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女「ガフッガフッガフッ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 20:19:20.92 ID:TreqFcAAO
ガキ「ね〜あの人生肉食べてるよ〜」
ガキ母「しっみるんじゃありません」

女「ガフッガフガフ」

男(また女が猫の肉を食べてる・・・そうだあの頃から彼女は少しおかしかった・・でも何故あんな事に)

女「ガフガフッガフッガフッ」
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 20:22:07.42 ID:TreqFcAAO
男「おら!ガキ見せもんじゃねぇぞ!こら!やんのか!」

ガキ「ひい」

ガキ母「まあ!さっさといきましょ!」

女「ガフガフガフ!げふっ」

男「久しぶりだな…女・・・ここは寒いから俺んちこないか?」
女「あ〜男?男だったかなあ?誰だったっけ思い出せない」

男「ここは人が多いから・・・落ち着いて話せる所に行こう・・・・」

女「あははは!ハハハハハ」

手を引っ張った途端女が尿を漏らしだした
女「じょ〜じょ〜あははは!じょ〜じょ〜」

男(イラッ)
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 20:24:43.01 ID:TreqFcAAO
男(まあ・・・今、女は少し精神的に不安定なんだ・・・我慢我慢)

女「助けてぇ〜殺されるぅ!!!」

男「何っ!」

おっさん「なんだなんだ?」

警察「どうかされましたか?」

男「いえっ今彼女お酒に酔ってまして・・・」
女「アヒャヒャ冗談、冗談」
警察「全く・・・困りますよ、あまり物騒な事言わせないでくださいね」

男「はい・・・すみません」

女「あははは騙された騙された」

男(イラッイラッ)
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 20:27:17.94 ID:TreqFcAAO
男(冷静に・・・冷静に・・・我慢が

プリップリプリッぶー――

女「ねえねえ男―うんこがぶッ!!!」
男の拳が女の顎を捉えた
見事に入った拳は痩せ細った女を気絶させるには充分過ぎるぐらいだった

女「・・・・」

男「まあいいこのまま連れてくか・・」

男は女を酔い潰れてる人を支える感じにタクシーまで連れて行き

自宅まで運んだ
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 20:30:00.93 ID:TreqFcAAO
男「よお・・・目が覚めたか・・・」

女「あれっここはってか!男!久しぶりだね!元気してた?」

男「どうやら正気に戻ったみたいだな・・・どうしてあんな事に・・・」

女「うーん・・・・実はね・・・パチンコに負けてさあ・・・それから記憶が無いんだ・・・」

男「そうか・・・いくらぐらい負けたんだ・・・」

女「一万ぐらい・・・・ところでさ・・男・・・頼みにくいんだけどさ・・・」

男「なんだ・・言うだけならタダなんだから言ってみろ」

女「あのさ・・・怒らないでね・・・・三万円さ・・いや二万円貸してくれる?」

男(イラッ)

6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 20:38:05.19 ID:TreqFcAAO
男「なんだ?またパチンコしにいくのか?なら貸さんぞ」

女「いや!違うの!私を信じて!すぐ返すすぐ増やして返すからさ!」

男「駄目だな・・お前なんかおかしいよ・・・昔はさぁ」

女「黙れ!お前に私のなにがわかる!貸すの?貸さないの?どっち?」

男(コイツ変わったな昔は少しおかしかったけど学校のウサギの世話毎日しててさあ・・優しくて可愛い女の子だったのに)

昔の女の姿を思い出して男は少し泣いた・・・初恋の人だった

女「なんだ?こら!急に黙りこくってよぉ!貸して貸して貸してよぉ!一万円でいいからあ」

男「・・・駄目だな・・・」

女「あっそ!んじゃあサヨナラバイバイ!」

男「待て・・・少しの間だけ一緒に暮らさないか・・・」

7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 20:41:32.03 ID:TreqFcAAO
女「えっ・・・」

男「その様子じゃ帰る家も無いんだろ・・・少しだけ・・・一緒に暮らさないか」

少し寂しかったのもある、下心もあるかもしれない、

しかし・・・しかしだ・
初恋の人がこのまま落ちぶれていくのを黙って見てるのが耐えられるはずもなかった

女「ちょっとだけ考えさせて・・・」
女はしばらく考えて
女「わかった・・・」
男は泣き出した、

女「ちょっとちょっと・・・」
何故か自分でもわからないただ
この女の痩せこけた頬と油がまとわりついた髪を見て
無性に無力感を感じてしまった・・

泣いてる間女は下を向いてベタッと座り込んでいた・・
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 20:47:14.66 ID:TreqFcAAO
あっというまに夜になった
その日の夕食はカレーだった
女が私が作ると言ってきかなかったからだ

女「どう・・・美味しい・・・?」

男「うん・・・美味しい・・・」

水っぽくてベショベショになったルー、煮え切っていないぶつ切りの野菜、
水気を含み過ぎたご飯の上でパーティーを開いていた
不味くて不味くて仕方がなかったけど

女「美味しい・・・美味しい・・・」ボロボロ

この女の顔を見てしまっては何も言えなかった

男は瀕尿症を理由にトイレにいっては吐いていた

男「こんな不味くいもん豚でもくわんわ・・・」
と女に聞こえないようにトイレで呟いた
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 20:51:07.70 ID:TreqFcAAO
布団をしいて二人二の字に寝た

女「・・・・・」

男「・・・・・・」

女が男の布団の方に動き出す、そしてもぞもぞとズボンを脱がしだした
男「お・・・おい・・・」

女「これなんでしょ?別にいいよ、もういいんだ・・・」
女がパンツに手をかける

男「違う・・そんなつもりじゃ・・・」

女「わかってる・・・わかってる何にも気にしなくていいよ、、
ありがたかったしでもこうしたかったんでしょ?
罪悪感感じる必要ないよ?勝手にするだけだから」
女は元気の無い男の物を口にふくもうとした

男「違うって言ってんだろ!!!」バシッ!

女の顔を張る、女は吹っ飛んで壁に激突して鼻血がでる

女「んじゃあ、なんなのよ!!!」ボロボロ
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 20:53:44.12 ID:TreqFcAAO
男「違う・・・違うんだよ・・違う」フリチンで男は頭を抱えて横になった

男「違う・・・違う・・・」壊れたレコードのように同じ言葉を呟いて
布団の上にうずくまってる

女「んじゃあなんなのよ・・あんたは・・・」ティッシュで鼻をふきながら女が聞く

男「違う・・・違う・・・」

女「なんなのよ・・なんなのよ・・」ボロボロ

部屋で二人で同じ言葉を繰り返しながら泣く、泣く
少しずつ声が小さくなっていき

二人とも眠りについた
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 20:57:27.73 ID:TreqFcAAO
朝になり無言・・・朝食はパンのみだった

男「んじゃあ・・・仕事探しにいくから・・・」

女「・・・・」

バタンと扉が閉まる
男は一昨日まで派遣で運送会社に勤めていた
しかし荷物をめぐるトラブルで
男に責任が振り返り今月の給料から弁証金差し引かれるか辞めるかで
男は辞めるほうをとった

女「・・・」

女は無心にタンスをあさくりだした
無造作に入った5万円がそこにあった

女「あいつってバカね・・・」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 21:00:34.68 ID:TreqFcAAO
女はその5万をポケットに突っ込んだ

女「ひょほほほほほ」

女は走る!タバコを買い!酒を買い!パチンコを打ち!競馬をし!競輪をするために!

その前にタバコ屋でタバコを買って一服、久しぶりのタバコが肺をかきむしった

女「ちょろいちょろい!ハハハハハ!ハハハハハ・・・ハハ・・・」
戻って来たお釣りがとても重く感じた

女「知るか!あんな男!他人!他人!」

パチンコ屋に入る
オバハン「よっ女ちゃん久しぶりだね!北斗の拳の新台打ったんだけど最高だね
5万だよ5万もうけちゃってさあ、」
こういうババアが人間の論理的な思考を鈍らせる
お前幾ら損益だしたか覚えてんのかと
だからお前の息子頭悪くて無免許運転で捕まるんだよと
普通の脳ならば言える
しかしパチンコ屋の大音量の音楽と玉の音に
脳がびっくりして何も考えないようになる
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(宮城県) [sage]:2011/11/27(日) 21:31:55.41 ID:CkAkg/w+0
これは面白そう期待してる
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 22:18:18.33 ID:TreqFcAAO
女「そうっしゅか!!」

オバハン「あらヤダ!もうこんな時間!帰ってタカシのご飯作らなきゃ」

女「しょうっしゅか!!」

女はパッキーを買おうとする
その時、玉を変えに行く店員とぶつかった
軽い女は吹っ飛んでしまった

店員「あっすみません!!」

女「だいじょーぶっしゅ!あっ痛ッ」

昨日男に張られた頬が痛み出す

女「・・・・」

(男「違う・・・違うんだよ・・・」)

女「なにが違うんだよ・・・」

ポケットの中のお金を握り締める
(男「違う・・・違う」)

女「なにが違うんだよ・・・」

オヤジ「おい!ねーちゃん買うなら早くしてくーちゃん買うなら早くしてくれよ!!」

女「・・・・」

15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 22:21:51.17 ID:TreqFcAAO
男「・・・ただいまぁ・・・」

男「・・・・・はあ」

面接に手応えが無かった上に、女がいない、

男「あっ!」男はタンスにお金を入れてたのを忘れていた、今月の生活費だ
男は急いでタンスを見る
4万9590円入っていた

女「・・・お帰り・・・」

体育座りした女が死角から声をかけた
男は女の横にあるタバコを見つけた

男「・・・そうかあ・・・」男がゴロンと横になり

そのタバコに手を伸ばして一本吸った

女「なんだよ・・・なんだよ・・・」

女は下を向いてただ体育座りをしていた
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(熊本県) [sage]:2011/11/27(日) 22:23:59.19 ID:I79JfEoq0
いいなこれ。
頑張ってほしい。
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/27(日) 22:32:18.18 ID:kGFE9tma0
リベンジか
楽しみにしてる
18 :>>17すみませんまたですよろしくお願いします :2011/11/27(日) 22:44:55.15 ID:TreqFcAAO
男の人生は孤独そのものだった

小学校も中学校も高校も自分の居場所じゃない気がして
もの足りなかった

途端に両親が交通事故で死に
大学に行けず、いや、遺産で大学に行くより怠惰に遺産を食いつぶすのを望んでしまい
ある程度ニートした後
嫌々働き出したのだ

しかし接客業にはむかなかった
先輩たちの客に対するイライラをぶつけられ客のイライラをぶつけられ
本当にイライラしてしまい
店からの電話がきた時携帯を叩き潰してブチった

それに比べて運送業は肉体的にはきついが客がいない分気楽だった
肉体的なしんどさが考えを消してくれる

しかし心に「孤独」の二文字が消えなかった

そんな時に女と出会った
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 22:47:39.98 ID:TreqFcAAO
2日目の食事はサバ管とご飯だ

あまりにも手抜き

書き方まで手抜きにならざるおえない

男「・・・あのさ・・・・」

女「なに・・・」

男「風呂・・・風呂に入りに行かないか?」

女「うん・・・」

女は3ヶ月ぶり男は一週間ぶりの風呂だった
女は3ヶ月前、アホな金持ち大学生を騙して
部屋まで行き先にサッとシャワー浴びて学生がシャワー浴びてる間に帰ってしまっていらいだ
湯船に浸かるのなんて何年ぶりかもわからなかった
銭湯につき別れる二人

今の銭湯はハイテクでサウナも完備されているが
サウナ付きだと 高くなるから止めた
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 22:49:52.37 ID:TreqFcAAO
女が脱衣所につくと全員がギョッと女を見た
あまりにも汚い・・・汚過ぎる
服を脱ぐとほこりがたったように見えた

体を洗う

髪の毛にシャワーを当てると灰色に近い黒い液体がたらたら流れでた
女「これが私の悪い部品だったらどんなにいいか・・・」

そういいながら流した

体をシャンプーで浸した健康タオルでこすると
垢が山ほどでたこんな細い体のどこにこんなに垢が潜んでいたのか

これ以上垢をとったら女は消えてしまうんではないかと
周りで見てる人は思った
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 22:53:56.78 ID:TreqFcAAO
湯船につかる

女「あぁ溶ける―――」

筋肉がほぐれ過ぎて溶けると思った

アルコールに漬かった脳みそも鼻の間から流れだし
ただ歯だけが残ってしまうんだと

女「も―――にゃんか―――ど――――でもい―――や―――」
パチンコ屋のババアの顔も忘れて店員も忘れて
親も忘れて、好きだった男も忘れて、学校を忘れて、就いた色んな仕事を忘れて・・・
脳が全てを忘れていく
ただ・・・ただ・・・

男だけが残った

(男「違う・・・違う・・・」)

女「なにが違うんじゃ―――」
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 22:56:58.61 ID:TreqFcAAO
風呂から上がるとまだ男が来てないのか
もう帰ったのかわからなかいが無性に煙草が吸いたくなった

女「はあ―」煙を吐く

うまい・・・うますぎる
風呂上がりの煙草がこんなに旨いなんて忘れていた
涙さえ出そうになる

男「なんだ・・・待っててくれたのか・・・先に帰ってても良かったのに・・」
女「違う、タバコが吸いたくなっただけ・・・」

本当にそうだったが
偶然に鉢合わせになった
タバコもたまには粋な計らいをするもんだ
だから増税すべきでは無いのだ

男「おお・・」男は驚いていた
女の髪が体が凄く綺麗になってヌボォと青黒かった顔が赤身がかっている
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 22:59:45.11 ID:TreqFcAAO
帰り道、パチンコ屋が目につく

当たり前だ、日本人は気づいて無いが
パチンコ屋は日本の町並みに異様な輝きを見せている

夜中にビカッビカッっと放つショッキングな豆電球は
UFOでも来たのかと感じてしまう

女の目線が釘付けになる

男「ちょっと・・・して行くか・・・」
女「えっ・・・いいの・・・」

女は複雑な気持ちになる
嬉しいような悪い事をしてるような

男「二千円だけならいいよ」
女「わかった!」妙に心の底から納得した

普段なら二千円で終われない気がしたが
今日は本当に二千円で終われる気がした

そう女にはストッパーがいるのだ
都会には欲望が溢れている
誰も止めてはくれない
言う言葉は「買え!やれ!」の二言のみ
純粋な人間ほど飲み込まれていく
女もその一人だった

しかし男の「二千円だけなら」と言う言葉に安心感を感じた
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 23:01:52.72 ID:TreqFcAAO
女にとって不思議な体験だった

二千円は完全に消化してしまいキャラメルぐらいしかもらえなかったが
男の「おーい帰るぞー」の声に「はーい」と返した自分に驚いた

いつもなら自分の中の誰かが「もう帰ろう?もう無理だよ」って言う声に
女「もうちょっと!もうちょっとなんにゃ!
リーヒがかかっちぇる!かてる!かちぇる!かちぇる!かちぇるぅぅ!!」
と歯止めがきかなかった

人の声って凄いと感じた

帰り道、二人キャラメルを舐めながら歩いた、甘かった、
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 23:05:03.56 ID:TreqFcAAO
また二人川の字になって寝た

男「・・・・」

女「・・・・・」

女「あのさ・・・・私さ・・・・」

男「なんだ・・・」

女「多分・・・ギャンブルも・・・酒も・・・タバコも・・・止めたほうがいいと思う・・・」
当たり前だ、当たり前過ぎる聖書にだって書いてあるし仏典にも書いてある
宗教という宗教全てが禁止してる

男「・・・そうだな・・・」

女「でも・・・止められない・・・」ボロボロ
布団にくるまり嗚咽を漏らす女

男「・・・・・」

女「わかってる・・・わかってるのに・・・」ボロボロ

男「あのさ・・・俺が・・・偉そうにいえる事でも・・・無いんだけどさ・・・」
男「もっとゆっくり・・もうちょっとゆっくり歩いてこうよ・・・
焦り過ぎたんだよ・・・今まで・・多分」
女「ふぐっふぎっ・・・」ボロボロ

女の嗚咽だけが響きわたる・・
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 23:08:51.24 ID:TreqFcAAO
三日目の朝、女は髪を切る事に決めた

男は散髪屋に行けと言ったが男に頼みたいと女が言った

女「これは・・・けじめ・・・私は!もう二度と!なすがままに!生きません!って言う誓いをたてる」と手を上に上げた

男「なんじゃそりゃ」と笑ったがそれだったらと引き受けた

男「ここか?」ハサミを当てる
女「もっと上」
男「ここか?」
女「もーと上」
男「ここか?短いぞ、これいいのか?」
女「いいのいいの!おもっきりバサッといってバサッと」

サクッとハサミを入れた瞬間、ファッサァと髪の毛が広がっていった

まるで天を掛ける虹のように太陽光を反射しながら揺らめいた
その光景が美し過ぎて男は思わず感嘆した

男はなんでもできる気がした

もっと言うなら初めて地球に触れた気がした
今までコンドームをつけながら触れ合ってきた世界を
生で肌と肌合わせて妊娠させたような感覚を感じた
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 23:12:33.22 ID:TreqFcAAO
そして男は思った
そうか!俺はもう惑わされないぞ、嘘や自分の幻覚の位置に
何故なら俺は地球に触れた!触れたんだ!今!今、触れた!

男はなんにでもなれる気がした

朝飯は
味噌汁とご飯と生卵だった
20世紀戦後の日本の復興を築き上げた奇跡の食事だ
それが今彼らの復興を支えようとしていると言えば
言い過ぎ以外何者でも無いだろう

女「今日は・・・どうするの?」
男「仕事探しにいく、女も・・・きてみる?」
女「えっ・・・」突然の誘いに戸惑った

どうしよう・・・当たり前だがなにもしないよりは働いた方が良い・・でも・でも・・・


怖い・・・

男「いや・・・いきなり・・・ごめん」
男は元ガチニートだったから女の気持ちが痛いほど良くわかった
この誘いはちょっと相手の気持ちを考えない軽率な発言だった事も良くわかっていた

女「いや・・・いく・・・」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/27(日) 23:14:56.87 ID:2BaBiEsDO
支援
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 23:15:02.69 ID:TreqFcAAO
男「無理しなくていい・・・ごめん」
男は興奮から覚め元のちょっと暗めに戻っていく

しかし女は重い重い髪の毛がなくなり
血流が良くなった頭が正しい答えを導き出す
女「そうだ・・・働こう・・・」

血流が早くなる

女「そうだ!仕事探そう!」

多分女はなにも考えてなかった、
男「お、おい・・」
女「やる!やるんだ!やる、やややる、」
思った事をそのまま表現した
男もまた興奮してきた

ジュル・・・ジュルジュル!卵かけご飯をかきこみ
タバコを一服し
二人で街へでた

目指すはハロワである

30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 23:19:09.15 ID:TreqFcAAO
二人の目は異常に輝いていた

街にいる人全てがカップルだとは思わなかった

何か恐るべき力で引っ張っていかれる
神の啓示を受けた預言者に見えた

どこかのホームレスなんて
「来たぞぉ!遂にきた2000年の時を超え復活したメシア製の葡萄酒を皮膚にうけ巨大化し
このビル群を叩き潰しあたらしき神の国を作るべきと啓示を受けた
巨神兵がやってきた共産主義の乞食共め貴様らは終わりだ!
今こそ我らに黄金と綿アメの世界が」と叫ぶほどだ

しかし 女の方は
いざハロワを目の前にすると足が震えた

男は馴れていたが
女は初めてだったのだ
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 23:21:57.17 ID:TreqFcAAO
男が女の手を引っ張る
女「あっ・・・」手と体は動いたが足が残された

男「大丈夫だ、ヤバくなったらキレて帰ったら良い」
男は3回ほどキレて帰った経験がある「こんな所に俺の仕事があるか」と

でも働いた

男「それにこれはこれは足掛けだ、ただのな」
やっと足が動きだした
そうだ!ただの足掛けだ、何か新しい世界への
特に何も考えるな!特に何も考えるな!
金が出来てから考えれば良い事だ、
そう思ったら女は楽になった
女「よーし!」顔を叩きエレベーターをよぶ

未知の世界ハロワへの入り口がもう目の前にあった
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 23:25:08.91 ID:TreqFcAAO
ハローワークそれは残酷な世界だった

老若男女全てが静かに目を伏せて仕事を探す
ジジイとファッションに身をくるんだガキとスーツの兄ちゃんが入り混じる
渋谷のど真ん中にもない風景だ
渋谷なんて知らないけどきっとない

そんな不幸そうな連中の中を高圧的な態度では無いが
いかにも事務的に案内する窓口の綺麗なスーツが
何故かいやらしいく見える

その中を何も考えてず言われたまま進んでいくと
タッチパネルのパソコンの前に座らされる
色んな条件を入力する作業がどこか苛立ちを感じる

女「どんな仕事でもいいんだよぉ!いんだよぉ!腹立つなあ」
タバコに手をやると職員に止められる「禁煙ですので」と

隣のジジイなんてあからさまに焼酎あおってきてる
その隣のガキなんてヤバい物を確実になんかやってるのに
何故タバコだけがいけないんだよぉ!!
と苛立ちが隠せなくなる

ふと男の顔を見たら
こちらに気づいて ニヤッと笑った
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 23:28:04.29 ID:TreqFcAAO
女「そうだクールに・・・クールになろう」

胸に手を当てて深呼吸すると
肺のどこかに残ったニコチンで気持ちが落ち着いた

女はまた席についた掃除婦とか事務とか
なるべく接客が無い物を選んでいく
パチンコ屋の仕事が目に就くがなるべく離れようと軽くなった頭は言う

男は工場、運送業いったくだった

女「どれもこれも資格資格って・・・生きる資格試験ができそう・・・」
出来てしまったら間違いなく女は不合格だ・・・多分男も
そう思うと少し笑えた ちょっと気持ちにゆとりが出来たのだ

男の方をみるとブツブツなにかつぶやいては、舌打ちしていた
周りの人間が隣に池沼が座ったんだと思い少し席を反対側にずらす
つくづく生きる資格の無い男である
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 23:31:29.10 ID:TreqFcAAO
女は仕事をある程度選んでコピーを取り
職員の紹介者の所にいく

長い・・・長すぎる
長すぎる待ち時間の間にタバコをすいたかったが
いない間に読み飛ばされても困る

長すぎる待ち時間の間にハロワに来たことを後悔したり、男が何故自分を引き入れたのか考えていた

ババア「265番の方〜いませんか〜」

ふっと思考の世界から覚める鼻の穴のデカい50代ぐらいのおばさんが座っていた
女「あっはい・・・」
女は慌てて返事をした

おばさん「こんにちは鼻の穴です!」
元気の良い声がハロワに響く
どう考えても不釣り合いな人だった
ホームレスの炊き出しに元気いっぱい取り組んでそうな人だった

仕事案内の説明に入る
第二新卒のなんたらかんたらを政府がやってるとかなんとか

その説明を聞いてるだけで女は帰りたいと思った
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 23:34:30.39 ID:TreqFcAAO
鼻の穴「ところで女さんはどんな仕事を探しに来たの?」

女「急にどんなって聞かれても・・・そんな・・・具体的には・・・なんでもいいです」
鼻の穴がうんうんと大げさに頷く

鼻の穴「大まかにでいいのよ、難しく考えないでなんでも好きな仕事言って頂戴」

女「なら・・・接客の無くてなるべく少人数でできる仕事がいいです・・・」

鼻の穴「ああ・・・そういう仕事はね〜資格とか無いとね〜限られちゃうんだけどね〜」鼻の穴は大げさに困って見せる

なら聞くなよ

女「いや・・・資格なんて持って無いし・・・学校とかに通う金もない・・・」女の声がどんどん小さくなる、
働く気持ちなんかとっくの昔に無くなり
早くこの場から離れたくなっていく
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 23:37:15.49 ID:TreqFcAAO
鼻の穴「ならね、こういうのはどうかな?
無料でパソコン教えてくれるフリースクールとかあるんだけどね、」鼻の穴が資料を出す

なに言ってやがんだこの鼻の穴は?
働きたいつってんだよ!金無いから!
勉強したいなんて言ってないんだよ、間抜け、
鼻の穴の話はフリースクールからちょっと金がいる資格用の学校に移っていた、

女は神にこの鼻の穴のデカい鼻の穴に
天の上から鼻フックするように拝んでいた
願いは聞き届けられなかったが

隣から大声が聞こえた
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 23:40:21.50 ID:TreqFcAAO
男「だ〜か〜ら〜コミュニケーションのいらない、
接客じゃなくて、賢い人間向けの、単純労働じゃなくて
資格やらなんやらのいらない仕事求めてんの!俺は!」

隣のいかにもサラリーマンの職員は明らかに対応に困っている
「ねぇよ、んなもん!」と言えたらどんなに楽か・・
しかし基地外は逆なでしないように相場がなってる

サラリ「だからですね・・・それはね・・・あのね・・・」バカの相手は大変だ

後ろのボロキレみたいな親父でさえ「むちゃくちゃだよ・・あいつ」と言う

それを見てると女は気分が楽になった
自分よりレベルが低い人間をみると
人は気分が良くなるのだ

鼻の穴「っでどうします?」
鼻の穴はおしゃべりに満足したらしい
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 23:43:15.78 ID:TreqFcAAO
女「んじゃあ・・・これとこれ・・」

掃除婦のバイトと事務のバイトのアポをとるよう頼んだ
それからも鼻の穴の話は続いたが男の声の方がデカくて
聞こえなかった

男「んじゃあこれとこれでいいよ!もう!あんたわかんねー人だなあ」


女は先にハロワを出た
女(働く・・・か・・)色んな思いが巡り出した、タバコを吸う

タバコには考えを消す効果がある
人間には二種類の精神が宿る「生と死」だ
その両極端な精神が思いを作る

生に向かう精神は力強いが
死に向かう精神はどこまで深く掘り下げても死が待っている
だからタバコで煙に巻くのだ
元々タバコとはインディアンが神と思考をかけ離れ精神で対話する神聖な儀式の架け橋だった
(とはいえ今より比べものにならないほどニコチンタール、幻覚作用が強かったが)

そして女の今の精神は死に向かう精神だった
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/27(日) 23:45:29.86 ID:TreqFcAAO
女「すう〜は〜」
タバコをくわえてる間、思考が止まる
それは生への精神が強い人に取ってはよくない事だ

しかし女は死に向かう力が強いタバコはある意味必需品だった

男「あっ・・・待っててくれたのか」男はバツが悪そうな顔をする
あんな姿を見せたんだから当たり前だ

女「うん・・・」今回は本当に待っていた
男「・・・・」

女「・・・・・」

男「どうだった・・・」

女「・・・とりあえず2つ話とりつけた・・・掃除婦と事務・・・男は?」

男「俺は・・・一つ・・・運送業・・・」あの状況でよく話がまとまったもんだと女は感心した

このあられもない会話の中で女の中の疑問は膨らむ

どうしてこの男は私なんて引き入れたんだろう?
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/28(月) 01:09:22.76 ID:fFf9pXtAO
夕食はカップラーメンとビールにする予定だったが
女の反対により女が作る事になった

男は最近では珍しい料理が出来ない男だ
子供の頃からキッチンに立つと潔癖症の母親がヒステリーを起こした
だから出来る事はお湯を暖めるのと炒める事だけ
煮たり揚げたり切ったりは出来ない

女はオムライスを作った

半熟な白身と半熟な黄身が乗っかった
ケチャップを混ぜただけのご飯は 不味い
不味いのだ!当たり前だが不味い!

女は味覚がおかしい
酒とタバコのやりすぎで味の感覚が無いのだ
女「・・・美味しい・・」 女は喜ぶ

男「・・・・美味しい」男は真剣に料理を勉強する事に決めた

女「ねえ・・・」
今までの疑問を男にぶつける

女「どうして・・・私なんかと一緒に住もうと思ったの・・」
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/28(月) 01:13:18.94 ID:fFf9pXtAO
そうだそうなのだ、男が性的な欲求なら
もう1日目に満たしてあげてた
でも男は拒絶した

女「私が・・・好き?」女は恐る恐る聞いた
男「・・・・バカ野郎」恥ずかしくて後ろ向いて寝る

女は顔を真っ赤にした、

でもおかしい・・男とは直接交友はなかったし、
女の顔は中の下だったし、体なんてガリガリだ、頭は悪く、友達も少ないのに、
それは女は自覚していた
女「・・・えっ・・・どうして」恐怖と好奇心の戦いで好奇心が勝った

男「うーん・・・忘れた・・・」男は寝たふりをした

女「えー・・・」残念がった

しかし実は男は覚えていた、嘘つきました・・・
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/28(月) 01:15:07.95 ID:fFf9pXtAO
男は思い出す

下校中の男は黙々と塾に向かうために帰っていた

友達はいない何故なら父の「バカな友達は作るな、お前は上流に行くんだから」と言う言葉があった
男の家は小金持ちな家で年収1000万ある医者だった
ただ男は賢い人を見分ける事が出来ないぐらいバカだったので友達はいなかった

ふとウサギ小屋をみると
ウサギの糞尿まみれの女がいた

みんな薄情なもんだ
休み時間とかは可愛い可愛いとウサギをもてはやすが
糞尿の掃除やらとなると女に任せっきりだ

飼育係は他にもいたが毎日掃除してるのは女だけだった

教師も女がバカな子だから役に立つのはこれだけだと黙認していた
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/28(月) 01:17:50.97 ID:fFf9pXtAO
黙々とウサギ小屋を掃除する女を見て

小学生の男は父の言葉を思い出す「バカは利用される世の中だ」と言う言葉を、

そしてまた横目で見た時だった・・・

夕日の中を
女がウサギを抱いてすうっと立ち上がり微笑んでいた・・・
目は太陽を浴びて輝き
本当に愛おしそうにウサギを抱く女は
マスコットを抱くようにウサギの表面だけを愛する他の女子とは違った・・
ウサギの生命を喜んでいるのだ

そう・・・まるで・・・まるで

キリストが羊を掲げるようだったのだ

女は男に気づいていない、 泥まみれの顔を手で拭く

その姿に男はドキッとした
今まで知らない愛の形に心がスプーンでえぐられたみたいになった

そして女たまらなく好きになった
しかし男はシャイボーイ、何一つ女に話かけられなかった
それどころか、恥ずかしくて避けるようになってしまった

それを心のどこかで後悔していた
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/28(月) 01:20:03.74 ID:fFf9pXtAO
・・・寝転びながら男は晩酌を口に運ぶ
女も飲んでいる

男「うーん、そうなんだよな・・・」
男はケチャップご飯をつまみにして言う
女「ん?・・・何?」

男「いや・・・昔から好きなんだよ・・」
女「何が?」

男「・・・お・・・お・・・ウサギの事が」

女「・・・バカ」

二人は黙り込んだ・・・
そのまま布団敷いて寝た
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/28(月) 01:22:17.16 ID:fFf9pXtAO
朝になりご飯は男が作った
包丁を握るなんて中学の調理実習以来だ

グッチ〇三が昔テレビで紹介してた
人参とツナの炒めて混ぜるだけの料理だ
これなら自分でも出来ると中学生の時
調理してたら母親がヒステリーを起こし
「きぇぇぇ!油使わないでぇぇぇぇ!!フライパン使わないでぇぇぇぇ!!」と平手打ち食らって以来だから

まあ初挑戦だ

思ったよりよく出来た
調理音に女が起きる

女「あっ・・・ご飯作ってる・・・」珍しい物を見る顔をしてた

俺「あちっあちっ」皿に人参とツナ炒めを乗せる

これで完成、グッチ〇三は凄い男だ
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/28(月) 01:26:04.33 ID:fFf9pXtAO
朝食を食べると
女が驚く

女「美味しい・・・スッゴく美味しい!!」
お世辞ではなく心のそこから声を出していた

男も食べたらスッゴくおいしかった
男「ああ・・・」自然と涙がこぼれた

昨日のケチャップご飯のせいでもあった
そうこれが人間の食事なのだ

それから待ちの時間に入る

履歴書を書き面接日時・場所を把握し持ち物を備える
当たり前の事だが
ストレスがたまる

たまにフラッと二人でパチンコに行ったり
タバコを何本もすったり
タラタラと時間が流れるが
何もする事がなかった

実はこの時期が一番辛い
作者はそうおもう
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/28(月) 01:29:42.70 ID:fFf9pXtAO
受かるかわからない面接を待つ辛さは
二人、共有する事で楽になった

その日の夕食は人参とツナの炒め物の残りだった
また二人感動して寝た
そして次の日の朝食は人参とツナの炒め物だった
二人は感動する、頭が悪いのだ

やっと二人共、一つ目の面接の日だった
男「んじゃあ俺行くけど・・・どんな結果でも気にすんなよ・・・」
面接は期待しないほうがいい、男の経験論だ、

女「わかってる・・・頑張ろ・・・」二人ため息をついて、
よーしと途中、炭酸飲料を買う
少し元気が出る

乗り場が違うから駅の改札で別れた

女は何故だか男と別れる事に名残惜しさを感じた

もちろん男もである
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/28(月) 03:06:06.96 ID:fFf9pXtAO
地下鉄に乗り込む

女にとって久しぶりの一人の時間だった

男との時間はたった一週間足らずだったが
今まで一人の時間が長かった分だけ
凄く短く感じた

女「ふー・・・」やっと落ち着いて今までの事を思い出す時間が出来たのだった

女「一週間で結構色々変わったなあ・・・」
電車の窓に映る短い髪の自分の姿を見てそう呟いた

女は県で一番頭の悪い公立高校卒業と共に
本当に右も左も分からない状態で社会に出された

貧乏子沢山の8人兄弟の5番目
追い出されるように家から出て
存在感の無い女は家族からも忘れられた

右手に3万円と今まで女がよく使ってた物をカバンに詰めて・・
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/28(月) 03:21:30.88 ID:fFf9pXtAO
初めは仕事を探し動物園のアトラクション説明の仕事についていた

平日はサルと鳥の鳴き声しか聞こえない

初めての給料の時には何も感じなかった
ただ働いてる時に見た鷹が思いっきりフェンスにぶつかり続けて
今ではくたびれたように木に止まって動かないのが
凄く印象的だった

生活費でやっとの状態なのに親に仕送りをした

かえってきた言葉が「あんたアホやからもっと頑張らんと・・」だった

ある程度の真面目に働いていた、しかし

ある日、いきなり音も立てず彼女は爆発した
妹じゃないよ、心がね、

仕事の電話を取らなくなり、ボロアパートを出て

街に繰り出した、遊びを渇望していた

ギャンブル、酒、タバコ、何でもやった

ある日ゴミ箱にもたれかかって体中ゴミまみれになって時

どこまでも堕ちていける気がした
一週間後、女は仕事に復帰したが

家賃を滞納し、月収が入ったら遊び歩くを繰り返してるうちに

部屋の鍵が変えられていた
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/28(月) 03:38:34.20 ID:fFf9pXtAO
それから自分で何をしてたか分からない

ただ生きていたのは覚えていた

風俗に入る覚悟を決めるためにやけ酒し
次の日に顎に衝撃が走り、気付いたら男の家にいた時から記憶がスタートし始める

案内「次は〇〇〜次は〇〇〜」面接地はここだ、女はハッと意識が戻る

久しぶりの面接だ、専門学校の清掃員だ
行きたく無い

駅は目の前なのに足が固まる

カバンを握るとグニャリと変な感触がする

女「ん?・・・何だろ・・・」カバンの中をみるとつぶれたラップに米が入ってる

わあっおにぎりだ!!

中の具がはみ出している、ツナと人参炒め、またですよコレ、

女「頑張ろう!深く考えないで!」やる気が出る

案内「〇〇〜〇〇〜」
勢いよく女は飛び出したいった
違う、昔とは何かが違う、
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/28(月) 04:06:04.95 ID:fFf9pXtAO
面接場所に着く、服飾の専門学校だ

良く言えばオシャレな、悪く言えばチャラチャラした専門学校生が多くいる学校だ

女「あの・・・すみません・・・」
事務員「はい何でしょう?」
話口調からするとどうやら生徒と間違えてるみたいだ、
だから何だ、と言われれば何でも無いんだ、ごみん

女「女です・・め・・・面接を・・清掃婦募集の面接を受けに来ました・・・」

事務員「あっ!そうですか!あらヤダ!
私ったらつい生徒かと・すみません、
人事の方につなぎますね、」だから何だ、ごみんだってば、

事務員「はい・・・そうです・・・女さんが・・はい、はいわかりました」

事務員「お待たせしてすみませんね、清掃員室で面接いたしますので、
清掃員室は2階左にまっすぐいっていただいてつきあたり3つ目の扉です」

女は一人で行かされる、サルのような笑い声がなり響く専門学校内をだ

辛くは無い動物園で慣れている
言われた通り進むと
清掃用具室があった
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/28(月) 04:22:29.21 ID:fFf9pXtAO
女は悩む
女(あの事務の人清掃員室っていってたけど・・目の前にあるのは清掃用具室だ・・・)
部屋を間違えたのか事務の人がケアレスミスしたのか真剣に悩んでると

扉が開いた、七三分けのちょび髭の太めのおっさんが出てきた

七三「女さんですか?」

女「はい・・・」

七三「ああ・・・今回面接担当します七三です、どうぞお入り下さい」

七三「それじゃあね、履歴書出してもらえますか」

女は履歴書を出す、住所と電話番号は男の自宅のだ

女は少し感慨を受ける、

七三「ふんふん、動物園で・・・ふんふん」適当な話が続く
前どこで勤めていたか、この空白期間はなんだとか
女は嘘と真実を混ぜて返す、

途中で清掃婦が清掃用具室に一人入ってくる

最悪だ・・・こいつは・・・こいつは・・・

パチンコ屋にいたババア「あら〜女ちゃんじゃない!」
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/28(月) 04:43:04.79 ID:fFf9pXtAO
女「ああ・・・お久しぶりです・・・」
まずい・・・まず過ぎる・・・

まさか知り合いが・・・
しかも毎日パチンコ屋に入り浸ってた時の知り合いがいるなんて・・・

半分嘘で塗り固めた今までの話が全部無駄になるどころか
心証最悪になるかもしれない

女はババアが何も言わないのを願ったが
ババアの口は動き出した
「どう!最近打ってる?」ババアはパチンコの手の動きをする
女「いえ・・・最近は・・・」
うおお、ババア、黙れぇぇぇぇぇ!
変な汗が噴き出す、脇なんてもうビショビショだ

七三「あのババアさん今面接中だから・・・」
ババア「いいじゃないの〜七三さん、この子良い子よ〜雇ってあげなさいな」 無責任にずいずい物申す
作者はおばさんのこういう所尊敬してる
七三「ババアさん!!」ちょっと七三が怒る
ババア「は〜いすみませ〜ん」ババアは悪びれずに言い休憩する

女はもうパニックで後の事は覚えいない
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/28(月) 14:08:40.20 ID:PW+WtzIaP
前スレから読んでる
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/28(月) 18:02:58.57 ID:BneSa0ESO
前スレってなんぞ?
56 :>>55前VIPでやってたんですが落ちちゃって :2011/11/28(月) 21:55:44.57 ID:fFf9pXtAO
散々な結果だった・・・途中心がかき乱されてまともに応答出来なかった
七三「んじゃあ結果は後ほどお伝えいたしますので・・」

女はトボトボ帰りだした、事務員が声をかけるのを止めるぐらいに落ち込んでいた
ため息をついていると後ろから肩を叩かれる

ババア「おっす!」

今は誰にも関わりたくなかったのに・・・どこまでもふてこいババアである

ババア「びっくりしたよ〜用具室みたら女ちゃんいるんだもん」
それはこっちのセリフだ、なんの因果だよ、女はますます落ち込む

ババア「まあさ、ここも大変だけどさ、要は慣れだから、頑張ろうぜ!」ババアがまた肩を叩く

もう女が受かった気でいるのだ
どこまでもポジティブなのもこのババアの才能である

女「はい、よろしくお願いします」そのポジティブが女に飛び火する
このババアも悪い人間では無いのだ、ただ謙虚さが無いだけで・・・
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/29(火) 00:06:12.02 ID:VW/zfRJDO
期待
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東) [sage]:2011/11/29(火) 04:34:52.98 ID:E2D9zcGAO
前スレ知らないんだけど、これは前のやつの続き?
それとも最初から?
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/29(火) 07:28:22.27 ID:DMNpuP4MP
最初から
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/29(火) 21:33:33.06 ID:6z1SkqEAO
女「ふう・・・」近くの公園でおにぎりを食べる

まあ面接は最悪だったが深く考えても仕方のない事だ

食べていると専門学校生が公園にタムロして
大声で話しだす

女は正直苦手なのだがたまに羨ましく思う
女「同い年ぐらいなのになんであんなに元気なんだろ・・・」
おにぎりを頬張る、二三粒米が落ち女のスカートにつく
専門学校生の一人がジャングルジムの上から小便垂らしてるのをみてつぶやいた
こんな奴でも就職時期となれば髪をバッサリ切り
資格習得にいそしみだすんだからたいしたもんである


パチンコして帰ろうと思ったが千円しか無いのとストッパーの男がいないから止めて
タバコ買って帰った
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/29(火) 21:50:40.11 ID:6z1SkqEAO
家に帰る頃には夕方になっていた

女「・・・ただいまぁ・・・」女が玄関先に腰を下ろした


男「ん、おぉお帰り」男は飯を頬張っていた
ツナと人参炒めで、嫌にならないのか、

二人はふと自然な「ただいま」と「お帰り」のやりとりに少し感動していた
俵 万智である

女「疲れた、疲れた」シャツの首元を緩めちゃぶ台の前に座る

男「ご飯とツナと人参炒めがあるぞ」あっそうと
女はご飯をついでツナと人参炒めを食べる

女「やっぱり温めてる方が美味しい・・・」女は感動する、しかし流石に飽きてきた
舌は案外贅沢なもんで同じものだと飽きてしまうのだ

二人静かに食卓についた 短い無言の後女から切り出す

女「・・・どうだった?」

男「うーん普通、可もなく不可も無く、後は運かな・・・女は?」

女「私も普通かな・・」女は少し嘘をついたが
まあ大体そんな感じだからと思い自分を許した

女は今日初めて男の異様さに気付く

なんでテレビつけないんだろ?
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/29(火) 21:59:50.21 ID:6z1SkqEAO
男の独り暮らしは寂しいもんで穴埋めを求める

それがテレビだったりラジオだったり、はたまたネットだったりするんだが

男の家にはパソコンは無いしラジオも無い
あるのはテレビだけだ

しかし女と気まずい沈黙になってもテレビはつけないし

さっきまで独りで部屋にいたのにテレビはつけてなかった

気になって尋ねた

女「どうしてテレビつけないの?」テレビの電源に触る

テレビ「ザーー」砂嵐が映る

男「ああ、地デジ化してないんだ、すまんすまん」男は米を頬張る

女「ふーん」女は納得する

しかしテレビがつかないのには理由があった
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/29(火) 22:13:17.48 ID:6z1SkqEAO
男は交通事故で両親をいっぺんに亡くした
それは男高三の夏だった
高校で一時話題になったが二週間もしない内にやんだ
男は根暗で友達がいなかったから周りに合わせて
悲劇の主人公出来なかったのだ
それにその時は親戚もいたから今までとそんなに変わらない日常が続いた

親戚「大学はどうするんだ?」親戚が聞く

男「・・・・どうしよっか悩んでる」

親戚「両親は大学に行って欲しがってただろ?
それにお前も高三なんだから自分で決めなさい」親戚は優しい
しかし男は答えをださなかった卒業してもだ
親戚は親じゃないから強く言えず黙っていたが
ある程度面倒みて呆れて遺産を渡しアパートも借りてくれて出ていった

それから男の独り暮らしが始まる

ずっと寝転がってテレビを見続ける生活が始まった

何も考えず何も見ない目で
男はある日から音量をゼロにしてテレビを見出した

しかし寝ながらテレビを見続ける生活は続いた
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/29(火) 22:29:44.48 ID:6z1SkqEAO
その生活が一年続いたぐらいに、突然外にでる
そして発狂
男「うあああああああ」アパートの住人がいっせいに男の方をみる、なんだなんだ、隣やっぱり基地外だったか、救急車呼んだほうがいいんじゃないか?
しかし男は気にしない

男は屋根を見てキョロキョロしたかと思ったら
屋根に登り自分の部屋のアンテナを折る

男「うあああああああうあああああああ」

大屋「ちょっ、ちょっと男さん?ちょっと!ちょっと!」大屋がパニックしてザタッチみたいになる

大屋が足を掴んだ瞬間、男は足を踏み外して落ちて気絶した

次の日、目覚めたら病院で、親戚がいた
大屋や周辺住人への謝罪が大変だったらしい親戚が笑う

親戚「どうしたんだ、お前、また迷惑かけて、」

男「テレビから出る電波は毒電波だった、これが僕という人間を破壊し、
僕の赤い部分、僕の赤血球を破壊し白血病に追い込もうと必死だった
だけど僕は負けなかった、勝ったんだよおじさん・・」そう真剣に話す男を見て
親戚はうなだれる

精神病院にいれるか?しかし、面倒だな、一生こいつに関わる訳にもいかんしなあ・・・
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/29(火) 22:41:29.02 ID:6z1SkqEAO
親戚は働いたら治るだろう・・と思い仕事するように強く勧めた

男は働きだした・・

後は普通であるから親戚の考えはある意味間違ってなかった
今に話を戻す


男「で・・・でもジブリを録画したビデオならあるよ・・・見る?」
男は棚にあるビデオを取る、現代では廃れたビデオカセットだ

女「うん・・・」女は無いよりマシだと思った

二人でジブリを見る

魔法使いの十才の女の子が大都会で生活する話だ


「泣いたりする事もあるけど、私は元気です」
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/29(火) 22:57:46.61 ID:6z1SkqEAO
ジブリを見ながらまた二人で履歴書を書く

ああ、ダルい、前とおんなじ内容をまた書く、
ダルさ二、三枚コピーしようかとも思えるぐらいダルい

「生きろ・・・そなたは美しい」

んじゃあ美しくなけりゃ生きちゃいけないのかよと女がテレビにやかる
意味がないのに、ストレス溜まるんだ、履歴書書くのは

学歴書いたぐらいで両方ダレてジブリを見る、タバコを吸う、水を飲む

夜が深くなったのでテレビを消し、布団に潜る

男「ふう・・・・・・、」暗がりの中安心する

女「ああ疲れた・・・」女が目をシパシパさせる

共同生活が一週間も続くと二人並んで寝る違和感がお互いなくなっていた
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/29(火) 23:02:58.00 ID:6z1SkqEAO
>>54ありがとうございますダレダレですみません・・・
なかなか刺激的なアイデアが出なくて・・・
>>58はい前からずっと同じ内容をVIPに投稿してて
でも途中でダレて・・ダメ人間でして・・・
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(北海道) [sage]:2011/11/29(火) 23:13:03.80 ID:dC33oO8AO
こういう奴ら実際にいるから困る
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/11/30(水) 00:51:33.42 ID:UzrY1OiAO
次の日の早朝、男は自分の体の異変に気付く
一物がギンギンに猛り過ぎて痛いのだ

男は考える(ああ・・・一週間[田島「チ○コ破裂するっ!」]してないもんなあ)と

男の[田島「チ○コ破裂するっ!」]はリピドーだとかエロスだとかの言葉が似合わない
作業なのだ男にとって機械的な作業

メガニート生活をしてる時に1ヶ月間ずっとしごき続けて以来
男の性感覚はおかしくなった

まあ簡単に言うと心が壊れてるのだ

男は服を布団で着替えるように機械的にしごく準備をする
男は(ああ・・・そうだ・・・女がいるんだ・・)と気付く

どうしよう、静かにやればバレないよな、
精液はどうしよう、ティッシュにくるんだらバレるかなあ、とか考えてるうちに
女が目覚める
女「んああ・・」背伸びする、短い髪はぐしゃぐしゃで、服は少しはだけてる


女は左を見てビクッとする「ひっ!・・・おはよう・・・」

男が目を見開いてまっすぐ上を向いて寝転がっていた

男「ああ・・・おはよう・・・」何事もないように男が言う

70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage saga]:2011/11/30(水) 01:12:40.86 ID:oVTXGnASO
sagaを推奨する
sageじゃなくてな

sagaを入れれば禁止ワードでも普通に書ける

オナニーでも殺すでも問題無く
71 :>>70良かった・・・ありがとうございます! :2011/11/30(水) 01:14:42.51 ID:UzrY1OiAO
何をしようとしてたのだろう
襲おうとしてた風には見えなかった
それなら布団にまっすぐ寝転がって上を見ているんじゃなくて
こっちに何らかのアクションがあるはずだ

女は自分が人より狂ってると思っていた・・・、
それに比べて男は働いていて、キチンとしていてと
しかし徐々に気づき初める、男が結構狂ってる事に・・・

すると妙に親近感が湧いてきた、ヤバくないか、それは、

男はすっと立ち上がって朝食の準備を始める

流石に男もツナと人参炒めには飽きていた、何をつくろう?
考えてがなかった、すると女が卵を炒めだす
女が目玉焼きにマヨネーズをかけてパンで挟んだ

女「これ・・結構いけるんだ・・」女の言葉は信用出来ない
今までもハイクオリティな残飯を作り上げてきた女の作った物だったが
それは美味しかった、それに男は内心驚いていた

当たり前だ、目玉焼きを作れない人間なんているわけ無いじゃないか、
それに女は昔家でよくそれを食べて育ったのだから・・・
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) [sage]:2011/11/30(水) 01:36:18.16 ID:UzrY1OiAO
今日の分はこれで終わりです
こんな駄文読んでくださってる方には感謝・・・圧倒的感謝・・・しかありません
お休みなさい
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/11/30(水) 02:16:42.74 ID:WyfCLJCHo
乙〜
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関東) [sage]:2011/11/30(水) 06:59:37.59 ID:N+BOxRXAO

俺もダメ人間
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/30(水) 07:59:29.57 ID:oVTXGnASO
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/01(木) 23:08:22.29 ID:vSEIyBTDO
今日は無しかな…?
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/01(木) 23:09:03.86 ID:vSEIyBTDO
今日は無しか…
78 :>>77すみませんアイデアが出なくて・・・ :2011/12/02(金) 00:19:09.48 ID:cqvKrJsAO
いびつなサンドイッチをほおばりながら男が言う

男「今日俺面接だから」

女は今日は一人留守番な訳だ
男は正直悩んでいた、タンスのお金どうしよう、
でも持っていくのも信用してないみたいだし、いいやなんも考えないでいよう・・

そんな事を悩んでる自分が嫌いだった

女「・・・・」女はそれとなく察していた
男はバカなのでタンスにチラチラ目がいく
わかりやすい男だ


女「私・・・ちょっとタバコ買ってくる・・・」女は男にチャンスを与える
女が出ていく

扉が閉まる音と共に男は気付いた
男「俺は・・・俺は・・・バカだ!バカ・・バカ・・」
女を・・信用してない・・・俺は・・・と頭を壁に打つ

思わず駆け出す扉の方へ
女がアパートから離れていくのが見える
男「あ、あ、あ・・・あのさ!・・・また・・・帰ってきて・・・ごにょごにょ」
男はたどたどしく言う
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/02(金) 00:34:05.16 ID:cqvKrJsAO
女は笑う

女「なんで!タバコ買ってくるって言っただけじゃん!」女は出来るだけ元気良く言った

男「う・・・うん・・・あの・・・ごめんな・・」男は気まずい

女「あのさ、ゆっくりゆっくりいこうよ、ゆっくり」女はぐっと指を出す

男「そ・・そうだな・・うん・・」男もぐっと指を出す

女がタバコ買って帰ってくると男は昨日仕上げきれなかった
履歴書を仕上げていた

男「よーし!今日もやるぞぉ―」体を目一杯伸ばし

男「んじゃあ・・・行ってくるから・・・」
女「うん・・・行ってらっしゃい」
このやり取りが気恥ずかしくて脇がムズムズするのは両方感じていた

女が一人になる、ぼぉーとしてると少しずつ、少しずつだがタンスが気になる

結局男はどうしたんだろ?、別に試した訳じゃ無いし、全額持っていくのは自然な事だ、
それに全額置かれてたら置かれてたで試されてるみたいで嫌だ

色んな思いが交錯してもやはりタンスが気になる
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/02(金) 00:49:17.91 ID:cqvKrJsAO
女の手がタンスに伸びる

女(ただ見るだけ・・・見るだけ)女は自分に言い訳する

ふと考え直す、待て、もし・・・もしも全額置かれていたら
制御出来るだろうか、自分を、全部使ってしまうんじゃないか・・・女は生唾を飲む
そしたらどう言う顔で男に会えば良い?男から逃げてまた前の生活に・・・

嫌だ・・・それは嫌だ・・・、女が震える
何故かわからない恐怖が女を襲う

女「さーて、ジブリでも見よっかな」言葉に出す事で自分の関心をタンスから逃がす

ビデオ棚を漁る、適当なビデオを見る

ビデオが始まると共に猿顔の男がカジノから札束を担いで逃げるシーンが映る

女はドキッとする
神が空から自分を見て笑ってるのかとさえ思った

「駄目だ、これは・・・偽札だ・・・」
猿顔が空に札束を飛ばした
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/02(金) 01:05:38.41 ID:cqvKrJsAO
女は悩みながらビデオを見続けた・・・

しかししかしだ・・・タンスが気になる、二回目だ、業の深いのが人の営み

女「もしお金が入ってたらジブリを見続ける、もしお金が入ってなかったらジブリを見続ける・・・もし」
お経のように訳のわからない言葉を続けてる、
端から見れば滑稽な姿だ、一人でやってるんだから

女「もしジブリ・・」唇が乾く、指が伸びる、棚が開く、当たり前の事に心臓がバクバクする

開いた・・・

見ると3千円に手紙がついていた

「ごめんな、いらない気使わせてしまって」と手紙にある

女は腰が砕けて少しの間立てなくなる

女「そうだよ・・・まったく・・」と呟いた、自業自得である

心にテレビから声を聞く余裕が出来る

「奴はとんでもない物を盗んで行きました・・・あなたの心です・・・」
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/02(金) 01:13:03.20 ID:cqvKrJsAO
すみません明日早いので寝ます・・・

クオリティが低いし少ししか書けてない割に時間喰ってなど
謝る事は山ほどありますが
愚痴になるんでやめときます

金土日の間にはどうにかしたいです

83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/12/02(金) 06:42:13.86 ID:W/cyNZvao
乙〜
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/02(金) 07:24:51.28 ID:Qjg4e23SO
うむ
いいジブラーだ

ジブラーに悪い奴はいない
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/02(金) 07:28:07.72 ID:rnqE7gSDO
面白いと思って読んでるんだしそんなに気に病む事はないだろう
過度な期待は困るかもしれんが死ぬわけじゃないんだから開き直るくらいでいいんじゃないか

要するに乙
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) [sage]:2011/12/02(金) 16:54:15.26 ID:V+2onlcAO
続けてくれればそれでオッケー
エタらなければそれでオッケー
ゆっくりゆっくり続けておくれ
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/04(日) 00:41:12.59 ID:TZoM5ZnAO
女はそれからジブリを見続けていた

ある程度時間が過ぎる、あくびが出るジブリに飽きていた

面白くない訳では無いがジブリは延々と見るものじゃない

まだ男が帰ってこない、夕暮れの街に飛び出した


女「ふう・・・」やっぱり外は良い、特に夕暮れ時が一番良い

伸び始める影、下校中の部活帰り、夕飯の買い物をする主婦、
全体的に1日の終わりの準備を始める時間、それが夕暮れ時だ

適当にブラブラしてると自然と足がパチンコに赴く

女「人からもらった金をなあ・・・」女は悩む、

悩んでいるとひとつの人影がしょぼんと出てくる

ババア「あら、女ちゃんじゃない!」

なんの因果だよ
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/04(日) 00:44:50.07 ID:z54uUEODO
リアルタイムしえん
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/04(日) 01:00:17.15 ID:TZoM5ZnAO
ババア「また会ったわね〜、ちょうど暇なのよ、喫茶店でも、どう」まあパチンコにいくよりはましかと、ついていく

喫茶店に入るとパンチパーマのおばさんが「あら、ババアちゃん!久しぶりね〜まだパチンコしてんの?」
と読んでた競馬新聞をぐしゃぐしゃにしてババアに聞く

ババア「あたぼーよ」とゲラゲラと笑う、女性だった面影は二人ともなかった

ババア「んじゃあ・・・ねーレーコー(アイスコーヒー)とハムサンドお願いね」

パンチおば「あいよ!」

まあまあお洒落なロココ調な店内が大衆食堂に早変わり!
店長も草葉の影で悲しんでいるだろう

しかし主婦が多いこの喫茶店は、やかましい事この上ない
炭坑労働者集う飲み屋でさえこんなに五月蝿くは無いだろう

ババア「昨日女ちゃん面接来たじゃない?私からね、
ちゃんと七三さんに言ったおいたから大丈夫よ!」

女「あ・・ありがとうございます」

ババア「でも最近パチンコ来ないじゃない?どうしたの?」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/04(日) 01:17:26.44 ID:TZoM5ZnAO
女は何かとお世話になった?ババアだからから
事情を全て話してしまった

女「だから・・・なるべくパチンコ控えようと思って・・・」

パンチおば「そーよ、パチンコなんて辞めた方がいいわよ、ぜーんぜんもーかんないんだもん」
パンチおばさんがアイスコーヒーとサンドイッチを持って来ながら
会話に入ってくる、しかし競馬はやるんだから、あまり変わらないような気もしないでもない

ババア「あんたは黙ってなさいよ、そーねぇ、女ちゃんもヤバい所まで行ってたのねぇ、
昔のあんたそっくりじゃない」タバコをふかしてパンチおばに話しかける
女は、えっ、となる私、将来こうなるのか・・正直嫌だなあ・・

ババア「こいつパチンコのし過ぎでサラ金まで手を出しちゃってさあ・・」とゲラゲラ笑う

パンチ「もう!昔の話よ!」パンチおばは少し怒ってカウンターに戻る

91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/04(日) 01:31:00.18 ID:TZoM5ZnAO
ババア「でもそうね、女ちゃんはパチンコ止めたほうがいいわねぇ・・・」ババアは真剣に悩む、

ババア「私の場合さ、時間潰しだと思ってるから、
勝てば儲けもんだし負ければはいそれまでよ、なんだけど、まあたまに熱くなるけどさ・・・
女ちゃんの場合負けたら次もしかしたらとか考えちゃうんでしょ?」

女「はい・・・」

ババア「わかった!パチンコ屋であんた見かけて、
ヤりすぎだと思ったら私が止めてあげるわ!」とババアが大声になる

女「えっ・・・」

ババア「大丈夫よ、あのパンチおば止めたのも私なんだし、私に任せなさいよ」
パンチおばがヤレヤレとした顔を見せる
姉御肌って奴なんだろう、しかし女にはありがたい申し出だった

ストッパーは多いほうがいい、

女は悩む、監視する人間が増えるのを嫌がってる自分がいた

ババア「まあ任せときなって」ババアが話を進める

ババアの優しさが嬉しい、反面重く感じる自分の存在を隠す事はできなかった
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/04(日) 01:50:08.99 ID:TZoM5ZnAO
女はふらふらになって帰る、男はもう帰ってきていた、

女「ただいまぁ〜」

男「おかえり、元気無いじゃないか、負けたのか」男はパチンコして来たと思ってる

女は事情を話した

男「なんだ、良い人じゃないか」

女「うん・・・」女は納得するが表情はすぐれない

男「ああ、ちょっと重いんだろ?」男は女の表情を読んで気付く
女「・・・うん」すまなそうに言う

男「そうだなぁ・・・今日うってないんだし、ちょっとうってくか?」と男が立ち上がる
いつもより元気が良く行動力がある、

女「どうしたの?男は元気じゃん」

男「いや今回の場所に決まったんだ、現場紹介されて来週から、」
運送業は結構トントンびょうしに物事が進む
明日からなんてのもあるぐらいだ

女「良かったじゃん!」男が嬉しそうなのを見て女も元気になる
別に特別な事などない、人が嬉しそうなのを見てイラつくのは受験生ぐらいなのだから
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/04(日) 02:06:40.25 ID:TZoM5ZnAO
喜んでると突然電話が鳴る、

男「あ・・・これ女の受けた所じゃないか?」男が電話番号を見る

女「あっそうだ・・・はいもしもし女ですが、」 二人ともドキドキする
女はどうせ駄目何だろうなと思うよう心がける
良い知らせが来ると思って悪い知らせが来るのが辛いから

女「はい・・・はい」

七三「まあね、職員とも知り合いみたいだし、わりと早くなじむんじゃないかな
来週からよろしく頼むよ」

女「はい、ありがとうございます!」女は電話なのに頭を下げた

男の顔を見るとニヤニヤしてる、電話を切ると共に、
男が両手を上げる

男「やったな、二人同時なんて珍しい事もあるもんだ、」

女「うん・・・」女は戸惑う

男「まあ落ちるよりは受かるほうがいいし、深く考えず気楽にやろうぜ、」男は笑う
女もそうだと思い素直に喜んだ

悪い事は続く、でも良い事も続く、、

今は素直に喜ぶ事それだけしかできなかった
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) [sage]:2011/12/04(日) 02:09:39.65 ID:TZoM5ZnAO
すみません今日ももう寝ます、
ありがとうございました
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/04(日) 02:18:05.32 ID:vDGquHUIO
もちゅ
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/12/04(日) 08:12:39.52 ID:CZGMMu3Zo
乙〜
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/05(月) 00:31:15.64 ID:KArnX7BAO
次の日、女が目を覚ますと目の前にゴミ箱があった
女「あ〜・・」女は思い出す


昨日、二人の成功を祝って盛大な酒盛りをしたのだ
それはそれは盛り上がり、
ジブリの主題歌に合わせて歌ったり
どれだけ自分がこれから頑張るかを張り合ったり
しまいには相撲にまで発展していた

男「んじゃあ俺便所・・・」と言ってから
全然出て来ない、自分も吐き気を催してきたのにだ

女「お〜い・・・出ろ!出ろって」と叫んでも出てこない

女は寒気がする「大丈夫?警察よぼうか?」
まさか・・・もしかして、トイレの小窓からサイコ野郎が入りこんで
男の首を切り刻み声を出せないようにしたのかも・・・

女「男〜っ男!」ボロボロ
女はきっとそうだと思い泣く
しかしそれなら次は自分の番だ

それは、駄目だ、死ぬわけには行かない、そんな事になれば
ウサギ達のトイレの世話は誰がする、七三やババアが路頭に迷う、それにそれに、

誰が動物園の鷹の代わりに大空を飛ぶんだ!
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/05(月) 00:42:52.48 ID:KArnX7BAO
頭はクラクラするが迷ってる場合ではない、もう目の前までサイコ野郎は迫ってる、
電話などしてる場合ではない、どうする、どうすれば、

そうだ、バリケードだ、机とゴミ箱をバリケードに使おう、それで玄関は大丈夫だから
よろつく足で机を運ぶ

トイレを見ると涙がこぼれた

女「男、あんたの墓は私が作ってあげる・・・」
そうだ、ウサギ達の隣がいい、きっと天国に行ける、
いくらダメな男でも聖獣ウサギの力があれば地獄に落ちる事はないのだ

涙を拭いやっとの思いで机を運ぶ、次はゴミ箱だ、

その前に運動してグラグラする頭を正常に戻すために一度吐こう
重量アップにもつながる合理的な行為だ

女はゴミ箱に頭を突っ込む

それからの意識は無い
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/05(月) 01:00:25.70 ID:KArnX7BAO
女は恥ずかしくなりパッと抱いていたゴミ箱を離す

そういえば男はどうしたんだろ?

トイレを見ると
ソロソロとバレないようにトイレから出る男がいた

どうやらトイレに入ったまま寝てしまったらしい

男「あっ!なんだ・・・どうしたんだ・・・これは・・・」
玄関には机があり、ゴミ箱があり、女がいる、どんな状況だろう・・・
ジブリにもない風景だ

男は一生懸命記憶を呼び戻す、昨日なにがあったんだ・・・
もしかしたら俺は昨日取り返しのつかない事を、しかしどう取り返しのつかないのか
玄関とゴミ箱と机と女でどうやって取り返しがつかない事が出来るんだろう・・・

女「ごめんね・・・」女は反省する

男「えっと・・・うん」良かった、俺のせいじゃなかったらしい
しかし女は何をしてたんだろう玄関と机とゴミ箱で

女がゴミ箱を運ぶ
次に机を運ぼうとするが重くて持ち上げられない
じっと男を見る
男「えっと・・・手伝うよ・・・」

男は机の端を掴んだ
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/05(月) 01:17:40.18 ID:KArnX7BAO
やっとの思いで部屋を片付けた

元々あまり綺麗な部屋では無いが流石に空き缶やゴミが散乱し過ぎていたので
いい機会だった
女「あー頭がグラグラするー」気持ち悪そうに頭を抱える

朝飯はご飯とキュウリの塩もみ、キュウリを切るのが面倒だったが
卵やらのコッテリしたタンパク質をとりたくなかった

男「けっこう楽しかったと思う、またやろう」といたく感動していた、
男は深酒をしたことが今までなかったのだ、
男の頭の中に何か良く分からないけど楽しかった思い出とすこしの眩暈だけが残っていた

女は今は気分が悪いので同意しかねると黙っていた

女は今日の所はじっくり休みたかったが
ふとそうは行かないと思い出した

女「あっもう一つの面接にキャンセルの電話いれないと・・・」とため息をもらす

男は案外律儀なんだなぁと関心していた
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/05(月) 01:34:42.33 ID:KArnX7BAO
女「はい・・・はい・・・すみませんこちらの勝手な事情で・・・」と言い電話を切ると共に寝転ぶ

しかし女は止まらない
なんと来週の準備もしておくと言い出したのだ
男もムチャすんなよと心配になる

女は土日は仕事などを完全に忘れたいタイプなので
今日この作業を済まさないと来週に響くらしい
女は気づいていないが少し酔いが残ってるのも理由の一つだ

時間を確認し、荷物を詰める、一つ作業が終わるたびに、仕事へのやる気が削がれていく
リュックに荷物を詰め遠足を待つ少年達の全くの正反対の位置に女はいた

良かった・・・今日しといて・・・もし土日なら、確実に初日に影響を及ぼしていた・・・
とグラグラする頭で思う女であった


男も準備をしていたが早いもんで、大抵の運送業は準備物が似ている
カッターと安全靴と棉パンとペンそれだけをカバンに詰めていた

女も同じようなもんだが確実に男の方が早く済んでいた
気持ちの問題である
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/05(月) 01:38:23.86 ID:KArnX7BAO
今日はもう寝ますありがとうございました
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 08:11:21.00 ID:wEpHMSsSO
なんかリアル過ぎて見たくなくなるけど、結局気になって見てしまう不思議

104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 09:31:49.00 ID:nlIBvUHDO
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/07(水) 01:34:21.31 ID:n58g6i8AO
そしてその日は二日酔いもあってあっという間に過ぎた

そして土曜日だ
その土曜日は二人にとって特別に感じる土曜日だった

そうプー太郎生活最後の土曜日だからだ
女は朝早くから目覚めていた
体が今日自由を謳歌せよと叫んでいたからだ

嫌だったプー太郎生活しかし今思えば名残惜しきプー太郎生活

卒業アルバムに載っていそうなセリフが脳裏をよぎる

男も同じ気持ちだった

二人は朝ご飯を何か普通ではないご飯にして土曜日を朝から楽しもうと考える

一秒も無駄には出来ない緊張感が二人にはあった

早速ジブリをつける、食事をしながらジブリを堪能する準備を整える

漬け物を切り、サバ管を開け醤油をかける、そして米をつぐ

あっという間に朝食の完成だ

黙々と食べる、一秒も無駄にしてはならない、その言葉が本能的に聞こえている
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/07(水) 01:50:23.51 ID:n58g6i8AO
男「・・・今日が最後の土曜日だ・・・」自分に言い聞かせるように呟いたが、女にも聞こえていた

女の全身の筋肉に緊張が走る
頭の悪い二人である、別に働いてても日曜日はくるだろう
そんな当たり前の事でさえ気づかないほどに緊張していた
月月火水木金金、の軍歌が聞こえてきそうな勢いだ

朝食を食べ終えてジブリを消す
朝食は味わって無いしジブリは観てない
本末転倒な気もするが二人はこの出だしに満足していた

二人はさっと街に繰り出す

何か素晴らしい物を、このプー太郎生活の集大成を
飾るにふさわしい素晴らしい物を・・・

本屋、CDショップ、映画館、パチンコ、喫茶店、百貨店
全てが目移りする

急がねば急がねば、その気持ちが何一つ決断をさせない

ペラペラめくっただけで良い本なんて分からない、30秒の試聴でいい曲なんて分からない
自称パチプロじゃないから良い台なんて分からない、珈琲通じゃないから良い喫茶店なんて、

だから百貨店で服を見ていた
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西・北陸) :2011/12/07(水) 02:04:59.85 ID:n58g6i8AO
服を見ていると突然申し訳ない気持ちになる
女(こんな所に私なんて・・・)
大〇百貨店そこには有名ブランドの服が立ち並ぶ

服を見ていると店員が話し掛けてくる並みの精神なら十秒ももたない

男「ねーちゃん、じっくり見させてくれや」男は精神がおかしい
男「なんかパッツンパッツンしてんな〜」男は高級の2万もするブラウスを試着して言う
男は精神がおかしい

店員「これはパリコレにも出展した服でして」カッコ良くピシッとスーツを決めた男が言う

男「俺モデルじゃないから似合わないのかな?」
男が襟首を指でなぞる、男は何も買わないででるを繰り返す
男は精神がおかしい

女「も・・・もう行きましょ!」女はいたたまれない気持ちでいっぱいになり促す

男「・・・ごめん・・・女物の服を見るの忘れてたな・・・」

女「えっ・・」
女は百貨店の視線に耐えられなくて出たいのに・・・
108 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/10(土) 01:55:15.87 ID:1MAkCS9AO
男に半ば無理やり女性服売り場に連れていかれた

女(どうせ買えないしなあ・・・)視線が自然とふせがちになる

男「好きな服あったら試着できるよ・・」男は厚かましさがあるが
女はそこまで厚かましくなれなかった

チラチラと見ていく
うん可愛い、うん可愛い、高級ブランドからマイナーブランドまでいろんなブランドが揃ってる

ただ一万や二万する服があるがそのような価値ある服に見えなかった


男は色々勧めてくれたが結局なに一つ試着しないまま
大〇を出た

男「女は痩せてるからなんでも似合うのになぁ」と中肉中背の男はしぶる

結局土曜日は過ぎてしまった
109 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/10(土) 02:06:36.86 ID:1MAkCS9AO
日曜日二人は悟りを開く
結局、なんも出来ないし疲れるし

寝てようとゴロゴロしていた
しかしジブリも殆ど見終わっていた

この部屋には極端に娯楽が少ない
なんだこの男は、聖人なのか、死体なのか、
どっちでも無い生きながらに死んでいるのだ、
飯食って仕事いって飯食ってマスかいて寝るだけ
だから派遣の一人暮らしなのに貯金だけはある程度あった

しかし一週間でバイト代をすってんてんにした経験ある女は退屈で退屈で仕方がなかった

女「ねえ、パチンコかどこか行きたい」女が転がってる動物図鑑のサルのページを見ながら言う

男「そうだな、久しぶりにパチンコ行くかな」

久しぶり、そうだ3日ぶりのパチンコだった

以前の自分では考えられない事だった

ああ、成長してるんだなと女は改めて自分に感心した
110 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/10(土) 02:23:00.40 ID:1MAkCS9AO
久しぶりの轟音、玉のぶつかり合う音、大音量の音楽、
リーチのマシンからの声、「〇〇番様〜大当たりです〜」のナレーション

懐かしさを覚える

女「んじゃあ!私あっちのほうで打つから!」女が耳元で叫ぶ

男「おお!今日は!お祝いに5千円な!」と男も叫ぶ

女はパチンコに向かう

台を選んで打ち始めた

その間暇な男は休憩室に備えられてる漫画雑誌を読みだした

ある程度したら暖房の暖かさで男は眠ってしまっていた
ふと目が覚める
男「はっ!今何時だ!」時計をみると5時、パチンコ屋に来て
五時間立っていた

女を探そうと席を立とうとすると

「ちょっと・・」と女の声と共に肩を叩かれる

女は自分の隣に座っていたのだ

男「あ・・あれ?なんで終わったの?」女がうなずく

男「なんだ、起こしてくれたら良かったのに」という

女「気持ちよさそうに寝てたから」
「えっ・・・あっ」男の顔が真っ赤になる

今日はある程度勝ったから途中で切り上げたらしい
が真っ赤になった男の耳にそんな言葉は聞こえなかった
111 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/10(土) 02:40:43.65 ID:1MAkCS9AO
帰ってご飯を食べる
今日は肉を焼いただけの原始的な物を食べる
女が焼いたから六割生焼けだ
男は女がぜんっぜん料理不可能なのを忘れていた
生肉モリモリ原始のパワーが漲る
男は心の中でギャートルズ並みのギャーを叫んでいた
ちょっと下痢にもなる


ついに明日から仕事が始まるのか・・・

二人とも複雑な心境だった

男は下痢気味のウンコを紙でふきとりながら考えていた
男(なんで女は下痢にならないんだろ?)と
当たり前だ、鍛え方が違うのだ
昔、男が市販の綺麗なポテチをこぼしながら食ってる間も
女は近所の駄菓子屋で食品添加物合成着色料モリモリの
「駄」菓子を落としても12秒ルールで食べて
胃袋は細菌、科学兵器と戦い続けて、戦国の世をかける猛者になっているのだ

女(男ってお腹弱いのかな?)
女はケロッとしていた

下痢が完全に収まるとお尻のベトベト感が気になる

男「風呂いこう、風呂」
112 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/10(土) 02:58:48.45 ID:1MAkCS9AO
風呂から帰ると

頭が火照って明日への不安が消える
女「あ〜」と布団を出し潜り込む

女はそのまま眠ってしまった

しかし男は重大な事に気付いた

男(これ、女の布団だ)
そう女がかぶってるのは男の布団

男が横になっているのは女の布団だった
女性独特の臭いような病みつきになるような匂いが布団に蔓延している

男の男性器がムクムクといきり立って痛む
男(ああ一週間オナってないや)と冷静に受け止める

しかし何時もと違う生の女の匂いがプンプンと香る布団の中にいるのだ

男(・・・・)忘れていた感情が沸き立ってくる

女「ううん・・・」女がひょっこり布団から顔を出す
唇は濡れていた

男(そうだ・・・初めてAVをみたのは13歳だったっけ)親のAVを見た時の事を思い出す

あの時の好奇心と性欲、性欲?

男の手が男性器に伸びる

待て・・・待て・・・

男(これは、女の布団だ汚してはいけない)竿を握りしめる手を胸におき、性欲を思い出す
113 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/10(土) 03:15:27.10 ID:1MAkCS9AO
 男にとって作業だったマスかきがオナニーに変貌を遂げようとしていた

男は女の顔を見つめる
初めは胸、唇しか見えなかった襲いたい気持ちを抑えじっくり見てると
月明かりが差して全身が見えた
男(汚してはいけないんだ、気持ちも体め必ず汚さない)
男にとって女は一つの宗教だった

頭を打ちつけたける気持ちを抑え眠りについた

しかし男がじっくり見てた辺りから実は女は起きていた

女も布団の匂いで目が覚めたのだ
男の臭い臭い腋臭でである

女(男も男性なんだ・・・って当たり前か・・・)女は少し異性である事を忘れていた

女はもぞもぞとトイレに行くと見せかけて動きだす

女「・・・起きてる?」反応が全くない、男は完全に熟睡していた

女「いつもありがとう・・」男の頬に柔らかく口づけをする

女はそのまま自分の布団に潜り込んだ寝た
114 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/10(土) 11:31:32.55 ID:BhtgzB8fo
2人とも可愛いな
115 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/10(土) 12:01:19.01 ID:Y5V0OxJDO
妙な雰囲気の話だな
116 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 07:26:28.08 ID:74pD4sLYo
おもしろいからゆっくりでもいい
最後までかきあげてくれ
117 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/14(水) 01:07:39.88 ID:Vs4hXIKAO
朝、男は駆け出した、公衆便所で[田島「チ○コ破裂するっ!」]するために、だ

ドアを開けるとホームレスが寝ていた

ホームレス「ああ、兄ちゃん、ひとんちに土足で・・」男は勢いよくドアを閉じる

ちくしょう、安らげる場所はこの世にないのか・・・

3つめにようやくまともな公衆便所を見つけた、朝のラジオ体操以外は

男はしごく、無心で、しかし耳障りな、あ〜たらし〜い朝がきた〜

男「ちくしょう、ちくしょう・・・」しごくしごく・・

希望のあさだ〜

負けるもんか、この世でラジオ体操の歌以上に萎えるものオヤジの汗ぐらいだ、

だが負けないしごく、出ろ、息子、出ろ、
男は汗だくだったしかし 止める訳に行かない

出ろ! 出た!出たぞ!やった、
男には快楽よりも達成感が満ちていた
ラジオ体操〜終わり〜

女「おはよう、今日は早いね、」

男「仕事始めだからなジョギングしてきたのさ」男は爽やかな笑顔を見せる

女は何故か鳥肌がたった
118 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/14(水) 01:24:12.02 ID:Vs4hXIKAO
今日から二人とも仕事だった

しかし先日悩み抜いたおかげで
気持ちは思ったより落ち着いている
仕事なんて始まってしまえば楽なもんだ
要は慣れ、慣れなきゃあってないだけ
という、身も蓋もない結論にいたっていた

案外楽に見つかったのも理由の一つだ

今日のご飯は魚だ、なんと缶詰めじゃない焼き魚だ

男「魚を焼くって簡単だなぁ、油をしかなくていいから」
男の素晴らしい火加減によって、なかなか黒く焼けた

魚の賢くなるパワーで少し賢くなったような気がした

女「男は火加減が上手いよ、料理人でも通用するよ多分」そんな事を真面目に言う女は
真剣に料理を学ぶ人達にごめんなさいしないといけないだろう

男「そうだな、食堂なら600円は取るもんなあ、料理屋なろっかな」焦げた皮を箸でよけながら男は呟く

さて、さてと、仕事だ仕事
詰めたリュックを背負って出るだけにしてある

男がタバコを消す

男「んじゃあ、行くか!」

女「しっかり稼いでこよう!」
そうモチベーションを上げて飛び出した
太陽に向かってではない、地下鉄に向かってである
119 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/14(水) 01:42:44.96 ID:Vs4hXIKAO
女が学校もとい仕事場に着くとパチンコ屋とは違う動物園に近い
騒音を放っていた

学生達だ、多分昭和初期生まれのおじいちゃんが見たら
竹刀を持って軍国教育復活を叫ぶ事請け合いの場所だ

女「すみませ〜ん、今日から掃除婦としてお世話になる女です」叫ぶ。叫ばないと聞こえない

受付「あら、久しぶりね、それなら前面接した部屋で七三さんが待ってるわよ、」叫ぶ

用務員室に行くと七三が待っていた

七三「おはようございます、今日からして貰う仕事はですね、
トイレットペーパーとかの備品補充と廊下清掃、ゴミだし等です
詳しい話わね、ババアさんに聞くとして
今日からよろしくお願いしますね、」七三は頭を下げると忙しそうに部屋を出た

ババア「は〜いおはよ〜女ちゃん、んじゃあ、この服着て〜」ババアに服を渡される

仕事着だからダサいもへったくれもないがダサい
三角布巾がいかにも掃除婦な、感じだ

訳がわからない女に台車とモップが渡される

ババア「んじゃあ、動物園案内の始まり始まり〜」ババアはモップを旗みたいにパタパタさせて
女をいざなう
120 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/14(水) 02:02:32.54 ID:Vs4hXIKAO
ババアがいざなう途中に教室が見える

マネキンと先生とミシンがあって 真面目にやってそうに見えるが
よくみると友達と話して笑ってたり、彼女とイチャイチャしたり、果ては寝てるやつまでいる
ワッと騒いで笑いをとるバカまでいるんだから嫌になる
真面目な奴なんてほんの一握り、しかも隔離して育てていた

ババア「こんな学校でもニートにするよりはマシなのかねぇ・・・」ババアがため息をつく

女「はあ・・・」女はバカクラスでため息をついてる子に目がいっていた

ババア「ほらついたよ」トイレに到着する

女「トイレですか・・・」中に入ると驚愕の光景が広がっていた
汚ねぇ・・・ゲロ以下に汚ねぇ、インドぐらい汚ねぇ 、
トイレに散らばるタバコ、高校じゃないのに、ティッシュ
お菓子の包み紙、ワックスの匂い、落書きも

ババア「授業終わる前にこれを捨てて、サッと拭いてしまって、
そんでトイレットペーパーを確認、補充それだけ!」とババアが手を叩く

女がキョトンとしてると
ババア「ほれ、早く早く、学生が集まると面倒だよ、トイレはここだけじゃないしね」ババアが男子トイレのゴミをがさっと集める

ババア「女ちゃんは女子トイレお願い!」
121 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/14(水) 02:15:17.04 ID:Vs4hXIKAO
女が女子トイレを見た瞬間叫んだ

女「ぎゃあ!」
凄い、インドよりヤバい、マジヤバい、ホームレスでも吐く、こんな幼稚な表現になるぐらいヤバい
ババア「凄いでしょ?女の子って凄いでしょう?私も初めての時には泣いたわ、
でも頑張って!洗礼だと思って頑張って!」
女はトングで泣きながら血まみれのウジがついたナプキンをつかみ
ゴミ袋に入れる

すぅ〜と酸っぱい匂いが・・・
女「ぉええ・・・ゲロゲロゲロ・・」吐き出してしまった
もう泣いている
女「涙が・・・涙が止まらない!」
目を半分閉じて鼻を押さえてやっとの思いで女子トイレを終わらせる

男子トイレをとっくの昔に終わらせたババアがポンポンと肩を叩く
ババア「よく頑張った、よく頑張った、はい次〜」女は思わず吉本ばりにずっこける

地獄はこれからである
122 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/14(水) 02:38:00.92 ID:Vs4hXIKAO
トイレは6カ所あり後の女子トイレはババアがやってくれた、

ババア「昔は二カ所はやらしてたんだけどすぐに辞めちゃってさあ」
ババアが用務員室でタバコをふかす、
授業中と放課後の少しの時間以外つまり学生達の休憩時間は
掃除婦の休憩時間だ、それに日給で休憩時間分給料引かれない
人付き合いも薄いアルバイトだが割りの良い仕事なのに人が来ない訳だ

女「・・・・・」女は放心していた、動物園のどの動物のコーナーよりも汚かったからだ

ババア「まあ慣れよ、慣れ、へこたれず頑張ろうぜ!」
ババアは女の肩を揉み口に吸いかけのタバコを入れる

女「はい・・・」女は煙を吐く、

元気が出るか否かで、無情にもチャイムがなる

ババア「よし、行くぜ!」ババアがギュッと三角布巾をしめる

トイレに着く
女「はあ?!」女は思わず今まで出したことのない声をあげる
汚い・・・なんで・・・つい10分前に綺麗にした所なのに・・・
ババア「フフンすげぇっしょ?」とババアがまた一連の動作を繰り返す

ウサギのトイレの方が綺麗だったなあ、と女は思い出していた
123 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/14(水) 02:57:42.85 ID:Vs4hXIKAO
放課後、女は教室を掃除していた
ババアともしてたが最初の2つ終わった当たりで
一人でも大丈夫だと言われて
一人教室を掃除していた
この学校も昔は生徒にやらしていた
しかし、サボリの多さから衛生問題に発展し、病気になる生徒が出た時に
ついに校長が重い腰を上げたのだ
あまりに情けない理由である、だから公表しない

女「ふう、ふう・・・」
濡れた雑巾で机を拭く

女(懐かしいなあ・・・学校を思い出すなあ)汗を拭う

夕暮れ時どんどん薄暗くなる教室、
窓ガラスから下を見ると幼い自分が見えた気がした

幼い自分はウサギ小屋を掃除している
女「今の自分を見たらどう思う?」女は呟く
幼い自分は泥んこになって笑いかけてきた
それを女は笑顔で返した
途端に目の前の光景がビル群に変わる

女「そうだね、うん・・・うん・・」

女はゴミ袋を持って教室を出た
124 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 03:13:09.81 ID:VbdN0BQR0
ババア最強すぎるだろ・・・・
あんなの無理やで
125 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 03:16:49.90 ID:ZxP/9mB6o
女子校でもそこまで汚なくなんねーよ
こまめに掃除してるのにうじとかありえんだろ
126 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/14(水) 03:18:41.88 ID:Vs4hXIKAO
もうどっぷり日が暮れた時に仕事は終わった
するとどこからともなく七三が現れる
七三「女さん、今日はお疲れ様です、だいたいの1日の流れは掴めましたか?」

女「はい・・・なんとか・・ババアさんのおかげで」

七三「それは良かった、それではまた明日、あ、それとタイムカードできたらお渡しいたしますので、それでは・・・」

帰り道で肩から荷物がおりたみたいに楽になる

女「ふぅ〜」自然とため息がでる

ババア「おっつかれさん!今日は初めてのわりに良かったわよ、んじゃあ女ちゃんまた明日、」ババアが手を振る

女「はい!また明日、」それに合わせて手を振る
一人になるともっと肩の荷がおりた


電車に乗る、ビル、ビル、街、ビル、家、がどんどん通り過ぎて行く
このままどこかに行きたい、そう少し考えたが
今日は疲れてるから帰ろう、とも思った

家に帰ると一人だった、電気を点けるのがなんとも寂しい

疲れて疲れて横になる、少し部屋を物色すると写真が出てきた

127 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/14(水) 03:28:09.31 ID:Vs4hXIKAO
男の家族写真だ、男は小さい頃は無邪気に笑っていた、
しかし年を取るにつれてどんどん笑顔が消えていっていた
そしてカメラと違う視線を向いてる写真が目立つようになると
女は後ろに何か書かれてるのに気付く

「家族に気付かないマヌケな自分の図、親に気付かない頭の悪い自分の図、
お父さんごめんなさいお母さんごめんなさい
お父さんごめんなさいお母さんごめんなさい
お父さんごめんなさいお母さんごめんなさい
お父さんごめんなさいお母さんごめんなさい
お父さんごめんなさいお母さんごめんなさい」

女「ひっ」写真を放り投げると何枚もそう言う写真があった

そういう写真の男は笑っていない写真だった

後悔しても仕方がない事だ、でも後悔してしまう事、
なんであの時、なんで・・・のタイプだ

女は考える、私と会ってから男は笑った事がいや、私と会う前から男は笑った事があったのだろうか?
128 :>>125そうですね・・・すみませんただホテルバイトしてた時に血まみれタンポンを見て感で書いただけです :2011/12/14(水) 03:54:23.71 ID:Vs4hXIKAO
ガチャ、鍵が開くと共に女の心臓が飛び出しそうになる
さーと写真を片付けて

女「お・・お・・おかえり!」女は慌てて言う

男がパァと明るくなり、笑顔がこぼれる

男「ただいま・・・ただいま」
あっ、笑った、簡単に笑った、

女はふぅーと笑みがこぼれる
男「仕事・・・どうだった?」

女「ん〜慣れたら簡単そうだったどうにか続けていけそう、男は?」

男「前とあんまり変わらんからいい、周りも悪くないしすぐ慣れそう」

二人は一段落つくとお腹がすいてるのに気付く
今日の晩飯は袋麺、カップ麺じゃないのがミソである

片付け損なった写真が一枚男の足元にある
男が拾う女は心臓が飛び出す

男「ああ・・・これか・・・みたの?」

女「あ・・・あの・・・その・・・ごめんなさい・・」

男「いいよ、女が悪いんじゃないよ、これは、
全部あの頃の俺が悪かったんだし、今もか、とにかく俺が悪いんだよ
そうなんだよ、俺が悪いんだよ」と笑った

女は違う!って叫びたかった、でもなにもいい返せずに押し黙ってしまった

男の笑顔に闇がかなり深い所にいきついているのが
見えたのだった
129 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/14(水) 03:58:18.03 ID:Vs4hXIKAO
今日はもう寝ます・・・
ババア最強にするつもりなかったのに・・・
スーパーマン一人いると書き安いからつい甘えてしまって・・・
130 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 06:55:50.00 ID:bUYVc9RQo
乙〜
131 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 10:22:48.01 ID:xsfA7O/SO
ババア無双カッケェ

今度から掃除してるおばちゃん達に感謝しないと
132 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 13:37:14.35 ID:y80WHdwAO
大学とか専門学校のトイレ掃除ペースは2〜4日のところが多いから蛆が沸くこともあり得なくはないぞ
実際蛆付きのトイレットペーパー片付けたことがある
133 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/16(金) 02:14:02.77 ID:7ylUG7qAO
寝る前の布団のなかで

男「・・・・・」

女「・・・・あのさ・・・・」

男「なに?」
女「・・ご両親の話なん・・・だけどさ」

男「なんだ?」明らかに男の声が違う、ドスの聞いた声になる
女「・・・ううん・・なんでもない・・・」女はビクッとして布団に潜った

これ以上深入りするのは野暮なのかな?・・・他人だもんね・・・
女は頭のなかで言い訳をする
次の日もバイトだしなにも考えたくなかったのもある

その日からある意味ありきたりな毎日を送り続けた

昨日のような今日、夢かうつつか分からないリアリティ、
悪夢なのか、それともそれこそが天国なのか
分からない現実が続いた

それでも初めての給料日には現実感が少し戻ってきた

女「あっ入ってる・・・」10万そこらの金が通帳に入っていた

男に5万は預かってて欲しいと頼むと拒んだ

男「いいよ別に、そんなつもりじゃないし、好きな事に使えばいいよ」と笑う

女「いや、だから頼んでるの、私だけだと水みたいに使っちゃうかも知れないから・・・」そう言うと男は
それじゃあと受け取った
そのお金はいつもの金より重かったような気がした
134 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/16(金) 02:36:49.71 ID:7ylUG7qAO
何ヶ月かたった
男は性欲が蘇って以来よく本を読むようになった
特に官能小説が山のようにある

あまりに堂々と本棚に並んでいるので
女も気にしなくなっていた

男「なるほど、このパターンか・・・」と読みかけの官能小説を投げる
男「ありがちだな、これより先は読む価値がないな」と男が呟くわきで
パチンコ屋に向かう準備をする女

女はもう一人でパチンコ屋に行けるもん!
一人でできるもん!

女「んじゃあ行ってきまーす」と慣れた手つきでパチンコ屋に向かう

本当の事を言うとパチンコも作業のような感覚が最近してきてる

仕事は作業、趣味は作業、
もうすぐこの生活も作業になるような
不安がお互いの胸の奥でざわめいていた

女「・・・・・」

男「・・・・・」

お互いを尊重しお互いの胸の奥はしまったままでの生活
本当の男と本当の女にはその「尊重」の扉を開かねば出会えはしない

しかし

怖い、相手の扉をこじ開けて土足で踏みにじってしまうのではないかと

時間も溶かし切れない「尊重」の扉を開くには
相手を受け止めきる勇気がいる

その勇気がお互いになかった
135 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 01:19:10.49 ID:+0AM+QuX0
136 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/18(日) 23:26:09.44 ID:vdetlcYAO
男「んっありがとう」

女が男のほつれたボタンを縫ってあげた
バイトで服飾学校に行ってる間に自然と覚えたのだ

暇そうな女の子達に教わったのだ

男「凄いな、買った時より綺麗に縫えてるんじゃないかな?」

女「こんなの誰でもできるよ」しかし褒められて少し気が良くなった

女「今日は私がご飯作るよ」

男「お・・・おう」男はあからさまに嫌な顔はできなかった

生キャラメルや生チョコなど生が今流行っているが生チャーハンは流行らないだろう

しかし料理の面でパンクな女は作ったのだ

男「う・・・うまいよ」苦笑いだが女は気づかない

男「き・・・今日パチンコ早かったね・・・」

女「最近パチンコ飽きたんだ」女がタバコに火をつける

男「そ・・そうなんだ・・・」男は気まずくなる

なんか共通の話題・・なんか・・

女「ご・・・ごめん、なんか・・・」女は気まずさに気付く

男「い・・いや・・さて寝よう!」話題を無理やり変えた

最近夜が長く感じるようになった
137 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/18(日) 23:46:24.69 ID:vdetlcYAO
男は寝ながら感じていた
なにかが湧いてきては潰れるような

男父「お前は医師になるべく産まれたんだ」

男母「見て外のあの人達汚いわね、あんな風になっちゃ駄目よ」
頭のなかで両親の声がリピートする
男「ううん、どうしたらいいんだ、ああ」

女「どうしたの?」女が飛び起きる

男「ごめん・・なんでもないんだ、なんでも・・・」男は汗だくな顔をぬぐう

女「・・・これから・・・どうしよう・・」女はふと将来が心配になった

男「普通だよ・・・飯くってバイト行って寝るだけ」男は少し素になっていた

少し不満あり気な言い方だった

女「・・・そう・・・だよね」女の声が寂しげになったのはわかっていた

男(そうだけど・・そうだけどさ・・・おれになにができるんだよ・・・) 男は布団をかぶった
138 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/19(月) 00:10:06.54 ID:fhCZ+9eAO
それでも生活は続く、

女はバイトに慣れて今じゃババアと別れて作業ができる

女「なんでこんな所にタンポン隠すんだよ」女はぶつくさ言いながら作業する

ふとトイレの鏡を見るが
すぐ目を伏せた今の自分を見たくなかった

女は清掃してる自分が好きじゃなかった
女「はあ・・・」廊下で台車を運んでいると

?「すみませ〜ん」派手な真っ赤なスカートに真っ白いワイシャツを着た綺麗な女が話かけてきた

女「えっ・・私ですか・・・はい?」本当にこんな美人が自分に話かけてきたのかと戸惑った

真っ赤「はい、遅れて来た上に迷ってしまって、フフ
あの私達迷ってしまって、受付に行きたいんですが」
ちらっと後ろを見ると外国人のオバさんがリンと立っていた
キツネの毛皮のコートが良く似合っている

女「えっ・・・えっとですね・・あの・・
そこを左に曲がってそこにある階段を下りたら
正面玄関がございましてあの・・・その・・・」
あまりに真っ赤なスカートを履いた美人と外国人のオバさんが
真剣な目で見つめてくるから戸惑って言葉が出ない

真っ赤「左に曲がって正面玄関に行けばいいんですね、良かったありがとうございます」美人が女の手を握りしめる

外国人「サンクス」と手をふる

女は立ち去る二人を見つめていた、

139 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/19(月) 00:28:55.60 ID:fhCZ+9eAO
女(すごく・・・オシャレ・・)とうっとりする
すると外国人と美人は左に曲がるべき所を直進しだした!

女「あ・・・あの、ちょっと!」思わず叫んだ

女「そこ左・・左ですよ!」

真っ赤「あら、ごめんなさい、私達方向音痴で・・ホホホ」とハンカチで汗を拭いながら左に曲がる

女は心配になり後ろから追いかけると
案の定美人と外国人のオバさんは階段を無視して直進していた

女「その階段です!」女は思わず叫ぶと

外国人のオバさんが口を開く何か怒ってるみたいだ
美人がヒラ謝りしている
美人がこっちを向く
美人「あ・・・あのよろしければ案内していただけないでしょうか?」と汗をぬぐう
女「は・・・はい」と頷く

美人「良かった、ああ私どもはシルクロードと言う服のメーカーのものでして
こちらが私どもの社長の外国人です、
今回こちらの生徒にご指導くださいと親交のふかい校長さんから話があって
こちらにきたのですが
ほら、この学校って複雑でしょ、迷ってしまって」美人は言い訳がましい

女「は・・はあ、」女は頷く

女が後ろを振り返ると外国人のオバさんと目があった
オバさんはニコッと笑いかける
それを女は思わずさっと目をそらした
140 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 09:27:44.00 ID:KxEeLilDO
続きが気になる
141 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/22(木) 01:35:50.99 ID:wCCNBGjAO
外国人のオバさんはもう年も40越えている、
しかし体中からみなぎる若い感覚と品格は誰しもが目を止める存在だ
そんな人間と目があえば大抵の人間は目をそらしてしまうだろう

あまりに失礼な態度だったと女は思う

手に力を入れてまた後ろを振り返る
また目があい外国人のオバさんはニコッと笑いかけた

ドキッとしてまた目線を外す
外国人のオバさんは不思議そうな顔をする
女(ああ!絶対変な奴だと思われてる)
女は後悔し、緊張している

短いような長いような時間が過ぎ、やっと事務室につく

受付「あっ!お待ちしておりました、良かった何かあったのかと・・・
学生の皆さんもう待ってますので
すみませんが少し急ぎますよ」

美人「すみません、すみません」ペコペコ謝る

女は美人と外国人にお礼を言われる、

二人と別れた時、何か言わないとという気持ちにかられる

女「あ・・・あの!」
二人が振り返る、目線は女だ

女「あ、あ、」

受付「女さん!後にして!急いでるの!」
受付を外国人が手で制し女をじっと見つける


美人「なんでしょう」と笑いかける

女「な、なんていうか、その、綺麗です!とっっても綺麗です!」女は泣き出してしまう
142 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/22(木) 01:44:35.81 ID:wCCNBGjAO
これがさっきから女が言いたくて言いたくて仕方がなかったことだった

美人から翻訳を受けた外国人のオバさんが女に言う

外国人「あなたもとっっても綺麗よ!ついでに聞いていかない?」と

そのまま後ろを振り返って手を振りながら公会堂へ向かう

美人は女を気にしながらも後を追って行く
女「か・・・格好いい・・・」女が立ちすくんでいた
途端に我にかえる
女「仕事、仕事」急いで次のトイレに向かう
143 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/22(木) 02:05:52.72 ID:wCCNBGjAO
公会堂では生徒達がガヤガヤと喚いていた

あまりに長い待ち時間にしびれを切らして
会話、会話で昼下がりの繁華街のように五月蝿くなっていた

先生「皆さん、静かにしてください!
これからシルクロード社長外国人様の
講演会を開始いたします!」
それでも会話はやまない、収集がつかなくなっていた
生徒a「なにそのメーカー」生徒b「知らねー」
先生「シルクロード社長外国人様は、×〇中等学校卒業後19〇〇年〇〇服店をフランスの××にて開店
その内に当時のシャネ〇社長〇×・シャネ×様に才能を見いだされ
シャネ〇のデザイン部門に入社、
幾多の素晴らしい作品を発表しデザイン部門の主任になり、
長年勤めた後に20〇×年独立されシルクロード第1店をオープン
世界中で多大な支持を受け今年、日本進出なされました、どうぞ!」

その紹介を聞き生徒達が黙る 天下のシャネ〇の元主任がやって来たのだ

それ以上にその存在感に圧倒されていた
思わず息を呑む

それから基本的な技術指導やら現代の服飾やら自分のポリシーを
美人の通訳を介してずっと教えていた

144 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/22(木) 02:16:13.58 ID:wCCNBGjAO
所変わって用務員室
ババア「いやー今日はクソガキ共がいなくて楽だね〜外国人様々だよ」と手をパンパン叩き拝む

ババア「毎日やってくれたらいいのにね、女ちゃん、女ちゃん?」

女(あの人、凄いなあ、あんな風になれたらなあ)ポー・・・

ババア「おーい・・・」

女「へ、へえ、はいはい!休憩終わりですか?!」慌ててお茶をこぼしてしまう

女「あ、ああ!今片付けますね!」あたふたして雑巾をつかむ

ババア「女ちゃん、今日変だぞ、恋する乙女か?なんちゃって、ハハハ」

女「そんなんじゃないですよ、ハハハ」雑巾をその場で絞りまた床が水浸しになる

女「あ・・・」

ババア「・・・本当に変だわ・・・」
145 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 06:05:49.66 ID:hbEBasqI0
女ペロペロ
146 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/25(日) 20:57:23.82 ID:9xdoHD6AO
美人「あら・・」
女「あっ」
トイレの前でばったり、本当にばったり出会った

女は手に持つトイレットペーパーを下に置く
美人の前でトイレットペーパーを持つ自分がとても恥ずかしかった

女「もう公演は終わったんですか?」

美人「えっとその・・・」美人が汗だくになり目を伏せる

外国人『なにをしてるの!早くきなさい!!』おばさんがとても怒っていた

女「なんかあったんですか?」

美人「・・・仕方ないのよ・・
だって生徒たちシャネ〇の受かり方とかシャネルの話ばっかりで・・・先生が立腹しちゃって・・・ねぇ」
美人が顎に手を置く

外国人『美人!早くしなさいってさっき言ったでしょう?
あなた二度も言わないと・・・あら、』外国人が女に気付く

美人『す・・・すみません、今行きます』「じゃあね、」美人が手をふる

女「はい、さようなら」女が手をふる

女(そうか・・・行っちゃうんだ・・・あれ?)女は考える

女「あの・・・出口はあっちですよ・・・」
美人「ああ!私ったらまた!先生すみませんすみません、実は道を間違えて」
外国人の怒りが沸点に達した

外国人『もういいわ!あの子に案内してもらうから!』外国人はツカツカと女の方に来て
腕を組む
外国人『行きましょ!』
147 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/25(日) 21:17:41.44 ID:9xdoHD6AO
女「えっ・・・あっ・・・」女は戸惑っているが
外国人はそのまま歩きだす

美人はしばらくポカーンとしていたが
「あっ・・ああっ!先生!先生!すみませんすみません」と後を追っていく

あれよあれよという間に喫茶店まで一緒になった

女「あ・・・あの・・私・実は仕事中でして・・・その・・・」

美人「任せて、私から校長に言っておくから」とウインクする

女「なんで・・・私なんかを・・」と自信なさげにしてると

外国人が腰を叩く
外国人『しゃんとしなさい!この業界舐められたら・・あらごめんなさい』外国人が笑う

コーヒーがやって来て一息つくとお互いだんまりになる

女はマジマジと外国人を眺める

外国人『なにかしら?』と笑う

女「あ・・・あの・・・どうしたら、先生みたいになれますか?」
と言うと
美人が翻訳すると外国人は答える

外国人『あなたは私にはなれないわ、でもあなたにはなれる、
自分を信じなさい』と答えると

美人が答えると
女が「そ・・そんなの!!」と立つ

女「私なんてダメなんです、先生みたいにやりたい事もなくて、技術もないし、プー太郎で、」
女は自分の人生を話し出した、普段はそういう事は絶対しない
しかしこの外国人のオーラが全てを受け止めてくれるような風格があった
148 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 22:52:13.99 ID:RAQkBbcCo
女はモデルデビューか
有名になった女と未だ変わらぬだめ男との恋愛ものも好きだなぁ
149 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 10:09:49.64 ID:6jtpkEASO


>>148
先読みは嫌われるぞ
150 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/29(木) 01:29:04.84 ID:8xDakzIAO
女「す・・・すみません・・・」女は汗だくになっていた

美人「・・・」
外国人がニコッと笑う
外国人『あなたは焦ってるのね、分かるわ、私も若い時はそうだったわ
ギャンブルと酒タバコ好きでまあ今も好きだけど
落ちるとこまで落ちたの
信じられる?私もゴミ箱漁ってた事があるのよ
でも私は幸せを信じた、だから今ここにいるの』

女「それからどうやって」女は驚いた

外国人『ある男にあったの、その男が犯罪者で人も殺してる
どういう訳か、二人馬が合って一緒に生活したわ
でも仮初めな幸せは続かないのね、すぐ警察が来て逮捕されたわ
判決を受けるまでの間、私はその男の服を縫い続けてね、外に出たら着ようねって
でも判決は死刑判決、当たり前よね人を殺してるんだもん
それでもその男が縫い続けてくれって頼むから縫い続けたわ
ある日結婚しようって、結婚式の服を縫ってくれって、正気か聞いたら大丈夫だって笑ってたわ
そんでもって死刑前日に面会室で結婚式を挙げたの
ウエディングドレス着てる私を見て
看守も苦笑いしてたわ
そしたら笑うな!って怒ってたの
次の日その男が死刑になった時にいた人に聞いたんだけど
死刑台に晴れ晴れした顔で上がったって
私それ聞いて笑ったわ、酷いかしら?
でもすっきりしたの、何でも出来ると思った
そんですぐ店を開いたの、マヌケよね、でも今ここにいるのは店を開いたおかげなのよ』
151 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/29(木) 01:50:30.40 ID:8xDakzIAO
女はその話を聞いて不思議と理解できた
何故この人が成功したのかを

外国人『ごめんなさい、話しこんじゃって、でも社会に出たら人間、体一つなのよ
そこにはどんか過去も学歴も効かない他人と自分がいるだけ
それはどの時代も変わらないと思う
だから賢くなりなさい、強くなりなさい
この子達にも言ってる事なのよ』と美人の方をみる

美人「そうよ、女ちゃん!踏ん張れば何でも出来るわよ!
キュリー夫人だって大学に入ったのは26歳で
あっという間にノーベル賞受賞学者になったんだから」とヨイショする

女「はい!」

外国人『あら、もう行かなきゃ、さようなら話が出来て楽しかったわ』と握手するてを差し出すと

女はギュッと握りしめた
女「ありがとうございます・・・本当にありがとうございます・・・」と拝んだ、涙がこぼれ落ちていた

美人がタクシーを呼んで外国人は去っていく
タクシーが見えなくなるまで女は手を振り続けた

女「ようっし!」と言い専門学校に帰っていった

女「遅れてすみません!」とババアに頭を下げる

ババア「あらいいのよ話は校長に聞いてたしね、」

女「でも、んじゃあ後の事は私がやります」
ババア「別にいいのに、でもせっかくだからね〜」
女「はい!」
ババア(今日のこの子変ね、ぼーとしたと思ったら、元気になったり)
152 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/29(木) 02:07:46.11 ID:8xDakzIAO
バタンとドアが開く

男「お帰りー、いやー今日仕事はやくてさ〜、もうか・・・」男は驚いた、女が何かを買ってきている
この家に来てからタバコと食べ物と酒以外女が持って帰って来たのは初めてだった

男「なになに?なに買ってきたの」興味深々になる

女「へっへー」と笑う、無邪気な女を見たのは小学校以来だ

女「じゃーん」裁縫道具一式と本だ、裁縫の本、ファッションの本、
全部で三万円はするだろう

男「ずいぶん思いっきり買い込んだな」男が中身を見ながら聞く

女「ちょっとね・・・」意味あり気に笑う

男「なんだよ、おい」と笑う
なにか退屈な生活にヒビが入ったような気がした

女は服を作ろうとしていたが本を開いて
チンプンカンプンなもんで止めた
まずはハンカチを縫おう、そう決めた

女「いつかは男の服も縫ってあげる」

男「それは楽しみだな」と笑う、半分冗談まじりだった

夕飯は男が作ったスパゲティだ
市販のソースに市販の麺だから対して大変でもない料理だ

女「う〜ん美味しい」と美味しそうに食べていた
153 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/29(木) 02:38:53.48 ID:8xDakzIAO
それから毎日、女は暇があればハンカチを縫い続けていた

男先輩「なんやあ、お前、ハンカチなんか持ってきて、
女でもできたんか?ガハハ」

男「ちょ、違いますよ、最近熱いからですよ」

先輩2「その割にはなんか女っぽいですよね」

男先輩「モテ男か?モテ男なんか?そうは見えへんな、ガハハ」
男「違いますって」

男が家に帰ると大抵女はモクモクと縫い続けている、どこか鬼気迫る物を感じる
女の手元にはババアから貰った専門学校の教科書だ
ずーっと昔の生徒の忘れ物の教科書でとりに来ないだろうからくれた物だ


男「・・・・」

サッと女の本をとって読むと市販の裁縫道具が赤丸してある

男「なあ?これいるのか?」
女が振り向く、今男に気付いたのだ
女「ああ、ごめん!気付かなくって、なになに?」女が笑う

男「えっとこの丸されてる物いるのかな?」
女「う〜ん、いるっちゃあいるけど今はまだいいかな、それに値段も相当だし
もし使わない事になったらね、もったいないじゃん、」

男「ふ〜ん」(げっ・・・本当だ・・・こんなハサミで二万すんのか・・・)

女「よーしご飯にしよっか、作るよ」

男「お・・・おう・・・」
男はハンカチを手に持っていた

男(・・・・・)
154 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) :2012/01/02(月) 15:07:04.55 ID:Wo+yDiKAO
ある日男が裁縫道具を買ってきた
プロ用である

女「な・・・なにこれ・・・どうしたの?」
女が道具を触って驚いた

男「本で女が丸してたやつとかを店員と相談しながら買ってきた
プロ御用達らしいぞ」

女「いやそう言う事じゃなくて・・・お金とか」ざっと見ただけで10万はゆうに超えている

女「こんなの・・・悪いよ・・・私そんな・・・真剣なのか自分でも分からないし
すぐ辞めちゃうかもしれないし・・・」女がうつむく

男「これは女が毎月くれるお金、実はとって置いたんだよ
それにさ、俺が勝手に買ってきたもんなんだから
そう気負いせずに使ってみろよ
無理なら返品すればいいんだしさ」

男がさあ、さあ、とミシン台に促す

女「んじゃあ・・・ちょっとだけ・・・」
女がミシンの仕組みさっと読んで準備を始める

初めてなのになかなか手慣れたもんで
どれだけイメージトレーニングしてたのか分かる

女「あはっ、動きだした!動きだした!」無邪気に喜んでいた

男「女が何故裁縫を始めたのかは知らないけどさ、真剣なのは分かるから・・・」

女「ありがとう!あははっ」女はミシンに夢中になっていた

155 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 17:09:01.32 ID:mK7XNpp0o
ここまで一気読みしちゃった
すげえ続き気になる
156 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 21:59:34.77 ID:ZgOYNAc3o
おもしろいお
157 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 22:00:19.96 ID:ZgOYNAc3o
あれ?
158 : [sage]:2012/01/03(火) 22:01:27.03 ID:7XqZJT7IO
(・∀・)イイヨイイヨー
159 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 22:02:28.50 ID:7XqZJT7IO
(・∀・)イイヨイイヨー
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/01/06(金) 20:58:00.53 ID:BteVYu+AO
男「・・・・」男は女のただならぬ気配を感じていた
さなぎが音を立てて蝶に羽化するものににた気配を

微笑ましくもある
しかし、しかし彼女が蝶になり羽ばたいて行った時、自分はここに
また、一人ぼっちで・・・

女「あ、痛っ!」ミシンでケガをしたようだ

男「ああっ!血が出てるじゃないか、今救急箱を」
俺は何を考えてるんだ、
彼女が蝶に進化しようとしてるのに!
それを止めてしまったら彼女はさなぎのまま死んでしまうじゃないか

男「よし、これで大丈夫かな・・・」

女「ありがとう、ごめんね、ミシンばっかり触って・・・五月蝿いでしょ?」

男「別に大丈夫だよ、ミシンの音なんか気にならないし、それより俺の服縫ってくれるんだろ、
楽しみにしてるんだ、結構」

女「了解、早く縫えるようになるよ」ミシンに戻る

女が蝶になって飛んで行ったのなら
俺も蝶になればいい、蝶は無理かもしれない、でも蛾なり、蠅なり
汚くても、汚くても、飛べるモノになればいいんだ
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/11(水) 10:50:59.34 ID:Vgn+z8Yg0
はよ
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/11(水) 11:28:51.55 ID:uvycdh7IO
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
   /:::|  ___|       ∧∧    ∧∧
  /::::_|___|_    ( 。_。).  ( 。_。)
  ||:::::::( ・∀・)     /<▽>  /<▽>
  ||::/ <ヽ∞/>\   |::::::;;;;::/  |::::::;;;;::/
  ||::|   <ヽ/>.- |  |:と),__」   |:と),__」
_..||::|   o  o ...|_ξ|:::::::::|    .|::::::::|
\  \__(久)__/_\::::::|    |:::::::|
.||.i\        、__ノフ \|    |:::::::|
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.|| ゙ヽ i    ハ i ハ i ハ i ハ |  し'_つ
.||   ゙|i〜^~^〜^~^〜^~^〜
163 :>>1です [sage]:2012/01/14(土) 00:42:50.93 ID:6N/Pi5+AO
読んでる人がいてくれて嬉しいです
すみません最近忙しくて・・・来週には手があくので
必ずいっきに書きます
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/14(土) 00:45:03.34 ID:0mvEX45Yo
作者ようやく来たか


期待してる
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/14(土) 10:22:32.29 ID:KY3wuM3/0
まってる
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/01/15(日) 01:25:58.48 ID:6Aq+msZAo
まつとも……いくらでもな!
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/01/16(月) 01:45:53.72 ID:uj3+D5ZAO
でも俺は・・・でも!何をしたらいいんだ!

そう思った瞬間、広い広すぎる地平線の端に立たされたような気がした

何を、何をしたら・・・普通のピチピチの20台なら、パンクロッカーなり
「たまたま」映画監督に見いだされ役者デビュー
絵が下手だが味のある漫画家などを目指す
しかし、男には、夢が無い

女「あっ・・・あのさ・・・・服作ってみようかな・・なんて」
男はハッと我に返る

男「へ・・へぇ、すごいな・・・もう縫えるのか!」

女「いやいや、全然、全然、今回縫ってみようかなってそれだけだから、
お願い、サイズ測らせて」

男「俺で良かったら・・・」
女は首から測りだす

男「へへっなんかくすぐったいな」
絹製の巻き尺が首元を触るたびにくすぐったい
女「はははっ!ごめんごめん!すぐ終わるから・・」とメモを取り始める

そのひたむきな姿を見ていると女と自分の差を感じる


ああっ!あっ!俺は俺は!俺は!何を何を!

男は思わず女の手を握る

女「えっ・・・男・・」女が戸惑ってる

男「あっあの・・・なんでもない・・・ごめん・・・」
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/01/19(木) 02:11:55.51 ID:O84Mc/TAO
女「男?・・ごめんくすぐったかった」

男「そうなんだごめん」
待て・・・待て待て・・・ループしてるじゃないか・・俺は!
嫉妬したりするんじゃダメだろ・・ダメダメだ

男「いやあでもほんっとに凄いな、
こんな短期間でさ、裁縫覚えてさ」

女「違う違うんだってば、まだまだ覚えなくちゃいけない事は山ほどあるんだけど
ちょっとやってみたいと思っただけ、それだけだからさ」
と器用に寸法はかる女はプロっぽかった(プロがどんなのかは知らんけど)

男「そうか、やってみようと思う事が大切なのか」

女「うーんわかんないよ」と女は返答に困る

男(やってみたいと思う事が大切なんだ!そうなんだ!)
なんかNHKの教育番組じみた考えが浮かぶ

男(千里の道も一歩からなんだ)
あたまの中ではお母さんといっしょだ

男(叶わない夢なんて無いんだ!)
いつか『真剣十代しゃべり場』で不毛な議論を繰り返さない事を祈る


男の目がウィーン少年楽団みたいに綺麗になっていくのを

素直に気持ち悪いと言えない女であった
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/01/19(木) 02:34:24.83 ID:O84Mc/TAO
男(やっぱ叶わない夢もあるよなぁ・・・)
彼氏と仲睦まじい女性が成金に金の力で
彼氏の目の前で寝取られる官能小説を読んでそう思った
同時に怒りが湧いてきた
男(俺はサド的興奮を求めてこの小説を買ったのに
何故この本は俺に教訓を与えるんだ
こんな駄文で金が取れるなら俺だって・・・)
男はハッとする

男「そうだ・・・官能小説をかこう・・・」

女「ん〜?なんか言った?」
女はファッション誌から顔をそらし男のほうをみる

男「いや・・・何でもない・・・」あ、そとファッション誌に目線を戻す


男(そうだ・・・書くぞ・・・書くぞ・・・)

男の決意は後日、原稿用紙とペンに現れる

男は自分の名前を力強くそして大きく一枚目に書いた

男(よーし書くぞ・・・書くぞ・・・)男は題名を考える
題名を考えるには、う〜ん
まずはバイト帰りだから腹が減ってるから食事だ

男「米は炊けてるし、魚でも焼くかな」
魚を焼いてるうちに女が帰ってくる

女「うわ〜、いい匂い魚だね」

そしてご飯を食べ終わる
女と適当に今日の出来事を話したら
女はミシンと教科書に向かう
よしっ、俺も題名を考えないと、
う〜ん、よし、足が疲れてるから痛くて集中できないんだ
マッサージをしよう
マッサージをしてるうちに眠ってしまい

次の日、猛烈に後悔した
男「結局題名すら考えれて無い・・ダメだな・・俺は・・」
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/01/19(木) 03:00:33.43 ID:O84Mc/TAO
男「まあ・・・いいや、思いつくまま書けるだけ書いてみよう・・」とペンを取る
一晩中考えていた大層な大スペクタクル間違いなしの題名はやめて
題名はベタに『愛欲の園』
その題名から匂うベタな展開は
男が一番食指の湧かない物である
しかし
男「ベタな話をバカにしてたけど、実際、書くのって結構大変なんだな・・・」と
昨日までえらそうに酷評してた官能小説を
作った作者に謝罪したい気持ちでいっぱいになった

女は男が書き物してる光景を見て
なんとも思わなかった

何故なら、男は以前から良く物を書いていたからだ
日記も実はこまめに書いている
手紙を書いてる所も見たことがある(その手紙をどこに出してるのかは知らないけど)

暇な時間にミシンの音とペンの音が混じるようになっていった
それが一番平和な時間だった
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 05:11:46.75 ID:mQz01X7DO
一気に読んじまった
少し古い一般小説の文章みたいだな大好きだ
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 07:10:34.77 ID:ikdGPsE5o
文に固さがないし、それでいて描写が分かりやすい
ハマったわ
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 07:49:35.22 ID:2jgTeyrSO
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 14:03:53.37 ID:OtlBW7NDO
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/19(木) 17:21:53.00 ID:oWkqh+Pco
乙!
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2012/01/19(木) 21:28:16.64 ID:tselc1VT0
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/01/20(金) 02:18:15.03 ID:cFKTwhNAO
日曜日の朝早くまだ空も薄暗い時にソレは完成した
出来た・・ついに出来上がった・・・
服を縫おうと決めた日から半年ぐらいかかって
やっと・・やっとの思いで出来上がった

女「うん・・・うん多分・・多分だけど完成・・・」自分で嬉しいのか分からない
ただ空の上を漂ってるようなフワフワした気持ちだ

女「男・・・多分完成したよ」

男はギョッと女の方をみる
女の判決を待つ被告人のような顔に男の全身がこわばる

男「お、おお・・・」

女「着てみて・・・」
女は明らかに衰弱している
徹夜だったのだろう
目の下にはクマがくっきりとついていた

男「・・・着るのは後からにしないか?だって女凄く疲れてるし・・・」

女「私は大丈夫だから早く!」女が叫ぶ

女「・・・ごめん・・でも本当に大丈夫だから・・・」と女が笑って見せる
しかし目が全然笑っていない

男「・・・わかったよ」
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/01/20(金) 02:37:17.55 ID:cFKTwhNAO
男は女が作ったシャツに腕を通す

男(・・・そんなに見つめられると着づらいなあ・・・
うおっ本当に着づらい!・・)
明らかに腕の寸法をはかり違えている

しかし男は無理に腕を通しボタンをしめる
男(うっ・・・キツい・・・)

女「・・・・」女はじっとこちらを


男「・・・どうだ?」
明らかにおかしい、ブカブカな胴にピチピチの腕、襟だけはビカッと開いている
まるで道化師のようなスタイル、

女「・・・・うっ・・・」女は肩を震わしてボロボロと涙を流した

男「おっ・・・おい・・・」男はなにか、なにか、かける言葉を必死に探した
探してるうちに女の涙が大粒になっていく

女「うっうっ・うおっ・うっ・」女は唇を噛み締めて泣き顔を見られまいと布団に潜る
男は困り果てて
(そうだ・・・とりあえず脱ごう・・・いつまでも着てるから女が悲しむんだ)とシャツを脱ぐ

男「なあ・・・女・・俺・・良くわかんないけどさ・・
初めてにしては上出来じゃないか、なっ?
しかも独学だし・・うん!凄いよ女は!なっ?」

女「うっ・・ごめん・うおっ・うっ・ぎをつがうっ・・うあーん」
女はたまらず大声で泣き出す

男は困り果てて女に触れられずにキョロキョロとしていた

179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 12:43:54.64 ID:qZp+e/jSO
ふむふむ
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/25(水) 21:24:37.45 ID:WrmlNkbKo
ほむほむ
181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/01/26(木) 00:53:08.38 ID:Nzz9f17AO
男が犬のお巡りさんのように困っていると
途端に静かになった

恐る恐る布団をめくると

女「すぅ・・・すぅ・・・」
女は眠っていた、全く困った奴である

男「ふぅ〜〜」(そうか・・・そういや徹夜だったんだな)

男はこりゃいかんと思いシャツを急いで隠し

女を起こしてはいかんと朝ご飯は外で食べる事にした

男「お休み、ゆっくりと」と言い
外に出る

男「いや、驚いたなあ・・・あんなに悲しむなんて・・・」

男は着れるだけまだマシだと思った
何故なら男の官能小説「背徳の園」なんて
妹に手を出し、姉に手を出し、母親に手を出し、お隣さんに手を出し
もうすぐご町内全域に手が届きそうなのだ、
最近のハリウッド映画並みに、もう収拾がつかなくなっている
核で町内を消し飛ばせば?(笑)

男「俺は・・真剣じゃないのかな?・・・」自分では真剣なつもりだが
小説が最悪の結末に決まっても泣かないと思う

男「・・・やっぱり女は凄いな・・・はあ」
ウェイトレス「朝Aセットお持ちいたしました」

男「きたきた!」

男は朝Aセットに全ての思考を奪われた
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/01/26(木) 01:08:55.05 ID:Nzz9f17AO
満腹になった腹でまた考える
男「俺は・・・はあ・・・」
もうええっちゅうねん!誰かに男の頭を突っ込んでいただきたい

男も、もうええっちゅうねん!と思っていた

とりあえず帰る事にした、もうそろそろ女も起きてる頃だ

男「ドンマイ!また作ればいいじゃん!ワハハ」(これは元気の押し付けか・・・)

男「大丈夫だよ、俺は結構あのシャツ好きだよ」(わざとらしい・・・)

男「なんだかなあ、ぶつぶつ」

ガキ「あの人一人で喋ってるよ!」指を指す
ママ「まあホント!嫌ね基地外って最近基地外の事件増えてるそうよ奥様」

奥様「そうですってねぇ、そういえばウチのタダシちゃんがまたテストで満点取って」

ママ「まあ、それは凄いですわ、うちも最近旦那がまた日曜日はゴルフばっかりで・・」

ガキ「石ぶつけたろ、えい!えい!」

オバサンの会話ってなんであんなに噛み合わないんだろう
凄いのが、噛み合ってない事に気づいてない所だ

男「あっ、ついちまった・・まだ言葉決まってないのに」
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/01/30(月) 23:35:22.43 ID:MADM8f4AO
ドアを開けると泣きすぎて目の周りが赤くなった女が何かを煮ていた
男はドキッとして言おうと思ってた事を忘れた
男「ド、ドンマイ!俺は結構気にすんなよ!」 日本語までめちゃくちゃになる

女「へ??」女がきょとんとしてる

男「あっ!」男が隠したはずの服が出ている

女「いや〜ごめんごめん、さっきは徹夜で精神イかれてたから
もう大丈夫、ごめん」女が恥ずかしそうに言う

男「あ、もういいのか?」

女「うん、また改善して作るよ、だからもうちょっと待ってよ」と笑う

男は安心して笑みがこぼれる

女「今シチュー作ってるんだけどいる?」女はコンロの火でタバコに火を点けながら言う

男はお腹いっぱいだったが食べる事にした

女特製のシチューの出来上がりだ

ジャガイモは不均衡に切り分けられ
人参は中は生でシャキシャキ感があり
肉は炒めすぎで黒こげだ

男(まっマッズーーー!!)
さっき食べた定食屋の朝Aセットなんて忘れるぐらいまずい
まずいなんてもんじゃない毒だ、毒
女「まあ、こんなもんかな」
普通な顔をして食べる女が信じられない男だった
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/30(月) 23:44:40.73 ID:eVa5ekcTo
再開してくれて嬉しい
期待
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/31(火) 18:23:09.09 ID:haj4McI9o
シチューをまずく作れるのはぎゃくに凄いぞ……乙
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 22:54:47.97 ID:FkdAiWpoo
俺は結構気にすんなよ!でワロタ
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/02/03(金) 02:11:23.85 ID:HTNPYkCAO
また女のミシンの音がなるようになった

女は前にも増して勉強している

そんな時男の「背徳の園」は完成した

主人公の性欲は尽きる事はなく町内会から世界に飛び出し
世界中の女をはらませ日本の少子化問題は解決し
世界が平和になるハッピーエンドに仕上がった
こんな内容で原稿用紙500枚書き上げたのだから凄い話だ
男「・・・」

ビリッビリビリッバリ

男はそれを破りすてた
なんの感情もなく

そしてそのままうっちゃっらかして仕事に向かった

男の顔は無表情に固まっていた
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/02/03(金) 02:27:42.69 ID:HTNPYkCAO
女が帰ってくる
ビリビリに破かれた、原稿を見つける

女「あーあ・・・」女はため息をついて

女「♪〜」一枚一枚繋ぎ出した

一人黙々とページ合わせをしながら
紡いでいく

男「・・・何をしてるんだ・・・」男が帰って来ていた
顔が強張っている

女「いや・・・もったいないなあ・・・って」女が話終わる前に男が叫ぶ

男「いいんだよ!もう!それは!失敗作なんだから!」

女「うん、でもさ・・・」
男「いいんだって失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗失敗作なんだからさー!」セロハンテープ紡がれたページを手に取り
ゴミ箱に投げる

女「・・・でもさ・・・でも捨てなくったっていいじゃん!」

女「男がさ・・・一生懸命作ったのにさ!」
男「うるさーい黙れ黙れ!
女はさ!すげぇよ!だからそんな事言えるんだ!
俺はさ!もう限界、自分の汚い部分を自分に見せつけられてる気がして
そばに置いときたく無いの!分かる!わかんないよな!
だって女はすげぇんだもんな!」

女「私なんか凄くなんか無い!!」女が叫ぶ
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/02/03(金) 02:44:23.15 ID:HTNPYkCAO
女「私なんか男に拾われなかったら今頃どうなってたかわかんない!
今だって満足に服一つ縫えない!男と一緒だよ!一緒なんだよ!」

男「違う・・・女は違う・・・」男が耳に手を当て頭を横に振り出す
子供みたいになっていく

女「なんで・・・なんで捨てちゃうの?!」女が泣き出す

泣きながら捨てられた原稿をゴミ箱から拾う

男「いらない・・・そんなのいらない・・・」

男「僕はそんな事してちゃいけないんだ・・・」
男は父親を思い出す
父「男・・・医者になれお前は俺に似て社会ではやっていけないんだよ
会社でペコペコしたり、肉体労働したり出来ないんだよ
社会は厳しいぞ、厳しい割に中身は無く
全然お金が入って来ないんだ
医者は厳しいが金になるし中身がある
よそ見はしてはいけない・・・医者の道は険しいからな
よそ見はいけない」・・・

女「どうして?」

男「よそ見をしちゃいけないんだ・・・」布団に潜る

女「なんで?小説を書くのがよそ見なの?」
男「医者にならないと・・・」

女「医者になりたいの?」

男「ううん・・・医者にならないと、お父さん・・・」
女は分かった何故男が自分で始めたはずの小説に乗り気じゃなかったのか
父の、父親の幻影を見ているのだ
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/02/03(金) 02:54:20.99 ID:HTNPYkCAO
女「・・・わかった・・・でも小説書いてて、どうだった?つまんなかった?」

男「・・・」

女「男が集中して書いてる時何を言っても聞こえてなかったよ
・・凄い集中力だったんだよ?
それでもやっちゃいけない事なの?」

男「うるさい・・・」

女「やりたいならやればいいじゃん、誰も止める人はいないよ
なんでやっちゃいけないの?」

男「そんな簡単な問題じゃないんだ・・・どうせ成功しないし・・・」

女「いや、簡単な問題だよ、成功するしないはまた後で考えようよ」

男「うるさい・・・出ていけ・・」

女「男・・・」

男「うるさいうるさい出ていけ出ていけぇ―――!!!」

女「わかった・・・」
ガチャガチャ音がした後
静かに扉が閉じた
部屋に無音が響いた
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/03(金) 10:20:40.38 ID:HLtpwMQIO
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/03(金) 11:01:34.65 ID:4DNFw2ISO
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/02/07(火) 23:29:47.54 ID:GxrIFpmAO
静まり返った部屋で男は胸騒ぎがした

男「女?」返事が無い
男は布団から顔を出す
男「女?女〜」声がどんどん情けなくなる

男は部屋中を探す
男「女?女〜」いない

男はへなへなと座り込む

手に何か当たる、原稿だ、女が一枚一枚繋げた原稿

読む、自分の拙い文章がセロテープでにじんでいる
文字がどんどんにじんでいく
涙が目に溜まってきたのだ
俺はアホだ、とことんアホだ、
才能が無い無いと情けなくわめいたあげく
八つ当たり、

八つ当たり?こんな物どうでも良かったはずだ、何故わからないわからない
ただ女がいない、俺が、俺が、出てけと、出て・・・
男「ち、ち、ちくしょ――――!!!」

男は勢いよく外へ飛び出した
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/02/07(火) 23:38:07.83 ID:GxrIFpmAO
繁華街、駅、パチンコを廻る

男「女、ごめん、女!!ごめん、女!」叫びながら早足で

街の奴A「なに、あいつ?」

街の奴B「さあ?女に逃げられたんじゃね?」

街の奴ら「受ける〜」笑う声をあげる
何時もなら敏感に嘲笑を聞きとる男の耳には
そんな声聞こえもしなかった

男「女・・・女・・・」ヘトヘトになって公園のベンチに座る

俺は、俺は、かけがえの無い物を、いや人を自分から退けてしまった
涙がたまらずこぼれ落ちる
グズグズと泣いていると

女「・・・男?」
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/02/07(火) 23:58:21.93 ID:GxrIFpmAO
男「女?女!女〜!!」

女「で、出てけって言われたって行く場所無いじゃん私・・・」

情けない顔で近寄る男に
ちょっとだけ恐ろしさを感じた女は後ずさりをする

女「あっ!・・・」

あっという間に男が詰め寄り女を抱きしめた
恋人達の抱きしめ方と言うより溺れてる人が
浮き輪にしがみつくのに似てるぎこちなさだった

男「良かったぁ〜〜〜ごめん、ごめん、女、ごめん」とまた泣き出す

女「もう・・・」と恥ずかしがりながら受け入れる

それからしばらくは抱きしめあっていた
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/02/08(水) 00:04:27.67 ID:jEbGLUWAO
男が冷静になると二人ベンチに座り話しだす

男「女・・・ごめんな・・俺・・・」

女「いいよもう、それよりさ、」とベンチから飛び立ち歩きだす
ついたのはゴミ箱だ

女「覚えてる、ここ?」 と手を開く

男「あっ、」思い出した

女「そう!私たちが久しぶりにあった場所だよね、」と言い笑う

男「そうだ、女は生肉に」すかさず女が割り込む

女「あ、あれは、しょーがないじゃんベロンベロンに酔ってたんだもん」恥ずかしいそうに手を顔に当てる

男「そういえば、あれから結構たったんだなぁ・・・」

女「そうだね・・・」
しみじみと思い出す
パチ中、ハロワ、アルバイト、裁縫、執筆
これが半年間の間に詰め込まれてる
あっという間だった長い時間、
矛盾した表現だけどそんな時間だったんだから仕方がない

女「どうしたいか決まった?」

男「うん、一回墓参りに行くよ、俺、親父と話つけてくる」

女「そう・・・」
それ以上二人は言葉を交わさなかった、
必要無かったから二人には沈黙だけで十分だった
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/02/13(月) 20:55:05.46 ID:rm5+bJgAO
男は女を留守番させて親戚のおじさんと墓参りに向かう
結構田舎のほうに墓があるので車でしか行けないのだ
親戚のおじさんが運転する車の中で
男とおじさんは二年程の月日を消化しようと努力していた

おじさん「・・・よぉ、男久しぶりだな、
いきなり墓参りに行こうなんて電話が来るからびっくりしたぞ」

男「ご、ごめんなさい、いきなり」恥ずかしそうに男は答えた

おじさん「いやいや、それでいいんだ、
そう言えば全然男と墓参りなんて来てなかったなぁ、
あいつもお前の事心配してるだろうしな
悪い事したと思ってる
すまんかった」

男「そ、そんな事・・・無いです、おじさんに迷惑ばかりかけて
俺のほうが謝るべきなんです」

その言葉を最後に二人は押し黙る
親戚のおじさんは煙草に火をつける

男「あ、すみません俺も・・・」と煙草に火をつける

おじさん(こいつも煙草吸うような年になったんだなぁ・・・)
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/02/13(月) 21:11:54.75 ID:rm5+bJgAO
沈黙が気まずくなりおじさんから話を持ち出す
おじさん「ど、どうなんだ最近は、」

男「ア、アルバイトしてます」と恥ずかしそうに答えた

おじさん「そうか、部屋に女の子がいたみたいだけど、
びっくりしたぞ、お前が女作るなんてなぁ、同棲か?」と笑ってみせる

男「そ、そんな恋人とかそんなんじゃないです、
昔の幼なじみで住む場所が無かったから
一緒に住んでて、」

おじさんは急に心配になる
おじさん(こいつ利用されてるんじゃ・・・)
それを感じたのか
男「って言っても今じゃ一緒に働いてて、
今じゃ色々教えてもらう事が多くて
墓参りに行こうと決めたのも彼女のおかげで
とにかく彼女は凄いんです!凄いんです!」
必死に女の汚名返上をする

おじさん「そ、そうか、おっそろそろ着くぞ、
墓参り終わったらあそこのラーメン食べてこうぜ
東京にもチェーン出してて結構上手いんだぜ」
車が高速道路を降りていくとでっかいラーメン屋が見える

そこをUターンするとすぐ霊園墓地、隣にはでっかいラブホ
誕生と死のサイクルの縮図がいまここに
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/13(月) 21:16:27.32 ID:0XN++c/Vo
>誕生と死のサイクルの縮図がいまここに

うーんセンスを感じるこの一文
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/02/13(月) 21:32:44.05 ID:rm5+bJgAO
墓につくとかなりの雑草が生えていた
どれだけ来てなかったか、すぐ分かる
おじさん「すまんな、アニキ最近忙しくてつーのは言い訳か、さっ掃除しようぜ、
男水汲んでこい」
男「分かった」

おじさんが雑草を抜き始める男が水を汲む
二人の共同作業は初めてだったかもしれない、
男はなんとなく嬉しかった、おじさんもである

おじさん「まっこれぐらいか、んじゃあお経読むからな、」

男「うん」男は手を合わせる
男(お父さんお母さん今まで来れなくてごめんなさい)と色々謝罪しているまにお経が読み終わった

おじさん「んじゃあ、これで終わりかな、」
男「ちょっと待って・・・」

おじさん「どうした?」

男「お父さんごめんなさい!僕、僕医者になれません!」と男が突然土下座する

男「お父さんごめんなさい、望み通りの息子じゃなくて、いつかやろうと思ってたけど、
けどそんな気になれなくてごめんなさいお母さんごめんなさい、」

おじさん「・・・そうか、お前そんな事で悩んでたんだなあ・・」おじさんが肩を叩く

201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/02/13(月) 21:52:42.73 ID:rm5+bJgAO
おじさん「アニキはな、賢かったけど、頑固者で、世間ズレしててな
いつも行く先々でいじめられてたんだよ
国立大病院で医局員してた時にも
教授に嫌われててな、
実質追い出されてる形で辞めさせられたんだよ」

男「そ、そうなんだ、」初めて聞く親父の過去に男は驚き戸惑った

おじさん「それからも苦労の連続で、
自分の診療所開いても、
なかなか上手くいかない、親父に俺に泣きついて来た事もあった
そんでやっと上手く軌道に乗ったんだ
同じ苦労をお前にかけさせたく無かったんだよ」

男「・・・・」

おじさん「でも、それでお前が苦労するんなら
あいつも浮かばれ無いしな、良かったんだよ、これで」とおじさんは笑う

男「親父・・・」
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/02/13(月) 22:00:33.22 ID:rm5+bJgAO
おじさん「どうすんだ?これから、良かったら俺の所で働かないか?
はじめは丁稚みたいなもんだけどさ
今のお前なら大丈夫だろ」男の土下座を見て確信する

男「それって・・・」

おじさん「コネ入社ってやつだ、まあカッコ良くはないがどうだ?」

男「ありがとう・・・でも俺ちょっとやってみたい事があるんだ
一年やってみてダメだなって思った時、
そん時その言葉に甘えさせてもらっていい?」

おじさん「しゃーねーな、なんだやりたい事って?」と笑う

男「官能小説家になりたいんだ!
日本中、いや世界中のスペルマを全部俺の小説で絞りとりてぇ!」と男が興奮する
おじさん「・・・そうか!頑張れよ!」おじさんの脳は思考を停止した

男「うん!」

おじさん「よっしゃ、ラーメン食って帰ろうぜ」

帰りに食べたラーメンはすこぶるおいしかった
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/13(月) 22:04:56.03 ID:U5yh8GHSO
そりゃ停止するわwwwwww
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/02/13(月) 22:14:35.03 ID:rm5+bJgAO
今日はこれで終わりです、読んでくださってる方いつも時間を割いていただきありがとうございます、
初めての方も、もちろん時間を割いていただきありがとうございます

205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2012/02/13(月) 22:36:05.66 ID:WqBZbVJw0
なんつうか怪作だな VIPSSで地の文あるのってテンポ悪いの多くて好きじゃないんだけど
これは凄い引きこまれる
ビジュアル的にそんなによろしくない男女が泥臭くもがきながらやってく絵(NOT萌え絵)が浮かんでくる
んでもってこのどうしようもないダメカップルを応援したくなる
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/13(月) 22:46:27.22 ID:0XN++c/Vo
物語というよりむしろ、淡々とした記録なんだよな
日記を読んでるような気分になる
それなのに男と女の本心を掌握しきれないから不思議
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/14(火) 11:40:29.79 ID:l86Duk/IO
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/02/20(月) 21:20:49.20 ID:FFRxs1JAO
夕方に男のアパートの前についた

おじさん「そうだ、久しぶりにお前の部屋に行っていいか?」

男「え・・・うん」
おじさんは男の暮らしぶりに興味があった
それに男が入れ込んでる女って奴も念の為に見ておこうと考えた

おじさん「心配すんな、長居はしねーよ、駐禁切られるしな」

男「分かったよ、ただいま、女、俺のおじさんが部屋みたいって・・・」

男が部屋に帰ると女は首を吊っていた

女「ぐぇぇ・・・」

男「女ー!」
おじさん「おいおい!ヤバいぞ!」
急いで二人で女を下ろす

男「女、どうしてこんな事を!」

女「いや、ちょっとアイデアが湧かなくて」

男「だからって自[ピーーー]る事ないだろ!」

女「いや頭に血を固めようと」汗をかきながら弁解する

おじさん「下手すれば死ぬだろ!今来なきゃしんでたぞ!」思わずおじさんも叫ぶ

女「いや、あの・・・」女は天井を見る

そう、こんな低い天井では首なんてつれないのだ

男「でも、でも万が一の事があれば!」と怒る

女「ごめんなさい・・・」と頭をさげる女を見て
おじさんは確信する

おじさん(危ない女に引っかかってる訳じゃ無いがヤバい女には引っかかってるな・・・)
209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/02/28(火) 00:36:30.20 ID:ObFB5K8AO
おじさん「まあ・・いい、これからも男を頼みます」と頭を下げた

女「えっ・・・あっはい・・・」女は動揺していた

男「そんな・・止めてくれよ」とおじさんを止める

おじさん「いやいや、男、お前は気づいてないだろうけどお前変わったよ、いい意味でな
これはお前一人の力じゃないが、俺にはなんもできなかった、
ただお前を一人世の中に出すことしか
ここにいる女さんは、お前を変えた張本人だと思ってるよ」
おじさんは恥ずかし気もなくそういう事を言う
これが妻と子ども、風俗店に愛人がいる
器用な男の姿なのだ

女「あっありがとうございます」男以外あまり誉められた事のない女は頭をかく

女は夕飯を用意していてくれた

鍋だった、なんでも入れりゃいい食べ物だ、
闇鍋なんて物もあるぐらいに、物をぶつ切りにしてドカドカかっこむだけでいい
男は冷や汗をかいた
(まさかこれまでゲテモノになるのか・・・)

おじさん(ヤバいな、マジヤバい)

女「いやあ、鍋っていいね、仲良くなるし簡単だし美味しいから」訳のわからない物を皿にすくって食べながら笑った

おじさん「そうですね・・・」
210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/02/28(火) 13:13:48.40 ID:NS4hRqbHo
おじさん器用な生き方だな
しかしそれでもメシマズには抗えない、と……
211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/28(火) 20:58:09.53 ID:gpYBGws0o
なんか凄いな、最初からぶっ飛んでてずっとクオリティが下がってない
引き込まれっぱなしだわ
212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/29(水) 17:28:26.01 ID:JwsjS3bmo
女の料理下手描写はドジっ娘のそれを越えてて、なんか怖い
213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/03/06(火) 02:21:03.92 ID:zXDBZj5AO
おじさんは青い顔を頑張って微笑んでみせて帰った
台風のような日々が過ぎていった

過ぎてしまうとこの穏やかな凪のような時間が
愛おしくなおかつどことなく物寂しく感じてしまう
人間とは刺激を求める生き物だと実感する

女「はあ・・・」ミシンの手が止まる

女「何度やっても出来ないよ」本を何度も見直した
しかし何度見直してもそのまま書かれてある通りちゃんとやってる
でも出来ない
二次元情報の限界に直面していた
そう・・・オタクが二次元の女の子に恋をして
どんなに愛でても実感が湧かず
全てに劣る三次元女に妥協するように
女「はあ・・・」
女は仕方ない顔でパチンコに向かう

男も見てたが何も声がかけられない
男も本を見てみたが女はちゃんと本に書いてある通りにやっている

後は感覚的な物だ
つまり
これはスランプと言う奴だ
214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/03/06(火) 02:36:05.96 ID:zXDBZj5AO
パチンコに向かうはずの足がブラブラと別方向に流れる

流れ流れて喧騒漂う街中につく
スランプになると人は街中を好むようになる

自らに起こらないアクションを街中に求めてしまう
しかしそう都合良くはイカの天ぷら

女「ふう、こういうの簡単にやるよなぁ・・・」
店員さんがいる
女(聞いてみようかなぁ?買わないのにそーいうのってどう何だろやっぱり厚かましいのかな?)
そう考えてみるしかし気になるええい、ままよ
女「あの、すみません、ここの、こういう部分なんだけど」
うんたらかんたら専門用語が飛ぶ

店員「??すみません、私アルバイトなもんで店長呼びましょうか?」そりゃそうだよ、あんた、

女「いえ、すみません変な事聞いて、」トボトボと帰ろうとする

美人「あら!あの時の人じゃなーい?」

女「ん?」女の中で確実に時間が止まった
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/03/06(火) 02:54:44.71 ID:zXDBZj5AO
女「えっと、えーと」女の脳みそが慌ただしく回転を始める
そうだ、あの時、外国人の付き人の、方向音痴で、
と答えが出てる

美人「あら、忘れちゃったの?ほら、この前専門学校で」

女「覚えてます、覚えてます、ただびっくりしちゃって」
勿論覚えている、女にとって忘れられない素晴らしい日だ

女「かなり前なのに私の事なんて覚えててくださっててとても嬉しいです」

美人「こら、そう卑下しちゃダメって先生にも言われたじゃない」

女「ごめんなさい、でも美人さんはどうしてここに?」

美人「フフ、よくぞ、聞いてくれましたと、あそこどう思う?」美人が指差した先は空きスペースでテナント待ちだ

女「人通りが多いのに、寂しいですね」て答えると待ってましたと言わんばかりに
声を大にする

美人「実はあそこ、私たちの日本一号店の予定なのよ、まだ決まってはないけど可能性大よ
だから、下見と合わせて写真を撮りに来たのよ」とカメラを片手に胸を張る
自慢したくてしたくて仕方なかったようだ
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/03/06(火) 03:09:52.09 ID:zXDBZj5AO
女「へぇ、凄いですね」初めてカメラを見たかのようにマジマジとカメラを見る

美人「もし決まれば私があそこを任されるの
そりゃあ責任重大よ
でもコレってチャンスよね、やるしか無いってそう思った訳よ」

女「そうですね、でも大変そうですね」

美人「リスクは承知の上よ!」また待ってましたと言わんが如くに言葉を返す
自慢はまだ続きそうだ

それなりに自慢話が済んだ後で
美人「はぁ…はぁ…ありがとう楽しかったわ、もうそろそろ会社に戻るわね」汗だくで手を差し出す
女「あ…」そのまま差し出されるままに手を握る
女は後悔する、ああ、なんであの事を時間があるうちに聞いておかなかったんだろうと

美人「ん・・?」美人は女の手をムニムニと握りだす

女「ちょっと・・ハハハ・・止めて下さいよハハハくすぐったい」
美人が女の手をじっと見つめる
美人「あなたもしかして今、服飾の仕事してる?」
また女の中で時間が止まった
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/03/06(火) 06:21:18.50 ID:B7l+bYU/o
これは女の時代来るか…
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 08:40:44.44 ID:jqRZviQSO
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/06(火) 13:40:40.30 ID:pFkjmIERo
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/03/10(土) 23:40:21.55 ID:W3+rXRWto
これどういう風に着地させるんだろうな
楽しみです
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/11(日) 12:01:12.48 ID:i8xX8xVso
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
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\  \__(久)__/_\::::::|    |:::::::|
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.|| ゙ヽ i    ハ i ハ i ハ i ハ |  し'_つ
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222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/03/13(火) 02:48:25.66 ID:9h1N6THAO
女「えっ、なんで」女は戸惑う

美人「いや、なんとなく手の感じが、ちょっと・・気のせいかしら?」
流石プロ、手の感触だけで相手が同類か分かるのだ

女「いえ仕事って訳じゃ無いんですが・・・実は」
女は自分で厚かましいと思ったが
今のスランプの原因について聴いてみた

美人「ああ、そこね、まあ難しい所ね
本だけじゃわからないのも無理ないわ
ちょっと事務所についてきなさい」
聞いてるうちに美人の顔が真剣になる、
結構ぽや〜とした人だが服飾にあたっては厳しい人なのだろう

女「えっ、えっ」女が混乱する

美人「あ、タクシー来たわ、ヘイ、」タクシーが止まり強引に女を連れ込む

女「すみません・・・なんか」女はまだ戸惑っている

美人「いいからいいから、そこはね、誰でも迷う所なのよ、
口で言ってもどうせわからないんだし
実際見せたほうが早いわ」
そんな会話をしてる間に事務所につく
シンプルでそれなりに広い

美人「さっ、行きましょ」美人がさっと降りて歩きだす
女「は、はい・・・」
しかし女の足が止まる
あの外国人さんはいるんだろうか、いるとしたら、
まだ会いたくない いや会えない
もっと、もっと今より優れた人間になってまた外国人さんに会うのが
女の決意だったから
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/03/13(火) 03:10:47.30 ID:9h1N6THAO
美人「どうしたの?」美人が振り返る

女「すみません・・・まだ・・・私、外国人さんに会えない・・」
女が泣きそうになるしかし目は決意に満ちている

美人「あら、そう・・・でも今日は来てないわよ」

女「えっ、」女のさっきの決意はいったいなんだったのか、
とんだ肩すかし、決意を返してくれ

美人「さっ、行きましょ」女の手をつかむ
この強引さに
女は何故この人が外国人さんの付き人をしていたか分かった気がした
外国人さんと美人の二人は似ているのだ、

美人が事務所に入ると服を作ってる大勢のスタッフが挨拶をした

スタッフ「お帰りなさい!」スタッフ全員の目線は女に向く

女「うっ・・・あっ・・こんにちは・・・」

美人「ただいま、気にしないで仕事続けて」と手でバラけるように指示しながら
一つの机に向かう
布やミシンハサミなどのプロ用のセットが置かれている

美人「あなたが、分からないのは、こうして、こうして、こうした後のここよね」
美人は慣れた手つきで話しながらハサミや針を使い
女が必死になってやっと出来る場所まで
裁縫を進めていく

女(す、凄い・・・)初めて見るプロの手つきに女は見入っていた
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/03/13(火) 03:32:53.01 ID:9h1N6THAO
美人「何回も説明するのはいやだからよーく見といてね」そう言い女によく見えるように
ライトを手に当てる

女「はい」女も集中してる

美人「こうして、こうなのよ、ちゃんと見えた?」美人はゆっくりやって見せた

女「ああ!そうか、はい見えました!」女は憑き物が取れたみたいな顔をした

美人「じゃあちょっとやってみて」さあっ糸をほどいて前の状態に戻す
美人は少し興味があった女が今どれくらい出来るのか

女「はい・・・」女は美人から渡されると
同じ事をやってのけた
しかし少し詰めが美人より甘い

美人(やだっ、この子ったら飲み込み案外早いわ)

女「う〜ん、でもコツは分かりました、本当にありがとうございます」
女は屈託のない笑顔をする
しかし美人は考えこんでいて聞こえてるかどうか分からない

女「それじゃあ邪魔にならない内に帰ります・・・」
女は周りのスタッフの慌ただしさに気づいて気を利かせた

美人「待って、また分からない所が出てきたらどうするよ?」
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/03/13(火) 03:59:44.58 ID:9h1N6THAO
女「えっと・・・えっと」女が返答に困る

美人「必ずまた分からない所が
出てくるわよ、今のより難しい所なんて山ほどあるんだから」
美人の口調は厳しい

女「どうしよう・・・」女の声から元気がなくなる

美人「そんな時は私を頼りなさいよ!」美人がウインクする

女「えっ」

美人「私が教えてあげるわよ、特別に、
パソコン持ってる?私のメールアドレスあげるから
いつでもメールしてよ」
美人は名刺のうらに私用パソコンのメールアドレスを書く

女「あっありがとうございます」名刺を受け取る

美人「ただし三つ約束して一つ、どうしても分からない所だけよ、
ちょっと分からない程度なら自分で解決して
2つ、たまに課題を出す事もあるけど黙ってやってね
三つめは・・・」

女「三つ目は・・・」女が息を飲む

美人「また今度話すわ、とりあえず約束して」美人が手を差し出す、

女「分かりました・・・約束します・・」女は恐る恐る手を掴んだ
拒否権なんて女には無い
ある意味恐ろしい契約である

226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/03/13(火) 04:08:51.58 ID:9h1N6THAO
美人「ウフフ・・・絶対守ってよ、もし守らなかったら・・・」

女「守らなかったら」女は息を飲む

美人「あなたにとって良いことにはならないわね、
そうそう、あそこのあれ、一個持って帰っていいわよ」
美人はさらっと恐ろしい事を言う
その後話題を変えるのが尚更不気味に恐ろしい

女「えっいいんですか!」

美人「いいわよ、うちではもう新しい型があるから、
まあちょっとボロいけど十分使えるし、あなたには必ず必要だから
どうせ業者に二束三文で買いたたかれるしね
それじゃあ私仕事だから」そう言い美人はスタッフの間に入っていった

女は美人にもらった物を持って帰る前に
少しの間スタッフ達の仕事を見ていた

女(本当に凄いなあ・・・)
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 08:01:12.19 ID:T5QGm8XSO
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 08:22:25.71 ID:L3Jk2tpOo
なにもらったの?
ミシン?
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/13(火) 09:57:56.00 ID:BK4GExD0o

マネキンみたいな着せるタイプのやつっしょ
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/03/13(火) 10:50:30.71 ID:z3pkKwgEo
PCじゃね?
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 16:05:11.93 ID:8m7QpsXBo
どれにしても持っていくのは大変そうだな
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 19:37:20.87 ID:p4CyqbrIO
敢えて書いて内容に見えるしなにかの伏線になるのかね
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/03/13(火) 20:11:50.83 ID:2f3EhAAYo
乙乙 美人のデキる人っぷりがステキだ
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/03/21(水) 10:22:36.79 ID:CWx4blFAO
男「うおっ」家に帰ると古いマネキンが置いてあった
それが死体に見えない事もない

女「ごめん、ちょっと邪魔かな?」そんなに広くない部屋だが物が少ないから
邪魔ではない邪魔ではないが不気味に怖い

男「これどうしたの?」

女「知り合いの人からもらった、いらないからあげるって」

男「ふーん」ちょんと叩くと埃が驚くほど出た、
急いで窓を開けたが咳が止まらない

女「げほげほ、ごめんパソコン無いかな?」
男「あるけどネットには契約して無いぞ」

女「ネットって何?」

男「えっ?えぇ!?」
まさかこの時代にインターネットを知らないとは・・・
どこから来たんだ、女はいつも色んな意味で男の一枚上を行く

男「まあ、電話回線みたいなもんだよ、どうして?」

女「それくれた人から、メールアドレス教えてもらったの、
ネットが無くてもメール出来る?」
出来る訳が無い、こういう貴重な人材は残しておきたいものだ
男「無理だろう、多分、契約してくるか?」男もあまりインターネットは知らない
パソコンはおじさんが買ったものだ
女「ごめん」インターネットを契約しに向かった

二人があまりにパソコン音痴なもんで
業者の人が泣き出したり怒りそうになった事は
話すべきではない
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/21(水) 21:50:03.11 ID:kWUnGNsSO
マネキンか
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2012/03/23(金) 13:31:28.28 ID:fZjZ+1bx0
何だろう、目から汁が

237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/03/29(木) 00:18:26.50 ID:NCga7w/AO
美人から「どうしても分からない所以外聞かないで」と言われてたので
あまりメールしないように心がけてたが
その言葉に反して美人はよくメールしてきた

分からなくなるであろうポイントを的確に写真付きで教えてくれる
美人は元々世話焼き性なのだ

女「あっ来てる来てるありがたやありがたや」と手を揉み
お礼のメールを返した

from女;ありがとうございます。おかげでもうすぐ一着完成しそうです

from美人; そうね、順調にいけばもう少し(b^ー°)
頑張って!(`∇´ゞ出来たら画像送ってちょー☆(≧∇≦)

女「・・・・・」ギャップが凄くて言葉が出ない

男「へえ画像も送れるのかネットって便利だな、契約して良かったよ」男がチャーハンを作りながら言う

女「そうだね・・・」女は美人のメールに面食らっている

男「そら、出来たぞ」男がチャーハンを皿に盛る、
金色の米がパラパラしていて、お口の中でシャッキリポン!としてうっまーい
とまでは言えないが美味しい

お互いのアルバイトの話、そして今制作中の物の話をする

流石に男は官能小説なのであまり話せないが
半分は出来たらしい
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/03/29(木) 21:08:27.67 ID:7nj/S1ND0
待ってました
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/29(木) 21:25:34.08 ID:Ew9rSDKKo
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/01(日) 19:16:28.58 ID:W5nYOHRIO
エロはあるの?
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/04/05(木) 01:07:24.51 ID:seCZVbkAO
女のシャツはあっと言う間に完成した

男が着てみたが違和感は無い
成功である

男「凄い・・・凄いよ、女、店とかで売ってるのと大差無いよ、これは」
しかし女は満足しなかった
女「そんな事無いよ、ふん・・・」女が顎に手を当てる
そんな時男はドキッとする
プロの目ってやつだ
最近、女はそんな風に考え込む事が多い、
ちょっと前なら考えるよりHOWTO本を読んだり実践したりしていたが
女は少しずつ少しずつだが確実にHOWTO本の知識を超えるあたりまで
近づいてきていた
少しずつ男の知らない女に進化して言っている

女「でも、まあ成功かな」と舌を出す

男「お、おう、俺は書き物に戻るぞ」急がないと
男の中でそんな気持ちが動く
二人は目指す物は違えどライバルなのだ
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/04/05(木) 01:17:44.78 ID:seCZVbkAO
女は約束なので写真付きで美人にメールを送った

かえってきた返事は添削と次の制作に取りかかるようにと言った内容だった

普通ならショックな内容だが女はこうかえってくる事がわかっていた

女「そうか・・・そうだよね」とはいえ少しだけ落ち込む

女「ん、ああ、ごめんごめん、もう脱いでいいよ、ありがとう」
男がまだ女の作った服を着ているので
そう言うと
男「いやだ、これは俺が女からもらったんだ、」と机に座りながら顔も合わせずに言い返す

女「・・・ありがと、よーしもう一頑張り」女は紙にペンを走らせた

男もあと一週間もすれば完成間近だ
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/04/05(木) 04:29:03.21 ID:diDTZkuEo
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/04/05(木) 11:23:17.14 ID:bmEcfEOxo
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/05(木) 11:33:54.04 ID:NR5zsKEio
おつかれ!
246 :最近遅筆ですみません :2012/04/13(金) 05:23:56.96 ID:vRqn+9qAO
男の作業も終わった、もう原稿は破かない、

前回に比べて内容にも甘えが無い、ちょっとしたリアリティも含ませた

後は・・・後は・・・

女「出版社に持って行くだけだね」女は納豆を食べた粘ついた口で無神経な事を言う
うわ〜君口臭いな〜って奴だ、多分

男「おっおう」男もわかっていたこんな日が来るのを

そして出す出版社も決めていた
『快楽の友』出版社だ
あそこは、作家の個性を大切にし育てながらも、
商業誌としての客に対しての紳士な態度を忘れない良い出版社だ
そこにもし認められたら官能小説家としての才の片鱗が一応あるという証になる
もしハネられたとしても
他の「どうせカストリ小説ですよ」とか「どうせこういうのが好きなんやろ」と言う声が
聞こえてきそうな出版社に出す気はなかった

女「どうしたの?」女は納豆臭い口に味噌汁を注ぎこんだ

女はそこまで無神経ではなかったが
アルバイトと作業の連続で
本人は気付いてないが結構蝕まれている

男「・・・まあ、いくぞ!」っと手を上げる
女「頑張って!」女も手を上げる

出版社まで向かう電車の中で官能小説の原稿を持つ
男は自分で予想していた以上にドキドキしていた

男(まるで女子大前をギャルのパンティ握って歩いてる気分だな)
少しだけ快感だった
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/04/13(金) 08:04:56.90 ID:G8pvEeN8o
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/13(金) 16:35:39.45 ID:spuSuWDVo
まるでって凄い気分だな
お疲れ様
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/04/20(金) 00:51:40.82 ID:Y5tAuESAO
男「ここか・・・」

予想以上にボロい汚い・・・
倒産したビルの方がまだ綺麗だ
昭和初期の建築の悪い趣全てがこのビルに集まってるかのようだ

手動の扉を開くと暗いフロアが広がっていた

ちらっと横目で案内を見る
3F「出版社・快楽の友」とかかれている

男「これは・・・やっているのか?」
エレベーターは無い、階段を上る
コンクリートで出来てるはずの階段から軋んだ音がする

2Fにつくとしゃがれ声が聞こえ始めた
・・・ちゃ・・・お願い・・・

男「あっ・・・やってるんだ・・」

人の気配を求めて登る足が早くなる

[ピザ]メガネ「だから、痩せ男ちゃん、スカ田先生の原稿とって来てっていってるんや!」
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/04/20(金) 01:02:39.55 ID:Y5tAuESAO
メガネ「あ?なんや?痩せ男ちゃうんか・・・なんや、あんたは?」

メガネはあまり品がなさそうだ、熱いのか扇子をパタパタさせながら言う

男「は、はい、ぼぼぼ僕は、あの、」ビルの雰囲気が怖くて急いで来てしまい
いきなりの人との対面に唇が震える

メガネ「なんや?今結構忙しいんや、用ないんやったら帰ってんか」

男「ぼ僕は、持ち込み!小説!持ち込みきました」
何語なのか男も分からない

メガネ「ああ、持ち込みか、久しぶりやなぁ、まあ見たるわ、持って来い、」

メガネは男から原稿を奪い取るとペラペラと読み始めた

メガネ「ああ、紹介遅れたな、ワシはこの出版社社長兼、編集長兼校正のメガネや、」どこぞのAV監督のように仕事を掛け持ちしている
その理由は単純に人が足りないのだ
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/04/20(金) 01:19:28.29 ID:Y5tAuESAO
メガネ「ふーん、お前なんぞ小説だしとるか?」

メガネは男の原稿をペラペラとめくりながら言う

男「いえ・・・それが初めての作品です・・・」

メガネ「やろうな、」と原稿を置く

メガネ「まあ、ええで使ったるわ」とメガネがため息混じりに言う

男「えっ・・・」目が点になる

メガネ「ページやるから原稿料もらって帰り」またため息をつく

男は何故だか腹が立った、このメガネからは仕方ないと言う感じがしたからだ

男「べ、別に・・嫌ならいいです・・」原稿をさらう

メガネ「ふ―――ん、」メガネの目が男の方に向く

思えば初めてかもしれない

メガネ「なんや、いっちょまえにプライドはあんのかい、」メガネは机を叩く

その一言に男の怒りは登る

男「は、はい!ありますよ!嫌なら結構です!そりゃ、僕は実力不足かもしれませんよ!
そんなの、嫌々載せられるなんて、
読む人も嫌々読むんじゃあ嫌です
そんなの・・そんなの・・・」男の手が震える

メガネが机を叩く

「甘ったれんなや!実力不足?そう思って書いてたんかいな、
そんなもん人前に出そうとしてたんか?
そうやなあ!載せられへんな!一生無理や筆折れや!」

男「な、な、何ですと!今なんつったあんた!」
男と編集長の喧嘩が始まった

喧嘩は酷くなる

痩せ男「あの〜〜〜僕今、帰りました・・・」
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/04/20(金) 02:48:24.89 ID:Y5tAuESAO
痩せ男の精気の無い顔がヌボォと蛍光灯に生える「まるで幽霊だな・・・」
男はそう思った

メガネ「そ、そうか・・・ご苦労やったな」ハアハア
つかみ合いになってヨレヨレなネクタイを直す

男「それじゃあ僕帰ります・・・迷惑かけてすみませんでした」ハアハア

原稿を取ろうとすると編集長が原稿の上に手を叩きつけた

メガネ「なに言ってるんや?お前ここに持って来たんやから、もう、うちのもんやで」

男「あ、あんた」また試合が開始されそうにな

痩せ男「君、使う使わないは編集が考える事だ、君はもう帰りなさい」
痩せ男は優しく酷い事を言う

男「は、はい・・・」

メガネ「それとなお前の文章、官能小説研究はよくしてるけど
物本の研究はしてないな、よく研究せいよ」そう言い放った

男は悔しさでプルプル震えながら帰った

痩せ男「お〜い!君、君、」

男「なんですか?」もう爆発寸前だ

痩せ男「原稿料忘れてるよ」薄い封筒を手渡す

男「いりませんよ!」
男は沸騰寸前だ

痩せ男「君、プロをなら最低限、原稿料は受け取らねばならないよ
満足いかなくてもね
君の記事僕も見たが良かったよ」

痩せ男「編集長も君が気になってると思う
態度にはださんがね」
あれが気になってる?変な人間もいたもんだ
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/20(金) 10:59:11.01 ID:ipyW8UyIO

痩せ男の速読ぱねぇ
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/20(金) 16:49:38.55 ID:bgUytUfXo


痩せ男いつの間に読んだんだよwwwwwwww
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/04/30(月) 12:08:56.89 ID:fTyxNPCAO
電車の中で封筒を開ける

男「5千円か、」まあこんな所だろう
しかし1、2ヶ月真剣に全精力をかけ取り組んだ結果がこれでは
少し落ち込む

小説家とは、ましてや官能小説家とは割に合わない仕事だ

名誉無し、金無し、あるのは、誇りだけだ

しかし誇りほど大切な物は無い、そう男は思う

男「このまま前に進もう!」あのメガネ親父は気に食わないが
一理ある

そのまま男は本屋に立ち寄った
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/04/30(月) 12:15:51.50 ID:fTyxNPCAO
女が家に帰る

ババアと競馬に行ってきたのだ
賭け事は久しぶりの事だ、しかも競馬は初めてだ

馬のことはよく分からなかったがビギナーズラックで少し勝った

女「男はもう帰ってきてるかな?」

アパートのドアを開けると男が帰ってきた形跡がある

女「あれ?男いないの?」
男がいない、雑誌がそのまま置かれていた

女「こ・・・これは・・・」エロ本だった

官能小説はあまりに普通に置かれてるから気にならなかったが
これはヒドい

女「よーし、」女は少し男にデリカシーを教えてやろうと決めた
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/01(火) 21:47:36.16 ID:6hkDXHQUo
来てた!
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/05/07(月) 04:51:21.90 ID:6lXK+rXAO
男が家に帰ると女が正座していた

男「え・・・何、何?」
しどろもどろになる

女の目の前には山積みされたエロ本がある

男「あ・・・」

女「そうだよね、男の目指す事にこれが必要なのはわかってるけどさ
ちょっと見てるこっちが恥ずかしくなるからせめて隠してよ、
これは裸で歩いてるのと」女の説教が始まる

男は言えなかった、刺激が足りないからもっと凄いエロ本を買った事を
けつの穴に手を突っ込んでるのから、血まみれの奴まで買ってきたのだ


女「ねえ、聞いてる?」

男「ごめんなさい・・・」
男は早く話を切り上げて今買ったエロ本を隠したかった

女「っで、どうだったの?あの小説は」

男「それが載るんだって、ちょっとだけだけど、原稿料ももらったんだ、少ないけど」

女「へっ?」

男「だからちょっとだけ載るんだよ」

女「すっごーい!凄いよ!もうそうなんだ、才能あるよ!」女はエロ本の事を忘れている

男「まあちょっとだけだよちょっとだけ」男もそこまで喜ばれると嬉しい

パサッ

男の腕からビニール袋が落ちる、ちょうど女の目の前に過激なエロ本がぶつまけられた

女「!!」

女の目の前には穴に手をずっぽり突っ込んだページがある

男「あ・・・」

女「・・・」

その日女は無言だった、女からは蔑んだ視線が送られる

それが男には快感だった・・・
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/07(月) 07:00:17.52 ID:4rsKPELSO
おい男wwwwwwwwwwww
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2012/05/07(月) 07:44:44.77 ID:lfTKpBrpo
小説のためとはいえ、もはや引き返せないとこまで来てるな…
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/07(月) 08:32:28.82 ID:/mbdf9B0o
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/05/15(火) 04:11:42.68 ID:9p8mBD3AO
留守番電話サービスよりデンゴンは一件です―――
男「あっもしもしおじさん?・・・俺の小説さ、雑誌に載ったんだ・・・買わすのもアレだから送っといたよ」ツーツーツー

おじ「はっ?」

あいつもう小説が雑誌に・・・凄いなあ・・・
それよりあいつの小説ってやっぱりアレだよなあ・・・官能の・・・

おじ「はっ!」

社員「社長どうされました?」

おじ「いや・・・何でも無いんだ、野暮用でちょっと電話をかけてくる・・・
何かあったら、仕事用携帯に頼む」

社員「はい・・・っていっちゃったよ・・・青ざめてどうしたんだろ?」

おじ「もしもし、ああ母さん?あのさあ俺に何か小包届いてない?」

妻「ああはい、届いてますよ、たしか男くんからの小包が
珍しいわね、何かしら?」

あいつ、やってくれたな!と言う気持ちがおじさんの中で蠢く
社会的地位がそれなりにあるおじさんにとって男からの贈り物はありがたく無い
良い中年男が甥から官能小説を送って貰いました!なんて妻にしれたら
なんて言い訳するんだ!

おじ「そ、それは開けずに俺の部屋に置いておいてくれ!開けるなよ!必ずだぞ!」
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/05/15(火) 04:29:22.33 ID:9p8mBD3AO
女「おお!これが男の処女作だね!凄ーい!
これは永久保存しないと!」

女は男の書いたページを開いて机に置く


女はお祝いにビールを開けグラスに注ぐ
男「いや〜、たいした事ないよ、1ページだしさあ、女は大げさだなあ」

そう言う男は男で喜びが隠せない

本当にたいした事ないのだが
小説界に足跡を残せた事が嬉しい、


女「私も最近教える事が少なくなったって美人さんに言われるし」

男「そうか、女前その美人さんにスカート送ってたよな
俺会った事もないけど・・・」

今回の小説の件で男が一歩リードした形になった

男の名前は大げさに言えば世界に船出したのだ
ただ、それだけである
調子に乗って技術向上などを疎かにすれば
落ちぶれは早い
男にもそれはわかっていた

男「まあ、続けるだけ・・・それだけ・・・」

女「うん・・どうなるか分からないけど、前に行くしか無いよね・・・」

二人の中で決意は固まった
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/15(火) 07:00:22.57 ID:s1yDUwESO
やってくれるぜ男wwwwww
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/15(火) 08:16:13.45 ID:H/mXplI1o
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/15(火) 19:10:40.63 ID:Qchefg0/o
なんという嫌がらせwwwwwwww
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/05/29(火) 11:56:03.53 ID:oYsdrcUAO
女が教室に入ると女の子が一人ぽつんと残っていた


女「あの〜掃除始めていいですか」

専門生「あっ女・・・ごめんね考え事してて」

女「いや別に大丈夫、どうしたの?何か悩みかな?」

この専門生は女の友達だ
頭の悪い奴が多い中でも真面目な子もいるのだ

専門生「あたしバカだから大学にも行けないからってこの道選んだんだけど
このままでいいんだろうかって・・・」

女「なんで、服飾が嫌いになったの?」

専門生「いや嫌いじゃない、嫌いじゃないよ、けど・・・」

女「けど?」

専門生「好きなのと食べて行けるのかって別な気がするし・・・」

女「そうだよね・・・でもどうして?あんなに頑張ってたじゃん」

専門生「いや、友達がさ、公務員試験に受かって、
パリッとスーツ決め込んでるのを見て
あたしほら、結構派手な格好してんじゃん?
わがまましてるのかなって」

専門生はパーマがかった髪を撫でる

女「専門生ちゃんはちゃんと努力してると思うよ
大体ここって服飾の学校じゃん、服飾を頑張ってないで
公務員試験の勉強してたその人の方がちゃんとしてないと思うよ
だってそれはほら、ここじゃ無くても出来る事じゃない?
専門生ちゃんはここで学べる事学んで私にも教えてくれて・・・」

専門生「ごめん、あたし、卒業制作、行き詰まってて、変に気持ちがフワフワして不安になってたんだ」
専門生はタバコに火をつける

女「こらー、教室内は禁煙だぞー」

やっと笑いがこぼれた

専門生「良かったらさ、卒業制作手伝ってくんない?女だったらあたしの作品に触られてもいいし、」

専門生は軽口に言う
女「いや、あたし仕事中だし・・」モップを見せる

専門生「終わってからでいいよ、女さえ良かったら、酒奢るしさ」
専門生が女を見つめる

女「マジ?」

専門生「大マジ、」
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/29(火) 17:14:35.25 ID:kpEtMFxIO
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/23(土) 14:49:17.86 ID:CweFCtCSO
まだかね
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/06/24(日) 23:02:54.91 ID:BK3JtB5jo
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
   /:::|  ___|       ∧∧    ∧∧
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271 :すみません・・・入院してました :2012/06/29(金) 00:09:41.02 ID:RJIb9B+AO
メガネ「ほい、兄ちゃん、今月の分な」

メガネからうっすい封筒が手渡される

男「はい、ありがとうございます」

メガネ「最近良くなってるで、ボチボチ人気も出てるし、
お祝いにメシ食いに行こか、お前の金で」

男「そんな事したらこの金なくなりますよ!」

メガネが下品な笑い声を上げて痩せ男が笑う、

痩せ男「そりゃそうだね、小説これからどうすんの?」

痩せ男がふいに真面目な顔になる

男「えっこれからも続けますが・・」

メガネ「甘いな〜兄ちゃん、最近この業界落ち目なんや
いくら人気作家になってもこれではくっていかれへんで」

男「それでも、続けます!」

メガネがニヤリと笑う

メガネ「さよか、勝手にせい」

男が家に帰ると女の姿がない
最近は夜遅くまで友達を手伝ってるらしい

家に帰ってもすぐ勉強を始める

あれ?あいついつ寝てんだっけ?
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/06/29(金) 00:20:14.36 ID:RJIb9B+AO
深夜遅くに女が帰ってきた
女「ただいま〜、あれ?なんだ起きてたの?先に寝てて良かったのに」

男「おかえり、ご飯出来てるよ」

味噌汁と、米と魚、のシンプルなものだ

女「うん、美味しい!最近はごめんね、男ばっかりにご飯作らせてさ」


男「いや、大丈夫、それより女さ、最近寝てるか?」

女「そういえばあまり寝てないなー、どうして?あたし疲れてる?」

いや女は以前にも増して元気だ

男「かーっ!すごいよ女は、よくそんなんでもつよな・・・」

男が感嘆の声を漏らす

女「そんな事ないよ、ほら農家の生活とかさ、陶芸家の生活でさ
『職人の朝は早い』とかあるけどさ
結構できるもんなんだよね、嫌いだったら絶対無理だけど
好きならできる、多分男ならわかると思うよ」

と女は語るが男にはまだ理解が出来ない
ただ少し感覚的に理解したのみだった

男「へぇ・・・なんか凄いな、まあ無茶すんなよ」

女「うん!」

273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/06/29(金) 00:31:52.26 ID:RJIb9B+AO
専門生との作業は夜になってから始まる

女「ごめん、遅くなって!始めよっか」

専門生「ああ、良かった、最近女がいないと始まんないんだよね・・・」

専門生はタバコを消す、 目の下にはクマがありデザインの事でとても疲れてるみたいだった

専門生「ここをこうしようと思ってんだよね、どう思う?」

女にデザイン画を見せる

女「こうしてもいいんじゃない?シンプルになって」

専門生「うん!これいいよ、さっそく作業始めようよ!」

女と専門生の作業が始まる

突然、女は妙な感覚になる
生地に体がひっつくような、どんどん一体化して、自分の体の一部になるような感覚だ

それなのに嫌だとかの感情が芽生えない、ただ手が動く、何も考えられない、

専門生「女・・・?」
専門生が女の方を見た時ギョッとなる

早い・・・とてつもなく早い、それなのに正確に仕事をしている

専門生「あたしも負けらんないね・・・」
専門生は自分のすべき事に戻っていった
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/06/29(金) 01:18:29.92 ID:oFtttNH+o
乙です
入院って……大丈夫か?
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/06/29(金) 02:31:51.44 ID:FU/RFZANo
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/30(土) 19:56:40.37 ID:1jJmDewto
乙だが、もう退院したってことでいいんだよな

無理すんなよ?
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/03(火) 23:53:23.16 ID:/7Nbi4uSo
乙!
入院なんてしたことない
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/07/31(火) 07:31:39.13 ID:Tzij5BMIo
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
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279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/14(火) 22:46:20.36 ID:NYx5SgiIO
入院中か?
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/21(火) 23:20:14.80 ID:/oqzSyR4o
大丈夫かな
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