夫達をこのまま住ませてやってもいいんじゃねーのか」

 カレン「…さすがにそこまでは」

 ブルマ「あら、そのくらいいいわよ。  
     けどちょっと仕事の手伝いとかあるけどね。 
     自分のやりたい事があったら、時間が空いた時に肩書き試験いけばいいし。」

 阿部「………ホントにいいんですかい?オレたちは」

  
 ブルマ「困った時はお互い様でしょー?
     もし仕事を他にしたいなら、見つかるまでここで生活ってのもいいんだから」


 カカロット「遠慮すんなよお前ら、ここならうまいもんたくさん食えるぞ。」


 ブルマ「…あんたよく自分の家みたいに言えるわね。」

 ターレス「まあそういうこった。
      少し世話になるくらいなら、ブルマはオッケーしてくれるひじょーーーに
      心の広い女性だ。」
116 :1です :2011/12/03(土) 21:18:32.66 ID:/iT8viSC0

 阿部「…すまない。恩にきります。」


 阿部が深々と礼をした。
 やる夫達も続けてお礼を言う。


 考えてみればカカロット達の友達といってもこれだけの  
 人数を一度に止めてくれるのは本当にありがたい…
 このブルマという女性には今後頭があがらないな。とやる夫はしみじみ思った。


 カカロット「おいブルマ、腹減っちまったから何かくれよ。」


 ブルマ「だーーーーーーー!!!あんたはいつもいつも食べる事ばっかり!!!
     見た目は良くなっても中身が全ッ然、変わらないじゃない!!
     少しはター君をみならないなさいよ!!」


 
 …怒らせないほうもいいなと、やる夫は続けて思った。

117 :1です :2011/12/03(土) 21:24:19.27 ID:/iT8viSC0



 こうしてドタバタしつつも、やる夫達は少しの間(ブルマはいつでも言いと行っていたが)
 ブルマの家にお世話になった。

 阿部さん達と他の女の子達は社員食堂で調理などを担当
 エーリカとカレンはブルマの研究の手伝い。

 やる夫、イデオン、アスランは荷物運びや家事をしつつ
 アスランだけはバニング大尉から連絡があるまでここにいる事と、
 ブルマの資料室やパソコンを使いドラゴンに関する情報を探した。






 ……このまま暮らすのも良いが、別の仕事を探さなければならないという気持ちも芽生えて来る。
 ちなみにカカロットとターレスは付近の土地から珍しいアイテムがないか探しに行った。

 

  


 …そしてやる夫には、この3日間くらいの間ちょっとした違和感があった。








 誰かに見られてるような…変な違和感があった。


118 :1です :2011/12/03(土) 21:35:35.96 ID:/iT8viSC0



 ブルマの寝室


 ??「あの白饅頭…やる夫と言ったかしら?」

 ブルマ「彼?ああ、あのぷにぷにの肌を触った時は羨ましいなーって思ったけどどうかしたの?」

 ??「…ちょっとね。白饅頭には高い魔翌力を感じたから」

 やる夫という名前があるのに、あえて白饅頭というワードで呼びつける/


 ブルマ「あ、ベホマラーの事でしょ?
     私はあんま魔法とかには興味ないけど、上級魔法が使えるって便利よねー
     私も今度仕事で疲れたら、お願い使用かな♪」


 ??「貴重な魔翌力をそんなことにつかうとは…」

 ブルマ「いーじゃない。減るもんじゃないし」


 ??「…はあ、こうしてダラダラ待つのも退屈ね。」


 ブルマ「仕方ないでしょー、アンタの姉妹探すレーダーがようやく完成して
     今充電中なの!
     はー…今思えば、真紅が物置小屋で見つけたのが懐かしいわね。」


 真紅「…そうね。ほんの半年前だけど。」



 真紅…ブルマのベッドの上で分厚い本を読んでいる少女は言った。
 全身真紅のドレスを見に纏い、ヘッドドレスをさらさらと伸びた金髪の上に被り
 蒼い瞳はまるで※沖縄の珊瑚礁の海のように透き通っていた。




 ※沖縄…この世界で最も小さい国。独自の生活文化があり、周辺の海一帯は世界で美しいと
     評価され目当てに来る観光客も多いのだが、その海の美しさや文化もあいまって
     ゴミが全然落ちていないのである。
     世界で一番マナーが守られている国…とも言える。
119 :1です :2011/12/03(土) 22:10:28.18 ID:/iT8viSC0


 ブルマ「苦労したのよ?アンタの体から出る周波数を機械で読み込むようにするのは」

 真紅「…私からすれば、それを可能にしたあなたの技術に驚いたわよ。」

 ブルマ「えっへん!そりゃ何たって私は『天才』ですからね!」

 真紅「…ま、そういうことにしておきましょ」

 ブルマ「どういう意味よー…」



 
 ピピp!【エネルギー充電完了まであと24時間…】


 ブルマの目の前にある丸い時計のような機械から電子音声が鳴り響いた。
 ゲージが99%の表示を表している。


 真紅「(…また、くり返されるのかしら。それでも結末は自分の目で見たいものね)」












 そして…翌日




 ブルマの家のリビングでアスランは電話でバニングと話をしていた。
 ブルマが西の都の帝国部隊に連絡を取り、バニング大尉が用件を完了したら
 アスランへ連絡できるようしておいたのだ。

 今、アスランはバニングからこの数日までに決定された事を伝えられていた。



 アスラン「別の任務…ですか?」

 バニング「ああ、確かもうバターシティのニュースが流れたはずだが…」


 アスランはふと数日の間を思い出した。
 …確か全員テレビを見ていなかったはず。仕事をして終わったとは皆自分の部屋に戻って行ったような…
 もしニュースが流れた場合、そこにうつってるのは…


 バニング「…アスラン?」

 アスラン「は、はい!」

 バニング「…話を続けるぞ。」

 アスラン「はい」

120 :1です :2011/12/03(土) 22:23:56.84 ID:/iT8viSC0

 バニング「俺はこれから、先立って向かった救助隊と調査隊に参加し、
      再びバターシティに行く。」

 アスラン「はい。」

 バニング「…で、これからお前のことだが一旦オレの部隊からはなれ
      単独、もしくは近くの部隊に参加してドラゴンの生態調査任務に就いて欲しい。」


 アスラン「…生態調査ですか。」

 バニング「もしかしてもうやってるとか?」

 アスラン「はい…ブルマさんの家で手伝いをして空き時間に少し…」

 バニング「うむ、良い心替えだ。
      そういった調査を、この先数ヶ月行ってもらいたい。」


 アスラン「はあ…わかりました。
      ところでウラキ少尉たちは…」

 バニング「あいつらもオレと一緒に来てもらうんだが…
      それが終わり次第、しばらくオレたち4人は西の都で警備をしなければならん。」

 アスラン「はい…。」

 バニング「で、だ。こういうと失礼だが、お前はまだまだ新人で、
      肩書きの権威という物があまりない。」

 アスラン「…………」

 バニング「もっと言えば帝国の人間として小さい存在だ。」

 アスラン「…………」

 バニング「…逆に言えば、それだけ役職に縛られず自由な行動が出来ると言っても良い。」

 アスラン「あー…」

 バニング「いや、これは運がいいな、うん。あと半年早かったら
      お前はれっきとした「新兵」としてオレたちと一緒に任務に就いてたろう。」

 アスラン「…はあ」

 バニング「…まあとにかくだ。情報が足りないみたいなんだ。
      まずは情報収集が主になるから、ちょっとのことでもいいから報告を頼む。
      ドラゴンの襲撃は10年以上前の事件を含めこれで2度目。
      歴史でもドラゴンの言い伝えもあるが、どれもこれも情報がバラバラで
      今ひとつ信用できん。」


 アスラン「……」

 バニング「…お前の席はいつでもあけといてやる。
      この任務、引き受けてくれるか?」

 アスラン「…はい。了解しました!
      アスラン・ザラ、これよりドラゴンの生態調査の任務に入ります!」

 バニング「了解だ。ではよろしく頼む!
      …あとさっきも言ったが、お前は自由任務に近い。
      一応上にも我々の行動を報告しておいた。

      何かあったらすぐにオレに連絡をくれ  
      その後、西の都の警備にまかされるようであればこちらから連絡する。」

 アスラン「はい…では、隊長も気をつけて」

 バニング「ありがとよ。じゃお前も気をつけてな」

 アスラン「はい」

 バニング「吉報を待ってる!」

 アスラン「はい!」

 電話を切る際に、アスランは誰もいないリビングで静かに敬礼をした。
 これから長い単独任務への決意とバニングへの敬意をしめした。
 …こうしてアスランは「冒険」に旅立つ。
121 :1です :2011/12/03(土) 22:40:35.97 ID:/iT8viSC0


 それから少しして…


 カカロット「おーっす!ただいま!!」


 ターレス「お?アスラン、何やってるんだ??」


 アスラン「ああ、これから任務に入るからいつでも出発できるように準備しているんだ。」


 カカロット「任務?」


 アスラン「ああ、ドラゴンの生態調査さ。
      あいつらがどんなところに住み、どんな生態をしているのか
      出発準備ができ次第、調べに行くんだ。」

 カカロット「へー!なんかおもしろそうだな、良し!オラも行くぞ!!
       あのドラゴン達は1発ぶん殴ってやらなきゃ気が済まねえ!!
       世界中旅すりゃ強くなれるからな!!」

 アスラン「…えっ!?ついて来てくれるのかい?」

 カカロット「ああ、なんかあった時にいろいろ必要なんだろ?
       おめえはどうすんだ?ターレス」


 ターレス「また突然物事を決めやがる…
      まあ……オレも行くさ。修行ついでに丁度いいからな。
      いずれあのドラゴンもいつかくるかもわからねえ。
      ドラゴンの事を調べ、強い戦闘力も身につけれりゃ一石二鳥だな。」


 アスラン「…ありがとう。
      でも本当に良いのかい?もしかしたら情報をえれない事も…」


 カカロット「はは、ならその分強くなりゃいいじゃねえか!
       強くなりゃ色んな事が出来て楽しーぞー」

 ターレス「言っとくがこいつみたいになるのは勘弁だからな。」


 カカロット「どういう意味だよそりゃー」



 二人のやり取りを見てアスランは何故か心が軽くなった気持ちになる。
 今から先の見えない任務で。重荷を感じたがこの2人が一緒なら
 うまくいきそうな気がする…そんなよくわからない期待を向けた感覚だった。



 …こうして続けて3人の若者は「冒険」へと旅立つ。


 そして…


 
122 :1です :2011/12/03(土) 22:51:33.65 ID:/iT8viSC0


その日の夜…



 ブルマ「…ドラゴンの調査かぁ」

 仕事終わりの後、幾人かのメンバーを抜いて夕食をするやる夫たち…
 

 アスラン「はい、必要な道具をそろい次第西の都を出発します。」

 ターレス「装備ならこの街のフレンドリィショップがオススメだ。
      虫除けスプレーにきずぐすり、なんでもそろってら。」

 カカロット「あとウマイメシもな!」

 ブルマ「あんたは黙ってなさい。」


 やる夫「…なんか短い間だったけど、気をつけてお」

 カカロット「おう、サンキュー!」

 ターレス「礼を言うのはオレたちの方さ。
      あの時お前がベホマラーをかけてくれなかったらどうなったか。」


 ターレスがにっこりと笑う。
 

 ブルマ「(お、ター君のレア表情笑顔をゲットするんなんて中々やるわね。)」

 
123 :1です :2011/12/03(土) 23:07:22.87 ID:/iT8viSC0

 やる夫「でも2人のサバイバル技術もなかなかだったお」




 そのまま皆と談笑するやる夫たち。
 


 ??「…あなたたち、本当に旅に出るの?」

 ブルマ「げっ」


 リビングの食堂の後ろにある2階へと続く階段から
 小さな小さな少女が降りて来た。


 やる夫「…お?」

 アスラン「…妹さん?」

 ブルマ「あー…えっとねー」

 真紅「ブルマ、私たちこの3人と旅に出るわ。」


 アスラン「!?」

 ブルマ「は!?いや…旅に出るのは別に構わないけど、どう説明すれば…」

 ターレス「なんだ?このお姫さんは??」

 カカロット「おっす!」

 真紅「…ちょっと礼儀が足りないのが気にかかるけれど。」


 アスラン「えーっと…お嬢ちゃん。   
      旅に出たい気持ちはあるけど、遊びじゃないんだ。
      ごめんね。」

 真紅「あなたは礼儀ただしい方で助かるわ。これなら旅に出ても支障はないはず。」


 アスラン「いや、だからその…ダメだから。ね?
      家にいた方が安全なんだよ。」

 真紅「退屈でイヤなのだわ。」

 やる夫「(だ、だれなんですかお?この子は…)」


 ブルマ「(…ごめん、どこから説明して良いものか迷ってるの)」




 ブルマは非常に困った。
 これから話す事の前に皆が誰しも真紅を「人間の女の子」と思ってるから
 どう説明すればいいのかわからなかった。

124 :1です :2011/12/03(土) 23:18:03.33 ID:/iT8viSC0



 ブルマ「あのさー皆、ちょっとこの子について説明したい事が…」

 真紅「私が生きた人形ってことでしょ?ほら、」



 真紅がとくい顔で袖をめくり、手の関節部分を見せると…



 「「「「んぎゃあああああああああああああああああああ!!!!!????」」」」」




 まるでドラゴンの咆哮ごとくその場の数人が目をまんまるくしておどろいた。
 その絶叫は文字が立体としてあらわれ、屋根を突き破るかのごとく飛び出す様にも見えた。


125 :1です :2011/12/03(土) 23:21:29.63 ID:/iT8viSC0


 カカロット「お、おめえ、人形だったのか!?」


 すかさずカカロットが近づいて…


 真紅「きゃ!?な、何するの!??」


 真紅を持ち上げた。


 カカロット「ど、どうみても人間の女の子にしか見えねーぞ!
       うわ、ほっぺもやわらかいし…どうなってんだ!?」

 カカロットが真紅の体をあちこち触る反面、
 やる夫たちは信じられない表情のまま体を触られる真紅を見つめ
 
 当の本人である真紅は怒りと拒絶をあらわにして、カカロットの顔を…


 真紅「やめなさい!この猿人間!!!」

 真紅のグーパンチがカカロットの顔にヒットした。
 ぐえっという、彼の反応が皆にも聞こえた。
126 :1です :2011/12/03(土) 23:31:25.86 ID:/iT8viSC0

 カカロット「な、なにすんだよ!!」

 真紅「け…汚らわしいわアナタ!レディに対してあんなことするなんて…」

 ターレス「これはこれは…お姫はご立腹だぞ、カカロット」

 カカロット「んな事いったっもよ…」


 真紅「非常識すぎるわ!」


 真紅は顔を来ているドレスのごとく真っ赤にしてカカロットを睨みつける。


 ターレス「失礼を、お姫様。オレの兄弟が悪くしてしまった。」

 真紅「そんな堅苦しいあいさつしても意味ないわ。あなた普段そんなたいどじゃないでしょ?」

 ターレス「……するどいな。」

 真紅「私に対して何か情報を得ようとしてるのが見え見え。」

 ターレス「そりゃ君が生きた人形と聞きゃ、色々聞きたくなるもんさ。
      なあカカロット?」

 カカロット「いちち…」


 やる夫「生きた…人形かお。」


 真紅「あら、白饅頭。あなたも礼儀正しい事を祈るわ。」

 やる夫「(白饅頭って…礼儀がなってないのはどっちだお?)」

 真紅「…なにか?」

 やる夫「い、いや、なんでもないお。」

127 :1です :2011/12/03(土) 23:32:17.87 ID:/iT8viSC0
一旦終了です。
読んでくださった方がいましたらありがとうございます。
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/04(日) 00:29:05.64 ID:Ry+ducyIO
乙乙
129 :1です :2011/12/04(日) 10:48:59.60 ID:yYXDFITS0

 真紅「はあ…旅に出るというのに私の下僕がこのありさまでは
    先が思いやられるわ…」

 やる夫「ん?」

 ターレス「…今あんて言ったかな?」

 ブルマ「(あーあ、この子の悪いクセが出たわ。)」

130 :1です :2011/12/04(日) 14:04:13.18 ID:yYXDFITS0

 真紅「これから私たちは旅に出るのでしょう?
    なら私にとってふさわしい護衛としての品質をとうのは当然でしょう?」


 この一言でターレスは真紅が人形という部分で彼女に抵抗感を持つのではなく
 彼女の態度でめんどくさいやつが来たなと思った。


 やる夫「ふ…ふてぶてしいお」

 真紅「何か言ったかしら?」

 やる夫「いえ、何も。」


 思わずやる夫は目をそらした。


 アスラン「えーっと…どうしよう。」

 アスランが困り果てて、おどおどしてる時を見計らい真紅はある事を述べた。
 

 真紅「別にただ連れて行けって訳じゃないわ。   
    私の姉妹を全員見つければ、3つだけどんな願いを叶える事が出来るのよ。」

 ブルマ「は?なにそれ??私初耳なんだけど」

 真紅「あなたに言うとろくでもない事に使われる気がしたのよ。」

 ブルマ「あ、あんたね〜…」

 ブルマがスジをたてて真紅を睨むなか、未だに呆然としている
 やる夫達に真紅は続けた。



 真紅「私は誇り高きローゼンメイデンの第5ドールの「真紅」よ。
    残りの姉妹は全部で6人。

    7人の姉妹…つまり全てのローゼンメイデンを揃えしとき、3つの願いが叶うのだわ。」


 ターレス「…7つ集めるとどんな願いも」

 カカロット「叶うのか!?ホントかよそれ!!!」

 やる夫「(ほ、ほんとかお…?でも真紅は現に人形で生きてるし、あながちウソでも…)」

 アスラン「…さすがに信じられないな。」

 ブルマ「だから私に、レーダーを造らせたのね…
     でも私に教えなかったのに、レーダーを造らせたのはどういうことかしら?」


 真紅「簡単よ。ただ単にあなたの資質を見極めたかっただけなのと
    いずれ私が個人で集めようと思ったから…」



 真紅の顔が一瞬だけ何故か寂しさを表したような表情になった。
 何年もあってない大切な人にようやく会えるかもしれないというそういった感覚が…




131 :1です :2011/12/04(日) 14:20:35.83 ID:yYXDFITS0

 ブルマ「ふ〜ん…でもさ、今の話が本当だとしても
     願いは叶えられるのかしら?」


 真紅「それを証明する意味でも、あなたの造ったレーダーが何よりの証拠になるのよ。
    2人目の姉妹を見つけたとき、願いを叶えるのが本当なのを信じる事になるのだわ。
    まあ会えばわかるってことよ。」


 ブルマ「なるほど。」

 ターレス「で、お嬢ちゃんはオレたちと一緒にきたいと。」

 真紅「真紅…と呼んで頂戴。」

 ターレス「はあ…わかったよ、真紅」

 真紅「よろしい」

 カカロット「よくわかんねえけど、真紅の家族も見つければ色々わかるんだろ?
       じゃあ真紅も一緒に来ねえとな!」


 真紅「…あら、話が分かってるじゃない。よろしくね。」

 真紅が微笑む。
 
 やる夫「アスラン、どうすんだお?」

 アスラン「…仕方ない。願いの話はどうかとして…真紅、君は家族に会いたいのかい?」

 真紅「ええ、会いたいわね。もう何十年も会ってないから。」

 やる夫「いい!?…真紅は何歳なんだお?」

 真紅「レディにその質問は失礼よ白饅頭」

 やる夫「(…なんでやる夫だけには、その名前で呼ぶんだお)」

 アスラン「…わかった。連れて行こう。
      君としても家族に会えるのは嬉しい事だろうし、オレもドラゴンの情報を知れたらそれでいい。」

 真紅「ではよろしくお願いするわ。」

 アスラン「アスランって呼んでくれ、真紅」

 

 カカロット「ところでブルマとやる夫はどうすんだ?」

 ブルマ「私はパス、今忙しいし旅の途中で危険な目に遭うのはもうこりごりよ。
     …半分あんたたちのせいでね。」

 やる夫「なにかあったんですかお?」


 ターレス「かなり前だが、オレたちがガキの頃ブルマがパオズ山に
      珍しい食材がなんたらで1人できてたんだが…」

 カカロット「猛獣に食べられそうだったのをオラ達が助けたんだ。」

 ブルマ「あの時はマジで死ぬかとおもったからねー、でも…」

 ターレス「まあ、なんだ。ブルマを家に帰すのとオレらが都に興味もあったのもあわさって
      一緒に行動してて…」

 カカロット「そういや、ブルマはわがまま言ってばかりでやかましかったなー、ははは」

 ブルマ「あ の ね ! 野生の生活と都会の生活とじゃ文化が違うのよ!!おばか!!」

 ターレス「…カカロットがブルマに最初にごちそうした料理が、狼の丸焼きと蛇の串焼きでさ。」

 アスラン「そ、それは大変でしたね。」

 やる夫「(げえ〜…蛇の串焼きとか、カカロットのやつどんな舌してんだお)
132 :1です :2011/12/04(日) 14:26:23.56 ID:yYXDFITS0


 ブルマ「…楽しかったけどね。」

 
 懐かしい思い出で思わずブルマが
 ちょっと寂しさを思わせるように放つ。

 ターレス「ブルマは来ないとして…やる夫は?」


 やる夫「え、うーん…やる夫は……」




 やる夫がどうしようかと迷ったときだった。








 『赤ちゃんが出来ない事って…そんなに辛い事なのかな?私にはよくわからない。』









 やる夫「…………」


 過去に聞いた言葉がやる夫の思考を止めた。
133 :1です [sage]:2011/12/04(日) 14:42:18.94 ID:yYXDFITS0


 やる夫「…うーん、やる夫もちょっと真紅のいう願いに興味があるから行ってみるお。
     もし死んだ人間を生き返らせるとかできたらスゴいし…」

 真紅「…良い心がけね、興味を持つというのは良い事だわ。」


 ブルマ「ところで願いは3つっていうけど、ホントに何でも良いの?
     例えば一生苺を食べれる生活ーとかさ」

 カカロット「おいしいもん一杯食える生活とか」


 真紅「可能よ。ただ死んだ人間を生き返らせる…なんて願いを叶えようとした人間は
    1人もいなかったから、この旅で試してみるのも良いかもね。」

 やる夫「そ、そうかお…」


 やる夫はそう呟く。
 なんでもなら、なんでも可能だろうか…



 カカロット「うっし!じゃあこの5人で出発だな!!」

 真紅「ちゃんとエスコートをお願いするわ。」

 ターレス「…はいはい」

 真紅「はいは1回で宜しい」

 アスラン「(…信じられない光景と内容が立て続けに起こっているが、願いが叶うのなら
      それにこしたことはない。もしドラゴンの情報を聞き出せるなら今後の対策にも役立つ。)」

 やる夫「願いを叶える人形姉妹…かお」


 

 ブルマはターレスにレーダーを与えると、使い方を説明する。

 緑色の画面に白い軸線が引いてあるシンプルな内容だが
 画面の中心に1つの光が点滅していた。


 ブルマ「それが真紅の現在位置よ。
     画面を縮小して、捜索範囲を広げれば…」


 
 


 ブルマがレーダーをいじると、真紅と同じ反応が西の都からとおく離れた所に
 1つ出ている。

 ブルマ「…この位置は、
     あ!パオズ山じゃない!!孫くんたちの故郷に真紅の姉妹がいるってことじゃいのよ!」

 ターレス「おいおい、マジかよ」

 カカロット「うっし!じゃあまずはオラ達の家に向かおう!!!」

 アスラン「ああ、そうしよう。(山奥の家か…そういう場所なら見落としてる手がかりもあるかもしれない)」

 やる夫「故郷かお」


134 :1です [sage]:2011/12/04(日) 14:51:46.30 ID:yYXDFITS0



 真紅「……じゃ、準備ができたら言ってね。」


 真紅はそういうと早々と寝室へと返って行った。
 小さいのに、動きはきびきびしていて気品を感じる。



 アスラン「…願いの話、本当に信じるか?」

 ターレス「半分は、だがレーダーに反応してるし見つけりゃわかるだろ。
      人形探しとドラゴンの情報探し…色々あるな。」

 やる夫「……」

 カカロット「おっし!じゃあ早速街にいって装備とかアイテム買ってこようぜ!!」

 ブルマ「あ、ちょっとまった。アンタ達浮かれてるようだけど
     この事は絶対に他の人には言わないでよ?
     念のためだけど」


 ターレス「わかってるさ。出る時はアスランの任務の話があるからそれで行こう。」

 アスラン「そうだな。思えば良い口実だよ。」

 
135 :1です :2011/12/04(日) 16:03:27.04 ID:yYXDFITS0


 カカロット「じゃ、明日は色々準備があるから明後日か明々後日に出発だな!」


 やる夫「だお、やる夫も色々準備してくるお」

 アスラン「…みんな、よろしく」


 全員がおう、とぴったりに返事を返す。


 やる夫、アスラン、カカロット、ターレス…そして謎の生きた人形「真紅」
 5人の冒険が今、始まる。
 



136 :1です :2011/12/04(日) 16:14:17.79 ID:yYXDFITS0
続きは夜に再開です。
色々ネタが混じってますが仕様です。
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [saga sage]:2011/12/04(日) 17:19:53.26 ID:aU254aVR0
138 :1です :2011/12/04(日) 18:32:27.95 ID:+rm72v6c0
ちょっとした補足

各キャラクターのスペック

【カカロット】
 戦闘力は高い方で、攻防敏においてバランスに長けた能力

【ターレス】
 戦闘力は高いがカカロットとは違い、攻撃とすばやさに長けた特化型。
 
【アスラン】
 よく言えば平凡だが、それでも強い方。
 これからの成長に期待

【やる夫】
 一般人なので戦闘は皆無。
 しかし唯一の回復役(特にベホマラー)なので、この4人では重要なポジション
139 :1です :2011/12/04(日) 21:39:24.58 ID:+rm72v6c0
すみません
急用で今夜はナシです。申し訳ないです。
140 :1です :2011/12/08(木) 21:53:55.24 ID:0MhU7OPe0


 そして…冒険当日


 ブルマの家の前…


 ブルマ「じゃあ気をつけて行って来なさいよー
     あと孫君、車壊したら今度こそ免許とられるから気をつけた方が良いわよ。」

 エーリカ「やる夫、お土産よろしくね。にひひ」

 やる夫「はいはい、適当に買ってくるお」

 ターレス「(さーて…今日の夕飯は何がいいかな)」

 イデオン「やる夫、気をつけてね」 

 カレン「…………」

 アスラン達が車に乗り込む際、カレンが彼に何か言いたげに
 もじもじとしていた。

 アスラン「ん?どうしたんだ、カレン」

 カレン「あ、いやーその…」

 エーリカ「(なにやってんだよ、はやく言えって)」

 アスラン「?」

 カレン「あ、ありがとう…あの時ずっとそばにいてくれて…  
     お礼言うの…すっかりおそくなっちゃった。
     気をつけて行って来てね。帰って来たらおいしい料理食べさせてあげるから」

 少し頬をあかくして話すカレンに

 アスラン「ああ、ありがとう。じゃ、言って来る」

 と返すアスラン。


 ターレス「へっ…なかなか進んでるじゃないか?」

 アスラン「…?」


 皆がやる夫達に手を振るなか、4人を乗せた車は
 カカロット達の故郷「パオズ山」へ向けて出発する。
 西の都から車を使っても何日もかかる距離だ。




 アスラン「(よし…頑張るぞ!)」

 これから待ち受ける大きな試練にアスランは一人ガッツポーズをとる。









 やる夫「このピザポテトいただき!!」

 カカロット「あ!ずるいぞこんにゃろー!!!」

 ターレス「お前ら遠足じゃねえんだから最初は静かにしろ!!」


 アスラン「……」

 ちょっと気が緩んでしまったアスランであった。



 
141 :1です :2011/12/08(木) 23:41:51.47 ID:iyhRpt+T0


 真紅「…ねえ、もう出ても良いのかしら?」

 やる夫が所持しているバッグから、真紅のくぐもった声が聞こえたので
 彼は慌ててジッパーを開ける。


 真紅「ぷはっ!…ったく、皆にバレないようにとはいえ、こんな狭いバックしか用意できなかったのかしら?」

 やる夫「なこと言われても、しかたねーお。バレないようにこっちはヒヤヒヤしてたんだから」

 真紅「そう。あ、お菓子は頂くわ。カカロット、お茶を注いで頂戴。」


 真紅はやる夫とカカロットの間にわって入ると、ポッキーにすかさず手を伸ばし
 自動車からの街行く風景を見ながらぽりぽりと食べ始めた。
 少しご機嫌のようにも見えた。


 ちなみに、運転席にターレス、助手席にアスラン
 後部座席にカカロット、真紅、やる夫が座ってる。


 カカロット「…ところで、真紅が人形だってわかったときから思った事があるんだけど
       ほら、紅茶だ」

 真紅「ありがとう。…で、聞きたい事は何かしら?」

 やる夫「?」


 やる夫自分の飲み物を、真紅は紅茶を口に含めた時…


 カカロット「…おめえって、ウ◯コもちゃんとすんのか?」






         ___
        /⌒  ⌒\         ━━┓┃┃
       /(  ̄)  (_)\         ┃   ━━━━━━━━
     /::::::⌒(__人__)⌒:::: \         ┃               ┃┃┃
    |    ゝ'゚     ≦ 三 ゚。 ゚                            ┛
    \   。≧       三 ==-
        -ァ,        ≧=- 。
          イレ,、       >三  。゚ ・ ゚
        ≦`Vヾ       ヾ ≧



142 :1です :2011/12/09(金) 21:16:57.97 ID:k/oXaSCQ0
















 カカロット「…ごべんばばい。」

 真紅「ホンッッッットなんなのあなたは!!デリカシーのかけらも無くてよ!!
    殴られただけでもありがたいと思いなさい!!」


 やる夫&アスラン&ターレス「(これはカカロットが悪いな…)」




 騒がしくも一行は西の都から更に西へと突き進む。
 いつのまにか郊外に飛び出し、道行く自動車もやる夫たちの乗る自動車だけになっていた。


143 :1です :2011/12/09(金) 21:25:08.52 ID:k/oXaSCQ0


 キャンプ地



 真紅「初日からキャンプとは…まあ仕方ないわね。」

 ブルマから借りたホイポイカプセルで簡易的な家を建てて、4人はそこで生活をした。
 

 アスラン「次の街まではまだかかるから…すまない。」

 真紅「あなたが謝る事ではないわ。ゆっくり休んで頂戴…」


 すっかりリーダー気分になりリビングでくつろぐ真紅を
 やる夫とターレスは食事しながら眺める。

 ターレス「やれやれ、とんだお姫様がリーダーになったもんだ。」

 やる夫「おっおっ、小さくてもあんなに迫力ある子は初めてだお。」

 ターレス「…レーダーはどうだい?」

 やる夫「バッチし、真紅が動くたびにレーダーの光も動くし
     遠く離れた次の子の位置も掴めてるお。」

 ターレス「そうか」

 やる夫「ところでカカロットはどこだお?
     外に行くって言ってたけど…まさか狼の串焼き持って来るとか…」

 ターレス「そんなことねえさ、あいつは修行しにいってる。」

 アスラン「修行?こんな真夜中に??」

 アスランが割って入り、食事を始める。


 ターレス「あいつは格闘バカなんでな、暇な時はいつも体を動かしてる。」

144 :1です :2011/12/09(金) 21:33:48.68 ID:k/oXaSCQ0


真紅「ちょっと!静かにして頂戴!!今からモンタナ・ジョーンズがやるんだから!!」


 「……」



 3人は思う。どうみても人間にしか見えない彼女が今アニメに夢中になっている。
 しかも彼女が人形なのに、この数時間普通に接してしまった感覚。


 やはりただ者ではないな…とやる夫達は真紅の背中をみて思った。





 真紅「はぁ〜…やっぱりおじさまは素敵だわ…。あ、またこのメス猫
が出て来たのだわ。
145 :1です :2011/12/09(金) 23:30:06.34 ID:v/7tYUbK0


 〜それから数日後〜


 5人は西の都から遠く離れた「マーガリンタウン」に到着した。
 既に自動車のガソリンの底はつき、ギリギリ着けた状態だった。

 街は田舎だが、のどかでにぎわっていた。
 街へ来て早々、アスランが皆に今日の日程を説明する。


 アスラン「…じゃあターレスとカカロットはガソリン調達
      やる夫と真紅は宿の手配。
      俺は図書館にいったりしてドラゴンの情報を見て来る。
      これでいいか?」


 アスランを除く全員が了承する。
 


 真紅「あ、でも私も図書館で本が読みたいのだわ。」

 カカロット「え?んな事してたらバレるんじゃねえのか、人形だって」

 真紅「それは私が人形ってことをあらかじめ知ってるならの話よ。
    人形だって言わなければ、ちいさな女の子程度に思えるでしょう?ふふ」

 真紅がふふんと4人に言い放つが、彼女の身長はともかく普段の言動とのギャップがあるせいで
 普通の少女とは思えないのが悩みどころだ。

 ターレス「…ま、とにかく行こうぜ。」

 カカロット「おう、んじゃまた後でなー」


146 :1です :2011/12/09(金) 23:46:16.45 ID:v/7tYUbK0


 宿屋



 やる夫「すみませーん、宿の予約お願いしますお。」

 店主「はいはーい何名様で?」

 真紅「5名よ。」

 店主「(あら、小さい子ね。妹かしら?)」

 やる夫「えーっと…部屋は……」

 真紅「部屋は2部屋でお願いするわ。」

 店主「はいねー、んじゃ夜の10時まで私は受付にいるから
    10時までには部屋に戻ってね。」

 やる夫「あ、ありがとうございましたお。」

 真紅「…………」

147 :1です :2011/12/09(金) 23:51:29.19 ID:v/7tYUbK0


 町中 公園


 宿の予約を取った事で、暇になったやる夫は街の中心にある噴水広場で
 休憩を取っていた。

 


 やる夫「よかったのかお?」

 真紅「何が?」


 やる夫「宿の部屋割りだお。2部屋で言いのかお?」

 真紅「それがどうかしたのかしら?」

 やる夫「いや、だって真紅は…」

 真紅「…?」

 やる夫「女の子だし、いきなり初対面に近い男と同じ部屋なのは…」

 真紅「ぷっ…あはははは」


 やる夫「…えっ」


 突然クスクスと笑い出す真紅に驚いてしまうやる夫。
 ふと彼女の笑顔を見続けたが…、なぜかこの時の真紅の笑顔にやや妙な魅力を感じてしまう。


 真紅「おもしろいわね、あなた。」

 やる夫「え、そうかお?」
 
 真紅「おもしろいわよ。私がその事を気にしていないと思ってなくて?」

 やる夫「??」

 真紅「部屋は私1人で使うのよ。あとの1部屋にアナタ達4人が寝るのよ。」





 やる夫「……………は?」


 唖然、今の発言に言葉を失う。
 今なんていったんだ真紅は?…なんだかすごく裏切られたような感覚がやる夫を襲う。
148 :1です :2011/12/10(土) 00:02:31.82 ID:ptK8ih0V0
 真紅「そりゃ、私だってかよわい乙女よ?1人で寝るのは不安だけど
    私はゆっくり寝たいのだし…」

 やる夫「お、お前…なんつー考えを!!アスラン達にどう説明するんだお!!」

 やる夫が顔を真っ赤にさせ真紅に反抗するが…

 真紅「あらあら、湯で饅頭がこんなところに…マズそうだわ」

 真紅はクスクスと軽く受け流した。
 
 やる夫「こ、こんやろ〜…
     (くっそー…言い返しても、言い返せない言葉で言って来るから言い返せないお)」

 真紅「少し…お休みするわ。時間が来たら起こして頂戴。」

 やる夫「は?おい、お休みって…」

 やる夫が彼女の方に顔は向けたとき、既に真紅は動かなくなっていた。
 いや、彼女は静かに眠っている。その姿は正真正銘の人形。
 だが…

 やる夫「…………」

 思わず見とれた。人形なのに、見ているだけでも心が温かくなるような感覚が伝わる。
 生きた人形…やる夫は真紅の顔をじーっと見た。
 人間にしか見えないのに…なんともいえない気持ちが襲う。







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                //:::::::_/ `入::::::::`:'====vv===='::::::::::ノ ゝ-、_:::::Vム.  ヽ    、
                  //::::/  _ ノ:::::ヽ::::::::::::::::::::::i j::::::::::::::::::::/:ヽ _  ヽ::Vム   、   、       フリーザ「……おや?」
              //:::ノニ二  二ニ='===ニ彡ミニ===''=ニ二_,.. ニニヽVム.   ヽ   :.
              〈〈::〈: :i: :i:_i:;ニ=-‐''"´ ̄ ̄ ̄_ _ ̄ ̄`゙''‐-=ニ: i: :i: :i: :i:〉 ム    ',  i
               i. ゝ-‐=  _,....-‐=ニ二三 ̄::::::_::::: ̄三二ニ=‐-.._ ̄`''‐--. ノ      V j
              i::::ー‐::''"´:::::::::::::::::::::::::::::::::; '´__`ヽ::::::::::::::::::::::::::::: ̄`''ー‐‐i       i. i
              ノ' :⌒: :.、:::::::::::::::::::::::::::::::::: / ___ V::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ⌒ ヽ      i i .
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            V_二.. V::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::i        i::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::: /二_ /
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            V_二 V::::::::::::::::::i::::::::::::::: i ―――――‐.i:::::::::::::::: !::::::::::::::: /二_ /
           V_二. j::::::::::::::::::i::::::::::::::: i _______ i:::::::::::::::::i:::::::::::::::::i 二_/
.             \__,リ:::::::::::::: / ::::::::::::: i          i:::::::::::::::::V:::::::::: 八_/
              ー'―‐一´`  ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ `ー――一'´
                     \                        /
                       `ーニ二三 ______ 三二ニ一´
                         V.         /
                              V       /
                              \    /
                                `ー一´

 1人…異系の小男が公園を歩いていた。
 真紅がまぶたを閉じて寝た直後、彼はやる夫達の姿に気づいた。



149 :1です :2011/12/10(土) 00:03:34.15 ID:ptK8ih0V0

以上です。
色々混じった展開ですが、一区切りします。
ちょっとずつの進行ですが、読んでくださったかたがいましたらありがとうございました。
150 :1です :2011/12/10(土) 21:04:28.12 ID:5CPGXbOm0



 フリーザ「失礼しますよ」

 やる夫「お?」

 フリーザ「どうも、こんにちは」

 小男はにこりと話しかける。
 ただし、笑ってるのは口元だけで目は睨むように固まっている。


 やる夫「こ、こんにちわ」


 やる夫はその顔に少し驚きながらもあいさつをする。
 
 フリーザ「失礼ですが、そちらのお人形はあなたのでしょうか…?」

 やる夫「え?…あ、はい。そうですお。えーっと…」


 小男が真紅に目線を追って話す。

 
 フリーザ「おっと、名乗るのがまだでしたね。私はフリーザといいます。
      昔から色々な人形を集めているのが趣味でして…」


 やる夫「は、はあ…」



 やる夫は突如現れた小男フリーザに違和感のある感覚で会話をしていた。
 急に話しかけられて、あたふたとしてしまうのほかに
 彼のエモノを狩るかのような冷たい目を無意識的に感じ取った。


 フリーザ「…こんなに美しい人形は初めて見ました。」

 フリーザが眠っている真紅をじろりと見つめる。
 

 やる夫「えーっと…何か御用でしょうかお?」

 フリーザ「なに、ちょっとした事ですよ。」

 やる夫「…はあ」


 フリーザの目がギロッとやる夫の方へ向く。
 このフリーザという男…物腰は柔らかいがどこか得体の知れぬ威圧感がやる夫を考えさせた。


 やる夫「(なんだお…この人)」


 一見どこにでもいそうな人だがやる夫は本能的に警戒する。

151 :1です :2011/12/10(土) 21:15:48.40 ID:5CPGXbOm0

 フリーザ「少し…手に取ってもよろしいですかな?」


 やる夫「あ…それは」

 フリーザ「何か困る事でも…?」

 やる夫「…あ、はい。大事にしている物なのであんまり他人にさわれたくは…」


 思わず目をそらしながら話してしまう。
 目を戻すとフリーザの目はやる夫の目を一直線にはしらせている。
 しかも口元は笑みを帯びた状態で、その顔にやる夫は一瞬肝を冷やす。


 やる夫「(…なんなんだお、このオッサン)」


 ちょっとしか話してないのに、この嫌悪感。
 初めて会う人赤の他人なのに、こんな風に思ってしまう自分は異常なんじゃないのか?
 と、思ってフリーザの方を見ようとしてもすぐ目をそらしてしまった。


 フリーザ「…ふむ、仕方ありませんね。
      いや、別に強引にというわけでもありませんよ。
      私も自身のコレクションを自分以外の人に触られたく無いという気持ちはあります。

      …別に恥ずかしい事ではございませんよ?」


 やる夫が喋る際にしどろもどろになっていた理由をフリーザは推測でそう返した。


 フリーザ「…ですから、あなたも人形を大事にしている人だと私は思います。
      あ…そうそう、美しい人形を見させてもらいありがとうございました。
      それでは失礼します。」




 そういってフリーザは表情1つかえず、去って行った。
 だが去り際に真紅の方を見た目付きが恐ろしい程に鋭くなっていたのを
 やる夫は見逃さなかった。


 帰るとわかって必要以上に警戒してしまった。




 やる夫「…こ、こええ〜」


 その場でへなへなと座り込む。
 とんだ休憩時間だとやる夫は後悔した。



 真紅「………」

152 :1です :2011/12/10(土) 21:26:47.81 ID:5CPGXbOm0


 宿屋


 ターレス「…ったく、お姫さんじゃなくて女王様ってか?」

 やる夫「面目ないお…」

 アスラン「やる夫は悪く無いさ…ただビックリだよホント」

 カカロット「あーあ、オラ広いとこで寝たいのに」

 ターレス「我慢しろ」

 カカロット「あーあー…」


 アスラン「…あと、この街の図書館でも収穫なしだった」

 ターレス「一日で調べきれたのか?」
 
 アスラン「さすがに底までは無理だけど…歴史の史料が案外少なくてね…
      もっと大きい街ならありそうだけど…」

 ターレス「まあここの街をみるかぎりそう有名なモンも無いみたいだしな。」

 カカロット「メシはウマかったぞ」

 ターレス「…そういう問題じゃない」

 やる夫「…………」

 アスラン「どうした?真紅が気になるのか?」


 やる夫「…えっ」

 ターレス「ほう…」


 無意識に真紅の部屋の方を見ていたやる夫にアスランが気づいて指摘する。
 自分でもビックリしてやる夫は変な声をあげた。


 カカロット「なんだやる夫ー、真紅の部屋で寝たいのか?」

 やる夫「い、いや…そうじゃなくてだお」


 ターレス「ん?」

153 :1です :2011/12/10(土) 21:50:56.84 ID:5CPGXbOm0

 


 やる夫は今日出会ったフリーザと言う男について話した。




 ターレス「人形愛好家ね…おおかた真紅に目をつけて
      あわよくば譲ってもらおうと考えたんだろうな」

 カカロット「そいつも願いの事をしてるのか?」


 アスラン「…そうだな、もし願いを知ってるなら一度確かめたりするからな」

 やる夫「んー、そこは微妙だけど…」

 アスラン「…?」

 やる夫「ただあのフリーザって奴には気をつけた方がいいお。
     まあこの街を出たら会う事は無いだろうけど、出発までの警戒ってことで」


 ターレス「そうだな。」

 アスラン「じゃあ明日この街を出るでいいかい?」

 やる夫「やる夫は賛成だお。アスランは?」

 アスラン「オレも次の街で良いと思う。手がかりがあればまた来たいが…」

 カカロット「じゃあここに来る時は真紅に留守番させなきゃなー、フリーザって奴が狙ってるかもしれないし…」

 ターレス「あほ、この街の住人とは限らんだろ。
      愛好家ならどっかの国からきた可能性もたかいだろ。」

 アスラン「(…フリーザか、どこかで聞いたような覚えも。まあドラゴンとは関係ないしきにすることでもないだろう)」


 やる夫「……まあそんなこんなで明日はともかく、真紅1人でだいじょうぶかなと」

 ターレス「大丈夫だろ。あの女王様だぜ?」

 カカロット「どうせすぐ悲鳴でもあげれば…」






 真紅「きゃああああああああああああああああああああああ!!!」

154 :1です :2011/12/10(土) 23:31:54.32 ID:fDgCdcHz0



 カカロット「な、なんだ!?」

 やる夫「真紅!」




 どたどたどた!



 「「「「どうした!?」」」」」



 真紅「…!しっ!あっちへいきなさい!!汚らわしい!!」



 猫「にゃーん」

155 :1です :2011/12/19(月) 22:22:45.43 ID:aTBJfSH80
続きは来週辺りです。
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