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青髪「返してもらうで」 -
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1 :
◆G/oQfYP4bzP0
:2012/01/09(月) 18:55:21.82 ID:Ok5E0xZio
〜〜〜
学園都市。
それは、ブラックスポットと呼ばれていた日本最大の汚染区域に作られた超科学都市である。
そして、ブラックスポットと呼ばれたのももうおおよそ百年も前の話。
まだそこがBSと呼ばれていた頃、そこにはシメオンという製薬会社のビルが立っていた。
そして、そのシメオン製薬の総帥、アダム・アークライト。
彼こそがブラックスポットの支配者であった。
彼がここで何をしてなにをみたかったのか、それは今となっては謎である。
ただ一つ言えることは、彼の野望は途中で砕けた。
アレイスター・クロウリーの出現によって……。
「何者だ貴様」
右目を髪で隠し、鉄製のチョーカーを首につけた大男は尋ねる。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1326102921
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1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
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笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/
【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/
トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/
【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/
ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/
【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713613334/
ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/
旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/
2 :
◆G/oQfYP4bzP0
[sage]:2012/01/09(月) 18:56:04.74 ID:Ok5E0xZio
「……アレイスター・クロウリー……ここは……気にいった」
何もかもがうやむやでつかみどころのない男なのか女なのかもわからぬ存在は答える。
「うん、ここにしよう」
そうして一人頷くと、アークライトの首をはねた。
そして、二つになった体のパーツをそれぞれ消滅させる。
「……」
ブラックスポットを見下ろしながら口元をゆがませる。
今、ブラックスポットにはアレイスター以外の生き物は存在していない。
アダム・ブレイドもイヴ・ノイシュヴァンシュタイン様も山田も……皆、消滅した。
A-Aが消え、A-Bも消えた世界。
その世界に主人公として現れたのは――。
3 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/09(月) 18:58:18.05 ID:Ok5E0xZio
「青い髪かぁ……んで僕は何番目なんや?」
目の細い長身の男が、一糸纏わぬ姿で研究員に尋ねる。
「十六番目かぁ……あ、じゃあピアス開けてくれへん?……何でってアダムの一番はA-Aでアークライトやろ?二番はA-Bでブレイド……やったら十六番はA-Pで青髪・ピアスや!……え?アダム?知らんがなそんなこと僕顔もろ日本人やし」
その男の額に白毫と呼ばれる水晶はついていない。
超科学技術でA-AとA-Bのアレイスターが残したたった一本の髪の毛からオリジナル-キリスト・セカンド-以上の力を持ったクローン。
それが【アダム計画・セカンド】唯一の成功個体・青髪ピアスだ。
「とりあえず、僕は僕の好きなようにやらせてもらうで?」
化け物はピアスをあけ終えると、その場にいたすべての人間を殺害。
ちゃんと、殺す前に潜在的に眠っていた「欠片」も奪う。
「……よっし、覚えた……パワーとスピードとフレグランス……か……あの三人は生まれ変わっても一緒やったんかぁ……さて、じゃあまた僕の夢に付き合うてもらおうかな。未央たん、しましま、くつした……」
4 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/09(月) 18:58:40.98 ID:Ok5E0xZio
かつての部下-敵-の名前を懐かしそうにつぶやく。
青髪ピアスにはアダム・アークライトとアダム・ブレイド両名の記憶が朧げながら残っていた。
「……炎神の息吹と第四波動はさっさと見つけたいもんやなぁ」
生まれた研究所を飛び出し、太陽の元へ出る。
太陽の色を水色の髪に透かしながら見て、さらに目を細める。
「あ、服着な」
慌てて戻り、適当に服を見繕う。
「よし、これでOKや!さて、とりあえず……アレイスターに会わなな……」
窓のないビルを睨みつけるように見上げると、スピードの『欠片-フラグメント-』を使い、そこを目指した。
5 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/09(月) 18:59:18.08 ID:Ok5E0xZio
〜〜〜
「カーミやーん!」
通学途中、目の前に見えたツンツン頭の不幸少年に飛びつく。
「ぐっふぅえ……朝から何しやがんだこのクソピアス!」
鬱陶しそうな声をあげながら、腕をふるって青髪を引き剥がす。
「まぁまぁそう怒りなさんな……さっわやかな朝やでぇ?」
「その爽やかな朝に青い髪した変態に抱きつかれたら最低の気分になるだろ」
うんざりと大きく息を吐くと、空を見上げる。
そして、もう一度ため息をつく。
「……なんやぁ?どうしたん?」
「んー?いや通学中にそんなに不幸じゃなかったから下校中やばいんだろぉなぁと考えていたんだよ」
自嘲するかのように笑う。
「……帰りも僕が一緒に帰ったるから安心しぃや」
「いや、なんか気持ち悪いから遠慮するわ」
「即答は酷いでカミやん!」
「はいはい」
6 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/09(月) 18:59:48.54 ID:Ok5E0xZio
くだらないことを話しているとすぐに学校についた。
机にカバンをおくと、今度は金髪サングラスの土御門元春を交え、三人で登校時同様くだらない話で笑ったり呆れたり朝のひと時を過ごした。
つまらない授業を聞き流しながら、目覚めた日のことを何度も繰り返し思い出す。
――あれからもう一年か……。
青髪ピアスがアレイスター殺害に失敗してからそろそろ一年が経とうとしていた。
――パワーで殴ってもあのビルびくともせぇへんかったからなぁ……そんでなんか中に急に飛ばされて……。
『よく出来すぎたようだな……表向きは第六位として登録しておこう……お前を殺さない代わりにお前はこの街でなにをしてもいい……もちろん私を殺しにきてもいい』
青髪は巨大なビーカーのようなものの中でゆらゆらと揺らめくそいつを殺せるとは思えなかった。
傷をつけることすら出来ないと思った。
ビリビリと感じる恐怖。本能がこの存在と関わるなと告げていた。
震えそうになる歯を必死に抑え睨みつけていると、また急に飛ばされ気づいたら外にいた。
――とりあえず仲間を集めな……左天、アルカ、離瑠そんで……イヴ、僕はお前らを必ず見つけ出すで……。
青髪ピアスは外を眺めながら、かつての敵、舎弟の姉、そしてパートナーの事を考える。
7 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/09(月) 19:01:30.27 ID:Ok5E0xZio
〜〜〜
「はいはいお約束お約束」
佐天涙子は路地裏を逃げ回っていた。
やめればいいのに近道に路地裏を通ったらテンプレ通りのスキルアウト達に絡まれてしまったのである。
「……ここまでお約束だし……この後もお約束通りのはず!つまり、そろそろ第一位かウニ頭が助けにきてくれるはず!」
わけのわからない事を叫びながら、ひたすら走る。
「………」
ひたすら走る。
「なん……だと……」
いつまでたっても助けが現れる様子はなかった。
もう体力も限界である。
――もう、駄目……。
瞳に涙が浮かんでくるのを感じた。
8 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/09(月) 19:02:05.57 ID:Ok5E0xZio
――そっか、もう私は本当に不要者-ニードレス-なんだ……だから誰も助けてくれないんだ。
涙で視界が悪くなり、足元に転がっていた鉄パイプに躓いてしまった。
あう、と情けない声が漏れる。
「ようやく、追い詰めたぜぇ?ま、オニーサン達と楽しもうか?」
ニヤニヤと笑いながらスキルアウトの集団は佐天に詰め寄ってくる。
「く、来るなぁ!」
手につかんだ何かをそのまま投げつけた。
それは石であった。
石はリーダー格と思われる男の頭に綺麗にヒットし、そこから血が垂れる。
「……やっぱ殺そう。顔焼いて胸焼いて手足焼いてアソコも焼きつくそう」
男はよく通る声でそうつぶやく。
9 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/09(月) 19:02:43.19 ID:Ok5E0xZio
「とりあえず」
男の両手から火の玉が発生する。
それはどんどん大きくなり、最終的には直径一mくらいにまで肥大した。
「ギリギリ死なない程度の火力で顏焼くね?」
それを佐天に向かって投げつける。
――あ、死んだ。
ギリギリ死なない程度の火力なんて嘘だ。
確実に今殺す気でいる。
佐天は自らの命の終わりを感じ、涙をこぼす。
そして、その涙すら一瞬で蒸発させてしまう炎塊が今、佐天に迫っている。
佐天は思う。
死にたくないと。
それは当然の思考であり、人間の生存本能だ。
そして、本当に死にそうな時、それを避けるために人間は火事場の馬鹿力を発揮する。
10 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/09(月) 19:03:27.72 ID:Ok5E0xZio
つまり、それは、脳のリミッターが外れる事で平時使えない能力を爆発させるという事にほかならない。
何も考えず、ただなんとなく右手を炎に向けた。
瞬間、炎が佐天の前で消滅した。
「……は?」
その場にいた全員が同じリアクションをする。
そして、しばらくの沈黙のあと、
「……うっぐ….あ、熱い!……あれまって?いや、意外と……身体ポカポカしていいかも……やっぱ無理だ熱い熱い熱いというか痛い!熱すぎてなんか痛くて――」
佐天は急に喚き出した。
――ヤバイ……放出しないと!
右手を硬く握りしめ、スキルアウト連中に向ける。
――私の身体から……出ていけ、なんか熱い物ぉおおお!
凄まじい爆発音に驚き目を閉じる。
十秒ほど経つと、佐天は恐る恐る目をあけ、飛び込んできた映像に言葉を失いそうになる。
「……わ、私がやったの?」
誰に聞くわけでもないが、口にする。
呆然としていると、頭に鋭い痛みが走る。
荒廃した土地で能力を自在に操り、数々の敵を蹴散らす夢。
夢の中の自分は大柄で包帯を巻いてマントを纏った男であった。
『第四、波動ォ……』
「……唐突に『理解』した」
能力はフラグメントと呼ばれるもの!
そして備わった能力は『第四波動』フラグメントの中でも強力なミッシングリンク級の能力だ!
「アークライトの兄さんを探さなきゃ」
佐天はその場を後にする。
11 :
◆G/oQfYP4bzP0
:2012/01/09(月) 19:06:19.58 ID:Ok5E0xZio
とりあえずここまで
超不定期になると思うがよろしお願いしま
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/09(月) 19:17:38.03 ID:GqJsI4QTP
ニードレスクロスか
禁書相手では佐天さんのイメージが強いけど、とりあえず期待
13 :
この辺は導入部分なんでサラッと行きます
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/29(日) 01:59:14.70 ID:aoZLdUdYo
〜〜〜
とある風紀委員の詰所。
そこでカタカタとキーボードを叩く少女が一人。
「白井さーん、さっきの爆発音、なんか事故というか第七学区のはずれの方吹っ飛んだみたいです」
「今警備員の方からも応援要請が出ましたわ……現場に行ってきますの」
「お気をつけてー」
初春はパソコンから目を離さないまま白井を見送った。
そして支部に一人になった事を確認すると、キーボードから手を離し、窓へと近づく。
「……佐天さんも目覚めましたか……佐天と左天ですもんね……炎神の息吹と第四波動は相性抜群!時代を超えて私たちはパートナーなんですね」
初春飾利。
この子もまた、「フラグメント」に覚醒したニードレスである。
机に手をかざすと、上に置いてある冷たいココアを一瞬で沸騰させた。
「まぁ、いまは夏ですから熱くする理由はないんですけどね。むしろなんで熱くしちゃったかなーやっちゃったなー」
ため息をつくと冷房のスイッチを切り、窓を開ける。
むわっとした空気が初春の顔を撫でた。
「炎神の息吹、第四波動、右天は……まぁ、いいとしてサイコキネシス……離瑠の生まれ変わりはこの街にいるのでしょうかね……」
初春は一人楽しそうに笑う。
〜〜〜
14 :
この辺は導入部分なんでサラッと行きます
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/29(日) 02:02:36.60 ID:aoZLdUdYo
〜〜〜
「この崩壊はなんなやろなぁ」
佐天が覚醒した翌日、青髪はその現場へと足を運んでいた。
「……第四波動を思い出すなぁ……」
前世の記憶、BSの荒野で不敵に笑いながら拳を突き出す部下を思い出し自然とその視線は遠くを見つめるものになる。
「……あかんあかん、感傷に浸ってる場合やないで……巷で騒がれてる幻想御手、僕ぁこれが気に食わん。 僕らニードレスの真似をしたニセモノの能力者なんざいまはどうでもええ、強くなったからとそれを我が物顔で偉そうに使う根性が気に食わんのや……作ったやつはぶっ殺す」
青髪ピアスはこの崩壊を能力者のイタズラだと思っていた。
答えは探し求めていた第四波動だとも知らずに……。
こうして、青髪ピアスも幻想御手事件へと首を突っ込んでいくのである。
15 :
この辺は導入部分なんでサラッと行きます
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/29(日) 02:10:14.39 ID:aoZLdUdYo
〜〜〜
「昨日派手にぶちかましたけど……よくかんがえたら逮捕されてもおかしくないよね……まぁ、捕まる気がしないけどさ」
朝、初春を待っている時の事、佐天涙子は昨日のことを思い出し、独り言をポツリとこぼした。
「その辺は気にしなくて大丈夫ですよ……映像改竄して佐天さん消しといたんで」
「そっかー、ありがとね!初春」
いつの間にか来ていたのか、初春飾利が横でニコニコとしていた。
「……え?初春?今、なんて?」
「ん?どうしたんですか?第四波動の佐天さん」
初春は一寸の曇りなく笑う。
本当に、心から喜ぶように……。
「な、え……?」
佐天はわけがわからないというように身構える。
―― 熱吸収……。
親友に、身構える。
―― たった一日で私の性格もずいぶん変わったもんだ……初春すら、敵かもしれないと思っちゃうなんてさ……。
ジリっと右足を数センチ引く。
敵とは何を指すのかはわからない。
ただ、フラグメントの事は知られてはいけない事のように思えた。
だから、佐天は攻撃体制にはいる、知ってはいけないものを知った親友を殺すために。
しかしその様子をみると、初春は大笑いしだした。
「な、何ぃ?」
「あっはっはっ!大丈夫ですよ、佐天さん……私もあなたと同じですから」
「お、同じ?」
「はい……『 炎神の息吹 』」
そういうと、丁度近くにいた警備ロボに手をかざし、それを一瞬で溶かす。
その光景を見たとき、佐天をまた頭痛が襲った。
『ハットフィールドとシュトロームはいいコンビだった……俺とアルカのようにな』
「ア、ルカ……?」
「そうですよ、佐天さん。また二人で戦いましょ!」
シメオン四天王。
アークライトの左腕、第四波動・左天。
四天王最後の一人、炎神の息吹・アルカ・シルト。
最強のコンビは時を超え再び出会った。
二人が青髪ピアスと出会うのは、もう少し先だ。
16 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/29(日) 02:11:48.33 ID:aoZLdUdYo
また来ます
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
[sage]:2012/01/29(日) 02:17:15.81 ID:Ty6ZmMDpo
乙
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/01/30(月) 00:26:37.65 ID:vq7MJWjU0
これは期待
19 :
◆G/oQfYP4bzP0
:2012/01/30(月) 03:13:11.75 ID:V83xhbCmo
〜〜〜
「幻想御手ってのはどないなもんなんやろなぁ …… 僕の想像だと麻薬ちっくなもんなんやけど …… キミらには注射のあとないなぁ」
青髪の足元には生きているのか死んでいるのか定かではない連中が積まれていた。
そいつらを踏みつける事をなんとも思わなずに青髪は立っている。
かつてBSの王として君臨した男、その面影がちらついた。
「とりあえず、炎のフラグメントと……重力も覚えた。内田とセトか……ソルヴァ、特殊磁界は便利やからはやく欲しいなぁ……とりあえず」
青髪はニヤリと笑うと足のしたに横たわる男の顔面を思い切り踏み潰す。
ぐえ、と男はどこから出したのかわからぬ声をあげた。
20 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/30(月) 03:14:24.39 ID:V83xhbCmo
「消えろや―― リトル・ボーイ!」
右手に大きな炎塊をまとわせ、倒れる男達を燃やし尽くす。
「第四波動や炎神の息吹がありゃもっと楽に消せるのになぁ……早いとこ覚えたいもんやなぁ」
骨まで燃やし尽くし、異臭が漂う中を微笑みを浮かべながら青髪ピアスは後にする。
その日、ニュースで学生の大量行方不明事件が報道された。
.
21 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/30(月) 03:15:41.86 ID:V83xhbCmo
〜〜〜
「アークライト様ならもう見つけましたよ?でもこの人ブレイドの記憶も持ってるみたいなんですよ……」
「……なんでそんな事わかるの?」
「幼女みると追っかけるんですよ」
「あー……」
過去の記憶を掘り返し、あの神父は相当なロリコンだったことを佐天は思い出した。
―― そういや、弟くんの生まれ変わりはいないのかねぇ……。
第四波動見破るし、シュトロームに第四波動が有効だってのも教えてくれたし、敵ながら評価してた……みたいだね。
初春飾利はアルカ・シルトの記憶を鮮明に思い出している。
対する佐天はきっかけがあるとぼんやりと、そしてだんだん思い出すような感覚だ。
「んで?その人は誰なの?」
「青髪ピアスと呼ばれていましたね。この人にぶつかった時私の能力は開花したんです」
22 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/30(月) 03:16:52.87 ID:V83xhbCmo
「ふーん?でもなんでそれがアークライト様だと?白毫ついてるの?」
「……勘です!」
自信満々に初春は言い切った。
「それにあの人うまくごまかしてますけどフラグメント使いこなしてますし」
初春が見たのは主に路地裏の喧嘩。
青髪は軽々とスキルアウトを片手で持ち上げたり、一瞬で移動し逃げ道を塞いだり、いきなりスキルアウト連中を昏倒させたりと、この街の能力者とは思えない戦い方をしていた。
「あれは多分思うにパワー、スピード、フレグランスですよ!少女部隊の三人です!」
「美はいらねぇだ……ってあれ?」
「何言ってんですか?佐天さん」
23 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/30(月) 03:17:30.44 ID:V83xhbCmo
〜〜〜
―― なんだか、最近調子が優れませんねぇ……。
少年は一人、街中を歩いていた。
見た感じ中学生くらいだろうか?それにしては落ち着いた上品な格好をしており、うまく着こなしているというイメージである。
「……冷たい物でも飲みますか」
自動販売機を見つけ、財布から小銭を取り出した。
そして、それを投入口にいれる。
が、自動販売機の料金表示は零のままであり、返却レバーを押しても揺らしてもお金もジュースも吐き出すことはなかった。
「ついてない……はぁ」
軽く自動販売機を叩くと、そのまま横にあったベンチに腰掛ける。
ベンチは木陰に設置してあり、日差しを遮ってくれている。
髪を撫でる風も心地よかった。
爽やかな少年が木陰のベンチで髪を揺らす。
非常にいい絵であった。
24 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/30(月) 03:19:35.57 ID:V83xhbCmo
「はぁ……でも、能力がうまく使えないというのは困ったものですよね。この街の特性上は……」
そんな絵になる格好を崩し、爽やかさを30%ほど低下させるとぐったりと背もたれに体重を預け上を向く。
「レベル5に憧れて、ここまできましたが……やはり自分には届かないのでしょうか」
それに答えるのは、ジージーとやかましい蝉の声と、青い髪の毛の変態だけである。
「能力がうまく使えないんは自分だけの現実に頼りすぎやねん……本来能力を使うのに演算なんかいらん、必要なのは感覚と経験や……思い出せ、BSの女王やった前世を」
青い髪の変態―― 青髪ピアス―― はそういいながら、少年の額に自身の右手中指を突き立てた。
25 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/30(月) 03:25:44.40 ID:V83xhbCmo
すると少年の頭の中に次々と映像が流れ込んでくる。
でかい扇子で敵をなぎ払い、BSを支配していた女。
絶対の自信を持つ自分を倒したのは一人の男。
「あ、あっははは、はははは!」
少年は狂ったように笑う。
その様子を見て、青髪も静かに笑った。
「歓迎するで、この街を、僕らで―― 支配しようや。今度こそロリとニードレスだけの世界を作り上げよう」
「え?」
「……今度こそニードレスだけの世界を作り上げよう」
「……はぁ、なんだかさらに調子悪くなってきましたよ」
26 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/30(月) 03:27:00.33 ID:V83xhbCmo
少年―― 名を海原光貴という―― はベンチから立ち上がり、ため息をつくと爽やかさを40%取り戻した笑顔で青髪ピアスに向き直った。
その横では自動販売機二台と警備ロボ、清掃ロボが合計七台ふよふよと漂っている。
「やっと、自分の力の使い道が正しく理解できた気がします……レベル5なんかに憧れていたのがバカみたいだ」
爽やかさを邪悪さに変え、それらを思い切り地面に叩きつけた。
「とりあえず僕は幻想御手を破壊したいんやけど、手を貸してくれるな?」
「当たり前じゃないですか、自分の上に立つ人間はただ一人、時代が変わろうが貴方だけですからね」
シメオン総帥、ポジティブフィードバック・ゼロのアダム・アークライト。
そして、その腹心の部下サイコキネシスの楼閣寺離瑠。
最凶の二人が、時代を超えここでも出会った。
27 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/30(月) 03:51:41.33 ID:V83xhbCmo
「あ、ところで自分はなぜ男に生まれてしまったんでしょうね?青い髪のエセ関西弁大男にメロメロのイケメンとか誰得ですか?」
「……ぼかぁショタならいけるけど君はギリ無理やわ、多分君の代わりに左天あたりが可愛いおんにゃのこになってるはずや!だからその設定はなかった事にしよや!」
「え?」
「……ま、まじぃ?」
「冗談ですよ、離瑠の記憶があるだけですし、この先目的が前のアークライト様の物と全く違うものになっても自分はついていきますよ……」
「……冗談きついでぇ……でもそうか、そういってくれるんは嬉しいで、僕も適当な奴やからね、目的はコロコロ変わるかもしれん!最終目的は『アレイスターを殺す』やけどな」
「今世は腹心の部下、そして相棒としてお供させてもらいますよ」
二人は熱く握手を交わす。
そんな二人の足元には、激しい音をたてひしゃげた自動販売機や各種ロボから報告を受け、事情聴取をしにきた警備員が三名眠っていた。
28 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/30(月) 04:05:26.81 ID:V83xhbCmo
おわり
サラッと書きすぎたんで補足説明いれとく
青髪
前世のブレイド、アークライトの記憶を覚えている。
特にアークライトの目的(ここではニードレスだけの世界をつくるって半オリ設定)を達成しなきゃいけないと思ってる。
佐天
左天の記憶をなんとなく覚えてる。
とりあえずアークライトの兄さんに従っとくか的なノリ。
初春
アルカの記憶をかなりしっかり覚えてる。
アークライトに従ってもいいとは思っているが盲目的になるつもりはない。
海原
離瑠の記憶をほぼ完璧に覚えている。
そのうえで、アークライトについて行く事を決めているけど、なにも前世の目的にとらわれる必要はないと考えている。
上条、インデックス
とりあえず幻想御手編終わってから考える。
御坂、白井、土御門
出番ほぼなしになると思う。
では、またきます
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/01/30(月) 09:47:23.59 ID:4JMMbV2DO
黒子出番ほぼなしか…そうか…
面白いよ乙!
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/01/30(月) 16:01:49.58 ID:vq7MJWjU0
面白かった乙
31 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/30(月) 19:38:21.38 ID:V83xhbCmo
少年が1人立っていた。
彼の目の前には死体が転がっている。
その死体は死体と言われなければただ眠っているだけの少女と誰がみても勘違いしそうなほど安らかな顔をしていた。
そしてその顔は少年のかつて愛した口調がうざったい少女と同じだ。
どうやったかは彼自身もわからない。
ただ、確かな事は彼はこれで5000人の少女の命を苦しみもなく一瞬のうちに止めてきた。
自分を被害者だとは思ってはいない。
ましてやヒーローみたいなやつが現れてぶん殴ってでも止めてくれるのを待ってたわけでもない。
では何故彼は愛した少女の姉妹とも言える少女達を殺すのだろうか?
答えは簡単だ。
彼がやらなければこの少女達は息絶えるその最後まで苦しみながら彼が5000人殺すまで何人も作られては殺される、愛した少女と同じ顔をした少女が頭をブチ抜かれ、脳をブチまけ、汚いただの肉片になるような死に様はもうみたくない。
だから苦しまないように自身が手を下す。
無敵なンて言葉に興味はねェ。
彼はかつて唯一の少女に優しく愛しく柔らかな笑顔でそう言った。
そんな彼が何故今更無敵を目指しているのだろうか。
たった一人の少女すら救えず、たった一人の少女の死にとらわれているこの世界で誰よりも弱い彼が無敵を目指す理由はなんだろう。そう問いかけてみた。
持て余す能力をもったから最初は神になろうと思った。
神になれば間違いが起きてもその責任が取れると思った。
だけど神になるには犠牲が必要だと言われた。
自分が傷つくだけならいい、その過程で死んでしまってもそのほうが楽だとすら思った。
問いにぽつぽつとそう言い残し、彼は……学園都市が誇る最強の第一位、一方通行は死んだ。
真っ白な少年の亡骸を愛おしそうに見つめるのは彼が殺し続け愛し続けた少女と同じ顔をしている。
やりきれないという表情で遺体から目を逸らすのはツインテールの少女。
静かに涙を流しながら微笑むのは頭の花飾りが特徴的な少女。
座り込み顔を伏せ嗚咽を漏らすのは美しい黒髪の少女。
どれも少年が大事にしていた友人であり、彼の数少ない理解者でもある。
少女達にとって彼はそれぞれにとって大切な友人であり、気の合う喧嘩友達であり、恩師であり、大好きな人である。
それぞれが心に隙間を感じ、その隙間につけこまれ闇へと落ちていく事になるのを今は誰も知らない。
32 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/30(月) 19:42:50.71 ID:V83xhbCmo
ミスったw
気にしないでくれると嬉しい
こっちが正しい↓
〜〜〜〜
「また例の事件?」
御坂は自販機からジュースを取り出しながら言った。
「これで五件目ですの、爆発は小規模で怪我人は無し……けれど」
「愉快犯だとしてもあんまり笑えないわよね」
取り出したジュースを一口飲みながら、黒子の言葉を遮り言った。
「で?犯人の目星は?」
黒子のほうを向きながら捜査の進み具合を聞くと、黒子はやれやれという具合に疲れた顔をして、
「昨日ようやく手がかりがつかめましたの」
一歩御坂に近づき話を続けた。
「お姉様、虚空爆破ってご存知ですか?」
「虚空爆破って……重力子の事だっけ?」
知っているならば、と黒子は説明を続ける。
「どのケースも爆発の直前に重力子の急激な加速が衛星によって観測されていましたの」
御坂のもつアルミ缶をコンと人差し指で叩きながら黒子はさらに続ける。
「アルミを起点に重力子の速度を爆発的に加速させ、一気に周囲に撒き散らす。つまりアルミを爆弾に変えていた……という事ですわ」
「ふーん?……なんでアルミなの?」
「さぁ?」
「さぁ?って……まぁでも、それってつまり能力者の仕業って事でしょ?だったら学園都市の書庫を検索すれば一発じゃない。全ての学生の能力データが登録されてるんだから」
明るくいう御坂に白井は「はぁ」っとため息をつきながらすでに「もちろん検索しましたわ」と言った。
そして該当する能力は量子変速である事とアルミを爆弾に変える事ができるほどの能力者となると第能力者の生徒一人だけだという事を説明した。
「だったらその人が犯人なんじゃ……?」
「ところがアリバイがありますの。その方ずっと入院されていて、一連の事件を起こすのは不可能なのですよ」
「なぁるほど、それでどん詰まりってわけか」
「まさか、書庫のデータに不備があるとも思えませんし」
そう言うと御坂は面白そうに「ひょっとしてまだ登録されてない能力者がいるとか!」と目を輝かせた。
それを見て白井は顔をしかめる。
「ねぇ!私も犯人探すの手伝ってあげようか?!」
「結構ですの!」
御坂の言葉を遮るように言うと白井はジロリと御坂を横目でみる。
「お姉様?今「これってちょっとおもしろいかもぉ!相手次第では腕試ししてやろうじゃなぁ〜い」などとお考えではありませんでした?」
御坂は白井から視線を外しながら「そ、そんな事……」というが、「とぼけても駄目ですの!黒子はお見通しですの!」と一蹴されてしまう。
その後も関係ない小言を色々言われてしまった。
33 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/30(月) 23:56:20.62 ID:V83xhbCmo
〜〜〜
学生生活の中でもビックイベントと言える夏休みまであと少し、街を歩く学生たちの足取りも軽くなる。
夏といえば海、海といえば水着、そして……。
「水着といえばスク水やぁああああ!スク水幼女を夜な夜なステッキでツンツンしながらあーんな事やこーんな事するためにもさっさと幻想御手とかいうふざけた物を駆逐するでぇ!」
そう、夏は変態に拍車をかける。
街を歩けば薄着の女の子。
白い夏服に透ける魅惑の下着。
青髪ピアスは夏という季節が大好きであった。
「青髪さん、あんまり街中で変な事言わないでくださいよ。自分まで変態だと思われるじゃないですか」
「というかあれよな!前世のアダムどもの時代はBS中物資が足りないお陰でみーんなきわどい格好してたんやで?どういうことや?」
「暑さで頭イカレまし……あぁ、もともとでしたね」
やれやれというように海原は芝居がかった動作をする。
青髪と海原の邂逅から早三日、二人はそれぞれ幻想御手の噂を追っていた。
そして、今日はその報告会だ。
34 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/30(月) 23:57:26.19 ID:V83xhbCmo
「……んで?わざわざそちらから報告会なんて開いたんです、何かつかんだんですか?」
静かな声で海原は本題に切り込む。
「ん?あぁ―― 」
ニヤリと笑うと、先ほどまでのふざけた雰囲気を百八十度変えた。
「幻想御手な、手に入れたんやけどこっからは開発者だれかわからんかったわ」
「て、手に入れたんですか?どうやって?」
「たまたま絡んできたスキルアウトが持ってたんや、それを奪った」
パチンと指を鳴らし、そこから火花を散らせる。
「まぁ、そのへんはいいでしょう、それで?どうしますか?」
「せやなぁ……なんか副作用とか怖いから聞きたないねんけど……聞かんとこれ以上なんもはじまらんしなぁ」
「じゃあ、パシリ作りましょう」
「……せやね、それが一番楽やな」
ぐるりとあたりを見回し、頭の悪そうなチンピラ集団に青髪は目を付けた。
「お、あれでええか……いくぞ、サクッと下僕にするで」
「はい、わかりました」
楽しそうに笑いながら二人はスキルアウト集団に近づいていった。
35 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/30(月) 23:59:35.31 ID:V83xhbCmo
〜〜〜
「―― って訳で黒子がうるさいのなんのって!もうガミガミガミガミあんたは私の母親かっちゅーの!」
机を叩きながら、御坂は勢い余って立ち上がる。
黒子と別れたあとファミレスへと佐天、初春を誘った。
そして、先ほどの黒子のお小言の愚痴をぶちまけたのだが……。
その迫力に佐天も初春も言葉を発することができなかった。
「ね、どう思う?仮にもあの子私の後輩よ?」
なにも悪くない二人にギロリと睨みつけるような鋭い目つきを向ける。
「いや、まぁ……どう思うと言われましても……ねぇ?」
「あー、白井さんは御坂さんが大好きなんですよ!だから……うるさく言っちゃうんじゃ……ないですか?」
変なことをいうと雷が落ちそうだと思い、二人は当たり障りのない言葉を選んだ。
というか佐天は初春に押し付けた。
「……ま、こんなこと言われても困るか、ごめんね二人とも」
そんな二人の様子に気がついたのか、急にしおらしくなり、御坂は肩を落とす。
36 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/31(火) 00:00:41.96 ID:WEELUuR2o
「はぁ……私ってそんなに生活態度よくないかなぁ……?」
「そんなこと……あ…….るかも……」
お調子者の佐天でも、そんなことありません!とはとても言えなかった。
自動販売機の回し蹴り。
スカートの中の短パン。
そしてそれゆえのスカートでの激しい運動。
夜遊び。
はっきり言って御坂の生活態度は悪い。
短パンは伝統あるお嬢様学校でなければ許されるであろうが、御坂は伝統あるお嬢様学校・常盤台中学の生徒、しかもパンフレットに載ってしまうような象徴であるのだ。
それが短パンはちょっと……ということなのだろう。
自動販売機は擁護のしようがないので割愛。
夜遊びも上に同じ。
37 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/01/31(火) 00:01:29.17 ID:WEELUuR2o
「あれ?御坂さんって結構不良ですね」
お忘れだろうが、佐天は数日前に第七学区の外れのほうをスキルアウトごと消し飛ばしている。
それを棚にあげひどいことをいう物だ。
「まぁ、でも御坂さんのおかげで助かった人もたくさんいますしチャラって事で……あんまよくないけどいいんですよ……正直考えるのめんどくさいです」
初春は初春で無邪気な笑顔でさらりとひどい事をいう。
「……なんか私に恨みでもあんの?」
「とりあえず自動販売機キックと夜遊びやめましょう!そうすれば御坂さんは優等生です!」
そう、佐天、初春よりははるかに優等生だ。
二人は前世の記憶から人を殺すことをもうなんとも思ってはいない。
そんな人格破綻者にくらべたら、軽犯罪の御坂など可愛い物だ。
38 :
◆G/oQfYP4bzP0
:2012/01/31(火) 00:06:57.37 ID:WEELUuR2o
おーわり
美琴ファンには不快な扱い方になったかもしれぬすまん
俺は美琴嫌いじゃないよ?
39 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/01/31(火) 00:48:44.58 ID:z5jg+8BDO
乙
40 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/02/01(水) 05:28:14.98 ID:zMNYrjaIO
〜〜〜
「あ、ほら御坂さん!これ可愛くないですか?」
佐天達三人は元気のない(佐天、初春に追い打ちをかけられた)御坂を連れセブンスミストへ来ていた。
佐天は御坂の好きそうな子供っぽいデザインの服で御坂のご機嫌を直してもらおうと奮闘する。
が、それをぶち壊すのが初春飾利である。
「えー?少し子供っぽすぎやしませんか?」
「ちょ、初春!」
目を輝かせながら佐天の手にした服を受け取ろうとした御坂は、その輝きを一気に失い、手をおろした。
「そ、そうね……子供っぽいよね」
ため息をつくと近くのベンチに座ってしまう。
「初春さーん?あなた空気読めない子だっけ?」
「いやだなぁ、落ち込んでる御坂さんが可愛いからわざとに決まってるじゃないですか」
「……それでいいのか風紀委員……というか初春今日風紀委員は?」
佐天のその一言で、初春の表情が固まった。
恐る恐る携帯電話を取り出すと、そこには初春の同僚であり御坂落ち込みの元凶(どう考えても元凶は初春です)である白井黒子から何十件も着信が入っている。
それを見ると初春はすぐさま電源を落とし、何事もなかったかのように佐天に微笑んだ。
「おっけ!」
「いやいやいや……いやいやいやいやいや!」
「もー、佐天さん細かい事気にすると溶かしちゃいますよ?」
「残念ながら第四波動に炎神の息吹は効かないよ」
「……それもそうですね、佐天さんが私の敵になったら天敵になるんですね」
「初春と私が敵になる?それってここで今セブンスミストで大爆発起きるくらいありえな―― 」
佐天の言葉を遮るように、佐天達のいるフロアが爆発と爆炎に包まれた。
第四波動、佐天涙子。
炎神の息吹、初春飾利。
どちらも能力の特性上熱にはかなりの耐性がある。
よって、怪我などはしなかったが……御坂美琴、彼女は普通の人間だ。
これを食らっていたらひとたまりもない。
「御坂さんッ!」
佐天は御坂の座っていたベンチへ振り向く、そこにはなんとかバリケードを作り防御したが完璧には防ぎきれなかったのだろう、ズタボロな姿に成り果てた御坂美琴が転がっていた。
「な、なんで……いや、なにが?」
「起きちゃいましたねー、大爆発。これってもしかして私達が敵対関係になるって暗示ですかね?」
御坂を心配する佐天とは真逆に、生きてるならばそれでいいだろといった風の初春。
「ちょっと、初春。こんな時に―― 」
「なんですか?佐天さん?」
違った。
初春はかなり怒っている。
そう、おもちゃを壊された子供のように、激しい怒りを隠すために、わざと無関心を装うように……。
「とりあえず、御坂さんをはこびましょ? 犯 人 探 し は そ れ か ら で す 」
佐天の背筋を何かが撫でた。
何かはわからない、が親友に感じたのは恐怖と敬意。
「わかった……第四波動と炎神の息吹……約百年振りのコンビ芸、見せつけてやろうじゃん」
佐天涙子と初春飾利。
この二人は性格も、能力も、何もかもが噛み合った最強の2人組である。
41 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/02/01(水) 05:28:53.09 ID:zMNYrjaIO
〜〜〜
「ひっひひひ……あーっはっハッはっはぁあ!」
セブンスミストを爆破し終えた介旅は路地裏を歩きながら我慢できないといったように笑い声をあげた。
そう、犯人はこの男である。
ニタニタと笑いながらフラフラと歩く。
「よし、よし、よし!これだけの強度を出せるようになれば……ヒヒッ」
イヤホンで耳をふさぎ、わけのわからない音楽を聞きながら介旅は路地裏のさらに奥へと消えた。
42 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/02/01(水) 05:29:41.07 ID:zMNYrjaIO
〜〜〜
「お姉さま!」
爆発後、初春と佐天は御坂を外まで運び、いっしょに救急車で病院まで運ばれた。
今回の爆発で死者は十数名、負傷者は百名近くだそうだ。
爆発源はぬいぐるみ屋さん。
そこが一番激しく破壊されており、上下一個ずつのフロアまで、その被害は及んだ。
「初春!あなた仕事サボってなにをやっていたんですの?」
白井は病院に着くたび未だ気を失う御坂にだきついたあと、初春をしかった。
「白井さん、そんなことは今はどうでもいいんです、違いますか?今大切なのは犯人を見つけ出し……生まれてこなきゃ良かったと思わせる事……そうでしょう?」
「でっも……あぁ、だぁああ……もうっ!今回の捜査での始末書は全部初春に書かせますわよ、それで、許してあげますの……お姉さまを病院まで運んでくださってありがとうですの……」
いつもとは違う初春の雰囲気に、逆に冷静になった白井。
敬愛する御坂を病院まで運んだのは初春と佐天だと思い出したかのようにお礼を述べた。
「もちろんです。さぁ、白井さん……爆弾魔に『神に刃向かった』報いを受けさせましょう」
『神にひれ伏せ……』
かつてアルカがブレイド軍団にいったセリフである。
今の初春は、アルカと同じくらいの殺気、威圧感を持っていた。
「はい、佐天さんはいま空気でーす」
43 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/02/01(水) 05:30:20.26 ID:zMNYrjaIO
〜〜〜
「あーあ、なーんでこうなってしもたん?」
路地裏でだるそうにつぶやくのは青髪ピアスである。
その問いに爽やかに笑いながら答えるのは海原だ。
「なんでって、あなたが切れるからでしょう?自分はなにもしてませんよ?」
二人の足元には先ほどのスキルアウトどもが転がっていた。
一人は頭が取れ、一人は腕がもげ、一人は足が消え去っている……生きている者を探すのが難しい状態だ。
「パシリつくるのも一苦労ですね……だいたいなにがあなたの気に触ったんですか?」
「……した、やろうが」
「え?」
「一番最高なのは、全裸にくつしたやろうがぁあああ!それをなんやこいつら、海原みて『良いツラしてやがるな、女だったら全裸にひんむいてるぞ』とかいいよって……キショっ!死ねや」
「……はぁ、キモイのは同意ですが、まぁいいです。奴隷は自分が集めてくるんであなたは幼女でも観察していてください」
「任せときぃ!」
海原は呆れたように暗い路地裏の中に消え、青髪は輝く笑顔で公園へと向かった。
44 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/02/01(水) 05:32:02.52 ID:zMNYrjaIO
さて、介旅くん登場
原作より邪悪さアップしてるね
初春の危険度も桁違いにアップしてるけどね
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
:2012/02/07(火) 10:05:58.08 ID:LkMy7B5O0
更新来されてた
>>1
乙
46 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/02/08(水) 00:24:11.93 ID:rRG/dAsSo
〜〜〜
「あー、幼女と戯れたいお昼寝したいおにいちゃんと呼ばれたい!未央たんは最高だったなぁ可愛かったなぁ趣味悪いけど……しかしあれやわー午後三時の公園、ここは天国やね、右みても幼女、左みても幼女、前みても幼女」
「じゃあ上みたら何がいるじゃん?」
「そりゃ、上見た……み、見た……ら……ア、警備員…だと……?僕はまだ何もしてやんよ、黄泉川センセ!」
るんるん気分で舐め回すように公園にいる子供達を見ていると、鬼の形相をした体育教師が背後に立っていた。
「まだ?……って事は何かする予定があるって事じゃん?未然に犯罪防ぐのも仕事のうちじゃん」
47 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/02/08(水) 00:26:08.09 ID:rRG/dAsSo
「こ、言葉のあやですよぉーいややなぁ」
冷や汗をかきながら青髪は乾いた笑い声をあげる。
「まぁ、それはいい。お前今から1〜2時間前どこにいた?路地裏でスキルアウトがボロ雑巾になっていてな、何人かは死んでる。そこから青髪でピアスをしている大柄な男が目撃されているのだが?」
「……いややなぁ、僕ァなにもしてませんよ。確かにその時間帯は絡まれてる女の子探しに色んな路地裏散歩してましたけどスキルアウトなんてどの路地裏でもみてないで」
氷のような冷静さで青髪はうそをつく。
「そうか、ならいい……フラフラしてないで宿題もちゃんとやるじゃんよ」
そう言い残すと黄泉川はその場を立ち去った。
明らかな疑いの目を隠そうともせずに。
48 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/02/08(水) 00:27:46.22 ID:rRG/dAsSo
〜〜〜
「これも虚空爆破事件のひとつなんですよね、爆発の前に重力子の加速が見られますし。風紀委員は今回ので二十人目、初めての死者も出てますね。風紀委員が三人死亡、一般人が十人ちょっと……負傷者は風紀委員六人の一般人百人近く……」
支部へと戻ると初春はすぐさま自身の情報網から今回の事件の詳細を引っ張り出す。
その間白井は市内へとパトロールに出ていた。
支部には今佐天と初春のみがいる。
「佐天さん、こいつ見つけたら私が殺していいですか?」
「いいよ、とどめは初春が刺しなよ、拷問は私にやらせてね」
真顔でえげつないことを二人は淡々と語り合う。
「監視カメラには特に何も写ってないですねぇ……というかこれが出来る能力者がいないんですよね……もしかしたら」
「ニードレスの仕業って事?でもこんなニードレス私は知らないよ?」
「私達が全てのニードレス知ってるわけじゃありませんよ、佐天さん」
色々な憶測を飛び交わしていると、初春の携帯が着信を告げた。
49 :
◆G/oQfYP4bzP0
[sage]:2012/02/08(水) 00:29:31.08 ID:rRG/dAsSo
「どうしましたか白井さん?」
『路地裏でスキルアウトが集団死していますの。今回の件とは別件だと思いますが……無視するわけにも―― 』
「無視で」
今回の件と関係がないとわかるといなや通話を切った。
「……そっちは私が行って来るよ、場所わかる?」
流石に無視はまずいと思ったのか、佐天が立ち上がる。
初春は白井の携帯電話のGPS情報を入手すると、それを佐天に伝えた。
「なんかこれは押しつぶされたような遺体ですね。念動力者の仕業かなぁ?」
カメラから死体の状態も軽く確認し、それも佐天に教える。
「ま、頑張ってください」
貴方がやられるとは思いませんがというような台詞で初春は佐天を見送った。
「というか、佐天さん風紀委員でもないのに何しに行ったんでしょう?」
行っても白井もしくは警備員に帰らされるのは見えている。と初春は首をかしげた。
50 :
◆G/oQfYP4bzP0
[saga]:2012/02/08(水) 00:31:59.01 ID:rRG/dAsSo
〜〜〜
「つい、イラっと来たので殺してしまいましたが……人を殺すなんて簡単ですね。ちょっと能力を使えば簡単に殺せる。とんだ化け物になったものですよ」
海原は青髪と別れた後下僕探しを続けていた。
そして下僕にふさわしい不要者を見つけると、能力で押さえつける。
しかし中々反抗する意思を消さなかった事にイラつきそのまま殺害してしまった。
「青髪さんのこととやかく言えませんね……ま、いいでしょう次です次」
さらなるターゲットを求め、ドブ臭い路地裏を似合わない爽やかな笑顔で歩き回る。
彼の後ろには沢山の死体の山が築かれている。
海原光貴。
現ニードレスの中では一番狂っている存在かもしれない。
51 :
◆G/oQfYP4bzP0
[sage]:2012/02/08(水) 00:38:15.84 ID:rRG/dAsSo
今回の分おわり
設定とかストーリー行き当たりばったりだがそれでも良かったらまた読んでくれ
では
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/02/08(水) 00:49:25.72 ID:DGDR/Bmbo
乙!
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/02/20(月) 21:46:40.49 ID:BcIHriFS0
乙
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