姉「弟くん、大好きだよ」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

Check Tweet

1 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:41:56.55 ID:heooh69O0

※エログロ表現あり

※コメディ要素なし、シリアス一辺倒です

※NTRあり、耐性の無い方は読むのを控えた方が吉です

※始終鬱展開

上記をご理解の上、良ければ駄文ですがお付き合い下さい

1.5 ：荒巻＠管理人★(お知らせ) [Twitter]： ID:???

【 このスレッドはHTML化（過去ログ化）されています 】

ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは１０００に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

諸君、狂いたまえ。 ＠ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714136403/

少し暑くて少し寒くて ＠ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 ＠ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 ＠ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 ＠ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする（´；ω；｀）part56 ばばあ化気味 ＠ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 ＠ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ ＠ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:42:38.03 ID:heooh69O0

〜36日目朝　男宅〜

男「おはよう……」

母「はい、姉ちゃん、朝ごはんの用意できてるわよ？」

父「ほぅ、今日の味噌汁は格段に美味しいじゃないか！」

姉「これで一日頑張れる気がするよー」

男（また俺の分の朝ご飯はなし、か……）

姉「ふー、ご馳走様！　それじゃいってきまーす！」

姉「ちょっと、邪魔！」ﾄﾞﾝｯ！

男「痛っ！」ﾖﾛｯ

母「姉ちゃん、いってらっしゃい！」

父「気をつけてなー！」

男「俺も行ってきます……」

母「……」

父「……」

男「チッ……」ｶﾞﾁｬﾝ

3 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:43:19.93 ID:heooh69O0

〜36日目朝　2年B組〜

男「おはよー」ｶﾞﾗｶﾞﾗ

　「…………」ｼｰﾝ

男「……」ｶﾞﾀﾝ

男（今日はまた落書きか……）ｺﾞｼｺﾞｼ

男「…………」

　「（ねぇねぇ、聞いた？）」ﾋｿﾋｿ

　「（男、まだ幼さんに付きまとってるってさー）」ﾋｿﾋｿ

　「（キモッ！　それストーカーじゃない？）」ﾋｿﾋｿ

男「…………」

4 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:43:56.10 ID:heooh69O0

〜36日目昼　購買付近〜

男（昨日から食事、このパン1個しか食べてないな……）ﾓｸﾞﾓｸﾞ

　「見ろよ、これ！　彼女の手作り弁当なんだぜー！」

　「いいな！　そのオカズよこせよ！」

　「誰が譲るか！」

男（弁当か、いつから作って貰えなくなったっけ……）ｼﾞｰ

　「うわ、あいつこっち見てるぞ……」

　「あいつ例のストーカーだろ？　今度は俺の弁当狙ってんのか？」

男「…………」ﾌﾟｲｯ

5 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:45:25.50 ID:heooh69O0

男（もう行こう……あれは？　幼だ……）ﾄｺﾄｺ


男「やぁ、幼……」

幼「ッ！　ちょっとアンタ！」ｷﾞﾛｯ！

男「なに……？」

幼「アンタさ、いくら幼馴染だからって、いいかげん付きまとうの止めてくれない？」

男「でも……」

幼「知ってるでしょ！　アタシDQNクンと付き合ってるの！　アンタ邪魔なのよ！」

　「（あー、また例のストーカーが幼さんに付きまとってんの？）」ﾋｿﾋｿ

　「（幼馴染だからって、振られた相手に付きまとうなんて最低だよねー）」ﾋｿﾋｿ

男「…………」

幼「黙ってないで返事しなさいよ！　もう付きまとわないで！　良い？」

男「ゴメン………」ｸﾙｯ　ﾄｺﾄｺ…

幼「チッ、アイツマジでキモい……っと、DQNクン待たせたら悪いから早く行かなきゃっ！」ﾀｯﾀｯﾀ


男（幼…………）

6 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:47:15.35 ID:heooh69O0

〜36日目昼　購買横自販機前〜

従姉「さて、今日は何飲もうかなー？」


従姉（あれ、男クンだ……1ヶ月ぶりに見た気がするなー）

従姉（それにあっちから来るの幼ちゃんだ、久しぶりに挨拶してこうかな？）ﾄｺﾄｺ


幼「……、…………、……？」

男「……」


従姉（あれ……？　もしかしてケンカしてるのかな？）ﾄｺﾄｺ


幼「……てる……！　アタシDQNクンと付き合ってる…！　……邪魔なのよ！」

　「……」ﾋｿﾋｿ
　
　「……」ﾋｿﾋｿ


従姉（え……？）

従姉（なんで？　幼ちゃんは男クンと付き合ってるんじゃなかったの……？）

従姉（それに別れたにしても、1ヶ月であんなに険悪に……？）

従姉（男クンも様子がおかしいし……何があったの……？）

7 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:47:56.72 ID:heooh69O0

〜36日目放課後　2年C組〜

従姉「あのー……」ｵｽﾞｵｽﾞ

　「はい？」

従姉「こちらのクラスに友クンいますか？」ｷｮﾛｷｮﾛ

　「いますよ、呼んできましょうか？」

従姉「お願いします！」ﾍﾟｺﾘ

　「はい、友クンー！　3年の先輩が呼んでるよー！」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ

友「あ……従姉先輩、お久しぶりです！」ﾍﾟｺﾘ

従姉「お久しぶり……ねぇ、ちょっと時間いいかな？」

8 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:48:53.46 ID:heooh69O0

従姉「実はね、聞きたいことがあるんだけど……」

友「もしかして、男のことですか？」

従姉「っ！　そう……なの。　今日の昼、こんなことが〜」


友「先輩も見たんですか……実はその通りなんですよ」

従姉「そんなはずないよね？　だって男クン、あんなに幼ちゃんと仲良かったのに……」

友「俺もそう思うんですけど、3週間くらい前から噂が立ってきたんです」

従姉「噂？」

9 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:49:25.20 ID:heooh69O0

友「幼さんが男を振ってDQNと付き合うことになった、振られた男は幼さんをストーカーしてるって……」

従姉「ウソでしょ？　だってあんなに仲良かったんだよ？　それに相手があの評判の悪いDQNくんって……」

友「俺も信じられないんですよ、でも男に聞いたらその通りだって言うし……」

友「その噂のせいで男はいじめに合うようになっちゃって、だんだん付き合いが悪くなっちゃったんです……」

従姉「男クンが認めたの……？」

友「はい、ただ幼さんは本気で男を毛嫌いしてる様子で、俺もうなにがなんだか……」

従姉「そっか、ありがと……忙しいところゴメンね？」

友「いえ、何かあればまた……」


従姉（一体何があったっていうの……？　これは男クンに話を聞く必要があるよね……）

10 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:50:22.10 ID:heooh69O0

〜36日夕方　公園〜

従姉「あ、男クン……久しぶりね、呼び出しちゃってゴメン」

男「いえ、久しぶりです、従姉さん」

従姉「一ヶ月ぶりくらいかな？　元気してた？」

男「えぇ、相変わらずですね、ちょっとダイエット成功して痩せたくらいかな？」


従姉（あぁ、以前と同じ男クンだ……学校では様子がおかしかったけど……）


従姉「ところでさ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」

男「なんですか？」

従姉「幼ちゃんのこと」

男「っ！　……」

11 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:50:52.37 ID:heooh69O0

従姉「ちょっと噂聞いたんだけどさ、男クン、幼ちゃんと別れたって本当？」

男「……本当です。　丁度前従姉さんに会ったすぐあとかな？　幼に好きな人が出来たって振られちゃって」

従姉「本当に？　だって相手ってあのDQNでしょ？　しかも幼ちゃん男クンを毛嫌いしてるって……」

男「ハハハ、未練タラタラで追い掛け回してたら嫌われちゃったみたいで……ハハハ」

従姉「ウソ……でしょ？」

男「本当ですってば……」

従姉「絶対ウソだよ！　だって男クンたちは……」

12 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:52:10.07 ID:heooh69O0

------------------------------------------------------------------------
-----------------------------------------------------------------------------

〜過去　商店街〜

従姉『あれ、男クン、幼ちゃん！』

男『従姉さん、こんにちは！』

幼『従姉さん、お久しぶりです！』

従姉『二人とも今日はデート？』

幼『そうなんです！　男ってば面倒くさがりだから無理やり引っ張りだしてきちゃいました！』

男『いいじゃん、別に幼の家で二人ゴロゴロしてるのも楽しいだろ？』

幼『でも、たまには外で映画見たり食事したりしたいんだもんっ！』

従姉『そうだよ、男クン！　色んなところに行って沢山思い出作らないと！』

幼『ま、まぁ本当は男が傍にいてくれたら何してても楽しいんだけど……さ』ﾃﾚﾃﾚ

男『お、おい！　恥ずかしいこと言うなよ！』ﾃﾚﾃﾚ

従姉『はいはい、ごちそーさま！　それじゃ楽しんでいらっしゃい？』

幼『今度は従姉さんも一緒に3人で遊びにいきましょーね！　それじゃーまたー！』

-----------------------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------------------

13 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:52:55.14 ID:heooh69O0

〜36日目夕方　公園〜


従姉（そうよ！　あんなに二人仲良かったのに！　だから、だから私は男クンのこと……）


男「確かに前はそうでした。　でも、幼は別に好きな人が出来たんですから……」

従姉「ウソ！　男クンはウソついてる！」

男「だからウソじゃ……っ！　従姉さん！」ﾎﾟﾌｯ　ｷﾞｭｰ！

従姉「ね、私そんなに信用できない？　そんなに頼りないかな……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

男「従姉さ…………従姉お姉ちゃん……」ｷﾞｭ

従姉「私は男ちゃん裏切らないから……だから、頼っていいんだよ……？」ｷﾞｭｰ！

男「……わかったよ、お姉ちゃん……」

従姉「男ちゃん……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

14 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:53:41.73 ID:heooh69O0

男「お姉ちゃん、二つだけお願いしてもいいかな？」

従姉「何をすればいいの？」

男「一つ目、これから何が起きてもボクを信じて、何も聞かないで見守っていてください……」

男「二つ目、これから毎日、この公園でボクと会ってくれますか？」

従姉「それだけでいいの……？」

男「それがボクにとっては一番大事なお願いなんだよ……」

従姉「いいよ、約束する……だから、男ちゃんも私を信じて、ね？」ｷﾞｭｰ

男「……お姉ちゃん、ありがとう……」ｷﾞｭ

15 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:54:18.98 ID:heooh69O0

〜36日目夜　男宅〜

男「……ただいま」

母「……」

父「……男、貴様こんな遅くまでどこほっつき歩いていた！」

男「……別に」

父「口答えするなっ！」ﾊﾞｷｯ

男「痛っ！」ﾖﾛｯ

母「もう夕食は終わったし、アンタの分はないから」

男「……わかった」ﾄﾀﾄﾀﾄﾀ

姉「あ、お母さん！　私今から少し出かけてくるからー！」

母「あらそうなの？　行ってらっしゃい！」

父「最近は物騒だからな、気をつけて行ってくるんだぞ！」

姉「はーい！」ｶﾞﾁｬ　ﾀｯﾀｯﾀ


男（姉貴、出かけるのか……）

16 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:55:26.77 ID:heooh69O0

〜36日目夜　姉部屋〜

男（うちの家の部屋の鍵はコインで開くから……）ｶﾞﾁｬ

男（念願の姉貴の部屋だ、なかなか小奇麗にしてるじゃないか……ククク）

男（さーて、楽しい家捜しと参りますか……フヒヒ）ｶﾞｻｶﾞｻ

男（さて、引き出しはっと……あらあら、彼氏とのプリクラかな？）ｺﾞｿｺﾞｿ

男（こっちの引き出しはっと……おっ！　ゴム発見！　フヒヒヒ！）ｶﾞﾀｶﾞﾀ

男（タンスは……ほほぅ、なかなか色っぽい下着をお持ちで……）ｸﾝｸﾝ

男（ゴミ箱は……おやおや、使用済みのゴムが3つも！　彼氏どんだけ絶倫だよｗｗｗ）ｶﾞｻｶﾞｻ

男（さてさて、最後はパソコンかなー？　おやおや、こんなに沢山メールしちゃって）ｶﾁｶﾁ

男（このフォルダは……うわぁ、姉貴エロいな、こんなにエロ動画貯めこんでどうすんだ！）ｶﾁｶﾁ

男（ヒャッハー！　堪能しました！　今日の収穫は充分だ！　さて、片付けて……）

17 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:55:56.53 ID:heooh69O0

姉「ﾀﾀﾞｲﾏｰ！」

男「っ！」ﾋﾞｸｯ


男（マズイ！　片付けは間に合わない……！　こうなったら……）ﾇｷﾞﾇｷﾞ

男（そしてこいつを尻に突っ込む！）「ん……アフン♪」

男（最後にこのエロ下着を履いて……！　って俺ナニやってんだ！　フヒヒ！　フヒヒヒ！）

男（うわぁ、姉貴、姉貴が帰ってくる！　ドキドキが止まらねぇ！　フヒヒヒヒ！）

18 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:57:22.76 ID:heooh69O0

姉「あー、疲れたっと」ｶﾞﾁｬ

男「…………」

姉「あ？」

男「…………フヒヒｗｗｗ」

姉「っっっ！　ナニこいつ！　このド変態！　アタシの部屋で裸になってナニしてやがる！」

男「フヒヒ、ご覧の通りですよ、フヒヒヒヒ！」

姉「死ね！　キモい！　お前狂ってんのか？」ﾊﾞｷｯ！　ｹﾞｽｯ！

男「姉貴！　見て！　見ててくれよ俺のオナニー！　フヒフヒヒヒヒヒ！」

父「姉、どうした！　なんだこれは！」

母「姉ちゃん、大丈夫なの！」

父「この変態が！　なにを！　しているんだ！」ﾄﾞｶﾞｯ！　ﾊﾞｷｯ！

男「痛っ！　フヒッヒヒヒッヒヒ！　フヒヒヒヒヒヒヒ！」

19 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:58:10.68 ID:heooh69O0

〜36日目深夜　男部屋〜

男「…………痛ぇ……」ｽﾞｷｽﾞｷ


男（まさか姉貴があんなに早く帰ってくるとは……一生の不覚でござった、フヒヒ）

男（しかし、引かぬ！　媚びぬ！　省みぬ！　日課の作業に移るでござる、フヒヒヒ）ﾌﾞｰﾝ


男「さて、今日は面白いのがあるかなー？」ｶﾁｶﾁ

　　・姉「そうねぇ…３万でどぉ？」
　　・姉「弟を殺す」
　　・姉「私のおっぱいに興味ある……？」
　　・姉「……オナニーしてたら大変な事になった」
　　・幼馴染「いいよ、オカズに使っても」

男「ほほぅ、なかなか面白そうでござるｗｗｗござるｗｗｗ」ｶﾁｶﾁ

男「…………」ｶﾁｶﾁ

男「それでは、最後に余韻に浸りつつ……ふぅ」ﾌﾞｰﾝ

男「さて、寝るか……」ｶﾁｯ

20 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 00:59:59.90 ID:heooh69O0

〜37日目朝　男宅〜

男「……おはよう」

姉「…………」ｷﾞﾛｯ

母「…………」

父「…………」

男（まぁ、朝ご飯用意してあるわけないよな……）

男「……行ってきます」

父「……待て、男」ｶﾞｯ

男「……なに？」

父「貴様、昨日のこと忘れてはいないだろうな？」

男「……別に」

父「貴様のような変態、危険で家に置いておけん。　今日限り戻ってくる必要はない！」ﾊﾞｷｯ！

男「痛っ！　……わかった」ｶﾞﾁｬﾝ　ﾄﾀﾄﾀﾄﾀﾄﾀ

21 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 01:01:23.97 ID:heooh69O0

〜37日目昼　購買前〜

男（一日ぶりのメシだ……パン一個だけど）ﾓｸﾞﾓｸﾞ

？？？「おい、男！」ｶﾞｼｯ！

男「……？」

DQN「てめぇ、いつまで俺の幼に付きまとうつもりだ！」ﾊﾞｷｯ

男「痛っ！　……別に」

DQN「幼も言ってんだろ！　キモいんだよ！　このストーカー野郎が！」ﾄﾞｶﾞｯ　ｶﾞｽｯ

男「……フヒヒ！」

DQN「んだ？　コイツ……バカにしてんのかよ！」ｶﾞｽｯ　ﾎﾞｶｯ

幼「あ、DQNクン！　なになに！　ストーカー退治してくれてるの！」

DQN「おうよ！　お前に付きまとう奴は俺が追い払ってやっからよぅ！」ﾊﾞｷｯ　ｶﾞｽｯ

幼「さーっすがDQNクン、かっこいいー！　ｷｬﾊﾊ、なにコイツ、喜んでんの？」

男「フヒヒヒ！　もっと！　もっと殴ってくれ！　フヒヒヒヒヒ！」

DQN「なんだ？　マゾかよ！　マジ気持ち悪いな！　オラ、もう近づくんじゃねぇぞ！」ﾊﾞｷｯ　ｹﾞｽｯ

男「フヒ、フヒッヒヒヒィ！　アッ、アフン！　フヒヒヒヒヒヒ！」

22 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 01:03:01.44 ID:heooh69O0

〜37日目昼　購買横自販機前〜

　「（ちょっと、ナニあれ……）」ざわざわ……


従姉（あれ……また騒ぎが起きてる……？）


　「（あれ、ストーカー男でしょ？　ナニあいつ、Ｍなの？）」ﾋｿﾋｿ


従姉（え……男クンのこと……？）ﾀｯﾀｯﾀ


DQN「なんだ？　マゾかよ！　マジ気持ち悪いな！　オラ、もう近づくんじゃねぇぞ！」ﾊﾞｷｯ　ｹﾞｽｯ

男「フヒ、フヒッヒヒヒィ！　アッ、アフン！　フヒヒヒヒヒヒ！」


従姉（男クンが殴られてる！　それに……あれって例のDQNじゃないの！）


幼「もういいよー、そんなキモいの放っておいてさっさと昼ご飯食べよ？」

DQN「そだな、男！　わかったな！」

男「フヒ！　フヒヒヒヒ！　もっと、もっと！　フヒヒヒヒヒヒヒ！」


従姉（っ！　ウソ……あれが男クン？　様子がおかしいどころじゃないじゃない！）


　「（おい、誰か先生呼んでこいよ、アイツマジおかしいぜ？）」ﾋｿﾋｿ


従姉（マズイ！）


従姉「男クン！　大丈夫？　ホラ、こっち来なさい！」ｸﾞｲｯ！

男「フヒヒ、フヒヒヒヒヒ、ヒヒ……ヒ……」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ

23 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 01:03:36.58 ID:heooh69O0

〜37日目昼　屋上〜

従姉「男クン、大丈夫……？」

男「……大丈夫」

従姉「……本当に何があったの？　DQNにあんなに暴力振るわれて、幼ちゃんは横で笑ってるし……」

男「…………」ｸﾞｰｯ

従姉「……男クン、お腹減ってるの？」

男「……一昨日から昼ご飯のパン以外何も食べてないから……」

従姉「なにそれ！　そんなの保つわけないじゃない！　ホラ、これ食べて！」ｽｯ

男「……従姉さんは……？」

従姉「私は一食抜くくらいで丁度いいの！　ホラ！」

男「……ありがとう」ｶﾞﾂｶﾞﾂﾑｼｬﾑｼｬ！


従姉（男クン……本当にどうしちゃったの……？）

24 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 01:04:15.06 ID:heooh69O0

〜37日目夕方　公園〜

男「従姉さん、来てくれてありがとう……」

従姉「うん、約束守るのは当たり前じゃない……」

男「ううん、すごく嬉しいよ……」


従姉（今の男クンは昔から知ってる男クンだけど……でも昼のアレはなんなの……？）


男「どうしたの？　従姉さん、難しい顔してる……」

従姉「ねぇ、男クン……本当に何があったの？」

男「それは……聞かない約束だよね？」

従姉「でも……昼の男クンは明らかにおかしかった！　何が男クンを変えちゃったの？」

25 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 01:04:43.22 ID:heooh69O0

男「……」

従姉「あんな男クン、私見てられないよ……精神的におかしくなる寸前じゃない！」

男「……そうだね、自分でも狂い始めてるのは自覚してる」

従姉「だったら！」

男「自覚してるけど、もう少し……もう少しなんだ」

従姉「何がもう少しなの？」

男「……もう、少しなんだ。　ゴメン従姉さん……もう少しだけ、待って欲しい」

従姉「男ちゃん……」ｷﾞｭｰ

男「……お姉ちゃん……」

従姉「本当に、もう少しなのね？　それまで男ちゃんは大丈夫……なのね？」ｷﾞｭｰ

男「……うん、きっと……お姉ちゃんが居て、くれるなら……」ｷﾞｭ

26 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 01:05:56.56 ID:heooh69O0

〜37日目夕方　幼宅〜

男（さて、本日は久しぶりに幼の家にやって参りますた！）ﾄｺﾄｺ

男（幼の家って実は裏口と庭側の窓、いつも鍵かけてないのでござる！）ｶﾁｬ　ｷｰ…

男（そして、我が手には……ﾃﾃﾃﾃｰﾝ！　バイト代で買った高性能ビデオカメラ〜）ｳｨｰﾝ

男（さぁ、禁断の聖地へ参りまするぞ、皆々様方……！　フヒヒヒヒ！）ｷﾞｼｯ　ｷﾞｼｯ　ｶﾁｬｯ


幼「……ん……はぁ、ん……」ｷﾞｼｷﾞｼ


男（フヒヒ！フヒヒ！　これ、これだよ！　これを見たかった！　フヒヒヒヒ！）ｳｨｰﾝ


DQN「……どうだ……幼……気持ちいいか……」ｷﾞｼｷﾞｼ

幼「あ……DQNクンの……おっきくて……いっぱいだよぅ……」ｷﾞｼｷﾞｼ


男（フヒヒ！　幼が！　あんな気持ちよさそうな顔をして！　フヒヒヒヒ！）ｳｨｰﾝ

27 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 01:08:51.03 ID:heooh69O0

DQN「一気に動くぞ……ふ！　……ふ……んっ……！」ｷﾞｼｯ　ﾊﾟﾝﾊﾟﾝﾊﾟﾝﾊﾟﾝｯ！

幼「ダメッ！　はげしっ！　アッ！　んッ……んはぁっ！」ｷﾞｼｯ　ﾊﾟﾝﾊﾟﾝﾊﾟﾝﾊﾟﾝｯ！


男（ゲヒャヒャ！　すげぇ！　すげぇぞ！　幼が！　あの幼が！　フヒャヒャヒャハハ！）ｳｨｰﾝ


DQN「おい……もう、出るぞ……どうして欲しい？　ほらっ言えよっ！」ｷﾞｼｷﾞｼｯ！　ﾊﾟﾝﾊﾟﾝﾊﾟﾝｯ！

幼「抜いちゃヤダ！　中に、中に出してぇ！　DQNクンの子孕ませてよぅ！」ｷﾞｼｯ　ﾊﾟﾝﾊﾟﾝﾊﾟﾝッ！

DQN「よし、中でイくぞっ！　オラッ腰上げろ！　ふ……クッ！」ｷﾞｼｯ　ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ…ﾋﾞｭｸｯ！　ﾄﾞｸﾝｯ！

幼「ハァン！　中にクるっ！　んぁっ！　中出しで、イ、くぅ……ファアン！」ﾋﾞｸｯ！　ﾌﾟｼｬｧｧｧ！


男（ヒャハハグヘギャハハ！　イったぞ！　幼が中出しでお漏らししやがった！）ｳｨｰﾝ　ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

男（ヒヒヒフフグヒャヒャヒャヒャハハハ！　ハハハｈ、ｍｗくぃｐ！）ｳｨｰﾝ　ﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛ……

28 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 01:09:40.06 ID:heooh69O0

〜37日目夜　友宅〜

友「男、いきなり電話してきたと思ったら泊めてくれとか、何があったんだよ？」

男「大したことじゃないさ……ちょっと家に帰りづらくてね……」

友「また姉さんとケンカでもしたか……？　ほら、コーヒー飲め」

男「サンキュ……まぁ、そんな感じ……かな？」ｽﾞｽﾞｽﾞ


友（こいつ、ずいぶん痩せてしまってるし、顔つきも変わって来てる……）


友「なぁ、その、幼さんのことだけどさ……」

男「ん？　幼がどうかしたか？」

友「この前従姉先輩にも話聞かれたけどさ、やっぱ俺信じらんねぇわ……」

男「んでも事実だからなぁ……お前だって見たろ？」

友「……あぁ、幻覚でも見たかと思ったぜ……」

男「ま、そういうこった」

29 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 01:10:16.60 ID:heooh69O0

友「なぁ、もうお前を捨てた女とか忘れてさ、楽にならねぇか？」

男「どういう意味だ？」

友「わかってるんだろ？　今のお前……明らかに外見すら変わって来てるぜ？」

男「……そう、だな……」

友「……ごめん、お前が一番わかってるよな、自分のことなんだから……」

友「もう俺は何も言わないさ、ただ、お前のことを心配してるってことは忘れるんじゃねぇぞ？」

男「……サンキュ」

30 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 01:12:27.51 ID:heooh69O0

本日は以上です。

明日の朝38・39日目、夕方か夜に40日目で終了予定です。

31 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/10(土) 01:16:49.01 ID:PKXwyCpMo

乙〜
NTRがどこまで及ぶのか。そこがｶﾞｸﾌﾞﾙワッフル

32 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:33:36.91 ID:heooh69O0

おはようございます。

予定通り38・39日目分投下します。

>>31　テーマが男は狂いながら何を成し遂げるか、なので
NTR対象は幼ひとりです、ゴメンナサイ（汗

33 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:34:09.62 ID:heooh69O0

〜38日目朝　友宅〜

男「あー……おはようさん」

友「お、起きたか……お前、土曜だからといって寝すぎだぜ？」

男「わりぃ、余りにもお前との添い寝が気持ちよすぎてな……」

友「うわ、気持ち悪ぃこと言ってんじゃねぇよ……ほら、朝メシ食え」

男「サンキュ……（朝メシなんて何ヶ月ぶりだ……？）」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

友「で、お前今日はどうするんだ？　俺は予定ないからうちに居てもいいけど」

男「んー、昼から用事あるから出かけるわ」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

友「そっか……気分転換も必要だもんな！　夜はどうする？　また泊まるか？」

男「いや、今日は別のトコ泊まるつもりだ……お前にこれ以上迷惑かけられん」

友「ばーか、俺達親友だろうが！　気にすることはないんだぜ？」

男「……マジで嬉しいわ……ただ、今日は大丈夫だ」

友「わかった、でも何かあれば電話しろよ？　本気で心配してんだからな？」

男「持つべきは親友と優しい従姉、だな……」

34 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:34:41.18 ID:heooh69O0

〜38日目昼　商店街〜

男「〜という感じですね……さて、喉渇いたしそこの喫茶店でも行きますか？」

女「そうねー、久しぶりに会ったんだし、今日はじっくりとお話でもしよっか？」

男「ははっ、なかなか時間取れなくて済みませんね……全く甲斐性なしだから、俺」

女「なに言ってんの！　アタシは頑張り屋さんの男クン、好きよ？」

？？「オイ、てめぇ！」

男「っ！　……まさか、こんなとこで出会うとはね……」

女「誰？　この不躾な女……あぁ、噂のアンタのお姉ちゃんじゃない」

姉「てめぇ、あんな真似して良く私の前に顔出せたものね！」

35 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:37:26.27 ID:heooh69O0

ﾁｬﾗ男「姉ー、ダレよ、こいつ？」

姉「アンタにも話したでしょ？　アイツよ、あの変態な弟！　ホント気持ち悪ぃ！」

ﾁｬﾗ男「プッ！　コイツかよ、お前の部屋に忍び込んで変態オナニーやってたってバカは！ｗｗｗ」

ﾋｮﾛ男「アレだろ？　お前の部屋でお前の下着着て、気持ち悪く喘いでたって奴だろ！ｗｗｗ」

女「なぁに、男クン……そんなことしたわけ？　だから誤魔化してたのね……フフッ、面白いわ」

男「うわぁ、だから言いたくなかったのに……でも、良い感じでしょ？」

女「アンタ最高、特別に90点あげる！　ホント、うちのヘタレもこれくらい出来ればなぁ！」

姉「おい、無視してんじゃねーよ、このド変態！　それになんだその女？　まさか彼女とか？」

女「そうだけど何か？　男クンと付き合うのにアンタに許しを得る必要ないと思うけど？」

男「ハァ……言い過ぎですよ、女さんってば……」

36 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:38:13.54 ID:heooh69O0

ﾁｬﾗ男「おいおい、聞いたかよ！　こんなド変態と付き合うなんて、この女も変態か？ｗｗｗ」

ﾋｮﾛ男「顔と体は良いのに、頭ン中は腐ってやがるぜ、ギャハハハハハ！ｗｗｗ」

女「うーん、アタシ実際腐ってるし反論の余地がないなぁ、困ったことに……」

姉「んだよ、男と同類かよ……気持ち悪ぃ、ﾁｬﾗ男！　せっかくだから男ボコってよ！」

ﾁｬﾗ男「おー、いいぜ！　お前にキモいもんみせた罰与えとかねぇとな！」ﾌﾞﾝｯ

女「あらあら、乱暴な子は嫌われるわよ……男クンに手出すとか、良い度胸ね！」ﾊﾟｼｯ！　ﾊﾞｷｯ！

ﾁｬﾗ男「痛っ！　グッ……」ﾄﾞｻｯ

ﾋｮﾛ男「お、おいﾁｬﾗ男！　なんだこの女、メチャクチャ強ぇぞ！」

女「そっちの子もやる？　アタシ出来れば女の子には手を出したくないんだけどなー」ﾋﾗﾋﾗ

姉「チッ、クソッ！　おい男、てめぇ今度会ったらマジで殺すからな！　行くよ！」ｸﾙｯ　ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ

ﾁｬﾗ男「チッ、女、てめぇの顔覚えたからな！」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ

ﾋｮﾛ男「……」ﾍﾟｯ　ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ

37 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:39:29.47 ID:heooh69O0

女「まったく、馬鹿の相手は疲れるわねぇ……そっか、男クン、アイツらが原因ってわけねー」

男「元凶はうちの姉ですけどねー、さて、お礼に奢りますからコーヒーでも飲みませんか？」

女「アタシ、ドクペ派なんだけどなー……　ま、コーヒーで妥協してあげるわ、その代わり……」

男「はいはい、さっきの話を聞かせろ、ですね？　うわー、メチャクチャ説明したくない……」

38 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:40:46.55 ID:heooh69O0

〜38日目昼　商店街〜

従姉（今日の晩御飯はカレーだから、あとはニンジンと……）

？？「……！　…………！」

従姉（あれは……男クン！　最近良く見かけるわね……）


ﾁｬﾗ男「姉ー、ダレよ、こいつ？」

姉「アンタにも話したでしょ？　アイツよ、あの変態な弟！　ホント気持ち悪ぃ！」


従姉（…え？　あれが姉ちゃん……？　あんなひどい口調で話してるの初めて見た……）

従姉（それに何、あの男の人達……感じ悪い……姉ちゃん、あんな人たちと付き合ってるの？）


姉「おい、無視してんじゃねーよ、このド変態！　それになんだその女？　まさか彼女とか？」

女「そうだけど何か？　男クンと付き合うのにアンタに許しを得る必要ないと思うけど？」


従姉（……っ！　あの女の人が、男クンの彼女……？　どうなってる、の……？）ﾄﾞｻｯ

従姉（……本当に男クンの周りで何が起こってるの……？）

従姉（男クン……信じて、いいんだよね……？）

39 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:42:18.87 ID:heooh69O0

〜38日目夕方　公園〜

従姉「男クン……いらっしゃい」

男「従姉さん……休みなのにわざわざゴメンね？」

従姉「ううん、男クンの為だもの……　ところでさ、今日のお昼のこと……」

男「っ！　まさか、見てた？」

従姉「買い物途中で偶然……ごめんね、盗み聞きみたいなことしちゃった」

男「従姉さんは悪くないよ、気にしないで……」

従姉「ねぇ、姉ちゃんと何かあった？」

従姉「私、あんな汚い言葉で罵る姉ちゃん、初めて見たからビックリしちゃって……」

男「あぁ、従姉さんは知らなかったんだよね……姉貴、家ではずっとあぁなんだ」

40 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:42:53.90 ID:heooh69O0

従姉「っ！　……ごめん、知らなかった……もしかして、仲悪かったの？」

男「……うん。　学校では猫被ってたからあまり知ってる人はいないと思うよ」

従姉「そうなんだ……あと、背の高い女の人は？　あの人……その、男クンの彼女だって……」

男「あ、あの人は違うよ！　女さんはその、ただの知り合い……彼女なんかじゃない」

従姉「じゃぁ、男クンとどういう関係なの？」

男「ごめん、言えない……ただ、彼女云々は姉貴たちの挑発に対抗しただけだと思う」

従姉「そっか……」

男「やっぱり、俺のこと信じきれない、かな……？」

従姉「うぅん、私は男クンのこと信じるよ……こっちこそ、聞かない約束なのにごめんね？」ｷﾞｭｰ

男「あ……うん、ボクこそ話せないことばっかりでゴメンね、お姉ちゃん……」ｷﾞｭ

41 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:43:40.75 ID:heooh69O0

〜38日目夜　幼宅〜

幼「ヤバいなー、DQNクンと連戦しすぎて遅くなっちゃった……叱られる、かな？」

幼「ただいまー！」ｶﾞﾁｬ

幼父「遅かったな、幼」

幼母「おかえりなさい」

男「おかえりー！」

幼「ッ！　な、なんで男、男クンがい、いるの？」ﾋﾞｸｯ

幼父「ご両親もお姉さんも出かけてて、誰もいないらしくてな」

幼母「でね、丁度旅行から帰ったら家の前で会ったから晩御飯に招待したのよー」ﾆｺﾆｺ

男「そういうわけなんだ、お邪魔するね？」ﾆｺﾆｺ

幼「へ、へー、そうだったんだ……」

幼母「男クンが来るの久しぶりだもんねー、今日は晩御飯張り切っちゃった！」

男「いつも通りで良かったのに……おばさん、すみません」ﾍﾟｺﾘ

幼父「ははは、何遠慮してるんだ！　幼、すぐご飯だから手を洗ってきなさい！」

幼「は、はーい！」

幼（なんで、なんでアイツがうちに居るんだよ！　ふざけんな！）

42 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:44:20.18 ID:heooh69O0

幼父「で、どうだい？　幼とは仲良くしてくれてるかな？」

幼（余計なこと言うんじゃないわよ……！）

男「はい、そりゃもちろん！　ケンカなんてしたら幼父さんに怒られちゃいますから！」

幼父「そうかそうか、いや、この子も最近帰りが遅いときがあってな、心配してたんだよ」

男「ごめんなさい、ボクが連れまわしちゃってるから……気をつけるようにします」

幼母「あらあら、男クンなら心配することないわよー！　むしろ心配させちゃっていいから！」

幼「や、やだ、お母さんったらもー！」

幼（何考えてるんだコイツ？　なんで私のフォローしてるわけ？　なんか不気味……）

幼「っ！　ご、ゴメン、ちょっとトイレ行ってくる！」ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

幼母「あらやだ、最近あの子よくトイレ行くのよねー、頻尿かしら？」

幼父「ところで男クン、久しぶりだし今日はちょっとこれ付き合わないか？」

男「日本酒ですか……？　うちでは飲ませて貰えないので、是非、喜んで頂きます！」

幼父「そうかそうか！　いや、息子と酒を飲むってのが結婚したときの夢でな……」

43 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:44:57.41 ID:heooh69O0

〜38日目夜　幼部屋〜

幼（あいつ、まさか家にまで、しかも堂々とストーカーしてくるなんて……）

幼（本気で気持ち悪い、それに全く考えが読めない……何考えてるんだろ？）ｺﾝｺﾝ

幼「はーい、開いてるよー」

男「お邪魔するよー」ｶﾞﾁｬ

幼「っ！　な、なんでアンタまだいるわけ！？」ﾋﾞｸｯ

男「おじさんの晩酌に付き合ってさ、今日は泊まることになったんだよ」

幼「さ、最低！　アンタ、なにするつもりよ！」

男「心配しなくても寝床は居間だよ……、はいこれおばさんから差し入れ」ｽｯ

44 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:45:33.57 ID:heooh69O0

幼「……ふん！　で、なんの用？　また復縁の話？　それとも脅すつもり？」ｺﾞｸｺﾞｸ

男「そんなつもりはないさ、単に家を追い出されたから寝床を提供してもらっただけ」

幼「ハッ！　とうとう追い出されたわけ？　いい気味だわ！」

幼「姉さんもずいぶんアンタに迷惑かけられたって言ってたからね！」

男「……追い出されたのは事実だから何も言えないな……」

男「ケンカになりそうだし、居間に戻るよ。　挨拶にきただけだからさ、おやすみ」

幼「アタシが起きる前にさっさと出て行きなさいよね！」

男「善処するよ……」ﾊﾞﾀﾝｯ！

幼（ククク、とうとう追い出されたとか、ホントいい気味だわ！）

幼（ふわぁ……ちょっと今日は頑張りすぎたか……寝よ…う……）

45 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:47:33.74 ID:heooh69O0

〜38日目深夜　幼部屋〜

男（…………）ｷﾞｨｯ　ｶﾞﾁｬ

男（……幼は……ぐっすり寝てるな。　処方箋の睡眠薬が効いたようだ）ﾊﾟﾀﾝ

男（フヒヒ……さて、ちょっと日課の作業をさせてもらいますよっと、フヒヒヒヒ）ﾌﾞｰﾝ

男（フヒ、フヒヒヒ！　さて、今日はどんなのがあるかなー？　フヒヒフヒ！）ｶﾁｶﾁ

男（ギヒャヒャヒャ！　これは……すげぇ面白い！　最高のネタだ！　フヒャヒャヒャ！）ｶﾁｶﾁ

男（っと、ついでにちょっと部屋漁るか……さすがに引き出しとかは調べられないけど……）ﾄｺﾄｺ

男（フヒヒ！　とりあえずゴミ箱かな……？　っと？　これはなんだ？　グヒャヒャ！）ｶﾞｻｶﾞｻ！

男（フヒヒ！フヒ！…フ……　これは……まさか！？　…………っ！）

男（…………フ、フフフヒヒヒヒャヒャヒャヒャガキャギャギャギャｙちえｗぽｚｄふぉうぇ！）

男（…………幼のパソコン……）ｶﾁｶﾁ

男（データ、消去…データ、消去…データ、消去…データ、消去………）ｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁ

男（フヒヒヒヒ！　壁紙をネットで落としたガチホモの絡みに！　グヒャヒャヒャヒャ！）ｶﾁｶﾁｶﾁ

男（フヒャヒャヒャ！　明日これを見た幼の顔が目に浮かぶようだ！　ギャハハハ！）ｶﾁｶﾁ　ﾌﾞｰﾝ

男（フヒャヒャヒャ、ヒャ……ヒ…………　幼、さよなら…………）ｷﾞｨｯ　ﾊﾞﾀﾝ

46 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:49:31.86 ID:heooh69O0

〜38日目深夜　幼宅居間〜

男（今日は凄い収穫だった！　最高だ！　最低だ！　ヒ、ヒヒヒ、フヒャヒャヒャヒャ！）

男（フヒャヒャグギャギャギャギャ！　ま、ギャハハハ、間に合わ、グヒャヒャ！　なかった！）

男（ゲヒャヒョフフハハハ！　間に合わなかった！　間に合わなかった！）ﾎﾟﾛ…

男（ギャハははHAHAHA！間に間に　フヒャは　まず　い　ｂぎゃ　声が出　ｄｈｙ　る」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

男「ｊさHidiajaoa　声　ゲゲゲゲひゃは　抑え　ない　と　ﾓｺﾞｯ　ﾓｶﾞｯﾓｶﾞｶﾞｶﾞｯ！）ｴｸﾞｯ　ｴｸﾞｯ！

男（ﾓｶﾞｯ！　ﾓｶﾞｺﾞｺﾞｺﾞ！　ｵｪｯ！　ﾓｶﾞﾓｶﾞﾓｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ……ﾓｶﾞｺﾞｯ！）ﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛ　ﾂﾂｰ

男（ｹﾞﾌｯ！　……………………）ﾂｰ

47 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:51:03.18 ID:heooh69O0

〜39日目早朝　幼宅〜

男「おはようございます、おじさん、おばさん」

幼父「おはよう、日曜だと言うのに早起きじゃないか！」

幼母「おはよう！　まったく、あの子も少しは見習って欲しいわね……」

男「たまたまですよ、いつもこんな時間に起きてたら授業中眠くなって仕方ないですから」

幼父「そうだな、学生の本分を疎かにするくらいなら少し寝坊した方がマシってものだ！」

幼母「まだ朝ごはん出来てないの、少し待っててくれるかしら？」

男「あ、すみません。　ちょっと今日は用事があるのでもう出ないと……」

幼父「そうか、それは残念だな！　幼も朝起きて男クンがいないと寂しがるだろうに」

幼母「そうね……あら？　目が赤いわよ？　やっぱり寝不足なんじゃないの！」

幼父「それはいかん！　用事が終わったら家に帰って休みなさい、体調管理も大事だからな！」

男「心配かけちゃってすみません、それではお邪魔しました！」

幼父「あぁ、またいつでもおいで、また男クンと飲むのが楽しみだからな！」


男（おばさん……心配してくれてありがとう。　おじさん……ボクも楽しかったです）

男（でも、もう一緒にお酒を飲むことは出来ません……ごめんなさい！）ｶﾁｬ　ﾊﾞﾀﾝ　ﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

48 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:52:36.78 ID:heooh69O0

〜39日目昼　公園〜

従姉（ちょっと早いけど、もしかしたら男クンもう来てたりするかな……？）

従姉（私、最低だよね……　男クンが幼ちゃんと別れて、こうして男クンと毎日会って……）

従姉（男クンが苦しんでるのにつけこんで、幼ちゃんの代わりになろうとしてる……）

従姉（一度は諦めたのにね……　幼ちゃん、なんで男クンを手放したりしたの……？）

？？「……！　…………！」ﾌﾗﾌﾗ

従姉（……？　あれは……っ！　男クン？　でも、様子が……）ﾄｺﾄｺ

男「ヒヒャヒャ！　ほら！　こんなにも世界は赤い！　赤いは正義だ！」ﾌﾗﾌﾗ！

　「（やぁねぇ……まだお昼なのに酔っ払ってるのかしら）」ざわ……ざわ……

男「ゲヒャヒャはあｙ！　やぁ、こんにちはキサマ達！　ほら、ドライ阿片がこんなに！」ﾌﾗﾌﾗ

　「（なんか様子がおかしいぞ……薬でもやってるんじゃ……）」ざわ……ざわ……

　「おい、君！　道路に出たら危ないっ！」ｷｷｰｰｰｰｰ！

49 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:53:10.95 ID:heooh69O0

従姉（っ！　男クンっ！）ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ　ｶﾞﾊﾞｯ！

　「おい！　気をつけろこのガキ！　危うく轢く所だったぞ！」

従姉「ご、ごめんなさいっ！」

　「ケッ！」ﾌﾞﾛﾛﾛﾛﾛ！

従姉「お、男クン！　大丈夫？　ケガしてない！？」

男「回る回るほら地面が回ってるよー！　おぎゃｗｗｗぱしろへんだすｗｗｗｗ」ｸﾞﾗｸﾞﾗ

従姉（な、なに？　男クンどうしちゃったの？）

従姉「と、とにかくこっちへ！　ここは危ないから！」ｸﾞｲｯ！　ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ！

50 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:53:44.84 ID:heooh69O0

従姉「男クン！　大丈夫！？　男クン、男クンってば！　しっかりして！」

男「ヒャッハー！　水だ！　空だ！　太陽だ！　生きているんだ友達なんだ！」ﾌﾗﾌﾗ

従姉「男ちゃん！　落ち着いて！」ｷﾞｭｰ

男「あったかい！　柔らかい！　柔らか……柔らかい？　……あ……」ﾌﾗ…ﾋﾟﾀ

男「ヒ…ヒヒ…ヒッヒヒヒヒ！　間に合わなかった！　マニアわな方！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

従姉「間に…会わなかった？　どういうこと？　男ちゃん、しっかり！」

男「間に間にあわなかったー！　ヒャハ！　間に合う間に合わない間に合ってない！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

従姉「男ちゃん！」ﾊﾟﾁﾝ！

男「っ！　……あ……？　え……こ、こは……？」ｷｮﾛｷｮﾛ

従姉「お、男ちゃん！　正気に戻ったの？　男ちゃん、返事して！」ｷﾞｭｰ

男「……あれ……お姉ちゃん？　オレ……ボクなにを……？」ｷﾞｭ

従姉「男ちゃん！　良かった、良かったよぅ……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

51 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:55:10.49 ID:heooh69O0

従姉「はい、お茶。　慌てないでゆっくり飲んでね……」ｽｯ

男「……ありがとう、お姉ちゃん……」ｺﾞｸ…

従姉「男ちゃん、何かあったの……？　男ちゃん、錯乱して道路に飛び出そうとまで……」ｷﾞｭｰ

男「……そっか、ボクそんなことしてたのか……」ｺﾞｸ…

従姉「男ちゃん、何してるか知らないけど、もう限界だよ……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

従姉「これ以上は、男ちゃん、壊れちゃう！」ｷﾞｭｷﾞｭｰ

男「…………」ｷﾞｭ

従姉「やだよ……男ちゃん……いなくならないで……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

男「……心配かけてごめん……。　大丈夫、明日……明日決着を着けるから……」ｷﾞｭ

従姉「でも、明日まで男クンが耐えられるの……？」

男「……大丈夫……ここまで耐えてきたんだ、きっと……だから、お姉ちゃん」

男「今、だけは……昔のように抱きしめていて…………」

従姉「…………うん」ｷﾞｭｰ

52 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:55:48.22 ID:heooh69O0

〜39日目夕方　公園〜

男「……暗くなってきた、ね……」

従姉「……男ちゃん、これからどうするの……？」

男「…………」

従姉「私、今の男ちゃんを放っておくことはできないよ……うちに、来ない……？」

男「……お姉ちゃんの家へ……？」

従姉「明日、終わるんでしょ？　なら、その時まで男ちゃんが壊れないよう一緒に居る……」

男「……わかった、そう…する…」

53 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:56:20.10 ID:heooh69O0

従姉「……男ちゃんの家に電話しておくね……」

男「……その必要はないよ……、ボクはあの家を追い出されたから……」

従姉「……え？　それって、どういう……」

男「帰る家はもうないんだ。　だから、大丈夫」

従姉「なんで？　ねぇ、なんで！　なんで男ちゃんばかりそんなつらい目に合うのよ！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

男「……明日、ちゃんと説明するから……」

54 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:56:44.08 ID:heooh69O0

〜39日目夜　従姉宅〜

従姉「ただいま……」ｶﾞﾁｬ

従姉母「お帰りなさい、遅かったのね……あら？　あなた……もしかして男クン？」

男「お久しぶりです、おばさん」

従姉母「あらあら、久しぶりね！　お父さん！　男クンが来たわよー！」ﾄﾀﾄﾀ

従姉「寒くなるから、入ろ？」

男「うん……お邪魔します」ﾊﾞﾀﾝ

55 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:57:18.12 ID:heooh69O0

従姉父「男クン、本当に久しぶりだなぁ！　お盆以来か？　近くなのになかなか会わないからなぁ！」

男「ご無沙汰しております、おじさん」ﾍﾟｺﾘ

従姉父「こらこら、そんな他人行儀にしなくていいさ……家族の皆は元気か？」

従姉「お父さん！　今、その話は……」

男「はい、みんなピンピンしてますよ！　なにしろ元気だけが取り柄なんですから……」

従姉母「そうね、姉ちゃんなんていつも元気が良いものねー！」


従姉（男ちゃん……家を追い出した相手の話なのに、なんでそんな笑っていられるのよ……）

56 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:57:54.70 ID:heooh69O0

従姉父「ところで、今日は突然どうしたんだい？」

男「たまたま従姉さんと公園で久しぶりに会いまして」

従姉「私がせっかくだから泊まっていったらって！　向こうにはもう連絡しといたから！」

従姉母「あらあら、この子ったら……」

従姉父「そうかそうか！　うちなんかで良かったらいくらでも泊まっていきなさい！」

男「ありがとうございます……ついでにもう一つお願いが……」

従姉父「なんだい？」

57 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 07:58:47.34 ID:heooh69O0

男「従姉さんとお付き合いを前提に結婚させて下さい！」ﾄﾞｹﾞｻﾞｯ！

従姉「ぶっ！　ちょ、ちょっと男クン！」ｱｾｱｾ

男「お義父さんと呼ばせて下さい！」ﾄﾞｹﾞｻﾞｯ！

従姉「馬鹿！　なに冗談言ってるのよ、もう！」ﾃﾚﾃﾚ

従姉父「はっはっは！　男クンもそんな冗談を言う年になったか！」

従姉父「だが、いきなり結婚は無理だな、結婚を前提としたお付き合いなら許可してやるぞ？」

従姉「ちょ、ちょっと！　お父さんもなんてこと言うの！　お、お母さん手伝ってくる！」ﾄﾀﾄﾀﾄﾀ


従姉（……もう！　でも……男ちゃん、元気になったみたいで、良かった……）ﾄﾀﾄﾀﾄﾀ

58 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 08:00:20.72 ID:heooh69O0

男「お風呂、頂きました」

従姉母「お父さんのパジャマだけど、サイズは大丈夫だったかしら？」

男「はい、ピッタリです！　ホント突然お邪魔しちゃって済みません……」

従姉母「いいのよ、アナタは大事な甥っ子なんだから！」

男「従姉さんは？」

従姉母「あの子ったら今の話が恥ずかしかったんでしょ、部屋でそのまま寝ちゃったみたい」ﾆｺﾆｺ

従姉父「おーい、男クン！　こっちにきて一杯付き合わないかね？」

従姉母「あらあら、あの人ったら……良かったら付き合ってあげて？　飲みすぎちゃダメよ？」

男「はい、それじゃ遠慮なく……」

59 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 08:01:51.36 ID:heooh69O0

従姉父「いや、あの子のあんな楽しそうな顔見たのは久しぶりだよ！」

男「そうなんですか？」

従姉父「あぁ、一年前くらいからな、たまに遠くを見るような目をすることがある……」

従姉父「あれはきっと、失恋でもしたな。　まだ未練があるんだろう、誰かは知らないが」

男「従姉さんが……そうですか」

従姉父「男クンはもう彼女がいるのかね？　本当にあの子を貰ってくれると嬉しいんだがな！」

男「ははは、従姉さんの気持ちを確認するのが先でしょうに」

従姉父「それは、来てそうそういきなり結婚を申し込んだ君の台詞ではないな！」

男「言われてみればその通りですね、全く！　ははは……」

60 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 08:03:17.93 ID:heooh69O0

従姉父「ところで、だ……男クン」

男「はい、なんです？」

従姉父「君が突然うちに来たんだ、本当は何か用事があったんじゃないかね？」

男「っ！　……それは」

従姉父「分かるさ、君は鏡を見てきた方がいい……」

従姉父「以前会った時に比べ、かなり痩せてやつれて、人相が変わっているぞ？」

従姉母「そうね、玄関で会った時、一瞬誰か分からないくらいでしたもの……」

男「…………」

従姉父「やはり、話づらいことかね？　私は君の叔父だ、相談くらい、してみないかね？」

男「…………叔父さんに、お願いがあります」

従姉父「言ってみたまえ」

男「…………お義父さんと、呼ばせてもらえませんか？」

61 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 08:08:50.33 ID:heooh69O0

朝投下分はここまで。

次、夜に40日目＋後日談を投下します。

男は、狂いながらもある目的に沿って行動しています。
裏で何が起きていたのか、次回ネタ晴らしです。

62 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/10(土) 08:15:26.30 ID:TQqWYp2DO

ここで切るのか…
期待してます。

63 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/10(土) 09:09:48.23 ID:PKXwyCpMo

乙〜

>>32
なるほど。安心ワッフル

64 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/10(土) 10:16:46.57 ID:cLm+RiUfo

姉スレに釣られて来たけど……従姉がヒロインなの？

面白いから良いけどね〜

65 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 11:46:08.22 ID:heooh69O0

>>64
いいえ、『姉』がヒロインです。

それでは、おでかけしてきます。
読んでくださってる方、夜までお待ちを。

66 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/10(土) 12:35:14.86 ID:rMuThTyXo

どっかで読んだことあるようなないような

67 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) ：2011/12/10(土) 12:45:31.72 ID:fyKlbEpq0

ワッフル

68 ： ◆vF1GrLS8msUg ：2011/12/10(土) 18:53:51.16 ID:heooh69O0

ただいま戻りました。

それでは、40日目からラストまでを一気に投下していきます。

69 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 18:54:22.47 ID:heooh69O0

〜40日目朝　従姉部屋〜

従姉「……ん」ﾁｭﾝﾁｭﾝ

従姉（やだ、私寝ちゃってた……せっかく男ちゃんが泊まってたのに……もったいないな）

従姉「まだこんな時間か……ん？　これ男ちゃんからの書置き？」ｶｻ……

従姉「『昼休み、屋上へ来てください　男』……？」

従姉（男ちゃんは今日決着を着けるって言ってた……ならこれは、きっと……）

70 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 18:55:05.26 ID:heooh69O0

従姉父「従姉、おはよう」

従姉母「従姉ちゃん、おはよう」

従姉「おはよう！　もう男クン帰っちゃった？」

従姉父「あ、あぁ……彼は朝早くに出て行ったよ……」

従姉「もう……おはようのあいさつくらいしていけば良かったのに……！」

従姉母「……多分男クンも忙しいんでしょう……」

71 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 18:56:37.26 ID:heooh69O0

従姉母「ほら、急がないと遅刻しますよ？」

従姉「うん、それじゃ、いってきます！」

従姉父「あ、従姉！　ちょっと待ちなさい！」

従姉「なぁに？　遅れちゃうよ？」

従姉父「……従姉、弟をしっかり支えてやるんだぞ……！」

従姉「……？　何の話、お父さん？　と、遅刻しちゃう！　行って来るね！」ｶﾞﾁｬ　ﾊﾞﾀﾝ！

従姉父「……あの子を頼んだよ……」

72 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 18:57:25.47 ID:heooh69O0

〜40日目昼　学校屋上〜

従姉「……男ちゃん」ｷﾞｨｯ　ﾊﾞﾀﾝ！

男「…………お姉ちゃん」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

従姉「……男ちゃん、震えてるの？」ﾄｺﾄｺ

男「お姉ちゃん、ボクは間に合わなかったよ……」

男「だから、もう引き返せない。　引き返せないのに……怖いんだ」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

従姉「……男ちゃん、大丈夫だよ？」ｷﾞｭｰ

従姉「……私をここに呼んだのは、決着を着けるため、だよね？　全部……話してくれるの？」

男「……うん。　決着を着けるよ……」ﾌﾙﾌﾙ

従姉「じゃぁ……話して、くれる？」ｷﾞｭｰ

男「もう少しこのままで……　このままでいれば、分かるよ……」

73 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 18:58:28.10 ID:heooh69O0

　『緊急校内放送です』

　『3年A組　姉さん、　2年C組　幼さん、　2年D組　DQNくん、生徒指導室まで来なさい』

　『繰り返します……』

74 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 18:58:55.60 ID:heooh69O0

男「……時間だ……」

従姉「……これって……」

男「……始まるよ、お姉ちゃん、手を握って……？　そして見守っていてくれる……？」

従姉「……うん」ｷﾞｭｯ

75 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 18:59:40.35 ID:heooh69O0

従姉「ねぇ……これから何が起きるの？」

男「そろそろだと、思う……」

？？「男！　いるの！」ｶﾞﾁｬ！　ﾊﾞﾀﾝ！

男「メール見てくれたんだね、姉貴……」

姉「男……それに従姉？　テメェら、いったいどういうつもりだ……！」ｷﾞﾘｯ

男「従姉さんは関係ないよ……」

姉「男……幼がどうなってもいいのか？」


従姉（幼ちゃん？……男ちゃんは何か脅されてた……？）


男「その脅しはもう通用しないんだよ、姉貴……」ｷﾞｭｯ

姉「あぁ？　どういう意味だそれは！」

男「もう、全てが遅かったんだよ……だって」

76 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:00:10.83 ID:heooh69O0

男「幼は……妊娠した」

77 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:00:46.02 ID:heooh69O0

姉「っ！」

従姉「ちょっと！　男ちゃん……どういうこと！？」

男「後で説明するよ……姉貴、知ってるかい？」

男「未成年が堕胎する場合には、必ず親の同意が必要らしいよ？」

姉「親の……同意？」

男「つまりさ……もう、脅迫の意味がなくなったってことさ」

男「産むにしろ、降ろすにしろ、必ず幼の両親にバレてしまうんだから……」

姉「っ！　そういう……ことかよ！」ｶﾞﾝｯ！

78 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:01:48.85 ID:heooh69O0

姉「だが、まだ……誤魔化すことだって……！」

男「姉貴……ボクの勝利条件は、幼の両親や周りに知られることなく問題を解決することだった」

男「その条件が満たせなくなった今、ボクがそんな逃げ道を残すと思うかい？」

姉「お前、まさか……」ｷﾞﾘｯ

男「あぁ、勝利が無くなった今、ボクは最低限姉貴に勝たせない、引き分けを狙う」

79 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:04:05.80 ID:heooh69O0

男「後ろめたいことをやってるんだからさ、姉貴はもう少し管理を徹底すべきだったんだよ……」

姉「どういう意味だ？」

男「知らないだろ？　今幼とDQNがどこにいるか……なにをやっているか……」

姉「言え！　どういう意味だ！」


男「多分丁度今頃……幼の両親が踏み込んだところだよ、DQN主催の乱交パーティの会場へね！」


従姉「っ！　乱交……パーティ……？」

姉「テメェ……まさか自分でバラしやがったのか？　お前、死にたいのかよ！」ｶﾞﾝｯ！　ｶﾞﾝｯ！

男「取り巻きもなしに姉貴一人でボクを殺せる？　それにそんなことしてる場合じゃないだろ？」

男「自分の管理外で何が起きてるか、さっさと帰って状況把握した方が良いと思うよ？」

姉「クソッ！　てめぇ、許さねぇぞ……！　後で必ず殺しに行くからな！」ｶﾞﾁｬｯ！　ﾊﾞﾀﾝｯ！

男「許さないのはこっちさ……」

80 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:04:37.90 ID:heooh69O0

従姉「男ちゃん、一体何がどうなってるの……？」

男「待たせたね、約束通り、全部説明するよ……」


男「うすうす気付いてると思うけど、ボクは家族に疎まれていた」

男「そんな中で姉貴は甘やかされていたからね、次第に素行が悪くなっていったんだ……」

男「いつの頃からか、姉貴はかなり危険な連中とつるむようになっていたよ……」

男「そして、丁度今日から40日前……」

81 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:05:51.62 ID:heooh69O0

------------------------------------------------------------------------
-----------------------------------------------------------------------------

〜回想・1日目〜

男「幼！　止めた方が良い！　お願いだから行かないでくれよ！」

幼「何心配してるのさ、姉さんと買い物行くだけでしょ？」

男「だからだよ！　姉貴は、本当に危ない奴等とつるんでるんだ！」

男「ついてったら、幼が何されるかわかったものじゃない！」

幼「ちょっと……ケンカでもしたのかもしれないけど、家族のこと悪く言うのは良くないよ？」

幼「それに、買い物行くだけじゃない！　なんでそこまで男クンに束縛されないといけないの？」

男「だから、それは……！」

幼「もういいよ！　私は何言われたって姉さんと買い物行くんだからっ！　じゃぁね！」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ


男「幼……まだ帰って来ないのか……？」ﾋﾟﾛﾘﾝ！

男「姉貴からメール……まさか！」

　『アタシの彼とDQNクンとで、美味しく頂きました♪』

男「写メが付いてる……っ！　オエェェ！」ﾎﾞﾀﾎﾞﾀﾎﾞﾀｯ！


幼「……男クン……ごめんね……？　男クンのこと信じなかった、私がバカだった……」ｸﾞｽｯ

男「幼……おじさん達に相談しよう？　警察だって……」

幼「……ダメ、だよ……心配かけたくないし……写メも取られちゃった……」ﾋｯｸ

幼「男クンに……はじめてあげたかったよ……ウワァァァァン！」

-----------------------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------------------

82 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:06:35.64 ID:heooh69O0

従姉「……ひどい……」

男「幼は、両親にだけは知られたくないってずっと言ってた……」

男「だから、ボクは幼を説得する傍ら、秘密裏になんとか写メをとりかえそうと決めた……」

男「その手段として、姉貴とその仲間を破滅させようと考えて証拠を集め始めたんだ……」


男「でもね、そのうちに予想外の、最悪の事態が起きたんだ……」

83 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:07:29.81 ID:heooh69O0

------------------------------------------------------------------------
-----------------------------------------------------------------------------

〜回想・7日目〜

男「幼、おはよう！　……少しは元気になったかい？」

幼「ちょっと、何のつもり？」

男「……え？」

幼「私、DQNクンと付き合ってるんだよ？　男クンに付きまとわれちゃうと、誤解されちゃうじゃない！」

男「幼……何を言って……？」

幼「わかったら早く離れて！　あと、うちの両親にDQNクンのこと言ったら許さないからね！」

-----------------------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------------------

84 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:10:24.68 ID:heooh69O0

男「自己防衛だろうね、過ちを犯した自分を許せず、自分自身が壊れるのを防ぐ為」

男「幼は、自分の現状を正当化するよう、自分の記憶を改ざんしてしまったんだ……」

従姉「それじゃ、あの噂って……」

男「幼は自分とDQNが、親には内緒で付き合っている、と都合の良い記憶を作り出したんだよ」

男「そのせいで、幼は自ら進んで姉貴やDQNたちと関係を持つようになってしまった……」

男「そのうち、幼は姉が主催する乱交パーティにまで参加するようになったんだよ……」

男「これでボクは幼を説得することが不可能になった……」

男「残された道は証拠集めによる、姉貴達の破滅のみ」

男「だから、せめて幼の両親には知られず終わるよう暗躍を続けたんだよ……」

85 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:11:17.76 ID:heooh69O0

------------------------------------------------------------------------
-----------------------------------------------------------------------------

〜回想・36日目〜

男（姉貴のパソコンにあった証拠の動画や写真は、全てUSBに写した……）

男（後は、部屋を元に戻して自分の部屋に……）


姉「ﾀﾀﾞｲﾏｰ」

男（まずい！　このままではボクが証拠集めをしていることがバレる！）

男（最低限、このUSBは守る……これは、ここに隠す！）ｽﾞﾌﾞｯ！

男（後は目的の隠蔽……やむを得ないか……）


男（なんとか、目的もバレず、USBも死守できた……）

男（次は日課の作業、転送設定を仕込んである姉のメールのチェック……）

男（明日は幼の家が会場か……行きたくない、けど、やらなきゃ……）

-----------------------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------------------

86 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:11:52.58 ID:heooh69O0

------------------------------------------------------------------------
-----------------------------------------------------------------------------

〜回想・37日目〜

男（クッ、DQN、やめろ…やめてくれ……！　幼のこんな姿は……見たくない……！）ｳｨｰﾝ


ﾒﾝﾊﾞｰA『では、次は私も参加させてもらいましょうか……』

姉『あら、それじゃﾒﾝﾊﾞｰBさん、一緒に汗を流しましょうよー！』

幼『やだ、イったばっかりなのに……！　ﾒﾝﾊﾞｰAさん、すごいっ……！』

ﾒﾝﾊﾞｰC『DQNクン、まだ若いからイけるわよね？　ほら……おいで？』

男（……これで、また証拠が一つ……）ｳｨｰﾝ

-----------------------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------------------

87 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:12:25.59 ID:heooh69O0

従姉「そんな……！　好きな子のそんな姿をずっと見てたりなんてしたら……！」

男「あぁ、精神的におかしくなる……でも、目的の為に自分を殺して続けたよ……」


男「でも、次の日、ボクは自分の勝利条件が失われる、決定的な証拠を見つけるんだ……」

88 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:13:14.27 ID:heooh69O0

------------------------------------------------------------------------
-----------------------------------------------------------------------------

〜回想・38日目〜

男（やはり姉の管理から外れて暴走したな？　明後日、DQN主催のパーティーか……）ｶﾁｶﾁ

男（次はゴミ箱……　っと？　これは……妊娠検査薬？）


幼『っ！　ご、ゴメン、ちょっとトイレ行ってくる！』ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

幼母『あらやだ、最近あの子よくトイレ行くのよねー、頻尿かしら？』


男（これは……まさか！？　…………っ！　陽……性……　つまり、幼は……）ｶﾞﾀｶﾞﾀ

男（…………妊娠……した？）


男（もう幼の両親に隠し通すことは出来ない……。　幼、ゴメン、な……）

男（……幼のパソコン……　せめて、幼が積極的に参加していたという証拠だけでも……）ｶﾁｶﾁ

男（データ、消去…データ、消去…データ、消去…データ、消去………）ｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁ

-----------------------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------------------

89 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:14:23.10 ID:heooh69O0

従姉「道路に飛び出しかけたとき、間に合わなかったって言っていたのは……」

男「うん……ボクの証拠集めが、間に合わなかったってこと……幼の妊娠までにね……」

従姉「そういう意味だったんだね……」

従姉「その前の日、一緒に居た背の高い人は？」

男「あれは知り合いの探偵さんだったんだよ」

男「集めた証拠を渡して、幼を犯した連中の情報を調査してもらってたんだ……」

男「姉の部屋で手に入れた写真や動画、メールのおかげで数日で全員の身元が割れたよ……」

男「まぁ、手遅れ、だったんだけどね……」ｸﾞｽｯ

従姉「男ちゃん……」ｷﾞｭｰ

90 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:15:11.12 ID:heooh69O0

男「これまで集めた証拠は、昨日のうちにその連中全員の家族と勤め先へ送りつけた」

男「DQNの親は教育委員会のお偉いさんって知ってた？」

男「せっかくだから、委員会の会長と、うちの学校にも送りつけておいたよ……」

従姉「さっきの放送はそのせいだったんだね……」

男「それから、昨日お姉ちゃんが寝た後、ボクは幼の両親を呼び出して全てを打ち明けたよ……」

男「二人とも、泣いてた……ボクに出会わなければ良かったとさえ言われたよ……」ｶﾞｯ！

男「そうだよね、ボクに出会わなければ、姉貴にも会わなかったんだからさ……」

従姉「男ちゃんのせいじゃ、ないよ……」ｷﾞｭｰ

男「幼の両親には、探偵さんと一緒に今日現場へ踏み込んでもらってるはず」

男「流石に現場を押さえられたら、言い訳のしようがないだろうしね」

男「でも、両親に娘のそんな姿を見させるなんて、ボクはきっと一生許されないだろう……」

91 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:16:19.31 ID:heooh69O0

男「主犯の姉貴や姉貴の彼氏、DQNはこれで多分、参加メンバーの奥さんや旦那さんから」

男「多額の慰謝料を請求されると思う。　それに加え、非合法なクスリを使ってた証拠もある」

男「きっと、幼を犯した全員がこれからマトモな人生を送れなくなると思うよ……」


従姉「それを……全部男ちゃんが一人で…………つらかったね……」ｷﾞｭｰ

男「……お姉ちゃん……つらかった、つらかったよ……！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

従姉「ごめんね、私、何も気付いてなかった……男ちゃんに、何もしてあげられなかったね……」

男「それは違うよ……お姉ちゃんは毎日ボクと会ってくれた！」

男「気が狂いそうな毎日の中、お姉ちゃんの前でだけは正気でいられた！」

92 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:16:54.78 ID:heooh69O0

------------------------------------------------------------------------
-----------------------------------------------------------------------------

〜回想・10年前の公園〜

男『ｸﾞｽｯ……ﾋｯｸ……』

従姉『男ちゃん、どうしたの……？』

男『従姉……ちゃん……』ﾋｯｸ

従姉『嫌なことがあったのね……おいで？』ｷﾞｭｰ

男『従姉ちゃん……』ｸﾞｽｯ

従姉『大丈夫、お姉ちゃんが抱きしめてあげるから……嫌なことも忘れられるよ？』ｷﾞｭｰ

男『お…姉ちゃん……お姉ちゃん！』ﾎﾟﾛﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

-----------------------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------------------

93 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:17:27.94 ID:heooh69O0

男「小さい頃から疎まれて、ボクには家族というものが居なかった……」

男「でも、お姉ちゃんが、お姉ちゃんだけがずっとボクに安らぎをくれてたんだよ……」

従姉「男ちゃん……」

男「だから……　何も出来なかったなんて言わないで？」

94 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:18:00.26 ID:heooh69O0

従姉「ねぇ……男ちゃん。　これから……どうするの？」

男「……」

従姉「今の話を聞く限り、男ちゃんはもう実家には戻れない……」

男「そうだね……だからお姉ちゃんにお願いがあるんだ……」

従姉「私は男ちゃんに何をしてあげられる？」


男「ボクの……　ボクの『お姉ちゃん』になってくれる？」

95 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:19:08.53 ID:heooh69O0

------------------------------------------------------------------------
-----------------------------------------------------------------------------

〜回想・39日目〜

男『…………お義父さんと、呼ばせてもらえませんか？』

従姉父『それは……さっきの冗談の話かね？』

男『いえ、ボクを養子にしてもらいたい、という話です』


男『……以上がボクが出来る限りで調べた、全てです』

従姉父『そんなことが……気付いてやれなかった私の責任だな……』

男『いえ、全てボクの責任です。　最初に、誰かに相談をしていればこうはならなかった……』

従姉父『いや、これだけの証拠がなければ誰も信じなかっただろう……』

従姉父『現に、君の幼馴染ですら信じられなかったんだからね……』

従姉父『男クンは、自分の出来る最善を尽くしたと、私は思うがね……』

男『そう言ってもらえると、幾分気が休まります……』

96 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:20:39.01 ID:heooh69O0

従姉父『それで、これからどうするつもりだね？』

男『……ボクはおそらく、あの家にはもう戻れないでしょう……』

男『戻ってしまえば、ボクの親は全てをボクに背負わせようとするはずです』

男『学費はバイトで稼ぎます。　生活費は高校を出て、働きながらお返しします』

男『ですから、どうかボクを養子として、この家に迎え入れては貰えませんか？』


男『勝手なことを言っているのは理解しています……』

男『妹であるボクの母と縁を切れ、と言っているも同然ですから……』

従姉父『……バカなことを言ってはいけないよ』

男『済みません……当たり前、ですよね……』

97 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:22:30.67 ID:heooh69O0

従姉父『違う！　学費だとか、妹との関係とか、そんな事を考える必要はないと言ってるんだ！』

従姉父『これほどまでに聡明な子に、ここまでを決意させるとは……あの馬鹿共め……』

従姉父『子供を疎み、犯罪に加担するような外道など、私の、お前の家族などではない！』

従姉父『男……お前は今日から、私の息子だ』

男『叔父さん……』

従姉母『あなた、男クンみたいな息子が欲しかったと言っていたものね……それにあの子も……』

従姉母『私からもお願いします。私の息子に、あの子の弟になってやって下さい……』

男『ありがとう、お義父さん、お義母さん……』

男『明日、事が表面化する前に両親に別れを告げてきます』

-----------------------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------------------

98 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:22:59.56 ID:heooh69O0

男「今朝、養子手続きの書類に両親の判もらって来たよ……」

男「書類を提出し、裁判が終わればボクはあなたの『弟』になる」

男「お姉ちゃん……ボクの『お姉ちゃん』になって貰えますか？」

99 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:23:39.04 ID:heooh69O0

〜40日目夜　従姉宅〜


従姉父「……来たようだな」ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

男「はい、ボクが出ます。　それが元家族としての責任ですから……」ｶﾞﾁｬ

男「……やぁ、いらっしゃい」

父「っ！　や、やぁ、男……ここにいたんだな？」

母「お、男ちゃん、丁度良かった、あなたにもお話があって……」

姉「…………」

男「そうかい……おや？　姉貴その顔はどうしたんだい？　ボロボロじゃないか」

父「こ、こいつがな、とんでもないことしやがったから……」

母「ちょっとお父さんがお説教したのよ、ホホホ……」

姉「…………何が説教だ……」

父「黙れ、このクズがっ！」ﾊﾞｷｯ

姉「痛ッ！　……」

男「やめなよ、人の家の前だ。　迷惑でしょう」

100 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:24:32.13 ID:heooh69O0

男「それより、何しにきたんだい？」

父「あ、あぁ、それがな……」

男「どうせ、叔父さんにお金の無心に来たんでしょう？」

父「そうなんだ！　この馬鹿のせいで、慰謝料を払えと言われてな！」

母「そんなの急に払えないから！　兄さんに手伝ってもらおうと思ったのよー！」

父「そ、それにな、今朝は何も考えずに書類に判を押したけどな！」

父「やっぱり、お前も大事な家族だ！　戻って一緒に暮らさないか？」

母「そうよ、家族は皆一緒にいないとダメよ！」

母「ほ、ほら、姉ちゃんもお願いしなさい！」ｸﾞｲｯ

姉「……戻って……来てくれ……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

101 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:25:23.60 ID:heooh69O0

男「大事な家族か……ははは、都合の良い言葉だね」

男「父さんたちの考えてること、当ててあげようか？」

男「要するに、ボクに働かせて姉貴のケツ吹かせようって魂胆だったんでしょ？」

男「ところが、肝心のボクは今朝叔父さんの養子になると言って出て行ったばかり」

男「これはマズイ、自分たちが全部背負うことになる、と慌ててやってきたわけだ」

父「……ぐ……」

102 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:26:05.06 ID:heooh69O0

男「少しでも頭冷やして考えたらわかるでしょう、ボクが戻るかどうかなんて」

母「そんなこと言わないで！　お願いだから！」

男「戻って、また毎日ご飯もない、会話もない、暴力を受ける生活を送れって？」

姉「……頼む、このままじゃ……殺されちまう……」

男「だから戻って代わりにボクが殴られろって？　冗談じゃない、自業自得だよ」

男「大丈夫、きっともうすぐ開放されるよ。　だって刑務所行くことになるだろうから」

姉「……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

男「まぁ、あなたたちも、あんまりやりすぎないようにね？」

男「あまり酷いと警察で虐待かと追及されちゃうよ？　やるなら、見えないとこにしないと」

父「……貴様、それでもオレの子供か……！」

男「残念ながら。　きっとすぐにそうではなくなるけどね」

103 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:27:07.89 ID:heooh69O0

父「もういい、叔父さんを呼べ」

従姉父「その必要はありません、話は全て聞いていましたから……」ｽｯ

母「兄さん！　話を聞いていたならわかるでしょ？　お願い、お金を貸して！」

従姉父「お前らのような外道に貸すと思うか？」

従姉父「その上、男くんに押し付けようなどと……恥を知るがいい」

母「男は私の息子よ！　家族なんだから、苦労を共にするのはあたりまえじゃない！」

従姉父「家族らしい扱いをしていなかったお前が言うことではない」

従姉父「それに、男はお前のような外道の息子ではない！　男は私の息子だ！」

従姉父「さぁ、これ以上まだここで薄汚い口を開くならば、警察を呼ぶことにする」

従姉父「お前との兄妹としての縁もこれまでだ。　二度と会いたくない！」

父「クッ……」

母「兄さんの薄情者！」

姉「……男……たすけ、て……」

男「さようなら、父さん、母さん、姉貴……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

104 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:27:55.99 ID:heooh69O0

〜半年後〜

男「……久しぶりだね、幼」

幼「……うん……」

男「記憶、戻ったんだってね……」

幼「うん、全部思い出した……思い出したくないことまで、全部」

男「ごめんね、ボクは幼を守れなかった……」

幼「ううん、全部私のせい。　男を信じられなかった、私が悪いの」

幼「記憶を取り戻してからね、私の行動を全部振り返ってみたの」

幼「そしたらね、あの時から、ずっと男を傷つけ続けていたことに気付いた……」

男「もう、終わった、ことだよ……」

幼「そうだね……もう……終わっちゃった、んだね……」

105 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:28:31.32 ID:heooh69O0

幼「男は、あれからどうしてたの……？」

男「あれだけのことをしちゃったからね、流石にあの街にはいられなくなったよ……」

男「養子に貰ってくれた叔父さん達と、離れた街に移って生活してた」

男「友とだけは連絡を取り合ってたけどね？　幼も友からボクの連絡先を聞いたんでしょ？」

幼「うん、お見舞いに来てくれた友が内緒で教えてくれたの……」

男「そっか……」

106 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:28:59.59 ID:heooh69O0

男「幼の方は大丈夫かい？　きっとつらい思いをさせてしまってるだろうけど……」

幼「私はね、流石に噂になってしまって、学校は辞めちゃった……」

幼「ただ、男のおかげで、私は被害者って扱いになったからさ」

幼「今は、両親にせめてもの親孝行をして償ってるところ……」

107 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:29:44.21 ID:heooh69O0

幼「ねぇ、男……もし、もしも私がやり直したいって言ったら、さ……」

男「それは……無理、だよ。　ボクはきっと幼にも、幼の両親にも許されない」

幼「そんなことはないよ！　元はといえば私の過ちだもん……」

男「でも、ボクとボクの元家族が幼と幼の両親を傷つけたことに変わりはないさ……」

男「それに、ボクにはもう……」

幼「そっか……私、馬鹿だったね……あのときの選択を間違わなければ、今頃きっと……」


男「幼……ずっと、好きだったよ……それから……ごめんね……」

幼「私もずっと好きだった……こちらこそ……ごめんね……？」

108 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:31:02.23 ID:heooh69O0

従姉「お話は終わったの……？」

男「うん……」

従姉「幼ちゃんと……また、付き合う……のかな？」


男「……今日ね、裁判所から通知が届いたんだ」

従姉「……」

男「裁判が終わったよ……今日からボクは、本当に『弟』になる」

従姉「そっか……」

109 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:31:30.23 ID:heooh69O0

男「お姉ちゃんには本当に感謝してる」

男「あのとき、お姉ちゃんに会わなければ、ボクはとっくに狂ってた」

従姉「…………」

男「子供の頃から、ボクはいつもお姉ちゃんに支えられてきた……」

男「でも、今度は、ボクがお姉ちゃんを支えてあげたいと思う」

男「『弟』にはなっちゃうけど、『弟』としてじゃなく、ね……」

110 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:32:06.15 ID:heooh69O0

弟「『お姉ちゃん』、好きです……」

弟「こんな『弟』でも、付き合って貰えますか？」



姉「『弟』くん、大好きだよ」

111 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:35:05.75 ID:heooh69O0

以上で終了です。
読んでくださった方、レス頂いた方ありがとうございました！

どうも最後は説明ばっかり、かつ駆け足過ぎでしたね……
幼を救う方法も何か他にありそうなものです。

ちなみに、探偵さんというのは前作の姉にあたる人です。
前作の男や幼、友や転校生はもう1本のSSに登場予定です。

では、また機会があればお願いします！

112 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/10(土) 19:36:18.28 ID:PKXwyCpMo

ｲｲﾊﾅｼｶﾅｰ?
面白かったよ。乙〜

113 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/10(土) 19:38:01.36 ID:cLm+RiUfo

そう言う事だったのね乙乙！

ところで以前百合姉妹もの書いた人？

114 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 19:44:24.39 ID:heooh69O0

レスありがとうございます。

>>113
残念ながらまだ百合には手を出していないです……
今のところ、オリジナル総合とスレ立ての合計2本のみ書いています。

許嫁「この人を好きになりました」　男「……そうか」
転校生「アンタ、なんでパンツ履いてるの？」←時系列的に前作

たまにはレイプとか虐待とかないコメディオンリーも書いてみたい……

115 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/10(土) 19:45:29.18 ID:HZH79Yjvo

乙！
面白かった！

116 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/10(土) 19:48:43.67 ID:cLm+RiUfo

>>114
なるほどサンクス！

面白かったよぉ〜♪

117 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/10(土) 19:55:40.63 ID:PKXwyCpMo

許嫁見てきた、あっちも面白かったよ。乙

ところで、>>1は＋ｲﾒｰｼﾞなエロは書けるの？ 許嫁の方を見て、ﾉｰﾏﾙなエロをいつの日か期待したり

118 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) ：2011/12/10(土) 20:03:25.65 ID:ze+/ciLW0

乙！　良かった
従父に打ち明けた回想でじわっときた
男幸せになれよ

119 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage saga]：2011/12/10(土) 20:07:34.30 ID:heooh69O0

>>117
どうなんでしょうねー？

貯めてたプロットを最近になって初めて文章化したので、まだ書いたことがないです……
ギミック大好き派な為、どうしても事件を組み込んで書いてしまうせいでしょう。
（前編コメディとかラブラブだとギミック入れづらいので）

なんかネタが思いついたらギャグ＋エロも書いてみたいと思います。
……その前にもう1本NTRが待ち構えてますが……

120 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/10(土) 21:25:04.82 ID:calxu6rGo

マジキチssかとおもったら…
良作だった乙

121 ：夜桜ちくわ丸 ◆885cV6jrGo [sage]：2011/12/13(火) 07:58:14.40 ID:Wj0VllSIO

泣いたお(´・ω・`)
とっても面白かったお(w・ω・w)

122 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/13(火) 13:20:30.66 ID:tRA/ymE3o

スレタイ読んだ時はこの姉がこうなったらどうしようとか思ったけど良かった。
とても乙

123 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/14(水) 00:32:28.89 ID:mqXzk59fo

やっと見つけた

前作読んでたけど次回作がどこにあるかわからなかった

124 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/14(水) 01:46:30.27 ID:mqXzk59fo

今作と許婚のほうも読んできた
>>1のSSはNTRなのに読んだ後すごくスカッとするなww
次回作も期待してます

できればスレをたてたらここに貼ってくれるとありがたいです

125 ： ◆vF1GrLS8msUg [sage]：2011/12/14(水) 12:54:11.38 ID:imOnkrvAO

皆さん、レスありがとうです

>>124
既にここはHTML化依頼出してますので、 タイトルだけ書いて置きます。

男「好きだ！」　幼「知ってるよ」

表編は完成してるのでいつでも投下できますが、裏編が半分も終わってないので出すに出せなかったり……
（表と裏がリンクしてるため）

今週末には建てられるようペース上げて頑張ります。

126 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/14(水) 17:21:11.21 ID:bUYVc9RQo

スレタイから嫌な予感しかしない……
後日談だっけ？

127 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/14(水) 18:30:24.72 ID:mqXzk59fo

>>125
ありがとう
楽しみにしてます

128 ：SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]：2011/12/14(水) 18:52:51.05 ID:imOnkrvAO

>>126
後日談というか、20年くらい後の話になります。

嫌な予感は……まぁ、良く当たってしまうものですよね……