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上条「好きと叫んでも!」美琴「心は遠く!」心理「貴方を呼んでも」垣根「振り向かず!」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/30(金) 16:28:12.44 ID:gtqWL0MT0
1スレ目 美琴「す・・・好きです!!付き合ってください!!」上条「何やってんだ、御坂」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1304/13045/1304506297.html
2スレ目 美琴「当麻♪」上条「なんだ、美琴」垣根「俺も仲間に入れて」心理「はいはい」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1305/13053/1305377166.html
3スレ目 上条「美琴、愛してる」美琴「私も♪」垣根「俺も♪」心理「ジャマしないの」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306063255/
4スレ目 上条「美琴は可愛いな」美琴「えへへ//」垣根「速さが足りない」心理「はいはい」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306724889/
5スレ目 上条「放さないからな」美琴「うん♪」垣根「話さないからな」心理「しゃべりなさいよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307282872/
6スレ目 上条「抱きしめようか?」美琴「うん//」垣根「抱こうか?」心理「やめて」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307709819/
7スレ目 上条「守り続けるからな」美琴「うん//」垣根「これがリア充です」心理「あなたもよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308139244/
8スレ目(番外編) 美琴「私の好きな人のことを、それ以上悪く言わないで!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308667506/
9スレ目 上条「結婚に必要な物は?」美琴「愛!」心理「お金」垣根「念のため三行半」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308992651/
10スレ目 上条「まずは!」美琴「そのふざけた!」心理「幻想を!」垣根「守るのこそ愛だ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309355502/
11スレ目 上条「マイホームか・・・」美琴「い、いいわね//」心理「そうね」垣根「欠陥住宅か」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309860801/
12スレ目 テクパトル「あの月はもう、空には出ない」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310283821/
13スレ目 上条「美琴は可愛いな」美琴「//」垣根「心理定規可愛いハァハァ」心理「やめて」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310641032/
14スレ目 上条「恋といえば!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311066610/
15スレ目 上条「旅行かぁ・・・」美琴「どこ行く?」垣根「ヤっちゃうのか?」心理「黙って」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311506386/
16スレ目 上条「愛って何かな」美琴「守ること?」心理「信じること」垣根「疑い続けることさ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311939697/
17スレ目 上条「始まった・・・」美琴「大覇星祭・・・」垣根「アナウンスは俺」心理「やめて」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312451177/
18スレ目 上条「引き続き!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスも俺!」心理「もうイヤ・・・」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312969940/
19スレ目 上条「まだまだ続く!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスはMeダヨ!」心理「誰よ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313206497/
20スレ目 上条「そして終盤!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスはワシじゃよ」心理「誰よ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313568339/
21スレ目 上条「みこと!」美琴「とうま!」垣根「マン」心理「そこまでよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313987737/
22スレ目 上条「1に愛情!」美琴「2に愛情!」心理「3、4がなくて?」垣根「後藤さん」一同「誰だよ」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1314/13145/1314512717.html
23スレ目 上条「海外旅行!」美琴「イギリス!」心理「ご飯がまずい」垣根「ひもじいよぉ」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1315/13152/1315277970.html
24スレ目 上条「デートの定番は?」美琴「遊園地!」心理「映画館」垣根「特別な場所なんていらねぇさ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1316091462/
25スレ目 上条「熱い思いは!」美琴「止められない!」心理「燃える心は」垣根「バーニングハート!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1316955436/
26スレ目 上条「異性のどこが好き!?」美琴「優しさ!」心理「温かさ」垣根「声」テクパトル「背中」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318038036/
27スレ目 上条「恋は!」美琴「儚く!!」心理「愛は」垣根「虚しく」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1321338251
28スレ目 上条「立てば芍薬!」美琴「座れば牡丹!」心理「歩く姿は」垣根「ラフレシア!!」


黒歴史 今日も学園都市には雨が降る
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1303/13037/1303730725.html

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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

2 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/30(金) 16:29:02.87 ID:gtqWL0MT0
キャラ紹介

上条・・・言わずとしれたそげぶマン
美琴の彼氏、第一の主人公であり、正義感溢れます
美琴をかなり愛しています

美琴・・・ヒロイン
可愛いです、可愛いです、可愛いです
ツンデレがデレデレになってますが、それもまた(ry
上条さんにメロメロ

垣根・・・本シリーズでおそらくもっとも愛されてるキャラクター
イケメルヘンからギャグまでなんでもござれ
心理定規と付き合ってます、フリーダム
たまにツッコミ

心理定規・・・垣根の嫁
ていとくんに踊らされながらも彼を支えます
おそらく、心理定規タンハァハァって方もいるかと、俺もそうだ
ホント、マスコットキャラ だったのになぜかだんだんとボケキャラへ

エツァリ・・・本シリーズで地味なキャラの一人
ショチトルと付き合ってる変態ツッコミ

ショチトル・・・地味キャラだった一人
エツァリと付き合ってます、自称ドMの実際ドM
ボケも心理定規に奪われる

削板・・・熱い男
黒子の彼氏、地味なはずがわりとキャラが濃い

黒子・・・ですの
削板の彼女、でもお姉さまも相変わらず好きなのでご安心を

一方・・・歪みないセロリ
番外個体の彼氏、そしてロリコン、意外とまともになった

番外個体・・・一方の嫁
やっとセロリと付き合うことに、マジ可愛いよワースト
わりと奥手

テクパトル・・・美月こと19090号と恋人に、さまざまな苦難も乗り越えイチャイチャリア充、背中フェチ
背中について語ると止まらない人

19090号・・・テっくんの嫁
通称美月
テクパトルと結ばれましたが未だに照れ屋さん、そしてエロい

20000号・・・変態
しかも、テっくんでヤったこともある変態 、たまに男前

14510号・・・セロリのことが好きな乙女
めちゃくちゃ乙女

10033号・・・セロリのことが好きな乙女
恋する乙女は強かった

御坂妹・・・可愛いです
なぜかツッコミに

17600号・・・やや遅れて合流した妹達
意外と男前、おっとこまえー

■■・・・名前が思い出せないキャラ
まさかの存在感、可愛さ
準レギュ、というかエツァリよりも輝いてる気がする

吹寄・・・垣根に告白、失恋するもやはり友達がいいと気づいた強いキャラ
まさかの準レギュ、そしてツッコミ、おっぱい吹寄

ウイーハルさん・・・違った、初春
削板、黒子の出番でたまに登場

13577号・・・かつて20000号に公開オ○ニーをさせられたため、一時離脱していたミサカ
まさかの復活、でもトラウマは奥底に眠る

10039号・・・かつて20000号に公開オナ○ーをさせられたため、一時離脱していたミサカ
磁石のNよりもSが好き
3 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/30(金) 16:30:25.45 ID:gtqWL0MT0
食蜂・・・レズ、美琴に恋してる
最近本当の友達が出来て喜んでいる

打ち止め・・・一方通行と番外個体の娘ポジション
しかし寝取りを企んでいるという噂もある

麦野・・・魅力的なはずなのにアイテムで唯一恋の香がしなかったが、青ピと若干近しくなる
がんばれおばさ・・・お姉さん

絹旗・・・超可愛い超キュートな超ヒロイン
海原に淡い恋心を抱いている
絶賛パンチラ

浜面・・・リア充爆ぜろ

滝壺・・・浜面の彼女
ときどき黒い、実は腕力が半端ない

フレンダ・・・空から帰ってきた我らがアイドルな訳よ!
美人でスレンダー、完璧なスタイルな訳よ!
ゴーグル男なんて好きじゃない訳よ!

ゴーグル・・・スクールの中で一番地味だった人
語尾が「〜っす」とかいう、若者口調
なぜかフレンダと共にこの世に戻ってきた
冷え性、甲斐性なし、天然ボケ


アレイスター・・・冷蔵庫
だったが復活、テクパトルの家に居候

海原・・・絹旗にフラグを立てた男
エツァリではなく、こちらは本物
エツァリと鉢合わせした時に、エツァリの真実の愛を目の当たりにして衝撃を受ける
時を経て変わったエツァリ、彼の愛を受けたショチトル
それは、まるで海原と絹旗の関係に拍車を掛けているようだった
彼は不器用だ、そして時に卑怯である
敬語を使うことによって他人と距離を置き、常に笑顔であるがために自分の内心を探らせない
そんな彼にとって、エツァリとショチトルの間にある何かしらの燃えているものは衝撃的だった
ズキズキとした痛みは、かつてエツァリに剥がれた腕の傷か
いや違う、彼の心に空いてしまった大きな隙間の痛みだった
人が生まれてきたのはなぜか
愛を持つためか、世の中に絶望するためか、明日を見るためか過去に逃げるためか
まだ若い海原には分からない
その名の通り、広い海原の中にまるで小さなカヌーを浮べているような、虚無感と絶望感
たどり着くことの無い未来という名の地平線に、彼はただ手を伸ばすだけだった


4 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/30(金) 16:31:00.34 ID:gtqWL0MT0
スレ内容

上琴、未元定規がメインのギャグほのぼの

一方通行×番外個体
テクパトル×19090号
削板×黒子
エツァリ×ショチトル
浜面×滝壺
俺×サトリナ


何もおかしいところはない

サトリナさんは俺の嫁

ほのぼの、グダグダ、原作崩壊、キャラ崩壊、マンネリが嫌いな方はご覧にならないほうがいいかと

あと、一部オリキャラ化していますのでそこもご了承を


注意事項

速さが足りないコメ、やろうじゃないのよ

たまに筋肉動画を貼ります、耐性がない人はそっと戻るボタンを

5 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 17:02:13.37 ID:YsviTBVp0
新スレ キタ━━━(゚∀゚)━━━!!

これからも頑張ってくだしあ
6 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 17:11:59.46 ID:0UiE+Mfg0
海原がなぜか長い…
たいしたことしてないのに

これからも頑張ってくだせぇ
7 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 17:13:49.17 ID:0UiE+Mfg0
言い忘れてた…

浜面爆ぜろ
8 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 17:19:50.61 ID:3ozFwAiN0
29スレ目おめでとう御座います

30も夢じゃないね!頑張ってください
9 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 17:56:27.51 ID:0UiE+Mfg0
>>8
二つ抜けてるから正しくはこれで31スレ目なんだぜ
10 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 19:31:26.56 ID:YsviTBVp0
>>9 あれかブラックマンの時のやつか
ていとくんが新しい力を手に入れたのも同時期だっけか?
11 :VIPにかわりまして統括理事会がお送りします [sage]:2011/12/30(金) 23:03:16.89 ID:DUKf+5N/0
目指せ。40スレ。
12 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 23:04:00.48 ID:pWv+2+8/o
乙にゃんだよ!
13 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/30(金) 23:11:51.36 ID:ncaE0HRi0
乙です
28スレ目のURLってないの?
14 :SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 00:44:29.93 ID:U0LD1BW50
乙!
これからも応援してるよ!
15 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 13:46:13.40 ID:hFryVs/xo
まぁここまで長くなると新規が読みづらいというね
16 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 14:30:27.71 ID:fGciF8qBo
まぁわざわざ過去スレ見なくても人物紹介さえみれば話にはついていけるけどね
17 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/31(土) 20:32:23.73 ID:cWJNJ/IG0


上条「・・・はぁ」

上条は溜め息をついていた

ゲコ太に扮して早2時間

彼の配り終えたビラは約120枚

残り380枚ほどだ

上条(・・・ボーナスを貰うには500枚配らないといけないんだよな・・・)

はぁ、ともう一度溜め息をつく

しかし垣根や心理定規のように魅力があるわけでも、美琴のように情報に精通している訳でもない

彼が四人の中で一番配った枚数が少ないのは仕方ないだろう


垣根「はい、興味あったら買ってくれよ」

心理「買ってくれたらお姉さん、喜んじゃうわよ」

美琴「最新のグッズを買ってこそのファンよ!!」

子供達を相手に、巧みな方法でビラを配っていく

これなら宣伝効果も中々だろうな、と感心する

上条(・・・でもな・・・)

ゲコ太やゲコ子がビラを配っている光景は中々シュールだ

上条自身も扮してはいるのだが


18 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/31(土) 20:57:56.90 ID:cWJNJ/IG0
上条「・・・そ、そこの僕・・・」

垣根「おーい、そこの坊主」

「?俺?」

垣根「ゲコ太とか興味あるか?」

「うん!!」

上条(ち、ちくしょう・・・俺は子供には人気がないのか!?)

垣根「ほれ、新しいグッズのビラ」

「ありがとう!!」

美琴「・・・当麻、当麻はもう少し柔らかい表情でいかないと」

上条「柔らかい表情・・・?」

美琴「なんか・・・ちょっと真面目すぎるのよ」

心理「アルバイトだけど、人と話すならもう少しフランクになりなさいな」

上条「そうか?」

上条が垣根を見つめる

たしかに、彼は少しぶっきらぼうな言葉遣いだが子供にサービスをしてあげている

写真を撮ったり頭を撫でたり抱きしめたり

上条(・・・そっか、垣根ってこういうのが好きだったのか・・・)

垣根「じゃあ、またな」

「うん!ばいばい!!」


19 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/31(土) 21:29:28.63 ID:cWJNJ/IG0
垣根「・・・いいな、こういうのってさ」

心理「・・・そうね、楽しいわ」

クスクス、と心理定規が笑う

美琴(・・・この二人って、絶対いい親になるわよね)

上条(・・・なんか、ほほえましいな)

垣根「あぁ?なんだよ、ジロジロ見やがって」

上条「なんでもないって・・・そろそろ休憩の時間だな」

美琴「うん、1時間くらい休んでいいんだっけ?」

上条「そうそう」

垣根「そんなに休んでもやることないけどな」

心理「あら、ゲコ太とゲコ子の私達よ?面白い昼食になりそうだけど」

上条「さーて!!昼飯昼飯!!」

垣根「ところでさ、一々着ぐるみ脱ぐのかな」

上条「・・・」

心理「・・・」

美琴「・・・」


一同「カップルのどっちかが脱いで、あーん作戦でいいか」


20 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2011/12/31(土) 21:38:12.51 ID:cWJNJ/IG0
今日はここまで

趣向を変えた筋肉動画はロニーのサプリメント動画を

すごい数のサプリメントですね

http://www.youtube.com/watch?v=5gZJ-T7ajrw  

というか、指が太くて取り出すのに苦労しすぎw


では、今年は一年ほどお世話になりました

来年もよろしくお願いします

あと今年一年もサトリナは可愛かった

でもささきのぞみも最近いいと思うようになってきた

たまらん


ではおやすみなさい


21 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 22:23:28.54 ID:dyTTZNW+0
>>1乙〜
よいお年を
22 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 00:34:39.33 ID:A7DKFsY60
乙!
今年もよろしく!
23 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/01(日) 17:27:53.39 ID:3tu3+Jla0
あけましておめでとうございます

投下は夜に少しだけ

ちょいと仮眠を取りたい・・・睡眠が足りない!


24 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/01(日) 18:27:39.48 ID:3tu3+Jla0
垣根「・・・で、なんで俺はゲコ太のままなんだ」

心理「あら、私があーん、ってしたほうが絵面的にはいいじゃない」

垣根「そういう問題じゃねぇと思うんだけどよ」

上条「・・・美琴はそれ、脱ぎたくないのか」

美琴「だ、だってせっかくゲコ子になってるのよ!?」

上条「いや・・・可愛いからいいんだけどさ、俺としてはあーんしてほしいんだよなぁ・・・」

美琴「家に帰ったら一杯してあげるから!」

上条「ならまぁ仕方ないか・・・はい、あーん」

美琴「あーん」

上条「・・・後で記念写真撮るか」

美琴「うん!」

垣根「・・・バカップルってやつだな、あぁ馬鹿馬鹿しいぜ」

呆れたように垣根が首を振る

上条「なんだよ・・・」

垣根「大体な、彼氏が彼女にあーんってするのはいいとしてもそれがゲコ子に・・・」

心理「はい、あーん」



25 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/01(日) 18:28:09.40 ID:3tu3+Jla0
垣根「な、なんでこのタイミングなんだよ・・・」

心理「いいから、あーん」

心理定規が卵焼きを垣根に差し出す

クールな顔のまま差し出してくるのがまたなんとも言えない妖艶さを秘めている

垣根「・・・あーん・・・」

上条「ほーら!お前達だってバカップルじゃねぇか!」

美琴「そうよそうよ!」

心理「あら、どこが馬鹿なのか教えてほしいわね」

ツン、とそっぽを向いてから心理定規が反論する

垣根「・・・大体、俺達はこんな格好してもテンション上がったりしねぇし」

上条「お、俺だってテンション上がってるわけじゃないからな!」

心理「あら、まんざらでもない感じに見えるけど?」

上条「そ、それは・・・」

心理「どうせ美琴が可愛いから満足なんでしょ?」

美琴「そうなの?」

上条「ま、まぁ簡単に言えばそういうことだけどさ・・・」

垣根「うっぜぇ!あぁ甘い甘い!」

上条「なんだよ・・・お前、なんか今日おかしいぞ?」



26 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/01(日) 18:29:12.14 ID:3tu3+Jla0
垣根「あぁそうだよおかしいよ・・・あのな、俺はゲコ太なんかになるつもりはなかったんだよ・・・」

心理「まだ言ってるの?」

垣根「・・・もっと普通のバイトがよかったのになぁ・・・」

上条「仕方ないだろ・・・」

垣根「・・・いや、百歩譲ってこのバイトでもいいんだよ」

美琴「どっちよ」

垣根「だがな、若干体が蒸れてきたんだよ」

上条「それは俺もだから我慢しようぜ・・・」

垣根「・・・痒いんだよ」

上条「か、痒い?」

垣根「背中が痒いんだよ!でも掻けないだろ!?未元物質使えばいいってか!?使ったが最後この着ぐるみは弾け飛ぶね、あぁ間違いない!」

心理「どうりでさっきからムズムズしてるわけね」

垣根「分かるか・・・?背中痒いのに掻けない時のこの辛さが、今のお前達によぉ!」

上条「い、いや・・・」

垣根「あぁもう痒いし蒸れるし最悪だよ!!」

心理「そんな夢のないこと言わないの」

垣根「ゲコ太中は汗でいっぱいだー!!」

美琴「や、やめてよ」


27 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/01(日) 20:58:49.55 ID:3tu3+Jla0
上条「・・・さて、着ぐるみ着ますか」

心理「そうね」

一旦着ぐるみを脱いだ二人が、再びカエルに変身した

上条「・・・はぁ、なんかやっぱり暑いな」

垣根「だろ?蒸れるだろ?」

美琴「蒸れるとか言わないでよ・・・」

心理「子供が聞いたら泣くわよ」

上条「そうそう・・・まぁ、子供の前ではしっかりやってるからいいけどさ」

垣根「ここでくらい愚痴らせろよ!」

美琴「はぁ・・・でもたしかに暑いわよね」

垣根「前髪が汗で額に引っ付いてるミコっちゃん可愛いよ」

美琴「な、何言ってるのよ!?」

上条「あ、でもホントにちょっとぺちゃってなってる」

心理「子供みたいね」

美琴「う・・・」カァッ

垣根「・・・さっさと直せばいいじゃねぇか」

美琴「だ、だってこれよ!?」

美琴が掌を見せる

水かきだ、カエルの手は水かきなのだ


28 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/01(日) 21:02:20.46 ID:3tu3+Jla0
垣根「そうだな、じゃあ我慢しようぜ」

美琴「・・・うぅ」

上条「・・・な、なんかでもちょっとセクシーだよな」

心理「そうね・・・風呂上りがセクシーなのと一緒かしら」

垣根「プールとかもそうだな、濡れた毛フェチみたいな」

美琴「・・・なんかエロい言い方ね」

垣根「なんでぇ?どこがエロいのか教えて欲しいなぁ」

美琴「さて・・・じゃ、そろそろ行きますか!!」

上条「おーし!!後半も頑張るぞ!!」

垣根(ツッコんでくれない・・・)

心理「垣根、いじけてないで行くわよ」

垣根「・・・おー」



上条「・・・しかし、ゲコ太ってそもそもなんで人気なんだろうな」

美琴「可愛いからよ」

垣根「両生類だからだろ」

心理「・・・まぁ、愛嬌はあるけどね」

垣根「・・・そうか?こんなキャラクターのデザインした携帯とか使ってるヤツいたら俺はドン引きだな」

美琴「」ドキッ


29 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/01(日) 22:26:29.80 ID:3tu3+Jla0

今日はここまで

投下、かなり少なくて申し訳ないです

どうも体調が芳しくないというか、単なる寝不足です

筋肉動画はこちら

1999年と2003年のロニーさん比較

http://www.youtube.com/watch?v=YTwpI42W3Xg

http://www.youtube.com/watch?v=qL2PZFVTGVk

1999年は「化け物」ですが2003年は「地球外生命体」ですね

なんだこの背中・・・

ではおやすみなさい


30 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 23:34:21.78 ID:uo0M/cMU0
乙なんだよ!!
31 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 23:45:18.05 ID:PYrSWU1DO
>>1乙である。
32 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/02(月) 20:03:43.80 ID:BdA04hgp0
垣根「大体よ、こんなキャラクターなんて小学生だから嵌まっても許されるんだぜ?」

美琴「な、なによ・・・」

垣根「・・・幼稚だぜ、御坂」

美琴「い、いいじゃない・・・」

チラシを少し見つめながら、美琴が反論する

そこに映っているキャラクターグッズはどれも、彼女には魅力的に見えた

上条「・・・そうだって、美琴の趣味を否定したら俺が許さないからな」

心理「・・・でも、たしかに子供っぽいわね」

美琴「心理定規までそういうこと言うんだ・・・」シュン

心理「ち、違うわよ!?子供っぽいから可愛いって言ってるの、だから、ね!?」

美琴「結局・・・幼稚ってことじゃない・・・」ウルウル

心理「そ、そうじゃないのよ・・・」アタフタ

美琴「・・・私、そんなに幼稚かな・・・?」

上条「いやいや!美琴は立派な中学生だって!」

心理「そ、そうよ!?それに普段はボーイッシュな美琴がファンシーグッズが好きなんて可愛くて素敵じゃない!」

美琴「・・・ホント?」



33 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/02(月) 20:04:11.46 ID:BdA04hgp0
上条・心理「ホントホント!」

垣根「いーや、子供っぽい・・・」

心理「あなたは黙ってなさい」

垣根「」

美琴「えへへ・・・可愛いかな?」

上条「あぁ、上条さんはそんな美琴さんにメロメロですよ?」

美琴「//」

垣根「・・・坊主、ゲコ太好きか?」

「ううん、俺は興味ない」

垣根「だよな!背中に翼生えてるメルヘンな天使のほうがいいよな!?」

「それもなんか微妙」

垣根「あぁ?」

「か、かっこいいよな天使!」

垣根「だろ?ったくよ、なんだよゲコ太って」

「じゃ、じゃあね!」

垣根「あぁ」

心理「ちょっと、これでも私達はバイトしてるのよ?バイト先の商品を悪く言うようなことだけはしないでよ」

垣根「・・・分かってるよ」

イライラしながら、垣根が適当に通行人に声を掛けた



34 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/02(月) 20:04:51.00 ID:BdA04hgp0
垣根「すいません、そこのお嬢さん」

佐天「はい・・・って垣根さん!」

垣根「あぁ?佐天か」

初春「・・・何やってるんですか?御坂さんも・・・」

垣根「よぉ、お前は小さいから佐天に隠れて見えなかったぜ」

初春「な、なんでですか!」

美琴「久しぶり・・・ビラ配りしてるのよ」

佐天「ふーん・・・時給がいいんですか?」

美琴「ううん、それほどいいってわけではないけど・・・」

佐天「?あぁ・・・御坂さんってそのカエルマスコット、好きでしたね」

美琴「カエルマスコットって・・・」

垣根「ほら見ろ!これが普通の中学生の反応なんだよ!」

初春「あ、でも巷ではかなり人気ですよね」

美琴「そ、そうよね!?」

垣根「かーっ!人気人気って、人気さえあればそれがいいものなのかよ!」

心理「あんまり騒がないの」

佐天「あ・・・えっと・・・」

心理「心理定規でいいわよ、あなたは佐天さんね?」

佐天「は、はい!」



35 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/02(月) 20:05:18.01 ID:BdA04hgp0
心理(・・・たしか黒子と同学年だったけど・・・それにしては中々グラマーね)

佐天(すっごい美人・・・)

心理「・・・垣根、あなたって巨乳好きだったかしら?」

垣根「若干そっちに寄ってるかもな」

心理「・・・佐天さん、垣根に手は出さないでね」

佐天「は、はい」

上条「初春と佐天は買い物か?」

初春「はい!近くに美味しいスイーツの店があるんです!」

佐天「そのついでに寄ってみたんですよ」

美琴「へぇ・・・楽しそうね」

佐天「今度一緒に行きましょう!」

美琴「うん!」

垣根「・・・っと、一応お前らにもビラ配っとくな」

初春「ノルマがあるんですか?」

垣根「そうなんだよ・・・ったく、だるすぎてムカつく」

佐天「じゃあ、頑張ってくださいね!」

ニコニコと笑いながら、二人は去っていく


36 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/02(月) 20:07:19.46 ID:BdA04hgp0
上条「・・・さて、どんどん知り合いに会いますね」

心理「えぇ」

美琴「となると次は誰かな?」

垣根「そうだな、俺が思うに・・・」


一方「あンまりはしゃぐンじゃねェぞ」

打ち止め「こんなに楽しい買い物は久しぶりだぜ!ってミサカはミサカははしゃいでみたり!」

番外「あーあ、片手折れてなきゃもっと買うのになぁ」

一方「・・・自重ってのを覚えろよ」


垣根「・・・やっぱりあいつらは避けられないか」


一方(・・・なンだ、向こうから視線を感じるンだけどよ)

チラッ、と一方通行が上条達のいる方向を見る

一方(!?あ、あいつら何してやがるンだよ・・・)

一方(・・・手にビラを持ってるってことはアルバイトか)

一方(・・・オリジナルの野郎はなンか嬉しそうだな)

一方(あァ?垣根の野郎、手招きしてやがる)

一方(・・・仕方ねェ・・・)


37 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/02(月) 20:19:02.27 ID:BdA04hgp0
一方「おい」

打ち止め「なに?ってミサカはミサカは首を傾げてみたり」

番外「もしかして疲れちゃった?あーあ、これだから白モヤシは・・・」ケラケラ

一方「・・・あァそォかよ、せっかくいいもン見つけたのにな」

番外「!な、なになに!?」

一方「いや、どォせお前らがそこまで興味あるもンじゃねェしなァ・・・」

番外「き、気になるじゃん!!」

打ち止め「ねぇ、ミサカにだけ教えて!ってミサカはミサカは・・・」

番外「そういうのは無しだからね!!」

一方「・・・あれだよ」

あきれたように一方通行が上条達を指差す

番外「!?ゲコ太!?」

打ち止め「しかもお姉様だよ!ってミサカはミサカは指摘してみたり!!」

番外「マジじゃんか!!行こう行こう!!」

一方「ちっ・・・」

舌打ちをしながらも、一方通行は二人のあとについていく


上条「あ、来たな」

垣根「しっかし打ち止めは久々に見るな・・・」


38 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/02(月) 20:55:33.77 ID:BdA04hgp0
打ち止め「お姉様ー!!ってミサカはミサカはお姉様の胸に飛び込んでみたり!!」ポムッ

美琴「打ち止め、久しぶりね!」

美琴の胸元に飛び込む打ち止めを見て、番外個体がケラケラと笑う

打ち止め「な、なに?ってミサカはミサカは番外個体の不敵な笑みに恐れを抱いてみる・・・」

番外「ふん、上位個体ったらここぞとばかりに甘えちゃってさ」

肩をすくめ、呆れたように番外個体がもう一度笑う

一方「・・・お前らはバイトでそンな格好してンのか」

美琴「あ、アンタもいたんだ」

一方「いたら悪かったか?」

美琴「うっわ・・・それが義理の姉に対する態度?」

一方「うるせェな、愛想がないのは昔からだ」

上条「・・・なぁ、番外個体」

番外「ん?なに?」

上条「お前って、たしか妹達の中では一番年下になるんだよな?」

番外「そりゃ、最後に作られた個体だからね」

心理「じゃあ、打ち止めよりも年下?」

番外「うん」

上条「・・・お前、本当は美琴に甘えたいんじゃないのか?」

番外「は、はぁ!?」


39 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/02(月) 20:59:08.68 ID:BdA04hgp0
上条「ほら・・・さっきも打ち止めのこと、ちょっと羨ましそうに・・・」

番外「そ、そんなことないって!!」

垣根「なんだよ、お前甘えたい盛りか」

番外「違うんだってば!!」

美琴「甘えたいなら甘えていいのに・・・」

番外「き、聞いてよ人の話・・・」

一方「・・・オリジナル」

美琴「はぁ・・・なに?」

一方「番外個体も抱きしめてやってくれ」

番外「!?い、いいよそういうの!!」

一方「素直になれよ」

番外「べ、別にお姉様の抱擁なんか・・・」

垣根「そういえば、お前って妹達の負の感情を拾いやすいんだよな」

上条「そっか・・・打ち止めに、全部のミサカが嫉妬してたら・・・」

心理「ねぇ、本当はすっごく抱きしめて欲しいんじゃないの?」

番外「う・・・」

ウズウズ、と番外個体の中から何かがこみ上げる


番外「・・・べ、別にお姉様に抱きしめて欲しいんじゃなくて、ゲコ子に抱きしめて欲しいだけだから!!」

そんな言い訳をしてから、強く美琴に抱きつく


40 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/02(月) 21:04:20.16 ID:BdA04hgp0
美琴「よしよし」ナデナデ

番外「うっ・・・」カァッ

上条「あ、番外個体赤くなってるぞ!!」

一方「・・・お前なァ・・・」

番外「ち、違うんだってば!!あれだよ、この着ぐるみ暑いね!!」

心理「支離滅裂になってるわよ」

打ち止め(・・・番外個体もまだまだ子供だね、ってミサカはミサカは苦笑してみたり)

垣根「・・・よかったじゃねぇか、番外個体」

番外「ゲコ子に抱きつけたから嬉しいだけだし!!」

ふん、と番外個体がそっぽを向く

しかし、横顔は真っ赤になっていた

一方「・・・俺達はそろそろ行くからな」

上条「そうだ、ビラ受け取ってくれよ」

一方「・・・」

無言のまま、一方通行がビラを受け取る

彼には理解できないが、二人のミサカはこのカエルのキャラクターの虜なのだ

一方「・・・じゃあな、頑張れよ」

上条「あぁ」


41 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/02(月) 21:38:18.38 ID:BdA04hgp0

美琴「・・・番外個体も、なんだかんだ甘えたい年頃よね・・・」

心理「そうよ、あなたももうちょっと構ってあげなさい」

上条「でもさ、打ち止めと違って見た目が大人だからな・・・」

垣根「見た目じゃねぇだろ、人間は中身だって」

上条「あぁ、そうだな」

垣根「はーい、ゲコ太の新グッズが発売だよー」

心理「・・・それにしても、なんだか人通りが少なくなってきたわね」

美琴「まだお昼の2時半なのにね・・・」

上条「・・・多分、みんな昼飯に行ってるんだろ」

垣根「俺さ、あんまりショッピングモールの中のレストランって好きじゃないんだよな」

心理「あら、どうして?」

垣根「なんか通行人から見られてそうだろ?」

上条「そうか?」

垣根「・・・こう、プライベートを確保したいじゃんか」

美琴「わからなくはないけど・・・」

心理「意外と細かい性格ね」

垣根「いや、これだけは譲れねぇ」


42 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/02(月) 21:48:35.14 ID:BdA04hgp0
上条「・・・はぁ、子供達も少ないな」

垣根「・・・親子連れはいないけど、その代わり先生とかと来てる子もいるみたいだな」

心理「・・・学園都市にいると、親との生活なんて忘れちゃうわよね」

美琴「・・・そうね」

四人がしんみりとした表情になる

上条と美琴は親と離れて暮らしているだけだ

一方の垣根と心理定規は、そもそも親に捨てられている

仮にいたとしても、暗部に堕ちた人間を今更育ててくれるわけもない

垣根「・・・可愛そうでもあるよな」

美琴「・・・でもさ、子供はすごい力には憧れるものよね」

上条「うーん・・・やっぱり垣根とか美琴もそうだったのか?」

垣根「・・・俺は、どっちかっていったら優しいヒーローに最初は憧れてたな」

心理「あら、そうだったの?」

垣根「途中で狂った方向にも進んだが・・・今は悪くないところに戻ってきてるよ」

美琴「私はどうだろう・・・子供の頃は、あんまり難しく考えなかったから」

上条「へぇ・・・」

美琴「・・・ただ、やっぱりこの力があってこその私って気もするもん」

上条「・・・そっか」


43 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/02(月) 21:51:58.13 ID:BdA04hgp0
垣根「・・・大変だよな、親と離れて暮らすなんてさ」

美琴「・・・みんな、頑張ってるわよね」

心理「あら・・・あなたもそうじゃない」

美琴「そ、そうかな?」

心理「あんな素敵な両親を持ってて羨ましいわ」

垣根「美鈴さんも旅掛さんも、たしかにいい親だよな」

美琴「・・・たまに鬱陶しいけどね」

上条「でもさ、親なんてそんなもんだろ」

垣根「・・・あーあ、いいなぁ・・・」

ぽつり、と垣根が呟く

幼い頃の記憶なんてない、気がついたら学園都市にいたのだ

そして、知らない間に能力開発を受けて、知らない間に「未元物質」なんていうとんでもない力を手に入れていた

垣根「・・・子供が出来たらさ、俺は精一杯愛情込めて育てたいんだ」

心理「私も、こんな辛い思いはさせたくないもの」

上条「子供、かぁ・・・」

美琴「・・・こ、子供・・・」カァッ

心理「どうしてそこで赤くなったのよ」

美琴「な、なんでもない!!」


44 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/02(月) 21:55:38.20 ID:BdA04hgp0
垣根「・・・っと、今はバイト中だったな・・・」

美琴「そうそう、こんなしんみりしてる場合じゃないわよ」

心理「ふあぁ・・・ちょっと眠くなってきたわね」

垣根「そう言うな・・・」

上条「・・・あぁ、でもヒマだな」

美琴「・・・すいませーん、ゲコ太の・・・」

美琴が適当に通行人に声を掛ける


土御門「だからにゃー・・・ってあれ?カミやんじゃねーか」

上条「げっ」

青ピ「あれ?垣根に心理定規ちゃんに御坂さんやないの・・・どないしたん?そんな格好して」

上条(一番会いたくないヤツらだよ・・・)

垣根「バイトだよバイト」

土御門「バイトって・・・それ、子供向けのキャラクターだよな?」

心理「あら、私が母性をむき出しにして子供達にこのビラを配る姿ってダメかしら?」

青ピ「ううん!!すっごくえぇで!!」

心理「でしょ?だからよ」

土御門「いや、説明になってねぇし・・・カミやん、似合ってないぜぃ」

上条「心配するな・・・自覚はある」

垣根「おい」


45 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/02(月) 22:06:55.96 ID:BdA04hgp0
土御門「しかし・・・御坂と心理定規は本当に可愛いな」

美琴「そうですか?」

青ピ「カエルの女の子ってのもええなぁ!!」

心理「なんか複雑な心境になる台詞ね」

上条「・・・美琴が可愛いのは当たり前だろ」

土御門「うっわ、カミやんそんな臭い台詞を」

上条「なんだよ!!いいじゃねぇかよ!!」

垣根「・・・そうだ、青ピ」

青ピ「ん、なに?」

垣根「お前、麦野って知ってるよな」

青ピ「知ってるで、美人の麦野さんやろ?」

上条「そ、その覚え方は・・・」

垣根「・・・言っておくけど、あいつは半端ないほどの重い女だ・・・」

青ピ「なになに?もしかして未亡人!?はたまた人妻!?あっはぁ、萌えるわぁ!!」

垣根(こいつダメだ)

美琴「・・・その、麦野さんのこと、よろしくお願いします」

青ピ「?な、なんでそんな話になっとるん?」

美琴「え、まだ付き合ってないんですか?」

青ピ「っていうか、そういう関係ちゃうよ」

美琴「えっ」

青ピ「えっ」


46 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/02(月) 22:10:06.34 ID:BdA04hgp0
土御門「・・・いやぁ、カミやんのカエル姿なんて中々お目にかかれないぜぃ」

青ピ「吹寄と姫やんにも見せてあげたいわぁ」

上条「ご心配なく・・・もうあいつらには会ったよ」

土御門「なんだ、あいつらも来てたのかにゃー」

垣根「麦野もな」

青ピ「ふーん・・・なんでやろ?」

心理「・・・ところで、あなた達はなんでここに?」

土御門「買い物だぜぃ」

心理「男二人で?」

青ピ「・・・えぇやん、ボク達彼女いないし」

垣根「うっわー!!寂しい、めちゃくちゃ寂しい涙拭いてあげましょうかって言いたくなるくらい寂しい!!」

青ピ「ほっといてや!!リア充なんて消えればえぇんや!!」

上条「・・・はぁ、なんかこの会話が懐かしいよ・・・」

土御門「・・・っと、俺達がいつまでもだべってたら邪魔だな」

青ピ「ほんじゃまた・・・垣根、ちゃんと学校来ぃや」

垣根「あぁ、考えとくよ」

青ピ「カミやんもまたなー」

上条「あぁ」



47 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/02(月) 22:12:47.72 ID:BdA04hgp0
今日はここまで

正月はこの程度の投下速度しか無理です

筋トレしたいんです、はい


筋肉動画は素晴らしい背中のワークアウト

フレックスとクリス・カーミア

ロニーと違い、ストリクト(反動を最小限、もしくは全く使わない)のトレーニングですね

あのインクラインベンチにもたれてのダンベルロウは>>1もお気に入りの種目です

にしても、フレックスの体の丸みはすっげぇ・・・

カーミアはもう顔が怖いですから、こんな人がいたら絶対近づけないですねww

http://www.youtube.com/watch?v=9-u7zeLvuyw   


ではおやすみなさい


48 :以下、あけまして、おめでとうございます [sage]:2012/01/02(月) 23:47:53.24 ID:SuciD1OO0
乙です
49 :以下、あけまして、おめでとうございます [sage]:2012/01/02(月) 23:51:34.68 ID:838TWDnVo
乙なんだよ!
50 :以下、あけまして、おめでとうございます [sage]:2012/01/02(月) 23:54:11.02 ID:9Z179p4vo
いつも乙
51 :以下、あけまして、おめでとうございます [sage]:2012/01/03(火) 00:05:13.91 ID:RVY2MB2DO
>>1乙である。
52 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 02:07:11.65 ID:wqXC7Wtp0
超乙です!
53 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/03(火) 10:33:35.30 ID:H8X4vjPr0
垣根「あぁ・・・ヒマだ」

ゲコ太の中で、垣根が呟く

カエルになる理由がまだ納得出来ないが、やるからにはやるしかない

心理「・・・私はあと100枚ってところね」

垣根「俺もそんくらいかな」

美琴「私は70枚くらい」

垣根「お前はやっぱり情報に詳しいな・・・」

美琴「な、なんで呆れたような表情なのよ?」

垣根「・・・俺が中学生の頃はこんなガキっぽいのに嵌まらなかったから」

美琴「ガキっぽいってなによ!?」

垣根「・・・まぁ、御坂が好きなら否定しないけどさ」

美琴「そ、そう?」

垣根「・・・で?上条はあとどんくらいだ?」

上条「・・・多分200枚くらい」

心理「ねぇ上条君、あなた真面目に配ってた?」

上条「目の前で見てましたよね!?」



54 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/03(火) 10:34:03.58 ID:H8X4vjPr0
垣根「・・・おかしいだろ、同じ時間だけやってたんだぜ?」

美琴「当麻はなんていうか堅すぎるのよ・・・」

上条「う・・・」

垣根「おいそこの坊主、ゲコ太の新しいグッズ発売されるぞー」

「すげー!ゲコ太の兄ちゃんだ!」

垣根「おうよ、記念撮影でもするか?」

「うん!」

垣根は相変わらず、子供達との記念撮影を繰り返している

美琴「垣根みたいなファンサービスも必要よ?」

上条「子供達は垣根じゃなくてゲコ太のファンじゃないか・・・」

心理「細かいことはどうでもいいのよ、子供達の笑顔のために頑張らなきゃ」

美琴「・・・そ、そうよね!」

上条「・・・バイト限定のストラップが欲しかった御坂の台詞とは思えないな」

美琴「なんで苗字で呼ぶのよ!?」

上条「いえいえ、やっぱり御坂さんはすごいですね、子供達のために頑張ってたんですね」

美琴「な、なんかムカつく・・・」

心理「やめなさいよ・・・ったく、子供達に聞かれたら呆れられるわよ?」

上条「・・・分かってるけどさ・・・」

垣根「普通のバイトしたって考えればいいじゃねぇか、一応金は貰えるんだしよ」



55 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/03(火) 10:34:43.54 ID:H8X4vjPr0
子供と記念撮影を終えた垣根が戻ってくる

上条「って言ってもな・・・一日だけじゃ大して稼げないじゃんか」

美琴「お金のためじゃないわよ!ゲコ太ストラップと子供達のため!」

心理「子供達を先にしなさいよ・・・」

美琴「じょ、冗談よ」

上条「・・・あ、あれってエツァリとショチトルだよな?」

垣根「ん?ホントだ」

上条「おーい!エツァリ!ショチトル!」


エツァリ「?おや、上条さん達ですね」

ショチトル「なんだあの格好・・・やっぱり気が狂ったか?」

エツァリ「狂ってはいませんし、やっぱりって・・・」

ショチトル「・・・というか、上条達がいると分かった途端に敬語になるんだな」

エツァリ「癖ですよ」

ショチトル「ふん・・・まぁ話しに行くか」


上条「おっす・・・ちょっと久しぶりかな?」

エツァリ「そうですね・・・皆さんはビラ配りですか」



56 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/03(火) 10:35:21.22 ID:H8X4vjPr0
心理「正解よ」

ショチトル「ふん・・・そんな恥ずかしい格好を公衆の面前で晒すなんてとんだ変態だな」

心理「言い方を卑猥にしないで」

垣根「お前らはデートか?」

エツァリ「そのようなものですよ」

美琴「ふーん・・・いいなぁ」

ショチトル「そうだ・・・美琴、カエルっぽく鳴いてみてくれよ」

美琴「?なんで?」

ショチトル「いいから」

美琴「ゲコゲコ」

エツァリ・ショチトル(可愛い・・・)

美琴「な、なんでうっとりした表情で見てくるのよ?」

エツァリ「あ、いえ・・・」

ショチトル「中々似合ってるな、美琴は」

美琴「ありがと!」

上条「・・・それはつまり、俺達は似合ってないってことか?」

エツァリ「上条さんは・・・なんというか、若干違和感がありますね」

ショチトル「垣根もだな・・・まぁ中身がイケメンだから問題ないが」



57 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/03(火) 10:36:05.46 ID:H8X4vjPr0
エツァリ「心理定規さんは似合ってますよ」

心理「そう・・・あんまりこういうのが似合っても嬉しくはないんだけど」

ショチトル「いいじゃないか、カエルも似合う心理定規」

心理「・・・そこはかとなく馬鹿にされてる気がするんだけど」

ショチトル「そんなことはないさ」

心理「まぁ・・・褒め言葉ってことにしておくわ」

ショチトル「・・・じゃあ、私達はこれで」

垣根「あぁ、デート楽しめよ」

エツァリ「はい、もちろん」

上条「じゃあな」

美琴「はい、一応配っておくわね」

上条「!俺も一枚やるよ!」

ショチトル「・・・ありがたく受け取っておくよ」

子供っぽいデザインのキャラクターには苦笑してしまうが、やはり友達の趣味は馬鹿に出来ない

そう思いながら、エツァリとショチトルは去っていった


58 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/03(火) 10:52:21.27 ID:H8X4vjPr0

垣根「・・・よーし!!あともうちょい!!」

美琴「・・・私、あと5枚だけ!!」

心理「多分美琴が一番乗りね」

上条「・・・不幸だ」

垣根「あはは!!お前だけまだどーっさり残ってやんのー!!」

心理「宿題と同じね」

美琴「タイムリミット・・・あと1時間ないわよ?」

垣根「俺達は余裕だな」

上条「あぁもう!!こうなったら上条さんが本気を出しちゃいますよ!!」

心理「今まではなんだったのよ」


上条「そこのお嬢ちゃん!!ビラを・・・」

「あー!!こっちのお兄ちゃんイケメンだー!」

垣根「おう、お嬢ちゃん、写真でも撮るかい?」

「うん!!」

上条「」

美琴「と、当麻ー!!!」



59 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/03(火) 11:18:37.29 ID:H8X4vjPr0

垣根「・・・俺は配り終わった」

心理「私も」

美琴「・・・あとは当麻だけね」

上条「不幸だ・・・なんで勇気を持って声を掛けたら垣根に奪われたんだよ!?」

垣根「やっぱり世の中顔だぜ」キリッ

上条「・・・あと10分・・・」

上条の手の中にどっさりと残るビラ

おそらく、まだ40枚はあるだろう

垣根「・・・よし、一人10枚で配ってみるか」

上条「い、いいのかよ?」

心理「いいじゃない、ルール違反になんかならないんだし」

美琴「そうね・・・協力するわよ」

上条「あ・・・ありがとう!!」

上条が三人にビラを渡す

垣根「おーし!!そこのお嬢ちゃん!!」

心理「ねぇ、坊や」

美琴「ほらほら!!新しいゲコ太のグッズが発売されるわよ!!」

上条「みんなー!!ゲコ太と写真、撮りたくないかー!?」



60 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/03(火) 11:46:35.48 ID:H8X4vjPr0

上条「く・・・配り終わった!!」

垣根「はー、結構四人でやればすぐだったな」

心理「時間も午後の5時だし・・・ちょうどいいんじゃない?」

美琴「こ、これでゲコ太のストラップが・・・!!」キラキラ

垣根「それが目的だよなやっぱ」

上条「俺は少しでも生活費の足しが欲しいよ・・・」

心理「じゃあ、管理人さんのところに行きましょう」

上条「あれ、そういう風に手渡しでもらうのか?」

美琴「うん、ここのショッピングモールで募集してたアルバイトだから」

垣根「そりゃ、常盤台の超電磁砲なら宣伝効果は抜群だもんな」

心理「あの御坂美琴も大好きなゲコ太、ってね」

上条「ふーん・・・さて、じゃあ行きましょうか!!」

垣根「おうよ!!」

美琴(ゲコ太・・・待っててね!!)


四人が、ショッピングモールの管理人室へと向かう


61 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/03(火) 11:55:49.20 ID:H8X4vjPr0

エイワス「あぁ、君たちが例のアルバイトか」

上条(な、なんだこの人?)

心理(・・・輝いてるわね)

垣根「そうそう、金を貰いに来たんだけど・・・アンタが管理人?」

エイワス「いや、私は代理だよ・・・ここの管理人は今少し手が放せないらしくてね」

美琴「そうですか・・・」

エイワス「・・・君は垣根帝督だな」

垣根「そうそう、知ってるとはさすがだな」

エイワス「なに・・・よく知っているよ」

エイワス(・・・しかし、アレイスターの直々の頼みというからなにかと思えば・・・こんな雑用を押し付けて)

垣根「ほら、金をくれよ」

美琴「ちょ、ちょっと・・・礼儀って物があるでしょ」

垣根「こいつは代理なんだろ?いいじゃねぇか」

エイワス「この封筒の中だ・・・あと、たしか何かの粗品もあると聞いたが」

エイワスがストラップを差し出してくる

4種類のゲコ太ストラップだ

美琴「あ、ありがとうございます!!」


62 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/03(火) 12:06:53.95 ID:H8X4vjPr0
エイワス「・・・どうやらビラというものも配り終えたようだな」

垣根「あぁ、だからボーナスもな」

エイワス「既にこの封筒の中にボーナス込みの給料が入っている、安心したまえ」

心理「あら、そうなの?」

エイワス「恐らく、元々期待されていたのだろうな」

上条(あっぶねぇ・・・俺はギリギリだったんだよな)

美琴「あぁ・・・か、可愛い・・・」ウルウル

エイワス「・・・私にはよく分からないが、人間というのはこういうものに興味があるらしいな」

垣根「俺達は違うぜ、金が欲しかったんでもない」

エイワス「そうなのか」

心理「・・・でも、楽しかったわね」

垣根「あぁ、面白かったって管理人に言っといてくれよな」

エイワス「承知した」

上条「それじゃ、俺達はこれで」

エイワス「あぁ、それではな」


63 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/03(火) 12:22:02.70 ID:H8X4vjPr0

美琴「はぁ・・・サリーと着物とチャイナ服とコマンドースーツのゲコ太!!」

4種類のストラップを見つめながら、美琴は笑う

上条「・・・チャイナ服は一番疑問だな」

心理「ゲコ太って男よね?」

美琴「こ、細かいことはいいじゃない!!」

垣根「・・・お、6000円入ってるな」

上条「!!6000円!?」

上条が嬉々として封筒を開ける

5000円札が一枚と、1000円札が1枚入っている

上条「はぁ・・・!!すっげぇ!!すげぇよ美琴!!」

美琴「うん、すごいわね!!」

二人はそれぞれ、全く別の理由で喜んでいる

垣根「・・・はぁ、それにしてもゲコ太の格好なんてもう二度としないだろうな」

心理「そうだ、記念写真撮りましょうよ」

上条「おっと、そうだったそうだった」

上条が携帯電話を取り出す

着ぐるみの手では掴みにくいが、なんとかそれを開いてカメラモードにする

上条「じゃあ、いくぞ!!」


64 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/03(火) 12:26:05.01 ID:H8X4vjPr0
垣根「はいはい、集まった集まった!!」

心理「垣根、少しそっちに寄ってよ」

美琴「当麻、もうちょっとこっち!!」

上条「あ、あぁ!!」

四人が顔を近づけ、携帯の画面にどうにか入ろうとする

垣根「あぁもう!!着ぐるみうざってぇ!!」

上条「そりゃそうだけど、そもそもこのために写真撮るんだから我慢しろ!!」

心理「あ、そろそろよ」

タイマーが音を鳴らす

美琴「はい、チーズ!!」

満面の笑顔を浮べた四人は、そのあとすぐにむさくるしい着ぐるみを脱いだ



上条「・・・はぁ」

垣根「ははは!!やーっぱお前は目閉じてるのな!!」

心理「ふふ・・・いいじゃない、上条君らしくて」

美琴「と、当麻・・・6000円稼げたんだから!!」

上条「あぁそうだな・・・」

上条の携帯のカメラフォルダには、少し残念な写真が残ることになった


上条「・・・不幸だ」



65 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/03(火) 13:53:25.79 ID:H8X4vjPr0

テクパトル「ふあぁ・・・」

テクパトルの朝は早い

仕事なんてそんなものだ、と思いながらベッドから体を起こす

隣で寝ている19090号を見て少し和んだ後、彼は一階へと向かう

寝ぼけた頭を覚ますために、冷水で顔を洗うようにしている

なんでも、暖かいお湯よりもそっちのほうが肌にも優しいらしい

別に美容には興味ないが、なんとなく健康にいいと聞くとやってしまうのがテクパトルだ

そしてその後で歯を磨く

朝飯を食べた後にもう一度磨くのだが、これも目を覚ますためのルーティンらしい

それらを終えた頃には、もう人前に出ても恥ずかしくないほどのシャキっとした雰囲気になっている

そして、朝飯

現在彼は減量期らしく、ある程度朝食のメニューを固定にしている

炭水化物や脂肪分を減らし、代わりにたんぱく質を多く摂っている

ツナ缶やササミなんかをよく食べているが、あれじゃあ味気のないエサだ


ミサカはそう思う



20000号のテクパトル観察日記編


66 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/03(火) 13:57:22.79 ID:H8X4vjPr0
テクパトル「・・・」

不機嫌、というわけではないけどなんだか少し楽しそうではない

そりゃあんな味気ないもの食べてるからだ

でも決して嫌がってはいない

体のため、なんて言ってるけどミサカとしては今くらいのテっくんが一番いいと思う

彼はなんでそこまでして鍛えてるのか

まぁミサカもちょっとダイエットとかは興味あるけれども

ちなみに、そういう食生活をしていると性欲はあまり湧かないらしい

19090号に少し同情するが、それもまた仕方ないことだろう

テクパトル「・・・なぁ、さっきからなにジロジロ見てるんだ」

20000「別に、人の生活を観察するのって楽しいぜ」

テクパトル「・・・悪趣味だな」

悪趣味、なんて言われるけどミサカはそうは思わない

人の生活を観察すれば、人間らしい生活というものが学べる

ミサカ達は若干そういうのが分からないから、時々こういうことも必要としている

学習装置じゃそれは学べなかったから

テクパトル「・・・お前も食うか」

20000「うんにゃ、いい」


67 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/03(火) 14:07:56.66 ID:H8X4vjPr0
テクパトル「そうか」

適当に言ってからまた食事を始めるテっくん

・・・でも、本当に味気無さそう

別にかわいそうとは思わないけど、少し不思議になる

20000「そこまでしてやる意味ってあるの?」

テクパトル「さぁな、世間的にはないかもしれないが俺にはあるよ」

かっけぇ

20000「・・・今日は仕事だっけ?」

テクパトル「あぁ、でも午前だけだよ」

20000「へぇ・・・そっか」

テクパトル「なんだよニヤニヤして」

20000「ううん、いつも大変そうだからさ」

テクパトル「好きなことが仕事なんだ・・・それは幸せだろ」

20000「そうだね」

こういう真面目なところは素直に尊敬できる

でも、意外とこれで変態だったりもするから人は見た目に寄らない

テクパトル「・・・ご馳走様」

20000「・・・味気ねー食事だね」

テクパトル「まぁな・・・」ハァ


68 :以下、あけまして [sage saga]:2012/01/03(火) 16:54:26.86 ID:Rgo8IGPY0
誰だよw
69 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 17:55:43.88 ID:fHG+3aw+o
20000号が変態じゃないだと?
70 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 20:01:04.85 ID:b+qp73BI0
20000号が真面目だと!?

レアだな…
71 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 20:41:09.42 ID:i+oxzKMa0
普段は変態だけどな
72 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 23:16:46.11 ID:H9c8R3dgo
乙ですの
73 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 00:49:53.66 ID:P/wnmyHy0
たまに普通の対応したらこの言われようwwwwww20000号wwwwww

上琴と未元定規いいなぁ…
年相応の青春って感じで。写メの絵面とか想像したら微笑ましい
そしてエイワスなにやってんだww
74 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/04(水) 20:36:37.10 ID:zXnYAyX30

テクパトル「はぁ・・・」

ため息をつきながら、仕事に向かう服装に着替える

最近は暑くなってきたから、テっくんも半袖のTシャツを着てる

今までの経験から考えると、そろそろタンクトップになるはずだ

そんな彼も、さすがに仕事の時はある程度まともな服装を・・・

なんてことはあるはずがない、大体ジムで働いてるんだから普段のタンクトップとかで問題ないのだから

ただ、なんとなく仕事用のTシャツとか決めているらしい

20000「・・・大変だね」

テクパトル「みんなのためさ・・・それに俺のためでもあるからな」

さりげなくカッコイイことを言うのがテっくんだ

20000「・・・昼飯は何がいい?」

テクパトル「自分で作るよ・・・みんなはなんか美味いもんでも食べてな」

20000「うっはぁ・・・なんか減量期の力石を思い出すね」

テクパトル「目の前に林檎があったら俺もかじりつくさ・・・」

大きなため息をついてから、テっくんが立ち上がる

20000「んじゃ、いってらっしゃい」

テクパトル「あぁ、みんなをちゃんと起こしといてくれよ」



75 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/04(水) 20:37:12.03 ID:zXnYAyX30
20000「ひどいもんだよね、我が家の主人が出勤だって言うのにさ」

テクパトル「・・・お前はいつもそっちの立場だろ、みんなは普段はしっかり見送りしてくれるぞ」

20000「あれ?」

知らなかった

みんなミサカの見てないところで得点を稼ごうとしてたなんて!

テクパトル「・・・でもまぁ、今日は見送ってくれるからありがたいよ」

20000「寂しかったらミサカのこと・・・思い出してね・・・?」

テクパトル「いや、19090号がいい」

20000「ノリが悪いぜテっくんよ」

テクパトル「仕事の前から無駄に頭を使いたくないんだよ、じゃあな」

手を振ってからテっくんは玄関に向かう

ホントなら玄関まで見送ったほうがいいんだろうけど、ミサカはあんまりそういうことをしたくない

それは何か、最後まで見られたままになってしまうからだ

仕事の前のほんの一瞬くらいは、一人で気合いを入れさせてやりたい

20000「・・・さて」

17600号に特殊メイクを頼みたかったけどまだ寝てるみたい

テっくんの職場に潜入するのは難しいかもね

かといってミサカ達の生活なんてどうでもいいからなぁ



76 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/04(水) 20:37:46.46 ID:zXnYAyX30


時刻は午後の1時半

ガチャガチャ、と玄関の鍵が開かれる

それを聞いた途端、みんなは玄関に向かう

19090「テっくんが帰ってきました!」

10033「お疲れ様、と言うべきですよね?」

御坂妹「いえ、ここはお風呂にする?ご飯にする?それともわ・た・し?がいいはずです」

17600「疲れて帰ってきたテっくんにはそんなボケを捌く気力は残ってないはずだがな」

10039「ということは・・・」

13577「それを本気で捉えられてしまうんですか?」

14510「となると、それを言ってしまったらミサカ達を選ばれることに・・・」

すごい妄想力だ、と世間一般は思うだろう

たしかにそれは正論でもある

この一連の会話でどうしてそういう結果が出たのか

ただし、年頃の女の子なんてそんなものだ

自転車のサドル、という単語だけでもうムラムラしちゃうものだ

14510「・・・な、なるほど・・・」

10033「ミサカ達を選ばれてしまったら・・・」

御坂妹「・・・食べられてしまいますね、性的に」

13577「ふ、ふえぇ・・・」

10039「だ、誰がそんな破廉恥なことをしますか!」



77 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/04(水) 20:38:21.19 ID:zXnYAyX30
ガチャリ、と突然玄関のドアが開かれる

そういえばテっくんが帰ってきたんだった

みんなそれを忘れていたらしい、いきなり現実を突き付けられて焦っている

テクパトル「ただいま・・・」

ミサカ一同「お、お帰りなさい!お風呂にする?ご飯にする?それともわ・た・し!?」

しまった、なんてみんな思ってる

MNWが大荒れだぜちくしょう

17600号だけは最初の「お帰りなさい」で終わらせていた

さすがスネークだぜ

テクパトル「ご飯で」

さすがテっくんだぜ

まさか疲れて帰ってきた瞬間のあのボケを的確に捌くなんて

御坂妹「ふぇっ!?そ、そうに決まってますよね!」

10033「だ、誰も変な期待なんてしてませんよ!?」

10039「ミサカ達にはまだ早すぎますからね!」

14510「い、いやいや!そもそもミサカは一方通行という心に決めた相手が・・・」

19090「つ、ついノリで恥ずかしいことを言ってしまいました・・・」

テクパトル「お前は後でな・・・」

ミサカ一同「」


78 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/04(水) 20:39:02.66 ID:zXnYAyX30
ポン、とテっくんが19090号の頭を撫でる

ボン、と19090号の頭から湯気が出る

御坂妹「あぁ!これが幸せ真っ盛りな人間の図、ですよ!」

14510「かーっ!なんだか見せつけられてます!」

テクパトル「いいから飯にさせてもらうぞ」

ミサカ達のくだらない話を無視して、テっくんはリビングに向かう


テクパトル「・・・何がいいか」

それは食べたいものがたくさんあるか、食べたいものが決まらない時かのどちらかの台詞なはずだ

しかし、今のテっくんの言葉の中には「何が筋肉にとって一番いいか」という意味がある

つまり、彼の食生活は筋肉が優先なのだ

ミサカからしたら全く分からない世界だけど、アメリカなんかじゃわりと鍛えるのはポピュラーらしい

テクパトル「・・・って言ってもツナもささ身も飽きるしなぁ・・・」

19090「では玉子などは・・・」

テクパトル「・・・卵白だけで美味いものが作れたらいいんだけどさ」

19090「う・・・た、たまには減量中だなんて忘れてパーっと・・・」

テクパトル「それは俺もしたいんだけどさ・・・やっぱりついついセーブしちゃうんだよ」



79 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/04(水) 20:39:40.52 ID:zXnYAyX30
14510「中々困った趣味ですね」

13577「世間からは白い目で見られますよ」

テクパトル「周りからの評価なんて気にしてないって・・・努力ってのは実るにしろ実らないにしろ、明日には答えが出るんだよ」

10033「うわー、なんてカッコイイ台詞なんだー」

テクパトル「棒読みの賛辞をありがとう・・・」

テっくんが取り出したのはベイクドポテトだ

20000「あれ、それってタンパク質じゃなくね?」

テクパトル「さすがにタンパク質だけじゃ死ぬからな・・・」

あまり楽しそうな表情じゃないけど、これも趣味の一貫なんだろう

お金や時間を犠牲にする趣味が多い世の中で、食事の楽しみを犠牲にする趣味は珍しい

17600「・・・まぁ、サプリメントの栄養だけでも理論上は生きていけるからな」

テクパトル「あくまで理論上だろ・・・それに、俺はそこまでその理論に従いたくはないな」

いや、今まさに従ってるじゃないかと言いたくなるけども

テクパトル「・・・そうだな、まぁたまには楽しい食事も悪くはないか・・・」

19090「!で、ではミサカが作りますよ!」

10033「一人だけ抜け駆けするつもりですか!」

御坂妹「ですが19090号はすでにテっくんと付き合っていますから、抜け駆けというのとは少し違いますよ」

20000「まぁ、19090号が作るのが一番いいよ」



80 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/04(水) 20:40:07.67 ID:zXnYAyX30
テクパトル「・・・な、なんか今日の20000号はおとなしいな」

20000「別にいいじゃんか」

テクパトル「・・・まぁ」

頭をポリポリと掻いてから、テっくんがソファーに座る

テクパトル「・・・19090号、頼んでいいか?」

19090「はい!」

19090号はテっくんのご飯を作るためにキッチンに行った

手伝うのは野暮だと判断したのだろう、他のミサカ達も手を出そうとはしない

そのかわり、テっくんの近くに全員が集まって何かしら話し掛ける

14510「か、肩を揉んだりしなくてもいいですか!?」

13577「飲みたいものとかないですか!?」

御坂妹「えっと・・・と、とりあえず何かミサカ達にできることはありませんか!?」

テクパトル「あぁいや・・・特に今はないかな」

17600「・・・みんな、テっくんに何かしてあげたい気持ちは分かるがもう少し落ち着け」

ミサカ一同「は、はい」

さすがスネークだぜ


81 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/04(水) 21:19:39.63 ID:zXnYAyX30
テっくんは本当に真面目だと思う

彼ほどのいい意味でも悪い意味でも「頑固」な人間は、おそらくそうはいないだろう

テクパトル「・・・あれ、そういえばアレイスターは?」

13577「アレイちゃんは今お出かけ中ですよ」

テクパトル「・・・出かけてる?あいつが?」

17600「統括理事会の仕事なんだとさ」

テクパトル「あぁ、そういえばあいつは理事長か・・・」

テっくんが感心したように頷く

10039「なんだか尊敬の眼差しになっていますね」

テクパトル「そりゃ、人の上にいるなんて難しいことだからな」

14510「なんだか、人の上にいたことがある、というふうに聞こえますが」

テクパトル「・・・まぁな」

テっくんはミステリアスだ

こいつほどミステリアスな男は中々いない

19090「テっくん、ご飯が出来ましたよー!」

テクパトル「おう、ありがと」

こういうやり取りを見てると、テっくんは一途でもあるんだと感心する

ちょっと羨ましいけど


82 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/04(水) 21:29:58.74 ID:zXnYAyX30
テクパトル「・・・はぁ、そういえばこんなに美味しそうな料理は久々だ・・・」

19090「たまにはこういうのも食べないとダメですよ?」

テクパトル「分かってるけど、なんとなくなぁ・・・」

19090「・・・テっくんが作って欲しいと言ったら、ミサカはいつでも作りますよ?」

テクパトル「あぁ、ありがとな」

10033「はぁ・・・なんだか二人を見ていると新婚夫婦を想像してしまいますよ」

テクパトル「ん、そうか?」

19090「ふ、夫婦・・・」カァッ

御坂妹「はぁ、それで赤くなる辺りあなたはまだまだ初心ですよ・・・」

20000「まぁとっくにセックスしてるんだけどね」

ミサカ一同「」

テクパトル「20000号、ちょっとそこに正座しろ」

20000「だって事実でしょ」

テクパトル「事実か事実じゃないかは問題じゃねぇんだよ!!」

20000「なー17600号、テっくんがミサカの尻を狙ってるんだけど」

17600「狙ってねぇさ」

20000「ワーオ、クールに返されたぜ」


83 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/04(水) 21:39:50.04 ID:zXnYAyX30

テクパトル「・・・ご馳走様、美味しかったよ」

19090「それはよかったです」

テクパトル「さーて・・・じゃあ少ししたら、ちょっと出かけるからさ」

19090「?どこにですか?」

テクパトル「まぁ・・・ちょっと野暮用だよ」

19090「!?ど、どこですか!?」

13577「ほらテっくん、あなたの奥様は旦那様の動向が気になるようですよ」

御坂妹「しっかり伝えないとストーキングされてしまいますよ」

19090「そ、そんなことはないですよ!?」

20000「・・・彼女に言えないこととなると可能性は3つ」

10033「一つは彼女にサプライズプレゼントを買う場合」

14510「一つは彼女の親と連絡を取って、ひそかに結婚を企てている場合」

17600「そして最後は・・・浮気」

19090「!?」

テクパトル「残念だがそんな面白い展開はないぞ・・・ジムに行くんだよ」

ミサカ一同「・・・?」

17600「だが今日は午前の勤務だろ?」

テクパトル「今度は客として行くんだよ・・・一方通行も誘ってな」

20000「へぇ・・・」


84 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/04(水) 21:58:42.20 ID:zXnYAyX30
テっくんは本当に努力家だと思う

まぁその労力を筋肉に使うのはミサカには理解できないけど

テクパトル「じゃあまた出かけるけど・・・2時間したら帰ってくるはずだ」

19090「怪我には気をつけてくださいね・・・?」

テクパトル「あぁ、じゃあな」

手を振ってからテっくんは家から出て行く

本日二回目だけど、こういうことはたまにある

10039「・・・なんだか、ヒマになってしまいましたね」

20000「さて、テっくんがいないならミサカはやりたい放題・・・」

17600「あまり調子に乗るなよ」

20000「冗談だって・・・ねぇ、17600号は女の子同士とか興味ない?」ワクワク

17600「ないから近寄るな」

20000「ちぇー」

やっぱりテっくんがいないとヒマだね

早く帰ってきて欲しいよ


85 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/04(水) 22:02:46.28 ID:zXnYAyX30
今日はここまで

筋肉動画は1991年のナショナル

ロニー、フレックス、ケビン・・・

ケビンの独特なシルエットはこの頃から完成していたんですね、三頭と肩が圧倒です

背中はフレックスかロニー、二頭はロニーですかね

足はデマヨ、ポーズはケビンがすごい

http://www.youtube.com/watch?v=dvex7UbUOy0  


サプリのダークマター、購入してしまった・・・届くのが楽しみです

では


86 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 22:32:12.79 ID:ikvsDRimo
>>341
ダークマター届いたら感想聞かせてくれwwwwww
87 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 23:03:47.92 ID:xY0rinib0
乙です
ダークマターはやはり気になるな
88 :以下、あけまして [sage]:2012/01/05(木) 03:23:49.43 ID:sKyegIgfo
乙乙
感想頼む
89 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/05(木) 20:44:51.58 ID:jqEx8baz0
テクパトル「ただいま・・・」

ミサカ一同「お帰りなさい!」

テっくんの一日の「労働」は終わった

仕事としての「労働」と趣味としての「労働」がある

テクパトルはその二つの「労働」を一日一日繰り返している

それらを終えた彼は本当の意味での休息を得るのだ

テクパトル「はぁ・・・一方通行も最近は頑張ってるんだよ」

14510「く、詳しく聞かせてください!」

10033「最近彼は何かに興味がありそうですか!?」

テクパトル「うーん・・・あいつはあんまりそういうことを話さないからな」

19090「では何について話すのですか?」

テクパトル「みんなは元気か、とかだよ」

御坂妹「・・・彼も、ミサカ達のことを気にかけてくれていますからね」

テクパトル「あとは義姉さんのことをなんて呼べばいいか、とかかな」

20000「セロリたんったらそんなことで悩んでるの?」

テクパトル「あいつ、あぁ見えてわりと神経質みたいだぞ」

17600「上位の能力者はどこかしら心におかしな点があるからな」



90 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/05(木) 20:45:40.68 ID:jqEx8baz0
テクパトル「一くくりにするのはどうかと思うけどな・・・」

そういえば昔のテっくんはかなりえげつない性格をしていたらしい

今の彼からは想像も出来ないが、平気で人を殺し、扱い、そして笑っていたらしい

そういうミサカ達だって昔はセロリたんと殺し合った仲だ

別にテっくんの過去を「血まみれ」なんて言うつもりはない

ミサカ達だって血まみれだった

そして、それを涙と汗で洗い流したんだから

テクパトル「・・・もう5時か・・・」

御坂妹「おやつの時間を過ぎてしまいましたね」

テクパトル「それはとっくの前の話だろ・・・そろそろ晩飯作らないとな」

19090「そうですね・・・昨日はミサカ達はトンカツでした」

14510「テっくんは質素な食事でしたけどね」

テクパトル「減量中に油で揚げた物なんて食べられないんだよ・・・」

10039「・・・テっくん、たまにはまともな物を食べないと・・・」

テクパトル「昼に食べたからいいよ・・・贅沢なんて毎回するもんでもないからさ」

ソファーに背を預けながら言うテっくん

輝いてるぜ


91 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/05(木) 21:13:45.08 ID:jqEx8baz0
テクパトル「・・・こうやって原始的かつ単純な生活をしていると、人間は一番充実した人生を送れるんだ・・・」

20000「そういうもんかな?」

テクパトル「少なくとも、ゲームに浸ったりテレビを見続けたりするよりはよっぽど楽しいよ」

19090「ですが・・・美味しいものを食べたいと思うのは人間の性ですよ?」

テクパトル「まぁそうかもな・・・」

興味のなさそうなテっくん

彼にとって食事というのは栄養の補給でしかないのだろうか

テクパトル「でもさ、みんなと顔を合わせて食べられればなんだって美味しく感じるよ」

御坂妹「そ、そうですか」

そういうことか

テっくんにとっては「食卓に家族で並ぶ」のが重要なことであって、その食卓に「何が並ぶ」かは関係ないのだ

テクパトル「はぁ・・・しかし、最近の俺の食事がエサみたいなのは認めるよ・・・」

13577「色がほとんどないですからね・・・」

10033「そのうち無色透明になるんじゃないですか?」

テクパトル「それは水だ・・・」

14510「・・・ですが、そんなものですよね?」

テクパトル「より効率のいい食事だ・・・」

テっくんが溜め息をつく


92 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/05(木) 21:17:52.07 ID:jqEx8baz0
御坂妹「そういえば、今はどれくらいのカロリーを摂っているんですか?」

テクパトル「・・・そうだな、2000キロカロリーくらいかな」

20000「それって結構多いんじゃないの?」

テクパトル「筋トレ趣味だったら自然と代謝がよくなるからな・・・」

10039「そうなんですか?」

テクパトル「あぁ、ダイエットをしたいなら有酸素だけじゃなくて筋トレも・・・ってなんでみんな目を輝かせてるんだ?」

19090「も、もう少し詳しく話してください!!!」

10033「そうですよ!!もっともっと情報をください!!」

テクパトル「い、いや・・・それだけだけどさ」

14510「そんなことはないでしょう!?さぁ、テっくんが短い間で一気に体重を減らす方法を教えてください!!」

テクパトル「お、女の子がしていいもんじゃないぞ・・・」

御坂妹「なんでですか!?」

テクパトル「こう・・・痩せたら胸も小さくなるしさ」

ミサカ一同「!?」

テクパトル「それに、女の子はふっくらしてたほうがいいぞ?」

19090「ミサカは・・・ふ、ふっくらしてません!!」

20000「よーし、ちょっとふっくらして来よう」

テクパトル「やめろ」


93 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/05(木) 21:21:28.66 ID:jqEx8baz0


テっくんは本当にダンディーというか、男らしい

ソファーに座っているだけでどこぞのマフィアみたいだ

そのくせ実は意外と几帳面で優しいから面白い

テクパトル「・・・いただきます」

だからこそ、こういう食事にも耐えられるのだと思う

ミサカ達の目の前には美味しそうなハンバーグがある

しかしテっくんの目の前にはササミにソースをかけただけでの適当なものしかない

10033「・・・あ、あの・・・」

19090「・・・ミサカ達も、その・・・」

テクパトル「いいっていいって、俺は趣味でやってるんだからさ」

御坂妹「で、ですが・・・」

テクパトル「・・・それに、仕事が仕事だからしっかり管理しないとな・・・」

17600「大変だなテっくん」

テクパトル「大変というよりも複雑だよ・・・こういうのって本当に健康にいいのかたまに迷うよ」

13577「だ、だったら一緒にハンバーグを・・・」

テクパトル「いや・・・これでいい」


94 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/05(木) 21:25:20.41 ID:jqEx8baz0
テっくんは哀れだ、とも思う

彼はどうしてそこまでして痩せたいのだろうか

20000「・・・ねぇ、なんで痩せたいの?」

テクパトル「・・・それはもう説明するのもだるい」

20000「でもさ、その食事って・・・女の子の普通の食事より少なくない?」

テクパトル「・・・そうだな」

20000「ねぇ、ちょっとはまともなもの食べようぜメーン」

テクパトル「誰だお前」

20000「・・・そうやって質素な生活してるの見てると、ミサカは胸が痛むよ」

テクパトル「あんまりない胸なのにな」

ピキーン、とMNWが青筋を立てる

御坂妹「それはミサカ全てに喧嘩を売ったということですね!?」

10039「ミサカ達は胸がないと言いたいのですね!?」

14510「そ、そりゃたしかにショチトルや心理定規みたいなスタイルではないですがそれでもマシなほうですよ!?」

テクパトル「・・・い、いや・・・そういう意味じゃなくてさ」

17600「というか、なんでミサカ達の胸が小さいと知ってるんだ?」

ミサカ一同「!?」

テクパトル「・・・お前ら、今まで俺がどれだけお前らの下着を選択したと思ってやがる・・・」


95 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/05(木) 21:30:03.07 ID:jqEx8baz0
19090「そ、そうですよね!!」

なんでか19090号は安心してそうだ

浮気でも疑ったのだろうか

20000「・・・もしかしてさ、ミサカ達の胸を見たことがあるの?」

19090「!?」

20000「・・・も、もしかしてミサカ達の風呂シーンを覗いて・・・」

テクパトル「聞いてたか?俺がお前達の下着を買ってきたんだぞ、19090号だけはついてきてくれてたけどかなり恥ずかしかったんだぞ」

御坂妹「・・・そういえばそうですね」

テクパトル「・・・はぁ、ご馳走様」

ポン、とテっくんが手を合わせる

ミサカ達はまだハンバーグが半分以上残ってる

14510「あ、あの・・・」

テクパトル「・・・なんだよ」

14510「ひ、一口だけ・・・どうですか?」

ミサカ一同「!?」

14510号がフォークに刺したハンバーグをテっくんに差し出す

19090「そ、そそそそそそそそそれはミサカの役目ですよね!?」

テクパトル「いや・・・いいんだってば」


96 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/05(木) 21:36:31.08 ID:jqEx8baz0
20000「あれ、どこ行くのさ?」

テっくんが玄関に向かっていく

テクパトル「庭だよ・・・ちょっと空が見たくてさ」

19090「そ、空ですか?」

14510「お、怒っちゃいましたか・・・?」

テクパトル「いや・・・気持ちは嬉しかったよ、ありがとう」

笑ってからテっくんは庭へと向かった

どうしようかな、ミサカも行きたいな

20000「あーあ、おなか一杯だぜ!!」

17600「・・・残ってるぞ」

20000「食べていいよ、ついでにミサカも」

17600「お前は食べない、ハンバーグはもらおう」

さすがスネークだぜ

17600「じゃ、行ってきな」

19090「ミ、ミサカも・・・」

20000「あーあー、たまにはテっくんと二人にさせてくれよ、ミサカだってたまには親父代理と二人になりたいのさ」

19090号がしぶしぶといった感じで頷いた


97 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 14:54:59.84 ID:1EOUJg1k0


20000「やっほ」

テクパトル「ん?なんだ、もう食べ終わったのか」

庭に置いてある椅子に座ってたテっくんがミサカのほうを見てくる

真っ暗な中でも、テっくんはなんとなく目立っていた

20000「んにゃ、残した」

テクパトル「なんで残したんだよ・・・もったいない」

20000「だったらテっくんが食えばいいじゃんか」

テクパトル「遠慮するって言ったろ・・・座るか?」

20000「うん」

テっくんの隣に座るとなぜだか安心する

一方通行の近くにいるとドキドキするのと似ていて、でもそれとは違う感覚

20000「・・・なんで空を見たくなったの?」

テクパトル「俺が昔住んでいたアステカにはな、星に纏わる神話が伝わっていた」

20000「あぁ、聞いたことあるよ」

テクパトル「前に教えたかな」

小さく笑うテっくんは、本当に楽しそうだ

テクパトル「金星にはトラウィスカルパンテクートリ・・・そういった具合で、様々な星にはそれぞれ神がいると考える神話だ」



98 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 14:55:28.09 ID:1EOUJg1k0
20000「ミサカには理解出来ないな・・・星なんてただのガスや塵の固まりだよ」

テクパトル「あぁ、俺だってそう思うさ」

ロマンというのはそこにあるわけではなく、勝手に人間が生み出したものに過ぎない

ミサカはそう思ってる

あの遠い星空を夢見るのは勝手だけど、その星空の全貌を解き明かした途端に興味を無くすのはいただけない

テクパトル「でもな、俺はそういった少し馬鹿みたいな考えも好きなんだよ」

20000「なんでさ、テっくんってリアリストっぽいイメージなのに」

テクパトル「つまらない世界だからこそ・・・夢くらいは持っていたいじゃないか」

20000「・・・」

テクパトル「・・・ガキの頃はな、本当にあの星には神様がいるんだと思ってた」

20000「今は違うんだよね?」

テクパトル「・・・ある時気づいたんだよ、神様なんていないかもしれないって」

そう語るテっくんはなぜか悲しそうだった

テクパトル「神様がいれば、世界はもっと幸せなはずだ・・・あるいはそもそも、不幸自体が存在しないか」

20000「だから、神様はいないか・・・ちょっと単純すぎる理由だね」

テクパトル「理由なんてどうでもいいんだ、結局俺は神という存在を信じられなくなった」

それに、とテっくんは続ける



99 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 14:56:04.78 ID:1EOUJg1k0
テクパトル「俺がどういう行動を取るか決められるのは俺だけだ、だったら俺の人生での神は俺なんじゃないかな」

20000「・・・自分が神様か、宗教のお偉いさんが聞いたら発狂しそうな理屈だね」

テクパトル「・・・言い方はあれだがそれは真実さ、神に祈ったところで正しい答えを得られるわけがない」

もしそうならば、宗教戦争なんてものは存在しないのだから、とテっくんが苦笑する

20000「そういうもんかな」

テクパトル「あぁ・・・こうやって空を見てると、やっぱりあそこには神様なんていないと思うんだ」

20000「・・・あんな高い所じゃ息なんて出来ないもんね」

テクパトル「・・・あんな高い所から、地を這いずり回ってる俺なんか見えるわけがない」

20000「テっくんはもうそんな人間じゃないよ」

テクパトル「・・・あぁ、そうだな」

どこから持ってきたのか、テっくんがビールを取り出す

わざわざ冷蔵庫から持ってきたのかな

テクパトル「・・・月が綺麗なんだよ、ここからだと」

20000「ま、まさかここでミサカに告白!?」

テクパトル「そういう意味じゃないからな・・・」

冗談だよ、と笑ってからミサカも月を見上げる

綺麗だ



100 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 14:56:31.05 ID:1EOUJg1k0
テクパトル「・・・19090号とまだ付き合う前にもさ、こういう月を二人で見上げたんだ」

20000「へぇ、そりゃ羨ましいばかりだね」

テクパトル「あいつを愛することが出来たから、今の俺はここにいるんだ」

20000「そうだね・・・たしかに、19090号はテっくんにとって一番大きな存在だ」

呆れるほど、テっくんは19090号を愛している

そして彼女もまた

テクパトル「・・・俺を誘ってくれたのはお前だったな」

20000「そうだっけ?」

テクパトル「何もかも無くして路頭にさ迷っていた俺に声を掛けてくれたじゃないか」

20000「あぁ・・・あの時はただの外国人だと思ってたよ」

テクパトル「いや、外国人なんだけどさ」

20000「・・・でもさ、ありゃ偶然だったのか運命だったのか分からないね」

テクパトル「過去のことなんてなんとでも言えばいいさ・・・結果として俺はここに居場所を見つけられたんだから」

テっくんがミサカのほうを見てくる

ビールを掲げ、まるで乾杯のようにしながら

テクパトル「・・・お前のおかげだ、普段のお前はふざけてるからこういう真面目な話は出来なかったが・・・今なら言える、本当に感謝してるよ」



101 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 14:57:09.83 ID:1EOUJg1k0
20000「・・・どいたま」

そういうこと言われると背中が痒くなる

別にミサカは特別なことなんてしてないのに

テクパトル「・・・あのさ」

20000「何さ」

テクパトル「本当にありがとう、俺の人生を変えてくれたのは19090号だが・・・きっかけをくれたのはお前なんだ」

20000「・・・あー!もういいって、そういうの恥ずかしいから!」

テっくんは何も分かっちゃいない

テクパトル「な、なんだよ・・・こっちは真面目になってお礼言ってるのに」

20000「いいんだよ!テっくんはそれ以上にミサカ達に大切なものをくれてる、ギブアンドテイクだぜ!」

テクパトル「あ、あぁ」

20000「大体ね、家族の間にそんな他人行儀なんていらないの!一緒にいるのも当たり前、わざわざ感謝なんてするな!それに感謝するのは他人にだけでいいんだよ!」

テクパトル「!」

20000「・・・まぁさ、ミサカもテっくんには感謝してんだから・・・そういうこと、一人だけ抜け駆けして言わないでよ」

あぁ、恥ずかしい

頬を掻いてごまかしてみるけどなんかテっくんの肩が震えてる



102 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 14:57:53.32 ID:1EOUJg1k0
ミサカがこういう話をするのっておかしいかな

テクパトル「ははは!お前ってホント、たまに信じられないほど真面目な時があるよな」

20000「・・・悪いかよ!」

テクパトル「いや・・・構わないよ」

またテっくんが空を見上げる

テクパトル「・・・なぁ、20000号」

20000「なに」

テクパトル「・・・これからも、俺達は家族だよな?」

あぁ、テっくんはやっぱり真面目な人間だ

だから、ミサカだってたまには真面目になってもいいよね

20000「当たり前じゃん、家族は一生家族だよ」

テクパトル「あぁ」

テっくんの観察日記、その結果

彼は馬鹿で真面目で優しくて、19090号のことになると必死になる男だ

そして、何よりミサカ達のことを考えてくれる男でもある




103 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 14:58:53.92 ID:1EOUJg1k0



テっくんの観察日記、夜のテクパトル

テクパトル「・・・どうだ」

19090「んっ・・・はぁ」

テクパトル「・・・み、みんな寝たかな」

19090「た、多分・・・」


ちっちっちっ

ミサカはまだまだ寝てないぜ!

壁に盗聴器を仕掛けてるんだよ!

普段の19090号なら気づくかもしれないけど、今のあいつはエッチの最中だ!

つまり、微弱な電磁波なんか気づくわけがない

エッチが終わって落ち着いてから、盗聴器があることに気づくのさ!

ちなみにミサカは受信機片手、もう片手はパンツの中だ

17600「・・・おい、悪趣味だぞ」

20000「いいじゃんか、別にテっくんの喘ぎをオカズにするわけじゃないんだ」

17600「?違うのか」

20000「AVと同じだよ、誰の声でもいいけど聴覚的な刺激が欲しいの」

17600「お前はやっぱり変態だな・・・少し見直そうかと思ったがやはり」

20000「しっ!また始まったぜ!」




104 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 14:59:27.37 ID:1EOUJg1k0


テクパトル「くっ・・・な、なんか締まりがよくなってるな・・・」

19090「!?そ、そんなこと・・・あっ・・・」

テクパトル「胸も感じやすくなってるし・・・」

19090「はぁっ・・・そんなこと・・・言わないでください・・・」

テクパトル「ごめんごめん・・・お前が可愛くてさ」

19090「うぅ・・・」


こりゃリアリティーがあるぜおい!

下手なAVの映像見るよりずっと興奮するね!

二人が今何してるか想像を膨らませるのがまた楽しいのなんの!

クチュクチュという卑猥な音が、ミサカのオーガズムを誘発する!

これだから盗聴はやめられない、時々してきたけど今回はあまりにも興奮してるよ

ちなみに壁に盗聴器を仕掛けた、と言っても穴を開けて埋め込んだのではなく壁に貼付けるタイプのヤツだ

学園都市の技術を使えば小型の盗聴器なんて楽に手に入る

安価で便利なんだから、まさに文句のつけようがない



105 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 14:59:56.67 ID:1EOUJg1k0
テクパトル「・・・っ!」

19090「!っ・・・はぁ・・・」

テクパトル「はぁ・・・ちょ、ちょっと休ませてくれ・・・」

19090「はぁ・・・ん、激しかったですね・・・」

テクパトル「あ、あぁ・・・久しぶりだからさ」

19090「・・・そ、そうですね」


うっはぁ、19090号ってこんなに上気した声も出せるんだ

こりゃ普段とのギャップが果てしないね

録音したいけどそれはさすがに可哀相か

にしてもテっくんも絶倫だね

もう四回だよ四回

17600「・・・なぁ、いい加減やめたらどうだ」

20000「まぁまぁ、結構面白いんだってば」

17600「・・・あまり人のプライベートに手を出すようなことはしないほうがいい」

20000「分かってるって、ただちょっと興味あるじゃんか」

17600「・・・ミサカは知らないからな、盗聴器がバレたらお前、テっくんに相当怒られるぞ」

20000「その恐ろしさもまた一興!」

17600「ちっ・・・静かにしろよ、ミサカは寝るからな」

20000「あいよー!」


106 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 17:00:48.37 ID:1EOUJg1k0

テクパトル「・・・な、なぁ・・・もう流石にきつい・・・」

19090「あ、あと一度だけ・・・」

テクパトル「!そ、そっか・・・分かった」

19090「あっ・・・」


ひゃー!!

こりゃたまらないね!!

ギシギシ軋むベッドの音も、妙にリアルだぜ!!

20000「なぁなぁ17600号!!お前もちょっと聞いてみなって!!」

17600「うるさいな・・・ミサカは眠いんだよ」

20000「えー、そう言わずにさぁ・・・テっくんの喘ぎ声、中々面白いぜ?」

17600「・・・残念ながらそういう趣味はないんでな」

20000「ちっ・・・」

17600「・・・なぁ、本当にバレたらまずいだろ」

20000「そうだね、まずいかも」

17600「・・・逃げ出したいよ、この場から」ハァ

なんで溜め息をつくのか、と問い詰めたくなる

こんな面白いことはないのに


107 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 17:03:48.76 ID:1EOUJg1k0

テクパトル「はぁ・・・も、もうギブ・・・」

19090「はぁ・・・そ、そうですね・・・ん?」

テクパトル「ど、どうした?」

19090「・・・か、壁から微弱な電波を感じます・・・」

テクパトル「壁・・・!?」


あ、気づかれたっぽいな

音が聞こえなくなった

多分叩き潰されたんだね


テクパトル「20000号!!」

バァン、とミサカ達の部屋のドアが勢い良く開けられた

服を着てるってことは着衣プレイだったのかな?

それともわざわざ着てきたのかな

20000「いやぁ、激しいエッチでしたねテクパトル殿」

テクパトル「やっぱりてめぇか!!ちくしょう、さっきまで今日のお前はまともだと思ってた俺が恥ずかしいよ!!17600号、お前は聞いてなかっただろうな!?」

17600「誰に聞いてるんだよ」

テクパトル「よし・・・20000号、ちょっとこっちに来い」

20000「ちぇー」



108 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 17:12:55.67 ID:1EOUJg1k0

19090「・・・テっくんの声を聞いてましたね?」

20000「正確には19090号の声も聞いてたけどね」

19090「な、なんて破廉恥なことを・・・」

テクパトル「・・・言い訳はあるか?あぁ?」

20000「いんや、するつもりはないしバツも受けるつもりだけどさぁ・・・幻滅したなぁ、19090号があんなにも卑猥な声を上げるような女だったなんて」

テクパトル「!お、おい・・・」

19090「そ、それは・・・」カァッ

20000「・・・いやぁ、これをみんなにバラしたらどうなっちゃうかなぁ?」ニヤニヤ

テクパトル「!!そ、それだけはやめろよてめぇ!!」

20000「んー、でもさでもさ、ミサカってそう言われると言いふらしたくなるんだよね」

19090「ど、どうすればいいのですか?」

20000「見逃してくれたらいいけど」

テクパトル「・・・分かったよ・・・今回だけだからな」

20000「いよーっ!!太っ腹だねテっくん!!」

テクパトル(この野郎・・・)

19090(あとで上位個体にお仕置きしてもらいましょう)



109 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 19:26:17.86 ID:1EOUJg1k0
20000「まぁまぁ、今回は穏便に済ませたってことでいいじゃんか」

テクパトル「・・・録音なんてしてないだろうな」

20000「してるわけないじゃん、あとそれ聞いてオナってたのも5回だけだから」

テクパトル「・・・てめぇ、やったんだな!?」

20000「いやぁ・・・しかし、19090号の声は可愛かったなぁ・・・」

19090「・・・テっくん、この人おかしいです」

テクパトル「あぁ・・・やっぱりお前はおかしかったよ」

20000「ひっでぇな、その言い方」

テクパトル「はぁ・・・もういい、二度とこんなことするなよな」

20000「分かってるって」

テっくんったら恥ずかしがり屋さんだな

ミサカはそういうのオープンに出来るけどなぁ

テクパトル「・・・あぁそうだ20000号」

20000「なに?」

テクパトル「・・・今日一日、ずーっと俺を観察してただろ」

20000「」

テクパトル「まさか・・・日記とか書いてないだろうな」

20000「・・・も、もちろん」


テクパトルの観察日記、これにて終了だぜってミサカはお知らせするあばばばばばばば

110 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 19:29:26.11 ID:1EOUJg1k0


垣根「・・・なぁ、もう5月だぜ」

心理「・・・そうね・・・」

垣根「・・・ゴールデンウィーク、もうあと二日で始まるぞ」

心理「そうね・・・」

垣根「・・・世間は行楽気分真っ盛りだろうな」

心理「いいわよね・・・お気楽で」

垣根「あぁ、お気楽だよな」

テレビのニュースを見つめながら、二人はソファーに寝転がっていた

何もする気がしない

こんなめんどくさいという感覚は初めてだ

何をするのもめんどくさい、鬱陶しい

短い会話さえも交わすのがきつい

垣根「・・・なぁ、これってあれか」

心理「・・・そうね、きっと世間一般で言うあれよ」


垣根・心理「5月病・・・」


未元定規、5月病の巻


111 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 19:41:41.96 ID:1EOUJg1k0
垣根「・・・なぁ、テレビ消せよ・・・うるさいんだ」

心理「いいでしょ・・・もう、リモコン取るのも面倒よ・・・」

垣根「・・・あぁ、そうだな・・・くっそ」

垣根がポリポリと頭を掻く

未元物質で電波を狂わせてもいいが、演算がめんどくさい

垣根「・・・あぁ、俺は今リモコンを取りました・・・」

心理「そういうシュミレーションはいいわよ・・・」

垣根「・・・うるせぇな・・・」

心理「・・・こういうとき、結標淡希の能力は便利よね」

垣根「あぁくそ・・・うぜぇ・・・」

テレビの中の笑い声がうるさい

二日酔いのときと同じで、笑い声や話し声が妙に大きく聞こえる

心理「・・・ご飯、どうする・・・?」

垣根「・・・知るかよ・・・上条にでも来てもらおうかな・・・」

心理「そうね・・・電話してよ」

垣根「はぁ?お前がしろよな・・・」

心理「ねぇ・・・垣根、あなたがやって」

垣根「はぁ・・・?」



112 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 19:48:22.81 ID:1EOUJg1k0
心理「私動きたくないのよ・・・」

普段の彼女からは想像できないほどのだらけた姿だ

ドレスの肩紐も片方がはだけている

セクシーだな、と垣根は思う

しかしその露になった肩に触れたいとも思わない、だってめんどくさいから

垣根「・・・俺だって動きたくねぇよ・・・」

心理「・・・携帯、ポケットに入ってるんでしょ・・・?」

垣根「そりゃあるけどよ・・・」

心理「ねぇ・・・かーきーねー・・・」

垣根「あぁくっそ鬱陶しい・・・」

心理「何よ・・・彼女に言う言葉じゃないわよね・・・」

垣根「・・・分かったよやってやるよ・・・」

垣根が携帯を取り出す

電話帳を開いて上条に電話を掛ける

しかし、コールは何回鳴り響いても通話が始まらない

垣根「・・・なんだよ、あいつ・・・」

心理「・・・美琴とデートじゃないの・・・?」

垣根「・・・あの野郎・・・」


113 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 19:53:52.81 ID:1EOUJg1k0
心理「はぁ・・・もういや、ねぇ垣根・・・」

垣根「なんだよ今日はあんまり話しかけるな・・・」

心理「何よそれ・・・ちょっと傷ついたわよ・・・」

垣根「・・・いや、別にそういう意味じゃなくてな・・・」

心理「・・・謝りたいなら抱きしめてよ」

垣根「それがめんどくさいんだよ・・・」

心理「・・・そうね、ちょっと分かるわよ・・・」

はぁ、と二人が溜め息をつく

そういえば朝起きてソファーに寝転がってから、そこから動いてない気がする

垣根「・・・俺達のテリトリーって狭いな・・・」

心理「はいはいそうね・・・」

垣根「あぁくそ・・・心理定規が辛辣だ・・・」

心理「・・・仕方ないでしょ・・・」

ぐったりしながら時計を見つめる

すでに時刻は正午だ

5月病というのは一日二日で治るものではない

つまり、ゴールデンウィークも恐らくはずーっとこのテンションだ

垣根「・・・なぁ、昼飯どうする?」

心理「もうその話はやめましょうよ・・・」



114 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 20:21:17.07 ID:1EOUJg1k0
垣根「・・・あぁ、だりぃ・・・」

心理「寝ましょうか・・・」

垣根「そうするか・・・」

ゴロン、と二人が寝返りを打つ

そして、ウトウトと眠りに・・・


ピンポーン、という音のせいでつけなかった

誰かが訪ねてきたのだ

垣根「・・・うぜぇ・・・」

心理「誰よこんなときに・・・」

垣根「・・・心理定規、寝てていいぞ・・・」

垣根がだるい体を無理矢理起き上がらせる

心理「・・・ありがと」

垣根「・・・これで宅配便とかだったらブチ切れるな」

そう言いながら、玄関へと向かう


垣根「・・・誰だよ」

上条「おっす」

垣根「・・・あれ?」

美琴「やっほ・・・ヒマだから来ちゃった」

垣根「・・・あれ?」


垣根「結果オーライだと?」


115 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 20:31:06.14 ID:1EOUJg1k0

心理「・・・あらいらっしゃい・・・」

上条「ど、どう・・・も?」

美琴「な、なんでこんなセクシーなことになってるの?」

心理「・・・別に、狙ってるわけじゃないわよ・・・」

美琴「・・・髪の毛ボサボサじゃないの・・・」

心理「・・・そうかもしれないけど・・・どうでもいいわよ・・・」

上条「ど、どうしたんだ?」

心理「・・・ちょっと整えるのがめんどくさいだけよ・・・」

ゆっくり体を起こす心理定規

まるで起きたばかりのような彼女の姿に、上条と美琴は戸惑ってしまう

美琴「・・・ね、ねぇ・・・?」

心理「・・・5月病よ・・・」

上条「そうなのか?」

垣根「ついでに俺もな・・・本当はお前達に来てほしくて上条の携帯に電話したんだけどよ」

上条「あぁ・・・家に忘れてきてさ」

垣根「てめぇ役立たずだな・・・」

美琴「ちょっと!!当麻になんてこと・・・」

心理「大声出さないで・・・うるさいから・・・」

美琴「ご、ごめんなさい・・・」


116 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 20:53:10.40 ID:1EOUJg1k0
垣根「・・・でもよかった、お前達に昼飯作ってもらうから・・・」

美琴「そ、そうなの?」

心理「ごめんなさいね・・・」

上条「あ、あぁ・・・いいけどさ」

垣根「・・・頼むぜ・・・」

ぐったりとした垣根と心理定規を、上条が哀れそうに見つめる

上条「・・・にしても・・・なんか心理さんがセクシーすぎるんだけどなぁ・・・」

美琴「・・・なんか当麻が他の女の子にそういうのはイヤだけど・・・ちょっと同意しちゃうわね・・・」

心理「・・・ジロジロ見ないでよ」

上条「す、すいません・・・」

垣根「・・・今俺達は不機嫌だししかもめんどくさがりなんだよ」

美琴「な、なんか絡みにくいわね・・・」

心理「悪かったわね・・・」

心理定規が二人を睨みつける

上条「・・・こ、怖いから早く昼飯を・・・」

心理「何か言ったかしら」

上条「な、なんでもないですよ!!」

心理「・・・じゃあ、昼ごはんお願いするわね・・・」

美琴(・・・きょ、今日の二人は・・・なんか怖いわ)


117 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/06(金) 21:36:43.53 ID:1EOUJg1k0
今日はここまで

5月病ってすごいだるいというか、やる気なくなりますよね

筋肉動画はロニーの1997年のDVD、しかも日本語訳つき

http://www.youtube.com/watch?v=Bs4LQrCJlLc 

「どれだけ」やるかではなく「どのように」やるかだよ、これはトレーニングで一番大事なことですね

しっかしすごい体・・・

ダークマターの感想は来週になるかと

若干楽しみw

では


118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/01/06(金) 22:17:14.52 ID:cWrQX26K0
>>1乙です
>テクパトル「俺がどういう行動を取るか決められるのは俺だけだ、だったら俺の人生での神は俺なんじゃないかな」
この考えはアレイちゃんの言うホルスの考えに近いのでは?
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/06(金) 22:33:43.65 ID:ccf2XuhDO
>>1乙である。
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 00:43:52.50 ID:3tRgVehIo
乙なんだよ!
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/01/07(土) 01:49:30.18 ID:HzZToMex0
>>1乙だにゃー

>>118
深読みしすぎだww
人は誰もが心の中に神様を持っていて、そしていつかその神様をそげぶしなきゃならないモンなのさ
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/07(土) 09:38:18.52 ID:4s9/7kLqo
乙パトルなんだよ!
123 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/07(土) 16:43:19.63 ID:2NKrlfR30
美琴「・・・にしても心理定規のだらけた姿って珍しいわね」

心理「そうかもね・・・いつもは真面目にやってるから・・・」

垣根「・・・そうだな・・・」

美琴「・・・垣根が元気じゃないのも珍しいわよ」

垣根「うるせぇな・・・お前は喋らなきゃ死ぬのかよ」

美琴「な、なによその言い方!?」

垣根「黙ってたら可愛いんだから少しは静かにしろよな」

美琴「かっ・・・」

美琴が顔を真っ赤にする

上条以外の男性に言われると素直には喜べない

しかし決してイヤなわけでもなく、反応に困ってしまうのだ

心理「・・・はぁ・・・美琴達は遊びに来たのよね?」

美琴「そうそう・・・でも邪魔だったかな?」

垣根「むしろありがたいぜ・・・昼飯作ってもらえるなんて」

心理「そうね・・・ありがとう」

美琴「これくらいどうってことないけど・・・」

垣根「・・・だりぃ・・・」



124 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/07(土) 16:43:57.83 ID:2NKrlfR30

美琴「・・・」

美琴が少し疑問に思う

5月病というのはここまで元気が無くなるものなのか

もちろん、それなりにやる気や元気は無くなるだろうが

美琴「ねぇ・・・風邪とかじゃないわよね?」

心理「熱なんてめんどくさいから測ってないけど・・・」

垣根「多分違うぜ・・・あぁだりぃ・・・」

美琴「・・・普段はしっかりしてる心理定規は・・・知らない間にこういうだらけた生活を求めてたのかしら」

心理「それはあるかもしれないわね・・・その反動がここにきて現れた、とか」

垣根「・・・御坂、あんまり話し掛けるなよ・・・返すのがだるい」

美琴「ご、ごめん」

垣根「・・・あぁいや、いいんだけどよ・・・」

美琴「・・・ねぇ、ホントのホントに風邪じゃないの?」

垣根「だから違うって・・・」

垣根がため息をつく

風邪のだるさなら気づくはずだ、それに二人一辺にかかるなど珍しいにもほどがある



125 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/07(土) 16:44:43.82 ID:2NKrlfR30
心理「・・・疲れが溜まってたってのもあるかもね」

美琴「疲れ?」

垣根「・・・イギリス行ったりバイトしたり・・・最近は緊張と緩和がありすぎた」

美琴「でも私達はなんともないわよ?」

心理「あなたも上条君も慣れてるからよ・・・」

垣根「・・・まぁ騒動に巻き込まれるなんて慣れたくはないけどな」

美琴「・・・そういうもんかしら」

垣根「・・・あぁ」

あくびをしてから、垣根が美琴に頼み事をする

垣根「・・・冷蔵庫から飲み物持ってきてくれねぇか?」

美琴「あのね・・・私はアンタの召し使いじゃないの」

垣根「・・・ゲコ太ストラップのためのアルバイト」

美琴「う・・・」

垣根「騙された俺達」

美琴「そ、それは悪かったけど・・・」

垣根「・・・あぁいいよ、そうだよな御坂は友達の困ってる姿を見てもなんとも思わないひどい人だからな分かってます」



126 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/07(土) 16:45:23.66 ID:2NKrlfR30
美琴「急に饒舌になったけど・・・結局は悪口よね」

垣根「・・・なぁー上条!」

上条「はいはい・・・飲み物だろ?」

キッチンから出てきた上条は、手に二本のペットボトルを抱えていた

上条「ったく・・・料理中にはキッチン離れたくないんだけどな」

心理「優しいのね・・・抱かれたくなっちゃうわよ」

上条「だ、抱かれ!?」

心理「ウソ」

上条「」

垣根「はぁ・・・水がうめぇ・・・」

美琴「・・・ミネラルウォーターとか買い溜めしてるんだ」

心理「私、あんまり水道の水は飲みたくないのよ」

上条「でも俺達といる時は普通に・・・」

心理「友達のいる時にそんなことゴチャゴチャ言うわけにもいかないでしょ・・・」

ミネラルウォーターを飲みながら、心理定規が苦笑する

心理「これでも一応あなた達には気を遣ってるのよ?」

上条「そうだったんだ・・・でも自然すぎて分からなかった」

美琴「・・・ねぇ、友達なら気遣いなんていらないのよ?」



127 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/07(土) 16:46:02.05 ID:2NKrlfR30
心理「・・・礼儀よ、水のことだけでそこまで細かく言いたくはないもの」

垣根「・・・水うめぇ・・・」

心理「・・・それより、キッチンはいいのかしら」

上条「おぉ!忘れてた!」

慌てて上条がキッチンに戻る

心理「料理を焦がす分には構わないけど・・・鍋とかフライパンは焦がさないでね」

上条「あっぶねぇ・・・ギリギリだったよ」

垣根「・・・そりゃ何よりだ」

美琴「・・・垣根、アンタがボケないだけでこんなに平和なのね」

垣根「うるせぇな・・・てめぇ、頭ぶち抜かれてぇか?」

美琴「ご・・・ごめん・・・」

心理「ちょっと垣根・・・美琴にそんなこと言わないの」

垣根「・・・ちょっと今の俺はバイオレンスなんだよ」

いらいらとした感じで垣根が美琴を睨みつける

美琴「そんなに疲れてるの?」

垣根「あぁ最悪だ」

上条「ったく・・・ほら、飯出来たぞ」

上条が野菜炒めの乗った皿を持ってくる

上条「悪いな・・・料理得意ってイメージかもしれないけどさ、あんまり手の込んだのは・・・」



128 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/07(土) 16:46:27.98 ID:2NKrlfR30
心理「いいのよ・・・それに野菜炒めってあっさりしてて食べやすいじゃないの」

垣根「そうだな・・・元気がない時にはもってこいだ」

ノソノソ、と二人が体を起こす

動作が緩慢すぎて面白く見えるが、それを口にしたらまた不機嫌な垣根に睨まれてしまう

美琴「・・・二人とも食べる元気だけはあるんだ」

垣根「食事すれば少しは元気が出るはずだ・・・」

心理「元気を出すために元気を出さないといけないのよ・・・笑えるわよね」

美琴「な、なんて投げやりなボケ・・・」

上条「言ってやるなよ美琴・・・」

垣根「なんだよ元気なお二人さん」

心理「いいわよね、気楽な二人にはこの倦怠感なんて分からないわよ」

美琴「・・・心なしか口調も厳しいわよね」

垣根「そりゃ悪かったな・・・上条、美味いぞこれ」

上条「そうか・・・心理さんは?」

心理「そんなに私のリアクションが気になるのかしら」

上条「・・・なんか垣根以上にグルメっぽいからさ」

心理「大丈夫よ、今すぐ旦那にいけるわ」



129 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/07(土) 16:47:29.62 ID:2NKrlfR30
美琴「と、当麻が旦那さん・・・」

垣根「・・・ごちそうさま」

垣根が箸を置く

しかし野菜炒めはほとんど減っていない

上条「や、やっぱり口に合わなかったんじゃ・・・」

垣根「そうじゃねぇよ・・・今はどんなレストランの料理でも食べ切れない自信がある」

上条「そんなに疲れてるのか・・・」

美琴「・・・他にほしいものとかない?」

垣根「ないよ・・・悪いな御坂、ちょっと機嫌悪くてよ」

美琴「いいわよ・・・それに本当に疲れてるみたいだし」

心理「・・・何から何まで悪いわね」

垣根「持つべきは友だよな・・・」

上条「ここで実感するのかよ」

垣根「あぁくそ・・・世の中はゴールデンウィークだって騒ぎ出す頃なのによ」

上条「あ・・・それで思い出した」

心理「何?何かあったの?」

美琴「・・・その、一緒に旅行に行かないかってさ」

垣根「は?」

心理「は?」


垣根・心理「は?」

上条「なんで素なんだよ」



130 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/07(土) 16:48:25.10 ID:2NKrlfR30
垣根「待てよ、ゴールデンウィークにか?」

上条「あぁ・・・ホントはみんなで行きたかったんだけど、中々都合がつかなくてさ」

垣根「俺達とお前達だけ?」

美琴「ううん、あとエツァリさん達」

垣根「・・・懐かしい三組だなおい」

上条「でも二人がこんな感じじゃ仕方ないかもな・・・」

心理「待ちなさいよ、誰も行かないとは言ってないわ」

上条「い、行けるのか?」

美琴「でもちょっと遠出になるわよ?」

垣根「どこだよ?」

美琴「温泉巡ってホテルに泊まって・・・福岡なんだけどさ」

垣根「福岡か・・・ホークスの本拠地じゃねぇか・・・」

心理「私、ダイエー時代が好きだったわ」

垣根「今は応援歌のメロディーが無理矢理だからな」

上条「なんか元気になったな・・・」

美琴「楽しいことがあると人間は元気になれるのよ」

垣根「いいな、行こうぜ」

心理「で?いつ出発なのよ」

上条「明後日だけど」



131 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/07(土) 16:49:20.24 ID:2NKrlfR30
垣根「明後日か・・・それまでには5月病治さないとな」

心理「じゃあ今日はしっかり寝ないとね」

上条「あ、あの・・・」

心理「何?プランはあなた達に任せるわよ」

美琴「そ、そうじゃなくて・・・本当にそれまでで体調治せるの?」

垣根「出来るか出来ないかじゃねぇ、進むか辞めるかだ」

上条「ソファーにもたれながら言う台詞じゃねぇよな・・・」

垣根「了解・・・久しぶりに懐かしい三組での旅行か」

心理「悪くはないわね」

美琴「それを伝えに来たんだけど・・・すっかり忘れてたわね」

上条「垣根がゴールデンウィークって言わなかったらまだ思い出してなかったな」

垣根「・・・温泉かぁ、楽しくなりそうだ」

心理「疲れも取れそうね・・・じゃあお休み」

垣根「あぁお休み」

美琴「ま、待った待った!お休みじゃないわよ、私達はどうするの!?」

垣根「あぁ・・・ゴムなら棚の中にある・・・」

上条「そういうことを時間潰しにはしないからな!」

垣根「・・・適当に遊んどけよ・・・こっちは眠いんだ」

美琴「な、なんてわがままなの・・・」

垣根「まるでミコっちゃんみたいだ、ですね分かりますよお休み」

上条「だから!お休みってなぁ・・・」

132 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/07(土) 16:50:24.71 ID:2NKrlfR30
心理「何よ・・・私が目の前で寝てたらあなたは獣にでもなっちゃうのかしら」

上条「そ、そうじゃないけどさ・・・」

心理「ならいいじゃない・・・夕方まで眠らせて」

近くにあったクッションを抱き枕代わりにした心理定規が目を閉じる

コクリ、と頭が揺れているのがなんとも可愛らしい

美琴「ちょっと・・・」

上条「マジで心理さんは寝ちゃったよ・・・なぁ垣根」

垣根「なんだよ・・・お眠な俺はかなり不機嫌なんだぜ」

美琴「知らないわよ・・・あのね、旅行に行くなら一応アンタ達の意見も聞きたいのよ」

垣根「俺達の意見なんて気にしなくていいですから、お休みなさい」

上条「だーかーら!それじゃ話が進まないんだよ!福岡でお前達が回りたい名所とかも・・・」

垣根「俺、5月病」

美琴「知ってるわよ・・・だらけ方が半端じゃないもん」

垣根「俺、眠い」

上条「そこを我慢してくれ・・・よりメルヘンな、メルヘンな旅行にするためにはお前の意見が必要なんだって」

垣根「メルヘン・・・だと?」

美琴(掛かった!)

上条(こんな単純な手に引っ掛かるなんてな)



133 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/07(土) 16:55:07.64 ID:2NKrlfR30
垣根「仕方ないなちくしょう・・・メルヘンにするには俺みたいなメルヘンな男が意見してやらないとな」

美琴「そうなのよ・・・温泉と遊園地だけなんて寂しいでしょ?」

垣根「何日の予定なんだ」

上条「三泊四日」

垣根「なら長崎にも行こうぜ・・・出島は地味だけど景色は綺麗だぜ」

美琴「長崎かぁ・・・ちゃんぽんとカステラが食べたいわね!」

垣根「オランダ物産館にでも行くか・・・」

美琴「なにそれ?」

垣根「オランダのものが一杯売ってる坂の途中にある店だ」

上条「悪い、全くもって想像がつかない」

垣根「美味しいものが一杯あった、ソテツの花が植えられていた」

美琴(な、なんかホラーよね今の垣根・・・)

上条「・・・なるほど、そこにカステラがあるのか」

垣根「・・・あー、そうだよそうだから寝かせてくれ・・・」

美琴「あとはどこかしらね?」

上条「長崎って何か有名だっけか?」

美琴「うーん・・・平和記念公園とかかしら」

上条「あぁ、そこも行くか」

垣根「・・・聞けよ」


134 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/07(土) 17:23:52.85 ID:2NKrlfR30
上条「・・・さて、大体行くところは決まったし・・・」

垣根「もう寝ていいか・・・」

美琴「うん、私達も帰るわね」

垣根「・・・は、はぁ!?帰る!?」

上条「いや、なんでそこで驚いてるんだよ・・・」

垣根「晩飯は!?晩飯は作ってくれないの!?」

美琴「いつの間に作ることになってたのよ・・・」

上条「作らないからな・・・俺達だってこのあと予定あるし」

垣根「予定・・・だと?」

美琴「うん、ちょっとね」

垣根「・・・そうなの?」

上条「なんで泣きそうな顔なんだよ・・・」

垣根「・・・ちくしょう、リア充が・・・」

美琴「そういう台詞にも覇気がないわね・・・」

垣根「あぁちくしょう・・・お疲れ様でした・・・」

ゴロン、と垣根が寝返りを打つ

上条「じゃあ、俺達は帰るからな」

垣根「あぁ・・・またな」


上条と美琴がいなくなった部屋で、垣根はゆっくりと目を閉じた


135 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/07(土) 17:59:52.51 ID:2NKrlfR30

垣根「・・・あぁ・・・?」

目を開けると、体のだるさを思い出す

時計をちらりと見つめて、寝ていた時間が約3時間だったということを知った

垣根(・・・こうやって安心して眠れるってのはいいねぇ)

幸せを噛み締めながら垣根は体を起こす

寝たおかげか、先ほどよりは体も軽くなっている

とはいっても普段の本調子とは遠いが

垣根「・・・心理定規はまだ寝てるか」

スヤスヤと寝息を立てている心理定規は、起きる気配もない

脅かしてやりたくなってしまうがそれは少しかわいそうだろうか

垣根(・・・つうか旅行ってなんだよ・・・いきなりすぎるな)

上条達との会話を思い出して溜め息をついてしまう

いきなりそんなことを言われると困ってしまうものだ

もちろん、いやなわけではないが

垣根(・・・さて、それまでには5月病を治さないとな)

溜め息をつきながらコーヒーを淹れる

動作が緩慢すぎて自分でも呆れてしまう


136 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/07(土) 21:25:28.38 ID:2NKrlfR30
垣根(・・・にしても福岡か・・・前は鹿児島じゃなかったか?)

なぜか九州が多いのが気になるが、食べ物が美味しいのでこれといった不満はない

垣根(・・・博多美人とか気になるな)

博多には美人が多いと聞く

どれほどの美人なのかは分からないが、わざわざ「博多」と限定したジャンルがあるのだから相当なものだろう

垣根(・・・まぁ)

チラリ、とソファーに寝ている心理定規を見つめる

垣根(・・・このお姫様に勝てる女なんていないだろうけどな)

心理「ん・・・」

垣根「よぉ、起きたか」

心理「おはようございます・・・」

垣根「・・・なんで敬語なんだよ」

心理「あら垣根だったの・・・」

垣根「あのな、この家には俺とお前しか住んでないからな」

心理「・・・そうね、そうだったわ・・・」

寝ぼけ眼を擦りながら、心理定規が体を起こす

垣根「・・・旅行は長崎と福岡だってさ」

心理「あらそうなの・・・」


137 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/07(土) 21:49:54.69 ID:2NKrlfR30
垣根「・・・楽しみだな」

心理「そうね・・・でもそれより夜ご飯が心配よ」

垣根「・・・しまった、それがあったな」

二人が顔を見合わせてげんなりとする

心理「・・・出前にする?」

垣根「それがいいよなぁ・・・作りたくないし」

ゴロゴロ、と転がって携帯を手にする

寝るときにソファーの近くのテーブルに置いたのだ

それを取るのも若干めんどくさいが仕方ないだろう

垣根「出前かぁ・・・何がいいかな」

心理「寿司とかどう・・・?」

垣根「あぁ・・・そうだな、それでいいや」

時々使う寿司の出前を取るために電話を掛ける

垣根「・・・あぁ、俺だよ俺・・・ちげぇよ、金には困ってねぇ・・・」

垣根「出前頼みたくてよ、おう・・・おう、そうそういつもの頼む」

垣根「じゃあな」

面倒だから、短い会話だけで注文を済ませる

心理「それでよく伝わるわね・・・」

垣根「お得意さんだからさ」


138 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/07(土) 22:00:15.26 ID:2NKrlfR30
心理「・・・ねぇ、そっちの雑誌取ってくれない?」

垣根「これか・・・?」

心理定規が指差したのはファッション雑誌だ

しかし、彼女の年齢向けではなく大学生を対象としたものだ

垣根「・・・なぁ、年齢が違いすぎないか」

心理「中学生向けの雑誌なんて総じて子供よ」

垣根「・・・御坂に謝れよ」

心理「あら、そういう悪口ではないわよ・・・」

垣根「・・・なんかお前、元気になったな」

心理「別に、あなたとの会話は楽しいから」

パラパラと雑誌を捲りながら心理定規がそっけなく答える

垣根「・・・そりゃ嬉しい一言だ」

心理「・・・ねぇ、あなたはどうなのよ?」

雑誌から目を上げて、心理定規が訊ねた

垣根「俺も、お前との会話なら大丈夫そうだ」

心理「そう」

垣根「あぁ」

パラパラ、と雑誌を捲る音だけが部屋に響いた

少しだけ顔の赤い二人は、5月病の倦怠感に身を任せながら夜を過ごした



139 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/07(土) 22:08:00.38 ID:2NKrlfR30
今日はここまで

古参の三組カップルの旅行編は明日から

なんとなく書きたくなったもので

筋肉動画はこちら

http://www.youtube.com/watch?v=sXCwLDrY--4

ショーン・レイの動画ですね

若い頃からアメフトやったりで筋トレをしていたらしいですが・・・すごい美しい体です

彼ほどの均衡の取れた体はボディビル史上でも稀ではないでしょうか

シュワちゃんは足が細く、若干三頭が弱かったですし、オリバも二頭のピークがイマイチでした

ゼーンもバルクが少し足りず、細い印象のビルダーでしたから

>>1はオリバかショーンみたいな体になりたいものです

今のビルダーは「でかさ」が前提で、その中で「美しい」人を決めている気がします

昔は「美しさ」こそが前提であり、「そのバランスを崩さない程度に発達したバルク」の持ち主がトップでしたから

時代の変化というやつですね・・・ではおやすみなさい


ダークマター、早く届いて欲しいw
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/01/07(土) 22:36:13.39 ID:9qjPRZQdo
福岡は手榴弾しかないぞ乙
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 22:46:06.71 ID:k9bFcblDO
>>1乙である。

さだのr ……いや何でもない。
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 23:14:26.28 ID:eei8oHzqo
乙なんだよ!
143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/01/07(土) 23:48:56.59 ID:S6uCbW0H0
乙〜
修学旅行長崎に決まったし>>1にいろいろ教えてもらうか
144 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/08(日) 11:05:29.09 ID:KKyV73ke0


上条「・・・福岡というのは素晴らしい所だ!」

垣根「ヤクザとか絡みの事件が多いけどな」

上条「博多美人って言葉さえある!」

垣根「発砲事件とかあるけどな」

上条「博多ラーメンは有名なんてもんじゃない、もはや一つのジャンルにさえなっている!」

垣根「手榴弾見つかったりするけどな」

上条「なんなんだよ!そんなに福岡が嫌いか!?」

美琴「当麻・・・あんまり垣根のボケに付き合ったらダメよ」

エツァリ「そうですよ、ボケはスルーしなければ永遠に続きますから」

ショチトル「しかし、リニアモーターカーなんて九州にまで通ってるんだな」

心理「学園都市の中と差があるとは言っても、日本の科学技術は世界でも随一ですもの」

垣根「そうそう、まぁ御坂が強力な電磁波発生させない限りは誤作動もないさ」

上条「な、なんかフラグを建ててしまった気が・・・」

美琴「大丈夫よ・・・さすがに能力を発動したりはしないから」

心理「それがいいわよ」

エツァリ「・・・しかし、御坂さんは外でも有名人なのでは?」

美琴「ま、まぁちょっとはね」

ショチトル「ちょっとなんてもんじゃないだろ」



145 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/08(日) 11:06:11.71 ID:KKyV73ke0
心理「学園都市のマスコットみたいなものですものね」

上条「たしか・・・外に弁論しに行ったりするんだっけ」

美琴「もう・・・せっかくの旅行なんだからそういう話は無しにして」

垣根「そりゃ悪かったな」

一同が乗っているのはリニアモーターカーだ

電磁石の仕組みを利用してなんたらかんたら、らしいが馬鹿な学生の上条には分からない

ただとにかく速いらしく、学園都市から福岡までわずか40分だ

そして既に20分は経過している

今は大阪の真上辺りかな、と適当な予想を立てながら外の景色を・・・

楽しむことは出来ない、機体の両側は壁で覆われていた

上条「・・・飛び出さないためかな」

ショチトル「そうなのか?科学の技術には全く知識がないからな・・・」

エツァリ「・・・飛んでいってしまうんでしょうか」

垣根「そういうことにしとけ」

美琴「でも新幹線だってトンネルの中がほとんどだし、変わらないわよ」

心理「速く目的地につけるのはいいけど・・・景色が楽しめないなら楽しさが半減よね」

座席に備え付けられていた雑誌を読みながら心理定規が悪態をつく

たしかに、移動中の景色を楽しむのも旅行の醍醐味だ



146 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/08(日) 11:06:57.99 ID:KKyV73ke0
上条「でも、すぐにつけるのは魅力だよな」

美琴「世界がぐんと縮まったって感じよね!」

ショチトル「そうだな、こんな離れた距離を一瞬で行き来出来るなんて」

エツァリ「科学技術とは恐ろしいものですね・・・」

垣根「アホかよ・・・海外とか遠い観光地に憧れるのは、そういう所は時間がなけりゃ行けないような夢の世界だからだ」

上条「そ、そうか?」

垣根「もしもアメリカとかイギリスに1時間で行ける機械が発明されてみろ、みんなこぞって旅行に行くだろうな」

心理「でもはたしてそれは旅行なのかしら?海外ってのは生涯で何度かしか行けないからこそ楽しいものなのよ」

垣根「世界の他の国なんて時間掛けて行くから楽しいんだよ・・・毎日行けるようになったら旅行の楽しみなんて無くなるな」

上条「な、なんか現実的な意見だな・・・」

美琴「・・・私はいろんな国に行けるのは楽しいと思うけどなぁ・・・」

心理「それだけ海外から人がやって来るのよ、犯罪や貿易なんかのリスクも考えたらそんな絵空事、叶えたくはないわね」

ショチトル「・・・こういうとこ辺り、お前達は冷静だよな」

エツァリ「そうですね・・・」

垣根「別に冷静なんかじゃねぇよ」

心理「・・・あ、博多ラーメンの広告も載ってる」

上条「どれどれ?」

心理「ほら・・・やっぱり九州なら豚骨ラーメンよね」

美琴「私、味噌が好きなんだけどな・・・」



147 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/08(日) 11:07:33.69 ID:KKyV73ke0
上条「俺は醤油かな」

ショチトル「醤油豚骨に決まってるだろ」

エツァリ「いえいえ、塩も捨て難いですよ」

垣根「まぁ九州の豚骨ラーメンは美味いからな・・・」

垣根も心理定規が持っている雑誌を覗き込む

安い宿から高いホテルまで載っていたり、温泉や観光地の地図が書かれたりしている

中々便利な雑誌だ

しかも「自由にお持ち帰り下さい」なんて書かれている

心理「・・・スポンサーでもついてるのかしら」

垣根「だろうな、こんな雑誌に載せられてたら計画立ててないヤツらはイチコロだ」

上条「ま、また現実的な話を・・・」

美琴「・・・ところで、二人とも体調は?」

心理「万全とまでは言わないけど、まずまずよ」

垣根「温泉とか入ったら癒されるだろうな」

エツァリ「・・・垣根さんと温泉が組合わさると覗きしか出てこないんですが」

垣根「お前だって喜んで付き合うじゃねぇか」

エツァリ「だ、誰が喜びますか!」

美琴「エツァリさん、私達はもう知ってるから大丈夫よ」

上条「そうだって、俺は変態なお前も友達だと思ってるからさ」

エツァリ「」


148 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/08(日) 11:08:59.07 ID:KKyV73ke0
ショチトル「・・・そういえば、泊まるホテルは決まったのか?」

美琴「うん、プールもついてるホテルよ」

心理「ますます昔の旅行を思い出すわね」

垣根「あぁ・・・そういや昔もそんな感じのホテルだったっけか」

ショチトル「懐かしいな・・・あのホテルで初めてお前達に会ったんだよな」

上条「そうそう・・・あの頃はまだ垣根と心理さん、付き合ってなかったな」

心理「でもファーストキスはあの旅行だったのよ?」

美琴「そうだったの?」

垣根「忘れたよそんな昔のこと・・・」

心理「あら、だったらどうして顔が赤いのかしら」

垣根「赤くねぇよ」

心理「赤いじゃないの」

垣根「あと、あのホテルじゃエツァリとショチトルが付き合いだしたな」

エツァリ「えぇ、ショチトルの色仕掛けに嵌りまして」

ショチトル「ふん、素晴らしい攻撃だっただろ」

上条「なんだよその告白は・・・」

ショチトル「洋画なんかでよくあるじゃないか」



149 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/08(日) 11:20:23.71 ID:KKyV73ke0
垣根「・・・にしてもリニアモーターカーは静かだな」

美琴「新幹線なんかと違って、かなり静音製に優れてるからね」

上条「ふーん・・・そうなんだ」

美琴「・・・中学校の理科の授業なんかで聞いたでしょ」

上条「き、記憶にございませんが」

美琴「知識は残ってるんでしょ・・・」

心理「・・・上条君がそんな難しい知識を持っているわけないでしょ」

上条「な、なんてひどい!!」

エツァリ「・・・おっと、もうすぐで着くみたいですよ」

ショチトル「この静かな旅も終わるな・・・」

エツァリ「・・・これからうるさくなりますよ」

上条「・・・そうだな」

垣根「あーあー、エツァリとショチトルが真面目キャラに転向しようとしてるよ怖いよー」

心理「安心しなさい、変態は簡単にまともにはなれないのよ」

エツァリ「・・・そんなこと言わないでください」

美琴「・・・さて、みんなそろそろ着くから荷物まとめてね」

一同「はーい」


150 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/08(日) 11:40:19.80 ID:KKyV73ke0

垣根「こ、ここが福岡・・・!!」

上条「すげぇ・・・なんか学園都市とは違った雰囲気だな」

心理「それはそうでしょ・・・私、福岡出身なのよね」

美琴「え、そうなの!?」

心理「ウソ」

美琴「」

上条「み、見渡す限りの博多だなぁ垣根!!」

垣根「ここは博多じゃねぇ、北九州市だ」

上条「」

エツァリ「・・・しかし、九州というともう少し田舎のイメージがありましたが・・・」

ショチトル「こうして来てみると、かなり都会だな」

上条「そ、そうだな・・・ここは北九州市だからな!!」

心理「さて・・・まずはどこに行く?」

垣根「昼飯でいいだろ」

地図を広げながら、垣根が答える

ラーメンにするか、それ以外にするかでまずは迷ってしまう


151 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/08(日) 11:52:28.46 ID:KKyV73ke0
垣根「よーし!!まずは博多ラーメンにしようぜ!!」

エツァリ「そうですね、到着早々ですし、まずはベタなものから」

美琴「たしか、博多ラーメンって麺の堅さを選んだりするのよね?」

上条「そうなのか?」

心理「細麺だけど、柔らかいのから堅いのまであるわよ」

ショチトル「柔らかいのが堅くなるのか」

心理「何か言ったかしら」

ショチトル「いいえ」

美琴「・・・それにしても、こんなに福岡って人が多いのね・・・」

上条「あぁ、なんか東京とかより多いな」

垣根「・・・いや、おかしくないか?福岡ってたしかに都会なほうだけどよ・・・」

心理「・・・仕方ないわよ、今はゴールデンウィークじゃない」

上条「?どういうことだよ?」

心理「ここは福岡よ・・・この時期ならあれがあるじゃない」

上条「・・・あれ?」


心理「どんたくよ、どんたく」

一同「ど、どんたく!?」


152 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/08(日) 12:06:09.86 ID:KKyV73ke0
心理「あら・・・わざわざこの時期だから福岡を選んだと思ったのに」

上条「し、知らなかった・・・」

美琴「どんたくってお祭りよね・・・?」

心理「えぇ」

ショチトル「ちくしょう!!着物を持ってきていないぞ!!」

エツァリ「自分としたことがこんなコスプレさせる機会を逃すなんて・・・」

上条「・・・美琴!!き、着物を買いに行くぞ!」

美琴「い、今から!?」

心理「もう、これからお昼よ?」

垣根「ラーメン食うんだろ?」

上条「あぁもう!!着物のほうが大事だろ!?」

垣根「はぁ・・・別にいいじゃねぇか、着物じゃなくても」

上条「よくないんだよ!!着物を着ながら大きな山車を見つめる、それがいいじゃんか!」

垣根「それはねぶただろ・・・どんたくはどっちかって言ったら演舞を見るお祭りだぜ?」

上条「どっちにしろ、着物がいいんだよ!!」

垣根「いやぁ・・・はっぴだろ」

美琴「と、とにかく昼ご飯食べながら考えましょ!!」

上条「・・・分かった」

153 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/08(日) 12:49:57.33 ID:KKyV73ke0

上条「・・・で、博多ラーメンの店に来たのですが」

垣根「・・・混みすぎだな」

美琴「・・・そもそも、人が多いのよ」

ショチトル「ふん・・・どんたくなんてえさに釣られた豚共が!!」

エツァリ「・・・列が長いですね・・・」

ゾロゾロ、と並んでいる列の中ほどに6人はいた

しかし、並んですでに20分ほど経ったにも関わらずほとんど列は進んでいない

垣根「・・・ちくしょう、陽射しが眩しいぜ・・・」

心理「そうね」

上条「・・・な、なぁ・・・なんで日傘を差してるんだ?」

美琴「っていうか・・・どこから持ってきたのよ?」

心理「こういうのを持ち歩くのは女性として当たり前よ?」

真っ白な日傘を差しながら、心理定規がクスクスと笑う

垣根「・・・でもな、列に並んでるときにそういうのを差してると嫌がられるぞ」

美琴「たしかに・・・ちょっとかさばるわね」

心理「前は上条君、後ろはエツァリ君よ?迷惑じゃないでしょ」

エツァリ(なんとなく傷つきました)


154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/01/08(日) 23:34:53.36 ID:QymOLqcuo
長崎在住の俺歓喜

やっぱり>>1の書くエツァリいじりは良いなあ
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 10:03:28.90 ID:hfUrkxHPo
乙なんだよ!
156 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/09(月) 11:59:09.81 ID:Hj9JMxWu0
垣根「・・・九州ってさ、5月でもかなり暑いんだな」

美琴「そういうもんなんじゃないの・・・」

上条「・・・しかも今晩はどんたくなんだろ?もっと暑くなるぞ・・・」

心理「そうね・・・下手をすれば死人まで出るらしいから」

ショチトル「そ、そうなのか・・・」

エツァリ「それはねぶたの話では?」

心理「どんたくでもたまに出るとか出ないとか」

美琴「ど、どっちなのよ」

上条「・・・とにかく、見るからには怪我にも気をつけないとな」

垣根「えー・・・参加するのかよ・・・」

心理「当たり前じゃない、せっかくどんたくがあるのよ?」

垣根「お前は山があったら登りたくなる人間かよ・・・」

上条「・・・いいじゃないか、せっかくの旅行なんだしさ」

美琴「そうそう・・・」

垣根「・・・あぁくそ・・・腹減った・・・」

腹ぺこキャラは他にいるぞ、と上条は言いそうになる

だが垣根の呟きも仕方ないだろう


157 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/09(月) 11:59:51.99 ID:Hj9JMxWu0
博多ラーメンの列に並び始めてもう30分以上立つ

今更他の店にするわけにもいかず、とりあえず我慢しているといった状況なのだ

今まで誰も文句を言いたがらなかったが、ここにきてとうとう垣根が耐え切れなくなったようだ

垣根「・・・なんで博多ラーメンなんて食べなきゃいけないんだよ・・・」

美琴「・・・当たり前の選択じゃない」

ショチトル「そうだぞ」

垣根「もっと他に食べられる物は一杯あるんだよ・・・」

エツァリ「・・・垣根さん、旅行は楽しまなければいけませんよ」

垣根「んなことくらい分かってんだよ・・・」

心理「ほら、少し進んだわよ」

美琴「えっと・・・あと5組が食べ終わったら私達の番ね」

垣根「長いんだよ・・・いいか、今食い終わったヤツらなんて1組か2組だ」

上条「まぁまぁ・・・」

垣根「・・・」

垣根がため息をつく

まだ5月病のだるさは残っているのだ

こんな体調でずっと立たされているなんて堪らない



158 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/09(月) 12:00:23.15 ID:Hj9JMxWu0
垣根「よくお前は堪えられるな・・・」

心理「あら・・・文句を言ってもよくならないなら、静かにしていましょうよ」

美琴「心理定規の言う通りよ・・・こんなところで文句言ったって意味ないじゃない」

垣根「分かったよ・・・」

携帯を取り出した垣根がめんどくさそうに答える

上条「な、何やってんだ?」

垣根「一方通行のヤツに自慢してんだよ」

エツァリ「彼にですか?」

ショチトル「なんだかリアクション薄そうだよな」

垣根「いや、結構面白いぜ」

メールの文面を見せながら垣根が笑う

「土産くらい買ってきてくれよな」という短い文章だった

美琴「?添付画像があるみたいだけど」

垣根「あぁ、これか」

画像を開いた垣根が再度、みんなにそれを見せる

番外個体と打ち止めが羨ましそうに駄々をこねている最中の画像らしい



159 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/09(月) 12:04:45.12 ID:Hj9JMxWu0
心理「あら・・・あの子達も誘ったのに」

垣根「調整と重なったんだってさ」

上条「だから来れなかったのか・・・」

エツァリ「少し気の毒ですね」

美琴「でも仕方ないわよ・・・今度また一緒に行けたら行きたいかな」

心理「そうね・・・お土産、楽しみにしててって返してよ」

垣根「言われなくてもそう返したさ」

心理「分かってるわね」

垣根「・・・にしても、旅行なんて久々だな・・・」

携帯をポケットに直しながら垣根が言う

美琴「・・・そうね、私も久しぶりかな」

エツァリ「こうやって平和な日常を暮らせるのは幸せですね・・・」

心理「・・・そうね」ジーッ

ショチトル(・・・心理定規、エツァリに対する態度が冷たいな・・・なんか足元睨みつけてるし)

エツァリ(・・・じ、自分は嫌われているのでしょうか・・・)

心理(・・・エツァリ君、言いづらいけど靴下が右左で違うのよね)

垣根(急いで準備してきたんだろうな)



160 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/09(月) 12:13:49.61 ID:Hj9JMxWu0

上条「・・・やっと俺達の番だ・・・」

垣根「首を長くして待ってたぜ・・・」

エツァリ「え、長くなってるんですか?」

一同「・・・」

エツァリ「・・・なんでもないです」

ショチトル「なぁ、こういうときって店に入る態度とか決まってるのかな?」

美琴「?どういうこと?」

心理「あら、美琴知らないの?九州の人間は店に入るとき一発ギャグをするのよ」

美琴「う、嘘よね?」

心理「ふふ・・・まぁ嘘だと思うなら何もしなくていいわよ、その代わり何も食べさせてもらえないでしょうけど」

美琴(心理定規が言ってるとなると・・・この情報は本当ね!!)

ショチトル「じゃあ入るか」

心理「えぇ」

ショチトル(・・・一発ギャグか・・・)

美琴(ど、どうしよう・・・)

心理(・・・冗談だって教えてあげたほうがよかったかしら?)

垣根(・・・ラーメンイケメン僕ツケメン!!ってウケるかな)


161 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/09(月) 12:30:05.08 ID:Hj9JMxWu0

上条「お邪魔しまーす」

「いらっしゃませー!」

美琴「ぜ、前転からの後方宙返り!!出来るかー!!」

ショチトル「イヤよイヤよも隙のうち!!」

エツァリ「さぁ!!俺の下半身のトラウィスカルパンテクートリを受けてみろ!!!」

垣根「ラーメンイケメン僕ツケメン!!」

「あ、あの・・・」

心理「ごめんなさいね、遠出してきたからテンションがおかしいのよ、寝てないの」

「は、はぁ」

一同「」

上条「え、えっと・・・6人です」

「ではこちらへどうぞ」

店員に案内された席へと座る


上条「・・・トンコツの匂いがするな」

心理「やっぱり博多ラーメンならトンコツよね」

美琴(・・・一発ギャグ・・・滑った・・・)

ショチトル(ちっ、分かりにくいボケだったか)

エツァリ(・・・なぜ下ネタにしてしまったのでしょうか)

垣根(・・・腹減った)




162 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/09(月) 12:55:16.88 ID:Hj9JMxWu0
上条「えっと・・・トンコツラーメンを」

垣根「みんなそれでいいだろ」

心理「えぇ」

「ではトンコツラーメンを6つでよろしいですね?」

上条「はい」

「少々お待ちください」

上条「・・・楽しみだなぁ・・・」

美琴「トンコツラーメンって美味しいわよね、ちょっと油っこいけど」

エツァリ「そうですね・・・自分はあっさりしたほうがいいんですけどね」

垣根「でもな、博多ラーメンはあまり濃くならないように麺を細くしてるんだよ」

上条「!!そういえば、麺の固さ・・・」

心理「何も言わなければ普通の堅さになるらしいわよ」

ショチトル「鹿児島のラーメンもそうらしいぞ」

垣根「まぁ、チェーン店じゃそんなこともないからな」

エツァリ「・・・九州は食文化が面白いですね」

心理「あなたの靴下も面白いわよ・・・」ボソッ

エツァリ「?なにか?」

心理「なんでもないわ」


163 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/09(月) 13:43:11.33 ID:Hj9JMxWu0
上条「あ、来た来た!!」

美琴「へぇ・・・トンコツラーメンの真骨頂って感じのコテコテ感ね・・・」

垣根「・・・すげぇ、底が見えねぇ・・・」

ショチトル「・・・なんだか濃そうな見た目だな」

心理「いただきます」

エツァリ「・・・なんだか朝には食べられないイメージですね・・・」

そんなことを言いながら一同が博多ラーメンを口にする

上条「あ、結構いい感じじゃないか」

美琴「うん、濃いけどくどい味じゃないわね!」

ショチトル「わー、味の宝石箱やー」

エツァリ「・・・細い麺としっかりした味のスープが絡んでいいですね」

ショチトル「わー、味の」

垣根「スープだけを飲むのは少しきついかもな」

心理「でも、スープだけが余ったら替え玉をすればいいのよ」

上条「あぁ、博多ラーメンって言ったら替え玉だよな」

美琴「ふーん・・・知らなかった」

心理「この濃い味なら替え玉でもしっかりした味が楽しめそうね」

ショチトル「・・・味の宝石箱やぁ・・・」ボソッ


164 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/09(月) 13:55:48.23 ID:Hj9JMxWu0
垣根「・・・替え玉、頼んでみるかな」

上条「俺も」

二人が店員を呼んで替え玉を注文する

美琴「・・・二人ともよく食べるわね・・・」

上条「だって美味しいからさ・・・」

美琴「もう、ほっぺたにネギついてるし・・・」

上条「え、どこ?」

美琴「ほら、ここ」

美琴が上条の頬についていたネギを取る

それを見ていた垣根とエツァリが、そっとネギをほっぺたにつける

垣根「心理定規ォォ!!ほっぺたにネギがついちゃった・・・」

エツァリ「ショチトル、ぜひともその舌で取っていただけたら・・・」

心理・ショチトル「自分で取れ」

垣根・エツァリ「」

美琴「・・・アンタたち、そういうのは天然でしちゃうからこそ母性をくすぐるのよ?」

垣根(・・・ネギ・・・)

エツァリ(ネギネギ・・・)


垣根・エツァリ(ナーガネギフラメンコ、オレ!!)

心理(やめなさい)


165 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/09(月) 14:14:31.92 ID:Hj9JMxWu0
垣根「・・・あ、替え玉来たな」

店員の持ってきた替え玉が、ラーメンのどんぶりに入れられる

上条「へぇ・・・替え玉ってかなりお得だな」

心理「そうね、でも原価を考えればこれでもボッタクリよ?」

垣根「そういう現実的なことを言うな」

心理「あらごめんなさい」

ショチトル「・・・私は餃子も頼みたいな」

エツァリ「おや、あなたは餃子が好きなのですか?」

ショチトル「ラーメン食べたら一緒に食べたくなるだろ」

心理「ちょっと分かるけど・・・匂いがきついじゃない」

ショチトル「ふっふーん、学園都市製の口臭消しを持っている私には関係ない!!」

美琴「そんなの持ってきてるの?」

ショチトル「いざというときのためにな!!」

垣根「そもそも本当に女性らしいなら餃子なんて外では食わないけどな」

上条「そうだな・・・」

ショチトル「・・・いいもん、食べるもん」


166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 16:12:07.43 ID:tkfG5M5DO
ごてごての豚骨ラーメン食いてぇ……

何で東京は魚介豚骨ぐらいしかないんだ……
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 23:53:37.50 ID:XS0ba2VMo
乙ですの
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/01/10(火) 00:16:21.88 ID:bbEiNfIs0
>>1
そして、>>153の『心理「前は上条君、後ろはエツァリ君よ?』をエロいとおもった俺は死ぬべき。
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/01/10(火) 01:00:00.15 ID:6XrcKqr2o
替え玉は邪道だと思うの
スープと麺のバランスが崩れる気がするし

そして>>168
ありがとう




























ありがとう
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/01/10(火) 01:20:09.85 ID:XoGHAikE0
おまえらwwwwww
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/10(火) 01:44:03.62 ID:JdY0lmoLo
>>168
天才すぎわろたwwwwww
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/01/10(火) 02:09:01.52 ID:kRi2+Ab40
>>168
そんな捉え方ができるとはwwwwwwwwww
173 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/10(火) 17:34:24.94 ID:0NET4HGz0
>>168 これはひどいw


垣根「ふいー・・・美味かった」

上条「こういうコテコテしたのも悪くはないな・・・」

ショチトル「餃子美味しかった・・・」

エツァリ「よかったですね、追加注文出来て」

美琴「・・・?心理定規、何噛んでるの?」

心理「ガムよ・・・ラーメンって匂いきついじゃない」

垣根「・・・でもな心理定規・・・出来れば店の外で噛んだほうがいいぞ」

心理「?」

上条「だってラーメンが臭いって言ってるようなもんだからな・・・」

心理「そ、そんなことないわよ?美味しかったし」

ショチトル「・・・心理定規、私にもガムくれ」

エツァリ「ショチトル・・・今の会話を聞いていましたか?」

ショチトル「でもさ、気になるもんな気になるんだよ」

心理「あなた、学園都市製の匂い消し持ってるんじゃないの?」

ショチトル「・・・やっぱり、心理定規のほうが信用出来るし」

心理「あら嬉しい」

美琴「わ、私もガム貰っていい?」



174 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/10(火) 17:34:51.18 ID:0NET4HGz0
上条「なんだよ、いつもの美琴らしくないな・・・」

美琴「私だって女の子よ!?大体、当麻が思ってるよりずっとずっと乙女だもん!」

上条「ご、ごめん」

垣根「ぎゃーぎゃー喚いてる時点でお前は乙女じゃねぇよ・・・」

美琴「な、何よ・・・」

垣根「はいはい、とりあえずお勘定な」

垣根がパンパン、と手を叩いて席から立ち上がる

垣根「丼は端に寄せとけよ、店員が取りやすいようにな」

エツァリ「は、はい」

垣根「俺がまとめて支払っとくからお前達は外で待っとけ」

ショチトル「あ、あぁ・・・」

すたすたと垣根がレジに歩いていく

それをポカンと四人が見つめていた

心理「どうしたのよみんな、驚いたような顔して」

上条「・・・俺の知ってる垣根じゃない・・・」

美琴「なんなのよ・・・いきなり出来るイケメンになっちゃったわよ・・・」

ショチトル「ちょっと濡れた・・・」



175 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/10(火) 17:35:30.49 ID:0NET4HGz0
エツァリ「・・・なんというか、かなり手慣れた感じでしたね」

心理「あなた達ね・・・垣根のことをなんだと思ってるのよ」

上条「・・・もっと馬鹿やってるのが垣根だよな・・・?」

美琴「・・・あんなのただのカッコイイお兄さんよ・・・」

心理「はぁ・・・ほら、垣根が言ってたんだし外で待ってましょうよ」

エツァリ「はい・・・」

五人が店の外で垣根を待つ

道を行き交う人々は、美琴のほうを見て何やらヒソヒソと話をしている

上条「・・・やっぱり有名人なんだな」

心理「大覇星祭なんかはテレビで放送されたりやするから仕方ないわよ」

ショチトル「・・・イヤじゃないか、美琴?」

美琴「?大丈夫よ、慣れてるから」

上条「・・・あのさ、俺は美琴のことを超能力者だとかお嬢様だとか、そんなふうには見てないからな?」

美琴「あ、ありがとう・・・」

ショチトル「・・・さすが上条だな」

エツァリ「えぇ、御坂さんのことをしっかりと考えられています」



176 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/10(火) 17:36:12.84 ID:0NET4HGz0
上条「あんまり褒めるなよ・・・」

ポリポリ、と上条が頭を掻く

垣根「いーや、褒められるべきことだぜ、彼女を一人の女の子として見るのは大切なことだ」

上条「お、支払い終わったのか」

垣根「まぁな・・・」

心理「お疲れ様」

美琴「・・・垣根もわりと有名人になっちゃってるんじゃない?」

垣根「大覇星祭か?関係ないって、あくまであれは常盤台とか長点上機みたいな学校にスポットライトが当たるもんだからさ」

ショチトル「なるほどな・・・お前一人にスポットライトが当たることはないのか」

垣根「御坂は常盤台でお嬢様、容姿端麗って三拍子揃ってるからな」

美琴「な、なんか垣根が私のこと褒めてると気持ち悪い・・・」

垣根「そうか?」

上条「・・・なんか旅行に来た途端、垣根がいいヤツになったな・・・」

垣根「映画の時のジャイアンかよ・・・で?これからどこ行くんだよ」

上条「そうだな・・・夜はどんたくに行くとして、それまでは・・・」

美琴「福岡か・・・たしかホークスのドームがあったわよね?」

心理「あんなもの見ても何にもならないわよ」



177 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/10(火) 17:36:45.13 ID:0NET4HGz0
ショチトル「・・・野球好きな少年達が聞いたら泣き出しそうな台詞だな」

心理「それより、博多の街を練り歩きましょうよ」

垣根「・・・なんでそうなったんだよ」

心理「あら、あなただって博多美人を見てみたいでしょ?」

垣根「別に・・・あんま興味ねぇな」

上条「・・・いつもの垣根なら食いつきそうなのにな」

垣根「そうか?綺麗な女なんてゴマンといるじゃねぇか」

ショチトル「すごい台詞だな」

垣根「・・・他に観光地はないのかよ」

上条「あ、じゃあさ・・・太宰府天満宮、行ってみないか?」

垣根「お、いいなそれ」

心理「あら・・・恋愛成就とかなら喜ぶけど、あれって学業の神様じゃない」

上条「だからこそなんだよ!俺は学業を成就させたいんだ!」

ショチトル「いやに切実だな」

エツァリ「上条さん・・・そんなに成績がまずいんですか」

上条「・・・察してくれよ・・・な、いいだろ?」

垣根「景色が良さそうだし・・・何より名所だからな」

心理「はぁ・・・分かったわよ」

美琴「ここからならバスで1時間くらいね」

垣根「じゃあ行きますか」

上条「おう」




178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/10(火) 17:39:24.38 ID:b7Mvp41IO
>>176
……(´;ω;`)ブワッ
179 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/10(火) 17:40:33.51 ID:0NET4HGz0



上条「ここが太宰府天満宮・・・!」

垣根「なんて大きなフォルムなんだ・・・」

心理「へぇ・・・つまらないと思ってたけど見てるだけでも面白いかもね」

一同は太宰府天満宮の本殿を眺めていた

とはいってもまだ間近で見ているわけではない

かなりの参拝客の数で、列に並んでいるのだ

美琴「すごいわね・・・」

ショチトル「ふん、成績の悪そうなヤツらがわんさかいるな」

エツァリ「ショチトル・・・そういうことは言わないで下さい」

垣根「・・・にしても、長い列だな」

心理「・・・ラーメン屋といい、こんな行列も珍しいわね」

上条「・・・どんたくだからか?」

美琴「それは関係ないでしょ・・・」

ショチトル「・・・それで?上条はともかく、私達は何をする?」

エツァリ「・・・お参り・・・でしょうか」

ショチトル「ふん、神様はアステカのものしか信じていない」

上条「なに堅いこと言ってるんだよ・・・」

垣根「第一、ここは神様じゃなくて菅原道真を奉ってるんだよ」

ショチトル「・・・その菅原さんは偉い人なのか?」

垣根「・・・まぁ、すげぇヤツだったよ、あいつは」

心理「あなた誰よ」


180 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/10(火) 17:52:22.50 ID:0NET4HGz0
>>178 垣根「俺の胸でよければ貸すぜ」



垣根「・・・じゃあ、俺は適当にぶらついとくよ」

心理「あら、あなたもお参りしなさいよ」

垣根「・・・俺は学問のこととか祈る必要がないからな、大体死んでる人間に自分の運命を任せたくもないしな」

ショチトル「聞いたか上条?」

上条「聞こえない聞こえない・・・」

美琴「・・・私も一応お参りしておこうかな、せっかく来たんだし」

エツァリ「自分もそうしましょう」

垣根「んじゃ、俺はあっちの巫女さんと話しとくよ」

心理「あなた・・・それがしたいだけでしょ」

垣根「ち、違うもん!!」

エツァリ「どうしてそこで駄々っこになるんですか・・・」

美琴「どうでもいいけど、あんまり遠くに行かないようにね?」

垣根「ミコっちゃんったら心配性だねぇ」

美琴「今度その呼び方したらぶん殴るわよ」

垣根「ごめんなさい」


181 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/10(火) 21:07:10.67 ID:0NET4HGz0

垣根「・・・はぁ、しかし人が多いな」

心理「・・・そうね」

垣根「・・・なぁ、なんでお前もついてきたんだよ」

太宰府天満宮の敷地内、そのおみくじ売り場に二人は来ていた

他の四人はまだ列に並んでいる

心理「・・・あなたが巫女さんにちょっかいを出さないか心配だからよ」

垣根「出さねぇよ・・・」

心理「あら、あなた結構プレイボーイじゃないの」

垣根「・・・で?おみくじやるのか?」

心理「当たり前じゃないの」

垣根「あぁそう・・・」

若干肩身の狭い思いをしながら、垣根は歩く

心理「なによ、私がいるのがいや?」

垣根「いやじゃねぇけどさ・・・」

心理「いいじゃない、別に一緒にいても」

垣根「・・・まぁ、お前と二人きりになれたのは嬉しいけどな」



182 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/10(火) 21:21:29.41 ID:0NET4HGz0
心理「・・・それにしても、おみくじも色々あるわね・・・」

垣根「・・・非科学的なものの代表だよな・・・」

心理「そう言いながら財布取り出すのね・・・」

垣根「俺はメルヘンなものが好きなんだ!!巫女さん、おみくじ一つ!!」

「500円になります」

垣根(・・・なんでこんなに高いんだ?)

心理(仕方ないでしょ、私も払うから)

垣根「・・・二つくれないか」

「えぇ、どうぞ」

垣根「1000円な、はいよ・・・」

それほど渋る感じもなく1000円札を垣根が差し出す

心理「あなたはどっちがいい?」

垣根「そうだな・・・」

購入した二つのおみくじを、じっと見つめる

中の結果が透けるわけはないが、なんとなく吟味してみたいものだ

垣根「・・・お前はどっちがいい?」

心理「・・・せーので指差してみる?」

垣根「おぉ、いいぜ」


183 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/10(火) 21:41:25.82 ID:0NET4HGz0
心理「せーの」

二人が指差したのは、右のおみくじだった

垣根「・・・やっぱりこっちがよさ気だよな」

心理「えぇ・・・なんか左はイヤな予感がするわね」

垣根「・・・ジャンケンでいいか?」

心理「いいわよ、私は左でも」

垣根「そ、そうなのか?」

心理「えぇ、あなたの不幸も引き受けてあげるわよ」

垣根「優しいな!!」

垣根が右のおみくじを手に取る

垣根「・・・でもさ、こっちがよかったらどうしよう」

心理「あなただって右を選んだじゃないの、別に構わないわよ」

垣根「じゃあ、せーので開けるか」

心理「えぇ、じゃあ・・・せーの!!」

二人が勢い良くおみくじを開ける


心理「・・・あら、中吉ね・・・恋愛運は最高、金運は少し・・・ね」

垣根「・・・」

心理「?どうしたのよ」


184 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/10(火) 22:01:18.72 ID:0NET4HGz0
垣根「大凶・・・だと?」

心理「あらホントね・・・」

垣根「恋愛運は最悪・・・金運も最悪!!」

心理「いいじゃない、今がどん底ならこれからあとは上がるだけよ」

垣根「・・・そうかな?」

涙目になりながら、垣根が訊ねる

心理「えぇ、それにあなたは私に幸せをくれたのよ?」

垣根「あ、あぁ・・・!!」

心理「ほら、だからそんな顔しないで」

垣根「なんか、自信が出たよ・・・」

心理(・・・私が譲らなかったら、垣根は当たりだったのに)

垣根「・・・で、おみくじは終わったけどこれからどうする?」

心理「そうね・・・もう戻る?」

垣根「えー、もう少し散策しようぜ」

心理「・・・そうね、じゃあ」

心理定規が垣根の手を取る


心理「・・・ちょっとだけ、二人きりで散歩しましょ?」

垣根「おうよ」


185 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/10(火) 22:07:14.98 ID:0NET4HGz0
今日はここまで

筋肉動画はこちら

「ミロス・シャシブ」の腕のワークアウト・・・ですが

この方の発明された「スーパージャイアントセット」の動画です

「スーパーセット」というトレーニング方法がありまして、これは2種類の違うトレーニングを間髪いれずに行うものです

3種類なら「トライセット」、4種類なら「ジャイアントセット」になります

そしてこの動画のは、腕を間髪いれずに10セット以上・・・

基本的な種目を手幅を変えたりしてやっていますね

http://www.youtube.com/watch?v=maN5GuAXBK0&feature=results_video&playnext=1&list=PL53B289D9ED66CF2E 

ミロスさんすげぇ

やってみればわかりますが、「スーパーセット」でさえ結構呼吸がきつくなります

ましてやこれは、もう頭フラフラでしょうね


ではおやすみなさい
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/01/10(火) 23:18:40.49 ID:kRi2+Ab40
乙!!
久しぶりの筋肉動画だ
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/10(火) 23:45:11.39 ID:GU4+Iz0mo
乙なんだよ!
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/01/10(火) 23:58:12.82 ID:XoGHAikE0
乙なのである
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/11(水) 08:25:35.60 ID:LwD3cndIO
大宰府天満宮のおみくじは箱から取り出すから
巫女さんなんてほとんどいn…うわなにをすかきねやめ…アーッ
190 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/11(水) 17:43:34.80 ID:AJStJZqr0
上条「・・・やっと俺達の番か」

美琴「長かったわね・・・」

エツァリ「・・・そういえば、お賽銭はいくら入れればいいのでしょうか」

ショチトル「適当でいいんじゃないか」

上条「・・・学問の神様だし、ご縁が云々も関係なさそうだな」

美琴「そう?学問にご縁がありますように、っていうのは?」

上条「な、なんだかややこしくなってきたぞ?」

顔をしかめながら上条が財布を覗き込む

いくらお賽銭とはいっても大金を払うわけにはいかない

100円でさえ惜しいのを必死に我慢して払うのだから

エツァリ「・・・早くしないと後ろがつっかえてますよ」

美琴「どうする?私はもう決めたけど」

上条「そっか・・・ってなんで万札を取り出してるんだよ!?」

美琴「だ、だって当麻のお馬鹿は一万円くらい払わないと治りそうにないもん!」

上条「ひ、ひどい・・・」

ショチトル「ははは!間違いないな」

エツァリ「・・・自分は200円にしておきます」

ショチトル「どういう基準だったのか気になるが・・・私もそうしよう」

上条「・・・美琴、せめて1000円までにしてくれ」

美琴「じゃあそうするわよ・・・当麻はいくら払うの?」



191 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/11(水) 17:44:06.72 ID:AJStJZqr0
上条「・・・50円」

ショチトル「・・・うん、いいんじゃないか?賽銭なんて所詮は気持ちの問題だからな」

エツァリ「そうですね、頭が良くなりたいという願いがたった50円で叶えられると思ってるならそれでいいでしょう」

上条「・・・100円にしよう」

財布から100円玉を取り出し、賽銭箱に向かって投げる

ショチトル「おぉ、上手く入ったな」

エツァリ「えぇ、100円分の気持ちが叶うでしょうね」

ショチトル「たった100円分でも叶ったらいいな」

上条「なぁ・・・俺になんか恨みでもあるのかよ!?そして美琴はこっそり額を増やそうとするな!」

美琴「だ、だって当麻が少ない額しか払わないから!」

上条「あぁもう!いいか、これはあくまで気持ちを支払うもんなんだよ!」

ショチトル「たった・・・」

上条「お前は黙ってろ!」

ショチトル「・・・」

エツァリ「上条さん、それは強く言いすぎです」

上条「わ、悪い・・・」

ショチトル「か、上条・・・もっと厳しく言ってくれないか?」



192 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/11(水) 17:44:33.29 ID:AJStJZqr0

上条「・・・で、美琴はどうするんだ?」

ショチトル(放置プレイとはまたまたマニアックな)

美琴「そうね・・・1000円にしておくわ」

美琴が1000円札を賽銭箱に入れる

上条「・・・金持ちは違うな」

美琴「さて・・・当麻の学業もどうにかなるだろうし、一件落着ね!」

ショチトル「これからどうする?垣根達の姿が見えないが」

エツァリ「多分、二人きりで散策でもされているのでは?」

上条「ふーん・・・たしかにここは景色も綺麗だからな」

美琴「じゃ、じゃあ私達も・・・」

上条「俺達は四人で見て回るか」

エツァリ「えぇ、そうしましょうか」

美琴「」

上条「じゃあ行こうか」

美琴「当麻の馬鹿ぁぁ!」

上条「は、はいぃ!?」




193 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/11(水) 17:45:15.27 ID:AJStJZqr0

垣根「・・・あぁ?なんか今御坂の声が聞こえなかったか?」

心理「はぁ・・・あの子ったら、人の目を気にしないで叫んだわね」

垣根「お嬢様なんだからもう少しそういうの気にしろってな」

心理「あら、お嬢様じゃなくても一人の女性として、よ」

垣根「・・・お前が語ってると有り得ないほどの説得力だよな」

心理「ありがとう」

垣根「・・・」

垣根と心理定規は太宰府天満宮の敷地内を適当に散策していた

擦れ違う人達の中には家族連れや学生、はたまた自分の親戚のためのお守りを買いに来た年寄りなどがいる

誰も垣根の正体には気づいていないのだろう、特に注目されることもなく歩いていた

垣根「・・・御坂は大変だろうな、どこに行っても有名人だ」

心理「学園都市が学生を招き入れるときは決まって彼女を引き合いに出すものね」

垣根「努力で超能力者になった、容姿端麗で表向きはしっかり者だぜ?そりゃ万人に好かれるだろ」

心理「表向きはって・・・あなた、美琴が聞いてたら怒るはずよ」

垣根「怒られても怖くねぇよ」

心理「・・・美琴の能力じゃあなたには手も足も出ないから?」

垣根「別に、そういう理由じゃねぇよ」

心理「じゃあどうして?」



194 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/11(水) 17:45:50.52 ID:AJStJZqr0

垣根「あいつは絶対に人を傷付けるようなことはしないさ」

心理「あら、昔は上条君と喧嘩仲だったらしいけど?」

垣根「傷付けるっていっても相手が強いって信頼してたからだろ、上条が本当の無能力者だったらんなことしねぇよ」

心理「・・・随分と美琴のことを分かってるわね」

垣根「どんだけ友達やってると思ってんだよ」

心理「それにしても、中々の推察よ」

クスクスと心理定規が笑う

垣根「なんだよ、嫉妬なんてやめろよな」

心理「嫉妬じゃないわ、感心してるのよ」

垣根「はぁ?なんでだよ」

心理「あなたは昔から人を見る目があったから」

垣根「・・・あぁそう」

大した興味もなさそうに垣根が頷く

別に自分がどう思われていようが彼には関係ない

垣根「・・・ここって恋愛成就とかのお守りはねぇのかな」

心理「あら、私達の恋愛は叶ってるじゃない」

垣根「姫神と吹寄の分だよ・・・あいつらにも土産はいるだろ」

心理「なるほど・・・でもここって学問の神様よ?恋愛はあんまりなんじゃない?」

垣根「頭のいいヤツはあんまり女遊びしない、ってか・・・」



195 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/11(水) 17:46:17.08 ID:AJStJZqr0
辺りを見回しながら垣根が鼻で笑う

たしかに、ぱっと見たかぎりでは恋愛関係のお守りはなさそうだ

心理「・・・あら、あれはどうかしら」

垣根「あぁ・・・?なんだよ、恋愛関係のもあるじゃねぇか」

しかし、端っこのほうに一つだけ恋愛関係のお守りらしきものを売っている店があった

垣根「えーっと・・・なんだこりゃ?」

心理「・・・日本のものじゃないみたいね」

垣根「あぁ・・・初めて見たぞ」

その店にあるのは様々な国のお守りのようだった

よくもまぁ太宰府天満宮の敷地内で堂々と外国のお守りを売れるものだ

敷地代を払えばいい、というような問題なのだろうか

垣根「・・・あの、これはどんなお守りなんですか」

ハートの形をしたお守りを指差しながら垣根が店員に尋ねる

「これは相手の心の臓を意味しておりまして、これを肌身離さず持ち歩けば相手の心を自分の物にすることが出来るのでございます」

心理「デザインからするとアメリカよね」

「その通りでございます」



196 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/11(水) 17:46:44.05 ID:AJStJZqr0
垣根「・・・これでいいや、二人分下さい」

「1500円になります」

垣根「・・・この値段を聞くといかにさっきのおみくじがぼったくりだったか分かるな」

そんな悪態をつきながら垣根がお守りを購入する

「あぁ、お客様」

垣根「ん、なんだよ」

「先程言いました通り、それは意中の相手の心の臓を表しております」

垣根「・・・あぁ、だから?」

「無くされたり壊されたりしないように、さもなくば相手の心の臓も同じ目に遭いますよ」

心理「・・・なんて不吉なお守りなの」

「まぁ、あくまでお守りなので」

垣根「あぁ・・・サンキュー」

少々後味の悪い話だな、と思いながら垣根と心理定規は店を後にする

垣根「・・・もうそろそろみんなと合流するか」

心理「・・・えぇ、そうしましょう」

垣根がポケットから携帯を取り出し、連絡を取り出した



197 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/11(水) 18:02:53.59 ID:AJStJZqr0

その30分前

上条(・・・な、なんで美琴は怒ってるんだ・・・)

美琴(・・・せっかく二人きりになれるチャンスだったのに・・・)

ショチトル「・・・なんならこれから二人きりになるか?」

美琴「だ、誰も当麻なんかと二人きりになんかなりたくないわよ!!」

上条「な、なんだそのひどいツンデレは!?」

美琴「知らないわよ、この鈍感男!!」

エツァリ「まぁまぁ・・・上条さんも悪気があったわけではないですし」

ショチトル「そうだぞ美琴、それに今回の旅行はみんなで仲良く元気良く、がモットーだっただろ」

上条「初めて聞いたぞ・・・」

ショチトル「今決めた」

上条「あぁそう・・・」

美琴「・・・いいわよ、二人きりなんてなれなくても」ムスッ

上条「め、めっちゃ不機嫌だな・・・」

美琴「不機嫌じゃないわよ!!」

エツァリ(・・・駄々っこですね)


198 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/11(水) 18:14:55.51 ID:AJStJZqr0
ショチトル「美琴、そんなにツンツンするなよ」

美琴「だ、だって・・・」

上条「・・・その、二人きりになりたかったのか?」

美琴「そ、そうだけどさ・・・」

カァッ、と美琴が顔を赤らめる

上条(お、俺はなんて鈍感だったんだぁぁ!!)

エツァリ(それがあなたの最大の欠点ですね)

ショチトル(美琴、いじけちゃってるな)

美琴「・・・ま、まぁいいわよ」

上条「ごめんなさい・・・」

美琴「・・・その代わり、これから帰るまでに精一杯楽しませるように!!」

上条「は、はい!!」

エツァリ(尻に敷かれてますね・・・)

ショチトル(可愛そうな上条だな)

美琴「じゃあ・・・私達はこれからどうする?」

上条「・・・おみくじでもしますか?」

ショチトル「そうしようそうしよう双子葉類」

エツァリ「・・・なんですかそれは」

ショチトル「うるせぇツッコむな!!!」

エツァリ「」



199 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/11(水) 20:42:34.00 ID:AJStJZqr0
上条「・・・それにしても、おみくじもいろんな種類があるな・・・」

美琴「何がどう違うのかしら?」

ショチトル「書いてある内容じゃないか?」

エツァリ「・・・恋愛運に重きを置くものもあれば、仕事運に重きを置くものもあるのでしょう」

上条「俺は学運が気になるな・・・」

美琴「恋愛運は?」

上条「それはもう最高で決まってるからさ・・・」

美琴「そ、そう」カァッ

上条(今日の美琴はよく表情が変わるな)

ショチトル(可愛いぞ美琴)

美琴(・・・さ、最高なんだ・・・)

エツァリ(・・・それにしても、本当に様々な種類のおみくじがありますね・・・)

美琴「!!ゲコ太おみくじがある!!」

上条「本当だ・・・なんか無理矢理な感じが・・・」

美琴「私、あれにするから!!」

上条「あ、あれをお前が買うのか?」

美琴「・・・ダメかな?」ウルウル

上条「いやいや!!いいと思うけどさぁ!!」


200 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/12(木) 16:54:32.72 ID:dRKY8lPo0
美琴「・・・それで、当麻はどれにするのよ」

上条「・・・俺はこのベタなおみくじでいいかな」

上条があるおみくじの店の前で立ち止まる

学問の神様が奉られている太宰府天満宮の中にあるのだ、やはり学問関係のおみくじをしたいものだ

ショチトル「・・・中々人気みたいだな」

美琴「・・・おみくじなんて気休めなんだけどね」

上条「そんなこと言いながらゲコ太おみくじガン見してるじゃんか・・・」

美琴「あ、あれはゲコ太好きとして見てるだけ!」

エツァリ「・・・自分達もこのおみくじにしましょうか」

ショチトル「そうだな、他の種類もあまり変わらないだろうし」

鼻で笑ってから、まずはショチトルがおみくじを購入する

値段は500円

貧乏学生の上条には少々きついが仕方ない

エツァリ「どうでした?」

ショチトル「小吉か・・・恋愛運はあまり良くないが仕事運はいいみたいだな」

美琴「えっと・・・転勤してくる相手に注意して接しなさいって」

ショチトル「そもそも働いていないんだがな」


201 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/12(木) 16:55:09.48 ID:dRKY8lPo0
エツァリ「・・・引っ越してきた人に気をつけていればいいのでは?」

ショチトル「あんまりご近所さんとも絡まないから関係ないな」

美琴「次はエツァリさんよ」

エツァリ「さて・・・自分はどうでしょうかね」

料金を払い、おみくじを開く

エツァリ「おや、大吉ですね」

上条「すげぇ!」

ショチトル「どれどれ・・・恋愛運、仕事運、金運どれも最高じゃないか・・・」

エツァリ「なになに・・・新たな恋を芽生えさせるよりも今の相手を大切にしろ、と」

ショチトル「ほう、いい結果だな」

上条「これ・・・彼女がいないヤツが引いたらどうするんだろうな」

美琴「今好きな人を追い続けろ、って解釈でいいんじゃない?」

上条「ふーん・・・」

ショチトル「ふーんじゃない、次はお前だぞ」

上条「あ、あぁ・・・」

上条がしぶしぶ料金を払う

卵が何パック買えるか考えてしまうのはもはやデフォだろう

上条「・・・多分大凶だろうな」

美琴「そんなことないわよ!」



202 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/12(木) 16:56:06.41 ID:dRKY8lPo0
エツァリ「上条さんは恋愛運はすごそうですよね」

ショチトル「こいつは何もしないくせに女がわんさか周りにいるからな」

上条「べ、別にそういうわけじゃないだろ・・・」

美琴「・・・早く開けなさいよ」

上条「若干不機嫌になってませんか美琴さん!?」

美琴「・・・ほら、早く開けるの!」

上条「あ、あぁ」

頷いてから、上条はおみくじを開いた

上条「・・・凶」

美琴「凶・・・」

ショチトル「凶だな」

エツァリ「普通の凶ですね・・・」

上条「仕事は失敗するでしょう・・・恋愛は、今の相手と喧嘩してしまいます・・・」

美琴「金運はお金を落としてしまう・・・」

ショチトル「これ、大凶よりひどいんじゃないか」

エツァリ「・・・旅をするなら東へ向かえ、らしいですね」



203 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/12(木) 16:56:39.88 ID:dRKY8lPo0
上条「学園都市から思い切り西に来てしまいましたよ!」

美琴「・・・えっと・・・ほら、おみくじなんてただのイベントじゃない!」

ショチトル「そうそう、書いてあることが真実ではないぞ」

エツァリ「そこまで真剣になって受け止めることないですよ」

上条「みんな・・・ありがとう」

美琴「・・・でさ、私はゲコ太おみくじ買っていいの?」

上条「あぁ、もちろん」

美琴「ちょ、ちょっと待ってて!」

小学生と一緒に並んだ美琴は、自分の番を今か今かと待っている

お嬢様とはいっても、結局は一人の女の子なのだ

ここでは世間体も繕う必要がない

上条「・・・なんかさ、ああいう美琴が一番いいよな」

ショチトル「何を今更、お前はあの美琴に惚れたんだろ?」

上条「うーん・・・美琴の全部に惚れたんだけどな」

エツァリ「素敵ですね」

上条「・・・ロマンチックとか、オシャレな恋愛じゃないけどな」



204 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/12(木) 16:57:24.42 ID:dRKY8lPo0
はは、と小さく笑ってから上条が目を細める

上条(でもさ・・・幸せにはしてやれてるよな)

美琴「当麻!買っちゃった!」

手におみくじを握った美琴が嬉しそうに戻ってくる

とても綺麗な中学生がそんな行動を取っているからか、周りは少し不思議そうな顔をしていた

上条「よかったな、早く開けてみな」

美琴「うん!」

満面の笑みを浮かべながらおみくじを開く美琴

美琴「!大吉!大吉よ当麻!」

上条「マジかよ・・・」

ショチトル「どれどれ・・・恋愛運は最高、今の相手と近いうちに更なる発展があります」

エツァリ「金運もいいですね・・・何もしないでもお金が手に入るらしいですよ」

上条「・・・これ、子供が対象なんじゃなかったっけ」

美琴「はい、当麻!」

上条「?」

なぜか美琴はそのおみくじを上条に差し出す



205 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/12(木) 16:58:17.21 ID:dRKY8lPo0
上条「あの・・・なんで俺に差し出してるんですか?」

美琴「だって当麻にあげたいから!」

上条「いやいや・・・お前がゲコ太好きなんだろ、お前が持ってろよ」

おみくじの表にはゲコ太が描かれている

たしかに、ファンである美琴には堪らないグッズだ

美琴「・・・でもさ、アンタはおみくじ最悪だったじゃない」

上条「はは・・・それはまぁ、不幸だからな」

美琴「だったら大吉も持ってて」

上条「?」

美琴「・・・アンタが不幸だ不幸だって言うなら、その分私が幸せを分けてあげるから」

上条「美琴・・・」

美琴「それに・・・それに、私はこんなもの持ってなくても十分幸せだから」

上条「・・・いいよ、お前が持っててくれ」

美琴「で、でも・・・」

上条「いいんだよ、俺だって十分幸せだ」

美琴「!い、いいの・・・?」

上条「ゲコ太のグッズ、本当は手放したくないんだろ?」

美琴「うん・・・」



206 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/12(木) 16:59:12.33 ID:dRKY8lPo0
上条「だったら俺はいいよ、美琴が笑ってくれなきゃ幸せになんてなれないしさ」

美琴「じゃ、じゃあ・・・」

美琴がおみくじを握ったまま、上条の手を繋ぐ

美琴「こうすれば、二人とも大吉よね」

上条「あ、あぁ」

顔を赤らめながら、二人が微笑み合う

もはやエツァリやショチトルなんて眼中になかった

ショチトル(なんなんだこの甘い空間は)

エツァリ(自分は・・・ここにいていいのでしょうか)

ショチトル(大体なんだよ・・・あまりに幸せすぎるだろこの二人)

エツァリ(・・・甘すぎてコーヒーが飲みたくなってきました)

上条「!な、なんだよお前達!」

エツァリ「・・・いえ、微笑ましいと思いまして」

美琴「ぜ、絶対に呆れてたわよね!?」

ショチトル「そんなことないさ、甘すぎてびっくりしただけだ」

上条「そ、そんなにひどかったかな?」



207 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/12(木) 17:00:07.49 ID:dRKY8lPo0
ショチトル「全世界の独り身が嫉妬するぞ」

美琴「なによそれ・・・」

エツァリ「・・・おや、上条さんの携帯が光ってますよ」

上条「あ、本当だ」

ポケットの中で光る携帯を取り出す

上条「垣根だ、多分合流するんだろうな」

美琴「じゃあ早くしましょう・・・そろそろどんたくの会場に向かわないと」

ショチトル「・・・あまりどんたくにも長居はしたくないな」

美琴「ちょっと見たら帰るわよ」

エツァリ「相変わらずショチトルは人混みが苦手ですね」

ショチトル「うるさいのは嫌いだからな」

上条「垣根達はこっちにすぐ来るってさ」

美琴「じゃあ待ってましょ」

ショチトル「あぁ」




208 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/12(木) 17:00:54.16 ID:dRKY8lPo0


垣根「・・・あいつらはさっきの場所からあんまり動いてなかったみたいだな」

心理「へぇ・・・」

垣根「・・・なんだよ、なんかつまんなさそうだな」

心理「あなたとの時間が終わるのは悲しいに決まってるでしょ」

垣根「はぁ・・・いいじゃねぇかよ、今回の旅行はみんなで仲良く元気よくがモットーなんだから」

心理「あら、そんなモットーがあったのね」

垣根「いや、今勝手に決めた」

心理「それ、意味ないじゃない」

垣根「まぁまぁ、とにかく合流するぞ」

垣根が心理定規の手を引く

垣根「・・・そういえばさ、こんな神社みたいな場所に来るのは久しぶりじゃないか?」

心理「初詣以外では行かないものね」

垣根「・・・お前との仲が上手くいくように祈ればよかったかな」

心理「わざわざ祈る必要なんてないじゃない」

クスクスと笑いながら心理定規が答える

垣根「うーん・・・まぁそうかな」



209 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/12(木) 17:01:53.23 ID:dRKY8lPo0
心理「あなたって意外と信心深かったりする?」

垣根「まさか、無神論者だよ」

心理「へぇ・・・」

垣根「・・・神様なんてもんに自分の明日を任せるよりは自分に任せたほうがいいだろ」

心理「一理あるわね」

垣根「・・・大体、世界の誰もが神様に明日を任せたら、みんながみんな同じ明日を迎えるんだぜ?」

心理「そういうことになるわね」

垣根「だったら俺はそんな常識から飛び出した男になってやるよ」

心理「・・・あなたらしいわ」

垣根「お前はどうだ?」

心理「私は、あなたにだったら任せてもいいけど」

垣根「・・・じゃあ、お前の未来は俺が背負わなきゃな」

心理「お願いするわ」

垣根「あぁ」

ゆっくり歩きながら、二人が空を見上げる

学園都市から見える空と同じだった



210 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/12(木) 17:02:28.09 ID:dRKY8lPo0
垣根「・・・綺麗な空だな」

心理「えぇ」

垣根「・・・なぁ」

心理「なに?」

垣根「・・・いや、なんでもねぇ」

心理「・・・気になるじゃない」

垣根「別に、ちょっと呼びたかっただけさ」

心理「はぁ・・・」

垣根「・・・誰かが隣にいてくれるってのはいいもんだな」

心理「えぇ、温もりを傍で感じられるもの」

垣根「お、上条達だ」

心理「意外と近くにいたのね」

垣根「おっす!」

上条「あぁ、来た来た・・・」

ショチトル「おやおやお二人さんったら手なんか繋いじゃって・・・」

美琴「なになに?もしかして二人きりをそんなに楽しんでたの?」

ニヤニヤ、と二人が笑う



211 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/12(木) 17:03:22.00 ID:dRKY8lPo0
心理「えぇ、あなた達は二人きりにはなれなかったのね」

垣根「可哀相だなおい」

美琴「う、うるさいわね」

上条「・・・まぁまぁ、みんな集まったんだしどんたくの会場まで向かわないか?」

心理「そうね・・・ショチトルはいいの?」

ショチトル「あぁ、あんまり長居はしないからな」

垣根「これだから引きこもりは困るんだよな」

ショチトル「引きこもりじゃないからな!」

エツァリ「必死になると見苦しいですよ」

ショチトル「変態は黙ってろよ!」

エツァリ(ショチトルにだけは言われたくなかった・・・)

美琴「・・・さて・・・」

心理「たしか、この近くにバス停があったわよね」

エツァリ「えぇ、ありましたよ」

上条「じゃあ、行きますか!」

垣根「あぁ!」


212 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/12(木) 21:15:03.16 ID:dRKY8lPo0

上条「・・・えっと、どんたくってどんな祭りなんだっけ」

バスから降りた上条が、垣根に訊ねる

彼らが辿り着いたのは福岡市

博多どんたくなのに福岡市ってどういうことだよ、と上条は思っていた

垣根「簡単に言えば、どんたくパレードを見物する祭りだ」

心理「屋台がたくさん並んで、花火がパンパン打ち上がる祭りとは少し違うのよ」

美琴「ふーん・・・カーニバルみたいな?」

垣根「そういうこった」

エツァリ「なるほど・・・」

ショチトル「・・・少し面白そうだな」

上条「えぇ・・・もっと派手な祭りのほうが楽しくないか?」

ショチトル「ふん、日本の祭りは総じて騒がしいんだよ」

垣根「そう言うなよ、屋台の主と関わり合おうとする、日本人ならではの優しさがあるんだよ」

心理「そうだったの?」

垣根「・・・まぁ、どんたくもちょっとは屋台出るけどさ」

心理「既存のお店が屋台の代わりになることも多いみたいよ、おかげでラーメンなんかの店が繁盛するみたい」

美琴「ふーん・・・」


213 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/12(木) 21:34:46.53 ID:dRKY8lPo0
上条「・・・あれ、なんかもう始まってるな」

遠くでは既に人だかりが出来ている

美琴「・・・お祭りって普通は夜にあるんじゃないの?」

垣根「いや・・・今くらいの時間から始まるだろ」

心理「ほら、さっさと行かないと遅れちゃうわよ」

ショチトル「よーし!!なんだか楽しくなってきたな!!」

垣根「どんたくは飛び込み参加ありのやつもあるからな」

エツァリ「・・・ショチトル、あまりはしゃがないように」

ショチトル「何を言っている!!楽しまなければダメだ!!」

上条(な、なんだかやる気出してる・・・)

美琴(お祭りとか好きなタイプなのね・・・)

ショチトル「踊る阿呆に見る阿呆なら!!」

垣根「やっぱ踊らなきゃな!!」

心理「ちょ、ちょっと・・・」

垣根・ショチトル「行くぞみんなぁぁぁ!!!」

一同「・・・はぁ」


214 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/12(木) 21:38:39.21 ID:dRKY8lPo0
今日はここまで

筋肉動画はリーさんのホームジムを

このダンベル、最近日本の通販でも販売開始されました

片手34kgずつのセットで53000円くらいです

しかし、重量変更が出来てしかもシャフトの出っ張りがないためダンベルベンチプレスのフィニッシュでかなり絞れますね

しかもカールとかのときも便利そう、重量変更がすぐ出来る・・・

パワーブロックよりもダンベルに近い形状ですし(というか完全にダンベルですね)

http://www.youtube.com/watch?v=YaMuv-ZsdNU 

現在購入を検討してる商品なのですが、なにぶん片手34kgだとダンベルベンチでも足りない気がします

キット購入すれば65kgくらいまで上げられるらしいですが、お金に余裕が・・・


みなさん、買ってみてはいかがですか、これw


ではおやすみなさい
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/01/12(木) 22:02:43.61 ID:f9dZb7iX0
>>1
>>202で上条さんがクロロになってたw
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/12(木) 22:48:00.85 ID:f/wYpOYGo
乙なんだよ!
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/01/12(木) 23:28:52.97 ID:DpWf2Ykl0
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 00:18:23.01 ID:uFi1hGkDO
>>1乙である。
219 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/13(金) 11:38:45.71 ID:54mOVaWd0


上条「・・・こういうときっていつもみんなとはぐれるよな」

人混みの中で上条はため息をついていた

隣にいる少女が頷く

しかしそれは美琴ではなかった

心理「・・・よりによってあなたと二人きりなんてね」

上条「垣根はショチトルと走って行ったからな・・・」

心理「となると美琴はエツァリ君とかしら」

上条「・・・まさか、きっと一人だろ」

心理「だといいわね」

クールな顔で心理定規が返すが内心はかなり焦っていた

何しろ二人がいるのは飛び込み参加のパレードの中だったからだ

このままでは周りの人達と一緒に踊らなければならない

心理「・・・どうにかしないと」

上条「そうだな、みんなで合流しないと・・・」

心理「そうじゃないわよ、早くここから逃げないとパレードに巻き込まれるわ」

上条「?そっちは別にいいけどさ・・・」

心理「良くないわよ・・・あなた、しゃもじ振り回したい?」

どんたくでは拍子木ではなくしゃもじを鳴らすのだ

そしてなぜか二人の手の中にはしゃもじがあった

さっき知らないおじさんに渡されたものだ、断る暇もなく握らされてしまった



220 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/13(金) 11:39:13.98 ID:54mOVaWd0
上条「いいじゃんか、せっかくどんたくに来たんだからさ」

心理「はぁ・・・私はパレードを遠くから見ていたかったのよ」

上条「いいじゃんか・・・ほら、楽しもうぜ」

心理「せめて垣根と二人だったら楽しめたんだけど」

上条「う・・・そういうこと言われると地味に傷つくのですが」

心理「だったらそれなりに楽しませてちょうだい」

心理定規が上条に手を差し出す

上条「・・・あの、これは一体・・・」

心理「ほら、エスコートしてちょうだいよ」

上条「いやいや!片手にしゃもじ二つ持てってこと!?っていうかそれって若干浮気に思えないこともないよな!?」

心理「そんなやましい意味じゃないわよ」

上条「だ、だけどさ・・・」

心理「あら、もしかして罪悪感?」

苦笑しながら心理定規が尋ねる

上条「・・・ほら、やっぱりそういうのは好きな人と・・・」

心理「私は上条君も大好きよ?」

上条「は、はいぃ!?」

心理「友達として」

上条「あ、そういう意味ですか・・・」



221 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/13(金) 11:39:41.51 ID:54mOVaWd0
心理「なに期待してるのよ、美琴が聞いてたら泣いてるわね」

上条「そういう冷やかしは心臓に悪いから・・・」

心理「でもエスコートしてほしいのは本当よ」

上条「・・・」

上条が頭の中でいろいろ考えを巡らせる

ここでエスコートしてしまえば美琴を裏切ることになるのではないか

しかし、かといってエスコートしなければ心理定規はこのお祭りを楽しめない

上条「手は繋がなくてもいいよな・・・」

心理「・・・あなたって男らしい人だと思ってたわ、幻滅した」

頬を膨らませながら心理定規がそっぽを向く

大人な彼女がそんな子供っぽい仕種をするとギャップがありすぎる

もうボディーブローのように効いてしまう

上条「・・・あ、あのさ、垣根にもしも見られたら俺の命が危ないし・・・」

心理「言い訳なんていくらでも出来るじゃない」

上条「ほ、本気だよ・・・」

心理「・・・はぁ、仕方ないわね」

心理定規が上条の手を強く握る



222 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/13(金) 11:40:25.30 ID:54mOVaWd0
上条「ちょ・・・」

心理「あなたがエスコートしてくれないなら、無理矢理させてあげるから」

ぐいぐいと心理定規が上条の手を引っ張る

上条「ていうかこの人混みから逃げたかったんじゃないのかよアンタは!」

心理「いいわよ、あなたが楽しませてくれれば」

上条「だから俺には無理ですから!」

心理「いいから、たまには垣根以外の男の子と楽しんでみてもいいんじゃないかしら」

上条「男の子って子供扱いされてるのが気に入りません!」

心理「あら、男として見てほしいのかしら」

上条「あなたがそう言うとなんとなく艶やかな台詞になるから遠慮しときます・・・」

心理「・・・あ、始まるわよ」

列が動きはじめた

今から逃げようとしても叶わないだろう

ならば

心理「踊るしかないわね・・・覚悟を決めましょう」

片手にしゃもじを握って、互いの手のしゃもじをぶつけ合う

心理「手を握りながらじゃこれしかできないわね」



223 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/13(金) 11:40:53.18 ID:54mOVaWd0
上条(というか美琴と同じくらい手が小さい・・・)

心理「でもまぁ音はなってるし問題ないわよね」

上条(そうだよな・・・大人な女性って感じだけど、心理さんだって美琴と同い年くらいだもんな)

心理「そもそも、なんでしゃもじなのかしら」

上条(っていかんいかん!こういうことを考えだしたら変に意識してしまいますよ!)

心理「ねぇ、聞いてる?」

上条「あぁもう!なんだこの居心地の悪さはぁぁ!不幸だぁ!」

心理「・・・私といるのが不幸なんて、失礼ね」




垣根「・・・走りすぎたな」

ショチトル「あぁ」

パレードを突っ切った二人は、なぜか遠巻きからそれを見つめていた

テンションが上がりすぎて、知らない間に列を横切ってしまったのだ

おかげで参加することは出来なかった

この次のパレードに混ざるしかないだろう

垣根「・・・心理定規ともはぐれちまった」

ショチトル「エツァリはどこだ・・・」

垣根「・・・」

ショチトル「・・・」



224 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/13(金) 11:41:47.77 ID:54mOVaWd0
垣根「なんかお前と二人って珍しくないか」

ショチトル「私は影が薄いからな」

垣根「ごめんなさい」

ショチトル「・・・しかしイヤな気はしないな」

垣根「あぁ?なんでだよ」

ショチトル「お前は男前だからな、周りの女が羨ましそうに私を見つめてくる」

垣根「なんなら抱きしめてやろうか」

ショチトル「は、はぁ!?それはダメだからな、絶対にダメだからな!」

垣根「冗談だ」

近くのベンチに腰掛け、パレードを見つめる

垣根「お前ってさ、変態のわりに純情だよな」

ショチトル「なんだその言い方」

垣根「褒めてるんだよ・・・エツァリ以外の男に興味なさそうだからさ」

ショチトル「あるわけないだろう、エツァリが好きなんだから」

垣根「エツァリのどんなとこが好きなんだ?」

ショチトルと二人になるのは珍しい

もしかしたらこれから先、こんなことはないかもしれない

だから今しかできない会話をしてみたかった



225 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/13(金) 11:42:16.61 ID:54mOVaWd0
ショチトル「うーん・・・あいつは昔から私に優しくしてくれたんだ」

垣根「優しくねぇ・・・それってさ、ちょっとずるいな」

ショチトル「なぜ」

垣根「自分に優しい男を求めるなんてわがままだ」

ショチトル「何を言う、お前だって心理定規には優しいじゃないか」

垣根「・・・そうだけどさ」

ショチトル「それに、あいつは真っすぐな男だからな」

垣根「真っすぐか?」

ショチトル「あぁ、自分の守りたいものを守り続けるヤツさ」

垣根「・・・でもあいつの初恋って御坂だよな」

ショチトル「それが一番ムカつく」

垣根「お、ヤキモチか」

ショチトル「・・・もちろん今のあいつは私が好きだが・・・初恋相手が私じゃないのはムカつくな」

垣根「そこまでヤキモチ妬くことか?」

ショチトル「もし心理定規の初恋相手が自分じゃなかったらどうだ?」

垣根「別にどうでもいいさ、人生で初めて好きになった相手が誰だろうと」

ショチトル「そういうもんかな・・・」



226 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/13(金) 11:42:57.89 ID:54mOVaWd0
垣根「あいつは俺にも恋をした、そしてそれが叶った・・・叶った恋は俺が初めてさ」

ショチトル「・・・」

垣根「それに、あいつが垣根帝督という人間に恋をしたのは初めてだ」

ショチトル「どういう意味だ?」

垣根「ファーストキスの相手なんてどうでもいいのと同じさ、俺とのファーストキスが絶対にあるんだから」

ショチトル「お前は独占欲がないのか・・・」

垣根「いや、一度掴んだなら絶対に放したくないけどな」

ショチトル「・・・そうか」

垣根「まぁとにかくさ、お前は初恋以外の全てを手に入れたんだ、気にするなよ」

ショチトル「おぉ、そう考えると中々いいな」

垣根「あいつの心はお前のもんさ、だったらそれでいいじゃねぇか」

ショチトル「・・・じゃあ次は私が尋ねていいか」

垣根「なんだよ」

ショチトル「お前、いつから心理定規を好きになったんだ?」

垣根「これまた随分と漠然とした質問だな」

ショチトル「お前と心理定規は同じ組織にいたんだ、最初からある程度近しかったはずだが」

垣根「最初はただの仕事仲間だったよ・・・まぁ可愛いと思ったことはあったけどな」


227 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/13(金) 16:00:00.81 ID:54mOVaWd0
ショチトル「ふーん・・・」

垣根「まぁ、途中からちょこっとは意識したけどさ」

ショチトル「それで、結局はいつから?」

垣根「・・・あいつが俺の帰りを待ってたって知ったときかな」

ショチトル「あの心理定規が?」

垣根「あぁ」

ショチトル「へぇ・・・」

垣根「・・・いや、んなことはどうでもいいじゃねぇか!!」

垣根がパレードのほうを指差す

しゃもじを鳴らしながら練り歩くそのパレードは、統率が取れているというよりは活気に溢れているという印象だった

垣根「俺達はあれに参加するためにやってきたんじゃねぇのかよ!?」

ショチトル「あぁ、もちろん!」

垣根「だったら!!どうやってあれに参加できるかを考えなきゃならねぇ!!」

ショチトル「よーし!!ならば、今から突撃するか!?」

垣根「いや・・・途中から参加するのはどうも気が引ける!」

ショチトル「じゃあどうする!?」

垣根「やはり!!次のパレードから参加しようぜ!!」

ショチトル(結局それか)


228 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/13(金) 21:18:42.77 ID:54mOVaWd0
今日はここまで

新年ムードがやっと終わったと思ったらテストが近いため、しばらくはずーっとこんな投下ペースです

カップル交換しないといけないの、なぜならどんたくなんて行ったことないからネタがわからないし

筋肉動画はカイ・グリーンを


http://www.youtube.com/watch?v=VNB3y0_vlMk 


だからなぜ三点倒立をするのか、なんてことはツッコんだら負け

ではおやすみなさい
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 21:22:24.60 ID:uFi1hGkDO
>>1乙である。

明日に鉛筆の神様が降臨するように祈っておこう。
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/14(土) 00:10:55.45 ID:z7p9lKMio
乙にゃんだよ!
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/01/14(土) 01:33:39.34 ID:RlzQEY2x0
乙なのですよー

心理定規って年齢と性格にギャップあるんだよね…超電磁砲の新刊見て改めて思ったけど
232 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 11:08:58.63 ID:U3ndxNkA0
美琴(・・・一体どうしてこうなったのかしら)

パレードから離れるようにして歩きながら、美琴は肩を落としていた

エツァリ「・・・顔色が優れないようですが体調でも悪いのですか?」

美琴「あ、そうじゃなくて・・・」

どうして隣にいるのが彼なのだろうか

たしか、途中までは上条や心理定規もいたはずだ

垣根とショチトルを追い掛けるうちにはぐれてしまったらしい

美琴「・・・なんか、いっつも肝心な時に当麻はいないから・・・」

はぁ、とさらに美琴が肩を落とした

今回の旅行では、まだ二人きりの時間を作れていない

本当に何をやっているのだろうか

エツァリ「・・・仕方ありませんよ、連絡を取れば・・・」

美琴「こんなにうるさい中よ?どうせ相手の声が聞こえなくて・・・」

エツァリ「?メールは・・・」

美琴「・・・したわよ、でも返事が来ないの」

エツァリ「おかしいですね・・・電話には出られたのですか?」

美琴「ううん、そもそも電話は掛けてないから」



233 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 11:09:32.04 ID:U3ndxNkA0
エツァリ「・・・電源が切れているとか」

美琴「・・・だとしたら意味ないわよね」

エツァリ「自分も一応、ショチトルにメールはしておきました」

美琴「エツァリさんも残念ね・・・せっかくショチトルと二人になれるチャンスだったのに」

エツァリ「いえ・・・自分はいつもショチトルと二人ですから」

美琴「いいなぁ・・・そういうの」

エツァリ「・・・御坂さんは上条さんと二人になれる時間は・・・」

美琴「学校があるから一日中ってわけにはいかないわよ・・・それに常盤台の寮にもたまには帰らないといけないし」

エツァリ「なるほど・・・」

エツァリが少し眉をひそめる

自分が上条の立場だったどうだろうか

やはり二人の時間を用意したがるだろう

エツァリ「・・・上条さんは自分との約束を守ってくださってはいますが・・・」

美琴「?約束?」

エツァリ「い、いえ・・・なんでもありません」

ごまかすように笑ってから、エツァリが近くの自販機の前に立つ

エツァリ「何か飲みますか?」


234 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 11:10:09.25 ID:U3ndxNkA0
美琴「うーん・・・じゃあコーヒー、冷たいのがいいかな」

エツァリ「微糖でよろしいですか?」

美琴「うん、ありがとう」

微糖の冷たいコーヒーを買い、美琴に手渡す

まるで恋人みたいなやり取りだな、とエツァリは苦笑してしまった

美琴「・・・ねぇ、何かおかしい?」

エツァリ「いえ・・・少し昔を思い出しまして」

美琴「昔?」

エツァリ「・・・あなたにまだ恋心を抱いていた頃を」

美琴「あ・・・」

美琴が少し驚いたような表情になる

そういえば、美琴はかつてエツァリから好意を寄せられていた

最近は友人として付き合っているため、すっかり忘れていたが

エツァリ「あ、勘違いしないでください!今はもうそんな感情はありませんから」

安心させるようにエツァリが手を振りながら続ける

美琴「う、うん」


235 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 11:10:59.77 ID:U3ndxNkA0
エツァリ「すいません・・・何か変な空気になってしまいました」

頭を掻きながら謝るエツァリ

美琴「・・・あのさ、なんで私のことなんか好きになったの?」

エツァリ「なぜって・・・あなたは自分が見てきた人々と違ったタイプでしたから」

美琴「・・・違ったタイプ?」

エツァリ「・・・あの頃の自分は友情や愛情というものをほとんど知りませんでした・・・ショチトルは自分を慕ってくれていたようですが」

美琴「エツァリさんは・・・あんまりショチトルを好きじゃなかったの?」

エツァリ「まさか、ただ家族のような存在でしたから・・・こう、女性として意識していなかったんですよ」

懐かしむようにエツァリが目を細めた

エツァリ「・・・テクパトルのような上司に気を遣い、ショチトルやトチトリといった仲間ともやはり友情を築けなかった・・・そんな自分にとって、あなたのような優しい人物は新鮮だったんですよ」

美琴「そっか・・・」

自分が上条に好意を抱いた理由と似ている、と美琴は思った

彼女が初めて触れた優しさであり、彼女に初めて触れてくれた温もりが上条だった

美琴「私たちって、もしかしたら似てるのかも」

エツァリ「はい?」

美琴「あぁ、気にしないで・・・」



236 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 11:12:08.69 ID:U3ndxNkA0
エツァリ「・・・自分はあれから、本当に幸せな人生に変わることが出来ました」

美琴「私も・・・妹達の事件の頃からは想像できない平和な生活よ」

まさかあの一方通行と友人になるなんて

当時の自分が聞いたら気絶してしまう、と自嘲する

エツァリ「ショチトルの愛情に気づき、他人と友情を築き・・・いつの間にか普通の人々と同じ生活をしていました」

美琴「・・・きっかけをくれたのは当麻だった・・・歩いたのは私」

エツァリ「・・・こんな話をしていると、やはり愛する人に逢いたくなりますね」

美琴「うん・・・もう一回連絡取ってみようかな」

エツァリ「自分もそうしますよ」

二人が同時に携帯を取り出す

自分の愛する人と、連絡を取るために




上条(ま、まずいぞこの状況は!)

そんな美琴に愛されてる青年は、なぜか顔を赤らめていた

彼の右手の中には、小さな少女の手があった

心理定規のものだ

彼女はなぜか、上条と手を繋ぎながらパレードに参加していた



237 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 11:12:51.01 ID:U3ndxNkA0
最初は乗り気でなかった彼女も、時間が経つに連れてどんどん楽しくなってきたようだ

今ではリズムに合わせてしゃもじを鳴らしている

その彼女が、楽しそうに笑いながら上条の手を引っ張っているのだ

彼女を女性として意識しているわけではないが、青春している青年ならこの状況で混乱しないほうがおかしい

上条「あ、あの・・・」

心理「ふふ・・・楽しいわね、上条君」

上条「は、はい」

自分といるからではなく、このパレード自体が楽しいのだろう

そんなことは分かっている

それでも少しだけ胸は高鳴ってしまって・・・

上条「っていかんいかん!俺には美琴という愛する女性がいるんですよ!?」

心理「?いきなり大声出して、どうしたのよ」

上条「心理さん!さすがにもう手を放してもいいんじゃないでしょうか!」

心理「あら・・・私なんかと手を繋いでいたくないのね・・・」

シュン、としょげたような演技をする

鈍感な上条にはそれが演技だとは見破れなかった

上条「ち、違う違う!ただやっぱり美琴に悪いからさ・・・それに垣根だってきっと怒るぞ!?」



238 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 11:14:01.04 ID:U3ndxNkA0
心理「・・・私、あなたと手を繋いでいたいの・・・」

上条「!?」

そっと、心理定規が上条の肩に頭を乗せた

美琴のものとは違う、ほのかに甘いシャンプーの匂いが鼻をくすぐった

上条(な、ななななななんだこれ!?まさか浮気ルートに突入とかいうイベントはないよな!?っていうか俺は美琴がいるのに!)

心理(面白い反応ね・・・これも楽しいわ)

上条(心理さんだってなんかおかしいよな!?垣根のこと好きなはずなのに・・・)

心理「・・・?ねぇ、上条君」

上条「は、はい!」

心理「携帯、光ってるわよ」

上条「あ・・・いけね、マナーモードにしてたんだ」

心理定規に握られた右手を少しだけ動かす

心理「あら、左手で操作すれば?」

上条「いやいや!両手を使いたいんですが!」

心理「はぁ・・・分かったわよ」

ぱっ、と放された右手を使って携帯を開く

上条「美琴からだ・・・今、ラーメン屋の屋台の前にいるって」



239 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 11:14:30.03 ID:U3ndxNkA0
心理「・・・あら?もしかしてあれじゃないの?」

上条「え、ホントだ・・・めちゃくちゃ近い」

心理「・・・パレードから逃げるように動いてるわね」

上条「混みすぎてて全く動けてないけどな」

心理「こんなに近くにいたのね・・・エツァリ君もいるわ」

上条「!?」

上条が目をこらす

だが、彼のいる位置からはあいにく美琴しか見えない

上条「な、なぁ・・・まさかとは思うけど、エツァリのヤツ・・・」

心理「?」

上条「美琴に変なこと、してないよな?」

心理「あら、してるわよ」

上条「」

心理定規がいとも当然のように嘘をつく

そしてそれに騙されるのが上条だ

心理「あ・・・!あんな大胆に・・・」

上条「な、何!?何をされてるの・・・」


240 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 11:15:10.60 ID:U3ndxNkA0
心理「・・・美琴ったら、胸には自信ないはずなのに」

上条「あぁぁぁ!?胸を触られてるのか!?」

心理「あ、なんか真っ赤になってる」

上条「エツァリぃぃぃぃ!」

上条が突然駆け出す

右手は心理定規の束縛から解放されていた

つまり今の上条は自由の身だ

人混みを上手く掻き分けた上条がエツァリの元に着くまで、30秒ほどしか掛からなかった

心理(・・・まずいかしら)



上条「エツァリぃぃぃぃ!」

エツァリ「?おや、上条さん」

美琴「当麻!やっと会えた・・・」

上条「てめぇ美琴に何しやがったぁぁぁぁ!」

エツァリ「は、はい?」

上条「いいぜ!もしもてめぇがまだ美琴に手を出そうだなんて考えてるなら!」

上条が右手を握り締める



241 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 11:16:04.81 ID:U3ndxNkA0
エツァリ「な、何か勘違いをされ・・・」

上条「まずは、そのふざけた幻想をぶち殺す!」

美琴「と、当麻!?」

エツァリの体が宙を飛んだ

理不尽なギャグ展開だな、と思いながらエツァリは流れ星になった


上条「・・・で、なんで心理さんはそんな嘘をついたんだ」

心理「ごめんなさいね、あなたをついからかいたくなったのよ」

美琴「・・・当麻は心理定規と二人きりだったんだ」

上条「あ、あぁ・・・」

美琴「・・・当麻にちょっかい出してないでしょうね」

心理「あら、手を繋いだり肩に頭を乗せたりはしたけど」

美琴「ーっ!」

心理「安心しなさいな、上条君はちょっとドキドキしただけだったみたいだし」

美琴「ときめいたのね!?ちょっととはいえ心理定規にときめいたのね!?」

上条「待て待て!俺は被害者だからな!」

エツァリ「・・・自分もです」



242 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 11:16:39.39 ID:U3ndxNkA0
上条に殴られた頬をさすりながら、エツァリがため息をつく

上条「わ、悪かった・・・本当にすまない」

エツァリ「いえ・・・そんな嘘をつかれたら、自分もそうしたはずです」

エツァリが心理定規を睨みつける

心理「な、なによ・・・」

エツァリ「あなたは少々、人をからかいすぎですよ」

心理「う・・・」

エツァリ「・・・人を傷つける嘘はよくありません」

心理「わ、私・・・」

心理定規の目が潤みだす

エツァリ「は、はい!?」

美琴「ちょ、ちょっと・・・」

心理「私・・・軽い冗談のつもりだったの・・・ごめんなさい・・・本当にごめんなさい・・・」

エツァリ「い、いえ!自分も言い方がきつかったかもしれません!」

上条「ほ、ほら心理さん涙を拭いて・・・」

心理「いいのよ・・・私はあなた達を傷つけちゃったのよ・・・」



243 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 11:17:24.11 ID:U3ndxNkA0
美琴(エツァリさん!)

エツァリ(こ、こんなにメンタル弱い人でしたっけ!?)

上条(あんな言い方されるのに慣れてないんだろ!)

エツァリ(そ、そうなんですか!?)

あたふたとする三人

彼らはその時気づいていなかった

後方から、怒りに身を震わせた垣根が近づいて来ていることに


ショチトル「ん?あれ、上条達だな」

垣根「お、ホントだ」

事の発端はショチトルが上条達を見つけたことだった

遠くにいると思い込んでいたが、それほど離れてはいなかったらしい

上条と心理定規はパレードの中に混ざっていた

ショチトル「上条がなんか怒りながら歩いてるな・・・」

垣根「あ、エツァリと御坂もいた」

ショチトル「!?エツァリが殴られた!」

垣根「上条、なんか怒ってるな」

ショチトル「心理定規が呆れながら止めに入ったな・・・」



244 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 11:17:58.71 ID:U3ndxNkA0
垣根「上条・・・なんか驚いてるな」

ショチトル「美琴はあたふたしてるな」

垣根「・・・エツァリ、よく気絶しなかったな」

ショチトル「あぁ・・・?なんかエツァリ、心理定規を睨みつけてないか?」

垣根「なに?」

垣根がエツァリの表情に注目する

たしかに、何やら心理定規を睨みつけるような表情だった

垣根「・・・なんだ?」

ショチトル「!心理定規、なんか目が潤んでないか!?」

垣根「・・・あぁ?」

ショチトル「な、なんで・・・」

垣根「・・・」

遠巻きから見ていると、よく話が掴めない

だが垣根は勝手に話を組み上げていた

きっと上条は、エツァリが美琴にセクハラしているのを見つけて殴ったのだろう

美琴があたふたしていたのは、セクハラされた現場を上条に見られたからか



245 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 11:18:36.99 ID:U3ndxNkA0
上条がそのあとエツァリに謝ったのは、やはり暴力は良くないからだろう

そして心理定規は呆れたように近づいた

エツァリはきっとこう言ったのだ、「心理定規、お前の乳も揉ませろよ、垣根に毎晩揉まれてるんだろ?」

あまりに露骨なセクハラに耐え切れず、心理定規は泣き出してしまったのだ

エツァリがなんかオロオロしているが、そんなことはどうでもいい

垣根「あの野郎、ムカついた」

ショチトル「おい、どこに行く」

垣根「決まってんだろ、心理定規の涙を拭くのは俺の役目だ」

愛する人のため、垣根は歩き出した

明らかに動機は間違ってるのだが


エツァリ「その・・・すいませんでした」

心理「・・・いいわよ・・・」

グスン、と心理定規が鼻をすする「真似」をした

そう、これも演技なのだ

上条やエツァリの困った反応は面白い

元々、若干いたずら好きな彼女はこういうことをよくしてしまう

それが不幸に繋がることもあり・・・


246 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 11:19:15.78 ID:U3ndxNkA0


垣根「おい」


今まさに、そうであった

上条「あ、垣根・・・」

垣根「エツァリ、てめぇ心理定規に何しやがった」

エツァリ「ち、違いますよ!?自分は悪気があって言ったわけでは・・・」

垣根「てめぇの口からは下品な言葉しか出ねぇのかよ、あぁ?」

上条(いや・・・むしろかなり丁寧な注意の仕方だったよな)

エツァリ「たしかに自分も悪かったですが・・・しかし、彼女にも非はありますよ」

垣根「うるせぇ!心理定規が好きでセクシーに生まれたと思ってんのか!」

エツァリ「え?」

垣根「あ?」

エツァリ「あの、何を言って・・・」

垣根「いいぜ!もしもてめぇがそうやってごまかそうなんて言うのなら!」

心理(・・・ちょっと演技に力を入れすぎたかしら)

美琴「垣根!エツァリさんは悪く・・・」


垣根「まずはそのふざけた常識を覆す!」

エツァリ「なんでこうなるんですかぁぁぁぁ!」

未元物質の翼で叩かれたエツァリは、また流れ星になった


247 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 13:15:14.64 ID:U3ndxNkA0


垣根「そろそろホテルへ行こうと思う」

エツァリ「」

美琴「そうね・・・どんたくももうそろそろ激しさを増す頃だし」

上条「逃げるときは早めに、だな」

ショチトル「よし、もう時間もいい頃だ」

ショチトルが時計を指差す

時刻は18時

今からホテルに向かえば夜ご飯にちょうどいい

上条「じゃあバスで・・・」

心理「ねぇ、エツァリ君はどうするの?」

美琴「・・・地面にのびてるわね」

垣根「なんで・・・なんでだよ!?あんなに元気だったじゃないか、主に下半身が!!そんなエツァリがどうしてこんなな避けない姿に!?主に下半身が!!」

心理「あなたのせいだ」

垣根「・・・冗談はおいといて、こいつはどうするかな」

エツァリの額をつま先でつつきながら垣根がため息をつく

ショチトル「・・・誰か運んでくれ」

上条「・・・そこで一斉に俺を見つめるのはやめてくれ」


248 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 13:18:32.14 ID:U3ndxNkA0
垣根「お前って力持ちなんだろ」

心理「そうね、体力だけはムダに有りそうだし」

美琴「当麻、頑張ってね」

上条「・・・なんで俺が・・・」

文句を言いながらも上条がエツァリに肩を貸す

超能力者二人、女の子二人ににらまれては仕方ない

エツァリ「・・・申しわけ・・・ありません・・・」

上条「意識はあったのか・・・よかったよ」

心理「全く、誰のせいでこんなことになったのかしら」

一同「お前だ」

心理「さて、バスが来るまで時間がないわ・・・急ぎましょう」

上条(クールにごまかした・・・)

美琴(・・・心理定規がどんどんおかしくなっていくわ・・・)

垣根(・・・俺の立場はどこへ?)

上条「ホテルは結構豪華なとこを頼んだんだっけ」

美琴「うん、私が前に友達から聞いたところを・・・」

上条「そりゃ期待できそうだな」

エツァリ(・・・どこでもいいから休ませてください・・・)


249 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 13:23:36.40 ID:U3ndxNkA0


上条「・・・そして俺達はホテルに辿り着いた」

垣根「そこは、とても普通のホテルとは思えないところだった」

ショチトル「壁一面にびっしりと蔦が生え、季節に合わない鷹の姿も見えていた」

美琴「え、えっと・・・中からは鼻の長い意地悪そうなおばあさんが出てきて!!」

心理「誰か止めなさい・・・普通の豪華なホテルじゃない」

垣根「そこは乗るべきだぜ」

心理「降りるわよ・・・」

6人は目の前のホテルを見上げていた

スパイダーマンが上から降りてきそうだな、なんていう意味不明な感想を抱く上条

中々オシャレな噴水や中庭もあるわね、と冷静に観察する美琴

メルヘンだぜ、と考える垣根

リムジンが停まっているということはそれなりの人が来るホテルなのだろう、とさらに冷静な分析をする心理定規

オモチャはあるかな、と情熱的な考えを持つショチトル

休みたい、と切実に願うエツァリ

垣根「・・・いいな、俺はこういう夜景が綺麗そうなホテルは好きだぜ」

美琴「・・・こんなところで恋人と二人きりになれるなんて最高ね・・・」

ショチトル「おぉ・・・そうだな」

心理「ほら、さっさと入るわよ」



250 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 13:27:28.45 ID:U3ndxNkA0

「ようこそお越しくださいました」

ぺこり、と頭を下げる受付の女性

見た目は20代後半だろうか、とても礼儀正しく清潔感に溢れている

垣根「えっと・・・上条の名前で予約していた者ですが」

「はい、ご予約を承っております」

上条「あの、一体どこの部屋・・・」

垣根「お前は黙ってろ」コソッ

上条「はい」

垣根「すいません、少し疲れているもので・・・出来ればすぐに部屋のほうへ向かいたいのですが」

「上条様・・・はい、7階のスイートを一部屋ご予約となっております」

パソコンでデータを確認しながら、受付の女性が応答する

垣根「一部屋・・・?」

「6名様でのお越しとなっておりますが・・・」

垣根「はい、そうですけど・・・」

「6名様でしたら、スイート一部屋でお泊りになることが可能でございます」

垣根「・・・つまり、6人部屋ということに・・・」

「は、はい・・・そうなっております」

垣根「すいません、少しだけ待っていてください」

垣根が上条を引っ張っていく


251 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 13:31:25.07 ID:U3ndxNkA0

垣根「てめぇ!!なんで2人を3部屋用意しなかった!!」

上条「だ、だって何名で来るのか聞かれたから6人ですって・・・」

垣根「電話予約かよ!!いや、それはどうでもいい!!」

上条「で、でもさ!!6人泊まれるんだし・・・」

垣根「そういうのはな!!6人です、って答えるんじゃなくて出来れば2人を3部屋予約したいのですが、って答えるんだよ!!」

上条「何人で来るか聞かれたから・・・」

垣根「お前は横断歩道を手上げていちいち渡る小学生か!!世の中テキスト通りには進まないんだよ!!」

上条「も、もしかして・・・二人きりになれない展開か!?」

垣根「今さらかよ・・・」

肩を落としながら、垣根が受付の前へ戻る


垣根「すいません・・・えっと、そのスイートは7階でしたっけ」

「はい、そちらのエレベーターにお乗りになっていただければ」

垣根「それじゃ、そうします」

柔和な笑みを浮べてから垣根が部屋のカードキーを受け取る

美琴「・・・行きましょう」

心理「・・・そうね」

ショチトル「あーあー、楽しい大人数の部屋だなー」

上条(み、みんな怒ってる!?)


252 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 13:36:43.06 ID:U3ndxNkA0


エレベーターの中

1階から7階まで向かうのには、恐らくたった30秒も掛からないはずだ

しかしその短い時間は、上条にとってとても辛いものだった

垣根「よかったじゃねぇか、親睦会でも開けるんじゃねぇのか」

心理「そうね」

美琴「いいじゃない、思い出を語り合いながらみんなで、みんなで楽しみましょう」

エツァリ「・・・まぁまぁ、上条さんも悪気があってなさったわけでは・・・」

垣根「だからこそ余計にイラつくんだよ」

上条「ほ、本当にごめん・・・」

心理「・・・そんな真剣に謝られたら責めるに責められないけど」

ショチトル「・・・まぁ、ホテル側ももう少し気を利かせてくれればな」

垣根「こんなホテルに友達同士で来るなんてよっぽどだろ」

心理「そうよね・・・きっと同窓会か何かかと思われたのよ」

美琴「・・・普通は夫婦二人で来るのかな?」

垣根「恐らくはな・・・受付に書いてあっただろ、ワインパーティーなんてやるようなホテルだぜ」

上条「ワインパーティー!?」

垣根「子供も参加できるんだよ、金持ちのボンボンやらお嬢様が一杯いることだろうさ」

美琴「・・・どうする?せっかくだし参加してみる?」

ショチトル「・・・正装の貸し出し、あるかな」


253 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 20:59:18.94 ID:U3ndxNkA0
垣根「こんだけのホテルだ、貸し出しくらいあるだろ」

エレベーターの階数表示を睨みつけるながら垣根が答える

美琴「着いたわね・・・」

上条「・・・みんな、本当にゴメン・・・」

ショチトル「気にするな、まぁこんな旅行もたまにはいいじゃないか」

心理「そうね、修学旅行みたいで楽しいかもしれないわよ」

エツァリ「修学旅行ですか・・・」

垣根「ほら、さっさと降りる」

垣根を先頭に上条達が部屋へと向かう

その廊下もまさに「豪華絢爛」の一言だった

ただ通るためだけの廊下なのにシャンデリアが飾られている

また、壁には絵画が飾られていた

垣根「中々いい趣味だな、上条がこのホテルを承諾したのは意外だ」

上条「・・・こんなに高いホテルなんて思わなかった・・・」

美琴「ちゃんと言ったじゃない・・・」

上条「だってさ・・・何個星だとか言われても実感湧かないだろ?」

エツァリ「そんな評価をされる時点ですごいホテルですよ」



254 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 20:59:46.75 ID:U3ndxNkA0
心理「・・・贅沢な旅行ね」

ショチトル「あぁ、こんないいホテルなんて映画でしか見たことがない」

垣根「っと・・・この部屋だな」

カードキーを差し込み、垣根が部屋のドアを開ける

上条「・・・す、すげぇ・・・」

部屋の中も、廊下通り・・・いや、それ以上に豪華な内装だった

ベッドは見るからに柔らかそうな布団が叱れていた

ラジオなんて付いているようなベッドではなく、どこかの王室ご用達と言われても信じてしまうような物だ

テーブルも何やら職人の作った物のようだし、テレビもとても大きかった

心理「ふーん・・・一応テレビはあるのね」

垣根「当たり前だろ・・・いくら金持ちでも、ガキはテレビを見たがるもんだ」

ショチトル「家族連れを想定して作られている部屋なのかな」

垣根「6人部屋だぜ?他に何があるんだよ」

ズカズカと部屋の中に入っていく

上条「あれ・・・スリッパに履きかえないのか、この部屋」

美琴「・・・あのね、見るからに洋室じゃない」

上条「?」

垣根「安物のホテルじゃねぇんだ、靴のままだよ」



255 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 21:00:13.08 ID:U3ndxNkA0
上条「マジかよ・・・カーペット汚れるんじゃないか?」

垣根「安心しな、フローリングだよ」

苦笑しながら垣根がベッドの上に荷物を置く

上条「!?そんな雑に・・・」

美琴「・・・まぁ、人間が寝るところなんだから荷物を置いても問題ないわよね」

ショチトル「私達も入ろうか」

エツァリ「そうですね・・・眺めるために来たわけではないですから」

心理「景色も良さそうね」

美琴「窓際のベッド、私でいいかな?」

垣根「いいけどよ、多分朝は冷えるぞ?」

美琴「う・・・厚着すれば大丈夫よ」

心理「安心なさい、九州の朝は暖かいから」

上条「・・・」

当たり前のように部屋に入った5人を上条は驚きながら見つめていた

美琴「?何やってるの?」

上条「なんでそんなに普通に振る舞えるんだよ!?かなり豪華なホテルだろ!?」

垣根「うるせぇな、ぎゃあぎゃあ騒いでいいような雰囲気じゃねぇってことくらい分かるだろ」



256 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 21:00:40.86 ID:U3ndxNkA0
上条「わ、分かるけどさ・・・」

垣根「だったら静かにしてろ、少なくとも馬鹿みてぇに騒ぐよりはマシだ」

呆れたように言いながら、垣根が時計を確認する

ワインパーティーが始まるまであと20分程度だ

垣根「・・・今から服を借りれば間に合うかもな」

心理「私は借りなくていいわよ、普段からドレスだし」

美琴「いいわよね・・・私とショチトルは借りてこないと」

上条「や、やっぱりマナーとか厳しいのかな?」

垣根「あんまり細かく考えるなよ、ホテル側も客に楽しんでもらえたほうがいいんだよ」

上条「そっか・・・そうだよな」

心理「それじゃ、私は美琴とショチトルのドレスを見てくるから」

美琴「心理定規がいれば大丈夫かもね・・・」

ショチトル「じゃあ、行ってくるよ」

女三人が部屋から出ていく

垣根「・・・さて、俺達もスーツ借りてくるか」

上条「・・・スーツかぁ・・・」

就活なんかで着るものなはずのスーツが、まさかこんなにも早く活躍する機会が来るとは

エツァリ「垣根さんはスーツも似合いそうですね」

垣根「まぁ、そこそこだろ」

上条「・・・きついんだよな、スーツって」


257 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 21:06:11.92 ID:U3ndxNkA0
垣根「きついけど、それが正装ってもんだ」

コキコキ、と首を鳴らしながら垣根が適当に答える

肩でも凝りやすい体質なのだろうか

エツァリ「自分達も行きましょう」

上条「はぁ・・・分かった」

あまり堅苦しい雰囲気は苦手だが、これも人付き合いというものだろう

将来仕事でこういう場面に出くわすかもしれない

いや、出くわしたいわけではないが

垣根「・・・じゃああいつらとは会場で待ち合わせってことでいいか」

心理定規の携帯にメールをしてから、垣根を先頭として部屋から出る

上条「・・・なぁ、どこで借りられるんだ?」

垣根「ボーイにでも聞こうぜ」

近くに駐在していたボーイに話を聞くと、専用の部屋があるらしかった

もちろん、レンタル料は取られるらしいが

垣根「ありがとうございます」

紳士たる態度で振舞った垣根を、ボーイも尊敬の眼差しで見つめる

上条(俺の知ってる垣根じゃない・・・)

エツァリ(・・・ここは、垣根さんに一任したほうがよさそうですね)


258 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 21:11:25.17 ID:U3ndxNkA0
垣根「着いたぜ」

部屋の前には、これまたボーイが立っていた

垣根「スーツのレンタルをお願いしたいのですが」

「はい、レンタル料は5000円になっておりますが・・・」

上条「ごっ・・・」

垣根「構いません、失礼しても?」

「どうぞ」

丁寧なドアの開け方に感心しながら、上条は部屋の中へと向かう

そこは映画で見たことのあるような、見渡す限りのスーツの山だった

ここだけでそこらへんの衣類店を圧倒してそうだな、と感想を抱く

垣根「色は黒でいいよな」

エツァリ「えぇ、もちろん」

上条「で、出来ればきつくないのを・・・」

垣根「・・・きついもんだ、諦めろ」

身長で合わせるようにしながら、三人はスーツを選び終えた

三人とも標準的な体型だったため、身長以外のことは考えなくてもいい

削板やテクパトルだったら体がきつくて入らなかっただろうが


259 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 21:24:11.01 ID:U3ndxNkA0
垣根「・・・さて、あとは綺麗に着こなすだけだな」

上条「ネクタイとかつけるのか?」

垣根「俺はつけるけど、お前達は好きにして構わないぜ」

エツァリ「・・・自分もつけましょう、よりフォーマルでしょうから」

上条「・・・じゃあ俺も」

垣根「・・・上条、お前はあんまりスーツ似合わないのな・・・」

上条「・・・だろうなぁ・・・」

父親もそうなんだから、と肩を落とす

垣根「・・・でもまぁ、御坂はきっと喜ぶぜ」

上条「そうかな?」

エツァリ「えぇ、きっと喜びますよ」

上条「・・・だといいな」

垣根「さて、着終わったんだしさっさと会場に向かおうぜ」

ネクタイをしゅっ、と締めながら垣根が呟く

その仕草がなんとも似合っているのが羨ましい

上条「・・・お前ってホント、見た目いいよな」

垣根「劣等感なんて捨てるためのものだぜ」

肩を竦めてから、垣根が部屋のドアを開ける


垣根「さーて・・・恋人をちゃんとエスコートしてやらないとな」


260 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/14(土) 21:32:03.90 ID:U3ndxNkA0
今日はここまで

筋肉動画はロニー、2011年のゲストポーズ

http://www.youtube.com/watch?v=W-n1CQGi2jg 

内臓肥大がひどくて腹はだらしないですが・・・

もう少し絞って、腹をどうにかするのと三頭に力を入れればまだまだ現役でもいけそうな気もします

ジェイは腹が元々横に広く、そのため内臓肥大が起きてもそこまで横から見たときのせり出しがないらしいんです

ロニーは元々はかなりウェストの細い選手で、それゆえに肥大した内臓が行き場をなくし、結果的に前にせり出してしまったのだ、という話を聞きました

なるほどなぁ、と納得するのと同時にロニーもやっぱり細い時代があったのだと驚きました

彼のオリンピア初出場は1992年でしたが、その時はかなりウェスト細かったですから


ではおやすみなさい


261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/14(土) 23:11:49.93 ID:jBPiJkkHo
乙なんだよ!
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/01/15(日) 01:52:18.83 ID:EuAKGO1o0
乙です!

ものすごい今さらだけど
削板ってそこまでムキムキじゃないような……
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/15(日) 02:37:27.39 ID:vXLq9iiJo
1乙!!

ソギーは脱いだらすごいんだよきっと
264 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 10:02:13.96 ID:B2wjZ46Z0
削板の服は拘束具ですから


垣根「・・・遅いな」

会場の入口近くで、垣根は腕時計を確認しながら呟いた

横には上条とエツァリもいる

エツァリ「仕方ないですよ、女性に待たされるのは男の定めですから」

上条「いつもそうだよな・・・」

慣れないスーツに違和感を覚えながらも、出来るかぎりそれを表に出さないようにしている上条

エツァリ「やはり気になりますか?」

上条「ちょっとな・・・一番上のボタンまで締めたの初めてかもしれない」

垣根「ネクタイもつけたことなんてねぇだろ」

上条「一応はあるけどさ・・・」

首を締め付けられる感覚は気持ちが悪い

いつも制服を着崩すタイプの上条には辛いものだ

垣根「・・・そのうち慣れるさ、あんまり気にするな」

上条「お前は慣れてるみたいだな・・・」

垣根「まぁ、少しな」

エツァリ「・・・自分達がワインパーティーに参加してもいいのでしょうか」

話題を変えるため、エツァリがそんなことを言う



265 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 10:02:56.55 ID:B2wjZ46Z0
垣根「未成年でも参加くらいいいだろ」

上条「・・・飲むなよ」

垣根「・・・俺は大学生って言ってもバレないだろ?心理定規もそうだ」

エツァリ「・・・そうですね、自分達はごまかせないでしょうが」

上条「飲むのかよ・・・」

垣根「嗜む程度にな、浴びるようには飲まねぇよ」

笑いながら、垣根は髪を掻き上げる

サラリと茶髪が揺れるのがなんとも美しい

上条「・・・いいよな、垣根はこんな状況でも落ち着けて」

垣根「落ち着きってのは自然と生み出されるものさ、落ち着こうと思ってる間は内心焦ってる」

エツァリ「・・・尤もすぎる意見です」

上条「・・・俺の中の垣根のイメージが崩れていくよ・・・」

垣根「そんなもん、崩れたって構わねぇだろ」

ため息をついてから、もう一度腕時計を確認する

会場に着いてからすでに7分

女性の着替えが長いことは百も承知だが、ここまで待たされると苛々してしまう

垣根「・・・でも迎えに行くのは野暮だよな」



266 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 10:03:59.95 ID:B2wjZ46Z0
エツァリ「やはり楽しみは最後までとっておきたいですからね」

上条「美琴のドレス姿か・・・可愛いだろうな」

垣根「そうだな・・・御坂は白とか似合いそうだ、清潔感溢れてるし」

上条「・・・」

垣根「あぁ?なんだよ、驚いたような顔して」

上条「いや・・・お前って美琴のこと、そんな評価してたのかってさ」

垣根「あぁ、御坂は美人だし清潔だろ?ショチトルはグラマラスだから黒のドレスが似合いそうだ」

エツァリ「自分もそう思っていました」

垣根「あと、ショチトルにはネックレスなんか似合いそうだよな」

上条「あぁ、なんか分かるよ」

垣根「御坂はイヤリングかな」

エツァリ「いいですね・・・冷静な分析です」

上条「・・・美琴が聞いたら否定しそうだけどな」

垣根「あいつは自分が褒められまくるのを嫌がるからな」

上条「・・・よくご存知で」

垣根「女性ってのはデリケートだ、男より傷つきやすいし砕けやすい」

肩を竦めながら垣根が続ける

垣根「だからこそ優しく抱きしめてやらなきゃならない、強く抱きしめすぎると痛みに感じてしまうからな」

上条「・・・そうなのか」

エツァリ「垣根さんが言うと説得力がありますね・・・」

垣根「っと、お出ましみたいだぜ」



267 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 10:04:58.34 ID:B2wjZ46Z0
廊下の角を顎で差してから垣根が笑う

そこからは、まさに「天使」と形容するべき女性が歩いて来ていた

美琴は白のドレス

清潔感溢れる中にも、どこか色気を感じさせる

ショチトルは黒のドレス

溢れ出る色気だが、なぜか品がある

そして心理定規は赤のドレス

見慣れているはずだが、それゆえに余裕が感じられる

上条「・・・」

エツァリ「・・・」

あまりの美しさに、二人は息を呑んでいた

美琴「ごめん・・・お待たせ、当麻」

上条「・・・あ、あぁ!」

エツァリ「き、綺麗ですよショチトル・・・」

ショチトル「そうか?少し胸がきついんだがな」

エツァリ「でしょうね・・・」


268 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 10:05:39.44 ID:B2wjZ46Z0
上条「・・・美琴、めちゃくちゃ可愛いぞ・・・」

美琴「と、当麻こそカッコイイわよ!」

ショチトル「エツァリ、中々似合ってるじゃないか」

エツァリ「ありがとうございます・・・」

二組のカップルはそんなたどたどしい会話をしていた

それを苦笑しながら見つめるのは垣根と心理定規

垣根「・・・お前はいつも通り綺麗だな」

心理「ふふ・・・ありがとう」

垣根「イヤリングがいつもと違うな」

心理「少し変えてみたのよ、どうかしら」

垣根「ドレスと合ってるよ、コーディネートのセンスもさすがだな」

心理「・・・あなたも、やっぱりスーツが似合うわね」

垣根「ありがとう」

大人びた笑みを浮かべながら、垣根が心理定規の手を取る

垣根「お前らもしっかりエスコートしてやれよ」

上条「あ、あぁ」

エツァリ「行きましょうか、ショチトル」

ショチトル「あぁ」



269 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 10:06:24.40 ID:B2wjZ46Z0
美琴「・・・エスコートしてもらっていいかな?」

上条「もちろん!」

ぎゅっ、と手を握り締めてから会場の中へ向かう


そこはまさに映画やドラマの中の世界だった

紳士と貴婦人が溢れ返り、騒がしい会話などなく上品な「お話」だけが交わされる空間

息をするのもいけないのではないかと思うほどの荘厳さがあった

美琴「すごい・・・」

ショチトル「は、話してもいいのか・・・?」

垣根「あんまり騒がなければいいさ」

心理「そうそう、淑女であるように心がけなさい」

ワインの置かれたテーブルに向かった二人は、すぐに赤ワインをグラスに注いだ

しかし周りの誰もそれに何も言わない

やはり二人とも成人しているように見えるのだろう

垣根は身長が高く落ち着いた振る舞いだし、心理定規も見た目はまだ少女といった感じだが雰囲気はもう大人なのだ

むしろこの二人がワインを飲まないほうが違和感があるはずだ

上条「・・・俺達も行こうか」

美琴「うん」

垣根達の元に駆け寄り、適当な席に着く



270 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 10:07:17.32 ID:B2wjZ46Z0
立って交遊を深めるもよし、座って食事を取るもよし、といった感じだった

もちろん、立ったまま食事をする人はいない

ルールが決められているわけではないが、エチケットを弁えている人々が集まっているためか自然と規律の取れた空間になっている

エツァリ「・・・すごいですね、生のバイオリン演奏もあるみたいです」

心理「こういうパーティーには付き物ね」

垣根「・・・それにしても著名人の集まりだな、あっちの人はたしかIT企業の社長じゃなかったか?」

心理「あらホント・・・ニュースで見たわね、次世代型の通信手段を確立したとか」

垣根「・・・外では最先端なんだろうよ」

学園都市の中じゃむしろアンティーク認定なのにな、と垣根が笑う

上条「あ、あっちの人って政治家の・・・」

心理「ふーん・・・そんな人も休みはあるのかしら」

垣根「あるにはあるんだろ、家族と旅行なんて綺麗でいいじゃねぇか」

ワインを一口飲んだ垣根が満足げに頷く

垣根「いいな、しっかり管理されてたみたいだぜ」

心理「当たり前じゃない、適当に保存したワインを出すようなホテルじゃないんだから」

ショチトル「・・・私達は何を飲めばいいんだ」

垣根「あっちに外国から取り寄せたフルーツのジュースがあるぜ」



271 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 10:08:09.73 ID:B2wjZ46Z0
垣根が指差した場所には、たしかにそれらしきボトルがあった

ペットボトルではなくガラスのボトルだ

しかも何やらイギリスで作られたものらしく、英語の文章が書かれている

上条「・・・これは・・・グレープか」

美琴「うん、いい香・・・」

エツァリ「すごいですね・・・こんなに豪華なボトルに入れられたジュースは初めて見ました」

垣根「あんまりそういうことを言うなよ」

心理「そうよ、周りの人に笑われちゃうじゃない」

上条「ご、ごめん・・・」

垣根「・・・ところで何か食べたいものはあるか?」

美琴「うーん・・・って言っても、パーティーにはメニューなんてないから・・・」

垣根「それもそうだな」

指を鳴らして、ウェイターを呼ぶ

垣根「あなたのオススメを持ってきてもらえないかな」

「かしこまりました」

垣根「期待してるよ」

ニコリと笑ってから、垣根がまたワインを口に含む



272 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 10:08:57.11 ID:B2wjZ46Z0
心理「ふふ・・・慣れてるわね、素敵よ」

垣根「慣れてるっていうよりは知ってるって感じだな、こういう時にはこういう対応をすればいいって知識は十二分にあるのさ」

美琴「すごいわね・・・見直しちゃうわよ」

ショチトル「うちの誰かさんはさすがにそこまでは出来ないからな」

エツァリ「う・・・申し訳ありません・・・」

上条「仕方ないだろ・・・垣根はおかしいんだって」

美琴「でもさ・・・もう少し堂々としてもいいじゃない、当麻もエツァリさんも」

エツァリ「面目ないです・・・」

心理「あら、これから覚えていけばいいのよ」

上条「そ、そうだよな!」

美琴「はぁ・・・」

垣根「さてと・・・俺はちょっとテラスに出るかな」

心理「夜景が見たいの?」

垣根「あぁ、ここは見晴らしが良さそうだからさ」

心理「私も一緒に行っていいかしら」

垣根「もちろん」

垣根が心理定規の掌を取り、そこに優しくキスをする



273 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 10:09:52.77 ID:B2wjZ46Z0
冗談でやったのかもしれないが、とても似合っていた

上条やエツァリがやっても寒い空気になるだけだろうが

垣根「それじゃ、ちょっと席外すな」

美琴「う、うん」

エツァリ「ごゆっくり・・・」

スタスタと去っていく二人を見つめながら、四人はしばし固まっていた

上条「・・・なんなんだあの二人は・・・」

美琴「なんか・・・普段の二人じゃない・・・」

ショチトル「ここにきて垣根はキャラチェンジを狙ってるのか、そうなのか」

エツァリ「・・・いえ、元はあのような方だったのではないでしょうか」

遠くを歩くのは長身茶髪イケメンの垣根と、少し華奢だが美人で気品と色気溢れる心理定規だった

そのまま映画のメインにしてしまっても恥ずかしくないほどの美男美女と言える

上条「・・・なぁ、俺達も後でテラス行かないか?」

美琴「垣根達が帰ってきたらね・・・」

ジュースを飲みながら美琴が頷く

ショチトル「・・・しかし、前の三組旅行でも垣根と心理定規は一番最初にテラスに行かなかったか?」

エツァリ「そうだった気もしますね・・・」

上条「・・・あの二人はあの時も落ち着いてたな」



274 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 10:10:50.83 ID:B2wjZ46Z0
美琴「うん・・・垣根は相変わらずだけど」

ショチトル「・・・今頃あの二人はどんな会話をしているのかな」

エツァリ「きっと・・・素敵な会話をしているのでしょう」


垣根「見ろよ、こんなに空が綺麗に見える」

テラスに出た垣根が小さく笑う

月が美しく、その周りには無数の小さな輝きがあった

心理「綺麗ね・・・こんな夜景、学園都市からは中々見られないわ」

垣根「あそこは空が遠すぎるからな」

手すりから身を乗り出しそうな勢いの垣根は、楽しそうに空を見ている

心理「・・・思えば、あなたにファーストキスを奪われたのはテラスだったわね」

垣根「そうだったな・・・あの時は、本当にお前が愛おしかったのさ」

心理「あなたっていつも自分勝手よ」

垣根「仕方ないだろ、俺は俺がやりたいことしか出来ないんだ」

心理「振り回されてた私の身にもなりなさい」

垣根「・・・すまなかった」

心理「・・・謝ってほしいわけじゃないのよ」



275 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 10:11:29.99 ID:B2wjZ46Z0

手すりに背を預け、心理定規がワインを飲む

苦味が増している気がした

心理「・・・あなたに振り回されるのも嫌いじゃないし、それが心地好い時もあるの」

垣根「変わってるな」

心理「でもね・・・たまにあなたは遠くに行きすぎることがあるのよ」

垣根「こんなに傍にいるじゃねぇか」

心理「分かってないわね・・・」

首を振りながら、心理定規が垣根の目を見つめる

どうしてそんなに悲しそうな瞳をしているのだろうか

心理「覚えてるかしら・・・私があの時、あなたに言ったこと」

垣根「なんだよ」

心理「あなたが誰かを愛せるならそれは嬉しいこと・・・その相手が私だったらもっと嬉しい・・・ただそれだけって」

垣根「あぁ、覚えてるよ」

心理「あなたが幸せになれるのなら、私はどうなってもいいのよ」

寂しそうに笑いながら心理定規が続ける

心理「・・・最近はどんどんあなたが素敵になっていくわ、昔と違って無理に明るく振る舞わなくなった」



276 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 10:12:39.11 ID:B2wjZ46Z0
垣根「疲れただけさ、それに無理に明るくしなくてもあいつらは俺を俺として見てくれる」

心理「・・・どんどんあなたは素敵になるのよ」

垣根「・・・」

心理「あなたの幸せと私の幸せが同じ形ならどれほど嬉しいか・・・そんなことを何度も考えたわ」

垣根「同じ形さ」

心理「そうかしら」

垣根「誓うよ」

心理「・・・ホントはね、あなたを幸せにするのは私じゃなきゃいやよ」

ドキン、と垣根の胸が跳ねる

こんなふうに心理定規が独占欲を示すのは珍しい

心理「他の誰でもない、私が幸せにしたいの」

垣根「・・・幸せだよ」

心理「・・・あなたが誰かをを愛したら嫉妬しちゃうのよ、私だけを愛してほしい」

垣根「愛してるじゃないか」

心理「あなたの温もりを知ったから・・・もう孤独の冷たさの中には戻りたくないわ」

垣根「大丈夫だ」

ワインのグラスをそっと手すりの上に置き、心理定規を抱きしめる



277 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 10:13:13.38 ID:B2wjZ46Z0
垣根「こんなに手の届く場所にいるんだ」

心理「・・・私だけを抱きしめてくれる?」

垣根「あぁ」

心理「あなたはどこにでも飛んで行けるから・・・ちょっと不安よ」

垣根「お前を背中に乗せてるんだ、だったらいいだろ」

心理「・・・抱きしめていてほしいわ」

垣根「・・・分かったよ」

心理定規も子供だな、と垣根が笑う

いや、もしかしたら逆かもしれない

心理定規が子供でいられるのは垣根の前だけなのではないか

垣根「・・・見ろよ、手を伸ばせば届きそうな場所に星がある」

心理「・・・でも、どうしても届かないのよ、それを知ってるでしょう?」

垣根「だから手を伸ばすのさ、届かないと知ってるから・・・届かないと知りながら」

拳を握り締めながら、垣根が笑う

垣根「届かないから楽しいし、届かないから辛いんだ」

心理「・・・愛情の話?」



278 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 10:13:55.45 ID:B2wjZ46Z0
垣根「まさか、愛情はあんなに遠くにはないしあんなに美しくはないさ」

グラスを持ち直した垣根が心理定規の手を取る

垣根「よかったよ、たまにはこういう時間も必要だからさ」

心理「・・・えぇ、ありがとう」

垣根「キスでもしてやったほうがよかったかな」

心理「ううん、大丈夫」

垣根「そっか」

笑ってから、二人は会場に戻る

垣根(・・・愛情はあんなに遠くにはないし、あんなには美しくないさ)

垣根(それに)

ぎゅっ、と心理定規の手を強く握る

少し不思議そうな顔で心理定規が垣根を見つめる

それに笑みを返しながら、垣根は心の中で呟いた


垣根(もう俺は、届いたんだからな)


279 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 11:22:35.00 ID:B2wjZ46Z0

上条「お、お帰り」

垣根「おっす・・・夜景、綺麗だったぜ」

心理「星がよく見えたわよ」

美琴「星かぁ・・・当麻、行こう!!」

上条「あぁ」

美琴に手を引かれながら上条が歩き出す

ショチトル「・・・子供だな、綺麗な星空に釣られるなんて」

垣根「純粋でいいじゃねぇか」

笑いながら垣根がテーブルを見つめる

どうやら、まだ料理は来ていないみたいだ

垣根「・・・さて、俺達は優雅なひと時を楽しもうぜ」

心理「そうね・・・」

エツァリ(・・・というか、未だにこの雰囲気に慣れないのですが)

ショチトル(・・・早く美味しいものが食べたい)

垣根「・・・お前ら、少し落ち着けよ」

エツァリ「は、はぁ」


280 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 12:05:58.86 ID:B2wjZ46Z0

上条「・・・綺麗だな、星空」

美琴「うん」

手すりに腕をかけ、上条は空を見上げていた

そういえば、あの鉄橋からも綺麗に星が見えたよな、なんて思いながら

上条「・・・なぁ、美琴って好きな星座とかあるのか?」

美琴「?どうしたのよ、急に」

上条「いや・・・なんとなくさ」

美琴「そうね・・・でも、星は大好き」

上条「どうして?」

美琴「小さく見えるけど・・・みんな頑張って輝いてるから」

上条「・・・そっか」

妹達とも似ている、と上条は感じた

だからこそ、美琴は星が好きなのだろうか

上条「・・・俺さ、こんなに綺麗な星空を見たのって初めてかもしれないな」

美琴「私も」

上条「・・・」

ドレス姿の美琴は、本当に可愛らしかった



281 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 12:23:54.33 ID:B2wjZ46Z0
上条「・・・俺さ、美琴と付き合えて本当によかったよ」

美琴「な、なによいきなり!?」

上条「だってさ・・・こんなにいい友達と出会えて、こんなに幸せな毎日が暮らせて・・・もし他の誰かと付き合ってたとしても、ここまでは幸せじゃなかったと思う」

彼の知る限り、全ての女性を思い浮かべる

それでも、美琴に敵う相手はいないと思った

上条「だからさ・・・」

美琴「・・・」ウルウル

上条「な、なんで泣いてんだよ!?」

美琴「だって当麻がそんなこと言うから・・・」グスッ

上条「ま、待った待った!!別に別れ話じゃないし!!」

言い方が悪かったか、と上条が後悔する

美琴「そうじゃなくて・・・そんなこと言われると嬉しくなって・・・」

上条「う、嬉し泣きか・・・」

ほっ、と上条が安堵の息を漏らす

上条「・・・でもさ、普段はちょっと恥ずかしくて言えないから・・・こんな機会に言っておきたくて」

美琴「わ、私も当麻と付き合えて幸せよ!!」

上条「あぁ、知ってるよ」


282 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 13:14:58.98 ID:B2wjZ46Z0
美琴「・・・当麻でよかったわよ、ホントに・・・」

どこか遠くを見つめながら美琴が笑う

上条「・・・もしもさ、俺達が出会ってなかったら・・・どんなふうな人生になってたのかな」

美琴「出会ってなかったら・・・第一、私はもう生きてないわよ」

上条「・・・一方通行は、妹達を・・・まだ殺し続けてたのかな」

美琴「そうね・・・そしたら、そもそも垣根は一方通行に負けたりしなかったんじゃない?」

上条「あの二人ってなんで戦い始めたんだっけ?」

美琴「一番の理由は・・・垣根が打ち止めを狙ったからよ、たしか」

上条「そっか・・・そしたら、垣根も変わってなかったかもな」

美琴「・・・エツァリさんと当麻が戦うこともなくなっちゃうし・・・」

上条「そしたらテクパトルも・・・か」

美琴「・・・黒子は未だに私を求めてきそうね、そしたら」

上条「・・・全然違う人生になってたかもな」

もしかしたら、上条も今ほど誰かを守りたいとは思えなかったかもしれない

彼は守ることを続けてきたが、守られるということは珍しかった

それを叶えてくれたのは美琴だったから

美琴(・・・ホント、人生って不思議ね)


283 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 13:33:34.19 ID:B2wjZ46Z0
上条「・・・美琴、ありがとうな」

美琴「?何が?」

上条「いや・・・あの時、手を伸ばしてくれたのは美琴だった」

そしてそれを断ったのは上条だった

上条「・・・あの時の美琴、かっこよかったよ」

美琴「そ、そうかな?」

上条「あぁ・・・本当に、ありがとう」

美琴「・・・私ね、当麻に会えて本当によかったと思ってる」

上条の手を取って、美琴が笑う

昔はあんなにも遠かった彼が、今はこんなに傍にいる

それがどうしようもなく嬉しくて、美琴はついそれに甘えてしまうのだ

上条「・・・これからだって、もっと良くなるさ」

美琴「うん」

上条「・・・帰りましょうか」

美琴「そうね・・・そろそろ食事も届いてるかしら」

上条「あぁ、きっと」

手を握り合ったまま、二人は会場へと戻った

284 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 13:56:00.36 ID:B2wjZ46Z0

垣根「そして俺は言ったんだ・・・」

垣根「だが、俺の未元物質にその常識は通用しねぇ」

ショチトル「おぉ・・・」

エツァリ「な、なんてかっこいい決め台詞ですか・・・」

垣根「一方通行のヤツも焦ってやがった・・・そうだろうな、あいつの反射を破れるヤツなんてそうそうはいねぇ」

心理「よく言うわよ・・・結果的にはその未元物質の法則も読まれたんでしょ?」

垣根「あぁ、でもあいつの反射の壁に合わせれば攻撃は通るんだぜ?」

ショチトル「・・・他に決め台詞はないのか?」

垣根「そうだな・・・これが未元物質、異物の混じった空間、ここは・・・」

上条「・・・何してるんだよ」

垣根「おぉ、帰ったか」

美琴「・・・武勇伝でも語ってるの?」

垣根「別に・・・ただ食事がまだ来てないから暇つぶしにさ」

上条「・・・どうせなら、他の人と話してみたらどうだ?」

垣根「政治家に大会社の社長・・・有名な弁護士に活花の家元ときた、話なんて恐れ多くて出来ないな」

美琴「めんどくさいだけでしょ・・・」

垣根「・・・それを言うなよ」


285 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 14:20:35.72 ID:B2wjZ46Z0
上条「・・・食事はもう少しかな」

心理「作り置きじゃないから時間がかかるのよ」

美琴「そうそう・・・」

ショチトル「あー、ヒマだなぁ・・・」

垣根「はしたないぞ、そんなにだれるな」

エツァリ「・・・そうですね、せっかく服装をきめたのですから」

上条「そうそう」

イスに背を伸ばして座る上条

慣れないほどの礼儀正しい姿勢だが、なんとかもたせる

美琴「・・・なんか無理してるって感じね」

心理「えぇ」

上条「・・・」

両手を合わせ、膝の上にちょこんと乗せた二人の少女

垣根(・・・可愛いな、心理定規)

上条(これは・・・お上品ですよ)

美琴・心理「なにじーっと見てるのよ」

上条・垣根「なんでもない」


286 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/15(日) 14:39:04.44 ID:B2wjZ46Z0
今日はここまで

ダークマター、明日辺りに届くみたいです

筋肉動画は99年のケビンさん

33秒、巨大な肩と三頭、胸が作り出すシルエットが美しい・・・

http://www.youtube.com/watch?v=ja7sucemYpo 

下半身は若干細いとも言われますが、これで十分ではないでしょうか

最もオリンピアの座に近く、しかしそれを掴むことはなかった「無冠の帝王」

ケビン・レブローニ、メリーランドマッスルマシーン、フルブローン

彼こそが「UNCROWN MR.OLYMPIA」でしょうね

では


287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/01/15(日) 21:39:37.94 ID:EuAKGO1o0
おつ〜
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/15(日) 22:27:41.86 ID:SZGfF4Oao
乙にゃんだよ!
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/01/16(月) 01:26:50.95 ID:qjCa2LvZ0
おお…いい雰囲気
290 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/16(月) 18:31:48.69 ID:aREKo/eG0
垣根「・・・お、来た来た」

ウェイターの一人が料理を運んできた

しかし、あまり量が多いとは思えない

おかず一品だけなのだ

上条「・・・な、なんか少ないな」

美琴「当麻・・・こういう料理は一品一品運ばれてくるのよ」

上条「そ、そうなのか?」

エツァリ「はい、よくオードブルやメインディッシュという言葉を聞くでしょう?」

上条「あぁ、もしかしてそれって出す順番のことだったのか・・・」

心理「・・・逆に聞きたいわ、今までなんだと思ってたのよ」

上条「こう・・・料理の種類だと」

ショチトル「・・・上条、さすがにそれはない」

上条「わ、悪かったな・・・」

垣根「まぁまぁ、これから覚えても遅くはねぇさ」

丁寧にフォークとナイフを握った垣根が笑う

最初の料理は野菜サラダだった



291 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/16(月) 18:32:39.31 ID:aREKo/eG0
実際にはもっと細かい、「赤カブとセロリのなんたらかんたら」なんていう名前を説明されたのだが

上条がいちいちそんなことを覚えているわけがない

上条「・・・美味しいのか、それ?」

垣根「あぁ、食べてみな」

上条「・・・」

テーブルマナーなんて知らない上条は、とりあえず垣根の動きを真似ながらサラダを口に含んだ

上条「ん、美味しい」

味付けが濃いわけではない

だが、素材の味がしっかりと生きているためとても風味豊かだった

もう少し語彙があれば、自分はもっと素敵な言葉でこの料理を表せるのに、と上条は残念に思う

心理「よかったじゃない、口に合ったみたいで」

美琴「うん、美味しい」

ショチトル「もう少し味が濃くてもいいんじゃないか?」

エツァリ「いえ、この手の料理は味を濃くしすぎるとバランスが崩れますから」

ショチトル「そういうもんなのか?」

垣根「あぁ、たしかにそうだな」

心理「私はこういうヘルシーなのが好きね」



292 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/16(月) 18:33:07.17 ID:aREKo/eG0
垣根「昔からそうだな、お前は」

心理「えぇ、お肌にも良さそうじゃない」

垣根「ビタミンは肌荒れを防ぐからな」

美琴(・・・この年齢からそんなこと気にして食事を選んでたんだ・・・)

ショチトル(だから心理定規の肌は綺麗に保たれてるのか・・・)

上条「心理さんって・・・意外と神経質だよな」

心理「あら、そう?」

上条「あ・・・いい意味でさ、細かいことにまで気を使ってるし」

垣根「なんだよ、人の女に手出そうとしてんのか」

上条「違うから・・・」

心理「・・・美容にこだわるのは女性として当たり前じゃない?」

美琴「そ、そうよね!」

ショチトル「やっぱり肌にいいものを食べないとな!」

垣根「・・・お前らな・・・」

エツァリ「おや、次の料理が運ばれてきましたよ」

垣根「次は・・・魚料理だな」

「こちら、オーロラサーモンのムニエルになります」


293 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/16(月) 18:33:41.99 ID:aREKo/eG0
上条「オ、オーロラ・・・」

垣根「ムニエルですか・・・焼き具合は?」

「軽く火を通しておりますが、風味を崩さないよう細心の注意を払うようにしております」

垣根「ありがとう、期待してるよ」

柔和な笑みを浮かべ、垣根がウェイターにお礼を述べる

上条「なぁ・・・オーロラサーモンって?」

垣根「サーモンの種類だよ・・・脂がのってて美味いんだ」

美琴「でもオーロラサーモンってムニエルにするのね・・・カルパッチョ風にしたほうが合いそうなイメージなのに」

心理「一番重要なのはシェフの腕前よ、脂も焼きすぎず少し火を通せばさっぱりした味になるから」

垣根「そうだな、とりあえずこれは中々期待出来そうだ」

上条「・・・な、なんか別次元の話をしてる・・・」

ショチトル「諦めよう上条、私達には到底分かることはない世界なんだ」

エツァリ「・・・お三方はこういった雰囲気にも慣れていますね」

垣根「・・・お前もわりとテーブルマナーはしっかりしてるじゃねぇか」

エツァリ「一応、海原光貴に化けていた時期がありますから」

心理「海原もお金持ちだからね」

上条(もうやだ格差社会)


294 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/16(月) 21:22:54.77 ID:aREKo/eG0
垣根「・・・うん、美味しいな」

美琴「ホント・・・どうやったらこんなに美味しく作れるのかな・・・」

ショチトル「それはシェフのさじ加減なんじゃないか?」

心理「そうね・・・長年の勘なのかもしれないわね」

エツァリ「どのタイミングでどの食材を入れるか、どの調味料を入れるかが体に染み込んでいるんでしょうね」

垣根「どんなジャンルでも、達人ってのは一般人には理解しがたい技術があるものだ」

上条「そ、そうだな!!」

美琴「・・・当麻、無理に話を合わせなくてもいいわよ?」

上条「う・・・」

垣根「仕方ないよな、お前は貧乏だから」

上条「言わないでくれよ・・・」

垣根「・・・こんな雰囲気のホテルっていいよな、やっぱり俺はこういう雰囲気が好きだ」

美琴「うーん・・・でもさ、恋人と来るには少し重いんじゃない?」

心理「あら、それを軽く感じられるようになったら大人なのよ」

美琴(私と同い年・・・よね?)

ショチトル(心理定規は本当に中学生の年齢なのか?)


295 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/16(月) 21:27:54.01 ID:aREKo/eG0
上条「・・・なぁ、心理さんって本当に俺より年下なのか?」

上条が少し怪訝そうな顔で訊ねる

心理「さぁ、私は正確な戸籍がないからわからないのよ」

美琴「でも見た目は私と同い年くらいよね」

ショチトル「・・・そうだな、高校生ではないだろう」

心理「でもそんなこと言ったら、上条君だって年齢は分からないじゃない」

上条「いや・・・戸籍はあるしさ」

心理「戸籍が偽造されたものかもしれないわよ?」

上条「うーん・・・」

心理「だったら年齢なんてどうでもいいじゃない、私は私なんだから」

垣根「そういうこった、こいつは大人びてるからそういう疑問が浮かぶだけさ」

エツァリ「・・・あなたも高校生の年齢とは思えないですけどね」

垣根「あぁ?なんでだよ、ピチピチじゃねぇか俺」

美琴「・・・身長高いもんね」

ショチトル「日本人で180あるなんて恐ろしいぞ」

垣根「いるもんだろ、結構」

上条「いいよな・・・どんな服でも似合いそうだ」


296 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/16(月) 21:30:46.78 ID:aREKo/eG0
上条がじっとスーツ姿の垣根を見る

どこかの雑誌の表紙を飾っても問題ないほどの似合いようだ

垣根「・・・でもな、俺ってあんまりスーツは好きじゃねぇんだ」

エツァリ「では何が好きなのですか?」

垣根「着ぐるみ、出来ればクマかウサギ」

美琴「か、可愛い・・・」

垣根「お前に言われても嬉しくねーよ」

ワインを飲みながら垣根が顔をしかめる

美琴「なによ・・・着ぐるみが好きなんて可愛い趣味じゃない」

垣根「それを可愛いと思うのか、いまどきのヤツは」

アンタだって十分いまどきの若者よ、と美琴が返す

恐らくこの会場にいる中ではかなり若いほうだろう

垣根「・・・ん、あっちは独り身の女性かな?」

上条「ホントだ・・・どっかのお嬢様とかかな」

エツァリ「綺麗な方ですね」

女一同「・・・」


297 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/16(月) 21:44:16.72 ID:aREKo/eG0
垣根「なんだか社交性はあるみたいだな」

上条「有名な人なのかな?」

垣根「・・・どっかのお嬢様なら知れてるんだろ」

学園都市の中にいるせいで、上条達は外のことには疎い

政治家や大企業の社長などはニュースで見ることが出来るが、その娘などだったらお目にはかかれない

エツァリ「・・・お一人でパーティーなのでしょうか」

垣根「さぁ?どうだろうな」

上条「・・・でも本当に綺麗だな・・・」

美琴「・・・それはよかったわね」

垣根「・・・俺達も挨拶したほうがいいかな」

心理「して来れば?」

エツァリ「・・・ですが、いきなり我々のようなものがいきなり話に行くのも・・・」

ショチトル「いいじゃないか、美人なんだから心も綺麗なんじゃないか?」

美琴「そうね、きっとそうよ」

上条「・・・な、なぜに不機嫌なんですか?」

心理「あら、自分の彼氏が他の女性を綺麗と言ってたらいやなのは決まってるでしょ?」

垣根「あくまで女性として美しいと言ってるのさ、お前は俺が芸能人に美人だって言う度に嫉妬するめんどくさい女かよ」

垣根が指を鳴らしてウェイターを呼ぶ


298 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/16(月) 21:51:34.35 ID:aREKo/eG0
垣根「あちらのお嬢さんは?」

「はい、彼女のお父上が活花の家元の・・・」

垣根「ふーん・・・ってことは後取りになるってことか」

「さようでございます」

垣根「あのお嬢さんに飛びっきりのワインをプレゼントしたんだ、お願いしていいかな」

「かしこまりました」

頭を下げたウェイターがそのお嬢さんの元へと向かう

心理「あなたね・・・そうやってどんどんフラグ建てるんじゃないわよ」コソッ

垣根「まぁ見てなって」コソッ

ウェイターがお嬢様に声を掛け、ワインのボトルをプレゼントする

驚いたような顔をするお嬢様、そしてそのウェイターが垣根の座っている席を丁寧に指す

垣根「・・・よしきた」

垣根が、なぜか上条の腕を肘でつつく

上条「?なんだよ・・・」

垣根「あのお嬢様に向かって微笑んでみな」

上条「?」




299 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/16(月) 22:04:23.79 ID:aREKo/eG0
言われるまま、上条がそのお嬢様に微笑んでみる

顔を赤くしたお嬢様は、上条に頭を下げてからなにやら恥ずかしそうに手を揉んでいた

上条「なぁ、なんであの人は赤く・・・」

美琴「・・・当麻・・・」

ショチトル「やってしまったな・・・」

上条「は、はぁ?」

心理「垣根・・・」

エツァリ「あなたは・・・」

垣根(ひゃっひゃっひゃ!!上条にまた一つフラグが建ったなぁおい!!)

美琴「・・・垣根、あとでちょっとお話しましょう」

垣根「」

心理(さよなら垣根)

上条(な、なんだったんだ?)

エツァリ(・・・気づかない上条さんも問題ですね)

垣根(アイルビーバック)


300 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/16(月) 22:57:06.09 ID:aREKo/eG0
今日はここまで

筋肉動画は「X-MAN」ことトニー・フリーマン

http://www.youtube.com/watch?v=CEdORp17wJY 

顔がオリバっぽいですねw

上品そうで結構お気に入りです

では


301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/16(月) 23:03:14.29 ID:Vo+Lq8DSO
垣根よ安らかに眠れww
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/01/17(火) 00:07:49.76 ID:pxB6BHLY0
どうして最後までシリアスで決めれないんだこの男はwwww
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/17(火) 00:52:06.91 ID:3hrnJCcXo
乙なんだよ!
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/01/17(火) 07:52:50.11 ID:D4vvlVIUo
垣根が平常運転過ぎて安心した
305 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/17(火) 11:35:12.65 ID:0JzgEr5p0
垣根「はぁ・・・美味しかったな」

美琴「うん、とっても」

上条「なんか緊張してあんまり味わえなかった・・・」

心理「あなたもこういう雰囲気に慣れたほうがいいわよ」

上条「慣れろって言ってもな・・・」

上条が腕を組んで困ったような表情をする

エツァリ「たしかに簡単には慣れませんよね」

上条「あぁ・・・なんか俺とは住む世界が違う気がするよ」

垣根「お前もいつかは金持ちになるかもしれねぇぞ?」

上条「ないない・・・」

心理「あら、ないとは言い切れないわよ」

上条「そうかな・・・」

はぁ、とため息をついてから上条が美琴をちらっと見つめる

美琴「?どうしたの?」

上条「いや・・・なんでもないよ」

美琴もこういう雰囲気には慣れているようだ

自分も早く慣れなければ、と上条は心に決める



306 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/17(火) 11:35:43.17 ID:0JzgEr5p0

垣根「さて・・・そろそろ帰ろうか」

上条「あぁ、風呂にも入らないといけないからな」

エツァリ「そういえば、お風呂はどちらにあるのでしょうか」

垣根「部屋にあっただろ」

ショチトル「まさか・・・お前達のいる前で着替えないといけないのか?」

垣根「脱衣所くらいあるって」

呆れたように笑ってから垣根が立ち上がる

「いかがでございましたか?」

垣根「あぁ美味しかったよ・・・シェフにも伝えててもらえるかな」

「かしこまりました」

ウェイターはにこりと笑って去っていった

美琴「・・・垣根っていざという時の礼儀はしっかりしてるのね」

心理「当たり前じゃない、私が選んだ男性よ?」

上条「・・・俺の知ってる垣根はもっと馬鹿みたいなことをして喜ぶ人間だった」

垣根「てめぇぶち殺すぞ」

心理「はいはい、こんな素敵な会場でそんなこと言わないの」

ショチトル「じゃあ帰ろうか」

美琴「・・・当麻のフラグがまた増えちゃった」



307 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/17(火) 11:36:09.61 ID:0JzgEr5p0
上条「それは事故だろ・・・」

垣根「ほら、さっさとしろよ」

上条「あぁ」




垣根「やっぱり自分達だけの空間ってのはいいな!」

ゴロン、とベッドに転がりながら垣根が満足げに笑う

上条「はぁ・・・ホントだよ」

美琴「普段の自分でいられるもんね」

エツァリ「周りの目を気にしないでいいですからね」

心理「・・・さて、誰から風呂に入る?多分ユニットバスだけど」

上条「ユニットバスか・・・ゆっくり湯舟に浸かりたかったんだけどな」

垣根「明日のホテルは温泉がある、我慢しろよ」

エツァリ「では自分から入りましょうか」

美琴「・・・そうしてもらえると助かるわ」

心理「待って、先に入られたら隠しカメラとか仕掛けられるかも」

エツァリ「」

美琴「で、でも後で入られたらなんか・・・」



308 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/17(火) 11:36:46.59 ID:0JzgEr5p0
心理「残り香を楽しまれそうよね・・・」

エツァリ「心理定規さんまでボケないで下さい・・・」

心理「真剣に言ってるの」

エツァリ「」

上条「じゃあショチトルも一緒に入ればいいんじゃないか?」

ショチトル「私が?」

垣根「でもよ、なんだかんだショチトルだって変態だぜ?協力しそうじゃねぇか」

ショチトル「なんと的確なツッコミだ」

上条「いやいや否定しろよな!」

美琴「・・・ショチトル、お願いだからそんなことはやめてね」

心理「まぁ仕掛けてもいいけど、その事実が明るみに出たら生きて帰れなくなるから」

エツァリ「しませんよそんなこと・・・」

ため息をついてからエツァリが脱衣所へ向かう

ショチトル「では私も行ってくる」

美琴「ごゆっくり」

ショチトル「ほぅ、風呂場でやってこいと言いたいんだな」

美琴「ち、違うわよ!」



309 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/17(火) 11:37:30.69 ID:0JzgEr5p0
垣根「あーはいはい、どうでもいいからスムーズにしてくれよ」

手をヒラヒラと振りながら鬱陶しそうに垣根が言う

ショチトル「・・・の、覗かないでね・・・?」

垣根「そういうのは心理定規とか御坂みたいなヤツが言わなきゃ意味ないからな」

ショチトル「ちっ、死ねよ・・・じゃあ行ってくる」

垣根「最初の呟きを撤回してほしかった」


上条「・・・でさ、俺達は何する?」

美琴「テレビ見るにも中途半端な時間よね・・・」

垣根「・・・俺、ちょっと飲み物買ってくる」

上条「?こんな高級ホテルに自販機とかあるのか?」

垣根「あるんだよ、金持ちだって喉は渇くだろ」

肩を竦めた垣根が部屋から出ていく

豪華な廊下の先に、少し開けた休憩スペースがあった

そこにはタバコの灰皿やソファー、自販機や雑誌などが置かれている

しかし普通のホテルの休憩スペースと違い、あまりにも清潔感が溢れている


310 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/17(火) 17:55:21.90 ID:0JzgEr5p0
垣根「・・・にしても、中の飲み物まで高級なんだな」

よく見る缶コーヒーではなく、外国からの直輸入の商品のようだ

そこまでして高級感を出す必要があるのか、と垣根は呆れながら財布を取り出した

垣根(・・・コーヒーに350円も出すかね、普通は)

一方通行だったら喜んで出しそうなものだが

垣根「はぁ、高いもんだな」

そう呟きながらまずは100円玉を入れる

しかし、カチャリと音がしてすぐに100円玉は返却口から出てきた

あぁ、たまにあるなと思いながらすぐにもう一度お金を投入する

そしてまた戻ってくる

垣根「・・・」

財布の中にある別の100円玉に変え、投入する

帰ってくる

垣根「は・・・ははは!!!いいじゃねぇか・・・俺をナメてやがる・・・」

青筋を浮べた垣根が、さらに別の100円玉に変える

また帰ってくる

アイルビーバックと言ったあのターミネーター宜しく戻ってくる


311 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/17(火) 18:00:31.69 ID:0JzgEr5p0
垣根「おぉぉぉぉ!!」

ここまできたら、今更お札には変えられない

これは垣根・・・いや、人間と機械の戦いだ

かつて冷蔵庫に勝利したことのある垣根だ、きっと自販機に勝てるはず

垣根「飲めよ・・・飲み込めよぉぉぉ!!」

ガチャン、という音が垣根の心に重くのしかかる

垣根「は・・・ははは!!そうか、てめぇの役割は・・・!!」

クルン、と100円玉の表裏をひっくり返して投入する

垣根「そういうことか!!」

ガチャン、と戻ってくる

垣根「はぁぁぁぁぁぁ!!!!????」

イライラしながら、先に10円玉を入れる

すんなり入った

垣根「よし・・・やっと大人しくなりやがった・・・」

表示は「10円」

あと340円入れなければならない

垣根「俺に勝とうなんて100年早いんだよ・・・」


312 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/17(火) 18:09:05.48 ID:0JzgEr5p0
垣根が100円玉を入れる

ガチャン、と帰ってきた

垣根「あぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」

つい自販機を蹴りたい衝動に駆られる

しかし、ここは紳士になるべき場面のはずだ

垣根「いいぜ・・・10円玉から入れてやるよ」

カチャリ、と10円玉を投入する

そして帰ってくる

垣根「なんでだよぉぉぉぉぉぉ!!!???」

自販機に手をつき、垣根がうなだれる

表示はわずかに10円

残りの340円を入れなければコーヒー一本も買えないのだ

垣根「・・・俺は・・・こんな機械に負けるのかよ・・・」

あったか〜い、という表示がやけに冷たかった

並べられたコーヒーやジュースの缶が垣根を笑っている

垣根「・・・なんで・・・なんだよ・・・」


313 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/17(火) 18:14:48.87 ID:0JzgEr5p0

美琴「・・・何してるのよ、アンタ」

垣根「!?御坂・・・」

突然、後ろから声が掛けられた

まだドレス姿の美琴が立っていた

美琴「・・・私もジュース買いたくなったのよ」

垣根「・・・ダメだ、この自販機はもうダメなんだ」

ふっ、と垣根が笑う

垣根「・・・俺がいくら金を入れてもダメなんだ、10円しか入らない」

美琴「・・・何言ってるのよ」

垣根「・・・」

美琴「アンタがどの種類を買おうとしてるのかは分からない・・・でも、今10円は入ってるんでしょ!?」

垣根「・・・あぁ」

美琴「その10円がどんな気持ちでアンタを待ってると思ってるのよ!?」

垣根「!!」

美琴「0じゃない・・・アンタは、あと340円を入れなきゃならないのよ!!可能性はまだ残ってるのよ、諦めちゃダメ!!」

垣根「だったら・・・お前がやってみろよ・・・」

美琴「・・・いいわよ」


314 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/17(火) 18:19:27.15 ID:0JzgEr5p0
美琴が垣根の手から100円玉を受け取る

美琴「簡単よ、こんなの」

ポン、と美琴が硬貨を投入した

そして戻ってくる

美琴「・・・」

垣根「・・・ほら、な?」

美琴「い、一回で諦めるわけないでしょ」

もう一度、投入する

しかしそれでも戻ってくるのだ、決して受け入れられることはない

垣根「・・・」

美琴「・・・」バチン

垣根「おい、火花が散ってるぞ」

美琴「いいのよ・・・こういうダメな子にはお仕置きを」

垣根「学園都市の外で能力を使用するな」

アンタも使ったでしょ、と美琴が答える

だがたしかにホテルの中で強力な電撃を撃つのはまずいだろう

美琴「・・・もう一つ、方法があるわ」


315 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/17(火) 18:22:49.97 ID:0JzgEr5p0
垣根「どんな」

美琴「・・・蹴るのよ」

トントン、と美琴が靴を鳴らす

垣根「蹴るってお前・・・」

美琴「ちょっとあっち向いてて、さすがにドレス姿で蹴り入れるのは見られたくないから」

垣根「フワァイ!?」

美琴「・・・下着見られそうだし」

垣根「むしろぜひとも見せてください!!」

美琴「黙れこのスケベ!!」ガンッ!!

垣根「ごっ・・・」

美琴のパンチを腹に食らった垣根がその場にへばりこむ

美琴「さーて、垣根にお仕置きもしたし・・・」

クルン、と美琴が回転する

あぁ、手馴れてるなと垣根は笑った

そして


鈍い音がした自販機が、ヴィーンと変な音を立てて正しい活動を始めたのだった


316 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/17(火) 18:28:29.68 ID:0JzgEr5p0

上条「・・・」

心理「・・・」

美琴と垣根は飲み物を買いに行っている

エツァリとショチトルは風呂だ

つまり、部屋の中にはこの二人だけになっている

気まずい、と上条は思っていた

心理定規は持ってきた雑誌をパラパラと捲っている

心理「ねぇ」

上条「は、はい」

心理「何か話してよ、さすがに気まずいじゃない」

昔のお小遣い稼ぎを思い出しちゃうし、と意味の分からないことを心理定規が呟く

上条「な、何かって・・・」

心理「そうね・・・あなたの思う私のイメージとか、そんなことでいいわよ」

上条「心理さんのイメージ?」

心理「えぇ、あなたにとっては私はどんな友達?」

上条「そうだなぁ・・・」

うーん、と唸りながら上条が考える


317 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/17(火) 20:01:46.78 ID:0JzgEr5p0
上条「・・・心理さんはとにかくミステリアスなんだよな・・・」

心理「そうかしら、結構普通に接してるはずだけど」

上条「いや・・・だから普段がミステリアスなんだよ」

心理「たとえば?」

上条「それだよ・・・その年齢と性格のギャップだ」

心理「年相応じゃないってこと?」

上条「あぁ・・・なんか落ち着きすぎだよ」

心理「落ち着いてるのは今まで生きてきた中で培ったものよ」

上条「言葉遣いも大人びてるし・・・」

心理「総じて、老けてるって言いたいわけ?」

上条「ち、違う違う!!」

慌てて上条が首を振る

上条「その・・・とにかく、なんか大人好きな男には堪らないんじゃないかな、結構スタイルもいいしさ」

心理「でも胸はそこまで大きくないわよ?」

上条「いやいや・・・華奢だから、なんかこう目立つんだよ」

心理「あなたって、私を色目使って見てたのね」

上条「だから違うんだって・・・」


318 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/17(火) 20:06:03.58 ID:0JzgEr5p0
心理「冗談よ」

雑誌を捲りながら、心理定規がふと顔を上げた

心理「ねぇ、あなたってインドア派?アウトドア派?」

上条「?アウトドアかな」

心理「他人に頼まれごとをすると、断れないタイプ?」

上条「は、はぁ」

心理「英語より国語のほうが得意?」

上条「・・・一応、英語よりはマシかな」

心理「悩み事を他人に打ち明けるタイプ?」

上条「いや・・・って言いたいけど、美琴には頼るようにしてるよ」

心理「ふーん・・・あなたって、私と相性いいのね」

上条「・・・」


上条「はい?」

心理「雑誌の相性診断よ、あなたは実直で真面目な好青年タイプですって」

上条「い、今ので判断してたのかよ!?」

心理「えぇ」

319 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/17(火) 20:15:30.20 ID:0JzgEr5p0
上条「あの・・・なんでそれで相性の話に?」

心理「私は不思議な小悪魔タイプなんですって」

上条「当たってるよ・・・」

心理「それで、その二つのタイプは相性がいいみたい」

上条「・・・はぁ」

心理「・・・ねぇ、感想とかコメントはないのかしら」

上条「ない・・・っていうか、別にそんなので相性なんて判断するモンじゃないって」

心理「あら、もしかしてお説教が始まるのかしら」

上条「・・・い、いや」

心理「ふふ・・・あなたって面白いわ、垣根と正反対よ」

上条「そうかな?」

心理「えぇ、垣根はクールで大人でしょ?」

上条「まぁ・・・今日のあいつはそうだったかな」

心理「あなたは熱血で、いい意味で子供っぽいわよ」

上条「・・・いい意味、か」

心理「えぇ、羨ましいくらいにね」

上条「・・・でもさ、垣根って心理さんにお似合いだよな」

心理「私もそう思ってるわ」


320 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/17(火) 20:30:27.45 ID:0JzgEr5p0
上条「・・・にしても、美琴と垣根・・・遅いな」

心理「一緒にいいことでもしてるんじゃないのかしら」

上条「い、いいこと!?」

心理「冗談よ・・・ほら、帰ってきたみたいだし」

コツコツ、と足音が聞こえてくる

ガチャリ、とドアが開けられた

垣根「・・・ただいま」

心理「お帰り、遅かったわね」

美琴「ちょっと自販機が故障してたのよ」

上条「お前・・・まさか、あれしてないだろうな?」

垣根「回し蹴りだろ、こいつしやがったぞ」

美琴「な、なんで言うのよ!!」

上条「したんだな!?」

心理「美琴・・・はしたないわよ」

美琴「だ、だって私もジュース飲みたかったんだもん!!」

上条「言い訳をしない!!」

美琴「う・・・」


321 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/17(火) 20:35:20.50 ID:0JzgEr5p0
垣根「・・・まぁ、おかげで買えたからいいけどさ」

垣根が心理定規にコーヒーを差し出す

心理「あら、私の分も買って来てくれたの?」

垣根「あぁ、夜に飲むのはイヤか?」

心理「いいわよ、大丈夫・・・」



エツァリ「飲むですって!?」

ショチトル「そんなマニアックなプレイをしているとは想像もしていなかったぞ!!」

いきなり、バーン!!と脱衣所のドアが開けられた

美琴「あ、あがったんだ」

エツァリ「・・・?何の話だったんですか、見たところ・・・」

上条「コーヒーだけど・・・」

垣根「お前ら・・・長風呂だったな」

ショチトル「ちっ・・・飲むってそういうことかよ、正しい意味で使え」

上条「むしろお前が間違ってるからな!!」

エツァリ「風呂場がイカ臭くても気にしないでください」

一同「ヤったんだな」


322 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/17(火) 20:50:07.74 ID:0JzgEr5p0
今日はここまで

筋肉動画は2011オリンピアのプレジャッジング全てを

http://www.youtube.com/watch?v=vpd-sz_JzXc  

39分40秒、フィル・ヒースです

腕が太く、フロントラットスプレッドやモストマスキュラーのときの迫力が以上ですね

他にもヒデさんやカイ、そしてジェイなどもいますが・・・フィルが圧倒でした、このプレジャッジングはリアルタイムでネットを通して見てましたがフィルのときの声援が恐ろしかったです

40分40秒のバックダブルバイセップス、ここまでの密度の背中はロニーやフレックスを彷彿とさせますね・・・

ジェイは左の二頭を怪我していたようです

しかし、仮にそれがなくてもフィルには敵わないでしょう

大きさだけがボディビルではないですから

というか、このときならカイやデニスのほうがジェイよりもいい気がするんですが

ではおやすみなさい


ダークマター、明日には届くかな・・・なぜか届くのがかなり遅いです


323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/17(火) 21:17:33.18 ID:X6U/CWYIO
流石ダークマター
常識が通用しねぇ

┌─────┐
│い ち お つ.│
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/17(火) 23:46:12.64 ID:iug6CO3Co
乙なんだよ!
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/01/18(水) 00:29:09.62 ID:uJRWgici0
エツァリ、ショチトルヤっちゃったのか
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/01/18(水) 01:14:30.79 ID:xl6PCbqa0
なんで自販機の流れに妙に力入ってんだww

そしてショチトルは今日も絶好調ですね
327 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/18(水) 17:51:42.58 ID:MAMLj6PH0
投下の前に例の「ダークマター」の感想を

まず、このサプリメントはプロテインの代わりに飲むものでして、「たんぱく質は12gしか入ってないけど特殊な成分配合によって筋肉へのたんぱく質の同化を促進するため、結果的に40gのたんぱく質を摂ったのと匹敵するよ」という商品です

また、トレーニング直後の「ゴールデンタイム」のl回復量をさらに増加させることで完璧な回復を期待できる、と

トレーニングの後に飲む、いわゆる「ポストワークアウト」ドリンクです

そして、買った味はラズベリーみたいなの

味は薄味で、決してまずくはなかったです

というよりほとんど味がしなかった・・・

溶かしたときの色は紫でした、おそらく着色料でしょうか

「余分なものは一切入っていません」というキャッチコピーでしたが、「これがダークマター、異物の混じった」ってことでご愛嬌

さらに常識が通用しないのは、その舌触り


ドリンクじゃなかったのかよ!!聞いてねぇよ、なんでドロドロしてんだよ!?

なんかゼリーみたいで半固形だったじゃねぇか!!まじ常識通用しねぇよ!!飲みにくかったよ、笑っちゃったよ!!

とにかくバリウムみたいな感じでした、胃カメラ撮ったことある人は分かるでしょうが

結果的に、味はまずくないが飲み心地がバリウム、常識が通用しないってとこですね


では投下

328 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/18(水) 17:56:04.45 ID:MAMLj6PH0

垣根「ほら、次は上条と御坂だぜ」

美琴「い、一緒に入るのね・・・」

心理「恋人なんだからいいじゃない」

上条「まぁ・・・そうだな」

溜め息をついてから、二人が風呂場へ向かう

残された四人はしばし無言を貫いていた


エツァリ「やはり、あのお二人もするんでしょうね」

沈黙を貫いたのは変態の一言だった

垣根「・・・さぁな」

心理「・・・あなた達よりは早くあがるはずよ」

ショチトル「ちっ・・・さすがに三回戦は時間が掛かったか」

垣根「むしろ三回戦やったことに俺は引いている」

心理「・・・最低ね、あなた達」

エツァリ「そういう女性に限って夜中はアンアンよがるんですよ」

心理「黙りなさいよ変態」

エツァリ「」

329 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/18(水) 18:02:47.78 ID:MAMLj6PH0
垣根「・・・で、俺達は何する?」

ショチトル「・・・そういえば、何もやるもの持ってこなかったな」

エツァリ「ヤったらどうですか?」

垣根「バーカ死ね」

心理「・・・トランプとかないの?」

垣根「ねぇよ・・・明日はプールで遊ぶんだろ?だったら今日は遊ばなくてもいいじゃねぇか」

ショチトル「・・・まぁ、そうだな」

エツァリ「少し残念ですね」

垣根「それともなんだよ、野球拳でもやろうってか」

エツァリ・ショチトル「ぜひ」

垣根(ダメだこいつら)

心理「・・・しないわよ、そんな破廉恥な遊び」ハァ

エツァリ「そんなこと言って、意外と人前で脱いだりすることに興味とかあるんじゃないですか?」

心理「あぁ?」

エツァリ「すいません」

垣根「・・・なんかねぇのかよ、適当に暇をつぶせるもの」

ショチトル「いつどこゲームやるか?」

垣根「なんだよそれ」

330 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/18(水) 18:18:13.56 ID:MAMLj6PH0
ショチトル「いつ、どこで、誰が、なにをした・・・っていうのを紙に順番に書いていくんだ」

心理「あぁ、たしか自分が書いたのは折り曲げて隠すのよね」

エツァリ「暇つぶしの典型ですね」

垣根「・・・一回だけやってみて判断するか」

ショチトル「よーし、紙を用意っと」


垣根「まずはいつ、からか・・・」

ショチトル「書き終わったら右隣に渡すんだぞ」

エツァリ「どうぞ・・・次はどこで、ですね」

心理「・・・やっぱり、ある程度ふざけたほうがいいわよね」

垣根「誰が・・・か」

エツァリ「・・なにをした、っていうのは一番重要ですね」

垣根「・・・よーし、出来た!!」

ショチトル「・・・うっわ、誰だこの最初書いたの・・・」

心理「・・・最低」

エツァリ「では読み上げていきますか」

垣根「俺からな」


331 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/18(水) 18:29:11.64 ID:MAMLj6PH0
垣根「二日前、公衆便所で、アレイスターが、寝た」

心理「・・・公衆便所を書いたのは誰かしら」

ショチトル(・・・私だ)

エツァリ「次は自分ですね・・・西暦1年、放送席で、ミッ(自主規制)が、ハハッ!!と笑った」

心理「・・若干合ってるわね」

垣根「・・・次、ショチトル」

ショチトル「イった後、あなたの胸の中で、ンニョロペギュール星人が、死んだ」

エツァリ(何があったんですか)

垣根「心理定規」

心理「明日、ラブホテルで、ハイパーメダロッターが、セックスをした」

垣根「・・・」

ショチトル「どういう意味だ、それ」

エツァリ「さ、最後のところをもう一度・・・」

心理「黙って」

エツァリ「はい」

垣根「・・・ダメだ、このゲーム楽しくねぇよ・・・」

ショチトル「・・・私もそう思ったよ」


332 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/18(水) 19:49:53.05 ID:MAMLj6PH0

美琴「ん・・・はぁっ・・・」

上条「はぁ・・・」

風呂場の壁に背中を預けながら、二人は荒い息を鎮めようとしていた

なんだかんだ言って、二人は性欲盛んなお年頃である

一緒に風呂に入れば、ただでさえそういうことになる可能性のほうが高い

しかも少し前にエツァリとショチトルもしたらしく、それを想像するだけでムラムラとしてしまったのだ

結果として、二人もそういう行動に移ってしまったのだった

上条「・・・あがりますか」

美琴「・・・弄りあっただけでおしまい?」

上条「だってゴムないしさ・・・」

美琴「そうよね・・・って待って、ショチトル達はどうしたのかしら?」

上条「・・・生でしょうか」

美琴「ま、まさかぁ・・・」

上条「あいつらが愛撫だけで終わると思うか?」

美琴「・・・」

順序って大切だ、美琴はそう思った


333 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/18(水) 19:56:30.69 ID:MAMLj6PH0

垣根「お、帰ったか」

上条「おっす・・・」

心理「・・・遅かったじゃない」

美琴「そ、そんなことないわよ?」

エツァリ「・・・恥ずかしがることはありません、自分達も同じですから」

垣根「それはそれで恥ずかしいことだな」

ショチトル「失礼だぞ」

垣根「・・・てかさ、マジでお前らもヤったのかよ」

上条「と、途中までは」

垣根「うっわー、風呂がどんどんイカ臭くなるぜ」

心理「じゃあ、私は先に入ってくるわね」

垣根「あぁ」

美琴「・・・え、一緒に入るんじゃないの?」

心理「いやよ、ユニットバスなんて狭くて二人では入れないわ」

垣根「お前らとは違うんだよ」

一同(・・・なんてことだ・・・)


334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 21:13:24.83 ID:4gFDas8go
心理タソの濡れ場を期待していたのに…(TAT)エッグエッグ
335 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/18(水) 21:23:11.15 ID:MAMLj6PH0

心理「・・・はぁ」

ザー、と流れるシャワーの音を聞きながら、心理定規は溜め息をついていた

風呂場の匂いは気にしたら負けだ、と言い聞かせる

心理(・・・そう言えば、今日はあんまり旅行らしいことをしなかったわね)

実際はそうでもないのだが、彼女にとって旅行とは「記念写真を撮る」とか「友達とくだらない話をする」ということなのだ

珍しいところになんていつでも行けるし、お祭りだって時期を合わせればどうにでもなる

だが友人との大切な時間はその時しかない

心理(・・・私があがったら、次は垣根が入るのね)

そのあとはみんなが顔を合わせることになる

ワインパーティーなんかと違って自分を繕う必要もない

いつも通りの自分のままでいられるのだ

心理「・・・ふふ、楽しみね」

体にシャンプーをつけながら心理定規が笑う

美しい白い肌と、泡のコントラスト

大抵の男なら魅了できるその体を、しかし今の彼女は誰にも見せるつもりはなかった

心理(・・・垣根以外には、だけど)


336 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/18(水) 21:26:09.83 ID:MAMLj6PH0

上条「・・・いいのかよ、一緒に入らなくて」

垣根「いいっての、狭いし」

ベッドに転がった垣根がめんどくさそうに答える

先ほどから、ずっとその質問をされる

彼からすれば、むしろ友人が同じ部屋にいる状況で恋人と風呂に入るほうが信じられない

美琴「・・・なんか、結構ドライよね・・・」

垣根「なにが」

ショチトル「お前達だよ、たしかに愛し合ってるけど・・・」

エツァリ「情熱的というよりは静かというか・・・」

垣根「アホか、太陽はずーっと空に上ってるわけじゃないんだぜ?月のほうが長く空にいられる」

上条「な、なんのことだよ・・・」

垣根「・・・それにな、俺達の間には別にそういうもんは必要ないんだよ・・・」

美琴「・・・なんか大人っぽいわね」

垣根「あぁ、大人さ」

美琴(うっわー・・・なんかムカつく)

ショチトル(・・・ケツでも蹴り上げてやろうか)

エツァリ(やめなさい)


337 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/18(水) 21:28:55.77 ID:MAMLj6PH0
上条「・・・なぁ、垣根」

垣根「なんだよ」

上条「お前はさ・・・心理さんのこと、守りたいって思うか?」

垣根「はぁ?」

上条「いや・・・守られたいか、守りたいか」

垣根「傍にいたいな、それ以外はどうだっていいさ」

上条「・・・あのさ」

上条が手を揉みながら訊ねる

何か恥ずかしいことでも訊ねるつもりなのだろう

上条「・・・俺も、やっぱりこの体質があるから・・・時々、一人で突っ走ることもあるんだ」

垣根「よーく知ってるよ」

上条「・・・俺が一人で傷ついたら・・・美琴は悲しむんだ」

美琴「当麻・・・」

垣根「で?」

上条「でも、俺は美琴に重荷を背負わせたくないって思うし・・・」

何を言ってるんだろう、と考えながらも上条は続ける

今の「大人な」垣根にならこういう話を真剣に出来る

そんな気がした


338 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/18(水) 21:33:03.19 ID:MAMLj6PH0
垣根「んだよ、いきなり真面目な話になりやがって」

体を起こし、垣根が首を鳴らす

垣根「それで、自分はどっちにすればいいのかって聞きたいのか」

上条「というより・・・垣根ならどうするのか、ってさ」

垣根「俺か、俺は決まってるぜ」

上条「・・・どうする?心理さんに話すか、それとも一人で戦って・・・傷ついて帰ってくるか」

垣根「あいつが泣かない結果を選ぶ、それだけだ」

上条「・・・どうして」

垣根「先に話せばあいつが一緒に背負おうとする、とか後で一人で傷ついて帰って来たらあいつが悲しむ、とか・・・そんな心配なんて一々してられねぇよ」

呆れたように言いながら、コーヒーを口に含む

垣根「そんなくだらない理由で、あいつには泣いて欲しくない」

上条「・・・そっか」

垣根「お前だってそうだろ、御坂が泣いてるのより笑ってるほうが嬉しいはずだ、笑顔を作るのは御坂自身だがその笑顔を守るのはお前だぜ、上条」

ビシッと上条を指差しながら垣根が答える

垣根「そういうこった、一々こんな恥ずかしいこと言わせるなよ」

エツァリ(・・・と、時々この人はカッコイイですね・・・)

ショチトル(濡れた)

美琴(と、当麻ってば・・・//)


339 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/18(水) 21:35:32.98 ID:MAMLj6PH0


垣根「・・・つうか、心理定規のヤツ意外と遅いな」

上条「そりゃ、女の子だし・・・」

エツァリ「・・・遅いですね」

垣根「遅いよな、もう20分は経ってる」

美琴「いや、女なら普通はそれくらい・・・」

垣根「いくらなんでも遅い」

エツァリ「もしかしたら倒れているかもしれませんよ」

垣根「もしくは、風呂場で一人・・・」

エツァリ「・・・」

垣根「・・・」

上条(なんでこの二人は唾を飲んだんだ?)


垣根「よーし!!心理定規は、俺が守る!!」

エツァリ「お供しましょう!!」

美琴「ま、待ちなさいって!!」

上条「まさか脱衣所まで行くつもりか!?」

垣根「あったりまえよ!!」


340 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/18(水) 21:39:19.47 ID:MAMLj6PH0
美琴「アンタ・・・」

垣根「ひゃははは!!心理定規の風呂上りの姿だぜ、そりゃ見たいよな!?」

エツァリ「も、もちろん!!」

ショチトル「最低だな」

垣根「どうだ上条、お前も覗き・・・心理定規の安否を確認に行かないか!?」

上条「い、行かないから!!」

垣根「あーあー!!もしかしたら心理定規のあんなところやこんなところも見られるかもしれないのになぁ!!」

上条「あ、あんな・・・」

美琴「当麻ぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

上条「ち、違うんだってば!!そういうのはダメだから!!」

垣根「あぁそうかい!!じゃあ行こうぜエツァリ!!」

エツァリ「はい!!」

勢い良く脱衣所へ歩を進める二人

垣根(ふふんだ!!心理定規がもしもセクシーな格好してたら、エツァリのやつぶん殴って俺一人で堪能するんだもんね!!)

エツァリ(友人の恋人の裸を見るというのは背徳感が素晴らしい・・・)



ガチャリ、と脱衣所のドアを開けると

心理「・・・聞こえてるんだけど」

バスタオルを巻き、髪を後ろでまとめた心理定規がいた

垣根・エツァリ「あ」


341 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/18(水) 21:43:16.37 ID:MAMLj6PH0
心理「・・・」

一瞬の出来事だった、垣根やエツァリでさえ反応できないほどに

心理定規は手元にあったドライヤーを掴んだ

この時点で、まだ二人の目は心理定規の体に巻かれたバスタオルしか捕らえていなかった

セクシーな鎖骨なんて少しも目に入っていない

心理「・・・」

次の動作は、そのドライヤーを振りかぶるというものだった

一瞬、本当に一瞬だ

少し膨らんだ胸の辺り・・・しかし、どうやらすでに下着はつけていたようだ・・・を視線が捉えたのはその時

心理「・・・」

さらに次で、心理定規はドライヤーをエツァリの顔面に投げつけた

エツァリ「ごふっ・・・」

エツァリの視線が心理定規の鎖骨を捕らえるより先に、ドライヤーがエツァリの鼻を捕らえた

そのまま後ろに倒れ、エツァリはノックダウン

垣根「あ・・・」

心理「垣根、あなたってたまにそういうところがあるから素敵だけど・・・」

そして、最後の動作は垣根の胸元に前かがみになって飛び込み、突きを放つというものだった

心理「でも、それとこれとは別よ?」

垣根「み・・・」

前かがみになって



垣根「見えたっ!!!!!」

心理「・・・」


342 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/18(水) 21:46:38.09 ID:MAMLj6PH0

ガァン!!という音を立てて、垣根の体が脱衣所から飛び出してきた

上条「おわっ!!」

美琴「か、垣根・・・それにエツァリさんも倒れてるわ!!」

ショチトル「な、何が・・・」


心理「はぁ・・・今日も平和は守られたのね」

満足げな声を上げたのは心理定規だった

垣根の胸倉を一度踏んづけてから、心理定規は悠々と脱衣所から出てきた

勝ち誇ったような顔と、少し恥ずかしそうな表情が妙に色っぽい

心理「あら、ごめんなさい・・・はしたないところ見せちゃったわね」

美琴「・・・あ、ううん・・・」

ショチトル「・・・」

上条「・・・」

心理「ったく、この二人は昔から覗きが好きね・・・」

上条「あの、心理さん」

心理「なに?上条君」

上条「その・・・」



上条「下着、思いっきり透けてますけど」

心理「」

美琴「・・・」

ショチトル「」ビクンビクン



上条当麻

彼はその日、三度目の「死」を迎えることになる


343 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/18(水) 21:52:41.47 ID:MAMLj6PH0
今日はここまで

筋肉動画はこちら

「アート・アトウッド」

カメの甲羅のような背中、とは彼のことでしょうかね

広背筋の下部までの異常な発達が、彼独特の背中を作り上げています

足も太く、いわゆる「バルク型」の選手でした

胸や腹筋などがだらしないため、あまり>>1は好きな選手ではありませんでしたが

そんな彼も、去年亡くなってしまいました・・・ステロイドの副作用でしょうか

http://www.youtube.com/watch?v=V7gPgFrERy8 

好き嫌いに関わらず、やはり同じ趣味を持った人間としてその訃報は悲しかったです


ではおやすみなさい


ダークマター、みなさんも買ってみては?w

344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 22:01:03.37 ID:CsoakEdIO
>>343
誰がバリウムを好きこのんで買うんだよ…

┌─────┐
│い ち お つ.│
└∩───∩┘
  ヽ(`・ω・´)ノ
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 23:11:46.31 ID:oS1m5zU3o
乙なんだよ!

346 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/19(木) 10:50:54.68 ID:TzjYcAYH0


心理「・・・ごめんなさいね、上条君」

上条「あぁ、いや・・・」

美琴にぶん殴られた上条は頬を摩りながら苦笑していた

心理定規の下着が透けているのを少し見てしまった

それだけで思い切りぶん殴られたのだ

美琴「・・・当麻のスケベ」

上条「あのな・・・不可抗力だろ、それに心理さんの下着とか興味ないんだよ」

心理「ちょっと、それは私に失礼ね」

上条「あ、いや!心理さんが可愛くないとかってわけではなく!」

美琴「なによ!浮気者、最低!」

上条「だから・・・美琴にしか興味ないんだって」

美琴「そ、そんなことでごまかしたって・・・」

上条「ホントだからさ」

上条が美琴を強く抱きしめる

途端に、美琴の頬が林檎のように赤くなる

心理「あら羨ましい」

ショチトル「妬けるな」



347 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/19(木) 10:51:28.63 ID:TzjYcAYH0
上条「なら二人もしてもらえよ」

心理「残念なことに、垣根は今風呂なのよ」

上条(心理さんのタックルからの回復が早かったな)

ショチトル「エツァリはドライヤー攻撃によってのびてる」

上条「・・・そうだな」

ショチトル(むしろご褒美だろうがな)

美琴「・・・ほら、エツァリさん・・・起きて」

エツァリ「ん・・・御坂さんじゃないですか・・・」

美琴「あ、起きた・・・」

エツァリ「・・・!心理定規さんは!?」

心理「あら、おはよう」

エツァリ「ぶ、無事でしたか」

心理「ふふ・・・あなたみたいな男にバスタオル姿を晒すわけないでしょ?」

エツァリ「う・・・」

ショチトル「まぁ、上条には晒したんだがな」

エツァリ「な、なんですって!?」

上条「いやいや!偶然だってば!」



348 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/19(木) 10:52:04.69 ID:TzjYcAYH0
エツァリ「またそうやってラッキースケベを!」

上条「ラッキースケベ!?」

ショチトル「くだらん・・・私はちょっと歯を磨いてくるよ」

美琴「?お菓子とか食べないの?」

ショチトル「あ、いや・・・今日はいいや」

上条「なんで?せっかくたくさん買ってきたのに」

エツァリ「ショチトルは最近少し太って・・・」

ショチトル「エツァリ、言うな」

泣きそうな表情をしながらショチトルは洗面所へ向かった


ショチトル「・・・お湯じゃないと冷たいよな」

お湯が出るようにしてから、ショチトルが歯を磨き始める


垣根「・・・って冷たっ!」

ショチトルがお湯を出したために、いきなりシャワーの温度が下がった

いやいや、いつの時代の古いホテルだ、なんて言うことは出来ない

こういうホテルに限って細かいとこまでは気が回っていない時もある

垣根「ちっ・・・誰かお湯使ってるな」

垣根が少しシャワーの温度を上げる



349 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/19(木) 10:52:32.91 ID:TzjYcAYH0
垣根「・・・しかも勢い弱いし」

勢いも強め、どうにか使えるレベルに戻す

垣根「ちっ・・・ちゃんと風呂に入ってるヤツのことくらい考えろよな・・・」

少々いらつきを感じながらも垣根が体を洗い出す


ショチトル「ん・・・歯磨きの間にもお湯出しっぱなしはダメだよな」

環境保全というヤツだ、とショチトルが笑う

いいことをしたつもりなのだろう、水道を止める

たしかにお湯は止まったのだが


垣根「って熱い熱い!」

ショチトルがお湯を止めたからか、いきなりシャワーの温度が元に戻る

先程垣根はシャワーの温度を上げたのだ、つまり今の彼に掛かっているのはお湯というより熱湯だ

しかもシャワーの強さも元に戻ったため、勢いよく体に熱湯が掛かる

顔にもバシバシとお湯が当たるため、手探りでシャワーを止める

ヒタヒタと髪から雫が滴る

垣根「・・・は、ははは・・・」



350 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/19(木) 10:52:59.30 ID:TzjYcAYH0
今日は災難によく遭う

自販機といいシャワーといい、彼は電化製品とか生活製品に縁がないようだ

垣根「いいぜ・・・ナメてやがるな、よほど愉快な死体になりてぇと見える」

腰にバスタオルを巻き、風呂から脱衣所に向かう

すぐさまパジャマに着替え、洗面所に移動した

ショチトル「ん?ふふんー、んん」

垣根「・・・」

歯ブラシを動かすショチトルがいた

こいつが元凶か、と垣根は肩を落とす

垣根「あのな・・・人が風呂に入ってる時にお湯を使うな」

ショチトル「ふふんふ?」

垣根「なんでだ?じゃねぇよ!常識で考えろよ!」

ショチトル「はは、ほへほははふはははひ、ほほほふひひはふふほふひへへ」

垣根「だが、俺の未元物質にその常識は通用しねぇ・・・じゃねぇよ!なんだそのだっせぇ台詞!」


垣根「って俺じゃねぇか!」

ショチトル(ベタなノリツッコミだな)


 
351 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/19(木) 11:16:22.90 ID:TzjYcAYH0
垣根「あのな・・・てめぇのその歯磨きのせいで、俺がどれだけ・・・」

ショチトル「ガラガラーペッ!!」

垣根「聞けよ!!」

ショチトル「そんなことより、早く部屋に行こうぜ」

垣根「・・・聞けよ・・・」

ショチトル「泣くなよベイビー」



上条「・・・ん?おかえり」

垣根「・・・お前らはお前らで俺に内緒で菓子食べてるしよ!!」

美琴「な、内緒じゃないわよ?」

垣根「どう見ても勝手に食べてるよな!?」

心理「あなたも食べればいいじゃない」

垣根「マリー・アントワネットだ!!」

心理「え?」

垣根「なんでもないです」

エツァリ「・・・さて、みなさんも揃いましたし・・・明日の計画を立てませんか?」

上条「っと、そうだな」

美琴「今日はあんまり計画を立ててなかったからグダグダだったもんね・・・」


352 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/19(木) 15:21:25.66 ID:TzjYcAYH0
垣根「・・・たしか、ここのホテルにはプールがあったよな」

心理「えぇ、そこで遊ぶ?」

美琴「もちろん!!水着持ってきたし」ワクワク

上条「でもさ・・・それだけで一日は潰せないだろ?」

垣根「明日までは福岡か・・・やっぱり、ホークスの本拠地に・・・」

心理「だから、そんなただのドーム見ても面白くないわよ」

垣根(全国の野球少年涙目)

ショチトル(デジャブか、これが)

エツァリ「となりますと・・・遊園地とかでしょうか」

垣根「あぁ、スペースワールドか」

上条「なんだそれ?」

心理「宇宙がテーマの遊園地だったかしら、ジェットコースターなんかにも結構星とかの名前がつけられてるのよ」

垣根「ザターン、とかタイタン、とかな」

美琴「へぇ・・・」

垣根「ザターンはすげぇよな、時速130kmで高さ65mから落下だぜ?」

心理「フワってした感触がたまらないわよね、落ちる時」

上条「なんだ、二人は行ったことあるのか」

垣根「ないけど」

上条(あ・・・あれ?)


353 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/19(木) 20:44:54.58 ID:TzjYcAYH0
上条「でもさ、夜に行くのはどうなんだろうな」

心理「あら、そもそも午後の5時には閉園するのよ?」

上条「え、そうなのか」

垣根「だから、プールは夜にしようぜ」

エツァリ「夜のプール・・・ですか」

ショチトル「卑猥な響きだな、カルキに混じった淫らな匂い・・・」

美琴「やめて・・・なんかイヤになってくるから」ハァ

エツァリ「・・・となりますと、午前はそのスペースワールドで遊ぶことになりますね」

垣根「そうだな」

心理「その後はプールね・・・なんか素敵」

美琴「うん、優雅な旅行って感じよね」

上条「そうだな・・・今までの貧乏生活からは想像も出来ませんよ!!」

垣根「プールってだけではしゃぐなよ、ガキか」

メモ帳にスケジュールを書き込みながら、垣根が呟く

垣根「・・・さて、大体は決まったな」

上条「何時に起きればいいんだ?」

垣根「とにかく、早く起きるぞ」

美琴「なかなかハードね・・・」



354 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/19(木) 22:14:35.72 ID:TzjYcAYH0
上条「・・・ま、明日は朝早くなるしさっさと寝て・・・」

垣根「あぁ?まだ寝ないぜ?」

上条「な、なんでだよ?」

美琴「何かするの?」

垣根「もちろん、恋の話や趣味の話、あと他にも・・・」

上条「マジかよ・・・」

ショチトル「・・・ちゃんと寝たいんだよ」

エツァリ「そうですよ・・・」

垣根「うるちゃいうるちゃい!!」

心理(・・・なんでそのキャラになったのよ)

上条「・・・まさか、徹夜とか言わないだろうな・・・?」

美琴「そ、それはさすがに・・・」

垣根「いいぜ!!徹夜だ徹夜!!」

上条「いやだぁぁ!!!」

垣根「はっはぁ!!夜はまだまだ続くんだよ!!」

部屋の電気を消した垣根が、全員を一つのベッドの上に集めた

修学旅行のような夜が始まる


355 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/19(木) 22:19:03.84 ID:TzjYcAYH0
今日はここまで

メダロットやりたいです

strike enemyってかっこよすぎますよね

あとカリンちゃんの可愛さが異常

筋肉動画は「ブランドン・カーリー」

ジェイのあとは彼かビクターがオリンピアになる、誰もがそう思っていたのではないでしょうか(もしくはウルフも然り)

http://www.youtube.com/watch?v=DJSOa75iDoA 

プロポーションも文句ないんですが、なにせあの「ザ・ギフト」が現れてしまいましたからね・・・


ではおやすみなさい


ダークマター、水を3分の2の量で飲んでたからドロドロだったみたいですww

ふへへ、量を守ったら懐かしいラムネ菓子っぽくて結構美味しかったですwww


356 :名無しNIPPER [sage]:2012/01/19(木) 22:37:33.90 ID:QL/1rQXAO
357 :名無しNIPPER :2012/01/19(木) 22:38:22.64 ID:QL/1rQXAO
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/01/19(木) 22:39:40.62 ID:M/1f3cvZ0
359 :名無しNIPPER [sage]:2012/01/19(木) 22:42:17.27 ID:QL/1rQXAO
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/01/19(木) 23:02:01.21 ID:pXWoInpoo
おっぱい
361 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/19(木) 23:09:10.81 ID:TzjYcAYH0
  |l、{   j} /,,ィ//|     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ     | あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
  |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |     < 『あ、い、う、え、と来て「乙」って来るかと
  fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人.    |  思ったらいつのまにか「おっぱい」になっていた』
 ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ   | 下ネタだとか卑猥だとか
  ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉.   | そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
   ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ. │ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
  /:::丶'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ \____________________
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/01/19(木) 23:17:39.70 ID:pXWoInpoo
俺に常識は通用しねぇえええ!!
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 23:36:36.24 ID:2ZHL5Mvxo
乙なんだよ!
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/01/20(金) 00:02:27.98 ID:KWFvFyZP0
乙〜
365 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 12:51:00.53 ID:10jEmnZn0


垣根「さーて、何の話をしようか」

上条「寝させてくれよ・・・」

心理「・・・諦めましょう」

はぁ、と心理定規がため息をつく

エツァリ「・・・では恋の話などを」

垣根「じゃあベタに、今の芸能人の中で誰が好きか話そうぜ」

美琴「かなりベタね」

ショチトル「・・・まぁ、他にはないからな」

垣根「俺は・・・柴咲コウかな、ああいう凛としたって感じの女性が好きだ」

上条「ふーん・・・俺は綾瀬はるかみたいなほのぼのしてそうなのがいいかな」

エツァリ「自分は断然深田恭子タイプですね」

美琴「うわ・・・なんか三人の趣味が出てるわね」

上条「だってさ・・・一緒にいて落ち着くヤツがいいだろ?」

美琴「それは分かるけど・・・」

垣根「甘いな、ほのぼのしてるヤツに限って性格悪いんだよ」

上条「な、なに言ってんだよ!?大人な女性なんて結局はツンツンしてるだけじゃねぇか!」

エツァリ「その点、妖艶な女性は・・・」



366 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 12:51:37.30 ID:10jEmnZn0
上条・垣根「一番危ないんだよ!」

エツァリ「な、なぜですか!?」

上条「お前達は分かってない、ほのぼの=優しいなんだ!」

垣根「違うな!ほのぼのなんて悪く言えばマイペースだ!」

エツァリ「そうですよ、いっつもマイペースな女性というのは相手にするのが大変です!」

美琴(・・・初春さんとかはそういうタイプかな)

垣根「だから!女性なら自分のことを考えてくれる大人な女性がいいんだよ!」

エツァリ「ですから!あまりに相手が大人すぎると女性の未熟さが露呈してしまってイヤになりますよ!」

上条「そうだそうだ!」

エツァリ「その点!深田恭子・・・」

垣根「だから!一番それがまずいんだよ!」

美琴「・・・なんか熱く語ってるとこ悪いけど」

垣根「なんだよ、邪魔すんな」

心理「私達も一応、好みの男性のタイプとか語りたいんだけど」

垣根「うるせぇ!お前が好みの男の話なんてしてたら妬けるだろうが!」

心理「スタイリッシュにツンデレね」

上条「・・・っていうか・・・あんまりこんな話しても意味ないよな」

上条が呆れたようにため息をついた

垣根「・・・ったくよ・・・じゃあ他に何について話すんだよ」



367 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 12:52:07.57 ID:10jEmnZn0
ショチトル「・・・そうだな、好きなプレイについてとか」

垣根「やめろ」

心理「はぁ・・・じゃあ、あなた達の理想のプロポーズの場所について語りなさいな」

上条「理想のプロポーズ?」

心理「私達だってそろそろそういうことを考えてもいいんじゃないかしら」

ショチトル「そうだな・・・思い出の場所があるヤツはそういうところがいいんだろうけど」

美琴「だったらあの公園かな・・・あのベンチで、指輪を渡されたら・・・//」

上条(覚えておこう)

垣根「俺は・・・あの鉄橋でいいかな」

心理「ふふ・・・あそこが思い出の場所だから?」

垣根「・・・まぁそうなるな」

上条「なんだよ・・・なんか二人だけの秘密みたいだな」

垣根「うるせぇ、お前らみたいなガキの恋とは違うんだよ」

上条「ガキだって!?」

ショチトル「まぁまぁ、大人の恋愛なんて汚れてるだけだ」

上条・垣根「お前が言うな!」

エツァリ「・・・自分はやはりアステカでプロポーズしたいですね」



368 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 12:52:33.93 ID:10jEmnZn0
心理「故郷だから?」

エツァリ「それもありますし・・・ショチトルと出会った場所でもありますから」

ショチトル「たしかに、あそこは故郷だし・・・大事な場所だな」

上条「そっか・・・やっぱり故郷は大切だよな」

自分も生まれは学園都市じゃないんだよな、と上条は考える

美琴と上条の実家はたしか近所だが

上条「・・・引っ越したばっかりなのかな」

美琴「でも当麻の家って昔の家のままよね?」

上条「・・・いや、昔の記憶なんてないからさ・・・中々実家って実感は湧かないんだよな」

エツァリ「色々大変ですよね、上条さんも」

上条「記憶を無くしたなんて実感もないからな・・・」

垣根「当たり前だろ、人間が生まれる前を知らないのと同じくらい当たり前だ」

上条「・・・でもまぁ、美琴と知り合った過去の俺はよくやったよな」

心理「・・・よくよく考えたら、一番格差があるのはあなた達よね」

美琴「うーん・・・一応私は常盤台の生徒だから・・・」

エツァリ「・・・上条さん、一体あなたは何をしたんですか・・・」

上条「忘れましたよ・・・」



369 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 12:53:04.37 ID:10jEmnZn0
垣根「常盤台の、しかもこんな美人を手込めにするなんて相当だよな」

ショチトル「全くだな」

美琴「・・・でも、垣根と心理定規の出会いも結構信じられないわよね」

上条「たしか・・・同僚だったんだっけ?」

垣根「あぁ、まぁな・・・」

心理「でもこの人、最初は私なんかに興味なかったみたいよ?」

垣根「当たり前だろ・・・大体、俺は元は年上好きだったんだ」

一同「・・・へ?」

垣根「・・・なんだよ、その反応」


エツァリ「・・・自分とショチトル、上条さんと御坂さんの年齢差はそれぞれ2歳程度ですよね?」

ショチトル「・・・垣根と心理定規って、3歳以上離れてるよな?」

上条「っていうか・・・テクパトル達の次に年齢差はあると思うけど」

美琴「・・・てっきり、垣根ってロリコンなんだと思ってた」

垣根「待てコラ、心理定規は別にロリじゃねぇだろ」

ショチトル「だが、年齢差は中々じゃないか」

上条「・・・心理さんはどう思う?」



370 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 12:53:31.42 ID:10jEmnZn0
心理「垣根はロリコンじゃないわ、多分」

垣根「多分ってなんだよ!」

美琴「・・・でも、あのロリコンで有名な一方通行さえ番外個体に・・・」

垣根「番外個体は生まれた年月的にはまだ赤ん坊だよな!?せめて一方通行を超えたくはないんだよ!」

上条「超える超えないじゃないだろ・・・」

ショチトル「・・・いやいや、大体垣根はロリコンだ」

垣根「違うからな!」

美琴「・・・心理定規はギャップのある女だから、ロリにもなるし大人にもなるし・・・」

心理「・・・なんか、褒められてるように聞こえて果てしないけなし方よね」

上条「いや・・・でも心理さんはそうだからさ」

心理「・・・垣根、私はロリなのかしら」

垣根「俺はロリコンじゃない!大体そんなこと言ったら上条だって!」

上条「なんだよ!俺は別に・・・」

垣根「貧乳好きじゃねぇか!」

美琴「ひ、貧乳じゃないわよ!」

垣根「貧乳だろうが!年相応だとか言い訳してんじゃねぇよバーカ!最近の女は胸がだんだんでかくなってきてるんだよ、お前は時代に取り残されてるんだ!」

美琴「な、なによ!貧乳じゃないわよ!」



371 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 12:53:59.17 ID:10jEmnZn0
エツァリ「い、いえ・・・貧乳とまではいかない、微乳ですね」

美琴「微乳!?そんなにダメな胸かしら!?」

ショチトル「そこまで怒るな、微妙な加減で美しい乳の略だ」

美琴「そ、そういう意味なの?」

垣根「・・・しかしまぁ、揉み心地は良さそうだ」

エツァリ「感度はどうなんでしょうか」

美琴「アンタ達・・・二人ともぶっ飛ばすわよ」

垣根「揉ませてくれよ!」

美琴「ふざけんなぁぁぁ!」

上条「許さないぞてめぇ!」

垣根「ちっ・・・感度いいんだろうな」

美琴「そんなこと言うなぁぁ!」

エツァリ「いいんですか!?いいんですか!?」

ショチトル「いいのか!?お前、めちゃくちゃ感度良さそうだよな!」

垣根「マジか!?」

心理「あら、そうなの」

上条「だ!か!ら!美琴は別にそんなこと・・・」

美琴「そ、そうよ!そんなこと関係ないじゃない!」

心理「・・・ねぇ、やっぱり男性は胸が弱い女の子が好きなのかしら」



372 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 12:54:28.16 ID:10jEmnZn0

美琴「な、なんでそんなこと聞くのよ」

心理「私、あんまり胸は弱くないのよ」

上条「な、なにぃ!?」

エツァリ「胸が弱くないですって!?」

ショチトル「もったいないな、私は愛撫みたいな生温いのじゃ感じられないが」

垣根「てめぇら!心理定規の体について知ろうなんてすんなよな!」

美琴「・・・でも、胸以外に弱い場所があるなら大丈夫よ」

心理「なら大丈夫ね」

エツァリ「どこが、どこが弱いんですか!?」

垣根「てめぇ!聞くんじゃねぇよ!」

心理「どこか・・・知りたい?」

ずいっ、と心理定規がエツァリの横に移動する

エツァリ「ひぃっ!?」

心理「じゃあ・・・あなたが試してみたら?」

垣根「待て待て!お部屋が真っ暗で先が見えないですがなんかヤバいことになってるだろ!?」

ショチトル「エツァリ!何をどぎまぎしてやがる!」

エツァリ「な、なんだかシャンプーの香が果てしなくエロ・・・じゃなかった偉くまずいんですよ!」

垣根「心理定規ォ!浮気かてめぇ!?」

心理「冗談よ、エツァリ君に体を許すわけないじゃない」



373 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 12:55:04.87 ID:10jEmnZn0
上条「おわぁ!?なんでそう言いながら今度は俺に近づいてきたんですか!?」

美琴「ちょ、ちょっと!当麻に手を出さないでよね!」

心理「あら、出さないわよ?」

垣根「ちくしょお!上条、てめぇ心理定規に手を出すなよな!」

上条「俺は悪くねぇだろうが!」

垣根「知らないなぁそんなこと!御坂!」

美琴「な、なに・・・ってふぁぁ!?」

上条「ま、待った!なんか美琴がセクシーな声を上げてますが!?」

美琴「ちょっと!どこ触ってんのよ!?」

ショチトル「暗闇で友人の彼女を襲うだと!?」

美琴「襲われてないわよ!」

垣根「ふっへっへ!胸を揉ませていただいていますよ!」

上条「揉んでるだと!?」

美琴「揉まれてないわよ!ちょっと突かれただけよ!」

上条「突かれたのかよ!垣根、てめぇぶっ飛ばすぞ!」

心理「垣根、やめなさいよ」

垣根「ははは!修学旅行の夜といえばこういうエロいイベントも必要だろ!」

上条「修学旅行じゃねぇよ!」



374 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 12:55:33.90 ID:10jEmnZn0
垣根「細かいことは気にするな!」

エツァリ「そうですね、乱交プレイと行きましょう!」

一同「黙れ変態」

エツァリ「」



垣根「・・・世の中にはまぁ、色々な法則がある」

垣根が語り出したのは「暗黒物質」についてだった

「ダークマター」という繋がりで彼はそれをかなり気に入っている

メルヘンだから、という理由もある

上条「・・・暗黒物質って、たしか授業で聞いたことはあるな」

ショチトル「なんなんだ、真っ暗闇の物質か?」

心理「理論上は存在する物質・・・よね」

垣根「例えば・・・そうだな、光の速さより速い乗り物があれば、時間の経過は遅くなるって話を知ってるか?」

エツァリ「たしか、浦島太郎現象ですよね」

垣根「その光の速さを超える乗り物だって、ある意味じゃ暗黒物質だ」

心理「・・・そうかしら?あれはもう発見されたんじゃなかったの?」

垣根「まぁ細かいことはともかく・・・理論上の存在を定義付ければ新たな現象を説明できる」



375 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 12:56:00.97 ID:10jEmnZn0
上条「でもさ・・・暗黒物質ってなんで考え出されたことなんだよ」

垣根「銀河の重さが足りなかったからさ」

エツァリ「・・・はい?」

垣根「銀河の回る速さから、銀河の重さを計算出来るんだが」

美琴「よくよく考えたら・・・それ自体が途方もない話よね」

垣根「だがしかし、実際の銀河の重さはそれに全く足りなかった」

上条「銀河の重さをどうやって測ったんだ?」

垣根「計算だよ・・・実際は銀河の重さなんて測れないから、その計算自体が間違ってたかもしれないんだよ」

上条「・・・だったら暗黒物質なんて存在しないかもしれないじゃんか」

垣根「あぁ、だが一応理論上は存在してるのさ」

垣根が呆れたように答える

机の上だけで作り出された法則なんかに意味はあるのか、と悪態をつく

垣根「でも夢は広がるだろ?光を反射しない物質、未だに見つかっていない未知の物質!」

ショチトル「うーん・・・それにときめくあたり、お前は科学の人間だな」

垣根「なんだよ、お前達はワクワクしないのか?」

ショチトル「あまり、な」


376 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 12:56:32.11 ID:10jEmnZn0
美琴「・・・暗黒物質の中には星なんかも含まれてるのかしら」

垣根「さぁな・・・ただ、感情も暗黒物質と言えるだろうな」

上条「感情?」

垣根「理論上は存在させることにより人間という存在を定義付けている」

上条「・・・そういうもんかな」

美琴「なんか・・・かなりメルヘンな話になってるわね」

エツァリ「・・・感情とは暗黒物質、ですか」

ショチトル「なにやら新曲みたいだな」

垣根「・・・新曲ってなんだよ」

ショチトル「シングルの題名みたいじゃないか」

エツァリ「全く違いますよ」

上条「・・・はぁ、なんか難しい話になっちまったな」

垣根「・・・俺の話はどうでもいい、他になんか面白い話はないのかよ」

上条「うーん・・・」

心理「・・・そうね、じゃあ私の小さな頃の話を」

一同「・・・はい?」


 
心理「あれは私がまだ・・・幼稚園生の頃だったかしら」

上条「あ、語り出すんだな」


377 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 17:31:56.49 ID:10jEmnZn0
心理「私・・・こう見えて、結構病弱だったのよ」

一同「見たまんまだけども」

心理「もちろん、重い病気じゃないんだけど・・・よく風邪になったりしたわね」

ショチトル(風になったのか)

エツァリ(違いますよ)

心理「幼稚園や小学校の頃は・・・よーく休んでたわね」

垣根「それ、サボりじゃねぇのか」

心理「違うわよ・・・」

上条「そ、それで?」

心理「その時、いーっつも届け物を届けてくれる人がいたのよ」

美琴「あ、もしかして男の子!?」

心理「えぇ」

垣根(ちっ)

上条「・・・もしかしてさ、その男の子って垣根だったとかか!?」

心理「違うわよ、大体そんなことがあったなら垣根が覚えてるはずでしょう」

垣根「そうだそうだー」

エツァリ(なんで幼児退行してるんですか)


378 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 17:41:09.51 ID:10jEmnZn0
心理「・・・あれは、私が幼稚園の年長組の頃だったわね」

美琴「うんうん!!」

ショチトル「早く早く!!」

男一同(女って・・・他人の恋愛の話とか好きだよな)



心理「・・・はぁ」

あの時、私は雑誌を読んでたのよ

言っておくけどサボってたわけじゃなくてね

でも、そうしてるといつも決まった時間にある男の子が来るのよ

「こんにちはー!!」

心理(・・・また来た)

正直鬱陶しいとも思ってたのよ、当時はあんまり他人と話すのが好きじゃなかったし



垣根「なんだよ・・・早く話せって!!」

上条「気になるだろ!!」

エツァリ「も、もしかしてその後恋に堕ちたとか!?」

女一同(男って・・・)


379 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 17:46:55.25 ID:10jEmnZn0

心理「・・・また来たの」

「だってさー、先生が届けろって!!」

その子が持ってくるのはいつも給食のパンだったのよ・・・

そんなもの一々持ってくるのもどうかと思って、いっつも適当にあしらってたのよ

心理「はぁ・・・分かったわ、いつもありがとう」

「いやー!!でもさ、お前の家ってなんか綺麗だな!!」

心理「・・・別に」

子供の頃の家なんて全然覚えてないんだけどね・・・人との話したことはよく覚えてるくせに

心理「・・・ねぇ、あなたってどうしてそうやっていつも来るのよ」

「・・・この家に来たらお前に会えるじゃんか!!いーっつもお前休むしさ!!」



垣根「だぁぁぁぁ!!なんて純情なんだぁ!!」

上条「男だよ、幼稚園生でも男だなぁ!!」

エツァリ「素晴らしいですね!!」

心理「・・・でも、私ってそういう大声出すタイプって好きじゃないのよね・・・」

垣根「あ、そうなの」


380 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 17:52:27.76 ID:10jEmnZn0

心理「・・・なんで私に会いたいのよ」

「うーん・・・なんでだろ?」

心理「はぁ・・・」

「あのさぁ、お前ってやっぱりイケメンってのが好きなのか?」

心理「何よそれ」

「知らないの?最近、隣町の幼稚園の男が人気なんだぜ!!」

心理「ふーん・・・」

「かきなんとか君だってさ」

心理「何よ、フルネームで覚えなきゃ意味ないじゃない」

「でさ、そのかきなんとか君がイケメンなんだって」

心理「・・・そう」



上条「かき・・・なんとか?」

エツァリ「・・・垣根さん、あなたって心理定規さんと小さい頃から近所だった・・・とか?」

心理「そうかもね、なんか昔見たことあるし」

垣根(知らねぇよ・・・)


381 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 18:06:57.50 ID:10jEmnZn0

「・・・それでさ、お前はどうなのかなーって思って」

心理「知らないわよ、見たことない男のことで一々騒げると思う?」

「すっげぇ!!お前ってなんかすっげぇ!!」

心理「・・・あぁそう」

当たり前でしょ、とも思ってたわね

周りの子より一人の時間が多かったんだから

「・・・なぁ、なんでそんなに大人びてるの?俺達まだ幼稚園生だぜ?」

心理「・・・それで?なんで一々私のところに来るのよ」

「あれ、答えてなかったっけ?」

心理「はぁ・・・」

「・・・俺さ、そろそろ引っ越すんだ」

心理「ふーん・・・どうして?」

「お父さんが仕事で異動になったんだってさ」

心理「・・・それは残念ね」

別に残念なんて思ってはなかったわ、そこまで興味のある相手じゃなかったから



垣根「いやだぁぁ!!俺の彼女ってこんなに魔性だったの!?」

美琴「今更ね・・・」


382 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 18:12:09.67 ID:10jEmnZn0

心理「それで、どうして・・・」

「告白に来たんだ!!」

心理「・・・ごめんなさい、無理よ」

「・・・え?」

心理「私・・・あなたみたいなタイプは苦手なの」

「・・・な、なんで?」

心理「うーん・・・私って静かなイメージじゃないかしら」

「そ、そうだけど・・・」

心理「うるさい人は苦手よ・・・ごめんなさい」

「」



垣根「・・・で?」

心理「おしまいよ」

一同「・・・は?」

心理「私はモテるの、そういう話よ・・・あと垣根にちょっとヤキモチを妬かせてみたかったの」

一同(・・・そういえば、この人の昔話は昔からそうだった・・・)


383 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 20:32:00.29 ID:10jEmnZn0
垣根「・・・しゃあねぇな・・・誰か他に話はねぇのか」

上条「・・・じゃあさ、この前の俺の出来事を聞いてもらっていいか?」

心理「えぇ、いいわよ」

上条「・・・この前、ある女の子がスキルアウトに絡まれ・・・ってなんで呆れてるんだよ」

ショチトル「・・・いや、続けてくれ」

美琴「当麻・・・」

上条「な、なんだよ・・・」

垣根「・・・続けろよ」

上条「でさ、その女の子を助けたんだけど・・・」

エツァリ「・・・だけど?」

上条「実はその子、能力者でさ」

垣根「まぁ、学園都市なら当たり前だけどな」

上条「それで、自分がスキルアウトを倒せるはずだったのにって逆ギレされたんだよ・・・」

エツァリ「それはひどいですね・・・」

心理「あら、別に助けは要らなかったって言いたかったんじゃないの?」

上条「そうだけど・・・ってなんで美琴は呆れたような顔してるんだ」

美琴(わ、私も前はそんな感じだったわね・・・)


384 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 20:49:12.48 ID:10jEmnZn0
垣根「・・・で、それで終わりか」

上条「いや・・・それがさ」

美琴「ま、まだ何かあるの?」

上条「その子に次の日また会って・・・」

ショチトル「ほう・・・」

上条「でさ、またその子スキルアウトに絡まれてて・・・」

エツァリ「ま、またですか?」

上条「んで・・・今度は放っておいたんだ」

美琴「うん、そこはそれが正解よね」

上条「まぁ・・・そうだろ?」

心理「で、どうなったのよ」

上条「・・・なんで助けないんだよ、って逆ギレされた」

垣根「はぁ・・・?」

上条「昨日は助けたじゃないかってさ・・・」

美琴「で、でもその前の日には助けたら文句言われたんでしょ?」

ショチトル「大変だな・・・」

上条「・・・んで、一応助けたんだけどさ・・・」

エツァリ「けど?」


385 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 21:21:01.57 ID:10jEmnZn0
上条「・・・そしたら、なんかさ・・・八つ当たりされたんだよ」

垣根「はぁ?なんで?」

上条「いや・・・スキルアウトが自分を狙ってるのが気に食わないって・・・」

心理「いわゆるDQNね」

美琴「・・・それで、その子とはどうなったのよ」

ムスッとしたまま美琴が訊ねる

上条「いや・・・それっきり」

美琴「なーんだ、そうなんだ!!」

心理「あら、嬉しそうじゃない」

美琴「ま、まぁいいじゃない・・・」

ショチトル「・・・というか、私はそろそろ寝たいんだが」

エツァリ「たしかに・・・もう12時を回りましたよ」

上条「・・・どうすんだよ、流石に俺も眠いんだけど」

垣根「・・・分かったよ、寝るか」

心理「よかったわ・・・おやすみなさい」

上条「おやすみ・・・」

一同がそれぞれのベッドに移動した


386 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/20(金) 21:30:52.23 ID:10jEmnZn0
今日はここまで

メダロットのアニメ見直してますが・・・カリンちゃんの可愛さが異常すぎてもうダメだ

かなみとカリンちゃんは大人好きな俺が惚れた唯二のロリだ

カリンちゃんの画像を見てるとオラ、ムラムラするんだ



筋肉動画はリーさん21歳、大学でのポージング

http://www.youtube.com/watch?v=k0vCZagGc5w  


ではおやすみなさい


387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(徳島県) :2012/01/20(金) 21:48:50.36 ID:WtFgJJkX0
乙乙乙乙なんだよ!

速さが足りない!
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 23:22:18.98 ID:764zQ+Qzo
乙なんだよ!
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/01/20(金) 23:29:06.14 ID:cVkBwLru0
乙である
390 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/21(土) 10:27:47.73 ID:LOwXc9gu0


スースーと寝息が響く部屋の中

垣根はまだ眠れずにいた

垣根「誰か起きてるか」

美琴「・・・残念なことに私は起きてるのよね」

垣根「御坂か・・・なんだよ、眠れないのか」

美琴「別に・・・ただあんまり眠る気にならないのよ」

垣根「それを眠れないって言うんだ」

美琴「・・・ねぇ」

垣根「なんだよ」

美琴「・・・アンタは当麻のこと、どう思う?」

垣根「あぁ?まさかてめぇ、ホントは上条のこと好きじゃなかったり?」

美琴「そんなわけないでしょ・・・」

垣根「じゃあなんでそんなこと聞くんだよ」

美琴「・・・当麻のこと、どんな風に評価してる?」

垣根「何度も言ってるだろ、理想のヒーローだ」

美琴「初めて聞いたわよ」

垣根「・・・あいつみたいに正義を貫く馬鹿、今の時代には珍しいな」



391 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/21(土) 10:28:13.24 ID:LOwXc9gu0
美琴「・・・そうよね、私も初めて会った時はびっくりしたわよ」

垣根「・・・あんな正義振り回すヤツ、昔の根性漫画じゃなきゃ見られないよな」

美琴「そうそう、リアルでいるなんて思えない・・・ってそういうことを聞いてるんじゃなくて」

垣根「あぁ?じゃあ何について聞きたいんだよ」

美琴「・・・当麻の不幸体質についてよ」

垣根「不幸体質?」

美琴「うん・・・当麻って、このままずっと不幸なのかな?」

垣根「そうかもな」

美琴「・・・ずっと不幸だったら・・・どうなるんだろ」

垣根「・・・どうなる、か」

頭の中であらゆる不幸を思い描く

まず大学に合格しないのだろう、合格しても単位が足りずに留年だ

留年も一年では済まないだろう、ギリギリまで留年するはずだ

就職だってままならないだろう、そしてやっと決まった就職先でも様々な失敗をするはずだ

はずだ、としか言うことは出来ない

「そんな不幸なんて起きないかもしれない」からではない

「そんな小さな不幸で終わるわけはないかもしれない」からだ



392 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/21(土) 10:28:52.44 ID:LOwXc9gu0
垣根「・・・下手すれば死ぬかもな、すぐに」

美琴「し、死ぬ!?」

垣根「事故にあったり、病気になったり・・・まぁ誰にだってある可能性なんだが」

美琴「そ、そうよね!?」

垣根「だが上条は通常の人間と比べてそういうことになる可能性が無駄に高い」

美琴「う・・・」

垣根「事故をかわしたら、その先の道で通り魔に襲われる、なんてこともあるような不幸体質だ」

美琴「い、いやよそんなの!」

垣根「俺に言われても困るが・・・でもその不幸を本人はそこまで重荷には感じてないみたいじゃないか」

美琴「本当に・・・そうなのかな」

垣根「何が言いたいんだよ?」

美琴「・・・も、もしかしたら重荷に感じていて・・・でも弱音を吐けない性格だから我慢して・・・」

垣根「お前・・・」

美琴「そうだったら・・・力になってあげたいからさ」

垣根「・・・大丈夫だろ」

美琴「なんでそんなこと言えるのよ・・・」

垣根「男には重荷を背負い続けるだけの力がある、女と違ってな」


393 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/21(土) 17:38:04.75 ID:LOwXc9gu0
美琴「・・・そんなのって言い訳じゃない」

垣根「そうか?女に悩み事を吐くのは男として情けないもんだ」

美琴「女としては、相談してほしいものなのよ」

垣根「・・・そういうもんかね」

ふん、と垣根が鼻を鳴らす

心理定規もそう思っているのだろうか

垣根「・・・で、お前はどうしたいんだよ」

美琴「だ、だから!!当麻の不幸体質をどうにか少しでもよくしてあげたくて・・・」

垣根「ならやめとけ、お前にはどうすることも出来ないしそんなことをする必要もない」

美琴「なんでよ!?今まではなんとか生きてこれたけど、当麻は・・・」

垣根「自分の好きな相手のことくらい信じてみろよ」

美琴「・・・好きな相手だから心配なのよ、今日だっておみくじでよくないの引くし・・・」

垣根「はぁ?それで心配になったとか言うんじゃねぇだろうな」

美琴「・・・いっつも、不幸だ不幸だって言ってるから・・・」

垣根「くっだらねぇ・・・」

美琴「なによ・・・」

垣根「上条が不幸だとは言ってもそれがイヤだとは言ったことないだろ」

美琴「あるわよ」

垣根「あれ?」


394 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/21(土) 17:42:11.87 ID:LOwXc9gu0
美琴「・・・ねぇ、アンタって結構幸運なほうじゃない」

垣根「どこが」

美琴「力があって、好きな相手と付き合えて・・・」

垣根「上条だってそうだ」

美琴「それだけじゃない!!アンタはお金だってあるし、それに・・・」

垣根「何が分かるんだよ・・・お前は何も分かっちゃいない」

美琴「あ・・・ご、ごめん」

垣根「いいか、俺だって不幸だと思う経験はしてきた、暗部には堕ちるし仲間は失うし一方通行には負けるし・・・」

溜め息をついてから垣根が続ける

垣根「・・・上条だって、たしかに不幸だ・・・俺達と違って日常の中でもよく不幸が起きるし、事件にだって巻き込まれる」

垣根「だからって、他の人間が全員幸せじゃないんだぜ」

美琴「・・・でも当麻は不幸なのよ」

垣根「他人と比べて、か」

美琴「・・・」

垣根「そうだろうな、他人に比べて成績は悪い、他人と比べて事件に巻き込まれる・・・でもな、それは上条当麻としては当たり前の生活だ」

美琴「・・・不幸が当たり前なんてかわいそうよ」

垣根「そうやって言い訳をされて、憐れまれて・・・そっちのほうが可愛そうだ」


395 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/21(土) 17:45:22.02 ID:LOwXc9gu0
美琴「・・・当麻は幸せになってるのかな」

垣根「お前がいればいいんだろ、そんなの察してやれよ・・・」

美琴「・・・うん、ごめんね」

ゴソゴソと美琴が上条のベッドに移動する

垣根(ったくよ・・・どいつもこいつも真面目になりやがって)

お前が一番そうだ、と言われそうだが別に垣根は気取ってるわけではない

ただこういう場所に来ると自然に引き締まるだけだ

垣根(・・・にしても、御坂は御坂でよく上条のこと考えてるんだな・・・)

垣根(・・・そりゃそうか、恋人だからな)

目を閉じて、心理定規の顔を思い浮かべる

彼女に不満などないし、ずっと愛し続けたいとも思う

垣根(・・・だが、俺は心理定規のことをそこまで深く考えていたか?)

垣根(・・・綺麗な言葉を並べてるだけだったかもしれねぇな)

垣根(・・・いや、どうでもいいじゃねぇか、それが俺の出来る愛情表現だ・・・)


垣根(あーあ、俺って不器用)


396 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/21(土) 18:52:09.39 ID:LOwXc9gu0


垣根「にょわっはっは!!おはようみんな!!」

朝の6時、垣根は一人一人の布団を奪って嬉しそうに笑った

上条「な、なんだよ・・・」

垣根「朝だ!!見ろ、太陽が眩しいぜぇ!!」

ショチトル「もうちょっと寝かせろよ・・・ただでさえ寝るの遅かった・・・」

垣根「だらしないんだよ!!大体今日は遊園地に行くんだろうが!!」

美琴「別にまだ大丈夫よ・・・」

垣根「ならんならん!!」

エツァリ「・・・なんでそんなにハイテンションなんですか、昨日は真面目に・・・」

垣根「昨日は昨日!!昨日の風は今日には吹かないんだよ!!」

上条「なに言って・・・」

心理「垣根、布団を返して」

垣根「やっだよーん!!ていうかさっさと起きて支度しろ・・・」


心理「・・・返せ」ゴゴゴ

垣根「」


397 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/21(土) 20:09:37.82 ID:LOwXc9gu0

垣根「なぁ・・・さっさとしないと朝飯も食えないぜ?」

心理「いいでしょ・・・」

上条「・・・心理さんって、もしかして朝弱いのか?」

垣根「あれだろ・・・どうせ枕が変わったから眠れないとか」

美琴「そんなにデリケート・・・かもね、見た目からして」

ショチトル「色白だからな」

エツァリ「病弱なイメージですからね」

心理「うるさいわね・・・ジロジロ見ないでよ、眠れない・・・」

垣根「むっはー!!」ジロジロ

心理「・・・」ゴスッ

垣根「おふっ・・・」

上条「か、垣根ぇぇ!!」

美琴「・・・心理定規、まだ寝るつもり?」

心理「あと5分・・・10分・・・30分くらいならいいわよね?」

上条「な、なんで伸ばすんだよ」

心理「・・・眠いのよ」


398 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/21(土) 20:37:26.27 ID:LOwXc9gu0
美琴「・・・じゃあ、私達は準備始めましょうか・・・」

ショチトル「そうだな」

エツァリ「・・・ところで、心理定規さんはスッピンでよろしいのですか?化粧にはそれなりに時間が掛かるはずですが・・・」

上条「あぁ、もしかしてあれか?移動に使うバスとか電車の中で化粧・・・」

心理「・・・上条君、あなた今なんて言った?」

上条「電車とかの中で化粧・・・」

心理「ダメね・・・あなた何も分かってないわ、化粧の化の字は化けると書くのよ?人が見ている前でそんなことできると思う?」

上条「あ、いや・・・」

心理「そんなのね、謎の怪盗とかヒーローなんて言われている人が平気で人前で変身してるのと同じなのよ?」

美琴「なんかよく分からない例えね・・・」

心理「いい?化粧に使われるものの中には匂いがきついものもあるのよ、そんなのを他人が乗っている公共の乗り物の中で使うなんて女として・・・・いえ、人間として最低といえるのよ?そういうことをする女は外だけを磨けばいいと思ってるのよ、平気で人前で大口開けて笑ったり足を開いたりするような女よ・・・化粧っていうのはね、必要最低限のものだけを施して自分を少しだけ昇華させるものなのよ、そして内面もその外見に見合ったように磨いて見せようという向上心を生み出すものよ、外だけを磨いて中身が伴っていないなんて、ワイングラスに注がれた苦汁のようなものなのよ、分かるかしら?分からないわよね、私のことをそういうふうな女性と一緒にしたあなたには分からないわよね?」

上条「ごめんなさい」

美琴(なんか・・・心理定規が怖い)

ショチトル(・・・クラスで敵に回したらいけない人ランキング第一位だな、こりゃ)

エツァリ(・・・というか、そんな理論が女性の間にはあるのですか)

心理「・・・仕方ないわね、今からちゃっちゃと化粧は終わらせるから」

上条「あ、あぁ」


399 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/21(土) 20:47:27.91 ID:LOwXc9gu0

垣根「ある朝、俺が目覚めると股間のティンペットが暴れていた・・・」

垣根「いや!!な、何するのよイッキ君・・・はぁっ!!」

垣根「へっへっへ!!カリンちゃん、いいだろ・・・」

心理「・・・もしかして、さっき頭を叩いたせいでおかしくなったのかしら」

美琴「もう重症ね」

上条「・・・垣根、目を覚ませ」

垣根「はっ!!ここはやっぱりヘルシングのエッチな想像のほうがよかったか!!」

ショチトル「ダメダメ、そういうのじゃなくてもっとムーミンとか・・・」

心理「終わったわよ」

上条「は、早いな」

心理「えぇ・・・早くしないといけないんでしょ、あと30分もすれば出かけるみたいだし」

美琴「うん、そうだけど・・・」

テクテク、と心理定規はなぜかまたベッドに向かう

上条「な、何・・・やってんだ?」

心理「おやすみなさい・・・」

一同「アンタも寝ぼけてるのかおい!!!」


400 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/21(土) 21:01:03.92 ID:LOwXc9gu0

垣根「・・・朝ごはんはパンか・・・」

上条「そういう言い方は貧しく聞こえるからやめようぜ・・・」

ショチトル「・・・そうだな、パン以外にも美味しそうなスープやらどっかのジャムなんかもあるし」

心理「・・・愛情のない料理なんて明日のない明後日と同じよ・・・」

美琴「ほら・・・ちゃんとしなさいよ」

エツァリ「というか、一日眠れなかっただけで目の下にクマが出来てますよ?」

心理「うるさいわね・・・ヤンデレとかに見えていいんじゃないの?そうでしょ雄豚」

エツァリ「ブヒー」

上条「心理さん・・・口が悪くなってるぞ」

垣根「あーあーちくしょう・・・誰だよ寝ないで徹夜とか言ってたやつは」

上条「お前だろ」

垣根「・・・ダーメだ、腹が減らない・・・」

ショチトル「じゃあもう向かうとするか?」

垣根「・・・頼むぜ・・・」

美琴「はぁ・・・ったく」


美琴「こんなんで大丈夫かしら?」


401 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/21(土) 21:24:42.20 ID:LOwXc9gu0
今日はここまで

筋肉動画はビルダーの増量期と減量期の変化を

ロニーさんの2003年

http://www.youtube.com/watch?v=ZF_3I3K7zUY←増量期

http://www.youtube.com/watch?v=cyqG5rK31JY←減量期・・・というかコンテスト時

増量期はガンガン脂肪も筋肉もつけ、減量期で脂肪だけを落とします

コンテストでは体脂肪が3%なんて当たり前らしく、ポージングが終われば舞台裏でバタバタ選手が倒れるみたいですね

しかし、ポージングの少し前に水を飲んだりするだけで仕上がりが変わってしまうため、「さすがにまずいからちょっとパンの一枚でも食べよう・・・」なんてことは出来ないのです

にしてもこの年のロニーはすごい・・・


ではおやすみなさい


402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/01/21(土) 22:58:45.93 ID:kz6CjTdH0
乙〜
ここって高級ホテルだよな……
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/21(土) 23:33:37.43 ID:NbCeq0ELo
乙ですの
404 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/22(日) 20:14:42.91 ID:sAcSkF2K0



垣根「・・・このスペースワールドは八幡製鐵所の後に作られたんだ」

心理「・・・ちなみに、ここは宇宙だからね、決して地球じゃないんだから」

垣根「あぁそうだな・・・スペースワールドだもんな」

心理「そうよ・・・もしかしたら宇宙人に会えるかもね」

上条「おーい・・・」

一同はスペースワールドに辿り着いていた

バスの中で、垣根と心理定規はうたた寝をした

しかしやはり眠気はとれなかった

エツァリ「・・・もうすぐ開園時間ですよ」

ショチトル「・・・だから、二人ともしっかり目を覚ませ」

美琴「おーい・・・」

垣根「・・・なぁ心理定規、最近抱いてやってないよな」

心理「そうね・・・」

垣根「なんならここでやらないか」

心理「あら・・・破廉恥ね・・・」

上条「って待て待て!」

エツァリ「やるんですか!?こんな所でやっちゃうんですか!?」

ショチトル「い、いいな!やってくれよ!」



405 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/22(日) 20:15:15.59 ID:sAcSkF2K0
垣根「・・・やっぱいいや、眠い」

エツァリ「ね、寝ぼけて言ってたんですか」

美琴「・・・あ、開園したわよ!」

垣根「おぉマジか・・・なんか人がかなり多いんだが」

上条「そりゃGWだからな」

心理「あぁ・・・そういえばそんな季節だったわね」

美琴「これは・・・はぐれたりしそうね」

垣根「携帯の電源はつけとけよ・・・」

言いながら、垣根がフラフラと人混みに入っていく

頼りない足取りは眠気のせいだろうか

上条「お、おい!」

垣根「なんだようるせぇな・・・」

美琴「ちょっと!?そんな適当に歩いたらはぐれるわよ!」

垣根「あぁ適当に歩いてないから大丈夫・・・」

上条「あぁもう!待てってば!」

残りの5人も人混みの中に駆け込む


そして、結局バラバラになってしまった



406 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/22(日) 20:15:47.85 ID:sAcSkF2K0


垣根「・・・すまなかった、マジで後悔してる」

美琴「・・・なんか、もうこの旅行では当麻と二人きりにはなれそうにないわね」

垣根「・・・俺、昨日はショチトルと二人だったんだけどよ」

美琴「私はエツァリさんとだったわ」

垣根「・・・そうだ、携帯携帯・・・」

美琴「連絡ならもう取ったわよ」

垣根「なんだ・・・上条はどこだった?」

美琴「人混みに流されて遠く・・・ショチトルと一緒みたい」

垣根「あれか、カップル交換か」

美琴「・・・さすがにこの人混みでは動けないわね」

垣根「どうする?」

美琴「垣根と二人で楽しんでくれ、って言われちゃった」

垣根「しゃあねぇな・・・せっかく金払って来たんだから遊ばないわけにはいかないし」

美琴「・・・遊ぶって言っても・・・こんなに混んでるわよ?」

垣根「それでもいくつかアトラクションに乗るくらいは出来るはずだ、行こうぜ」

垣根が美琴の手を掴む



407 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/22(日) 20:17:31.33 ID:sAcSkF2K0

美琴「あ・・・」

垣根「あぁ?俺に手捕まれるのがイヤか?」

美琴「・・・はぐれないためには仕方ないわね・・・いいわよ別に」

垣根「まぁ今は俺が上条だと思えよ」

美琴「無理に決まってるでしょ・・・」

垣根「まずは何に乗りたい?やっぱザターンみたいな派手なのがいいよな!」

美琴「うーん・・・でもあれってかなり人気なんじゃ・・・」

垣根「列に並ぶのもまた楽しみ!」

ビシッと垣根が親指を立てる

美琴「はぁ・・・仕方ないわね」

垣根「・・・まずはザターンだよな」

美琴「よりにもよって人気なのから行くのね」

垣根「当たり前だろ、ここは敢えてだよ」

美琴「なにがどう敢えてなのよ・・・」

垣根「あれだ、みんなきっと混んでると思って並ばないはずだからな!!」

美琴(どうかしら・・・)



408 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/22(日) 20:52:39.30 ID:sAcSkF2K0

垣根「・・・世間一般はクズだ、人が多いところに集まろうとする群集心理が働いてやがる」

美琴「・・・ほら、やっぱり混んでるわね」

垣根「・・・クソがぁ!!なんだよこの列は!!」

美琴「・・・並ぶんでしょ?」

垣根「並びたくないでござるの巻」

美琴「はいはい・・・ってきゃっ!?」

垣根「あぁ?どうしたんだよ」

美琴「・・・だ、誰かが私のお尻触ってるのよ・・・」

垣根「・・・なんだと?」

美琴「・・・捕まえた!!」

美琴がバシッ、と痴漢の手を捕まえる


垣根「・・・」

美琴「・・・なんでアンタの手なのかしらね」

垣根「・・・あれだ、ちょっと魔が差した」

美琴「どっかに周りの被害を気にしないでいい広場は無いかしら」

垣根「ごめんなさいごめんなさい」


409 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/22(日) 20:56:53.05 ID:sAcSkF2K0
美琴「・・・アンタね、今度そういうことしたら心理定規に言いつけるわよ」

垣根「いや違うんだよ・・・こんな混んでるだろ、体が押されるんだ」

美琴「まぁ・・・たしかにそうね」

寿司詰めというのはまさにこのことだろう

これでは触られてるのか手が当たっただけなのかさえ分からない

垣根「・・・悪気はなかったんだよ、すまん」

美琴「いいわよ別に・・・」

垣根「お尻触られても平気なんて、ミコっちゃんったら破廉恥!!」

美琴「なにか言った?」

垣根「すいませんもうしません」

美琴「・・・にしても、本当に混んでるわね」

垣根「・・・はぐれないようにしないとな」

垣根が美琴の手を強く握る

美琴「・・・なんか心理定規に申し訳ないんだけど」

垣根「俺だっててめぇみたいなヤツには興味ねぇんだよ」

美琴「・・・言うじゃない」

垣根「・・・やめようぜ、今は喧嘩してるときじゃない」

410 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/22(日) 21:02:24.80 ID:sAcSkF2K0

垣根「よっしゃあ!!やっと俺達の番だ!!」

美琴「へぇ・・・結構頑丈なセーフティーね」

二人の体にはシートベルトと、上から下ろすセーフティーが掛けられていた

垣根「まぁ、これが一番危険なコースターだからな」

美琴「それもそうね」

「みなさん、今日はこの宇宙探検にお越しいただき・・・」

美琴「あ、なんか面白いアナウンスね!」

垣根「スペースワールドでは名物だな」

美琴「そうなの?」

垣根「あぁ、ジョークを混ぜたアナウンスは面白いよな」

美琴「・・・動くみたいよ!!」ワクワク

垣根(・・・こういうところは心理定規と違ってガキだよな)

美琴「?なによ、アンタは騒がないの?」

垣根「ほら、ちゃんと前見てないともったいないぜ?」

美琴「う、うん」


美琴(・・・なんか、当麻と違ってあんまり楽しんでるって感じじゃないな・・・)


411 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/22(日) 22:05:12.68 ID:sAcSkF2K0

今日はここまで

最近色々忙しいので亀更新です

筋肉動画は「ジョン・ブラウン」を

http://www.youtube.com/watch?v=GgVndyDUmM4 

メルビンの師匠であり、おそらくミスターオリンピアでブレイクダンスをした最初の方です

フィジークが素晴らしいですね

ではおやすみなさい


412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/01/22(日) 22:25:49.50 ID:F2vvL+970
乙!!
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/01/22(日) 22:56:51.91 ID:1gjaUrwz0
乙ですの
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 23:15:22.46 ID:BkRDIwADo
乙なんだよ!
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(徳島県) :2012/01/23(月) 09:36:01.10 ID:bddTmdmh0
速さが足りない
416 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 11:01:07.25 ID:EvuV10zM0


垣根「・・・スタートしたぁぁぁ!」

美琴「はやぁぁぁい!」

一瞬にして時速は100kmを超えた

レールを走るコースターが縦になる

空に向かって打ち上げられるそれはまるでロケットのように感じられた

垣根「すげ・・・」

しかし、頂上に達したコースターはすぐさま下に向かって落ちていく

地面にぶつかるのでは、と錯覚にさえ陥る

さらにジェットコースター特有のフワリとした不気味な感触

それが心地好く感じられるのはなぜだろうか

セーフティーが無ければ無重力状態になって飛んでいくのだろう

美琴「ふわ・・・」

まともな感覚が戻ってきた頃には、既にコースターは止まっていた

垣根「・・・すっげぇ、すっげぇなおい!」

美琴「すごいわよね!?落ちる瞬間の感覚とかヤバかったわよ!」

垣根「あぁ!あの落ちていくスリルは堪らないな!」

美琴「ホントホント!」



417 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 11:03:15.21 ID:EvuV10zM0
セーフティーを係員が外すが、その間も二人の興奮は止まらない

ぎゃあぎゃあと騒ぎながら手足をバタバタとさせる

美琴「なんだかんだ言ってアンタも楽しんでたんだ」

垣根「当たり前だろ!もう一回、もう一回乗ろうぜ!」

美琴「ま、また並ぶの?」

垣根「当たり前だ!行こうぜ御坂!」

美琴「で、でも他のアトラクションに・・・」

垣根「ははは!あの素晴らしい愛をもう一度!」

美琴「いやぁぁぁ!」



垣根「・・・乗りすぎた」ウプッ

美琴「もう・・・酔ってるじゃない」

垣根「酔ってなんかねぇよ・・・ちょっと吐き気がするだけだ・・・」

美琴「それを酔ったって・・・ってちょっと!!なんで口元を押さえて・・・」

垣根「オォオォエェアァエェオォエェアァェェオォ・・・」

美琴「きゃー!!口から未元物質を出しながらアンインストールを歌ってるわ!!」


418 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 11:20:43.06 ID:EvuV10zM0


上条「・・・美琴は垣根と二人・・・か」

携帯のメールを確認しながら上条が溜め息をつく

なんというか、どっかの誰かがカップル交換を無理矢理引き起こしてるような気もする

上条(・・・その幻想も殺したかった・・・)

心理「どうしたのよ」

上条「あ、いや」

上条の隣にいるのは心理定規だった

上条(・・・ってことは、エツァリとショチトルは二人なのか・・・いいなぁ)

心理「ちょっと、なにボケーッと突っ立ってるのよ」

上条「・・・なんかその台詞、昔の美琴を思い出すな」

心理「?」

上条「・・・美琴には垣根と楽しんでもらうようにしたけど・・・やっぱり気がかりだなぁ・・・」

心理「いいじゃない、美琴は浮気なんて出来る人間じゃないわ」

上条「垣根は?」

心理「ふふ・・・浮気をしたらどうなるか分かってるから」ゴゴゴ

上条(この人怖い)


419 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 11:23:58.80 ID:EvuV10zM0
心理「・・・ほら、だからあなたがエスコートしてよ」

上条「だってさ・・・心理さんってなんかそういうの苦手そうだし」

心理「そういうのって?」

上条「ほら・・・絶叫マシンとか」

心理「わりと好きだけど、どうして?」

上条「病弱で色白なお嬢様ってイメージだし」

心理「イメージってのは先走りするものよ、ほら」

心理定規が上条の手を握る

傍から見てたらただの浮気ものだぞ、と溜め息をつく

こんな光景、クラスメイトなんかに見られたらおしまいだ

上条「・・・心理さんって、結構ガード低いよな」

心理「なによいきなり?」

上条「こうやって普通に手繋いでくるしさ」

心理「それはあなたを信頼してるのよ」

上条「なんで?」

心理「垣根が褒めてた人だから、あなたは」

上条「そこが基準なんだな・・・」

心理「いいから早く」


420 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 11:29:58.96 ID:EvuV10zM0
心理定規が向かっているのは「タイタン」と呼ばれるジェットコースターだ

ちなみに「タイタン」というのはギリシア、ローマ神話に出てくる「ティーターン」のことだ

ヘーリオスやプロメーテウスなども「ティーターン」と呼ばれることがある

オリュンポス12神よりも古の神とされているのだが、科学側の上条はそんなこと知らない

上条「・・・これはザターンと違ってそれほど早くはないんだな」

心理「その変わりベタなジェットコースターを味わえるのよ、ザターンは一瞬で終わりでしょ?」

上条「へぇ・・・でも縦ループはないんだな」

心理「横ならあるけど、縦はヴィーナスじゃなきゃないわよ」

上条「妙に詳しいな・・・」

心理「この三つがスペースワールドでも大人気のコースターなのよ」

上条「へぇ・・・」

心理「さっきからそればっかりね・・・もう少しリアクション取りなさいよ」

上条「ど、どんな風に?」

心理「さぁ?」

そんなくだらない会話をしながら、二人はタイタンの列に並んだ

上条(タイタンの列に並ぶって・・・なんか言い方がおかしいけどな)

心理(言わないの)




421 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 12:43:27.50 ID:EvuV10zM0
上条「・・・それにしても、心理さんってこういうのって好きなんだな」

心理「えぇ、これでもまだ子供ですもの」

上条(いやいや・・・)

心理「それに、あなたとなら楽しめそうじゃない?」

上条「そ、それはどういう!?」

心理「あなたって不幸でしょ?だから頂上でマシントラブルとか、手荷物が飛んでいくとか、最悪脱線事故とかあるかもしれないもの」ケロッ

上条「・・・そういうのって、不謹慎ですよ」

心理「あら、そうかしら」

上条「・・・なんかさ、心理さんって一言一言が男をドキドキさせるよな」

心理「もしかして私のこと好きになっちゃった?」

上条「・・・いや、そうじゃないけどさ」

心理「なによ、つまらないわね・・・もしエツァリ君だったら面白い反応してたはずなのに」

頬を膨らませながら、心理定規がつまらなそうに呟く

上条(・・・しっかし、こりゃたしかに美人だよな)

こうやってマジマジと彼女を見つめる機会はほとんどなかった

改めて見てみると、本当に綺麗なのだ

見た目だけならば美琴よりも上の類かもしれない


422 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 12:49:02.42 ID:EvuV10zM0
上条(・・・というか、俺は今この人と二人きりか・・・)

あまりにレベルが違いすぎて涙が出てくる

美琴と付き合いだしてすぐも、ルックスの差で泣いたことはあったが

心理「なにジロジロ見てるのよ」

上条「あ、いや・・・」

心理「はぁ・・・あらかた、自分と違ってルックス面でも上の上だって言いたいんでしょ?」

上条「そ、それは傷つく言い方だ・・・」

心理「否定しないってことは当たってたのね?」

上条「・・・まぁそうなんだけどさ、美琴と付き合いだしたときもそうだったよ」

心理「あの子は可愛いものね」

上条「それに、人気も高いだろ?結構人助けとかしてたみたいだし・・・それに学校ではお手本の生徒だったんだ、あいつ」

心理(・・・あなたも人助けはするでしょう)

上条「・・・俺もさ、昔先生に美琴は努力の塊だ、だからお前も努力しろって言われたよ」

心理「あら、授業で引き合いに出されるほどなのね」

上条「そんな美琴が彼女だなんてさ・・・なんか夢見たいだよ」

心理「夢だったりして」

上条「ごめん、そういうのって不安になるからやめてください!!」

423 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 12:54:14.93 ID:EvuV10zM0
心理「・・・そういえば、上条君と美琴と初めて会ったのは遊園地だったわね」

上条「そうだったな・・・あの時はただの美男美女カップルだと思ってたよ」

心理「私たちのこと?」

上条「そうそう・・・でもあの時はまだ付き合ってなかったんだよな」

心理「えぇ・・・あの時は垣根が帰ってきてすぐだったのよ」

上条「・・・つまり、お帰りのお祝いって感じか?」

心理「そういうこと」

上条「・・・あのとき二人と出会ってなかったらどうなってたんだろうな」

心理「もしもなんて考えないことよ、人生には一つの確率しかないんだから」

上条「・・・そうだな」

心理「ちなみに、私は初めて二人を見たときは羨ましいって思ったわね」

上条「羨ましい?なんで?」

心理「あんなに幸せそうな恋人なんて初めて見たから」

上条「ふーん・・・あの時から心理さんは垣根と付き合いたくてしょうがなかったのか?」

心理「べ、別にそういうわけじゃないけど・・・」カァッ

上条(図星だな)


424 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 15:11:21.75 ID:EvuV10zM0
心理「・・・ほら、前進んだわよ」

上条「あ、あぁ」

上条がゆっくりと進む

しかし、進んだと言ってもすぐに自分達の番が回ってくるわけではない

あまりにも退屈なため、前に並んでいるカップル達は手を繋いだり何か話したりして時間を潰している

おそらく、上条達の後ろに並んでいるカップルもそうしているのだろう

上条「・・・俺達はどうしますか?」

心理「あら、私とイチャイチャしたいのかしら」

上条「そ、そういうわけではないですよ!?」

心理「いいわよ、別に」

上条(・・・い、いいのか!?いやいやよくねぇだろこれは!?)

心理「ほら、手は繋いでるんだから・・・」

上条「ってうわぁ!?」

パッ、と上条が手を放す

よくよく考えればただの女友達と手を繋いだ時点でおかしいのだ

ここから浮気の始まり、なんていうエッチな展開は期待していない

そんなことにはなってほしくもないが


425 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 15:14:28.76 ID:EvuV10zM0
心理「・・・失礼ね」

上条「あ、いや!!こういうのってダメじゃないですか!!」

心理「あなたって真面目ね・・・」

上条「純情だと言ってほしかった・・・」

心理「本当に純情なら女の子と手を繋いでもなんら違和感なんて覚えないはずよ」

それもそうだな、と妙に納得してしまう

上条「・・・でも、これはやっぱりダメでしょう」

心理「・・・分かったわよ、あなたが嫌がることを無理矢理しても気まずいだけだから」

はぁ、とつまらなそうに溜め息をつく心理定規

そんなことを言われてもダメなものはダメなのだ

上条「・・・そういうことばっかりしてると垣根に愛想尽かされるぞ・・・」

心理「そんなことないわよ、第一こういうことは垣根だってしてるもの」

上条「そういう問題じゃない気がするんだけどな・・・」

心理「・・・本当は垣根と二人がよかったのよね・・・」

上条「俺だって美琴と二人が良かったんだよ・・・」

心理「・・・お互い、なんだか大変よね」

上条「これが不幸ってやつだよ・・・」トホホ

426 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 16:41:34.13 ID:EvuV10zM0
心理「あら、私と二人きりなんて世の中の男なら羨ましがるはずよ?」

上条「どこから来るんだその自信は・・・」

心理「世の中はそんなものよ」

上条「あぁそう・・・」

心理「呆れてるのが見て取れるわね」

上条「・・・あ、進んだ」

心理「・・・昨日もあなたと二人だったわね」

上条「そうですね・・・俺は美琴と二人がよかったよ」

心理「・・・それを私の真ん前で言うとはなかなかの度胸ね」

上条「・・・ほら、乗ってる人たち楽しそうだ・・・」

心理(ダメね、現実逃避しだしたわ)

上条「・・・あ、次には俺達も乗れそうだな」

心理「本当ね・・・ねぇ、乗ってるとき手繋いでもいいかしら?」

上条「?いいけど、どうして?」

心理「べ、別にいいでしょ・・・」

上条「・・・もしかして、怖いのか?」

心理「・・・そ、そうじゃなくてね、いつも垣根とこういうのに乗るときは手を繋いで怖くないように・・・じゃなかった、ラブラブでいられるようにしてるのよ」

上条「怖いんですね」

心理「・・・うん」


427 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 16:49:01.63 ID:EvuV10zM0
上条「好きなんじゃないのかよ、絶叫マシン」

心理「好きなんだけど怖いのよ」

上条「な、なんだよそれ・・・」

心理「こう、怖いもの見たさみたいなものよ」

上条「いや・・・それとこれとは別だろ」

心理「なによ、こういうのを怖がる女の子は可愛いでしょ?」

上条「恋人じゃないならめんどくさいだけです」

心理「・・・じゃあいいわよ、手なんて繋がなくて」ウルウル

上条「泣くほどなのか!?」

心理「・・・垣根だったら、いつも優しく繋いでくれるのに・・・」グスン


「見て、あの彼氏さん彼女泣かせてるわよ・・・」

「本当に恋人か?なんか格差がありすぎるべ」

「だよねー」


上条(・・・世界なんて嫌いだぁぁぁ!!)

心理定規の手を握りながら、上条が涙目になる

上条(とにかく、手を繋げば問題ないんだろう!!)ギュッ!!

心理(・・・痛い)


428 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 17:30:52.28 ID:EvuV10zM0

上条「・・・なぁ、このジェットコースターって・・・足につけるセーフティーだけなんだな」

心理「そうね、下手して滑ったらお空の彼方なんじゃないかしら」

上条(・・・不安だ)

ジェットコースターの最後尾の車両

一般的に一番怖いといわれる車両に二人は乗っていた

それが幸運なのか不幸なのかは分からない

ただ、一つ言えることは二人の心臓は恐怖と期待で押しつぶされそうということだ

心理「しっかり手・・・繋いでなさいよね」

上条「は、はぁ」

心理「つり橋効果であなたに惚れても仕方ないわよね?」

上条「困ります」

心理「どうしてよりにもよって一番後ろなのよ・・・」ブルブル

上条「じゃ、じゃあもう降りれば・・・」

心理「降りれないわよ・・・」

スタート10秒前、というアナウンスが流れる

今更リタイアなんて無しだろう

それに周りの乗客のボルテージも最高潮だ

ここでリタイアすれば空気の読めない客になってしまう


429 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 17:35:06.92 ID:EvuV10zM0
心理「・・・上条君、あなた怖くないの?」

上条「・・・正直めっちゃ怖いんです」

心理「な、仲間ね」

ハハハ、と乾いた笑いを浮べる二人

そして、ジェットコースターは動き出した

いきなりの上り坂なんて心臓に悪い

しかも、他の乗客が目の前でどんどん斜めになっていくのだ

ジワリジワリと自分達の番を待つ、まるで処刑台に上らされるかのような恐怖だ

前の客が落ちては来ないだろうか、コースターが逆走しないだろうか、というイヤな想像をしてしまう

最前列の車両が頂上に差し掛かった

ゆっくりとその車両が、坂の向こうに消える

そこで一旦止まるのはお決まりだろう

最前列は下を向きながらずーっと止まっているという状況だ

そして一番後ろは・・・

上条「・・・これ、動き出したらどんどんスピード上がるよな・・・」

心理「恐ろしいスピードで頂上を過ぎることになるわね・・・」

上条「・・・カタカタ言ってる・・・」

一番後ろが怖いといわれるのは、頂上地点を一番速いスピードで通過するからだ

そして、もっとも他の車両より遠心力が掛かってしまう


430 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 17:43:49.89 ID:EvuV10zM0
心理「・・・怖いわね」

ギュッと握られた手は、なぜか安心感を与える

恋人がジェットコースターに乗るとさらに愛が深まる、そんなことを信じてしまいそうなほどに

上条「・・・で、出来れば美琴と乗りたかった・・・」

心理「垣根・・・私を守って・・・」

シュワルツェネッガーがターミネーター2のラストシーンであの高熱の炉の中に降りていくときに掴んでいた鎖と同じような「カタカタ」という音

しかし彼らが飛び込むのは重力の狂った世界だ、決して灼熱の炉ではない

上条「う、動いたぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

心理「きゃぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

目をつぶるとさらに恐怖が増す、という話を聞いたことがあるだろうか

それを馬鹿正直に信じた二人は目を開けたままでいた

グングンと迫る前列の車両、そして地面

上条(・・・こ、これは中々スリルが・・・この後の横回転もすごい怖そうだ・・・)

チラリ、と上条が隣を見る

心理「」

上条(あ、気絶してる)


431 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 18:06:14.70 ID:EvuV10zM0

上条「・・・もしもーし」

心理「・・・はっ」

心理定規が目を開けると、そこはベンチの上だった

いつの間にかジェットコースターから降りていたようだ

いや、もちろん気を失っている間に勝手に体が歩いたわけではないだろう

上条「やっと起きた・・・肩貸しながら歩いたこっちの身にもなってくれよな・・・」

心理「・・・私、気を失ってたのね」

上条「まぁ・・・そうみたいだった」

心理「ごめんなさいね・・・はしたないところ見せたわ」

上条(いや・・・目をつぶって寝てるみたいだったけどな)

心理「なに?」

上条「あぁいや・・・もう大丈夫かな、ってさ」

心理「まだ腰が抜けてるわ」

上条「・・・はい?」

心理「歩けないの、膝は笑ってるし」

上条「じゃあなんで乗ったんだよ・・・アンタ地味に天然だろ」

心理「・・・う、うるさいわよ」


432 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 18:21:49.21 ID:EvuV10zM0
上条「はぁ・・・大体な、怖いなら素直に怖いって言えばいいものを・・・」

心理「で、でも面白いのよ!!」

上条「気絶してたら面白いもなにも・・・ってあれ?」

上条が視線を前方に移す

彼らが座っているベンチの向かいには、お化け屋敷のようなものがある

もちろん、その中も宇宙人が出てきたりするのだが

上条「・・・あそこに並んでるの・・・美琴と垣根だ!!」

心理「!?垣根ぇ!!」

バン!!と心理定規が駆け出す

上条(こ、腰が抜けてたんじゃなかったのか・・・)



垣根「・・・あぁ?心理定規の声がした」

美琴「気のせいじゃ・・・」

心理「垣根!!やっと見つけたわ!!」

垣根「お、なんだよ近くにいたのか・・・」

心理「よかった・・・もう一緒に回れないかと思ったわよ」

美琴「!!当麻!!当麻がいる!!」

垣根(ガイルがいる)


433 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 19:02:30.73 ID:EvuV10zM0
上条「よかった・・・美琴にやっと会えました・・・」

美琴「当麻ぁ・・・なんだか久しぶりな感じがする」ウルウル

垣根「・・・心理定規、なんかグッタリしてないか?」

心理「上条君に無理矢理ジェットコースターに乗せられたのよ・・・」

上条「はぃぃ!?アンタが乗りたいって・・・」

垣根「上条・・・てめぇやりやがったな!!」

上条「違うんだってば!!」

垣根「許さねぇ・・・てめぇは俺を怒らせた!!」

美琴「ねぇ当麻、一緒にコースター乗りましょうよ!!」

上条「あ、あぁ」

心理「あら、四人で回ったら楽しいんじゃないの?」

美琴「ふ、二人きりになりたいの!!」

垣根「やーの!!僕はミコっちゃんと二人がいーの!」

美琴「黙りなさい」

心理「・・・そうね、二人きりがいいならそうしましょう」

美琴「じゃあ、やっとカップル元通りってことね!!」

垣根「じゃあまたな」

上条「おう」


434 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 19:52:44.55 ID:EvuV10zM0

エツァリ(・・・今頃、みなさんはカップルで仲良くやっているのでしょうか・・・)

エツァリは肩を落としていた

今、彼は「一人で」ベンチに腰掛けている

ショチトルはいない、どこかにいるのだろうが彼とは一緒ではなかった

エツァリ(・・・まさか、一人でこんな所に残されるとは・・・)

周りのカップル達が羨ましく見える

別にエツァリが独り身なのではないが

エツァリ(・・・ショチトル・・・どこにいるのですか・・・)

こうして一人でいると、とても悲しい

辺りには見渡す限りのカップルや家族連れ

対するエツァリは一人だけ

世界が自分を貶しているように思える

エツァリ「・・・携帯で連絡を取りましょうか」

ポケットから携帯を取り出す

ショチトルは機械が苦手だが、最近やっと最新式の携帯をまともに使えるようになった

エツァリ(・・・鍛錬の成果でしょうか)

ふふ、と笑いながら彼女に電話を掛ける


435 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 20:03:58.23 ID:EvuV10zM0

ショチトル(・・・どうしようかな)

ショチトルは一人だった

彼女のグラマラスな体は男の目を引くらしく、何人かの男からナンパされてしまった

そういうのは英語で話して乗り切ったのだが、それもそろそろ限界だろうか

ショチトル(・・・お兄ちゃん・・・どこなのかな・・・)

はぁ、と自然に溜め息がついてくる

ショチトル(・・・こんなみんなの前に放置されるなんて寂しい・・・)



ショチトル(・・・待て、公衆の面前で放置・・・?)

ビクン、とショチトルの肩が跳ねる

ショチトル(・・・そ、そういえば・・・さっきから男ばかりが話しかけてくるが・・・もしかして、そういうプレイだったりするのか?)

ショチトル(遊園地総出で私を・・・お兄ちゃん・・・)ビクンビクン

ショチトル(・・・ま、また男の人が近づいてきた・・・)

「ねぇ、君もしかして一人?」

ショチトル「ひ、一人じゃない・・・」

「ちっ・・・なんだよ」

ショチトル(あぁ・・・見下したような目で去っていく・・・)ビクンビクン


436 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 20:28:58.55 ID:EvuV10zM0
ショチトル(ダ、ダメだ・・・もう下半身が・・・)ビクンビクン

震えるショチトルのポケットの中で、携帯が震えた

ショチトル「・・・お、お兄ちゃん!」

急いで通話を始める

エツァリ『あぁ、ショチトルか?』

ショチトル「お兄ちゃん・・・」

エツァリ『』

ショチトル「・・・もう・・・お兄ちゃんがいなくて寂しいよ・・・」

エツァリ『ま、待て!!どういう状況だ!?』

ショチトル「寂しさが興奮に・・・あぁっ・・・」ビクンビクン

エツァリ『今すぐそっちに行く、GPSで探すから動くなよ!!』

ショチトル「はぁ・・・はぁ・・・」

エツァリの声を聞いただけで下半身が熱くなる

周りの客達は大して気にも留めていないようだが、今のショチトルはすごいことになっていた



エツァリ「ショチトル!!大丈夫か!?」

ショチトル「お兄ちゃん・・・」ビクンビクン

エツァリ(うっわぁ、興奮するぞコレは)


437 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/23(月) 20:39:52.82 ID:EvuV10zM0
今日はここまで

やっぱりアステカ二人には変態成分が必要でしょう

筋肉動画は若かりし頃のショーン

http://www.youtube.com/watch?v=vXrJnjyBtuo 

美しいですね

彼はこういう落ち着いた曲が似合いすぎです、1999年のオリンピアは>>1が見た全てのポージングの中で一番美しかったですね

ではおやすみなさい


僕はロリコンじゃないよ、仮にロリコンだとしてもそれはロリコンという名の変態さ

438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/23(月) 22:19:28.20 ID:bYpz6j9b0
あれエツァリが敬語じゃないな俺の記憶では始めて見たキガス
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 23:06:26.85 ID:Srze1F0Go
乙なんだよ
440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(徳島県) :2012/01/23(月) 23:56:08.57 ID:bddTmdmh0
乙パトルぅぅぅぅぅぅううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
441 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/24(火) 17:47:06.30 ID:yZY4vcrw0
ショチトル「お兄ちゃん・・・」

エツァリ「な、なんだ?」

ベンチに腰掛けたショチトルの体はビクリと跳ねている

顔は真っ赤になり、何かを欲しているように見えた

ショチトル「もうダメだ・・・お兄ちゃんに放置されたって考えただけで・・・」

エツァリ「お、落ち着け!ここは遊園地だ、さすがに・・・」

ショチトル「・・・ダメ?」

ウルウルと潤んだ瞳で見つめられたエツァリは、胸が高鳴るのを感じた

このままでは理性が無くなってしまう

エツァリ「だ、だが・・・」

ショチトル「トイレなら・・・誰にも見られない」

エツァリ「待て!避妊具を持ってきてはいない・・・」

ショチトル「大丈夫・・・入れなければいいんだから」

エツァリ「」

パキン、と理性が割れる音がした

こうなったらもう止まることは出来ない

大体、トイレの中で恥部を晒け出すのは当たり前ではないだろうか



442 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/24(火) 17:47:33.38 ID:yZY4vcrw0
それならばその少し先までやってしまっても構わないのではないか

誰かが「変態」だと笑っても関係ない

二人の間にはたしかに愛があるのだから

ショチトル「お兄ちゃん・・・私、もうグショグショだ・・・」

エツァリ「わかった、行こうかショチトル」

ショチトル「お兄ちゃん・・・」

エツァリがショチトルの手を取る

そして、二人は男子トイレに向かった




上条「・・・」

美琴「・・・」

ドキドキと心臓が脈打っている

それは恐怖からか

二人は今お化け屋敷にいる

お化け屋敷と言っても、出てくるのは宇宙人やらエイリアンやらのSF的なものだが

だがそれだけが胸の高鳴りの原因なのだろうか

いや、きっと違う



443 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/24(火) 17:48:02.92 ID:yZY4vcrw0
暗い通路を、二人は手を握り合いながら歩いていた

この旅行で、初めて二人きりになったといえるだろう

それが胸を高鳴らせているのだ

美琴「当麻、なんか緊張してるみたい」

上条「美琴だって・・・」

美琴「うん・・・当麻と二人きりなんだもん、緊張してる」

上条「そ、そっか」

恥ずかしい沈黙が流れる

聞こえてくるのは不気味な効果音と、互いの呼吸、そして自分の鼓動だけだ

上条(二人・・・なんだよな)

ここのアトラクションは全て機械だ、人間がエイリアンに扮しているわけではない

つまり、本当に二人きりなのだ

上条「美琴、キスしていいか?」

美琴「にゃっ!?」

上条「あ、いや・・・ごめん」

上条が少し恥ずかしそうに空いている手で髪を掻きむしる

美琴「・・・い、いいわよ」



444 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/24(火) 17:48:43.86 ID:yZY4vcrw0
上条「い、いいのか?」

美琴「ちょっとびっくりしただけだから」

美琴が上条の肩に頭を乗せる

上条は美琴より背が高いため、上から美琴の唇を塞ぐ形になる

美琴(あ・・・)

ぐっ、と顎の下に上条の指が入り込む

そのまま、半ば強引に唇を奪われた

美琴(あったかい・・・)

上条(美琴・・・なんだかいい匂いがします)

美琴「・・・ぷはっ!」

あまりに熱烈なキスだったため、息をするのを忘れていた

上条「わ、悪い・・・」

美琴「当麻・・・キス下手になったんじゃない?」

上条「そ、そうか!?」

美琴「ふふ・・・冗談」

上条「あ、焦るからそういうのはやめてくれよな・・・」



445 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/24(火) 17:49:19.64 ID:yZY4vcrw0
美琴「・・・でも嬉しかった、当麻とキスしたの久しぶり」

上条「いや・・・そうでもないだろ」

美琴「う・・・いつも近くにいたいのよ、それくらい察しなさいよね!」

上条「ご、ごめん」

美琴「もう・・・」

上条「・・・」

もう一度、上条がキスをする

今度は触れるような優しいキスだ

美琴「な、なに?」

上条「察してみました」

美琴「・・・馬鹿」

ギュッ、と美琴が上条の手を握る

美琴「ほら、早く出ないと後の人達が来ちゃうから」

上条「あぁ、そうだな」

周りには様々な仕掛けがあるのだが、そんなものに目を奪われることはない

今は互いの姿しか視界には入らなかった

上条「・・・美琴、このあとはどこ行く?」

美琴「観覧車があったでしょ、あれに乗りたい!」



446 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/24(火) 17:50:11.55 ID:yZY4vcrw0
上条「あぁ、分かったよ」

アトラクションの外に出た二人はとても幸せそうな表情で観覧車に向かった

係員は不思議そうな顔で見ていたが、それも気に留まらなかった


垣根「・・・で、お前はまだ酔ってるのかよ」

垣根がため息をつく

上条と美琴がお化け屋敷・・・というかエイリアン屋敷に入ったため、必然的に二人は別のアトラクションに向かうはずだった

しかし心理定規はまだ気持ちが悪いらしく、ベンチで休んでいた

心理「ごめんなさい・・・」

垣根「あ、いや・・・別に責めてるわけじゃねぇよ」

心理定規の隣に座って、垣根が優しくその肩に手を回す

心理「なに?」

垣根「なんだよ、俺はお前の肩に手を回すのも許されないのか?」

心理「そうじゃないけど・・・」

垣根「だったらいいじゃねぇか、俺と二人きりになりたかったんじゃないのかよ」

心理「・・・よく分かったわね」

垣根「お前の考えてることならな」



447 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/24(火) 17:51:02.79 ID:yZY4vcrw0
心理「ふふ・・・嬉しいわ」

垣根「それで・・・大丈夫か?なんか飲みたいものとかないか?」

心理「大丈夫・・・まだ気分悪いけど」

垣根「ったく・・・俺と乗った時はそんなにならなかったのにな」

心理「・・・隣があなただったら大丈夫なのよ」

垣根「ん?なんか言ったか?」

心理「なんでもないわ」

ベンチに背を預けた心理定規がゆっくり目を閉じる

垣根「眠いのか?」

心理「違うわ・・・ちょっと疲れただけ」

垣根「なんで疲れたんだよ?」

心理「上条君と二人だったのよ?気を遣っちゃうじゃない」

垣根「そうなのか?」

心理「・・・なんかね・・・彼は素直だから、こっちも優しくしちゃうのよ」

垣根(絶対虐めてただろ)

心理「なによ」

垣根「なんでもねぇよ」



448 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/24(火) 17:51:32.72 ID:yZY4vcrw0
目の前を歩く客を目で追いながら、垣根がぶっきらぼうに答える

垣根「・・・で?わがままな姫様の気分はいつになったら優れるんだよ」

心理「そうね・・・まだダメっぽいわ」

垣根「はぁ・・・せっかくの遊園地なのにお前とはアトラクションを回れずに終わるのかな」

心理「う・・・」

垣根「だー!ゴメンゴメン!違うんだって、責めてるわけじゃないんだよ!」

手を振りながら、必死に垣根がフォローする

心理「・・・本当に?」

垣根「あぁ・・・悪かった、言い方がきつかったよ」

心理定規の頭を撫でながら垣根が笑う

心理「悪いと思ってるなら、キスしてちょうだい」

垣根「おいおい・・・こんな場所でかよ」

心理「いいじゃない・・・それとも私とキスするのはイヤなのかしら」

垣根「んなわけないだろ」

心理定規の柔らかい髪の後ろに、垣根が手を回す

サラサラとした手触りに少しだけ心が揺らぐ



449 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/24(火) 17:52:28.10 ID:yZY4vcrw0
胸の高鳴りを抑えながら、心理定規の唇をそっと奪う

奪う、というより受け取ると言ったほうがいいかもしれない

垣根「・・・これで満足か?」

心理「えぇ・・・素敵なキスだったわ」

クスクスと心理定規が笑う

周りを歩くカップル達も、ついその二人に釘付けになっていた

心理「あら、ずいぶん目立ったみたいね」

垣根「お前が綺麗だからじゃないかな」

心理「あなたが素敵だからよ」

幸せそうに笑いながら、二人はもう一度唇を重ねた

こういう遊園地デートも悪くはない、と垣根は思った




ショチトル「・・・はぁっ」

男性用のトイレ、その個室でショチトルは荒い息を吐いていた

エツァリ「・・・こんなことをしてしまうなんて俺はもうお終いだ・・・」

賢者になったエツァリはため息をついていた

偶然、他の利用者がいなかったからよかったようなものだ



450 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/24(火) 17:53:07.21 ID:yZY4vcrw0
ショチトル「なにを落ち込んでいる、これから出なければならないんだぞ」

エツァリ「それは問題ない」

めんどくさそうに答えながら、エツァリがトイレから外に出る

ショチトル「なんでだよ」

エツァリ「さっき俺達が入ってきてから、誰かが入ってきた気配はなかったからな」

ゆっくりとエツァリが辺りを見回す

エツァリ「よし、大丈夫だ・・・誰もいない」

ショチトル「はいよ」

ショチトルもその後についていく



上条「トイレトイレ・・・」

ショチトル「あ」

上条「あ」

運悪く、不幸な少年がやって来てしまった

エツァリ「か、上条さん!?」

上条「な、なんでショチトルが男子トイレから出てくるんだよ!?」

エツァリ「ま、待って下さい!あなた、御坂さんとは・・・」



451 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/24(火) 17:55:51.16 ID:yZY4vcrw0
美琴「当麻・・・!?ショチトル、なんでアンタそんな所から出てきたのよ!?」

エツァリ(最悪だ・・・)

エツァリが気づかなかったのだが、上条と美琴は普通にトイレに近づいて来ていた

ショチトル「なんだ、上条もトイレか」

上条「俺はちょっと手が洗いたかっただけ・・・じゃなくて!なんでお前がそっちから出て来たんだよ!?」

ショチトル「?なにかおかしいか?」

上条「お前がおかしいよ!」

ショチトル「まったく・・・私が男子トイレを使ったらいけないのか?」

美琴「いけないのよ!」

エツァリ「まぁまぁ・・・ここで再会したのも何かの」

上条・美琴「縁なんかじゃないから!」

ショチトル「この中で私が何してようが関係ないだろう」

上条「・・・何してたんだよ」

エツァリ「ア、アレですよ・・・」

美琴「アレ?」

エツァリ「・・・その、アレ・・・」

ショチトル「愛撫だ」

上条・美琴「」


452 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/24(火) 19:57:30.89 ID:yZY4vcrw0
ショチトル「ん?愛撫くらい知ってるだろう、相手の・・・」

美琴「アンタ達!!ここは遊園地なのよ!?」

ショチトル「あぁ、それがなんだ?」

上条「モラルってもんを持てよ!!あのな、そういうことはこういう場所でやって・・・」

エツァリ「・・・上条さん、それは聞き捨てなりませんね」

上条「は?」

ショチトル「公という空間とプライベートという空間、ここには明らかなる隔たりがある」

エツァリ「しかし、外でそういう行為に及ぶことは非常にその隔たりを薄めるのですよ」

ショチトル「分かるか?他ではできないことだ、私達は何も快感を得たかったのではない」

エツァリ「ただ、神が作ってしまった個という存在と衆という存在の壁を打ち破りたかったのです」

美琴「言い訳しないの」

上条「はぁ・・・お前ら、結局アトラクション乗らないでそういうことしてたのか?」

ショチトル「あぁ」

美琴「ちゃんと乗りなさいよね・・・」

ショチトル「エツァリの上になら乗ったぞ?」

上条「お前らなぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

ショチトル「冗談だ」


453 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/24(火) 20:08:48.59 ID:yZY4vcrw0
上条「・・・とりあえず、お前達は俺達と回ろうか」

美琴「えっ・・・?」

上条「な、なんで死にそうな顔になってるんだよ・・・」

美琴「な、なんで一緒に回るのよ!?別に別々で・・・」

上条「いやさ・・・こいつらほっといたらまたエロいことするだろうし・・・」

ショチトル「よく分かってるな」

上条「分かりたくなかったな・・・」

美琴「・・・アンタ達のせいで二人きりになれなかったのよ・・・」ブツブツ

エツァリ「そ、その・・・申しわけありません」

美琴「・・・私と当麻で仲良くデートの予定だったのに・・・」ブツブツ

ショチトル「ごめんな、美琴」

美琴「どうしてアンタ達はそうやっていっつもいっつも迷惑を・・・」ブツブツ

上条「み、美琴・・・いいタイミングでまた二人きりになろうな?」

美琴「ホント!?」

上条「あぁ、約束するよ」

美琴(よっしゃぁぁぁぁ!!!!)

ショチトル(めっちゃ輝いてるな)



454 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/24(火) 20:53:48.81 ID:yZY4vcrw0


垣根「・・・どうだよ、気分は」

心理「まぁまぁってところかしらね」

垣根「アトラクションを回る気分にはなるか?」

心理「・・・遠慮したいわ、まだ少しフラフラするもの」

垣根「飯は」

心理「食べられるわよ、大丈夫」

垣根「そうかい」

ベンチに腰掛けてから、既に1時間近く経ったのではないか

心理定規の体調が戻るまでずっとそうしていた

ようやく、動けるレベルには回復したらしい

垣根「・・・思えば、お前は朝から睡眠不足気味だったからな」

心理「それが大きな理由よ・・・」

垣根「・・・ってことは、間接的な原因は俺にあるのか?」

心理「えぇ、そうね」

垣根「ごめんなさい」

心理「いいわよ・・・ほら、ご飯にしましょう」

垣根「あぁ」



455 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/24(火) 20:56:51.08 ID:yZY4vcrw0
遊園地の中にあるレストランを適当に探す

ある程度混んではいるが、どうにか入ることが出来そうだ

垣根(そういやあいつらは飯食ったのかな・・・)

友人の顔を思い浮かべながら垣根が心理定規の手を引く

そして、レストランの中へと入った



上条「・・・はぁ、やっと飯だ・・・」

そこにはその友人がいた

ショチトル「・・・お兄ちゃん、私も食べてみてはどうだ?」

エツァリ「ショ、ショチトル・・・」

美琴「?お兄ちゃんってどういうこと?」

エツァリ「な、なんでもありません!!!」


心理「あらあら・・・みんなお揃いね」

上条「あれ?二人も来たのか」

美琴(・・・も、もしかして二人きりになれないフラグ!?)

垣根「おうよ・・・さすがにアトラクション回る気にもなれなくてさ」

エツァリ「自分達も、あまりこういうのは合わないようです」

心理「それは残念ね・・・」


456 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/24(火) 21:14:38.51 ID:yZY4vcrw0
上条「そっか・・・かなり混んでるから結構移動も面倒だもんな」

垣根「どうする?昼飯食い終わったらもうホテルに帰るか」

美琴「えっ・・・」

垣根「なんだよ・・・てめぇ、上条と二人きりになりたいんだろ?」

美琴「そ、そうだけど・・・せっかく遊園地に来たのに・・・」

垣根「・・・水着で上条にセクシーアピール、それが効くとは思わないか?」ボソッ

美琴「」ピクッ

心理「・・・まぁ、私も別に構わないわよ」

ショチトル「私はむしろプールがありがたいな」

エツァリ「自分もですね・・・女性の水着は美しいですから」

垣根「・・・で?御坂はどうする」

美琴「いいわよ・・・帰ればいいんでしょ帰れば!!」

垣根(ちょろいな)

上条(・・・美琴の水着姿、久しぶりに見るな)

心理「さぁ、そうと決まればさっさとご飯を済ませちゃいましょうよ」

垣根「あぁ」


457 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/24(火) 21:21:38.58 ID:yZY4vcrw0
今日はここまで

ちょっと駆け足でやらないと旅行だけで長くなってしまうので

筋肉動画は>>1の一番好きなビルダー、セルジオ・オリバの息子さん

http://www.youtube.com/watch?v=PvrPXA1Bnac 

セルジオjr、やはり父親の素質を受け継いでいますね

もっとハードにトレーニングすればすごいことになりそうです

そして「オリバーポーズ」では盛り上がる盛り上がるww

神話は続くものです、かっけぇ

ではおやすみなさい


458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/24(火) 21:21:53.40 ID:p0glnJrzo
水着姿の心理タソハァハァ
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/01/24(火) 22:17:03.40 ID:Dbc2Nr5W0
水着姿の美琴タソハァハァ
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/24(火) 23:29:14.88 ID:Rv7DCT4mo
乙なんだよ
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/01/24(火) 23:34:44.53 ID:YZvlNLlbo
数ヶ月ぶりに板覗いたらまだやってたwwww
いつ追いつくかわかんないけどログ読んでくる
それにしても29スレとかすげえな
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [sage]:2012/01/25(水) 00:00:13.29 ID:a7T/ELRS0
乙〜
これからもずっと続けてほしい!
463 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/25(水) 17:05:14.80 ID:hiE8buUH0


上条(一体どうしてこうなったんだ・・・)

上条は必死に冷静さを取り戻そうとしていた

遊園地で食事を済ませ、一同はホテルに帰ってきた

その最中は特に変わったことはなかった

垣根と心理定規はバスの中で睡眠を取り、エツァリとショチトルは外の景色を楽しんだ

上条と美琴はプールを楽しみにしていた

そして、今はホテルのバスルームにいる

目の前には全裸の美琴

恥ずかしそうに、大切な部分を手で隠している

水着に着替えよう、ということなのだが美琴が選んだ水着は一人だと着るのが難しいらしい

よって、上条が着せてあげることになったのだが

上条(隠す素振りが可愛いぞ!)

顔を真っ赤にして、チラチラと上条の様子を伺う美琴

その羞恥の表情が堪らない

いきなり抱き着いて驚かせたくなってしまう

美琴「・・・早く着せなさいよ」



464 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/25(水) 17:05:51.77 ID:hiE8buUH0
上条「下くらいなら自分で着られるだろ?」

美琴「か、隠せなくなるじゃない!」

上条「いいじゃんか、恋人だろ?」

美琴「う・・・アンタ、見たいだけなんじゃないの?」

上条「いやいや・・・」

スッ、と上条が美琴の太ももに触れる

美琴「なっ・・・!?」

スベスベとした肌の感触

適度に引き締まったその太ももは、健康な学生の象徴だった

上条「いいよなぁ・・・自販機蹴って鍛えたのか?」

美琴「はぁっ・・・ちょっと、触り方がやらしい・・・」

上条「ん?」

スーッ、と上から下に滑らせるようにして撫でる

美琴「んっ・・・は、放しなさいよ・・・水着着られないじゃない」

上条「あ、あぁ」

手を放すと、少し恥ずかしそうにしながら美琴が水着の下を着はじめた

上条(・・・は、早くしないと・・・)



465 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/25(水) 17:06:29.12 ID:hiE8buUH0
次は心理定規が水着に着替えると言っていた

垣根に手伝いを頼まなかったということは一人で着られるのだろう

上条「・・・!?」

次に美琴が水着の上を差し出す

しかし、今まで美琴が愛用していたようなフリフリの水着ではなかった

深紅、セクシーさを引き出すための色の水着

上条「な、なんだよこれ!?」

美琴「い、いいでしょ!?」

上条「周りの男に注目されたらどうすんだよ!?」

美琴「だ、だって当麻は大人っぽい女性が好きなんでしょ!?」

上条「そ、そうだけど・・・」

美琴「・・・アンタが喜んでくれると思ってわざわざ買ったのよ」

上条「」

あぁ、自分はなんて幸せ者なのだろうか

頭をハンマーで殴られたような衝撃を上条は感じていた

上条「俺のためにわざわざ買ったのか・・・」

美琴「そ、そうよ・・・」



466 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/25(水) 17:07:20.85 ID:hiE8buUH0
上条「・・・可愛いな、お前」

美琴「い、いいから早く着せなさいよ!」

上条「あぁ・・・」

スーッ、と手を伸ばす

可愛らしい胸が自然と目に入る

上条(落ち着け・・・触れてはならない・・・)

そう思いながらも、掌は自然と胸に伸びる

美琴「あぅっ・・・」

上条「・・・い、一回だけ・・・」

美琴「ダ、ダメだってば・・・あっ!」

上条「・・・気持ちいいんだろ?」

美琴「や、やめてって・・・」

上条「でも体はピクピクしてますよ?」

美琴「う・・・」

顔を俯かせるが、それが真っ赤に染まっていることは隠せない

上条(これなら・・・)

イかせられる、と上条が思った時



467 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/25(水) 17:07:54.32 ID:hiE8buUH0
心理「何してるのよあなた達」

上条・美琴「!?」

いきなりバスルームのドアが開かれた

上条「心理さん!?何いきなり・・・」

心理「あら・・・お楽しみ中だった?」

美琴「ち、違う・・・んっ!」

心理「へぇ、美琴ったら意外と可愛い声出すのね」

美琴「な、なに・・・」

上条「も、もうちょっと待っててくれよ!すぐ・・・」

心理「いいわよ、一緒に着替えちゃえば早いんじゃない?」

上条「・・・は?」

心理「私も着替えるから、いいでしょ?」

上条「ダメダメ!」

そうなったらまずい、と上条が慌てて首を振る

心理「なら早くしなさいよ・・・ショチトルと私が待ってるんだから」

上条「は、はい」

バタン、と荒々しくドアが閉められる

恐らく心理定規は急かすためにあんなことを言ったのだろう



468 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/25(水) 17:09:03.70 ID:hiE8buUH0
美琴「・・・ほら、とりあえず早く着させてよ」

上条「・・・あぁ」

すっかり熱の醒めた二人は、そのあと何事もなかったかのように着替えを済ませた




上条「・・・女ってさ、Tシャツ脱ぐのに時間掛かるのかな」

プールサイドで上条は悪態をついていた

部屋からプールまで移動するのはもちろん徒歩だ

さすがにその間も水着でいるわけにはいかない

よく使う、水着の上にTシャツとズボン作戦を取ったのだが

女子達はまだやって来ない、ロッカールームで上と下を一枚ずつ脱ぐだけなのに

エツァリ「・・・そうですね、たしかに遅いです」

垣根「・・・水着が一緒に脱げちゃったとかじゃねぇのか」

上条「なんだよそのベタな展開・・・」

垣根「・・・ウォータースライダーもあるんだな、室内なのに」

上条「外にもあるみたいだな・・・ホントにホテルかよ」

気を紛らわすためにプールを観察する

下手な市営プールなんかより立派なものだ


469 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/25(水) 17:10:03.31 ID:hiE8buUH0
ウォータースライダーはもちろん、人工的に波を起こすプール、さらにはビーチパラソルまである

外では日焼けを楽しむ若いカップルもいた

上条「・・・垣根はどうする?やっぱり心理さんと二人か?」

垣根「うーん・・・お前らと一緒でいいかな、どうせ遊ぶなら」

エツァリ「自分もそれがいいですね・・・ウォータースライダーで競争、なんていうのに憧れますから」

上条「あぁ、いいなそれ」

ははは、と三人が笑う

こんな会話をする季節か、というとそうでもない

このホテルに来なければこんな会話なんてしなかっただろう

上条「・・・にしても女子は・・・」

美琴「・・・悪かったわね」

突然、上条が後ろから抱きしめられる

上条「おわっ!い、いつの間に・・・」

美琴「私が先に脱ぎ終わったから・・・」

エツァリ(言い方がエロいですよ御坂さん)

上条「そっか・・・っていうか、抱きしめられたらまずいんですが」



470 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/25(水) 17:10:58.66 ID:hiE8buUH0

美琴「な、なんでよ・・・それより、似合ってるかな?」

真っ赤な水着を少し不安そうに美琴が指差す

上条「あぁ、似合ってる」

美琴「よかった!」

垣根「へぇ・・・子供子供って思ってたけどわりとそういうのも似合うんだな、見直したぜ御坂」

美琴「なんかアンタが素直に褒めると怖いわ」

エツァリ「素敵ですよ、御坂さん」

美琴「ごめん、見ないでもらえる?」

エツァリ「」

ショチトル「そんな冷たいことを言ってやるなよ」

垣根「お、お前も来たか・・・」

ショチトルは黒い水着だった

彼女は非常にグラマラスなのだが、さらにそれが引き立っている

もうダイナマイトなんてものではない

上条「お前は相変わらず派手だな・・・」

ショチトル「んん?なんだ、挟んでほしいのか?」



471 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/25(水) 17:11:43.36 ID:hiE8buUH0

上条「誰もそんなこと言ってないから・・・」

エツァリ「素敵ですよ、ショチトル」

ショチトル「ありがとう・・・お前も中々似合ってるな」

エツァリ「赤いトランクスみたいなものですが」

上条「あれ、お前は赤だったのか」

垣根「俺と上条は黒だな」

美琴「男にとっては無難な色よね」

垣根「他にいい色もないからな」

心理「あら、あなただったらどんなのでも似合いそうだけど?」

垣根「お、来たか・・・」

後ろから聞こえた声に垣根が振り返った

彼の予想では、心理定規は赤や黒といったセクシーな水着を着ているはずだった

彼女は大人な魅力を持っているため、今まではそれを全面に押し出していたのだから

しかし

垣根「な!?」

今日の彼女は違った

男一同「白だと!?」



472 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/25(水) 17:12:15.43 ID:hiE8buUH0
心理「あら、清楚でいいんじゃないかしら」

ふふふ、と心理定規が笑う

本来、白とは一番清楚な色である

純粋無垢なお嬢様が着ていそうな水着だ

しかし心理定規が着るとどうだろうか

彼女の真っ白な肌と一体になるため、ぱっと見た感じは肌の一部にさえ感じられる

さらに華奢とはいっても中々グラマラスな彼女の体によって、純粋さの中にセクシーさが溢れていた

大人っぽい感じと子供っぽい感じが共存しているのだ

垣根「か、かかかか可愛いじゃねぇかよ!なんだそれ!?」

心理「たまには大人っぽさを捨ててもいいと思ったのよ」

美琴「な、なんて色気なのよアンタ・・・」

上条「・・・」

美琴「!?ちょっと、当麻!見とれないの!」

上条「あ、いや・・・美琴が着てたらもっと可愛いだろうなってさ」

美琴「!」

心理「あら、私と美琴の体を重ねてたのかしら」

エツァリ「中々マニアックなプレイですね、上条さん」



473 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/25(水) 17:19:05.96 ID:hiE8buUH0
心理「ごめん、あなたは見ないでちょうだい」

エツァリ「」

ショチトル「しかし・・・本当にすごい色気だな」

心理「あなたこそすごいわよ?」

ショチトル「ふん・・・体の柔らかさなら私が上だが、雰囲気なら明らかにお前が上だろう」

上条「でも一番可愛いのは美琴だよな」

垣根「ちっ、惚気かよ」

エツァリ「さて・・・みなさん揃いましたし、何かしましょうか」

上条「まずはウォータースライダー行こうぜ!」

美琴「いいわね!」

心理「ふふ・・・じゃあ行きましょう」

垣根「おうよ」



ウォータースライダーのいいところは様々だが、一番の長所は恋人と体を密着させながら滑れることだろう

きゃー、なんて言いながら怖がる女の子を抱きしめながら滑るのだ

上条(よーし!!俺は美琴とイチャイチャしながら滑る!!)

そして、上条はそんな男の夢を叶えようとしていた


474 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/25(水) 20:22:09.98 ID:hiE8buUH0
美琴「?どうしたのよ、ニコニコして」

上条「いや・・・なんでもないよ」

ウォータースライダーの出発点

周りにはそれほど客もいない、ほとんど二人きりに近かった

美琴「・・・にしても、中々高いわね」

上条「それに長いし・・・」

周りをビニールで覆われたウォータースライダーだ、これなら周りの目を気にせずに密着できる

上条(よっしゃぁぁぁ!!待ちに待った二人きりの・・・)

垣根「おーおー、長いなこのウォータースライダー」

上条「・・・邪魔だからどっか行ってくれ」

心理「失礼ね」

ショチトル「ふむ・・・二本しかウォータースライダーはないのか」

エツァリ「では自分達が後で・・・」

垣根「いや、俺たちでいいよ」

ショチトル「いいのか?」

垣根「あぁ」

美琴(・・・なんとなく嫌な予感がするわ)


475 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/25(水) 21:15:07.20 ID:hiE8buUH0
今日はここまで

筋肉動画は「ミッシェル」さん

http://www.youtube.com/watch?v=eahZ3n-JSv8 

ダンスうめぇww

ナチュラルっぽいですね

では

476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/25(水) 23:04:06.72 ID:MGg9E1yCo
乙なんだよ
477 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 10:01:01.89 ID:ApXeuW3S0
上条「じゃあ先に滑らせてもらうな」

若干の不安を感じながらも、上条が美琴と一緒にウォータースライダーの入口に向かう

かなりの長さがあるため、中々時間が掛かりそうだ

ショチトル「どっちが先に着くか競争するか?」

上条「望むところだ!」

心理「はしゃぎすぎて怪我しないようにね」

エツァリ「大丈夫ですよ」

美琴「じゃあ行きましょう!」

美琴が上条の膝の中に体を入れる

すっぽりと綺麗に収まった美琴の体を、上条は優しく抱きしめる

上条「よし!じゃあ・・・」

ショチトル「スタート!」

二組のカップルが勢いよくスタートを切った

垣根「・・・速いな、もう見えなくなった」

心理「コースが曲がりくねってるから仕方ないわよ」

垣根「さて・・・俺達も行くか」

心理「?まだスタートしたばかりじゃない」



478 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 10:01:30.49 ID:ApXeuW3S0
垣根「だからだよ」

コキコキ、と首を鳴らしてから垣根がスタート地点に移動する

垣根「速さってもんをヤツらに教えてやるんだ」

心理「・・・ぶつかるわよ」

垣根「砕けるか、それとも生き残るかさ」

手招きをしながら垣根が答える

心理「・・・もしかして、私も?」

垣根「お前と滑らなきゃ意味ないだろ」

心理「怪我したくないんだけど」

垣根「させないって」

心理「はぁ・・・ちゃんと守ってよね」

諦めた心理定規が垣根の膝の中に移動した

垣根「にしても中々いいアングル・・・」

心理「いいから、早く」

垣根「分かった分かった」

ため息をついてから、垣根が勢いよくスタートを切った




479 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 10:01:58.20 ID:ApXeuW3S0


上条「は、速い速い!」

美琴「ちょっ・・・曲がりきらないわよ!」

壁がビニールだからよかった、と二人は冷や汗をかいていた

急な下り坂でスピードがかなり出ている

さらにきついカーブのせいで二人の体はグルングルンと回っていた

怪我をしないように上手く作られてはいるが、少しでも気を抜けばひっくり返ってしまいそうなコースだ

美琴「当麻、しっかり掴んでてよね!?」

上条「当たり前だろ!」

今はコースのどこにいるのか、それさえ分からない

ちなみにまだ4分の1程度なのだが

上条「これならエツァリ達もかなり苦戦してるだろうな」

美琴「なら少しでも差をつけて・・・」

猛スピードの滑降を続けていたが、ふと美琴があることに気づいた

美琴「・・・後ろから誰かが来てる」

上条「はい?」



480 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 10:02:24.93 ID:ApXeuW3S0
美琴「・・・レーダーに反応があるのよ」

上条「ま、まさか別のお客さんか!?」

美琴「それなら入口の垣根達が注意するはず・・・」


上条・美琴「垣根!?」

垣根「はははは!ひゃっほー!」

心理「いやぁぁぁぁ!」

二人の後ろから聞き覚えのある叫び声が聞こえてきた

垣根「滑る間に自然と濡れていく愛する人の体、それを抱きしめることによって火照る自分の心!吊橋効果も相まって二人の愛情はより一層深まる!滑って行ったその先には、幸せという名の終着駅が待っている、それがウォータースライダーなんだよ!」

上条「ちょ、なんでお前まで来てるんだよ!?」

美琴「私達がまだ滑り終えてないってことくらい分かってたでしょ!?なんで・・・」

垣根「そこにウォータースライダーがあったからだよ!」

上条・美琴「答えになってないから!」

垣根「ははは!後から滑った俺達に追いつかれるなんてなぁ!」

ぎゅっ、と心理定規の体を抱きしめた垣根

その体が、上手く上条達を避ける

上条「こ、このスピードで体をコントロール・・・」

垣根「速さが足りないんだよぉぉ!」



481 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 10:03:13.33 ID:ApXeuW3S0
ビュオン、という不気味な音を鳴らしながら垣根は上条の前に出た

そう、信じられない体のコントロールによって前を行っていたはずの上条を追い抜いたのだ

垣根「あばよ!俺は先に行かせてもらうぜ!」

美琴「ちょ、ちょっと・・・」

心理「止めてぇぇぇぇ!」

上条「お、おい・・・心理さんが」

垣根「ひゃっはー!!!!」

美琴「き、聞いてるの垣根!?」

垣根「ははは!これが俺の速さなんだよ!」

意味の分からないことを言いながら、垣根はカーブの向こうに姿を消した

上条「心理さん泣いてなかったか・・・?」

美琴「!当麻、前!」

上条「おわぁぁぁぁ!」

気を抜いた上条の体が、後ろ向きになる

上条「まずっ・・・」

美琴「にゃぁぁぁぁ!」

そして後ろ向きのまま、二人は更にスピードを増していった



482 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 14:32:13.75 ID:ApXeuW3S0


垣根「にゃっはっは!!俺達が一番だ!!」

ウォータースライダーの出口、そこはもちろんプールだった

その中ほどで垣根は誇らしげに腕を組んで笑っていた

周りのおしとやかな女性達がなぜか拍手をしているが、ツッコんではいけない

心理「・・・なんでこんなに速いのよ・・・」ブルブル

垣根「それが!!速さなんだよ、心理定規ォ!!」

心理「・・・あ、ショチトル達が来たわよ」


エツァリ「ゴールしましたよ!!」

ショチトル「よっしゃぁ!!まだ上条達は来てない・・・」

垣根「遅い!!遅すぎるぞお前達!!」

エツァリ「!?か、垣根さん!?」

ショチトル「馬鹿な、どうしてここに!?」

垣根「がっはっは!!俺達がここから滑ってきたのに気づかないとはなぁ!!」

未だ上条達が滑降中のウォータースライダーを指しながら垣根が笑う

エツァリ「そんな・・・上条さん達は!?」

垣根「追い抜いたのさ!!」

ショチトル「そ、そんな技術が・・・!?」




483 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 16:11:51.86 ID:ApXeuW3S0
ショチトル「・・・やるな垣根」

垣根「ははははは!!誰も俺に追いつけない!!」

エツァリ「・・・それはそうと、上条さん達が来ませんね」

心理「まだ滑ってるのかしら」

垣根「・・・いや、来たみたいだな」

四人が耳を済ませると、上条と美琴の悲鳴が聞こえてきた


上条「おわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

美琴「な、なんで後ろ向きなのよぉぉぉ!?」


垣根(・・・来るか)

そっと四人が遠ざかる

すごいスピードで降りてくる二人だ、ぶつかったら一溜まりも無い

エツァリ「・・・!!」


上条「ぎゃぁぁぁ!!!」

美琴「にゃぁぁぁぁ!!」

ボーン、と勢い良く飛び出した二人はそのまま水面に叩きつけられようとしていた

上条(こ、このままじゃプールの底に美琴がぶつかる!!)

すっと手を伸ばし、上条は美琴を抱きしめた


484 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 16:14:44.22 ID:ApXeuW3S0
美琴「えっ・・・」

心理「!!」

ゴチーン!!という漫画のような馬鹿げた音を立てて、上条の頭が底に当たった

しかし、どうにか美琴は守りきれたらしい

上条(あ・・・意識が・・・)

クラクラと揺れる頭が、さらに揺れている水面を捉えた

美琴「当麻、当麻ぁ!!」

垣根「うっわ・・・こりゃ痛いぜ」

ショチトル「暢気に言っている場合じゃない、早くプールサイドに引っ張っていけ!」

エツァリ「そ、そうですよ!!」

垣根「はいはい・・・」

上条(くっそ・・・体が動かない・・・)

美琴「当麻ぁぁぁぁ!!」

心理「・・・意識が無くなったみたいね」

垣根「とにかく、運ぶぞ」

心理「ほら・・・美琴ったら泣かないの」

美琴「うぅ・・・」グスン



485 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 19:35:27.80 ID:ApXeuW3S0

上条「・・・う・・・」

後頭部の鈍い痛みに顔をしかめながらも、上条はゆっくりと目を開けた

誰かが心配そうに彼の顔を覗き込んでいる

上条「美・・・」

心理「あらよかった・・・目が覚めた?」

上条「・・・あれ、なんか美琴にしては声が澄んでるな・・・」

心理「・・・あのね、そんなこと美琴が聞いたら怒るわよ」

上条「・・・なんで心理さんなんだよ?」

心理「失礼するわね、私だったらいけないの?」

プールサイド、というよりもそこにあるビーチパラソルの下

そこに上条は寝ていた

上条「美琴は?」

心理「今タオルを取りに行ってるわ、あの子ってばかなり焦ってたわよ」

上条「タオル?」

心理「水に浸してあなたの頭を冷やすんですって」

上条「他のみんなは?」

心理「念のため美琴についていったわよ、あの子本当に泣きそうだったんだから」


486 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 19:38:41.22 ID:ApXeuW3S0
上条「そっか・・・」

心理「それで、一番冷静でいられる私が残ったってこと」

上条「地味に自慢が入ってますね」

心理「それよりどうなのよ、まだ痛む?」

上条「うーん・・・多分コブになってるかもな」

心理「ほら、ちょっと後ろ向いてみて」

上条「?」

言われるがままに上条が後ろを向く

心理「あらホント・・・ちょっとコブになってるわ」

上条「やっぱりか・・・どうりでジンジンすると思ったよ」

心理「大丈夫?」

上条「!?」

心理定規が優しく上条の後頭部をさすり始めた

別にいやらしい行動ではないのだが、なぜか上条はドキドキとしてしまった

上条「な、何してるんですか!?」

心理「あら、介抱よ」

上条「違うだろ絶対に!!!」


487 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 19:43:14.25 ID:ApXeuW3S0
心理「ほら騒がないの・・・」

上条「う・・・」

心理「全く・・・ごめんなさいね、垣根があなた達を混乱させたのも原因の一つよ」

上条「いや・・・心理さんは悪くないですよ」

心理「・・・垣根を止めなかったのは私の責任でしょ」

上条「だ、だから心理さんは悪くないんだって!!」

心理「いいのよ、とにかく友人を介抱するのは当たり前でしょ?」

上条「・・・そ、そうだけどさ」

後頭部に触れている優しい掌に、つい意識を集中してしまう

上条「・・・あの、今美琴が来てしまったら勘違いされてしまいそうですよね?」

心理「あら、そんなことないわよ」

上条「でもさ・・・」

心理「・・・なに?もしかして私の母性に溺れたいのかしら」

上条「お、溺れるのは御免ですよ」

先ほどまで水の中をプカーッと漂流していたのだ、今はそんな言葉を聞きたくない

心理「・・・それにしても遅いわね、みんな」

上条「・・・たぶん、美琴が泣いてるのかもな」

心理「はぁ・・・本当にそうかもしれないわね」



488 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 19:47:03.84 ID:ApXeuW3S0
上条「・・・」

心理「・・・」

ずーっと頭を撫でられているというのは気まずいものだ

かといってそれを特別に意識しているような素振りをしてしまうと更に気まずくなる

上条「・・・心理さんってさ」

心理「なに?」

上条「看護師さんとか似合ってるかもな」

心理「いきなりなによ?」

上条「・・・いや、こういうのとか得意そうじゃんか」

心理「・・・あのね、ナース姿の私を想像するのは勝手だけど」

上条「してませんから!!」

心理「・・・それで、少しもよくならない?」

上条「うーん・・・あんまり変わらない・・・」

心理「そっか・・・私じゃやっぱりダメよね」

上条「!!い、いやいや!!心理さんの介抱は最高ですよ!!!」



美琴「・・・へぇ、そういうこと」

上条「」


489 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 19:51:28.65 ID:ApXeuW3S0
心理「あら、お帰りなさい」

上条「み、みみみみみ美琴さん!?」

美琴「そうだったんだ・・・へぇ、心理定規の介抱が受けたくて怪我したわけ、へぇ」

上条「か、勘違いなんだってば!!」

垣根「・・・上条、あの御坂を救ったのは演技だったのか・・・」

ショチトル「すごいな上条・・・」

エツァリ「気づきませんでしたよ」

上条(こ、このタイミングで帰ってくるか!?)

美琴「・・・心配して損したわよ、馬鹿」

上条「えっ?」

ぎゅっ、と美琴が上条を抱きしめる

先ほどまでの怒ったような表情から一転して、本当に安心したような表情を浮べていた

上条「あ、あの・・・」

美琴「・・・本当に心配したんだから」

上条「」


上条(こ、この緩急差はなに!?めちゃくちゃ恐ろしい緩急!?)


490 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 19:57:20.60 ID:ApXeuW3S0
美琴「分かってるわよ・・・ちょっとタイミング悪く私達が帰ってきただけでしょ?」

上条「わ、分かってたのか?」

美琴「当たり前でしょ・・・」

目を潤ませながら、美琴が答える

上条「な、なんで泣いてるんだよ・・・」

美琴「・・・アンタが気失うから」

上条「そ、それはその・・・」

美琴「馬鹿みたいよ・・・私を庇わなきゃ、アンタはそんなに怪我しなかったのに」

上条「・・・え、え?」

垣根「はぁ・・・上条、お前御坂がどんだけ心配したか知らないだろ」

ショチトル「まぁ、頭ぶつけて気絶すれば心配もするよな」

エツァリ「・・・そうですよ、本当にあなたは・・・」

上条「・・・美琴」

美琴「なによ・・・」

上条「・・・たしかにさ、俺はお前を庇って怪我したのかもしれないけど、お前は怪我してないじゃないか」

美琴「!!!」

上条「俺が庇ってなかったら、お前も怪我してただろ?それに比べたらこんな痛みなんともないよ」

美琴「」キュン


491 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 20:02:51.69 ID:ApXeuW3S0
ショチトル(な、なんてイケメンなんだ!!)

エツァリ(この人に・・・自分はかつて勝負を挑んだのですか!!)

心理(あら、羨ましいくらいラブラブね)

垣根(チンポジが気になる)

上条「だからさ、泣く代わりに介抱してほしいんですけど」

美琴「メ、心理定規の介抱のほうがよきゃったんじゃないの!?」アタフタ

上条「噛んでる噛んでる」

垣根「・・・甘いな、お前達」

ポン、と垣根が上条の肩に手を置く

上条「あぁそうだ垣根」

垣根「はい」

上条「俺達がバランス崩したのは、元はといえばお前の登場で集中が途切れたからなんだけど」

垣根「・・・心理定規、一緒に波のプール・・・」

心理「行ってもいいけど、まずは謝りなさいよ」

垣根「ショチトルぅ!!一緒に俺とエンジョイプレイしないか!?」

ショチトル「まずは謝れ」

垣根「・・・」

エツァリ「・・・」



垣根「すいませんでした」

エツァリ(え?)


492 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 20:09:30.59 ID:ApXeuW3S0
上条「はぁ・・・いいよ別に、俺だって責任はあるし」

垣根「ま、御坂の介抱があれば大丈夫だろ」

上条「じゃあお前達はもう行くのか?」

ショチトル「あぁ・・・先に行って待ってるよ」

上条「死亡フラグを建てるな・・・」

心理「上条君・・・もしも、もしも何かあったら電話してね」

上条「そういうのもやめてくれ」

垣根「ミコっちゃん、上条のこと頼んだぜ」

上条「そんな呼び方するな!!」

エツァリ「お大事に、上条さん」

上条「美琴、タオル貸してもらっていいか?」

美琴「うん、冷やしてあげようか?」

上条「サンキュー、愛してるよ」

美琴「//」

エツァリ「」

ショチトル「ほら、行くぞ唐変木」


493 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 20:16:30.34 ID:ApXeuW3S0

上条「・・・はぁ、それにしても最近心理さんがやけにちょっかい出してくるな・・・」

美琴「あぁ、たしか垣根にヤキモチ妬かせたいみたいね」

上条「ふーん」

美琴「って、アンタもちょっかい出されてるの?」

上条「?もってどういうことだよ」

美琴「私もなんだかんだちょっかい出されるのよね」

上条「・・・心理さんってさ、やっぱり魔性だよな」

美琴「うん、でもたまにちょっとめんどくさいわよね」

上条「・・・そんなこと言うなよ」

美琴「も、もちろんイヤなわけじゃないわよ!?心理定規は優しいし・・・それに大人だから好きなんだけど、ちょっかいは・・・」

上条「ま、まぁたしかにうざったい時はあるけどな」

美琴「う、うん」



心理「・・・そ、そうなの?」

上条・美琴「」

心理「わ、私のちょっかいって・・・不愉快だったの?」ウルウル

上条「えぇぇぇぇ!?なんでここにいるんですか!?」

美琴「か、垣根は!?」


494 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 20:22:56.86 ID:ApXeuW3S0
心理「・・・上条君の調子がよくなったら来てくれって伝言を・・・言いに・・・」

上条「そ、そうだったのか!」

美琴「あ、あははは!!冗談よ心理定規、その・・・」

心理「・・・不愉快・・・だった?」

美琴(な、なんでこんな泣きそうな顔になってるの!?)

上条(ど、どうして?)

心理「そうよね・・・結局、私とあなた達は友達って言っても他人ですものね・・・」フルフル

上条「そ、そんなこと・・・」

心理「いいのよ・・・私の能力は人の心の距離を操るものよ・・・今までだって、いろんな人との距離を測ってきたわ・・・」

美琴「そ、その・・・」

心理「・・・あなた達も・・・結局、私から離れるのね・・・」

上条(そ、そうだよな・・・心理さんって暗部にいたみたいだし・・・)

美琴(そこがどういう所かは分からないけど・・・きっと、友達なんて作れる状況じゃなかったのよね)

上条「心理さん、たしかに距離ってのは開くこともあるけどさ・・・縮まることもあるんだ」

美琴「・・・そうよ、なにも離れるだけじゃないわよ」

心理「で、でも・・・」

上条「・・・誰だって、離れたり近づいたりを繰り返すけど・・・それが友達なんだよ」


495 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 20:27:41.70 ID:ApXeuW3S0
心理「か、上条君・・・」

上条「・・・心理さんはちょっと友情に不器用なだけなんだよな」

美琴「そ、そうそう!!こういうイタズラとかも愛情表現なのよね!?」

心理「・・・?こういう?」

美琴「え・・・い、今落ち込んでるのも演技なんじゃないの?」

心理「」

上条「み、美琴!!」

美琴「ち、違ったの!?てっきり腹黒心理定規が出てきたのかと・・・」

心理「美琴、ちょっとこっち来てくれない」

美琴「な、なんでそんな物陰を指差し・・・」

心理「来い」

美琴「はい」

上条「み、美琴・・・さん?」

心理「ちょっとだけ借りるわよ、上条さん」

上条「さ、さん!?」

美琴「と、当麻ぁ!!」

上条「あ、謝ったほうが・・・」

そんなことを言っている間に美琴は物陰に連れて行かれた



496 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 20:36:02.22 ID:ApXeuW3S0
上条(だ、大丈夫なのか?)

上条には遠くから声を聞くしかできない

しかし、なにやら面白い会話が聞こえている


美琴「な、泣かないでって・・・ごめん」

心理「ほ、本当に・・・私のこと好き?」

美琴「大好き大好き!友達だもん!!」

心理「でも・・・信じてくれなかったじゃない」

美琴「ちょっと疑っただけよ・・・でも、心理定規のそういうイタズラもアンタのいいところじゃない、可愛いし」

心理「!!!ホント?」

美琴「だから、これからも友達よ?」

心理「うん!!」


上条「あ、お帰りなさい」

美琴「お待たせ」

心理「・・・と、友達・・・」ドキドキ

上条・美琴(なんだこの可愛い子)

心理(・・・フレンド・・・)ドキドキ

垣根(・・・フレンダ・・・)ムラムラ

上条(どこから来た)


497 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 20:49:57.33 ID:ApXeuW3S0
今日はここまで

筋肉動画は二人の神話の対面

http://www.youtube.com/watch?v=NFXGB8wgDVU 

オリバはリーのこと知らないみたいですねw

神話の異名とオリバーポーズを受け継いでいるのはリーですが、二人につながりがあるわけではないですからね

にしても、オリバは老けましたね・・・2010年のオリンピアエキスポにも来ていたようですが、さすがに年には勝てませんか

耳も遠くなっているようですし、なにより彼の体質である「筋腹が長すぎる故に腱が短い」は年を取れば取るほどきついでしょうから

ですが、それでもボディビルの大会にはちょくちょく顔を出しているようで嬉しいです

アーノルドとオリバ、ショーンとケビンは永遠のライバルでありよき友って感じですね

今のオリンピアにはそこまでの浪漫がないような気がします

ではおやすみなさい


心理定規の声、なぜか頭でカリンのときみたいな真綾さんで再生されるときがあるww


498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/26(木) 21:28:17.30 ID:dGz37EMpo
心理タソは初めて見たときからマーヤで脳内再生される…
499 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/26(木) 21:43:16.79 ID:ApXeuW3S0
>>499 禁書好きな友達は「林原めぐみ」の声で脳内再生されるらしいですが

>>1としてはマーヤさんがいいよマーヤさん

というかね、心理定規の活躍が楽しみでしょうがないですよね

ていとくんもだけど


500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/27(金) 00:36:23.00 ID:mk56SFYIo
乙ですの
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/01/27(金) 01:52:43.63 ID:oFrMm5Zeo
乙なんだよ

心理タソの声の脳内再生はTOVのジュディス声の久川綾だな
502 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/27(金) 08:57:27.74 ID:oqG/ZYddo

相変わらず早いな〜
503 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/27(金) 10:37:19.38 ID:QmLASgUh0
上条「なんで垣根まで来たんだよ・・・」

垣根「心理定規の泣いている声が聞こえたからさ!」

心理「な、泣いてなんかないわよ」

垣根「まぁ嘘はおいといて・・・エツァリとショチトルを二人にしてやりたくてな」

心理「あら、あの二人を二人きりにしていいのかしら」

上条「そ、そうだって!二人きりなんかにしたら・・・」

垣根「安心しろ・・・俺はあいつらを信じる、きっとバレないようにヤると」

美琴「なんか信じることが間違ってるわよね」

垣根「まぁ・・・つまり俺も暇だから来たんだよ」

上条「暇だからってな・・・」

心理「そうね・・・せっかく上条君と美琴が二人きりになれるはずだったのに」

美琴「いや、心理定規がいるから結局二人きりじゃないのよ」

心理「あら、私が邪魔だって言いたいのかしら」

美琴「そういうわけじゃないけど・・・」

上条「ほら・・・邪魔とかじゃなくて二人きりじゃないってこと」

心理「それって邪魔ってことよね」

垣根「・・・仕方ないだろ、俺達だって二人になりたいんだぜ?」



504 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/27(金) 10:37:46.14 ID:QmLASgUh0
美琴「なら二人もどっかに行けば・・・」

垣根「だがなぁ・・・波のプールにはエツァリとショチトルがいるんだ」

美琴「流れるプールは?」

垣根「あそこはいやだ、俺は流されたくなんかない人間なんだよ!」

美琴「なによそれ」

上条「じゃあ遊具がたくさんあるプールは?」

垣根「あそこは子供が遊ぶべき場所だ、俺みたいな男が行く場所じゃないだろ・・・」

心理「となると・・・真面目に泳ぐ、あの競泳プールかしらね」

垣根「あんな場所に行けるかよ!みんな目を輝かせてるぜ、金持ちのくせにスポーツも出来るとかどんだけだよ!?」

美琴「金持ちがスポーツ出来ないってどんなイメージなのよ・・・」

垣根「だからさ・・・結局ここが一番なんだ」

ビーチパラソルの下に四人が集まるのは中々窮屈だ

しかもご丁寧というか、太陽は綺麗に輝いている

屋内プールに逃げ込めばいいのだろうが、ゆっくり上条を寝かせられるのはここしかなかったのだ

美琴「・・・じゃあ仕方ないわよね」

上条「はぁ・・・二人きりにはなれないか」

垣根「ちっ・・・それはこっちの台詞だ」



505 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/27(金) 10:38:21.61 ID:QmLASgUh0
上条「なんだよ・・・お前さっきから美琴の水着チラチラ見やがって!」

垣根「はーぁ?見てねぇよ、お前こそ心理定規の水着チラチラ見てんじゃねぇかよ!」

上条「はぁ!?見てねぇからな!」

垣根「嘘つくな!そういやお前の理想のタイプって年上のお姉さんタイプだったよな!?心理定規も年上じゃないけど中々お姉さんタイプだもんな!」

美琴「ちょっと・・・あんまり大声出さないでよ」

心理「そうそう、あくまで高級ホテルの中のプールなんだから」

垣根「うるせぇ!男が曲げちゃいけないのは臍と腰と信念なんだよ!」

上条「美琴!水着姿のお前のそばに他の男を置いてはいられないんだよ!」

美琴「え、あ、うん」

垣根「心理定規!てめぇの瞳を見つめていいのは俺だけだ!」

心理「あら素敵」

上条「だから!お前はどっか行け!」

垣根「ふざけんな!俺がどっかに行ったら心理定規の水着姿を堪能するつもりだろ!」

上条「んなわけねぇだろ!俺は美琴に釘付けなんだからな!」

垣根「はー!?そんな見るとこない体のどこがいいんだよ・・・」

上条「言ったな!美琴の体の魅力が分からないなんてお前はまだまだだな!」



506 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/27(金) 10:38:52.96 ID:QmLASgUh0
垣根「はん!てめぇこそ、心理定規という最強の魅力を目の前にして何も感じないなんて笑えるな!」

上条「美琴のほうが魅力的なんだよ!」

垣根「ふざけんな!」

心理「はいはい、答えの出ない討論はそこまでにしましょう」

美琴「そうよ・・・好みの違いってのがあるじゃない」

二人が、自分の恋人の腕に抱き着いて宥める

垣根「・・・いい柔らかさだ」

心理「?」

上条「中々いい感触だ・・・」

美琴「アンタ達ね・・・」

垣根「・・・だがな、俺達だってここ以外に行く場所はないんだよ」

上条「仕方ないな・・・」

心理「はぁ・・・ったく、二人とも独占欲が強すぎるのよ」

美琴「そうそう・・・ヤキモチ妬いてくれるのは嬉しいけど、喧嘩はダメよ」

垣根「・・・」

上条「・・・」

美琴「な、なによ?」



507 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/27(金) 10:39:23.02 ID:QmLASgUh0
垣根「お前らが独占欲について語るとはな」

上条「・・・心理さんも中々独占欲すごいよな」

心理「なによ、垣根を独り占めしたいなんて思ったことないわよ」

垣根「」

上条「いやいや・・・」

垣根「俺は常に心理定規を独り占めしたいんだけどな」

心理「そんなこと、面と向かって言わないでよ」

美琴「あ、心理定規赤くなってる!」

心理「うるさいわね・・・」

体育座りになって、心理定規がため息をつく

美琴「・・・にしても、ここじゃ何も出来ないわね」

心理「そうなのよ・・・ここには何もないから」

垣根「何を言う!輝く太陽が浮かんでいるじゃないか!」

心理「それだけじゃ日に焼けるだけよ・・・」

上条「そういえば今日はかなり陽射しが強いな」

心理「・・・焼けるのはイヤよ」

垣根「なんでだよ、お前はちょっとくらい焼けてもセクシーだと思うぜ」

心理「あら、水着の跡が付いた私なんてイヤでしょ?」



508 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/27(金) 10:40:01.59 ID:QmLASgUh0
垣根(・・・日焼けで水着の跡が付いた心理定規・・・)

美琴「・・・なにぼーっとしてるのよ」

垣根「いい、すごくいいじゃないか日焼けした心理定規!」

心理「なに言ってるのよ・・・」

呆れたようにため息をつきながら、心理定規がプールを見つめる

お金持ちらしい、上品な水着を着た「方々」が上品に遊んでいた

もちろん、金持ちだとしても家族連れや夫婦なのだ、結局は泳いだり体を日に焼いたりするだけなのだが

それが妙に上品に見えるのが不思議で仕方ない

心理「・・・こんな所に、私なんかがいていいのかしら」

垣根「あぁ?」

ポツリ、と呟いた心理定規のほうを見ながら垣根が首を捻る

心理「・・・幸せそうよ、みんな」

垣根「なんだよそりゃ」

心理「・・・あんな幸せそうな笑顔、私には眩しすぎるわよ」

上条「心理さん・・・」

垣根「なら安心しろ!お前も幸せだろ、だったらここにいていいはずだ」

心理「でも・・・」



509 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/27(金) 10:40:50.52 ID:QmLASgUh0
垣根「あー!今の幸せで足りないならもっと幸せにしてやる、お前が笑って過ごせるまで俺は幸せにし続けてやる、だからそんなくだらないことで悩むんじゃねぇよ!」

心理「!」

垣根「いいか!お前の居場所は俺の隣だ、俺が明るい世界にいるって決めたからにはお前にもその場所にいてもらうからな!」

心理定規の顔を指差しながら垣根が笑う

心理「・・・な、なんて自分勝手な・・・」

美琴「でもまぁ・・・垣根らしいわね」

上条「はぁ・・・心理さんもナイーブだな」

心理「私が図太く見える?」

上条「いやいや・・・見えないけどさ」

心理「そういえば、ショチトル達はまだ波のプールで遊んでるのかしら」

垣根「そうだな・・・俺達も波のプール行きたいな」

上条「俺もそろそろ遊びますか・・・」

美琴「もう大丈夫なの?」

上条「あぁ、ちょっと頭ぶつけただけだったし」

垣根「じゃあ行くか」

上条「おぅ!」



510 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/27(金) 11:37:59.87 ID:QmLASgUh0


エツァリ「・・・ショチトル、そんなにハマったのか?」

ショチトル「あぁ!!」

浮き輪に捕まり、プカプカと浮かびながらショチトルは笑っていた

波を人工的に起こすプール、そんなものはもちろんアステカ系統の魔術結社にいた頃は体験できなかった

しかも、そもそもそこまでプールに行ったことがなかったためショチトルにとっては新鮮そのものなのだ

ショチトル「自然現象である波を人間が作り出すんだぞ!!」

エツァリ「まぁ、たしかに不思議なものだが・・・」

風呂場で腕を上下に動かしただけでも波のようなものは起きる

それを非常に大規模で起こせば可能なのではないか

ショチトル「・・・はぁ、上下の運動が気持ちいいぞエツァリ・・・」

エツァリ「そういう言い方をするな・・・」

ショチトル「・・・しかし、さすがに何もしないで浮かんでいるだけだと飽きるな」

エツァリ「今頃か・・・俺はしばらく前から気づいていたぞ」

ショチトル「ん?上条達が来たな」

エツァリ「おや、本当ですね」

ショチトル「・・・もう敬語か」

エツァリ「条件反射ですよ・・・」


511 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/27(金) 11:47:15.59 ID:QmLASgUh0


垣根「よー、どうだった二人きりの時間は」

ショチトル「いざとなると退屈なものだぞ」

垣根「あぁ?」

プールサイドからショチトルを覗き込みながら、垣根が訊ねていた

上条「・・・にしても、遠くから見てると本当にすっごいよなお前達・・・」

エツァリ「?なにがですか?」

美琴「まぁ、たしかに見た目は美形だからね・・・」

ショチトル「見た目も、だろ」

心理「・・・さて、私達もお邪魔していいかしら」

上条「い、いいのかな」

エツァリ「・・・まぁ、どうぞ」

美琴「お邪魔しまーす」

垣根「邪魔するぞ」

ゆっくりとプールに浸かった四人が幸せそうに笑う

上条「はぁ・・・冷たい・・・」

心理「気持ちいい・・・」

エツァリ(今の心理定規さんエロいですね)


512 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/27(金) 16:59:15.48 ID:QmLASgUh0
美琴「ふにゃ・・・プカプカする・・・」

垣根「あぁ、メルヘンだぜ」

上条「・・・でもさ、人が多いからここで泳ぐってのは無理だよな」

ショチトル「そうなんだよ、かといってずーっと浮かんでてもヒマだし」

エツァリ「それが一番の問題ですね・・・」

垣根「・・・もうそろそろ17時か・・・」

心理「明日の計画でも立ててみる?」

上条「ここで?」

心理「えぇ、波に揺られながら幻想的なプランを」

美琴「明日は長崎だっけ・・・」

垣根「出島行こうぜ出島」

上条「明日はあんまり一箇所に留まりたくはないな・・・」

垣根「えー、オランダ物産館は?」

美琴「お土産買ったらすぐ帰るわ」

垣根「ちっ」

エツァリ「長崎の風景を楽しみながら散歩したいですね」

垣根「ぶらり旅か・・・ま、悪くは無いな」

ショチトル(ぶらりってエロい表現だよな)

心理(どこが)


513 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/27(金) 21:40:19.75 ID:QmLASgUh0
上条「・・・はぁ、それにしても旅行って一日が短く感じるよな」

ショチトル「それはあるな」

美琴「今日も、あと夜ご飯食べて風呂入ったら終わりだもんね・・・」

エツァリ「・・・明日で最後ですね、明後日はもう朝には帰りますし」

垣根「そうだな」

心理「修学旅行も、こんなふうなのかしら」

上条「どうだろうな・・・」

美琴「・・・さて、そろそろあがりましょ?」

上条「ん、もうあがるのか」

垣根「しゃあねぇな・・・帰るか」

コキコキ、と首を鳴らしてから垣根が空を見上げる

たしかにもう陽は傾いている、そろそろ夜ご飯の時間だろう

垣根(・・・学園都市のみんなは、何してるんだろうな)

ふとそんなことを考えてから苦笑してしまう

垣根(どうせ、くっだらないことしてるんだろうけど)

心理「ちょっと垣根、早くあがるわよ」

垣根「あいよ」



514 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/27(金) 21:44:22.08 ID:QmLASgUh0
今日はここまで

筋肉動画は面白いものを

よく、「ボディビルの筋肉は見せる筋肉」「実践では使えない」なんて言いますね

たしかに、体が重くなりますから動きは遅くなりますし、野球に必要な筋肉は野球のトレーニングでつける、そういうのが一番です

ですが筋肉の表面積が大きければ大きいほど力は強くなるため、ボディビルダーは相当な「瞬発力」を持っています

その証明の一つ、ケビンさんの走る勇姿

http://www.youtube.com/watch?v=Z1-ygiI6_3M

100m走に換算すると、11秒くらいだそうで

そんじょそこらの足の速い人よりも速いですよ、しかも体重は110kgを超えてますから恐ろしい脚力です

かっこいいです、ケビンさん


旅行編さっさと終わらせてていとくんの単発書きたいです

長崎って記憶にあるのが出島だけだ・・・どうしようどうしよう


ではおやすみなさい


515 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/27(金) 22:37:39.56 ID:4Tn3/92DO
>>1乙である。
長崎は角煮まんとよりよりというイメージだなぁ
516 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/27(金) 23:39:14.99 ID:Ghn8n7xuo
乙にゃんだよ
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/01/28(土) 00:38:16.08 ID:qznwRFRL0
乙ですの
学園都市やらレベルやらから解放されたら、やっぱみんな年相応の若者なんだなぁ(ショチトル除く)
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/01/28(土) 03:34:32.75 ID:y1z1lxpro
乙!

長崎で観光するなら出島の近くにはグラバー園、ハートストーンとかいろいろあるきれいなところよ
あと平和関係もあるわよ教会もあるわよ坂本さん関係キリスト関係いっぱいあるよ長崎いいところよ
519 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/28(土) 19:47:28.86 ID:x+4ugd3f0


垣根「あー・・・いい湯だった」

ユニットバスじゃなければ最高なのだが、と垣根は頭を拭きながら考えていた

風呂上がり

一瞬だが一日の疲れから解放され、素の自分に戻る瞬間だ

垣根「・・・ただいま」

部屋の中に入ると、ベッドの上で美琴があぐらをかきながらテレビを見ていた

垣根「あぁ?他のヤツらは」

美琴「飲み物買いに行ったついでにお土産見てるみたい」

垣根「土産?ホテルで買うのかよ」

美琴「高級なお菓子とかも必要でしょ?」

垣根「土産は心が篭ってなきゃ意味がないんだよ」

美琴「そうかもしれないけど、でも高い物は喜ばれるのよ」

垣根「ちっ・・・反論出来ねぇな」

美琴「・・・にしても、アンタと二人きりになる時間が長いわね」

垣根「今回の旅行か?」

美琴「そうそう・・・当麻と二人きりになりたいのに」

垣根「そりゃお互い様だろうが」



520 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/28(土) 19:47:57.05 ID:x+4ugd3f0
美琴の言葉に眉をひそめながらも、垣根がドライヤーを取り出す

髪を伸ばしている彼にとって、それは必需品なのだ

美琴「・・・乾かすの?」

垣根「あぁ」

美琴「・・・乾かしてあげようか」

垣根「はぁ?なんでだよ」

美琴「・・・いいから、乾かしてあげるわよ」

無理矢理垣根の手からドライヤーを奪い、美琴がスイッチを入れる

垣根「なんだよ・・・なんか企んでるのか?」

美琴「・・・別に」

鼻を鳴らしてから、美琴が垣根の髪を乾かし始める

別に何かを企んでる様子はなく、ただ丁寧に髪を乾かしているようだ

垣根「・・・ったく、なんなんだよ」

美琴「・・・アンタってさ」

垣根「なんだよ」

美琴「第二候補ってヤツだったのよね」

ポツリ、と美琴が呟く

冷たい、というよりも意図的に感情を押し殺したような声だった

垣根「あぁ、知ってたのか」



521 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/28(土) 19:48:23.29 ID:x+4ugd3f0
美琴「一方通行に聞いたことがあるのよ・・・アンタ、一方通行がプラン通りに進まなかった時のための・・・」

垣根「代理だったのさ・・・もしかしたら、妹達を殺す実験をさせられたかもしれないな」

美琴「・・・」

美琴の手の動きが止まった

垣根「熱いだろ、ちゃんと動かせ」

美琴「・・・うん」

ドライヤーの音に掻き消されそうなほどの小さな声

自分のクローンが殺された実験なんて、思い出すのも嫌なはずだ

垣根「だったらなんでそんな話を始めたんだ」

美琴「・・・アンタならどうしたか、聞きたかったの」

垣根「もしかしたら、一方通行と違って辞めていたかもしれないってか?」

美琴「・・・」

垣根「だったらそれは間違いだ・・・いや、むしろ俺はその実験を何がなんでも完遂させたはずだからな」

美琴「どういうことよ」

垣根「俺が一方通行に戦いを挑んだのは第一候補になるためだ、もしも妹達を殺し続けて第一候補になれるなら・・・俺は明らかにそれをしていた」

美琴「そんな・・・!」



522 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/28(土) 19:48:51.05 ID:x+4ugd3f0
垣根「そんなことのために妹達を殺せたか、って?殺せたさ、昔の俺なら」

今はもちろん違う、と付け足した上で垣根は話す

垣根「・・・俺はあの時、どうしても第一候補にならなきゃいけなかった」

美琴「・・・どうして」

垣根「理由はどうだっていい・・・とにかく、そのためならなんだってするはずだった」

打ち止めを狙ったのも、ピンセットを奪ったのも、結局は手段に過ぎなかった

垣根「・・・だから、一方通行よりも俺のほうがお前にとっちゃ恨むべき相手だったかもな」

美琴「・・・」

垣根「・・・今は・・・心理定規のために生きていられるが、昔は違った」

美琴「ねぇ、アンタは・・・私のことどう思う?」

垣根「妹達のことか」

美琴が驚いたような表情になる

今の言い方なら、「美琴を女として」どう思うかに聞こえるほうが普通だ

なのに目の前の男は自分の尋ねたかったことを言い当てた

美琴「・・・私がDNAを提供しなければ、あの子達は生まれなかった」

垣根「そして死ななかった」



523 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/28(土) 19:49:16.26 ID:x+4ugd3f0
美琴「・・・あの子達も、当麻も・・・他のみんなも、あの実験では誰もが被害者だって言うのよ」

垣根「なるほど、ならそれでいいんじゃないか?」

美琴「・・・でもね・・・たまに、自分が許されてよかったのかって思うのよ」

垣根「・・・」

超能力者ってのは大変だ、と垣根がため息をつく

それであるというだけで実験に利用され、更には周りから距離を置かれる

垣根「・・・人間は誰だって後悔を抱えている、小さなものは朝飯の献立から・・・でかいものは命に関することまで」

美琴「うん・・・」

垣根「お前が悩むのは間違いじゃない、むしろ悩まないのは人間じゃなく猿だからな」

美琴「・・・」

上条とは違うことを言うんだな、と美琴は笑う

上条なら「過去のことをいつまでも思っちゃいけない」と言うはずだから

垣根「・・・お前の場合、たまたま一番でかい悩みが妹達のことだったんだ、過去を引っ張るっていうよりは・・・」

美琴「その誰もが抱える悩みが・・・私の場合は妹達だった、か」

垣根「あぁ、そうだ」

美琴「でもさ・・・やっぱり、私も加害者だと思うのよ」



524 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/28(土) 19:49:45.31 ID:x+4ugd3f0
垣根「加害者か・・・」

美琴「・・・ねぇ、私って馬鹿かな?」

垣根「・・・いつまでも同じことで悩むからか?」

美琴「あはは・・・当麻に聞かれたら、怒られちゃうから・・・今しか聞けなくてね」

垣根「だから髪乾かすなんて言い出したのか」

美琴「うん」

垣根「・・・同じことで悩むってのは、そのことを真剣に受け止めてるからだろ」

美琴「・・・」

垣根「だったらお前は加害者なんだ、自分で認めちまったんだ」

冷たい現実だが、と垣根が言う

知らない間にDNAを使われたという点では被害者であるが、妹達の立場からすれば加害者にもなる

垣根「・・・でも、お前は罪人じゃない」

美琴「!」

垣根「過ちを認めて、ずっとそれを背負ってきたなら・・・罪人とは言えないさ・・・あいつらにとっては、たった一人のお姉さんだ」

美琴「・・・綺麗事じゃない、結局は」

垣根「綺麗事じゃなきゃお前の曇った心を晴らせないだろ」




525 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/28(土) 19:50:12.39 ID:x+4ugd3f0
美琴「・・・アンタってさ、どっか当麻に似てるわよ」

垣根「そうか?惚れちまいそうなのか?」

美琴「それは無いから安心して」

ドライヤーのスイッチを切って、美琴が垣根の目を見つめる

美琴「ありがとう、ちょっとすっきりした」

垣根「・・・」

ふと気付いたのだが、美琴の髪も濡れていた

垣根の前に上条と二人で入っていたが、まだ乾かしていなかったのだろうか

垣根「髪」

美琴「ん?あぁ・・・ちょっと面白い番組してて、それ見てたら乾かすの忘れてたのよね」

垣根「乾かしてやるよ」

美琴「い、いいわよ・・・」

垣根「お返しだ、ありがたく受け取るもんだぜ」

美琴「・・・」

少し迷うような表情だったが、やがて大人しく従った




526 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/28(土) 19:51:39.67 ID:x+4ugd3f0


垣根「・・・お前ってさ、常盤台の中じゃお姉さまって呼ばれてるんだろ」

美琴「なによいきなり?」

垣根「上条にとっては恋人・・・つまり、あんまり年下の女の子として扱われたことはないんだよな」

美琴「それが?」

垣根「・・・いや、なんかお前って妹みたいだなって思ってさ」

美琴「アンタ妹いたの?」

垣根「違う違う、でも感覚的には近いだろ」

美琴「・・・だから髪乾かしてくれてるの?」

垣根「別に」

美琴「・・・ねぇ、アンタはやっぱり心理定規と結婚するわよね?」

垣根「あぁ、お前は上条とだろ?」

美琴「でもさ・・・やっぱり結婚したら色々大変よね、仕事とか」

垣根「仕事か・・・」

美琴「アンタは・・・引く手数多よね」

垣根「でもなぁ・・・能力に頼った人生ってのはよくないと思うんだよな」

美琴「ふーん・・・じゃあどんな仕事がいいのよ」

垣根「そうだな・・・」


527 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/28(土) 19:55:18.76 ID:x+4ugd3f0
腕を組み、垣根が色々と考えてみる

垣根「・・・なんでも相談を請け負う・・・とか」

美琴「な、なにそれ」

垣根「相棒は心理定規だぜ?心のケアなら俺も得意だしさ」

美琴「でも・・・それって儲かるのかしら」

垣根「・・・さぁ」

美琴「ダメじゃない・・・」

垣根「・・・さて、もう乾いただろ」

美琴「・・・ありがと」

ドライヤーを置いた垣根が、美琴をじっと見つめる

垣根「それにしても」

美琴「?なに?」

垣根「お前って、あの美鈴さんの娘だよな」

美琴「当たり前でしょ・・・」

垣根「・・・なんであの胸のDNAは消えたんだ?」

美琴「・・・」



美琴「・・・言いたいことはそれだけ?」ゴゴゴ

垣根「」


528 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/28(土) 20:03:38.16 ID:x+4ugd3f0

上条「あぁ・・・まだこの時期は夜になると冷えるよな」

ホテルのお土産屋で、上条はそんなことを言っていた

さすがに半袖は寒かっただろうか

心理「あら、だらしないわね・・・」

隣にいるのは心理定規だ、よくもまぁドレスで寒くないものだ

エツァリ「・・・にしても、様々なお土産がありますね」

ショチトル「やっぱりお菓子がいいかな・・・」

上条「う・・・かなり高いな」

心理「へぇ・・・材料が豪華なのね」

パッケージを確認した心理定規が、それを持ったまま歩き出す

上条「か、買うのか!?」

心理「あら、ダメかしら」

上条「ダメだって!!そんな高いの・・・」

心理「・・・ダメ・・・かな?」ウルウル

上条「な、涙目上目遣いでも騙されませんからね!!」

心理「ちっ・・・」

上条(なんだか怖い)


529 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/28(土) 20:21:30.86 ID:x+4ugd3f0
心理「・・・あら?」

エツァリ「おや、これは・・・」

心理定規があるお土産を手にした

イケメンの背中に翼の生えた「ていとくんストラップ」と翼の生えた冷蔵庫、「ていとう庫」ストラップだ

ショチトル「ど、どこかで見た気がするな」

上条「な、なんだこれ・・・」

いくらストラップが好きな若者でも、これは買わないだろう

なんというかシュールを通り越して意味が分からない

エツァリ「・・・しかも、中々売れているみたいですね」

ショチトル「本当だ・・・かなり減ってるな」

上条「キモカワイイとかいうやつか・・・?」

心理「・・・」

ショチトル「ま、こんなもの買っても誰も喜ばないさ」

エツァリ「そうですね、他にお菓子とか見ましょうか」

上条「あぁ・・・って、心理さん?」

心理「わ、私・・・」



心理「これ・・・ほしい」

三人「」



530 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/28(土) 20:21:30.86 ID:x+4ugd3f0
心理「・・・あら?」

エツァリ「おや、これは・・・」

心理定規があるお土産を手にした

イケメンの背中に翼の生えた「ていとくんストラップ」と翼の生えた冷蔵庫、「ていとう庫」ストラップだ

ショチトル「ど、どこかで見た気がするな」

上条「な、なんだこれ・・・」

いくらストラップが好きな若者でも、これは買わないだろう

なんというかシュールを通り越して意味が分からない

エツァリ「・・・しかも、中々売れているみたいですね」

ショチトル「本当だ・・・かなり減ってるな」

上条「キモカワイイとかいうやつか・・・?」

心理「・・・」

ショチトル「ま、こんなもの買っても誰も喜ばないさ」

エツァリ「そうですね、他にお菓子とか見ましょうか」

上条「あぁ・・・って、心理さん?」

心理「わ、私・・・」



心理「これ・・・ほしい」

三人「」



531 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/28(土) 20:30:56.09 ID:x+4ugd3f0
心理「・・・」ドキドキ

ていとくんストラップ「俺の未元物質に常識は通用しねぇ!!」キリッ

心理「!!ボイスも付いてる!!」

上条「あ、あの・・・」

ていとくんストラップ「これが未元物質、異物の混じった空間!!」キリッ

心理「し、しかも・・・なんだか顔にもいくつかパターンがある!!」

ショチトル「おーい」

ていとくんストラップ「もう一度ここで絶望しろコラ」キリッ

心理「・・・」ドキドキ

エツァリ「な、なんで赤くなってるんですか」

心理「て、ていとう庫のほうは・・・」

ていとう庫「俺のチルドに高温は通用しねぇ!!」キリッ

心理「」ズギューン


心理「店員さん、これ7つずつちょうだい」

上条「お、おい!?」

心理「やっぱり8つずつ」

上条「おーい!?」



532 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/28(土) 20:50:03.56 ID:x+4ugd3f0
今日はここまで

筋肉動画は辛い増量期を乗り越えるためにたまに見ている、ロニーの食事風景

http://www.youtube.com/watch?v=ULqB2SbO8Q0 

どんだけ食うんだよ、と思うでしょうがたしかこれは減量期です

すっげぇ


では
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/28(土) 23:57:53.67 ID:FPZKcXCfo
乙なんだよ
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/29(日) 08:23:26.42 ID:ShRMkk1IO
心理たンちゅッちゅ
535 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 10:03:31.81 ID:K4OUQYu40
上条「明日は長崎か・・・」

美琴「・・・うん、だから早く起きないといけないわね」

垣根「・・・寝るか」

垣根が部屋のライトを消す

ショチトル「・・・はぁ、心理定規・・・そのストラップ本当に買ったのか」

心理「・・・悪い?」

垣根「ストラップ?」

心理「なんでもないわ、寝るわよ」

布団に潜った心理定規が、適当に答える

エツァリ「・・・そうですね、寝たほうがいいです」

上条「・・・なぁ、明日のホテルは二人部屋かな?」

垣根「知るか・・・寝るぞ」

上条「あ、あぁ」

シンとした部屋の中に寝息と寝言が響く

垣根(・・・てか御坂のヤツ・・・中途半端に髪乾かしやがって)

まだ細かいところは濡れているようだ

おかげで枕に埋めた頭が微妙に濡れて気持ち悪い



536 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 10:04:19.03 ID:K4OUQYu40
垣根(・・・やっぱり、髪乾かしてもらうなら心理定規しかいないよな)

上条「・・・美琴ぉ・・・」

垣根「あぁ?上条、起きてたのかよ」

上条「ちょっとなら・・・いいだろ・・・」

垣根「・・・って寝言か」

美琴「当麻ぁ・・・そっちはイタリア・・・ブラジルは左なの・・・」

垣根「何があったんだよ」

ショチトル「あぁエツァリ・・・そっちは違う穴・・・いや、違わないんだけど・・・」

エツァリ「ほらほら・・・お前はバイブが好きなんだろ・・・」

垣根「・・・なんなんだよこの寝言」

心理「全くよね」

垣根「あぁ?お前起きてたのか」

心理「・・・ちょっと眠れなくて・・・そっち行っていいかしら」

垣根「あぁ、構わねぇよ」

ガサガサと、布団を動かすような音がした



537 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 10:05:09.12 ID:K4OUQYu40
ドキドキと聞こえるのは垣根の鼓動だろうか

心理「お邪魔するわよ」

垣根「・・・あ、あぁ」

隣に入ってきた心理定規が、すぐさま垣根の髪の毛に触れる

垣根「・・・?なんだよ」

心理「髪の毛・・・乾いてないわ」

垣根「あ、あれだ・・・御坂に乾かしてもらったからさ」

心理「美琴に?」

ピクリ、と心理定規が眉を動かす

暗闇の中では垣根に見えるわけはなかったが

垣根「まぁあれだ・・・ちょっと乾かし合いしたんだよ」

心理「か、乾かし合い?」

垣根「あぁ、なんだよ?」

心理「・・・羨ましい」

垣根「羨ましい?何がだよ」

心理「・・・私だってあなたの髪、乾かしたかったわよ」



538 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 10:06:11.69 ID:K4OUQYu40
垣根「なんだそりゃ・・・!?」

垣根の体に、突然何か柔らかいものが当たった

恐らくそれは

垣根「お、お前!胸当てるな!」

心理「しっ、みんなが起きちゃうわよ」

垣根「だからってな・・・!」

心理「・・・どう?ねぇ、どうなのよ」

垣根「どうって・・・」

心理「私より美琴のほうがいい?」

垣根「はぁ?いつそんなこと言ったっけ」

心理「・・・なんか最近、美琴にちょっかい出してるみたいじゃない」

垣根「出してねぇよ」

心理「嘘ばっかり・・・髪、乾かしてあげたんでしょ?」

垣根「んな下心無かったって・・・」

心理「・・・それに、なんかよく二人きりになってる」

垣根「そりゃお前だって上条と二人きりになってるじゃねぇかよ」



539 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 10:07:00.06 ID:K4OUQYu40
心理「あれは・・・」

垣根「大体な・・・お前よりいい女なんて俺は知らないんだ、何度も言ってるだろうが」

心理「・・・ホント?」

垣根「あぁ、誓ってもいいぞ」

心理「・・・信じてあげる」

垣根「で?なんで胸を当ててるのか教えてほしいんだが」

心理「私だって女なの、それを教えたくて」

垣根「な、なんだそりゃ」

心理「・・・ドキドキしてるんでしょ?」

垣根「あのな・・・二人きりならともかくみんなだって一応いるんだからな」

心理「恥ずかしいの?」

垣根「・・・あのな、あんまり胸当てるな」

心理「あら、こんなになってる」

垣根「掴むんじゃねぇよ!」

心理「ズボンの上からくらい許してよ」

垣根「・・・誰かが起きたらどうするつもりだよ」



540 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 10:08:00.77 ID:K4OUQYu40
心理「・・・起きないわよ、みんな疲れてたみたいだし」

垣根「・・・いいから離せよ」

心理「・・・なんでよ」

垣根「だ、だから友達が近くで寝てる時にこんな・・・」

心理「・・・いいでしょ・・・」

ぎゅっ、と心理定規が垣根に抱き着く

その優しい暖かさだけで垣根は許してしまいそうになる

垣根「・・・ダメだっての、近くに・・・」

心理「私だけを見て・・・」

垣根「・・・」

しばらく黙っていた垣根が、心理定規の胸にそっと手を当てる

垣根「なんだよ、かなり緊張してるんじゃねぇか」

心理「・・・いいから、早く」

垣根「ここじゃ無理だって・・・明日の二人部屋のホテルまで待とうぜ」

心理「明日が二人部屋だって保証は?」

垣根「・・・ないけどさ」



541 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 10:08:38.15 ID:K4OUQYu40
心理「・・・だったら、ね?」

垣根「・・・やっぱり、ダメだ」

心理「・・・私としたくないの?」

垣根「・・・ふ、風呂場なら問題ないよな!」

心理「いやよ・・・立ったままなんて疲れちゃうじゃないの」

垣根「じゃあ明日まで我慢しようぜ・・・」

心理「・・・」

垣根「・・・ちょっとだけだからな」

クルリ、と向きを変えた垣根が心理定規を抱きしめる

心理「・・・やっとその気になってくれたわね」

垣根「・・・あんまり気が進まないけどな」

心理「私への愛は冷めちゃったの?」

垣根「いや、そうじゃなくてさ・・・」

周りのベッドを気にしながら、垣根が小さな声で囁く

垣根「・・・エツァリ達に変態変態っていつも言いながらさ・・・こんなスリリングなプレイしてるなんて知られたらヤバいだろ」

心理「・・・んっ・・・」



542 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 10:09:25.73 ID:K4OUQYu40
垣根「・・・お前ってさ、結構積極的になってきたな」

心理「・・・垣根」

顔を赤らめながら、心理定規が垣根の唇を貪る

垣根「な、なんだよ」

心理「・・・最近ご無沙汰だったでしょ・・・」

垣根「・・・言っとくけど、最後まではやらないからな」

心理「意地悪・・・」

垣根「う・・・そういう色っぽい声を出すなよ」

心理「ねぇ、私・・・」


ショチトル「・・・」ゴクリ

垣根「・・・」

心理「・・・」

垣根「ショチトル、てめぇいつから起きてやがった」

ショチトル「さ、さっき目が覚めた」

垣根「見てたな」

ショチトル「真っ暗でも見える、ワーオなんて素敵な・・・」

心理「・・・忘れなさいよ」


543 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 10:28:01.34 ID:K4OUQYu40
ショチトル「言っておくが、別に私はそこで二人が何をしようがオカズに出来るから文句無いぞ」

垣根「するな」

ショチトル「ちっ・・・」

心理「・・・冷めちゃったわ、寝ましょう」

垣根「あぁ」

ショチトル「おいおい、私のせいで冷めたみたいな言い方だな」

垣根「そう言ってるんだよ」

ショチトル「・・・」

心理「・・・明日、続きしましょうね」

垣根「二人部屋だったらな・・・おやすみ」

心理「えぇ、おやすみ」

ショチトル(・・・添い寝したままなのは変わらないのか)

ショチトル(・・・いいなぁ、添い寝)

ショチトル(・・・)チラッ

エツァリ「・・・」zzz

ショチトル「・・・」



ショチトル「お邪魔するぞ、エツァリ」


544 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 10:59:34.00 ID:K4OUQYu40


垣根「・・・高校生の朝は早い」

心理「・・・おはよう・・・」

上条「おはよう・・・」

美琴「・・・なんだか・・・眠い」

ショチトル「おいおい、だらしないぞ」テカテカ

エツァリ「そうですよ」テカテカ

垣根「・・・なぁ、なんでテカってるの」

エツァリ「昨晩、ちょっといいことがありまして」テカテカ

ショチトル「そうそう」テカテカ

上条「・・・とりあえず朝飯食って目覚まそうぜ・・・」

垣根「そうするか・・・」

美琴「今日は長崎まで移動なのよね・・・」

心理「バスは酔うからイヤなのよね・・・」

上条「我慢してくれ・・・」

ショチトル(・・・みんな疲れてるなぁ)



545 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 11:12:12.35 ID:K4OUQYu40

垣根「・・・朝はやっぱりパンに限るよな・・・」

上条「いやいや・・・お米も捨てがたいぞ・・・」

心理「・・・たまにはパスタなんかもいいわよね・・・」

垣根「パスタ作ったお前うぇっうぇっwww」

ショチトル(おかしいぞ垣根)

垣根「・・・ちくしょう・・・眠い・・・」

エツァリ「バスの中でなら眠れますよ?」

垣根「んなことは分かってるけどさ・・・」

エツァリ「さぁ、さっさと食べたら・・・」

垣根「あぁぁぁぁぁ!!!!!!」

上条「な、なんだよ急に・・・」

美琴「周りのお客さん驚くからやめなさいよ・・・」

垣根「き、北九州市は佐藤○奈さんのふるさとだ!!そこを訪れなかったとはどういうことだ!?」

心理「あら、だって生家なんて知らないし行ったことないわよ」

垣根「だけど!!ノータッチってのはどうかと思うぜ俺は!!!」

心理「いいじゃない、だって知らないもの」

垣根「えー!?」



546 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 11:24:08.35 ID:K4OUQYu40
美琴「はぁ・・・大体ね、佐藤利○さんって誰なのよ」

上条「・・・なんとなくだけど、お前がそれを言ったらダメな気がする」

美琴「?」

ショチトル「・・・とっても美人な気がする」

垣根「そしてなんろなくエロい気がする」

心理「そして優しそうな気がするわね」

美琴(ど、どうしちゃったのみんな!?)

上条「さて・・・それはともかく、長崎ではまずどこに行くんだ?」

エツァリ「平和記念公園などはいかがでしょうか」

垣根「いいな・・・あとは十字教関連の土地とかか」

美琴「やっぱり長崎は出島関係よね」

心理「あら、カステラも美味しいわよ」

ショチトル「ハウステンボスは?」

垣根「時間の都合上いけません」

ショチトル(ちっ)

エツァリ(・・・長崎となると、真っ先にちゃんぽんを思い出す自分はおかしいでしょうか)


547 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/29(日) 11:39:51.82 ID:qpaqL1ZZo
セピア色の曇天長崎を思い出したw

支援
548 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 12:41:34.90 ID:K4OUQYu40
>>547 シュークリームと納豆w



垣根「・・・」zzz

上条「ふぁぁ・・・」

流れる景色をバスの窓から見つめ、上条はあくびをしていた

美琴「・・・退屈ね」

上条「そうだな・・・長崎まですぐ着くとは言ってもな・・・」

ショチトル「・・・はぁ、長崎って言ったらなんか小さい島国っぽいよな」

エツァリ「長崎県民に謝ってください」

上条「ははは!!そんなこと言ったら九州自体が・・・」

美琴「当麻、消されるわよ」

上条「」

心理「・・・眠い・・・」

美琴「眠れないの?」

心理「・・・なんだかね、こういう時は昔話とか子守唄とか歌ってほしいのよ」

美琴(なにその可愛さアピール)

心理「早く早く」

美琴「ね、ねんねーん・・・ころーりーよ・・・」

垣根「お子ローリーよー」zzz

美琴「寝ながら変な歌歌わないで」


549 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 18:29:52.85 ID:K4OUQYu40
心理「・・・眠れない」

エツァリ「そうですね・・・目を閉じてみてはどうですか」

心理「・・・変なことするんじゃないでしょうね」

エツァリ「離れた席からどうもできないでしょう・・・」

心理「・・・あなたなら出来そうだから」

美琴「・・・ねぇ、眠くないの?」

心理「眠いわよ・・・」

上条「でも眠れないのか・・・」

ショチトル「飴でも舐めるか?」

心理「貰っていいかしら・・・」

ショチトル「はいよ」

心理「ありがとう」

上条「俺ももらおうかな」

エツァリ「何味ですか?」

ショチトル「ハッカだ」

心理「・・・」ウルウル

上条(スースーしたんだな・・・)


550 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 20:06:06.10 ID:K4OUQYu40
心理「にゃによこりぇ・・・」ヒリヒリ

ショチトル「すまん、本当はグレープの飴を渡すつもりだったんだが」

心理「そっちをちょうだいよ・・・」

ショチトル「はい」

心理「もう・・・」

エツァリ(ま、またハッカの飴を渡しました・・・)

美琴「メ、心理定規、それ・・・」

心理「はぁ・・・」パクッ

ショチトル(食ってしもうたwwwww)

上条(何してんだよショチトル・・・)

心理「」ヒリヒリ

ショチトル(素・・・素の表情・・・)プルプル

エツァリ「だ、大丈夫ですか心理定規さ・・・」

心理「・・・話しかけないでもらえるかしら」キッ

エツァリ「」

ショチトル(エツァリが八つ当たりされたか)

上条(ならいいや)

美琴(私はオレンジがいいなー)


551 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 20:09:13.68 ID:K4OUQYu40
垣根「・・・心理定規ォ・・・」

心理「・・・あら、寝言?」ヒリヒリ

美琴(まだヒリヒリしてるのね・・・)

上条(水・・・はこういう時は逆効果だよな)

垣根「・・・俺は・・・お前のことが・・・」

心理「な、なになに?」

垣根「・・・・・・・・・・だ・・・」

心理「か、肝心のところが聞こえないわね・・・」

上条(・・・寝ぼけてるのか、垣根)

垣根「お前のことが・・・す・・・」

心理「す・・・好き?」

垣根「すごく・・・」

ショチトル(大きいです?)

垣根「・・・」zzz

心理「な、なによ!?今の生殺しはなに!?」

エツァリ「ま、まぁまぁ・・・」

心理「あぁもう!!ショチトル、もう一個飴ちょうだい」

ショチトル「はい」

心理「・・・」


552 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 20:11:57.16 ID:K4OUQYu40
ショチトル「どうした、食べないのか」

心理「・・・これ、グレープ?」

ショチトル「色を見ろよ」

心理「・・・紫ね、でも紫のくせにハッカ、とかないでしょうね」

ショチトル「ないない、ハッカなわけないだろ」

心理「そうよね」パクッ

ショチトル「それ、ナスだ」

心理「」

上条(心理さん・・・あなたって人は)

美琴(・・・ナス味の飴ってどこで売ってるのよ・・・)

ショチトル(食ってしもうたwwww中々味が口からなくならないあれをwwwww)

エツァリ(ダメですね、ショチトルはなんだかテンションがおかしいです)

心理「・・・」

ショチトル「どうだ、美味しいか?」

心理「・・・こ・・・」

ショチトル「こ?」



心理「こんなの飴じゃないって言ってるのよこのヤリマン!!」

ショチトル「」


553 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 20:15:06.35 ID:K4OUQYu40
心理「アンタ・・・ボケボケボケボケじゃないの!?」

美琴「ほ、ほら落ち着いて・・・」

心理「これが落ち着いていられる!?プライドががた落ちよ、プライドががた落ちよ!!」

上条「な、なんで二回・・・」

心理「大事だからよ!!」キッ

上条「ひっ!?」

ショチトル「ヤリマンじゃないもん・・・」グスン

心理「うっさいわねアバズレ!!」

エツァリ「ほ、ほら・・・貸切とは言っても一応運転手さんは聞いているわけですから・・・」



さだのり「だけどやっぱりママが好きー」


心理「ほら!!ヘッドフォンで音楽聴いてるから聞こえてないわよあの運転手!!」

上条「そ、そういう問題じゃないんですよ!?」

心理「あのねぇ!!私はさっきから飴が食べたいのよ、グレープの飴が・・・」

垣根「ん・・・なんだよ騒がしいな・・・」

美琴「あ、垣根・・・起きちゃった?」

垣根「おう・・・なんの騒ぎだ・・・?」


554 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 20:18:03.01 ID:K4OUQYu40
上条「ショチトルがさっきから変な味の飴ばっかり心理さんに渡すんだ・・・」

心理「ひどいでしょ?怒っていいわよね?」

垣根「もう怒ってるござるよ」

心理「なにか言った?」

垣根「大好きだぜ心理定規」キリッ

心理「ご、ごまかさないで」カァッ

美琴(あ、ちょっと効いた)

ショチトル「・・・だってだって、旅行ならこういう悪ふざけも必要なんだよね」

垣根「あのなぁ、限度ってものを・・・」

ショチトル「うるさい、昨日の夜に二人で添い寝しながら愛撫まで行ってたくせに」

垣根・心理「」

エツァリ「・・・本当ですか?」

ショチトル「あぁ」

心理「久しぶりにカチンと来たわ・・・ちょっと表に出なさいよ」

上条「こ、ここ高速・・・」

心理「あら、地面にこすり付けられてミンチになればいいんじゃないかしら」

エツァリ「おっかないですよ」


555 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 20:21:02.34 ID:K4OUQYu40
垣根「・・・はぁ、何味の飴だったんだ?」

ショチトル「ナス」

垣根「・・・ナス・・・」プルプル

心理「・・・あなた、今笑った?」

垣根「・・・ま、まったくショチトルはふざけやがって・・・」プルプル

心理「笑ってるわよね」

垣根「ふ・・・常識が通用しねぇ・・・その飴俺にもくれよ・・・」プルプル

ショチトル「はい」

垣根「ナス・・・www」パクッ

ショチトル「すまん、そっちはグレープだった」

垣根「」

心理「」



垣根「・・・グレープ美味しいよ・・・」グスン

心理「・・・泣かないの」

垣根「いいもん・・・別にゲテモノとか珍しいものとか好きじゃないもん・・・」

心理「ほら、ハンカチ」

垣根「・・・」チーン!!

心理「鼻水はかまないで」


556 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 20:24:59.16 ID:K4OUQYu40
上条「運転手さーん・・・って聞こえてるのか?」

さだのり「なんだよ・・・こっちは天使の羽根のCMソング聞いてるってのによ」

美琴「あ、あのランドセルの・・・?」

さだのり「で、なに」

上条「あとどれくらいで着くのか気になってさ」

さだのり「・・・あと20分くらいだ、もう少し掛かるし・・・それに平和記念公園だろ?なおさら時間は掛かる」

エツァリ「おや、そんなに遠いのですか?」

さだのり「平和への道のりは遠いのさ・・・」

上条「上手くねぇからな」

さだのり「・・・ゴールデンウィークなんだ、道は混んでるし人も多い」

ショチトル「なるほどな・・・」

さだのり「・・・適当にダベっとけばすぐだろ、こっちは一人で寂しく運転だ」

垣根「じゃあ頼むぜ・・・」ガサゴソ

上条「?なんだそれ」

垣根「知らないか?3つのうち1つだけ味が辛い知事・・・ってそれそのまんま東やがなー!」

心理「そのまんまガムとか言ったわね・・・それをやるの?」

垣根(・・・)グスン




557 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 20:27:00.23 ID:K4OUQYu40
美琴「まぁ、遠足とかではベタよね・・・」

垣根「で、これを二つ用意した」

上条「よし、これでちょうど6個か」

エツァリ「そうですね・・・」

上条「心理さんはどれがいい?」

心理「私はこれ」

ショチトル「じゃあ私はこれな」

美琴「私はこれ」

上条「じゃあ・・・俺はこれで」

垣根「俺はこっちな」

エツァリ「では・・・」

垣根「さだのり、余ったのでいいよな?」

さだのり「サンキュー」

エツァリ「」


エツァリ「・・・えっ?」


558 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 20:30:03.42 ID:K4OUQYu40
上条「よーし!!俺セーフ!!」

美琴「しゅ・・・しゅっぱい・・・」ヒリヒリ

垣根「ひゃはは!!セーフセーフ!!」

さだのり「おー、俺もセーフだ」

ショチトル「・・・心理定規・・・」

心理「・・・別に・・・すっぱくなんかないもん・・・」ウルウル

垣根「当たったんだな」

心理「・・・いいわよ・・・ナスの味が消えるからいいわよ・・・」ウルウル

上条「美琴、大丈夫か?」

美琴「・・・甘いのを想像してからの落差があるから怖いのよねこれ・・・」ヒリヒリ

垣根「はは!分かる分かる!」

ショチトル「たまに当たったのを隠して無理矢理普通に振舞うヤツとかいるよな!」

さだのり「それを利用して、誰が当たったか当てるゲームとかしたな」

心理「・・・すっぱい・・・」ヒリヒリ

垣根「ショチトル、飴心理定規にやってくれ」

ショチトル「わか・・・」

心理「い、いらないいらない!!!」




エツァリ(ふ・・・自分は涙がしょっぱいです)グスン



559 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/29(日) 20:33:17.10 ID:K4OUQYu40
今日はここまで

少しエツァリをいじめすぎたけどこれも彼のキャラ作りのためだ、と言い訳をする

筋肉動画はセルジオ・オリバの1981年

http://www.youtube.com/watch?v=ZPeJbYvCJqs 

当時40歳・・・相変わらず恐ろしいまでの筋腹の長さですね、後ろから見たときの腕の厚みとか足の太さが当時としても異例です

では


560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(徳島県) :2012/01/29(日) 20:50:35.20 ID:hc0q/bRw0
さだのりぃ…辛いのはわかるぜ
出番をもっとほしいんだろ
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/29(日) 22:17:24.46 ID:qsXR45r+o
乙なんだよ
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/01/29(日) 23:08:27.79 ID:+Xa7M7/X0

さだのり久しぶりだと思ったら向こうも更新されて
向こうもこっちも続き楽しみにしてます
563 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 16:38:20.05 ID:CLEAJkmP0
垣根「・・・長崎か」

バスの窓の外、そこはもう長崎だった

美琴「へぇ・・・なんだか坂が多い気がするわね」

心理「そうね・・・学園都市よりは多いわ」

ショチトル「なんか理由でもあるのか?」

垣根「たしか土地的に窪んでるから、仕方なくじゃなかったか?」

上条「あれ?そうだったっけ?」

エツァリ「・・・そういえば福岡もそうでしたね」

心理「やっぱり、地域によって全然違うのね」

さだのり「そろそろ平和記念公園だ」

上条「お、了解」

美琴「・・・なんだか、緊張しちゃうわよね」

エツァリ「そうですね・・・非常に重要な場所ですから」

垣根「全くもって同感だな」

ショチトル「・・・はぁ、息が苦しいよ」



564 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 16:39:12.35 ID:CLEAJkmP0

上条「・・・こ、こんなに拾いのか」

垣根「資料を収めている資料館と、いわゆる普通の公園に分かれてるからな」

資料館の前で、上条はただただ驚いていた

平和記念公園、というとあの有名な像がある公園だけだと思っていたからだ

心理「・・・入ってみる?」

美琴「うん」

神妙な面持ちになりながら、6人がゆっくりと資料館に足を踏み入れた

かつての惨状を映した悲劇的な写真、被害に遭った被害者の手記、その他にも被害の規模を表した地図

様々な歴史の爪痕が飾られている

上条「・・・出来れば、こんな建物なんか出来てほしくなかったな」

ショチトル「そうだな・・・原爆なんてものがなければ、この建物は必要なかった」

エツァリ「・・・なぜ人は戦争を繰り返すのでしょうか」

小さな子供の遺体の写真を見つめながら、悲しそうにエツァリが呟く

垣根「決まってるさ、戦争を誰もが嫌い、そして恐れているからだ」

美琴「だったら、戦争なんて無くなるはず・・・」

垣根「逆だ・・・戦争を誰もが恐れるからこそ、戦争が一番の脅迫手段になる」

上条「・・・そんな」



565 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 16:40:25.89 ID:CLEAJkmP0

垣根「頭をぶたれるのが嫌いな子供に言うことを聞かせるにはどうすればいい?頭をぶつのが一番早い、それがどれほど残酷だろうと」

心理「・・・悲しいけど、現実よね」

垣根「そして誰もが平和を願ってしまう・・・平和を勝ち取るために戦い、その戦いが憎しみを生む」

かつて使われていた銃弾のレプリカを、垣根が覗き込む

垣根「・・・結局、人間は人を殺す手段ばかり進歩させてしまった」

上条「・・・生かす手段は」

ショチトル「もちろんそちらも進歩したのさ」

エツァリ「ただ・・・殺す手段が余りにも急速に増えすぎました」

心理「・・・私は、平和な世界を望みたいわ」

美琴「誰だってそうよ・・・ただ、それを手にするために戦争を手段にしちゃいけないのよね」

垣根「・・・俺は世界平和なんて興味ないな」

上条「垣根・・・」

垣根「無理だと分かっているからさ・・・知ってるか?戦争に向かう軍人が、なぜ武器を握るか」

ショチトル「なぜ・・・か、それが仕事だからか?」

垣根「・・・誰かを殺したいからではない、大切な家族を守るためなんだとさ」



566 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 16:41:03.46 ID:CLEAJkmP0
美琴「でも守るために誰かを傷つけるなんて・・・!」

垣根「間違ってるな、第三者からすれば」

心理「でも・・・大切な人を死なせるのと、全く知らない人を死なせるのなら、大抵の人間は後者を選んでしまうものよ」

垣根「だからこそ彼等は武器を握るのさ・・・知らない人を殺して、自分の大切な人を守るために」

上条「・・・それでもやっぱり間違ってる」

垣根「・・・そうだな、こんなにたくさんの人間を死なせてまで・・・」

美琴「・・・こんなに小さな子供まで、亡くなったのね」

エツァリ「彼等は・・・平和を願うことさえ出来なかったのでしょうか」

垣根「・・・さぁな」

心理「・・・世界平和が・・・叶うことはあるのかしら」

垣根「無いさ」

上条「・・・綺麗事を言いたいけど・・・きっと、無理だろうな」

垣根「だとすれば、せめて自分だけでも平和になってみようぜ・・・誰も傷つけない方法で」

ショチトル「ふふ・・・誰もがそれを実行出来れば、世界は平和になるだろうな」

垣根「途方もない話だな、それが叶うより先に世界が無くなるだろうさ」

ショチトル「・・・それでも、叶ってほしい」



567 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 16:41:47.05 ID:CLEAJkmP0
エツァリ「そうですね、目指してみることは悪いことではありませんよ」

美琴「・・・うん」

上条「・・・俺達なら世界を変えられる、か」

垣根「あぁ?なんだよそれ」

上条「俺一人じゃ変えられないけど、みんなとなら変えられるんだ」

垣根「そんなに上手くいくかよ」

上条「やってみせる」

垣根「・・・そうか」

美琴「・・・この人達を殺した軍人は・・・何を思ったのかしら」

垣根「後悔を抱えた、何も感じなかった、優越感に浸った・・・様々だろうさ」

心理「・・・戦争に向かったってことは・・・殺される覚悟がなきゃいけないのよね」

垣根「あぁ、自分がたくさん殺したのなら・・・自分が殺されても文句を言う権利はない」

だが、大切な人ともしも再会出来たなら、喜ぶ権利くらいあるはずだ

垣根「・・・行こうぜ、外の公園も見ておきたい」

美琴「うん」




568 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 16:42:37.77 ID:CLEAJkmP0


上条「あぁ・・・この像は見たことあるな」

ショチトル「有名な像だからな」

平和を祈る青年の像、それを見つめながら6人は悲しい笑みを浮かべていた

垣根「平和を祈らなきゃいけない世の中・・・か」

心理「人間は憎み、そしてそれを行動に移してしまう生き物なのよね」

美琴「うん・・・」

エツァリ「・・・愚かなことです」

垣根「だが、俺達だって誰かを憎むことはある」

ショチトル「・・・全く、嫌になってしまう話だ」

垣根「・・・」

上条「・・・垣根、お前は戦争は無くならないって言ったよな」

垣根「あぁ、それが最も手っ取り早い方法だからな」

上条「だとしても、俺は諦めたりしない」

垣根「俺だって諦めないさ」

美琴「私も・・・無理でも、やってみせたい」

ショチトル「ふん・・・私も付き合わないことはないかな」

エツァリ「自分も付き合いますよ」



569 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 16:43:35.29 ID:CLEAJkmP0
心理「・・・平和な世界も中々素敵そうね」

垣根「さて・・・行きますか、いつまでもここにいるわけにはいかないさ」

上条「生きてる俺達は、生きてる時間を楽しまないとな」

垣根「そうだな、俺達はそれをする権利がある」

ポケットに手を突っ込んだ垣根がゆっくりと歩き出す

上条「ま、待てって!」

美琴「あんまり一人だけ先に行かないの!」

垣根「早く来いよ!俺は腹が減ってるんだ!」

心理「はぁ・・・こんな場所でくらい、最後まで真面目に・・・」

心理定規がふと垣根の横顔を見つめる

心理(・・・あなた、なんでそんなに悲しそうなのよ)

垣根「あぁ?なんだよ、俺の顔に何かついてるか?」

心理「・・・垣根、あなたも平和を願っていい人間なのよ」

垣根「!・・・分かってるよ、行こうぜ!」

エツァリ「は、走らないでください!」

垣根「だったら追いつけるように努力しな!」

上条「ま、待てよ!」

心理(・・・やっぱり、あなたは笑顔が似合うわよ)

垣根(・・・うるせぇよ)




570 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 16:44:31.11 ID:CLEAJkmP0


さだのり「おう、帰ってきたか」

垣根「次はどこだったか」

さだのり「出島にでも行くんじゃなかったか?」

心理「あら、出島って何かあるの?」

さだのり「ない、だから散歩でもしてみな」

美琴「はぁ・・・長崎だったら何があるかしら」

ショチトル「そうだな・・・ちゃんぽん」

エツァリ「食べ物じゃないですか・・・」

心理「長崎なら、やっぱり十字教関係じゃない?」

垣根「イヤだ・・・」

上条「・・・散々巻き込まれてるからよく知ってます」

美琴「そうね・・・わざわざ行くほどではないかも」

ショチトル「ならば・・・あとはオランダ物産館とかいう所しかないな」

垣根「さっさと済ませようぜ・・・今日はホテルでゆっくりしたいんだ」

心理「一体誰のせいで昨日はゆっくり出来なかったと思ってるのよ」

垣根「・・・昨日は早く寝られただろ」

さだのり「おいおい、あんまりイチャイチャ見せ付けるんじゃねぇよ」



571 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 16:44:58.05 ID:CLEAJkmP0
心理「あらごめんなさい、羨ましかったかしら」

さだのり「ちっ」

上条「さて!次は出島辺りか!」

美琴「辺りって表現が笑えるけどね・・・」

心理「はぁ・・・どれくらい掛かるの?」

さだのり「あんまり掛からないぜ」

心理「・・・眠れないのね」

垣根「我慢しろよ」

心理「・・・分かった」

眠気に包まれたバスは、ゆっくりと出島付近へ向かった




心理「・・・」

垣根「で、なんでこいつは寝ちまったんだ」

上条「・・・よっぽど眠かったのかな」

美琴「どうする?起こすの?」

垣根「・・・よりによって俺の肩に頭乗せやがって・・・」

ショチトル「垣根、動けないな」

垣根「んなの分かってるんだよ」



572 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 16:45:59.46 ID:CLEAJkmP0
ショチトル「ふはは!いいざまだぞ!」

エツァリ「・・・では、自分達も・・・」

垣根「いいって・・・もう着いたんだし、お前達は先に行っててくれ」

美琴「で、でも・・・」

垣根「連絡は携帯で取れるんだ・・・何も今こいつを起こす必要はねぇだろうが」

上条「・・・じゃあ、そうしていいか?」

垣根「さっきから言ってるじゃねぇか」

ショチトル「悪いな、垣根」

上条「後でちゃんと来いよ!」

垣根「当たり前だ、俺だって長崎の街を回りたいんだ・・・」

美琴「じゃあ・・・後で」

手を振って4人を見送ってから、垣根は大きくため息をついた

垣根「・・・心理定規・・・早く起きないかな」

心理「・・・」

垣根「・・・」

垣根(でも・・・こいつの寝顔見れるなら、悪くはないか)



573 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 16:47:17.76 ID:CLEAJkmP0



上条「レトロな街だ・・・」

美琴「・・・うん、なんだかちょっと不思議・・・」

ショチトル「えっと・・・出島はどこだ」

エツァリ「たしか地図では・・・ここを真っすぐですね」

美琴「真っすぐ・・・?でも海が見える方向には何もないみたいだけど」

エツァリ「すでに出島、という土地は無くなっているため当時の風景を再現した資料館みたいなのがあるだけですね」

上条「えー・・・なんだか幻滅だな」

エツァリ「・・・出島なんて相当昔のものですから、今の時代に残っているわけがありませんよ」

ショチトル「まさにそげぶだな」

上条「はぁ・・・出島の近くにはなんかないのか?」

エツァリ「・・・そうですね・・・」

美琴「・・・別に美味しい店とか聞いてるんじゃないからね」

エツァリ「分かってます・・・歴史的な建築物は見当たりませんね」

上条「・・・長崎って出島だよな・・・オランダとの貿易だよな!?ペリーだよな!?」

美琴「ペリーはアメリカ」

上条「とにかく!昔という過ぎ去った時代との触れ合い、そこに想いを馳せる時代旅行が出来ないってことなんだろ!?」



574 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 16:48:06.89 ID:CLEAJkmP0
ショチトル「うーん・・・ちょっと遠いところには博物館なんかあるぞ?」

上条「修学旅行ならともかくプライベートの旅行では行きたくない・・・」

美琴「えっと・・・長崎だったら・・・」

エツァリ「少し離れたところにはグラバー園なんて物がありますね」

上条「あそこってそんなに面白くないって聞いたぞ・・・」

美琴「そ、そうなの?」

上条「・・・行ってもいいけど、ちょっと地味そうだ」

ショチトル「・・・となると、目的地が無くなるな」

エツァリ「・・・見たい場所自体はたくさんあるんですよね」

美琴「うん、十字教関係だって私達はともかく一般人なら興味あるだろうし・・・グラバー園もあるもんね」

上条「それにオランダとの貿易の資料なんて歴史好きには堪らないんだろうな・・・」

俺には全く分からないけど、と上条が歩きながらぶっきらぼうに呟く

擦れ違う人々は九州美人というか、学園都市で見かける美人とは少し違う雰囲気だった

ショチトル「・・・どうする?昼飯食べてしまおうか」

美琴「だったら一度垣根の所に戻らなきゃ」

エツァリ「・・・いえ、まだ正午にもなってないですからもう少し我慢してみましょう」

上条「?そうか」

エツァリ(垣根さんも、きっと二人きりの時間を大切にしたいでしょうから)




575 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 16:48:33.43 ID:CLEAJkmP0



さだのり(忘れられてる気がするでござる)

垣根「・・・」

じーっ、と心理定規の寝顔を見ていた垣根

その状態が10分ほど続いただろうか

心理「ん・・・」

垣根「よぉ、目が覚めたか」

心理「あら・・・もう着いたの?」

垣根「とっくの昔にな・・・上条達はもう観光に洒落込んでるぜ」

心理「・・・もしかして、寝坊した?」

垣根「お眠な心理定規とか笑えるな」

心理「・・・それで、あなたはなんで残ってるの?」

垣根「肩に頭を乗せながら言う台詞じゃねぇだろ」

心理「動いたら私が起きちゃうから?」

垣根「・・・まぁ、そんなとこだな」

心理「起こしてくれてよかったのに」

垣根「それに、こうすれば二人きりになれるだろ」

心理「あら、中々素敵な考えね」

576 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 16:49:21.48 ID:CLEAJkmP0
垣根「・・・上条達の所、行くか?」

心理「みんなどこを回ってるの?」

垣根「さぁ・・・でも長崎ってふらっと見る場所ってのは中々ないんだよな」

心理「・・・みんな、何も見る場所が無くてうろついてるんじゃないかしら」

垣根「だとしたら・・・俺達が行く必要はないか」

心理「・・・もっと二人きりでいたいってこと?」

垣根「・・・あぁ」

心理「・・・」

垣根「・・・」


垣根(いやいやそこは何かリアクションとるとこだよな!?)

心理(・・・垣根ったら照れ屋ね)

垣根「なぁ・・・いいのか、行かなくて」

心理「ここのほうが楽しいから」

垣根「・・・だけどさ」

心理「それに・・・昨日の夜の続き、ここでなら出来そうじゃない」

垣根「はぁっ!?」

心理「バスとは言っても・・・密閉された空間よ?」



577 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 16:50:04.80 ID:CLEAJkmP0
垣根「いやだ!俺の心理定規が淫乱になった!いやだいやだいやだ!」

心理「違うわよ・・・ちょっとからかってみただけ」

垣根「だ、だよな・・・」

心理「いくら二人きりだからって、いつみんなが戻ってくるか分からないバスでは出来ないわよ」

垣根「冷静に考えたらそうだよな」

さだのり(忘れられてる気がするでござる)

垣根「・・・暇だな」

心理「・・・みんなに戻ってくるように連絡しなさいよ」

垣根「・・・仕方ねぇな」

携帯で短い文章を打ち、すぐさま垣根が目を閉じる

心理「あら、眠いの?」

垣根「・・・ちょっとな」

心理「じゃあ・・・私ももう一寝入りしようかしら」

垣根「・・・勝手にしろ」

心理「素直じゃないんだから」

コテン、と垣根の肩に頭を乗せてから心理定規が小さく呟く



578 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 16:50:54.73 ID:CLEAJkmP0
心理「ホント・・・素直じゃないのね」

垣根「なんか言ったか」

心理「なにも」

垣根「・・・お休み」

心理「えぇ」

さだのり(気まずいでござる)


上条「・・・ただいま」

垣根からのメールを受けてすぐ、上条達はバスに戻ってきた

目的地のない散歩を始めてすぐだったため、正直かなりありがたかった

美琴「あら、二人とも寝ちゃってる・・・」

エツァリ「本当ですね・・・」

上条「疲れてたのか」

ショチトル「ふん・・・寄り添いながら寝るなんて、こいつららしいな」

美琴「あはは、ホント」

上条「この二人っていっつも一緒にいるくせにいざという時には素直にならないからな」



579 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 16:52:15.59 ID:CLEAJkmP0
エツァリ「寝ている時は素直になってしまうんでしょうね」

上条「・・・あぁ」

美琴「なんか微笑ましい」

ショチトル「・・・写真、撮るか」

エツァリ「いいですね」

ショチトル「カメラカメラ・・・」

垣根「・・・撮影は禁止だ」

ショチトル「お、起きてたのか!?」

垣根「お前らの気配で起きた」

上条「そ、そっか・・・」

垣根「・・・全員揃ったなら昼飯行くぞ」

美琴「オランダ物産館だったっけ?」

垣根「あぁ、レッツゴー・・・さだのり、頼む」

さだのり「あいよ」

上条(いたんだな、あの人)

さだのり(傷ついたでござる)


580 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 17:53:39.09 ID:CLEAJkmP0

上条「・・・これがオランダ物産館か?」

垣根「あぁ」

美琴「な、なんか・・・イメージと違うわね」

ショチトル「普通の建物じゃないか」

上条「・・・もっと大きな建物かと思ってたのにな」

垣根「中では長崎のいろいろなものが食べられるんだよ」

心理「あら、そうなの?」

垣根「ちゃんぽん、皿ヤキソバ・・・」

エツァリ「なるほど・・・それは楽しみですね」

垣根「さぁ!!行こうぜ!!」

美琴「ところで、それって注文式なの?」

垣根「修学旅行なんかじゃバイキングっていうか、好きなの食べられるんだよな」

上条「へぇ・・・」

垣根「今日はその方式にしておこうか」

心理(し、しておこう・・・?)

ショチトル(なんだか誰かの都合のせいみたいだな)


581 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 20:07:23.75 ID:CLEAJkmP0

垣根「・・・ということで昼飯だ」

上条「へぇ・・・皿ヤキソバってこれのことか」

美琴「パリパリのヤキソバ・・・」

心理「これって、シナシナさせてから食べる人と堅いまま食べる人に分かれるわよね」

ショチトル「私はカチカチのまま頬張りたいタイプだな」

美琴「変な言い方しないの」

垣根「こっちはちゃんぽん・・・あとカステラ、コノシロの刺身だな」

上条「コノシロ?」

垣根「春秋の彼岸が一番美味しいが・・・ま、この時期でも十分美味しいさ」

ショチトル「生魚は少し怖いな」

心理「あら、中ったことでもあるの?」

ショチトル「ないけどさ・・・」

エツァリ「我々の文化では生魚を食べる、ということはなかったですからね」

上条「ふーん・・・」

垣根「おい、話はそれくらいにしようぜ!!」

上条「あぁ、そうだったな」

垣根「じゃあ、いただきまーす!!」

一同「いただきまーす!!」


582 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 20:44:04.69 ID:CLEAJkmP0

ショチトル「美味い!!美味いぞこの皿ヤキソバ!!」

エツァリ「そうですね・・・自分はシナシナさせたいですね」

上条「シナシナさせたいのか?」

エツァリ「えぇ、もう腰砕けに・・・」

上条「分かった、消えろ」

エツァリ「」

垣根「・・・コノシロうめぇ」

心理「あーん」

垣根「い、いいって・・・一人で食えるっての」

心理「・・・あーん・・・」

垣根「だから一人で・・・」

心理「・・・あーん・・・」ウルウル

垣根「・・・あーん」

心理「嘘」パクッ

垣根「」

美琴(心理定規・・・中々やるわね)

美琴「ねぇ、当麻」



583 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 20:59:58.90 ID:CLEAJkmP0
上条「ん?なんだ?」

美琴「あ、あーん!」

上条「いいって、自分で食べれるし」

美琴「そ、そんなこと言わないで、あーん!!」

上条「どうせ今の心理さんの真似だったんだろ?」

美琴(バレた・・・!!)

上条「ん、このカステラ美味しい」

美琴「え、ホント?」

上条「あーん」

美琴「あーん!」

上条「嘘」パクッ

美琴「」

上条「あはは、引っかかった・・・」

美琴「・・・」ウルウル

上条「え、えぇぇぇ!?」

垣根「分かるぜ御坂・・・あーんされたと思って騙された気持ち」

美琴「垣根・・・あーん・・・」

垣根「ありがとよ・・・」パクッ

上条・心理「・・・」



584 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 21:14:45.30 ID:CLEAJkmP0
美琴「ん、なになに?」

垣根「もしかしてヤキモチか?あぁ?」ニヤニヤ

心理「違うわよ」ムスッ

上条(・・・ちゃんとあーんしてあげればよかった)

垣根「・・・てかさ、ショチトル」

ショチトル「うむ、なんだ」

垣根「お前一人だけで淡々とカステラ食べてるんじゃねぇよ」

ショチトル「だって美味しいんだもん」

垣根「当たり前だろ!!」

美琴「・・・私も食べたい」

エツァリ「はい、どうぞ」

美琴「ありがと・・・当麻と違って、当麻と違ってエツァリさんは優しいわね!!」フン!

上条「も、もしかして拗ねてる!?」

美琴「もしかしなくても拗ねてるのよ!!」

上条「えぇぇぇ!?」

心理「さっきはごめんなさいね、垣根・・・あーん」

垣根「あーん」パクッ

心理「美味しい?」

垣根「あぁ、美味しいぞ」


585 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 21:22:30.68 ID:CLEAJkmP0
上条「ご、ごめんってば!!」

美琴「知らない!!」フン!!

上条「み、美琴ぉ・・・」

垣根「おいおい、いつまでも喧嘩してると美味い飯が不味くなっちまうぞ」

心理「そうそう、ここは仲直りの握手よ」

上条「そ、そうだよな!!」

美琴「どうせ仲直りなんて幻想もその右手は殺しちゃうのよ」ムスッ

上条「み、美琴・・・」

ショチトル「全く、美琴ったら意地っ張りで可愛いな、レズプレイがしたくなっちゃうくらいのツンツンだな」

美琴「当麻、仲直りしよう、今すぐに」

上条「あ、あぁ」

エツァリ(ショチトル・・・仲直りのきっかけを作るために、わざわざ変態発言を・・・)

心理(・・・何はともあれ、上条君と美琴が仲直りしてよかったわね)

垣根(ちっ・・・つまんねぇな)

ショチトル(あぁ・・・美琴に冷たくされちゃった・・・)ビクンビクン

垣根(・・・ショチトルがなんだか小刻みに震えているんだが)


586 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/30(月) 21:24:56.18 ID:CLEAJkmP0
今日はここまで

筋肉動画はロニーの2000年

http://www.youtube.com/watch?v=fj5bfBFQg5c

この年まではシンメトリーも完璧でしたね・・・

2002年での敗北後、無理矢理な増量でシンメトリーを失いましたが

ではおやすみなさい


587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/30(月) 23:53:35.74 ID:Blcp4Ygeo
乙なんだよ
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/01/31(火) 01:32:05.75 ID:KborkNrr0
乙なんですの
589 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 18:21:29.58 ID:/1daYad40
垣根「はぁ・・・美味かった」

上条「ちゃんぽんは塩胡椒で細かい味の調整をするのが楽しいな」

美琴「そう?そのままでも十分だと思うけど」

ショチトル「麺が太いからスープと絡まないと思っていたが・・・そんなことなかったな」

心理「そうね・・・魚介類のダシが効いててよかったわ」

エツァリ「カステラも素晴らしかったですね、上品な甘さが最高です」

垣根「カステラは妹達のお土産に良さそうじゃないか?」

上条「そうだな、ついでにテクパトルのもそれで済ませられるし」

美琴「そんな選び方でいいのかしら・・・?」

ショチトル「いいんだよ、テクパトルみたいなヤツには十分だ」

エツァリ「問題は他の方ですね・・・」

上条「削板と白井には・・・ちょっと味の違うカステラかな」

垣根「なんでカステラだけなんだよ・・・」

心理「そうね・・・出島のパンフレットとかは?」

上条「あぁもう!なんか地味なボケはやめてください!」

心理「・・・昨日ホテルで買ったクッキーだけじゃ少ないかしら」



590 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 18:21:58.66 ID:/1daYad40
エツァリ「少し足りない気がしますね」

ショチトル「うーん・・・一方通行達には何がいいかな」

美琴「いいのよあんなヤツ・・・適当に選べば」

垣根「そんなこと言うな、一方通行達にあげる土産ってことは番外個体と打ち止めにも渡るんだぞ」

美琴「!?だったらちゃんと選ばないといけないわね!」

ショチトル(一方通行可哀相だな)

エツァリ(全く・・・)

垣根「・・・一方通行にはそこらへんの子供の写真でいいんじゃねぇか?」

上条「良くないからな!」

垣根「冗談だ・・・他に何かないかな」

心理「平和関係の物とかは?」

美琴「一方通行はそんなのくだらない、とか言いそう・・・」

上条「あぁ・・・なんか分かる」

エツァリ「となりますと・・・キーホルダーなどですね」

ショチトル「一方通行はパンク系の服を着るよな」

上条「ってことは・・・ゴテゴテしたアクセサリーがいいかな」



591 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 18:22:24.94 ID:/1daYad40
垣根「そうか?でもそれだけじゃ番外個体と打ち止めの分を別に考えなきゃいけないぜ?」

心理「・・・ここはカステラね」

上条「結局はそうなるのか・・・」

心理「仕方ないでしょ、コーヒーにも合うお菓子って言ったらそれしかないし」

ショチトル「そうだな、無難なチョイスではあるな」

エツァリ「少し安直ですが・・・」

垣根「はい!カステラをたくさん購入することになりました!」

美琴「はぁ・・・でもお土産を買う段階に入ると、そろそろ帰るって感じがするわね」

上条「明日には学園都市に帰らなきゃならないからな」

垣根「・・・そんなこと言うな、悲しくなる」

心理「・・・でも、早く帰りたいって気もするわね」

美琴「そうね・・・みんなに会いたい気もするわ」

エツァリ「・・・みなさんは何してるんでしょうかね」

垣根「テクパトルの野郎は相変わらず仕事だろ」

上条「白井は風紀委員だよな、ゴールデンウィークだし」

ショチトル「一方通行は引きこもりだろうな」



592 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 18:22:54.51 ID:/1daYad40
美琴「・・・削板は黒子の手伝いね」

心理「・・・妹達はテクパトル君の取り合いよね」

上条「あはは!分かる分かる!」

美琴「・・・帰りたい」

垣根「おいおい、まさかホームシックかよ」

ショチトル「・・・まぁ、明日には帰れるんだから」

美琴「・・・うん」

上条「さて・・・じゃあお土産買ったら次の目的地に・・・」

垣根「で?次の目的地とやらはどこなんだよ」

上条「・・・」

ショチトル「そういえば、長崎で見たい場所なんて他にはなかったな」

エツァリ「そうですね・・・あまり観光地があるわけではないですから」

美琴「ちょっと・・・まさかもうホテルに向かうなんて言うんじゃないわよね!?」

心理「私はそれでもいいんだけど」

上条「いやいや!せっかく旅行に来たんだから観光しようぜ!」

心理「眠いのよ」

上条「・・・お土産買わないといけないんですが」

美琴「そうよ!今から・・・」

心理「でもすぐに買えるわよね?」



593 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 18:23:21.25 ID:/1daYad40
上条「ま、まぁそれは」

ショチトル「この通りの店でカステラもあるんだよな?」

垣根「あぁ、この辺りはオランダ関係の店が多いからな」

ショチトル「・・・お土産買ったらホテルに行こう、心理定規は疲れてるみたいだし」

心理「ありがと・・・じゃあ私、先にバスに帰っとくわね」

上条「あれ、一緒に買い物しないのか?」

心理「お土産を選ぶのはみんなに任せるわ・・・朝早かったから眠いのよ」

垣根「着いて行こうか?」

心理「大丈夫・・・あなたもお土産選んでて」

垣根「あぁ」

手を振ってから、先に心理定規はバスに向かった




心理(・・・眠いわ)

目を閉じているとなんとも言えない心地よさが体を包む

バスの座席はそこまで柔らかいとは言えない

しかしなぜか、周りから孤立した空間というのは安心感を与えてくれる

それが知らない土地ならばなおさらだ



594 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 18:23:48.82 ID:/1daYad40
心理(・・・)

気が付けば、彼女は夢に落ちていた




心理「・・・ここは?」

垣根「起きたか、いきなり寝られたらこっちが困るんだよ」

ゴーグル「全くっす・・・」

心理(・・・ゴーグル君・・・?あぁ、これは夢なのね・・・)

ゴーグル男がいるということはスクール時代の夢だろうか

垣根「ったくよ・・・こっちは真剣に明日の件について講釈垂れてやったのに」

心理「ごめんなさいね・・・ちょっと疲れてたから」

垣根「・・・」

ゴーグル「ま、まぁまぁ・・・そんな不機嫌になることないっすよ」

垣根「分かってる」

心理(・・・そうね、昔の垣根はホントに素っ気なかったわ・・・)

今の彼が優し過ぎるだけに、忘れてしまいそうだった昔の彼

心理「・・・ねぇ、垣根」

垣根「なんだよ」

心理「あなた、世界平和ってものを信じる?」



595 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 18:24:14.81 ID:/1daYad40
垣根「くだらないな、俺達が暗闇の中にいる時点で世界全てが平和になることはない」

心理「・・・ゴーグル君、あなたは?」

ゴーグル「どうでもいいっすよ、知らない国で知らない誰かが死んでも俺には関係ないですから」

心理「・・・そうね」

冷たい、と感じる人間もいるだろうがこれが過去の彼等だった

綺麗事を言うことを嫌い、ただ現実だけを見つめていた

心理「・・・」

垣根「なんでそんなくだらないことを聞いてきた」

心理「ちょっとね・・・聞いてみたかっただけよ」

垣根「今更明るい世界に戻りたいなんて言うんじゃねぇだろうな」

ゴーグル「無理っすよそんなの・・・第一、そんなことしたら垣根さんに消されますし」

垣根「バーカ、別に俺はお前達がスクール抜けても構わねぇよ」

ゴーグル「あれ、そうなんすか」

垣根「お前らが表で厄介な事をしたなら他のヤツらに消させればいい、スクールは実質俺一人でもやっていける」

心理「あら、だったらどうして私達を仲間にしてるの?」

垣根「仲間じゃねぇ、ただの道連れだ」



596 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 18:24:43.08 ID:/1daYad40
ゴーグル「それもそうっすね・・・地獄を見るならこの三人でしょうから」

心理「・・・あなた達と一緒なら、それはそれで楽しそうね」

垣根「・・・」

心理「・・・垣根、あなた・・・」

垣根「それ以上無駄話はするな」

心理「・・・えぇ」





垣根「おい、心理定規・・・」

心理「んん・・・?垣根?」

上条「やっと起きた・・・もうホテルに着いたぞ」

心理「あら、そんなに寝ちゃってた?」

ゴシゴシと目を擦り、バスの前方にある時計を見つめる

寝始めてからすでに2時間も経過していた

ショチトル「なんだか楽しい夢でも見ていたのか?」

心理「楽しそうだった?」

美琴「うん、ちょっと笑ってた」

エツァリ「・・・何かいい夢でも?」



597 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 18:25:08.82 ID:/1daYad40
心理「・・・」

垣根「あぁ?なにじっと見つめてんだよ」

心理「ねぇ、あなたは世界平和を信じる?」

垣根「・・・なんでそんなこと俺に聞くんだ」

心理「聞いてみたかったからよ」

垣根「・・・知らないな、だが俺が守りたい世界だけは守ってやる」

心理「・・・ふふ」

垣根「なんだよ・・・なに笑ってやがる」

心理「いいえ、あなたは変わったわね」

垣根「あぁ?」

心理「さぁ、ホテルに着いたのよね」

上条「あぁ、もう入るか?」

心理「そうね・・・二人部屋じゃなかったら暴れるけど」

上条「あ、暴れないで下さい・・・」

美琴「じゃあ、二人部屋になってることを祈って!」

エツァリ「・・・なんだかフラグが建ちそうですね」




598 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 18:25:34.77 ID:/1daYad40

垣根「よかったな、二人部屋で」

上条「ひ、一安心だよ・・・」

ショチトル「しかし今日のホテルはそんなに高そうなホテルではないな」

グルリ、とホテルの中を見渡したショチトルが呟く

たしかに、昨日泊まったホテルに比べると小さなホテルだ

美琴「ここは・・・当麻が選んだのよね」

上条「あぁ、友達とか知り合いに長崎でいいホテルを知らないか聞いたんだ」

エツァリ「それがここだったんですか」

上条「まぁ、豪華さでは昨日のには敵わないけど、料理が美味しいらしくてな」

垣根「それは中々期待出来そうだな」

心理「とりあえず私は寝るわよ・・・」

部屋のカードキーをフロントで受け取り、すぐに部屋へ向かう



心理「・・・へぇ、何だかんだ綺麗な部屋なのね」

垣根「そうだな」

二人が自分達の部屋を覗いてから感想を述べる

窓からの景色も中々良く、広さもちょうど良かった



599 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 18:26:04.74 ID:/1daYad40
垣根「・・・ベッドも中々だな」

心理「枕が変わってるから寝付けなさそうだけど・・・」

垣根「お前、そんなにデリケートだったか?」

心理「意外とね・・・自分でも驚いてるけど」

垣根「へぇ・・・大変だな」

心理「おかげでここ二日はあんまり・・・」

垣根「眠れてないのか」

心理「ごめんなさいね・・・本当は昨日の続きしてあげたいんだけど、まだ疲れてるみたい」

垣根「・・・あ、そうだ」

心理「?」

垣根がベッドに大の字になって寝転がる

心理「あなたも眠いの?」

垣根「違う違う」

手招きをしながら垣根が笑う

心理「・・・なに?」

垣根「枕が変わって寝られないんだろ?だったら俺が腕枕してやるよ」



600 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 18:26:48.76 ID:/1daYad40
心理「!い、いいの?」

垣根「俺の腕枕ならゆっくり寝られるだろ」

心理「・・・」

顔を赤くしながら、心理定規が垣根に添うようにして寝転がる

心理「・・・あ、ありがと」

垣根「どういたしまして」

心理「・・・よく眠れそう」

垣根「俺も寝ようかな」

心理「・・・寝ましょう、疲れたもの」

垣根「あぁ・・・じゃ、また夢の中で」

心理「ふふ・・・夢の中で」

目をそっと閉じてから、心理定規が小さく笑う

心理(ホント、あなたは変わったわよ・・・垣根)

心理(・・・素敵に変わったわよ、あなたは)





601 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 18:27:23.93 ID:/1daYad40

上条「おぉ・・・景色が綺麗!」

美琴「・・・よし、壁は厚い・・・」

上条「部屋も値段のわりに広いし・・・」

美琴「ベッドはシングルが二つ並んでて、間に少しの隙間あり・・・」

上条「これなら意外とノビノビ出来そうですね!」

美琴「これならちょっと声が出ても隣には聞こえないわね!」

上条「・・・」

美琴「・・・」

上条「あの、御坂さんはなにを前提に話をされているんですか」

美琴「う・・・す、するんじゃないの?」

上条「しますけど・・・今はまだしないから」

美琴「そ、そうなの?」

上条「今はそれどころじゃないだろ・・・みんなにお土産を振り分けなきゃ」

購入したお土産を、全員分あるか確認する

更に、それに小さなメッセージカードを付ける

自分達だけが楽しい思いをしているのだ、少しくらい丁寧にしないといけない

美琴「へぇ・・・意外とマメなのね」



602 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 18:27:49.80 ID:/1daYad40
上条「友達として当たり前の礼儀だろ?」

美琴「うん!それでこそ私の当麻よね!」

上条「美琴も番外個体のとか妹達のとかに書いたらどうだ、メッセージ」

美琴「よーし!」

美琴が上条からペンを受け取り、カードにメッセージを書いていく

美琴「親愛なる妹達・・・お口に合うかは分かりませんが、良ければどうぞ」

上条「な、なんか堅苦しくないか?」

美琴「いいじゃない、下手に明るく書くよりはマシよ」

上条「・・・番外個体にもそれでいくのか?」

美琴「ううん、打ち止めと喧嘩しないようにって」

上条「あぁ・・・カステラの取り合いしそうだからな」

美琴「・・・一方通行にも一応書いてあげる」

上条「どれどれ・・・二人をよろしく・・・それだけか?」

美琴「だって長々書いても絶対あいつ読まないもん!」

上条「うーん・・・最悪、クシャクシャにして捨てそうだよな」

美琴「だから、あいつには丁寧に書く必要なんかない!」

上条「お前・・・一方通行のこと嫌いなのか?」

美琴「嫌いとは違うけど・・・なんかぶっきらぼう過ぎるのよね、一方通行」

上条「それは生まれ持った性格だから今更どうしようもないな・・・」

603 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 18:28:47.04 ID:/1daYad40
美琴「・・・でも、あの二人を世話してくれてることは感謝してる」

上条「それも書いたらどうだ?」

美琴「は、恥ずかしいからいいわよ!」

上条「はぁ・・・素直じゃないよな、美琴」

美琴「・・・アンタはクラスの友達にも買ったんでしょ、それにメッセージ書きなさいよ」

上条「いや・・・みんなで一つのカステラだし、そこまで丁寧には」

美琴(クラスよりプライベートの友達・・・当麻、中々黒いわね)

上条「なんだよ?」

美琴「なんでもないわ」

上条「・・・さて、お土産の振り分けは終わったな」

美琴「う、うん!」

上条「じゃあ」

美琴「は、始めるの!?」ドキドキ

上条「?いや、一眠りしたいんですけど」

美琴「・・・そ、そうよね・・・眠いもんね」ハァ

上条「な、なんだよ?」

美琴「・・・甲斐性なし」

上条「はいぃ!?」



604 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 21:46:58.77 ID:/1daYad40

エツァリ「・・・やっと二人きりだな」

ショチトル「相変わらず、その切り替わりの速さはさすがだな」

エツァリ「・・・悪いか?」

ショチトル「いや・・・そっちのほうがいいさ」

エツァリ「・・・それにしても、旅行なんていいながら結局最後はこうして普通に二人で過ごすだけか・・・」ハァ

ショチトル「それでいいだろう、大体ずーっと観光なんてしたくない」

エツァリ(・・・様々な史跡を回れるのは興味深いんだが・・・)

ショチトル「・・・さて、まだ中途半端な時間だし寝るとするか」

エツァリ「夜に眠れなくなるぞ」

ショチトル「大丈夫だ、問題ない」

エツァリ「・・・ま、夜は夜ですることがあるがな」

ショチトル「もう、お兄ちゃんのエッチ」

エツァリ「・・・」ゾクゾク

ショチトル「・・・さて、それでは寝るか」

エツァリ「あぁ」



605 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 21:51:40.70 ID:/1daYad40

垣根(・・・腕が痺れた)

心理定規が彼の腕枕を使って寝始めてからすでに1時間半

ジンジンとした鋭い痛みに、垣根は目に涙を浮べていた

垣根(足の痺れと違ってなぜか異常に痛い腕の痺れ!!)

垣根(くそ・・・だがここで俺が腕を引っこ抜けば心理定規は起きてしまう!!)

垣根(・・・よし、そーっと、そーっと抜いてみるか!!)

ゆっくりと、出来る限り心理定規に振動を与えないようにしながら垣根が手を動かす

かなり動かせている気がするが、実際は1cm単位での動きだ

垣根(・・・起きるなよ・・・)

垣根(よーし、手首までは来た・・・問題はこっからだ、掌の凹凸で心理定規の頭に振動が否が応でも行ってしまう)

垣根(だがそれは普通の人間の場合だ・・・俺は垣根帝督、学園都市第二位の超能力者だ)

垣根(・・・考えろ、この場合どうすれば心理定規の目を覚まさせずに済むか)

垣根(・・・指をピンと伸ばせば凹凸は減らせるが・・・それでも変わらない難しさだ)

垣根(・・・下手をすれば、指を伸ばしたときに心理定規の髪の毛に触れてしまう)

垣根(それでこいつが起きたらおしまいだ)

垣根(・・・よし、今の体勢のままやってみるか)


606 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 21:55:22.38 ID:/1daYad40
スルスル、と腕を動かすが中々思い通りにはいかない

垣根(・・・起きるなよ)

垣根(大丈夫だ・・・ここまで慎重にやってるんだ、これなら!!)

とうとう掌の中央が心理定規の後頭部を通り過ぎた

垣根(・・・この角度のままいけるか?)

垣根が身を乗り出して腕を覗き込む

その体勢は、ちょうど心理定規の寝ているところに無理矢理キスをするような形だった



心理「ん・・・垣根・・・?」

垣根「」

心理「・・・何してるの?」キョトン

垣根(落ち着け、これは決して寝込みを襲おうとしていたわけではない、それにこいつは俺の彼女だ)

垣根(・・・そうだ、腕を抜こうと思ってそっと動かして、覗き込んだらちょうどお前が起きたって言う説明で大丈夫だ、うん)

心理「ねぇ?」

垣根「抜こうと思って覗いたら、ちょうど起きたんだ」

心理「・・・」

垣根「・・・」


垣根(言い方がまずかったな、これは)


607 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 21:58:19.47 ID:/1daYad40
心理「・・・あなた、そんなことしようとしてたの?」

垣根「誤解だ」

心理「ご、五回!?あなたどれだけ元気なのよ・・・」

垣根「元気?いや、元気じゃなくてもうジンジンしてるんだって」

心理「げ、元気だからジンジンしてるんじゃないの?」

垣根「違うって、お前のせいで抜けなかったからジンジンしてるんだ」

心理「わ、私で抜くんじゃないの?」

垣根「はぁ?」

垣根(・・・いや、会話がおかしかったか)

垣根「腕を抜こうとしてたんだ」

心理「・・・あぁ、そういう意味」

垣根「決して、決して下世話な話じゃないんだ」

心理「・・・そう、てっきり昨日の続きがしたくなったのかと思ったわ」

垣根「・・・お前な・・・」

心理「ごめんなさいね・・・腕、痺れちゃったの?」

心理定規が垣根の腕を摩る

垣根「痛ぁぁぁぁぁぁい!!!!!!!!!!」

心理(あ、ホントに痺れてるのね)


608 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 22:10:41.35 ID:/1daYad40
垣根「何するんだよ!?」

心理「あら、ちょっと介抱してあげようかと」

垣根「うがぁぁぁ!!」

垣根がブンブン、と右腕を振り回す

そうしてもどうしようもないが、動かさないでいるとつい痛みを意識してしまう

心理「ちょっと、危ないわよ」

垣根「だって痛いんだよ!!めちゃくちゃビリビリするの!!」

心理「そう言うと美琴のせいみたいね」

垣根「あぁもう!!ちくしょう、腕枕なんてなぁ!!」

心理「私はよく眠れたけど?」

心理定規がズイ、と垣根に顔を近づける

垣根「お、おう」

心理「だから・・・お礼がしてあげたいわね」

垣根「・・・その、今はまだ午後の4時・・・」

心理「・・・美琴と上条君・・・ショチトルとエツァリ君はこの旅行中ですでにしたみたいよ?」

垣根「だ、だからって・・・」

心理「・・・いや?」

垣根「・・・わ、分かったよ・・・」

心理「ありがと」クスクス


609 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 22:14:38.55 ID:/1daYad40


上条「・・・さて、晩飯ですよ」

垣根「・・・」

美琴「?どうしたのよ、垣根」

食堂前に集まった6人

その中で、明らかに垣根だけがゲッソリとしていた

垣根「・・・なんでもねぇよ」

ショチトル「なんだか顔から生気が抜けてるぞ」

垣根「・・・あぁそうか・・・」

心理「ふふ・・・ちょっと疲れてるのよね」ニコニコ

エツァリ「?何かあったのですか?」

垣根「・・・何もなかったんだ・・・」

上条「それにしても疲れてるな・・・」

垣根(心理定規の野郎・・・一回だけだと思ってた俺が馬鹿だった・・・)グスン

心理(あら、久しぶりなんだしいいじゃない)

ショチトル(なにやらエッチな雰囲気だぞ)

エツァリ(そうでもないだろう)


610 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/01/31(火) 22:17:19.07 ID:/1daYad40
今日はここまで

明日で旅行は終わらせる・・・思ったよりもグダグダになってしまった

今思えば、福岡はともかく長崎の記憶がまったくないですw

その後はていとくんの短いほのぼのギャグというか単発を

筋肉動画はシュワちゃん20才

http://www.youtube.com/watch?v=nC7XBPrC_GY 

こんな才能があれば、そりゃスターにもなりますわな

ではおやすみなさい


611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/31(火) 23:15:00.73 ID:Js5S3ka0o

よし垣根、今こそNAS味の飴を食べて回復だ
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 23:15:59.11 ID:AuP7Ybklo
乙なんだよ
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/02/01(水) 01:35:53.38 ID:2kjXlshMo
シュワすげーーー!!れー
614 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 09:52:51.23 ID:zkSiI5YH0


垣根「・・・さて、もう晩飯も食い終わった」

心理「誰に向かって言ってるのよ」

垣根「・・・んでもって、みんなには俺の部屋に集まってもらった」

上条「だから誰に向かって・・・」

美琴「まぁまぁ・・・それはいいじゃない」

エツァリ「それで、なぜ我々は集められたのですか?」

垣根「よくぞ聞いてくれた!」

ショチトル「いや、当たり前の疑問だ」

垣根「だったらそれを口にしろよクソが」

ショチトル「ちっ・・・で、なんで集められたんだよ」

垣根「今回の旅行は非常に楽しかった・・・後半は少し段取りの悪さが目立ったがな」

上条「そうだな・・・もう少し長崎のことを調べればもっと楽しめたはずだ」

美琴「でも、なんだかんだ楽しかったわよ?」

垣根「そこで・・・観光は上手く出来た、土産も買ったし美味い飯も食えた、残るはなんだと思う」

ショチトル「そうだな・・・花火とかか?」

心理「季節が違うわよ・・・どうせトランプ大会とか言うんじゃないの?」



615 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 09:53:23.16 ID:zkSiI5YH0
垣根「違うんだよ・・・子供じゃねぇんだから」

エツァリ「垣根さんはたまに子供っぽいことを言うじゃないですか」

垣根「・・・とにかく、今回は違う」

上条「うーん・・・なんだ?」

垣根「写真だよ写真、あんまり記念写真撮らなかっただろ?」

心理「・・・たしかに、観光地の写真は撮ったけど・・・」

美琴「全員の写真は撮らなかったわね」

垣根「悲しくないか?せっかく友達と旅行に来たんだ、最後くらい写真撮ろうぜ」

ショチトル「垣根にしてはマシな案だな」

垣根「垣根にしては、が余計だな」

エツァリ「では・・・ここで撮りますか」

垣根「いやいや、せっかくなら外の夜空の下で撮ろう」

上条「今から外に行くのか?」

上条が時計を確認する

風呂を済ませ、食事を取った後なのだ

すでに寝る人もいるであろう時刻になっている


616 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 09:53:51.70 ID:zkSiI5YH0
垣根「あぁ、別に少し写真撮るだけなんだからいいだろ」

美琴「まぁ・・・時間が掛かるわけじゃないし」

心理「明日は朝一で帰るから時間もないものね」

ショチトル「仕方ないな・・・いいよ、付き合ってやる」

エツァリ「では行きましょうか」

垣根「おう」


垣根「ほー、夜空が綺麗だな!」

上条「ホントだ・・・」

満足げに空を見上げながら、一同がしばし口を閉じる

学園都市から見える夜空と違い、星の一つ一つがしっかり目に見える

美琴「・・・なんだか、私達だけがこの夜空を見てる気がするわ」

心理「そうだとしたら素敵ね」

エツァリ「・・・そうですね、我々だけの夜空です」

上条「・・・写真、撮るんだろ」

垣根「あぁ」

垣根がカメラのタイマーをセットする



617 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 09:54:17.22 ID:zkSiI5YH0
少しだけ長めにセットしてから、みんなが一列に並ぶ

上条「・・・なんか、長くないか?」

垣根「なぁ、みんな」

美琴「なに?」

垣根「・・・ありがとよ、楽しかった」

ショチトル「なんだいきなり?」

垣根「・・・まぁさ、たしかにちょっと段取りは悪かったし・・・それに色々問題もあった」

エツァリ「まぁ、ショチトルと二人きりの時間は少なかったかもしれませんね」

心理「私も、垣根との時間は少なかった気がするわね」

上条「でも新鮮だったしよかったんじゃないか?」

垣根「・・・昔の俺じゃこんな経験は出来なかったはずだ」

美琴「・・・それはきっと、みんな同じよ」

心理「そうよ、あなただけではないの」

垣根「・・・だから、お前らみたいなヤツらと会えたことを幸せに思う」

カメラのタイマーはそろそろだ

垣根「・・・よかったと思える人生になったのはお前らのおかげだ」



618 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 09:55:40.16 ID:zkSiI5YH0
上条「俺もそうだよ」

エツァリ「自分も、みなさんと一緒にいることが非常に楽しいです」

垣根「・・・これからもよろしく頼むな、みんな」

美琴「なに言ってるのよ、当たり前じゃない」

上条「そんな照れ臭いこと言うなって」

垣根「・・・あぁ、そうだな」

カメラのフラッシュが光った

みんな、幸せそうな笑みを浮かべた写真が出来上がった

上条も、今回は目を閉じてはいなかった

上条「よかった!!目閉じなかった!!」

美琴「珍しいわね・・・」

ショチトル「飴でも降るんじゃないか?」

心理「ナス味が?」

エツァリ「それはそれで面白いですね」

一同「それもそうだ」ハハハ




垣根「・・・全く」

垣根「・・・ホントに楽しい毎日だよな」





619 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 10:04:54.92 ID:zkSiI5YH0


上条「おはよう!」

美琴「んー、やっぱり二人部屋だと自分達の寝たい時間に眠れて楽だったわね」

ショチトル「大人数だとどうしても遅くまで起きていてしまうからな」

エツァリ「そうですね、それが難点です」

垣根「・・・そうですね・・・」ゲッソリ

上条「?もしかして眠れなかったのか?」

垣根「・・・まぁそんなところだ」

美琴「でも心理定規は元気みたいよ?」

心理「えぇ、そうね」ツヤツヤ

垣根(・・・心理定規の野郎・・・)

心理(申し訳なかったわね)

上条「さて・・・もう帰るか」

美琴「速かったわね・・・」

垣根「楽しい時間は早く過ぎるもんだ」

ショチトル「その通りだな」

垣根「・・・はぁ、リニアモーターカーで帰るとなると・・・正午には学園都市か」



620 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 10:11:53.71 ID:zkSiI5YH0
上条「さて!!さっさと向かいますか!!」

美琴「午後にはみんなにお土産配らないとね!」

エツァリ「それはそれで楽しみですね」

心理「そうね・・・早くみんなに会いたいわ」

ショチトル「ふん、ホームシックか」

垣根「・・・忘れたこととかはないか?」

上条「多分ない!!」

美琴「じゃ、帰ろうか」

クルリとホテルに背を向けて、6人が歩き出す

上条(・・・楽しかったな、旅行)

上条(今度はみんなと来れたら嬉しいな)

上条「なぁ、みんな」

心理「なに?」

上条「また・・・来ような」

垣根「おうよ!!」



垣根「今度は来週・・・」

一同「ねーよ」

621 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 10:12:45.54 ID:zkSiI5YH0

ていとくんのお仕事編


垣根(俺は素晴らしい人生を歩んでいる、それは断言できる)

垣根(イケメン、高身長、超能力者、金持ち、そしてリア充)

垣根(この幸せを誰かに分けてやりたいくらいだ)

垣根(・・・だが、あいにく今は誰も家にいない)

垣根(心理定規は律儀なことに学校に行っている)

垣根(旅行から帰ってきた次の日の学校くらい休めばいいのにな)

垣根(・・・つまんねぇ)

垣根(テレビでも見るか)


「Aさんがこの占い師、『東京のグランドマザー』の言う通りにしたところ、人生が素晴らしいものに変わったそうです」

垣根(あぁ?占いなんて今でも流行ってるんだな)

垣根(誰かに相談して、そのあと自力で解決するなら好感を持てるが・・・)

垣根(占いなんていう非科学的なものに自分の人生を託すヤツなんか、元々どうしようもないんだよ)

垣根(全く・・・せめて占いじゃなくて、人に相談・・・)

垣根(・・・相談屋・・・!これだ、人の悩みを聞いてアドバイスをする!)

垣根(俺が生まれ持った能力に頼るのではなく、人生で培った考えを人に教え、真っすぐに生きさせる!)

垣根(俺の幸せを人に分けることも出来る!)

垣根(これだ・・・これだ!)


垣根「相談屋を開く!」



622 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 10:37:49.49 ID:zkSiI5YH0

垣根(俺には常識が通用しねぇ、だから一々ビルの一角を借りたりはしない)

垣根(公園の真ん中にでも立てればいいだろ)

垣根(・・・もちろん広告なんて出さない、だってそれを見て面白半分で来るやつなんて大した悩みは持っていないはずだからな)

垣根(・・・決めた、俺は公園の真ん中で相談屋を始める)

垣根「・・・」テクテク

垣根(・・・許可とかいるのか?)

垣根(いや、俺には常識が通用しねぇ)

垣根(・・・大体、勝手にやってる露店とかもあるし気にしなくていいな)テクテク


垣根「・・・着いたか」

垣根「早速店を建てる・・・とはいってもテントを張るだけでも十分だな」

垣根「わざわざ大人数を入れる必要はねぇ」

垣根「・・・適当にテントは用意するか」

垣根「問題は、誰がどんな悩みを抱えてくるか・・・だな」

垣根(恋の悩みとかならいいんだけどな・・・離婚相談とかだったらどうしよう)

垣根(・・・その時はそのときだ、テントの用意を始めるか)


623 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 11:13:48.43 ID:zkSiI5YH0

垣根「よし、テントの用意は終わった」

垣根「さすが俺だ・・・たった2時間でテントを作ってしまった」

垣根「・・・しかし、さすがにこれだけじゃただの仮店舗って感じだな」

垣根「もっとこう・・・俺って感じを出したいな」

垣根「俺といえばメルヘンだな」

垣根「・・・ある程度人目は引きたい、翼でもつけてやるか」

垣根「つばーさーがーほしーいー・・・」ペタペタ



垣根「・・・テントに翼をつけるとは中々メルヘンな考えだ・・・」

垣根「だが、もう少しパンチがほしいな」

垣根「よし、翼を可動式にしてみるか」

垣根「僕のー視界がーけいけーんをーしたー」ファサファサ

垣根「・・・あれ、なんかワチャワチャしてるな」

垣根「・・・まぁいいか、これなら人目を引く」ウンウン

垣根「・・・さて、あとは客が来るのを待つか」

垣根「コーヒーでも買おうっと」


624 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 12:09:20.53 ID:zkSiI5YH0

垣根「・・・誰も来ないな」ゴクゴク

垣根「今思えば、なんでも相談請け負いますっていう看板を出しただけのテントだからな」

垣根「いや、翼が生えてるからメルヘンテントだがな」

垣根「・・・あーあ、ちょっと暇だな・・・誰か来ないかな」

垣根「・・・誰か来ないかなぁ!!」チラッ

垣根「・・・って誰もいないのにチラ見しても意味内科」

垣根「・・・エロ本でも買ってくるか」テクテク



結標「・・・あら?なんでも相談屋・・・」

結標「へぇ、ちょっと入ってみようかしら」



結標「あの・・・」

垣根「うーん・・・やっぱり制服物はダメだな、そういうのは女優が着ててもただのコスプレにしかならん」

結標「・・・あの」

垣根「ん?なんだ、グループの結標か」

結標「元、を付けてほしいんだけど」

垣根「グループの元結標か」

結標「今誰なのよ」


625 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 12:13:20.12 ID:zkSiI5YH0
垣根「それで?なんの用だよ」

結標「なんでも相談に乗ってくれるのよね?」

垣根「はぁ?・・・あぁ、そういやそんな店だったな」

結標「・・・私の相談に乗ってくれないかしら」

垣根「いいぜ、どんな相談だ?」

結標「男の子に歳を取らせないにはどうすればいいのかしら」

垣根「は?」

結標「時間とは卑怯よね、悲しい恋心を置いてけぼりにして、現実だけを進めていくのよ」

垣根「待て、お前何が言いたいんだよ」

結標「ショタをショタのままでいさせたいのよ」

垣根(・・・一人目の客がこれか、いやになるぜ)

結標「ねぇ、何かいい方法はないかしら」

垣根「・・・タイムマシンなんてものはねぇ、つまり過去に戻るのは無理だな」

結標「そうよね、それは残念だわ」

垣根「・・・新しいショタを捕まえ続けたらどうだ、一人に執着する必要はねぇだろ」

結標「それじゃ私が変態みたいじゃない」

垣根「違ったのか」


626 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 12:17:06.58 ID:zkSiI5YH0
結標「失礼ね、私は別にショタを性的な対象としては見ていないのよ」

垣根「そうなのか?」

結標「えぇ、胸しか見せないし」

垣根「見せるんじゃねぇか」

結標「男の子ってのは・・・ショタってのは単純よ、女の子にも同じものが生えてると思ってるもの」

垣根「同じもの?」

結標「股間によ」

垣根「・・・よーし、俺が生えてないかチェックしてやるから・・・」

結標「いやよ」

垣根「冗談だ・・・そうだな、一人のショタを剥製にするとか」

結標「!!それよ!!」

垣根「いや、冗談だって・・・」

結標「でもそうなったら誰にしようかしら・・・さすがに大人数はまずいわよね・・・タっくんは結構アードが堅いし・・・あーちゃんは明日は用事があるみたいだし・・・」

垣根「そんなにショタの知り合いがいたのか」

結標「えぇ、だって可愛いんですもの」ウフフフフフ

垣根(もうやだ)

結標「!!ボブ君はどうかしら!?」

垣根「頼むからそいつを見せてくれよ」


627 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 12:20:42.89 ID:zkSiI5YH0
結標「はっ!!でも剥製にしたらおしゃべりが出来ないわね・・・」

垣根「お前、おしゃべりしたいのか」

結標「当たり前でしょ、何も知らないショタに少しずつ性を教えていくのが楽しいんじゃない」

垣根(ダメだこいつ)

結標「・・・あとね、まだ性に目覚めてないショタのオチンチンをしごい・・・」

垣根「それ以上言ったら追い返すぞ」

結標「あら、お客様よ?」

垣根「・・・いいか、ショタはいつまでもショタじゃねぇが・・・そのタっくんだのあーちゃんだのは、いつまで経ってもそいつ自身だ」

結標「!!」

垣根「お前がショタじゃなきゃ愛せないって言うなら仕方ないが・・・だがな、相手はお前という一人の人間を好きになってくれてるんじゃないのか?」

結標「そ、そうよ・・・きっとみんなは私を・・・」

垣根「だったら、お前はそいつらが大人になっていく様を見守らなきゃならない」

結標「そうよね!!そうと分かったら早速草葉の陰から見守らなきゃ!!」タッタッタ

垣根「お、おい・・・料金は・・・」

結標「出世払いよ!!」


垣根「・・・行ってしもうた」

垣根「っていうか、それってストーキングだよな」


628 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 12:55:34.00 ID:zkSiI5YH0

垣根「・・・さて、他のお客さんはまだ来ない・・・」

垣根「・・・エロ本もつまんねぇし・・・」

垣根(・・・携帯の心理定規画像フォルダでも拝むか)

垣根「・・・」ジーッ


垣根「・・・」ハァハァ



ゴーグル「ん?相談屋・・・っすか」

ゴーグル「そうっすねぇ・・・相談相談・・・」ウーン


ゴーグル「失礼します・・・」

垣根「おぉ・・・こいつの寝顔はやっぱり天使だよなぁ・・・」

ゴーグル「・・・」

垣根「しかもちょっと口が開いてる間抜けっぽさも可愛いんだよな!!」

ゴーグル「何してるんすか」

垣根「・・・あぁ?てめぇ、なんでここにいるんだよ」

ゴーグル「いや・・・相談を・・・」

垣根「そうか、帰れ」

ゴーグル「・・・いや、聞いてくださいよ」


629 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 13:14:56.76 ID:zkSiI5YH0
垣根「ちっ・・・なんだよ相談って」

ゴーグル「にしても、垣根さんが相談屋なんて・・・」

垣根「おい、早く話せよ」

ゴーグル「・・・フレンダさんなんすけどね」

垣根「あぁ」

ゴーグル「・・・最近、妙に好き好き光線を放ってくるんすよね」

垣根「誰に」

ゴーグル「いや、俺に・・・」

垣根「それがイヤなのか?」

ゴーグル「違いますよ・・・そうじゃなくて、自分はそういう好き好きとかイチャイチャしたいタイプじゃないんすよね」

垣根「はぁ?」

ゴーグル「・・・フレンダさんのことは結構好きですし・・・でも、彼女の恋愛観と俺の恋愛観ってかなり違うんですよね」

垣根「・・・ちょっと待て、お前らってそこまで進んでたっけか」

ゴーグル「あ、いや・・・」

垣根「じゃあさ、関係ねぇだろ?付き合うわけでもねぇんだし」

ゴーグル「・・・」

垣根「・・・」


630 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 13:24:52.88 ID:zkSiI5YH0
ゴーグル「い、いや・・・でもやっぱりちょっと意識するじゃないですか」

垣根「・・・もしかして、フレンダのこと好きなのか?」

ゴーグル「・・・」

垣根(ほう、二人目にしては中々まともな相談だな)

ゴーグル「・・・ど、どうなんすかね・・・」

垣根「それはお前が決めることだが・・・そうだな、もしもお前がフレンダを好きなら、相手のいろんな性格や特徴を好きになってやるべきだ」

ゴーグル「違う恋愛観を認めろ、ってことっすか」

垣根「ま、上手くいくように願っとくさ」

ゴーグル「べ、べつに告白するわけでもないんすけどね」

垣根「・・・好きなんだろ」

ゴーグル「そ、それは・・・」

垣根「ダメだな・・・素直になれるように努力しな」

ゴーグル「分かりました・・・これ、料金っす」

垣根「ちなみに、多分フレンダは脚が弱いから責めてやれ」

ゴーグル「な、なにの話っすか!?」

垣根「安心しろ、誰だって最初は童貞だ」

ゴーグル「はぁ・・・とりあえず、帰りますね」

垣根「あぁ」


631 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 13:31:45.16 ID:zkSiI5YH0

垣根「・・・ちっ、心理定規フォルダ1も流石に飽きたか」

垣根「次は2だな」

垣根「・・・」


垣根「・・・」ハァハァ



麦野「・・・あぁ?相談屋・・・」

麦野「この翼とか、なんとなく見たことある気がするわね」

麦野「・・・相談、か」


麦野「おい、垣根か?」

垣根「うっ・・・ふぅ・・・」

麦野「」

垣根「いやぁ、やっぱり心理定規は可愛いよな」

麦野「」

垣根「あぁ?麦野か、何しに来たんだよ」

麦野「」

垣根「おい、どうした」


632 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 13:40:57.34 ID:zkSiI5YH0
麦野「て、てめぇ今何してやがった!?」

垣根「はぁ?なに騒いでんだよ、ガキか」

麦野「明らかに賢者だろ今!?」

垣根「で?お前も相談しに来たのか?」

麦野「い、いや!!帰る帰る!!なんかイカ臭いし!!!」

垣根「はぁ?イカ臭くねぇだろうが」

麦野「い、今来ないで!!」カァッ

垣根「あぁ、もしかしてお前処女か」

麦野「」

垣根「そうかそうか・・・安心しろよ、いざとなれば処女膜なんて自分で破れば・・・あぁ、ちなみに処女膜なんてものは実在はしないんだぜ?」

麦野「て、てめぇは・・・」

垣根「で、相談事はなんだよ」

麦野「・・・換気していいか」

垣根「・・・そんなにきついか?」

麦野「そういえば浜面の部屋からもこんな匂いが・・・」

垣根「・・・」

麦野「・・・」


633 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 13:48:32.25 ID:zkSiI5YH0
垣根「で?どんな相談だ」

麦野「・・・最近、脚がさらに太くなってきたのよ」

垣根「さらに?」

麦野「!!ち、違う!!今まではそんなに太く・・・」

垣根「あぁ、気にするなって・・・お前が長いコート着てたり水着の上からパレオみたいなの巻いてるのも太い足を隠すためだろ?」

麦野「・・・」

垣根「でもさ、そんなに太くは見えないけどな」ジーッ

麦野「今はコート着てるからよ」

垣根「じゃあ脱げ」

麦野「」

垣根「まずはどれくらい太いのかを確認しなきゃならねぇ・・・」

麦野「さ、触らないでってば!!」

垣根「ふへへへへ!!まさかその下は全裸なんていうエッチな格好・・・」バサッ



麦野「・・・」

垣根「・・・」

麦野「・・・」

垣根「あぁ・・・たしかに少し太ったな」

麦野「・・・」ゴゴゴ

634 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 13:57:04.83 ID:zkSiI5YH0
垣根「・・・いや、でもこれは太いってよりムチムチって感じで逆に色気あると思うぜ?」

麦野「・・・足を見られた・・・」ショボン

垣根「あのな、初心すぎると男が寄り付かないぜ」

麦野「うるさいわね・・・どうすれば脚が細くなるのよ」

垣根「だからな、それはムチムチだからむしろいい魅力になってるんだよ」

麦野「・・・そうかしら?」

垣根「いいか?今の自分に自信を持ってみるべきだ」

麦野「・・・」

垣根「あと、お前は見た目は美人なんだしすぐに彼氏もできるはずだ、そこまで細かいことを気にする必要も無い」

麦野「で、でもさ・・・」

垣根「気にするなって、お前は俺が知る中でも結構上位の女だからな」

麦野「・・・分かった、もう少し太ったらダイエットを考えるわ」

垣根「じゃあな、料金は」

麦野「心理定規の画像で抜いてたこと、みんなにバラそうかしら」

垣根「た、ただでいいですよ」

麦野「そう?悪いわね・・・じゃ」

垣根(してやられたぜ・・・)



635 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 16:09:27.05 ID:zkSiI5YH0


垣根「・・・しかし、中々人が多いな」

垣根「やっぱりこの公園は人通りが多いのか」

垣根「満足満足・・・」

垣根「にしても腹減ったな・・・」

垣根「・・・なんか買ってくるか」


14510「?相談屋さん・・・ですか、とミサカは突如として目の前に現れた謎のテントに視線を釘付けにされながら呟きます」

14510「ミサカもそれなりに悩みはあるのですよ、とミサカは誰に言うでもなく無理矢理大人ぶってみます」

14510「失礼します・・・とミサカは謎のテントの中へと潜入を試みます」

14510「おや?誰もいません・・・」

14510「?置き手紙ですね、とミサカは中にあるテーブルの上に置かれた手軽を読み上げます」

14510「・・・なるほど、お昼ご飯を買いに行ったのですね・・・とミサカは一人納得します」


垣根「あーちくしょう・・・誰だよコンビニのシャケ弁大人買いしたヤツは・・・おかげでガブリチュウしか買えなかったぜ」

14510「おや?」

垣根「あぁ?お前・・・」

14510「14510号です、とミサカは垣根に頭を下げてみます」



636 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 16:09:53.76 ID:zkSiI5YH0
垣根「なんだ、もしかしてお前も相談しに来たのか」

14510「ということはあなたもですか?とミサカは・・・」

垣根「いやいや、これは俺が開いた店だからな」

14510「なんと、そんな秘密が・・・とミサカは驚愕を露にします」

垣根「テントに翼生やしてただろう」

14510「そういえばかなりメルヘンなテントですね、とミサカは納得します」

垣根「だろ?それよりお前もガブリチュウ食べるか?」

14510「怪しい人からお菓子を貰ってはいけないとテっくんが言っていました、とミサカは甘い誘いを断ります」

垣根「俺は怪しい人なのか」

14510「はい」

垣根「・・・ちっ、それで相談はなんだよ」

14510「・・・それがですね、最近どうもミサカ達の間で話題になっていることがありまして」

垣根「あぁ」

14510「ですがミサカだけはそれを知らなくて・・・教えて欲しくても、他のミサカは教えてくれず・・・」

垣根「ネットワークで情報共有出来るんじゃないのか?」

14510「それが、ミサカだけその情報を閲覧禁止にされました」

垣根「はぁ・・・で、どんな話題だ?」



637 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 16:10:21.63 ID:zkSiI5YH0
14510「つかぬ事を聞きますが・・・69ってなんですか?」

垣根「」

14510「?もしかして、垣根も知らないのですか?とミサカは首を捻ります」

垣根「待て、お前以外のミサカは知ってるのか」

14510「はい、みんな一度はやってみたいと言っていましたが・・・」

垣根(・・・こいつらも年頃だし、たしかにそういうのに興味を持ってもおかしくはないよな・・・)

垣根(いやだが・・・こいつの口からそんな卑猥な単語がねぇ・・・)

14510「あの、69とは・・・」

垣根「!そうだ、ちょうどいい物がある」

14510「?」

垣根(さっき買ったエロ本に写真が載ってたでござる)

垣根「これだよ、69の写真が載ってる」

14510「写真ですか?とミサカは垣根から本を・・・!」

垣根「この、互いの性器を舐め合って感じるのが69という行為だ」

14510「」

テクパトル「・・・」



638 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 16:10:55.36 ID:zkSiI5YH0
垣根「あぁ、ちなみにやりたいならそこらの男に上目遣いでねだってみな、私と69をして下さいって」

垣根「お前、見た目は可愛いんだからいくらでもやってくれる相手見つか・・・」

テクパトル「・・・」

垣根「・・・」

テクパトル「・・・」

垣根「・・・な、なんでお前がここにいるんだよ!?」

テクパトル「相談屋という看板が目に入ってな」

垣根「あ、あぁ!お前も客か・・・」

テクパトル「ところで、14510号にずいぶんな知識を与えてくれたようだな」

垣根「あ、あはっ・・・」

14510「テっくん・・・ミサカ、もうお嫁にいけません・・・」

テクパトル「・・・垣根、この責任はどう取る」

垣根「あ、あはっ・・・」

テクパトル「垣根ぇぇぇぇぇぇ!」

垣根「みぎゃぁぁぁぁ!」




639 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 16:11:37.25 ID:zkSiI5YH0



テクパトル「・・・相談というのはな」

垣根「」

テクパトル「聞いてるか」

垣根「14510号、本当にごめんなさい」

14510「い、いえ・・・尋ねたミサカにも非はありますから・・・」

垣根「・・・で、相談は」

テクパトル「お前は・・・心理定規と喧嘩したことはあるか?」

垣根「は?あるぜ、小さな喧嘩なら結構してる」

テクパトル「その時どうやって謝る?」

垣根「はぁ?」

14510「・・・もしかして、19090号と喧嘩したのですか?とミサカは確認を取ります」

テクパトル「・・・まぁ」

垣根「なんで喧嘩なんかしたんだよ」

テクパトル「・・・あいつが、俺との休日は二人きりでデートがしたいって言ったんだ」

垣根「あぁ」

テクパトル「だが俺はみんなと一緒に過ごしたかったんだよ」

垣根「あぁ」



640 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 16:12:30.54 ID:zkSiI5YH0
テクパトル「19090号はそんな優しい俺が好きだって言ってくれて・・・」

垣根「あぁ・・・」

テクパトル「でも俺は、他のミサカに優しくするのは当たり前だって言ったんだ」

垣根「・・・あぁ」

テクパトル「19090号は、たまには休息を取らないと俺が体を壊すかもしれないって心配さてくれたんだ」

垣根「・・・あぁ」

テクパトル「だが俺はそんな心配はないって」

垣根「あぁ・・・」

テクパトル「そしたら、なんか怒ったみたいでさ」

垣根「・・・で?どこで喧嘩になったんだよ」

テクパトル「いや、だから怒ったみたいでさ」

垣根「は?」

テクパトル「ん?」

14510「あの・・・それは惚気では?」

テクパトル「い、いや・・・あいつは真剣に怒ってるみたいなんだよ」

垣根「帰って一回抱いてやれ」

テクパトル「は、はぁ!?」


641 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 16:19:33.46 ID:zkSiI5YH0
垣根「だからな、そこまで怒ることでもないんだよ」

テクパトル「そうか?」

14510「・・・帰って、謝ったらどうですか?」

垣根「謝る、っていうよりはお礼を言わないとな」

テクパトル「・・・あぁ、分かった」

垣根「あぁ、ちなみに19090号に69をしてやれば効果抜群だ」ニヤニヤ

14510「!?」

テクパトル「てめぇ!!」

垣根「ひゃははは!!いいぞ69は、70でもなければ68でもない!!」

テクパトル「だからどうした!!」

垣根「あぁ、14510号」

14510「は、はい?」

垣根「どうしても相手がいないならテクパトルに頼んでみな、こいつならきっと」

テクパトル「しないからな!!」

垣根「ちっ・・・」

14510「そ、それでは・・・」

垣根「あぁ、またな」

テクパトル(・・・この店、こんな調子でやっていけるのか・・・?)



642 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 16:47:33.81 ID:zkSiI5YH0

垣根「・・・森羅万象チョコってチョコがオマケだよな・・・」モグモグ

垣根(・・・しかし、中々繁盛だな)

垣根(このままいけばこの店だけでもかなり稼げるかもな)

垣根(でもさすがに一回の料金が50円じゃ安いかな)

垣根(・・・悩みの難しさによって料金を変えるか?)

垣根(いや、人の悩みに大小はねぇな)

垣根「ちっ・・・あーあ、働くって大変だな」

垣根「・・・にしても、まだ学校は終わらない時間か・・・」

垣根「心理定規はまだ帰ってねぇだろうしな・・・」

垣根「・・・次の客は誰だろうな」

垣根「・・・ヒマだなぁ」

垣根「葉っぱが一枚あーりまーしたー」

垣根「葉っぱかなー、葉っぱじゃなーいよー、伊藤博文だーよー」

垣根「あーっという間にー、かわいーい団地妻ー」

垣根「・・・ちっ、ヒマだ」



垣根「・・・仕方ない、もう少し待つか」


643 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/01(水) 16:49:02.79 ID:zkSiI5YH0
今日はここまで

ちょっとした単発ですので、とあるのキャラとその人の相談内容をみなさんに考えてもらえたら嬉しいです

黒子「どうしたら胸がでかくなりますの?」とか


いや、ネタ切れなんですお願いします


では
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/02/01(水) 17:31:26.66 ID:Jj6POfxGo
ショチトルとエツァリで
最近プレイがマンネリ化してきたから新しいプレイを考えてくれとか
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/01(水) 17:40:34.27 ID:IRNJsmmCo
そぎーで
もっと効果的なトレーニングがしたいとか
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/01(水) 17:41:16.07 ID:8GrJtXfFo
色気づいて来た黒子にソギーが時々ムラムラしてしまい、根性でも振り切れなさそうになるから相談とか
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/01(水) 18:14:15.54 ID:CsKF4EHho
乙なんだよ
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/02/02(木) 01:52:17.74 ID:bFY85XGF0
いい話で纏めた旅行編の前半との落差がwwwwww

シリアスだったら、上条さんにフラグ立てられた女の子(誰でもいいんだけど)で恋愛というか失恋相談、とか
ギャグなら番外個体。内容はなんでもいいけど家族に関することとか
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/02/02(木) 07:26:38.28 ID:GBn7/ncto
>>1が垣根に相談
悩みは何でもいいじゃよ
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/02(木) 08:01:28.68 ID:F6AYLzUSO
☆さんが最近家に居場所がないと相談してくるとか
まさかのこのスレの暗部編のキャラが相談に来るとかww
651 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 11:08:42.97 ID:w7hJhrzw0
垣根「・・・にしても今日は暖かいな・・・外を歩くヤツも多いわけだ」

垣根「・・・はぁ、平和だなぁ」


ショチトル「ん?相談屋・・・か」

エツァリ「・・・ちょうどいいじゃないか、こんなことの相談なんて知り合いには出来ない」

ショチトル「よし、そうだな」


ショチトル「失礼する」

垣根「せっがたーさんしろー、せっがたーさんしろー!せっがさたーんーしろー!」

ショチトル「失礼した」

垣根「待てよ、なにか相談かい」

エツァリ「一体なにのキャラなんですか・・・」

垣根「なんだよ、二人揃って相談か」

ショチトル「・・・垣根がやってるなんて聞いてない」

垣根「言ってないからな」

エツァリ「・・・仕方ないです、ここは入ってしまった以上相談しますよ」

垣根「狭いけど座ってくれよな」



652 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 11:09:31.49 ID:w7hJhrzw0
ショチトル「・・・しかし簡単なテントだな、テーブルと椅子と冷蔵庫しかない」

エツァリ「なぜ冷蔵庫はあるんですか?」

垣根「なんでかだって?フレンド、友達だからに決まってるだろ」

エツァリ「は、はぁ」

ショチトル「・・・さて、本題に入らせてもらおうか」

垣根「あぁ、相談事はなんだよ」

ショチトル「・・・ちょっとした性の悩みなんだがな」

垣根「なんだ、セックスレスか?」

ショチトル「いや、むしろ毎日五回はヤってる」

垣根「いいじゃねぇか、それなら」

エツァリ「それがダメなんですよ」

垣根「はぁ?」

ショチトル「マンネリなんだ・・・毎日毎日ヤっていたら、さすがにプレイも一通り終わってしまったんだ」

垣根「・・・つまり、マンネリじゃなくなるプレイを考えてくれと」

エツァリ「お恥ずかしい限りですが・・・」

垣根「・・・いや、なんだかんだセックスってのは大切だ、愛情表現の一つだしかなり幸せを感じられる」

ショチトル「ほう、私達を否定しないなんて珍しいな」



653 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 11:10:51.02 ID:w7hJhrzw0
垣根「四六時中セックスのことを考えるのはあれだが、まぁ俺だって心理定規を抱いてるし」

エツァリ「・・・そうですか」

垣根「そうだな・・・まぁSMなんてもうしてるよな?」

ショチトル「あぁ、あと幼児退行、青姦、放置、制服系、アナルや玩具責め、焦らしにレイプ紛い」

エツァリ「自分がMの立場になればいいかと思いましたが・・・それはダメでした」

ショチトル「かといって寝取りはダメだからな、自然と選択肢が限られてしまうんだ」

垣根「てかそんなにプレイがあるなんて知らなかったな」

エツァリ「・・・心理定規さんとは普段どのように?」

垣根「俺達は・・・あれだ、ヤってる時間はわりと淡泊かな」

エツァリ「・・・それ、つまらないですよね?」

垣根「いや、その代わりヤる前と終わった後に裸でベッドに入ったまま色々話して・・・」

ショチトル「それ、気持ちいいか?」

垣根「おう、心地いいぞ」

エツァリ「・・・なるほど」

垣根「たまには普通のプレイも新鮮なんじゃないか?」

ショチトル「逆転の発想か」

垣根「まぁな」


654 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 11:15:43.32 ID:w7hJhrzw0
エツァリ「なるほど、悪くはないかもしれませんね」

垣根「だろ?」

ショチトル「うむ、やってみようか」

垣根「ここではやるなよ」

ショチトル「当たり前だ」

垣根「じゃあな」

エツァリ「お代はここに置きますね」ポン

垣根「あいよ」



垣根「・・・今年はこのマフラーが流行る・・・2012夏、か・・・」

垣根「夏にマフラーをつけるなんて常識が通用しねぇ」

垣根「・・・なになに?今の流行は細身のチェックシャツ?」

垣根「太身のチェックシャツのほうが珍しいだろ」

垣根「ふーん・・・ジャガイモ柄ねぇ」

垣根「さだのりとか喜びそうだな」

垣根「・・・いや、保護色になって目立たないか」


655 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 11:19:38.50 ID:w7hJhrzw0

削板「!?俺の右手が真っ赤に燃える、この店入れと轟き叫ぶ!!」ゴゴゴ

削板「そうだ、いつまでも悩んでいては前に進めない!!」

削板「困ったときは相談だ!!!」



垣根「おっとーうさーんおとうさーん!!まっおーうがーほらー!!!」

削板「頼もう!!」

垣根「ん?削板じゃんか」

削板「おぉ、垣根!!お前がオーナーか!!」

垣根「さよう」

削板「ははは!!波平か!!」

垣根「通じたのがビックリだが・・・相談事か?」

削板「あぁ!!」

垣根「どんな?」

削板「最近、テクパトルに筋トレで差をつけられつつあるんだ」

垣根「ほう」

削板「どうすればいい!?根性で今まで負けたことはないが・・・このままでは、人生で最も辛い敗北になる!!」

垣根「・・・根性ねぇ」


656 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 11:25:53.69 ID:w7hJhrzw0
垣根「そういや、お前ってサプリメントあまり摂らないのな」

削板「あぁ、ご飯がいいからな!!」

垣根「・・・なぁ、筋トレって食生活とか睡眠が大切だよな?」

削板「ゆっくり休むだなんて根性が無い!!」

垣根「・・・あのな、もう一度根性だけじゃなくて科学的な側面から見直せ、話はそれからだ」

削板「な、なにぃ!?」

垣根「大体、てめぇは無理しすぎなんだ・・・」ハァ

削板「そ、そうか?」

垣根「毎日マラソン、ウェイトトレーニング、かわら割り、座禅に滝修行・・・」

削板「滝修行は二日に一日だぞ?」

垣根「変わらないんだよ!!白井が心配するだろ!?」

削板「そうだ!!それで思い出した!!」

垣根「あぁ?」

削板「こんな相談をしに来たんじゃなかった!!」

垣根「俺が熱く語った1分を返せよ!!」

削板「最近、黒子が妙に色っぽいんだ」

垣根「・・・はぁ?」


657 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 11:29:05.25 ID:w7hJhrzw0
削板「一緒にいるときも胸元の開いた服を着るんだが・・・」

垣根「あぁ、もしかして誘ってるんじゃないのか?」

削板「誘う?何を?」

垣根「お前だよ」

削板「違う違う、もう俺は一緒に出かけてるんだって」

垣根「だから、性的に誘ってるんだよ」

削板「俺にも胸元の開いた服を着ろって?イヤだよそんなの」

垣根「てめぇボケてるだろ」

削板「それに、なんだか風呂上りも妙に・・・こう、バスタオル一枚だったり」

垣根「あぁ?お前常盤台の寮行ってるのか」

削板「あそこの寮監とは、旧知の仲だ」

垣根「お前達の間に何があったんだよ」

削板「・・・なぁ、どうすればいい?正直根性だけじゃ乗り切らないんだよ・・・」

垣根「抜けば?」

削板「抜く?なんだそれ?」

垣根「オナニーだよオナニー」

削板「そうじゃなくて、どうすれば乗り切れるかを聞いてるんだ」

垣根「は?」

削板「ん?」


658 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 11:32:33.54 ID:w7hJhrzw0
垣根「いや、抜けば落ち着くだろ」

削板「ノンノン!!それは結局性衝動に負けたことになるんだよ!!」

垣根「襲わなければ勝ちだろ」

削板「俺は、そんな方法を一切取らずに、綺麗なままで黒子と付き合っていたい!!」

垣根「白井のほうは多分お前でやってるけどな」

削板「なにを?」

垣根「・・・いや、それで乗り切りたいんだよな?」

削板「そうなんだよ・・・どうすればいい?」

垣根「・・・白井に頼んでみろよ、俺はお前のそういう格好は見たくない、ありのままが見ていたいって」

削板「でもその格好が可愛いんだよな・・・」ハァ

垣根「てめぇ惚気に来たなら帰れよ!!今俺いいこと言ったよ!?」

削板「よし!!ここはとりあえず!!」

垣根「自己解決かよ・・・」

削板「滝修行で気を紛らわす!!」

垣根「だから無理するな・・・」

削板「出世払いだ!!じゃあな!!」タッタッタ

垣根「・・・」



垣根「・・・なんだろう、このあやふやな気持ち」


659 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 11:36:36.09 ID:w7hJhrzw0

垣根「オーチンチン・・・」

垣根「いかん、下ネタは嫌われる行動第三位だ」

垣根「・・・にしても、今日はいい天気だなぁ・・・」

垣根「テントの中まであったかい・・・」



オルソラ「・・・聞いたのでございますよ・・・ここが例の相談屋さん・・・」

オルソラ「わざわざイギリスから来てしまいました」

オルソラ「・・・今日はポカポカ天気が心地いいのでございますよ」



垣根「いくぞ!!半生手裏剣!!」

オルソラ「そこだ、忍法幼児体型の術ーなのでございますよ」

垣根「・・・」

オルソラ「こんにちはなのでございますよ」ニコニコ

垣根「・・・」


垣根「すまん、ちょっとだけ出て行ってもらえないか?」

オルソラ「?分かったのでございますよ」


660 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 11:39:57.78 ID:w7hJhrzw0

垣根「入っていいぜ」

オルソラ「失礼します・・・」

垣根「・・・」

オルソラ「まぁまぁ、豪華なソファーに豪華なティーセットまで・・・とても綺麗なのでございます」

垣根(ふっ、綺麗な女を迎えるには綺麗なシチュエーションで、ってなぁ・・・おばあちゃんが言っていた)

オルソラ「あの、最近垣根さんはお元気でしょうか?」

垣根「あぁ、オルソラは?」

オルソラ「まぁまぁ、ということはここは垣根さんのお店なのでございますね?」

垣根「ん?あぁ、そうだけど」

オルソラ「とてもいいお天気でございますね」

垣根「おう、こういう日は出かけたくなるよな」

オルソラ「ふふふ、私は元気なのでございますよ」ニコニコ

垣根「・・・」


垣根(いかん、ちょっとムラムラしてきた)

オルソラ「あの、相談事を・・・」

垣根「なんなりと申せマドモアゼル」

オルソラ「実は・・・恋の悩み、というものでしょうか」

垣根「え」


661 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 11:44:06.17 ID:w7hJhrzw0
オルソラ「・・・上条さんに好意を抱いていたのですが・・・未だにその好意というものは私の心の奥底で燻っているのでございます・・・」

垣根「」

オルソラ「いえ、私だけではなく・・・神裂さんやアニェーゼさん・・・その他大勢が、彼に惹かれていたのでございますよ」

垣根「」

オルソラ「?垣根さん、顔色が悪いようでございますが・・・」


垣根(恋の恋の恋の恋の・・・)

垣根(悩み悩み悩み悩み・・・)


垣根「・・・すまん、ちょっと気持ちを落ち着かせてくれ」

オルソラ「はい」ニコニコ

垣根「・・・そ、それで?お前はまだ上条が好き、だと」

オルソラ「そして、好きだからこそ今の彼の幸せを壊してはいけないのでございますよ」

垣根「分かるぜその気持ち・・・」

オルソラ「・・・あの隣にいらっしゃる、御坂さんの笑顔を・・・上条さんは愛しているのでございますよ」

垣根「あぁ・・・」

オルソラ「・・・上条さんと御坂さんが笑いあっているのを見ると苦しくなり・・・しかし、とても嬉しいのでございます」

垣根「な、なんで?お前は上条が好きなんじゃ・・・」


662 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 11:49:10.84 ID:w7hJhrzw0
オルソラ「私は、恋というものには5つの幸せがあると思っているのでございますよ」

垣根「5つ?」

オルソラ「その人を好きになれたという幸せ、その人とお付き合いできる幸せ、その人と添い遂げられる幸せ、その人に笑顔にしていただける幸せ・・・」

オルソラ「そして、その人が笑顔でいてくださる幸せ・・・なのでございます」

オルソラ「・・・私は、そのうちの3つを叶えているのでございますよ」

オルソラ「上条さんを好きになって・・・彼に、笑顔を守っていただいて」

オルソラ「そして、彼が笑顔でいてくれるのでございますよ?」

オルソラ「・・・5つ全てを叶えられるのは御坂さんしかいないのです、だとすれば私は、彼を見守る側として最高の幸せを手に入れているのでございます」

オルソラ「・・・3つも、幸せを分けていただいたのでございますから」

オルソラ「ローマ成教に捨てられて、途方にくれていた私に・・・救いの手を、その右手を差し伸べてくださったのは上条さんでした」

オルソラ「その手を掴み、そして彼に救われた瞬間から・・・私は、彼の幸せを願ったのでございますよ」

垣根「・・・」ジーン

オルソラ「・・・ズキズキとしたこの心の痛みを癒すことが出来るのは、上条さんだけなのでございます・・・」

オルソラ「だとすれば、私は一生この痛みを抱える覚悟が出来ています」

オルソラ「・・・おかしいでしょうか、垣根さん?」

垣根「・・・」ジーン

オルソラ「?」


663 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 11:53:19.24 ID:w7hJhrzw0
垣根「うわぁぁぁぁぁぁん!!!」

オルソラ「あらあら、男の子が泣いたらいけないのでございますよ?」ニコニコ

垣根「俺は・・・俺は間違っていた・・・」グスン

垣根「愛なんてものはないだの、それは語るべきではないだのと思っていたんだ!!」

垣根「でもな、だったらどうして俺はこんなに泣いているんだ!?」

垣根「心が泣いているんだ、あぁ、この純粋な思いを他になんと名づけようか!?」

垣根「オルソラ・・・辛いだろう、悲しいだろう寂しいだろう!!でもな、俺はお前の味方だ!!」

オルソラ「それは心強いのでございますよ」ニコニコ

垣根「あぁ、お前は天使だ・・・」

オルソラ「・・・それでは、私はそろそろ・・・イギリスに帰らなければいけませんので」

垣根「なぁ・・・お前は、それでいいのか?」

オルソラ「ふふ・・・上条さんとお話しすることが、私の幸せですので・・・きっと、彼と結ばれることは無くても私は彼に幸せにしていただけるのでございますよ」

垣根「オルソラぁ・・・」ウルウル

オルソラ「では、ごきげんようなのでございますよ」ニコニコ

垣根「あぁ・・・」



垣根(・・・上条に・・・オルソラに電話するようにメールしとこう・・・)ピッピッピ

垣根(ちくしょう・・・携帯の液晶が霞んで見えねぇよ!!)


664 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 11:56:29.09 ID:w7hJhrzw0

番外「ん?お悩み相談の店、か」

番外「・・・」ジーッ

番外(翼のついてるテント・・・可愛いなぁ・・・)



垣根「オルソラぁ・・・」チーン!!

番外「・・・なに鼻かんでるのさ」

垣根「あぁ?番外個体か・・・どうした?」

番外「お客様だけど・・・もしかして、ここ垣根のお店?」

垣根「そうだ」

番外「ちょうどよかった・・・友達なら悩みも話しやすいし」

垣根「あぁ?なんだよ、俺は今猛烈に感動してるんだ・・・」

番外「あのさぁ、子供が親の二人きりの時間を邪魔するときってどうすればいいの?」

垣根「」

番外「・・・いっつもさ、あの人と二人でテレビ見て・・・ちょっといい感じになったら邪魔してくる・・・ってどうしたの?」

垣根「俺達が旅行行ってる間に出来たのか」

番外「たった4日で出来るわけないでしょ」


665 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 11:59:10.16 ID:w7hJhrzw0
垣根「じゃあ子供って・・・あぁ、打ち止めか」

番外「あの野郎、一方通行のこと大好きだからっていっつも邪魔してくるんだ・・・」

垣根「一方通行にガツンと言ってもらえよ」

番外「あのロリコンモヤシにできると思う?」

垣根「無理だな」

番外「・・・おかげで、最近二人きりの時間が取れないんだ・・・」

垣根「・・・打ち止めを誰かに預けたらどうだ?」

番外「誰に」

垣根「御坂とか」

番外「お姉様ねぇ・・・お姉様って子育て出来るの?」

垣根「お前、すでに打ち止めを譲る気だろ」

番外「そうじゃないの?」

垣根「一日預けるだけだって」

番外「えー、あのお邪魔虫はずーっといなくていいよ」

垣根「ホントか?」

番外「・・・ま、まぁたまにはいてもいいかな・・・寂しいし」カァッ

垣根(あ、ちょっと可愛かったぞ今)


666 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 12:02:30.38 ID:w7hJhrzw0
番外「・・・でもさ、一日だけじゃやっぱりなぁ・・・」

垣根「あと、二人でデートしろよ」

番外「それがさ、上位個体ってすぐサーチしてくるから・・・」

垣根「俺から打ち止めに言っておくよ」

番外「ほ、ホント!?」

垣根「その代わり・・・」

番外「その代わり?」

垣根「おっぱい1揉みな」ムニュムニュ

番外「」

垣根「おー・・・やっぱり心理定規とかオルソラとか吹寄には敵わないか・・・」ウーン

番外「」

垣根「でも、御坂よりはでかい・・・」



一方「てェェェいとくゥゥゥゥゥゥゥゥン!!」バーン!!!!

垣根「ひゃはははは!!来たかよ一方通行!!!」ファサファサ

一方「死体決定だクソ野郎がァァァァァァァ!!!!」

垣根「来いよベネット!!!!」


番外(も、揉まれちゃった・・・)ズーン



667 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 12:06:00.80 ID:w7hJhrzw0


垣根「・・・」ボロボロ

垣根「ちっ、一方通行の野郎・・・マジでやりやがった」

さだのり「おい、垣根はいるか」

垣根「あぁ?なんだよさだのりか、お前も相談か?」

さだのり「まぁ、俺は代役かな」

垣根「まぁ入れよ・・・ちょっと荒れてるが」

さだのり「・・・早速だが、こんなお便りだ」

垣根「はぁ?」

さだのり「俺はサトリナが大好きです、それはもう大好きで佐藤利奈、という文字だけでオカズにできるほどです、彼女の声も好きですし少しぽやっとした見た目も好きです、それに雰囲気がまさに年上のお姉さん、俺の理想なんです」

垣根「どこが相談なんだよ」

さだのり「そんな俺ですが、実は最近ロリコンという疑惑を掛けられています」

垣根「あぁ?年上好きなんだろうが」

さだのり「少し下世話な話になりますが、俺が二次元童貞を失ったの相手がロリだったんです」

垣根「うーわ」

さだのり「カリンちゃんです」

垣根(マジだよこいつ)

668 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 12:09:16.00 ID:w7hJhrzw0
さだのり「ですが、俺は断じてロリコンではありません、だってサトリナが大好きです」

さだのり「そして、最近はささきのぞみもいいなと思っています」

さだのり「時々見せる眼鏡姿、ポヤーっとした少し眠そうな表情」

さだのり「読書好きなんていう性格は、俺の好みです」

さだのり「サトリナとささきのぞみ、俺は浮気をしてしまいました」


さだのり「どうすればいいですか、教えてください」

垣根「現実を見ろ」

さだのり「・・・ぶっちゃけ、どっちも可愛いけどな」

垣根「知るかよ・・・」

さだのり「ま、回答は現実を見ろ、ってことだな」

垣根「そうだ、そいつに伝えとけよ」

さだのり「あと、俺の悩みも・・・」

垣根「あぁ、なんだよ」

さだのり「最近出番が少ないんだけど」

垣根「俺に言うな」

さだのり「ですよねー」



669 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 12:13:16.35 ID:w7hJhrzw0

アレイ「・・・卵と醤油とゲコ太ふりかけだったか・・・」

アレイ「私も、最近は買い物も普通に慣れてきた」

アレイ「・・・いや、そもそも統括理事長である私がこんなことをしているのがおかしい」

アレイ「・・・あの家族は、私を馬鹿にしているのか・・・」

アレイ「そういえば、最近はキッチンで一人座っていても無理矢理引っ張って一緒にソファーに座らせられる」

アレイ「・・・ふふ、上辺の家族と言っても・・・やはり私は・・・」

アレイ「・・・おや、相談屋・・・か」



垣根「あーがり目、さーがり目、ぐるっと回って」

垣根「狩人の目」キリッ

アレイ「・・・」

垣根「・・・」

アレイ「・・・何をしている、垣根帝督」

垣根「よく来たなアレイスター・・・カノッサ機関から、例の死海文書が届いたぞ・・・全く、ヤツらはいつまでタルタロスの」

アレイ「ごまかすな」

垣根「・・・座ってくれよ・・・買い物袋はそこに置いとけ」

アレイ「・・・あ、あぁ」


670 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 15:01:19.07 ID:w7hJhrzw0
垣根「・・・それで、どんな相談なんだ」

アレイ「・・・家に、居場所というものがなくてね」

垣根「家?テクパトルの家だろ?」

アレイ「その通りだ・・・一応、居候の身であることは自覚しているよ」

垣根「でも、あいつらってそんなに冷たいか?」

アレイ「・・・そうだな、私はいつもキッチンで読書をしているのだが」

垣根「・・・なんでキッチンなんだよ」

アレイ「落ち着くからだ、だがそうしているといつもキッチンから追い出される」

垣根「それで?」

アレイ「・・・リビングに連れて行かれる、無理矢理ソファーに座らされて団欒に巻き込まれるのだよ」

垣根「・・・はぁ?」

アレイ「それだけではない、私を買い物に行かせて・・・しかも、間違ったものを買うと叱られるのだ」

垣根「・・・は、はぁ」

アレイ「・・・そして、今度からは間違わないように・・・他の妹達が一緒に買い物に来る」

垣根「・・・」

アレイ「ふっ・・・私という者は信用されていないようだな」

垣根「あ、あのよぉ・・・」


671 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 15:04:40.93 ID:w7hJhrzw0
アレイ「なんだね」

垣根「つまり、話をまとめると一人でいるときにみんなといさせられて・・・で、買い物っていう家族としての役割を与えられてるんだよな?」

アレイ「・・・その通りだが、それが?」

垣根「・・・居場所、あるじゃねぇか」

アレイ「・・・私は、キッチンが落ち着くのだが」

垣根「それは物理的な居場所だろ」

アレイ「・・・しかし、ときどき冷たくされたり弄られたりするのだよ」

垣根「・・・それは、家族だからだよ」

アレイ「・・・家族?」

垣根「お前さ、興味のないヤツとか全然好きじゃないヤツとそもそも話そうと思うか?」

アレイ「思わないな、興味というものが湧かない時点で意欲さえも消えてしまう」

垣根「にも関わらず、妹達やテクパトルはお前と話すんだろ?」

アレイ「そうだ」

垣根「・・・それに、一緒にいさせられたり、買い物をさせられたりってのも・・・お前が家族の一員だからだろ」

アレイ「・・・」

垣根「もしも本当に居候だとかお客様だとか思ってるなら、お前の周りのことはなんだってやってもらえるはずだ・・・だが、あいつらはそうしてはいない」

アレイ「・・・そうだな」


672 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 15:08:38.99 ID:w7hJhrzw0
垣根「・・・お前は、決してそんな他人行儀で接していい相手じゃないって思ってるんだ」

アレイ「・・・だが、妹達を作り出し、彼女達を一方通行の手に掛けさせたのは私だ」

垣根「・・・それをあいつらが知ってないとでも思うか?」

アレイ「・・・いや」

垣根「いいか、あいつらはお前が昔、人間の屑だったと知っている・・・それでもなお、お前を家族として認めているんだ」

アレイ「・・・」

垣根「お前が求めているのは・・・愛情だったんだろ、親愛、友愛、そして恋人に対する愛」

アレイ「・・・私は、そのようなものを求めていたのかな」

垣根「・・・俺にはわからないさ、答えはお前だけが知っている」

アレイ「・・・」

垣根「だけどな、もしもお前が・・・そういうことをされても、あの家に帰りたいって思うなら・・・そこがお前の居場所なんだよ」

垣根「失礼します、とか・・・お邪魔します、って言って帰るんじゃなくて、ただいまと言える場所があるなら」

垣根「そこがお前の居場所じゃねぇか、お前の心もそこに帰るんだ」

アレイ「・・・あそこが私の居場所・・・か」

垣根「そういうこった、難しく考えるな」


垣根「お前は、あいつらが好きなんだろ」

アレイ「・・・その通りかもしれないな」


673 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 15:11:21.60 ID:w7hJhrzw0
垣根「だったら帰れ、こんなところにいる必要は無い」

アレイ「・・・ありがとう」

垣根「あぁそうそう、料金は50円な」

アレイ「安いものだな」

垣根「俺が解決してやるわけじゃない、俺はただ手助けをしただけさ」

アレイ「・・・垣根帝督、君は変わったな」

垣根「俺は俺だよ、他の誰でもないし昔から俺だ」

アレイ「自己の確立・・・か」

垣根「じゃあな、少しはみんなと話すようにしろよ」

アレイ「言われるまでもなく、無理矢理付き合わされるからな」

垣根「そうかい」

アレイ「では」



垣根「・・・やっべぇぇぇ!!」

垣根「俺、めちゃくちゃいいこと言っちゃったよ!?」

垣根「あぁ、メルヘンだメルヘンだ!!!」ウキウキ

垣根「ひゃっはー!!これでまた俺の株が上がるってもんよ!!!」

674 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 17:53:05.13 ID:w7hJhrzw0
垣根「はー、しかしどんどん俺の影響を受ける人間が多くなっちまうな・・・」

垣根「このままじゃ、世界征服も夢じゃないかもな」



上条「・・・そ、相談屋って・・・」

上条「しかも翼の生えてるテント・・・」

上条「垣根・・・だよな」

上条「・・・ま、まぁ・・・ちょっとヒマだし入ってみるか」



垣根「・・・いらっしゃいませこんにちは、あなたの街の」

上条「やっぱりお前か・・・」

垣根「・・・相談事なら乗るけど、そんな文句を言われるなら帰ってもらおうか」

上条「・・・相談なんだ」

垣根「おぉ、なんだよ?」

上条「・・・今すぐのことじゃないんだけどさ・・・結婚指輪ってあるだろ?」

垣根「あぁ」

上条「あれって・・・やっぱり給料三か月分だよな・・・」

垣根「はぁ?」


675 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 18:22:31.52 ID:w7hJhrzw0
上条「・・・美琴と結婚するとなったら・・・給料三か月分だよな」

垣根「君は何を言ってるんだワトソン」

上条「でもさ・・・俺の給料三か月分じゃ、大した指輪なんて買えないからなぁ・・・」

垣根「あぁ、それで悩んでるのかよ」

上条「垣根はどうするんだ?」

垣根「おいおい、俺はもう・・・ってこれは婚約指輪か」ウーン

上条「お前の三か月分はすごそうだな」

垣根「・・・でもよ、別に値段とかじゃなくて愛情が篭ってるかどうかだろ」

上条「そうだけど・・・」

垣根「そんなところで見栄張る必要もねぇしな」

上条「・・・だけど、美琴にはやっぱり高いのを買ってあげたいんだ・・・」

垣根「そうだなぁ・・・」

上条「でも、俺の頭じゃ一流企業なんて無理だし・・・」

垣根「・・・上条、そこまで悩むことか?」

上条「真剣なんだよ・・・」

垣根「お前は何もわかってないな・・・」ハァ

上条「?」


676 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 18:26:16.02 ID:w7hJhrzw0
垣根「いいか、給料三か月分なんてどうでもいいんだよ」

上条「ど、どうでもいいって・・・」

垣根「三ヶ月の給料なんてなんだよ、三ヶ月働けば取り返せるんだ」

上条「それは・・・」

垣根「だったら値段でグチグチ言うなよ・・・それにな、上条」


垣根「結婚ってのは、一生の愛情を相手に贈るんだぜ?」

上条「!!」

垣根「給料三ヶ月分の指輪なんてオマケに過ぎないだろうが」

上条「そ、そうか・・・」

垣根「俺はな、結婚には愛情だけで十分だと思うんだ・・・相手の左手薬指に、わざわざ枷を嵌める必要があるか?」

垣根「それで繋ぎとめた愛なんて寂しいだけさ、ずっと手を握り合ってればいいんだからな」

上条「垣根・・・」

垣根「だから、あいつにお前の気持ちを伝えるだけで十分だ、御坂は値段のことを言うようなヤツじゃないはずだ」

上条「あぁ、ありがとう!!」

垣根「今回は特別にタダにしといてやるよ、帰って御坂に優しくしてやれ」

上条「サンキュー、じゃあまたな!!」タッタッタ

垣根(ふっ・・・またイケメルヘンになっちまったぜ)キリッ


677 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 21:17:31.51 ID:w7hJhrzw0

垣根「・・・なるほどなぁ・・・」

垣根「・・・おっぱいはでかすぎてもダメなんだよなぁ・・・年取ると垂れてくるし」ウンウン

垣根「・・・それに、なんかでかすぎると入る服も少なくなるみたいだなぁ・・・」

垣根「はぁ、結局・・・何もかも、ちょうどいいのがちょうどいいんだよなぁ・・・」



佐天「あれ・・・なんだろう、あのテント」

佐天「相談屋・・・かぁ」

佐天「ちょっと怪しいけど、入ってみますか!」



佐天「あのー」

垣根「うーん・・・でも、やっぱりある程度大きいとぐっと来るものが・・・」

佐天「あれ、垣根さん?」

垣根「ん?佐天か・・・」ジーッ

佐天「?どうしたんですか、私の胸元なんか見つめて」

垣根「・・・やっぱり、ロマンだよなぁ」

佐天「?なにがですか?」

垣根「いや、なんでもねぇよ・・・それで、お前も相談か?」


678 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 21:20:57.50 ID:w7hJhrzw0
佐天「あの・・・垣根さんって、昔から超能力者だったんですか?」

垣根「はぁ?」

佐天「・・・つまり、やっぱり才能があったのかなって」

垣根「お前、何のこと言ってるんだ?」

佐天「・・・能力測定で、やーっぱり無能力者だったんですよ・・・」ハァ

垣根「そりゃ、すぐに発現すれば苦労はねぇよな」

佐天「・・・私と垣根さん、そこまで歳は違いませんよ?」

垣根「かなり違うだろ・・・」

佐天「あの、やっぱり垣根さんも最初は無能力者だったんですか!?」ズイッ

垣根「近寄るな・・・いや、俺は最初からLEVEL3か4程度だったな、そっからはすぐ超能力者だ」

佐天「はぁ・・・そうですよね、御坂さんみたいなのは特例かぁ・・・」

垣根「・・・お前、能力がほしいのか?」

佐天「そのために学園都市に来たんじゃないですか」

垣根「そのために、ねぇ・・・」

佐天「?」

垣根「いいじゃねぇか、学園都市で他に得たものはあっただろ?」

佐天「・・・でも・・・」


679 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 21:23:43.00 ID:w7hJhrzw0
垣根「・・・仕方ないな、ちょっと来いよ」グイッ

佐天「ど、どこ行くんですか?」

垣根「テントの外だ」

佐天「?」



垣根「・・・あそこにゴミ箱があるな」

佐天「・・・あそこって、ここからかなり離れてますけど」

垣根「いいから見とけ」ファサファサ

佐天(・・・いつ見てもすっごい見た目の能力だなぁ・・・)

垣根「・・・」

佐天「!!ご、ゴミ箱が吹き飛んだ・・・」

垣根「今のは・・・空中に俺の能力をばら撒き、それを高速振動させて結果的に標的を消し飛ばしたわけだが」

佐天「へ、へぇ・・・離れた位置にまで能力が及ぶなんて・・・」

垣根「信じられないだろ」

佐天「な、なんていうか・・・」

垣根「常識外れか?」

佐天「まさにそれですね・・・」


680 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 21:28:04.68 ID:w7hJhrzw0
垣根「・・・そうだな、超能力者は誰だって人並み外れてる・・・一方通行の能力は有機全てを操るものだ」

垣根「御坂の能力は、科学に関わるものを相手にすれば全て有利に運べる」

垣根「麦野の能力はどんな壁をも打ち砕くし、食蜂の能力は他人の心そのものを狂わせる」

垣根「削板の能力にいたっては、そもそも説明さえ出来ない」

佐天「・・・つまり、超能力者と私とではそもそも住む世界が違う・・・ってことですか」ムスッ

垣根「・・・違うんだよ」

佐天「?」

垣根「・・・俺達超能力者が・・・なんでこんな力を手に入れたか分かるか?」

佐天「それは・・・運命、ですかね」

垣根「そうだな、科学的にはそんなもの存在しないが・・・突き詰めれば、俺達がこの力を手に入れるのは決まっていたことだ」

垣根「・・・こんな力を手に入れなければ、俺達はダメだったんだ」

佐天「どういうことですか?」

垣根「・・・この力はな、誰かを守ることが出来る・・・」


垣根「そして、傷つけてしまうことがある」

垣根「・・・時として、それは無意識に」

佐天(・・・御坂さんの体からは、動物に不快な痛みを思わせる電磁波が発しているって・・・)


681 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 21:32:39.87 ID:w7hJhrzw0
垣根「・・・お前は無能力者を、なんだと思っている?」

佐天「えっと・・・おちこぼれ、ですかね」

垣根「そうだな・・・科学者からすればそうだし、俺達超能力者からしてもそうかもしれない」

垣根「でもな・・・お前達は、普通の人間でいることを許された存在なんだ」

垣根「俺達みたいに化け物になることもなく・・・」

垣根「それでも、幸せな人生を歩めるって認められた存在なんだ」

垣根「俺達は化け物になるしかなかった、そしてそうなってしまった」

垣根「・・・神様の退屈ってやつさ、人間は神様の創造する力を羨ましがるが・・・神は、限界というものだけは創造することができず、結果的に退屈を覚えてしまった」

垣根「望んだものが手に入れば、それは退屈な現実になる」

垣根「お前は、もし力を手に入れたらどうしたい?」

垣根「友達に自慢するか?一人で悦に浸るか?その力で世界を敵に回すか?」

佐天「・・・私は、ただ超能力に憧れて・・・」

垣根「・・・超能力ってのは、使い方によって夢を作るし悪夢をも生み出す」

垣根「無ければいいとは言わないが・・・だがな、お前にだって何かが出来るはずだ」

垣根「超能力なんていうものに頼らなくても、きっと何かが」

垣根「違うか、佐天」

佐天「・・・垣根さん・・・」


682 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 21:36:02.16 ID:w7hJhrzw0
垣根「いいか、いつまでも上を向いて努力しろ・・・」

垣根「空を飛ぶには翼が無ければならない」

垣根「お前はその翼をもう手にしている、あとは羽ばたこうとする気力だけだ」

垣根「努力を怠るな、決して怠惰を許さず、前を向いて空を目指せ」

佐天「は、はい!!!」

垣根「・・・また困ったことがあったら相談に来いよ、今度はお客としてじゃなくて友達としてアドバイスしてやる」

佐天「ありがとうございます!!」

垣根「料金は・・・出世払いで頼むぜ」

佐天「出世できなかったら・・・」

垣根「体で払ってもらうからな、そうならないように努力しろ」

佐天「はい!!それじゃ!!」タッタッタ


垣根「はぁ・・・疲れるな、人の話を聞くってのも」

垣根「・・・そろそろ心理定規も帰ってくる頃か」

垣根「今日は閉店しました・・・明日は朝の8時から、っと」カキカキ

垣根「よし、帰るか・・・」

垣根「うーん、空が青いねぇ」


683 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 21:38:23.48 ID:w7hJhrzw0


心理「あら、おかえりなさい」

垣根「ただいま」

心理「どこ行っていたの?学校にも来なかったじゃないの」

垣根「いや・・・ちょっとな」

心理「ふーん・・・ま、あなたがフラフラしているのはいつものことよね」

垣根「学校はどうだった」

心理「気になるならあなたも来なさい」

垣根「めんどくさい」

心理「・・・結局、そうやってごまかすのね・・・」

垣根「それより腹減った、飯にしようぜ」

心理「はぁ・・・分かったわよ、何がいい?」

垣根「今日は俺が作るよ」

心理「あら、疲れてるんじゃないの?」

垣根「いいって、今日は俺が作りたい」

心理「?」

垣根(・・・いい気分だからな、今日は)


684 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 21:41:10.09 ID:w7hJhrzw0

フレンダ「?ゴーグル、どこ行ってたの?」

ゴーグル「・・・あ、あの・・・フレンダさん」

フレンダ「?」

ゴーグル「俺・・・フレンダさんの愛情表現って、やっぱり回りくどいと思いますよ」

フレンダ「な、なんで!?」

ゴーグル「毎朝ラリアットとかおかしいじゃないですか」

フレンダ「そ、そうなの?」

ゴーグル「食事のときはあーん、ってしてくるし・・・何かにつけて一緒に風呂入ろうとするし」

フレンダ「う・・・」

ゴーグル「あれっすよ・・・」

フレンダ「あ、あれ?」

ゴーグル「・・・俺以外の男じゃ、そんな愛情表現イヤになりますよ・・・」

フレンダ「そ、そうかな?」

ゴーグル「・・・はい」

フレンダ「わ、分かった・・・今度から気をつけるね」

ゴーグル「ま、まぁほどほどに頼みます」

フレンダ「・・・」


フレンダ(・・・?ってことは・・・ゴーグルは、イヤじゃないってこと?)


685 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 21:44:18.81 ID:w7hJhrzw0


テクパトル「ただいま」

14510「ただいま・・・」

御坂妹「あー!?14510号とテっくんがおそろいでお帰りです、とミサカは19090号に報告します!!」

19090「お帰りなさいテっくん、とミサカは正妻の余裕を見せ付けます」

20000「あれ、アレイちゃんも今?」

テクパトル「ん?本当だ」クルッ

アレイ「・・・」

10039「あぁ、買い物に行かせたんでしたね・・・ごめんなさい、とミサカはあまり謝る気もなく・・・」

アレイ「・・・そ、その・・・」

17600「なんだ、もしかして間違ったか?」

10033「いいんですよ、少しずつ買い物にも慣れてくださいね、とミサカは・・・」

アレイ「・・・た」

テクパトル「た?」

アレイ「・・・」ハァ



アレイ「・・・ただいま」

ミサカ一同「!!」

テクパトル「・・・あぁ」


一同「お帰りなさい!」

アレイ(・・・こういうのも・・・悪くはない)


686 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 21:47:25.59 ID:w7hJhrzw0

削板「黒子、今日はどこ行こうか?」

黒子「そうですのね・・・まずは、一緒にお食事でも」

削板「あぁ・・・それにしても、最近黒子は大胆な服を着るな」

黒子「こ、これは・・・」カァッ

削板「ははは!!似合ってるぞ、黒子!!」

黒子「ほ、本当ですの!?」

削板「あぁ、最高に似合ってる!!」

黒子「よ、よかったですの・・・てっきり、軍覇さんはこのような服にいい印象を持たれていないかと・・・」

削板「あぁ、あんまりいい印象は無い!!」

黒子「えぇ!?」

削板「でもな、大好きな人が着ていればなんだって好きになるんだ!!」ハハハ!!!

黒子「!」カァッ

削板「いやぁ、今日は非常にいい日だ!!黒子!!」ガシッ

黒子「は、はい・・・」

削板「あの夕日に向かって走ろう!!!!」

黒子「お、お食事はどうなりますのぉぉぉぉぉぉ!!!!!」





687 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 21:50:54.20 ID:w7hJhrzw0

一方「あァ?デートだ?」

番外「そうそう、久しぶりに二人で出かけようかなってさ」

打ち止め「ミサカも行く!!ってミサカはミサカは間に挟まってみたり!!」

一方「・・・そォだな、こいつを一人にするわけにはいかねェだろ」

番外「・・・二人で行きたいの」

一方「あァ?」


番外「ミサカは二人で行きたいの!!」

一方「お、落ち着けよ・・・」

番外「上位個体、さすがに今回だけは譲れないからね!!」

打ち止め「・・・うん、分かった・・・ってミサカはミサカは仕方なしに頷いてみる」シュン

一方「・・・番外個体、お前・・・」

番外「あ・・・そ、そのさ・・・上位個体」


番外「その代わり・・・明日は、三人で出かけない?」

打ち止め「!!うん!!ってミサカはミサカはこの機を逃すまいとして必死に頷いてみる!!!」

一方(・・・ちっ・・・くっだらねェ・・・)


一方(・・・誰だよ、こンなこと番外個体に吹き込ンだやつは・・・)


688 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 21:53:20.39 ID:w7hJhrzw0

エツァリ「はぁ・・・はぁ・・・」

ショチトル「うっ!!」

エツァリ「ショチトル!!!」

ショチトル「お兄ちゃん!!!」


エツァリ「・・・久しぶりのノーマルプレイはどうだった」

ショチトル「あぁ、非常にノーマルだった」

エツァリ「・・・しかし、これが世間のノーマルだ」

ショチトル「人々は本当にノーマルで我慢できるのか?」

エツァリ「ノーマルな人々はノーマルなものが好きなんだろうな」

ショチトル「ノーマルな人生を、ノーマルな生き方で、ノーマルな時間のままノーマル的に生きていくのか」

エツァリ「そうだな・・・きっと、ノーマルチョコが大好きだな」

ショチトル「・・・」

エツァリ「・・・」



ショチトル「やっぱり、私はアブノーマルがいいな」

エツァリ「同感だ」


689 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/02(木) 21:55:42.05 ID:w7hJhrzw0
今日はここまで

最後の変態達のせいでダメな話になってしまったけどそれもいいでしょう

筋肉動画はロニー、ナチュラルの頃

http://www.youtube.com/watch?v=gVt0f3b03no&feature=fvsr 

おそらくステロイドも使っていない、もしくは非常に少量でしょうね

それでこのバルクはさすがです


引き続き、キャラと相談内容を募集中


ではおやすみなさい


690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/02/02(木) 22:55:46.51 ID:JCvn8yKk0
青ピで麦野をデートに誘う方法
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/02(木) 23:07:42.71 ID:Zy37Q1dJo
乙なんだよ
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/02(木) 23:51:08.86 ID:rpS+KkfGo
上条さんと美琴がそれぞれ別々に相談に来るけど
二人とも相談内容が「日頃の感謝の想いを相手に伝える方法」とまるっきり同じ
みたいな展開を
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/02/03(金) 02:35:23.24 ID:myMksGC20
フレンダの愛情表現は俺的には最高だ
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/02/03(金) 03:21:55.18 ID:6Dd23mCTo
一方通行が有機を操るという事に関して少し気になったので長文失礼
ベクトル操作のベクトルとは向きを持った量の概念であり、
それを操作できるという事は物質の動いている向きと大きさを操れる事であって有機とか無機とかは関係が無いんです。

有機物も無機物も分解していけば分子や原子、素粒子の集まり(塊)であって、それぞれの粒子は個々のエネルギーを持っています。
ベクトル操作はそれらの粒子の運動(物質の動いている向きや大きさ)を自由に操れる能力であり、
言い換えれば、存在している粒子の動きを自由にできる能力なのです。
例えば、人間の細胞は分子でできています。ベクトル操作はそれら一つ一つ分子に働きかけ好き放題に動かすといった事ができ、
細胞を作っている分子の動き(運動)を変える事により、分子の繋がりを自由に操ることができて
その気になれば(演算できるのならば)人間を原子分解する事も可能な能力って感じです。


695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/02/03(金) 06:58:56.72 ID:tdu/N/Zlo
>>694
そんなガチガチの科学で語るより
メルヘンに「有機を操る能力」って言ったほうがかっこええやん
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/02/03(金) 11:00:13.73 ID:UBuOyk540
ていとくんも>>694知っててあえて有機を操る能力っていった感じがする
詳しく説明したって分からないだろうし
697 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 12:28:11.69 ID:6320kFnF0
>>696 とりあえず空の住人が来たことに驚きを隠せない


垣根「はぁ・・・開店しますよっと」

垣根「しかし、この時間は学校が始まる時間だからな」

垣根「あんまり客は来ないだろ」


青ピ「?なんや、相談屋?」

青ピ「ふーん・・・変わった店やなぁ」

青ピ「おっと、学校・・・」

青ピ「・・・」

青ピ「・・・やっぱり、ちょっと入ってみよ」


垣根「・・・うーん、朝はコーヒーに限る、もしくはメガシャキ」

青ピ「なんや、垣根やん」

垣根「あぁ?青ピじゃねぇか、なんだ?」

青ピ「垣根、君学校行かないん?」

垣根「あぁ・・・ちょっと飽きてきてるんだよな」

青ピ「小萌センセ泣くで?」

垣根「今度菓子折りでも持って・・・って、お前学校は」



698 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 12:28:45.44 ID:6320kFnF0
青ピ「今向かってるんやけど・・・ちょっとこの店見つけてもうてな」

垣根「なんだよ、相談事か?」

青ピ「そうなんやって・・・ボク、今まで女の子と上手くいったことないやんか」

垣根「お前の人生全ては知らないが・・・たしかに、そうかもな」

青ピ「でもな、やっといい人に出会えたんよ」

垣根「麦野か」

青ピ「あ、やっぱり分かる?」

垣根「で?麦野に告白でもするのかよ」

青ピ「ちゃうちゃう、いきなりそれはハードル高いやん」

垣根「じゃあなんだよ」

青ピ「まずはデートに誘いたいんよ」

垣根「デート?」

青ピ「でも、麦野さんってやっぱりお金持ちやろ?せやからボクみたいな男が行く場所なんか・・・」

垣根「ちなみに、お前はなんて言って誘うつもりなんだ?」

青ピ「デートして下さいって」

垣根「もう一押しだな・・・なんでデートしたいのよ、って麦野は聞くはずだ・・・そこで理由を言っても、後から考えたみたいで悪い印象になる」

青ピ「な、なるほど」



699 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 12:29:14.29 ID:6320kFnF0
垣根「先にどうしてデートに行きたいか、理由から言うんだよ」

青ピ「でもなぁ・・・いきなり付き合いたいから、なんて言えへんやろ?」

垣根「もっと柔らかく言っていいんだよ」

青ピ「うーん・・・どんな風に?」

垣根「あなたの笑顔が見たい、もしくはあなたと一緒にいると楽しいから、だな」

青ピ「なるほど・・・」

垣根「だが麦野みたいなタイプは押しに弱いだろうから、絶対に楽しくさせますから、でもいいだろう」

青ピ「うんうん・・・」

垣根「ただしこの誘い方は両刃の剣だな、絶対に楽しませなけりゃならない」

青ピ「・・・そうなんやなぁ・・・やっぱり、行く場所も大切やんかな」

垣根「いや、麦野は今まで、どうせいろんな場所に行ってるはずだ」

青ピ「なら・・・」

垣根「だが、あいつに温もりを与えてやった男なんてそうはいない」

青ピ「?」

垣根「どこに行くかで楽しませるんじゃない、お前が必死にあいつを喜ばせようとする努力があいつを楽しませるんだよ」

青ピ「な、なるほどなぁ・・・」



700 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 12:29:56.47 ID:6320kFnF0
垣根「ま、麦野は案外初心だから大丈夫だろ」

青ピ「ありがとな、参考になるわ!」

垣根「頑張れよな」

青ピ「垣根も、たまには学校来てな!」

垣根「あぁ」




垣根「・・・金貰うの忘れてたな」

垣根「ま、今度でもいいか」

垣根「にしても、いきなり客が来るなんてな」

垣根「・・・偶然か、どうせこれから学校が始まる・・・」

美琴「失礼します・・・」

垣根「・・・」

美琴「・・・」

垣根「・・・学校は」

美琴「あ、あはは・・・」

垣根「・・・サボったのか」



701 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 12:30:44.55 ID:6320kFnF0
美琴「ち、違うわよ!今日は先生が休みだから自主登校になっちゃって」

垣根「あぁ?常盤台って、自主登校でもほとんどの生徒が登校するって聞いたけど」

美琴「別に行かなくていいのよ」

垣根「ミコっちゃんたら不良生徒」

美琴「はぁ・・・ところで、ここはアンタの店?」

垣根「あぁ、テントに翼が生えてただろうが」

美琴「イヤな予感はしてたけど・・・今日から始めたの?」

垣根「昨日からだ、昨日は上条も来たぜ」

美琴「!?」

垣根「あぁ?なに焦ってるんだよ」

美琴「あ、いや・・・その、その時に当麻・・・何か欲しいものとか言ってなかった?」

垣根「はぁ?なんで」

美琴「・・・相談はね、当麻に普段の感謝を伝える方法なんだけど・・・さ」

垣根「感謝かぁ・・・」

美琴「・・・でも改めて感謝を伝えるなら、やっぱりプレゼントもあげたいんだ」



702 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 12:31:27.67 ID:6320kFnF0
垣根「言葉だけで十分じゃないか?」

美琴「・・・ううん、もちろん言葉も大切だけど・・・形に残るものなら、後々感謝の気持ちを思い出せるじゃない」

垣根「はぁー・・・お前、中々考えてるんだな」

美琴「・・・当麻のことなら真剣なのよ」

垣根「・・・そうだな、上条が欲しそうなものか・・・」

垣根「あいつ、趣味とかあったっけ」

美琴「ううん、人助けが趣味みたい」

垣根「素敵な趣味だな」

美琴「・・・ねぇ、どうしようかな」

垣根「日頃の感謝か・・・」

垣根「・・・そうだ、写真立ては」

美琴「写真立て?ちょっと悪いけど・・・正直、あんまりいいとは思わないわね・・・なんで写真立てなの?」

垣根「写真は、その時の二人を写すものだ、そして写真立てはそれが色褪せないように守るものだ」

垣根「お前達の思いだっていつまでも色褪せないだろ?」

美琴「うん」

垣根「それにさ・・・写真立てがあったら写真が欲しくならないか?」



703 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 12:32:43.03 ID:6320kFnF0
美琴「そりゃなるわよ、写真がなきゃ意味ないもん」

垣根「写真を取るには二人一緒にいなきゃならない・・・それも素敵だろ?」

美琴「なるほど・・・そういう意味があったのね」

垣根「プロポーズとかなら指輪がいいんだろうけどさ、感謝なら日常的に使える、そして飾れる物がいいだろ」

美琴「分かった、ありがとね」

垣根「でも、一番は恥ずかしがらずに素直な気持ちを伝えることだ」

美琴「言われなくても・・・お代、ここに置いておくから」

垣根「あぁ」

美琴「じゃ」


垣根「・・・あぁ?なんだよ、料金多いじゃねぇか・・・」

垣根「・・・はぁ、帰すのめんどくさいんだよなぁ・・・」

垣根「・・・そういえばターバン野口ってどうやるんだっけ」

垣根「・・・折れない」

垣根「・・・やーめた」



704 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 12:33:34.22 ID:6320kFnF0


上条「・・・垣根、いるか」

垣根「あぁ?てめぇ、学校はどうした」

上条「ちょっと遅れるくらいいいんだよ」

垣根「不良生徒だ」

上条「・・・遅刻なんて問題にならないくらい、重要な相談がある」

垣根「昨日の相談の続きか、なら・・・」

上条「違う・・・とは言えないけど、ちょっと違うんだ」

垣根「ならなんだよ」

上条「結婚指輪は当分先だけどさ・・・大事なのは今だよな」

垣根「あぁ、それは同感だな」

上条「だから・・・美琴に日頃の感謝を伝えたいんだ」

垣根「!?」

上条「な、なに驚いてるんだよ」

垣根「あ、いや・・・感謝ねぇ」

上条「でさ、プレゼント贈りたくて・・・」



705 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 12:34:40.52 ID:6320kFnF0
垣根「ぶはぁっ!?」

上条「な、なに噴き出してんだよ・・・そんなにおかしいか?」

垣根「い、いや・・・」

垣根(ここまで考えることがかぶるか、普通・・・)

上条「なぁ・・・なにがいいかな、高い物より心がこもってるほうがいいんだろうけど」

垣根「そうだな・・・」

垣根「・・・お前、御坂のどこが好きなんだ?」

上条「やっぱり・・・いつも一緒にいてくれるとこかな」

垣根「一緒・・・か、ならそのいつも隣にいることを残したくはないか?」

上条「?」

垣根「写真を一緒に撮るってのはどうだ?たしかにプレゼントにしたらインパクトは弱いが」

上条「いや、いいと思う・・・美琴と二人きりで写真、最近撮ってないし」

垣根「思い出の場所に呼び出して写真、なんてどうだ?」

上条「いいな・・・でもカメラが・・・」

垣根「あぁ!こんなとこに偶然カメラがぁぁ!」

上条「な、なんであるんだよ」

垣根「いいから持っていけ、学校終わったらすぐに御坂を呼んで写真撮ってやれ」



706 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 12:35:35.45 ID:6320kFnF0
上条「あぁ、ありがとな!」

垣根「ほら、学校行った行った」

上条「料金は・・・」

垣根「もう多めにもらった」

上条「?」

垣根「あぁいや・・・いいから行けよ」

上条「あぁ、じゃあな!」


垣根「はぁ・・・上条の野郎、中々いいタイミングで来たな」

垣根「・・・いいなあの二人、以心伝心か」

垣根「・・・俺達には敵わないけどな」


垣根「・・・ドッドッドリフの大爆笑ー」

垣根「・・・今日もいい天気だが・・・少しばかり暑いな」

垣根「扇風機でも出すか」

垣根「・・・そういえばこの扇風機、アレイスターが持ってきたヤツだが・・・」

垣根「なぜか儚げな雰囲気なんだよな」

垣根「いや、扇風機だからそんなわけないか」



707 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 12:37:07.19 ID:6320kFnF0

フレンダ「・・・愛情表現・・・愛情表現・・・」

フレンダ「あぁもう!ゴーグルの馬鹿!愛情表現なんか知るかぁぁ!」

フレンダ「・・・?相談屋・・・なんか怪しい訳よ」

フレンダ「でも、結局私が頭捻っても愛情表現なんか思い浮かばないし・・・」

フレンダ「・・・仕方ない、別にゴーグルのためじゃないけど・・・」


垣根「・・・ゴーグル馬鹿にエロ画像でも送っとくか」

フレンダ「やめろぉぉぉ!」

垣根「おわぁぁぁぁぁ!?フレンダ、いきなり来るなぁ!」

フレンダ「ダメ!絶対にダメな訳よ!」

垣根「ま、待て待て落ち着け息を吸え!」

フレンダ「・・・っていうか、なんで垣根がいる訳よ」

垣根「なぜならここは俺の店」

フレンダ「・・・帰る」

垣根「まぁまぁ、なにか相談があるんだろ」



708 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 12:38:17.11 ID:6320kFnF0
フレンダ「・・・別にわざわざ相談することじゃないから」

垣根「あぁ?なら無理矢理吐かせるぞ」

フレンダ「」

垣根「かつて俺がアイテムの情報を無理矢理吐かせたこと、忘れたわけじゃねぇよな?」

フレンダ「わ、分かった・・・」

垣根「で、どんな相談なんだよ」

フレンダ「・・・垣根って、心理定規を愛してる?」

垣根「愚問だな、その質問にははいかYESかその通り、の三択しかない」

フレンダ「・・・だったら、やっぱり毎日愛情を表現してる訳?」

垣根「してるしてる、それがまた楽しいんだよ」

フレンダ「・・・私に、愛情表現の仕方を教えてほしい訳よ」

垣根「愛情表現?お前、ゴーグルに愛情表現したいのか」

フレンダ「・・・うん」

垣根(あれ、てっきり違う訳よ!とか反論するかと)

フレンダ「でね、ゴーグルは私の不器用な愛情表現も嫌いではないって・・・」

垣根(昨日の俺のアドバイスを生かしたな、ゴーグル馬鹿)



709 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 12:39:17.05 ID:6320kFnF0
フレンダ「でも・・・さすがに毎朝ラリアットはイヤなんだって」

垣根「それ、殺戮だろ」

フレンダ「だ、だって!好きな子には悪戯したくなる心理が働く訳よ!」

垣根「あのなぁ!それは幼稚園のガキがカバンにカエルを入れたり小学生のガキがスカートめくったりってレベルの話だ、後遺症残る可能性のある愛情表現とかイヤだよ普通!」

フレンダ「・・・?」

垣根「なんで素なんだよぉぉぉ・・・」

フレンダ「でも、カエルもスカートめくりも心に後遺症が残る訳よ」

垣根「上手いこと言ってごまかすな!いいか、愛情表現とはとにかく尽くすことだ!」

フレンダ「尽くす?」

垣根「好き好き言うだけなら楽なんだ、相手の全てを背負ってあげる覚悟!それがお前にあるか!?」

フレンダ「う・・・」

垣根「まず朝!男には特有の生理現象がある!」

フレンダ「そ、それはなんとなく分かる訳よ」

垣根「それを解消してやれ!くわえて挟んで扱きあげる!」

フレンダ「!?」

垣根「いいか、大切なのは朝から尽くすことだ!夜のお相手だけじゃ・・・」

フレンダ「待って待って!私達そこまで進んでない訳よ!」


710 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 12:39:56.96 ID:6320kFnF0
垣根「はぁ?」

フレンダ「ま、まだ告白なんて成功してないし・・・」

垣根「・・・じゃあなんで愛情表現とか考えるんだよ」

フレンダ「・・・それは・・・その」

垣根「お前・・・重いな」

フレンダ「お、重いかな・・・?」

垣根「重い、まずは相手と少しずつ近づくことから始めなきゃいけない」

垣根「・・・ゴーグル馬鹿はきっとお前の愛情表現を喜んではいる・・・だがな、それは無理矢理押し付けた愛情でしかないんだよ」

垣根「・・・つまり、まずはゴーグル馬鹿の心を聞き出せ」

フレンダ「こ、心?」

垣根「・・・お前のことを好きと言わせろ、それが一番だぜ」

フレンダ「・・・分かった、頑張る訳よ!」

垣根「でもよ、お前ってなんでゴーグル馬鹿が好きなんだ?」

フレンダ「だ、だって優しいし・・・」

垣根「・・・優しいか?」

フレンダ「お、面白いし!」



711 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 12:40:45.64 ID:6320kFnF0
垣根「いや、面白くはねぇよ」

フレンダ「カッコイイし!」

垣根「・・・カッコイイ?」

フレンダ「とにかく!私は好きなんだから!」

垣根「まぁそうだな」

フレンダ「・・・よし、ゴーグルに詰め寄ってみる!」

垣根「それはそれで間違ってるけどな」

フレンダ「ありがと、料金はここに置いとく訳よ!」

垣根「じゃあな」

フレンダ「うん!」


垣根「・・・ぱーぱーぱーぱーぱーぱーぱーぱーぱーぱーぱーぱー」

垣根「・・・ゴッドファーザーを口で歌ってもつまらない、か」

垣根「・・・にしても繁盛するな」

垣根「・・・よし、ちょっとテントのデザインを変えてみるか」

垣根「翼を増やして・・・そうだな、店の名前もメルヘン相談屋に・・・」

垣根「・・・統一感が無くなったな」

垣根「さすが常識が通用しねぇ」

垣根「はっ、これでもっと客が来るはずだ」


712 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 12:41:15.09 ID:6320kFnF0


絹旗「・・・?メルヘン相談屋・・・」

絹旗「垣根ですね、超垣根臭がします」

絹旗「・・・相談ですか・・・」

絹旗「うーん・・・最近悩みなんてないですけど」

絹旗「ヒマだから入りますか」


垣根「プリーンプリーン、プリンプリンプリンプリン」

絹旗「・・・何歌ってるんですか」

垣根「あぁ?絹旗か、今日はアイテムがたくさん来るな」

絹旗「誰か他に来たんですか?」

垣根「あぁ、フレンダがな」

絹旗「フレンダ?あの年増女・・・」

垣根「あんまり変わらないだろうが」

絹旗「変わります」

垣根「まぁいいや・・・相談は」



713 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 12:42:30.05 ID:6320kFnF0
絹旗「ないです」

垣根「・・・じゃあなんで来たんだよ」

絹旗「なんとなくですかね・・・超ヒマだったんですよ」

垣根「ヒマ?お前、ヒマを持て余すのは良くないな」

絹旗「だって海原さんは今忙しいみたいですし・・・」

垣根「忙しい?あぁ、そういや海原は普通の学生か・・・」

絹旗「・・・ヒマです、超なにか提案をして下さい」

垣根「やだ」

絹旗「!相談はこれです、今のヒマを潰す方法を考えて下さい!」

垣根「知るか・・・さっきのフレンダはもっとまともな相談だったぜ?」

絹旗「フレンダと比べないで下さい」

垣根「そうだな・・・そもそも、なんでヒマなんだ?」

絹旗「アイテムのみんなが出かけてるからです」

垣根「はぶられてるのか」

絹旗「・・・言わないでください」

垣根「はぶられてるのか」

絹旗「超表に出ろ」


714 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 15:51:13.96 ID:6320kFnF0
垣根「・・・じゃあさ、ここで働けば?」

絹旗「・・・はい?」

垣根「いいじゃんか、助っ人としてさ」

絹旗「で、でも・・・」

垣根「給料くらいはくれてやるって」

絹旗「そうじゃなくて・・・」

垣根「あぁ?なんだよ」

絹旗(・・・密閉された空間に、男と二人というのは・・・超気まずいです)

垣根「もしかして、襲われるとか思ってるのか」

絹旗「そ、そうですよ!!垣根は超変態ですから・・・」

垣根「悪いが、ガキには興味ねぇんだよ」フン

絹旗「ガキじゃないですから!!」

垣根「そうやって食って掛かるのがガキなんだよ」

絹旗「う・・・」

垣根「ま、女の悩みとかはお前にアドバイスしてもらえたほうが助かるし・・・」

絹旗「決定事項なんですか・・・」

垣根「あぁ」

絹旗「・・・分かりましたよ」


715 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 15:54:28.28 ID:6320kFnF0

垣根「・・・最近はやっぱりメイドが流行ってるんだなぁ・・・」

絹旗(・・・な、なんで女の子の前で堂々とエロ本が読めるんですか・・・)カァッ

垣根「・・・心理定規には似合うかな」

絹旗「そ、そうですね」

垣根「あぁ?曖昧な答え方するんじゃねぇよ」

絹旗「だ、だって・・・目の前でエロ本読まれてると超困ります」

垣根「これだからガキは困るんだよ」

絹旗「ガ、ガキじゃないですから!!」

垣根「嘘付け、エロ本も読めないくせに」

絹旗「読めますから!!貸してください!!」バッ

垣根「あ、おい」

絹旗「こ、これくらい・・・」

絹旗「これ・・・くらい・・・」

絹旗(・・・メイドが・・・なんで股を思い切り開いてアヘ顔してるんですか!?超意味が分かりません!!!)

垣根「顔真っ赤だぞ」

絹旗「・・・やっぱり・・・子供でいいです」グスン

垣根「だろうな」

716 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 15:58:40.11 ID:6320kFnF0

打ち止め「むー、一方通行ったら出かけようって言ったらやっぱりだるいなんて言い出して・・・」

打ち止め「結局、ミサカは一人な訳よ!!ってミサカはミサカはよく分からないけど誰かの口調を真似てみたり!!」プンプン

打ち止め「・・・ヒマだから家に帰ってアニメでも・・・?」

打ち止め「メルヘン相談屋・・・なんだか楽しそうな匂いがする!!ってミサカはミサカはテントの中に飛び込んでみたり!!」



垣根「だー、なんで今日はこんなに暑いんだよ・・・」

絹旗「・・・あの、扇風機私だけに当ててるからじゃないですか?」

垣根「だってよ・・・女に暑い思いさせるのはメルヘンじゃねぇだろ・・・」グテー

絹旗(そういうところはしっかりしてるんですね、超浜面と違って)

打ち止め「お邪魔します!ってミサカはミサカは自分の礼儀正しさをアピールしてポイントを稼いでみる!!」

垣根「おー?打ち止めか」

絹旗「?なんだかどこかで見たことあるような・・・」

打ち止め「・・・」

垣根「どうした」

打ち止め「浮気の現場というものを見ちゃったぜ、ってミサカはミサカはカメラを取り出して証拠写真を・・・」

垣根「勘違いだ」


717 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 16:01:57.61 ID:6320kFnF0
絹旗「あの・・・この子、なんなんですか?」

打ち止め「この女、あなたの何なのよ!?っていうベタなイベント、ってミサカはミサカはこの三流ドラマっぽい展開に胸を躍らせてみたり!!」

垣根「妹達の末っ子から二番目の打ち止めだ」

絹旗「超ややこしいです」

垣根「・・・打ち止め、よく来たな」

打ち止め「よかったのかい、ホイホイ着いてきて・・・ってミサカはミサカは最近覚えたネタを・・・」

垣根「どこで覚えたんだよ」

打ち止め「!!そうだ、相談があるんだ、ってミサカはミサカは目的を思い出してみたり!!」

垣根「相談?」

打ち止め「今から家でアニメを見たいんだけど・・・」

垣根「あぁ、オススメのアニメでも教えてほしいのか」

打ち止め「その通り!!」

絹旗「ダメですよ、どうせ垣根はスクライドを・・・」

垣根「子供ならアンパンマンとかどうだ?」

打ち止め「一方通行も一緒に見るんだよ、ってミサカはミサカは・・・」

垣根「そうか・・・でも、アンパンマンも好きそうじゃねぇか」

絹旗(・・・まともなチョイスで驚きました)


718 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 16:06:07.07 ID:6320kFnF0
垣根「あと、一方通行みたいなヤツはエヴァンゲリヲンとか好きそうだな」

絹旗「なんですかそれ?」

垣根「日本のアニメの根本を変えてしまったアニメだ・・・まぁ、その後の日本のアニメがあれの影響を受けすぎて、どこかしら面白みに欠けてきてるのも事実だな」

打ち止め「どんなアニメ?ってミサカはミサカは首を傾げてみる」

垣根「ロボット・・・じゃないがそうしておこう、それに乗って使徒と呼ばれる化け物・・・みたいなのと戦うアニメだ」

絹旗「・・・・そこまで斬新ではないですよね?」

垣根「あれは見れば分かる、一つの完成形だ、お笑いでいえばダウンタウンみたいなもんだ」

打ち止め「それは楽しみ!ってミサカはミサカは胸を躍らせてみる!!」

垣根「あとはメダロットとかかな・・・あれは熱い友情だが子供でも見れるからな」

打ち止め「そうなの?」

垣根「一方通行もカリンちゃんとか好きそうだし」

絹旗(この人、なんでこんなに詳しいんですか?)

垣根「こんなところかな、まぁアンパンマンかエヴァでいいだろ」

打ち止め「ありがとう、ってミサカはミサカは頭を下げてみる!!」

垣根「ま、あんまりアニメの見すぎはよくないぞ」

打ち止め「うん、じゃあまたね!!」

垣根「おう」


719 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 16:08:44.95 ID:6320kFnF0

絹旗「・・・思ったより繁盛してるんですね」

垣根「まぁな・・・」

絹旗「・・・あの、垣根はどうしてこの店を始めたんですか?」

垣根「俺がメルヘンだから」

絹旗「・・・はい?」

垣根「メルヘンだから」

絹旗(超意味が分かりません)



エイワス「・・・最近は大根が高いな・・・」

エイワス「それにしても、私がまさか自炊を始めるとは」

エイワス「しかし、人間の食という文化は実に興味深いものだ」

エイワス「・・・だが、大根を使った料理は何があるだろうか」

エイワス「・・・?相談屋・・・か」

エイワス「・・・人間の心というものを、私も知ってみたいな」

エイワス「・・・少しばかり面倒だが」

エイワス「これもまた酔狂だろうな」


720 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 16:12:44.98 ID:6320kFnF0

エイワス「失礼するよ」

垣根「あぁ?お前、エイワスか」

エイワス「おや、垣根帝督か」

絹旗「な、なんですかこのC級映画に出てきそうないかにも特殊効果使ってる感じの超天使は!?」ワクワク

エイワス「・・・なんだ、これは」

垣根「気にするな、ノイローゼなんだ」

エイワス「そうか」

絹旗「超違います!!!!」

垣根「・・・それで、お前は・・・買い物してたのか」

エイワス「人間の食という文化に興味があってね」

垣根「・・・中身は大根か、おでんか・・・いや、この時期にそれはないかな」

エイワス「それなのだよ、どのような料理を作ろうか迷っている」

垣根「うーん・・・切り干し大根とか」

エイワス「ほう」

垣根「大根おろしにして、ご飯にかける・・・もちろん、ちりめんじゃこも忘れるなよ」

エイワス「ふむ」

垣根「・・・漬物にして食うのもよしだな」

エイワス「なるほど・・・」


721 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 16:16:41.32 ID:6320kFnF0
垣根「とにかく、一つの食材から様々な料理を作ることが素晴らしいんだ」

エイワス「?食べることが目的ではないのか」

垣根「違うんだよ、今日はどんなものを作ろうか、今日はどうやって調理しようかと考えるその楽しさ」

垣根「一つの材料から無限の可能性を生み出すその瞬間」

垣根「錬金術がキッチンで生まれたというのも納得がいくほどの応用性」

垣根「特別な能力が無くても、たった一つのものを生み出せる行為」

垣根「料理というのはやって楽しみ見て楽しみ、食べて楽しみ語って楽しむものだ」

エイワス「ほう・・・つまり、私はまだ食べる楽しみしか知らなかったのか」

垣根「もったいないぜ、今日はどれを作るかを考えるなら料理本を買わなきゃならない、それもまた面白いだろ」

エイワス「・・・君は実に面白い人間だな、垣根帝督」

垣根「メルヘンだと言ってくれ」

エイワス「メルヘンだ」

垣根「ワンモア!!」

エイワス「メルヘンだ!!」

垣根「もういっちょ!!」

エイワス「メルヘンだぁぁ!!!!」

垣根「大きな声で力強く!!!!」

エイワス「メルヘンだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

絹旗(もういやです)


722 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 16:19:00.64 ID:6320kFnF0
エイワス「それではまたな」

垣根「あぁ」



絹旗「・・・そろそろお昼ご飯ですね、垣根」

垣根「そうだな・・・金やるからなんか食べて来いよ」

絹旗「・・・あの、一緒には食べないんですか?」

垣根「浮気を疑われる」

絹旗「そんなことないですって、超早く行きましょう」

垣根「えー、いいって俺は」

絹旗「でも・・・」

垣根「店を空けるわけにはいかないだろ」

絹旗「・・・じゃあ、私もいいです」

垣根「いや、食って来いって」

絹旗「・・・」

垣根「・・・」



垣根「食べないとおっぱい大きくならないぞ?」

絹旗「あぁもう分かりましたよ、食べてきますから!!!!」


723 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 17:03:23.18 ID:6320kFnF0


絹旗「・・・食べ終わりましたよ」

垣根「あぁ?速かったな」

絹旗「ほら、次は垣根が食べてきてください」

垣根「でもなぁ・・・」

絹旗「食べないと大きくなりませんよ」フフン

垣根「どこが?」

絹旗「え?」

垣根「だから、どこが?身長は高いから身長じゃないよな?なぁ、どこが?」

絹旗「そ、それは・・・」

垣根「顔のパーツでもない、心とかは食事じゃ育たない・・・なぁ、どこ?どこ?」

絹旗「・・・お・・・」

垣根「お?」

絹旗「と、とにかく食べてきてください!!」

垣根「はいはい・・・店のほうは頼むぜ」

絹旗「わ、分かってますよ・・・」


724 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 17:08:34.17 ID:6320kFnF0

絹旗「・・・垣根がいなくなった途端に静かになりましたね」

絹旗「・・・いたらいたで困りますしいないといないで寂しいですね」

絹旗「・・・」



吹寄「・・・メルヘン相談屋・・・」

吹寄「・・・絶対ここよね、垣根のヤツ・・・」

吹寄「はぁ・・・わざわざ私が来たんだから」



吹寄「すいません」

絹旗「あ、はい」

吹寄(あ、あれ?)

絹旗「?学校の制服ですよね・・・?もう終わったんですか?」

吹寄「え、えぇ・・・今日は午前授業だったんですよ」

吹寄(ど、どうしよう・・・垣根を明日こそ学校に来るように説得するつもりが・・・)

吹寄(まさか垣根の店じゃなかったなんて・・・)

絹旗(ど、どうしましょう・・・いざお客さんが来ると気まずいです)

吹寄(・・・な、何か相談しないと・・・いきなり帰るわけにはいかないもの)

725 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 19:00:27.04 ID:6320kFnF0
絹旗「あ、あの・・・ご相談は」

吹寄「え、えっと・・・わ、私・・・失恋して・・・」

絹旗「な、なるほど・・・お相手はクラスメイトですか?」

吹寄「・・・今は一応そうなります」

絹旗「・・・告白は・・・」

吹寄「一応しましたけど・・・もう恋人がいるんです、その人」

絹旗「あぁ、私も同じ経験をしましたよ」

吹寄「・・・今は、その人のこと・・・好きなんですか?」

絹旗「私は別の恋を見つけましたから、あなたもそのように・・・」

吹寄「・・・それが、中々いい相手がいないんです」

絹旗「・・・そんなに、その人って素敵だったんですか?」

吹寄「・・・」


吹寄「・・・とっても、素敵でしたよ」

吹寄「・・・好きになって・・・その気持ちは叶わなかったけど」

吹寄「でも、好きになれてよかったなって思えるくらいに」

絹旗「そうですか・・・だったら、悩む必要なんてないですよ!!」

吹寄「そ、そうですか?」


726 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 19:03:10.13 ID:6320kFnF0
絹旗「・・・それにしても、そこまで言い切れるなんて・・・その相手の人、見てみたいですね」

吹寄「あはは・・・」


垣根「へーぇ、中々素敵な相談だな吹寄」

吹寄「」

垣根「学校は・・・っと、今日は早く終わるんだったっけ」

吹寄「か、かかかかかかか垣根!?」

垣根「なんだよ」

吹寄「い、いつからそこに!?」

絹旗「あ、超おかえりなさい」

垣根「超をつける必要がねぇだろ」

吹寄「答えなさい!!」

垣根「お前が相談始めてから」

吹寄「」


吹寄(き、聞かれちゃった!?どうしようどうしようどうしよう・・・)

垣根「そんな男忘れちまえ、お前にはもっと素敵な相手が現れるはずだ」

吹寄「貴様が言うな!!」

垣根「あれ、そうなの?」


727 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 19:06:18.64 ID:6320kFnF0
吹寄「ったく・・・学校サボってこんなことしてるなんて・・・」カァッ

垣根「あ?もしかしてわざわざ来てくれたのかよ」

吹寄「ち、違う・・・」

垣根「ちょっと嬉しいかもな、それ」

吹寄「!?」

絹旗(・・・も、もしかしてこの人の恋した相手って・・・)

垣根「ま、そろそろ学校にも顔出すって」

吹寄「や、約束よ?」

垣根「副委員長さんの前で誓ったんだ、絶対だ」

吹寄「じゃ、じゃあ私は帰るから」

垣根「送っていこうか?」

吹寄「い、いいいい!!そんなわざわざ!!」アタフタ

垣根「そうか、じゃあ気をつけてな」

吹寄「は、早く学校・・・来なさいよ」

垣根「あいよ」



絹旗「・・・垣根」

垣根「ん、なんだよ」

絹旗「・・・超、プレイボーイですね」

垣根「あぁ?」



728 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 19:08:38.12 ID:6320kFnF0


青ピ「あ、麦野さん」

麦野「ん?あぁ、青髪君」

青ピ「奇遇やね、こんなところで会うなんて!」

麦野「さっきからずーっとこっち見てたでしょ」

青ピ「あ、バレた?」

麦野「・・・それで、何か用かしら」

青ピ「ボクと今度デートせぇへん?」

麦野「・・・は、はい!?」

青ピ「絶対楽しませるって、保証するから・・・な?」

麦野「な、なんで・・・」

青ピ「ええやん、麦野さんといると楽しいし」

麦野「!?ま、まぁいいけど・・・」

青ピ「ほんま!?嬉しいわぁ!!」ニコニコ

麦野「そ、そう・・・」

青ピ「あ、これからどこ行くか考えよっか?」

麦野「あ、うん・・・」


729 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 19:11:11.19 ID:6320kFnF0

上条「ごめんな、急に呼び出して」

美琴「・・・なんでこの鉄橋に来たの?」

上条「いや、さ・・・ちょっと写真が撮りたくて」

美琴「しゃ、写真!?」

上条「・・・やっぱり、ここが思い出の場所だし・・・」

美琴「あ、えっと・・・」

上条「こっち来てくれよ、二人じゃないと意味ないからさ」ギュッ

美琴「・・・あ、あのね当麻」

上条「なぁ、美琴」


上条・美琴「い、いつもありがとう!!!」


上条「・・・あはは」

美琴「・・・か、考えることは一緒だったんだ」クスクス

上条「そうみたいだな」ハハハ

パシャッ

上条「あぁ!!シャッター切られた!!もう一回撮ろうぜ、なんか笑ってるし!!」

美琴「こ、これでいいじゃない!!」

上条「えぇぇぇ!?」


730 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 19:16:59.35 ID:6320kFnF0

フレンダ「ね、ねぇ・・・」

ゴーグル「ダメっす、いきなりズボン脱げとか」

フレンダ「だ、だってこうしたら男の子は喜ぶって!」

ゴーグル「誰から聞いたんすか!?」

フレンダ「な、内緒・・・」

ゴーグル「はぁ・・・別に何もしなくていいっすよ」

フレンダ「で、でも・・・」

ゴーグル「フレンダさんがいてくれるだけでいいっすから」

フレンダ「・・・え?」

ゴーグル「あぁいや!!なんでもないっす!!」

フレンダ「い、今なんて言ったの!?ねぇ!?」

ゴーグル「だから内緒っす!!」

フレンダ「ど、どうして!?どうして!?」

ゴーグル「ど、どうしてもっす!!!!」



麦野「うるせぇぇぇ!!こっちは今度の予定考えてるんだから静かにしろ!!!」

フレンダ・ゴーグル「ひぃっ!?」


731 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 19:21:38.56 ID:6320kFnF0

打ち止め(・・・エヴァンゲリヲンすっごい・・・ってミサカはミサカは感激してみたり)

一方(アンパンマン面白ェ)

打ち止め「ねぇ、なんでW画面で見てるの?ってミサカはミサカは訊ねてみる」

一方「俺もお前もすぐに見たいンだろォが」

打ち止め「・・・アンパンマンなんかよりエヴァにしようよ、ってミサカは」

一方「うるせェ・・・エヴァンゲリヲンなンて音がなくても変わらねェだろォが」

打ち止め「むむむ!!アンパンマンこそ、音なんていらない!ってミサカはミサカは右左の画面を入れ替えてみる!!!」

一方「あァァァァ!?左だと音が出ねェンだよ!!!」

打ち止め「知ってるよ!!ってミサカはミサカは頷いてみる!!」

一方「エヴァよりアンパンマンだろォが!!!!」

打ち止め「あ!!初号機覚醒!!」

一方「あァァァァ!!アンパンチ決まったじゃねェか!!!」

打ち止め「見て見て、四足歩行!!ってミサカはミサカは」

一方「アンパンマンは空飛ンでンだよ!!」

打ち止め「次はメダロットにしようね、ってミサカはミサカは上目遣いでお願いしてみる・・・」

一方「・・・ロリが出るなら仕方ねェな」



番外(・・・あ、あの輪に混じりたい・・・)ウズウズ


732 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 19:24:19.64 ID:6320kFnF0

エイワス「・・・なるほど、たしかに切り干し大根は中々だな」

エイワス「・・・」

エイワス「ふ・・・団欒のない食事・・・か」

エイワス「やはり、これは悲しいものだな」

エイワス「人とのふれあい・・・か」

エイワス「・・・」



アレイ「困っているようだな、エイワス」

エイワス「・・・どこから来たのかね」

アレイ「愚問は置いておこう・・・それはなんだ」

エイワス「切り干し大根だ、私が作った」

アレイ「・・・私ももらっていいだろうか」

エイワス「君には家族がいるだろう、食事はどうした」

アレイ「なに、少し小腹が空いただけだよ」

エイワス「・・・構わない」




アレイ「うわ、しょっぱ」

エイワス「マジか」


733 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 19:27:13.50 ID:6320kFnF0

姫神「・・・吹寄。どうしたの」

吹寄「なんでもない・・・ごめんね、待たせて」

姫神「あそこ。垣根の店だった?」

吹寄「一応はね」

姫神「・・・なにか相談したの?」

吹寄「・・・ううん、なにも」

姫神「そう」

吹寄「・・・姫神は何も相談しなくていいの?」

姫神「構わない。私は今は悩みなんてない」

吹寄「・・・そっか、羨ましいなぁ」

姫神「・・・ねぇ。吹寄」

吹寄「なに?」

姫神「・・・これからケーキバイキング・・・行く?」

吹寄「いいけど、どうして?」

姫神「心理定規も誘った、必然的に垣根もついてくる」

姫神「・・・どう?」

吹寄「わ・・・分かったわよ」


734 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 19:29:48.68 ID:6320kFnF0


絹旗「超お疲れ様でした」

垣根「おう、これ給料な」ポイッ

絹旗「こ、こんなにいいんですか?」

垣根「これから海原でも誘って飯でも行ったらどうだ」

絹旗「お、大きなお世話です!!」

垣根「・・・俺はこれから心理定規とケーキバイキングだ・・・いきなり誘われてな」

絹旗「・・・そうですか」

垣根「じゃあな、幸運を祈る」

絹旗「あの」

垣根「あぁ?」

絹旗「・・・明日もヒマだったら、手伝っていいですか?」

垣根「なんだよ、俺と二人になりたいのか」

絹旗「超顔の皮を剥ぎたい気分です」

垣根「冗談だ・・・いいぜ、またな」

絹旗「はい、また」



垣根(・・・楽しいなぁ、人の相談を聞くのって)


735 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 19:33:04.76 ID:6320kFnF0


垣根「答えろ、なんでこんなことになってやがる」イライラ

心理「あら、なにか不満?」

垣根「俺はお前と二人でのデートだと思ってたんだ」

吹寄「へぇ、私達が邪魔と言いたげね」

姫神「サボり魔」

垣根「・・・邪魔なんだよ、帰れ」

吹寄「ひどいわね、心理定規が私達も来ていいって」

心理「あなた、たまにはクラスメイトとの交遊も深めなさい」

垣根「こんなヤツら友達じゃねぇ!!ボールだけが友達だ!!」

心理「あなた翼君じゃないでしょ」

吹寄「翼は生えてるけどね・・・」

垣根「はーいスベったー!!!」

吹寄「・・・さ、ケーキ取りに行きましょう」

姫神「垣根はここでバッグを見張ってて」

垣根「・・・え?」

心理「よろしくね」

垣根「え?」

吹寄「はぁ・・・おなか減った」

心理「何にする?」

姫神「ショートケーキがいい」



垣根(俺・・・食べられないの?)


736 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 19:35:42.47 ID:6320kFnF0

上条「写真立て・・・買ったのか」

美琴「か、感謝を伝えるついでに・・・ね」

上条「さっき撮った写真・・・入れるか?」

美琴「う、うん」ドキドキ

上条「・・・」


上条「な、なんか・・・いいな」

美琴「・・・当麻が写真撮りたいって言ったときは驚いたわよ」

上条「あはは・・・いいタイミングだったわけか」

美琴「でも、よくそんなカメラ持ってたわね」

上条「ちょ、ちょっと借りたんだよ」

美琴「ふーん・・・」

上条「・・・あの、こういう甘い雰囲気だと・・・その」

美琴「こ、この変態彼氏!!!」

上条「仕方ないだろ!?」

美琴「い、いいわよ・・・」カァッ

上条「そ、そっか」



上条・美琴(・・・ありがとう、垣根)


737 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 19:38:30.02 ID:6320kFnF0


絹旗「いきなり呼び出してごめんなさい」

海原「いえいえ、久しぶりにお食事できて光栄ですよ」ニコニコ

絹旗(こ、こんな喫茶店なんかでよかったですかね?)

海原「?どうかされましたか?」

絹旗「あ、いえ!!」

海原「それにしても・・・今日はまた一段といい天気ですね」

絹旗「そうですね・・・」

海原「空が綺麗です・・・ん?」

絹旗「?どうかしましたか?」

海原「いえ、何かが空を飛んでるんですよ」

絹旗「??」



垣根「俺だってなぁぁぁ!!ケーキが食いたいんだよ!!!!!」

垣根「なーんで俺がバッグの見張りなんかしなくちゃいけねぇんだよぉぉぉぉぉ!!!!」

垣根「ひゃはははははは!!!ナメやがって、余程愉快な死体になりてぇと見える!!!!!」

垣根「あはははははは!!!!!」ファサファサ



738 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 19:41:36.17 ID:6320kFnF0

絹旗「か、垣根!?」

海原「?そうなんですか?」

絹旗「な、なにしてるんですかあんなところで!?ってケーキバイキングの店向かいにあるじゃないですか!!!!」

海原「な、なにやら暴れていますね」



垣根「あはははははは!!!ふざけんじゃねぇぞぉぉぉぉぉ!!!」

垣根「俺だってなぁ!!そいつがほしかった、手に入れたかったんだぁぁぁ!!!」

垣根「ケーキがほしいんだよぉぉぉぉ!!!」



心理「ちょっと垣根、降りてきなさいよ」ハァ

垣根「うるせぇぇぇぇ!!!俺は腹が減ってるんだ!!!つうかケーキが食いたいのによぉ!!!」

心理「駄々こねてないで」

垣根「黙れ・・・黙れぇぇぇ!!お前に俺の何が分かるんだよぉぉぉぉぉ!!!!」

心理「あなたの分も取ってきたから」

垣根「・・・」



垣根「なんでそんなにお前は優しいんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」ファサファサ

心理(何がしたいのかしら)

吹寄(頭が痛い・・・)

姫神(・・・ケーキ美味しい)


739 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 22:04:14.02 ID:6320kFnF0
垣根「・・・反省はしている」

心理「・・・それで、何か言うことは」

垣根「・・・ごめんなさい」

心理「よろしい」

姫神(心理定規は。いいお母さんになる)

吹寄(・・・まったく)

心理「・・・それにしても、あなた今日も学校休んだわね」パクパク

垣根「ちょっと用事があってさ」

心理「用事?」

垣根「別に大したことじゃねぇさ」

心理「へぇ」

垣根「明日もその用事があるんだ」

吹寄「が、学校は!?」

垣根「また今度な」

吹寄「・・・はぁ」

心理(・・・用事、ね)


心理(・・・・気になるわ)ハァ


740 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/03(金) 22:11:41.53 ID:6320kFnF0
今日はここまで

引き続きキャラと相談内容募集中

筋肉動画は世界一の脚の持ち主だったトム・プラッツの信じられない動画

http://www.youtube.com/watch?v=DjtVvYk1HWw

227.5kgのスクワットを23reps

彼は100kgのスクワットを10分以上続けたりといった、信じられないトレーニングを行っていました

結果があの化け物の脚・・・

ではおやすみなさい


741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/03(金) 22:45:53.05 ID:Da0Cn0LQo

ターバン野口懐かしいな
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/03(金) 23:32:41.89 ID:sSohhp/wo
乙なんだよ
743 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 10:54:17.25 ID:G9QdHjEc0

テっくん単発を間に


テクパトル(ちょっと・・・待ってくれ)

テクパトルは頭を抱えていた

どうしてこんなことになってしまったのだろうか

目の前には顔を真っ赤にした19090号

なぜか彼女は下半身裸になり、お尻をテクパトルに突き出している

19090「うぅ・・・」

テクパトル「い、いいか」

19090「はい・・・」

どうしてこんなことになってしまったのか

テクパトルの手の中には座薬がある

これを今から、19090号の中に入れなければならない

テクパトル「・・・」

事の発端は、テクパトルが今日仕事から帰ってきた時だった


テクパトル「ただいまー」

御坂妹「お帰りなさい、とミサカはテっくんを出迎えます」

テクパトル「・・・?お前一人しかいないのか?」



744 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 10:54:43.59 ID:G9QdHjEc0
御坂妹「いえ、今少し大変なことになっているんです」

テクパトル「少しなのか大変なのか答え・・・」

御坂妹「19090号が倒れたんです、とミサ・・・」

テクパトル「なに!?」

ばっ、とテクパトルは走った

過去に19090号は突然倒れたことがあったのだ

あの時の悪夢が再び蘇ってしまうのか

そう思って、彼は走った

テクパトル「19090号は!?」

勢いよくドアを開けた彼が目にしたのは、ソファーに横になっている19090号だった

テクパトル「・・・19090号!?」

19090「あ・・・お帰りなさい、テっくん・・・」

テクパトル「だ、大丈夫なのか!?」

14510「先生にはもう見せましたよ」

10039「ミサカ達だけで病院に行ったんですよ・・・とミサカはため息をつきます」

テクパトル「そ、そうか・・・」

17600「ただの風邪みたいだが・・・少し熱が高いんだ」



745 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 10:55:12.09 ID:G9QdHjEc0
20000「ま、ゆっくり休めば二、三日で治るみたいだ」

テクパトル「そ、そっか・・・」

10033「・・・ですが、少し熱が高いから気になりますね」

テクパトル「どれくらいなんだ?」

19090「38度6分です・・・」

テクパトル「中々高熱だな・・・解熱剤はもらったのか?」

19090「!も、もらいましたけど・・・」

テクパトル「なら早く飲んだらどうだ?」

御坂妹「・・・それが、飲み薬じゃないんです」

テクパトル「?じゃあ最近流行りの貼り薬か、さすが先生だな」

御坂妹「いえ、それでもないんですよ」

テクパトル「?じゃあ・・・なんだ?」

20000「座薬だ」

テクパトル「」

20000「だから座薬」

テクパトル「ざ、座薬?」

19090「う・・・」



746 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 10:55:45.39 ID:G9QdHjEc0
テクパトル「じゃ、じゃあ誰か入れてくれよ」

10033「それを19090号が嫌がったんですよ」

テクパトル「な、なんでだよ」

19090「・・・テっくんが・・・いいからです」

テクパトル「」

14510「愛されてますね、とミサカはジト目で見つめます」

テクパトル「ま、待ってくれ!夜だよ夜だぜ夜中だぜ!?」

19090「あう・・・」

御坂妹「お尻を突き出す19090号を見たら欲情してしまうんですね」

テクパトル「だ、だって仕方ないよな!?」

20000「ドン引きだわ」

テクパトル「お前はいつもそうだろうが!?」

御坂妹「ほら、さっさと入れてあげないと19090号は苦しいですよ」

テクパトル「う・・・」

10039「・・・ほら、二人きりなら恥ずかしくないでしょう?」

テクパトル「・・・分かったよ」

19090号をお姫様抱っこしたテクパトルが、二階へ向かおうとした



747 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 10:56:11.71 ID:G9QdHjEc0
17600「あぁそうだ、テっくん」

テクパトル「な、なんだ?」

17600「あんまり激しくするなよ」

テクパトル「ヤらねぇよ!」

御坂妹「はいはい、19090号をよろしくお願いしますね」

テクパトル「あぁ・・・」


そんなやり取りがあった

そして今に至る

19090「ごめんなさい・・・せっかく仕事終わってゆっくり出来る時間が・・・」

テクパトル「いいんだよ・・・それより、大丈夫か?」

19090「喉が痛くないのは助かりますが・・・頭痛と倦怠感は少しあります」

テクパトル「そうか・・・早く入れたほうがいいよな」

19090「お、お願いします・・・」

テクパトル「・・・」

ゴクリと唾を飲み、テクパトルが座薬を開ける

テクパトル(そういえば・・・人に座薬を入れるなんて初めてだよな)



748 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 10:56:37.94 ID:G9QdHjEc0
どうやって入れればいいのか全く分からない

お尻の穴に入れればいいのは分かっているが、どのタイミングで入れるのか

テクパトル「・・・い、いいか?」

19090「は、はい」

テクパトル「息を吐いて・・・あ、いや・・・吸ったときに入れるのかな」

19090「ち、力を抜きますからお願いします・・・」

テクパトル「は、はい」

19090「な、なんで敬語なんですか?」

テクパトル「・・・」

ぐっとお尻を突き出した19090号

風邪をひいてるからか、少し蒸れた匂いがする

だがそれも不快なものではなくむしろ男の何かを引き立てる

テクパトル「・・・」

19090「テ、テっくん?」

テクパトル「・・・!?あ、なんでもない!」

19090「あの・・・もしかして興奮していますか?」

テクパトル「違う違う違う!ちょっと迷ってるだけだ!」



749 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 10:57:08.83 ID:G9QdHjEc0
19090「・・・あんまり必死に否定されると怪しく感じます」

テクパトル「・・・と、とにかく・・・入れるからな」

すっ、とテクパトルが座薬を入れる

19090「はんっ・・・」

テクパトル(そういう声を上げたら俺はまずいんだよなぁぁぁ!)

19090「あっ・・・は、入ってきました・・・」

テクパトル(やばいやばい!)

19090「・・・はぁ、ありがとうございます・・・」

テクパトル「・・・あ、あぁ」

19090「・・・これで熱が下がればいいですね」

テクパトル「そ、そうだな・・・早く良くなってくれよな」

19090「・・・良くなったら何がしたいんですか?」

テクパトル「な、なんだ!?」

19090「・・・」

ジーッ、と19090号がテクパトルのズボンを見つめる

なぜかテントが張っている

19090「それはなんですか」



750 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 10:57:41.34 ID:G9QdHjEc0
テクパトル「・・・あ、あれだ・・・その・・・」

冷や汗が背中を伝う

風邪を引いた恋人の姿に興奮するだなんて、中々の変態ではなかろうか

テクパトル「・・・す、すまん」

19090「・・・し、仕方ありませんよ・・・」

テクパトル「・・・き、気にしなくていいから・・・もう寝たらどうだ?」

19090「・・・で、ですがテっくん・・・」

テクパトル「な、なんだよ?」

19090「・・・その、美月のせいですよね・・・」

テクパトル「こ、こんなの気にしなくていいって!」

19090「・・・どうにかしますから・・・」

風邪で火照る体を、無理矢理動かしながら19090号がテクパトルに近づく

テクパトル「ま、待った待った!それ以上近づいたらダメだって!」

19090「風邪が移るからですか?」

テクパトル「あ、明日は一応休みだけどさ・・・」

19090「なら・・・だ、大丈夫ですよ・・・」



751 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 10:58:08.13 ID:G9QdHjEc0
テクパトル「いや・・・クラクラしてるからな」

19090号の体を優しく抱えながら、ベッドに寝かせる

テクパトル「・・・ゴメンな、別にそういうつもりじゃなかったんだ」

19090「わ、分かってますよ?」

テクパトル「・・・とにかく、今日は寝たらどうだ?」

19090「は、はい」

テクパトル「・・・っていうか、まずズボンとパンツを上げてくれ・・・」

19090「!?」

顔を真っ赤にしながら、急いで19090号がズボンを上げる

19090「こ、これは失礼しました」

テクパトル「か、風邪の時は頭が少し働かないからな」

19090「そ、そのフォローが中々悲しいですね」

テクパトル「・・・」

19090「?」

テクパトル「・・・ちょ、ちょっと・・・トイレ行ってくる」

19090「は、はい?」


752 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 10:58:40.47 ID:G9QdHjEc0
テクパトル「と、とにかくトイレに行ってくるから!」

勢いよく部屋から飛び出したテクパトルが、トイレに向かう

テクパトル(ダメだダメだ!弱った美月なんてあまりに刺激が強すぎる!)

テクパトル(一回抜かないと・・・)

御坂妹「う・・・生理とは罪なものです・・・」

テクパトル「」

御坂妹「あ、テっくん・・・すいません、トイレなら先に使わせてもらっていいですか?」

テクパトル「せ、生理なのか?」

御坂妹「う・・・あまり女の子の前でそれを堂々と言わないで下さい」

テクパトル「・・・わ、悪い・・・どうぞ」

御坂妹「ごめんなさい・・・お腹でも痛かったんですか?」

テクパトル「いや違う・・・いいから気にしないでくれ」

くるりと向きを変え、テクパトルが部屋に帰る

19090「あ、お帰りなさい・・・」

テクパトル(ってダメじゃねぇか!)

19090「・・・あ、あの・・・」

テクパトル「なんだよ・・・」



753 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 10:59:17.17 ID:G9QdHjEc0
19090「なにかイライラしてませんか?」

テクパトル「・・・ちょっと、悩んでる」

19090「?」

テクパトル「・・・お、お前を見てたら・・・ムラムラしてきてさ」

19090「し、仕方ないですよ・・・」

テクパトル「・・・」

テクパトルが19090号の体を見つめる

パジャマが汗で体にひっついている

テクパトル「・・・美月、ごめん」

19090「は、はい?」

テクパトル「う、俯せになってくれないか」

19090「?」

言われるがままに19090号が俯せになる

すると、テクパトルが19090号のパジャマを少したくし上げる

19090「!?な、何を・・・」

テクパトル「・・・ちょ、ちょっとだけ我慢してくれ」



754 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 10:59:48.66 ID:G9QdHjEc0
19090「あ、あ・・・」

19090号が目を閉じる

もしかしたら、理性の無くなったテクパトルに無理矢理ヤられるかもしれない

別にそれもイヤではないのだが、しかし心の準備がまだ出来ていない

テクパトル「・・・」

19090「・・・?あ、あの・・・」

テクパトル「いい背中だ・・・」

19090「はい?」

そういえば、先程からなにかを擦るような音がしている

19090「もしかして・・・お一人でですか?」

テクパトル「・・・さすがにこの状態で堪えられるわけなかったんだ・・・」

自己嫌悪に駆られながら、テクパトルがあれを擦る

無理矢理襲わないだけエツァリみたいなのよりはまともなはずだが

テクパトル「・・・さ、寒いよな・・・悪い」

19090「いえ・・・体が暑いから大丈夫なんですが・・・」

テクパトル「・・・すまん」

19090「そ、その・・・大丈夫ですよ?普通ですよ?」




755 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 11:00:15.06 ID:G9QdHjEc0
テクパトル「そのフォローが辛い・・・」

泣きそうな声でテクパトルが答える

19090「・・・美月の背中ってそんなに魅力的ですか?」

テクパトル「魅力的だよ・・・座薬入れる時からチラチラ見えてたんだよ!」

19090「だからムラムラしたんですか?」

テクパトル「・・・まぁ」

ティッシュを取りながらテクパトルが頷く

19090「あ・・・」

テクパトル「も、もう少しだけ我慢して・・・」

19090「・・・あの、最後くらいは美月がやりましょうか?」

テクパトル「だ、大丈夫だって!」

19090「・・・よいしょ」

テクパトル「風邪気味なんだろ!?無理しなくて大丈夫だって・・・」

19090「・・・」

テクパトル「おわっ!?」

19090号の柔らかい手が、テクパトルのあれを包む



756 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 11:00:41.67 ID:G9QdHjEc0
19090「・・・その、今はお相手出来ませんから・・・」

テクパトル「美月・・・や、やばいって!」

19090「!」

素早い動きで19090号がティッシュを構える

完璧なタイミングだ、そのすぐ後にテクパトルは賢者になった


テクパトル「最悪だ俺って」

19090「そ、そんなことないですよ・・・?」

テクパトル「風邪で苦しんでる彼女に・・・手でやってもらうなんて」

19090「だ、大丈夫ですよ・・・」

テクパトル「・・・美月、ありがとな」

テクパトルが19090号の頬にキスをする

19090「ん・・・」

テクパトル「と、とりあえず寝ようか」

19090「そうですね・・・」

テクパトル「・・・明日も多分風邪だろうな」

19090「せっかくテっくんが休みなのに・・・残念です」



757 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 11:01:10.91 ID:G9QdHjEc0
テクパトル「仕方ないって、ちゃんと看病するからな」

19090「は、はい//」

テクパトル「じゃあ・・・お休み」

19090「お、お休みなさい」




テクパトル(眠れねぇ・・・眠れねぇよあんなことあったら!)

テクパトル(や、やばいやばい!)

テクパトル(いや忘れろ忘れろ!)

テクパトル(美月はそんなこと考えてない・・・考えてないんだ!)

19090「・・・テっくん」

テクパトル「な、なんだ?」

19090「・・・あの、さっきから鼻息が荒いですよ」

テクパトル「荒くなってるのかよ!?」

19090「・・・い、いいですよ?別に・・・その、一回くらいなら」

テクパトル「・・・いや、いい」

19090「そ、そうですか」

テクパトル「・・・風邪のお前にそんなことは出来ないさ」



758 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 11:01:42.83 ID:G9QdHjEc0
19090「ごめんなさい・・・」

テクパトル「・・・ところで、先生に会ったんだよな?」

19090「はい、診察に行きましたから・・・テっくんにも会いたがってましたよ?」

テクパトル「本当か?」

19090「仕事が上手くいってるか気にしてましたよ」

テクパトル「そっか・・・」

19090「明日、一緒に診察に行ってもらえませんか?」

テクパトル「そうだな」

19090「・・・あの、テっくん」

テクパトル「なんだ?」

19090「・・・美月のこと、好きですか?」

テクパトル「?当たり前だろ、そんなの」

19090「・・・その、もし美月が死んでも・・・他の女性なんかと付き合わないですよね?」

テクパトル「なに言ってんだよ・・・死ぬわけないだろ?」

19090「・・・風邪の時は弱気になってしまうんですよ・・・」

テクパトル「・・・大丈夫だって」

19090「・・・最近・・・テっくんが冷たいです」



759 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 11:02:09.85 ID:G9QdHjEc0
テクパトル「待って、いきなりそんなヘビーな話題になるのかよ!?」

19090「・・・あんまり最近、やってくれません」

テクパトル「そうか?一昨日やったよな」

19090「む、昔は毎日やっていました!」

テクパトル「そりゃまぁ・・・仕事があるからな」

19090「・・・テっくん、美月のこと好きですか?」

テクパトル「当たり前ってさっき言ったろ?」

19090「・・・じゃあ・・・抱きしめて下さい」

テクパトル「?あぁ」

19090号の体を強く抱きしめて、テクパトルが首を傾げる

一体どうして19090号はそんなことを頼んできたのだろうか

テクパトル「これで満足か?」

19090「・・・」

テクパトル「?おい、美月?」

19090「・・・」zzz

テクパトル「・・・寝たか」



760 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 11:02:35.66 ID:G9QdHjEc0
はぁ、とため息をつく

テクパトル「・・・風邪か、気をつけないといけないな」

テクパトル「・・・お休み、美月」





テクパトル「・・・」

19090「おはようございます、テっくん!」

テクパトル「あぁ・・・おはよう」

御坂妹「19090号、すっかり良くなったみたいですね」

19090「はい、もう元気になりました!」

17600「・・・残念だったな、先生に診察受ける必要無くなったな」

テクパトル「・・・なぁ」

10033「?な、なんだかテっくん・・・声が掠れてませんか?」

テクパトル「・・・俺さ」

19090「も、もしかして・・・」


テクパトル「風邪ひいたみたいなんだ」

ミサカ一同「・・・やっぱり・・・」


761 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 16:19:00.07 ID:G9QdHjEc0



絹旗「超おはようございます」

垣根「超おはよう」

絹旗「・・・あの、真似しないでください」

垣根「なんで?超いい挨拶じゃんか」

絹旗(超めんどくせぇ・・・)

垣根「・・・さて、今日もオープンだな」

絹旗「・・・今日も超ヒマなんですよね」

垣根「あぁそう」

絹旗「・・・超いい暇つぶしなんですよね」

垣根「仕事をそんな風に考えるな!!」

絹旗「超うっぜぇ・・・」

垣根「・・・ところで、お前は何もないのか?」

絹旗「何もないからヒマなんですよ」

垣根「あぁそう・・・」





19090「垣根!!いますか!?」

垣根「ん?よぉ、お前は19090号だよな・・・いきなりどうした」

19090「相談です相談です!!!!」アタフタ



762 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 18:25:44.09 ID:G9QdHjEc0
垣根「なんだよ、慌てて」

19090「・・・テっくんが風邪を引いてしまいました!!」

垣根「おぉ、それはお大事に・・・」

19090「ミサカが昨日・・・移してしまったんです・・・」

垣根「お前・・・昨日風邪だったのか?」

19090「ど、どうすればいいですか!?」

垣根「まず病院に連れて行け」

19090「い、行きましたよ!!」

垣根「ならいいじゃねぇか」

19090「よ、よくありません!!」

絹旗「超分かりますよ、好きな人に風邪を移してしまったら辛いですよね・・・」

19090「あ、あの・・・この人は?」

垣根「さぁ」

絹旗「・・・一応は友達ですよ」

19090「そ、そうですか・・・」

垣根「なぁ、それはお前が帰って看病するのが一番だろ」

19090「!?」


763 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 18:30:01.62 ID:G9QdHjEc0
垣根「・・・なんでそんなことが分からないんだよ」

19090「・・・ミサカ、帰りますね」ショボン

絹旗「あ、あなたの看病でよくなるといいですね!!」

19090「は、はい!!!」

垣根「じゃあな」



垣根「そっか・・・風邪が流行る時期か」

絹旗「そうですね・・・超気をつけましょう」

垣根「そんな寒そうなワンピース履いててよく言うな」

絹旗「エッチ、どこ見てるんですか」

垣根「お前みたいなガキのパンチラとかどうでもいいんだよ、俺は心理定規一筋だからなぁ・・・」

絹旗「な、なんで携帯取り出してるんですか」

垣根「はい」パシャッ

絹旗「い、今何を撮ったんですか!?」

垣根「絹旗のパンチラゲットー・・・浜面にでもくれてやるか」

絹旗「超やめてください!!!」

垣根「はいはい・・・」



764 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 21:39:14.60 ID:G9QdHjEc0


垣根「・・・なぁ、絹旗」

絹旗「なんですか」

垣根「お前、海原と上手くいってるか?」

絹旗「あ、あなたには関係ないです」

垣根「でもなぁ・・・今お客さんいないしヒマなんだよなぁ」

絹旗「・・・だからって私のプライベートを探らないで下さい」

垣根「・・・じゃあ何を話すんだよ」

絹旗「別に静かにしてればいいじゃないですか」

垣根「・・・そんな気まずい空気、堪えられない」

絹旗「私は超平気です」

垣根「・・・」

つまらない、と垣根が呟く

駄々をこねる姿は子供のようだ

垣根「なぁなぁ、誰か呼び込んでくれよ」

絹旗「だったらチラシでも配ったらどうですか?」

垣根「チラシは面白半分で来るヤツがいるだろ」



765 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 21:40:19.53 ID:G9QdHjEc0

絹旗「呼び込みもそうじゃないですか」

垣根「うるせぇな・・・お前に仕事をくれてやってんだよ」

絹旗「なんか超ムカつきます」

垣根「呼び込みしろ!それか脱げ!」

絹旗「分かりましたよ、呼び込みします!」

脱がされるのは困るため絹旗がテントの外に出る

絹旗「うわ・・・超眩しい」

若干暗いテントの中にいたためか、日光が眩しく感じる

しかしすぐに目も慣れたため、公園の中心に向かう

絹旗(恥ずかしいからしたくないんですけどね)

はぁ、と息を吐いてから手を口の両側に当てる

どうしてこんなことをしているのだろうか

今思えば、わざわざ手伝う必要はなさそうだが

それでも、それを楽しいと感じているのも事実だった




絹旗「メルヘン相談屋、お客様超募集中です!」


766 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/04(土) 21:50:18.47 ID:G9QdHjEc0
今日はここまで

相談内容、受け付けてます

筋肉動画はロニー・ロッケル

http://www.youtube.com/watch?v=rBazGhvFrCY 

脚は素晴らしいですが、上半身が若干他の選手と比べると小振りですね

山岸さんとのオリンピア9位争いは見物です

では


767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/04(土) 23:12:44.60 ID:ntXqmkvBo
乙なんだよ!
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [sage]:2012/02/04(土) 23:22:02.51 ID:L+v5prcn0
>>1乙〜
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/04(土) 23:25:58.74 ID:l9B/rovjo
超乙
770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/02/04(土) 23:31:57.54 ID:Fxqp88pg0
乙なのよな
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/02/04(土) 23:37:35.20 ID:4faryWrM0
乙である

相談内容かー…見たいキャラは大体見たからなあ
久々に浜面か食蜂さんが見たいかも
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/05(日) 01:16:38.05 ID:k0lr7Lnpo
こういう時こそ普段で無いキャラをだな…
常盤台の寮監とか
773 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 10:42:35.79 ID:3/VpLhCw0
垣根「やっぱりターミネーターは2までだよな」

垣根「・・・シュワちゃんって結構棒読みだから、ターミネーターみたいなのは似合ってるよな」

垣根「・・・にしても、コマンドーは面白いな」

垣根「ま、最近の映画はCGを使いすぎだ」


絹旗「垣根!お客さん連れてきました!」

垣根「あぁ?そういえば呼び込み頼んでたな」

浜面「おい!俺は散歩してたんだよ!」

垣根「お、浜面じゃないか」

浜面「聞いてねぇぞ!いきなり引っ張られてきたんだからな!」

垣根「まぁまぁ、座ってくれ」

浜面「垣根がいるって時点で不安なんだよ!」

絹旗「超しつこいですよ、浜面」

浜面「だって俺、散歩してただけだぞ!?」

垣根「絹旗、もしかして無理矢理連れてきたのか」

浜面「いまさらかよ!?」

絹旗「浜面なら百の煩悩を持ってそうですから」



774 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 10:43:11.63 ID:3/VpLhCw0
浜面「地味にひどい言われようだよな・・・」

垣根「・・・ま、浜面も悩み事の一つくらいはあるだろ」

浜面「な、なぁ・・・大体この怪しげなテントはなんなんだ?」

垣根「メルヘン相談屋だ」

浜面「だからそれが何なのか分からないんだよ・・・」

垣根「簡単に言えば、お悩みを聞く店だ」

浜面「・・・なに?」

垣根「そして俺がアドバイスを出す、そういうことだ」

浜面「・・・なぁ、それってどんな悩みでもいいのか?」

垣根「あぁ」

絹旗「ほら、やっぱり浜面も悩みがあるんじゃないですか」

浜面「そりゃ一つくらいあるさ」

垣根「さ、素直に吐露してみろ」

浜面「・・・出来れば絹旗には席を外してもらいたい」

絹旗「超理不尽です!なんでですか浜面!」

浜面「だ、だって垣根にならともかくお前に悩みを聞かれたらなんかからかわれそうなんだよ!」

垣根「ま、お前の悩みは滝壺のことだろうけどな」



775 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 10:43:47.46 ID:3/VpLhCw0
浜面「そ、そうなんだけどさ・・・」

絹旗「なんだ、なら超問題ないですよ」

浜面「あるんだよ!」

垣根「絹旗、お前消えろ」

絹旗「う・・・」

垣根「あぁもう冗談だから涙目になるな!」

絹旗「・・・さ、浜面」

垣根「さっさと吐いたらどうだ」

浜面「・・・じゃあ話すよ」

垣根「やっとその気になったか」

浜面「・・・滝壺とさ」

垣根「あぁ」


浜面「まだエッチしてないんだよ」

絹旗「」

垣根「・・・お前達、かなり昔から付き合ってるよな?」

浜面「あぁ・・・なのに、まだエッチしてないんだ」



776 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 10:45:01.24 ID:3/VpLhCw0

垣根「・・・なんで?お前、したくないの?」

浜面「したいに決まってるだろ!」

垣根「じゃあ滝壺が嫌がるとか?」

浜面「いや・・・言い出せないんだよ」

垣根「はぁ?なんでだよ」

浜面「だ、だって滝壺だぜ!?かなり無垢そうじゃねぇか!」

垣根「いや・・・だったら少し愛撫すれば」

浜面「いきなりハードル高いだろ!」

垣根「あのなぁ、男なら女をリードしなきゃならねぇんだよ」

浜面「・・・滝壺に・・・もし嫌われたらどうするんだよ!?」

垣根「お前、もしかして早漏か」

浜面「ち、違うって!」

垣根「なら言えばいいだろ」

浜面「・・・やっぱり、エッチは必要だよなぁ・・・」

垣根「・・・そうだな、なんだかんだ恋人にセックスは付き物だ」

浜面「・・・ちなみに垣根は心理定規の姉ちゃんとよろしくやってるのか?」



777 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 10:46:11.68 ID:3/VpLhCw0
垣根「心理定規とは・・・まぁな」

浜面「いいよな・・・あんな美人と出来て」

垣根「滝壺もそれなりに美人だろ」

浜面「だ、だから申し込みにくいんだよ」

垣根「あーあー、ウジウジしてても女には届かないぜ?」

浜面「・・・わ、分かったよ・・・」

垣根「いいな、今日申し込んでみろ」

浜面「や、やってみる」

垣根「じゃ、健闘を祈る」

浜面「あぁ・・・じゃあな」


垣根「なぁ、なんで固まってるんだよ」

絹旗「エッチ・・・わ、私もいつか海原さんとするんですか!?」

垣根「知るかよ」

絹旗「・・・!い、今のは取り消しですから!」

垣根「はいはい・・・じゃあ、引き続き客引きを頼む」

絹旗「・・・分かりました」




778 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 10:46:52.34 ID:3/VpLhCw0


垣根「・・・にしても、なんか昨日は心理定規が不機嫌だったな」

垣根「ケーキバイキングの時も・・・」

垣根「なんでだ?」

垣根「・・・この間抱いてやったし、そっちの問題じゃないよな・・・」

垣根「・・・まさか、心理定規・・・生理だったのか?」

垣根「・・・いや、違うか」

垣根「・・・今日帰ったら聞いてみよう」


絹旗「垣根!連れて来ましたよ!」

垣根「今度は無理矢理じゃねぇだろうな」

絹旗「超もちろん!」

小萌「・・・垣根ちゃん、見つけましたよ」

垣根「げ」

小萌「ふっふっふっ!吹寄ちゃんから聞いたのですよ!ここで学校を休んで店を開いていると!」

垣根「あの牛・・・今度会ったらレイプするか」

小萌「垣根ちゃん!どうして学校に来てくれないのですか!?」



779 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 10:47:36.59 ID:3/VpLhCw0
垣根「待て、なんで小萌は今日学校に行ってないんだよ」

小萌「今日は有給なのですよ!」

絹旗「あ、あの・・・先生なんですか?超小さいですけど・・・」

小萌「・・・今、なんて言いました?」

絹旗「え、超小さい・・・」

小萌「小さい・・・今、小さいって言いましたか?」

絹旗「は、はい・・・」

垣根「いやいや!小萌は可愛いんだよ!」

小萌「もう、垣根ちゃんったら・・・」

垣根(なんか知らないけどこの人小さいって言われるの嫌いなんだよな)

小萌「じゃなくて垣根ちゃん!学校に来て下さい!」

垣根「待てよ、お前は今日は休みを貰ったただの一般人だろ?」

小萌「先生と生徒の関係に非番も有給も関係ないのですよ!」

垣根「・・・あのな、俺は別に学校が嫌いなんじゃないんだよ」

絹旗「あれ、学校がめんどくさいって・・・」

垣根「でもな小萌、せっかくの休みを俺みたいな生徒のために使ったらもったいないぜ」



780 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 10:48:31.95 ID:3/VpLhCw0
小萌「先生は・・・先生は・・・」

垣根「な、なんだよ」

小萌「垣根ちゃんが大好きなのですよ・・・」

垣根「はぁ?」




垣根「はぁ?」

絹旗「なんで素なんですか」

垣根「いや、それは生徒としてだよな」

小萌「・・・そうなんですけど、でも垣根ちゃんのいない学校は寂しいのですよ」

垣根「なんでだよ」

小萌「まず、学校給食が出ません!」

垣根「元々出てねぇよ」

小萌「次に、クラスの窓際に空席が出来ます、よって外の暑い空気を防いでくれる壁が無くなります!」

垣根「俺は壁の代わりだったんだな」

小萌「最後に・・・先生は、毎晩寂しい夜を過ごすことになってしまうんですよ」

垣根「なぁ、俺と過去に何かあったのか?」



781 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 10:49:19.71 ID:3/VpLhCw0
小萌「垣根ちゃん・・・先生は、垣根ちゃんに学校の楽しさを知ってほしくて体験入学を提案したんです!」

絹旗(な、なんて模範的な先生なんですか)

垣根「・・・それは無理なんだよ、小萌」

小萌「な、なんでなのですか・・・?」

垣根「・・・心理定規の制服姿が隣にいたら欲情するに決まってるだろ」

小萌「な、そんな理由なのですか!?」

垣根「大体な、心理定規は制服を着崩しすぎなんだよ」

垣根「・・・第三ボタン辺りまで外してたら、谷間も見えるんだよ」

垣根「・・・なのにブラジャーを見せないというガードの硬さ」

垣根「・・・小萌、俺は学校に行かないことによって理性を保っているんだ」

小萌「・・・垣根ちゃん、心理定規ちゃんも寂しがっていたのですよ」

垣根「・・・」

小萌「それに、垣根ちゃんがここ何日か怪しいって悩んでましたよ?」

垣根「怪しい?」

小萌「・・・垣根ちゃん、先生のお願いなのですよ、学校に来て下さい」

絹旗「ほ、ほら垣根・・・こんなにお願いされてるんですよ?」

垣根「・・・分かったよ、来週には行くからさ」



782 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 10:50:33.55 ID:3/VpLhCw0
小萌「・・・約束なのですよ?」

垣根「約束だ・・・俺は約束を守る男だからな」

小萌「約束なのですよ!」

垣根「あぁ、またな」

小萌「はい!」




絹旗「・・・なんだか、めんどくさい先生でしたね」

垣根「てめぇが連れて来たんだろうが」

絹旗「・・・そろそろお昼ですよ」

垣根「・・・昼飯食いに行くか」

絹旗「?浮気を疑われるのがイヤなんじゃなかったですか?」

垣根「だから、今日もお前から先に食いに行くんだよ」

絹旗「あぁ・・・やっぱりそうなんですか」

垣根「ほら、行け行け」

絹旗「分かりました・・・それじゃ」

垣根「あぁ」




783 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 10:51:59.56 ID:3/VpLhCw0
垣根「・・・心理定規が怪しがってる・・・か」

垣根「昨日機嫌悪かったのはそのせいか?」

垣根「でも何を怪しがることがあるんだ?」

垣根「・・・分からない」

垣根「家に帰ったら聞くか」

垣根「・・・ダダンダンダダン」

垣根「ペレレー、ペーペー、ペーペーペー」

垣根「ダダンダンダダン!ダダンダンダダン!」

垣根「・・・ターミネーターのテーマって、たまに自分のテーマソングにしたくなるよな」

垣根「・・・暇だ」

絹旗「ただいま」

垣根「あぁ?早すぎだろ、まだ5分くらい・・・」

絹旗「はい、コンビニで買ってきました」

垣根「・・・は?なんだよ、どっかで食ってくればよかったのに」

絹旗「なんでですか、同じ仕事をするなら同じ時間にご飯を食べないといけませんよ」

垣根「・・・お前、俺のこと好きなのか」



784 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 10:53:20.37 ID:3/VpLhCw0
絹旗「あの、超盛大な勘違いをしてますよね」

垣根「・・・でさ、なんで俺にはおにぎりなんだよ」

絹旗「なんでって・・・垣根、おにぎり好きそうなイメージでした」

垣根「なぁ、どんなイメージなんだよ」

絹旗「・・・それにしても、平和な一日ですね」

垣根「・・・なぁ、絹旗」

絹旗「なんですか?」

垣根「・・・お前、おっぱい柔らかいか?」

絹旗「」

垣根「ん?なんだよ、小さいと思ってたけど御坂と同じくらいか」ムニムニ

絹旗「」

垣根「中々の揉み具合だな」

絹旗「な、なんで普通に揉んでるんですか!?」

垣根「なんでって、普通以外な揉み方がよかったか?」

絹旗「違います!なんで揉むんですか!?」

垣根「あのな、女にとっておっぱいって大切なコミュニケーションの手段だぜ?」



785 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 10:55:18.33 ID:3/VpLhCw0
絹旗「どんなコミュニケーションを始めるつもりなんですか!?」

垣根「・・・おにぎり美味い」

絹旗「あぁもう!」

垣根「・・・骨って偉大だよな」

絹旗「ごめんなさい、いきなり過ぎて超ついていけません」

垣根「骨の通った、骨抜きにされる、骨が折れる」

垣根「骨とは心のことじゃないか?」

垣根「俺はな、人間の体で最も重要なのは骨だと思う」

垣根「さらに言えば頭蓋骨だな」

垣根「上からハンマーとか落ちてきたときのために脳みそを守る」

垣根「分かるか、人間の華奢な体を守るのは骨だ」

垣根「街で人と擦れ違う度に、その人の骨を想像してみろ」

垣根「というかむしろ骨が中心だ、骨が歩いているんだ」

垣根「皮膚だ内臓だなんだは骨の付加価値だ」

垣根「と、俺は思ってる」

絹旗「ごちそうさまでした、客引きしてきますね」

垣根「聞いてくれよ」




786 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 10:56:01.00 ID:3/VpLhCw0

垣根「・・・梅干し酸っぱい」

垣根「ちくしょう・・・あの野郎、よりによって丸いおにぎり買ってきやがって」

垣根「・・・俺は三角のが好きなんだよ」

垣根「丸いおにぎりとか邪道だろ」

垣根「持つ場所が分からないんだよ」

垣根「・・・」

垣根「ムカつくなクソ・・・」


絹旗「お客さん連れて来ましたよ!」

垣根「・・・あぁ、そうか」

一方「・・・よォ」

垣根「なんだ、一方通行か」

一方「打ち止めから聞いたから来てみたンだけどよォ・・・」

垣根「なんだよ、冷やかしに来たのか?」

一方「お前、打ち止めにアンパンマン奨めただろォが」

垣根「あぁ、そういえば奨めたな」

一方「面白かったぜェ」



787 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 10:56:44.53 ID:3/VpLhCw0
垣根「お前が嵌まったのか」

一方「なァ、あァいう心温まる物語ってないか」

垣根「・・・ハイジとか」

一方「どンな話だよ」

垣根「なぁ、そんな話をしに来たのかよ」

絹旗「・・・無理矢理引っ張ってきたらこれですよ」

垣根「無理矢理だったのかよ」

一方「なァ」

垣根「・・・アルプスの山小屋に住むおじいさんと、その孫ハイジの物語だ」

一方「面白いのか?」

垣根「オープニングがツッコミ所満載だけどそれ以外は素晴らしいぜ」

一方「・・・あとは」

垣根「・・・とっとこハム太郎」

一方「どンな話だ」

垣根「ハムスターが主人公なんだがな、ハムスターが人間に隠れて地下の隠れ家で遊ぶ話だ」

一方「なンだよそれ」

垣根「ちなみに、俺はマフラーちゃんが大好きだ」

一方「・・・なるほどなァ、見てみるぜ」

絹旗「・・・あ、あの・・・垣根はともかく一方通行もこんなキャラだったんですか?」

垣根「当たり前だろ」

一方「あンまり超能力者に幻想抱くなよ」


垣根・一方「その幻想をぶち殺す」

絹旗「超仲良しじゃないですか、あなた達」


788 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 10:57:32.28 ID:3/VpLhCw0
一方「じゃあな」

垣根「あぁ、打ち止めによろしく」

一方「あァ」






垣根「・・・しりとりしようぜ、ヒマだから」

絹旗「あ、いいですよ!私必勝法知ってます!」

垣根「マジか、じゃあ俺からな・・・しりとり」

絹旗「リップ!」

垣根「プール」

絹旗「ループ!」

垣根「プラス」

絹旗「スープ!」

垣根「プライベート」

絹旗「トランプ!」

・・・

・・・

垣根「プレゼント」

絹旗「トラップ!」



789 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 10:58:15.38 ID:3/VpLhCw0
絹旗(どうですか、プで終わらせる作戦!これなら確実に相手が詰むんですよ!私ったら超天才!)

垣根「プリンカップ」

絹旗「」

垣根「プリンカップ、早く」

絹旗「」

垣根「おい、もしかして詰んだのか」

絹旗「ま、まさか・・・プリンカップを今まで言わなかったのは・・・!」

垣根「やっと分かったか、てめぇが知っていそうなプで始まる全ての言葉を先に俺が潰す」

垣根「てめぇの最初のリップを聞いた時点で、俺はてめぇの作戦を悟った」

垣根「なら話は簡単だ、作戦に掛かった振りをして逆にてめぇを罠の中に連れ込んだ」

垣根「てめぇはギロチンの縄を掴んでいたつもりだろうが、その縄はてめぇの首を絞めるための物だったんだ」

垣根「最後にプリンカップでプ返しをすることによって、お前の一手はなくなる」

垣根「分かるか、所詮窒素装甲なんかじゃ未元物質には敵わないんだよ」

絹旗「・・・超負けました」

垣根「・・・つぅかヒマだな」

絹旗「お客さん、来ないですね」



790 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 10:59:21.86 ID:3/VpLhCw0
垣根「多分昼ご飯の時間だからだろ、昼ご飯食いながらここには来ないだろ」

絹旗「・・・それもそうですね」

垣根「ヒマだな・・・」

絹旗「あ、そうだ・・・垣根の悩み、聞いてみましょうか」

垣根「あぁ?」

絹旗「超名案じゃないですか!垣根の悩みとか知らないです!」

垣根「俺は人に悩みなんて吐かない」

絹旗「・・・ちっ」

垣根「大体、てめぇみたいなガキに相談しても意味ねぇし」

絹旗「・・・ガキとか言わないで下さい」

垣根「・・・あーあー、ヒマだなぁ!」


絹旗「・・・そろそろ昼ご飯の時間も終わりますね」

垣根「そうだな・・・いい加減お客さん来てくれないかな」

絹旗「・・・そうですね」

垣根「・・・」




791 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 11:00:31.69 ID:3/VpLhCw0
絹旗「・・・」

垣根「誰か来たな」

絹旗「?そうですか?」

垣根「あぁ」




フレンダ「垣根!」

垣根「あぁ?またお前かよ」

絹旗「フレンダ・・・何しに来たんですか」

ゴーグル「あれ、絹旗さんもいたんですか」

垣根「あぁ?ゴーグル馬鹿も一緒なのか」

フレンダ「ちょっと相談したいことがある訳よ!」

垣根「なんだよ」

ゴーグル「垣根さんは、デートってそんな頻度でするもんじゃないと思いますよね!?」

垣根「あぁ?そんな頻度ってなんだよ」

フレンダ「絹旗!絹旗はたくさんデートしたいタイプだよね!?」

絹旗「な、なにを言っているのか・・・」

ゴーグル「フレンダさんったら、明日もデートしようって言うんすよ!」

垣根「なぁ、お前らって付き合ってるのか?」



792 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 11:01:34.68 ID:3/VpLhCw0
ゴーグル「いや・・・付き合ってないっすよ」

絹旗「ならまず付き合いましょうよ」

フレンダ「そ、そういうのはまだ早いんじゃないかな・・・」

垣根「デートのほうが後だろうが!」

絹旗「そうですよ!」

ゴーグル「・・・いや、今はそれは問題じゃないんすよ」

垣根「問題だろうが!」

ゴーグル「とにかく!フレンダさんが明日もデートしたいって言うんですよ、でも俺は明日くらいゆっくりしたいんですよ!」

フレンダ「なんで!?私はゴーグルと出掛けたい訳よ!」

ゴーグル「これだから女はめんどくさいんすよ!あのね、家でゆっくりするのも楽しみの一つなんすよ!」

フレンダ「違う訳よ!様々な場所を二人で訪れることで愛情が生まれる訳よ!」

垣根「なぁ、痴話喧嘩なら他所でしてくれ」

ゴーグル「垣根さん!フレンダさんにバシっと言ってやって下さい!」

絹旗「フレンダ、別にあなたのことが好きなわけではないですが、今回の件は超支持しますよ」

フレンダ「でしょ!?やっぱりデートは楽しい訳よ!」

垣根「分かってねぇなぁ・・・好きな人となら、どこにいても楽しいもんだろ」

フレンダ・絹旗「!?」



793 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 11:02:18.13 ID:3/VpLhCw0
垣根「いいか、想像してみろ・・・大好きな人が一緒に隣に座ってテレビを見たりゴロゴロしたりしてくれるところを」

垣根「たしかに新鮮味はないかもしれない、だがそこには外出時には感じられない二人だけの幸せがあるはずだ」

垣根「ま、これが分かるようになったら本当に愛し合っていると言えるな」

ゴーグル「さ、さすが垣根さんっす」

絹旗(海原さんと家で二人きり・・・)

フレンダ(へ、部屋で二人きりになったら・・・そ、そういうことになっちゃうのかな!?)

垣根「いいか、明日くらいはゆっくり家で過ごしてみな」

フレンダ「わ、分かった訳よ」

ゴーグル「それじゃ・・・ありがとうございました」

垣根「お前らさっさと付き合えよ」

ゴーグル「じ、自分達のタイミングがありますから!」

絹旗「それでは」




垣根「・・・そろそろ今日は閉めるか」

絹旗「?今日は早いんですね」

垣根「ちょっと心理定規に聞きたいことがあってさ」

絹旗「・・・そうなんですか、じゃあ」



794 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 11:03:00.90 ID:3/VpLhCw0
垣根「お疲れ」

絹旗「お疲れ様でした」

垣根「また明日な」

絹旗「あ、明日は海原さんとデートなんですよ」

垣根「あぁ?マジか・・・」

絹旗「手伝えないですけど、垣根なら一人で大丈夫でしょう」

垣根「あぁ、分かった」

絹旗「それじゃ」





心理(・・・垣根、今日もどこか行ってるのね)

心理(せっかく急いで帰って来たのに・・・)

心理(・・・彼がいないんじゃ意味ないわよね)

心理(・・・垣根の馬鹿・・・)

ベッドの上で、心理定規は悶々としていた

心理(・・・馬鹿・・・)

寂しさからか、自然と悲しい気持ちになってしまう

心理(・・・)




795 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 11:04:03.79 ID:3/VpLhCw0




垣根「ただいまー」

垣根「・・・あれ?靴はあるのに返事はない」

垣根「まさかただの屍か?」


心理(・・・帰って来た)

心理(・・・どこに行ってたのよ)

垣根「お、なんだよいるじゃねぇか」

心理「・・・お帰りなさい」

垣根「ただいま・・・体調悪いのか?」

心理「別に」

垣根「?じゃあ眠いのか?」

心理「・・・違うわよ」

垣根「?」

心理「ねぇ、どこに行ってたのよ」

垣根「いや、別に」

心理「・・・私には言えない場所なのね」

垣根「は、はぁ?」



796 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 11:04:51.50 ID:3/VpLhCw0
心理「昨日もどこか行ってたみたいね」

垣根「いや、それは・・・」

心理「なによ、朝から楽しそうに出掛けて」

垣根「な、違うんだって!」

心理「・・・」

垣根「お、おい・・・どこ行くんだよ」

心理「関係ないでしょ、あなたと一緒でどこに行ってもいいじゃない」

垣根「待てよ」

心理「・・・垣根、私ね・・・あなたがどこかに行くと寂しいのよ」

垣根「・・・すまない」

心理「・・・馬鹿」

垣根「・・・なぁ、明日・・・近くのでかい公園、来てくれないか」

心理「・・・公園?」

垣根「あぁ、学校が終わってからでいいからさ」

心理「・・・何よそれ」

垣根「・・・信じたくないなら来なくていいけどさ」

心理「・・・」



797 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 11:07:12.84 ID:3/VpLhCw0
垣根「飯作って来るよ」

心理「・・・えぇ」


垣根(・・・なにやってたんだろうな、俺)

垣根(友達の悩みとか・・・他人の相談とかは簡単に気付けてアドバイスも出来るのに)

垣根(・・・一番大事な女の考えてたことに気付けなかったなんてな)

垣根(・・・馬鹿だよ、ホントに)

垣根(・・・・あいつが俺のこと疑ってたなんてな)

垣根(いや、俺があいつの立場でもそうするはずだ)

垣根(・・・あいつを結果的に傷つけてたなら・・・この数日間は、何だったのかな)

垣根(・・・ホント、なにやってんだよ)

垣根(はぁ・・・)

垣根(・・・なにやってんだろうな、俺は)



垣根(・・・ゴメンな、心理定規)


798 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 11:52:22.98 ID:3/VpLhCw0

翌日


垣根「・・・絹旗もいねぇし、ヒマだな」

垣根「・・・あーあ、昨日の事もあったからテンション下がるな」

垣根「・・・あいつ、来るのかな」



寮監「・・・こ、ここは・・・」

寮監「・・・普段寮生達の管理で疲れている私にも・・・悩みというものが生まれる」

寮監「・・・一つ、相談してみるとしよう」



垣根「・・・きっと、来るはずだよなぁ・・・」ズーン

寮監「あの・・・すいません」

垣根「あぁはいはい・・・」

垣根(あぁ?初めて知らない客が来たな)

寮監(・・・若い、私より一回り近く下ではないか?)

垣根「どのような相談でしょうか」キリッ

寮監「あ、その・・・私は、ある中学の寮監をしているのですが」

垣根「ふむふむ」


799 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 13:00:01.41 ID:3/VpLhCw0
寮監「・・・生徒から恐れられているようなのです」

垣根「ほう・・・と言うと?」

寮監「影では・・・悪魔、鬼、いけず後家、スフィンクス、カロン、第三の男・・・」

寮監「ひどいものでは、13日の金曜日というあだ名までつけられる始末です」

垣根(最初の二つしか納得できないだろ普通)

寮監「・・・その噂が広まっているからか、未だに男性とも縁が無く・・・」

垣根「それはお辛いですね・・・」

寮監「・・・生徒からも、世の中からも必要とされないなんて・・・」

垣根「ですがそんなものですよ、人生とは」

寮監「そ、そうですか?」

垣根「生きているだけで誰かのためになれる人間なんてほとんどいません」

垣根「だとすれば、これから先に自分がどうするかで人のためになれるか否かが決まるのです」

垣根「そこには周りの意見や社会の目など、介入の余地もないのですよ」

寮監「・・・そうですが・・・時々、自分が正しいのか分からなくなるときがあります」

垣根「少なくとも、自分の信じたことを貫き通せないことは間違いだ」

寮監「!!」

垣根「正しいことか迷うよりも、自分の信じたことを続けてみるべきです」


800 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 13:04:48.87 ID:3/VpLhCw0
寮監「・・・信じたこと・・・」

垣根「あなたが寮監になった理由は何ですか」

寮監「・・・学生達に、規則正しい生活を歩んでほしかったからです」

垣根「ならばそれを貫きなさい、少なくとも何もしないよりはマシなはずだ」

寮監「・・・それが原因で、誰かに嫌われたとしても?」

垣根「当たり前です、嫌われることが怖くて人を好きになれますか?」

垣根「あなたはまだ人を好きになろうとしていない、ならまずはそこから始めなければならない」

垣根「生徒に愛情を注ぎなさい、そうすればあなたは自然と好かれる人間になるはずだ」

寮監「あ、愛情・・・」

垣根「いいじゃないですか、たとえ独身だとしても、生徒から怖がられたとしても」

垣根「それであなたが死ぬわけではない」

垣根「大切なのは、自分の考えですよ」

垣根「・・・さ、行きなさい」

寮監「は、はい!!!」タッタッタ



垣根(・・・ちっ、一人だと真面目に仕事しちまうなぁ・・・)

垣根(・・・もっと面白くやりたかったのに)チッ


801 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 13:11:59.58 ID:3/VpLhCw0

垣根「・・・」ハァ

垣根「・・・そういや今日はうちの学校、能力測定だったっけ」

垣根「行けばよかったなぁ・・・未元物質で暴れまくりたかったなぁ」

垣根「・・・静かだ」

垣根「寂しいよぉ・・・」グスン



心理(・・・結局、気になって学校休んで来ちゃったけど)

心理(なによこのテント・・・翼はえてるし・・・)

心理(可愛いけど、なんだか見覚えがあるわ)



垣根「じゅげむじゅげむごこうのすりきれ・・・」

心理「お邪魔するわよ」

垣根「!?心理定規、学校は・・・」

心理「あら、もしかしてこの店はお客さんにタメ口で話すのかしら」

垣根「な、なにを」

心理「そんなんじゃ、私の相談なんて言えないわね」

垣根「よ、ようこそおいでくださいました!!」

心理「よろしい」クスクス


802 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 13:18:35.76 ID:3/VpLhCw0
垣根「それで・・・何の相談?・・・ですか」

心理「・・・ちょっとね、好きな人に疑いをかけちゃったの」

垣根「は、はぁ」

心理「・・・こんな素敵な店をしてるなんて知らなかったから・・・浮気か何かを疑ったのよ」

垣根「・・・浮気?」

心理「いえ・・・きっと、傍にいてほしかっただけなのよ、浮気なんてそんなことする人じゃないから」

心理「・・・その人にね、ちょっとひどいことを言っちゃって」

心理「・・・私が寂しい思いをしたからって、そんなこと・・・」

心理「もしかしたら、嫌われちゃったんじゃないかしら」

垣根「・・・それが、相談か」

心理「敬語」

垣根「・・・だとしたら、その相談には明確な答えが出ていますよ」

心理「どのような?」



垣根「あなたみたいな素敵な人に寂しい思いをさせてしまった・・・きっと、そのお相手も辛い思いをしている」

垣根「・・・だから、キスの一つでもして慰めてあげてください」

心理「・・・キス、ね」


803 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 13:29:41.75 ID:3/VpLhCw0
垣根「そ、恋人にならそれが一番・・・」

心理「それじゃ、ちょっと失礼」チュッ

垣根「」



垣根(まさかここでされるなんて思わなかったでござる)

垣根(家に帰ってからされるんじゃねぇのかよ!?)

垣根(おっほぉ!!これはまずい!!まずいぜ!!!!!)

心理「・・・ごめんなさい、こんな素敵な仕事をしていたのに・・・私ったら」

垣根「い、いや!!悪くない!!お前は決して悪くないからな!!」

心理「・・・ねぇ、垣根」

垣根「な、なんだよ」

心理「今日は・・・学校、能力測定なのよね」

垣根「あぁ」

心理「・・・わざわざ受けなくてもいいから・・・今日一日はヒマなのよ」

垣根「お、おう」



心理「私も、一緒に働いてみていいかしら」

垣根「も、もちろん!!」

心理「ありがと」クスクス


804 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/05(日) 22:31:31.51 ID:3/VpLhCw0
今日はここまで

筋肉動画はおやすみです

相談内容、明日までは受け付けますね

では

805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/02/05(日) 22:53:05.64 ID:HiRMNpboo
803-804の間の時間になにがあったwwwwww
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/05(日) 23:39:14.14 ID:jm9qqLG0o
タイムスリーップ!!!

 フッ… l!               (~)
  |l| i|liヽ            γ´⌒`ヽ
  {i:i:i:i:i:i:i:i:}      __ _ ニ{i:i:i:i:i:i:i:i:}  ヴォン!!
l|(( ´・ω・):l. __ ̄ ̄ ̄  (( ´・ω・)
  !i   ;li    ̄ ̄ ̄    キ(::::::::::::)三
  i!| |i      ̄ ̄  ̄   =と__)__) ―

             //(~)////// //
            γ´⌒`ヽ// / ;  ;
             {i:i:i:i:i:i:i:i:}// / ヒュンッ
           //(・ω・` ))//
          ///(::::::::::::::)/ /               (~)
  シュパパパッ  ////ミ三三彡//             γ´⌒`ヽ
          // /// /// //             {i:i:i:i:i:i:i:i:}
シャキーン!!  (~)  / / // /              と(´・ω・` ) >>1
    γ´⌒`ヽ / / /                   ノ:::::と_ノ
     {i:i:i:i:i:i:i:i:}//                    (_⌒ヽ
    (・ω・`∩      三              ノノ `J
     (:::::::::::::ノ ニ≡              ; .: ダッ
    キ 'y  ノ 三  三   三          人/!  ,  ;
    =(__ノ_) 三    ―_____从ノ  レ,
807 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/05(日) 23:57:01.04 ID:PGbRj0HCo
乙なんだよ!
808 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/02/06(月) 04:39:15.78 ID:JfkfHuR5o
クー○ー兄さん

速さについて
809 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/06(月) 10:58:16.72 ID:q81b/DZI0
垣根「・・・静かだな」

心理「そうね・・・やっぱり、学校があるからじゃない?」

垣根「学校行ってないヤツは大方来たからな」

心理「・・・二人きりね」

垣根「・・・あぁ」

心理「ねぇ・・・あなた、なんでこんな店を始めたの?」

垣根「うーん・・・ヒマだったからかな」

心理「ヒマだったから店を始めるなんて・・・世の中の、真面目に働いてる人に謝りなさい」

垣根「なんでだよ、みんなの悩みを解決すれば俺も人のためになれそうじゃないか」

心理「・・・あのね」

垣根「いやいや、罪ほろぼしなんかじゃないんだよ」

心理「あら、じゃあどうして?」

垣根「世界の一員として、誰かの役に立ちたいというのは当たり前だろ?」

心理「・・・あなたのそういうところ、結構好きよ」

垣根「そりゃどうも」

心理「・・・ねぇ、呼び込みでもしてみる?」

垣根「するか」




810 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/06(月) 10:59:28.71 ID:q81b/DZI0




心理「・・・眩しい」

垣根「大丈夫か?」

心理「いきなり明るい所に出ると目の奥が痛くなるわよね」

垣根「あぁ・・・俺も今まさにそれだ」

心理「日傘持って来ればよかったわ・・・」

垣根「未元物質使おうか」

心理「いいの?」

垣根「そっちのほうが人の目を引くだろ」

心理「・・・私はついでなのね」

垣根「・・・あれ、なんか怪しい雰囲気になったな」

心理「冗談よ、ありがとう」

垣根「・・・しっかし、この時間に公園なんかに来てるヤツらはどうなんだろうな」

心理「私達はまた別だけど・・・あの人達とか、学校はないのかしら」

垣根「スキルアウトなんじゃねぇの?」

心理「あなたね・・・そういう差別的な発言すると嫌われるわよ」

垣根「それか学校サボりやがったな」

心理「あなたじゃない」

垣根「・・・ん?なんか来た」



811 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/06(月) 11:00:15.72 ID:q81b/DZI0


滝壺「・・・かきね、おはよう」

垣根「おっす・・・お前だったのかよ、遠目に見てたら分からなかったな」

心理「滝壺さん・・・今日は浜面君とじゃないの?」

滝壺「うん、はまづらは今日は一緒じゃない」

垣根「あいつがお前と一緒じゃないなんて珍しいな」

心理「そうね、いつもいつも一緒にいる気がしてたけど」

滝壺「・・・今日ははまづらといたくない」

垣根「な、なんでだよ?」

滝壺「・・・そこ、かきねのお店だよね?」

垣根「あ、あぁ・・・入って話すか」

滝壺「うん」

心理「・・・」




垣根「で、なんで浜面といたくないんだよ」

滝壺「・・・昨日の夜ね、はまづらがいきなり私のベッドに入ってきたの」

心理「あら・・・なかなか大胆な行動に出たわね」



812 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/06(月) 11:01:20.85 ID:q81b/DZI0
滝壺「・・・はまづら、なんであんなことしたのかなって考えたんだ」

垣根「待て、お前はその時どうしたんだよ」

滝壺「暑かったからイヤだって言ったよ?」

垣根(浜面、ドンマイ)

滝壺「そしたらはまづら、自分とじゃイヤなのかって泣き出しちゃって」

心理「・・・たしかに、それは泣くわよね」

滝壺「・・・きっと、はまづらは羽毛の枕で寝たかったんだね」

垣根「はぁ?」

滝壺「はまづら、今合成繊維の枕で寝てるんだ」

滝壺「きっと、はまづらは羽毛の暖かさが恋しかったんだ」

滝壺「でも私も羽毛が好きなの知ってて、一緒に羽毛の枕で寝ようと思ったんだよ」

滝壺「・・・でも私、羽毛の枕に二人の頭が乗るのっておかしいと思うから」

滝壺「一羽の鳥には一人の勇者しか乗れないんだよね、なんだかそんな物語がありそうだよ」

垣根「・・・お前、何言ってるんだよ」

心理「・・・滝壺さん、あなたってちょっと・・・おかしいわよ」

垣根「言ったな、心理定規」



813 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/06(月) 11:02:32.89 ID:q81b/DZI0
滝壺「・・・そうだよね、はまづらとなら一緒に羽毛の枕で寝てよかったんだよ」

垣根「違う、浜面はお前とあることをしたかっただけなんだ」

滝壺「チェス?」

垣根「なにをどう考えてたらチェスって結果が出たんだよ」

滝壺「何となく、はまづらはチェスがとっても弱いから練習したかったのかもしれないね」

垣根「エッチだよエッチ」

心理(あら、言っちゃったわね)

滝壺「エ、エッチ・・・?」

垣根「お前のマ○コに浜面はチ○コを突っ込みたかったんだよ」

心理「やめなさい」

滝壺「・・・はまづらは、私のマ○コに自分のチ○コを突っ込みたかったの?」

心理「滝壺さん、やめて」

垣根「そうだよ・・・滝壺、お前は浜面とエッチをしたいと思ったことはないのか?」

滝壺「・・・したいよ、だって大好きだもん」

垣根「ならしてやれよ」

滝壺「・・・やっぱり、不安なんだ」



814 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/06(月) 11:03:17.84 ID:q81b/DZI0
心理「あら・・・それは誰だってそうなのよ?私も初めての時はドキドキしたもの」

滝壺「心理定規の初めての時はどんな感じだったの?」

心理「・・・垣根も初めてだったから、あんまり緊張はなかったわよね?」

垣根「あぁ、初めてなんてそんなもんだぜ?」

滝壺「ううん、不安なのはそれだけじゃないんだ」

垣根「・・・他に何かあるのか?」

滝壺「・・・はまづらってね、バニーさんが大好きなんだ」

垣根「あぁ、そういやそんなこと聞いたな」

滝壺「・・・きっと、私もそういう時に着せられちゃうんだ」

垣根「・・・浜面がそんなことするか?」

心理「・・・でも浜面君って、一目につく所であんな露出の高い服を着ているっていうギャップに萌える人なんでしょ?」

滝壺「だから不安なんだ・・・」

垣根「・・・変態チックなプレイをさせられそうだからか?」

滝壺「うん、はまづらって多分一度ハマると抜け出せないと思う」

垣根「あぁ、それはよく分かるな」

滝壺「・・・ねぇ、私達はどうすればいいのかな?」



815 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/06(月) 11:04:21.92 ID:q81b/DZI0
心理「・・・信じてみなさいよ、浜面君はあなたをただ愛しているだけなのよ?」

滝壺「でも・・・」

心理「本当に愛している人が嫌がるようなこと、浜面君はするかしら」

滝壺「ううん、そんなことはしないよ」

心理「なら信じなさい、疑うよりはよっぽどいいでしょ?」

滝壺「・・・うん、分かった」

垣根「ただな、あんまり急ぎすぎることはないからな」

滝壺「?」

垣根「お前がまだだって思うならそうしたほうがいい、後悔しないような初めてをな」

滝壺「分かった、ありがとね二人とも」

心理「それじゃね」




垣根「・・・」

心理「ああいう思春期の悩みは面白いわね」

垣根「浜面、どうすると思う?」

心理「さぁ?それはあの二人次第よ」

垣根「ふーん・・・」


816 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/06(月) 11:32:42.59 ID:q81b/DZI0
心理「あら、なんだかよく分からない人が来たわよ?」

垣根「あ、あのピョコンと跳ねた前髪、その上から掛けた微妙にダサいサングラス!!」

垣根「そしてあからさまに悪趣味なあの車は!!!」



??「うーん、2時間58分と32秒、また一秒・・・世界を縮めたぁ・・・」

??「しっかし、瓜実のヤツはどこ行ったんだよ・・・」

??「みのりさんもどっか行っちまうし・・・」



垣根「クーガー!?アンタ・・・ストレイト・クーガーだろ!?」

心理「だ、誰?」

??「おいおい、一体誰に向かって話してるんだ坊主?」

垣根「!?いつの間に後ろに!?」

??「ハハハハハ!!誰も俺の速さに追いつけない、目で追うことすらも叶わないほどの圧倒的な速さ!!」

垣根「さ、さすがだ!!」

??「俺の速さについていける人間なんて世界中にいるわけが無い!!」

心理(誰なのこの人)


817 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/06(月) 12:56:16.46 ID:q81b/DZI0
??「そこのお嬢さん!!」

心理「は、はい」

??「あなたがこの世で最も素晴らしいと思うものは何ですか?」

心理「あ、愛情・・・かしら」

??「うーん、実に素晴らしい答えです、愛情というのは人々の何気ない生活に一筋の光を差し伸べてくれます、退屈な朝でも恋人が朝食を作って待っていてくれればそれは素晴らしい寝起きへと変貌を遂げ、日課である散歩も恋人と一緒ならまるで特別な旅路のようにさえ思えます、愛情というのは人々の生活にゆとりと潤いをもたらし日々の柵からほんの一瞬ですが心を解き放ってくれます」

??「しかし、そもそもその愛情を得るには相手に自分の愛情を伝えなければなりません、もしも愛情を伝えるのが遅ければ他の誰かにお目当ての異性を奪われるかもしれない、伝えるのが遅ければ相手が先に自分に思いを伝えてくるかもしれない、どちらにしろ自分から何か行動を起こし、自分で掴み取った能動的な幸せは得られないのです」

心理「え、えぇ」

??「では自分が思いに気づいた瞬間に相手に伝えるのはどうでしょう、速さこそがこの世の理です、振られてしまう可能性なんて忘れてしまいましょう、振られてしまえばまた最速で新たな恋を見つければいいのです、もしも遅ければ少なくとも人生の中に用意されている貴重な時間というものを無駄に使ってしまいます、それではもったいないとは思いませんか」

心理「お、思います・・・」

??「かくいう俺もかつてほんのちょーっとだけ遅かったことが理由で思い人に手が届かなかったことがあります、それはとても悔しくまた悲しいものでした、しかしそれでも俺は最速で自分の心を調整しました、すなわち彼女の幸せを見守ろうという結論に至ったのです、最速で!!!」

心理「は、はぁ」

垣根「す、すげぇ理論だむちゃくちゃだ!!」

??「俺がどうしてここまで必死になっているか分かりますか?この街の住人は非常にスロウリィです、それはもうとてつもなく」

??「毎日毎日学校に通い、宿題を終わらせて余った時間で友達と遊ぶ、非常に規則的に見えますがしかしそれは変わり映えの無い人生です、安定などしてしまった人生は怠惰と同じです、自分の今だけを見つめ、今から脱したくないとその場に留まり、同じ幸せだけを毎日毎日味わっている!!」

??「愚かとは思いませんか!?最速で突っ走ればもっと違う世界に行けるのです、俺だったらこんな退屈な生活はイヤなものですけどねぇ」

心理「・・・あら、ゆっくり歩かないと景色を楽しめないものよ?」

??「これは手厳しい」

心理「それに、時として羽を休めたオアシスで、人は女神に会うものなのよ」

??「なるほど、それもまた文化」

垣根(心理定規・・・立派に育って・・・)ウルウル


818 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/06(月) 15:04:04.44 ID:q81b/DZI0
心理「それより、あなた人探しをしてるんじゃなかったの?」

??「そうだった、俺は人探しをしているんです、最速で探し当てるにはここでこんな・・・」

心理「はいはい、だったらさっさと行きなさい」

??「それでは、可憐なお嬢さん!!!」



垣根「・・・速すぎた、知覚出来ない」

心理「あなた、半ば無視されてたわよね」

垣根「あぁぁぁぁぁぁ!!!!」

心理「・・・何よ、大声出して」

垣根「サイン貰うの忘れてた!!」

心理「・・・あのね、私達は今客引きをしてるのよ?」

垣根「・・・そんなもん、お前が男を誘惑すればいいんだよ」

心理「あら、ここで脱げって言うの?」

垣根「・・・いや、そうじゃなくて」

心理「・・・じゃあどうするのよ」

垣根「こう・・・私を食べて、みたいな」

心理「変わらないじゃない、第一そんなので釣れる男なんていないわよ」


819 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/06(月) 15:23:53.46 ID:q81b/DZI0
垣根「・・・あれ?なんか超スピードで駆けてくるヤツがいるんだが」

心理「あら、本当ね」


イン「今、どこからか食べるという単語が聞こえてきたんだよ!!」キラキラ

垣根「よぉ、イカ娘」

イン「ゲソー!!!って違うんだよ!!!」

垣根「おぉ悪い悪い、でも食べ物は無いぜ?」

イン「ちっ・・・とんだ時間の無駄だったんだよ」

心理「久しぶりね・・・元気だった?」

イン「うん、でも最近出番がもらえなかったんだよ!!」

垣根「・・・そうだな、お前って原作でも出番減ってきてるもんな」

心理「そういうネタはやめなさい」

イン「そうなんだよ!!メインヒロインは私なんだよ!!」

垣根「俺もさ、15巻しか出てきてないんだぜ?そのあとちょくちょく名前は出てきてるけど復活してないし」

心理「ねぇってば」

イン「かきねはかわいそうなんだよ!!」

垣根「・・・かませだったからな」

心理「その話はやめなさいよ」


820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/06(月) 16:14:23.30 ID:XG2JYP/IO
                          おまえに足りないものは―、それは!!
            ,.   __,,,...   ,.-'"!`ヽ、   情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さーーー
         ,.r''"´''''''"´,.=/,. -'"   人   \   そして何よりもーーーーーー!!!!!
        l__,,,...、-''"´‐''゙" __,,..、-'゙   \  ヽ.
        /,-‐','" l゙ l ゙̄,/   ``ヽ、.,_\.,_,'、          ______
        `j‐'゙/‐、l_,、 i__        r'-、l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         `゙゙      'ヽ、r ゚`。‐----、_ ゙uulj
                `ヾ―‐‐‐----、`'''======‐‐‐--、..,,,,_______
                          `'――――――----------------―‐
                       ―二      三=
                     ―=≡   r--   二=―      _―――
                    ――二   二―\   ≡=    ―三=― ̄
                   ――三   ≡―  ̄\    三=―= ̄     二=―
                 ――‐二   三=―‐ ―=二    ̄   _==― ̄ ̄
                  ―=/   ≡=―‐     ―二_    二=―
              ――‐二/   /=―  

  ヽ ‐┼‐  ‐‐\‐‐     __/  、ヽヽ ┌─┐   l   l   _/            | ̄| | ̄|. | ̄|
  '''7 lココ      〉    ̄ /``ヽ\  └┬┘   レ  l   / ̄ \  l    l   | |  | |  | |
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  ∠-‐‐‐‐--   ゙''‐--   /   、/    /''‐┴‐--    /     し'ヽ     レ    l  □  □  □
821 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/06(月) 18:00:49.62 ID:q81b/DZI0
垣根「・・・で、なんでお前は公園にいたんだ」

イン「こもえがね、たまには外で遊びなさいって!!」

心理「そういえば、今は先生の家に居候してるんだったわね」

イン「とうまとみことの邪魔は出来ないんだよ!」

垣根「お前・・・いいヤツだな」

イン「それに、こもえの家は美味しいものがいっぱいあるんだもん!!」

垣根「お前・・・やなヤツだな」

心理「どっちなのよ」

垣根「・・・てか、小萌ってなんでそんなに子供拾いたがるんだろうな」

心理「だってあの人独身でしょう?寂しさを紛らわしてるのよ」

イン「正論過ぎて何も言えないんだよ」

垣根「小萌が聞いてたら泣くぞ」

心理「・・・でも、小萌先生が学校のときはあなた、どうしてるの?」

イン「・・・冷蔵庫から適当に漁ってるんだよ!!」ニコニコ

垣根「まず食のことから答えるんだな」

心理「生きるために食べるっていうより食べるために生きてるわよね」

イン「何も言えねぇ」


822 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/06(月) 21:30:04.24 ID:q81b/DZI0
垣根「・・・ところで、そろそろ昼飯の時間だがどうする?」

イン「う・・・そうだ、ここに来たのは外食するためだったんだよ・・・」

心理「さっき外で遊ぶためだったって言ったじゃない」

イン「おなか空いたんだよ・・・」グキュー

垣根「女のクセに腹鳴らすんじゃないって」

心理「・・・そうよ、インデック・・・」グー

垣根「・・・」

心理「・・・」

垣根「素晴らしいノリツッコミだな」

心理「・・・ねぇ、一緒にどこか食べに行きましょうよ」カァッ

垣根「ごまかすな」

心理「・・・何か聞いたのかしら、何も聞かなかったわよね、えぇ?」

垣根「怖いから来ないで」

イン「そうだ!!じゃあ、とうまの学校に行ってみようよ!!学食ってのがあるんだよ!!」

垣根「・・・そうだな、まぁ今日は制服着てないけど・・・」

心理「それじゃ行きましょうか」

垣根「あぁ」



垣根「お前、おなか空いてたんだな」

心理「なにか言った?」


823 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/06(月) 21:32:25.15 ID:q81b/DZI0
今日はここまで

女の子のおなかが鳴るのって可愛いときとそうでないときがありますよね

筋肉動画はこちら


http://www.youtube.com/watch?v=fOqHQEugihM  

フレックスマガジンワークアウト、という番組

たしか何かの付録みたいですが、ショーンとケビンの肩のトレーニングです

なんでこの二人ってこんなに仲いいんでしょうねw

では


824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/06(月) 22:41:41.15 ID:90+VUJhto
乙にゃんだよ!
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/06(月) 23:24:50.69 ID:yviEfo8zo
乙ですの
826 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 10:30:03.12 ID:YjKKsaDO0
垣根「・・・てかさ、今更だけどインデックスは学校行っていいのか?」

イン「?ダメなのかな?」

心理「さぁ・・・私と垣根は一応生徒になっているけど」

垣根「めんどくせぇなぁ・・・もし追い返されたらどうするんだよ」

イン「小萌がなんとかしてくれるんだよ!」

心理「そんなわけないでしょ・・・」

垣根「・・・そんな話してる間に着いちまったな」

垣根が足を止める

今思えば、私服でこの学校に来るのは久しぶりになる

垣根「・・・よし、行くか」

イン「学食学食!」

心理「食べるために学校に来たのね・・・」

イン「ついでにとうまの学校での態度を確認するんだよ!」

垣根「保護者かよ」


上条「・・・なんだかイヤな予感がするんだよな」

土御門「にゃー、カミやんのそういうのはたまに当たるから困るぜぃ」



827 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 10:30:35.52 ID:YjKKsaDO0
青ピ「ほんまやなぁ」

姫神「これで悪いことが起きたら。責任を取って」

上条「お、俺のせいか?」

吹寄「全く・・・上条はお騒がせすぎるのよ」

上条「いや、俺は悪くない・・・」




垣根「風紀委員ですの!」ガラガラ

心理「違うでしょ」

青ピ「なんや、垣根やん!」

土御門「にゃー、久々じゃないかにゃー!」

姫神「まさか。このタイミングで来るなんて」

吹寄「な、なんで今更来てるの!?」

垣根「いいじゃねぇか」

イン「あ!とうま発見なんだよ!」

上条「あぁ、イヤな予感が的中してしまいましたよ」

青ピ「なんや、シスターさんがわざわざ会いに来てくれるなんて羨ましいなぁ」



828 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 10:31:01.95 ID:YjKKsaDO0
上条「違うだろ!なんでインデックスがいるんだよ!?」

垣根「たまたま会ったから連れてきた」

上条「余計なことするなよ!こいつが来たら弁当全部奪われ・・・」

イン「・・・とうま」

上条「」

イン「美味しそうな弁当だけど・・・なんでお米の上にハートが描かれてるのかな?」

土御門「にゃー、これはカミやんの愛する彼女が作ってくれたからだにゃー」

心理「あら、美琴が作ってくれたの」

上条「だ、だからインデックスに分けるわけにはいかな・・・」

イン「・・・お腹の空いてる私に何もくれないなんて、とうまは鬼畜なんだよ!」

上条「ま、待って!なんで口を開けてるの!?」

イン「食べ物を放るんだよ!しなかったら噛み付くから!」

上条「な、なんでそんな・・・!?」

イン「いただきまーす!」

上条「ぎゃぁぁぁぁぁ!」




829 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 10:31:29.03 ID:YjKKsaDO0


吹寄「・・・垣根、私の弁当少し食べる?」

垣根「うわぁ・・・なんか健康第一って感じの弁当だな」

吹寄「な、なによ悪い!?」

姫神「垣根・・・私の食べてもいい」

垣根「マジか、サンキュー」

心理「・・・垣根、吹寄のも食べてあげなさいよ」

垣根「・・・姫神の弁当美味いな、お前いい嫁さんになれるぜ」

姫神「ふ・・・ふふふ。これは中々いい特技」

吹寄「・・・いいわよ、私の弁当なんてどうせ・・・」

垣根「ん?吹寄のも結構美味いな」

吹寄「!そ、そう?」

垣根「あぁ」

吹寄「・・・よかった」

心理「はぁ・・・垣根、あなたねぇ・・・」

垣根「分かってるって、お前の作った料理が一番だからな」

心理「あら嬉しい」



830 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 10:32:08.81 ID:YjKKsaDO0
土御門「心理定規は料理上手かったよな」

青ピ「いつも垣根の分のお弁当作って来てたもんなぁ」

垣根「・・・は?」

青ピ「垣根がいつ学校にふらっと現れてもいいようにって、多めに弁当作ってたんやで?」

土御門「でもお前、いつも来ないからにゃー」

姫神「私達が分けてもらってた」

吹寄「おかげで心理定規の美味しいお弁当を食べられたけど」

垣根「そ、それマジなのか?」

心理「・・・別にあなたのために作ってたわけじゃないわよ、勘違いしないで」フン

垣根「なぁ・・・いつも俺が来ていいようにしてたのか?」

心理「だ、だから違うんだってば・・・」カァッ

垣根「・・・心理定規、お前可愛いな」

心理「ふえぇっ!?」アタフタ

垣根「やべぇよ、過去に戻れるなら自分の頭を殴ってやりたいくらいにな」

心理「だ・・・だから、あ、あなたのために作ってたわけじゃ・・・」カアッ

土御門(リア充見せつけやがって)



831 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 10:32:47.93 ID:YjKKsaDO0
吹寄(この二人・・・ホントお似合いよね)

青ピ(ちっ、爆発せぇや)

姫神(・・・ちょっと味付け濃かった)



上条「・・・美琴が作ってくれた弁当が・・・!」

イン「美味い!美味いんだよ!みことの料理は一級品なんだよ!」

上条「!た、頼む!その卵焼きだけは俺に・・・」

イン「いただきます!」

上条「なんで不機嫌なんだよ!?」

イン「当たり前なんだよ!みことの愛妻弁当ににやけてるとうまなんて見ててイライラするんだよ!」

上条「だからなんでだよ!?」

イン「春によくある、センチメンタル、そうでしょ!?」

上条「誰がそんなネタ分かるんだよ!」

イン「ふん!寮に帰って、みことに今日の卵焼きの感想を聞かれて嘘の感想を言ったあと、それが嘘だったってバレて喧嘩になればいいんだよ!」

上条「なんでそんなに陰湿なんだよ!?」

イン「とうまなんか嫌い!」



832 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 10:33:20.62 ID:YjKKsaDO0
上条「嫌いなヤツの弁当だから奪ったのかよ!?」

垣根「よぉ、仲良しだな」

土御門「見てると兄妹みたいだぜぃ」

青ピ「カミやんったら、シスターさんを妹にするなんて・・・」

上条「してないから!」

吹寄「上条・・・貴様そんなことして!」

上条「してないってば!」

姫神「・・・垣根。あーん」

垣根「あーん」

心理「ちょっと、何私の垣根に手出してるのよ」

姫神「さっきリア充を見せつけられたから。逆襲」

心理「はぁ・・・」

上条「それより・・・垣根、お前なんで今日は制服じゃないんだよ?」

垣根「いや、急に来ることになったからさ」

土御門「だからこんな中途半端な時間に来たのか」

垣根「あぁ」


833 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 10:33:56.35 ID:YjKKsaDO0
イン「・・・私はどうすればいいのかな?」

上条「帰れよ」

イン「・・・とうま、みことと幸せになってからメインヒロインの私を無下にしすぎなんだよ!」

上条「ま、待て待てそういうネタはダメだ!」

吹寄「・・・そろそろ昼休みも終わるわよ」

上条「!?弁当食ってるだけで時間が過ぎていた!?」

垣根「いやぁ、昼休みなんて言葉も久々だな」

心理「・・・私、いつも昼休みにはあなたが来るんじゃないかって待ってたのよ?」

垣根「・・・心理定規、ちょっと二人きりになれる場所行こうぜ」

土御門「何するつもりなんだにゃー」

青ピ「学校であんなことやこんなこと!?」

姫神「・・・垣根。やめて」

垣根「ジョークだよ」

吹寄「・・・とにかく、垣根はそんな服装じゃ授業は受けられないわよね」

垣根「仕方ないな、インデックスもついでに授業見学するか」

イン「うん!」



834 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 10:34:28.33 ID:YjKKsaDO0
上条「いやいや帰れよ!」

イン「帰らない!」

土御門「まぁまぁ、せっかく来たんだから」

青ピ「そうやでカミやん」

上条「・・・分かったよ」

吹寄「上条、さすがに冷たくしすぎじゃない?」

上条「だっていきなり噛み付かれたんだぜ!?不機嫌になっても仕方ないだろ!」

心理「ほら、教科書準備しなさい」

上条「クールにスルーされた!」

垣根「お前、そんなキャラだったか?」




小萌「野郎共ー!授業なのですよ!」スタスタ

土御門「あ、小萌先生が来たぜぃ」

小萌「はい、みなさん揃って・・・」

垣根「ちーっす」

小萌「」

垣根「なんだよ、ビビったような顔しやがって」



835 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 10:34:54.69 ID:YjKKsaDO0
小萌「か、垣根ちゃんがやっと来てくれました・・・!」

垣根「あぁ、来て悪いか?」

小萌「やっと先生の愛が通じたのですね!?」

垣根「いや、心理定規が行こうって言うから・・・」

小萌「よかったのですよー!」

青ピ(あぁ、嬉しそうに笑うセンセも可愛ぇなぁ!)

姫神(というか。あのインチキシスターにツッコまないのが不思議)

吹寄「・・・先生、今日は垣根とインデックスさんが見学だそうです」

小萌「?シスターちゃんは見学でいいですけど、垣根ちゃんは・・・」

垣根「俺は今私服なんです、こんなふざけた格好で小萌先生の真面目な授業を受けるわけにはいかないですから」

小萌「な、なんて真面目な生徒なんですか・・・!上条ちゃん、あなたも見習って下さい!」

上条「真面目な生徒はそもそも私服で学校には来ないからな!」

心理「先生、早く授業を」

小萌「では教科書の26ページを開いて下さい!」

青ピ「・・・なになに、AIM拡散力場の・・・?」

土御門「簡単に言えばAIMについてってことかにゃー」



836 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 10:36:01.33 ID:YjKKsaDO0
小萌「そうなのです!」

吹寄「でも今更そんな基本的なこと・・・」

小萌「基本的なことが出来ない子がいるのですよ・・・テストのときに間違える生徒とか」

上条「な、なんで俺を見ながら言うんですか?」

姫神「君が落ちこぼれだから」

小萌「上条ちゃん、AIMは何の略ですか?」

上条「アーティストイズミュージシャン!!」

土御門「バカだな」

吹寄「全くよ」

上条「ひ、ひどい・・・」

小萌「AIMとは未だに正体が明らかになっていないのですよ」

垣根「実際は科学的な力ではないがな」

小萌「?垣根ちゃんはAIMについて何か知っているのですか?」

垣根「別に」

イン「ねぇねぇ、AIMって何なの?」

小萌「能力者が知らない間に撒き散らしている、ちょっとした力なのですよ」

イン「ふーん・・・」



837 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 10:36:38.50 ID:YjKKsaDO0
垣根「・・・にしても相変わらず低レベルな授業してんな」

心理「ちょっと、静かに見学してなさいよ」

垣根「・・・分かったよ」

上条(・・・なんか見られてると集中出来ないよな)




小萌「ということにより、このAIMを応用すれば能力者の能力を解析・・・」

垣根「ババンバン!ババンバン!ババンバンとバトルだー!」

小萌「・・・垣根ちゃん、静かにしてください」

垣根「馬鹿言ってんじゃないよー」

小萌「歌いたいならカラオケに行って下さい!」

垣根「だってよ、こんなつまらない授業じゃみんな退屈だろ?」

青ピ「そんなことないで?」

土御門「にゃー、垣根は優秀だからそう感じるだけだぜぃ」

垣根「あー、これだから俺は学校に来なくなったんだ」

小萌「先生の授業がつまらないから・・・垣根ちゃんは学校に来なくなったんですか・・・?」

垣根「まぁ、間接的な理由ではあるかもな」



838 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 10:37:09.14 ID:YjKKsaDO0
吹寄「垣根!その台詞は許さないわよ!?」

垣根「先生のアソコをスケスケミルミルとかなら喜ぶけどな」

吹寄「垣根ぇ!」

垣根「くっだらねぇ、大体なんでロリが先生なんだよ」

土御門「い、言い過ぎだぜぃ垣根・・・」

小萌「いいのですよ・・・先生が悪いんです・・・」

垣根「だが」


垣根「俺はそんな先生が大好きだ」

垣根「こういうつまらない授業を、生徒のために繰り返す」

垣根「ロリとか言われているが包容力は溢れている」

垣根「ま、学校に来なくなった理由はつまらないからだが・・・小萌の授業、嫌いじゃないぜ」

小萌「か、垣根ちゃん・・・」

心理(倒置法で褒めるなんて卑怯よね)



イン「ねぇ、小萌のアソコをスケスケミルミルってどういうこと?」

垣根「パンツは白でも中は黒かもな」



839 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 10:37:37.68 ID:YjKKsaDO0
青ピ「いやいや、中は肌色やで?」

垣根「え、マジ?小萌ってパイ○ン?」

小萌「それは内緒なのですよー」

上条「・・・あの、そんな無駄話してる間にかなり時間過ぎてますよ」

小萌「!?」

姫神「・・・もう。時間がない」

吹寄「・・・仕方ないです、垣根がふざけるから」

垣根「いいじゃねぇか、俺に常識は通用しねぇんだ」

イン「ねぇねぇ、私は次の時間も見学なの?ヒマなんだよ」

垣根「そうだな、次は授業に参加してみるか」

上条「結局授業受けるんじゃねぇかよ!」

小萌「じゃあ、次の時間は保健なのですよ」

青ピ「あっはぁ!恥じらう女の子が見られるでぇ!」

土御門「にゃー、青ピはそういうの好きだからな」

吹寄「汚らわしい・・・」

小萌「それでは、みなさん頑張るのですよ!」




840 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 10:38:03.25 ID:YjKKsaDO0


垣根「あー、やっと休み時間か」

心理「あなた、何もしてなかったじゃない」

垣根「次の時間、お前の教科書貸してくれよな」

心理「一緒に並んで受けましょう?」

垣根「あいよ」

上条「・・・にしても、垣根のその服装すごいな」

垣根「あぁこれか、スクールの時はこの格好よくしてたな」

心理「懐かしいわね」

吹寄「でも・・・おかしいわよね、その服装」

垣根「?なんでだよ」

姫神「シャツの下にセーター着てる」

垣根「」

土御門「にゃー、そういえばおかしいぜぃ」

青ピ「痒くないん?セーターってチクチクするやろ?」

垣根「・・・常識が通用しねぇ格好だったのか」

上条「無意識だったのか」



841 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 10:40:25.67 ID:YjKKsaDO0
イン「ねぇ、次の授業は保健なの?」

垣根「あぁ、性教育だったら嬉しいな」

心理「イヤよ」

垣根「・・・なんなら、今から二人きりで性教育しないか?」

心理「帰ってからね」

青ピ「あぁ!帰ってからね、なんて一度言われてみたい台詞やなぁ!」

垣根「ふん、お前は麦野とでも乳繰り合ってろ」

土御門「にゃー、そういえばお前、麦野とはどうなったんだ?」

青ピ「今度デートすることになったで」

上条「え、マジ?」

青ピ「ほんまほんま」

吹寄「・・・また一人、恋人持ちが増えるのね」

姫神「そして私達は。寂しい独身貴族へと変貌を遂げる」

心理「諦めたらそこで試合終了よ」

姫神「そもそも。出場資格を持っていない」

心理「・・・が、頑張ってね」

土御門「あー、俺も彼女ほしいぜぃ」


842 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 11:01:03.20 ID:YjKKsaDO0
垣根「作ればいいじゃねぇか」

土御門「それはイケメンの理論だぜぃ」

青ピ「そうやって、普通は女の子の知り合いなんてそうそういないで?」

垣根「あぁ?そうなのか」

上条「そうだろ普通」

姫神「君が言っても。説得力が無い」

上条「な、なんでだよ・・・」

吹寄「・・・それより、そろそろ授業が始まるから席に着いて」

垣根「次は保健だから・・・黄泉川の授業か」

イン「おなか空いたんだよ!!」

上条「もうかよ!?」

心理「あなたってホント食いしん坊ね」

土御門「・・・どうせ、小萌先生の家でも食い荒らしてるに違いないぜ」

上条「お前・・・そうなのか!?」

イン「当たり前なんだよ!!」フンス

上条「ない胸を張るな!!」

心理「はぁ・・・騒がしいわね」


843 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 12:19:02.46 ID:YjKKsaDO0


黄泉川「はいはい、席に着くじゃんよ」

垣根「よぉ、久しぶりだな」

黄泉川「あれ、私を殺そうとしたことのあるていとくんじゃんよ!!元気だったじゃんよ!?」

垣根「・・・お前、何気に俺のこと嫌いだろ」

黄泉川「ん?あとなんか知らない子がいるじゃんよ」

イン「私の名前はインデックスって言うんだよ」ニコニコ

黄泉川「そうか、見学者じゃん?」

心理「なんで分かったのよ」

土御門「にゃー、先生ってのは謎の多い生き物だぜぃ」

姫神「・・・それより。授業」

黄泉川「えー、今日は思春期の体の変化じゃんよ」

上条「なんか・・・いっつもそれな気が」

黄泉川「お前達にも必要な教育だからじゃん」

垣根「もう実技もしてますから大丈夫です」

吹寄「じ、実技!?」

垣根「なんだよ、ビビって」

青ピ「ヤってるんやなぁ!?」


844 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 12:24:34.97 ID:YjKKsaDO0
黄泉川「はいはい、静かに」

心理「・・・さっさと進めましょう」

黄泉川「はい、垣根・・・56ページ音読してほしいじゃんよ」

垣根「はーい」

姫神(保健の教科書を音読・・・)

吹寄(私なら耐えられないわね)

垣根「思春期には、男女の体はそれぞれ性的に成長していきます」

垣根「男の股間にはチ」

吹寄「そんなこと書いてないでしょ!!!」

垣根「ちっ・・・女の体は、子供を妊娠できるように変化します」

垣根「俗に言う、私孕んじゃう、です」

土御門「そんなこと書いてないぜぃ」

イン「破廉恥なんだよ」

垣根「男性の精子が女性の卵子に届くと、夢が叶います」

垣根「出来ちゃった、という修羅場です」

心理「別に修羅場じゃないわよね」

垣根「ちなみに、その行為はなんというでしょうか!!青ピ!!!」

青ピ「セックス!!!」

垣根「オウイェア!!!!」


845 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 12:32:42.62 ID:YjKKsaDO0
吹寄「・・・あの、先生」

黄泉川「垣根、青髪、ちょっと立つじゃんよ」

垣根「はい」

黄泉川「反省してるか」

青ピ「すんませんでした」

黄泉川「よし、次のページを吹寄音読」

吹寄「そ、それだけ!?」

黄泉川「音読」

吹寄「・・・その・・・せ、精子は・・・」

垣根「携帯ってボイスレコーダー付いてたっけ?」

土御門「あぁ、付いてたぜぃ」

吹寄「貴様達!!もしかして録音・・・」

垣根「あぁあったあった、さっさと音読しろよ」

吹寄「くっ・・・せ、精子が卵子に届くと受精と呼ばれ・・・」

垣根「なぁ、その受精を行う行動ってなんだっけ?」

吹寄「ちょっと黙ってなさい!!」

心理(公開セクハラね)


846 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 18:19:02.18 ID:YjKKsaDO0


黄泉川「最近は性の乱れが問題になってるじゃんよ」

上条「・・・避妊しないで、とかな」

垣根「そうだな、性を軽んじてるんだよな」

心理「そうね、もっとお互いが真剣に考えないと」

吹寄「ま、私はまだ関係ない話ね・・・」

姫神「私も。あまり関係ない」

青ピ「ボクもまだやなぁ」

土御門「最初に反応した三人が怪しいぜぃ」

上条「な、なにが?」

青ピ「カミやんって彼女と毎日ヤってそうやもんなぁ」

上条「いやいや!!そんなこと・・・」

黄泉川「上条、あとで職員室じゃんよ」

上条「なんで!?垣根と心理定規は!?」

黄泉川「?」

上条「なんで驚いてるんですか!?」

イン「とうま、真面目に授業受けるんだよ!!」

上条「お前いたの忘れてたよ!」


847 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 18:31:04.05 ID:YjKKsaDO0
垣根「あー、それにしてもそろそろいざ来てみると授業も早いな」

心理「もう終わりですものね」

黄泉川「はい、それじゃもう終わるじゃんよ」

青ピ「?でももう少し時間残ってますよ?」

黄泉川「上条の説教しないといけないじゃんよ」

上条「マジだったんですか!?」

黄泉川「はい、さっさと職員室じゃんよ」

垣根「よかったな上条」

上条「よくねぇよ!!」

姫神「私達は先に帰るから」

吹寄「垣根、貴様も一緒に帰るわよね?」

垣根「まぁ久しぶりだしな、インデックスも一緒に帰るか」

イン「うん、帰るんだよ!!」

上条「インデックスにさえ見捨てられた!?」

イン「とうまなんてどうでもいいんだよ!!」プンプン

上条「心理さぁぁん!!!」

心理「じゃあみんなでケーキでも食べる?」

土御門「いいな」

上条「」


848 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 18:35:47.18 ID:YjKKsaDO0
垣根「じゃあな、上条」

上条「マジで帰るのか!?」

心理「あとでこの店来て頂戴、先に行ってるから」

上条「いや・・・それを教えてくれてるだけマシだけどさ・・・」

姫神「上条君。私は上条君を応援してるから」

青ピ「ええなぁ、カミやんは人気者で」

土御門「にゃー、女の子に応援されるなんて羨ましいもんだぜ」

上条「イヤだよ・・・」ハァ

イン「じゃあねとうま、また後で!!」

吹寄「先生からしっかりと不純じゃない異性交遊を学びなさい」

上条「イヤだ・・・」

垣根「あばよダチ公」

上条「お前、死ぬのか」

心理「それじゃ、みんな行きましょう」

一同「おー」



上条「・・・俺も帰りたい・・・」



849 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 20:46:41.26 ID:YjKKsaDO0


垣根「あー、こんな学校帰りとか久しぶりだな」

心理「・・・学校に来てなかったからよ」

吹寄「全くよ」

垣根「なんだよ、お前ら」

青ピ「カミやんと同じくらいモテるとかすごいなぁ」

姫神「でも私は。上条君のほうがいい」

土御門「にゃー、とにかくモテるヤツは嫌いだぜぃ」

垣根「羨ましいのか?」

土御門「羨ましいに決まってるぜぃ」

イン「あんまりモテると恋人が不安なはずなんだよ」

心理「そうね、たしかに不安だわ」

吹寄「ま、待ってよ!私は垣根なんて・・・」

垣根「忘れはしないぜ・・・あの時の乙女だった吹寄」

吹寄「い、いつの話!?」

垣根「相談屋にも来たじゃねぇか」

吹寄「あ、あれは・・・そう、別の人の話よ!」

青ピ「なぁなぁ、相談屋ってボクが行ったあれやろ?」



850 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 20:47:26.38 ID:YjKKsaDO0
垣根「あぁ、中々繁盛してたぜ」

心理「土御門君は来なかったの?」

土御門「俺は悩み事なんてないからにゃー」

姫神「気楽すぎ」

垣根「お前も来なかったじゃねぇか」

姫神「私は。吹寄を遠くから見守ってた」

吹寄「そ、それを言わないでよ・・・」

イン「・・・相談屋って、公園にあったあのテントのこと?」

垣根「あぁ、あれだよ」

イン「相談・・・私も悩み事があるんだよ」

垣根「なんだ、なんなら今聞いてもいいぜ?」

イン「豚肉と牛肉ってどっちが美味しいのかな?」

垣根「知るか」

青ピ「あぁ、食べ物の話されたらお腹空くわぁ・・・」

心理「もうすぐ着くから待ってなさい」

吹寄「・・・あんまり甘いものばっかり食べてると太るのよね」

土御門「吹寄はそういうのよく気にしてるよな」



851 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 20:48:02.24 ID:YjKKsaDO0
吹寄「女の子なら当たり前でしょ・・・」

姫神「私も。最近はあまり食べていない」

イン「もったいないんだよ!胃が何のためにあると思ってるの!?」

垣根「その考えはおかしいだろ」

心理「・・・でもたまにはパーッと食べるのも悪くないんじゃない?」

吹寄「ま、まぁね」

青ピ「心理定規ちゃんはあんまり気にせぇへんの?」

心理「食べてもそこまで太らない体質なのよね」

姫神「・・・なんて羨ましい」

イン「私もそうなんだよ!」

土御門「インデックスは太らないってより消化スピードが異常なんだぜぃ」

吹寄「そうなの?」

青ピ「どっちにしろ、痩せてるのはえぇ事やで」

垣根「・・・心理定規はもう少しもっちりしても可愛いと思うけどな」

心理「あら、ありがとう」

土御門「ちっ・・・見せつけやがって」



852 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 20:48:30.80 ID:YjKKsaDO0
青ピ「ほらほら、着いたで?そんなイライラ忘れようや」

イン「やっと食べ物にありついたんだよ!」

垣根「さっきも食ってたじゃねぇか」

イン「食べるんだよぉぉぉぉぉぉ!」

心理「はぁ・・・落ち着きなさいよ」

垣根「とにかく、無駄話は中に入ってからにするか」





垣根「・・・で、中に入ったんだけどよ・・・」

心理「・・・なんで・・・」


ゴーグル「・・・なんで、心理定規さんと垣根さんがいるんすか」

垣根「なんで俺が後なんだよ」

心理「なんであなたがいるのよ」

ゴーグル「いや・・・フレンダさんの付き添いっす」

姫神「・・・垣根の友達?」

垣根「ゴーグル馬鹿だ」

吹寄「会ったことは・・・」



853 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 20:53:23.56 ID:YjKKsaDO0
ゴーグル「ないと思いますよ」

土御門「にゃー、初めまして」

ゴーグル「・・・えぇ、初めまして」

垣根(土御門は知ってるだろ)

青ピ「なんや知り合いさんと待ち合わせかいな?」

ゴーグル「あぁ・・・一緒に来たんすけど、今はケーキ取りに行ってるんすよ」

イン「ふーん、それよりケーキ食べたい!」

心理「あなたそればっかりね」

垣根「・・・にしても、フレンダとこんな所にねぇ」

ゴーグル「・・・無理矢理連れて来られたんですよ」

姫神「でも。男友達とこんなところに来るなんて」

ゴーグル「あ、いや・・・」

垣根「フレンダってのはな・・・」


フレンダ「たっだいまー!!」ニコニコ

ゴーグル「あ、フレンダさん」

垣根「おっす」

フレンダ「」


854 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 21:52:29.25 ID:YjKKsaDO0
心理「お久しぶり・・・ってほどではないわね」

フレンダ「な、なんでアンタ達がいる訳よ・・・」イライラ

垣根「偶然だよ」

姫神「・・・女の子・・・」

吹寄「・・・まさか、あなたも恋人持ちだったとは・・・」

ゴーグル「恋人なんかじゃないっすよ」

フレンダ「そこはもうそれでいい訳よ!!」

ゴーグル「よくないっす!!」

垣根「落ち着けよ」

土御門「にゃー、ここで会ったのも何かの縁だし一緒に・・・」

フレンダ「いやいや!!絶対いや!!」

姫神「?どうして?」

フレンダ「だ、だって・・・」

垣根「いいだろ、ゴーグル」

ゴーグル「は、はぁ」

フレンダ「ゴーグルのバカ!」

ゴーグル「えぇ!?」



855 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/07(火) 21:55:35.24 ID:YjKKsaDO0
今日はここまで

筋肉動画はメルビンさん

http://www.youtube.com/watch?v=LdNzVCFIUUc   


原作15巻のていとくん「お前も俺と一緒だ、誰も守れやしねぇ」みたいな台詞って、ていとくんも誰かを守ろうとしていたからなんでしょうか


さっさと未元定規が見たいよぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!

では
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/07(火) 22:36:24.21 ID:JwZ57g3Eo
乙ですの
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/02/07(火) 23:30:53.73 ID:UQM/0F1Q0
乙である
858 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:41:51.74 ID:H48qzo7b0
垣根「・・・で、なんでフレンダはそんなに不機嫌なんだ?」

フレンダ「・・・別に」

姫神「フレンダさんとゴーグル君は。いつから付き合ってるの?」

ゴーグル「だから恋人じゃないですって」

土御門「にゃー、お似合いなのにな」

垣根「全くだよな」

心理「あなた達、お互いに好き合ってるんでしょ?あ、私ケーキ取ってくるけど」

吹寄「私も」

青ピ「ボクも行ってくるわ」

姫神「なら私も」

垣根「俺は残ります」

フレンダ「そこは気を利かせて行って来なさい!」

垣根「なんで?インデックスと土御門も残るんだぜ?」

フレンダ「その二人はなんだかんだ気を遣って話し掛けて来なさそうだから!」

イン「早くケーキ食べたいんだよ!」

ゴーグル「・・・食いしん坊なんすね」



859 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:42:14.61 ID:H48qzo7b0
イン「食いしん坊という名の女神なんだよ!」

ゴーグル「いや、女神ではないでしょ」

垣根「・・・ほら、早く取って来いよ」

吹寄「・・・じゃあ、垣根は何がいい?」

垣根「メルヘンケーキ」

吹寄「チョコケーキね、分かったわ」

心理「違うわよ、ショートケーキがいいのよね?ちゃんと天使の形したチョコの乗ってる」

垣根「よく分かったな、さすが心理定規」

青ピ「なんや、メルヘンケーキってそういう意味やったんか」

姫神「意味が分からない」

垣根「ほら、行った行った」

吹寄(・・・なんか知らないけどイライラするわね)


ゴーグル「・・・にしても、垣根さんはあんなにたくさんの友達がいたんすね」

垣根「あぁ、まぁな」

ゴーグル「・・・楽しそうで何よりっすよ」




860 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:42:56.14 ID:H48qzo7b0
垣根「お前は相変わらずアイテムとつるんでるのか」

ゴーグル「はい・・・みなさん優しいっすよ、最初は受け入れられるか分からなかったんすけど」

垣根「よかったな、居場所が出来て」

ゴーグル「・・・はい」

垣根「でさ、なんでフレンダは不機嫌なんだよ」

フレンダ「・・・ちょっと、ゴーグルこっち来て」

ゴーグル「は、はぁ」

垣根「じゃあ俺も行きますか・・・」

フレンダ「来るな」

垣根「はい」




フレンダ「・・・ゴーグル、アンタって私をどうしたい訳よ」

ゴーグル「な、何がっすか?」

フレンダ「・・・あのね、せっかく私はアンタをデートに誘った訳よ」

ゴーグル「はぁ・・・またデートなんすか」

フレンダ「デートに決まってるじゃん!」



861 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:43:48.38 ID:H48qzo7b0
ゴーグル「だったら出掛ける前にこれがデートだって言ってくださいよ」

フレンダ「言わなくても分かるでしょ!」

ゴーグル「分からないっすよ・・・大体、俺はあんまりデートばっかりはイヤだって言ったじゃないっすか」

フレンダ「で、でも私はデートしたい訳よ!」

ゴーグル「・・・ケーキバイキングに行きたいって言うから着いて来たのに」

フレンダ「私とデートしたくないって言いたいの・・・?」

ゴーグル「そうじゃないっすよ」

フレンダ「そう聞こえる訳よ」

ゴーグル「ただ毎日毎日デートだって騒がれてたらイライラするんすよ」

フレンダ「・・・あぁそう!アンタは私なんかとデートしても楽しくないって言うんだ!」

ゴーグル「そうは言ってないでしょ!」

フレンダ「いいわよもう!」

ゴーグル「な・・・なんなんすか」




垣根「あ、帰ってきた」

イン「?なんか怒ってるみたいなんだよ」



862 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:44:30.72 ID:H48qzo7b0
フレンダ「・・・」

垣根「?」

ゴーグル「・・・」

垣根「なぁ、なんか不機嫌だな二人とも」

フレンダ「そんなことない訳よ」

ゴーグル「そうっすよ、なんも無かったっす」

フレンダ「へぇ、私を怒らせたことはどうでもいいって聞こえる訳よ」

ゴーグル「俺の気持ちを考えないで平気なんすね」

フレンダ「・・・」

ゴーグル「・・・」

垣根(や、やべぇ・・・今にもバトルが始まりそうな高揚感だ)

イン(楽しんだらダメなんだよ)

吹寄「ただいま」

青ピ「いやぁ・・・美味しそうなのがたくさんあったから迷ったわ」

土御門「にゃー、同じチョコケーキでもあんなに種類があるとは思わなかったですたい」

姫神「はい、垣根」

垣根「サンキュー」

心理「・・・ゴーグル君達は何も食べないの?」



863 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:45:20.09 ID:H48qzo7b0
ゴーグル「いいっすよ、俺は別にケーキ食べたかったわけじゃないっすから」

フレンダ「ふーん、嫌々来たなら最初から来なきゃいいのに」

ゴーグル「嫌々来ただなんて誰も言ってないじゃないっすか」

フレンダ「ケーキ食べたいわけじゃないんでしょ?なら嫌々じゃん」

ゴーグル「・・・」

吹寄(な、なんだか急に気まずい雰囲気・・・)

青ピ(喧嘩したんかなぁ?)

土御門(・・・なんなんだにゃー)

心理「・・・あら?上条君も来たみたいよ」

垣根「ホントだな」




上条「はぁ・・・や、やっと見つけた・・・」

心理「お疲れ様、説教はどうだった?」

上条「イヤなもんだったよ・・・しっかり年齢を考えた愛情表現を心得て・・・ってさ」

吹寄「なんだかかなり真面目に怒られたみたいね」

上条「全くだよ・・・ってゴーグルとフレンダもいたのか」



864 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:46:01.43 ID:H48qzo7b0
ゴーグル「あ、どうも」

上条「あぁ、久しぶり」

フレンダ「ふん、他人にはいい顔して」

ゴーグル「・・・一々噛み付いてこないでくださいよ」

フレンダ「別に噛み付いてない訳よ」

イン(・・・ケーキが美味しくないんだよ・・・)

心理「・・・フレンダさん、ちょっといいかしら」

フレンダ「?」

心理「女同士の話がしたいんだけど」

フレンダ「あ、うん・・・」

垣根「なんだよ、隠し事か?」

心理「・・・悪いかしら」

垣根「いや、別に」

姫神「私達も行こうか?」

心理「いえ、大丈夫よ」

吹寄「じゃあ、また後でね」

心理「えぇ」




865 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:46:46.52 ID:H48qzo7b0



ゴーグル「・・・」

垣根「・・・なぁ、ゴーグル馬鹿」

ゴーグル「はい、なんすか?」

垣根「フレンダと喧嘩したな、しかもかなり短時間で」

ゴーグル「な、何言ってるんすか」

上条「あぁ、だから気まずかったのか」

土御門「バレバレだったぜぃ」

青ピ「ほんまやな」

ゴーグル「・・・いや、別に喧嘩なんて・・・」

上条「なぁ、仲直りしたほうがいいんじゃないか?」

垣根「てかなんで喧嘩になったんだよ」

ゴーグル「・・・フレンダさん、デートのつもりだったみたいなんすよ」

青ピ「・・・ちょっと羨ましいわぁ」

ゴーグル「でも俺、二人きりの時間も大切だと思いますけど・・・たまには友達とか知り合いとかとワイワイやる時間も必要だと思うんすよ」

上条「あぁ、ゴーグルにとって今日はワイワイやる時間だったのか・・・」

吹寄「それを怒られちゃったのね・・・」



866 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:47:18.07 ID:H48qzo7b0
姫神「愛故の喧嘩。なんという映画みたいな話」

ゴーグル「・・・フレンダさん、今日デートだと思ってたんすよね」

垣根「女って身勝手だよな・・・流石に束縛しすぎだってな!」

ゴーグル「・・・でも、ちょっと悪いことしました」

吹寄「・・・そうだ!私達が仲直りさせてあげるとかどう!?」

ゴーグル「あ、いや・・・わざわざそこまで」

イン「それは面白そうなんだよ!」

青ピ「えぇなぁ!」

土御門「一肌脱ぎますたい!」

姫神「私も。協力してもいい」

垣根「よーし!やってやる!」

ゴーグル「ま、待ってくださいよ・・・」

上条「じゃあとりあえずケーキ食い終わってから仲直り作戦開始だな!」

一同「おー!」

ゴーグル(こ、これがクラスの団結力っすか・・・そりゃ内気な生徒は入り込めないっすよね!?)




867 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:47:59.61 ID:H48qzo7b0


心理「・・・フレンダさん、ゴーグル君はどんな調子?」

フレンダ「・・・何が?」

少し離れた席で、二人は向かい合いながら話していた

ニコニコと笑う心理定規を見ながら、フレンダは首を傾げていた

心理「だから、アイテムの中で・・・馴染めてるかしら?」

フレンダ「そんなの何度も見てきたでしょ?」

心理「あら、一番近くにいるのはあなたなんだからよく知ってるでしょ?」

フレンダ「・・・別にいつも一緒にいるわけじゃないもん」

心理「いつも一緒だなんて言ってないわよ?」

フレンダ「・・・」

フレンダが心理定規を睨みつける

別に彼女が嫌いなわけではないが、大人っぽく振る舞う相手は苦手なのだ

それに昔は曲がりなりにも敵同士だった間柄だ

気安く話せるわけがなかった

フレンダ「・・・で、なんで私を呼び出した訳よ」

心理「・・・さっきの場所にあなたとゴーグル君の二人がいたら、また喧嘩するでしょ?」



868 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:48:30.55 ID:H48qzo7b0
フレンダ「ふーん・・・てっきり私に反省しなさいって言うためかと思ってた」

心理「してくれるならそれが一番だけど・・・あなたは捻くれてるからそうはいかないでしょ?」

フレンダ「捻くれてるなんてアンタみたいな他人には言われたくない訳よ!」

心理「・・・他人、ね」

フレンダ「・・・ご、ごめん・・・別にアンタが嫌いなわけじゃないんだけどさ」

心理「ふふ・・・好きな人に素直になれなくてイライラする、その気持ちよく分かるわよ」

フレンダ「!?そんなんじゃないから!」

心理「今更否定しなくていいのよ」

フレンダ「だ、だって・・・デートだって言ったら嫌がるような男な訳よ」

心理「あら、あなた達今日はデートだったの?」

フレンダ「女の子と二人で出掛けるっていったらデートでしょ・・・」

心理「・・・それは押し付けすぎよ、ゴーグル君はそんなの好きだと思わないわ」

フレンダ「・・・でも、そこは分かって欲しかったの」

心理「分かるわよ、その気持ちも・・・好きな人に回りくどい愛情表現をして、自分に興味を持たせたいのよね」

フレンダ「・・・うん」

心理「・・・ゴーグル君はね、あなたに自然体でいてほしいのよ、きっと」



869 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:49:04.34 ID:H48qzo7b0
フレンダ「・・・自然体?」

心理「普段のあなたでいてほしいのよ」

フレンダ「・・・だって、普段の私じゃ振り向いてもらえないもん」

心理「あなた・・・」

フレンダ「ホントはさ・・・もっと素敵でもっと美人で・・・もっと優しかったら、ゴーグルにすぐ好かれると思うんだ」

フレンダ「それこそアンタみたいだったら・・・」

フレンダ「・・・私はそんな素敵な女じゃないから、だから頑張って振る舞って・・・振り向かせたかった訳よ」

心理「・・・」

フレンダ「でも、ゴーグルはそういうのがイヤだったのかな・・・」

心理「中々発展しないわよね・・・擦れ違いすぎよあなた達」

フレンダ「・・・うん」

心理「分かった、私が協力してあげるから」

フレンダ「協力?」

心理「あなたとゴーグル君が二人きりになれるようにするから・・・そうなったら謝りなさい」

フレンダ「あ、謝るって・・・」

心理「はい、そうと決まったらみんなの所に帰るわよ」



870 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:49:31.57 ID:H48qzo7b0
フレンダ「ね、ねぇ」

心理「なに?」

椅子から立ち上がった心理定規がクルリと振り返る

フレンダ「なんでそんなに・・・よくしてくれるわけ?」

心理「そうね・・・好きな人との距離に悩んでる人を見ると、手出ししたくなっちゃうのよ」

フレンダ「?」




垣根「だから、俺達が後をつけながら指示を出す!」

土御門「いやいや、それじゃめんどくさいぜぃ」

吹寄「いっそのこと、私達の一人がゴーグルさんを好きになった振りをしてヤキモチを・・・」

姫神「今やったら逆効果」

イン「ここはお腹一杯食べて仲直りなんだよ!」

上条「そんなことできるわけないだろ・・・」

垣根「やっぱり、尾行しながら指示を出す、が一番だよな」

ゴーグル「あ、あの・・・」

垣根「安心しろ!絶対に成功させるからな!」



871 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:50:21.78 ID:H48qzo7b0
ゴーグル「いや、誰も頼んでない・・・」

上条「あ、二人が帰ってきた!」

垣根「心理定規には俺がこっそり伝える」

吹寄「じゃあ任せたわよ」

土御門「泥船に乗ったつもりでいてくれ!」

青ピ「それ沈むやんかー!」

土御門・青ピ「わははは!!!」

上条「つまんない漫才はするな・・・」

ゴーグル「はぁ・・・」


ゴーグル「・・・大丈夫なんすかね・・・」




心理「・・・それで、尾行してるってわけね」

垣根「・・・あいつらと別々の方向に帰ると見せかけての尾行だ、完璧だろ」

イン「もっと食べたかったんだよ・・・」

上条「我慢してくれ・・・」

姫神「ふふふ。まさかフレンダは。私達が尾行してるとは思わないはず」



872 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:51:05.46 ID:H48qzo7b0
心理(まずいわね・・・フレンダとゴーグル君を二人きりにしないと)

心理(かといって、普通にそれを伝えてもみんなは納得しないわ・・・)

心理(尾行したほうが楽しいとか言い出しそうだから・・・)

心理(となると、ここで立ち止まらなければならない理由を作りましょうか)

心理(別に何分も足止めしなくてもいいのよ、二人が私達の視界から消えればいいんだから)

心理(とはいえ・・・少し恥ずかしいわね)

心理(・・・感謝してよね、二人とも・・・)


心理「痛い!」

垣根「!?どうした心理定規!?」

突然、心理定規がその場に屈み込んだ

心理「な、なんでもないわ・・・ちょっと足をくじいただけ・・・」

垣根「はぁ!?ちょっと見せてみろ!」

心理「だ、大丈夫・・・」

垣根「いいから無理するな!」

心理(・・・嘘だから、心が痛むわね)



873 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:51:44.55 ID:H48qzo7b0
吹寄「大丈夫?」

姫神「暗くなってきたから。足元がよく見えないせいかも」

土御門「たしかにな・・・」

心理「ごめんなさい・・・」

垣根「ちくしょう・・・暗くてよく分からない・・・」

青ピ「痛むんか?」

心理「えぇ・・・」

イン「・・・回復魔術を・・・」

土御門「それはダメだぜぃインデックス」コソッ

イン「で、でも!」

垣根「仕方ないな・・・さすがに心理定規をおいていくわけにはいかない」

土御門「じゃあ・・・」

姫神「・・・というか。今から私達だけ追い掛けようにも姿を見失った」

青ピ「!?ホンマや!」

上条「しまった!せっかくゴーグルを助けてやるチャンスだったのに・・・」

心理「そうよね・・・私のせいよね・・・」



874 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:52:18.83 ID:H48qzo7b0
上条「・・・え?」

吹寄「・・・上条、ちょっとこっちに来なさい」

上条「え?」

土御門「カミやん、タイミングってもんがあるんだぜぃ」

イン「来いよ、久しぶりにイラっと来ちまった」

上条「なんかインデックスはキャラが変わってないか!?」

垣根「上条・・・お前は俺を怒らせた!」

上条「そ、そういう意味じゃないんだ!」

心理「うぅうぅ・・・」

上条「明らかに嘘泣きじゃねぇか!」

青ピ「可愛い女の子を泣かせるなんて言語道断!」

土御門「制裁を加える!」

上条「ま、待って!」

イン「神に祈りは済ませたのかな!?」

上条「あぁもう!」


上条「不幸だぁぁぁ!」




875 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:52:44.39 ID:H48qzo7b0




ゴーグル(いなくなってますよいつの間にか!?)

フレンダ(いざ二人きりになったらどうすればいいか分からない訳よ!)

ゴーグル「・・・あ、あの」

フレンダ「き、気安く話し掛けないで」

ゴーグル「・・・」

フレンダ(って違う違う!なんでこんな冷たい態度・・・)

ゴーグル「さすがに今のは聞き捨てなりませんよ」

フレンダ「・・・え?」

ゴーグル「気安く話し掛けるな、なんて・・・まるで俺を下に見てるようっすね」

フレンダ「誰もそんなこと言ってない訳よ」

ゴーグル「遠回しにそう言っているようなもんっすよ」

フレンダ「だから言ってないって!」

ゴーグル「さっき怒らせてからずっとその調子っすね」

フレンダ「怒らせるほうが悪い訳よ・・・デートだなんて思わなかった、またデートか・・・なんて言われたら」

ゴーグル「デートの時のフレンダさんってなんか借りてきた猫みたいなんすよね」

フレンダ「猫被りって言いたいの?」



876 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:53:11.24 ID:H48qzo7b0
ゴーグル「誰もそうは言ってないでしょ」

フレンダ「・・・」

ゴーグル「・・・俺は、デートとか細かいことは考えてない時のフレンダさんのほうが接しやすいっす」

フレンダ「どうして」

ゴーグル「・・・自然体というか、親しみやすいというか・・・なんというか、落ち着くんですよ」

フレンダ「・・・」

ゴーグル「別にデートがイヤってわけじゃないっす、フレンダさんと二人で出掛けるのは好きですし」

暗くなった学園都市の空を見上げ、ゴーグル男が笑う

ゴーグル「ただ・・・デートって最初から決めてた時の空回ってるフレンダさんは、あんまり見たくないんですよ」

フレンダ「・・・痛々しいから、ね」

ゴーグル「いえ」

フレンダ「?」

ゴーグル「・・・そんなことしなくたって、あなたは魅力的っすから」

フレンダ「!だ、だって普段は全然自分のタイプじゃないとか言う訳よ!」

ゴーグル「タイプじゃないっすよ、それは本当です」

フレンダ「なら・・・」



877 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:53:37.74 ID:H48qzo7b0
ゴーグル「でも・・・フレンダさんならそんなのどうでもよくなるんすよ」

フレンダ「!」

ゴーグル「理想とか好みとか・・・そんなのは結局はただの幻想でしょ?でもフレンダさんは大切な現実っす」

フレンダ「な、なに詩人気取ってカッコつけてるの・・・」

ゴーグル「似合わなかったですかね」

フレンダ「・・・ありがと」

ゴーグル「・・・どうも」

フレンダ「・・・ねぇ、この時期も夜は冷える訳よ」

ゴーグル「・・・はい」

フレンダ「ちょっと手が冷たいかな・・・なんて」

ゴーグル「・・・素直に繋ぎたいって言えばいいのに」

フレンダの少し柔らかい手をゴーグル男が握る

フレンダ「・・・ありがと」

ゴーグル「どうも」

気まずいな、とは思いつつも彼は笑っていた

こういう気まずさなら悪くはない


878 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 15:56:41.15 ID:H48qzo7b0


垣根「・・・仕方ない、心理定規は俺が連れて帰る」

心理「・・・ごめんなさいね」

上条「ま、まぁ・・・仕方ないって」

青ピ「あーあ、あのお二人さん大丈夫かいな」

土御門「・・・ま、ケセラセラってヤツだにゃー」

イン「なるようになるんだよ!!」

吹寄「・・・最初から私は反対だったのよ」

上条「いやいや、賛成だっただろ」

姫神「・・・冷めちゃった」

青ピ「ほなボクも帰るわ・・・」

土御門「俺も帰るぜぃ、行こうかカミやん」

上条「え?あ、あぁ」

吹寄「姫神、帰りましょう」

姫神「うん」

イン「じゃあ私も帰るんだよ!!」

上条「じゃ・・・またな」

垣根「あぁ」


879 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 16:16:21.82 ID:H48qzo7b0



心理「・・・」

垣根「・・・」

垣根の背中に負われている心理定規は、何か罪悪感のようなものを抱えていた

心理「・・・ね、ねぇ」

垣根「痛くはないか」

心理「・・・だ、大丈夫よ」

垣根「ふーん・・・ならよかった」

心理「・・・あのね、垣根」

垣根「お前も馬鹿だよな・・・わざわざあいつら二人にするために演技するなんてさ」

心理「!!気づいてたの?」

垣根「当たり前だろ、大体お前は俺達の後歩いてきてたのに一人だけ足くじくのはおかしいだろ」

心理「・・・捻ったのかもしれないわよ?」

垣根「お前がそんな馬鹿な真似するかよ・・・それに、尾行の途中もやる気なさそうだったし」

垣根「どうせおおかた、フレンダと企てた作戦だったんだろ?俺達が尾行してたらあいつらいつまでも二人きりになれないし」

心理「・・・ごめんなさい」

垣根「・・・あのな、ああいう時は俺にも相談しろよ」

心理「・・・心配してくれたの?」

垣根「少しな」


880 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 20:30:30.35 ID:H48qzo7b0
心理「・・・ねぇ、重くない?」

垣根「大丈夫だ、背中に胸が当たってるってご褒美もあるからな」

心理「そう、よかったわ」

垣根「・・・にしても、俺が関わると絶対カップルが成立するな」

心理「・・・あなた、その調子で吹寄さんと姫神さんにもいい男の子紹介しなさいよ」

垣根「あぁ?なんで」

心理「相談屋さんでしょ?」

垣根「・・・しばらくお休みだ、ちょっと学校にも行きたくなったしさ」

心理「あら、今日楽しかったの?」

垣根「・・・別に」

心理「じゃあどうして?」

垣根「お前が多めに弁当を作って行って、一人で寂しがってる画を想像したら辛いからさ」

心理「べ、別に待ってないわよ」

垣根「待ってたんだろ?」

心理「違うってば」

トボトボ、と夜道を歩きながら二人は話す

少し伸びた影が、地面でユラユラと揺れていた


881 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 20:30:30.40 ID:H48qzo7b0
心理「・・・ねぇ、重くない?」

垣根「大丈夫だ、背中に胸が当たってるってご褒美もあるからな」

心理「そう、よかったわ」

垣根「・・・にしても、俺が関わると絶対カップルが成立するな」

心理「・・・あなた、その調子で吹寄さんと姫神さんにもいい男の子紹介しなさいよ」

垣根「あぁ?なんで」

心理「相談屋さんでしょ?」

垣根「・・・しばらくお休みだ、ちょっと学校にも行きたくなったしさ」

心理「あら、今日楽しかったの?」

垣根「・・・別に」

心理「じゃあどうして?」

垣根「お前が多めに弁当を作って行って、一人で寂しがってる画を想像したら辛いからさ」

心理「べ、別に待ってないわよ」

垣根「待ってたんだろ?」

心理「違うってば」

トボトボ、と夜道を歩きながら二人は話す

少し伸びた影が、地面でユラユラと揺れていた


882 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 20:36:16.39 ID:H48qzo7b0


削板「いやぁ!!今日もいい天気だ!!」

削板軍覇

彼は熱い男だ

毎朝マラソンと称した60kmダッシュを行い、そのあとジムに行ってトレーニングをし、そのあと風紀委員の支部に手伝いをしに行く

休養なんて取らない、彼にはそんなものが必要ないのだ

人体について詳しい学者が聞いたら頭を抱えて唸るだろう

しかし、彼にはそんな理論は関係ない

説明できないのが彼なのだ

削板「にしても、今日は人通りが多いな・・・たくさんの人と擦れ違ってる気がするな!!」

今日は休日なのだ、しかし彼には関係ない

休みなんて必要ない、それが彼だ

もう一度言おう、彼は熱い男だ

どんな人でも助けるし、悪を許すことは出来ない

困っている人がいたら見過ごせず、泣いている人がいたら隣で慰めてあげる

そんな、最近では珍しい愛と根性の男なのだ

削板「うーん、今日はなんで・・・」



「きゃー!!!!」

削板「!?」



883 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 20:40:57.98 ID:H48qzo7b0
悲鳴がどこからか聞こえた、彼はその方向へ走る

信じられないスピードで、しかし誰にもぶつからず彼は駆けた

削板「!!」

小学生の子供達が横断歩道を渡っている、そこに大型のトラックが突っ込もうとしていた

運転手はいない、完全に自動制御のトラックのようだ

「危ない!!!」

先生なのだろうか、それとも通りすがりの研究者か、大人の女性が必死に叫んでいる

小学生の子供達は唖然としていた、おそらく状況が飲み込めていないのだろう

削板(くっ!!)

足の裏に力をいれ、彼は駆けた

アスファルトの表面に無数の亀裂が走る

惨劇を目の当たりにしようとしていた通行人が、アスファルトの砕ける音に驚いている

削板(間に合え!!!!!!)

両手を伸ばし、小学生達の下へ飛び込む

トラックはクラクションを鳴らすことも無い、自動制御なのだから当然でもある

ぎゅっ、と小学生達を抱きかかえ、彼がトラックに背を向ける

胸の中の小学生達を庇うようにして

そして


大きな衝突音と、黒煙が上がった



884 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 20:48:59.02 ID:H48qzo7b0


黒子「はぁ・・・初春、そっちはどうですの?」

初春「あ、あの・・・白井さん、心配じゃないんですか?」

黒子「・・・今は、現場のことを考えなければなりませんわ」

白井黒子

彼女は風紀委員の一員だ

先ほど、近くの大通りで大型のトラックが横断歩道を渡っていた通行人に突っ込んだという通報があった

そんな事故はとても珍しいのだが、それでも彼女達は駆けつけた

そして、そこで目の当たりにしてしまった

小学生達を庇って倒れていた削板を

泣き叫ぶ小学生達と、あまりの事態に恐ろしいものを見たような表情の通行人

黒子は、その有様を見て口をつぐむことしか出来なかった



黒子「・・・軍覇さんは、大丈夫でしょうか」

初春「やっぱり不安なんじゃないですか」

黒子「・・・」

初春「・・・はぁ、私が仕事しておきますから、病院に行ってもいいですよ」

黒子「で、ですが・・・」


885 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 20:56:04.03 ID:H48qzo7b0
初春「そんな状態で仕事をしても意味ないです、はっきり言って邪魔なだけですよ」

黒子「そ、それは・・・」

初春「さっさと行ってあげて下さい・・・もしも今手術中だったりしたら、一番傍にいないといけないのは白井さんですよ」

黒子「・・・分かりましたの」

初春「その代わり、今度美味しいものを奢ってください!!」

黒子「考えておきますの!」シュン



空間移動で、すぐさま削板が運ばれた病院に移動する

ドキドキ、と胸が不気味に跳ねる

もしも、もしも削板が意識不明になっていたら

黒子(・・・どういたしましょう)

中に入り、ナースに事情を話す

案内されたのは、手術室でも病室でもなく、なぜか待合室だった

黒子(・・・なるほど、ここで一旦待っていてくれと・・・)



削板「あー、痛かった!!!」アハハ!!!

黒子「」

そしてなぜか、そこに彼がいた

思い切り笑って


886 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/08(水) 21:00:22.67 ID:H48qzo7b0
今日はここまで

黒子の看病編ってことです

筋肉動画はロニーのダンベルプレス

片方91kg、しかも減量期で

http://www.youtube.com/watch?v=VKS6AYWy-1c  

ライウェイッベイベー!!!

では

887 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/08(水) 21:33:50.42 ID:76g8E04ko
乙!

さすがソギータ説明不可能だ!
888 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/08(水) 23:15:51.55 ID:9dcSf7R4o
乙ですの
889 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/02/09(木) 07:22:09.87 ID:PPRoMQhA0
ソギーだし仕方ないなw
890 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/09(木) 17:25:34.07 ID:feZb3QgC0
黒子「ぐ、軍覇さん!?」

削板「ん?おぉ、黒子じゃないか!」

黒子「な、なんでこんな所にいるんですの!?」

削板「なんでって、車に轢かれたからさ・・・」

黒子「車というか大型トラックですの!」

削板「だから病院にいてもおかしくは・・・」

黒子「そうではなくて、病室にいないとダメですの!」

削板「?なんで?」

黒子「大怪我だったのでは・・・」

冥土「あぁ、見つけたよ」

削板「ん?おぉ、先生!」

冥土「全く、いきなり帰るなんて言い出すとはどういうつもりだい?」

黒子「せ、先生の許可は頂いていなかったんですの!?」

削板「いや、だってもうどこも痛くないし」

黒子「そういう問題ではありませんの!」

削板「な、なんで?」



891 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/09(木) 17:26:00.17 ID:feZb3QgC0
黒子「先生、軍覇さんはどんな容態ですの!?」

冥土「この子は信じられない再生力を持っているね・・・噂には聞いていたが、本当に不思議な超能力者だよ」

言いながら、冥土返しが黒子と削板を手招きする

冥土「詳しい説明は診察室だ、君はしっかり説明しないとすぐに逃げそうだからね」




アルコールや薬品の独特な臭いに、削板は少し顔をしかめた

削板「・・・やっぱり病院は好きになれないな」

冥土「安心したまえ、僕も好きではないよ」

削板「なんだ、先生が好きじゃないなら俺が好きじゃなくても問題ないな!」

黒子「そんな話はどうでもいいんですの、軍覇さんの容態を教えて頂きたいのですが」

冥土「これがレントゲン写真だ」

冥土返しが黒子にレントゲン写真を渡す

詳しい医学の知識がない黒子だが、そのおかしさがすぐに分かった

黒子「あ、あちこちの骨にヒビが入っていますの・・・」

冥土「運ばれてきた時は完全に折れていたんだよ、たった2時間でここまで回復したんだ」

削板「根性の成せる業だな!」



892 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/09(木) 17:26:30.70 ID:feZb3QgC0
黒子「・・・内臓などに影響はありませんでしたの?」

冥土「診たかぎりでは大丈夫そうだね」

削板「なら、俺はこれで・・・」

冥土「待つんだね・・・あまり急がないでくれ」

黒子「な、なにか問題がありましたの?」

冥土「君、毎日体に多大な負担を掛けていないかね?」

削板「いや、俺は・・・」

黒子「毎日マラソン、筋トレ、さらには風紀委員の手伝いなどを・・・」

冥土「・・・やはりね、かなり疲れが溜まっているはずだ・・・」

血中の糖度だがね、といきなり話を変えられる

冥土「かなり数値が低い・・・食事だけで賄えていないということだ」

削板「馬鹿な!俺は毎日しっかり三食以上食べてる!」

冥土「つまり、それでは足りないほどにハードな生活をしているということだね」

黒子「あの・・・血液検査も行いましたの?」

冥土「一応ね、凄まじい回復力を解明したいと思ってしまってね」

黒子「まるで科学者ですの・・・」



893 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/09(木) 17:27:13.90 ID:feZb3QgC0
冥土「物理法則の代わりに体を研究しているだけだね」

黒子「それで、それが何か問題なのでしょうか?」

冥土「彼の体がそんな無茶苦茶に堪えられる理由はなんだと思うかね?」

削板「根性だ!」

黒子「恐らく、彼の能力・・・でしょうか」

冥土「そうだね、全く思い込みの力なのか何かは知らないが・・・」

はぁ、と冥土返しがため息をつく

冥土「しかし、いつその力の源が無くなるかは分からないのだよ」

黒子「は、はぁ・・・」

冥土「そもそもその力の源はなんなんだね?説明出来ない、つまり・・・命を削っている可能性もある」

黒子「!」

冥土「もちろんそれは最悪の場合だが・・・正体が分からない以上、むやみに使うべきではない」

削板「俺は子供達を守るために力を使った、それを悔やんだりはしない!」

冥土「だから、日常生活では出来るかぎりその力を使わないようにしたまえ」

黒子「・・・あの、つまり何が言いたいんですの?」

冥土「とにかく、体に大きな負担が掛かっているのは事実なんだ・・・たまにはゆっくりしたまえ」



894 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/09(木) 17:27:53.71 ID:feZb3QgC0
削板「でも・・・」

冥土「ちょうどいい機会だ、二、三日入院したらどうだね?」

削板「そ、そんな大袈裟な・・・」

黒子「是非ともお願いしますの!」

削板「く、黒子!?」

黒子「この人ったらいつも無理はするのに・・・それに見合った休みは取りませんの」

ジロリ、と黒子が削板を睨みつける

冥土「・・・ほら、彼女もこう言っているんだ、休みというよりは体を回復させるためだ」

削板「・・・分かった、その代わり出来るかぎり美味しい病院食を!」

黒子「体にいい病院食をお願いしますの」

冥土「任せてくれ」

削板「」

こうして、削板軍覇の入院生活は始まる




削板「・・・ヒマだなぁ」

事故から5時間

すでに、骨は完全回復していた



895 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/09(木) 17:28:24.93 ID:feZb3QgC0
普通の人間なら二ヶ月近く掛かる傷なのだが、彼には関係ない

削板「もう夕方か・・・」

黒子「・・・軍覇さん、先生の言う事を聞いてしっかり休みましょう」

削板「あんまりこういう立ち止まる時間ってのは好きじゃないんだよな・・・」

黒子「全く・・・」

削板「・・・体をじっとさせるのって苦手なんだよ、昔から体動かしてばっかだったからさ」

黒子「それが体に負担を掛けているんですの」

削板「分かってるんだけど・・・」

黒子「・・・リンゴ、買って来ますの」

削板「リンゴ?」

黒子「果糖を摂るためですの」

一礼してから、黒子が空間移動する

とりあえず削板が無事で安心したようだ

削板「・・・加藤って誰だ?」

難しい言葉が分からない削板は、うーんと唸った

その時、トントンと部屋のドアがノックされる



896 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/09(木) 17:29:19.43 ID:feZb3QgC0
削板「はーい」

テクパトル「よぉ、事故ったんだって?」

19090「大丈夫ですか?」

削板「おぉ!二人だったか!」

テクパトル「なんだ、かなり元気そうじゃないか」

削板「全くだよ、入院なんて大袈裟なくらいだ!」

19090「あの、車に轢かれたんですか?」

削板「大型トラックに」

テクパトル「・・・よく生きてたな」

削板「それより、二人はなんでこんな所に?」

テクパトル「妹達の調整に来ててさ・・・みんなが終わるまで時間があるんだ」

19090「ヒマだったところに、ちょうど削板さんの入院話を聞いて」

削板「テクパトルも大変だな・・・仕事は?」

テクパトル「今日は午前だけだったから問題ないさ」

削板「なんだ、サボったのかと心配したぞ!」

テクパトル「お前はまず自分の心配をしろよ・・・」



897 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/09(木) 17:30:13.99 ID:feZb3QgC0
テクパトルが呆れたようにため息をつく

削板の体には傷はほとんど残っていない

正直、退院してもいいように見える

テクパトル「なんで入院してるんだ?かなり元気そうなのに」

削板「たまには休みを取れって先生が」

19090「ふふ・・・先生らしい気遣いですね」

テクパトル「全くだな・・・ま、いい機会なんじゃないのか?」

削板「一度休むと習慣がそこで止まるんだよなぁ・・・」

テクパトル「そういえば白井は?」

削板「今はリンゴ買いに行ってる」

テクパトル「あぁ、果糖はこういう時役に立つからな」

削板「へぇ、そんなに加藤さんはすごいのか」

テクパトル「いや、さん付けする必要はないぞ」

削板「?でもまだ知らないし」



898 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/09(木) 17:31:11.40 ID:feZb3QgC0
テクパトル「果糖を知らない?お前、今まで果物食べたことあるだろ」

削板「あぁ、でも加藤さんと果物は関係ないよな?」

テクパトル「・・・な、何を言ってるんだお前は・・・」

削板「はっ!そういえば今日は胸のトレーニングの日だった!ちくしょう!」

テクパトル「最近調子がいいんだったな」

削板「楽しみにしてたのに・・・」

19090「体調が良くなったらまたやればいいんですよ?」

削板「体調は完璧なんだ!」

テクパトル「・・・そうだな、まるで怪我人には見えないよ」

19090「・・・でも、休んで下さいね?」

削板「分かってる・・・」

テクパトル「じゃあ、俺達はこれで」

削板「ん、もう帰るのか」

テクパトル「白井が見舞いに来てるんだろ?だったら長居は無用だろ」

削板「?」

19090「お大事に、今度は何か持って来ますね」


899 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/09(木) 17:31:56.84 ID:feZb3QgC0
削板「美味しいものを頼む!」

テクパトル「あぁ、じゃあな」

手を振りながら、二人が病室から出ていく

そのすぐ後に黒子が帰ってきた

削板「お、タイミングがすごいな」

黒子「?」

削板「今テクパトルと19090号・・・かな、二人が来てたんだ」

黒子「あら、そうなんですの?」

削板「しっかり休めって言われた」

黒子「当たり前ですの!」

怒ったような顔をしながら、黒子が買ってきたリンゴの皮を剥き始める

削板「・・・怒ってるのか?」

黒子「はぁ・・・軍覇さんが地面に倒れているのを見た時、どれほど心配したと思いますの?」

削板「ご、ごめん・・・」

黒子「ですから、今回こそはしっかり休んで頂きます」



900 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/09(木) 17:32:35.32 ID:feZb3QgC0
削板「うわ・・・なんか黒子に良いようにやられてる気がするよ」

黒子「・・・はい、剥けましたの」

削板「お、美味そうだな!」

黒子「しっかり栄養も摂って、しっかり体を回復させて下さいな」

削板「とは言っても、かなり元気なんだよなぁ・・・」

ほんのり甘いリンゴを口に含みながら削板が苦笑する

黒子「・・・まぁ、軍覇さんのいい所はいつでも元気なことですわね」

削板「だろ!?」

黒子「・・・ですが、たまにはゆっくりしたいですの」

削板「やっぱり、黒子は女の子なんだなぁ」

黒子「あ、当たり前ですの」

削板「俺とゆっくりしたい・・・か」

黒子「・・・好きな人とゆっくり過ごしたいのは、誰でもですのよ?」

削板「誰でもか・・・」

黒子「・・・軍覇さん、あまり無理をなさると私も心配になりますの」

削板「あぁ、分かってる」



901 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/09(木) 17:33:23.81 ID:feZb3QgC0
黒子「・・・あぁ!いけませんわね、こんな暗い雰囲気にしていては!」

パンパン、と黒子が自分の頬を叩く

黒子「・・・ところで、軍覇さんは料理だったら何が好きなんですの?」

削板「ん?いきなりだな」

黒子「やはり栄養管理は私みたいなしっかりした人間がしなければなりませんの!」

削板「おぉ!黒子がやってくれるなら安心だな!」

黒子「ですが、やはりある程度好きな料理でなければ食べる気にもなれないでしょう?」

削板「いやいや、黒子が作ってくれたならなんでも美味しく食べるぞ!」

黒子「そ、それは嬉しいですの」

削板「あ、赤くなってる!」

黒子「なっていませんの!」

削板「リンゴみたいに真っ赤だな!」

黒子「ま、真っ赤なんかじゃないですの!」

削板「あはは!」

黒子「わ、笑わないで下さいな!」




902 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/09(木) 17:33:50.73 ID:feZb3QgC0


冥土「・・・全く、不思議な少年だね」

削板のレントゲン写真を見つめながら、冥土返しは一人ポツリと呟いていた

削板の凄まじい回復力は彼にも理解出来ない

冥土「・・・」

アレイスターのメインプランは、一方通行と上条当麻だった

あの魔術師の目的を遂行させるのに最も向いているのはあの二人だったからだ

しかし、冥土返しからすれば一番興味深いのは削板だった

冥土「彼の回復力を医学に活かせたら・・・」

そこまで言ってから、小さくため息をつく

自分の患者を研究対象として見てしまうのは間違っている

冥土「・・・」

しばらくぼーっとしていた冥土返しが、机の中から何かを取り出す

それは病院食のメニューだ

患者の好みもあるため、何パターンかの料理が準備されている

全てのメニューが、しっかり栄養バランスを考えて作られている

冥土「・・・しかし、あの子は何が好みなのかね」



903 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/09(木) 17:34:30.84 ID:feZb3QgC0
というか、嫌いな食べ物は無さそうに見える

冥土「・・・聞くのを忘れていたね、今から聞きに行くかな」

少々めんどくさいが、これも仕事なのだ

ゆっくりと立ち上がった冥土返しは、再び削板の病室へと向かう




削板「はぁ・・・ヒマだなぁ!」

黒子「仕方ないことですの」

削板「なぁ、なんか楽しいことってないかな?」

黒子「た、楽しいこと・・・」

削板「?なんで急に赤くなったんですの?」

黒子「口調を真似ないで下さいな!」

削板「?」

黒子「・・・密室で恋人が二人となると、やはり少しは期待してしまいますの」

削板「なぁ、やっぱり黒子はそういうことがしたいのか?」

黒子「あ、いえ・・・別にそれが目的ではないですの」

削板「・・・そうなのか?」



904 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/09(木) 17:35:23.25 ID:feZb3QgC0
黒子「・・・軍覇さんとなら、何でも出来ますの」

削板「ははは!それは嬉しいな!」

黒子「わ、私は真面目に言っていますの!」

削板「いや、でも黒子はまだ中学生だからな・・・もう少ししてからでいいか?」

黒子「も、もちろんですの!」

削板「よーし、予約完了!」

黒子「よ、予約だったんですの?」

削板「当たり前じゃないか!」

黒子「・・・そういえば、お食事わ何時なんでしょうか」

削板「ん?食堂に食べに行くんじゃないのか」

黒子「わざわざ病院食で管理する意味が無くなりますわね」

削板「あぁ!立食みたいな感じなのか!?」

黒子「な、なんでそんな結論に至ったんですの?」

削板「違うのか」

黒子「時間になったら持ってきてくれますの」

削板「な、なんて便利なシステムなんだ!」




冥土「ちょっと失礼するよ」

黒子「あら、先生」

削板「なんかあったのか?」

905 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/09(木) 21:03:42.39 ID:feZb3QgC0
冥土「少しね・・・君、料理で好き嫌いがあるかね?」

削板「?そんなにないけど」

黒子「それがなにか・・・?」

冥土「いや、病院食にもいくらか種類があってね」

削板「おぉ、選べるのか!!」

冥土「やはりある程度の好みというものがあるだろう?」

削板「肉が好きだ!!」

冥土「君、病院食の目的を知っているかね?」

削板「栄養のためだ!!」

黒子「バランスのよい、が抜けてますの」

冥土「とにかく、すぐに運んでくるから待っていてくるかね・・・あと、君はそろそろ帰ってもらえると助かるね」

黒子「はいですの」

削板「じゃあ、またな!!」

黒子「えぇ、しっかり休んでくださいな」

削板「おう!!」

冥土「じゃあ僕も帰るよ」

削板「サンキュー、先生!」


906 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/09(木) 21:16:00.15 ID:feZb3QgC0
今日はここまで

筋肉動画はジェイの2009年

http://www.youtube.com/watch?v=Oahuv44sRyY  


やっぱり、ドリアンと同じで幅はありますが細かいセパレーションがないですね・・・

正直、ロニーのあとだったのでさらに印象が薄かったです

でかいだけ、よりも昔みたいなビルダーのほうがいいですよ

では


907 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/02/09(木) 23:05:20.09 ID:/Ngbgv550
O2〜
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/09(木) 23:09:01.55 ID:vlEeDgtdo
乙ですの
909 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/10(金) 17:47:40.66 ID:it2jHkiU0
削板「・・・これが病院食か・・・」

目の前にある料理を見て、削板は愕然としていた

彼が知っている「食」という文化は心と栄養、両方を満たしてくれるもののはずだ

しかし、目の前にあるのはどちらかと言えば「餌」に近かった

もちろん、普通の学生からしたら量、質共に申し分ないだろう

ところが削板は、毎日たくさんの食事を摂るのだ

そんな彼からしたら、少なくしかも味気なさそう、という印象なのだ

削板「いや!せっかく作ってもらったものを残すなんて根性がない!」

パン!と勢いよく手を合わせる

削板「いただきます!」


削板「・・・呆気なかったな」

5分もしないうちに、全ての皿は空っぽになってしまった

削板「・・・!そういえば・・・」

冥土返しが言うには、困ったことがあったらナースコールなるものをすればいいらしい

削板「今がまさに、困った時だ!」

近くにあったナースコールボタンを押し、削板が満足げに頷く



910 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/10(金) 17:48:38.83 ID:it2jHkiU0
ほんの少ししてから、一人のナースがやってきた

「どうかされましたか?」

削板「あまりに食事が少ないです!」

「・・・もしかして、それだけですか?」

削板「はい!」

満面の笑みで答える削板

それを見て引き攣った笑みを浮かべるナース

あまりに対称的だった

「削板さん、病院食とは栄養のバランスを考えて作られています」

削板「だが、食というのは心も満たさなきゃならない!」

「病院はあくまで患者さんの体を治すのが目的ですから・・・」

削板「ノンノン!心が癒されなければ、体の治癒も遅れるんだ!」

「はぁ・・・分かりました、少し先生と相談して来ますから」

削板「頼みます!」

ナースが病室から出ていって数分

今度は冥土返し本人が病室にやって来た


911 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/10(金) 17:49:26.16 ID:it2jHkiU0
削板「おぉ、先生!」

冥土「全く・・・君は何度言ったらわかるのかね」

削板「しかし先生、こんな少ない食事じゃ栄養が足りないと思います!」

冥土「たしかに君はかなりパワーを使っているだろうが・・・だからと言って、君だけを特別扱いするわけにはいかないんだね」

削板「先生!俺は健全な精神は健全な肉体に宿る、をモットーにしています!」

冥土「だが理論上は、この食事で十分なはずだね」

削板「ノンノン!そこは敢えてNOと言わせてもらおう!」

削板が人差し指を横に振りながら笑う

削板「理論上、とか普通なら、なんてのはそこらの根性のないヤツらにしか通用しない考え方だな!」

冥土「しかし、君にもこれで足りるはずだが」

削板「足りない!俺のお腹はまだ足りないと叫んでいる!」

冥土「・・・断るよ、患者が必要とするものは揃えたい質だが・・・今回は別だ」

削板「そ、そんな・・・!」

冥土「食事の量が少ないと感じるのは、普段があまりに暴食だからだね」

削板「失礼な、俺は食事に感謝しながら食べている!」

冥土「まぁまぁ、これを作っている人も頑張っているんだ、その人に感謝しないのは根性がないんじゃないかね」



912 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/10(金) 17:50:04.63 ID:it2jHkiU0
削板「む・・・そう言われるとそうだな」

冥土「とにかく、普段からの食生活を見直す第一歩だと思ってくれ」

削板「ちなみに、その食事を作っている人ってのは?」

冥土「妹達の一人だよ、昔世話を見ていたから今もちょくちょく手伝ってくれるんだ」

削板「なぁ、その妹達シェフを連れてきてくれ!」

冥土「・・・仕方ないね」

はぁ、とため息をついてから冥土返しが部屋を出る

さらに少ししてから、今度は妹達の一人がやって来た



御坂妹「ご指名されたと聞きましたが・・・」

削板「よく来てくれた!」

御坂妹「あの、料理に何かご不満が?」

削板「味付けが少し薄いような気もするが・・・一番ダメなのは、食材に対する愛が感じられない!」

御坂妹「愛、ですか?」

削板「どうしてこんなに味気なさそうな見た目にしちゃったんだ!?」

御坂妹「いえ、先生が渡してくださったレシピ通りに作っただけです、とミサカは・・・」

削板「この豚肉の生姜焼き、これは本来もっとコッテリしているはずなんだ!」



913 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/10(金) 17:50:48.54 ID:it2jHkiU0
御坂妹「は、はぁ・・・」

削板「ダメだ・・・これじゃ豚さんがかわいそうだ!」

御坂妹「豚さんが・・・かわいそう?」

削板「この豚さんは何のために生まれてきたのか・・・きっと、俺達に食べられるためだけに生まれたに違いない」

御坂妹「まぁ、牧場で育てられたなら・・・」

削板「だが!この豚さんはきっと、立派に美味しい料理になれると信じて生きてきたはずなんだ!」

御坂妹「!」

削板「こんな味気なさそうな料理になるなんて・・・豚さんがかわいそうだ!」

削板「思い直してみろ・・・この豚さんが歩んできた道を、ブーと鳴いては飼い主の元に駆け寄った日々を!」

御坂妹「・・・豚さん・・・」

削板「・・・だから、明日からはもっと美味しい料理を作ってくれ!この豚さんへのせめてもの償いだ!」

御坂妹「ミ、ミサカは・・・」




テクパトル「はいはいそこまで」

二人の会話を遮ったのは、パンパンと手を叩く音だった

削板「あれ?また来たのか、面会時間は過ぎてるけど」



914 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/10(金) 17:51:52.82 ID:it2jHkiU0
テクパトル「うちの家族を迎えに来たんだよ・・・10032号、なに泣きそうになってるんだ」

御坂妹「だって・・・豚さんが・・・」

テクパトル「・・・はぁ、その豚はどんな食べ物になろうが死ぬ結果だったんだ、今更不満もクソッタレもないだろ」

御坂妹「」

削板(くっ・・・もう少しで明日の料理が美味しくなるところだったのに!)

テクパトル「大体、食われるために生まれて・・・」

御坂妹「テっくん・・・そんな現実的な話はやめて下さい!」

テクパトル「とにかく帰るぞ」

御坂妹「ま、まだ料理の話は・・・!」

テクパトル「削板、明日も多分病院食は質素だぞ」

削板「ば、馬鹿な・・・!」

テクパトル「じゃあな、入院中くらいは質素な食事を楽しんでみな」

肩を竦めて、テクパトルが病室から出ていく



削板「・・・なんてことだ・・・俺はこれだけの栄養で一日をやり過ごさなきゃならないのか!」

削板「・・・そうだ、こんなことしてる場合じゃない・・・マラソンマラソン・・・」

削板「って今は入院中だったな、走っちゃいけないか」



915 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/10(金) 17:52:47.36 ID:it2jHkiU0
削板「・・・あれ、でもマラソンしなかったら何すればいいんだ?」

削板「って、今は入院中だったな・・・何もしないで大人しくしないといけないんだ」

削板「でも何もしないってどうすれば出来るんだ?」

削板「今は息をしてるし・・・それに色々考え事もしてる」

削板「ってことは何もしないことにはならない」

削板「いや、運動をしなけなればいいんだよな」

削板「よし、大人しく横になるか」

削板「・・・」

削板「・・・やることないな」

削板「・・・マラソンが出来ないと、こんなにヒマなんだな・・・」

削板「・・・それだけマラソンするのが当たり前だったんだな」

削板「・・・はぁ、入院って退屈なんだな・・・」

削板「・・・」


削板「よし!とりあえず根性で寝てみよう!」




916 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/10(金) 17:53:27.55 ID:it2jHkiU0



病院の窓から眩しい朝日が差し込む

それに少し目を細めながら、削板は体を起こした

削板「おぉ!根性で眠れるなんて知らなかったな!」

アハハ!と笑いながら、肩を回す

入院生活も早二日目だ

現在時刻は7時、普段なら朝のマラソンを行っているはずの時間帯だ

だがもちろん入院中なのでそれは出来ない

削板「さて・・・何をするかな」

削板「そういえば朝ごはんは何時なんだろう」

削板「パンフレット・・・あった」

削板「8時・・・!?遅い、遅すぎる!」

削板「今持ってきて貰おうかな・・・」

削板「いやいや、さすがにそんなわがままは良くないか!」

削板「・・・ヒマだなぁ」

削板「・・・誰か来てくれないかな」



917 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/10(金) 17:56:36.74 ID:it2jHkiU0

黒子「軍覇さん、いらっしゃいますか?」

突然、病室のドアがノックされる

聞こえてきたのは黒子の声だった

削板「あれ?黒子だよな」

黒子「はい、失礼いたしますの」

削板「?学校は?」

黒子「いえ、今日はそれよりも大切な仕事がありますの」

何かの書類を取り出して、黒子が削板のベッドの縁に腰掛ける

黒子「昨日の事故の詳細を、私に話してほしいんですの」

削板「あぁ、もしかして風紀委員の仕事か?」

黒子「はい、そうですの」

削板「でもそんなの、わざわざお前がしなくてもいいんじゃないのか?」

黒子「ま、まぁいいではないですか」

削板「?」

黒子(軍覇さんに会いたかったなんて言えませんの・・・)


918 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/10(金) 19:57:32.52 ID:it2jHkiU0
削板「じゃあ、ちゃっちゃと済ませるか!!」

黒子「そうですわね・・・」

黒子がいくつかの質問を挙げる

とはいっても、既にほとんど状況は把握しているため確認作業に近かった

削板「そうそう、いきなり暴走してたみたいだぞ?」

黒子「おかしいですわね・・・そんな簡単に故障するはずはないですの」

削板「近くで電撃使いが能力を使った、とか?」

黒子「もしくは、回路の異常・・・どちらにしろ、中々大きな問題ですわね」

削板「でもけが人は出なかったんだろ?万々歳じゃないか」

黒子「ところが、そのトラックを製造した会社がそんな事故は発生しない、なんて言いがかりをつけてきてますの」

削板「ふーん・・・たしかに、いきなり暴走するトラックなんて評判が下がるもんな」

黒子「でっちあげだ、なんて言われるとこちらも意地になってしまいますの」

削板「そんなことまで言ってるのか・・・根性がないな」

黒子「・・・ですから、出来る限り証言を集めていますの」

削板「大変だな・・・学校の授業も遅れるんじゃないか?」

黒子「それはまぁ・・・補習がありますので」

削板「・・・大変だなぁ」シミジミ


919 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 01:07:53.04 ID:vuWUrOwxo
乙なんだよ!
920 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/11(土) 10:54:58.18 ID:xiow5vup0
黒子「大変ですが、仕方ないことですの」

書類を書き終えた黒子が顔を上げる

削板「偉いぞ、黒子!」

黒子「当たり前のことですから・・・」

削板「ん?どこか行くのか?」

黒子「これから支部に帰って他の書類を書かなければなりませんの」

削板「なぁ、あんまり無理するなよ?」

黒子「それは私の台詞ですの」

削板「俺はゆっくり休むって」

黒子「約束ですわよ?」

削板「おう!」

黒子「では・・・また夕方には来ますの」

削板「またな」

ヒュン、と黒子の姿が宙に消える

病室に静けさが戻った

削板「・・・寂しいもんだ」



921 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/11(土) 10:55:48.48 ID:xiow5vup0
削板「・・・このまま消えちゃいそうだな」

削板「・・・根性で明るく振る舞ってみるか!」

削板「・・・で、どうしたら明るくなれるんだ?」

削板「普段から明るいからそんなこと急には出来ないな」

削板「ははは!なんかそう考えたら俺って明るいヤツだったんだなぁ!」

削板「・・・誰か来ないかな」


病院の生活というのはこんなにも淡泊な物なのか

削板は今のつまらない時間を書き記したくなった

なんなら本を書いてもいい

ベストセラーになれるだろう、「退屈な根性」

削板「・・・ヒマだな」

削板「うーん・・・ちょっと体動かすくらいなら・・・」




垣根「バーン!ここで登場、みんなに人気のていとくん!」キリッ

心理「病院では静かにしなさい」

削板「うわっ!いきなりドアを開けるなんて非常識だぞ!」



922 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/11(土) 10:57:00.88 ID:xiow5vup0
垣根「俺に常識は通用しねぇ!」

いきなり、二人が病室の中に入ってきた

垣根「よぉ!事故ったって聞いたぜ!」

削板「というか轢かれたんだよ!」

垣根「あぁ?なんでだよ」

削板「子供を庇ったんだ」

垣根「・・・なん・・・だって?」

心理「へぇ、あなたらしい理由ね・・・」

削板「いやぁ、当たり前のことだからな」

心理「ふーん・・・あ、これお見舞いの品」

削板「おぉ、桃だ!」

心理「あなた、病院食じゃ満足出来ないでしょ」

削板「よく分かったな!かなり不満だ!」

垣根「どういうことだよ心理定規!お前は俺のことしか考えられないんじゃなかったのか!?」

心理「いつからそんな設定になったのよ・・・でね、甘い物が食べたいんじゃないかって」

削板「な、なんでそこまで分かるんだ?」



923 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/11(土) 10:58:06.71 ID:xiow5vup0
心理「私、人の考えてることは結構分かるのよ」

垣根「ちくしょう・・・俺は毎日心理定規のことしか考えてないのに!」

心理「もうそれはいいから・・・なんなら今食べる?」

削板「食べたい食べたい!」

心理「ちょっと待ってなさい」

心理定規がポケットから果物ナイフを取り出す

削板「・・・な、なんでポケットにそんな物が入ってるんだ?」

心理「あら、お見舞いに持って来るのは当たり前でしょ?」

削板(心理定規もちょっとおかしいよな)

垣根「待て待て!お前、まさか削板のために剥くつもりか!?桃を!?」

心理「なんで倒置法を使ったのか気になるけど・・・えぇ、そうよ?」

垣根「なんでだよ!?そんな素敵な家庭的心理定規は俺のためだけの・・・」

心理「削板君、大きさはどれくらいがいい?」

削板「そうだな、一口で食べられるならどれくらいでもいいぞ!」

心理「分かったわ、少し待ってて」

かなり手慣れた様子で心理定規が桃の皮を剥いていく



924 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/11(土) 10:59:08.51 ID:xiow5vup0
削板「へぇ・・・心理定規ってそういうの得意なんだな」

心理「あら、黒子はこういうことしてくれないの?」

削板「うーん・・・果物の皮を剥くってシチュエーションが中々ないからな」

心理「残念ね・・・果物を剥ける女の子ってかなり好感度上がるのよ?」

削板「あぁ、今まさにそれだな!」

心理「あら、私に惚れそうなのかしら」

削板「いや、それは・・・」

垣根「あぁぁぁぁ!俺の心理定規が削板に取られちゃうよぉ!」

心理「はいはい、旦那様は静かにしてて」

垣根「だ、旦那様・・・//」

心理「あなたが顔赤らめても気色悪いだけよ」

垣根「」

心理「はい、剥けたわよ」

削板「ありがとな!」

心理「食べさせてあげましょうか?」

削板「いや、一人で食べられるぞ!」



925 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/11(土) 10:59:57.80 ID:xiow5vup0
心理(ダメね・・・からかい甲斐がないわね)

垣根「心理定規、俺に食べさせてー」

心理「もう、鬱陶しいから」

垣根「」

削板「うん、桃は美味しいな!」

心理「病院食って味気ないわよね・・・」

削板「そうなんだよな・・・」

心理「でもお菓子とか食べられないわよね」

削板「だから果物が特に甘く感じるんだよな・・・」

モグモグと口を動かしながら削板が頷く

心理「あら、口に桃が付いてるわよ」

削板「え、どこだ?」

心理「ここ・・・」

垣根「あぁぁぁぁ!ヒョイパクか、ヒョイパクなんだなヒョイパクに違いない!」

心理「病院では静かにって言ったでしょ」

垣根「なんで!?お前って俺にヤキモチを妬かせたいのかよ!?」



926 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/11(土) 11:01:13.47 ID:xiow5vup0
心理「黙って」

垣根「・・・」

削板「あ、ショボンってした」

心理「ほっといて、構ってほしいだけだから」

削板「そ、そうか・・・それにしても助かったよ、あんまりヒマだから退屈してたんだ」

心理「入院生活なんて楽しみがないもんね」

削板「そうなんだよ・・・さっきまで黒子がいたんだけどさ」

心理「あら、会いたかったわね・・・」

削板「多分夕方にはまた来るけどさ」

心理「その時間まで残ってくれってことかしら」

削板「それは助かるな!」

心理「あら・・・私に傍にいてほしいの?」

削板「誰でもいいから傍にいてほしいんだ!」

心理(ダメね、反応が面白くないわ)

垣根「・・・心理定規・・・心理定規じゃない・・・心理定規・・・」

心理「意味の分からない花占いしないでよ」

垣根「・・・なんで俺はこんなに寂しいんだよ!?」



927 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/11(土) 11:02:20.23 ID:xiow5vup0
心理「ねぇ、病院食ってどんな感じだった?」

垣根「うーわ、完全に無視だよ」

削板「なんかおかずが二品だけだったな」

垣根「少ないな・・・俺が入院してた時はもう少しあった気がするけどな」

削板「ん?最近入院したのか?」

垣根「あ、いや・・・」

一方通行に敗れた後の話なのだが、今更削板に話す必要はない

心理「・・・私、あんまり入院なんてしたことないんだけど・・・やっぱり不安なものなの?」

垣根「そりゃ不安だよな」

削板「そうだな・・・自分が病院にいるってだけでなんか病気なんじゃないかとか思っちゃうんだよな」

垣根「でもお前、どこも悪そうじゃないけどな」

削板「いや、もう傷は治ってるんだよ」

心理「相変わらず化け物じみた回復力ね」

削板「いやぁ、それは嬉しいな!」

心理「褒めてるように聞こえたのね・・・」



928 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/11(土) 11:03:20.10 ID:xiow5vup0
垣根「じゃあなんで入院してんだよ」

削板「あんまり毎日無茶してるから、たまには休みを取れってさ」

垣根「ふーん・・・」

心理「たしかにあなた、いっつも運動してるからね」

削板「でも体を動かすのは楽しいぞ!」

垣根「俺にはそこまで理解出来ないな」

心理「・・・それより垣根、そろそろ学校よ」

垣根「えー、今から行くのか?制服着てないぜ?」

心理「急いで帰れば二時間目には間に合うわよ」

削板「え・・・帰っちゃうのか?」

心理「さすがにずっといるわけにはいかないでしょ?」

削板「・・・そうか、お前達は俺より学校を選ぶのか!」

垣根「当たり前だ・・・なぜなら、学校は嫌なことだから!嫌なことにむしろ挑んでいく、これが根性だ!」

削板「おぉ!」

心理「馬鹿は馬鹿同士波長が合うのかしら・・・」

垣根「ほら、さっさと行こうぜ」



929 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/11(土) 11:04:19.32 ID:xiow5vup0
垣根が心理定規の手を引っ張りながらドアに向かう

垣根「じゃあな!また今度な!」

削板「明日には退院するから次会うときはプライベートだな!」

垣根「そうなることを祈る!」

心理「じゃ、お大事に」

ガチャン、とドアが閉まる

やはり静けさが帰ってきた

まるで最初から誰もいなかったかのようだ

削板「・・・仕方ないな、休むのもたまには必要か」

目を閉じると、昨晩より自然に眠気が近づいてきた

削板(あ・・・なんか・・・いい感じだ・・・)




黒子「・・・あら、眠っていらしたの」

黒子が病室に再び来たのは夕方の5時だった

その時間まで削板は寝ていたのだ

昼食がベッドの横に置きっぱなしになっている



930 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/11(土) 11:05:13.82 ID:xiow5vup0
黒子「・・・昼間からずっと寝ていらしたのですね」

小さく笑ってから黒子が削板の寝顔を見つめる

疲れていない、とか体を動かしたい、とか言ってはいるがやはり疲れは溜まっていたのだろう

今まで見せてこなかっただけで、かなり無理をしていたはずだ

黒子「・・・軍覇さん、たまにはゆっくりして下さいな」

削板「う・・・ん?黒子、来てたのか」

黒子「お、起こしてしまいましたの?」

削板「いや、なんか目が覚め・・・!?なんで黒子がいるんだ!?夕方に来るって言ってたのに!」

黒子「いえ・・・もう夕方ですの」

削板「!?」

時計を確認した削板が驚愕の表情を浮かべる

削板「そんなに寝てたのか・・・時間がもったいないな」

黒子「・・・軍覇さん、ゆっくり体を休めるのはもったいない時間の使い方ではないですの」

削板「そうかな?」

黒子「・・・今日もゆっくり休まれてたではありませんの」

削板「い、今のはちょっと疲れてただけで・・・」



931 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/11(土) 11:05:42.74 ID:xiow5vup0
黒子「・・・軍覇さん、やっぱり体に負担が掛かってますのよ?」

削板「そうか・・・そうだよな、たしかに疲れてたのかも」

黒子「・・・私、心配ですの」

削板「?なんで」

黒子「・・・」

ギュッ、と削板の手を握りながら黒子が俯く

黒子「・・・このまま」

黒子「もしもこのまま、軍覇さんが力を使い続けたら・・・体を壊すのではないかと、心配ですの」

黒子「・・・私は」

削板「それは間違ってるぞ、黒子!」

黒子「な、なんでですの!?私は軍覇さんを愛しているからこそ・・・」

削板「力を使っても俺は絶対に体を壊したりはしない、俺はそんなに腑抜けじゃないからな!」

ハハハ!と笑う削板

それがとても頼りに見える

削板「俺は無茶はするけど無理はしない、そういう男だ!だから安心してくれ」

黒子「ですが・・・」



932 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/11(土) 11:07:30.71 ID:xiow5vup0
削板「それに、俺が一番守りたいのはお前の笑顔なんだぞ?」

黒子「!」

削板「だったらお前が悲しむようなことはしないさ!」

黒子「な、なら・・・まぁ許しますの」

削板「ありがとな、黒子!」

黒子「・・・わ、私の笑顔を守りたいんですの?」

削板「当たり前じゃないか!」

黒子「・・・軍覇さん・・・」

削板「・・・黒子・・・」


垣根「心理定規・・・」

心理「やめなさい」

削板・黒子「」

黒子「い、いつの間に!?」

削板「そ、そういえば夕方にまた来るって言ってたな・・・」

心理「やっほ・・・相変わらずイチャイチャしてるわね」クスクス

黒子「こ、これは違いますのよ!?」


933 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/11(土) 20:34:33.93 ID:xiow5vup0
パソコン買ったからテスト
934 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/11(土) 22:07:48.06 ID:xiow5vup0
垣根「おーおー、仲良しでうらやましいな」

心理「こら、あんまり冷やかさないの」

垣根「だってさ」

削板「と、とにかくよく来てくれたな!!」

心理「あなたはあなたで慌てすぎなのよ」

黒子「お二人は学校は終わられましたの?」

垣根「あぁ、もうとっくに」

心理「それでもう一度お見舞いにね」

黒子(余計なことを…)チッ

心理「なにか?」

黒子「い、いえ…」

垣根「さて、削板もヒマだろうし話し相手に…」

黒子「わ、私がいますから大丈夫ですのよ?」

垣根「いやいや、俺達がいなきゃな」

心理「そうそう、垣根のボケがなきゃ始まらないでしょ?」

黒子(いりませんのぉぉぉ!!)

垣根「なんだよてめぇ…」


935 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/11(土) 22:23:33.28 ID:xiow5vup0
削板「でもわざわざ来てもらって悪いな…」

垣根「友達なんだから当たり前だろ」

削板「嬉しいこと言ってくれるな!!」

垣根(ヒマだったしな)

心理「それで?お昼御飯が残ってるけどどうして?」

削板「いやぁ、さっきまで寝てたんだよ」

垣根「はぁ?なんで」

削板「疲れてたのかな…」

垣根「お前、やっぱ無理してたんじゃねぇの」

削板「そんな自覚はないんだけどな…」

垣根「自覚ってのは大切だぜ」

心理「あなたが言うと説得力があるわね」

垣根「うるせぇな…」

黒子「…そういえば、お姉さまもお見舞いに来るとか言っていたような」

削板「へぇ、わざわざ来てくれるのか!!」

黒子「いえ、上条さんが入院されたのでついでに、と」

垣根「あぁ?あいつも入院したのか」


936 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/11(土) 22:48:26.04 ID:xiow5vup0
今日はここまで

慣れないパソコンだから慣れるまで時間かかりますね

筋肉動画はアーマッド・ハイダー

最強の腹筋の持ち主です

http://www.youtube.com/watch?v=UUvidHZq1Is&feature=related

ではおやすみなさい


937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 23:55:35.53 ID:cxUoadO1o
乙なんだよ!
938 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/02/12(日) 07:23:54.51 ID:LD9w8yqr0
自覚ないまま疲れが蓄積する事あるからソギーみたいな生活すると危険だな体がかなり丈夫だから限界に気付きにくいし
939 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/12(日) 11:07:46.30 ID:0KxALTE60
削板「上条が入院か・・・あいつらしいな」

黒子「なんでもお姉さまとの約束に遅れそうになって走っていたら、車に轢かれたらしいんですの」

垣根「途中に何があったのか気になるな」

心理「でも上条君でしょ?有り得るわよ」

垣根「それで納得いくのが怖いよな」

削板「・・・ん?てことはこの病院には上条も入院してるのか!」

黒子「言っておきますが・・・患者同士が互いの病室を行き来するのはダメですのよ?」

削板「なーんだ・・・」

心理「大人しくしてないといつまでも入院させられるわよ?」

垣根「そうそう・・・ここの先生は頭おかしいからな」

冥土「悪かったね、頭がおかしくて」

垣根「・・・いつからいたんだよ」

知らぬ間に垣根の後ろには冥土返しが立っていた

ドアを開ける音なんて聞こえなかった、話に夢中になっていたためだろうか

削板「先生、上条はどうなんだ?」



940 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/12(日) 11:08:28.76 ID:0KxALTE60
冥土「安心したまえ、轢かれたと言っても軽くぶつかっただけだったみたいだね」

垣根「なんだよ、大袈裟に言ってただけかよ」

心理「・・・でも美琴は落ち込んでるんじゃない?」

冥土「それはもう、すごい落ち込み方だったね」

削板「そんなに落ち込んでるのか?」

黒子「お姉さま・・・自分のせいだと責任を感じられていますのね」

垣根「なぁ、御坂もここに連れて来てくれよ」

冥土「全く・・・僕は君達の使用人じゃないのだがね」

垣根「患者の頼みだ」

冥土「君はいつから僕の患者になったのかな」

垣根「おいおい、随分前に世話になっただろうが」

冥土「・・・仕方ないね、さすがに上条君も困っていたようだし」

削板「よし、また一人話し相手が増えるな!」

黒子「そこで喜ぶんですのね」

削板「垣根、御坂を慰める会の始まりだぞ!」

垣根「おうよ!」

心理(・・・削板君のお見舞いに来たんだけど・・・)

黒子(・・・私が二人きりで看病するつもりでしたのに・・・)


941 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/12(日) 11:09:30.38 ID:0KxALTE60


美琴「・・・呼んだの」

垣根「お、おう・・・」

黒子「お、お姉さま・・・なんだかかなり落ち込まれていますのね」

美琴「・・・別に」

心理(若干病んでるわね)

削板「と、とにかく座ってくれよ」

美琴「ありがと・・・」

病室に入ってきた美琴は、かなり疲れた様子だった

別に上条が大怪我をしたわけではないし、入院だって長く掛かるわけでもない

それに美琴が車をぶつけたなんてことでも決してない

だが自分があんな約束をしたせいで、ということを考えてしまっていた

垣根「なぁ、そこまでお前は悪くないんだからさ」

美琴「分かってるわよ・・・」

黒子「・・・お姉さまが落ち込まれていたら、上条さんも悲しみますのよ?」

美琴「・・・うん」

心理「大体、上条君が鈍臭いだけじゃない」



942 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/12(日) 11:10:16.18 ID:0KxALTE60
美琴「違うわよ!当麻のことを悪く言わないで!」

心理「だったら全部自分のせいにしてみる?それはそれで馬鹿らしいわよ」

美琴「・・・でも、私があんな約束しなかったら・・・」

心理「あなたね・・・上条君はその約束を守りたいって思って急いだのよ?あなたとの約束は上条君にとって大切なものだったのよ」

美琴「・・・」

垣根「ま、落ち込んでるヒマがあるなら上条を看病してやれよ、もちろん笑顔でな」

削板「そうだな、根性だ!」

黒子「・・・お姉さま、元気を出して下さいな」

美琴「ありがと・・・なんだかちょっと元気出たわ」

垣根「そうかい・・・ならよかった」

美琴「削板はどうなの?トラックに轢かれたって聞いたけど」

削板「いやぁ、大怪我にしすぎなんだよ!ちょっと骨が折れて意識無くしてただけだって!」

美琴「そ、それ命に関わるじゃない!大丈夫なのホントに!?」

黒子「ですが、もう完全に回復してるみたいですの」

美琴「だ、だって事故は昨日だったんでしょ?」

心理「一日で回復したってことよ・・・俄かには信じられないけど」

美琴「相変わらず意味分からないわね、アンタ・・・」



943 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/12(日) 11:11:52.47 ID:0KxALTE60
削板「いやぁ、照れるなぁ!」

美琴(褒めてないのに)

黒子「・・・さて、お姉さまも元気になられましたし一件落着ですわね」

垣根「っと・・・俺達はこれから用事だから帰らせてもらうな」

削板「そうか・・・じゃあ、またな」

黒子「お姉さまは?」

美琴「私、当麻の看病してくる」

垣根「そうしてやれ」

心理「じゃあ黒子は削板君と二人きりになれるわね」

黒子「そ、そうですのね」

削板「みんな、今日はありがとな!」

垣根「明日には退院だっけ?今日まではゆっくり休めよな」

削板「あぁ!」

美琴「じゃあ、お大事に」

削板「サンキュー!」


944 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/12(日) 11:47:38.79 ID:0KxALTE60

黒子「・・・二人になってしまいましたわね」

削板「そうだな・・・なんか静かになっちゃったな」

黒子「で、ですが二人きりですのよ!?」

削板「ん?そうだな?」

黒子(あぁ、どうしましょう!!いざ二人になると緊張しますの!!)

削板「あぁぁ!!もうそろそろ夜ご飯だ!!」

黒子「そ、そうですわね」

削板「どうしよう・・・昼ごはん残してるからなぁ・・・」

黒子「もう冷えてますから、どうしようも・・・」

削板「よし、作ってくれた人に申し訳ないよな!!いただきます!!」

黒子「い、いえ!!冷えた病院食なんてとても食べられたものでは・・・」

削板「うん、冷えててあんまり味が無い!!」

黒子「なら食べないでくださいな・・・」ハァ

削板「でもさ、明日になったら退院だし」

黒子「・・・あんな事故にも関わらず三日で退院なんて、信じられませんの」

削板「根性だよ根性!!」

黒子「そういうものでしょうか・・・」


945 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/12(日) 12:58:29.07 ID:0KxALTE60
削板「夜ご飯は何かな・・・最後の食事くらい豪華だと嬉しいな!!」

黒子「一患者にそこまでしませんの」ハァ

削板「はぁ、早く退院して黒子の弁当が食べたいよ」

黒子「わ、私のお弁当・・・ですの?」

削板「あぁ、どこで売ってるお弁当よりも美味しいからな!!」

黒子「そ、そうですか」カァッ

削板「だからさ、さっさと退院して美味しいお弁当食べさせてくれよな!」

黒子「も、もちろんですの!!」


御坂妹「ほう、それはミサカの作った病院食がまずいと言っているのですね」

削板「おわっ!?いつの間に部屋に来てたんだ!?」

黒子「と言いますか・・・なんでこの部屋にはこんなにも突然人が現れますの?」

御坂妹「ミサカイリュージョンです、これがミサカイリュージョンです」

削板「あ、もしかしてご飯持ってきてくれたのか!」

御坂妹「しかしこれはあなたの愛しい黒子のお弁当よりも美味しくないですから」

削板「そ、そんなこと言ってないぞ!?」

御坂妹「ふん、これはお義兄様にでも持って行きましょうか」

削板「待って待ってよ待ってくれ!!!」


946 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/12(日) 13:06:02.07 ID:0KxALTE60
御坂妹「冗談はおいときますが・・・あまり病院でいちゃつきませんように、とミサカは警告を出します」

削板の近くにあるテーブルに夕食を置きながら、10032号が呆れたように呟く

黒子「どうしてですの?」

御坂妹「この病院には様々な病気にかかった方が入院しています、とミサカは至極当たり前のことを述べます」

削板「いきなり語尾を付け出したな」

御坂妹「その中には、童貞をこじらせた方もいるようです」

黒子「ど・・・?」

御坂妹「ですから、リア充なるものを見せ付けられるとゾンビ化するらしいのです」

削板「な、なんだって!?」

御坂妹「お姉様達には既に警告を出しておきましたから、あなた達もお気をつけくださいね」

黒子「あ、あの・・・それは本当ですの?」

御坂妹「さぁ?先生が言っていたことですから本当かもしれません」

削板「な、なんて病気が流行っているんだ!!」

黒子(嘘ですの、絶対に嘘ですの!!)

削板「お前も気をつけろよ!!」

御坂妹「むしろミサカはその患者側の人間ですから」フフフ

削板「なん・・・だと・・・?」


947 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/12(日) 13:12:44.09 ID:0KxALTE60
御坂妹「そういうことですから、イチャついたらぶっ放しますので」チャカ

削板「なんでメタルイーターを取り出すんだよ!?」

御坂妹「おっと失礼・・・まぁ、明日で退院ですので問題ないでしょうが」

黒子「・・・ちなみに、上条さんはいつ退院ですの?」

御坂妹「そうですね・・・一週間ほどは入院です」

削板「結構な大怪我なのか?」

御坂妹「いえ、ですがなぜか先生はお義兄様には妙に執着心が強いようでして」

黒子「あぁ、そういえばナース属性の味方が出来るとかなんとか」

削板「上条って・・・そうだったのか?」

御坂妹「さぁ」

黒子「だとしたら、お姉さまは大変ですの」

御坂妹「おっと、こんなところでムダ話はいけません・・・そろそろ他の患者さんにも食事を持っていかなければ」

削板「じゃあ、お疲れ様!!」

御坂妹「ではまた」スタスタ

削板「・・・あ、ちゃんとドアは閉じてくれよ」

御坂妹(ちっ)



948 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/12(日) 13:18:01.36 ID:0KxALTE60

黒子「どうですか?お味のほうは」

削板「お、なんかちょっとだけ味が濃くなってる!!」

黒子「最大限の譲歩だったのでしょうね・・・」

削板「これが最後の晩餐か・・・」

黒子「病院食、ですの」

削板「思えば・・・とても長い入院生活だった」

黒子「いえ、かなり短かったですの」

削板「根性で体を動かさないようにしたが・・・その退屈とも今日でおさらばだ!!」

黒子「・・・あの、そんなに退屈でしたの?」

削板「世間はもう5月の半ば、みんなが体を動かし始め春が息吹く頃だ!!」

黒子「むしろ枯れる頃ですの」

削板「そんな中、俺は三日もムダにしてしまった!!」

黒子「いえ、そんなことは・・・」

削板「これじゃ根性が足りないな!!」

バクバク、と病院食を食べながら削板が笑う

削板「よし、こんな退屈は明日からなしだ!!」

黒子(・・・はぁ、全く)



黒子(ですが・・・軍覇さんらしい・・・ですわよね)フフ


949 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/12(日) 13:23:39.26 ID:0KxALTE60


削板「・・・朝、か」

昨晩は夕食のあと、ひたすら黒子と何かしらの話をしていた

とはいっても、遊びの話ではなく事故のことやこれからはしっかり休息をとるように、などの難しい話だった

削板「・・・で、黒子は知らない間に寝てたし・・・」

ベッドに顔をうずめて寝ている黒子は、およそ乙女という言葉からは遠かった

しかしそれが非常に愛おしくも思える

削板(・・・こいつにも、心配掛けたなぁ)

そう思いながら、削板が黒子の頬にそっとキスをする

黒子「・・・ん・・・?」

削板「よっ、おはよう」

黒子「ぐ、軍覇さん・・・!?あのまま寝てしまいましたの、私!?」

削板「あぁ、きっと疲れて・・・」



御坂妹「・・・言いましたよね、リア充を見せ付けるなと」

削板「あれ?いつの間にいたんだ・・・おはよう」

御坂妹「ミサカネットワークに膨大な負の感情を感知・・・番外個体単体での適切な処置は不可能、よって」ガチャ

削板「お、おい・・・」

黒子「ど、どうしてメタルイーター・・・」


御坂妹「血祭りだぜベイベー」


950 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/12(日) 13:27:39.55 ID:0KxALTE60
ババババ、という銃声のようなものが病院に響く

冥土返しは頭を抱えながら、それらの音を聞いていた

冥土「全く・・・患者のモーニングコールには少し過激だね」

冥土「・・・ま、まだ早いし誰も聴いてはいないだろう」

冥土「・・・騒がしい病院というのは評判が落ちそうで心配だが」

あの騒がしい患者にはそれが一番似合っているだろう

退院手続きも終わっているし、もうすぐ彼らも普通の生活に戻るはずだ

冥土「・・・それにしても、彼が大人しく過ごしていてくれるなんて思わなかったね」

冥土「・・・医者としては、ありがたい限りだ」

小さく笑いながら、冥土返しがクルクルと回転イスを回す

冥土「・・・患者の笑顔のためなら、これくらいの騒がしさはなんとも・・・」



削板「先生!!助けてくれよぉぉぉ!!」バン!!

黒子「止めてくださいな!!」

御坂妹「先生、その二人を引き渡してください!!」

冥土「・・・はぁ」

溜め息をつきながら、冥土返しは呆れたように呟いた



冥土「本当に、これだから医者はやめられないね」


951 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/12(日) 13:37:11.31 ID:0KxALTE60
新スレはこちら
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1329021080 

なんかただの病院での話になっていた

そろそろしっかりと削板と黒子書いてあげたい

こっちのスレは>>1のやりたいことで埋めるとしますか

以下、意味不明な内容になりますが気にしないでくださいw

952 : ◆G2uuPnv9Q. [sage saga]:2012/02/12(日) 13:50:23.91 ID:0KxALTE60

アレイ「・・・最近、運動不足だな」

アレイ「いや・・・ここ60年ほど、運動をしていなかった」

アレイ「・・・そうだ、あの生命維持装置に入ってからというもの・・・」

アレイ「よくもまぁ、こうやってあの騒がしい家族と過ごせるものだ」

アレイ「・・・しかし、やはり運動は大切だ」

アレイ「・・・でも・・・テクパトルのようにいきなりハードにトレーニングとかしたくない」

アレイ「・・・何か手軽に出来る運動は・・・ん?」

アレイ「このチラシはなんだ?学園都市にもこういう古い文化が残っていたか・・・掲示板か」

アレイ「なになに?あなたも体のゆがみを直しませんか」

アレイ「・・・軽いストレッチで、まずは健康に興味を持ってみましょう」

アレイ「・・・これだ」

アレイ「これしかない、これにしよう」

アレイ「そうとなれば、早速通ってみるか」

アレイ「・・・私の健康、第一歩目だ」


アレイスター、運動を始めるの巻

953 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/02/13(月) 00:33:02.10 ID:Q+IIMrXx0
御坂妹…ww
954 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/13(月) 18:24:47.43 ID:Mco9S0Xx0
アレイ「ただいま」

テクパトル「おかえり…どうした、なんだか楽しそうだな」

アレイ「なに、私も少し運動をしようと思ってね」

テクパトル「!?本当か、いつから!?」

アレイ「今度から…というか、明日だったかな」

テクパトル「そうか、ならまずはウェイト…」

アレイ「この近くでフィットネスのクラブが開かれていて、それに参加しようと思っているのだが」

テクパトル「あ、あぁ…そうなのか」ショボン

アレイ「あからさまにがっかりしてるな」

テクパトル「せっかくお前もこっちの世界に来たかと思ったのに」

アレイ「あんなハードな世界にいきなり行けるものか」

テクパトル「何事も挑戦だぞ」

アレイ「まずは簡単なものからしなければな」

テクパトル「まぁ、健康に興味を持つのはいいことだな」

アレイ「とにかく、月謝を…」

テクパトル「自分で払え」

アレイ「」


955 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/13(月) 18:30:49.92 ID:Mco9S0Xx0

アレイ「ということで、フィットネスクラブに通うことにしたのだよ」

御坂妹「とうとうアレイちゃんが独り立ちですか…」

20000「一人でおっきするのか…」

17600「撃ち殺すぞ」

テクパトル「…しかし、なんでまた急に?」

アレイ「少しチラシを見かけたものでな」

10039「なるほど…」

19090「でも、街中に貼られていたチラシとなると、知り合いが同じクラブに通うかもしれませんね」

アレイ「…なに?」

テクパトル「そうだな、その可能性もある」

アレイ「…それはまずいな」

テクパトル「はぁ?なんでだよ」

アレイ「威厳がなくなる、統括理事長がフィットネスにいそしむなど…」

テクパトル「威厳とかあったのか、初耳だ」

14510「全くですね」

一同「あははははははははははは!!!!!!!!!」

アレイ(胸が痛い)

956 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/13(月) 18:38:05.35 ID:Mco9S0Xx0

アレイ「…旅立ちの朝というのはこんな気分なのか」

テクパトル「久々に出かけるだけじゃねぇか」

アレイ「こんな長い外出は久々だ」

20000「コンドームは持った?バイブは?ちゃんとオチンチンは洗った?」

テクパトル「帰れよ」

10033「…アレイちゃん、ついていきましょうか?」

アレイ「大丈夫だ」

19090「…本当に大丈夫ですか?」

アレイ「大丈夫だ、問…」

テクパトル「じゃあ、俺は仕事に行ってくるから」

御坂妹「いってらっしゃい、お見送りしますよ!!」

13577「ミサカがお見送りするんです!!」

19090「ミサカに決まってます!!!」

テクパトル「みんなありがとな」

アレイ(あれ、涙が出てくる)


957 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/13(月) 18:47:56.15 ID:Mco9S0Xx0

アレイ「はぁ…妹達は本当にテクパトルが好きなようだな」

アレイ「…それに、とても尊敬もしている」

アレイ「…うらやましいものだ」

アレイ「…朝日がまぶしいな…キラキラしている…」

アレイ「いや…」


アレイ「これは涙のせいか…」フッ

アレイ「…ツッコミがいないとどうにも成立しないボケだな」

アレイ「…そろそろ着くはずだが」



「はいはーい、お客様はここに並んだ並んだ!」

アレイ「…あれがフィットネスの先生…」

ステファニー「いやぁ、やっぱりフィットネスはいいですよね!!私もこの体型を維持するのに苦労しましたよ!!」

アレイ(どこかで見た顔だ、あの先生)

ステファニー「?そこの銀髪の人、あなたもフィットネスをしに来たんですか!?」

アレイ「ま、まぁ」

ステファニー「ようこそ、トラの穴へ!!」

アレイ(やばい、もう帰りたくなってきた)


958 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/13(月) 21:34:09.00 ID:Mco9S0Xx0
ステファニー「さて、ここに集まった人はおそらく日頃の運動不足で悩んでいるのでしょう!!」

アレイ(全くだな)

ステファニー「しかぁし!!私のクラブに入ったからには安心です!!」

アレイ「ちなみに…どのようなことをするのか、教えてほしいのだが」

ステファニー「…そうですね、これが最初の目標です」

アレイ「なになに…なるほど、まずは体のストレッチからか…」

打ち止め「うーん、これならミサカにもできそう!!ってミサカはミサカはガッツポーズ!!」

アレイ「」


アレイ(あぁぁぁぁぁ!!最低だ、よりにもよってこのタイミングでこの子の存在に気づいてしまった!!)

アレイ(子供は無邪気だから絶対に私がここに来ていたということを言いふらすだろう、しかも悪気もなく!!)

アレイ(そうなったら笑いものだ…統括理事長が運動不足で悩んでいるなんて知られたら!)

アレイ(ただでさえ無いに等しかった威厳が完全になくなる!!)

アレイ(どうしようどうしようどうしようなんかないかなんかないかなんかないか!!??)

打ち止め「あれ?」

アレイ(気づかれちゃったよぉぉぉぉぉ!!!)

959 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/13(月) 22:13:24.12 ID:Mco9S0Xx0
打ち止め「もしかして、ミサカ達と一緒に暮らしてる人?ってミサカはミサカは尋ねてみたり」

アレイ(あぁぁぁ!!私の人生これにて終了!!!)

打ち止め「もしかして、運動がしたかったの?ってミサカはミサカは確認してみたり」

アレイ(遠回しに運動不足を指摘されてるよぉぉぉ!!)

打ち止め「あ、ミサカは20001号で打ち止めって言うんだよ、ってミサカはミサカは自己紹介!」エッヘン

アレイ(知ってるよぉぉぉぉ!!)

打ち止め「?でも、あなたみたいな人が運動なんて珍しいね、ってミサカはミサカは…」

アレイ「私がここに来ていることは、他言してはいけない」

打ち止め「おう!!ってミサカはミサカは勢いよく返事をしてみたり!!」

アレイ(絶対言うよこれ)

打ち止め「あ、先生が何か始めてる!!ってミサカはミサカは先生に注目!!」

ステファニー「はい、まずは軽い柔軟からです!!これをしないと怪我しちゃいますから気を付けてください!」

アレイ(…か、体が曲がらない…)グググ

打ち止め(…この人、なんでエビ反りようとしてるのかな?ってミサカはミサカは首をかしげてみたり)

ステファニー「はい、しっかり体を伸ばしましょう!」

アレイ「おぉぉぉぉぉぉ!!」

打ち止め(エビ反りのまま伸ばしたら痛いのに…ってミサカはミサカはこの人の不思議な動きに大注目)




960 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/13(月) 22:30:27.82 ID:Mco9S0Xx0


ステファニー「はい、今日はここまでです!!」

アレイ(…ちょっとしたヨガだけで…こんなにも体が疲れるとは…)

打ち止め(…この人、どうしてこんなに疲れてるのかな?ってミサカはミサカは首をかしげる)

ステファニー「あ、そこの統括理事長さん」

アレイ「」



アレイ「バレてるよぉぉぉぉ!!??」

ステファニー「もしかして、誰も気づいてないと思ってたんですか?何度もアレイスターさんって呼んでるのに」

アレイ「ち、違う違う!!偶然同じ名前…」

ステファニー「プランを」

アレイ「短縮」

ステファニー「統括理事長だ!!」

打ち止め「統括理事長だ!!」


ステファニー・打ち止め「統括理事長だ!!」

アレイ「なんだそのコンビネーション!?」

ステファニー「あぁ、ちなみにもう町中の噂になってると思いますよ、ツイッターとかで」

アレイ「これだから科学の進歩はイヤなんだよぉぉぉぉ!!!」


961 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/13(月) 23:04:44.41 ID:Mco9S0Xx0

テクパトル「ただいまー」

御坂妹「あ、おかえりなさい」

19090「お疲れ様です、テっくん!!」

テクパトル「おう…ところで、アレイスターはもう帰ってきてるか?」

御坂妹「えぇ、ですがなぜかかなり落ち込んでいます」

テクパトル「落ち込んでる?」

19090「何かあったのでしょうか」

テクパトル「よし、俺が励ましてやるか…」スタスタ



アレイ「もうダメだおしまいだお嫁にいけない…」

テクパトル「よっ、アレイスター」

アレイ「…君か、どうした…」

テクパトル「聞いたぞ、打ち止めも同じところに通ってるんだってな」

アレイ「もう情報が広まってるよぉぉぉぉぉ!!」

テクパトル(なんでこんなに荒ぶってるんだ)

アレイ「私のプライベートは消えた!!!消えちゃったよこれ!!!」

962 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/13(月) 23:15:45.91 ID:Mco9S0Xx0
テクパトル「…なぁ、なんでそんなに落ち込んでるんだよ?」

アレイ「…私が…私のイメージが…」

17600「そんなものないだろ」

14510「ないですね」

アレイ「昔はあったのだ…恐ろしく、凄まじいオーラが…」フフフ

テクパトル「今は跡形もないけどな」

20000「ていうか、アレイちゃんってそんなに凄くなかったじゃん」

10033「ただの引きこもりだったんですよね?」

10039「そのあとは冷蔵庫…」

13577「ぶっちゃけ、褒められる人生じゃないですよね」

テクパトル「言ってやるな」

アレイ「…いいか、私だって人の噂になるといい気分ではないのだよ」ムスッ

テクパトル「?なんでだよ」

アレイ「常に見られているという感じがするではないか」

一同「それは自意識過剰なんだよ」

アレイ「」


963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/02/13(月) 23:44:01.81 ID:do/VMHGNo
自分だって回線使って学園都市の全員を覗きしてたくせにwwww
964 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/13(月) 23:57:30.25 ID:Mco9S0Xx0
今日はここまで

原作のアレイスターはかっこいいけどね

筋肉動画はおやすみです

ではおやすみなさい

965 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/14(火) 10:32:31.25 ID:GMl3lAxP0
アレイ「・・・はぁ」

テクパトル「そんなに落ち込むことか?」

アレイ「自分のプライベートは大切だ・・・」

テクパトル「人のプライベートは?」

アレイ「のぞき見するが何か?」

テクパトル「ツケが回ったんだろ」

アレイ「・・・まさか私の噂が街規模で広がるとは」

19090「いいじゃないですか、健康に気を遣うのは素晴らしいことですよ?」

テクパトル「そうそう、恥じることではない」

アレイ「・・・統括理事長がわざわざフィットネスしてるなんて・・・」

御坂妹「誰も笑いませんよ、アレイちゃん」

アレイ「ほ、本当に・・・?」

ミサカ一同「プププwwww」

アレイ「思いっ切り笑ってるよ!」

テクパトル「お前達なぁ・・・アレイスターが運動してるのがそんなにおかしいか?」

20000「え?」

14510「あ、いや・・・」

テクパトル「今まで引きこもりがちだったアレイスターが外に出るきっかけが出来たんだぞ?」

10039「そ、そうですが・・・」

966 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/14(火) 10:33:13.63 ID:GMl3lAxP0
テクパトル「それを祝福してやるのが家族だろ?いくらアレイスターが運動不足丸出しで動いてるのが似合わない一方通行以上のモヤシだからって笑ってやるなよ」

アレイ「・・・お前が一番ひどいぞ」

御坂妹「・・・ごめんなさい、アレイちゃん」

アレイ「いや・・・分かってくれたなら構わない」

テクパトル「さて、ご飯にしようか」

13577「そうですね、アレイちゃんも手伝って・・・ってどうしたんですか?」

アレイ「か、体が動かないんだ」

19090「そんなにハードな運動をしたんですか?」

アレイ「ヨガみたいなのを」

10033「ヨガだけでそんなに疲れてるんですか・・・」

アレイ「な、なぜ笑う?」

20000「ミサカ達はこれでも体力があるからね」

17600「少なくともアレイちゃんよりは体力あるぞ」

アレイ「し、仕方ないだろう・・・」

テクパトル「はぁ・・・分かった、お前はゆっくりしててくれ」

アレイ「あ、あぁ」

御坂妹「・・・いいですよね、仕事で疲れてるのに家事も出来る男性って」

14510「19090号は幸せですね・・・」

10039「あんな旦那様がもらえるんですからね」

19090「//」

アレイ「・・・」

アレイ(・・・私も体力つけて、外出から帰って来ても家事が出来るくらいになってみよう)

967 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 15:52:35.75 ID:9hVKu5Xb0



ステファニー「はい、今日は体を動かしながら、少しずつ強度を増していきます!!」

アレイ(…強度が増すのか、きつくなるだろう)

打ち止め(この人、意外と頑張ってるなぁ…ってミサカはミサカはネットワークでこの映像を垂れ流してみたり)

ステファニー「まだ少し大変かもしれませんが、そのうちこの運動が楽にできるようになりますよ!!」

アレイ「だといいのだが…」

打ち止め「諦めたらそこで試合終了だよ、ってミサカはミサカは最近覚えた言葉を口にしてみたり!!」

アレイ「…諦めてはいない」

打ち止め「それでこそ統括理事長だ、ってミサカはミサカは応援してみたり!!」

アレイ「頼むからそれ以上言わないでぇぇぇ!!!」

打ち止め「?」

ステファニー「さて、まずは昨日のように猫のポーズからです!!せーの!!」

アレイ「にゃー」

打ち止め「にゃー!ってミサカはミサカは猫の気持ちになってみたり!!」

ステファニー「統括理事長、腕が伸びきってません!!」

アレイ「だからその呼び方はやめてくれないか!!!」

打ち止め「ミサカはどうかな?ってミサカはミサカは猫のポーズ!!」

アレイ「…どうしてそんなに体が柔らかいのだ」

ステファニー「というか、これくらいはできないと困りますよ」
968 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 15:53:22.18 ID:9hVKu5Xb0
アレイ「…理由はなんだ、そんなに体が柔らかい理由は」

ステファニー「あなたが硬い理由はわかります、運動不足です」

アレイ「」

打ち止め「引きこもりさんだもんね、ってミサカはミサカは全国の自宅警備員にもエールを送ってみる!!」

ステファニー「そうですね、外に出ないと体が鈍りますよ?」

打ち止め「言葉も訛っちゃうよ?ってミサカはミサカは心配そうに…」

アレイ「言葉は訛らないぞ」

ステファニー「はい、次はテクパトルぅぅううううううううううううう!!!!!!のポーズです!!」

アレイ「そ、そんなポーズはないはず…」

打ち止め「テクパトルぅぅううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!」

ステファニー「テクパトルぅぅうううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!」

受講者全員「テクパトルぅぅううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!」

アレイ「」

アレイ(あの、腕を上下に構えたポーズがまさか何かの運動になるのか…?)

アレイ(体のストレッチには…)

アレイ(いや、ならないならない!!!)

アレイ(…しかし、全員がしているにも関わらず私がしないのは…)

アレイ(よ、よし!)


969 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 15:54:14.90 ID:9hVKu5Xb0
アレイ「テクパトルぅぅうううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!」

一同「ツッコめよ!!!!」

アレイ「」


ステファニー「次は鶴のポーズです」

アレイ(こ、これは実在するポーズだ…お、落ち着け…)

ステファニー「はい、ホロッホー!!!」

打ち止め「ホロッホー!!ってミサカはミサカは鶴の鳴き真似!!!」

アレイ「」


アレイ(それは鳩だぁぁぁぁ!!!)

アレイ(先ほどのこともあるし、ここはツッコんだほうがいいのだろうか!?)

アレイ(あぁそうだ、私はおそらくツッコミに徹するべきだ!!)

アレイ(よし…)


アレイ「そ、それは鳩の鳴き声だ!!」

ステファニー「…え?」



970 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 15:55:08.70 ID:9hVKu5Xb0
アレイ「な、なぜ鳩が豆鉄砲を食ったような顔を…」

打ち止め「せ、先生…?」

ステファニー「じゃあ…私が今まで鶴の鳴き声だと思ってたのは…鳩の鳴き声だったんですか…?」

アレイ(な、なんでそんなに泣きそうなんだ!?)

ステファニー「わ、私が今まで街中で聞いてたのは…鳩の鳴き声だったんですか…?」

打ち止め「先生…大丈夫ですよ、ってミサカはミサカは統括理事長をジト目で見つめながら先生の肩を撫でてみたり」

ステファニー「うぅ…」

アレイ「ご…」


アレイ「ごめんなさい…鶴もホロッホーって鳴くかもしれません…」

ステファニー「ほ、本当ですか…?」

アレイ「鳴かなかったとしても…私が鳴かせてみせよう」

ステファニー「言いましたね!?それ、言いましたね!?」

打ち止め「みんなぁ!!統括理事長が鶴をホロッホーって鳴かせるみたいだよ!!ってミサカはミサカは高らかに宣言してみる!!」

受講者一同「おぉぉぉぉぉぉ!!!」

アレイ「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

アレイ「待て待て!!さっきのは嘘泣きだったのか!?」

ステファニー「いいえ、本当に泣いてましたよ」ケロッ

アレイ(あぁぁぁぁぁぁ!!!!)

971 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 15:55:41.74 ID:9hVKu5Xb0
ステファニー「はい、今度は人がゴミのようだ、のポーズです!!」

打ち止め「見ろ、人がゴミのようだ!!」

アレイ「ははははははは!!!!見ろ、人がゴミのようだぁ!!!」

ステファニー「おぉ、統括理事長もやる気になってきましたね!!」

アレイ「こうなりゃ自棄だぁぁ!!!」

打ち止め「ミサカも楽しくなってきたな、ってミサカはミサカはニヤニヤしながら人がゴミのようだのポーズをしてみたり!!」

アレイ「はははははははは!!!!」


受講者一同「ははははははははは!!!!!!!!!!」





アレイ「ただいま…」

御坂妹「おかえりなさい、今日は遅かったですね」

アレイ「少し長引いてな…」

10039「テっくんはもうおかえりですよ」

アレイ「そうか…」

御坂妹「ですが…」

アレイ「?」

972 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 15:56:13.75 ID:9hVKu5Xb0
テクパトル「ちくしょう…迂闊だった…まさか一方通行の補助をしてたら手首にバーベル落とされるなんて…」ガーン

御坂妹「ご覧のとおり、手首を負傷しているんです」

アレイ「どうしたのだ?」

テクパトル「あぁおかえり…」

20000「セロリたんの手伝いしてたら怪我しちゃったんだってさ」

アレイ「大丈夫なのか?」

テクパトル「2、3日安静にすればな…」ハァ

14510「まったく…テっくん、一方通行は怪我をしなかったんですか?」

テクパトル「俺よりあいつの心配か…」

10033「し、仕方ないですよ…ミサカ達は一方通行が好きですから」

テクパトル「まぁそれはわかってるさ…」

17600「テっくん、明日も仕事なのか?」

テクパトル「あぁ、まぁ無理はしないようにするさ」

19090「気を付けてくださいね?」

テクパトル「わかってるよ」

アレイ「…そういえば、最終信号がフィットネスクラブに来ているのだが」

10039「えぇ、たしか暇だから運動がしたいと言っていましたが」

973 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 15:56:42.37 ID:9hVKu5Xb0
アレイ「だからか…」

テクパトル「…アレイスター、仲良くしてやれよ」

アレイ「それはあの子供に言ってくれ…」

テクパトル「?」

アレイ「とりあえず、食事にしてもらえるか?疲れてしまってな」

20000「今日は13577号が作ってるよ」

テクパトル「不安だが…俺はこれだしな」

御坂妹「それじゃ、ミサカ達も手伝いに行ってきますね」

テクパトル「あぁ」



13577「さぁ!!ミサカ達愛の料理が完成しましたよ!!」

アレイ「…焦げているぞ」

テクパトル「なんで…なんで白身魚が黒いんだ…」

13577「てへっ☆」

20000「いやぁ、タイマーをセットし忘れてたんだ」

17600「おかげで真っ黒だぜ、まるで日焼けしたギャルのようにな」

テクパトル「…まぁいいや、いただきます」

974 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 15:57:16.38 ID:9hVKu5Xb0
テクパトル「予想通り、苦かったな」

アレイ「そうだな…」

19090「あ、あの…お口に合いませんでしたか?」

テクパトル「タイマーさえ間違えなければ美味しかっただろうな…少しだけした隠し味がいい感じだったよ」

10033「テっくん…そのフォローが苦しいですよ」

テクパトル「す、すまん」

アレイ「…私は風呂に入ってくる、汗が気持ち悪くてな」

テクパトル「どうだ、体を動かすのは楽しいだろ」

アレイ「…まぁな」

アレイ「だが一つだけ問題がある…」

テクパトル「?なんだよ」



アレイ「…私がいじられるのだよ」

一同「むしろ本望だろ」

アレイ「」

975 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 15:57:47.12 ID:9hVKu5Xb0
テクパトル「・・・おはよう」

アレイ「・・・あぁ」

食卓についているのは二人だけだ

ミサカ達はまだ寝ている

唯一起きている19090号はいつもテクパトルに朝ごはんを作る役だ

と言ってもテクパトルが強制させているわけではない

むしろ彼は19090号にもゆっくり休んでいてほしいと考えている

しかしいくら言っても「テっくんに朝ごはんを作りたい」の一点張りなのだ

テクパトル「なぁ・・・毎日は大変じゃないか?」

19090「そんなことないですよ、テっくんのためですから」

テクパトル「・・・そりゃ嬉しいけどさ」

アレイ「いいのではないか?彼女が好きでしているならば」

テクパトル「無理してないか?」

19090「いえ、テっくんのためですから!」

テクパトル(健気だ・・・なんて可愛いヤツなんだ・・・)

アレイ「全く・・・君は愛されているな」

テクパトル「自覚はあるぞ」

976 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 15:58:21.47 ID:9hVKu5Xb0
アレイ「・・・私はそろそろ行ってくる」

テクパトル「っと・・・俺も行かなきゃいけねぇな」

19090「テっくん、怪我してるんですからあんまり無理はしないで下さいね?」

テクパトル「分かってる、ありがとな」

アレイ「私にも優しくそういうことを言ってくれ」

19090「アレイちゃん、頑張って下さいね!」

アレイ(この子は女神か・・・他の妹達なら絶対きめぇとか言ってるはずなのに・・・)

テクパトル(きめぇ)





アレイ「…」

打ち止め「あ、統括理事長さんおはよう!!ってミサカはミサカは元気よくあいさつ!!」

アレイ「…君は構わない、もう慣れている…だが」

番外「おー、これが噂の統括理事長?」

アレイ「なんで一人増えてるんだよぉぉぉぉ!!!」

番外「ねぇ、こんなに騒がしいのが本当にお偉いさんなの?」

打ち止め「そうだよ、ってミサカはミサカは頷いてみたり!!」

番外「へぇ…なんかミサカ、疑っちゃうよ」

977 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 15:58:47.88 ID:9hVKu5Xb0
アレイ「…君も運動しに来たのかね」

番外「一方通行が上位個体の見張りをしろってさ」

アレイ(あの白モヤシ…なんて余計なことをっ!!)

ステファニー「はいはい!!無駄話はそこまでにしてくださいよ!!!」

打ち止め「あ、先生おはよう!!ってミサカはミサカは元気よく挨拶してみたり!!」

ステファニー「おはようございます打ち止めちゃん、この子はお姉さんですか?」

打ち止め「ううん、妹だよ、ってミサカはミサカは微笑みながら真実を伝えてみる!!」

ステファニー「…妹?どう見てもこの子のほうが年上…」

番外「ほら、いろいろ事情があるんだから探らないでよ」

ステファニー「な、なるほど」

アレイ「それよりも早く始めようか」

垣根「そうだよな」

アレイ「…」


アレイ「なんで君がいるのだ垣根帝督!?」

垣根「いやぁ、今日は学校休みだろ?で、他のみんなは補習とかあるし」

アレイ「だから暇つぶしで来たとかか…」

心理「えぇ、そうなのよね」

アレイ「」

978 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 15:59:35.00 ID:9hVKu5Xb0
ステファニー「あ、たしか垣根さんと心理定規さんですよね!?」

垣根「よぉ、イギリスでのクリスマス以来だな」

心理「あなたがこんな教室を開いてるなんて知らなかったわ」

打ち止め「やったぁ!!知り合いが多いと楽しいね、ってミサカはミサカははしゃいでみたり!!」

番外「そうだねぇ、まぁ一人嫌がってるヤツがいるけど」

アレイ「…」

垣根「なんだよ、お前もとうとう外デビューか」

ステファニー(どんだけ引き籠りだったんですか)

心理「…まぁ、アレイスターがそういうことに打ち込むのはいいことじゃない?統括理事長が健康に気を遣えば、下の学生たちも気を遣うでしょうし」

アレイ「そ、そういう考え方もあったか」

心理「私は素敵だと思うけど」

アレイ「//」

心理「照れないでよ気持ち悪い」

アレイ「」

番外「ねぇねぇ、今日はどんな運動するの?」

ステファニー「今日は天気もいいですし、みなさんでウォーキングに行きましょう!!」

垣根「それってわざわざこういうクラブですることか?」

ステファニー「ノンノン!こういう気分転換もしないとダメですよ!!」
979 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 16:00:05.95 ID:9hVKu5Xb0
打ち止め「お出かけできるの?ってミサカはミサカは胸の高鳴りを隠せずに喜んでみる!!」

心理「ほらほら、そんなに騒がないの」

打ち止め「はーい!!」

ステファニー「じゃあ、行きましょうか!!!」

垣根「おー!!」

アレイ(…この面子で外出とか公開処刑に等しいな…)




垣根「おっほー!!いい天気だな、あの雲アイスクリームに見えないか!?」キラキラ

心理「どうしてそんなにハイテンションなのよ…日傘日傘…」

ステファニー「あ、日傘はダメですよ?紫外線を適度に浴びないと…」

心理「…えっ…?」

ステファニー「はい、日傘は預かっておきますから!!」ニコニコ

心理「」

打ち止め「心理定規…ドンマイ、ってミサカはミサカは心理定規を慰めてみたり」

番外「ぎゃはははは!!!ドンマイドンマイ!!!」

アレイ(…なんて暑さだ…まだ6月に入る前だぞ?)

垣根「おー、アレイスター、ちょっと太陽見てみろよ!!!」

アレイ「?なぜだ…」ジーッ


アレイ「目が痛いぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

980 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 16:00:36.11 ID:9hVKu5Xb0
垣根「ぎゃははははは!!太陽見れるわけねぇだろ!!目が焦げるぅぅぅぅ!!!」ゲラゲラ

番外「だっせー!!そんなのに引っかかる統括理事長だっせぇ!!!」

アレイ「くっ…君たちも太陽見てみろ、綺麗だぞ!!」

垣根「ん?どの太陽だよ」

アレイ「だからあれ…」ジーッ


アレイ「目がぁぁぁぁぁ!!!!」

垣根・番外「ばーかwwwww」

心理(…暑いわね…)

打ち止め「ねぇ先生、今日はどこまで行くの?ってミサカはミサカは尋ねてみたり」

ステファニー「考えてません!!」キリッ

アレイ「君はそれでも先生か!?先生というのは生徒を導く…」

ステファニー「うっ…」ウルウル

打ち止め「あー!!統括理事長が先生を泣かせた!!ってミサカはミサカは指さしで指摘してみる!!!」

垣根「泣ーかせたー、泣ーかせたー!!」

番外「せーんせいにー…」


垣根・番外「って先生が泣いてる!?」

心理(何よそれ)


981 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 16:01:51.83 ID:9hVKu5Xb0
垣根「泣ーかせたー泣ーかせたー!!」

番外「プーチンにー、言っちゃーおー!!」

アレイ「やめて!!殺されちゃうからやめてぇぇ!!!」

ステファニー「そうだ、今日はあの山まで行ってみましょう!!」

番外「あぁ、そういや昔みんなでハイキング行ったね」

打ち止め「その時あなたいたっけ?ってミサカはミサカは…」

垣根「細かいことはツッコっでやるな、目的地は決まったんだ…」

番外「ミサカ、目的の決まってる旅路ってのは大好きだよ」

垣根「行こうぜ、愛しの番外個体…」

番外「そうね、あなた…」



垣根・番外「二人の明るい未来へ!!!!」

心理「おい」



垣根「…にしても、暑いな」

ステファニー「まさに運動日和ですね!!」

打ち止め「番外個体、水は持ってきてる?ってミサカはミサカは確認してみる!!」

番外「一方通行がうるさかったからね、もちろん!!」

垣根「心理定規、喉が乾いたら俺が持ってきたスポーツド…」

心理「はぁ、カプチーノがなかったら死んでたわね」パカッ

垣根(なんてこった)


982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/02/15(水) 16:10:08.27 ID:muUPsNrH0
このままじゃアレイちゃん本気で世界を滅ぼそうとするぞww
983 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 18:21:37.05 ID:9hVKu5Xb0
垣根「ところでさ、あの山って結構ここから時間掛かるぞ?」

ステファニー「5分くらいですか?」

垣根「結構って言わなかったか、俺」

ステファニー「私外国人ですから」

番外「さっきまでペラペラだったじゃん」

打ち止め「先生をイジメちゃめっ!!ってミサカはミサカは頬を膨らませてみる!!」

アレイ「…あまり歩きたくない…」

心理「さっさと歩きなさいよこのモヤシ」

アレイ「」

垣根「ま、天気はいいし雨も降らないだろうな」

番外「時間もまだ早いし…たぶん昼ごろには着くだろうね」

ステファニー「よーし、頑張りますよ!!!」

アレイ「おー!!!」

ステファニー「あ、統括理事長さんはそういうのいいですから」

アレイ「」

一同「おー!!」

ステファニー「よーし、黙って私に着いて来い!!!」

アレイ(涙が出てきた)

984 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 18:25:52.95 ID:9hVKu5Xb0

垣根「せーんろはつっづくーよー」

打ち止め「どーこまーでもー!」

心理「野を越え山越えー」

番外「たーにぞっこーへー!!」

アレイ「落ちてるじゃないか」

ステファニー「いやぁ、この清々しい日差しを浴びながらのハイキングは楽しいですね!!」

打ち止め「こんなにいい天気は初めてだぜ!!ってミサカはミサカは太陽に負けないくらいまぶしい笑顔を浮かべてみる!」

番外「自分で言うとか痛いなぁ、上位個体」ニヤニヤ

心理「あら、子供の笑顔は眩しいものよ?」

垣根「そうそう」

アレイ「その通りだな」

垣根「それを踏みにじってきたのがお前だけどな」

アレイ「」

ステファニー「あ、信号が赤になりました、みなさん止まってくださいね!」

一同「はーい!!」



垣根「だが、俺の未元物質にその常識は通用しねぇ」テクテク

一同「」


キキーガッシャーン!!!


985 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 18:30:49.39 ID:9hVKu5Xb0

心理「垣根…垣根ぇぇ!!」

垣根「悪い…心理定規…」ガクッ

心理「イヤよ…垣根ぇぇぇぇぇ!!」

ステファニー「目を開けてください!!」

番外「ちょっと…冗談…でしょ?」

打ち止め「最後に九九を全部言ってくれるって約束したのに…ってミサカはミサカは涙をぬぐいながら…」ウッウッ

アレイ(思い切り未元物質で車を飛ばしていたよな)

垣根「最後に…みんなに聞いてほしかったことがある…」

番外「な、なに…?」

垣根「…鹿児島県民は…」

心理「えぇ…」



垣根「自分のことをおいどん、なんて言ったりは…しない…」ガクッ

一同「垣根ぇぇぇぇぇ!!!」

チャーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラーラー

アレイ(なんでゴッドファーザーが流れるのだ)


986 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 18:34:47.34 ID:9hVKu5Xb0


垣根「仕方ねぇ、take2だ」

ステファニー「深沢はどこに行ったんでしょうかね」

心理「さすがにあの山まで徒歩だけで行くのはきついわよ」

打ち止め「バスも使うの?ってミサカはミサカは…」

番外「えー、運動の意味ないじゃんかー」

アレイ「…私としてはそっちのほうがありがたいのだが」

垣根「仕方ない…」ゴソゴソ

心理「?コインなんか取り出してどうしたのよ」

垣根「こいつに…任せるか!!」

アレイ「しゃらくせーよ!!」

垣根「じゃあ徒歩な」テクテク

アレイ「」

打ち止め「あーあ、統括理事長さん…」

ステファニー「せっかくバスに乗るチャンスだったのに…」

受講者一同「そりゃないぜ…」ヒソヒソ

アレイ「わ、私の…せい?」

番外「あ・な・た・の・せ・い・だ」


987 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 18:38:16.80 ID:9hVKu5Xb0


心理「あぁ…紫外線って大嫌いなのよね…」テクテク

ステファニー「心理定規さんはお肌真っ白ですね」

垣根「腹は真っ黒だけどな」

心理「垣根、ちょっと」

垣根「はい」




垣根「いやぁ、心理定規は優しくていい子だよな」

アレイ(洗脳されてるぅぅぅ!!!)

心理「さて…バス停はっと」

打ち止め「?バスに乗るの?ってミサカはミサカは尋ねてみる」

心理「えぇ、さすがにあそこまで歩いてたら熱中症になるわよ」

番外「心理定規は体弱いなぁ」

心理「日差しが嫌いなの」

アレイ「バンパイアなのか」

心理「そう見える?」

垣根「ぜひとも俺の血を吸ってくれ」

心理「断るわ」

垣根「」


988 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 18:42:11.06 ID:9hVKu5Xb0
ステファニー「よし、山の麓まではバスで行きましょう!!」

アレイ「…まるで、登山をするみたいな言い方だな」

ステファニー「はい、山の上で食べる弁当はおいしいですよ!!」

アレイ「登るのか!?」

番外「おっほー、楽しみ楽しみ」

垣根「悪くはねぇな」

打ち止め「テンションが上がるね、ってミサカはミサカは統括理事長さんの袖を引っ張ってみる!」グイグイ

アレイ「下がるわっ!!!」



垣根「…しかし、なんだか根本的な目的が変わってきてるな」

ステファニー「登山も立派な運動ですから」

心理「そうね」

アレイ「…イヤでござる」

番外「ねぇ、ついでに学生運動も起こそうぜ」

垣根「お、いいな」


垣根・番外「統括理事長の頭を丸刈りにしろ!!!そうだ、あいつに毛髪など必要ない!!」

アレイ「あるわっ!!」

垣根「えー、必要ないだろ引きこもりのくせに」

アレイ(引きこもりは…髪の毛がいらないのか…?)


989 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 18:46:53.53 ID:9hVKu5Xb0

垣根「…そして、俺たちは山の麓にたどり着いた」

心理「そこは、とても幻想的な景色でした」

打ち止め「鳥のさえずりが聞こえます」

ステファニー「木々の木漏れ日が、優しく包みます」

アレイ「さわやかな風が頬を撫で」

番外「まるでミサカ達も自然の一員になったかのようです」

垣根「ふっ…いいぜ、もしもお前がそんな幻想を抱いてるなら!!!」



垣根・番外「まずは、そのふざけた幻想をぶち殺す!!!」

ステファニー「あ、あれはテクパトルぅぅうううううううううううう!!!のポーズ!!」

心理「いえ、あれはそげぶのポーズよ」

打ち止め「なにそれ?」

番外「さぁ」

アレイ(おかしい…この人間たちは、何かがおかしい…)

垣根「じゃあ、山登り始めるか」

心理「そうね」


990 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 19:21:38.10 ID:9hVKu5Xb0

キリがいいのでこっちはここまで

メンテ長かったですね

やりたかったネタの一つがこれですが、本当はもっとシュールというか意味不明なネタにするはずでした

でも途中まで書いてあぁ、こりゃ無理だなと思ったのでこのネタに

そういうもんです

では、1000取りどうぞ

991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/15(水) 20:57:21.34 ID:AC1VuoBWo
ksk
992 : ◆G2uuPnv9Q. [saga sage]:2012/02/15(水) 21:09:19.45 ID:9hVKu5Xb0
ksk
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/15(水) 21:10:17.32 ID:vQLfwmDWo
乙なんだよ!
994 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) [sage]:2012/02/15(水) 22:08:32.80 ID:GYhst3Cg0
乙〜
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/02/15(水) 22:36:27.19 ID:muUPsNrH0
おっつん
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/02/16(木) 02:28:04.91 ID:swI6dLOpo
あれいちゃんが完全にエツァリポジに…

あと埋め
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/02/16(木) 02:29:47.28 ID:swI6dLOpo
そして怒濤の連続埋め
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/02/16(木) 02:30:55.44 ID:swI6dLOpo
あなたの為に埋めてるんじゃないからね!
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/02/16(木) 02:32:00.83 ID:swI6dLOpo
1000はもらった
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/02/16(木) 02:32:26.46 ID:swI6dLOpo
>>1000なら
次スレで「中身入れ換わりネタ」というべたなお話
1001 :1001 :Over 1000 Thread
____   r っ    ________   _ __
| .__ | __| |__  |____  ,____|  ,! / | l´      く`ヽ ___| ̄|__   r‐―― ̄└‐――┐
| | | | | __  __ |  r┐ ___| |___ r┐  / / | |  /\   ヽ冫L_  _  |   | ┌─────┐ |
| |_| | _| |_| |_| |_  | | | r┐ r┐ | | | /  |   | レ'´ /  く`ヽ,__| |_| |_ !┘| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|‐┘
| r┐| |___  __|. | | | 二 二 | | |く_/l |   |  , ‐'´     ∨|__  ___| r‐、 ̄| | ̄ ̄
| |_.| |   /  ヽ    | | | |__| |__| | | |   | |  | |   __    /`〉  /  \      │ | |   ̄ ̄|
|   | / /\ \.   | |└------┘| |   | |  | |__| |  / /  / /\ `- 、_ 丿 \| | ̄ ̄
 ̄ ̄ く_/   \ `フ |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |   | |  |____丿く / <´ /   `- 、_// ノ\  `ー―--┐
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1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
男「超能力・・・?」 @ 2012/02/16(木) 02:14:10.87 ID:JVfiK+WX0
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−やる夫板U雑談派出所 −33には及ばないわ− @ 2012/02/16(木) 01:24:49.11 ID:CmKepQrPo
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初心者も遊戯王ADSでデュエルしようぜ!! @ 2012/02/16(木) 00:41:26.55 ID:fqIy/5nYo
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嫁宣言して60分以内に嫁AAにお断りされなければ結婚避難所 @ 2012/02/16(木) 00:40:06.96 ID:9twMNMvYo
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【避難所の】今さっきコンビニで盛大にやらかしてしまった 避難所【避難所】 @ 2012/02/16(木) 00:38:53.85 ID:NbPpZGBQo
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国士無双といえばえいちじー @ 2012/02/16(木) 00:16:57.38 ID:fmxkUpbAO
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真あ雑が落ちてると聞いて @ 2012/02/16(木) 00:04:43.11 ID:tv1aSGA3o
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麦野「フレンダは…私が殺した」 @ 2012/02/15(水) 23:00:58.94 ID:MSL6grdDO
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