男「学園都市にて鍋をする」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]：2012/01/15(日) 15:51:15.57 ID:4MmPAHpAO

男「よし、そうだ。今日は鍋にしよう」
俺こと男は学園都市に住む高校生だ。実は今日の献立を何にしようか学校で考えていたら、近くの席の根は悪くないがどうしてもぶん殴ってみたくなるフラグメイカーである上条という男が、鍋とか言っていたので今日は鍋にしようかと思う。
幼なじみ「男ー。ねぇ男ー！ 食材買ってきたよー！」
玄関から俺の幼なじみ（女）の声が聞こえてきた今日は鍋にすると聞いて呼んだついでに、何かしら食材を買ってくるように頼んだのだ。ちなみにコイツ、平凡高校に通う俺と違って長点上機というこの学園都市でもトップの学園に通っていやがる。


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2 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) ：2012/01/15(日) 15:53:22.91 ID:4MmPAHpAO

男「おう、ご苦労様。とりあえず狭いがそこら辺に座っとけ」

幼「えー。鍋作るの手伝うよう」

男「いいって。お前一応は客って事になるんだしさ」

幼「むー。何かしら手伝う事があったら言ってよ？」

男「分かった分かった。じゃあ今度はお前に任せるからさ」
この幼なじみ、俺の家にかなりの頻度で訪ねてきて、一緒に夕飯を食うのだ。まぁこれは昔っからの習慣のようなもんで、俺の家に泊まった事も何度かある。しかも料理好きな点もあって、俺の家で一緒に夕飯を食う時の料理当番は実質半々だ。

しかし今日はそうもいかない。他のメンバーも来るのだ。何かしらいらん誤解をされても困る。……割と手遅れな気もするが、俺のクラスには某フラグメイカー含むデルタフォースという影の濃い連中がいるせいか、影に埋もれて目立たないのだ。

鍋種類
安価下

3 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]：2012/01/15(日) 15:59:04.70 ID:Jx73c0+00

ある程度の辛さのキムチ鍋

4 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]：2012/01/15(日) 15:59:19.14 ID:DDojgIk00

キムチ

5 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) ：2012/01/15(日) 16:03:30.49 ID:4MmPAHpAO

今日やる鍋はキムチ鍋だ。かといってあまり辛くする訳にもいかない。幼なじみが居るし、それに俺も辛いのが好きって訳ではない。

そう考えて食材を切っていると、鍵が開いた音がした。

友「よう！ ただ飯が食えると聞いてやってきたぜ！」

ドアを開けて明るく陽気で快活な印象を受けるもう一人の幼なじみがやって来た。性別は男。手に持ってるのは……。

男「おいこら待てやてめぇ。酒なんか持ってくんなよ！ つうか食材はどこだゴラァ！ そして管理が厳しい学園都市でどうやって酒なんか手に入れたんだよ！？」
友「いやあ、ちょっとスキルアウトの知り合いの浜面って奴からな！ つうか食材要るのかよ。やべっ。忘れてた」
幼「まぁまぁ二人とも落ち着いてよ。酒は飲まなかったら良いんだしさ」

6 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) ：2012/01/15(日) 16:07:57.06 ID:4MmPAHpAO

友「まぁ今度埋め合わせはするぜ」

男「ちっ仕方がねぇな」

二人から言われてあっさりと終結する。まぁコイツはいつもこんな感じだから仕方がないだろう。

幼「それよりもう切り終わったよー」

男「おう……ってお前いつの間に切り始めたんだ？ 全くお前は今日はいいって言ってんのに……まぁありがとな」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
幼「えへへ……」

さぁキムチ鍋、別名チゲ鍋だ。チゲというのは韓国語で『鍋』を表しチゲ鍋は鍋鍋っつう良く分からない言葉になってしまうのだが、まぁ仕方がない。それが日本語というものの特色だ。

7 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) ：2012/01/15(日) 16:24:06.72 ID:4MmPAHpAO

友「ひゅう。鍋なんて食うの久々だぜ！」

男「まぁお前の場合、基本的に食うのは外食だしな……鍋の店もある事にはあるけど、低レベル者には高いし鍋は大勢で囲んで食うものって意識がどうにもあるから」

幼「そういえば、男はこの前クラスメイトと鍋を食べに行ってたよね」

友「なにぃっ！？ お前ずりいじゃねぇか！ 俺も呼べよ！」

男「お前別の学校だろうが！？ スキルアウトでも呼んでそっちで鍋しろよ！」

友「レベル０にとっちゃあ店の鍋は高いし、安い店もあるにはあるんだろうがそこまで店には詳しくないぜ！　それにアレを聞くか？ スキルアウトの奴らで鍋をやろうとしたら誰も料理出来る奴がいなくて」

男「うわー！ 止めろ！ その話しはすんじゃねぇ！」

せっかく美味しい鍋を食うっていうのにその話しは聞きたくない。想像だにしたくない。
……まぁ簡潔に言うとそこら辺を通りがかった金髪のホスト面をした男が「俺の未元物質以上に常識が通用しねぇ」とか言ってたがまぁ想像にお任せする。

8 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]：2012/01/15(日) 16:44:51.38 ID:4MmPAHpAO

友「よーし。キムチ鍋出来たみてぇだから食うぞ」

男「まだ煮始めたばかりだっつーに」

幼「そうだよー。まだ早いって」

友「くっ。二人がかりで否定された！
それにしても暇だなーテレビも面白れぇのないし」

男「ちょっとぐらい待てよお前…………」

幼「そうだ。じゃあ出来るまでの間なんかゲームでもしようよ！」

男「ゲームぅ？ すぐに終わるもんにしろよ」

幼「ふふふ……さぁね？ それは分からないよ」

幼なじみが意味ありげな笑みを浮かべると、ポケットから何かを出した。

友「……携帯？」

幼「その通り！ この携帯にはね、長点上機学園の友人にプレゼントされたアプリがあるんだよ！ これは何かをランダムで決めるものでね。これでゲームを決めてみようよ」

さてはコイツ、ただ単に見せびらかしたかっただけだな！？ 突然ゲームをしようなんて言い出すから何かと思えば……。そんな事言ってる間にアプリを起動させて……。

出たゲームは？
安価>>10

やらない場合もあります。

9 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]：2012/01/15(日) 17:43:17.25 ID:4MmPAHpAO

誰も来ないな。終わりか

10 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) ：2012/01/15(日) 18:40:46.64 ID:Cvlbu72r0

オセロ

11 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) ：2012/01/15(日) 20:01:03.90 ID:4MmPAHpAO

幼の携帯の画面に映されていたその文字は

友「オセロ？」

幼「どうやらそうみたいだね」

男「なら二人でやってろよ。俺は鍋の方見てるから」

友「よーし、オセロか。幼！ 俺はお前に今まで一回も勝った事なかったなぁ。だが今回は勝つぜ！」

友がなんだか張り切り出す。……その根拠は一体どこにあるんだ。

幼「今日も私の勝ちだよ。日頃からゲームで鍛え上げてるし」

友「相手はAIだろ？　AI程度に俺は負けないぜ」

それから暫く鍋の方を見つつ、オセロの様子をチラ見する。あ、また友が負けた。

男「おーい。キムチ鍋食って良いぞー」

友「AIなめくさっててすみませんでしたーっ！」

幼「ふふん、これで私の５連勝！ んじゃあ気分も良いし食べようか」

友「次は……絶対勝つ」

男「お前前もそう言ってただろっと良い出来だ」

幼「はふはふ、辛くて美味しいね」

そうして三人で食べ始める。
これが俺たち幼なじみ三人だ。

12 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]：2012/01/16(月) 00:04:12.70 ID:8/MxVxbAO

男「こらお前、開始早々に海老団子ばかり集中して取るな。野菜も食え」

友「へいへい。分かったぜ」

幼「すっかり鍋将軍気質だよね。男は」

男「まぁな。否定はしないというか出来ない。さぁてと俺も鍋を食うか」

俺は箸を手にし鍋へと腕を伸ばす。しかしその腕の動きは突如として硬直する。
理由？ そんなの簡単だ。ベランダの方から『ぐぎべきゃぶへ！』何て言う奇妙な音が突然聞こえてきたからだ。
皆の動きが止まる。今の時間は夜でカーテンもしめてありベランダの様子は見えない。

男「一体いきなりなんだよ！？」

俺と他二人は一斉にベランダへと向かって走り出した。
そしてカーテンとベランダに続く窓を一息に開ける。

女「あたた……やはー着地失敗しちまった」

そこに居たのは地面いっぱいに広がる血の中心で尻餅をついている、一人の女だった。

13 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) ：2012/01/16(月) 00:14:58.91 ID:8/MxVxbAO

そのあまりにもあんまりな光景を見た俺は一言。

男「ベランダの掃除が大変じゃねぇか！？」

幼・女「ツッコミ入れる所間違ってない！？」

失礼な。どこが間違ってるという。お前は何者だとかどうやって現れたとか色々と聞きたい事はあるが些細な事だ。
まず一番重要なのは、ベランダの床中に散った鮮血色の液体だ……掃除の事を考えると面倒くさい事この上ない。あーくそっ。窓や壁、手摺りにも結構付いていやがる。

友「美少女は正義だ。君は何も悪くない」

隣の馬鹿が何か奇妙な事をほざいているが気にしない事にする。

幼「…………あーまぁうん。なんというか呆れた。とりあえずそこに居る君。中に入ってよ。寒いでしょ」

女「あ、はい……」

俺たちに気圧されたのか突如として現れた女は幼の言う事に素直に従い、部屋に入っていった。

14 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) ：2012/01/16(月) 00:34:13.17 ID:8/MxVxbAO

男「で、お前は何者だよ？ 不法侵入者って事は分かるが」

女「やはー、いきなり私が不法侵入者だって事がバレてしまうたあ」

幼「どっからどうみてもまるわかりだよ！」

友「美少女の不法侵入者なら大歓迎だぜ」

男「うんまぁ友。とりあえず言わせて貰うならここは俺の家だ。家主は俺だ。そして俺は不法侵入者は美少女であれど歓迎しない」

俺は外は暗いから血の掃除はひとまず諦め、この女から話しを聞いていた。鍋は一旦蓋をして放置してある。
しかしこういう時に限って改めて、暗視とか掃除を出来るようになる超能力が欲しくなるもんだ。血は時間が経つと臭さが増す。

女「な、何故だっ！？」

幼「何故ってそりゃあ」

俺「なんで私が『学園都市外からの』不法侵入者だとバレた！」

男「は？」

幼「ひ？」

友「ふ？」

女「へ？」

男「いやちょっと待て、今お前なんて言った学園都市外からって言ったよなぁ？」

15 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) ：2012/01/16(月) 00:39:32.49 ID:8/MxVxbAO

女「そうだけど……はっ！ まさか学園都市外までとは気づいてなかったとかってやはは、止めて。止めてその馬鹿な子を見るような哀れむ目をーっ！」

一つ、いや二つ分かった事のある。このベランダに現れた謎の女は学園都市外から来たらしい。そしてこの子、なんというか天然というかお茶目というかドジというか、頭がいささか残念な子だという事だ。

幼「ええっと、とりあえずどうするこの子？」

さぁ、どうしようかなぁ。
安価どうする。
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