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女B「あのお……」女A「私だと!?」 -
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1 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:37:30.52 ID:vlZVrSKY0
女B「い、いやあの……俺、俺だよ」
女A「私は男口調じゃないよ!?」
女B「だからその、お、お隣の」
女A「さては貴様、偽者だな!」
女B「女さん?! 冷静になって聞いてくれよ!」
女A「大体、私はそんな男装趣味とかないし」
女B「だから、お隣の男だって」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1325993845
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1.5 :
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/
君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/
笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/
【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/
トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/
【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/
ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/
【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713613334/
2 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:40:03.95 ID:vlZVrSKYo
<注意点>
・ありがちTSもの。
・ラブはなし。
・過度な期待はしない。
・すでに書き上げている。
・明日くらいに依頼出し。
3 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:40:47.46 ID:vlZVrSKYo
女A「……じゃあ、本当に男くん?」
女B「恥ずかしながら……」
女A「男くん、女装趣味があったんだ」
女B「ち、違うよ! 気がついたら、女さんの顔と体に……」
女A「さては私に成りすまして悪事を」
女B「女さん、頼むから冷静になってくれ」
女A「さもなくばいやらしいことを」
女B「女さん?! 真剣に悩んでるんだから!」
4 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:41:32.65 ID:vlZVrSKYo
女A「しょうがないな〜、男くんは私の手を焼かせてばかりなんだから」
女B「返す言葉もございません」
女A「小学校の時はいじめられて私に泣きつくし」
女B「うん」
女A「中学の時は引きこもっちゃうし」
女B「う、うん」
女A「高校の時は私と同じ大学を隠れて受験して落っこちるし」
女B「女さん?! なんで知ってんの?」
女A「言ってくれれば勉強見てあげたのに」
女B「そうじゃないよ! 論点そこじゃないよ!」
女A「お隣だったのにばれてないと思う男くんがすごいよ」
5 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:42:32.19 ID:vlZVrSKYo
女B「と、ともかく、何やっても戻らなかったから、恥を忍んで」
女A「あー、それで学校来なかったんだ。また引きっちゃったのかと思った」
女B「思ったのかよ……」
女A「男くん、メンタル弱いもんな」
女B「あ、あのな、俺だってその」
女A「でも、どうしたらいいのか分からないけど、確かに困るね」
女B「お、おう。このままじゃ大学にも……」
女A「女装趣味に目覚めたことにしよう」
女B「女さん?!」
6 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:43:34.45 ID:vlZVrSKYo
女A「男の娘とか最近流行らしいし」
女B「そ、そんなのダメだろ!」
女A「どうして?」
女B「大体、その、俺の顔、いま女さんにそっくりになってるし……」
女A「うーん、でも、男くんが私を好きなのはみんなにバレバレだし」
女B「わああああああ!」
女A「どうしたの?」
女B「そんな、そんなことないからっ」
女A「浪人してまで私と同じ大学に来て、同じサークルに入るとか」
女B「そ、それは、知ってる人がいると安心するしっ」
女A「私に彼氏がいると知って断食しちゃうし」
女B「なんで知ってんの?!」
7 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:44:16.56 ID:vlZVrSKYo
女A「ともかく、私のことダイスキな男くんが、行き過ぎて私と同じ顔に整形したと」
女B「そ、そんなことっ……それに胸もあるし」
女A「もういっそ数週間隠れて性転換したことにする?」
女B「や、やめろー! 戻るかもしれないのに」
女A「どうやって戻るの」
女B「そ、それは」
女A「じゃあ、私の双子の姉妹が男くんの代返を」
女B「女さん、一人っ子だろ?!」
女A「……こっちは提案してるのに、男くんはわがままばっかりだね」
女B「はっ……ご、ごめんよ」
女A「にやにや」
女B「楽しんでるだろ?!」
8 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:44:50.38 ID:vlZVrSKYo
女A「とにかく、どうなるか分からないなら、今の体に慣れるしかないしな」
女B「そ、そうかな」
女A「そうよ、で、服とかどうするつもり?」
女B「どうって、そりゃ自分の服くらい」
女A「ぶっぶー、私に男装趣味はありません」
女B「え、え?」
女A「ブラもつけずに生活するの?」
女B「そんなの……どうでもいいだろ」
女A「私の顔して体してるのに、どうでもいいとかなんなのー?」
女B「あ、ああ、ごめん」
女A「にやにや」
女B「楽しんでるだろ?!」
9 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:45:20.26 ID:vlZVrSKYo
女A「で、設定はどうするの?」
女B「設定ってなんだよ」
女A「外に出歩く時の言い訳」
女B「う、うーん、とりあえず、俺自身は引きこもったってことにして……」
女A「じゃあ、私の親戚の子ってことにしようか」
女B「えっと」
女A「顔のよく似た親戚」
女B「そんなの、ばれるだろ?」
女A「えー、ばれないよ。ありそうじゃん」
女B「そ、そうかなぁ」
10 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:46:00.34 ID:vlZVrSKYo
女A「で、しばらく男くんはこっちに泊まるでしょ?」
女B「え?!」
女A「そのつもりでここに来たんでしょ」
女B「無理無理無理!」
女A「男くん、実家暮らしだと大変じゃん?」
女B「ダメダメダメ!」
女A「自分がパニくってるのを見ると面白いわね」
女B「よ、喜ぶなよ」
女A「そんなこと言って、自分もうれしいくせに」
女B「そ、そんなわけあるか」
女A「お風呂も一緒でいいよ?」
女B「やめろー!」
11 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:46:50.65 ID:vlZVrSKYo
女A「実際、体型も同じだから、下着も服もそろうよ」
女B「あ、あのな、いくら自分と同じ顔とはいえ、他人に自分の服着せてうれしいか?」
女A「私、一人っ子だったから、妹ほしかったんだ〜」
女B「そ、そういう問題じゃないだろ」
女A「そういう感覚だけど」
女B「あ、あのな、俺、俺は中身が男なんだぞ」
女A「え〜、男くんはへたれだから、正直平気だよね」
女B「女さん?!」
12 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:47:57.19 ID:vlZVrSKYo
女A「男くん〜?」
女B「わあ! の、のぞくな!」
女A「え〜、同じ体なのに〜?」
女B「同じ体を見ても面白くないだろ?!」
女A「ユニットバスなんだし、トイレ使いたくなっちゃうし」
女B「お、お、俺が出るまで待ってくれ!」
女A「『私』の体をじっくり見ちゃってる?」
女B「み、見てない、見てないから」
女A「よく見ないと体洗えないよ〜」
女B「は、入ってくるな!」
女B「はぁはぁ、やばい、見られるのはやばい」
13 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:48:36.61 ID:vlZVrSKYo
女A「夕食は味噌汁です」
女B「うん……」
女A「……」
女B「あの、作ろうか?」
女A「私の顔して料理スキルが高いとか意味わかんないんだけどー」
女B「スキル以前だろ! 野菜を切らずに投入するやつなんて初めて見たわ!」
女A「二人分だから、いっぱい作らないとなーって」
女B「そういう問題じゃない!」
女A「なんだよお前」
女B「す、すみません」
14 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:49:13.61 ID:vlZVrSKYo
女A「はい、お泊り用だから薄いけど、お布団だよ」
女B「あ、ありがとう」
女A「まあ、中身男くんだと寝ながらガールズトークは期待できないけどね〜」
女B「ご、ごめん」
女A「じゃあ、ちょっと夜用のやつ持ってくるからね」
女B「お、おう……(夜用?)」
女B「……」
女B「……」すっ クンクン
女A「なにしてる」
女B「うひゃあ!」
15 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:49:44.78 ID:vlZVrSKYo
女A「がっかりだよ男くん」
女B「すみませんすみません」
女A「まあ、そうだよね。好きな女の子と一緒にお泊りとかテンションあがっちゃうもんね」
女B「出来心だったんです。すみませんすみません」
女A「しょうがないな」
女B「お、女さん!」
女A「一泊三万円な」
女B「は?」
女A「一泊三万円で許してあげるよ」
女B「え、お金、取るの……?」
16 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:50:24.05 ID:vlZVrSKYo
女A「どうせ私の体になっていやらしいことしたんでしょー?」
女B「し、してないよ」
女A「なんでも試したって言ってたじゃん」
女B「それは、その……」ゴニョゴニョ
女A「このくらいもらうのは当然だよね」
女B「オレ、オカネ、モテナイ……」
女A「え? 体で払うって? いやあ、自分の体使われて風俗はどうかなぁ」
女B「で、できるわけないだろ?!」
女A「じゃあ、一生私に逆らえない下僕になっちゃう?」
女B「やめろー!」
17 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:51:02.83 ID:vlZVrSKYo
女A「とりあえず、明日からの計画なんだけど、やっぱり親戚ってことでよくない?」
女B「そ、そうですね」
女A「それで、やっぱり口調が男くんみたいなのはどうかと思うのよ」
女B「そ、そりゃあまあ」
女A「お化粧直しとか、トイレとか、一人でできる?」
女B「そ、そんなの子どもじゃないんだから」
女A「男の人の癖で股ずれ直すのとかやっちゃダメだよ?」
女B「するわけないだろ!」
女A「足開いて座ったら見えちゃうからね」
女B「そ、それは、スカートはかなければいいんだろ」
女A「ごめん、私スカートしか持ってなくてぇ」
女B「ウソだろ?!」
18 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:51:48.66 ID:vlZVrSKYo
女A「電気消すよ」
女B「う、うん」
女A「ドキドキしてる?」
女B「ひゃあ! む、胸触るな!」
女A「自分の顔した人のおっぱい触ってもうれしくないわー」
女B「そんなこと言わないでくれ!」
女A「『俺は触るとうれしいんだよ、むぎゅう!』とかやらないの?」
女B「するか!」
女A「私のおっぱい触ってもうれしくないんだー、がっかりー」
女B「あ、う、お」
女A「男くんは本当にからかうと面白いのう」
女B「」
19 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:52:24.53 ID:vlZVrSKYo
――――――――――
女A「ふあ」
女B「あ、おはよう」
女A「はやいね」
女B「うん、もうごはん出来てるよ」
女A「ふあふ」
女B「ごめんね、勝手に台所使っちゃった」
女A「いいにおい」
女B「えっと、ミルクはあっためておいたから」
女A「……」
女B「女さんの好み知らないけど、卵とサラダは後から味付けできるし、トーストだし……」
女A「結婚して」
女B「ええ?!」
20 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:53:14.15 ID:vlZVrSKYo
女A「なんなの、何でそんなに料理スキル高いの」
女B「えっと、親があまり家事しないから、かなぁ」
女A「おかしいよ、うちもそんなに家事しない親だったけど」
女B「周りがものぐさだから、気になっちゃうっていうか」
女A「はっ、掃除とか好きなタイプ!?」
女B「好きというか、気になるというか」
女A「洗濯もダイスキ!?」
女B「い、一応……難しいのはクリーニングに出しちゃうし」
女A「クリーニングなんて制服以外で使ったことないよ!?」
女B「汚しちゃったりとか、あるし……」
女A「男くん、性別が本当になってよかったね」
女B「よかないよ?!」
21 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:53:59.51 ID:vlZVrSKYo
女A「だってさー、弁当男子なんか流行らないじゃん」
女B「べ、別に弁当男子気取ってるわけじゃないし」
女A「『男くん、料理がうまいんだよ』『ふーん、すごいね』」
女B「う……」
女A「これに年収1000万とか枕につくと、『マジで? 紹介して』ってなるんだけど」
女B「や、やめろよ、そういうのは」
女A「女は料理ができないだけで、粗大ごみ扱いだしねぇ」
女B「お、俺はそんな風には見ない」
女A「はいはい。そーいう人ほど家事スキルの高い人をお嫁さんにすんのよ」
女B「わ、分かった、だったら俺が教えてやるから」
女A「それはめんどい」
女B「どうすりゃいいんだよー!」
22 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:54:36.98 ID:vlZVrSKYo
学校。
女A「ハロー」
女友「おー」
女B「……」
女友「あれ? 誰その子」
女A「私の親戚よ」
女B「ど、どうも」
女友「へー、なんか女にそっくりじゃん」
女A「でしょー? 双子みたいって言われるんだよね」
女B「そ、そうなんです」
女友「ていうか、似すぎじゃん? ほくろとかも」
女A「不思議だよねー」
女B(そんなんで済むのか……)
23 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:55:19.79 ID:vlZVrSKYo
女A「ちょっと彼氏とケンカしちゃったみたいで〜、今うちに泊めてるんだ〜」
女友「女と一緒か」
女B「え……」
女A「そうなのそうなの! 二人で慰めあってるんだよね! ね?」
女B「え、と……はい」
女友「まさか、お主、百合の道に入ろうとしてるのでは」
女A「あ〜、ありだよね」
女B「ええ?!」
女友「なんか、反応が初々しくてかわいいわ」
女A「この子、料理も掃除も洗濯もできんのよ〜」
女友「嫁に欲しい!」
女B「ええええ?!」
24 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:55:56.96 ID:vlZVrSKYo
女B「あのっあのっ、わ、私、そういうのには」
女友「わーかってるって。ちょっとからかっただけよ」
女A「あれ? 私は本気だよ?」
女B「ええ?!」
女友「おいおい」
女A「うれしくないのかにゃー、男くんは」
女B「そ、それはうれしくないと聞かれれば違うけどいまはあのその」
女友「え、もしかしてその子の方があれなの?」
女A「そうなのよ、せっかく彼氏も出来たのに結局私を頼っちゃって」
女友「そうかぁ」
女B「違いますよっ!」
25 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:56:23.61 ID:vlZVrSKYo
女友「いや、お姉さんは応援するよ。同性同士は割りといける口だし」
女A「おっとぉ、そっちの話は遠ざけてほしいなぁ」
女B「……なんの話?」
女友「おや、興味ある? そうだよね、女の子だもんね」
女A「あーもう、この子を汚染しないで」
女友「真実の愛ってやつだよ」
女A「腐った愛の間違いでしょ」
女友「えーだって、あれでしょ? ガチっぽいじゃん、この子」
女A「ガチだと思うんならショック受けるとか考えてよね」
女B(なんかついていけないが、恐ろしい予感がする……)
26 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:57:06.83 ID:vlZVrSKYo
女友「それより、名前なんていうのさ」
女A「男ちゃん」
女B「?!」
女友「へー、なんかどこかの誰かさんと同じ名前だねぇ」
女A「まあ、仮の名としておこう」
女友「もしかして……」
女B「あ、あの、おれじゃなくて私っ」
女友「……この子の彼氏ってあいつなん?」
女B「は」
女A「どうかしらね〜」
女友「ええー、いくら女ちゃんが好きだからってさ、同じ顔した子をくどくとかないわー」
27 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:57:54.24 ID:vlZVrSKYo
女A「そうよねー、でも、けっこういい子なのよ」
女友「あんた、そのまま別れたほうがいいよ」
女B「え、え」
女友「知らないだろうけど、男って女ちゃんを追いかけて一浪しちゃうくらいあれな人だから」
女B(なんで知ってる)
女A(ごめ、いつもサークルでネタにしてた)
女B(女さん?!)
女友「はっきり言って、そのまま別れたほうがいいよ」
女B「そ、そうですかね……」
28 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:58:37.16 ID:vlZVrSKYo
女A「まあ、そういうわけで、しばらくこの子連れて回るから、後はよろしく」
女友「え、女、サークルは? 演奏会近いじゃん」
女A「あ〜、会いたくないやつもいるしなぁ」
女B(彼氏さんか……)
女友「まあ、いいけどね。もし会ったら、友達と遊びに行ったとか言っとくよ」
女A「ごめんね。ってか、その言い訳だと部長が切れそうだけど」
女友「講義も?」
女A「ノートを頼むぜ☆」
女友「頼むぜじゃないわよ、もう」
女B「すみません、ご迷惑をおかけして……」シュン
女友「女と似たような顔でそんな表情をされるとなんか興奮するわ」
女A「おい」
29 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:59:11.83 ID:vlZVrSKYo
購買部。
女B「……あの、女さん」
女A「なんじゃろ」
女B「なんかいろいろ新事実が発覚して混乱してるんだけど」
女A「ああ、女友がホモ好きってこと? 一般女子はたしなんでるもんよ」
女B「そ、それじゃなくて。いや、それも驚きだったけど」
女A「え〜、男くんをネタにしてたこととか?」
女B「う、うん。なんか女友さんの評価もすごい低かったりとか」
女A「そりゃそうよ。男くん、真面目なんだけど、いろいろ残念なところがあるじゃん」
女B「残念……」
女A「まあ、がっかりなところはそうそう直せないしね」
女B「がっかり……」
30 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 12:59:42.60 ID:vlZVrSKYo
女B「そ、それと、大学はサボっちゃうの?」
女A「いやいや、元に戻る手がかりを探さないとでしょ」
女B「……あ」
女A「忘れてたのかよ。本当に男くんはがっかりだよ」
女B「わ、忘れてたわけじゃあ……ナイヨ?」
女A「とにかく、サークル棟とか回ってみよ」
女B「う、うん……あ、女さん、カップ麺?」
女A「何よ、悪い?」
女B「いや、そんなのだったら、お弁当作ったのに」
女A「あー、そういえば男くん、弁当男子だったもんね。で、一人メシ」
女B「女さん、心を抉らないでください……」
31 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:00:14.52 ID:vlZVrSKYo
お腹がすいたので一時停止。
32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(東海)
[sage]:2012/01/08(日) 13:05:57.22 ID:xvqTN49AO
すまない
ggrKSて言われるかも知れんが、TSて…何ですか?よかったら教えて頂けないでしょうか?
33 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:20:35.86 ID:vlZVrSKYo
>>32
=トランスセクシャル 性転換モノ
34 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:22:05.58 ID:vlZVrSKYo
再開。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
サークル棟。
女A「なんか変身する前に、使ったものとかある? こないだサークルに来てたよね」
女B「えーとえーと、でもそのときから調子が良くなくて」
女A「ああ、ギター触ってたけど、弾いてなかったか」
女B「譜読みはしてたけど……あ」
女A「なに」
女B「いやややや、なんでもない」
女A「おい、言え」
女B「ひゃわあ! い、言いますからお腹つままないで!」
女A「ほらほら」
女B「ああああの、一人になったところで、女さんのギターを触ってました!」
女A「はあ?」
35 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:22:39.81 ID:vlZVrSKYo
女A「なんかこう、気持ち悪いよ、男」
女B(呼び捨てになった……)
女A「まあ、でも、私のギターを触ることで変身するなら、女友辺りも変身できそうだけど」
女B「そ、そうですよね!」
女A「ほれ、もっかい触ったら戻るかも」さっ
女B「ううう、うん」ぺた
シーン。
女A「はい、次いこっか」
女B「ううう……恥ずかしさと空しさが胸に残る」
36 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:23:27.71 ID:vlZVrSKYo
女A「そういえばさ、男子内でなんかうわさ話とかしてないん?」
女B「へ?」
女A「サークルでさ、男同士で話したりはしてないの?」
女B「う、うちは男子の仲はそんなに良くないから……」
女A「男くんがハブられてるだけじゃないの?」
女B「や、やめて! そんな気してるけどやめて!」
女A「じゃあ、あまり男くんに聞いてもしょうがないかなー」
女B「あ、あっ、そういえば、こないだズリネタで盛り上がったかも!」
女A「ズリネタ?」
女B「あ」
女A「ズリネタってなに?」
女B「すみません……なんでもありません……」
女A「おい、言え」
37 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:24:06.54 ID:vlZVrSKYo
女B「つまりその……オナニーのネタで」
女A「うーわ、好きな女の子にそういうこと解説しちゃう?」
女B「だって! だって女さんが言えって!」
女A「はぁー、人のせいにするとか、男くんには本当にがっかりだよ〜」
女B「ご、ごめんなさい……」
女A(やべぇ、涙目の自分とか面白すぎる)
女B「今度から気をつけます……」
女A「で、どんな意見があったの?」
女B「え?!」
女A「せっかく話を振っといて中身は話さないとか」
女B「い、いや、あの、その」
38 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:24:53.54 ID:vlZVrSKYo
女B「えーとですね、やっぱり彼女持ちの人は、その、するようにためておくんだと」
女A「ほうほう」
女B「最近の主流はどうしても二次元ですよね。ただエロゲーは時間取られるからやらないという意見も
あって……」
女A「その辺は別にいいや」
女B「グラビアや綴じ込み付録よりエロい無修正はネット探せばいくらでも転がってますから、あまり芸
能人とかもちょっと……」
女A「それでそれで」
女B「あと、同人誌とか、二次創作も結構簡単に手に入るようになってますけど……」
女A「あー、女友に聞けば分かるかなぁ」
女B「かなり好みが分化しているので、HRとかNTRとかじゃないとダメっていう人もいますし……」
女A「オタク的な感じ?」
女B「というか、マニアックに入り込みすぎて、かみ合わないというかですね……」
女A「男くんはどうなの?」
女B「お、おれ、いや私はその、女さん一筋的な」
女A「気持ち悪っ」
女B「……」グスッ
39 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:25:53.81 ID:vlZVrSKYo
女B「あ……」ガサッ
女A「なに〜、なんか思い出した?」
女B「あ、いや、もう気持ち悪がられたくないんで」
女A「言いなさい」
女B「は、はい」サッ
女A「なにこれ……『女体化催眠オナニー』?」
女B「うう……」
女A「え、なに、もしかしてコレで変身しちゃいましたとかそういう話?」
女B「そ、そんなのバカバカしいとは思うけど、その」
女A「本当にバカバカしいなー、っていうかこんな本があることが驚きだよ!」
女B「そ、その、何度かこれをやってたような」
女A「……」パラパラ
女B「ううう……」
40 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:26:44.78 ID:vlZVrSKYo
女A「なになに、『好きな女の子のことを思い浮かべてください』」
女B「わー! 音読しないでぇ!」
女A「『その子の体が宙に浮いて、あなたと一つになるように』……」
女B「うわあ?! まるっきりそれっぽいのが!」
女A「これはドン引きだわ」ポイッ
女B「ちょ?! 捨てないでください!」
女A「でも、これではっきりしたわ」
女B「な、何が」
女A「男くんが変身した理由よ!」
女B「え、えーと」
女A「私が好きすぎて、オナニーしてたら私に変身していたと!」
女B「そ、そんなわけあるかっ?!」
41 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:27:16.82 ID:vlZVrSKYo
女A「だってそれしか考えられないじゃん」
女B「その、なんか宇宙人に作り変えられたとか」
女A「ふーん」
女B「せ、性転換する薬を飲んじゃったとか」
女A「なんか思い出したの?」
女B「全然、記憶にありません……」
女A「じゃあ、オナニーしかないじゃない!」
女B「や、やめろー!」
42 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:28:24.78 ID:vlZVrSKYo
女A「待てよ。だとすると、戻るためには自分の体を妄想してオナニーしないといけないのか……」
女B「あの、あの、勘弁してください……!」
女A「いやいや、こっちは真剣に話してるんだけど」
女B「だって! 自分の体を想像してオナニーなんて!」
女A「他人の体を想像してできるくせに、自分はできないっての?」
女B「だって! じ、自分のことはあまり好きじゃないし……」
女A「これだよ〜。自己評価の低い現代っ子め」
女B「そ、それに、それが原因とは限らないっしょ?!」
女A「そうかなぁ、一番ありそうだと思うんだけど」
女B「ないよ! オナニーなんかで……!」
ガラッ
女B「」
43 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:29:23.47 ID:vlZVrSKYo
彼氏「あ? 女が二人いる?」
女A「……なに」
女B「あ、えっとぉ、私、女さんの親戚で」(聞かれてないよね?)
女A「……」
女B(と、ちょっと、女さん……なんか言ってよ)
彼氏「親戚? 顔そっくりじゃん」
女A「……」
女B「あ、あの、よく言われるんで」
彼氏「ふーん。で、二人で何してたの?」
女B「あ、えっとぉ、ちょうどこっち来てたから、女さんにいろいろ案内してもらおうと」
彼氏「だからって、部室に部外者入れんなよ」
44 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:30:13.03 ID:vlZVrSKYo
女A「じゃあ、出て行くわ」
女B「あ、女さん!」
彼氏「ふん」
女B「あの、失礼しました」
彼氏「……ああ、ちょっと待って」
女B「はい?」
彼氏「この辺来るの初めてなんだろ? オレも案内してやろうか」ガシッ
女B「え……」
女A「ちょっと、触んないでよ!」バシッ
彼氏「ちっ」
45 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:30:45.33 ID:vlZVrSKYo
女A「……」ズカズカズカ
女B「お、女さん? ちょっと、速い……!」
女A「……」ズカズカ
女B「女さん、もう校門出たし……」ハァハァ
女A「……」
女B「あの、ケンカ……してたんだね」ハァハァ
女A「ああー! もう!」
女B「うおっ」ビクッ
女A「あいつ、すっげーむかつかない!?」
女B「え、ええと」
46 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:31:31.42 ID:vlZVrSKYo
女A「ホントにさー、クズの極みだよね」
女B「そ、そうだね。なんか俺にまで話しかけてきて」
女A「ああ、あれ。あれはね、私に対する当て付けでしょうよ」
女B「当て付け?」
女A「そ。目の前で別の女を口説こうとして嫉妬心を煽ろうとしてるわけ」
女B「うわぁ」(なんだかよく分からないけど感心しておこう)
女A「よく分かってないでしょ?」
女B「う、うん。大人の駆け引き、的な?」
女A「あはははっ」
女B(めっちゃ笑われた……)
47 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:32:18.24 ID:vlZVrSKYo
女B(でも、あれだけ敵意むき出しにしてるってことは、逆に……)
女A「まあ、男くんが分からないのも無理はないよ、うん」
女B「みんな、その、私がいないところでいろいろやってたのね」
女A「そういうこと。刺激が強すぎた?」
女B「そ、そんなことはないけど」
女A「私のことも嫌いになった?」
女B「そ、そんなことない!」
女A「うん、分かった。分かったから手を握って顔を近づけるのまではやめよ?」
女B「ご、ごめんなさい」
48 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:32:54.90 ID:vlZVrSKYo
女A「まあ、じゃあ、次はどうする? 男くんの部屋でもあさろうか」
女B「え」
女A「せっかく、私は泊めたのに、男くんは泊めてくれないの?」
女B「ああああの! ちょっと部屋が散らかってるんだ!」
女A「誰がそのような戯言を信じるかのう」
女B「ていうかね?! うち実家だから! 私がこの格好で、女さん泊めるとかないから!」
女A「そこは機転を利かせてよ」
女B「ど、どんな?!」
女A「大体、変身したところは自分の部屋だったんでしょ。手がかりが一番ありそうだし」
女B「う、ううう」
49 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:33:46.62 ID:vlZVrSKYo
男の実家。
女A「お邪魔しまーす」
女B「あの、片付けてくるから、ちょっと待ってて」
女A「今、うちの人いないの?」
女B「ふ、二人とも仕事だよぉ。あの冷蔵庫に冷茶かジュースあるし」
女A「分かったわ」
女B「ふう……」ガラッ
女A「と見せかけて一緒に入る」
女B「うわあ!」
50 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:34:24.31 ID:vlZVrSKYo
女A「うわあ」
女B「み、見ないでー!」
女A「リアルに自分の写真がポスターになって貼られるとかガチで気持ち悪いわー」
女B「ううう、で、出来心だったんです……」
女A「結構、いい表情のやつ選んでるじゃん」
女B「あの、親にも叱られて……いい加減、撤去しようと……」
女A「捨てるんだよね?」
女B「えっ」
女A「まさか保存しておくつもりはないよね」
女B「えー……」
女A「私の写ってる写真とかも捨てるよね」
女B「ええー……」
51 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:35:07.74 ID:vlZVrSKYo
いろいろあらかた捨てさせられました。
女B「……自分の拠り所を失った気分ですわ」
女A「つーか、こうして見ると本当にガチだったんだね、男くん」
女B「う、うん。ご、ごめんなさい」
女A「まあ、ちょっとやりすぎだよね」
女B「す、すみませんでした」
女A「でもこれで真人間になったんだし、そろそろ男の方に戻ってもいいと思うよ」
女B「そ、そんなこと言われても」
女A「でも、あれを見て夜な夜なしこしこしてたから、私の姿に」
女B「しこしこ止めて!」
52 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:35:54.03 ID:vlZVrSKYo
女A「他に何かないの? フィギュアとかそういう気持ち悪いの」
女B「ええと、あ、この人、女さんに似ている芸能人の写真集で」
女A「これも処分な」
女B「いやあああ!」
女A「これは?」
女B「うう、い、いるかのぬいぐるみです……」
女A「サメとかいろいろあるねー」
女B「えっと、海の生物系のぬいぐるみは好きで……リアルなフィギュアはちょっと」
女A「これは許す」
女B「許された……」
53 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:36:27.88 ID:vlZVrSKYo
女A「私に関するの以外だと、ぬいぐるみと、あとは理系雑誌が趣味って感じ?」
女B「あの、日経サイエンスとか、ちょっと面白くて……」
女A「なんていうか、暗いよ?」
女B「う、うん」
女A「同じ暗いならモンハンとかやろうよ」
女B「も、モンハンは暗くないよ。彼氏さんがやってたから言ってるでしょ?」
女A「ばれたか」
女B「大して趣味もなかったから……あ、女さんが趣味かな」
女A「キモッ」
女B「心が折れそうです」
54 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:37:37.46 ID:vlZVrSKYo
女A「泊まりたいところだけど、さすがに気が引けるわー」
女B「う、うん……」
女A「しょうがないから、また私んちに泊まる?」
女B「ご、ごめんね」
女A「それにしても、何か、きっかけになりそうなもの、ないね」
女B「う、うーん」
女A「やっぱり、私の写真ばっかりだったし、オナニー変身が当たってるんじゃない?」
女B「そ、そうじゃないと信じたい……」
55 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:38:32.14 ID:vlZVrSKYo
女宅。
女A「では見せてもらおうじゃないの! 男くんの料理スキルを!」
女B「言うほど大げさなもんじゃないんだけどな」
女A「おおっと、手際よく野菜を切っていきます」
女B「……」トントン
女A「ここで? 調味料を計量スプーン使って量り、混ぜ合わせる!」
女B「やかましい」
女A「なによ〜、何もすることないから実況してるのに」
女B「レンジでチンして調味料かけるだけで立派な料理になるものとかもあるんだよ」サッ
女A「お、おう。コレをレンジにかけろと?」
女B「2分もあれば大丈夫だよ」
女A「くう、先んじてるからってえらそうに!」ブーン チーン
56 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:39:24.58 ID:vlZVrSKYo
女A「お皿が三つ四つも並ぶと、すごくがんばった気がするわ」
女B「一皿分のカロリーは低いし、食べ過ぎにはならないよ。まあ、洗うのが大変なんだけど」
女A「勿体ないね〜、これだけ出来るなら如何なく発揮していけばよかったのに」
女B「ど、どこで発揮するのさ」
女A「夏にやったバーべキューとか?」
女B「え……聞いてないよ?」
女A「ああ、ごめん。サークルで行ったんだけど、話がいってなかった?」
女B「う、うわああああ!」
女A「ちなみに、そこで半数くらいカップルが新しく出来てー」
女B「も、もうやだー!!」
57 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:40:45.78 ID:vlZVrSKYo
女A「男くんはいろいろ出来るのに、それ以外がすごくダメじゃん」
女B「……料理スキルはふーんで済むレベルって言ってた」
女A「だからさ、いつも頼りになるあの人が、さらにできるっていうのがいいんじゃん」
女B「そりゃ、頼りにならないかもしれないけど」
女A「おまけにガチでガチに私のストーカーみたいな」
女B「も、もういいでしょ」
女A「いや、良くないわよ。多分、変身した理由の大半がそこじゃない? やっぱり」
女B「……もう、もう、たくさん捨てたし、いいじゃん」
女A「じゃあ、サークルも辞めちゃう?」
女B「な、何でよ、女さんの近くに居るのもダメなの?」
女A「冗談だけどさ。でも、実際馴染めてないでしょ。無理してるんじゃない」
女B「そ、それは……」
58 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:42:02.90 ID:vlZVrSKYo
女A「無理してまで一緒にいることないじゃん」
女B「えーと……そうなのかな」
女A「そうそう、手芸部とかどうよ!」
女B「そんな部はないよ! ……でも、あのその、無理するというか」
女A「は? 何の話?」
女B「いや、彼氏さんと」
女A「男が気にすることじゃないよね」ニッコリ
女B「は、はひ……」
女A「大体、無理してたわけじゃないし、あいつがデートすっぽかしただけだし」
女B(うわぁ。好きな人のそういう話はきっついなぁー)
女A「バイトが長引いたからっておかしいんじゃないの、ねぇ?」
女B「あ、矛先は向けないでください」
59 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:42:38.32 ID:vlZVrSKYo
翌朝。
女A「あー、ごめん。今日はちょっと一日実習やっとかないと」
女B「あ、うん。もう、学校も慣れたから、大丈夫……だと思う」
女A「トイレとかできる? 化粧直しは?」
女B「だ、大丈夫だってば! ほら、お弁当」
女A「ありがとー。もう、本当に戻らずに私の嫁になってよ」
女B「っだ、だから!」
女A「冗談だってば。じゃあ、先に行ってるね」
女B「あ、うん。お昼、暇があったら」
女A「はいはーい」ガチャ
女B「……はぁ」
60 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:43:08.51 ID:vlZVrSKYo
女B「さ、さぁーて、女ちゃんの家を物色するぞー」
女B「なんちゃって」
女B「……」
女B「女さん、彼氏さんのこと、好きなんだろうな……」
女B「あ、写真立て。ツーショット……」
女B「捨ててないってことは」
女B「……」
女B「もう暗くなるからやめよ」
女B「あ、か、体が」
女B「……」
61 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:43:36.97 ID:vlZVrSKYo
学校。
女B「結局、学校来ちゃった」
女友「おろ。おーい!」
女B「あ、ああ、女友さん」
女友「今日は一人なん?」
女B「は、はい。女ちゃん、実習がどうとかで」
女友「あーそっか。でも、男ちゃんも、せっかくなんだから学校なんか来ずに、遊んでくれば?」
女B「えへへ、実はこっちが地元なんでー」
女友「そうなの? じゃあ、あまり周っても面白みないか」
女B「はい。学校はその……」
女友「ああ、男くんの方か。そういえば最近見ないね。学年違うのもあるけど」
女B「え、ええ」
62 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:44:12.16 ID:vlZVrSKYo
女B「あ、あの、女友さん」
女友「なに? あ、もしかして、昨日の話の続き?」
女B「あ、えーと、そんなような」
女友「一応言っとくけど、私はそんなにディープじゃないからね。一応言っとくけど」
女B「は?」
女友「受けの種類とかジェンダーに詳しいわけじゃなくて、単に同人が好きなだけだし」
女B「え、え?」
女友「同性愛についてじゃなかったっけ?」
女B「そ、そんなわけあるか!」
女友(違ったのか)
63 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:44:51.21 ID:vlZVrSKYo
女友「じゃあ、何の話?」
女B「あの、女さんの彼氏さんのことなんですけど」
女友「ああー」
女B「なんか、ケンカしてるとか」
女友「男ちゃん。なんかいい子っぽいから言っておくけど、首突っ込むと余計こじれるよ?」
女B「そ、そうですか?」
女友「そういうもの。こればっかりは本人同士にしか分からないわよ」
女B「でも、女ちゃんは、彼氏さんのこと」
女友「分かんない子だねぇ、なんかめんどくさい所が男くんに似てるわ」
女B「そそそ、そんなことはないですよ!」
64 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:45:27.69 ID:vlZVrSKYo
女B「でも、その、男くんはどうですか? 女友さんから見て」
女友「あれ、聞いちゃう? 昨日けっこう言ったような気がするんだけど」
女B「ええええと、私は、その」
女友「まあ、悪くは言いたくないけど、女ちゃんのストーカーでしょ」
女B「うっ」
女友「おまけに、あまり人の話を聞いてないことが多いし」
女B「うううっ」
女友「あと、余計な首を突っ込みたがる……ってあんたみたいね」
女B「あああ、やっぱり似た者同士だったんですねぇ!」
女友「そーかもね」
65 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:46:11.13 ID:vlZVrSKYo
女友「悪いことは言わないけど、直した方がいいわよ」
女B「そ、そうですねぇ。女さんにも迷惑かけてるような気がするし」
女友「なんだ、そういう自覚が出来るんなら、男くんよりマシじゃない」
女B(すごく、複雑です……)
女友「まあ、でも、昨日はずいぶん、女ちゃんも笑顔だったっしょ」
女B「わ、私を笑ってましたね」
女友「あっはっは、いやー、ケンカしてから久しくぶすっとした顔しか見てなかったからさ」
女B(そうだったのか。全然、気にしてなかった、のかも……)
女友「あんたのおかげじゃない?」
女B「わ、悪い気はしませんね!」
女友「あはははっ、なんかあんた面白いわ」
66 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:46:41.38 ID:vlZVrSKYo
学食前。
女B(やっぱり、嫌われてんだな、私……)
女B(女さんにも、散々言われてたし……)
女B(もう……)
彼氏「……あ」
女B「え?」
彼氏「あ、ああー、悪い」ペコ
女B「へ、へ?」
彼氏「すまん、先に行ってくんね?」
彼友「なんだよ、ナンパか?」
彼氏「ちげーって!」
女B「え、えーと」
彼氏「あの、女、じゃないだろ。男ちゃんだっけ」
女B「は、はい」
彼氏「ホントに女にそっくりだな」ジー
女B「あ、あ、はい」
67 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:47:14.11 ID:vlZVrSKYo
彼氏「昨日はその、すまんかった」
女B「あ、いえ……」
彼氏「ついカッとなってやっちまったんだ。許してくれとは言わないけど、謝る」
女B「あ、大丈夫、ですよ」
女B(そ、そーだよな。彼氏さん、昨日は普段と全然違ってたもん)
彼氏「君、女の親戚だって?」
女B「そ、そうですけど」
彼氏「迷惑かけついでですまないんだけど、女って今どうしてる?」
女B「どうしてるって……私が来てからは多少はっちゃけてますけど」
彼氏「は、はっちゃけてる?」
女B「なんか私のこといじったりして遊んでます」
彼氏「あははっ、そりゃあんたいじりがいありそうだもん」
女B「ひでぇや!」
68 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:47:44.82 ID:vlZVrSKYo
彼氏「冗談だよ。半分冗談じゃないけど」
女B「……あの、彼氏さん」(一言余計です)
彼氏「ん?」
女B「女ちゃんに、伝言とか、あったら聞いておきますけど」
彼氏「あ、ああ……いや、いいや。君経由で伝えても余計こじれそう」
女B(さすがイケメンやで。客観的に自分を見れるんです)
彼氏「まあ、もっと冷静になって、ゆっくり話し合うよ」
女B「あの、失礼ですけど、なんでケンカしちゃったんですか?」
彼氏「んー……いや、夕勤のバイトに入っててさ、そしたら夜勤のバイトがこねーでやんの」
女B「ああー……」
彼氏「そんで、俺は明日予定あるつったのに、店長も本部も電話しても誰も来ないしさ」
女B「それはひどいですね」
69 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:48:13.87 ID:vlZVrSKYo
彼氏「結局、一晩やって、帰ってきたら寝ちゃってて」
女B「それで、デートすっぽかしたんですか」
彼氏「もうひでーよ。ちなみに本部と店長にはふざけんなって電話して割増と長時間手当をもらったわ」
女B「そ、それは……仕方ないですよね」
彼氏「だしょ!? けどその……誕生日そろそろじゃん、あいつ」
女B「そ、そうですね」
彼氏「だから、プレゼント選んであげるっていう話で、気合入れてた日だったから」
女B「ああ、それは怒りますね」
彼氏「でも、俺は悪くない、よな?」
女B「うーん……そうですよね」
70 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:48:56.96 ID:vlZVrSKYo
彼氏「多分、その後に電話してきた時に、寝ぼけ眼で怒鳴り返したのがまずかったと思うんだ」
女B「そうですね。それにその、倒れるくらい働いてきたら、心配ですし……」
彼氏「そういうもんか?」
女B「そ、それはそうですよ!」
彼氏「……。確かに、『そんなバイトやめちまえ』とか言ってたな」
女B「お互い、後に引けなくなって、意地になってるだけなんじゃないですか」
彼氏「そうだな……」
女B「きっと大丈夫ですよ、女さん、彼氏さんのこと……」
彼氏「うん……」
71 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:49:54.72 ID:vlZVrSKYo
彼氏「なんか、嫌な話聞かせて悪かった」
女B「い、いえいえ」
彼氏「あ……そういえばタメ語、で、でしたね、すんません」
女B「いや、いや、年上でしょ」
彼氏「そっか。あー、お詫びに、とかやりたいところだけど……」
女B「あ、あ、じゃあ、男くんの話聞いてもいいですか?」
彼氏「へ? なんで?」
女B「あ、私、男くんの彼女で」
彼氏「男って、彼女いたの!?」
女B(ガチで驚かれてる)
72 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:50:33.49 ID:vlZVrSKYo
彼氏「いやいやいや、彼女いて、あれはまずいっしょ」
女B「えええと、なにかあったんですか」
彼氏「いや、あの、うーん」
女B「あの、聞かせてください。ちょっと連絡も取れなくなってて」
彼氏「え、でも……女の子に聞かす話じゃないし」
女B「お、お願いします」
彼氏「わ、分かった。けど、怒らないでくれよ」
女B「は、はい」(怒る……?)
73 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:51:06.65 ID:vlZVrSKYo
彼氏「あのな、こないだサークル棟で、その、Gの話をしていてな」
女B「G、ですか?」
彼氏「要するに、マスターベーション的な」
女B「ああ、オナニー」
彼氏「……まあ、オナニーだよ。それで、男のやつが、変な本を持っててさ」
女B(……ああ、あれか)
彼氏「それで、その、なんだ、女をおかずに使ってるとか平気な顔して言うんだよ」
女B「……」
彼氏「それで頭きてぶん殴っちまってさ」
女B「あ……」
彼氏「それ以来、学校来てないから、多分、そういうことだと思うんだ」
女B(あああ……!)
74 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:51:39.69 ID:vlZVrSKYo
彼氏「その、なんだ。人の彼女のことを言い出すのもそうだし、まして自分に彼女いるならなおさらだろ
」
女B(そうか、そうだった……)
彼氏「も、もちろん、君が悪いってわけじゃないけど」
女B(そうだった……)
彼氏「あの、男ちゃん?」
女B「……」
ザッ
女A「おい」
彼氏「う」
女A「おい、何してんの?」
彼氏「いや、これは、その」
75 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:52:13.54 ID:vlZVrSKYo
女A「何で、泣いてるの?」
女B「え……」ポロ
彼氏「そ、それは……言えない」
女A「ふざけんなよ!」
彼氏「ふざけてねーよ! 言えないことくらいあるだろうが!」
女B「あの、あの……」
女A「人を泣かせておいて、その態度はなんなのよ!?」
女B「待って、女さん、待って」
彼氏「悪かったな、とにかく言いふらすことじゃない」
女A「そうやって、格好つけたがるのやめてくれる」
彼氏「違うって言ってんだろ!」
女B「待って!!!」バン
76 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:52:51.51 ID:vlZVrSKYo
女A「お、男くん?」
女B「女さん、わ、私が聞いたことだから、後で説明するから!」
彼氏「あー、あの」
女B「彼氏さん、どうもありがとうございました。この場は収めてください」
彼氏「お、おう」ガタッ
女A「ちょっと……」
女B「女さん」
女A「なに……」
女B「ちゃんと説明するから。もう、迷惑かけないから」
女A「なんなのよ、もう」
77 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:54:33.59 ID:vlZVrSKYo
女宅。
女A「で、なんだったわけ」
女B「あの、私が変身した原因、が、分かったの」
女A「あ、そー。なに、あいつが知ってたわけ?」
女B「そう。あの、ズリネタを男子で盛り上がって、とか言ってたじゃん」
女A「……」
女B「あのとき、私、女ちゃんがとか言っちゃったんだよね」
女A「それはもう聞いたけど」
女B「うん、それで、彼氏さんが怒っちゃって、私をこう、殴って」
女A「……あーそう」
女B「そのとき、なんていうか、私っておかしいんだなって思ったの」
女A「おそっ」
78 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:55:31.20 ID:vlZVrSKYo
女B「ま、まー、遅いんですけど」
女A「……それで」
女B「……帰ってきたら、消えてなくなりたいくらい、恥ずかしくなって……」
女B「そ、それだけじゃなくってね、父親に、叱られたんだ」
女B「この年でなに、こんなことやってんだって言われて」
女B「女さんのポスターとか捨てろって……ま、まあ、最終的にはちゃんと捨てたんですけど」
女B「……」
女B「一人で、部屋ん中にいたら……」
女B「自分なんかいなくなっちゃえばいいと思って……」
女B「ホントに、ホントに自分なんかいる意味ないなーって思って」
女B「気がついたら、こうなっていたの」
79 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:56:08.53 ID:vlZVrSKYo
女A「……全然意味が分かんないんだけど」
女B「あ、あー、そうかもね」
女A「……自分がいなくなりたいと思った結果、私を好きな男くんの部分だけ残ったってこと?」
女B「そ、そういうことになるのかな」
女A「要するに私が好きすぎて変身したってこととどう違うの?」
女B「し、強いて言うなら、戻りたい自分がいないってことかな」
女A「……」
女B「なんでっか、最初は驚いてたせいか、忘れてたんだけど」
女A「……」
80 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:57:15.64 ID:vlZVrSKYo
女B「とにかく! 思い出したら泣けてきただけで、彼氏さんは悪くないよ」
女A「ふーん、男同士だと分かり合えちゃうのかねぇ?」
女B「そ、そんなんじゃ……」
女A「……」
女B「も、もうこのことについては、私もあれこれ言わないよ」
女A「あ、そー」
女B「それに、原因も分かったし、もう、帰るからさ」
女A「は?」
女B「やっぱり、女さんが好きだから、近くまで来たんだけど、もう、いい加減にしろって話だよね」
女A「……」
女B「いろいろ、迷惑かけて、ごめん。もう大丈夫だから」
81 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:58:03.35 ID:vlZVrSKYo
女A「いやいや、原因分かったけど、戻るにはどうしたらいいか分からないじゃん」
女B「あ、あー、でも、原因がはっきりしたから、後は一人で何とかなるし」
女A「そうやって自己完結する。あいつも男くんもそんな感じだよね」
女B「そ、それは……」
女A「私の心配はどうでもいいわけ?」
女B「そんなつもりじゃ……」
女A「実際、そうなってるじゃない」
女B「……」
女A「擦り寄ってきて、都合が悪くなったら逃げるの?」
女B「……だって」
女A「だって、なに?」
女B「だって、いろいろ、知れたから」
82 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 13:58:50.36 ID:vlZVrSKYo
女A「な、何が?」
女B「女さんがどんなこと考えているのかとか、みんなが私のことどう思っているのかとか」
女A「あんなの、話半分に聞いておけばいいのよ」
女B「ううん、私、一面でしかみんな見てなかったなって」
女A「……」
女B「逆に言うと、もっとみんなに知らないところがあったんだなって」
女A「……それが、どう関係あるの?」
女B「自分のこと放っておいて、また、余計な口出し、したくなっちゃう」
女A「……」
女B「今だってそう。心配してくれてる女さんに、彼氏さんと仲直りしなよって自分も心配してる」
女A「余計なお世話よ!」
女B「そう、だから」
83 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 14:00:08.47 ID:vlZVrSKYo
女A「だからって、ねぇ……!」
女B「大丈夫だって。女さんも、自分のことは自分でなんとか出来ると思ってるでしょ?」
女A「カチンとくるわね」
女B「だ、だから、私も出来るんだよ、きっと……」
女A「バカじゃないの」
女B「ええ、そうかなぁ」
女A「バカよ。バカバカ」
女B「ご、ごめんなさい」
女A「……」
女B「あの、女さん?」
女A「今日くらい、泊ってきなさいよ」
女B「え、えーと、はい」
84 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 14:01:36.68 ID:vlZVrSKYo
夜。
女A「あーあ、なんか男くんがちょっと成長した感じでかえってがっかりだよ」
女B「え、えー。成長してるならいいでしょ」
女A「だって、家に来たときから比べるとさあ」
女B「う、うん。ツッコミを入れるほど驚かなくなったかなぁ」
女A「私に慣れてしまったのか」
女B「ふふ。そうかも」
女A「初々しさがたまらんかったのになー」ふに
女B「ちょ、や、やめて!」
女A「ほれほれ」ふにふに
女B「やめんかコラー!」ガン
女A「あいたっ」
85 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 14:02:03.48 ID:vlZVrSKYo
女A「そういう態度なら、宿泊費を精算しちゃうぞ」
女B「あ、あ、えーと、ごめん、つけで」
女A「なんだと」
女B「ご、ごめんって。でも、料理の基本もちょっと教えたじゃん」
女A「あんなの、知ってたもん」
女B「野菜を切らずに投入……」
女A「聞こえませんなぁ」
女B「も、もう」
女A「……戻れないんなら、温水プールにでも行って水着とかさぁ」
女B「か、勘弁して」
女A「何恥ずかしがってんの。スカートにも慣れたのに」
女B「な、慣れないってば」
86 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 14:02:32.59 ID:vlZVrSKYo
女A「……男くん?」
女B「ん……」
女A「起きてる?」
女B「……」
女A「まあ、いろいろ言ったけどさ。腐れ縁だし……」
女B「……」
女A「心配はしてるし、嫌ってるわけじゃないんだし……」
女B「……」
女A「一人で大丈夫みたいな顔しないでよね……」
女B「……」
女B(ごめんね……)
87 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 14:03:07.62 ID:vlZVrSKYo
ほいじゃ、あとは数レスですが、またちょっと一時停止。
88 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(岡山県)
[sage]:2012/01/08(日) 14:19:13.84 ID:ab93Exz8o
淡々と投下する
>>1
△
89 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 14:30:46.02 ID:vlZVrSKYo
再開。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
朝。
女A「んー……」
女A「ん」
女A「んんー?」
女A「……」
女A「男くん?」
女A「……」
女A「おーい」
女A「あのやろう」がばっ
女A「……あれ。くつ、ある」
90 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 14:31:13.30 ID:vlZVrSKYo
女A「男くん?」
女A「パジャマ……」
女A「下着……」
女A「裸ってこと?」
女A「おーい、シャワーでも浴びてるんかいな」
女A「んー……」
女A「ねぇ」
女A「……いない」
91 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 14:31:39.59 ID:vlZVrSKYo
女友『おーっす』
女A「ねえ、男くん、じゃなくて男ちゃん見なかった?」
女友『はあ? いや、見てないけど』
女A「昨日、うちに泊めたんだけど、いなくなってて」
女友『自分のうちに帰ったんでしょ』
女A「くつは残ってるのよ」
女友『……サークル棟見てこよっか?』
女A「お願い」ピッ
女A「……男くんのケー番はつながらない」
92 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 14:32:07.91 ID:vlZVrSKYo
男の実家。
女A「あ、おはようございます。わ、私、お隣の女と申しますが」
男母「あら、女ちゃん?」
女A「あ、すみません。ちょっと男くんを探してまして」
男母「そ、そうなの? あの、今、うちにもしばらく帰ってないの」
女A「そ、そうなんですか?」(知ってるけど)
男母「一回、帰ってきたのか、その、いろいろ部屋が片付いてたんだけど」
女A「……」
男母「まるでその、立つ鳥跡を、なんて言うんじゃないでしょうけど」
女A「そうですか……」
男母「ごめんなさいね。あの、ご迷惑をおかけしたのかしら」
女A「ああ、いえ、別に。ちょっとサークルの用事で」
男母「そう? ……何か知ってたら教えてちょうだいね」
93 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 14:32:35.28 ID:vlZVrSKYo
学校。
彼氏「……おい」
女A「……なに」
彼氏「女友さんから聞いたんだけど」
女A「悪いんだけど、あんたに構ってる暇、ないから」
彼氏「お、俺のせいか?」
女A「知らないんでしょ? 知らないなら、いい」
彼氏「あのな……」
女A「とにかく、いいから」
彼氏「あ、おい! バカ、一人でなんでもやろうとすんなよ!」
女A「それはあんたもでしょ!?」タッ
94 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 14:33:03.98 ID:vlZVrSKYo
女A「はぁ、はぁ……」
女A「……」
女A「なによ」
自宅。
ガチャ
女A「ただいま」
女A「……」
女A「なによ、何よ、なんなのよっ!」
女A「勝手に、きて、勝手に、いなくなって……!」
女A「……あ」
女A「テーブル、手紙……?」
95 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 14:33:50.62 ID:vlZVrSKYo
『女さんへ
言葉にすると、また怒るだろうなと思って、
手紙にしちゃいました。
多分なんだけど、私は消えます。
実は女さんの家に来る前に、かなり日にちが経ってたんだけど、
その間に、ときどき体が透明になってきてました。
ひょっとしたら、ここにいる私っていうのは、
女さんが好きだっていう残留思念?的なものだったのかも
本体は、もういないのかもしれなくて
日にちが経ってたから、最期に女さんに会いたいなーって思って来たんだけど、
こんな風に楽しく、それからいろんなことが知れるなんて思わなかった
みんなに嫌われてたのかってがっくりしたこともあったけど
ありがとう
女さんも元気で、彼氏さんと仲良く
男』
96 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 14:34:19.02 ID:vlZVrSKYo
女「……」
97 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 14:34:46.46 ID:vlZVrSKYo
女「……」
女「……うっ」
女「ふっ、ひっ、ぐすっ」
女「ふうぅぅ」
女「うぅぅぅぅぅ」
女「……」
ガタン
女「!」
98 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 14:35:16.67 ID:vlZVrSKYo
男?「あのお……」
女「おっ」
男?「あの、女、さん?」
女「お前! ふざけんなよ、お前!」
男?「ご、ごめんなさい」
女「この、私が、どんなっ気持ちでぇっ」
男?「す、すみませんすみません」
女「この、勝手に!」ふにっ
男?「あう」
女「あ……?」
99 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 14:35:43.59 ID:vlZVrSKYo
男?「あの、その……」
女「なんか男の顔なのに、おっぱいついてるんだけど」
男(♀)「そ、そうですね」
女「声も女声だし」
男(♀)「ううう」
女「下も……!?」
男(♀)「やめてー!」
女「さては、貴様、偽者だな!」
男(♀)「偽者じゃない! 何が本物か分からないけどー!」
100 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 14:36:15.41 ID:vlZVrSKYo
女「消える消える詐欺とかいい加減にして」
男(♀)「だって! 本当に透明になってたんだもん!」
女「なんなの? 今度は何がどうしちゃったの?」
男(♀)「分からないけど、女さんとか、本当の性別とか言ってたから」
女「はぁ?」
男(♀)「そ、それならありなのかなーって」
女「……うん、とりあえず、いい加減にして」
男(♀)「あ、でもこれでー、また私を心配できるねっ」
女「レズはお断りだよ!」
男(♀)「そ、そんなんじゃないやい?!」
おしまい
101 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 14:37:45.53 ID:vlZVrSKYo
やたー、100レスで終了。
明日にでも依頼は出します。
お付き合いくださいましてありがとうございました。
何かご意見、次回作の希望等ございましたら、お書き添えくださいませ。
102 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(中国・四国)
[sage]:2012/01/08(日) 14:50:43.89 ID:/GmHbbpAO
乙
もう少し男が救われて欲しかったけど、周りにああ思われてたらなぁ……
103 :
◆WPwc2pN1N6
[sage saga]:2012/01/08(日) 17:49:40.59 ID:vlZVrSKYo
>>102
男は変態だから大丈夫です。しばらくは一緒に女とお泊りできるので幸せです。
104 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/08(日) 18:54:59.63 ID:hDqCgThmo
乙です!
百合フラグ…?
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