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麦野「キリングジョーク?」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) :2011/12/03(土) 03:43:11.35 ID:xXJo6Nk/0
バットマン×禁書クロス

バットマン関連はアランムーア原作の「キリングジョーク」と
キングダム・カム、実写映画版の知識のみ。

主要キャラがもしかたら死ぬかも。






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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) :2011/12/03(土) 03:45:25.27 ID:xXJo6Nk/0


ある夜のこと。

浜面は麦野の命令によりレンタルショップでDVDを借りに行かされた。

正直面倒だったが自分もみたい映画や新作AVがあったのでしぶしぶ引き受けた。

今はお使いを終え丁度その帰りだった。

「ふいー、さっみぃなぁ。まぁ12月だしなぁ」

寒さに肩を強ばらせアイテムのアジトを目指す。

「速報です。昨夜未明……」

ふと何気なく頭上を見上げると巨大な街頭モニターでアナウンサーがニュースを

読み上げていた。

どうやらアメリカの大都市の刑務所から犯罪者が逃げ出したらしい。

そしてその犯罪者はあろうことかこの日本に高飛びをしたとも行っていた。

「まぁこの学園都市にゃ関係ねえ話だな……」

しかし浜面は一つ誤解をしていた。

犯罪者は刑務所ではなく。

精神病院からの脱獄者だった。


3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) :2011/12/03(土) 03:46:55.33 ID:xXJo6Nk/0


事件はアジトまでもうすぐの所で起きた。

浜面の耳をつんざく悲鳴。

咄嗟にその方向を向く。

が、思いとどまった。

そもそも自分の領分じゃない。

しかし気になるものは気になる。

「あーっ、くっそぉ! 俺ってホントいい奴だな!」

半ば投げやり気味に叫びながら悲鳴のした方へと駆け出した。

このとき遅れたことによる麦野の折檻は勘定にはいっていなかったのだろうか。
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/03(土) 03:49:14.28 ID:xXJo6Nk/0


ほどなくなして誰かが倒れているのを見つける。

急いで首元に手を当て脈があるか確認するがどうやら手遅れだ。

せめて顔を見ようとし思わず息を呑んだ。

格好からしてゴロツキ、もといスキルアウトのその人物は死体として異様だった。
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/03(土) 03:51:09.91 ID:xXJo6Nk/0


笑っている
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/03(土) 03:53:48.68 ID:xXJo6Nk/0



口は裂けんばかりに三日月の様な弧を描いている。

背中をザワザワと気持ちの悪い悪寒がかけぬける。

ここはヤバイ。

幾多の修羅場をくぐり抜けてきた浜面の勘がそう告げた。

滲む玉つぶの汗を拭いその場から一目散に逃げた。

浜面の逃げの走りで生じた淡い風に煽られ、一枚のカードが死体から揺れ落ちる。

そのカードには道化が描かれていた。

死体と同じ笑みをたたえて。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/03(土) 03:56:07.01 ID:xXJo6Nk/0
今回はここまで

あと禁書は時系列的に禁書は新訳一巻あたりです。
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/03(土) 04:07:34.10 ID:6c7fEqhfo
>>1
ジョーカー以外も出てくるのかな
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) :2011/12/03(土) 14:02:59.01 ID:xXJo6Nk/0
>>8ありがとうございます
今のところジョーカーのみです。

もうちょっとしたら投下します。
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) :2011/12/03(土) 14:22:33.79 ID:xXJo6Nk/0


「おそかったねぇぇぇはぁぁまぁぁづらぁぁぁぁ」

汗が引くことなく恐怖は続いた。

浜面の帰りが遅いのに業を煮やした麦野は扉が開くなり能力をかました。

扉の焼けた臭いが鼻腔をくすぐる。

次は俺か?

「ま、まってくれ麦野! これにはお前のシワよりも深い訳がぁぁ!!」

火に油という言葉をおそらく浜面は知らないのだろう。

「ブチコロシ確定ね♪」

怒りの針を振り切った鬼はたおやかな微笑みでもって浜面を圧殺した。

腕力のみで叩き伏せたのは彼女なりの優しさの現れだ。

「相変わらず超馬鹿ですね。ほらさっとDVDをよこしなさい」

「あ、あぁ」

制裁が終わったのを見計らって絹旗が玄関まできた。

11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/03(土) 14:24:29.82 ID:xXJo6Nk/0


「あ、浜面! 『メタルマン』がないじゃないですか!」

「置いてなかったんだよ!」

「だったら見つけるまでなんでハシゴしないんですか!」

「うっせぇ! その代わりにアイ〇ンマン借りてきたんだからこれで我慢しろ!」

「そんな超A級映画なんていいんですよ!!私がみたいのはB級です!!」

「うっせんだよ」

麦野はそう言うと二人の後頭部を鷲掴み、おデコでドッキングさせた。

浜面の目の前を星が回る。

絹旗は能力のおかげでなんともないが雰囲気に飲まれ素直に引き下がった。
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/03(土) 14:25:52.74 ID:xXJo6Nk/0


「んで? 浜面は何借りてきたんだ?」

「え? えぇっとファン〇スティック・フォー超能力ユニットとバニー……ゲフン! それだけだ」

「? まぁいいや。んじゃそれからみんぞ」

「え、麦野のみたかったやつじゃなくていいのか?」

「私も丁度FFが見たかったんだよ……」

「はぁ……」

そういえばあの死体はどうしよう。

アンチスキルに通報? それとも風紀委員か?

ケータイをポケット内で握り締め思案する。

しかしこの二つの機関は気が引ける。

仕方なしに個人的に知り合いの黄泉川に緊急と題してメールを送った。

これでいいだろう。

さぁ嫌なことはさっさと忘れて映画だ!

そのあとは自宅でAVだ!!

13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/03(土) 14:27:58.54 ID:xXJo6Nk/0

「んじゃ再生すんぞー」

映画の内容はアメコミが原作で、ある事件がきっかけで能力を得た5人が超能力を

駆使して活躍する大作だ。

最近リブートが決定したらしい。

ともかく学園都市に籍をおき、日々映画のようなドタバタを繰り返す彼らにこういった映画は

楽しめないのでは? という懸念はあったがこれはこれそれはそれ、と割とどうでもいいらしい。

映画は序盤の見せ場、主人公たちが能力を得るシーンに差し掛かった。

「へぇ、太陽フレアで超能力がみにつくんだぁ」

「しってんのか?」

「まぁ一時騒がれたしねぇ」

「太陽嵐ってのもあるよね」

二の句を継いだのは滝壺だった。

おっとりとしていて天然ぽい彼女だが話はちゃんときいていたようだ。

14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/03(土) 14:31:33.15 ID:xXJo6Nk/0


「どうやばいの?」

「まぁかいつまむと大量の電磁波が地球に降り注いで変電所やら発電所やらが破壊されて停電になったり
 電子機器なんかもぶっこわれたりすんの」

「本当はもっと色々な要素が絡むんだけどね」

「ふーん」

「でも強力な電磁波を発するモノは地球上にもあるわよ? 例えば軍事レーダーとか気象レーダー。台湾なんかだとこの
 気象レーダーが原因で地域住民のガンや白血病が増加したんだって」

「まじかよ……」

「フィクションでしかみたことないけどレーダーを使ってパソコンをぶっ壊すなんて荒業やった傭兵も
 いるわね」

「ふーん、じゃぁ半分サイボークな麦野は超危ないじゃないですか」

「まーねー」

「かるいねむぎの」

うんちくもそこそこに映画鑑賞は続行された。

途中主人公の能力に一喜一憂する様もありそんな風景は歳相応の女の子であった。

そんな光景は浜面により一層強固な決意を認識させられる。

コイツらを守る、と。


15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/03(土) 14:33:38.85 ID:xXJo6Nk/0
今回はここまでです。
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) :2011/12/04(日) 01:08:27.47 ID:TNZpg7hL0
>>1です

投下します
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) :2011/12/04(日) 01:11:07.51 ID:TNZpg7hL0


2本目に突入したあたりでさすがに疲れたのか滝壺と絹旗は眠ってしまった。

麦野と浜面は引き続き映画を見ている。

「はぁーこの社長って秘書には中学生並みの恋愛テクね。そのギャップがいいわね」

「ドクペみたいな名前の秘書だな」

「そこ重要?」

「全然」

「あんたねぇ」

お互い軽く肘で小突きあうような会話のやりとりは心地良かった。

こんな他愛ない日々がずっと続けば。

そう思った。
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/04(日) 01:12:28.56 ID:TNZpg7hL0


結局2本目も見終えてさぁ3本目といったところで麦野がDVDを取りにいったのがまずかった。

AVを袋に放置したままだったのだ。

『バニーフェチ必見!!発情うさぎの情事!!』

そのパッケージを見るや麦野は浜面に対しマウントポジションを取る。

そこから繰り出される地獄絵図は見るに耐えない。

それでも能力は使わない所に浜面は優しさを、やっぱりあまり感じなかった。

そもそも自分が悪いのだが。

騒ぎのあとに寝落ちしてしまった浜面が次に目を覚ましたのは朝方。

といってもまだ5時ごろでこの時期の5時は薄暗い。

身を起こすとはらりと毛布が落ちた。

ソファで寝落ちした滝壺と絹旗も同じく毛布をかけている。

そしてこの場にいるはずの麦野がいない。

慌ててリビングを見渡すとテーブルに書置きがあったので一先ず安心。

どうやら朝食の買出しのようだ。

19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/04(日) 01:13:45.69 ID:TNZpg7hL0


ふと昨夜の怪死体を思い出しまた不安に駆られる。

そういえばと思い出したようにケータイの受信ボックスを開く。

返信が来ておりどうやら出向いてくれたらしい。

今日あたりにでも詳しい話を聞きたい旨が書かれていた。

外を見ると大分日がさしていた。


コンビニをでた麦野はビニール袋をのぞき込むたびホクホク笑顔を

浮かべていた。

鮭おにぎりと鮭弁。これだけで彼女は幸せに浸かれる。

普段が殺伐としている分、こういう時の彼女は歳相応に見えた。

そもそも昨日ちょっと浜面にやりすぎたかなと思う。

まぁ奴が悪いことに変わりないが殺ったあとちょっと引け目があった。

それでささやかな罪ほろぼし、というわけでの買出し。

しかし幸せ気分もそこまでだった。

誰かがつけている。

この自分を。

「ふーん……」


20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(新潟・東北) [sage]:2011/12/04(日) 01:14:10.43 ID:I3o2W8yAO
バットマンとか俺特
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/04(日) 01:19:06.25 ID:TNZpg7hL0


どうしたものかと思案し何者かを撒くためルートを変更した。

もし上の連中の差し金なら容赦なく溶断してやろう。

残酷な考えをめぐらす間に人気のないうらぶれた路地にでた。

ここいらでいいか。

そう思った刹那、背後に人の気配がした。


「初めましてお嬢さん」



相手はしゃべったが薄暗くて顔が確認できない。
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/04(日) 01:20:32.36 ID:TNZpg7hL0


「HAHAHA!へぇ、この俺がホレボレするほどいい笑顔だな!」


「[ピーーー]のがもったいないな」


いい笑顔。

どうせ凄惨な笑顔なのだろうことは自覚している。

大抵のやつは私が笑うと怯えるのにコイツはいい笑顔といった。

その言葉から異質さを感じ取る。

しかしそれを感じたからといって自分の優位は揺るがない。

「HAHA、その顔は自信に満ちてる顔だ……。そんな奴を何人も見てきたぜ……
 ゴッサムの連中もそうだった」

喋るたびに近づいてくる。

「そんでもって」

ぼんやり輪郭が見えてきた。

「俺はそれを苦痛に歪めるのが大好きさ」

「痛ッ」

突如痛みが走る。

右目だ。

それ以外にも体のあちこちが痛む。

噂にきいていたキャパシティダウンかと思ったがどうも話と違う。

ピンポイントに体の各部位が痛む。

サイボーグ化した部分が。

あまりの激痛に演算ができない。

麦野は体の何割かを代替物で補っている。

それが全く機能しない感覚。

いや、実際していないのか。

とにかくそのばにうずくまるしかなかった。

23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage saga]:2011/12/04(日) 01:27:50.50 ID:TNZpg7hL0


「おっと。まだ落ちるなよ」


無造作に麦野の髪を鷲掴む襲撃者。

なんとか苦しいがなんとか左目をむける。

顔をようやく拝めた。

不気味。

その言葉がこの男には一番似合うだろう。

肌は白塗りで髪は緑。

そして一番不気味さを際立たせていたのは唇だ。

両端が裂けているのか縫い合わせたような後。

それは全く笑えない道化の顔。

自分は殺される。

その顔をみてぼんやりそう思う。

24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage saga]:2011/12/04(日) 01:29:16.35 ID:TNZpg7hL0
今回はここまで。

書き溜めできたらまたきます。
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/04(日) 02:43:19.41 ID:NHqhaXtFo
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage saga]:2011/12/04(日) 03:50:18.10 ID:TNZpg7hL0


道化の男はこちらの苦痛などおかまいなしに喉をこすり合わせるような

笑い声を上げ、やがてナイフを取り出し麦野の口元にあてがう。

「ちょっと昔話をしよう。この口がどうしてこんなになったか。どうだ聞きたいだろう」

「きょう……み、な……い」

「俺には昔酒癖の悪い父親がいた。親父は帰ってきては俺に暴力をふるうんだ。『なんだその目は』とか
 『お前も俺を馬鹿にしてんだろう?』とかな。女々しい親父だった」

「そんな日がほぼ毎日続いてまた親父が飲んだくれて帰ってきて俺に当たりちらして」

「頭を掴んでこういうんだ」

「『父親に対して何故そんな深刻な顔をしてるんだ?』」



「『何故そんな深刻な顔をしてるんだッ!!』」



「ひッ」



怒号と共に刃が浅く肌に食い込む。

冷たく、痛い。

今感じている以上の痛みが肌を裂いてやってくるのだろうか。

道化の独白は続く。


27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) :2011/12/04(日) 03:52:38.14 ID:TNZpg7hL0


「『笑えよ』」



「『笑えッ!!』



自分もこんな絶望をたくさんの人間に。アイツに。

与えてきたんだろうか。

「『そうだ、俺が笑わせてやろう』そういってポケットからナイフを取り出して……」



「親父は俺の口を裂いたんだ!!」



次に目を開けて。

そこに誰かがいてくれるだろうか。

意識は奈落へと墜ちいく。






28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) :2011/12/04(日) 03:54:03.85 ID:TNZpg7hL0
>>1です

少ないけど書き溜め分投下しました。

次もまたできたらきます。
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方) [sage]:2011/12/04(日) 11:56:33.79 ID:MSH0qMRG0

ジョーカーのオリジンほど当てにならないものはない
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/04(日) 13:38:25.70 ID:1lQldODSO
ジョーカーかと思って見てみたらジョーカーだった
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) :2011/12/04(日) 15:02:05.88 ID:TNZpg7hL0
>>1です
投下します




「どうなってんじゃんよ」

浜面のメールを頼りに死体を確認しにいった黄泉川はまず死体の様相に驚き応援を読んだ。

すぐに車で科学班なりが到着し現場検証開始したのもつかの間、無線その他の電子機器が

不具合に陥った。

ほどなくして復旧すると部下から連絡が入り急行。

現場につくと妙な形状の刃物が数枚壁に刺さっているという言葉にしづらい状況。

「この形、コウモリか?」

手裏剣のようなそれはコウモリの形を模していた。

「すみません」

「ん?」

思案していると部下が寄ってきた。

「周辺の建物を洗っていたら屋上に妙なものが……」

「妙なもの?」

「えぇ、科学班にみせたところ特殊なレーダー装置だとか」

「レーダー?」

ますますわからなくなってしまった。


32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) :2011/12/04(日) 15:03:16.51 ID:TNZpg7hL0


「ぎの……、む…………の」

暗い意識の中から声が聞こえる。

必死さが伝わる。

きっと今自分はいてはいけない危ないところにいるんだ。

手を伸ばすとしっかりとその声の主はつかんでくれた。


「麦野!」 


「ん……」

照明の明るさに目をこらすと徐々に相手の輪郭がくっきりしてくる。

「浜面……」

「よかった。まじでよかった。やっと目ぇ覚ましたな」

「何が……」

「ああ、それがさ……」

33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/04(日) 15:04:37.37 ID:TNZpg7hL0


帰りが遅い麦野を心配した浜面はアジトを飛び出しコンビニからその付近を探し回った。

だが中々見つからない。

そんななか携帯がなり相手が誰かも確認せずでた。

『やぁ君が浜面か』

「だ、誰だよおまえ」

『警戒するのも無理からぬことだが君の探しびとは私が保護して病院へ搬送した』

「びょ、病院!? てめぇ麦野になにを……」

『私ではない』

『ジョーカーという男だ』

「は、はぁ!?」

『そんなことよりも今は早く彼女に会ってやれ。場所は……』




34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/04(日) 15:05:54.19 ID:TNZpg7hL0


「そんでそいつの言われた通りにこの病院に来てみたらお前は集中治療室の中だっていうし……。
 まじで心配したんだからな」

経緯はともかく浜面が心配してくれたことが素直に嬉しかった。

「ふ、ふん。忠犬浜公と呼んでやる」

しかしでてくる言葉はトンチンカンなネーミングセンスで麦野は自爆した。

「うわぁどっかの政治家みたいだ」

それでも浜面は気にせず無邪気に破顔した顔を向けてくる。

不覚にもドキッとした。


「はまづらだめ」


横から聞きなれた声がしてそちらに向くと滝壺がいた。

彼女は彼の服の袖を掴み静止の構えだ。

恐らく嫉妬だろう。

35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/04(日) 15:06:48.50 ID:TNZpg7hL0


「はまづらが心配してくれるなら私も……」

ブツブツとよからぬことを囁いてる。

「全く憎まれっ子超世にはばかる、というやつですかね」

「いたの……」

「ちょ、酷くないですか!?」

「第一声が憎まれ口のあんたにはおあつらえ向きよ」

「ぐぬぬ……」

「それより私は一体どうなったの?」

「あぁ。麦野の、その右腕とかその他諸々の代替品が全部完全に破壊されてたらしいんだ」

「それであのカエル顔医者が全部新しいのに付け替えてくれたみたいでな」

なるほど。

あの痛みはそういうわけか。

今回の襲撃は謎が多い。

道化顔の男。

原因不明の部位破壊。

そして自分を助けてくれたらしいこれまた謎の人物。

これから、いやすでに面倒に巻き込まれているのだろう。



36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/04(日) 15:07:49.09 ID:TNZpg7hL0
今回はここまで。

37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(兵庫県) [sage]:2011/12/04(日) 15:36:46.59 ID:OFRGyX7wo


すでにバットマンは来ているようだけど、ウェインのほうはどういう名目で学園都市に滞在するんだろ。
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(宮城県) [sage]:2011/12/04(日) 16:44:52.24 ID:7PBnts9b0
乙! 青野ボイスで再生余裕でした!

このジョーカーはバーバラ半身不随後〜ジェイソン殺害前でOK?
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(新潟・東北) [sage]:2011/12/04(日) 23:55:52.22 ID:UdJA0MjAO
今、考えたら普通にジョーカーは腕っぷし強いよね、バットマンが格闘強すぎて目立たないけど

というかジョーカーなら学園都市のチート揃いの能力者連中も手玉に取れそうだし
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 00:00:04.85 ID:JOM9LFlIO
できる限り人死には出して欲しくないなあ。バットマンは今回あまり出番は無さそうだけど、モーガン・フリーマンテクノロジーが学園都市にどこまで通用するか見もの。
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [saga]:2011/12/05(月) 01:12:32.60 ID:P6KyiTlL0
>>1です

>>38
バットマンは各作品の設定をごちゃまぜにしてこのSS独自のものにする予定
です。
時系列はバーバラ半身不随、ジェイソン死亡アンダー・ザ・レッドフード後。
アンダー・ザ・レッドフードは詳細知りたいという方がいればかいつまんで
説明したいと思います。
ジョーカーはヒース・レジャー版をベースに書こうと思います。

>>40
言った後で後悔してたのでなるべく禁書勢の人死にはださないようにします。
そのかわりバーバラ並みの体験をしてもらおうと思います。


では投下します
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [saga]:2011/12/05(月) 01:14:46.35 ID:P6KyiTlL0

「お姉さま今朝のニュースご覧になりまして?」

「ニュース?」

御坂美琴と白井黒子は行きつけのファミレスでたむろっていた。

ぼんやりと後輩のふりに答える。

ぶくぶくとストローで泡ぶくと当然たしなめられた。

「はしたないですわよ?」

「はいはい、でなんだっけ」

「全くもう、えぇそれが世界一の億万長者と名高いブルース・ウェインがこの学園都市に来てる
 そうなんですの」

「へぇ、なんでまた」

ここまでいってもまだお姉さまは興味がないようだ。
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [saga]:2011/12/05(月) 01:16:29.32 ID:P6KyiTlL0


「なんでもこの学園都市の研究所に出資の申し出をするためにわざわざ出向いたとか」

「出資? どんな研究の?」

「えぇ、それがよくわからなくて。なんでもEMP攻撃の研究がどうとか」

「……ゴールデン・アイでも造るつもりかしら」

「まぁウェインエンタープライズは米政府の仕事も請け負っていますし助力を請いたいのでは?」

「どっちにしろ私たちには関係ないわね」

話はここで終わりとばかりに友人がやってきた。

花頭の初春、そして佐天だ。

「おまたせしましたー!!いやぁ初春がなかなかスカートめくらせてくれなくてぇ」

「さ、佐天さんこんな所でやめてくださいよぉ」

「相変わらずですわねぇ」
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage saga]:2011/12/05(月) 01:18:19.00 ID:P6KyiTlL0


「なんだこの花」

「ああさっき届いたのよ送り主の名前みたらビックリよ……」

翌日の昼ごろに見舞いにやってきた浜面を出迎えたのは豪奢でそれでいて慎ましい花束の数々。

ちょっとした高級菓子付きである。

「なになに……、ぶぶ、ブルース・ウェインだとぉ……」

「まぁ、本人かどうかはわからないけどこの個室のことを考えるとね……」

麦野が目覚めてからその日のうちに個室へと移されたのだ。

しかも入院代も立て替えてくれているという太っ腹ぶり。

「俺はてっきり麦野が我侭いって移してもらったもんだとばかり」

「あ゛ぁ?」

「なんでもないです」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage saga]:2011/12/05(月) 01:19:09.93 ID:P6KyiTlL0


「本物だとしてもよ。なんでみず知らずの麦野に社長さんが援助してんだ?」

「私が知るわけないでしょ」

しかし彼女に限り心当たりがないわけでもない。

もしかしたら昨日の、浜面が言っていた……ジョーカーだったか。

例の襲撃者となにかしらの接点がその社長とやらにあるのかも。

情報が少ないのでなんともいえない。

「ねぇ絹旗に調べてもらって欲しいことがあんだけど言伝頼める?」

「そんなもん電話でもいいじゃんか」

「ここ病院」

「あぁ、なるほど。わかった」

本当をいうと電波やら電磁波やらが軽いトラウマになっていた。

医師から原因をきいたときは身震いしたものだ。

「で? なんてつたえればいい?」

「ゴッサムシティ、ジョーカー、ブルース・ウェインこの三つの関係をお願い」

「あぁ、なんだかわからんが言っとくよ」

受身は性に合わない。

攻め姿勢こそ私らしい。

そう言わんばかりに彼女の瞳は静かに燃え盛る。

46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage saga]:2011/12/05(月) 01:26:37.66 ID:P6KyiTlL0
今回はここまでです。

ところどころのアメコミネタは今後もバンバンでますが許してください。

マーベルはこの世界観ではコミックや映画の存在のみ。DCはジャスティスリーグ
含め実在ということで。鋼鉄の男はくるのか……やっぱやめようか。
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方) [sage]:2011/12/05(月) 01:33:03.11 ID:8O44FBWy0

鋼鉄の男はチートスペックすぎるもんな…
禁書で彼に勝てるキャラって精神操作系しかいないんじゃないかなってぐらい
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(宮城県) [sage]:2011/12/05(月) 02:12:08.62 ID:jHJRdsIl0
まぁDr.マンハッタンとかΩ級ミュータント出なきゃ大丈夫じゃね?
実際、学園都市には未知数の削板(第7位)と多分フェニックス級の『疑似天使』2人も居るし

ただジョーカーって能力者じゃないからカミやんの天敵だよね……如何するんか楽しみです!
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [saga]:2011/12/05(月) 06:17:46.11 ID:P6KyiTlL0
>>1です
早起きついでの書き溜め投下。

>>48
マンハッタンは絶対だめだシャッハさんみたく天使ですら
分解しそう。





50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [saga]:2011/12/05(月) 06:19:07.98 ID:P6KyiTlL0


この都市に超能力者が跋扈(ばっこ)していようが退屈だと、そう思っていた。

しかし奴は。

バットマンはやはり現れた。

俺を心底笑わせてくれるのはやはりアイツしかいない。

しかしどうだ。

この目の前の人間は。

実に。

実につまらん。

……あぁいいことをおもいついたぞ。

「きいているのかジョーカー!!」

「あぁきいているともミスター」

ある暗部組織のアジト。

51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [saga]:2011/12/05(月) 06:20:51.52 ID:P6KyiTlL0


ジョーカーはアーカム脱走後学園都市の暗部にスカウトされていた。

ゴッサムを幾度と恐怖に陥れた手腕を買ってのことだったのだが。

剣幕を上げているのは組織の幹部だった。レベル4パイロキネシス。

周りにもレベル3以上の能力者が揃っている。

ヒソヒソと「あのピエロ野郎、死んだな」と下品な笑みを浮かべささやきあっていた。

手にもったコーヒーはその状況を肴によくすすんだ。

「なぜ麦野沈利を殺らなかった!! こっちはそれ相応の報酬をだしているんだぞ!!」

「いやぁそれが思わぬ横槍がはいってな」

「だまれ!!あのレーダー装置だってタダじゃないんだ!!
 EMP対策を施した代替物に換装されたらこの手はもう使えないんだ!!
 クソッこんなことなら初めから対レベル5キャパシティダウンを使うんだった!!」

「まぁまぁ。今から得意の手品を見せてやるから落ち着いてくれミスター」
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [saga]:2011/12/05(月) 06:21:51.53 ID:P6KyiTlL0


「さぁこのペンをよーく見てくれ。コイツを一瞬で消してみせる」

「種も仕掛けもないぜ」

テーブルにペンを突き立てる。

そんなジョーカーの言にとうとう切れた幹部はずかずか近寄った。

そこからは早業だった。

ジョーカーが幹部の即頭部を鷲掴み、そのまま。



「ジャジャーン!」


こめかみへと沈めた。

男はそのままテーブルからズルリと落ちる。

カンッと刺さったペンが乾いた音を響かせて。
 
「なんだ面白くなかった?」

「……」

場内は静まり返るしかない。

53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [saga]:2011/12/05(月) 06:23:30.63 ID:P6KyiTlL0


この男の、ジョーカーの、狂気の一端に触れれば。

誰もが息を呑むだろう

が、この状況でもってしても。

空気を読めない陳腐なプライドはしゃしゃり出ずにはいられなかったようだ。

「なめんなよ無能力……」

蛮勇をふりかざしたものの数秒でその男は散った。

文字通り爆散したのだ。

「俺は金より火薬が好きでね」

「この学園都市の技術は認めるよ」

「まさかミジンコサイズの爆弾まであるなんてなぁ」

「コーヒーは美味しかったかい諸君?」


場の全員がコーヒーを申し訳程度に含んでいる。

戦慄が飛び散った地肉から感染するのを錯覚する面々。

「俺がこれからはこの組織を仕切る」

「一発屋で終わりたくないだろう……?」

「俺がMCでてめぇらは単発ゲストさ」

「俺のご機嫌をとってレギュラー入りを目指そう!」

「日本のバラエティはそうなんだろ?」

「フゥッヒヒッヒッヒ……、アァッハッハッハッハッハハァ!!」


54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [saga]:2011/12/05(月) 06:27:19.80 ID:P6KyiTlL0
ここまで、眠い……。

では行ってきます。
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(富山県) [sage]:2011/12/05(月) 06:45:58.58 ID:/ab7/RW7o
面白そうなスレ発見
バットマンはダークナイトしか見て無いけど
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(新潟・東北) [sage]:2011/12/05(月) 08:43:08.13 ID:FiEY9nfAO
禁書キャラはジョーカーみたいな搦め手使う奴とは相性悪いからなぁ…
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府) [sage]:2011/12/05(月) 09:05:35.29 ID:PFc5H7Ye0
>>47
未元物質でクリプトナイト作ったら、
鋼鉄の男と戦えそうな気がした
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 11:36:06.56 ID:JFhudljBo
>>47
奴は精神系耐性もチートだった気がするんだが…
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/05(月) 15:27:41.34 ID:rIcUOAlSO
>>58
割と洗脳されたりしてなかったっけ?強い善の心が芯としてあるから、殺人とかはさせにくいだけで
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府) [sage]:2011/12/06(火) 01:42:24.21 ID:uziIikbU0
>>1乙 てか禁書の連中は所詮学生程度なんで、老獪で狡猾な犯罪者相手には苦戦するだろ
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) :2011/12/06(火) 02:00:25.38 ID:TwDi3pMy0
>>1です

遅くなりましたが投下します
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) :2011/12/06(火) 02:01:50.66 ID:TwDi3pMy0


「で、どうだったの?」

「色々と超面白いことがわかりましたよ」

絹旗の仕事は早かった。

あの後病院を出た浜面はすぐに絹旗に連絡を取り麦野の頼みを伝えた。

2・3時間で絹旗は現れ、得意気な笑みを浮かべる様は大人ぶっていても

歳相応と言っていい可愛らしさだ。

「ゴッサムシティは全米でも屈指の犯罪率を誇る都市だったそうです」

「だった?」

「現在は超減少傾向にあるそうです。その原因というのが覆面かぶったヒーロー
 の存在らしいんですが」

「なにそれ、スパイ〇ーマンは実在したの?」

「いえ、『バットマン』だそうです」

「コウモリ男?」

「超直訳ですね」

「彼は卓越した運動能力、豊富な装備が売りだとの目撃証言です」

63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [saga]:2011/12/06(火) 02:03:15.46 ID:TwDi3pMy0


「ふーん、で?」

「しかし減少傾向にあっても一回の事件の悲劇の度合いが強いのもあるそうで」

「ジョーカー?」

「えぇ、まさしく。そしてここでウェイン氏です」

「彼はある検事と懇意にしていたそうです。ジョーカーの登場を機に手を組んだ彼らは
 一人の刑事と共に華麗な作戦でジョーカーを逮捕しました」

「けどそれが悲劇の幕開けだったらしく」

「その検事はジョーカーの手下に捕まり挙句爆発に巻き込まれ顔の半分に火傷を負う」

その時絹旗はチラッと麦野を伺ったのだが。

案の定彼女は苦笑していた。

実に悲しげに。

「……続けて」

「えぇ……、そして同時にとらえられていた検事の婚約者は仕掛けてあった爆弾で死亡、そして
 その婚約者はウェイン氏の幼馴染でもあったとか」

「まさしく悲劇……か」

「結局、超苦心の末ジョーカーは捕縛されましたが、精神異常者と認定され死刑はまぬがれ病院送り
 となったらしいですよ」

64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/06(火) 02:04:34.54 ID:TwDi3pMy0


「後味わるぅ……」

話を整理してみても今回のジョーカー出現とウェイン来日は時期的に出来過ぎてならない。

だがこの部屋の提供者らしいブルース・ウェインは研究所と数時間の顔合わせを済ませるとさっさと

帰国してしまったと報じられている。

いらぬ勘ぐりだったか。

「よ、飲みもんと菓子買ってきたぞ」

「むぎの、元気?」

丁度馬鹿、浜面と滝壺もきたことだし話は

「そんなしけた菓子よりブルースさんのくれたやつのがいいわね」

「超同意」

「ひでえな!」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/06(火) 02:10:50.52 ID:TwDi3pMy0


「さて、次の標的は第3位って奴にしよう」

ジョーカーは組織を牛耳ると次なる目標をさっそく決めていた。

目標の名前は御坂美琴。

しかし彼女は本来の計画のターゲットではないのだ。

ほかならぬ暇つぶし。

そしてそのための入念な下調べをジョーカーは怠らない。

この玩具の情報が欲しい。

カタログに載っている程度の公開情報は役に立たない。

どうすれば面白く[ピーーー]ことができるか。[ピーーー]ときは楽しみたい。

楽しまなければ損だ。

「あ、あのMr.ジョーカー」

「ん〜?」

「本当に第3位を? 彼女は中学生ながら軍隊を相手に出来る力の持ち主ですよ?」

「あぁ、そう。中学生、つまり子供だ」

「は、はぁ……」

「マン・オブ・スティールのように正義に熱い年頃だ。そんなやつは正面からの敵には
 強いがひねくれ者には案外くじかれやすい」

「マン・オブ……?」

「お前俺の今からいうことをよく聞け」

何事か耳打ちし部下は下がった。

学園都市のヒエラルキーは彼にとっての新しい玩具に成り果てる。

思い切り遊んで散々乱暴に使ったらヤードセールに出せないくらいボロボロにしてやろう。

5セントの価値も付けられないくらいボロボロに。

66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage saga]:2011/12/06(火) 02:13:32.05 ID:TwDi3pMy0
>>65のあげなおし

「さて、次の標的は第3位って奴にしよう」

ジョーカーは組織を牛耳ると次なる目標をさっそく決めていた。

御坂美琴。

しかし彼女は本来の計画のターゲットではないのだ。

この玩具の情報が欲しい。

カタログに載っている程度の公開情報は役に立たない。

ほかならぬ暇つぶし。そのための入念な下調べ。

どうすれば面白く殺すことができるか。殺すときは楽しみたい。

楽しまなければ損だ。

「あ、あのMr.ジョーカー」

「ん〜?」

「本当に第3位を? 彼女は中学生ながら軍隊を相手に出来る力の持ち主ですよ?」

「あぁ、そう。中学生、つまり子供だ」

「は、はぁ……」

「マン・オブ・スティールのように正義に熱い年頃だ。そんなやつは正面からの敵には
 強いがひねくれくれものには案外くじかれやすい」

「マン・オブ……?」

「お前俺の今からいうことをよく聞け」

何事か耳打ちし部下は下がった。

学園都市のヒエラルキーは彼にとっての新しい玩具に成り果てる。

思い切り遊んで散々乱暴に使ったらヤードセールに出せないくらいボロボロにしてやろう。

5セントの価値も付けられないくらいボロボロに。

67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage saga]:2011/12/06(火) 02:15:17.33 ID:TwDi3pMy0



「プリンちゃーんまっててねー」
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage saga]:2011/12/06(火) 02:19:09.76 ID:TwDi3pMy0
>>1です

今回はここまでです。
ジョーカーにも苦手というか煩わしい存在がやってきます。
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方) [sage]:2011/12/06(火) 03:49:06.36 ID:oWN6f9AG0
とうとうあの女も参戦か…乙
ところでこの世界にスーパーマンがいるのは確定っぽいけど登場しないだけでフラッシュとかもいるの?
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(宮城県) [sage]:2011/12/06(火) 05:22:55.34 ID:Iglg8dLy0
乙! 元精神科医かぁ……彼女もアーカムから脱走してるって事で良いのかな

因みに>>41でレッドフード(ジェイソン)登場後ってなってるけど、ナイトウィングとオラクル、ロビン(ティム)の扱い予定は?
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(大阪府) [sage]:2011/12/06(火) 09:33:47.07 ID:B7jQ2oLD0
>>69
リーグがいるんだからいるだろ。
ってもしかしてリーグって、時期によって構成が変わる?
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/06(火) 11:02:11.80 ID:f5nTqk0SO
>>71
よく見てなかった、すまん
JLAがあるってことは他のヒーローもいるってことだな

…この世界じゃアレイスターもおちおちプラン進めてられないんじゃないか、可哀想に
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(新潟・東北) [sage]:2011/12/06(火) 21:18:29.05 ID:tSJ3XpGAO
そう言えば木原クンとダークナイトのジョーカーを吹き替え担当したのは同じ藤原啓治だったな
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) :2011/12/06(火) 22:00:54.45 ID:TwDi3pMy0
>>1です

>>70
ディックはロビンとバットマンの代わりにゴッサム守護。
オラクルはバットマンに帯同。
ディックは出したいのでティムに丸投げて駆けつける。

>>71
メンバー総出演はないけどハル・ジョーダンとクラークは出したい。


拙いけどハーレー描いてみた
http://wktk.vip2ch.com/dl.php?f=vipper27899.jpg

では投下します。
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) :2011/12/06(火) 22:02:58.19 ID:TwDi3pMy0


緑と赤の色彩に彩られた学園都市。

この季節になると、街は幸せを謳歌する者と妬むもので溢れかえる。

クリスマスが今年もやってくる。

御坂は一人寂しくカップルの溢れかえる街中を羨望の眼差しを浮かべながら

歩いていた。

いつかは自分もと、意中の相手を思い浮かべてはかぶりを振って諦観を決め込む

といったループを繰り返していた。

誘いたいのは山々なのだが持ち前のツンデレ気質が言葉を阻み理不尽な暴力となって

想いが灰燼に帰すことはや数十回。

一度いいところまでいったこともあったのだ。

しかしめぐり合わせの悪さというのか行いの代償というか白井黒子に見つかってしま

ってあやふやとなってしまった。

なんとか偶然を装い鉢合わせる。

これが彼女の出せる最大限の勇気。

方法として遅延行為もいいところ。

76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) :2011/12/06(火) 22:04:08.80 ID:TwDi3pMy0


気づけばクリスマスまで後7日となってしまった。

まぁダメなら白井や佐天たちとぱぁっとやればいいかと思い直し今日もあの

ツンツン頭を探して街を練り歩く。


動機が不順で誤解を受けやすいがこの行為は別の目的もある。

最近何者かが自分を付けている。

人通りの多い場所だとなにも感じないのだが公園など空間のある場所に行くと

ある一定の距離を保った場所から人の反応を感知するようにった。

微弱な電磁波を常に発しているのでレーダーのように人の居場所がわかる。

これが5日前から始まり現在までほぼ毎日。

泳がせて尻尾を掴もうと試みたことはなんどもあったがその度にまかれてしまう。

一進一退の攻防が続いていたのだ。

一息つこうといつもの公園で自販機に蹴り、ではなくちゃんとお金を入れてジュース

を購入しベンチにつく。

すると後から女性が座ってきた。

なんとも派手な格好の。

77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/06(火) 22:13:09.74 ID:TwDi3pMy0


最初は例のストーカーとも思ったがよくみると泣いていた。

両手で顔を覆い、時折「どこなのプリンちゃん、ウゥッグズ」

と鼻をすすっている。

言語が英語なのは少々気になったがなんだか放っておけない。

この人は自分と同じ境遇なのでは?

そう思うと自然に声をかけていた。

「あ、あのぉ……」

「ん? なに貴方」

「誰かお探しなんですか?」

「ウゥ……」

「へ?」


「うぇえええええぇぇぇぇぇんプリンちゃぁぁぁん」


「ちょ、えぇ!?」

78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/06(火) 22:29:54.05 ID:TwDi3pMy0


「なるほど、それで日本に何も言わずにいってしまった彼を探しにきたと」

「そうなの。それでこの街にきてることまではわかったんだけど全然会えなくて……」

「私わかりますハーレーさんの気持ち!」

ハーレーの話を聞いていた御坂はだんだんと共感していき、しまいにはすっかり打ち解けた。

「私もす、好きな奴がいるんですけどいつも知らないうちに遠くにいって危ない目にあって」

「貴方も同じな゛の゛ねぇぇ゛」

「私ミコトのこと応援する! あなたはそれだけキュートなんだから絶対大丈夫よ!!」

「ハーレーさん……!」

ハーレーはアイヴィー以来の友人を異国の地でみつけたのだった。





79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/06(火) 22:33:29.12 ID:TwDi3pMy0
1>>です
ちょっとだけ離れます。

80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(兵庫県) [sage]:2011/12/06(火) 22:38:57.27 ID:6lAI59Ywo
アイヴィーがハーレーの友人として名前上がったので満足。

ハーレー&アイヴィーみてると、アイヴィーが不憫で不憫でw
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/06(火) 22:42:31.62 ID:f5nTqk0SO
…やっぱりレベル5って普通じゃねえな
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/06(火) 22:58:59.91 ID:TwDi3pMy0
>>1です
そろそろ再開します。
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/06(火) 23:16:43.32 ID:TwDi3pMy0


それからお互いの想い人のいいところわるいところ自慢。

話に華が咲く。

恋する乙女達(ハーレーが乙女といっていいのか)はそれは楽しい時間を共有した。

ハーレーはジョーカーに惹かれ精神科医から犯罪者に身をやつしジョーカーに

尽くしてきた。

しかしその奉仕が報われることは殆どなく挙句殺されかけたほど。

一旦はそこで懲り諦めようと思ったこともある。

けれども愛しのプリンちゃんは伏せっている彼女に労いのことばをしたためた

手紙を寄越してくれた。

あぁやっぱり! やっぱり私にはあの人しかいない!

傍から見たらDV彼氏とその彼女のような構図だがこの二人の関係は

そんな物を超越している。



84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/06(火) 23:32:17.88 ID:TwDi3pMy0


一方的な想いを抱くことの辛さはハーレー自身が命がけで体験している。

だからこそ今しがた仲良くなったこの少女に親近感がわいたし友人のそれに

対する情愛のようなものを抱いた。

「ミコト、貴方のことを思って言うわ。私の場合素直すぎるからさけられてるのかもだけど
 貴方の場合私の逆よ。もっと素直にならなきゃ。話きいてるとその彼、心が『鋼鉄の男』って
 感じだもの」

「鋼鉄、あはは確かに」

「ま、がんばって! じゃぁ私行くから!」

「あ、はいお元気で!」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/06(火) 23:55:16.21 ID:TwDi3pMy0


「もう一回言ってみろ」

「は、はい、ですからターゲットは数分赤と黒の非対称の服装をしたツインテールの女と
 話したあと寮に帰宅しました」

「ハーレー、ハーレー、ハーレークイン。なんでお前はきてしまったのッッと!」

「グェッ」

陽気にスキップしながら一周し最後は報告した部下のみぞにパンチを決め込む。

バットマン意外でジョーカーが苛立つのも珍しい光景だ。

彼にとってのハーレーとはなんなのか。

「まてよ……」

ふむ、と突き出した顎に手を当て考える。

「おう♪ いいことを思いついたぞ」

「おいお前、ハーレーを探しだしてここに呼び出せ」

「プリンちゃんが呼んでるとな」

最後の「プリンちゃん」だけ実に忌々しげに付け足した。

恐らくこれで大人しく付いてくるだろうとの配慮だが自分で言ってみるとやはり吐き気がする。

が、今回ばかりはハーレーの馬鹿さ加減が役に立ちそうだ。

86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/07(水) 00:08:33.10 ID:o6p2CpCp0


風紀委員詰所。

白井黒子、初春、そして固法美偉は困惑していた。

ここ最近スキルアウトの検挙率がやたら高いのだ。

というのも、事件があったと知らせが入り駆けつけると既に拘束済み。

その他にもアンチスキルの暗部、呼ばれる存在の検挙率も上がっていた。

そもそも暗部などと呼ばれ存在がいたのも驚きだがその連中が大抵殺しに関与しているところに

さらに驚く。

だが疑問はない。

レベルアッパー事件を体験しその先にある闇をテレスティーナを通して垣間見た後となれば

当然だろう。



87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(埼玉県) [sage]:2011/12/07(水) 00:12:10.89 ID:o6p2CpCp0


そして必ず捕まったものは口を揃えてこう言うのだ。

『コウモリの格好をした男に襲われた』と。


88 :bat ◆EBS0TGbtls [sage]:2011/12/07(水) 00:19:57.26 ID:o6p2CpCp0
>>1です。
今回はここまでです。

レベル5は一歩間違えばアーカム行きが妥当なのばっかな気がします。

トリップ付けました。
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/07(水) 01:15:40.53 ID:H6e5QZ1DO

それにしてもバットマンに登場したヴィランの殆どが
学園都市に違和感無く溶け込めそうだな
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(関西地方) [sage]:2011/12/07(水) 03:06:15.91 ID:HO6+VQsA0


>>89
上条さんの説教に共感しそうなのがペインぐらいしかいない
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(宮城県) [sage]:2011/12/07(水) 04:33:03.26 ID:1r7aVMTo0
>>90
寧ろ、善とはいえイザコザになった時ブルースに対してカミやんの説教通じない


ところでグリーンランタンは下手するとDr.マンハッタン並じゃないか?
あともしかしてというかまさかというか、この時レックスは大統領?
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]:2011/12/07(水) 23:25:00.02 ID:EXPngorvo
93 :bat ◆EBS0TGbtls :2011/12/08(木) 02:19:00.62 ID:BJiDtFAM0
>>1です

>>91
レックスは登場予定ないので決めていません。
ランタンは他の強敵ヴィランを当てます。

投下いきます
94 :bat ◆EBS0TGbtls :2011/12/08(木) 02:26:57.94 ID:BJiDtFAM0


「おかえりなさいブルース」

「ただいまバーバラ」

学園都市外、バットケイブ。

学園都市の壁のむこう近辺にブルースはバットケイブを築いていたのだ。

居を地下に構え学園都市の某所にまで穴をつなげそこからビークル類で繰り出す。

バットウィングもそこから離陸する。

VTOL使用なので特に支障はない。

しかし学園都市はどういうわけか民間人にまで監視の目が行き届いてるらしいことを

オラクルもといバーバラが調べ上げた。

そこでアクティブステルスと呼ばれるステルスとしては能動的な機能をFー22以上の

予算をかけ搭載しバットウィングを新造したのだった。
95 :bat ◆EBS0TGbtls :2011/12/08(木) 02:27:57.56 ID:BJiDtFAM0



完全なステルスに加えてのVTOL機能。

今だ実戦配備されていないF-35の技術者が聞いたら卒倒ものである。

通常次世代の戦闘機は作るのに10年以上かかるのだが。

「ロッキードに技術提供してあげたら?」

「戦争の道具は造らないさ」

そこで一息つくとマスクをはずしバットマンからブルース・ウェインに戻る。

「しかし君がわざわざ来てくれるとは思わなかった」

「あの化け物が逃げたってきいたら感覚のないハズの足がうずいたのよ」

「愚問だったな」
96 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/08(木) 02:29:20.56 ID:BJiDtFAM0


バーバラはかつてジョーカーに自宅を急襲されて凶弾により半身不随となった。

それだけにとどまらず陵辱までも受けたのだ。

奴のせいで汚れてしまった。

未だ、そしてこれからもその傷が癒えることはないだろう。

「ディックもつれてくればよかったのに」

「はは、すまない」

バーバラは遠い故郷でダークナイトの代わりを務める恋人を想うのだった。

「それしにてもここの穴掘り誰に頼んだの?」

「グリーンランタンだ」

「嘘でしょ?」

「嘘だ」

「あなたがジョーク? ジョーカーに毒された?」

酷い言われようである。

97 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/08(木) 02:32:55.26 ID:BJiDtFAM0
>>1です

今回はここまです。

とうとうジョーカーに殺される夢を見た……。
2回も……。
98 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/08(木) 23:36:49.63 ID:WNV6Wh9uo
99 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/09(金) 23:29:14.47 ID:fNECRAmSO

何死?
100 :bat ◆EBS0TGbtls :2011/12/10(土) 19:16:12.64 ID:nz2byZX70


ハーレーの助言をもとに何とか意中の相手をクリスマスに誘うことが出来た御坂。

まだ本番まで日はあるがなんせ初めての異性とのクリスマス。

準備に余念がなく服はどうしよう、あれでもないこれでもないと自室を右往左往。

もういっそのこと新しい服を買ってしまおうか。

その服を着てったときの様子を想像しては、にへへと蕩けた笑みを浮かべる。

そんな大好きなお姉さまのうかれ具合をみて面白くない黒子。

最初は邪魔をしようかともおもった。
101 :bat ◆EBS0TGbtls :2011/12/10(土) 19:17:40.90 ID:nz2byZX70
>>1です。
すみません、いきなり上げてしまった…。
続きです。

>>99
首ちょんぱ
102 :bat ◆EBS0TGbtls :2011/12/10(土) 19:18:31.39 ID:nz2byZX70


が、そんなお姉さまが傷つくことは流石に出来ない。

もどかしくてたまらない。

少女はただただにくにくしげに爪を噛んだ。

「ねぇ黒子、これなんかいいと思わない?」

世の不公平を呪った。


二人はセブンスミストに服の買出しに来ていた。

103 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/10(土) 19:19:14.42 ID:nz2byZX70


勿論これは初デートのための服選びなのだが、付き合う黒子自身は内心複雑だ。

「なんであんな類人猿なんか……」

ブツブツとつぶやいていたら御坂が消えていたので辺りを探す。

すると下着コーナーに彼女はいた。

「お姉さま? 何故下着コーナーに?」

嫌な予感しかしないのに聞いてしまうのはもう性としか言いようがないだろう。

「へ、え、えっともしその、そういう、求められたらいつものキャラモノとか縞パン
 だとまずいかなぁって……」

つまりは勝負下着を選んでいた。
104 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/10(土) 19:19:57.97 ID:nz2byZX70
手にもっているのは黒の、ブラとショーツ。

黒子のラインナップ程ではないにしてもそれはかなりアダルティな雰囲気を演出している。

「お、お姉さま。あ、ああのそういった行為が出来る場所に行くおつもりですの?」

「ん……、まぁ性夜ってやつもあってもおかしくないかなぁなんて」

「誘っただけで告白もしてないでしょうに! ふしだらですの!」

「う、やっぱそうかな。でももう予約しちゃったし……。あ、でもディナーだけでもそこで
 済ませるつもりだから」

「そんなの信用なりませんの! 絶対、ずえぇぇぇぇったいに!」

「あ、これもいいかも」

「するーですの!?」
105 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/10(土) 19:20:48.13 ID:nz2byZX70

うらぶれた路地裏。

愛しのプリンちゃんが呼んでいる。

現れた男の言を信じついてきた場所は如何にもな場所。

あっちから呼び出すなんて。

やっぱりプリンちゃんは私のことを……。

「ついたぞ」

「あら」

なんの変哲もない殺風景な小さい5階建てビル。

愛しの彼はここにいるのか。
106 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/10(土) 19:21:35.09 ID:nz2byZX70
案内役をおしのけ物凄い速さでビルの階段を駆け上がる。

最上階に辿り着き一つだけぽつんと廊下のさきにある扉を開けた。

「ハーレー! 待ってたぞぉ!」

「プリンちゃん!!」

ジョーカーは両腕をばぁっと大の字に開いていた。

そこにハーレーは勢いよく飛びつく。

「あいたかったわよぅ、プリンちゃぁぁぁぁん」

「俺もさハーレー」

第三者が聞けばジョーカーのセリフは感情がこもっていない棒読みそのものだが

ハーレーが気づくことなど断じてない。

抱きつかれたジョーカーはうんざり顔だった。

「ねぇプリンちゃん? なんで私をおいてこんな極東の日本まで来ちゃったの?」

「世界に目を向けて楽しみの見聞を広めようと思ったのさ」
107 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/10(土) 19:26:55.18 ID:nz2byZX70
>>1です
今回はここまで。深夜またくるかも。

DCキャラクター大事典買ったから俺の財布はボドボドダァ。
108 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/10(土) 22:02:18.32 ID:SH9Dbz8E0
キリツグジョークに見えた

109 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 00:39:03.36 ID:8NzNHaeDO
110 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/11(日) 02:34:28.12 ID:wTH8pZh8o
111 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 18:44:53.02 ID:qmt/cbzSO
年内に来るだろうか…
112 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 22:04:59.46 ID:BBCamg8AO
作者さんにも事情はあるんだろう、とりあえず焦らなくてもいいんじゃない
113 :bat ◆EBS0TGbtls :2011/12/28(水) 11:59:01.98 ID:Pl1M/8Rs0
>>1です
すみません大分間をあけてしまいました。
やっとおちついたので投下していきます。
114 :bat ◆EBS0TGbtls :2011/12/28(水) 12:02:09.61 ID:Pl1M/8Rs0


ハーレーはジョーカーとの再会を飛び上がる程には喜んだ。

程にはというのはいつか殺されかけた身としては手放しに喜べなかったからだ。

それでも日本まで追いかけてくるほどなのだから彼女の、彼に対する想いは今だ健在なのも事実。

それほどまでに想う彼の頼みなら彼女は喜んで受ける所存というもの。

「ところでハーレーお前、御坂美琴と親しくしていたな?」

「え、えぇそうだけど……」

しかしハーレーは彼ほどの狂気を孕んでいるかというと微妙でそこにはある程度のボーダーラインが存在する。
115 :bat ◆EBS0TGbtls :2011/12/28(水) 12:03:16.15 ID:Pl1M/8Rs0


「そんなお前に頼みがある。聞いてくれるな?」

だから情というものが彼女に壁として立ちはだかってしまったとき、無理にでも、ひかれた白線を踏み消す。

「いいわ♪ プリンちゃんのお願いならなんでも聞いてあげる!」

そうやって彼女は常に、狂気をなんとかまとおうとした。

常に彼の隣に立つ恋人たるために。

要するにハーレーは尽くすタイプの女だった。

迷うことなく、彼女は御坂美琴を差し出すと了承したのだった。

116 :bat ◆EBS0TGbtls :2011/12/28(水) 12:04:49.05 ID:Pl1M/8Rs0


佐天涙子は暇を持て余す。

来たるクリスマスに向けて佐天は自堕落を謳歌していた。

どうせ自分には今夢中になれるほどの異性もいない。

だから、というわけでもないけど当日は適当に初春を自室に誘いオールナイトで馬鹿騒ぎでもしようなどと考えていた。

ケーキを作りクリスマスっぽい料理をこしらえて。

プレゼント交換、なんてのもいいだろう。

うん今から楽しみだ。
117 :bat ◆EBS0TGbtls :2011/12/28(水) 12:06:00.92 ID:Pl1M/8Rs0


「うわっ」

考えながら歩いていたら通行人とぶつかってしまった。

音楽プレイヤーで耳も塞いでいたので尚さら反応に遅れてしまったのもある。


「す、すみません!」

「いえいえこちらこそすみません」

「そんな、こっちの不注意で」

「今から貴方に無礼を働くんですから」

「え……」

笑顔でクリスマスを祝福する者とそうでない者。

佐天は後者だった。


118 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 12:07:24.16 ID:Pl1M/8Rs0


友人との連絡が立たれて数日が経った。

携帯に反応はなく、寮にも帰っていない。

十中八九事件に巻き込まれたと見ていい。

御坂は黒子達風紀委員と連携をとり搜索にあたっていたが一向に進展がない。

焦りがつのり爪を歯噛みしていたそんなときだった。

街中で久々にハーレーに出会ったのは。

119 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 12:08:22.44 ID:Pl1M/8Rs0


「あ、ハーレーさん」

「ハァイ、ミコト」

親しい相手に対して御坂は完全に油断してしまっていた。

完全に気を取られ彼女がかざしたスプレーに反応できなかった。

佐天に使われたものと同じものだ。

即効性があり一瞬で意識がもっていかれる。

スケアクロウ製の催眠薬だ。

「ごめんねぇ、でも私にとってプリンちゃんが一番だから」

謝罪の言葉が届くことはなかった。



120 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 12:09:22.70 ID:Pl1M/8Rs0


上条当麻は不幸だ。

待ち合わせ一つにしたって、目的地にたどり着くのに苦難をようする。

結果遅刻、なんてことは常な彼だったのだが。

「おっそいなぁ、御坂のヤツ」

珍しいことに彼は道中不幸に会うことなく待ち合わせの時間通りそこにいた。

そして待ち人はこない。

もしかしてからかわれたのか?

それは考えられない。

なんだかんだ御坂は義理がたい。

そんなことはありえないだろう。

まだ午前10時だ。


一日は長い。

121 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 12:10:30.79 ID:Pl1M/8Rs0


「ん……」

混濁した意識が徐々にさえていく。

倦怠感がまとわりつき顔を上げるのさえ億劫に感じる。

まだハッキリしない思考の中で記憶を反芻する。

(えっと……佐天さんがいなくなって……、それで街でハーレーさんにあってそれで……)

ハーレー、そこで御坂の意識は完全に覚醒した。

辺りを見回す。


122 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 12:11:18.55 ID:Pl1M/8Rs0


殺風景な窓のない部屋。

照明はこころもとなく明滅する。

壁はコンクリートで冷たさが伝わってきた。

「なによここ」

起き上がろうとするとそれはできず、見ると四肢は縄で繋がれていた。

そして右腕から奇妙な管が伸びている。

一瞬部屋が暗くなる。

すぐに明るくなった。


123 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 12:12:35.87 ID:Pl1M/8Rs0


「ハロー」

目の前に道化が現れた。

そして横にはモニター。

箱の中には探し求めていた親友が横たわっていた。

「佐天さん!!」

「おっと、まぁ落ち着け」

「アンタ一体……」

「俺はしがないサンタさ」

「このっ……」

静電気で髪が逆立つ。

「オォッホホウ♪ いいね。だがまぁ状況は把握しとくことをおすすめするぜ?」

恐らく佐天を拉致した犯人であろうことは間違いないこの自称サンタのいうことも

もっともだ。


124 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 12:14:08.61 ID:Pl1M/8Rs0


「聞こうじゃない……」

「OKりこうなヤツァ嫌いじゃない」

「君にクリスマスプレゼントをあげようと思ってね」

「タイムリミットは日付が変わるまで」

「?」

「お嬢ちゃんにつながれている点滴はカカシ野郎の特別性でな、投与したやつに幻覚を見せるんだ」

「幻覚?」

「あぁ、そいつにとっての恐怖の記憶。ソイツが頭ん中でリフレインして最後には正気をなくすらしい」

「そんな素敵な薬が徐々に少しずーつお嬢ちゃんの脳みそを蝕んでいくんだ」


125 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 13:26:56.99 ID:Pl1M/8Rs0


確かに聞いている限りだと恐ろしい効能だ。

が、要はこれを取り外せばいいだけのこと。

しかしジョーカーにはお見通しだ。

「確かにお嬢ちゃんの能力なら簡単に脱せるだろう。けどなんのためにお友達を捕らえたと思ってる?」
126 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 13:46:28.57 ID:Pl1M/8Rs0


失念していた事象は自分の窮地を改めて認識させる。

そうだ、佐天さんは今現在どこかに捕らわれているのだ。

「俺は一時間おきにお友達のいる場所に連絡をする。それでそのとき合い言葉をいって俺様本人だと確認を取る」

「合い言葉が違えば友達の脳みそはパー、連絡が途絶えてもパー」

「君は俺に危害を加えちゃならない」

「友達のためをおもえばこそ、な」



127 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 13:47:21.98 ID:Pl1M/8Rs0


話からして佐天にも自分と同じ薬が投与されている。

ジョーカーに危害は加えられない。

「けど一方的てのもつまらないだろ?」

しらないわよ、といいたかったがそこにいちるの望みを今はかけるしかなかった。

「言ってみなさい……」

「ヒヒヒ、いいね。気丈に振舞って」

「今日お嬢ちゃんは男とデートする予定だったろう?」


128 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 13:48:50.18 ID:Pl1M/8Rs0


この男はそこまで調べ上げているのか。

あの少年を、自分はまた巻き込んでしまった。

「愛しの彼に頑張るよう手紙を送った。お嬢ちゃんの写真付きだ。メールじゃ場所が特定されるだろうし」

「この場所に関するヒントだ」

自分や佐天が助かるのはアイツ、上条当麻次第。


129 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 13:49:35.90 ID:Pl1M/8Rs0


あの夏、自分のために奔走してくれた少年。

彼ならきっとという淡い期待を抱き、自分は再び彼を傷つけるのかと悔いた。

それでも。

今は彼にかけるしかなかった。

タイムリミットは日付が変わるまで。

一時間ごとに私に幻覚作用のある薬が少量投与される。


130 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 13:50:12.77 ID:Pl1M/8Rs0


そしてそれと同時にこの男が連絡を入れ佐天さんにも薬が投与される。

連絡が途絶えれば佐天さんは一気に薬を投与され廃人に。

私も。

「俺からのクリスマスプレゼント、彼が喜んでくれるといいなぁ。お嬢ちゃんもそう思うだろ?」


131 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 13:53:23.46 ID:Pl1M/8Rs0
>>1です。
今回はここまでです。

長期でまがあく場合は生存報告していきます。
でもしばらくは大丈夫です。ではまた。
132 :bat ◆EBS0TGbtls :2011/12/28(水) 22:09:57.55 ID:Pl1M/8Rs0
>>1です
書き溜めできたので投下します。
133 :bat ◆EBS0TGbtls :2011/12/28(水) 22:10:58.00 ID:Pl1M/8Rs0


「ちくしょう、御坂!」

上条当麻は息を切らしながら走っていた。

というのも、待ちぼうけをくらっていた所に見知らぬ男から手紙を受け取ったのが原因だ。

開封し中身を見ると鮮やかな筆跡の文面にはこうしるしてあった。

『君の待ち人は預かったいっていることはわかるな?
 返して欲しければこの手紙に記されている場所まで急げ
 制限時間は今日まで。まぁ楽しんでくれ』



134 :bat ◆EBS0TGbtls :2011/12/28(水) 22:11:45.06 ID:Pl1M/8Rs0


手紙には御坂が捕まっている写真が同封されており上条は

この手紙を渡してきた男を探す、が既に人ごみへと

まぎれてしまっていた。

しかしすぐに思考を切り替え上条は手紙の指示に従い走るのだった。

数分後上条は目的の場所にたどり着いていた。

肩で息をし呼吸整える。


135 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 22:21:27.31 ID:Pl1M/8Rs0


目的地はうらぶれた路地裏で善良な学生はまず立ち寄らない。

周辺を見回すがこれといって、いや、カタカタと奇怪な音が聞こえる。

その音をたどるとそこには振動しながら開閉する入れ歯。

その入れ歯から徐々に視線を上へやると手紙が壁に貼り付けられていた。

手に取り開封すると文面はこうだった。



『上をみろ』



「たったこれだけ?」



136 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 22:22:24.03 ID:Pl1M/8Rs0


本当にそれしか書いていない。

裏も確認するが特にはなかった。

しかし地面へ目を落とすと小さい影が徐々に大きくなっているのを見つける。

上を見た。



「ウォォォォォォォォォォォォォォッ」



巨大な、とても常人とは思えないサイズの「何か」が咆哮をあげ落下してきたのだ。

「な!?」

上条は間一髪でなんとかかわす。



137 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 22:23:16.30 ID:Pl1M/8Rs0


砂埃が舞い、目を薄める。

その視線の先にいたのはなんとも形状しがたい異形だった。

背中にはパイプのようなものがあり体にはりめぐらされている。

顔はマスクのようなもので覆っており詳細は確認できない。

そしてなによりも驚くべきはその巨体。

優に3mはあろうかという巨躯。

そのボディから伸びる右腕は地面に突き刺さっており腕を中心に小規模のクレーターが

出来上がっていた。

あれをくらっていたら今頃自分は……。


138 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 22:24:19.37 ID:Pl1M/8Rs0


数秒前の出来事に戦慄し、嫌な汗が吹き出す。

ゆらりとこちらに巨人が体を翻すとマスクのせいでくぐもった声で呼びかけてきた。

「俺の名はベイン。ジョーカーからの伝言だ」

電子音まじりの名乗り。

彼? はどうやらベインというらしい。


「『ヒントがほしければ俺が差し向けたベインを倒せ』だとよ」

「嘘だろ……」

数多の逆境を乗り越えてきた上条でも目の前の相手から畏怖を覚える。



139 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 22:25:11.94 ID:Pl1M/8Rs0


「けど」

「やるしかねぇ!!」

上条は右手を握りしめ立ち向かう。


「ミンチにしてやる」

対するベインは突進の構え。

身を屈め一直線に上条に迫る。

「やばっ!」

相手が異能と断定出来ない以上この右手は役にたたない。

防戦一方、だが時間は限られている。


140 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 22:26:05.85 ID:Pl1M/8Rs0


「どうすれば……」

とにかく相手はあの巨体だ。

小回りを利かせ近づくしかない。

「ちぃっ!」

なんとか脇に退け突進をかわす。

ゆっくりはしていられない。

すぐさま相手の背後に付く。

この巨体を支える足さえ挫けば。

右拳を振りかざし膝の関節をめがける。

鈍い音。


141 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 22:26:52.20 ID:Pl1M/8Rs0


が、拳を通して伝わる表皮の感触は硬い。

ゆらり、そんな音が聞こえそうな動作で背後を向くベイン。

「小賢しいぞガキ」

左足を軸にベインはこちらに向き直る。

丸太のような腕を振り上げていた。

上条は一瞬虚を突かれる。

油断したのだ。

反応できない。


だめだ、やられる。


思わず目をつぶってしまった。




142 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 22:27:40.45 ID:Pl1M/8Rs0


しかし一向に拳はふっては来ない。


おそるおそる目を開けた。


「ぐぁぁぁぁっぁ」



すると苦痛によるうめき声がこだました。


よく見るとベインの腕には何かが突き刺さっているではないか。


さらに目を凝らす。

刃物はコウモリの形をしていた。



143 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 22:28:38.81 ID:Pl1M/8Rs0


「お前かバッツ!! どこにいる!!」


ベインは苦痛の滲んだ声で「バッツ」なる人物をがなりつける。

おそらくはあの刃物の持ち主だろう。

「助かった……のか?」

この巨人の注目は完全に自分ではなくなっている。

とにかく後退するしかない。

後方を確認しながら走る上条の視界に黒い塊が見え、その塊はベインの頭上に降り立った。



144 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2011/12/28(水) 22:43:00.65 ID:Pl1M/8Rs0
>>1です
今回はここまでです
145 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 23:04:44.96 ID:Ai0It/OSO
昼夜共に乙した
ベインktkr、しかもバッツまで来たし、テンション上がりっぱなしだわ
146 :bat ◆EBS0TGbtls :2012/01/01(日) 23:41:26.53 ID:gRt1rqAy0
>>1です
ぼちぼち投下します
147 :bat ◆EBS0TGbtls :2012/01/01(日) 23:42:15.56 ID:gRt1rqAy0


「俺の頭からおりやがれ!」

ベインは頭上のバットマンを振り払おうと体全体を震わせる。

根負けしたバットマンはあえなく地上に降り立つ。

「アーカムに戻ってもらおうベイン」

「お断りだ」

ベインはバットマンに対し戦闘スタイルを切り替える。



148 :bat ◆EBS0TGbtls :2012/01/01(日) 23:43:38.11 ID:gRt1rqAy0


あの巨体からは想像できない動きだ。

しかし。

バットマンには通用しない。


149 :bat ◆EBS0TGbtls :2012/01/01(日) 23:44:36.71 ID:gRt1rqAy0


「……」

上条は目の前の光景が信じられなかった。

全身タイツにマスクとマントの男が戦っている。

確かに異様な光景だ。

だがそれ以上にバットマンの動きにみとれてしまった。

彼はあの巨体を誇るベインに果敢に挑む。

繰り出される拳を紙一重でかわし懐へと畳み掛ける。


150 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2012/01/01(日) 23:45:40.19 ID:gRt1rqAy0


実に華麗なステップだ。

脇に思い切り拳を叩き込む。

上条はてっきり通用しないとおもった。

げんにベインは平気そうだ。

それでもバットマンは同じ箇所にありったけを叩き込んだ。


151 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2012/01/01(日) 23:47:17.65 ID:gRt1rqAy0


するとベインはわずかによろめく。

あろうことか脇腹を抱えて。

そのチャンスをバッツは見逃さない。

以前テレビでみたバルクールのように、素早くベインの巨体を登りつめる。

背中に辿りつくと彼は美しい曲線の刃物を取り出す。

まずいとおもったベインは手を回しバッツを摘みあげる。

マントをつままれ宙吊り状態のバットマンに対し右ストレートを決め込む。

するとバットラングを3枚、右腕に投げつける。

深くささったのかたまらず咆哮を上げるベイン。


152 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2012/01/01(日) 23:48:24.96 ID:gRt1rqAy0


「お前にはアーカム行きのファーストクラスを用意している」

「ぐぅう」

「グッドラックだベイン」

腕を抱えうずくまるベインの巨体を人間とは思えない跳躍で飛越し背中に張り付く。

そしてとうとうベインに力を供給するチューブを切断した。

「がぁぁぁぁっ」

凄まじい戦闘はやむなく終了した。


153 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2012/01/01(日) 23:50:30.96 ID:gRt1rqAy0


「ああ……すまないゴードン。ではベインの収容はまかせる」

戦闘が終わりバットマンは祖国にいる友人と通話をしていた。

上条は語学は堪能と言い難く何をいっているのかわからずじまい。

すると話は終わったのかバットマンが彼のもとへと近寄ってくる。

「これを」

なにやら手渡してきた。

イヤホンのようなものだ。


154 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2012/01/01(日) 23:51:37.22 ID:gRt1rqAy0


「えっと、耳につけろってこと?」

ジェスチャーで問うと頷く。合っているみたいだ。

片耳式のそれは耳に馴染むようにフィットする。

訝しんでいるとバットマンが話しかけてきた。

「どうだ、聞き取れるか?」

「だから英語はわからない……ってあれ日本語?」

「君がつけているそれは翻訳機だ」

「すげぇ」

「これで話が出来るな」


155 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2012/01/01(日) 23:52:45.11 ID:gRt1rqAy0


二人はお互いについて話した。

「俺は上条当麻っていいます。さっきは助けてくれてありがとうございます」

「礼はいい」

「でもすごいですね、こんなでっかい、いや今は何か縮んでるけど倒すなんて」

「何か能力があるんですか?」

「いやいたって普通だ」

「マジですか……」


156 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2012/01/01(日) 23:53:19.52 ID:gRt1rqAy0


上条が驚くのも無理からぬことだ。

それだけバットマンの戦闘スキルは凄まじい。

「それよりどうして君はベインと?」

「あ、えっと」

巻き込むまいと言い淀む、がこの男はかなり頼りになる。

しかしお人好しが先行し言い出せなかった。

「ジョーカー」

「!?」

「やはりか」

「カマかけですか」

二人を紡いだのは同じ男だった。


157 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2012/01/01(日) 23:54:53.46 ID:gRt1rqAy0


「……今更だが自己紹介しておこう、私の名はバットマン。本来はアメリカのゴッサムシティを
 中心に犯罪者と戦っている。日本へは先ほどもいったジョーカーをおってきた」

「は、はぁ……」

気をしっかりもたないと口がついつい開いてしまう。

なんせ目の前にムキムキの全身タイツを着込んだ成人男性が立っているのだから。

それでも先程の戦いぶりをみるにこの人物の実力は相当のものとうかがい知れる。

ならばここは彼に全て打ち明けて賭けてみようか。

「あの、実は……」


158 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2012/01/01(日) 23:55:38.04 ID:gRt1rqAy0


「ふむ、そうか。そういうことなら協力しよう」

少年の話を聴き終え今後の計画を思案していた。

バットマンの内心としてはこの少年の同行は賛成しかねたがジョーカーが彼を指定している

以上はいたしかたない。

先程のベインとの対峙をみた所彼の戦闘スキルは素人の喧嘩よりちょっと強い程度だ。

相手が殺しをいとわないような連中である以上正直あしでまといだ。

しかも彼は何かに依存している節がある。

右手を構えなにかをためらっていた。

恐らく何かが通用するか逡巡していたのだろう。

ここぞとばかりの探偵術であった。


159 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2012/01/01(日) 23:56:52.61 ID:gRt1rqAy0


「では……」

切り出そうとした瞬間ベインからけたたましいアラームが鳴り響く。

調べると音声式のメッセージカードがでてきた。

「やぁやぁ、これを聴いてるってことはベインを倒したんだな。それじゃ次の場所まで
 ご案内しよう。貨物置き場だ、がんばれ!」


たったこれだけだ。

ヒントらしいヒントはない。

「恐らくこのベインのように別の刺客が用意されているのだろう。奴は完全に遊んでいる」

「クソ……」

「行かなければその刺客がジョーカーに連絡しゲームを放棄したとみなされるだろう。
 そうなれば彼女の身が危ない」

「いくしかないってことですか」

今はまだ選択肢は少ない。

従うしかなかった。


160 :bat ◆EBS0TGbtls [sage saga]:2012/01/02(月) 00:29:16.86 ID:7eHqATDw0
>>1です
とりあえずここまでです。

次回にだす敵は決まっていますが順番に迷ってます

・ローグス
 もれなくあの人も助太刀にきます

・ポイズンアイビー

・ミスターフリーズ

一番多かったやつを出したいと思います。



161 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 08:50:01.05 ID:wQgK/IwDO
ミスターフリーズ

次点でアイビー
162 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 01:30:00.76 ID:ppcK0MaU0
ローグスで
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/05(日) 00:52:29.61 ID:P9o/kzESO
生きてるか…?
生きてるならミスターフリーズで
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/05(日) 12:57:04.80 ID:Ci4A1O0SO
ローグス
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/02/19(日) 04:24:38.29 ID:VMlrzsiS0
ミスターフリーズ
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/02/26(日) 00:15:20.34 ID:txwqvrB90
セレスティアルズでお願いします
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/26(日) 00:21:51.00 ID:PkGo1owSO
ローグス
帰ってきてくれ…
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