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男「嫁に内緒で娘作った」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2011/12/31(土) 22:13:07.88 ID:d5Iy816Yo
しかし、不可解ではあった。

何が、という質問は不粋かと思ってしていなかった。

それにして不可解だと言うのだから全く何の意味もない反芻に過ぎなかった。

俺は怖かった。不可解でありながら、受け入れなければいけない運命めいたものが。
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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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2 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2011/12/31(土) 22:14:33.78 ID:d5Iy816Yo
若干暗め

書溜めきれたら遅くなります。

基本sage進行でお願いします。
3 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2011/12/31(土) 22:15:40.99 ID:d5Iy816Yo

§1 目的


男「しかし、今日も残業だな…」

友「そりゃあ、もうすぐでこのプロジェクトは一応の終わりだからな。いくら成果が出ないと言っても、あきらめきれない物があるんだろ。」

男「お、居たのか、全然気づかなかった。」

友「今きたところだけどな。」

男「このプロジェクトもお仕舞いなんだよな。なんか実感沸かないな。」

いま俺が携わっているプロジェクトは、増加するサイバー犯罪に対抗してさらに強固で、全く新しいウイルス対策ソフトを開発するというもので、俺はその肝心要のコア部分を開発していた。

男「最初は本当に出来ると思ってたんだ…夢のソフトが…」

友「今回はお前の所為ではないさ。ほかの奴らがあんなワンマンタイプばかりだったからだろ。」

男「ああ。次々と開発チームから人が減っていって…最後に俺と友だけが残ったな。」

友「結果、上はプロジェクトを凍結してチームを解散。同時にとっっっても長い長期休暇を貰えましたとさ。」

男「事実、勝手に辞めてくれと言うありがたいお言葉ももらった事だしな。」
4 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2011/12/31(土) 22:16:32.19 ID:d5Iy816Yo

そうなんだ、俺は、明日でこの会社を辞める。

約二年、入社と同時にこのプロジェクトに配属されて、このプロジェクトと共に去ることになった。

嫁もいれば娘もいる。しかし、転職先も決まってはいない。

さあ、明日からどうしようか。


友「あのさ、男。」

男「なんだ?俺は最後の仕上げに忙しいんだ。」

友「お前は天才だ。僅か半年で人数が半分になったこのチームをまとめ上げ、全てのチームの人間が次の仕事を見つけるまで成果を出し続け、今日この時までプロジェクトの延命をしてくれたのはお前のおかげだ。」

男「…俺はただこの仕事が好きで、新しいもの見たさにやってただけだ。」

友「それでもいわせてもらう。ありがとう。」

男「礼には及ばないさ。」

友は自分のデスクを片付けているようだ。友は再就職が決まり、今日のうちに辞表を出していたようだ。


友「もし、もし男がまだ"コレ"を諦めきれないなら…コードを盗め。」

男「…そのつもりだ。」

友はかばんから何かを取り出し、俺の机の上に置いた。

友「これを渡しておく。」
5 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2011/12/31(土) 22:17:55.38 ID:d5Iy816Yo

男「これは…!プロジェクト全体のバックアップディスクか!」

友「どうせ明日で辞める。しかもこのプロジェクトは凍結と同時に廃棄されるらしい。ストレージディスクのキーはご丁寧に差したままだったよ。」

男「…」

友「男がこれに入れ込む理由はわからない。でもこれくらいは報われていいんじゃないかと思った。要らないなら戻してくる…どうだ?」

男「受け取っておくよ。でも…」

友「それは無しだ。今日はもう上がりにして家に帰って娘さんに構ってやれ。」

男「ああ、そうさせてもらう。」

友「落ち着いたらまた飯でも食いに行こう。」

男「そうだな…友。」

友「なんだ?」

男「ありがとう。じゃあ、またな。」ガチャン

友「…」


友「また…な。男…」




俺(これで…)

もう人が少なくなった地下通路を小走りに駅へと向かっている

俺(これで…実現出来るんだ…)

いつもほとんど荷物の入っていない鞄にディスクの確かな重さを感じながら歩いてゆく。

男(何時までも…引きずったままだった…でも!)


男「俺は、創ってみせる…!」

ディスクには、ソフトのコアとして造られた

ーーーーーーー人工的な、人の精神が眠っていたーーーーーーー
6 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2011/12/31(土) 22:19:04.33 ID:d5Iy816Yo

§2 原理


嫁「で、なんでいままで会社辞めること教えてくれなかったの?」

ディスクを持ち帰った翌日、会社で辞表をだしたり片付けを終わらせて家に帰った午後のことだった。

いきなり帰ってきた俺に問いただした嫁に告げた一言が発端だった。

まあ、当たり前だよな。ふつうに会社辞めたとか言えば大抵の家庭でこうなるはずだ。

男「えぇーっと、そもそもプロジェクトの凍結を告げられたのが昨日でありまして…言う暇もなかったということなんですよ…?」

伏せていた目を嫁にちらりと向けた。

嫁「それでも携帯に一言メールを入れるとか…ああっ!この先どうするの?本当に…」

思えば少しも考えていなかった…友とかほかのチームの人とは違って再就職先も決めていない。嫁は戸惑い半分呆れ三分に怒り二分といったところか。

男「暫くは副業の方に力入れていれば、今までとはいかずとも収入はあるわけだし…そっちで貯めてた貯金を使えば一年くらいはいままで道理に暮らせるかと…」

嫁「男…通帳…」

嫁に目で取りにいけと言われて飛んで書斎まで取りに行った…ああ、さらば俺の活動資金《ポケットマネー》…

男「お納めください。」

嫁「……!!!!?」

嫁「何なのよ…この額…」

男「まあ、家とか欲しくなった時に驚かせようかなーって…あはは…」

嫁「もう…何やったらこれだけ貯まるのやら…」

俺「あはは…」

嫁「とりあえず生活面では大丈夫かな…」

男「はい…すみませんでした…」

嫁「心配…したんだからね…」ダキッ

男「ごめん…」
7 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2011/12/31(土) 22:20:25.93 ID:d5Iy816Yo


嫁「ん、ありがとう。落ち着いた。」

男「ごめんな…」

嫁「謝るのはもう止め。これからどうしたいのか聞かせて。」

男「とりあえず暫く働き詰めだったし、一週間くらい休みながらつてを頼って就職先探すかな。」

嫁「当てはあるの?」

男「無くはない。あまり当てにしたくはない当てだけどね」

嫁「ふうん…大丈夫ならいいけどね。」

嫁「とりあえずそろそろ娘ちゃんが帰ってくるからこの事は秘密に…」ガチャン

娘「ただいまー!あれ、おとうさんなんでいるのー?」

男「おとうさんはなー、会社首になったんだぜー!」

娘「おとうさんクビーなんだぜー?」

男「だぜー!」

キャッキャ キャッキャ

嫁「」


男「ということで、明日から家にいるから一緒にあそべるぞー」

娘「おとうさんすごいー!クビー!!」

嫁「もはやついて行けない…」

娘「じゃあおとうさんとゲームセンター行くー!」

男「そうか!娘はなにがやりたい?」

娘「うんとね、あの大きい鯨さんをやっつけるやつがやりたい!」

男「なかなか良いチョイスだ!あれなら最大四人で出来るからおかあさんも出来るな!」
8 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2011/12/31(土) 22:21:33.79 ID:d5Iy816Yo

嫁「えっ、私はやらないよ!?」

娘「…やらないの?」ウルウル

嫁「うっ…」

男「…」ウルウル

嫁「男は止めて、可愛くないから。」

男「」orz

嫁「仕方ない、可愛い娘ちゃんの為だからやってあげるわよ。」

娘「やったー!久しぶりに家族でゲームできる!」

男「よぉーし!おとうさんカウンターバーストしちゃうぞー!」

娘「わーい!」

キャッキャ キャッキャ

嫁「ダメだこの親子早く何とかしないと…」ハァ

9 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2011/12/31(土) 22:23:13.15 ID:d5Iy816Yo


家族との触れ合いを楽しみ、娘とゲームセンターへ行く約束をしてから自分の書斎へと籠もる。

娘はピアノの練習へと向かい、嫁は娘を送るために一緒に行っている。これはいわゆるチャンスだ。

この書斎は家を借りる際にわざと余るような家を選び、その後に何もなかったかのように占有した部屋だ。

ここへは嫁も滅多に入れることはないし、そもそも寄り付かない。あの天真爛漫と言える娘ですら気味悪がって近寄らない。

そう。ここは言うなれば、この我が家において唯一の砦!

それがこの…

男「クロノス研究所だ!」バサァ

扉に掛けてあった白衣に身を包み、部屋のブレーカーを上げる。その瞬間にPCの冷却ファンと空調が唸りを上げ、部屋は蛍光灯に照らされる。

ディスプレイにはクロノス研究所のロゴ(自作)が表示され、中断していた作業が画面上で再開される。

男「さて、今日はバックアップディスクを取りこむところからだな。景気付けにあたらしいマシンを使うか…」

部屋の隅に幾つも積まれている大型のダンボールを引っ張り出し、開封する。

常に新品のPCをストックしてあるのは浪費ともとれるが、一般的な男にとって新品のメカというものはなにかそそるものがあるのだろう。

男「やはり…新品は良いものだなッッ!」

その無骨で石版のようなPCを、同じものが幾つも設置されている枠へ差し込む。簡単な配線を施した後に、バックアップディスクを石版へとセットして、電源を入れた。

途端、石版は喧しいノイズと共に起動し、男はそれを見とれているかのように眺めていた。

その男の表情は好奇心で動いている少年の様であり、暗い感情は一切見受けられなかった。

男「いまから、創ってやるからな…」

キーボードとディスプレイを手繰り寄せて"本業"を始める。見慣れた画面が男を釘付けにする。

今は男を止めるものはなく、男に止まる理由も必要なかった。



その後、電力メーターを毎日チェックしているマメな嫁によって男の電力浪費は明かとなり、晩御飯が若干質素になったことについてはいつものことであった。
10 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2011/12/31(土) 22:25:20.93 ID:d5Iy816Yo
次は明日の朝にでも
11 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2011/12/31(土) 22:27:14.19 ID:h9yK9uUoo
期待ワッフル
12 :とんかつ :2011/12/31(土) 22:55:25.49 ID:ttIE4Bt80
期待してるお
13 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 00:26:37.69 ID:XRBOx4FIO
期待
14 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/01(日) 09:52:04.67 ID:mi+62R+go

§3 方法

娘「おとうさん、今日は楽しかったね!」

男「ああ、娘も暫く見ない内に強くなったな!」

娘「えへへー誉められたー!!」

嫁「」ゲッソリ

男「結構疲れたみたいだな。お疲れ様。」

嫁「まあ、娘ちゃんの頼みだからやったけど、やっぱりシューティングは苦手だなぁ…」

男「娘は得意みたいだな。将来は俺よりも強くなるかもな。」

娘「おとうさんよりもつよくなっちゃうよー!」

男「そうだな、子供は親を越えるものだ。頑張って強くなれよ。」

娘「うんっ、絶対に強くなる!」

嫁(これがゲームの話しじゃなかったらなぁ)

男「子供は、超えなければいけないからな…」

娘「おとうさん、なにか言った?」

男「娘はすごいなーって言ったんだよ。」

娘「えへへー//」

嫁(男…)
15 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/01(日) 09:52:53.97 ID:mi+62R+go

男「今日はもう遅いし、外食にするか?」

娘「やったー!ハンバーグが食べたいなー!」

嫁「そうねー、近くのハンバーグ屋にでも行く?」

男「娘の希望だしな。そこにするか。」


嫁「ねぇ、男?」

男「んー、何?」

嫁「なにか、辛いこととか言いたいこととかあるなら、何時でも聞くよ?」

男「ありがとう。やっぱり嫁は優しいな。」ナデナデ

嫁「あっ、当たり前でしょ!?夫婦なんだから//」

娘「あーっ!おとうさんとおかあさんがイチャイチャしてる!わたしもまぜてっ!」

男「もちろんどうぞ。娘も大事な家族だ。」ナデナデ

娘「にゃー//」

男(俺は…この笑顔を守りながら、この先生きてゆけるのだろうか。)チラッ

嫁「なーに、男?」

男「嫁は可愛いなって。」

嫁「照れるからそーいうの禁止ー!」

男「はいはい。」

男(でも、どちらかを取れと言われたら…)チラッ

娘「ハンバーグ!ハンバーグ!」

男(その時、俺はー…)

16 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/01(日) 09:53:48.92 ID:mi+62R+go

家に帰り嫁と娘が寝静まった後、俺は一人書斎でタイプし続けていた。

男「ふう…これで一応は動かせるかな?」

まず手を着けたのは、かつてのメンバーが作っていたプログラムを完成させ、単体で動作するように調整することだった。

もともと能力の高いメンバーが集まったチームだったが、癖のあるプログラムを書く人間も多かった。

俺はどちらかというと素直なものを書いているつもりだが、友曰わく、見たことのあるものの中で一番難解らしい。

自動で全てのプログラムをチェックをするように設定を書いてから、一端作業を中断しコーヒーを淹れにリビングへ向かったが。

男「あれ、まだ起きてたんだ。」

嫁「さっき目が覚めたー」

そこには先程まで寝ていただろうパジャマ姿の嫁がいた。

男「で、何をしてるの?」

嫁「男が起きてるみたいだから、軽食とコーヒーをね。男はなんでー?」

やはり、音で起こしてしまったかな、と少しばつが悪くなる。

男「コーヒーを淹れようかと…」

嫁「じゃあちょうど良いねー。はい、これね。」

嫁からコーヒーと軽めのサンドイッチが渡される。

男「ありがとうな。こっちは勝手にやらせてもらってるのに。」

嫁「わたしがやりたいからいいのー。それにね。」
17 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/01(日) 09:54:26.75 ID:mi+62R+go

男「?」

嫁は少し息を止めて。

嫁「わたしはねー、あなたのために、居るんだよ?」

男「…ありがとう。それしか言えないけど、本当にありがとう。」

嫁はいつもそうだった。こちらが気恥ずかしくなるようなことを平然と囁いてくれる。そのたびにありがとうとしか返せない自分が情けなくなる。

嫁「だから、何をやろうとしているのかは解らないけど、それがどんなものでも応援するよ。」

嫁「わたしはあなたほど頭が良くないから、直接手伝うのはできないけど、これくらいは、ね?」

ああもう、本当に可愛いなあコンチクショウ。

男「…寝る。」

嫁「えっ?」

男「今日はもう嫁と寝る。」

嫁「いきなりどうして…これどうするの…?」

恐らくコーヒーとサンドイッチを指しているだろう。それよりも不思議そうに首を傾げる姿もたまらなかった。

男「コーヒーは今飲む。サンドは明日の朝ご飯にする。」

俺はコーヒーを一気飲みして、手早くサンドイッチを冷蔵庫にしまって嫁を抱えて寝室へ進む。

嫁「えっ///いっ、いきなりどうしたの!?」

男「嫁が可愛いから、仕方ないんだ…」

嫁「そ、それって///」

男「さぁて、二人目でも作るかな!!」

嫁「きゃー//」
18 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/01(日) 09:54:59.82 ID:mi+62R+go
とりあえずここまで。次は夜にでも。
19 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 10:32:09.28 ID:C0jL9K8Go

定期購読リストが増えたぜ

SSキャラの年齢層は高校生がほとんどだったから、結婚済みで子持ちのキャラは新鮮
お嫁さんを僕にください!

これからどう展開していくのか、オトナの世界を楽しみにして舞ってる!
20 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 10:34:23.93 ID:abZ5eqLYo
乙〜
21 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 10:48:24.17 ID:DzeHDjsko
いい嫁だ
22 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 11:19:19.89 ID:1/ioY7+IO
乙ん
23 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 11:26:25.86 ID:pnquO4vlo
俺得、何から何まで俺得だ
期待してる
24 :とんかつ :2012/01/01(日) 11:53:26.95 ID:3FdQh50V0

お前には期待したいしてるぜ
頑張れ
25 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 17:54:30.62 ID:TTORKMuIO
26 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/01(日) 20:50:54.30 ID:ukb+6CCxo
上の書き込みにコピペ忘れ



その後、結局空が白けるまで二人は励んでいたとか。
もちろん上げたままにしていたブレーカーのせいでお昼ご飯は日の丸ご飯だけになったのは言うまでもない。




27 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/01(日) 20:51:37.11 ID:ukb+6CCxo

§4 結果

友 「男の嫁自慢はいいから、な?大体そんなキャラじゃなかっただろ…」

男「まぁ、嫁の可愛さを分かってもらえたならいいんだ」

友「はあ。とにかく、就職先は決まったのか?」

男「いや、探してもいない。」

友「はぁ?男は家族も居るのにそれで良いのか?」

男「実は副業をやっていてな、そちらに力を入れれば何とかなりそうだからな。」

友「華の在宅ワークってやつか。」

男「というよりは家族と一緒に居たいだけだよ。この二年はほとんど構ってあげられなかったからな。」

友「家族想いだな。俺も良い人見つけて、結婚したいなぁー。」

男「友ならすぐに見つかると思うのだがなぁ…」

友「そういうのは勝ち組のセリフなんだぜ…はぁ…」
28 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/01(日) 20:52:07.10 ID:ukb+6CCxo

男「そろそろ本題と入っていいか?」

友「そういえば頼まれ事があるという事だったな。」

男「ああ、それなんだが…」

俺は鞄の中から一冊のバインダーを取り出し友の前へと差し出した。

友「こいつか…見ても良いか?」

男「どうぞ。」

友「…おい、これが男の求めていたものか。」

男「そうだ。」

友「一体何故…孤独のマッドサイエンティストならいざ知らず、男が何故…」

男「理由は聞かないでくれ。必要なことなんだ。」

友「……これを作れる所を紹介してくれと言ったところか…」

友は顔をしかめながらバインダーをめくっていく。
29 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/01(日) 20:53:13.95 ID:ukb+6CCxo

友「わかった。これをなにに使うかは知らないが、作ってくれる場所を紹介しよう。」

男「ありがとう。金に糸目はつけない。」

友「俺は男の事がわからねぇよ…」

友はバインダーをテーブルへと下ろして、タバコに火をつけた。

男「タバコ、止めたんじゃなかったのか?」

深く煙を味わったあと、灰皿へとタバコを置く。

友「こんな事もあれば吸いたくなるさ。」

友は頭を抱えて机に伏せた。

友「何でこうなった…中学から一緒だったのが嘘みたいだ…」

男「済まない。でもやらなきゃいけない。」

ーーーーーもう、引き摺るのはやめなきゃいけない。ーーーーー
30 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/01(日) 20:53:54.94 ID:ukb+6CCxo

友は長い間伏せて考えていた。

友には良識があった。男を止めなければいけないと言うのは分かっていた。

しかし、不可解ではあった。

何が、という質問は不粋かと思ってしていなかった。

それにして不可解だと言うのだから全く何の意味もない反芻に過ぎなかった。

俺は怖かった。不可解でありながら、受け入れなければいけない運命めいたものがあったからだ。

友「…男、俺はこれを責任もって、やりとげてやる。」

男「ありがとう。」

友「でも、お前がこれを使って、俺が考える、悪を行うならかならず…」

31 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/01(日) 20:54:54.03 ID:ukb+6CCxo






友「必ず、殺してでも止めてやる。」





32 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/01(日) 20:55:30.42 ID:ukb+6CCxo




それから、三日後。友は俺をある工場へ連れて行った。

そこで俺は見た。久しく見ていなかった、優しげな顔を。10年前から変わるはずのない、姿を。




33 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/01(日) 20:59:51.30 ID:ukb+6CCxo
とりあえずここまで。

書き溜めはありますが、書きたい追記があるので少しお待ちを。

まだまだ、終わりません。
34 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 21:01:52.73 ID:abZ5eqLYo
乙〜
35 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 22:13:54.08 ID:eagsDqqDO
これは楽しみすぎる
36 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/01(日) 22:41:31.38 ID:ukb+6CCxo

Appendix 1

男と嫁


俺が嫁と出会ったのは大学卒業も迫った冬だった。

その日は大学の校内で趣味、いわゆる天体観測なのだが、それをするために必要な機材を借りて屋上へと担ぎ込んでいく。

男「今日はなかなかの観測日和だな…」

空に雲は無く、星の瞬きも少ない。最近新しく購入してもらった望遠鏡もある。

さて、今日はなにを見るかな…

俺は望遠鏡を気温に慣らすために赤道儀へ取り付け、しばし待つことにした。

今までの望遠鏡とは違い、これは使えるまでに時間が必要だった。

端末を開き、時刻を確認する。そして暇つぶしに開いた天文台のサイトにある一文であることを思い出す。
37 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/01(日) 22:42:14.81 ID:ukb+6CCxo

男「流星群の極大日…そういえば今日だったな…」

男「流星に願い事を唱えると願いが叶うか…」

そういえば最近そんな話を身近で聞いた気がする。

しかし、どうせ三回どころか百回言った所で俺の願いは叶えられないだろ。

男「それよりも、今日はプレアデスが見たい気分だ。」

あの青白く光る星団には何故か引かれるものがある。

男「…っと、そろそろ大丈夫かな…」

赤道儀を北極星に合わせ、望遠鏡を東へ向ける。

男「…」

プレアデスは五年前から変わらない輝きで、俺の心を癒してくれた。

五年前…一緒に星を眺めていた人はもういないが、今の俺には支えてくれる人がいる。寂しくなんかなかった。

その時、屋上への扉が開いた音がして、俺はアイピースから目を離した。
38 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/01(日) 22:43:09.22 ID:ukb+6CCxo

??「えっと、ここで天文サークルの活動をしてるって聞いたんですけど…」

そこには、まだ高校生であった、嫁がいた。

男「確かに俺は天文サークルの一員で、これはその活動だけど…なにか用でも?」

少嫁「あの、オープンキャンパスで天文サークルがあるって知って、活動してるところを見たくて…」

オープンキャンパス…確かに今日はオープンキャンパスだった。しかし既に終了しているはずだ。

男「オープンキャンパスはもう終わってるはずだけど。」

少嫁「なんか、引かれるものがあって…この時間まで待ってました。」

男「でも、今日活動するかは分からないのに、よく待ってたね。」

少嫁「いえ、友って人に偶然教えてもらったんですよ。」

友か…全く、あいつはよく分からん事をしてくれるな…

男「まあ、活動を見に来たのならそれでいいや。」

未だにドアの前にいる十数メートル先の高校生へこちらに来るように手招きをする。

男「今日はプレアデスを見ていたんだ。望遠鏡をのぞいてごらん。」

少嫁「あ……綺麗……」
39 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/01(日) 22:44:05.58 ID:ukb+6CCxo

言葉を失い、見とれている少嫁が十分堪能した後に、声を掛けた。

男「見たい星があれば見せてあげるよ。」

少嫁は少し考えた後、こう言った。

少嫁「あー、土星の輪っかが見たいです!」

男は少し、少しだけ過去へと戻った気がした。

なぜならそのせりふは、奇しくも、五年前まで居た、ある少女の物と重なった。

これが、男と嫁の出会いであった。

40 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/01(日) 22:45:22.15 ID:ukb+6CCxo
今日はここまで。

明日は昼に少し投下したいです。
41 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 22:47:05.02 ID:DzeHDjsko

待ってる
42 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 22:47:24.96 ID:abZ5eqLYo
乙〜
43 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/01(日) 23:46:38.51 ID:XRBOx4FIO
44 :とんかつ :2012/01/02(月) 08:34:18.38 ID:y3Fygyvl0

すげー面白い
また、待ってる
45 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/02(月) 16:25:47.21 ID:zY2SiAmco

§4.1 人体合成実験結果

男「考えると、俺はなにも変わらなかった。」

俺はアクリルの壁の向こうにいる少女の肢体を見て、一言そう言った。

男「しかし、本当に再現できるものなんだな…」

友「まだこれは入れ物だけだ。実際には骨格も何もない。」

男「ああ、それで良い。この後は俺が作る。」

少女は心地良さそうに寝ている様で、俺は想い出していた。少女の生きていたときの風景を。

数秒で懐古は止め、これからの具体的な計画を練り始める。既に目の前に過去はある。脳内でイメージする必要もない。

友「…これから、どうするんだ?」
46 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/02(月) 16:26:19.26 ID:zY2SiAmco

俺「こいつを家の書斎に運び込む。」

俺はアクリルケースの寸法を測りながら友に返した。友はもはや諦めにも似た表情を浮かべているが、その様なことはお構いなしに注文を伝える。

男「PCに偽装して家に運び込む。俺は良く新しいPCを運び込んでるから怪しまれはしないだろう。」

友「もし、家族に知られたらどうするんだ?」

男「その時は正直に話して見るさ。それしかない。」

俺はメモ用紙に寸法を書き写し友に渡した。友はあまり気乗りがしないようだったが、仕方がない。

友「明日には梱包して男の家まで車で運ぶ。到着する前に連絡を入れるから玄関先で待っていてほしい。」

男「ありがとう。正直これに関しては断られると思ってたから。」
47 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/02(月) 16:27:19.22 ID:zY2SiAmco

友(俺は…間違っているのか?こいつはーー)

男「おい、友。どうした?」

友「あや、何でもない。ただ、これを独りで作るのかと考えると途方もないなって。」

男「それは必要だから。俺はコイツを独りで創らなきゃいけない。」

そういうものなんだと、そう言ってその日は自然と解散になった。

48 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/02(月) 16:27:56.54 ID:zY2SiAmco

男の書斎−クロノス研究所−には新しいものが増えた。金属の加工作業を行うために部屋を仕切り、そこに加工機械と"素体"を運び込んだ。

もちろん嫁には呆れたような顔をされたが、副業の為だという説明をし、了承してもらった。

流石に加工機械を深夜に動かすのは申し訳ないと思い、加工はなるべく昼間のうちに行うことにした。

娘が帰ってきたら勉強やゲームに付き合って、共に夕食をとり、家族が寝静まったころに別の作業をするというルーチンワークをしていた。

睡眠時間は必要ないとも思っていた。それでも家族に悟られぬよう最低限の睡眠を取っていたのは、本当に家族の為なのか。

その様な作業が一週間続き、素体は、人間としての骨格を得た。

鋼鉄の骨格を。

49 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/02(月) 16:40:34.00 ID:zY2SiAmco
今日はここまで。

夜は親戚で集まってなんやかんややってきます。

明日は気ままに投下します。
50 :SS速報でコミケ本が出るよ[BBS規制解除垢配布等々](本日土曜東R24b) [sage]:2012/01/02(月) 16:44:53.34 ID:cZey9KxDo
わーい
これ面白い
純文学っぽさがあって好きだ
51 :とんかつ :2012/01/02(月) 23:04:51.00 ID:y3Fygyvl0
早く早く
52 :以下、あけまして、おめでとうございます [sage]:2012/01/02(月) 23:08:44.96 ID:YRska/0so
乙〜
53 :以下、あけまして、おめでとうございます [sage]:2012/01/03(火) 00:02:12.41 ID:jfNwjWFAo
SF的錬金術ってかんじだな。面白い、乙です
ところで>>51なんでコテつけてんの?
54 :とんかつ :2012/01/03(火) 15:34:44.45 ID:4mrnjK9Y0
詳しいことはいいのいいの
55 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/03(火) 15:49:13.67 ID:51bIOaYso

§4.2 精神固定実験結果


娘「ねえ、おとうさん。」

男「なに?娘に好きの人ができた…だと?」

娘「もうー。そんなことじゃないよー。」

男「なんだ…違うのか…」フゥ…

娘「これを見て欲しいの。」

男「なになに…登山特集?」

娘「あのねっ、次の休みに山登りに行きたいの!」

男「山登りか、そりゃまたいきなりだなー。」

娘「えっとね、友達がこの前家族で行ってきて、とっっっても星が綺麗だったって言っててね。」

男「なるほど、星を見に行きたいのか。でも夜の山道は危ないからなあ…」ガチャン

嫁「娘ちゃんが言ってるのは高尾山だよ。」

男「なるほど高尾山ならケーブルカーもリフトもあるからな。あとおかえり、嫁。」

娘「おかえりおかあさん!」

嫁「ただいま。私も高尾山なら楽だし、近場だしい良いと思うよ?」

男「だったら行くかー、高尾山。」

娘「やったあ!おとうさんだいすきー!」

男「おとうさんもだいすきだぞー!」

キャッキャ キャッキャ
56 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/03(火) 15:50:13.37 ID:51bIOaYso

キャッキャ キャッキャ


嫁(私も甘えたいなぁ…最近は副業が忙しいみたいで構ってくれないし…)

男「おーい、嫁?大丈夫か、ぼーっとしてたみたいだけど。」

嫁「えっ、ああうん。大丈夫だよ。」

男「…無理に山に行くこともないんだぞ?行きたくないならー…」

嫁「別にそういうことじゃないよ。ただ、最近構ってくれないなぁーって…」

男「……なら、今日は一緒に寝ようか?」ニヤニヤ

嫁「えっ//うん…いいよ///」

娘「いつもおとうさんとおかあさん一緒にねてるよねー?」

嫁「うん、そうだねー。えへー//」ボンヤリ

娘「んー?」

男「いつか分かるさ…」

娘「なんかおとうさんとおかあさん変だよ?」

嫁「///」

男(嫁が可愛い所為で俺のクロノスがマックス)

57 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/03(火) 15:50:45.16 ID:51bIOaYso


今日も部屋は冷却ファンのノイズで溢れている。

俺は骨格によって支えられている素体に手を入れていた。意味的にも物理的にも。

"少女"を創る為には幾つもの難題が存在するが、これはその内の"精神の在処"について解決するためだ。

人の精神とは一体何処までを指すのか、人間の生理現象全てを含めてしまうのか。それとも人間的な記憶処理のみに限定するのかという問題でもあった。

現在の技術では脳という領域を制限した場合、この素体には収まらないだろう。

しかし、人間で言う自律神経系のみであれば、それは筐体に分散させてしまうことも出来るだろう。
58 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/03(火) 15:51:32.09 ID:51bIOaYso

しかし俺は、人間を複製するのではなく、少女を複製する事を望んでいた。

俺が知る、少女であればその外はどうでもよかった。

俺が創らなければいけないのは、人間ではなく少女なのだ。

男「君は、冷たい鋼鉄から、暖かな少女になるんだよ。」

その顔は、我が子を慈しむよりも深い愛で歪んでいた。

男は、常人の精神では人間の精神を創り出すことなど不可能だということに、気付き始めていた。


59 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/03(火) 15:52:44.97 ID:51bIOaYso
とりあえずここまで。

もしかしたら夜にもう一度投稿するかも。

書だめも残り数レス分しかないのです。
60 :以下、あけまして :2012/01/03(火) 16:26:41.88 ID:PQjkvyfQ0
61 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 16:36:54.16 ID:mB5CvzVpo
乙〜
62 :とんかつ :2012/01/03(火) 16:44:48.79 ID:4mrnjK9Y0

頑張れ
63 :以下、あけまして [sage]:2012/01/03(火) 17:17:37.59 ID:p7+0jIuIO
64 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 11:57:28.72 ID:kiUWLl3IO
65 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 13:05:36.68 ID:q9wCLJ0zo

何かいろいろすげぇ気になる。
66 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/04(水) 15:35:49.73 ID:UqaA9OQFo

§4.3 静特性測定結果

男「この独特の空気の旨さ…良いねっ!」

娘「いいねっ!」

嫁「ほーら、さっさとケーブルカー乗り場に行くよ!」

男娘「はーい!」

嫁「今日は晴れてよかったねー。」

男「曇っていたら星は見えないからなぁ。」

娘「いつもおとうさんが頑張ってるからだよきっと!」

嫁「わたしとしてはもっと家事をしてくれると文句ないけどねー…」

男「耳が痛い話題ですな…」

娘「おとうさんお耳痛いの?」

嫁「おとうさんがもっとお家の事をしたいと思ってるから痛く感じるんだよ。だから、おとうさんがもっと娘ちゃんと遊んでくれたら痛くなくなるかもね♪」

娘「じゃあきょうはいっぱい遊んで、おとうさんのお耳治すのー!」

男「もちろんたくさんあそぶぞー!」

娘「やったー!じゃあ肩車してー!」

キャッキャ キャッキャ

嫁「肩車…いいなぁ…」

67 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/04(水) 15:36:31.91 ID:UqaA9OQFo

男「よし、そろそろ暗くなってきたし、山頂に行くか。」

嫁「星を見るのって、ここじゃだめなの…?」

娘「見るなら山頂がいいって聞いたー。」

男「まあ、せっかくここまで来たからには最高の星空を見なきゃ損だろう?」

嫁「まあ、そこまで言うならね…」

男「じゃあ行きますか。準備もあるしな。」

娘「さーいくぞー!」

嫁「準備って、なにかする事でもあるの?」

男「楽しみとワクワクは後まで取っておくのが定石だぜー!」

娘「だぜー!」

嫁「はいはい、楽しみにしますよー。」
68 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/04(水) 15:37:15.87 ID:UqaA9OQFo

男「よし、と。準備出来たぜ。」

嫁「どこにこんなものを…」

娘「すごーい!これって望遠鏡でしょ?」

男「その通り、これは天体望遠鏡だ。昨日のうちに運び込ませてもらった。」

嫁「だから一日中家を開けてたのか…」

男「今日は雲も少ないし空気は澄んでいる。」

男「絶好の、天体観測日和だろ?」

嫁「そういえば、天体観測が好きだったとか言ってたねー。」

男「中学の頃はほとんど毎日、天体観測してたほどだからな。」

娘「ねー、はやく星を見たい!」

男「そうだな、あんまり時間もないし、さっと星空の旅とでも洒落込みますか。」

嫁「はぁ、なんなのその表現は…」

男「別にいいだろ、こういうのも…。まずは土星の輪っかを見せてあげようかな。」

娘「輪っか?」

男「そうだよ。目じゃあ見えないけど、土星には輪っかがあるんだ…」
69 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/04(水) 15:38:19.41 ID:UqaA9OQFo



ーーまた、時間をなぞり直したいのか?


娘「ほんとだ…ねぇ、おかあさんも見てみて。」


ーーでも、役者も背景も違う。


嫁「うん、本当だね…」


ーーそして俺は、家族を守らなければいけない。


男「次はプレアデス星団を見せてあげよう。少し待ってね、とっても綺麗だから。」



ーーすばるのように輝く、この家族の時間を…


70 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/04(水) 15:38:54.33 ID:UqaA9OQFo
とりあえずここまで。

次は夜にでも。
71 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 16:06:43.52 ID:4PKowuipo
72 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 19:21:43.84 ID:l+geu7XDO


男は一体何を求めているのか
73 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/04(水) 20:08:41.41 ID:UqaA9OQFo


素体は、目を覚ましてはくれなかった。

理由は分かっていた。人には必ずその個人としての歴史がある。

しかし、この素体にはそれがない。人が夜明けと共に生を受けるのならば、この素体には黎明はない。生まれてすらいないのも同じだと考えた。

人と同じ様な反射はある。いわゆる植物状態であった。

男「神様はどうやって人間を作ったんだろうな…」

俺は素体を目の前にしてそんなことをつぶやいていた。

素体のあらゆる部位から束ねられたケーブルが、まさに生えているかのように見え、さらに頭部は直接弄る為なのか半分ほど切り取られ、開けられていた。

四肢に取り付けられたケーブルによって痙攣を起こさせ、頭部に接続されているプローブによって素体の脳を観測する。そんな実験をここ数週間は続けていた。


74 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/04(水) 20:09:22.29 ID:UqaA9OQFo


男「この際、俺の脳みそを向こうに移植してみるか…?」

人前ではまともな風に振る舞っていても、もはやその精神は常人のそれから大きく逸脱していた。

男「さすがに脳移植は不安すぎるな…移植…」

生体である人間の部品を移植したところであれが動く検討など何一つなかった。こいつが動く前に死んでしまっては意味がない。

だったらと、何か俺を人間として確立させているような要素。たとえば、脳の演算や神経の反射のパターン。もしくは入ってくる信号…神経信号?
75 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/04(水) 20:10:44.66 ID:UqaA9OQFo


男「俺の感覚信号を全て素体にバイパス…いや、ミラーリング…」


俺は素体から送られてくる神経信号のログを眺める。確かに機械がこれを処理するには多い情報量かもしれない。だが、これ以上の信号を入力したら、この素体はどうなるのだろうか。



男「感覚共有…」



男はすぐさま実験へと移った。自分の後頭部を覆うくらいの機器を固定し、その機器からPCへと接続し、素体へ繋げる。

一旦自動的な素体への信号入力を止め、そこへ機器から出力される信号を接続した。



その日、男は自分の感覚神経を全て、素体へと繋げた。

76 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/04(水) 20:23:19.60 ID:UqaA9OQFo
とりあえずここまで。

正直、年末の大掃除をサボっている合間にスマートフォンで書いてみたものがここまで膨らむとは思ってませんでした。

ここで今更ながらキャラクター紹介でもします。


男(26)

主人公格

工業系の大学を卒業してから、四年あまりで多くのプロジェクトに参加しては、常に何らかの成果を出してきた努力家。

友には天才と揶揄されることが多いが、男の才能、技能は全て努力の本に成り立っている。

嫁と娘の三人家族。東京郊外に家を借りて暮らしている。

趣味は天体観測と嫁との夜の運動会。

男の両親は事故によって10年前に他界している。

体格は日本人の標準的な体格で、万人に好かれるような顔立ちと嫁は思っている。
77 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/04(水) 20:32:01.57 ID:UqaA9OQFo
友(26)

男の中学時代からの友人。

努力家だが、報われないことが多かったために度々男を天才と揶揄する。

中学一年から以前のセキュリティー対策ソフト開発までの間、常に男と同じ職場を渡り歩いていたが、現在はある医療機器メーカーに勤めている。

人の機敏に疎く、まれにひとりで突っ走っては勝手に事故を起こしているが、それを考えなければ友人想いで熱い男ではある。

どっ、童貞ちゃうわ!

タバコはマイルドセブン。

体格は男より少し背が高く細い感じ。嫁曰く、年を取ると味が出てくる顔立ちだとか。
78 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/04(水) 20:40:14.58 ID:UqaA9OQFo
嫁(24)

男の嫁。

男が大学在籍時に出会い、天体観測を通じて男と交際して、卒業と共に結婚した。

あまり頭が良くないと本人は言っているが、男と同じ大学を卒業出来ているので本当は悪くないはず。

天然気質で結婚して数年経っていてもあまり夜のアレに関しては免疫がない。

家事はほとんど完璧だが、料理だけは男の後塵を拝する程度。

意外にもかなりマメな性格で、毎日電力メーターをチェックしては記録をしている。節電大事。

娘ちゃんラブ

体格はちっちゃい。いろいろちっちゃい。顔立ちは男曰く、マジプリティー。

79 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/04(水) 20:42:34.74 ID:UqaA9OQFo
今日はここまで。

一応の区切りがついたので、投下は少し間が開くと思います。

では、お休みなさい。
80 :以下、あけまして [sage]:2012/01/04(水) 20:57:17.01 ID:k5hmtCUMo
乙ですです
81 :以下、あけまして [sage]:2012/01/05(木) 01:09:18.79 ID:b+0mSW/jo
なかなかはっちゃけたことしやがる
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/06(金) 11:32:10.92 ID:v/GluIzIO
83 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/07(土) 11:52:18.39 ID:thGvyYOzo


§4.4 動作測定結果

友「はい、わかりました。では後ほど…はい。」ピッ

友「ふう、これで今日の仕事はおわりっと。」

女「お疲れさまです、主任。コーヒーでも如何ですか?」

友「ああ、ありがとう。タバコ吸いながらでもいいか?」

女「いいですよ。喫煙所に行く途中にコーヒーも入れましょう。」

友「いつもありがとうな。女の淹れてくれるコーヒーが旨くて缶コーヒーが飲めなくなったのは恨めしいがな。」

女「褒め言葉として受け取っておきますね。」

カツ…カツ…

友「しかし、もうここにきてから一年か…早いものだな。」

女「そうですね、今のチームに急に入ってきて、退職した前主任と代わって主任になってもう一年ですよ。」

友「おい、やめてくれ。俺も当時はなにがなんだか分からなかったくらいだったんだ。」

女「上手くまとめられないメンバーを目前にして、狼狽えていた主任も今は敏腕リーダーですからね。」

友「黒歴史を掘り返すのは勘弁してくれ…」

女「いえ、これが日々の楽しみなので止められません。」

友「さいですか…はぁ。」
84 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/07(土) 11:53:20.00 ID:thGvyYOzo

カチッ

女「そういえば、ここに来たときにはタバコ吸ってませんでしたよね。」

友「そういえばそうだったな…まあ、禁煙してたんだ。」カチッ

女「ということはもともと吸ってたんですね。」

友「一つ前の職場内じゃ、吸える場所も無かったから自然と吸わなくなっただけなんだがな…」カチッカチッカチッ

女「転職して吸えるようになったらまた吸うようになったんですかね。」

友「…まあ、そういうところだ。くそっ、着かねえなこのライター…」

女「マッチならありますけど、使います?」

友「お、センキュー。」

シュッ シュボッ

85 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/07(土) 11:54:09.38 ID:thGvyYOzo

友「…ふう、一息着けたな。」

女「朝から電話に掛かりっきりでしたものね。」

友「ああ、こう電話ばっかりかかってくるとしばらくは着信音が聞きたくなくなるものだな。」

女「でも、また休憩が終わったら電話が掛かってくるんでしょうね。」

友「だろうな。まったく、忌々し…」

ピピッピピッピピッ…ピッ

友「はいもしもし、こちら…ってなんだ男か。こんな時間に何の…は?」

友「…それは本当か?…ああ、要件はなんだ。」

友「……分かった。仕事が終わり次第すぐに向かう。ああ、じゃあな。」

ピッ

友「…休憩は終わりだ。俺はさっさと仕事を終わらせる。」

女「…はあ、わかりました。コーヒーは後でお持ちしますね。」

友「ありがとう。じゃあ。」

友(全く、完成させただと…?あれから一年、とっくに諦めたものだと思ってたが…)


友(あいつは腐っても天才ってわけかよ…くそっ!)


友「男、てめえは何がしたいんだ?」

86 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/07(土) 11:55:05.44 ID:thGvyYOzo
とりあえずここまで。

また夕方にでも。
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 19:53:05.15 ID:PLkfE30DO


先の展開に期待と不安が募る作品だな
88 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/07(土) 21:13:21.89 ID:9LOjEBDSo


男「ああ、本当だ。できれば今日、家にきてほしい。大丈夫か…わかった。到着する前に連絡をしてほしい…。じゃあな。」

ピッ

男の書斎ークロノス研究所ーは数ヶ月振りに静寂につつまれていた。

主に騒音の原因となっていた多くの機器は停止されており、僅か音を発しているのは弱い空調と男と少女の呼吸のみだった。

男は携帯電話を白衣に滑り込ませて代わりにタブレット端末を手に取る。端末を手早く操作すると

男「自律系は安定…自己診断も問題なし。記憶系はアイドル状態を維持、感覚系は全て正常値。」

男は白衣をまといタブレット端末を手に持ち
鋼鉄のベッドに眠る少女をながめる様は医者にも見えた。

少女は相も変わらず安らかに眠っているかのようだった。後頭部を覆う機器もそのままであったが。
89 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/07(土) 21:14:32.11 ID:9LOjEBDSo

男「思考系は停止中。安定確認《オールグリーン》。」

部屋の時間が一瞬止まったような、そんな不思議に包まれる。男はその止まった時の中でこれまでの11年を思い返す。長いようで短い11年を。

男「さあ、少女よ甦れ!失った時間を取り戻すために!」


男は愚か者であった。成長して過去に妥協することもなく、諦めという言葉を亡くしたかのように過去へと執着していた。

同時に全てを覆して成功を手にするための資質もあった。妥協と諦めを知らない精神はいつの間にか一人を作り出すまでに成長し、不可能を可能としてみせた。

90 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/07(土) 21:31:02.46 ID:bNXjNb8Mo


男は手元のスイッチを殴る。すると今まで静寂を吐き出していた冷却ファンが最高回転で回り始め、ログを表示する無数のディスプレイはもはや人が追いつけないほどの速度で情報を更新してゆく。

男はながめていた。微笑みを浮かべながら。

少女は一瞬大きく身体をけいれんさせ、目を開けた。少女は動き始める。

それと同時に、猛獣がその拘束を取り外そうとするような音が鋼鉄のベッドから発せられるが、男の表情は変わらない。 これが産まれてくるものの苦しみを表しているのか、それとも地獄の門から聞こえる悪魔の声なのか。

そして、其れからはよく覚えていない。ただ、目の前に少女がいた。


男「…」

少女「…」


それらが全て終わったとき、鋼鉄のベッド…拘束の意味も込めてあったそれは大きく歪み、その残骸の上に少女は立っていた。

人は経過した時間にさえ、美しさを感じ、感動することが出来るのだろう。男は涙さえ流してはいなかったが。

一瞬が無限に引き伸ばされるような感覚の中、男はその声で戻ってきた。

その昔に聞いた事のある、すこし忘れかけたけれどまだ覚えていた、その声で男は戻ってきた。


91 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/07(土) 21:31:59.15 ID:bNXjNb8Mo








少女「…ねえ、私は、何?」







92 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/07(土) 21:33:45.58 ID:bNXjNb8Mo
今日はここまで。

書き溜め殆ど使いきりました。明日は投下するか分からないです。
93 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/07(土) 21:35:53.10 ID:bNXjNb8Mo
言い忘れてましたが、質問や突っ込み、ここおかしいやろボケェ、などがありましたらお願いします。

初SSなので、こんな感じでいいのかまだ分からないので…
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 21:58:21.19 ID:w/R1Ida4o
ない、良スレ。異常
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2012/01/07(土) 21:58:46.46 ID:2eI/jb6AO
おつ!

これで初SSか……
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/07(土) 22:00:48.65 ID:+hk+F59Xo
乙〜
良いよ良いよ
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/07(土) 22:32:13.62 ID:PLkfE30DO
引き込まれた…
満たされているはずの主人公が、1人の少女を造り出すために猛執する
なんて話は読んだことがないな。

鬱展開の匂いから、どこか世界初のアンドロイド小説を思い出したよ。
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/07(土) 22:33:42.82 ID:o6INL2xLo

ついに少女のおめざめきたー
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/08(日) 12:36:32.19 ID:dkFxVwMuo
どこまでも俺得なので文句なんかあるわけ無いじゃないっすか
100 :とんかつ :2012/01/08(日) 12:57:55.88 ID:vy17hY+F0
なにこれクソ下手









すいません超うまいですすいません
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/08(日) 14:41:00.83 ID:O8YMATBDO
豚はブヒブヒ以外ゆるさん
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/08(日) 19:43:45.41 ID:M77BM16Do
酉も無いクソコテ[ピーーー]
103 :とんかつ :2012/01/08(日) 20:00:16.05 ID:vy17hY+F0
豚って俺?
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/08(日) 20:03:23.77 ID:OL4H6FNZo
>>103
わざとやってるんだろうけど、一応
糞コテやめた方が良いよ。ってかやめとけ
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/08(日) 21:05:20.43 ID:y2XAwMCIO
構うなよ
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2012/01/09(月) 07:09:21.42 ID:GvyNOviD0
すげぇなこれ
107 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/09(月) 11:49:07.24 ID:o0r1FYJZo


Appendix 2

男と少女

今から十年前。俺が友と会う一年前。

俺は受験とかそういうものから逃げるように、毎日学校の屋上へ望遠鏡を担ぎ込み、星を眺めていた。

それが数週間続いてそろそろ飽きる頃だとは思うが、俺はやめる気にはならなかった。何故なら、そこは独りじゃなかったから。

少女「あ、やっぱり今日もいた。」

こんな現実逃避から逃げ始めて、その日に少女と出会った。

男「また来たのか。よく飽きないな。」

少女「良いではないか良いではないか〜」

そんなことを言って少女は二人掛けのキャンプで使うような椅子の端にちょこんと腰をかける。これもまた、数週間続く同じ光景だった。

108 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/09(月) 11:50:00.14 ID:o0r1FYJZo


少女「今日は何を見るの?」

男「いまから決めるところだよ…そこの紙袋取って。」

俺はもはや慣れた手付きで望遠鏡を架台に取り付け、赤道儀と焦点を合わせる。はじめの内こそ手間取ったが、何度もやってみれば何一つ難しいことはない。

少女「ほー、天体観測の雑誌なんてあるんだー。」

男「読んでないで持ってきてくれよ。」

少女「はいはい、大事に扱ってくれよ!」

男「それ、もともと俺のだよ!」

少女「あははっ、気にしない気にしない〜」

男「まったく…」

少女から本を受け取ると、目次を開いて面白そうなものを探す。まず表紙にもあったふたご座流星群の記事が大きく取り上げられていた。
109 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/09(月) 11:51:16.99 ID:o0r1FYJZo


男「ふたご座流星群か…でもまだ早いな。来週の日曜か。」

少女「ねえねえ、流星群ってなに?」

男「流星群知らないのかよ。」

少女「うん、しらない!」

物凄い得意顔で言われてもなあ…

男「流星群ってのは、たくさん流れ星が現れるものだよ。」

少女「なるほどー、それで?」

男「えっ?」

少女「どうしてそういうのが起きるの?」

男「……さあ?」

少女「男でもわからないのかー。これはそうとうの難題なのか?」

男「いや、ただ単に俺が知らないだけだよ…」

110 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/09(月) 11:52:20.98 ID:o0r1FYJZo


男「とりあえず今日はプレアデスでも見ようかな。」

少女「えー、男は毎日それじゃん!それより土星の輪っかを見ようよ!」

男「そっちこそ、毎日土星じゃないか。ほかに見たいのとかないのかよ。」

少女「すごいじゃん、土星の輪っか。」

男「俺には分からないよ…」

少女「まったく、感性が貧相だな!」

男「少女には言われたくないな、これは。」

少女「しかたない、今日のところは木星の輪っかで手を打ってやろう。」

男「なんで、流星群知らないのに木星に環があること知ってんの!?」

少女「男の持ってきた本にあった。」

男「ああ、そうですか…」
111 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/09(月) 11:52:49.95 ID:o0r1FYJZo


少女「ちなみにその本に木星の輪っかは普通見れないってあった!」

男「知ってるならむちゃなリクエストしないでくれよ…」

少女「男の狼狽するさまが見たくてね。」

男「性格悪いなぁ…」

少女「これも日常のささやかなスパイスだよ。」

男「ただ疲れるだけだよ。」

少女「ところでこんなことしてると星見れなくなるよ!さあさあ土星のわっかを見よう!」

男「って、もうこんな時間かよ…しかも土星を見ることになってるし。」

少女「ほら、はやく土星にファインダー合わせるんだよ!」

男「へいへい…」
112 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/09(月) 11:53:38.28 ID:o0r1FYJZo


俺はこの時間が楽しかった。俺と少女しかいなかったが、その二人で十分だった。

毎日くだらない掛け合いをして、時間が来る前に少しだけ星を見て。

正直言うとこの時点で俺は少女が好きだったのかもしれない。

それでも、この時間はあっけなく崩れた。






そのまま、流星群の見ることなく、少女は俺の目の前から消えた。







113 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/09(月) 11:55:14.91 ID:o0r1FYJZo
とりあえずここまで。

けずられてゆーくー書き溜めー…

114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/09(月) 12:43:54.58 ID:xOrtryBno
乙〜
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 12:50:16.76 ID:j7xJMpOKo
むしろまだ書き溜めがあったのかww
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/09(月) 16:02:50.98 ID:2S2f6gyDO
ひとつだけ文句を

適度な勿体つけは作品には必要だが、いいところでの場面転換の多用はイラつかせるだけだよ。





何が言いたいかってえと、早く続きを読みたいっていう、ね?
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/10(火) 11:55:14.75 ID:aE4+aEBwo
別に早く続きが読みたくないわけじゃないけど…

ごめんなさい読みたいです///
118 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/11(水) 17:37:43.36 ID:VejeQrtLo

§5 考察


少女「…ねえ、私は、何?」

男「何…か。確かに間違ってはいない表現だけど、いまいち気に入らないな。」

男「…君は、誰か、という質問でいいのかな?」

少女「誰…そう、名前は何?」

男「名前は少女だ。名字はまあ、今は良い。」

少女「少女…なかなか珍しい名前。」

男「おっと、字面通りに受け取るなよ?」

少女「字面…?」

男「いや、こっちの話。」

少女「わかった。」

119 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/11(水) 17:38:25.15 ID:VejeQrtLo


少女「ところで、聞きたいことがある。」

男「おお、何でも聞いてくれ!」

少女「…なんで私は服を着ていないの?」

男「…」

少女「どうした?」

男「あ、いや、今まで気にしてなかったから驚いた。そうだよね、全裸の女の子突っ立たせてなにやってんだろう俺…」

少女「まあ、とにかくこのままだと寒い。何か着る服がほしい。」

男「着る服って言ってもなあ…白衣ならあるけど。」

少女「じゃあ、それで良い。」

男「少し待ってくれ、新品を出すから。」

少女「わかった。でも、寒いから早くしてほしい。」

男「あいよー」


男「よし、これで裸ロリ白衣の完成だ。」キリッ

少女「何のこと?」

男「こっちの話。」

少女「ふむぅ…」

120 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/11(水) 17:48:20.26 ID:IYiVstbMo


少女「それにしても裁縫道具抱えてなにをやるかと思った。」

男「白衣が俺のサイズだと大きいと思って、それじゃあ着づらいかなって。いやまあ、着余し裸ロリ白衣もなかなか良いものだが。」

少女「どういう事?」

男「これもこっちの話。」

少女「さっきから意味の分からないことばかり言って、私を混乱させたいの?」

男「そう言うことじゃないけど…まあ気にしないでくれよ。」

少女「そういうことにしておく。」

男「それがいいさ。」

121 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/11(水) 17:49:20.47 ID:IYiVstbMo


男「そして一つ質問だ。少女は自分が分かるか?」

少女「自分…ああ、よく分からない事を言われながら白衣のみを着せられている状態だ。」

男「いや、そうじゃなくて…なんて言ったらいいのかな。」

男「少女は、自分の体に疑問を持ってないか?」

少女「確かに、何か違和感がある。身体は圧倒的に軽いし、考えていることもスムーズに進む。」

男「そうか、そう言う事ではないのだがな。」

男は少女の目の前にたち、少女の首に手を回し目線を同じ高さまで下ろした。

少女「顔が近いです。」

男「それくらいは我慢してくれ。一応大事なことなんだから。」



男「君の体は機械の体だ。」

122 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/11(水) 17:50:18.88 ID:IYiVstbMo


少女「…はい、知ってます。」

男「それはどうやって知った?」

少女「いえ、何となく、そのような気がしたので。」

男「まあ、理解しているならいいんだ。予想範囲内だ。君は機械化人間…というよりはアンドロイドと言ったほうがいいのかな――」


君の体はアルミとスチールの複合骨格で支えられている。

あまり女の子に対してこういう事を言うのはマナー違反だとは思うが、君の重量はおよそ70キログラムある。

これでも精一杯軽くしたのだから許してくれ。

動力は内部バッテリーと燃料電池だ。最大出力で動けばだいたい三時間で強制スリープに入ってしまう。

日常生活だったら一日以上はもつだろう。この部屋で補給とメンテナンスは出来るから、残量が足りなくなってきたと感じたら予備バッテリーに付け替えてくれ。

そして、君は普通の人間よりはるかに能力が優れている。運動能力も、思考能力も。身体自体の耐久性も優れている。

稼働時間に制限があること以外は君に勝る人間はいないだろう。

123 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/11(水) 17:51:37.51 ID:IYiVstbMo

男「最後に、少しでも異常を感じたら、すぐに報告してほしい。これは絶対だ。」

少女「分かりました。」

男「滅多なことはないと思うけどね。君の場合は。」

少女「そうですか。」

男「なんて言ったって、俺が作ったんだから。」

少女「…ところで、この頭にあるものが邪魔です。取ってください。」

男「ああ、そうだったな。もうこれは必要ないから取ってしまおうとてたんだ。」

スッ カチッ

男「うん、これでいくらか楽になるだろう。」
124 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/11(水) 17:52:41.05 ID:IYiVstbMo

少女「…あなたのことは、良くわかりません。」

男「ん、そうかな。」

少女「はい、私自身がなにか理解していないのに、あなたは全て知っているような気がする。」

男「それについては、これから知っていけばいいさ。あまりいい話でもないしね。」

少女「そう言うものですか。」

男「そういうものだよ。」

pipipi pipipi

男「そろそろ俺の友人がここに来る。」

男「君はこれからこの家で暮らすことになる。家に関してはもう知ってるはずだ。」

男「あいつ、少女を見たらどんな反応するんだろうなー」

少女「私はどうしていればいいですか。」

男「そうだな、とりあえずそこの椅子に座ってて。俺がここまで連れてくるから待っててくれ。」

少女「了解しました。」

男「じゃあ、行ってくるよ。」

125 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/11(水) 17:57:51.02 ID:IYiVstbMo
とりあえずここまで。

ここらへんからの展開が大変です…

ちなみに構想は最後まで出来ているので、あとは細かいところですけど。


あと、恐らく嫌いな人が多い展開が過去回想にあるのですが、その時は警告とNGワードをお知らせするので、いきなりというのは無いためご安心下さい。
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/11(水) 18:04:26.50 ID:39Mpi4efo
乙〜
さてさて、くるのはレイp……?NTr……?
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/11(水) 19:22:27.08 ID:dP1YFmuDO
乙です

そういうの気にしないでいい。
感想を自由かつ無責任に書ける場所だからといって物怖じせずに好きに書けば。
読んで気分がわるくなっても自己責任さ。
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/11(水) 20:16:52.76 ID:LYk9VFRIO
自分が書きたいものを書け

わざわざ変えなくていいぞ
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2012/01/11(水) 23:02:01.81 ID:aJ5Vud1u0
早く
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/11(水) 23:14:09.26 ID:W9X+3eyNo

アンドロイドの出来が良いぶん、よけい物悲しいな
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2012/01/12(木) 15:53:23.06 ID:cWryz8vAO
>>126
クズが[ピーーー]
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2012/01/12(木) 18:36:29.00 ID:HaBVgbPQ0
>>131
まぁまぁ
133 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/13(金) 07:18:28.53 ID:WBfmsGH0o


友「…久しぶりだな。」

男「ああ、一年くらいは会ってなかった気がするよ。さあ、入ってくれ。」

友「お邪魔します…」

男「部屋は地下ある。そこの階段を降りて右の部屋だ。」

友「分かった。家族は?」

男「今日は娘の用事について行ってるよ。あと少しで帰ってくると思うけどね。」

友「なにか、飲み物を持ってきてくれないか。仕事上がりで喉が乾いたんだ。」

男「そうだな、一応お客だしな。とりあえず部屋に入って待っててくれ。」

友「あ、ああ。分かった。」


134 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/13(金) 07:19:17.80 ID:WBfmsGH0o

カツッ カツッ

友「男が作ったもの…」

大して喉は乾いていなかった。すこし男と離れて考えたかった。しかし、恐怖が思考を許さない。

明らかな恐怖を感じる。いや、恐怖と言えるのかわからない、思わず立ちすくんでしまうなにかを感じた。

その先にいる者、その存在に対してなのか、それとも男自身に対してか。これも運命のようなものなのか。

薄暗い地下への階段は、以前に歩いた時よりも長く、急なものに感じる。思わず足元を踏み外しそうになった。

一年前からずっと、男が執着し続け、ようやく形となったもの。それはきっと――


男「…そこで立ち止まってたら進めないんだけど。」

いつの間にか後ろには、缶コークを3つ抱えた男が立っていた。

友「ああ、すまん。」

男「言うのが遅いと思うけど、足元気をつけろよ。」

友「…なあ、この先にいるのは何だ。」

男「何って――少女だ。」

友「少女…?そういえばそんな名前を聞いたことがあるな。」

男「それについては追々説明するさ。さあ、進んでくれ。」

友「分かったから。急かすなよ。」

覚悟ができていない訳ではなかった。一年前、素体を作るために協力したときから、男が何をしようともそれを見届けるのが自身の役割だと、そう決めていた。

それでも、怖かったのだ。怖いのに、すでに扉は目の前にあった。

135 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/13(金) 07:20:43.76 ID:WBfmsGH0o




男「じゃあ入ってくれ。あまり驚いてくれるなよ。」




扉を開ける。目は逸らさない、全てを確かめるんだ。



扉はゆっくりと開く。なにかが変わった気がした。それは空気だとわかった。吹き込む風と共に無機質なにおいを感じる。



そこにいたのは。



136 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/13(金) 07:24:18.73 ID:WBfmsGH0o
とりあえずここまで。

次はすこし日が開きます。
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/01/13(金) 07:43:07.60 ID:kQiHIM6Do
乙!
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/13(金) 07:45:09.81 ID:/kXI/L5uo
乙〜
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 08:10:03.75 ID:ZOt2vhXPo
おつ
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 10:41:13.29 ID:h9HcDBKDO


少女は友にとっても深く関係があるんだろうか…
141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/01/13(金) 12:43:51.69 ID:yuuZtXe70
おつ
142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2012/01/13(金) 16:20:33.85 ID:JNgwOBSV0

143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/13(金) 19:26:46.04 ID:Uh7kgxuIO
144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/15(日) 09:40:33.09 ID:jFxXMsJDO
乙。
友の怖いって感覚がよく分からんな。
人間同様のアンドロイドの登場が、男の存在で少し早くなったってだけなのに。
145 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/18(水) 14:07:22.47 ID:Ups8eK0Qo

Appendix 3   男と友


少女と放課後の屋上で天体観測をするようになってから一週間ほど経ったある日のことだった。

すでに11月の中旬に控える進路希望調査用紙の提出、それを目前にして俺は悩んでいた。

いや、進路の事でもあったが、それよりは親の問題だ。

親はいわゆる研究者だった。両親ともおなじ研究をしていた。何をやっていたかは知らなかったが。

そして問題は、両親が自分等の研究を息子に引き継いで欲しいという見え見えのアプローチをしてくる事だった。

男「友、俺の偏差値何だっけ…?」

友「60ジャスト。てか、まだ進路決めてないのか。」

男「ああ、親の期待には添えなさそーだ。」

友「別にいいんじゃないの?男の人生なんだし。」

男「そうかな……」
146 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/18(水) 14:08:06.81 ID:Ups8eK0Qo


友「だから、一緒に地元高校に行こうぜ!」

男「さすがにそこまで落とす気はないな。」

友「いいじゃん。多分青春できるぜ?」

男「友は真面目に勉強したら上がると思うんだけどなあ。」

友「面倒だからいや。それはそうと、男って放課後何やってんの?」

男「なんで放課後?」

友「いやさ、男って塾にも行ってないし、だれも居ない家にいるのもアレだと思うし。」

男「えーっと、屋上で天体観測…?」

友「そういえば最近、屋上に望遠鏡運んでるの見たって聞いたな。」

男「まあ息抜きだよ。」

友「それにしても天体観測か、なんか男に似合うな。」

男「似合うってどういうことだよ。」

友「いや、なんかイメージが。自然にかっこいい行動とれる男には敵わないねー。」

男「…俺ってそんな風に見られてるの?」

友「…無自覚って怖いわー。」

男「そんな風に思ったこともないし、天体観測だってそこに望遠鏡があったからだよ。」

友「そっかそっか。やっぱり男だ。」ウンウン
147 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/18(水) 14:08:46.84 ID:Ups8eK0Qo

男「もうどうでもいいや。」

友「ところで、それって一人でやってるの?」

男「あー…うん、独りでだけど?」

友「ふーん。男がそう言うならそういう事にしておくよ。」

男「それってどういうことだよ。」

友「別に男に彼女が出来ても不思議でないからなって事だよ。埋まれ、リア充。」

男「彼女って…ああ、見られてたのか…」

友「いや、なんか屋上に男女の生徒の人影がって噂。最近男が屋上で天体観測をしてるなら男だろうなって。」

男「はぁ…あんまり言いふらすなよ、後がめんどくさい。」

友「ごめん、それ無理。」

男「へっ?」

友「だからな、もう言っちまった。」テヘペロ
148 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/18(水) 14:09:24.30 ID:qteGfM4qo

気が付くと、周りから生暖かい好奇の目で見られている事に気がついた。

友「いや、ほんとごめん。まじて。応援してるぜ、色男!」

なんだか、ヒソヒソと俺が話題に上がっているようだった。このなんとも言えない雰囲気に居づらくなる。

男「あいつは、彼女でも何でもないからなあぁぁぁぁぁぁ!!」

その後、質問攻めにあったが黙秘で通す。友は一発殴っておいた。

友とは中学に入ってからの友人で、いつもこんな感じでつるんでいた。

友はいつでも期待を裏切って行動してみせる。良い意味でも、悪い意味でも。

そして友はまた、裏切ってみせた。俺の知らなかった場所で。


149 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/18(水) 14:12:26.87 ID:aAXptAPdo
とりあえずここまで。

一回書き直してサブタイトル変えてとりあえず投下…

書きたかった話はまた後日にー。

書き溜めもあるので次は近いうちに。
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/18(水) 15:46:27.77 ID:I/zpZi//o
otu

151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/18(水) 16:02:15.25 ID:VvYEC+iCo
乙〜
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 19:22:14.00 ID:RaGg2sUDO
うひょー!
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2012/01/19(木) 21:24:46.92 ID:tselc1VT0
154 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/20(金) 14:19:01.90 ID:ATQdggawo

§5.1 三原則についての考察


友「…………」

少女「友人の方が固まっていますが。」

男「まあ、多分驚いているんだろうな。」

少女「確かに目の前に裸ロリ白衣がいたら驚きますよね。 」

男「暗に俺を貶していないかい? 」

少女「そんなことはありません。」

男「まあ、いいさ。後で嘘発見器にでもかければわかるんだ。」

少女「そんなものが有るんですか。っと、そろそろその方を起こした方がよろしいかと。 」

男「そうだな、いい加減話も始まらないし。 」ペチペチ
155 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/20(金) 14:19:40.22 ID:ATQdggawo

友「………っは!いきなり目の前に裸ロリ白衣の美少女が現れた!」

男「反応遅いね。」

少女「ですね。」

友「ああよく言われるって、違う違う! 」

友「よりによって…その子だったのか。」

男「説明は、要るか? 」

友「いや大丈夫だ。一年前の時点で気付けなかったのが不思議な位だ。 」

男「名前を聞いても思い出さなかったな。」

友「正直に言うと、男はもう割りきったものだとおもっていた。」

156 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/20(金) 14:20:43.28 ID:ATQdggawo

男「あんなこと…割り切れる訳ないだろ。」

友「そう、か。ところで、そこの嬢ちゃんは知ってるのか?」

男「ほとんど知らないと思う。一応記憶の制御はしているけど、全貌はわからない。」

友「そうか、ならやることはひとつだ。」


友「はじめまして、お嬢ちゃん。友って呼ばれている、男の親友だ。よろしく」

少女「はじめまして。少女です。よろしくお願いします。」

友「名前もそのままなんだよな…」

男「ああ、もし思い出したら整合がつかなくなるからな。」

友「そういうものか。」
157 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/20(金) 14:21:10.57 ID:ATQdggawo

少女「…私はあなた方をなんと呼べばいいですか。」

友「好きなように呼んでもらってかまわないよ。」

少女「では、友さんでよろしいでしょうか。 」

友「それでいいよ。」

男「俺はデフォルトでかまわない。」

少女「それでは御父様でよろしいでしょうか。」

友「ん?おい、男。そういう趣味があったのか?」

男「そんなことないから!多分設定ミスだろう…」

少女「御父様が私に接続したデータベースの一部に、その呼称を多用している文献を発見したため、さきほど私を娘と言われたことと関連付けました。」

男「…とりあえずそのデータベースは切断して、俺の三人称を再構成。」

158 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/20(金) 14:25:54.76 ID:ATQdggawo

友「そういえば、去年あんなにあった薄い本とゲームのパッケージはどこに行った?」

男「…友みたいな感の良い大人は嫌いだよ。」

友「おい、男。あとで説明してもらうことが増えたな。」ガシッ

男「説明することなんて何一つ無いぜ…多分考えている通りだ。」

友「……変態。」ボソッ

男「一応否定しておく。」

少女「…樹の再構成が終わりました。呼称を男さんに設定します。」

男「…ああ、ありがとう。それでいい。」

159 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/20(金) 14:26:42.73 ID:ATQdggawo

友「で、こらからどうするんだ?わざわざ変態行為の極地を見せびらかせに呼んだのか? 」

男「これは変態行為じゃない…まあ、見せるというのは目的のひとつだけど。」

友「ということは、また何か必要なものでもあるのか?」

男「物ではない。頼み事ではあるけど。」

友「まあ、勿体つけずに言ってくれ。もう覚悟は出来てる。」

男「覚悟が必要なものでは無いはずだけどね。」

友「それでも、気合と根性は必要だろ。」

男「まったく、頼りになる親友だ。それで頼み事というのはな…」

ガチャ

160 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/20(金) 14:27:17.56 ID:ATQdggawo

嫁「男、お客さんが来てる…の…?」









少女「…」

友「」

男「」







161 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/20(金) 14:30:30.36 ID:ATQdggawo

男(裸ロリ白衣の美少女を間に挟んで話している男二人…詰んだな、これ。)

嫁「……ねえ、二人で…何をしているの?」ワナワナ

男(友、とりあえず、アドリブで頼むぞ!) b

友(って、何がだよ!親指立てるな!)

嫁「そこっ!こそこそしない!」

友「あのっ、嫁さん…これには深い訳が在りまして…」アタフタ

男(あ、これダメな気がする。)

嫁「友さんには聞いていません!男に聞いてるんです!」

友「あ、あの、本当に男が悪いという訳でも、あっ、俺が悪くもないというかなんというか…」

嫁「黙れ…」

友「」

男(友が撃沈した…しかたないな。俺の所為だし、腹括るか。)

嫁「なんとか言いなさいよ…男。」

162 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/20(金) 14:31:14.96 ID:ATQdggawo

男「…わかった。嫁、正直に言うよ。」

嫁「…言って見なさい。」










男「嫁に内緒で娘作った」










少女「この場合、私は娘なのでしょうか。」












163 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/20(金) 14:32:11.00 ID:ATQdggawo
とりあえずここまで。

書き溜めは有限故に美しい…?
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/20(金) 14:42:09.43 ID:D/GjoCHOo
言い方いろいろアウトだろ
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 14:46:08.47 ID:nniWX03IO
男お前はダメなやつだ
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 18:10:41.91 ID:/92kKx8DO
火にジェット燃料注いでどうすんだよw
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 20:26:52.56 ID:TPaBP19Ko
                           __,,:::========:::,,__
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    ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ|iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
    /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙;iill|||lli|llii:;゙i|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´
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168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/20(金) 21:33:35.42 ID:Ldj7quP6o
とんだとばっちりだな、友
169 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/22(日) 20:02:15.59 ID:iNUUEbAzo


そのあとは正に修羅場だった。

娘が友達の家に泊まるという事で必要な物を取りに、早く家へと帰ってきた嫁に見つかり、まず嫁を落ち着かせるのに30分掛かった。

嫁は終始泣きながらだったため、とりあえず少女は娘ではない、アンドロイドだという事すら納得させるのに時間が掛かった。

その間、友はほとんど役に立ってなかった。気合と根性はどうした。

それから娘の必要な物をまとめて持っていくため、帰るまでに話をまとめておくよう言われ、今に至る。

170 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/22(日) 20:02:44.05 ID:iNUUEbAzo

友「まず、あの一言が不味い。直球過ぎる。」

男「だからあれは、ああでも言わないとどうにもならないと思ってだなあ。」

友「だからといっても、なんでよりによっていきなりショックを受けるような言葉を選ぶんだよ…」

男「それはまあ、あとあとやっちまったなとは思ったさ。でもよぉ。」

友「とりあえずは、嫁さんになんて説明するか考えておけよ。」

男「わかってるさ…とりあえずは、これが家事手伝い用のアンドロイドの試作機ということにしよう。」

少女「私は家事手伝いのために作られたのですか。」

171 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/22(日) 20:03:12.14 ID:iNUUEbAzo

男「特別、何をさせるために作ったわけでもないさ。とりあえずは、という事にしてくれ。」

少女「わかりました。」

友「で、なんで俺が居るかはどうするんだ?」

男「共同研究者と、スポンサーからの出向技術者、どっちがいい?」

友「共同研究者にしてくれ。今の会社は計測機器メーカーだからややこしくなる。」

男「幸い、学生時代から専門は自然言語処理と画像認識だから、間違ってるという事はないしな。」

友「…なあ、正直に話すってのは無しか?」

男「無し、としかできない。嫁には少女の話はしていないから。」

友「そこから説明するのは難しいだろうし、な。」

172 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/22(日) 20:03:45.03 ID:iNUUEbAzo





男「じゃあ、それでいこう。娘は今日帰って来ないみたいだからあとででいいか。」

友「…ところで、俺には少女が作られた理由を教えてくれないのか?」

男「少女を作った理由…それは。」





173 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/22(日) 20:06:47.91 ID:iNUUEbAzo

男「もう一度、やり直して欲しかった。何も罪は無い少女にあの終わりは、残酷過ぎる。」

友「なるほど、な。そんな所だとは思ってたよ。お前は基本、意外とお人好しだからな。」

男「まあ、そういうことだ。だからあと少しだけ付き合ってくれ。」

友「おうよ。それくらいどうって事ないしな。」

少女「これが男と男の友情でしょうか。」

友「その通りだ。ここテストに出るぞ!」

少女「動作テストでしょうか。それとも次回のPOSTでしょうか。」

男「少女、本当にテストする訳じゃないから気にしなくて大丈夫だよ。」

少女「友さんはうそつき?」

友「別に嘘をつくために言ったわけではないんだ。ちょっとした冗談だよ。」

少女「冗談…」
174 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/22(日) 20:09:11.56 ID:iNUUEbAzo

男「そうだ。今はわからないかもしれないが、いつか分かるようになるさ。」

少女「やっぱり、自分だけ知らない事があるというのは気分が悪いです。」

友「まあまあ、そう言ってもすぐに分かるさ。な、男?」

男「そうだな。少女が知りたいと思い続けていれば、直ぐに分かるようになるさ。」

少女「そうでしょうか。」

男「ああ、間違いない。なんたって俺が作ったんだからな。」

友「さて、そろそろ嫁さんが帰ってくる頃じゃないか?」

男「そうだな。リビングに上がって待ってるか。」

少女「リビング。この部屋の外ですか?」

男「そういえばこの部屋からまだ出てないな。」

友「少女ちゃんは目覚めてまだ数時間しか経ってないから驚くものがたくさんあるかもな。」

少女「まだ知らないもの…もっと知りたいです。」

175 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/22(日) 20:09:49.14 ID:iNUUEbAzo

男「なら、まずは嫁を説得して少女を家族の一員として迎えないとな。」

友「そうと決まったら、今日は歓迎会だな!」

男「おいおい気が早いなあ。まあ、そのつもりだったけどな。」

少女「私が、男さんの家族ですか?」

男「ん、嫌だったか?」

少女「いえ、嫌ではありません。むしろ…」










少女「なんだか、胸が暖かくなった気がします。」











176 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/22(日) 20:14:09.66 ID:iNUUEbAzo
とりあえずここまで。

書き溜めが残り数レス分とか信じたくない。
177 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/22(日) 20:15:01.17 ID:iNUUEbAzo
おっと上げ忘れ
178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 20:26:15.49 ID:IBPMsBNLo
まだ書き溜めあった事に驚いた
おつおつ
179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/22(日) 20:45:24.64 ID:qP/gX+Fso
180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/23(月) 01:34:23.61 ID:jtRWCig8o
期待してる
181 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/23(月) 22:22:29.61 ID:v6bAt/+zo
書き溜めが一旦尽きたので、安価で番外編と過去編を書きたいと思います。

1、友と少女

2、男と両親

3、少女ちゃんのからだ

とりあえず一番多かったものから書きたいと思います。

少しだけ説明すると、1では友の恐怖の理由がわかります。2では少女について少しだけわかります。3は完全に1の自己満で、男が作った少女ちゃんの設定を書きます。

明日の夜までに集まったレスから一番多かったものを書きたいと思います。

3はともかく、過去編はいずれどちらも書きます。
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage saga]:2012/01/23(月) 22:26:26.82 ID:9OFyyIJAO
ならば3しかないじゃないか
183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 22:31:54.76 ID:VZfNqNroo
3
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/01/23(月) 22:36:43.11 ID:q/WHovZlo
3で
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/23(月) 22:42:54.52 ID:CIRUVE1no
3
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 22:53:49.25 ID:6YssFHiVo
2
というか全部投下しようぜ
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/01/23(月) 23:21:23.26 ID:ASfq1oqxo
3
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/24(火) 01:11:18.26 ID:d0LpWHXDO
いずれ全部書いてくれるなら、普通に1、2、3の順でいいやん
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/24(火) 02:21:58.56 ID:djDYXiVIO
>>188といっしょ
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/24(火) 16:11:37.91 ID:gAt8mdLEo
それでも3を希望
191 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/24(火) 16:59:17.20 ID:AltThuj+o
結構なレスの量が集まって若干驚いています。

では少し早いですが、三番にしたいと思います。

今回のアンケートは三番の需要があるのかわからなかったことと、一回分過去編を入れる合間が出来たのでやってみました。

では、これから書いてくるので明日の夜には投下します。
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/01/24(火) 18:56:16.89 ID:OyH8N4fAo
楽しみにして舞ってる
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/25(水) 19:49:35.41 ID:KZRtqLIIO
さあこい
194 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/25(水) 22:14:07.69 ID:mtx4JcBKo

男「さてみんなこんばんは!少女ちゃんラジオ、今夜もハイテンションで始めるぜっ!」

女「お相手は、まだ本編にちらっとしか出てきてない友さんの部下、女と、」

男「クロノス研究所の創設者にして稀代の大発明家、男がお送りするぜ!」

女「ところで男さん、一昨日東京は今季初の積雪がありましたね。」

男「そうそう、それで>>1はかなり苦労したみたいだね。」

女「東京暮らしにとって積雪は珍しくていいかもしれませんが、通勤通学の邪魔ですものね。」

男「>>1は車を持っていなければ免許すらとってないからそれは仕方ないと思うんだ。」

女「都市部ではあまり必要でもありませんからね。」

男「そういうこと。」

195 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/25(水) 22:14:46.83 ID:mtx4JcBKo

女「ということで、関東地方に住んでる人は凍った道や階段に注意してくださいね。」

男「さて、まずはお便りからいってみよう!」

女「お住まいは不明、>>188さんからの投稿です。」


『いずれ全部書いてくれるなら、普通に1、2、3の順でいいやん 』


男「はい、全く持ってその通りでございます。」

女「>>1はスマートフォンで全てをやっていて、それ以外だと筆が進まないとかいうヘタレだけど許してね。」

男「書き溜めも移動時間しか出来ないんだ。その都合上、みんなが読みだい話から書いていきたいっていう事らしいよ。」

女「ですから、今後も過去編やこの少女ちゃんラジオみたいな番外編を入れる場合は安価を取るかもしれないので、ご協力お願いします。」

196 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/25(水) 22:15:13.59 ID:mtx4JcBKo

男「さて、本日のメインディッシュ、少女ちゃんのからだ解説編にいってみようか!」

女「まずはゲストの登場です。少女ちゃんどうぞ〜」パチパチ

少女「よろしくお願いします。」

男「こちらこそ、よろしくお願いします!」

女「さて、まずは皆さんが、なぜ?なに?と思っているであろう疑問から行きましょう。」

男「まずは一つ目!少女ちゃんってどのレベルまで人間の体に近いのか、からいってみよう!」

少女「そうですね、私の体はポリアミドの基材にシリコンを浸潤させた皮膚を持っていて、難燃性を持たせるためにいわゆるカプトンテープのようなもので補強してあります。」

女「質感的にはほとんど人間のようですね。」ムニムニ

197 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/25(水) 22:15:41.61 ID:mtx4JcBKo

男「ちなみにこれ、沸騰したお湯が多少かかっても変質しないようになっている。だからと言って少女にお湯はかけないように!」

少女「即席麺ではないので食べれません。」

男「……」

女「……」

少女「…とりあえず、次に食事です。これについては、一応口から食べ物を入れることも可能ですが、補給の面で考えると全く意味の無いどころか、食べ物を消化するのにエネルギーを消費するのと、その後の洗浄が必要になります。」

女「さすがにこれは難しかったみたいですね。」

男「本当は再現したかったものの一つなんだけど、すこし再現するための機構が思い浮かばなかったらしい。」

198 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/25(水) 22:16:10.14 ID:mtx4JcBKo

女「そんな少女ちゃんでも、唯一エネルギーとして補給できる食品があるみたいですね。」

少女「はい。私の動力源は主電源にリチウムバッテリーを使用していますが、副電源としてエタノールを利用する燃料電池を内蔵しています。」

男「だから、度数40のウィスキーだったら一時間で最大2リットル処理できる能力があるみたいだね。」

女「角瓶約三本ですか…かなりの酒豪ですね。」

少女「しかし、燃料電池のみで駆動できるほどの出力はありませんし、内部タンクも500ミリリットルほどなので実際はこまめな排泄が必要になるでしょう」

男「まあ、それでも少女のくせに大酒豪ってことに変わりはないけどね。」

女「ところで…そのー、あそこはどうなっているんです?」

少女「あそこ…とはどこの部位でしょう?」

女「あまり口にするのには憚られるようなーそのー…。」

199 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/25(水) 22:17:00.30 ID:mtx4JcBKo

男「あー、あんまり女の子に言わせるような事じゃないね。俺が説明するよ。」

少女「結局あそことはどこなんでしょうか。」

男「……基本的に人間のそれと同じように出来ているらしい…とりあえず、ニャンニャンできる…とのことだから、あとは各自で脳内補完してほしい。」

少女「ニャンニャンとは何でしょうか。」

女「あー、うん。いつかわかるかもね…。」

少女「?」
200 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/25(水) 22:17:26.01 ID:mtx4JcBKo

男「そして本日最後の質問、少女はどこから情報を拾ってきているか!」

女「そういえば、本編でもデータベースなどという話がちょくちょく出ていますね。」

少女「データに関しては、無線LANを通じてクロノス研究所にあるデータベースサーバーから引っ張ってきています。男さんや御母様もプライベートで使用しているので各人の趣味に言動が左右されます。」

女「ちなみに、男さんは父子物の薄い本のデータベース、嫁さんは中世ファンタジーの少女漫画のデータベースが接続されていたようですね。」

男「なるべく多くの知識を、と思ってサーバーごと接続したらこのざまだよ。」

女「まあ、自業自得ですよね。」
201 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/25(水) 22:17:52.97 ID:mtx4JcBKo

男「データベースにはオープンソースのものを使用しているぞ。」

女「まあ、オラクルのとかを購入する予算がなかったんですね。」

男「そんな所だね。OSはオープンソースだったりマイクロソフトだったり。」

女「リンゴが嫌いなんですか?」

男「ただただ機会に恵まれてないだけだよ。デザインはいいと思うけどあんまり好きくない。」

女「まあ、少女の記憶は研究所のサーバーにあるってことですね。」

男「簡単に言えばね。」

202 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/25(水) 22:18:37.09 ID:mtx4JcBKo

少女「いま調べたところ…どうやらサーバーのログによると、男さんはほかにもいろんな書籍を登録しているようです。例えばムガッ」フガフガ

男「よしとりあえずそこまでだ。」

女「またいつかお会いしましょう。質問は随時受け付けていますー。」

少女「フガフガフガフガ」(See you agein...)






トコロデナニヲイウツモリダッタンデスカ

…イヤ、キニシナクテイインダヨ?

ジツハオトコサンハーーーシュミダトイウ…


203 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/01/25(水) 22:20:27.05 ID:mtx4JcBKo
とりあえずここまで。

本当はもっと設定があるのですが、専門的すぎて詰まらないと思うので割愛しました。

次は週末にでも。
204 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/25(水) 22:20:52.15 ID:mtx4JcBKo
おっと上げ忘れ
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/25(水) 22:45:04.26 ID:ZaHavCYNo
乙!
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/25(水) 22:54:58.82 ID:YgRWi4/9o
モーターの駆動音とかはしないんだろうか……乙
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/26(木) 09:34:15.54 ID:LgxfHxoIO
炭素繊維による人工筋肉なんじゃね?

208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/26(木) 10:39:51.50 ID:yRb6K4IIO
レプリカントみたいな有機メインなのか
スナッチャーみたいな無機に有機皮膜なのかどっちだろう…?
209 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/26(木) 11:22:48.97 ID:gZv+W7Ayo
ああああああ今気がついた!

すこし書き溜めしたものと時系列ごっちゃになってる…

とりあえずその差を埋めるために今夜投下します…
210 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/26(木) 21:43:06.56 ID:WSyI4se9o


男はこの少女に、ただもう一度幸せというものに満たされた生活を送って欲しかった。


そのため、余計なものは省いていた。それは主にロボット三原則と呼ばれているものだ。


少女は体こそ完全なる機械だが、その人格の基礎となる部分は、図らずとも人間に極限まで近いものになった。


人間に使役されるロボットではなく、対等に人間なのだから、幸せを制限する原理なんて必要なかった。


ただ、願わくは、全てを思い出したときに、本当に掴みたい幸せまで覚えていてほしい。


人間なのだから。アンドロイドではなく、少女なのだから。





ガチャ

嫁「…ただいま。」

男「そのためには、まず説得だな…」





211 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/26(木) 21:43:39.11 ID:WSyI4se9o

嫁「一年前もそうだったけど、男ってなんで一番大事なことを言わないで黙ってるの?」

男「いや、驚かせたかったというか、正直受け入れてくれなかったらどうしようとか思いまして踏ん切りが付かなくなりまして…」

嫁「何よそれ…信じてくれてないの?」

男「いや、そう言うわけではないけどさ…」


嫁「私はね、男がやる事なら何でも受け入れたい。やり遂げたい事があるって言った男を支えていきたいって、言ったよね?」

男「たしかに、付き合い始めた頃に聞いたけど…」

嫁「だから私は男の為に生きていくって。もう私は男がいないと生きていけないから…」

212 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/26(木) 21:44:05.58 ID:WSyI4se9o

男「…ごめんな、素直に話してやれなくて。」ギュッ

嫁「ん…、それにこれが男のやりたかったことなんでしょ?だったらなおさらだよ。」

男「まあ、その通りだよ。」

嫁「だったら、最後に全部、教えてくれるんでしょう?」

男「ああ、だから今は彼女を家族として、迎えてくれないか。」

嫁「ん、わかった。今度からはきちんと話してよね…?」

213 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/26(木) 21:44:32.64 ID:WSyI4se9o

少女「これがイチャイチャというものでしょうか。」

友「ああ、しかし俺とか少女ちゃんがいる前でよくもまああんなにイチャイチャ出来るもんだなぁ。」

少女「きっと、二人だけの世界というものがあるのでしょう。」

友「…よくわかってんじゃん。」

少女「いえ、データベースから引っ張ってきただけです。」

友「一体どんなものを繋げてるんだよ…」

214 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/26(木) 21:45:02.01 ID:WSyI4se9o

少女「管理者権限が無いため、教えることは出来ません。」

友「いや、知りたいわけではないんだよ。うん。」

少女「そうですか。」

男「さて、嫁も良いって言ってくれたし、今日から少女は家の娘だ。」

嫁「はじめまして、嫁って言います。男のお嫁さんです、きゃっ///」テレテレ

友(うわあ……)

少女「はじめまして、少女です。よろしくお願いします。」

嫁「少女ちゃん、でいいんだよね。さっきは取り乱してごめんね。」

少女「いえ、特に問題はありません。」

嫁「んー、やっぱり言葉が堅いわね。もっと気軽に呼んでもらっていいのよ。あ、私の名前も好きに呼んでもらっていいよ。」

少女「では、デフォルト設定を適用します。」

215 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/26(木) 21:45:27.93 ID:WSyI4se9o

少女「呼称を『御母様』と設定します。」

友(おい、男これってさっきとおなじ…)ヒソヒソ

男(まさか、再構築でデフォルトも変化したはずだけど…)ヒソヒソ

友(さっき、少女ちゃんデータベースから変な知識拾ってきてたぞ?)ヒソヒソ

男「あー、少女?そんな物々しい呼び方じゃなくていいぞ?なんなら俺が…」

嫁「大丈夫!御母様でいいよ!」

男&友「へっ?」

嫁「こんなかわいい娘に御母様って呼ばれるなんて、もう可愛すぎて!」ダキッ

216 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/26(木) 21:45:54.63 ID:WSyI4se9o

少女「ではその呼称を設定します。」

友「もしかして、データベースって…」

男「多分、嫁の電子書籍のデータベースだろうな…」

嫁「ほっぺも柔らかい!」フニフニフニフニ

少女「やめてくださいこそばゆいです」フニフニフニフニ

友「早速馴染んでる?みたいだな。」

男「とりあえずはこれでいいだろ、多分。」

友「そう…なのか?」

嫁「」フニフニフニフニ

少女「」フニフニフニフニ

男(なんかごめん、少女。とりあえずは生け贄となってくれ…)

友「と、とにかくさ、買い出し行ってくるよ…」

男「ああ、そういえばそうだな。必要なものはメールするよ。」

友「あいよ。じゃあ行ってくるさ。」

嫁「」フニフニフニフニフニフニフニフニ

少女「」

男(…まあ、いっか。)

217 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/26(木) 21:56:00.68 ID:WSyI4se9o
とりあえずここまで。

いよいよもって、書き溜めがなくなりました。

これからプライベートでも立て込んでくるのでペースダウンするかもです。


ちなみに、少女ちゃんは作中にあるように鋼鉄の骨格の上に人工皮膚があります。

たぶん、ターミネーターの液体でないほうを考えてもらうと近いかと。


少女ちゃんの動力は脚部と肩にはモーター主体の動力。腕や胴体はソノレイドをのばしたような動力が主体で、まぶたや唇など比較的トルクが必要ない部位は人工筋肉を使用しています。

ちなみに静音設計になっているため音はしません。ご都合主義ですね。


ちなみにこの未来は、いまから10年ほど後ですが、大して技術革新はありません。

ただひたすらに半導体の集積度ばかり上がり、新エネルギーは何一つ成功せず、発電は原子力と火力に頼っています。

大きな争いはありませんが、人は地球に縛られたままです。こんな未来です。
218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/26(木) 22:50:47.99 ID:1F+943g6o
おれもフニフニしたい
219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/01/26(木) 23:00:54.13 ID:jDZvJUbAo
俺はクンカクンカしたい
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2012/01/26(木) 23:04:23.33 ID:X+6HCtuAO
モミモミは任せろ
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/26(木) 23:05:47.86 ID:diNp1W7AO
ペロペロは俺にまかせろ
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/26(木) 23:29:19.58 ID:2tq06DvIO
ならクチュクチュは俺が
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/27(金) 01:03:16.02 ID:X/ewHatDO
じゃあ…ズブズブでいいや
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/01/27(金) 03:01:14.74 ID:mneLXX32o
1とお前らとの空気の差が酷すぎるwww
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/27(金) 13:25:13.18 ID:3+0Kxw0IO


今現在炭素系の人工筋肉筋肉(候補素材)はもう開発されてるんだから
そこはモーターじゃないほうがいいと思うぞ
動きに柔軟性がなくなっちゃうだろ

歯車系は動き硬いしな
柔軟な動きだとワイヤー系か人工筋肉系だろ
ただ、ワイヤー系はスペースとるから
少女サイズに収めるには人工筋肉系をメインに指とかだけ小型ワイヤー系で作るのがいいと思う

それなら声帯部分も同時形成できるしより人間に近くなるぞ
構造的には人体の各パーツを人工物に置き換えるだけだしな

映像処理系にはポリゴン3Dじゃなくて粒子で3D作るやつ(名前忘れた)で処理すれば人に近い精度が実現できそうだしな
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/27(金) 21:50:05.51 ID:GzCEJt04o
三原則ってアシモフ?
暴走とかしないことを祈るわ
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/29(日) 10:01:35.89 ID:QSZ5MDF7o
GPLに汚染されてないか心配
228 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/29(日) 17:04:20.67 ID:vbGnyfrGo


そしてその夜は宴会となった。



友に買ってきてもらった酒やらつまみやらはかなりの量であったが、それも二時間ほどで尽きてしまった。


そして知っていることだが、少女はかなり飲む。いや、飲めるようにしたのは俺の晩酌に突き合わせるためなのだが、いかんせん程度を誤った。いくら何でもウィスキーだのウォッカをストレートで飲み込んでゆく少女というのはどこの場末だ。


俺自体は少女の底を知っているから無理にペースを合わせるようなマネはしないが、友は飲み比べなんてことを勝手にやったため、もうつぶれていた。戻したりしていないだけマシか。


反して嫁はもともとあまり飲めないからか缶チューハイを手元に少女と一緒にファッション雑誌を読んでいる。というか一方的に少女を付き合わせている形だが。


結局友がつぶれたところで自然と片付けを始めていた。友は適当にリビングへころがしておいて、少し酔った俺と嫁は少女をつれて寝室へ移った。

229 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/29(日) 17:06:58.27 ID:vbGnyfrGo

少女「私もここで寝るのでしょうか?」

嫁「もちろん!だってもう私たちの家族だもんね。」

少女「しかし、私は研究所にベッドが…」

男「少女が嫌なら強制はしないけどさ。」

少女「…いえ、嫌ではありません。」

嫁「だったらここで一緒に寝よう?」

少女「わかりました。」

男「そうだな、少女はどこに寝かせようか…。とりあえず俺がリビングのソファで寝てもいいんだけどさ。」

少女「男さんがリビングで寝る位なら私は研究所に戻った方が…」

男「いやいや、それはダメだ。」

嫁「…あ、だったらみんなでベッドで川の字になって寝たい!」

230 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/29(日) 17:07:50.55 ID:vbGnyfrGo

男「あー、まあいいけどさ。少女はいいのか?俺と寝ても。」

少女「はい、構いません。」

嫁「少女ちゃんに変な事したら……何かするよ?」

男「何もしないって…」

嫁「どうだかねー。こう見えて性欲魔王だしねー。」ニヤニヤ

男「ん、そんなことはないと思う…けど?」

少女「性欲魔王…とは?」

231 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/29(日) 17:08:38.52 ID:vbGnyfrGo

嫁「えっとね、夜だけ女の子を食べちゃう狼になる男の人って言うんだよー。」

少女「なるほど、いまの男さんは狼…と。」

男「変な知識教えるなよな。」

嫁「まあ、少女ちゃんに男はあげないけどね!」

男「聞いちゃいないな、嫁。」

少女「これが、ベタボレ、というものでしょうか。」

男「嬉しくはあるんだけど、恥ずかしくてさ。」

嫁「恥ずかしくなんかないさ、大好きだからね!」

232 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/29(日) 17:09:05.10 ID:vbGnyfrGo

男「そう言うところが恥ずかしいんだ。」

少女「でも、家族っていいですね。」

男「少女…そうだな。」

嫁「少女ちゃんも家族の一員なのよ?だから男と同じ位大好きだよー!」ギュー

少女「ありがとうございます。男さん、御母様。」ニコッ

男「……ん、お礼を言われるほどでもないさ。さあ、もう遅いし寝ようか。」

嫁「そうね。あ、男は真ん中で寝てよね!で、私が左で少女ちゃん右ね。」

男「…これでいいのか?」

嫁「うんうん。じゃあ少女ちゃんは男の左腕に抱きついて。」

233 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/29(日) 17:09:40.16 ID:vbGnyfrGo

男「……へっ?」

少女「こうでしょうか?」ギュッ

嫁「それでオッケー!じゃあ私も…おじゃましまーす。」ギュッ ギュッ


男「あのー、これはどういうこと?」

嫁「男は両手に花でいいね!」

少女「これはハーレムですか?」

男「二人しか女性がいないのにハーレムとはこれいかに。」

嫁「男、これからは娘ちゃんもいるんだよ…みんなを守ってね…」

男「ああ、もちろんだよ。」

少女「私も、御母様達を守ります。」

嫁「うん、頼もしいね。少女ちゃんなら…」 Zzz Zzz

男「お休み、嫁。少女もお休み。」

少女「おやすみなさい。男さん、御母様。」

234 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/01/29(日) 17:10:23.05 ID:vbGnyfrGo




守る。それは覚悟している。


少女はもちろん、嫁や娘も危険に晒される可能性がないとは言えない。


この世界にとって、少女の存在は邪魔なのかもしれない。技術的にも少女に使っている技術は喉から手がでるほど欲しがる人間は確実にいる。


それらからだけでない。まだ知らぬ敵がいるかもしれない。しかし、少女はもう死なない。


守る。そのための力を。


235 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/01/29(日) 17:29:38.90 ID:vbGnyfrGo
とりあえずここまで。

移動時間に意外と書けるから三日に一回くらい投下出来るかもしれません。


to all
少女ちゃんに手を出す人間はグソクムシに食べられてしまえ。


少女ちゃんについて補足です。

モーターと言っても、イメージとしてはステッピングモーターと誘導電動機を組み合わせたようなモーターで、歯車系はありません。脳内設定ではこれで大丈夫になってしまっています。

人工筋肉の使用が限定的になっているのは、単に男に手に入れられなかったことが原因としています。

顔面の人工筋肉は、アミューズメント用途に作られたユニットを流用しています。

認識についてはかなりSF的な設定があるんですけど、それはまたお話の中で触れます。

三原則はその通り、アシモフの三原則です。暴走云々についてもお話しのなかで。

男が使用している環境はGPLやそれを含むウイルス性ライセンスに保護されてるソフトウェアはありますが、少女ちゃん自体にはオープンソースなコードはありません。

その代わりに男がそこらから盗んだコードや技術で少女ちゃんは動いています。特にセキュリティー対策ソフトの開発現場から盗み出したコードが一番重要です。

では、またいつか。


236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2012/01/29(日) 18:32:12.02 ID:NMNSq5lAO
グソクムシと一緒に少女ちゃんの関節ペロペロ^^
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/29(日) 20:20:52.11 ID:QSZ5MDF7o
乙 設定緻密ですね
GPLなんかよりよっぽどヤバかった
少女ちゃんのコードベロベロ
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/29(日) 22:43:58.80 ID:sfc4zrTIO
娘ちゃん空気
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/30(月) 00:39:45.96 ID:1tN8fewIo
お疲れ様〜
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/30(月) 02:00:46.78 ID:iSSh+DCFo
乙です
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/30(月) 12:40:34.14 ID:1T1R2AHAO
男が26歳で嫁が24歳とのことですが、二人の子に関する記述(ピアノのレッスン・
友達の家にお泊まり等)が小学生(最低でも7歳以上)にしか見えません
出会って即学生デキ婚したor実は養子だった等の伏線でないのなら、二人の
年齢を+10することをお勧めします
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/30(月) 21:34:48.45 ID:dVefysBuo
>>241
ピアノなんか3才で習ってるやつなんかザラにいるし
親同士が友達とかで仲がよければお泊りもありうる
+10はやり過ぎ
ただ嫁が4年制大学でたなら卒業から2年だし
シューティングゲームが何時の間にか上手くなってる年齢だとすると小さくても5,6才だろうから+5前後かなぁ
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/30(月) 22:25:19.83 ID:1T1R2AHAO
>>242
2〜3歳の子を親無しで友達の家に泊まらせるとかないわ〜
祖父母の家ならともかく、特に深い理由もなくいきなり友達に
預けるなんてよっぽどのDQNでない限りないわ〜
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/30(月) 22:26:58.36 ID:yT02v9Yao
>>243
作り話に何言ってんの?
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/31(火) 00:38:11.48 ID:JLgnpqd4o
>>243
242は小さくても5、6歳って言ってるのに2〜3歳はどっから出てきたの?
数字も読めないの?
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/31(火) 08:13:29.50 ID:9RppnVLAO
>>245
二人が出会ったのが男20嫁18
真面目なお付き合い→結婚準備するには最低でも1〜2年(男22嫁20)
妊娠出産に最低で1年弱(男23嫁21)
今男26で嫁24と言うことは子どもは2〜3歳

これが無茶だから、+5するべきだという主張が242で、
そんな最短でとんとん拍子にいくの不自然だから+10しろっつってんのが243
「作り話なんだからどうでもいい」と言ってるのが244
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 08:23:21.82 ID:+TYbbYjIO
脳内補完もできないとか
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/31(火) 08:34:21.18 ID:9RppnVLAO
あと、少女の見た目年齢が10代後半であることから、26の男にそんな年齢の
子どもがいるのは物理的に不可能であり、嫁が信じて取り乱すのは不自然
36なら、10代後半の子どもがいる可能性もゼロじゃないから自然な展開になる
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 09:15:33.15 ID:WDds83/IO
もういいじゃん編集者きどりはやめとけよ
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 10:41:41.87 ID:nSeNoQpJ0
好きなのを選んで脳内補完しなよ

・10年後の未来では英才教育により0歳児から教育が始まる
 (3歳でお泊りやピアノレッスンが普通)
・男も嫁も誕生日がうるう年の2月29日生まれだった
・10年後の未来では年齢の計算方法が変わった
 (20歳以上からは3年に一度しか年を取らない)
・二人は29歳から順に若返っていくキラキラ星から来た異星人
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/31(火) 18:33:51.05 ID:61TGp/fao
>>250
せめてもうちょいまともなの用意してくれよwwwwww
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 22:44:24.48 ID:O3SsRkTIO
十年後は結婚出来る年齢が変わった
これで解決!
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) :2012/01/31(火) 23:24:35.59 ID:KwcJIQ9co
別に3歳でピアノ習ってるのも友達の家に泊まらせるのもおかしいと思わんけど?
逆に3歳ぐらいの方が子供同士で遊んでて「嫌だあああ、帰らないいいいい」とか言うこと多いぜ
5歳ぐらいになってくると怖がったり恥ずかしがったりするようになる。
小学生なんてなおさら

ということでこの話はこのままでもまったく問題ない。というか+10すると余計不自然。
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2012/01/31(火) 23:27:31.17 ID:ppoBwdHU0
>>250
なぜこの4つなんだww
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/01(水) 00:19:37.90 ID:UNn/jQl+0
>>254
いや、まぁ、10年後の話だからどうとでも理由はつけれるし、
現在の理屈で現実的な考証を行ったところでこの4つとさほど変わらないし、
何が言いたいかというとオレと一緒に少女ちゃんペロペロしようぜ!
グソクムシに良いペロペロポイント取られてしまっても良いのかよ!
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/01(水) 01:06:15.08 ID:VoZxqeKOo
じゃあ俺は娘ちゃんペロペロしてくる
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/02/01(水) 01:18:41.93 ID:AhW1PwFAO
楽しむ事を優先しろよ

カリカリすんな
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/01(水) 08:23:12.76 ID:IVds+pW7o
どうでもいいからカリカリせずにペロペロしようぜ
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) :2012/02/01(水) 14:26:56.71 ID:GqPsdWmf0
作品をつまらなくするのはいつだって低脳な外野
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/01(水) 18:32:06.20 ID:Rv3EuVDDO
>>1はこんなクソつまらん考察気取りの突っ込みになんざ、一切反応しなくていいかんね。
せっかく面白いのに興が削がれる。完全スルーで。
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国) [sage]:2012/02/11(土) 01:29:40.48 ID:Ihr9W/cAO
また長屋か
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga sage]:2012/02/12(日) 16:47:13.38 ID:OTqamNLHo

§5.2 人格の境界性問題についての考察


夢を見ているようだった。

目の前に広がるのは数多の天体が輝く全天。感じるのは暖かな温もりと、落ちてゆくような破綻した錯覚。目の前に、何もなかった。

「流れ星に願えば、願い事は叶うの?」

叶うかもな。願ったこともないからな。

「なら、私は願ってみようかな。折角だしね。」

ちなみに、流れ星が消えるまでに願いを三回唱えないと叶わないよ。

「えっ、そんなに?」

だからゆっくり落ちてくるような流れ星じゃないと唱えきれないかもな。

「んー…、でもやってみる。」

263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga sage]:2012/02/12(日) 16:47:51.38 ID:OTqamNLHo

そうかい…あ、流れた。

「えっ、どこどこ?」

今眺めてるとこの東の方。

「東って…えーっと、こっちが北だから東は…」

また流れた。

「…さっきから男だけずるい。」

仕方ないじゃん。

「まあ、頑張る…あっ!」

お、結構でかいなー。

「……」

……消えたな。何を願ったんだ?

264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [saga sage]:2012/02/12(日) 16:48:22.79 ID:OTqamNLHo

「それは秘密ー!」

それくらい教えてくれても良いんじゃないか?

「笑わないでね?」

おーおー、笑わないよ。






少女「また、私が男に殺されませんように。」






目の前には何もなかったのに。

265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/02/12(日) 17:28:28.85 ID:pIrLcer8o

男「……」

起きた。最悪の夢見だった。

あれは、見ることのなかった流星群。俺にとっても少女にとっても無いことになってしまった最初の日曜日。

もし、少女が普通の女の子で、なんて事なく同じ学校に居たのなら見られたかもしれない光景。

そんな物も、まだ覚えている。夢にまで見る。



身体を伸ばす。寝室には俺一人、ほかはすでにリビングか。休日だというのに早起きするのは負けた気がする。それでも嫁が居ないなら起きるしかない。

ふと時計が視界に入る。まだ八時か。そういえば友のやつはどうしているんだろうか。あれだけ飲んだ翌日だから悲惨な事になりそうだな。

さて、そろそろ下へ降りるか。

266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/02/12(日) 17:32:21.47 ID:pIrLcer8o

男「おはよー。」

嫁「あ、おはよー。」カチャカチャ

少女「おはようござます、男さん。」

男「友はどうしてる?」

少女「そこのソファーでうなだれています。」

友「」

男「友ー大丈夫かー。」

友「ごめん、話しかけないでくれ…」

嫁「まあ、あれだけ飲めば当たり前よね、っと。」ガチャン

男「昨日の後片付けも終わったみたいだな。」

嫁「まったく男は散らかすだけ散らかして…。」

男「手伝ってほしいなら起こせば良かったんじゃない?」

嫁「いやまあ、そうしようと思ったんだけどね。」

男「別に遠慮なんかいらないぞ?」

嫁「まあ、私じゃなくて少女ちゃんが止めておこうって言ったんだけどね。」

267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/02/12(日) 17:33:00.76 ID:pIrLcer8o

男「え、少女ちゃんが?」

少女「呼びましたか?」

男「いやぁ、俺を起こさなかったのは少女だって聞いたからさ。」

少女「確かに男さんを起こさないでおいたのは私ですが。」

男「あー、別に起こして欲しかった訳でもないけど、一応理由聞いておきたいかなって。」

少女「若干疲れているようだったのと、夢を見ていたようだったので。」

嫁「ねえねえ、なんの夢を見てたの?」

男「いや、大した夢じゃないよ。天体観測の夢だ。」

嫁「ふーん、本当に?」

男「見た夢で嘘ついても得にはならないだろ。」

嫁「ま、そうだね。」

268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/02/12(日) 17:33:37.20 ID:pIrLcer8o

男「で、友はどうするさ。今はアレだけど。」

少女「今日は用事が無いので寝かせてほしいと言っていました。」

男「ならいいか。娘はいつ頃迎えにいくんだ?」

嫁「向こうの親御さんにお昼までお世話になるらしくて…昼過ぎに迎えにいくつもりよ。」

男「今度何か持って行くか…。」

嫁「そうだね。最近お世話になりっぱなしだしね。」

男「仲のいい友達が出来たのはいいがここまでべったりなのはなあ。」

嫁「向こうが娘ちゃん気に入ってくれてるのはいいけど、気ぃ使うんだよね…。」

269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/02/12(日) 17:34:35.00 ID:pIrLcer8o

男「そういえば、迎えにいく時間までは暇なんだよな?」

嫁「家のことしなきゃいけないから暇ではないけどさ。何か用事あるの?」

男「用事というか、少し買い物に行かないか?服とか買わないといけないと思うし。」

嫁「お、そういうことなら手伝わなきゃね。少女ちゃんをもっとカワユクします!」

男「娘が着せ替え嫌がるからって少女で遊ぶなよ。」

嫁「無理矢理はしないから大丈夫!さあさあさっさと片付けて買い物だ!」

男「はいはい、っと…。」




少女「買い物…外出するのでしょうか。」

270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [saga sage]:2012/02/12(日) 17:42:58.61 ID:pIrLcer8o
とりあえずここまで。

登場人物たちの年齢云々は考慮している上での設定ですので心配なさらず。


to 少女ちゃんをペロペロする輩

鯨に丸呑みされてしまえ。
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/12(日) 23:19:10.93 ID:YjRYiu3zo
おつ
272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/02/13(月) 00:06:28.85 ID:Gfzp21uBo
おつ
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2012/02/13(月) 00:26:48.36 ID:Pj1cWadAO
鯨の中で少女ちゃんペロペロ^^
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/02/17(金) 00:21:17.70 ID:myqkeVR3o
ペロペロ
275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) :2012/02/17(金) 02:13:03.27 ID:k+jM4E9g0
ペロペロペロペロ
276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2012/02/17(金) 10:27:13.00 ID:oJpIXrUAO
ペロペロペロペロペロペロ^^
277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/17(金) 13:37:16.09 ID:Hm7klc4ro
ペロペロペロペロペロペロペロペロ
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/17(金) 13:49:58.51 ID:pxcUpLU8o
なんだこのペロリスト共は…粛清すんぞ?
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/17(金) 22:58:19.83 ID:jex4Mr5po
>>278
加勢する
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/17(金) 23:02:30.90 ID:84dKWfPIO
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
   /:::|  ___|       ∧∧    ∧∧
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  ||::|   <ヽ/>.- |  |:と),__」   |:と),__」
_..||::|   o  o ...|_ξ|:::::::::|    .|::::::::|
\  \__(久)__/_\::::::|    |:::::::|
.||.i\        、__ノフ \|    |:::::::|
.||ヽ .i\ _ __ ____ __ _.\   |::::::|
.|| ゙ヽ i    ハ i ハ i ハ i ハ |  し'_つ
.||   ゙|i〜^~^〜^~^〜^~^〜
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/02/19(日) 12:38:03.92 ID:ny8+zqXlo
ぺろ
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/02/21(火) 12:28:02.13 ID:Lme1dOcQo
死守
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/21(火) 13:41:17.85 ID:0acu0Icno
ぺろ
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) :2012/02/23(木) 14:41:30.96 ID:ziEaps8r0
忘れ去られてそうだ
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/02/24(金) 21:08:06.48 ID:sN2ulRfdo

うまく思考ができなくなった。

初めての外出。起きる前から今まで外にでたことが無い。

それは目覚める前はとても動けるような状態ではなかっただろうことと、目覚めてからわずか1日弱こともあって当然だった。

それなのに、外出すると聞いてからか私の脳は無用の演算をひたすらに繰り返している。自分の中で見知らぬ何かがざわつくような、違和感。

これは一体、何なのだろうか。

男さんが話してくれてないこと、それが不愉快だ。自分が知らない自分が…自分…?

考える程にまとまらない思考。リソースを取られてまともに動かないのもあるが。

私の目的はなに?エネルギーを消費して私を動かす理由は?



そもそも、私はなに?

286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/02/24(金) 21:08:41.36 ID:sN2ulRfdo

男「少女ー、すこし研究所まで来てくれないか?」


はっと、我に返る。気が付けばリビングのソファに座っていた。クロックを確認してみたら、外出決定からさほど時間が経っていないようだった。


少女「わかりました。」


握りしめていた布巾をテーブルに置いてから御母様に一声掛け地下へと向かう。


男さんならこの不愉快を取り除く術を知っているかもしれない。時間があったら聞いてみよう。


いや、時間はまだあるか。


男「まだかー?」

少女「いま行きます。」


地下は、暗い。


287 :酉つけるの忘れてた ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/02/24(金) 21:09:50.70 ID:sN2ulRfdo

男「……よし、これで良いかな。起動ー開始ー。」

ジー ピッ

少女「…正常起動しました。」

男「違和感はない?」

少女「POST正常です。追加されたインターフェースも正常起動しました。」

男「まあ大丈夫みたいだね。」

少女「一体何を追加したんですか?」

男「これから外出だから、外からアクセスするのに必要なデータカードをね。」

少女「すでに組み込まれているものだと思っていましたが。」

男「あぁ、それはインターフェースだけ付けてて、肝心の無線機付けるの忘れてたからだね。」

少女「…そうですか。」

男「とにかくこれで外にでても大して差異は無いと思うよ。」

少女「もう、不足している機器は無いって事ですか。」

男「いや、まだ完成してなかったり、いまの少女には不要な装備だったりでつけていないものはあるけど、どうかしたかい?」

288 :好きなSS作者が ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/02/24(金) 21:11:06.07 ID:sN2ulRfdo

少女「いえ、特には…。」

男「これからも追加する必要とか出てくるかもしれないから予備として作っただけだけどね。」

少女「…男さん、一つ聞きたいことがあるのですが。」

男「ん、何を?」

少女「先ほど、一部の思考がループしてリソースの解放が出来なかったのですが。」

男「う、なにかのバグかな…でもログをみる限り正常だったし…」

少女「リビングで、外出ということを聞いてから、無用の演算が繰り返されるのですが、これはバグですか?」

男「……ああ、それはバグではないよ。」

少女「では、これはなんですか?」

男「なんて言えばいいんだろう、行動の原動力みないな物?イリーガルな命令実行?うまく伝えられないなぁ。」

289 :ペロリストだと判明したので ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/02/24(金) 21:12:13.70 ID:sN2ulRfdo

少女「不要なものなんですか?」

男「いやいやいや、不要なんかじゃないよ。むしろ大切なものだね。」

少女「大切なもの、ですか。」

男「そう、大切なものだ。いつか君にもわかるはずだ。だから今はそれを大切にしておいて。」

少女「機械である私にとっては、それはわかりません。」

男「君は少女だ。ただの機械じゃない。君はヒトと同じなんだ。だからそれは、いつか少女にとってとても大切なものになる。」

少女「そうでしたら、待ちます。分かるようになるまで。」

男「うん、それがいい。さぁ、嫁を手伝いに行ってくれないか?」

少女「わかりました。男さんはどうしますか?」

男「とりあえずここを片付けてから行くよ。」

少女「わかりました。」

男「うん、行ってらっしゃい。」

290 :爆破されてしまえ ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/02/24(金) 21:13:25.04 ID:sN2ulRfdo

少女「あ、男さん…」

男「なに?」

少女「……ありがとうございます。」

ガチャン パタパタ……

男「……。」


男「ありがとう、か。」


男「もうすでに、君はヒトだよ、望まなくともね。」

地下は、昏い。

291 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/02/24(金) 21:17:32.73 ID:sN2ulRfdo
とりあえずここまで。

他のSS読んでるとなかなか進行しませんね…

ペロリストはとりあえず 死ぬがよい。
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/02/24(金) 21:23:38.97 ID:BUCVKL0lo
おつ
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2012/02/24(金) 21:36:06.16 ID:EZKoA/RAO
爆風で吹っ飛びながら少女ちゃんペロペロ^^
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/24(金) 22:07:35.86 ID:mqilL2iDO
おつ
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/24(金) 22:50:37.16 ID:Juyca5EIO
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/25(土) 00:10:12.09 ID:8aYyjGqDO
>>1のせいでペロリストが暴走してるぞW
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/25(土) 01:14:15.09 ID:6jE8uL1IO

ペロペロ
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/25(土) 11:30:55.64 ID:app4uE61o
ペロ(おつ)
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/25(土) 13:28:10.86 ID:X3EyjSyIO
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/27(月) 02:36:43.60 ID:WKi2tKNho
おつぺろ
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/03/07(水) 23:53:57.74 ID:WsTHU9C0o
まだかなぁ
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/08(木) 08:53:31.55 ID:9iOb2Wmko
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
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303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/03/08(木) 15:04:21.67 ID:lbX39++DO
生存報告くらいしてくれないかね
304 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/03/08(木) 16:35:26.35 ID:lD6rIN8So
生存報告しますー

ちょっと嬉しいハプニングと複雑なアクシデントが同時に起きて手が止まっております。

今夜には投下出来るのかな…デキタライイナー…
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2012/03/08(木) 18:21:01.47 ID:uLrJwLnAO
待機しながら少女ちゃんペロペロ^^
306 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/03/17(土) 01:23:42.74 ID:SbSAtRXZo


嫁「さあ、片付けも終わったし、買い物にいくよ!」

友「俺が沈んでる間になんか決まってた。」

男「まあ、初めて外にでるんだし、人数は多い方が何かといいだろ。」

少女「外出…。」

嫁「とりあえず、男は運転よろしく!」

男「あいよー。」

友「俺は助手席でいいんだよな?」

男「それがいいな。」

嫁「少女ちゃんは私の隣ね。」

少女「わかりました、御母様。」

嫁「んーっ!やっぱり御母様っていい響きよね!」

男「ほら、早く乗らないと置いていくよ。」

嫁「はーい。さ、少女ちゃん乗ろう。」

少女「はい、…っと。」

友「ありゃ、少女ちゃん登れてないな。」

男「嫁、手を貸してやって。」

嫁「うん、はい掴まって。」

少女「はい…ありがとうございます。」

嫁「どういたしまして、さあ行こうー!」

男「急かさなくともモールは逃げないよ。」

嫁「いや、逃げる。」

男(えー…)

307 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/03/17(土) 01:24:17.75 ID:SbSAtRXZo

友「そもそも、男って車運転出来たんだな。」

男「いや、普通に免許持ってるし。」

友「それは大学時代にさんざん見せびらかしてたから知ってるけど。」

男「まあ、通勤は電車で済むから普段は乗らなかったなー。」

嫁「仕事クビになってからは少し乗ってるよね。」

男「家族で遊びに行く時は俺が運転する程度だよ。」

友「なら安心だな。ペーパーじゃなければいい。」

男「ペーパーだと思ってたのか。」

友「俺は男が運転してるところを見たことないからな。」

男「そういう友も運転してるところを見たことないな。」

友「そりゃあ、免許持ってないからな。」

男「あれ、持ってなかったっけ?」

友「更新忘れて面倒になってそのまま放置した。」

男「何やってんだよ。」

友「いや、車を運転する必要もなかったし、身分証としてだったら住基カードで十分だと思ったからさ。」

308 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/03/17(土) 01:24:51.89 ID:SbSAtRXZo

男「そうか。友は都会住まいだからなー。」

友「三鷹のどこが都会だよ…。」

男「電車が数分おきに来るじゃん。」

友「あー、そういう基準か。」

男「最寄り駅が通勤客でしか埋まらない時点でここは田舎だ。」

友「まあ、ここはそういうところだろ。」

男「ところで…少女は大丈夫か?」

少女「大丈夫れふ。」フニフニフニ

嫁「なんでこんなに可愛らしいのか…」フニフニフニ

男「娘と比べると?」

嫁「甲乙つけがたいけど…僅差で娘ちゃんかな?」

男「その心は?」

嫁「ツンデレっていいよね…」フニフニフニ

少女「ツンデレとはなんでしょうか。」フニフニフニ

男「……まあ、そのうち分かると思うよ。」

少女「男さんは逃げてばかりだと思います。」フニフニフニ

嫁「ふひひ。少女ちゃんに教えればー?」フニフニフニ

男「また今度な…。」

友「ツンデレってのはなぁ、ロマンだ。」キリッ

男「友は黙っとけ。」

友「あ、はい。」

少女「ツンデレはロマン…ですか。」

男「覚えなくてもいいからな。」

309 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/03/17(土) 01:25:24.31 ID:SbSAtRXZo

少女「娘さんとは、どのような方ですか?」

男「んー、嫁をそのまま小さくして更に可愛らしくした感じ。」

友「娘ちゃんかわいいよなー。あんな娘が欲しいな。」

男「友みたいなロリコンには渡さないよ。」

友「ロリコンちがうわ!それを言うなら男の方が…」ゴニョゴニョ

男「あ?」

嫁「男、前!前を見て!」

男「おっと危ない。」

少女「運転時の脇見は危険です。絶対ダメ。」

嫁「それ、だれに言ってるの?」

少女「もちろん男さんです。」

男「以後気をつけるよ。」



男「さて、そろそろ着くよ。」

310 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/03/17(土) 01:27:28.83 ID:SbSAtRXZo
とりあえずここまで。

最近は面白いSSが多くて困りますね。全く進みません。
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2012/03/17(土) 08:00:15.84 ID:J9R83SvAO
車のトランクと後部ガラスの間のスペースから少女ちゃんのうなじペロペロ^^
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/17(土) 12:28:57.90 ID:bX4x/Zn0o
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/20(火) 03:25:03.27 ID:+4Npk+AIO
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 16:06:41.99 ID:IIlkcwkJ0
ペロペ
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 19:54:04.85 ID:kq8rNHDIO
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
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316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 20:12:54.05 ID:ZE8t//8IO
ペロペロクチュクチュ
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/24(土) 16:34:50.06 ID:/Ksr9cODO
いい加減ベロが疲れてきたから早く
318 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/04/06(金) 16:03:10.23 ID:j0oecqk6o


Appendix 4 友と恐怖

友は陸上部のエースだった。

短距離において地区内では向かうところ敵はなく、全国でも通用するかと言われた期待のエースだった。

高校もスポーツ推薦を利用して進学すると思われていた。そのため、ほかの同級生が部活動を引退して受験勉強に励む中、友は走っていた。

それも年の暮れもすぐそこまで迫ってきた12月のある日で止まってしまった。走れなくなってしまった。

319 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/04/06(金) 16:03:50.22 ID:moovSE+Do

友「……はぁー…。」

男「元気出せって。第一にこれからずっと走れなくなる訳ではないんだろ?」

友「まあ、そうなんだけどさ。」

理由は、階段から足を踏み外して落ちたことによる、捻挫であった。

男「それにしても良かったな。あの状況で気づいてもらえて。」

友「まあ、うん。それに関しては良かったな。」

男「戸締まり終わった後の校内で怪我して、それでも気づいてもらえたんだから。」

友「そう、だな。」

男「四月くらいからはほとんど同じ様に走れるんだろ?だったらまだ運が良かったと思ってさ。」

友「それも本当に良かったと思ってるんだけどさ、ちと気になることがあって。」

320 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/04/06(金) 16:04:18.26 ID:ltZR92wlo

男「ん、なにかあったのか?」

友「あー…。いやさ、俺ってスポーツ推薦もらってたじゃん?それってどうなるのかなって。」

男「それは先生に聞いてみないとな。」

友「だよなー…今から勉強かー…。」

男「協力するし、頑張れよ。勉強出来ないわけではないだろ。」

友「ありがとーよー」

男「じゃあまたお見舞いに来るよ。お大事にー」ヒラヒラ

友「おー、サンキューなー。」ヒラヒラ

ガラガラ ガチャン

友(………)

友「聞けないよな…あんなこと。」

321 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/04/06(金) 16:04:57.58 ID:+Gig31Eoo

その日は星空がよく見える、雲一つない澄んだ空が広がっていた。

いつものように部活が終わった後、俺は忘れ物を取りに校舎の中へと忍び込んだ。

この学校は夜間でも活動ができるように校庭に照明が備えられているため、陸上部は日が落ちてからも練習をしていた。

今日も七時まで練習をしていたのだが、帰り支度をしていた時に家の鍵を机の中に入れていたことを思い出し、昇降口が閉じられた校舎へと窓からの侵入を思い出したのだった。

322 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/04/06(金) 16:05:34.09 ID:oR1yH/vco

友「いやぁ、学校のセキュリティーも案外ザルだなぁ。」

この学校は数年前に大部分が建て替えられていてそこは最新のセキュリティーが設置されているらしい。
が、建て替えられず残っている一部の教室には掃き出し窓があり、そこから容易に侵入出来るというわけだ。

友「こういうなんとも言えないザル加減がねっと…」

鍵を回収するために階上へあがる。三年生だから一番上の四階だなんておかしい。一年生が一番上で毎日苦労すればいいんだ。
なんて考えながらいつの間にかに目的のものをポケットに突っ込んだ。

友「これでよし…と。」

後は帰るだけ、と呟き出口へ踵を返した。

323 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/04/06(金) 16:06:04.83 ID:dkQCck0Po

タン……

そのとき、音が聞こえた。

聞こえるはずのない、人の足音。もちろん自分の立てた音だとか、巡回の警備員の足音ではない。

階段を飛んだ、足音。





……


…………?


その音は、着地をしなかった。

普通階段を飛んだなら、その後盛大な着地の音が響くはずだが、なにも聞こえない、歯切れの悪いまま音は響いて消えた。

…少しだけ興味が沸いた。

324 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/04/06(金) 16:06:57.51 ID:i5Vse2W5o

そこで気味が悪いと帰って、明日の朝にでも階段としてクラスメイトに披露する。それだけでいいのに。そう、わざわざ真相なんて必要ないのだ。怪談話のオチは、なんという事のない普遍的なものをでっち上げればいいんだ。

向上心があろうとも、学び取らない奴は、ばかだ。

「行ってみるか。」

そう、つぶやいた頃には歩き始めていた。抜け道のある旧校舎へではなく、音のした新校舎の方へ。

音は立てない。この先に何がいるか分からない。もしかしたらただの気のせいなのかもしれないし、なにか物が動いただけかもしれない。

なんだ、こころは意外にも冒険的だ。

でも、もしかしたらーーそれはとりあえず考えないように、足を前へと進める。

今はもう、呼吸音だけがやけに耳に付く。その静寂はまだ…

325 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/04/06(金) 16:07:51.25 ID:QTgGrRpjo






「こんな時間に、運が悪かったね。」





326 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/04/06(金) 16:08:33.71 ID:WTl6fBGqo

静寂は打ち破れた。後ろに現れたそいつの顔は見えず、直ぐに視界から消えた。それと同時に身体が浮く…いや、落ちていった。

「うがっ……うぅ…。」

痛みが五感を埋め尽くす。なにが起きたのか分からなかった。ただ気が付いたことは「突き落とされた。」

なんとかして目を階上へと向ける。満月の逆光でよく見えないが、自分を突き落としたものを目に焼き付けようとした。

「誰だっ…うっ……。」

痛みであまり動けない。せいぜい踊場を転げるのが精一杯だ。

327 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/04/06(金) 16:08:58.36 ID:KyQwWWMeo

「………」

相手は何も答えない。動かずにこちらを見ているようだ。相も変わらず相手の顔はよく見えない。

カッ カッ カッ

降りてきた、俺の横に。輪郭こそなんとか分かるが、その表情は分からない。そもそもこいつは何で俺を突き落としたのだろうか。たとえ不審者だとしても突き落とした後に逃げるだろう。それにこの学校はーー

「うぁっ……ぐあぁぁぁ!!」

足を踏みにじられる。関節があり得ないほどの角度で開かれる。痛い、痛い、痛い痛い痛い痛いいたいいたい…

気が付くと、それはどこかへと消えていた。もしかしたら自分の意識が消えたのではないかと思えるほど自然に消えた。多分自分の意識が先だろうな、などと考えながら。

328 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/04/06(金) 16:09:28.11 ID:QTgGrRpjo


その、消える刹那に見えた横顔は



見知った、親友の横顔だった。



「……」



「………ごめんね。」



妙に聞き慣れない声で、意識は完全に落ちた。


329 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/04/06(金) 16:39:07.91 ID:CgzFllwQo
とりあえずここまで。

ペロリストは階段から突き落とされろ。
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/04/06(金) 16:39:53.90 ID:8QlLJb2Jo
乙ペロ
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/06(金) 18:30:57.62 ID:uJ4iuF0IO
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/06(金) 20:08:40.88 ID:vA10NtuI0
華麗に着地を決めながら少女ちゃんペロペロ^^
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/11(水) 21:20:30.14 ID:d0znz/kDO
脛椎骨折してもペロペロは出来るペロ
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(広島県) [sage]:2012/04/12(木) 22:23:07.03 ID:rPuZRUlbo
>>1はハード面に色々と設定があるみたいだけどソフト面はどうなっているのやら
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/18(水) 22:09:58.57 ID:WadScO7DO
初期からすごく楽しみにしてる。
ゆっくりでもいいから失踪だけは勘弁な
336 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/04/23(月) 13:26:11.74 ID:OIMIkMEio
生存報告です。もう少し…まってくだされ…
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/24(火) 21:36:23.85 ID:utoX4rmno
>>336
ペロペロ
338 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/04/30(月) 00:21:14.69 ID:whobEsbAo


嫁「ねえねえ!こういう服とかはどう?あとこっちもいいと思うんだけど…」

少女「いえ、あの。」

嫁「あ、やっぱり少し子供っぽいよね。じゃあやっぱりこういうお姉ちゃん的なー」

男「お、おい、そこらへんで止めといてあげ…」

嫁「いや、まだまだこれからじゃない。さあ少女ちゃん次は向こうのお店に行きましょ!」

少女「あ、え、はい〜…」

男「ああ…。」

友「行っちまったな。」

嫁「あ、これとこれとこれ会計済ましておいてね〜。」

男「……」

友「と、とりあえず会計済ませてから追いかけようか。」

男「ああ…。」

339 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/04/30(月) 00:21:46.55 ID:whobEsbAo

友「とりあえず追いかけるか?」

男「まあ、こんなショッピングモールの中で何も起きないとは思うけど、とりあえずついて行かなきゃな。」

友「そうだな。」

男「本当はこんなに早く外に出す予定も無かったけど、あの様子なら大丈夫だろうって。」

友「それもそうだな。普通に馴染んでるし、嫁さんいるなら問題もないかな…?」

男「まあ、だいたいそういうこと。」

友「そうか。それにしても少女ちゃんかわいいな。」

男「それは当たり前だ。」キリッ

友「男が作ったもんな…そういえば。」

340 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/04/30(月) 00:22:33.67 ID:whobEsbAo

男「で、さ。どの服がよかった?」

友「……小悪魔風、清楚的なあれ。」

男「白ワンピ一択。」

友「…さすが変態。」

男「純粋に似合うと思っただけだって。」

友「そう言うことにしておくよ。」

男「お前だって、高校の時に…」

友「おっと、ここらへんにしとこう。収集つかなくなる。」

男「…そうだな。」

友「行くか…。」

男「うん。」

オーイ チョットマッテクレヨー

341 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/04/30(月) 00:23:08.33 ID:whobEsbAo

ーー君は学校で、どんな目標を持って勉強している?

男「私はこの学校で社会に貢献できるような技術者となる為に勉強しています。」

ーー具体的には?

男「主に無線技術などを利用した、安全装置などの開発に携わりたいと考えています。」

ーーふむ、それはどうしてかな。

男「以前起きた列車の脱線事故をみて、それが安全装置の制御の元で生じた死傷事故だと知ったことで、さらに高度に制御されていれぱ事故は未然に防げたと考えたからです。」

ーーなるほど、ね。そのためにやっていることはある?

男「そのために、今は授業で教わった事の延長までも視野に入れて自習をしていたり、新しい問題などや過去の事例を知るために新聞や書籍を読んでいます。」

342 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/04/30(月) 00:23:42.43 ID:whobEsbAo

ーーそれはいい心がけだ。君はこれからどうしたい?

男「私にはまだ苦手な分野も、勉強不足である分野も多いので、自分の理想とするものを作れるように、これからも一層勉学に励んで行く所存です。」

ーーああ、これからも頼むよ、男君。では部屋をでて控え室で待っていて欲しい。

男「はい。本日はありがとうございました。失礼します。」カチャン

343 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/04/30(月) 00:24:12.34 ID:whobEsbAo

違う。そんなの違う。完全に出任せの能書きだ。

社会に貢献?なんだそれは。そんな物は必要ない。技術者は雇用主に対して賃金の対価として働くだけだ。

なぜなら技術というものは、いかなる場合であっても人の欲望や願望を叶えるためだけの道具でしかない。作る側でも、利用する側でも等しく、欲求を満たすためだけのものだ。

それに、人が有り難みを感じるのは技術を作った人間じゃない。その技術を行使したものにたいしてだ。

だから嫌いなんだ。技術者に倫理とかそういうものを求める人間は。




「……嫌いなんだよ、男。」




344 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/04/30(月) 00:25:18.54 ID:whobEsbAo

嫁「デートの途中で眠る男は嫌いなんだよ?男。」ペシッ

男「…あっつー…デコピンが容赦ないな。」

嫁「あたりまえでしょー?まったくもう。」

男「あはは、ごめんな。」

嫁「しょうがないわね。まあ、こっちも時間かかったし仕方ないかな。」

男「その時間がかかった分は…ほぁ…。」

少女「?」

男「なるほどなかなか…。」

嫁「ほら、あんまりジロジロ見るものじゃないよ?でも我ながらいいセンスだとは思ったよ。」

345 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/04/30(月) 00:25:56.28 ID:whobEsbAo

男「ああ、まさにGood Job.」b

嫁「ありがとう。いや、娘ちゃんじゃ着てもらえない服も着てもらえたし満足だよ。」

男「あはは…着せ替え人形じゃないんだからほどほどにって…。」

嫁「まあまあ…。ところで、友君はどこ行ったの?」

男「友は…ああ、なんかみたい物があるっていってどっか行ったよ。」

嫁「そうなんだ。そろそろお昼御飯食べたいから呼んできてくれない?」

男「そうだな。ちょっと待ってくれ…」

少女「友さんなら、あちらから来られましたが。」

男「ん…あ、本当だ。」

346 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/04/30(月) 00:26:39.76 ID:whobEsbAo

友「いやぁ、ごめんごめん。待たせたみたいだな。」

男「まあ、こっちにそろったのもついさっきだからいいって。」

友「そうか。で、肝心要の少女ちゃんはっと…ふむ、Good Job.」b

少女「さっきから親指を立てられるのは何故ですか…?」

嫁「それはね、少女ちゃんがとびきり可愛いからよ?」

少女「可愛い…悪い気はしませんが。」

友「やっぱり白ワンピ最高だな。」ヒソヒソ

男「だろ?やっぱりこれじゃないとな。」ヒソヒソ

347 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/04/30(月) 00:27:07.00 ID:whobEsbAo

嫁「そういう話を女の子の前でするのはマナー違反だよ。」ビシッ ビシッ

友「いでで…ごめんなさい…。」

男「少女も、ごめんな。」

少女「いえ、特に気にしてはいませんので。」

嫁「まあ少女ちゃんのお許しも出たし、さっさとご飯食べに行こうかー。」

男「そうだな。さて、どこに行こうか?」

友「それならさっき向こうに良い店見つけたからいって見ようぜ。」スタスタ

男「あ、ちょっと待ってく

ダーン ダーン ドカーン! ダーン!

「えっ…?」

348 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/04/30(月) 00:31:00.33 ID:whobEsbAo
投下がほとんど月一のペースになってしまってる…

ソフト面については、かなりこじつけな設定ですが一応考えています。どーしてもハードに寄るのは職業病ですかね?


俺をペロペロしたところで、しょっぱいだけだぜ?


ペロペロする輩はLCLに溶けてしまえ。
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2012/04/30(月) 00:46:24.89 ID:X4seTycAO
少女ちゃんのプラグスーツに纏わりつきながらペロペロ^^
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/04/30(月) 09:15:41.25 ID:qUfRRtvpo
たとえ溶けても最期までペロペロする!
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/30(月) 18:03:49.63 ID:CpvZ0CXIO
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/05/07(月) 23:49:19.79 ID:JFpkooEco
待たずにはいられん…
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2012/05/11(金) 12:18:45.81 ID:sG2LCrI5o
1をぺろぺろ
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/30(水) 13:14:49.41 ID:LwgeI3ADO
生きてますか
355 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/05/30(水) 20:04:14.90 ID:lTE1Q/Xoo
すまない…この先のシーンが難産すぎてウボァって…

もう少しで、いけそうなんだ…もう、書き直さなくて良いんだ…
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/30(水) 20:19:31.94 ID:RxFmwOQMo
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
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357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/30(水) 20:38:59.34 ID:c4AKXJGOo
ちゃんと待ってるから安心すれ
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/30(水) 21:44:36.91 ID:YNPOKW+Bo
生存報告あるだけで安心待機
359 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/06/01(金) 09:59:28.71 ID:DVE0shOto

少し前にも、同じような物を見た気がした。

反響する破裂音。揺れる地面。全て自分を嘲笑するかのような悲鳴。

ちっとも思うような動きをしてくれないクソったれな体。ツイてない。

これまでもいろいろ悪態を吐くほどのシチュエーションってのはあったけれど、今回ばかりはクソったれだけで済みそうだ。

だってこれほど現実味に欠けてて、なおかつ夢でも見ているかのように感覚は曖昧を極めているんだ。これはきっと映画か新しいゲーム、はたまた先に挙げた夢だろうな。

その証拠に、ほら、目の前に自分みたいな顔をした人が今にもゲームオーバーみたいな感じだ。こりゃ負けたね。

さて、そろそろ夢から醒める頃だろうな。その証拠にもう殆ど意識がはっきりしない。まったく、こんな夢を見るのは勘弁して欲しいものだ。ツイてない。

そういえば、なんでこんな夢を見てるんだっけか
な……


360 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/06/01(金) 10:00:50.05 ID:DVE0shOto

そして余りにも突然だった。

突然の出来事。後ろから響く轟音。

人々の悲鳴、瓦礫となって崩れる音、そしてーーー


ーーー動け!!


脊髄を貫くような、雷が切り裂くような、そんな一言。

嫁の手を取って地面に伏せていた少女と目が合う。

お互いに自分が見える。鏡写しになっているかのように、同じ光景が見えた。

落下する瓦礫。頭上に迫る質量。思考は一致する。


ーーー走れ!!


不思議な高揚感。不自然な万能感に浸りながら走る。数秒後の俺は数秒前の瓦礫に潰されるそこを後目に、嫁と少女の手を取る。

互いの無事と、避難経路を確認する。場内は乱雑に人が走り回り悲鳴を挙げる人々によって、全く収拾が付かない状況のようだ。

嫁「な、なんなのよぉ…」

まだ状況を理解できていない嫁を少女が抱え、その前を先導して非常口へと向かう。

未だ響く崩壊の音と悲鳴。充満してゆく煙。どうやら火がついたようだ。

休日の賑やかなショッピングモールは、一瞬で混乱を極めた燃える棺桶となってしまった。

361 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/06/01(金) 10:04:41.13 ID:cUlU4Kp1o

「お客様!慌てないで落ち着いてこちらに集まって下さい!」

館内の開けたフロアでは、警備員と店員が誘導し脱出経路の確保をはかっていた。

本来なら、先ほどの吹き抜けがあるホールに集まる手筈だったのだろうが、あのあと吹き抜けはすぐに火が回ってしまい、とても安全と言えない場所となった。

このフロアは広い。しかしそれでも煙は侵入してくる。

なんでも殆どの防火扉が開かないか閉まらない状態となっていて、出るのも待つのも苦しい状況だ。

少女「男さん、恐らくあと40分でガスが致命的な濃度になります。」

男「意外と時間はないな…どうするべきかな…?」

少女が言ったこともある。ここにいては助かる可能性は少ない。こうなったら…

男「少女、出来るか?」

少女「恐らくは。ルート上すぐに移動しなければいけません。」

よし、いけるな。

362 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/06/01(金) 10:05:44.09 ID:cUlU4Kp1o

男「嫁、ここから移動する。」

地面に顔を向けて俯いていた嫁の手を取る。

嫁「え…?なんでここから動くの?みんなここに居なきゃダメだよ!」

男「ここにいたら助かる可能性が低い。だから少女と嫁を連れて抜け出す。」

嫁「それで必ず助かるの!?ねえ、ただ買い物に来ただけなのに…」

男「俺は…二人を助けなきゃいけない。このあと、娘を迎えにいくんだろ?だったら…」

嫁「もう、それしか無いのよね?なら、連れてってよ、お願い…。」

男「ああ、勿論だ。よし、少女は先導してくれ。」

少女「わかりました。ではこちらへ。はぐれないで下さい。」

人をかき分けてフロアを抜け出す。まだ近くまで火は回って来てはいないが、通路の奥を覗くと完全に炎が当たりを焼いている。


急がなければ、いけない。


363 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/06/01(金) 10:06:40.16 ID:cUlU4Kp1o

男「くそっ、開かない…ッ!」


目の前の防火扉を力一杯に引くが、枠自体が歪んでしまったのか全く動く気配がない。内扉も

ここも、ダメだった。爆発の影響で崩れた構造物が塞いでいたり、火が回っていて近寄れなかったり、今のように動かなかったりで未だに外にでれていなかった。

男「多分、この状況だと外から破壊してもらう他にはないか…?」

少女ちゃんを見る。足を挫いたらしい嫁に肩を貸していたが、こちらの意図に気づき嫁をこちらへ預けてきた。

少女「破壊すれば、宜しいのですね。」

一つ、頷く。すると少女はドアの前に立ち、辺りを見回す。そしてドアの右側の壁を狙って。

バン!! メリメリメリ…

右手を壁に突き刺した。突き刺さってそのまま中から鉄筋を引きずり出してきた。

男「丁度良く手抜きだったのか…?」

その鉄筋は手早く取り出され、少女はそれを構える。丁度二倍ほどの丈がある鉄筋を軽々と扱い。


ガンッ!!


防火扉の鍵穴を一突。すると内扉が同時に開いた。

鉄筋を引き抜いた後、少女に手を引かれそこから外へと出た。少し振り返って見るとどうやら鍵自体を貫通していたようだった。
364 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/06/01(金) 10:20:03.37 ID:1b0wvH6Wo

防火扉の外は崩れていないようで煙も少ない。恐らくはほかの防火扉も同じように開かないようになっていたらしい。

嫁を背負って階段を降りてゆく。少女は前を歩き、その後ろを俺がついて行く形だ。

男「それにしても、妙だな。」

少女「はい。防火扉は非常時でも開放されているようになっていなければいけません。が…」

男「故意にロックされていた。殆どの防火扉が。一体何のために…」

階段を下った先の非常ドアは開いていた。ここまではロックされていないようだった。


非常ドアのすぐ先は外だった。けたたましいサイレンの音が聞こえる。出入り口が軒並み崩れ封鎖されてしまったようだ、煙から逃げ出せていた人は少ないようだった。

友「おーい、無事だったか〜?」

男「あっ、友じゃないか!大丈夫だったか?」

友「俺はあの後運良く非常口に出られたからな…火が回る前に出られてここで男たちを探してたんだよ。」

男「そうだったのか…取り合えずば良かった。取りあえず車に乗ろう。ここに居続けても良くない。」

友「ああ、そうだな。」


三人を車に乗せて裏からモールを出る。娘をすぐに迎えに行きたいという嫁の意見もあったが、何より少女の事が気がかりで一旦家に向かうことにした。



それよりも、あの爆発は一体…


???「……」


365 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/06/01(金) 10:21:42.12 ID:1b0wvH6Wo
とりあえず、ここまで。

本当に月一更新です。どうもありがとうございました。

エタらないよう、こんなペースでも続けて行きたいと思います…
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2012/06/01(金) 11:32:58.81 ID:lx6zZu/AO
久し振りに少女ちゃんペロペロ^^
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 11:41:08.92 ID:oy2J4Y5IO
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 13:04:30.68 ID:mkd/Ln5IO
乙!
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 13:18:23.81 ID:hr5AVKdDO
なんという急展開w
たまに生存報告してくれるなら大丈夫さ
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/01(金) 20:38:37.56 ID:o6LcN5WIo
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/29(金) 02:02:59.89 ID:FhAFVmcDO
そろそろ来てくれる予感!
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/07/05(木) 17:27:29.10 ID:OWyM5Iavo
まだかなあ?
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/07(土) 11:05:13.83 ID:H9nrJUmDO
まだ少女が稼働して2日目なんだな
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/10(火) 21:43:31.94 ID:N/X1MhbDO
一番気になるのは過去話なんだけどな。これからよりも。
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/07/10(火) 21:58:27.56 ID:Wafkn3yio
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
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376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/10(火) 22:15:35.78 ID:Ng5gl4Dfo
二ヶ月以内に生存報告してくれるならそれで構わない
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/19(木) 00:57:09.03 ID:wLxjtQyDO
タイムリミットは近いぞ

少しでも更新してくれないか
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/23(月) 22:38:46.98 ID:+HTlQFVDO
まだか
379 : ◆a36IBHPVSk [sage]:2012/07/29(日) 23:14:04.10 ID:REcoruTho
スマホ壊れて書く気失せてた

1日から本気出す
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/29(日) 23:15:08.03 ID:zIniC7Z8o
2ヶ月以内なら何の問題も無い
待ってる
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/30(月) 11:03:05.78 ID:m+Oasctxo
>>1の本気に期待
382 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/08/01(水) 22:19:23.95 ID:KYcikKwio

Appendix 5

男と両親


俺の両親は科学者だった。

父親は情報分野で、母親は脳科学で、それぞれの学会発表ではある程度名前が知られている科学者だった。

二人は結婚して、俺を産んでから共同研究を始めたらしい。つい最近までは知らなかったが、ある種のクローニング技術に通じる、いわばグレーゾーンの研究だったようだ。

そうなった経緯は解らないけれども、かなり熱心に研究へ打ち込んでいるのが、家庭からも垣間見えた。

そして両親は俺を同じ生物学と工学の研究者にするべく、俺に中学からの受験勉強を強いていた。もちろん俺はそんな物に興味が無く当然のように失敗し、近くの公立学校へ入学した。

そして高校受験を目前に控えた12月の日に、両親は家へ帰ることが少なくなっていた。

しかし、もともと余り家にいない二人だった。今日もたまにある『忙しい時期』と言うことにして、とりあえずは目の前の試験勉強やらに集注していた。

383 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/08/01(水) 22:20:07.35 ID:KYcikKwio

ーーー……

男「じゃあまたお見舞いに来るよ。お大事にー」ヒラヒラ

友「おー、サンキューなー。」ヒラヒラ

ガラガラ ガチャン

男「……。」

最近、良く違和感を感じることが多い。

屋上の少女、帰ってこない両親、怪我を負う友、そしてーーー

男「ラブレター…って言って良いのかな、これ…。」

一昨日の放課後、下駄箱に入れられたと思われるラブレター。送り主の名はなく、文章もただ一言、放課後屋上で待ってます…それだけ。

男「昨日休んでたから、この人には悪いことしちゃったな。」

男「でもまあ、ただのイタズラかもしれないし取り合えずはいいか。」


もしかしたら昨日の放課後に入れられた物かもしれないと思って屋上に顔を出したのだが…当たり前だが誰もいなかった。

そもそも屋上への扉は鍵が掛かっているし、それを使うのは天体観測をしている俺くらいだ。だれかが居るはずもなかった。

384 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/08/01(水) 22:20:45.31 ID:KYcikKwio

男「ま、イタズラって事でいいか…。」

それよりも、いま考えなければいけないのは今日天体観測をするかどうかだった。

最近は今週末に迫った流星群の話題で持ちきりだった。

ネット上の掲示板はもちろん、学校でも流星群という単語を聞くことは多くなった。

見るとしたら学校じゃなくて県境がいいな、許可は降りるかな、顧問の先生は大丈夫かな、あと少女にも見せたいな…。

今日、少女は来るのかな。もし来たらその時に誘ってみよう。1ヶ月くらい、ほぼ毎日屋上に来るんだからきっと大丈夫だろう、なんて考えて学校へ再び向かっていった。心なしか足取りは軽かった。


385 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/08/01(水) 22:21:15.56 ID:KYcikKwio


友「全く…とんでもない目にあったな。」

男「本当にだ。あれは一体何だったんだ?」

友「見当が付かないな。どうせあんな事をする連中の考えることなんざ理解できないね。」

男「……そうだな。」

少女「…男さん、そろそろ迎えに行く時間では?」

男「ああ…そうだな。嫁は家で休んでおいて。俺が迎えに行ってくるから。」

嫁「うん…ありがと。」

男「少女は嫁と一緒に家に残っててくれないか?」

少女「わかりました。」

男「よし、じゃあ友はどうする?ついてくるか?」

友「いや、俺は明日から少し出張なんだ。その準備があるからここらで帰るさ。」

男「なら駅まで送っていこうか。」

友「おう、助かるぜ。」

男「それじゃあ行こうか。」

少女「行ってらっしゃいませ。」

嫁「…いってらっしゃい。」

386 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/08/01(水) 22:22:16.33 ID:KYcikKwio

男「意外にも早かった。」

友「何がだ?」

男「少女が狙われるのが。」

友「は?なんで少女ちゃんが?」

男「これからの未来は知らないが…少女はいまこの世界にあることが不自然なくらいオーバーテクノロジーだ。それを欲しがる人間なんてごまんといるだろうよ。」

友「確かに…。でも、だったらどうやって少女ちゃんの事を知れたんだ?」

男「それは多分、少女を作るのに際して、友にも頼んだと思うが、いろいろな部品を注文したり作ってもらったりしたんだ。」

友「そうだったな…それが関係しているのか?」

男「すこし厄介な事になった部品が一部あるんだが、たぶんその関係者だろ。」

友「具体的に何がヤバかったんだ?」

男「受注生産品のLSIだよ。アメリカから輸入する際に用途で…たぶんそこだな。」

友「それ、かなりヤバいんじゃないか?相手はCIAとかそういうレベルか?」

男「まだそこまでじゃないと思う…けど、今回の爆破テロで分かった。あれはアメリカでは無いと思う。」
387 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/08/01(水) 22:23:13.08 ID:KYcikKwio

友「情報が漏れたのか?じゃあどこが…」

男「漏れたか流したのか知らないけれど、ロシアか中国か…もしかしたらでオーストラリアかな。」

友「これからどうするつもりだ?このままだと嫁さんと娘ちゃんを巻き込むことになるぞ。」

男「…それでも、全員守ってみせるさ。」

友「…そう、か。」

男「理解は出来ないだろう。でももう俺は戻れないんだよ。」

友「やっぱり、俺にはおまえが分からないよ。」

男「そう、か。」

友「……。」

男「…友、着いたぞ。」

友「ん?おお、ありがとうな。」

男「…じゃあ、また時間がある時にでも。」

友「おお、じゃあな。」

男「……。」

388 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/08/01(水) 22:23:43.68 ID:KYcikKwio

友をおろした後、友達の家にいる娘を迎えに行った。

どうやら遊び疲れてか娘は眠っていて、今もなお車の後部座席で眠っている。好都合ではあった。
そのおかげで少し考える余裕ができた。

今回のショッピングモールでの爆破…あれは確実にこちらを狙ったものだろう。が、準備が良すぎる。昨日完成して外に出したのは今日が初めて、つまりは最短四時間で目的地を特定し爆弾を仕掛けたわけだが…現実的ではない。

一体どうやって爆破を…?それとも他に目的が?

いや、例えばあれが複数存在するとして…いや、そんなはずはないのだ。

そしてなぜ狙われるか…それはわかる。どこかの国がデータを欲しがっているのだろう。少女の思考はニューロンそのものに演算能力を持たせた、いわば拡張ニューロンコンピューターと言える物だ。それ自体はテロまで起こしてまで手に入れようとする程の情報とは思えない。

しかし問題はそのニューロン構造の詳細なデータ。あれは易々と作り出せるものでもない。恐らくそれが目当てだろう。

389 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/08/01(水) 22:24:29.82 ID:KYcikKwio


詳しい変換方法は知らないが、削除したデータの中に実験中の動画が残されていて、それを見たことがある。

とある処置室、麻酔で眠らされているらしきうつ伏せの子供は多くのチューブが繋がれている。

全員がマスクとゴーグルを着けている。きっとこの中に母親がいるとは思うが、よくわからない。

メスが入れられる。後頭部の頭蓋がドリルと鋸で開かれる。

メスが入る。首、こめかみ、脳を神経から丁寧に切り離してゆく。視神経、聴神経、そして背骨に沿ってメスは走る。

やがて動画の中の子供は、縦横無尽に切り裂かれ、脳だけの姿へと変わっていった。

390 : ◆a36IBHPVSk [sage saga]:2012/08/01(水) 22:25:00.86 ID:KYcikKwio


最後に“解体”された子供を丁寧に縫ってゆく。


縫い終わって、他の台に移され仰向けになる。


そこにあった顔は…

391 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/08/01(水) 22:26:25.29 ID:KYcikKwio





とりあえずここまで。

二ヶ月近くお待たせしました。

来週にはやっと修理から戻ってくるようなので本調子になります。

では、また近いうちに。
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国・四国) [sage]:2012/08/01(水) 22:38:04.22 ID:I1cPUMYAO
2ヶ月ぶりに少女ちゃんペロペロ^^

ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/01(水) 23:03:39.24 ID:cIShOTfGo
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/08/02(木) 00:36:58.49 ID:PhgHPBzgo
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/06(月) 14:13:11.92 ID:mEBvi5uDO
いつのまにか来てたか乙

話がどんどん黒くなってきたねえ

396 : ◆a36IBHPVSk [sage]:2012/09/04(火) 04:10:12.88 ID:qKFFtrpCo
スマホが戻ってきたのはいいが、一週間経たずに再び修理送り…

本体交換となって戻ってきたこれでまたがんばります。
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/04(火) 21:50:17.06 ID:c2zScLtBo
期待してる!
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/09/04(火) 21:58:38.18 ID:cSeGHrSvo
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
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399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) :2012/09/06(木) 00:17:33.57 ID:f6zNDbdO0
待ってるよ!
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/08(土) 07:20:35.71 ID:HQ1kDjk6o
待ってる
401 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/09/20(木) 04:52:11.45 ID:qDM5erzLo

少女の顔だった。

男「……っ!」

慌てて辺りを見る。家のソファベッドで横になっていることを理解する。最近は夢見が悪いどころか夢と現実の境目があやふやになっている…気がした。

良くない。今日みたいに車を運転しているときにああなるのは危険だし、なによりも夢と現実を混同し始めたら厄介だ…原因は疲労とストレスだろうか。

一つため息を吐いて、頭を入れ替え窓の外を見ると空がもう赤かった。どうやら午後を殆ど寝て過ごしたようだ。

402 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/09/20(木) 04:52:39.18 ID:qDM5erzLo

少女「ZzZz...」

少女が割と大きな寝息をたてながら腕の中で眠っている。いつの間にかに着替えているようだった。でも、この服は確か…。

男「あの状況で、よく持ち帰れたよなあ。」

あのショッピングモールから逃げるときは気付かなかったが、少女は嫁を抱えながらこっそり服も持ち帰っていたらしい。

なんというか、これを着せたのは嫁だろうから少女に言うことは嫁が言ってくれてることにしておこう。

403 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/09/20(木) 04:53:14.16 ID:qDM5erzLo

…もう一つ気がついた。起き上がれない。正確に表現すると、首から下になにか乗っているようで上体を起こせない。

まず、自分の左腕には少女が乗っている。これでは動かすことは出来ても起き上がれない。

それよりももっと重い何かが右腕と腹に乗っている。これはきっと重石とか大量の洗濯物とか、仮にそうであればきっと骨が折れているが新しく注文したPCの筐体ではなさそうだ。

鈍く首と目を動かして見る。

404 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/09/20(木) 04:53:43.72 ID:qDM5erzLo

嫁 娘「「ZzZz...」」

二人も惰眠をむさぼるべく自分にしがみついている。嫁は右に、娘は上に乗っていた。ちなみによだれで腹が少し冷たい。

そして思った。わざわざここで昼寝をする事はないだろう。このソファベッドには只今4人の人間が乗っていることになるのだが…これ、壊れたりはしないだろうな?

男「しばらくは、このままでいいかな。」

考えるべきことも多く今すぐにでも動くべきなのだろうが、いまの自分にとって最後になってしまう気がして、もう一度だけ夕焼けをまぶたで遮った。

405 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/09/20(木) 04:54:41.23 ID:qDM5erzLo

あれ、今日は何の夢を見ていたんだっけ。
406 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/09/20(木) 04:56:16.64 ID:qDM5erzLo




少女「……」



カチッ



407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/20(木) 07:38:13.68 ID:Q3pAvyiDO
>>1

待ってた
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/20(木) 15:07:49.34 ID:BkmFxl/IO
409 :Appendix 6 ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/09/22(土) 02:40:00.86 ID:IaH9WUZoo

男「. . .…ーーーーーーうっ、おぅぇえぇぇ…」

血が一斉に引いて戻るようなひどい感覚が体中を襲う。

胃を裏返されたように胃液が逆流してくる。

アスファルトに転がりながら、悶え苦しみ、必死に再び立ち上がろうとした。

男「うぁぁ…はぁ、はぁ…」

駄目だ。立ち上がれない。長い間走っていた気がする。足が棒のように思えてくる。

なぜこんな事になっているかすらわからなくなりかけていた。そうなりたかった。追われている…のかもしれない。追いかけている…そうだったのかもしれない。でも今は。

410 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/09/22(土) 02:40:36.04 ID:IaH9WUZoo

「もう終わりかい?」


そんな言葉が聞こえてくる。


「このまま逃げて、全部無かったことにする気?」


うるさいだまれ。そう言い返してやりたいのに口からは胃液しか出てこない。


「苦しそうだねえ。でも、あいつはもっと苦しかったはずさ。」


そんなこと分かっている。仕方がなかったんだ。


「仕方がない、そんな言葉であいつを殺した理由になるとでも?」


俺はやらなきゃいけないことがあるんだ。こんなことでつまずいていたらダメなんだ。


「君は人の生き死にをこんなことで片付けられるんだ。大した身分だね。」


あいつもそれを望んでいたはずなんだ。仕方がないんだ。

411 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/09/22(土) 02:41:05.30 ID:IaH9WUZoo

「仕方がない、またそれだね。君はいい加減目の前の現実と頭の中の妄想とを区別した方が人のためだ。」


何を言っているんだ。黙ってくれ。


「君は自覚して、生きながら死んだ人生を歩んでいくんだ。死んでも、逃げられないよ。」


俺はそれでもやらなきゃ、走らなきゃいけないんだ。

412 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/09/22(土) 02:41:41.89 ID:IaH9WUZoo

「…ねえ、妹をレイプして、殺して、家族もついでに見殺しにして、全部なかったことになると思っているのかい?」



欠陥品の、■■くん?


413 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/09/22(土) 02:58:17.89 ID:mI7ib/2Po

これでもがんばった方だといいたい…

練習しないとすぐに書けなくなりますね。

反省してます、はい。

暴力でセックスはいけないとおもいます。

くるしみながら構想を練っています…

のりが重くてごめんなさい。

こういう展開は基本的に苦手なので酷くはならないはず…

うらみっこなしでこれからも読んでください。もちろん苦手な方はそろそろ逃げた方がいいと思います。

かきながらなんでこんな話にしたんだろうと思っていますが、仕方がないです、アイデアが浮かんで来たので。

いまはリアルの方も落ち着いているので更新も早めにできるかと…

では、また近いうちに。

するめいかって美味しいよね?
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/22(土) 03:05:47.60 ID:xmleDH2Bo
これんはんぼうくのこうかいです?
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/22(土) 05:28:48.33 ID:4BqKiLIDO
乙!!
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(西日本) [sage]:2012/09/22(土) 07:45:34.27 ID:lQ/GOzyco


どうして最後まで頑張らなかったのか
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/22(土) 08:54:41.45 ID:6MiIB7E8o
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/09/23(日) 13:51:46.92 ID:jbIqWl0to
419 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/09/23(日) 18:45:23.28 ID:HKCIUQu8o

男「……。」

立っていた。アスファルトではなく板張りの、研究室の床に。

立っている床には神経プローブが転がっている。頭が痛い。割れるほどではないし、学生の頃から続く偏頭痛ともちがう。

もはや頭で理解できる範囲を越えていた。俺はいったい何なのだ。ここは自宅、かもしれない。知っているようで知らない様相。先程までの胃液の酸味はまだ口の中に残っている。いったい何なのだ。

自分とは何なのだ、その思考まで足が浸かりそうになる直前で気がつく。この違和感の正体に。

気がつくという経過はなかった。俺はもともとこれの正体を知っていたのだ。何時からだったのだろう。

男「もう、気は済んだか?」

420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/23(日) 19:13:54.30 ID:VaNTFLXYo
これいまどうなってんの?
回想?
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/09/23(日) 21:58:43.04 ID:ZrK7ZyTzo
なんか間が空いて展開がまったく分からなくなってしまったわ

ちょっと最初から読み返してくるか
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/24(月) 23:38:21.32 ID:qg3S8kDDO
続き待ってる
423 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/09/25(火) 15:02:31.76 ID:qwERdO/7o

研究室の奥を見つめる。僅か音を発しているのは弱い空調と男と。

少女「…いえ、まだ始まったばかりです。私がわかりますか?」

少女の声のみだった。

424 : ◆a36IBHPVSk [saga]:2012/09/25(火) 15:14:02.06 ID:0OWFC4k1o
罰を受けるのは俺だけでよかった。

咎められるのは私だけでよかった。

血肉を燃やして人を照らすべきは俺だった。

生命を賭して秘密を抱えるべきは私だった。

コレを始めたのは俺だったはず。

コレを継いだのは私だったはず。

コレを終わらせるのは、きっと二人ではなく、二人であって、一人の僕達。





「コレは僕の後悔です。」

425 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/09/25(火) 15:15:34.39 ID:0OWFC4k1o
とりあえずここまで。
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/25(火) 15:57:46.17 ID:SgBjDTgIO
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/09/28(金) 04:05:21.97 ID:J/9JbPOgo
追いついた!面白い
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/06(土) 14:20:58.94 ID:Bp3TVOqDO
面白い…

だが毎回伏線が増えていくw
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/10/06(土) 14:27:06.31 ID:WSW37Px0o
話しについていけない
今これどうなってんの?
430 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/10/12(金) 17:41:41.68 ID:Hc3Z7fvBo
娘「お父さんと少女ちゃんまだねてるー?」

嫁「まだ寝てるみたいだよー。」

娘「えーっ、一緒に遊ぼうって思ってたのに…」

嫁「…きっと疲れているんでしょ。そっとしておいてあげて。」

娘「んー、わかったぁー。」

嫁「ごはん、もう少しで出来るからまっててね。」

娘「ふみゅぅー…。」

嫁「ふふ、っと吹きこぼれちゃう。」

431 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/10/12(金) 17:42:11.20 ID:Hc3Z7fvBo

少女「……。」ムクリ

娘「あー少女ちゃんおはよー!」

少女「おはようございます。」

嫁「あ、おはよう。もう少しでごはんできるから男を起こしてくれない?」

少女「はい、わかりました。」

娘「あたしも一緒に起こすー!」

少女「ありがとうございます。しかし、どうやって起こしましょうか?」

娘「こしょこしょして起こす?」

少女「こしょこしょ…とは?」

娘「お父さんの脇をね、くすぐるの!」ワキワキ

少女「なるほど、くすぐって起こすのですね。」ワキワキ

嫁「あんまりやりすぎないようにねー」

432 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/10/12(金) 17:42:40.67 ID:Hc3Z7fvBo

娘「さあ、お父さん勘弁!」ワキワキワキワキ

少女「勘弁。」ワキワキワキワキ

男「…ィっ…フヒャッ…ああぁっ!!なぁっ、なんなん…ああぁっははははああはぁ!!」ビクンビクン

娘「それそれーおきろー!」ワキワキワキワキ

少女「おきろー、ください。」ワキワキワキワキ

男「ちょっ、分かったから!分かったからやめっ…あはははあはあはふひゃひゃ!!!」ビクン

娘「あはは!お父さんびくんびくんしてるー!おもしろーい!」

少女「…大丈夫ですか?」

男「はぁっ…はぁっ…大丈夫かと聞くなら…はぁっ…最初から手加減して欲しい…。」グッタリ

433 : ◆a36IBHPVSk [saga sage]:2012/10/12(金) 17:43:14.36 ID:Hc3Z7fvBo

嫁「やっと起きたな寝坊助さん。」

男「ああ、おはよう…はぁ。」

娘「お父さん起きたし、ご飯の準備していいー?」

嫁「うん、そうしようか。少女ちゃんも手伝ってくれる?」

少女「はい、今行きます。」

男「あ、俺は何をしたらいい?」

嫁「別に座ってテレビでも見ていてくれればいいよ?大した量はないし。」

男「そう、ならお言葉に甘えて…と。」

娘「あー、お父さんビール飲もうとしてるー。」

嫁「む、後できちんと出してあげるから今は大人しくしてて。」

男「はいはい、分かったよ。」

434 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/10/12(金) 20:25:15.96 ID:rC3XK7MIo

また日常にもどるんか
435 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/12(金) 21:07:23.95 ID:NxY/K3lwo
正直もうこのへんが限界だろ
436 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/10/18(木) 23:08:00.46 ID:tIrNN6FDO
最初からすごい期待して読んでたんだけど、最近の流れを見てると
単調な日常とイミフなポエムを交互に出してりゃ受けるだろ、みたいな
投げやり感を感じる。
437 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/10/18(木) 23:13:19.84 ID:jz7QqmRso
ぶっちゃけ今年の4月以降はまともにストーリーが展開していない
438 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/11/12(月) 13:30:26.41 ID:mlgU4foDO
プロットなしで行き当たりばったりに書き始めたクチか
439 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/12/09(日) 02:37:10.51 ID:ttp1I6SB0
くそ、また投げやがった

440 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/12/10(月) 01:24:22.86 ID:CoXPKdKAo
     ...| ̄ ̄ | < 続きはまだかね?
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