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大魔王「勇者と子作りしろ」魔王「ヘァッ!?」2 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆TzMx3.YmlUUY [sage]:2011/12/17(土) 22:09:58.46 ID:nuE3ZKKLo

魔王が魔王になるお話 2スレ目です。

前スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1320399337/

注意点

・エロあり 時々リョナありです。
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/

旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

2 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/17(土) 22:12:29.10 ID:3XzhpTG2o
>>1乙〜
3 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/17(土) 22:15:38.29 ID:nuE3ZKKLo

登場人物


・魔王 28歳 男

箱○を愛するデブキモオタ。
その上根っからの処女厨である。
太る前はイケメンだったらしいが、今はキモメン。
虫も殺せないほど優しいヘタレ。
好きなタイプは巨乳のお姉さん。


・姉勇者 自称20歳 女

頭のネジが2・3本抜けている残念な美人。
婚期を逃したらしく同級生の結婚報告を受けるたびに泣いている。
誰にでも丁寧な口調だが、言っていることはアレなことばかり。
魔王のことは慕っているのか、嫌っているのか、惚れているのか傍目からみたらよくわからない。
嫌いなことは殺し。暴力はめっ!


・妹ゆーしゃ (登場人物のキャラクターはなにがなんでもとにかく18歳以上です)歳 女

いつも元気な女の子。怪我をしたって泣かない強い子。
腕っ節はいいが算数は苦手。
魔物に嫌悪感を抱いているが、魔王はおにいちゃんと呼び慕っている。
唯一の家族である姉勇者にはまだまだべったり。
苦手なものは蜘蛛。ゴキブリは平気。


・側近 18歳 女

若いながらに魔王の側近の位を手に入れた努力家ビッチ。
ツンデレなところもある小悪魔さん。
お頭は弱いが、魔法の腕は一流。そしてビッチ。
魔王の立派な息子に惚れて魔王のことも好きになる。
姉勇者の話では毎日オナニーしているらしい。
好きなオカズはきゅうり。
 
4 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/17(土) 22:23:54.05 ID:nuE3ZKKLo


・四天王1 年齢不明 男

みんなのまとめ役。優しい敬語キャラ。四天王のなかでは一番年上らしい。
だが息子は小さい。小さい……。
好きな魔法は火系の魔法、


・四天王2 年齢不明 女

四天王の中では二番目に年上だが、魔王城に攻め込んできた勇者にやられて何十年か眠っていたため精神年齢は一番年下。
報われない。よくいじめられる。いじめられないために皆の前では男口調だが、実際は敬語キャラだったりする。
嫌いなタイプはいじめる人。


・四天王3 年齢不明 オカマ

悪知恵がはたらくオカマ。人をいじめるのが大好き。
その上四天王の中では一番強いのだからたちが悪い。
好きなものはイケメンの男。


・四天王4 年齢不明 男

DQNの兄ちゃん。しかし歳は一番下。
めんどくさがりやだが、出世願望は非常に高い。
嫌いな食べ物は納豆。


・大魔王 年齢不明 男

魔王のお父さん。何を考えているのかわからない。
息子を殺したいのか、それとも殺したくないのか。
何をしたいのか。すべてが不明。
5 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/17(土) 22:24:56.26 ID:nuE3ZKKLo
次回の投下は、月曜日の午後九時ぐらいを予定しています。
月曜日までに前スレが1000いっていない場合は依頼しようとおもっています。
お疲れ様でした。
6 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/17(土) 22:37:46.83 ID:3XzhpTG2o
割り込みスマソ
7 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/17(土) 22:56:47.98 ID:iTGAWyuAO
前スレ991の2ェ…
性格は3や4みたいに悪くないし、お互い可哀想な立場だから魔王とは仲良くなれそうじゃないか

…ないか
8 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 00:05:36.01 ID:XG0o2ksIO
前スレラスト誤爆ごめんなさい…
9 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 00:10:03.18 ID:sm6E1pYro
画像も貼ってくれるとありがたいな

>>8
淫魔の国のやつ読んでたろ
10 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 00:10:55.44 ID:J+6VZpgjo
スレを越えて会いにくるんすね。わかります
11 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 02:55:57.73 ID:mZIyhH+P0
大魔王「勇者と子作りしろ」ウルトラマン「ヘァッ!?」
12 :!pw126162239144.62.tik.panda-world.ne.jp [sage]:2011/12/18(日) 06:58:33.21 ID:M3tMnMhIO
大魔王「勇者と子作りしろ」ウルトラマン「ヘァッ!?」
13 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 08:45:40.34 ID:uBrF1WyB0
3が嫌いじゃないわ!のオカマで脳内再生される
14 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 09:15:24.36 ID:J+6VZpgjo
わりと違和感ないわね。京水ちゃんだと
15 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 11:19:24.80 ID:fAWwMI7AO
クロノトリガーのマヨネーで想像してた
で魔王が最終的にダークマターをだな…
16 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 16:51:25.22 ID:ONAhfIDBo
>>15
クロノトリガーを知らない俺には銀魂の土方とお妙さんに脳内変換されたww
17 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 17:29:49.38 ID:tEXKsxx8o
|\_/ ̄ ̄\_/|
\_|  ▼ ▼ |_/
   \  皿 /      お茶が入りましたよ・・・・。
    ( つ旦O
    と_)_) 旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦
18 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 17:54:16.85 ID:pj8OKcG8o
ぐへへ
19 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 20:30:11.95 ID:AI5QLKtU0
俺の中では四天王3は
マカデミワッショイのオカマの先生で補完されてる
名前忘れたけど…
20 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/18(日) 23:40:29.32 ID:UKx9PpQAO
前スレラストらへんの「てがほしいの」がなんか怖い
「手伝ってほしい」ってこと?
21 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 00:24:06.48 ID:BB1mFaVbo
>>20
手を借りたい
っていうのを幼女なりに解釈したんじゃないかな…と思ってる
22 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:12:00.33 ID:HgEvDFWBo

――

3日後・夜 風呂場

妹ゆーしゃ「はぁ……はぁ……」

魔王「……」

妹ゆーしゃ「きもちよかったー」

魔王「……そう、ですか。それはよかった」

妹ゆーしゃ「はやくでないとおねえちゃんたちにバレちゃうかな……」

魔王「かもしれませんね。軽く身体を洗って出ましょう」

妹ゆーしゃ「うん!」
23 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:15:04.72 ID:HgEvDFWBo

妹ゆーしゃ「〜♪」

魔王「……」

魔王(またしてしまった……)

魔王(処女は破っていないとはいえ……やっぱこんなの間違ってるんじゃないのか)

魔王(……)

魔王(でも間違ってたとして、今更どうすればいいんだ)
24 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:18:40.41 ID:HgEvDFWBo

魔王(つっぱねるのか。もうこんなことはしないほうがいい、と)

魔王(……それもひとつの手だろう)

魔王(でも根本的な解決にはなっていない)

魔王(なぜ間違っているのかを、教えないかぎりは)

魔王(ならどう教える……?)
25 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:21:36.98 ID:HgEvDFWBo

魔王(……)

魔王(……わからない)

魔王(好きなもの同士が……あー、だめだ。そうだ。妹さんは好きがわからないんだ)

魔王(道徳的によくない……)

魔王(それだけじゃだめだな。絶対妹さんはなにがよくないんだ? と聞いてくる)

魔王(子供が子供を作るような真似はしていけない……からか)

魔王(なぜ……?)

魔王(それは身体が未熟だからだ)

魔王(でもこれは子作りではない)
26 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:22:57.89 ID:HgEvDFWBo

魔王(ビッチになってしまうから……?)

魔王(そうだ。それだ! ビッチはだめだ……。……側近さんは…………うん)

魔王(……それより、なぜ、だめなんだ)

魔王(それは……、他人の物をいれた穴なんかにいれたくないからだ)

魔王(なぜ)

魔王(……好きな女が、他の男に抱かれている想像なんて…………)

魔王(……な、なぜ……)

魔王(…………、好き、だからだ)

魔王(……あ……くそ)

魔王(妹さんは好きがわからない……)
27 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:25:34.64 ID:HgEvDFWBo

魔王(……なら、やっぱり……未熟とか、そっちでせめたほうが……)

魔王(でも、子作りじゃない、といわれてしまえば……どう返していいものやら……)

魔王(…………)

魔王(わからない……)

魔王(お姉さんになら、わかるのかな……)

魔王(い、いや、なに考えてるんだ。お姉さんはコレを仕掛けてきた人だぞ)

魔王(妹さんと俺をくっつ…………)

魔王(いや……まてよ……)

魔王(そもそも、どうして“お姉さんはこんなこと”をしたんだ)
28 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:26:26.33 ID:HgEvDFWBo

魔王(おかしい)

魔王(あの人は……俺が殺されるということをいち早く気づき、道を示してくれた人だ)

魔王(子作りはするな、殺される、といっておきながら何故こんな真似を?)

魔王(……)

魔王(…………)
29 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:26:48.69 ID:HgEvDFWBo

魔王(……)

魔王(……。子作りはするな、そこが間違っているのか)

魔王(本当はしろ、とか)

魔王(い、いや。でも、まてよ。それだったらこんな回りくどい真似なんてしなくていい)

魔王(お姉さんが俺を……するか、側近さんに任せればいいんだ)

魔王(そこはきっと間違っていない。大丈夫だ)

魔王(……だとしたら、やっぱり“今この状況こそが間違っている”んじゃないか)
30 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:27:14.69 ID:HgEvDFWBo

魔王(…………、確かに、間違いすぎている)

魔王(そんくらい俺でも気づいている……)

魔王(だけど…………あぁ、また結局は最初と同じだ)

魔王(お姉さんがわからない。妹さんもどうしたらいいのかわからない……)

魔王(俺はいったいどうしたらいいんだ……)

女子学生『死んじゃえばいいんだよ』

魔王「――!」
31 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:27:43.14 ID:HgEvDFWBo

女子学生『なにもしないで、お父さんに殺されればいいんだ』

女子学生『あなたが魔王になろうとすればするほど、犠牲者が増えてくる』

魔王「……ぅ……」

女子学生『私を、殺した』

S勇者『私も、殺した』

魔王「……ぅう……」

妹ゆーしゃ「……ん、あれ? おにいちゃんどうしたの」
32 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:28:26.05 ID:HgEvDFWBo

女子学生『妹にも手を出して汚した。かわいそうに、こんな小さいのに』

S勇者『その上自分が犠牲者みたいに思っている』

女子学生『殺したのはあなたなのに』

S勇者『殺されたのは私たちなのに』

魔王「……メテ……ヤメ……クレ……」ガクブル

妹ゆーしゃ「お、おにいちゃ……。だ、だいじょうぶ!?」
33 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:28:56.68 ID:HgEvDFWBo

女子学生『殺した』

S勇者『殺した』

女子学生『奪った』

S勇者『私たちの人生、すべて』

女子学生『何も私たちは悪くないのに』

S勇者『みんなを幸せにするために戦ってきたのに』

女子学生『殺した』

S勇者『殺した』

姉勇者「妹ちゃんどうしたの?」ガチャ

妹ゆーしゃ「あ、お、おねえちゃん。お、おにいちゃんが」
34 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:29:25.07 ID:HgEvDFWBo

女子学生『殺した』

S勇者『殺したッ!! 返してよ!! 私たちだって生きたいのよ!!』

女子学生『なんであんたの命と引き換えに死ななくちゃいけないのよ!! ねぇ!!』

魔王「ァ……ゥ……あ……」

姉勇者「ああ……」

姉勇者「…………ふぅ」

バシッ!!

魔王「ゥヘビッ!?」バタンガタンッ!!

妹ゆーしゃ「!」

妹ゆーしゃ「お、おねえちゃんが……な、なぐった……?」
35 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:29:59.30 ID:HgEvDFWBo

魔王「……エ……あ?」

姉勇者「おはようございます、魔王様」

魔王「お、おは……え?」

姉勇者「申し訳ございません、殿方を殴るなど……淑女として相応しくありませんでした」

魔王「……あ……なぐ、られた……?」

姉勇者「申し訳ございません。大丈夫でしょうか。お怪我は?」

魔王「い、いえ……な、いです」

36 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:30:28.58 ID:HgEvDFWBo

姉勇者「……雑念も消えたご様子。身体をお拭きになったほうがよいかと」

妹ゆーしゃ「ざつ……? んー……?」

魔王「…………あ。……」

姉勇者「それでは失礼します」

魔王「ま、まってください」

姉勇者「何か……?」
37 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:30:55.25 ID:HgEvDFWBo

魔王「……どうして、こんなことを」

姉勇者「……それはどちらのことを仰っているのでしょうか?」

魔王「…………」

姉勇者「……」

妹ゆーしゃ「……? いったいなんのおはなし……?」

姉勇者「…………」

姉勇者「……リザイン、ですか」ボソ

姉勇者「わかりました。手を貸しましょう」

魔王「……え?」
38 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:31:21.57 ID:HgEvDFWBo

姉勇者「それでは“お楽しみ”のところ失礼しました」

バタン

魔王「――!」

魔王「……し、知られてる……」

妹ゆーしゃ「ねー、ねー、いったいなんのことはなしてたのー?」

魔王「……あ。えっとね。は、はは……」

妹ゆーしゃ「……?」
39 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:31:49.45 ID:HgEvDFWBo

――

同日・1時間後の夜


側近「たまにはお風呂の後に夕食をとるのも悪くないな」

姉勇者「おそまつさまでした」

側近「このまずい飯さえなんとかなれば、最高だったのにな」

姉勇者「あらあらまぁまぁ、側近様ってなんてツンツンデレデレ」

姉勇者「そうして数々の男性のハートを奪ってきたのですね」

姉勇者「いやんばかん!」

側近「……あの発言からそこまで発想を転換させるお前に天晴れといいたい」
40 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:32:16.46 ID:HgEvDFWBo

姉勇者「もう、人をえっちな人呼ばわりして! 貴女様のほうが淫乱だというのに」

側近「お前はエッチとか淫乱とかではなくて……なんていうんだろう」

側近「中学2年生男子の思考?」

姉勇者「――!」

姉勇者「……あ、あんまりですわっ! 人を∞という字をみただけで興奮するような中二男子と一緒にするなん……」

姉勇者「でも、∞ってちょっと……ぽ」

側近「中二男子だ……」
41 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:32:42.45 ID:HgEvDFWBo

姉勇者「ぐす……、側近様がいじめる……」

姉勇者「今日はもう顔もみたくありません……」

姉勇者「妹ちゃん、一緒にお片づけしましょう」

妹ゆーしゃ「わかったー」

側近「おー、おー、勝手にやってくれ。魔王様それまで」

姉勇者「子作りですか!!」

側近「違う!! いいからお前はさっさと片付けんか!」

姉勇者「いいもんだ!! ばーか! ばーか! 側近様のばーかー!」
42 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:33:08.35 ID:HgEvDFWBo

バタン

妹ゆーしゃ「いまのおこさまみたいだったよ」

姉勇者「お子様相手にはあれぐらいが丁度いいわ」

妹ゆーしゃ「じょうだん?」

姉勇者「ええ」

妹ゆーしゃ「はやくかたづけよー」

姉勇者「ええ、そうね」
43 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:33:37.24 ID:HgEvDFWBo

カチャカチャ……

妹ゆーしゃ「わたし、しょっきふくー!」

姉勇者「わかったわ。私が洗うわね」

妹ゆーしゃ「うん!」

姉勇者「……」カシャカシャ……

妹ゆーしゃ「……」フキフキ

44 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:34:05.54 ID:HgEvDFWBo

姉勇者「ねぇ、妹ちゃん」

妹ゆーしゃ「んー?」

姉勇者「魔王様のこと、好き?」

妹ゆーしゃ「――!」

妹ゆーしゃ「……」
45 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:34:36.29 ID:HgEvDFWBo

姉勇者「あら、どうしたの?」

妹ゆーしゃ「……えっと、うんっと……」

妹ゆーしゃ「……うー……」

姉勇者「ふふ、そうなんだ。好きなんだ」

妹ゆーしゃ「え!? す、すきじゃないよ!」

姉勇者「じゃ嫌い?」

妹ゆーしゃ「違う! きらいじゃない!」

姉勇者「なら、好き?」

妹ゆーしゃ「えっと、うー、あ、わ、わからない」
46 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:35:03.29 ID:HgEvDFWBo

姉勇者「……ああ」

姉勇者「私は家族に対する好きと、好きな人に対する好きの区別がつかないってこと?」

妹ゆーしゃ「そ、そう! わたしわかんない!」

姉勇者「それなら簡単に見分けられるわ」

妹ゆーしゃ「え?」

姉勇者「妹ちゃん、くちゅくちゅしましょうか」

妹ゆーしゃ「!?」
47 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:35:32.03 ID:HgEvDFWBo

姉勇者「私と、気持ちいいことしましょう」

姉勇者「妹ちゃんの中に私の指をいれて、ぺろぺろ舐めて、舐めあって」

姉勇者「魔法を使えば男性器ぐらいつくれるわ」

姉勇者「それを妹ちゃんの中にいれて、私が処女をもらう」

姉勇者「どうかしら?」

妹ゆーしゃ「い、いや!!」
48 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:36:05.79 ID:HgEvDFWBo

姉勇者「どうして? 妹ちゃん、私のこと好きじゃないの?」

妹ゆーしゃ「そういう好きじゃない!」

姉勇者「……ほら、区別できているじゃない」

妹ゆーしゃ「ふえ……?」

姉勇者「あなたはちゃんと好きを区別できている」

姉勇者「私が男だったとしても、今の提案に妹ちゃんは首を横に振ったと思うわ」

妹ゆーしゃ「そ、そうなの?」
49 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:36:32.40 ID:HgEvDFWBo

姉勇者「ええ、じゃもうひとつ」

姉勇者「魔王様とくちゅくちゅしたい?」

妹ゆーしゃ「……」

姉勇者「責めたりなんかしないわ。正直に答えて」

妹ゆーしゃ「……うん、したいとおもったりする……」

姉勇者「……うん。ほら、やっぱりあなたは区別できているわ」
50 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:37:04.23 ID:HgEvDFWBo

妹ゆーしゃ「……」

姉勇者「どうしたの、悲しい顔して」

妹ゆーしゃ「……たぶん、おにいちゃんのことすきなんだとおもうの」

妹ゆーしゃ「でも、でも、どうしたらいいのかわからない」

妹ゆーしゃ「くちゅくちゅしてもらうたびに、ふわーってなるの」

妹ゆーしゃ「わくわくするんだとおもう」

妹ゆーしゃ「だけどね……、おにいちゃんのかおはいつも……くらいの」

妹ゆーしゃ「だからね。どうしたらいいのかわからないの」
51 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:37:31.91 ID:HgEvDFWBo

姉勇者「それはね、すっ飛ばしすぎているからよ」

妹ゆーしゃ「す、っとばし……?」

姉勇者「恋愛っていうのは大概、片思い期間があってー、告白してー、付き合ってー、最終的にくちゅくちゅするのが一般的なの」

姉勇者「でも妹ちゃんはすっ飛ばして、最後までいってしまった」

妹ゆーじゃ「じゅ、じゅんじょってたいせつ!」

姉勇者「そう、大切。だから最初からやってみましょう」

妹ゆーしゃ「さいしょ……。かたおもい」
52 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:38:00.20 ID:HgEvDFWBo

姉勇者「そう、片思い。魔王様を好きになって、愛してみましょう」

姉勇者「そして告白して、……付き合って……やっていけば、きっとうまくいくわ」

妹ゆーしゃ「あいしてみる……」

妹ゆーじゃ「むずかしい」

妹ゆーしゃ「すきとあいするってなにがちがうの?」

姉勇者「それも、考えてみましょうか。けして答えはひとつじゃないから」

姉勇者「自分なりに考えて、そして愛してみましょう」

妹ゆーしゃ「……うん。がんばる」

妹ゆーしゃ「がんばる!」
53 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:38:37.81 ID:HgEvDFWBo

姉勇者「ええ、頑張ってね。……あら、いつの間にかお皿洗い終わっちゃったわね」

妹ゆーしゃ「うん。かたづける?」

姉勇者「私が片付けるわ。妹ちゃんは先に戻ってて」

妹ゆーしゃ「うん!」タッタッタ

妹ゆーしゃ「あ」キュ…
54 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:39:05.49 ID:HgEvDFWBo

姉勇者「どうしたの?」

妹ゆーしゃ「あのね、ありがとうおねえちゃん!」

妹ゆーしゃ「おねえちゃんがいってくれなかったら、ずっときづけなかったかもしれない」

妹ゆーしゃ「えへへ……。それじゃあね!」バタン
55 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:40:23.90 ID:HgEvDFWBo

姉勇者「……ありがとう、か」

姉勇者「……むしろ、あなたは私を責めるべきだったわ」

姉勇者「…………」

姉勇者「ごめんね、妹ちゃん……」

姉勇者「でも信じている。あなたのその気持ちが……魔王様も、あなたも救ってくれるということを」

姉勇者「……ふぅ」

姉勇者「明日は魔王様とお話し合いね……」

姉勇者「私も決意しなきゃ、ね」
56 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/19(月) 21:40:51.88 ID:HgEvDFWBo

ここまで読んでいただきありがとうございます。
ひとつ訂正なのですが前スレの>>923の1の部下のセリフ「魔王様が――」となっていましたが「大魔王様が――」の間違いです。
混乱させてしまい申し訳ございませんでした。

次回の投下は二日後の午後九時頃を予定しています。
57 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 21:44:43.89 ID:PcosqeQq0
おっつんつん♪
魔王はモテキか・・・。
58 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 21:46:12.45 ID:xTh/90EXo
乙〜
59 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 22:32:19.43 ID:eB+NAdfAO
>>19
ハプシエル「LOVE&PIECE〜それが〜私の〜ポ〜リシィ〜♪」
60 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/19(月) 22:39:48.89 ID:p7NWz2K+0
結局姉勇者は何を狙ってるんだろうか…?

俺バカだからわかんない
61 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/20(火) 01:08:08.13 ID:d52rXKHAO
何を狙うとか気になっても自分なりに考えてれば良い。

作者が書いた内容と違ってもそれはそれで楽しいから
62 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 00:01:26.06 ID:JWYMGe//o
まあどうせ姉と魔王がくっつくから




きっと
63 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 00:05:00.07 ID:xYMV3Acmo
姉はラスボス
64 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:12:29.62 ID:miXomU1do

――

翌日・朝 魔王の部屋


魔王「…………ぅ……」

魔王(あれ……、今、何時だ……?)スッ

魔王「……」

魔王「えっ!」ガバッ

姉勇者「あら、魔王様おはようございます」

側近「おはようございます」

魔王「お、おはようございます……?」

姉勇者「どうかなさったのですか。ずいぶん慌てていたようにみえるのですが」
65 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:14:28.56 ID:miXomU1do

魔王「えっと……、あの、……い、妹さんは?」

姉勇者「妹ちゃんならここにいますよ」

妹ゆーしゃ「……」チョコン

魔王「……? ……??」

魔王(いつもは蹴って起こされる時間なのに、借りてきた猫みたいに……)
66 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:17:48.44 ID:miXomU1do

妹ゆーしゃ「……」テクテク

魔王「……!」ビクッ

妹ゆーしゃ「……」

魔王「…………お、おはようございます」

妹ゆーしゃ「……お、おはっ……うー……」

妹ゆーしゃ「おは、よ、よう……」

魔王「ど、どうしたんですか。顔真っ赤にさせて……」
67 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:23:31.83 ID:miXomU1do

魔王「! ま、まさかまた風邪ですか!! ちょっと失礼します」ピト

妹ゆーしゃ「!?」

妹ゆーしゃ「あ、わわ……あ、あ、う、うがあぁぁぁぁぁーっ!!」バキィッ!!

魔王「ブヒィィィィッ!?」ズサササーッ

魔王「ぅぎあっ!」ガッチャーン!!
68 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:27:25.00 ID:miXomU1do

妹ゆーしゃ「ハー……ハー……」

側近「……」

側近「最近、気になっていたのだが『あげぽよ』の『ぽよ』とはなんだろう」

姉勇者「意味はないそうですよ。強いていうなら可愛いからだそうです」

側近「常人には考えられない発想だな。あげの後にぽよとは……。テンションあげあげなら、普通あげテンじゃないのか!」

姉勇者「天ぷらみたいで嫌だったんじゃないですか」
69 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:29:08.43 ID:miXomU1do

側近「そうか……天ぷらはだめなのか……」

側近「おいしいんだけどな……」シュン

姉勇者「テンションが下がったときは、さげテンですか。サゲマンみたいですね。やらしい」

魔王(俺は……ナチュラルに無視ですか……)ガクッ…
70 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:30:32.45 ID:miXomU1do
――

側近「す、すいません。まさかそんな重症だなんて」

魔王「い、いや、いいんです……。どのみちベホマで治りますから」

側近「妹。お前も少しは手加減しろ。毎朝毎朝……」

妹ゆーしゃ「むー……」

姉勇者「手加減……」

側近「お前も朝からへんなこと考えるんじゃない!」

姉勇者「ただいってみただけなのに……」
71 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:36:08.96 ID:miXomU1do

魔王「今日の予定はいつも通りですか?」

側近「はい。午前がフリー、午後訓練となっています」

姉勇者「私は一日中フリーですけれどね」

側近「お前も何かしたらどうだ。鍛えてやるぞ」

姉勇者「運動は苦手なもので。部屋の隅で読書しています」

側近「……太るぞ」

姉勇者「あいにく、太らない体質なので」ドタプーン

72 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:37:12.28 ID:miXomU1do

側近「栄養はすべて胸にいくのか」

姉勇者「さ、さぁ……」

側近「お前の母親も巨乳なのか?」

姉勇者「えぇ、まぁ……」

側近「となると、妹も……」

妹ゆーしゃ「わたし、むねぺっちゃんこだよー」

側近「その歳から巨乳だったら恐ろしいわ!」

魔王(……い、居心地がわるい……)
73 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:38:07.80 ID:miXomU1do

姉勇者「側近様もしっかりとあるじゃないですか」

姉勇者「私ほどあっても困ると思いますよ。下みえませんし、街中で注目されますし、物を書くとき邪魔ですし服伸びますしというか服のサイズに困りますしブラもかわいいのないですしそれを言うと自慢乙自慢乙いわれますし貧乳の方からは恨まr」

側近「それでも羨ましいものは羨ましいんだ! くっ……!」

魔王(女の人も大変なんだなぁ……)ダラダラ

妹ゆーしゃ「ごはんおいしいー」
74 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:39:11.26 ID:miXomU1do

――

同日・午前10時

妹ゆーしゃ「みんなでおそうじたのしいなー」フキフキ

魔王「そうですね」フキフキ

側近「いや、魔王様はやらなくていいんですよ」

魔王「え!? あ、じ、自分の部屋ですから……ハハ……」

側近「で、ですが……」

妹ゆーしゃ「みんなでおそうじしたほうがはやくおわるー」

魔王「そ、そうです。一人のんびりしているのもかえって居心地が悪いです」
75 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:41:16.57 ID:miXomU1do

ガチャ

姉勇者「側近様、高いところを掃除したいのですが届かなくて……。脚立あります?」

側近「脚立か……。はしごならあるが脚立はないな」

姉勇者「はしごだと難しいですね。どうしましょう……」

魔王「どのくらいの高さですか?」

姉勇者「魔王様より少し高いところです」

魔王「そ、それなら俺がやりますよ」スタスタ

姉勇者「本当ですか。それなら……お言葉に甘えて」
76 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:41:42.23 ID:miXomU1do

姉勇者「あそこです」

魔王「あぁ、わかりました。雑巾で拭けばいいですか」

姉勇者「ええ。お願いしますね」

魔王「はい」

魔王「……」フキフキ

姉勇者「……」サッ……サッ……
77 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:42:11.04 ID:miXomU1do

姉勇者「魔王様、少しだけ雑談しませんか?」

魔王「え……。あ、はい。いいですよ?」

姉勇者「昨日、私は貴方様に手を貸すといいましたね」

魔王「……! は、はい」

姉勇者「どうでしたでしょうか」

魔王「え?」
78 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:42:41.94 ID:miXomU1do

姉勇者「あら……、お気づきになりませんでした?」

魔王「…………えと、すいません」

姉勇者「妹ちゃん、今日様子がおかしかったでしょう」

魔王「そうですね。な、何をしたんですか?」

姉勇者「なにをしたか、といえば話し合いとしかいえませんが……」

姉勇者「好きの区別ができるようになりました」

魔王「!?」
79 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:43:08.12 ID:miXomU1do

魔王「じゃ、じゃあ……」

姉勇者「後は魔王様次第です。お好きなようになさってください」

魔王「ま、待ってください。こ、子作りしてはいけなかったんですよね」

魔王「なのにどうして……い、妹さんにあんなことを……!」

姉勇者「…………」

姉勇者「……言えません」

魔王「何故、ですか」
80 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:43:35.98 ID:miXomU1do

姉勇者「……ここで話してしまったらゲームオーバーだからですよ」

姉勇者「あなたは魔王になることなく殺され、私たちも殺され、何もかも終わってしまいます」

姉勇者「だから言えません」

魔王「……」

姉勇者「しかし必要なことなのです。そしてそれは私でも側近様にもできないこと」

姉勇者「“妹ちゃんにしかできない”ことなんです」
81 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:44:02.41 ID:miXomU1do

魔王「…………」

姉勇者「この内容を話してしまったら、貴方様はきっと悲しむでしょう」

姉勇者「そして私に結局は操られていたことに気づき、塞ぎこんでしまう」

魔王「それは……答えをいっているのと同じですよ」

姉勇者「ではここで死にますか?」

魔王「……っ……」

姉勇者「無理、ですよね。いいんですよ、それが普通ですから」
82 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:44:29.06 ID:miXomU1do

魔王「何を……する気なんですか」

姉勇者「もう何もしません」

魔王「も、もう……?」

姉勇者「先ほど言ったはずです。後は魔王様次第だと」

魔王「……」
83 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:44:55.00 ID:miXomU1do

姉勇者「……今日を含め最短で3日、最長で7日で、魔王様は魔王になります」

魔王「え……」

姉勇者「魔王を助ける勇者など私には合いませんので……これから先は貴方様には尽くしません」

魔王「え……? ……あ……え?」

姉勇者「本日の正午を持ちまして、貴方様との友好関係を終了させていただきます」

魔王「ちょ、ま、待ってください!! ちょ、あぁ、い、いったい何が……あぁ!」

魔王(お、落ち着け。……落ち着け……!)

魔王「ハァー……フゥー……」
84 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:45:21.26 ID:miXomU1do

魔王「…………」

魔王「……」

魔王「……つまり正午から3日間、何かがあるということですね」

姉勇者「……」

魔王「まだ正午ではありません。お姉さん、答えていただけますか」

姉勇者「……側近様が13時ぐらいでしょうか。慌ててやってきます」

姉勇者「その後、貴方様に勇者討伐のミッションが与えられます」

魔王「――!」
85 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:45:54.72 ID:miXomU1do

姉勇者「どうやらこの前生まれたばかりの赤ん坊がSランク勇者候補らしく、危険だということで――」

魔王「あ、赤ん坊を……! ちょ、ま、っ」

姉勇者「翌日。勇者ではありませんが、ある村が天空人を呼び出そうとしているらしく、実に危険だということで――、村を壊滅させます」

姉勇者「魔王様は慣れていないだろうということで、“比較的子供が多い区域”を担当するそうですよ」

魔王「――」
86 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:46:18.67 ID:miXomU1do

姉勇者「その日の午後、Dランク勇者討伐するミッションが与えられます。成人男性なようなのでお気をつけてください」

姉勇者「翌々日、勇者を育てる学校というものがあるそうなので壊滅させます」

姉勇者「小中高一貫校らしいですよ。魔王様は小のクラスを担当なさるようです」

姉勇者「午後、人間に寝返った魔物がいる村があるようなので痛い目にあわせます」

姉勇者「―― 以上がこの3日間で魔王様が行うことです」

姉勇者「何か、質問などはございますでしょうか」
87 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:46:45.88 ID:miXomU1do

魔王「…………」

魔王「本気で、いってるんですか……」

姉勇者「はい」

魔王「嘘……だろ……」

姉勇者「残念ながら本当です」

魔王「ど、どうしてそんなことを……。お、お姉さん、あなた人間でしょう!」

姉勇者「だから正午から友好関係を終了と先ほど申しましたのに」

魔王「――っ、ほ、ほんきで……。そ、そんな……」ガクッ……

姉勇者「……」
88 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:47:16.38 ID:miXomU1do

魔王「……む、むりだ。そ、そんなことできるはずない!!」ガクブル

姉勇者「……、しなければ貴方様が死ぬだけです」

魔王「無理だ!! それなら死んだほうが……死んだほうがマシじゃないか!!」

魔王「嫌だ! なんで! それなら俺は死んだほうがいいじゃないか!!」

姉勇者「……、私たちも、見捨てるんですか」

魔王「お姉さんは頭がいいじゃないか!! 本当は思いついてるんだろ!! 嘘つくなよ! ふざけんなよ!!」ガンッ……! ガンッ……!
89 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:47:42.49 ID:miXomU1do

魔王「俺はあんたみたいな心を鬼にはできないんだよ! 無理なんだよ……。変わってくれよ。その方法だってあるんだろっ!! あんたが魔王になる方法だって!!」

魔王「そ、そうだ。こんなことしなくても魔王になる方法はあるんだろ! なあ! 教えてくれよ!!」

姉勇者「…………知りません、わかりません」

魔王「嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だっ!!!!」

魔王「ぅ……うぅ……!」
90 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:48:08.84 ID:miXomU1do

姉勇者「……」

姉勇者「私には貴方様を救うことができません」

姉勇者「貴方様が思うよりも私は無力なんです」

姉勇者「私は傷つけることはできても、癒すことはできません」

魔王「ぅ……く……うぅう……!」

姉勇者「この場に私がいても傷つけるだけでしょう。失礼します」

姉勇者「……」

姉勇者「ごめんなさい。そして―― さようなら、魔王様」

バタン……
91 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:48:36.36 ID:miXomU1do

魔王「……ぅ……っ……」

魔王「……く、くそ!……くそっ……ちくしょう……!!」

魔王「どうして……、こんなに人を……殺さないといけないんだよ……」

魔王「生きたいだけなのに……どうして……っ……ぅうっ……!」

魔王「生きるなってことかよ……くそっ……! ひでぇよ……。こんなことってないよ!」
92 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:49:02.84 ID:miXomU1do

魔王「……うぅ……ぐぅ……」ガンッ……!

魔王「……そうだよ。わかってるよ……」

魔王「……俺は、……最初にあの子を殺したときから間違ってたんだ……!」

魔王「俺は魔王になろうとなんてしなければよかったんだよ……」

魔王「でも……、ここまできたら……引きかえせないんだよ……」

魔王「ちくしょう……、ちくしょう……」

魔王「誰か俺に……、俺を…………てくれ……」
93 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/21(水) 21:49:32.12 ID:miXomU1do
ここまで読んでいただきありがとうございます。
妹√は後三回ほどの投下で終わると思います。長々としてしまい申し訳ございません。
また描く描く言って描いてなかった妹ゆーしゃをかきました。
モロパンなので閲覧はお気をつけください。
また、妹ゆーしゃのイメージを壊されたくない方は閲覧を控えていただけると助かります。
http://nullpo.vip2ch.com/ga8261.jpg


次回投下は二日後の午後九時です。
94 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 21:51:25.46 ID:aKk1Hez0o
乙!!
妹ペロペロ
95 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 21:51:25.96 ID:T9Pus64d0
乙!
徐々に妹ゆーしゃのクオリティ上がっていくな!
96 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 22:52:33.07 ID:5IXOG7tco
予告感謝!!
97 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 22:59:52.69 ID:E1Toua3lo
質問
>>1の中では今何%ぐらい進んだと思ってるの?
98 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 23:06:49.80 ID:Q5sWascYo
ギャグなのか恋愛なのかシリアスなのか。
99 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/21(水) 23:07:46.21 ID:e0mnoS7bo
乙〜
ゆーしゃ可愛いよゆーしゃ
100 :!pw126232161242.18.tss.panda-world.ne.jp [sage]:2011/12/22(木) 00:07:48.17 ID:QQ+mOTLIO
ふぅ…
101 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 00:48:24.34 ID:7LOtirjuo
まあ最後には姉と結ばれて欲しいよね
102 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 02:04:19.75 ID:14/2BN9AO
妹勇者萌えの感想で溢れてるが、魔王可哀想過ぎるだろ……
これほとんど首吊るか壊れてマジもんの魔王的な性格になるかの二択じゃん

せめて魔王が認められる程に強ければ普通に大人が相手になって罪悪感もまだマシだろうに
まあ魔王が殺らなくたって他の魔物がやるだけなんだろうけども
103 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:08:01.45 ID:0D8FHlGqo

――

同日・12時58分

妹ゆーしゃ「それでね――」

姉勇者「――」ニコニコ

妹ゆーしゃ「――!」

姉勇者「――」ニコニコ

妹ゆーしゃ「―― えへへ」

魔王「…………」

魔王「……」
104 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:10:33.05 ID:0D8FHlGqo

魔王(目の前にあるのは、ご飯だ)

魔王(白い茶碗に盛られた白いご飯だ)

魔王(いつから盛られていたんだろう)

魔王(そもそも、俺はいつからここにいたんだろう)
105 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:14:32.31 ID:0D8FHlGqo

魔王(俺は泣いていたはずだ)

魔王(自分のふがいなさを、呪っていたはずだ)

魔王(なのに白いものが目の前にある)

魔王(食べろ、とそいつは言った気がした)

魔王(だから俺は、一口そいつを―― 含んだ)
106 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:16:54.96 ID:0D8FHlGqo

魔王(食欲は生への執心だ)

魔王(食べれば食べるほど、死から遠ざかる錯覚すら覚える)

魔王(俺はまだ生きてられる。そんな幸福感を舌で感じることができる)

魔王(身体は喜んでいた)
107 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:20:18.14 ID:0D8FHlGqo

魔王(俺の身体は生きたがっていた)

魔王(先ほどまであれほど死にたがっていたのに)

魔王(食欲とはふがいなさだ)

魔王(呪いだ)

魔王(死なせてくれ)

魔王(殺さないでくれ)
108 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:23:14.80 ID:0D8FHlGqo

魔王(だが、俺はまだ生きてられる)

魔王(生きていくしかなかった)

魔王(そいつを飲み込んでしまっていたから)

妹ゆーしゃ「――?」

姉勇者「――」

魔王「……」

魔王(おかしい)

魔王(俺はいったい何を考えているんだ……)

魔王(おかしい)
109 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:26:23.91 ID:0D8FHlGqo

側近「――! ――――! ――!!」

魔王「……はい、いきましょう」

側近「――!?」

魔王「あっちで聞きますから、いきましょう」

側近「――……」

側近「――、――――」

魔王「はい」
110 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:28:38.99 ID:0D8FHlGqo

妹ゆーしゃ「ま、まって」

魔王「……」

妹ゆーしゃ「……」

魔王「……、……」

妹ゆーしゃ「 をつけ ね」

魔王「……――」

魔王「はい」
111 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:30:53.26 ID:0D8FHlGqo

――

会議室


側近「――――」

魔王「    」

4の部下A「――、――――」

四天王4「……――。――――」

側近「――」

魔王「……」

魔王(……、お姉さん。なんていってたっけ……)

魔王(あぁ……そうだ。赤ん坊、赤ん坊を殺すんだ)
112 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:34:08.83 ID:0D8FHlGqo

魔王(誰が)

魔王(俺が)

魔王(なんのために?)

魔王(魔王になるためだ)

魔王(魔王にならないと殺されてしまうから)

魔王(何もおかしいことじゃない)

魔王「……俺は殺せます。赤ん坊」

側近「――! ――――!」

側近「――――!」ニッコリ

四天王4「――……」
113 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:37:06.08 ID:0D8FHlGqo

4の部下A「――――。――――」

4の部下B「――。――――」ペコリ

4の部下C「――? ――――」

四天王4「……。――、――……」

魔王(何を、いっているんだろう……)

魔王(作戦内容?)

魔王(そんなの)

魔王(ただ殺すだけだろうに……)
114 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:37:32.40 ID:0D8FHlGqo

側近「――――」

4の部下A「――――」

側近「――。――――」

魔王「……」

魔王「……」

魔王(長い)

魔王(こんなに人の声は聞きづらいものだっただろうか)

魔王「……」
115 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:37:58.88 ID:0D8FHlGqo

魔王(……遠い)

魔王(声が遠い)

魔王(俺はいつからこうなってしまった)

魔王(お姉さん、俺はいつから間違っていたんですか)

魔王(お姉さん)
116 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:38:30.28 ID:0D8FHlGqo

側近「――」

四天王4「――――」

魔王(現実逃避)

魔王(これは、現実逃避だ)

魔王(でも、誰かの声は……ちゃんと聞こえた気がする)

魔王(あれは誰だったか……)

魔王(しかし、これも残念なことに、現実逃避だ)

魔王(そう考えることすらも)
117 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:38:54.52 ID:0D8FHlGqo

側近「――――」ガタッ

魔王「……」

魔王(やっと、いくのか……)

四天王4「――……」

バタン

魔王(あの男は、一緒に行かないのか)

魔王(俺がいるからだろうか)

魔王(わからない)

4の部下A「――!」ビュン!
118 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:39:25.51 ID:0D8FHlGqo

――

人間界・森


魔王「……」

魔王(家がある。小さな)

魔王(赤ん坊はここにいるんだろうか……)

側近「――」

4の部下C「――。――――」

側近「――」コクリ

側近「――、――――」タッタッタ……

魔王(裏口からでも入るのかな……。ついていこう)ドタドタ
119 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:39:53.49 ID:0D8FHlGqo

側近「――。――――」

側近「――――」

側近「――――?」

魔王「……はい」

側近「――。――――!」ガチャンッ!

魔王(……)

魔王(そんな大きな音を立ててドアを突き破ったら……、裏口から入る意味は……)
120 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:40:25.81 ID:0D8FHlGqo

女「――! ――! ――――!」

側近「――」

4の部下A「――!!」ダッ

女「!!!! ――!!!!!!!!!!!!!!!!」ブシュゥ!

魔王「……」

魔王(母親、だろうか)

女「――!! ――。――!!」ボタッ……! バタバタッ!

魔王(そんなに暴れたら……、助かるものも助からないとおもう)
121 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:40:58.81 ID:0D8FHlGqo

側近「――、――――」

魔王「……ん。あ、はい」

魔王「2階、ですか」

側近「――――。――?」

4の部下C「――。――――!」

側近「――、――――」ダッ

魔王「はい、ついていきます」

122 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:41:21.16 ID:0D8FHlGqo

――

2階・小部屋


老婆「〜〜! ――――!」ガクガク

側近「――!」バシュッ!

老婆「――……」バタン

赤ん坊「あー……あー……」

魔王「……」

魔王(……それでも、お前の声はこんなに綺麗に聞こえるんだな)

魔王(現実逃避した意味がないじゃないか)

魔王(たぶん)
123 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:41:49.36 ID:0D8FHlGqo

赤ん坊「あー……う? ……」

側近「――」サッ

魔王「……どうのつるぎ……。はい。ありがとうございます」

魔王「……」

赤ん坊「きゃ……! きゃ!」

魔王「……」

魔王「…………」ブルブル

魔王(……間違っている)
124 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:42:35.88 ID:0D8FHlGqo

側近「――」

魔王(だけど、期待されている)

魔王(間違うことを期待されている)

魔王(間違うことが正しいとされている)

魔王(それが正義とされている)

魔王(その正義を掲げる魔王軍の、魔王に―― マオウに……、俺はならなければいけない)

魔王(おかしい)

魔王(でも、マオウにならなければ、俺や、あの人たちが死んでしまう)

魔王(妹さんは、幸せにすると誓ったのに――)

魔王(それに、死ぬのは、怖い)ギュッ
125 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:43:03.63 ID:0D8FHlGqo

赤ん坊「うー……」

魔王「……」

魔王(この子、ミルク、飲んでたのか……)

魔王(死からは遠いのに、この子は死ぬ)

魔王(この子の人生とはなんだったんだろう)

魔王(何のために生まれてきたんだろう)

魔王(狭いゆりかごの中で、彼/彼女の生は、なんの意味があったんだろう)

魔王「……」
126 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:43:34.38 ID:0D8FHlGqo

赤ん坊「……だー……!」

魔王(…………考えても無駄だ)

魔王(この子のことなんて、考えたらだめだ)

魔王(マオウになるか、死ぬか、その選択肢しか俺にはない)

魔王(そして、俺は――)

魔王(俺は―― マオウになる)
127 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:43:55.90 ID:0D8FHlGqo

赤ん坊「う、うあー! あー!」ジタバタ

魔王「……!」ブンッ!

赤ん坊「ぅ! ――――」バチャッ!!

赤ん坊「――」
128 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:44:21.98 ID:0D8FHlGqo

へんじがない ただのしかばねのようだ……

魔王(……死んだ)

魔王(殺した)

魔王(俺はもう人を―― 殺せる)

魔王(俺は“マオウ”だ)

魔王(“マオウ”になれたんだ……)

魔王「ハ……ハハ……」
129 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:44:48.63 ID:0D8FHlGqo

側近「――!」ニッコリ

パチパチパチパチ

魔王「……」ズキン

魔王「ハハ……! ハハハハ!!!!」

魔王「ハハハハハハ!! ハハハハハ!!!!」
130 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:45:19.86 ID:0D8FHlGqo

――

同日・夜 魔王の部屋

妹ゆーしゃ「お―― はいってくるね」

魔王「……気をつけて」

妹ゆーしゃ「――?  ん」

バタン
131 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:45:41.62 ID:0D8FHlGqo

魔王「……」

姉勇者「……」

魔王「お姉さん」

姉勇者「……」

魔王「お姉さん」

姉勇者「……」パラ……

魔王「おねえさん」

姉勇者「……」

魔王「おねえさん」

姉勇者「……」
132 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:46:08.33 ID:0D8FHlGqo

魔王「お姉さん、俺、マオウになれましたよ」

魔王「3日もかかりませんでしたよ」

魔王「立派なマオウになりました」

姉勇者「……」パラ……

魔王「お姉さん」

魔王「おねえさん」

魔王「お姉さん」

魔王「おねえさん」

魔王「お姉さん」

魔王「俺より本のほうが大切ですか?」

姉勇者「……」
133 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:46:36.12 ID:0D8FHlGqo

魔王「わかった。お姉さん、信じていないんでしょう」

魔王「大丈夫です、明日もちゃんとたくさんころ――」

姉勇者「……」バタンッ!

魔王「……」

魔王「そういえばお姉さん、殺し嫌いなんですってね。妹さんから聞きましたよ」

姉勇者「……」スクッ……

魔王「どこにいくんですか」
134 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:47:02.34 ID:0D8FHlGqo

姉勇者「……」スタスタ

魔王「キッチンですか」

姉勇者「……」

魔王「いってらっしゃい」

姉勇者「……」

バタン
135 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:47:29.39 ID:0D8FHlGqo

魔王「…………」

魔王(ひとりだ……)

魔王(なんだか、久々に、ひとりになれた気がする)

魔王(マオウになれたのに)

魔王(どうして俺はひとりなんだろう)

魔王(王とはそういうものなんだろうか)

魔王(マオウとはそうあるべきなんだろうか……)

魔王「ggrks……」

魔王「さすがにパソコンで調べても……でてはこないだろうなあ……ハハ」
136 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:47:55.83 ID:0D8FHlGqo

魔王「……」

魔王「あと2日……」

魔王「そうしたらお姉さんも認めてくれるさ」

魔王「短いな、2日なんて」

魔王「……」

魔王「寝よう、明日もはやいんだから」モゾモゾ
137 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:48:23.14 ID:0D8FHlGqo

魔王「……よーし」

魔王「明日もたくさん殺すぞー……なんてハハッ……ハハっ……」

魔王「……――」

魔王「……」zzz……
138 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:48:56.26 ID:0D8FHlGqo

……カチャ……

姉勇者「…………」ソォー……

魔王「……」zzz……

姉勇者「……」

姉勇者「……、……」ナデナデ

魔王「……ん……」zzz……

姉勇者「……こんな子供みたいな寝顔の人がマオウですって?」

姉勇者「笑い話にもなりませんよ、魔王様」
139 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:49:22.37 ID:0D8FHlGqo

妹ゆーしゃ「おねえちゃんたおるー! たおるないー!」

姉勇者「あぁ、大声ださないの。今持っていくから」

妹ゆーしゃ「うんー!」

魔王「……zzz」

姉勇者「……」

姉勇者(私の声はもう届かないだろうけれど――)

姉勇者(妹ちゃんの声だけは……)

姉勇者(“私のように”届くと、せめて祈らせてください)

妹ゆーしゃ「おねえちゃーん!」

姉勇者「あぁ、はいはい。今いきますからね」バタバタ……

魔王「……。……zzz」
140 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/23(金) 21:50:34.05 ID:0D8FHlGqo
ここまで読んでいただきありがとうございます。

また質問してくださりありがとうございます。
お恥ずかしいのですが無謀にもプロットなし、その場の勢いとノリで書いていますので正確には申し上げにくいのですが
妹√が終わって60%ぐらいだと考えています。

ひとつ長い過去話をいれようか迷っていて、それを入れなかったから70%ぐらいだと思います……。

次回の投下は二日後の午後九時ぐらいですか、もしかすると明日も投下するかもしれません。
141 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 21:57:03.30 ID:jjdw70dAO
乙!
142 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 22:00:51.32 ID:VglaTF8+0
入れられるものはできれば全部入れてほしいと思う
143 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 22:01:49.95 ID:fcybLV0ho
最初の頃に比べると、とってもシリアスになったね。乙〜
144 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 22:05:04.65 ID:7LOtirjuo
おつおつなかなか
145 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 22:07:02.29 ID:/n32J67Bo
ショボーン
146 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/23(金) 22:52:30.29 ID:FBLBx6aT0
乙!
ググレヤボケは反則だろwwwwww
147 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 15:58:48.59 ID:Ct6gU2fTo
過去ばなwktks
148 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/24(土) 20:10:08.04 ID:mSO+hRWX0
>>146
ググレカスだろうよちゃんと読めwwwwwwwwww
149 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:15:40.95 ID:K/t4BeBmo

――――

妹ゆーしゃ『わたしのはじまり』

妹ゆーしゃ『さいしょのきおく』


『――から、どうして』


妹ゆーしゃ『たくさんのオトナにかこまれてたキオク』


『――たないだろ、この子は悪くない』
150 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:19:29.13 ID:K/t4BeBmo

妹ゆーしゃ『みんな、わたしをみてる』

妹ゆーしゃ『……ううん』

妹ゆーしゃ『ちがう』

妹ゆーしゃ『にらんでる』

妹ゆーしゃ『のろっている』

妹ゆーしゃ『きらっている』
151 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:22:38.40 ID:K/t4BeBmo

『男だったらよかったのに』

『しょうがないだろ、もうーーないんだから』

『だがな』

『なんで女』

『男がいい』

『どうしようもない』

152 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:25:05.29 ID:K/t4BeBmo

妹ゆーしゃ『みくだしてる』

妹ゆーしゃ『だれもわたしを、みとめてくれない』


『流産させるべきだった』

『女だってわかってたんだろ。どうして報告――!』

『チャンスは 度しかないと言っていただろう!!』

『なら―― を使えばよかったじゃないか!!』

『―― はできないだろう!!』
153 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:31:05.39 ID:K/t4BeBmo

妹ゆーしゃ『わたしは、りかいしてしまった』

妹ゆーしゃ『じぶんはうまれてくるべきじゃなかったと』

妹ゆーしゃ『つらかった』

妹ゆーしゃ『なみだがでてきた』

妹ゆーしゃ『こわいヒトはもっとこわいかおをする』
154 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:34:17.90 ID:K/t4BeBmo

『おんなはすぐなく』

『こんなのでつとまるのか?』

『まだこどもだから』

『じかんがないんだぞ!!』

『もう 歳なんだ。さっさと適正テストをやって――』

『いや子供を』
155 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:39:23.95 ID:K/t4BeBmo

妹ゆーしゃ『ごうごうと、うなりだす』

妹ゆーしゃ『けものみたいだった』

妹ゆーしゃ『まもの、みたいだった』

妹ゆーしゃ『こわくて、もっとないた』

妹ゆーしゃ『みんな、みんな、こわくてこわくて、こわくて』
156 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:45:25.76 ID:K/t4BeBmo

ガタンッ

『……!』

『……』

『ちょっと待て、お前はここには入ってくるなと――』

『……あ……』
157 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:48:37.84 ID:K/t4BeBmo

妹ゆーしゃ『だけどドアがあくおとがしてから、みんなしずかになった』

妹ゆーしゃ『わたしのなきごえと、だれかのあしおとだけがひびきわたる』

妹ゆーしゃ『そしていつのまにかわたしのめのまえで、あしおとはなるのをやめた』

「…………」

妹ゆーしゃ「うう……うぅ! ううう!!」

「大丈夫ですよ」

妹ゆーしゃ「あっ……ぅ……?」

妹ゆーしゃ『わらっているおねえちゃんがいた』

妹ゆーしゃ『ただそのかおは』

妹ゆーしゃ『みたことがないのに、みたことがあるような』

妹ゆーしゃ『うまれるまえから……ずっとみまもってくれていたような』

妹ゆーしゃ『どこか、みおぼえがあるかおだった』
158 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:49:21.03 ID:K/t4BeBmo

「大丈夫、大丈夫よ」ナデナデ

妹ゆーしゃ「……ぅ」

妹ゆーしゃ『しゃかんでわたしとおなじたかさのそのおねえちゃんは』

妹ゆーしゃ『やさしく、やさしくなでてくれた』

『……』

『……』

「怖くない、怖くないわ」

妹ゆーしゃ「……だれ?」

「私?」

「私はね」

姉勇者「あなたの、おねえちゃんよ」

妹ゆーしゃ『だからおねえちゃんは、あのときから、わたしのおねえちゃんになった』
159 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:50:19.47 ID:K/t4BeBmo

――

貴族の女「だから貴方はもう少し気品というものを」

姉勇者「だから言っているじゃないですか」

姉勇者「お一昨日きやがれ、って。ぷぷっ」

貴族の女「なんでも“お”をつければいいってものじゃありませんのよ!!」

姉勇者「まぁ、まぁ、オバサマ。そんなにお怒りになりますとおしわが増えますわよ?」

貴族の女「な、生意気な小娘ね!!」
160 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:51:27.22 ID:K/t4BeBmo

姉勇者「オバサマ。気品という言葉を辞書でお引きになった後、その辞書で自身のお頭をぶん殴られるといいですよ。もっとお馬鹿になれますから」

貴族の女「何よ! キィー!! もう知らない!!」ズンズン

姉勇者「あらあら、オバサマ。そのツラ下げてもう2度と目の前に現れないでくださいね」

姉勇者「……とまぁ、適当にあしらえばクソムカツク貴族なんて撃退できるのよ」

妹ゆーしゃ「ほへぇ……」

姉勇者「あの人は暇潰ししたくてつっかかってくる人だから。もし自分が世界の中心なのよ! とかいう自己中な奴は逆効果だから気をつけてね」

妹ゆーしゃ「こわいからやだ……」

姉勇者「あら、どうして?」
161 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:52:24.47 ID:K/t4BeBmo

妹ゆーしゃ「みんなギラギラしてて、こわいの……。まものみたい」

姉勇者「……」

姉勇者「ああ、確かに、言われてみればそうみえるわね。魔物みたいだわ」

妹ゆーしゃ「こわいのは、ヤダ……」

姉勇者「そうね、こわいのは嫌よね。私も嫌だわ」

姉勇者「でも怯えていたらずっと箱庭の中よ」

妹ゆーしゃ「はこにわ?」
162 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:52:52.25 ID:K/t4BeBmo

姉勇者「ずっと怖い魔物ばかりがいる、この家の中」

妹ゆーしゃ「やだ……」

妹ゆーしゃ「それだけはやだ……」

姉勇者「立ち向かっていけばそのときは怖いかもしれないけど、未来永劫怖いものはなくなるかもしれないわ」

妹ゆーしゃ「なくなるの?」
163 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:54:23.22 ID:K/t4BeBmo

姉勇者「何も行動しないより、ずっと確率が高い」

妹ゆーしゃ「それじゃたたかう!」

姉勇者「ええ、それがいいわ」

姉勇者「人生、楽しんだもの勝ちだもの」

妹ゆーしゃ「どうすればいいの? たおす?」
164 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:54:51.50 ID:K/t4BeBmo

姉勇者「倒しちゃだめよ。とにかく、自分の考えをしっかり持つこと」

姉勇者「言いなりになっちゃいけない、ってことじゃないのよ。時には意見も聞くの」

妹ゆーしゃ「む、むずかしいことよくわかんない」

姉勇者「あぁ、そうよね。うん。えっとね……、自分の考えをもつの。とにかく」

姉勇者「それが、そうねぇ。明日のご飯はオムライスにしてもらう! とかいう考えを持ったとする」

姉勇者「でも使用人は絶対「明日は無理です」というわ。そこではあきらめないの。オムライスにしてもらうまでがんばるの」

姉勇者「だけど、「明後日なら大丈夫です」っていわれたら……、そのときは明後日もいいかぁ、と折れてもいいと思うのよ」
165 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:55:41.94 ID:K/t4BeBmo

妹ゆーしゃ「えっと、10きいてもらえなかったとしても5きいてもらったらいいってこと?」

姉勇者「あなたがそれでよければね。結局はあなたの考え次第よ」

姉勇者「そうやってどんどんいろんな失敗や、成功していって、自分の考えを固める」

姉勇者「それがあなたができる魔物との戦い方だとおもうわ」

妹ゆーしゃ「……うん。でも、なんでたおしちゃだめなの?」

姉勇者「そうね。これだけは覚えておいて」

姉勇者「大人がいう正義なんていうものは自分の考えを正当化するための」

姉勇者「それこそ唾吐きかけりゃ飛び散る糞みたいな言葉にしか過ぎないわ」
166 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:56:16.63 ID:K/t4BeBmo

姉勇者「人間が人間でいられる方法なんて3つしかないの」

姉勇者「盗まない、壊さない、殺さない」

姉勇者「それだけ守れれば上等よ」

妹ゆーしゃ「それだけでいいの?」

姉勇者「ええ、それだけでいいの。妹ちゃんも、それだけ守ればあんな魔物にならなくてすむのよ」

妹ゆーしゃ「……」

妹ゆーしゃ「うん、わかった。それだけはまもる」

姉勇者「うん、いい子ね」ナデナデ
167 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:56:51.81 ID:K/t4BeBmo

妹ゆーしゃ「でも……」

姉勇者「ん?」

妹ゆーしゃ「まものになっちゃったヒトは……どうやってにんげんにもどるの」

姉勇者「……」

姉勇者「それは……」

姉勇者「……」

姉勇者「ないわ」

妹ゆーしゃ「ない?」

姉勇者「もしあるとしたら、残酷だけれど。それは――――」
168 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:57:19.29 ID:K/t4BeBmo

――――

翌日・午前 とある村

魔王「……」ザジュザジュ

子供1「」

子供2「う、うわあああ!! ―― うぎゃっ!」

魔王「……」ザジュザジュ

魔王(ほんとに、子供おおいなぁ……)ブンブン
169 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:57:47.62 ID:K/t4BeBmo

母親「」

魔王(まぁ……こんな山奥だし……。たくさん産まないと生き残れないのかもなぁ……)ブンブン

子供3「」

子供4「」

魔王(どうのつるぎ振り回しているだけで倒せるから楽でいいけど)ブンッ!

子供5「――」ブシュッ!

魔王(ああ……)ブンッ!

子供6「ン、ぎぃっ!?」グチャッ

魔王(楽だ……)
170 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:58:20.19 ID:K/t4BeBmo

魔物A「――」スタスタ

魔物B「――! ――!!」

魔物C「――!!」

ゾロゾロ

魔王(なんかみんな集まってきた)

魔王(驚いた顔している)
171 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 21:59:20.62 ID:K/t4BeBmo

魔物C「――!」

魔物D「――。――――」

魔王(あ、喜んでいる……)

魔王「……」

魔王(いや、俺、褒められてるのか……)

魔王(そう、だな。俺、たくさん働いたもんな……)

魔王(みんな、みんな殺しちゃったし……)

魔王(俺、認められてきたのかな……ハハ)

魔王「ありがとう、ございます」

魔王(うれ、シい、はずだ)

魔王(はず、なのに……)
172 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:00:09.96 ID:K/t4BeBmo

――

同日・夕方 人間界

Dランク勇者「」

へんじがない ただのしかばねのようだ……

魔王(特に手こずることもせず殺せたぞ)

魔王(やっぱ俺は人を殺せるんだ)

魔王(そう、だな)

魔王(何、俺躊躇ってたんだろ)

魔王(殺すことなんて、簡単じゃん)
173 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:00:52.10 ID:K/t4BeBmo

側近「――、――!」ニコ

魔王(――)ズキッ

魔王(褒められている)

魔王(やっぱ俺は正しいんだ)

魔王(そうだ、人を殺すことは正しいんだ!)

女子学生『――』

魔王(……。はは)

女子学生『――! ――――!』

魔王(聞こえないぞ!! ハハッ!)

女子学生『――……』
174 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:01:23.04 ID:K/t4BeBmo

魔王(もうお前なんて怖くない! 俺はマオウなんだ!! 人を殺せるマオウなんだ!!)

魔王(正しいんだよ、これが!! 正規ルートさ!!)

女子学生『―― ツキ』

魔王「――!?」

女子学生『う ツキ』

女子学生『嘘、ツキ』

魔王(……、き、消えろ!! お前なんてただの空想だ!! 俺はもう強いんだよ!!)ブルッ…

魔王(お前なんかに惑わされないぞ! 消えてなくなれ!!)
175 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:01:49.54 ID:K/t4BeBmo

女子学生『人殺しはいけないこと』

魔王(正しい!!)

女子学生『正しいというヤツは頭が狂っている』

魔王(そう考えるほうが狂ってるんだ!!)

女子学生『ほんトはイけない事だと、今でも考えている』

魔王「――っ!!」

女子学生『褒められるたび思っている』

魔王「――」
176 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:02:16.30 ID:K/t4BeBmo

女子学生『自分しか異常性に気づいていない』

女子学生『誰一人として間違っているといってくれない』

女子学生『間違っている』

女子学生『だけどみんな喜ぶ』

女子学生『みんな狂ってるから、誰も異常だと思ってくれない』

女子学生『みんなマオウがすることを間違ってると教えてくれない』
177 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:02:57.39 ID:K/t4BeBmo

女子学生『だから』

女子学生『絶対に貴方は、これからも苦しみ続ける』

女子学生『一生、罪は償えない』

女子学生『罪だと認めてくれる人はいない』

女子学生『お前は一生赦されない』

女子学生『一生』

女子学生『一生』

魔王「ァ……ゥ……」

魔王「きえろ……きえてくれ……」

女子学生『いっし――』

魔王「消えてくれぇえええぇぇぇええ!!!!」

バチンッ!
178 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:03:35.78 ID:K/t4BeBmo
――

翌日・朝 魔王の部屋


魔王「……ハァア……はぁ……はぁ……」

魔王「……え?」

魔王(あいつは、消えた?)

魔王(ここは、どこだ……?)

魔王「……」

魔王(俺の部屋だ)

魔王(いつのまに、帰ってきてたんだろう……)
179 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:04:03.90 ID:K/t4BeBmo

妹ゆーしゃ「――チャン、 ジョウブ?」

魔王「……」

魔王(この子は、誰だっけ……)

魔王(…………、どっかのアニメのキャラクター?)

魔王(俺は、異次元でも行ってしまったんだろうか……)

魔王(……)
180 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:05:41.45 ID:K/t4BeBmo

ガチャ

側近「――――」

魔王「……」

魔王(もう、最後の日か)

魔王「ハイ。いきましょう」

妹ゆーしゃ「デカケ ? ゴハ ナイヨ?」

魔王「……」

妹ゆーしゃ「……?」

魔王「…………」
181 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:06:11.00 ID:K/t4BeBmo

魔王「いきましょう、側近さん」

側近「――――」

魔王「ああ、今日は俺だけなんですか。じゃ行ってきますね」

側近「――――――」

妹ゆーしゃ「……ア」

魔王「…………」

ガチャ
182 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:06:42.41 ID:K/t4BeBmo

側近「なんだか、今日も魔王様調子悪そうだな……」

妹ゆーしゃ(おにいちゃん……、どうしちゃったんだろう……)

妹ゆーしゃ(きのうもすごくおかしかった)

側近「妹、お前もなにか…………。ん、どうした。固まって」

妹ゆーしゃ(ヒトがかわったみたいにいきなりさけんだり)

妹ゆーしゃ(わらいだしたり……こわかった……)
183 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:07:09.91 ID:K/t4BeBmo

側近「……おーい?」

妹ゆーしゃ(きょーだったら、よくなるとおもったのにぜんぜんよくなってない……)

妹ゆーしゃ(それどころか、わるくなっているきがする)

妹ゆーしゃ(なんで?)

妹ゆーしゃ(こわい、まものにでも……あっちゃったのかな……)

妹ゆーしゃ「こわいの……やだ……」

側近「え?」
184 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:07:43.37 ID:K/t4BeBmo

ガチャ

姉勇者「……あら。妹ちゃん、どうしたの。固まっちゃって」

側近「わ、私はなにもしてないからな!」

姉勇者「そりゃ女相手にナニかしたら怖いですよ」

側近「……」

姉勇者「あきれないでください、ごめんなさい。私が全部わるかったです」

妹ゆーしゃ「……、おねえちゃん」

姉勇者「あぁ! ごめんなさい! どうしたの?」

妹ゆーしゃ(おねえちゃんなら、げーいんわかるかなあ?)

妹ゆーしゃ「おにいちゃんがね、へんなの」

姉勇者「あぁ……」
185 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:08:09.22 ID:K/t4BeBmo

妹ゆーしゃ「……」

側近「……」

妹ゆーしゃ(いま、ちょっとだけいやなかおした)

妹ゆーしゃ(あのそっきんも……)

妹ゆーしゃ(……なにかしってる)

姉勇者「妹ちゃん、ご飯食べましょう」

妹ゆーしゃ「……おにいちゃんは?」

姉勇者「……ご飯食べましょう」

妹ゆーしゃ「……」

186 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:08:35.93 ID:K/t4BeBmo

妹ゆーしゃ「……。おねえちゃん、ほんとうにおねえちゃん?」

姉勇者「え?」

妹ゆーしゃ「おねえちゃん、まものみたい……」

姉勇者「――!」

姉勇者「……」

姉勇者「そう、ね。うん、そう」

姉勇者「……まもの、かもしれないわ」
187 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:09:14.75 ID:K/t4BeBmo

妹ゆーしゃ「……えい!」ボカッ

姉勇者「ぃつっ! ……ど、どうしたの?」

妹ゆーしゃ「まものだめ! おねえちゃんはだめなの!! おねえちゃんはわるくなっちゃやだの!」ボカッ!ボカッ!

姉勇者「ぅっ……。ちょ、……いっ……!」

妹ゆーしゃ「おねえちゃんもおにいちゃんも、なんでこわくなるの!!」

妹ゆーしゃ「わたしのかぞくはおねえちゃんしかしないのに!!」

妹ゆーしゃ「だいすきなのはおにいちゃんしかいないのに!」

妹ゆーしゃ「またまものになっちゃやだー!! やだーっ!!」ボカッ!

姉勇者「……ぅ、……!」
188 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:09:42.71 ID:K/t4BeBmo

妹ゆーしゃ「うあぁあぁーん! うーっ!! ひっくっ! うわぁあぁっー!!」ボカッ!ボカッ!

姉勇者「…………っ」ガシッ

妹ゆーしゃ「!」ビクッ

姉勇者「ハァー……ハァ―……」

妹ゆーしゃ「ぅ……」ビクビク

姉勇者「…………」
189 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:10:09.71 ID:K/t4BeBmo

姉勇者「ありがとう」

妹ゆーしゃ「……う?」

姉勇者「大丈夫よ、もう。わるいまものはいなくなったわ」

妹ゆーしゃ「ほんと……?」

姉勇者「ええ、ほんとう。ありがとう」

姉勇者「でも、暴力はだめよ」

姉勇者「めちゃくちゃ痛いから」
190 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:11:14.72 ID:K/t4BeBmo

妹ゆーしゃ「ご、ごめんなさい」

姉勇者「もうしない?」

妹ゆーしゃ「うん」

妹ゆーしゃ「でもおにいちゃんのこと、おしえて」

姉勇者「――」

側近「……」
191 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:12:24.30 ID:K/t4BeBmo

妹ゆーしゃ「おにいちゃん、まものにあったみたいだった……」

妹ゆーしゃ「ちょっとまえまではそんなんじゃなかったのに!」

妹ゆーしゃ「まものがおにいちゃんをこわいめにあわせた!!」

妹ゆーしゃ「まものはだめなの!! こわいのはだめなの!!」

姉勇者「仮に、会ったんじゃなくて、魔物になってしまったとしたら……どうするの?」

側近「お、おい」

妹ゆーしゃ「っ」
192 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:12:51.52 ID:K/t4BeBmo

姉勇者「前にも、ここに来る前にも話したわよね」

姉勇者「どうしようもないのよ。魔物になってしまったら」

姉勇者「誰も人間には戻せない。なかったことにはできない」

姉勇者「私も、側近様も、みんな、できない」

姉勇者「話して、どうにかなるの!」
193 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:13:22.38 ID:K/t4BeBmo

姉勇者「もうあなたの大好きなおにいちゃんは魔物なのよ!!」

姉勇者「どうしようもないの!!」

妹ゆーしゃ「……おねえちゃん」

妹ゆーしゃ「そっか……、そうなんだ……」

妹ゆーしゃ「やっぱり……おにいちゃんも…………」

側近(あかんでこれ。私、話に入れない。どうしよう……)オロオロ
194 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:14:20.20 ID:K/t4BeBmo

姉勇者「……わかったでしょう。無理なのよ、どうしようもないのよ!!」

姉勇者「それなのに、あなたはできるっていうの?」

妹ゆーしゃ「……できる」

姉勇者「……っ」

妹ゆーしゃ「これしか、のこってないんだよね」

姉勇者「…………、本気で?」

妹ゆーしゃ「できる」

姉勇者「…………どうして」

姉勇者「好きな人を」

妹ゆーしゃ「いわないでよ!!」

妹ゆーしゃ「ほんとはいやだよ!! でも、でも、それがわたしのかんがえなの!!」

姉勇者「――」
195 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:16:37.78 ID:K/t4BeBmo

妹ゆーしゃ「それだけはゆるがないの!」

妹ゆーしゃ「だからわたしはおねえちゃんも……おにいちゃんもすくうの!!」

妹ゆーしゃ「じぶんのだいすきなひとはじぶんがまもるの!!」

妹ゆーしゃ「ううぅー! うううぅぅ!!」

姉勇者「…………」

姉勇者「わかったわ。側近様、彼女に私たちがしてきたこと。そして魔王様がしてきたことを教えてあげてください」

側近「…………ふ、ふぁい!! あ、わ、わたしが!?」

姉勇者「はい。私はご飯つくりますから」

側近「え!? あ、うん。わかった。妹、よくわからんがとにかく教えるぞ」

妹ゆーしゃ「……う、ぅん……」

姉勇者「……」

バタン
196 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:18:11.44 ID:K/t4BeBmo

――

姉勇者「……」

姉勇者「…………」

姉勇者「ちくしょう……」

姉勇者「ちくしょう……。ちくしょう!!」

姉勇者「いっそ心を鬼にできたらなぁ……」

姉勇者「魔物には、心なんていらないだろうに……」

姉勇者「……クク……ハハ……」

姉勇者「自分で考えておいて、行動して、落込んでいるって?」

姉勇者「どんなクソだよ、私はよ」

姉勇者「……フフ……」

姉勇者「なぁ、妹」

姉勇者「最低な、姉だよ……。私はさ」

姉勇者「……ぅ……――」
197 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/25(日) 22:19:36.48 ID:K/t4BeBmo
ここまで読んでいただきありがとうございます。
メリークリスマスですね。はやく終わってほしいですね。
また妹√、予定よりひとつずれまして残り2回の投下で終了だと思われます。

次の投下は二日後の午後九時です。
198 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 22:20:23.14 ID:HjYCC8BU0
乙!
ちょうどいいところで切りやがるwwww
199 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 22:21:36.78 ID:jwEKqqmDo
乙〜
素が出たのか
200 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 22:25:36.06 ID:WF0QCNqjo
妹ええこや……がんばってくれ
201 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/25(日) 22:30:30.38 ID:VgvfhNXHo
姉頑張れ
202 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 00:14:35.01 ID:d1pnYKtx0
魔王もう割り切っちゃえ
「罪を償いながら生きる!!」
みたいな感じで大魔王殺しちゃえ
203 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/26(月) 14:23:29.52 ID:9pQeIcwDO
おつ!
みんなつらいなあ・・・
ここからしあわせになることはできるんだろうか
204 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:09:41.55 ID:MYHPESDpo

――

同刻 人間界

生徒A「――」

生徒B「――――」

魔王「……」

魔王「……脆い。脆すぎる……」

魔王「たった少し暴れただけで全員、死んだのか」

魔王「……」

魔王「ハハ……。手助けしてこよう」
205 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:10:08.11 ID:MYHPESDpo

2の部下「――! ――!」

学生A「――!!」

魔王(あ、苦戦してる)

魔王(そうかぁ……中学生ぐらいになるともう抵抗する技術を覚えるんだぁ)

魔王(助太刀してあげよう)

魔王「――」ドスッ

学生「――!」バタンッ
206 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:10:34.38 ID:MYHPESDpo

2の部下「――! ――――!」

魔王「いいですよ、俺に任せてください」

2の部下「――――」

魔王(……)

魔王(まだ半数以上残ってる)

魔王(こんなんで午後大丈夫なのか)

魔王(大丈夫ではない)

魔王(大丈夫なはずがない)

魔王(はやく片付けよう)
207 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:11:00.99 ID:MYHPESDpo

――

人間界・夕方

2の部下「……」

魔王(なんだ)

魔王(弱いじゃないか、こいつら)

魔王(ハハハ……)

魔王(次、いこう……)

3の部下「――! ――――。――――」

魔王「……」

魔王「もう、片付いたんですか。じゃ、はやく村壊滅しにいきましょう」

3の部下「――! ――――! ――――!!」

魔王(……)
208 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:11:27.23 ID:MYHPESDpo

――

村人「――」

魔王(弱い)

魔王(もう終わりか)

魔王(……死体)

魔王(死体、死体死体。死体死体)

魔王(かわいそうな死体)

魔王(いいんだ、これで。これで終わったんだ)

魔王(これで俺はマオウになれたんだから……)
209 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:12:08.52 ID:MYHPESDpo

3の部下「――」ニコニコ

2の部下「――」ニコニコ

魔王(みんな、喜んでいる)

魔王(はは、喜んでる!! 俺すげーや!! 喜ばせることができる!!)

魔王(こんなにも簡単に! はははっ!!)

魔王「帰ろう。帰ろう」

魔王(帰って美味しいものをたくさん食べよう。俺はすごいんだからそのくらいしても悪いことじゃない)
210 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:16:27.06 ID:MYHPESDpo

魔王(みんな喜ぶことが間違っているはずがない)

魔王(俺は正しいことをしているんだ)

魔王(楽しいなぁ……)

魔王(楽しいことって楽しいなぁ……)

魔王(でも少しだけ、寂しいなぁ……)

魔王(どうしてだろう)

魔王(まぁ、いいや。もう、どうしようもない)

魔王(……)
211 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:20:44.60 ID:MYHPESDpo

――

魔王の部屋 夕方

妹ゆーしゃ「オ エリ サイ」

魔王「……」

魔王(この子は誰なんだろう。なぜ俺の部屋にいるんだろう)

魔王(まぁ、いいや。ご飯食べて寝よう)

妹ゆーしゃ「……マッテ」

魔王(あ、その前にPCやろう)

妹ゆーしゃ「ワタ ハナシヲキイ 」

212 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:23:01.78 ID:MYHPESDpo

魔王(……うーん、なにしよう)

魔王(…………)

魔王(へへっ、まぁ、久々に掲示板でも見に行くか……)

魔王(…………)カタカタ

魔王(ったく、糞スレしかないなwww)カタカタ

魔王(ん。なんだ、これ)
213 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:26:00.59 ID:MYHPESDpo

魔王(政治家の……Dランクがなくな……。あぁ、俺が殺したやつか……)

魔王(……)

魔王(もしかしておまいらなら……)

魔王(い、いや、何、おもってんだ。俺。きめぇ……)カチ
214 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:31:03.51 ID:MYHPESDpo

135 :以下、名無しに代わりましてスライムがお送りします :20××/11/20(水) 18:03:43.11 ID: ADt4yejdo

コリアンざまああああああああああm9(^Д^)

136 :以下、名無しに代わりましてスライムがお送りします :20××/11/20(水) 18:04:12.25 ID: Aaetg31mw

これは魔王軍を褒めるべき

137 :以下、名無しに代わりましてスライムがお送りします :20××/11/20(水) 18:05:02.36 ID: suraimuRs

これはどう考えても殺されたほうがわるいズラ
ところでスライム肉まん再販マダー
215 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:31:29.32 ID:MYHPESDpo

魔王「……」

魔王(……なんで……)

魔王(お前らと同じ人間を俺は殺したんだぞ!!)

魔王(どうしてお前らまで俺を正当化するんだよ!!)

魔王(くそっ!! おまいらまでどうして!!)バンッ! バンッ!
216 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:31:57.28 ID:MYHPESDpo

妹ゆーしゃ「 チャン」

魔王「――アア……ああ……」

妹ゆーしゃ「オ ニイ チャ――」

魔王「ああ……あああ……ああ」

妹ゆーしゃ「ォ、――ちゃん!!」バシッ!

魔王「!?」ドサッ!

魔王「……ナ……エ?」
217 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:32:23.23 ID:MYHPESDpo

妹ゆーしゃ「―― おにいちゃん! しっかりして!!」

魔王「……あ」

魔王「妹、……さん?」

妹ゆーしゃ「おにいちゃん……」

魔王「ぁ……」

魔王(俺の部屋……)

魔王(そうだ、俺……俺……とんでもないことを……)
218 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:32:49.26 ID:MYHPESDpo

魔王「う、ああ……あああ……!!」ガクガク

妹ゆーしゃ「だからしっかりしてってば!!」

魔王「ぁ……あ……、でも、俺、俺、人を……ああ……ぁ!!」

妹ゆーしゃ「……しってる」

妹ゆーしゃ「ぜんぶ、そっきんからきいた」

魔王「あ……ああ……」
219 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:33:15.66 ID:MYHPESDpo

妹ゆーしゃ「おにいちゃん……」

魔王「……! い、いわないでくれ!!」

妹ゆーしゃ「――!」

魔王「……わかってる……わかってるさ」

魔王「妹さん、あなたは優しい子だ……」

魔王「俺が悪くないとかいうんだろ! そんなこと聞きたくない!!」
220 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:33:42.32 ID:MYHPESDpo

魔王「あっちにいっていてくれ!! もしかすると俺は、妹さん。あんたも傷つけて――」

妹ゆーしゃ「――っ!!」

バチンッ

魔王「――!」

妹ゆーしゃ「……かってに、ひとのきもちきめないでよ」

魔王「――、妹、さん」
221 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:34:38.23 ID:MYHPESDpo

妹ゆーしゃ「……おにいちゃんは、……わるくないかもしれない」

魔王「――、ほ、ほら」

妹ゆーしゃ「さいごまできいて! ないかもしないっていってるの!!」

妹ゆーしゃ「あんなじょうきょうじゃ、……だれかをころさないと……いけなかったのかもしれない」

妹ゆーしゃ「ろんりてき、なのかもしれない」

妹ゆーしゃ「でも、ろんりてきだからといって、ひとごろしをしていいなんて。そんなはずない!!」バンッ!!

魔王「―― ッ!」
222 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:35:04.54 ID:MYHPESDpo

妹ゆーしゃ「おにい、ううん。まおう。あなたは“まちがっていた!!”」

妹ゆーしゃ「たくさんのひとをころした!! みんなころした!!」

妹ゆーしゃ「まちがってる! まおうはわるい!! わるいひとだ!!」

妹ゆーしゃ「う……ううぅ……」

魔王「――」

魔王(ああ……)

魔王(やっと、……やっと、俺が……間違っていると……いってくれる人がいた……)

223 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:35:39.87 ID:MYHPESDpo

妹ゆーしゃ「まおうはぜったいゆるされない!! ひとごろしをしたまおうはゆるされない!!」

妹ゆーしゃ「たとえせかいじゅうのヒトが、まおうをゆるすといっても……わたしはゆるせない!!」

魔王「…………なら……貴女は、どうするというんです」

妹ゆーしゃ「――」
224 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:36:50.54 ID:MYHPESDpo

魔王「……、俺は贖罪のため今後の人生を費やしましょう」

魔王「ただただ被害者の供養のため、神に祈り続けましょう」

魔王「許されるのであれば、土下座しましょう。俺のすべてを貴女に捧げてもいい」

魔王「それでも、貴女は許してくれませんか」

妹ゆーしゃ「“ゆるさない”」

魔王「――」
225 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:37:17.04 ID:MYHPESDpo

妹ゆーしゃ「わたしが―― まおうをころす」

妹ゆーしゃ「ゆうしゃによってころされるこそが、まおうがゆるされる、ゆいつのしょくざいだ!!」

魔王「……あ……ああ…………」

魔王(……そうだ。俺はこの言葉がほしかったんだ……)

魔王(俺は誰かに……、殺して……もらいたかったんだ……)
226 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:37:44.48 ID:MYHPESDpo

魔王(そしてこの人は……絶対俺を殺してくれる……)

魔王(俺を……許してくれる……)

魔王(罪を、消してくれる……)

魔王「ァ……ぅぁ……あぁぁぁあ……」ポロポロ
227 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:38:15.93 ID:MYHPESDpo

妹ゆーしゃ「……ぅ……ぅう……」

妹ゆーしゃ「でも……、まおう。いま、あなたをころしたら……わたしはしんじゃう」

妹ゆーしゃ「だいすきなおねえちゃんも、みんなしんじゃう」

妹ゆーしゃ「それは……、やだ」

魔王「ぅう…………はい」

妹ゆーしゃ「だから、まおう。あなたがほんとうにまおうになったら……わたしはあなたをころす」

魔王「……はい」
228 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:38:37.09 ID:MYHPESDpo

妹ゆーしゃ「そのときまではあなたはわたしのおにいちゃん」

魔王「……はい」

妹ゆーしゃ「……まおうになって。わたしたちをすくって」

魔王「――」

魔王「わかりました。叶えましょう」

魔王「俺は必ず魔王になり。そして、貴女に……命を委ねます」

魔王「必ず……必ずっ!!」ポロ……ポロ……

妹ゆーしゃ「うん……」
229 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:40:00.82 ID:MYHPESDpo

――

魔王の部屋(キッチン) 数十分後

ガチャ……

姉勇者「……お疲れ様」

妹ゆーしゃ「……」

姉勇者「……」

妹ゆーしゃ「おねえちゃん」

姉勇者「なあに?」

妹ゆーしゃ「……あのとき、わたしはおねえちゃんをすくったんだとおもってた」

姉勇者「……」

妹ゆーしゃ「でも、ちがったんだね。おにいちゃんのかおみてわかったの」
230 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:40:32.41 ID:MYHPESDpo

姉勇者「……そうね」

姉勇者「そうかも、しれないわ」

妹ゆーしゃ「おねえちゃん、まえいってたよね。しんだほうがいいとおもってないって」

姉勇者「ええ、それは勿論」

姉勇者「もし望んでしまったら、それは罰ではないもの」

姉勇者「死を望んでいないからこそ、死刑というのは罰になる」

姉勇者「望んでいたら、そんなのただの安らぎだわ」

妹ゆーしゃ「……」

妹ゆーしゃ「…………なら……おねえちゃん」

妹ゆーしゃ「わたしが、おねえちゃんをころすといったら?」
231 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:40:59.05 ID:MYHPESDpo

姉勇者「ありがとう」

妹ゆーしゃ「……え」

姉勇者「ありがとう……。それ以上の、喜びはないわ」

妹ゆーしゃ「……」

姉勇者「……、でも、まだ殺せないのでしょう」

妹ゆーしゃ「…………」

姉勇者「いつか、私も妹ちゃんに殺されるときがくるのかしら」
232 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:41:25.97 ID:MYHPESDpo

妹ゆーしゃ「……、うん」

姉勇者「……そう」

姉勇者「ありがとう」

妹ゆーしゃ「……わからないよ……」

妹ゆーしゃ「どうしておねえちゃんも、おにいちゃんも……そんなかおしてよろこぶの」

妹ゆーしゃ「わからないよ……、わからないよ!!」

姉勇者「……」

姉勇者「さぁ、どうしてでしょう」

姉勇者「私にも、わからないや――」
233 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/27(火) 21:42:51.40 ID:MYHPESDpo
ここまで読んでいただきありがとうございます。
次回の投下で妹ゆーしゃ√は終了で、姉勇者√にはいっていきます。

次回の投下は二日後の午後九時からです。
234 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 21:46:26.76 ID:fVhmtWPf0
乙!
次回も楽しみにしてる。
235 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 23:04:35.83 ID:z0gRHZvuo
乙!
楽しみに待ってる(*゚Д゚*)
236 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/27(火) 23:24:17.56 ID:gIOv+aQoo
乙〜
237 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) :2011/12/28(水) 02:21:25.85 ID:hlVnXYEno
>>221
妹が使っている、ろんりてき、というのは妹が使うにしても表現がおかしい。
ちょっと言葉が思い出せないんだが、こう世渡り上手的な、〜的て言葉なかったっけか
238 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 09:42:28.49 ID:T0cjN3PIO
>>237
間違ってはいない
当てはまる言葉が他にもあるだけ
むしろこっちの方が妹が背伸びして言ってるようでいい
239 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 10:42:37.84 ID:/zlJYWDAO
>>237
姉勇者に、ろんりてきって言葉の意味を教えてもらう妹の様子を想像してみたらどうだい?
240 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/28(水) 16:44:13.84 ID:0I3yOhXd0
なぜかおっきした
241 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/29(木) 20:54:18.11 ID:jozxaKLVo
すいません。昨日今日忙しくて書き溜めができませんでした。
明日の午後9時に投下を延長させていただきます。ごめんなさい。
242 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 20:54:53.95 ID:DeGOKb9wo
把握ワッフル
243 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/29(木) 21:26:31.16 ID:5PItxxfZ0
おk
244 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 14:33:13.85 ID:/2M9DGwHo
舞ってる
245 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:12:11.85 ID:Ho9scpGYo

――

翌日・夕方 訓練所


マモノ「……いひっ! ひひひっ!!」

マモノ「い、へへへっ、魔王さまぁ。すごいですねぇ、聞きましたよぉ」ゲシッ!!

マモノ「3日間も人間界でサル共をぶっ殺していたとかぁ」

マモノ「やるじゃないですかぁ、教え方がいいのかなぁ! いひひっ!!」バコッ!!

魔王「――……」
246 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:16:38.29 ID:Ho9scpGYo

マモノ「……」チラッ

マモノ「あぁ……、もう側近様がくる時間ですねぇ」

魔王「……」

マモノ「……」イラッ

マモノ「おい、なんで今日は無反応なんだよ。つまんねぇ男だなぁおい!!」

魔王「ひとつだけ言わなくてはいけないことがあります」
247 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:22:35.83 ID:Ho9scpGYo

マモノ「あぁ? 話か? いひっ、……なんだ。いってみろ」

魔王「今日で訓練は終わりです」

マモノ「い、いひひっ!! はぁ!?」

マモノ「おわりぃ? 何、勝手なこといってるんですかぁ。俺が許すとおもってるんですかぁ?」

魔王「……あなたに意見は求めてないのですが」

248 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:25:29.04 ID:Ho9scpGYo

魔王「終わりにしてください。とではなく、終わりです。と、断言したのですが聞き取れませんでしたか?」

マモノ「……はぁ!? お前、誰に向かって口利いてんだよ!!」バンッ!!

魔王「“魔王の部下であるお前に口を利いている”」

マモノ「――」

魔王「訓練、とはいえない内容だったが、今まで世話になったことは変わりがない。だから今日は貴方のオモチャになりました」

249 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:30:57.16 ID:Ho9scpGYo

魔王「恩は返したつもりです。今までありがとうございました。それでは失礼します」

マモノ「てめ……、多少強くなったからって調子のってんじゃねぇよ!!」ガシ!

魔王「離してください」

マモノ「ふざけんなよ!! 誰のおかげでここまで強くなったとおもってんだ!! あぁ!?」

魔王「離してください。10秒以内に離さないようでしたら力でねじ伏せます」
250 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:32:52.43 ID:Ho9scpGYo

マモノ「なんだとこの野郎!! やれるもんならやってみろや!! 引きこもりのぼっちゃんがよぉ!!」

魔王「3……4……」

マモノ「てめぇなんて親のおかげでここにいれるような奴じゃねぇか! 偉そうにしやがってよぉ!! 所詮は血筋か!! うめぇ話だなぁおい!!」

マモノ「血筋がよくない魔物は結局はずっと下っ端よぉ!! い、いひひっ!! ひひひっ!!」

魔王「――10」サッ…

魔王「――はっ!」シュッ

マモノ「んなっ――!」

ドオオオォォォン!!
 
251 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:33:56.91 ID:Ho9scpGYo

サァァ……

魔王「……」

魔王「警告は、したつもりなんですが」

マモノ「カ……ハ……ァ……。い、イヒ……」

マモノ「ナ……んだよ、コレ……。ヒヒッ……これも、血筋ってか……」

魔王「……」

魔王「いいえ、違います」

魔王「俺は弱いですから。こんなの魔王の血筋じゃない」

魔王「だから貴方にも認めてもらえない」
252 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:34:18.19 ID:Ho9scpGYo

マモノ「……い、ヒヒ……。んで……、あんたは……どうするんだい……ィ……?」

魔王「魔王になります」

魔王「貴方に認めてもらえるような」

マモノ「……かっこ、つけんじゃ……ねぇ、いひ、ひひひひ……」

マモノ「オ……れが認めるだと……? 寝言いうんじゃねぇ……」

マモノ「俺が認めるマオウ……は、魔王は……大魔王様だけさァ……」

マモノ「い、いひひ。ひひひっ……」バタン

魔王「……」
253 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:34:48.90 ID:Ho9scpGYo

側近「しつれいしま……、……!」

魔王「側近さんおそかったですね」

側近「ぃ、いえ、あ、あの。え、ええ!」

魔王「どうしましたか?」

側近「ほ、本当にマモノ、倒したんです、か……」

魔王「はい」
254 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:35:09.64 ID:Ho9scpGYo

側近「……」

魔王「命には別状はないとおもいますが、一応助けてあげてください」スタスタ

側近「は、はい……」

魔王「あ、あともうひとつ」

側近「は、はい! なんでしょうか」
255 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:35:53.82 ID:Ho9scpGYo

魔王「……その、えっと……よ、呼び捨て」

側近「え?」

魔王「というか、その……敬語、使わなくてもいいですか……俺」

魔王「え、えっと、か、形だけでも、魔王みたいな感じでこれからいこうかな、なんて」

魔王「ま、馬子にも衣装っていうじゃないですか。えーと、はい。そんな感じです」

側近「くす……、ええ、勿論かまいませんよ」

側近「むしろ目上の方から敬語使われるのあまり好きではないんです」
256 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:36:19.29 ID:Ho9scpGYo

魔王「1は別として?」

側近「……」

魔王「すいません、忘れてください」

側近「い、いえ、まさかそんな質問がくるとは思わなかったもので……」

側近「1様に対しても同じです」
257 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:36:47.95 ID:Ho9scpGYo

側近「上司に敬語を使われてしまうとどちらが上の立場なのか忘れてしまって」

側近「結構失礼なことを言ってしまったりするんです」

魔王(そういえばなんかブタとか言われかけたような気がするなぁ……)

側近(魔王様にはブタとかいいそうになった気がするわ……)

258 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:37:18.03 ID:Ho9scpGYo

魔王「えと、……。その、じゃあ、やめますよ」ドキドキ

側近「……! は、はいっ」ドキドキ

側近(なんで私が緊張するんだ……)

魔王「そ、側近」

側近「はい」
259 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:37:45.49 ID:Ho9scpGYo

魔王「……、お、俺は先に部屋に戻りま……戻るから、後は頼ん、……だっ……」

側近「はい、承知いたしました」

魔王「……」クス

側近「……」クスクス

魔王「ははっ……!」

側近「ふ、不慣れな感じがまた、ふふっ……。ははっ……」


「「わはははははは!!」」
 
 
260 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:38:11.71 ID:Ho9scpGYo

――

魔王の部屋


妹ゆーしゃ「おかえりおにいちゃん!」

魔王「ただいま……。あれお姉さんは?」

妹ゆーしゃ「おねえちゃんまたキッチンでほんよんでるー」

魔王「あぁ……そうですか」

妹ゆーしゃ「そっきんとはいっしょじゃないのー?」

魔王「とある魔物の看病をしてもらってる」

妹ゆーしゃ「ふうん……たいへんだねー」

魔王「大変だ」
261 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:38:39.36 ID:Ho9scpGYo

妹ゆーしゃ「……」

魔王「……」

妹ゆーしゃ「ひとつだけ、おねがいごとがあるの」

魔王「はい」

妹ゆーしゃ「わたしの、しょじょ……もらってほしいな……」

魔王「………………」

妹ゆーしゃ「……いみは、もうわかってるつもりだよ」
262 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:39:07.42 ID:Ho9scpGYo

魔王「…………あなたは」

魔王「俺の、妻になりたいと?」

妹ゆーしゃ「つ、つま……と、とびすぎじゃない?」

魔王「あ、そ、そうですか。まぁ、でも、恋人なんて夫婦になる過程のひとつというか、なんというか」

妹ゆーしゃ「わかれるひともいるよ? れんあいとけっこんはちがうっておねえちゃんいってた」

魔王「……」

魔王「俺は、そんなの許せない」
263 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:39:33.32 ID:Ho9scpGYo

魔王「俺は妻にしたいと思える女性でしか処女はもらえない」

魔王「……、俺の妻になってくれる女性といってもいいですかね……うん……うん」ゴーン

妹ゆーしゃ「……え、と、“ていそうかんねん”がたかいんだね。おにいちゃん」

魔王「……はい」
264 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:40:10.36 ID:Ho9scpGYo

魔王「それで、妹さん」

妹ゆーしゃ「うん」

魔王「俺の、妻になりたいですか?」

妹ゆーしゃ「……」

妹ゆーしゃ「それは……」

魔王「……わかりました。その言葉だけで充分です」

妹ゆーしゃ「うん……、ごめん。まだ、ちょっとけっこんはわからない」

魔王「その歳でわかったらすごいことですよ。普通です」

妹ゆーしゃ「……うん」
265 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:40:39.89 ID:Ho9scpGYo

妹ゆーしゃ「じゃあ、やっぱりおにいちゃんは……おにいちゃんだ」

魔王「……そうですね。申し訳ない」

魔王「俺は、あなたの気持ちには答えられない」

妹ゆーしゃ「――!」

妹ゆーしゃ「…………」

妹ゆーしゃ「……うん、なんとなく……そうおもってた」
266 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:41:05.33 ID:Ho9scpGYo

魔王「けれど、いや、むしろ残酷かもしれないが、それでもあなたは大切な人であり、妹です」

魔王「それだけは忘れないでください」

妹ゆーしゃ「うん……、ごめん。ちょっと……ひとりにさせて……」

魔王「わかりました。俺、キッチンのほうにいってるんで」

妹ゆーしゃ「うん……うん……」

魔王「……」

魔王(……これで、よかったんだ)

バタン
267 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:41:32.05 ID:Ho9scpGYo

――

魔王の部屋 キッチン


姉勇者「……」パラ……

魔王「……」

魔王(お姉さんがいるってこと、忘れてた……)

姉勇者「…………」パラ……

魔王「……」

魔王「あの、お姉さん」

268 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:41:59.39 ID:Ho9scpGYo

姉勇者「……」パラ……

魔王「お姉さん?」

姉勇者「……」パラ……

魔王「……」

魔王(そうか、絶交、されたんだ)

魔王「……お姉さん」

269 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:42:25.40 ID:Ho9scpGYo

姉勇者「……」パラ……

魔王「俺、謝らないといけないことが」

姉勇者「…………」パラ……

魔王「酷いことばかりいって、すいませんでした」

魔王「何も俺わかってなくて、お姉さんだって辛いってこと考えてみればすぐわかるのに」

魔王「自分勝手にあんなこと言って……。許してはもえないとおもいますが」

魔王「ごめんなさい」

姉勇者「……」パ……

姉勇者「……私には、貴方様がいっていることが理解できないのですが、満足しましたか?」

魔王「え……?」ドキ
270 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:42:52.95 ID:Ho9scpGYo

姉勇者「自分を好いてる女の処女も奪えないような男になど私には興味ありません」

魔王「……聞いてましたか」

姉勇者「……」

姉勇者「……え、ええ、聞いていましたとも」

魔王「妹さんを縛り続けたくはないんです」

魔王「俺が処女を奪ってしまったら、もしこの先他の男を好きになったとき後悔する」

魔王「妹さんの身体に俺が残ることは……、極力避けたいんです」

姉勇者「あなたなりの優しさですか」

魔王「……はい」

姉勇者「そうですか」
271 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:43:19.29 ID:Ho9scpGYo

魔王「あの」

姉勇者「もう話すことはありません」

姉勇者「……さようなら」

魔王「え、あ、……」

姉勇者「……」パラ……

魔王(また本の世界に、はいってしまわれた……)
272 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:43:53.30 ID:Ho9scpGYo

魔王(俺も、座ってのんびりしてよう……)ドスン

魔王(……)

魔王(なに、しよう……かな……)

女子学生『――』

S勇者『――』

魔王(……)

魔王(そう、か。君たちが……)
273 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:44:20.41 ID:Ho9scpGYo

女子学生『殺した』

魔王(あぁ、殺した)

S勇者『殺した』

魔王(俺は、君たちを殺した)

魔王(何も罪がない、善良な勇者や人間を、殺した)

女子学生『死ね』
274 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:44:46.30 ID:Ho9scpGYo

魔王(裁いてくれる人がいるんだ)

S勇者『あなたは、裁かれるの?』

魔王(そして、死ぬ)

女子学生『死ぬ』

魔王(そう、死ぬ)

女子学生『私たちの、未練を?』

魔王(そうさ彼女が全部、救ってくれる)
275 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:45:14.44 ID:Ho9scpGYo

女子学生『それは、だぁれ?』

魔王(妹さん)

S勇者『英雄ね、まるで』

魔王(……)

女子学生『えいゆうが、いたんだ』
276 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:46:05.18 ID:Ho9scpGYo

女子学生『あなたは死ぬ』

魔王(あぁ)

女子学生『私たちの未練も、なくなる』

魔王(あぁ、そうだ)

女子学生『それはきっと、素敵な世界なんでしょうね』

魔王(……ああ、そうだね)

魔王(きっと、幸せな世界さ)
277 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:46:54.16 ID:Ho9scpGYo

女子学生『……なら、私も、彼女もそれまでは見守っている』

S勇者『貴方が罪を忘れないように』

魔王(あぁ……たのんだよ……)


魔王「…………しぁ……わ……ぐぅ……」zzz……


姉勇者「……」クス

姉勇者「……いったい、どんな夢をみているのでしょう」

姉勇者「そんな幸せそうな顔をして。風邪をひきますよ。……毛布どこだっけ……」

姉勇者「……ええっと……」キョロキョロ

姉勇者「……――」

278 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:48:00.58 ID:Ho9scpGYo

――

姉勇者『そうして彼は、確かに魔王の道への歩みだした』

姉勇者『私が指図しなくても、彼は彼なりの世界を自分で作り出していく』

姉勇者『もし仮に天才と呼ばれる人間がいるのであれば』

姉勇者『彼はきっと、努力の天才なのだろう』

姉勇者『彼は朝早くおきて夜遅くまでまで訓練と実戦を繰り返す日々を選んだ』

279 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:49:31.06 ID:Ho9scpGYo

姉勇者『その行動っぷりは、引きこもっていた時期が本当にあるのかと疑うほど』

姉勇者『帰ってくるなり倒れたりはするけれど、翌日になれば元気な素振りで出かけていく』

姉勇者『殺されるために、彼はそんな日々を生きていく』

姉勇者『季節は移ろう』

姉勇者『凍えるような寒さはなくなり、やさしく抱きしめてくれるような春の気候へと変わっていく』

姉勇者『そう。春が―― やってくる』

姉勇者『私たち、4人が過ごす最後の季節が』


                                    Next season...
 
280 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2011/12/30(金) 21:51:33.94 ID:Ho9scpGYo
ここまで読んでいただきありがとうございます。
次回から姉ルートはいっていきたいとおもいます。
こんなに長いのを読んでくださっている方がいるのか最近心配です。

次回の投下は二日後の午後九時です。よいお年を。
281 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 21:52:51.51 ID:4KKt7ehx0
乙!
よいお年を〜
282 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 21:53:44.13 ID:+VhXIoSGo
乙〜
そういや四天王3、4は何やってんだろう……
新年までワッフルしてる
283 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 21:56:13.26 ID:sKbYLrqAO
乙です、良いお年を。

さて自分も今書いてる分更新しよっと。
284 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 22:06:41.30 ID:ymZVZxRao
285 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 22:08:30.72 ID:PojmBO1/o
おつやま
286 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 22:42:39.37 ID:/mzt7teAO
乙。
読み続けてるから完結させて下さい。
287 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 23:37:01.61 ID:jJjQkenIO
最後まで見てる
よとしを
288 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 00:28:31.84 ID:ZHHSx5Z3o


姉ルートは最初からリセットなのかな?
289 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 00:34:40.04 ID:SQk/lR9vo
おつん 姉としっかり結ばれて欲しいところ
290 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 00:51:35.83 ID:C9RNej8co

前作みたいに別ルートエンドもあるの?
291 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 01:55:30.56 ID:6jC8ARfZ0
最終的にはハーレムエンドですよね
みんなで幸せになるんですよね
292 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 09:31:42.47 ID:BIZdB2+Po

よいお年を
映画化して欲しいレベルですね
293 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 10:09:34.51 ID:bgWF9Gp8o
Oh, is it miso?

294 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 17:58:57.44 ID:U1eCJhfRo
最初の頃のオウフゥwwwwwwとか言ってた頃に比べると恐ろしく成長してるなwwww
295 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 19:56:13.51 ID:atVaMStAO
成長してるというか心が萎縮してるというか……
間違いなく今の魔王はレイプ目になってるな
296 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 03:07:20.75 ID:/fgqDXj8o
破瓜の痛みに泣きながらする姉と
姉を何度行かせても満足できず壊れるくらいに愛しちゃう魔王
に期待
297 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:10:32.36 ID:JMmRTlY/o

幼女『……』

幼女『め、……、めめ、めらっ!』

ブワッ!

幼女『わっ! わわ……』

幼女『お、おとうさま。ひ、ひが、火の玉が!』

父『見ていたわい』

幼女『やった……ま、まほう使えました!』
298 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:17:00.61 ID:JMmRTlY/o

父『そうだな。はじめてにしては上出来だろう』

幼女『ほ、ほんとうですか!』

父『しかしだな』

父『我らはロトの末裔。そのくらいのことは――』

幼女『おとうさま、これでわたくしは魔王になれますか!』
299 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:20:17.20 ID:JMmRTlY/o

父『……』

父『……、今、お主何といった』

幼女『え、あ、……ま、魔王に、なれますか、と』

父『……』

バシッ!

幼女『―― んぎゃっ!』バタンッ
300 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:24:21.12 ID:JMmRTlY/o

父『魔王は我々が憎む相手だ!! 勇者の末裔が! 魔王になりたいだと!! ほざけ!!!!』

父『この馬鹿娘がっ!! お前は天空の剣さえ軽々しく持てる勇者だというのに!』

幼女『ぅ……うう……』ビクビク

父『怯える暇があるなら魔法でも、剣術でもなんでもいい!! 殺しの術を覚えろ!!』バシッ!
301 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:25:42.07 ID:JMmRTlY/o

幼女『いたい! いたいいたい!! うううぅう!!』

母『あ、あなた! それ以上は――! 死んでしまいますよ!!』

父『――……』ス……

幼女『…………ぅう……たたないでください……がんばりますから……たたかないでください……』
302 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:27:43.69 ID:JMmRTlY/o

父『…………あとは任せたぞ』

母『あ、は、はい……』

幼女『……ぅう……』

母『もう大丈夫よ。痛かったでしょう。あっちで治療しましょう』

幼女『お、おかあさま……』

幼女『わたくしは……魔王になってはいけないのでしょうか……』
303 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:32:48.70 ID:JMmRTlY/o

母『……そ、それは……、あの絵本の魔王様?』

幼女『そうです……ひっく……。わたくしは人も魔物もきずつけない魔王になりたいのです……』

幼女『剣をふるい、まものをたおす勇者になどなりたくありません……』

母『……でも、あなたは、その……ゆ、勇者の末裔で……、勇者に一番近い実力を持ってるのよ』

母『そんな子が魔王になるなんて……お父様は反対するでしょうね』

幼女『……』
304 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:33:38.42 ID:JMmRTlY/o

母『ね、がんばりましょう。大丈夫よ、あなただったらちゃんとした勇者になれるわ』

幼女『やだ……やだよぉ……』ル

母『な、なら。勉強しましょう。算数とか、ね』

幼女『はい……。算数やります……』

母『算数やり終わったら柔道やりましょう。空手でもいいわよ。身の守るために必要だからね』
305 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:34:05.53 ID:JMmRTlY/o

幼女『はい……』

幼女『おかあさま……』

幼女『それが終わったら、“妹”のところへいってもよろしいでしょうか?』

母『―― ええ、いいわよ』

幼女『ありがとうございます……』
306 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:34:31.35 ID:JMmRTlY/o

――――

魔王の部屋・キッチン

姉勇者「……ありがとう、ございます……」

姉勇者「…………!」ガバッ

姉勇者「……、ね、寝ちゃってた……?」

姉勇者「……」

姉勇者「……いやね、子供のときの夢みるなんて」

『……ザザ……ザザザ……』

姉勇者「あぁ……またあわせないと……」カタカタ
307 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:34:58.01 ID:JMmRTlY/o

『だからいってるじゃ……。時期……』

『時期がわるいといって……たんだぞ!! ……おまえ……』

『るさいわ……。……っていうの!!』

姉勇者「聞きづらい……」

姉勇者「虫もそろそろ限界かしら。電池も残り少ないし……数も少ないし……」
308 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:35:23.91 ID:JMmRTlY/o

姉勇者「やっぱりそろそろ家に帰らないとまずいわね」

姉勇者「見張りのシフトも、見回りの時間・順序も、建物内のマップも把握はしているとはいえ……そう簡単に抜け出せない」

姉勇者「あの四天王の誰かが痺れを切らして行動してくれるとありがたいのだけれど」

姉勇者(…………)

姉勇者(でも、……帰ったところでまっているのは……あの男との……)

姉勇者(…………)
309 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:35:53.25 ID:JMmRTlY/o

姉勇者(妹ちゃんは魔王様が守ってくれる)

姉勇者(なら、無理して帰る必要性は……?)

姉勇者(……あるに決まってるじゃない。ここは敵の腹ん中よ。いつ駆除されてもおかしくないんだから……)

姉勇者(なんとしても妹ちゃんだけは守らないと……)カタカタ

姉勇者「…………」ウトウト

姉勇者「……そうか……。お昼ねの時間か……」

姉勇者「ぅ……もうちょ………………」

姉勇者「……」zzz
310 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:36:24.25 ID:JMmRTlY/o

――

人間界・街中


男「でさー……」

女「うんうん」

ガサガサ

魔王「あの男か?」コソ

側近「はい。あの男がFランク勇者ですね」

魔王「結界をはってくれ。その瞬間にあの男の首を斬る」

側近「わかりました」
311 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:37:01.74 ID:JMmRTlY/o

男「――……なわけで」

女「うんうん」

側近「5……4……、3……2……1……」

魔王「――」サッ

男「ん?」

魔王「――!」ブンッ!

男「――――!!」

バタン

女「……え? え、あ、お、男く……ん!? き、きゃぁあああああ!!」ガクガク
312 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:37:32.89 ID:JMmRTlY/o

女「ひ、ひぃ……いい……」ガクガク

側近「こちらの女はどうしますか。殺しますか」

魔王「勇者でないなら殺す必要などない。記憶を消して放っておけ」

側近「わかりました。今すぐそのように」

女「ぃ……こ、こな……」ガクガク

側近「心配するな。記憶を消すだけだ」ブオンッ

女「ひっ――――…………」

バタン……
313 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:37:54.02 ID:JMmRTlY/o

側近「終わりました」

魔王「こちらも死体の処分が終わった。帰るぞ」

側近「はい、了解しました」

ビュンッ!
314 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:38:19.80 ID:JMmRTlY/o

――

魔王の間

ビュン

魔王「ただいま戻りました」

四天王3「……は、はやっ! ちょっとあんたたち5分で終わらせるってどういうことよ!!」

魔王「早く終わらせて何か問題でもあるのでしょうか」

四天王4「……ねぇな。まったく」

四天王3「そうね、問題はないわよ!! でもいってすぐ帰ってくるなんて、なによいい子ぶっちゃって!! もう!! あんたなんか知らないわよ////」

側近「3様、申し訳ありませんが魔王様はノンケですので目をつけられても」
315 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:41:44.20 ID:JMmRTlY/o

四天王3「女は黙ってなさいよ!! それにつ、つけてないわよ!! なによ! やせてイケメンになったからってつけるはずないでしょ!! そんな安い女じゃないわよ私!!」

魔王「……」ダラダラ

四天王2(オカマのツンデレって需要あるのでしょうか……)

四天王3「ちょっと2! あんた今軽蔑したわね!!」

四天王2「しっ……てるわけないだろう。変な疑いをかけるな」ビクビク

大魔王「……」

魔王「父も困ってますし、話を変えませんか」

四天王2「あ、大魔王様! し、失礼しました!」

四天王3「……」
316 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:42:12.46 ID:JMmRTlY/o

大魔王「フ……よい。これも余興よ」

大魔王「魔王よ、今日はご苦労であった。かえって休むがよい」

魔王「はい」

大魔王「だが、明日もう一度ここに来い。見せたいものがある」

魔王「了解しました」

大魔王「下がれ」

魔王「はい、失礼しました」

側近「失礼しました」

パタン
317 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:42:38.42 ID:JMmRTlY/o

四天王1「この数ヶ月で魔王様は変わられた」

四天王4「そうだな……信じられねぇぐらいだ……」

四天王3「イケメンになったわね」

四天王4「てめぇはさっきから同じことしかいわねぇな」

四天王3「超イケメンに出会ったらイケメンとしかいえなくなるの!! わからないやつね!!」

四天王4「わかりたくねぇ……」
318 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:44:52.63 ID:JMmRTlY/o

四天王1「部下達の評価もあがり、次期大魔王様への道を確実に歩んでいらっしゃる」

大魔王「くく……。そうだな……」

大魔王「だが、明日ですべてが変わるかもしれんぞ?」

四天王1「……それは、どういう」

大魔王「お前になど教えるものか……。くく……」

四天王1「……は、はぁ……」

四天王1(なにをなさるつもりなのだろうか……)
319 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:48:42.10 ID:JMmRTlY/o
――

魔王の部屋

魔王「ただいま」

妹ゆーしゃ「おにいちゃんおかえり、きょうははやかったね」

魔王「ああ」

側近「妹は少しみない間に背が伸びたんじゃないのか。ん?」サスサス

妹ゆーしゃ「さわるなー! そっきんあたまなでるなー!」

側近「ははは、愉快なやつだなぁ」

魔王「……」

魔王「妹。お姉さんは?」
320 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:49:07.94 ID:JMmRTlY/o

妹ゆーしゃ「おねえちゃんだったらいつもどおりだよー」

魔王「そうか、ありがとう」スタスタ

ガチャ

側近「……魔王様もこりないな」

妹ゆーしゃ「あのふたりなにかあったの?」

側近「さぁ……、わからん」

妹ゆーしゃ「そっきんはおねえちゃんとなかいいのに?」

側近「その話をするといつもうまい具合にはぐらかされるんだ」

妹ゆーしゃ「ふうん……」
321 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:49:33.50 ID:JMmRTlY/o

側近「あの女のどこがいいんだか……」

妹ゆーしゃ「おねえちゃんはいいとこたくさんある!!」

側近「あぁ、まぁ、同性からみたらいいところはあるとおもうが……、多少な。多少」

側近「異性からみたら良いところなど……」

妹ゆーしゃ「おねえちゃんもてるんだよ」

側近「あの性格でか?」

妹ゆーしゃ「……うん」
322 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:50:01.37 ID:JMmRTlY/o

側近「不思議なもんだなぁ……。しかし、もてるのに付き合わないのか?」

妹ゆーしゃ「れんあいきょーふしょー」

側近「恋愛恐怖症?」

妹ゆーしゃ「っておねえちゃんがいってた」

側近「男が怖いのか? ……そうにはみえなかったが」

妹ゆーしゃ「…………、ちょっと、いろいろあってね」

側近「いろいろかあ……。でも、彼氏いたことがあるんだろう」
323 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:50:27.34 ID:JMmRTlY/o

妹ゆーしゃ「……う、うん……」

側近「でも遊ばれただけ、のようなことをいっていたような……」

妹ゆーしゃ「そ、そういうことだよ! おわりおわり!!」

側近「なんでお前が焦るんだ」

妹ゆーしゃ「いーから、ちがうことはなそ!」

側近「……なまいきな。ガキのくせに話をずらそうとおもっても無駄だぞー」ナデナデ

妹ゆーしゃ「だーかーらーあたまなでないで!! さいきんそっきんこどもあつかいする!!」

側近「ははは、こうみると人間の子供もかわいいものだと気づいたんだ。ははは、かわいいなぁ」

妹ゆーしゃ「かわいいいうなー! もー!!」ジタバタ
324 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:50:58.78 ID:JMmRTlY/o

――

魔王の部屋・キッチン


魔王「……」

姉勇者「……すー……すー……」

魔王「……」

姉勇者「……ん……」

魔王「……」

姉勇者「――! ……まおっ…………」

魔王「おはようございます」

姉勇者「……」
325 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:53:57.06 ID:JMmRTlY/o

姉勇者「…………」ガタッ

魔王「どちらへ?」

姉勇者「……」サッ

魔王「本、好きなんですね」

姉勇者「…………」
326 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:56:18.35 ID:JMmRTlY/o

姉勇者「……」ガタッ

魔王「……お姉さん」

姉勇者「傍にいることは、……渋々許可はしましょう」

姉勇者「でも話しかけないでください」

魔王「……わかりました」

姉勇者「……」

姉勇者「貴方様も、あきませんね。毎日毎日」

魔王「そうですね」
327 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:56:42.30 ID:JMmRTlY/o

姉勇者「私なんかと向き合ってるより、妹ちゃんと話していたほうが楽しいでしょうに」

魔王「これはこれで楽しいですよ」

姉勇者「私をじっとみているのが?」

魔王「はい」

姉勇者「……へんたい」

魔王「あなたには言われたくないかと」

姉勇者「…………」
328 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:57:08.92 ID:JMmRTlY/o

姉勇者「…………」パラ……

姉勇者(どうして、魔王様は毎日毎日私に会いにくるのだろう……)

姉勇者(……なんていうか)

姉勇者(……こんな状況が落ち着くなんて、私どうかしちゃったのかしら)

姉勇者(……)チラ

魔王「……?」

姉勇者「……」ビクッ

姉勇者「な、なんでもありませんから」

魔王「そうですか」
329 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 21:59:49.04 ID:JMmRTlY/o

魔王「……」

姉勇者「……」

魔王(今日もいろいろあったな……)

魔王(お姉さんと前みたいに会話できたら、アドバイスとか、もっと効率がいいやり方とか今頃教わっていたんだろうか)

魔王(……それだけじゃなくて、4人で楽しく食事とったりとか……いろいろ……)

魔王(前みたいに仲良くなりたいんだけどな……)

魔王「……」

魔王(美人だなぁ……)

姉勇者「……」
330 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 22:00:15.30 ID:JMmRTlY/o

魔王(こんな人が奥さんだったら……、…………)

魔王(……って俺何考えてるんだ)

魔王(前みたいな仲に戻れるだけでいいじゃないか。うん……うん……)

魔王(……。うん……)ジー

姉勇者「……あの、そんなに見つめないでください」

魔王「すいません」

姉勇者「……」

魔王「……」
331 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 22:02:17.04 ID:JMmRTlY/o

姉勇者(……仲直りというのかしら。したほうがやっぱり……)

魔王(どうしたら仲直りできるんだろう)

姉勇者「……」

魔王「……」

姉勇者(やめとこう……)

魔王(案が思いつかない……)

姉勇者「はぁ……」

魔王「はぁ……」
332 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/01(日) 22:04:20.18 ID:JMmRTlY/o
あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします。
またここまで読んでいただきありがとうございます。
今回から姉勇者ルートにはいりました。もうしばらくお付き合いいただけると幸いです。
あけおめ絵でもかこうとおもいましたが、時間がなくてあぼーん……。

次の投下は二日後の午後九時ぐらいです。
333 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 22:11:15.11 ID:abZ5eqLYo
乙〜
何時の間にか魔王がイケメンに……
334 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 22:14:29.29 ID:FxVjrX4AO
乙。
姉勇者の考えも分かるな。
強すぎる勇者の末路が魔王だっていう話もあるし・・・・。
335 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 22:25:29.42 ID:S6A1MekLo
姉処女じゃないんだろうな・・・
でも幸せになれるといいね

絵も待ってます
336 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 22:26:08.07 ID:abZ5eqLYo
>>335
姉勇者と妹ゆーしゃは処女

>>1が言ってたから確定
337 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 22:31:33.13 ID:S6A1MekLo
そうなのか・・・
よかった
338 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 23:08:56.53 ID:/fgqDXj8o
おつぽん
姉勇者天使や・・・
339 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 01:18:54.78 ID:c7Qee0KIo
四天王3「私も処女よ///」
340 :かなぐぁ [sage]:2012/01/02(月) 08:50:59.78 ID:4yLqsNWA0
>>339
童貞発見
341 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 09:49:06.37 ID:xuqTX4nwo
おつおつお
いつまでも付き合うで!
342 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 16:09:36.79 ID:XhLE1INH0
魔王がイケメンになるのは正直予想してた
でもこんな感じでなるとは思わなかった
そしてこんな面白くなるとは思わなかった
343 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:14:54.34 ID:ibCIp+o6o

――

同日・夕方 魔王の部屋 キッチン


姉勇者「――」グツグツ

魔王(毎日熱心だな……。お姉さんがつくらなくても、魔物がつくるっていうのに)

魔王(……)

魔王(……いや、当たり前か。お姉さんからみれば俺達は敵だ)

魔王(敵から出された料理など口にいれるだけでもおぞましいのかもしれない)
344 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:17:53.64 ID:ibCIp+o6o

姉勇者「……」

魔王「……」

姉勇者「……あの」

魔王「はい」

姉勇者「味見……」

魔王「はい?」

姉勇者「味見、してくださいますか?」

魔王「わかりました」ガタッ
345 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:22:47.00 ID:ibCIp+o6o

魔王「いただきます」

姉勇者「……ええ」

魔王「……」ズズ

姉勇者「……」

魔王「おいしいです」
346 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:25:25.23 ID:ibCIp+o6o

姉勇者「……ありがとうございます」

魔王「こちらこそ」

姉勇者「……」

魔王「……」

魔王「……明日」

魔王「父は俺に何か見せたいものがあると、言ってきました」

姉勇者「……そうですか」

魔王「用心してください」

姉勇者「……え?」
347 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:26:43.78 ID:ibCIp+o6o

魔王「何やら不吉な予感がします」

姉勇者「と、おっしゃいますと?」

魔王「父があのように笑う時は良からぬ事を企んでいる時です」

魔王「お姉さんや妹が、危険にさらされる可能性があります」

姉勇者「――……」
348 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:29:54.27 ID:ibCIp+o6o

魔王「仮にそうなったとしても俺は貴女方を絶対に助けます」

姉勇者「……」

魔王「しかし、用心することに越したことはありません」

魔王「俺もすぐに助けられるかと問われたら、是とは答えられません」
349 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:31:26.19 ID:ibCIp+o6o

魔王「申し訳ありませんが、心構えを」

姉勇者「……ご忠告ありがとうございます」

姉勇者「私はもとより貴方様に頼らず、自分の手で妹ちゃんを守る覚悟も力を持っています」

姉勇者「だからご安心くださいませ」

魔王「……御自身はどうするおつもりですか?」

姉勇者「――」
350 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:38:55.47 ID:ibCIp+o6o

姉勇者「……やらしい質問をなさいますのね」

魔王「申し訳ない」

姉勇者「貴方様が思っている通り、とでも答えておきましょう」

魔王「そうですか」

魔王「なら、やはり安心はできませんね」
351 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:39:48.64 ID:ibCIp+o6o

姉勇者「それは残念です」

魔王「お姉さん」

姉勇者「はい?」

魔王「例え貴女が死ぬ気だとしても、俺が貴女を死なせません」

姉勇者「……」
352 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:42:48.32 ID:ibCIp+o6o

魔王「それだけは覚えていてくださいますよう」

姉勇者「……き、気障らしい台詞は貴方様には似合いませんこと」クルッ

魔王「何故背を向けるんですか」

姉勇者「ゆ、夕飯の支度が残っておりますから」

魔王「……ぷっ」

姉勇者「何がおかしいのですか」
353 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:43:15.98 ID:ibCIp+o6o

魔王「いえ、……あの」

姉勇者「味見、していただきありがとうございました。―― そろそろ妹ちゃんのところへと行ってはいただけ――」

魔王「耳、真っ赤ですよ」

姉勇者「っ!?」
354 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:43:46.70 ID:ibCIp+o6o

姉勇者「で、ででで、でていって……! 今すぐでていってください!!」

魔王「はい、失礼します。いえ、失礼しました」ペコリ

姉勇者「あ、貴方様という人、いえ、魔物は! もう知りません!! 顔もみたくありません。塩を撒かれたくなければしばらく顔も見せないでください!!」

バタン
355 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:44:12.32 ID:ibCIp+o6o

姉勇者「はぁー……はー……」

姉勇者「…………」

姉勇者「……」ピト

姉勇者「そんなに赤くなってたのかしら……」

姉勇者「…………一生の不覚……」
356 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:44:34.29 ID:ibCIp+o6o

姉勇者「……」

姉勇者「……それにしても」

姉勇者「最近の魔王様はどことなく意地悪になってきたような気がするわ」

姉勇者「顔や体系がよくなるとああなるものなのでしょうか……」

姉勇者「……」

姉勇者「昔のほうが……」

姉勇者「……いやね、私ったら。恋人でもないただの他人を評価してしまうなんて……」
357 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:45:00.33 ID:ibCIp+o6o

姉勇者「…………しかし大魔王様か」

姉勇者「寝ている間にそんなことがあったなんて……」

姉勇者「……聞きながら料理しよ」カチカチ

姉勇者「……」

姉勇者「……見せたいもの、か」

姉勇者「…………」
358 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:45:33.19 ID:ibCIp+o6o

姉勇者「明日ですべてが変わる、……」

姉勇者「すべてが」

姉勇者「……魔王様がそれほどまでに絶句するもの」

姉勇者「……小屋、かしら」

姉勇者「それとも私がしらない何か?」

姉勇者「それだとしたらどんなに考えても時間の無駄だわ」

359 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:45:56.09 ID:ibCIp+o6o

姉勇者「小屋、として考えましょう。今できることといったらそのくらいしかないわ」

姉勇者「……。小屋」

姉勇者「それを見せる理由」

姉勇者「いえ、魔王様は男性ですもの。見せるだけではなく使わせる、でしょうね」

姉勇者「使わせる理由」

姉勇者「……、激怒させたいのかしら」

姉勇者「魔王様を激怒させ冷静な判断ができなくなったところで、何か重大なことを告げる、とか」

360 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:46:22.08 ID:ibCIp+o6o

姉勇者「いえ、……そんなことでなくてもいい」

姉勇者「そうね。大魔王様は魔王様を殺したいのだから」

姉勇者「もっとシンプルに。大魔王様に歯向かった魔王様という図を描きたいのでは」

姉勇者「でも、そんなことして今更なんの意味があるの?」

姉勇者「魔王様は魔界に必要な人材となったのに」

姉勇者「…………」

361 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:46:49.03 ID:ibCIp+o6o

姉勇者「違うわ。……違う」

姉勇者「すべて、……。すべて……」

姉勇者「…………」

姉勇者「激怒させることが目的ではない……?」

姉勇者「歯向かう魔王様、というのも必要なのかもしれない」

姉勇者「でも、それよりも……何か違う目的があるのでは……」

362 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:47:14.77 ID:ibCIp+o6o

姉勇者「広い視野で考えてみましょう」

姉勇者「…………魔王様だけではなく……すべて……すべて……?」

姉勇者「もしかして……狙いは…………、魔王様ではなく、私達……?」

姉勇者「小屋を使わせるって……、そうよ。『私達はもういらない』といっているのと同じようなものじゃない」
363 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:47:44.13 ID:ibCIp+o6o

姉勇者「魔王様がいっている間に、私達は殺されるのかしら」

姉勇者「……仮にそうだとしたら、どうすればいいの」

姉勇者「四天王の奴らや上位の魔物がきたら…………」

姉勇者「…………」

姉勇者「いいじゃない、上等よ。アレがなくたって、私は勇者なのよ」

姉勇者「勝ち目がない勝負にだって、余裕な顔で挑むのが勇者の美徳だというなら」

姉勇者「お父様、やってやろうじゃない。……ふふ」

姉勇者「…………――――」ブル
364 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:48:15.00 ID:ibCIp+o6o

――

翌日・朝 魔王の部屋


側近「それでは参りましょう」

魔王「ああ」

妹ゆーしゃ「あさからはなしあいなんてやだねー」

魔王「まったくだ。妹」

妹ゆーしゃ「ん、なに?」

魔王「気をつけて」

妹ゆーしゃ「? どーしてわたし?」
365 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:48:36.49 ID:ibCIp+o6o

魔王「側近」

側近「はい」

魔王「お前もここに残ってはくれないか」

側近「えっ」

魔王「頼む」
366 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:49:13.67 ID:ibCIp+o6o

側近「わ、わかりました」

魔王「……俺以外の奴らは絶対に部屋にいれるな」

側近「――。わかりました。魔王様以外の魔物はけしてこの部屋に入らせません」

魔王「頼んだ」

側近「はい!」
367 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:49:39.72 ID:ibCIp+o6o

バタン

妹ゆーしゃ「へんなおにいちゃん」

側近「どうしたんだろうな」

姉勇者「……」

姉勇者(側近さんを残らせましたか)

側近「おい、姉。どういうことなのかわかるか?」

姉勇者「ええ、大体は」

側近「どういうことなんだ?」
368 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:50:05.43 ID:ibCIp+o6o

姉勇者「さぁ、どういうことでしょう」

側近「わからないのか?」

姉勇者「わかりますが」

側近「ならどういう」

姉勇者「さぁ?」

側近「お、お前私を馬鹿にしているだろう!!」

姉勇者「そんなことは。側近様、ささ、貴女様は貴女様の職務を果たしてください」

側近「……ばかにされてる。ばかにされてる……」ブツブツ

バタン
369 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:52:45.63 ID:ibCIp+o6o

姉勇者「……」

妹ゆーしゃ「あ、むしだ。おねえちゃん、それもってきてたのー?」

姉勇者「ええ。念のためいつも持ち歩いているの」

妹ゆーしゃ「……なにか、ほんとにあったんだね」

姉勇者「ええ、妹ちゃん。怪我ぐらいしちゃうかもしれないわ」

妹ゆーしゃ「だいじょうぶだよ! わたしがおねえちゃんまもる!!」

姉勇者「あら、心強いわ」

姉勇者「でも大丈夫よ。お姉ちゃんに任せて」

妹ゆーしゃ「えー?」
370 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:55:04.69 ID:ibCIp+o6o

姉勇者「三度もあなたを傷つけるわけにはいかないわ」

姉勇者「だからおねえちゃんの言うことをきいて、ね?」

妹ゆーしゃ「……」

妹ゆーしゃ「うん……。おねえちゃんのいうこときく」

妹ゆーしゃ「でもおねえちゃんがピンチになったら、わたしじぶんでかんがえてうごく!」

妹ゆーしゃ「ね、いいでしょ! ね!」

姉勇者「……」

姉勇者「そう、ね。ピンチになる気なんてないもの。いいわよ」

妹ゆーしゃ「むー……」
371 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:55:49.45 ID:ibCIp+o6o

姉勇者(予想が外れてくれるとありがたいのだけれど……)カチ、……カチ……

姉勇者(……魔王様の悪い予感、当たりそうな気がするのよね)

姉勇者(荷物もまとめたし、いつでも逃げる準備はできている)

姉勇者(ここで抜け出してもいいけれど、側近様がいるからなぁ……)

姉勇者(……)

姉勇者(今日はがんばりましょう。妹ちゃんの為にも――)

姉勇者(……妹のためにも)
372 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/03(火) 21:59:07.59 ID:ibCIp+o6o
ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回のssは特に選択肢もなく一本道の予定です。
一部、安価でやってもいいかなという場面もあるといえばあるのですが。

次回の投下は二日後の午後九時からです。

また次々回投下から三日おきに投下する形になるかもしれません。
373 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 22:04:02.84 ID:uBSQaCOFo
おつん 安価いらないと思いますん
374 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 22:08:14.91 ID:2rEbBg0l0
乙〜
姉さん素敵っす
375 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 22:15:51.84 ID:LG92XZEzo
おつ 安価はいらないと思います!
376 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 22:44:02.46 ID:XhLE1INH0
安価はいらないと思います

大事なことだから何回も言われると思います
377 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 22:45:30.54 ID:mB5CvzVpo
乙〜
378 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 23:09:48.66 ID:gQnaJKdPo
安価不要
好きに書いとくれ
379 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 23:10:25.41 ID:gQnaJKdPo
安価不要
好きに書いとくれ
380 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 23:11:06.52 ID:gQnaJKdPo
すまん
吊ってくる
381 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 23:11:20.50 ID:pH5JqQUyo
乙!安価は無しでおk
382 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 23:44:30.32 ID:rOMvFE7AO
もし安価取ってBADエンドになったら後悔しそうだし>>1の好きに書いて欲しい
383 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 00:25:51.29 ID:y7Lks2YAo
>>382
読み直せば?
384 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 10:11:18.12 ID:dTz1mnAIO
乙です

安価とか駄作にしかならんからやめて
385 :以下、あけまして [sage]:2012/01/05(木) 01:00:12.36 ID:blllRaYAO
1乙
読者が選択肢を与えられたくないって思うのは、筆者が凄い証なんだな。

自分も安価より1の思うように書いてほしい
386 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:01:43.57 ID:V8eFdomto

――

魔王の間


魔王「失礼します」

大魔王「おお、来たか……」

四天王1「……」

四天王2(なんだか今日は空気が重いよぉ……)ガクブル

四天王3(私たちも呼び出されたってことはよほど重要なことなのかしら)

四天王4「……」
387 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:06:29.93 ID:V8eFdomto

大魔王「お前、一人か」

魔王「はい。側近には席を外してもらいました」

大魔王「そうか、まぁよい。四天王共よ、共に小屋にいってまいれ」

魔王「……小屋……?」

四天王1「―― わかりました」

魔王「待ってください。小屋とはいったい」

大魔王「いけばわかる。1よ、後は任せたぞ」

四天王1「はい」
388 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:09:35.56 ID:V8eFdomto

四天王3(こ、小屋ぁ? どーしてこんなタイミングでアレをみせるのかしら)

四天王2(私もいかないといけないのかな、あそこ苦手なんだけどなぁ……)

四天王4(あの様子じゃ1はこのことを知っていたみたいだな。ちっ)

四天王1「魔王様、私についてきてください」

魔王「……」

魔王「わかりました」
389 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:13:36.14 ID:V8eFdomto

――

魔王城・廊下


トン、トン、トン

魔王「……」

魔王(4号館に進んでいる)

魔王(そういえば、あまりこっち側にはきたことがない)

魔王(訓練所があるのは3号館だし、魔王の間は5号館……)

魔王(俺の部屋は2号館にあるし…………、ここにくる用事などまったく)

魔王(……)

魔王(俺はまだ、魔王軍のこと分かりきっていないのだな)
390 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:17:22.40 ID:V8eFdomto

トン、トン、トン

魔王(しかし結界が多いな)

魔王(外部から入らせないようにする、というよりは、内部から出られなくするような……)

魔王(何があるんだ、ここには)

魔王(……、牢屋か)

魔王(…………、いってみればわかるか)
391 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:21:25.67 ID:V8eFdomto

トン、ト……

四天王1「ここが小屋の入り口でございます」

魔王「……」

魔王(鉄の扉? 随分頑丈な扉だな)

魔王「小屋というより、金庫だな」

四天王3「……、確かに、それでも間違いはないのかもしれないわね」

魔王「どういう意味だ?」

四天王4「まぁ、入ってみたらわかるってことだ。おい、2。お前があけろ」

四天王2「わっ、私が!?」

四天王2(ここ臭いもきついから入りたくないのに……)
392 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:25:47.41 ID:V8eFdomto

四天王4「なんだてめぇ、俺に逆らう気か?」

四天王2「そ、そんなこと言っていないだろう。開けるからかりかりするな」

四天王2「……」スタスタ

四天王2「で、では、失礼して……うっ、いがいにおも……」

ゴゴゴゴ……

魔王「……、また扉か」

四天王1「ええ、ここは私の鍵で開けさせていただきます。2、どいてくれますか?」

四天王2「あ、うん」
393 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:26:21.12 ID:V8eFdomto

カチャカチャ……ガチャ

四天王1「開きました。どうぞ」

魔王「……う」

魔王(なんだ、この臭い……。魔物の体臭……? きついな……)

四天王3「おげぇ……相変わらずひっどい臭いねぇ……。換気しなさいよ、換気」

四天王1「これで換気しているんです。魔王様、多少臭いがきついですがお入りになってくださいませんか」

魔王「あ、ああ……」

四天王2(鼻つまんどこう……)
394 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:26:47.49 ID:V8eFdomto

――

魔王城・小屋


魔王「……ロビー? 妙に広いな。2階まである」

四天王3「大魔王様の趣味よぅ、家の中に家つくるなんてば……じゃない、変わったセンスよねぇ」

魔王「……」ベチャ

魔王「……!」

魔王(何か踏んだ……? 液体……?)

魔王「ここは、いったい……、なんなんだ?」

395 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:27:13.29 ID:V8eFdomto

四天王1「そうですね、先にこちらの部屋からご案内しましょう」

四天王4「そっちって……。ああ、……そこからか」

四天王1「何かいけませんか?」

四天王4「いや……、……。気にすんな」

四天王3「Sの部屋だもんねぇ……、私もいきたくないわ。気味が悪い」

魔王「S……?」

魔王(何かの暗号か?)
396 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:27:44.71 ID:V8eFdomto

四天王1「先にこちらに案内したほうが、後辛くなかろうと思いまして」

四天王2「わ、私はここで待っていては駄目か?」

四天王3「駄目にきまってんでしょ。女だからって甘えないでちょうだい」

四天王2「う……ぐ……」

四天王1「いえ、女性にとっては辛い部屋でしょう。2、無理することはありませんよ」

四天王2「…………ぅ」

397 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:28:10.62 ID:V8eFdomto

四天王2「だ、大丈夫だ。大魔王様の命令でもある。従わなくてはいけない」

四天王1「わかりました。魔王様も、心の準備は?」

魔王「できている」

魔王(何があるのかわからないけど)

四天王1「それではSの部屋をご案内します」カチャカチャ

ガチャ

魔王「――!」
398 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:28:39.50 ID:V8eFdomto

魔王「な……、なんだ、これは……」

魔王(床、いや、床においてある箱から足が生えてる……?)

四天王1「こちらはSランク勇者候補が収容されている部屋となります」

魔王「ゆ、勇者候補だと? 殺していたんじゃないのか!」

四天王3「女だけは別なのよぅ」

魔王「ど、どうして!!」

四天王3「魔物の数が減少してるってこと、魔王様ならご存知よね?」

四天王3「特に雑魚が。そいつら、勇者候補だけじゃなくてつよーい村人とかにも殺されちゃうの」
399 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:29:05.47 ID:V8eFdomto

四天王3「それで数がだんだん減ってきてる」

四天王3「数が減ると人間達調子のって領地拡大しちゃうから……、殺される分増やさなきゃいけないの。わかる?」

魔王「……まさか……、勇者を……?」

四天王3「そういうこと」

魔王「どうしてそんなことを。父がそんなことを命令しているのか!!」

四天王4「何怒ってんだよ」

魔王「なっ」

四天王4「因果応報だろ。殺した分、産ませて何がわるいっていうんだよ」
400 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:29:40.45 ID:V8eFdomto

四天王2「……そうだな」

四天王2「それだけは、私も同意しよう」

四天王3「そうよねぇ……ふふふ。結構見ものなのよぉ」

魔王「……何がだ」

四天王3「自分の妻や子を殺した勇者を犯している魔物の姿ってのは」

魔王「――」

四天王4「勇者共は容赦ねぇもんな。見つけただけで攻撃してくる」

四天王3「そうそう。ひどいやつらよねぇ。こっちは降参してるのにとどめさしてくるらしいわよぉ、くすくす」

魔王「……」
401 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:30:11.58 ID:V8eFdomto

四天王1「Sランク勇者候補は、勇者の可能性が否定できません」

四天王1「そのため人型の魔物の子を孕んだ場合、子が勇者になる可能性があるやもしれません」

四天王1「そのため小動物系や、スライム、そのようなものと性交をさせています」

四天王3「それにSランクって体力もりもりだからねぇ」

四天王3「知ってる? あの子達って1回ヤっただけで種付けできるし、その上8匹ぐらいできるのよぉ」

魔王「……ぐ……」
402 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:32:48.87 ID:V8eFdomto

四天王1「最初はそのまま置いておいたんですけどね、暴れたりするものですから」

四天王1「箱の中に上半身は押し込んで、下半身だけ露出させる形にしたんです」

四天王3「まー、それで出産できるとはおもわなかったけど。やっぱSランクは丈夫ねぇ……」

四天王4「んのかわり食事与えるのがめんどくさくなっただろうが」

四天王3「適当にジェル状のやつ管にいれときゃ、その管通じて食べてくれるじゃない」

四天王3「どっかの部下がその管に精液とか排出物をいれてジェルと一緒に飲ませたりしているとかも聞くけど。くすくす」

魔王「……」ギリギリ
403 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:34:22.69 ID:V8eFdomto

四天王1「それでは次はB以下の部屋を案内しますね」

魔王「……」

魔王(だ、めだ……、今は耐えろ)

魔王(これは父が仕掛けた罠だ)

魔王(冷静さをなくしては駄目だ……)ギリギリ

四天王3「歯軋りするイケメンというのもなかなか……」
404 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:35:07.16 ID:V8eFdomto

四天王1「―― こちらがB以下の勇者候補が収容されているA部屋です」

魔物A「ハッ、ハッハッ……」パン!パン!パン!

B勇者「っ、……ひ……ぐ……ひっ……」

四天王2(うわっ……、さっきのところ誰もいなかったのにここには結構いる……)

魔王「――」
405 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:35:32.91 ID:V8eFdomto

四天王1「こちらのほうはご覧の通り、人型や大型の魔物も使用しています」

四天王1「またBランク以下の勇者は体力面も考え、箱は採用しておらず野放しにしています」

四天王3「産むものもでっかいしね」

魔王「……」

魔物A「う、で、でるっ……!」

魔王「! やめろ」バンッ!

魔物A「うぎゃっ!!」

バタンッ

四天王3「……」ニヤ
406 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:36:12.08 ID:V8eFdomto

四天王1「ま、魔王様。あまりお暴れにならないでください」

魔王「わかっている……!」

魔王「それで、ここを見せて何をしろというんだ!!」

四天王1「……」

四天王1「先に申しておきます。これは大魔王様の命令です」

魔王「――」

魔王「……わかった。続けろ」
407 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:36:37.90 ID:V8eFdomto

四天王1「魔王様は週に1度ばかしここをお使いになるよう」

魔王「…………」

四天王1「との、命令が出ております」

魔王「……」チラ

B勇者「……ヒ……ヒヒ……」

魔王「……」ギリッ……
408 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:37:16.58 ID:V8eFdomto

魔王「…………」

四天王3「あぁ、承知しないってことは……、大魔王様に逆らうってことよねぇ」

四天王3「それってつまり反逆ってことなのよねぇ」

四天王3「反逆者には死を! って、大魔王様よくいってらしたわよねぇ……くすくす」

魔王「……ぐ」

魔王(……魔王に、大魔王になるためには……)

魔王(だが……! ……、……)

魔王(……なにも、かわらん)
409 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:37:44.67 ID:V8eFdomto

魔王(殺していたのが、犯すことにかわるだけだ)

魔王(何を拒絶している……。殺さぬ分、気は軽いじゃないか)

魔王「……ああ。承知した」

四天王3「……へぇ」
410 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:38:18.56 ID:V8eFdomto

四天王1「わかりました。さっそく、今日から使っていただけますか」

魔王「ああ、かまわん。どの部屋ならいいんだ」

四天王1「B以下の部屋でしたらどこでも。しかし性交する際には書類を提出していただかなけばいけず。その書き方を今からお教えいたしま」

四天王3「――ちょっと、まってくれる。1」
411 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:38:54.28 ID:V8eFdomto

四天王1「3、どうしたんですか?」

四天王3「ねぇ、あんた。隠し事してるでしょ」

四天王1「――!」

四天王1「いえ、そんなことは」

四天王3「嘘おっしゃい。ねぇ、2。1は隠し事してるわよね」

四天王2「え?」

四天王3「してる、わよね?」

四天王2「っ、そ、そうだな。してる。1は何か隠し事をしているな!」
412 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:39:34.51 ID:V8eFdomto

四天王1「な、何をいうんですか!」

四天王3「ねぇ……、魔王様がここつかうってことは―― 魔王様の部屋にいるアレはどうなるのかしら」

魔王「――!?」

四天王1「ぐ、そ、それは」

四天王3「あのまま、ってことはないわよね? ここ使うってことは」

四天王1「……」

魔王「い、1。おね……、いや、勇者共はどうなる。教えろ」

四天王1「……ぅ」
413 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:40:01.13 ID:V8eFdomto

四天王4「おいおい、2番目にお偉い魔王様が教えろいってんだ。教えなきゃ……罰せられるぜぇ」

四天王1「ぐ……ぅ……」

四天王1「……はい。今日、こちらに収容される予定です」

魔王「こ、ここにだと! 今日のいつだ!!」

四天王1「……今頃、だと」

魔王「い、今……! しかし、妹のほうはまだ幼いではないか!! どうして」

四天王3「初潮、もうきたんでしょ。なら余裕じゃない」

四天王3「もちろん姉のほうもね」

魔王「―― ぐ」
414 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:40:28.47 ID:V8eFdomto

四天王3「……」

四天王3「あの姉のほう。体系もいいし、たくさん子供産みそうねぇ」

四天王3「ふふ、楽しみだわ。私の部下にも使わせようかしら」

魔王「お、お前らぁあ……!」

四天王3「なぁに、魔王様。くすくす。怒った顔もかっこいいわね」

四天王3「ねぇ、逆らうの!? 助けにいくのかしら! くすくす、いいわよ。いっちゃえば?」

四天王3「そしたら貴方は“魔王になれず処分される”だけなんだけどね。あはははっ!」

魔王「ぐ……ぅ……い……!」ブルブル
415 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:40:54.51 ID:V8eFdomto

魔王(ここであのふたりを助けにいったら……俺は、魔王になれない……!)

魔王(俺は……、俺は……、俺の努力は……)

魔王(……見捨てる……)

魔王(…………)

魔王(見捨てれば、……、俺は……)

魔王「……」
416 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:41:22.93 ID:V8eFdomto

魔王「……否」

魔王(……、妹しか俺を裁けない)

魔王(お姉さんは……お姉さんは……)

魔王(……昨日、約束したんだ。守ると)

魔王(俺は魔王になる)

魔王(しかしそれはあのふたりがいた、未来の話だ)

魔王(見捨てた先の、未来じゃない)

魔王「――……」ビュン!

ダダダダッ――!!
417 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:41:53.75 ID:V8eFdomto

四天王3「……」

四天王2「あ、に、逃げたぞ!!」

四天王4「……これは困ったな」

四天王3「ええ、本当。“私たちが目を離した隙”に逃がしちゃったわね」

四天王3「これって、反逆なのよね? くすくす」

四天王4「ああ、そうだな」

四天王2(え、えぇ……。け、計算済みだったの……)
418 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:42:19.90 ID:V8eFdomto

四天王3「でも、1。あんたはここにのんきにいていいのぉ?」

四天王1「え?」

四天王3「大魔王に後を任させたのに、反逆者をのこのこ逃して。……ねぇ、これってかなり重罪じゃない?」

四天王1「――!」

四天王3「さっさと追えばぁ? くすくす、間に合うかわからないけれど」

四天王1「あ、あなたはっ……!!」

四天王3「“あんたも、魔王様も終わり”よ。ざまぁないわね」

四天王3「くすくす……、あはは、ははははっ――!!」
419 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/06(金) 21:44:41.73 ID:V8eFdomto
ここまで読んでいただきありがとうございます。

安価の件ありがとうございます。今後も安価なしでやっていきます。
ご意見のほうありがとうございました。
また補足なのですが絵本の魔王は私が書かせていただいた前作の魔王をモチーフしています。

次の投下は二日後の午後9時からです。
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/06(金) 21:55:48.02 ID:6M6vhfG7o
乙!!
魔王頑張れ
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/06(金) 22:01:27.56 ID:xFY5iDO+o
乙〜
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/01/06(金) 22:01:51.92 ID:e2qxxTPL0
四天王3,4

永遠に苦しめ
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/06(金) 22:03:51.14 ID:6+HJgpZIO
乙です

魔王様は四天王には勝てそうだけど大魔王様には勝てるのでしょうか…
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/06(金) 22:07:44.27 ID:6bhCg2wJ0
乙!続き楽しみにしてるよ!
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/06(金) 22:15:14.76 ID:9HgAJQ5IO
楽しくなってきたなあ、おい
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/06(金) 22:58:29.77 ID:Oxht1fYf0
乙〜
側近はどうなるんだ
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/06(金) 23:27:13.59 ID:ks374XIIO
てす
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/07(土) 01:06:03.05 ID:d6pmEcmYo
みんな安心しろ!
魔王の部屋には誰も入れないって側近が言ってたジャマイカ
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/07(土) 01:40:24.35 ID:0u3J6HyAO
大魔王ってどんくらい強いんだろう……バーン様くらい?
魔王も血統補正と努力でかなり強くなった筈だが……
まあまだまだ今の陣営じゃ勝てそうにないわな
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 14:07:28.04 ID:EB3YvEvDO

移動魔法使うたびに股間がヒュンとしてたのが懐かしいわ
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 16:05:53.24 ID:UJ2JNstto
………………
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/01/08(日) 07:33:17.55 ID:eZQVEOqBo
早く無双してくださいお願いします
433 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:13:01.88 ID:eY1bp3fqo

――

数十分前 魔王の部屋・入口


側近「……」

側近「……」

側近(暇)

側近(暇、すぎる……)

434 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:13:28.44 ID:eY1bp3fqo

側近(どうして魔王様はここに残れなんていったのかしら……)

側近(……)

側近(ま、いっか……)

ドコドコ……

側近「……ん?」

側近(足音? ずいぶんたくさんいるな……)
435 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:13:54.49 ID:eY1bp3fqo

ドコドコ……ドコドコ……

側近(こっちに向かってきてる? 足音からして人間じゃないとおもうけど)

側近(……)

側近(警戒、しとこう)

ドコ ドコ……

側近「――!」

側近「お、お前たち……!」

436 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:14:21.33 ID:eY1bp3fqo

側近「久しぶりだな。元気だったか!」

1の部下A「え、側近様!? あ、はい。お、お久しぶりです!」

側近「ああ、どうしたんだ。こんな大勢で」

1の部下B「側近様こそどうしてこんなところに。魔王様とご一緒ではなかったのですか?」

側近「ああ、魔王様の命令でな。―― で、お前たちはどうしてここに?」
437 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:14:54.45 ID:eY1bp3fqo

1の部下A「はは、ちょっと恥ずかしい限りなんですけど」

側近「ああ」

1の部下A「魔王様の部屋にいるFランク勇者候補を捕まえて来いっていわれまして」

側近「え」

1の部下B「しかも40匹でですよ〜。もう、舐められっぱなしですね。俺らwww」

側近「……」ポカーン
438 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:15:20.45 ID:eY1bp3fqo

1の部下A「ということで申し訳ないんですけど、どいてもらってもいいですかね?」

1の部下C「俺たちさっさと片付けちゃうんで! 側近様はのんびりしていてください!」ドカドカ

側近「……え、あ……、ちょ、ちょっとまて!!」

1の部下A「え、どうしたんですか?」

側近「……」
439 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:15:47.67 ID:eY1bp3fqo

側近(ま、魔王様がいっていたことはこのことだったのか?)

側近(いや……でも……しかし……)

側近「だ、誰の命令なんだ?」

1の部下A「1様の命令ですよ」

側近「1様の……」

側近(1様なら事前に言ってくれるはずなのに……)

1の部下A「もー、側近様までどうしたんですか?」
440 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:16:13.60 ID:eY1bp3fqo

側近「…………」

1の部下B「ど、どうしたんですか!! 顔色わるいですよ。大丈夫ですか!?」

側近「……」

側近(1様、ということは大魔王様直々の命令の可能性が高い)

側近(ここで退かなければ……私は……ころされて……)

側近(……)ブルッ

側近(しかし、退いてしまっても私は魔王様の命令に逆らうことになる……)
441 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:16:42.52 ID:eY1bp3fqo

側近(位で考えるのであれば、魔王様の命令に逆らうことは正しい)

側近(しかし……それは……側近として間違っているのではないか)

側近(私の主は……魔王様だ)

側近(魔王様にここに誰もいれるな、と命令されたのであれば……)

側近(側近として……、従うのが道理……)
442 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:17:08.85 ID:eY1bp3fqo

側近「……はぁ……」

側近(……怖いけど……、どのみち逆らうのであれば)

側近(最後くらい、大魔王様に逆らってみようかな……)

側近「……残念だが、私はここをどくことができない」

1の部下A「えっ」

側近「魔王様の命令に従い、お前たちを部屋に入れさせるわけにはいかない」

1の部下C「ちょ……、ほ、本気でいってるんですか?」

側近「ああ」
443 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:17:35.20 ID:eY1bp3fqo

1の部下A「おいおい、魔王様の命令と1様の命令、どっちのほうが上なん?」

1の部下B「魔王様、なんじゃね……? 俺たちも入らないほうがいいんじゃないのか?」

1の部下C「ばっ、おめー。そしたら1様に怒られるだろ」

1の部下D「そうだそうだ。魔王様からは怒られないけど、1様の命令に逆らったら俺たち怒られる」

1の部下A「それは、いやだな」

1の部下B「いやだなぁ……」
444 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:18:18.67 ID:eY1bp3fqo

1の部下A「すいません、側近様。どいていただけないようでしたら、力づくとなってしまうのですか」

側近「構わん」

1の部下B「しかし側近様。魔物同士が争うことは禁止されていて、反逆罪となるんですが」

側近「私の所為にすればいい」

1の部下A「……それなら、やっちゃう?」

1の部下B「おし、やるか」

側近「いまいちしまらん奴らだな……。お前たちからこないならこっちからいくぞ」
445 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:19:37.51 ID:eY1bp3fqo

1の部下Z「いえ、俺からいきます。どっやっしゃっ!!」

ブンッ!

側近「そんな振りかぶっても、当たらなくちゃ意味がないぞ」

ドコッ!

1の部下Z「んぎっ!!」

ズササッー!!

ガンッ!

1の部下Z「」

1の部下B「ギガンテスさんが一発とかちょっと……」ガクガク

側近「次は誰だ? さっさとかかってこないと――」

1の部下C「う、うおおお!!」ドダダダッ―!
446 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:25:41.93 ID:eY1bp3fqo

側近「―― ふん!」

バギィッ!

1の部下C「ぶへっぁ!!」

バタンッ!!

側近「―― 弱いな」

1の部下D「ちょ、ちょっとしゃれになら」
447 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:26:08.42 ID:eY1bp3fqo

側近「――」

ドゴンッ!!

1の部下D「ふげらっ!!」

側近「次は?」

1の部下A「ひ、ひぃいいい!!」ガクブルガクブル

ドッガァァァアアアアアアアーンッ!!

側近「!?」
448 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:26:34.97 ID:eY1bp3fqo

1の部下E「たとえ側近様に負けても、壁を壊して勇者手に入れたら俺らの勝ち!!」

1の部下A「お、お前頭いいな! ゴーレムなのに!!」

側近「ちょ、お、おま。それは販促だろ!! くそっ、メラゾーマ!!」ピロロン

フスッ……

側近「え……? ふ、不発!? そ、そんな。メラゾーマ!!」ピロロン

フスゥ……

側近「ど、え……?」

1の部下A「お前たちーさっさと勇者回収だー!」

ドダダダダー!

側近「!?」

側近「今は悩んでいる場合ではない……、私も部屋に中に!」サササッ!
449 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:27:00.85 ID:eY1bp3fqo

――

魔王の部屋・穴あき


1の部下E「勇者がいたぞー!!」

1の部下F「俺の手柄だー!」ブンッ

1の部下G「まて俺の手柄だ! 邪魔すんな!」ブンッ

1の部下F「いでえ!! てめぇよくもやったな!!」

1の部下G「なんだとこのぉ!!」

姉勇者「……」
450 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:31:47.47 ID:eY1bp3fqo

姉勇者(壁に穴あけて入ってきたからびびったけど……)

姉勇者(知能はそんなに高くなさそうね……)

妹ゆーしゃ「……ば、ばかだ!」

側近「おい、姉大丈夫か!! た、助けに!!」バタンッ!!

妹ゆーしゃ「あ、そっきん」
451 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:38:59.93 ID:eY1bp3fqo

姉勇者「ああ、側近様。ご無事でなによりです。死んだかとおもいました」

側近「しっ!? こんな相手に死ぬわけないない! ない!!」

姉勇者「わかりましたから落ち着いてください」

姉勇者「今はごらんの通り、内乱が始まっているようなのでしばらくは安泰かと」

側近「……」

1の部下A「俺が先だごらああああああ!!!」

バキッ!!

1の部下F「俺にきまってるだろおおおおお!!!!!」

ズサッ!

1の部下H「俺だよ俺えええええ!!!」

ドガッ!
452 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:39:25.32 ID:eY1bp3fqo

側近「ここでしかけたほうがいいんじゃないのか!」

姉勇者「興奮していらっしゃるようですし、このまま仲間同士で傷つけ合ってもらいましょう」

姉勇者「そんなことより、側近様。良いのですか」

側近「な、何がだ」

姉勇者「私たちを助けるような真似をして」

側近「……」

側近「いい。気にするな」

姉勇者「はやりの、ツン……ツンドラ……? ツン……というものですね」

側近「う、うるさいな……」

453 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:39:51.47 ID:eY1bp3fqo

姉勇者「こんなに大勢いらっしゃることですし、イオ系の魔法で一掃しちゃいませんか。それが一番楽でしょう」

側近「いや……それが……」

姉勇者「どうかなさったんですか?」

側近「……イオ!」ピロロン

フスゥ……

姉勇者「……! ……魔法が使えない?」
454 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:40:17.89 ID:eY1bp3fqo

側近「ああ……、お前もか?」

姉勇者「試してみます。……メラ」ピロロン

フス……

姉勇者「ええ、使えませんね」

側近「ということなんだ。ここは肉弾戦しかあるまい」

妹ゆーしゃ「それならとくいー!」

姉勇者「……ふむ」
455 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:40:48.55 ID:eY1bp3fqo

姉勇者『――――』ピロロン

バンッ!!!!!

1の部下達「うわぁああああーっ!!!」

ズササササッー!!!!

側近「え……?」

側近「あいつらが弾けとんだ……?」

1の部下A「なんだってんだー。うおー!!」ダダダッ

ドンッ!!

1の部下A「っといでえっ!! なんだこりゃ! 壁か!!」ガンガン!!

姉勇者「ええ、透明の壁を張らせていただきました」

側近「か、壁? え!? 魔法? え、えええっ!?」
456 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:41:12.36 ID:eY1bp3fqo

姉勇者「側近様、落ち着いてください。どうやらこの周辺一帯に結界が張られているようです」

姉勇者「それはメラや、イオ……。古代から伝わる魔法を使わせないようにするばかりか」

姉勇者「側近様が使われているのと同じようにけっして出られない入れない結界です」

側近「……あ、ああ。あ、そんな魔法があると、きいたことがあるような」

姉勇者「ええ。しかし“新たに人が作り出した魔法”は使えるようで……」

側近「……えっと、つまりこれがそうだと?」

姉勇者「はい。5……う……、すいません。この量ですと2分が限度でしょう」

側近「新たに……、にわかには信じられない話なんだが」
457 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:41:45.38 ID:eY1bp3fqo

姉勇者「それについて説明している暇がありません。側近様、先にこちらを」ペラ

側近「紙?」

姉勇者「逃亡先を書いてあります。ここに逃げ込めば一先ず安心でしょう」

側近「……。ふむ……」

妹ゆーしゃ「んー……。こんなところが?」

姉勇者「ええ、……。ルーラでそこまでいってください。たぶん、入口にしか飛べないとはおもいますが」
458 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:42:11.29 ID:eY1bp3fqo

姉勇者「いいですか。そこにかいてあるところに私が6時間以内に来ないようでしたら……、もっと深くまで進んでください」

側近「ちょ、なんだその口ぶりは。もしかして――」

姉勇者「はい。私がおとりになります」

妹ゆーしゃ「! それはだめ! やだ!!」

姉勇者「……妹ちゃんも、落ち着いて聞いて。とにかく時間がないの」
459 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:42:39.08 ID:eY1bp3fqo

姉勇者「側近様。貴女様はこちらの壁をぶち壊してください」

側近「こっちの……。……! そうか、ちょうど壁の向こうが外だ」

姉勇者「ええ。しかし壁は強化されていて、側近様でも時間がかかりましょう。そのつもりでお壊しください」

側近「――、わかった」

姉勇者「そして必ずそこには結界がありましょう。その結界は私が消滅させます」

側近「消滅……、そ、そんなことできるのか!」

姉勇者「魔法の解読・解除はこうみても専門でして。5秒あれば可能です」
460 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:43:05.30 ID:eY1bp3fqo

姉勇者「ちょうど今ので1分。これからは壁を1秒でも長くもたせる為、黙らせていただきます」

側近「わかった」

妹ゆーしゃ「お、おねえちゃ……。だめだよ、そっきん! おねえちゃん!!」

側近「大丈夫だ。ルーラで飛ぶとき、姉も一緒につれていくから」

妹ゆーしゃ「ほ、ほんとう?」

側近(余裕があれば……。姉があそこにいられたらメラゾーマも撃てないしな……)
461 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:43:32.91 ID:eY1bp3fqo

側近「ふんっ!!」

ガンッ!!

側近「っ……。ほんと固いな……。妹、お前も一緒に壊してくれ」

妹ゆーしゃ「わかった! てい!!」

バキンッ!!!

側近「その調子だ! 1分でやるぞ!」

妹ゆーしゃ「うん!!」

バキッ!! ドカッ!! ガッシャーン!!

姉勇者「…………」ズキズキ
462 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:43:58.49 ID:eY1bp3fqo

1の部下F「うおおおおお!!!」ガンガンガンガン!!

姉勇者「――ぃ……」ズキッ!

姉勇者(っち……、ちゃんと鍛えておくべきだったな……)

姉勇者「……フー…………」ズキズキ

姉勇者(残り……10秒……)
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/08(日) 21:49:58.04 ID:1gRUXl4do
wktk
464 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 21:51:41.66 ID:eY1bp3fqo

バキィッ!! ガンッ!! ドガンッ!!

側近「も、っ……少しだ!! 妹!」

妹ゆーしゃ「……う、うん!」

姉勇者(……5秒……)

バキンッ!!!!

側近「はぁ……あ!」

ドカァアッ!!!!

姉勇者(1……)

妹ゆーしゃ「――!」

ガッシャアアアアアアアアアン!!!!!
465 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 22:01:53.46 ID:eY1bp3fqo

側近「あ、……いた。空いたぞ!」

姉勇者「――。この形なら……!」ピロロ……

1の部下達「うおおおおおお!!!」

ガブッ

姉勇者「っいいいいっっだあぁぁぁああ!!!!」

妹ゆーしゃ「お、おねえちゃ……! ひ、ひだりうえ……た、たべ……!」

側近「はっ!」

ギゥッ!

妹ゆーしゃ「むぎゅ! そっきん、まっくら! じゃなくておねえちゃん! おねえちゃんたべられちゃう!! たべられちゃう!!」

側近「姉!! お願いだ! はやく壊してくれ!!」

バキィ……! グチュ……!

姉勇者「――ぅぁ……。……」

姉勇者(しゅ……集中しろ……左腕ぐらいなんだ……回復呪文で治せるから……い、今は……解読……ぐぅ……あっ……!)ガクガク
466 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 22:02:22.38 ID:eY1bp3fqo

1の部下H「うおおおお!!」

側近「くっ……!」

バキィッ!!

1の部下H「」

側近「姉!!」

姉勇者「こ、こないで!!」

側近「―― だ、だがっ!」

姉勇者「大丈夫だから、こないで。解読……、解読……はもう……終わって……」ガクガク

グチュ……

姉勇者「ぃぎ……!!」ブルブル

姉勇者「――……。…………」

姉勇者『――!!』ピロロン

バッキィイイイイイン!!!!
467 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 22:03:19.19 ID:eY1bp3fqo

パララララ……

側近「――! 結界が!!」

姉勇者「は、やくいって!! はやく!!」

側近「いやお前も一緒に――!」

姉勇者「はやく!! 私は後から行くっていってるでしょ!! 結界がまた張られる可能性があるんだから早くいけえええぇええええ!!!!」

側近「っ、る、ルーラ!!」フシュッ!!

ブチチチチッ!!

姉勇者「――ぅあっあああああっ!!!」

ボタ……ボタ……ポタ……
468 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 22:04:50.22 ID:eY1bp3fqo

1の部下F「勇者の腕うめえええ!!」モグモグ

姉勇者「ぅ……い……だ……。ああ…………」バタンッ……

1の部下A「なに食ってんだよ。どうするんだよ……こいつしか残ってないけど」

1の部下F「こいつだけもってけばいいだろ」

1の部下G「あーむしゃくしゃする。なんでこいつしかのこってねーんだよ!」

グシャッ!

姉勇者「――ぅ……!」

1の部下A「そうだな……むしゃくしゃするな」

1の部下F「こいつうまいし、一通り食べてからでも遅くないんじゃないか!」
469 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 22:11:28.14 ID:eY1bp3fqo

1の部下A「うーん……そうするか」

1の部下F「俺足もらうわwwwww」

1の部下A「胸とか……でかいし……おいしいんじゃねwwwww」

1の部下G「うはwwwwwお前変態wwwww」

1の部下A「お前にはいわれたくねーしwwwwww」

姉勇者「――……」

姉勇者(…………自分を食べる相談なんて……、……最悪だわ……)ボタ……ボタ……
470 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 22:11:55.53 ID:eY1bp3fqo

姉勇者(まぁ……でも……)

姉勇者(こういう死に方も……、いや……これで死んでも生き返させられるのか……)

姉勇者(………………)

姉勇者(……はは……)

姉勇者(私らしくて……いい、……かな……)

1の部下A「――!」

1の部下F「ぅぎゃっ!!」

バタンッ!!

1の部下G「え……? え?」

魔王「お前で、最後か」

471 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 22:12:22.50 ID:eY1bp3fqo

1の部下G「ひ……、ま、まおっ」

魔王「――!」

ブンッ!!

グッチャッ!!!!

魔王「……お姉さん」

姉勇者「……――」

魔王「ベホマ」ピロロン
472 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 22:12:48.28 ID:eY1bp3fqo

姉勇者「ぅ…………ま、魔王さま……?」

魔王「……すいません、遅くなりました」

姉勇者「……」

魔王「痛むところは?」

姉勇者「…………あなた……なんで」

魔王「はい?」

姉勇者「なんでここに来てしまったんですか……」

魔王「……」

魔王「約束、しましたから。守ると」
473 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 22:13:42.70 ID:eY1bp3fqo

姉勇者「その意味わかっておっしゃっているんですか!」

魔王「はい」

姉勇者「魔王への道を自分で壊すつもりなんですか!!」

魔王「この道を選んでも魔王になる方法はあるとおもいます」

姉勇者「今からでも遅くありません。妹ちゃんと側近様は逃がしましたから、私だけでも捕まえてください!」

魔王「それはできません」

姉勇者「……どうしてですか」

魔王「約束したと、先ほど」

姉勇者「馬鹿いわないでください! 私は勇者なんですよ!!」バンッ!
474 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 22:14:13.97 ID:eY1bp3fqo

姉勇者「妹ちゃんは貴方様にとっては必要でしょう!」

姉勇者「でも私は“そのへんにいる勇者候補と同じ”なんですよ」

魔王「――!」

姉勇者「あなたが……ている、勇者達と同じ。私だけ特別扱いしないでください!」

姉勇者「勇者の所為で魔王になれなくていいんですか!!」

魔王「……」

魔王「…………」

475 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 22:14:45.48 ID:eY1bp3fqo

魔王「構いません」

姉勇者「魔王さ、きゃあっ!」

魔王「いきましょうか」

姉勇者「ちょ、お、お姫さまだっ……。は、離してください!」ジタバタ

魔王「暴れないでください。側近達はどこに飛びましたか?」

姉勇者「ひ、人の話を!」

魔王「側近達はどこにいった?」

姉勇者「――ぅ……」ビクッ
476 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 22:15:19.76 ID:eY1bp3fqo

姉勇者「人間界の……、樹海と呼ばれている場所です」

魔王「わかりました。人間界まで飛びます。しっかりつかまっててください」

姉勇者「…………はい」

姉勇者「貴方様っていう魔物は……」

魔王「文句はあとから山ほどききますから」

姉勇者「いいですよ……もう……。はやく飛べばいいじゃないですか」

魔王「いわれなくても飛びますとも」

魔王「―― ルーラ」ビュンッ
477 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 22:16:05.58 ID:eY1bp3fqo

――――
――

ダダダッ!!

ガチャン!

四天王1「ま、魔王様っ!!」

シーン

四天王1「……お、お前たち。大丈夫ですか!!」

1の部下達『うう…………』

四天王1「あぁ……側近までいない……。となると逃げた後……?」

四天王1「結界まで消滅している……」

四天王1「これは……」

四天王1「大目玉もの、ですね……」ゾワ……
478 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/08(日) 22:17:40.83 ID:eY1bp3fqo

ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回は少しいつもより多い投下になってしまいました。申し訳ございません。

次回投下は2日後の午後9時頃からです。
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/08(日) 22:19:29.31 ID:OL4H6FNZo
乙〜
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/08(日) 22:20:41.66 ID:g7rDbNtt0
乙! 最初の頃の魔王が嘘みたいにかっこよくなってるww
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/08(日) 22:21:14.88 ID:AYzG8pAuo
何時の間にか完全にヒーローヒロインの構図ですね
乙!
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/08(日) 22:25:16.03 ID:TdvCXT6c0
乙!!

四天王1が怒られて3、4がのほほんとするんだろうな
483 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/01/08(日) 22:38:36.39 ID:qfVgQlPAO
四天王1の手下じゃあないけど、側近さんか姉勇者の太もも喰うか噛みつくかしてぇ・・・・・
484 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/08(日) 22:52:05.17 ID:340nq86Bo
おつ
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2012/01/08(日) 22:52:15.51 ID:/GmHbbpAO
乙!
それでは姉勇者さんの胸頂いていきますね^^
486 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/08(日) 22:53:32.47 ID:7U0hKeci0
四天王1が怒られて3・4がホルホルしている間に四天王2は俺が貰って行きますね
487 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/01/08(日) 23:18:25.60 ID:NOgCzD720
じゃあ俺はみんなが騒いでる間に

Bランク勇者たちのところで…遊んどきますね
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/01/09(月) 00:30:02.42 ID:XgB1t6DIo
じゃあ俺は四天王2を…
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 04:40:41.00 ID:e3eDQFOO0
じゃあ四天王3を・・・
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 07:54:58.45 ID:vIiMLPz7o
なんか側近さん余ってるみたいなんで、僕が持って帰りますね
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 09:41:41.02 ID:p68whyEMo
いもうとゆうしゃー
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage ]:2012/01/09(月) 10:13:50.26 ID:HvLMwWzio
今の魔王はスリムなイケメンなんだよな…ブタ時代から巨根と言われてる奴が…
魔王の御子息は今…
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/09(月) 10:36:20.04 ID:nDCNN5B3o
>>492

[ピザ]キモオタ
巨根
生まれ、立場に伴わない実力

現在
スリムイケメン
巨根
生まれ、立場に相応しい実力

なんと完璧な……
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage ]:2012/01/09(月) 11:19:36.01 ID:X+gtl2yro
>>493
イケメンな上、脂肪に埋まってた部分が出てきてるんだから破壊量やばそうだ
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/09(月) 11:25:30.21 ID:2c4fYXgEo
しかも謙虚で性格もイケメン。婚約者もほぼいる状態。…………爆発しろ!
496 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:22:56.94 ID:occqscu6o

――

同日・魔王の間


四天王3「――ってことで、魔王様逃がしちゃったわ」

大魔王「ほう……」

四天王1「も、申し訳ございません。言い訳の余地もありません。どうぞ処罰を」

大魔王「……よい、お前が逃がすということはよほど切羽詰った状況だったのだろう」

四天王1「し、しかし」

大魔王「くどい! 二度もいわせるな!!」

四天王1「は、はい! ありがとうございます」

四天王3「……」

四天王3(お咎めなしぃ……?)
497 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:23:26.58 ID:occqscu6o

四天王3(私たちが失敗したら絶対に処罰するくせに……)

四天王3(なによ、1だけは特別扱いなわけぇ……? 私より弱いくせに?)

四天王3(面白くないわね……)

四天王3「大魔王様、ひとつご報告したいことがあります」

大魔王「なんだ?」

四天王3「1のことです」

四天王1「……え」

大魔王「ほぉ……」
498 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:24:03.70 ID:occqscu6o

四天王3「どうやら1の奴、側近に私たちの情報を漏らしていたらしいのよぉ」

四天王1「!?」

四天王2(あ、あわわ……。に、兄さん、今言うの……!?)オロオロ

四天王3「ねぇ、4」

四天王4「あぁ、裏はとれてる。というか盗聴もしたし、データも残っている」

四天王4「俺たちの会議の内容、ほぼ全部側近に流していたみたいだぜ」

大魔王「……」
499 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:24:35.78 ID:occqscu6o

四天王1「ち、ちがっ……!」

四天王3「違わないわよ。あんたの部下に話きいたら、側近とあんた出来てたらしいじゃない。くすくす……」

四天王1「そ、それは、それとこれとは関係ないでしょう!」

四天王3「ありまくりよぉ。私情で重要な私たちの話し合いの内容ばらまかれてたのよぉ」

四天王3「これは……いけないんじゃないのぉ?」

四天王1「っ……!」
500 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:24:57.51 ID:occqscu6o

大魔王「……1よ」

四天王1「は、はい……」

大魔王「今の話は本当か」

四天王1「…………」

四天王1「本当、です……」

大魔王「……」

四天王1「し、しかし、これは、そ、側近が――」

大魔王「――!!」カッ!

グシャッ!!

四天王2「きゃあっ!!」

四天王3「ひっ!」
501 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:25:23.44 ID:occqscu6o

四天王2「ひ、ひあ……や、やああっ!!」ヘタ……

四天王3「……!」

四天王3(でっかい手が1を握りつぶした……!?)

大魔王「自分の過ちを他人に押し付けるとは……、許しがたし」

ソッ

ベチャチャ……!

四天王2「ぅう……う……、に、にいさ……」ガクガク
502 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:25:50.50 ID:occqscu6o

大魔王「3、これを始末しておけ。邪魔だ」

四天王3「え、あ、は、はい……!」

四天王3(大魔王様がやったのよね……、術をだしたタイミングも……まったくわからなかった……)タラ……タラ……

四天王3(一瞬で……1を……。あんなに信用してたやつを肉に変えちゃうなんて)

四天王3(恐ろしい男……。…………嫌いじゃないけど)

四天王3「じゃ、後始末してくるわ。あとは頼んだわよ」

四天王4「……ああ」

バタン
503 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:26:27.30 ID:occqscu6o

大魔王「2よ」

四天王2「は、はは、はひ!」

大魔王「魔王は、どうなっている」

四天王2「へ、あああ、へ、ええと!! あの!!」

四天王2「わ、わかりません! どんなに探してもみつかりません!!」

大魔王「見つからない……?」

四天王4「……ああ。大まかな位置すら感知できねぇ……。こんなことは初めてだ」

大魔王「感知できない……。他の連中もか?」

四天王4「……」コクリ

大魔王「ふむ……」
504 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:26:48.42 ID:occqscu6o

大魔王「……」

四天王4「どうするんだ?」

大魔王「最低限でいい。いや……むしろいらぬかもしれん」

大魔王「勇者を捕まえるほうが先だ」

四天王4「……いいのかよ、反逆者をほうっておいて」

大魔王「探しているフリだけはしておけ」

四天王4「探しているフリねぇ……」
505 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:27:16.30 ID:occqscu6o

大魔王「探すとすれば、あのFランク勇者の自宅付近でも探しておけ」

四天王4「……わかった。おい、2。立てるか?」

四天王2「え、あ、あ、あ、ああ……」ガクガク

四天王4「俺たちもこれで失礼します」

大魔王「ああ……。さっさと立ち去れ」

四天王4「……」

バタン
506 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:27:58.44 ID:occqscu6o

大魔王「…………」

大魔王「……まぁ、よい」

大魔王「探さなくても時期になれば奴は来るだろう」

大魔王「その時までじっくり待てばよい」

大魔王「魔王など、そのようなものだ――」
507 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:35:28.99 ID:occqscu6o
――

同刻・人間界 樹海入口

姉勇者『ええ、ばあや。頼みますよ。私の家からアレをもってくることも忘れないように』

姉勇者『ええ……、わかってますとも。くれぐれもみつからないよう』

姉勇者『それでは……』

姉勇者「ふぅ……」

魔王「……」

姉勇者「どうかなさいましたか? 物珍しそうに」

魔王「その虫、電話機能もあるのかと」

姉勇者「ええまぁ、なんとなくつけてみたのですが役にたつものですねぇ……」
508 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:36:13.12 ID:occqscu6o

姉勇者「参りましょうか」

魔王「はい。……怪我のほうは?」

姉勇者「もう大丈夫でございます。参りましょう」

魔王「はい」

スタスタ

魔王「しかしどうしてこんな山奥に……」

姉勇者「それは後ほどお話しましょう」

魔王「……」

スタスタ
509 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:36:47.68 ID:occqscu6o

妹ゆーしゃ「あ! おねえちゃん!! おねえちゃーん!!」ダダダッ!

ポスンッ

姉勇者「い、いもうtきゃあっ!」

ドカッ!

姉勇者「ぬぐしっ!!」

妹ゆーしゃ「おねえちゃんよかった! よかった!! ぶじだった!!」

魔王「妹が抱きついた衝撃でお姉さんが木に頭をぶつけ、無事というか瀕死状態になっているようにしかみえないのだが……」

妹ゆーしゃ「え!? あ、お、おねえちゃんだいじょうぶ!!」
510 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:37:18.64 ID:occqscu6o

姉勇者「……」ピクピク

側近「いやあ愛だな、愛」

姉勇者「い、痛いのは嫌いです……き、きもちいいのが……いい……」

側近「痛いのも気持ちいいではないか」

姉勇者「ビッチとは違うんですよ、ビッチとは……うぷ……」ガクッ……

妹ゆーしゃ「あー! おねえちゃんー! しっかりしてー! おねえちゃんー!」ユサユサ

側近「……ベホ」

姉勇者「い、いえ、大丈夫です。どのみちここ魔法つかえませんから」

側近「え?」

姉勇者「……はぁ……」
511 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:37:50.36 ID:occqscu6o

姉勇者「もう妹ちゃんたら……」

妹ゆーしゃ「ご、ごめんなさい……」

妹ゆーしゃ「おねえちゃんがいきてたの……うれしくて……つい」

側近「愛だなぁ……」ウンウン

姉勇者「一人で納得しないでください。もう」
512 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:38:21.72 ID:occqscu6o

魔王「それで、感動の再会の中申し訳ないのですが、もう少し奥に進むんですか?」

姉勇者「うーん……、そうですね。本来ならそのほうが良いのですけれど」

姉勇者「…………」

魔王「先ほどの、通話の相手を待って?」

姉勇者「……ええ」
513 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:38:48.71 ID:occqscu6o

妹ゆーしゃ「つーわ?」

姉勇者「ばあやに、ちょっとね」

妹ゆーしゃ「おばあちゃんくるの!?」

姉勇者「えぇ、頼みたくはなかったけれど、さすがに手ぶらで森の中を2日間すごすのは――」

老婆「手ぶらどころか全裸で一週間も森の中でお過ごしになった上、無傷の帰還をなさったお嬢様がおっしゃる台詞ではありませんぞ」

側近「ひゃうっ! うぇえ!? だ、誰!?」

魔王「……! まったく気配を感じ取れなかった」
514 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:39:14.84 ID:occqscu6o

老婆「ほっほっほ。これはこれは挨拶が遅れました。ババアでございます」

側近「ま、まんまじゃないか!」

老婆「なんということを。こうみえましても今年で17歳でございます」

魔王「……おいおい」

姉勇者「……まぁ私の世話係といいますか。魔王様でいう側近様が私の老婆にあたります」

老婆「よろしくお願いいたします」ペコリ
515 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:39:40.90 ID:occqscu6o

妹ゆーしゃ「おばあちゃんひさしぶり!」

老婆「おやおやまぁまぁ、お嬢様大きくなられましたなぁ」

妹ゆーしゃ「おばあちゃんはしらがふえた!」

老婆「なくなるよりましでございますとも。ねぇ、魔王様」

魔王「……」

姉勇者「ばあや、あまり魔王様を困らせないで頂戴。ちゃんと荷物持ってきたのでしょうね?」

老婆「もちろんですこと。お嬢様と違い、老婆は働き者なのでございます」

姉勇者「……」ピクッ

姉勇者「ええ、ならよいのです」
516 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:40:09.24 ID:occqscu6o

老婆「こちらでございます」

側近「……これはテントか? それに食料も……」

姉勇者「本当にちゃんと持ってきたのでしょうね」

老婆「もちろんですこと」

老婆「この老婆。まぁ、お嬢様ならわっかんねーだろーなーとか思って、適当にあったものをつっこんできた、というわけではありませんぞ。断じて」

姉勇者「……」ピクピク
517 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:40:35.29 ID:occqscu6o

魔王「これで、ここで生活するにあたって必要なものはそろったということか」

老婆「そうでございます」

側近「しかしこんな山奥じゃ逆に目立つ、というか探知されてしまうんじゃないのか?」

妹ゆーしゃ「たんちー?」

側近「ん、ああ。私達魔物は勇者をみつける時、勇者がどこにいるかを調べてその場所にルーラで飛ぶんだ」

側近「特に孤立していた場合など丁度良い。簡単に目で確認できるからな」

姉勇者「そのことなのですが、側近様」

老婆「この老婆が説明いたしましょう」

姉勇者「ちょ、ばあや。私の出番をとらないでちょうだい!」
518 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:41:01.57 ID:occqscu6o

老婆「側近様。そもそもその探知でございますが――、どのような仕組みで探知をしているかご存知でしょうか?」

姉勇者「きいちゃいねぇ……」

側近「…………。……仕組みは……わからない」

老婆「魔王様も?」

魔王「……ええ」
519 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:41:29.29 ID:occqscu6o

老婆「GPS機能というものはご存知でしょうか?」

側近「…………。ああ、うん。あれだろ、場所がわかるやつ」

魔王「……」コクリ

老婆「まぁ、そうでございましょうな。それと同じでございます」

側近「……? でも、GPS機能というのは……その、機械がないと駄目なんだろう?」

老婆「ええ、そのとおりでございます」
520 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:41:58.64 ID:occqscu6o

妹ゆーしゃ「……あー! わかった! このカードについてるんだ!」

老婆「さすがお嬢様、鋭いでございますな」

妹ゆーしゃ「えへへ」

側近「このカードにそんな機能が……?」

老婆「はい。そして山奥は電波が届きにくくGPS機能が使えなくなるということを利用し、ここに逃げ込んだということですなぁ」

側近「しかし……魔界にいる魔物を探すときにも使えていたぞ」

老婆「……まぁ、精密にいえばGPSではなく魔法の力によって測位しているようでございますからねぇ……」
521 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:42:25.12 ID:occqscu6o

姉勇者「そして先ほども言ったとおり、ここは魔法が使えません」

側近「どうしてだ?」

老婆「……」

姉勇者「……」

姉勇者「聞かないでください」

側近「ん……?」

姉勇者「人の過去には触れてはいけないところもあるのですよ」
522 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:47:29.93 ID:occqscu6o

老婆「そうでございましょう。さすがに魔法一筋のお嬢様がお仕置きされるために作られた樹海であることは、露出狂の気があるお嬢様でも言いたくはないでしょう」

姉勇者「もとより露出狂の気はありません!! なんですかさっきから人が隠していることをいけしゃあしゃあと!」

老婆「はー? 申し訳ございませんなぁお嬢様。老婆は耳が遠くて聞こえませんなぁ」

姉勇者「絶対聞こえているでしょう……」
523 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:47:58.16 ID:occqscu6o

魔王「つまり、ここにいる間は絶対にみつからないと」

姉勇者「……ええ、そのとおりです。人間でもここ一帯が魔法を使えない、ということは知らないでしょうし」

側近「しかしずっとここにいるわけにはいかないだろう」

老婆「いけませんなぁ……」

姉勇者「いけませんねぇ」

側近「……どうするんだ?」
524 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:48:24.00 ID:occqscu6o

姉勇者「……ようはGPS機能をなくせばよいのです」

側近「なくす……、といったって……どうやって?」

姉勇者「魔王様ならいかがなさいます?」

魔王「……」

魔王「このカードを、壊す」
525 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/10(火) 21:50:20.55 ID:occqscu6o

ここまで読んでいただきありがとうございます。

もしかすると新たに名乗らずssをかくかもしれませんが
こちらの更新は絶対に遅らせる気がありませんので安心していただけると幸いです。

次回の投下は二日後の午後九時からです。
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/10(火) 21:53:51.90 ID:L9pS0pDZ0
1ぃぃぃぃいいいいいいいいいいいい!!?
>>1じゃなくて四天王1いいいいいいいい!


涙目の四天王2は俺がかくまっておきますね
あ,>>1乙です
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/10(火) 21:54:55.93 ID:6JKY9isI0
乙!頑張って新しいSS見つけてみせるよ!
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/10(火) 22:01:08.00 ID:iMWE8iHDo
乙〜
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/10(火) 22:06:38.36 ID:MUtvIYac0
乙〜
1がお陀仏しちまったか…
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/01/10(火) 23:01:30.36 ID:GrHqEq9AO
四天王1、3と4に裏切られ、側近寝取られ、主君に圧殺されるとは、哀れだな・・・・。
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/10(火) 23:39:37.09 ID:3jyr5yvmo
おつん

姉と契るのが楽しみじゃき
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/11(水) 01:49:34.30 ID:jymZom8do
いいとこなかったなぁ……1……
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/11(水) 16:44:14.66 ID:ejwSTULDO
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/12(木) 20:58:46.73 ID:nwjX6QnKo
そろそろか
寝よう
535 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:22:24.18 ID:/H60qOOuo

側近「え、ええぇ!? ま、魔王様、ほ、本気ですか!」

魔王「壊せば、その機能がなくなるのだろう?」

姉勇者「ええ、そのとおりでございます」

老婆「さすが魔王様、魔王にふさわしい回答でございますなぁ」
536 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:22:57.45 ID:/H60qOOuo

妹ゆーしゃ「で、でも、このカードをこわすってことは、しょーめーできなくなっちゃう!」

老婆「まったく、そのとおりでございます。我々人間は身分を証明するものがなくなり、魔物は階級を証明するものがなくなりますなぁ」

魔王「階級も何も、俺は反逆者だ」

魔王「あってもなくても同じようなものです。老婆殿」

側近「た、確かに、そ、そうですが」

老婆「ほっほっほ。いやはや、魔王様のおっしゃるとおりでございますな」

魔王「お姉さんはどうお考えで?」
537 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:23:23.54 ID:/H60qOOuo

姉勇者「魔王様と同じ考えですよ」

姉勇者「人間は再発行、という手もありますしね。手続きがめんどくさいですが」

妹ゆーしゃ「でも……おかいものとか、できなくなっちゃうんじゃ」

姉勇者「ブラックなところでおかいもの、というのもたまには良いでしょうね」

妹ゆーしゃ「ぶらっく?」

魔王「闇取引ということですか。金は?」

姉勇者「こう見えても金持ちなもので」

老婆「こんな老婆をなんとなしに雇うレベルのお金持ちですぞ。ほっほっほ」

魔王「それは心強いですな」
538 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:23:50.15 ID:/H60qOOuo

側近「そ、それじゃ、カードを割るということで決まりなのか」

姉勇者「それが一番手っ取り早いのですが、ひとつだけ注意点がありましてね」

姉勇者「……、魔王様には説明したことがありませんでしたよね。このカード、経験値システムのことを」

魔王「経験値……? はい、聞いたことがありません」

姉勇者「前に側近様に話したとおり、経験値システムというのは――」

539 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:24:23.98 ID:/H60qOOuo

姉勇者「――、というものでございます」

魔王「デフォルメ化、ですか……」

姉勇者「安易であればあるほど大衆受けしやすいですからね」

魔王「それが割ることと関係があるのでしょうか」

姉勇者「大有りです」

姉勇者「魔王様は今日まで、対勇者戦より魔物との手合わせのほうを多く経験しておりますね」

魔王「はい」

姉勇者「魔王様は今、えぇ……と62レベルでしたっけ」
540 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:24:49.99 ID:/H60qOOuo

魔王「はい」

姉勇者「レベルというのは、魔物であれば人間と。人間であれば魔物と戦わなければ上がりません。そこまではよろしいでしょうか?」

魔王「ええ」

姉勇者「はい、側近様! ここでおかしい点は!」
541 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:25:16.30 ID:/H60qOOuo

側近「え、えぇ!? え、え……、えーと…………。た、戦わないとレベルがあがらないところか?」

老婆「おぉ、実に惜しいでございますね」

側近「なっ……う……。わからん……。なんだ」

魔王「魔物が魔物と戦ってもレベルがあがらないところ、でしょうか」
542 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:25:49.83 ID:/H60qOOuo

姉勇者「……はい。このシステムからして考えると手合わせというのは、まったくもって意味がないもの。時間の無駄です」

姉勇者「しかし実際の戦闘で手合わせをした経験が生かされる場面というのは、訪れるものでしょう」

姉勇者「魔王様、そのような経験は?」

魔王「あります。自然と避けていたり、足が出ていたり」

姉勇者「……このように同じ62レベルでも、訓練をしていない62レベルと、訓練をまったくしていない62レベルとでは差というものが生じます」

543 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:26:15.56 ID:/H60qOOuo

姉勇者「ここで誤認してほしくないのですが、同じ62だけれども、力のパラメータがAは80、Bは60、のように違うものがありますよね」

姉勇者「あれはあくまで算数が苦手だけど、古文得意ー。私は算数好きだけど、古文苦手ー。のような、その人それぞれの、固体値が表示されています」

姉勇者「つまり、このカードのパラメータには、手合わせをした経験、努力した経験。その差。……そうですね。努力値とでもいいましょうか。それはまったく反映されません」

魔王「では努力値は……?」

姉勇者「大概が捨てられます」

魔王「捨てられる?」
544 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:26:44.81 ID:/H60qOOuo

姉勇者「いえ、捨てられるというより、なかったものにされる、といったほうが正しいでしょう」

姉勇者「このカードは、一種の催眠状態を作ることができましてね」

姉勇者「例えば、筋肉むっきむきだったとしても、力のパラメータが4だった場合、糞よわっちいパンチを出すよう脳に命令を出してしまうんですよ」

老婆「つまり「うっわー、こいつ筋肉ムキムキなのにレベル1かよー。そのくせほっそい体のレベル10に力のパラメータ負けるとかw」という事はこれの所為でおこっているのですね」

545 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:27:21.55 ID:/H60qOOuo

姉勇者「ええ」

魔王「……それは、人間の世界では犯罪なのでは?」

姉勇者「さぁ、どうでしょう。仮に犯罪だったとしても、コレをつくれといった人物が国連の偉い奴らだったとしたら……」

姉勇者「“催眠で人を操っているという事実自体”がもみ消されるでしょうねぇ……。このシステムを作り上げた人間を殺してでも」

魔王「…………」

姉勇者「物騒な話になってしまいましたね、申し訳ございません」
546 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:27:48.64 ID:/H60qOOuo

側近「私たちは……人間に操られていたということか……!」

姉勇者「そうでございますね」

側近「恐ろしい……。人間がその気になれば簡単に魔物なんて……滅ぼされる状況じゃないか!」

姉勇者「いえ、それは……。むしろ逆なのですが……」

側近「えっ……?」

姉勇者「いえ、なんでも……。とにかく、カードを壊すということは催眠をとくということです」
547 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:28:15.15 ID:/H60qOOuo

姉勇者「催眠状態をとくとどうなるか、という実験の被験者は……一日ひどい吐き気と熱で寝込みました」

姉勇者「特にレベルが高ければ高いほど、うぼぼべえええぇぇっ! と」

側近「……」

魔王「……」

姉勇者「本当に壊す気があるというならば、そのお覚悟を」

魔王「……」

側近「ぅ……」
548 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:28:41.96 ID:/H60qOOuo

妹ゆーしゃ「わ、わたしも……きもちわるくなるの……?」

姉勇者「1レベルの被験者はあまりひどい状況にはならなかったから、安心していいわ」

妹ゆーしゃ「よかったぁ……」

側近「……く、くぅ……」

姉勇者「追っ手のことも考えると、側近様と魔王様は壊す日をずらしたほうがよいでしょうね」
549 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:29:41.93 ID:/H60qOOuo

姉勇者「よくお考えくださいませ。時間はあるとはいい難いですが、そう簡単にできる決断でもありませんでしょう」

姉勇者「カードはなくす力もありますが、与える力もございます」

姉勇者「側近様の場合は今よりも力は確実に弱くなりますし、……逆にすばやさは上がるでしょう」

姉勇者「カードを壊さずとも、外にでる方法も……、外に出ずここで一生を過ごすという方法もございますから……どうぞ慎重にお考えくださいませ」

550 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:30:11.26 ID:/H60qOOuo

老婆「しかし、決断というのは一瞬でする事でございますがねぇ……」

姉勇者「……。考えがまとまるまで、自由行動ということにしましょう」

老婆「おや、そんな気軽でよいのでございますか?」

姉勇者「というより私と妹ちゃんでテントを張ってきます」

妹ゆーしゃ「てんとー?」

姉勇者「ばあやは食事の準備を」

老婆「かしこまりました」

姉勇者「魔王様方は、ここでゆっくりとお考えくださいまし」

魔王「わかりました」
551 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:30:37.41 ID:/H60qOOuo

姉勇者「それでは、失礼します」

老婆「致しますぞ」

妹ゆーしゃ「てんとてんとー!」キャキャ

スタスタ……

側近「……」

魔王「……」

側近「……、……難しい選択ですね」

魔王「…………」
552 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:31:04.30 ID:/H60qOOuo

側近「もしかするとGPSだけ壊せたりもするかもですし……」

側近「あ、でも人間に操られるなんて……、鳥肌が……」

側近「魔王様はどのようなお考えで?」

魔王「……」

側近「……、ま、魔王様?」

魔王「……。あ、すまん。聞いてなかった」

側近「もう……」
553 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:31:30.99 ID:/H60qOOuo

側近「魔王様はどのようなお考えですかと」

魔王「…………」

魔王「…………わからん」

側近「そうですよね……」

魔王「ほかの勇者候補と同じだというのに、どうして助けたのだろう……」

側近「………………は?」
554 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:32:23.33 ID:/H60qOOuo

魔王「お姉さんの言うことは間違っていない」

側近「まちが……、なんの話ですか?」

魔王「ん? ああ、ここにお姉さんを連れてくるとき、言われたんだ」

魔王「ほかの勇者候補と同じ勇者候補であるのに、どうして自分を助けるんだって」

側近「は、はぁ……」

魔王「……どうして俺は助けたのだろうか」

側近「…………はぁ……」
555 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:48:19.77 ID:/H60qOOuo

魔王「考えてもまったくわからん」

側近「あの……魔王様?」

魔王「なんだ」

側近「カードの件は?」

魔王「壊すと最初からいっているだろう」

側近「え、あ、ああ……そうなんですか」
556 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:51:18.09 ID:/H60qOOuo

魔王「……どうして助けたんだろうな……」

側近「……、今まで陰でサポートしていたから、とかですか?」

側近「結果的に命の恩人、とまではいきませんが……今日まで生きられたのはあいつのお陰もちょびっとあると思いますよ。ちょびっとですが」

魔王「ふむ……」
557 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:51:43.95 ID:/H60qOOuo

魔王「……、でも仮に……、任務中になんらかの形で勇者候補に命を助けられたとしても……俺はそいつを殺すだろう」

魔王「だから……わからないんだ。いったい、なんで、どうして、ここまでしてお姉さんを助けたのか」

側近「…………」

側近「……、それ、姉だったらどうするんです。任務中に姉に命を助けられたとしたら、姉を殺しますか?」

魔王「……」

魔王「……殺せない」
558 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:52:11.30 ID:/H60qOOuo

側近「なら、そういうことなんじゃないんですか?」

魔王「そういうこと?」

側近「それ、姉のことが好きなんじゃないんですか」

魔王「…………」

魔王「お、俺が……お姉さんのこと、す、好き?」

側近「というか、好きじゃなかったんですか? 最近よく姉に構っているから、てっきり好きになったのかと……」

魔王「……」ポカーン
559 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:52:39.14 ID:/H60qOOuo

魔王「…………」

魔王「……、好きだから、殺せないと?」

側近「え、ええ」

魔王「……」

魔王「……。…………」

魔王「そうかも……しれないな……」
560 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:53:05.49 ID:/H60qOOuo

側近「……というか、私に相談しないでくださいよ。私だって貴方のこと……」ボソ

魔王「……え?」

側近「い、いえ、なんでもありません」

魔王「そうか」

側近「ところで、魔王様はどうしたんですか?」
561 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:53:31.98 ID:/H60qOOuo

魔王「えっ?」

側近「姉と付き合うんですか?」

魔王「お姉さんと……?」

魔王「…………」

魔王「……付き合え、ないんじゃないかな」
562 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:53:57.87 ID:/H60qOOuo

側近「どうしてですか?」

魔王「お姉さんは俺のことを嫌っているようだ」

側近「あー……、確かに、そんな、様子でしたが」

魔王「今はこんな状況であるから、手を貸してくれるのだと思うが……」

魔王「元に戻ってしまえばきっと……」

側近「…………」

側近「魔王様らしくないですよ」

563 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:54:40.31 ID:/H60qOOuo

魔王「元々俺はこういう性格だ」

側近「今まで魔王になるため努力してきた男がいう台詞ではないですよ」

魔王「それは……、多少たりとも魔王になれるという気があったからだ」

側近「なら私が保証しましょう。魔王様と姉は付き合えます」

側近「だから努力してください」

側近「努力すれば付き合えますから」

魔王「……側近」
564 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:55:06.39 ID:/H60qOOuo

側近「……努力、してみますか?」

魔王「……」

魔王「そう、だな。……すまんな。こんなことを言わせてしまって」

側近「いいえ、私は魔王様の側近ですから」

側近「何も気になさらないでください」
565 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:55:32.99 ID:/H60qOOuo

魔王「……ああ、ありがとう」スクッ

魔王「テント、手伝いにいってくる」

側近「わかりました。私はもう少し……考えます」

魔王「ああ」

スタスタ……

側近「……」

側近「……どうしようかなぁ……」
566 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/12(木) 21:55:59.19 ID:/H60qOOuo
ここまで読んでいただきありがとうございます。
次回の投下は2日後の午後9時頃です。
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/12(木) 21:58:39.52 ID:UkAA0EUQo
>>566
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/12(木) 22:03:53.40 ID:UlmIAvYFo
乙!
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/12(木) 22:17:46.96 ID:EqAiBIbl0
乙〜
側近のレベルも気になるな
570 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage saga]:2012/01/12(木) 22:29:27.34 ID:08TujU7AO
乙!

魔王のレベルって死にかけのSランク勇者倒して40近く上がったんだよね……?


カード壊して弱体化しないだろうか……
571 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/12(木) 22:34:10.16 ID:UlmIAvYFo
>>570
ほぼ虐殺状態とは言え、実戦も積んでるし、何より打たれ強さは本物の筈。
572 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/01/12(木) 23:21:03.46 ID:vOxhvA6Mo
>>570
逆に潜在能力開放できて無双するんじゃないかな・・・
仮にも魔王だし
573 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) :2012/01/13(金) 01:46:40.04 ID:pDdCn6/8o
まぁここまできたら側近も手篭めにしてやってくれよ
574 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/13(金) 01:57:28.43 ID:kf33WjCio
最初の頃の魔王の親近感はどこへ・・・
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 10:19:58.44 ID:hLTECrIIO


カードは相手が人間か魔物かを強力に識別できてるのか
GPSよりよほど凄い技術だな

あと人間は宇宙に出る力があるならミサイルなりで魔物を攻撃しないのかな?
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 12:56:39.04 ID:cGk5zdPIO
やはり魔法のシールドとかとか
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/01/14(土) 09:50:20.39 ID:XRBTrkJL0
カードで弱体化してるから大魔王は余裕なのかな? 
カードの秘密を知っていたらの話だけど
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/14(土) 10:38:35.17 ID:wTMsnegRP
カードにGPS付いてるならそこに置いたまま行けば・・・ゲフンゲフン
579 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/14(土) 10:54:19.48 ID:vrS5PUc+o
人知れぬ場所おいて、戦いの最中にバキッってなったら負け確だがそれでよろしいか
580 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/01/14(土) 18:36:08.44 ID:TaBhVEkAO
カード壊したら魔王は魔王という称号を背負う必要なくなるんだから迷う必要ないよな。
581 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/14(土) 20:04:29.11 ID:fm3Cm9jJo
忙しくて書き貯めができず投下できる目処が立たないので、明日の午後九時頃から投下させていただきます。
申し訳ございません。
582 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/14(土) 20:05:48.80 ID:soQEiPmdo
待ってますのよー
583 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/14(土) 20:20:46.38 ID:8tewm55oo
待機ワッフル
584 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/14(土) 21:15:59.06 ID:8gYGXxdL0
舞ってる
585 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/01/15(日) 00:30:46.81 ID:PTrykW6p0
カード壊してかなり苦しんでレベルによる束縛がなくなる…

これ魔王無双のフラグじゃないか?
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/15(日) 01:38:54.73 ID:7JoEnozjo
松々
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/01/15(日) 01:42:26.33 ID:YeYMwSTFo
カード発行の黒幕は大魔王様
588 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:24:59.22 ID:yFG4SABBo

――

ザッ……

姉勇者「あら、魔王様……」

魔王「……」

魔王「テント、張り終わったんですね。……ふたつ、ですか」

姉勇者「えぇ。狭いですし、ふたつありましたので」

魔王「あぁ……」

妹ゆーしゃ「てんとだー。きゃんぷみたいー!」ゴロゴロ

姉勇者「こらこら、あまりはしゃいだら駄目よ」
589 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:25:20.81 ID:yFG4SABBo

魔王「……」

妹ゆーしゃ「ひろーい、せまーい」キャキャ

姉勇者「どっちなの……」

魔王(お姉さんか……)

魔王(どうして、いや、俺、本当に好き、なんだろうか)

魔王「……」ジー……

姉勇者「……」ハッ

姉勇者「…………? なんですか」
590 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:26:02.41 ID:yFG4SABBo

魔王「あ、いえ」

姉勇者「……? 先ほどの話でしたら、後ほど伺いますよ」

魔王「……はい」

姉勇者「……?」

魔王(性格は、多少どころかかなり変だ。……人のこと言えないが)

妹ゆーしゃ「おねえちゃんもごろごろーってする?」

魔王(外見は……、いいよな。喋らなければ女神だ。主に胸が。胸がいい)
591 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:26:33.74 ID:yFG4SABBo

姉勇者「私はいいわ。ちょっと落ち着きたいもの」

妹ゆーしゃ「……きょういろいろあったもんね」

魔王(姉というところも点数が高い。高いという問題ではない。Goodだ。Good)

魔王(むしろ姉と巨乳という点だけで花丸だ。二次元であれば迷わず攻略している)

魔王(その上で黒髪、姉キャラであるが年下処女、処女、だよな。うん、処女という……)

魔王(もったいないぐらいの人材ではあるが……)

妹ゆーしゃ「これからどうするの?」

姉勇者「さぁ……、私にもわからないわ」
592 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:27:00.17 ID:yFG4SABBo

妹ゆーしゃ「そっか」

姉勇者「でも、なるようになるわ。安心して」

妹ゆーしゃ「……。うん!」

魔王「…………」

魔王(……。……、やはり、俺はお姉さんのこと好きなのか)

魔王(むしろ嫌いになるところがない。……引くところはあるが)

魔王(……)

魔王(俺、お姉さんのこと、好きだったんだなぁ……)
593 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:27:30.36 ID:yFG4SABBo

妹ゆーしゃ「でももう、あんなあぶないことしちゃだめ!」

姉勇者「……あぁ、うん。気をつけるわ」

妹ゆーしゃ「わかってないカオしてる」

姉勇者「わ、わかってるって」

妹ゆーしゃ「ふくしょう!」

姉勇者「え、ええー……」

妹ゆーしゃ「ふくしょうして!」

姉勇者「…………今日のような危ないことはしません」

妹ゆーしゃ「うん」ニコニコ

魔王(……。お姉さんと、付き合うかぁ……)
594 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:27:57.52 ID:yFG4SABBo

魔王(……、付き合う……。……両想い……)

魔王(……いやいや……)

魔王(無理、無理だろー……)

魔王(訓練や実戦を重ねれば、確実に敵は倒せるようになる)

魔王(恋愛は……、訓練ってそもそもなんだ。あるのかそんなもの)

魔王(…………うーむ……)
595 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:28:32.36 ID:yFG4SABBo

老婆「お嬢様、少しばかり手伝っていただけませんか」ヌッ

魔王「……!」

魔王(いきなり現れる人だな……)

姉勇者「……え、私ですか?」

老婆「ええ。手伝っていただきますね」

姉勇者「断言ですか。まぁ、構いませんけれど」

老婆「それではお嬢様、魔王様、お嬢様のほうお借りいたします」

妹ゆーしゃ「うん!」

魔王「……」
596 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:28:57.54 ID:yFG4SABBo

魔王「どうしてお姉さんを呼ぶときは、お(↑)嬢様で、妹を呼ぶときはお(→)嬢様なんだ」

妹ゆーしゃ「おねえちゃんよぶときは、あ! やせいのでんきねずみがあらわれた! ふうによんでいるんだって」

魔王「どうしてまた」

妹ゆーしゃ「やじゅうっぽいから!」

妹ゆーしゃ「って、おばあちゃんいってた」

魔王(人間扱いされていないと……)
597 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:29:24.30 ID:yFG4SABBo

妹ゆーしゃ「おにいちゃんは」

魔王「ん?」

妹ゆーしゃ「なんでさっきからおねえちゃんばっかりみてたの?」

魔王「え……?」

妹ゆーしゃ「ものすごーくめでおってた!」

魔王「気のせいだ」

妹ゆーしゃ「きのせいちがう! わたしちゃんとみてたもん!」

魔王「……」
598 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:29:50.85 ID:yFG4SABBo

魔王「……そういう日もある」

妹ゆーしゃ「そういうひ……?」

妹ゆーしゃ「んー……」

妹ゆーしゃ「かたおもいー?」

魔王「……」グサッ

魔王「…………」

妹ゆーしゃ「ずぼしだ」

魔王「…………いや、まぁ……」
599 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:30:19.68 ID:yFG4SABBo

妹ゆーしゃ「つきあうの?」

魔王「どうして妹も側近と同じ反応なんだ……」

妹ゆーしゃ「つきあってせっくすするのがあい!」

妹ゆーしゃ「って、おねえちゃんがいってた」

魔王「間違ってはいないな」
600 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:30:45.95 ID:yFG4SABBo

妹ゆーしゃ「それで、つきあう?」

魔王「こちらにはその気があるが、あちらにはそうだとは限らないだろう」

魔王「むしろ俺は嫌われているようだ」

妹ゆーしゃ「きらってないよー。おねえちゃん、きらってたらばきゅーんってするー」

魔王「ばきゅーん?」

妹ゆーしゃ「だからきらいではない、というしょーめーができるわけです!」

魔王「できるのか」

妹ゆーしゃ「あんしんした?」

魔王「……それなりに」
601 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:31:13.99 ID:yFG4SABBo

魔王「しかしだな。嫌われていないからといって、好かれているとは限らん」

妹ゆーしゃ「おんなのこって、すきときらいだけでふつうがないの!」

魔王「……、それもお姉さんが?」

妹ゆーしゃ「うたってた!」

魔王(お姉さん、選曲が懐かしいですね……)

魔王(……! そうだ、妹にお姉さんのこと聞けば……)
602 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:31:43.08 ID:yFG4SABBo

魔王「妹。お姉さんはどういう人が好きなんだ?」

妹ゆーしゃ「……。プライドシーよごしだめ!」

魔王「プライドシー……? プライバシー侵害?」

妹ゆーしゃ「そう、それ!」

魔王「そこをなんとか」

魔王「頼む」

妹ゆーしゃ「えー……」

妹ゆーしゃ「…………」

妹ゆーしゃ「ちょっとだけなら」

魔王「ああ、ありがとう」
603 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:39:57.04 ID:yFG4SABBo

魔王「それでどんなのが好きなんだ?」

妹ゆーしゃ「どんな……うーん……」

妹ゆーしゃ「……。てぃっしゅみたいなひとがすきだっていってたよ」

魔王「……」

魔王(ティッ……シュ……だと……!)

魔王(微妙に分かりづらい……)

魔王「逆に嫌いなのは?」
604 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:42:11.32 ID:yFG4SABBo

妹ゆーしゃ「イケメン!!」

魔王「イケメンか、よかった……」

妹ゆーしゃ「よかった? なにが?」

魔王「俺はイケメンとは程遠いから」

妹ゆーしゃ「……、かがみ、みてきたほうがいいよ」

魔王「え?」

妹ゆーしゃ「けっこう、イケメン」

魔王「……」

魔王「……太ろうかな」
605 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:42:38.72 ID:yFG4SABBo

魔王「……ほかに、何か有益な情報は」

妹ゆーしゃ「ロマンチストだけどげんじつてき!」

魔王「どっちなんだ……」

妹ゆーしゃ「がっこーのきょう……じゅ? せんせいやってる!」

魔王「教授を。あんな若いのに」

妹ゆーしゃ「だけどむだんてってって、てき、てっ、へぃきっ、けきんしてるからクビになるって」

魔王「…………」

魔王「……ごめんなさい」
606 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:43:21.72 ID:yFG4SABBo

妹ゆーしゃ「あ」

妹ゆーしゃ「あと、れんあいきょーふしょー」

魔王「恋愛恐怖症? どうしてまた」

妹ゆーしゃ「……」

妹ゆーしゃ「しんがい!」

魔王「そこをなんとか」

妹ゆーしゃ「これだけはだめ!!」

魔王「…………」
607 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:43:48.26 ID:yFG4SABBo

魔王(話をまとめると、好きなタイプ(?)がティッシュで、嫌いなタイプ(?)はイケメン)

魔王(ロマンチストであり、現実主義者であり、大学の教授をやっている。しかし無断欠勤を繰り返しているためニートになる可能性が高い)

魔王(またなんらかの理由で恋愛恐怖症になり、現在は恋人がいな……)

魔王「妹」
608 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:44:15.92 ID:yFG4SABBo

妹ゆーしゃ「なーに?」

魔王「しょじ……、お姉さんに恋人は?」

妹ゆーしゃ「……」

妹ゆーしゃ「むかし、いたけど……いまはいないよ」

妹ゆーしゃ「でもいたけど、ちゅーもないないって。おねえちゃん、しょじょだよ」

魔王「よかった……」
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/15(日) 21:48:54.21 ID:XiJsa16IO
魔王処女厨wwwwwwww
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/15(日) 21:51:32.67 ID:R4I0lMTqo
>>609
童貞かつオタだ。なにもおかしくは無いだろ。
まあ、大魔王の命令通りにアレをしてればそこらの幻想は砕けたかもしれんけど
611 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:52:34.29 ID:yFG4SABBo

妹ゆーしゃ「ということで」

魔王「何が、ということなんだ?」

妹ゆーしゃ「ぜんはいそげ! こくはくしようおにいちゃん!!」

魔王「待ってくれ」

妹ゆーしゃ「つきがきれいですね、っていえばそこはかとなくかっこいい!」

妹ゆーしゃ「いこう、おにいちゃん! それで、それで、おにいちゃんはほんとうにおにいちゃんになるの!」ダダダッ

魔王「お願い、待って」
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/15(日) 21:55:05.60 ID:VMz7OwbHP
>>610
童貞じゃないぞ
613 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:55:38.94 ID:yFG4SABBo
――

老婆「いやはやお嬢様の切る野菜は……」

姉勇者「なんですか?」

老婆「なんといいますか、ゾンビの死体のようでございますな」

姉勇者「よくはわかりませんけれど、馬鹿にされていることはわかりました。そこになおりなさい」

老婆「おお、こわいですな。包丁を持ちながらそのようなことを――」

妹ゆーしゃ「おねえちゃんいたよ!」

魔王(つれてかれた……)
614 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:56:04.64 ID:yFG4SABBo

姉勇者「あら、妹ちゃん。……と魔王様。どうしたの?」

妹ゆーしゃ「おにいちゃんがいいたいことがあるって」

姉勇者「……、言いたいこと? 先ほどの件ですか?」

魔王「あ、いや……」

妹ゆーしゃ「それよりもたいせつ!」

姉勇者「まぁ……、何かしら」
615 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:56:38.82 ID:yFG4SABBo

妹ゆーしゃ「わたしがおばあちゃんといっしょにごはんつくるから、たいせつなはなしして!」

老婆「おやおや、熱心ですなぁ」

魔王(……恥ずかしい)

姉勇者「それは今でなくては駄目なの?」

妹ゆーしゃ「うん!」

姉勇者「…………」

姉勇者「……」

魔王(考え込んでる……)
616 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:57:00.30 ID:yFG4SABBo

姉勇者「…………わかりました。ばあや、後は頼みます」

老婆「ほっほっほ。了解しました」

姉勇者「では、魔王様。あちらで話し合いましょう」

魔王「……はい」

姉勇者「…………」

妹ゆーしゃ「おにいちゃんくらい! それだめだって!」

魔王(そういわれても、好きだと気づいて1日で告白とか、展開がはやすぎてついていけないんだ……)
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/15(日) 21:57:32.92 ID:R4I0lMTqo
>>612
あ、そうだ、側近さんの件ど忘れしてたwww
618 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:57:44.10 ID:yFG4SABBo

――

姉勇者「……」キョロキョロ

姉勇者「ここならば、誰にも聞かれないでしょう」

魔王「はい」

姉勇者「……、妹ちゃんの様子では無理やりという風にみえたのですが」

姉勇者「いったい何事ですか?」

魔王「…………」

魔王(どうしよう……)

619 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:58:15.87 ID:yFG4SABBo

魔王(この状況で告白か……?)

魔王(仲直りもしていないんだぞ。恋人どころか、友人ですらない)

魔王(告白などしたら、むしろ事態が悪化するような……)

姉勇者「……」ジー

姉勇者「……魔王様」

魔王「……あ。はい。なんでしょう」

姉勇者「……」

姉勇者「…………何もないのでしたら、戻りたいのですが」

魔王「あ……」
620 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:58:43.49 ID:yFG4SABBo

魔王「……お、お姉さん!」

姉勇者「はい、なんでしょう」

魔王(どうしよう、なんていえば……月、月というか、まだ昼間だぞ)

魔王(あ、でも昼間の月はでてるよな。確か。人間界はすばらしいな……)

魔王「……月、綺麗ですね」

姉勇者「……!」

姉勇者「……」

姉勇者「…………魔王様」
621 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:59:12.30 ID:yFG4SABBo

魔王「は、はい」

姉勇者「うそつき」

魔王「えっ」

姉勇者「それでは失礼しますね」ペコリ

……スタスタ

魔王「…………」

魔王「……あ」
622 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 21:59:40.38 ID:yFG4SABBo

魔王「……」

魔王「……、雲で隠れてる……」

魔王「…………」

魔王「……ウワァ…………」
623 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/15(日) 22:00:51.73 ID:yFG4SABBo
ここまで読んでいただきありがとうございます。
次回の投下は3日後の午後9時頃になります。
また、これからは3日おきの投下になると思います。
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/15(日) 22:02:21.36 ID:R4I0lMTqo
乙!
魔王頑張れ超頑張れ!
あと割り込みスマンかったorz

625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/15(日) 22:03:14.11 ID:W3bS/xRao
>>610
童貞じゃないだろ
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/15(日) 22:04:18.26 ID:m2E232OY0
乙〜
なんか、凄まじい状況なのに和やかだな
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/15(日) 22:05:40.35 ID:79OtXPywo
乙〜
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/15(日) 22:09:05.84 ID:+Lxjc/bio
初恋の相手だった側近が非処女で泣いてた時点で処女厨確定してただろう
629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/16(月) 11:20:12.86 ID:glwoGSEho
ここで夏目漱石ネタかー
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/01/16(月) 21:16:44.79 ID:sjOM2myAO
多分この姉は月がきれいですねの意味を知ってるに100G
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/16(月) 22:30:18.85 ID:EpS97RKIO
>>630さんに千点
632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/01/16(月) 23:03:18.39 ID:rK53pMcAO
>>630
むしろ姉が妹にロマン語った時に教えたんじゃない?
633 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:22:52.30 ID:oFhzHLmUo

――

同日・夕食後


側近「それで、その……落ち込んでいると」

妹ゆーしゃ「うん」

魔王「……」ゴーン

妹ゆーしゃ「ほんとにおねえちゃんのことすきだったんだ……」

側近「右に同じ」

魔王「ひどい……」

634 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:23:18.92 ID:oFhzHLmUo

側近「ま、まぁ、その、女は星の数ほどいますから」

魔王「……届かなかったら意味がないだろう」

側近「おっしゃるとおりで」

魔王「それにお姉さんはお姉さんひとりしかいないんだ……」

側近「……おっしゃるとおりで」

側近「ああ妹よ。私はどうアドバイスすればいいとおもう?」

妹ゆーしゃ「わからないよ」

側近「ぐぬぬ……」
635 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:23:44.01 ID:oFhzHLmUo

側近「あー、そうだ! えーと、ほら! 月がなんちゃらとかで伝わるはずなどないですから」

妹ゆーしゃ「つたわるよー」

妹ゆーしゃ「このことば、おねえちゃんからおしえてもらったんだもん!」

側近「うぐ」

魔王「……おわった」

側近「ほ、ほら、魔王様。魔王様には私がいますよ」

側近「だからご安心を……」

妹ゆーしゃ「ひしょじょはだめ!」

側近「!?」
636 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:24:11.55 ID:oFhzHLmUo

妹ゆーしゃ「しょじょがいいっておにいちゃんいつもいってるもん!」

妹ゆーしゃ「よってそっきんはNG!」

側近「なんだ姉みたいなことをいって! これで週に1回は魔王様と――!」

妹ゆーしゃ「いっかいは? おにいちゃんと?」

側近「……なんでもない」

妹ゆーしゃ「そっきんかおまっかー」

側近「う、うるさいな。大人は大人の事情があるんだ」

側近「ね、魔王様?」

魔王「結婚するなら処女が」

側近「魔法を使えば処女膜再生できるかもしれない!」ガタッ

妹ゆーしゃ「げんじつとーひーよくない!」

637 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:24:42.95 ID:oFhzHLmUo

側近「……あぁ、もう! 大丈夫です、魔王様!」

側近「相手は姉ですよ、姉! きっともう忘れてますって!!」

妹ゆーしゃ「おねえちゃんきおくりょくい……」

側近「妹は黙る! さ、魔王様、作戦を考えましょう! 一度振られたぐらいで諦めてはいけません」

魔王「……。そうだな……一度振られたぐらいで……ぐらいで……」

老婆「おやおやまぁまぁ、お楽しそうでございますなぁ」

側近「!?」

魔王「!」

妹ゆーしゃ「おばあちゃんだー!」

魔王(心臓に悪い……)
638 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:25:12.28 ID:oFhzHLmUo

妹ゆーしゃ「どうしたのー?」

老婆「ほっほっほ。お嬢様が「呼んでこいよ、てめー」とおっしゃるものですから」

魔王「……」ピク

側近「……」

妹ゆーしゃ「そう、じゃーいこうか」

魔王「そうだな」スクッ

側近(元気でてきたっぽいからいえないけど、多分カードのことについてなんだろうなぁ)
639 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:25:38.74 ID:oFhzHLmUo

――

姉勇者「それで、カードの件なのですが――」

魔王「ああ……」

側近(案の定……)

姉勇者「どうでしょうか。お決まりになりましたか?」

魔王「はい」

側近「ああ」
640 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:26:04.51 ID:oFhzHLmUo

側近「ひとつ確認したいことがあるのだが」

姉勇者「はい、なんでしょう?」

側近「このカードをここに置いていくというのは駄目なのか?」

姉勇者「結果的には同じですよ」

姉勇者「カードから体の距離が離れてしまうと催眠はとけてしまい、苦痛を味わいますからね」

姉勇者「その上壊れてはいないので、誰かにみられたら個人情報ただ漏れですよ」

側近「あー……」

姉勇者「スリーサイズとか、処女膜の有無とか、オナニーの回数とか」

側近「それは元々かいてないだろう!」
641 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:26:30.42 ID:oFhzHLmUo

姉勇者「それは失礼。それで側近様はどうなさるんですか?」

側近「……、壊す。というか壊す以外の選択が浮かばなかった」

姉勇者「ここで一生暮らすという選択はありますよ」

姉勇者「その気であればこちらのほうで水道も電気も通しますから」

側近「いや……いい。人間界に暮らすなど考えるだけでおぞましい」

姉勇者「そうですか。魔王様は?」

魔王「側近と同じです」

姉勇者「……お壊しになった後は、どうなさるおつもりで?」

魔王「俺が決めてもいいんですか?」

姉勇者「ええ、その道私達は魔王様についていくしかありませんから」

魔王「……」
642 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:26:57.43 ID:oFhzHLmUo

魔王「………………」

魔王「……」

魔王「…………。…………」

魔王「俺は、……父を、大魔王を倒そうとおもっています」

姉勇者「まぁ」

側近「だ、大魔王様を……!! 本気ですか!」

魔王「ああ」

姉勇者「……わかりました。そのためには武器が必要ですね」
643 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:27:24.38 ID:oFhzHLmUo

魔王「武器のほかにも、実力も必要です」

魔王「今の俺の実力では、到底勝ち目がない」

姉勇者「……それは安心なさってください」

姉勇者「彼の力がどの程度だろうとも、私達は勝てるでしょうから」

魔王「……それは、どういう」

姉勇者「時期がきたらお話しましょう。カードの話に戻させていただきます」
644 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:27:50.58 ID:oFhzHLmUo

側近「カードというと壊す順番か」

姉勇者「はい。できれば私と妹ちゃんは別の日に。側近様と魔王様も別の日にしたほうがよろしいでしょう」

側近「……そうか」

側近「……」

側近「……!」ピコーン
645 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:28:18.87 ID:oFhzHLmUo

側近「それなら先に私と妹が壊そう!」

姉勇者「え?」

妹ゆーしゃ「えー?」

側近「どうでしょう魔王様!!」

魔王「好きにしろ」

側近「よし、魔王様の了解も得た。いいだろう、姉? なにかいけない点でもあるのか?」

姉勇者「い、いえ……」

妹ゆーしゃ「で、でも……」

側近「シッ、妹。よくかんがえてみろ」ヒソ
646 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:28:45.62 ID:oFhzHLmUo

側近「多分ふたりに足りないものは対話だ」

側近「しばらくふたりきりで話をしていたら、いつの間にか付き合ってたという展開になるかもしれん」ヒソヒソ

妹ゆーしゃ「おにいちゃんがおねえちゃんをかんびょーしたほうがいいとおもうんだけどなぁ」ヒソ

側近「…………」

姉勇者「では、そうしましょうか」

側近「あ、いや、姉。えっと、その……」
647 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:29:11.71 ID:oFhzHLmUo

姉勇者「どうしました? 壊すならちゃっちゃっと壊してください」

側近「……」

妹ゆーしゃ「けっこーそっきん、こーゆーことにがて?」

側近「……言うな」

姉勇者「壊した瞬間から気持ち悪くなるとおもいますので、テントのほうに移動しましょうか」

側近「……強烈に嫌になってきた」

姉勇者「ささ、側近様も、妹ちゃんもはやくはやく……」

妹ゆーしゃ「こわい……」
648 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:29:48.93 ID:oFhzHLmUo

――

数時間後


魔王「……」

魔王(文章にしてはいけないぐらいの嘔吐シーンが後ろで繰り広げられている)

魔王(声的に……側近だろうな)

魔王(……)

魔王(そして俺も……ああなるのか……)

姉勇者「ふぅ……」パサッ……

魔王「……!」

魔王「お、おね、お姉さん、出てきていいんですか?」
649 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:30:19.83 ID:oFhzHLmUo

姉勇者「いえ……、隣に座っても?」

魔王「! はい」

姉勇者「よいしょっと……」

魔王「……」

魔王(なんてお年寄りみたいな)

姉勇者「……だいぶ夜も更けてきましたね」

魔王「そうですね。山の中ですから特に……」

姉勇者「ええ……」
650 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:30:41.01 ID:oFhzHLmUo

魔王「……」

姉勇者「……」

魔王「それはそうと……、話しかけてくれるんですね」

魔王「あっちにいたときはまったくだったのに」

姉勇者「……こんな状況ですから。縁を切っている場合じゃありません」

魔王「……」

姉勇者「ところで、魔王様?」

魔王「はい」

姉勇者「先ほどの、件なのですが」

魔王「!」
651 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:40:37.48 ID:oFhzHLmUo

姉勇者「あれは……、妹ちゃんのイタズラですよね」

魔王「……え」

姉勇者「そうですよね、魔王様」

姉勇者「だから、私。……気にしていません。安心してください」

魔王「……」

魔王「…………」

魔王「ちが……いますよ」

姉勇者「……」ビクッ
652 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:41:09.04 ID:oFhzHLmUo

魔王「俺は本気で……、言ってました」

姉勇者「……いわないでください」

魔王「本気でお姉さんこと――」

姉勇者「言わないでください!!」

魔王「!」

姉勇者「そんな簡単に好きとか言わないでください……」ブルブル

魔王「お、ねえさん……?」
653 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:41:30.30 ID:oFhzHLmUo

姉勇者「もし、本当に私のことが好きなら……、態度で表してください……」

姉勇者「……言葉でなんか表現しないで」

姉勇者「好きなんて言葉に、なんの意味もないのに……」ブルブル…

魔王「……」

魔王「……わかりました」グィ

姉勇者「きゃっ……!」
654 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:41:56.60 ID:oFhzHLmUo

ポスッ

姉勇者「……」

魔王「……」

姉勇者「あ、あの……」

魔王「……なんですか」

姉勇者「どうして抱きしめ……」

魔王「それは、す、好きだからです」

魔王「好きな人を抱きしめて、何が悪いんですか?」

姉勇者「そんな、嘘よ……」
655 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:42:22.76 ID:oFhzHLmUo

魔王「嘘じゃありません」

姉勇者「……」

魔王「ここにくるときもおもったんですが……」

魔王「こうしてみるとお姉さん小さいですね」

魔王「妹や側近に比べたら大きいですけど、女らしい大きさじゃないですか」

姉勇者「それは……ほめ言葉ですか?」

魔王「はい」

姉勇者「…………」
656 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:42:51.30 ID:oFhzHLmUo

魔王「……」

姉勇者「……」

魔王「……。……お姉さん」

姉勇者「は、はい?」

魔王「その、キスしてもいいですか?」

姉勇者「へ?」

魔王「キス……」

姉勇者「き、きき、きす!?」ビクッ

魔王「嫌ですか?」
657 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:43:27.56 ID:oFhzHLmUo

姉勇者「い、嫌というより、私が思い描いていたファーストキスは100万ボルトの夜景の中で……」

魔王「心の中でそこだとおもって」

姉勇者「買い物をして、レストランで食事をして、その後いい雰囲気になったら、というプランも考えていたんですが……」

魔王「こ、今度つれていきますから……!」

姉勇者「そ、そ、そそ、そ、そんなにしたいんですか?」

魔王「はい」キッパリ

姉勇者「……は、ぅ……」
658 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:44:07.52 ID:oFhzHLmUo

姉勇者「わ、私おばさんなんですよ!」

魔王「我々の業界ではまだ若いです」

姉勇者「どうして私なんですか。妹ちゃんとか、側近様とかたくさんいますのに!」

魔王「どうといわれても……、好きになったからとしか」

姉勇者「だだだ、騙されませんよ! もうそのセリフはあの人で聞き飽きていますから!」

魔王「なら今すぐキスします。目を閉じてください」

姉勇者「え、ええっ。あ、……、わ、私にどうしろと……」
659 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:44:33.76 ID:oFhzHLmUo

魔王「目を閉じてください」

姉勇者「く、口は……」

魔王「ディープキスまではしないので」

姉勇者「お、押し付ける、押し付けるだけのキスですか」

魔王「そうです。目、閉じてください」

姉勇者「は、はい……」ギュ……

魔王「……」

魔王「しますよ?」

姉勇者「……」コクリ
660 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:45:00.25 ID:oFhzHLmUo

魔王「……」ソッ

チュッ

姉勇者「……っ!」ビクンッ

魔王「……」

魔王(……柔らかい)

魔王「……」グィ

姉勇者「っ!?」ビクッ!

魔王(……駄目だ、これ以上押し付けたら我慢できなくなる……)

ソッ
661 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:49:04.06 ID:oFhzHLmUo

姉勇者「……っ……っ……」ブルブル

魔王「……終わりましたよ」

姉勇者「…………ってます……!」

魔王「もう目あけても大丈夫ですよ?」

姉勇者「ふぁ、ファーストキスだったんです!」

魔王「知ってますよ?」

姉勇者「ファースト……初めての……。はじめて……」

魔王「すごい顔真っ赤ですけど、大丈夫ですか?」

姉勇者「う……ぅ……」

姉勇者「顔、みないでください……」

魔王(かわいい……)
662 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:49:31.26 ID:oFhzHLmUo

魔王「それでお姉さん。これで信じてもらえますか?」

姉勇者「……え?」

魔王「俺がお姉さんのこと好きだってこと」

姉勇者「……!」

姉勇者「し、しんっ……」

魔王「信じられないようでしたら、ベッドインしか」

姉勇者「い、インッ! だ、だめですそれは!!」

魔王「なら、信じてくれますか?」

姉勇者「あ……、ず、ずるい……」

姉勇者「……信じるしかないじゃないですか……」

663 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:50:05.01 ID:oFhzHLmUo

魔王「よかった」

魔王「…………あ、でも……お姉さんはどうですか?」

魔王「お姉さんは……俺のこと、す、す……す、好きですか」

姉勇者「……あ……」

魔王「ファーストキス奪ってからいうセリフじゃないですけど……」

姉勇者「…………」

姉勇者「わ、……私は――……」
664 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/18(水) 21:50:31.57 ID:oFhzHLmUo

ここまで読んでいただきありがとうございます。
次回の投下は3日後の午後9時頃になります。
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/18(水) 21:55:06.53 ID:VvYEC+iCo
乙〜
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/01/18(水) 21:57:40.66 ID:HLRo52mNo
>>1おつん
急にデレたなしかし
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 22:02:27.42 ID:5beHUE8I0
乙! おねーちゃんサイコーだわさ!
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/18(水) 22:02:30.44 ID:wQ+ipWkbo


側近が割と健気で可哀相なので姉編の後にでもまた光が当たると信じてる
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 22:15:21.47 ID:OqABbqgIO

寸止めなんてひどい
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/18(水) 22:21:28.70 ID:tpfwiBd70

なんか今まで一人だけなんでも知り尽くしてるようだった姉が
こうも恋愛に不器用だと萌える
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/18(水) 22:22:52.28 ID:en5TJaFlo
側近ちゃんは1回デレて以降影が薄いよな
たまには側近ちゃん回があってもよい
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 22:40:34.40 ID:BKSmiC9IO
側近に愛の手を
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/01/18(水) 23:23:21.60 ID:51OQTohR0
>>672
募金のタイトルみたい
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/19(木) 00:02:03.64 ID:ZWIiE8RAO
>魔王「信じられないようでしたら、ベッドインしか」

これあのブヒブヒ言ってた魔王なんだぜ?
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/19(木) 00:03:10.53 ID:uuLHGuIbo


側近は最初のアレのぶんでバランスとれたと思ってる
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 09:56:49.18 ID:n6T1RmZIO
>>674
そのセリフ※だからお前ら使うなよ
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 11:06:50.16 ID:OtlBW7NDO

やばい側近好きだわ……
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/19(木) 12:19:55.68 ID:0+L8OOnoo
好きな人に週一で抱いて貰ってるけど、好きな人は別に本命が居るし、中古とは結婚は無理と言われるが
それでも好きな人が自分以外の本命の女と結ばれるのを本気でサポートしてる、側近さんまじ健気
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/01/19(木) 13:01:45.03 ID:zUUtpf4Wo
側近はこのままでいい

妹を…
680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 15:38:33.77 ID:apR+DyRyo
なんか魔王はやっぱり魔王で安心した
何だかんだで魔王だわ
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/01/19(木) 17:52:25.37 ID:RBLy/2J0o
魔王城での重圧から開放されて、ノリが戻りつつあるってとこかね
682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 18:28:53.52 ID:I7HnR+jIO
側近△
683 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/19(木) 21:51:18.91 ID:JnSXp/rCo
>>648>>649間の文が抜けていましたので付け足させていただきます。ごめんなさい。


姉勇者「あとはばあやに頼んできました」

姉勇者「人の世話は私より彼女のほうが上手ですし」

魔王「そう、ですか……。側近と妹の様子は?」

姉勇者「側近様は聞いてのとおり。ばあやがついているから心配はいらないとおもいます」

姉勇者「妹ちゃんはそれでも熱がでてしまって……。吐き気がないようですから、こちらも心配はいりません」

魔王「ありがとうございます」
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 22:32:40.46 ID:pwiLhT31o
スレタイに惹かれて見に来たけど、魔王は五条さんじゃないのか・・・
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/20(金) 00:02:01.56 ID:mErZ1WHpo
五条さん(笑)
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/01/21(土) 21:26:07.53 ID:SIrr+xej0
まだか
687 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:26:45.67 ID:FuYu2Lzbo

姉勇者「……」

魔王(考え込んでる……)

魔王(考え込んでる?)

姉勇者「魔王様は、その、いい人、あ、人じゃない。魔物だとおもうんですが」

魔王「……えっ?」

姉勇者「その……、そこまでは考えていなかったといいますか……」

魔王「え?」
688 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:27:04.10 ID:FuYu2Lzbo

姉勇者「……ちょっと、その……今は付き合うとかは考えられないです」

魔王「え」

姉勇者「ごめんなさい」

魔王「え…………」

魔王「…………」

魔王「……ま、まま、まっ、ま、まままってください! なら何故キスを!?」
689 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:27:30.50 ID:FuYu2Lzbo

姉勇者「あ、あの流れでどう断れというんですか!」

魔王「それでファーストキスを簡単に人にあげるんですか!」

姉勇者「う……」

姉勇者「……その、ほら。外国ではキスは挨拶代わりじゃないですか……だから」

魔王「どう考えても先ほどのキスは挨拶じゃありませんでした!」

姉勇者「なら魔王様! もし私がキスを断ったらどうするおつもりだったんですか!!」
690 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:27:58.35 ID:FuYu2Lzbo

魔王「どうって……」

姉勇者「可能性としてはふたつ。今以上に落ち込んで立ち直れなくなるか、無理やり襲い掛かるか、その二択ではありませんでしたか!?」

魔王「……」

姉勇者「沈黙は肯定と受け取りますよ」

魔王「…………う……」
691 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:28:24.92 ID:FuYu2Lzbo

姉勇者「……結果的にこのような思考をもってキスを受け止めたということを知ったことにより、私の予想より落ち込んでしまったとはおもいます」

姉勇者「その点は、申し訳ございません」

魔王「…………」

姉勇者「それに魔王様、これでわかったでしょう。私はこういう女なんです」

姉勇者「私という女よりも貴方様には――」

魔王「! いえ、それは待ってください!!」
692 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:28:52.21 ID:FuYu2Lzbo

魔王「お姉さん。でも、でもですね」

魔王「キスを受け止めていいぐらいの好意は持っているんですよね」

姉勇者「え?」

魔王「少なくても俺のことは嫌いではなく、まぁキスならいっかなと思えるぐらいの好感度はあるということなんですよね!!」

姉勇者「……!?」

姉勇者「それは……その」

魔王「なら、構いません」
693 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:29:18.28 ID:FuYu2Lzbo

姉勇者「かま……? え?」

魔王「お姉さん!」ガシッ!

姉勇者「っ! は、はい……」

魔王「俺は諦めません」

姉勇者「……」アングリ

姉勇者「い、いや……ちょっと……」

魔王「諦めませんから!!」

姉勇者「し、しかs」

魔王「しかしも、でもも、ありません!!」
694 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:29:44.87 ID:FuYu2Lzbo

姉勇者「……」

姉勇者「わ、わかりません……。どうしてそんな……」

魔王「俺は何をいわれたとしてもお姉さんのことやっぱり好きですから」

姉勇者「――っ」

姉勇者「………………」

魔王「……、それでは俺は失礼します」

スタスタ
695 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:30:11.47 ID:FuYu2Lzbo

姉勇者「え? あ、ど、どちらに?」

魔王「訓練と、見回りに」

姉勇者「あ、あぁ……そ、そうですか」

姉勇者「えっと、あまり森の奥にはいかないようにしてくださいね」

魔王「はい。失礼します」ペコリ

ザッ……ザッ……

姉勇者「……」

姉勇者「…………」

姉勇者「どうして、こんな展開に……」

老婆「あらまぁ、そんな展開にしたかったから話を掘り返したのではないのですか?」
696 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:30:40.57 ID:FuYu2Lzbo

姉勇者「毎度毎度、気配を消して近づいてきて……」

老婆「癖ですので、ほっほっほ」

姉勇者「……というか側近様をみていなくてよいの?」

老婆「えぇ、今は落ち着いております」

老婆「しかし想い人に助けを求めるかのように「まおうさま、まおうさま」とおっしゃったり」

老婆「まるで呪い殺すかのような声で「あのアマ、ここまでだとは聞いてないぞ。次あったらハラワタぶちまけてやる」とユーモアあふれる独り言をおっしゃっていますが」

姉勇者「側近様らしい。妹ちゃんは?」
697 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:31:06.78 ID:FuYu2Lzbo

老婆「同じく落ち着いています。お二人とも薬が効いたのでしょう」

老婆「ただお嬢様はそんな側近様を流し目でご覧になり鼻で笑っておりますなぁ」

姉勇者「……」

姉勇者「誰に似たのかしら」

老婆「そりゃ勿論お嬢様でございましょう。あぁ、ばあやは悲しゅうございます」

老婆「純粋無垢のお嬢様が魔物、いえ魑魅魍魎の手により、悉く性格が歪んでいく様。これは涙なしには語れないものですなぁ」

老婆「ということでお嬢様、はやく人間になってくだされ」

姉勇者「あなた私のことそんなにお嫌い!?」
698 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:31:33.52 ID:FuYu2Lzbo

老婆「ほっほっほ。ところで、お嬢様」

姉勇者「その無理やり話をかえるのはやめて頂戴……もう……。それで、何?」

老婆「お父上様のことでございます」

姉勇者「――。……やはり私を探して?」

老婆「ええ、何処も彼処も」

姉勇者「……見つかっていないでしょうね?」
699 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:32:00.06 ID:FuYu2Lzbo

老婆「おやおやお嬢様。私めがそのような初歩的なミスをするとお思いですか?」

姉勇者「……それは、そうね」

姉勇者「そもそも数十分で約200kmの距離をルーラ使わずにこれる人間を見つけられたほうが、奇跡でしょうし」

老婆「おやおや褒めすぎでございますよ」

老婆「これでも現役のころに比べればまだまだでございます」
700 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:32:32.28 ID:FuYu2Lzbo

姉勇者「……末恐ろしい」

老婆「お嬢様ほどではございません。……あぁ、それと対照的に魔物はお嬢様を探してはおりませんでしたよ」

老婆「……少なくても、今までは」

姉勇者「そっちはあまり気にしなくても大丈夫でしょう」

姉勇者「砂漠の中からひとつの石を見つけ出そうとするほど馬鹿ではないでしょう」
701 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:33:03.60 ID:FuYu2Lzbo

姉勇者「それに侵略しかかっているとはいえ、ここはまだ敵の陣地ですから」

老婆「ほう……。しかしあまり楽観的に見すぎるのも危険ではないでしょうか」

姉勇者「ええ。やはり魔物が多い森などは避け、……できれば街に留まったほうがいいですね」

老婆「しかしそれではお父上様のほうが」
702 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:41:40.74 ID:FuYu2Lzbo

姉勇者「…………」

姉勇者「……セキュリティ・匿名度が高い高級セレブ芸能人が泊まるようなごてごてホテルに泊まりながら……」

姉勇者「流石に父も人目がつくような場所では揉め事は起こさないでしょう」

老婆「娘が魔王様と一緒などと報道されたらたまりませんなぁ」

姉勇者「……やっすい民宿よりは安心だろうというレベルですがね」
703 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:42:03.57 ID:FuYu2Lzbo

老婆「しかしお父上様は魑魅魍魎の生みの親。確実にお嬢様を追い詰めましょう」

姉勇者「…………」

姉勇者「……。……ねぇ、ばあや」

老婆「なんでございましょう」

姉勇者「どうしたほうがいいと思う?」

老婆「おやまぁ……」

老婆「お嬢様がそのようなことをおっしゃるとは。明日は槍が降りましょうか……ほっほっほ」

姉勇者「……ばあや?」ドドドド
704 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:49:26.31 ID:FuYu2Lzbo

老婆「おお怖い怖い……。真剣に考えなくては食われてしまいそうですなあ」

老婆「しかしお嬢様。この老婆、人としての解答しかできませぬ」

老婆「お嬢様な望む答えなど、けして用意はできませんぞ」

姉勇者「…………」

老婆「……それにお嬢様はもうお覚悟をお決めになったのではございませんか?」

姉勇者「そんなこと……」

老婆「“あのカードを壊す”ということは、そのような意味ではないのですか?」

姉勇者「……っ……」
705 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:49:52.74 ID:FuYu2Lzbo

姉勇者「…………」

姉勇者「でも、そんなのこと……許されるのかしら」

老婆「おやまぁ、今日のお嬢様は本当にお変わりで……。魔王様の影響でございましょうか」

老婆「この老婆口に茶を含んでおりましたら、お嬢様の顔面めがけて噴出すところでした」

老婆「お嬢様。いつもお嬢様がなさっていることをすればよいではございませんか」
706 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:50:51.75 ID:FuYu2Lzbo

老婆「ただお嬢様は代わりに裁けばいい。それがお嬢様の考えなのでしょう」

老婆「ならばその考えを突き通すべきかと」

姉勇者「…………」

姉勇者「………………」

姉勇者「……そうね」

姉勇者「私らしくなかったわ」

姉勇者「それでばあや、アレは持ってきてくれました?」
707 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 21:59:15.80 ID:FuYu2Lzbo

老婆「えぇ、勿論ですとも」サッ

姉勇者「使ってないでしょうね?」

老婆「勿論でございます」

老婆「このような恐ろしいものお嬢様以外に使える者などおりませぬ」

姉勇者「……ありがとう」カチャ…

老婆「してお嬢様。お父上様の後はやはり大魔王を、ですか?」

姉勇者「ええ、そうなるでしょうね」
708 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 22:00:09.83 ID:FuYu2Lzbo

老婆「奴は強いでございますよ」

姉勇者「……」

老婆「奴は、化け物でございます」

姉勇者「…………経験者は語る、というものかしら」

老婆「お父上様でも敵わなかった相手でございます」

姉勇者「それよりも貴女がいて勝てなかったというほうが驚きよ」
709 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 22:01:00.64 ID:FuYu2Lzbo

老婆「奴は化け物でございますから。人では到底敵いません」

姉勇者「逃げ帰ったのだったわね」

姉勇者「負傷した仲間を置いてまででも」

老婆「……そうもしなければ全滅していたでしょう」

姉勇者「ということは……彼女を大魔王は殺したのかしら」

老婆「おそらくは」

姉勇者「なら……」

姉勇者「やはり彼は私の敵ではないわ」
710 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 22:05:14.55 ID:FuYu2Lzbo

老婆「しかしお嬢様」

姉勇者「私の敵は―― 父だけよ」

老婆「……」

姉勇者「ばあや、私は父に会いに行きます」

老婆「ひとつだけ」

老婆「これは復讐でございますか」

姉勇者「……いいえ」
711 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 22:07:37.02 ID:FuYu2Lzbo

姉勇者「もうそんな昔のこと、私はいいのです」

姉勇者「私は父を憎んではいない。そして、妹も。けれど――」

姉勇者「あの日彼が殺した羽虫の命の分、父には償ってもらわないと」

姉勇者「父を愛するからこそ、私は父に人でいてもらいたいのです」

姉勇者「だから、これは復讐ではありません」
712 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 22:12:04.87 ID:FuYu2Lzbo

老婆「なんといいますか。お父上様もえらいもんをこの世に生み落としましたなぁ」

姉勇者「本当に」

老婆「しかし、お嬢様が魑魅魍魎だとしても」

老婆「お嬢様がお嬢様であるかぎり」

老婆「この老婆、最後の最後まで尽くしますとも」

姉勇者「ばあや……」
713 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 22:15:26.67 ID:FuYu2Lzbo

老婆「しかしこれ以上、ばあやが動きますとお父上様に気づかれましょう」

老婆「なのでしばらくは長期休暇をとらせていただきます」

姉勇者「……」

姉勇者「ちょっと感動した自分が馬鹿に思えるわ……」

老婆「ほっほっほ。それでは私めは側近様方の様子を見てまいります」
714 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 22:17:55.45 ID:FuYu2Lzbo

姉勇者「……ええ、そうして頂戴」

老婆「おぉっと、お嬢様」

姉勇者「はい?」

老婆「魔王様との件、側近様方には伏せておきますから」

姉勇者「あぁ……」

老婆「よいですなぁ、甘酸っぱくて」

老婆「お付き合いなさればよいのに」
715 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 22:20:14.11 ID:FuYu2Lzbo

姉勇者「そう簡単に付き合えたら、もう付き合えているわよ」

老婆「まだあの方のことを引きずっていらして?」

姉勇者「……」

老婆「ほっほっほ。若い若い」

姉勇者「そう、簡単に吹っ切れるものじゃないわ……」

老婆「お嬢様がそう思っている限り、いつまでたってもそうでございましょうなぁ」
716 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 22:21:54.04 ID:FuYu2Lzbo

姉勇者「……」

老婆「あれに関してはお嬢様にはなんの落ち度もございませんよ」

姉勇者「情報を集めずに、与えられたものだけで満足した結果です」

姉勇者「私とて落ち度があった」

姉勇者「いえ、私がもっとちゃんとしていれば……彼も…………も」

姉勇者「…………っ……」ビクンッ

老婆「お嬢様……」
717 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 22:22:24.11 ID:FuYu2Lzbo

姉勇者「き、気にしないで。いつものことだから」

姉勇者「ばあやは側近様のところに戻りなさい」

老婆「……了解しました」

老婆「しかしお嬢様」

老婆「自分が許さない限りは、その痛みは永遠に続きましょう」

姉勇者「……」

老婆「それだけは覚えてくだされ。失礼します」ペコリ
718 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 22:22:54.80 ID:FuYu2Lzbo

姉勇者「…………」

姉勇者「それは、あなたも同じなのかしら」

姉勇者「……経験者は語る、か……」

姉勇者「……」

姉勇者「私は……、誰かと付き合う権利なんてあるのかしら」

姉勇者「やだ。悲劇のヒロインっぽいセリフね」

姉勇者「……似合わないわ」
719 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/21(土) 22:23:21.11 ID:FuYu2Lzbo
ここまで読んでいただきありがとうございます。
次回の投下は3日後の午後9時頃になります。
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/21(土) 22:29:09.88 ID:SIrr+xej0

姉さん悲劇のヒロインっぽいセリフ似合いすぎてます
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/21(土) 23:24:48.17 ID:79NzRwLIO

絵は…
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/01/22(日) 00:19:26.15 ID:4Bdr7/T1o
おつおつ
絵もまた見たいね
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 12:06:36.78 ID:iC6P8Tgyo
やべえ面白すぐる
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 22:19:35.29 ID:8HO+MiWIO
姉勇者を孕ませたい
725 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:04:39.68 ID:3yviVrGSo

――

3日後 樹海・早朝


魔王「……」ゲッソリ

側近「……」ゲッソリ

姉勇者「あら、お痩せになりました?」

魔王「……」

魔王「……ここまできついとは……」ゲッソリ
726 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:08:57.76 ID:3yviVrGSo

姉勇者「それだけカードに依存していたということですよ」

側近「違う。依存させられてたんだ……」

老婆「まぁまぁ、とにかくこれで全員カードをお壊しになられたのですな」

魔王「辛い日々だった……」

側近「まことに……。どうして姉と妹だけそんなに元気なんだ……」

妹ゆーしゃ「1レベルだったからー」

姉勇者「右に同じく。こればかりは仕方ないですよ」

側近「納得できん……」
727 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:13:59.61 ID:3yviVrGSo

姉勇者「兎にも角にもこれで難民生活はおしまいです」

側近「ん?……ならこれからどうするんだ」

姉勇者「街にいきます」

側近「ま、ま、街! 人間が住むあの街か!?」

姉勇者「はい、そうですよ」

魔王「しかしそれは……無理あるのでは?」

魔王「曲りなりにも俺と側近は魔物なんですよ」

魔王「すぐにばれてしまうのではないでしょうか?」

姉勇者「大丈夫です」
728 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:16:32.92 ID:3yviVrGSo

姉勇者「魔王様は人間によく似ていらっしゃいますし、側近様も……」

姉勇者「……」

姉勇者「……両者とも服装をかえれば、なんとか」

側近「なんだその不愉快な間は!」

姉勇者「時代遅れのガングロ女子高生。角や尻尾はプラスコスプレイヤー設定でなんとか」

側近「がんぐろ? こすぷれいあ?」
729 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:19:15.69 ID:3yviVrGSo

姉勇者「ああ、気にしないでいいですから。魔王様、側近様、こちらの服にお着替えください」サッ

魔王「……スーツ姿ですか」

姉勇者「はい。社会人らしく」

側近「私のも似たデザインだな……」

姉勇者「女子高生をイメージして」

魔王「とにかく着替えてきますね」スタスタ

側近「人間の真似をするとはなんとも腹立たしいが……」シブシブ
730 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:21:25.50 ID:3yviVrGSo

――

側近「きき、き、きがえてきたぞ」

姉勇者「あら、よくお似合いで」

妹ゆーしゃ「そっきんにあってるー!」

側近「う、うるさいな! この服はだめだ、動きづらい!!」

側近「鋼の鎧はないのか! 鋼は!!」

姉勇者「ありませんよ、ふふ。実にかわいらしいですよ」

側近「うるさい!」

姉勇者「ところで……、側近様。もしかしなくてもノーブラですか?」

側近「ノーブラ?」
731 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:24:45.61 ID:3yviVrGSo

姉勇者「ブラジャーつけていないんですか?」

側近「なんだそれは?」

姉勇者「……」

姉勇者「今度買って差し上げますね」

側近「……?」

魔王「……」

妹ゆーしゃ「おにいちゃんもにあってるー。サラリーマンみたい!」

魔王(複雑……)

732 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:26:24.03 ID:3yviVrGSo

側近「やはりこれでは防御力が……」ブツブツ

魔王「ところでこの紐みたいなのはなんですか?」スッ

姉勇者「ネクタイですよ」

魔王「ネクタイ? これがですか?」

姉勇者「はい」

老婆「魔界にはネクタイが存在しないのですなあ」

魔王「戦いには不要のものですから」
733 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:26:54.98 ID:3yviVrGSo

妹ゆーしゃ「おねえちゃんつけてあげて!」

姉勇者「えっ、わ、私が?」

妹ゆーしゃ「ネクタイのむすびかたみんなしらない!」

姉勇者「ばあやは知っていますよ」

老婆「身長の差がありすぎて年寄りにはちと辛いですなぁ」

姉勇者「……」チラ

魔王「俺は……つけていただけるなら、是非」

姉勇者「……。はぁ……わかりました。動かないでくださいね」

魔王「は、はい」ドキドキ
734 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:27:16.79 ID:3yviVrGSo

姉勇者「……」シュル…

魔王「……」ドキドキ

姉勇者「……」サッ、サッ

魔王(近い、近い……)

姉勇者「……」

姉勇者「…………はい、できましたよ」
735 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:27:43.18 ID:3yviVrGSo

魔王「……ありがとうございます」

老婆「実に新婚ほやほやのカップルのような場面でしたなあ」

姉勇者「んなっ!」

老婆「……「あら、あなた。ネクタイし忘れているわよ」「お、うっかりしてた」「んっもう、私がいないと駄目なんだから(ハート)」のような……ほっほっほ、青春ですなあ」

姉勇者「その減らぬ口縫い付けてあげましょうか?」ゴゴゴゴ

側近「人間は頭が多少いいくせにこういうところが抜けているんだ。だから馬鹿だと何度も」ブツブツ……
736 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:28:15.87 ID:3yviVrGSo

魔王(新婚……新婚カップル……新婚……初夜……)

魔王(あなたって呼び方いいなぁ。されたいな、お姉さんにされたい。すごくされたい)

魔王(……あなた、ご飯よー。とか……)

魔王(ウワアアアアアアアアアアア!!!)

側近「機能性をだな。こんな薄い布まとっていたって、戦いには勝てないと」ブツブツ

姉勇者「あぁ、もう、なんだかいつの間にか2名ほど別次元にいますし……」
737 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:28:37.28 ID:3yviVrGSo

――


姉勇者「いいですか。今からとある街に潜伏します」

姉勇者「人をあまり刺激しないよう、関わらないよう、私についてきてください」

魔王「わかりました」

側近「……わかった」ムス

姉勇者「ホテルのチェックイン何時でしたっけ?」

老婆「13時でございます」

姉勇者「……結構ありますね。これからどうしましょうか」
738 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:29:03.29 ID:3yviVrGSo

側近「街にいって下見をする」

姉勇者「……うーん」

魔王「ここに留まる」

姉勇者「……」

妹ゆーしゃ「どこにいくのー?」

姉勇者「都心」

妹ゆーしゃ「ゆうえんちいきたい!」

側近「ゆうえんち?」

739 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:29:30.24 ID:3yviVrGSo

妹ゆーしゃ「じぇっとこーすたあがあってね! ごーってなっておもしろいの!」

魔王「……。確か、恋人がよくいくところ、ですよね」

姉勇者「えぇ、まぁ……」

姉勇者「…………」

姉勇者「………………」

姉勇者「そう、ねぇ……。遊園地。そんなところに普通いるとはおもわないか……」

魔王「……お姉さん。まさかとは思いますが、本気で行こうと?」

姉勇者「……。いきましょうか。遊園地」

妹ゆーしゃ「やったあ!!」
740 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:29:56.43 ID:3yviVrGSo

老婆「……なんつーか、そんなノリで逃亡生活なんて成功するんでしょうかねえ」

魔王「同感です。老婆殿」

側近「ジェットコースター……。新しい武器……?」

妹ゆーしゃ「そうときまったらいこう! いますぐいこう!!」キャッキャッ

魔王(大丈夫かこれ……)

741 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:30:22.53 ID:3yviVrGSo

――

人間界・遊園地


ザワザワザワザワザワ……

側近「……」

魔王「……」

側近「何が楽しくて……こんなに人がいるんだ……」

魔王「まったくだ」

妹ゆーしゃ「じぇっとこーすたあ!!」キャッキャッ

姉勇者「もう。そんなに、はしゃがないの」
742 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:30:49.16 ID:3yviVrGSo

側近「こんなに人がいたら軍隊のひとつやふたつ作れそうですね」

魔王「人間は数が多いからな」

側近「……うらやましい」

魔王「……」

魔王「こればかりは仕方ないことだ」

妹ゆーしゃ「おにいちゃーん! そっきーん! はやくはやく!!」キャッキャッ
743 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:31:18.60 ID:3yviVrGSo

妹ゆーしゃ「じぇっとこーすたあ!」

側近「な、なんだこれは……!」

魔王「みたことがない……。これはソリか?」

側近「すご、すごい速さでビュンって! そ、ソリにしては速過ぎます!!」

魔王「バランス感覚を強化する訓練じゃないのか……」

側近「な、なるほど……。Gがかかる状態を味わうための……」

魔王「それもあんな大量に人を乗せて……」

側近「人が考えることは恐ろしい……」

姉勇者(魔物って独自な思考を持ってるんだなあ……)
744 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:34:09.71 ID:3yviVrGSo

――

ゴオオオオオオ!!

妹ゆーしゃ「きゃあぁー!!」

魔王「……! …………!!」パクパク

側近「おろして!! こわい! こわい! こわいー!!」

妹ゆーしゃ「あはははは!! ごー!!」
745 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:37:58.59 ID:3yviVrGSo

ゴオオオオオオオ!!

妹ゆーしゃ「まわったああぁああ!!」

魔王「……あぁつ!! か、神様! ……ごめんなさい神様!!」

側近「ひぃいいー!! たすけて!! たすけてー!!」

魔王「神様ー!!」

姉勇者(魔物でも怖いんだなあ……)

746 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:40:50.01 ID:3yviVrGSo

――


妹ゆーしゃ「たのしかったー!」

魔王「……」グッタリ

側近「……ハァ……ハァ……」

魔王「悪魔だ……。悪魔の装置だ……」ブルブル

側近「ま……魔王様……」

魔王「俺達が……人間に勝てる日などこないのかもしれん……」

側近「……」

魔王「俺達はえらい相手に喧嘩を売っていたのかもしれない」

姉勇者(ジェットコースターで魔物に敗北感を味わわせるとは……)

747 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:41:17.62 ID:3yviVrGSo

妹ゆーしゃ「つぎね、ごーかーとのりたい!」

側近「ご、ゴオカアド? なんだその禍々しい響きのものは!」

魔王「まだ何かあるのか……」ビクビク

姉勇者(面白いから黙っておこう……)
748 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:45:26.29 ID:3yviVrGSo

――

ブーン……

側近「ななな、なんだこれ! これはなんだ!」

魔王「く、車だ」

側近「くる、ま? …………」

魔王「人が乗るもの」

側近「乗っていますな……」

魔王「の、ミニサイズ」

側近「子供が乗っていますな」

妹ゆーしゃ「おにいちゃーん!」ブーン

側近「妹が乗っていますな」

魔王「うむ……」
749 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:45:53.17 ID:3yviVrGSo

魔王「……」

魔王「側近よ」

側近「な、なんですか」

魔王「俺は……遊園地というものは、リア充がいくところだと思っていた」

側近「リア……?」

魔王「だが、違うようだ」

側近「……とおっしゃいますと」

魔王「ここは……、養成所だ」

側近「!!」
750 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:46:20.16 ID:3yviVrGSo

魔王「遊びと称して、人間はここで訓練をしているんだ」

側近「そ、そんな……。こ、こんな大勢の人間が!?」

魔王「そうにしかみえん」

魔王「先ほど俺達の間を通った変なかぶりものをしたねずみは魔物をモチーフにしたものだろう」

側近「あの恐ろしい、服をきたねずみですか……」

魔王「あれは、ああやって恐怖心を煽ることで、恐怖心に慣れる訓練なのだろう」

側近「……」

側近「こんなこと私達、思いもつかなかった……」
751 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:47:54.38 ID:3yviVrGSo

魔王「ああ……」

側近「私、人間のこと舐めていました」

側近「しかしこれを見た後は……」

側近「我々の敵として不足が考えられないほど……優れた種族だと」

魔王「まったくだ」

姉勇者「……ぷっ……」

魔王「……? お姉さんどうしましたか?」

姉勇者「い、いえ、なんでも……ふふ……っ……」
752 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:48:20.59 ID:3yviVrGSo

――

妹ゆーしゃ「おもしろかったー!」

姉勇者「よかったわね」

魔王「……」

側近「……」

妹ゆーしゃ「あれ? おにいちゃんどうしたの?」

魔王「……なんでもない」

妹ゆーしゃ「? あ、たのしかったねそっきん!」

側近「……!?」
753 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:49:12.31 ID:3yviVrGSo

側近「あんな禍々しい訓練を楽しい……!」

側近「人の子は恐ろしい……」

妹ゆーしゃ「?」

姉勇者「ちょっと疲れているのよ、そっとしてあげて」

妹ゆーしゃ「……? わかったー」
754 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:49:38.77 ID:3yviVrGSo

老婆「ほっほっほ。お嬢様方、ストレス発散できましたか?」スッ

妹ゆーしゃ「できたよー!」

姉勇者「まぁ、それなりに」

魔王「あれで……恐ろしい……」ブルブル

老婆「……?」
755 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:50:04.87 ID:3yviVrGSo

姉勇者「ああ、ばあや。気にしないでいいの。ホテルまで案内してくれる?」

老婆「かしこまりました。それでは案内させていただきます」

魔王「俺達は井の中の蛙にしか過ぎなかったのか……」ゴーン

側近「まったくです……」

老婆「このおふたり方はどうなさったのですか?」

姉勇者「……お願い、気にしないであげて」

老婆「はぁ……?」
756 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/24(火) 21:53:06.59 ID:3yviVrGSo

ここまで読んでいただきありがとうございます。

久々ですが、絵をみたいといってくださった方がいらっしゃったので側近をかいてみました。
http://nullpo.vip2ch.com/ga9321.jpg
よく考えたら姉勇者の絵をちゃんとかいたことがありませんでしたね……。いずれかけたらかいてみます。

また、多分この話パート3ぐらいまでいってしまうほど長くなってしまうと思うのですが
姉勇者(と妹ゆーしゃ)の過去話をいれようか迷っています。
いれてもいれなくても流れは変わらないので、いれたほうがいいという方が多ければ書こうとおもっています。
もしよろしければご意見のほうお願いします。

次回の投下は3日後の午後9時頃になります。
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/24(火) 21:56:56.83 ID:I5aJ/MKo0
乙〜
奥に居るのは姉さん…?
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/24(火) 21:57:46.40 ID:+mkvYuSfo
( ゚д゚)
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/24(火) 21:58:30.37 ID:evYdguhTo
乙〜
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/24(火) 21:59:22.65 ID:QrYxTMzco
おつ

やっぱうまいな
側近って胸おっきい設定だったっけ?
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/01/24(火) 22:11:13.28 ID:5QORdXJJo
入れれるなら入れてくれ
あと絵も!
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/01/24(火) 22:39:43.21 ID:3Hp4NIIL0
老婆の若いころの絵オナシャス
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/24(火) 23:13:35.78 ID:blF8oCODO
こいつ可愛い顔してるけど
夜になったらすごいんだぞ
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/24(火) 23:24:35.35 ID:EjtkTwYDO
なんだっけ忍空だっけ特訓出来る遊園地って
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/25(水) 00:37:10.80 ID:B+9u+uFIO
側近かわええ
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/25(水) 01:48:10.95 ID:0DKl4fMWo
……ふう。
全く魔王の奴め、これだから処女厨は。
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/01/25(水) 02:05:14.16 ID:ReUm39w0o
>>756

絵も実に素晴らしい
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/25(水) 18:47:18.25 ID:1/iPzJYAO
側近やっぱかわいいな……これで忠実従順とか、非処女で有ること引いてもお釣りの方が莫大じゃないか
魔王贅沢過ぎだろ……

そして魔物組in遊園地の反応が可愛すぎてヤバいww
魔王が神様に助けを求めるなよww
しかしアレだ、いくらなんでも魔物側と人間側で文明に差が有りすぎだろ……
魔物が強くてもガチで争ったら現代科学と魔法の良いとこ取りしてる人間に勝てない気がしてきた
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/25(水) 18:49:40.57 ID:z4lhenqIO
過去話よろ!
770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/25(水) 19:29:13.31 ID:1B8nFMWOo
たとえ処女だろうが非処女だろうが最初の立ち振る舞いがねえ
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/25(水) 21:01:54.24 ID:a1Hg2TxIO
側近のおっぱいが成長している気がする
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/01/25(水) 22:13:59.15 ID:XBsZdMBr0
実はまだ側近は第2次成長期ですかそうですか
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/01/25(水) 23:21:38.57 ID:ReUm39w0o
女の人はHすると女性ホルモンが分泌されて胸が大きくなるらしい
都市伝説かも知れんけど
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/01/26(木) 02:56:10.83 ID:1RpaXdT4o
>>773
都市伝説または成長期のみ
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/26(木) 07:40:19.83 ID:YWOs0pNIO
都市伝説かどうかは試してみろよ
成長を目前で見れば真実が分かるぞ
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/01/26(木) 08:46:50.16 ID:1RpaXdT4o
>>775
じゃ個人差だな
ソースは俺
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/26(木) 16:43:26.28 ID:SA3WPrsIO
責められたい
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/27(金) 22:29:37.28 ID:I4wbBo60o
おっぱいの大きさは、遺伝+幼少時に感じるストレス
ストレスが小さいまたはおおらかな性格、だと大きくなる
ソース?ぐぐれ
779 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:08:39.74 ID:n0mxEetbo

――

夜・ホテル 部屋


魔王「……」

側近「……広い」

魔王「広いな」

老婆「あらまぁ、なんて庶民的な感想を」

魔王「俺の部屋でもこんなに広くはありません……」
780 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:12:12.44 ID:n0mxEetbo

姉勇者「まぁ、一応一番高い部屋借りましたから」

妹ゆーしゃ「ひろいー! ひろいー!」

老婆「ここを入れて3部屋借りられたようで」

魔王「み、み、みっつも!?」

側近「こいつ金持ちなのか……」

姉勇者「さぁ? ところで部屋割りどうしましょうか」

781 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:12:41.54 ID:n0mxEetbo

姉勇者「一応、私と妹ちゃん。側近様。魔王様で3部屋借りたのですけれど」

魔王「……老婆殿は?」

老婆「わたくしめは今日で実家に帰らせてもらいますから」

魔王「はぁ……」
782 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:13:34.59 ID:n0mxEetbo

姉勇者「この部屋割りで問題がないようでしたら、これでカードをお配りしようとおもうんですが」

側近「か、カード!? またか!」

姉勇者「あ、いえ、そっちじゃなくて……。このホテルはカードが鍵代わりなんです」

側近「へ、へぇー……」

姉勇者「それで、どうでしょうか?」

側近「私はそれでいいぞ」

魔王「俺もです」

妹ゆーしゃ「……」
783 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:14:00.83 ID:n0mxEetbo

妹ゆーしゃ「わたし、やだ!」

姉勇者「えっ?」

妹ゆーしゃ「そっきんといっしょのへやがいい!」

姉勇者「――!」ガーン

姉勇者「そそそ、それ、そ、そそ、それって、わ、わたしとではだ、だmdfrtgyふじこl!」

老婆「あぁ、哀れなお嬢様。とうとうお嬢様に嫌われる存在に」ホロリ
784 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:14:27.05 ID:n0mxEetbo

妹ゆーしゃ「わたし、いまはんこうきです!!」

魔王「そんなはっきり反抗期だという反抗期はないとおもうんだが」

妹ゆーしゃ「はんこうきなので、そっきんといっしょのへやがいい!!」

姉勇者「そ、そんな……ぁ……」

妹ゆーしゃ「そっきんも、いいよね!」

側近「私はかまわんが……、お前、本当にいいのか?」

妹ゆーしゃ「はんこうきなので、おねえちゃんをひとりにさせる!」ニヤリ

側近「……!」ピコーン

785 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:15:10.52 ID:n0mxEetbo

側近「あぁ、……あぁ! そういうことか! いいぞ、こい!」

妹ゆーしゃ「いく!」

姉勇者「……」シクシク

魔王「お姉さん……大丈夫ですよ。反抗期じゃないとは思います。すぐ妹さんの気も変わりますって」

姉勇者「そ、そうですかね……」チラ

魔王(あぁ、泣いているお姉さんもかわいいなぁ……。肩とか触ってもいいのかなぁ……)ハァハァ

姉勇者「……そう、ですかね……」
786 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:15:36.48 ID:n0mxEetbo

姉勇者「多少……、気がかりなところはありますが、わかりました」

姉勇者「それぞれの部屋のカードお分けしますね」サッ

側近「ん? 3枚もか?」

姉勇者「えぇ、何が起きるかわかりませんから。それぞれの部屋のカードもお分けします」

姉勇者「でも普段はそれを使って違う部屋には入ってはいけませんよ。あくまで緊急時のときだけお使いください」サッ

魔王「はい、わかりました」

姉勇者「……たとえば夜這いするとか、そういう目的では使わないでくださいね」

魔王「わ、わ、わわ、わかっています……」

側近「そうだ。私は堂々といく」

姉勇者「……それもそれでどうかと思いますが」
787 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:16:08.81 ID:n0mxEetbo

姉勇者「あとお風呂も貸しきってきました」

姉勇者「ここのお風呂すごくて。海型のお風呂があるんですよ」

側近「へー、変な風呂だな」

姉勇者「2時間程度しか借りられませんでしたから、入るのでしたら早めに入ったほうが」

側近「混浴か?」

姉勇者「えぇ、家族風呂ですから」

側近「ふぅん……」
788 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:16:40.56 ID:n0mxEetbo

側近「魔王様はどうします?」

魔王「俺は……」

魔王「……、いい。部屋についている風呂だけで充分だ」

側近「そうですか……」

老婆「それならば女同士。ここらで裸の付き合いをするというのはいかがでしょう」

姉勇者「あら、素敵じゃない」

妹ゆーしゃ「いいねー」

側近「そうだな……。うん、たまにはそういうのも」

姉勇者「側近様がおっしゃるとエロい方面の事にしか思えませんねぇ」

側近「お前の想像力の問題だ!」
789 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:17:01.73 ID:n0mxEetbo

側近「……ということで、私達は風呂にいってきます」

魔王「ああ」

老婆「それでしたら、わたくしめもそろそろ」

姉勇者「お疲れ様。ありがとう」

老婆「いえいえ、それではお嬢様も。おやすみなさいませ」

妹ゆーしゃ「おやすみー」
790 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:17:35.67 ID:n0mxEetbo

――

風呂


側近「本当に海だ……」

妹ゆーしゃ「でもしろいねー」

姉勇者「温泉ですから」

側近「人間は変なものをつくるんだな……」

姉勇者「快楽欲求を満たす為なら人間はいつまでもいろんなものを作り出しますよ」

側近「変わった種族だ……」

姉勇者「私達からみてみれば、魔物のほうが変わった種族ですよ」
791 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:18:02.27 ID:n0mxEetbo

側近「……うん。いい湯加減だ」

姉勇者「それはよかったですね」

妹ゆーしゃ「およげるー! およげるー!」バシャバシャ

姉勇者「こら、暴れないの」

妹ゆーしゃ「はんこうきだからいうこときかないー!」

姉勇者「……」

姉勇者「ダイレクトショック……」

側近「どんなショックだ、それ」
792 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:18:38.60 ID:n0mxEetbo

姉勇者「ふぅ……。でも、本当いいお湯。気持ちいいわ」

側近「セックスのほうが気持ちいいぞ」

姉勇者「……ああそうですねそれはすみませんでした」

側近「なんだその投げやり感溢れるセリフは」

姉勇者「実際投げやりですもの」

側近「ぐぬぬ……」
793 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:19:05.96 ID:n0mxEetbo

妹ゆーしゃ「きゃ、きゃ……!」パシャパシャ

姉勇者「……」

側近「……」

姉勇者「……スタイル、いいですね」

側近「なんだ藪から棒に」

姉勇者「せっかく裸なんですから、感想を言っておこうと思いまして」

側近「そういうお前こそ胸でかいじゃないか。何食べたらそんな乳袋になるんだ。ん?」

姉勇者「適当に何でも食ってたら大きくなりました」

794 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:25:09.85 ID:n0mxEetbo

側近「そうか……」ムッ

姉勇者「側近様もあるじゃないですか」

側近「……」

側近「魔王様は大きいほうが好きみたいだから」

姉勇者「………………」

側近「だまるなよ」

姉勇者「ごめんなさい」

側近「…………なぁ、少し、少しだけでいいから。真面目な話をしないか?」
795 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:27:54.24 ID:n0mxEetbo

姉勇者「真面目、……。わかりました」

側近「ありがとう」

側近「……その様子なら、魔王様の気持ちは知っているんだろう?」

姉勇者「ええ」

側近「どうするんだ」

姉勇者「…………」

側近「……あ、あのな。私が、いったんだ」

姉勇者「え?」

側近「付き合わないのか、って」

姉勇者「あ、なたが?」
796 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:33:15.55 ID:n0mxEetbo

側近「ああ。うん……私が言った。それからは妹とかが……って感じだけど」

側近「多分きっかけをつくったのは、私なんだ」

姉勇者「どう、して……。あなたは魔王様が好きなんじゃないの?」

側近「それは、そうだが……。ま、まあ、それはいいじゃないか」

姉勇者「…………」

姉勇者「わたしには、無理よ」

側近「……!」

姉勇者「無理よ、魔王様とは、付き合えない」

側近「それは、どうして」
797 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:33:41.90 ID:n0mxEetbo

側近「嫌いなのか?」

姉勇者「そうじゃないわ」

側近「ならどうして!」バシャ…!

姉勇者「……妹ちゃんから聞いたかしら、私のこと」

側近「……えっと、恋愛恐怖症とか、そのことか」

姉勇者「ええ、私、怖いの」

側近「好きになってもらうことが?」

姉勇者「逆。好きになるのが、怖い」

側近「……」
798 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:34:07.99 ID:n0mxEetbo

姉勇者「色々、昔あってね。……好きになるのが、誰かを傷つけてしまいそうで」

側近「お前、そういえば、すきすき言われて軽くあしらわれた、といったな。そいつで、か?」

姉勇者「…………」

側近「私は……、悪くないと思う」

姉勇者「何が、ですか」

側近「お前だ。そんな軽がるしく好き好き言う奴にろくな奴はいない」

姉勇者「……」

側近「私がいうんだから間違いない。私とて好きな相手には好きとはいわんぞ」

姉勇者「なによ……、彼の何を知ってるって言うの!!」

側近「……」

799 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:34:36.76 ID:n0mxEetbo

姉勇者「彼は、悪くないわよ。悪いのは私なの! 私が、私が……だったから……」

姉勇者「知ったような口きかないでよ!!」

側近「それは……悪かった。でも、でもな。仮にそいつが悪くなかったとしても、お前も悪くない」

姉勇者「何を……」

側近「私は、お前のことならよく知っている。だから言ってやろう。お前は悪くない」

姉勇者「……」

側近「魔王様のことだってこんなに真剣に考えている奴が、悪いはずない」

側近「姉、魔王様のこと好きになってもいいんだぞ」

姉勇者「……なら……あなたはどうなるのよ」

側近「っ……」ビク
800 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:35:39.18 ID:n0mxEetbo

姉勇者「私と、彼が付き合ったら……あなたの気持ちはどうなるのよ」

姉勇者「側近様。私はあなたを――」

側近「……同情なんてするな!!」

姉勇者「――っ!」

側近「同情なんて……しないでくれ……」

姉勇者「…………」
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(秋田県) [sage]:2012/01/28(土) 21:40:36.00 ID:Co24eQ+Ro
支援
802 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:40:55.43 ID:n0mxEetbo

側近「お前にだけは……同情されたくない」

側近「私だって、私だって辛いんだ!!」

姉勇者「……」

側近「好きな人が、違う女に目向いてて……いい気分なわけないでしょう!?」

側近「好きなのに……、大好きなのに、愛してるのに!」

側近「私だけを……みてほしいのに……」
803 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:41:35.21 ID:n0mxEetbo

側近「……ねぇ。駄目なのかな……」

側近「恋愛って……一度きりしかしちゃ、いけないのかな……」

姉勇者「そ、っきんさ……」

側近「私は1様のことが好きだった! でもそれ以上に魔王様のことが、好きになってしまった」

側近「たしかに、不純な、きっかけよ。自分だってそう思う」

側近「きっかけが不純だったら恋なんてしちゃいけないの……」
804 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:42:26.01 ID:n0mxEetbo

姉勇者「それは……」

側近「必死に訓練に打ち込む、彼の後姿が好きだった……」

側近「時より私に微笑んでくれる、顔が好きだった……」

側近「……好きに、なってしまったの」

姉勇者「……」

側近「だから、努力した。セックスしたいようなら、いくらでも股開いた」

側近「どんなことだってした……でも……私じゃ……駄目だった」

側近「処女膜なんて、ものに……負けて……」

姉勇者「…………」

805 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:43:16.50 ID:n0mxEetbo

側近「……もう一度いう。私はお前に負けたんだ」

側近「だから……お前にだけは同情されたくない……」

側近「それならビッチだと罵ってくれ。そのほうが、何倍もマシだ」

姉勇者「側近さん……」

側近「……私は、もういいんだ」

側近「私は、私だけ見ていてくれなんてもう思っていない」

側近「私も……見ていてくれたら、それで」

姉勇者「……っ」

806 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:43:43.00 ID:n0mxEetbo

側近「姉。私は……お前が魔王様のこと、嫌いなら付き合えなんていえない」

側近「だけどな私に遠慮したり、そんな過去に縛られて付き合わないなんて許さない」

側近「そんなものは甘えだ」

側近「過去に生きているわけじゃないんだぞ。お前は、今、ここに生きているんだ」

側近「それは、好きになることで傷つくことも、不幸になる奴もいるだろう」

側近「仕方がないことなんだ」
807 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:44:58.32 ID:n0mxEetbo

姉勇者「……」

側近「私は許せるよ」

側近「ただ不幸になる奴がいるからって、自分の気持ちに背くことをしようとするなら、それは許せない」

姉勇者「……」

側近「……魔王様も同じことを言うだろう」

側近「私のことは気にするな。……もし、過去のことを気にしているなら、それを魔王様に打ち明けたらどうだ」

側近「お前のことを、それでも好きになってくれるなら……考えればいい。少なくてもここでぐだぐだしているより数倍マシだぞ」

姉勇者「…………」
808 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:45:32.21 ID:n0mxEetbo

姉勇者「……」

姉勇者「…………わか、……りました。後から、話してみます」

側近「今から、な」

姉勇者「え?」

側近「いってこい。今すぐ。さっさと解決させろ」

姉勇者「……」

姉勇者「……はい」
809 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:45:55.61 ID:n0mxEetbo

姉勇者「あの……側近様……私……」

側近「謝るなよ。これ以上私を惨めにさせないでくれ」

姉勇者「……。ええ」

姉勇者「ありがとう」

側近「ああ、それでいい」
810 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:46:58.95 ID:n0mxEetbo

ガチャ……

側近「……はぁ……。いったか」

妹ゆーしゃ「……」ブクブク

側近「あれ、妹。お前どこにいってたんだ」

妹ゆーしゃ「もぐってた」

側近「どうして」

妹ゆーしゃ「おとなのかいわに、こどもははいっちゃだめだから」

側近「……変なところで大人だな、お前」

妹ゆーしゃ「えへへ……」
811 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:47:31.65 ID:n0mxEetbo

――

ホテル・魔王の部屋


トントン

魔王「ん……? はい」

ガチャ

姉勇者「夜分遅くに申し訳ございません」

魔王「お姉さん……」

姉勇者「今、時間大丈夫ですか?」

魔王「あ、はい。どうぞ」

姉勇者「できれば、外でお話ししたいんですが……」

魔王「……分かりました。外、いきましょうか」
812 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:47:59.67 ID:n0mxEetbo

――

ホテル 屋上


魔王「屋上にプールがあるんですか……リッチですね」

姉勇者「ええ、そうですね」

魔王「しかし、俺達しかいないみたいなんですが……まさかここも貸しきってるんですか?」

姉勇者「……まぁ」

魔王「…………」

姉勇者「私の家、金持ちなんです」

魔王「そうじゃなきゃ、こんなところ貸しきれませんよ」

姉勇者「ふふ、その通りですね……」

813 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:49:41.73 ID:n0mxEetbo

姉勇者「……魔王様」

魔王「はい」

姉勇者「私のこと、好きですか?」

魔王「はい」

姉勇者「…………」

魔王「……」

姉勇者「私が……子供産めなかったとしても?」

魔王「……」

魔王「…………」

魔王「………………え?」
814 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/28(土) 21:52:25.33 ID:n0mxEetbo

ここまで読んでいただきありがとうございます。

らくがきですが、3ヒロインかいてみました。
http://nullpo.vip2ch.com/ga9435.jpg

胸のサイズは姉勇者・大 側近・中 妹ゆーしゃ・小 なんですけど
最近巨乳ばかり描いていたら側近の胸もでかくなってしまいました。ごめんなさい。

次回の投下は 2日後 の午後9時くらいからです。
815 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/28(土) 21:54:11.08 ID:PxXlVkyE0
乙!続き楽しみにしてる!
816 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/28(土) 21:55:20.77 ID:w5E56+y/o
おい、ゆーしゃ
乙です
817 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/28(土) 21:59:59.19 ID:v468sL0x0
乙〜
潜ってるいもうとゆうしゃがクラーケンに見えたwwww
818 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/01/28(土) 22:17:36.73 ID:UKP3U+Tao
妹w
毎回保存させてもらってます
819 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/28(土) 22:53:54.13 ID:UTXYso9Io
おつおつよ

中サイズの側近見たいなあ (チラッチラッ
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/30(月) 08:17:01.15 ID:4W2BSk4IO
>>814
最近書いている巨乳ばかり達はどこに投稿しているのかね?
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/30(月) 11:20:26.43 ID:3VmA7l9IO


最後の一言でいきなり俺の心をぶち壊された…orz
生まれつきでどうしようも無いこともあるさ…
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/30(月) 18:52:51.12 ID:b3tsasZAO
ハーレム作れば万事解決じゃね?
もう全員嫁にしちゃえよ
823 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:04:24.04 ID:eDIA33x4o

姉勇者「……」

魔王「……」

魔王「……子供が……不妊症、なんですか」

姉勇者「染色体異常です」

姉勇者「妊娠に影響を及ぼす。……だけといえば、だけの」

魔王「……」

姉勇者「……私達家系は、貴方様の敵。勇者の家系なんです」

魔王「え?」

姉勇者「私達はロトの末裔。魔王や魔物を殺すためだけに、生まれた勇者候補」

魔王「ちょ、ちょ、ま。で、でも、Fランクだったでしょう!?」
824 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:12:54.33 ID:eDIA33x4o

魔王「え、あ、あの……それって……」

姉勇者「……」

姉勇者「魔王様。私、婚約者がいたんです」

魔王「……え? あ、はい」

姉勇者「あれは、10歳か……。そのくらいの歳だったでしょうか」

姉勇者「彼は、私の従兄弟で……。その前から交流はあったんですけれど」

姉勇者「剣の腕は一流で、どこかの大会にも優勝したことがあるといっていました」

姉勇者「それに優しくて。私、彼のことだんだん好きになってしまったんです」
825 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:14:26.29 ID:eDIA33x4o
>>823>>824の間のものです。飛ばしてましたすいません)

姉勇者「それは……、後ほど説明します」

魔王「……」

魔王「ほ、本当に勇者なんですか?」

姉勇者「ええ。でも……祖父も父も、そして私も、勇者の血筋でありながら勇者にはなれなかった」

姉勇者「血が薄れてしまったんでしょうね。勇者と神に認められず、魔王も倒せず。勇者だと知る者も、とうの昔にいなくなったそうです」

姉勇者「そこで従兄弟同士、兄妹同士。ひたすらに血を濃くしようと身体を合わせ続けた」

姉勇者「そうしていく内に生まれたのが私と、妹です」

魔王「妹……?」

姉勇者「ああ、妹ちゃんの事じゃありませんよ。あの子は、私の妹の子供です」

魔王「――!」
826 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:23:56.23 ID:eDIA33x4o

魔王「……」

姉勇者「妹もそれを喜んでくれて……」

姉勇者「あ、妹は生まれつき病弱で、寝たきりの毎日を過ごしていたんですけれど」

姉勇者「……父はそんな妹が嫌いで、表向きは妹いないことになっていて……。母も少し妹とは距離があったような気がします」

姉勇者「でも、私とはとても仲がよくて……。よく訓練を抜け出しては妹の部屋に行っていました」

魔王「…………」
827 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:24:33.69 ID:eDIA33x4o

姉勇者「毎日、毎日、妹のところに行って、今日のこと話して、彼のことを話して……」

姉勇者「うんうんと笑顔で聞いてくれる妹が好きで、大好きで……」

姉勇者「…………」

魔王「妹さんは……、今は?」

姉勇者「死にました」

魔王「え、あ……」
828 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:24:55.97 ID:eDIA33x4o

姉勇者「私が16歳の夏。あの子は妹ちゃんを産み、死にました」

魔王「じゅ……16?」

姉勇者「……」コクリ…

姉勇者「一か八かだったんでしょうね。1つ、また1つ歳を重ねる毎に、妹は衰弱していきましたから」

姉勇者「子供を産めるとしたら、あのタイミングでしかなかったんでしょう」

魔王「…………」
829 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:25:44.28 ID:eDIA33x4o

姉勇者「……とても、悲しかった」

姉勇者「いつの間にか彼女は妊娠してて、出産して、死んで。妹ちゃんが生まれて」

姉勇者「妹を失った寂しさから、私は妹ちゃんを可愛がるようになりました」

姉勇者「同時に、彼のことも今まで以上に……」
830 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:26:16.47 ID:eDIA33x4o

姉勇者「だから、同じ大学に行こうとおもったんです」

姉勇者「彼は剣術が得意だから、私は魔術をがんばろうとおもって。魔術を専門に勉強する科に入り、彼の傍にいることを望みました」

姉勇者「寮がある大学だったから不安で。魔術も好きではなかったですし」

魔王「でも、やってみたら面白くて」

姉勇者「……。とある魔法使いとも仲良くなって。その人、学年トップの成績の人で、魔術の腕ピカイチだったんですよ」

姉勇者「その人に色々教えられて、どんどん私もいろんな魔法を覚えたり、作り出すこともできるようになって、はじめの1年はとても充実した日々でした」

姉勇者「でも、2年目から私の周りは変わり始めました」
831 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:26:51.91 ID:eDIA33x4o

姉勇者「優しかった彼がよそよそしくなって、知らない女性と抱き合ったり、キスしたり」

姉勇者「男性は浮気する生き物だと魔法使いに教えてもらったりして、気にしないようにはしたんですけれど」

姉勇者「よくよく考えたら彼。今まで私を一度も……抱きしめてくれなかったんですよ」

832 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:27:46.24 ID:eDIA33x4o

姉勇者「好きだといってくれたけど、キスもしてくれなかった」

姉勇者「怖くなって、抱いてほしいともいったんですけど、やんわりと拒絶されて……」

魔王「酷い……」

姉勇者「それで焦って。もしかすると不釣合いだから、私のこと認めて貰えてないじゃないかって」

姉勇者「そのときから人一倍、勉強に力をいれました。認めて貰いたくて」

姉勇者「そして気づいたら学年トップになってました」
833 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:28:12.50 ID:eDIA33x4o

姉勇者「魔法使いも、教えた甲斐があったと喜んでくれましたが……やはり彼は私のこと何も……」

姉勇者「また1年がすぎ、丁度21になった日。彼が、部屋に女性を連れ込んで……。……事をみてしまいました」

魔王「……そんな」

姉勇者「浮気するものだとわかってはいたんですが、それでも、もう我慢できなくなって彼に詰め寄ったんです」

姉勇者「私の婚約者なのに、どうして女の人ばかり抱くのかって」

魔王「……、どんな回答が?」

834 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:28:38.76 ID:eDIA33x4o

姉勇者「…………」

姉勇者「……」

魔王「……」

姉勇者「……」

姉勇者「表向き妹はいないことにされていたと、先ほど話しましたよね」

魔王「……はい」

姉勇者「そして私は……、子供が産めない」

姉勇者「……彼が言うまでそのこと知らなかったんですけどね」

魔王「……! まさか……」
835 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:29:05.09 ID:eDIA33x4o

姉勇者「表向きは私の婚約者として。裏では妹の夫として、妹を孕ませました」

魔王「…………」

姉勇者「それは私の父からの命令で。彼も渋々引き受けたそうです」

姉勇者「同時に私には絶対手を出すなと言われていたらしく、だから好きというだけで行動は起こさなかったといわれました」

魔王「でも、ほかの女に手を出すのは……」
836 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:29:39.54 ID:eDIA33x4o

姉勇者「ストレス、だったんですよ。私が好きだというたびに、罪悪感に蝕まれて」

姉勇者「辛くてたまらなくて、それで……」

魔王「だからって、酷いじゃないですか! お姉さんは何も――」

姉勇者「でも! 私が……彼のことを好きになっていく所為で、彼が苦しんだのは事実です!!」

魔王「――……」

姉勇者「……ごめんなさい、話を続けます」
837 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:30:07.28 ID:eDIA33x4o

姉勇者「だから、私から……別れを告げました」

姉勇者「彼を、もう苦しめたくなかったんです」

姉勇者「父の了解もなしにそのようなことをするのは非常識だとは思いましたが、あの時はそれしか思いつかなかった……」

魔王「……相手は?」

姉勇者「今度、このことを父に話そうといって概ね了解しました」

魔王「……」
838 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:34:25.87 ID:eDIA33x4o

姉勇者「それからは、ひたすらに魔術に打ち込みました」

姉勇者「論文もたくさん書いて、魔術のコードを発見して、それで魔術自体を無効化させる薬とか、魔術とか、いろんなものを作り出していました」

姉勇者「友人とも疎遠になり、魔法使いとも……」

魔王「…………」

姉勇者「あれは春休みの出来事でした」

姉勇者「魔法使いに呼ばれて、屋上にいったんです」

魔王「……?」

839 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:39:30.99 ID:eDIA33x4o

姉勇者「彼女は1人、フェンスの向こう側にいました」

魔王「!?」

姉勇者「私もびっくりしましたよ。昨日まで元気そうにしていた彼女が、自殺しようとしてたんですから」

魔王「な、なんで、ですか……」

姉勇者「彼女、天才だったんです」

魔王「え……」

姉勇者「私が、くるまでは」

魔王「……」
840 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:42:06.65 ID:eDIA33x4o

姉勇者「自分の力を頼ってきてくれた人、友人、教授、名声。将来」

姉勇者「魔法のマの字しらない、どっかのお嬢様かぶれがいきなり現れて」

姉勇者「適当に教えたらみるみる上達して、考えられないようなものだって発明して」

姉勇者「だんだん、その女に自分の居場所を奪われて。誰も自分なんて見てくれなくなって……」

姉勇者「自分が天才じゃなくただの凡人だと気づいたそうです」

魔王「それはただの妬みでしょう……」

姉勇者「…………」
841 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:44:39.58 ID:eDIA33x4o

魔王「それで、自殺したんですか」

姉勇者「はい」

魔王「治せなかったんですか。ザオリクで」

姉勇者「……」

姉勇者「…………、魔術無効化の薬打ってたんです」

魔王「……!」

842 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:48:28.08 ID:eDIA33x4o

魔王「えと、お姉さんが、開発した……」

姉勇者「はい。だから蘇生魔法は……」

魔王「……あ」

魔王「……」

魔王「で、でも、まってください。だからって、それはお姉さんが気を病むようなものではなくて……!」

姉勇者「……お優しいんですね」

魔王「……」
843 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:52:09.38 ID:eDIA33x4o

姉勇者「私が作り出さなかったらあの人は死なずに済んだ」

姉勇者「私が、彼を好きならなかったら……彼も、魔法使いも苦しまなくて済んだ」

姉勇者「……私が子供を産めたら、妹は……無理して……あんなこと……しなくてもよかった……」ブルブル

姉勇者「結果的に私は大好きな2人を殺し。……そして、何よりも愛していた彼も、傷つけてしまいました」

姉勇者「……魔王様」

魔王「……はい」

姉勇者「それでも貴方は、私を好きだといってくれるんですか」

魔王「……」
844 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:55:21.04 ID:eDIA33x4o

魔王「……」

姉勇者「……」

魔王(……わかる)

魔王(俺には、わかる……)

魔王(何を言ったとしてもお姉さんは、彼女達を殺したと思い続ける)
845 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:55:50.23 ID:eDIA33x4o

魔王(そして、けして自分を許さない)

魔王(あの時の……俺だ)

魔王(誰にも裁いてもらえない。誰にも救ってもらえない)

魔王(悪くないといわれ、涙も出せず耐えることしかできない。罰を受けるだけの……)

魔王(なら、お姉さんは……)

魔王(俺と同じように…………)
846 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:56:17.10 ID:eDIA33x4o

魔王「……」

魔王「お姉さん」

姉勇者「……はい」

魔王「俺は、貴女を許せません」

姉勇者「……」

魔王「貴女がそういうのであれば、貴女は確かに罪を犯したのでしょう」

姉勇者「……はい」

魔王「殺してやろうか」

姉勇者「……」
847 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:56:47.63 ID:eDIA33x4o

魔王「……」グッ

姉勇者「……ぅ……」ビクッ

魔王「怖いですか。死ぬのが」

姉勇者「……こわ……いです……」

魔王「でしょうね。俺も怖い」

魔王「でもそれでしか救われないんでしょう」

姉勇者「…………はい」

魔王「俺もですよ」

魔王「お姉さんが、あんなこと裏でやるから」

姉勇者「……」

魔王「だから」
848 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:57:15.56 ID:eDIA33x4o

魔王「俺は、今生きてるんです」

姉勇者「……?」

魔王「貴女があの時いなかったら、俺は殺されていたでしょう」

魔王「俺にとっては、貴女は命の恩人です」

姉勇者「……そんなこと」

魔王「だから、お姉さん。貴女が殺してほしいようなら、俺が貴女を殺します」

姉勇者「……」

魔王「お姉さん。貴女は俺に殺されたいですか?」

姉勇者「……」
849 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:57:42.04 ID:eDIA33x4o

姉勇者「…………」

姉勇者「……」

姉勇者「……。殺して、くれるんですか?」

魔王「はい」

姉勇者「ほんとうに?」

魔王「約束します」

姉勇者「…………」

姉勇者「…………殺してください」

姉勇者「魔王様、私を、殺してください」

魔王「……分かりました」パッ

850 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:58:08.69 ID:eDIA33x4o

姉勇者「っ、……ちょ、なんで……手を……」

魔王「お姉さん。貴女の命は俺が貰いました」

魔王「だから俺の奥さんになってください」


姉勇者「は……?」
 
851 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:58:39.60 ID:eDIA33x4o

魔王「俺は、俺の気分次第で貴女の命を貰うことができるんですよね?」

姉勇者「は、はい」

魔王「もしここで貴女を殺したら、今後の人生はなかったことになるんですよね」

姉勇者「そう、ですね」

魔王「結婚してください」

姉勇者「……」

姉勇者「……、言いたいことはわかりますけれど……その」

852 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:59:15.84 ID:eDIA33x4o

魔王「してください! お願いします!!」ドサッ!

姉勇者「ちょ、え、ど、土下座はしなくても!」

魔王「愛してます! 絶対に幸せにするので俺の結婚してください!!」

姉勇者「ま、まって……。ね? ちょ、ちょっと、こ、心の準備が……」

魔王「お願いします!!」

姉勇者「…………」オロオロ
853 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 21:59:42.12 ID:eDIA33x4o

姉勇者「とにかく立ってください」

魔王「はい」

姉勇者「……」

魔王「答えは、YESかNOで」

姉勇者「…………」

姉勇者「……」

姉勇者「本当に、私とでいいんですか?」

魔王「はい」

姉勇者「…………わかりました」
854 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 22:00:09.00 ID:eDIA33x4o

姉勇者「不束者ですが、よろしくお願いいたします」ペコリ

魔王「…………」

魔王「……え、それって……OKってことですか?」

姉勇者「……はい」

魔王「ほ、ほほ、本当に俺の嫁になってくれるんですか!?」ガシィ!!

姉勇者「は、はい……」

魔王「……」

魔王「う、うおおおおおおおおおおおぉぉぉおおおおお!!!」
855 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/30(月) 22:02:06.01 ID:eDIA33x4o
ここまで読んでいただきありがとうございます。

前々回、質問に答えてくださった方ありがとうございます。
多分完結した後おまけとして姉勇者の過去話は書くとおもいます。

また、ここ以外の絵をあげているところですが、個人的に書いておりあげてはいません。

次回の投下は2日後の午後9時からです。多分エロありです。
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/01/30(月) 22:03:23.78 ID:XxmB+FETo
えんだぁあああああああ
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/30(月) 22:03:31.13 ID:iSSh+DCFo
エンダァァァァァァァァァァァァ!!!!

乙です
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/30(月) 22:13:56.99 ID:5pxNeVnv0
イヤアアアアアアアアアアアアアアアア!!
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/30(月) 22:23:24.85 ID:cZ6WCYPD0

姉さんのエロシーンキター!
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/30(月) 22:32:52.77 ID:XVUnq5AKo
おつおつやで

破瓜の痛みに涙目で頑張って耐えようとするも耐え切れない姉(;´Д`)ハァハァ
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/30(月) 23:20:12.94 ID:3WKOFu3IO
おつおつ
エロシーンwktk
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/01/31(火) 01:50:06.39 ID:+SmHEftfo
いや、これってセックスもできないパターンだろ
せめて後ろで…とかの方が萌える
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/31(火) 01:53:28.12 ID:okpMkyI/o
普通に結ばれればいいと思ふ
種族の垣根を超えるって素敵だと思うの
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/01/31(火) 02:04:05.14 ID:+SmHEftfo
性器未性分化なんかね?
半陰陽かクラインフェルター?
染色体異常ならISか

不妊なのわかってるほどなら
性器の関係でセックスできない場合が多いな
865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/31(火) 02:11:26.07 ID:okpMkyI/o
>>864
世界観、というか姉勇者の家系の問題なら、性器がどうこうとかじゃなくある程度成熟した時点で精密検査なりしてんじゃね?
血を濃くするっつーことは劣性遺伝の影響が出やすくなる訳だし

つーか姉勇者が抱いてと頼んでる時点でセックスそのものは可能だと思うんだが
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 07:13:58.66 ID:KIUVeR6IO
挿入だけがセクスではない
例え姉勇者に生えてても愛を確かめることはできるさ
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/31(火) 09:32:22.15 ID:U5L7wmI/o
妊娠というか受精は可能だけど、XX側遺伝子の塩基配列異常で癌化が確実で、
子宮内壁に着床しようとしても、因子不適合で拒絶反応、
着床できずに流産(単細胞レベルだから体液に紛れて判らない)なんじゃね?
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 09:40:14.87 ID:LUT5vR3IO
そもそも見た目変じゃないと染色体検査なんぞせん
不妊治療にきて初めて発覚するパターンも多いのに
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/31(火) 10:01:23.36 ID:okpMkyI/o
>>868
だから>>865でも言ったが近親者の掛け合わせを続けてるんだから、見た目関係無く検査くらいするだろ
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/31(火) 10:04:19.61 ID:HXhA5NUfo
家系的に元々そういう形質があるなら魔術で検査してるんじゃね
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/01/31(火) 10:18:18.72 ID:PNR5wAMw0
>>868
創作と現実を同一に考えるのは、リアリティが有る無しとは全く別の話だぞ
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) :2012/01/31(火) 11:15:03.12 ID:bMKfgHGAO
お前ら不妊症に詳しすぎワロタ
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/01/31(火) 11:16:59.54 ID:KVHZ1bvAO
奇跡も魔法もあるんだよ(魔王レベル)
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 11:20:49.94 ID:LUT5vR3IO
レスした後に前例があれば>>869の言う通り検査するなと思った
なんかすまんね 黙るわ
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/01/31(火) 11:34:30.91 ID:ee+umzem0
あれ、ここって産婦人科スレか何かだっけ……?
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/31(火) 11:54:54.95 ID:escofRhfo
あなた方が博識なのはよくわかったからそろそろ黙れウザイ
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/31(火) 12:52:34.55 ID:f2OcNlqdo
側近に産んでもらえばいいじゃないか
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 18:12:38.89 ID:AjmI1qWIO
−−−−博覧会はココで終わり−−−−
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/01/31(火) 18:30:45.66 ID:26dC64W/o
処女厨って女性に対して清純さを求めるくせに自分は穴があれば入れちゃうんだな
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/31(火) 18:44:17.76 ID:fz69C3XOo
非処女ビッチが現れた
881 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/01/31(火) 19:03:58.55 ID:cX7bxA/Qo

染色体異常のことですが、ほぼ>>867さんのおっしゃっているとおりで
セックス、受精はできますが、胎児の生命は維持できず流産してしまいます。

また作中でも書きましたが、血の濃い家系で劣性遺伝の発現率は非常に高く
過去にも姉勇者のような女性は多かったので、外見で問題がなかったとしても精密検査は行っています。


そこまでの流れは


父「おまいら結婚汁www子供うめやwww」

姉勇者「わかりました」

男「がんばります」キラキラ

姉勇者「(アカン、この人優しくてかっこいい……)男さん大好き!!」

男「そうかよかったねぼくもだいすきだよ(棒読み」

姉勇者「うれしい///」キュン!

父「妹はあんな病弱なのに姉のほうはあんなに元気ってのもなんかフラグ立ってそうwww一応検査しとくかーwww」


検査の結果、姉勇者子供ができないと判明。

父「子供できないwwwやべえwwwこれ祖父に怒られるフラグだはwwwww」

姉勇者「結果、どうなんですか?」

父「え」

父(ふぇぇ……本当のこと言ったら傷つけちゃうかなあ……f(^_^;) アセアセ…)

父「大丈夫だよ♪」

姉勇者「よかった♪」


父「ということで姉のほうは子供ができないらしい」

男「まじすか」

父「妹のほうは大丈夫っぽいからお前そっちに種付けしてこいやwww姉には内緒だよ♪」

男「まぁ、がんばります」


男「さあ頑張ろう」

妹「誰だお前」

ニャンニャンv

妹「子供できました」

姉勇者「いつの間に!?」

妹「げふぇっ!! 持病g、ぐ、ぐあああああああああ!」オギャー

姉勇者「ク、クロコダイーン!!!!」


という感じです。

説明不足で混乱させてしまい申し訳ございませんでした。
不妊症については言うほど詳しくはないので、おかしいところがあると思いますが多少目をつぶっていただけると助かります。
明日の投下は変わらず午後九時頃からの投下となります。
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/31(火) 19:15:46.92 ID:fz69C3XOo
わらた

まあ劣性遺伝子だからといって必ずしも悪い形質ばかりが発現するわけでもないし
そこらへんは物語のためのあれやこれやだね
883 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/01/31(火) 19:22:36.12 ID:26dC64W/o
非処女をビッチ言うのなら魔王は屑だな
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 19:32:21.14 ID:e0g28jmDO
まぁ魔王も姉に好意を寄せるなら自分も一途であるべきだわな
作中に人間と魔族で論理感とか色々違いがあるってなってるから一概にはいえんが
885 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/01/31(火) 20:45:53.36 ID:WrnZMKc/o
劣勢遺伝子ってのはただ発現しにくいって意味だからな
886 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/01/31(火) 22:49:01.34 ID:SyM9nC+AO
結局親父が悪いって事でいいよな?
この世界にはロクでもない親父しか居ないなwwwwwwww
887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 23:29:18.32 ID:PoRGlytIO
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン       バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄

  バン    はよ
バン(∩`・д・) バン  はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
 ̄ ̄\/___/

      ; '     ;
       \,,(' ⌒`;;)
       (;; (´・:;⌒)/
     (;. (´⌒` ,;) ) ’
(  ´・ω((´:,(’ ,; ;'),`
( ⊃ ⊃ / ̄ ̄ ̄/__
    \/___/
          /\
     . ∵ ./  ./|
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   (ノ゚Д゚)ノ   |/
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ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ     ポチポチポチポチポチポチ
ポチ(∩`・ω・) ポチポチポチポチポチ
 _/_ミつ/ ̄/_
      /_/
888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/02/01(水) 01:39:50.27 ID:xUKFOIB60
クロコダイーン!じゃねえよwwww重い話なのにクソワラタwwwwww
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/01(水) 01:41:40.51 ID:PLZKCpWSo
クロコダインwwwwww
890 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [sage]:2012/02/01(水) 09:58:36.47 ID:g/YS3C4K0
日和の悪魔大王かと思ったwww
891 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/01(水) 11:43:12.55 ID:PqrifgsIO
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
   /:::|  ___|       ∧∧    ∧∧
  /::::_|___|_    ( 。_。).  ( 。_。)
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  ||::|   <ヽ/>.- |  |:と),__」   |:と),__」
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\  \__(久)__/_\::::::|    |:::::::|
.||.i\        、__ノフ \|    |:::::::|
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.|| ゙ヽ i    ハ i ハ i ハ i ハ |  し'_つ
.||   ゙|i〜^~^〜^~^〜^~^〜
892 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/01(水) 12:21:37.52 ID:WqXvJYr6o
このAA面白いと思って貼ってるのかな
893 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/01(水) 13:40:29.83 ID:zOLn5dlIO
この板に慣れてないんだろ。
VIPそのままの感性で待てができないと思われ。
894 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/01(水) 15:21:08.26 ID:Fox1FFKIO
同感
895 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/02/01(水) 18:08:57.16 ID:44piWJpMo
はよ
896 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:06:33.10 ID:M4GMXS1ro

魔王「エンダアアアアアアアアアア!!!!」

姉勇者「ちょ、ま、魔王様! そ、そんな大きな声を出したら……」

魔王「はっ! そ、そうですね……」

魔王「すみません。なんかテンションあがっちゃって」

姉勇者「そうですか……」

姉勇者「……」

姉勇者「そ、それで……」

魔王「はい?」
897 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:07:01.25 ID:M4GMXS1ro

姉勇者「これからどうするんですか?」

魔王「へ?」

姉勇者「い、いえ。あの、別にそういうことじゃなくて……。あの本当に、どうするべきなのか……」

魔王「……」

魔王「……!」

魔王「ぃ、……い、いいんですか!?」
898 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:07:29.48 ID:M4GMXS1ro

姉勇者「あ、いえ。あの、そういうことではなくて……! いえ、その、私男女の関係には、う、疎くて……。この後はどうすればいいのか……」

姉勇者「勿論魔王様が、な、なさりたいのなら……構いませんけれど」モジモジ

魔王「な、なさりましょう!!」

姉勇者「な、なさるんですか……?」

魔王「いいんですよね?」

姉勇者「は、はい」

魔王「ならしましょう! ハァハァ……」ガシッ!

姉勇者「え!? ちょ、こ、ここでですか!?」

魔王「駄目ですか?」
899 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:07:56.53 ID:M4GMXS1ro

姉勇者「だ、だって、ここ、そ、外ですよ!」

魔王「いけませんか?」

姉勇者「……」

姉勇者「魔物と人間の論理感は違うことはよくわかります。で、で、でも、私は初めてが外だなんて……かっ、考えただけで…………」

姉勇者「せめて2回目以降にしてくださいませんか……?」

魔王「……。分かりました。お姉さんがそう言うのであれば」
900 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:08:25.32 ID:M4GMXS1ro

魔王「では、中で?」

姉勇者「え。膣内(なか)?」

魔王「え?」

姉勇者「あ、いえ。ごめんなさい。勘違いしました。ま、魔王様のお部屋で……」

魔王「? わかりました。いきましょう」

姉勇者「イ、イ……あ、いえ。そ、そうですね……」ポッ///

901 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:08:52.94 ID:M4GMXS1ro

――

魔王の部屋


バタン

姉勇者「……」ドキドキドキドキドキド

魔王「お、お姉さん!!」ガバアッ!!

姉勇者「きゃあっ!?」バタンッ!

魔王「あーっ! お姉さん!! お姉さんの髪の毛すごくいい、いいにおンハッ……ハァ……ハァ……」クンカクンカ

姉勇者「ままままま、まお、ま、ままま、ままって! まってください!」グググッ!

魔王「な、なんですか!?」

姉勇者「べ、ベッドの上でお願いします!」

魔王「え」
902 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:09:23.21 ID:M4GMXS1ro

姉勇者「お、お願いします! こ、こんなところじゃ……」モジモジ

魔王「は、はぁ。わかりました。ベッドの上ならいいんですね」

姉勇者「はい……」

スタスタ……

ボスッ……

姉勇者「……」ドキドキ

ギシッ

魔王「こ、これでいいですか?」

姉勇者「……は、はい……。あ、あの、私、はじめてですから……お、お優しく……」

魔王「承知しています!」ドキドキ

姉勇者「は、はい……」ドキドキ
903 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:09:50.98 ID:M4GMXS1ro

魔王「じゃ、か……あ、いや。その、脱がしてもいいですか?」

姉勇者「え、あ……は、はい……」モジッ…

スル…

姉勇者(ぬ、ぬがさ、脱がされてる……ぬがされてるぬがされ…………は、恥ずかし……)ドキドキ

魔王「あ、あの、腕あげてくれますか?」

姉勇者「は、はい」バンザーイ

モゾ…

魔王「……!」

魔王(ブラジャー……してる……だと……!)

904 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:10:21.33 ID:M4GMXS1ro

姉勇者(下着見られてる……うぅ……)プルプル

魔王(は、はずし方わからない……)

姉勇者(そんな見ないでぇ……あ、でも……この後は直にみられ……っ……)

姉勇者(…………な、なら、下着見られてたほうが……)プルプル…

魔王(こ、この紐ひっぱるのか?)ソッ…

姉勇者「ひっ! え、ま、魔王様。なぜ、肩を?」
905 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:10:50.03 ID:M4GMXS1ro

魔王「あ……えっと……」

姉勇者「……」

姉勇者「も、もしかして、はずしかたわかりません?」

魔王「……」

魔王「はい……」

姉勇者(そ、うよね……。側近さん、つけてなかったし……)

姉勇者「後ろのホックをはずすだけなんですが……」

姉勇者「ぬ、脱ぎましょうか?」

魔王「あ、いえ! 脱がしますから……!」
906 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:11:19.60 ID:M4GMXS1ro

魔王(あ、こ、これか……。よ……っと……)

魔王「こ、こういう仕組みなんですね……」

姉勇者「は、はい。あとは……脱ぐだけで……」

魔王「あ、じゃ……脱がしますね」

姉勇者「……はい」ドキ…

シュル…

魔王「……」ジー

姉勇者「……ぅ……」
907 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:11:49.60 ID:M4GMXS1ro

魔王「……」ジー

姉勇者「そっ、そんなに……み、みつめないで……」モジッ

魔王「あ、腕で隠さなくても」

姉勇者「やだ……恥ずかしい……」

魔王「綺麗ですよ」

姉勇者「そっ、そういう感想が一番はずかし……」

フニ

姉勇者「きゃあっ!」
908 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:12:16.18 ID:M4GMXS1ro

魔王「や、柔らかいですね……」モミモミ

姉勇者「あ、あ……ま、魔王様……さ、さわら……」

魔王「こんな大きいの、触らないでおくなんて無理ですよ」サスサス

姉勇者「い、……やぁ……」プルプル

909 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:12:42.66 ID:M4GMXS1ro

魔王「ハァ……ハァ……す、吸ってもいいですか……」

姉勇者「すっ!? え……、そ、そんな初めてで……」

魔王「じゃ、首元でもいいんで……」

姉勇者「そ、そっちのほうが難易度高いんですが」

魔王「舐められるのはきらいですか?」

姉勇者「そういう……! ……ううん……もう、好きにして……」モジモジ…

魔王「っ、は、はい!」

910 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:13:09.37 ID:M4GMXS1ro

ジュルッ

姉勇者「んっ……!」

魔王「……ハァッ……ハッ……」チュ…ジュルルッ……

姉勇者「い、……そ、そんな、ちく……あ、はぁ……」ビクッ…

姉勇者(魔王様に私の胸なめられて……)カァ…///

姉勇者「……ぅ……っ…………っ……!」ギュ…
911 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:18:08.19 ID:M4GMXS1ro

魔王「……ん、お、お姉さん。ハァ……ハァ……右の胸もハァ……手で、か、可愛がりますからね」キュッ!

姉勇者「っ……!」

魔王「……ジュル……チュ……チュルッ……」クリクリッ

姉勇者「っ〜……!」フルフルッ…
912 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:22:40.44 ID:M4GMXS1ro

魔王「ヂュルル……ッ……チュパッ……! ハァ……ハァ……お、お姉さん」クリクリ

姉勇者「……ん……」

魔王(どうして手で口元押さえてるんだろう……)

魔王(声がでないように?)

魔王(……)

魔王(かわいいなぁ……)

魔王「そろそろ下のほうも……」クリッ

姉勇者「え、……ひぅっ!」
913 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:26:12.92 ID:M4GMXS1ro

魔王「胸ばかりというのも……」ス……

姉勇者「あ……、は、はい……」

魔王「脱がしていいですか?」

姉勇者「え、ええ……」

ガサガサ……

姉勇者「……」

姉勇者(はずかしくて死にそう……)ドキドキドキドキ
914 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:30:10.06 ID:M4GMXS1ro

魔王「ぱ、パンツも、ぬ、脱がして……?」

姉勇者「……!」

姉勇者「あああ、あの、あああのま、まままおうしゃま!!」

魔王「!? は、はい?」

姉勇者「あ……えっと、し、失礼なことだと思いますが……」

姉勇者「ま、魔王様は……お脱ぎに、ならないのです……か?」

魔王「……」

姉勇者「だ、男性の方も(多分)準備というものが……あると……」モジモジ

魔王「……」
915 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:35:19.24 ID:M4GMXS1ro

魔王「……わ、わかりました。そ、そうでしたね。じゃ、俺も脱ぎます」

姉勇者「は、はい……」

ガサガサ……

姉勇者「……」ジー

魔王「……う」

魔王(こう、見られているというのは……なかなか恥ずかしいというか興奮するというか……)

姉勇者(筋肉すげえ……)ゴクリ
916 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:39:30.71 ID:M4GMXS1ro

モゾモ…

魔王「……」

姉勇者「……」ジー

魔王(こ、この状態で……下も脱ぐのか……)

魔王(当たり前なこととはいえ、こんなガン見されているなかで……)

魔王(い、いやっ……。待て待て……)

魔王(ここで見せてしまったほうがお姉さんも安心するだろうし……)

魔王(よし、ここは思い切って)

ブルンッ

姉勇者「!?」

917 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:45:11.76 ID:M4GMXS1ro

魔王「……」

姉勇者「え……え……あ……」

姉勇者(う、嘘……こ、こんなお、おおき……!?)

魔王「あ、あの、お、おねえさ……」ギンギン

姉勇者「あ……あ……う……」

姉勇者「ま、まって……で、でかすぎ……じゃないですか……?」

魔王「え?」
918 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:45:37.66 ID:M4GMXS1ro

魔王「……」

魔王「いつもはもう少しでかいですよ?」

姉勇者「!?」ビクッ

姉勇者「まま、ま、まだ大きくなるんですか!」

魔王「は、はい」

姉勇者「そんな……そんなでかいの挿れられたら……死ぬ……」

魔王「い、挿れられ……」ムクッ

姉勇者「!? お、大きくしないで!」

魔王「そ、そんな無茶な……」

919 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:46:09.07 ID:M4GMXS1ro

姉勇者「で、では、逆に小さくはできないんですか?」

魔王「……萎えれば小さくなりますけど」

姉勇者「なら萎えてください!」

魔王「む、無茶ですよ!」

姉勇者「う……うぅ……、な、なら……そのでかいの……本当に……?」

魔王「は、はい。そのためにも……お姉さんのそこ、ちゃんと濡らさないと」

姉勇者「あ……」
920 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:46:33.88 ID:M4GMXS1ro

スル…

魔王「ハァハァ……、ぬ、脱がしますよ」ムクッ…

姉勇者(また大きくなった……。はやく濡らして挿れないと大変なことに……)ゾワ…

姉勇者「は、はい」

スルル……

魔王(お、お姉さんのパンツ……。ハァハァ……。あ、だ、だめだ。今は中身のほうが大切だ!)ムク…

姉勇者「うぅ……」プルプル

姉勇者(で、でもみせるのは、は、はずかし……)プルプル

921 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:47:00.67 ID:M4GMXS1ro

魔王「お、お姉さん。あ、足、開いてくれないと」

姉勇者「で、でも……」

魔王「大丈夫です。痛くしませんから」

姉勇者「……」

魔王「ね?」

姉勇者「は、はい……」プルプル///

グッ…

姉勇者「っ…………」ブルブル
922 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:47:27.64 ID:M4GMXS1ro

魔王「……これがお姉さんの……」

姉勇者「……ま、まおうさま! あ、愛撫なさるのなら、は、はやく……! 私、恥ずかしくて、……死んでしまいそ……」ギュ……

魔王「わかりました。じ、じゃあ、あの、舐めさせて……」

姉勇者「え……」

チュ……

姉勇者「っ……い、やっ! ま、魔王様、き、きたないですぅ!」ブルッ

魔王「汚くなんてジュルル……ハァ……ハァ……ない、ですよ」ヌチャヌチャ
923 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:47:53.89 ID:M4GMXS1ro

魔王「ジュルッチュプッ! チュッジュルルルッ!」

姉勇者「あ……ぁあっ!」ブルルッ

姉勇者(だ、だめ。大きい声あげちゃ……は、はしたな……)ギュッ…

魔王「チュプッチュ! ヂュルルッ! チュパッ……」

姉勇者「――! ……っ……! ……」ブルブル

924 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:48:20.49 ID:M4GMXS1ro

魔王(だいぶ濡れて来たような……)ヌプ……

姉勇者「ひっ……く…………」ビクッ

魔王(指もはいるし、感じやすいのかな)ハァハァ

魔王「ハァ……ハァ……」ヌプッヌポッ…!

姉勇者「い、ぅ……! ……!」ギュ……

魔王「お、お姉さん。そ、そろそろ……」

姉勇者「ハァ…………ハァ……。は、はい……」チラ

魔王「……ハァハァハァハァ」ギンギン

姉勇者(さっきより……大きくなってる……)

925 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:48:47.47 ID:M4GMXS1ro

魔王「……」ピト

姉勇者「っ!」ビクッ

魔王「……い、いれますよ?」クッ

姉勇者「は、はい」ヌルッ…

魔王「で、では」ドキドキ

姉勇者「ひ、一思いにやっちゃってください……」ドキドキ
926 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:49:13.62 ID:M4GMXS1ro

魔王「は、はい!!」

グッ!!

姉勇者「っ〜! っあっ、い、いだああああぁぁあぁ!!!!」

魔王「!?」

姉勇者「い、っ、あ、い、あ、いい、いた、いたっあ!!」

魔王「だ、だだ、大丈夫ですか!」

姉勇者「ひっ、く、む、むりでかすぎ、ぃああっ……! い、いたくて、じ、しぬ……じぬ……」ポロポロ…

魔王「そ、そんな。……え、えっと。あ! こういうときこそ回復魔法……!」

魔王「ベホマ!」ピロロン!

ブチチッ!!
927 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:49:39.67 ID:M4GMXS1ro

姉勇者「ん、ううっー! あああぁぁぁっー!!」ジタバタッ

姉勇者「ま、まおう……さ、ま! ……い、今、しょ、……回復しても……すぐ切れるでしょう!!」

魔王「あ……」

魔王「そ、そういえば……そう、ですね」

魔王「す、すみません……」

姉勇者「ばかあ! うぅ……いたいよ……いたいよぉ……ぐすっ……」プルプル……

魔王「じゃああの、ここでやめておきます?」

姉勇者「だ、めです……!」
928 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:50:06.64 ID:M4GMXS1ro

姉勇者「そんなのっ……、女の恥です……」

姉勇者「いたいのは我慢しますから……どうか、最後まで……」

魔王「……」

魔王「わかりました」

グチ……

姉勇者「いぎぃ! い……い……」ポロポロ…

魔王「……」
929 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:50:33.13 ID:M4GMXS1ro

魔王(で、でも痛がってるお姉さんをみながらなんて……)

魔王(そんなの……そんなの……)

魔王(……)

魔王(……!)ピコーン!

ゴソゴソ

魔王「お、お姉さんこれを!」

姉勇者「な……んですか……薬……?」
930 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:51:01.28 ID:M4GMXS1ro

魔王「媚薬です。即効で効くタイプですから、これを飲めば楽になるとおもいます」

姉勇者「……」

姉勇者「なぜ……魔王様、そんなもの……を?」

魔王「え……あ……」

魔王「……」

姉勇者(側近さんとの……に決まってるわよね……)

姉勇者「いえ……、魔王様、それ、もらえますか……? ごめんな、さい……正直辛くて……」

魔王「は、はい。水なしでも大丈夫ですから。どうぞ」
931 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:51:27.82 ID:M4GMXS1ro

パク

姉勇者「……」

魔王「……ど、どうですか」グッ

姉勇者「いっ! まだうごかないで……」

魔王「あ、すみません」

姉勇者「……」

姉勇者(ちょっと身体があつくなってきたような……)
932 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:51:54.18 ID:M4GMXS1ro

姉勇者「……ハァ……はぁ……はぁ……」ピクピクッ……

姉勇者(あたまがぼうっとする……なに、これ……おかしく……)

魔王「効いてきました?」

姉勇者「ん、……は、い……。多分」ピクンッ

魔王「で、では続きを」

ズッ!

姉勇者「ひ、あああぁぁっ!!」ブルブルッ!

姉勇者(な、にこれ。さ、さっきとぜんぜんちがっ……!)
933 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:52:20.82 ID:M4GMXS1ro

魔王「ハァ……! おね、おねえさ……」

ヌプッ!ズッ!ヌポッ!

姉勇者「ん……ん……っ……!」ギュッ……!

魔王「口、あけてください」ソッ

姉勇者「ん、やあっ! あ、ら、らめれす」クチャ…

魔王(舌ぴくぴく動いててかわいい……)
934 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:52:47.88 ID:M4GMXS1ro

魔王「お、おねえさ……ハァ……」

ズプッ!ヌチャッ!ズッ!

姉勇者「い、あぁ! ひゃあっ、あ……う……あぁっ!」ピクンッ!

姉勇者「らだあっ……らだっ……! んあっ! も、もうつからいで!」

姉勇者「お、かひくな……おかひ……あ、あああっ……」ビクビクッ

魔王「っ! お、お姉さん。しめすぎ……っ」ブルッ!
935 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:53:15.31 ID:M4GMXS1ro

姉勇者「そ、んなの、よ、くわから……あぅ!……ひぅ!」

魔王「お姉さん……」ジッ

姉勇者「――! ら、だあっ……か、かおみないで……っ!」

魔王(かわいい……)

魔王「お、お姉さん!」

ズンッ!

姉勇者「んぅ!?」ビクッ!!
936 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:58:00.08 ID:M4GMXS1ro

魔王「お姉さんっ! おねえさんっ!!」チュッ

姉勇者「ん、んーっ!! んふっ!」チュルッヌチャッ……

魔王「はぁっ、お姉さん。愛しています……愛してっ」ヌポッ!ヌプッ!!

姉勇者「ん……はぁ! わたひ……私……も、ッ……あい……んひっ! い、いくっ……!」ビクビクッ

魔王「――っ、お、お姉さん!!」

ビュルルルルルッッ!!

姉勇者「ん、ひ、あああぁぁぁっー!!!!」ビクンッ!!

937 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:58:34.49 ID:M4GMXS1ro

ドクッ……ドク……

姉勇者「ハァ、ん……まだ、でて……」

魔王「ハァ……ハァ……。お、お姉さん……」ヌチャッ…

姉勇者「ひゃん!ま、魔王様!! 今うごかないで……!」

魔王「もっとしましょう。もっと」ヌプッ……ヌプ

姉勇者「んんっ、だ、だめ……だめです……そんなにしたら」ビクッ!
938 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 21:59:14.92 ID:M4GMXS1ro

魔王「どうしてですか?」ズプッ……ヌポッ…

姉勇者「ん……ん、だ、だって……、わ、私、本当におかしく……」ブルッ

魔王「なら、おかしくなってください。それでも俺、構いませんから」ズッ……ヌプッ!

姉勇者「! ああっっ! ま、魔王様!」

魔王「媚薬が切れるまで6時間以上ありますから。ゆっくり楽しみましょう」

姉勇者「そ、そんな……ひぅっ……! や、やあぁぁっ――!!」ビクビクッ!!
939 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/01(水) 22:00:59.88 ID:M4GMXS1ro
ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回は少しいつもより長くなってしまいました。申し訳ございません。
次の投下は、スレ跨ぎを防ぐため何か短編を投下しようとおもっています。
内容はちょっとまだ考え中です……。リクエストがありましたら書いていただけると助かります。

次の投下は2日後の午後9時からです。
940 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/01(水) 22:01:56.66 ID:NwRCxhpT0
乙!続き楽しみにしてるよ!
941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/02/01(水) 22:03:00.69 ID:/GbJnthho

リクエストは側近分も補充したい
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/01(水) 22:03:15.90 ID:PLZKCpWSo
おっつー
楽しみに待ってるよ
943 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/02/01(水) 22:20:54.72 ID:bePe0nOdo
パンツに擦れて痛い(´;ω;`)
944 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/02/01(水) 22:26:40.97 ID:ZxOvubsT0
乙ー
リクエストなら魔王の太る前の第一次イケメン時代の話が聞きたい
945 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/02/01(水) 22:57:04.28 ID:CzHIuPW8o
おつ
946 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) :2012/02/02(木) 01:23:17.88 ID:vXRRUSSZ0
乙だ
947 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/02(木) 01:33:33.00 ID:ZEFLuVZIO


裸の魔王様が入れたまま
どこをゴソゴソして薬を出したかは内緒ですよね
わかります
948 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/02(木) 02:32:19.52 ID:4ZqyWPxco
>>947
まあ、脱ぎ散らかした服からだろうなwww

そして魔王は決めるとこでは決めて、でもやっぱりコレかwww
安心したけどwww
乙!
949 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/02/02(木) 10:23:34.03 ID:saQN0K3AO
妹とやったら妹死ぬだろうな
950 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/02(木) 10:46:22.61 ID:8vHZ3jBNo
らだぁで何かワロタ
やらぁじゃないとは斬新だな
951 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:13:25.36 ID:IGVAnDMTo


番外編 まおーとそっきん
 
 
952 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:13:52.22 ID:IGVAnDMTo

まおー「僕は魔王! 夢はお父さんみたいな大魔王になることなんだ!」

ドタタタタッ!!

教育係「まおうさまぁあああ!!」ガオォオオオ!!

まおー「ひっ!」ビクッ

教育係「あなたまた勉強しないで外に出てぇぇぇぇ!!」

教育係「立派な魔王様になるために!」

教育係「ちゃんと勉強しないとダメでしょぉぉぉぉ!!?」
953 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:14:19.57 ID:IGVAnDMTo

まおー「ご、ごめんなさい! 今からやります!」

教育係「私に逆らうとはいい度胸だ、このクソガキがぁぁあ!!」

まおー「え!?」

教育係「死ねぇぇぇぇ!!! メラゾーマ!!」

ドギャアアアアアン!!

まおー「ぬあぁああああ!!!」

954 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:14:47.26 ID:IGVAnDMTo

まおー(と、まぁ、こんな具合に僕の家に住む魔物はみんなおかしかったりするのだ)

まおー(かといって学校では……)

955 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:16:11.01 ID:IGVAnDMTo

してんのー4「へいへーいwwwまおーお前いいバトエン持ってるじゃんかよwwwよこせやwww」

まおー「ふぇぇ、やめてよー。僕の鉛筆かえしてよー」

してんのー3「ふへっへへっへ!! お! 10Gも持ってんのか!? これは没収だ!」

まおー「それはお父さんに電話するときに使う――」

してんのー3「うるせーばか!」ドガッ!

バタンッ!

まおー「ふえぇぇ……! 殴っちゃやだよぉ……」

956 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:16:37.35 ID:IGVAnDMTo

まおー(友達も僕にはとても厳しくて学校はあまり好きではない)

まおー(唯一の味方だとおもう先生は……)

957 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:17:04.00 ID:IGVAnDMTo

教師「よさないか! お前たち!」

してんのー4「っべーwww やな奴がきたぞにげろー!」

ドタドターッ!

教師「あ! まて!! ……くそっ! 逃げたか。大丈夫か? 魔王くん」

まおー「う、うん」

教師「この辺とか怪我してるじゃないか?」

まおー「ひゃっ! せ、先生! お尻なでなでしちゃいやだよぉ……」

教師「ハァハァ///」

958 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:17:31.35 ID:IGVAnDMTo

まおー(僕のことを変な目でみるし、僕は毎日が辛い)

まおー(でも僕はそんな日々を楽しくしようと毎日していることがある)

まおー(それは……)

まおー(オナニーだ!!)
959 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:23:00.43 ID:IGVAnDMTo

まおー「今日もたのしいオナニーを発明しよう!」

まおー「今日は、ねんどの中にちんこいれてネドニーしよう!!」

まおー「……」ドキドキ

まおー「ぁ、冷たい!」

まおー「よーし上下にうごか、い、いたたたっ!!」

まおー「うー いたいよぉ ねんど硬いよぉ」

まおー「ネドニーはだめかぁ……」
960 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:26:16.92 ID:IGVAnDMTo

まおー(勉強し、訓練をする傍ら、僕は毎日オナニーをしている!)

まおー(新しいオナニーをみつけるのはとっても楽しくて、とっても神経を使う!)

まおー(だって一度オナニーするだけで数え切れないぐらいの命がなくなっていくのだから……)

まおー(僕はたくさんの命を弔うように、愛おしむように、今日も息子を床に擦り付けるのであった)
961 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:26:44.30 ID:IGVAnDMTo

まおー「ふぅ……」

まおー「なんて僕は馬鹿らしいことをしていたんだろう。はやく勉強やって寝るか」

カキカキ

まおー「……」

カキカキ

まおー「……」ムズ

カキカキ

まおー「……」ムズムズ

まおー「むずむずしてまたオナニーやりたくなっちゃったよぉ……///」
962 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:27:10.92 ID:IGVAnDMTo

まおー「どうしよう……」

サッ…

まおー「考えてもはじまらない」

まおー「またそっきんちゃんでオナニーしよう!」パァ!

まおー「ハァ……ハァ……。そっきんちゃんのパンツかわいいよぉ……」シュッシュッ

まおー「盗撮されて赤くなるそっきんちゃんかわいいよぉ……」

まおー「ぼく、写真の中のそっきんちゃんのパンツでびゅーびゅーしちゃうのぉ……」シュッシュッ

まおー「そっきんちゃ、そっきんちゃハァ……ハァ……」シュッ! シュッ!!

ドピュッ!!
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/02/03(金) 21:27:11.45 ID:aurfGF5do
別スレかとおもたwwwwwwwwww
964 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:27:37.48 ID:IGVAnDMTo

まおー「ふぅ……」

まおー「なんだか疲れたし今日はもう寝よう」

まおー「明日はいい日になるといいなぁ」

トテトテ

教育係「魔王さまああああああああぁー!!」ガシャアアアアアン!!

まおー「うああああああああぁぁ!!!!」ビクッ!

965 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:28:06.67 ID:IGVAnDMTo

まおー「ななな、なんですか! いきなりドア破って入ってきたりして!! 不法侵入ですよ!」

教育係「うるせぇぇ!! このエロガキが!」

教育係「てめえの成績が落ちたらなぁああああああ!!」

教育係「俺の首も落ちるんだよおぉぉおおお!!!!」

教育係「エロガキはセンズリするまえに鉛筆を削れぇぇぇ!!」

教育係「分かったか!!」

まおー「は、はい! わかりました!!」

教育係「わかったならいいんだ。さっさと勉強しろ」

まおー「はい! わかりました!!」

ガッチャンッ!!
966 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:28:35.27 ID:IGVAnDMTo

まおー「なんて恐ろしい魔物なんだ……」

まおー「父さんの次に恐ろしい」

まおー「ここは素直に従っておこう……」

まおー「下手したら殺されるかもしれないし」

スタスタ

……カキカキ

カキカキ

まおー「……」

カキカ…

まおー「……zzz」

967 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:29:07.02 ID:IGVAnDMTo

――

次の日 登校途中


まおー(妖精さんのおかげで勉強がすべて終わっていた!)

そっきん「〜♪」

まおー「!?」

まおー「あそこにいるのはそっきんちゃん!」

まおー「ロリかわいい!」

まおー「おとなのおねえさんもいいけど、じたいはろりだよね!」

トテトテ
968 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:29:33.40 ID:IGVAnDMTo

まおー「こんにちはそっきんちゃん!」

そっきん「!」ビクッ

まおー「きょうもかわいいね!」

そっきん「あ、あなたはだあれ?」

まおー「僕はまおーだよ!」

そっきん「ふぅん」

まおー「僕と一緒にあそぼ!」

そっきん「しらないまものとあそんじゃだめっておかあさんいってた!」

まおー「そ、そんな……」
969 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:29:59.53 ID:IGVAnDMTo

そっきん「それじゃばいばい」

まおー「でもそっきんちゃん。今、ぼくの名前知ったよね? 知らない魔物じゃないよ!」

そっきん「あげあしとりやがって……」ボソ

まおー「え?」

そっきん「なんでもないよー」

まおー「そ、そう? それならいいんだけど」
970 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:30:26.25 ID:IGVAnDMTo

そっきん「それじゃ」

まおー「ちょ、ちょっとまって!」

そっきん「おにいちゃんがっこーいかなくていいの?」

まおー「学校なんかより君が大切なんだ!」

そっきん「え?」

まおー「僕は君の事が好きなんだ!!」

まおー(ひゃあ/// 勢いに任せて言っちゃったよぉ///)

そっきん「はあ」
971 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:30:53.24 ID:IGVAnDMTo

まおー「ぼくとお付き合いしてください!」

そっきん「え、まじ」

まおー「はい!」

そっきん「たしかにかおはわるくないけど……」

まおー「はい!」

そっきん「なんというかふとさがないというか」

まおー「えっ」

そっきん「タイプじゃない」

まおー「え」

972 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:31:24.05 ID:IGVAnDMTo

そっきん「むり。ばいばい」

まおー「ちょ、ちょ……う、うそでしょ!?」

そっきん「はぁ? ぶっころすよ」

まおー「ご、ごめんなさい」

側近母「そっきんちゃーん、どこー?」

そっきん「じゃ、おかあさんよんでるから」

まおー「は、はい」

そっきん「にどとはなしかけるなよ、がいこつ」

まおー「……」ビクッ!!
973 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:31:50.62 ID:IGVAnDMTo

まおー「……」

まおー「…………」

まおー「そんな……」

まおー「僕には、太さが足りなかったのか……」

まおー「わかったよ側近ちゃん! 僕がんばって太って君好みになるよ!!」

ダダダッ!!

まおー「うおー、がんばるぞぉおおおお!!」

974 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:32:17.85 ID:IGVAnDMTo

側近母「あれ、そっきんちゃん。どしたの?」

そっきん「え、なにが?」

側近母「なんだか嬉しそう」

そっきん「そんなことはない」

側近母「そう?」

そっきん「そう」

そっきん「……」

そっきん(しょうらいあのまもの、いいふとさになりそう……)ジュルリ…


                        END

975 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:32:44.42 ID:IGVAnDMTo


番外編 大魔王と天界人
 
 
976 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:33:10.82 ID:IGVAnDMTo

天界人「……」

大魔王「……」

天界人「……」

大魔王「……」

天界人「あ、あの〜」

大魔王「なんだ」

天界人「私、どうして生かされてるんですか?」

大魔王「惚れた」

天界人「え」

大魔王「結婚してくれ」
977 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:33:41.27 ID:IGVAnDMTo

天界人「あ、あら〜、こ、困ったわ〜……」

大魔王「お前の仲間はお前をおいて帰っただろう」

天界人「そうですね」

大魔王「お前は裏切られたんだぞ」

天界人「そんなことありません」

天界人「せんりゃくてきたいきゃくだと勇者様はおっしゃっていましたから」

天界人「すぐ戻ってきますよ〜。ふふっ」

大魔王「部下の報告だと、人間界に逃げ帰り閉じこもってるようだが」
978 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/02/03(金) 21:34:01.49 ID:9uF4a0WPo

そんな昔からでこの魔王の性格だとNTRの傷は深そうだな……
979 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:34:23.79 ID:IGVAnDMTo

天界人「……」

天界人「……も、もしかして私裏切られちゃったんですか〜」

大魔王「だから先ほど俺がそう言っただろう」

天界人「今月の通話料まだ払っていないのに。どうしましょう」

大魔王「まず、人の話をだな」

天界人「あ! そうだ〜」

大魔王「どうした」

天界人「勇者様が言ってたんですよ〜。世の中にはえーてぃーえむという便利な箱があると」

天界人「魔界にあれば通話料払えるんですよ。下界も便利になりましたね。ふふ」

大魔王(こいつ、天然か……)
980 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:34:50.83 ID:IGVAnDMTo

大魔王「通話料よりもだな。先に俺の質問に答えてくれるか」

天界人「……」

天界人「あ、結婚の話ですか?」

大魔王「そうだ」

天界人「あらあらどうしましょう。天界人と魔物は両極端の生物」

天界人「けっこんというものをしちゃうと神様に怒られちゃいます。多分」

大魔王「神? あんな竜のどこか神だ」

大魔王「神は俺だ。天界人」

天界人「まぁ、そうだったんですか!」

天界人「今までなんてご無礼をしてしまったんでしょう。申し訳ございません」

大魔王「謝らなくていいから、是か否か言ってくれるか?」
981 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:35:17.17 ID:IGVAnDMTo

天界人「結婚の話ですか?」

大魔王「……」

大魔王「ああそうだ」

天界人「どうしまs」

大魔王「もう面倒になってきた。今日からお前は俺の女だ。いいか?」

天界人「はい、わかりました」ニコニコ

大魔王(最初からこういえばよかった)

天界人「ところで結婚ってなんでしょうか〜?」

大魔王「……お前、今何歳だ」
982 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:37:54.11 ID:IGVAnDMTo

天界人「えぇ、と。何歳でしょう。生まれて2年目になりますけれど」

天界人「確か神は21歳の身体を与えて下さったとおもいます〜」

大魔王「勇者と会ったのは?」

天界人「生まれて1年目ですよ」

大魔王「……どうして出会った。下界に降りられるのは6年目からだろう」

天界人「そ、それが……足を滑らせて落ちちゃったんです〜」

大魔王「……」
983 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:40:58.78 ID:IGVAnDMTo

天界人「あ、でも、神様がいうよりかは人間界も素敵で」

天界人「落ちてきた私を手厚く看病したくれたんですよー」

天界人「しかもすごーくせきゅりてぃーがかたーいお部屋に1ヶ月以上も泊まらせてくれて……」

大魔王「……」

大魔王「鉄の棒みたいのが扉だったか?」

天界人「あ! すごいですね。なんだかすごいばりけーとで。ふふっ」

大魔王(牢屋だろそれ)
984 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:45:04.81 ID:IGVAnDMTo

天界人「そしたら勇者様がやってきて〜。家を与えられてここに住めって。ふふっ」

大魔王「そこで1年あまりを過ごして、ここにきたということか」

天界人「ええ、楽しい1年間でした」

大魔王「ふむ……」

大魔王「天界での役割は?」

天界人「主に資料の整理を担当していました」

大魔王「お前の評価は?」

天界人「きんぶおぶあほ、と。なんだかかっこいい響きですよね〜。ふふっ」

大魔王(……人質の価値があるのか)
985 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:48:56.17 ID:IGVAnDMTo

大魔王(否。天界の資料の整理を担当する身である上、口が軽いところはあいつ等にとって痛いところだ)

大魔王(充分においておく価値はあるだろう)

天界人「難しい顔をして、どうしたんですか?」ジー

大魔王「……あまり顔を近づけるな」

天界人「?」

大魔王「……ゴホン。お前には俺の女としてやってもらいたいことがある」

天界人「はい、なんでしょうか〜?」

大魔王「俺の子を産め」
986 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:49:25.46 ID:IGVAnDMTo

天界人「あら、それは重役ですね〜」

大魔王「意味分かっているか?」

天界人「勿論ですとも。がんばってコウノトリさんを捕まえてきますね!」

大魔王(あいつらどんな教育してるんだ……)

天界人「コウノトリさんってどんな外見しているんでしょうか。ふふっ楽しみ」

大魔王「……」
987 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:50:04.30 ID:IGVAnDMTo

大魔王「まぁ、そこは後々教えていくとして……」

天界人「あら、神様。コウノトリさんをご存知なんですか?」

大魔王「知らん。それと神様という名前ではない」

天界人「大魔王様?」

大魔王「ああ、それでいい」

天界人「私はこれからどうして生きていけばよいのでしょう?」
988 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:52:25.10 ID:IGVAnDMTo

大魔王「……」

大魔王「お前は俺達に知識を叩き込まれる。覚えろ」

天界人「たたっ!? そ、そんなことしたら死にますよ〜!」

大魔王「そういう勘違いをしない為にも、お前は勉強しろ」

天界人「……?」

大魔王「俺達は人より数倍も生きるスピートが遅い」

大魔王「子供は焦らなくてもいいだろう」

天界人「はあ」ポカーン
989 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:53:14.24 ID:IGVAnDMTo

大魔王「わかったか?」

天界人「えぇと、子供を探すために勉強しろということですね。期間は?」

大魔王「気にするな」

天界人「気にするなとおっしゃられても……」

天界人「私達はある程度、神様が決めていただけないと動けないものですから」

大魔王「……」

大魔王(天界人はあの竜のメイドロボットのようなものだと聞いてはいたが……)

大魔王(……奴も悪趣味だな。まったく)
990 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:53:42.40 ID:IGVAnDMTo

大魔王「なら。お前が考えて、期間を決めろ。面倒だ」

天界人「難しいことを」

大魔王「期間はいつまでだ。考えて言え。今すぐ」

天界人「え、ええー……!」

天界人「……」

天界人「…………」
991 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:54:10.21 ID:IGVAnDMTo

天界人「……」

大魔王「まだか」

天界人「え、えっと、なら45年で……」

大魔王「わかった。45年後、子を孕んでもらうからな」

天界人「孕む?」

大魔王「いずれ分かる」
992 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:54:41.61 ID:IGVAnDMTo

天界人「45年……。たった45年で成長するでしょうか」

大魔王「知らん。お前次第だ」

天界人「兎にも角にもがんばりますね。コウノトリさんをみつけるためにも」

大魔王「ああ、そうしてくれ」

天界人「ところで、大魔王様」

大魔王「なんだ?」

天界人「魔界にえーてぃーえむはありますか?」ニコニコ

                                     END

993 : ◆TzMx3.YmlUUY [saga]:2012/02/03(金) 21:57:54.07 ID:IGVAnDMTo
ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回もギリギリ埋めることができませんでした……。
よければ埋めていただけると助かります。埋められてなかった場合、2日後に申請しようとおもいます。

次のスレは
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1328273754/
です。

次のスレでもお付き合いしていただけたら幸いです。
994 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/03(金) 21:58:54.99 ID:5H/Ooxoto
乙です
四天王3に何があったのか割とマジで気になる
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/02/03(金) 21:59:40.75 ID:9uF4a0WPo
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/02/03(金) 22:57:36.45 ID:LBXF/AvAO
乙でした
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/02/03(金) 23:22:57.13 ID:fUoZoPgHo
おつですねえ
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/04(土) 01:35:04.27 ID:dj8Qwg7Oo

999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/04(土) 01:43:08.73 ID:2sSAvrZJo
埋め&乙!
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/04(土) 01:44:09.06 ID:2sSAvrZJo
ついでに>>1000なら姉勇者と魔王のイチャイチャ強化月間
1001 :1001 :Over 1000 Thread
                     ___, - 、
                    /_____)
.                    | | /   ヽ || 父さんな、会社辞めて小説で食っていこうと思うんだ
                    |_|  ┃ ┃  ||  
                   (/   ⊂⊃  ヽ)        /  ̄ ̄ ̄ \
  \僕はSS!/           \_/  !        ( ( (ヽ     ヽ
                   ,\ _____ /、       | −、ヽ\     !  <私は二次創作
   ゝ/  ̄ ̄ ̄ \     /. \/ ̄\/   .\     | ・ |─ |__   /
   / _____ヽ    |  |  _┌l⊂⊃l  |  |    ┌ - ′  )   /
   | | /  ─ 、−、!    |  |  / ∋ |__|  |  |    ヽ  /   ヽ <
   |__|─ |   ・| ・ |    |  /`, ──── 、 |  |     ` ─┐  ?h ̄
   (   ` ─ o−i    ヽ /         \ .ノ_      .j ̄ ̄ |
    ヽ、  ┬─┬ノ / ̄ ./            ヽ- 、\    /   ̄ ヽ\
  // /ヽ─| | ♯|  /   i  ぼくオリジナル   | ..) ) \  i  ./   |\\
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現在明聖高校で今年から明大1年生のじゃすとまくんがtwitterで割れ厨宣言【避難所】 @ 2012/02/03(金) 23:41:04.88 ID:cuOXamEco
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