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猫子「拾われて……やりました」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :新人 ◆4jPnOLgqH. :2011/11/30(水) 02:00:28.45 ID:WmpqHas40
男「逆に尊敬したいわ、その物怖じしない態度」

猫子「……照れて、しまいます」

男「褒めてねぇ。しまいにゃ捨てるぞ」

猫子「捨てたら……警察に、男に嬲られた挙句に捨てられたと……通報する」

男「外見に騙されて拾った結果がこれか。やべぇ泣きそう」
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 :新人 ◆4jPnOLgqH. :2011/11/30(水) 02:01:17.21 ID:WmpqHas40
〜一週間前〜

男「ファミレスって中々しんどいな……コンビニのバイトの方がマシだった気がする。
  ただ時給が良いんだよなぁ。悩みどころだ」

猫子「にゃー……にゃー」

男「大学の授業料と、アパート代と……他にも生活費も〜っと。金が幾らあっても足りんな。
  叔父さんには迷惑かけたくないし、だからって親父達の残してくれた金を考え無しに使うのもな」

猫子「にゃぁ……にゃぁ」

男「うぉぉ、さむっ。さっさと帰ってコタツ使うか。背に腹は変えられん」

がしりっ

猫子「……可愛い猫が、寒い寒いと鳴いていますよ……色男」
3 :新人 ◆4jPnOLgqH. :2011/11/30(水) 02:01:50.38 ID:WmpqHas40
男「無視してたのを分かってくれ」

猫子「普通、こんな寒空の下……可愛い猫が鳴いてたら、助けませんか?」

男「俺の知ってる猫は美少女に耳と尻尾付けた生き物ではないな。
  君のような子は猫ではなく変人と言うんだぜ?」

猫子「そんなに褒められたら……照れて……しまいます」

男「美少女以外の所では褒めてないけどな。ってか、普通に服着てるじゃん、アンタ」

猫子「ん、これ……なんか、目が覚めたら着てました。
   ついでに……この耳、本物ですよ?触って……みますか?」

ぴこぴこ(耳が小刻みに動く

男「ふ、動く玩具か……好奇心を刺激してくれる。触らずにはいられないな!」
4 :新人 ◆4jPnOLgqH. :2011/11/30(水) 02:02:29.48 ID:WmpqHas40
猫子「ふぁ……ん……あぁっ」(びくびく

男「なんか、暖かいな。感触も、本物の猫のみたいだ……」

猫子「んぁ……あ、あんまり触られると……び、敏感なので」

男「無表情で感じてる所が面白くて、つい」

猫子「貴方……結構サド野郎ですね」

男「見ず知らずの女の子にそんな事言われるとは思わなかった」

猫子「わたしも……男に、こんな事言うとは……思いませんでした」

男「あれ……君、なんで俺の名前知ってるんだ?」

猫子「あ……そこ、胸元に、名前……書いてあったので」

男「うわ、バイト先の名札付けっぱなしだった!はずい、結構はずい!」
5 :新人 ◆4jPnOLgqH. :2011/11/30(水) 02:03:01.30 ID:WmpqHas40
猫子「でも……信じて貰え……ましたか?本当に猫ですよ……わたし」

男「確かに、尻尾も動いてるな。どういう原理か知らんが良く出来てるな」

猫子「信じて……ないんですね」

男「で?その猫さんが俺に何の用だ。俺はサッサと帰って課題とかも済ませなきゃならないんだ」

猫子「……さぁ、ここで問題……です」

男「いきなりだな」

猫子「古今東西……捨て猫を見付けた、心優しい人は……どうするでしょうか」

男「見て見ぬ振り」

猫子「じーざす」
6 :新人 ◆4jPnOLgqH. :2011/11/30(水) 02:03:28.99 ID:WmpqHas40
猫子「答えは『拾う』……です」

男「なるほど勉強になった、ありがとう。それじゃぁな」

猫子「じーざす……ではなく、拾え、拾え。
   今なら、家事も出来るし……料理上手な猫が……無償で拾えるのですよ?」

男「俺が家事も料理も出来るから別に要らん」

猫子「oh……な、ならば……床上手なら……いえ、経験……無いですけど」

男「恥ずかしいなら言うな。っつうか、家出か?家出なのか?」

猫子「記憶……無いです。ちなみに……二日ほど、何も食べて無いです」

ぐぅ〜〜〜〜〜〜〜〜……

猫子「あんまり……聞かないで下さい……聴姦で訴えますよ?」

男「なんだ聴姦って。始めて聞いたわ」
7 :新人 ◆4jPnOLgqH. :2011/11/30(水) 02:04:07.62 ID:WmpqHas40
猫子「おぉ……中々小奇麗、なんですね」

男「ほら、そのコートはあっちに掛けとけ。そんで、コタツにでも入ってろ。
  ずっと外にいたままだったんだろ?」

猫子「流石男……猫にコタツとは、分かってますね。惜しいのは……ミカンが無い事です」

男「お前注文多いな。言った分だけ飯の量減らすぞ」

猫子「大人しく……コタツに篭ってます」

男「おいバカ、コタツで頭隠して尻隠さずは止めろ。パンツ見えてるぞ」

猫子「お礼ということで……一つ」

男「なら写真撮って触ってみるか。破くのもアリだよな?」

猫子「勘弁して下さい……」
8 :新人 ◆4jPnOLgqH. :2011/11/30(水) 02:05:33.11 ID:WmpqHas40
猫子「おぉ……中々小奇麗、なんですね」

男「ほら、そのコートはあっちに掛けとけ。そんで、コタツにでも入ってろ。
  ずっと外にいたままだったんだろ?」

猫子「流石男……猫にコタツとは、分かってますね。惜しいのは……ミカンが無い事です」

男「お前注文多いな。言った分だけ飯の量減らすぞ」

猫子「大人しく……コタツに篭ってます」

男「おいバカ、コタツで頭隠して尻隠さずは止めろ。パンツ見えてるぞ」

猫子「お礼ということで……一つ」

男「なら写真撮って触ってみるか。破くのもアリだよな?」

猫子「勘弁して下さい……」
9 :新人 ◆4jPnOLgqH. [sage]:2011/11/30(水) 02:07:02.22 ID:WmpqHas40
猫子「チャーハン……ですか」

男「安いからな。一応、玉葱は抜いといたから安心しとけ」

猫子「なら平気……ですね。美味しそうです……」

ぐぅぅぅぅ〜〜〜

男「さっさと食べろ。冷めるぞ」

猫子「……頂きます」

ばくばくばくばく

男「おい、口だけで食べようとすんな。スプーンを使えスプーンを」

猫子「使った事……無いので。記憶があった時は……どうか知らないですけど」

男「はぁ……猫かどうかは別として、記憶喪失はマジっぽいな。まぁ、持ち方はどうでもいい。
  取り合えず掴んで、掬ってみろ。せめて食器くらいは使えてくれよ」

猫子「不器用……なので」

男「言いたかっただけだろ、お前」
10 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/11/30(水) 02:08:20.73 ID:WmpqHas40
猫子「迷惑は……掛けないです。家事も、可能な限りやります。
   わたしを飼って……貰えないですか?」

男「金に困ってるのに人一人養える訳無いだろ。ダメだ」

猫子「体も……す、好きにしてくれて……構わないです」

男「お前……何でそこまでしてここにいたいんだ?交番に行けば家族の捜索くらいしてくれるぞ?」

猫子「猫ですから……家族、いないです。寒くて……寂しくて……もう、あんなの……嫌なんです」

男「……あぁ〜、もう、そんな顔すんな」

ぽん、撫で撫で

猫子「ん……?な、なんで……撫でるんです?」

男「撫でたかったからだよ。そういやお前、家事出来るって言ったな。どれくらい出来る?」

猫子「……が、学習能力は、高いです」

男「嘘かお前」
11 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/11/30(水) 02:09:26.23 ID:WmpqHas40
男(まぁ、この子に家事とか覚えて貰えれば、その分バイトの量とか増やせるからな。
  それに、良くも悪くも俺に干渉して来る人なんていないし。
  この子の親が捜索届けを出してたら交番に連れて行けば良いだろう)

男「お前の親が見付かるまで、ここにいていいぞ。
  その代わり、家事は全部完璧に出来るくらいになって貰う。ある意味、お手伝いさんみたいなもんだな」

猫子「や、やります……置いて頂けるなら……幾らでも」

男「教えるからには厳しく行くぞ。それこそ、一週間で全部完璧に出来るようになるくらいにはな」

猫子「が……頑張ります」

男「んじゃま、今日のところは俺のやる事を見てりゃ良い。
  手順を覚えて、明日からはフォローだけでやって貰うからな。夕飯も手伝って貰うぞ」

猫子「ん……わかりました。あ……床の練習は――」

男「覚えんで宜しい」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/30(水) 02:10:36.75 ID:WvqTpX190
猫子たんペロペロ
13 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/11/30(水) 02:10:59.44 ID:WmpqHas40
〜〜現在〜〜〜

猫子「男……お帰り」

男「おう、ただいま。飯は出来てるか?」

猫子「ん……ちゃんと出来てる。鶏肉安かったから……からあげ」

男「なるほど、匂いはそれか。っていうか料理上手くなったな……。
  まさか本当に一週間で家事全部マスターするとは。俺より上手いんじゃないか?」

猫子「お世辞言うのは……珍しい。……疲れてる?」

男「ちょっとな。でも、猫子のお陰でバイト増やせたし、中々充実してるさ」

猫子「わたしの……せいだけど、あんまり無理は……いけないと思う」

男「良いんだよ、働いて稼げば困る事はないし。
  それにさ、今働いてるファミレスのバイトで大学を卒業したら正社員目指さないかって言われてるんだ。
  まぁ、無理しない程度に頑張るさ」

猫子「……男、かっこいい。惚れそう」

男「はいはい、さっさと飯食べような」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/30(水) 02:11:03.20 ID:Y1L5iXrSO
期待
15 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/11/30(水) 02:13:12.22 ID:WmpqHas40
男「ん、ご馳走さん」

猫子「お粗末様……でした。多めに作ったけど……凄い食べた」

男「バイト漬けで腹減ってたからな。それに美味かったぞ、猫子。
  一週間でここまで出来るんだから、もしかしたら料理の才能とかあるのかもな」

なでなで

猫子「あ……ん、ありがと……。それと……お風呂、もう沸いてる。
   シャンプー……切れてたから、新しいの、買っておいた」

男「おう、サンキュ。んじゃ先に入って来る。
  皿洗いは俺がやっとくから、テレビでも観てゆっくりしとけ」

猫子「……分かった」
16 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/11/30(水) 02:13:58.54 ID:WmpqHas40
カポ―――ン

男「ばばんば、ばん、ばん、ばぁん……古いか。
  でも最近の歌とか分からないんだよな。いっその事演歌でも歌うか」

猫子『男……湯加減、どう?』

男「ん?おう猫子か。良い感じだぞ。お前だと熱いだろうから、冷ましといた方が良いかもな」

猫子『ん……大丈夫。だって――』


ガラガラ(扉の開く音

猫子「……一緒に、入るから」

男「……そのスクール水着、どうした?」

猫子「商店街で……1000円だった」

男「ぺったんこですね」

猫子「じーざす……です」
17 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/11/30(水) 02:14:31.03 ID:WmpqHas40
男「おいバカ股の間に座んな」

猫子「狭いから……並んで入れない。だから……折衷案」

男「なら入るんじゃない。というか1000円払って水着買ってまで一緒に入ろうとすんな」

猫子「お礼に……背中、流そうかと」

男「先に言え、止めさせるから」

猫子「だから……内緒で入って来た。作戦……成功……ぶい」

男「お前にはわかるまい……男の苦悩を。それと尻を動かすな、当たる、当たるから」

猫子「……ん、座りやすいスペース……製作中。……?何か、硬い物が……」

男「もうやだ、この猫」
18 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/11/30(水) 02:22:58.36 ID:WmpqHas40
猫子「明日も、ばいと……なんですか?」

男「いや、明日は三つ全部休みなんだ。重なっちまってな。それとお前は布団の中に入ってくるな。
  何のためにお前の布団買ったんだよ。一セットで2000円もするんだぞ、それ」

猫子「暖かいから……一緒の方が、良いです。暖房……要らず。
   そして相談なんですが……明日、散歩、行きませんか?」

男「散歩にか?」

猫子「わたし、余り外に……出てませんでしたし……男が暇なら……是非」

男「別に構わないぞ。家でずっとゴロゴロしてるのもなんだしな」

猫子「……ん、ありがと……男」

ごそごそ

男「おいバカ抱き付くな!やっぱり自分の布団行けお前!」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/30(水) 02:28:50.31 ID:8ozmuNYb0
俺もファミレスで働いてるけどこういう猫は拾わなかったな






今日の夜は空でも眺めとくか
20 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/11/30(水) 02:32:53.76 ID:WmpqHas40
〜〜次の日〜〜

男「ふぁぁ〜〜……久し振りに良く寝たな。
  やっぱり講義の前の早朝からコンビニのバイト入れるのは体にきついのか……再確認」

猫子「男、まだ8時……寝てても、良いですよ?」

男「いや、もう眠くないから大丈夫だ」

男(というかエプロン姿で朝飯作ってる美少女が我が家にいるのか。
  猫耳ついてて尻尾まであるって言っても、中々くる物があるな。男の夢でもあるし。
  これで無表情なジト目じゃなければ更に良いんだが。あと、あのまな板をもう少し厚く……)

猫子「なら……もうちょっとで、朝御飯出来ますから……待ってて」

男「急がなくて良いからな〜」

猫子「ん……わかった」

男(振り向くとエプロンの下から尻尾が見えるのはシュールだな。どうやってパンツはいてるのか気になるところだ)
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/30(水) 02:41:17.12 ID:80iSuYJIO
期待…
完結頼む
22 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/11/30(水) 02:41:24.71 ID:WmpqHas40
猫子「洗濯物……干し終わった」

男「うん、中々の手付きだ。しかし猫子、俺の下着を前面に押し出す干し方はやめろ」

猫子「良く乾いた方が……良いと思って」

男「要らんお世話だ止めなさい。それと、布団は干した時に適度に叩いておけ」

猫子「……?布団はマゾなの?」

男「お前なんでサドとかマゾとか知ってんだ。そして叩かなきゃいけないのは、ダニの屍骸とか埃を落とす為だ。
  ただでさえ、お前耳とか尻尾とかで毛が多いのに、かゆくて堪らなくなるぞ」

猫子「……想像したらかゆくなって来ました……汚物は消毒……です」

男「バカ布団を燃やすな。虫や埃と共に寝床まで燃えるぞ」

猫子「男の布団……一枚で十分……あ、男の布団も……」

男「止めろチャッカマンを持ち出すのは。放火魔にでもなる気か」
23 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/11/30(水) 02:48:11.68 ID:WmpqHas40
男「火元のチェック」

猫子「ガスは……元栓も切りました」

男「全ての戸締り」

猫子「窓、おーるくりあ……男の社会の、窓は?」

男「全開……おっとマズイ。よし、閉めたぞ。俺の戸締り良し。んで、忘れ物は無いな?」

猫子「いえす……バスケットも、持ちました」

男「何が入ってるかは知らんが、まぁ深くは訊かん。それじゃ全部のチェック完了だ」

猫子「帽子被って……ん、大丈夫」

男「尻尾は隠せてるな。よし、さっさと出掛けるか」
24 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/11/30(水) 02:57:00.65 ID:WmpqHas40
猫子「ん……風が気持ち良……くない。寒い……です」

男「お前自分で出掛けるって言ったんだから少しは我慢しろ。ほら、マフラーでも着けとけ」

猫子「おぉ……中々暖かい……」

男「手縫いだからな。安物の毛糸でも工夫すれば上物にも適うのさ。
  やべぇ……言ってて懐も心も寒いわ。もっと高めの毛糸とか買えれば良いんだけどな」

猫子「手縫い……?」

男「今度は裁縫にまで興味を示すか。良い傾向だぞ猫子。帰ったら教えてやろう」

猫子「……ん、男の役に……立つなら」

男(……な、なんかあれだな。こそばゆいと言うか、猫子が可愛いというか。
  いや、外見は元々美少女なんだけども。何なんだろうな、これ)

猫子「どうか……した?」

男「何でも無いさ。ほら、公園まで結構遠いし、久し振りに金に成らない労働をするぞー!」
25 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/11/30(水) 03:07:32.04 ID:WmpqHas40
??「ふむ、なるほど……あれが猫を飼っている物好きな男か」

犬「ワン、ワンワン」

??「お前は賢いのぅ、シベリアン。どれ、褒美にジャーキーをやろう」

犬「ワンワォン」

??「そうじゃのう。人間が飼うなら猫よりも賢い犬……当然の事じゃ。だからあの幸せそうな猫が気に入らん。
   一番最初にあの男に目を付けたのは、吾だというのに」

犬「バゥ、ワゥ」

??「ふむ……奪うか。それも良いかも知れぬな。
   どれ、あの猫が男から離れたら、少しばかりちょっかいを出してみるか」

犬「ワンワン」

??「……しかし、先程から視線が痛いのぅ。吾の何が珍しいのか……人間はよう分からんのじゃ」

近所の奥様A「コスプレかしら」
近所の奥様B「最近の若者はこれだから……」
近所の奥様C「それもあんな裾の短い着物……破廉恥でございます!」

??「世も末じゃのぅ」

犬「きゅぅぅん」
26 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/11/30(水) 03:12:00.09 ID:WmpqHas40
今日はここまでです。次回は明日にでも。
そして、質問なんですが、ここの板はR18文は大丈夫なんでしょうか?
新参者で小説も初めてなんですが、緊張しっぱなしでここまで書き上げました。
またお付き合い頂けると幸いです。
この小説は書き上げるつもり満々なので、安心して見て頂けると幸いです。
こんな作品にコメントを下さった皆様ありがとうございます。では、また明日〜ノシ
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/30(水) 03:14:40.97 ID:8ozmuNYb0
俺的にはエロいらん
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/30(水) 03:24:50.84 ID:XA+3SzI0o
ジト目最高じゃん
R18(エロ、グロ)は投下前に注意書すればよかったはず
まぁ>>1の好きなように書けよ
周りを気にするな
でないと書きたいものが書けなくなる

個人的にエロはバンバンやれ
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/11/30(水) 04:21:53.45 ID:EDAS33ZYo
猫子かわいい

エロは正直どっちでもいい。でも書くつもりだったものをまわりから「いらない」って言われたから辞めとくっつーのは嫌だ
なのでエログロ鬱展開あたりは注意書き書いといてくれれば、あとは>>1の好きなように書けばいいと思う
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/30(水) 09:57:35.33 ID:nmwTqpfIO


R18は気にするな
ガンガン行け
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(神奈川県) :2011/11/30(水) 14:47:49.47 ID:JKj3RmG10
面白そうなスレみっけ
乙 がんばれ
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(神奈川県) [sage]:2011/11/30(水) 14:50:47.45 ID:JKj3RmG10
ごめんsage忘れた
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/30(水) 14:57:13.92 ID:eF90DcgPo
みんなの暇つぶしのSS掲示板にも全く同じスレあるけど
作者は同一人物?
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/11/30(水) 16:39:14.28 ID:WyfCLJCHo
エロと聞いて。期待
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(奈良県) [sage]:2011/11/30(水) 19:54:29.68 ID:6SkL8K2J0
期待。

エロはともかくとして。期待。
がんばってくれ。

36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/30(水) 21:47:07.71 ID:oeDS2HzIO
微エロというものがあってだな
37 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/11/30(水) 23:05:58.77 ID:WmpqHas40
では、今からまた書き始めます。
その前にコメント返信を。沢山のコメントと猫子へのコメント、ありがとうございます。
>>33さんの件は、間違いなく私です。
一度スレ立てたんですけど、立てる場所を間違えてしまい、再度ここで立て直しました。
やはりあちらの所で消去願いは出した方が良いんでしょうか?
それと、>>8>>7のレスが重複していますね。消去したいのですが、サーバーが重く、管理者に連絡が取れていません。
このまま続けていいかは、少し疑問が残ります。
R18については、シナリオの展開で入れるかどうか考えますので、その時に注意書きを入れるという事で一つ。

猫子「では……今夜も宜しく、お願いします」
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/11/30(水) 23:10:22.84 ID:RoE12Cm4o
ここはいちいちミスでレス削除なんてしてません
ローカルルールぐらいは読んできなさい
期待はしている
39 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/11/30(水) 23:21:28.61 ID:WmpqHas40
男「公園も過疎ってるなぁ、見事に」

猫子「子供は風の子……というのは、昔だけ……ですね。今では、屋内が主流と……みのさん言ってました」

男「悲しい時代だな。俺が子供の頃は、従妹のやつとブランコで飛び合ったり、おままごとしたりが普通だったのに。
  そういや……妹とも良く来てたな。あいつ、体弱いのにはしゃいで……俺が連れて帰ってたっけ」

猫子「……男、どうかした……?」

男「いや、何でもないさ。というかお前、公園なんかで良かったのか?もっとあるだろ、遊園地とか。金ないけど」

猫子「……男と、始めて会った場所……だから。また、来てみたかった」

男「物好きな奴だな、お前。ま、寒い事抜かせば広くて遊具も多い公園だし、遊ぶには困らないけどさ。
  ほら猫子、犬なんかもいるぞ。シベリアンハスキーだなありゃ……はぁ!?放し飼いのシベリアン!?」

猫子「男なら……犬にも勝てる。がんば……」

男「お前だけ木に登るな!うわやべぇめちゃくちゃ威嚇して来てる!それでも飼い犬かテメェ!」

犬「わん、わん」

猫子「いえ、ただ懐いて来てるだけに見えますが……」

男「俺、昔犬に噛まれてから犬が怖いんだよな……見る分には全然構わないんだが」
40 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/11/30(水) 23:35:25.51 ID:WmpqHas40
男「飼い主来てくれて助かったな。あんな強面の犬、放し飼いなんてダメだぜ」

猫子「汗びっしょり……拭いて、あげる」

男「猫子がハンカチ持ち歩くようになるとは……一週間で人はここまで成長するんだな。まるで娘を見ている父の気分だ」

猫子「人じゃなくて……猫」

男「あぁ、見事にお前が猫って事忘れてた」

猫子「……むぅ……」

男(実際、耳と尻尾が無けりゃただの女の子だもんな。だからこそ、こうして出歩ける訳だけども)

男「拗ねるなって。ほら、一緒に遊んでやるから。シーソーとかどうだ?」

猫子「拗ねてなんて……いません。それと……しーそー、って何ですか……?」
41 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/11/30(水) 23:45:56.98 ID:WmpqHas40
ギー――バタン。ギー――バタン

猫子「……面白く、ないです」

男「子供の頃って何でこんなんではしゃげるんだろうな。いや、年を重ねる毎に俺の心が冷めて来ているって事か」

猫子「普通に、乗ったら……わたしが、浮きます」

男「当たり前だ。俺の方が浮いたら一大事だぞ。
  お前の体が某猫型ロボみたいに機械で出来てるか、俺が重度の拒食症かのどっちかだな」

猫子「でも、わたしが……下になったりも、します」

男「シーソーの醍醐味だな。やろうと思えば思いっきり体重掛けてお前を浮かす事も可能だ」

猫子「……股が……痛い、です」

男「シーソー長い事やってるのは体に毒だな……俺もちと痛い。今度は何か違うのにするか」

猫子「……男……男」

くいくい

男「ん?なんだよ」

猫子「あれ……あれ、乗ってみたい……です」
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) :2011/11/30(水) 23:48:25.56 ID:x6i+HLw7o
>>37
ああ新参のカスなのか
ここでやらずに巣に帰って死んどけ
43 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/01(木) 00:01:00.24 ID:CO88NWco0
男「ブランコの順番待ちしてた頃が懐かしいな」

猫子「……わたしは、こっちの方が……良い」

男「そういや、従妹も妹もブランコ好きだったな。あの時は俺の方が身長小さかったんだっけか」

猫子「…………」

男「おい無言でブランコ壊すぐらい漕ぐんじゃない。そういう遊具じゃないからな、それ」

猫子「良い……ストレス発散道具」

男(そこまでストレス溜め込んでたのか。あんまり家から出てなかったし、アパートも狭いからなぁ。
  もっと外に連れ出してやりたいが、それだと生活費に支障が出るし。難しいところだな)

猫子「これで少しだけ……男の服を叩いて、ストレス消す回数……減らせる」

男(もうこいつに気を使うのをやめよう)
44 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/01(木) 01:27:59.79 ID:CO88NWco0
男「まさか遊具で昼過ぎまで遊ぶ事になるとはな」

猫子「合計……2時間程……遊び続けてた」

男「シーソーやった時は絶望的過ぎてもう帰ろうとも思ったけどな。結構遊べるもんだ。
  ま、取り合えず時間も時間だし、昼飯でも食いに行くか。出来るだけ近くて安い所が良いな」

猫子「……男、わざと……言ってます?」

男「いや、ただ飯食いに行こうって言ってるだけだが?」

猫子「――……相変わらず……鈍感」

男「なんだ?何か食いたい物があるのか?600円までは許すぞ」

猫子「……作って……来た」

男「……?何をだ?」

猫子「――お、お昼……ご飯」
45 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/01(木) 01:41:53.01 ID:CO88NWco0
男「サンドウィッチか、なるほど。朝何か作ってたけど、これだったのか」

猫子「バスケットに……何が入ってると……思ったんです?」

男「ボールとかの……玩具とか?」

猫子「それは、別に、持ってきてます……後で、投げて下さい」

男「ボール遊びは猫というより犬のような気がするんだけどな。人それぞれっていうか、猫それぞれか。
  でも何で昼飯作って来てくれたんだ?別に外食でも良かったのに」

猫子「……外で食べると……高いって、何時も男……言ってるから。ちょっとでも……役に立てれば……って」

・・・・・・・・・

男「ちょっと待っててくれ」

猫子「……?男、どこか……行くの?」

男「いや、ちょっと正気を取り戻して来る。直ぐに帰って来るから待っててくれ」

男(無表情からいきなり笑顔になるのはダメだろ……ぎこちなかったけどさ)
46 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/01(木) 01:56:53.68 ID:CO88NWco0
〜公衆トイレ内〜

男「なんとか落ち着いたな。よし、何時も通りだ」

男(まさか猫子が笑顔浮かべるとはな……あれは驚きだ。驚いてテンパッたんだ。断じて猫子にときめいた訳じゃない)

男「って、まずいな。猫子一人にしたままだ。考え無しにトイレに来ちまったな。さっさと戻らないと」

??「のう、そこの者」

男「看てないと何しでかすか分かったもんじゃないし。そうだ、これは親心なんだよ」

??「おい聞け、吾が話し掛けておるのじゃぞ」

男「家事全般出来るようになったからって、抜けてるところは治ってないしな、うん」

??「聞かんか戯け!というか聞こえておるのじゃろ!吾がその気になれば、この牙でお前に噛み付く事など朝飯前なのじゃぞ!?」

男(また面倒そうなのに絡まれた……)
47 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/01(木) 01:57:31.52 ID:CO88NWco0
今日はここで区切ります。続きは明日にでも。
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/01(木) 02:05:32.58 ID:zlcuUvPPo
>>42
はぁ?
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/01(木) 02:37:00.11 ID:TNVPbfHho
エラーになってても大抵書き込めてるから、ちょい待ってリロードしてみるのが吉らしい
あと2回どころか6・7回くらい同じ部分を連投した人もいたからいちいち気にせんでもいいよ
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/12/01(木) 06:56:06.11 ID:ATbp/yTqo
乙〜
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/01(木) 07:46:00.02 ID:JvsVzGwSO
あずにゃんスレかと

期待
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/01(木) 18:34:21.06 ID:NE4d66Wy0
期待してるよ
53 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/01(木) 23:07:37.59 ID:CO88NWco0
では、今から再開します。今夜も宜しく、お願いします。
54 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/01(木) 23:20:18.89 ID:CO88NWco0
男「……何方でしょうか?」

??「うむ、やっと気付いたのじゃ。だが吾は寛大じゃから、その無礼も許そう」

男(なんか猫子に会った時と即視感を感じるのは気のせいか。なんかこいつにも耳と尻尾があるし。
  立ち耳と尻尾の形状からして……犬か。猫よりも性質が悪そうな性格してるな)

犬子「して、ソナタは男で間違いないな?」

男「名前教えた覚え無いんだけどな。なんだ、猫とか犬は人の名前を推測出来るのか?」

犬子「シベリアンに聞いたのじゃ。してソナタ、物好きにも、あの猫子を飼っているみたいじゃの?」

男「なんだ猫子と知り合いなのか」

犬子「うむ、あやつとは犬猿の仲じゃがの。それよりも主、あの猫など止めて、吾を飼ってみてはどうじゃ?
   あやつよりも吾の方が気が利くし、何より飼うなら猫よりも犬じゃろう?」

男(やべぇ、話題も何か猫子の時と似てる。言い方は違うが遠回しに飼う事を要求して来てるぞ、この犬)
55 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/01(木) 23:30:22.64 ID:CO88NWco0
男「いや、ペットは間に合ってるし、そもそも俺、犬苦手だし」

犬子「……なに?」

男「昔近所で飼われてた犬に手を噛まれてな。それ以来、犬はどうも苦手なんだ。飼おうとも思わん」

犬子「……あのバカシベリアン、吾を謀りおったな……そんな事聞いておらんぞ」

男「どうしたよ」

犬子「い、今なら尻尾枕をしてやっても良いぞ?」

男「要らん」

犬子「ぐふっ……な、何故じゃ!猫よりも犬の方がペットに相応しいじゃろ!猫を飼っているなら、犬も良いではないか!」

男(凄い事言い出したな、この犬)

男「貧乏な家にペットを2匹飼う余裕は御座いません。だいたい、お前等一匹単位というより一人だろうが。
  耳とか尻尾なければタダの人じゃん。猫も犬も変わりません」

犬子「お主言ってはならぬ事を言うたな……?」

男「事実です」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/02(金) 00:00:41.58 ID:hBD+wW+Po
犬いらね
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) :2011/12/02(金) 00:49:01.22 ID:etGla5ldo
一気にゴミ化したな
もう書かなくていいよ
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(福井県) :2011/12/02(金) 00:51:38.93 ID:7RB2NJPUo
犬も大事だろう
59 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/02(金) 01:00:58.31 ID:4eHeb6yk0
猫子「男……どうか、したの?」

男「おう……お前の知り合いらしいな、こいつ」

犬子「ふん、出たか泥棒猫!一週間振りに見ても腹が立つ顔じゃ!何故吾が目を付けておった男を横取りおった!」

猫子「……遅いと思ったら……そういう事、ですか。犬子、確か……貴方は主人を見付けてる筈です。
   何で男に、声を掛けて……いるのです?」

男「は?お前野良じゃないのか」

犬子「わ、吾はあやつを主人とは認めんぞ!だから、あれと代わりに男を寄越せ!」

猫子「……だ、そうですよ……カマさん」

??「あらぁ〜ん犬子ちゃ〜ん、随分と面白い事いってるじゃな〜い」
60 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/02(金) 01:08:30.57 ID:4eHeb6yk0
犬子「ひぃぃぃぃ〜〜〜!!な、なぜ貴様がここにいる!?」

オカマ「あら犬子ちゃんったら、飼い主が飼い犬の居場所が分からないと思わないでぇ〜。
    こうやって、貴方の首輪に探知機も仕込んでるんだからぁ〜」

犬子「もう嫌なのじゃ、このオカマ!自分の神社が儲からんからと吾を犬神とか言うて金稼ぎしようとしとる!
   猫子、代われ!吾と代わるのじゃ!このオカマの話し方から身振りから全てが嫌なのじゃ!」

オカマ「もう犬子ちゃんドンだけ〜」

犬子「くるなぁああああああああ〜〜!!」

男「あぁ、なるほど。今の主人に嫌気が差して俺に話し掛けてきたのか」

猫子「犬神神社と言って……今、結構有名……です。主に、犬子を……祭ってる、お陰で」

オカマ「キャァ〜、何よ猫子ちゃん、その色男!物凄くタイプだわ〜!」

男「知り合いなのか?」

猫子「ここに、ホームレス……してた時に、犬子と一緒に……」

犬子「いやぁ〜離せオカマ!死んでやる!もういっそこの気持ち悪いのといるなら舌噛み切って死んでやる〜!」
61 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/02(金) 01:15:09.89 ID:4eHeb6yk0
オカマ「あらやだぁ〜、猫子ちゃんの飼い主〜?もう、こんなイケメン捕まえるなんて猫子ちゃんどんだけ〜」

男「むかつくな、殴っていいか?」

猫子「一応……男が拾ってくれるまで……餌をくれていた、恩人なので……」

オカマ「猫子ちゃんがイキナリいなくなって不安だったけど〜、彼なら安心そうね〜。
    今度彼と一緒に神社にいらっしゃいな〜。お茶でも出してあげるわよ〜(ウインク」

男「やべぇ鳥肌立った……」

犬子「分かるじゃろう……?別に御神体として奉られるのは良いのじゃ。
   この化け物と四六時中一緒にいなければいけない事に比べれば1000年でも耐えて見せよう……」

オカマ「もう犬子ちゃんのお陰で儲かってて〜オカマバー開こうなんて思ってるの〜。
    そこの彼も開店したら必ず来てね〜、たっぷりサービスしちゃうわ〜」

男「けっこうです」
62 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/02(金) 01:30:25.18 ID:4eHeb6yk0
オカマ「じゃあまだ仕事残ってるから〜カマ子は帰るわね〜ん。またね〜イケメンくん」

犬子「嫌じゃ離せぇえええええええええ―――!!!」

ずるずるずる……


男「お前以外にも人化してる動物っているのな。この町に異変起こってるだろ絶対。
  それとあのオカマ、俺こっちに来て結構経つけど、始めてみたぞ」

猫子「都会のオカマバーで修行して……最近、帰って来た、そうですよ?」

男「筋骨隆々な男がどうしてパッツンパッツンのボディコンスーツ着る様になるかの詳細な過程が知りたいわ」

猫子「実家が厳しくて……反抗して……家出して……あぁなったそうです」

男「やべぇ……家出までは良くある話だが、その後の過程が謎だ。一番そこを知りたいのに」

猫子「『でもわたし、今一番輝いてるわ!』と、カマさん言ってました」

男「親御さんは今一番泣いてるだろうけどな」
63 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/02(金) 01:39:02.54 ID:4eHeb6yk0
猫子「味……どう、ですか?」

男「ん、ツナマヨか。なんか辛味あるけど、唐辛子でも入れたか?」

猫子「わさび……ちょっとだけ。味は……大丈夫だと、思います」

男「いや、美味いよ。まさかツナマヨにわさび入れるとはな……こっちはなんだ?」

猫子「トマトと……レタス。ソースは……作った。あんまり……レパートリー、ないですけど」

男「それでも十分。独り身じゃ、こんなもん全然作ったりしないから新鮮だ。ありがとな、猫子」

猫子「ぁ……その……」

男「はむ……ん、どうかしたのか?」

猫子「――――……ご、ご褒美……欲しい、です」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/02(金) 01:45:27.56 ID:6TquhNsf0
ふおおおおおおおおwwwwwwwwwwwwww
65 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/02(金) 02:03:37.13 ID:4eHeb6yk0
男「こんなんで良いのか?男の膝枕が良いとか変わってるな、お前」

猫子「……趣向は……人それぞれ」

男「お前普段自分の事猫って言ってるだろうが」

猫子「……細かい事……気に、しない。ん……あったかい」

――もぞもぞ

男「だから頭動かすなってば」

猫子「……にゃぁ……良い匂い……します」

男「洗剤の匂いだろうが。ほら、あんまり動くと髪の毛も乱れるぞ」

――なでなで

猫子「ん……帽子被ってるから……平気。それに……こうやって、甘えられるの……余り、ないですし」

男「……そっか。ま、昼飯のお礼だ。飽きるまでしててやるよ」

猫子「…………にゃぁ」
66 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/02(金) 02:26:42.19 ID:4eHeb6yk0
今日はここまでです。ありがとうございました。
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/02(金) 03:44:36.44 ID:Y2I1/X13o
にゃあとか・・・・・・かわいすぎる
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/12/02(金) 06:40:25.19 ID:W/cyNZvao
乙〜
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/02(金) 13:04:36.32 ID:Qjg4e23SO
ここまで従順な猫はいない


でもかわいいから許す
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/02(金) 13:08:12.37 ID:hl6bkhQSO
うちの猫はきまぐれなんだが
しかしかわいい
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) :2011/12/02(金) 13:28:14.88 ID:L7gOWI6co
良いではないか……良いではないか……
72 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/02(金) 23:27:38.65 ID:4eHeb6yk0
今から再開します。宜しくお願いします
73 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/02(金) 23:38:02.21 ID:4eHeb6yk0
〜帰り道〜

男「コートがでかくて良かったな。まさか前にスッポリ入るとは」

猫子「……ん、二重コート……です」

男(親父の残したコートがこんな風に役に立つなんてな。俺にはちと大きかったけど、こういう使い方出来るなら、役得か)

男「苦しくないか?というかお前痩せ過ぎだぞ、もっと食べないとダメだ。
  金ないけど、食費ならそこまで徹底して抑えなくて良いぞ」

猫子「……大丈夫。それと……女の子なら……これで普通」

男「それでも痩せてると思うんだけどな。あの犬子とかいう奴も細かったし、人化すると痩せたりするのか?」

猫子「元が……何の猫か、分からないので……。もしかしたら……元々が、痩せてたの……かも?」

男「ま、俺といる内はいっぱい食べとけ。小食過ぎるからな、お前は」

猫子「……心配……して、くれて……るの?」

男「い、いや……まぁ、そりゃ心配してるさ。ほら、一応飼ってるって名目だし……それに、お前も頑張ってくれてるしな。
  またバイトに空きが出来たら、何所か連れてってやるよ。遠慮なく言ってくれ」

猫子「――……ん、ありがと、男」

――しゅるしゅる

男「こら、尻尾を体に巻き付けるな擦り寄って来るな!分かったから、分かったから!」
74 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/02(金) 23:47:47.44 ID:4eHeb6yk0
〜一週間後の男のバイト先〜

男「店長、俺、もう上がっても大丈夫ですか?」

店長「おう、次の奴等も入ってくれたし、大丈夫だ。しかし何だ男。お前、良い奴でも出来たか?」

男「は?……あぁ、彼女とかですか。いや、いませんけど」

店長「嘘言うなって!この前までバイト一筋って感じのバカ真面目だった癖に最近さっさと帰るようになったじゃないか!
   同棲か!? 同棲なのか!羨ましいなこいつ!」

男「ち、違いますって!ただ……まぁ、ペットを飼ってて、餌とかあげなきゃいけないですし」

店長「ほう、なるほど。ま、お前くらい顔が良ければ直ぐに彼女の一人くらい作れるだろ。
   もし何だったら俺に紹介してくれ。合コンしようぜ合コン」

男「店長40過ぎなのにまだ元気なんですね」

店長「バカ言え!男なんて守れる女がいりゃそれで十分なんだよ!そう、それは色情なんて無い大人の愛だ」

男「……はぁ、そうですか。それじゃ、俺帰りますんで」

店長「あれは俺がまだ20代の頃だ。俺は雪降る町で一人で駅で佇んでいて――」

男(さっさと帰らないと猫子が拗ねるからな……断じて、猫子に早く会いたいという訳じゃないんだ)
75 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/02(金) 23:57:37.90 ID:4eHeb6yk0
――ガチャリ

男「ただいま〜」

猫子「お……お帰り……なさい。ご主人……さま」

――バタン

猫子『し、閉められ……ました』

犬子『可笑しいのぅ。あのオカマが、『メイド服で迫れば男くんなんてイチコロよ』なんて言うから協力したのじゃが。
   まさかあのオカマ、また吾を謀りおったか。帰ったらあの伸ばしてる髪を全て削ぎ落としてやろう』

――ガチャリ

男「何してるんだ、お前等」

猫子「男の疲れ……癒す為……らしい」

犬子「なのじゃ。というか入れ知恵してきたのはオカマじゃ。吾に文句を言うでないぞ」

男「ったく、そんな服まで着て――(ちらり」

猫子「…………へ、変……?」

・・・・・・

犬子「おぉ、効果抜群みたいじゃの。男のやつ固まりおったぞ」
76 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/03(土) 00:59:21.81 ID:zKIIqBMr0
猫子「着替えて……きた」

犬子「私服にエプロン……普段着が新妻スタイルか。男の趣味かどうかは知らぬが、オカマのセンスよりは万倍マシじゃの」

男(もう少し見とけばよかったとか残念がってる自分に腹が立つ……!)

男「って、聞きたいのはそこじゃない。何でお前は家にいるんだ、アホ犬」

犬子「アホ犬言うな!ふんっ。あの神社から脱出して来たのじゃ。写真ばかり撮られて視力が悪くなっている気がするしのぅ
   一日くらいサボっても文句はあるまい。むしろ感謝して欲しいものじゃ。吾のお陰で、あの神社は持ち直したのじゃからの」

男「お前の写真撮るって、物好きもいたもんだな。何が良いんだよ」

犬子「それは吾へ喧嘩を売っているという事で相違ないな……?」

猫子「……こほん。カマさんに……連絡、してある。今日だけ……犬子が、泊まります」

男「まぁ飯代払うなら良いんだけどよ。あんまり暴れるなよ?大家さんが怒るから」

犬子「任せておくのじゃ。吾はコーギー犬よりも大人しいと有名じゃからの!」

男(確かコーギーってメチャクチャ吠えた気がする)
77 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/03(土) 01:23:54.35 ID:zKIIqBMr0
犬子「ふむ……これがぱすたか。話には聞いていたが始めて見たのぅ」

猫子「結構安上がり……ひき肉も、割り引いて、貰った」

男「もう常連みたいだな。肉屋のおっさんも喜んでたぞ。可愛い子が来るって」

猫子「…………そう」

犬子「ほほう、アツアツじゃの〜。して男、これは如何にして食すのじゃ?」

男「そこからなのかよ。ほら、フォーク置いてあるだろ。それで巻き付けて食べるんだ。ほれ猫子、お手本」

猫子「…………」

――くるくる

犬子「おぉ……器用な物じゃな。神社では日本食ばかりじゃから、こういうハイカラな食べ物は初めてじゃ♪」

男「ま、流石に坊主とか巫女さんが境内でファーストフードとか食べてたら雰囲気ぶち壊しだしな」

犬子「じゃろう?吾ながら贅沢な話じゃが、おにぎりにも食い飽きておっての」

男「元捨て犬が贅沢者になるとはねぇ……」

猫子「元捨て犬が……今では、御神体……ですから」

犬子「お主だって今では飼い猫じゃろうに。意外じゃったぞ。あんなにも人間を嫌っていたお主が、直ぐに飼い主を決めるとは」

猫子「……犬子……食事中は、あんまり、話しちゃ……ダメ」
78 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/03(土) 01:39:25.81 ID:zKIIqBMr0
男・犬子「ごちそうさま(なのじゃ)」

猫子「お粗末様……です」

犬子「まさかあの猫子が料理上手になっておるとはな……まぁ、馳走じゃったぞ」

猫子「練習……したから。それに……良い、先生……いました」

犬子「お主も変わったのぅ。あの頃は全く口を開かなかったというのに、今では笑う事までするとはな」

猫子「……あの、あまり……あの時の、話は――」

男「よし、片付けるか!おいワンコ、食ったんだから洗い物ぐらい手伝えよ」

猫子「あ……わたしが、やりま――」

男「良いって、お前は休んどけ。ほら行くぞ空気読めない犬子」

犬子「ぶ、無礼者!下ろせ!下ろすのじゃ!脇に抱えるな!歩く!自分で歩けるのじゃ!」

・・・・・・

猫子「……兄妹……みたいです、ね」
79 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/03(土) 01:40:49.34 ID:zKIIqBMr0
今日はここまでです。次回はまた明日にでも。
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(山陽) [sage]:2011/12/03(土) 01:46:52.44 ID:kIYCpNgAO
オーツッ!
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/03(土) 01:49:12.67 ID:xh/O4s60o
おつ
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/03(土) 02:04:08.53 ID:YDxJUr2SO
ふう……
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/12/03(土) 07:22:45.35 ID:vBIjjmmBo
乙ー
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/03(土) 18:53:32.74 ID:9abJD7EDO
猫子が欲しいぜ


俺もハムスター飼おうかな
85 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/03(土) 23:27:36.56 ID:zKIIqBMr0
では、今日も始めたいと思います。
ちなみに僕は結構外見を決めてから書き始めるタイプで、
分かる人は分かると思いますが、犬子の外見のイメージは装甲悪鬼村正の茶々丸だったりします
というわけで、今夜も宜しくお願いします。
86 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/03(土) 23:37:22.40 ID:zKIIqBMr0
〜〜お風呂〜〜

犬子「ん〜、風呂は気持ち良いのぅ。体が生き返るようじゃ……わんわん」

猫子「わたしは……お風呂は、あまり……」

犬子「風呂の良さを分からぬとは、猫子の人生は9割損をしておるぞ。
   風呂とは言わば、体の疲れを取り、尚且つ極楽へ誘ぅてくれる最高の場所じゃ。
   オカマに付いて行った温泉というのはもっと良いぞ。こう、風呂よりも体に効いておる感じがしたのじゃ」

猫子「……犬子、尻尾……邪魔」

犬子「お主、吾の自慢の尻尾を邪魔と言うか!見よ、このフサフサ具合を!一日に何度も毛繕いしておる賜物じゃ!
   それに比べて猫子、お前の尻尾はまるで猫じゃらしではないか!」

――がしり

猫子「ひゃぅ……!? し、尻尾……掴むな、わんこ」

犬子「ふーん、吾の尻尾をバカにした罰じゃ。どれ、もって触ってやろう!」

猫子「ひゃっ……ぁ、だめぇ……にゃぅ……」


〜〜居間〜〜

男(あいつら……何してんだ)
87 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/03(土) 23:58:34.87 ID:zKIIqBMr0
男「どうした犬子、頭押さえて」

犬子「猫子にぶたれたのじゃ……ただ尻尾を触っただけなのに、短気な奴じゃな」

猫子「……尻尾……触るの、ダメって……言った」

犬子「男、覚えておくと良い。猫子は尻尾が弱いぞ。躾が必要だと思った時には、がしっと握ればイチコロじゃ」

男(人間で言う性感帯、って解釈でいいんだろうか。犬も猫も尻尾を触られるのは嫌って言うもんな。
  いや、本当の犬、猫は嫌悪感か。人化すると嫌悪感が快感に変化したりするのか)

猫子「……男でも……触ったら……何をしてしまうか、分かりません」

男「おい犬子、俺ここまで怒った猫子見たの初めてだぞ。もう止めといた方が良い」

犬子「わ、吾もそう思っていたところじゃ……今の猫子の顔だと、喉首噛み千切られかねんぞ……」

猫子「……もう、良いです。ほら、わんこ……髪、乾かしましょう」ゴォー

犬子「げっ……わ、吾はそのドライヤーとかいうのが大嫌いなのじゃ!自分でタオルで拭くから良い!」

猫子「遠慮……しないで。さぁ……さぁ」

犬子「きゃぃんきゃぃん!」

男「悲鳴の上げ方は犬なんだな、お前」
88 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/04(日) 00:28:06.54 ID:/TbAMS0K0
――ぼふぅ

犬子「ん〜、ふかふかじゃのぉ〜」

男「おいバカ布団にダイブすんな、埃が飛ぶだろうが」

猫子「朝に……干して、おいた。埃とか……虫は、結構落ちてる……と思う」

男「まぁそれなら……って違う。あんまり五月蝿くしちゃダメだ。下が大家の部屋だし、文句言われちゃ堪らん」

犬子「ぬふふ、良いではないか良いではないか。こうして他の者と寝床を共にするのは久しいのじゃ。
   不思議と心踊るのぅ」

男「猫子、お前は犬子と一緒の布団な。布団2つしかないし」

猫子「……わかり、ました。ほら、わんこ……詰めて」

犬子「むぅ、吾に遠慮などしなくて良いのじゃぞ。御主等は一つの布団で眠るが良い。吾は一人が良いのじゃ」

男「このアホ犬どんだけ厚かましいんだ……ほら猫子、こんな奴の言う事聞かずにさっさと――」

猫子「――お、男が良いなら……わたしは、良いですよ……?」

犬子「だそうじゃぞ男。猫にここまで言わせたのじゃ、甲斐性を見せい」
89 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/04(日) 01:57:32.36 ID:/TbAMS0K0
猫子「男……もう少し……詰めて、欲しい……です」

男「ホントにやるのな……冗談だと高括ってたわ」

犬子「吾は快適じゃし、ソナタは美味しい思いが出来る。一石二鳥ではないか。何所に不満があるのじゃ?」

男「大有りだアホ犬。なんでテメェが家長差し置いて布団一つ使ってるんだよ」

犬子「吾は気を利かせただけじゃよ。ふぁぁ……そろそろ眠くなってきたのじゃ。
   明日も帰ったら直ぐに御神体として勤めを果たさなければならんし……吾ながら多忙じゃのぅ」

男「俺だって明日はバイトだよ畜生。それと猫子、抱きついて来るな」

猫子「……抱きつかないと……布団から、はみ出る……尻尾、寒い」

男(こうして抱きつかれると胸があるのが分かって困るな。
  最近猫子がいて煩悩が溜まっている気がするし……これはまずい)

猫子「男……良い匂い、する」

男「おい代われ犬子、あとでジャーキーやるから」

犬子「……くかぁー……すぴー……」

男「寝るの早過ぎんだろ……」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(愛知県) [sage]:2011/12/04(日) 01:59:35.42 ID:tZt/uHI4o
ふほおお
91 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/04(日) 02:04:42.95 ID:/TbAMS0K0
今日はちょっと少ないですけどここまでで。
いやぁ〜イチャイチャ書くの難しいですね。中々手間取りつつも、猫子書けてホクホクです。
犬子が可愛くならないのは自分の未熟さ故ですね。もっと精進したいです。
それでは、また次回に。
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/04(日) 02:56:48.84 ID:bp88D2aSO


俺は犬子好きだよ
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/04(日) 11:50:35.32 ID:P5z4F5lco
犬子も猫子もかわいいと思うぞ
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(千葉県) [sage]:2011/12/04(日) 14:11:31.33 ID:aMFT9ZvY0
マタタビを使いましょう
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/04(日) 19:46:45.38 ID:6CRL1LE3o
エロなしがええ
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) :2011/12/05(月) 20:33:03.70 ID:DZIQZFzm0
犬子は秀吉の見た目で想像してた
97 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/06(火) 00:09:40.91 ID:bK0nBh5r0
では今から再開します。宜しくお願いします。
98 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/06(火) 00:18:22.57 ID:bK0nBh5r0
――ゆさゆさ

猫子「男……男、起きて……電話、来てる」

男「んぁ?ちょっと待て……まだ六時じゃないか。あんま寝られなくて寝不足なんだが……」

猫子「カマさん、から……男に、相談……あるって。……わんこの事で」

男「えーと、カマさんって……あー、犬子の飼い主の、あのオカマさんか。
  泊まってる犬子を今直ぐに返してほしいってか?」

猫子「違う……みたい。少し……焦ってた、みたい、だけど」

犬子「くかぁ〜〜〜すぴぃ〜〜〜〜」

男「事件の張本人は熟睡してるんだがな。まぁ、今出るから待っててくれって言っといてくれ」

猫子「……了解。それと、わんこ……起きろ」

犬子「にゅぅぅ……なんじゃなんじゃ。吾はまだ眠いのじゃ……」
99 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/06(火) 00:31:32.46 ID:bK0nBh5r0
男「もしもし?」

オカマ『あら男くん?起こしちゃってごめんね〜。ただ、起き抜けの声も素敵よぉ〜』

男「……あ〜はい、それで、犬子の奴がどうかしましたか?
  仕事があるから直ぐに返して欲しいとかなら是非今直ぐにでも引取りに来て下さい」

オカマ『もう男くんったらレディからの褒め言葉スルーとかどんだけぇ〜。
    あ、それとね〜、男くんには悪いんだけど、犬子ちゃんを帰して欲しいのとは逆なのよ〜』

男「……は?返して欲しいのとは逆?」

オカマ『実は一昨日から前面に「犬神萌え」って書いてあるシャツ着た人達が神社の前にいてね?
   「犬子ちゃんはわたし達が誤って捨ててしまった犬なので返して欲しい」とか言ってくるのよ。
    断り続けても居座るもんだから、猫子ちゃんにお願いして男くんの家にお泊りさせたんだけど、
    向こうさんも諦める様子が無くてね。出来れば落ち着くまで犬子ちゃんを預かって欲しいのよ』

男「おいおい待ってくれ。家は猫子一匹でも精一杯だぞ」

オカマ『金銭面はちゃんとするから安心してぇ〜。銀行の口座教えてくれたら、ちゃんと振り込むわ〜』

男「なんで引き受ける前提で話進んでるんだ……?」

オカマ『犬子ちゃんも神社だと話し相手がいなくて寂しかっただろうし、良い機会だもの。
    男くんも、美少女二人に囲まれるのよ〜?』

男(あぁやべぇ、何時の間にかもう引き受けた事になってる)
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/12/06(火) 00:53:44.19 ID:Zr/eXWWao

猫子も犬子もかわゆいなあ
101 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/06(火) 01:28:17.42 ID:bK0nBh5r0
犬子「ふむ、あの者共はまだ吾の神社におるのか」

男「お前の神社では無いがな。というか、どういう奴等か知ってはいるんだな」

犬子「執拗に握手を求められたり、写真撮ろうとか言われたりした覚えがあるのじゃ。
   断言するが、あやつらは吾を飼っていた者達ではないぞ。元々吾は野良の柴犬じゃからの」

男「は?お前自分の元を覚えてるのか?」

犬子「吾は公園の住処で住んでおって、起きたら突然この体になっておった。
   まぁ、公園にいた頃はいつも腹を空かせておったし、この体になってからは食料に困らぬようにはなったのぅ」

男「……あー、猫子は自分の元とかわかるのか?オッドアイだし、結構特徴的なやつなんだろ?」

猫子「わたしは……元は、わかりません。記憶が無くて……目も……黒と、黄色で……特徴では、ないです。
   ただ……尻尾からして……アメショー……でしょうか」

男(犬子の話からして、猫子達は研究所で作られたとかの生物じゃないみたいだな。
  人間の子供を誘拐して無理矢理猫耳とかを付けた、とかなら少しだけ納得いくんだが)

男「まぁ、それは一旦置いとくか。単刀直入に言うが犬子、お前はどうしたい?」

犬子「……わん?」

男「この家にいたいかどうかだ。オカマは家に預ける気満々だし、お前を養う金は貰う。
  お前がここにいたいなら、遠慮なく言え」
102 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/06(火) 01:48:19.83 ID:bK0nBh5r0
犬子「……吾は、別にあやつらの事は怖くも何ともない。ただ、追い返せば良いだけじゃ」

男「なら、神社に帰るか?」

犬子「……じゃが、それじゃとあのオカマに迷惑が掛かるのじゃ……。
   吾があの変人共を追い返すのは簡単じゃが、そうしてあの神社に悪評が立てば……オカマも苦しかろう」

男「今じゃネットとかあるからな。悪評は直ぐに広まるだろうし」

犬子「……吾は……あのオカマが、悲しむ姿は見たくないのじゃ……。
   吾が普通の、犬の時から餌をくれていた物好きは……あやつくらいじゃからの」

男「じゃぁ、ほとぼりが冷めるまで家にいりゃぁ良い。狭くて良いならな」

犬子「わ、吾は……こ、ここにおっても、良いのか……?」

猫子「迷惑と、思うなら……今更。それに……男は、わたしを拾った……物好き、ですよ」

男「お前に拾えって言われたんだがな。まぁ、多少賑やかになる程度なら構わん。
  ただ大家に文句言われない程度にしろよ、マジで。あのオバさん文句言い出すと止まらないからな」

猫子「遠慮……しなくて、良い。野良の時に……世話になった、御礼」

犬子「……あのオカマと同じで、御主等もお節介じゃのぅ……ぐす……ひっく」

男「おいバカ泣くな。ちと長いお泊り程度だろうが。猫子、俺はカマさんに連絡しとくから、慰めといてくれ」

猫子「……ほら、泣かない。ジャーキー……あげる」

犬子「ひっく……この体になってから……涙脆く、なってしもうたのじゃ……人間には、優しい者もおるのじゃな……」
103 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/06(火) 01:54:10.82 ID:bK0nBh5r0
今日はここまでです。結構感想のレスを頂いて、レスに反映出来ませんが物凄く喜んでいます。
で、キャラを可愛く書こうと必死になっていたらもう100レス超えてたという。
ここからは少しばかり犬子と猫子を交えた日常パートになっていきます。
勿論、多分にイチャイチャはあります。犬子も目立たせる気満々であります。
出した当初は人気でないかと思ってた犬子にもいっぱいレスがあって、作者喜んでおります。
犬子とのイチャイチャも書いたりするので、またこれからも宜しくお願いします。
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/06(火) 01:55:23.43 ID:dbiMr1Cyo
おつ
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/06(火) 02:00:25.93 ID:/QE6esGCo
おつ
猫子でなんかメイド嫁思い出した
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/06(火) 02:05:52.15 ID:W+w3vVLTo
おつ 期待
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/06(火) 08:10:37.03 ID:Jjxqnl3SO
犬と猫である意味性格が逆な気がしないでも無いがかわいいからいいや
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/06(火) 08:18:59.97 ID:YGSGFKyOo
>>105
お前は俺か
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/06(火) 19:50:39.70 ID:qlZ7EOMSO
おつ
犬子かわいいな
110 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/06(火) 23:42:18.86 ID:bK0nBh5r0
ただ今から再開します。宜しくお願いします。
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/12/06(火) 23:54:33.85 ID:VgahDOGPo
頑張って!
112 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/06(火) 23:54:36.64 ID:bK0nBh5r0
〜〜バイト先〜〜

男(結局、犬子を預かる事になったな。まぁ、カマさんに相談された時に、こうなるだろうとは思ってたが。
  俺一人から徐々に人員が増えてる今、せめて五月蝿くならないようにしなきゃな。
  最悪、家賃上げられるか追い出されるか、されてしまうかも知れん。そうなったら目も当てられないな)

客「あ、それとタバコの9番お願いします」

男「はい、9番ですね。えっと……これか。合わせて、1230円ですね」

男(大学が冬休みでバイト漬けの日々だが……やっぱり、コンビニは比較的楽だな。
  昼時のファミレスにシフト入った事があったが、あれは地獄だ。夕飯時も言わずもがな。
  やはり時給が多少安くなってもフロワーの清掃とかで終わる時間帯が一番良いな)

男「ありがとうございました」

バイト「あ、男さん、お疲れ様です」

男「あぁ、俺はもう上がるから後頼んだ。おにぎりが売り切れで、パンも少なくなってるから補充も忘れずにな」

男(今日は何か早く終わったな。まさか17時キッカリにバイトが終われるとは、雑務が無いって素晴らしい。
  犬子と猫子がどうしてるかも気になるし、寄り道せずに真っ直ぐ帰るか)
113 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/07(水) 00:06:44.05 ID:Ci0kpM6A0
男「ただいま〜……って、何か焦げ臭いな」

犬子「わふ……く、臭い!猫子、早く窓を開けるのじゃ!死ぬ!嗅覚の発達が仇になって死ぬ!」

――バンッ

猫子「すぅ……はぁ……まさか、ここまで……失敗、するなんて」

犬子「げほげほ!や、やはり……料理なんて物は吾には合わんのじゃ……」

猫子「せめて……家事、一つくらい……出来れば……。
   洗濯は……泡だらけ。掃除は……雑さ、満点。料理……黒焦げ」

犬子「むぅ、始めてじゃから仕方なかろぅ。しかし、ここまで悉く失敗すると……」

男「おいおい何やってるんだ。魚でも焦がしたのか?」

猫子「あ……お帰り、男」

犬子「おぉ、帰ったか男。未だに嗅覚が麻痺していて、全然鼻が使えんのじゃ……」

男「猫子、何で犬子に料理させてるんだ。見事にダークマターしてるじゃないか」

猫子「……わんこに……、頼まれて」

男「犬子が頼んだのか?てっきり、猫子が犬子に手伝いさせようとしたんだと思ってたんだが……」

犬子「……わ、吾も……この家に置いて貰っておる訳、じゃからの。
   その、オカマだけに金銭を頼り切るのも悪いから……て、手伝いくらいしようと……思うたのじゃ」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/07(水) 00:08:47.92 ID:B3hmPMtco
わんこっていうのか
ねこは?ねこ?
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/07(水) 00:11:04.28 ID:zjBe01H7o
わんこだったらにゃんこだろう
116 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/07(水) 00:18:13.91 ID:Ci0kpM6A0
男「どうせ猫子の忠告聞かずに勘で料理してたんだろ……ほら、こっち向け」

犬子「ひゃん!? な、何をする!いきなり耳を掴むのではな――わふ?」

――ごしごし

男「頬のとこ、ススが付いてたぞ。ったく、大事にならなかったから良いが、料理初心者なら無理すんな。
  ちゃんと猫子の言う事聞いて、丁寧に作れよ。そしたら、黒焦げにはならない筈だからな。
  それとまぁ……うん、料理を作ろうとしたのは良い事だ。結果はどうあれ、偉いぞ、犬子」

――なでなで

犬子「はわ……わ、わふ……」

猫子「――……むぅ」

男「ほら、二人で風呂入って来い。今日はあんま疲れてないし、俺が作ってやるよ」

猫子「あ……料理は、わたしがやりま――」

男「お前もだぞ、猫子。髪の毛にススが付いてる。ちゃんと取って来い、掃除が面倒だしな」

猫子「……はい、わかりました」(しゅん

犬子「――はっ!い、何時まで吾の撫でておるのじゃ!手を……の、退かせ!」

男「へいへい。んじゃ、さっさと入って来い。出て来る頃には、もう作り終えてるだろうぜ」
117 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/07(水) 00:32:19.76 ID:Ci0kpM6A0
猫子「……男の料理……久し振り」

男「今じゃ猫子の方が家事は上手いだろうけどな。家事任せっきりになってるし」

猫子「わたしのは……ただの、レシピ通り……男の料理が、好き」

男「あー……まぁ、そう言ってくれると作り甲斐があるな。今日は飯は無事だったし無難に親子丼にしてみたぞ」

犬子「おぉ、凄いのぅ。猫子の師匠がお主というのは、真だったのじゃな」

男「一から叩き込んだんだ。最初の頃の猫子の料理は、今日のお前に匹敵する物があったけどな」

猫子「……料理、初心者に……揚げ物、作らせる……男が悪い」

犬子「お、男、もう食べても良いのか?」

男「そうだな、冷めちまうといけないし、早く食べるか。んじゃ、いただきます」

犬子「いただきます、なのじゃ」猫子「いただき……ます」

猫子「ん……美味しい。味……落ちてない。流石」

男「そりゃ、こっち来てから一人暮らしだったし、嫌でも料理は上手くなるさ。
  そんでもって、弟子に直ぐ追い抜かれる師匠ってのもあれだしな。料理にはちと自信があったし」

犬子「おぉ、美味いのじゃっ。それと……こうして囲んで食べるのも良いのぅ。味が際立つようじゃ」

男「ほら、落ち着いて食えよ。ってかお前箸の持ち方雑だな。後で矯正するから覚悟しとけよ」
118 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/07(水) 01:34:19.86 ID:Ci0kpM6A0
猫子「わんこの、パジャマと……布団、一式……昼間に、買っておいた」

男「見事に犬のプリントだらけだな、おい。子供っぽいって怒っただろ、あいつ」

猫子「……わんこが、自分で……選んだ」

男「猫子は落ち着いた柄が好きなのに、あいつは本当にプリント物好きなんだな。
  確か普段着の和服にも犬柄のワッペン縫い込んであったろ。オカマがやったのか、あれ」

猫子「カマさん……裁縫、得意」

男「知らなくて良い情報を知っちまった気がする」

犬子「ん〜、新品の布団は気持ちが良いのぅ。若干ごわごわするが、それがまた良い塩梅じゃ」

――ぼふぅ

男「またダイブしてるし。ってか、流石に布団三つ並べると狭いな。元々安物件で小さいし」

猫子「男……本当に真ん中で、良いのですか?狭い……と、思う」

男「川の字で寝るのも悪くないし、気にすんな。犬子の奴は寝像悪いし、お前が蹴られたりしたら困る」

猫子「あ……はい、ありがとう……ございます」

犬子「お〜い、吾はそろそろ眠たいのじゃ……電気を消そうぞ」

男「お前ってホントにマイペースだよな。どっちかというと、普通は猫の性格だと思うぞ、それ」
119 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/07(水) 01:48:17.80 ID:Ci0kpM6A0
犬子「ぐがぁー……けぴー」

猫子「……わんこのイビキ、うるさい」

男「あぁ、一発頭を殴りたくなるくらい喧しいイビキだな。寝てるだけでも犬が吠えてるのと同等って。
  まだ今日は寝相が大人しいからマシだが、昨日は酷かったぞ。何度蹴られたか分からん」

猫子「でも……こうして、男と二人で話す……久し、振り」

男「実際には二日振りなんだけどな。まぁ、犬子がいるし会話する機会は少なくなってるか」

猫子「男……そっち、行っても……良い?」

男「は?何でだよ。今日はちゃんと布団あるだろ」

猫子「寒い……それと、男が気付いてない、だけで……よく、潜り込んでる」

男「お前俺が寝てるからってやりたい放題だな。ってか、却下だ却下。
  お前も女の子なんだから、あんまり他人の男のベッドに潜り込んだりしたらダメだ」

猫子「――……じゃない」

――ごそごそ

男「お、おい、ダメだって言って」

猫子「他人じゃ……ない。わたしは……貴方の、猫。貴方は……わたしだけの、ご主人。
   他の人じゃ……だめ。男だけ……だから」

――ぎゅぅぅ

猫子「他人なんて……言うな……」
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) :2011/12/07(水) 01:58:53.00 ID:m/h+uZeMo
くおおおおおおおああぁ
121 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/07(水) 02:02:10.35 ID:Ci0kpM6A0
今日はここまでです。というかメイド嫁って知らなかった……今度読んでみます。
犬子が少し目立っていたので、猫子には猫妻の面目躍如の大立ち回りをさせました。作者も猫子も頑張ってます。
ちなみに、自分は犬子(わんこ)。猫子(にゃんこ)と呼んでいます。

>>107番さんのレスにも少し興味があって、
皆さんの中だと犬=物静か、なのでしょうか?
僕自身が猫は物静かな子だろうと考えていて、この考えには驚かされました。予想外です。
犬=元気っ娘。もしくは我侭娘だと思っていたので「なるほど……」とか唸っておりました。
我侭な猫子とかも書いてみたかったりしますね。色々アイデアは湧きますが、このSS終わるまで我慢我慢。
ちなみに次回作とかも少しずつ固めていますので、終わり次第直ぐに取り掛かれるようにしておきます。
皆様の応援のコメント、毎回とても励みになっています。ありがとうございます。では、今日はここまでにしておきます。
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/07(水) 02:37:34.47 ID:IMhq87NSo
犬=飼い主に忠実、デレデレ 猫=自分勝手、ツンデレなイメージ
けど可愛いから問題なし!ふぉおおおおお!
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(愛知県) [sage]:2011/12/07(水) 04:41:48.64 ID:BrskqTRso
なんだこの展開は素晴らしいじゃないか
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/07(水) 07:44:22.67 ID:glNp2QfSO
おおむね>>122と同じだな
犬が元気っ子なのは俺も7割同意する
元気よく飛びついてくる犬をワシャワシャするのがたまらん

猫は気付いたら足元とかに来てるのをナデナデして、時々ペロペロされるのがたまらん


犬猫スキーにはたまらん
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都) [sage]:2011/12/07(水) 11:27:37.18 ID:Z+Y0cgp50
>>1が的確にツボをついてくる。乙!!
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/07(水) 11:58:15.79 ID:qz4iDdo2o
カマさんの日常パートはよ
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(長屋) [sage]:2011/12/07(水) 15:09:50.62 ID:PDQNTF3go
俺も>>122に近いイメージ
犬は元気っ子、猫はわがままで甘えてくる感じ

まぁ人それぞれだろうから気にしなくていいと思うよ
乙〜
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/07(水) 17:38:42.62 ID:S29uLHNDO
今一番好きなオリジナル
129 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/07(水) 23:32:12.77 ID:Ci0kpM6A0
今から再開します。宜しくお願いします。
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/07(水) 23:44:05.66 ID:uAfHIbODO
今日もよろしくお願いします
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/07(水) 23:44:33.10 ID:7GXXMtbIO
昇天しかけた
132 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/07(水) 23:47:33.07 ID:Ci0kpM6A0
猫子「……ん、味噌汁の味……は上々。魚も、上手く……焼けた」

犬子「ふわぁ……おはようなのじゃ。やはり今朝も早いのぅ……お主は」

猫子「ん、おはよう……起きたなら、顔洗って、来て。手伝い……して貰う」

犬子「うむ、気付けに冷たい冷水を掛けて来るのじゃ……ねむ」

――ゴッ

犬子「わふん!? こ、小指を……扉の角にぃ〜〜……!」

猫子「寝惚けてる、から……早く、行ってきて……。あ、ご飯……炊けた」

犬子「お主は鬼じゃろ!? 少しは同胞を気遣わんか!というか今ので目が覚めおったわ!」

猫子「むしろ……種目も、違う」

男「おい朝から騒がしいぞお前等。こっちとら全然寝付けなくて寝不足なんだ――……あ」

猫子「おはよう……男。ご飯、出来てる……から、早く、顔洗って……きて」

男「お、おう。ってか犬子、お前邪魔だぞ。何で洗面台までの扉塞いでるんだよ」

犬子「小指ぶつけたのじゃ!というかどう見ても痛がっておるじゃろ!? 貴様等揃いも揃って気遣いを知らぬか!?」
133 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/07(水) 23:57:46.65 ID:Ci0kpM6A0
――カチャカチャ

犬子「はむ……というか、あれじゃの。御主等、何かあったのか?」

男「突然なんだ犬公」

犬子「お主は吾の呼び方が安定せぬのぅ……まぁ、それはさておき、お主と猫が先程からだんまりではないか。
   吾は、もっとこう、賑やかな食卓が良いのじゃ。黙々と食べる食事は好かん」

猫子「わたしは……何時も、通り……男が……目を、合わせて、くれない」

男「そ、そんな事ないぞ!俺はほら、ちゃんと飯を味わって食おうとしてだな――」

昨晩の猫子『他人なんて……言うな……』

男(そうだ、断じて猫子を意識し過ぎて顔が見れない訳じゃない!というか相手は無表情の元猫だぞ!
  まだ頭が眠気から覚めてないのか!というか最近溜まってるな俺!溜まってるからこんな考えに至るんだ!)

猫子「男……どうか、した?」

犬子「上の空じゃのぅ。ま、吾は面倒な事にならねば別段構わぬが、せめて普段通りになっておってくれ。
   吾はお主等といた和やかな雰囲気が……け、結構好きじゃったのじゃ……」

猫子「…………嫌われた……のかな」
134 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/08(木) 00:06:37.53 ID:jr87PK/40
猫子(確か今日……男は、バイト、休みだった……御米、切れてるし……)

猫子「男……もし、暇だったら……お買い物……一緒に――」

男「す、済まん猫子!実は昨日から犬子と散歩に行こうって約束してたんだ!
  ほら、犬子も久々にカマさんと会いたそうだしな!」

犬子「む?吾は別に散歩なんぞ行きとうな……ひゃん!? バカ男!抱えるのは止めろと言っておるじゃろ!」

男「はっはっは!遠慮すんな犬子!楽しい散歩だぞ!猫子、という訳だから済まん!買い物はまた今度にしてくれ!」

猫子「あ……なら、わたしも……一緒に」

男「じゃあ行って来る!帰りは昼過ぎになるから飯は大丈夫だ!」

犬子「吾はアンパンマンを見ようと思うておったのにぃぃぃぃぃ〜〜〜〜……」

――バタン

猫子「……わたしが……布団に……潜り込んだのが……いけ、ないの?」
135 :梓塩 ◆aZSio..p4w [sage]:2011/12/08(木) 00:21:33.46 ID:VqRX5qcEo
あああもやもやする最高さぁあ
136 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/08(木) 00:23:44.23 ID:jr87PK/40
犬子「なぜオカマ共が話し込んでる横で吾だけ仕事なのじゃ……理不尽じゃろ」

オカマ「あら、それで男くんは逃げて来ちゃったの〜?もう、猫子ちゃん置き去りとかどんだけ〜?」

男「今のままじゃ顔も上手く見れないし、何か喋れないし……どうすれば良いのか……」

オカマ「男くんも猫子ちゃんを意識し過ぎちゃってるのね。でも美人なカマ子から見ても猫子ちゃんは可愛いし、
    仕方ないと思うわ〜。意識するなっていう方が無理だものね〜」

男「分かってくれますか!それと美人とかいう行は聞かなかった事にします」

オカマ「でも猫子ちゃんを置き去りは酷いと思うわよ〜?傷付いてるかも知れないわ〜。
    ほら、猫子ちゃんって顔に出さないタイプでしょ?やっぱり、そこは男くんが気遣ってあげなきゃ〜」

犬子「うむ、写真か?好きなポーズを取ってくれとな?うむ……わんわん」

――カシャーカシャー(カメラのシャッター音

男「その、恥ずかしい話なんですが、今まで仲良くしてきた女性は従妹と妹くらいで……。
  しかも従妹は結構ツンケンしてて、猫子みたいな奴に接したのは初めてなんですよ。
  正直、意識する前までは猫だからで良かったんですが、意識し出すと接し方が分からなくて……」

オカマ「難しい感じね〜。犬子ちゃんを預けておいて正解だったかも知れないわ〜。
    雰囲気に困ったら犬子ちゃんに話し掛ければ少しは和むでしょ〜?あの子ほら、空気読めないから」

男「飼い主だからってバッサリ行きますね……」

犬子「なになに?今度は……和服のす、裾をたくし上げてる姿!? ふざけるのも大概にせい不信人どもが!」
137 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/08(木) 00:41:05.94 ID:jr87PK/40
オカマ「まぁ、カマ子はあんまりアドバイス出来ないけど、困ったらまたいらっしゃいな。
    犬子ちゃんを預かって貰ってるし、お茶くらいは出してあげるわよ〜。イケメンくんなら大歓迎〜」

男「あー、ありがとうございます。お茶美味しかったです」

オカマ「それとね、男くん。帰る時に、何かお土産でも買って行ってあげたらどぉ?」

男「土産、ですか。あいつササミ好きだし、それでも――」

オカマ「あ〜男くんったら分かってないぞ〜♪」

男(やべぇ本気で殴りたくなった。カマさんの筋肉からして返り討ちに合うの分かってても一発殴りたくなった)

オカマ「こういう時はね、形に残る物じゃないとダメよ〜。家に帰って、猫子ちゃんが着けていてくれたら嬉しいじゃない?
    それにイケメンくんから贈り物貰った猫子ちゃんも嬉しいから一石二鳥よ〜」

男「なるほど……首輪、とか?」

オカマ「男くんマニアック過ぎよ〜。あながち間違ってはいないけど〜、もうちょっと着けてても違和感のないような……
    そうねぇ、ネックレスとかそういう系はどうかしら?犬子ちゃんも連れて行って、商店街で見てみたら?
    丁度お客も一旦引いたみたいだし」

犬子「や、やっと一波終わったのじゃ……かめらの光で目がちかちかすりゅぅ……」

男「どちらも元動物……わかりました。カマさん、今日はありがとうございました。
  それじゃ、犬子行くぞ。ちと買い物行くから付き合ってくれ」

犬子「わ、吾は帰って寝たいのじゃ……や、やめろぉぉぉぉまた担がれて連れてかれるぅぅぅぅ〜〜」

オカマ「頑張りなさ〜〜い、イケメンくぅぅ〜〜ん」
138 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/08(木) 01:40:48.01 ID:jr87PK/40
八百屋「お、猫子の嬢ちゃん、今日も可愛いな〜」

猫子「ん……ありがとう。それと……今日、何が……安い?」

八百屋「そうだなぁ、じゃがいもとか結構安く仕入れたから安めにしとくぜ。それと人参とかどうだい?」

猫子(そういえば……男、カレー好きだって……言ってた。男が喜ぶなら……カレーも……良い、かも)

猫子「じゃぁ……じゃがいもを、三個……と、人参を、二本……下さい。あと……りんごも」

八百屋「あいよ〜毎度あり〜!何時も買っていってくれるから嬢ちゃんにはりんごサービスだ!」

猫子「良い、の……?」

八百屋「かまわねぇよ!売れ残っちまうより、リンゴ達も嬢ちゃんみてぇな可愛子ちゃんに食われた方が幸せだ!」

猫子「……ん、じゃぁ……遠慮なく」

八百屋「その代わり、また来てくれよな!いやぁ〜ここ最近嬢ちゃんの顔見るのが俺の幸せだぁ〜!」

猫子「おじさん……大袈裟」

八百屋「こんな良い子はべらせてるあの坊主が羨ましいぜ!」

猫子「あ……はい」

猫子(男……機嫌、直してくれる……かな。美味しく作れば……喜んで、くれるかな)
139 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/08(木) 01:51:36.15 ID:jr87PK/40
八百屋「おぉ〜猫子の嬢ちゃんじゃねぇか!今日も可愛いなぁ!」

猫子「ん……ありがと、おじさん」

八百屋「買い物かい?だったら、今日はじゃがいもが新鮮で安いぜぇ。なんせ今朝仕入れたばっかだからな!」

猫子「他に……何か、お勧め……ある?」

八百屋「他なら人参だな!ちっと食べてみたが、こりゃ上物だ!流石俺の目利き!」

猫子「そう……じゃがいもと……人参」

猫子(そういえば……男、カレー好きって……言ってた。作れば……喜んで、くれるかな)

猫子「じゃぁ……じゃがいも、三個と……人参、二本。あ……それと、リンゴも」

八百屋「おう、かしこまりってな!それと嬢ちゃんは何時も買って行ってくれるから、リンゴはおまけしちゃうぜ!」

猫子「え……いい、の?」

八百屋「良いって良いって!リンゴ達も売れ残るより嬢ちゃんみたいな可愛子ちゃんに食べて貰った方が幸せだ!
    その代わり、また来てくれよ!おっちゃん、嬢ちゃんの買い物姿を見るのがここ最近の楽しみなんだ!」

猫子「おじさん……大袈裟」

猫子(でも……カレー、作ったら……男、喜んで……美味しいって言ってくれるかな……。仲直り……出来る、かな)
140 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/08(木) 02:02:46.60 ID:jr87PK/40
猫子「ん……全部、買えた……。ただ……お米、どうしよ……重くて、持てなそう……」

猫子(でも、お米無いと……カレー、出来ない。男が、帰って来たら……買って来て、貰おう」

猫子「とりあえず……一回、帰らないと……洗濯物も、あるし」

男「犬子、これなんてどうだ?鈴付いてて、結構可愛いんじゃないか?」

犬子「ほとんど首輪じゃな。というかお主、吾等が元々動物だからと言って首輪に拘り過ぎじゃ!
   もっとこう、ハイカラな物にせい!ほら、こんな感じの犬の首飾りとか!」

男「お前が手に持ってるそれも、形違うけど首輪だからな……」

猫子(あれ……あそこにいるの……男と、犬子……?)

男「お、これなんてどうだ?鈴が付いてるのは同じだが、チョーカーって言う物らしいぞ」

犬子「ほう……先程のよりも幾分かオシャレじゃの。……着けてても、違和感はなかろう」

男「ならこれにするか。ほら犬子、行くぞ。すみませーん、店員さーん、これ欲しいんですけどー」

犬子「何故吾がこんな事に付き合っておるのじゃ……」

猫子(……男、楽しそう……散歩じゃ……無かったの?それに……犬子への……贈り物。
   なんでだろ……胸の、辺りが……苦しい、気がする。喉が……詰まってる、変な感じ……)

猫子「帰ろ……あんまり、見てちゃ……ダメ……」
141 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/08(木) 02:06:34.90 ID:jr87PK/40
という訳で今日はここまでです。やっぱり短いなぁ……11時開始だとこんなもんになってしまいますね。
それと、皆様の犬猫レスは結構参考になりました。また人化物書く時には参考にさせて頂きます。
そんでもって、あろう事か>>138-139のレスが被りました。
えぇ、書いてる途中でエラーが発生し、書いてた物が消えた!?と焦り、慌てて書き直した結果です。
出来れば、>>139の方を見て頂けると助かります。
明日にはまた更新出来ると思いますので、また宜しくお願いします。
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/08(木) 02:32:11.33 ID:F+JG7lwwo
143 :梓塩 ◆aZSio..p4w [sage]:2011/12/08(木) 02:41:02.54 ID:VqRX5qcEo
常駐したい生殺し加減
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(チベット自治区) [sage]:2011/12/08(木) 03:04:46.55 ID:QQ0roQSfo

ラブコメラブコメしてきたな
145 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/08(木) 06:48:45.62 ID:UKqaHUESO
ここのエラーは基本的にエラーじゃないから、一度リロって確認するといいぞ

146 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/08(木) 23:13:08.84 ID:jr87PK/40
それでは今から再開します。よろしくお願いします。
147 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/08(木) 23:22:17.17 ID:8DDLvU5Yo
舞ってるよー
148 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/08(木) 23:25:08.23 ID:jr87PK/40
犬子「お、おい男……今朝よりも状況が酷くなってはおらんか?」

男「チョーカー渡すタイミング無かったんだよ……ってか、まさか飯無しカレーが出て来るとは……」

男(猫子が料理でこんな事をするとは、相当腹が立つ事があったに違いない。
  というか俺が原因か。カマさんに言われた通りで、一人で残して行っちまったからな。
  さっきから話し掛けようとしても無視される事が多いし、しくじったか)

猫子「……はむ……はむ」

犬子「無心で食べておるな……そういえば男、伝えなければならぬ事があったのじゃ」

男「なんだ?俺は夕飯がカレールーだけで凄い落ち込んでるんだが」

犬子「よく聞け……昼間のあの買い物の場を、猫が見ていたやも知れん。
   人間が多くて確かではないが、あの目立つ赤のコートは猫の物だと思うのじゃ。
   お主、猫には吾と散歩に行くと伝えたじゃろ?もしかしたら、その事で腹を立てているのやも知れんぞ」

男「お前、そういう重要な事は先に言えアホ犬……!やべぇ、なんか本人が目の前にいるのに取り返しが着かねぇ」

犬子「吾だって確証が無かったのじゃ!じゃが……猫がお主まで無視するとは、相当怒っておるぞ」

猫子「……ごちそう……さま」

――タッタッタ

男「お、おい、食い終わったら直ぐに居間に行っちまったぞ」

犬子「まずいのぅ……さっさと贈り物渡して謝るが良い。っていうかカレーがメチャ辛い……」
149 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/08(木) 23:35:25.15 ID:jr87PK/40
男(ただ土産渡すだけなのに緊張するな……扉開けたら直ぐ渡して謝るんだ。話しかけ辛かったと。
  それで次行く時はお前も絶対に一緒だって言えば、それで大丈夫だ)

――ガラガラ

男「お、おい猫子……猫子?」

男(猫子がいない……ってか、このクソ寒いのに窓が開いてる!? 猫子のコートも……ない)

犬子「ん?どうしたのじゃ男。贈り物は無事に渡せたか?」

男「猫子がいないんだ!っていうか出て行きやがった!見ろ、コートないだろ!」

犬子「……あのバカ猫、気まずいからと出て行きおったか。まずいのぅ……あやつは脚が速いぞ、猫並みじゃ。
   それこそ、吾の鼻が追えんほどにな。匂いがある内に追うしかなかろう」

男「――ったく、面倒掛ける猫だな!あいつ!犬子、頼む、匂いを追ってくれ!俺も付いていく!」

犬子「任せよ。吾の嗅覚、侮るのではないぞ」
150 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/08(木) 23:46:57.42 ID:jr87PK/40
犬子「……匂いが、途切れた……?」

男「お、おい……ぜぇ、ぜぇ……どうし、たんだ」

犬子「猫の、あやつの匂いが途切れておるのじゃ。この公園で、スパッと。ここまではあるのじゃが……」

男「おいおい……嗅覚は良いんじゃ、なかったのかよ」

犬子「――ダメじゃ、猫の匂いとは違う匂いに邪魔されておる。これは……香か?
   そうか、オカマの神社から漂って来る香で匂いが消されておるのか……迂闊じゃった」

男「は?犬子、お前のとこの神社って、こんな時間に香を焚くのか?」

犬子「かなり匂いの強い香じゃ。犬神神社の仕来りで、夜中になると香を焚いて、匂いで犬神を呼んでいたらしいのじゃ。
   ここら一帯は結構妖気が強いところじゃったらしいしのぅ。犬神様は、町の夜の番を勤めておったようじゃ。
   しかし……今はそれが仇になったのう。香の香りが強くて、猫の少ない匂いが掻き消されておる」

男「ってことは、見付けられないのか!?」

犬子「……心苦しいがの。吾が役に立てるのはここまでじゃ……」

男「だからって、この寒空に猫子を置いて置けるか!犬子、お前は帰ってて良い!俺だけでも探しておく!」

犬子「ば、バカを抜かすな!そんな事をすれば貴様も風邪を引くぞ!」

男「知るか!おーい、猫子ー!どこだー!」

犬子「……何故こうも、不器用な奴ばかりなのかのぅ。猫も男も……吾も、同類か」
151 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/08(木) 23:55:37.68 ID:jr87PK/40
〜〜10年前〜〜

??「兄さん……ごめんなさい。わたしが……体が……弱いから」

幼少期の男「んな事気にするな。妹の面倒看るのは兄貴の役目だ。遠足なんかよりも、お前の方が大事だからな」

妹「……楽しみに……してたのに……ごめんね」

幼男「良いんだって。前が元気でいたら、それだけで俺は嬉しいんだ。な、だから元気出せ!
   それにしても父さんと母さん、遅いな。夜になったら帰って来るって言ってたのに」

妹「ね……兄さん……手、繋いでて……欲しい」

幼男「なんだ妹、今日は甘えん坊だな。まぁ、手を繋ぐくらい、幾らでもやっててやるよ」

――きゅぅ

妹「ん……兄さんの手……暖かい……」

幼男「お前の手だって暖かいさ。何時か元気になったら、また外で一緒に遊ぼうな!」

妹「うん……ありがと、兄さん」
152 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/09(金) 00:10:35.70 ID:fU2hOLML0
――ゆさゆさ

犬子「おい男、男!起きるのじゃ!朝じゃぞ!」

男「んぁ……って、寝てたのか。猫子、朝飯……っておい、ここ何所だ?」

犬子「全く、心配掛けおって……揺さぶっても尻尾で叩いても全然目覚めぬから、お主が凍死したのかと思ったぞ。
   それと、ここは公園じゃ。お主が寝ておるのはそこのベンチじゃな」

男「俺、なんでこんなとこに……ってそうか、猫子を探してて……ん?この毛布は?」

犬子「吾が夜中に一っ走りしてオカマから貰って来たのじゃ。お主に抱き付いて寝ていたから、吾は結構快適じゃった」

男「お前も猫子も、人を抱き枕と勘違いしてないか?」

犬子「仕方あるまい。お主が猫子を見付けるまで帰らぬと言い張るから、せめて寒さを凌げるよう気を使ったのじゃ。
   感謝されこそすれ、文句言われる言われはないぞ」

男「まぁ……一応ありがと。で、猫子はどうだった?」

犬子「おらぬのじゃ。匂いも全く感じない上に、この寒空じゃから体が思うように動かん……うぅ、寒いのじゃ」

男「犬は雪降ったら喜んで庭駆け回るのが定番だぞ」

犬子「吾は寒がりなのじゃ……おい男!もう一度毛布の中に入れろ!寒くて死んでしまう!」

男「入るなら一人で入れ。俺は猫子を探さなきゃ……って、おいもう9時じゃないか。バイトが……」

犬子「吾が探しておくのじゃ……お主が当てもなく探し回るよりも、吾が鼻で探し回った方が効率が良かろう。
   お主は猫子が帰って来たら贈り物を手渡す準備でもしておれ。ほれ……バイト、行くのじゃろ?」

男「……すまん、恩に着る。終わったら俺もまた探すから、それまで頼んだ」

犬子「んむ、任されたのじゃ。頑張るのじゃぞ、男」
153 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/09(金) 01:00:38.27 ID:fU2hOLML0
〜〜バイト先・喫茶店〜〜

女店長「男くん、今日はらしくないわね?バイト中にお皿二枚も割っちゃうなんて」

男「済みません……」

女店長「えっとね、責めてる訳じゃないの。今まで御皿一つも割った事ない男くんがいきなり二枚も割るなんて、
    やっぱり雇ってる店長としては気になっちゃう訳ですよ。バイトさん一人一人が元気に働いてこその喫茶店だし、
    もし悩みがあるならお姉さんに話してみて?相談に乗ってあげるわよ」

男「あーっと……ちょっと、飼い猫が逃げ出しちゃって……それが心配で――」

女店長「はい、嘘一つ」

男「え、いや、嘘じゃ無いんですけど……」

女店長「女の勘を甘く見て貰っちゃ困るよー?男くんの顔は間違いなく女性絡みだったわね。
    年上の女の人だからって遠慮しちゃダメよ?ドンドンぶつかって来なさい。色恋沙汰はちょっと苦手だけど、
    可愛いバイトくんの為だもん。お姉さん、ちゃんと相談に乗ってあげます」

――ゆさゆさ

男(店長胸大きいな……いかん、寝不足とベンチ寝の痛みで最低な思考回路になってる)

男「その……本当に飼い猫なんですよ。ただちょっと、逃げ出した理由もわからなくて……」

女店長「あら、本当に猫ちゃんなのね。男くんかっこいいから、そういう話だと思ってたんだけどなぁ。
    でも男くん、本当にその猫ちゃんが心配なのね。もうソワソワしてるし、探しに行きたいんでしょ?」

男「いえ、バイトが終わるまでは、ちゃんとやり遂げます。皿の代金、バイト代から引いといて下さい」

女店長「もう……分かったわ。その代わり、終わったら直ぐに探しに行って上げなさい。良いわね?」
154 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/09(金) 01:11:55.23 ID:fU2hOLML0
男「やっとバイトが終わった……っと、さっさと公園まで行かないとな。犬子のやつ、ちゃんと探し出せてれば良いが」


〜〜公園〜〜

犬子「おらぬの〜、猫のやつ何所に行ったのじゃぁ〜?」

犬「ワンワン!」

犬子「おぉシベリアン、久し振りじゃのぅ。うむ、相変わらず勇猛果敢な顔立ちじゃな」

犬「キュゥン」

犬子「これ甘えるな。まったく、また家から逃げ出してきおったのか。吾が犬の頃から、その脱走癖は治らぬのぅ。
   そなたの家の老夫婦はお主を可愛がってくれておるだろうに、何が不満なのじゃ」

犬「ワンワン!ワン、ワワン!」

犬子「む?何じゃ、今日は耳寄り情報がある?貴様が言った事は嘘が多いぞ、シベリアン」

犬「ガゥ」

犬子「なになに?吾が猫を探してると聞いて情報を持って来た?おぉ、でかした!でかしたぞシベ!」

犬「ばぅばぅ」

犬子「なに?名前を略すな?知るか!さっさと情報を吐け!吐くのじゃシベ!
   さもなくば貴様の白い部分をユセイペンとやらで塗り潰すぞ!真っ黒のみになるぞ!」

犬「きゅぅぅぅん(悲鳴)」
155 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/09(金) 01:24:45.44 ID:fU2hOLML0
男「お〜い犬子!どうだった〜!猫子いたかぁ〜!?」

犬子「……ふふ、ふはははは」

男「お、おい……どうしたよ」

犬子「あのシベ公、また吾を謀りおったな!無駄に裏路地を歩かせおって……今度会ったら本当に白を塗り潰そう」

男「あ〜、その調子じゃダメだったか。こっちもここまで歩いて来る中で聞いてきたが、情報無しだ」

犬子「もしや屋根の上を跳んで移動してるのではあるまいな……?さすれば、匂いが無いのも納得がゆくぞ」

男「それだと匂い以前に何人にも見付かってるだろ。赤いコート着た女の子が屋根の上走り回ってたら、
  下手したら警察沙汰だ。もしそうならさっさと見つけてやらないとな……寒いだろうし」

犬子「男、少し探索したら神社に寄らせとくれ……手が寒過ぎて真っ赤なのじゃ……」

男「ってお前これしもやけじゃないか!バカ、手袋でも何でもしてれば良いのに……ちょっとこっち来い!」

――ぎゅぅぅぅ

犬子「きゃぅん!? な、なんじゃ突然抱き締めてッ!離すのじゃ!」

男「バカ、じっとしてろ……ごめんな、お前にまで苦労させた。今度手袋買ってやるから、それ着けとけ。
  体も冷えてるし……ほら、寒かっただろ」

――なでなで

犬子「ば、バカ者……別にこれくらい、どうって事ないのじゃ。じゃが……んむ、そなたは暖かいのぅ。
   まるで湯たんぽのようじゃ。……ま、まぁ、寒空の下探し回った吾には当然の酬いじゃな……わんわん」
156 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/09(金) 01:33:48.43 ID:fU2hOLML0
今日は少し短いですが、ここまでにします。
それと少し相談なんですが、自分は毎回この程度の長さで執筆してますが、長さ的にはどうなのでしょうか?
もし短いのなら書き溜めてから書く事も考えています。ただそれだと、毎日更新は無理かも知れません。

少しgdgdしてしまっていたら……作者の力不足と思い多めに見て頂けると助かります。
もうちょっとで抜け出せて甘甘話に持ち込めると思いますので、どうかお待ちを。
というか、このSSにイチャイチャ成分を期待している人ってどれくらいなんでしょうか……。
オリジナル自体結構珍しいみたいなので、参考にしているSSが少ない……安西先生……SSが上手くなりたいです……。
猫子まったく出ていない今日の分……作者的には猫子をもっと出したいです。
ついでに伏線もちょこちょこ張っていますが、分かって頂けたら幸いです。
それでは、今日はここら辺で。おやすみなさい。
157 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 01:36:29.58 ID:HBB02heLo
おつ
長さはいいが投下間隔に疑問が
158 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 01:37:55.97 ID:4JezHGfdo
投下は>>1のやりやすい方でいい
自分はこのSSに特にシリアスは求めてないな〜
159 :梓塩 ◆aZSio..p4w [sage]:2011/12/09(金) 01:47:46.27 ID:Pu06uq0fo
別に今位で丁度良いんじゃないかな?
シリアルよりほのぼのが好きだー
160 :梓塩 ◆aZSio..p4w [sage]:2011/12/09(金) 01:48:41.88 ID:Pu06uq0fo
間違えてコーンフレークになった
シリアル×シリアル○
161 :梓塩 ◆aZSio..p4w [sage]:2011/12/09(金) 01:49:58.25 ID:Pu06uq0fo
ごめんわざとじゃないんだ
シリアル×シリアス○
162 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 02:03:32.41 ID:hBTAHhw3o

好きなようにやればいいさ
163 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 02:51:29.54 ID:8wRCrVNIO


最後のわんわんが可愛いなw

イチャイチャは大好きです?

だけど自分が好きなよう書けばいいと思うよ
164 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 07:40:25.86 ID:xDA/9P4SO
165 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 07:50:06.70 ID:Lt/4WKyzo
乙〜
エロと聞いてワッフルしてるのは確か。シリアスかはお好きに
166 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 14:53:00.07 ID:IOy0TyiPo
乙〜
イチャは好きだし、シリアスは鬱らない程度なら平気
エロは個人的にはいらない
でも好きなようにやるといいと思うよ
167 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [saga]:2011/12/09(金) 15:03:59.29 ID:YMHcuiyK0

このスレを見て迷い猫オーバーラン!を思い出したのは俺だけじゃないはず
168 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/09(金) 22:23:34.36 ID:iC7bRsIKo
シリアスのときは一気にやってほしいなー、気になって眠れないわ!
頑張ってくれ!
169 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/10(土) 05:58:47.69 ID:Ljt5GsaIO
追いついた
超支援
170 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/10(土) 20:20:01.62 ID:YoY5TdzIO
追いついた…
支援支援!
171 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/10(土) 23:05:09.92 ID:Qjg6YghY0
今回、違うPCから上げていますのでIDが違います。
始める前に、沢山の人からの応援のレス、作者は喜びながら見ておりました。
中盤に入っている物語ですが、最後まで楽しんでお付き合い頂けると幸いです。
それと物語の長さは、これからもこんな感じでいきたいと思います。
それでは今日も、宜しくお願いします。
172 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/10(土) 23:06:11.42 ID:Qjg6YghY0
オカマ「あら〜二人ともどうしたの〜!? 犬子ちゃんったら男くんのコートの中に入って〜、羨ましいわ〜!」

犬子「済まぬのぅオカマ……少し温まらせて欲しいのじゃ。吾も男もかなり冷えていての……温泉は空いておるか?」

男「え?この神社温泉なんてあるんですか?」

オカマ「わたしの御祖父ちゃんが裏山で温泉掘り当ててね〜。名物になるように天然温泉にしたのよ〜。
    まぁ、こんな寒い中神社の温泉に来る人なんていないけどね〜。だから、今はガラガラよ〜?」

犬子「な、ならば入らせておくれ……寒過ぎて凍えそうじゃ。男も入るじゃろう?」

男「昨日も入れてないからな、貸してくれるなら入りたいところだが……良いんですか?」

オカマ「んふふ、良いわよ〜。神社の裏の石段を登るから、少し外を歩くけどね。
    脱衣所もあるから、向こうで脱げば良いわ〜。タオルとかも置いてあるからね〜」

犬子「早く行くぞ……男。出来れば、このままで行って欲しいのじゃ……」

男(寒いのが苦手っていうのは本当なんだな。少し歩き辛いが、このままでも構わないだろう)

男「お前が苦しくないなら、俺は平気だ。お前暖かいし、ほっかいろ代わりになって便利だぞ」

犬子「ほっかいろ……なんじゃ?それは」

男「持ってるだけで暖かい便利な物だよ。まぁ、それは今度見せてやるから、さっさと行こうぜ。
  俺はまた風呂を出たら猫子を探しに行かないといけないからな」

犬子「うむ……わ、吾も付いて行ってやるのじゃ。お主一人じゃと、また無理をしそうじゃからの……」

男「おう、まぁ無理しない程度にな。それじゃカマさん、行ってきます」

――

オカマ「犬子ちゃんったら男くんを随分気に入ったのね。うふふ、真っ赤になってる犬子ちゃんを見るのなんて初めてだわ〜」
173 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/10(土) 23:20:57.29 ID:Qjg6YghY0
〜〜温泉〜〜

男「ほら犬子、早く湯船につかれ。じゃないと風邪引いちまうぞ?」

犬子「な、何故お主はこの状況で平然としていられるのじゃ!吾はタオル一枚じゃし、お主に至っては裸じゃぞ!?
   うぅ〜、寒くても吾は羞恥が勝るのじゃ……あ、あまり見るでない……。
   そ、それに……吾なんか見ても面白く無かろう……猫よりも背も……胸も、小さいし」

男(確かに幼児体型だが、それでも肌の白さとか華奢さは女の子特有の物がある。
  だけど、猫子と一緒に入った時よりも落ちつけてるな。猫子と一緒に生活してたからか?慣れは恐ろしいな)

男「今は関係ないだろ。混浴なんて知らなかったし、順番に入ってたらどっちか風邪引いちまう。ほら、来い」

犬子「わぅ〜……こ、今回だけじゃぞ。絶対に、絶対に次は無いと思え……」

――ぶんぶん

男(尻尾振ってるし、本心は嬉しいって事なのだろうか)

犬子「た、タオルは外すのが礼儀じゃからの……余り見るでないぞ」

男「じゃぁほら、股の間に入れ。そしたら、俺からは背中しか見えないからな」

犬子「せ、せっかく広い温泉なのに……お主の風呂場と同じ事になるとはの……ほ、ほれ、さっさと開けんか」

――ちゃぽん

犬子「暖まるのじゃ……生き返るのぅ。ぬふふ、お主の椅子も、中々悪くないのじゃ」

男「こら、尻尾は振るな。やばい所に当たるから」
174 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/10(土) 23:44:19.19 ID:Qjg6YghY0
犬子「その……男よ。そなたは何故、猫をそこまで探したがるのじゃ……?」

男「どうした突然。そりゃ、まぁアイツの飼い主だしな……いきなり脱走して、はいそうですかで済ませるか。
  渡さなけりゃいけない物もあるし、アイツには出来れば俺の家にいて欲しいんだ」

犬子「……飼い主だから……か」

男「ん?どうしたよ。なんか変だぞ、お前」

犬子「その……男よ。吾はの……今までの犬の生涯の中で、誰か他の者を好くという事はなかったのじゃ。
   捨てられた犬の仲間が何匹もおっての。自分で欲した命を捨てる人間なんて信用出来ん……そう、思っておった。
   じゃが……この体になってから、オカマやお主と会ってから……分かったのじゃ、人間にも優しい者はおると」

男「お、おい、何でこっち向いて――」

――ぎゅぅぅぅ

男「おいバカ!何で抱きついて来てるんだ――」

犬子「お主は……吾を、どう思っておる……?」

男「……え?」

犬子「猫子がおらぬ今……こんな事を言う吾は卑怯者じゃ。じゃが……その、頑張るお主を見て……我慢出来なかった。
   抱き締められて……一緒に添い寝して……お主の温もりに触れて……幸せじゃった」


犬子「男よ……吾は、犬子は……お主を――……愛しておる」
175 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/11(日) 00:20:16.68 ID:CgVtDBHM0
〜〜公園〜〜

オカマ『猫子ちゃん、男くん達が来ちゃったから、少しだけ下の公園の方に行っておきなさい。
    まだ男くんとは会い難いだろうし、見付からないようにしなくちゃね。
    外凄い寒いから、わたしの手袋も着けて行きなさい。男くん達が帰ったら、知らせてあげるわ〜』

――ギィ、ギィ

猫子(カマさんの家に……お世話になった、けど……やっぱり、申し訳……ない。
   一日でも、迷惑……なのに、これ以上……いる訳にも、いかない。明日……から、公園で、寝よう。
   大丈夫……外で、寝るのは……野良の時で、慣れてる……)

――ギィ、ギィィ

猫子(ぶらんこ……一人じゃ、つまらない。にい――……男と、一緒の時……楽しかった、のに)

猫子「……でも、男といると……男が、迷惑する。一緒にいるの……ダメ、だから……」

猫子(でも……寂しい……胸が、苦しい……)

――ぽと、ぽと

猫子(……何で、だろう……目から、水が……出て来る)

猫子「おとこ……おとこ……会いたい……会いたい……一緒に、寝たい……一緒に、いたい……」

猫子(男を思うと……匂いを、思い出すと……苦しい。目から、水が……また出る。
   拭っても……拭っても、収まって、くれない。口からも……ひゃっくりが、ずっと出てる)

猫子「――……会いたいよぉ……おとこぉ……」

??「なら……どうしてさっさと帰って来ないんだよ、バカ猫子」
176 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/11(日) 01:34:43.39 ID:CgVtDBHM0
オカマ『犬子ちゃんは、カマ子に任せなさいな。今、男くんが一番会いたいのは猫子ちゃんでしょ?
    バンッとぶつかって来なさい。カマ子、貴方と猫子ちゃんが一緒にいるのを見るの、結構好きなんだから。
    今、猫子ちゃんは公園にいるから、頑張りなさい、イケメンくん』

猫子「――……会いたいよぉ……おとこぉ……」

男(何時も無表情で、口数少なくて、笑顔なんて全然見せなくて。泣き顔も声も、絶対に見ない物と思ってた。
  だけど、あいつは猫が鳴くように泣いて、俺の名前を呼んでる。こっちが悲しくなるくらい、泣きながら)

男「なら……どうしてさっさと帰って来ないんだよ、バカ猫子」

猫子「――っ?おと……こ?なんで……なんで……」

男「カマさんから聞いて来た。ここに来たのは、お前を迎えに来たからだ」

猫子「だって……男は……わたしを、嫌って……だから……」

男「いつ、俺がお前を嫌いなんて言った。っていうか逆だ。心配して、ずっと探し回ってたんだぞ」

犬子「でも……わんこと……ひっく……ぷれぜんと……だって……」

男「――……いつまでも勘違いしてるな、バカ猫」

――ガバッ。ぎゅぅぅぅ

猫子「あ……く、くっついたら……男、嫌がって……」

男「良いか?俺はな、お前を猫だって思いながら生活してた。じゃないと、お前を意識して顔見れないからだ。
  お前と話せなかったのは、お前が可愛かったからだ。お前を猫じゃなくて、猫子として見てたからだよ」

猫子「……え?」

男「何時もは頭回る癖に、こういう時だけ察しが悪いのな……もう一度言うぞ」

男「俺は……無表情で、口下手で、自分勝手なお前が――――……好きだ」
177 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 01:58:23.31 ID:w3epWAHno
えんだあああああああああああああ
178 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/11(日) 02:08:32.02 ID:CgVtDBHM0
猫子「――……わ、わたしを……好き……?」

男「好きって意味がわからないか?ずっと、一緒にいたいって意味だ」

猫子「……好き……は、分かる。……でも、わたしは……猫、で……」

――ぎゅぅぅぅ

猫子「お、男……少し……苦しい……」

男「お前が元猫とか関係ない。俺は、無愛想なお前を好きになったんだ。お前がいてくれれば、それだけで良い」

猫子「――……あ…………ん……わたしも……わたしも、男と……一緒に、いたい」

男「おい、何でまた泣きだしてるんだ……ほら、手ぇどかせ」

――ごしごし

猫子「…………にゃぁ」

男「あと、お前が誤解してただけで、あの犬子と買ってた物もお前と仲直りしようとして買った物なんだよ。
  ほら、この鈴が付いたチョーカー。結構可愛いだろ?お前に似合うと思って、な。
  ジッとしてろよ。着けてやるから」

猫子「……ん、ありが……とう」

――チリン

男「……似合ってるぞ、猫子」

猫子「――…………にゃぁ」
179 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 02:11:48.48 ID:40x2CbpP0
いやあああああああああああああ
180 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/11(日) 02:16:51.18 ID:CgVtDBHM0
今日はここまでです。結構物語進んだので作者ホクホク顔です。
出来る限り物語に違和感のないよう進めてました。感動とか……して頂けましたか?
して頂けたなら幸いです。まだ少しばかり続き、作者的にはまだ書き足りないです。
次の作品も考えていますので、終わり次第書けるかな……?と。
そこで少し書き溜める為のアンケートです。
次書く物の作品のアンケートなのですが、応えて頂けると作者喜びます。

@狐の女双子が男の家にやってくる。
 姉は元気な女狐で、妹は寡黙。恩返しの話ですね。

A勉学優秀、運動神経抜群、容姿端麗の男。だが、彼には最大の汚点があった。
 それは男色、ということである。男の目を覚ます為に幼馴染は頑張るが――、

B男は今朝目が覚めると、女に体が変化していた。
 無口無表情な妹と、ツンデレな従妹に囲まれ、共学に女体化したまま登校した男の運命は?

どれが良いでしょうか?もし読者様が気に入った設定があれば、番号でお答えいただければ幸いです。
では、今日はこれで。おやすみなさい。
181 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 02:22:26.05 ID:Q4jbk1kSo
182 :梓塩 ◆aZSio..p4w [sage]:2011/12/11(日) 02:25:38.11 ID:stphN0Sto
しばらくはこのままのほほんとシリアスを織り交ぜてこのスレ見ていたいと思うが……
1か3かな
183 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 02:28:28.05 ID:zVm0f+jBo
動物擬人化スレにいるんだからあとは分かるな?
184 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 02:31:13.50 ID:dZ9s8Hpvo
TSがいい
185 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 02:43:15.08 ID:ON+fbn6ko
186 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 02:47:03.81 ID:Vikdxn9IO
2ではないことは確か
187 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 02:57:05.58 ID:ioK9nR4IO
2縺後>縺縺ェ
188 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 04:25:47.40 ID:q/gIoGYyo
2だな
189 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 05:09:09.55 ID:AzWw0g9SO
1だな1しかない
190 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 05:18:13.84 ID:6ydZ4tpWo
1
191 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 06:12:23.94 ID:6z+oKQZxo
乙〜

1
192 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 08:15:36.12 ID:KZ8zM/bAO


193 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 08:34:48.15 ID:w3epWAHno

1で頼む
194 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 08:55:54.82 ID:Qy/EvYZao
2かな
195 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 09:19:29.96 ID:O2BABJdto
恩返しがいいね
1
196 :  :2011/12/11(日) 09:37:15.25 ID:UnZbQfi0o
197 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 09:51:12.07 ID:PqEey17SO
擬人化スレ……あとはry
198 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 10:27:17.25 ID:pNGSSRUao
きつね尻尾もふもふ
199 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 10:58:33.66 ID:w4s4sKbdo

1だな
200 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 11:31:35.40 ID:vqRWIeVlo
1
201 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 15:26:48.45 ID:ehQ/r+ZAo
1しかない
202 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 15:49:55.07 ID:xDJF27mt0
2で
203 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 18:21:33.69 ID:hGsJLyfIO
1しかない
204 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 20:25:46.83 ID:nCawnoujo
くっ、3は人気が無いのか・・・
なら1でお願いします
205 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 20:41:11.57 ID:bLmkxgzwo
1で
206 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 20:51:52.65 ID:Me+ngLD4o
1だな
207 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 22:37:51.04 ID:QA+PKMa50
圧倒的な1wwwwwwwwwwww







てか全部見てえ
208 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/11(日) 23:07:03.90 ID:CgVtDBHM0
えー、次回作へのアンケートがここまで入るとは……作者予想外です。
とりあえず、今日の分が終わり次第、何を書くのかを発表します。……え?言わなくても分かる?
い、いえ、こういうのは気分が大事なんですよ!そう、発表することに意義があるんです!

それと、今回R18が入ります。はい、とうとう入ります。
ついでにそういう場面では会話文のみでなく、普通の小説のように描写を入れます。
作者がどこまで頑張れるか、宜しければお付き合いください。では今夜も、宜しくお願いします。
209 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 23:08:17.04 ID:Ngi6Bz+Ro
期待
210 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 23:08:59.54 ID:6z+oKQZxo
待ってた。全力でワッフル
211 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/11(日) 23:11:19.76 ID:CgVtDBHM0
――ガチャ

男「ただいま〜と……って、猫子、何で家の前で固まってんだ」

猫子「勝手に……家出、して……男にまた……迷惑かけた、わたしは……この家に、入っても……いい、の?」

男「……はぁ、バカ抜かせ。あれは、お前と上手く話せなかった俺が悪いんだ。っていうかだな――」

――グイッ

猫子「っ……お、男……いきなり、手……引っ張ったら……痛い……」

男「あぁ、ごめんっ――じゃ、なくてだ。言っただろ?お前がここにいたいって思う限り、お前の家はここだ。
  もしまた言葉もなしに突然いなくなったら、首輪着けて連れて帰るからな。覚悟しとけよ」

猫子「あ……うん……男に、なら……首輪、着けられても……良い。
   でも……出来れば、この贈り物……外したく、ない。どうすれば……良い?」

――チリン

男「ば、バカ、それは言葉の綾だ!俺はそんな特殊な性癖持ってない!
  それとまぁ……チョーカー、気に入ってくれたのな。ちゃんと外さずに着けとけよ?
  お前の居場所を音で知らせてくれる物なんだから。それ着けといてくれれば、俺はどこでも、お前を見付けられる」

猫子「……うん……ぐす……ひっく……うん」

男「何でまた泣いてるんだ……ほら、さっさと入れよ。風邪引いちまうぞ?」

猫子「ん……ただいま……男」

――チリン

男「あぁ。お帰り、猫子」
212 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/11(日) 23:28:36.32 ID:CgVtDBHM0
猫子「ご飯……作りたい、けど……食材が……ない」

男「あーお前探してる間に買い物行ってなかったし、犬子と食べ尽くしちまったんだ。忘れてたな。
  今から買い出し行くにも、もう20時だし……食うのは21時過ぎになるな」

猫子「……でも、男に……ご飯、作って……あげたい」

男「いや……まぁ、俺もお前の飯は食いたいけどさ。取り敢えず、それは明日にしよう。
  今日のとこは文明の利器の力を頼る。こんな時にしか食べないしな」

――ガサゴソ

猫子「男……棚漁って……どう、したの?」

男「んーと、あった。これだこれ、カップメン。3分で直ぐ飯が出来る便利品だな」

猫子「ん……売ってるのは……見た事、ある」

男「俺がカップメンとか嫌いだからな。こういう時じゃないと食べる気も起きないんだ。
  なんかほら、味気無いしさ。出来れば……お前の料理を食べたいっていうのもあるし……」

猫子「……明日、絶対……作り、ます。それで……赤と、青が……あるの?」

男「おう、しょうゆとシーフードだな。猫子はどっちが良い?」

猫子「食べた事、ないから……わからない。味が……違う?」

男「確かに違うけど、俺は美食家じゃないから上手く表現出来ないな。ま、半分こするか。
  その方が両方の味食べられるし、俺も丸々一個だと味に飽きちまうから丁度良いだろ。んじゃ猫子、皿二つ頼む。
  俺はこれ作っておくから。多分五分くらいで出来るんじゃないか?」

猫子「……ん、了解」
213 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/11(日) 23:41:49.63 ID:Uo9/6bgDO
1で
214 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/11(日) 23:54:40.29 ID:CgVtDBHM0
猫子「……ごちそう……さま?」

男「疑問形になるな。というか、お前もカップメンの味苦手なのな」

猫子「変な……味、する。もっと……薄味の、方が……良い。体に……悪そう」

男「ま、こういうのは味を覚えて貰ってナンボだからな。味が濃い方が印象に残るんだ。
  味は……猫子は猫舌だし、いつもの飯の作り方からして薄味が好きみたいだし、相性は最悪か」

猫子「……男と、なら……別に、良い……味、気にしない」

男「でもまぁ、猫子の言う通りで体には良くないけどな。買い置きのやつだし、主食にする訳じゃないから、
  これも経験だと思っておけ。きっと全世界でカップメンの味わかる猫ってお前だけだぞ」

猫子「……そう、なの?……あんまり、知りたく……無かった」

――チリン

男「その鈴は経験値を獲得すると鳴る仕組みなのか……?」

猫子「けい……けんち?」

男「い、いや、何でも無い。そうだ、明日は俺はバイト無いから、一日中お前に付き合えるぞ。
  もし行きたい所があったら今の内に言っておけよ。準備とか結構掛かるしな」

猫子「……わたしは……男と、家に……いたい。他の場所……いらない、です」

男「そ、そうか……分かった。でも買い物には行かないといけないし、商店街に行く時は言ってくれ」

猫子「ん……お米、お願い……前は……買えないまま……だったから。
   男と……一緒に、買い物……それだけで、嬉しい……」

男(相変わらず笑顔は作れてないが、喜んでいるのは伝わってくるな。何時か本当の笑顔をみたいものだ。
  それと、俺も飯なしカレーはあの時だけで十分です)
215 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/12(月) 00:30:09.78 ID:huAOxQPc0
男(うーむ、布団に入ったは良いが眠れないな……猫子に告白した時の興奮のせいで頭が覚醒し切ってる。
  寝不足で猫子といられる時間を自分で潰しましたとか洒落にならんし……さっさと眠気来い)

猫子「男……起きて、る?」

男「なんだ、お前も起きてたのか。お前寝着き良いからもう寝てると思ったぞ」

猫子「……眠く、ならない……男……そっちに、行って……良い?」

男(正直に言うと今猫子が布団の中に入ってきたりしたら色々な意味で爆発しそうだ。
  だからと言って邪険にあしらうのも気が引ける。また無意識の内にこいつを傷付けるのは御免だ)

猫子「……だめ……?」

男「……あぁもう、ほら、さっさと来い。狭くても知らないからな」

――ごそごそ

猫子「……狭くても、暖かい……にゃぁ」

男(あぁーやっぱり良い匂いするし柔らかいし、まずいな。今までは元猫だって自分に言い聞かせてたが、
  意識し出すと途端に今の状況が第二次世界大戦の縮図のような生殺し地帯になる。
  大体、布団の中で彼女から抱き付いて来るの意味知ってるのか。滅茶苦茶にするぞ、この猫)

猫子「あ……そうだ、忘れてた……男」

男「ん?どうかしたのか?」

猫子「―――……好き……です。男から、言われた……のに、返事……して、なかった……から」

男「――――ッッ!!」

――ガバッ、ぎゅぅぅぅ

猫子「ん……男……突然、抱き締めて……どう、したの?」

男「――……そういう事をこういう時に言うのは反則だぞ、猫子。我慢してるのに、歯止めが利かなくなる」
216 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/12(月) 00:54:03.87 ID:huAOxQPc0
猫子「んぅっ?……ふぁ、ん……ちゅ……んぁ……」

 前置きも無しに、猫子の唇を自分の物で塞ぐ。
 驚きで見開かれた瞳と普段では絶対に聞けない艶めかしい吐息が猫子の口から漏れて、更に興奮が増す。
 抱き締める力を強めると、猫子の華奢な体が小さく震える。少し強め過ぎただろうか、そう思い腕を離そうとすると、今度は彼女の尻尾と腕が俺の体に回された。

猫子「……離れたら……だめ」

 薄暗い室内で、月明かりに照らされた頬を染めた猫子の一言に理性が吹き飛ぶ。
 再度猫子を抱き寄せると、魅力的に光る小さな唇を覆う。男にはない特有の甘い香りが鼻をつき、脳を揺さぶられてる錯覚さえ覚えた。

猫子「ちゅぱ……ちゅる……んん、はぁ……はぁ……んむっ?」

 矢継ぎ早にキスの応酬。少し慣れて来た様子の猫子の歯を、自分の舌でノックする。

猫子「……ん。……っ、ふぁ……んちゅ、ちゅぅ……ちゅるる」

 俺の意図を直ぐに察してくれた猫子が、閉じていた歯を開け、彼女の舌と俺の舌が絡み合う。
 鼻で呼吸を繰り返し、何度も猫子の舌を蹂躙する。目を閉じて、それに応じてくれる彼女が愛おしくなり、一層強く口の中を舐め回す。

猫子「ん……ぷは……男……猫、みたい」

男「お前相手だからだよ。興奮して可笑しくなってるんだ」

 互いの唇を離し、至近距離で微笑みあう。猫子のぎこちない笑みが、今は物凄く魅力的だ。それこそ、歯止めを失う程に。
 理性を総動員して、一時的に自分を取り戻す。これから先は、勢いでいってはいけない。男の俺と比じゃ無いくらい、猫子には大事な物。それをキスと同じ様に突然奪ってはダメだ。
 目の前の猫子と額を触れ合うと、囁くように問い掛ける。

男「猫子……お前じゃ、今から俺がやろうとしてる事の意味がわからないと思う。だから、違う問いかけをするぞ。
  ……お前は、俺に、一生の中で一番大切な物を奪われても平気か?もし嫌だったら、正直に言ってくれ」

猫子「……一番……大切な……物」

 猫子は、一番大切な物と訊いて何を思い浮かべてるんだろう。自分の命か、それとも生き方か。どちらにしても簡単には手放せない物だ。
 だが、小一時間程悩むだろうと考えていた俺の予想に反して、腰に回されていた彼女の腕は逃がさないと言わんばかりに今度は首に絡む。そして猫子は、心配無いと言うように俺に微笑んだ。

猫子「男は……わたしから、一番……大切な、物……奪えない」

男「……どうしてだ?」

猫子「……わたしが……一番、大切な物は……男、だから。貴方の……傍に、いれれば……他に、何も……要らないから」
217 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/12(月) 01:52:30.87 ID:huAOxQPc0
 猫子の言葉を聞いた俺の脳内で、ぷつん、そう音を立てて何かが切れる音がした。

男「脱がすぞ……?」

 行為の意味は察していないだろうが、月明かりで照らし出された猫子の頬は真っ赤に染まっている。前に一緒に風呂に入った時には無かった、羞恥という感情が現れているのか。何か、猫子が成長してくれているみたいで嬉しいな。
 服のボタンを1つ1つ外していく毎に、気持ちが昂ぶってゆく。無意識の内に支配欲が満たされている、のだろうか。

猫子「あ……えっと……その……」

 猫子が世に言う半脱ぎ状態で、片手で胸部を隠している。
 過程が省けて良かった――というのは無理だな。正直に言うと、俺は彼女の下着を外せると少し期待していたのだ。
 こう、下着を取る時に最高潮まで赤くなった猫子を楽しみにしていたのに。

男「お前……ブラ、着けてないのか?」

猫子「……買った……けど、苦しくて……寝る時、着けて……ない」

 まぁ、今から下着を着け直してくれ、は常識が歪むので止めよう。
 隠している猫子の手を退けると、白肌の乳房の真ん中にピンと立った綺麗な桜色の……口に出すのは止めよう。

男「さ、触るぞ?」

猫子「……全部、男の……もの、だから……良い、よ……?」

 彼女の甘美な許可を得て、手の平で小さな乳房を覆う。真っ平ら、という訳ではないが、揉めはしないな。
 しかし猫子の裸を見ていて気付いたのだが、俺は大きな胸よりも小さな胸の方が好みのようだ。実際、猫子の裸から目が離せなくなっている。

猫子「あっ……お、男……少し、痛い……」

 緊張から来る力みで、強く胸を揉んでしまった。猫子の言葉が無ければ、自分が力んでいる事にも気付けなかったに違いない。

男「す、すまん……これぐらいでどうだ?」

猫子「んっ……へ、変な……感じが……します。けど……痛くは……ない」

 これくらいなら許容範囲なのか。ガサツな男と違って女性は繊細で神秘的だな。
 乳房を弱めに揉みながら、彼女の唇に口付ける。一際長くディープも交えたキスを終えると、猫子がトロンとした表情を浮かべる。こんな時に思うのも何だが、少し自分の技術に自信が付いた。童貞でも中々いけるものだな。

猫子「ぷは……んぅ……」

男「猫子……そろそろ、下も脱がせて良いか?」
218 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/12(月) 02:17:29.55 ID:huAOxQPc0
猫子「に、にゃぁ……」

 意識を留めて置くので精一杯にみえるが、猫子は健気に返事を返してくれる。いや、鳴き声を賛同と取るのは早合点だな。
 だが覚えておいて欲しい。一度走り出した男と列車は、簡単に止める事が出来ない。本音を言うと、ここまで来て生殺しは俺自身が辛い。
 乳房から手を離し、それを猫子の下半身へ持って行く。細く長い脚が、触れた途端に痙攣するかのように震えた。

男「大丈夫だ……優しくする。そのままでいてくれ」

 猫子の穿いているスカートを手探りでたくし上げると、スカートとは違う布の感触が手に触れる。
 ぬちゃ、と湿り気のある音が聞こえた。触れた指先も、少しばかり濡れている。パンツ自体が今現在どんな状態になっているのか、目視出来ないだけに疑問が募る。

猫子「あぅ……ん、くすぐ……ったい……」

 パンツ越しに秘部に触れると、擦る度に猫子の体が小刻みに震える。白状すると、少し楽しい。

猫子「はぁ……はぁ……んっ……だ、だめぇ……」

 上気した頬と漏れる吐息。どんな表情を見ても愛おしく思えるのは、何故だろうか。
 熱心に秘部を弄っていると、今度は猫子が俺の首に腕を回し、強く引っ張って来る。気付くと既に、猫子の顔が真正面にある。

猫子「んむっ……んちゅ……はぁ……ちゅぅ」

 今度は猫子から熱烈にキスの反撃。俺の真似をしているのか、口の中に舌まで入れて来た。
 出迎えると、嬉しそうに彼女の舌が俺の舌に絡みつく。学習能力凄いな。脳が痛いくらいに痺れている。
 お返しとばかりに秘部の弄りを再開すると、激しい口の動きが少しばかり緩和した。
 危なく猫子のペースに持って行かれるところだったな。自分勝手だが、初めては俺が主導権を握りたいんだ。

猫子「ちゅるる……んんっ。ふぁ、ふぁめぇ……そこ、さふぁらへると……考え、られなく……んにゃぁっ?」

 秘部の一部の突起を摘まむと、猫子が今まで聞いた中で一番の声量を上げる。驚いたのか、はたまた刺激が強かったのか。
 今の声と共に、下着が含んでいた水気が増した。確かに耳へ届く程の妖艶な音が、部屋に小さく響く。

――ぬちゃ、ぬちゃ

男「……そろそろ、パンツも……」

 どちらかというと、俺からしてみればここからが本番なんだ。猫子には、もっと恥ずかしがって貰おう。
219 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/12(月) 02:22:24.42 ID:huAOxQPc0
エロの途中で区切るのも何ですが、少し時間なので、次に書くときに全て上げ切れるよう努力します。
ってかエロむずい……エロ書いてる人凄い……。
次から本番なので、もっと難しくなるでしょう……頑張ります。作者、エロくなります。
それと、次回作は@番の狐の姉妹がやって来る話が多数なので、それで決定しました。
意外なのが、余りBに票が集まらなかった事でしょうかね。自分としてもケモナーなので、@書くのに全力を尽くします。もし次回作も見て頂ける方がいれば幸いです。
では、今日の23時くらいからまた再開しますので、それまでおやすみなさい。
220 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/12(月) 03:06:22.07 ID:b9JVRf2S0
>>1

とりあえずこのまま全裸待機だな
221 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/12(月) 03:08:04.27 ID:BD3EtjDIO
待て状態か…頑張ってまつよ
222 :梓塩 ◆aZSio..p4w [sage]:2011/12/12(月) 04:21:46.15 ID:Fa43RDRdo
うわあああああ
223 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/12(月) 07:19:32.91 ID:IuClZpcMo
乙〜
224 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/12(月) 08:14:37.52 ID:vC1qD9vSO
>>220
おいおい紳士たるもの裸にネクタイ待機がフォーマルだろ

ただ最近は何かと冷えるからな
紳士の靴下も履いておけ
225 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/12(月) 08:48:35.10 ID:aBCBHT/IO
>>224
今日は特に冷えるらしい…
紳士の手袋も必要だ
226 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/12(月) 09:26:28.59 ID:RDb5xriZo
>>255
それだけでは寒かろう…
紳士のモノクルも必要だ
227 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/12(月) 09:49:20.54 ID:IfYuykeYo
じゃあ俺は犬子ちゃんの尻尾でいいや
228 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/12(月) 20:42:58.19 ID:2I+TXo+Io
>>226
おっと、ハットを忘れるとは詰めが甘いですぞ?
229 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/12(月) 22:39:00.67 ID:4BGEaiYyo
>>228
今日も冷えるしマフラーも忘れるな
230 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/12(月) 22:40:32.27 ID:vC1qD9vSO
武器:なし
兜:紳士のハット
鎧:紳士のネクタイ
盾:なし
足:紳士の靴下
アクセサリー1:紳士の手袋
アクセサリー2:紳士のモノクル


紳士としては少し着込みすぎか?
231 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/12(月) 22:52:30.89 ID:uIDEwRwHo
>>230
想像するとだいぶエロいな

・・・ふぅ
232 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/12(月) 23:13:52.00 ID:8zjZx01m0
いやぁ……自分がエロイって事を再確認しました。勢いでエロパート完成させました……。
なんと確認するとエロパートだけで10000文字越え……前戯長かったかな、とか反省しています。
紳士の方達に応援されて、結構励みになっておりました。
僕はネクタイではなく、水泳ゴーグルを着用したいと思います。
では、今日も始めさせて頂きます。宜しくお願いします。
233 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/12(月) 23:15:52.15 ID:mg4ZQg5/o
超絶期待あげ
234 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/12(月) 23:19:46.14 ID:BaBX6smf0
犬子ってもう終了したパターン?
出せそして犬子にも愛情を注ぐんだ
235 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/12(月) 23:23:26.89 ID:6Z1ClNEIO
>>234
ほう…同士がいたか…
てか出さないなら俺がもらうよ?
236 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/12(月) 23:24:57.26 ID:8zjZx01m0
男「猫子、少し腰を上げてくれるか?」

 一番敏感な箇所を摘まれて目を見開いている猫子は、俺の言葉に反応出来ないみたいだ。いや、聞こえていないのか。
 だからと言ってここで引き下がる訳にもいかない。彼女から了承は得ているし、俺が導かなくては。
 片手を猫子の背中腰へ滑り込ませると、軽い体重の彼女の腰部を少しばかり浮かせる。

男「それじゃ……脱がせるぞ」

 未だに猫耳と体を震わされている猫子の耳元で囁き掛け、俺は彼女の下着に手を掛ける。
 脱がせるのに悪戦苦闘すると思っていたが、そうでもないな。
 どちらかというと、脱がす時に柔らかい尻などを触れて役得だ。これぐらいで満足してはダメなんだが。

猫子「んぅ……男……ぱんつ……脱いだ、方が……良いの?」

男「いや、俺に任せておいてくれ。お前は寝ててくれれば、それで良い」

 会話可能まで意識を回復した猫子が、下着を脱ぐ事に協力しようとするが、直ぐに断っておく。
 下着を脱がせている最中に彼女の顔を覗くと、猫子が恥ずかしそうに顔を背ける。それが物凄く見たいんだ。

猫子「男……どうか、したの?」

 どうにか湿ったパンツを脱がし終えた。しかし、ここで最大の疑問点を見つけてしまう。
 猫子のやつ、胸を露わにした時は恥ずかしがっていたのに、下の秘部だと結構冷静だ。

男「お前、恥ずかしくないのか?」

猫子「……えと……胸、の方が……恥ずか、しい……です」

 普通の人間ならば秘部の方が恥ずかしいと思うんだが、男の俺と女性の感覚は違うんだろうか。

猫子「ただ……下も……あんまり、見ちゃ……いや……」

 こいつは俺を誘惑するのが得意だな。今がこれなら、発情期が訪れたりしたらどんな事態になるんだ。
237 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/12(月) 23:42:28.72 ID:8zjZx01m0
男「猫子のここ……結構濡れてるな」

 パンツの染みからしたら量的には少ないが、彼女の秘部を指でなぞると淫靡な液体が付着する。
 愛液って言うんだったけか。猫子の甘い体臭からして、果実の匂いなんか香って来そうだ。

猫子「んふ……ぁ、あぁっ……お、男に触られた……んっ……場所が……じんじん……して、ます」

 女性の性器は男性のそれよりも敏感と聞くが、徐々に溢れる愛液の量からして本当なのかも知れないな。
 とはいえ、俺の陰茎もズボンの上から自己主張し続けている訳だが。
 猫子の艶やかな仕草と、耳をくすぐる喘ぎ声。加えて元々整っている美少女が半脱ぎという状況で我慢し過ぎて、爆発しそうだ。

猫子「んにゃぁ……え、男……それ、どう……したの?」

 遂に我慢の限界を超え、チャックを下ろして陰茎を外へ出すと、猫子が目を丸くしてそれを凝視する。

猫子「……いた、いの……?震え、てる……」

男「いや、痛くは無い。お前が可愛くて、それでこうなってるんだ」

 猫子は性器を見た事はないし、怯えるのも当然だろう。付けてる自分としても、膨張した時は結構グロテスクだ。
 というか、勃起した自分の陰茎と猫子の小さな膣口を見比べると疑問が湧く。本当に挿入出来るのだろうか、これは。

猫子「……?男……どうか、した……?」

 突然手の動きが止まった事に驚いたのか、猫子が不安げな声を出す。
 いや、俺が止まっちゃいけないな。俺が猫子を先導しなくては、このまま終わってしまう。
 正直に白状すると、目の前で悶える華奢な猫子をメチャクチャにしたいという感情もある。
 だがそれ以上に俺は、目の前の不器用な彼女を優しく抱き締めたい。その為なら自分の性欲なんて幾らでも放り投げてやろう。

男「……猫子、俺はあんまり知識がないが、女の子がこういう事をする時、初めては物凄く痛いって聞いた。 
  だから、もしお前が途中で怖くなったり痛くなったら遠慮なく言ってくれ。俺は、お前が大事なんだ」

 好きな相手には、無理をして欲しくない。そう思い口にしたのだが、猫子は直ぐに首を横へ振る。

猫子「……最初に……言った。わたしは……男の物……だって。だから……何、されても……平気」
238 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/13(火) 00:01:20.91 ID:8PUdHjsf0
 ぎこちなく微笑んで俺を優しく見つめる猫子。こんな時にも変に遠慮してしまう自分が情けない。
 好きな彼女にここまで言われたら、後には引けないな。

男「分かった……痛いだろうけど、我慢してくれ」

 痛いほど勃起した陰茎を、正面から適度に湿った猫子の秘部に宛がう。
 やはり大きさが不釣り合いに思える。挿入というよりも、抉じ開けてゆく、という方が正しいか。

猫子「あ……っ」

 腰に力を入れて少しずつ前に突き出すと、小さな膣口に宛がった陰茎の先端が徐々に飲み込まれてゆく。
 愛液が潤滑油と同じ様な効果を発揮しているのか、ズププ――と卑猥な音が聞こえた。

男「うぉ……な、何だこれ……搾り取られるみたいだっ」

猫子「くぅ……あ、あぁぁ……ぃ、いたぃ……」

 挿入する側としては初めて体感する膣内のうねりに翻弄され、気持ちよく感じるのみ。
 だが、陰茎を突き刺されてる猫子は、布団のシーツを掴み、必死で涙を堪えている。
 何より、彼女の震える口から痛いという言葉が発せられるのがきつい。出来る事なら、猫子にも喜んで欲しいのに。
 心苦しく思っていると、突然陰茎の先端が、薄い壁に隔たれる。これがきっと、女性の一生物である処女膜なんだろう。

犬子『男、覚えておくと良い。猫子は尻尾が弱いぞ。躾が必要だと思った時には、がしっと握ればイチコロじゃ』

 これを突き破れば、猫子は更に痛みに襲われる。そう考えた時、以前の犬子の言葉が頭を過ぎった。
 そうか、性感帯かなんか知らないが、尻尾を触ってやれば意識がそちらに逸れるかも知れない。

男「猫子……尻尾、触るぞ」

猫子「いぁっ……お、男っ……し、尻尾は、だ――んむっ」

 尻尾に触る事を拒否しようとする猫子の口をキスで無理矢理塞ぐ。せめて、少しでも痛みを無くしてやりたい。
 猫子の背中腰に手を回し、人にはない尻尾を優しく掴む。それから、上下に擦り始める。

猫子「んちゅぅ……ん、んっ、ンン――っ」

 再び猫子の体が痙攣して、長く細い脚が俺の体に絡み付く。これだと挿入したまま中で果ててしまう大惨事決定だな。
 猫子の意識が尻尾や唇に向かっている間に、心を決めた。今なら、猫子の痛みも少しは薄れてる筈だ。

男「……猫子……愛してる」

――グググ……ぶちッ
239 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/13(火) 00:32:15.66 ID:8PUdHjsf0
猫子「かはっ……い、いつぅッッ……ぁ、あぁぁ……」

 腰を少し引いてから、陰茎を強く膣内に押し入れると同時に、何かが裂ける音。
 処女膜が裂けると、ぐちゅぅぅと淫靡な音を立てて肉棒が猫子を一気に貫く。
 奥の奥まで挿れられた陰茎を、出迎えた猫子の膣が舐めるように絡み付き強く締め上げた。
 すると、猫子が体を弓なりにしならせ、酸素を求める鯉のようにぱくぱくと口を動かす。

猫子「あ……く、ぁ……はぅ……」

 猫子が失神し掛けたような声を発すると、陰茎と膣の接合部から赤い血が一筋伝い、布団に落ちて染みを作る。
 苦しんでる猫子には悪いが、俺はその姿さえも綺麗に思えた。彼女が俺の為に苦しんで処女を捨ててくれたんだ。
 男としてこれ以上に嬉しい事はない。弓なりの状態のままの猫子を強く抱き締め、震えを共有する。

男「ありがとう、猫子……それと、痛いよな……すまない」

猫子「……あやまら……ない、で……わたし……は……しあわせ、だから」

 目に涙を溜めながら、それでも尚優しくいてくれる無表情な彼女に胸が一杯になる。
 正直、今自分の肉棒が猫子の中にあるだけで、動かなくても果ててしまいそうなほど気持ちがいい。

猫子「男……気持ち……良い?」

 動いたらどれだけ良いんだろう。こいつの膣内をメチャクチャにしたら、どれだけ気持ち良いのか知りたい。

男「……猫子、すまん。文句なら後で幾らでも聞く――だから……」

 まだ破瓜したばかりの猫子の膣に収められた肉棒を、更に強く突き入れる。それこそ、子宮を押し潰す勢いで。

猫子「っっ!あ、あが……い、いぅ……っ」

 猫子の顔が苦痛に歪む。出来る限りその表情から目を背けたくなり、また猫子の唇に自分の物を重ねる。
 一度唇を離し、糸引いた唾液を見ると、猫子の唇を舌で舐める。そして再び口付けると、激しく舌を絡め合う。

猫子「んんーッ……ん、んっ……ぷは……はぁ……ちゅぅっ!」

 膣内のうねりがキスと比例するように激しさを増し、陰茎から子種を搾り取ろうとグチュグチュと蠢く。
 反撃するように、肉棒を膣から抜けるギリギリまで引き、ぐちゅぅぅと音を立てて再度猫子の中に突き入れた。
240 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/13(火) 01:02:20.91 ID:8PUdHjsf0
 頭が痺れるような匂いと音が、室内に漂う。
 ぐちゅぐちゅと音を立て、何度も猫子の膣内を出入りする肉棒。その音を掻き消すように激しく口付けを交わす。

猫子「ちゅぱ、んちゅ……んっ、ぁあ……んむぅ!」

 痛みはもう消えているのか、猫子の表情は快楽で染まっている。尻尾を擦ると、艶かしい声が発せられた。

猫子「ちゅるるぅ……ちゅぱ……し、尻尾は、だ――ぃにゃぁぁっ……」

 布団は猫子の膣から流れた血と愛液、加えて俺の陰茎から溢れた先走り汁で濡れまくっている。
 しかし、布団の事を考える余裕がないほど、俺と猫子は獣のように腰を振り合う。
 まるで自分が猫になったみたいだ。がっちりと俺の背中で回された猫子の脚が、離れる事を許してくれない。

男「好きだ……猫子」

猫子「……ん……わたしも……好き……です、よ」

 まだまだ甘美な時間を味わっていたいが、俺の限界が近い。もうそこまで差し迫っている。
 現に先程から猫子の膣内が蠢く度に、視界が真っ白になるくらいの快楽を感じていた。
 そして猫子の膣内は俺の限界を悟っているかのように、精液を出せと膣圧を強くして催促してくる。

猫子「んっ、はぁっ……は、はや……い……あっあっ……」

 肉棒の出し入れを今までよりも早くし、スパートを掛ける。猫子の体を抱き締めて、匂いを嗅ぎながら。

男「ね、猫子、出るから!早く脚退かせ!」

 俺の心配をよそに、猫子は涙を溜めながら首を横に振る。こいつ、膣内射精の意味絶対分かってないだろ。
 無理矢理にでも膣内から肉棒を抜こうとした時に、いきなり猫子の膣内が激しく蠢く。

猫子「んっんっ……あ、きた……あたま……ま、まっひろ……に……ッッ」

男「ぐぁ……も、もうダメだッ」

 ビュク、ビュルルル。そう豪快な音を立てて陰茎の先端から猫子の子宮に向かって精液が放たれる。
 膣内は子種全てを飲み込もうと肉棒を締め上げ、そのせいで更に放たれる精液の量が増加した。

猫子「あ……ぁあ……あぅ……な、何か……出て……る……」
241 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/13(火) 01:23:07.87 ID:8PUdHjsf0
 自慰とは比べ物にならないレベルの射精の快楽が、性器を襲い続ける。最後まで出せ、と。
 自分の仕出かした事に気付いたのは、猫子の膣内に全ての精をぶちまけ、放心状態で猫子に覆い被さった後だった。

男「すまん、猫子……中に、出しちまった」

 正面から抱き合うようにして、猫子の耳元で謝る。
 最初からゴムを着けておけば良かった。こうなる事を想定してなかったとはいえ、欲望に流されて迂闊過ぎた。

猫子「……ん……お腹……暖かい……けど、ひりひり……する」

男「乱暴にしちまったな……ごめん」

 中出しした事もそうだし、途中から猫子を乱暴に扱っていた。理性弱過ぎだ、俺。
 しかし、猫子は謝っている俺の頬に唇を寄せ、舌で舐めて来た。テッキリ怒ると思ってたのに。

猫子「ぺろ……好きにして……そう、言ったの……わたし。後悔……して、ない。
   それに……気持ち、良かった……男も、気持ち……良かったなら……それで、良い」

 出会った当初は感情一切無しの無表情だと思っていたのに、今では同じ無表情でも違いが読み取れる。
 あんなに痛い思いさせて、それでも慕ってくれる女の子なんて猫子くらいだ。本当に、俺には勿体無い。
 軽く口付けをすると、挿入したままの性器を、ちゅぽんという音と共に猫子の膣から解放する。

猫子「んっ……あ……垂れて、きてる……白い、液……?」

 膣口から溢れ出る精液を見るのは背徳感が半端じゃないな。いや、結構良いかも知れないが……。

男「猫子……もし子供が出来たら、絶対に生んでくれ。俺、働くから。絶対にお前を、幸せにする」

 大学に未練はない。こいつとの子供を授かれるなら、喜んで働こう。そうじゃなければ、幸せに出来たなんて言えない。
 猫子の少し長い前髪をかき上げると、良く顔が見えるようにして、また猫子と長いキスをする。

猫子「ちゅぅ……ん……子供……これで、出来る……の?」

 あぁ、そこから説明しなきゃダメなのか。俺は子供の名前まで考えようとしてたぞ。

男「あぁ……まぁ、可能性があるって話だけどな。お前危険日とか分からないし、万が一でも考えとくんだ。
  って……うーん、違うな……まぁ、あれだ。幸せにするからな……猫子」

――チリン

猫子「……ん……にゃぁ」
242 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/13(火) 01:42:03.11 ID:8PUdHjsf0
犬子「……ふられて、しもうた……か。元々勝ち目が無かったとはいえ、結構くるのぅ……」

犬「わん、わん!」

犬子「おぅわ!? な、なんじゃシベ!驚かすでない!というか……また脱走して来たのじゃな。
   懲りぬ奴じゃ。いや、この時間だとお主の飼い主は寝ているか……ふむ、ある意味賢いのぅ」

犬「きゅぅん」

――すりすり

犬子「な、なんじゃ……吾が泣いていたじゃと?そ、そんな訳なかろう!吾は強い犬じゃ!
   泣く事なんぞ無い!……ぜ、絶対に、無いのじゃ……」

オカマ「あらもぅ犬子ちゃんったら、本当に意地っ張りなんだからぁ〜。その犬ちゃん心配してくれてるじゃないの」

犬子「ひゃぃんッ!? な、なぜオカマがここにおるのじゃ!? 今の時間は香上げじゃろう!
   吾のところになんて来ておる暇あるまい!さ、さっさと本殿に行かんか!」

――ぎゅぅぅぅ

犬子「わ、わふ……なぜ抱き付いてくるのじゃ……あ、暑苦しいぞ」

オカマ「ホントに不器用な子なんだから。飼い主とかそれ以前に、カマ子と犬子ちゃんの仲じゃないの〜。
    心配するに決まってるわ。大体、そんな顔真っ赤にして何も無かった、なんてどんだけ〜?
    それとね、犬子ちゃん、男くんに振られるの分かってて告白したんでしょ?後押しする為にね。
    ホントに、不器用で良い子ね〜。カマ子、貴方を引き取って本当に良かったわ〜」

犬子「…………う、うぅ……ぐす……う、うるさいのじゃぁ……泣き顔、など……誰にも……ひっく、
   見せたく……ないに、決まっておるじゃろぅ……!ばかぁ……オカマの……ばかぁ……!」

オカマ「……頑張ったわね。お疲れ様、犬子ちゃん」

――なでなで
243 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/13(火) 01:58:05.27 ID:8PUdHjsf0
今日はここまでになります。はい、作者の限界が達しました。死ぬんじゃないか私。
えぇー、無事にエロパートも終えて、やっと後編へと続けられます。ここから少しばかりイチャイチャ続きます。
それと、少しここで作者から厚かましいお願いなのですが……エロパート、どうでしたか?
出来れば、ここはこうすればいいんじゃないかな?等の感想をお願いしたいです。
また次回のエロパートまで精進したいので、出来れば、未熟な作者に愛の手を、お願いします。

あ、それと質問返答コーナーです。
>>234->>235さんのレスですね。犬子に救いはないんですか!? という解釈で大丈夫でしょうか?
ぶっちゃけ救いあります。
まぁー……あの、この『猫子「拾われて……やりました」』では無いのですけども。
だって猫子が男くん以外とくっつくのは作者が少し……自分勝手で済みません。
ただ、必ず救いの手は用意します。むしろ、男が犬子を拾った場合とかを書くかも知れません。
というか犬子がここまで人気出るとは正直思わなかった……作者の判断ミスです。未熟済みません。

では、今日はこの辺りで終わらせて頂きます。次回は明日にでも。それでは、お休みなさい。
244 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/13(火) 02:00:30.35 ID:VlrMxhVNo
ラストの1レス以外飛ばしたわ
245 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/13(火) 02:05:03.37 ID:9rZsgbPYo
乙 よかった
246 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/13(火) 02:08:07.38 ID:maCysIJoo
乙〜
247 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/13(火) 02:10:37.34 ID:mhujyfubo
お疲れ
248 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/13(火) 02:37:49.83 ID:HgYxg3qJ0
おつかれ〜
猫子かわいいいよ猫子
249 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/13(火) 07:49:20.18 ID:i+JOPLzIO
乙?
猫子も可愛いが犬子もすごく可愛いと思う
救いはあったのか…それまで紳士装備で待っていよう…
250 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/13(火) 07:49:52.83 ID:Rg6zRNC50
猫子も犬子も両方とっちゃえばいいと思うんだ
251 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/13(火) 08:04:47.61 ID:jpfMFuTDO
三人でイチャイチャすればよろしい
252 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/13(火) 12:22:47.36 ID:LSA37VcX0

猫子も犬子もかわええな
253 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/13(火) 23:39:14.71 ID:8PUdHjsf0
では、今日も始めさせて頂きます。宜しくお願いします。
254 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/13(火) 23:56:06.10 ID:k1e1fOzDO
楽しかったぜ乙
255 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/14(水) 00:01:59.95 ID:Cikxi2O+0
〜〜10年前〜〜

医者「……君達のお父さんとお母さんは、もう帰って来ないんだ。トラックとの不運な事故でね……」

幼男「そんな……だって……父さん達、夜には帰って来るからって……」

医者「男くん……妹さんの容態だけでも大変なのに、こんな残酷な事しか伝えられないわたしを許してくれ……」

幼男(朝だって、二人で仕事に行って……何時もみたいに、俺が妹の看病をしてて……。
   父さんも母さんも、悪い事なんて何もしてないのに……なんで、なんで死ななきゃいけないんだ……)

叔父「男くん!平気かい!? お医者さん、兄貴は――」

医者「今男くんと話していたところで……どうぞこちらへ」

幼男「叔父さん……俺……俺……」

叔父「すまない男くん、仕事を抜けて来たんだが遅れてしまった……後は僕に任せて置きなさい」

医者「トラックの運転手が居眠りをしていて……ほぼ即死だったようです。遺体は……ご覧になりますか?」

叔父「……はい。男くん、叔父さんは行って来るよ。君は妹ちゃんの所に行ってきなさい。
   後で病室に寄るから、一緒に僕の家に帰ろう。叔母が男くんの事を凄く心配していてね」

幼男「……で、でも、妹が――」

叔父「妹ちゃんにはこの事は知らせない方が良い……と、僕は思う。彼女も療養の身だ。この事件は辛過ぎる……。
   ただ、最後は男くんに任せるよ。妹ちゃんは君の家族だ。これからは、僕達の家族でもあるがね」

男「……はい、わかりました」
256 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/14(水) 00:15:30.42 ID:Cikxi2O+0
――ガラガラ

妹「あ、兄さん。お帰り、なさい」

幼男「うん……ただいま。ちょっとお医者さんと話してたんだ」

妹「……ん?どんなこと……?」

幼男(妹は、元々体が弱くて、小さい頃から寝たきりの生活が多かった。今では入院する事も増えて来ている。
   そんな体の妹が父さん達が死んだって聞いて、安静でいられるだろうか。
   もしかしたら、体の悪さが悪化するかも知れない。でも――だからって、知らせないなんて……)

妹「何か、あったの……?兄さん、顔色……悪い」

幼男「――……いや、何でも……ないんだ」

幼男(無理だよ、俺には。病気で苦しんでる妹を更に苦しめるような事……出来ない。
   俺が隠してれば良いんだ。嘘を、吐き続ければ……何時か、妹が元気になるまで)

幼男「あー、お前またタマネギ残したのか。ダメだぞー、好き嫌いは体に悪いんだからな」

妹「別に……食べなくても、死なない。それに……タマネギ、苦い」

幼男「ほら、食べさせてやるから早く口開けろ。じゃないと、またナースのお姉さんに怒られるぞ」

幼男(俺が、こいつを守るんだ。守らなきゃ……どんな嘘を付いても)

――チリン

妹「……兄さん……兄さん……」
257 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 00:37:34.27 ID:AZvxxubIO
寝た?
258 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/14(水) 00:43:18.88 ID:Cikxi2O+0
――チリン

猫子「……男……男……」

――ゆさゆさ

猫子「男……起きて」

男「……妹……?って、猫子か。おはよう、今日も早いな」

猫子「男は……少し、長く寝てた。お疲れ……気味?」

男「少し昨日の夜のが響いてるな……まだめちゃくちゃ眠い。っていうか、逆にお前は艶々してるな」

猫子「ん……体の調子、良い。ただ……少しヒリヒリして、歩き難い……何か、入ってる気も……する。
   それより……ご飯、出来てる。食パン……しか、なかったけど……二枚で、足りる?」

男「十分だ。なんか食欲あんまり無いしな。着替えるから、待っててくれ」

猫子「了解……あ、それと、男」

男「ん〜?なんだ〜?」

猫子「昨日……痛かった、けど……嬉かった……そ、それだけ……」

男(照れてる……のか?さっさと行っちまったけど。出来ればこう、初夜の初々しさとかも見たかったな。
  裸で隣で寝てる猫子とか……なんでもっと早く起きなかったんだ。心の底から惜しい事した。
  でもま……昔の夢を見た後味の悪さは引いたか。あの時の夢を見ると、やっぱりダメだな……)
259 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/14(水) 01:00:14.98 ID:Cikxi2O+0
男「どっちかというと和食派だけど、たまにはパンも良いな」

猫子「わたしは……パンに、味噌汁は……合わないと、思う。なんか、変な味……する」

男「お前は苺ジャムつけてるからだろ。マーガリンだけだったら、そこそこいけるぞ。ほら」

猫子「……パン、差し出して……どう、したの?」

男「物は試しって言うだろ?口に含んで味噌汁飲んでみろ。ほれ、あーん」

猫子「……ん……あ、あむ……」

――ぱくり

猫子「……ずずず……むぐ……やっぱり、変な味……わたしは、ジャムで……良い」

男「お前食わず嫌いだなー。好き嫌いも結構多いし、ちゃんと直さないと後々困るぞ?飯食う時とか。
  猫だからネギ系はダメだとしても、ピーマンとかは食べなさい。何時も残したままだと大きくなれないぞ」

猫子「……男に、あげるから……良い」

男「俺はお前の苦手処理か……だから、将来困るんだって」

猫子「……男と、ずっと……一緒にいるから……困らない。ずっと……食べて、くれる」

男(好き嫌いの話をしてなかったら物凄く胸打つ言葉だな。ただ名義は嫌い物処理というのを忘れるな、俺。
  このまま猫子に乗せられたままだと甘やかす事になる。ここは心を鬼にしてでも好き嫌いを無くして――)

猫子「……んぐ……ぷぁ……牛乳……美味しい」

男(やっぱ良いかッ。なんかこいつの微笑み見てたらどうでも良くなって来た。良いじゃないか好き嫌い。
  こいつ従順過ぎて猫っぽいところないし、少しくらい自分勝手なところが合った方が安心するしな!)
260 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/14(水) 01:23:05.15 ID:Cikxi2O+0
猫子「洗濯物……全部、干した。窓の鍵も……ん、大丈夫。火の元……きゅっ……と」

男(ガスは元栓まできちんと締める、最初の猫子だったら分からなかった事をいとも簡単に……。
  なんか、寂しいのか嬉しいのか複雑だな。こう、娘が巣立って行く姿を眺めているようだ。いや、彼女だけど)

男「腰、大丈夫か?きつかったら無理しなくて良いぞ?」

猫子「座ってたら……ちょっと落ち着いた、から……平気。それに……男と、散歩も……したい」

――チリン

男(何時も見てる赤いコート姿のお出掛け猫子だが、見ている立場が変わると凄い破壊力だな。
  今直ぐ撫で回したくなるが、我慢だ。もしやるなら夜にしろ。そしてがっつき過ぎだ、自重しろ俺)

猫子「男……どうか……した?」

男「い、いや何でもないぞ!ほら、さっさと行かないとトイレットペーパーの安売りも終わっちまうな!」

男(今思うと猫子の上目遣いはやばいな。こう、殺人的な物がある。咄嗟に目を逸らしてしまった)

猫子「……あ……待って、男」

男「なんだ?忘れ物したならサッサと取りに――」

――きゅぅ

猫子「手、握ると……やっぱり、暖かい……ね。男が……教えて、くれた」

男「……お、おぅ。そうだな、暖かいな……」

男(少し冷たくて、でもスベスベしてる小さい手だな。前まで手を握っても、こんな事考えなかった……。
  というか、今思うと一緒に風呂入ったり一緒に寝たりって恋人になる前も凄い事してたな、俺。
  家に帰るまで正気でいられるか心配だ……でも手を離せなんて言ったら猫子が傷付く……男を見せる時だ)

猫子「……男、やっぱり……少し、変」
261 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/14(水) 01:53:38.49 ID:Cikxi2O+0
〜〜商店街〜〜

八百屋「お、猫子の嬢ちゃん、いらっしゃい!なんだい、今日は荷物持ち連れかい!」

猫子「えっと……荷物持ち、じゃなくて……好きな人……です」

八百屋「うぉぉ、マジかい。こりゃ驚いたな。嬢ちゃん、男なんかに興味ないと思ってたんだが。
    いやぁそれでも目出度いな!というかアンタよく嬢ちゃんを射止められたな!尊敬するぜ!」

男(めちゃくちゃむず痒いな。祝福されてるのは分かるんだが、こう大声で言われるとな)

八百屋「よし、おっちゃんは嬢ちゃんの幸せを祝福する為にみかんをあげるぞ!彼氏とくいな!」

猫子「え……一、袋……良いの?」

八百屋「遠慮しないで祝わせてくれ!なんか娘が結婚に行くみてぇで、祝わずにはいられねぇんだ!
    それに、今日は持ってくれる兄ちゃんがいるだろ!ほら、持ってきな!」

猫子「……あ、ありがとう……おじさん。それと……ナスとかも、見せて欲しい」

男(そういや献立聞いてなかったな。まぁ、今日は猫子の成長を見る為に口は挟まないでおくか。
  その方が楽しみもあるし、こうやって主婦みたいに野菜を吟味している猫子の姿も中々……良いな)

猫子「……白いナス……なんて、あるんだ……」

八百屋「シルク茄子っていうやつだな!面白そうだから仕入れてみたんだ!味は保障するぜ!」

男「おいちょっと待て!なに興味示してるんだ猫子!普通の茄子を買え普通の!
  あとおっさんも面白いで商品を仕入れるんじゃない!」
262 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/14(水) 02:10:04.24 ID:Cikxi2O+0
男「結構買ったな。米を最後に回したとはいえ、ちと重い……」

猫子「……男、わたしも……軽いの、持つ」

男「お前まだ歩きがぎこちないだろうが。却下だ却下。それに、こういう時くらい俺を頼れ」

猫子「……むぅ……わかった」

男(ちょっと拗ねてるな。でも無理をさせたのは俺だし、猫子には安静にしていて貰わないと。
  しかし、このままだと自分が米袋持つとか言い出しかねないな。言ったら全力で阻止するけども)

猫子「……でも、男がいて……助かった。わたし一人じゃ……そんなに、買えない」

男「女の子なんだし当たり前だろ。まぁ、また時間があったら付き合ってやるからな」

猫子「ん……にゃぁ」

――きゅぅぅ

男「なんだ、手繋ぐの気に入ったのか?」

猫子「ん……こうしてると、安心する……男の手、暖かい……から」

男(米袋持ったら離さないといけないんだけど……なんか勿体無いな。出来ればずっと繋いでたいな)

猫子「……あ……お米……安い」

――タッタッタ

男「って思った傍から離されたな……ははは……なんか、あいつの気紛れはよくわからん……」
263 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/14(水) 02:13:47.43 ID:Cikxi2O+0
今日はここまでです。話全然進みませんでした……しかし、イチャイチャ話を書くのは良いですね。
関係ないですが僕がリスペクトしている漫画家は澤野明さんです。
エロパートを書く時や猫子の仕草なんかも勉強させて頂いております。
というか澤野さんの漫画はエロじゃなくて萌を求める物だと思うんです……はい、眠くて思考回路麻痺してます。
次回もまだ猫子オンリーになりそうですが、宜しくお願いします。
264 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 03:31:50.51 ID:OaZvEpPAo
265 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 03:34:48.74 ID:DRfR9LTCo
おつ
266 :梓塩 ◆aZSio..p4w [sage]:2011/12/14(水) 04:17:29.09 ID:qVKkb9JKo
いちやいちやなままでこい
なんかしぼうふらぐがみえる
267 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 06:56:16.93 ID:bUYVc9RQo
乙〜
268 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 10:11:08.67 ID:xsfA7O/SO
269 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 13:56:51.92 ID:Q1U32qwGo

猫子がほたるで再生されてた俺には衝撃的すぎる
270 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 23:05:42.30 ID:hnhgm0/t0
なごむわ〜。乙
271 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 23:40:01.73 ID:1wrxsuut0

しっぽをさわったらどうなるのかを詳しく知りたい
272 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 23:47:50.41 ID:wYs5L+GIO
今日は更新しないのか?
273 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/14(水) 23:55:29.32 ID:LlkGzlc/o
乙〜
妹好きとみた!
274 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/15(木) 21:21:53.35 ID:WK58vFA50
なんてことだ、マタタビをまだ使ってないじゃないか
275 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/15(木) 22:48:39.93 ID:xdCTFf9IO
猫じゃらしも使っておらん
276 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/15(木) 23:26:29.05 ID:l0M+b5WY0
今から再開します。
あ、その前に質問返答をやっておきますね。

>>271さん
猫子「……せ、性感帯に……なってる……みたい」

やはり本人に言わせた方が作者も読者さんも嬉しいと思いまして……はい、今は反省しております。
>>274->>275さん
えっと、今マタタビを研究し終わりました。あれって人間で言うお酒類かと思いきや、
猫にとっては思いっきり媚薬成分なんですね。はい、使い道決定しました。少々お待ち下さい。
ねこじゃらしは……ふむ、ネタとしてはかなり有力ですかね。正直作者、イチャイチャネタに困っています。
では、今日もよろしくお願いします。
277 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/15(木) 23:43:17.48 ID:l0M+b5WY0
〜〜公園〜〜

男「お、今日は結構人がいるんだな。こんな寒いのに珍しい」

猫子「わたし達も……珍しい、人達……?」

男「デートスポットだったら定番だと思うんだけどな、公園って。ほら、あそこにも恋人がいるだろ?」

猫子「……口を、合わせてる……」

男「うん、例えが悪かったな。もうちょい健全なカップルを指差すべきだった。あれは無し、ノーカン」

猫子「でも……わたしも……男と、あれ……した。……健全じゃ……ないの?」

男「んー……少なくとも外でする事じゃない、と俺は思うけどな。他の人も見てたりするし、人の目とか気になるだろ。
  それにさ……お前のキスしてる時の顔とか、他の奴に見られたくないんだ」

――なでなで

猫子「ぁ……ん、わかった……男が、したくない……なら」

男「ば、バカお前、したくないとかじゃないんだぞ!ほら、お前まだ脚震えてるし……あんまり負担掛けたくないんだ」

――ぴょん、ちゅぅ

男「んむっ!?」

猫子「……ぷは……遠慮、しなくて……良い。歩きづらい、けど……幸せ……だから。わたしも……こう、したい」

男「……お前ジャンプ力凄いのな……まさか俺の顔まで届くとは……」

猫子「……猫、です……から」
278 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/16(金) 00:01:05.45 ID:4+FQ8+7W0
――ドサッ

男「とりあえずベンチに座ろうぜ……ふぃ〜……結構重かったな、これ」

猫子「軽いの……持つって、言ったのに……米まで持つから……」

男「猫子に持たせるくらいなら自分で持つさ。まぁ、俺がバイト休みの時限定だけどな。ほら、隣こいこい」

猫子「……にゃぁ」

――ぽす

男「お前ベンチに座る音からして軽いな。結構小食だし、もっと食べなきゃダメだぞ。せめて犬子くらい――」

猫子「……犬子は、良く食べるから……基準にしちゃ、ダメ……それに、猫は……元々小食」

男「確かにあんまり食べる猫は見ないけども……でもなぁ」

――うぇぇーん

猫子「……鳴き声……?」

少年「ほら、泣くなって……あーもうしょうがないな。ほら、兄ちゃんが新しいアイス買ってやるから」

少年妹「……ひっく……ほんとぉ?」

少年「おう!ちゃんと小遣いは貰ってるからな!任せとけ!」

男(妹……か。なんか懐かしいな……妹が元気な時は、俺も良くああして何かを買ってやってたっけ)

猫子「……男……?」
279 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/16(金) 00:23:42.59 ID:4+FQ8+7W0
猫子「男……どうか、したの?」

男「あ……いや、妹の事を考えてたんだ……なんか、懐かしいって思ってさ」

猫子「――……じゃぁ……なんで……そんな、悲しそうな顔……してるの……?」

男(隠そうとしても、勘の鋭い猫子だと気付かれちまうか。もしくは、見えないだけで顔に出ていたか。
  どっちにしろ、全く振り切れてないんだろうな、俺は。こんな所まで逃げて来て、何も……後悔ばかりで)

妹『何か、あったの……?兄さん、顔色……悪い』

男(そういや妹にも同じような指摘されたっけ。顔に出る癖は……全然治ってないのか)

男「……そうだよな。もうお前は、他人じゃないよな……話しても、良いよな……?」

――チリン

猫子「……ん。他人じゃ……ない。それに……男の暗い顔……見たく、ない」

男(なんか、許しを乞うてるみたいだな。猫子が頷いてくれた事に、物凄く安心してる)

男「……ありがとう……猫子」
280 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/16(金) 00:39:36.44 ID:4+FQ8+7W0
男「俺の両親はさ……俺が十歳丁度の時に死んだんだ……交通事故で。トラックっていう大きい車と衝突してな。
  相手の運転手はそのまま電柱に突っ込んで即死。俺の親の死体も……そりゃ酷いもんだったらしい。
  だけど不幸中の幸いでさ……妹は親が死んだ事を知らなかったんだ」

猫子「……うん」

男「元々体が弱くて、その頃は入退院まで繰り替えす容態で……そんな妹に親が死んだなんて、言えなかった。
  俺だけ知ってれば良い。日に日に痩せてくあいつを見てて……俺は、嘘を吐き続けた。親父達は元気だって」

猫子「…………」

男「ただ……親父達が死んで直ぐに……妹の病状が悪化したんだ……もう手遅れだった……。
  飯も喉を通らなくなって……点滴で過ごしてる時に……あいつ、俺に言ったんだ……」

妹『知ってたよ……お父さん達が、死んじゃった……こと。兄さん……わたしの為に、隠して……くれたん、だよね?』

男「隠し通せてたって……思ってた!俺がこいつを支えてるんだって……勝手に胸張ってた……!
  だけど……本当は、妹が俺を支えてくれてたんだ……痛いのに、苦しいのに……俺に気を使って……!」

妹『ごめんね……にい……さん』

――ピー――

男「あいつは……死ぬまで嘘吐きの俺に謝って……もう、限界だった。支えてくれてた妹がいなくなって……、
  俺はあの場所から逃げた。親父達が死んで……妹が消えた、あの町から」

猫子「……男……」

男「……済まん……なんか、久し振りに話せて良かった」

――ぎゅぅぅ

猫子「……気軽に聞いて、良い事じゃ……なかった。ごめん……なさい」

男「良いんだ、こんな重い話して御免な……ただ、聞いてくれてありがとな、猫子。
  このまま溜め込んでたら、ダメになってたかも知れない」
281 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/16(金) 00:56:28.49 ID:4+FQ8+7W0
猫子「男……その……わたし、男の傍に……いるから。男が、辛い時とか……悲しい時に……傍に、いるから」

男「……あぁ」

猫子「だから……何でも、話して欲しい……聞くだけしか……出来ない、けど……。
   でも……わたしは、男に……笑ってて、欲しい……にゃぁ……」

男(そういえば、妹が死んでからまともに話した相手って、初めては猫子なんだよな。
  最初は変な奴に絡まれたって思ったけど、あの時会えてて本当に良かった。ある意味俺も、捨て猫だったのかもな)

――ぎゅぅぅ

猫子「男……少し、苦しい」

男「だったらコートの前に入ってきたりすんな。それにこっちは重い米袋片手に提げてんだ。これくらい許せ」

猫子「だから……一つ、持ってあげた……」

男「折衷案だ。渡さなきゃ米袋引き千切るとか鬼畜過ぎるだろうが。
  まぁ、お前が折角空けてくれた右腕なんだ……お前を抱き締める方が、空にしておくより有意義だ」

猫子「……ん……やっぱり男、良い匂い……する」

男「自分の匂いとか分かんないけどな。お前は髪から普通に良い匂いするぞ……石鹸の香りって、良いな」

猫子「んぅ……く、くすぐったい……」

男「はは……なぁ、猫子」

猫子「……ん?どうかしたの……?」

男「俺の家に来てくれて、ありがとな。お前がいなけりゃ、俺はダメになってたと思う」

猫子「それなら……わたしを、拾って、くれて……ありがとう、男」
282 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/16(金) 02:01:23.25 ID:4+FQ8+7W0
オカマ『神社の方はもう心配しないで〜。あの変な人達はカマ子が追い返しておいたからぁ〜。
    だって、犬子ちゃんがいてこその犬神神社だからね〜。悪評なんて気にしたらどんだけ〜』

男「……ほんと、済みません」

オカマ『もう、謝ったらあの子に可哀想じゃない。胸張って幸せって言いなさいな』

男「……はい」

オカマ『あ、それと猫子ちゃんいる〜?ちょっと話したい事があるのよ〜』

男「あ、なら隣にいますよ。ほら、猫子、カマさんが代わってくれって」

猫子「カマさん……?……もしもし」

??『……ようやく話せたな、バカ猫』

猫子「……なんで、わんこが出るの……?」

犬子『一言言っておきたかったのじゃ。すぅ……また御主等の家を掻き回しに行ってやるからなッ。覚悟するが良い!
   ――――それと、幸せにな。男を大切にするのじゃぞ。でなければ、吾が貰いに行くのじゃ!』

猫子「ん、ありがと……わんこ」

犬子『……ふんっ、何故自分の男を取ろうとする者に礼を言うのじゃ……では、切るぞ。それではな』

――ガチャ。ツーツー

男「お〜い猫子〜カマさんなんだって〜?」

猫子「……お幸せに、だって。……素直じゃない犬が、そう言ってた」
283 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/16(金) 02:02:22.96 ID:4+FQ8+7W0
猫子「男……味、どう?」

男「ん……美味い。やっぱり家事は猫子の方が上手くなってるな。掃除も行き届いてるし。
  このマーボーナスとか俺作れないぞ。レトルトじゃないなんて凄いな」

猫子「あの、八百屋のおじさんに……作り方、教わった……」

男「最初は何も出来なかったのになぁ……あ、まずい、感動したら涙出て来た……」

猫子「大袈裟……でも、良かった……初めて、だから……少し、不安だった……」

男「初めてでここまで作れたら大したもんだよ。将来は飲食屋とか出来るかもな。耳を隠さなきゃダメだが。
  あ、猫子、醤油取ってくれ。生卵に掛けたい」

猫子「……男の為に、作れれば……それで、良い……はい、しょうゆ」

男(なんかエプロン着けて何気なく醤油とか渡してくる猫子を見てると新婚夫婦みたいだな。
  いかん、意識しなければどうって事ないが、気にしだすと止まらないな。昨日、致した訳ですし)

猫子「ん……?何か……付いてる?」

男「い、いや、何でもないっ。気にしないでくれ。ほら、さっさと食べないと冷めるぞ!」

猫子「……おかわり、あるから……言って」

男(……うわ、やばいな今の台詞。しかもちょっと微笑みながらだし。やばい、食欲じゃない物が湧いて来た。
  自重しろ、俺。昨日の今日でがっつき過ぎはよくないと何度も言っているだろう。
  猫子は負担を顔に出さない奴なんだから、俺が気を付けなければ)

猫子「……はむ、はむ……」

男(熱い物を頑張って食べようとしてる姿も良いな……写真撮りたい)
284 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/16(金) 02:10:42.79 ID:4+FQ8+7W0
では、今日はここまでで。結構進んだ……かな?時間って有限だからこそ尊いですね。
最近は未来ノスタルジアのBGMを聞きながら執筆しています。
私はまぁ、普通の音楽だと集中出来なくて、その書いてる場面に合ったBGMを聞きながらの方が捗るタイプです。
悲しい場面では殆ど、ナツユメナギサの『夏風の一秒』を流しています。
その泣きの場面を書きながら泣く特殊な作者って私以外にいるんでしょうかね……。
そして、次回作の設定を書き出しながら執筆する日々……あぁ、今度は狐っ子だ。

それと作者からのお詫びを。甘甘話を期待してくれていた方には、今日分の話は重かったと思います。
またこんなシーンが出てくるかも知れないですが、作者を見捨てずにお付き合い頂けたら幸いです。
辛いシーン以上に甘い場面を書き出しますので、宜しくお願いします。
では、今日はこの辺りで。おやすみなさい。
285 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 02:49:01.57 ID:TSTAbjM+o
おつ
今日アパートの外でタバコ吸ってたらネコがよってきた
拾えないけどせめて雨宿りにって階段に腰かけて呼んだら膝に座って寝はじめやがった
あーあいつ猫子になって訪ねてきてくんねーかな・・・
286 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 06:39:28.68 ID:mrC3lKBdo
乙〜
狐っ子にもエロはありますよね?
287 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 07:54:58.42 ID:duUZDYSSO
十分甘い

まあ大さじ一杯の砂糖くらいの甘さだな
288 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 09:09:09.92 ID:dwwnKb3IO

砂糖吐くぐらいの甘さを所望するぞ!
289 :新人 :2011/12/16(金) 23:02:26.08 ID:4+FQ8+7W0
>>1です。
えー、すみません。パソコンが御臨終なされました。
現在携帯で書いており、続きの執筆が出来ない状況です。
自分は書き貯めせずに、アイディアだけを考えて置いて書く時に文にするタイプなので、パソコンが無いと執筆が出来ない状態です。
早ければ明日にでも再開出来ますので、えーと……どれくらいの方が続きをお待ちして下さっているか分かりませんが、
今日はお休みで御願いします。
えと、書くのがお知らせだけなのも寂しいので、少しレスに返信しておこうと思います。
文章書いてないと落ち着かないので……。

>>285さん
うわぁうわぁ羨ましいです……自分はどちらかというと犬に押し倒されてる感じで……、
猫には避けられます……猫が好きだから猫の擬人化SSなんて書いてるんですがね……。
愛は伝わらない……。
犬も好きなんですけどね。ちなみに犬子は自分家にいる犬が元です。名前はルーチェですね。

>>286さん
あー、えっちぃシーン要りますか?
ちなみにこのSSでエロを入れたのは猫子との絆を強めたかったからなんですけど。
というか僕のあの文の書き方で大丈夫ですかね……?
もし希望してくれる方がいましたら、僕は全力で答える気です。ちなみに狐の次回作ではロリ狐の二匹に普通スタイルの幼馴染が登場予定です。

では、今日はここら辺で。あー、返信でも文書いてると安心する……。
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/16(金) 23:04:59.90 ID:buU1KSLLo
はいはいSS書きを襲う謎のパソコントラブル乙
291 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 23:08:50.19 ID:mrC3lKBdo
>>289
>もし希望してくれる方がいましたら、僕は全力で答える気です。

全力? よしきたワッフル。狐良いよ狐
292 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 23:10:32.58 ID:Skayf9wIO
えっちぃシーンは欲しいです。
ロリが出るなら尚更。
因みに自分の好きなタイプは貧乳でツンデレな子。
293 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 23:20:09.05 ID:tBpCa+EQo
だからあれほどサブマシンを確保しておけと…
まぁ、ゆっくり待つよ
294 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 23:51:46.42 ID:TvWzldRSo
>>290
なぜSS作者に多いと勘違いするかと言うと、

ROM専はわざわざそんなこと報告しないし、する義務(のようなもの)がある場所がないのに対し、作者はあるからそう錯覚するんだよ。

何が言いたいかって言うと>>1さん待ってますので焦らずゆったりとどうぞ。



ところでID変わってないのはサブPC利用中ってことかな。……ん?
295 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/17(土) 02:32:31.07 ID:Twdfe2u8o
>>294
たとえばPCで書き込むのと、同じ無線LANにつながっていれば携帯(スマホ)とかでも同じIDになるよ
296 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/17(土) 19:49:10.12 ID:iJ8J7CyXo
>>294
お前恥ずかしいな
297 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/17(土) 23:03:54.40 ID:i0xuoc8t0
では今日も始めさせて頂きます。
レスへの返信は最後にやらせて頂きますね。では、宜しくお願いします。
298 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/17(土) 23:21:51.17 ID:i0xuoc8t0
猫子「ん……お風呂、気持ち良かった……」

男「外が寒いからな。ちゃんと髪乾かさないと風邪引くぞ。ほら、タオル持って来い。拭いてやるから」

猫子「……ん、わかった」

――ぴとり

男「おい、何で抱き着いて来るんだ?」

猫子「拭き易い……と、思って……。それに……こうしてる、方が……好き」

男「そりゃ俺も嬉しいけどさ……まぁ良いか。甘えたがりの猫さんに大サービスだ。このまま拭いてやるよ」

――ごしごし

猫子「ん……男の手……大きい……」

男「はは、お前の手に比べたら大抵の男の手は大きいだろうな。ま、そこも可愛い可愛い」

猫子「――男……少し、お願いが……あります」

男「おう、なんだ?」

猫子「……拭く、ついでに……わたしの喉……撫でて、くれますか……?」

――チリン

男「そういや犬も猫も喉撫でられると気持ち良いって言うけど……あれって自分で掻けない場所だからだろ?
  お前等だったら自分で掻けるんじゃないか?」

猫子「……男に……撫でて……欲しい……です」

男(なんか猫子のやつ、昨日から色気づいて来たというか……仕草が色っぽいな。首筋なぞる仕草も、豪く扇情的だ。
  これで体付きが貧相でなければ飛び付いていたな。いや、今の猫子だからこそ俺は好きなんだが)
299 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/17(土) 23:37:02.95 ID:i0xuoc8t0
男「なぁ、やってから思ったんだけど、膝枕って普通は俺がされる側じゃないか……?」

猫子「わたしは……されていて……幸せ……です」

男「別に良いんだけどさ。その代わり、俺にもしてくれよ?こう、男としては膝枕は夢なんだ」

猫子「……ん、わかった……」

――なでなで

猫子「ふぁ……んんっ……はぅ……」

男(膝枕して喉撫でてるだけで赤くなった猫子が見れるんだから、役得だな。艶っぽい喘ぎ声はかなり毒だが。
  そこは俺の理性を総動員させてカバーだ。煩悩如きに俺の愛は突き崩せまい……って言ってて恥ずかしいな)

猫子「はぁ……はぁ……んぅっ……」

男(おい、猫子の着てる俺のお古のワイシャツが肌蹴て来てる……あ、まずい、桜色のあれが見えた。
  こりゃ目にも耳にも毒だ。ってか何で第三ボタンまで外してるんだ、この猫)

猫子「ん……男……ありがとう……もう、大丈夫……」

男「おう……俺はちょっと大丈夫じゃなくなって来た。済まん、トイレ行って来る」

猫子「……?行って……らっしゃい……?」

男(昨日の今日で猫子に無理をさせる訳にはいかない。俺は我慢しぬくぞ……せめて一週間くらいは)
300 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/18(日) 00:15:59.04 ID:yjpMKOY30
〜〜それから2日後〜〜

猫子「男……なんだか、具合……悪そう」

男「へ、平気だ……問題ない。ただそう、我慢してるからなんだ……色んな物を」

猫子「……でも、これからバイト……大丈夫……?」

男「途中で栄養ドリンクでも買ってくから、心配すんな。というより、こんな性欲だらけの俺を心配しないでくれ。
  なんか良心が痛むから……まぁ、家の事は頼んだ。今日は……うん、18時頃には帰って来れるな」

猫子「……無理、しないで……ね?」

男「本当にまずかったら休憩入らせて貰えるし、大丈夫だよ。心配性だな〜、猫子は〜」

――なでなで

猫子「あぅ……あ、あんまり……なでちゃ……だめ」

男(……なん……だと?おいおい待ってくれ、あの猫子が撫でられるのを嫌がるなんて、あれか。反抗期か)

猫子「ずっと……撫でて欲しく……なるから……帰ってから……して?」

男「ぐふっ!?」

男(裸ワイシャツ姿の彼女と添い寝しながらの二日間禁欲生活中の俺にその言葉は核爆弾級だぞ……。
  ダメだ……今の状態だと猫子の上目遣いが癒しより拷問に思えてくる……きつい)

男「行って来る……」

猫子「うん……行って、らっしゃい」

男(あぁ、エプロン姿でお見送りされるって幸せだな。小さく手を振ってる猫子を見てると、こう、込み上げる物がある。
  鼻血でそうだ……職場で気をつけよう)
301 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/18(日) 00:29:36.38 ID:yjpMKOY30
〜〜バイト先、喫茶店〜〜

女店長「あら〜男くん、顔色悪いじゃない。もしかして……振られた?」

男「なんでバイトに来て直ぐに店長から訊かれるのが彼女関係なんですか……いえ、振られてはないですけど」

女店長「うわぁ〜、上手くいったんだぁ〜!おめでと〜猫ちゃん帰って来て良かったね〜!」

男(あぁ、そういや店長には猫子の事を飼い猫って伝えてるんだっけ。忘れてた、危ない危ない。
  女性に話すと直ぐ職場に広まったりするからな、気をつけなければ。いや、自慢したい気持ちはあるんだが)

女店長「ねぇねぇ男くん、今度猫ちゃんに会わせてくれない?わたし猫好きなんだ〜」

男「あ、あぁ〜……え、えぇ、良いですよ……また今度」

男(こののほほんとした笑顔を騙すのは気が引けるな。まぁ、聞かれたら話し逸らそう)

男「あ、店長、コーヒー一杯だけ頂いて良いですか?少し寝不足なんで……あ、確か300円でしたよね?」

女店長「んー、バイトくんが猫ちゃん見付けたお祝いに、今日はタダで良いよ〜。
    その代わり、聞いてよ男くん。実はちょっと前なんだけど、買出ししてる最中に、面白い子見つけたんだ〜」

男「面白い子?」ゴクゴク

女店長「そそ。深く帽子被っててね〜。それがわたしとぶつかっちゃった時に、ぽてって落ちちゃったの〜。
    そしたら何と、その可愛い女の子猫耳着けてたのよ〜。
    折角可愛いコスプレしてるのに、見せないなんて勿体無いわよね〜。また今度会ったら店に勧誘しようかしら」

男「ぶっー!!うわあちぃ!服に掛かったっ!!」
302 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/18(日) 00:43:02.50 ID:yjpMKOY30
〜〜帰路〜〜

男「く……バイトも疲れたが、家に帰るとそれ以上に誘惑がやばい……」

男(猫子は寝る時にワイシャツとパンツ以外を着用していない……これは物凄く俺の脳を揺さぶって来る。
  悪魔が『襲っちゃえよ〜』とか言うなら分かるが、天使すら『合意の上だから!何卒!何卒!』と訴えかけて来る。
  理由は分からないが、パジャマを着せようとすると物凄い嫌がるし……これだと我慢の限界がもう目の前だ)

男「もういっその事睡眠薬でも飲んで寝るか……煩悩が起きる前に」

――きゅぴ、きゅぴ

男「――……んぁ?」

狐1「こんこん♪こんこん♪」

狐2「……(じとー)」

男(なんか金狐と銀狐が一緒に歩いてるな……いや、狐自体珍しいんだけど、猫子見てるから慣れたな。
  それにしても、金色と銀色の毛並みの狐か……この町の生態系ってどうなってるんだ。気になってきたぞ)

男「――っておい!そっちは道路だろ!」

――ブォー!

男「なんでこんなジャストなタイミングでトラックが来るんだよ……ッ。っち、間に合わないだろ、あれ!」

少年「よっと……ッ!」

――だきッ

男(うわ……あの距離走って2匹抱えて助けやがった……どんな脚力してんだ、見た感じ小学生だろ……)

少年「大丈夫?怪我とかないかな?」

狐1「きゅんきゅん♪」狐2「……(じーっ)」

少年「あはは、大丈夫みたいだね。うわ、人懐っこい子だな〜」

男「まぁ……無事だったなら良いか。さっさと帰るかね……」
303 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 01:02:20.50 ID:iULGYEdIO
次回作への付箋ですねわかります
304 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 01:04:31.25 ID:kc4EcS5IO
こ…こんなやり方があって良いのか…
見たくなるじゃないか…
305 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/18(日) 01:13:01.72 ID:yjpMKOY30
男(んー、まぁさっきの狐騒動にはちと感謝だな。あれで肝が冷えて煩悩が少し消えてくれた。
  出来る事なら、このままを維持したいものだ。ぶり返したら今度こそ猫子を襲ってしまうかも知れん)

――ガチャ

男「ただいまー」

猫子「あ……男、お帰り……なさい」

犬子「んむ、お帰りじゃ、男。またバイトだったのじゃな」

男「……え?なんで犬子が家にいるんだ……?」

猫子「男と、入れ違いで……昼から、家で、用もなくごろごろしてる……」

犬子「何時でも遠慮なく来いと言ったのは猫子であろう!? なんじゃこの客人に何所までも失礼な家は!」

猫子「客人と、思わなければ……ただの犬。結局……なんで来たのか、言わないし……」

犬子「ふんっ用は猫にではなく男にあるのじゃ!その為に待っておったのにお主は全然帰ってこぬしのぅ。
   待っておる女子を待たすとは何事じゃ……といいたいところではあるが、勤めならば致し方ない。
   今回ばかりは許してやろう!ふふ、寛大な吾に感謝するのじゃな!」

猫子「どうぞ……お帰り、下さい」

――ぐいぐい

犬子「い、や、じゃぁー!いや、猫子抜きで話をするなら外の方が都合が良いか……ぬわ!? み、耳を引っ張るな!
   も、もう遠慮はしないのじゃ……おい猫、お前の主人、少しばかり借りるぞ!ほら、行くぞ男!」

男「なんで俺疲れて帰って来たのに直ぐに出かけなきゃいけないんだよ……」
306 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/18(日) 01:38:03.13 ID:yjpMKOY30
犬子「う、うむ……この辺まで走れば、問題なかろう」

男「ぜぇ、ぜぇ……お、おい、バイトだけの、大学生の……運動能力の低さ、見くびんなよ……っ。
  てか、手を離せ……ッ!死ぬ、息切れで……死ぬ!」

犬子「おぉ、つい必死で忘れておった……ほれ、ここのベンチなら良かろう」

男「ついで、殺されて、堪るか……!はぁ……はぁ……で、何の用だよ……犬子」

犬子「――……あぁー、こういう雰囲気になると話し辛いのぅ。どらま、とかいうやつで見た通りじゃ……」

男(普通のドラマだったら振られた女が振った男の手を引いて全力疾走なんてしないけどな)

犬子「まぁ……正直、そこまで重要ではないのじゃ……ただ、あれからお主とちゃんと話してなくてのぅ……。
   その、ちゃんとお主と会って話したかったのじゃ……このまま気まずいまま……なんて、吾は嫌じゃ……」

男「……そっか」

犬子「言いたい事が沢山あるのじゃ。というか、一つ以外の全部は吾を振った事への愚痴な訳じゃが」

男「それはまた暖かい場所でずっと聞いてやるよ。ここだとお前も俺も冷えるだろ」

犬子「その物言いは相変わらずじゃのぅ……優しいか厳しいかわからぬ……ま、そこも良い所なのじゃが……。
   っと言いたい事はそれではないのじゃ……。えほんっ、男よ」

男「なんだよ、改まって」

犬子「あ、その……えと……お、おめでとう、なのじゃ!猫を幸せにしてやるのじゃぞ!」

男「――……あぁ、言われるまでもないさ。それと、ありがとな、犬子」

犬子(猫子の為に食い止めようとしたが……吾にはお主を振り向かせる魅力が無かった。
   せめて……少しでもお主達に幸せな時があらん事を。お主が……少しでも長く、猫子の正体に気付かぬ様、祈るばかりじゃ)
307 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/18(日) 01:58:37.38 ID:yjpMKOY30
犬子「じゃぁの、男。また近い内に家に遊びに行ってやるのじゃ。期待して待っておると良い」

――タッタッタ

男(外見は取り繕ってたけど、犬子のやつ、落ち込んでたな……。だからって、猫子を選んだ俺が追い掛けられる訳もない。
  こういう時に気の効いた言葉を言えないのが、なんというか……今まで恋人いなかった名残だよな)

男「もう19時か……猫子のやつ待ってるかな。さっさと帰ってやらないと」

――ガサガサ――チリン

男(……なんか今茂みが揺れたな……ついでに聞き慣れた音も聞こえたな)

男「おい、猫といえども盗み聞きはいけないと思うぞ。出て来なさい」

猫子「……にゃぁ……付いて来た、けど……出辛くて……」

男「……はぁ、てか気配全然感じなかったぞ。隠密行動得意の忍者か、お前は……ほら、頭に葉っぱ付いてるぞ。
  取ってやるからジッとしとけよ」

猫子「ごめん、なさい……」

男「俺と猫子が何話すか気になったんだろ?まぁ、あれだ。俺はお前以外の子に好きなんて言わないから、安心しろ」

――ぎゅぅぅ

猫子「――……に、にゃぁ……」

男「はは、やっぱり暖かいな、お前。今日は冷えるし、またコートの前にでも入って帰るか?」

猫子「……(こくり)」
308 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/18(日) 02:05:14.64 ID:yjpMKOY30
え〜、今日はこの辺で。伏線も張れて、次回作の子達もお披露目出来て、満足です。
PCは昨日うんともすんとも言わなかったのに今日は使えました。PCがツンデレです……不良品じゃないか。
ともあれ今日分は書き上げられて良かったです。
正直、書いてる最中にプツンッも有り得たので、心の底から良かった……いや、助かったの方が正しいか。
えー、今回で出た狐二匹の説明は次回作まで取っておくとして、明日の分にまたR18入ります。
正直あの文の書き方でR18しても良いのかな?と思ってたりしますが、楽しみにして頂けると幸いです。
では、今日はこれで。お疲れ様でした。
309 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 03:03:50.42 ID:uPOO0Y0IO
乙〜


猫子も可愛いけど、やっぱり犬子も可愛いなぁ〜

救済をまっとるよ
310 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 06:50:32.91 ID:7TEz7GfIO
乙〜
お互い好きあってんの確認してんのに男は一体何をためらってんだ?
漢なら行け!イッてしまえ!
311 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 07:31:29.54 ID:ylobrnwIO

文は大丈夫だと思いますよ
ツンデレPCいいなぁどんな具合にツンデレ何だろう…
とか言ってみる
312 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 08:27:40.82 ID:J+6VZpgjo
乙〜
良いぞ良いぞもっとやれ
313 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 08:27:57.81 ID:9Vnr5VzSO
314 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 11:22:47.05 ID:+0AM+QuX0
乙!
315 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/18(日) 23:15:30.74 ID:yjpMKOY30
では今日も始めさせて頂きます。エロは書きだめました……作者前回で学習しました。
エロは途中で区切ってはいけない!興醒めも良い所だと見ていて学習したので、エロはフルでお送りします!
その代わりエネルギー消耗してしまったので日常のパート上げが遅くなりますが、ご容赦下さい。
では、今日も宜しくお願いします。
316 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/18(日) 23:26:44.43 ID:yjpMKOY30
――ガチャ

男「うぃ〜、寒かったな……猫子、お前コタツに入ってて良いぞ。俺が作るから」

猫子「え……でも、料理は……わたしが……」

男「もうほとんど準備終わってるんだろ?さっさと作って持ってきてやるよ。お前は暖まっとけって。
  隠してるつもりだろうけど、手震えてるのは分かってるからな。こういう時くらい、格好つけさせろ」

――なでなで

猫子「ぁ……ん……今日は、うどん……後は、温めるだけ……」

男「なんだ、もう全部終わってるじゃんか。じゃぁ温めてくるから、ちゃんとコタツに入ってろよ?」

猫子「……わかり、ました……」

男「さてっと、うどんを茹でて……出汁を温めてっと。調味料は……かまぼこでも乗っけとくか。
  油揚げだけだと、ただのキツネうどんだしなぁ。長ネギは、俺の方だけに〜と。
  ありゃ、長ネギがないな。確か取っておいた筈なんだが……ここか?」

猫子「男……長ネギは、野菜室の奥。ビンに……入ってる」

男「うぉ、これか。ビンに短く切って入れてるんだな……って、猫子。コタツに入ってろって言ったろ」

猫子「……置き場……結構、変えてる……から、分からないと……思って。
   それに……十分、暖まった……手伝う……」

男「んー、でもまぁ確かにいて貰った方が良いか。いや、っていうかそれだと俺要らないよな。
  二人で狭いキッチンにいても邪魔になるし、居間にでも戻って――」

――きゅぅ

猫子「……傍に、いて……欲しい。料理……一緒に、したい……です」

男「ぐふっ」

男の理性メーター■■■■■■■□□(白が残っている理性となります)
317 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/18(日) 23:42:14.99 ID:yjpMKOY30
猫子「……ちゅるちゅる……」

男「ずぞぞぞぞー……ん、美味いなー。カツオ出汁か。それに油揚げも結構良いやつだな。良い甘さだ」

猫子「にゃ……さすがに、麺は……市販……」

男「はは、うどんの麺を豪快に打ってる猫子なんて想像出来ないしな。まぁ、うどん手打ちする奴なんて稀だぞ」

猫子「肉屋の、おじさんは……打ってる、みたい。今度やったら……くれるって、言ってた」

――ちゅるちゅる……

男(猫子のうどんの食い方って小動物チックだよな。猫舌だから仕方ないけど、あのままだと食い終わる頃には冷めてるな。
  だからってこの時期に冷やしうどんなんて作ったら凍えてしまう。猫舌って不便だよな)

猫子「ふぅ……ふぅ……」

男(でも見てる分には役得だな。箸で摘んだうどんに息を吹き掛けてる仕草が、妙に色っぽい。
  いかん、見惚れてると、うどんが伸びる……もういっその事、手早く食べて猫子を観察してるのも手か)

男「ズズズー……よし、ご馳走様でした」

猫子「……あ……お粗末様、です。わたし……まだ、掛かりそう……」

男「ゆっくり食べて良いぞ。ただし、片付けは俺がやるからな。お前はちゃんと、コタツにいるんだぞ」

猫子「ちゅる……ふぁい」

男(油揚げ食べたからか猫子の唇が少し光ってるな。柔らかそうだ……き、キスくらいは良いよな?
  もう三日間我慢し続けて辛抱が堪らん……が、キスをしたら、それこそ歯止めが利かなくなりそうだ)

猫子「……ちゅるちゅる……はむ、はむ……ん?」

男(首を傾げてこっちを見てくる仕草も可愛いな。相変わらず無表情だけど、そこも猫子の特徴か)
318 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/19(月) 00:00:35.86 ID:tLK7n7Zw0
猫子「男……大変」

男「えっと、何がだ?風呂場に洗剤掛けに行くだけで何が大変だ」

猫子「洗剤は……掛けた。それで、流して……お湯を、溜めた……けど、それから、大変。お湯が、出ない」

男「うわ、マジか。結構遅い時間だしな……もう大家さんに言うのも無理か。凍っちまうのは考えてなかったな」

猫子「今日、冷えてた……から……でも、途中まで、お湯……溜まってる。早くしないと……冷めちゃう」

男「大家さんには明日知らせるとして、銭湯に行くのも面倒だしなぁ。その途中までので入るしかないか。
  猫子が先に入っていいぞ。俺はその後に入るから――」

――きゅぅ

猫子「それだと……ダメ。お風呂……冷めちゃう」

男「こ、こら袖を引っ張るな。でもお前が入る時に風呂が冷めてたら俺の方が嫌だぞ。
  お前人一倍寒さに弱いんだから、無理しないで先に入れ。俺は頑丈だから、ちっとくらい冷めてても平気だ」

猫子「――……に入る」

男「すまん、小さ過ぎて聞こえなかった。もう一回言ってくれ」

猫子「……い、一緒に……入る……の」

男(あぁ、聞き間違いじゃなかった。出来れば聞き間違いであってくれと願っていたのに、この有様だよ。
  きっと、猫子を抱いた夜に痛がった時の顔を見ていなければ喜んで入ってたんだろうな、俺。
  ただ途中までしか溜まってない湯船だと猫子だけ入ってたら肩が露出するか……それはそれでダメだな)

男「わ、わかったっ。ただ、俺から一つ条件がある。それをしてくれたら、一緒に入ろう」

猫子「…………じょう、けん?」
319 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/19(月) 00:20:26.89 ID:tLK7n7Zw0
猫子「水着着たの……久し振り」

男(裸よりマシかと思って提案したが、逆にエロい感じがする。というか白スク水って……)

男「おい猫子、なんで水着の色が変わってるんだ……」

猫子「前の水着……無くなって……代わりに、買っておいた。また……男の背中、流そうと……思って」

男(普通の競泳水着なら堪えられる気がしたが白スク水は無理だ。というか俺のフェチを何で直接突いて来るんだ。
  今までは1位の裸エプロンが来ないだけ良かったが、白スク水を目の前にしているのはまずいぞ……)

猫子「さ、寒い……男、前……空けて」

男(今こいつが俺の前面に寄り掛かって来たら、まずい。うなじとか、白スク水に隠れた背中とか……色々やばい。
  だが、肩を抱いて寒がってる猫子をこのままにしておくのは嫌だ。心を決めろ……心境滅却色気も吹き飛ばせよう)

――ざぱぁ

猫子「ん……暖かい……男と一緒に入ると……湯船も、高い……」

――ぴとり

男の理性メーター■■■■■■■■■

男(股間へ当たる尻の感触が思った以上に破壊力が高い。俺の万里の長城が小さな俺達によって突き崩され掛けている。
  そして、背中しか見えないんだけど、白スク水透けてないか?水に濡れたからだけで透けるって何だよ。
  これで我慢しろだと?普通の水着でも理性が爆破されそうなのに、こんなの無理に決まってるだろ)

猫子「……ん?男……お尻に、硬い物が……え?」

――ぎゅぅぅ

男「これでも必死に気遣おうとしたんだぞ。まだ痛いだろうな、とか俺なりに理性総動員させてたんだ。
  だけど……もう無理そうだ。お前がそんな格好するから悪いんだぞ……おバカ」
320 :梓塩 ◆aZSio..p4w [sage]:2011/12/19(月) 00:25:16.24 ID:R9cnJJSDo
キターーーー
321 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/19(月) 00:40:26.73 ID:tLK7n7Zw0
 湯船の中で猫子の体を強く抱き締めて、空いた方の右手を白スク水の中に突っ込むと、小振りな胸を揉む。
 手で覆える大きさの胸を優しく何度も揉みしだくと、華奢な猫子の体が小さく震えた。

猫子「お、男……?んぁっ……はぅ、あっ」

 身動ぎする猫子の首筋を軽く舐めると、彼女の体が寒気を感じた時と同じ様に小刻みに震えた。
 感じてくれてるのか、それとも寒いだけか。女じゃない俺には分からないが、感じてる猫子の声は魅力的だ。

猫子「ぁっ……ひゃんっ」

 やっぱり透けてるな、この水着。手を滑り込ませたら完璧に肌色が見える。水着として機能してないだろ。
 猫子を抱き締めていた手を、今度は白スク水の水抜き穴へ突っ込む。うん、やはり旧スク水型か。
 水着越しに秘部を擦ると、猫子の喘ぎ声が若干大きくなる。
 何か、猫子の乳首や秘部を触れた時に思ったが、初めての時より感度が良くなってるような気がする。

猫子「んぅっ……男ぉ……だ、だめぇ……そ、そこは……だめ、だから……っっ!」

 秘部を守っている部分の水着を横にずらし、直に指で触れる。一瞬指を入れてみようかなんて事も考えたが、自粛した。
 男性のそれよりも敏感な部分だし、慣れてない手で触れて猫子が痛がったりするのは嫌だ。
 それ以外で残念な点としては、湯船に浸かってるので猫子の秘部から出る淫靡な音と匂いがしない事だな。

猫子「あっ、んっ……にゃぁっ!?」

 膣口の少し上。そこにある小さな突起を軽く摘むと、猫子の口から悲鳴に近い声が出る。

男「猫子、ここが気持ち良いのか?」

猫子「あっあっ……き、気持ち……んっ……良い……?……わ、わから、にゃい……。
   め、目の前が……ま、まっひろに……なってぅ……」

 呂律が上手く回っていないな。そんなに気持ち良いなら、もっと重点的に責めても良いかも知れない。
 でも無口で無表情な猫子がここまで喘ぐか。クリトリス……男の陰茎と、どれ程刺激に違いがあるんだろうか。
322 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/19(月) 00:56:20.06 ID:tLK7n7Zw0
猫子「ぁ……男……ちょっと……離して……トイレ、行きたい……」

 背中から抱き締められている猫子が、体を震わせると、尿意を訴えて来る。
 しかし、理性のタガが吹っ飛んでしまった俺の脳に、猫子を風呂場から出すと言う選択肢が浮かばない。
 ならどうするか。俺はおもむろに猫子を背後から抱き抱えて、空中で脚をM字に開脚させる。

猫子「お、男……な、何するの……?」

男「小便ならここでも出来る。というか、こういう気持ちにさせた猫子が悪いんだぞ」

 抱き抱えてるので体勢的には厳しいが、そこはバイトで鍛えた筋力の賜物。
 元々体重の軽い猫子の体なら行為最中ずっと抱えていられる自信がある。欲望の発揮する力は凄いな。

猫子「なんで……鏡の前に……?」

 風呂場にある鏡の前へ移動すると、正面から猫子の姿を見る事が可能になる。
 だが改めて見ると変態チックな体勢だな。猫子を体育座りのような体勢にして、俺がそれを抱えて股を広げさせている。

男「これなら、お前を真正面から見れるだろ」

 そう言いながら膣口に指を這わす。尿意があるなら済ませてしまえば良い。丁度排水溝もあることだし。

猫子「ひゃぅっ……お、男……ほ、本当に……出ちゃう、から……」

 きっと離してと言おうとしたのだろうが、尿意が湧き上がって来たのだろう言葉に詰まる。
 身動ぎしようとしてるのは分かるけど、男の俺が抱えてるんだ。この拘束、早々抜け出せはしまい。

猫子「ぁ、あぁぁあっ……で、でちゃぅ……でちゃぅ……っ!」

 ぶるっと体を震わせると、鏡に映る猫子の尿道口から、少し黄色い液体が勢い良く溢れ出す。
 目の前の鏡に尿が帯びせられ、俺達の映る鏡の曇りを流れ落とす。まずいな、これ見てて癖になりそうだ。
 しかし量もさることながら勢いも凄いな。男とは全然違う体の作りに興味が沸いてしまう。

猫子「み、みちゃ……だめ……」
323 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 01:00:12.29 ID:p7NWz2K+0
まだ全部読んでないけどとにかく興奮する
324 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/19(月) 01:18:52.45 ID:tLK7n7Zw0
猫子「はぁ……はぁ……」

 ちょろろ、と最後の尿を出し切ると、猫子の強張っていた体から力が抜ける。ぐったりと言えば伝わるか。
 鏡越しに見ていても、猫子の秘部は愛液と尿でよく湿っている。
 前戯は……湯船の中で済ませたし大丈夫か。痛がっていたら直ぐに止めて、体勢を立て直そう。

男「猫子、このまま挿れるぞ……」

 無理がある体勢ではあるが、鏡に映る猫子の恥ずかしさに染まった顔が見えて、個人的には最高だ。御釣りが来る。
 勃起してそびえ立った陰茎に猫子の膣口を近付けて行く。鏡を見ながらはかなり難しいぞ……傍目から見たら笑うな。

猫子「お、男……こ、これで……前みたいに、する……の?」

男「痛かったら言ってくれ。誘惑されたのもあるが、悪いのは全面的に俺だからな。文句なら後で幾らでも――」

猫子「……それ以上……言わないで。……男に、されるなら……別に、良い……平気。だから……して?」

 何でお前は俺の胸のど真ん中を抉るような発言ばかりするんだ。
 お陰で前の時と同じようにプチッと頭の中で何かが切れてしまった。途端に性欲が腹の底から湧き上がって来る。
 鏡越しだと猫子の股下にある自分の物が一段階くらい大きくなった気がするな。気のせいか。

猫子「……前、暗くて……見れなかった……けど……大きい……。これ……入る、の?」

 猫子が初夜の時に俺が考えていた事を口にする。確かに、猫子の膣自体結構小さいからな……中は、凄いけど。

猫子「ん、ふぅ……ゃ……首、舐められると……変な、気持ちに……んぅっ」

 猫子の後ろ髪を舌で退けると、安心させるようにうなじに舌を這わせる。甘い味がするのは錯覚か、否か。
 毛繕いと同じ感じで首筋を舐めながら、亀頭と膣口を触れ合わせる。中々出来るな、テクニシャンな俺。

猫子「す、少し……怖い、けど……男の、だから……平気、へいき……」

 暗示を唱えて自分を安心させてる猫子を見て、やっぱり怖いんだなと気付く。
 ただ猫子に気を使わせて、また彼女は俺の為に勇気を出してくれてる。なら、それに答えるまでだ。
325 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/19(月) 01:20:23.98 ID:tLK7n7Zw0
 ぐちゅぅと卑猥な音を立てて亀頭が膣内に飲み込まれて行く。
 相変わらず膣内の締め付けや、ひだの絡みつきが凄いが、以前よりもすんなり挿入出来た気がした。

猫子「あっ、くぅ……あ、あんまり……痛くない、けど……変な感じ、する……んっ」

 これが所謂『蛸壺』という物なんだろうか。挿れているだけで肉棒がぎゅぅぎゅぅと締め付けられる。
 少しでも気を抜けば、腰を動かさなくても膝が震えるほど気持ち良い。包み込まれている感じが堪らなく好きだ。

猫子「あつ、い……んぅ……お、男……前みたいに、動か……ない、の?」

男「動けるけど……猫子は大丈夫か?無理してないか?」

猫子「……平気。前より……あんまり、痛くない……から、男の……好きに……して?」

 猫子の言葉と連動するように膣内が蠢く。お前が動かないなら、搾り取ってやるまでと言うかのようだ。
 猫子の体を抱き直すと、鏡の自分に見せ付けるよう腰を振る。
 かなりイレギュラーな体勢だから知識もないんだが、これで良いんだろうか。まるで猫子を串刺しにしてるみたいだ。

猫子「お、奥までっ……は、入って、る……んっんっんっ!」

 猫子の尻と、俺の腰がぶつかり合う音が何度も風呂場に響く。
 湯気と運動の熱で体が溶けそうだ。陰茎はもっと溶けそうなくらい熱い場所に突っ込んでいる訳だが。

猫子「かっ鏡にっ……はぁっ……う、映ってるっ……い、いにゃぁっ……」

 痛がる素振りのない猫子に安心しながら、それならと更に腰の動きを強める。前と同じく、子宮を押し潰す強さ。
 しかも以前とは違い、猫子は抱えられながら肉棒に串刺しにされている体勢。更に深く肉棒が食い込んでいく。

猫子「かはっ……あぐ、あぁ……お、奥……あつぃ」

 やり過ぎたかと思い鏡に目を向けると、猫子の半目な瞳が虚ろになっている。
 だらしなく開いた口元からは涎が一筋流れ、淫靡な姿だ。
 しかも白スク水が激しい運動のせいか透け具合が上がっていて、乳首が完全に浮き上がっている。
 その姿に興奮した俺は、ぐちゅぅぅという音と共に更に腰の動きを早めた。
326 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/19(月) 01:21:57.58 ID:tLK7n7Zw0
 腰を何度も動かしていると、腹の底からふつふつと湧き上がって来る射精感。
 まだこの膣内を味わっていたいのに、絡み付いて扱き続けるひだがそれを許してくれない。
 気を抜けば、直ぐにでも猫子の膣内に白い欲望をぶちまけてしまいそうだ。

猫子「んんんっ、んぅっ、んく、はぁっ……な、なにか……また、きてる……っ」

 猫子も果てそうになってるのか、俺の腕の中で激しく体を揺らす。華奢な体から漂う甘い香りが鼻を突いた。
 猫子の首筋に流れる汗を舐めると、歯を食い縛りながら最後のスパートを掛ける。

猫子「は、はやっあぐぅっ……し、しろいの……きてるっ……こわいっ……んんんーーッッ!!」

 絶頂の声を必死で堪えようとする猫子。そして声を出していないからか、膣内が一段と強く蠢く。
 ぐちゅるぅと肉棒全体を強く舌で舐め上げられたような感覚に背筋が冷え、肉棒が一気に膨張する。

――ビュルルル、ビュルビュク!!

猫子「んぁぁぁーーっ……あ、あ……ぁ……で、でて……る……熱い……お湯、みたいなのが……お腹に……」

 もはや肉棒を抜く余裕すらなかった。気付けば猫子の膣内に精液を流し込んでいる。
 鏡を見ると、白スク水姿の猫子の秘部と俺の肉棒の接合部から、どろぉと濃い白濁液が溢れ出している。我ながら凄い量だ。
 早く陰茎を抜いて猫子を楽にしてやろうと、肉棒を抜こうとすると……膣口が強く吸い付いてくる。

猫子「んぅっ、あ……ぬ、抜け……た」

 ちゅぽと小さく音がして、肉棒が膣内から解放される。
 それから直ぐに、膣内へ噴水のように注ぎ込まれた精液がごぽぉと卑猥に溢れ出す。
 ぽと、ぽとと音を鳴らして、精液の雫が床に落ちてゆく。汗や愛液も混じり、阿鼻叫喚である。

猫子「ぁ……はぅ」

 猫子の体から完璧に力が抜けて、性交終了の合図。俺も一回分で全部の精を出し尽くした気がした。
327 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/19(月) 01:34:35.71 ID:tLK7n7Zw0
――ちゃぷん

男「乱暴にしちゃって御免な……猫子」

猫子「……疲れた、けど……男が、気持ちよかった、なら……それで、十分……わたしは、嬉しい。
   それに、お風呂……まだ暖かい……満足」

男「ホント欲の無い猫だな、お前。逆にここまでしたら夕食豪華にしろとか言ってくれた方が楽で良いぞ」

猫子「……し、幸せ……だった、から……良い、の」

男「可愛いやつだな……お前。あ〜あとな、その水着、出来ればまた着てくれるか……?」

猫子「……気に、入った……?」

男「結構……いや、凄く。っていうか今だから白状するけど、俺はお前とこうなるの我慢してたんだぞ。
  まだ三日しか間が開いてないし、痛いだろうなとか思ったりな。なのにお前は白スク水で御登場ってどういう事だ。
  俺の我慢耐久三日間の努力が一瞬で消し飛んだぞ」

猫子「だから、顔色……悪かった、の?」

男「あー……まぁ、お前自身には分からないだろうけど、お前ってかなり可愛いんだよ。そんな子と一つ屋根の下。
  きついんだ、物凄く。という訳で、猫子にはこれからちゃんとパジャマを着て貰い――」

――ぎゅぅぅぅ

男「お、おい!なんでいきなり抱き付いて――」

猫子「むぅ……言ってくれれば……痛いの、なんて……我慢した、のに……もう無理、しないで……」

男「……はぁ、だからこそ我慢したんだろうが、おバカ。彼女が痛いの我慢しながらエッチしても嬉しくないの」

猫子「……上手く……わから、ない……なんで、嬉しく……ないの?男……気持ちよく、ない……?」

男「ばか、お前とやって気持ちよくないなんてあるか。まぁ……お前にもいつかわかるだろうさ。それまで宿題だ」

猫子「――…………にゃぁ」
328 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/19(月) 02:00:52.00 ID:tLK7n7Zw0
男「猫子、電気消すけど良いか?」

猫子「……ん、もう布団……入った。大丈夫……でも、何で……確認?」

男「お前が前見えなくて転んだりしたら嫌だからだよ。ま、彼女大事な彼氏の心配性だ」

――カチ

猫子「でも、わたし……夜の方が、目……効くけど……」

男「そういや猫目なんだよな、お前。こんな暗がりでまで見えるとか凄いな……って、また布団に入ってくるのな」

――ごそごそ

猫子「この方が……暖かい……それに、男の匂い……好き」

男「男の匂いが好きとか変わってるな、猫子は。どっちかっていうと、お前の方が良い匂いだし、良い抱き心地だと思うぞ。
  すんすん……なんかお前の石鹸の匂いって安心するな。こう、昔から嗅いでたように感じる」

猫子「……気のせい、だと……思う。男と、同じ……石鹸、使ってる……」

男(にしては匂い違うんだよな。香水なんて使ってないだろうし、俺の使ってる石鹸とも違う匂い。
  あ〜、子供の頃病院で嗅いだ石鹸の匂い。妹が……そっか、妹がよく使ってた石鹸に匂いが似てるんだ……)

――ぎゅぅぅ。すりすり

男「なんだ、今日は甘えたがりだな。何時もは擦り寄ったりしないのに」

猫子「ん……まーきんぐ……?」

男「いや、お前の習性だろうが。俺に聞くんじゃない」
329 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/19(月) 02:06:27.09 ID:tLK7n7Zw0
今日はここまでになります。はい、作者力尽きました。最後のエロパート連続は書置きを一気にやりました。
エロパートってきついですね……自分の書き方のせいでもありますけど。
なんでかエロパートだと台詞文じゃ満足出来なくて、描写まで入れたくなります……はい、助平です。
でも一生懸命書いているので>>323さんのレスとか結構嬉しいですね。興奮して貰ってこそです。
次回作の狐のエロパートもこういう文でいこうかなーとか考えています。
ついでに作者はマニアックなシチュエーションが好みです。
チャイナ服とか大好きです。白スク水は作者の趣味で出しました。はい、趣味全開でしたし筆が進みました。
その代わり口から魂出ています。エロパート書く度に満身創痍な私って一体……。
では、もう限界も近いのでまた次回に。おやすみなさい。
330 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 02:12:52.04 ID:qnMGKe4M0
>>1
しばらくぶりに来たらすごいことになって…
>>224->>230
たくさんの装備ありがとうございます
331 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 08:11:23.90 ID:zR4XsWRSO
ふぅ……

332 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 18:01:27.87 ID:eI8Tt/J70


やっぱり予想は止めたほうがいいよね
333 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 19:04:21.13 ID:xTh/90EXo
乙〜
狐ちゃんに全力ワッフル
334 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/19(月) 23:09:21.77 ID:tLK7n7Zw0
では今日も始めさせて頂きます。宜しくお願いします。
335 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 23:14:50.56 ID:VN7B+4MDO
舞ってた
336 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 23:22:54.50 ID:0SjHr0dto
舞い踊ってた
337 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/19(月) 23:27:17.56 ID:tLK7n7Zw0
〜〜6年前〜〜

妹「兄さん……なんで、わたしと……一緒にいて、くれるの……?」

男「なんでって、当然じゃんか。父さん達は……し、仕事が忙しいし、俺がお前の面倒看てやらなきゃ。
  あ、悪いとか感じるんじゃないぞ。俺が好きでやってるんだからな」

妹「でも、兄さん……ずっと、病室にいて……何も、出来ない」

男「お前が元気でいてくれれば、俺は良いんだ。学校の行事なんて行っても意味無いからな」

男(そういや今日から俺の学年は修学旅行だっけ。行くのを勧めてくれた叔父さん達には悪いけど、最初から行く気はない。
  親父達がいなくなって4年、日に日に弱っていく妹から目を離して旅行なんて考えられない。
  きっと万が一修学旅行に参加してても、妹の事が気になって旅行どころじゃないし)

妹「……ごめん、なさい……わたしが、こんなじゃ……なかったら……兄さんも、色んな事……出来た、のに」

男「妹……」

妹「なんで……わたしの、体……こんなに、ぼろぼろ……なの?こんな事なら……生まれたく……なか――」

――ぎゅぅぅ

妹「にい……さん?」

男「バカ言うんじゃない。俺とお前は家族だろ。こうして看病してても、後悔なんて一切してない。
  それと、生まれたくなかったなんて言うな、バカ。俺は……お前に生きてて欲しいんだ」

妹「……ごめんなさい……兄さん……ごめん、なさい……」

――チリン
338 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/19(月) 23:37:31.06 ID:tLK7n7Zw0
――チリン

男「んぁ……朝か。何時だ……って、まだ6時じゃないか。何で起きちまったんだ」

猫子「……すぅ……すぅ……」

男「猫子はまだ寝てるか。昨日、風呂場で無茶させたし……当然といえばと当然だな。寝かせといてやるか」

男(こうして猫子の寝顔を見てると、妹を一晩中看病してた時を思い出すな。ずっと寝顔を看てたりしてたよな。
  内緒でお菓子を持って行ってやったりすると喜んだっけ。あいつも猫子と同じで、あんまり顔に出なかったけど。
  きっと妹が元気に成長してたら……猫子みたいな美人になってたのかな)

猫子「んぅ……むにゃ……」

男(猫子って、少し前髪長いよな。ちゃんと見えるようにしてたら、もっと映えるのに、勿体無い。
  そういや妹も伸ばしてたっけ。いや、あいつは病室から出れないからでって―――あれ?)

男「お、おい……ちょっと待てよ……嘘だろ、おい」

男(何時の間にそんなに記憶力が悪くなったんだ、俺。いや、でも親父達の顔は今でもハッキリ思い出せる。
  なのに何でだ……この事だけを思い出そうとすると、何故か思い出に修正液が染み込むみたいに見えなくなる。
  いたって事も思い出せるのに、病室で交わした会話も頭の中に確かに残ってるのに……なんで)

猫子「すぅ……すぅ……」

男「なんで――――……妹の顔が思い出せないんだ?」
339 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/19(月) 23:52:23.58 ID:tLK7n7Zw0
――ガサゴソ

男「……くそっ、アルバムの類は全部家のところか。何で持ってきてないんだよ、俺っ」

男(いや、理由は分かってる。アルバムを見ると失った家族の顔が思い浮かんで来て、物凄く辛かったからだ。
  だから昔の記録の類は全部、本当の俺の家に置いてある。もう何年も人が入っていない、誰もいないあの家に)

男「でも写真の一枚くらいあるだろ。こことかは……って、なんでエロ本が出て来るんだよ……」

猫子「……ん、ふぁぁ……男……どうか、したの……?」

男「あ、あぁ気にしないでくれ。ちょっと探し物だ。出来れば朝飯作っておいてくれるか?」

猫子「ん、わかった……ぱんと、ご飯……どっちが、良い?」

男「あー……直ぐに食べられる方が良いからパンで頼む。ちょっと調べ物したいんだ」

猫子「……ん、パン……すぐ、作る」

――ガサゴソ

男(お、写真があった――ってこれ猫の写真じゃん。何時の間にこんなの撮ってたんだ、俺)

――ペラ

『200○年5月5日 慈病院にて撮影』

男(これ……妹が撮ったやつだ。ってこの猫よく見てみたら猫子の耳と尻尾の形によく似てるな。
  もしかしたら猫子の元猫ってこの種類の猫だったのかも……って今はそんな事にかまけてる場合じゃない)

猫子「男……パン、焼けた」

男(……一旦終了だな。今日はバイトもあるし、帰って来たらまた探して……なかったら叔父さんに連絡してみるか)

男「おう、今行くー」
340 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/20(火) 00:14:32.78 ID:AYMnplDX0
〜〜犬神神社〜〜

犬子「……男のやつめ、何時も悪い意味で期待を裏切るのぅ。何故……思い出さなくて良い事を思い出そうとするのか」

犬子(このままでは、男が真実に辿り着くのも時間の問題か。猫に知らせるべきか……いや、勘付いてはいるか。
   猫は死期の近い内に主人の元を去ると言うが……猫、お前はどういう選択をするのじゃ)

犬「ワンワン!」

犬子「おぅシベ、よく来たのぅ。少し、このバカ犬の懺悔に付き合うのじゃ」

犬「きゅぅん?」

犬子「吾はな……軽はずみな事をしてしまった。ただ、一匹と一人の、切実な願いを叶えてやりたかったのじゃ……。
   それがまさか、こんな事になるとはの……もう取り返しがつかぬ……そして、その終わりも近い。
   一度、辛い思いをせぬよう片方の記憶を消そうともしたが……だめなのじゃ……。
   あんな幸せそうな姿を見たら……吾は、吾には……吾は……人間を、好きになり過ぎた……」

猫子『それでも……わたしは、男と……いたい。男を……幸せに、して……あげたい、の』

犬子「……吾は、愚か者じゃ。男に怨まれても……当たり前の事をした」

――ぺろぺろ

犬「わん、わんわん……わぉーん」

犬子「バカをぬかせ、吾も絶対ではない……何よりの証拠が、今の男と猫の関係じゃよ」

犬子(最後に男と会った時、吾は無理にでも男を吾に惚れさせようとしたが……もう、無理じゃ。
   あやつは吾の思念が入れぬほど、猫の事を想うておる……。
   もしかしたら、あやつと猫が出会った時点で、もう手遅れだったのやも知れぬのぅ……)

犬子「きっと近い内にこの事にもケリがつくじゃろう……その時に吾も、きちんと腹を割って話さねばなるまい……」
341 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/20(火) 00:25:41.32 ID:AYMnplDX0
――ぽとり

猫子「あ……」

男「うわ、パン落としちまったかっ。どうした猫子、ぼうっとして。らしくないぞ」

猫子「……ごめん、なさい……あとで、掃除しておく……から」

猫子(今……パンが、手をすり抜けた……気がした。それに……朝から、体にあんまり……力が、入らない。
   男にも……心配、かけてる。何時も通り……振舞うように、しないと……)

男「あー……それと猫子、すまない。ちょっと今日バイト終わったら遠出してくる。
  バイトの終わりは早いし、帰ってくるのはいつもぐらいだから、夕飯は何時も通りで頼むな」

猫子「……ん、わかった。作って……おく」

男「おう、ありがとな。出来ればハンバーグとか作ってくれるか?久し振りに食べたくなったんだ」

猫子「男が、献立……言うなんて、珍しい……」

男「いや、そのな……妹が好きだったんだ、ハンバーグ。あ、タマネギはちゃんと抜いとけよ?お前ダメなんだから」

猫子「あ……うん、だいじょう……ぶ」

猫子(……そっか……わんこの、言ってた通り……。でも……わたしは……男と、一緒に……いたい……)

猫子「作って、おく……から……ちゃんと、帰って来て……ね」
342 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/20(火) 00:39:33.22 ID:AYMnplDX0
〜〜駅の電話ボックス〜〜

??『はい、もしもし?』

男「……叔母さん、久し振りです」

叔母『あら、男くんっ?久し振りねぇ、男くんが大学に行く為に上京して以来じゃないっ。それで、どうしたのっ?
   もしかして一度こっちに帰ってくるのっ?叔父さんもね、男くんも酒が飲める年か〜って喜んでるのよ〜』

男「あ、そちらに行くのはちょっと用があって……それと、待たせてる人がいて、日帰りなんです」

叔母『あらー、男くんも彼女とか出来ちゃったのかしらっ。それなら仕方ないわね〜。
   でもたまには叔父さんと話してあげてね。叔父さん、男くんと話した日は上機嫌なのよ〜』

男「はは、また近い内に伺いますね。それと叔母さん、頼みがあるんですが、家の鍵を出しておいて貰えますか?」

叔母『……男くんが良いなら、叔母さん止めないけど……良いの?』

男「少し、確認したい事があって……それと見たら、直ぐに帰ります」

叔母『……わかったわ。鍵は用意しておきます。でも、一度家にいらっしゃい。叔母さんも久し振りに男くんの顔が見たいのよ』

男「……わかりました。駅に着いたら連絡を入れますので、それでは……」

――ガチャリ

男(やっぱり、気まずいな……。俺を心配してくれてるのは分かるんだけど、素直に割り切れないんだ。
  だから今でも母さんなんて呼べずに叔母さんと呼び続けている。後悔し続けて引き摺り続けて……。
  俺は――親父達が死んだあの日から、何も変われてない)
343 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/20(火) 01:09:05.33 ID:AYMnplDX0
――コンコン

猫子「……ん……お客、さん?」

??『さっさと開けるのじゃ!寒い死ぬ!早く、吾の尻尾が凍る前に開けろ!蹴り破るぞ!』

猫子「……蹴って、破られたら……大変」

――ガチャ

犬子「寄りにもよって心配するところはそこか!? っていうか、し、しぬぅ……ッ!コタツ、コタツに入れるのじゃ!
   くそぅ、外出せねばならぬ時だけ外がめちゃくちゃ寒いとはどういう事じゃっ!」

猫子「大袈裟……温度が、一桁な……だけ」

犬子「よく平然としてられるのぅ猫は……うぅ、コタツが暖かいのじゃ……生き返るぅ。って……そうじゃ、違う違う。
   吾はお主に用があって来たのじゃ。断じて神社にコタツが無いから来たのではないぞ」

猫子「……そう」

犬子「まぁ、単刀直入に訊くのじゃ。――――……体はまだ平気か?」

猫子「ぁ……まだ、平気……」

犬子「……嘘をぬかせ。無表情だから男にはばれずとも、吾は判別出来る。ほれ、本当の事を言うのじゃ」

猫子「――――……体が、重い。……手が……物を、すり抜けたり……する」

犬子「……そうか。かなり進んで来ておるな……どれ、猫、手を少しこちらに出してみるのじゃ」
344 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/20(火) 01:23:48.91 ID:AYMnplDX0
――きゅぅ

犬子「少しばかり吾の力を分け与える。延命……とはいかぬが、悪足掻きにはなる筈じゃ。
   それと……これが出来るのは、この機会が最初で最後じゃ。吾の力は、お主の器には荷が重過ぎる。
   きっと……二度は耐え切れん。自覚しているじゃろうが、既にお主の体の中はボロボロじゃ」

猫子「……これくらい、平気……10年くらい……同じように、堪えて、きたから……」

――ぎゅぅぅ

猫子「犬子、抱き付いて来て……どう、したの?」

犬子「済まぬっ済まぬ……!吾を怨んでくれて構わぬ!自分勝手で事を起こして、こんな事しか出来ぬ吾をっ!
   苦しみ続けてボロボロになったお主に……こんな事しか言えぬ吾を……罵ってくれて構わぬっ!
   吾はそれだけの事をしたのじゃ!お主の命を弄んで、男を苦しめて……これでは、疫病神ではないか……っ」

猫子「そんな事……ない」

――なでなで

猫子「……わんこが、そうしてくれて……わたしは、もう一度……男に、好きな人に……会えた。
   怨んでないし……後悔も、してない……ありがと、わんこ……わたしの、我侭に……付き合って、くれて」

犬子「うぐっ……ひっく……ねこぉ……すまない……っすまない……っ」

猫子「もう……最後の我侭に、なるから……お疲れ様、わんこ」
345 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/20(火) 01:34:59.15 ID:AYMnplDX0
今日はここまでです。少し短かったですかね。というか、シリアスだけしかありませんでしたね。
すみません……次回の狐ではイチャイチャだけになると思いますので、見捨てないで頂けると嬉しいです。
きっと……あと二日くらいでこの話は終わると思います。
どんな終わりになるかは、まだお話出来ませんが、作者に任せてくれると助かります。
もう話の大筋は完成しているので、書き上げるだけですね。ここまで来れるとは……なんか自分でも意外です。
一ヶ月くらい掛かると思ったんですけど、掛からなかったですね。20日ちょっとくらいでしょうか?
最後まで後少しですが、猫子と男の恋愛劇にお付き合い頂けると幸いです。では、今日はこれで、おやすみなさい。
346 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 01:43:57.38 ID:7K7hyXBSO
347 :梓塩 ◆aZSio..p4w [sage]:2011/12/20(火) 01:47:37.47 ID:GT6UMtovo
ハッピーエンドを信じておつ
348 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 02:10:04.15 ID:it0TTYp0o
乙〜
349 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/20(火) 23:48:55.03 ID:AYMnplDX0
では今日も始めさせて頂きます。宜しくお願いします。
350 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 23:59:08.78 ID:2nMtPDLUo
舞ってた
351 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 23:59:38.67 ID:it0TTYp0o
待機ワッフル
352 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/21(水) 00:10:58.68 ID:eV3V1PB80
男「……久し振りだな、ここも。二年……丸々二年離れてたのか……」

男(今住んでる場所に比べたら結構田舎で……思い出がこびり付いた故郷。空気は澄んでる筈なのに、何故か息苦しい)

――ピンポーン

叔母『はいはい〜どちら様かしら?』

男「えっと……あの、男です。鍵を貸して貰いに来たんですけど……」

叔母『あら、男くんっやっと来てくれたのね!玄関の鍵は開けてあるから、入ってきなさいなっ』

男「あ……わかりました」

――ガチャ

男(うわ、変わってないな。あのボロアパートに慣れたからか物凄く広く感じるが……)

叔母「久し振り、男くん。見ない間にまた大きくなって……おばさん嬉しいわ」

男「まだ背が少し伸びてるんで……えっと、御久し振りです。長い間帰れなくて……すみません」

叔母「良いのよ……男くんがここに居辛いのも分かってるわ。でも、出来ればこまめに連絡くらいは頂戴ね?
   おばさん、男くんがちゃんとした物食べてるか心配で心配で……あ、そうそう、佃煮も作っておいたのよ。
   男くん好きだったでしょ?タッパーに入れておいたから、持って帰ってね」

男「……はい、ありがとうございます、叔母さん」

男(良い人なんだ。血の繋がりもない赤の他人の俺を家へ迎えてくれたり、こうして心配してくれて。
  でも、心の中で線を引いてしまっている。この人は、結局は他人なんだと……)

叔母「直ぐに家に行くんでしょ?叔母さんは用事があるから付いていけないけど、鍵は郵便受けに戻しておいてね」
353 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/21(水) 00:24:42.94 ID:eV3V1PB80
――ガチャ

男「……すぅ……ただいま」

男(中は、そこまで汚れてないんだな。叔母さんが掃除して置いてくれたのか。また恩が出来たな……)

妹『兄さん……お帰り』

男(そうだ……親父達が生きてた頃は、まだ妹も入院するほどじゃなくて……帰ってきたら、出迎えてくれてたっけ。
  ほとんど何時もパジャマ姿だったけど……そういや、あいつ……全然女の子らしい事出来て無かったよな)

男「……しんみりしてる場合じゃないな。妹の顔を思い出す為に来たんだぞ……俺は」

男(確かアルバムとかは……二階か。俺の部屋だった場所の隣……)

――ぎぃ、ぎぃ……

妹『兄さん……重く、ない……?』

男(ここの階段、妹を背負って上がった事もあったな。痩せ我慢してたけど、小学生の俺には物凄く過酷な運動だった。
  もし俺が力尽きたら妹ごと階段から落ちちまう、とか想像して冷や汗流してたっけ)

父『お前ももう一人で眠れるようになったんだ。部屋くらい欲しいだろう?』

男「……俺にくれた部屋……広過ぎたよ……ばか親父」

母『お父さんったら、仕事から帰った時に『男は寝れてるか?』とか毎回聞くのよ?ふふ、ほんと親ばかなんだから』

男「――……うぐ……ぐすっ……」
354 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/21(水) 00:45:15.56 ID:eV3V1PB80
男「……あった……この部屋だ」

母『お父さんね、男と妹の写真とかビデオは、ずっと残してるんだーってこの部屋造ったのよ?
  ほんとに部屋中アルバムとかビデオテープだらけ……掃除する身にもなってみなさいって何時も言ってるのに。
  それにあの人結構がさつだから、ちゃんと日付が並んでなかったりね。ま、整頓する時に母さんも時間忘れて覗いてるけどね』

男「『記憶室』……か。親父って、ネーミングセンス微妙だよな……」

――ガチャリ

男(この部屋だけ埃があるな……叔母さんも気を使ってここには入らなかったのか。
  って問題はそこじゃない。アルバムは山ほどあるけど……あった、これだ……)

『6歳〜8歳 妹』

男(埃は払っておこう……というか、ここも何時か掃除しないとな。きっと見えないだけで、埃まみれだろうし)

男「さて……開くか」

――ペラ

男「……え……?な、なんだ……なんだよ、これ」

男(思い出した。妹が、病室で外を眺めている顔も……自分は要らないって泣いていた顔も……。
  ――4年前、最後に、俺に微笑んでくれた顔も……。
  なのに、最近まで俺はこの顔に会ってるんだ。ずっと……朝から晩まで一緒で、添い寝までしてて……)

男「そんな……違うッ。違うッ……じゃぁなんで、何でアイツといる時に、俺は気付かなかったんだよ!いただろ、ずっと!
  無表情なところも、俺を呼ぶ声も……そうだ、全部あいつに瓜二つじゃないか!なんで……なんで……気付かなかったんだッ」

男(見つけた写真は妹と俺が並んで映っていた。でも、どう見ても妹の姿は――……猫子を小さくした容姿だった)
355 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/21(水) 01:00:13.65 ID:eV3V1PB80
男「……ダメだ……頭が破裂しそうだ……」

男(妹と猫子の顔が同じ――……いや、それどころか、今思い出せば全てが同じなんだ。生き写しどころの話じゃない。
  じゃぁなんで俺は気付かなかった、その事実に。妹の声も、顔も、仕草も……思い出せなくなっていた……?
  忘れてたんじゃない……こう、記憶に留め金が掛かっていたようだった。思い出すなって、言われてるようだった)

男「帰れない……今あいつの顔を見たら、絶対に問い質しちまう……」

男(お前は――妹なのかって)

犬子「随分と辛気臭い顔をしておるのぅ、男。こんな夜遅くに出歩くとは、猫はどうしたのじゃ?」

男「……あぁ、犬子か。悪いが今付き合ってやれる余裕が無い……他当たってくれ」

犬子「――お主も相当参っておるようじゃの。……猫子のことであろう」

男「な、なんでお前その事をッ」

犬子「そう大声を出すな……それと、安心するのじゃ。今猫子のやつは犬神の神社におるぞ。
   だから、話をするならお主の家に上がるのじゃ……ここだと寒くてのぅ」

男「……全部、知ってるのか?」

犬子「――……今は話せぬ。相応の覚悟をして貰う必要があるからの……一度落ち着くのじゃ、男。
   そなたは今混乱しておる。もしそのままで下手な選択をすれば、後悔するのは間違いなくお主自身じゃ」

男「……茶くらいなら、出してやるよ」

犬子「ふふ、お主は変なところで優しいのぅ。ただ、その優しさは――……痛いのじゃ」
356 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/21(水) 01:10:49.14 ID:eV3V1PB80
〜〜男の家〜〜

男「ほら、粗茶だ」

犬子「だ、だからいいと言っておろうに……強引じゃのぅ。出された物は飲むが……」

男「まぁあれだ。お前のお陰で少しばかり冷静になれたからな。あのままじゃ、溜め込んでパンクしてただろうし」

犬子「当然の事をしただけじゃよ……吾は、お主に殴られても何も言えんからの……」

男「は……?なんで俺がお前の事殴るんだよ。動物虐待の気はないぞ」

犬子「……今からそれを話すのじゃ……お主には酷な事かも知れん。じゃが、事を起こした吾には、お主に話す義務がある……」

――ばしゅぅ

男「お、おいお前、髪が真っ白に……って、目も赤い……」

犬子「うむ、柴犬の毛色を落としたからのぅ。これが吾の本当の姿じゃよ。
   吾は柴犬などではなくてな――……正式名は、犬神。この町で崇められておる神様じゃよ」
357 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/21(水) 01:48:15.37 ID:eV3V1PB80
男「犬神……って、カマさんのとこで祀ってる神様か……?」

犬子「うむ、この町に一つしかない神社で祀られている犬神じゃ。
   吾がこの姿でこの世に顕現出来るのも、あの神社が寄り代になっておるからじゃな。所謂、止まり木じゃ」

男「でも、何でその神様がこの世に出て来てるんだ……?」

犬子「――……男、吾の話を最後まで聞いてほしい。怒っても、殴りたくなっても……出来れば、押し留めて欲しい。
   最後まで話し終えたら、幾らでも吾を好きにしてくれて構わぬ……だから、お願いじゃ……」

男「な、なんで頭下げてんだ。何時もみたいにしてろって……」

犬子「お主は、真実を知らぬからそう言ってくれるのじゃ。吾が仕出かした事を知れば、きっと……お主は吾を軽蔑するじゃろう。
   吾は……それだけの事をしたのじゃ……怨んでくれて構わぬ……暴力を振るわれた方が、まだ気が楽じゃ……」

男「――……猫子の、事……なのか?」

犬子「……そうじゃ。全て話そう……知った上で、どうするかは……お主の自由じゃ」
358 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/21(水) 01:54:53.87 ID:eV3V1PB80
すみません、今日のところはここで区切ってしまいます。
少し立て込んでしまい、もう一日掛かるかな?といった具合です。出来れば文章を整えたいので……。
明日と、明後日で……終わるかな?という感じです。では、今日はおやすみなさい。
359 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 02:24:53.58 ID:XvYRiXs3o
乙ー
>>354>>355の間、何か飛んだりしてない?
田舎に戻っているはずなのに、なんの脈絡もなく犬子が出てきてあれ?と思ったんだが
360 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 02:27:25.83 ID:e0mnoS7bo
乙〜
361 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 07:41:40.02 ID:yviPvOwIO
>>359
だって神様じゃん
362 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 12:20:48.74 ID:KONTEXbxo
神と言っても犬だし捜索も得意だからな
363 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 20:19:34.97 ID:9q1FAL8/o
期待
俺は「あ、場面切り替わったんだな」って勝手に想像して読んだよ
364 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 23:22:54.17 ID:G0AwI6Om0
帰ってくるときの描写を

飛ばしたんだろ
365 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/21(水) 23:40:09.67 ID:eV3V1PB80
それでは今日も始めさせて頂きます。
その前にレスへの返信を。>>359さんのものなんですけども、これは私のミスです。
男は田舎から元の町に戻ってきており、そこで犬子に声を掛けられました。申し訳ありません。
では、今日もよろしくお願いします。
366 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/21(水) 23:56:22.85 ID:eV3V1PB80
 犬神は厄除け以外にも『祈り叶』という能力を保持しておる。
 祈り叶……そのままの意味で、犬神が気に入った願いを叶えられる力じゃ。無論、吾が聞き届けた物限定じゃが。
 よく死人が最後に遺族に言葉を遺したい、そんな小さな願いを叶える為に行使されておる。

 ある日、吾はそんな願いの中にこのような物を見付けた。

『兄に恩返しがしたい』

 若くして病に倒れた少女の願い。それは久方振りに見た、純粋で、一切の曇りも無い祈りじゃった。
 吾はその願いを叶える事を即決した。まぁ恩返しと言っても、普通は霊体となって人に囁き掛けるくらいしか出来ぬが。
 その願いを叶えて言霊を宿した時――……吾は、自分の不注意さに気付いたのじゃ。
 他の者の願いが、その少女の願いに触れて、混ざり合ってしまった。そんな事は、起こり得ない筈じゃった……。

『妹ちゃんへ恩返しがしたい』

 少女に世話になった一匹の死んだ猫の願い。それが少女の言霊を更に強めた。
 普通なら霊体で一言二言、遺族に霊を告げたら消えてしまう言霊が――……『存在』を持ってしまった。
 
 生まれたのは、少女の体に猫の耳と尻尾が付いた異形……それは、人間と相違なかった。
367 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/22(木) 00:15:07.51 ID:o3LkMcn50
男「それが……猫子、なのか?」

犬子「……あの娘は、吾の不注意で創造されてしまった存在じゃ……神によって一から創られた人間とは違う。
   外見は取り繕ってあるが、中身はボロボロじゃ……あやつは、生まれた時から苦しんでおった」

男「お前は、創造したお前自身は……猫子を消せなかったのか……?」

犬子「過ちとはいえ、生まれてしまった命じゃ……もう取り消しなど出来ぬ。
   生まれた命の生き死には介入してはいけない、それが神の掟じゃ……。
   じゃから吾は、この世に顕現したのじゃよ……自分が生み出してしまった存在を監視する為にの」

男「で、でも犬子は猫子と一緒にいなかっただろ?」

犬子「これでも犬神じゃ。あやつが何所におろうと見つけ出す事は出来る……。
   それに猫子の体は不完全じゃ……そう長くは持つまいし、誰とも接触は出来まい……そう思っておった」

男「……まさか」

犬子「そのまさかじゃよ……存在を維持する為に犬神神社の近辺から離れられなかった猫子は、偶然見付けたのじゃ。
   恩返しする相手を……依り代を。高を括っていた結果がこれじゃよ……」

男「俺と一緒にいたから……あいつは、あの神社の近くの公園から離れられたのか……?」

犬子「元より御主に恩返しをする為だけに生まれた身じゃ。御主の近くにいると……存在が長引く。
   信じられぬじゃろうが、男と会う前の猫子は5日が限界だったのじゃぞ。それがもう二週間まで延びておる……。
   じゃが……もうあやつの体はボロボロじゃ。直ぐに壊れても不思議ではない」
368 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/22(木) 00:34:45.25 ID:o3LkMcn50
男「じゃぁ、お前が俺に声を掛けて来たのは……」

犬子「猫子と引き離すためじゃよ……結果はご覧の通りじゃ。収束させるどころか……悪化しておる。
   犬神なんて祀られておってもこの様じゃ……願いを暴走させ、不完全な存在を創り出して、おぬし達を苦しめてッ。
   済まぬっ。謝っても許されぬ事は百も承知じゃッ」

男「――……それだと……猫子は、あいつは……」

犬子「……御主の妹と……その妹が世話していた猫の願いが、合わさって出来たものじゃ……。
   御主から妹の記憶が消えておったのは……猫子の存在で記憶が上書きされたからじゃよ……。
   恩返しをする為に蘇ったのに、死人が帰って来たと恐れられては本末転倒じゃからの……一時的に消されておったのじゃ」

男「あいつは、猫子は、最初から全部知ってたのか……?」

犬子「いや……じゃが、お主が妹の事を思い出すにつれて……猫子の生前の記憶も呼び起こされたのじゃろぅ……。
   吾が今日ここに訪れた時には……もう完全に思い出しておった。お主も……思い出したのであろう?妹の事を」

男「あ、あぁ……全部、思い出した……」

犬子「……これは吾が言う事ではないのかも知れぬ。猫の奴は言わないでと言っておった。じゃが――吾は……、
   御主等の幸せな姿を見た来た吾は……隠し通すことなど出きぬよ……」

男「何をだ……?」

犬子「男……猫子は、明日まで存在を保つのが限界じゃ。あやつは今日、お主と過ごした後に……静かに消えようとしていた。
   じゃが御主に自分の事を知られてしまった。あやつは今、お主から逃げておる。このまま何も言わず、消えるつもりじゃ」
369 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/22(木) 00:39:18.47 ID:o3LkMcn50
犬子「吾は、猫が消える瞬間を見て、お主が傷付く姿を見たくない……じゃが、選択するのは御主じゃ。
   猫子は、あやつは言っておったぞ。たとえ猫子としての生が後少しでも、御主に幸せで、あって欲しいと……」

妹『兄さん……こんなわたしと、いてくれて……ありがとう』

猫子『だから……何でも、話して欲しい……聞くだけしか……出来ない、けど……。
   でも……わたしは、男に……笑ってて、欲しい……にゃぁ……』

男「あ……ぁ……あぁ……っ……あぁ……」


男『好きって意味がわからないか?ずっと、一緒にいたいって意味だ』

猫子『――……あ…………ん……わたしも……わたしも、男と……一緒に、いたい』


男「……うぐっ……ぁ、あぁああっ……」

犬子「泣いても良い……吾でよければ、幾らでも拭き物になろう。じゃから……あやつには、涙は見せてやらんで欲しい。
   あやつは、激痛に堪えてでも、一日でも長くお主とおることを望んだ……その願いを、今度はお主に聞き届けて欲しい」

猫子『わたしを飼って……貰えないですか?』

男「ひっく……おれは、にども……また、あいつに頼って……拾われてたのは……救われてたのは、おれの、ほうじゃ……ないかよっ!」
370 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/22(木) 01:01:38.85 ID:o3LkMcn50
犬子「……落ち着いたかの?嗚咽も、なくなったみたいじゃな」

男「……なんでお前は、俺を抱き締めてるんだよ」

犬子「せめてもの罪滅ぼしじゃ……こんなものでは足りないのは分かっておる。じゃが、今はこれで我慢して欲しいのじゃ。
   何せ猫子を生み出した時に神力をほとんど持っていかれてのぅ……ホントは、もっとボンキュッボンなのじゃぞ?」

男「スタイルの良い犬子か。全然想像出来ないな」

犬子「ぐぬぬ……見ておれよッ。力が戻れば元の姿に戻れる……その時に後悔しても遅いのじゃっ」

男「あぁ、楽しみにしておく。……それと、ありがとな、犬子。正直に話してくれて」

犬子「――……御主は怒っていないのか……?猫子を生み出して……御主を傷付けた吾を……」

男「ばか。お前のお陰で妹に……猫子に会えたんだ。感謝してるさ」

犬子「……ふふ、やはり御主等は兄妹じゃのぅ。猫も同じ事を言っておったぞ……それと、男よ」

――ちゅぅ

男「お、おいお前……なにやってるんだ?」

犬子「おでこに接吻、じゃよ。なに、お主に選ばれなかった犬神からの餞別じゃ。
   御主が明日どうしようとも、吾は御主の選択を間違いだとは思わぬ……だから、胸を張るのじゃ。
   御主は……吾の惚れた男なんじゃからの。安心せよ。他の神が介入しようとしても――吾が御主等を守ってみせる」

男「……あぁ。ありがとな、犬子」

犬子「礼は要らぬよ。そ、それと……あまり吾の顔を見るでないぞ……そ、そのぉ……て、照れるではないか……」
371 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/22(木) 01:07:37.36 ID:o3LkMcn50
区切りが良いので今日はここまで。短いですが、あと一日なので……はい、後一日で終了です。
もう半分くらい書き終わってるので……こうしてみると、長かったですね、はい。
しんみりするのは終わってからにするとして、最後の犬子……目立ち過ぎではなかろうかと反省中です。
もう少しシリアス引き摺るべきか悩んで、こうなりました。やっぱり、このSSはこういう路線なんですよ、はい。
明日はもう本当にシリアスのみだと思います。ここまで付き合ってくれた読者様、ありがとうございます。
男が猫子や妹との会話を回想してる文を泣きながら執筆してる情けない作者ですが、最後まで宜しくお願いします。
372 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/22(木) 01:12:10.04 ID:WX1kebRSO
373 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/22(木) 01:41:35.08 ID:LYFvGMWr0
おつ
最後まで楽しみ
374 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/22(木) 02:16:11.48 ID:Jh2BmcZb0


いよいよ明日か
375 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/22(木) 02:38:04.52 ID:o+H1aR8Fo

>>365の回答thx
楽しみに待ってる
376 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/22(木) 02:50:36.10 ID:Jh2BmcZb0
マタタビはどこにいったんですかぁー

…すみません、そんな空気じゃないですね
377 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/22(木) 06:59:43.13 ID:Q41TVTDvo
乙〜
378 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/22(木) 22:48:06.74 ID:NES/d8yIO
4

っっ






6vlmm. Zz









379 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/22(木) 23:46:51.10 ID:o3LkMcn50
それでは始めさせて頂きます。今日も宜しくお願いします。
380 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/23(金) 00:01:02.03 ID:z8tghfPa0
犬子『こんな大切な朝に、隣におれぬ吾を許してくれ。
   御主と消え掛けの猫子が会えば、他の神が気付く事になろう。吾はそれに備えなければならない。
   それ故に吾は神社に戻るが、安心せよ。吾はどうなろうと御主の味方じゃ。
   御主がどんな選択をしても、それは御主が考え抜いた末に出した答えであろう。ならば、それは真実じゃ。
   もし御主があのバカ猫に会ったら、吾の代わりに伝えて欲しい。ソナタを生み出して、間違いはなかったと』

男「あいつ、性格の割りに綺麗な字書くよな……」

男(他の神と戦う……か。犬神がどこまで強いか知らないが……犬子は平気だろうか。
  いや、違うな。あいつは他の神を敵に回しても俺達の味方をしてくれたんだ。答えなきゃ……いけないな)

男「猫子のやつは……そうだな。俺から逃げてるんだったら、探し当てないといけないな」

――プルルル

オカマ『あら、男くんじゃないッ!実はね、今日部屋を覗いたら猫子ちゃんいなくなってて――』

男「カマさん……お願いです、力を貸してくれませんか?」

オカマ『……もうっ、男くんったら凄く良い声ッ。カマ子ときめいちゃったわぁ〜!なんでも言って頂戴!
    猫子ちゃんを探すんでしょ?カマ子のオカマ友達に連絡回すから、見付かる可能性もあがるわぁ〜!』

男「……っ、あ、ありがとうございますっ」

オカマ『お礼なんて良いのよ。猫子ちゃん、悲しそうな顔してたもの。あんな顔してお別れなんて、カマ子も許せないわ〜』

男「じゃぁ俺、もう探しに行くんで――」

オカマ『あぁ男くん……猫子ちゃんね、神社の縁側で泣いてたわよ。ずっと涙堪えてね。見てるこっちが泣きたくなりそうにね。
    事情は知らないけど……あの子にあんな顔は似合わないわ。だってカマ子、男くんといる時の笑顔の猫子ちゃんが好きだもの。
    だ、か、ら〜仲直りしたら、またいらっしゃいな。犬子ちゃんと一緒に、歓迎してあげるわよ』

男「……はいっ……はいっ!それじゃぁ……失礼しますッ」

オカマ『頑張りなさい、イケメンくん』
381 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/23(金) 00:19:10.67 ID:z8tghfPa0
八百屋「おう兄ちゃん、どうしたんだいっ。そんなに急いで」

男「あ、八百屋のオジサン!猫子、見てませんか!?」

八百屋「嬢ちゃんかい?みてねぇな……おい、肉屋〜そっちはどうだい〜!?」

肉屋「あの子が来たらわからねぇわけねぇだろうが!今日はきてねぇぞ!」

八百屋「みてぇだな。なんだい兄ちゃん、嬢ちゃんと喧嘩でもしちまったのか?兄ちゃんモテそうだからなぁ。
    でもあんま嬢ちゃんを泣かせるんじゃねぇぞっ。俺は、あの嬢ちゃんが野菜を選びにくるのを楽しみにしてんだ!
    目が利いてな。何時も一生懸命に野菜を見比べて……兄ちゃん、幸せ者だなぁ!あんな尽くしてくれる子、今じゃいねぇぞ!」

男「あ……はい」

八百屋「また嬢ちゃんと顔出してくれや!俺はアンタ等が夫婦みたいに来て涙ぐんじまったぞ!
    嫁に行っちまった娘と嬢ちゃんが被ってなぁ……幸せになりな!ならなきゃ承知しねぇぞ!」

男「……はいっ」

男(あいつ無表情なのに、何で色んな人が表情を分かってるんだろうか。
  カマさんは笑顔って言ってて……このオジサンは、一生懸命って言ってて……)

オカマ『だってカマ子、男くんといる時の笑顔の猫子ちゃんが好きだもの』

男「……そうか、俺といる時のあいつ……笑ってるのか……隣にい過ぎて、見えてなかったな……」

男(妹は……猫子は、幸せだったのか……?俺と一緒にいて……世話になってばかりの俺といて、無理してなかったか?
  いや……バカな事考えるな。あいつを探し出すんだ……それで……それで……俺は――)
382 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/23(金) 00:35:25.87 ID:z8tghfPa0
――ガランガラン

女店長「あ、はーい、いらっしゃ――って、バイトくんじゃない!ど、どうしたの、そんな汗だくで!」

男「す、すみません……バイト休んでるのに訪ねて来て……」

女店長「それは良いのよ、他の子に入って貰ったから!で、どうしたの!? 水でも持ってきて――」

男「いえ、ひ、人を探してて……赤いコート着てて、帽子を深く被った女の子、見ませんでしたか?」

女店長「あれ……?その子って、わたしがぶつかった子……?あの、猫耳の子?」

男「それです!その子、見てませんかっ?」

女店長「えっと、見てないけど……もしかして、今日休んだのもあの子繋がりかな?失礼だけど……彼女さん?」

男「……前に話してた猫の話……あれが、アイツの事です。今、ちょっと事情があって……追いかけてて」

女店長「分かったわ、見掛けたら連絡してあげる。でも変ね……男くん、あの子とだったら喧嘩なんてしないと思ったのに」

男「け、喧嘩じゃないんですけど……でも、何でですか?」

女店長「だって、猫さんの話をしてたバイトくん、良い顔してたもの。
    君がバイトに入って一年ちょっとになるけど、わたしあんな顔みたの初めてだったよ。
    だから、何時もポーカーフェイスな君をあんな笑顔にしちゃう猫ちゃんって凄いなぁって聞いてたのよ」

男「……俺、そんなに仏頂面でしたか……?」

女店長「う〜ん……結構そうかも……。でも、バイト君が凄い元気になったのって、猫ちゃんの話しだすちょっと前からだし。
    とっても良い子なんでしょ、彼女。仲直りしたら、店に連れてきてね。サービスしてあげるから」

男(俺……そうか。自分で知らない内に……俺も笑ってたんだな……。妹が死んでから、全然笑えなかった俺が――)

男「じゃぁ、すみませんッ急ぎますので!」

女店長「頑張りなさ〜い!お姉さん、応援してるからね〜!」
383 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/23(金) 00:43:53.52 ID:z8tghfPa0
男「商店街にはいない、か……闇雲に探し回ってると時間が無くなるな……」

男(町中走り回って、時間はもう18時……見付からなかったら……見つける前に、あいつが消えたら……)

男「いや、何諦めてるんだ……探し出すって決めたんだ。弱気になってどうする」

――くいくい

男「ん?……金色と銀色の……狐?」

狐1「こんこん〜♪」

男「あー、ごめんな。今急いでであげられる餌もないんだ。また会ったらあげるから――」

狐2「……(ふりふり)」

男(人懐っこい金狐な方はあれとして、ジト目な銀狐も珍しいな……ってこの狐、俺の言葉に反応して首振らなかったか?)

男「もしかして……俺の言葉わかってるのか?」

狐2「…………(こくり)……きゅぃ」

男「公園の方……を指差してるのか?そこに何かあるのか?」

狐1「こん♪」

狐2「……(ぷいっ)」きゅぴきゅぴ

男「……言うだけ言って行っちまいやがった……なんだったんだ、あの狐共……。でもまぁ、行くしかないか。
  ここら辺全部回っちまったし、行ってないのって神社と公園くらいだもんな……ありがとよ、狐さん」

狐1「こんこん〜♪こんこんこん♪(がんばって〜♪)」

狐2「……きゅぃ(面倒……)」
384 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/23(金) 00:56:59.66 ID:z8tghfPa0
 狐達に指差された、公園までの道を必死で駆け抜ける。
 何でだろう。今まで走り続けて体は疲れ果ててるのに、アイツの事を思うと必死になって脚が動く。

男「はぁ……はぁ……あッ!?」

 何時もだったら躓きもしない筈の小石に足を取られて、受身も取れずに転ぶ。
 公園の地面が土で助かった。これでコンクリートだったら立ち上がるのも億劫になる怪我をしていたに違いない。
 手の平を見ると、見事に擦り剥いている。この怪我を見てると、まるで子供の時に戻ったみたいだ。

妹『兄さん……もう、こんな事……しないで……っ』

 あいつの帽子が風に飛ばされて木の枝に引っ掛かった時にも、こんな怪我をしたっけ。
 木に登っていて、帽子を手に取った瞬間に足場にしてた木の枝が折れて――あいつ、泣くくらい心配してくれてたな。

男(……それから直ぐに、あいつは家から出れなくなって……)

 学校から帰ったらずっと付き添ってたな、俺。
 我ながらシスコンだよな……でも、少しでもアイツが一人で家にいるのが嫌で……。

オカマ『あぁ男くん……猫子ちゃんね、神社の縁側で震えてたのよ。ずっと涙堪えてね。見てるこっちが泣きたくなったわよ〜』

 脚に力を込める。何時間ぶっ通しで走り続けたか、もう記憶にない。だけど、立たなきゃいけない。

男「もう、泣かせないって……誓ったんだ……ッ」

 汗で張り付いたシャツが鬱陶しい。呼吸が整わなくて、吐き気が込み上げた。
 関係ない。血の滲む手に力を込めて、ふらつきながら立ち上がる。
 今の姿、めちゃくちゃ情けないな。妹に見られたら笑われそうだ……いや、あいつだったら心配してくれるかな。

男「行こう……」

 痛む体に鞭を打つ。あいつは二度も俺の為に死にそうな痛みを味わってるんだ……こんな事で泣き言は言えない。
 この公園は結構広いからな……猫子が隠れてたりしたら、見付けるのに苦労しそうだ。

男「お前の彼氏は、かくれんぼが得意だったんだよ……待ってろよ、猫子」
385 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/23(金) 01:12:34.96 ID:z8tghfPa0
 古びたブランコが、小さな背中の少女を乗せて、音を鳴らして揺れている。
 赤いコートを着ている少女の頭には、人には絶対にない筈の猫の耳。そしてスカートの下からは、細い尻尾が伸びていた。

男「……よぉ、探したぞ」

 水分が足りずに枯れた喉で、探していた彼女に声を掛ける。
 俺の声が聞こえた瞬間、少女の背中が小さく震えて……またブランコを漕ぎ出す。

猫子「なんで……来たん……ですか」

男「じゃぁ、何で勝手にいなくなってんだよ……ばか猫」

 売り言葉に買い言葉とはこの事だ。俺の問い掛けに答えずに、猫子はブランコを漕ぎ続ける。
 しかし脚のみの揺れではブランコは全然揺れない。ぎぃ、ぎぃと遊具が悲鳴のような音を鳴らした。
 よく見ると猫子の両腕は不自然に垂れ下がっていて……病室の妹の姿が思い起こされる。

男「お前……腕、動かない……のか?」

猫子「わたしが、死ぬ前と……同じ……もう、全然動かない……」

 妹は最後の半年で腕が完全に麻痺し、介護抜きでは何も出来なくなっていた。
 もしかして、その時の事まで体に現れてるのか。ならお前は、あの時みたいな痛みを、また受け続けてるのか?

男「何時からだ……?」

猫子「……昨日の、朝……から……少しずつ」

 こいつが食パンを落としたのも、それが原因か。何で、あの時に気付いてやれなかったんだろう。
 もし俺がもっと気が回っていたら、こいつはここまで苦しまずに済んだのか。
 それ以上に、俺がもっとしっかりしていれば……妹は、猫子は……こんなに苦しまなくて済んだのだろうか。

猫子「でも……楽に、なってきた……痛みも、少しずつ……消えてる」

 ――……ならなんで、お前の体は震えてるんだ。なんで、そんな悲しそうな声を出すんだ。
386 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/23(金) 01:26:43.56 ID:z8tghfPa0
男「俺は……俺は、そんなに頼りないか?お前が苦しんでるのを、助けられないのか?」

猫子「……違う。わたしは……わたしは、兄さんに……男に、悲しんで、欲しくない……」

男「だから、最後は見られないように消えようとした……か」

 徐々に妹と猫子の意識が混濁していってるのか、猫子の口調が安定しなくなる。
 そして猫子に言われた言葉を聞いて、俺は枯れた喉に思いっきり空気を送り込む。

男「ふざけんなッ!んな事されて嬉しい訳ないだろうがッ!俺は、俺はッ……お前が、お前が黙って消える方が嫌に決まってるだろ!」

 ブランコに腰掛けた小さくて華奢な背中を、強く抱き締める。もう何所にも逃がさないように。

猫子「でも、わたしは……妹の、時も……足枷になってて……また、兄さんを……傷付けて……」

男「足枷なんかじゃない!俺は、親父達が死んでから病室にいるお前に、何時も元気付けられてたッ!
  親父達の死を勘付いていて、それでも俺に聞かずに笑顔で出迎えてくれるお前に……救われていた!」

 普通の子供なら悲鳴を上げるくらいの激痛の中で、妹はずっと、それを俺に悟られないように微笑んでいた。
 人工呼吸器をつけて、意識を保つ事すら厳しい中で、俺に微笑んでくれた。ずっと、俺に苦しんでいる顔を見せなかった。
 病院の面談時間が終わって俺が病室から去った後、妹が激痛で泣いてた事を知ったのは、妹が死んで医者から聞いてからだ。

男「お前が死んで、自暴自棄になってた俺を救ってくれたのも……お前だった!」

 人間関係なんて二の次で、バイトだけに明け暮れてたあの日、こいつに会わなかったら、俺は壊れていたかも知れない。
 何も言わずに隣にいてくれて、家事を全て引き受けてくれて……その裏で、またこいつは苦しんでいたんだ。
 恋人になって浮かれていた俺と違って、こいつはボロボロの体で、精一杯生きてくれていた。
 そんなこいつといれて、不幸だった訳が無い。生まれ変わっても一緒にいてくれたお前といれて、俺は――、

猫子「……にい、さん……おとこ……おとこぉ……」

男「幸せ、だった……!妹のお前といた時間も……ッ!猫子になって帰って来てくれたお前といた時間もッ!
  幸せだったよ……お前といれて……俺は、幸せだった……!」
387 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/23(金) 01:47:03.07 ID:z8tghfPa0
 肌寒かった風が突然吹き止んで、今度は猫子の体から暖かい光が溢れる。

猫子「……にいさん……わたしは……おとこと、いれて……幸せ、だった」

 彼女の手や足が、徐々に透けつつある。まるで硝子細工で作られているかのように、透明になっていく。
 それは人の死とは掛け離れていて……しかし、俺の目にはもっと残酷に映った。

猫子「……また、おとこと、過ごせて……しあわせ、だった」

 嗚咽を隠す事が出来ず、涙で歪む視界のまま猫子を強く抱き締める。彼女の体からは、変わらずに石鹸の匂いがした。

男「ねここぉ……ねここぉぉ……ッ」

猫子「にいさんに会えて……よかった。おとこに、愛されて……うれし、かった……」

 抱き締めている猫子の体から徐々に力が抜けていく。まるで眠りに落ちるように、声もどんどんと小さくなっていく。

猫子「ねぇ……にいさん……」

男「ねここぉ……ッ!!」

 きっと嗚咽でほとんど言葉になってないだろう。それでも必死に愛してる彼女の名を叫ぶ。

猫子「わたしに……すきを、おしえて……くれて……」



猫子「――――……ありが、とう…………」

――チリン

 そう最後の言葉を言い終わると……彼女の体が、跡形も無く消える。
 俺の腕の中に残された、赤いコートと、持ち主を失って地面に落ちたチョーカーを残して。 

男「ねこ……ねここ……うぁああぁあああああああ――ッ!!!」
388 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/23(金) 02:05:16.42 ID:z8tghfPa0
〜〜5年後〜〜

男「やばいなっ!なんで目覚まし時計掛け忘れたんだ!完全に仕事に遅刻だ!
  くそっネクタイ何所だ!? 朝飯は――あぁ、もう知るか!コンビニで済ますぞ畜生!」

――ガチャ

猫子『いって、らっしゃい』

男「……はは、なんかあれだな。吹っ切れた気がしてたけど……やっぱり無理っぽいな……行ってきます」

男(あれから五年か……まさかあのままファミレスに就職するとは思わなかったな。
  自棄になりそうにもなったけど……あいつが生き返ってでも生かしてくれた命だ。大事にしていかなくちゃな)

オカマ「あら男く〜ん、今日は遅いのね〜」

男「お、カマさん!ちっと寝過ごしちゃって!カマさんはどうしたんです?ここって神社から遠いですよね」

オカマ「うふふ〜実は資金が十分に貯まってね〜!オカマバーを建てる事を決めたんだけど、良いところがなくてね!
    ちょっと探してる途中なのよ!男くんも良い物件があったら言って頂戴ね!」

男「あ〜、マジでやるんですね、あれ。そういや、犬子のやつはどうしてますか?」

オカマ「もう相変わらずよ。体は大きくなってもぐうたらじゃね〜。嫁の貰い手もないわ〜」

男(あいつ、2年前に本気でナイスバディーになったんだよな。力が戻ったからじゃ、とか得意気にしてたけど。
  性格が元のまんまってどういう事だ。ちっとは御淑やかになれば男くらい幾らでも引っ掛けられるだろうに)

オカマ「男くんは彼女――あ、ごめんなさいね……」

男「い、いえ良いんですよ。恋人は……まだ考えられないですかね」

オカマ「男くんったら顔は良いんだから〜その気になれば何人でも出来るわよ〜!何ならカマ子が〜!」

男「け、結構です!それじゃ、俺仕事があるんで、これで!」

オカマ「あ〜ん、もう男くんったら〜!……随分男らしい顔になって、ねぇ」
389 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/23(金) 02:17:15.60 ID:z8tghfPa0
男「公園……か。……って何しんみりしてるんだ。近道だけど……やっぱりここ通るのは未だにきついな」

男(あいつと出会って、別れた場所だもんな……また帰りに寄って行こうかな。
  しかし、あいつがいなくなって……今日で丁度五年か。長かったけど……短かったな)

男「俺さ、ちゃんとやってるぞ。叔父さんと叔母さんの家にも行ったりしてな……最近は親父とお袋って呼んだりもしてる。
  叔父さん泣いて喜んでな……お前のこと、紹介したかったな。こう、俺の彼女ですって……」

男(あ、やばいな……泣きそうになった。ずっと独り言してるし、きっと傍目からしたら怖い人だな、こりゃ)

男「遅刻しそうだし、さっさと行かないと――」


??「……にゃー、にゃー……」

男「……は?――……え?お、お前……」

??「……さぁ、ここで問題……です」

男「ぁ……いや、でも……なんで……お前、消えた……筈で……」

??「古今東西……捨て猫を見付けた、心優しい人は……どうするでしょうか。……制限時間、5秒」

男「――…………拾う、だろ?……バカ猫」


「正解……です、ご主人、さま……」


fin
390 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/23(金) 02:21:33.17 ID:z8tghfPa0
これで本当に終了となります。えー、長かった……しかも泣きながら執筆しておりました。
最後に納得いかない、とか何でこうなったんだろう、という方は、実は次回作でちょっと明かされます。
もし宜しければ、そちらもどうぞよろしくお願いします。
マタタビ……本当に申し訳ない!エロパート入れる余裕がなかったんです!
また次回作にこう、媚薬系の話を入れたりするので、それでご勘弁下さい!
……しかし疲れた……SSって言葉だけで書くからこそ神経使いますね……わかります。
次回作はノンビリギャグでいきたいものです……萌えとかエロを交えながら。
では、あとがきもこれくらいにして、終わらせて頂きます。ありがとうございました!
391 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 02:26:58.71 ID:G9nHBhyNo
>>1
お疲れ様です。やっぱりハッピーエンドのほうがいいですもんね。ええ、ええ(涙


マタタビ……忘れてた。
392 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 02:43:18.19 ID:kvavpQEIO
乙!
ずるいよ 次回作もみなきゃじゃん
楽しみ
393 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 02:45:20.25 ID:J2sC0jMQo
今からでもマタタビは書ける
なんたってハッピーエンドなんだから!

いやまあこの後のいちゃつきをもう少しだけ見たいってだけだけども
394 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 02:54:39.88 ID:E9DQDuq3o
お疲れさん!
すごく感動したよ!
次回作も期待してるよ!
395 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 03:09:54.06 ID:UZ6i2ooto
乙〜
ここから、だろ
いろいろあった後の日常それが大事なんだよ
俺が見たいのはそれなんだよ
396 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 04:01:00.21 ID:kzy+uIKEo
おつ
だけどこのまま次回作に行かないでここで後日談書いてからの方が嬉しいな
397 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 06:59:46.97 ID:fcybLV0ho
なんと……狐が……

乙〜
398 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 07:44:16.00 ID:sKmwyFbIO
うん感動した
乙です!
それにしてもマタタビ…
もう妹相手にマタタビなんて使えないでしょ…あれ?今まで男は妹相手に…
399 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/23(金) 07:54:26.04 ID:xtDN8fPSO
電車でちょっと泣きそうになったじゃねぇかどうしてくれる
400 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 07:55:13.92 ID:xtDN8fPSO
あばばばばばば下げ忘れた
401 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 08:36:12.61 ID:VmHnt/i1o
乙!
次回作も期待するが、その前にちょっとイチャラブでも…
402 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 10:28:30.34 ID:2O7VeRKIO
403 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/23(金) 10:45:07.34 ID:UKXzB3XW0

じゃあもう思いきって
『犬子の発情期』を……
404 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 10:58:02.26 ID:2O7VeRKIO
しかし、お兄ちゃんって呼ぶようになった猫子も見てみたかったな…
405 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 21:45:04.58 ID:VglaTF8+0
いま>>1に求められているのは後日談だと思うの
406 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 22:03:06.28 ID:NJUVR4Uno
獣モノでありつつ妹モノでもあったなんて……恐ろしい子……ッ!!
いちおつ!「ねここ」だったのね!!
407 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/23(金) 22:23:21.07 ID:z8tghfPa0
終わった!始まった当初は完結出来るか……?とか思ってた自分が成し遂げて、スレどうなってるかなーと見たら、
後日談の求めがこんなに多いってどういうことなの……。
というのは建前で、皆さんからの後日談のご要望、とても嬉しかったです。
という訳で、作者もう少しだけ頑張りたいと思います。と言っても、アンケート形式ですが。

猫子「この中から……書いて、欲しいもの……選んで欲しい……の」

1『お兄ちゃんと呼んでくれ!』
  再会して幸せな半同棲生活を送っていた男と猫子。だが男には心の中で湧き上がる想いがあった。
  兄さん、男としか呼んでくれない猫子にお兄ちゃんと呼んでほしい。だけど呼んでくれとお願いして呼ばれるのはダメだ。
  自然に……そう、自然にあの声で「お兄ちゃん」と呼んで欲しい。その為に男は、様々な手を尽くすが――。

2『犬神も大変なんです』
  力が戻りナイスバディーになった犬子だが、逆にそれが仇となり、服が全て着れなくなってしまった。
  巫女服はオカマが用意してくれるから良いとしても普段着はどうするか。
  そこで犬子は思い付く。これを口実にして、男をでーととやらに誘ってみてはどうか……と。
  犬神だって好きな人には甘えたいし、御主人様に撫でられたい。恋人になれないなら、せめて――。

3『こんやく、ゆびわ……?』
  男と再会して早半年。猫子と同棲生活をしていく中で男は真剣に考えていた。結婚したいな、と。
  しかし猫子は男といられれば良いと感じており、相変わらずの鈍感加減。男は遠回しに言っても全く気付きません。
  なら、もういっそのことお膳立てして驚かせようか――と男の悪知恵が働き出す。

えっと、実はエロパートも用意してあります。ですが全ての物語にはありません。
どの話にエロはない、なんて無粋な事は言いませんので、出来れば気軽に御選び頂けると幸いです。
明日までの集計で、多かった物を後日談として書こうと思います。ちなみに、狐達のやつも同時進行予定です。
初めてのSSで後日談まで書けることになるなんて……感謝感激雨あられでございます……。作者頑張りますので、宜しくお願いします。
408 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 22:38:47.93 ID:DltzNp0mo
1
409 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 22:40:22.81 ID:fcybLV0ho
狐はどこいった! 2で
410 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 22:41:15.49 ID:J2sC0jMQo
3で
411 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 22:54:46.98 ID:81Sdvh8jo
1で
412 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 22:56:39.91 ID:v3ZkxPJqo
猫が消えてから復活までの流れは書かないのか
413 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 23:02:54.05 ID:ZDOEa6bIO
2で
犬子とのエロパートに期待
414 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 23:06:15.47 ID:OtpIAhCOo
2で
415 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 23:11:31.46 ID:yF5VGjbro
2だろ
416 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 23:14:15.32 ID:7F3FkzFeo
全部読みてぇ・・・
417 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 23:18:28.79 ID:E/FkI1oao
3
418 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 23:23:11.54 ID:VmHnt/i1o
419 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 23:27:13.37 ID:gi1DJG4DO
時系列で見ると2→1→3かな
全部読みたいけどどれか1つなら2だな
420 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 23:32:43.74 ID:qy8835LKo
3
421 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 23:57:43.74 ID:Qz0NeUYUo
2!
わんこもみたい
422 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 00:03:41.64 ID:6y/mRWAIO
2ではないことは確か
423 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 00:46:28.10 ID:dAxBfwKQo
2が結構多いな
俺は猫子との話が読みたい
424 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 00:49:31.55 ID:Wvvxpae2o
1!でも2も読みたい
425 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 02:38:29.83 ID:T/frrp6wo
3かな
426 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 02:42:54.49 ID:HXAw9J3DO

3で
427 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 05:03:30.07 ID:72W5yi8oo
3で

ぼんきゅっぼんにもどる前の犬子ルートとかあったら選んだんだがな
428 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 05:55:32.29 ID:jELsxqTco
3がいい
とことんイチャコラすればいいじゃない
429 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 07:35:06.90 ID:uyua3JmQo
430 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 08:14:35.27 ID:OU3rXGdDO
初カキコミでっす
どちらかというと3ですが、
新主人公と狐が猫子から最近すぐに寝てしまう男に自分は妹として見られており、恋人としてはもう見られていないのでは?と聞き男を狐達がドタバタと引っ掻き回しながら調べていたら…カッコヨク男がプロポーズしちゃうっていう王道がみたいです
431 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 08:27:15.75 ID:tXiN/5/IO
>>430
おい



おい
432 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 08:36:01.40 ID:zm5kqVhNo

ただ猫子も捨てがたい
433 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 08:39:43.41 ID:wNvRBZPfo
触れるべからず。

しかしNIPで初めて厚顔無恥なレスを見たよ、うん。後はSS総合か雑談で。
434 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/24(土) 08:56:44.94 ID:goADGj5e0
それでは、ここまでで締め切らせて頂きます。
実は選択性にしたのも狐達の話を始めようと思ったからなのですが、
正直ここまで票を入れて頂けると思いませんでした。確実に1つの選択肢に3票以上入ってるみたいなので、
狐の話が遅れて宜しければ、上げた全ての後日談を書いて終了にしたいと思います。

一票でも入ってない選択肢があれば、それは除外しようとしていたのは内緒ですね、はい。

時間系列的には>>419さんの言ったように2→1→3という順です。
あ、あと>>430さんのレスなんですが、実はその時はまだ次回の主人公が成長し切ってないんですよね。
狐達もちょっとした理由でまだ人化出来ずにいるので、普通の狐の姿なら参加出来るかも知れません。
ですから書き上げるなら、狐達の話はその後になりますが……その、ようござんすか?
宜しければ今日の夜から始めさせて頂きます。
後日談全部消化するのにはー……きっと5日間くらい掛かるかな?と思いますので、
次回作はそれまで待って頂けると、嬉しいです。
435 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 10:08:59.86 ID:0lXRpUZDO
たった5日で全て読めるシヤアセ
436 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 10:30:42.56 ID:OU3rXGdDO
>>434
430ですが気になさらずにオススメ下さい。
選択肢の内容からまず無いことですしアンソロジーを脳内妄想して吐露するという快挙もとい暴挙…oh…ゴメンナサイ
437 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 11:16:41.29 ID:DGvxRFIB0
後日談を読むために
今日から三日間は家から出ないぜ!
438 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 11:58:29.38 ID:uAa/UhlIO
>>437
出ようよ?!
439 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 15:20:00.98 ID:wLgvq0Sco
>>437
なら俺は五日間だ!
440 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 19:18:19.87 ID:tXiN/5/IO
じゃあ俺は消防士になる!!
441 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 22:46:23.35 ID:UzkXB3iN0
>>440
ごめん意味わかんないごめん
442 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/24(土) 23:07:48.82 ID:goADGj5e0
では始めさせて頂きます。後日談をさっさと終わらせなければ狐にいけない……!
最初はAの【犬神も大変なんです】からですね。犬子メインの話しになっております。
まだ猫子が消えて二年。男も少しずつですが猫子の消失から立ち直りつつあるという時期です。季節は冬ですね。

では、今日も宜しくお願いします。
443 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 23:13:16.94 ID:99HU5wTro
プレゼントワッフル
444 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/24(土) 23:18:01.34 ID:goADGj5e0
【犬神も大変なんです】

犬子(朝起きてから体が重い気がするのぅ……それに、目線が高くなっておる気がするのじゃ。
   まだ寝惚けておるのかの……とりあえず顔でも洗うのじゃ。しかし、今日も寒いのぅ……猫子が消えて二年、か。
   仕事が一段落したら、男にでも会いに行くかの。し、心配ではなく、気晴らしという意味じゃが……)

――ジャー

犬子「わふぅ!? や、やはり冷水は目が覚めるのじゃ……寿命が縮む思いじゃが……む?」

犬子(なんだか鏡に吾じゃない者が映っておるな。はて……何所かで見た顔じゃが、誰じゃったかの。
   おぉ、吾と同じように動きおるのじゃ。ふむ、鏡に宿る霊類か……いや待て、この姿――元の吾か?」

犬子「お、おぉぉ……ッ!戻ったのじゃ!力が戻っておるのじゃ!」

オカマ「もう〜犬子ちゃん、朝っぱらから騒ぐなんてどんだけ〜……どんだけ〜!?」

犬子「オカマ、見よ!体が元に戻っておる!それに犬神としての力も復活しておるのじゃ……どれどれ」

――ぼふん

犬神「きゃんきゃん!(犬神の状態に戻れたのじゃー!)」

オカマ「その姿が元の犬子ちゃんなのね〜。真っ白な……柴犬の子犬、かしら?」

犬神「きゃぅ、きゃん!(背中から炎が出ておるじゃろ!そん所そこ等の野良犬と一緒にするでない!)」

オカマ「やっだぁ〜、カマ子、犬語はわからないわよ〜」

――ぼふん

犬子「ふふふ〜このないすばでぃな吾を見たら男も驚くじゃろう。今まで子ども扱いしてきた報い、取って貰おうぞ」

オカマ(元々小学生並みだったのが、スタイルのいい高校生くらいになった、てとこかしらね)
445 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/24(土) 23:27:47.40 ID:goADGj5e0
犬子「くしゅんっ!……そうじゃオカマよ。わ、吾に合う服はないか?服が小さくて寒いのじゃ……」

オカマ「巫女服ならあるけど〜それじゃ寒いわよね。もし何なら買って来たらどうかしら?商店街にでも行って。
    どの道今日はお昼までしか神社開けないし、お金あげるから買ってきたらどう?」

犬子「はっくしゅっ!……ふ、服に拘りはないが……そうじゃな、このままでは寒くて敵わん。
   じゃが吾は余り服に詳しくないのじゃが……オカマは服が売っておる場所を知っておるか?」

オカマ「連れて行ってあげたいけど〜、カマ子もオカマ友達と飲みに行きたいのよ〜。久し振りに会えるからね〜。
    地図くらいなら書いてあげられるけど、それで良いかしら?」

犬子「う〜む……そうじゃな、なら吾一人で――」

犬子(いや、男も今日は仕事が無いと言っておったな。折角ないすばでぃーに成れたのじゃし……うむ、吾ながら策士じゃのぅ。
   男と……その、でーととやらが出来て、服も買えて、一石二鳥ではないか。
   それに男も、この姿になった吾を放ってはおくまい。正妻は……今は亡き猫に取られたままじゃが、飼い犬としてなら――)

犬子「あり……じゃな。よしオカマ!予備の巫女服を早く出して欲しいのじゃ!」

オカマ「カマ子のじゃ大き過ぎるし、バイトさん達のやつで大丈夫かしらね。ちょっと待っててね〜」

――ひゅ〜〜〜

犬子「おぉ、さむっ!ふ、布団に戻りたくなって来たのじゃ……なぜこの神社は暖まる場所が一つもないのかのぅ……。
   最近男の家にコタツ目当てで入り浸っておったりもするし……今度オカマにコタツを強請ってみるか」
446 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/24(土) 23:44:34.52 ID:goADGj5e0
――ごそごそ

犬子「う〜む……む、胸の所が苦しいのじゃ」

オカマ「犬子ちゃんって着痩せするタイプなのね。これより上だとカマ子のサイズしかないから〜我慢してね〜。
    それと、はい、財布。あんまり無駄遣いしちゃダメよ〜?」

犬子「服を買うだけじゃし、他の物には一切使わぬよ」

オカマ「う〜ん、犬子ちゃんってそういう所は真面目よね〜。アイスとかなら買っていいから、ちょっと息抜きもしてきなさいな。
    それに、男くん誘っていくんでしょ?自分から誘うなら御礼くらいしてあげなきゃダメよ〜」

犬子「う、うむ、わかったのじゃ。……あれ?オカマに男と行くと伝えたかの?」

オカマ「いきなり地図は要らないって言うんだから、誰かと行くんでしょ〜?犬子ちゃんが誘うのって、男くんぐらいじゃない?」

犬子「ぐっ痛いところを……ふんっオカマ何て知らんのじゃ!行って来る!」

オカマ「行ってらっしゃぁい!それと、カマ子も夜遅くなるから何所かで食べてきちゃってね〜!」

犬子「オカマ仲間と何時まで飲むつもりなのじゃ、あやつは。しかし、やはり外は寒いのぅ……ってそうじゃ!
   犬神の力があるではないか!この体に慣れ過ぎて忘れておったのじゃ……紅炎よ、灯れ」

――ボゥ

犬子「ゆ、指先から出る程度の炎か……び、微妙なのじゃ……。まだ完全回復には遠いかのぅ……らいたーと同等なのじゃ。
   うわ、自分の炎の侘しさを見たらもっと寒くなったのじゃっ!は、早く男のところへ行くぞ!」
447 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/25(日) 00:16:53.62 ID:q26LCljE0
犬子「ふふ、男のやつ、吾の成長した姿を見れば大層驚くじゃろうな。少しばかり御淑やかな挨拶で騙してやろうか。
   えほん――お初に御目に掛かりますわ、男さん……よしっ吾ながら完璧じゃ!これで行くぞ!」

――ぴんぽーん

男「はいはい、どちら様です――どちら様ですか?」

犬子「あ、お初に御目に掛かりますわ。男さん、ですわよね?犬子に話は聞いておりますわ」

男「えっと……犬子の知り合い、ですか。確かに耳とか尻尾は犬っぽいけど……どちら様です?」

犬子(まずい、名前なんて考えておらぬぞ!い、いや、ここまでやったなら男を徹底的にからかってやろう!
   それに男……猫子が消えてから、ずっと寂しそうにしておるしのぅ。この格好ならば、ばれずに男を励ませるのじゃ)

犬子「わ、われ――いえ、わたしは犬子の姉で、犬姉と言います。今日は犬子が何時も迷惑を掛けてるお礼にと――」

犬子(いや吾は迷惑は掛けておらぬが、取り繕った言い訳にしてはナイスじゃな。これならばれぬじゃろ)

男「まさか犬子にお姉さんがいるなんて……全然知らなかった。あ、もし宜しければ上がりますか?お茶でも……」

犬子「いえ、犬子の事もあるのですけど……実は厚かましいのですが、わたしも男さんにお願いがあって参ったのですわ。
   こうして犬子の事で礼を述べた後に……人里に下りて来たのが久方振りで、少し見て回りたいと思っていましたの。
   ですが町並みが変わり過ぎていて……出来れば案内、お願い出来ませんか?」

男「あ、はい……俺で良ければ」

犬子(ぬふふ、鼻の下が延びておるのぅ。これで男も元気付けられて、吾も服を見る事が出来る。吾ながら妙案じゃ。
   しかし……ふふ、男が敬語を使っておるのを見るのは初めてじゃのぅ。少し楽しくなってきたのじゃ)

犬子「ふふ、宜しければ犬姉と呼んで下さいね」
448 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 00:20:03.97 ID:IVHw8yupo
俺「犬姉!」
449 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/25(日) 00:33:42.69 ID:q26LCljE0
犬子「男さんっ。あれは何というのでしょうっ?」

男「ん?あぁ、クレープ屋ですね。犬姉さんは見るの初めてなんですか?」

犬子「人里に下りたのも百年振りで……ふふ、こうして人の進化を見るのは面白いですわね」

犬子(こ、この口調結構疲れるのぅ。だが、本当に人は進化しておるのじゃな……こうしてここを訪れるのは久方振りか。
   猫子が消える日に他の神と戦って、使い果たした妖力が全く戻らなくて、神社から出られなかったしの。
   ただ男に被ってくれと言われた帽子は慣れぬな……耳に圧迫感があって不快なのじゃ)

男「ひゃ、百年?高校生くらいにしか見えないですけど」

犬子「男さんったら、お世辞が上手ですわね」

男「いや、きっと犬子とかの前例を見てなかったら信じなかったと思います……。それと、犬姉さん、寒くないですか?」

犬子(正直、めちゃくちゃ寒いのじゃ……。痩せ我慢しようにも、巫女服の隙間から入って来る風が冷た過ぎる……。
   何より男の家でコタツに入れなかったのが痛かったのぅ。今にも凍えそうじゃ……)

犬子「あ……はい、少しだけ。ここまで冷えるとは思っていなかった物ですから……気を使って頂かなくても――」

――バサっ

犬子「え……あ、男さんの羽織物……」

男「安物のジャンバーですけど、着てないより良いですよ。今日は冷えますし、女の人が体を冷やしたらダメですから」

犬子「で、でもそれだと男さんが冷えてしまいますわ」

男「男は丈夫ですから。それに男物の服だったらよく安売りしてますからね。直ぐに買えますよ」

犬子「あ――……なら男さん、せめて恩返しくらいはさせて下さいね」

――ぎゅぅぅ

男「い、犬姉さん、流石に腕組みは――」

犬子「わたしは気にしませんもの。ささ、男さんの羽織物を探しに行きますわよ」
450 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/25(日) 00:47:27.65 ID:q26LCljE0
犬子「この羽織物で千円というのは……安いのですか?」

犬子(今吾が羽織ってる物と同じでごわごわしておるのじゃ。吾の着ていた和服の生地とは随分違うのじゃの。
   それに……こう、手作りの温かさがないのじゃ。何着も並べられている所を見ておると、職人の技が恋しくなるのぅ。
   昔に犬神を祀っておった和服の職人は、よく吾に手織りの着物を謙譲してくれたものじゃが……)

男「かなり安いと思いますよ。良い物を買おうとしたら、これの五倍くらい取られますし」

犬子「なるほど……ですが、余りピンと来ませんね。わたしはやはり、着物の方が好みですわ」

男「和服の方が似合いそうですしね、犬姉さんは。でも、試しに普通の服も試着してみたらどうです?」

犬子「試着なんて出来るのじゃ――出来るのですか?」

男「試着室っていうのもあるんですよ。女性物の服は……あっちですね」

犬子「ほぅ……色々な物がありますのね。こんな変な色の洋服まで……あ、さっきの羽織物と同じ素材ですわね」

犬子(この服は……なんとも形容し難い色じゃな。明るい緑……いや、なんか違う。こっちの赤はトマトのようじゃ。
   この深青色の服なんて暖かそうで良いな。せーたーの……た、たーとるねっく?
   首元まであって温かそうじゃ……うむ、これを着てみよう。あと足元が冷えておったな)

犬子「お、男さん……足を覆う履物なんて、ありますか……?」

男「あー、寒いですしね。ストッキングとかタイツとかは……あっちかな?あれは流石に試着出来ないですけど。
  店員さんに脚の長さとか測って貰えば大丈夫かな。すみませーん」

犬子(ふふ、男が紳士的じゃのぅ。そ、それにこうして男と買い物をしておると……何か嬉しいのじゃ。
   猫はずるいのぅ……こんな気持ちをずっと味わっておったとは。じゃが……今日くらいは、吾も……男といて、良いじゃろうか)
451 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/25(日) 01:07:36.94 ID:q26LCljE0
犬子(深青色のた、たーとるねっくに……すかーと、と……うむ、着てみたが中々様になっておるな。
   ただやはり脚が寒い……この、黒い……すとっきんぐ?とか言う物を穿けばマシになるか……?)

犬子「とりあえず、着終わりましたわ」

――シャァ

店員「あら〜お客様御似合いですわ〜!脚もスラリと長くて、羨ましいですね!モデルさんですか?」

犬子「あ、ありがとう御座います。そ、その……男さんは、どう思いますか……?」

男「――え、あ、あぁ似合ってますよ!」

犬子(おぉ、男の奴見惚れておったか。ふむふむ、こんな風に男といられるなら、この姿も捨てた物ではないのぅ。
   嘘を突き通さねばならぬのが中々大変じゃが、男がこうして笑ってくれるなら……うむ、満足じゃ)

店員「もし宜しければ、そのまま着用してお会計も出来ますが、どうしますか?」

男「あ、じゃあそれで。あとそのストッキングも一緒に出しちゃって下さい」

店員「かしこまりました。それでは札を失礼しますね――っと。それではお会計のレジへどうぞ」

男「犬子さんは着替え終わったら出て来て下さいね。俺、会計済ませてきますから」

犬子「え?その、お金は――」

男「プレゼントですよ。そこまで高くないですし、人里へ下りた記念だと思って貰えれば良いですから。それじゃ」

犬子「あ……い、行ってしまったのじゃ」

犬子(う、うわぁ……は、反則じゃッ。こんな事、小さい時はして貰ってないのじゃ……う、嬉しいのぅ……。
   たとえ一日しか持たぬ幻想でも……こんなに優しい男といられるなら……幸せじゃ……)
452 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/25(日) 01:28:57.24 ID:q26LCljE0
男「それだと、俺のジャンバーって邪魔じゃありません?なんか、色合い的にも……」

犬子「ふふ、良いんですわ。男さんに貸して頂いた物ですから……色合いなんて関係ありません」

男「えっと……まぁ代え時だと思ってましたし……犬姉さんが欲しかったらあげますよ、それ」

犬子「よ、宜しいんですか……?」

男「安物で使い古しですけど、それで宜しければ。俺も新しいの買えましたしね」

犬子(な、なんだか不思議じゃのぅ。ここまで優しくして貰った事がないから……ほ、頬が熱いのじゃ……)

犬子「ありがとう御座います、男さん……」

――ぎゅぅぅぅ

男「あ、あの……腕組んでると熱くないですか?」

犬子(ふふ、照れておるのぅ。そういえば男は、猫子が消えてから全くと言っていいほど女の影がないのじゃ。
   女に免疫がなくて当然か。吾も正直死ぬほど恥ずかしいが……ここで離せばずっと繋げなくなりそうじゃし……)

犬子「こんなに寒いじゃないですか。それに男さんの体、温かいですし……ふふ、ゆたんぽみたいですね」

男「あー……まぁ犬姉さんが良いなら、良いんですけど」

犬子「優しいですね、男さんは……」

犬子(こうして、何も気にせずに、ずっとくっ付いておれたら、どんなに幸せか。今でも御主は、猫の事を想っておるのじゃろうな。
   吾は……卑怯者じゃ。猫がおらぬ時にこうして男に会って……出来る事なら、一緒にいたいと思っておる。
   傲慢じゃな……最初は、一時でも一緒におれれば良いと思っておったのに……)

男「別に優しくなんてないですよ。ほら、犬姉さん美人ですし」

犬子(嬉しい……男の言葉が体中に染み渡って行くのが分かる。これが一時の物とは……蜜は何時までも甘くない、か)
453 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/25(日) 01:54:34.24 ID:q26LCljE0
犬子「はむ、はむ……ん、美味なの――び、美味ですわねっ」

犬子(まずい、一瞬くれーぷとやらの美味さで思考が麻痺しておったのじゃ。危うく口調が戻るところじゃった)

男「洋菓子とかって、やっぱり食べた事ないですか?」

犬子「山奥の神社で祀られていましたし、甘味自体、あまり口にしませんでしたわ。茶菓子は、時々頂きましたけど」

男「あの抹茶と一緒に食べる和菓子ですか。俺は抹茶飲んだ事ないんで、全然知らないんですけど」

犬子「ふふ、抹茶と共に茶菓子を頂くのは、抹茶の苦味を引き立たせる為なんですよ。わたしは抹茶だけで頂く事が多かったです」

男「アイスとかの抹茶を食べてると本物の抹茶も甘いって思いますからね。ちょっと食べてみます?」

犬子(お、男の奴計算付くでやっておるのではなかろうな?抹茶あいす……とかいうのをこちらに差し出しておる。
   こ、このまま食べろと申すか。吾でもこの行為くらい知っておるぞ!あーんじゃろ!? 恋人がするあれじゃろ!)

犬子「あ、あーん……」

――かぷりっ

男「どうです?やっぱり本物と違って甘いですか?」

犬子「――あ、はい……甘かった……?ですよ」

犬子(あ、ああああ味なんて分かる訳なかろう鈍感男!くそぅ、何で街中でこんな事をして御主は平然としておるのじゃ!
   慣れておるのか!猫といっぱいやったから慣れておるのか!? わぅわぅ……)

男「あ、あの……犬姉さん?もしもし〜?……上の空になってる」
454 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/25(日) 01:59:09.61 ID:q26LCljE0
今日はここまでですね。明日には次の話に入りたいですが……どうなるでしょうか?
さっぱり検討が付きません。それにしても、何か犬子メインだと張り切ってしまいますね。
本編だと余り目立たない子ですし、こうやって活躍させるのは好きですね……ただ書くの難しいなぁ。
口調が心と口で全然違うし、読者様が混乱なさって無いかが凄く不安です。
書き直し利かないのがSSの難点ですよね。それにレスの制限もありますし。

ちなみに狐の話はちょこちょこ書き溜めています。ただ、これが終わるまでは温めておくと思いますね。
でなければ放置してしまいそうで怖い……絶対に完結させたいので、お待ち下さい……。
では、今日はこの辺りで。おやすみなさい。
455 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 09:45:04.05 ID:+5ep9JKgo
わぅわぅかわいすぎるわ
456 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 10:30:10.22 ID:oOspkLgn0

時事ネタは死にたくなるけど見たい気もする

…あと二日耐えれば
457 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 20:21:03.30 ID:E83jSsI70
積極的な犬子かわいい
458 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/25(日) 23:08:09.87 ID:q26LCljE0
では、今日も始めさせて頂きます。
それで作者思っているのですが、後日談が蛇足になっていないか心配で……なんかグダグダになってる気が……。
もしかしたら一番要望の多かった犬子のルートだけで止めた方が良いのでしょうか、なんて考えています。
とりあえず今日の分が終わってから考えようかな……それでは、今日も宜しくお願いします。
459 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 23:09:50.37 ID:SKaPnayYo
俺の目には3が10人、2が8人に見えるんだが…
460 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/25(日) 23:27:55.75 ID:q26LCljE0
>>459さん
あ、最後の集計で巻き返したのを忘れていた……!う〜む、これを終えたら3を書くべきでしょうか。
それとも狐へ……ふむ、しかし読者様に募ったのですし、最後までやらなければダメですね。
う〜ん……蛇足になっていないか凄く不安です……。
461 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/25(日) 23:29:44.75 ID:q26LCljE0
犬子(やはり望んでおる時が過ぎるのは早いのぅ……もう日が暮れ初めておる。仕方ないとはいえ、寂しいのじゃ……)

男「お、もう16時か……どうしましょうか。俺ちょっと夕飯の買い物したいんですけど」

犬子「もし男さんが宜しければ、一緒に行って構いませんか?この時代の食事というのも見てみたかったので」

犬子(せめて少しでも長く、この時が続いてくれれば……無理だと分かっていても、そう思わずにはおれん……。
   男が吾だけを見てくれているのが、こんなに幸せだとは……知らなかったのじゃ)

男「あー、犬姉さんは何時くらいまでられますか?」

犬子(何時までも……とは言えないのかのぅ。オカマも心配するであろうし、19時くらいが限界か。
   それに、余り長く男と一緒におると正体がばれてしまうやも知れん。うむ……自業自得とはいえ、辛いのぅ)

犬子「19時までなら……平気ですけど」

男「なら丁度いいか。もし良かったら晩御飯でも食べて行きませんか?あの狭い部屋で良いなら、ですけど」

犬子「よ、宜しいのですか……?」

男「一人だと作っても味気無いですからね。犬姉さんが良ければ、是非」

犬子(いや、良く男にご馳走しては貰っておるのじゃが、この状態では初めてじゃな。家に招かれるか……ふむ、悪くない。
   むしろその……お、男と長くいられる名案かも知れん。口調は、隠す為に頑張らねばなるまいな……)

犬子「で、では……お邪魔させて頂きますわね」

犬子(どらまとやらで観て見よう見真似の口調と仕草じゃが、案外いける物じゃの。これならもっと勉強しておけば良かったのぅ。
   御淑やかなのは良いが、一々口元を隠して笑うこの役は疲れるのじゃ……もっと元気な方にしておけば良かった……。
   確かこの役の女性は主人公の不倫相手じゃったな。元気な役は、主人公の奥さんの連れ子じゃったか。
   今思えばメチャクチャ重い話じゃの……そして偶然にも吾が選んだ役が、何か今の状況と被って見えるのじゃ……)
462 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 23:30:21.23 ID:jwEKqqmDo
狐をじっくりたっぷりやってくれるなら全部やっちゃいなよ、と無責任なことを
463 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/25(日) 23:44:43.85 ID:q26LCljE0
犬子「ふふ、こうやっていると、新婚夫婦みたいですわね」

男「あ、あぁ……そうですね。というか視線が痛いんだが……」

犬子(商店街で腕を組んで買い物……うむ、どらまのでーとと同じじゃ。そしてこの台詞も、あの不倫相手が言ったのと同じ。
   何か変なド壷に嵌っておる気がするが、こうして男と一緒におれるのなら満足じゃな)

八百屋「ん?おぅ兄ちゃん、今日は――なんだい、ベッピンさんと一緒なのか!」

男「知り合いで、町を案内してるんですよ。あー……簡単な炒飯でも大丈夫ですか?」

犬子「献立はお任せしますわ。ただ、タマネギとかはダメですので……抜かして貰えると、有難いですわね」

男「あ、わかってますよ。動物とかはタマネギだめですからね。それじゃオジサン、レタスとカブを貰えますか?」

八百屋「おぅ毎度あり!あぁーそれと兄ちゃん、嬢ちゃんは……まだ帰ってこないのか?」

男「えっと、実家で立て込んでるらしくて……俺も時々会いに行ってますよ」

犬子(あ……そうか。男はまだ猫のやつが消えたとは誰にも説明してないのじゃな……。
   あやつは無口なのに、人には気に入られる変な奴じゃったし……ここの店主も猫を慕っておったのじゃろう)

八百屋「しかし嬢ちゃんの実家は厳しいんだな!いや、障害がある恋の方が燃えるってもんだぜ兄ちゃん!
    オッサンは兄ちゃん達を応援してるからな!嬢ちゃんが帰って来たら、直ぐに報告してくれよ!」

男「……はい、ありがとうございます」

犬子(まだ全然吹っ切れておれぬのじゃな……。猫が消えて半年くらいはずっと塞ぎ込んでおったし、無理もないか。
   御主と猫は、本来出会ってはいけない者同士じゃったのに……吾がいけないのじゃ。
   不注意で御主達を引き合わせてしまった吾が……あれが無ければ、御主はここまで苦しまずに済んだのに……)

犬子「済まぬ……男……済まぬのじゃ……」
464 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/26(月) 00:05:42.55 ID:9RPhWj7r0
男「じゃぁ、狭苦しいところですけど」

犬子「は、はい……お邪魔しますわね」

犬子(実はもう見慣れておるのじゃが、こうして見方が違うと新鮮じゃな。普段は直ぐにコタツに飛び込んでおるし。
   いや待て、今の吾は御淑やかな淑女じゃ。はしゃぎながらコタツに入るなど言語道断)

――ふりふり

男「なんか尻尾激しく動いてますけど、どうかしました?」

犬子「い、いいえ!なんでもありませんことよ!……ふふ、良いお部屋ですね……畳の匂いがして。やはり、和式は良いです」

男「築三十年の安物件ですけどね。それじゃ俺は料理してくるんで、コタツにでも入って下さい」

犬子「あ、わたしも何か手伝って――って、行ってしまったのじゃ」

犬子(ふふ、暖まるのぅ。温泉に比べたら確かに劣るが、手もかじかんでおった今の吾には極楽じゃ。
   それにあの体に慣れておったから、体の成長についていけてないのじゃ……何度転び掛けて男に助けられたか。
   ま、まぁ……役得といえば役得じゃけど。それと……む、胸で肩が重いのじゃ。何でここまで育ったのか……)

――むにゅ

犬子「わひゃんっ?」

犬子(い、いかん。咄嗟に口を覆って声を抑えたが……胸を触った途端に頭にビビッと、電撃が走った感じがしたのじゃ。
   まさか病気かっ。いや、神が病気にかかる訳ないのじゃが……な、ならばこの刺激はなんじゃ……?)

男「犬姉さん、どうかしました?なんか声が聞こえましたけど」

犬子「きゃぅ……な、何でもありませんわ!心配無用ですわよ!おほほほほっ」

犬子(余り触れないようにしておいた方が良いな、これは。しかし元の体に戻って早々問題山積みじゃな……。
   元のちっこい体の方が良いかも知れんぞ。いっその事もう一度力を使い果たして元に戻るのも手か……)
465 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/26(月) 00:24:58.28 ID:9RPhWj7r0
犬子「頂きます。あむっ……ん、薄味で美味しいですわ」

男「はは、おかわりとかも作ってありますから良かったらどうぞ。でも、やっぱり犬姉さんも犬子と同じ物が好きみたいですね。
  あいつも薄味の物が好きなんですよ。濃い味付けにすると怒ったりしますしね」

犬子「昔はお塩がとても貴重でしたからね。それも、こんな山奥の神社に住んでいましたし、濃い味付けの料理なんてありませんのよ。
   時には調味料なしの食事もありましたし、用は慣れですわね。生野菜も美味しいですわよ?」

男「神様が生野菜齧ってる図って想像したくないですね……」

犬子「犬神は他の神と違って人と接する機会の多い神ですから。顕現した時代に左右され易いのですわ。
   食文化も直ぐに体に馴染むようになっていますしね。でなければとても人間界に降りられませんもの」

犬子(そういえば竜宮に篭っている龍神のやつは人間自体を嫌っておったな。世界を乱すとかどうとか。
   あやつが竜宮城から気紛れに出てこないか激しく不安じゃ。吾でも龍神は抑え切れんぞ。
   まぁ、乙姫が抑えている限りは問題ないが。確か乙姫も近い内に次の後継者に代わると聞いたが、何もなければ良いのぅ)

男「あ、犬姉さんってお酒は強い方ですか?」

犬子「えぇ、嗜む程度には……供物にも度々ありましたし。でも、お酒がどうかしました?」

男「実は上司から渡されて処理に困ってたんですよ。俺はあんまり強くないし、出来れば少し飲んで貰えますか?
  高いやつらしくて少しずつ料理酒に使ってたりしたんですけど、全然減らないんですよね」

犬子(ふふ、男も吾が酒豪と呼ばれた事は知るまい。それこそ焼酎なんて呷っておったものじゃ。
   しかし酒なんて何年振りかのぅ……う、少し飲みたくなってきた……少しだけなら平気じゃろう。少しじゃよ少し)

犬子「なら……い、頂いても良いかしら」

男「俺が残してても捨てるだけになっちゃいますし、飲んでくれるなら助かりますよ。ちょっと待ってて下さいね」

犬子(男は口振りからして酒の味は分からぬじゃろうな……出来れば辛口の物が良いのじゃが、どうじゃろうか。
   男の上司よ、ソナタが辛口好きなのを祈るばかりじゃ……)
466 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/26(月) 00:56:34.43 ID:9RPhWj7r0
男「あんまり銘柄とかは分かんないですけど、日本酒の……米のささやき秋津っていうらしいですね」

犬子「名前だけだとわたしも分かりませんね……わたしが飲んでた頃は御酒に名前はありませんでしたし」

男「じゃぁ飲んでみますか。俺は全然飲めないですから、一杯だけでも」

――トクトクトク

男「はい、犬姉さんの分です」

犬子「あ、ありがとう御座います……くんくん」

犬子(う〜む、日本酒なのは良いが、やはり甘口か。ほのかに果実の匂いもする……上物とはいかぬが良い酒じゃのぅ。
   出来れば辛口の方が好みじゃが……男と飲める酒じゃしな。それが肴ならば、どんな酒でも飲めよう)

男「それじゃぁ、かんぱーい」

犬子「あ……ふふ、かんぱい」

犬子(おぉ飲んでみると中々いけるのぅ。酒は久々じゃが、この体に染み渡る感覚は覚えておる。
   御淑やかな振る舞いをせねばならぬ手前、男のように呷る訳にはいかぬが、こうしてちびちび飲むのも粋じゃな)

犬子「美味しいですわ……。値が張るというのも頷けます」

男「う〜ん、俺はやっぱり分からないな……料理酒で結構使える程度にしか思って無かったですし。あ、注ぎ足しますよ?」

犬子「あ、お願い出来ますか……?でも、ここまで苦味が無い御酒は初めて飲みました。やはり昔とは違うのですね」

男「昔の酒を飲んでも、俺じゃ分からないんでしょうけどね」

犬子「ふふ、昔の御酒よりも今の御酒の方が美味ですよ。御酒に不慣れな方だと、飲んだら気持ち悪くなるかも知れませんし」

男「……や、やっぱり止めておきます」

犬子「あら、残念ですわね」

犬子(じゃが吾は、御主と飲んでおるだけで幸せじゃよ、男。ふふ、吾ながら臭い台詞じゃな)
467 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/26(月) 01:19:23.65 ID:9RPhWj7r0
犬子「ん……むぅ?ふぁぁぁ……何時の間にか、寝てしまってたのじゃな」

犬子(ここは何所じゃ?少なくとも吾の寝床ではない筈じゃが……む?これは……布団、か。
   匂いからして、男の部屋なのか……そうじゃ。酒を飲んでいる最中で……はて、吾は何故眠っておったのじゃ……?)

男「すぅ……くかぁ……」

犬子(隣で男は寝ておるな。顔が真っ赤で……あぁ、思い出したのじゃ。吾が久方振りの酒で酔っ払ってしまったのじゃ。
   それで男は付き合って何杯か飲んでおったのぅ。まさかここまで酒に弱いとは……ふふ、弱味発見じゃな)

犬子「しかし……あ、頭が痛いのじゃっ。二日酔いという物に掛かったのは初めてじゃの……み、水が欲しいのじゃ」

犬子(視界が安定しない……というか足元が揺れておる気がする。こ、ここまできついのじゃな……わひゃん!?)

――ぼすっ

男「んぅっ……すぅ……すぅ」

犬子(わ、わぅわぅ……お、男の上に転んでしまった……。幸い起きはしなかったみたいじゃが……か、顔近い……。
   ひっ!? い、今吐息が顔に触れたのじゃ!あの酒の匂いで……少し甘い香りがする……)

犬子「お、男さん……起きてない、ですか?」

男「くぅ……すぴー……」

犬子(こんな事が起きても寝ておるとは……本当に酒に弱いのじゃな。しかし、ここまで顔が近付いたのは……告白の時以来か。
   無防備な顔じゃな……どれ、頬を突いてやろう。ほれほれ、寝ておる御主が悪いのじゃぞ〜)

――つんつん

男「んむ……?んぁ……んっー……」

――ぎゅぅぅぅ

犬子(わひゃぅ!? だ、抱き締められたのじゃ……男には抱き付き癖でもあるのかのぅ。少し痛いが……んむ、悪くない。
   こうして男の近くにいて、抱き締めて貰える……猫よ、吾は……御主が羨ましくて堪らないのじゃ。
   犬神の力も、地位も欲しくない。こんなに暖かい男に抱き締めてもらえるなら……他に何も望まぬよ)

犬子「ずっと……御主だけを、愛しておるぞ……男……ちゅぅ」

犬子(だからせめて……口付けくらいは、許して欲しいのじゃ。これが吾の、最初で……最後の接吻じゃろうしな)
468 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/26(月) 01:49:05.23 ID:9RPhWj7r0
男「犬子、犬子、ほら起きろ。もう朝だぞ」

犬子「……んぁ?まだ眠いのじゃ……もう少し眠らせて欲しい……ぐぅ」

男「お前そうやって寝たら三十分くらい起きないだろうが。ったく、でかくなっても相変わらずだな、犬子は。
  カマさんにも連絡入れてなかっただろ?心配して電話掛かって来てたぞ」

犬子「別に吾の勝手じゃろう……って、はい……?お、男……御主、今吾の事を……なんと――」

男「犬子って言ったんだよ。何なら昨日の呼び方でもしてやろうか、犬姉さん?」

犬子「――……あ、あぁぁぁあ……っ!御主、気付いておったのか!? な、何故じゃ!? というか何時からじゃ!」

男「正直、お前が家に来た時点で気付いてた。だけどお前が違う名前言うし口調も変えてるから、そん時は別人なのかって思ったけど。
  でもさ、買い物してる時ボロ出し過ぎだろ、お前。隠す気がないのかってくらい口調戻るしな。ツッコミ待ちか?」

犬子「ひ、ひぅぅぅ……!気付いたならさっさと言わぬか!というか何で言わなかったのじゃ!」

男「――あぁ……いや、まぁ……似合ってたし、な。御淑やかな犬子って、中々新鮮だったし」

犬子「御主が良くても吾が良くない!わ、わぅわぅわぅ……」

――もぞもぞ

男「布団に潜るな。ってか頭隠して尻隠さずじゃないか。でかくなっても、やる事は相変わらずだな」

犬子「う、うるさい!笑え!いっその事笑えば良いのじゃ!どうせ吾はただの道化じゃよ、バカ男!ふんっ」

男「はは、顔だけ出してると芋虫みたいだな。……まぁ、ありがとな、犬子。元気付けようとしてくれたんだろ?
  別に何時ものお前でも、俺は良かったけどさ。演技してた時も結構可愛かったぞ。ほれ、よしよし」

――なでなで

犬子「わ、わふ……ふん、頭を撫でるだけでご機嫌が取れると思ったら、大間違いなのじゃ……。
   許して欲しくば……こ、今度また……で、でーとに連れて行け……今度は吾も、何時も通りで行くのじゃ……」

男「ずっとばれないように気張ってたもんな。あれじゃ面白くなかっただろうし、また仕事が休みの時に誘ってやるよ」

犬子「――……な、なんじゃその顔は……ッ!ふんっ……今度、またくれーぷを謙譲させてやるのじゃ……。
   あ、あと……気付いてくれて……ちと、嬉しかったのじゃ……わんわん」

――ふりふり

fin
469 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 01:51:41.29 ID:jwfIjnB5o
ぐおおおおおおお戌子おおおおおおお結婚してくれええええええええ
470 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 01:52:21.80 ID:jwfIjnB5o
ぐおおおおおおお犬子おおおおおおお結婚してくれええええええええ
471 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/26(月) 01:58:21.02 ID:9RPhWj7r0
犬成分……!圧倒的犬成分……!
少し駆け足気味ですが、先ず後日談一つ目終了です。楽しんで頂けたらこれ幸い。
そしてですが、@B、書きます。というか書かせて頂きます。ここまで犬子書いたら猫子も書かずにいられない!
猫子に「お兄ちゃん」と呼ばせるんだ……!いや、プロット全く出来てないですけど……。
Bにはちょっと伏線的なキャラも出そうかと思っていますので、蛇足にはならない、蛇足にはならない!
イチャイチャの勉強にシュクレとかやったんだ……!イチャイチャ展開はバッチリですよ……大佐。
では、明日からは@の【お兄ちゃんと呼んでくれ!】を始めさせて頂きます。では、今日はここら辺で。おやすみなさい。
472 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 02:52:59.16 ID:x+4CB5KKo
乙〜
「お兄ちゃん」その言葉を待ってたぜ!!
473 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 06:54:03.23 ID:bz4gj5ZMo
乙〜
割り込みスマソ
474 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 09:30:05.21 ID:6jtpkEASO
圧倒的犬……!
475 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 14:05:33.17 ID:Xzamm56po

俺も家に来たアライグマやハクビシンの赤ん坊拾っとけばこんな風になったのかな…
476 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 15:27:26.50 ID:6jFNkvD5o

なんだろう…何かに目覚めた
477 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 22:39:01.41 ID:d1pnYKtx0
猫子のターンきたあああああああああ

ふううううううううううう
478 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/26(月) 23:16:38.95 ID:9RPhWj7r0
今日から後日談の@、男と猫子が再会してからの話となります。
ここで少し補足を。生まれ変わった猫子からは猫の影響が消えており、猫耳と尻尾が消えております。
猫子は男の目の前で消えてから他の家族の子として生まれ、また男と再会する事が出来ました。
犬子が他の神に頼み込んだ事により、生まれ変わった猫子の現在の年齢は17歳。
つまり猫子の元である妹が死ぬ前に、新しい猫子は生まれてた事になります。
神様頼りのご都合主義ということで、無理矢理な設定はお許し下さい。ここからはイチャイチャのみになります。
ついでに@はR18もありとなっています。
ということで今日もよろしくお願いします。
479 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 23:19:20.02 ID:A7GV/tNio
R18ってことで差し込みぃ!!

18歳以下の子はいませんっ(キリッ
480 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 23:34:09.98 ID:Rs8XGxLIO
>>478
という事は猫子と妹はまったく別人ということですね?
481 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/26(月) 23:36:40.53 ID:9RPhWj7r0
【お兄ちゃんと呼んでくれ】

男(猫耳と尻尾が取れて、完璧な人間になった猫子が帰って来て早3ヶ月。
  俺の叔父さん達と猫子の両親に了承を得て、同棲を始めたのが1ヶ月前。随分と駆け足でここまで来たもんだ)

猫子「男……男……」

男(何で猫子がこの世に帰ってこれたかと言うと、確か犬子の話では、別の人間として生まれ直したからとの事。
  事実、今ここにいる猫子は子供を授かれなかった夫婦の間に生まれた子供として、大切に育てられて来ている。
  猫子が消えた日は5年前。そこから新しい命として生まれたら、計算すると猫子は生まれて早くても5歳。
  しかし、犬子がその新しい猫子の誕生を他の神に頼み込んで、約10年ほど早めてくれたらしい。
  まぁ簡単に言ってしまえば、猫子の元である妹が死ぬ前に、もう新しい猫子は生まれてた事になる。神様って凄いんだな)

猫子「おと……に、兄さん……」

男「ん?あ、あぁ、どうかしたか?猫子」

猫子「……むぅ。朝御飯……早く、食べないと……冷める」

男(セーター着込んだ高校生の猫子とか眼福だな。今年で17歳だっけ……俺とは4歳の差か)

猫子「わたし、今日……日直だから……少し早めに、出なきゃ……いけない。お弁当……置いてあるから」

男「おう、わかった。でも猫子が学校に通ってる姿なんて……ほんと、五年前は想像出来なかったな。楽しいか?」

猫子「……お友達、いるし……結構楽しい。そういえば……男の、事……よく聞かれる」

男(猫子の学校って中高一貫教育の女子高だったな。友達に男の影があれば校内中の噂になったりするんだろうか。
  相変わらず無表情で口数は少ないけど、可愛いからなぁ猫子は。彼氏贔屓なしでも)

男「お前が高校卒業までは、人前では今まで通り従兄の兄さんって事にしておいてくれ。その方が無難だしな」

――なでなで

猫子「ん……わかった、兄さん」
482 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/27(火) 00:05:03.30 ID:wn00b2eA0
>>480さん、そういう解釈で大丈夫ですね。

猫子「男は、今日……遅い?」

男「いや、会議もないしファミレスの仕事だけだから、19時には終わると思う。何時も通りだな。猫子は?」

猫子「……今日は、半日だから……昼で、終わる。友達と少し……遊びに、行くかも。晩御飯……何が良い?」

男「寒いし、久し振りに鍋とか良いんじゃないか?味は猫子に任せるけど」

猫子「鍋……わかった。男が、帰ってくるまでに……作っておく。じゃぁ……そろそろ行く、から」

男「おう、行ってらっしゃい。気をつけるんだぞ〜」

猫子「ん、行ってきます……男」

――チリン

男(そういや猫子って人前だと兄さんって呼んで、二人の時は名前で呼ぶんだよな。同棲してる手前、その方が無難ではあるけど。
  たまには違う呼び方とかして欲しい……ような気がする。こう、アナタとか……はまだ早いな。結婚もまだだし。
  他には……男さん、とか?なんか自分で想像しておいて何だけど、他人行儀で嫌だな)

男「お兄ちゃん、か」

男(猫子が妹だった頃でも、お兄ちゃんって呼ばれた事は記憶にないな。ずっと兄さんのままだった。
  猫子にお兄ちゃんって呼ばれる――……あ、中々良いかも知れない。いや、呼ばれた事ないから想像出来ないけども。
  ただ頼み込んで呼んで貰う、ってのは違う気がする。もっとこう、自然と「お兄ちゃん」と呼んでほしい)

男「――……朝っぱらから何考えてんだ社会人。猫子が帰って来てくれたからって浮かれ過ぎだな、うん。
  時間は……考え事してたらもうこんな時間か。さっさと行かなきゃまずいな」

男(しかし……ふむ、猫子がお兄ちゃんか……呼ばれてみたいかも知れん)
483 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/27(火) 00:34:27.69 ID:wn00b2eA0
猫子「お鍋でも……男は、どんな味が……好き、なんだろう」

猫子(少し、学校で……調べて来た。キムチ鍋……醤油鍋……味噌鍋に、豆乳鍋……色々あるけど……。
   何時も、家で食べてた、のは……ポン酢をつける、水炊き……でも男に作る、から……美味しい物、作りたい)

犬子「わんわわ〜ん♪……ん?おぉ、そこにおるのは猫ではないか。いや、今は猫子だったかのぅ」

猫子(八百屋の、おじさんに……聞いてみよう。それで、絞り込んで……みる)

犬子「ふふ、ソナタも買い物か?吾はオカマに頼まれて餅を買い出してる最中での……あ、ありゃ?お、おい猫子!何故無視する!」

猫子「あ……わんこ、いたの?」

犬子「御主も男も吾の事を無視するのが生き甲斐みたいになっておらんか……?まったく、折角吾が話し掛けたというのに。
   で、どうしたのじゃ?深く悩んでおる顔付きじゃったが、男と喧嘩でもしたかの?」

猫子「……そうだ、わんこ……鍋の味って、何が好き?」

犬子「わん……?鍋というとあれか。皆で囲んで食べる物か。吾は……味噌味かのぅ」

猫子「……作り方、知ってる?」

犬子「最近はオカマの料理を手伝ったりしておるしの。多少は詳しくなっておるぞ。じゃが、それがどうしたのじゃ?」

猫子「わんこ、これから……暇?」

犬子「わぅ?い、いや、買出しが終われば暇じゃが」

猫子「なら……買い物に、付き合って。材料とか、教えて欲しい。レシピだけだと……味気ない」

犬子「そういう物かのぅ?まぁ、吾は別に良いが、その前に特売の餅じゃな。御主も、正月の為に買って置いた方が良いぞ。
   お雑煮にぜんざい、焼き餅に磯辺焼き……ふふ、今から楽しみじゃ……」

猫子(……確か、犬とかに……餅、あげちゃ……だめ、じゃないの?)
484 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/27(火) 00:56:35.80 ID:wn00b2eA0
犬子「味噌は白味噌の方が良いと思うぞ。味が滑らかになるのじゃ。辛味は後で七味を入れるから心配せずとも良い。
   肉は〜……吾の時は鳥肉じゃったかのぅ。ももじゃったな。野菜中心の鍋じゃから、肉はそれのみじゃ」

猫子「なるほど……野菜は?」

犬子「それこそ自由ではないか。鍋は、レシピに頼らず作った方が美味しく出来たりするのじゃぞ」

猫子「……でも、適量……入れないと」

犬子「御主は真面目じゃのぅ。日本料理は目分量と相場が決まっておるのじゃ。分量なんぞに縛られたら何も出来んぞ。
   料理ばんぐみとやらでも小さじ一杯と曖昧なのに。御主も味噌汁の時に分量量ったりはしておらぬじゃろう?」

猫子「……ん」

犬子「それで十分じゃよ。味噌入れ過ぎても、鍋が少しとろみを増すだけじゃ。余り気にする事でもあるまい。
   男なら御主の作った料理ならば失敗しても食べてくれるじゃろ?神経質になり過ぎると良くないぞ」

猫子「おぉ……わんこが、良い事……言ってる」

犬子「なんじゃ!普段の吾は悪い事ばかり言ってるみたいじゃの!? うがぁぁぁッ」

猫子「どう、どう……帽子、持ち上がってる……そういえば、耳と、尻尾……消さない、の?」

犬子「ふんっ。この耳と尾っぽは吾の誇りじゃ!姿を変えても絶対に消さぬ!……まぁ、隠しはするがのぅ」

――ぴこぴこ

猫子(耳、ちょっと……動いてる。帽子の意味……あんまり、ないと……思うけど。大きくなっても……性格は、そのまんま。
   胸は……なんで、そんなに……大きく、なってるの……?E……くらい、ありそう……わたしと、同じくらい、なのに)

犬子「む?なぜ吾を凝視しておるのじゃ?」

猫子「わんこ……なら、その余計なの……消して」

犬子「胸をか!? いうか御主結構えぐい事を無表情で言うのう!」
485 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/27(火) 01:16:11.17 ID:wn00b2eA0
猫子「おじさん……こんばんは」

八百屋「おう嬢ちゃん、今日は早いねぇ!まだ学校の時間じゃねぇかい?」

猫子「今日、学校……お昼で、終わり」

八百屋「なるほどねぇ。んで、巫女さんの嬢ちゃんも一緒かい!いやぁ〜こんな綺麗どころが二人も来てくれるなんてなぁ〜!」

犬子「ほほう、八百屋の店主は中々分かっておるではないか」

猫子「その実情は……参拝客から、コスプレして……金銭を、巻き上げる……犬畜生」

犬子「御主は犬神の吾に喧嘩を売る勇敢な奴じゃのぅ……ッ。だいたいあれはオカマにやらされておるだけで、吾の趣味ではないぞ!」

八百屋「オッチャンは似合ってると思うけどなぁ。巫女さんのお陰で神社大儲かりだろ?」

犬子「いや、楽な事だけではないのじゃ。毎日境内を朝早くから掃除したり、夜に御香の儀で舞を披露したりするしのぅ。
   前にアホみたいな参拝客が「御触り幾ら〜?」とか間抜け面で抜かすから、思い切り股間を蹴り上げてやったのじゃ」

猫子「……過激な、巫女さん……」

犬子「あんな黒肌にゴテゴテと装飾着けた吐き気のする男子なんぞ、こちらから願い下げじゃ!
   こちらが下手に出ているのを良い事に図々しく腰に手を回しよって!二度と来れぬようにしてやったのじゃ!」

八百屋「良い意味でも悪い意味でも、評判って大事だからな〜。巫女の嬢ちゃんも、暴力は程々にしておいた方がいいぜぇ?」

犬子「ふむ、心得ておるのじゃ。って今日は世間話をする為ではないのじゃった。猫子よ、買う物は決めておるか?」

猫子「ん……おじさん……鍋に使う物……の、お勧め、教えて」

八百屋「あいよ!オッチャン頑張ってあげちゃうぜー!」
486 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/27(火) 01:55:07.66 ID:wn00b2eA0
犬子「か、買い過ぎじゃぞ……猫子ッ」

猫子「安かった、から……買い溜め……でも、冷蔵庫……入り切らない、かも」

犬子「店主が値切らなくても値引いてくるってどんな状況じゃ……重すぎるし……致し方あるまい。ほっと」

――ぽぅ

猫子「あ……軽くなった」

犬子「まさか、こんな下らぬ事に力を使う日が来ようとはな。家につくまでじゃぞ?」

猫子「ん、それだけでも……十分。それと……わんこ、晩御飯……食べて、行く?」

犬子「この量だと御主達の冷蔵庫だと入り切らぬじゃろうしな。うむ……オカマに電話で聞いてみるか。
   平気じゃったら、吾も食べて行くのじゃ。どの道、調理も手伝わなければいけないじゃろ?」

猫子「いてくれたら、助かる……と、思う」

犬子「なぜそこで詰まるか……。ふんっ、もし食べて行くなら肉の半分は食べてやるのじゃ!覚悟するとよいっ」

猫子「人参……多く、いれてあげる」

犬子「吾の苦手な野菜を入れるのは止めるのじゃ!鬼畜か貴様!入れるなら肉を……って、鶏肉だけじゃったな……。
   自分で助言しておいて後悔したのじゃ……こんな事なら高めの肉でも強請ればよかったのぅ……」

猫子「どっく、ふーどには……肉、入ってる」

犬子「あれは人参より嫌じゃ!味がせぬ上にぼそぼそで……お、思い出しても吐き気がする。犬は強いられておるのじゃ……。
   毎日あれを食事として出されるのは舌に慣れさせる為じゃ……。普通の食べ物を食したら、あんな物食べ物とは言わぬ……」

猫子「犬も、大変……ですね」

犬子「犬じゃなくて犬神だと言っておろう!がぅがぅ!」
487 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/27(火) 02:03:09.21 ID:wn00b2eA0
うわぁ、自分でダメだと思えるほど進まなかった……言い訳のし様がない……ッ。
イチャイチャっぽい物の影すらないし……だ、大丈夫だろうか、これで。次回は……次回こそは……!
でもあれですね。久々に猫子書いてると結構楽しいです。作者は無表情の子とか好きなので。
あ、ついでに八百屋のオジサンは外見がfateのランサーみたいな感じで想像しています。
大きくなった犬子は未来ノスタルジアの杏奈みたいな感じでしょうか。若くてぼんきゅぼーん、みたいな。
性格も尖ったのが無くなりましたね。猫子と普通に話せる犬子なんて最初は書けると思いませんでした。
さて自分の妄想を出したところで、今日はここまでです。それでは、おやすみなさい。
488 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 02:28:53.10 ID:NSXUzZrLo
八百屋「無欲な客など万引きにも劣るわい!!!!!」
489 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 02:37:59.10 ID:IEdvAv2wo
万引きしたらゲイ掘るグか
490 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/27(火) 02:48:47.29 ID:NSXUzZrLo
これライダーだった死にたい
491 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 04:18:01.18 ID:IEd0fFz2o

ゆっくりじっくり書けばいいさ
日常パートも大好きだ
492 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 07:20:33.09 ID:vKeGtAZSO
493 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 08:08:34.89 ID:gIOv+aQoo
乙〜
494 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 16:08:01.51 ID:hwm7nUeJ0
なんか読んでるだけで幸せだ
495 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 17:32:45.18 ID:0cnMOv4Ko
あー、やる気が失せてくな〜
いちおつ頑張れ〜
496 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 19:19:29.32 ID:8tn8gZ0to
ふぅううううううううううううううううううううううう
ふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
497 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/28(水) 23:11:48.50 ID:CwT+RQNf0
では今日も始めさせて頂きます。宜しくお願いします。
498 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/28(水) 23:30:50.52 ID:CwT+RQNf0
猫子「カマさん、大丈夫……みたい。むしろ……泊まって、きたら……って」

犬子「オカマめ……吾をこやつ等の愛の巣に放り込んで殺す気か。というかあやつ、適当に理由つけて飲みに行きたいだけじゃろ。
   オカマばーとやらが開店してから結構忙しそうにしておるし……まぁ、息抜きは必要じゃな、うん」

猫子「……泊まる?あの時の、寝巻き……まだ、あるけど……」

犬子「5年前な上に吾の体は成長しておるじゃろう!別に寝巻きなんぞ御主の物でも――……ふむ、無理そうじゃな」

猫子「……胸の、ところ……見ながら、言った……夕飯、覚悟してて……」

犬子「ち、違うぞ猫子よ!ただサイズが合わぬよな?と思っておっただけじゃ!だから人参を丸ごと投入するのは止めるのじゃ!」

猫子「じゃぁ……今日のわんこの、ご飯……これ、ね」

犬子「どっくふーどは止めるのじゃ!御主何時の間に買って来た!? ずっと吾と一緒におったじゃろう!?」

猫子「わんこの……来客用、ご飯……他にも、色々……ある」

――ガラガラ

犬子「うわっ本当にあるのじゃ……ッ!吾は絶対に食わぬぞ!そんな拷問のような食べ物は!犬は強いられておるのじゃ!」

猫子「でも……じゃーきー、好き……だよね?」

犬子「御主は勘違いしておるじゃろうが、吾が好物なのは普通のじゃーきーじゃぞ……?犬用の物は冗談抜きで味がせぬ。
   ただ歯を鍛える為なら犬ガムでも噛んでた方がまだマシじゃ。あれなら、ちとだけ牛乳の味がするしのぅ」

猫子「気に入ったのは……値段だ……?」

犬子「いや、別に値段も味も気に入っておらぬぞ。しかも何故御主は得意気な顔をしておるのじゃ」

猫子「ちょっと……言って、みたかった……」

犬子「復活してからの御主の性格が徐々に破綻して来ておる気がするのは、吾だけかのぅ……?」
499 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 23:47:07.07 ID:cRjwzlCEo
一番気に入ったのは…

ん?なんです?ああ、仰らないでください。


値段だ。

キキィーーーーーーーッッッッドゴォッうわぁぁぁぁぁ!!!!!!
500 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/28(水) 23:51:53.28 ID:CwT+RQNf0
猫子「わんこ……鶏肉、お願い。わたしは……野菜、やるから」

犬子「うむっ、鍛え上げた神の妙技、とくと見せてくれようぞっ!あ、その前に絆創膏を……」

猫子(料理を……やる前から……とても……不安、なのは……何でだろう……)

――とんとんとんッしゅるしゅる

犬子「おぉぉ……凄いのぅ!大根とはそんなに薄皮で剥ける物なのか……どこで習うのじゃッ!?」

猫子「べ、別に……凄く、ない……。それに……ほとんど、独学。……強いて、言うなら……5年前の、勘?」

猫子(お母さんも、驚いてた……。教えて、貰って……ないのに……料理、身についてたし……。体が、覚えてた……のかな。
   でも、そのお陰で……また男に……料理、作れてる……。また……男の、美味しいって、言葉……聞けて、嬉しい)

犬子「お、おい猫子よ。考え事は構わぬが、せめて包丁を放してからの方が良いと吾は思うぞ……?」

――しゅるしゅる

猫子「見なくても、出来るから……平気」

犬子「御主が良くても見ている方の寿命が縮みそうじゃ……。血を噴き出すような事態は起こさぬようにな」

猫子「わたしは……わんこの、手際が……驚き。前は、料理……全然出来なかった、のに」

犬子「吾は犬神じゃぞっ。これくらい、一度教われば直ぐに身につくのじゃ!達人の域も近いのぅ!わははははー!」

猫子「……でも、ちゃんと……切れてない。見事に……あとちょっとで……肉が全部、繋がってる。……やり直し」

犬子「きゅぅぅん……。しゅ、姑に虐められる嫁とはこのような心境なのじゃな……。
   ふふ、どらまで嫁が刃物を持ち出すくらい姑を憎む気持ちがよう分かったのじゃ……」

猫子「ばかな事、言ってないで……さっさと、切る。それと……男は、あげない」

犬子「その言葉まで姑そっくりじゃよ……。やはり吾は、食う側の人間じゃ……わぅわぅわぅ」
501 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/29(木) 00:13:14.93 ID:MqUCDnCo0
猫子「ん……鶏肉も、ちゃんと火……通ってる。わんこ、味見……する?」

犬子「そのお玉に乗った熱々の人参を吾に食せと申すか、猫子よ。先ず味見に吾の嫌いな人参を持ってきたのも腹が立つがッ。
   どう考えても常人が口に含めば火傷する蒸気の量じゃなッ?犬の命の舌を麻痺させる気かアホ猫!」

猫子「猫舌は、あるけど……犬舌って、聞いた事、ないから……平気。熱い内に……どうぞ」

犬子「なんじゃ、その初耳な理屈は!うわっ熱い近付けるな!せめて、せめて冷ましてから食べさせるのじゃ!」

猫子「わんこ……注文、多い。ふぅ……ふぅ……はい」

犬子「吾の方が被害者なのに何で卑下されておるのじゃろうなッ!……仕方あるまい。はむっ……もぐもぐ」

猫子「わんこの……嫌いな、人参も……この通り……味が味噌に、隠れて……ない」

犬子「ぶほぁッ!? くっ!味噌でちっとでも味が紛れると思った吾が迂闊じゃった……ッ!人参は嫌いじゃ……!
   ぴーまんも好かん……タマネギは動物には論外じゃッ!世の中には味のきつい野菜が多過ぎるのじゃぁ……!」

猫子「人参……あんまり、味しないと……思うけど。と、いうより……わんこ、子供舌?」

犬子「あの独特な味が苦手なのじゃッ!食べた後に鼻を突き抜ける匂いも……作った者には悪いが苦手じゃッ。
   無論出されたら食すが、食べる度に口から戻されそうになる。犬神でも苦手な物はあるのじゃよ……」

猫子(神様が、ぴーまん嫌い……なんか、間抜けな気が……する。それと、五年前から……何も、成長してない……)

猫子「……体だけ、大きくなっても……わんこは、わんこ」

犬子「ふんっ、別に野菜嫌いでも死にはしないのじゃ!というか犬に野菜食わす事自体が間違っておる!
   吾等犬の種は誇り高き狼なのじゃぞ!野菜など食べずに肉食であるべきじゃ!じーく肉食!」

猫子「じゃぁ……どっくふーど、ね。あれも、一応……肉」

犬子「――……野菜、食べるのじゃ……わぅわぅ」

猫子「分かれば、宜しい。それと、そろそろ……男、帰ってくるから……食器、居間に運ぶ」

犬子「わかったのじゃ……行って来る」とぼとぼ
502 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/29(木) 00:35:26.77 ID:MqUCDnCo0
猫子「隠し、味に……御酒、を……」

――トクトクトク

犬子「おぉ鍋に隠しで酒を入れるか。少し予想外じゃ――……というか、そんなに入れて平気なのかのぅ?」

猫子「分量が、わからない……から目安。それに……はい、嗅いで……みて」

犬子「吾は酒には嫌な思い出しか無いのじゃが……まぁ良い。すんすん……わぅ?猫子よ、これは本当に酒なのか?
   余り酒の匂いがしなければ、色も茶色じゃし……吾には酒ではないように思えるのじゃが。安酒なのかのぅ」

猫子「わんこが……分からない、なら……わたしは、無理。でも……男が、料理に……使う物、だって。
   きっと……弱い、御酒。……これくらい、入れた方が……良い」

犬子「まぁ、あまり入れ過ぎなければよかろう。もう手遅れ感が否めない訳じゃが」

猫子「ん……味は、平気。はい、汁……飲んで」

犬子「先程の人参の件といい、そろそろ無表情のまま吾を毒見役として扱うのは止めるのじゃッ!
   それに御主が先程からどっくふーどとかを与えようとしておるのは神聖な町の守り神の犬神じゃぞ!がぅがぅ!」

猫子「わたしも、舐めたから……大丈夫。味見役は、多いほうが……良い」

犬子「ふんっ、変な味だったら承知しないぞ!――……くんくん。んむ、匂いは良いのぅ。味は……ぺろ」

猫子「どう……?変な、味じゃ……ないと、思うけど」

犬子「ふむ〜ほのかに酒の味がするのじゃな。これくらいなら許容範囲じゃろう。美味じゃと思うぞ」

猫子「……ん……良い味。わんこの、味見の後……だから……安心して、飲める」

犬子「やはり貴様謀りおったか!吾を毒見役にしおったな!? 悪魔!猫でなし!」

猫子「もう……猫じゃない……けど」
503 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/29(木) 00:55:58.65 ID:MqUCDnCo0
男(なんか、仕事中もずっと猫子の事を考えてたな。いや、愛する猫子の事もそうなんだが、俺に対する呼び名をだ。
  今まで意識してなかっただけに、思い出すと止まらないな。妹の時は兄さんで、猫子の時は名前を呼び捨て。
  どちらも捨て難いが、こう……自然な感じで猫子に「お兄ちゃん」と呼ばせる事は出来ないだろうか)

男「お願いして呼ばれても……嬉しいけど、やっぱりなんか違うんだよな」

男(今まで妹にもお兄ちゃんって呼ばれた事ないし、妄想くらいしか出来ないが……やはり可愛い妹には甘えられたいんだ。
  お兄ちゃんとか言いながら擦り寄ってくる猫子とか最高じゃないか。込み上げる物があるじゃないか)

男「まぁ、作戦は風呂にでも入りながらゆっくり考えるか。ってか、さみぃ……」

――ガチャ

男「ただいまー」

犬子「おぉ、お帰りじゃ男。帰って来ると言った時間丁度じゃのぅ」

猫子「お帰り、なさい……ご飯、出来てる。はい、鞄……ちょうだい。しまって、くる……」

男「おう、ありがとな猫子。ってか犬子、来てたのか」

犬子「猫子と商店街で偶然会ってのぅ。済し崩しに泊まる事になったのじゃ。ちゃんと、オカマにも許可はとってあるぞ」

男「カマさんに了承取ってるなら良いか。ってかお前エプロン着てるけど、まさか料理してたんじゃないよな……?
  ダークマターを生成するのは経済的にも衛生的にもいけない事なんだぞ、いぬっころ」

犬子「いぬころ言うな!吾も料理くらい学んでおるわ!それに……ふふん、今日の料理は吾が殆ど作ったのじゃぞ。
   犬神が手掛けた料理を食べられる人間など御主等以外おらぬぞ!感謝すると良いのじゃ!」

男「さて、胃薬はどこかな」

犬子「だから心配ないと言っておろうバカ男!がぅがぅ!」

猫子「……わんこ……ばかな事、してないで……鍋、運ぶの……手伝って」

犬子「神なのにぃ……神なのにぃ……」とぼとぼ
504 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/29(木) 01:22:11.61 ID:MqUCDnCo0
男「へぇ、味噌味の野菜鍋か。水炊きとかだと思ってたな」

猫子「犬子が、作り方……知ってたから。それに、こっちの方が……男は、好き……ですよね?」

男「あぁ、味噌味は好きだしな。でも良く鍋の作り方なんて知ってたな、犬子」

犬子「オカマが料理を作ってるのを手伝ったりしていたのじゃ。他にも裁縫とか掃除の類はオカマから習ったしのぅ。
   オカマはあぁ見えて料理が美味いぞ。今度神社に来たら作って貰うと良い」

男「なんかまた要らん情報を知ってしまった気がする。ま、まぁとにかく食べるか。昼飯早く済ませたから、腹減ってたんだ」

猫子「男……御皿、貸して。よそって……あげる」

男「おう、ありがとな。しかし今日も大変だった……仕事があるだけ有難いんだけどな」

犬子「ふぁみれすの勤務は、そこまで大変なのかの?ふぁみれすという場所自体知らぬ訳じゃが」

男「結構大変だぞ。バイトの面倒みたり店の仕事したり、たまに支店会議なんて物もあるな。でも、一番忙しいのは店での業務だな」

猫子「何時も、お疲れ様……です」

犬子「でも良い顔をしておるのぅ。それと、おかまばーで働いている時のオカマと同じくらい良い気も感じるのじゃ。
   やはり自分に見合っている仕事をしておる男児は違うのぅ。天職ではないか」

男「カマさんと同じ気か……確かにあの人もオカマバーが天職だよな。んー、でも今の仕事に慣れて来たら他の欲が出て来てな。
  今はどうにかそれが叶えられないか模索中だ。結構無茶な願望だけどな」

犬子「ふむ……どんな願いかは知らぬが、叶うと良いのぅ。少なくとも、吾は応援しておるぞ」

猫子「わ、わたしも……応援、してる。男が、何をしようとしても……ついて、行くから」

男(今の仕事止めて、喫茶店を経営したい、なんて言ったら驚かれるだろうなぁ。正直、安定していない選択だし。
  無条件で信頼してくれる猫子だからこそ、この事は隠しておきたい。出来れば、猫子を何があっても養えるようにしたいんだ。
  だから目処が立たないようならファミレスに勤め続けるし……俺は、夢よりもお前が大事だからな)

猫子「――男、どうか……した?」

男「いや、なんでもない。あ、お代わり頼む。豆腐大目でな」
505 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/29(木) 01:50:36.73 ID:MqUCDnCo0
犬子「わはははは、良い気分なのじゃー!」

男「……どうした犬子。お前鍋食ってたら酔っ払う体質でもあるのか?」

男(鍋を食い始めたところまでは良かったのだが、中盤辺りになって犬子のテンションが完璧に制限を解除している。
  確か3年前の、犬子が名前を偽ってた時もこんな事あったよな。鍋の中にこいつが酔う素材でも入ってたか?)

犬子「おぉ、こんなところに良い抱き枕があるのじゃ……」

――ぎゅぅぅぅ

男「お、おいバカ犬抱き付くな!ってかお前顔真っ赤だな!やっぱり酔う食べ物が入ってたか!」

犬子「バカ犬らとぉ〜!御主はいつもそうらぁ〜!いぬはみらって、ゆっへるらろ〜!なぜいぬはみを敬わんのら〜!」

男「くそっ!絡み酒する神様とか聞いた事ないぞ!さっさと離れろ犬子!じゃないと猫子に――へ?」

――ぴとり

男「猫子……お前、何で俺の背中に抱き付いてるんだ?」

猫子「犬子ばっかり……ずるい。男は……わたしの、ご主人……なのに」すりすり

男(前門の犬、後門の猫か。傍目から見たら凄く幸せな状況なんだろうな。ただ俺は色々我慢するのに精一杯なんだ。
  犬子が前から擦り寄れば、負けじと猫子も背中にぴとりと張り付いてくる。天国と地獄が同時に見えるのは初めてだ。
  生き地獄とはこの事か。負けるな俺の理性。鍋の残りを食って気を落ち着かせるんだ)

男「はぐっ。もぐ……ん?これは、酒の味か?」

男(隠し味で入れてたのか。熱くて気付かなかったな。というか、家に酒なんてあったか?――……あぁ、あった。
  叔母さんが送ってくれたマタタビ酒だ。調理用に使おうと思って台所の下に置いて置いたんだ……あれか)

猫子「おとこ……体が……熱いの……。……はむっ」

男「うぁッ!? ね、猫子耳を噛むな!くそ、本格的に抜け出さないとやば――ッ!犬子、離せ!」

犬子「い、や、じゃぁ〜♪ふふ〜、男ぉ〜♪ぎゅぅぅぅ〜〜♪」
506 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2011/12/29(木) 01:54:33.78 ID:MqUCDnCo0
今日はこれで終わりです。次回ではR18が入ると思うので、書き溜めておかないと……。
エロパートって大変ですね。途中で区切るのはダメですし、一気に書き上げないと後が怖いし。
休日にパパッと書いちゃうのが一番良いですね。というか最近はずっとそうしています。
何かお兄ちゃんネタと関係なく普通にイチャイチャしてるだけですが……大丈夫かな?
では、今日はこれくらいにしておこうと思います。それでは、おやすみなさい。
507 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 02:22:21.33 ID:QvE7kYpY0
乙!
508 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 03:59:10.28 ID:kDlnIhH40
どうしても犬子の声が矢作沙友里で再生される
509 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 05:45:36.33 ID:DeGOKb9wo
乙〜
510 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 07:14:43.78 ID:fSYjn+WAO
イチャイチャ書いていいんだよ!グリーn(ry

乙です
511 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 08:39:47.51 ID:huujR6Yso
はぁはぁはぁはぁ
512 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 18:20:15.45 ID:gyIZQ28vo

乙です!
耳と尻尾が無くなっても、猫子はマタタビの影響受けるんかな?
513 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 00:12:52.27 ID:l/T84i9c0
3Pか…
蝶ネクタイどこだっけ
514 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 07:33:54.63 ID:+I+1aPkIO
そうかもう最新型の紳士装備が必要なのか…ネックウォーマーはどこにあったかな…
515 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 13:08:27.73 ID:TsqwSBo3o
>>514
蝶ネクタイもいるかい?
516 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 13:41:58.26 ID:VAX8TgXIO
冠婚葬祭用の靴した買ってくる
517 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 23:22:54.94 ID:XyzIXb6IO
ちょっとTフロント買ってくる
518 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 00:31:03.79 ID:e3dwgdN/o
乳首丸出しとかドレスコードに引っかかるぞ
判創膏用意しとけよ
519 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 01:05:45.82 ID:Z9I+aMm3o
真っ赤なリボンを持ってきました
520 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 01:54:35.26 ID:zIDIpiSG0
頼まれてた白い手袋です
521 :以下、あけまして、おめでとうございます [sage]:2012/01/02(月) 23:28:17.29 ID:7mzKTssAO
>>520
ありがとう。
522 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 03:13:16.28 ID:Fq9HnkFJo
シルクハットのお届けでーす
523 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 16:23:12.86 ID:XboqaQsHo
意表をついてステッキなどいかが?
524 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 18:59:24.64 ID:pH5JqQUyo
サラシをお届けにあがりました
ここに印鑑をいただけますか?
525 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 21:09:46.94 ID:CpUJDRRR0
まあ取りあえず皆紳士のモノクルを忘れないようにしようぜ
526 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2012/01/03(火) 23:24:38.61 ID:Gd7hnB/M0
えっと、作者風邪を引いておりました。長引いてしまい申し訳ないです。
では、今日はR18パートということで、力尽きるくらいまで頑張ります。書ききれるかな……?

と、今日の分を始める前に、少しお願いを。
最初の内は紳士会話は良かったのですが、10レスを越えると流石に多すぎるかな、と思いました。
出来れば少し我慢していただけると助かります。身勝手かも知れませんが、よろしくお願いします。
いえ、自分が放置してしまった責任でもありますね。これからは気をつけます。
それでは今日も宜しくお願いします。
527 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2012/01/03(火) 23:41:54.92 ID:Gd7hnB/M0
男「お、おい犬子!いい加減にはな――んぅ!?」

 抱き付いてくる犬子を引き離そうとすると、首を横に回され、唇を何か柔らかい物に塞がれる。
 息つく暇もなく口内に舌が挿入され、唾液を全て舐め取られるように蹂躙される。強姦される女性の気持ちが分かるな、これ。
 というよりキスを自分からしてくる積極的な猫子を見たのは久し振りだ。嬉しいのか悲しいのか。

猫子「ん……ぢゅぅぅぅ……ぺろぺろ」

犬子「おぉ、凄い音じゃのぅ!どれ、吾も舐めてみるのじゃぁ〜」

 胸元に擦り寄ってきた犬子が生暖かい舌で首元を舐めて来る。まるで毛繕いされてる気分だ。
 鍋の中に入っていた酒のせいで体に力が入らず、そのお陰で猫子と犬子の為すがままになっている。

犬子「ちゅぅ……ふふ、接吻の印を付けるのは思いの外楽しいのじゃなぁ」

 妖艶な笑みを浮かべたまま首筋に吸い付く犬子。まさか初めてのキスマークがこいつからとは……人生何が起こるかわからん。

猫子「ぷは……ん、兄さんの……口の、中……味噌の、味がする」

男「食ってたから当たり前――んむっ」

猫子「はむ、んん……ちゅるるぅ……んふぅ、ちゅぷ」

 反論しようとすると、再び離された唇がくっつく。もはや話す事さえ許されないのか俺は。
 犬子は何時の間にか俺のシャツのボタンを全開にして、体を直に舐めて来ている。風俗嬢の素質があるぞ、犬子よ。

犬子「ふふぅ♪男、顔がだらしなくなっておるのぅ。舐められると、気持ち良いのかのぉ?……れろれろ」

 おい何か犬子のやつ若干汗ばんでるところばかり舐めてないか。しかも頬が上気していて、かなり色っぽい。
 よくよく考えれば、二人とも息を呑むくらいの美少女だよな。
 猫子はスレンダー体型で、一見中学生っぽい見た目である。そこに無表情と、制服の上にセーター着用。高ポイントだ。
 豊満な体付きの犬子は、前に買ってやった服を着ている。黒ストッキングに包まれた長い脚が艶かしい。

犬子「んー……?何か当たっておるのじゃ……」

 こんな二人に囲まれて勃起しない男の方がどうかしている、と俺は思う。
 しな垂れかかって来る犬子の下着に隠された秘部が、俺の股間を擦り、スボンの上からでもいきり立っているのが窺える。

猫子「おとこ……興奮、した……?」

 正直、美少女二人に擦り寄られて理性が吹き飛んでいる。酒の勢いもあり、俺はその激情を抑えられそうに無かった。
528 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2012/01/04(水) 00:03:16.89 ID:BtEZPzbJ0
犬子「わひゃんっ?」

 本格的に酒が回って来て、思考回路が下にしかいかなくなる。男が狼になるというのは、こういう事なのか。
 犬子の両腕を掴んで押し倒すと、5年前では想像出来ないほど大きく育った乳房を掴む。驚くほど柔らかいんだな、乳って。

犬子「んきゅぅっ!お、男、そこをっんぅぅっ!? 揉んでは、だめなのじゃぁ!」

 タートルネックに包まれた大きな乳房を何度も優しく揉む。体の震え方からすると、猫子の方が敏感なんだろうか。
 猫子は胸を弄くると痙攣したり、体を弓なりに反ったりするしな。小さい胸の方が敏感説……まぁ、人それぞれだと思うけど。

猫子「男……わんこ、ばっかり……ずるい」

 背中に張り付いていた猫子が、四つん這いで犬子を押し倒している俺の下へ移動している。
 それも股間のところに丁度顔がくる体勢で。なんか犬子の胸を触って勃起している所を見られると罪悪感が浮かぶな、
 直ぐに犬子の胸から手を離そうとしたが、その前に猫子が俺のズボンのジッパーを口で咥えて少しずつ開けていく。

猫子「あ……男の、これ……すごい、大きく……なってる」

犬子「んぅ!ふふ、見れないのが、残念っんっ!じゃな……んぁ!」

 トランクスの前開きも口で退けられ、完全に勃起した陰茎が猫子の唇に触れる。猫子の吐く息が当たり、俺は腰を小さく震わせた。
 フェラチオ……時々猫子にして貰っているが、こういう状況でやると物凄くいやらしい行為に感じるな。

猫子「かたい……あー……あむっ」

 かぷり、と音を立てるように猫子が俺の陰茎を一気に飲み込む。
 外気に晒されて寒かった肉棒が、急に温かい口内に放り込まれて、思わず腰が引けた。喉も驚く程渇いている。

猫子「んじゅ……ぢゅるるぅぅ……ちゅぅ、ぺろ……ぢゅぅぅ」

 普段なら恐る恐る舐めながらの猫子のフェラが、尿道から全てを吸い出してやろうというかのような吸引になっていた。
 一瞬で頭が真っ白になり、込み上げる射精感を我慢する為に身近な物を藁にもすがる思いで掴む。

犬子「ひゃぃん!い、いきりな、強く揉むなぁ……ッ!」

男「も、文句なら猫子に言えぇ……うぁ!や、やば――つぅッ」

 早漏という訳ではないが、普段と違う激しい猫子の口の動きに翻弄され、危うく果ててしまうところだった。

猫子「……むぅ……白いの、出ない……」
529 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2012/01/04(水) 00:39:10.06 ID:BtEZPzbJ0
猫子「もっと……咥えれば……あむっ……ぢゅぅぅぅ……」

 酒が完全に回り切り、理性が吹き飛ぶ。やはり射精を我慢するべきじゃ無かったな。射精の欲求が限界を突破した。
 犬子の胸を乱暴に揉みしだきながら、猫子が肉棒を咥えている事を承知で腰を動かす。

犬子「んぅ!? お、男、痛いっ、の……!」

猫子「んぶっんっ!? ちゅぅ、あむっ!」

 目に涙を溜めて痛みを訴える犬子だが、頬が赤く染まり、息も荒げている。痛みだけじゃなく、快楽も感じているのだろう。
 最初から快楽を感じられる女は少数と聞くが、犬子はその類なんだろうか。一応神だし、人間と体の構造は全く違うと思うけど。
 そして肉棒を喉奥に突っ込まれた猫子は、最初は戸惑っていたが直ぐに俺の腰の動きに合わせて尿道を吸い上げてくる。

猫子「ぢゅぅ、んぶっ!? けほっ……ぢゅぷぢゅぷ、んっ!」

 先程塞き止めた精液の波が途端に押し寄せて来る。確か前に猫子としたのは3日前くらいだから、3日分の精液か。
 男が一番濃厚な精液を出せるのが五日間我慢した時らしい。それを聞いて我慢していたのだが、こんな形で達成出来なくなるとは。

犬子「お、男……な、何故か御主に乳房を触れられると、熱いのじゃ……んっ」

猫子「おちんちん……びくびく、してる……ん、ぢゅぅぅぅぅぅ」

 射精し掛けている事を見逃さず、止めに肉棒をストローのように吸い上げる猫子。
 最初陰茎を見た時は咥えるのに躊躇していた子とは思えない技術だ。口内射精はまずいと思ったが、身震いした時にはもう遅い。

猫子「んぶぅっ!? んぅ……ん、ごくっ……ぢゅぅぅ」

 ビュルルという音と共に猫子の口内に精液がこれでもかという量で放出される。それこそ、一度飲み込まなければならない程に。
 だが猫子は口に吐き出された子種を躊躇無く飲み干すと、尿道に残った精液までも吸い上げる。
 途轍もない快楽が陰茎を襲い、尿道に残る精液以外にも新たな精液が猫子の喉に注ぎ込まれた。

犬子「はぁ……はぁ……お、男……出した、のじゃな?」

猫子「んむ……ごくっ。もう……ない、けど……ご馳走、さま……でした」

 お粗末さまと返す気力も無い。猫子が股下にいなければ地面に横たわってしまいたい程に疲労感が積み重なっている。

犬子「吾も男の子種を見たかったが……まぁ、飲んでしまったなら仕方ない。なら見れるようにするまでじゃ」
530 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2012/01/04(水) 01:22:40.48 ID:BtEZPzbJ0
 正常位で猫子の濡れた秘部に亀頭をあてがう。普段の無表情でも頬を真っ赤にしてくれるのが、俺的にツボだ。
 しかし今の猫子はただ恥ずかしいと言う訳ではないのだろう。実際俺だって今直ぐにでも場所を移したいくらいである。

犬子「ほぅ……なるほど。まぐあいとは、こういう行為なのじゃな……」

 興味心身で結合部を見てくる第三者がいたら、それこそ露出狂くらいしか盛り上がらないだろう。俺にその気はない。
 しかも犬子ほど凝視されると性交もへったくれもない。まぁ興奮が冷めないから肉棒は勃起したままだが。傍目からだとお笑いだな。

猫子「わんこ……あ、あんまり……見ないで」

 普段なら出て行けと言う猫子も、酒が入っているからか弱気である。出来れば俺の陰茎を吸った時みたいに強気でいて欲しかった。

犬子「別に減る物でもあるまい。ほれ、男……ささ、がつんと一発」

 磨り減るんだよ、俺の精神が。そしてお前も目の前の恋人に挿入を勧めるな。どうやら一般常識はまだ欠如してるみたいだな。
 だが何時もの俺なら犬子を軽く殴って場の空気を直すのだろうが、今は酒が入っている。頭中がお花畑である。
 大体ここまでして止められるか。目の前で半裸の猫子がいる状況、俺には小便を我慢するよりきつい。

男「挿れるぞ、猫子」

猫子「まって、男……わ、わんこが見て――にゃぅ!?」

 前戯が必要ないほど濡れた猫子の膣が、容易に俺の物を受け入れる。ズププと卑猥な音を立てながら。
 相変わらず締まりの強い膣内と、生きているかのように蠢く内部のひだ。気持ち良さに、思わず歯を食い縛る。

猫子「い、いきなりっ……うご、いちゃ……んっんんーッ」

犬子「お、おぉ……男の陰茎が出たり入ったり……痛そうじゃが、猫子は喜んでおるのじゃ……」

 口元を自らで押さえて声を抑える猫子。その所作ですら愛おしく感じてしまう。惚れた弱みである。
 犬子も他人の性交を見ていて何が面白いのか、惚けている声を出す。「おぉ、凄いのじゃ……」等等。
 その犬子の呟きも頭から消し飛んでしまうほど、腰を強く動かしている訳だが。冷静に考えると、どんな状況なんだろうな。

犬子「……んむぅ……少し、加わってみようかのぅ」
531 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2012/01/04(水) 02:00:17.29 ID:BtEZPzbJ0
 猫子の膣に向かって激しく肉棒を突き立てていると、突然違う刺激が下半身を襲う。

犬子「ぺろ、ぺろ……ふふ、男はここが弱いのじゃな」

 どうやら睾丸と肛門の間、前立腺の直ぐ下の場所を犬子が舐めているようだ。体を震わせるほどの快楽が湧き上がって来る。
 自分でも知らなかった。睾丸と肛門の間って舐められると物凄く気持ち良いんだな。意識が飛び掛けた。

犬子「ぺろ……ここはどうじゃ……?はむっ」

猫子「あ、かは……っ!? お、男……お、奥に……と、届いてる……っ」

 先程の箇所を舐め上げた後、いきなり犬子に睾丸を咥えられ、驚きで腰を強く前へ押し出してしまう。
 猫子の膣内に肉棒が強く突き刺さり、子宮口に尿道が宛がわれる。このまま射精したら、確実に猫子は孕んでしまうだろうな。
 突然奥深くまで挿入された猫子は痙攣しながら体を弓なりに反らせている。驚きでジト目の瞳が見開かれていた。

犬子「これを吸ったら……どうなるのじゃろうか。んー……ぢゅる、ぢゅぅぅ!」

男「うぁああ!?」

 考えられないような刺激が体を駆け巡り、背筋が冷える。陰茎が普段よりも膨張し、精液が尿道を上ってくる。
 それまで激しく動かしていた腰も止まってしまい、犬子が睾丸を吸い上げる刺激に脳が焼けてしまいそうだ。
 歯を食い縛って堪えようとしたが、猫子の膣の締め上げがそれを許してくれない。精液を搾り取ろうと肉棒に絡みついて来る。

猫子「おと、こっ……い、いくっ……いっちゃぅ……っ」

 猫子が果てるのに連動しているのか、膣内がより一層ぐちゅぐちゅと激しく蠢き――ビュルルル。

犬子「おぉ……す、凄い量なのじゃ。猫子の膣から、溢れて来ておるぞ……」

猫子「あ、あぅ……あ、あたま……まっひろに……なってぅ」

 抜く暇なんてない。犬子が最後に俺の肛門に舌を入れ、驚きと同時に大量の精液が猫子の子宮に直で注ぎ込まれていく。
 射精している間も犬子は執拗に前立腺辺りを舐めて来て……射精が終わるには何時もの倍くらいの時間を要した。

猫子「はぁ……はぁ……ぁ」

 射精を終えて小さくなった陰茎が、自然に膣口から抜けると、ごぽぉと開いた膣から放たれた精液が溢れ出す。
 疲れ果てて猫子の上に折り重なるようになっていたが、少しばかり意識を取り戻すと、そのまま寝てしまった猫子から体を離す。

犬子「……ぐぅ」

 少し文句を言ってやろうとしたが、諸悪の根源は何も無かったように眠りの底へ落ちていた。
532 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2012/01/04(水) 02:03:43.59 ID:BtEZPzbJ0
あ、明日からは通常営業です!エロパート書き溜めしてなかったからメチャクチャ時間掛かってしまった……。
というか3P書くの大変過ぎるでしょう……途中で何回筆を投げ掛けたか分からないです……。
明日でこの編は完結ですね。それと、明日から狐達をUPし始めようと思います。
こちらと交互にやるので、少し時間が掛かるかも知れないですが、よろしくお願いします。

あ、あとこの時期の風邪は長引きますのでご注意を。それでは、おやすみなさい。
533 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 02:23:06.23 ID:PSPAgCQF0
乙であります
534 :以下、あけまして :2012/01/04(水) 03:02:53.96 ID:OPkygTHI0
まだぁ?
535 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 09:36:40.28 ID:+J6PtS2Yo

無理すんなよ
536 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 10:48:57.26 ID:bkXOBzio0
舞妓なんとかじゃないよね?

気をつけてね、流行ってるみたいだから
537 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 23:40:39.13 ID:yDNpu2ps0
ふぅ…

おい、ワンコとの絡みが少ないぞどうした
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/06(金) 10:11:57.08 ID:wJ3Gnly4o

わんこわんこ!
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/10(火) 08:14:33.54 ID:eqRTT2R+o
大丈夫?
生きてるかー?
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2012/01/11(水) 10:54:52.65 ID:jXR4hDJJ0
無理だけはするなよー
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/01/11(水) 18:33:25.01 ID:YGsqe+iu0
>>540
下げ厨が湧くのは勘弁してほしいんだ…
だから…ね?…
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/11(水) 21:24:21.14 ID:dsEDRRsIO
>>541
正しいこと言ってる
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岩手県) [sage]:2012/01/12(木) 22:32:49.22 ID:yHoURXJlo
大丈夫なのかね…
544 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/15(日) 20:19:23.92 ID:hcjFdaTHo
1 病気
2 忘れた
3 飽きた
4 死んだ
5 思いつかない

どれだろう
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/15(日) 20:20:38.09 ID:79OtXPywo
↓だろう。待機ワッフル

>こちらと交互にやるので、少し時間が掛かるかも知れないですが、よろしくお願いします。
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/01/18(水) 23:01:12.90 ID:51OQTohR0
誰か頼むから>>1が書いてるもう一つの奴
スレタイ教えて
547 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2012/01/23(月) 23:15:37.13 ID:/X6TdAD50
かなり更新遅れて申し訳ない。今日にでも終わらせようという意気込みで終わらせます。
今日も宜しくお願いします。
548 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/23(月) 23:16:10.97 ID:CIRUVE1no
待機ワッフル
549 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2012/01/23(月) 23:33:19.05 ID:/X6TdAD50
〜〜翌朝〜〜

男「やばい、頭が痛い……しぬぅ」

男(昨日の夜の記憶が吹き飛んでるし……確か犬子に擦り寄られてたよな。そこまでは覚えてるんだけど、それ以降が……。
  なんか起きたら猫子と犬子の目が泳いでたし。もしかして記憶が飛んでから暴れまわってたんじゃないだろうな、俺。
  酒乱ではないと思うんだが酒には弱いし、何したか覚えてないし。あいつ等は昨日の事となると途端に話題逸らすし)

犬子「お、おい猫子……証拠の隠滅は完璧なんじゃろうな?まだ臭いが少しするぞ……なんというか、いか臭い感じの」

猫子「わたしは……感じない、から……平気。きっと……わんこの嗅覚だから、だと思う。
   シーツも、洗ったし……服も洗濯した。気になるなら……ふぁぶりーず、使う?」

犬子「いや……別に、良いのじゃ。くんくん……ふふ、何か癖になる臭いじゃな。変な臭いじゃ」

猫子(……臭いふぇち)

犬子「おい猫子、御主今失礼な事を考えておらんじゃろうな……?」

猫子「別に、何も。それより……朝食、作るの……手伝って。頭、がんがんしてる……から、包丁任せた。
   もう八時、過ぎてるから……早く支度しないと」

犬子「二日酔いじゃろうな。それと……ふむ、マタタビに反応しておった感じもしたのじゃ。
   もしかしたら、猫であった時の味覚が御主に受け継がれておるのかも知れぬのぅ」

男(なんかあいつ等仲良いな。しかし……高校生辺りの年齢の美少女が二人、エプロン着けて我が家で料理している、か。
  中々男の夢だな。写真でも撮っておくか。それと、父さん達の墓参りに猫子の写真でも持っていってやろう)
550 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2012/01/24(火) 00:00:08.47 ID:sbVzcfBr0
猫子「あ……ねくたい、曲がってる。じっと……してて」

――きゅっ

猫子「はい、出来た……男前。お弁当も……ちゃんと入れておいた、から」

男「おう、ありがとな。それじゃ、行って来る。晩飯までには帰って来るからな。犬子も大人しくしてるんだぞ」

犬子「子供扱いするでない!さっさと仕事にでも何にでも行けば良いのじゃ!」

猫子「……行って、らっしゃい」

――ガチャン

犬子「休日出勤とは、大変じゃなぁ男も。一応吾の力で酔いは軽減しておいたが、体のだるさは残ったままじゃろうて」

猫子「だから、帰って来た時に……精一杯、労うの」

犬子「御主はもはや主婦になりつつあるのぅ。しかし、昨晩も性交しておったし……子供が出来るのも近いのではないか?
   最近では、あれじゃ……そうそう、出来ちゃった婚とかもあるではないか。誠実とは言い難いのじゃが」

猫子「昨日は、安全日だけど……でも、うん。ちゃんと……考えてなかった」

犬子「安全日と言えど、完全ではないしのぅ。まぁ……昨日のは吾にも落ち度があるし、強くは言えんのじゃ」

猫子「でも、わたしは……男との、子供なら……欲しい……。学校、辞める事に……なっても」

犬子(本気でしそうじゃから性質が悪いのぅ。いや、もし子供を授かったとしたら猫子ならば確実に学び舎を去ろうとするか。
   だからと言って避妊を勧めても頑なに拒むじゃろうし……人間も難しいのじゃな)
551 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/24(火) 00:05:12.89 ID:xhQTwZWgo
やっときた支援
552 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2012/01/24(火) 00:23:16.67 ID:sbVzcfBr0
犬子「そういえば猫子よ。御主、あれはどうするのじゃ?」

猫子「あれって……何?それと犬子、色物は……別の籠に、入れておいて。別に……洗濯する、から」

犬子「い、色物とはどれの事じゃ……あぁこれか――ってええい!
   なぜ吾が御主の家の洗濯まで手伝っておるのじゃ!先程掃除を手伝ったじゃろう!」

猫子「一宿一飯の恩義……尽くしなさい」

犬子「神なのにぃ……神なのにぃ……」

猫子「……それで、わんこ……あれって何?」

犬子「男の寝言じゃよ。確か『お兄ちゃんって呼んでくれ〜』じゃったか。夢の中まで御主で一杯じゃのぅ、あの男は」

猫子「ずっと、兄さん……あと、男だったから……まんねり気味?」

犬子「いや、吾に訊かれても……う〜む、ただの願望じゃと思うぞ?実際、御主にベタ惚れではないか、あやつは」

猫子「……お兄ちゃんって、呼ばれると……嬉しいの?」

犬子「それこそ男に聞いて見なくては分からぬな。オカマは……うむ、訊くのは論外な相手じゃし。
   もし御主が嫌じゃなければ、呼んでみてはどうじゃ?夢で見る程なのだから、喜ぶに決まっておろう」

猫子「……何時も、兄さん……だから、変な感じ……する」

犬子「慣れれば気にならなくなるじゃろ。吾も御主等の底抜けのばかっぷる振りに何度砂糖を吐きそうになった事か……」(ボソボソ
553 :新人 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2012/01/24(火) 01:02:12.73 ID:sbVzcfBr0
今回はここまで……というか短過ぎるでしょう。明日まで、明日まで待ってくれ!(借金から逃れる人風に
書き溜め出来てないと自分全然進まない……Bはどうしようとか思っています。
では、また明日にでも。おやすみなさい。
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/24(火) 07:56:00.07 ID:TYWY56XSO
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/24(火) 15:23:56.86 ID:5wp/T409o
リアルもこっちも頑張ってくれ〜
表現力があって興奮する
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/24(火) 16:37:25.61 ID:evYdguhTo
乙〜
一応念の為、狐忘れてないよね……?
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/01/25(水) 23:23:13.28 ID:XBsZdMBr0
狐はもう別スレ立てたほうがいいかもね
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/02(木) 12:00:36.08 ID:Q7Ae/dPDO
妹狐「恩返しに……」姉狐「来ましたー♪」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1328105933/
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/02/02(木) 16:04:55.58 ID:goMVfrumo
支援
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/02(木) 16:42:19.79 ID:kMWf86f8o
酉の前のコテが違うからスルーしてたでござる

このペースで>>1が潰れないか心配
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/06(月) 23:34:19.52 ID:Uert9mw7o
追い付いた
猫子のイメージはどんなんなのか
562 :濃口醤油 ◆4jPnOLgqH. [sage]:2012/02/09(木) 03:28:39.74 ID:W58w+nQs0
少しこちらの更新が滞っていますね、申し訳ないです。
それとご報告を。きっと狐のほうはもう更新しないと思います。あそこまで荒れると、書く気が……済みません。
こちらの方は終わらせますが、もう違う作品は書かないかと思います。
書いても、これの続編とか関係とかの話は、もう無理かな……。自分はやりたかったんですけどね。
こちらの話は責任持って終わらせますが、そういう事なので、狐は放置の方向となります。
もしくは、立て直したい……本気で。流石にあれでは書く気も出ませんね……。
猫子と男の結婚話は向こうで書こうと思っていたのですが、申し訳ありません。こちらで済まそうと思います。
それでは、今日は報告のみで終わりたいと思います。
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/09(木) 03:46:59.07 ID:ETQHpd18o
好きにやれ
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/09(木) 03:50:59.09 ID:P+ELQoigo
>>562
荒れたのは仕方ないが、放置するぐらいならhtml申請しようか
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/09(木) 06:56:55.18 ID:CcjGBQLPo
>>562
一応言っておくけど、アレは荒れてるけど、打ち切るレベルの荒れたに入らないよ。もっと酷くても何食わぬ顔で続けている人もいる
>>1が投下すればまた元通りになる。少し言い方悪いけど、>>1は糞豆腐メンタル

もし打ち切るなら↓で依頼忘れないでね。ただが数人のレス&ちょっとした脱線で打ち切るのもどうかと思うけど

■ HTML化依頼スレッド Part3
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1319808816/
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/09(木) 07:00:39.17 ID:CcjGBQLPo
ただが……? たかが
連投ごめん。残念
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/09(木) 08:07:27.78 ID:wFKZpVclo
確かに荒れているようだけど、見てる側が勝手に煽り合っているだけだし、それほど気にする程でもないと思うのだが……
ただ、あんまり気になるなら建て直しもありだと思うけど。
とりあえず、書き込んで煽り合っている人より、静かに様子を見て>>1の投下を楽しみに待っている人の方が多いという事を忘れずにね。
568 :濃口醤油 ◆4jPnOLgqH. [sage]:2012/02/09(木) 09:07:22.73 ID:W58w+nQs0
こう、言い方が悪いのですが、あぁいうレスが何個も自分のスレ内にあると……。
それに、今のあそこのスレの雰囲気が、私はあまり好きではないんです。
止めた方が良いって言った人に対してのキモイ等のレス……いや、ほんと前作書かなかった私が悪いんですけどね。
向こうの方でも、待ってる等のコメをしてくれてる人はいますけど……嬉しいんですけどね。
まだレスは続いているみたいだし、何時も通り執筆速度が遅いので止められないし。
物語進めないで煽り合ってる人達の仲裁計っても、二の舞になりそうですから。

しかもあの煽り合ってる人達って私のSS読んでないですよね、間違いなく。
きっとHTML依頼は出すと思います。実はもう結構設定考えられててツンデレ幼馴染とかもいたんですけどね……。
書くならきっと、立て直すと思います。
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/09(木) 10:12:23.52 ID:jAVxwm+Go

他の多数のスレ観てるけど、荒らしてるやつらはほぼ同じ。

長屋に至っては、ID変わるの利用して、二人(?)が特定時間帯に何度も煽ってるだけっぽい。

だからそれほど荒れてるわけではない。というか、この手のスレならほぼ必ず出てくるし、気にしたらいかん。

どうやっても、ついてくる可能性があるんだから。

が、それでも>>1が辛いのであればHTML化依頼だけして、今度建てるときはタイトル詐欺しておこう。

非常に残念だけどさ。
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/09(木) 10:45:48.49 ID:o4njeNG2o
いずれ書いてくれるなら1回落とすのでもいいんじゃね?
ただ立て直したスレが荒れないとは限らないわけだが

タイトル詐欺は正直荒れる要因にしかならないと思うんだけどどうなの?
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/09(木) 10:51:58.05 ID:jAVxwm+Go
いあ、単純に当たり障りのない雑多なスレタイにしておこうって話。

今までの>>1の傾向だと、メイン獣ヒロイン「恩返し〜」だったのを、男「なんだこれ」にしようとかね。
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/09(木) 14:50:30.04 ID:SvOJfyeYo
なんかゴメンね
俺が引っ張るのやめろって言ったせいみたいだし
それ以降は※してないけど
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/09(木) 16:19:37.60 ID:CcjGBQLPo
>>568
今度立て直す?時は、>>1の気に食わない空気になったとしても「はいはいワロスワロス」の精神で続けてほしいよ

これから毎回毎回こんなしょうもないことでスレ潰して立て直しなんて、焦らされすぎてビクンビクンしちゃう

荒らしは>>1と周囲の嫌がることをするから荒らしって呼ばれるんだよ。>>1が何か言ったところで大人しく消えるとは限らないよ。というか、その反応に喜んで更に荒らしてくる

メインの狐待ってるよ、ホント
どう考えても荒らしより待ってる人の方が多いんだからさ
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/09(木) 17:38:56.09 ID:3m72TCkSO
今まで荒れて立て直すっていったやつが立て直した例を俺は知らない

初めての例になることを全力で祈ってる
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/02/09(木) 18:59:29.53 ID:GYleA7990
なんでこうなった…
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/09(木) 19:26:47.68 ID:Nc6hZgeWo
見てないならわざわざレスしない
みんな読んでる

はい、論破
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/02/09(木) 21:19:45.80 ID:rDaYtdRjo
荒らすゴミクズも居たけど
静かに更新を待ち続けた俺が居たことも忘れないでほしい

まぁ、まだ続き待ってるけどね
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/09(木) 22:31:45.89 ID:UYppSSzIO
…我慢、辛いと思うけど…我慢…静かに待ってる人も居るから…どうか続きをいつか…
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/02/10(金) 01:16:51.41 ID:RH5ZjW9Uo
なんていうか
凄く面白いと思うし続きは気になるんだけど>>1には2chという媒体でssを書くのは向いてないんじゃないかな
このご時世ブログやら小説投稿サイトも多くあるんだから、そっちに移るのも一つの手
まぁ一読者が口出すことでもないんだろうけど。
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/10(金) 04:39:10.71 ID:pIa2yn9Qo
身勝手だけど俺はここで続けて欲しいな
581 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/10(金) 09:54:29.22 ID:fTVqWIDMo
猫子はよ見たいよおおおおお
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/02/10(金) 20:02:39.03 ID:+sFZ6qUI0
>>568
楽しみに読んでたけど、まぁあれじゃ書く気が起きないのは分かるし、打ち切りを責めるつもりはない。
でもな、
>きっとHTML依頼は出すと思います。
じゃなくて、サッサとキチンと依頼出せよ。
ただ放置するんじゃ、お前が立てたスレが単なる馬鹿の罵り合いに使われるだけだろ。
スレ立てした以上は、自分で幕を引くって最低限の責任は果たせ。
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/10(金) 20:17:07.49 ID:97hWIplGo
中部、愛知、岩手、山梨、IO、etc…
こういう長屋より迷惑な集団が作られた時に、良い流れを作れるのは>>1だけだよ
良くも悪くも一番スレに影響を与えるのは>>1ってことを忘れないでね

立て直し?の時には、ここで一発投下すれば、悪い流れが少し改善されるってことを覚えておいて
584 :濃口醤油 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2012/02/10(金) 21:09:49.39 ID:HR34lSUq0
今日は普通に書かせて頂きます。その前に少しだけ返信を。
金狐と銀狐はまた立て直す事にします。ただHTMLした後にここまで荒らされたらと思うと……意気地無しですね、すみません。
ここが終わってからHTMLでも遅くないでしょうか?どうしようか迷っています。
ちなみに自分は普段エロパートの書き方で小説を書いています。SS類は初めてですが。
次はもうコテもトリも変えて新しい作品を書く気なので……金銀は少し間を置きますが。
多くの助言ありがとうございます。では今日も始めさせて頂きます。
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/10(金) 21:17:09.64 ID:97hWIplGo
あっちがhtmlされようがされまいが>>584を見たら荒らしてくるんじゃない? それに更新されるのはこっちだけなんだし
残さなくても良いかと
ただ、こっちが向こうと同じ流れになっても、>>1がスルーして投下続けられるならの話

狐ずっと待ってる
586 :濃口醤油 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2012/02/10(金) 21:25:22.72 ID:HR34lSUq0
男「ふぃ〜、やっと一段落か……夕飯時は相変わらずきついなぁ」

店長「いや男くん、ホールに出て貰って悪いね。今度奢りにでも連れて行くから、それで埋め合わせにしてくれるかい?」

男「いえ、恩返しだと思ってくれれば……店長は俺を正社員に推してくれた訳ですし」

男(正直に言うと早く家に帰りたいからなんだけどな。遅くなると猫子の奴が拗ねるし)

店長「いやいや私の力だけじゃないさ。前に店に社長が視察に来ていてね。君を見て一目惚れしたらしいんだよ。
   そこで私が、社員を希望しているバイトの子だって説明したら、是非と言う事でね」

男「……もしかして、ずっと前に来ていた白髪のスーツを着込んだ……?」

店長「やっぱり分かるかい?社長は何時も袴を着込んでいるのに、視察だからといって背広を着込んでいるんだよ。
   風格が有り過ぎて全然隠せていないけどね。まぁ、君が社員になれたのも、君の実力の内さ。
   その内私よりも上の地位に言ってしまわないかヒヤヒヤしてるよ」

男「流石にそれは無いんじゃないですか?」

店長「私は息子のような君が出世してくれると嬉しいけどね」

男「あ……はい。それじゃ少し休憩入ってきますね」

男(流石にあそこまで期待してくれてる店長に、喫茶店を開きたいんですとは言えないなぁ……)
587 :濃口醤油 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2012/02/10(金) 21:39:16.40 ID:HR34lSUq0
――帰宅途中――

男「流石に二日酔いが残ってる状態で勤務はきつかったな……」

男(帰ったら食事が出来ていて風呂が沸いている事がこんなに幸せとは……バイト時代じゃ想像もつかなかったな。
  まぁ働く時間の違いもあるんだけどな。あぁ……早く家に帰って飯が食いたい……)

青年「あの、すみません!少し道をお聞きしたいんですが!」

男「ん?え、あぁ、大丈夫ですよ」

青年「犬神神社ってところを探してるんですけど、何所か分かりますか!?」

男「犬神神社……あぁ、犬子のところか。こことは反対側ですよ。
  ここの道を真っすぐに行けば公園がありますから、その近くの石段を登れば犬神神社ですね」


青年「すみません、ありがとうございます!あのバカ竜がぁああああ――ッ!!」


男(おぉ、早い早い。最近の若者は体力多くて良いなぁ。バイトじゃ体力は鍛えられないし。
  しかし何か怒ってたみたいだが、犬子に用事でもあったのだろうか。……まぁ、良いか)

男「さっさと帰って飯を食べよう……」
588 :濃口醤油 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2012/02/10(金) 21:50:21.83 ID:HR34lSUq0
――ガチャリ

猫子「お、お帰りなさい……にい……お、お兄ちゃん」

――ドサリ

猫子「あ……男、鞄落ちて……っ?」

男「も、もう一度……もう一度言ってくれ。上手く聞こえなかったんだ、頼む。もう一度だ」

猫子「お、お帰り……なさい?」

男「いや、確かにその言葉も捨て難いが……その後だ。その後の言葉を!」

猫子「……少し、恥ずかしい……から……後、一回だけ……ね?」

男(携帯で録音して着信音にしようと思ったんだが、それをしようとしたら確実に断られるだろう。
  脳に記憶するんだ脳に。人間それくらい出来るだろう)


猫子「――……お、おにい……ちゃん」

――ぎゅぅぅ

猫子「な、なんで……抱き締める、の?」

男「感動のあまり。もう少しだけこうさせてくれ」

猫子「……ご飯、冷めちゃう……けど……」

男「お前の飯なら冷めても美味いから平気だ。それと、もう一回お兄ちゃんって言ってくれ」

猫子「……も、もう……むり。……恥ずかし、くて……しんじゃぅ、から……」
589 :濃口醤油 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2012/02/10(金) 22:01:28.39 ID:HR34lSUq0
男「お、俺が寝言で言ってた……のか?」

猫子「ん……お兄ちゃんって、呼んで欲しい……って。もしかして……まんねり、気味?」

男「そんな事ある訳ないだろ、バカ。ただお前が妹だった時にも……お兄ちゃんって呼ばれた事ないなぁってな。
  男は皆、素敵な妹にはお兄ちゃんって呼ばれたい物なんだよ。兄さんも捨て難いけどな」

猫子「……よく、わからない……けど。男は……呼ばれて、嬉しい……の?」

男「嬉しいに決まってるだろ。ただまぁ、無理に呼ぶ必要なんてないさ。名前で呼ばれるのも嬉しいからな」

猫子「……男……兄さん……お兄ちゃん……色々、呼び方ある」

男「どう呼んでくれたって良いさ。まぁ……たまにはお兄ちゃんって呼んでくれると嬉しいけど」

――なでなで

猫子「……お兄ちゃん」(ぼそぼそ

男「ん?なんか言ったか?」

猫子「いえ……そうですね。また……呼べたら……呼んであげますよ……兄さん」

――チリン

fin
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/10(金) 22:07:23.92 ID:ctdbLULDO
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/10(金) 22:12:36.10 ID:BPqAG58Ro
fin…だと?
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/10(金) 22:14:20.49 ID:97hWIplGo
乙です

>>591
>>389>>468
593 :濃口醤油 ◆4jPnOLgqH. [saga]:2012/02/10(金) 22:37:25.02 ID:HR34lSUq0
もうこのスレはこれでHTML化して頂こうと思います。結婚の話は……残念ですが。
もしかしたら続編とかそれを書いた中で書くかも知れません。もう次では絶対におまけは書かない……。
ではこれで最後となりますが、猫子達の話を最後まで見て下さりありがとうございます。
またお目にかかれる事を願って。それでは。
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/10(金) 22:40:04.89 ID:ctdbLULDO
また一人優秀な書き手が去っていく……
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/10(金) 22:42:05.66 ID:2L8ViFRMo
>>593
楽しみに待ってる
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/10(金) 22:52:24.96 ID:97hWIplGo
残念。荒らしより待ってる人が多いことを忘れないでね
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 00:36:58.96 ID:HwGdH3tSO
お前は煽り・荒らし耐性低すぎ
オープンにしてんだからそういうヤツがいて当たり前
むしろ今までいなかったことが奇跡なんだ


次からはスルースキル上げろよ待ってんだから
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/02/11(土) 00:43:34.37 ID:dL+YTtvp0
>>593
乙!
次回作待ってるから、また楽しませてくれ。
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/11(土) 01:08:21.33 ID:+q7aK3Hyo
乙〜
ほんとにゴメンね
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/02/11(土) 12:26:30.90 ID:vJm0ju1L0
まあちゃんと番外編的な奴の伏線まで這ってくれたわけだから

次は竜娘でもかくの?
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 12:45:53.34 ID:uswiyOiIO
まとめサイトにまとめられたら楽に読めるんだけど
作者さん申請しないのん?
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/12(日) 18:16:40.00 ID:b5r48qJjo
………………うん、乙

また頼んだ
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/12(日) 21:16:38.62 ID:05d4EubFo
また書いてくれ お疲れ様
あと長屋は氏ね働け
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/12(日) 23:07:33.46 ID:LYxRh5jIO
>>603
そういうのをやめてくれって言われたんだよ…
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