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ほむら「キュゥべえをレイプしたらソウルジェムが浄化された」4 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/15(木) 17:00:24.50 ID:pCCsqoRAO
ほむら「4スレ目ですって……? とりあえず注意書きよ」

バカエロ
生える
誰てめえ
厨二病。

オリジナルな色々。

ほむら「あーあ、遂にまとめちゃったわ>>1」ホムゥ

まどか「ほむらちゃんのお話も、もうすぐ終わりそうだね」ウェヒヒ

マミ「少し寂しいかしら」マミーン

杏子「いーよいーよ、さっさと書くに越した事無いしな」モグモグ

さやか「さやかちゃんの活躍をお楽しみにね!」

キリカ「あ、注意書き足りてないよ」

過激な戦闘描写

織莉子「腕が良く無くなるのよね」

ゆま「ゆまが回復出来なかったら大変だよね!」

ガヤガヤワイワイ



QB「……やれやれ、賑やかなものだね」

QB「『キュゥべえをレイプしたらソウルジェムが浄化された』、愛称キュベレイ。ボクと契約して、新スレを読んでよ!」

ほむら「ほら、キュゥべえもこっち来なさい」ホムッ

QB「分かったよほむら」きゅっぷい
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

2 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/15(木) 17:03:49.09 ID:pCCsqoRAO
ほむら「前スレよ」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306507584/

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312128466/

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1316787117/
3 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/15(木) 17:41:14.22 ID:9JJuA2a90
乙・フィナーレ
4 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/15(木) 17:54:04.09 ID:yn1AGehJo
テラ乙
もうそろそろ魔法少女20余名の大乱交爆発パーティ始まってもおかしくないよね
全裸通り越して脱皮して待つことにした
5 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/15(木) 18:25:01.19 ID:iR/0FQ+DO
乙!
脱皮はやめれw
6 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage saga]:2011/12/15(木) 20:34:36.45 ID:f6FIRAWE0
>>1乙!
続きがマジで気になるぜwktk

>>4
そんな格好だと寒いだろ…?ほら皮は着るんだ 包茎ならこの寒さに耐えれるってばっちゃが言ってた
7 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 01:21:53.30 ID:AHHwVUR20
プレイアヘル…その名を知る者はあのスレの住民…キュベレイと怪獣王の世界が密かに連携していたとは・・・。
8 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 01:31:42.77 ID:lVfMK0kXo
このSSのほむらなら「あの薬」を持っててもおかしくはないな
9 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 01:49:11.70 ID:8cyEs58wo
やめろwwwこの世界にあの薬を持ち込むなwww
10 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 08:47:08.02 ID:QtZZkLVAO
悲鳴絶頂団最高!
11 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2011/12/16(金) 20:47:53.05 ID:GxtGXZRAO
ゴジラのアレかwww

キュベほむ「…………あの、これ」ウワァ

ゴジほむ「プレゼントするわ。ほむほむXV、上手く使ってちょうだい」ホムッ

キュベほむ「(どうしよう変態だ!?)」

ベアト「ボクをレイプしておいてよく言うよ全く……」きゅっぷい……

ミQB「それはとても興奮するね」ハァハァ

ベアト「ん?」

ミQB「やぁ。しかしここもスゴいねほむら! 何せレイプが合法だ!」

キュベほむ「えっ、ちょっ」

ゴジほむ「たまらないわね。じゃあ早速」ハァハァ

ミQB「じゃあボクも」ハァハァ

ゴジほむ「ほら、早く生やして。処女はあげないけど」

キュベほむ「きゃ、キャアァァァァレイパーよぉぉぉ……」ヒイィィィ……

省略されました。続きを読みたければほむほむして下さい。いや無いけど。
12 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 20:50:51.16 ID:AHHwVUR20
とりあえずほむほむ
13 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 20:52:28.98 ID:v8M2Nngro
ほむほむ
脱皮通り越して骨投げるわもう
14 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 20:55:32.61 ID:lVfMK0kXo
ほむほむ
流石ほむらさん
15 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 21:00:30.29 ID:sEvkTQcwo
_ ∩
( ゚∀゚)彡 ほむほむ!ほむほむ!
⊂彡
16 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 21:12:53.27 ID:f4Qtdtymo
頭ずれてますよ

ほむほむ
17 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2011/12/16(金) 22:00:55.24 ID:GxtGXZRAO
sageてるのに気付かれるとはコレ如何に。
18 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 22:04:57.21 ID:ywNFuJdNo
専ブラで余裕って訳よ
19 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 22:16:22.62 ID:v8M2Nngro
同じく
寝なくて大丈夫なん
20 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/16(金) 22:32:00.43 ID:l1eIBM/xo
ほむほむ
仕方ないよBB2C神だしwwwwww
21 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage saga]:2011/12/16(金) 23:31:45.33 ID:GxtGXZRAO
>>19
? 大丈夫だけど。
22 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/17(土) 00:30:36.59 ID:KGjG+nTCo
いや ねなくて だいじょうぶ は おかしい
23 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/17(土) 00:36:41.91 ID:Ri+SihVPo
流石に寝ただろ
ネタだろう
24 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/17(土) 00:47:46.43 ID:DQplPY04o
>>23
ネタだけに・・・
25 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/17(土) 01:00:07.28 ID:SRzM8Fa9o
>>23
【審議中】
    ∧,,∧  ∧,,∧
 ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
| U (  ´・) (・`  ) と ノ
 u-u (l    ) (   ノu-u
     `u-u'. `u-u'
26 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/17(土) 04:54:39.19 ID:xwG+9J7To
【審議結果】
                                           ________
                                    , .ィ: : ̄: :`ヾi┌─‐┐! !
                                 ,. . イ: : : : : : : : : : : : \ヾ: :| | |
      ー?一   ー一 l |                /: : : : : : `ヽ、、; : : :..┛┗ :\:.i | |、
    ノニノ├‐   ┼┼| |  (⌒⌒)      ,.孑: :./: :.∧: : : :.ヘ  \:. ┓┏: : :\i:!:.ヽ
     ノ  l_,  ,ノ 亅  亅   \/        //: :/: :./   ヽ: : : ヘ__,ノ∨\: ∨: : :ヽ: : :ヽ
                               //イi: :|: : :i    ハ\: : ! γ⌒ヽ V:∨: : : :ヽ: : ヽ
                           /´ | :|: :!: : :!  ,ノ   \!イ     ∨ハ:、: : : ヽ: : ヽ
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  ___      ____∠⌒}              |: ヘ : : :Vヘ     く      /  /ノ /  ∨: :.l: : : : : : : :.:\
く(     ` ー < /   イー-- 、          |: :.ヽ: : :ヾ:.ゝ、  丶 __ /  /厶、   ∨: ! : : : : : : : : : :\
   ̄ ` < __../   /?一   ヽ           |: : : :\: ヽLrooュ,        , ' ,′ }     }:.イ:.: : : : : : : : : : : :\
        〈   〈r───ュ   ヽ       /: : :γ ´ ̄` ヽ冬、`>  -   ,'  丿    ノノ ヽ: : : : : : : : : : : : ヽ
        ヽ   l  r──孑   ヽ、、    /: : : .'       ∫:..:.. `ヽ   /           \: : : : : : : : : : : :ヽ
            \l   l  孑´     `ヾゝ  /: : : ;'        ∫,:.:..:..:.: \ ム、               \: : : : : : : : : : :.ヽ
           l   l  イ         }:ト/: : : :.i        ∫ヘ:..:..:..:../ヘ:\                 \: : : : : : : : : : ヘ
            `ヽ _______,ノ    l:|ヘ : : : : l        ∫:..:ヘ:.:/く: : ヘ: :!:ー.、、             \: : : : : : : : : ヘ
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             |:l///////∧    ////∧: :|[ii]////∧ヽ ∫:..:..:..:..:. r、:.:.:l: :l:..:..:..:∫   ヽ            ∨: : : : : : : l
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27 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/17(土) 06:25:44.74 ID:SRzM8Fa9o
                               ヽ`
                              ´
                               ´.
                           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
                      ..‐´      ゙          `‐..
                    /                    \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                       ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
                ゙゙゙゙ i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,   ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙ -;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙ /`゙
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                         ´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´
28 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/17(土) 07:37:33.60 ID:4ibm6IIAO
ちょっとワロタ
29 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/17(土) 09:46:35.12 ID:N5l6ts6mo
うみみゅあ!
30 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/17(土) 23:42:22.02 ID:ZRU5dHzKo
マミさん一人だったら
「危なかった…油断していたらやられていたわね」
の因果が増幅でもされていたのだろうか

それはさて置きまどかの腹パンの因果が
31 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/17(土) 23:59:06.59 ID:13did9JG0
やられるとは…まさかあの薬の効果で
32 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/18(日) 00:39:13.81 ID:v10uP0rAO
投下開始
33 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/18(日) 00:40:51.78 ID:v10uP0rAO
――――満身創痍。

ほむら「生きてる……?」ズリズリ

マミ「何とか……お腹がスースーするわ……」ゲフッ

ほむら「あら、素晴らしい減量ね。羨ましいわ」ホムッ

マミ「貴女だって、腕二本ないじゃないのよ」フフッ

ほむら「ふふっ……」

マミ「あはは……」

ほむら「生きてて良かったわ」

マミ「ありがと。助けてくれて」

タタタ……

杏子「マミ! ほむら! 大丈夫か!?」

ほむら「なんとか」ホムッ

キリカ「身体の損傷が酷いね。ゆまの出番だ」

ゆま「任せて……むむむっ」ポワワー

ほむら「マミを先に頼むわね」

織莉子「あら……そう言えばあの魔法少女は?」キョロキョロ

さやか「――うわ、ひ、酷い」ビクッ

まどか「――っ」

ほむら「余り見る物じゃないわよ。気持ち悪いし」ホムッ

『おい、暁美ほむら……暁美ほむら!』テレパシー

ほむら「ん……? ユウリ、かしら?」

ユウリ?『ここだよここ! 拾ってほしいんだけど』

さやか「……ん?」ヒョイッ

さやか「――これ、ソウルジェムじゃない?」

ユウリ『おい、乱暴に扱うなよ! ソレが私なんだ!』

ほむら「えっ」

一同「ええぇぇぇぇぇぇ!!?」
34 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/18(日) 00:42:17.62 ID:v10uP0rAO
――――

ほむら「成る程。さっきのは結界の中だったからなのね」ホムッ

ユウリ『あぁ。実際は身体なんてないから……ソウルジェムとして存在するのが瀬戸の際さ。不便で嫌になる』

ほむら「でも、一体どうやって?」

ユウリ『お隣さんが力を貸してくれたんだよ。感謝しとけば?』

ほむら「お隣さんって……まどか……」

まどか「…………」

ほむら「グリーフシードになっても私を守ってくれているのね……」

ユウリ『ま、そういう訳。これで私も晴れて魔法少女って事』

QB「ふむ、比較的興味深いね。やはりキミは極めつけのイレギュラーだよ、暁美ほむら」

ほむら「そう。私には、貴女の方がイレギュラーに見えるけれどね」

QB「ボクが? キミらしくない見当違いだね」

QB「さて。今日の所は引き上げるとするよ。まどかとの約束を忘れた訳じゃないからね」スゥッ

ほむら「賢明ね…………っぅ」ズキッ

まどか「――ほむらちゃん!?」

さやか「アンタもマミさんも……そんなになってどうして戦うのよ」

マミ「自分の信じる何かの為に、かしら……イタタ」

ゆま「しゃべっちゃダメ……」ポワー

ユウリ『私ならもう少し速く治せるんだが……結界外ではどうにもならないわ』

織莉子「結界? なら……」

キリカ「もしかして、私の出番かな?」
35 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/18(日) 00:43:09.88 ID:v10uP0rAO
――――キリカ、小結界展開

ユウリ「やった! 身体戻った!」

ほむら「結界なら何でも構わないみたいね」ホムッ

ユウリ「こりゃ便利だ。ま、腕出しなよ」スッ

ホワン……

ほむら「貴女の世話になるのは二度目ね」フフ

ユウリ「まさか死んだ後に出会えるとは思っていなかったけど」ククッ

まどか「…………」

ほむら「まどか」

まどか「……何かな、ほむらちゃん」

ほむら「怖かったかしら?」

まどか「……それは」

ほむら「でも、これが魔法少女なのよ。血と、苦痛と、死にまみれている」

ほむら「だから……本当の事を言うと、貴女に拒否されたら私たちに強制権は無い」

ほむら「さやかも、安易な気持ちで契約はしないで」

まどか「……でも、そうしたらほむらちゃん達はやられちゃうよ」

ほむら「そうね……でも、貴女には私たちを見捨てて逃げる事も出来るわ」

ほむら「貴女はそんな事しない。けれど、そうしても誰も恨まない事は知っていてほしいの」

まどか「私、は……」

さやか「…………」
36 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/18(日) 00:45:38.88 ID:v10uP0rAO
――――まどか宅、深夜

まどか「…………」モゾ……

『突っ込む!』

まどか「……魔女と戦うのは、怖いよ」

まどか「みんなあんなにボロボロになって、死にそうになって……」

まどか「でも、ソレより……ほむらちゃんが怖かった」

まどか「呪いを振り撒くのが魔女なら……あの時のほむらちゃんは――」

タダイマカエッタゾーイ!

まどか「ん?」ガバ

知久「まどか、起きてるかい?」コンコンッ

まどか「パパ?」

ガチャッ

知久「良かった。ママを寝かせてあげたいから、手伝ってくれないかな?」

まどか「分かった……すぐ行くね」トテテ

――――玄関

詢子「うー……」グテー

タツヤ「マーマ、ねうー?」ベシベシ

詢子「むすこぉ……母はいたいぞー……」モゾモゾ

タツヤ「エヘァーイ!!」キャッキャッ

知久「コラコラタツヤ、駄目だよ。まどか、そっち持って」ヨイショ

まどか「うん」コラショ
37 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/18(日) 00:47:03.28 ID:v10uP0rAO
――――リビング

知久「ありがとう、まどか。ココア飲むかい?」コポポ

まどか「あ、うん」カタッ

知久「はい、熱いから気を付けてね」コト

まどか「…………」ズズ……

知久「……何だか元気が無いね。悩みでもあるみたいだ」ズズッ

まどか「……パパには分かるの?」

知久「そういう時のママとおんなじ顔をしているからね。パパで良かったら、話してごらんよ」

まどか「……パパはさ、誰か困ってる人がいて――その人を助けてあげたいけど、それはとっても恐い事で」

まどか「そういう時、どうする?」

知久「……いじめがクラスであったのかい?」ムム

まどか「あ、ううん。違うの、全然違う……でも、そういう状況」アセッ

知久「それならいいんだけど……でも、難しいね」

知久「助けたい、けど恐い。でも、まどかはどうだい?」

まどか「え?」

知久「助けなかったら、まどかはその後どう思う?」

まどか「私は……きっと後悔すると思う」

知久「そうだね。なら、やらずに後悔するのと、やって後悔するのと……どっちにしたって変わらないんだ」

知久「なら、まどかが選びたい方で良いんだよ。後悔が少ない方を選ぶべきだ……それが、目の前の壁だけなら尚更ね」

まどか「……うん、そうだね。ありがとう、パパ」ニコッ

知久「たまにはパパもカッコつけれたかな?」アハハ

まどか「もう、パパったら」アハハッ
38 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/18(日) 00:51:11.16 ID:v10uP0rAO
投下終了。

思うんだけど、多分まどかって連れ子だよね。タツヤと10以上年離れてるし。
順当に行くと詢子さんが女手一つでまどかを育てたっぽいよね、働いてるのはその延長くさい。
となると知久さんとまどかは血が繋がってないね。だから何だって訳じゃないけど。
39 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 00:53:46.16 ID:jXaVZ4dS0
>>38 乙!
http://ameblo.jp/mori-arch-econo/entry-11085596950.html
鹿目家の住まいはこんな感じみたいだぞ・・・是非一読をば
40 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 01:09:35.88 ID:EEOBLFIa0
>>38
マミさん助かってよかったー
41 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]:2011/12/18(日) 01:11:14.40 ID:v10uP0rAO
そうそう、俺らの常識で考えるとあの家はおかしい。
けど学校がアレだから判断に困る。
42 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 01:35:46.95 ID:9gveP3FBo
お疲れ様でした。
43 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 02:44:38.50 ID:TNmx5mYBo
>>38
おつ
その発想はなかった
主夫かー最近では普通なのかなーぐらいにしか感じなかった


にしてもチートレベルの強者であるはずのほむほむが感情剥き出しにして足掻いてるのがたまらん

44 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 06:57:22.71 ID:69heq2vwo
>>38
兄弟で10歳離れてるって割と普通じゃね?
40半ばまでは問題なく産める体だし
45 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 11:22:49.06 ID:Rud0W3sWo
連れ子って邪推し過ぎじゃね
ウチの家も妹との間が13離れてるわ
46 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 13:29:19.18 ID:+qm55pP2o
詢子さんの友達の和子さんが34歳だから詢子さんもそのぐらいだろうしな
47 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 15:23:42.33 ID:k0kVOFVAO
・・・なんか、ブリーチのコンみたいにぬいぐるみにソウルジェムを入れたらユウリが動けたりしてww
48 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 16:06:37.20 ID:MKPyxIOCo
魔法処女ってソウルジェムで体を動かしてたはずだから依代あったらいけるかも
49 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/18(日) 17:06:10.66 ID:NYeQmbwAO
>>48
魔法処女www
50 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 17:07:13.76 ID:NYeQmbwAO
>>49
下げ忘れましたすいません
51 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 17:14:43.89 ID:M29QPVeVo
魔法少女だって非童貞なのにお前らときたら
そんなフレーズが唐突に浮かんだ
52 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 18:34:59.87 ID:GV/H99RAO
乙乙
携帯で良くこんだけ書けるね。すごいなあ
それにしてもあんだけ好き放題やっててもゴジラのほむほむには引くのねwww
SS速報のほむほむ達の中で最強のほむほむがここのほむほむなら、ゴジラのは最凶だなwww
もしここのほむほむが自分そっくりの生き物がまどか達に食用にされてたり、普通に主婦で母親やってる自分を見たらどんな反応するんだろう?
53 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage saga]:2011/12/18(日) 19:09:16.53 ID:xia8RGwDO
>>52
キュウべえと仲良くなってたりする時間軸も合ったね。
54 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 19:13:44.54 ID:+QOrqn3AO
あのスレは筆者もさることながら住民が強すぎるwwwwwwwwwwww
55 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 20:03:23.15 ID:MKPyxIOCo
性欲特化なら魔法淑女のほむほむが相当なレベル

魔法処女って響きいいね!まどっちに似合いそう
56 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 23:50:57.82 ID:ynGiS6zNo
乙!!
パパ△

>>53-54
あそこの住民がここに出てきたら大変な事になるかとwwwwwww
57 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 00:08:37.35 ID:sQEQQvEvo
>>53
詳しくお願いしたいスレチすぎるが
58 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 00:10:55.97 ID:RwlGeqLoo
>>53-54
魔女仲良スレ名物ソフ姉さんですねわかります
アレはまどかに限らずSS速報最強
59 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 00:13:55.31 ID:RwlGeqLoo
>>57
魔法少女と魔女が仲良くなるスレ
60 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/19(月) 00:48:53.22 ID:+vH3kGgAO
ぶっちゃけていい?



チベットさんは多分たまにこのスレに居ると思うの私。いつも然り気無いレスありがとうね。

投下開始。
61 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 00:49:29.48 ID:sQEQQvEvo
>>59
ありあり
QBとほむほむが仲良くなるなら読むしかないじゃあない!
スレチすまぬ
62 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/19(月) 00:50:50.97 ID:+vH3kGgAO
――――自主休講

ほむら「あー……今日は学校無理だわー……」ダルー

マミ「だからって私の家に来なくても……」

ほむら「…………」ジー

マミ「?」キョトン

ほむら「心配だからよ。それ以外の何物でもないわ」ホムッ

マミ「……そうストレートに言われると恥ずかしいわね」テレリ

ほむら「身体の調子は?」

マミ「とりあえずは問題無いわ。ご飯だって食べられるわよ」フンス

マミ「ゆまちゃんもそうだけど、あのユウリって子……凄い魔力ね。半端じゃないわ」

ユウリ『当然さ。アタシはユウリなんだからな』

マミ「――びっくりしたわ。もしかして?」

ほむら「えぇ。指輪形態で一緒にいるわ」ホラ

ユウリ『不本意ながら物質系マスコットだ、宜しく』

マミ「もう大抵の事では驚かないと思っていたけど……これは流石にね」

ほむら「私も驚いているわ。でも……」ナデ

ユウリ『オイこら、くすぐったい』

ほむら「とても嬉しいの。奇跡は起こるって、知る事が出来たから」

ほむら「きっと、上手くいくわ。今度こそね」

ユウリ『オイオイ、何だか変わってないかアンタ。もちっと棘があったような……』

ほむら「色々あったのよ。貴女と別れてからもね」フフ

マミ「ユウリさんのお話も聞いてみたいわね」

ピンポーン

マミ「と、その前に来客ね」カタッ
63 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/19(月) 00:52:22.40 ID:+vH3kGgAO
――――黒と白とアリスのお茶会

ユウリ「シャバの空気は旨い」プハァ

キリカ「軽い結界でも顕現は出来るようだね。まぁ、その分弱くなってるみたいだけど」キィン――

ユウリ「しっかし器用なモノだな。半分魔女なんて、不安定じゃない?」

ほむら「私たちからしたら貴女の方が凄いの」ホムッ

織莉子「えぇ。祈りの原点が既に魔女、なんて例はなかなかありませんよ」

ユウリ「かね、やっぱり」ポリポリ

マミ「はい、お茶とお菓子よ」コトッ

織莉子「キッチンに行ったと思ったら……言ってくれれば用意しますのに」

マミ「お客さんのおもてなしくらいさせてほしいわ」クスッ

ほむら「あら、私たちは客じゃないわ。仲間よ」ホム

マミ「なら、尚更美味しいお茶をごちそうしなきゃ、でしょ?」

ほむら「それもそうね」ズズー

キリカ「飲むんかーい」ビシッ



ほむら「……ユウリは」

ユウリ「ん?」

ほむら「この紅茶を、『どの立場』で飲むの?」
64 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/19(月) 00:53:49.69 ID:+vH3kGgAO
ユウリ「……ふぅん。なかなか難しい問い掛けだ」フム

ユウリ「だけどな、暁美ほむら」

ほむら「…………」

ユウリ「こうやって話しているのだって、結界が無ければ出来ない事だ」

ユウリ「大体、こうやって出てきたのだって……その、アレだ」

ほむら「?」キョトン?

ユウリ「ほら、約束したろう? だから、その……」シドロモドロ

ほむら「?」キョトトン?

ユウリ「――死ね! もう死んでしまえ!」ガバッ!

ほむら「え、ええっ、ちょっ、まっ――」バタバタッ

マミ「三行で」ズズ……

織莉子「未来で、フラグ、立てた」ズズー……

キリカ「わーお」ズズー……
65 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/19(月) 00:56:03.47 ID:+vH3kGgAO
――――

ほむら「わ、分かったわ……とにかく、一緒に戦ってくれるのね?」ゼーハー……

ユウリ「そうだよ……当たり前だろうが」ゼハーゼハーー……

マミ「暁美さん、衣服の乱れ凄いわよ」

キリカ「見えてるよー」モグモグ

ほむら「見苦しいモノを見せたわ……で、ユウリ」

ユウリ「なにさ」

ほむら「それなら貴女の奇跡も使いたいのだけれど、良いかしら?」ホム

ユウリ「あぁ、あの盾から色々出してたヤツか。良いよ、やり方は知らないけど」

ほむら「手を出して……そう」スゥ

ほむら「『悠理』」パァッ

ほむら「……あら? 武器が出ないわね……?」ホム?

マミ「あら……」カァッ

キリカ「スレンダーだね、暁美ほむらは」

織莉子「少し胸囲が寂しいわ」

ユウリ「――はっはっは! こりゃあ傑作だよほむら! 自分の姿を見てみるんだって!」ゲラゲラ

ほむら「え?」チラ

ほむら「」

ほむら「」

ほむら「な、何よこの恰好ぉぉぉぉぉぉ!!?」カァァァッ

ユウリ「アタシの魔法装束だね……いやぁ、まさか服とは思わなかった……」ヒーヒー……
66 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/19(月) 00:57:21.93 ID:+vH3kGgAO
ほむら「こ、こんなのどうやって使うのよぉ……ほとんど裸みたいなモノじゃないのよ……」モジモジ

キリカ「いや正直裸より恥ずかしいよ?」

ユウリ「喧しいわ」

ほむら「お、恐らく決まった武器みたいな魔法が無いからこうなったのね……イル・トリアンゴロとか、魔法の使い方が頭に流れ込んでくるわ」シュンッ

織莉子「(あ、戻った)」

マミ「(よっぽど恥ずかしかったのね)」

キリカ「貧相な身体が余計にエロスを――」

ほむら「もう勘弁して……」ホムム……
67 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/19(月) 00:57:48.53 ID:+vH3kGgAO
――――学校、放課後の二人。

まどか「さやかちゃん、帰りどうする?」

さやか「……一応、マミさんのマンションに行こうと思ってるんだけど」

まどか「私もだよ。心配だもん」

さやか「……魔法少女の事もさ、真剣に考えなきゃ。そう思ってね」

まどか「……そうだよね」

さやか「ま、くよくよしてても仕方無い! 仁美、悪いけど先に帰るわー」

仁美「またお二人で……ほどほどにした方がよろしいですわよ?」ウフフ

さやか「それは絶対、間違いなく、勘違いだからね?」
68 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/19(月) 00:59:41.70 ID:+vH3kGgAO
――――マミ宅

さやか「で」

ワイワイガヤガヤ

さやか「なんですかねこの有り様はさー!! シリアスな気分で来たこっちの意見は無視ですかー!」

杏子「くっそ死ね! メタナイト死ね!」カチカチ

ユウリ「ははっ、いいね。もっと見せてよその顔!」カチカチッ

杏子「うぜぇ。ちょーうぜぇ!」カチカチ

ほむら「食らいなさい、ほーむらンバット!」ポーイ

杏子「ほむらぁぁぁぁ! それは投げるアイテムじゃねぇ――死んだ……おもむろに投げられたバットで死んだ……」ガクー

織莉子「遠くからPKサンダー撃ち込むだけの簡単な作業ね」PKサンダー!

まどか「スマブラしてる……魔法少女スマブラしてるよさやかちゃん」

さやか「夢も希望も無いよ……」

マミ「つい最近買っちゃったのよ」テヘッ

キリカ「だけど、大事だよ。魔法少女になったからといって、かつて自分が人間だった事を忘れてはいけない」

キリカ「ソレを忘れてしまったら、もうソレは魔法少女じゃない。ただの化物だ」

キリカ「だからコレでいいのさ。こうじゃなきゃ嘘だ」ククッ

ゆま「キョーコ、ひだり!」アワワ

杏子「なんでほむらそんなホームランバット引くんだよおかしいだろ!?」チクショー!?

ほむら「選ばれし者だからよ」ホムッ

まどか「……すごいね」アハハ

さやか「……まぁ、うん」ハハッ
69 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/19(月) 01:01:19.86 ID:+vH3kGgAO
投下終了。
70 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 01:04:01.72 ID:weXxrfvDO
71 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 01:05:49.11 ID:sQEQQvEvo
乙っス!
ほのぼの過ぎて続きが気になる
レス前にリロる癖をつけよう・・・
72 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 01:07:10.38 ID:ZtzkyfJ30
このスレはいつも、勇気を与えてくれる。
73 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 01:07:35.73 ID:3LLBrm/yo
乙です。
今のほむほむでも恥ずかしがったりすんのね、可愛いわww
74 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 01:09:32.78 ID:azhl5EUmo
勇気と愛気
の〜みそコネコネ
75 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 01:11:41.44 ID:B3jyw7Zjo
知恵と愛と勇気と力
後なんだったっけ
ともあれ乙
ほむほむは石化キャンピカ派
今の主流を知らないけども
76 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 04:50:28.40 ID:exyyIrN2o
乙!!
どこの世界でもをなごが集まれば賑やかな感じがでて良いのぉ


あ、チベットさんがここに居るって予想はおそらくあってると思われ
てかスレチスマソ


>>74
コンパイルかよwwwwwwww
77 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 07:00:00.48 ID:Y68US5lyo
お疲れ様でした。
78 :53 [sage saga]:2011/12/19(月) 16:29:34.99 ID:3TKnca/DO
>>57
過去ログ - キュゥべえ「ボクを信じてくれ、暁美ほむら」です。
79 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 18:59:41.88 ID:sQEQQvEvo
>>78
ありあり
よんでみますん!
80 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/20(火) 00:07:38.99 ID:gcSLFHMY0
追いついた
一昨日から読み続けた
これは名作やでぇ
81 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 00:08:34.27 ID:gcSLFHMY0
すまん、sage忘れた
気をつける
82 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 01:04:50.11 ID:emNkHkpao
きゅっぷい!
83 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:08:52.38 ID:2Jxh0dCAO
ちと長い。

投下開始。
84 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:09:38.04 ID:2Jxh0dCAO
――――学校。放課後。

ほむら「さて、今日の授業終わり、っと……」

ほむら「(簡単過ぎて逆に間違ってないか心配なのよね……)」ホムゥ

さやか「おーい転校生、今日は暇?」

ほむら「一応予定は無いわ。上条恭介の件かしら?」

さやか「あ、まぁね」

ユウリ『あぁ……青いのの恋人だっけ?』

さやか「ばっ、ばかっ!?」カァッ

ほむら「まだよ」ホムッ

ユウリ『まだかー』

さやか「う、うるさいなぁもぅ……」カァッ

まどか「私も行っていい?」ティヒヒ

さやか「うん。ありがとね……仁美はどうする? 途中まで一緒に帰る?」

仁美「……いえ、私お稽古がありますので」

さやか「そっか。じゃあ、またね」
85 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:10:33.90 ID:2Jxh0dCAO
――――道すがら

さやか「仁美が、ねぇ……やっぱ冗談でしょ?」

ほむら「それならどんなに良いか……」フゥ

さやか「んー、分かんないなぁ……ホントに好きならさ、さっき誘った時に来るんじゃない?」ンー

まどか「まぁね……そうかも」

ほむら「……これは仮定なのだけれど、もしかすると――酔っているだけなのかもしれないわね」

さやか「酔ってる、って?」

ほむら「自分は良家のお嬢様。日々学校とお稽古で、自分の時間なんて無い」

ほむら「そんな自分が、バイオリンの天才奏者に恋をした」

ほむら「そら。そんな自分は、悲劇のお姫様じゃないかしら?」

ほむら「そんな自分は、とても気分が良くないかしら。まるで物語の主人公の様に、人生に悲劇が満ちている様に見える」

ほむら「その実、生は温く、心は凡で、身は人なのに」

さやか「な、なるほど?」ン?

まどか「恋に恋してる、って事かな?」

ほむら「そうよ。他人から見れば、酷く滑稽。全く子供の恋愛だわ。年相応で良いんじゃない?」

さやか「――そんな言い方は、私、怒るよ」グッ

ほむら「……そう。だから、私は貴女が好きよ」
86 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:11:43.31 ID:2Jxh0dCAO
さやか「へっ?」

ほむら「他人の為に自らの犠牲を厭わない。他人の為に怒り、悲しみ、涙する事が出来る」

ほむら「欠点を上げるなら、情熱的過ぎる事かしらね。生きる事にも、恋愛にも、正義にも、ね」

さやか「ちょっ、やめ、変な顔になるからっ」アワワ

まどか「さやかちゃんったら……」ウェヒヒ

ほむら「さやか。私はね、上条恭介も志築仁美も好きじゃないわ。あんまりね」

ほむら「何時の時間軸だって、二人は貴女を傷付ける……」ギリッ

ほむら「……それがこの時間軸で無いとしても、性根は変わらないから」

さやか「心配無いよ……私もさ、そうやって聞いていたら……覚悟? くらいは出来るからさ」

まどか「もう隠さなくなってきちゃったねさやかちゃん」ウェヒヒ

さやか「モロバレだしねぇ……アタシのプライバシーはどこだー……」ハァ
87 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:12:32.02 ID:2Jxh0dCAO
――――病院

まどか「ちょっと……私こっちに」モジモジ

ほむら「(あぁ、トイレね)」ホムッ

ほむら「さやか、先に行ってて。私たちは後から行くから」ホムホム

さやか「あ、うん。分かった、恭介にCD渡しとかないといけないし……転校生、バイオリン持ってきてる?」

ほむら「盾の中よ」ホムッ

さやか「うん、じゃあ後でお願いね」テクテク

ほむら「待たせたわ」ホム

まどか「も、漏れちゃうぅぅ……」プルプル
88 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:13:10.06 ID:2Jxh0dCAO
――――上条恭介の病室。

上条「…………」

上条恭介は自身の左手を見た。

何と役立たずなんだろうか。
動かす事叶わず、一生をこんな無様に過ごせと言うのか。

選ばれたんじゃないのか、自分は――

上条「くそっ……」

悔しさにソレを机に叩き付けようとも、痛みを感じる事は無い。

そんな殺伐とした雰囲気を塗り替えるように、さやかは扉を開けて部屋に入ってきた。

さやか「恭介、調子はどう?」

上条「さやかか……」

全く能天気そうで、羨ましい限りだ。
悩みなんて一欠片も持ってないだろう、その緩んだ顔に苛立ちを覚える。

さやか「恭介、これ新しいCD。今回はさやかちゃん自信あるよー」

またか。
もううんざりだ。

上条「さやかはさ――」

上条「さやかは、僕を虐めているのかい?」

さやか「え?」

上条「何で今でもまだ僕に音楽なんか聞かせるんだ。嫌がらせのつもりなのか?」

さやかの表情がみるみる変わる。
『そんなつもりじゃない』と、表情が物語っていた。
89 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:16:58.00 ID:2Jxh0dCAO
さやか「だ、だって恭介音楽好きだから――」

音楽が好きだから。
そうだろうね。確かに好きだよ。だけどさ。

上条「もう聞きたくなんかないんだよ!!!」

さやか「ひっ!?」

上条「自分で引けもしない曲、ただ聞いてるだけなんて――!!」

くそ――くそっ!

上条「僕は――僕は!」

苛立ちをCDプレーヤーに向ける。
上条「こんな、手なんて!」

ただの棒の様な左腕で殴ると、それは呆気なく壊れてしまった。

まるで自分をあっさり否定されたようだった。

さやか「――っ」

さやかは恭介の左腕を咄嗟に抑える。
血は当然流れ出る。
だって、感覚は無いと言っても生きてはいるのだから。

さやか「――、――っ」

さやかは突然の事にパニックを起こす。
このように癇癪を起こす幼なじみは、見たことがないのだ。

上条「動かないんだ……もう、痛みさえ感じない――」

さやか「――大丈夫だよ、きっと何とかなるよ……諦めなければ、きっといつか――」

上条「諦めろって言われたのさ……っ!」

慰めようと必死なさやかを振り払う。
そんな同情は要らなかった。
90 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:17:25.54 ID:2Jxh0dCAO
上条「もう演奏は諦めろってさ。先生から直々に言われたよ。今の医学じゃ無理だって」

上条「僕の手はもう二度と動かない。奇跡か、魔法でも無い限り治らない」

さやか「っ」

奇跡か、魔法――!

さやか「あるよ」

上条「何がだよ!」



さやか「――奇跡も、魔法も、あるんだよ」



上条恭介は、この期に及んで楽観的な言葉を吐く美樹さやかが――酷く鬱陶しかった。

上条「うるさい!」

さやか「きゃ――」

突き飛ばされたさやかを受け止めたのは――

ほむら「随分と荒れているわね、上条恭介」

――いつの間にかソコにいた暁美ほむらだった。
91 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:18:06.74 ID:2Jxh0dCAO
――――

まどか「さやかちゃん……」

さやか「な、何だよー、何ともないって……」

気まずそうに頭を掻いて苦笑する美樹さやかが、とても不憫だった。

上条「暁美さんか……ゴメン、見ての通り今は気分じゃないんだ。手もこんなだしさ、ハハッ」

ほむら「逃げられると思って?」

上条「えっ?」

ほむらが上条の左手に、自分の同じ方の手を重ねる。すると、彼の傷は跡形も無く消えていた。

上条「なっ――」

ほむら「(ありがとう)」

ユウリ『どういたしまして、かな』

ユウリのソウルジェムから微弱な癒しの力を放っただけだったが、存外効果はあったようだ。
もっとも、彼の左手が動くようになるわけではないが。

上条「な、何だコレは……」

ほむら「コレで良いでしょう? バイオリンを持ってきたの。屋上で聞かせてあげるわ」

無表情でそんな事を言うほむらに上条恭介も流石に、凶暴に口を開いた。

上条「……さっきの話聞いてたんだろ。嫌みのつもりかい?」

ほむら「貴方の受け取り方次第じゃない? ところで、その左手は一生動かないの?」

ほむらがソレを指差して、意味深に問い掛ける。
92 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:19:16.77 ID:2Jxh0dCAO
上条「――だから! もうバイオリンは弾けないんだって――」

ほむら「答えが違うわよ。私は『一生動かないのか』と聞いたの」

上条「……ふん。長い時間を掛ければ、芋虫程度には動くようになるさ。キミの手ぐらいにはね」

随分と棘がある。
無知故の蛮勇とは言え、久々に面白かった。

まどか「上条君、そんな言い方――!」

まどかに手をかざして制止を示すほむら。
ほむらの事だから何か考えがあるのだろうと、まどかは口を閉じる。

ほむら「へぇ。なら良いじゃないのよ。生活には困らないし」

上条「……君はよくよくと僕を知らないようだね」

ほむら「……ふむ。なかなかに鬱屈してるわね。苦労するわよ、さやか」

目の前の男に些か呆れを覚えながら、さやかに振り返る。

さやかは目を丸くして状況に流されるばかりだった。
優しい笑顔を送る。

ほむら「……上条恭介。貴方が学業を終えた、次の4月からで良いわ」

ほむら「どうやって朝食を食べるのかしら?」

上条は突然の、しかも意味の分からない質問に辟易する。
目の前の人物が、まるで分からない。
93 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:19:57.49 ID:2Jxh0dCAO
上条「……そりゃあ、和食ならお箸で――」

ほむら「バカか、クソガキが」

上条まで目を丸くする。
おおよそ目の前の可憐な少女が使う言葉使いでは無かったから。

ほむら「はぁ……そういう話じゃないわ。貴方はそのご飯を、どうやって買ったの? お金は?」

上条「そ、そりゃあ仕事を始めているだろうし……」

ほむら「じゃあ、その仕事は何?」

上条「……さてね。もうバイオリンは弾けないから、分からないよ」

上条は調子を取り戻した。
今や二人の間には火花さえ見える。

いや、見えているのは上条だけだろう。
ほむらにとって、この問答は勝負にすらならないのだから。

ほむら「バイオリンが弾ければ、何か働き口があるのかしら?」

上条「……当然さ。僕なら、プロのバイオリニストにだって簡単になれるからね」

ほむら「傲慢ね」

上条「――何だと?」
94 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:23:43.91 ID:2Jxh0dCAO
ほむら「傲慢だと言ったのよ。貴方より優れたバイオリニストなんて世界にザラにいるわ。それでもそうと言い張る、根拠は何?」

上条「だって、僕はそう言われて今まで――!」

ほむら「他人に言われるがまま、優越を甘受し、羨望を受けて世に憚る。それは構わないわ、でもね――」

ほむら「――それは、他人に見捨てられた時に全て失う……砂上の楼閣と、何が違うの?」

ほむら「『子供なのに』『若いのに』」

ほむら「貴方の評価は、所詮接頭語にコレが付く」

ほむら「貴方が年を喰って行くに連れて、評価はより現実を裁く」

ほむら「そうなっても、貴方は本当にバイオリンに愛されているのかしら?」

上条「う……」

ほむら「この世で一番偉大なのは農家よ。生に直結する彼らの仕事は、故に尊い」

ほむら「逆に言えば娯楽の類いなんて、切り捨てても生きる事は出来る。貴方は、自分のやっている事の評価が……他人に依存している事に気付いていないのよ」
95 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:24:21.24 ID:2Jxh0dCAO
上条「……う、うるさいうるさい! 君みたいな普通の子に、僕の気持ちなんて分からない!」

上条「僕にはバイオリンしか無いんだ……そうやって生きてきたんだ!」

その言葉を待っていた、と言いたげにほむらは意地悪く笑った。

ほむら「ふーん……バイオリンしか無い、なんて言うのね。バイオリンの弾けない貴方に、価値なんてないと?」

上条「そうだよ! 所詮僕はそれだけなんだ……もう放っておいてくれよ!」

ほむらがまた後ろを振り返ると、怯える二人を見て取る事が出来た。
少し怖がらせてしまったようだ。

ほむら「まどか、車椅子の用意を……立ちなさい、上条恭介。立て」

恭介の身体を無理矢理に起こし、反抗するそれをあっさり車椅子に叩き込んでしまった。
96 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:24:53.23 ID:2Jxh0dCAO
さやか「ほ、ほむら、何するのよ……?」

上条「何のつもりだよ……」

ほむらは自ら車椅子を押し、二人はおずおずと後を着いてきていた。
看護婦の視線は、この際無視だ。

ほむら「私、貴方の演奏を録画で見たのよ」

上条「……何時のだい?」

ほむら「一番最近のよ。率直な感想を言っていいかしら?」

上条「どうぞ。どう感じたのか僕も気になるさ」

この自信を、他に向けてほしいモノだ。

ほむらは屋上のドアを開いた。





ほむら「子供が玩具担いで遊んでる様にしか見えなかったわ」
97 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:25:24.94 ID:2Jxh0dCAO
――――屋上。夕焼けがほむらを照らして淡く輝く。

上条「――はっ! よくもまぁ、そんな啖呵を切れるものだね」

鼻で上条恭介は笑う。

そんな彼に、ほむらは問い掛けた。

ほむら「上条恭介。貴方にとって、音楽って何?」

上条「僕にとって? そりゃあ当然得意な事さ。僕の手足と言っていい」

ほむら「そ。私はね――」

虚空からバイオリンが現れる。
最高級の魔法楽器、ストラディバリウス。

彼はある意味で幸運だ。
数百年使い込まれた道具と、幾千年使い込んだ担い手の奏でる旋律を――聴くことが出来るのだから。



ほむら「――命だと思うの」

弦が、言葉を発して――
98 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:26:35.08 ID:2Jxh0dCAO
――――世界で一番美しかった、屋上。

ほむら「――ふう」

最後の音を空に放って、ほむらはその手を止めた。
楽器はただ主の為すままに奏でただけで。

だが。

上条「――、――――、――」

もはや過呼吸で倒れんばかりに、呼吸も儘ならない上条恭介。

どうやら天才の名は強ち間違いでも無いらしい。
感受出来るだけ、大したモノだ。

さやか「凄い……」

まどか「わぁ……」

そう。普通の反応はこうだ。

ほむら「上条恭介」

上条「――、――何だよ」

ほむら「どうかしら。貴方のお遊びよりかは、幾分か上手だと思うのだけれど」

上条「――っ」

ほむら「貴方、言ったわよね。バイオリンの出来ない自分に価値なんて無いって」

上条の車椅子に近づいて、人差し指を彼の額に突き付ける。

ほむら「違うのよ。貴方がバイオリンを弾けようが弾けまいが、私の劣化である時点で存在価値なんてない」

ほむら「貴方が勘違いしていただけで、貴方は始めから要らない人間なのよ」

上条「……君は、僕を虐めて楽しいのかい?」

涙を流さないのは評価しよう。

ほむら「虐める? まさか」

微笑して、ほむらは重く冷たい何かを上条に当てた



拳銃。
99 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:29:51.05 ID:2Jxh0dCAO
上条「な――あ――」

余りの非現実感に、上条恭介は声を上げる事が出来ない。
ソレが玩具で無いのは、素人目にも明らかだった。

さやか「ほ、ほむらっ!!」

ほむら「価値が無いお前は、死んでも別に問題無いでしょう?」

ほむらがトリガーに指を掛けて――

さやか「や、止めてぇっ!!」

さやかがほむらを思い切り突き飛ばした。
ほむらはあっさり地面に倒されてしまう。

上条「さ、さやか――」

さやか「転校生……アンタ、マジだったろ……」

地に座り、さやかを見上げながら、ほむらは上条に語りかけた。

ほむら「ねぇ、上条恭介。貴方の病室は二度見たわ」

ほむら「花、服、CD。そのくらいしか無かった」

ほむら「来客の様子は無かった。見舞いにくる者なんて、いなかったのでしょう?」

上条「……最初は、みんな来ていたさ」

ほむら「でも皆興味を無くしていく。バイオリンを弾けない上条恭介なんて、自分たちと変わらないただの人間だから」

ほむら「当然と言えば当然。だって本当にそうなのだから」

ほむら「でもね」

ほむら「バイオリンを持たない貴方を、ずっと見ていてくれた人が居るんじゃないの?」
100 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:30:53.63 ID:2Jxh0dCAO
上条「っ」

さやか「…………」

ほむら「貴方が貴方であるから。貴方が貴方であるだけで、尊いと知っている誰かがいるから」

ほむら「貴方は今ここにいるのよ」

ほむら「価値のある人間なんていない。人間なんて世界単位で見れば単なる破壊者に過ぎない、寧ろマイナスよ」

ほむら「故に、貴方が何者だろうと然したる違いは無い」

ほむら「……身を呈して貴方を守ったのは誰か。それをもう少し良く考えなさい」

ほむらはスカートを払って立ち上がった。

ほむら「私がこんなに怒っているのはね、貴方が、私の、大切な、親友を、蔑ろに、したからよ」

一語一語に自然に力が入ってしまう。

ほむら「私からすれば美樹さやかは、何物にも変えがたい宝を、それでも遥かに凌駕する価値があるわ」

ほむら「それを、努々忘れない事ね。行きましょう、まどか」

まどか「あ、うん……」

ほむら「さようなら、さやか。また明日、学校で」
101 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:31:46.73 ID:2Jxh0dCAO
――――屋上、二人きり

さやか「……ふうぅぅぅ」ハァァ

上条「……暁美さんの言うことも、もっともだったね」

さやか「恭介……」

上条「酷い事をしてしまった……謝らせてくれないか、さやか」

さやか「あ、いや、うん。気にしてないし!」アハハー

上条「それと、ありがとう……さっきは、本当に嬉しかったよ」

さやか「いやー、ホントに危なかったし……夢中でさ」テヘヘ

上条「……あれ、本物だったのかな」ブルッ

さやか「間違い無く本物だよ……」

上条「……不思議な人だ。バイオリンだって、アレは――ありとあらゆる音楽家を集めたって敵わないよ」

上条「……僕は、小さいなぁ」ポロ

さやか「恭介……」

上条「僕は、僕はこんな……」ポロポロ……

さやか「……恭介」ギュウッ
102 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/20(火) 01:32:13.25 ID:2Jxh0dCAO
投下終了
103 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 01:35:31.10 ID:JzD8RnlAO

ええ話や……
104 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 01:36:57.97 ID:t5mPw1U0o
乙!
まさかの上条改心か…
105 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 01:37:19.79 ID:dlFvHTiF0
乙 ほむほむ△
少しほろりときてしまった
なんというか、共感できるところがあったというか……
106 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 01:39:13.72 ID:emNkHkpao
大量投下おつほむきゅっぷい!
107 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 01:43:58.00 ID:dFhwX6y9o
ヒトが居るから人に価値が出るのかぁ
じゃあヒトがいればモノにも価値が出るんじゃないのかな
その考えは安易かしら

108 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 01:53:05.81 ID:wknO632Mo
まどマギの世界には大人がいなかったからな…
いるには居たけど蚊帳の外だったしね
ここじゃほむほむが大人の代わりになってくれる
109 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 02:08:31.05 ID:LWRRkLKpo
ほむほむイケメンすぎるだろ
110 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 02:24:00.41 ID:dTImEINso
>ほむら「この世で一番偉大なのは農家よ。生に直結する彼らの仕事は、故に尊い」

よく分かってるじゃないか。イチゴ農家のうちに嫁に来い
111 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 02:42:23.56 ID:QkVliXZAO
人間にはおしなべて価値がないとか言っておきながら農家は持ち上げるのね
>>1は別に農協の差し金でも何でもありません。セシウム毒米なんてとんでもない。」
みたいに誰か弁解してあげなくていいのかしら
そんで価値をつけるのはやっぱり人間だと

ここまできれいに進みすぎると「まどかが契約しますように」と意地悪な気持ちが生まれてしまうなんでだろう
これが恋か
112 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 02:51:42.51 ID:f4kp/Q8K0
何もかもなくしたQBのために、何曲、何千年弾いていたんだろうな、ほむらは。
何もかもなくしたまどかのために。何もかも捨てた自分のために。自分が葬ってきた魔法少女たちのために。マミのために。さやかのために。
己一身の栄達しか思わぬガキが、かなうわけがない。人間の格が違う。
113 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 07:07:11.96 ID:Bj8EsjIwo
お疲れ様でした。
114 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 10:58:51.81 ID:gcSLFHMYo
ふぅ
115 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 12:20:23.90 ID:HsCUgcrDO
乙!!

ほむほむマジお母さん
116 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 14:12:05.47 ID:gjqIz88AO
>>108
大人が蚊帳の外だからこそ
QBが暗躍できたとも言える
某所の作品だと最低系主人公だったが
ほとんどの対魔女戦を自衛隊まかせにしたのもあったね
117 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 14:20:31.74 ID:gjqIz88AO
訂正
>>108
大人が蚊帳の外だからこそ
QBが暗躍できたとも言える

まあ、『大人に頼る』といういみではかなりずれてはいるが
某所の作品だと最低系主人公物だったが
ほとんどの対魔女戦を自衛隊まかせにしたのもあったね。
118 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 14:25:14.96 ID:6tRr/F6Po
かみじょうくんのはちいさいのか、そうか
119 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 14:38:25.28 ID:gcSLFHMYo
人類が滅んでも機械は動き続けるってそういうことか
120 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 18:30:33.82 ID:AruRFcdVo
こういう風に上手く行きすぎるとそろそろビターなものが恋しくなる
121 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 20:05:15.88 ID:emNkHkpao
このSSのおかげで私はほむほむ派です!
122 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 22:32:39.87 ID:tj5WYLn+o
眠たさの限界を突破
123 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 23:17:39.28 ID:8qc4aQMIo
ほむら「キュゥべえをレイプしたら妊娠した」
マミ杏「」
ほむら「たまには貝合わせもいいかしらと思って、10発ほど注ぎ込んだ後に貝合わせしたのよ」

ベアト(CV若本)『あひいぃぃぃぃぃぃっ!! 中に出されたのが溢れてりゅうぅぅうぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅ!!』
ほむら『私の精液と貴女の愛液ですべりが良くて気持ちいいわ』ホムッ

ほむら「まさか自分の精液で妊娠するとは思わなかったわ。この子、どうしたらいいかしら?」
マミ杏「知るかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

ここのほむらさんなら、こんな感じで自分だけで子供くらい作れるに違いない
124 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 23:27:53.13 ID:tj5WYLn+o
あ、誤爆してた^p^
125 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 00:59:24.56 ID:My1W3DMAO
>>123
コラwww

投下開始
126 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 01:00:30.92 ID:My1W3DMAO
――――さやか、小雨の帰途。

さやか「雨、降ってきちゃった……折りたたみ傘持ってて良かった」バサッ

さやか「…………」テクテク

『貴方に、価値なんてない――』

さやか「……そんな事無い。アタシにとって、恭介は」

さやか「転校生の言葉も分かるけど……」

ほむら「けど?」ホムッ

さやか「どぅわはぁい!!?」ビクッ

さやか「……転校生、まどかと帰ったんじゃないの?」ジトー

ほむら「まどかはもう送り届けたわ。だから自宅に帰る途中」ホムホム

ほむら「で、けど何?」

さやか「……転校生の言うことは確かに一理あったよ。悲観ばかりじゃ駄目だって、確かにアタシも思ったし」



さやか「でも皆が皆、アンタみたいに強い訳じゃない」

さやか「アンタみたいな達観した生き方、アタシには出来ないよ。恭介だってそうに違いない」

さやか「アンタがアタシの事で怒ってくれたのは分かるけど……でも、アタシはアンタをそこまで知らない」

さやか「違和感が凄いんだよ、悪いけど。アンタの話だって、もしかしたら嘘かもしれないじゃん」

さやか「それにさ、私には隠し事してるみたい。分かっちゃうよ、そういうの」
127 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 01:01:42.77 ID:My1W3DMAO
ほむら「……いやはや、やっぱり貴女は美樹さやかね」クスッ

さやか「な、何よ」ウグ

ほむら「それで良い。疑いなさい。ソレが思考となり、自然と貴女の道を拓いてくれる」

ほむら「私の言うままに行動していたら、きっと貴女はくすんでしまう……」

ほむら「だから貴女は貴女なりに、自分で感じたままに、自分が受け取った情報を噛み砕いて、自分の答えを見つけなさい」フフッ

さやか「……なら、私の答えは一つ」

さやか「私は、契約する。恭介の腕を治す……奇跡を起こしてね」

さやか「……元はと言えば、私には願いなんて無かった。願いが必要な人は他にいるのに、その機会を得たのは私」

さやか「不公平だよ、ソレは」

ほむら「ふむ、不公平……ね」

ほむら「ならさやか、貴女の願いは矛盾しているわ。不公平を唱いながら、不公平を行なっている」
128 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 01:02:32.05 ID:My1W3DMAO
さやか「な、何で!」

ほむら「上条恭介の身体、腕以外はどうなのかしら? やっぱり、再起不能?」

さやか「い、いや……リハビリをすれば普通に動けるようになるけど」

ほむら「そうね。さっきも言ったけれど、生きるのに何の支障も無い」

ほむら「握手も、ハグも、キスも、セックスも出来る。おおよそ人と愛し合える身体は残っている」

さやか「せ、セックスって、ちょっと……」カァ

ほむら「真面目な話よ。貴女は先刻『不公平』と言ったわ。でもね」

ほむら「明日をも知れない病を抱えた者は沢山居るわ。それに対して、更に不公平だとは思わないのかしら?」

さやか「そ、そんな知らない人の為に、願いを使えないよ!?」

ほむら「ほら本音」ピッ

さやか「っ」

ほむら「貴女のソレは借り物の正義よ。真意、貴女は上条恭介を治したいだけ」
129 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 01:03:44.52 ID:My1W3DMAO
ほむら「不公平だから? いいえ違う。他ならぬ貴女が、貴女自身の為に願うのよ」

さやか「……違う」

ほむら「上条恭介の腕が治って、元気になって、またいつもの生活に戻る。少しだけ距離が近くなった関係を、暫し楽しんで」

さやか「……違うよ」

ほむら「そんなささやかな幸せで貴女は満足出来る。本当にそうなのよ」

ほむら「だから、そんな小さな幸せすら奪われてしまえば、絶望しか目の前には広がっていない」

さやか「ちが――っ!」

ほむら「でも!」

さやか「っ」ビクッ

ほむら「……でも、ソレを悪いとは言わない。その幸せを邪魔できる者も、否定できる者もいない」

ほむら「でも私は知っているのよ……貴女の願いが、近い未来に奪われていくのを」

さやか「……ソレだって、恭介の幸せなら仕方無いじゃんっ――」

ほむら「上条恭介ではない。他の誰でもなく、貴女が――」



ほむら「幸せにならなくて、どうするのよ――!」

さやか「っ」
130 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 01:04:35.44 ID:My1W3DMAO
ほむら「貴女は、自分に自信が無さ過ぎる。まどかもそう。かつての私もそうだったわ」

ほむら「確かに人には、幾許かの価値すら無いかもしれない――だけど、価値の無いものを肯定するのは人よ」

ほむら「貴女が貴女自身を信じれば、それでいい。他の誰も貴女には関係無い」

ほむら「ソレだけ知っていて、お願い」

さやか「転校――いや、ほむら」

さやか「……ありがとう。もう少し、考えてみる」

ほむら「貴女の良い所は、素直に相手を受け入れられる事よ。少し頑固だけれどね」クスッ

さやか「……へん。バーカ」

ほむら「バカで結構」フフン

さやか「……アンタって、ほんとバカ」クスッ
131 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 01:05:51.91 ID:My1W3DMAO
――――学校、放課後

さやか「……今日は一人にして。考えたい事があるんだ」タハハ……

まどか「……うん、分かった。私もお使いがあるから、今日は一人で帰るよ」

さやか「あれ、ほむらは?」

まどか「杏子ちゃんに拉致られてたよ……『スマブラのリベンジだコンチクショウ!』って言いながら……」ウェヒヒ……

さやか「随分平和ですねぇ……魔法少女はフリーダムだよ全く……」ハァ

まどか「アハハ……じゃあ、また明日ね」バイバイ

さやか「うん、また明日」マタネ
132 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 01:07:38.42 ID:My1W3DMAO
――――商店街、異様な雰囲気。

まどか「えーと、電池が無いんだっけ……電気屋さんってどこだったかな?」キョロキョロ

「あ、まどかおねーちゃん!」

まどか「え?」クルッ

ゆま「こんばんはだね。お買い物?」ニパッ

まどか「ゆまちゃん? 何で一人で?」

ゆま「キョーコ、ゲームで負けっぱなしでムキになっちゃってるの。うしろで見てるのもあきちゃったから、キョーコのおかし買っておこうと思って」エヘヘ

まどか「健気過ぎる……」ナデナデ

ゆま「んぅ……」ニヘッ

まどか「じゃ、せっかくだしお姉ちゃんとお買い物しよっか?」ニコニコ

ゆま「うん、お買い物お買い物――って、ソレは後かな」キッ

まどか「ゆまちゃん?」

ゆま「……魔女の口付け、回りにたくさん。色んな人がねらわれてる」ザッ

まどか「ホントだ。みんなに知らせなきゃ――」

「あらぁ、まどかさん?」ポンッ

まどか「っ」

仁美「こんな所でお会いになるなんてぇ……奇遇ですのねぇ」ウフフフッ

まどか「(――魔女の、口付け!?)」

ゆま「大人しくしよう。変に刺激しちゃうと大変かも」

ゆま「ほら、まどかさんとそこの子も一緒に行きましょう?」ルンルン

まどか「ど、何処に?」

仁美「とっても楽しい所ですわぁ――」



仁美「そう、とっても――」ニタァ
133 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 01:08:09.72 ID:My1W3DMAO
投下終了
134 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 01:09:55.95 ID:3RtFGwYDo

>>132のゆまたんがおかしくなってるぞ
135 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 01:13:42.34 ID:My1W3DMAO
誤字は読者を萎えさせる毒だっていうのに俺ときたら全く愚図極まりない……

× ゆま「ほら、まどかさんとそこの子も一緒に行きましょう?」

○ 仁美「ほら、まどかさんとそこの子も一緒に行きましょう?」
136 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 01:14:36.93 ID:DAka74U/o
お疲れ様でした
137 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 01:45:15.27 ID:g833BIxAO
いよいよ皆様方の危惧していたエリー戦ですね
さやかの契約が変わるか、そのまま契約なしか、あるいは仁美を生け贄に捧げるか…

いやはやどの方向に転んでも歯が欠けそうで
138 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 01:50:19.28 ID:4Asz9R2oo
乙!!

vsエリーでの因果線の収束先は誰だろう?
今から楽しみだ
139 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 02:15:34.89 ID:Qw4h0Qu/o
かつて心を殺して切り捨て続けたさやかを堂々と親友と言い切れるようになったほむら格好良いな
140 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 02:21:09.77 ID:0GlzXKlSO
今追い付いたぜ。面白いからな

これが10万14歳の貫禄かぁ…
141 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 16:41:58.73 ID:yzykU7ZJo
なんだ、デーモン閣下と歳が近いのか
142 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 23:14:08.95 ID:My1W3DMAO
投下開始。
143 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 23:15:06.36 ID:My1W3DMAO
――――薄暗い廃工場、心を犯す魔女結界。

仁美に案内されて辿り着いたのは、人気の無い埠頭の倉庫。
嘗ては一日中稼働していただろうその場所は、今は恐ろしい程に静かだった。

仁美「皆さんもうお揃いですのねぇ」

マリオネットの様に――力の入っていない不気味な動きで――彼女は人の輪に近寄っていった。

まどかがその後ろから覗き込むと、輪の中央にバケツがあった。
脇に、今まさに混入されようとする二種類の洗剤。

塩素系と酸性系だった。

まどか「――これ」

普段何気なく使っている物でも使い方によっては命取りになると、まどかは母親から良く教わっている。

ゆま「…………」

まどか「ダメ、それはダメ――っ!?」

咄嗟に止めようとしたまどかを、仁美が手を掴んで制止した。
144 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 23:15:41.63 ID:My1W3DMAO
仁美「邪魔をしてはいけませんわぁ……アレは神聖な儀式ですのよぉ?」

まどか「だ、だってアレ危ないんだよ!? ここにいる人たち――みんな死んじゃうんだよ!!?」

だが、仁美はより一層表情を恍惚とさせた。

仁美「そう。私たちはコレからみんなで、素晴らしい世界に旅に出ますの。それがどんなに素敵な事か分かりませんか?」

仁美「生きてる身体なんて邪魔なだけ……鹿目さん、貴女も直ぐ分かりますわぁ……」

その演説染みた言葉に、魔女の口付けを受けた人たちから疎らに拍手が起こる。

――おかしくなってる。

まどか「――っ、離して!」

仁美「あら……それに、あちらには……既に旅に出られた方もおられますのに……」

仁美が指を指した先に、一つのドアがあった。



まさか、つまり、そういう事なのか。



ここに居たら、死んでしまう。
145 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 23:17:14.61 ID:My1W3DMAO
まどか「――うぅっ!!」

脊髄が直接筋肉に信号を送ったみたいに、恐怖とは裏腹に身体は素直に動いた。

まどかは走ってバケツを奪い、ソレを窓に投げ付ける。
ガラスを突き破って、ソレは外に転がった。

そんなまどかに、生ける屍の様に近付いてくる人々。
まどかを外敵と判断した魔女に操られているのだろう。

ゆま「下がって、まどかおねーちゃん!」

ゆまが徒手にてそれらを一人一人飛ばしていく。
魔法少女の腕力であれば、一般人を片腕で突き飛ばすなんて事は朝飯前だ。

ゆま「生きてれば楽しい事も辛い事もたくさん。だけど、だからこそ死んじゃうのはダメなんだよ」

ここに集まった人々は、人並みに絶望を抱えていたのだろう。
だがそれも、彼女の前では霞んでしまう。

ゆま「死んだらそれまでなんだよ……逃げるのと一緒。そんなの、ゆまが許さない」

傷付けない様に戦うのも限度がある。
助けは既に呼んでいるが、若干間に合わないようだ。

まどか「きゃあぁぁっ!?」

ゆま「おねーちゃん!」

大柄な男に襲われていたまどかを、ソレを蹴り飛ばす事で救出する。

何処か、立て籠る場所は――

ゆま「――仕方ない。まどかおねーちゃん、あの部屋まで走って!」
146 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 23:17:53.29 ID:My1W3DMAO
仁美が指差した、あの部屋。
見たくないモノもあるだろうが、そうも言っていられない。
まどかとゆまはソコに飛び込んで、扉に鍵を掛けた。

扉を殴る音に安心と恐怖を覚えながら、ゆまは薄暗がりの部屋を見回した。

力無く倒れる、人間の死体が織り重なっていた。

ゆま「まどかおねーちゃん、見ちゃダメ――――っっっ!!?」

まどか「……ゆまちゃん?」



死体があったのだ。
ゆまはソレを見た。
魔女の手にかかって死んだであろう、その死体を見たのだ。



魔女の結界が二人を包んで異界に招待する。

使い魔がゆまを連れ去ろうとして――弾けた。

ゆま「――、――――――!!!!!」

声にならない、割れんばかりの咆哮。




死体の中に、彼女の母親がいた。
147 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 23:20:13.46 ID:My1W3DMAO
――――幼い激昂。

彼女の母親は、彼女を疎み、虐め、その心に深い傷を付けた。

しかし、それでも、子は母を求めるのだ。

いくら酷く扱われようが、子は母親を依り所にするのだ――

だから、彼女は助けた。

だというのに。

ゆま「――あぁぁぁ!! うぉぉぉぉっ!!」

細いマネキンの様な使い魔は、現れる端から粉砕されていく。
可愛らしい猫をあしらったその鎚は、今表情を改め――冷たい金属のソレへと変化していた。

無邪気な暴力から、故意の殺意へと力が変貌した証拠だった。

ゆま「はぁっ……はぁあぁっ!!」

使い魔では物足りない。
魔女は何処だ。今すぐその身体を吹き飛ばしてやる。

魔女「――――♪」

沢山の使い魔に囲まれて、いた。ソコに。

まどか「ゆまちゃん、落ち着いて、ゆまちゃんっ!」

使い魔の群れを掻き分けながら、自分の身体が傷付く事には気付かす、螺旋の様にソレらを抉って削り取る。

ゆまは本来戦闘向きの魔法少女ではない。

その癒しの力全てが、一心不乱の破壊に注ぎ込まれていて――酷く不安定。



それは、対峙している魔女にとって致命的だった。
148 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 23:21:25.75 ID:My1W3DMAO
ハコの魔女。その性質は憧憬。

思い起こさせるは、全ての心的外傷(トラウマ)――

ゆま「あっ――」

魔女「――――」

魔女の表情は分からないが、まどかは魔女が――楽しんでいるように見えた。

ゆま「あっ、あああっ、あっ」

目が徐々に虚ろになっていき、ゆまの身体から力が抜ける。

虚空を見つめ、口から唾液を溢して、濁っていくソウルジェム。

全身が蠢動を繰り返して、一際強く跳ねて――緑の魔法少女は倒れた。

まどか「ゆまちゃん!!」

まどかが駆け寄ると、ゆまはうつ伏せのままブツブツと何かを呟いている。

ゆま「――――」

まどか「ゆまちゃん、しっかり……!!」
149 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 23:22:01.99 ID:My1W3DMAO
――――

パパ、どうしたの?

やめて。

いたいよ。

いたい。

きもちよくなんてない。

やめて。

ママ、たすけて。

ママ?

ごめんなさい。

やめて。

いやだ。

たすけて。

おかあさん、おかあさん――














『大丈夫だよ、ゆま』

――キョーコ
150 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 23:23:31.03 ID:My1W3DMAO
――――紅き幻影、烈火の如く。

まどか「杏子ちゃん、みんな!」

魔女は杏子の一撃で吹き飛び、ゆまをトラウマから開放した。
杏子はゆまを優しく抱き起こし、そして少し強く抱く。

ゆま「――キョー、コ?」

杏子「あぁ。アタシだ……ちと休め」

ゆま「わかっ、た……」

ソレだけ言って、ゆまの意識は落ちた。
杏子は手持ちのグリーフシードで、ゆまのソウルジェムを浄化する。

魔女「――――」

織莉子「精神に語りかける魔女ですか……少し面倒ね」

キリカ「私と織莉子の中に入って来るなんて、無粋極まりないね」

マミ「落ち着けば勝てない敵じゃないわ……気を引き締めましょう」

ほむら「杏子、アレは強敵よ。心をしっかり持って――」

ほむら「――杏子?」

見れば、佐倉杏子は肩を震わせていた。
彼女の槍が、強く嘶いている。

杏子「――あぁ、らしくない。私らしくない」

杏子「でもダメだ。お前は殺されなくっちゃあダメだ。他でもない、この私に」

槍を軽く回して構えた。




家族を失うのは、もう嫌だから――
151 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/21(水) 23:24:04.31 ID:My1W3DMAO
投下終了
152 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 23:28:37.96 ID:0GlzXKlSO
乙 やっとリタルタイムで読めたぜ
153 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 23:41:00.25 ID:rREbBf98o
おっつ!
腹パンってどんなパンツなんだろう
154 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 23:50:01.91 ID:DAka74U/o
お疲れ様でした。
155 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/22(木) 02:32:20.34 ID:5k0HhDxxo
CV若本以外がゆまちゃんに手を出すとはウゴゴゴゴゴ
156 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 01:50:52.08 ID:14/2BN9AO
若本QBはゆまに手を出してるんやない、出されてるんや……
薬物盛られたとはいえ幼女に逆レされる若本QBェ……


しかしこのゆま父は許せぬ、一番惨く捕食する魔女にやられるべき
157 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/23(金) 12:22:28.93 ID:7DE8dQlAO
投下開始
158 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/23(金) 12:22:55.97 ID:7DE8dQlAO
――――魂の闘い。

ほむら「トラウマを想起させる魔女……私は後衛に回るわ!」

ほむらの盾から銃火器が召喚される。

杏子「アタシは前衛に回る……今のアタシなら、何だってぶっ倒せそうだ」

織莉子「距離を取って戦った方が良さそうですね……私たちも後衛に回ります」

キリカ「なら、佐倉杏子を全員で支援した方が良さそうだね……一番悪いパターンは全員がアイツに呑まれる事だから」

ほむら「それに、伏兵もあるわ」

杏子「あぁ、ソレでいい。行くぞ……まどか」

まどか「!」

杏子「ゆまを、頼む」

杏子が槍で地面を突き刺すと、ソコに紋様が浮かび上がった。

目を閉じ、幻惑魔法を自分に掛ける。
強烈な自己暗示によって、彼女はいつもより更に強い精神を持った。
それは狂信と表現しても注しささえないだろう。

キリカ「全開!」

織莉子「予見、リンクさせますわ!」

キリカの力によって杏子の回りの世界が緩やかになり、織莉子の力によってある程度の先見が可能になる。

ほむら「雑魚は任せなさい」

マミ「貴女は魔女だけ見ていればいいわ」

ほむらとマミが、凄まじい数の銃口を使い魔たちに向けた。
159 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/23(金) 12:23:22.30 ID:7DE8dQlAO
発砲と共に杏子は舞い上がる。

魔女「――――」

魔女は杏子を対象に、精神を蝕んだ。しかし――

杏子「外れだ」

杏子は二人いた。
いや、二人どころではない。
10も20もいて、とても一瞬では数え切れなかった。

杏子「この私は、私を除いて全て偽物……だけど、実体を持った幻想は、間違いなくお前を斬り裂く」

杏子「捌き切れるか――ロッソ、ファンタズマ!!」

一人の軍団が、魔女に襲いかかった。

魔女は当てずっぽうに力を使うが、杏子の本体には辿り着けない。

杏子「(来るのが分かっていればどうって事ない)」

予見、時間遅延、分身と三段構えの回避が杏子を守っていた。
使い魔は片っ端から凶弾に倒れている。

一人の杏子の槍が、魔女の入ったハコ――テレビを貫いた。

杏子「やったか!?」
160 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/23(金) 12:23:54.37 ID:7DE8dQlAO
だが、そのハコの中は空になっている。
殺意をもった気配を感じて頭上を見上げると、使い魔のほぼ全てがテレビを抱えていた。

ソレを大量に投下してくる。

ほむら「なっ!?」

マミ「こんなモノ、ティロ・フィナーレで――」

マミが大砲を連続召喚した辺りで、杏子と織莉子の脳裏に『敵の反撃』が過った。

杏子「気を引き締めろ!」
織莉子「気を引き締めて!」

降ってきたテレビ全てに、魔女は内包されていた。
分身を真似るとは、意外に学習能力があるようだ、なんて思う。

魔女「――!」

ソレらが、彼女らのトラウマを呼び起こした。
161 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/23(金) 12:24:29.21 ID:7DE8dQlAO
織莉子「ワタシは――お父様とは違う――」

ある者は泣き。

キリカ「下らない下らない――止めてくれ――ヘドが出る――」

ある者は悶え。

マミ「――いやぁぁぁぁぁぁ!!? 死ぬのはいやぁぁぁぁぁぁ!!」

ある者は叫び。

杏子「親父……お袋……モモ……」

ある者は崩れ落ち。

そして、ある者は――

ほむら「――――あ」

『私、鹿目まどか。ヨロシクね』
『私、行くよ』

『もうやだぁ……こんなの……』

『なんで……ワルプルギスの夜……倒したのに――!』

『キュゥべえに騙される前の、バカな私を……助けてくれないかな』

『私、魔女には、なりたくないよ……』

『……ありがとう、ほむらちゃん』

『あの……暁美、さん?』

『ほむらちゃん……私たち、どこかで――』

『ごめんね、ほむらちゃん』

『私、魔法少女になる』

『彼女は概念に成り果ててしまった。彼女の生きた証は、もう何処にも無い』



『キュゥべえ、キュゥべえなんでしょ!?』

『私のエネルギー好きにしていいから、早く契約してよ!』

『早く――』



『ほむらちゃん』

『うそつき』



『因果がバラけちゃったんだよ』


162 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/23(金) 12:25:37.51 ID:7DE8dQlAO
まどか「ほむらちゃん、みんなっ!!」

ほむら「――まどかぁっ!!」

まどか「ほむらちゃんっ!?」

全てを振り払うように、ほむらは声を振り絞って叫ぶ。

ほむら「私を呼んで、強く!」

まどか「ほ、ほむらちゃん?」

ほむら「もっと強く!」

まどか「――頑張って、ほむらちゃん!」

ほむら「――――っ!」

暗示の様で、洗脳にも感じたソレから開放される。

だが、他の四人のソウルジェムは濁る一方だ。
ほむらのソウルジェムも、かなり穢れている。

魔女「――――」

ほむら「一対一……分が悪すぎるわよコレ――っ!?」

と、ソコに割り込み――ハコを薙ぎ倒す蒼き光が射し込んだ。
魔女が纏めて吹き飛ばされる。

ほむらの目の前に降り立った、新しい舞台役者を――彼女は歓迎した。

ほむら「――いらっしゃい、このお伽噺の世界へ」




さやか「こんにちは、舞台はこっちで間違いないね?」
163 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/23(金) 12:27:12.95 ID:7DE8dQlAO
――――結界の外の人魚。

魔女の結界の前で、美樹さやかは足を止めた。
その足の傍らに、インキュベーター。

さやか「…………ここだね」

QB「あぁ。本当に願うのかい?」

さやか「うん。アタシの願いは――」

ほむら『不公平を唱いながら――』

さやか「……『完全な医療』だよ」

QB「ふむ。キミの望む完全な医療とは何だい?」

さやか「人間の医療技術を、治せない病気が無くなるまで発展させてほしい」

QB「それは……現段階で存在しているモノしか無理だね。未来まで因果を演算するとなると、流石のキミでも無理だよ」

さやか「ソレでいいよ……医療を必要とする全ての人に、完全な治療をあげられるんだね?」

QB「あぁ」

さやか「恭介の腕も、だよね?」

QB「もちろんだ。キミの以前の願いがそうだったね。何なら因果を上条恭介に手繰り寄せておこう。きっと彼はいの一番にその恩恵をうけるだろうね」

さやか「サービスありがとね……じゃ、早くやって」

QB「分かった。ここに契約は成立した――」

さやかの胸から、彼女の魂が抜き出される。
蒼く輝く、彼女の奇跡。

QB――「受け取るがいい。ソレがキミの運命だ」

さやか「コレが、アタシの魂――」

変身した彼女は、まるで正義の騎士のようで。

さやか「行くよ、アタシ」
164 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/23(金) 12:28:17.17 ID:7DE8dQlAO
――――人魚の魔女、見参。

さやか「うぉぉっ!!」

魔女に突進し、その依り代を剣で突き貫く。
魔女がさやかを汚染しようとするが――

魔女「!?」

さやか「何かモヤモヤするけど――とりあえず叩き斬る!」

魔女は狼狽する。

美樹さやかは比較的普通に、日々の幸せを受けて育った少女だ。
強いて挙げるトラウマと言えば上条恭介の件だが、ソレもついぞ解決してしまった。

精神に、割り込む隙間が無い。

魔女「――――!」

魔女は途端に逃げ腰になる。
不利な勝負はしないという、その姿勢は評価すべきだと思った。

ほむら「だが、逃がさないわ」

ユウリ「真打ち登場!」

魔女「!?」

ユウリは魔女の入ったテレビを掴み、地面に叩き落とした。
魔女は突然沸いた魔法少女に驚き、しかし揺るぎなく能力を行使した。

ユウリ「――温い温い! 私を染めたきゃその100倍は強く呪わないとねぇ!!」

ユウリはテレビに踵を落とす。
ひしゃげたソレを、茨の蔦がくるんだ。

コレで魔女は逃げられない。

ソレをユウリは蹴りあげた。

ユウリ「青いの、ほむら!」

さやか「分かった!」

さやかの背後に巨大な蒼色の魔方陣が現れ、ソコから幾つもの刀剣が剣先を煌めかせた。

さやか「いけっ!!」

魔方陣から剣が、絨毯爆撃の如く魔女に降り注ぐ。
針鼠のようになったソレを――

ほむらユウリ「イル・トリアンゴロ!!」

――火葬して、魔女は事切れた。
165 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/23(金) 12:28:47.06 ID:7DE8dQlAO
投下終了
166 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 12:43:02.01 ID:egHs1xYeo

さやぱん参戦か
167 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 12:44:50.18 ID:s9Oa+FiXo
乙!!

戦闘シーンかっこええなぁ〜
168 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 14:13:20.82 ID:dxk7u0xlo
ほむらはオクタヴィアと戦い続けたけどさやか自身の因果数が気になるな
169 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 14:16:46.83 ID:97Lk9oq70
ほむほむ「契約したの…やはり、してしまうの?せずにはいられないの?何でそんなにバカ?頭がスライムまん(中国製)になってるの?」
 さやか「そこまで言うorz」
ほむほむ「まあいいわ。こうなればあなたが生き延びる道はたった一つしかない」
 さやか「というと?」
ほむほむ「押し倒して騎(ボグッ
 織莉子「あなたは、魔法少女の品格と言うものを…」
 キリカ「簡単だよ、恋敵をまっさ(ボグッ
170 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 22:07:53.39 ID:Kgb78QRJ0

何と言うか因果関係は、『さやかしか勝てない』みたいな感じに収束してたっぽいなあ
となると、さやかのその先が心配だが
171 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 23:17:25.37 ID:VQYXsu9wo
おつ

ここのSS読んでさやか大好きになったわ
172 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/24(土) 00:44:11.71 ID:xN5hCnxAO
――――消える結界と魔法少女たち。

織莉子杏子キリカマミ「鬱だ死のう」

ほむら「起きろ」ハリセンパーン!

マミ「はっ、私は誰!?」マミンッ!?

杏子「強敵だった……」クッ

さやか「…………」ジトー

杏子「……はい、認めます。ぶっちゃけ不覚でしたぁぁぁぁ!!」ドゲザー!

織莉子「アレだけサポートしたのに……」チクチク

キリカ「時間遅延もあったのに……」グサグサ

杏子「いやマジでゴメン……何か出オチでゴメン……ちょっと頭に血が登っちまって……」ズーン

まどか「お疲れさま、杏子ちゃん。ゆまちゃんは……」

ゆま「…………」スヤスヤ

杏子「……良く眠ってんな」ナデッ

杏子「…………」ジッ

さやか「……何よ?」

杏子「……後悔は無いのか?」

さやか「無いね」

杏子「……そうかよ」ハハッ

杏子「いらっしゃい、このクソッタレな世界へ」

さやか「ほむらとそっくりな事言うんだね、アンタもさ」クスッ

杏子「私だけじゃねぇさ」

杏子「ここにいる全員が、だ」ニッ





ユウリ『拾えー!?』
173 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/24(土) 00:45:15.62 ID:xN5hCnxAO
――――日常へと。

まどか「さやかちゃん、今日は?」

さやか「放課後は魔女探しですよまどかさん」ニヤッ

まどか「一人で大丈夫なの?」

さやか「杏子が着いてきてくれるらしいから、まぁ大丈夫じゃないの?」

まどか「なら良さそうだね」ウェヒヒ

ほむら「まどかはどうするのかしら? 私は巴マミと行動するけれど」ホム

まどか「……しばらくは目立った魔女は出ないんだよね?」

ほむら「少なくとも強力なモノは出現しないと思うわ。現れても小物よ」

まどか「なら……私はほむらちゃんに着いてくよ。色々聞きたい事もあるし」ティヒヒ

ほむら「分かったわ。じゃあまた、さやか。杏子に良く教わりなさい」ホムッ

さやか「あいよー」
174 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/24(土) 00:46:00.04 ID:xN5hCnxAO
――――ゆまと杏子。

テクテク

ゆま「さやかおねーちゃん、遅いね」

杏子「アイツは学校があるからな。私らよりは忙しいさ」クスッ

ゆま「……」ズキッ

ゆま「…………ねぇ、キョーコ」

杏子「どうした、ゆま? 腹減ったのか?」ポリポリ

杏子「くうかい?」スッ

ゆま「いや、今はいい……」

ゆま「……キョーコは、ゆまを――虐めないよね?」ポツリ

杏子「勿論だ。何を急に――?」
175 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/24(土) 00:46:30.65 ID:xN5hCnxAO
――――神よ。存在するというなら、今すぐ首をくくって死に腐れ。

ゆまの鎚が杏子の額を掠める。
咄嗟に頭を引かなければ、脳震盪なんかでは済まなかっただろう。

杏子「お、おい――何をするんだよ、ゆま!?」

予想外の攻撃に、それでも反応した身体を恨めしく思い――しかしとりあえずは幸運に感謝する。

ゆま「――思い出したの」

杏子「ゆま――?」

ソウルジェムはさほど濁ってはいなかった。
なら、絶望している訳でも洗脳されている訳でもない。

そもそも、魔女の気配なんて無い。

ならコレは、ゆまの意思――?

ゆま「ママはやさしかったよ。ホントにやさしかったんだ」

ゆま「でも、パパは――ゆまと遊んじゃったの」

杏子「遊んだ――?」

遊んだ、とはどういう意図なのだろうか。
言葉通りなら何の問題も無いだろう。

ゆま「それから。ママがやさしくなくなったの」

ゆま「ママの大切なモノをとっちゃったから」

杏子「――――っ!」

――冗談だろう。

そう思って、しかし――虐待としてはポピュラーだと言う事実に思い当たる。

ゆまは笑顔だ――笑顔?
176 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/24(土) 00:46:56.05 ID:xN5hCnxAO
ゆま「大切なモノを無くしちゃうと、みんなおかしくなる」

ゆま「ゆまは何も悪くない。今なら分かるよ」

ゆま「キョーコ、ママみたい。大切なモノがあって、だから強くて優しい」

ゆま「だからきっと、キョーコもゆまをキライになる。いつかきっとキライになる。だってママもそうだった」

杏子「そんな訳ないだろ! バカな事を言わないでくれ……」

杏子がおずおずと伸ばした手は、拒絶された。

ゆま「今だって、さやかおねーちゃんの事ばっかり考えてた」

ゆま「ゆまはキョーコの事しか考えてないのに――!!」

二度目の鎚が振り下ろされる。
杏子は、それを見て、しかし避ける気になれなかった。

ゆまの最後の問い掛けは、確かに嘘じゃなかったから。

私は、ゆまよりさやかを優先しているのだろうか――?



――鎚は、剣に軽く止められた。
177 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/24(土) 00:49:49.23 ID:xN5hCnxAO
――――溜め息交じりの呆れ顔。

さやか「何やってんのよ、ゆま……」ハァー

ギリギリギリギリ……

ゆま「(ビクともしない!?)」

杏子「――さやか」

さやか「やめやめ。ゆまも杏子も……そんなの嫌でしょ?」

ゆま「さやかおねーちゃんには関係無いでしょっ!!」ググッ……

さやか「もう、意外に聞き分けない子だね。よっと」クルンッ

ゆま「わわっ!?」ヨロッ

さやか「ほーい杏子パース!」ポーイ!

杏子「わっ!」

ゆま「わぷっ」モフッ

さやか「ほら、抱きしめる! 子供が不安がってるんだよ?」モー

杏子「…………」ギュッ

ゆま「はな、はなしてっ!」バタバタッ

杏子「……離さないよ。離してやらねー」ギュー

ゆま「…………ウソだよ」

杏子「ウソじゃねー」

ゆま「ウソだよ」

杏子「ウソじゃねー」

ゆま「…………ごめんなさい」

杏子「構わねー」ギュムッ

さやか「うんうん! やはり仲良き事が美しきかな。さやかちゃん、今日もまた一人迷える子羊を救ってしまいましたなー!」ドヤァ

杏子「……何かにつまづいて転べバーカ」

さやか「ひどいっ!?」ガーン!
178 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/24(土) 00:50:50.13 ID:xN5hCnxAO
――――

ゆま「……もう大丈夫だよ」スッ

杏子「そっか。良かった」

さやか「前の魔女戦のダメージが治ってないみたいかな?」フムフム

ゆま「ゆま、もう何ともないよ?」

さやか「あー、違う違う。なんて言ったら良いかなー……心?が怪我してるんだよ。ちょっと来て――」



さやか「『治す』から」



杏子「――どういう事だ?」

さやか「ん? アタシの魔法だけど?」

さやか「ありとあらゆるモノを『癒す』力。キュゥべえから聞いた時は胡散臭かったけど、実際ゆまちゃんを見たら『あ、なんか魂っぽいの怪我してるわ』って分かったし」

杏子「……何を願った、さやか?」

さやか「『完全な医療』」

さやか「ほむらとおんなじだよ。私は恭介を救うために、他の全てもついでに助けただけ……ゆまちゃん、じっとしてね」ポワー

ゆま「んぅ……」

さやか「どう?」

ゆま「……なんだか、あったかい」

さやか「そりゃ上々」ニヘラ
179 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/24(土) 00:51:47.57 ID:xN5hCnxAO
杏子「……しかしそれは――相当な願いだろうに」

さやか「何か因果?凄いらしいよ、アタシ。うぉりゃー、さやかちゃんウルトラスペシャルベホイミー!」ポワワワン!

ゆま「――キョーコ大好きー!」ガバチョ

杏子「のわっ!?」ドサッ

ゆま「ゴメンねキョーコ、ゆまどうかしてたよ!」スリスリゴロゴロ

杏子「……幻惑魔法?」

さやか「さやかちゃんミラクルメディカリングだよ!」ドヤァ

杏子「……スゴいなおい」

杏子「(因果、か)」

杏子「(それは『さやか』としてか?――それとも)」





杏子「(――『人魚の魔女』としてか?)」
180 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/24(土) 00:52:21.33 ID:xN5hCnxAO
開始合図を忘れて鬱だ。

投下終了。
181 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 00:59:28.95 ID:CFRpyaKco
乙!
なんか最後に鳥肌たった
182 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 01:02:08.40 ID:sGfuuntAO


願いが明らかに強くなってるな
もし魔女化したら対処出来るのかこれ
183 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 01:04:12.14 ID:9vNpEn7fo
前回の魔女さやかが強かったのはまどかの願いの内容によるものだったから
今回はさほど強くないんじゃないか
精々ワルプルギスの夜程度が限度だと思う
184 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 01:22:28.59 ID:wrb/ZqOlo
え、舞台役者としての因果が最強になるんじゃないんですか
やばい完全に読み違えてる
185 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 07:47:09.82 ID:+RTFe0sqo
>>183
精々ワルプルギスの夜程度ってパワーインフレしすぎだろwwwwwwww
と思ったが初期ワルプル程度には本気でなってそうだな
186 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 22:13:44.40 ID:Ct6gU2fTo
        / ̄ \
    __☆⌒>   ヽ
   /   ∩⊂ニニニ⊃∩
 /     | ノ      ヽ
|     /  ●   ● |  メリークリクマース!
|     |    ( _●_)  ミ
|    彡、    |∪|  、`\
|   / __  ヽノ /´>   )
 \  (___)   / (___/
   \   |      /
     ̄ ̄|  /\ \
       | /    )  )
       ∪    (  \
             \_)
187 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/25(日) 00:51:17.70 ID:TUZyBxYAO
合言葉は『日常フェイズに手を抜かない』

投下開始
188 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/25(日) 00:52:25.01 ID:TUZyBxYAO
――――まどかサイド。

テクテク

まどか「…………」

ほむら「…………」

まどか「ほむらちゃん」

ほむら「何かしら?」クルッ

まどか「ほむらちゃんはさ、未来から来たんだよね?」

ほむら「えぇ、そうよ」

まどか「ほむらちゃんの話を聞いて思ったの」

まどか「ほむらちゃんは何でそんなに、こんな私に拘るの?」

ほむら「……それは前も言ったように、私の大切な友達だったからよ」ホムリ

まどか「……そうかな?」

ほむら「まどか?」

まどか「じゃあ、意地悪な質問するね」……ティヒヒッ

まどか「この道路を歩いてる私に、もし車がぶつかって――私が死んじゃったらどうするの?」

ほむら「そんな事にはならないわ。だって私がいるもの」

まどか「違うよほむらちゃん、例えばの話」フルフル

まどか「ほむらちゃんはその時、過去に戻るの?」

ほむら「当然よ」

まどか「なら、私が病気で死んだら?」

ほむら「過去に戻って病気の原因を取り除くわ」

まどか「――なら、私が寿命で死んだら?」

ほむら「――――っ」ビクッ
189 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/25(日) 00:53:02.59 ID:TUZyBxYAO
まどか「……一生、戻り続けるの?」

ほむら「私は……」

――どうするんだろう、その時。

まどか「……」クス

まどか「きっとね、ほむらちゃんは私を切り捨てるべきだったんだよ……ワルプルギスの夜を撃退できた周回でさ」

まどか「別れは必ずやってくるし、それが早いのもまた運命なんじゃないかな」

ほむら「……そんな仮定の話は好きじゃないわ」

まどか「例えば、私とほむらちゃんが違う高校に行ってさ……だんだん会わなくなってね、一年に一回くらいしか顔を会わさなくなる」

まどか「大人になって結婚して家庭を持って……そしたら、ホントに会えなくなる」

まどか「……ね? 他人が人生に絡んでくるのなんて、一生にしてみれば全然無いの」

まどか「だから、ほむらちゃんは……」

ほむら「まどか」

まどか「…………」

ほむら「私は生きるのが下手なの。失敗してばかりで、そもそも心臓が悪かったもの」
190 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/25(日) 00:54:06.45 ID:TUZyBxYAO
ほむら「だけど、貴女に出会ったのは――私の人生の中でも最高の成功だった」

ほむら「それをみすみす手放すなんてしたくない。私の唯一と言っていい、大切なモノを」

ほむら「貴女のいない私の人生は、既に価値も、意味も、何も無い」

ほむら「だから、私は後悔なんてしていないわ」ホムンッ!

まどか「……ほむらちゃんは弱いのか強いのか、時々分からなくなるよ」

ほむら「私は貴女の為なら幾らだって強くなれるわ」ホムホム

まどか「……でも、その『貴女』って誰?」



まどか「どの『鹿目まどか』?」



ほむら「――何を言っているの。貴女に決まっているわ」

まどか「ホントにそうなのかな……?」ウーン

ほむら「どういう事?」

まどか「ねぇ、ほむらちゃん。私は世界を救った変わりに、過去にも未来にも居なくなっちゃったんだよね?」

ほむら「インキュベーターの言葉通りなら、そうね」



まどか「なら、ほむらちゃんが帰ってきた過去に、なんで私がいるの?」



ほむら「――――」

確かに――そうだ。
全てのまどかは『円環の理』に収束してしまったはずだ。

なら、このまどかは――?
191 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/25(日) 00:55:00.53 ID:TUZyBxYAO
まどか「……最近ね、怖い夢ばっかり見るんだ」

まどか「自分が自分じゃない夢」

まどか「ほむらちゃんの話が本当なら、私は――」

まどかは――

まどか「ほむらちゃんがこの世界を構築した時に作られた――ただのデータなんじゃないかなって、そんな、夢」

ほむら「――そんなはず、無いわ」

ほむら「だって、貴女は今、生きているもの。それが何よりの証拠」

ほむら「それに、こう言ってはなんだけど……それならキュゥべえが気付くはずよ。魔法少女の素質が、あるはず無いんだから」

まどか「……そうだね。ありがとう、ほむらちゃん。話せて、ちょっと楽になったよ」ウェヒヒ

ほむら「そう、良かったわ。さぁ、早くマミの家に行きましょう?」クスッ

まどか「うん」ニコ
192 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/25(日) 00:55:27.84 ID:TUZyBxYAO
ほむら「(でも、確かにそうだ。まどかは存在してはならない……だから、まどかがここに居る意味があるはず)」

ほむら「(一番あり得そうなのは、私の願いが概念の一部を引き剥がした……かしら)」

ほむら「(そもそも、私の目的は何?)」

ほむら「(私の目的は、まどかが世界を改変した後――そのまどかをまた世界へ引き戻す事――っ)」ハッ

ほむら「(これか。違うのは)」

ほむら「(私は、何が出来るの――?)」

ほむら「(まどかを助ける事が、世界の唯一の存在理由では、無い――?)」

ほむら「……考えて答えが出れば苦労しないわね」ハァ

まどか「?」
193 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/25(日) 00:57:58.91 ID:TUZyBxYAO
――――マミ宅

ほむら「来たわよ」ホムッ

まどか「こんにちはー」

マミ「あら、いらっしゃい。紅茶でもいかがかしら?」ニコ

まどか「あ、頂きます」

QB「……キミたちか」きゅっぷい

まどか「キュゥべえだ。最近見なかったね」ウェヒヒ

QB「キミが寄るなって言ったんじゃないか。それは理不尽だよ」ハァ

ほむら「……ふむ。行き詰まった時は、アプローチに限るわね」チャキッ

まどか「ほむらちゃんっ!? 銃なんて危ないよ――?」

QB「ちょおま」パァン

まどか「ひっ」ビクッ

ほむら「ジャスト25002匹……そろそろ起きなさい」

「やれやれ、相変わらずキミは訳がわからないよ」ピョコンッ

QB(ベアトリクス)「お陰で予備ボディまで出す羽目になってしまったよ……全く、台風の如き迷惑さだね」モッチモッチ

マミ「紅茶持ってきたら白髪美少女がキュゥべえ食べてた時のショックをどう言い表したら良いのかしら私」

ほむら「笑えばいいと思うわ」ホムッ
194 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/25(日) 00:58:49.52 ID:TUZyBxYAO
投下終了。

クリスマス? 知らん。
195 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 01:00:34.33 ID:mk0GRqWPo
乙!
クリスマス?なんですかそれ?
196 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 01:02:14.25 ID:losTGYwko
リアルタイム遭遇嬉しき乙!!

クリスマスってあれだろ?
ケーキ持った赤鼻の酔っ払いが道ばたで眠りこけるってイベント
197 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 01:02:29.67 ID:IrLchiwU0
乙ー!
クリスマス?何それ?おいしいの?
198 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 01:25:40.78 ID:Ygl+WNYHo
バーニィの命日だろ
199 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 01:26:22.69 ID:X8EI//blo
クリ済ます?子供がデキないわね

200 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 01:36:11.22 ID:xH8nvB0yo
乙!

>>198
嘘だと言ってよ……
201 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 02:36:48.18 ID:cFUX3PD3o
クリスマス?ネトゲでイベントがある期間だわ

さて、QBが色々と搾り取る準備が出来たがどうするほむほむ
202 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 04:01:06.82 ID:yyfJLbFTo
QBが搾り取るのかQBを搾り取るのか
203 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 07:50:47.04 ID:PVBRL6uIO
日時フェイズ楽しいなっと
X'mas子持ちの私に隙は無い
204 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 10:25:07.63 ID:qFulpO0DO
クリスマスはな本来家族で過ごす日なんだよ…それを日本は…狂っとる!
205 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 18:28:04.90 ID:YHi/lN3Y0
あれ?今年のクリスマスって中止になったんじゃないの?
206 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 20:46:26.20 ID:lbqJMsEAO
「千歳」に「ハ(刃)」をかけたら「穢」になるね
207 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/26(月) 00:40:37.60 ID:+jdMOVZAO
投下開始
208 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/26(月) 00:41:38.18 ID:+jdMOVZAO
――――集合、マミ宅

杏子「よーっす、こっちの見回り終わったぜ」バタンッ

ゆま「ただいまー!」

さやか「おじゃましまーす」

マミ「お疲れさま。今、紅茶でも容れるわね」フフッ

ほむら「あら、寄るのね」ホム

杏子「今はアタシらの家でもあるからな。寄る、じゃなくてただの帰宅だ」

まどか「お友達と一緒に住むのって、なんかいいよね」ティヒッ

キリカ「私も半分織莉子の家に住んでるようなモノだからなぁ……」

ほむら「そういえば、ご両親は?」

キリカ「さてね。不良娘の事なんぞ気にかけんさ」フゥ

織莉子「私が気にするわ」

キリカ「ありがとう、最高に十分だ」ニッ

ユウリ『ほむら、アタシも出たいんだ。キリカに結界を張ってもらっておくれよ……』

ほむら「でもソウルジェム穢れるのよ。悪いけど……」

キリカ「ノリの悪さはそのままかい、暁美ほむら」ニヤッ

パチンッ

ユウリ「ぷはぁっ、サンキューと言わせてもらうよキリカ!」ボンッ
209 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/26(月) 00:42:55.06 ID:+jdMOVZAO
ほむら「もう……」クスッ

キリカ「茶飲み友達は多い方がいい、そうだろう?」ニヒヒ

カチャ

マミ「あら、私が結界を張ってもいいのだけれど」

キリカ「巴マミの結界は草原じゃないか。室内には向いてないよ」

マミ「そうね……」マミーン

QB「やっぱり不思議な力だ……キミたちは揃いも揃ってイレギュラーだよ全く」ゴロゴロ

ほむら「だらけながら言われても説得力が無いわ」ホムッ

杏子「お……ようやくか」オッ

さやか「え、誰なのそちらの美人さんは?」ワァ

QB「さやかは洞察力に欠けているね。ボクはどう見たってキュゥべえじゃないか」っぷい

さやか「――え、えぇぇぇぇぇぇぇ!?」ガビーン!
210 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/26(月) 00:44:27.98 ID:+jdMOVZAO
まどか「本当なんだよ……びっくりするよね」ティヒヒ

QB「まぁ、確かにこのボディは不便だからね。ボクも驚いたよ」ノビー、クテー

まどか「あー。キュゥべえ、おへそ見えてる。はしたないよ」アハハ

QB「衣服は着ているから問題ないじゃないか。訳が分からないよ」ペロンッ

さやか「アハハ……って、何でみんな目を反らしてんの?」ン?

ほむら「かんじざいぼさつぎょうじんはんにゃはらみったじ……」ブツブツ

杏子「主よ、私をお導き下さい……」ブツブツ

織莉子「キリカ」ダキッ

キリカ「分かってるよ織莉子」ギュムッ

QB「訳が分からなさ過ぎて怖いよ、真剣に」エェ……?
211 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/26(月) 00:45:45.79 ID:+jdMOVZAO
――――皆帰って、夜。キュゥべえ。

マミ「あら、キュゥべえ出かけるの?」ジャー……

QB「ちょっとね。身体が火照っているようだから、夜風に当たってくるとするよ」

QB「……しかし杏子たちは少し図々しいのではないかい? 洗い物の手伝いくらいなら、今のボクには出来るけど……」

マミ「構わないわよ。好きでやってるもの」クスッ

QB「そうかい。なら、ボクも気兼ねなく」カチャッ、バタム

マミ「ふふ、気を使ってくれているのかしら……」

杏子「あー、ゆまにも負けるー!?」

ゆま「キョーコ……ファルコン弱い……」

杏子「昔は強いキャラだったんだよ!」

マミ「ふふ……賑やかっていいわね」ニコニコ
212 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/26(月) 00:46:43.90 ID:+jdMOVZAO
――――マンション屋上

QB「風が気持ち良いね……」ソヨソヨ

QB「しかし……」ジッ

QB「この身体……違和感を感じもしない。まるで、元々この身体だったみたいだ」

QB「……これもイレギュラーなのだろうか。ならば、暁美ほむらは――ボクについて、ボクの知らない事を知っているのだろうか」



「さぁね」



QB「……盗み聞きは関心しないな、暁美ほむら。それにソレは貯水層だ。登る所じゃない」ムッ

ほむら「失礼、貴女がいきなり喋り出すものだから」

QB「ふむ、確かにそう言われればそうだ。謝ろう、暁美ほむら」

QB「なら、序でに質問させてもらおうか。キミは、ボクの何を知っている?」

ほむら「……貴女は、どう答えてほしいの――っと」スタッ

QB「ボクかい? ボクは……」

QB「……分からない」

ほむら「なら、私は『知らない』と答えるわ。知りたいと思わない事を、知る必要は無いわ」

QB「……じゃあ、何故キミはボクを殺していたんだい? 何故今ボクを殺さないんだい?」

ほむら「分かっているくせに」クス

QB「……なら少なくとも、ボクがこうなる事を知っていて――尚且つこのボクに用事がある……という訳だね?」
213 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/26(月) 00:47:41.64 ID:+jdMOVZAO
ほむら「ノーでは無いわね」

QB「……キミの目的は何なのか、ボクには皆目見当が付かないよ」

ほむら「そうね。でも、私にばかり気を向ける前に……貴女は他に考える事があるのではないのかしら?」クルッ

QB「何だって?」

ほむら「貴女自身の事すら良く分かっていないのなら、まずは『我思う、故に我在り』くらいから始めたら?」クスッ

ほむら「ではまた。良い夢を、キュゥべえ」ヒュンッ

QB「……ボクの事?」

QB「ボクは……一体何なんだ?」
214 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/26(月) 00:48:31.90 ID:+jdMOVZAO
――――次の日、放課後。病院。

上条「治るかもしれないんだ!!」ヤハー!

さやか「良かったじゃん、恭介!」

上条「何だか画期的な発見があったとか何とか……治療不可だった病気や怪我が、次々に解決してるらしいんだよ」

上条「ボクの手も動くようになるみたいでね……海外の先生が手術にくるんだ。実験も兼ねてるんだろうから、少し怖いけど……」グッ

さやか「ううん、きっと恭介なら大丈夫! 早く治して、バイオリンまた弾こ?」

上条「勿論さ! 暁美さんに負けてられないしね!」ムンッ!

さやか「アハハ。いやはや、ほむらも厄介な奴に目を付けられちゃったよー?」アハハハ

上条「手術が楽しみなんて、本当に変な気分だ……」ハハハッ

さやか「(この笑顔を見れただけでも、アタシにとっては奇跡)」

さやか「(アタシの願い、叶ったよ――みんな)」
215 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/26(月) 00:49:43.10 ID:+jdMOVZAO
このSSはほのぼのちょいバカエロです。

投下終了。
216 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 00:52:40.35 ID:bXgSBNX2o
てっきり劣情に身を任せてキュゥべぇを襲うところまで想像してパンツ脱いだのに履き直さないと
217 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 00:53:15.18 ID:l352PUDto
お疲れ様でした。
218 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 00:54:55.18 ID:dqAN+ZX/o
おつ

さやかがフラグ立て過ぎでどうなることやら
219 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 01:29:59.36 ID:PyDhRv4uo
おつおつ
ほむら達は心のアレがおっきしちゃったんだね
マミさんは素数でも数えてたんだろうか
220 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 01:32:50.79 ID:nj351M2lo
いや生えてたかも知れない
ゆまちゃんに『ハ』えますように
「穢ゆま」とかゾクゾクする
221 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 14:56:11.25 ID:DgJfgSrMo

手術失敗しないよな



しないよな?
222 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 16:37:49.52 ID:uyYNOw4Co
ゆまちゃんの歳で精通出来るのかな
いや魔法ならあるいは
223 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 18:17:42.43 ID:yqiHe3RAO
・・・この紳士共は早すぎたんだ・・・
224 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 20:23:51.10 ID:9OsyyXpAO
ゆま幼茎ガクガクアヘ顔が見たいです
225 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 20:47:47.72 ID:qluDH6gQo
なんと業の深い奴らよ……






で、ゆまの穢で杏子があんあん言わされるわけですね? わかります!
226 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 21:13:34.25 ID:hBmfsxbKo
ふたなりで治癒魔法のスペシャリストと言えばあとは解るな?
227 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2011/12/26(月) 23:14:31.28 ID:+jdMOVZAO
定期的に ゆまの ネタが 出るのは 何故だ。
228 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 23:16:22.58 ID:MaT6gBpS0
おちつけ、まだあわてる時間じゃない。
きっと>>1がやってくれるさ
229 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 23:42:59.16 ID:nj351M2lo
それは みな ゆまっちが 好きだからだ。
230 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 23:50:32.86 ID:SnBOsclko
CV:若本
231 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 00:17:12.54 ID:b+IsUgpto
>>227
つID

てかやっぱりいたのか姉さんwwwwwwwwwwwwwwwwww
232 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 00:21:30.93 ID:LwWE0ukBo
越境は 発覚しても 黙っておきましょう
お姉さんとの約束だよっと

どのみちIDでわかるんだから、見つけたらニヤニヤしておいて
233 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/27(火) 01:30:11.08 ID:EZyfOwZAO
IDチェックなんて全然しないから気付かなかった。マジでステルスソフトバンク。

イエスロリコン、ノータッチ。
投下開始。
234 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/27(火) 01:32:42.51 ID:EZyfOwZAO
――――委員長の魔女、出現

魔女「――――!」

さやか「みんな、あの旗を伝っていこう!」ダッ

キリカ「了解だ!」ギュンッ!

マミ「リボンで魔女を絡めとるわ! 隙を作って!」タタタ……

ィィィィィ……

織莉子「上から使い魔!……とバカ二人かしらね」アー……

ほむら「ィィィヤッホゥゥゥゥゥ!!」ズバァッ!

さやか「あの盾、サーフボードにもなるんだ……」

ゆま「空中を泳いでるよ……」ワー

マミ「(うわぁ)」

杏子「ヒャッハー!!」ズァッ!

まどか「槍もボードがわりにしてる……」ポカーン

ゆま「キョーコカッコイイー!」キャキャ

杏子「行くぜ!」ズバンッ!

まどか「さやかちゃん、カッコつけて!!」クワッ

さやか「お、おう!」コクッ

さやか「(杏子が槍に乗ったまま、使い魔たちとすれ違って断ち切ってるわ……お、魔女に突っ込んで……傷入ったか)」ワーオ

ほむら「決めるわよ!」ガシャッ!

さやか「(ほむらはむしろ楽しんでるだろアレ。空から螺旋と弧を描きながら落ちてきて……うわ、盾からめっちゃ武器出てきた!?)」
235 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/27(火) 01:35:26.35 ID:EZyfOwZAO
ほむら「一斉掃射――からの!」

さやか「(あー、魔女がズタズタだ……止めは何だー?)」

ほむら「『フェイルノート』!!」パシュン!

さやか「(弓矢か!……いや、まだだ!)」

魔女「――――!!」

マミ「――『ティロ・フィナーレ』!!」ズガンッ!

さやか「やった!マミさんのお陰で魔女が怯んだよ!」

ほむら「援護ご苦労!――吠えろ青龍、『冷艶鋸』!」ズバンッ!

さやか「(何かアレゲームでみた事あるよ!?……うわぁ、真っ二つだ)」

スタタッ

ほむら「ヘーイ」パンッ

杏子「イェーイ」パンッ

マミ「ハイタッチ……」

織莉子「私たちの意味って……」ガクリ

キリカ「大丈夫だよ織莉子。未だに喋ってすらない子だっているんだ」ポムッ

ユウリ『凄いアウェー感を感じる』ジェムーン

さやか「アタシゃその効果音の方がびっくりだよ……」ハァ

さやか「さやかちゃん、まだまだカッコつけちゃいますよ!」ドヤッ

ゆま「お疲れさま、さやかおねーちゃん」
236 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/27(火) 01:36:39.69 ID:EZyfOwZAO
――――放課後の帰り道、ほむらとまどか。

テクテク

まどか「魔女、何だか大した事なかったよね?」

ほむら「えぇ。少し考えているわ」ホム……

ほむら「確かに手強くはなっているのだけれど、さほどではない……む」ハッ

ほむら「薔薇園の魔女はまどか絡みかしら。お菓子の魔女はマミ絡み。もし、この仮定が真実ならば……」

ほむら「影の魔女は杏子……人魚の魔女、は――いや、これは考えないわ」ブンブンッ

ほむら「そして私がワルプルギス、かしら。ハコの魔女は……単に相性よね」ホムン

まどか「……まだ強い敵がいそうなのかな?」

ほむら「心配は要らないわ。私たちが結束すれば何者だって怖くない……ん」チリッ

ほむら「……使い魔の結界ね。持論を試してみるかしら。まどか、待っていて」ホムッ

まどか「お、置いていかれる方が怖いよほむらちゃん!?」アワワ

ほむら「ふふ……なら、私から離れないで」クスッ
237 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/27(火) 01:37:58.55 ID:EZyfOwZAO
――――使い魔の結界

使い魔「――――」

ほむら「出会っていきなりで悪いけど。『ラハット・ハヘレヴ・ハミトゥハペヘット』」ゴウッ!

使い魔「――……」グシャッ

まどか「わぁっ、剣が燃えてる……」

ほむら「脆い……そのまま燃え尽きなさい」クル

まどか「っ、ほむらちゃん! まだ動いてるよ!」

使い魔「……――!!」ガバッ

ほむら「温い」スパンッ

まどか「刀……? で、でもまだ動いてるよほむらちゃん!」

ほむら「あぁ、これでいいのよ」カキンッ

ほむら「『八丁念仏団子刺し』……精々無様に余生を歩きなさい。行きましょう、まどか」スタスタ

まどか「ま、待ってほむらちゃん!」タッ

使い魔「――――」ヨロヨロ

使い魔「――――」ヨロ

使い魔「――……」ドサッ

ほむら「(やはり予想は当たっているようね……なら次に気を付けなければならないのは――影の魔女)」

ほむら「(どうしたものかしら……)」
238 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/27(火) 01:38:42.13 ID:EZyfOwZAO
――――杏子とゆま、さやか。

さやか「使い魔だ、やっつけよう!」オー!

杏子「使い魔……か」

さやか「? どしたの?」キョトン

杏子「いや、何でもない。片付けちまうか、被害が出る前に……だろ?」ニッ

さやか「もちのろんさ!」エイオー!

ゆま「ゆまもやるよ!」オー
239 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/27(火) 01:41:22.22 ID:EZyfOwZAO
――――しかし余裕。

さやか「んー、さやかちゃん無敵!」ノビー

杏子「はは、まぁ使い魔だからな」ポリポリ

杏子「……ま、狩らないヤツもいるんだけど」

さやか「へ、どゆこと?」

杏子「使い魔を倒してもグリーフシードは出ないだろ? なら、ぶっちゃけ魔力の算出はマイナスだ」

杏子「……死んじまうからな、ソレは」

さやか「……だから、魔女になるまで待つって言うの?」ムッ

杏子「そういうやり方をしているヤツを否定してやらないでくれってだけさ。ソイツらだって死にたくない……他人が死ぬより自分が死ぬ方が、何倍も怖いからな」

さやか「ソレ、おかしくない? だって、魔法少女が戦わなかったら……普通の人らはみんな死んじゃうんだよ?」

杏子「……魔法少女だってな――」

杏子「――何の変哲も無い、ただの女の子なんだよ」

杏子「戦う力があるから戦わなきゃならない、なんてのは違う」

杏子「戦いたいと心から思った時に戦えばソレでいいんだ。だから、さやかも今のままでいい」

杏子「だけど、ソイツの生きる邪魔をしてやるな――っ」ハッ

さやか『グリーフシードが欲しいんでしょ。あげるよ、ソレ』

杏子「……いや、これは言わなくても分かってるか」ハハ

さやか「???」

ゆま「昔の話だね」クスクス

さやか「ちょっ、ズルいよ二人だけでさー! 未来から来たからってソレはズルい!」ウガーッ

杏子「ハハハッ」カラカラ

杏子「(そうだ。戦いたくなくなったら、止めればいい)」

杏子「(一度立ち止まるのも、さやかには必要そうだしな)」

杏子「全く、手間のかかるヤツだぜ」ヤレヤレ

さやか「なんだとぅ!?」ムキー!
240 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/27(火) 01:41:55.57 ID:EZyfOwZAO
武器の読み方不安。

投下終了
241 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 01:47:14.35 ID:b+IsUgpto
乙!!

[壁]・)
[壁]_・)  そろそろエロかな?
       >>1のエロシーン好きだから楽しみなんだよね
[壁]・)Ξ


>>232
正直スマンかった(o*。_。)o
ちょいとゆまっちのハンマー喰らってくる
242 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 02:07:08.94 ID:1c0cN2JAO
イエスロリコン イエスタッチ イエスレズセックス イエスレイプ イエスバカエロ
バット イエス虹 ノー惨事

シズルやバージニア達も因果の影響を受けていたりするんでしょうか
243 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 02:57:32.43 ID:UTYxJUMYo
古今東西の武器の名前でそのうちほむらさんが舌を噛みそうだ
244 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 05:36:59.12 ID:romCmhl/0
ジェムーン…この発想はなかった(笑)
245 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 07:13:04.93 ID:+py8UdZVo
お疲れ様でした。
246 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 16:16:54.85 ID:PcXU4VhI0
おぅおぅやっと追いついたんだぜ。全くもう…このSSのお陰で昨日は一睡もしてないってのによぅ
それに昨日からうどんしか食ってないような気がするしさ…あぁ、そういえばチーズケーキもモグモグしたな

うっへへ…実を言うと俺は天性のヒザ裏好きでな。さーてと、それでは早速…
ベアトちゃんが体育座りを長時間した後に溜まったヒザ裏の汗を清潔な布で掬って丁寧に舐めさせてもらおうかなァ!クヒハハハハッ
247 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 18:04:54.22 ID:X/4Gd+LQo
純男性型を想像できちゃったベアトちゃんうへへへ
248 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 18:06:02.07 ID:nc2hTR1co


おまわりさんやっぱりこいつらです
249 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage saga]:2011/12/27(火) 20:57:09.70 ID:896prXfDO
だぜ…うどん…間違いない
250 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 21:02:20.19 ID:ym8hFqGA0
乙!
・・・警察機動隊が通り過ぎてったんだが、何かあったのか?
251 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/28(水) 08:20:37.80 ID:Vgd7O1JAO
定期的にあのスレは覗いとかなきゃいけないと思いました。
しかしアレは凄いと思うよ。読者一体型で、SSの新しいスタイルを開拓してる。
自分は単純に投下するだけしか出来ないから、多分真似出来ない。

投下開始。
252 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/28(水) 08:21:34.58 ID:Vgd7O1JAO
――――そしてまた放課後。

さやか「さて、今日は早いし……恭介のお見舞い行くわ」

まどか「あ、私も行くよ」

ほむら「ならご一緒させてもらおうかしら。経過も気になるし……手術は済んだんでしょう?」

さやか「みたいだけど、特に連絡は無いし……まぁ、一々言ってくるような話でもないけどさ」ウーン

さやか「ま、さっさと行くかね……仁美ー、ってアレ?」キョロキョロ

まどか「帰っちゃったのかな?」

ほむら「(……いや、こんな動きは無かったはずよ。何か……起こっているわね)」

さやか「仕方ないか。じゃ、CDショップ寄ってから病院行こ?」

まどか「うん」ウェヒヒ
253 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/28(水) 08:22:06.39 ID:Vgd7O1JAO
――――病院、上条恭介の病室。

さやか「恭介来たよー、さやかちゃんですよー!」バターン!

上条「お、来たのかいさやか」ヤァ

さやか「っ」ドキッ

まどか「あ……」

ほむら「(……考えうる限り、最悪かしらね。ソコはさやかの席よ)」





仁美「あら皆さん、奇遇ですわね」ニコ
254 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/28(水) 08:23:59.50 ID:Vgd7O1JAO
――――

さやか「仁美、どうしてここに?」

仁美「いえ。私お父様から、上条君の手術が成功したと聞いたので……是非お見舞いに向かいたいと思いましたの」

上条「志築さんのお父さんが、どうやら海外の先生と連絡をとってくれたみたいなんだ」ハハ

仁美「被験者を探しているという話を聞きまして……詳しく聞けば、上条君に条件が当てはまりましたから丁度良いかと思い、お父様に進言致しましたの」

さやか「へ、へーそうなんだ! 良かったね恭介!」アハハ

上条「あぁ、志築さんには感謝しているよ」ハハッ

仁美「運が良かっただけですのよ、上条君。神様は貴方を見ていて下さっただけなんです」ニコッ

さやか「っ」ズキン

ハハハッ

フフッ







さやか「あ、これCD。置いとくね?」

上条「あぁ、ありがとうさやか」

さやか「じゃ、慌ただしくて悪いけど、アタシほむら達と用事あるからさ。またね」

上条「あぁ、また。暁美さんも、いつでも歓迎するよ!」ニコ

ズキンッ

ユウリ『うわ。うわぁ』

ほむら「(――っっ、このバカ! バカじゃないの!? こないだの説教は幸せバカになった頭からすり抜けてしまったのかしら……)」クゥ……

ほむら「(……さやかが報われないのは今までもたくさんあったわ。でも――全て横取りされたなんて事は無い……)」

ほむら「(最悪なんてモノじゃないわよ、コレ……)」

まどか「さやかちゃん……」

さやか「行こっ、まどか!」ニパッ

ほむら「……そうね」

パタンッ……





仁美「…………」
255 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/28(水) 08:25:19.35 ID:Vgd7O1JAO
――――いつもの、マミの家へと向かう道。

さやか「…………」テクテク

まどか「…………」トテトテ

ほむら「…………」スタスタ








さやか「……キッツ」ボソッ

ほむら『杏子ぉぉぉぉぉぉぉぉ!! 早く来て杏子ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』テレパスィィィィアァァァ!
256 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/28(水) 08:27:22.97 ID:Vgd7O1JAO
――――マミ宅

さやか「…………」

マミ「…………」

ほむら「…………」

まどか「…………」

マミ『未だかつて無い、下手な事喋ったら死ぬ雰囲気じゃないのよ!?』マミンッ!?

ほむら『想定外よ。あの子の中である程度心の準備は出来てたみたいだから、ある程度は持ってるけど……あぁも露骨にやられるとは』

QB『どうしたんだい? 来るなり塞ぎこんで、正直訳が分からないよ』

ほむら『貴女も全く厄介な因果を引き寄せたモノね、キュゥべえ』ハァ

QB「成る程、そういう事かいさやか」ムクッ

さやか「あぁ?」ジロッ

まどか「(怖いよさやかちゃん)」タラー

QB「腕を治した事を彼に言えば解決するんじゃないのかい?」

さやか「アンタバカぁ? そんなん、どうやって信じるのさ……」イジイジ

QB「だって奇跡か魔法が無ければ治らなかった案件なんだろう? キミが魔法少女である事が何よりの証拠じゃないか」きゅっぷい

さやか「……ソレができたら苦労しないよ」ハァァ……

QB「望みを叶えたって言うのに、キミたちは不満がる……訳が分からないよ」ヤレヤレ
257 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/28(水) 08:28:51.42 ID:Vgd7O1JAO
ジワー……

ほむら「ほら、ソウルジェム濁ってきたわよ」コツン

さやか「あんがと……世話になっちゃってるね」

ほむら「そう思うなら早く立ち直りなさい。貴女が落ち込んでるのを見るのは嫌よ」ホムッ

さやか「サンキュ、ほむら」

……ダダダダダッ!

バタァァァン!

杏子「さやかは無事か!?」ゼーハー

さやか「……杏子?」ジト

杏子「良かった……大丈夫だったか」ホッ

ゆま「キョーコ、お疲れ」ンショ

マミ「背負ってきたの?」ハイタオル

杏子「アタシの方が速いからな」サンキュ

杏子「で、どうなってんだよ。詳しく聞かせてくれないか?」
258 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/28(水) 08:30:30.00 ID:Vgd7O1JAO
――――かくかくしかじか

杏子「なるほど。でもまだその仁美ってのが坊っちゃんを好きかどうかは分からないんだろう?」

ほむら「……統計よ」ホム

杏子「統計かー……そうか」ウーン

さやか「何でこうなるのよ……」ズン

杏子「……でも、確かに坊っちゃんは治ったんだろ? それは、お前の願いでもあったんじゃないか?」

杏子「そこが一番重要なんだろ? 違うか?」

さやか「……そう、だけどさ」

杏子「自分をしっかり持つんださやか。お前にとって魔法少女って何だ?」

さやか「……魔女を倒して、みんなを守る存在」

杏子「……なら、ソレ以外はオマケみたいなもんだ。気にしなくていい」

さやか「オマケって――!」

杏子「アタシも色々あったけど、今は今で凄く充実してる」

杏子「ソレで良いじゃん」

さやか「……でも」

杏子「アレだ、なら告白だ! 告白しかないぜ!」グッ

さやか「うぇっ!?」ドキッ
259 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/28(水) 08:31:33.72 ID:Vgd7O1JAO
杏子「とにかく当たってみなけりゃ結果は分からないぜ? ほむらの話を聞くには脈が無いことは無いんだろ?」

ほむら「え、えぇ……無くは無いけれど」

杏子「女は度胸だ。もしかしたら上手くいくかもよ?」ニッ

さやか「そ、そうかな」テレッ

杏子「あぁ。ほぼ毎日お見舞いに来てくれる人を意識しない訳がない。やってやれない事はないだろ」

さやか「いやでも、うーん……」ウググ

杏子「ま、ゆっくり考えろよ。マミ、お茶ー」グデン

マミ「はいはい」クスッ

まどか「(スゴいね杏子ちゃん)」ヒソヒソ

ほむら「(さやかマイスターと言っても過言ではないわね)」ヒソヒソ

杏子「さやかー、とりあえずスマブラしようぜー。気分転換に」

さやか「えぇぇ……まぁいいけど」

QB「……わけがわからないよ」エェー

マミ「(スマブラ買っておいて良かった……)」
260 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/28(水) 08:32:23.95 ID:Vgd7O1JAO
このスレで終わるか不安になってくる今日この頃。

投下終了
261 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 08:34:45.38 ID:rN0u5BcAO
別にもっと延長しちゃってもいいのよ?

投下乙
262 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 10:12:09.63 ID:8u4haF6Ao
さやかマイスターwwww
乙です!
263 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 11:54:38.09 ID:HiO9Zxrco
仁美が寝取る因果も増幅されていたわけですねわかります
本当の気持と向き合わない因果はほむらとその他がぶち壊してくれたからいいとして
なんかさやかの行き先に不安な要素が多いような気が
そんで次の魔女戦は…





あれっ、オクタヴィアだ
264 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 11:54:45.34 ID:342gV39qo
まさかスマブラがこう効いてくるとは思わなかったwwwwww
265 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 12:03:08.25 ID:q0eOEjrd0
乙なんだぜ さやかが杏子とくっついたらいいなんて思ったけど…そうもいかないのが仁恭、別名ワカメ条
あのSSの書き方が特殊だとしても、>>1は文章力も物語の構成もセンスも投下ペースもバカエロも素晴らしいものじゃないか
純粋に書き手としてのレベルが非常に高いんだよ絶対。真似出来ない、なんてこっちのセリフだぜ

「きゅぅぅ…こんな毒素と老廃物の含まれた液体が美味しいだなんてわけがわからないよ…ふぁっ///」
みたいに汗に濡れたヒザ裏をペロペロされて文句言いながらも感じちゃう可愛いベアトちゃんは最高だと思うんだ
十兵衛とのラブラブなバカエロが見たくてしょうがないので俺は>>1を応援するんだぜ。がんばれー!
266 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 13:49:43.81 ID:1+jFTqCxo
どっかの任○堂うぃーを買いにパシらされてたマミさんとなんか被るwww
267 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 13:58:15.53 ID:JrNsrcjSo

>>265 おまわりさんまたこいつです

しかし流石のわかめとしか言いようがありませぬ
268 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 16:38:02.92 ID:9VQsvRxDO
これでも原作の百部の一程度の糞野郎っぷりなんだよなぁ
あ、乙
269 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 17:14:25.32 ID:1sDgA6Ewo
こらこら、わかめをあんま責めんなよ
確かに抜け駆け感はするけど、上から目線ながらも自分の本当の気持ちを言って、一日告白の猶予をくれてたんだから
寧ろ非があるのは、こんだけ尽くしてくれてたさやかを蔑ろにした上条だろ
幼馴染の地位に甘えてたさやかもそうだけど
270 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 17:20:11.12 ID:0RvYDx+ao
猶予って時点で上からじゃないか?
271 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 17:41:20.11 ID:q0eOEjrd0
俺は悪くねぇ、ベアトちゃんが可愛すぎるのがいけないんだよっ!そんな事よりゆまパパみたいな人間を絶対に許しちゃいけないと思う。
七瀬深幸も中々に許しがたい人間だったけど、自分達が生きる為って理由があったから長い目で見ればしょうがないよ
でも自分の愉悦だけの為に娘に手を出すなんてのはマジでクズでしかないわ。魔女に喰われるだけじゃ足りないレベルだぜ…

俺が求めているのはイチャラブバカエロだっ!ムリヤリレイプはノーサンキュー…ってスレタイの時点で注意書きしてたな、うん
あぁ…ベアトちゃんやほむほむに感情移入しすぎて頭痛がしやがる。くそッ、胸糞悪いぜ…ぐふっ

親友と想い人を天秤に掛けて悩んだ結果、さやかに先に選ぶ権利があるって言って自分に歯止めをかけていたけど
因果が増幅した事で、より上条を優先する気持ちが強まったんじゃないかな。本当はワカメだって良い子なんだよ
272 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 18:20:53.36 ID:mruX6ijyo
>>271
>落ち着け
>落ち着けっ!
>落ち着けっ!!
>頼む落ち着いてくれっ!!
273 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 18:45:18.71 ID:q0eOEjrd0
俺は落ち着いてる、落ち着いてるさ…でも喉が渇いてんだ。だからベアトちゃんの唾液を一杯頂けるかい?
無いならゆまちゃんのでもいいぞ。出来れば垂らしたての暖かいままのものを飲みたいぜ…

パート4始まってから未だにバカエロが無いなんて詐欺じゃんか…でも俺は>>1のバカエロを待ち続けるぞー!
274 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 18:57:50.06 ID:mOFL52TAO
「タイミングが悪かっただけ」という舞台装置があらかじめ用意されていたから仕方のないことなのでしょう
仁美も舞台役者なのですから
275 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 19:14:22.21 ID:1sDgA6Ewo
>>270
だから糞野郎ってのは違うだろ
寧ろ上条こそ糞野郎
276 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 20:28:32.24 ID:Zk0wqKZgo
つまりあの世界に男なんぞ不用ということだね
277 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 20:32:32.12 ID:2PX0r1Bd0
                    ,:',∧' ,
                   ,:'./;;..;.l ;
                   , r!;;;;;;;t, ;
                  ,'/;,;;;;;;;;イ ,
                  ,' {,;;;;;;;;;;;イ ,
                  ./;;;;;;;;;;;;イ ,
                 ; l,,';;;;;;;;::',j '       …落ち着け………
                 ;.{;;;;;;;;;;;;;ノ ,
              _,...、n-{;;;;;;;;;;;ノ!、_        落ち着くんだ……!!
            ,r〃 , 'フノ l ;;;;;;;;;;;/F=、, 、,
          ,,-</_/'/ノi!'゙l;;;;;;;;;ソ、,ヽ、.,ヽ,
         ,'/  `ヾ:<´:.、.(.l;;;;;;;リ /ヽヽ,、-、
        ,'/、-  ''ニ-l ''::::;,、`''''ソ '´,r''´  l
        /´ ヽヽ::_;:::,、_  、;;,r ''`l=   '''::{
        { ,::川f^' 。、')-';;;;ヽr-t-、:::、 , .l
        .l彡,=r '7'''''`´/::::,ヽ'‐:゚.,,i :)川ヒ.ノ
        (, ,リ ´ ._,、 -', .,,,,,,,_ ',´  ~´ ミr'
         ト、,r'´    `'-、-=' `‐、  .) .ノ:、,
         .ヒ 'il! '^-=‐---- 、..,,__ァ' リ、r''l
         レr.ll!   、` ̄ ̄ ~`´,  ,iツ ミト、
    /   / ,:ト<rlレ  , `~```''''''`´  リ,i i,jニ!,  l,
   /  //l \l,/ / ., , , , 、t .i,リ,/lヽl   ト、,_ ./ ト、
',;;;;;;;オ  /l_,...l  .l\.i f l、 .! / ! .Y ,j,イ  .l l   l .ヽ;/  l;ヽ,
ヽ;;/,l  l´  ,オ  l ,_''‐- 、Ll>,,」,从' l  l´l   l`'‐y'   ' ロ、,
278 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 20:36:21.95 ID:2PX0r1Bd0
落ち着いてよく考えるんだ…そう、Be Cool…Be Coolだ。
まずワカメを犯す…つまりミドレイだ。しかるのち上条を犯す…つまりバイオレイだ。
そして両方をミンチにしてトビネズミの餌にする…さすれば、ほんの少しだけさやかの気が晴れるかも知れん…
279 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 20:50:01.94 ID:9VQsvRxDO
グリニデさま!
自称深緑の知将のグリニデさまじゃあないですか!
280 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 20:53:42.65 ID:3wFSyAHFo
つまりさやかちゃんが二人を掘ると
281 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 20:55:46.44 ID:Bym68ZtQo

     /⌒ヽ
    / :i! ヽ
   (  :||....::::)
    )  :||..:::( 
   (   :||....:::)
    ) :||...(
    ヽ .:||.::ノ
     ヽ||/
      ||
282 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 21:01:55.16 ID:0RvYDx+ao
>>275
なんか2行目読んでないでレスしてたみたい
ごめん
283 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 21:38:30.09 ID:hOu58dZJo
なんかおまえら荒ぶってるな
284 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 21:51:38.45 ID:Gl4Zn54X0
みんな!落ち着くんだ!!
落ち着いてゆまちゃんのあしをぺろぺろ
285 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 21:54:02.66 ID:hNPnulNr0
落ち着け、まだ慌てる時間じゃない











ゆまちゃんのおへそぺろぺろ
286 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 21:54:39.03 ID:Bym68ZtQo
ゆまちゃんのほっぺぺろぺろ
287 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 21:56:45.00 ID:pGQMWrjKo
前もこんなのになったし仁美の話になると荒れるなww
288 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 22:05:46.61 ID:JvjjrYHDO
つーか仁美マンセーの奴は前と同じ奴だろ
289 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 22:06:18.29 ID:HiO9Zxrco
ゆまおしっこじゅるじゅる
290 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 22:13:24.21 ID:1sDgA6Ewo
>>288
マンセーしたつもりは微塵も無いけどな
キャラ叩きがウザかっただけで
291 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 22:16:54.10 ID:pGQMWrjKo
キャラ叩きがウザいと言いながらさらに別のキャラ叩くって馬鹿じゃないのww
292 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 22:20:25.71 ID:1sDgA6Ewo
>>291
煽んなって…
293 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 22:20:37.43 ID:HiO9Zxrco
ゆまよだれじゅるじゅる
294 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 22:34:40.55 ID:pGQMWrjKo
>>292
煽ってもいるけど尤もなこと言ってるつもりだぜ
295 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 23:14:00.15 ID:q0eOEjrd0
読者だけでこんなに話が盛り上がるなんて凄いなここは まぁゲスに描かれたキャラを叩くのは自由だとは思うが程々にするってもんだぜ
>>1本人は書いててどう思ってるんだろうか…滾ったり悲しんだり哀れんだりムラムラしたりするのかな

魔女との戦いで疲れたゆまちゃんのヒザ裏にゆまパンを当てて汗を吸い取ったものをおしぼりとして使いたい
296 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 23:35:36.37 ID:1sDgA6Ewo
>>294
もうそろそろ黙って次の投下待ったらどう?
297 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 23:41:34.60 ID:JvjjrYHDO
お前もな
298 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 23:51:55.88 ID:HiO9Zxrco
ゆまんこぺろぺろ
299 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 00:25:57.87 ID:RmmKV9zlo
お前らがゆまたんに夢中な間に俺はあんこに夜這いを…
300 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 00:26:05.64 ID:J0ZPjUAso
読者同士で喧嘩を売りあう愚か者よりゆまんこぺろぺろ
301 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 00:26:49.47 ID:5l2K1/L2o
ほむほむが一番や
302 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 01:03:06.99 ID:/YiqhQm70
喧嘩はよそうぜ?





ゆまちゃんの脇クンカクンカ
303 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/29(木) 01:06:20.58 ID:bcjhGXQAO
>>263
エルザマリア「…………」

スレが混沌としている……
>>1は仁美が嫌いな訳じゃないんだよ。マジで。

投下開始
304 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/29(木) 01:07:35.43 ID:bcjhGXQAO
――――放課後、校門前

さやか「(まどかは家の用事。ほむらは私用)」

さやか「一人かぁ……」ハァ

「よっ、遅かったな?」オッ

さやか「って、杏子!?」エェッ!?

杏子「どうせいじけてるだろうから様子を見に来たぜ」ヘヘッ

さやか「……悪いけど、アタシ今日は恭介のお見舞いに行くの。だから――」

杏子「そんじゃアタシも着いてく。別に構わないだろ?」

さやか「……まぁ、いいけど。今日、ゆまちゃんは?」

杏子「マミん家でキュゥべえと留守番だ。たまにはな」

さやか「……見張り?」ム

杏子「……頭冷えたお前は本当に冴えるな。まぁ、それも兼ねてんだろ」オォ

杏子「ま、そんな事より。行くんだろ?」

さやか「あ、うん。じゃあ着いてきて」
305 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/29(木) 01:08:50.28 ID:bcjhGXQAO
――――道すがら

さやか「…………」トボトボ

杏子「…………」テクテク

杏子「…………」ンー

杏子「……」フム

杏子「なぁさやか」

さやか「何よ」

杏子「お前、やっぱあの坊っちゃんの事、本気なのか?」

さやか「…………どうなんだろう」

杏子「どうなんだろう、って?」

さやか「この気持ちが何なのか、良く分からないのよ」

さやか「確かに恭介の側にいるのはすごく……心地好くてさ」テレッ

さやか「でも、それ以上を望みたいって訳じゃないと思う」

さやか「けど、その場所は誰にも取られたくないの」

さやか「それを、世間一般で恋って言うんじゃないの?」

杏子「いや、アタシには分からんわ」キッパリ

さやか「えっ」ズルッ

さやか「……つまり?」

杏子「恋だの愛だの考えるからややこしくなんじゃね?」

杏子「さやかの気持ちはさやかの気持ちであって、他の全てとは違う」

杏子「お前がやりたいように、為りたいようにやるのが一番だと思うんだけどな」

杏子「だから、見舞いなんだろ?」

さやか「そうだけど……いや、そうだね。それしかないよね」タハハ

さやか「せいぜいさやかちゃんは気合い入れて見舞いますかー!」エリャー!

杏子「気合い入れるのは病人のほうだがな」クックッ
306 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/29(木) 01:10:07.03 ID:bcjhGXQAO
――――病院、上条恭介の病室『だった』部屋

さやか「――――」

杏子「おい、どういう事だよ……誰もいないだと?」キョロキョロ



さやか「どうして?」

さやか「なんで?」




杏子「あの、ここの人は……?」

「あぁ、上条さん? 手術してからみるみるうちに元気になっていってねぇ……つい昨日退院したの」

「もう魔法でもかかったみたいにね。音楽の力なのかしらね」

杏子「そう、ですか。ありがとうございました」ペコッ

さやか「…………」

杏子「(さやかの願いの力が強すぎたのか? 坊っちゃんの治癒力まで引き上げたみたいだな……こりゃ大したモンだ、なんて言ってられねぇぞ)」

杏子「さ、さやか……?」

さやか「なんで」

さやか「なんでいないのよ」

さやか「なんで」

杏子「(――何か気の効いた言葉を掛けにゃマズいぞこりゃ……チクショウ、何も出てこねぇ!)」

杏子「(仕方ない、なるようになれ!)」ウガー!

杏子「さやか、急な退院だったのかもしれねぇぞ? とりあえずあの坊っちゃん家に行ってみようぜ。折角今日は見舞おうと動いてたんだからさ?」ナ?

さやか「……そだね。行ってみよっか」

杏子「おう。顔も見ずに帰るのも、アタシが癪だしな」ホッ
307 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/29(木) 01:13:14.91 ID:bcjhGXQAO
――――恭介宅玄関前、もう夕暮れ。

杏子「おいおい、坊っちゃん家でかいな……」

さやか「昔はそんな事も無かったんだけどね。恭介は割りと稼ぐから……」

杏子「……そりゃいけねぇな。ガキの頃に金の大事さを知っとかなきゃ、いつか首をくくるぜ」

さやか「アンタが言うとスゴい説得力あるわ」ハハ

――――、――、――、――。

杏子「お、コレ坊っちゃんが弾いてんのか?」フム

さやか「うん、恭介の音だ」

杏子「分かるのか?」ヘェ

さやか「ずっと、聞いてるから」

杏子「悪くないな……ほむらにゃ負けるが」ン

さやか「規格外と比べないでよ」アハハ

さやか「……うん、何かバカらしくなっちゃったな!」タハハッ

杏子「何がだ?」

さやか「悩んでるのが。ほら、恭介はあんなに楽しそうにバイオリンを弾いてるんだよ」

杏子「いや、分からんけど」ポリポリ

さやか「そうなの。それで、何だかとっても満足出来たの……アタシ、ただもう一度――恭介の曲を聴きたかっただけなのかも」クスクス

杏子「……そりゃ、大した願いだな」ククッ

さやか「もうちょっと聞いてよっか」

杏子「会わないのかよ?」オイオイ

さやか「いーの。もう遅いし」エヘヘ

杏子「(幸せそうな顔しやがって。こっちの気も知らねぇでさ)」ハハ
308 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/29(木) 01:14:28.57 ID:bcjhGXQAO
――――物事には裏と表がある。

杏子「……お、終わったみたいだな。で、どうする? 帰るのか?」

さやか「そうだね……ちょっとパトロールしよっか?」

杏子「さやかが構わねぇならいいが……無茶すんなよ?」

杏子「なら早く行くか。あんまり人の家の前にいるのも変だしな――」

ガチャッ

杏子「ん?」

さやか「――――え」





仁美「さやかさん? どうしてこちらに?」
309 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/29(木) 01:15:32.64 ID:bcjhGXQAO
さやか「ひ、仁美こそ……なんで恭介の家に……?」

杏子「(おいおい、おいおいおいおい!?)」

仁美「その、私は――」








仁美「先程まで、上条君にバイオリンを聞かせてもらっていましたの」フフッ





え?

じゃあなに?

さっきまでアタシは。

恭介が仁美の為に弾いていた曲を。

盗み聞きしてただけってわけ?



さやか「そう。恭介退院したの知ってた?」

仁美「? えぇ、昨日聞きましたわ」キョトン

さやか「そっか。恭介、調子どうだった?」

仁美「病み上がりですから、万全とはいかないようですわ。仕方の無い事ですけれども」

さやか「ソレでも上等だよ。なら、今日はいいか……アタシは帰るとするよ」

杏子「さやか!?」

仁美「……さやかさん、そちらの方は?」

さやか「うーん、友達?」チラ

杏子「ソレでいいけど……いやそうじゃなくてさ!」

さやか「――じゃね!」ダッ!

杏子「お、おい待てよさやかっ!」ダダッ!

仁美「あ――行ってしまわれましたわ」

仁美「……さやかさん」
310 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/29(木) 01:17:05.63 ID:bcjhGXQAO
――――小雨。

さやか「…………」タタッ……

杏子「おい、止まれ! さやか、止まれ、ってぇっ!」ガシッ!

さやか「――――っ」

杏子「っ。お前、泣いて――」

さやか「雨だよ」

杏子「――そうなのか?」

さやか「うん。だから泣いてない。私は泣かないんだ」

杏子「……さやか」ギュウッ

さやか「……アタシ、バカみたい。いや、バカなんだ」

さやか「アタシの場所、無くなっちゃう――」

杏子「……今日はちと休め。温かいご飯を食べて、温かい風呂に入って、暖かい布団でぐっすり寝るんだ」ナデナデ

さやか「無理だよ、そんな気分じゃないよ……」フルフル

杏子「雨で身体が冷えちまってる。そういう時は、普段より気持ちも落ち込んじまうんだ」

杏子「――そうだ、おまじないをしてやるよ」ポワン

さやか「……何?」

杏子「ぐっすり眠れるおまじないだよ。頭を整理するには、すっきりしなきゃならないだろ?」

杏子「とりあえず、明日だ。色々考えるのはそれからにしようぜ、な?」ニッ

さやか「……うん、そうする」

杏子「(厄介な事になってきたな……チクショウ)」クッ
311 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/29(木) 01:17:53.29 ID:bcjhGXQAO
投下終了。

スレの雰囲気がペロペロなのに投下するのがコレで申し訳無い。
312 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 01:36:17.69 ID:52fn0KlK0
やはり死ぬしかないか、さやか。
…お前の運命だけは、どんなにひねくっても努力しても改変しても「安定のさやか」のままか。
313 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 01:38:09.61 ID:qlymRf3So

じゃあさやかちゃんの涙をペロペロすればいいんや!!
314 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 01:43:40.98 ID:Td13ERGno
乙!!

次回あんさやクル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !?
315 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 01:51:02.53 ID:5l2K1/L2o
ほむさやきてくれええええええええええええええ
316 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 02:00:23.96 ID:c4Mjn+GZ0
ほむさやと聞いて
317 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 03:24:58.59 ID:XTH2oaH8o
ほむらー!!グリーフシードのストックは大丈夫かー!?

魔法少女の強化された体ですごい腰ふりパンパンしたら壊れちゃう!
318 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 10:12:36.65 ID:RmmKV9zlo
なぜかバカエロの気配
319 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 11:24:42.68 ID:D/B3RKlZo
なんでアンタがいるんだ…アンタが…
バカエロはまだ無くていいような
少しだけこのビターな空気をかみしめていたいな
320 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 14:48:59.19 ID:6j0zKhd00
因果完全な医療を願った上に因果の増幅もプラスされたさやかが魔女化したらもうほとんど不死身に近いと思うぜ…
クリームヒルトのグリーフシードの浄化率も気になるし 色々な物を見てきたほむらは、さやかを幸せにできるのだろうか
321 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 17:31:42.35 ID:dvraa97DO
ちょっとワカメを粘りが出るまで叩いてオクラに和えてくる
322 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 17:36:16.41 ID:7tIhIpxbo
間桐慎二を叩くのもそこまでにしといてやれよ……
323 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 18:19:07.57 ID:z0if8fQso
因果の関係でさやかちゃん自身の心の傷はおそらく癒せないんだろうな
324 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/30(金) 01:20:33.77 ID:WDNznVNAO
今日は意外な流れ。

投下開始
325 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/30(金) 01:21:11.15 ID:WDNznVNAO
――――その晩、マミ宅。

杏子「――というわけなんだが」

マミ「それはまた……どうしましょう」オロオロ

ほむら「うーん……とりあえずフォローはしておくけど、期待はしないで」ホムムゥ……

杏子「いっそアタシの魔法で……」

ほむら「ダメよ杏子」

杏子「分かってるよ……言ってみただけだって」

ほむら「人の気持ちだけはどうにもならない事よ。志築仁美だって、別に悪という訳ではない……まぁ、些か頭が回るとは思うけれど」

ユウリ『魔女になっちゃったらどうするのさ?』

ほむら「その時の為の、まどかのグリーフシードよ……使わないに越した事はないけど」

ユウリ『失敗した時の保険も用意、か。強かだな、暁美ほむら』

ほむら「そうでなければ意味が無いからよ」ホム
326 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/30(金) 01:22:22.56 ID:WDNznVNAO
――――翌日、朝、登校。

テクテク

さやか「…………」

まどか「…………」

ほむら「ほら、シャンとなさいさやか」ポンッ

さやか「ほむら……」

ほむら「おはよう、二人とも」ホムッ

まどか「おはよう、ほむらちゃん」

さやか「おはよ……」

まどか『ほむらちゃん、さやかちゃんは一体……?』テレパシー

ほむら『ほむほむしかじか』テレパシー

まどか『困ったね……』

まどか「(何とかさやかちゃんの力になれないかな……)」

仁美「おはようございます、皆さん」ペコリ

まどか「あ、お、おはよー仁美ちゃん」ウェヒヒ

ほむら「おはよう」

さやか「……おはよう、仁美」

仁美「…………?」

まどか「アハハ……さやかちゃん、今日調子悪いみたいなんだ。あ……」

ほむら「(む、上条恭介が登校してるわね。もう少し休んでいればいいものを)」チラッ

さやか「…………」ジッ

仁美「…………」
327 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/30(金) 01:23:55.93 ID:WDNznVNAO
――――授業中

早乙女「はい、では皆さん自習!」パタンッ

ほむら「ふぅ……」

ほむら「ん」チラ

ほむら「(さやか、まだ落ち込んでるわね……放課後まではまだ時間があるし、杏子に任せる前に何か手を打てないものかしら……)」ホムム

「……なぁ、暁美さん?」ヒソッ

ほむら「――何? 中沢君」クルッ

中沢「何かさ、美樹元気ないみたいだけど……何かあったの?」

ほむら「何故貴方が気にしているの?」ホム?

中沢「俺だけじゃないよ……クラス皆が不思議がってる。あの美樹を見て気付かない訳ないだろ?」ヒソヒソ

ほむら「……ちょっと人間関係のいざこざがあっただけよ」ホムッ

中沢「いざこざ……」フム

中沢「ふむ」チラ

恭介「――――」

中沢「ふむふむ」チラ

さやか「…………」

中沢「成る程な」フムフム

ほむら「……何が?」

中沢「上条絡みだろ?」

ほむら「――そうよ。でもどうして?」

中沢「美樹が毎日せっせと上条の見舞いに行ってたのは皆知ってるさ。まだ、付き合ってなかったのかい?」

ほむら「そうよ。ただの幼なじみ、らしいわ」ホムゥ
328 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/30(金) 01:25:20.38 ID:WDNznVNAO
中沢「……成る程なぁ。なら志築さんも一枚噛んでるな」フム

ほむら「――何故?」

中沢「上条が話していたよ。手が治ったのは手術のお陰で、その手術が出来たのは志築さんのお陰だってね」ヒソヒソ

ほむら「……確かにそうよ」

中沢「うーん、でもソレだけならこうはならないだろうから……志築さんは上条に惚れてるのか? そしてソレを美樹は知ってる……って辺りかな?」ドウ?

ほむら「……貴方なかなかね。探偵にでもなれるんじゃないかしら」ヘェ

中沢「推測の域を出なかったけど、どうやら当たりのようだね」

中沢「ソレにしても、アイツも罪な奴だぜ」ヤレヤレ

ほむら「あら、貴方はそんな事無いの?」ニヤ

中沢「冗談は止してくれ。生まれてこの方、浮いた話は一つもないんだ」ハハハ

中沢「じゃあ、君の悩みは美樹の事だったのか」

ほむら「――何でそこまで分かるの?」

中沢「……気付いてないかい? 顔に出ているよ、『手詰まりだ、誰か何とかしてくれ』ってさ」

ほむら「……気を付けるわ」

中沢「そうした方がいい。美樹も気にするだろうし」

中沢「よし、俺も一枚噛まさせてもらうよ……上条にちょっと発破掛けてみるわ」ククッ
329 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/30(金) 01:26:10.02 ID:WDNznVNAO
ほむら「(そういえば、同性からの接触は試みた事無かったわ……)」

ほむら「協力してくれるの?」

中沢「そんな大した事は出来ないよ。ただ、少しだけ話をするくらいさ」

ほむら「……ソレでも、私たちにとっては有り難いわ。でも貴方に得も何も無いわよ?」

中沢「チッチッチ、暁美さんは男って者を知らないみたいだね」

中沢「モテない男は、モテる奴が羨ましいんだよ。そんだけさ」ニッ
330 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/30(金) 01:29:03.28 ID:WDNznVNAO
――――放課後。少女たちが戦う裏で。

中沢「しっかし、上条もズルい奴だぜ」

中沢「金は有って当然、才能も有って当然、オマケに女に困らない、ってか……しかも女は良妻候補ときたもんだ」

中沢「恵まれてるなぁ、全く……」ハァ

中沢「ま、ぼやいても始まらんし、当事者に比べれば些細な事か……一番当事者のアイツがのほほんとしてんのが何か腹立つな」

中沢「さて――おーい上条! 今日コレから暇かー?」ガタッ

上条「中沢? 今日は特に用事は無いけど……」

中沢「ならマック行こうぜ。快気祝いに奢ってやるよ」ヘヘッ

上条「お、いいね。ビッグマックを奢る覚悟は出来たかい?」ニッ

中沢「財布の貯蔵は十分だ」フンッ

上条「そりゃあ楽しみだ」ハハッ
331 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/30(金) 01:30:09.22 ID:WDNznVNAO
――――ボーイズトーク

中沢「まぁ食えよ」モグモグ

上条「病院食ばかりだったから、ジャンク物がスゴく美味しいよ。ありがとう中沢」モグモグ

中沢「いやいや、良いって事よ……でだ、上条」

上条「……? なんだい?」

中沢「美樹とはドコまでいったんだ?」ニヤニヤ

上条「さやかと? いやいや、さやかとはそんなんじゃないよ」ハハハ

中沢「(あ、ダメだこりゃ。話にならん)」アララ

中沢「おいおい。お前、毎日献身的に見舞いに来てくれたのに……俺なら惚れちまうぜ?」ン?

上条「さやかは幼なじみだからさ。特に深い意味は無いよ」

中沢「……そうかな?」

上条「中沢?」

中沢「お前にとっては美樹が居て当たり前なんだろうけど、ソレは本当にそうなのか?」ニィ

上条「と言うと?」

中沢「美樹に告白しようと思う」

上条「っ!」
332 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/30(金) 01:31:38.21 ID:WDNznVNAO
中沢「家に誘ってな。菓子でも食いながら談笑して、いいタイミングで」

上条「へ、へぇ……」

中沢「美樹って結構イイ身体してるしな、そのままベッドに押し倒す」

上条「――中沢っ!」ガタンッ!

中沢「座れ上条、回りの迷惑だ」ジロッ

上条「――くっ」ドスンッ!

中沢「なに、美樹は優しいし、押しに弱そうだからな……頼み込めば落ちるさ……で――」

中沢「――お前は今、何で怒った?」

上条「何で、って、当たり前だろ!」

中沢「声を落とせ上条、お前の悪い癖だ……思い通りにならないとスグに癇癪を起こす」ヤレヤレ

上条「……そりゃあ、幼なじみを無下に扱われるのは嫌に決まってるだろ?」

中沢「恋愛なんてこんな物だろ。ヤるかどうか、そういう形だってあるさ」

中沢「お前は、そうやって一生美樹を縛り付けるのか?」

中沢「お前は、美樹とは他人なんだよ……俺と何しようが、関係無い。違うか?」

上条「……ボクは」クッ




中沢「ま、冗談なんだか」フゥ
333 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/30(金) 01:33:03.27 ID:WDNznVNAO
上条「――はい?」

中沢「美樹の件は冗談だ。心配すんなよ上条」ニヤニヤ

上条「すいません店員さん。マックポーク5つ追加でお願いします。この野郎の奢りで」

中沢「けっ、上条のそういうとこは尊敬するよ全く」ククッ

上条「謝罪と賠償を要求するよ全く……」ハァ

中沢「ま、でも……お前はもうちょっと機微になるべきだわな。女に対してさ」

上条「……かなぁ」ウーン

中沢「今度何か機会が有ったら、真剣に考えてみろよ。損はしないだろ?」

上条「……まぁね。頭には置いとくよ」

中沢「よろしい。はぁ……モテない男に慣れない事させやがって。お前のせいでクラスの雰囲気が暗くなるんだからな」

上条「え?」キョトン

中沢「コイツ気付いてねぇよチクショウ」

中沢「(しかし、何だよ……美樹にも全然ワンチャンあるじゃねぇか。あんま心配する事でも無いんじゃないか、暁美さん)」
334 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/30(金) 01:33:41.73 ID:WDNznVNAO
中沢回。

投下終了
335 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 01:35:22.16 ID:ZG5buzuAO
乙乙

中沢△
336 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/30(金) 01:38:42.07 ID:hUVHFf0W0
中沢ほんと何者だよwwww
337 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 01:53:17.53 ID:VmI6qHaJo
先生!中沢くんには何の因果がまきついているんでしょうかっ!?

乙の代わりに上条と中沢くっつけたい
338 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 02:04:42.68 ID:ARZIdWbVo
お疲れ様でした。
339 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 02:30:06.16 ID:em1IFgKAO
中沢君マジカッコいい
なんで彼がモテずに上条がモテるんだろうか
340 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 02:38:37.29 ID:wAyQVld7o
出来る男、中沢。 カッケーわww
この中沢はさやかとは別の意味でクラスのムードメーカー担ってそうだな。
341 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 02:39:41.84 ID:wAyQVld7o
それにしても上条も因果集中してんじゃないのか?
鈍さと間の悪さが本編の5割増しくらいになってるぞww
342 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 03:20:05.61 ID:xII1yJeDO
前もチラッと活躍したよな中沢
中沢がいい男な因果が間違いなく存在する
343 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 03:20:15.33 ID:xYv28Nymo
中沢△
344 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 04:11:14.83 ID:8+3FsFTQo
中沢が魔法少女ハーレム作っても今なら許せる
345 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 05:24:11.21 ID:Ctfdec9DO
中沢△
だが認識が甘いと言わざるを得ない
346 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 09:29:44.47 ID:tI4GWisvo
別の上条の何かが混ざってるホドの鈍感
347 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 10:25:09.34 ID:jq1vFJUfo
ほむらは俺の嫁のはずだったが…
中沢なら許そうかと思えた中沢△
348 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 10:32:03.01 ID:UoqfhAzSO
乙。
これは中沢さんと言わざるおえない…。
349 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 10:53:15.84 ID:KgRAnf7Ao
中沢さんはだいたいどのSSでもカッコいいな
350 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 11:33:54.34 ID:/2M9DGwHo
中沢には力不足
351 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 11:51:46.46 ID:p+eU9oHIO
乙乙
なにこのイイ男
352 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 13:37:15.01 ID:NlPqc5jZo
この中沢なら世界救える
353 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 16:51:15.60 ID:vNvHc/tJ0
殺伐とした見滝原中学校に中沢君が! まともな男が中沢と知久ぐらいしか居ないぞオイ
中沢は存在感そのものが因果となって絡み付いてると思うんだ。学校ジャックの時とかも活躍してたし
そしたら早乙女先生は結婚できない因果が増していくのか…希望も救いも無いんだよ!
354 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 17:09:44.18 ID:FGHB+golo
まあ中沢ほとんどオリキャラだし
355 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 17:35:33.33 ID:M72+Y2UDO
中沢の唯一の個性のどっちでもいいを反映すると
上条が付き合う相手はどっちでもいいんじゃないかとで終わっちまうww
356 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 22:46:50.91 ID:gnaCfhrJo
中沢「付き合う相手の性別はどっちでもいいんじゃないかな」
357 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 22:51:04.26 ID:at11sMp2o
そんなの絶対おかしいよ!
358 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 13:11:28.53 ID:1GEquKtjo
わけがわからないよ…
359 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/31(土) 14:33:10.84 ID:7R9xK0dAO
遅くなったね。

投下開始
360 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/31(土) 14:34:37.22 ID:7R9xK0dAO
――――女の闘い。とあるカフェにて。

さやか「二人で話したいなんて珍しいね、仁美」

仁美「えぇ。大事な話ですの」

さやか「大事な話……」



ほむら「(心配で着いてきてしまったわ)」コソコソ

ほむら「(フォロー役に杏子は呼んでおいたけど……)」ホムッ



仁美「実は私……上条君の事、ずっとお慕いしておりましたの」

さやか「……そう。恭介も隅に置けないね」ハハ

仁美「……あまり驚かれませんのね」

さやか「そんな気はしてたからね……」

仁美「ふうん……でも、さやかさんはどうですの?」

さやか「アタシは……別に」

仁美「嘘ですわね」キッパリ

さやか「っ」ビクッ

仁美「さやかさんだって、上条君をお慕いしているはずですわ」

仁美「……私、上条君に告白しようと思いますの」

さやか「そ、そう」フルッ

仁美「でも、それは明日の話。今日一日は、さやかさんにお譲り致しますの……さやかさんにはその権利がありますから」

さやか「えっ……今日?」

仁美「さやかさんは自分の――本当の気持ちと向き合えますか?」

さやか「…………」





「なにしょげてんだよ」ポム

さやか「えっ?」

仁美「貴方は……」

ほむら「(ナイス! その空気読まなさは貴女にしか出来ないわ!)」ホムホムッ!

杏子「洒落た店だなぁ……何が美味いんだ、ここ?」

さやか「アンタ……なんで」

杏子「とりあえず適当に注文するかな」ハハッ
361 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/31(土) 14:36:45.09 ID:7R9xK0dAO
――――

杏子「わぁ……」ペカー!

さやか「えっ、ちょっ、杏子何ソレ」ヒキッ

仁美「スゴいトッピングですわ……」

杏子「美味そうなもん全部のせたからな!」ドヤァ

さやか「それ、何て言って注文したのよ……」ハァ

杏子「えーと、『ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノ』だっけ」ハハッ

仁美「う」ウワァ……

杏子「いっただきます!」モグモグ

さやか「……」クスッ

杏子「んで、お前は何でさやかをいじめてた訳?」ギロッ

さやか「え」

仁美「そんな事ありませんの」

杏子「端から見りゃそう見えたっつってんだよ……下らねぇ内容だったら、お嬢ちゃんただじゃ済まさねぇぞ」モグモグ

さやか「そ、そんなんじゃないんだって! あのね――」
362 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/31(土) 14:37:50.82 ID:7R9xK0dAO
――――

杏子「……ふぅん、そういう事かい」モグモグ

ほむら「…………」ドキドキ

杏子「アンタ、賢いな」

仁美「……何故そうお思いになられますの?」

杏子「何となくさ……しかし今日一日ねぇ」チラ

さやか「…………」ウゥ

杏子「(さやかは話にならねぇな……じゃ、とりあえず)」

杏子「お前、さやかに一日猶予をやったのは何でだ?」

仁美「それは、正々堂々としていたいからですわ。私はあくまでさやかさんの友達ですもの」

杏子「ふぅん。じゃあさ、さやかがあの坊っちゃんに告ったらどうなると思う?」

仁美「それは、きっと受け入れられるて思いますわ。私では、さやかさんと過ごした時間には敵いませんもの」

杏子「ほう……」フム

杏子「…………」ウーン

さやか「きょ、杏子……?」

杏子「ふむ」ウン

杏子「ダウト」ギロッ

仁美「……私が、そう思っていないと?」キッ

杏子「いいぜ、別に本当と言い張ってもさ」フン

杏子「ま、もしそうなら……もう止めれば? 告白するのなんてさ」

仁美「……何ですって?」
363 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/31(土) 14:39:46.55 ID:7R9xK0dAO
杏子「だってそうだろう? 先に告白されたら負けると思ってるのに、正々堂々とか言いながら敵に塩をくれてやる」

仁美「て、敵だなんて――」

「敵だよ」ヒョコッ

さやか仁美「わぁっ!?」ビクッ

ほむら「(わお)」

キリカ「恋愛は闘いだよ。命を掛けて奪い奪われるモノさ。だから容赦なんて必要ない」

仁美「誰ですの、貴女は――」ドキッ

クイッ

キリカ「キミは恋愛というものを少し甘く見ているようだね。良くも悪くも……凡人なのかな」フフッ

仁美「ち、ちかっ……顔が近いんですのよ!」ワタワタ

杏子「あぁ悪い。友人だ」モグモグ

キリカ「全く、恩人の為に動いているんなら言ってくれれば良いんだ。私も少し後悔しているんだ」モグモグ

杏子「食うなよ」

キリカ「良いじゃないか、こんなにふざけた容量なんだからさ」
364 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/31(土) 14:41:26.48 ID:7R9xK0dAO
杏子「……ま、そういう事だよお嬢ちゃん。アンタの言うことが本当なら、アンタは負けても構わないって事になる」

杏子「そんな気持ちなら、最初っから止めてくれって事だよ。付き合えなくても別に構わないんだろ?」

仁美「そ、そんな事は――」

キリカ「そんなつもりは無いんだろう、佐倉杏子」モグモグ

杏子「あぁ、だろうな。だから嘘だって言ったんだ……なぁ、面白い話をしようか」

杏子「人が勝負を仕掛けてくるのは、勝算がある時だけだ」

杏子「アンタは今、この話をさやかにしても――告白しないか、失敗すると打算してるのさ」

仁美「そんな――っ!」ガタッ

キリカ「違うのかい? てっきり私はそうだとばかり思っていたんだ」

さやか「仁美……?」

仁美「違いますの、さやかさん……」

杏子「本気なら、そうさ。そして――本気じゃないなら身を引けよ。覚悟が足りないよ、お姫様」

キリカ「居ても立ってもいられない程に恋い焦がれるものだろう。君の落ち着きは評価に値するよ。愚鈍とも言えるがね」

仁美「私は……」

杏子「私らの価値観を押し付けようとは思わない。だけど、さやかを無理矢理舞台にあげようとするのは好きじゃねぇな」

キリカ「時間をかけて育む愛もある……キミはね、告白するのに許可を取るべきじゃなかったね」

仁美「……私、塾がありますの。失礼致しますわ」スクッ

杏子「志築仁美」

仁美「……何ですの?」

杏子「お前も、今一度考えろ。真剣にな」

仁美「……失礼致しますの」
365 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2011/12/31(土) 14:42:32.85 ID:7R9xK0dAO
ほむらサイドのイケメン三人に囲まれる仁美。

投下終了
366 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 14:43:39.91 ID:hPXw+tteo
仁美フルボッコかとおもったら良心的でわろた

367 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 14:55:55.13 ID:6JGxLp/+o

なんか杏子とキリカのコンビもいいな
368 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 15:06:37.08 ID:EXyAtR25o
お疲れ様でした。
369 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 15:15:45.45 ID:4fT0xktj0
そういえばキリカがド甘党だって事忘れかけてたぜ…そしてこの中学生達ビター極まりない
上条も仁美もどう転んでゆくかが楽しみだ。毎度毎度話が揺れ動いてるから投下が待ち遠しいぜ
370 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 15:25:03.91 ID:ppEk9vrDO
乙! すごいドキドキした。次回も期待。
371 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 15:48:56.01 ID:3m5OGYBio
急に2人も出てきてポーカン状態なさやかちゃん可愛いwwwwwwww
372 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 15:58:18.54 ID:NuPd6qq30
こいつら、本当に中学生か……
373 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 16:30:18.55 ID:DeVoPLAQo
キリカちゃんがちゅーしちゃうのかと思ったけど織莉子さんがいるから無理だった
374 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 17:53:23.58 ID:4fT0xktj0
でもさりげなく杏子とキリカが間接キスじゃないかこれ
375 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 18:18:02.93 ID:zDGGgprdo
少なくともこの中学生どもは俺たちのコミュニケーション力を遥かに凌駕している
376 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 19:50:27.34 ID:xuBA/Iuuo
これがエントロピーの凌駕か
377 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 00:10:38.03 ID:F/JRtteQo
みなさまあけましておめでとうございます
378 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/01(日) 01:08:52.67 ID:5tsNTHuAO
あけましておめでとう。
年明けまでに終わらないなんて、始めた頃は思ってなかった。

投下開始
379 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/01(日) 01:09:54.02 ID:5tsNTHuAO
――――仁美が帰って

ほむら「…………」ツカツカ

杏子「お、ほむら」ヨォ

キリカ「ヤッホー。遅かったね」エヘヘ

さやか「ほむらまで……みんなどうして」

ほ杏キ「偶然」キリッ

さやか「……嘘だって分かってほしいくらい嘘だね」

ほむら「さやか、どうするの?」

さやか「どうって……」

ほむら「志築仁美は、拙いなりに宣戦布告をしてきたのよ。それに対して貴女は、どうするのかと聞いているの」

さやか「アタシは……別に、何もしない……」グッ

杏子「…………」フム

さやか「アタシは別に恭介をどうにかしたい訳じゃない……アタシの場所があるなら、恭介と仁美が付き合おうと構わない」

キリカ「二番で満足だとでも!?……こりゃあ驚きだ、やっぱり恩人の愛は良く分からないよ」

さやか「――確かに辛いよ。辛くない訳ないよ……でも、恭介の幸せの邪魔は出来ないよ……何より、アタシはソレを願っていたんだから」

杏子「……変な所ばっかマミに似やがって……自己犠牲は美徳とは限らないよ」

さやか「それでも、コレを曲げたら自分が自分で無くなっちゃう……コレを望んだのはアタシなんだ、ただ知らなかっただけで」
380 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/01(日) 01:10:20.50 ID:5tsNTHuAO
ほむら「……後悔はしないのね?」

さやか「後悔なんてしっぱなしだよ。だからもう気にしない」ハハ

さやか「ゴメンね、心配かけてさ」

杏子「…………」

ほむら「……貴女からは何かあるかしら」

ユウリ『お。そうだね……』

ユウリ『手を伸ばせる時に手を伸ばさないと、遠くに行ってしまうからな。ソレだけ頭に置いときな、青いの――いや、さやか』

さやか「……うん。分かった」

ほむら「……送ってあげて、杏子」

杏子「合点だ」
381 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/01(日) 01:11:14.07 ID:5tsNTHuAO
――――杏子とさやか、影への帰途。

さやか「…………」

杏子「……元気出せって。まだ坊っちゃんが受けるとも限らないだろ?」ポンッ

さやか「……仁美、綺麗だし」ハハ……

杏子「何言ってんだ、さやかだって負けてないぜ」ニッ

さやか「アンタから見て、でしょ。信用ならないわ」

杏子「おろ、手厳しいな」タハハ

さやか「……そもそも魔法少女だしね、アタシ。人並みに生活なんて出来やしない」

さやか「魔女を倒す毎日――そう、アタシはただ魔女を倒す事しか出来ない」

杏子「そんな事無いさ。さやかは何だって出来る。それこそ、魔法少女なんだからな」パキッ

杏子「くうかい?」スッ

さやか「……いや、今は良いや――」

ズッ――

杏子「(結界――!?)」

さやか「わざわざ、魔女から、来てくれた――!!」
382 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/01(日) 01:12:06.58 ID:5tsNTHuAO
――――祈る魔女とすがる影。

細く高い崖の上、白と黒しか色が存在出来ない空間に、二人は引き摺り込まれた。

崖の岬には、魔女――祈りを捧げる少女のようにも見える――がいる。

さやかは不敵な笑みを浮かべて変身した。

さやか「あぁ――殺そう。魔女なら、殺していいから」

使い魔の数も魔女の性質も知らず、そんな事関係無いと言わないばかりに――彼女は突貫する。

杏子「バカ、待て!」

杏子が止める間もなく、さやかは影の触手に取り囲まれた。
ソレを二刀の剣で薙ぎ払い、前へ前へ――鋭い接敵を繰り返す。

さやか「えやぁぁぁっ!!」

一息で魔女に飛び掛かり、その首に剣を当て――斬れない。

さやか「なっ――ぐっ、あぁぁぁぁぁっ!!」

その僅かな隙に使い魔の触手が大量に殴りかかった。
吹き飛び、空に打ち上げられるさやか。

杏子「さやかっ!」

杏子が飛び上がり、さやかを優しく受け止め着地する。

杏子「無茶すんなバカ!」

さやか「――ほっといてよ」

さやかは忠告を無視して再び駆けた。
使い魔は容易く断てるが、魔女は不自然な程に強固で。

影の魔女、その性質は『独善』。
彼の魔女を倒すには、黒き絶望を知らねばならない。

そして――

さやか「はっ、はぁっ……」

さやかは庇護のお陰で、彼女の絶望はそこまでに至っていなかった――
383 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/01(日) 01:15:00.14 ID:5tsNTHuAO
――――

さやか「くぅっ!?」

杏子「くそっ……!」

二人は、倒れる事の無い魔女と、尽きる事の無い使い魔たちに疲弊していた。

杏子「(ほむら――まだなのか?)」

テレパシーで送った救援要請は届いているはず。
なら、耐えるだけでいい。

しかし――

ほむら『杏子、聞こえる!?』

杏子『漸くか……魔女が手強い、早く来てくれ!』

ほむら『それが――』

杏子『――何だって?』

ほむらの伝えた現実は残酷だった。
強力な結界に阻まれて、侵入するのに時間が掛かると言うのだ。

ほむらならそれでも容易くやって除けるだろうが、今は一分一秒が命に関わる。

時間を稼がないと――

さやか「――うわぁぁぁぁぁぁ!っっっ!」

杏子「さやかっ!?」

さやかは舞い上がり、空中に青色の魔法陣を展開する。
その魔方陣は幾つも、さやかの突進する道に配置されていた。

足元のソレを強く蹴り、魔方陣を通り抜ける度に加速して――さやかは弾丸の様に魔女に斬りかかる。

轟音と衝撃波。
しかし魔女は健在で、使い魔はさやかに食らい付く。

だが、さやかは止まらない。
狂ったように剣を何度も何度も叩き付けた。
384 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/01(日) 01:15:44.16 ID:5tsNTHuAO
さやか「アハハ、アハハハ!! 簡単! その気になれば、痛みなんて消しちゃえるんだ!」

さやか「だって、人間じゃないから――!」

だが、魔女も反撃を行なって。
さやかが魔女から生えた樹木の枝に押し潰される。

杏子「――っ!」

杏子がその枝を斬って斬って叩き斬った。

傷だらけのさやかを抱き抱える。

杏子「さやか、今は無理に――がはっ!?」

使い魔が杏子の身体を打ち、地面に強かに身体を――さやかを庇うように背中から――ぶつけた。

さやか「……ま、だ」

よろけながら、青の魔法少女は立ち上がる。
だが、傷を癒しきるまでは動けない。
気付けば、回りは使い魔に囲まれ、一斉にさやかに襲い掛かり――

さやか「っ――杏子……?」



――杏子がさやかを抱き締めて、さやかは傷付く事は無かった。
385 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/01(日) 01:18:21.55 ID:5tsNTHuAO
だがしかし、ソレは――彼女が肩代わりしたに過ぎない。
杏子の背中に、大量の使い魔が噛み付いていた。

さやか「バカ――アタシならすぐ治るのに!」

杏子「なら、アタシを治してくれよ……出来るだろ?」

さやかには杏子の顔と、上半身と、その背景しか視界に入っていない。

杏子が微笑んでいる後ろで、触手が暴れていた。
蛇の頭のような先端が、何度も何度も――肉を引きちぎっている。

――喰われていた。

さやか「――何で治らないのよ、何で!!」

さやかが杏子を治すより早く、使い魔たちは餌に群がるピラニアの如く、杏子の背中を食い荒らしていく。

杏子「なぁ、さやか」

さやか「呑気に話してる場合じゃ――」

杏子「今は、お前と話すより大事な事なんて無いよ」

肉の千切れる音がする。

杏子「お前は、自分を、何も出来ないちっぽけな奴だと思っているかもしれない」

骨が削られる音もする。

杏子「でも、そんな事は無い。お前は凄い奴だ」

身体を食い尽くしたのか、杏子の腕の皮膚の下に――触手が潜り込んでいた。

杏子「みんなお前が大好きだ。お前は愛されてる――アタシも、さやかを気に入ってる」

さやかには見えないが、杏子の防御魔法が――さやかに見える部分だけは取り繕っていた。

無傷な様に見えて、皮の下には何も無い。

少しずつ、ハリボテになっていく佐倉杏子。

魔法で身体を支えるのも限界が来ていて――――
386 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/01(日) 01:21:00.70 ID:5tsNTHuAO
――――結界外、ほむら達。

織莉子「早く! どうにかして結界を破りませんと!」

ほむら「――ダメ、何の因果が働いているのか皆目見当がつかないわ……」

ほむらが無力に拳を叩き付けた。

キリカ「一体どうすれば……」

ゆま「キョーコ……っ!」

マミ「……因果に関われる何かは無いの?」

ほむら「――これと、ユウリ!」

ユウリ『はいよ!』

ユウリの魔力が、ほむらの取り出したナイフに宿る。
舞台で踊る、『主演の短刀』だった。

かつて世界の主人公である事を望んだ、『未来』の少女の奇跡。

ソレが因果に亀裂を入れる――
387 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/01(日) 01:21:38.25 ID:5tsNTHuAO
――――

さやか「もういい、分かったから――」

さやかの涙を、空っぽの手で拭う。
使い魔は遂に杏子の中身を喰らい、皮の裏に張り付いた赤い菱形の魔法を噛み砕いていった。

杏子「さやかは、一人じゃない――」

最後に笑って、彼女の胸を蛇が喰い破った。
大きく空いた口には、佐倉杏子のソウルジェムが――

さやか「――――」

ソレを咄嗟に掴む。
拳に鋭い歯が食い込むが、痛くない。



痛くあって、堪るか――!



杏子「だから、負けるな――絶望に――な」

杏子の最後を喰らおうと、使い魔が一斉にそのソウルジェムへと――至れない。

さやか「杏子に――触れるなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

怒号が――使い魔を弾き飛ばす。

さやかの周囲には、複数――青色の魔方陣が展開されていた。

杏子「ほら――来た、ぞ」

結界が砕ける音と共に、魔法少女たち――いや、仲間が――彼女たちを護るように飛び込んでくる。
388 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/01(日) 01:22:05.79 ID:5tsNTHuAO
ほむら「二人とも――杏子!? ゆま、お願い!」

ゆま「キョーコ!」

ゆまの癒しの祈りが、杏子の失われた中身を補填していった。

さやかの傍らに、マミとキリカ、そしてユウリ。

さやか「アイツ、硬いよ」

マミ「……美樹さん、貴女――いえ、野暮な事ね」

キリカ「良いね、好きな目だ」

ユウリ「……くくっ」

黒き絶望を知る。

ソレは、そこにいる『魔女』たち三人には、酷く易き事だった。
389 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/01(日) 01:22:33.87 ID:5tsNTHuAO
――――

終わりは呆気なかった。
半魔女化したキリカが使い魔もろとも魔女を斬り裂き、十字架に魔女を縛り付け――火葬されるソレをマミが撃ち抜いただけだった。

さやか「杏子……っ」

杏子「……生きてるな、お互い」

杏子はさやかに笑いかけた。

杏子「だろ?……みんな、お前を大事に思ってるんだ」

杏子「だから、自分を信じれなくたっていい。だけど、さやかを信じるアタシを信じてくれよ」

さやか「分かっ、た……」

杏子「泣くなバカ。バーカ」

さやか「何よ、バカ、バーカ」

杏子「くふっ」

さやか「ははっ」

ほむら「(一件落着、かしらね。この精神状態なら、何かよっぽどの事が無い限り大丈夫ね)」

ほむら「(上条恭介の件で落ち込む事もあるでしょうけど、絶望するほどには至らないわね)」

ほむら「よし、祝勝会よ! マミの家で!」

マミ「えっ、待って聞いてな――」

反対意見は無視しよう、民主主義だし。




そして魔法少女たちは、穏やかな帰途に着いた――
390 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/01(日) 01:23:04.24 ID:5tsNTHuAO
投下終了
391 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 01:28:35.35 ID:4KDElYZ2o
リアルタイムきたー

更新乙!
392 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 01:29:09.09 ID:BKmQk7iMo
おけおめ

初投下乙
何だこのイケメン集団
393 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 01:40:09.10 ID:aDcZwJUmo
俺たちの知ってるjcと違う
394 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 02:15:19.62 ID:ciaiVM/DO
さやかちゃんがんばれ
395 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 07:36:12.93 ID:QuJGRLAIo
新年早々の投下乙!!

さやあんフラグきたな
396 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 12:29:36.29 ID:qhodAMd/0
「それでもなお、絶望を踏破するなら」か。
397 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/02(月) 07:02:30.01 ID:ehU8xMaAO
おはよう。

投下開始
398 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/02(月) 07:04:23.31 ID:ehU8xMaAO
――――早朝、登校。

まどか「さやかちゃん、大丈夫?」

さやか「あー、うん。心配かけたね。もう元気バリバリさやかちゃんですよー!」フンス!

まどか「良かったぁ……何かあったの?」ニコ

さやか「いや何、自分を心配してくれる人がいるってのは心強いなって。そんだけ」ヘヘッ

ほむら「調子良さそうで何よりね」ホムッ

さやか「お、ほむら。昨日はありがとね」

ほむら「貴女たちが無事で良かったわ。くれぐれも気を付けて……貴女を失うなんて、もう御免よ」ホム

さやか「ありがとうね、ほむら」スッ

ほむら「……貴女から握手を求められるなんて――私としても冥利に尽きるわ」ガシッ

さやか「へへっ」ニッ

ほむら「ふふ」ククッ

まどか「ふふっ、仲良しだね二人とも――って、ほむらちゃん。指輪光ってるけど?」

ほむら「――これは。回りに人は居ないわよね」キョロキョロ

さやか「な、何コレ?」

ほむら「……ありがとう、さやか」ポワン

ほむら「『爽』」

さやか「アタシの剣?」

ほむら「貴女は、私を認めてくれたのね。嬉しいわ」ニコ
399 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/02(月) 07:05:23.34 ID:ehU8xMaAO
さやか「あ、みんなの武器使ってたのはそういう訳なの?」

ほむら「そうでもあるわ。そして私が一人で戦っていない事の証明でもある……」

さやか「ふーん、みんなほむらを信用してるんだ」

ほむら「有難い事よ、本当に」フフ



まどか「――ほむらちゃん、アレ」

ほむら「何かしらまどか――む」

さやか「仁美と恭介……一緒に登校かぁ」

ほむら「さやか?」オロオロ

さやか「男が出来たら親友はそっちのけかぁ……一途なんだから」ハハ

まどか「……平気?」

さやか「ちょっとアレだけど、ね」
400 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/02(月) 07:06:17.10 ID:ehU8xMaAO
――――仁美。

上条「ありがとう、志築さん。まだ通学も慣れないから助かるよ」ハハハ

仁美「いえいえ、このくらいお安いご用ですのよ」ニコニコ

上条「…………」

中沢『お前はもうちょっと機微になるべきだわな』

上条「(しかし……)」

仁美「上条君」ジッ

上条「な、何だい志築さん(ち、近い)」タラリ

仁美「今日の放課後、是非お話ししたい事がありますの……お時間、ありますか?」

上条「――それは」

仁美「今は言わせないで下さいますか……少し、気恥ずかしいので」テレッ

上条「(……こういう事だよな、中沢)」
401 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/02(月) 07:06:51.93 ID:ehU8xMaAO
――――ホームルーム。中沢。

中沢「おはよーっす」ガラッ

「お、中沢」

「よっす。早いな」

中沢「気分だったんだよ、珍しくね」チラ

中沢「(お、美樹元気そうじゃん。コレでクラスも元通りかね)」ホッ

上条「中沢……ちょっと良いかな?」ガシッ

中沢「お、上条。俺も気になってたから丁度良いや。ツレションと洒落こもうぜ」

上条「下品だよ」ハァ

中沢「構うか。さっさと行くぜ」
402 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/02(月) 07:07:34.08 ID:ehU8xMaAO
――――男子サンクチュアリ。

中沢「は、はぁぁぁぁぁっ!?」

上条「しっ、声が大きいよ……」

中沢「え、何ソレ確実に告白じゃん……どうするんだよ」

上条「ボクは……真剣に考えるよ。でも、話を聞いてみない事には何とも……」

中沢「――あぁもう。で、美樹とは何かあったのか?」ポリポリ

上条「? 特に何も無かったけれど?」

中沢「……どういう事だ?」ン?









天井繋がりの向こう側。

さやか「…………」
403 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/02(月) 07:11:26.93 ID:ehU8xMaAO
――――放課後

ほむら「さて、帰りましょうか――ん?」クルッ

ほむら「さやかが居ない? 用事でもあったのかしら……」ホムム

中沢「暁美さん、ちょっと良いかな?」

ほむら「中沢君?」

中沢「実は――」カクカクシカジカ

ほむら「――それは何時の話!?」ガシッ

中沢「わっ……今朝のホームルーム前だけど――もしかして」ハッ

ほむら「さやかも今朝トイレに行っていた――コレは、マズいかもしれない」クッ

ほむら「まどか!」

まどか「な、何かなほむらちゃん!」

ほむら「さやかを探しに行くわ。貴女の心当たりを当たってみる――着いてきて!」ガシッ

まどか「わわっ、うん!」

中沢「――暁美さん!」

ほむら「――何?」クル

中沢「…………頑張ってくれ」

ほむら「ありがとう。一番の声援だわ」ダッ

まどか「さやかちゃん――」タッ



中沢「……ただ事じゃないな。美樹の失恋が、そんなに厄介な事になるのか……?」

中沢「……何かデカい事をしてるんだろうな、暁美さん達は。ならやっぱり、『頑張れ』で正解だよな」

中沢「さて……脇役は帰るかね。主役にはなりたいが、上条を見てるとソレもどうかと思うねぇ」ハァ
404 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/02(月) 07:11:53.62 ID:ehU8xMaAO
――――一人、一人。一人。

上条「――――」

仁美「――――」

















さやか「(やっぱり、だよね)」

さやか「(……コソコソして、アタシカッコ悪いな)」
405 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/02(月) 07:13:47.07 ID:ehU8xMaAO
――――使い魔の結界

ほむら「こんな時に使い魔なんて――」クッ

まどか「――ほむらちゃん、あそこ!」

ほむら「――さやか、無事!?」ダッ

さやか「……あぁ、ほむらか。大丈夫、使い魔はアタシが倒したよ」

ほむら「傷だらけじゃないのよ……極力ダメージを抑える為にも、私たちを頼りなさい」

さやか「何か、戦いたくてさ」ハハ

ほむら「そう……気は晴れたかしら?」ハァ……

さやか「いまいち……かな」ポフッ

ほむら「さやか? 私の胸には感触を楽しむ程容量は無いのだけど……」ホムッ

さやか「いいから貸してよ……」ギュッ

まどか『今のはデリカシー無いよほむらちゃん』テレパシー

ほむら『場を和ませようと、身を削ったギャグだったのよ……』テレパシー……

さやか「……仁美、告白してたよ」

ほむら「……ソレで?」ナデナデ

さやか「成功みたい。仲良さげに話してたよ」

さやか「もしかしたら、って思ったんだけど……やっぱり無かったわ」
406 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/02(月) 07:14:14.27 ID:ehU8xMaAO
ほむら「……後悔してる?」

さやか「ううん、ちょっとへこんだだけ……ほむら」

ほむら「何かしら?」

さやか「アンタ、暖かいね」

ほむら「……お役に立てたようで、何より」クスッ

まどか「(さやかちゃん……)」
407 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/02(月) 07:16:13.37 ID:ehU8xMaAO
――――まどか宅、夜半。

まどか「(何だか、眠れないや……)」ガチャッ

まどか「ママ、まだ起きてたんだ」

詢子「そりゃこっちのセリフだよまどか。どうした、眠れないのかい?」

詢子「なら、私と一緒に呑むかい?」ククッ

まどか「アハハ……私にお酒はまだ早いよ。ココアが精一杯の背伸びかな」ティヒヒ

詢子「出来た娘だよ、全く」ハハ

まどか「座るね」スッ

詢子「おう」グビッ

詢子「で、悩みは何だ?」プハァッ

まどか「……分かっちゃうよね、ママには」ティヒヒ

詢子「自分の娘だからねぇ……分からなかったら、そりゃ母親じゃない」ウン

まどか「……友達が失恋しちゃって、凄く落ち込んでるの」

詢子「ほう、青春だねぇ」ホゥ

まどか「その子、何をするにも自棄になっちゃってて……傷付くのも構わずに」

詢子「それはいけないねぇ……失恋なんかはリカバリーが大事だ。それをさっさと糧にして次に行くのが一番いいからね」ウンウン

まどか「友達もみんな精一杯慰めてるんだけど、すぐまた落ち込んじゃうの……」ウーン

詢子「うーん、ソレばっかりは本人の問題だから……難しいと思うよ」ヤッパリ

まどか「何か良い案は無いかな……」
408 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/02(月) 07:18:38.84 ID:ehU8xMaAO
詢子「そうだねぇ……」フム

詢子「とにかく傍にいてやりな。一緒に笑って、一緒に泣いてやるのが良いんじゃないかい」

詢子「そんで間違いそうになったら、止める役になってあげるんだよ」

詢子「変わりに、まどかが間違ってあげてもいい」

まどか「……間違うって、難しいよ」ウーン

詢子「そうかもな。でも、今しか出来ないよ」

詢子「この歳になるとねぇ、小さな失敗も許されやしない。間違うなんてもっての他だ」

詢子「だからこそ、まどかには出来る……アンタは良い子に育った、アタシが保証するよ」

詢子「だから、間違う事に怯えないで……しっかり行動しな。そういう事だよ」

まどか「うん……うん。ありがとう、ママ。私、私なりにやってみるね」カタッ

詢子「その意気だ。頑張れ娘」ハハハ

まどか「ありがと、ママ。お休みなさい」ニコ

詢子「あぁ、お休み……まどか」グビッ

トントントン……

詢子「(上がったな)」プハッ

詢子「……失恋の話をする雰囲気じゃなかったんだけどね」

詢子「まどか……アンタは一体何をやっているんだろうね。母としては気になるけれど……」

詢子「誰しも経験する子供の秘密……ってのとはちと違うみたいだし」

詢子「……不甲斐ないねぇ、母親としてさ」

詢子「……怪我すんなよ、まどか」
409 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/02(月) 07:22:29.80 ID:ehU8xMaAO
投下終了。
410 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 07:24:42.93 ID:2H2Ne8ADO
乙っちまどほむ
わかめは干からびてしまえ
411 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 08:28:44.34 ID:Yp+GCnpbo
中沢の発破も効かなかったか
でも結局もしかしたらを期待するだけで何もしないさやかの問題だと思うわ
412 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/02(月) 09:04:06.13 ID:ehU8xMaAO
まどか「ほむらちゃんが何か落とした……リザルト?」


開始時
暁美ほむら
筋力E→A+
耐久E→A
俊敏B→EX
魔力E→EX
幸運C→F−

筋力
魔法少女としては最低クラスだが、スキルにより最大クラスへと跳ね上がっている。

耐久
魔女の攻撃は全て致命だが、スキルにより補填されている。

俊敏
時間停止によりある程度速度の概念を無視できる。強化後の彼女には例外を除いて追い付けない。

魔力
凄まじい低さを誇るが、祈りのお陰で戦闘には影響は然程無い。強化後はリボンの加護もあって概念クラス。

幸運
キュゥべえと契約出来た時点で相当な幸運だったのだが……
時代が時代なら『魔女』『忌子』『傾国の美女』と呼ばれ他人に害を及ぼす程の不運。



祈りの強度EX
彼女は祈りに特化した魔法少女である。

スキル

練達A
一度経験した技術や知識を、いつでも再現出来る特技。重火器程度なら造作も無い。
ベテランの上位スキル。

精神汚染EX
もはや会話にならない。穢れ過ぎて概念に近付いてしまっている。
人の形を保って彼女らとコミュニケーションを取れているのは『練達』のおかげである。

傲慢A
精神汚染と身体強化の複合スキルだが、彼女に汚染の余地は無いので純粋な強
413 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]:2012/01/02(月) 09:04:55.44 ID:ehU8xMaAO
ぎゃああ誤爆気にしないでくれぇぇぇぇぇぇぇぇ
414 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 09:05:52.55 ID:Yp+GCnpbo
お、おう…
415 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 09:06:50.19 ID:/f241OLZo
乙でした
さやかと付き合えって言ってるわけじゃあないが、やっぱり上条は不義理だな
いじめてるのかい発言以降の行いは全部糞だと思うし
416 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 09:08:35.71 ID:caQS0epIO
聖杯戦争でも始まるのかと思ったwwww
417 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 09:11:53.28 ID:Yp+GCnpbo
>>415
このSSでそんな発言してねーし本編ではしっかり謝ってんじゃん
418 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 09:46:11.99 ID:/f241OLZo
>>417
このSSじゃそうだったか
原作ではいくら謝ろうが不義理は不義理だからな
419 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 09:58:20.69 ID:Y8eyxOhIO
>>418
もう黙れ
420 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 10:03:23.63 ID:/f241OLZo
わかめは当然のように叩くのに
上条叩くとキレられんのは謎だな
421 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 10:10:00.78 ID:xuqTX4nwo
男好きが多いらしい
422 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 10:13:00.63 ID:xuqTX4nwo
まどか「ほむらちゃんが何か落とした……リザルト?」でググったが見つからないな
423 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 10:16:51.80 ID:ldLnD/NDO
>>420
お前だけSSの感想とかとベクトルが違う叩きだからだろう
被害妄想甚だしい
424 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 10:18:46.69 ID:/f241OLZo
>>423
そりゃすまんな
425 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 11:34:23.65 ID:L6p4NjdDO
いい加減仲良くしようぜ
426 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 12:20:26.38 ID:s0wWpRXeo

>>412が物凄い気になる
しかし中沢になら抱かれてもいい
427 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 12:21:03.59 ID:SXpeFZxpo
乙です
今回は恩人要素もあるから断るはずがないよねー…
428 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 13:20:38.71 ID:oc8XAsSAO
上条は告白を受けたのかな
おkしたっていう確述あった?
文盲で申し訳ない
429 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/02(月) 14:34:51.48 ID:ehU8xMaAO
いや、単なる落書きだからマジで気にしないで……うん。しかも途中で切れてるしね。
430 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 17:11:59.53 ID:Cx3B8OJoo
>>428
朝の時点である程度察してるし
そのまま何事もなく順当に告白されて断ったとは考えづらいよ
431 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 17:29:20.49 ID:Dc169EElo
ほむさやと聞いて
432 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 17:52:44.35 ID:PO60MoZP0
付き合ってないにしろ、仁美と上条が親しくしてる時点でさやかの嫉妬の対象だと思う
この世界の人たちの勘の良さは異常だぜ…中沢はもう脇役なんかじゃないだろwwwwww
433 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/03(火) 10:35:11.19 ID:DpvjsXHAO
投下開始
434 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/03(火) 10:35:39.80 ID:DpvjsXHAO
――――朝、登校。

ほむら「おはようまどか……さやかは?」ホム?

まどか「今日はお休みするって……心配だよ」

ほむら『杏子』

杏子『任せとけ』

ほむら「心配しなくていいわ。彼女のサポートは任せて」ニコ

まどか「私も何か出来る事、無いかな」

ほむら「……きっと彼女にとっては、その気持ちこそ嬉しいと思うわ」

ほむら「そうね……彼女が道を違えそうになったら正してあげてほしい。ソレできっと大丈夫なはずよ」ホム

まどか「……うん、分かったよ」コクッ
435 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/03(火) 10:36:08.87 ID:DpvjsXHAO
――――さやか宅。

さやか「(学校行きたくないとか……子供か、アタシは)」モゾモゾ

さやか「(布団の中でくるまってるのがお似合いだよ……アタシにはさ)」

さやか「(……ちゃんと祝福しなきゃって、分かってるんだけどな)」

『いつまでしょげてんだ?』

さやか「ん?」ムク

シャッ

杏子『よ』

さやか『杏子……』

杏子『出掛けようぜ。話でもしながらな』
436 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/03(火) 10:37:30.45 ID:DpvjsXHAO
――――道すがら。

さやか「…………」テクテク

杏子「辛そうだな」

さやか「……ま、ね」

杏子「他人の為に願いを使うってのはそういう事だからな……客観的に見たらお前が損をして、他人が特をする」

杏子「ソレを目の当たりにしちまえば、そりゃ考える事もあんだろ」シャリッ

杏子「くうかい?」

さやか「いや、リンゴはいいや」

杏子「最近誰も受け取ってくれねぇんだよな……」シュン

さやか「(あ、ちょっと可愛い)」
437 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/03(火) 10:39:05.69 ID:DpvjsXHAO
――――教会

さやか「教会……?」

杏子「元アタシん家だ」

さやか「え、キリスト教徒だったの?」ワァ

杏子「日本は無宗教だからな、珍しいのは分かるよ」

杏子「親父は神父でね」

さやか「へぇ、でも何でこんなに荒れて……コレじゃ使えないじゃん。別に新しい教会があるとか?」

杏子「いや、もうココは使われてないし……親父はもういない」

さやか「え……それって」

杏子「ま、座りなよ……ほら、こっち来い」チョイチョイ

さやか「ん」スッ

杏子「……やっぱこの目線だよな」ククッ

さやか「?」

杏子「前もこうやってお前と話したんだ。その時は、私はあっちでお前に説教をしてたよ」

杏子「でも、良く考えりゃこっちの方がしっくりくるって事に気付いたんだ」

さやか「前ってその……」

杏子「……そうだな、お前じゃない『さやか』だ」

さやか「魔女になった私、か……正直、ソレを知ってるから頑張れてる気がするよ」ハハ

杏子「魔女になんてなりたくないから、か?」

さやか「そりゃあね。幾らなんでもさ」

さやか「……で、私に話すのは何?」

杏子「アタシの昔話さ。まだ魔法少女に成り立ての、な」
438 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/03(火) 10:39:44.69 ID:DpvjsXHAO
――――

杏子「……って訳さ。アタシの願いは、家族を殺しちまった」

杏子「質素でも生きる方法はいくらでもあった。指を指されても死にはしなかった」

杏子「でもアタシは甘えたんだ。そして親父はそれを許さなかったんだろう」

杏子「敬虔な親父には、まさしくアタシ自身が魔女だったのさ……」

さやか「杏子は……それを後悔していないの?」

杏子「後悔していた。だけど今は違う」

杏子「あの経験が無ければ今の私も無い」

杏子「不幸も不運も、理不尽すら糧にして前に進むんだよ。そういう奴を――見たから」

さやか「それは、ほむらの事?」

杏子「……歪み、傷付き、目を反らし、逃げ、戦い、負けて――しかし折れずにアイツはここにいる」

杏子「アイツは――本当は何にも出来ない臆病者だったと、ほむら自身から聞いた」

杏子「成る程、だからこそアイツは戦えるんだと思ったよ」

杏子「がむしゃらにやるしかないから――その点、アタシらは恵まれたモノさ。そうだろ?」

さやか「……そうだね。アタシの悩みなんて、ちょっとした事だし」

杏子「お前にとってデカけりゃ、それは大きいよ。卑下する事は無い」
439 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/03(火) 10:42:22.67 ID:DpvjsXHAO
さやか「杏子は、何でここまでアタシを構うの?」

杏子「……アタシは、アンタのお陰で思い出せたんだ。正義の味方をやってたあの頃をね」

さやか「正義の味方……か。何だか、今聞くとチープな感じ」フフッ

杏子「笑うなよ……アタシだってちょっとは気恥ずかしいんだからさ」カァ

さやか「そっか……じゃあ杏子はアタシの正義の味方さんだね!」ニコッ

杏子「う」

さやか「杏子がこうやってアタシを見てくれてるの、分かるよ……だから、アンタはアタシの正義の味方」

杏子「ほむらも忘れてやるなよ。お前の事、すっげー気にしてるからさ」

さやか「うん。杏子とほむら……それに皆が居てくれる。アタシ、元気になれそうだよ」ヘヘッ

杏子「そりゃいいや」

さやか「仁美も……友達なんだ。アタシの我が侭で関係が壊れちゃうのはおかしいよ」

さやか「うん、さやかちゃん頑張っちゃいますよ!」テヤー!

杏子「おう、ソレでこそだ」ニッ
440 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/03(火) 10:42:53.56 ID:DpvjsXHAO
投下終了
441 :以下、あけまして :2012/01/03(火) 11:05:26.05 ID:sNwOW2N00
乙っちほむほむ

そろそろバカエロが読みたい
442 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 12:25:17.34 ID:9zg56PYLo
乙ほむ

ほむほむXV!! スタンバイ!!
散布開始!!  散布開始!!
443 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 13:48:34.48 ID:PNDQwAHO0
ベアトリクス・クヴァン乙
最近ベアトちゃんの出番がなくて寂しいぜ…

杏子ちゃんのリンゴは俺が受け取っておくよ
444 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 15:34:25.19 ID:LQJGXepW0
じゃあ、ゆまちゃんのパンツは俺が
445 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 15:58:11.74 ID:uJeWm0fGo
ならば俺は中沢の○○を
446 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 16:26:18.50 ID:8e/DUMd7o
じゃあ俺はきゅうべえの残機を
447 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 16:30:52.13 ID:w0HYV7c3o
じゃあ俺がゆまちゃんのパンツになってチョコにレモンジュースにいちごジャムと全て受け止めてやるぜ
448 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 16:56:34.41 ID:JcGskCJSo
乙乙
ほむさやあんキテルネ!
449 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 22:39:16.29 ID:FD4NwATgo
お疲れ様でした。

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
450 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 07:10:55.95 ID:KeGRPnXIO
あけおめこ!とよろ〜
451 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 18:23:54.99 ID:lXC/H5bf0
パカエロと申したか
452 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/06(金) 08:50:03.43 ID:PCJ307/00
蘇ったぞッ…は、はやく…はやくパカエロを…も、もう、もう(通信途絶)
453 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/06(金) 15:31:53.69 ID:W+k1w2wj0
俺は待つぞォー!>>1ィィィー!!

パカエロって事はくぱっと拡げ…あれ、こんな時間に誰だろう
454 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:11:41.95 ID:EMXOmOLAO
復活だね。さて投下なんだけど、ちょっと長め。

投下開始
455 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:12:12.04 ID:EMXOmOLAO
――――杏子と別れた帰り道、夕暮れ

さやか「こんな時間まで引っ張り回してくれちゃって……」

さやか「楽しかったな。杏子と遊ぶの」クスッ

さやか「何か気も晴れちゃった感じかなー……最近テンションの上がり下がり激しいなー、アタシ」ハハ

さやか「んー。らしくないけど、公園で休憩でもしてこっかな。もう少し、今日を楽しんでいたいし」
456 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:13:02.63 ID:EMXOmOLAO
――――夕暮れの公園。人気は亡い。

さやか「誰もいないなぁ……ま、子供は帰ってる時間だしね――って」

さやかが視界の端に、綺麗に掃除されたベンチを見つける。
そこには――

さやか「あのベンチに居るの――仁美と恭介?」

――上条恭介と志築仁美が居た。

上条は座り、仁美がその前に立っている。
肩に手を置いた仁美の背中を見つめて、さやかは立ち尽くしていた。

さやか「(……帰ろうかな)」

踵を返すべきかと迷うが、それでは今までのままだと思い留まる。

さやか「(私は恭介の幼なじみで仁美の親友……よし、声をかけても不自然じゃないよね)」

勇気を出して、一歩踏み出した。
その音で、上条恭介はこちらに気付く。

上条「さやか――」

仁美は気付いていない。

故に――強引に上条恭介の唇を奪った。

さやか「――――」

目の前で突然起きた出来事に絶句するさやか。

その接吻は10秒程、水音を立てて終わった。

仁美「――こんな時にさやかさんの名前を呼ばないで下さい。デリカシーがありませんわよ」
457 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:13:43.88 ID:EMXOmOLAO
言葉の節に棘はあったが、彼女の顔は紅潮している。
手を愛しの人の頬へと這わせ、暫しの恍惚に浸っていた。

上条「い、いや誤解なんだ。後ろを見てくれないかい?」

仁美が怪訝に感じて振り向くと、其処には美樹さやかが力無く立っている。

仁美「っ」

やり場の無い気持ちを抱えた彼女が、気だるい様子で口を開いた。

さやか「……仁美さぁ」

仁美「――何ですの?」

黒い感情を含んだ声にも退かず、仁美は強めに返す。

さやか「アタシと恭介の関係、どう思う?」

仁美「……羨ましいと思いますわ。大した努力も行動も無しに、上条君の隣に居られるんですもの」

仁美「私からすれば、親友であると共に、最大の恋のライバルですの」

強い目で、仁美は言い放った。

さやか「じゃあ、仁美は恭介に何をしてあげたの?」

仁美「ですから、私は上条君の為に口添えを――」

さやかが強く地面を踏みつける。
轟音と共に、その地面がひび割れた。

仁美「っ!?」
458 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:14:22.89 ID:EMXOmOLAO
さやか「ソレで? ソレなんだね。ソレが仁美の強みなんだよね」

上条「さ、さやか?」

様子がおかしく見える幼なじみに、上条恭介は声を掛ける。
だが、時は既に遅かった。

さやか「仁美が知らないのは仕方ないよ。だからさ――」

魔法少女の服を身に纏い、鋭利な刃を持ったさやかが――既にソコにいたから。

さやか「――ここで仁美が死ぬのもさ、きっと仕方ないよ」

さやかはその殺意を、高く掲げて振り下ろした――――
459 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:14:51.25 ID:EMXOmOLAO
――――鹿目まどか。

悲鳴が、聞こえた。

おおよそ学校から帰る、いつもの時間には相応しくない――ソレ。

まどか「仁美ちゃん――!?」

聞き覚えのある声に、まどかは走った。
声の元、人気の無い公園の中へと。
460 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:17:15.97 ID:EMXOmOLAO
――――

仁美「ひっ、ひっ――」

さやか「あっちゃあ、外しちゃったかぁ……」

さやかが強く斬り付けた場所は、深く抉れていた。
常人が受ければ弾け飛んでしまうだろう、一撃。

上条「さやか、一体何を――!?」

さやか「恭介もそう……自分を不幸だと思うばかりで、アタシの事なんて見てくれなかった」

恭介「――――っ」

上条に剣先を突き付けるさやか。
そこに、乱入者が現れた。
さやかの右手に抱き着き、その凶刃の動きを止めようとしたのは――まどかだった。

まどか「さやかちゃん、何してるの!!?」

さやか「まどかか……悪いけど邪魔しないで」

さやかが軽く振り払うと、まどかはあっさり尻餅を付かされてしまう。

腰の抜けて立てない仁美に、今度こそとさやかは剣を振り下ろした。

まどか「――だめぇっ!!」

だが――仁美を庇うように、まどかは飛び込んだのだ。

さやか「――っ」

その切っ先はまどかの額を捉えて――

「ダメだよ、さやか」

――『歯車』に防がれた。

QB「まどかを傷付けてはいけないよ。君の為にもならないだろう?」

さやか「キュゥ、べえ?」
461 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:17:42.45 ID:EMXOmOLAO
キュゥべえが腕に携えている小さな歯車が、さやかの剣と競り合って金属音を立てている。

さやかから徐々に力が抜け、彼女は今一度周囲を見回した。



泣きじゃくる志築仁美。
庇う鹿目まどか。
突然現れたキュゥべえ。




怯える上条恭介。

さやか「……コレが、アタシの願いか」

変身を解き、さやかは覚束無い足取りでその場を後にした。

引き止める者は――

まどか「さやかちゃん!」

さやか「――ゴメン、一人にして」

――鹿目まどかだけだった。
462 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:18:56.32 ID:EMXOmOLAO
――――公園。赤く染まり、しかし血ではなく。

仁美「あ、あぁ……」

仁美は張り詰めた緊張の糸を切って、意識を失った。

まどか「仁美ちゃん!?」

QB「大丈夫だよまどか。志築仁美は気絶しているだけだろう」

白いツインテールを揺らしながら、彼女は歯車を消す。

まどか「ありがとう、助かったよキュゥべえ……でも、ソレは?」

キュゥべえはバツが悪そうに頭を掻いた。

QB「……実はボクにも良く分かっていないんだ。多分、キミたちと契約する時の応用だと思うんだけれど」

まどか「(思い出した訳じゃないんだ……ほむらちゃんに言って――そうだ、ほむらちゃん!)」

さっきまでは夢中で気付かなかったが、即座にほむらに連絡を取る。

まどか『ほむらちゃん!』

ほむら『――何かしら?』

まどか『さやかちゃんが、さやかちゃんが――』

詳細を完結に伝えると、テレパシー越しにほむらの不安が伝わってきた。

ほむら『分かったわ。こっちも総力を挙げてさやかを探すわ……キュゥべえの話は、後で詳しく聞くから』

まどか『早く!』

急がなければ、さやかに何があるか分かったものではない。
不安はまどかの中で徐々に大きくなっていった。

上条「い、一体さやかはどうしたんだ……何がどうなってる……?」

上条が仁美の身体を起こしながら、ふと呟く。

まどかは、無性にその頬を張りたくなったが、ぐっと堪えた。

でも、一言だけ。

まどか「上条君は悪くないよ。でも原因は、上条君だからね」

言い残して、彼女も走った。

後に残されたのは、舞台に上がろうとした一般人と――大根役者だけだった。
463 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:21:03.70 ID:EMXOmOLAO
――――電車。夜。

遠くに行きたくなって、彼女は電車に乗った。

車両の中には彼女と、その対面に座る二人の男だけ。

その男たちの身なりは派手で、軽い言葉の言い回しとふざけた会話の内容――ソレが、彼らをホストだとさやかに認識させた。

耳障りな声が聞こえてくる。

「――言い訳とかさせちゃダメっしょ。稼いできた分はさ、全額きっちり貢がせなきゃ」

「女ってバカだからさ……ちょっと金持たせとくと、すぐに下らねぇ事に使っちまうからなぁ」

先輩風の男が得意気に話していた。

もう一人の男が相槌を打つ。

「いやー、ホント女は人間扱いしちゃダメっすね。犬か何かと思って躾ないと。アイツもそれで喜んでるし……顔殴るぞって言えば大抵は黙りますもんね」

最初の男が億劫そうに再び口を開いた。

「けっ……ちょっと油断するとすぐ付け上がって籍入れたいなんて言い出すからなぁ。お前みたいなキャバ嬢が10年も20年も同じ額稼げる訳ねぇだろうがって。身の程弁えろってんだ、なぁ?」

話を振ったようだ。

「捨てる時もホントウザいっすよねー……その点、ショウさんはその辺上手いから羨ましいっすよ。俺も見習わないとなー」

何だか、無性に悲しくなった。
私は、こんなモノを守りたくて魔法少女になったのだろうか。



さやか「ねぇ、お兄さんたち。その女の人の話、聞かせてよ」
464 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:22:34.15 ID:EMXOmOLAO
死んだような目をした少女がいきなり話しかけてくる。
それが気味悪かったのか、男たちは子供を諭すような口調になった。

「お嬢ちゃん、中学生? 夜更かしは良くないぞ」

そんな形だけの気遣いなんていらなかった。

彼としては、心からの気遣いだったのだが――伝わらなければ意味が無い。

さやか「その女の人さぁ、アンタの事が大切で、喜ばせようと頑張ってたんでしょ?」

さやか「それなのに犬と同じなの?」

さやか「ありがとうって言わないの?」

さやか「役に立たなきゃ捨てちゃうの?」

男たちの表情は読み取れなかった。

「この子……知り合い?」

「いや、知らねっす。しかし、危ないっすね確かに」

さっきまでの暴言の数々が嘘みたいにナリを潜めていた。

――子供に聴かせる話ではないと、彼らが思ったからだ。

さやか「ねぇ、この世界って守る意味あるの?」

さやか「アタシ、何の為に戦ってたの?」

さやか「答えてよ……でないとアタシ――殺しちゃうよ?」

さやかのただ事では無い様子に、ショウと呼ばれた男が答える。

電車を降りるまでの、行き掛けの駄賃みたいなモノだと思っての行いだった。





ショウ「――お嬢ちゃんは、世界を守っているのかい?」
465 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:26:20.01 ID:EMXOmOLAO
さやか「そうだよ。アタシがいなきゃ、アンタだって死んでるんだ」

無表情のさやかに対して、ショウは微笑している。

ショウ「そうかい。いつもありがとさん」

さやか「……ふざけてんの?」

ショウ「まさか! 俺は至極真面目だよ」

ショウ「……でも、お嬢ちゃんが貰えるのはコレくらいしかない」

さやか「っ!」

ショウ「知ってるかいお嬢ちゃん。世界を守ってるのは君だけじゃない。スーパーのおばちゃんだって、警察官だって、売春婦だって、俺だって――世界を守っているんだぜ?」

ショウ「君に惣菜は作れないし、犯罪者を逮捕出来ないし、男を満足させられない」

ショウ「何でお嬢ちゃんだけが特別だと思うんだ?」

さやか「だって、アタシは……」

言い淀むさやか。
それもそうだろう。何故なら相手は会話のプロと言っていい。

だが――彼には敵意など無く、ただ子供に言い聞かせているだけで。

彼自身も、自分らしくない事をすると、思う。

だけど、彼が見てきた女に――さやかの様に純粋に正しさを追い求めようとする目を持った者はいなかったから。

ただソレだけの気まぐれだった。
466 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:27:16.18 ID:EMXOmOLAO
ショウ「そしてな……この世の誰もが、正しく評価されない。どれだけ頑張っても、満足のいく結果には辿り着けないんだ」

ショウ「だから何処かで諦める。妥協する。ソレを何て言うか……お嬢ちゃんは知ってるかい?」

さやかは首を横に振る。

ショウ「『大人』って言うのさ。とてもつまらない、自分の意思を明らかにする事すら儘ならない……やるせない立ち場さ」

自嘲気味に、ショウは笑ってみせた。

ショウ「俺は歌手になりたかったんだ。歌を歌うのが大好きでね……だが今はコレだよ。ホストなんだぜ、お兄さんは」

さやか「……さっきの話聞けば分かるよ」

ショウ「そっか……歌には自信があったし、実際オーディションでは一番だったんだ」

ショウ「だけど、太ったおっさんのプロデューサーとやらが何て言ったか分かるか?」

語りかけて、首を振らせる。

ショウ「『歌声は並みだけど、顔は悪くないからアイドル路線で行こう』。そう言ったんだ」

ショウ「俺はブチキレたね。椅子も机も蹴り倒してソコを後にしたよ」
467 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:28:11.60 ID:EMXOmOLAO
さやか「……ソレはどうなのよ」

ショウ「分かりやすく言ってあげないと、女はいつも理解できないよな……『君の献身はどうでもいいけど、身体はイイから付き合おう』、って言われたらどうだ?」

さやか「……ぶっ殺すわ」

ショウ「だろー?」

彼はゲラゲラと笑った。

電車はとっくに駅に着く時間なのに、ソレは走り続けている。

「ショウさん、着かねぇっすね」

ショウ「そうだな。ま、遅れてんだろ。丁度良いさ」

ショウ「そういやお嬢ちゃん、女の話が聞きたいって言ってたよな?」

さやかが怪訝な表情で首を縦に振った。

ショウ「良いぜ、ある女の話をしてやるよ。先に言っとくな」

ショウ「俺は『女』ってのが心底嫌いだ」

「えっ」

ショウ「ホモじゃねぇよ! 距離を取んなよ泣くぞ!?」

さやか「…………で?」

ショウ「あ、あぁ。すまないな……ある日、一人の女が来てな」

ショウ「その女は羽振りの良い客だったよ。オマケに来店も多かった。俺も良い客が付いたと喜んだよ」
468 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:28:59.56 ID:EMXOmOLAO
ショウ「そんな時、昔のダチに会ってな。もちろん男だぜ?」

ショウ「ソイツは白髪まみれになってた。何でも仕事の残業がキツいんだとか。ま、良くある事さ」

ショウ「でも残業すりゃ金は入る。だから、買い物でもしてストレス発散しろよって言った訳だ」

ショウ「そしたらソイツ、『うちの財布は嫁さんだからな』ってニヤケながら言うんだよ。ちょっと羨ましかったな、相手がいるのは」

ショウ「でもある日気付いたのさ」



ショウ「客とダチの名字が同じだった」



さやか「それって……」

ショウ「察しがいいねお嬢ちゃん。その通り、客はダチの妻だった」

「アレはマジ胸くそ悪かったっすよねー」

ショウ「そうだな。でな、お嬢ちゃん。俺もそんなん嫌だからさ、客に言ったわけよ。『いつもありがとう、でもお金大丈夫?』ってな」

ショウ「そしたらソイツは『大丈夫大丈夫、夫がたくさん稼ぐから』ってあっけらかんと言いやがった」

ショウ「夫が自分の為に稼ぐのは当たり前だとか、その上うちの夫はここがダメだとか、そう言うわけだ」

ショウ「俺は何も言えなくなったね。何も話したくなくなった」
469 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:29:48.62 ID:EMXOmOLAO
ショウ「女なんてな、自分の事ばっかりだ。それ以来、来た客には全員確認したが……ドイツもコイツもろくでもない」

ショウ「自分本位で、他人は自分よりみんな下。そういう生き物なんだよ」

ショウ「押し付けがましい行動と、自己満足の繰り返し」

ショウ「全く嫌になる。本当は辞めたいぜこの仕事」

「ですよね。分かるっす」

さやか「……辞めればいいじゃん」

ショウ「ほら、お嬢ちゃんもやっぱり女だな。少し頭を使えば分かるだろう……働かない男はどんな扱いを受ける?」

ショウ「女とは違ってな、差別されても誰も助けてくれない。それが男だ」

「マジ不公平っすよね」

ショウ「昔は確かに女は可哀想な扱いだったようだが、今は真逆さ。理性的でない分、なお質が悪い」

ショウ「さて、ここでお嬢ちゃんに質問だ……お嬢ちゃんは、『女』か?」
470 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:32:35.98 ID:EMXOmOLAO
さやか「アタシ、は……」

恭介のお見舞いして……でもソレは恭介の事を考えてしたの?

いや、きっと自己満足だったんだ。

現に恭介は嫌がってた。

勝手に契約して、勝手に治して、勝手に絶望して、八つ当たりしてるだけだ。

誰かの為なんて嘘だった……最初から全部自分の為に願ってたんだ――――



さやか「はぁ、はぁっ……」

さやかの呼吸が不安定になる。
心配そうに、名前の分からないホストはさやかの背を擦った。

「ショウさん、言い過ぎっすよ」

ショウ「……いやなに、年を喰うとな。若い子には間違ってほしくないと思うんだよ」

苦笑いするホストの顔は、今だけ少年のようだった。

電車が着く。

ショウ「お嬢ちゃん。自分の信じる事ばかり見るのは、女って奴の悪い癖だ」

ショウ「客観的に自分を見つめてみなよ。そうしたら、自然とどんな悩みも解決できる」

ショウ「……ま、それが『諦め』や『失望』だったりするかもしれない。そうやって『大人』になるのさ」

ショウ「頑張れ、若者」

軽い応援を置いて、二人の男は電車を降りた。
彼らは歩き、『結界』から抜け出す。

さやか「……『失望』や『諦め』、か」

既にさやかは、結界に包まれていた。
彼らが出られたのは、単に助言の対価。

さやかは駅のホーム、ソコの椅子に深く腰掛けた。



誰もいない、駅で一人。
471 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:33:28.94 ID:EMXOmOLAO
――――そして彼女を守る者たち。

ほむら「――既に結界が張られている!?」

ほむらがその事実に驚きを隠せない。
具現化しているユウリが、それを確実にしていた。

ユウリ「あぁ。アタシが身体を構築出来るくらい、この辺りは現実染みた異界だ」

杏子「手分けするぞ……一刻も早くさやかを見つけるんだ!」

ゆま「分かったよ!」

マミ「コレだけいれば、直ぐに見つかるわよ……見つかるに決まってる」

織莉子「……位置までは予知できませんね。幸いと言って良いのでしょうか」

キリカ「恩人……今度はヘマしないよ」

全員が魔法少女の礼装を身に纏う。

まどか「ほむらちゃん……」

ほむらは不安そうな彼女の頭を撫でた。
心配する事は無いから、待っていなさい――そう伝えるソレ。

ほむら「行きましょう――見つけたら各自連絡を!」
472 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:34:31.63 ID:EMXOmOLAO
――――探索、刻一刻と磨り減る魂

ほむら「使い魔が街に湧き出している……この街の約半分を包み込む程の結界だなんて」

ほむら「早く見つけないと、手遅れになるわ。街の人も、さやかも――」





杏子「使い魔は……あの仁美ってのに似てる――って事は、結界の深部はダンスホールか?」

杏子「ソレっぽい感じになってきたら良く探さないと……待ってろ、さやか――」





マミ「使い魔が多い……苦しい戦いになりそうね」

マミ「しかも強い――出来るだけヒット&アウェイを心がけましょう」





キリカ「恩人――分かるよ、まだ魔女にはなっていない。あの時の私と同じだ」

キリカ「間に合えよ、私」





ゆま「さやかおねーちゃん、ダメだよ」

ゆま「キョーコを泣かせたら、許さないから――」





織莉子「――っ、この予知は!?」

織莉子「美樹さやかが魔女になる映像……」

織莉子『皆さん、聞いて――!』




ユウリ『大丈夫だよ、もう見つけた』

ユウリ『あぁ、場所は――この辺りだ。今発した魔力を追いなよ』

ユウリ「……さて」

ユウリ「慣れない役回りを引いたなぁ……」

さやか「…………」
473 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:35:25.61 ID:EMXOmOLAO
――――最初に辿り着いたのは、魔女。

さやかは駅のホームの様な場所で、ベンチに腰掛けていた。
まだギリギリ人として存在しているが、使い魔が跋扈している所を鑑みるに――恐らく長くない。

ユウリ「よう、あんまり面識は無いけど……迎えにきたよ」

遠慮がちに隣に座った。

こういうのは佐倉杏子の役目だろう、と溜め息を吐く。

さやか「……悪いね、手間かけさせちゃって」

俯くばかりで、表情は見えなかった。
ユウリはどうしたものかと手を遊ばせる。

ユウリ「……とりあえず、結界を消してみないか? 使い魔まで湧いてる――お前だって、それは嫌なんじゃないか?」

さやか「……いいよ、もう、なんでも」

投げやりな態度に少し苛立つが、自分だって無茶をやった事を思い出して、その熱は冷めた。
474 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:36:41.43 ID:EMXOmOLAO
ユウリ「どうでもいい、って事はないだろ……いや、魔女になりそうな時ってのは『そう』なるか」

しかし贅沢な悩みだと思う。
何があれ、思い人は生きているのだ。
ソレ以上に何を望むというのだろうか。

ユウリ「ま、そうまで言うなら……いっそ魔女にでもなってみたらどうだ? アタシだって本質は魔女だ。オススメはしないけどね」

さやか「……アンタバカじゃないの。魔女になったら、もう戻れないじゃん――」

ユウリ「何だ、そんな事を気にしていたのか」

軽く笑うユウリに、さやかは言い知れない違和感を覚えた。

始めて顔を上げ、ユウリを見る。

ユウリ「何の為に暁美ほむらが鹿目まどかのグリーフシードを手に入れたと思ってるんだよ」








ユウリ「お前が魔女化しても、また戻せるからだろうに」










475 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:37:23.03 ID:EMXOmOLAO
そうか。

そうだったんだ。

つまり、ほむらは。

あれだけ私を大切にしてくれていたほむらさえ。

私を信じてはいなかった――

さやか「――――」

子供のように、情けなく泣いた。

泣き声を上げる度に、ソウルジェムは黒く濁る。

ユウリ「お、おいどうした!?」

誰も私を信じてなかった。

何も出来ないと信じていた。

報われないと信じていた。



ほむらも、杏子も、まどかもマミさんも織莉子もキリカもゆまもユウリも――



さやか「みんな……だいきらい……」

最後の言葉は、幼い怨嗟。

彼女の魂は、砕けて。

人魚だけが、ソコに居た。
476 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/06(金) 23:38:47.70 ID:EMXOmOLAO
まどかマギカに足りないのは大人と男。

投下終了。
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/06(金) 23:39:28.66 ID:zuJH/91No
投下おつ〜
はじめてリアルタイムでみれたぜ
ショウさんかっけぇ…抱いて!
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/06(金) 23:47:28.36 ID:Auau0yGIo
お疲れ様でした。

ここは、男より”漢”の方かと。
江湖の義とか武侠とかの言葉がしっくり来る好漢とか。
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/06(金) 23:50:08.90 ID:zZXyeS6Z0
その後>>453の姿を見た者は一人もいない・・・・
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2012/01/06(金) 23:51:07.14 ID:IggX1YCAO
このショウさんには掘られてもいい。ホスト関連の話がマジで虚淵が書きそうなクオリティだった。

安定のさやかだったなぁ
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/06(金) 23:51:35.86 ID:AsaNNTnXo

ショウさんがこんなにもかっこいいなんて
ここでも因果が働いたというのか
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/06(金) 23:51:39.95 ID:ijFUD8Wfo
さやか……

483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2012/01/06(金) 23:54:30.46 ID:IThOlv9lo
これもまた一つの形だとは思うが中沢といいショウさんといい脇役が表に出すぎな気もするな
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2012/01/06(金) 23:55:02.23 ID:IggX1YCAO
あと仁美ざまぁ。確かにさやか鋭かったね。「友達」って無敵の言い訳だもん。ちょっとスカッとした
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/06(金) 23:57:57.94 ID:0Ukkvq84o
ショウさんの言葉でなんか変わるかと思ったが…

さやかェ…
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/01/07(土) 00:16:08.91 ID:hMY7bcI2o
ショウさんかっこよかったのにねえ


次の脇役と言う名の主役はだーれだ
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/07(土) 00:25:48.24 ID:f5tkJ7B10
乙。やはり結果は『魔女化』に収束するわけね。まあ、予測してなかったわけではなかったけど
しかし、個人的に御三方が原作以上に胸クソが悪さを感じるのはなんでだろ
忠告やアドバイスを無にして、同じ結果になっているから相対的にそう感じているだけなのかなあ…
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/01/07(土) 00:47:56.72 ID:hMY7bcI2o
勘違いというか、ある誰かさんが(神の目線で見ている我々と比較して)あまりにも無知に見えるから
だからじゃないかな。恭介や仁美が胸糞悪く見えるの。
実際にあの温厚なまどかだって恭介を思わず殴りたくなるくらい苛立ってんだ。
読者が猛り狂うのもワケないよな。なんて。
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/07(土) 00:48:03.31 ID:umlP981Xo
ショウさんが死なずに済んだのは小さいようで大きい変化だな
話を聞いて考えながら絶望している
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 00:54:57.63 ID:Y8aKVLYco
脇役という因果が増幅されたことによる結果がこのショウさんと中沢か・・・
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/07(土) 01:00:12.98 ID:KpoiShqjo
あれ?
この>>1虚淵じゃね
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県) [sage]:2012/01/07(土) 01:05:27.80 ID:EAOIEkvHo
>>490
上条も同じ脇役だというのになんだこの違いは…
悪い方に因果が増幅されてるな
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/07(土) 01:12:13.44 ID:JFBB6kF7o
ショウさんの生死はあまり関係ないかと。
元々生死がどっちでもいーよみたいな扱いだったそうですし。
(コミックとアニメで末路が変わっていた・・・・・・はず)

むしろ、原作にはなかった彼との会話の続きが大きな変化かと。
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 01:12:19.88 ID:NskxjIkOo
上条を見て主役になるのも考えものだと中沢が言ってたように
これの定義だと脇役じゃないだろ
本来ショウさんと中沢は脇役ですらないモブだし
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/07(土) 01:23:11.63 ID:wEvBqigx0
さやか…この、クソガキが。
誰も、お前を信じない。誰もお前に期待しない…裏を返してみれば分かる事ではないか。
それでも、皆お前に優しかった。QBさえも、お前が一番の親友を殺さないように、助けてくれた。
皆、お前が好きだったのだ。どうしようもないお前が。弱いお前が。間違いを犯すお前が…お前が子供らしい、いい人間だったからだ。ショウさんさえも、お前を無下にはしなかった。
誰一人、お前を裏切ったりしなかったのに。

お前が魔女から戻れなければ、皆苦しむぞ。戻って来い、さやか。
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/01/07(土) 01:53:10.35 ID:XexZf/vi0
>>495
落ち着いてください(´・ω・`)
若干気持ち悪いです
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/07(土) 02:16:46.36 ID:J0NoCSh0o
ここでオクタヴィアちゃんと使い魔による未だかつてない規模のジュリアナダンス
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2012/01/07(土) 02:50:19.31 ID:qig8D2f6o
ショウさんかっけーー

499 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 03:02:01.99 ID:uztKFaaDO
とりあえずユウリはソウルジェムをうんこに突き刺す刑でいいな?
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/07(土) 03:28:15.13 ID:xdhYMjUUo
誰が悪いわけでも無い
自分しか見えない子供らしい三者三様の視点から起きた悲劇だね
原作との幾つかの差がいい方向に向かうといいね
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/01/07(土) 05:25:16.22 ID:Cq1HNedzo
これは仮に元に戻れたとしてもこれはもうアウトだな
[ピーーー]つもりで凶器を振るったという事実は決して消えず取り返しがつかない
中学だから退学は無いにしろ転校くらいはしないといかないかな
事は命に関わるだけに原因がどこにあるにせよ、なあなあでは終われない
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/07(土) 05:28:48.32 ID:xdhYMjUUo
>>501
流石にそうはならんだろう
溜め込んでたさやかちゃんがぶっちゃけて、無知な二人は事情を知って、誰も殺されてない
原作よりはマシだ
503 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/01/07(土) 05:45:35.86 ID:Cq1HNedzo
いやー、無理だろ
同じクラスの中に自分を殺しかけた、殺そうとした人間がいるなんて恐怖以外の何物でもないと思うぞ
504 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/07(土) 05:48:02.50 ID:KtVHXS1K0
ほむらは仁美をディスって恭介にSEKKYOUしただけだからこうなって当然だよな
入院経験とかループとかあるんだからCDの事とか
長く生きているんだから女の子らしさとか心について話してあげればよかったのに
505 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 06:09:28.59 ID:XCU845LDO
い、いや!色々あった各々への語りかけパートが効果なかったなんてそんな事っ…!
506 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/07(土) 06:45:11.75 ID:ALUJ2uT3o
さぁ問題だ杏子の魔法の効果は何だ?
507 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/01/07(土) 07:57:17.87 ID:v1inTiMAO
仁美をdisってる人多いですね
略奪もNTRも何も最初から恭介は誰のものでもなかったでしょうに
普通に恭介を手に入れた。そこには少なくとも理不尽なところがあったにせよ
それだからと言って仁美が悪く扱われるのはちょっとおかしいんじゃないかな、なんて思ってしまいます。
508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/07(土) 07:59:12.05 ID:xdhYMjUUo
>>503
作者次第だっての
物語がそんな現実的に進んでたまるか
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/01/07(土) 10:06:55.21 ID:v1inTiMAO
>>508
でも平和な展開では済まないと思います

…どうなんだろう
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 17:55:49.13 ID:j/S7j2Xvo
これじゃ最悪復活拒否でもされるんじゃねって
511 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 19:03:01.68 ID:4qkIyr0DO
エロが少ないなぁ…
あ、そうだ仁美が複数にレイプされればいいんじゃね?
512 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 20:32:59.91 ID:kRuOOMu4o
さやかちゃんは勘違いかわいい!
513 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/08(日) 01:12:22.24 ID:k99QWoGAO
今日も長い。

投下開始。
514 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/08(日) 01:12:58.47 ID:k99QWoGAO
――――コンサートホール。指揮者と演者、そして観客と部外者。

ユウリ「――何だここは」

そこは薄暗い音楽堂だった。
舞台の中央に、鎧を身に纏った魔女がいる。

魔女は項垂れ、ピクリとも動かない。

ユウリ「……どういう事だ」

魔法少女は絶望の果てに魔女へと変貌するはずだ。
なのに――あの魔女は魔女になってさえも絶望している様に見える。

その時、喧しい音を立てて光がホールを照らした。

ユウリ「――おい、冗談だろ?」

広大なコンサートホールの席は、観客によって埋め尽くされている。

――緑色の、使い魔によって。

右を見ても、左を見ても、その使い魔は席に行儀よく座っていた。

ユウリ「――――」

圧倒的な物量。
コレだけの使い魔とあっては、流石の自分も無傷では済まないかもしれない。
刺激を与えない様に、様子を伺う。

指揮者がタクトを振り始め――厳かな音楽がホールを埋めていった。

人魚は、小さく踞っている。
彼女の世界にすら、彼女の居場所は無かった。

彼女の死体は、舞台の脇で椅子に座って――小さなスポットライトに照らされていた。
515 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/08(日) 01:13:32.56 ID:k99QWoGAO
――――そして来るべき邂逅。

ユウリ「……来たか」

魔法少女たちが、ホールの入口を開いて入場してくる。
魔女を見た杏子は、声を出さずに涙を流した。

杏子「すまないな、さやか……私はまた、お前を守れなかった――」

ほむら「いえ、まだよ」

ほむらは強い瞳で魔女を捉える。
いよいよ正念場とあって、彼女の目には――その名の如く炎が宿っていた。



――絶対助ける。



マミ「熱くなってはいけないわよ、二人とも」

織莉子「幸い使い魔も魔女もこちらには興味が無い様子……一度出直すのも手ですが――」

ユウリ「迎えに来させたみたいで悪い」

キリカ「仕方ないよ。君は結界から出るとジェムになってしまうんだからね」

一旦引くか、このまま続行するか。

この規模の魔女を逃がすと大惨事になるのは、火を見るより明らかだ。

ゆま「……さやかおねーちゃんは、今泣いてるよ」

幼い一言が、一同の心に突き刺さる。
魔女は音楽を聞きながら、小さく身体を縮めていた。
516 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/08(日) 01:14:00.91 ID:k99QWoGAO
杏子が深く考え込む。

杏子「……なぁほむら。確かお前の話してくれた過去の魔女に――鎧武者の魔女が居たな」

ほむら「――えぇ、確かに……っ、成る程。そういう事ね」

マミ「自我の様なモノを持った魔女もいた……その事実は確かね」

ほむら「……やってみるしか――キリカ、まどかを迎えに行ってくれないかしら」

キリカ「……何をするんだい?」

ほむら「呼びかけるのよ。魔女にだって意思は有った。なら――ソレが伝わらないはずが無い」

ほむら「この結界から、さやかだけを引きずり出すのよ」
517 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/08(日) 01:14:53.82 ID:k99QWoGAO
――――キリカ、疾走中。コンサートホール。

ほむらが結界の中を一周、見回した。
その複雑怪奇な様相に、一抹の感動を覚える。

ほむら「杏子、見て……さやかの結界、いつもとは全然違うわ」

杏子「コンサートホールにしてはあの緑のがいるし……ダンスホールにしては厳粛な雰囲気だな」

ほむら「結界は心の現れ……彼女はこの短い期間で、複雑に心を成長させていたのね……」

ほむら「……それがアレなんて、悲しいけれど」

ほむらは人魚を見る。
ライトが照らしているのは指揮者と観客ばかりで、人魚は暗い影の中だった。

ほむら「自分の心を、他人に侵食されて……無力に震えている。一体、彼女を絶望させたトリガーは何?」

ユウリ「――トリガー……まさか」

ユウリがハッとした表情になる。
彼女が最後に言い残したのは何だ?

ユウリ「『みんな、だいきらい』……」

ほむら「え?」

ユウリ「アイツは最後にそう言ったよ……アタシが『ほむらはお前を助ける為に、鹿目まどかのグリーフシードを――』」

ほむらがユウリの肩を掴む。
ユウリは少し驚き、ほむらと目線が合う。
518 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/08(日) 01:15:38.53 ID:k99QWoGAO
ほむら「――ソレを言ってしまったら、魔女になるに決まっているじゃないの!」

ユウリ「……遅かれ早かれ魔女にはなっただろ。後から知るのも、先に知るのも然したる違いは無い」

ユウリ「ソレとも何だ。最初から『お前は必ず失敗するだろうから予め用意はしてある』と言うべきだったのか?」

ほむら「それは……」

ユウリ「どうやったって、お前がした後ろめたい事は消えない。てっきり私は既に話していると思っていたが」

ほむら「…………」

ほむらが肩から手を下ろす。

確かに、彼女に伝えなかったのは私だ。
彼女が知らないままでワルプルギスの夜を越えられれば、ソレが一番良いとさえ思っていた。

その結果がコレならば、気遣いや優しさに意味など――

杏子「止めろ。今はそれより前を見なきゃならねぇだろうが」

杏子の言葉で意識を戻す。
そうだ。何にせよ、こうなったからには最善を尽くすのみだ。

キリカ「――連れてきたよ」

まどか「……みんな」

主演女優の登場となるのだろうか。
鹿目まどかは、その脆い身体と強い意思で立っていた。
519 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/08(日) 01:18:59.41 ID:k99QWoGAO
――――

ほむら「まずはまどかを魔女に近付けるわ。ここからでは距離があるから」

ほむら「護衛は私と杏子、織莉子にゆま」

三人が頷く。

ほむら「私と杏子で、さやかが暴れた場合のまどかの守護。織莉子はまどかと共に回避に集中して。ゆまは、もしも負傷出た時の保険……貴女がいれば、杏子は無理が出来るから」

ほむら「キリカとマミ、ユウリは周囲に気を張っていて。いつアイツらが襲ってくるか分からないもの」

マミ「任せて……使い魔なんて、薙ぎ払ってやるわ」

ほむら「頼もしいわ……頑張って」

ほむら「要は魔女の核を浄化すれば良いの。ソレは私がやる……魔女が大人しいなら、容易いでしょう」

ほむら「その後はさやかの身体を回収して、暴走するだろう人魚の魔女を倒して終わりよ」

ほむら「まどかの声が届けば、或いはあっさり助けられるかもしれないわね」

ほむらのソレは気休めだったが、それでも彼女らを鼓舞するには十分だった。

ほむら「行きましょう」





「…………」

その彼女たちを、コンサートホールのライトの上から見下ろす影。

赤い髪を揺らしている『何か』が、ソコにいた。
520 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/08(日) 01:19:38.29 ID:k99QWoGAO
――――静かに、観客席の間の道を行く。

まどか「アレがさやかちゃんだなんて……」

観客は随分と大人しく、魔法少女たちが魔女に近付くのをただ傍観していた。

ほむら「信じ難いでしょうけれど、真実よ……貴女の力を借りるわ」

まどかはつい先刻のさやかを思い出す。



あの時、志築仁美に襲い掛かった彼女の顔は――涙でくしゃくしゃになっていたのだ。



まどか「こんな事、したくなかったはずなんだ……さやかちゃんは」

まどか「さやかちゃんが帰ってこれないなんて、そんなの私が許さない――」

ほむら「いい意気よ、まどか……そうよ、私たちは貴女を見ているの」

ほむらの足元の床に書かれた『Look at me』の文字が痛々しい。

ほむら「例え貴女が絶望したって、必ず助けてみせるから」

ほむらがステージの上に足を掛けた瞬間、突然演奏が止んだ。

魔法少女たちを、嫌な沈黙が支配する。

杏子「(……ほむら)」

ほむら「(見られているわね)」

だが、何か仕掛けてくる様子も無い。
まどかの回りを四人が護衛しながら、彼女は魔女と対峙した。

真剣に、語りかける。

まどか「さやかちゃん、私だよ! まどかだよ……分かる?」
521 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/08(日) 01:20:30.43 ID:k99QWoGAO
織莉子「…………んっ」

生唾を呑み込み、全員が全神経を周囲に張り巡らせていた。

魔女「――――?」

反応があった。
魔女はその身体を起こし、真っ直ぐに見つめて――凄まじい轟音で音楽が奏で始められた。

指揮者「――、――!!」

まどか「えっ――」

まどかの声は掻き消され、魔女の興味は演奏に向く。

そして観客は、一斉に魔法少女たちに飛び掛かった。

ほむら「――迎撃!!!」

「「「「「「応!!」」」」」」

先駆けにマミの火線が使い魔に切れ目を付けて――会場は戦場になる。

盛大なダンスパーティーが開催されたのだ。
522 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/08(日) 01:21:14.69 ID:k99QWoGAO
――――無勢に多々々々々々々々勢。

杏子「うらぁっ!!」

杏子が使い魔を斬り払い、その残骸を地面に叩き付ける。
休む間もなく二体の使い魔が飛び込んできて、ソレを横薙ぎに始末した。

――死角から、一体。

杏子「――っ」

ゆま「キョーコ!」

ゆまがソレを殴り潰す。

全方位から襲い掛かる使い魔を相手にするのは簡単ではないのだ。

マミ「『ティロ・フィナーレ』!」

半魔女化したマミが、無量の大砲を構えて発砲――使い魔を撃砕して、空を火薬色に染め上げる。

マミ「――まだ来る!?」

キリカ「任せなよ!!」

キリカの至大な爪が、射線を掻い潜った使い魔たちを斬殺した。

それならばと足元から沸き上がってくる使い魔たちを、ユウリが蹴散らす。

ユウリ「『コルノ・フォルテ』!!」

牡牛が使い魔たちに突進し、その藁人形のような身体をバラバラにしていった。

まどか「さやかちゃん!! さやかちゃん、聞いて!!」

魔女「――♪」

魔女はまどかの呼び掛けには答えず、使い魔たちが奏でる楽曲に夢中になってしまっている。
523 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/08(日) 01:22:42.69 ID:k99QWoGAO
使い魔「――――!」

使い魔がまどかを狙って駆けてくる。

ほむら「させないわ!」

ほむらの左肩から雪白の如き翼が生えて、盾から奇跡が零れ落ちた。

大量の槍が、壁を作る。

一人で大軍。そう表現するのが妥当だった。

使い魔たちは、その一本一本が必殺の槍衾に突き刺さって爆ぜる。

ほむら「『作楽』!!」

ほむらが杏子の奇跡を振るうと、その槍全てが拡散して使い魔を射抜いていった。

まどか「さやかちゃん――」

魔女「――!」

まどか「えっ――」

魔女は叫び続けるまどかを『邪魔』に感じる。
故に、その大剣が振り下ろされるは必然。

杏子「――バカ野郎!」

杏子が槍でソレを受け止めた。
強く軋んで折れそうな身体を、必死に支える。

魔女が振り払って、彼女の身体は地面に叩き付けられた。



ソコに一斉に襲い掛かる使い魔――!



杏子「しまっ――」

ほむら「杏子――!?」

だが、使い魔は佐倉杏子に飛び掛かる前にその身を裂かれていた。



上から飛び降りてきた『魔法少女の様なモノ』が、その手に持った槍で斬り裂いたのだ。
524 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/08(日) 01:25:08.08 ID:k99QWoGAO
「…………」

杏子と『ソレ』の目線が合う。
だがしかし、杏子は愕然とする事しか出来なかった。

杏子「――な、何だよお前!?」

赤い髪の『ソレ』は紅の礼装を身に纏い、槍を片手に持っていた。

顔の半分は仮面で覆われ、もう半分から覗くのは――佐倉杏子のソレと瓜二つ。



佐倉杏子の前に舞い降りたのは、明らかに『佐倉杏子』だった。



差異があるとすれば、その槍。
十字を模した刃に、伸縮する――鞭の様な持ち手。

「――――!」

『ソレ』が槍を振り回し、観客を薙ぎ払う。

ほむらがその意味を感じ、歓喜に震えた。

ほむら「杏子、貴女――お手柄よ」

杏子「な、何だ?」

「…………」

『ソレ』はじっと杏子を見ていた。
「早く立ち上がれ」と言わんばかりに。

ほむら「貴女は既に、さやかの中で重要なファクターになっていたのよ――きっとソコの、仮面の貴女は彼女の心の一部」



ほむら「――使い魔よ」
525 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/08(日) 01:26:11.63 ID:k99QWoGAO
「…………」

使い魔と呼ばれた彼女は、佐倉杏子に背を向ける。
着いてこい、と言っているような背中だった。



『正義の味方』の使い魔。その性質は『届かぬ理想』。



彼女が心の奥底で救いを求めたが故に産み出された、唯一無二の使い魔。

杏子「……はは、さやかは私をこう思っていてくれたのかい」

仮面の使い魔に敵意は感じない。

なら、やろうか。

杏子「行けるのか?」

使い魔は首を縦に振る。

ソレを合図に、二つの紅色は緑の使い魔に突っ込んだ――
526 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/08(日) 01:28:46.85 ID:k99QWoGAO
投下終了。
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/08(日) 01:30:41.46 ID:FyEEqsOAO
うひょー乙!両手に杏子
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/08(日) 01:46:32.88 ID:USn+l7HSO


ダブルあんこちゃんとか胸熱
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/08(日) 01:49:32.11 ID:EOE+GMado
お疲れ様でした。
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/08(日) 01:55:11.26 ID:RlR0I5KYo
あんこちゃんマジあんあん
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/08(日) 01:56:05.56 ID:0kgQtMqSo
これはあるか…?…杏さやが…
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/08(日) 02:25:49.78 ID:Fo++6jXBo
あんこちゃん型使い魔の仮面はどんな表情をしてるんだろう
泣いてるのかな、怒ってるのかな、それとも笑顔でいてくれるのかな
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/08(日) 02:33:10.11 ID:0kgQtMqSo
正義の味方の面をしてるんだろうさ
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/08(日) 02:36:08.47 ID:YY9pbjnv0
あんあん→ダブあん→あんクルス …ん、違う?
展開が全然読めないのに、気がついたら「うぉぉぉ来たぁぁぁ!」ってなっちゃう!ふしぎ!

今から一緒にぃー これから一緒にぃー 殴りに行こうかー♪
SAYAHー YAHーYAHーYAHー YAHYAHYAHー♪
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/08(日) 02:37:59.51 ID:lPKWz5nIO
今夜は俺とお前でダブル杏子だからな
と言う展開からのダブルロッソ・ファンタズマになれば実に俺得
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/08(日) 03:34:36.60 ID:DhB24d6Qo
なぜさやかはほむらを完全に信用しないのか
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/08(日) 05:33:58.26 ID:mXuXnTSIO
ライダー的になら『ロッソ・ダブル・ファンタズマ』のがいいな
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/08(日) 05:48:09.43 ID:1DHmRbFDO
乙!!

あんさやあんの3P来るか!?


>>536
隠し事が嫌いだからじゃね?
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/08(日) 08:24:32.74 ID:1UrRfUXQo
これもしマミが絶望によって魔女化したらほむらの使い魔が出てくるん
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/08(日) 10:26:58.41 ID:w9eYOsy0o
そうきたか
胸熱
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/08(日) 10:55:04.54 ID:vBocZBLXo
やっぱりさやかはあんあんに助けて貰いたかったのか
542 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/08(日) 11:12:29.54 ID:1ysBGMQF0
え?
543 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/08(日) 12:32:15.91 ID:/K6NeSA40
さやかちゃんは精神的に潔癖なんだと思う
あの年代の子がもつ潔癖さを表すキャラクターなんだろう、実直に過ぎるというのか
544 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/09(月) 00:07:29.85 ID:+zHUAvSAO
ほむら「小ネタ!」

>>523のボツセリフ

ほむら「『ヴァジュランダ』『蜻蛉切』『ゲイ・ボルグ』『ピナカ』『トライデント』!」

ほむら「『グングニール』『シューラ・ヴァラ』『隼風鉾』『ブリューナク』『ガ・ジャルグ』!」

ほむら「『グラーシーザ』『天之瓊矛』『ガ・ボウ』『ロンゴミアント』『トリシューラ』!」

ほむら「『聖槍』、『作楽』ぁ!!」




ほむら「噛むわ」

ほむら「噛むわよ」

まどか「噛むね」

ほむら「ガ・ジャルグとガ・デルグはどっちがポピュラーなのかしら……

ほむら「そもそもゲイ・ボルグでは『ゲイ』なのにガ・ジャルグでは『ガ』っておかしいわよね。せめて統一すべきよ」

まどか「矛混じってるしね」

ほむら「方天戟は入れないのにね」
545 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方) [sage]:2012/01/09(月) 00:11:35.51 ID:HJ1pe0XNo
素でエクストラデッキ半分埋まったなとか思ってしまった
546 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/09(月) 00:56:17.86 ID:8hQdSkoPo
コーラ一気飲みしてから言うコントと勘違いするところだった危ない
547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/09(月) 01:01:01.76 ID:WE883jBNo
暗黙のルールを守ってくれるかが問題
548 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/09(月) 01:46:19.46 ID:+zHUAvSAO
>>545
水タッチしたドラグニティとか怖い。

投下開始。
549 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 01:47:39.07 ID:LiJqqasco
読む
550 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/09(月) 01:49:38.17 ID:+zHUAvSAO
――――駆け抜ける二振りの紅。

杏子「退けっ!」

「…………!」

二人の佐倉杏子が戦場を紅く染め上げていった。

緑の使い魔たちを圧倒するが、それでも数に阻まれてしまう。
魔女には意地でも近付けさせないといった様子だ。

ほむら「良く分かっている……『ドゥリンダナ』!」

ほむらが使い魔を名剣で斬り払いつつ、その様子を分析する。

ほむら「魔女がやられてしまえば自分たちが存在出来なくなると知っている……ふふ、現実より物分かりが良い、じゃない!」

語尾に力を乗せて、まどかを襲おうとする使い魔を両断した。

杏子を模した使い魔が現れて多少楽にはなったが、それでも無尽蔵に沸き出すソレを相手に魔法少女たちは少しずつ疲労していく。

魔女「――――」

魔女が飛ばしてくる車輪も、直撃すれば致命傷は免れないだろう。
そんなギリギリの状態で彼女たちは戦っているのだ。

まどか「さやかちゃん――」

ほむら「やはり、私たちの声では届かないの――?」

QB「いや、届くよ」

まどか「っ、キュゥべえ?」

まどかの足元に突然現れる白髪の少女。
彼女の紅い目は、鹿目まどかに誘いを掛ける。
551 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/09(月) 01:50:09.28 ID:+zHUAvSAO
QB「ボクと契約すればいい。そうすれば、美樹さやかを元に戻す事なんて造作もないだろう」

まどか「……ホントだね?」

まどかの目付きが一点して変わった。
死すら厭わないといった、強いソレに。

マミ「ダメよ鹿目さん――あぁぁっ!!?」

余所見をした僅かな隙を、使い魔は見逃さない。
マミの右目に、使い魔の手が突き刺さっていた。

マミ「――ガァッ!!」

マミがソレを蹴り飛ばす。
彼女の魔女化は、今や籠手だけでなく首まで鎧となって侵食していた。
キリカも同様に、シルクハットにマント。そして背中を翼の様に彩る爪の数々が、限界の近さを物語っている。

ほむら「まどかっ!」

まどか「このままじゃみんなやられちゃうよ……そうなるくらいなら!」

ほむら「しかし……っ」

ほむらは必死に思考の渦に飛び込でいた。
回りの状況から、今までの経験や知識から、より有効である手段を模索しているのだ。

ほむら「――、待ちなさいまどか! まだ案がある!」



そして思い当たる、魔女の性質に。
552 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/09(月) 01:51:53.95 ID:+zHUAvSAO
楽団の使い魔たちは未だに不快な音色を流し続けている。

過去の彼女は、ソレを本当に楽しそうに聞いていた。

ほむら「――私は、何と間抜けな勘違いをしていたのか」

一瞬の閃きに、思わずほむらの口角は吊り上がる。

ほむら「ゆま、織莉子――あの喧しい奴らを吹っ飛ばして!」

突拍子も無い指示に、狼狽える織莉子。

織莉子「――し、しかしソレをしたら魔女が余計に暴れてしまうのでは!?」

ゆま「わかった!」

織莉子「え、待って――あぁもう、分かりました!」

二人はほむらを信じて演奏家達を鏖殺する。
戦闘向きでは無いらしく、その身は脆かった。

ほむらはまどかの手を掴み、演奏台の方へと駆ける。

魔女「――、――!!?」

歯車が飛んでくるが、時間停止によって全て命中せず。
まどかを抱き抱え、翻り、ほむらはその舞台に立った。

まどか「ほむらちゃん、一体何を――」

ほむら「『ストラディバリウス』!」

まどかを下ろしたほむらは、盾から愛用のバイオリンを取り出す。

魔女の大剣がほむらに振り下ろされ――止まった。



ほむらが、ソレを奏でているから。



考えれば当然だろう。
日本人に話しかけるには、日本語が一番効率がいい。

そして、魔女と彼女を繋ぐ言語は音楽を置いて他に無いのだから――
553 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/09(月) 01:52:51.53 ID:+zHUAvSAO
――――高山流水、暁美ほむら。

魔女「――――」

ほむら「――――」

キリカ「魔女の動きが――」

ユウリ「――止まった?」

斬撃や銃撃の音が飛び交う中でも、その音楽は全ての魂に響いていた。

ほむら「……まどか、呼び掛けなさい」

まどか「――分かったよ、ほむらちゃん!」

使い魔たちが上空を埋め尽くし、ほむらに雨の様に降り注ぐ。

だがしかし、それは『正義の味方』に薙ぎ払われて消滅した。

「…………」

半分覗いた表情からは、心地好さを感じ取れる。

ほむら「(私は動けないわ。後はお願い――)」

テレパシーで味方に後を託して、暁美ほむらは一心不乱にバイオリンをかき鳴らした。

――今までの思いを、全てぶつけるように。



まどかは一歩前に出て、魔女と見つめ合った。

まどか「さやかちゃん、もう帰ろう? ここは誰もいない、寂しいよ」

魔女「…………」



魔女『――まど――か』
554 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/09(月) 01:56:14.19 ID:+zHUAvSAO
まどか「さやかちゃん!? 私の事、分かるんだね!」

魔女『――わた――みて――たし――して』

まどか「なに、さやかちゃん……話してみて……怖がらないで」

傷付いた友人に、優しい声を。
まどかは魔法少女に非ず、しかし魔女を癒していた。



魔女『わたしをみて――わたしをあいして――』

まどか「私を見て……私を、愛して――」



まどかの頬を、涙が伝う。
彼女は、たったソレだけを望んだだけだったというのに――

ユウリ「もう持たねぇぞ……っ」

杏子「そっちで何とかしろっ、壁張るのもしんどいんだ!」

杏子とユウリ、マミとキリカがバリケードを作っている。

その後ろでゆまが皆の傷を癒し、紅の使い魔はほむらの音楽に聞き入っていた。

ほむら『私は貴女を見捨てたりしない!』

魔女『――――。』

ほむら『私だけじゃない。みんなが――貴女を待っている』



ほむら『――貴女は、愛されている!』



ほむらの演奏は言葉となって、魔女の魂へと伝わる。
その演奏が色を持つならば――美しい蒼色を描いていただろう。



魔女『……わたし、かえり――』

バリケードが破られた。
緑の使い魔が雪崩れ込んできて――それは魔女に飛びかかる。
555 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/09(月) 01:57:01.98 ID:+zHUAvSAO
キリカ「なっ!?」

織莉子「どういう事――」

魔女は暴れ、それらを振り払おうとするが――

ユウリ「……染まっていく?」

魔女「――、――、――……」

魔女の回りを躍り続ける使い魔。

魔女は再び此方に敵意を向けていて――

ほむら「ちっ――」

ほむらは左手を離し、顎だけでバイオリンを一瞬支えた。
杏子の方向に向かって手を振り、またバイオリンを構え直す。

杏子が咄嗟に掴んだ、ほむらから投げられた物は――指輪。

ほむら『私では彼女を浄化出来ない。頼んだわよ』

杏子「――分かった!」

杏子と紅の使い魔が、残された力全てで使い魔の群れに突撃した。

使い魔の海を掻き分けて――飛んでくる車輪を避ける。

杏子「さやか、目を覚ませ!」

使い魔によって暴走させられる様は、酷く滑稽で。



そして彼女は、その剣を突き刺した。強く、強く。

「――、――」

彼女の『理想』へと。
556 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/09(月) 01:58:02.73 ID:+zHUAvSAO
杏子「――、お前!」

ステージの壁に磔にされた『正義の味方』が、真っ赤な血を吐き出す。

致命傷は免れない。

魔女は自分の憧れを――失ってしまったのだ。

失ってしまったと、思っているのだ――

「――――!」

最後の力を振り絞って、紅の使い魔は――自分の槍を杏子に向かって投げる。

「――一人ぼっちは、寂しいもんな」

杏子「――――っ」

剣に腹を裂かれながら、彼女は魔女に向かって笑いかけた。

酷く懐かしい、ソレ。

「行きなよ」

『自分』が、語りかけてくる。

「――行け!」

後悔するなと、背中を押す。

杏子は震える手で、その槍を掴んだ。

その瞬間――

杏子「――っ」

――身体中に流れ込んでくる魔力が、彼女の傷を癒す。魔力を増幅させる。

そして、勇気を与える――!

杏子「――サンキュ」

彼女は、既に消滅していた。



二本の槍が、舞台を最高に盛り上げる。

杏子「あぁぁぁぁ!!!」

背後から、仲間の援護。

使い魔はまだ多く、傷付く身体。

痛くない、それは嘘だ。

だけど今ぐらいは、せめて今だけは――痛みなんて消してしまえ。

前に行く事以外、考えるな――!
557 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/09(月) 01:58:54.66 ID:+zHUAvSAO
使い魔を斬り裂いて進む。

進む。

進む!

進む進む進む進む進む進む進む進む進む!

杏子「――はぁっ!!」

二槍が音楽に合わせて舞い踊っていた。
流れるような緋色は紅蓮の如く、焔を纏って突き進む。

そして――抜けた。

魔女へと一気に接近した杏子が、その鎧を叩き割る。

腹部に、さやかの魂があった。

QB「まさか――そんなバカな」

杏子「帰ってこい、さやかぁぁぁぁぁっ!!」

手にした指輪をソレに叩き付ける。




急速に浄化されたグリーフシードは――かつての輝きを、取り戻した。
558 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/09(月) 01:59:29.15 ID:+zHUAvSAO
投下終了
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/01/09(月) 02:02:49.60 ID:BJE5NpBd0
ひやっほう更新ktkr
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 02:04:08.42 ID:LiJqqasco
乙!
あんこちゃんカッコイイ
二槍ってなんか扱いづらそう
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 02:09:29.18 ID:bBuZIa1AO
進め進め進め!が突撃アンデルセンで脳内再生された。乙
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/09(月) 02:28:24.19 ID:8hQdSkoPo
魔女を染め直してしまう緑の使い魔恐ろしや
それだけ青と緑の因縁は深いのか…


ところで俺の叔父さんが「進」って名前なんだ
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 02:37:18.29 ID:XkZ85wp6o
こうもあっさりじゃもったいぶって魔女化させた意味あったのかしら
杏子マンセーのための舞台作りだけ?
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/09(月) 02:39:50.88 ID:AQpaNlUAo
お疲れ様でした
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/09(月) 07:30:25.64 ID:bx5m3VNoo
ほむらの武器宣言が、[たぬき]の秘密道具的なものに思えて来た


\テッテレテッテッテーテーテ/
『ストラディバリウス~!』
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 09:47:01.48 ID:MoGvygjIO
さやかが絶望と諦めを知って、その上で還って来たか……

>>563
マミさんとキリカを思い出すといいと思うぜ
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県) [sage]:2012/01/09(月) 09:51:04.91 ID:dW89axt/o
熱い展開だぜ
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 10:00:11.63 ID:sAf+LkiDO
>>562
平沢って苗字なら是非紹介してくれ
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/09(月) 10:02:55.96 ID:r50np/bM0
ベアトちゃんあっさり勧誘失敗ワロタ まさかそんなバカな!
ところでキリカ半魔女化のシルクハットにマントに鉤爪の翼ってやたらかっこいいなって思った。マミさんのも素敵だけど

ほむらが自分の命よりも大切にしてたクリーム指輪をおもいっきし叩きつけちゃうあんこちゃんあんあん!
紅の使い魔さんありがとう テーレッテー
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/01/09(月) 10:44:18.99 ID:Fs141UVAO
クリーム指輪消えちゃわないのかな
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/01/09(月) 13:27:17.21 ID:BJE5NpBd0
そこはグリーフシードを孵化させて出てきたクリームヒルトちゃんを
みんなでフルボッコにしてグリーフシード回収(以下無限ループ)ってすればいいと思うの
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/09(月) 21:14:54.01 ID:3W7NUHiFo
楽しい
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/10(火) 08:13:55.77 ID:sgmjeoQIO
同意
楽しす
574 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/10(火) 16:45:08.34 ID:VrmfioGAO
投下開始
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/10(火) 16:47:59.78 ID:wfIkP5DM0
期待
576 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/10(火) 16:48:57.95 ID:VrmfioGAO
――――杏子の手の中に。

杏子「――やった、のか」

杏子は蒼く輝くさやかのソウルジェムを手に入れた。

二度の落葉を越え、ようやく念願叶う。

彼女の感情を、歓喜が支配して――

ほむら「バカッ、離れなさい!」

魔女「――!――!!」

魂を失い、純粋な呪いのみの存在となった人魚が暴れだす。
彼女の放った斬撃は、幾千もの切断を杏子に与えた。

杏子「くっ!?」

咄嗟に自らのソウルジェムと、さやかのソウルジェムを持った手に防壁を張る杏子。

――ソレ以外は、千切れて溶けた。

頭も、足も、腰から下も、全て。

杏子に残ったのは胴体と腕一本のみで――その身体は崩れ落ちる。

細切れになった肉片が、辺りに飛び散った。
577 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/10(火) 16:49:39.92 ID:VrmfioGAO
ゆま「キョーコッ!?」

ゆまから甲高い悲鳴が上がる。
至近距離で散弾を受けるより酷く、粉々になった杏子。

だが、彼女は魔法少女だ。

キリカ「まだ生きてるよ!」

魔女は滅茶苦茶に車輪を飛ばしている。
それを遅延させ、辛くも回避しながらキリカは魔女へと接近した。

佐倉杏子の残骸――胴体に直結した片腕が動き出す。
ソレは地面を殴り付け跳ね上がった。
手で体操の様に跳躍する様は不気味だったが、そうも言っていられない。

キリカ「キャッチだ、佐倉杏子」

キリカが胴体を受け止め、一気に後退する。
ゆまは今かと待ち構えていた。

キリカ「ほら、直せるかい?」

ゆま「きまってるよ!」

ゆまが手をかざすと、失われたパーツがみるみる生えてくる。
グロテスクなソレから、魔法少女たちは目を反らした。

演奏を終えて、まどかを抱き抱えたほむらが傍らに降り立つ。

魔女は暴れ、それに巻き込まれた使い魔が次々と潰されていた。
578 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/10(火) 16:51:31.96 ID:VrmfioGAO
ほむら「……さて、仕上げよ。あの魔女を倒せば、晴れて私たちの勝利」

マミ「しかし、手強いわよ? 作はあるの?」

ほむら「こうなると火力で押すくらいしかないわ……目、大丈夫かしら?」

マミの右目はリボンで応急処置されていた。
視界は半分失われているだろう。

マミ「心配ないわよ。戦闘に支障はないわ」

ほむらは仲間を一頻り見る。

身心共に疲弊したまどか。
今も杏子の手の中にいるさやか。
半魔女化が限界に近付きつつあるマミとキリカ。
ソウルジェムの汚染も気にせず凄まじい力で杏子を修繕するゆま。
それを補助する織莉子。
魔女の様子に悠々自適のユウリ。



そして蘇る――杏子。
579 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/10(火) 16:52:19.88 ID:VrmfioGAO
ゆま「――終わった!」

杏子「手間かけたな、ゆま」

ゆまの、杏子に対して強烈に特化された癒しの祈りは――彼女を迅速に回復させる。

両手に異なる槍を持ち、ほむらの隣へ立った。

杏子「さて、ここまで来たな」

ほむら「えぇ……さやかは?」

杏子「ここに……指輪、返すな」

ほむら「正直不安だったのよ、これ外すの」

ほむらは小さく笑う。
左手にソレをはめ直し、愛おしそうに撫でる。
まだその指輪は容量を余していた。

使い魔は狼狽し、その様子が魔女を刺激して叩き潰され続ける。
魔法少女たちが無事なのは、単に動いていないからだ。

ほむら「さぁ、行きましょう。さやかの身体を蘇生させなければいけないわ……死んでしまってから随分時間が経ってしまっているから」

ほむらが時間を停止させ、皆と手を繋いで阿鼻叫喚の音楽堂を歩き――仲間の亡骸まで辿り着く。

椅子に座って黄泉を旅する彼女。

眠っていると錯覚する程に、彼女の身体は綺麗だった。
秀麗と言っていい顔の、しかし表情には哀切に溢れている。
頬を伝った涙の痕が、いやに物悲しかった。

ほむら「解くわよ」

全員が頷く。
ほむらが時間停止を解除し――
580 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/10(火) 16:58:50.53 ID:VrmfioGAO
――た矢先に、さやかの身体は地面から生えた緑色に絡み付かれた。

織莉子「っ!?」

暗緑の使い魔たちがさやかの身体を弄び――連れ去ろうと試みる。

杏子「――このぉっ!!」

キリカ「触るなっ!!」

当然その使い魔たちは例外無く惨殺されるが、それは当然魔女の目に止まる。

魔女は――自分自身を斬りつけようと、大きく――その巨大な、巨大な大剣を振りかぶった。

躊躇いなんて無い。
何故なら、彼女にとって一番憎かったのは。
彼女にとって一番殺してしまいたかったのは。

他ならぬ、正義の味方になれなかった――自分自身だったのだから。

迅雷の如き速さで振り下ろされたソレを、マミが大砲二丁で受け止める。
強力に練り上げたその武具も、一撃で皹が入る程に激しい一撃。

マミの身体が本人の意思を無視して悲鳴を上げた。

マミ「あっ――ぐぅぅっ……!!」

彼女のソウルジェムが危険な程に深く闇色に染まっていく。
足元から堕ちていく感覚が、マミの魂を支配する。

それでもなお、巴マミは折れなかった。
581 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/10(火) 17:00:04.49 ID:VrmfioGAO
ほむら「マミ――」

マミ「早く逃げましょう……コレの相手は、今は無理よ――」

だが逃げると言っても、回りは使い魔に囲まれている。

容易ではない。しかもその上に、魔女の体が歪んで変わっていった。

より強く、より速く、効率的に殺戮を行う身体へと。
結界の空間が使い魔を貪り、魔力を凝縮させて。

大剣を肩に担ぎ、小さく鋭くなったその身で魔法少女らの眼前に立つ。

キリカ「――いやはや、私は嫌な思い出しかないんだが」

織莉子「同意よキリカ。さて、どうしましょうか……」

仮面のさやかとの、二度目の邂逅だった。
582 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/10(火) 17:01:50.17 ID:VrmfioGAO
投下終了
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/10(火) 17:40:29.07 ID:uQL7H/t9o
斜め仮面のさやかちゃん来たか恐ろしや

ハイパーアルティメットまどかのソウルジェムって超巨大だったからグリーフシードとしての容量も凄いのかな
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/10(火) 18:05:26.02 ID:fPckx/huo
仮面サヤカーってかなり強かったよな……
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/10(火) 18:19:26.07 ID:peBDa7R0o
仮面さやか…いつだったっけ、初代スレ?
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/10(火) 18:28:36.87 ID:uQL7H/t9o
>>585
2スレ目200番台、半端なく強い
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/10(火) 18:38:54.53 ID:9vgASO/Lo
おつおつ
戦闘パートカッコいいな!
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/10(火) 20:16:19.34 ID:fHLQVJ0AO
来たか破面さやか!乙
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/10(火) 21:55:47.46 ID:wiOiQaZ40
マスクドサヤカ来たぜぇ…因果の影響で前回の1.5倍ほどの強さってわけか
そして契約内容が『完全な医療』だったからさらにタフネスに…オクタヴィアってほんとゾンビ
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/11(水) 03:26:47.11 ID:PhklGZQL0
乙。因果の増幅も問題だけど、個人的にはGSの有無の影響が気掛かりかな
核となるGSが無くなったことによって、魔女にとって「強み」となるか「弱点」となるか気になるところ
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/11(水) 11:04:51.55 ID:U5dvVSmWo
>>589
マスクドサヤカ……ネーミングに某ゲームの登場人物思い出したが
アイツはマミさんの地位だな
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/11(水) 15:04:45.51 ID:VwDc7OHWo
完全な医療を願ったさやかちゃんが受けた傷を自分で手術しながら迫ってきたら怖い
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方) [sage]:2012/01/11(水) 15:31:07.67 ID:+6mIbYhKo
マスクドサヤカって聞いてさやかが脳内でハンマー持った青いくちびるおばけになったんだがどうしてれるんだwwwwww
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/11(水) 21:39:09.16 ID:/Hpu2qwDO
やっぱり一筋縄ではいかないオクタヴィアちゃんだな
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/11(水) 21:58:30.26 ID:YzDnjSuk0
マスクドサヤカ「いよいよ、杏子との宿命の対決に決着をつける時…
この新兵器、ニューサヤカブレードの力、 ぞんぶんに味わうがよい!」
   ↓
  チェストォォー

つまりこうなるんだな
596 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/12(木) 00:52:31.35 ID:0h88GZwAO
テーレーレレルールールテーレレルールール(ry

投下開始。
597 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/12(木) 00:57:31.70 ID:0h88GZwAO
――――嘘だ嘘だ嘘だ。私は正義の味方なんだ。

魔女「――――!!」

音を置き去りにして、魔女はキリカの懐に潜り込んだ。

キリカ「(――遅れろ、果てなく!!)」

時間遅延の魔方陣を魔女の足元一点に凝縮し、キリカと同速程度になった魔女の攻撃を紙一重で躱す。

煌めく魔女の大剣が鼻先を掠めた。

キリカ「(こんな小さな身体であんなデカい得物を振り回せるのか!)」

大きくバックステップ、続けて遅延結界を広げた。

織莉子「みんな、精神を集中させて!」

織莉子は魔法少女同士の意識を表層レベルでリンクさせる。
戦闘における織莉子の予知情報が、隈無く伝搬された。

二人とも、ソウルジェムに魔力の余裕は無い。
援護だけで精一杯だった。

魔女「――――」

魔女がゆらりと立ち、ほむら達を虚ろなその瞳で見つめていた。
598 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/12(木) 00:58:43.92 ID:0h88GZwAO
ほむらは一歩、前に出る。

ほむら「マミも下がってなさい。貴女、これ以上戦っては……」

マミ「――冗談! まだやれるわ……役立たずは嫌よ」

マミは自前のグリーフシードを乱暴にソウルジェムに当て、穢れを回収する。
幾ばくか、黒がナリを潜めたくらいにしか効果は無いが。

背中に、マスケットの翼を再び纏った。

ほむら「……分かったわ。何かあったらすぐ下がらせるけどね」

マミ「了解」

苦しいながらにマミは笑って返す。

もう美樹さやかは助けてられているのだ――あと一踏ん張り出来なくてどうする。

杏子「どうやって切り抜ける、ほむら?」

ほむら「前に倒した時は魔女に核があった……しかし今はソレを失って暴走している状態」

魔女の回りの空間が歪んでいく。
傷んだ蒼色の魔方陣が、魔女の背中を照らした。

ほむら「正直、勝てる見込みは無いわ。ワルプルギスの夜を前に、模擬戦している気分よ」
599 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/12(木) 00:59:53.89 ID:0h88GZwAO
ユウリ「悪くない……悪くないねぇ」

ユウリが強敵を前に心を踊らせる。

杏子「じゃ、やっぱ力押しか……なら前に出る。ゆま、まだやれるか?」

ゆま「うん……でも」

杏子がゆまに振り向かず、だが信頼を持って答える。

杏子「魔力の続く限り、アタシを回復し続けるんだ」

魔女の魔方陣から剣が、刃を此方に向けて大量に現れた。

ゆま「……わかった!」

まどか「ほむらちゃん……」

ほむらも振り向かない。
目を逸らせる相手でも、なかった。

まどか「頑張って――」

それは合図か――魔方陣から、剣が銃弾の如く飛来してくる。
600 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/12(木) 01:01:16.27 ID:0h88GZwAO
ほむら「『爽』!」

杏子「行くぜぇっ!」

マミ「ティロ――!」

ユウリ「退けっ!」

ほむらは『爽』を構えつつ、盾から取り出された名剣の数々を魔女と同じく投擲し、マミとユウリは自慢の銃で空間を埋め尽くした。

魔女と二人の弾丸がぶつかり合って、凄まじい爆裂を起こす。

しかし尚、其れを貫通し飛翔する剣を――

杏子「おぉぉらぁっ!!」

――杏子が防ぐ。
二つの槍の、鞭の方を取っ手にして――もう片方を先端に縛り付ける。
巨大な縄となったソレを自分ごと高速で回転させて、魔力の壁とした。

杏子「そのまま、大回転だ!」

魔女「――!?」

広範囲の破壊が魔女の身に襲い掛かる。
魔女は大剣を盾にして防ぐが、回転を続ける二槍は――鋸の様に防御を削り斬っていった。

マミ「余所見は駄目よ! ティロ――フィナーレッ!!」

マミが巨大なマスケット銃で殴りかかり、吹き飛んだ魔女に追い討ちで必殺を撃ち込む。

魔女は壁に叩き付けられ――しかし傷は、圧倒的早さで治癒されてしまった。
601 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/12(木) 01:02:33.78 ID:0h88GZwAO
ほむら「――やはり、強大な一撃を持ってして漸く消滅に追い込める……と言った所ね」

冷静な看破は、しかし不利の再確認だった。
火力を出すならマミかキリカ、ユウリだが――皆、消耗が激しい。

なら、残った唯一の手段は。

ほむら「……『焔』」

自らの、溢れる翼の魔力を増幅した、オーバーヒートまでの僅かな時間を利用する一撃。
それしか活路は無かった。

ほむら「……杏子」

杏子「……なんて顔してんだ。なぁに、アタシにはゆまが着いてる。どんな怪我だって、怖くないさ」

杏子「やるぞ」

ほむら「……えぇ」

効果無しと見て、魔女が再び近接戦闘に切り替える。

一つ、跳躍。
それだけで魔女は杏子のリーチに潜り込めた。

予知と時間遅延の加護により、突貫を回避する杏子。

杏子「よく見てろ……全開だぜ――『ロッソ・ファンタズマ』!!」

実体を持った幻想が、凡そ百体償還される。
それは全て暴力となって、魔女に雪崩かかった。

魔女「――!」

だが魔女は大剣を地面に突き刺さし、両手に剣を構える。

理性を失いながらも、幻想を片っ端から斬り捨てていく様は――確かにさやかを想起させた。
602 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/12(木) 01:07:08.09 ID:0h88GZwAO
杏子「オラオラァ! まだまだ!」

杏子たちの影に隠れ、ほむらは魔女の隙を伺う。
あれだけの数を相手にするのだから、ソレが生まれてくれなくてはどうしようも無い。

ユウリ「ソコだ、『イル・トリア――』、がっ……!?」

ユウリが足元から生やした蔦を斬り払い、声に向かって魔女は剣を投げた。

それはユウリのジェムに直撃して――流石と言った所か、ジェムはヒビこそ入るが割れず。
しかし形を保てなくなり、ユウリはその身のまま地面に落ちた。

ほむら「ユウリ!?」

次々と消えていく幻。
痺れを切らした杏子が、槍を二本前に構えて魔力を練る。

そして、真っ直ぐ突き穿とうとしたが。

魔女「――」

杏子「かっは――」

魔女に易々と見切られて、深々と腹部に剣を突き立てられてしまった。



杏子は一塊の血を吐いて――笑う。

あろうことか、魔女を抱き締めた。




魔女「?」

杏子「――バーカ」

魔女「!!!?」

魔女は狼狽する。

何故ならば、自分の腹部に深々と突き刺さる――宝銃剣を感じたから。

杏子の背後――魔女の死角から、杏子の背中諸とも魔女に『焔』を抉り込んだのだ。

他ならぬ、ほむらが。
603 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/12(木) 01:07:34.82 ID:0h88GZwAO
杏子の変身が解け、ソウルジェムをほむらに預ける。

魔女「!!?」

魔女は暴れるが、既に手遅れで――

杏子「ゆま、修復頼んだよ――やれっ!」

ほむら「――っ。ごめん、なさい!」

トリガーを引き、魔力が暴発して破裂する。

杏子は腹部から爆ぜて、魔女は――
604 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/12(木) 01:08:34.52 ID:0h88GZwAO
――――誰か私を殺して。

ほむら「やった!?」

爆煙が舞い上がり、視界が遮られる。

ゆま「キョーコ!」

ゆまが、恐らく最後になるだろう魔力を使って、杏子に高速治癒を施す。

身体が空を飛んで、降りてくる頃には――元通りになっていた。

杏子「……自爆はもう勘弁だな」

ほむらからソウルジェムを受け取り、魔力を消耗して気絶したゆまを支える。

ほむら「今回は貴女がいなければどうなっていたか……素晴らしい立役者だったわ」

織莉子「こっちも限界ですわ……」

キリカ「も、もう無理だ。立っていられないよ!」

織莉子も地面に座り込み、立つ気力すら失われているようだ。
キリカに至っては大の字になって寝転んでいる。

マミ「ちょっと……疲れちゃった」

杏子「ああ……早くさやかを連れ帰って晩飯と行こうぜ――」





ほむら「――嘘」

勝利の雰囲気を壊す、ほむらの一言。






魔女「……――……」

満身創痍ではあるが、仮面の魔女はまだ動いていた。

傷を癒しながら、足を引きずって近寄る――さやかの死体へ。
605 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/12(木) 01:09:26.13 ID:0h88GZwAO
ほむら「――まさか!?」

自らを殺そうとしているのだろうか。
せめて、自分だけはと。
誰を呪う訳でも無く、彼女は。

ほむら「やめなさ――うぐっ!?」

ほむらが足を縺れさせて転ぶ。
彼女の羽は今は消えていて――ソレが、ほむらにも限界が近い事を表していた。

ほむら「くそ――動いて、私の、身体……っ」



誰一人として、魔女に立ち向かえる者はいなかった。
事実上の、全滅。



だが――まだ一人だけ。

美樹さやかの味方は、居た。

まどか「――っ!!」

ほむら「まどか!?」

鹿目まどかはさやかの身体まで全力で走った。
使い魔は居なくなり、脅威は緩やかに歩み寄る魔女のみ。

まどかはさやかの身体を抱えて、必死に魔女から離れようとした。

まどか「私だって……みんなを守れる……っ」

少女の力なりに、軽いさやかの身体を運ぶ。
時間稼ぎにもならないかも知れないが、それでも。

まどかは諦めたくなかった。

父は言った。どうせ後悔するなら、好きにやってしまえと。
母は言った。変わりに間違ったって良いと。

なら、私は動く――!
606 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/12(木) 01:11:55.32 ID:0h88GZwAO
まどか「はぁ、はぁっ……」

必死に逃げるまどか。
治癒が進み、歩みがだんだんと速くなってくる魔女。

杏子「くっそ……変身する魔力もねぇ……」

マミ「そんな……ここまでだって言うの……そんなのって――」

舞台から落ちた役者は、二度と同じ舞台には立てないと言うのか。
もしそうだと云うのなら、因果とは何と憎らしいモノだろうか。

まどか「――きゃっ!?」

まどかが躓いて倒れる。
魔女は――追い付いてしまった。

魔女「――――」

まどか「――だ、ダメッ!」

まどかはさやかの身を抱いて、自分を身代わりにさやかを庇う。

キュゥべえは、複雑な表情で近寄り――まどかにただ言った。

QB「……もしも契約しなければ、キミは死んでしまうだろう」

QB「ソレはキミも望まないはずだ」

まどか「ううん……それでも」

まどか「私は、契約しない。信じてるから――」

魔女が剣を突き立てる体制に入る。
まどかと一緒に串刺しにするのだろう。

QB「……わけがわからないよ」

ほむら「まどかぁぁぁぁぁぁっ!!」

ほむらの悲鳴は、誰に届いたのだろうか。

魔女はソレを、強く突き出した――
607 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/12(木) 01:15:04.77 ID:0h88GZwAO
――――ありがとう。

まどかは強く目を閉じ――そして不思議に思った。

刺されたにしては、痛みが無い。

魔女「――。」

「ありがと、まどか」

自分の傍から、良く知った声が聞こえた。

美樹さやかが、まどかの背に刺さる寸前の刃を――素手で掴んで阻んでいた。
夥しい量の血が流れるが、彼女は嬉しそうに小さく笑っている。

さやか「みんな……ごめん。ありがとう」

ほむら「――そうか、自己治癒していたのね!」

さやかのソウルジェムが戻った時点で、さやかの身体は無意識に生き返ろうとしていたのだ。
惜しむらくは、ジェムとの距離が遠く、充全に魔法が発揮されなかった事だろうか。

さやかは掴んだ剣を無理矢理消滅させ、まどかを抱えて大きく跳躍した。

杏子の側に着地し、屈む。

さやか「ありがとう、杏子……ソウルジェム、返してもらうね」

杏子「さやか……お前、何を――まさか」

さやかは魔法少女へと身を変える。

自分に瓜二つの魔女と対峙し、それを見据えた。

魔女とさやかが、互いに剣を構え合う。

さやか「――自分の事くらい、自分で片を付けるよ」

――そして雑じり気の無い剣撃で、華麗な剣劇が始まった。
608 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/12(木) 01:15:46.67 ID:0h88GZwAO
――――彼女は絶望し、一つ大人になった。

さやか「…………」

魔女「――――!」

魔女が背を限界まで反らせて飛んできた。
身体全体をバネの様にして、その剣を叩き付ける。

が。

魔女「――!?」

さやか「……もうさ、止めよう?」

ソレは真正面から、剣で受け止められた。
さやかの足には、見慣れない――魚鱗を装飾した装甲が備わっている。

さやか「分かるよ、アタシだからさ……だから、アタシの中で思い出になって――眠っていて」

魔女の力は、彼女に『脚力』を与えた。

鍔迫り合いなどしない。
一方的に魔女が打ち負けて吹き飛ばされた。

魔女「――――!!」

だが、空中で魔方陣を展開し――魔女は大量の剣弾で空間を削り取る。

さやか「……寂しいよね」

飛んでくる弾丸を掴み、返す手で次を打ち払った。
自分の得物と同じで、嫌になる程手に馴染む。

掴み、落とし、砕け、掴み、落とし、砕く。

さやかは魔女に向かって、ただソレを繰り返しながら歩いていた。

弾かれた剣が地面に突き刺さって、広大な墓地のように――騎士たちが戦場で戦った後の風景にも似た、ソレを作る。
609 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/12(木) 01:17:27.04 ID:0h88GZwAO
魔女「――、――!?」

杏子「――すげぇ、マジかよ……」

さやかが一歩足を出し、そして魔女は一歩下がらざるを得ず。

魔女「――――!!!」

魔女が、地面に突き刺さっていた『魔女の大剣』を抜いて――さやかに向かって、強く振り切る。

死んでしまえ、私なんか――

そう、聞こえた。

さやか「ごめんね」

大振りなソレの懐に、一瞬で潜り込む。
時間停止でも何でもない、純粋な速さ。
風を遠く引き離し、音を置き去りにして、光に手を伸ばす――速さ。

さやかは魔女の右腕ごと、その大剣を斬り上げた。

魔女「!?」

魔女は大きくよろけ――大剣はその質量を感じさせない速度で、空を回転しながら落ちてくる。

さやかの右腕へと。

さやかがソレを掴み、勢いを殺すために横薙ぎに一回転。

頭上でソレを構えて、強烈な魔力を注ぎ込む。

さやかの背後、蒼い魔方陣が次々に展開され――さやかの肌を輝かせた。
右腕に直接描かれた魔方陣――音楽記号を模した――が浮き上がり、魔力を『大剣』に集中させていく。

魔女「――」

さやか「大丈夫。少し、アタシには眩しいだけだから――」

『魔女の大剣』は、振り下ろされる。






魔女も、仮面の下で――『ありがとう』と言った。
610 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/12(木) 01:20:53.20 ID:0h88GZwAO
――――消える音楽堂。

さやか「……さよなら、アタシ」

ほむら「さやか……」ググッ……

さやか「みんな、ごめん……面倒かけちゃったよね」ポワン

キリカ「おっ――」ガバッ

織莉子「傷が、消えた――体も軽い」ムクッ

ユウリ『ヒビも無くなったぞ!?』ワーイ!

ほむら「ほら、ユウリ」スッ

ユウリ『ぶっちゃけ死ぬかと思ったよ』ユビワー

ゆま「う、ううん……さやかおねーちゃん?」ムクッ

マミ「お帰りなさい、美樹さん」ニコ

さやか「…………」ウーン

さやか「…………」アノー

さやか「…………」エート

さやか「た、ただい……ま?」ニヘ

ほむら「さやかぁぁぁぁぁぁ!!」ガバッ!

杏子「さやかぁぁぁぁぁぁ!!」ガバァッ!

まどか「えっ、あの、さ、さやかちゃぁぁぁぁぁぁん!」ガバチョ

さやか「わ、わぁっ」ギュムムー

ゆま「ゆまもっ」ギュー

キリカ「恩人、私も混ぜろ」ギュウ

織莉子「あら、では私も」ギュッ

マミ「ふふっ、皆ずるいわ」ギュム、ムニュン

ユウリ『何この疎外感』ジェムーン

さやか「わわ……苦しいよみんな……」ギュウギュウ
611 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/12(木) 01:22:43.02 ID:0h88GZwAO
ほむら「あぁ……生きている。さやか……本当に、本当に――」ウルッ

杏子「な、泣くなって。止めろよ」グスッ

さやか「ちょ、ちょっと二人とも――いや、ありがと……ほむら、杏子。それに皆」

さやか「(こんなに、アタシを思ってくれていたのに……アタシ、何やってたんだろ)」

さやか「――アタシって、ほんとバカ」

アハハハ――










QB「…………」スゥ……
612 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/12(木) 01:23:18.62 ID:0h88GZwAO
――――ベアトリクス。一人。

QB「……魔法少女は奇跡を起こす――それは確かだ」

QB「でも、有り得ないよソレは。有ってはならない……」

ベアト「だってそれじゃ、彼らは何故死ななきゃならなかったんだ――」



『ベアトリクス』

『ベアト』

『ベアト殿』

『ベアトさん』

『ベアトリクス・クヴァンツ』

『ベアトちゃん』

『お姉ちゃん』



QB「っ」ズキッ

QB「何だ、今のは……?」

QB「どうして、こんなに悲しいんだ……どうして――」

QB「『悲しい』――? ボクが、悲しんでいるというのか――?」



QB「……ボクは、誰だ?」
613 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/12(木) 01:23:52.00 ID:0h88GZwAO
投下終了
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/12(木) 01:24:27.94 ID:vfPmraTDO
おつ

さやかああああああああああああああああああああ
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/01/12(木) 01:24:39.71 ID:bnqisCMco
乙乙
さやかちゃんカッコ可愛いねぇ
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/12(木) 01:29:35.07 ID:UAeAgL1Bo
お疲れ様でした

・・・・・・・・・・・・・・ふむ・・・・・・?
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2012/01/12(木) 01:56:29.76 ID:LCymrwjSo
ふぅ、やっぱ戦闘シーンカッコいいねぇ。
読んでるとしばらく息すんの忘れてる事あるわ。
最近ペース早いし続きが楽しみだ。
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/12(木) 02:40:30.96 ID:p4Ds3wkQo
さやかちゃんにどこかの世界のランスロットさんが憑依しますた
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/12(木) 02:46:19.48 ID:zdW+tBKto
おつおつ

マミさんがティロ・フィナーレ(物理)したかと思ったらちゃんと撃っててホッとしたよ
そして、ムニュン
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/12(木) 04:29:23.48 ID:tOvWkk/DO
熱い、熱いぞ!

しかし脱け殻状態まで喰われたり腹から爆散したり、最近散々だな杏子ちゃん
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/12(木) 07:36:06.70 ID:NvE237TIO
あんこちゃんあんあん!
622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/12(木) 08:21:48.42 ID:SGR90GjZo
爆散の魔法少女はきっとギャグマンガ界の住民
623 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/12(木) 11:57:33.60 ID:0h88GZwAO
車に跳ね飛ばされました。
去年の経験を生かし、今回はまさかの軽傷。
SS書いてる奴は事故るから気を付けろよー
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/12(木) 12:13:54.81 ID:ucMK9BpAO
何と言うか大事にならなくて良かっ…
>去年の経験を生かし
……去年もあったのかよっ!?
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/12(木) 12:38:26.55 ID:NvE237TIO
>>623
無事でよかったよ
もしかして書き手にもSGあるのか!?
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/12(木) 12:39:07.03 ID:IAvruLDX0


いのちをだいじに
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/12(木) 13:26:57.76 ID:BSJ6J0Gno
事故は魔女の仕業だきっと
628 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage saga]:2012/01/12(木) 13:28:05.38 ID:0h88GZwAO
>>624
去年は死にかけながらSS書いていた。あれ完結させなきゃなー
629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/12(木) 13:44:10.40 ID:d7lGQ88IO
車との事故は普通の想像よりも結構あるから困る
自分も生身で一回、バイクで一回ありましたし
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/12(木) 17:24:46.25 ID:SGR90GjZo
事故は甘え
3年に1回のペースで事故るといい加減慣れる
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/12(木) 18:43:09.52 ID:iNHea3b8o
あんこちゃんボディ→金剛モンク
あんこちゃんジェム→ディボクルセ
ゆまちゃん→プリさん

古い知識だが最近の戦いはこんな風に感じた
632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/12(木) 18:46:46.20 ID:yyNEGMpfo
ROか…
ひゃっくたん元気にしてるかな?
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/12(木) 20:06:58.46 ID:dq5MzIZTo
俺もバイクに轢かれた程度ならあるが
経験を活かし軽傷で済んだってどういうことだ……
俺ももしのとき実践したいから教えてくれ
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/01/12(木) 20:21:54.01 ID:UNbFf6VAO
乙でございます

実は織莉子ちゃんもキリカちゃんもおっぱいおっきいんですよー
なんて補足してみたり
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/01/12(木) 21:21:44.56 ID:PSCn/5A70
さやか「思い出の中で、じっとしていてくれ」
オクタ「私は、思い出にはならないさ」

こういう事ですね、わかります。
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/12(木) 22:08:44.84 ID:cNZrLy780
半魔女化さやかちゃんことオクタヤカちゃんまじランスロット
腕がよく無くなるどころか杏子はよく全身吹き飛んでるよね。これがリザレクションか
あぁ、ベアトちゃん…なんとかして幸せになってほしいなぁ…

SS書き手が事故に遭うのはマジ 俺も何度か死に掛けたことがあるぜ…魔女が原因だろうか
何はともあれ無事でよかったよ
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/12(木) 22:10:34.65 ID:QMb3ad8c0
さやかは万事よしか。ベアトがちょっと不吉な感じだが…
638 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 00:04:24.19 ID:wQqrBhXAO
今日は流石に投下できねぇマジ無念。

>>633
こう……なんか、こう、受け身をね。激流に身を任せ同化するっていうかね?
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 00:04:57.23 ID:kZj7LuqPo
どうかするのか…
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 00:08:33.19 ID:RuvqmP5vo
>>638
トキ兄様でしたかwwww
641 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 00:11:53.56 ID:wQqrBhXAO
>>640
俺は天才だからな!……ん、間違ったかな?

あーでもちょっと書くわ本編になんも関わらない何か書くわ駄文書くわソレがエンターテイメントだわ。




ほむら「はっ、まどかをジャイアントスイングすれば合法的にパンツ覗き放題じゃない!」

まどか「まずジャイアントスイングが違法だよほむらちゃん」
642 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 00:14:17.85 ID:wQqrBhXAO
ほむら「…………」ジリジリ

まどか「執拗に足を狙うの止めてくれないかなほむらちゃん」
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 00:15:44.83 ID:/EFYsz1to
じゃあ合法的にゆまっちにセクハラする杏子ちゃんをだな
644 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/13(金) 00:15:48.07 ID:wQqrBhXAO
ほむら「ふっ……ふっ……」グルグル

まどか「その行動力だけは評価するよほむらちゃん」
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 00:16:37.67 ID:kZj7LuqPo
えっ…やってしまっているのこれ…?
646 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 00:17:00.67 ID:wQqrBhXAO
上げちまった……恥ずかしいなコレ。

まどか「ほら、見たかったんでしょ。ほらほら」ピラピラ

ほむら「あわわわわわわ」
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 00:17:43.65 ID:RuvqmP5vo
ほむほむが照れてらwwwwww
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 00:18:52.82 ID:kZj7LuqPo
やだこのまどっち黒いわ…どろどろに黒いわ…
649 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 00:19:36.29 ID:wQqrBhXAO
即興だからツイッターしてるみたいだ。



ゆま「ところでキョーコ、ずっと気になってたんだけど」

杏子「ん?」

ゆま「ここロリコンしかいない」

杏子「>>1も含めてな」

ゆま「八方塞がりだよ!?」
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 00:21:43.85 ID:/EFYsz1to
ではベアゆまをですね…
651 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 00:22:55.33 ID:wQqrBhXAO
杏子「でも>>1は『イエスロリコンノータッチ』らしいぞ?」

ゆま「でもお父さんの件があったよね」

杏子「キリストもロリコンには触りたくないんだなぁ……」シミジミ

ゆま「えっ、何これ噛み合ってない」
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 00:24:43.95 ID:kZj7LuqPo
イエス、ロリコンノータッチじゃねぇよwwwwww
お父さんの件は脳内だとなかったことにしちゃったわ
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 00:25:59.88 ID:/EFYsz1to
お父さん…?
杏子パパってまさか手出しちゃったっけ
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 00:26:31.26 ID:kZj7LuqPo
ゆまっちのあれだよ
655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 00:26:55.05 ID:RuvqmP5vo
あんこちゃんゆまをあんあん!
女同士ならロリコン違う
656 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 00:28:11.78 ID:wQqrBhXAO
さやか「はい並んで並んでー」ピピー

マミ
織莉子
キリカさやか
杏子
まどか
キュゥべえ
ほむら
ゆま

マミ「……何の順番?」

キリカ「恩人と私だけ隣り合わせかい?」

QB「……何故キミたち人間は乳房の大きさを比べたがるのか理解に苦しむよ」

杏子「あ、ホントだ。胸順だ」

ほむら「勝ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁしゃらぁぁぁぁぁぁっ!!!」

まどか「ソレで満足なのほむらちゃん」

ゆま「ロリ枠だよゆま……」

織莉子「ちょっ、私喋れてな――」
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 00:29:20.53 ID:/EFYsz1to
イエスロリコンイエスタッチイエスファック
バット、イエス虹ノー惨事
誰の名言だっけか

ああ、そうだゆまっちのパパか

そうか女同士なら合法だった忘れてた
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 00:31:41.45 ID:kZj7LuqPo
そういえばさやさやって意外と大きいんだよな…
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 00:33:30.30 ID:/EFYsz1to
どっかで「マギカシリーズで双璧を成す双乳」て言われてなかったっけおりマミ
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2012/01/13(金) 00:33:39.48 ID:ILXipeBfo
だがしかしめがほむになるとでかくなるほむらちゃん
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 00:34:16.31 ID:axhsGSS/0
推定C〜Dですぜ、旦那。あれで中学生ってんだからおっそろしいでまったく!
え、マミさん? Eくらいあるんじゃないっすか?
662 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 00:34:50.66 ID:wQqrBhXAO
ユウリ「…………」ポツネーン



ユウリ「今だから言うけど、美樹さやか戦」

ユウリ「……実は私、マスクドサヤカの時に>>1に書き忘れられてて初稿の時いなかっ――」

ほむら「そこまでよ!」
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/13(金) 00:36:13.91 ID:RFHKafhDo
マミさんのが一番大きい理由は・・・・・・・・・まさかね・・・・・・・・。
さすがにプロが描いているからないと信じたいわけですが・・・・・。
さて。
664 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 00:36:21.24 ID:wQqrBhXAO
ほむら「で、胸は?」

ユウリ「杏子とキリさやの間」

ほむら「シット!」
665 :ほむら ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 00:39:11.67 ID:wQqrBhXAO
ほむら「まどか……」

まどか「ほむらちゃん、好きだよ……」

ほむら「私も、愛してるわ」

まどか「ほら、ほむらちゃんのソレ……入れて、ね?」

ほむら「わか



杏子「ホラ止めようなー」グイグイ

ほむら「チクショウ、せっかく名前欄まで乗っ取ったのに!」
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 00:39:52.39 ID:/EFYsz1to
あいりちゃん中堅おっぱいYAHOOOOOO!!!
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/13(金) 00:42:01.31 ID:0/lSpwBuo
oh!バカエロ!
668 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 00:42:16.39 ID:wQqrBhXAO
ほむら「本編がスレタイ詐欺過ぎる!」ドンッ!

杏子「今さら……?」

ほむら「もっとこう、このスレを開いた人は期待していた筈よ!」

QB「いや、十中八九『わけがわからないよ』だと思うよ。最初は」
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/13(金) 00:43:49.13 ID:0/lSpwBuo
おはよウナギ!
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 00:43:53.69 ID:/EFYsz1to
ではでは早速ゆまちゃんに生やして少し遅目の姫始めとしましょうか
671 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/13(金) 00:44:55.49 ID:wQqrBhXAO
ほむら「結局貴女はロリ枠なの?」

ベアト「残念ながら違うね。確かに胸囲には乏しいが、身長はほむらより少し小さいくらいはあるよ」

ほむら「それを世間ではロリと呼ぶのよ」
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 00:45:10.82 ID:kZj7LuqPo
ここのスレ住民は相変わらずで安心した
673 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 00:49:07.21 ID:wQqrBhXAO
ほむら「おはよウナギ(裏声)」

昔→今

ほむら「貴女が生きていて……良かった」



ほむら「我ながらわけがわからないわ」
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 00:50:52.53 ID:kZj7LuqPo
わけがわからないよ(ほむほむによる声真似)
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 00:51:33.26 ID:/EFYsz1to
Q.生えますか?

A.はい。その気になれば何本でも。
676 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 00:51:39.30 ID:wQqrBhXAO
ゆま「――――」キャッキャ

QB「――――」ウフフ



ほむら「あぁ……浄化されていく。レイプなんて必要なかったのね」ペカー

杏子「ソレがなきゃ話進んでなかったからな?」
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 00:52:52.69 ID:/EFYsz1to
これは……!

素晴らしいありがとウサギである……!
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 00:53:28.46 ID:/EFYsz1to
おやすみなサイ
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 00:55:47.72 ID:kZj7LuqPo
万物に無用なものなど存在しないのです

たぶん
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/01/13(金) 00:56:07.16 ID:Tmp3z0FGo
そういや最初期でもワルプルギス相手にノーミスクリア目指せるくらいには強かったな……
681 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 00:56:18.35 ID:wQqrBhXAO
ほむら「住人の勢いを感じる」

織莉子「確かに……スレを立てた時、いや今でさえ読者は5人程度だと思ってましたが」

ほむら「いつもそんな気分で書いてるしね。だから>>1素っ気ない事しか書けないでやんのよ」

織莉子「『投下開始』『投下終了』だけの日ばっかりですしね」

ほむら「今日は一夜限りのサタデナイッ、皆着いてきなさい!」

織莉子「>>1も明日金曜だろうに……」
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/01/13(金) 00:58:02.36 ID:Tmp3z0FGo
いや、ぶっちゃけROMのみの人も多いと思うよ? 自分もさっきまで静観してたし
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/01/13(金) 00:58:37.41 ID:WH0uy0fOo
隊長!!

さやかとマミさんがお互いのお互いをあーやってこーやって
洗いあってるシーンを読んでみたいです!!
684 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 01:01:01.41 ID:wQqrBhXAO
まどか「ほむらちゃん、オマケ枠だよねココ。何しても良いよね」ニヤリ

ほむら「――――っ!」

ほむらは背筋に戦慄を走らせた。
否応なしに染み出る汗が、服を貼り付けて酷い気分――

まどか「そういうの(地の文)いいから」

まどか「ほむらちゃんが何か落とした……リザルト?」キャルンッ

ほむら「やめてぇぇぇぇぇぇ!?」イヤァァァ!?
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 01:01:09.57 ID:mrwKVDzDO
ぺろぺろ
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/13(金) 01:02:03.91 ID:QXj30ab8o
まどマギのキャラはマルチクラスだよな
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 01:02:41.81 ID:exHaqrtCo
ユウリってジェムジェムな訳だからほむらが風呂やらトイレの時っていやなんでもない
688 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 01:04:09.23 ID:wQqrBhXAO
開始時

ほむら
筋力E→A+
耐久E→A
俊敏B→EX
魔力E→EX
幸運C→F-

祈りEX

練達A
精神汚染EX
傲慢A
単独行動B
カリスマE
メンタル(弱)C
過去の奇跡B
概念信仰EX
武器制作D
素直C→×
臆病B→×



ほむら「あ、あわわ……あの時見えてなかった部分まで」ガタガタ

まどか「コレについてお話があるなーわたしー」ニタァ
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/13(金) 01:04:16.44 ID:skiondKlo
>>646
ttp://s.cyrill.lilect.net/uploader/files/201106062149350001.jpg
こういうことか
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/01/13(金) 01:04:39.27 ID:73hRKlmAO
そこはおりマミをですね…ピッチジェネラーティなんですし
いやしかしおりゆまの疑似母乳プレイも素晴らしい
キリまどの「恩人だと思った?残念ふたなり巨根キリカちゃんでした!」ブルルンプレイも捨てがたい
「ダメですよキリカさん…女の子は女の子のままが一番いいんですよ…?」な流れになってくれたら勢いで富士山登ります
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/13(金) 01:05:20.56 ID:QXj30ab8o
ところでキャッキャッウフフでエントロピーがー、って某スレのジュウベエさんの目指すところだったような……
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 01:08:41.53 ID:kZj7LuqPo
ここの住人は百合好きが多いのかは知らんが俺はまどっちを愛している
ただそれだけだ
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/13(金) 01:09:44.99 ID:rPIqCSt00
祭りと聞いて別世界線から飛んできたぜ…うどん食ってる場合じゃねえ!

ベアトちゃんと愛のあるえっちをしたいのに十兵衛さんが許してくれません
694 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 01:11:25.17 ID:wQqrBhXAO
まどか「ちなみにほむらちゃん、本編のまどかマギカではどんなステータスだったのかな?」

ほむら「そ、それは……」

ほむら
筋力E→E+
耐久E→E+
俊敏B→B+
魔力E
幸運D

祈りEX

練達C
精神汚染C
単独行動D
メンタル(弱)C
武器制作D
素直C→×
臆病B→×
因果の敵B


まどか「……弱っ」

杏子「止めろぉ! ほむらのライフはゼロだ!」
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 01:14:49.17 ID:KXaoCRDDO
確かに最初らへんは訳が分からないよ状態だったなぁ

ホントに最初らへんだけど
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 01:14:59.04 ID:kZj7LuqPo
黒いまどかさんに冷たい目で見られた後踏みつけられて微笑んでもらいたい
でもかわいいまどっちといっしょにぼーっとしていたい
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/13(金) 01:16:45.23 ID:rPIqCSt00
織莉子とキリカが週に何回交わっているのか気になって眠れないぜ…
パカエロ!パカエロ!
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 01:22:16.29 ID:kZj7LuqPo
愛を確かめる方法は人によるからな
699 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 01:23:07.33 ID:wQqrBhXAO
まどか「ほむらちゃん、正座」

ほむら「はい……」

筋力E→A+
耐久E→A
俊敏B→EX
魔力E→EX
幸運C→F-

まどか「凄いね。でもこの幸運は何かな?」

ほむら「いえ、あの……傲慢スキルで低下してます、はい……」

まどか「スキル? ちゃんと説明してよ」

ほむら「……魔法少女は精神汚染B以上で魔女になります。精神汚染が高いと、同ランクじゃないと話が伝わりません」ビクビク

ほむら「でも概念信仰のお陰で魔女化しません、はい」

まどか「ふーん、で?」

ほむら「傲慢で精神汚染が進む代わりに戦闘力が上がります……」

まどか「カンストしてるよねソレ」

ほむら「うぐ……練達で精神汚染と傲慢を補助しています。単独行動すると更に戦闘力上がります!」

まどか「カリスマEですが?」

ほむら「そ、それは……リーダーとしての素質が……」

まどか「でもこのランクだと士気下がるよね。凄く」

まどか「メンタルも弱い……素直で臆病なほむらちゃんは帰ってこない……はぁ」

まどか「普通なら不採用だよほむらちゃん」

ほむら「就活の話は止めて!>>1が死ぬわ!」
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/13(金) 01:23:46.02 ID:rPIqCSt00
ゴジほむがゲスト出演してたんだから姉さんが出てきたっていいじゃない!
なんて贅沢を言ってみるぜ

このスレも魔女スレも平和で何よりです
701 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 01:25:52.42 ID:wQqrBhXAO
マミ「凄いわ、ダークヒーローじゃない!」キラキラ

さやか「マミさんのステータス、『単独行動』と『孤独』のランク高いんですけど」

マミ「鬱だ死のう」
702 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 01:29:03.69 ID:wQqrBhXAO
ベアト「意外とネタ出るね」

七瀬「ねー♪」

ベアト「あ」

七瀬「バカエロ、する?」

ベアト「アレがバカエロに見えるのはホロウ淵だけで充分だよ」
703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 01:30:34.29 ID:kZj7LuqPo
ああ、平和だな
704 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 01:34:57.76 ID:wQqrBhXAO
マミ「洗いっこしましょ美樹さん」ムニュン

さやか「良いですね、せっかくのお風呂だし」モニュン

マミ「ほら、泡を体に……にゅるにゅるー♪」ヌルン、ヌルン

さやか「あっは……気持ちいいです」ニュクニュク



さやか「で、どうよ? アンタのソレおっぱいで挟まれてる気分って」

ほむら「――、――っ、くふっ――」ビクンビクン

さやか「腰、すっごい跳ねてる……」




マミ「ここから先はwebでね!」バチコーン!
705 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 01:37:03.49 ID:wQqrBhXAO
ほむら「オマケにしかエロが無いって、もう食玩よね」

杏子「ラムネうまー」
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 01:37:16.50 ID:kZj7LuqPo
なぜだろう、さやほむは趣味じゃないんだよな。友情なら好きなんだけど
707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方) [sage]:2012/01/13(金) 01:37:23.57 ID:1dG5K8Fqo
ここがwebだ!
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2012/01/13(金) 01:37:56.85 ID:ILXipeBfo
そういや魔女になってないのはあんこちゃんとゆまぺろと織利子だけかこのメンバー
ほむらは色々と怪しいので除外するとしてなんだか非常に危ういパーティだな
709 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 01:39:12.38 ID:wQqrBhXAO
さやか「もう後はワルプルギスだけ?」

ほむら「いいえ。申し訳ないけど、まだ書く脇役いるから」

さやか「誰だよ……」
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 01:40:11.08 ID:kZj7LuqPo
脇、ねぇ…
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/13(金) 01:40:37.07 ID:skiondKlo
ほむほむの無乳をさやかちゃんの美乳とマミさんの巨乳で挟むのがいいです!
712 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 01:43:38.38 ID:wQqrBhXAO
ほむら 因果操作
マミ 半魔女化
杏子 覚醒、二槍
さやか 因果集中 半魔女化
まどか まどか☆マダカ
キリカ 半魔女化
ゆま
織莉子
ユウリ 『魔女』


ゆま「ゆま強化されてない……」

織莉子「私たちは能力がオンリーワンですからね」

まどか「私の項目何事」
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/13(金) 01:44:50.27 ID:skiondKlo
ゆまちゃん、目からビームだしてもいいのよ
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 01:45:08.00 ID:kZj7LuqPo
もうタイトルまどか☆マドカでいいよ
715 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 01:45:19.41 ID:wQqrBhXAO
さやか「はっ、まさかさやかちゃんの事か!」

ほむら「貴女は腋役よ」
716 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 01:46:50.84 ID:wQqrBhXAO
ほむら「寝るか、徹夜でナナドラするか……それが問題よ」

杏子「寝ろよ」
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 01:48:04.89 ID:kZj7LuqPo
あれ、こんなところに俺がいる
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/13(金) 01:49:05.43 ID:skiondKlo
PSPのななどらだろうか?
絵がモタさんじゃ無くなってたからスルーしちゃってた
719 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 01:50:47.25 ID:wQqrBhXAO
ほむら「貴女の声が若本な世界線もあるのよ」

QB「酷いカオスだね」

ほむら「私怪獣と一緒に戦ったりするのよ」

QB「わけがわからないよ」

ほむら「時にはスレ住人が介入してくるわ」

QB「わけがわからないよ」

ほむら「うんこマンの魔女とか」

QB「最高にわけがわからないよ」
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 01:52:02.89 ID:kZj7LuqPo
いまだにDS版やってる人間です
PSPもかわいいけどやっぱルシェがいないと…
721 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 01:57:58.71 ID:wQqrBhXAO
中沢「1スレ目の俺はただの変態だったのに」

中沢「気付けばいい役を貰っていた、中沢です」

ほむら「『中沢イケメン』のコメント沢山頂いたけど、残念ながら中沢君はモテないわ」

中沢「恥ずかしながら」アハハ……

ほむら「女にモテるのは『女に都合の良い男』よ」

ほむら「それがまぁ、イケメンだったりお金持ちだったりとかで」

ほむら「理論的な男って寧ろウザがられるわよね」

中沢「友達は多いんだけどね……」

ほむら「私は貴女を分かっているわよ、中沢君」ニコ

中沢「あ、暁美さん!」

ほむら「(そしてモテる女は男の理解者よ)」ニヤ

ほむら「ほむ中って新しいわね」
722 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 01:59:11.51 ID:wQqrBhXAO
ほむら「PSPのよ」

キリカ「世界観が面白いよね」
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/13(金) 01:59:27.17 ID:skiondKlo
お前どこ中よー?

ほむ中よ!
724 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/13(金) 02:02:05.42 ID:wQqrBhXAO
ほむら「寝るわ……>>1も限界よ」フワァ

ほむら「おやすみ……」ガラッ

まどか「今晩は誰と寝る?」

さやか「アタシかな?」

杏子「アタシだろ」

マミ「皆でしましょ、ケンカになるから」






ほむら「『寝る』と言う事柄に対して哲学を打ち立てられるかもしれない」

寝る。
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/13(金) 02:05:34.51 ID:rPIqCSt00
>>719
3番目は俺のホームグラウンドだぜっ!
ってスレ住民がメインじゃないんだよ?あくまで主役は魔女ですから

お疲れ様、体を大事にね。いい夢見なよー!
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/13(金) 02:05:41.05 ID:skiondKlo
おつおつ

俺はゆまちゃんと寝るわ
抱きつかれてそのままさば折りされそうだけど
727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 02:05:45.62 ID:KXaoCRDDO
乙にゃン

みんな「寝る」にゃん
728 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/13(金) 02:06:31.81 ID:0/lSpwBuo
>中沢「友達は多いんだけどね……」
>
>ほむら「私は貴女を分かっているわよ、中沢君」ニコ
>
>中沢「あ、暁美さん!」


男キャラが少ない弊害として「貴女」が出たか
729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/13(金) 02:07:05.31 ID:kZj7LuqPo
乙。お元気で
そもそも人間の行うことそれ自体が哲学的である。哲学することは哲学である
730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/13(金) 02:09:42.66 ID:skiondKlo
>>728
魔法で生やせるんだから逆もしかり
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 02:13:02.64 ID:exHaqrtCo
わざわざ消さなくても穴はあるんだぜ?
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/13(金) 02:17:13.67 ID:0/lSpwBuo
>>730
oh.......
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/13(金) 02:44:23.82 ID:N2z8Jknz0
おつー。小ネタもおもろかったよ。
そういえば、マミさんSGを浄化してたけど、魔法少女と魔女の攻撃を繰り出せる永久機関仕様じゃなくなったの?
734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 04:38:16.54 ID:RuvqmP5vo
わけがわかるないよ
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 06:39:57.27 ID:hWedjGvo0
>>731
上条「中沢ァアッッーーーーーーー」
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 07:20:35.27 ID:6fZNkxxDO
小ネタ乙!!

この世界にチビ達がきたらさらにカオスだなwwwwww
737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/13(金) 07:21:43.38 ID:RFHKafhDo
お疲れ様でした。
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/13(金) 09:03:09.04 ID:k4XxoCnm0
あとはワルプルだけ…あとはワルプルだけ…つ、つまりワルプルに生え

幸運F−→GGG
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/01/13(金) 19:30:34.44 ID:JJGUZTJvo
げぇー!こんな書き込みがきてるとは

読者というかROMが圧倒的に多いだろうな このスレに限らず
それでもこんだけ乙が来るってことは相当だぜ
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/13(金) 19:31:58.23 ID:K/UJC8VJo
>>738
もちろんあのでっかい魔女の状態で生えるんだよな?
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/13(金) 19:37:29.94 ID:7QbS6ox5o
>>738
あの体の生えるガオガイガーとな?
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/14(土) 07:57:05.83 ID:uHoxw++AO
>>733
あんまり負担が増えると釣り合わなくなって来るんだろう
743 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/14(土) 20:29:38.70 ID:3U2heBkAO
本編投下開始
744 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/14(土) 20:31:39.88 ID:3U2heBkAO
――――少しばかりの、休息。

ほむら「キュゥべえは……居なくなってしまったようね」キョロキョロ

ほむら「皆、今日はマミの家で宴会だから。泊まる準備をしてきなさい」ホムッ

マミ「またなのぉっ!?」ガーン!

ほむら「ほら、私の家向いてないし。色々と」

織莉子「良いですわね、めでたい時には祝い事に限りますし」ウフフ

キリカ「だそうだ。恩人、今日は帰さないぞ?」ニシシ

さやか「え、でも……」

ユウリ『非日常から日常に帰る為のクッションみたいなモンだよ。良いから来い』ジェムジェム

まどか「さやかちゃんが無事で、とっても嬉しいなって」ニコニコ

さやか「……じゃあ、行こうかな」テレッ

ゆま「ごちそう買わなきゃ!」ワクワク

ほむら「おっと、失念していたわ……マミ、貴女に渡しておくから手が空いた人は買い出しに行ってちょうだい」ゴソゴソ

杏子「盾……お前、何出すつもりだ?」ン?

ほむら「んっ……むむっ……もう、面倒ね!」ズボォッ!

キリカ「そ、それはっ!」ハッ

ほむら「『ほむらちゃん札束』ー」テレーン

ほむら「はい」ポスッ

マミ「――へぇぇっ!?」アセッ
745 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/14(土) 20:32:37.56 ID:3U2heBkAO
マミ「ひぃふぅみぃ……あ、貴女まさか――」

ほむら「株と為替と、後は地道な貯金だから気にしないで」ホムホム

ほむら「何が大変かって両替なのよね……小まめに替え続けなきゃいけないから。その札束だって、元の元を正せばデナリウス銀貨だったのよ」ホム

キリカ「……織莉ペディアー」

織莉子「へっ……えぇと、雰囲気的に西洋の古代貨幣だと思うけど」

ほむら「それだけあれば困らないでしょう? 私と杏子は用事があるから、皆先に行っていて」

杏子「あん、アタシもか?……何の用事だよ」

ほむら「四の五の言わずに着いてらっしゃい」グイッ、ピョーン

杏子「わ、わっ!?」



マミ「行ってしまったわ――」

織莉子「っ」ハッ

キリカ「っ」ワクワク

マミ「言わないから。口が裂けても言わないからね?」

まどか「こんなに沢山の諭吉さん始めてみたよ……」ウワァ

さやか「ほむらの盾って何でも入ってそうで怖い」
746 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/14(土) 20:33:09.85 ID:3U2heBkAO
――――アフターケアほむら。

杏子「で、何だよ?」

ほむら「何かしら?」

杏子「どーせ面倒で、しかも他にはやらせたくない事だろ? 分かってるよ」ハァ

ほむら「悪いわね、疲れているのに」

杏子「お互い様だろ」ヘッ

ほむら「志築仁美と上条恭介の件よ」

杏子「あー、見られたらしいな。幻惑魔法の出番かい?」

ほむら「いいえ、ソレは本当に最後の手段」

ほむら「そうね。世界の一端を知れば、彼女らも何か変わるのかしらね?」
747 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/14(土) 20:33:56.53 ID:3U2heBkAO
――――杏子サイド。仁美邸、夕方

杏子「割りとデカい家だな……さて、嬢ちゃんの部屋は――ここかな。気配がするしな」

杏子「……ノックでもするかな。窓だけど」コンコン

仁美「――?」

仁美「(何ですの……?)」シャッ

杏子「よお、久しぶりだな」ヨッ

仁美「貴女、何でこんな――!?」

杏子「さやかの事で話がある。お前も気になってんじゃないか?」

仁美「――何故」

杏子「知りたきゃ来いよ、着替えな。説明はアイツがしてくれるさ」

仁美「アイツ、とは?」

杏子「お前も良く知ってる――」
杏子「――暁美ほむらだよ」
748 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/14(土) 20:35:32.16 ID:3U2heBkAO
――――ほむらサイド、恭介邸。

上条「……さやか」

上条「(あの時のさやか、普通じゃなかった)」

上条「(今思い出しても恐ろしい……さやかがあんな事するなんて。でも――)」

上条「さやかは、何で剣なんか――」

「知りたいかしら?」

上条「っ」バッ

ほむら「こんばんは、随分と不用心なのね」クスッ

上条「な、何で僕の部屋に――何処から入ったんだい?」

ほむら「さて、どこかしらね」フフ

ほむら「貴方は不思議の国のアリスになってしまった。引き返すのも先に進むのも自由」

ほむら「でも、貴方は名も無き勇者ではない。何も知らずにジャバウォックに喰われるのがお望みなら、どうぞ」クスクス

上条「……君はさやかの事を、知っているんだな」

上条「思えば君は不思議な人だった。年齢に似合わないバイオリンの技術もそうだし、拳銃の件だって有り得なくは無いが――相応しくない」

上条「僕がアリスと言うのなら、君は恐らくハートの女王だ。そうだろう?」

ほむら「だとしたら?」

上条「進むさ。進むしかないんだろう、僕は」

ほむら「ふふ、そうよ。アリスは非力だけど勇敢だもの、そうでなくては困るわ」

ほむら「手を握って離さないで……貴方を不思議の国へと連れていくわ」カチッ

上条「――これは?」

ほむら「時間が停止した世界。貴方と私だけが動ける世界」

上条「――そんな、バカな」

ほむら「行きましょう。これから先は魔法の世界」

ほむら「ファンタジーとはかけ離れた現実にようこそ、上条恭介」
749 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/14(土) 20:36:09.48 ID:3U2heBkAO
投下終了。
最後になるだろう日常フェイズ。
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/14(土) 20:37:11.92 ID:YAZqn/IFo
お疲れ様でした。
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/14(土) 20:58:25.28 ID:muBsSUGMo
ファンタジーとはかけ離れた現実って解りやすくていい皮肉だなwwww
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/14(土) 21:00:08.14 ID:1rjZBdLqo
さやさや
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/14(土) 21:23:33.11 ID:G3C422oKo
はじめからやっておけという気持ちでいっぱいです
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/14(土) 22:31:40.65 ID:CxkC1U4Fo
代わりに言ってやんよ!


「円環の理に導かれて」ドヤァ
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/14(土) 22:59:10.62 ID:WjBi5L2DO
ここのオリコさんは絶妙にあほっぽくて良い
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/01/14(土) 23:20:40.51 ID:Orgthcif0
>>753
どゆこと?
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/14(土) 23:57:23.23 ID:AY8eICd5o
あんこちゃんいそがしいな
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県) [sage]:2012/01/15(日) 00:27:31.21 ID:8xywqZ/5o
>>754「(つい)言ってしまったわ」
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/15(日) 02:14:31.17 ID:HmD0SQZko
>>756
結局教えるなら最初からその方法でやっときゃ良かったんじゃねー?ってことじゃね
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) :2012/01/15(日) 10:25:25.60 ID:IvRa/Ug30
なあ、胸のことなんだけど

第10話でメガほむの胸ってほむらの時よりもあったようにも見えるんだが。

QBの契約時に胸を拡大するシーンがあったが胸は結構あったぞ。

まさか、魔翌力によって胸が取られたとか?
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/15(日) 11:13:35.58 ID:9Ve5kgLb0
ほむらは御伽噺の世界の武器も出せちゃうのかな、ヴォーパルソードとか

これが『悪夢の国のアリス(アリスインナイトメア)』か…
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/01/15(日) 12:11:37.88 ID:fSs/OhUAO
>>760
パットじゃね?
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/15(日) 12:56:18.64 ID:W1B9VjlNo
ほむらさんベアトちゃんより身長高いのにおっぱい負けちゃったかーちっぱいすりすり

>>760
魔法少女の激しい運動で引き締まったとポジティブシンキング
重たい銃器振り回すから胸筋は発達してそうだけど
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/01/15(日) 12:58:30.92 ID:tJVIyyv1o
>>763
それじゃマミさんが説明つかないんだぜ
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/15(日) 13:12:05.55 ID:W1B9VjlNo
>>764
マミさんの胸筋は発達しきっているからあの大きさだと勝手に仮定すると、なんということでしょうほむらさんに希望が!
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) :2012/01/15(日) 13:48:18.92 ID:IvRa/Ug30
ちょっと待て、銃火器の重さってどれだけあるんだ?

ティロ・フィナーレは魔法で除くが、マスケット銃やブローニング?(第10話)はどれだけの重量があるんだ?
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2012/01/15(日) 14:00:54.50 ID:S+muecSQo
あのマスケットは糸で編んだ紛い物だぞ
エーテライトみたいなもんだから多分そんなに重くない
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2012/01/15(日) 18:04:04.00 ID:hkJZXnOAo
糸つーかリボンだね。
殴打に使ったり攻撃を受け止めたり出来るから実銃なみの重さはあると思うが。
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/15(日) 18:06:03.09 ID:64mm/RaJo
重さ=硬さではないし肉体に魔法少女補正ついてるから重さ意味ないし
770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/15(日) 18:44:41.83 ID:3ss22f1Wo
全く関係ない訳じゃないけど、まあ魔翌力で強化してるといえばどうとでも
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/01/15(日) 22:51:40.55 ID:PuZJJkBv0
軽くて強い
カーボンナノチューブとかがいい例
772 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/16(月) 00:20:42.59 ID:c1JDrM1AO
>>747
致命的なミス。
仁美邸、夕方→仁美邸、夜。
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/16(月) 00:25:09.58 ID:bBkqIPI3o
日付が変わったのかと思ってた
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/01/16(月) 18:49:13.23 ID:9cswsRlj0
もはやバカエロなs(ry
でもいいと思うよ。うん。


…なに普通のこと書いてるんだろwwwwww
775 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/17(火) 02:23:14.04 ID:DcrlN1ZAO
遅くなってしまった……が、長いよ。

投下開始。
776 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/17(火) 02:24:39.78 ID:DcrlN1ZAO
――――公園。

上条「――志築さん?」

仁美「上条君?」

杏子「あー疲れた……」グダァ

ほむら「お疲れさま。缶コーヒーしかないけれど、いるかしら?」ハイ

杏子「貰うわ……」プシッ

仁美「こんな夜中に家を抜け出すなんて……お父様が知ったらきっと怒りますわね」

ほむら「そうね。でも、そんな事より大事な話よ、志築仁美」ファサ

ほむら「美樹さやかの事、知りたいのでしょう?」

上条「……君は一体、さやかの何を知っているって言うんだ。道中では説明してくれなかったし」

ほむら「面倒だからよ。二回も同じ話をしたくないわ……それだけ。杏子、貴女も座りなさいよ」

杏子「おう、失礼するぜ……と、ほむら。このベンチ、丁度良いな」ニッ

ほむら「そうね、試しにやって見せてあげたら?」クスッ

杏子「了解」パチンッ

上条「――ベンチがソファに!?」ビクッ

杏子「まぁ座れよお二人さん――あぁ、今日は本当に疲れた」ドスッ

仁美「これは、一体――」

ほむら「そうね、とても陳腐でチャチな物だけれど――」



ほむら「――『魔法』と呼ぶべき力よ」
777 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/17(火) 02:25:53.51 ID:DcrlN1ZAO
――――さやかという少女は、彼らの遥か遠くへと旅立ってしまった。手を伸ばすのは、只の、徒労?

上条「――そんな、そんなバカな話を信じろって言うのか!?」

ほむら「声を荒げないで。貴方が信じたくないのは分かっているから」フゥ

仁美「魔法少女――それに、魔女。そんなお伽噺の様な事が、本当に?」

ほむら「貴女の座っているベンチが其処らのソレと同じに見えるなら、嘘っぱちでしょうね」

上条「その魔法少女ってのにさやかがなって? 僕の腕を治して、対価に死んだ――なんて事、信じられる訳無いだろ!」ガッ

ほむら「……痛いわ、離して」

上条「現に君は生きているじゃないか! 質の悪い冗談を――」

ほむら「聞こえなかったのかしら、上条恭介」ハァ

ほむら「――離せ」

上条「っ」ビクッ

ほむら「……貴方にとっての『生きる』と云う定義が『身体が動く事』と言うのなら、正しく私たちは生きているでしょうね。なら」

ほむら「貴方の心臓が、貴方の身体の外にあったらどうかしら? 不安? 少なくとも意に介さない、という訳では無いでしょう?」
778 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/17(火) 02:27:02.19 ID:DcrlN1ZAO
上条「そ、それはそうだけど……」

ほむら「……そうね、遥かに頑丈だわ――人間よりね」

ほむら「頭を潰されても、身体を中身から喰われようと、木っ端微塵になろうとも死なない」

仁美「――――っ」

ほむら「でも、ソレを――」

ほむら「――貴方は、ヒトと呼べる? そんな化け物を、貴方は抱き締められるの?」クスッ

上条「――もちろんだ!」キッ

ほむら「殺されかかった子の前でソレを言える辺り、貴方はバイオリン以外に関する事は本当に子供ね」

上条「――それは、っ」

仁美「……さやかさんが私を憎むのは、当然ですの」

上条「志築さん……」

仁美「さやかさんの手柄を、さも自分の様に……知らなかったとはいえ、私は何という――」

杏子「待ちな」パリポリ

仁美「…………」

杏子「食え。ポッキーくらい知ってんだろ、お嬢でも」スッ

仁美「……頂きますの」ポリポリ
779 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/17(火) 02:28:21.57 ID:DcrlN1ZAO
杏子「勘違いしてんじゃねぇよ。頭良いんだろ? なら、もうちょっと真剣にシュミレーションしろよ」ヤレヤレ

ほむら「シミュレーションよ」ホムッ

杏子「そう、それそれ。さっきの話聞いてたのか? さやかがどうやって魔法少女になって、今まで戦ってたのか」

杏子「……お前らに知られたくは無かったんだよ。だから手柄なんて関係無い――お嬢ちゃんはさやかの願いを奪ったのさ。だからアイツは絶望した」

仁美「私は、何も奪ってなど――」

杏子「……お前が奪ったのはな、魔法少女が、喉から手が出る程欲しい、でも生涯手に入れる事の無い――『日常』だよ、志築仁美」

仁美「――っ」

杏子「『ただ恭介の音楽が聴ければソレで良い』」

杏子「笑っちまうよな。命を懸けて叶えたい願いが、そんなちっぽけなモンだとよ」ケッ

杏子「昔、確かに持っていた日常を取り戻したくて――アイツは願ったのさ」

杏子「……アタシも、そういやそうだったか。いやはや、似た者同士と言うか何と言うか」ククッ

仁美「……そんな話をして、私にどうしろとおっしゃるのですか! 私は――何も知らなかったの!」
780 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/17(火) 02:29:10.55 ID:DcrlN1ZAO
ほむら「そうね、咎めないわ。誰も。私も、杏子も、さやかですら」

ほむら「今、貴女を咎めているのは――貴女たち自身。違うかしら?」

仁美「…………」

上条「…………」

ほむら「……先ほども言ったけれど、さやか自身は知られたくないと思っているの」

ほむら「今こうして話しているのだって、苦渋の決断なのよ? そして最後通告でもある」スクッ

杏子「さて」

上条「――何を」

ほむら「杏子は精神を操る魔法を使う事が出来る。勿論、記憶操作だって可能――言いたい事は、分かるわね?」

仁美「――そんな!」

ほむら「だから、最後通告よ。さやかに殺されそうになった、貴女に聞くわ」

ほむら「全てを忘れて、日常へ戻るか――全てを忘れた振りをして、さやかと接するか」

ほむら「さやかには知られたくない。私たちとしては、四の五の言わずに記憶を消したい……」

ほむら「だけど私は人間よ。誇りまで捨ててはいない……故に、選択肢をあげるの」

仁美「私、は――――」
781 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/17(火) 02:31:32.86 ID:DcrlN1ZAO
――――杏子とほむらだけの、帰り道。

テクテク

杏子「良かったのか、アレで?」

ほむら「良いんじゃないかしら、アレで」クスッ

『私は、忘れたくありません』

『僕だってそうだ』

『『だって、まだ何も返せていない』』

ほむら「子供らしい、真っ直ぐな目だったわ」

ほむら「ソレで良い。年相応で良い。無理に大人にならなくてもいい」

ほむら「自然に、時が立てば大人になれる――其れまでは、純粋でいい」

杏子「婆さんみたいだな、ほむら」ケケッ

ほむら「事実、婆さんよ。私」クスッ

ほむら「帰りましょ。みんなが待っているわ」

杏子「そうだな……お、ほむら。見てみろよ、一番星だ」

ほむら「あら、本当……綺麗ね」

杏子「空なんて、ずっと見上げてなかったからな……忘れてた」

ほむら「これから思い出していけばいいのよ。皆で、ね」










QB「星が、綺麗だ」

ベアト「不思議だな。少し前は、何とも思わなかったのに」

ベアト「星が、綺麗で――」

『綺麗だな』

ベアト「――とても、悲しい」
782 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/17(火) 02:33:22.99 ID:DcrlN1ZAO
――――翌日、朝。登校。

さやか「マミさん家から登校なんて、新鮮だなー」ノビー

マミ「私もこんなの初めてよ」フフッ

まどか「キリカさんは……昨日ウチの学校だって知って驚いたよ」

ほむら「まぁ来てないのだけれど」フワァ

さやか「『学校なんて下らない! 私の歌を聴けぇぇぇぇ!』だもんね」

ユウリ『僕らはいつも以心伝心♪……って凄まじく昔の歌を聴くと、あぁここマジで過去なんだなって思うよ』ジェムジェム

さやか「ドラゴンクエストて何処までいってた?」

ユウリ『私の知る限り109はあったな』

ほむら「1000ぐらいで世界がゲーム作ってる暇無くなってたわ」ホムッ

さやか「スクエニパない……って、う」タジ

まどか「……仁美ちゃん」

ほむら『記憶は消しておいたわ』テレパッ

さやか『……そう。気、使わせちゃったね』テレパシー

仁美「…………」スー、ハー

仁美「おはようございます。まどかさん、さやかさん」ニコッ

『さやかの為を思うなら、お前から日常を演出してやれよ』

『お前らの関係にケチ付ける訳じゃねぇ。さやかだってソレは乗り切って帰ってきた』

『そんだけだよ』

仁美「(そのくらい……やってみせますの。他ならぬさやかさんの為ですもの)」

仁美「今日は皆さんお揃いですのね――」
783 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/17(火) 02:34:34.60 ID:DcrlN1ZAO
――――放課後

ほむら「もうワルプルギスの夜まで余り日も無い……まどか、今日は大丈夫かしら?」

まどか「うん。予定は無いよ」

ほむら「なら、貴女にだけ――大事な話がある。私たちの命運を分かつ様な、重大な話」

まどか「……私に?」

ほむら「貴女だからよ」

まどか「……分かった、行くよ」コクッ

ほむら「助かるわ……さやか。良ければマミに送らせるけど、どうするかしら」

さやか「送らせるって……マミさんに悪いよ!……大丈夫だよ、一人で帰れる」ブイッ

ほむら「そう。なら、大丈夫ね」クスッ

ほむら「行きましょう、まどか」スタスタ

まどか「ま、待ってよほむらちゃん――」タタタ……

さやか「……心配されちゃってますね、アタシ。さて、帰りますか――」



中沢「ほら今だ、行けって」

上条「あ、あぁ。ありがとう中沢」

中沢「良く分からんが、頑張れ。俺には眩しくてお前らが見えんよ」ハハハ

中沢「(……ようやくマジで上手くいった感じかね。暁美さんも機嫌良かったみたいだし)」

中沢「……俺も彼女欲しーわ」ハァ



仁美「さやかさん」

上条「さやか」

さやか「ん?」ドキ

上条「実は、今日軽い演奏会をやるんだけど……良かったら――」
784 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/17(火) 02:38:58.98 ID:DcrlN1ZAO
――――上条邸への道、三人。

上条「さやかは、何を弾いてほしい?」

さやか「アタシ? アタシは……アヴェ・マリア――かな」

上条「好きだね、それ」クス

さやか「ま、ね」フフン

仁美「あら、何か意味ありげな笑みですの……少し寂しいですわ」ウフフ

さやか「幼なじみの特権なのだよ、仁美君」ニシシ

さやか「……しかし、彼女持ちが両手に花とは……気分はいかがかな、恭介?」ニヤニヤ

上条「……まぁ、悪くないね」

さやか「ふへっ?」ボムンッ

上条「冗談だよ」シレッ

さやか「――――! こんのー、調子に乗っちゃってー」グリグリー

上条「いたいいたいっ」アハハッ

仁美「冗談なんて……上条君ったら、酷いお人」ヨヨヨ


上条「ちょっ」アセッ

仁美「冗談ですの」シレッ

さやか「ははっ、仁美もやるねぇ」アハハッ

上条「気が気でないよ僕は……」ヤレヤレ



仁美「ふふ――って、ここは……ドコですの?」

上条「……何だ、ここ?」
785 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/17(火) 02:39:50.63 ID:DcrlN1ZAO
さやか「(――喰われた!? 気配なんて無かったのに……でもさ)」ニヤ

さやか「(結界の強度が甘い、密度も透か透か、雰囲気も温い――雑魚魔女じゃん)」

さやか「(魔女になってもちっぽけなんて、救われないね)」ククッ

さやか「――変だね、戻ろうか。今来た道を真っ直ぐ戻れば元の場所に帰れるはずだし」クルッ

仁美「――さやか、さん?」

上条「(――そうか、コレが魔女の結界ってやつか!)」

さやか「アタシ、そういや用事があったわ。忘れてた。ゴメンね恭介、機会があればまた誘ってよ」ダンッ!

上条「――さやか、何処に――さやか!?」

仁美「ど、どうしましょう上条君!?」アワアワ

上条「――さやかを追いかけるしかないよ、行こう!」

仁美「――分かりましたの!」
786 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/17(火) 02:40:28.29 ID:DcrlN1ZAO
――――凱旋門と、独善的な芸術。

さやか「……気味の悪い結界。自己主張が私並みに激しいや――って、コレじゃまるで魔女だ私」

自嘲気味に笑って、さやかは魔法少女の礼装を身に纏う。

魔法少女の気配を感じて、落書きの人間の様な使い魔がゆらゆらと近寄ってきた。
ソレを手ずから、手にした剣で斬り払うさやか。

さやか「ほら、しっかりしなよ――でなきゃ、死ぬだけだよ?」

使い魔が門から沸いてくる。
その様子はまるで雑多な路地のようだった。

さやか「ふっ、はぁっ!」

走りながら、その隙間を蒼い軌跡が縫って走る。
撫でるように切り裂かれる使い魔と、容易にソレを為す魔法少女。
力の差は歴然だった。

さやか「こりゃほむら達を呼ぶまでもないわ――行くよ」

さやかの足元に魔方陣が展開されて、それに弾かれて使い魔は怯む。

さやかの足が魚鱗に装飾される――半魔女化の証。

彼女の背に巨大な蒼の魔方陣が現れ、そこに手を入れて取り出すは――『魔女の大剣』。
787 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/17(火) 02:41:08.58 ID:DcrlN1ZAO
さやか「はははっ――消し飛べっ!!」

その剣を振り下ろすと、空間は斬り裂けた。
空間が空間を伝搬して――更に斬り、抉るように使い魔を捻り斬る。

単機にして、無双だった。

さやか「さて、後は魔女だけか……何で門なんかになってるのか」

さやか「……アンタも、何か悲しい事があってそうなったのかな」

動けない凱旋門に、何ともなく語りかける。
意味は無いが――それでも。

大剣を翳し、それを取り壊そうとして――声を聞いた。

良く知った声。

仁美「――さやかさん?」

上条「さやか!」

さやか「――二人とも、帰れって――ぎゃんっ!!?」

門は動かない。
が、何かを叩き付けられたような感覚と共にさやかは膝を付く。

さやか「な、何だ――って、マジ?」

使い魔が次々と甦り、各々の芸術を披露していた。
門に浮かび上がる、赤い紋様を見るに――強化の呪いだろう。

それに。

さやか「――やられた……身体に力が入らない――っ」

強化が出来るなら、弱体化が出来ぬ道理は無い。
さやかから抜け落ちた魔力を食い散らかして、魔女は使い魔を強化していた。
788 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/17(火) 02:42:06.19 ID:DcrlN1ZAO
使い魔「――――」

使い魔達がさやかに群がり、彼女は二人の視界から消える。

時折見える青色の服は、だんだんと紫色になっていった。

仁美「…………っ」

傷付く友人を見て、拳を握りしめる。
私は、何をして、ここにいるのか。

仁美「――さやかさんっ!」

とても怖い。
けれど――

仁美「こ、こっちですわ、お化け!!」

足元に転がっていた西洋剣の一本を使い魔達に投げ付ける――不自然なまでに軽い。

使い魔の一匹が仁美を捉え、残りが一斉に能面のような顔を向けた。

仁美「ひっ――か、上条君、今のうちにさやかさんを!」

上条「わ、分かったよ――い、行くぞ!」

敵対する者以外には鈍重な使い魔を尻目に、上条は傷だらけのさやかに駆け寄って抱き起こした。

癒えていってはいるが、気絶している。

上条「さやか――くっ!」

上条恭介はさやかの肩を担ぎ、その身体を運んで必死に逃げた。
運良く、使い魔たちの目線は仁美に集中している。

上条「――よしっ、志築さん逃げよう!」

しかし。

仁美「か、囲まれましたの……」

足は震え、涙は恐怖で止まらず、持った剣はカタカタと哭いていた。

上条「し、志築さん!」
789 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/17(火) 02:44:02.63 ID:DcrlN1ZAO
仁美「――おに、お逃げになって、上条君! 私では、そもそもさやかさんを運べませんの……お早く!」

上条「し、しかし――」

仁美「早く!」

仁美のソレは最早悲鳴。
本能を弑して理性で上げたソレだった。

上条「――っ、必ず助けを呼んでくる! 絶対だから!」

上条は走り、程なくして仁美の視界から消える。

使い魔「――――」

仁美「ひっ、このっ、このっ……」

闇雲に剣を振り回し、使い魔はその訳のわからない行為を不思議そうに見ていた。

戯れるように、仁美の身体を突き飛ばす。

仁美「がっ――!?」



痛い。

痛い。

夢じゃない。

こんな、こんな事を受け入れて。

彼女は――彼女は戦っていたの?



仁美「うっく……ひっく……」

泣きながら、しかし立ち上がった。
震えていたが、剣は真っ直ぐ構えている。




――私だって。




仁美「さやかさん――さやかさんっ――」

恐怖で目を瞑ってしまった。
剣は何も言わずに、ただ光っているだけ。

使い魔が、一斉に襲いかかって――

仁美「ひっ、ひぃっ――」
790 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/17(火) 02:44:56.85 ID:DcrlN1ZAO
「やれやれ、厄介な所に出会してしまったね。本来ならこういう役目は杏子やマミ辺りが適任なのだろうけれど」

その全てが『歯車』に遮られた。

仁美「――え?」

「キミは志築仁美だね。素質も無いのに無茶をして……鹿目まどかと友人だった事を感謝すべきだと、ボクは思うなぁ」

「キミを助ける事によって、ま
どかとの契約が上手く運ぶかもしれないからね。悪いけれど、ちょっとだけ生き延びてもらうよ」

白い髪に黒のドレスの――魔法少女。

仁美「あ、貴女は――?」

「ボクかい?」





ベアト「ボクの名前はキュゥべえ、よろしくね!」
791 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/17(火) 02:45:39.28 ID:DcrlN1ZAO
――――上条恭介

上条「――くそ、何処まで行けばこの空間から出られるんだ……?」

先は見えず、薄暗い空ばかり。

上条「さやか、大丈夫かい――?」

だが、そこに降り立つ魔法少女。

「貸しな」

上条「君は――」

さやかに手を当てて様子を見る。

杏子「結界に引かれて来てみれば……魔力を一気に吸収されたんだな。衰弱してる」

杏子『ゆま』

ゆま『今行くよ!』

テレパシーでゆまを呼び、さやかを再び恭介に預けた。

杏子「後は任せなよ。良く頑張った」

上条「し、志築さんがまだ! 囮になって――」

杏子「――ひゅう、豪快だな。それも纏めて任せなって!」

それだけ言い残して、赤色は駆けていく。

何だ、意外に根性あるな――なんて思いながら。
792 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/17(火) 02:46:05.80 ID:DcrlN1ZAO
投下終了
793 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/17(火) 02:48:04.60 ID:dTiWLfpdo
おつおつ

中沢成長したなぁ…
初めてベアトちゃん見たときの
中沢「(白髪ロリペドつるぺた幼女の髪の毛モグモグしたい)」
から見違えたぜ
794 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/17(火) 07:51:55.59 ID:cFX+OuLO0
「数万年の時を経て、QBに心がよみがえるのか」
「でカルチ(ボグッ)」
795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/17(火) 13:56:20.31 ID:8ZdmZwNAO
美術系にも教養ありそうだし、仁美ならばこの魔女は倒せるハズんだけども
だれか教えてやって!
いや、援軍来たから別に必要ないけど

それにしても、半魔女化という超強化されてるのにあっさりやられたさやかェ……
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/17(火) 14:35:07.69 ID:wN5EWQ5Ho
そろそろあすなろ組も見たいなーなんて

無粋だけどいつ乱交来るのかなーって思ってる
そろそろ来て欲しい
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/17(火) 14:40:08.95 ID:2bnXhwPJo
>>796
あすなろ組はユウリ様の発言からすると相当未来の存在みたいだが
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/17(火) 14:51:51.31 ID:wN5EWQ5Ho
もしそれが「もう出さないよ」っていうメッセージだというなら静かに泣くことにする
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/17(火) 14:52:44.44 ID:wN5EWQ5Ho
あれ、そういやかずみにマミさん出てなかったっけ



…ウンゴメンネキノセイダッタヨアハハー
800 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/17(火) 15:48:46.49 ID:DcrlN1ZAO
マミさんがあすなろ市に遠足に行ったとか魔女化しちゃったとかボク知らないよ!
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/17(火) 18:02:08.33 ID:k0b3Ojxj0
「…元々原作を大きく崩したようなSSだし、公式にある設定の全てを取り入れる必要は無いと思うわ」モグモグ
「ねーねーっ、この世界線のQBの毛って一体どんな味がするのかな?ちょっと食べてみたいよぅ♪」ティロンッ

半魔女化してもさやかはさやかだぜ…いや、話しかけられてなかったら余裕だったと思うけどさ
ここの魔女マミさんはキャンデロロと違って、なんかカッコイイって感じの姿なんだよね
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/17(火) 20:56:32.77 ID:C2swRTTTo
このSSのおかげでほむらが「さやかぁぁぁあああああ」って叫びながら助ける想像だけで抜けるようになりました
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/17(火) 22:48:41.26 ID:55SUZ+v1o
お疲れ様でした。
804 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/17(火) 23:18:02.61 ID:DcrlN1ZAO
>>790
やっぱ無理に夜中に書くと訳のわからないミスをするね。
謎改行は気にしないで
805 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/18(水) 16:07:36.16 ID:d3rYfGEAO
投下開始。
806 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/18(水) 16:10:29.84 ID:d3rYfGEAO
――――歯車の夜。

ベアト「とおっ、それっ」

体当たりしてくる使い魔を歯車で受け止め、押し返す。
単純な作業で、かつ勝利には結び付かないが――それでも時間稼ぎには充分だ。

仁美「あ、貴女があの『インキュベーター』ですの?」

ベアト「え。うん、まぁ概ね間違いでは無いよ。ほむら辺りに聞いたのかな?」

歯車が割れて弾けた。
再び構成し、盾にして耐え凌ぐ。

仁美「貴女が、魔法少女を生み出したモノ――?」

ベアト「やめてくれないか?」

仁美「えっ?」

ベアト「今のキミは、ボクを知っていてそんな表情をしているんだろう? だから止めてくれと言った」

ベアト「残念だけどキミに素質は無い。諦めてくれないか?」

手を翳し、何枚も何枚も固まり集まって――歯車は花弁となって咲き誇る、守りの華。

ベアト「キミみたいな子は、魔法少女になるべきではないよ――何故なら、不幸ではない」

ベアト「叶えたい願いが無いのに願う。それを行なっていいのは、力がある者だけだよ」

ベアト「魔法少女なんて、進んでなるものじゃ――ない?」
807 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/18(水) 16:11:13.70 ID:d3rYfGEAO
口にして、彼女は不思議に思った。

自分は何を言っているのだろう。

魔法少女を魔女にするのが自分の役目だったはずだ――何の為に?

宇宙の為に――本当に?

ボクは誰だ――なら試そう。

ベアト「――――。」

歯車の華が開き、門の如く――緋目の姿を露にする。

彼女が力を加えると、歯車は回りの使い魔を薙ぎ払いだした。

使い魔「――!?」

ベアト「……この力は、まるで魔法少女じゃないか」

飛び掛かってきた使い魔の頭を、素手で掴み取る。

首は粘土のように千切る事が出来た。

歯車に押し潰され、使い魔の残骸は次々と地をその血で染めていく。

魔女がその惨状に放ったのは、『車輪』。

ベアト「さやかの模倣かい? 器用なモノだ」


彼女が動かしているのは手先――いや、指先のみだ。
その単調な命令だけで、歯車は自在に動く。
車輪は歯車に弾かれて失せた。

ベアト「なんて、簡単なんだ……」

自らの力に畏怖すら抱く。
こんな得体の知れないモノが、自分自身だと信じたくなかった。

魔女「――!」

ベアト「――うるさいよ、黙っていてくれないか。ボクは今、考え事をしているんだ――!」
808 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/18(水) 16:13:30.72 ID:d3rYfGEAO
掌を魔女に向けて、握る。

魔女が――潰れた。

魔女「――、――!?」

ベアト「……あぁそうだ。グリーフシードを処分しなきゃ」

圧縮されてヒトの型になった――魔女に、彼女は幽霊の様に静かに歩み寄る。

魔女は必死に逃げようともがいていた。

捕食者は彼女で、自分は餌だということに――事此処に至って気付いたのだ。

ベアト「わけがわからないよ――何だか、楽しい」

ベアト「キミを消滅させられるのが、こんなに嬉しい」

ベアト「もう苦しまなくても、いいんだからね」

ドロドロとした魔女の身体に覆い被さる。

病的なまでに白いその肌が触れて、魔女は金縛りにあったかのように動けなくなった。

ベアト「じゃあ……いただきます」

そして彼女は――魔女の首に口付ける。
舐めて、噛んで、咀嚼した。

自然と荒くなる吐息に、水音にも似た咀嚼の音色。

それは――正しく強姦だった。
809 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/18(水) 16:14:33.15 ID:d3rYfGEAO
仁美「――――」

その場にいた唯一の人間は、その様子の――余りの艶かしさに言葉を失う。

酷く暴力的で、しかし官能的。

声を掛けられなければ、目を反らせなかっただろう映像だった。

杏子「おい、大丈夫か!?……って、こりゃ一体どういう事だ?」

仁美「あ、貴女は……」

振り返れば、見覚えのある少女が槍を手に立っている。
自分を覆う空間は消えつつあった。

杏子「キュゥべえ……?」

呼び声に、白い少女は起き上がる。
振り返り流し目で此方を見る彼女に、杏子は戦慄を覚えた。

あの顔には見覚えがある。
まだ何も知らなかったあの頃、彼女を抱いた時に見せた表情だ。

――酷く淫蕩な顔。

ベアト「杏子かい……随分と、遅かったねぇ……」

けぷり、と小さな音を口に鳴らして彼女は真っ直ぐこちらを見て――足元の魔女だったモノに目を落とす。

ベアト「……死んでしまったよ、この子は」

ベアト「いや、間違いだ……とっくに死んでいた。今死んだ訳じゃない」

今度は天を仰ぎ、空に手を翳した。

ベアト「あぁ、ボクが殺した――二度も命を弄んだんだ」

ベアト「うふっ、くふふふふっ」

ベアト「楽しい、楽しいなぁ。こんな感情は生まれて初めてだ」

杏子はいたたまれなくなって、目を反らした。

彼女の足元にだけ――小雨が降っていたから。
810 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/18(水) 16:17:50.06 ID:d3rYfGEAO
――――消えた舞台。

杏子「――それより、お嬢ちゃんに怪我は無いか?」クル

仁美「いえ、大した怪我はありませんの」

杏子「……大丈夫そうだな、後で治せる奴が来るから見てもらってくれ」ホッ

仁美「あの、さやかさんと上条君は……」

杏子「無事だ。アンタも魔法少女じゃないのに良くやったよ」ニッ

杏子「さて、キュゥ――っ」クル

杏子「……いない、か」

杏子「ほむらに報告しとくか。厄介な事になるなよ……?」ハァ
811 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/18(水) 16:18:18.07 ID:d3rYfGEAO
――――

ボクは誰だ。

ボクは何だ。

何が出来る。

何をしてきた。

ボクはインキュベーターだ。

ボクはインキュベーター?

魔法少女を産み出して。

魔法少女から搾取するんだ。

エネルギーを――

エネルギーを?

何に使ってるんだ?

宇宙ってなんだ?

誰が宇宙にエネルギーを継ぎ足しているんだ?

仲間は沢山居た筈なのに、誰も答えてくれないんだ。

誰か、誰か、ボクの事をボクに教えてくれないか。

この身体は役立たずだ。何も覚えていない。何も覚えていない――

「――おいアレ」

「うっわ、外人だ……しかもかなりの――アレだな」

「任せろ。ハロー、ガール」

人間……?

「あー、えーと、アイプレイ――」

「何バカやってんだ、さっさと連れ込んでヤッちまえばいいんだよ!」

「……それもそっか」

行く……何処へ?

暗い、路地裏だ。

「ほら、脱がせ――」

「おっ、こりゃ――」

「キミ、名前は?」

ベアト「――ベアトリクス」

ベアトリクス?
誰だ――ボク?

「じゃあベアトちゃん、これを――」
『ベアトちゃん』

ベアト「っ!!?」
812 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/18(水) 16:19:04.01 ID:d3rYfGEAO
何だ。
何だこれ。

ボクは何かを忘れて(オボエテ)いる。

「早くヤろうぜ、もう――」

キスだ。
知らない(シッテル)。

愛撫だ。
知らない(シッテル)。

手淫だ。
知らない(シッテル)。

口淫だ。
知らない(シッテル)。


知らない。知らない。
知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない!!!!

「うっわ、涙目カワイー」

「さて、下も――ぎゃあっ!?」

「どうした――誰だぁお嬢ちゃん、見りゃ分かるが取り込み中だ……混ざってくか?」

「いえ、お断りするわ――」

ベアト「ほむら――」

ほむら「――当店は本番禁止となっております。死ね、お客様」
813 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/18(水) 16:19:42.99 ID:d3rYfGEAO
投下終了
814 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 16:24:23.39 ID:DJn2196ko
ベアトの元居た世界と
今の見滝原って時間的にどれくらいの隔たりがあったんだっけ
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 16:54:37.32 ID:Yjq8snW1o
遂に物語が進み始めたな
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/18(水) 17:24:49.48 ID:o6owZ2Uxo
バカエロかと思ったらコワエロだったという
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/18(水) 18:06:27.74 ID:5Ndu7F4Po
漏らしてるのか濡らしてるのか血が滴ってるのかわからん乙
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 21:16:19.47 ID:fMCuYdmSO


>>817
全部に決まっているだろう
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/18(水) 21:37:36.14 ID:vZefoYpAO
この哀れなバカ二人はどんだけ下半身に支配されて生きてんだww
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 21:39:47.71 ID:JqANk2+w0
>>819
ま……まぁ、解釈は人それぞれじゃないか?
作者の意図は別として
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 21:57:04.82 ID:j3NxAO2DO
ぎゃあってところでナニをみてビックリしたのかと思った
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/18(水) 21:59:25.36 ID:RoQ8Whlw0
ベアトは人間だった時から、周囲の両性体全てを惹きつけてたな。
要するに、男女どちらも強烈に惹きつける属性って事じゃないのかね。つまりほむQBが
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/18(水) 23:17:33.68 ID:G04ThbEV0
ベアトちゃんきゅべきゅべ! そういえばこの時間軸になってからベアトは一度もえっちしてなかったな

さて俺はベアトちゃんに膝裏コキ…って俺には生えてなかったんだったorz
再構築される前のふたなりだらけな世界が羨ましいとか思っちゃうぜ
824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/18(水) 23:35:55.76 ID:gyfsS75Lo
ゴミ虫が
825 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/19(木) 06:37:50.47 ID:4HqVgxAAO
何だこれ痛い、脇腹が痛い。ヤバいヤバい凄い痛い。でもやっぱ痛い。
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方) [sage]:2012/01/19(木) 06:52:28.55 ID:zEzKTfKUo
病院池
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/19(木) 07:44:48.70 ID:vt5RVvxe0
盲腸だったら死んじまうから病院いけ
828 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/19(木) 12:23:15.15 ID:4HqVgxAAO
頭が生きてて腕が動けばソレで良い。

投下開始。
829 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/19(木) 12:25:33.70 ID:4HqVgxAAO
――――風俗でもマナーは守りましょう。

ほむら「風俗ちゃうわ」ホムッ

ベアト「?」キョトン

ほむら「何でもないわ。しかし、ああいう時は抵抗しなければダメよ」ドゲシッ

ベアト「それはそうかもしれないね。ボクが彼らを拒否していれば、彼らが黒焦げになる事も無かっただろうからね」ウワァ

ほむら「峰打ちよ」ホムッ

ベアト「峰撃ちの間違いじゃないかい?」

ほむら「……貴女、酷い恰好よ。ウチに来なさい。シャワーくらいは貸してあげるから」グイ

ベアト「……気味が悪いくらい親切だね。ボクをあれだけ殺していた人物と同じとは到底思えないよ」

ほむら「もう敵意は無いわ。信用出来ないなら仕方ないけれど」フゥ

ベアト「なら――」

QB「少しだけお邪魔するよ」きゅっぷい

ほむら「っ」クラッ

ほむら「(――っ、この謎フェロモン厄介ね。興奮する……)」スーハースーハー

QB「……急に深呼吸なんか始めてどうしたんだい?」

ほむら「精神統一よ」キリッ

QB「なにそれこわい」
830 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/19(木) 12:26:44.21 ID:4HqVgxAAO
――――ほむら宅

QB「個性的な家だね」

ほむら「よく言われるわ」ホムッ

QB「む……これは。ほむら……少し構わないかい」モジモジ

ほむら「? 何かしら?」ホム?

QB「よ、用を足す場所は何処かな? キミたち風に言えばトイレなんだけど……」モジモジ

ほむら「あぁ。なら、部屋を出て廊下を玄関に向かって歩いて右手よ」

QB「わ、分かったよ」トテトテ

ほむら「風呂は……あ、予約してあったわね。もう沸いてるみたい――キュゥべえ、お風呂はもう入れるわよー!」ホムーッ

廊下の奥「先に入ってくれて構わないよー、時間がかかりそうだからー!」

ほむら「……乙女のデリカシーと言うものを教えておかなければいけないわね」ハァ

ほむら「昨日は休まる暇が無かったし、今日くらいはゆっくりしなきゃ……ワルプルギスまで持たないわ……」ノビー

ほむら「……あー、お風呂入りましょ。さっさと上がってご飯食べて寝よう……」
831 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/19(木) 12:28:42.27 ID:4HqVgxAAO
――――ほむ風呂。

カポーン

ほむら「ほむふぅ……風呂は魂の洗濯ねぇ……」クター

ほむら「ま、ソウルジェムには全く効果無いけれど」ケッ

「ほむら、入ってるのかい?」コンコン

ほむら「キュゥべえ? えぇ、入っているわ。待ちなさい、今上がるから――」ザバッ

QB「ならちょうど良い、失礼するよ」カララッ

ほむら「ほむはぁぁぁぁぁっ!?」ブフゥッ!

QB「……? 大声を上げるのは、この家屋の特性上余り好ましくないと思うのだけれど」

ほむら「な、なんで」チラッ

ツルーン

ほむら「あ、貴女が」チラ

ムニムニ

ほむら「は、入って」ジィッ

プニプニ

ほむら「く、来るのかしら?」タラー

QB「……話したい事があってね――どうしたんだい?」

ほむら「いいえ何でもないの。真剣な貴女の表情を見て自己嫌悪に陥っているとかそんなのでは全然無いから気にしないで」ブンブン

QB「変なほむら……失礼するよ」チャプ

ほむら「あ、ダメよ。湯船に浸かるのは体と髪を洗ってからにしなさい」ホム

QB「……確かこの国ではソレが礼儀だったね。分かったよ」

QB「……髪の毛が長くて無理だよ、洗ってくれないかい?」きゅっぷい

ほむら「(耐えろ私)」
832 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/19(木) 12:33:09.13 ID:4HqVgxAAO
――――何事も無く湯船に二人

ほむら「…………で、話したい事って何?」

QB「……ボクは、今日魔女を退治したんだ。出来たと言ってもいい」

ほむら「――続けて」

QB「まるで魔法少女のような力を使う事が出来たんだ。わけがわからない」

QB「もしも、もしもだよ? ボクが魔法少女だったとして、何故ボクはソレを知らなかったのだろう?」

QB「……ボクは誰なんだい? もうそろそろ教えてくれたっていいんじゃないかい?」ジト

ほむら「……ダメよ」

QB「ふむ。ならやはりキミはボクについて、ボクの知らない何かの答えを持っているんだね」フム

ほむら「かもしれないわ。でも、知らない方が良いこともある」

ほむら「少なくとも自分から思い出せない内は、聞かない方が良い」

QB「……実はね、何となく思い出せそうなんだ。何かをね」

ほむら「――、それは良かったわね」ピクッ

QB「彼らと接触した時だった。電流が走るようだったよ」

ほむら「…………」

QB「ほむら、頼みがあるんだ」

QB「ボクと性交してくれないかな?……ソレが、ボクに関係しているはずなんだ」


(間)


ほむら「上がりましょう、のぼせてしまうわ」ザバッ

QB「……そうだね」

ほむら「(『マンドレイク』!『マンドレイク』を磨り潰して鎮静剤を作っておかないと持たない、私が!)」ホムホムホム!?
833 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/19(木) 12:35:45.31 ID:4HqVgxAAO
――――魔法薬物精製から錬金術までほむらさんはお手の物です。

ほむら「んっ、ぐっ……」グビグビ

QB「人間は風呂上がりに飲み物を飲むけれど、ソレは明らかに毒々し過ぎるよ」ウワ

ほむら「ぷはっ……黙りなさい。半分は貴女のせいよ」ゲフー

QB「……で、話の続きなんだけど」

ほむら「(あ……これ凄い効果だわ。全然昂らない)」ホム

ほむら「ダメよ。そう軽々しく身体は重ねるモノではないの」ナデ

QB「――でも」

ほむら「ん?」ニコ

QB「分かるよ。身体が覚えているんだ」ブルッ

QB「嫌に懐かしい感覚だった。生々しい経験が、刻み込まれている――ボクは……さぞかし淫らな魔法少女だったのだろう」

ほむら「違うわ」ガシッ

QB「……ほむら?」

ほむら「私はソレを否定する。故に、貴女は決して――決してそんな者ではない」

ほむら「……貴女に直接伝える勇気を、私は生憎持ち合わせていない――でも、手助けをしないとは言っていないわ」

QB「……キミたちに、ボクに構っている時間なんてないのでは無かったかな」

ほむら「心配無いわ。貴女の邪魔をするほど――ワルプルギスの夜も無粋ではないでしょうから」

QB「……なら、教えてくれ。ボクはどうしたらいい?」

ほむら「そうね、なら――」スッ

QB「……手?」ニギッ

ほむら「星を――」

『――星を見に行こう』

ベアト「――。うんっ!」ニパッ
834 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/19(木) 12:37:45.01 ID:4HqVgxAAO
投下終了。

あー余裕だわーマジ余裕だわー矢吹丈に左フック貰ったくらいの痛みだけどマジ余裕だわーでもこれ以上来たら流石に病院行くわー
835 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/19(木) 12:40:16.98 ID:fm5MG9ZAo
リアルタイムで読めた
おつかれちゃん

取りあえず病院行けwwwwwwww
836 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 12:51:27.04 ID:g0MZLEODO


ベアトちゃんとほむらのしっぽりむふふな展開はまだですか?
837 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 12:54:32.91 ID:lK1da9nu0

おだいじに
838 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/19(木) 14:06:35.40 ID:1qi4tghAO
痛いのあんまり我慢してるとブッ倒れて救急車呼ばれるハメになるかもしれんぞ
俺の友人みたいに
839 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/19(木) 17:51:43.42 ID:C05HTP640
>QB「ほむら、頼みがあるんだ」
>QB「ボクと性交してくれないかな?……ソレが、ボクに関係しているはずなんだ」

この時点でのQBは、ほむらが魔法でアレを生やせる事を知らないはず。つまり百合でもイケるという訳だな…うっへへへwwwwww
そういえばワルプルギスって出現する度にベアトが魔女化してるの?時期が来たら強制的にソウルジェム濁っちゃうんだろうか…


それはともかく…体のほう大事にしてくれよ。俺はこのスレが大好きだけど、>>1の無事のほうが大切なんだ
あと伊吹さんが矢吹丈に殴られるってのはひょっとしてギャグで…いや、なんでもない
840 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/19(木) 17:55:45.38 ID:rm7jwB+So
ベアトちゃんが生やしてくれるんじゃなかろうか
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 18:05:23.94 ID:UVu6CknPo
幻獣まで飼っているほむらさんマジ万能
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 18:33:52.08 ID:I7HnR+jIO
頼むから病院池
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 18:38:48.49 ID:R1v+dJy1o
便秘の可能性もあるから
とりあえず飯控えて、出すもん全部出して
出ないならコー○ックさん出動して強制退去させて

それでもダメなら病院ですなあ
844 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]:2012/01/19(木) 19:36:53.91 ID:4HqVgxAAO
バイト
吐く
帰ろう
雨だ←今ここ
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 19:39:43.17 ID:92PyVWQZo
ちょっ!おまっ!
濡れたんならしっかり身体温めてよ
846 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]:2012/01/19(木) 19:43:17.15 ID:4HqVgxAAO
>>845
バイト
吐く
帰ろう
雨だ
帰れない←new!
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/01/19(木) 19:48:03.69 ID:V6CpATHRo
ちょwww
そのまま病院行けばよくね?
848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/19(木) 19:48:03.90 ID:9Pp+zE2So
誰かに送ってもらえ、といいたいができない場合もあるだろうしなぁ…
849 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/19(木) 19:58:29.65 ID:C05HTP640
これほど俺達を心配させる書き手が今までこのSS速報に存在しただろうか
850 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 19:58:47.57 ID:R1v+dJy1o
あ、遠いのね…
置かせてもらうわけには行かないのかな

…ダメっぽそうだね
851 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 20:08:45.24 ID:Lp1264hIO
取り敢えず病院行っとこうぜ
下手に身体を壊して未完で終わられると非常に困るし
勿論完結してからなら倒れようが爆発しようが自由にしてくれて構わないんだがな
852 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 20:12:27.92 ID:R1v+dJy1o
バイトって言ってるくらいだし
お金の問題もあるんでしょうよ

…救急車呼ばれてからじゃ遅いんだけどなあ
853 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]:2012/01/19(木) 20:30:57.90 ID:4HqVgxAAO
学校へ避難←new

大丈夫地元だから直線距離6、7キロくらいだから余裕で帰れる根性さえあればなんとでもなる。
でもちょっと休憩するわ余裕だけど休憩するわ。
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 20:35:24.12 ID:R1v+dJy1o
休憩するんならもう書きこまない方ががが

貴方の健康的にもスレの健康的にも
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 21:39:10.88 ID:92PyVWQZo
ついにスレに健康度導入
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 21:57:40.55 ID:wodr8ByAO
俺が伊吹とヤる→体あったまる→風邪ひかない
尻に出す→伊吹下痢に→全部出る→腹も治る

さあ、ヤろうか
857 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/19(木) 22:34:03.59 ID:4HqVgxAAO
残念ながらホモではない。

油断したなバカめ!
投下開始。
858 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/19(木) 22:35:30.68 ID:4HqVgxAAO
――――まどか宅、夜。

詢子「まどかー、早く寝ろよー?」ヒック

まどか「うん、ママも飲み過ぎないようにね?……先生、お願いします」ペコッ

早乙女「分かったわ、任せてね」ニコ

まどか「はい、では」トテテ……

詢子「……できた娘だろ」ククッ

早乙女「そうね。まどかちゃんは学校でも大人しくて優しい良い子だから……」グビッ

早乙女「ふぅ……でも、何かあるんでしょ? じゃなきゃ詢子、私なんて呼ばないじゃない」カランッ

詢子「……そんな事ないさね」グビ

コトン

詢子「……学校で、あの子はどうだい?」

早乙女「……まどかちゃんのお友達ね、どうも最近ちょっとトラブってたくさいのよ……ソレで少し心配してたんだけどね」

詢子「ってぇと、さやかちゃんかい?」

早乙女「仁美ちゃん、それに恭介君も……まぁ子供には良くある恋愛のこじれだと思うんだけど」

詢子「けど……何だ?」

早乙女「解決しちゃったみたいでね。さやかちゃんも元気になったし、仁美ちゃんとも特別仲が悪くなった様子は無いわ」

早乙女「教師としては安心しているわ」コクン
859 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/19(木) 22:37:26.73 ID:4HqVgxAAO
詢子「……って事は、やっぱり何か引っかかるよな?」

早乙女「何か隠してる感はあるわねー。先生じゃなかったら詮索しちゃう所よ?」フフッ

詢子「っはぁ……妙な事に首突っ込んでなきゃ良いけど、心配だねぇ」クイッ、プハァ

早乙女「大丈夫よ。それに……あの子はあぁ見えてあなたに似ているわ。芯が入ってて頑固なんだから」クスッ

詢子「かねぇ……」

早乙女「ほら、母親が信じてあげなくてどうするの。きっとまどかちゃんなら、どんな事だって頑張って解決しちゃうんだから」

早乙女「私たちは、頼られた時に手を伸ばすだけ……でしょ?」

詢子「……さっすが、いっぱしに先生やってるだけあるわアンタ」ヘッ

詢子「さて、じゃあもう一杯」コンッ

早乙女「やっぱり次の日休みじゃなかったら付き合えないわね、詢子とは」コンッ

詢子「美味い酒と――」

早乙女「子供たちの未来に――」

「「乾杯」」
860 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/19(木) 22:39:10.81 ID:4HqVgxAAO
――――最後の脇役。

まどか「…………」ゴロリ

まどか「……眠れないや」パチッ



ほむら『話があるの』

ほむら『貴女はこれからワルプルギスの夜が現れるまでの間に、貴女自身の願いを見つけなければならない』

ほむら『ただ、こればかりは私にも結果が分からない事なの』

ほむら『同じ事を願ったつもりでも、その時の本人自身の心情や思考で――祈りは形を変える』

ほむら『実は、私が一番心配な事はこれなの』

ほむら『……貴女は、今までで一番庇護されている。故に、難しいの』

ほむら『……本当に残念で情けないけれど――人を駆り立てるのは「不幸」で、人を強く育てるのは「絶望」……そして人を前に進めるのはいつも「敵」』

ほむら『貴女はその全てから疎遠だった。少なくとも当事者にはなれなかった……だから足りないかもしれない。「覚悟」も「願い」も――でもそれは私のせいでもある』

ほむら『だから、見つけて。貴女の、貴女自身が心から望む願いを――貴女が考え選び取ったソレなら、きっと私たちを救ってくれると信じている』

ほむら『お願い――お願いよ、まどか』



まどか「私の、願い……」
861 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/19(木) 22:39:59.62 ID:4HqVgxAAO
まどか「……確かに漠然としてる。私は、何を願うんだろう」

まどか「考えても、答えは出ないや……私、バカだから」

まどか「でも――」スッ

『後悔なんて、あるわけない』

『そんなのアタシが許さない』

『いつかは今じゃないよ』

『もう、何も怖くない』

『私は――安心して絶望できる!』

『私の、生きる意味を知りたい』

『このユウリ様のことが気になるご様子で!』





『最後に残った――道しるべ』

『ボクと契約して、魔法少女になってよ!』




まどか「……話を聞いてみよう、みんなに」

まどか「……一人なんかおかしいよね」




ユウリ『へきしょい!』

ほむら「今どうやってくしゃみしたの」
862 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/19(木) 22:42:54.36 ID:4HqVgxAAO
――――ある丘の上

ユウリ『あのさぁ……』

ほむら「ん?」

ユウリ『イチャイチャするのは別に構わないけどさ……アンタアタシ忘れてない?』

ほむら「そうは言っても、今まで指輪だった期間の方が長いから――慣れないのよ」ホム

ユウリ『アタシはアンタの運命共同体なんだから、頼むよ……?』

ほむら「善処するわ」

ユウリ『しろよ、確実に……はぁ』

ほむら「……さて、どうかしら。何か感じるとこはある?」

ベアト「――ボクはこの空を知っているようだ」

ベアト「この丘で、誰かと――」

『ベアトリクス』

ベアト「っ」クルッ

ほむら「?」キョトン

ベアト「……いや、気のせいだったよ」

ベアト「(誰だろう……ボクと一緒に、この空を眺めていたのは)」

ベアト「(懐かしいな……何が懐かしいか分からないのに、とても懐かしい)」

ベアト「……ありがとうほむら。此処に来た価値はあったよ」

ほむら「それは何より。さて、帰りましょうか――『お姫様』」

ベアト「――――」ツゥ

ベアト「あれ? あれあれ、変だな。水が止まらないよ……」ポロッ、ポロポロ

ベアト「おかしいな、おかしい……おかしいなぁ――っ」

ギュッ

ほむら「……おかしくなんかないわ。泣きたい時は、泣くに限るのよ」

ベアト「忠告、感謝するよ……」ポスッ

ほむら「…………」

ほむら「(あの時、私にも実体があれば――また違っていたのだろうか)」

ほむら「(……今は、肩を貸す事しか出来ないけれど)」

ほむら「……」ハー

ほむら「……寒いわ」

QB「……暖かいよ」

ほむら「それは上々」クスッ
863 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/19(木) 22:43:45.40 ID:4HqVgxAAO
投下終了

よっし帰るぜ。雨は止んだ
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 22:47:07.37 ID:R1v+dJy1o
それは上々

865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2012/01/19(木) 22:52:45.31 ID:r5Jls2v70
(´;ω;`)

気を付けてな
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/19(木) 22:54:44.55 ID:rdAJYn9B0


それと医者行くか薬飲んどけ。体壊したら何もならん。
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/01/19(木) 22:57:15.06 ID:mhj2N4ga0
乙!
本当に大丈夫か?無理せんでもいいんだぜ
趣味のせいで>>1が体壊したら元も子もないんだからな
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/19(木) 23:02:20.94 ID:vt5RVvxe0
脇腹はやばいんだよ。盲腸でも軽いうちは薬で散らせる。体を過信してくたばるなよ作者。
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 23:06:07.30 ID:R1v+dJy1o
保険効くよ!
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/01/19(木) 23:18:52.58 ID:mPO/stERo
乙!!

事故の後遺症という可能性もあるので、酷くなりそうなら即座に病院へGO!!!!
脇腹だけじゃなくて背中の方まで痛くなってきたら胸椎にダメージを受けている可能性があるので更に急いでGO!!!!



そんなんじゃなかったら、とりあえず中沢とキャッキャウフフしててくれ
その間に俺はまどかとマドマドしてるから
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/20(金) 00:11:12.59 ID:MqH6d6iyo
今年を蹴ってまで見に来てるんだからな!!
完遂しろよ!!
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/20(金) 00:14:57.31 ID:D+kviPYZo
お疲れ様でした。
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 07:34:34.08 ID:CwnUZ+QIO
バカエロなのに名台詞満載とか
あんた良い嘘つきだ!
874 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/20(金) 10:50:44.11 ID:4Z1NczYAO
皆さんに申し訳ないお知らせがあります。

















ただの便p(ry テヘペロ

書き込む前から読者の怒りをビンビン感じる。
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2012/01/20(金) 11:02:11.06 ID:z9QU68NHo
おら!早くバカエロ書けよ!
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 11:39:39.15 ID:pl7NnQdmo
尻こっちに向けろやゴルァ!
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 12:04:42.69 ID:TOTZnp+DO
おまえら…いつから>>1が重病だと錯覚していた…?
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 12:15:30.76 ID:CwnUZ+QIO
ズキュウウゥゥゥゥゥウウワウゥゥン


このままッ!!親指を!こいつの!
ケツの中に…………つっこんで!殴りぬけるッ!
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 12:36:49.84 ID:uOsSWOFDO
大したことがなくて良かったよかった













じゃぁ俺はまどかとマドマドしてくる
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/20(金) 12:49:47.53 ID:Elk2inQAO
なんだ、うんこマンの魔女が>>1に憑いてただけだったか…
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 13:10:24.70 ID:CwnUZ+QIO
便秘の魔女…
そんなこと言ったら女は全部魔女wwww
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/01/20(金) 13:35:15.95 ID:p/CTX6JAO
世の中では下痢で悩んでいる女性も
便秘に匹敵するほどいらっしゃるということを覚えていただければ幸いです
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/01/20(金) 13:35:47.27 ID:p/CTX6JAO
>>882
>>881
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 14:33:00.51 ID:TRD5TqWD0
俺に憑いてる快便の魔女やるからバカエロ書けよ





>>779
じゃあ俺はクリームヒルトのグリーフシードでクリクリしてくる
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 15:42:07.65 ID:B7qaY8qIO
馬鹿野郎!
便秘だって酷くなれば命の危険もあるんだから常日頃からしっかり拡張しとけよ!
あとバカエロ早くしてくれないと凍死する
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/20(金) 19:20:31.27 ID:r8ltO+1a0
ほむほむ「そうこう言ってるうちにこのスレの濁りもあと110発言ほどで限界に達し、新しいスレに生まれ変わるわ」
マミマミ「み、みんな死ぬしか」
あんあん「やめろよソレ」
さやさや「とりあえずあたし、けつかっちんだし」
まどまど「…願いどーしよう」
きゅべきゅべ「…ボクにいい考えがある。それはね…」
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 19:41:12.12 ID:r+O5ypY/o
「ボクと契約して、魔法少女になってよ!」
888 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/20(金) 21:56:50.18 ID:4Z1NczYAO
治ったよー。
そして明日は面接さHAHAHA
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 22:00:26.11 ID:TLp2WykJo
やはり便秘であったか
治ってよかったよかった
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/20(金) 22:43:34.80 ID:dfCvjK6e0
>>1はホモではない、そして女はよく便秘になる
つまり>>1は女の子だったんだよ!(ドーン
それはともかく治ってよかったぜ。面接がんばってねー

さて俺は十兵衛になりすましてベアトちゃんを誘拐してくるよ
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/20(金) 23:40:39.34 ID:ur4Emf3z0
その後>>890の姿を見た者は誰一人いない・・・
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2012/01/21(土) 00:25:50.77 ID:promDXK8o
まったく人騒がせな>>1だな。
無事でなによりだけど。

面接頑張ってね。
893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/21(土) 01:45:00.89 ID:KxXvKueo0
うんこマンの魔女は何処へ・・・
894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/21(土) 02:35:44.70 ID:pO+Y9k+Ao
円環の理に導かれてしまったのだ
895 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/01/22(日) 01:06:22.67 ID:ipSfj7rZ0
さっきまどマギの原作小説全部読んで改めて>>1のすごさを知った……原作の複線ほとんど回収って何よ…
というかまどマギのシリアスSS書こうとしてもこのスレで複線ほとんど回収しちゃってるから
なんとなく二番煎じ感が否めないそれはとっても悲しいなって
896 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 02:01:24.53 ID:+5+fw+kDO
本当にスレタイと内容の差がやばいよな
897 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 02:26:37.05 ID:u4aJMUs6o
原作の複線回収なんてしてるか?
めっちゃ独自路線だと思うけど
898 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/22(日) 02:57:48.11 ID:F9SIhNito
熱狂な信者は盲目だから仕方ないよ
突っ込むと読者様認定されるだけだから黙っとこうぜ
899 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/22(日) 03:03:21.65 ID:r2sIANTro
伏線回収というより、原作裏設定をちゃんと踏まえてるというかんじ
頭悪く見える書き込みは控えた方がいいね
900 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/01/22(日) 09:48:12.75 ID:+Pvh2/pAO
なーんでいちいち要らんとこで煽るのやら
901 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 10:36:58.50 ID:VIpzVWZDO
>>900
オマエガナー
902 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(滋賀県) [sage]:2012/01/22(日) 10:42:34.52 ID:Yrl5CfnEo
ワルプルギスの夜=ほむら説を未だに諦めない俺とは対極のSSだけどだからといって別に面白くないわけじゃないからいい
903 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 11:04:36.29 ID:iC6P8Tgyo

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン       バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄
904 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/01/22(日) 18:14:08.84 ID:FemiIeXAo
ひー、1スレ目から読んでやっと追いついた
見ててにこにこしちゃうSSは久しぶりかもしれん
>>1ありがとう
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/22(日) 22:12:58.44 ID:WrimitU/0
1スレ目から、24万8000光年の旅の間に、持久力と忍耐力と読む体力のない者は全て宇宙の塵となった・・
さあ!パカエロ(がばっ)
906 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 00:33:36.30 ID:xTAOVRlAO
>>902
俺も諦めてない。

投下開始
907 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 00:34:19.12 ID:xTAOVRlAO
――――休日、橋の下、訓練。

ほむら「ほら、もっと強く打ってきなさいさやか!」

ほむらが隙だらけのさやかに体を入れ、押し飛ばした。

さやかは軽く後退させられる。

さやか「――でぇいっ!」

性根を表す様な、真っ直ぐな剣による突進。
神速克つ必殺の筈なのだが。

ほむら「甘いわ」

剣先をすれ違う様に抜け、襟を取って投げられるさやか。

ほむらは素手だった。

さやか「何でぇぇぇぇぇ……」

派手な水音と共に、着水。
ずぶ濡れになってしまう。

観客からも呆れ声が上がった。

杏子「ダメだな。戦いってのはもっと読み合うもんだ」

マミ「一撃で倒すつもりなら、もっと魔力を込めなきゃ」

キリカ「一撃じゃなく沢山打ち込むべきじゃないかな?」

織莉子「遠隔攻撃を使うのはどうでしょうか?」

ゆま「まず武器が小さいかも」

キリカ『魔女になれよ』

QB「とりあえず攻撃より防御すべきじゃないかな」

まどか「え、えっと、さやかちゃん頑張って!」

四面どころじゃない楚歌だ。
さやかちゃんのハートはもうブロークン。
908 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 00:34:49.42 ID:xTAOVRlAO
ほむら「さやか」

さやか「何さ……?」

ほむらがさやかに向かって諭す。
構わないから、と。

ほむら「私が手を抜ける程、貴女は弱くない筈よ」

ほむら「そもそもこれは確認。ワルプルギス前に、私たちが何を出来るのか。どうやって戦えるのかを」

ほむら「……だから、全力で来なさい。私も――面白くないわ」

最後の言葉に笑みを乗せる。
さやかは数度躊躇い、仕方ないとばかりに立ち上がった。

さやか「……避けてよ?」

ほむら「避けなければならない程なら」

さやかが剣を構え、脚部が魚鱗に侵食されていった。
虚空から幾つもの車輪が現れ浮き上がり、背後に浮かび上がった魔方陣からは大量の剣が煌めいている。

ほむら「――キリカ、結界!」

さやか「行けっ!」

キリカがほむらの回りを異界にするのと、弾丸が飛んでくるのは同時だった。

ほむらに小さな片翼が生える。

剣は真っ直ぐ、車輪は弧を描き――際限無く襲いかかってきた。

ほむら「『オハン』!」

金色の盾がほむらをそれらから守るが――数度金切り声を上げて消えてしまう。
909 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 00:35:17.53 ID:xTAOVRlAO
ほむら「耐えきれ――『プリトウェン』『アイギス』!」

さやか「受け止められるわけ、ないよ」

さやかが蒼の魔方陣に手を入れ――そこから巨大な剣を取り出した。

さやか「『魔女の――大剣』!!」

ほむらが呼び出した二枚重ねの盾に、その呪いを強烈に叩きつける。

両方、魔力に押されて消滅した。

ほむら「――、『■■■■』!!」

眼前スレスレに迫るソレを、ほむらは寸前で受け止める。

両手でしっかりと防御の構えを取り、構えたるは『青銅の鋸』。

それすら、僅かに皹割れていた。



ほむら「――よし、良いわよ?」

さやか「あー、やっぱほむらには届かないなー!」

ほむら「(…………アレが壊れそうになるとか嘘でしょ?)」

冷や汗は隠そう、うん。

杏子「ほら、次は私だぜ」

ほむら「分かったわ、来なさい」
910 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 00:36:22.97 ID:xTAOVRlAO
――――脇役、聞くに。

杏子「『ロッソ・ファンタズマ』っ!」ブンシンッ

ほむら「もう一声!」

杏子「投槍!」ブンッ

ほむら「二本を使いこなすのよ!」サッサッ



まどか「凄いね……お疲れさま、さやかちゃん」ノミモノ

さやか「あーうん。まぁね」アリガト

まどか「……いきなりだけど、変な事聞いて良い?」

さやか「いいよ、何?」

まどか「さやかちゃんはさ、この先……どうなったら幸せになれるのかな」

さやか「アタシ?」ウーン

さやか「……分かんない」

まどか「へっ?」

さやか「何が幸せかー、とか……そんなのあんまり考えないじゃん?」

さやか「でも、今は別に不幸じゃない……みんながいるから。だから、コレがこのまま続けばアタシは良いかな」

さやか「さやかちゃんは多くを望まない謙虚ヒューマンなのだ!」ワハハ

まどか「なるほど……ありがとう、さやかちゃん。参考になったよ」

さやか「……そう? なら良いけど」

まどか「(さやかちゃん絶対分かってないよコレ)」
911 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 00:37:50.30 ID:xTAOVRlAO
マミ「『ティロ・フィナーレ』!」1000!

ほむら「ちょっ、バカ――」

マミ「せんっ、れんっ、しゃぁ!!」ドガーン

ほむら「へぷち」ペイーン

キリカ「あ、暁美ほむらー!?」




杏子「紙切れみたいに吹き飛んだぞアレ……」ウワ

まどか「杏子ちゃんお疲れさま」クウカイ?

杏子「おう、サンキュー」ソレアタシノネタ……

まどか「……杏子ちゃんはさ、この先どうしたい? 何が杏子ちゃんの幸せ?」

杏子「この先? ワルプルギスの夜を越えてからって事?」

まどか「うん」

杏子「そうだな……」

杏子「誰も飢えなきゃ良いな。後は、ゆまを学校に行かせたいね」

まどか「杏子ちゃん自身は?」

杏子「……アタシには、そんな権利無いよ」ククッ

まどか「そんなこと――」

杏子「でももし」ピッ

まどか「…………」

杏子「そんなアタシでも祈っていいのなら……家族と一緒に、日々を過ごしたい。ソレだけさ」

杏子「今はゆまと……まぁ、マミだ」

マミ「あら、家主に向かって酷いわ」プンスカ

まどか「あ、マミさん。お疲れさまです」
912 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 00:42:40.93 ID:xTAOVRlAO
ほむら「遅い!」カチッ、カチッ

キリカ「遅いね!」ブゥンッ、ブゥンッ

織莉子「姿が見えないわ……」





マミ「私の幸せ?」

まどか「はい」

マミ「私は……一人ぼっちが嫌いだったわ」

マミ「寂しいし、誰も助けてくれない」

マミ「でも今は違うわ。一人でいても、何処かで私たちは繋がっている」

マミ「だから、私は今が充分幸せ。何も望まないわ」ニコッ

まどか「マミさん……」

さやか「いやぁ、マミさんは流石ですねぇ!」ヤンヤヤンヤ

杏子「さっきまで寝てたくせによ」
913 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 00:43:40.09 ID:xTAOVRlAO
ほむら「火力も素早さも足りてないわ! 予知だけに頼っちゃダメよ!」

織莉子「くっ……」

ゆま「……魔女化できる方がおかしいんだよね?」




キリカ「幸せ?」

まどか「うん」

キリカ「そりゃ、アレだ。織莉子とずっと一緒にいる事だよ。ソレ以外に有りはしない」テレッ

さやか「まぁ、わかりやすいよね」

まどか「好きな人と一緒かぁ……」ウェヒヒ

マミ「あ」

杏子「それは禁句――いや、もう遅いな」ハァ

キリカ「すっ、好きだなんて、そんな軽々しいものじゃないぞ! 大体――――」ベラベラ

まどか「えっ、えっ」オロオロ

織莉子「ほらキリカ、驚いているじゃない。怖がらせてどうするの」モギュッ

キリカ「おおっ、そうだね。悪い癖だったよ、ごめんね」

まどか「いや、ソレだけ本気になれる事があるって……凄いと思います」
914 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 00:44:22.81 ID:xTAOVRlAO
ほむら「『ミョルニル』!」ガキンッ

ゆま「てぇい!」ガキーン




織莉子「私の幸せはキリカと同じよ」

織莉子「強いて付け加えるとするならば、やはり人々の平穏を守る事かしら」

まどか「ふわぁ……壮大だぁ」

キリカ「いや、そうでもない。だろう、織莉子?」

織莉子「そうね。いい、鹿目まどか……一人の世界を守ろうとすれば、その周りも守らなければならない」

織莉子「そのまた周り、そのまた周り……結局は全て守らなければ何処かでマイナスが生まれる」

織莉子「其れを理解して、良しとするか否か。私は後者であるだけ」

織莉子「……呆れるでしょう? 私は酷い理想論者なのだから」

まどか「いえ……理想は、目指すべきだから理想なんだと思います」

織莉子「ありがとう。あの時貴女を殺していたら、きっとこんな触れ合いは出来なかった……今では後悔していないわ」

織莉子「必ずや、ワルプルギスの夜を越えて見せましょう。ね?」ニコ

まどか「はい!」

さやか「(カリスマたっかー……)」ワーオ
915 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 00:45:14.57 ID:xTAOVRlAO
ほむら「疲れた……」バターン





ゆま「キョーコとずっと一緒にいる事だよ!」

まどか「だよね。頑張ろうね」ナデナデ

ゆま「うん!」

杏子「むむ……」ポリポリ

さやか「照れてるよこの子」イヒヒ

杏子「やかましいわ」





ユウリ「おら起きろ」ゲシッ

ほむら「裏ステージ!?」ガーン!?
916 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 00:48:45.69 ID:xTAOVRlAO
ユウリ「幸せだぁ?」

まどか「う、うん……」アハハ……

さやか「ほむらから煙出てるんだけど……」ウワァ

ゆま「ミディアムだね」ポワー

ほむら「焼き加減の鑑定は良いから早く治して……」ピクピク

ユウリ「ふむ……ふむ」ウーン

ユウリ「正味、分からないね」

まどか「えっ」

ユウリ「……何だよ、その『まさかさやかちゃんと一緒だとは』みたいな顔はさ」ジロッ

まどか「あ、いや……」ティヒヒ

ユウリ「アタシには実体も無い。こうしてキリカに結界を張って貰って漸く現界出来るだけだ」

キリカ「疲れるー、止めたいー」ブーブー

ユウリ「もう少し恰好付けさせろよ眼帯女」ハァ

ユウリ「……ま、あの時なら――『ユウリ』を望んだかな」

ユウリ「今は……分からないな。明日、どうなるか分からない命だし――何よりアタシは、この時間の人間じゃない」

ユウリ「だから、強いて言えば『生きたい』くらいかな。悪いな、こんなんで」

まどか「生きたい……いえ、参考になります」

ユウリ「けっ……キリカご苦労!」バッ

カツンッ

ユウリ『ま、アタシから見れば身体がある分、アンタらは恵まれてるさ』ジェムジェム

ユウリ『サポートはする。しくじるなよ鹿目まどか』

まどか「わ、分かったよ」コクッ

さやか「(新手のマスコットにしか見えない)」

ほむら「さて、休憩がてらご飯にしましょ。奢るわよ」ホムッ

さやか「さっすがほむら先生!」ヒャッハー!

杏子「ほむらの奢りか……期待できるな」ゴクリ

ゆま「わーい!」

ほむら「貴女も来る?」

QB「構わないのかい?」

ほむら「一人増えたくらいじゃ私の財布には誤差よ」

QB「なら、お邪魔するとしよう」きゅっぷい
917 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 00:51:30.15 ID:xTAOVRlAO
――――だがファミレス。

さやか「…………」

杏子「…………」

ゆま「ゆま何にしようかなー?」キャッキャッ

キリカ「…………」

まどか「み、みんな……」ア、アハハ……

織莉子「私はこうなると思っていましたが……」

マミ「この方が気が楽でいいわ」

ユウリ『そもそも女子中学生の群れが下手な所行けるわけないだろ』

ほむら「別に私は高級料理店でも良かったのだけれど……それは、私の欲しかった日常では無いの」シュン

杏子「おらー! 飯持ってこい飯!」ガタッ

さやか「さ、さやかちゃん張り切って食べちゃいますよ!」ガタタン

キリカ「あ、ソレ美味しそう。ちょうだい」アーン

ゆま「いいよ、はーい」スッ

キリカ「ウマー」モグモグモ

ほむら「あらあら、落ち着いて食べなさい」クスッ

まどか「ふふ、じゃあ私も……いただきまーす」



QB「…………」モグモグ

『者共、群がれー!』

QB「(まただ……ボクの隣にいた誰かが居ない……)」
918 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 00:52:51.71 ID:xTAOVRlAO
――――今日はお開き。

テクテク

まどか「……ほむらちゃんの話聞けなかったや」

まどか「……みんな、何か大切な物の為に戦ってるんだ」

まどか「私は……」







QB「……ほむら」テクテク

ほむら「何かしら?」クル

QB「帰り道も、こんな時間だと薄暗いね」

ほむら「そうね」

QB「……ほむらは、何故いつもボクのそばにいるんだい?」

ほむら「さて、分からないわ」

QB「分からない、か……」

ほむら「居たいからいるだけよ、それ以外の何物でもないわ」ニコ

『ベアトリクス――』

ベアト「――――っ」ビクッ

ベアト「ほむら――」グイ

ほむら「え――」



ベアト「…………」

ほむら「…………んむっ」



ほむら「……どうしたの――何故、泣いているの」

ベアト「……ボクは――誰かと、こうしたような気がする」

ベアト「やっぱり変だ、悲しいんだから」

ほむら「…………」
919 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 00:53:30.32 ID:xTAOVRlAO
投下終了
920 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/23(月) 00:56:57.47 ID:Iq/tXN0No
きゅべほむとはこんなにも漲るものだったか!
乙!
921 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県) :2012/01/23(月) 00:58:35.49 ID:NqhEwqpx0

とりあえずバカエロを・・・寒い
922 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/23(月) 00:59:30.30 ID:Qutyb6iG0
あああァん!ベアトちゃんちゅっちゅ!ハァハァハァハァ(乙でした!次も楽しみだww)
923 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/23(月) 01:23:51.58 ID:3FLan3URo
お疲れ様でした
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/23(月) 02:29:14.20 ID:6LRbEuVZo
ベアトちゃんに生やしてみたい

すごく
925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/23(月) 08:13:07.79 ID:f2eiyvdu0
一万五千年が経過してもなおもバカエロを諦めない住民と、それでも我が道を往く作者に星屑の歌を http://www.youtube.com/watch?v=ONhXmDcx3EQ
926 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 18:16:58.62 ID:xTAOVRlAO
投下開始
927 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 18:17:49.53 ID:xTAOVRlAO
――――休日。今度は友人として、二人を迎えるカフェ。

さやか「はい、今日は奢り」コトッ

仁美「ありがとうございますの」

さやか「……バレちゃったね、秘密。いや、バレてたの方が正しいかな」

仁美「……えぇ。魔法少女の事もお聞きしていますわ」

さやか「……悪いね、気を使わせちゃってさ」ハハ

仁美「いえ……」

さやか「…………」

仁美「…………」

さやか「……恭介を、お願いね」

仁美「っ」

さやか「……アタシね、今度――凄く強い魔女と戦わなきゃならないんだ」

さやか「みんなと一緒に、だけど。でも、死んじゃうかもしれない」

仁美「――何で、そんな事をさやかさんがしなければならないのですか」グッ

仁美「別にさやかさんがやらなくとも――」

さやか「ううん、違うよ」フルフル
928 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 18:18:24.42 ID:xTAOVRlAO
さやか「その魔女が現れれば、見滝原は街ごと――いや、世界単位で壊れるかもしれない」

さやか「アタシは、守る為に魔法少女になった。だから、退かない。退くわけにはいかない」

さやか「もちろん、アタシの守る中に仁美もいる……だから」



仁美「……なら、せめて私に出来る事はありませんの?」

さやか「仁美に?」

仁美「はい。引き留める事が出来ないのであれば、私の領分でお手伝いするのみですの……そういえば」ハッ

仁美「大きい戦い、と仰りましたね……なら、私たち一般人への被害も作戦の内に入っているんでしょう?」ガタタッ

さやか「う、うん。多分。ほむらの事だから、何か考えてるとは思うけど」タジッ

仁美「……なら、私に提案がございますの――」
929 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 18:19:08.30 ID:xTAOVRlAO
――――仁美邸。無力な者の、有力。

仁美「…………」スゥ、ハァ

コンコンッ

仁美「失礼致します、お父様」カチャッ

「仁美か。今日は稽古は休みかね?」

仁美「えぇ。私、実はお父様に折り入ってお話がありますの」

「ふむ? 仁美が……珍しい事もあるものだな。よい、言ってみなさい」フム

仁美「……近々、この街に大災害が訪れますの」

「……ほう? それで?」

仁美「冗談ではございません。確かな筋からの情報ですの……そこで私からお願いがございます」

仁美「もし有事の際には、市民を迅速に避難させられる用意をしてほしいのです」

仁美「被害が抑えられ、またそれがお父様の功績となれば、政界でのお父様の立場は益々磐石に――」

「もうよい」

仁美「…………っ」
930 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 18:19:57.37 ID:xTAOVRlAO
「何を言うかと思えば……そんな与太話か。そもそも信用出来る筋とは何だ?」

仁美「それは……」グッ

仁美「それは、言うわけには参りません。これは、これからの私を支えて下さる事なのですから」



仁美「例えお父様と言えども、話せません。お父様にみすみす、使わせる訳にはいかない――そういう『力』たるものですわ」キッ



「――ほう。何時までも子供だとばかり思っていたが、成る程なかなか良い目をするようになったな……仁美」

「いや、結構だ。実に結構……なら私は、娘を信じるとしよう」

「手配はしよう。だが私に動かせるのは僅かに過ぎない」

仁美「それでも、構えていられるか、はたまたそうでないかでは……結果は大きく違います」

「その通りだ。任せておきなさい。成したい事があるなら何でも使いなさい、それが友人でも――例え父親でも」

仁美「……分かっておりますわ。ありがとうございます、お父様」ペコッ

「やりたい様にやってみなさい、仁美」フッ
931 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 18:21:41.49 ID:xTAOVRlAO
――――学校、ホームルーム

仁美「――と言う事ですの」

ほむら「」ポカーン

仁美「……いかが致しましたの、まさか不備がございましたか?」

ほむら「い、いえ。手際の良さに驚いただけ……書類まで出来てるなんて」ペラ、ペラ……

ほむら「(確かに、人々の犠牲を無視する訳にはいかない。けど、私たちではどうしようも無かったのも事実)」

ほむら「……ふむ。ふむふむ……これ、良いかしら?」ピッ

仁美「何ですの?」

ほむら「港からここまでは戦場になる可能性があるわ。この区域の避難所は避難にならない」ココカラココマデ

仁美「でしたら、もう少し奥地に構える事にしますわ。他にはございますの?」

ほむら「避難の時間に付いてなのだけれど、魔女の発生の時間は詳しくは分からないの。だから、前兆が有り次第連絡するわ」

仁美「分かりました。良さそうですわね」

ほむら「えぇ。正直……貴女の、こんな形での協力は考えもしなかったわ――貴女も、今は私たちの理解者といった所かしらね」

仁美「……お止め下さいまし。私はただ、自分がやりたい様にやっているだけですの。ただのエゴに過ぎませんわ」

ほむら「エゴで結構。頼んだわよ」クスッ

仁美「お任せ下さいまし」ニコ

さやか「朝っぱらから何か凄い事になってた」

まどか「仁美ちゃん凄いんだね……」ホエー……
932 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/23(月) 18:22:40.81 ID:xTAOVRlAO
投下終了
933 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/23(月) 18:43:04.49 ID:I2uhTqVko
着々と準備が進んでるなぁ
乙!
934 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/23(月) 18:51:11.43 ID:WZjBVkD7o
来たれワルプル!
935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 19:43:54.87 ID:tsObz+ogo
仁美と話すほむらは会社の上司っぽくてまたいいな
936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/23(月) 22:30:39.60 ID:7ePfCMMe0
ワカメパパがイケメンすぎワロタ 流石は志筑家の財力だ…

そういえばジュゥべえがあすなろ市に現れるのっていつ頃の話なんだろ?かなり未来の事ではあるよね
記憶戻りかけのベアトちゃんを十兵衛に会わせてみたら一体どうなるのやら…ニヤニヤが止まらないぜ
937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/23(月) 23:12:12.97 ID:3FLan3URo
お疲れ様でした
938 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/24(火) 23:50:45.48 ID:uvDtzg1AO
今日はスレタイ通り。

投下開始。
939 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/24(火) 23:51:32.25 ID:uvDtzg1AO
――――帰り道、ほむらとまどか

ほむら「……」テクテク

まどか「……」トコトコ

ほむら「……さて」クル

ほむら「話があるのでしょう? そういう顔をしているわ」

まどか「……ほむらちゃんはさ、どうなったら幸せになれる? 何を望むの?」

ほむら「……ソレを聞いて、貴女がソレを願うと言うなら……私は何も話さないわ」

まどか「ううん、違うよ。ただ、自分をはっきりさせる為にほむらちゃんのお話を聞きたいだけ」

ほむら「そう……そうね、なら――私は、何を望もうかしらね?」クスッ

まどか「……願いが無いの?」

ほむら「いえ、そうでは無いわ。ただ、皆が生きてワルプルギスを越える――それだけで良いの。そしてソレは願いでは無い。願望で終わらせる訳にはいかないから」

まどか「……そうだね。絶対……頑張らなきゃ」
940 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/24(火) 23:52:10.28 ID:uvDtzg1AO
ほむら「……まどかは、誰を助けたいの?」

まどか「へ?」

ほむら「私はね、まどかを助けたかった。だから、他の全てはその付属品でしかなかった」

ほむら「必要無かった。いらなかったのよ、私にとっては」



ほむら「だから切り捨てた。一人を救う為に、十人を殺した」

ほむら「十人では足りなかった。百人殺した」

ほむら「まだ足りない。千人殺した」

ほむら「まだまだ足りない。万人殺した」



ほむら「直接手を下した訳じゃないわ。でも、私が何もしなかったせいで死んだ人は沢山いるわ」

ほむら「それで良かった。まどかだけを守り続けられればそれで満足だった」

ほむら「でも、それは間違いだった。犠牲になるべき命なんて無かった」

ほむら「そして――私は、まどかすら守っていなかった……私が守っていたのはね、まどか。私自身だったのよ」

ほむら「最初に私は願ったわ。『貴女を守れる私になりたい』ってね。でも、貴女だけを守るなら『まどかを生き返らせて』だけで良かったのよ」

ほむら「私は欲張ったのよ。やり直して、強い自分を見せたかったに違いないわ」
941 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/24(火) 23:52:52.66 ID:uvDtzg1AO
ほむら「簡単だと思っていた。真実を知らなかったから。真実を知っていると勘違いしていたから」

ほむら「今思えば、私が永い時を囚われていたのは当然だと思うわ。何故なら私は、世界で一番罪深い」

ほむら「私の我が侭が、惨状を何度も何度も招き――その度に運命を憎み、因果を恨み、輪廻したわ」

ほむら「当然。だって始まりから私は間違っているのだから……私が魔女になるとすれば、きっと性質は『愚鈍』に違いないわ」

ほむら「……そう、気付く事にすら、随分と時間がかかってしまった」

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「だからこそ、今願うとしたら――全ての救済かしら」

ほむら「一を救う為に十を、百を、千を――例外無く救ってみせる」

ほむら「かつての敵も、これからの味方も全部」



まどか「……ほむらちゃんは、強いね」

ほむら「私が強く見えるのなら、それは仲間のお陰よ。決して、私一人の力では無い」

ほむら「貴女も、一人で戦う必要は無い。私たちも貴女と一緒に戦うわ」

まどか「うん、分かった……分かったよほむらちゃん」コクッ
942 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/24(火) 23:54:01.09 ID:uvDtzg1AO
――――見滝原海岸線、夕暮れの砂浜。

ほむら「……帰ってみれば居ないから、驚いたわよ」

QB「……ほむらか」チャプチャプ

ほむら「ほら、浅瀬に座り込まないで。お腹を冷やすのは良くないのよ、女の子はね」スッ

QB「…………」ギュ

グイッ

ほむら「えっ――」グラッ

ベアト「ほむら……」ギュウッ

ほむら「……どうしたの、震えているわ。寒いなら上がりなさい」

ベアト「違う。違うんだよほむら」

ベアト「震えているのは、ボクが何かを取り零したからだ……それが何かは分からない」

ベアト「でも、このままは嫌だ……ボクはボクを知りたい――だから」スッ



ほむら「ふむっ……んっ」

ベアト「むぅ……ん、くふっ」



ほむら「……はぁっ、貴女、どうしたのよ。最近おかしいわ、まるで貴女――」ハッ

ベアト「ほむら」

ベアト「ボクを真っ直ぐに見るんだ。見たね?」

ほむら「あ、あ――」




ベアト「ボクの為だと思って――ボクを抱いてくれ、ほむら」
943 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/24(火) 23:54:52.66 ID:uvDtzg1AO
――――ほむら宅、寝室。

ほむら「(……流されるままに、帰宅してしまった)」

薄暗い部屋で、ほむらはぼんやりとした思考に耽る。

ほむら「(恐らく、キュゥべえは私に十兵衛を重ねているだけ……故に無意識に、愛情を求めているのでしょうね)」

ほむら「(……どうすればいいの、私は)」

暗闇を手探りで進む様な、遅々とした思考。
それすら、寝室の扉が開く音に遮られた。

ベアト「……お、おまたせかな。ほむら」

ほむら「い、いえ……そんな事は、ない、けれど」

ベアトリクスは風呂上がりで、ほんのりと立ち上る湯気が色気を更に修飾している。

生唾を飲み込む。
男だろうが女だろうが関係無い。
ただ、官能的で――酷く、汚したい。

そんなどす黒い感情を押し殺して、ほむらはベッドの上を軽く叩いた。

示された通りに、白い髪の彼女はほむらの隣に座る。
芳香が鼻孔を刺激し、身体を否応なしに昂らせた。

ベアト「自分から言っておいてなんだけれど……や、やはり、本番ともなると気恥ずかしいモノだね」

少し紅潮した頬が可愛らしい。
サラサラの髪に、無意識に指を通していた。
気持ち良さそうに、彼女は目を閉じる。
944 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/24(火) 23:57:46.11 ID:uvDtzg1AO
ほむら「……そうね」

ここで欲望に任せて彼女を犯すのは簡単だし、ソレはこの世をして最高の快楽だろう。それは確実だ。

だが、彼女は壊れ物だ。
乱暴に扱って良いモノでは、到底ない。

肩を持って、ゆっくりと彼女をベッドに押し倒す。
スプリングの軋む音が、酷く淫猥に聞こえた。

ベアト「あっ――」

少し怯えが見え、思わず頭を撫でる。

ほむら「大丈夫よ……乱暴には扱わないわ」

今の自分は、上手に微笑んでいたと思った。
下半身が疼いて堪らないというのに、自分でも良くやったと思う。

静かに、優しく口付けた。

ベアト「んっ……」

ほむら「……んむ」

唇だけの触れ合いから、徐々に舌を主張させていく。
お互いに絡め合うソレは、とても心地好く――また、癒されるものだった。

ほむら「(……ソウルジェムが浄化された、か)」
945 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/24(火) 23:58:17.16 ID:uvDtzg1AO
暫しお互いの唇を啄み合う。
吸ったり、或いは甘く噛んだり――すると、彼女が急に首に腕を回してきた。

ほむら「――っ! んっ、ふっ――あっ!」

性感を得る程の、情熱的な口付けだった。
互いの唾液を貪り合い、呼吸するために一瞬離れてまた再び強く吸い合う。

キスだけで達してしまいそうだった。

下で快楽を興じていた彼女が、くるりと身体を入れ替える――ほむらが押し倒される形。

ほむら「くっ……」

ほむらのスカートは、本来有り得ない筈の器官によって屹立していた。
邪魔な布を捲って、彼女は蠢動するソレを手に取る。

そして、愛おしそうに撫でた。

ベアト「……何となく、そんな気がしていたんだ。気持ち良いかい、ほむら?」

ほむら「あっ――はぐっ!――うぁぁっ……」

彼女の白くきめ細かな指が、赤黒いソレを擦り上げる。
一度一度が射精してしまいそうな、脳を焼く快感だった。
946 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/24(火) 23:59:02.23 ID:uvDtzg1AO
ベアト「凄くビクビクしているね……失礼するよ」

ほむら「――くぅぅ、うぅっ!」

舌を這わせ、ソレに唾液を塗りたくって――そのまま啣え込んだ。
薄桃色の唇が、汚れた一物を飲み込んで――口は性器になる。
温かくて柔らかい、包まれて――溶けたかと思う程の刺激が背中を走った。

ほむら「――あ、あぁ、あっ!」

我ながら情けない声を出し、彼女の頭部を押さえて凶悪に膨れたソレを突き込んでしまう。
そして喉奥に白濁を流し込んだ。

一瞬苦しそうな表情をするが、彼女は気にせずソレを飲み下していく。
腰が微細に振動していて、意識していないのに勝手に動くソレを、少しだけ恨んだ。

彼女は吸いながらソレを口から引き抜き、口内に残った液をじっくり飲む。

溜め息が、全て嚥下した事を現していた。

ベアト「……苦いな。ほむらは――まだ、足りないようだね」

彼女の笑みが、酷く淫らでイヤらしい。

彼女はほむらの身体を跨いで、自らの陰部に太いソレを擦り付け――呑み込んだ。
947 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/24(火) 23:59:48.57 ID:uvDtzg1AO
ベアト「――くああっ!」

ほむら「っ――!」

快楽なんてものではない。
脳に直接叩き込まれる様な、強烈な電気信号の連発。
そう表現せざるを得ない、感覚だった。

彼女が腰を上げ、結合部の回りが糸を引く。
ソレを目にして尚、ほむらは僅かな自我を取り繕っていた。

騎乗する様に腰を下ろす。
水音が鳴って、柔らかい肉壁が何度も何度も淫茎を刺激した。

ほむら「か、は――」

呆気ない、二度目の射精。
彼女の膣はソレを受け入れて、悦楽に歓喜する。

ベアト「あっ、あはぁっ――あ、あぁ……っ」

快感と共に蘇ってくる――彼女の傷。



いつか、確かに、ボクは――



彼女は、急に動くのを止めた。
ほむらのソレが萎えた訳でもない。

ほむら「……キュゥべえ?」

だけど、彼女は泣いていた。

ベアト「……ゴメン、ほむら。ボクは――とても穢れている」

ほむら「――っ!」





彼女の表情には見覚えがある。

世界が滅び、最愛の人さえ失った――絶望の表情。
948 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/25(水) 00:00:25.25 ID:TG72DROAO
ベアト「……知っているようだね、その様子は……こんなボクを抱いてくれて、ありがとう――ひゃっ!?」

そんな表情をしてほしくはなかった。
起き上がって彼女を寝かせ、正常位の体勢を取る。

腰を強く突き上げた。

ベアト「きゃんっ!……ほ、ほむら?」

ほむら「貴女の傍にいるのは誰?」

問い掛けに、彼女は口をつぐむ。

ベアト「……でも、ボクはひとりぼっちなんだ――あ、ダメっ、ほむら、やめて――」

激しく腰を叩き付けた。
速くなっていく音が、部屋を跳ねる。

ほむら「貴女の回りには私がいて、皆がいる――決して一人ではない」

ベアト「でもっ、さみしいっ、あっ、さみしいんだっ――」

ほむら「なら、感じなさいっ……私を! 貴女を犯す、私を!」

ベアト「ほむら――んむっ」

泣きながら快楽に浸る彼女がとても儚げで、思わず身体を寄せて口付けた。
お互いの体温が伝わっていく。

ベアト「――うごいて、ほむら、もっと――もっと強くっ!」

ほむら「う――くぅ――ああっ!」

お互いの存在を確かめる様な、激しい交尾。




ほむらは何度も、何度も彼女と果てた――
949 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/25(水) 00:01:03.31 ID:TG72DROAO
投下終了
950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/01/25(水) 00:03:08.43 ID:zxLVj/x00
これが、レイプ……だと……!?
951 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/25(水) 00:07:45.16 ID:laVDOMeMo
ほのぼのレイプ
952 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/25(水) 00:11:56.01 ID:RpCVpi+Uo
何処をどう見ても和姦です。本当に有難う御座いました
953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/01/25(水) 00:25:06.57 ID:KZ+U7YD+0
やっぱきゅべほむが至高だな
954 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/25(水) 00:56:26.41 ID:NB4F1E06o
ふぅ……

これ完全に和姦じゃn……ふぅ……
955 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(和歌山県) :2012/01/25(水) 01:43:50.26 ID:rup5SSct0
レイプ…?
バカエロキタ―!!
956 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/25(水) 02:37:45.16 ID:tCTDx8uwo
ソウルジェムぴっかぴかになっちゃう!
957 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/25(水) 03:07:10.72 ID:OJMbOJwDO
みて!!この太陽のように輝いたSGを!!
958 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/25(水) 07:50:46.27 ID:7TdqV3Hd0
ほむらのベッドの中で始まった壮大な物語が、百億の昼と千億の夜を経て、ほむらのベッドの中に戻ってきた。
「愛を今すぐ 愛を私に」
959 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/25(水) 12:29:07.87 ID:qaT08qDAO
愛無き時代に 生まれた訳じゃない
君といきたい 君を笑わせたい

バカエロは少しずつ慣らしていってですね
最終的にはのーみそとろけるようなそんなバカエロをお願いします
960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/25(水) 15:11:48.41 ID:fJ5TlaIto
俺のアソコもテカテカに浄化されたぜ
961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/25(水) 16:23:34.30 ID:YtVzvylko
レイプと思ったら逆レイプだったかと思えば逆転してまたレイプに見せかけた和姦だった
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方) [sage]:2012/01/25(水) 16:55:55.98 ID:AzCqfbi2o

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   \  丶       i.   |      /     ./       /
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  ー
 __       ソ ウ ル ジ ェ ム で す          --
     二          / ̄\           = 二
   ̄.            | ^o^ |                 ̄
    -‐           \_/                ‐-

    /
            /               ヽ      \
    /                    丶     \
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 /    /    /       |    i,      丶     \
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方) [sage]:2012/01/25(水) 19:04:12.66 ID:AzCqfbi2o
書き込んでから気づいたけどこのAAユウリじゃね
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/25(水) 19:09:32.28 ID:oOAlsl+Wo
ユウリ様(物理的に)丸くなっちまいやがって・・・
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/25(水) 19:57:00.48 ID:1/iPzJYAO
ほむら「キュゥべぇに逆レイプされた後和姦したらソウルジェム浄化された」
966 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/25(水) 21:33:52.73 ID:K4i9c50u0
うぁぁぁんベアトちゃんベアトちゃん!撫でたい抱きしめたいキスしたいヌッチュヌッチュしたいよおおおおおおお!
今の俺のソウルジェムならクリームヒルトのグリーフシード並に穢れを吸い取れるぜ!さぁ来いワルプル!
どうかほむらがベアトちゃんを救えますように…そしてバカエロハッピーエンドになりますように!

やっぱり和姦は最高だよ!ムリヤリよりホンワカだよ!アヘ顔よりトロ顔だよ!そんな俺は経験ゼロだよ!
そしてユウリ様は空気読みすぎ…というより空気すぎだと思うんだぜ ジェムりおる…
967 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/25(水) 22:05:20.00 ID:0G/lMYnCo
ベアトちゃんが生やしてレイプしてきたらどうなるんだろう?

「うっ!出る」ケガレハッシャ!!
とかなっちゃうのかな?
968 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/25(水) 23:45:50.78 ID:TG72DROAO
――――暁けて。

チュンチュン

ほむら「む……」パチ

ほむら「(……いつの間にか眠ってしまっていたのね)」クアァ……

ほむら「――キュゥべえ?」

ベアト「いるよ」

ほむら「――。服を来なさい。その肌は私には眩し過ぎる」

ベアト「ボクも起きたばかりだよ。お風呂に入りたいけれど、やり方が分からなくて……」

ほむら「そこの壁にあるコンソールの赤いボタン押すだけでいいわ……大丈夫? ベタベタしない?」

ベアト「キミのは全部『飲む』か『呑む』かしただろう? 身体にはかかってないさ」サスサス

ほむら「……その、お腹を擦るのを止めなさい。朝からそんな体力はないから」

ベアト「分かっているよ。じゃあ、シャワー借りるね」バタン

ほむら「…………」ボー

ほむら「学校行かなきゃ……って、こんな中学生嫌ね」アハハ……
969 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/25(水) 23:46:16.67 ID:TG72DROAO
あ、投下開始で。
970 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/25(水) 23:47:06.25 ID:TG72DROAO
――――朝食

ほむら「はい。軽い物だけど」コト

ベアト「ありがとう」

ベアト「あむ……」モグモグ

ベアト「…………」

ほむら「……無理して食べなくてもいいのよ?」

ベアト「……キミは」

ほむら「…………」

ベアト「何故知っているんだ。ボクはキミを見た記憶は無い――いや、キミに良く似た子は知っているけれど……」

ほむら「違うわ。似ていても、私は真宵水城……だったかしら。その者ではない」

ほむら「強いて言うなら……貴女を救う為に、強く願った誰かがいたから――私が貴女を知る事が出来た。それだけよ」

ベアト「……ボクは、願望器になって生き延びていたんだね。なら、ワルプルギスの夜は――まさか」

ほむら「…………」

ベアト「……沈黙は肯定だよ、ほむら。成る程――ボクは、アレか」

ベアト「はは……何だ。アレはボクか……はは、ははは……」

ベアト「魔女になる為だけに生きてただけか、ボクは」

ほむら「…………」

ベアト「……嫌だ。嫌だよ……魔女になんてなりたく――っ」ビクッ

ギュ

ほむら「私の手、冷たいでしょう?」

ベアト「……うん」

ほむら「それは貴女の手が温かいからよ」

ほむら「だから、貴女はまだ人間なのよ。魔女なんかじゃないわ」

ほむら「もし……例え魔女になったとしても――私が起こしてあげる。だから、安心なさい」ニコ

ベアト「……本当、だね?」

ほむら「勿論。嘘なんかでは無いわ」

ベアト「……ありがと、ほむら」
971 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/25(水) 23:48:31.83 ID:TG72DROAO
――――早朝の来客

キリカ「おはよー」バターン!

ほむら「」

ベアト「」

キリカ「……え、何だかお邪魔?」タラー

ユウリ『だから言ったろう。空気読みながら行けって』ジェムジェム

キリカ「へーんだ。そんな事言ってると、もうやらないぞっ」

ユウリ『ぐっ……ズルいぞソレ!』

ほむら「お帰りなさい、ユウリ。昨日はどうだったかしら?」

ユウリ『織莉子の家にもスマブラあった』

ほむら「あらそう」クス

ほむら「ソウルジェムは問題ないかしら、キリカ?」

キリカ「問題ないね。小結界程度ならお易いご用だよ」ハハハ

ユウリ『久しぶりに身体を伸ばせた。恩に着るよ、暁美ほむら』

ほむら「(恩に着るのは私の方よ……気を使わせてしまって悪かったわ)」ヒソヒソ

ユウリ『見くびらないでよ。流石にそれくらいは空気読むさ』ヒソヒソ

ユウリ『……昨日はおたのしみでしたね?』ヒソッ

ほむら「っ」ボンッ!

キリカ「?」キョトン
972 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/25(水) 23:50:23.69 ID:TG72DROAO
――――彼女らの生はこれからも続く。故に。

キリカ「じゃあ私はこれで――ぐぇ」

ほむら「待ちなさい」グイッ

キリカ「わ、分かったから襟を離してくれないか暁美ほむら」バタバタッ

パッ

キリカ「ふぅ……何だい急に」

ほむら「貴女、見滝原の生徒でしょ。今日から登校なさい」

キリカ「はぁ? 何で?」

キリカ「私には必要無い。何故なら織莉子と永久に一緒だからだ」

ほむら「ハァ……」ホムゥ

ほむら「……ちょっと耳貸しなさい」

キリカ「?」スッ

ほむら「――――」ヒソヒソ

キリカ「――!」

ほむら「――――」ヒソヒソヒソ

キリカ「!――!?」

キリカ「学校に行く! 行かなければならないな!」ガタッ!

ほむら「そうね。でも――」

キリカ「こうしちゃいられない!」ヘンシンッ

ブゥンッ

ほむら「……時間停止なら追いかけられるけれど……もういいわね」フハァァァ……

ユウリ『お疲れさま』

ほむら「……静かね。キュゥべえ、何しているの?」

ベアト「ポタージュの缶ジュースの最後の具が引っかかって食べれない……」ズズッ、ズズズッ

ほむら「本当に何してるの!?」ホムーン!?
973 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/25(水) 23:52:46.81 ID:TG72DROAO
――――見滝原中学の朝は騒がしい。三年、マミのホームルーム。

マミ「ふわぁ……」

マミ「朝はやっぱり眠いわね……机で寝ちゃおうかしら」

「」ペチャクチャ

マミ「(……最初に馴染めないとずっと引っ張っちゃうのよねぇ……友達がいない訳ではないけれど、親しいのは暁美さん達くらいね)」

マミ「(まぁ、気楽でいいと言えば――)」

バタァァァァァンッ!!

キリカ「やはり居たね巴マミ!」

マミ「――呉さん!? 貴女何で――」ビックリ

キリカ「私も学校に通うべきだと暁美ほむらに諭されてね。この通り制服なわけさ!」ヒラヒラ

マミ「や、止めなさい! 見えちゃうでしょ!」ワタワタ

「何だあの子」

「見たことないぞ」

「巴さん知り合いなのかしら?」

マミ「(嫌な予感)」タラー

マミ「しかし……同じクラスだったのね」ハァ

キリカ「うんにゃ、隣」

マミ「――向こう行けバカぁぁぁぁぁぁ!」マミーン!

キリカ「わ、わけがわからないぞ巴マミ!?」
974 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga]:2012/01/25(水) 23:53:13.45 ID:TG72DROAO
投下終了
975 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/01/25(水) 23:55:56.28 ID:ML30IH2yo
乙!!

何この恋人達の朝的な何かwwwwwwww

だがそれがいい

もっとやrやってくだしあ
976 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/26(木) 00:02:55.18 ID:QJGezX/ho
( ゚д゚)

( ゚д゚ )
977 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/26(木) 00:05:04.92 ID:ZyA8MYvX0
( ゚д゚)

(゚д゚ )

( ゚д゚ )
978 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [saga sage]:2012/01/26(木) 00:07:26.73 ID:qyid00hAO
>>976
(?@?t?)

( ?t? )

( ??? )??!
979 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]:2012/01/26(木) 00:09:14.67 ID:qyid00hAO
携帯文字化けし過ぎワロスwwwwww

ワロス…………

( ゚Д゚) テスト
980 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/01/26(木) 00:11:09.99 ID:fxCqpjiQo
何事かと思ったわwwww

乙ー
981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/26(木) 00:16:04.11 ID:X1j7+jNdo
子宮がキュンキュンして死にそう
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/26(木) 00:49:46.64 ID:ihOE+LSW0
実に良い。良いぞ。…しかし、ぼつぼつ次スレ誘導がないと埋め尽くされるぞ。
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/26(木) 01:33:54.62 ID:nEP2Ll3qo
もっとイチャエロを! 砂糖を吐くだけに飽き足らず、全身が砂糖になる程のイチャエロを!
乙!
984 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/26(木) 07:13:55.52 ID:MMWUQYC7o
お疲れ様でした
985 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]:2012/01/26(木) 09:32:04.27 ID:qyid00hAO
酉バレ対策中
986 :伊吹 ◆fJ3KTPFnIUC/ [sage]:2012/01/26(木) 09:32:33.86 ID:qyid00hAO
予備酉
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/26(木) 09:38:02.62 ID:X1j7+jNdo
バレたところで誰かにこの文章を真似出来るかどうか
988 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]:2012/01/26(木) 09:47:55.12 ID:qyid00hAO
うぎゃあぁぁスレ立て出来ねぇ!?
989 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/26(木) 09:59:55.62 ID:VAF7LsJ4o
とりあえず、IDで判るうちに、
新酉に変更することをお勧めする。

スレは、誰かに代行頼めばいいよ。

俺も何回か立てられなくて頼んだことある。
990 :伊吹 ◆LPFQRD/rxw [sage]:2012/01/26(木) 10:12:52.98 ID:qyid00hAO
対応の速さ凄い。運営に対する好感度鰻上り。

お騒がせ致しました。次スレです。

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1327539839

ほむら「酉どうしよう……気に入ってたのに」シュン

QB「一応予備酉が暗証番号代わりになっているけど……」

ほむら「これで乗っ取られたら折れるわーマジジェム濁るわー」シュゴォォォォ

QB「わあぁ凄い勢いで穢れて――もう、バカ! こっちにくるんだ!」グイグイ

ほむら「えっ、ちょっ」ズルズル





まどか「マミさん、お風呂場から――」

マミ「言わないで」

さやか「変な声が――」

マミ「言わないで……」ズーン

杏子「人の家で盛る度胸だけは評価するな」ポリポリポ
991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/01/26(木) 21:48:42.31 ID:60zceyw50
新スレ乙
ほむほむ何があったしwwwwwwww
992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/26(木) 23:27:37.48 ID:E0XuXopNo
何だそういうことだったのか
間違ってノミーってつけちゃったよ
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/26(木) 23:34:01.73 ID:ihOE+LSW0
せっかくだから半魔女化さやかの勇姿 http://www.nicovideo.jp/watch/sm13826951
994 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/27(金) 01:59:15.36 ID:Ew2sm0Fno
ほむ?
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/27(金) 02:05:20.25 ID:lTz76eR/o
ホムゥ
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/27(金) 06:15:10.13 ID:7F1oxYiw0
うめ
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/27(金) 06:16:56.61 ID:7F1oxYiw0
うめ
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/27(金) 07:17:39.03 ID:k12q31cIO
うまっ
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/01/27(金) 07:19:23.08 ID:ha1PfjrNo
>>1000
ならマミさんずっと味方
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/27(金) 07:21:58.18 ID:DfkqRmDdo
1000なら魔法少女達のレズ乱交
1001 :1001 :Over 1000 Thread
    /|\
     |::::0::::|    
    |`::i、;;|
    |;;(ヽ)|
    //゙"ヘヘ
    //   ヾ、
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   ヽ!   !ノ      http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/
1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
クラシックはくそつまらん今すぐ終了しろ @ 2012/01/27(金) 06:00:34.64
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/vip4classic/1327611634/

まどか「魔法少女だったんだよ」 @ 2012/01/27(金) 05:48:38.60 ID:XwkrPBYr0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1327610913/

王様「お主には辺境村の再興を頼む」隊長「なにそれこわい」part2 @ 2012/01/27(金) 05:05:32.18 ID:gN9qh2se0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1327608331/

ロキノン好き来いよ @ 2012/01/27(金) 02:57:19.42
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/vip4classic/1327600639/

規制されてるやつこいよ @ 2012/01/27(金) 02:56:01.97 ID:MwCl158IO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1327600560/

妹が鬱気味?なんだがどうすればいい? @ 2012/01/27(金) 02:42:47.74 ID:AVR2HoIj0
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起きてる奴話そう @ 2012/01/27(金) 02:24:52.71
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夫が天使すぎてつらい @ 2012/01/27(金) 01:21:55.90 ID:f9dL7BnAO
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