夏の唐揚げ弁当 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) ：2011/12/03(土) 20:31:18.75 ID:WL2HKQnmo

「……暑い」

呟くように愚痴をこぼす

まだ7月だというのに気温は30℃越え……

地球温暖化を肌で感じる事のできる日が来るとは思ってもみなかった

コンビニのビニール袋を握る手が蒸せて気持ち悪い感覚にイラつきを覚える

信号は赤だし、コンビニのポイントカードは忘れるし、終いには先輩から呼び出しを食らって今から学校に行かなきゃいけないし……

なんだかついてないな……

そんな事を考えていると、肩からトントンと叩かれる

「……これ、落としましたよ」

振り向くとそこには、俺と同い年くらいの女の子が俺のハンカチを持っていた

「あっ……すいません」

そういって少女からハンカチを受け取る

少女は微笑み、横断歩道を歩いて行った

俺は少女を追うように駆け足で横断歩道を渡った

1.5 ：荒巻＠管理人★(お知らせ) [Twitter]： ID:???

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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 ＠ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする（´；ω；｀）part56 ばばあ化気味 ＠ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 ＠ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ ＠ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 ＠ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超Ａ級スナイパーが魔王様を狙ってる？」〈ゴルゴ13inひめごう〉 ＠ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです ＠ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「２号線」【コンマ判定新鉄・関東】 ＠ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/03(土) 20:32:21.90 ID:WL2HKQnmo

「……ストーカーですか？」

少女が振り向き少し困った表情で言う

「いや、ストーキングするつもりはないよ」

「……じゃあ、あなたはどこに向かってるんですか？」

少女が強めの口調で言う

「俺は、緑ヶ丘高校に用があるんだよ」

俺がそう言うと少女は目を大きく見開いた後、俺に背を向けて歩きだした

「……私もそこに用があるんです」

「へー、そうなんだ」

偶々行き先が重なっただけか

ホッと安堵のため息をつく

「……でも、今日は日曜日ですよ？学校に何をしに行くんですか？」

少女は背を向けたまま問いかけて来る

「先輩……生徒会長様々が招集をかけたからだよ」

「生徒会長……って事は、あなたは生徒会役員なんですか？」

少女がピタリと足を止める

「うん、一応生徒会副長をやらせてもらってる」

「そうなんですか……あ、じゃあ転校生の対応とか知ってますよね？」

こちらに体を向けて訪ねて来る

「まぁ、一通りは知ってるけど……って、まさか」

「はい、この度緑ヶ丘高校に転入する事になった、天宮花鈴、二年です」

そう言って少女は俺に一礼した

3 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/03(土) 20:32:56.23 ID:WL2HKQnmo

「天宮さん……あー、文高からの転校生だったけ？」

そういえば会長がこの前言っていたような気がする

文高から天才が来るって

そういや今日の集会もそれに関係があるって言ってたな……

「はい、それで緑ヶ丘高校に向かっていたんです」

「へー、緑ヶ丘高校の転入手続きは難しいよね」

「はい、それで一緒に手続きしてくれたり……しませんか？」

少女……天宮さんの表情は先程まで怪しがる様な表情でなく、助けを求める様な上目遣いだ

はっきり言っておくが、俺は女に弱い

頼まれたら大抵の事はやるし、理不尽な事だって大抵は許してしまう

それ故、尻下(けつした)というあだ名がついているのは秘密だ

「うん……まぁ、時間は少し余裕があるし、結局会長と会う事になるし……いいよ」

「本当ですか！助かりました！」

そう言って天宮さんは俺に近づき、俺の手を……

「ご、ごめん！」

天宮さんが俺の手を握ろうとした手を弾いた

「……え？」

天宮さんが不思議そうな顔でこちらを見つめる

「……ごめん、俺、ちょっとした女性恐怖症なんだ……だからそういうのは……」

思わず顔を伏せてしまう

……女性恐怖症、やっぱり治らないな

それ故、女に甘いのだ

「……そうなんですか、すいません」

天宮さんがこちらに頭を下げる

「え、あっ、頭あげて！別に天宮さんが悪いんじゃないんだから！」

慌てて俺は彼女を宥める

「……ほんと、すみませんでした」

そう言いながら天宮さんは顔をあげた

「……じゃ、気を取り直して一緒に学校に行こっか」



何故だろうか、この頃訳もなく心臓が高鳴る時がある
それは夏休みに対する高翌揚なのか、それとも何かの訪れに対する期待なのか……

4 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/04(日) 11:20:28.12 ID:CMzjwCWZo

面白そうなの発見

5 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/04(日) 20:27:51.95 ID:BberL7yho

「……会長？」

俺の声が小さな部屋に響き渡る

「おう、立川か」

その小さい部屋には難しそうな参考書を読んでいる会長がいた

「あの、これ……」

そう言って転入届を会長に渡す

「ん？転入届……？新谷先生はどうした？」

「今日は風邪で休みらしいです」

先程、転入届を出しに事務室に行ったが、運悪く誰も居なく、職員室にも担任と学年主任は居なかった

他の先生に渡そうと思ったが、会長に渡した方が確実だと思いここへ来た次第だ

「ふむ……そうか、なら私から渡しておこう」

会長は転入届を一瞬だけチラリと見た後、机に置き、生徒会室のドアを睨むように見た

「……盗み聞きとは気に入らんな……なぁ、天宮花鈴」

6 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/04(日) 20:44:29.83 ID:BberL7yho

「す、すいません！つい生徒会長さんがどんな方なのか気になって……」

生徒会室のドアが開き、天宮さんが入ってきた

「それに転入届がどうなるのか気になって……」

「……まぁ、いい。そんな事より緊急会議だ」

会長がそう言うと天宮さんが申し訳なさそうに部屋を出て行こうとする

「おい、天宮」

天宮さんが足を止め振り返る

「……なんでしょうか？」

「なんでしょうか、じゃないだろ。誰が部屋から出ていいと言った？」

会長が怪しげに笑う

……はっきり言ってかなり怖い。鳥肌がたった

「えっ……私、ここに居なきゃダメなんですか？」

「当たり前だ。なんせ今からの会議はお前も関係あるんだからな」

天宮さんが、やる気のない顔で笑った

「……わかり、ました……」

天宮さんは静かに席についた

7 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]：2011/12/04(日) 20:56:35.19 ID:bp88D2aSO

期待

8 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/04(日) 21:08:50.89 ID:BberL7yho

「……さて、君達に集まってもらったのは他でもない天宮についてだ」

「天宮、お前は将棋が指せるよな？」

「……はい、まぁ……」

「そしてお前も将棋ができるよな？」

「えっ……僕ですか？」

予想外の呼びかけに少し戸惑う

「他に誰がいると言うんだ？」

「まぁ……はい、少しだけならできますよ」

俺がそう言うと会長はニカッと笑い、こう続けた

「俺たち三人で、将棋の県大会にでる！」

そう言うと凄いドヤ顔をした

「県大会……なんでそんな事を？」

「実は優勝賞品が【ゆりあ人形(現物大)】なんだよ！」

「「ゆりあ人形だと⁉(ですって⁉)」」

おもわず大きな声で驚嘆してしまう

「ゆ、ゆ、ゆ、ゆりあ人形って言ったら、あの【魔法少女ゆりあってぃ】のあのゆりあですか⁉」

天宮もかなり驚いているらしく、呂律が所々回っていない

「そうだ、それが三つもらえる……つまり一人につき一つだ。どうだ悪くないだろ？」

魔法少女ゆりあってぃーー


それは日曜の朝の七時からやっている女の子向きのアニメである

しかし、バトルシーンや武器のマイナーな点が一部のマニアから好評を受け、今では女の子より女子高生や男性の方が受けがよくなっている

ちなみに俺もこのアニメが大好きだ

「た、確かに出る価値はあるわね……わかりました、私出ます！」

先程のダルそうな表情とは打って変わって、明るい表情の天宮がそう叫んだ

「よしよし……お前はどうだ？出るか？」

「もちろん出ますよ。ゆりあってぃの原寸大の人形なんて凄いプレミアムですからね」

9 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/04(日) 21:24:44.88 ID:BberL7yho

落ち着いた表情でそう言った俺だが、内心はかなりウキウキしていた

なんせゆりあってぃの原寸大人形だ

ただでさえグッズが少ないのに、かなりのプレミアムグッズが手に入るなんて……

「よし、そうかそうか。話が早くて助かる……そう言えば自己紹介がまだだったな。俺は斎藤由美、高3だ」

「……僕は上坂竜也、高2です」

俺が自己紹介を終えると、会長は腕を大きく広げた

「……何をぼーっとしてるんだ？円陣だろ？」

そう言って会長はまたニカッと笑った

「……県大会、がんばるぞー！」

「「「おーっ！！」」」

「……そういや、そのビニール袋は何だ？」

汚物を見る様な目で、会長は俺が手に持ったビニール袋を見た

「あー……唐翌揚げ弁当ですよ。いりますか？」

「唐翌揚げ弁当か……よし、みんなで食べるか！」

10 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/04(日) 21:47:31.67 ID:BberL7yho

……ガチャ

玄関の扉をゆっくりと開ける

「……ただいま」

誰もいない自宅に俺の声だけが響いた

母さんも父さんも、実験の結果を発表しにアメリカの大学まで行ったから当分の間は帰って来ないだろう

リビングには行かずに自分の部屋に向かう

……今日は疲れたし、冷蔵庫の中が空っぽだし晩御飯はあいつの家で食べさせてもらおうかな

カバンをベットに放り投げて、すぐに自分の部屋を出る

そして今度はリビングへと行き、電話の受話器を手にとった

ピ、ポ、パ、ポ、ピ……トゥルルルル……トゥルルルル……ガチャ

『はい、もしもし〜』

「あ、春華さんですか？」

『なんだ、竜也君か〜。どうしたの？』

電話の向こう側には幼馴染の【綾波彩】のお母さんの【綾波春華】さんがいた

「いやー、実は冷蔵庫の中が空っぽでして……」

『あらあら……晩御飯、食べに来る？』

「ありがとうございます。今からいっていいですか？」

『もちろんよ〜、よーし、今日はオバさん頑張っちゃうぞ〜！じゃあね！』

ブチッ

……やっぱり困った時の春華さんだ

俺は受話器を戻し、足早に家から出て行った

11 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/04(日) 21:54:05.28 ID:BberL7yho

ピーンポーン

『……はーい！』

ガチャ

「やほー！たつくん、こんばんわ！」

「うん、こんばんは」

家から彩が嬉しそうに出てきた

「さぁー、こちらへどうぞ！晩御飯は出来てるよ！」

そう言って彩は足早にリビングへ行った

「……おじゃましまーす」

小さく呟くようにそう言いながら、玄関をあがった

12 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/04(日) 22:04:25.26 ID:BberL7yho

「今日は美味しい、美味しい唐翌揚げですよ〜」

春華さんが両手に皿を持ちながら早足でこちらに来る

「わ〜！唐翌揚げだ〜！やた〜！」

彩は嬉しそうにそう言って、両手を合わせた

「いただきます！」

「……いただきます」

俺も後を追うように手を合わせ、いただきますをした

「どう？おいしい？」

「美味しいよ〜！」

「はい、おいしいです」

「そう、よかった〜」

春華さんは嬉しそうに笑い、席に着く

「じゃあ、私もいただきます」

13 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/04(日) 22:08:59.82 ID:BberL7yho

〜キャラ説明〜

上坂 竜也(こうさか たつや)

17歳 5月17日生まれ A型

緑ヶ丘高校に通う高2の男子

綾波彩と斎藤由美とは昔からの付き合い

いつからか軽度の女性恐怖症になっている

母親と父親は生物学者でよき家をるすにする

14 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/04(日) 22:21:35.52 ID:BberL7yho

天宮 花鈴(あまみや かりん)

16歳 1月28日生まれ A型

文高から緑ヶ丘高校に転入した偏差値70の天才少女

父親と母親は自営業の医者である

幼い頃、将棋を習っていた事があり腕は確かなもの

15 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/04(日) 22:25:06.33 ID:BberL7yho

斎藤 由美(さいとう ゆみ)

18歳 9月3日生まれ AB型

偏差値60、マラソン県大会準優勝などといったマルチな好成績を持つ

生徒会長を務める

余談だが上坂竜也が副会長になったのは斎藤の推薦のせいである

上坂竜也とは昔からの付き合い

16 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/04(日) 22:26:50.03 ID:BberL7yho

みす訂正

斎藤 由美(さいとう ゆみ)

17歳 9月3日生まれ AB型

偏差値60、マラソン県大会準優勝などといったマルチな好成績を持つ

生徒会長を務める

余談だが上坂竜也が副会長になったのは斎藤の推薦のせいである

上坂竜也とは昔からの付き合い

17 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/04(日) 22:31:08.28 ID:BberL7yho

綾波 彩(あやなみ あや)

16歳 4月16日生まれ O型

父親は自衛隊なので家に帰る事は少ない

上坂竜也とは昔からの付き合い

緑ヶ丘高校にギリギリのラインで入った

はっきり言っておバカさん

穏やかなおっちょこちょい

18 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/04(日) 22:34:33.28 ID:BberL7yho

……バサッ

布団に身を投げ出す

「……ふぃー」

やはり風呂上がりスグに布団に寝転がるのは気持ちがいい……

……電気、付けっぱなしだけどもう寝ようかな……

……
…………
………………
……………………

19 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/04(日) 22:35:54.26 ID:BberL7yho

今日はここでお暇とします

スレタイがあれなんで人が来るか不安なんですが……まぁ、頑張って書いて行くのでよかったら見て行ってください

20 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/04(日) 22:57:04.22 ID:BberL7yho

めんどうなので酉つけます

21 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]：2011/12/04(日) 23:18:41.38 ID:bp88D2aSO

乙

楽しみにしてるよ

22 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/05(月) 08:40:23.81 ID:cSB378+IO

……ピピピピ……ピピピピ……

「……んぅー……」

薄い布団から手だけをだして目覚ましをとめる

「……そういえば月曜日だったけ」

布団の中でモゾモゾと呟きながら、寝起きの頭を働かせた

……なんとかして、布団から出ずに学校に行けないだろうか？

そんなバカな事を考えていると、玄関ベルが鳴った

ピーンポーン

慌てて布団から出て玄関に向かう

「……はーい！」

少し息を荒立てながら、玄関の扉を開く

「おーっす……って、まだ服を着替えてなかったのかよ、早く着替え汁」

そこには、吉沢浩介がいた

「……なんだよぉ、お前か」

ガックシと肩を落とす

急いで来た結果がこれだ

「うは、やめて、ガッカリしないでーテラワロス」

浩介は表情を一切変えずに俺を急かす

「……わかった、ちよっと待ってろ」

そう言って俺は玄関を後にし、自分の部屋へと向かった

23 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/05(月) 08:40:53.73 ID:cSB378+IO

……
…………
………………
……………………

ガチャ

「待たせたな」

「待たせられますた」

玄関の扉を開けると浩介が無表情のままいた

「……そういえば、由美と彩は？」

いつもならいるんだが……あたりを見渡してみても見当たらない

「斎藤氏は転入生がどうとか言って先に行ったよ。綾波氏は二度寝するから後で来るって」

「……そうか」

あいつららしいな……つい頬が緩んでしまう

「早く行こう、今日は日直だから朝の日誌を取りに行かないといけないし」

「おっ、そうだったのか。じゃあ行くか」

24 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/05(月) 08:41:23.33 ID:cSB378+IO

〜キャラ紹介２〜

綾波 春華(あやなみ はるか)

??歳 ?月?日生まれ O型

綾波彩の母親

生年月日が不明なのは、彩以外に知られたくないから。との事です

綾波 草太(あやなみ そうた)と20年前に結婚

25 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/05(月) 08:41:51.18 ID:cSB378+IO

〜キャラ紹介２〜

綾波 春華(あやなみ はるか)

??歳 ?月?日生まれ O型

綾波彩の母親

生年月日が不明なのは、彩以外に知られたくないから。との事です

綾波 草太(あやなみ そうた)と20年前に結婚

26 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/05(月) 08:42:28.50 ID:cSB378+IO

連没ミス
吉沢 浩介(よしざわ こうすけ)

17歳 6月12日生まれ AB型

上坂とは中学で知り合った

ネット内ではちょっとした有名人

ちなみに上坂のクラス、２年Ｂ組の男子は上坂と吉沢だけである

27 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/05(月) 19:19:17.63 ID:6nvJ6q0zo

「……じゃあ、僕は日誌を貰いに行くから先に行ってて」

靴を履き替えた浩介がそう言って職員室に急ぎ足で向かって行った

俺も教室に向かおうとする、が


ピンポンパンポーン

『２年Ｂ組の上坂竜也、生徒会室に来なさい』


校内放送で先輩の声が流れる

……はぁ、今日も呼び出しか

この頃、毎日のように先輩に呼び出されている気がする

「……はぁ」

小さくため息をついた後、俺は重い足をノシノシと動かし生徒会室に向かった

28 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/05(月) 19:42:41.11 ID:6nvJ6q0zo

ガチャ

「おう、来たか」

扉を開けると、そこには満面の笑みの先輩と、かしこまっている天宮さんが居た

「……今日は何の様ですか？」

いつもの席に座り、机を見た

「無論、将棋の大会についてだ」

机に置かれていたのは将棋の駒だった

「ここにある飛車は天宮、王将は俺、歩兵は上坂を表している」

「俺、歩兵なんですか……」

肩を落とす

歩兵って……最弱じゃないか……

「そう落胆する事はないんじゃないかしら？」

落ち込んだ俺に天宮さんが慰める

「歩兵は確かに弱い……でも角行、桂馬とは違いスグに動く事ができる……それに歩兵はと金になれる……使い方次第ではどの駒より強くなれる。それに圧倒的な数がある」

天宮さんが難しい顔をしながらそう言った

「そう、天宮の言うとうりだ。今のお前には実力はない。しかしだからこそ、成長の速度には期待をしている」

「……なるほど」

よくわからないけど、期待されているらしい

29 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/05(月) 22:36:14.22 ID:6nvJ6q0zo

今日はここまでです。すいません

明日はもっとかきます

30 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です) [sage]：2011/12/05(月) 23:24:39.74 ID:e7UJi5SSO

乙

31 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(不明なsoftbank) [sage]：2011/12/07(水) 21:31:33.88 ID:mZCQUDwGo

水曜日なんだが…
何かあった？

32 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/09(金) 17:53:41.84 ID:rvGRXsULo

すみません、インフルかかってました

つか現在進行形でインフルです

33 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/09(金) 17:54:34.39 ID:rvGRXsULo

「天宮は飛車……つまり期待と才能が大きい。そして俺は王将、期待はしていない」

そう言って会長は席を立った

「以上！各自精進するよーに！」

それだけ言うと、先輩は生徒会室を出ていった

「……精進て……なにすればいいんだよ」

自分の腕は高く見積もって5級程度

県大会にでるには未熟すぎる

「そうだ、じゃあ腕試しがてらに私と戦ってみる？」

そう言った天宮さんの声は少し興奮しているようだった

「時間があるし……いいけど……」

乗り気なその行動からして将棋上級者なのは見てわかる

「もしかして将棋経験者？」

俺がそう尋ねると天宮さんは胸を反り、待ってましたと言わんばかりの声で答えた

「小さい頃、だけどね。まだ腕は落ちてないと思うわ」

そう言いながら盤上に駒を並べていく

「ははは……」

俺の負けは確定と言う事か

少しやる気が下がったが、天宮さんが喜んでくれるならと頭を振る

「時間は無制限、私はハンデとして角を落とすわ」

そう言って自分側の角行を駒入れになおした

「……お願いします！」

「……お願いします」

こうして天宮さんとの将棋が始まった

34 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/09(金) 17:54:55.78 ID:rvGRXsULo

「……であるからしてぇー、この方程式わぁー」

静かな教室に教師の声とシャーペンの音が充満する

え？天宮さんとの将棋？惨敗に決まっている

普通に負ければ、特に何もなしで終わったのだが……まさか王将以外の駒を全部取られるとは予想外だ

そのおかげで授業には15分遅れで参加

そして遅刻の原因を作った張本人は今、後ろから俺の背中をシャーペンの後ろで突ついている

まぁ同学年なんだし同じクラスになるのはわかるが、まさか後ろの席に来るとは……

その時の担任の発言が「副会長が前にいるから、お世話になりなさいｗｗｗｗ」

最早お先真っ暗である


自分のノートを見てみる

途中まで綺麗に整理されてたそれは、今日の範囲からぐちゃぐちゃになっている

無論、後ろからの攻撃に肩が揺れて上手く書けないからだ

「やめてくれ」と小声で言ったりしてみたが、満面の笑みで「嫌」と言われた

こんな奴が偏差値70越えするなんて……神様は意地悪である

35 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/09(金) 17:55:56.20 ID:rvGRXsULo

キーンコーンカーンコーン

「あれぇ？もうチャイムなっちゃったぁー」

教師のあどけない一言で教室に張り詰めていた緊迫した雰囲気が解かれる

「じゃぁ、また明日ねぇ」

そう言って教師は教室を出て行った

「あー、疲れた」

後ろからの声に少しイラつきを覚える

「天宮さん、授業中にペンで突つくのやめてくれませんか」

「嫌」

「なぜ？」

「だって暇なんだもん」

……ふぅ、態度云々よりも昨日からの変貌にイラつきを覚える

お面はそのまま被っててほしい

「にしても、暇だよねー緑ヶ丘高校ってもうちょっと荒れてると思ってたんだけど」

「まぁ、会長が頑張ってるからね」

36 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/09(金) 20:09:20.60 ID:W6RBwL6Go

休みなさい
インフル治るまで休みなさい
無理はいけないから
舞ってるから(´･ω･`)

37 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/09(金) 20:16:18.96 ID:rvGRXsULo

>>36
ありがとう(´・ω・`)

38 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/09(金) 21:00:20.03 ID:0Ycj8ANOo

インフルとはお気の毒に
しっかり療養してまた来てね。乙

39 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/12(月) 19:08:30.01 ID:HQvHG5XAo

完全復帰

続き書いていきます

40 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/12(月) 19:37:11.70 ID:HQvHG5XAo

「会長ね……学校を統一してもおかしくない器の持ち主よね」

天宮さんは微かに頬をあげ笑った

「おや、上坂はとうとう彼女を作ったのか」

背後からの声に振り向くと無表情の浩介がいた

「この時代、彼女を作るのは御法度だぞ。しかも転校したての初心な娘を狙うなんて……」

浩介はメガネを人差し指であげた後、天宮を見てニヤついた

「……だれ？」

天宮さんが浩介を睨む

すると浩介「ふっ……」っと、小馬鹿にした笑いを浮かべ、睨み返した

「初めまして、吉沢浩介です。上坂とは中学に知り合いました」

いい終わると浩介は今度は俺を見た

「いや浩介、天宮さんは彼女じゃないから」

「うん、違うし」

天宮さんも大きく首を縦に振った

「……なんだ、違うのか」

浩介が少しだけ悲しそうな顔をする

「……冗談はここらでお暇して、上坂、今時間いけるか？」

冗談だったのかよ

おもわず眉間がピクピクと痙攣する

「……まぁ、特に用事はないが」

ないけど、今のお前の頼みは聞きたくない

そう言おうとしたのだが

「なら付いて来てくれ」

いう前に浩介に手を引っ張られ、その場から動いていたのであった

41 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/12(月) 20:05:41.61 ID:HQvHG5XAo

「……ここだ」

連れてこられたのは理科実験室だった

……っということは

「新しく、ロボットを開発したんだ。見てくれ」

だろうな

浩介は機械好きで、よく自作ロボットなどを作っているのだが、親が生物や機械の学者だからか俺にいつも見せてくるのだ

しかし俺も小さい頃に母さんの手伝いをしたくらいで、たいした知識はないのだが……

浩介は「それでもいいから見てくれ」と言うのだ

まぁ、迷惑ではないのでいいのだが

「今回の作品はこれだ」

そう言った浩介の手には金属ボディが剥き出しの犬型ロボットが持たれていた

「部品のスペックはこれだ」

そう言って犬型ロボットと一緒に紙を渡される

ふむふむ……人工知能と創使機能がついているのか

「……別に問題ないんじゃないか？普通に良作だと思うけど」

「何かアドバイスは？」

「……アドバイスねぇ」

本当に浩介が造るロボットはよく出来ている

俺がアドバイスする場所なんてないんだが……

「んー、スペック的には問題ないと思うけど、バッテリーはどうなってるんだ？」

「家庭用コンセントにプラグを指す形式だ」

「……それだとブレイカー落ちとか、ロボットがコードに引っかかったりしないのか？」

「……成る程、実用には向いてないということか」

実用って何に使うんだよ

突っ込もうとしたが抑える、面倒になりそうだからな

「……まだまだってことか。上坂、すまんな。貴重な休み時間を使わせてしまって」

浩介が軽く頭を下げる

「いやいや、こっちだって浩介が造るロボットを見るの楽しいしさ」

「……そうか、嬉しいぞ」

そう言って浩介は少しだけ笑った

42 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/12(月) 20:08:12.23 ID:HQvHG5XAo

創使機能とは

物の形状から品名を特定し用途を考えるのとは違い、物の形状から用途を考える比較的人間に近い物の考え方をする為の機能

2023年に上坂の父が開発した

43 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/12(月) 20:11:27.27 ID:HQvHG5XAo

休憩

44 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/14(水) 22:07:17.45 ID:X7vSN5aLo

休憩長くね？
インフルぶり返した？

45 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/14(水) 22:23:23.25 ID:JEWAYX9IO

>>44
いや、普通にサボってましたｽﾐﾏｾﾝ
VIPと違ってなかなかスレ落ちしないから、つい怠けてしまうんだなこれが

46 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/14(水) 22:27:52.94 ID:JEWAYX9IO

教室に戻ると何故か不機嫌な天宮さんがいた

「どうかした？」と聴いてみたが「べつに」とだけ返されて、後は気まずい空気だけが流れた

それから数分後、授業の開始のチャイムが鳴り、一時間目以上の力で背中を突つかれたのはいうまでもない

47 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/14(水) 22:44:30.30 ID:JEWAYX9IO

「昼休みだ！役員は全員生徒会室に集合しろ！」

昼休みに入って数分、私的な目的であろう先輩のアナウンスが学校全体に流れる

その声に耳を傾けたのは俺と浩介と天宮だけだが

天宮さんは「先生達は会長の事放置なの？」と不服な顔で呟いた

先輩のお陰で学校運営ができてるみたいなもんだからな

先輩は数々の賞を受賞している。この緑ヶ丘高校の生徒の大半は先輩が目的であろう

「……まぁいいわ、上坂くん、あなたも生徒会室に行くんでしょ？」

「まぁ、副会長だからね」

会長の雑用係みたいなもんだけど

「じゃあ私も行くわ」

何故かあたり前の様にそう言った

「いや、でも生徒会役員だけしか……」

「ダメなの？」

天宮さんが強めの口調で俺に言う

なんで俺が怒られてるんだ？理不尽だろ

「……じゃあくればいいじゃないですか、僕は知りませんからね」

「はい？知らないとかなんで無責任なの？」

責任を負う必要が全く見当たらないからです

「……まぁいいわ、会長はそんな事で一々いわなさそうだし」

そう言うと天宮さんは教室から出て行った

48 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/15(木) 07:30:33.24 ID:IDBcloFdo

>>45
やっぱり怠けちゃうよね

乙

49 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/15(木) 10:54:55.77 ID:/o5ER6oIO

生徒会室に入ると、先輩、浩介、彩が既にいつもの席に座っていた

天宮さんは会長の横のパイプイスに座っている

「……俺がベッタですか」

はぁ。と溜息をつく

浩介はいつの間に生徒会室に来てたんだよ

色々考えながら俺も自分の席についた

「今回諸君らに集まってもらったのは夏休みの合宿についてだ」

「合宿？そんなのあるんだ」

会長が天宮を睨む

慌てて彩が間に入る

「天宮さん、由香お姉ちゃんが喋ってる時は静かにしないと……」

ちなみに俺は同様の事件で先輩に腕の骨を折られた事が2回ある

「……すいません」

天宮さんは不服の表情で頭を下げた

「……合宿は生徒会役員と顧問でいく気晴らしみたいなものだ。それでどこに行きたいか案をとろうと思ってな」

合宿、っといえば響きがいいが要するに先輩が遠出するための言い訳である

今回は海に行きたいと言え！

こんな電話が一昨日先輩からかかってきたのは秘密である

「できれば海、山などといった具体的に言ってくれると助かる」

言い終わると、先輩はまず彩を見た

「彩、基、書記。行きたい場所はあるか？」

彩は少しだけ考え笑顔でこう言った

「山がいいのです！」

プチッ

先輩からこんな音が聞こえたのは気のせいではないだろう

50 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/15(木) 11:00:09.02 ID:/o5ER6oIO

「……次、浩介、基、会計。行きたいところはあるか？」

「合宿だから、県庁に見学に行くのはどうだろう。なにか人を導くコツがあるかもしれない」

……プチッ

「……最後に上坂、お前はどこだ？」

先輩が俺を睨む

恐らくここで山、とか県庁、とか言った日には帰宅できなくなるに違いない

「……海、ですかね」

俺がそう言うと、先輩はニカッと笑い、満足気に喋り始めた

「そうかそうか、では後日改めて抽選などで決めよう。今日の集会は以上だ、解散」

51 ： ◆rfJW8kTYmORH [sage]：2011/12/15(木) 11:00:39.54 ID:/o5ER6oIO

「浩介、なんで県庁とか言ったんだ？」

昼ご飯の菓子パンを頬張りながら尋ねた

「……僕、泳げないし」

浩介は集会が終わってからドンヨリしていた理由がこれだ

確かに泳げなかったら海は楽しくないよな

「海に行っても海の家以外のところに興味ないし」

浩介が珍しく頬を膨らませた

「……じゃあ、山って言えばよかったんじゃないのか？2票だから海に行かなくてすむじゃないか」

「虫、無理」

……こいつ、なめてやがる

52 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/16(金) 20:48:07.44 ID:QBAZ5H9qo

本日投下終了！みたいなのを投下最後に知らせてくれると嬉しい

53 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/26(月) 22:03:21.22 ID:FZdgv5NOo

どうした？今年は無理そう？

54 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) ：2012/01/26(木) 20:07:55.91 ID:X0pnLZ0Ao

失踪？

55 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/02/13(月) 13:59:27.06 ID:oJhhMQ3IO

もうだめそうだな