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酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった5 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/16(月) 23:41:58.25 ID:h2ekBslW0
妃「デブって言ったやつ殺す」



≪過去スレ≫

前作
○勇者募集してたから王様に会いに行った   http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266908272/

今作
○酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269828571/
○酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった2 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294928266/
○酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった3 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298115095/
○酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった4 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309185826/



≪まとめブログ様方≫

○【SS宝庫】みんなの暇つぶし様
http://blog.livedoor.jp/minnanohimatubushi/archives/1422410.html

○SS 森きのこ!様
http://morikinoko.com/tag/%E5%8B%87%E8%80%85%E5%8B%9F%E9%9B%86%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%9F%E3%81%8B%E3%82%89%E7%8E%8B%E6%A7%98%E3%81%AB%E4%BC%9A%E3%81%84%E3%81%AB%E8%A1%8C%E3%81%A3%E3%81%9F



≪ブログ≫

http://sssukidesuuu.side-story.net/



≪皆様へのお願い≫

・喧嘩はおやめ下さい。
・2レス目までは私が書きこみますので2ゲットしないでほしいです。
・998レス以降は書きこまないで頂けると助かります。むしろそれまでは埋めて下さるとうれしいです。
・完結まで程遠いと思われますのでそのつもりでお願いします。m(__)m



≪あらすじ≫

妃「ピザって言ったやつ殺す」

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■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:08:31.92 ID:A9RjOWcxo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421311/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:07:56.06 ID:9l741hD4o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421275/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:07:18.78 ID:XCIH42NJo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421238/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:42.32 ID:sMr/Yf+to
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421202/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:06:05.72 ID:A9RjOWcxo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421165/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:05:29.13 ID:9l741hD4o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421128/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:04:47.30 ID:XCIH42NJo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421087/

■ 萌竜会 ■ @ 2025/06/20(金) 21:04:05.72 ID:sMr/Yf+to
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1750421045/

2 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/16(月) 23:42:51.44 ID:h2ekBslW0
以降ゆっくりボイス脳内再生でどうぞ。


≪簡単なキャラ紹介≫※簡単だよ。

--主人公パーティ--

○ツインテ:ツインテールな男の娘。右腕が義手だよ。15歳。

○アッシュ:残念なイケメン。異臭発してるよ。14歳。

○ポニテ:大食いカニバリ元気っ娘。脳筋だよ。13歳。

○レン:眼鏡をかけた白猫亜人。にゃんにゃんだよ。16歳。

○サム:強いキャラはホモってことが多いよね。こいつバイだけど。28歳。

あとほかにもいっぱいいるよ。



≪簡単な世界観紹介≫※ネタバレじゃないよ。

勇者と魔王の関係が密接だよ。あとどこでも温泉湧いてるよ。地震どうなってるんだろう。



≪簡単な地名紹介≫※いらない知識だよ!

○王国:まんなからへんの国。中央王国に名前変えようかとおもったんだけど最初王国って言っちゃったからもうそのまま使ってます。

○東の王国:和風な王国。去年は災難な目にあったよ。

○西の王国:闘技場とかギルドとかなんか目にしみるくらい脳筋くさい。

○南の王国:南国っぽいの。亜人いっぱいいるよ。ケモナー推奨だよ。

○北の王国:寒い。



≪簡単な用語紹介≫※かなりいらない知識だよ!

○三技:戦闘に使われる三つの戦闘手段。スキル、魔法、奥義からなってるよ。設定崩壊したよ。

○魔法属性:一般的なのは6つ。相性のサイクルは下記の通り、火は風に強くetc...
火→風→氷→土→雷→水→火

○欠陥属性:今のところ毒のみ登場してるけど実はちらちら出してるかもしれないというかもう忘れたよ。





そんなかんじのssです。
ゆっくりしていってね!!!
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/17(火) 00:45:28.97 ID:6Dnlomhso

欠陥属性忘れんなwwww
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 20:49:43.39 ID:1XcHdqWno
産め
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 20:54:07.11 ID:1XcHdqWno
勢いで埋めてしまった正直スマンかった
6 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:13:06.72 ID:NG9Te9ga0
遅くなりました!お久しぶりです!!
埋めありがとうございます!!……う、埋め尽くされている……!

それでは投下していきます。
7 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:13:33.21 ID:NG9Te9ga0
201

--南の王国近辺の村--

ヤミ(……)

気配を消して柱の影に隠れているヤミ。

ヤミ(やれやれ……そう言えば喰ってやる約束を交わしていたな)

ヤミは遠い過去を思い出すかのように天井を見つめる。

ヤミ(……まだお前は幸せには足りないだろう)

ヤミはそっとその場を離れた。
8 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:14:36.35 ID:NG9Te9ga0
202

--南の王国近辺の村--

ブゥン

ヤミ(……)

部屋に戻ろうかと廊下に出ると、

アッシュ「……」

アッシュが腕を組んで姿を現した。

ヤミ「なんだお前も盗み聞きか。姿を消し気配も消せるとは便利な技だな」

アッシュ「お前……人を、喰うのか?」
9 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:15:23.23 ID:NG9Te9ga0
203

--南の王国近辺の村--

ヤミ「?……あぁ」

アッシュ「……」

ヤミ「……」

アッシュ「ッ……」

ヤミ「……用が無いなら俺は寝るぞ」

アッシュ「……もし」

ヤミ「?」

アッシュ「俺の仲間を襲うような素振りを見せたら」
10 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:16:06.98 ID:NG9Te9ga0
204

--南の王国近辺の村--

ヤミ「」

アッシュ「俺が殺す」

ヤミ「……ふはは」

ヤミはにやりと笑う。

ヤミ「……お前では俺を倒すことは不可能だ」

ヤミはしばらくアッシュと対峙したあと自分の部屋に帰っていった。

アッシュ「……くそ!」

ギュッ

サム「……」
11 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:16:37.91 ID:NG9Te9ga0
205

--南の王国近辺の村--

サム「はいはい修行を始めますよでござるよ」

ツインテ「……」

アッシュ「……」

ポニテ「なんか二人のテンションがびみょ〜」

レン「……なんかあったのかにゃ。ツインテ部屋に帰ってこなかったし」

ポニテ「何かって、夕飯までは二人は普通だったんだよ?もしその後に何かあったのなら……」

レン「!!」
12 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:17:20.11 ID:NG9Te9ga0
206

--南の王国近辺の村--

ポニテ「そういえば今日のツインテちゃん、メガ腫れぼったいんだよね、まるで一晩中泣いていたみたいな」

レン「メガ腫れぼったいってなんだかやばそうな響きにゃ」

ポニテ「……アッシュ君もなんか寝てなさそうな顔してるし」

レン「……二人して起きていたのかにゃ?……それでツインテは一晩中泣いていた……と」

ポニテ「……」

レン「……」

妄想モード!
13 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:18:21.09 ID:NG9Te9ga0
207

--南の王国近辺の村--

もわんもわんもわーん

ツインテ『あ、いやっ、アッシュくん……も、もうボクだめですぅっ!!』

ポロポロ

アッシュ『はっ、はっ……ツインテ……』

もわんもわんもわーん

ポニテ「……なるほど。ツインテちゃんは一晩中アッシュ君に泣かされていたと……」

レン「……ぶち殺すぞヒューマン」

レンは眼球が飛び出るほどの殺意を込めて、アッシュを睨んでいる。
14 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:19:11.65 ID:NG9Te9ga0
208

--南の王国近辺の村--

アッシュ(……背中が寒い)

サム「今日の修行終わりでござっしゅ」

アッシュ「はっ、はっ……ポニテとレンの連携がよくなっている……そしてなぜか俺には辛い気が……」

ツインテ「……」

ポニテ「ふふ」

レン「にゃにゃ」

ブラ「皆さんご飯ですよ」

高校生メイド「ふん。仕方なく恵んでやるから早く手を洗って来いでございます」

サム(やれやれ〜でござるぜる)
15 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:20:00.25 ID:NG9Te9ga0
209

--東の王国--

剣豪「おう、どうした東の王。お前から出向いてくるなんて嫌な予感しかしねぇな」

東の王「書簡が届いた。南と戦争が始まる」

剣豪「ふん……バカだぜ。十何年も前に味わっただろうに……」

東の王「よほど強気になれる何かがあるのだろう」

剣豪「あの時は魔王化しかけた勇者がいた。あっちはただの勇者だと思っていただろうが。今回もそれレベルの何かがいるってか?」

東の王「さぁな」

東の王は目をつぶり、そして開く。

東の王「……何はともあれつぶすしかあるまい。亜人には下にいてもらわなくては困る」
16 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:20:40.29 ID:NG9Te9ga0
210

--南の王国--

アヒル亜人「人間を倒し!今度こそ平和を勝ち取るグァ!」

亜人達「「「おおお!!」」」

蜂隊長「攻撃的になるフェロモンは順調に効いているみたいブーン」

占隊長「やれやれこうでもしなきゃやれないだなんて、見かけのわりにおとなしい連中なんですね」

筋隊長「がはは!戦は漢の花だと言うのにのぅ」

むきっ

鷲隊長(これもこの国のため……)
17 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:21:09.64 ID:NG9Te9ga0
211

--南の王国--

忍隊長「国の数が一対四……本来なら勝てる相手ではないが」

鯱亜人「ひゅー、ひゅー、わ、我らが首領、ひゅー、ひゅー、鬼姫様がひゅー、ひゅー、いれば」

占隊長「あー!干からびかかってる!もう誰よ今日の鯱登板!」

蜂「俺じゃないぶーん」

筋隊長「わしは昨日やったがはは」

鷲隊長「え?あ、じゃあ私ですね。鯱隊長、水浴びいきますよ」

鯱隊長「ひゅー、ひゅー、血の海を泳ぎたい」
18 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:23:02.50 ID:NG9Te9ga0
212

--南の王国近辺の村--

ほーほー

ツインテ「……」

ツインテはまんまるの月の下で瞑想している。

ツインテ(……イメージするんだ。みんなの役に立てるくらい強い自分を!)

ほーほー

ツインテ(イメージするんだ。どうすればもっとみんなの役に立てるのかを!)

ほーほー

ツインテ(……駄目だ……どうやっても、ボクは……攻撃に出ることが出来ない)
19 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:23:55.22 ID:NG9Te9ga0
213

--南の王国近辺の村--

ツインテは目を開く。

ツインテ(ボクはどこまで言っても補助タイプ、性格も、攻撃には向かない)

ほーほー

ツインテ(色んな人を守りたい。それには攻撃する力は必須なのに……ってあれ)

ほーほー

ツインテ(守るのに攻撃は必須……どうしてだろう)
20 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:24:51.22 ID:NG9Te9ga0
214

--南の王国近辺の村--

ヒュンヒュンヒュイン

アッシュ「ふっ!」

シャシャシャシャ!

アッシュは汗だくになりながらナイフを振るい続ける。

アッシュ(1レベルでも、1経験値でも!)

シャシャシャシャ!

アッシュ(今より高く!強く!)
21 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:25:39.01 ID:NG9Te9ga0
215

--南の王国近辺の村--

ぶーん

アッシュの周りに羽虫が近寄ってくる。

じわぁ

アッシュはナイフに毒をしたたらせ、

アッシュ「ふっ!」

ぴぴっ!

羽虫目がけて毒液を飛ばした。

アッシュ(……ち、一匹し損じたか)
22 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:26:28.88 ID:NG9Te9ga0
216

--南の王国近辺の村--

レン(レンの体を変える……ゴーレムを作っていく過程で得た知識とホムンクルス製造方を使って)

ばちばち

レン(レンは肉体であって物になる。最速最良の錬金術を行うための工房に。その側面を体に宿す)

レンの周りをエーテルが漂っている。

レン(材料はこの身のみ。実験出来ないのが少し不安にゃが……)

しゅるしゅる

レン(やると決めたんにゃ!!)
23 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:27:18.22 ID:NG9Te9ga0
217

--南の王国近辺の村--

ポニテ「んがーんごー。むにゃむにゃもう肉まんは食べれないよー」

高校生メイド「それは私の乳でございます」

ポニテは寝ていた。

がぶしゅっ

高校生メイド「!!?」
24 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:27:44.88 ID:NG9Te9ga0
218

--南の王国近辺の村--

ほーほー

ブラ「……」

月を見ているブラ。

ヤミ「寝れないのか?」

ブラ「あ、ヤミ様」

ヤミはゆっくりブラの傍に歩いていく。

ブラ「……はい。なんだかもったいなくて」

ヤミ「……」
25 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:28:12.26 ID:NG9Te9ga0
219

--南の王国近辺の村--

ほーほー

ヤミ「生きる上で別れは必定だ」

ブラ「はい」

ヤミ「死ぬと決まったわけではない」

ブラ「はい」

ヤミ「若いのだからなおさら夢が必要なのだ」

ブラ「はい」

ヤミ「俺は実は女だ」

ブラ「はい」

ヤミ「聞けよお前人の話」
26 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:28:56.97 ID:NG9Te9ga0
220

--南の王国近辺の村--

伝書梟「ほうほう」

サム「すまんでござるな。木の実でござる」

バサバサ

サムは受け取った手紙に目を通す。

サム「やれやれ、いよいよ始まってしまうかでござる。レベル3にすらいかなかった……か」

サムはボリボリと頭をかいた。

サム「いっそ何も知らせずに戦火の及ばない場所にまで……いやいやそれだと、後にツインテ殿達が後悔の念に捉われてしまいそうでござるな」

ほーほー

サム「……死なせたくないなぁ」

ほーほー

サム「拙者の身一つですめばお釣りなんていらないんでござるけど……」

ほーほー

サム「ま……なるようにしかならんでござるな」
27 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/24(火) 00:30:18.83 ID:NG9Te9ga0
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m



ヤミ「世間では働かないで女に食べさせてもらっている男をひもと呼ぶそうだな」

ブラ「えぇ、まぁ」

ヤミ「なるほど。俺はひもなんだな」

ブラ「えっと……」

ヤミ「ブラのひもなんだな」

ブラ「え!?」

ヤミ「略してブラひも!!」

ブラ「やめて!!」
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/24(火) 00:49:13.43 ID:K34gNTTAO
ざわざわ…

>>1
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) :2012/01/24(火) 01:33:01.31 ID:fr+RuA6AO
妄想タイム!!

乙です。
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/01/24(火) 02:22:38.50 ID:PfUAEj6C0
ブラひも卑猥!
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/24(火) 06:20:30.00 ID:TYWY56XSO
ヤミお前女って本当かwwwwwwwwwwww
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/24(火) 16:26:15.74 ID:RUFlLDV8o


いや話聞いてないブラに対しての冗談だろ
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/01/25(水) 22:37:47.00 ID:KFSMrHaso
>>27 乙!
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/25(水) 23:52:58.19 ID:S/Oa1Lago
乙おっつ
続編はまだかね
>> ハープ「…私を覚えていくれている人がいる、それだけで…私はどこまでも歩いて行けるからね」
俺の中で響いたぜハープさん…
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/25(水) 23:54:27.44 ID:S/Oa1Lago
酷い誤爆をした
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/01/26(木) 23:22:07.94 ID:sQZT9KS60
俺のww中でwww響いたぜwwww
ワロスwwww
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/27(金) 14:49:37.03 ID:Is1kSWO1o
俺も覚えてて貰いたい
38 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 20:59:43.82 ID:0qSarFwO0
本格的に寝れない!今晩はです皆様!
なにやらおもしろい流れになっていますが全然気にしないでいきますよ!!
それでは投下します!
39 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:00:28.74 ID:0qSarFwO0
221

--草原--

数十万の屈強な兵士が地平を埋め尽くしている。

東の王「諸君……久しぶりである」

東の王が中央の台座に立つ。

東の王「またしても諸君らの力を頼る時が来た」

ざわ

北の王(いやー昨日飲み過ぎて頭痛いですわぁ)

東の王の横に立っている北の王は、ふらふらと安定していない。
40 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:01:19.99 ID:0qSarFwO0
222

--草原--

東の王「十数年前は、逃げた魔族を匿い」

西の王「……」

東の王「今回は様々な条約を一方的に破棄し、我々に敵意の姿勢を向けてきた」

新王(やっぱりこうなってしまうか)

東の王「奴らには……人の世界の掟というものが通用しない。まるで獣のように、本能のままにやりたい放題だ」

ざわ

東の王「獣は躾るものだ。ここで……我らが躾ねば、奴らはどこまで増長するかわからぬ」
41 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:02:04.38 ID:0qSarFwO0
223

--草原--

剣豪(やれやれ、いつまで人を斬るのかね)

東の王「諸君らに聞こう!!諸君らは最強の兵士達か!?」

兵士達「「「然り!然り!然り!」」」

東の王「諸君らは人の未来を憂える兵士達か!?」

兵士達「「「然り!然り!然り!」」」

東の王「癌は!?」

兵士達「「「……しこり!しこり!しこり!」」」

東の王「ゆっかりーん!!」

兵士達「「「世界一可愛いよー!!」」」

オタ芸を始める兵士達。
42 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:02:43.25 ID:0qSarFwO0
224

--草原--

東の王「えー、それでは本日のためにわざわざお越し頂きました、ゲストを紹介します」

ざわざわ

東の王「みんなのアイドルゥゥゥ!!魔導長だぁぁぁ!!」

魔導長「はーーいっ☆」

兵士達「「「うおぉぉぉ!!」」」

魔導長「みんなーっ!今日は集まってくれて、ありがとーーっ!!」

兵士達「「「うおぉぉぉ!!」」」

魔導長「可愛いって言って欲しいです!」

兵士達「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」

まさかのライブが始まった。
43 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:05:15.96 ID:0qSarFwO0
225

--草原--

東の王「えー、素晴らしい曲でした、私感極まっております。それではもう一人のゲストを紹介しましょう。みんなのおぉぉぉ兄貴いいいい!!」

腕を組みながら馬に乗った兄貴が現れる。

兄貴「レッツパーリィだぜぇえ!!ほっほぉー!!」

兵士達「「「うおぉぉぉ!!」」」

兄貴「いくぜ野郎どもぉぉ!!」

兵士達「「「へっ、へっ!!」」」

兵士達は足軽ダンスで答える。

東の王「……ふん。士気は十分なようだな!!よろしい、ならば開戦だ!!」

兵士達「「「あんたのリーダーいいち○こですかーい!!」」」
44 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:05:56.24 ID:0qSarFwO0
226

--南の王国近辺の村--

サム「や……見事でござる。まさかこの土壇場でレベル2をクリアするとは……」

ポニテ「うっしゃー!!新技結構使えるよー!!」

レン「レンも中々うまくいったにゃ」

アッシュ「く……お前ら器用だな。そんな簡単に新技なんて編み出せねぇ」

一つのことを磨き続けるタイプのアッシュ。

ツインテ「ほんと、すっごいじゃん!」

いつの間にかサイドテールになっているツインテ。

サム(レベル3にまで、きたかでござる)

サムは立ち上がり手をはたく。

サム「おみごと。じゃあまあ今日の修行はこのくらいにしておくでござるよ」
45 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:06:25.26 ID:0qSarFwO0
227

--南の王国近辺の村--

サム「やれやれ、きっかけを掴んでしまえば一瞬でレベルアップとは。これだから若さは怖いでござる」

アッシュ「……」

サム「それでは飯でも食べに行こうかでござる」

アッシュ「まてサム」

サム「なんサム?」

レン「語尾にしやがったにゃ」

アッシュ「……お前いつまでこんなことを続けるつもりだ」

ポニテ「え!?」
46 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:07:26.07 ID:0qSarFwO0
228

--南の王国近辺の村--

アッシュ「俺をバカだと思ってるのか?サム、貴様は俺ら四人を鍛えて連携の修行をしているが、それは四人の連携だ。貴様が入っていないじゃないか」

ポニテ「……あ」

ツインテ「私はサム君ほどの手だれなら、すぐに合わせられるもんなんだと思ってたけど」

レン「動き方にゃ」

ツインテ「動き方?」

アッシュ「あぁ、レンの言う通りだ。サムの動き方は個人で戦うことに特化された動きだ。そうでなければこれほどまでに、俺らの攻撃を凌げるはずがない」

サム「ほほぉ……案外気付くもんでござるな。感心感心」
47 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:07:51.45 ID:0qSarFwO0
229

--南の王国近辺の村--

アッシュ「サム!貴様……」

サム「いやいやそんな怖い表情向けられては困るでござる」

アッシュに険しい表情を向けられてあごひげをいじるサム。

サム「そうすなぁ……。まぁいいかもう言っても。これが終わったら、拙者の役目は終わりなんでござるよ」

ツインテ「え」

ポニテ「へ?何言ってるの……」

サム「ツインテ殿達をちゃんとスタートラインに立たせる。それが拙者がこのパーティで出来る最初で最後のことなのでござる」
48 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:08:34.08 ID:0qSarFwO0
230

--南の王国近辺の村--

レン「……」

アッシュ「!何を言ってやがる!」

サム「自分で教えておいて何でござるが、拙者、単独行動しかできんでござるゆえ」

ツインテ「……え」

サム「ははは、お恥ずかしながら拙者ずぅぅっと一人で戦ってきたでござる。ぼっちでござる、十年以上ずっと……。あ、心配めされるな、拙者自身連携は出来ずとも、戦いの中で何度もパーティの強さを目の当たりにしたでござる。拙者的に手強く感じた戦法をツインテ殿達に教えているので、教えに間違いは無いかと」

アッシュ「そんな心配はしていない!……お前」

レン「成長限界……かにゃ」

サム「ご明察でござるよレン殿。拙者すでに今をもって全盛期。これ以上強くなることはできんでござる」
49 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:09:15.67 ID:0qSarFwO0
231

--南の王国近辺の村--

ポニテ「べ、別に強くならなくたっていいじゃん!今のままだって十分強いよ!!」

ツインテ「……なるほど。パーティスキルかな」

ツインテは口に手をあてる。

ツインテ「パーティスキルはパーティ人数によって効力が変動するのよね。中には五人でないと発動できないスキルもあったはず」

サム「うむ。しっかり勉強しているでござるなぁ」

ポニテ「え?え?わけがわかんないよ!!だからサムっちもパーティで連携すればいいんでしょう!?」

アッシュ「……」

ツインテ「……」
50 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:10:03.00 ID:0qSarFwO0
232

--南の王国近辺の村--

レン「ポニテ。サムはもう完成してるのにゃ」

ポニテ「わかるよ!すごいことじゃん!?それの何がいけないの!?」

サム「拙者にはもう、振れるスキルポイントが無いのでござるよ」

サムは優しく微笑んだ。

サム「拙者はパーティスキルを使用することは出来ないでござる。だからパーティとしてはカウントされてもパーティスキルのメンバーにはカウントされないのでござるよ」

ポニテ「そんな、の……そんなの……」
51 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:10:38.86 ID:0qSarFwO0
233

--南の王国近辺の村--

サムは空を仰ぐ。

サム「ずっと……一人で戦うために全てを費やしてきたのでござる。一人でも戦えるように。だからいまさらパーティプレイは出来ないのでござる」

アッシュ「……ち」

アッシュはサムに背を向けて家に入って行った。

サム「拙者、ツインテ殿達にはどうしても最高のパーティスキルを手に入れて欲しいのでござる。魔王を倒すというのが本気なのであれば」

ツインテ「……サム君」

サム「だからこれが終わったら、拙者の役目は終わりなんでござるよ」
52 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:11:10.10 ID:0qSarFwO0
234

--南の王国近辺の村--

パートのおばちゃん「いやぁ悪いわね!この間は急に変わってもらっちゃって!」

ブラ「いえ、気にしないで下さい。困った時はお互い様ですから」

パートのおばちゃん「今日は私が代わりにやっておくから少し早めに帰ってね!はいお土産の黒虎の肉!」

どさり

ブラ「こんなにたくさん……あれ、海産物のような匂いが」

パートのおばちゃん「黒虎だもの!」

ブラ「黒虎ですね!」

高校生メイド(何言ってるでございます)
53 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:11:41.65 ID:0qSarFwO0
235

--南の王国近辺の村--

ブラ「ではお先に失礼します」

パートのおばちゃん「はいよ!子供たちに美味しい料理食べさせてあげてね!」

ブラ「はい!」

高校生メイド「失礼するでございます」

ガララ

パートのおばちゃん「ほんっといい子たちよねぇ!」

パートのオバサン「ホントよぅ。ブラちゃんにメイドちゃん、二人とも若いのによく働くわぁ」

パートのおばちゃん「お子さんはどちらの子供なのかしらね。肌の色からするとメイドちゃんなのかしら」

ガララ

高校生メイド「……」
54 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:12:08.22 ID:0qSarFwO0
236

--南の王国近辺の村--

忘れ物を取りに来たメイド。

高校生メイド「わ……」

パートのおばちゃん(あらあらあら)

パートのオバサン(まぁまぁまぁ)

高校生メイド「私処女なのにっ!でございます!!」

バシュッ

泣きながらスキル雷動を使って走っていくメイド。

パートのおばちゃん、オバサン「「あらあらあら!!」」

二人のあらあら。
55 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:12:56.91 ID:0qSarFwO0
237

--南の王国近辺の村--

パートのオバサン「あらあらだとするとブラちゃんの子供なのかしら。いずれにせよなんだか複雑そうよねぇ。あ、聞きました?今子供三人連れた男が今ブラちゃんの家に居候してるらしいのよ!」

パートのおばちゃん「あらいやだ!もしかしてあれかしら、昔の男ってやつかしら。だとすると外で働きもせずに家庭内暴力を働く夫、その夫から逃げ出そうとするのだが子供一人しか連れていけず……って話かしら!」

パートのオバサン「そぅよぉ!きっとそぅよぉ!!自分で養えないからブラちゃん達を探しにきたんだわ!きっと優しいブラちゃん達だもの!子供のつらそうな顔を見たら受け入れざるを得なかったのよぉ!」

パートのおばちゃん「あらあら!!だとするとメイドちゃんは処女だって言うから、ブラちゃんに四人も孕ませたのねあのひげの男!」

パートのオバサン「あらあら!!あんな若いのにあんな年の子がいるなんて……犯罪よね!?手を出したのは相当前よね!?」

パートのおばちゃん「あらあら!!とするとメイドちゃんは今の女なのかしら!?一緒に連れてきちゃったのかしら!?でも手を出してないのよね……」
56 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:13:50.57 ID:0qSarFwO0
238

--南の王国近辺の村--

パートのオバサン「あらあらまぁまぁまぁ!!いや奥さん、もしかすると特殊な性癖かもしれないわよ!?いやだわぁ!!」

サム「あの、オレンジジュース……欲しいんですけど」

オレンジジュースを持ったままレジの前に立っているサム。

パートのおばちゃん、オバサン「「あらあらあら!!」」

サム「ひ、ひっ!?」

実はずっと聞いていたサム。

パートのおばちゃん「この人がブラちゃんとメイドちゃんをてごめに……」

パートのオバサン「嫌がるブラちゃんを無理矢理おしつけてその自慢のスピリットオブソードを……」
57 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:14:25.65 ID:0qSarFwO0
239

--南の王国近辺の村--

じりじり

おばちゃん達はサムに近づいてくる。

サム「あ、あの、な、何か勘違いをしておいでではないでござるか?」

おばちゃん達「「NO! NO! NO! NO! NO!」」

サム「そこでNO!?こ、これはまさか……」

おばちゃん達「「NO! NO! NO! NO! NO!」」

サム「何も聞いていないのに!!この流れはまさか……?」

おばちゃん達「「YES! YES! YES! YES! Y E S !」」
   
サム「もしかしてあらあらですかーッ!?」

客のじいさん「YES! YES! YES! "OH MY GOD"」

おばちゃん達「「アラララアラアラアラアラアラアラアラアラアラアラ」」
58 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:14:54.00 ID:0qSarFwO0
240

--南の王国近辺の村--

同時刻。

?「ここか……」

数十人の騎士たちが南の王国近辺の村に接近していた。

??「響かせてあげるわ」
59 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/01/30(月) 21:16:25.66 ID:0qSarFwO0
ネタにしてしまいましたが、誤爆なんて誰でもあることですのでお気になさらずに。

それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/01/30(月) 21:41:28.56 ID:TjLrU0j3o
>>59 乙!
そういえば前作の勇者パーティーってパーティースキルあった?
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/30(月) 22:28:42.76 ID:yTvoLXaSO
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 21:15:37.08 ID:h2B581DSO

サムがかっこいいな…今までただの変態と思っててごめん
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/03(金) 23:26:56.77 ID:4DNFw2ISO
>>60
勇者にそんなスキルなかったか?
アリス・パーティーだったっけ?
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/04(土) 15:59:55.97 ID:HPl1Bk/lo
あれは確か勇者のぼっちスキル……
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/05(日) 23:56:04.55 ID:u5LpAPx/0
今回話題のパーティースキルとはまるっきり逆だな。
前作パーティーは補助魔法で連携してただけ、かな?単純ゆえに強力っぽいけど。
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/06(月) 02:04:23.26 ID:l7josVmlo
前作の時代にはパーティースキル無かったとか?
67 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:24:09.78 ID:we/fIRSv0
こんばんはー!投下しにきました。

これは後付けなので前作にはパーティスキル描写とかはありません。けどあったことにしようかどうしようか考えているところです。

アリスパーティはもう、公式でぼっちスキルです!!!!

それでは始めますー


68 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:24:38.69 ID:we/fIRSv0
241

--南の王国近辺の村--

高校生メイド「ほぅ」

出店に並ぶ服に目を奪われるメイド。

ブラ「どうかしましたか?メイドさん」

高校生メイド「!あ、いやなんでもないでございます!」

ブラ「お洋服……。メイドさんいつもメイドの服ばかり着てたからずっとそれがいいものだとばかり思っていたけど……もしかして」

高校生メイド「は、はぁ!?あ、あんな服興味ないしぃ?私ぃ、メイド服さいっこーだと思ってるしぃ!?」

語尾の消失、落ち着かない視線、スカートの裾を握り締める手。
69 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:25:20.11 ID:we/fIRSv0
242

--南の王国近辺の村--

ブラ(うわ、ばればれだ……ふふっ)

高校生メイド「ほ、本当に違うでございます!」

ブラ(あの頃のメイドさんからは想像もつかなかった……)

ブラはかつてのメイドを思い出す。

ブラ「ふふっ、買いにいきましょう!」

高校生メイド「……へ?」

ブラ「思えば一緒に働いてくれるようになったというのに、メイドさんにはまだ何も買ってなかったですね。これは当然の報酬ですよ」

にこりと笑うブラ。
70 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:26:06.81 ID:we/fIRSv0
243

--南の王国近辺の村--

高校生メイド「……ほ、本当にで、ございます?」

ブラ「えぇ女の子なんですもの」

ぱぁぁ、とメイドの表情が明るくなる。

ブラ「さぁ行きましょうメイドさん、ヤミ様達を驚かせてしまいましょう!」

ブラは手を差し出した。

高校生メイド「ございます!!」
71 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:26:56.09 ID:we/fIRSv0
244

--南の王国近辺の村--

ぱからぱから

?「……」

ローブをまとった大男が、同じく巨大な馬に乗って町中を歩いている。

?(まさかここまで発展していようとは。難民の寄せ集めばかりだと思っていたのに)

大男は辺りを見渡しながら思う。

ぱからぱから

?(……)
72 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:27:40.44 ID:we/fIRSv0
245

--南の王国近辺の村--

わーわー

町の中を駆け回る子供たち。

?(……やはり亜人もまざっているか)

広場の中央に差し掛かった所で、

耳長少年「あー!うまにのってるひとがいるー!」

短パン少年「ほんとだー!かっこいー」

?(……)

わらわらと集まる子供達。
73 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:31:12.13 ID:we/fIRSv0
246

--南の王国近辺の村--

?「見せ物では無いぞ。近寄るな」

赤靴少女「わたしおうまさんはじめてみた」

手を伸ばす少女。
ひひん、と馬は鳴く。

?「……く」

すっかり子供達に囲まれてしまう。

わいわいきゃっきゃっ

?(……)
74 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:31:56.42 ID:we/fIRSv0
247

--南の王国近辺の村--

大男ははしゃぐ子供達を見る。

きゃっきゃっ

?(……普段見ているものとなんら変わりない子供達……生まれた場所が、生活している場所が違うだけで……)

きゃっきゃっ

大工のおじさん「あぁすみませんなぁ旅の方。この子達、馬が珍しいようで……こら通してあげなさい」

ボンボンの少女「やだーもっとみたいよー」

少女はおじさんに手を引かれて馬から離される。

?(……)
75 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:32:42.44 ID:we/fIRSv0
248

--南の王国近辺の村--

?(……しっかりしろ青騎士。貴様は役目を果たすだけの一本の槍なのだ。情はいらぬ)

わいわいきゃっきゃっ

大男はローブを取って顔を出すと大きく息を吸った。

?改め青騎士「我は青騎士!遥か遠くの北から、砂漠を越えてやってきた!!」

びくりと驚く子供たち。青騎士は広場全体に向けて言葉を続けた。

青騎士「辺境の地ゆえ、まだ情報が入っていないかもしれないが、これから南の地で大規模な戦争が始まる!」

大工のおじさん「!?」
76 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:33:13.91 ID:we/fIRSv0
249

--南の王国近辺の村--

ざわざわ

青騎士「我が王国連合と南の王国との戦争だ!そしてここは南の王国近くに存在しているため、我々はお前達を疑っている!!」

ざわざわ!

青騎士「肌の色、亜人率の高さ、どれをとっても小規模な南の王国だ!!よって我らは……」

赤靴少女「あ、う……」

青騎士「お前たちに無条件降伏を望む!!」

ざわざわ!
77 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:33:47.40 ID:we/fIRSv0
250

--南の王国近辺の村--

青騎士「戦火は少しでも小さくしなくてはならぬ!だが疑わしきをそのままにしておくことは決して出来ぬ!ゆえに我らは恩情を持って告げる!速やかに降伏し、この地を明け渡せ!」

大工のおじさん「そ、そんな」

花屋のおばちゃん「冗談じゃないわ!私達はやっとのことでこの生活を手に入れたのよ!?それをはいそうですか、なんて言えないわよ!」

キツツキ亜人「そうだそうだ!!横暴だ!!」

青騎士「黙れ!私は冗談で言っているのではない!!」

ビリビリ

青騎士の怒鳴り声が響く。
78 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:34:59.18 ID:we/fIRSv0
251

--南の王国近辺の村--

ブラ「……広場の方が騒がしい?」

高校生メイド「やーん、これも可愛いでございます〜ん」

あれもこれも取り敢えず合わせてみるメイド。

ブラ「すいませんメイドさん、広場で何かあったみたいなので少し見に行ってきます。お金渡しておくのでいいもの選んで下さいね」

ブラはお金を渡すと広場の方に駆けだしていった。

たたた

ブラ「ぶー。二人で見るから楽しいのにでございますのに」
79 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:35:26.10 ID:we/fIRSv0
252

--南の王国近辺の村--

服屋のおばちゃん「ブラちゃんが行ったらケンカだろうとなんだろうと、すぐさま治まっちまうからね。全くあの歳で大したもんだよ」

店の奥からおばちゃんがやってきてメイドに話しかける。

高校生メイド「えっへんでございます」

服屋のおばちゃん「いやあんたのことじゃないんだけど」

高校生メイド「わかっているでございます。……………………友達を誉められたから、ついうれしくなってしまったでございます」

くるりと後ろを向くメイド。

服屋のおばちゃん「ははは、そうかいそうかい」

おばちゃんはニコニコと笑う。
80 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:36:08.90 ID:we/fIRSv0
253

--南の王国近辺の村--

高校生メイド「む、これもいいでございますがちと私には荷が重い値段でございます」

高校生メイドはいったん服を広げてみるが、一度自分に合わせてみると畳んで棚に返した。

服屋のおばちゃん「へ?貰ったお金で買える範囲じゃないか」

高校生メイド「いやいや、全部使うなんてもってのほかでございます。ただでさえ食費が増えて大変だというのに」

服屋のおばちゃん「」

服屋のおばちゃんは優しい笑顔をメイドに向ける。

服屋のおばちゃん「気にすることないさ……私の旦那もブラちゃんに蘇生してもらったし、あんたたちにはこの村を助けてもらった……感謝してるのさ。そんくらいただにしてやるよ」

高校生メイド「まじで!?」

服屋のおばちゃん「我が村のアイドル兼まとめ役に免じてね」
81 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:37:04.97 ID:we/fIRSv0
254

--南の王国近辺の村--

青騎士「……お前達にも考える時間は与えよう。一時間だ。それで決めろ。ここで死ぬか、違う地で生きるか」

青騎士は険しい表情で告げた。

ざわざわ

広場に集まっていた人達は困惑し、それぞれ近くにいた人と相談していた。

武器屋のじいさん「そんなことが……まかりとおってなるものか!」

じいさんは店の剣を持ってきて投げ付けようとする。

武器屋のじいさん「でていけぇ!!」
82 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:38:00.98 ID:we/fIRSv0
255

--南の王国近辺の村--

ぱし

しかしその手は止まる。

武器屋のじいさん「っ!誰じゃ!邪魔をするのは!?」

その手を握って止めたのは、

ブラ「……」

武器屋のじいさん「!ブラちゃん……」

大工のおじさん「ブラちゃん」

短パン少年「ブラお姉ちゃん」

ざわざわ
83 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:39:00.37 ID:we/fIRSv0
256

--南の王国近辺の村--

青騎士(……?)

ざっ

青騎士(……空気が変わった……)

ブラは青騎士に近寄って行った。

ブラ「……私達は……あなた方と違ってどこにでも居場所があるわけではないんです」

青騎士「……」

ブラ「私達には住む場所がなかったから、私達は住む場所を作ったんです」

青騎士「……」

ブラ「ここにいる者は皆、あなたたちに決して迷惑をかけません!……ですからお願いです。私達から家を取り上げないで下さい!私達は南の王国とは何も関係ありません!」
84 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:39:45.12 ID:we/fIRSv0
257

--南の王国近辺の村--

青騎士(……勇気のある少女だ。中々出来ることではない)

青騎士は自分をじっと見つめる少女を見て思う。

青騎士「……勇ましいな。まるで聖女のようだ」

ブラ「!……私は、そんなに綺麗じゃありません。聖を頂くほどの人間ではありません」

ざわざわ

青騎士「……ふ」

かちゃ

青騎士(しかし)

青騎士は仮面を外す。
85 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:40:39.91 ID:we/fIRSv0
258

--南の王国近辺の村--

青騎士「……いくら声高に叫ぼうとも証拠はあるまい。否、こんな情勢になってはもはや証拠も必要としないのだ」

ブラ「ッ!」

青騎士「少しでも疑わしき者がいるのならそれを排除する。部下達の不安材料を残すわけにはいかない」

ブラ「……ひどい」

青騎士「承知の上だ。戦いに情などいらぬ」

果物屋の兄さん「さっきから聞いていればふざけるなぁ!!」

ざわざわ

周りで聞いていた男が青騎士に向かって怒鳴る。
86 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:41:11.23 ID:we/fIRSv0
259

--南の王国近辺の村--

床屋のおっさん「それでも赤い血が流れてるのか!?えぇ!?」

青騎士「調べるまでもないだろう?……立ち退け。それが譲歩だ」

ブラ「み、皆さん、好戦的になってはいけません!!」

魚屋のおっさん「もう……我慢ならねぇ」

ダッ

おっさんは包丁片手に飛び出した。

青騎士(愚かな。そんな包丁で鎧を貫けるはずがないというのに)

スチャ

青騎士は剣を抜く。

ブラ「だめ!!」
87 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:41:49.95 ID:we/fIRSv0
260

--南の王国近辺の村--

高校生メイド「ふぅ。いっぱいおまけしてもらったでございます」

ほくほくな顔で紙袋を抱き抱えているメイド。

高校生メイド「えへへ。幸せでございます」

わーきゃー!

高校生メイド「ん、そういえばブラは広場が騒がしいとか言ってたでございますね。……これは騒がしいってレベルじゃないでございま」

ピチャッ

青騎士が剣で貫き掲げているのは、

ドサッ

メイドは荷物を落とす。

飲み屋のお姉さん「きゃああああああ!!」

ポタポタ

ブラ「」

ブラだった。
88 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/06(月) 22:42:45.74 ID:we/fIRSv0
考察とかされているともう頬がにやけて不審者になってしまいますね。。

それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/06(月) 22:53:47.75 ID:zcm1CyFSO
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/02/06(月) 22:58:34.72 ID:XqPq8Sa6o
>>88 乙!
>>78の最後はメイドだよな
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/07(火) 01:18:41.39 ID:TiuYDCSko
乙でござりまする
ブラァ…
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/07(火) 14:50:49.98 ID:JcBi/6SIO
今回も大波乱の予感!
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/02/08(水) 03:02:43.93 ID:ML3oGb5AO
青騎士ってどこの国?
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 23:31:38.84 ID:k4LqgbPDO
やっと追いついた。乙です! 楽しみに待ってますね。私、ブラは大好きなので。ええ、二つの意味で

さて、受験勉強に戻ります
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/02/12(日) 01:18:41.69 ID:8jY+s9dU0
ipodにzipで入れてよく読んでますw

これからも頑張ってください!
96 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:20:58.26 ID:s3AMZNbT0
あぁああ打ち間違えてましたぁああこんばんは!!

青騎士は北っぽいです!

受験シーズン……私も色々と思い出すことが多々……。頑張ってください!人生で二度と味わうことのない受験シーズンなのですから!!Qw0は受験生を応援しています!!

ipodに入れて読む……そんなこともできるのですか?機械音痴な私にはよくわかりませんw何はともあれありがとうございます!!

それでは投下していきます。
97 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:22:08.47 ID:s3AMZNbT0
261

--南の王国近辺の村--

魚屋のおっさん「あ、あぁぁ」

青騎士(割り込んでくるとは……しかしこの娘はこの村の精神的支柱のようだな。上手くことがいったかもしれんな……)

ブラ「」

ポタッ

青騎士(すまぬ少女よ。これで犠牲が少なくなる)

ばっ!

青騎士「聞け!この少女は、お前達が敵意を持つ行動をしたがゆえにこうなった!!なんという軽率さよ!!」

ざわ
98 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:23:13.44 ID:s3AMZNbT0
262

--南の王国近辺の村--

青騎士「もしその男の刃が私に届いていたならば、この村は私の率いる部隊によって全滅していたのだぞ!?」

ざわざわ

青騎士「それが彼女には分かっていたのだ!!わかれ!我らは抵抗されたら武器を使うしかない!」

ざわざわざわ

青騎士「だが……我らはむやみな暴力を振るうために、ここにきたのではない……」

ざわざわざわざわ

青騎士「立ち退け……今なら……もう誰も傷つけずにすむのだ」

ざわざわざわざわざわ
99 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:24:33.44 ID:s3AMZNbT0
263

--南の王国近辺の村--

青騎士「さぁどうする!?この娘の、体を張った行いを無駄にする気か!?もう一度だけ問おう!!」

ざわざわざわざわざわ!

青騎士「立ち退くか全滅か!!さぁ!!」

青騎士は貫かれたブラを全方位にかざした後、

ブン

ビチャ

広場の真ん中にブラを放り捨てた。

ざわ
100 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:25:45.83 ID:s3AMZNbT0
264

--南の王国近辺の村--

食器屋の少年「ブラおねぇちゃあぁん!!」

村人はわらわらとブラに駆け寄った。

バチッ

青騎士(ッ!魔力反応……)

ザッ

酒屋のおばさん「め、メイドちゃん」

洗濯屋のおじさん「メイドちゃん……」

ザッザッ
101 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:26:17.00 ID:s3AMZNbT0
265

--南の王国近辺の村--

メイドはゆっくりとブラに近づいていく。すると村人は左右に別れて道を作った。

高校生メイド「……」

高校生メイドはブラに近づいて上半身を起こす。

ブラ「けほっ……メイド、さん?……しくじっちゃい……ました」

高校生メイド「ブラ!」

ブラ「……難しいですね……どういう選択が……この場合、正しいの……でしょうか、ね」

ブラは苦痛に震えながらも、にこりと笑って、生き絶えた。
102 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:27:04.68 ID:s3AMZNbT0
266

--南の王国近辺の村--

高校生メイド「ッ」

ざわざわ

青騎士「……」

高校生メイド「選択……?」

1、右ストレートでぶっ飛ばす。
2、ブラのためにも拳をおさめる。
3、仕方ないので舌打ちする。
103 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:29:46.45 ID:s3AMZNbT0
Qw0!!1でお願い!!
104 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:30:33.55 ID:s3AMZNbT0
よしきた!
105 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:31:00.01 ID:s3AMZNbT0
267

--南の王国近辺の村--

バチッ

高校生メイド「」

メイドの全身が光ったかと思うと、

ゴッ

メイドの拳が青騎士をとらえていた。

青騎士「ッ!」

どじゃああ!!

青騎士が気付いた時には、馬上から吹き飛ばされていた。

高校生メイド「……ぶっ飛ばす以外に選択肢があるものかでございます!!」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/02/13(月) 22:31:08.90 ID:cI8hQJq+o
>>102
右スレートでぶっ飛ばす。まっすぐいってぶっ飛ばす
107 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:31:39.92 ID:s3AMZNbT0
268

--南の王国近辺の村--

青騎士「……残念だな」

青騎士が静かに立ち上がる。

高校生メイド「お前は、私の手で殺す……スキル、雷動!!」

ギャアン!!

誰も反応することの出来ないメイドだけの時間。雷速の攻撃が青騎士の胸部を叩く。

≪ごわぁぁん≫

高校生メイド(っ?なんだこの感、じっ!)

どぶしゃぁ!!
108 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:32:36.83 ID:s3AMZNbT0
269

--南の王国近辺の村--

高校生メイド「がっ!?」

メイドの胸部が弾け飛び、強制的にスキルが解除される。

ふるちん男子「!?メイド姉ちゃん!!」

高校生メイド「……がふ」

メイドは血を吐きながら倒れ込む。

どさり

高校生メイド(な、なんで私、が)
109 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:33:36.03 ID:s3AMZNbT0
270

--南の王国近辺の村--

??「あらひっかかったみたい。私の接触攻撃対応魔法が発動したわ」

???「……結局こうなっちゃうのか。いくぞ我が赤騎士部隊、準備せよ!」

騎士達「「「おぉぉ!!」」」

??「演奏家部隊は後方から援護します……私は中行きますけどね」

騎士達「「「はっ!」」」

???改め赤騎士「……できることなら非戦闘員は斬りたく無い。投降するようなら受け入れろよ?」

??改め演奏家「それくらいわかってるわよ。さぁて……響かせてみましょう」
110 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:34:36.41 ID:s3AMZNbT0
271

--南の王国近辺の村--

ぴくっ

ヤミ「……」

子犬「きゃんきゃん」

ヤミ「……メイドがやられた?」

ガタッ

ヤミは家から飛び出した。

ヤミ「行くぞ犬畜生」

ダッ!!

子犬「きゃんきゃん」
111 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:36:22.59 ID:s3AMZNbT0
272

--南の王国近辺の村--

ぽつーん

ツインテ「あれ、ヤミ君達どっか行っちゃったんだけど」

ポニテ「あうー!!おーなーかー減ったー」

椅子の上でダダをこねるポニテ。

ヤミ「サムもブラ達を探しに行くとか言ってどっか行っちまったし」

レン「空腹過ぎてきもいにゃ」
112 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:37:52.82 ID:s3AMZNbT0
273

--南の王国近辺の村--

高校生メイド「くっ……」

メイドはガクガクと震えながら立ち上がろうとする。

果物屋お姉さん「メイドちゃん!!」

青騎士「?胸部を吹っ飛ばされているのに即死しない……?」

ざっ

青騎士はゆっくりと馬にまたがる。

ざわざわ

青騎士「しかし……俺への攻撃は成立した。悪いが滅んでもらうぞ」
113 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:39:02.78 ID:s3AMZNbT0
274

--南の王国近辺の村--

ピィィ

青騎士が指笛をすると、

……ヒヒィィン!!

高校生メイド「!」

馬に乗った騎士達が村に押し寄せてくる。

だからっだからっだからっ!!

わーきゃー!!

高校生メイド「く、そ」

メイドはやがてくる脅威を睨みつける。

高校生メイド(せっかく……せっかくヤミ様が幸せに生きられる場所が出来たのに!)
114 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:39:36.21 ID:s3AMZNbT0
275

--南の王国近辺の村--

ばしゅる

高校生メイドは失った箇所を修復するために、体を構成しているもので代用した。

しゅるる

高校生メイド改め中学生メイド「ん」

そのため姿が一回り小さくなってしまった。

青騎士(自己修復!?いやこれは……)

青騎士は剣を構える。

青騎士「貴様……魔族か?」
115 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:40:37.35 ID:s3AMZNbT0
276

--南の王国近辺の村--

ざわっ

イカ息子「!?メイドちゃんが魔族……そんなわけ、ないでゲソ!!」

中学生メイド「……」

ざわわ

料理屋のおばあさん「め、メイドちゃんは私達を助けてくれたとてもいい子じゃ」

スッ

中学生メイド「……」

中学生メイドは無言で立ち上がる。
116 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:41:27.01 ID:s3AMZNbT0
277

--南の王国近辺の村--

青騎士(人側についた魔族?……それとも、町に潜入して何かを画策している?)

中学生メイド「もはやどうでもいいことでございます……」

ばち

青騎士「!」

中学生メイド「私はヤミ様の従者にしてブラの……友達。それ以外のことはどうでもいいでございます!!」

ばちっばちち!

青騎士(体が一回り小さくなり、魔力量も少なくなっている。無理をしているのが見え見えだ)

チャキ
117 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:42:07.53 ID:s3AMZNbT0
278

--南の王国近辺の村--

中学生メイド「……」

じり

青騎士(とはいえ俺にあの速度はとらえられないな)

ひゅんひゅん

青騎士「スキル、カウンター」

中学生メイド「スキル、雷動」

ばち

メイドの雷動は先ほどより速度が落ちていた。しかしそれでも誰も対抗出来る速度ではない。
118 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:42:48.47 ID:s3AMZNbT0
279

--南の王国近辺の村--

ぎりりり

中学生メイド(首を切断する!!)

メイドは跳躍し手刀を繰り出した。

ぴく

その時、

ゆらり

中学生メイド「!?」

雷速の世界で、青騎士の右腕が動いた。

ひゅ

中学生メイド「ばかな!!」



中学生メイドの頭部が

ブシャアア!!

深く、切り裂かれた。
119 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:44:19.24 ID:s3AMZNbT0
280

--南の王国近辺の村--

中学生メイド「」

ばちっ

スキルは解除され中学生メイドは地に落ちた。

青騎士「ぐっ!」

斬った青騎士は激痛に顔を歪める。

青騎士(なんとかカウンターで捕らえきれたか……しかしあまりに無理な速度だったので体が悲鳴をあげている……!)

びきっ

青騎士は剣を握る力も無くなりつつある右手から、剣を左手に持ちかえた。

ブラ「ひゅー、ひゅー、め、メイド、さん」

中学生メイド「が……が」

わーきゃー!

広場を悲鳴と恐怖への叫びが支配する。
120 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/13(月) 22:45:33.57 ID:s3AMZNbT0
明日は黒い悪魔が飛び交う日でしたっけ?死ねばいいのに^^


それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

受験生の皆さん、受験がんばってください!
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/02/13(月) 22:48:17.43 ID:cI8hQJq+o
>>120 乙!
>>111のヤミはアッシュだよな
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/02/14(火) 00:40:52.64 ID:VTVTuAOp0
もしかしてアンシュとアッシュで見づらいから分けたの?
それともヤミからアンシュにもどるの?

黒い悪魔wwww
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/14(火) 02:29:57.70 ID:XCzr6Gqko

ブラは首はねられてるんだと思ってた
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/14(火) 02:33:28.01 ID:XCzr6Gqko
てか>>101で死んでるブラが>>119で発言しとる…
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/02/14(火) 07:28:10.91 ID:hW3DtJigo


>>124
この世界では蘇生魔法は珍しくないから、合間に誰か唱えたんじゃね?
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/15(水) 19:15:51.79 ID:0WU5aOmSO
>>123
お前そしたら魚屋のおっちゃんパネェつええぞ
127 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 21:52:49.09 ID:Y9z1RuTW0
こんばんわ!!うちには悪魔は来ませんでした!!よかったよかった!!

アッシュとアンシュがパッと見間違えやすいから名前変更したのにそれでも間違えるだなんてどうかしてる!!すいません!!

描写下手ですいません!!と、とりあえず更新します!!
128 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 21:53:21.72 ID:Y9z1RuTW0
281

--南の王国近辺の村--

ずる

青騎士(……!?あの娘、生きているだと?確実に殺した筈だが……まさかスキル……自動蘇生)?

ず、ずる

ブラは少しずつメイドにはい寄って行く。

青騎士(……)

ぎゅ

青騎士はブラに確かな恐怖を感じた。

青騎士(自動蘇生持ち……それは確か、災厄の兆しではなかったか?その力を持ったものが現れると、世界は大きな転換期を迎える……と)
129 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 21:54:30.22 ID:Y9z1RuTW0
282

--南の王国近辺の村--

わーきゃー!

ずる

ブラ「メイド、さん、聞こえ、ます?」

中学生メイド「ごぼ」

メイドは血を吐いて息も絶え絶えである。

ずる、ずる

ブラ「……メイドさん、私を、食べてください」
130 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 21:55:20.91 ID:Y9z1RuTW0
283

--南の王国近辺の村--

わーきゃー!

中学生メイド「ゅ……」

ごろ

中学生メイドの眼球がブラを探す。

ずる

ブラ「わた、しも、もう限界、です。だから……メイドさん、私を食べて、みんなを、助けて下さい」

ブラはメイドの傍まで這っていった。

わーきゃー!
131 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 21:55:53.69 ID:Y9z1RuTW0
284

--南の王国近辺の村--

ずる

青騎士「……」

ブラはメイドの手を握る。

がし

ブラ「メイド、さん」

中学生メイド「いやでございます」

わーきゃー!

ブラ「なん、で……」

中学生メイド「……友達は、……食べれ、ないでございます」
132 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 21:56:37.16 ID:Y9z1RuTW0
285

--南の王国近辺の村--

ブラ「……」

わーきゃー!

青騎士「……」

中学生メイド「ごめん、なさい……私じゃ、守れません、でした」

ざっ

中学生メイド「友達を、こんなめにあわせた奴に、勝てな、かった」

ぎりっ

中学生メイドは歯を食いしばり、一筋の涙を流す。
133 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 21:57:06.36 ID:Y9z1RuTW0
286

--南の王国近辺の村--

ざっざっ

中学生メイド「私達、の、この町、を……」

ブラ「……あ」

ざっざっざっ

中学生メイド「守って……下さい、でございます」

中学生メイドは震えながら右腕を上げる。

ぱしっ!

ヤミ「任せろ」

ヤミはその手を力強く握り締めた。
134 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 21:57:33.76 ID:Y9z1RuTW0
287

--南の王国近辺の村--

ブラ「ヤミ、様」

子犬「ううう!!わん!」

青騎士(……また子供……)

ヤミ「貴様か。我が友と従者をいたぶったのは」

じゅっ

青騎士「!?」

ヤミが青騎士を睨むと、ヤミの激しい怒りがほとばしる。

青騎士(!!……違う……断じてただの子供などではない……この魔力量)
135 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 21:58:14.73 ID:Y9z1RuTW0
288

--南の王国近辺の村--

ヤミ「番犬よ!!」

子犬「!」

ヤミ「敵はこいつだけではないはずだ。お前はこの村の者を守れ!!」

ヤミは手のひらを子犬にかざし、魔力の供給を開始する。

ぼん!

すると子犬の体型が一緒で変化し、

ずしゃっ

子犬改め番犬「!!……仰せの通りに。我が主、ヤミ様」
136 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 21:58:46.21 ID:Y9z1RuTW0
289

--南の王国近辺の村--

ばしゅ!!

番犬は跳躍して民家の上に立つと疾風のように駆けていく。

絆創膏少年「わ、わんちゃんが……かっこいい!!」

ヤミ「……さて」

青騎士「!」

ヤミ「我が所有物を傷つけた罪は重いぞ」

わーきゃー

青騎士「……お前も歯向かうのか」
137 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 21:59:20.78 ID:Y9z1RuTW0
290

--南の王国近辺の村--

ポニテ「なんか外騒がしいね」

アッシュ「確かに。何を昼間からこんなに」

レン「いや、この騒がしさ、ただごとじゃないにゅ」

ツインテ「まるで侵略者から逃げ惑う人々みたいな声だねー」

小学生メイド「そんなまさかでごじゃいましゅ」

あっはっはっはっ

バタン!

サム「いやまさしくその通りでござる」
138 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 21:59:47.96 ID:Y9z1RuTW0
291

--南の王国近辺の村--

アッシュ「な、なんだってー!?」

ポニテ「それは本当なのか!?」

サム「うむでござる。確認してきたが奴らは正規の兵でござった」

レン「兵……なぜそんなやつらがここに攻め込んでくるにゃ?」

ツインテ「……情報リンク」

ぽぅん

ツインテは魔力でわっかを作り出すと、庭まで歩いていき空に放った。

ばしゅ
139 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 22:00:26.45 ID:Y9z1RuTW0
292

--南の王国近辺の村--

サム「……?」

ツインテ「んー」

レン「ツインテ?何しているのにゃ?」

ツインテ「んー……ん?あれ?言い忘れてたっけ?」

アッシュ「何をだ?」

ツインテ「サイドテールの私は情報戦特化なんだよね」

ツインテの輪が空で巨大化する。

ポニテ「情報戦……?」
140 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 22:00:53.78 ID:Y9z1RuTW0
293

--南の王国近辺の村--

ツインテ「うん。……南の王国で戦争?」

サム「!」

アッシュ「何!」

ツインテ「……ッ!ブラちゃん達が襲われてる!」

レン「なんにゃって!」

サム(まさか人格ごとに特性が違うのでござるか……?)

アッシュ「てゆうか情報戦特化のくせに鞭による攻撃強くね?」
141 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 22:01:51.89 ID:Y9z1RuTW0
294

--南の王国近辺の村--

ツインテ「それは情報戦特化だからだよ。私だって自分で自分の身を守らなきゃならない。でも戦闘力にそんなに力を割いていられないじゃない?」

レン「なるほどにゃ。鞭にのみ力を集めているのかにゃ」

ツインテ「うん。鞭にのみ力を込めているおかげで、そこそこ攻撃力高いのよ。まぁ総合的戦闘力ではロングの私にはかなわないんだけど」

サム(治癒、戦闘、情報……ツインテ殿は人格ごとに役割が違うのでござるな)

ポニテ「よくわからないけどブラちゃん達が襲われてるんでしょ!?助けに行こう!!」

アッシュ「お、おう!」

サム(……違和感を感じる……それじゃあまるで……まるで、他の人間を必要としていないような)
142 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 22:02:25.52 ID:Y9z1RuTW0
295

--南の王国近辺の村--

ツインテ「広場だよ!急ごう!!」

ダッ

サム(まるで……自分一人で魔王を倒すつもりだったような……)

レン「サムも早くこいにゃ!!」

サム「わ、わかったでござる!」

ダッ

サム(……ツインテ殿は……だとするなら人格は)

ダダダダ

ツインテ「……」
143 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 22:02:59.85 ID:Y9z1RuTW0
296

--南の王国--

鬼姫「来るっす。迎え打つっすよ」

鬼姫は、地平線が真っ黒に染まっていくのを見て兵達に声をかけた。

鷲隊長「私が偵察に行きましょうか?」

鬼姫「いや止めるっす。一人で突っ込んだら打ち落とされるっすよ、いくら鷲ちゃんでも」

鷲隊長「……」

鬼姫「!……へぇー。この戦い、中々楽しめそうな奴がいるっすね」

鬼姫は地平線を見ながらにやりと笑う。

鷲隊長(スキル地獄感覚シリーズですか。相変わらず射程が長いことです)
144 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 22:03:40.34 ID:Y9z1RuTW0
297

--草原--

剣豪「……視線を感じるぜ」

選抜兵「へ?何がです?」

通信兵「完全に見られてますね。あの距離から……信じられない」

医師「更に言うと魔法でも無さそうです。ありえない……」

剣豪(なんだ……?竜か鬼でもいるのか?)

聖騎士「ぶるぅあぁぁぁぁ!!なぁぁにぃものだかしらぁぁぁんがぁぁ……この我に狙いをつぅぅけてやがぁぁるぅぅ。べぇぇぇりぃぃぃめぇろぉぉぉんんん!!」

東の王(相変わらずあいつうるさいな。こんだけ離れていても聞こえてくる)
145 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 22:05:03.94 ID:Y9z1RuTW0
298

--南の王国--

鬼姫「予定どおり、最初は忍隊長に任せるっす。この戦争に勝てるか勝てないか、初っぱなで決まっちゃうっすからね」

忍隊長「お任せ下さい我が主」

筋隊長「数で圧倒的に負けているのだからこうでもせんとなぁがっはっはっ!」

占隊長「占いしましたが、ちゃんと成功しそうです」


--草原--

秘書「私は王の側を離れられません。全ては貴方達にかかっているということをお忘れなく」

槍兵「へーへー。人使いが荒いお嬢さんだぜ」

秘書「私は貴方より歳上ですよ坊や」

変化師「お、おで」

キュイ

テンテン「変化師大丈夫か?まだ完全に治りきってないのだろう?」

変化師「お、おでだけ休むわけには、いかない」

包帯女「え!……私昨日組み手して負けたんだけど!」

義足「魔法瓶足りないかなぁ」
146 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 22:06:57.36 ID:Y9z1RuTW0
299

--南の王国--

蜂隊長「毒針がもうビンビンだブーン!早く刺して出したいブーン!」

弓女「うっわ」

斧女「最低……」

鯱隊長「……」

盾男「う、うわぁぁぁ!!鯱隊長が完全にひからびちゃってるぞ!!」

干物になりつつある鯱隊長。

鯱隊長「いっぺん死んでみる」


--草原--

北の王「はぅあぁ〜……あ、頭痛い。ほな後は頼みましたで〜」

兵達に手を振ると屋根のある本陣の中に入って行く北の王。

召喚士「全くこの人はでやんす」

人形師「相変わらずですねぇ」

弓兵(ちっ、めんどー)
147 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 22:07:58.16 ID:Y9z1RuTW0
300

--南の王国--

亜人王「!!あいつが来ているのですか……ならば、私も出なくてはならないようですね」

狐男「亜人王様が……出るコン?」

虎男「それは心強いがお!」

犬娘「にゃん」


--草原--

新王「昔を思い出しちゃいますねぇ。今思うとよく生きていられたなぁ」

妃「えぇ〜。あの頃とは逆の立ち位置ですね〜」

吟遊詩人「ららら〜圧倒的戦力差〜」

絵師「ぎゃははは!無謀すぎる!」

軍師「……ねむーい」



そして戦争は始まった。
148 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/20(月) 22:08:38.67 ID:Y9z1RuTW0
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 22:08:52.31 ID:NpE8YhJDO
乙!!!!
ふらりと寄ったらリアルタイムに遭遇できるとは・・・幸せや

しかし蜂、おまえは駄目だww
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/02/20(月) 22:10:53.17 ID:W1QIjU4To


勢揃いって感じだな
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 22:12:42.19 ID:7biG6CkSO
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/02/21(火) 01:54:22.75 ID:a6OOzo4Ro
>>148 乙!
最後のツインテの中の人ウェーブが気になるな……
治癒、戦闘、情報ときたら統率かな
それとも非戦闘の人格かな
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/02/23(木) 00:03:55.54 ID:PnM4m1a5o
今日で前作含めて2周年!おめでとう!
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/23(木) 04:27:05.94 ID:Ow4xNpTDo
もう二年とは時がたつのは早い
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/02/23(木) 19:28:28.81 ID:3PAUQvtF0
二周年おめでとう!!
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/23(木) 20:26:30.64 ID:/NFcURxPo
おめでとうございます
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/02/23(木) 20:45:00.33 ID:hehVMEn2o
おめー
158 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/23(木) 22:01:07.89 ID:dys4y2Ed0
ありがとうございます!!すっかり忘れていました!!あぁしまった今年は何も準備をしていない……
二年間も立つのですねあれから……感慨深い。

これからもがんばって行きたいと思いますので、どうか最後までお付き合いくださいませ!!(T_T)
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/23(木) 22:25:10.86 ID:JecF3oYSO
あ、もう二年か

おめ
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/24(金) 08:57:23.22 ID:xcsR3SdXo
二周年おめー!
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/02/24(金) 23:03:45.92 ID:CQRCO3JI0
このペースだと何年かかることやらww

まあいつまでも待つけどな!!
162 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:19:11.34 ID:JyZfUDwx0
こんばんは!たくさんの祝いの言葉に感無量です!
すいません!ペースはどうにかしていきたいと思います!それでは更新していきます!

果たしてまだ出てきていない人格はあそこにいた者だけなのでしょうかふふふ
163 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:19:46.44 ID:JyZfUDwx0
301

--草原--

人造魔王「ボクワスレラレガチー」

いじける人造魔王。
164 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:20:25.90 ID:JyZfUDwx0
302

--南の王国近辺の村--

ヤミ「はっ、はっ」

ポタタッ

垂れた血が地面を湿らせる。

青騎士「……」

チャキ

左腕の千切れたヤミは、剣を構えた青騎士と向かい合っている。

青騎士(自分の体を使いこなせていないのか?……魔力には驚いたがこけおどしだったのか?)
165 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:22:14.04 ID:JyZfUDwx0
303

--南の王国近辺の村--

ピッキーン

村への入り口には氷の壁が出来ている。

演奏家「ちょ、ちょっと聞いてないわよ……」

番犬「ぐるるるる」

赤騎士「こいつは……この強さは魔族か!!」

番犬は氷の台座の頂に立っている。

番犬「我が主の命により、この村に害なす者を淘汰するバウ」
166 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:22:42.85 ID:JyZfUDwx0
304

--南の王国近辺の村--

アオーン!

名も無き騎士「うっ」

番犬の遠吠えを受け、騎士達は一歩退いた。

赤騎士「やれやれ……兵士達じゃどうにもならなさそうだ」

演奏家「みたいね」

番犬(引くバウか?こちらもまだ本調子ではないバウ。出来ることならそれが好ましいバウよ)

番犬は冷気漂う息をはく。
167 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:23:29.85 ID:JyZfUDwx0
305

--南の王国近辺の村--

赤騎士「赤騎士部隊は右から回り込んで村に入れ」

演奏家「演奏家部隊は左からよ」

騎士達「「は、はっ!」」

番犬「ッ!」

騎士達は隊長の命令を受け、左右に別れて進み始めた。

だからっだからっだからっ
168 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:24:23.56 ID:JyZfUDwx0
307

--南の王国近辺の村--

番犬「くっ!!」

番犬は左右に首を振る。

演奏家(どうにも腑に落ちないのよね。なんでその氷魔法を私達にうたないで威嚇と壁なんかに使ったのか……)

赤騎士(最初から殲滅するのが目的ならば威嚇など必要ない。見た所一滴の血も流したくないというほどの聖人君子には見えないわけだし、ようは威嚇するだけで精一杯なのだろう……)

番犬「……人間め」

ギリッ

演奏家「まぁ命令を受けた以上、どのみち最後までやるしかないしね」

赤騎士「三隊長に上がるための功績になってもらおうか魔族」
169 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:25:22.04 ID:JyZfUDwx0
308

--南の王国近辺の村--

わーきゃー!

ヤミ「ッ。番犬め。敵を通したのか」

ぱからっぱからっ!

わーきゃー!

村が武装した騎士達に襲われていた。

果物屋の娘「きゃあああ!!」

逃げ惑う村人。

ヤミ「」

ドクン
170 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:26:18.86 ID:JyZfUDwx0
309

--南の王国近辺の村--

ズバシッ

武器を持ったものから優先的に切り伏せていく騎士達。

ヤミ「……なんだ?」

ドクン

靴屋の子供「うあぁぁん!!あぁぁぁぁん!!」

砂塵が舞う。

青騎士「!おい、やりすぎるな!」

ヤミ「……見たことが、あるぞ」

ドクン
171 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:27:14.89 ID:JyZfUDwx0
310

--南の王国近辺の村--

フォン

ヤミ「!」

ガシィン!!

ヤミは鎌で青騎士の攻撃を受ける。

ギリギリ

青騎士(くそ!俺も早く指揮に戻らねば!)

キィンキィンガキィン!!

ヤミ「俺はかつて、これを、この光景を、見た」
172 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:28:06.71 ID:JyZfUDwx0
311

--東の遺跡--

ナビ子『!』

同時刻、東の遺跡。

ナビ子『……』

ナビ子は何かを感じ取った。

ナビ子『いよいよ……取り戻すのですか……』

ナビ子の声のトーンが下がっていく。

ナビ子『それを思い出すのは、ヤミ様と私達にとっていいことなのでしょうか……それとも……』
173 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:28:52.23 ID:JyZfUDwx0
312

--南の王国近辺の村--

キィン!ガキィン!!

ヤミ「焼かれた大地、けちらかされる命、怒号のような悲鳴……」

虚ろな瞳で取りつかれたようにヤミは喋る。

キィン!ズバッ!!

ヤミ「黒煙が、のぼる」

キギィン!!

青騎士(ッ!この少年!!ダメージを与えているのに!!)

ズバッ!!ガギィン!!

青騎士(ひるむどころか強くなっていく!?)
174 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:29:21.57 ID:JyZfUDwx0
313

--南の王国近辺の村--

キィンキィン!!

青騎士(くっ!!止めだ!!)

ブォン!!!

ヤミ「」

青騎士の必殺の一撃をヤミはかわす。

青騎士「!!?」

ヤミ「そうあれは……」

グジャッ!!

ヤミの鎌が青騎士の胴体を貫いた。

ヤミ「我が、守るべき、王国」
175 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:30:23.98 ID:JyZfUDwx0
314

--南の王国近辺の村--

番犬「ブァアオウウ!!」

ドゴオオン!!

演奏家「きゃっ!このわんちゃん早すぎ!」

赤騎士「ふんっ!」

ギィアン!!

番犬「ギャオン!!」

赤騎士の剣は硬い番犬の体皮を裂いた。

赤騎士(あの人は一人で魔族を倒したと聞く。ならば私もそれくらいできなくてはあの人に追いつけない!)

番犬(面倒バウ!なまじレベルが高いせいで使えるスキルも魔法も消費魔力の高いものばかり……今の状態じゃろくな行動ができないバウ!)

ドクン

番犬「!?」
176 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:31:10.48 ID:JyZfUDwx0
315

--南の王国近辺の村--

ドクン

中学生メイド「がふっ」

ブラ「ひゅー……メイド、さん?」

ブラは死んでは生き返るという地獄の狭間の中で、息を吹き返すメイドを見た。

中学生メイド「……ま、まさか」

ブラ「めいど、さん?」

中学生メイド「……ダメ」

ブラ「え……」

中学生メイド「ダメですヤミ様……思い出しては」


ヤミ「」
177 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:31:44.47 ID:JyZfUDwx0
316

--過去、滅ぼされた王国--

ゴオオオオオオオオオオオ

木々は燃え尽き

ゴオオオオオオオオオオオ

家は破壊され

ゴオオオオオオオオオオオ

川には血が流れ

ゴオオオオオオオオオオオ

道には人の死体が転がっている。

?「……」

地獄と化した地で、ボロボロのマントを羽織った青年は女性を抱きかかえていた。
178 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:32:22.47 ID:JyZfUDwx0
317

--過去、滅ぼされた王国--

ゴオオオオオオオオオオオ

がっしゃがっしゃがっしゃ

??「ダメです……他に生存者はいませんでした……死霊使いの奴も……」

がしゃ

甲冑を付けた髭の男が青年に駆け寄って膝をついた。

??「死体が増えたら困るからあいつ、真っ先に狙われたんだ……!」

がばっ

???「申し訳ありませんでございます!!私が!……私が部屋を離れていなければ奥方様は……」

血で赤く染まったメイド服を着た女性が、青年に対し頭を下げている。

?「…………お前達のせいではない」

青年は女性を抱きしめている。
179 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:33:08.59 ID:JyZfUDwx0
318

--過去、滅ぼされた王国--

??「……くっ」

???「う、うぅ!!」

二人の従者は悔し涙を流す。

ズキッ

??「やつらめ……!!我らに土地を与えるのが惜しくなったのだ……!!」

???「私達を利用するだけ利用しておいてこの始末!!あいつら本当に人間でございますか!!」

?「……」

青年の腕の中の女性には下半身が無かった。

?「……」

ザっ

青年は立ち上がる。
180 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:34:44.95 ID:JyZfUDwx0
319

--過去、滅ぼされた王国--

??「!!五代目勇者様……」

???「五代目勇者様……」

ズキッ

?改め五代目勇者「……憎い」

五代目勇者は静かに涙を流す。

五代目勇者「憎い……憎い憎い憎い!!」

ズキズキッ

???「五代目、勇者様」

五代目勇者「これが、これが同種のやることかッ!?これではッ!!これでは魔王の方がまだましだったではないか!!」


 五代目魔王『はん、お前もすぐこっち側だ、ぜ』


魔王の今わの際の言葉が蘇る。

ズキズキズキっ!!

??「!?この感覚は!!」

五代目勇者「俺達の人生にオケル戦いハ、まだオワッテハいなカった!!」
181 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:36:17.93 ID:JyZfUDwx0
320

--南の王国近辺の村--

青騎士「ゴフッ!!……な、なんだその姿は……」

青騎士と戦っていたヤミは、突如黒いモヤに包まれた。
そして、

ガシャッ

青騎士「その、姿は」

ガシャッ

モヤの中から長い金髪と整えられた髭の男が現れた。
その男は、黒い甲冑を着ている。

青騎士「お前は何者、だ」

ドブシュッ

黒い甲冑の男が振るった鎌によって、青騎士は血の海に沈む。

???「……」

中学生メイド「思い……出してしまわれたのですね……」

???「……我は……五代目勇者にして六代目魔王」

ブラ「!?」

中学生メイド「ヤミ様……」

???改め五代目「虐げる者は全て滅す!!」
182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/27(月) 23:36:46.89 ID:HBaG0anKo
ヤミに勇者だったのか
183 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/02/27(月) 23:37:10.22 ID:JyZfUDwx0
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/27(月) 23:40:10.51 ID:jM9pk3jSO
歴代魔王表?勇者表?誰か頼む
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/27(月) 23:43:01.33 ID:Td4oHmQQo

五代目は3スレ目の>>432
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/28(火) 00:33:17.47 ID:wC4e5SkFo
いつの間にか三スレ目だけJANEから消えてて涙目
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/02/28(火) 01:02:21.22 ID:u8f7v+2AO
半分の人類が天に昇る空…

ヤミの話だったのか
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/28(火) 02:44:24.20 ID:RugXqGCo0
魔王だったろうからそりゃそうなのだろうけど、
ヤミに勇者時代があったことが何故か意識の外側だったわ
乙乙。
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 06:42:18.70 ID:lvPgLpYDO

305から306がなく飛んで307になってるよ
番号間違えだけで話は繋がってるみたいだけど
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/02/28(火) 07:32:23.23 ID:cEoRpAO0o


>>184
酒場で〜1スレ目の>>229
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/02/28(火) 12:34:14.90 ID:YNxzyBH7o
>>183 乙!
>>184
歴代勇者について

○初代勇者:赤竜と青竜をその身に宿す少年。普段竜達は剣の形をしている。王国の初代王様でもある。

○二代目勇者:魔王を倒した後の彼女が、魔王として覚醒するまでの話。

○三代目勇者:最も好戦的な勇者。勇者だが忌み嫌われていて、彼は一人で旅をする。

○四代目勇者:人望に厚く有能で礼儀正しい勇者。とは表の顔で……。主人公は勇者パーティーに憧れる戦士(斧)の少女。仲間達とともに勇者パーティーを追っかける。

○五代目勇者:封印された初代魔王の分身。大災害を引き起こしてしまう。

○六代目勇者:魔王に死の呪いをかけられたせいで強制的に旅に出る。大災害後の世界を立て直す。

○七代目勇者:魔王の骨を媒介にして、歴代六人の魔王を操る勇者。

○八代目勇者:指パッチン等格闘系の技を得意とする。奥義勇者パンチは山すら消し飛ばす、歴代最強の勇者。武器は素手。お人好し。

○九代目勇者:貧乳。現在も生きている?

○十代目勇者:現時点で複数人存在する?
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/28(火) 21:57:16.55 ID:w6tGOYCyo
初代勇者って3スレ目の>>290だと耕作用ロボになってるよね
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/04(日) 12:17:08.08 ID:/MzAqpGh0
そろそろかー
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/03/04(日) 19:31:12.32 ID:Hyyz5T/AO
今夜来るとふんだ
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/04(日) 21:35:05.47 ID:/MzAqpGh0
ということはもう少しか
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/05(月) 02:59:19.01 ID:DR7aCdk/o
水曜日くらいだね
197 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:30:21.30 ID:aWpImTKO0
遅くなりましたぁあ!!中々最後まで描き上がらなかったもので!
あぁ番号間違いすいません!今回は番号合わせるために一つ多くしております!!

初代勇者はロボットに変更しました。どっちかで揺らいだのですけどロボットの方が面白そうなので!

それでは投下していきます。
198 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:31:09.36 ID:aWpImTKO0
320.5

--南の王国近辺の村--

どどん!!

五代目「……」

ざわざわ

隣のおばちゃん「あ、あれがヤミちゃんなのかい?」

五代目「……」

泥騎士「!!青騎士隊長がやられたぞ!!」

チャキッ

湿布騎士「!!」

五代目が大鎌を構えると、騎士達は一斉に身構えた。
199 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:32:02.38 ID:aWpImTKO0
321

--南の王国近辺の村--

中学生メイド(ヤミ様……鎌は……黒いままなのですね)

出っ歯騎士「油断するな!各自お互いにカバーできる距離を保て!」

カチャカチャカチャ!!

スッ

五代目「……スキル、ライフドレイン」

ずりゅ

隻眼騎士「」

五代目が静かに鎌を振るうと、

赤鼻騎士「こ、これは!?」

たれ目騎士「体から、力が抜けて……」
200 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:32:37.91 ID:aWpImTKO0
322

--南の王国近辺の村--

ドサドサ

騎士達はその場に倒れこんでしまった。

五代目「盗賊は全てを奪う。財も、力も、命でさえも」

五代目は冷めた目で自分の鎌を見つめている。

ブラ「……ヤミ……様」

五代目「!ブラ!」

ガララン

五代目は鎌を捨ててブラに駆け寄った。
201 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:33:12.18 ID:aWpImTKO0
323

--南の王国近辺の村--

五代目「ブラ!どうすればいい!?俺は治癒には詳しくない!!」

ブラは目も開けることが出来ずに死の淵をさまよっている。

ブラ「魔力……さえあれば……なんと、か」

五代目「わかった!魔力供給レベル2!」

ぎゅん!

ブラ「ひゃっ!」

ブラに流し込まれた魔力の量は多く、一瞬でブラの許容値限界まで蓄まる。

ブラ(す、ごい……)
202 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:33:42.08 ID:aWpImTKO0
324

--南の王国近辺の村--

番犬「ぐあああるうう!!」

ずばしゃああ!!

赤騎士「ふんっ!!」

赤騎士の大剣が番犬の体を切り裂く。

番犬「ぎゃわあああああああ!!」

演奏家「ふんふーん。楽曲、脚切り狼〜」

ぶしゅっ!!

番犬の全ての脚に切れ目が入り、

どずん!

番犬は地面に倒れ込む。
203 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:34:15.42 ID:aWpImTKO0
325

--南の王国近辺の村--

赤騎士「やれやれてこずらせてくれる」

演奏家「弾き終わるまでガードしてくれてありがとぉ」

番犬「ぐ、貴様ら……!!」

番犬は垂れ流す血の中でのたうちまわる。

赤騎士「……確実に仕留めておくか」

赤騎士は腰から石を取り出した。

演奏家「!魔石。こんな死にそうな魔族にそこまで使うんだ?」
204 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:35:10.75 ID:aWpImTKO0
326

--南の王国近辺の村--

赤騎士「念には念を。だ」

赤騎士は魔石を五つ取り出して宙に投げると、剣で切りつけた。

番犬「!!」

カンカンカンカン

赤騎士「水の魔石、雷の魔石、風の魔石、土の魔石、氷の魔石」

カン

番犬(その、技はまさかバウ!!)

じゅっ

全ての魔石を斬り終わると、大気を震わせるほどの力が出来上がった。
205 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:35:59.95 ID:aWpImTKO0
327

--南の王国近辺の村--

赤騎士「全属性複合攻撃魔法、六色剣」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

演奏家「すごい……初めてみる。最強の魔法」

番犬(たかが人間が、この技をバウ!!)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

赤騎士「さらばだ魔族。あの人が最も得意としたこの技で逝くがいい」

赤騎士は振りかぶり、

ドッギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!

振り下ろした。
206 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:36:40.82 ID:aWpImTKO0
328

--南の王国近辺の村--

中学生メイド改めメイド「……」

メイドは自分の腕を見ている。

メイド「すごい。一瞬で……100%に……でも」

メイドの顔は曇っている。

ブラ「ありがとう、ございます」

五代目「よい。仲間を助けるのは当たり前のことだ」

アッシュ「はっ、はっ……」

そこにツインテ達が到着した。
207 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:37:15.19 ID:aWpImTKO0
329

--南の王国近辺の村--

ポニテ「ここに来る途中の兵士達は倒してきたけど」

ツインテ「よかった。ここも大丈夫みたいだね」

サム「……」

レン「にゃ。そこの鎧誰にゃ」

五代目「お前達無事だったか」

五代目は安心したような表情を向ける。

アッシュ「……お前、ヤミか?」
208 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:37:49.37 ID:aWpImTKO0
330

--南の王国近辺の村--

ツインテ「!」

レン「!」

ポニテ「!?」

サム「……」

五代目「よくわかったな」

アッシュ「……お前……まさか人を食ったのか」

ブラ「!?」

五代目「……だったらなんだというんだ?」
209 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:38:44.80 ID:aWpImTKO0
331

--南の王国近辺の村--

レン「!?そんにゃ!」

ポニテ「ばかにゃ!!私以外にもカニバリズムリストが!?」

メイド「五代目様!!」



五代目はメイドを制止する。

アッシュ「……お前がもし力を手に入れるために人を食ったというのなら……」

チャキ

アッシュはナイフに手を伸ばす。

アッシュ「俺がお前を殺すぞ」
210 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:39:40.86 ID:aWpImTKO0
332

--南の王国近辺の村--

ツインテ「あ、アッシュ君!?今はそんなことをしている場合じゃないでしょ!?」

サム「そうでござるよ。それにアッシュ殿ではやつには勝てぬでござる」

アッシュ「ッ!なんだと!?」

レン「にゃー。レンも思うにゃ。それどころか……」

ミシッ

ポニテ「……そうだね。あの後ろで控えてる、メイドちゃんに瞬殺されちゃうよね」

メイド「……」

メイドのメイド服は

ぎゅるるる

白から黒に変わる。
211 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:40:14.89 ID:aWpImTKO0
333

--南の王国近辺の村--

六色剣の爆心地には巨大なクレーターが出来ていた。

赤騎士「……」

演奏家「ひゃー。おっそろしい威力だこと。しかしこれなら魔族といえどイチコロ……」

赤騎士「……馬鹿な」

番犬「」

ギンッ!!

番犬は剣の下から赤騎士を睨んだ。

赤騎士「ッ馬鹿な!!!」
212 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:40:44.16 ID:aWpImTKO0
334

--南の王国近辺の村--

番犬「アオオオオオオオオオオオオオおオオオオオオオオオオオオオ!!!」

ドオオオオオオン!!

番犬の咆哮とともに無数の氷塊が辺りを攻撃する。

ドガドガドガドガドガドガ!!

赤騎士「ちっ!!」

赤騎士は後ろに跳躍しながら大剣ではたき落とす。

演奏家「わっとと!!」

しゅううううう

番犬「……」
213 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:41:23.10 ID:aWpImTKO0
335

--南の王国近辺の村--

番犬「……やれやれ。目覚めしてしまったのかバウ……我が主よ」

番犬は空を見上げながら呟いた。

赤騎士(この魔力……先ほどとはケタが違う……まさか手を抜いていたのか?いやそんなはずはない!)

演奏家(急に、恐ろしいまでに、強くなった……ありえなーい)

番犬「ッ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

赤騎士「!!」

演奏家「!?」

番犬から発せられるプレッシャーに退いてしまう二人。
214 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:42:08.69 ID:aWpImTKO0
336

--南の王国近辺の村--

演奏家「ねぇ……あのわんちゃん色が黒くなってない?」

赤騎士「……あぁ。それが何を示しているのかわからないが」

カチャ

赤騎士はポーチをまさぐると、

がぶ

演奏家「あ、魔力の実。私にも頂戴よー」

赤騎士「……自分の分はしっかり用意しておけよ」

ぶん

赤騎士は演奏家に食べかけの実を投げる。
215 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:42:58.94 ID:aWpImTKO0
337

--南の王国近辺の村--

演奏家「げぇ、食べかけー?」

赤騎士「火属性攻撃力上昇魔法レベル4、そして火属性付加」

ボッ!!

赤騎士の大剣が勢いよく燃えあがる。

演奏家「じゃり。よぉし、パーティステータス全体強化レベル1!」

きゅいいいいいいん!!

二人はまぶしいほどの光に包まれている。

番犬「……」

赤騎士「参る」

演奏家「猛犬退治といきますかー!!」

216 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:46:11.92 ID:aWpImTKO0
338

--南の王国近辺の村--










しゅうううううう

番犬「……口ほどにも無いバウ」

赤騎士「げふっ……お、俺は……こんなところでやられるわけには……勇者様……がはっ」

赤騎士は血を吐いて地面に倒れ込む。

演奏家「う、うそ、だぁ……動きは見えないし、強化した私達を、いちげ、き」

番犬「……元々我の職業は守人だった。今も昔も変わらず、誰かを守る職業バウ」

赤騎士「……」

演奏家「……」

番犬「我が職業の特徴は、守るべき対象の量によってステータス補正がかかるのだバウ。ただでさえフルパワーだというのに……今やこの村の住人全てを背負っているのだ」

番犬は二人に背を向ける。

番犬「……負ける道理がどこにあるバウ」

言ってももう無駄だろうが、と呟き、

ダンっ

番犬は跳躍して広場に向かった。
217 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:46:52.61 ID:aWpImTKO0
339

--南の王国--

おおおおおおおおおおおおおお!!!!

黒い地平線が近づいてくる。

鬼姫「ふぅむ。まともにやりあったらさすがに分が悪いかんじっすねー。そいじゃぁ作戦通り、忍隊長」

忍隊長「はっ、おまかせあれ我が主君」

シュタタタタタタタタタ!!!

忍隊長は風のような早さで最前線にまで走って行く。

連合軍北兵士「!!黒づくめの何かがくるぞ!!」

連合軍東兵士「ああああああああああ!!!」

タンっ

忍隊長は兵士の攻撃をかわして跳躍する。
218 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:48:50.44 ID:aWpImTKO0
340

--南の王国--

蜂隊長「あんまり無い奥義だブーン」

筋隊長「がっはっはっ!普通はそんなものを奥義にしたいだなんて思わないからなぁ!!」

鷲隊長「でもだからこそ、対策など打ちようがないですな」

占隊長「それではみなさん、占った通りのところに行く準備を!」

鯱隊長「かひゅーかひゅー」


--草原--

ばち、ばちち

忍隊長「……奥義、アカム」

すとっ

忍隊長が着地と同時に地面に手をついた。すると、

ッッッドッガアアアアアアアアアアアアアアアドゴガアアアアアアアアアアアアアアン!!!!

轟音とともに大地が裂け、地面が隆起する。

ゴッドゴオオガッ!!

西兵士「うわあああああああああああああああ!!!!」

王国兵士「ぎゃあああああああああああああああ!!!!!!」



亜人王「地形変化、地形効果の奥義とは……」

恐ろしいまでの自然の力、それは容易く兵達の陣形をブチ壊した。

鬼姫「さぁーて、楽しい楽しい戦争の始まりっすヨ」
219 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/06(火) 00:49:32.26 ID:aWpImTKO0
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/06(火) 01:02:31.97 ID:F0kalM/D0
乙ー
五代目が盗賊チックとは。そしてロボット勇者は良いね、SF的なお話は大好物だ
221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/03/06(火) 02:12:28.27 ID:Jxb4BOMOo
>>219 乙!
熱いバトル展開だ!
けどアッシュ達はまだまだ弱いんだな
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/03/06(火) 07:32:23.49 ID:CaTgPK7Ro
なんぼ強くても世界設定的に勇者以外は魔王には勝てないんだよな
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 09:02:39.26 ID:jqRZviQSO
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/07(水) 21:56:37.66 ID:kbNAEUNb0
乙乙面白かった
早く続き読みたいぜ

>222でも出てるけどフォーテちゃんがのろいを魔王にかけても倒せないの?
トリガーが防ぐとかがあるのかな。

そういえば魔王にもトリガーは話しかけるの?
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/03/07(水) 22:19:10.47 ID:tiFhM5Goo
トリガーを作ったレベル以上なら別なんじゃなかろうか
初代スレ見直してて笑った↓


320 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/02(火) 16:50:23.07 ID:B/UNIvQ0 [1/27]
長くてすいません。
もうちょっとだけ続いてしまいますwwww


もうちょっとだけ続くんじゃよwwwwwwwwww
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 23:52:28.65 ID:yOg7ITVDO
あと数年は続くってことか
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/08(木) 02:29:16.75 ID:g1Tc55el0
まだ五分の一も来てないよね?
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/09(金) 02:45:01.74 ID:7jhkKfkno
まだプロローグだろ?
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/09(金) 13:11:13.91 ID:vGKv5dub0
プロローグに二年とかww
230 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:41:25.14 ID:QQoIECDQ0
こんばんは!お待たせいたしました!!


それじゃあまず最初に遊○王wiki的質問コーナー

Q:《魔王》は《勇者》以外では倒せないとありますが、魔法や効果の対象にはなりますか?
A:いいえ、《魔王》は《勇者》以外からはいかなる効果も受けません。《魔王》自信ですら不可能です。(12/03/12)

Q:名前に《魔王》が入っている全てのキャラは《勇者》以外では倒せないのですか?
A:いいえ、その時代の《魔王》は一体だけです。それ以外の《魔王》にはルールが適応されません。

Q:魔王になれば貧乳ちゃんのおっぱいも魔王化しますか?
A:調整中(12/03/12)

Q:今ってプロローグなのですか?
A:はい。(本当は後で言いたかった)


それでは投下していきます!!
231 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:42:10.15 ID:QQoIECDQ0
341

--草原--

聖騎士「ぬぅぅぅぅぅ!?」

何も無かったはずの草原が、

ゴゴゴゴゴガァァン!!

うわーきゃー!

恐ろしいパワーとスピードで、起伏の激しい地形に変化していった。

東の王「……」

ゴッドオガガガァン!!

軍師「ひゅぅ……やーるぅ」
232 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:42:51.25 ID:QQoIECDQ0
342

--草原--

ドガガッドゴッ!

選抜兵(くっ!陣形が崩されるだけじゃすまされないぞ!!)

ガゴッゴガガ!

ぎゃー!うわー!

狩人(おいおい……兵士の何割かもってかれるぞ)

ゴガゴガガガァァン!!

吟遊詩人(るりら〜。嫌な流れだねぇ、僕達主力も誘導されているような)

吟遊詩人は迫りくる岩や、裂ける大地を華麗にかわしている。
233 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:43:38.24 ID:QQoIECDQ0
343

--草原--

ギシッギシシっ

鬼姫は口笛を吹きながら脚を伸ばしてストレッチをしている。

占隊長「そろそろおさまる頃ですよ」

鬼姫「うん」

鬼姫は立ちあがった。

鬼姫「それじゃぁいくっすよ。……よーい、どんっ!」

ダン!

鬼姫と部隊長達は一斉に走りだす。

ザザザザっ!!

未だ荒れ狂う大地に降り立つと、それぞれ戦場に散っていった。
234 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:44:51.18 ID:QQoIECDQ0
344

--草原--

聖騎士「ぬぅぅん……あやつが動きだしおったぁぁ。ゆくぞ竜騎士部隊ぃぃ!わぁれにぃぃつづけぇぇ!!」

バサッ

竜騎兵「おおおおおおおおおおお!!」

バササッ

ドラゴンにまたがった騎士達が一斉に飛び立つ。

大ドラゴン「んぁああああああああああああああああ!!」

中ドラゴン「ふにゃあああああああああああああああ!!」

小ドラゴン「きゅぴいいいいいいいいいいいいいいい!!」

聖騎士「かわいッ!!」
235 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:45:20.10 ID:QQoIECDQ0
345

--南の王国近辺の村--

番犬「五代目様、敵はあらかた排除しましたばう」

スタッ

広場の空気を察してか、番犬はツインテ達と五代目達の間に着地する。

五代目「あぁご苦労だった」

サム(くっ……予想以上でござる。魔王の側近の魔族は、たった一体で勇者パーティに相当する力を持つと言うでござるが……)

サムの表情は険しい。

サム(これでは逃げることも厳しいでござる)

メイド「……」

番犬「……」
236 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:45:51.03 ID:QQoIECDQ0
346

--南の王国近辺の村--

ブラ「……あ、あの」

ピリピリとした空気をどうにかしようと、ブラが勇気を振り絞り声を出した瞬間。

ワッ!

広場が歓声に包まれた。

ツインテ「!?」

わーきゃー

八百屋のおばちゃん「ありがとうヤミちゃん達ぃぃ!!」

文房具屋のおっさん「またブラちゃん達のおかげで助かったぞぉぉ!!」

アッシュ「!!」

ワァァァァ!!
237 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:46:27.39 ID:QQoIECDQ0
347

--南の王国近辺の村--

ポニテ「わ、わ」

魚屋のお兄さん「ブラちゃん!うちの妹がやられちまったんだ!!助けてくれ!!」

肉屋のおじいちゃん「うちの家内もじゃぁ。頼むよブラちゃん!!」

ブラ「あ、わかりました!では出来る限り広場に近づかせて下さい!!」

アッシュ「……」

アッシュはそれでも臨戦態勢のまま。

サム「アッシュ殿」

サムはアッシュの肩を叩く。

アッシュ「あいつは……倒さなくちゃいけない」
238 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:46:58.57 ID:QQoIECDQ0
348

--南の王国近辺の村--

すっ

すると五代目達の前に村人達が集まって来た。

服屋のおっさん「……お客人、まさかあんたら、うちらのブラちゃん達に何かするつもりなのかい?」

レン「……」

ぞろぞろ

小物屋のお姉さん「やめておくれよ!ヤミ君達はこの村の救世主なんだよっ!?」

洗濯屋のおばあちゃん「そうじゃそうじゃ!!」

アッシュ「!……だがそいつらは人じゃない!!」

ポニテ「」
239 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:47:33.19 ID:QQoIECDQ0
349

--南の王国近辺の村--

しーん

広場は、静まり返った。

メイド「!」

番犬(ちぃ……歴史は繰り返すバウか……?)

五代目「……」


ブラ「そんなこと……ない」

ブラは俯きながら、消え入りそうな声で呟いた。

五代目「……」

五代目の脳裏に、まだ勇者だった頃の光景がよぎる。
240 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:48:10.21 ID:QQoIECDQ0
350

--南の王国近辺の村--



八百屋のおばぁちゃん「だったらなんだと言うんだい」

アッシュ「……!?」

思いがけないセリフにアッシュは驚きを隠せない。

眼鏡屋のオカマ「そうよ……そんなこと関係ないのよ」

ブラ「!?」

ざわざわざわざわ

村人達は一斉に喋りだした。

自宅警備のおっさん「ヤミ達の種族がなんだろうとかまわねぇ!!だってこいつらは俺達を助けてくれたんだ!!大事な俺達の家族と場所を守ってくれたんだ!!」

耳栓屋の娘「そうよ!人じゃないことの何が問題なのよ!!ブラちゃん達は私達の仲間なの……!同じ村に生きる大事な大事な人達なんだからっ!」

スッ

鹿亜人「……種族がなんであれ、ここでは関係ありません。それが例え魔王と魔族でも」

五代目「」
241 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:48:42.10 ID:QQoIECDQ0
351

--過去--

男町民「あいつ、自分達の国を滅ぼしたらしいぜ」

女町民「怖いわぁ。魔王が勇者様を殺してその皮を被っているって噂、本当なんじゃないの……?」

ひそひそひそひそ

五代目は広場に張り付けられていた。

古の王「ごほん!皆の衆、よく聞け!この男は我が盟友の国である、砂漠の王国を滅ぼした張本人だ!」

ざわざわ!

細町民「?……あの男は勇者様じゃないのか?」

古の王「財宝目当てに我が偉大なる友を騙し、ありとあらゆる略奪を行い滅ぼした!残念なことに勇者の死も確認している……。そしてあろうことか勇者の名を語り、我が国をも破滅させようと動いていた!!」

ざわざわざわざわ!

五代目「……」
242 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:49:26.36 ID:QQoIECDQ0
352

--過去--

老婆町民「ひどいことをするよぉ……一体どうしてそんなことをするんだろうねぇ……」

女性町民「あの人を返してよぉ!!一緒に、一緒に砂漠の王国に住むはずだったのにぃ!!」

五代目「……」


その光景を二人の従者は屋根の上から見ている。

??「ッ!家政婦……今俺は腸が煮えくり返っているぞ……!なぜだ、なぜこうも簡単に人を裏切れる!?貶められる!?これが人のすることか!?五代目様とは友人だったのだろう!?」

???改め家政婦「守人押さえて……あいつは、約束を守った五代目様にあんな辺境の地しか与えなかったでございます……それでも、五代目様は嫌な顔一つしなかった……。しかし過酷な地であっても、民衆は五代目様について行きたがった……それがあいつには気に食わなかったのでございましょう」

??改め守人「そんなことでかつての自分の民ごと皆殺し……」

家政婦「人の業……でございます」

二人は血の涙を流している。
243 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:52:24.43 ID:QQoIECDQ0
353

--過去--

町民「「「殺せッ!殺せッ!殺せッ!」」」

五代目「……」

町民「殺せッ!殺せッ!殺せッ!」

古の王「それでは処刑を開始する」

さっ

五代目「……もうよい」

古の王「?」

五代目「疲れた」

五代目は力なくうなだれた。

古の王「……ふん。処刑しろ!」

五代目は懐に入れたままだった杖を見ている。
244 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:53:37.90 ID:QQoIECDQ0
354

--過去--

処刑兵「はっ!」

ブオン!

処刑兵が振り下ろした刃は、

ズブッ

処刑兵「!?なっ!!」

五代目の首に少しめり込むだけだった。

五代目「……」

ズル、ズルルッ

そしてその時、五代目の頭部から立派な角が生えだした。

古の王「!?ひっ!」

五代目「……さらばだ。死ね」

頭部から流れた血か、それとも血の涙か。
五代目の頬は濡れている。
245 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:54:31.75 ID:QQoIECDQ0
355

--南の王国近辺の村--

わーきゃー!

五代目「……」

ぽたっ

五代目は

ぼたた

涙を流していた。

メイド「!!ご、五代目様……」

番犬(……無理もないバウ……あれだけ人に忌み嫌われてきた五代目様バウ……。こうなってしまうと魔王化後のことや、東の王国でのことが悔やまれるバウ……)

五代目「……」

五代目は自分の掌を見つめていた。
246 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:55:06.99 ID:QQoIECDQ0
356

--南の王国近辺の村--

ブラ「あ、アッシュ君……お願い、ナイフをしまって」

ツインテ「……うん、やめよアッシュ君。人と対立するのは勇者のやることじゃないよ?」

ポニテ「そうだよ!!それにヤミ君達が良い奴だってことは、一緒に生活してきたアッシュ君もわかってるはずでしょ!?」

アッシュ「……ぐ」

サム「……気持ちはわかるでござるが、ここは……」

レン「にゃー」

アッシュ「……良い奴だなんてことは、言われなくても、わかってる……」

ちん

アッシュはナイフをしまった。
247 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:55:47.66 ID:QQoIECDQ0
357

--南の王国近辺の村--

ポニテ「ほっ」

アッシュ「だが」

五代目「……」

アッシュ「人格の話をしているんじゃない……」

アッシュは苦痛に顔を歪めた。

アッシュ「もし……もし自分の意志とは関係なく罪を犯してしまうのなら、生命活動を維持するのに人を必要としているのなら……そしてそのことで苦しんでいるのなら、ここで殺してしまうべきだ……!」

レン「にゃ?」

メイド(……アッシュ)

五代目(……なるほど。お前は俺をそう解釈したのか)

五代目は口だけ笑った。
248 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:56:20.59 ID:QQoIECDQ0
358

--南の王国近辺の村--

メイド「……五代目様」

番犬「五代目様」

ブラ「……ヤミ様」

五代目「アッシュ」

アッシュ「……なんだ」

五代目「全てが終わってから……俺は罪を償うと約束しよう」

メイド「!?」

番犬「五代目様に罪などありませぬバウ……」

あるとすれば、と番犬。
249 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:56:53.52 ID:QQoIECDQ0
359

--南の王国近辺の村--

アッシュ「それまで見逃せと?」

五代目「あぁ」

果物屋のおばちゃん「何言ってんだい!!ヤミちゃんに罪なんてあるもんかい!」

村人「「「そうだそうだ!」」」

わーきゃー

五代目「……」

アッシュ「……わかった。お前を、信じてやる」

アッシュは戦闘態勢を完全に解いた。

ポニテ「ふー。全く余計なところでひやひやさせられちゃったよー!ぷんぷん!」

ツインテ「なんだかよくわからないけどやれやれ……。さてこれからどうする?私達」

サム「戦争が始まってしまったでござるからなぁ。しかも拙者達が向かおうとしていた南の王国で」
250 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 22:57:47.82 ID:QQoIECDQ0
360

--南の王国近辺の村--

アッシュ「」

ツインテ「?」

ポニテ「」

レン「」

サム「ん?どうしたでござる?みんな驚いた表情なんかしちゃって」

アッシュ「いや……そういや俺らは一刻も早く南の王国に行くべきだったんじゃなかったか、と」

レン「亜人問題にゃー」

ポニテ「あはは……」

五代目「なんだ、お前ら南の王国に用があったのか」

ブラ「でも今は戦争してて危ないんですよね。行くのはやめた方が」

五代目「俺が行って止める」

アッシュ「!?」

五代目「このままではまたこの村に飛び火する。そうなる前に叩く。南の王国側に付いて、な」

ツインテ「……確かに宣戦布告をしたのは南の王国だけど、それでも連合の方がひどいよね。奴隷なんか嫌だ!解放してくれって言っただ

けで、力でねじ伏せようとしてるんだから」

五代目「お前達は……どっち側につくんだ?まさか勇者を名乗っておきながらスルーするわけじゃあないだろ?」

アッシュ「俺は……」


@「連合側につく」

A「南の王国側につく」
251 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/12(月) 23:01:38.15 ID:QQoIECDQ0
重要なルート分岐です!5評先に入った方に行かせていただきます!

それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m


〜ここから見始めた人のための補足〜

○第一章・勇者募
┗外伝・盗賊〜
┗番外編・踊子〜

※勇者募がこのssシリーズの核に相当していて、やりたいことのほとんどはすでにここで出つくしてたりします(ぶっちゃけたー)。



○第二章・酒場募
┗番外編・魔法使い

※勇者募で語りきれなかったことや、勇者募とは毛色が違う話運び、ssでしか出来ないようなことを試しています。この酒場募でこのssは完全に完結する予定です。



……なのになぜか構想はある第三章

○第三章・募部

二パターン考えてあって、両方とも全てが決着した後の話です。
両方とも世界観は引き継ぎますが世界観はぶっこわれます(イミフ)。まぁやれないと思いますが。
初代〜大勇者(八代目)までの話もやれないですしねぇ。
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/03/12(月) 23:07:28.72 ID:cqgTVBqqo
>>251 乙!
悩むが、2かな。ブラと争いたくないし。
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/12(月) 23:58:17.37 ID:dbgij7+0o
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 00:22:29.47 ID:d6GZIFgSO
2
貧乳勇者と同じ選択をして欲しい
255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/03/13(火) 01:37:58.78 ID:loF6S5g90
2
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 02:21:24.88 ID:8psmddIro
2!
257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 06:06:59.15 ID:sVlujsyDO

そして2
258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/13(火) 06:47:42.53 ID:1o/GksxXo
2だな
259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/14(水) 01:41:49.50 ID:NHds9rM+o
2になっちまったか
ツインテが親と戦う構図は避けてあげたかったんだが…
260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/15(木) 00:07:33.79 ID:nIHpe7/m0
1にならなくて良かった・・・・
なんか2じゃないと勇者っぽくないわ
261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/03/16(金) 21:56:46.54 ID:ZdtmOIHAO
お前らには3という選択肢が見えなかったか・・・
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/03/16(金) 22:40:56.92 ID:LL6NpIvgo
1

3
って並んでたら2を選ぶんだけどな
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/17(土) 02:07:34.03 ID:XcKEFu5Yo
あれはひどかったww
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/03/17(土) 17:43:57.39 ID:kTRqqZkyo
あれは
2”フラグ取得に失敗しました”
とかでも良かったんじゃないかと思ってた
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/19(月) 16:02:58.49 ID:MZuKwMTl0
>264が言ってる奴だと思ふ
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/19(月) 18:32:26.88 ID:4s0WPjZ2o
いや過去の話なんだけどね
267 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:26:43.68 ID:9XqdId5V0
遅くなりました!!長らくおまたせしました、透過していきますう

2が無いのはこのssにとってお約束になっていきそうです!!
それでは投下します
268 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:27:38.32 ID:9XqdId5V0
361

--南の王国近辺の村--

A「南の王国側につく」


アッシュ「……南の王国を見捨てることなどできない……」

五代目「そうか。なら」

アッシュ「だが勘違いするな。俺は今のこの情勢が気に食わないだけであって、お前と共に戦うわけじゃない」

ポニテ「!南の王国側につくのは賛成!でもなんでヤミ君達と一緒に戦ったらいけないんだよっ!」

アッシュ「黙れ。お前は知らないんだ」

ポニテ「知らないさ!だから説明してよっ!」

レン「二人とも黙るにゃ」

アッシュ、ポニテ「「なんだと!?」」
269 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:28:11.12 ID:9XqdId5V0
362

--南の王国近辺の村--

ツインテ「……」

アッシュ、ポニテ「「あ」」

サム「拙者達が南の王国側についたら、ツインテ殿は自分の両親を敵に回すことになるのでござるよ?」

ポニテ「あ、う……」

アッシュ「それを言ったら……ちっ」

ブラ「……ツインテちゃん」

ブラは心配そうにツインテの傍に寄る。

バシュッ

ブラ「!?」

その時、ツインテのリボンが復活し、元のツインテール状態に戻った。
270 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:29:03.10 ID:9XqdId5V0
363

--南の王国近辺の村--

アッシュ「ツインテ……」

ポニテ「ツインテちゃん……」

レン「ツインテ」

サム「……」

ツインテ「話は、ちゃんと聞いていました。ボクも……南の王国側についたほうがいいと思います」

五代目「!!」

ツインテ「だって、おかしいです……よ。人が人を見下したり虐げているなんて」

ブラ「ツインテちゃん……」
271 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:29:49.13 ID:9XqdId5V0
364

--南の王国近辺の村--

ツインテ「それにお父さんもお母さんも言っていたんです。迷ったら自分の道を行け、自分の正しいと思う選択をしろって。後で後悔するにしてもそっちの方が絶対にいい、って」

いつのまにか村人達も静かになり、ツインテの話を聞いていた。

ツインテ「社会的に間違ってるかどうかなんて関係ない、自分自身が納得出来さえすればいいんだ、って。だからボク……お父さん達とも戦えます!」

社会のしがらみに捉われずに、愚直に行動出来るのがボク達子供の特権なんですから、とツインテは強気な笑顔で言った。

ぱち、ぱち

ぱちぱちぱちぱち
272 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:31:28.38 ID:9XqdId5V0
365

--南の王国近辺の村--

アッシュ「くそ……立派になりやがって」

ポニテ「かっこいいよツインテちゃん」

レン「失禁レベルにゃ」

サム「ほんとそう」

泣きながら拍手している三人だった。

レン「誰をカウントしなかったにゃ!?」

アッシュ「くぅ!初期の頃のツインテと見比べてやって欲しいぜ。くわしくは酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった、の1〜2スレくらいを見るといいんじゃないか?」

ポニテ「宣伝入れたー!!」

五代目「……よし、ならば向かうぞ戦場へ。子供の正しさをわからずやの大人達に教えてやろう」


      酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった
              第四部
            亜人解放戦争
273 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:32:13.84 ID:9XqdId5V0
366

--草原--

秘書「面倒なことになりましたね」

西の王「あぁ、まさかこんな面倒な技を持っているとは……」

人造魔王「ネェーママー」

秘書「なんですか人造魔王。今は戦争中なのですよ?」

人造魔王「ワカッテルヨー、ネーボクモイッテイイ?」

秘書「戦場にですか?そんなにわくわくしちゃって……」

人造魔王「ウンッ!ナンカツヨソウナノイッパイイル!」

秘書「いっぱいって、あなたの相手が出来そうな人物がいるとは思えませんが」
274 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:33:41.49 ID:9XqdId5V0
367

--草原--

北の王(これが噂の人造魔王でっか……並じゃない威圧感もってますなぁ)

人造魔王「イルノ!ヤバイノイルノ!!」

北の王(何より……)

秘書「……そうですね、わかりました。許可します、暴れて来なさい」

人造魔王「ヒャホーーーイ!!」

むぎゅ

北の王(でかい)

秘書「その方が本陣の邪魔にはならなさそうですから」
275 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:34:56.46 ID:9XqdId5V0
368

--草原--

秘書「あぁそれと」

人造魔王「ムイ?」

秘書「人型形態になりなさい」

人造魔王「エー?」

秘書「えー、じゃありません。友軍の陣形も乱れます」

西の王「もう乱れてるがな」

人造魔王「ムーワカッタヨー」

ぐちょ、ごききん

人造魔王のフォルムが変化していく。
276 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:36:12.42 ID:9XqdId5V0
369

--草原--

東の王「……」

北の王「うわわ。なんか、すごい見させられてまんなぁ」

新王「……!?」

妃「!!これは〜……」

人造魔王「ふぅ。あまりパワーを圧縮するのは好きじゃないんだけど」

ぺた

そこには、尻尾の生えた裸の少女が。

東の王「この顔……どこかで見たことがあるな」

新王「ゆ、勇者……さん?」
277 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:37:36.38 ID:9XqdId5V0
370

--草原--

北の王「あー!思いだしましたよって!ってあれ?魔族じゃなかったんでしたっけ?」

新王(!!あまりあの頃のことを言うのは自分の首を絞めることになるか。いやでも、これは)

妃(勇者さん……勇者さん、なの?)

秘書「……」

秘書はマントを用意させると人造魔王にかぶせる。

秘書「裸はダメです」

人造魔王「はいママー」

人造魔王は笑顔でマントで体を包む。

北の王「ってか女の子だったんでしたかいな」
278 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:38:49.84 ID:9XqdId5V0
371

--草原--

秘書(やはりこの二人はこの姿を知っている……今はあまり事情を言わないほうがいいですね)

西の王「では戦列に加われ人造魔王。変化師を探し当てろ」

人造魔王「はーい。じゃあいってきまーす」

人造魔王は戦場に向かってかけていく。

新王「……」

妃「……」

秘書(超聞きたい。って感じの顔ですね。この二人わかりやすい)
279 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:39:35.58 ID:9XqdId5V0
372

--草原--

狩人(みんなとはぐれてしまったな……前もって地面に結界でも張ってたのかぁ。探知能力が、お)

ザっ

虎男「……」

狩人の前に虎男が立ち塞がる。

狩人「確か南の三強の」

虎男「南の王国三獣の虎男。押して参る」

ダッ!!

狩人(なるほど、一体一体個別に倒してこうってのか。でも)

狩人は弓を構える。

狩人(元々俺は個人戦が得意なんだぜ?)
280 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:40:28.19 ID:9XqdId5V0
373

--草原--

絵師「ぎゃはは!!ほらお前らしっかりしろ!!」

血まみれ兵士「すいません絵師様……」

絵師は実体化させたらくがきで兵士達を運んでいた。

こーん

その時、どこからか狐の声が。

絵師「?狐?」

ボボッ!!!

絵師「!?」

兵士やらくがきが青い炎で燃やされる。

絵師「青エク!?」

狐男「こーん。君は僕がやっちゃうこーん」
281 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:41:35.36 ID:9XqdId5V0
374

--草原--

蜂隊長「まったく損な役回りだぶーん」

テンテン「蜂?蝿?」

蜂隊長「毒針の刺さらない奴を相手にしなきゃいけないだなんて。ま、それは鬼姫様のおれっちに対する信頼の証、ってことぶーん」

テンテン「どっちにしろ排除する」

空を飛べるテンテンに地形変化はほとんど効果は無い。ゆえの飛行能力持ち同士。

蜂隊長(しかしそれならそれで封印してしまうのもありかぶーん)
282 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:42:32.86 ID:9XqdId5V0
375

--草原--

義足「……」

包帯女「ね、ねぇ」

鯱隊長「み、みず」

びちっびちちっ

包帯女「あんた大丈夫……?」

義足「なぁ包帯女。そんなやつほっておいて本隊に合流しよう」

包帯女「だね……」

鯱隊長「お、奥義」

ごぽっ

包帯女「?」

ざぱぁあん

鯱隊長「ウォーターワールド」
283 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:43:38.34 ID:9XqdId5V0
376

--草原--

鷲隊長(似ている……いやそんな彼が生きているわけが!!)

変化師「す、スキル飛拳!!」

どごぉ!!

鷲隊長「ぐっ!!」

変化師「む、む」

変化師の拳の衝撃波をガードする鷲隊長。

鷲隊長「わ、私です!!十五年前をお覚えではありませんか!?」

変化師「む、む?」
284 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:44:35.74 ID:9XqdId5V0
377

--草原--

盾男「くっ!!」

弓女「そ、そんな」

斧女「……大会ではここまで強くなかったはずなのに!」

ひゅんひゅん

槍兵「おいおい。大会の俺と戦場の俺を同じだと思ってると痛い目見るぜ?」

槍兵はくるくると槍を回しながら三人に近づいていく。

盾男(三体一だぞこっちは……!!これが三本角)

槍兵「なーんかお前らの策に乗せられてるみたいだからよぉ。さっさと他のやつらを助けに行きたいんだわ」

ひゅ

どっ!!

斧女「!!」

槍兵の弓が斧女の腹部を貫く。

槍兵「だからさっさとどいてくれや」
285 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:45:39.94 ID:9XqdId5V0
378

--草原--

聖騎士「ぶるっるるっるるっるるるっるあぁああああ!!」

どがああああああああああああん!!

聖騎士が竜とともに戦場に降り立つと、その衝撃波で辺りが吹き飛ぶ。

八重歯亜人「うわああああああああああああああ!!」

聖騎士「弱者弱者弱者共がああああああああああああ!!」

聖騎士が槍を振り回すと雷が戦場を襲う。

ばちばちばちばちいいい!!

北の王国兵士「あ、ありがとうございます聖騎士様!!」

聖騎士「ぶるぁああああ!!礼にはおよばぁああああん!!」

ばさっ

再び飛びあがる竜。
286 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:46:13.63 ID:9XqdId5V0
379

--草原--

西の王国兵士「ば、化物だ……百人近くの兵士を、一瞬で」

鬼姫「はぁー。準備運動にもなりゃしないっすよ」

血だまりの中に鬼が立つ。

鬼姫「まぁでもこれで少しは動きやすくなったはずっす」

緑茶亜人「助かりました鬼姫様!!」

鬼姫「気を引き締めてかかるっすよ。猛者がごろごろしてるっすからね」

ぐしゃっ

鬼姫は西の兵士の首を潰して笑う。
287 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:47:27.98 ID:9XqdId5V0
380

--草原--

聖騎士「見えた、あれかああああ」

鬼姫「きたっすか、聖騎士さん」

聖騎士「どおおおおおおおおおうううりゃああああああ!!!!」

ががあああああああああああああああああああああん!!!

聖騎士は挨拶とばかりに槍から雷を放った。

鬼姫「」

どっごおおおおおおおん!!

鬼姫はそれを真正面から受けてしまう。

鬼姫「ぺっぺっ、っていうか避けられねぇっす」

聖騎士「む?」

けろっとしている鬼姫を見て眉をしかめる聖騎士。

しゅ

鬼姫「じゃあ、お返しっす」

地面から数十メートル離れた聖騎士の所まで一瞬で移動する鬼姫。

ががあああああああああああん!!!

聖騎士「!!!」

鬼姫の拳は聖騎士の槍で防がれる。
288 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/20(火) 01:48:15.77 ID:9XqdId5V0
今日は遅くなってすいませんでした!!

それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/03/20(火) 01:50:41.48 ID:DriHhxUDo
>>288 乙!
いろいろ忙しい時期だし無理すんなよ!
290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/03/20(火) 06:32:32.74 ID:wrvTxWvAO
乙!

ひんぬーさんは大丈夫だよね?関係ないよね?
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/20(火) 08:18:03.66 ID:CcV3jVbSO
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/03/20(火) 08:23:57.82 ID:KzhegLY6o
乙!
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/20(火) 22:37:30.26 ID:hOBOCCq50
乙!!
294 :以下、名無しにかわりまして ジョン がお送りします [sage]:2012/03/26(月) 21:54:55.28 ID:rFVeSSL60
まだかなー
295 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:15:58.38 ID:feW5xWR30
こんばんは!お久しぶりです!!

あ、お気遣いありがとうございます!!

それでは投下していきます。
296 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:19:37.84 ID:feW5xWR30
381

--草原--

人造魔王「さーて、いっぱい遊ぶぞー!!」

マントを羽織った勇者似の少女が戦場を駆ける。

蚯蚓亜人「!?こんなところに5歳くらいの少女がいるにょろ!?」

人造魔王「きゃはっ!」

たんっ

蚯蚓亜人「!!」

軽い跳躍で30メートルもの距離を一瞬で詰める人造魔王。

ヌキャッ!!

蚯蚓亜人の顔が容易く引きちぎられてしまう。
297 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:21:14.73 ID:feW5xWR30
382

--草原--

パピヨン亜人「パピッヨンッ!!」

鷲団員「新手か!?なんてやつだ!!」

人造魔王「んっふっふー!」

パピヨン亜人「よくも同胞を……火属性対単体攻撃魔法、レベル3!!」

ゴォォォ!!

パピヨン亜人が放つ火の魔法は、その射線上にいるもの全てを燃やしながら人造魔王へ。

ドッボオオオオオオオオオオッ!!!

人造魔王「あちちっあちちっ!!」

鷲団員「ほ、ほとんど効いていない!?」
298 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:22:14.83 ID:feW5xWR30
383

--草原--

人造魔王「マント燃えちった。もー!よくもやったなー僕怒ったぞー」

ギュンッ!!!!!

パピヨン亜人「!?」

鷲団員「!?」

人造魔王が構えた掌に膨大な魔力が集約される。

ジッジジジッ

パピヨン亜人「ば、ばかな!!大地が震えるほどの力が!?」

鷲団員「そ、そんなもの受けることが」

人造魔王「六色ほー」

ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!
299 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:23:46.30 ID:feW5xWR30
384

--草原--

人造魔王「更にーぐるぐるー」

ギャギャギャッギャギャギャ!!!

人造魔王は六色砲を放ちながらそのまま回転、

東の槍使い「!?」

西の道化師「なっ」

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!

人造魔王「あははははははははは!!!」

人造魔王の攻撃は無差別に戦場を破壊する。

人造魔王「やっぱ戦いって、楽しーなぁ」

裸の人造魔王は、嬉しそうにくるりと回る。
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/26(月) 23:23:56.53 ID:rFVeSSL60
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
301 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:25:56.45 ID:feW5xWR30
385

--草原--

ざしゃああ!!

占隊長「くっ!!」

隠蔽兵(!避けられた?姿を隠している僕の攻撃がわかるのか?)

占隊長(スキル占いで前もって攻撃を予見しているんだけれど、使う度に誤差が生じてる……)

ブゥン

隠蔽兵は剣を担いだ状態で占隊長の目の前に現れた。

占隊長「!!」

隠蔽兵(なんらかの手段で攻撃を読まれているのなら姿を隠していても意味が無い)

占隊長(魔剣の効果を切った?)

隠蔽兵「風属性移動速度上昇レベル3」

バシュッ

隠蔽兵「反応出来ない速度で叩くまで」
302 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:26:52.95 ID:feW5xWR30
386

--草原--

キィンギィン!!

サム「む、これはまたとんでもないことになっているでござるな」

とても草原とは思えないありさまを見てサムは思う。

レン「大地がこんなになっても、殺し合ってるのかにゃ」

ポニテ「……ん」

アッシュ「それが人間だ」

ツインテ「……こんなことに力を注がなくたっていいのに」

アッシュ「……止めるぞ。連合軍の主力を一体ずつ倒していく」

ポニテ「一対多とかひきょーな感じするけど、まぁしょーがないよねー」
303 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:27:46.56 ID:feW5xWR30
387

--草原--

虎男「ぬぅん!!」

ガガガガガガっ!!!!

虎男をラッシュで飛んでくる矢を全て叩き落とし、

虎男「がおっ!!」

ドゴオオン!!

地面を殴り、弾丸のように石を飛ばして狩人を攻撃してた。

狩人(野生動物のような身体能力……これだから亜人ってのは恐ろしいよ)

ドドッ!!

狩人「ッ!!」

石が狩人に命中する。

虎男「好機!!」
304 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:32:14.75 ID:feW5xWR30
388

--草原--

虎男はここぞとばかりに駆けだした。

トンっ

右拳を振り被って跳躍、

虎男「おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

石を食らいよろめいている狩人に

虎男「」

その時虎男の脳裏に、ある一つの疑問が浮かんだ。

虎男(防御が薄い職業である狩人には必須とも言われるスキル、見切りがあったはず。こんな飛んできた石に当るものなのだろうか?)

虎男は何気なく見た着地地点に嫌なものを感じた。

虎男「!?スキル虎咆哮!!」

がおおおおおおおおおおおおお!!!

口から放つ息の砲弾。それは虎男の勢いを消した。

狩人(ちぇっ、罠に気付いたか)

虎男(ぬかったがお。すでにここら一帯に罠を貼りめぐらせていたのかがお!!)
305 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:36:33.30 ID:feW5xWR30
389

--草原--

絵師「ぎゃははは!!よくもやりやがった狐やろー!!」

絵師が空に描いたのは雨雲。

狐男「む?」

雨雲は一気に巨大化し、雨を降らし始めた。

ザーザー

狐男(雨なんか降らしてどういうつもりコン?水の量が増えるならぼくのほうが有利コンよ?)

狐男は掌に水の弾丸を生成してる。

ぴかっ

狐男「」

ガガアアアアアアアアアアアアアアアン!!!

雷が狐男に直撃する。
306 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:42:05.90 ID:feW5xWR30
390

--草原--

狐男「な、この職業、属性とか関係なしで……コンか」

どしゃっ

絵師「ぎゃはははは!!油断したな!?」

ぱしゃっ

絵師「!?」

倒れた狐男の体は水に変わる。

狐男「分身だコン」

ドジャッ!!

絵師の後ろから現れた狐男。その右腕が絵師の腹部を貫いた。

絵師「がふっ!!??」
307 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:43:37.01 ID:feW5xWR30
391

--草原--

蜂隊長「あ、相性悪すぎるぶーん……最強の部隊長であるこの俺が……」

すでにボロボロの蜂隊長。

テンテン「どうした?もう終わりか?」

ガシャコっ

テンテンは右腕を銃器に変換し蜂隊長に向けた。

テンテン「投降するか?むやみに命を散らすこともあるまい」

蜂隊長「……ふ。そうぶーんね」

蜂隊長は手を挙げたまま近づいてきた。

蜂隊長「……でも意地があるぶーん。意地も通せないんじゃ生きてても仕方ないぶーん」

テンテン「そうか。なら死ぬといい」

蜂隊長「スキル、援軍要請」

ぶーんぶーんぶーん

蜂隊長がスキルを発動すると、大量の蜂が蜂隊長のもとにあつまってきた。 
308 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:47:09.22 ID:feW5xWR30
392

--草原--

ごぽ、ごぽぽぽ

義足(しまった……!!)

戦場に、巨大な水で出来た球体が出現している。

包帯女(完全にあいつの空間になっちゃった!!)

鮫隊長「……はぁあ。生き返ったぁあ」

義足(!?先ほどと体積が全然違う!?)

包帯女(嘘!?3メートルくらいあるんじゃないの!?)

鮫隊長「ふぅ……あまりに辛くていきなり奥義つかっちまったピチ……まぁ仕方ないピチ」

義足(……こりゃ、仕方ないな)

包帯女(奥義使わせて消費させただけでよしとするか……)

義足と包帯女は水の中で構える。

義足、包帯女((無事蘇生されたらまた会おう))
309 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:50:25.75 ID:feW5xWR30
393

--草原--

どががっががが!!

鷲隊長「……!!やはり私がわからないのですか!?」

変化師「さ、さっきからおまえ、なにをいってる!!」

ぎゅるる!!

変化師の鞭に変化した左腕が鷲隊長を捕える。

鷲隊長「くっ!!」

変化師「お、おまえつよい。い、いけどりはむりそうだ。だ、だからわるくおもうな」

変化師は右の拳に力を込める。

変化師「つ、土属性攻撃力上昇魔法レベル4」

変化師の右腕に鉱石が集まり、まるでダイヤモンドのように光り輝く。

鷲隊長「記憶を失ってしまったのか傀儡になってしまったのか……」
310 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:52:45.54 ID:feW5xWR30
394

--草原--

槍兵「げほっごほっ!!」

槍兵は口から血を流している。

槍兵「思ったよりやるじゃねぇのお前ら」

弓女「くそう!!斧女をよくも!!」

盾男「前に出るな!!」

弓女「!!!」

左腕を無くし、左脚から大量に出血してる盾男が叫ぶ。

盾男「後続のために少しでもこいつを削る……それが俺達の役目なんだ!!」

弓女「ッ!」

槍兵(いやぁ……もう随分仕事されちゃってるがなぁ。……でもまぁここまで魂見せられちゃ、答えないわけにもいかねぇな)

ずっ

盾男「!!やっと魔力を使うか」

槍兵「じゃあぁなお前ら。今度は違うとこでやろうや」
311 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:54:48.86 ID:feW5xWR30
395

--草原--

ガガガアアアアアアアアアアン!!

聖騎士「ぬぅ……!!」

鬼姫「っはぁ!」

灰竜「ぐおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

空を飛んでいる灰竜の体を足場に高速で移動する鬼姫。

聖騎士「我があぁあああ灰竜ををををおお足蹴にぃ!!」

フォンっ!!

視界から音速で飛んでくる鬼姫。

聖騎士「ぬあああああああああああああああ!!!」

ギギャアアアアン!!!

それを槍で弾く聖騎士。

鬼姫「ひゅぅっ!!今のまでしのぐすか!!」
312 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:55:55.87 ID:feW5xWR30
396

--草原--

聖騎士「ぬあああああああああ!!はあああああいりゅううううううう!!はああくのだあああああ!!」

灰竜「ごおおおおおおお!!」

灰竜は聖騎士に言われて灰色の炎を鬼姫に吐いた。

鬼姫「」

ゴオオオオオオオ!!!

空中で成す術も無く鬼姫は炎に飲み込まれる。

聖騎士「あれだけではやつはしなあああああああん!!目をこらせえぇえ灰竜うぅぅぅ!!」

灰竜「ぐおおおおお」
313 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:57:05.02 ID:feW5xWR30
397

--草原--

ドっ

鬼姫「あちちち。やっぱ最強種は伊達じゃないっすね」

鬼姫は地面に着地し、火のついた髪を手で払う。

聖騎士「む!そこぉぉぉかぁあああ」

ばち、バチバチバチバチバチバチ!!

聖騎士は地上の鬼姫に槍を向けると、その先に魔力を集める。

鬼姫「ん」

バリバリバリバリバリバリ!!!!!!

空間が集約するほどの恐ろしい力。

鬼姫「これはちときついっすね」

聖騎士「雷属性対単体攻撃魔法ぅぅぅ、れええべぇぇぇるうぅう、5!!」

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!
314 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/26(月) 23:57:51.96 ID:feW5xWR30
398

--草原--

ばりっ、ばりりっ

聖騎士「ぬぅぅぅ……」

聖騎士の放った魔法の威力は強大で、地面には巨大なクレーターが出来ていた。

聖騎士「やぁあつめぇ、避けおったわぁ……」

……ひゅん

聖騎士「!」

直径何十メートルもある巨大岩が、聖騎士に向かって飛んできていた。

聖騎士「ぬううううう!!」

どっがああああああああああああああん!!!
315 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/27(火) 00:00:51.46 ID:RqBqf5EH0
399

--草原--

鬼姫「あれでさすがにノーダメージは無いはずっすよねぇ」

ゴゴゴゴゴゴゴ……

鬼姫(砂煙で中が見えないっすが……地面に落ちた音はしない。ってことは)

バリバリバリバリ!!!

鬼姫「っ!!」

ドッガアアアアアアアアアアアアアアン!!

砂煙の中から、凶悪な威力を持つ雷が四方八方に放たれた。

南の細兵「ぎゃああ!!!」

王国の剣兵「ぐあああああああああ!!」

ゴゴゴゴゴゴゴ

鬼姫「やれやれ、辺り構わずっすか」
316 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/27(火) 00:01:28.88 ID:RqBqf5EH0
400

--草原--

ドッギャアアアアアアン!!!

ギャアアアアアアン!!!

うわああああああああああ!!

きゃあああああああああああああ!!

アッシュ「い、一体何がおきてやがんだこれは!」

どぎゃああああああああん!!!

ポニテ「やたら強い雷魔法が暴れまわってるみたいだけど」

どがん、どがあああああああああん!!

サム「これは……!!しまった、いかん!!」

レン「にゃ?」

ぴか

ツインテ「あ」

ドッガアアアアアアアアアアアアン!!
317 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/03/27(火) 00:02:01.85 ID:RqBqf5EH0
今日も遅くなってすいませんでした。頑張って行きたいと思います。

それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/27(火) 00:03:53.09 ID:YeT9WBu/0
今日も面白かった!!
今回は導入って感じだな!!

お疲れ!!
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/27(火) 00:07:50.26 ID:tOGlVTwho
>>317 乙!
いきなり勇者パーティー全滅……なんてないよな
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/27(火) 10:55:52.75 ID:sTLSd/ASO
321 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/01(日) 01:43:04.65 ID:5ErbohVa0
いつもQw0の作品を楽しんでいただき、ありがとうございます。Qw0の友人のれいまぁと申します。
本日は皆様にご報告をさせてもらいに来ました。
実は、Qw0と1週間前から連絡がとれなくなってしまいました。最近のQw0は作品作りに対して思いつめていたようなので、変な気を起こしていなければよいのですが……。
つきましては、Qw0と連絡が取れるまでSSの更新を無期限凍結とさせて頂きたく思います。何卒ご了承ください。

自分に何かあったらスレを頼むという託をされているので、不肖、れいまぁがQw0が帰ってくるまで代理で小説を掲載させていただきたく存じ上げます。
お目汚しになるかと思いますが、楽しんでいただけたら幸いです。
322 :れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc [saga]:2012/04/01(日) 01:45:16.33 ID:5ErbohVa0
 祭囃子が聞こえる。
 ドンドンドン。ピーヒャララ。
 そんな擬音をつけたくなる小気味良い音楽が島中を満たしている。
 時刻は6時、夕暮れ時。少年は一冊のノートを汗ばんだ手で握り締め、海の見える堤防に一人座っていた。

 「〜♪」

 祭の音を聞くと自然に過去の思い出が頭の中で錯綜し、あぁ、今年の祭はどんなことが起こるんだろう、と、勝手に気持ちが昂ぶってしまう。これは日本人なら誰しもが持っている感覚なのではないか。

 「……」

 まぁ、頭をひねって過去を振り返ってみるものの、少年には誰かに自慢出来るような思い出なんてものは一つも無かったのだが。
323 :れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc [saga]:2012/04/01(日) 01:46:38.23 ID:5ErbohVa0
 今日は年に一度の久代祭の日。久代祭というのはこの村、いや島の伝統行事である。もちろん、祭の代名詞である神輿を担いでいる声はあちこちで聞こえ、たこ焼きやお好み焼き、射的などの出店も数えきれないほどある。だが久代祭のメインは神輿でも屋台でもない。
 この島の祭の特異な点、それは天狗の仮面を被った大人が、飴を持って島中を徘徊すること。
 天狗はたくさんの飴を持っていて、子供とすれ違う度に飴を渡してくる。だから子供が集まっている所というのは、大抵その中心に天狗がいる。落としたアイスに群がる蟻の図、を見ているようで端から見ると気持ち悪いかもしれない。
 飴は無駄に自家製で、その年の天狗を任された人によって味が変わるのがポイントだ。
 天狗は全部で五人。
 つまりは毎年五種類の飴が存在することになるのだが、過去に海葡萄味の飴を作った人物がいて、それ以来誰か一人がハズレの飴を作るのが伝統になってしまった、という忌むべき負の遺産がある。
 それでも少年達、小学生からしたら楽しい行事に過ぎない。クラスのみんなと、久代川のとこにいた天狗はレモン味だった。とか、ミカン味の飴を持っている天狗は学校の校庭で寝てる。とか、情報交換をしながら全部の飴を制覇するのだ。
 まるで宝探しの冒険をしているようで、子供達は毎年祭を楽しめていたのだろう。
 中には飴を強奪することに生き甲斐を感じているやんちゃなグループも存在するらしいが。
324 :れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc [saga]:2012/04/01(日) 01:49:45.40 ID:5ErbohVa0
 久代祭の天狗飴。
 この島の子供達にとって、それが何か特別だという意識は無い。
 無かったのだが、ついこの前本土から引っ越してきた女の子が、この話を聞いて目を輝かせていた。それ以来、この祭の天狗飴はこの島だけの特別なこと、そんな認識が小学生達の中で広がっていた。
 それで気になった少年は図書館に行って調べてみた。なぜに天狗なのか。仮面を被ってバイクにまたがるヒーローではダメなのか。分厚くて埃まみれになった、『久代島、昔話』によるとこうだ。
 元々久代祭の天狗飴は戒めの意味で始めたらしい。
 天狗が飴を持って島を歩くのは、子供が飴に釣られて、どこかに連れ去られてしまうのを忌避しようとしたんだとか。だから本来は天狗が渡してくる飴を断る行事だったらしい。
 だがいつしか怖い風習は形を変えて、子供の方から天狗に飴をねだるものとなった。
 そもそもなぜそんな風習があるのかというと、元々この島では神隠しに会う人が多かったらしい。実際の所、津波とか崖崩れとか、自然災害や事故的な理由で人が消えたのだろう。
 けれど、島の昔の人々は天狗や神、悪霊に連れ去られたものだと考え、信じ、恐れた。
 それから島の人達は、向こう側の世界に連れ去られてしまった人達が、この島に無事に帰ってこられるように、目印のつもりで祭を始めたとかなんとか。
325 :れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc [saga]:2012/04/01(日) 01:50:36.22 ID:5ErbohVa0
 (神隠しか……)

 連れ去られた世界ってどんな世界なんだろう。と、少年は考える。
 誰かが帰って来たという話は聞かないし、そんなに居心地のいい世界なんだろうか。と、少年は夢想してみる。
 きっと毎日が楽しくて、動物と遊び回れて、宿題が無い世界なんだ。と、少年は決め付ける。

 (……ふふふ)

 想像するだけで勝手に笑みが浮かんでしまう。

 (僕も……その世界に行けないだろうか)

 大人も子供も祭の雰囲気に酔って楽しんでいる最中、少年だけがそんなことを考えていた。

 「……はっ、はっ……お、遅れてごめんなさいっ」

 少年の背中にかけられた声は、息を弾ませた可愛らしい声。少年が後ろを振り向くとそこには幼なじみの少女がいた。腰を曲げ、膝に手をあてた様は、全速力で走ってきましたということのアピールなのか。

 「あ、りっちゃん!遅いよー!」

 「ご、ごめんなさい。浴衣、着るの、時間かかって」

 見ると、少女はピンクの花柄の入った浴衣に身を包んでていた。長い髪の毛は髪留めによって結わえてあるし、うっすらと化粧もしているようだ。
326 :れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc [saga]:2012/04/01(日) 01:52:14.81 ID:5ErbohVa0
 少女が母親に懇願し、目一杯背伸びをしたおめかし姿。
 の成れの果てだった。せっかくの浴衣は着崩れて、帯はゆるゆる髪はボサボサ。

 「あ、キモノ着てる!」

 「き、着物じゃないよ、浴衣……」

 すぐさま少女は言い直すのだが、少年に違いはわからない。
 予想はしていた。この少年は自分の興味の無いことには全くと言っていいほど関心を持たない。少年の脳のほとんどをしめているものは、学業でもマンガでも無く、不可思議なこと。そのたった一つだけ……。
 少女は零れそうになる涙を必死にせき止める。
 予想どおり予想どおり……。少女は悔しさを諦めに変換し、平常心を取り戻そうとした。

 「今日は、なんでこっちで、待ち合わせなの?」

 まだ少女の息は整うことなく、会話をするのも辛そうだ。

 「こっちには、何もないよ?屋台もずっと向こうのほうまでしか無いし……もしかして隠れ天狗?」

 少女は、同じくらいの年齢の男子が、天狗から飴をもらうことに並々ならぬ情熱を燃やしているのを知っている。ここ何日かずっと、盛りのついた犬のように走り回る男子達を見てきたからだ。そんな男子の浮かれようを、『男はガキね』と女子は笑っていた。もちろん少女もその一人。
 少女からしたら、まさかこの少年に限って、そんなものに興味を示すとは思ってもみなかった。
 少女は少しだけショックを受ける。
327 :れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc [saga]:2012/04/01(日) 01:53:43.04 ID:5ErbohVa0
 「違うよ。天狗じゃない、あの島に行こうと思うんだ」

 少年が指差す先にあるものは、島。海を挟んで数百メートルの所に、小さな島があった。
 渡行禁止の島、離れ島、ちいじま。
 呼び名は色々あるが、正式な名称を知る者は少ない。

 「え、離れ島に行くの?だ、駄目だよ。あそこには行っちゃいけないってお母さんが……。大体どうやって行くの?あんな所までなんて泳げないよ」

 それに今日は祭を見て回るって……。
 少女の最後の言葉は消え入るような小さなものだった。
 しかし少年はそんな少女の気持ちを意に介さず、
 
 「え、りっちゃん知らないの?今日は離れ島に歩いて行ける日なんだよ!!」
 
 「……え?それってあの……」

 年に一度、丁度お祭りの日、数時間だけ久代島と離れ島を結ぶ道が現れる。
 そこにオカルトは無い。ただ単に干潮により海に道が出来る、今では科学的に理由を説明することが出来る。
 だが島の老人達からすれば、はいそうですかで済ませられるものではないのだろう。神隠しの多いこの島で、誘うかのように忽然と現れる道。恐怖を感じないほうが無理というものだ。
 あの島に歩いて行ってはならない。
 そう頑なに島の人間は信じている。
328 :れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc [saga]:2012/04/01(日) 01:55:22.98 ID:5ErbohVa0
 「……」

 しかしこの少年からすればこれ以上ない不可思議に違いない。むしろ今まで興味を持たなかったのがおかしいくらいなのだ。

 「で、でも。それに道はすぐ消えちゃうって。危ないよぉ」

 「大丈夫大丈夫!!ほら行こうよ!!」
 
 「あっ」

 少女の抵抗虚しく、少年は少女の手を取り走り始めた。
 夕暮れの堤防を二人が走る。二人しかいない堤防を、彼らは全速力で走った。

 (……もう)

 少女のプランは完全に破綻した。二人で出店を回って祭を楽しむ、という至って普通の淡い願いが叶うことはなさそうだ。
 だが、

 (……)

 じっ、と繋がれた手を見る。少年の汗ばんだ手で、強くきつく握りしめられている自分の手。

 (……仕方ないか)
329 :れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc [saga]:2012/04/01(日) 01:58:00.91 ID:5ErbohVa0
 ドンドンドン。ピーヒャララ。

 「はっ、はっ、はっ」

 少年達は走った。離れ島に通じる海の道が現れるという場所まで。
 左の耳から祭の、右の耳から波の音を聞きながら海岸を走る。

 少年達がその場所に着いた時には既に
 
 「うわぁ!!」

 道は出来ていた。
 海を刀で切り裂いたかのような、スッと白い砂利道が。まるで理想の世界へと手招きしているようだ。

 「ほ、本当に行くの?」

 少女は言い知れぬ不安感を感じ取り、少年のシャツを握りしめる。

 「行くよ、大丈夫だよりっちゃん。行って何もなかったらすぐに帰ってくればいいじゃん。それに本当に危ないんだったら大人がここを監視しているはずでしょ?」

 「う」

 確かに。
 あれほど近寄ってはいけないと言っておきながら、この日に見張りの一人も立てないのは不自然だ。
 
 「ほら!」

 「!!」

 少年は砂利道を走り出す。
 水に濡れた砂利道は走りずらい。下駄を履いている少女からしてみればついていくのがやっと。
 だがそれでも少年は止まらない。少年が長年待ち望んだものがそこにある気がしたからだ。
330 :れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc [saga]:2012/04/01(日) 01:59:20.33 ID:5ErbohVa0
 「ふー……」

 半分ほど進んだところで、少年は何かに惹かれるように後ろを振り向く。

 「……」

 「え、な、なに?」

 あまりに夢中で気が付かなかったが、辺りは日が沈み、完全に闇に飲まれていた。
 暗くなったことによる心細さからか、なぜか遠くに見える祭の赤い光が恋しい。自分達に戻ってこいと呼んでいるような気さえする。

 「うぅん、なんでもないよ。行こう」

 「う、うん」
 
 そして少年と少女は離れ島へと足を踏み入れた。
 鬱蒼と生い茂る雑草に足を取られながらも、二人は島を散策し始める。
 
 「わわ、こ、ここ蚊がいっぱいいるよぉ!」

 「虫避けスプレーしてきたから大丈夫だよ」

 「私、してないもん……」

 年頃の女の子。あの臭いのするスプレーを体に吹きかけるには抵抗があるのだろう。

 「えー?なんでー?普通するじゃん。しかもあれちょっといい匂いするよね」

 「えー!?臭いよ!!絶対臭い!!」

 少女は信じられないと言った顔で睨みつけるが、少年はへらへらと笑っている。
331 :れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc [saga]:2012/04/01(日) 02:00:40.62 ID:5ErbohVa0
 「そうかなぁ」

 「そうだよ、絶対そう!!」

 二人が話しながら歩いていると、少年は石造りの階段を見つける。手すりが無く、草が生い茂った状態の石階段。

 「わぁ!上ろう!りっちゃん!!」

 「え……」

 ゆうに50段はあると思われる傾斜の急な石階段。加えて状態も良くない。普段遊びに行く格好ならまだしも今日は浴衣姿、少女からしたらここは断崖絶壁の崖と変わりはしない。

 「こ、ここはやめようよ」

 と言ったところで少年が諦めるわけがない。そう、少女は悟っていた。
 それゆえ半ば必然的に二択を強いられることになる。
 ボロボロになりながら一緒に上るか、怖い思いをしてここに一人残るか。

 「……早く帰って来てね」
 
 少女は恐怖よりも外見を取った。

 「えー、わかった。じゃあちょっと行ってくるね」

 「遠くまで行かないでね!!上ったらすぐ帰って来てよ?」

 「わかってるー」

 言うが早いか少年は石段を上り始める。
 幾度か転びそうになるものの、まるで猿のようなスピードで上って行く。
332 :れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc [saga]:2012/04/01(日) 02:02:00.89 ID:5ErbohVa0
 「ほっ、ほっ!!」
 
 もうあと少し。
 少年が石階段から顔を出すと、

 「……え」

 「……」

 そこには浴衣を着た天狗がいた。
 背丈は少年達と変わらない。

 (子供の……天狗?)

 その子供が被っているお面は、島で大人達がしているものと全く同じものだ。
 こんな子供が天狗の役を任されるとは思いにくい。となると誰かから天狗のお面を奪ってつけているのだろうか?それになぜこんな所に一人で。
 
 「君、どこの子?」
 
 少年は天狗に質問を投げかけた。

 「……」

 しかし天狗は答えない。
 
 「何時頃からここに来てたの?」

 少年は天狗に歩み寄る。
 
 「……」
 
 天狗は近づかれた分だけ後ろに後ずさる。
333 :れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc [saga]:2012/04/01(日) 02:02:54.78 ID:5ErbohVa0
 「うーむ」

 少年は唸る。早くも万策が尽きてしまった。なんて聞いてみたらよいものか。
 少年が腕を組み、頭を捻っていると、天狗が少年に近づいて右拳を差し出してきた。

 「ん?」

 開かれた手にあったものは、飴。

 「これって……」

 少年に飴を渡そうとしている天狗。
 
 (この子、本当に天狗の役をやらされてるのかな)
 
 少年は、自分と同じくらいの年齢の小さな天狗を眺めた。近づいてみたからわかる。よく見ると少年より幾分か小柄な体躯をしている。

 (僕より年下なのかな) 

 そしていつまでも差し出されたままになっている手に気付く。

 「って、ごめん。ありがとね!……あ、そうだ」

 少年は何かに気付き、自分のズボンのポケットに手を入れる。そしてズボンから手を抜き取ると、自分の手を天狗の手に被せた。

 「……っ!!」

 「これ、僕がもらった飴。交換こしようっ」

 天狗の手には、少年が渡したリンゴ味の飴が乗せられた。
334 :れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc [saga]:2012/04/01(日) 02:03:57.41 ID:5ErbohVa0
 「……」

 天狗は飴の乗った自分の手をずっと眺めている。表情はうかがえないので、天狗が何を考えているのか知る術は無い。

 「今日もらったやつだから腐ってないよ?」

 「……」

 天狗はようやく飴から視線を離し、少年に向かって、

 「もう遅いよー!!何してるのー!?」

 「……っ!!」

 痺れを切らした少女が石階段を上って来たのだ。
 少女の姿を確認するよりも早く、弾かれるように天狗は島の奥へと走り去ってしまう。
 
 「あ、待って!!」

 「え?……誰かいたの?」

 「うん、いた!!天狗がいたんだ。僕達も行こうりっちゃん!!」

 「え?天狗?なんでこんなところに、って、わっ!置いてかないでよ!!」

 少年は天狗を追って駆けだした。

 (すごい……なんかすごい!!もしかしてもしかして)

 少年が期待する何かが、本当にあるのかもしれない。
 そしてついに、

 「う、うわぁ」

 少年は島の中でトンネルを見つけた。あまりに古めかしく、この島に不釣り合いなトンネルを。
335 :れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc [saga]:2012/04/01(日) 02:05:07.04 ID:5ErbohVa0
 「ま、まってよもー。はっ、はっ……これはトンネル?なんでこんなのがあるの?」

 「わからない!でも、でもここを潜ったら!!」

 もしかしたら向こうの世界に行けるかもしれない。

 「やほー!!」

 「ああー!!また一人でー!!」

 少年は全速力で駆けた。ずっと夢に見ていた不思議がそこにある。
 同じことを繰り返すだけの日常じゃない。
 誰もが知っていることじゃない。
 自分だけの秘密がそこに!!

 光が見えた。トンネルの向こう側の光が。

 「はっ!はっ!はっ!はっ!」

 少年は頬を緩ませながら、更にスピードを上げる。

 (行けるんだ、ついに、やっと、やっと!!)

 そして少年はトンネルを抜けた。
 
 「はっ!はっ!はっ!はっ!」

 歓喜の想いでそこから見た景色は、

 「はっ、はっ、はっ……はっ……は」

 ただの見慣れた海。 
 
 「はっ……はっ……」

 少年はただ茫然と立ちすくんで海を見ている。
 真っ暗な海をただひたすらと。
336 :れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc [saga]:2012/04/01(日) 02:10:59.51 ID:5ErbohVa0
 「もうー、置いてかないでって言ったのにぃ!!」

 トンネルから涙声の少女が現れた。

 「……ごめん」

 「うぅー!!せっかくのお祭りの日だったのに!!」

 「ごめんね……でも」

 ドンドンドン。ピーヒャララ。
 遠くからは祭囃子の音が聞こえてくる。
 祭は少年の気持ちも知らずに、楽しそうな音楽を流して盛り上がっているようだ。

 「ぐすっ……もう帰ろ?花火、見れなくなっちゃうから」

 「……うん」
 
 二人は戻れなくなる前に砂利道を引き返すことにした。
 少年は落胆する。
 手を伸ばせば届きそうな所にまで来ていた不思議が、スッ、と遠くに行ってしまった気がした。
 もう二度と……。

 (そう言えば、天狗の子はどこにいったんだろ?)
 
 少年は一度だけ振り返るも、そこには誰もいなかった。





 「……」
 
 砂利道を通って島に帰って行く二人を、天狗はトンネルの横から眺めている。
 待ち焦がれていた何かを見送るかのように。
 
 ずっと、ずっと。

 ドンドンドン。ピーヒャララ。
337 :れいまぁ ◆9ozEqs2lE0cc [saga]:2012/04/01(日) 02:16:47.69 ID:5ErbohVa0
    ・次回予告・

 何事も無く高校生になった主人公達。あの一夏の思い出も、もはや色あせるほどになっていた。平凡に平凡を重ねた日常は、少年から情熱を奪っていったのだ。
 
 「飴、おいしかったよ」

 その退屈な日常の中に一つの台風の目が。突如現れた謎の美少女転校生。果たして彼女は何者なのか?


   次回、アルカロイド
   第二話・島の掟
 
 次回更新は2013年4月1日を予定しています。
338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) :2012/04/01(日) 02:47:04.77 ID:yKMdfajI0
なん・・・だと・・・?
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]:2012/04/01(日) 02:50:42.19 ID:5ErbohVa0
http://youtu.be/_EM54zKxrXs
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/01(日) 03:03:42.46 ID:z5DrSKw/o
マウスパッドいらねぇwwwwwwww
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2012/04/01(日) 03:53:09.21 ID:HSKf4lcAO
Qw0さんが早く見つかると良いですね。
投下お疲れ様でした。







毎年毎年凝ったものが投下されるから続きが気になって仕方ない。
エイプリールフールネタをいつか完結させてくれないだろうか。
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/01(日) 09:41:40.10 ID:RR5nowuzo
今日はあの日か
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/01(日) 21:48:03.24 ID:yKMdfajI0
Qwoさん、
いい人でしたね
またいつか続きを読みたいものです。
いままでありがとうございました。




















エイプリルフールネタ毎回クオリティ高いなww
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/01(日) 22:03:40.06 ID:dk80qyASO
ふざけんなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/04/02(月) 07:38:10.21 ID:9zoddeiyo
来年の四月が楽しみだわwwwwwwwwwwww
346 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:25:39.34 ID:G1vFMtUq0
魔戒からこんばんは!お久しぶりです!
昨日(一昨日)はエイプリルフールだったそうですね、楽しんでもらえたらよかっ……たのに……。

さて実際、何が嘘だったのでしょうか。

悩んだ末の失踪が?このssの打ち切りが?まさかのゲーム化が?それとも……友達がいる……ということが……?

……。

全ての真相は闇の中に……。


それでは酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった、始まります。
347 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:26:18.24 ID:G1vFMtUq0
401

--草原--

ゴゴゴゴゴ

戦場の遥か上空に、箒にまたがった三人の姿があった。

迅雷「……ひどい」

疾風「うわぁ。もうしっちゃかめっちゃかやぁ」

魔導長「やれやれなの」

迅雷「魔導長……私達は参加しなくていいの?」

魔導長「うーん。私達の国がまだ国家として認められてないから参戦することもできないの。したらむしろまずいことになるの」

疾風「はぁ。指くわえて見てるしかないなんて……いつになったら認めてくれるんやろか」
348 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:26:55.06 ID:G1vFMtUq0
402

--草原--

ツインテ「ん……んぅ」

ざら

聖騎士の魔法を受けて吹き飛ばされたツインテは、砂土の中で意識を取り戻す。

ツインテ「……!!み、皆さん!!」

ツインテが目を開けると仲間の姿は無く、

剣豪「ん?お前確か王国の」

ツインテ「!?」

他者の血を纏った剣豪が立っていた。
349 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:27:21.58 ID:G1vFMtUq0
403

--草原--

アッシュ「くそ!なんなんだいきなり!ツインテ達は……」

槍兵「か〜、聖騎士の旦那、好き勝手暴れやがって……あれ?お前東の王国で見たな」

アッシュ「!!槍兵……」

槍兵「……なんで戦場にガキがいやがるんだ。巻き込まれたのか?」

アッシュ「……」

槍兵「違うのか。じゃあ………」

ひゅっ

アッシュ「!?」

ギィン!!

槍兵「敵ってことでいいんだな?」
350 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:27:49.40 ID:G1vFMtUq0
404

--草原--

レン「んにゃにゃにゃ……っ!ツインテ大丈夫かにゃ!?」

がばっ

レンはあの荒れ狂う魔法攻撃の中、しっかりと誰かの腕を掴んでいた。

ざらざら

レン「ツイ、っ!?」

ポニテ「えへへ……ポニテちゃんでしたー。なんて……」

レン「にゃー!?ツインテどこにゃー!ツインテー!!」

レン発狂。

ザっ

吟遊詩人「気やすくその名を〜呼ぶな〜」
351 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:28:22.55 ID:G1vFMtUq0
405

--草原--

ポニテ、レン「「!!」」

ポニテとレンの前に吟遊詩人が現われた。否、彼は最初からそこにいた。

吟遊詩人「開戦の時に我らの陣地にいなかった者がなぜこの戦場に〜」

ポニテ「こ、この戦争を止めに来たんだよ!」

レン「にゃー!」

吟遊詩人は演奏をぴたりと止める。

吟遊詩人「は?」

ぞくっ
352 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:28:57.18 ID:G1vFMtUq0
406

--草原--

ポニテ「ッ」

吟遊詩人「……わけのわからないことを言う……戦争を止める?君たち程度の実力で?……まさか君たち、それにツインテを巻き込んでいないだろうね〜」

レン「……」

無言が何よりの答えだった。

吟遊詩人「……処刑してやる」

ズズズズズ

吟遊詩人の体から膨大な魔力があふれ出る。

吟遊詩人「ツインテを危険に合わせるものは……全て」

ポニテ「ッ!やるしかない!」

ポニテは二本の剣を引き抜いた。
353 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:29:47.09 ID:G1vFMtUq0
407

--草原--

ガガガガ!

選抜兵「な、なんでお前がこんなとこにいんだよ!」

サム「パーティの意向ゆえやむなく」

選抜兵が投げ付けるカードを全て叩き落とすサム。

選抜兵(くそ、悔しいが俺一人じゃこいつは無理だ……通信兵)

選抜兵はテレパシーで通信兵に連絡を取った。

通信兵(わかってます。今軍師さんの騎士達を誘導します)

サム「やれやれないしょ話はいやでござるよ」
354 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:30:23.42 ID:G1vFMtUq0
408

--草原--

選抜兵(!?こいつ!感知で電波を)

ドバッ!!

サムの一振りで選抜兵の右腕が飛ぶ。

サム「……拙者ツインテ殿達を探しにゆかねばならぬゆえ、さっさと終わらせてもらうでござるよ」

選抜兵「こ」

ズシャッ!!

選抜兵「」

サム「両手が無ければお得意のドローは出来ぬでござろ?」
355 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:31:06.62 ID:G1vFMtUq0
409

--草原--

びちゃちゃっびちゃっ

選抜兵「……ぐっ……」

サム「……自陣に戻るでござる。こんなとこで死んでしまっては蘇生が難しいでござるよ」

選抜兵「……情けのつもりかよ」

サム「無論」

選抜兵「むかつくぜその余裕が!!」

ばっ

選抜兵は靴を脱いで裸足になると、左足の太ももにくくりつけてあるデッキケースから、器用にカードを掴んだ。

選抜兵「スキル、ファイナルドロー!」
356 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:31:49.88 ID:G1vFMtUq0
410

--草原--

サム「!」

選抜兵「腕が無けりゃカードがひけねぇと思ったかよ」

ぶぅん

選抜兵のカードが光る。

サム「……むぅ」

選抜兵「確かに俺じゃ……お前を足止めさせることすら出来無さそうだよ」

ばいぃぃん!!

カードは魔法陣へと変貌し、空中に円を描く。

サム「!!」
357 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:32:24.56 ID:G1vFMtUq0
411

--草原--

選抜兵「だがお前はここで終わりだ!!」

ぶぅん

魔法陣から

銀馬「ひひひぃぃん!!」

三体の騎士が現れた。

ダカラッ

サム「……」

銀河「あいつを倒せばいいのかい?」

風雲「なら早めに終わらせようか」

雷鳴「wow!!」
358 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:32:59.74 ID:G1vFMtUq0
412

--草原--

犬娘「ぐ……な、なんだこいつ、わん」

犬娘は血まみれになりながら地面に横たわる。

陸王もこもこ「グルるるるるぅ」

人形師「おや貴女は討伐戦に参加していませんでしたかぁ。こいつはめちゃくちゃ強かったんでどさくさに紛れて拾って来ちゃったんですよぉ」

陸王もこもこによって、辺り一帯の兵士達は全て死体にされてしまっている。

犬娘「……な、なんでも人形に出来るのかわん」

人形師「えぇえ。意識が無ければねぇ。人形師は人形を操ることしかできませんからぁ」

人形師が見えない糸を振ると、

フォン、グシャ

陸王もこもこの巨大な腕で犬娘が潰された。
359 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:33:31.38 ID:G1vFMtUq0
413

--草原--

剣豪「やれやれめんどくせぇな。他にも仕事があるんだよ俺には」

スパスパスパスパ!!

ツインテ(!!触手が!!)

ダンっヒュッ!!

剣豪はするすると距離を縮めるとツインテの頸動脈を斬った。

ぶしゅっ

ツインテ「」

剣豪「抵抗されるとめんどいからよ、とりあえず死んでおいてくれや」

ぶしゅーーーー!!
360 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:34:04.00 ID:G1vFMtUq0
414

--草原--

茶色の大地をツインテの赤い血が染め上げていく。

ツインテ「〜〜〜が!!」

ツインテのリボンが両方とも弾けた。

ばつん!!

剣豪「!」

ツインテ「づ!!おらぁ!!」

ストレートになったツインテは左手を傷口に当てると、触手をドリル状に変化させ剣豪に攻撃を加えた。

ヒュヒュヒュヒュ!!!!

剣豪「ちっ、人格変えが」
361 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:34:29.76 ID:G1vFMtUq0
415

--草原--

スパスパスパスパ!!!!

剣豪「だがこんな鈍い動きじゃ俺にはきかねぇぞ」

ざっ

ツインテ(あぶねぇ……もう少し血を失ってたら終わりだったぞ)

剣豪(ほう、今の一瞬で治療か。精度速度共に中々大したもんだな)

ツインテ「……東の三強の剣豪ね……まぁ強くなった俺様の相手としちゃぁ上等だぜ」

ビシッ

ツインテはグローブを付けた左手で剣豪を指差した。

剣豪「……ほう」
362 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:35:51.99 ID:G1vFMtUq0
416

--草原--

ひゅっ

ツインテ「!」

ギィン!!!!

ツインテ「ぐっ!!」

剣豪の激烈な打ち込みにかろうじて反応したツインテだったが、

ドンっ!!

ガードごと弾かれ体が宙に浮く。

どっがああああああああん!!!

ツインテ(片手でこれ、かよ!!)
363 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:36:22.96 ID:G1vFMtUq0
417

--草原--

剣豪「……」

ツインテは大地を転がされながら体勢を立て直す。剣豪ほどの実力者であれば、その隙を見逃さず、追撃を加えることも可能だったはずなのだが、剣豪はじっとツインテを見ていた。

剣豪(ほぉ……今の攻撃に反応しやがった)

ツインテ(?なんで攻撃してきやがらねぇ……まさか手を抜いてるんじゃねぇだろうな)

ドッ!!

ツインテは魔力を放出し、斬られた触手の数を5本から8本に増やす。

ツインテ「俺様をなめやがる奴は誰であれ万回ぶっ殺す!!」

剣豪「はっ、いきがってないで来いよがきんちょ」

スッ

ツインテ「ッ」

剣豪の構えから何やら異様な雰囲気を感じ取るツインテ。
364 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:36:59.26 ID:G1vFMtUq0
418

--草原--

ツインテ(……いや迷ってても仕方ねぇ……!!)

ダッ!!

ツインテは真正面から猛然と剣豪に向かっていった。

剣豪「スキル、砂塵剣」

じゃっ!!

剣豪は刀を地面につけたかと思うと、円を描くように振り抜いた。

ぶわっ!!

ツインテ「!!砂が」

舞い上がった砂が剣豪の姿を隠してしまった。

ツインテ(くそ!!ガードだ)



ズバシャアッ!!
365 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:37:25.52 ID:G1vFMtUq0
419

--草原--

ツインテ「ぎっ」

触手と腕によるガードはギリギリ間に合ったのだが、それでもその全てを断ち切られてしまう。

剣豪「む」

ぶしゃああ!!!

ツインテ「がああああ!!!」

完全に体を両断したと勘違いした剣豪は、ツインテの腹部がまだ繋がっていることに驚き一瞬の隙を生んだ。それを見逃さなかったツインテの左拳が剣豪の頬を捕えた。

ゴッっ!!!

剣豪「ッ!!」

ズザザー!!!

ツインテ「くそ!!水属性回復魔法、レベル2!!」

ぽわわぁあん

ツインテの両腕は無事接着し、腹部の傷も完全に治癒する。
366 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:37:56.96 ID:G1vFMtUq0
420

--草原--

バツン

今度はリボンの片方だけが復活する。

ツインテ「ふぅ、全くあの子は脳筋なんだから!」

サイドテールのツインテは触手を束ねて鞭を作る。

ツインテ(あの勇者斬りの剣豪相手に接近戦だなんて、勝ち目がないに決まってるじゃない!)

剣豪「なんだまた人格変えやがったのか」

剣豪は口についた血を拭う。

剣豪「……久々だぜ。人間に傷を付けられたのはな」

ツインテ「……」

ひゅんひゅん

ツインテは鞭を唸らせてタイミングをはかっている。

ツインテ「おじさん、ドエムなら私の鞭を食らってみませんか?」
367 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/03(火) 00:38:35.84 ID:G1vFMtUq0
今日も遅くなってすいませんでした!!

それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/03(火) 00:58:09.39 ID:kT0i8qKSO
コミケか……

無理だorz
ネット販売待ちだな
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/04/03(火) 11:21:56.65 ID:iSvrxa6oo
乙!
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/03(火) 17:49:14.89 ID:EuFJMYgYo
>>367 乙!
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/07(土) 21:13:31.03 ID:AtJAFv720
まだかな
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/04/09(月) 23:23:00.12 ID:YWaFoIFe0
流石にこのシーズンは忙しいのかな
まぁ、無茶せずのんびり書いて下さいな
373 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:23:11.28 ID:58A9Umq30
大変遅くなりました! やっと終わったので投下していきたいと思います。

あとあの動画はエイプリルフールネタということもあり近々消させていただきます。

それでは投下していきます!
374 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:24:17.47 ID:58A9Umq30
421

--草原--

ドガガガガガ!!

ヒュヒュヒュヒュ!!

ガがガガガ!!

ツインテ(!!嘘っ……私の鞭が捌かれ、るっ!!)

ズバババ!!

数百にも渡る刀と鞭の衝突。その衝撃破によって地形が変わるほどの凄まじい攻防戦。



ツインテ「」

しかし、それでもあっさりと鞭を掻い潜ってきた風の刃がツインテの太ももを切り裂いた。

ブシャッ!!
375 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:25:27.44 ID:58A9Umq30
422

--草原--

ツインテ「〜〜ッ!!」

ブチブチブチ、ガクッ

ドシャっ

剣豪「……残念だな、経験も修行もまるで足りてねえ」

ツインテは地面に崩れ落ちた。

ツインテ「あっ、く……」

ツインテは涙目になりながらも、ちぎれた左足に手を伸ばす。
376 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:26:37.50 ID:58A9Umq30
423

--草原--

剣豪「時間が圧倒的に足りてねぇ」

ザッ

剣豪は刀を肩に担いでツインテに近寄った。

剣豪「おしまいだ。お前はちゃんと殺してから連れ帰させてもらうぜ」

剣豪はそう言うと、一切の躊躇なく刀を振り下ろした。

ズパ

まるでバターでも切るかのように滑らかに振り下ろされた刀。
剣豪の一振りを受け損ね、ツインテは自らの赤き血によって大地を濡らす。

ボタッボタタ

ツインテ「……ッッぐ!!」

余りに深く切り裂かれてしまった。
左斜めからの袈裟斬りは肩甲骨を叩き割り、いくつかの重要な臓器を切り裂いた。
377 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:27:23.77 ID:58A9Umq30
424

--草原--

ブシャーー!!

ツインテ「〜〜」

剣豪「……悪いな」

チン

剣豪は血を払った後、その刀を鞘へ収める。

ビクッビクッ

剣豪「……やれやれ。こんな幼いガキを斬るはめになるとは……。仕事とはいえやるせねぇな」

ビクッビクッ……

剣豪「……」

ツインテの生命活動が停止した。
378 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:28:36.69 ID:58A9Umq30
425

--草原--

剣豪「……」

ザっ

剣豪はツインテが死んだことを確認してから、ツインテを担ぐためにしゃがみこんだ
途端、

ズギャッ!!

剣豪「ッ!?」

小さな触手のドリルが剣豪の肩を僅かにかすめた。

……ドクン

剣豪「バカな!確実に死んだはずだ!」

ドクン、ドクン

ツインテ「」

ツインテが上半身を起こした。
379 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:30:07.90 ID:58A9Umq30
426

--草原--

バサッ!!

まるで触手が羽のように一斉に広がった。

ドクン!ドクン!

ある触手はツインテの左足を掴み、ある触手は左足と本体との接合を始め、ある触手はドリル状に変化し剣豪を襲った。

ビョッ!!

剣豪「っ!」

シャシャシャシャ!

至近距離からの不意打ちだったにも関わらず、剣豪は右へ左へと華麗に交わす。しかし量があまりにも多く、ついに回避不能の攻撃が剣豪に伸びた。

剣豪「じっ!」
380 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:31:23.10 ID:58A9Umq30
427

--草原--

バシバシ!

剣豪は右手で触手を弾き落とすしかなかった。

剣豪「ちっ……」

ポタポタ

剣豪が刀を握ることが出来る最後の手での防御。

ポタポタ

剣豪に刀を抜く暇を与えないほどの猛攻は、ついに剣豪の生命線を侵した。

ユラ

ツインテ「……くくくっ。お互い不便だよなぁ。腕が一本じゃよ」

ツインテのリボンはいつのまにか二つとも外れている。
381 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:32:36.36 ID:58A9Umq30
428

--草原--

剣豪「……お前……自動蘇生者か……」

剣豪は哀れみとも蔑みとも取れぬ表情でツインテを見た。

ツインテ「……ち。サイドテールの野郎、今ので気絶しやがったか」

剣豪「?」

ツインテは身体中の傷を修復しながら立ち上がる。

ツインテ「奥義、絶対回復領域」

ブゥン

ツインテの魔力がドーム型の空間を作り上げた。
382 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:33:37.95 ID:58A9Umq30
429

--草原--

剣豪「……」

剣豪は無言で刀の束に手をやる。

ツインテ「どうだ?俺様の魔力の中にいる気分は。暖かくて心地よくて羊水の中みたいだろ?」

剣豪「……残念だが、お前はここできちんと殺さなきゃいけないようだ」

苦虫を噛み締めたような顔で剣豪は、刀を抜いた。

ツインテ「はっ。そう簡単に負けるかよ。いくらてめぇが三強の代表格っつったってよぉ!」

剣豪「……」

剣豪の集中力が研ぎ澄まされていく。

ツインテ「……ち」
383 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:34:16.81 ID:58A9Umq30
430

--草原--

ギギギギギガン!!!

槍兵「ひゅうっ。へへへ、お前中々やるじゃねぇか」

自分の刺突を弾かれて笑みを浮かべる槍兵。

アッシュ「はっ!はっ!はっ!」

ドクドクドク

腹部から流れ出る大量の血が、アッシュの未来を如実に語っている。

槍兵(それだけにもったいないな。最初の打ち合いでの甘さがよ。まだまだ心のエンジンの掛け方がぬるい)

アッシュ(くそっ)
384 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:35:47.79 ID:58A9Umq30
431

--草原--

確かな実力差に加えて決定的なダメージ。

ガガガ!!

アッシュ「ぐ!!」

槍兵「そらそらそらそら!!」

ギギギガガガァアアン!!!!

本来ならばこの戦いは既に決着のついたはずなのだが、

槍兵(うーむ……)

シャガガガガ!!

この後の戦いを考えての安全策。ダメージは最小限に、魔力消費を最小限に。

アッシュ「ぐあああ!!」

そんな槍兵の考えが時間を引き延ばしている。
385 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:36:22.88 ID:58A9Umq30
432

--草原--

アッシュ「毒属性範囲攻撃魔法、レベル2!!」

ブシュー!!

槍兵「!」

アッシュの体から毒の霧が出現し、周囲に広がって行く。

槍兵(まぁこれを通しちゃどう考えてもよろしくないよな)

槍兵は槍をくるくると回し始め、毒の霧を押し返した。

ブワッ

アッシュ「!!」

槍兵(まだめんどくさい技もあるかもしれないな。出し惜しみももうやめるか)

スチャ

槍兵は視界が毒の霧に覆われたアッシュに狙いを定める。

槍兵「スキル、一の突き」
386 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:37:22.14 ID:58A9Umq30
433

--草原--

ガズン!!!

槍兵「ん」

槍兵の槍が貫いたのは、岩。

シャッ

ギィン!!

槍兵(幻覚?いやタイミングをずらされたのか?)

槍兵は不意打ちをなんなく処理すると距離を開けた。

アッシュ(ち、今の避けるなよ……)

アッシュのナイフが銀色の毒がぽつりと地面に落ちる。
387 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:38:02.98 ID:58A9Umq30
434

--草原--

槍兵「……」

槍兵は槍を回しながら間合いを取っている。

槍兵(なーんかやりづらいな。別に大した使い手ってわけでもねぇんだけど。なんかどっかでこれを知ってるような……)

アッシュ「スキル、飛毒」

ぶぅん

アッシュはナイフに毒を乗せると、そのまま振り抜き斬撃として放つ。

槍兵(まぁ、避けるよな)

ひゅっ

ざざざ

槍兵はアッシュに対して円を描くように移動する。
388 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:38:37.43 ID:58A9Umq30
435

--草原--

シャシャ!

槍兵「……」

ひゅっひゅっ

槍兵(こんな遅いもの当るわけねぇだろ。一体何を考えて)



槍兵「」

槍兵の足元が槍兵の体重によって崩れ始める。

がらがら!!

アッシュ(かかった!!毒罠魔法!!そのまま腐れてしまえ!)
389 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:39:31.41 ID:58A9Umq30
436

--草原--

槍兵「ちっ」

槍兵の足が毒に触れようかという瞬間、

槍兵「スキル、状態異常無効」

アッシュ「!?」

ジャポン

槍兵「はー。やれやれ」

じゃぽじゃぽ

なんでもないかのように毒の沼から這い上がる槍兵。

アッシュ「ぐ」

槍兵「欠陥属性ね。珍しいし場合によっちゃ強力だけどよ。対処するのは結構簡単なもんだぜ」
390 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:40:00.21 ID:58A9Umq30
437

--草原--

アッシュ「く……」

槍兵「さぁどうする?属性はもう意味がないぜ。次は攻撃速度でも試すか?移動速度か?まさかそのなりで耐久力に自信があるわけじゃねぇよな」

槍兵はじりじりと近づいていく。

アッシュ「……くそ」

ぼたぼたっ

アッシュの出血が未だに止まっていないことに加え、自身の体内から毒という形で射出した水分。

アッシュ「ぜ、ぜ……」

アッシュは限界ぎりぎりにまで追い込まれていた。
391 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:41:25.40 ID:58A9Umq30
438

--草原--

アッシュ「く」

満身創痍でありながらも構えをとるアッシュ。

槍兵「……なんでそこまできばってるのかわからねぇけど、まぁ無理すんなよ。運が良けりゃ誰かが死体を見つけてくれるだろうさ」

ずぶっ

アッシュ「」

槍兵の槍はその淡々とした喋りとは裏腹に、雷のような速度でアッシュの胸を貫いた。

アッシュ「ッ!ガっ!!」

ブシュッ!

槍兵「あばよがきんちょ。またいつか会えたら会おう」

ざっ

槍を抜き取り血をはらうと、アッシュに目をくれることもなくその場から去っていった。
392 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:42:38.29 ID:58A9Umq30
439

--草原--

…………ひゅー

槍兵「……ん?」

立ち去るはずだったのだが、槍兵はありえない感覚を背中に感じ、振り返った。

アッシュ「」

ズズズ

そこには血濡れたアッシュが立っていた。

槍兵「!?な……!お前、今のは確実に心臓を」

アッシュ「」

ぼたぼたぼた

槍兵(あの傷、まさか直前で体を捻ってかわしたのか?いやもうそんなことができるほどの体力は残って)

その時

グルん

アッシュの目玉がひっくり返った。
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/10(火) 01:44:28.75 ID:a0twG7HE0
アッシュwwグロいwww
394 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:44:34.64 ID:58A9Umq30
440

--本陣--

秘書「ッ」

西の王「?どうした秘書」

突如秘書は顔を押さえてよろめいた。

秘書「いえ……些細なことです」

そう言うと秘書は何事も無かったかのように、またいつものように背筋をぴんと伸ばす。

秘書「あの子が私のあげた目をようやく使ったようです」

西の王「……そうか」

秘書ボソっ「全く、ちゃんとヤれているのかしらあの子は」



--草原--

ズズズ

槍兵「な、なんだその眼は」

アッシュ「」

アッシュの眼球はまるで血のように赤い色をしている。
まるで焦点が合っていないその眼は、見る者を恐怖にいざなった。

アッシュ「すすす、スキル、hい、人殺し、発動」
395 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/10(火) 01:45:06.62 ID:58A9Umq30
ききき今日も遅くなってすいませんでした!!

それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/10(火) 02:00:56.57 ID:a0twG7HE0
乙!!

くそーーー!!なんて良いところで切るんだ・・・

アッシュが西の王と秘書の子供か何か他に関係があるのか・・・・
てか状態異常無効化ってもうラッカーのメリット\(^o^)/オワタ
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/10(火) 07:52:45.18 ID:A1ITJ+jSO
398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/10(火) 20:51:21.49 ID:XbDaiufGo
>>395 乙!
「あの子」って、もしかしてアッシュは秘書の子?
相手はまさか……
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/10(火) 21:00:21.90 ID:a0twG7HE0
スキル人殺しってことは秘書っぽいよなぁ
秘書の魔法属性は決まってる?
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/04/10(火) 21:23:04.17 ID:0Ssrqxhg0
※399
寧ろ対人特攻が一つの属性だったり……?
スキル人殺しは対人特攻+バーサクかな?アッシュの強化を待ち望んだ身として、この展開は凄く良い!
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/11(水) 22:46:43.55 ID:LkYZQfBt0
>>400 まさかのラッカーか!もしも秘書がアッシュの親だったとしたら
ラッカーの遺伝みたいな感じでなんとなーくいい感じになるな(笑)

ついにこれで、ポニテ、アッシュ、ツインテ全員強化きたお!!
レンェ・・・
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/11(水) 22:50:51.02 ID:LkYZQfBt0
槍兵(なーんかやりづらいな。別に大した使い手ってわけでもねぇんだけど。なんかどっかでこれを知ってるような……)

今見つけたけど、これ・・まさか・・
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/04/12(木) 02:36:55.90 ID:LiwljGIoo
>>401
まぁ、中途加入メンバーですし(ry

なぁに、彼女は最初から才能溢れてたじゃないか
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/04/12(木) 07:46:00.53 ID:+0Md/d7Oo
レベル5魔法を使えるのって聖騎士と魔法使いだけかね?魔導長も使えたっけか
405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/12(木) 23:53:41.81 ID:xAKtjJtz0
>>404 その二人だけじゃないかな?
貧乳さんも本気出したら出せそうだけど

レンは道具作ることしかできないからなぁ
最初は強そうだったのに今じゃ・・・
406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/13(金) 19:54:36.02 ID:lQFEJ6ISO
>>405
今じゃ俺の隣にいるよ
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/04/13(金) 22:01:40.96 ID:zveD/tPjo
おい>>406の家の方向から煙が上がってるぞ
408 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 01:59:16.91 ID:c6Z1oiGO0
またも遅くなりました……もうノーパソが完全に寿命です。ぶっ壊れたらssが……

レベル5はそうですね、とりあえず魔導長なら可能だと思います。彼女は攻撃魔法系の頂点ですので。


それでは投下していきます。
409 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:01:16.04 ID:c6Z1oiGO0
441

--草原--

ざっざっ

吟遊詩人「どこへ行こうと言うのかね〜」

ポニテ「……」

レン「……」

竪琴を引きながら歩く吟遊詩人と、盛り上がった土の影に隠れている二人。

ザッ、ザッ

ポニテ(せっかく……せっかくあんなに修行したのにみんなで戦うことが出来ないなんて)

ポニテは出血している左腕を押さえていた。

レン(この人レンが今までに戦ってきた中でぶっちぎりに強いにゃ……。だからこそのチャンス。レンの力がどこまで通用するのか、調べ

てやるにゃ!)

そしてレンは胸に手をやった。
410 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:02:03.61 ID:c6Z1oiGO0
442

--草原--

ぱあぁ

青く光る錬金術の反応光。

吟遊詩人「!」

ポニテ(レンちゃんの個人修行は完成したのかな? ……よぉし、私も成果を見せなくちゃ)

ポニテは流れ落ちる血に魔力を注ぐ。

ぐに、ぐにに

吟遊詩人(魔力反応で居場所はわかった〜。変なことをさせる前に)

ぽろん

吟遊詩人が弦を弾くと無数の魔力の球体が出現し、

ドガガガガ!!!

ガトリングのように岩を蜂の巣にした。
411 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:03:01.57 ID:c6Z1oiGO0
443

--草原--

バッ!!

間一髪で岩陰から離れる二人。

吟遊詩人「!」

右に飛んだポニテと左に飛んだレン。

吟遊詩人(二手に別れて的を絞らせないつもりなのか〜?)

タッタッ!!

ポニテは岩の壁を駆け、一気に跳躍する。

ポニテ「はーーー!!!」

吟遊詩人(まず仕掛けてくるのはこっちか〜)

ヒュオ!!

交差したポニテの二つの剣が吟遊詩人に迫る。
412 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:04:07.80 ID:c6Z1oiGO0
444

--草原--

吟遊詩人(バカ正直に真正面からだなどと〜、ん)

剣が自分の首に到達するまでの、ほんの少しの時間で策を看破する。

ぽろん

ガシィン!!

ポニテ「!?」

ポニテの物理の剣は魔力の球体で、魔法を裂く剣は素手でそれぞれ防がれてしまう。

ギシッ

吟遊詩人(中々高い防御力を持っていたが、零距離ならば〜)

ボロン

先ほどのものよりも大きな魔力の球体がポニテを打ちすえる。

ドッゴオオン!!
413 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:05:39.58 ID:c6Z1oiGO0
445

--草原--

ビチャッ

ポニテ「ぎゃはっ!!」

血を吐きながら吹き飛ばされるポニテ。

吟遊詩人(む? まだ浅い? ならば)

ポロロロン

ポニテ「!?」

百を越える魔力の球体がポニテを取り囲んでいることに気付きポニテは青ざめた。

吟遊詩人「魔法歌、蜂の巣ラプソディー」

ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!

レン「……」
414 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:06:40.25 ID:c6Z1oiGO0
446

--草原--

ドシャシャーーーーー!!!

吟遊詩人「ふぅ……フェミニストな僕にとってはちょっとこたえるかな〜」

吟遊詩人は次の標的であるレンに視線を向けて言った。

……がら

吟遊詩人「ッ」

ポニテ「あ、くぅ……い、いたぁい……」

吟遊詩人「!? た、耐えた〜?」

血だらけのポニテはがくがくと震えながら立ち上がろうとしていた。

ポニテ「……あ。剣が両方とも折れちゃった……かたっぽはレンちゃんが作ってくれたやつなのに」

吟遊詩人「……」
415 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:07:27.05 ID:c6Z1oiGO0
447

--草原--

ざっ

レン「ありがとうにゃポニテ」

吟遊詩人(! しまった、この子に気を取られてる隙に)

レンの体全体が青く光り輝いている。露出した胸元には青い球体が埋め込まれていた。

レン「ポニテが時間を稼いでくれたから準備完了出来たにゃ」

ポニテ「もー、おっそいよー。私ボロボロになっちゃったー」

ポニテが笑うとレンもつられて笑った。

吟遊詩人(なんですかこれは〜見たことのない技っぽいですね〜)

ポニテ「まぁ私も……時間を稼ぎながら準備してたんだけどね」

吟遊詩人「!?」

ぐにぐにぐに

ポニテがまき散らした血がまるで生き物かのように動いていた。
416 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:09:25.24 ID:c6Z1oiGO0
448

--草原--

レン「じゃあ行くにゃ……人体工房モード」

宣言したレンが眼鏡を外すと、それがスイッチになったのかレンの瞳から光が消える。

吟遊詩人「人体、工房?」

レン「……」

レンが両手でなんらかのポーズを取ると、地面から無数の巨大な鎌が生えてきた。

吟遊詩人「!? 詠唱無しだと?」

ぱし

レンの体が放つ光が強さを増していく。

ポニテ「じ、人体工房モード!? 何それカッコイイ!!」
417 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:09:49.79 ID:c6Z1oiGO0
449

--草原--

吟遊詩人(驚いた……けど魔力の使用量が今までの比ではないね〜。その分ではすぐに枯渇してしまうはずさ〜)

レン「……羽、展開」

レンの呟きを合図とし、レンの背中から巨大な蝶々の羽が出現した。

バサッ!!

ポニテ「わ……鱗粉が雪みたいで、綺麗……」

レン「……」

羽が動く度に振り落ちる白く発光する鱗粉。それと青く輝くレンの姿とあいまって幻想的な光景を生み出していた。

吟遊詩人(……なぜか……彼女の魔力量がどんどん膨れ上がっている〜)

ゴゴゴゴゴ
418 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:10:16.77 ID:c6Z1oiGO0
450

--草原--

レンは、時間という難題をクリアした時に、また一つの問題に気付いた。

“例え素早い錬成が出来るようになったとしても、作れる物の質と量がそのままなのであれば、今と戦力にそう変わりないのではないか”

いつの時代でも求められる、質と量と速さ。
そのどれもが技術力の向上次第で、ある程度までは上を目指すことが出来る。

難解なものを短時間で仕上げるには確かな技術力が必要だし、材料がなんであるかよりも作り上げる人の力のほうが完成品の質に大きく関わってくるのは当然のこと。
より精度の高いものを作る上で、余りを極力出さずに作れるのならば、限られた材料でも完成品の量が変わってくるに違いない。

ゴキョゴキョ

技術でカバー出来ることは非常に多い。
あるもので何とかしなければならないという状況は、これから幾度となく味わうことになるはずだ。それゆえ技術は生きている限り磨き続けねばならない。

ゴキョゴキョ
419 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:10:42.68 ID:c6Z1oiGO0
451

--草原--

しかし、所詮は技術なのだ。

いくらそれが大事なファクターだとしても、質と量、共に大幅に上回る敵が現われた場合、レン達は為す術もなく打ち倒されるだろうと予測していた。
所詮、工夫でどうにかなるのは実力が拮抗した相手とのわずかな差のみだと、レンは痛いほどに理解していたから。

ゴキョゴキョ

だからレンは量を欲した。
完全なる物量を。

物量の凶悪さは質も速さも上回る。
脆弱な人間がモンスターや魔族より多くの土地を所有しているという事実がこの世の摂理を物語っている。

ゴキョゴキョ
420 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:11:15.89 ID:c6Z1oiGO0
452

--草原--

無論、質と速さをないがしろにするわけじゃない。
レンが自分に一番足りてないと思うものを、技術によって手に入れようとしているだけ。

ゴキョゴキョ

物量の元となるは魔力。この世界において最も用途の多いエネルギー。それをレンは求めた。

単純に考えて、精巧に作られた名剣よりも、しこたま魔力を込めあげて作っただけの棒の方が数倍強いのがこの世界。
それだけの爆発的な力が魔力にはある。

ゴキョゴキョ

レン「……」

この蝶々の羽のようなものがレンの求めた最強の力。
421 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:11:58.39 ID:c6Z1oiGO0
453

--草原--

レンの背中の左側に生えている羽は大地、水脈から魔力を吸い上げ、レンの波長に合った魔力になるように変換する仕組みを持ったアーティファクト。
レンの背中の右側に生えている羽は魔力を貯蔵する役目と、供給過多になり体への負担にならないよう調整する力を持つアーティファクト。

ゴキョゴキョ

この煌く羽は、地属性と水属性、そして物体の声を聞く白雪の特性あってこそ成しえたもの。

ゴキョゴキョ

レンの羽は大地から魔力を吸い上げる。

それはつまり、
大地がある限りレンの魔力が尽きることは無くなったということ。

レン「……」

バサッ

レンは大地を手に入れた。
422 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:12:51.94 ID:c6Z1oiGO0
454

--草原--

ポニテ「く、くおぉ〜!! かっこいいーーー!! しキレー!! こうなりゃ黙ってられないよ!! 私も新技お披露目するしかないよね!!」

ぐに

ポニテの体から離れた血がぶるぶると動きだし、それぞれが形をなしていく。

ポニテ「キバおねーちゃんからもらった命、そして技!!」

血は全て杭の形になり、そして燃える。

ボッ

吟遊詩人「!!」

吟遊詩人の胸に付着したポニテの血すら燃え始めた。

ポニテ「いくよ。全軍とっつげきー!!」

ゴッ!!
423 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:13:27.60 ID:c6Z1oiGO0
455

--草原--

ヒュヒュン!!

吟遊詩人「!」

ガガガガガ!!!

吟遊詩人(この胸の血を目がけて飛んでくる〜?なるほど、ただやられていたわけではないと〜)

四方八方から迫る燃える血杭。

ヒュヒュヒュ!!

吟遊詩人(裂けてなお追尾)

グシャっ

顔に迫る杭を蹴りで破壊するも、

ぐにゃ

吟遊詩人(破壊されてもなお再生、とは〜)

蹴りに使った足に血が棘のように刺さっていた。
424 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:14:15.28 ID:c6Z1oiGO0
456

--草原--

しゅん

吟遊詩人「!!」

巨大な鎌を雨霰と放つレン。

ドガドガドガガッドガッーン!!

吟遊詩人「くっ!!」

ポニテ「!! 私の攻撃も両方交わすなんてすごい!!」

吟遊詩人(これは……今のうちに摘むしかないね〜)

ギリィン

吟遊詩人が弦を弾くと

しゅるり

魔力が剣士の姿に変化する。

吟遊詩人「魔法歌、剣士の突撃〜」
425 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:15:12.48 ID:c6Z1oiGO0
457

--草原--

ドンっ!!

魔力で実体化した剣士は、ポニテとレンの攻撃を掻い潜りレンに詰め寄った。

レン「……」

高速で振り下ろされる剣がレンに触れるより早く、

しゅ

鎌がゴーレムに変化し、剣士の攻撃を受けた。

ガギイイイイイイン!!!

吟遊詩人(!! 早い、思考の速度での錬成〜……更に魔力は無尽蔵……〜)
426 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:15:51.22 ID:c6Z1oiGO0
458

--草原--

ばしゅばしゅばしゅ

全ての鎌がゴーレムに変わる。

吟遊詩人(離れた物体もあっさりと!)

ゴーレム「ぐもおお!!」

ドガドガッン!!

吟遊詩人に次々に襲いかかるゴーレム。

ポニテ(くー! ゴーレムちゃんがいっぱいいると私の血が動かしにくいなー、私そこまで精密にうごかせないし)

吟遊詩人とゴーレムの戦いを離れた所から観察しているポニテは、血の杭を自分の元に集結させる。

吟遊詩人「?」

ポニテ(う、やっぱ血を操るのは簡単じゃないな。貧血になりそ)
427 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:16:35.81 ID:c6Z1oiGO0
459

--草原--

ぐちぐちぐちゅちゅ

ポニテの右手の掌に集まった血は一つにくっつき、更に魔力を吸って大きく変貌していく。

吟遊詩人(血の……大剣?)

ぼっ

ポニテが手にしたのは、燃える血の大剣。

吟遊詩人(!! かなりの魔力を練り込んでいる……。さっきと同じ特性をもっているのなら形状も自在に変化するのだろうし、めんどくさいな)

バキン!

吟遊詩人「!」

しかし、血の大剣は二つに分かれる。
あくまで双剣がポニテの戦闘スタイル。

ポニテ「さぁて二体一なんだし、勝たせてもらうよ!!」
428 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:33:19.92 ID:c6Z1oiGO0
460

--草原--

ガガガガガ!!

銀河「くっ!!こいつ」

サム「思ったよりしぶといでござるなぁ。名も無い騎士と思っていたでござるの、に!」

ギィン

サムの切り上げで銀河の鎧が切り裂かれる。

ブシャッ

銀河「がっ!!」

風雲「銀河!!おのれ!!」

ぱからっぱからっ

風雲は馬とともにサムに向かう。

サム「……邪魔でござるっ!!」
429 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/17(火) 02:34:10.35 ID:c6Z1oiGO0
今期はFateと咲とニャル子さんが好きです。

それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/17(火) 04:40:22.34 ID:p442K0zSO
乙でした。

>もうノーパソが完全に寿命です。ぶっ壊れたらssが……
もうエイプリルフールは終わったよ!
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/17(火) 07:58:48.14 ID:gbTG/rMSO
(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/17(火) 09:09:56.39 ID:AkNL65VIO
げっこぉぉぉちょぉぉうである!!
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/22(日) 22:07:45.88 ID:/ZKnhmRG0
まだかなー
434 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:04:16.95 ID:K/B3t6Zc0
お待たせいたしました。それでは投下開始します。m(__)m
435 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:04:45.08 ID:K/B3t6Zc0
461

--草原--

ガギィアァン!!

雷鳴「s、shit!!」

馬と足を斬られた雷鳴はサムと二人の騎士の戦いを見ていることしか出来なかった。

ギギギギン!!

銀河と風雲の馬上からの剣撃をサムは刀一本で捌き続ける。

ガガガガン!!

サム「ぬぅ!!」

ドシュッ!!

銀河の刃がついにサムの肩を裂く。
436 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:05:29.56 ID:K/B3t6Zc0
462

--草原--

銀河「良し今だ!!」

サム「ッ!! させるかでござる!!」

ガァアン!!

サムの一振りは銀河を馬から落とすことに成功する。

銀河「ぐ!!」

風雲「うおおおおおお!!」

風雲は槍を回転させてサムに斬りかかった。

風雲(傷つき、体勢も崩れた今ならば!!)

シャッ!!

風雲「!?」

風雲の槍がサムに届こうかというその時、一瞬早くサムの刀が風雲の体を両断した。

ズシャアアアアアア

サム「スキル、逆境剣にござる」
437 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:06:05.44 ID:K/B3t6Zc0
463

--本陣--

ぴく

軍師「……なかなかやるもんだぜぃ」

軍師は一人、うんうんと頷いていた。

軍師「自ら三強の道を絶った臆病者と噂に聞いていたが、話が違うだぜぃ」

妃「関心している場合では無いですよ軍師〜。それでも貴方がちゃんと指揮していればすぐに終わることですよね〜?」

すりすり

妃は自分のまるまるとしたお腹を撫でている。

軍師「いや〜……なにぶん戦場で任されている箇所が多すぎて、これでもいっぱいいっぱいなんですだぜぃ」

妃「泣き言は聞きません〜。辛くてもこなすのが三騎士の仕事です〜」

軍師「はぅあ……剣も持てないのに騎士なんて称号はほど遠いだぜぃ」
438 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:06:42.45 ID:K/B3t6Zc0
464

--本陣--

東の王(……こいつか)

東の王は座禅を組んでいる軍師を見て思う。

東の王(王国のジョーカー……その力は)

軍師「あ、E9制圧だぜぃ」

軍師は地図にチェックをいれる。

東の王(兵への作戦指示。何気ない指示ですら効力を発揮し、兵のステータスを上昇させる……)

軍師「筋肉質な女性騎士の君、ちょっと鼻毛出てるだぜぃ」

妃「……最低な指示〜」
439 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:07:47.39 ID:K/B3t6Zc0
465

--本陣--

東の王(そんなことでもあがるのか……しかし警戒すべきだな。なにせこいつが指示するだけで、普通の兵の戦闘力が三強レベルにまで跳ね上がるかもしれんのだ)

東の王は眉間に皺を寄せる。

通信兵(東の王様、テレパシーで失礼します)

東の王(どうした? 何かあったか?)

通信兵(探ってみた所、やはりツインテ様のパーティがこの戦場にいるようです)

東の王(そうか。ツインテが東の王国を出た時に、侍も一緒にいたという情報は本当であったか)

通信兵(どうしますか?)

東の王(確保しろ。つつく材料になる)

通信兵(はっ)
440 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:08:34.48 ID:K/B3t6Zc0
466

--本陣--

軍師「……」

軍師はうっすらと目を開けていた。

軍師「妃殿、私は侍の担当から降りるだぜぃ」

妃「……は〜?」

軍師「侍一人を倒すために全ての指揮力を使うならまだしも、このままじゃ消耗するだけだぜぃ。ちょっと力をくわえなきゃいけないとこも出来そうなんで降りますだぜぃ」

妃「……」

軍師の真剣な表情を見て、妃も考える。

妃「ならどうするのですか〜? 野放しはまずいでしょう〜?」

軍師「三強クラスを数人投入しちゃうだぜぃ」
441 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:09:40.99 ID:K/B3t6Zc0
467

--本陣--

通信兵「!」

東の王「バカな……」

軍師「それなら指揮なんかしなくても余裕のよっちゃんってもんだぜ」

妃「……わかりました〜。通信兵ちゃん? まわせそうな三強をまわしてくださいな〜」

通信兵「あ……東の王様」

通信兵は困ったような顔で東の王を見る。

東の王「く……確かに野放しはできん男だ。あれの出自は我が国だしな。通信兵、どうにかして二、三人向かわせろ」

通信兵「は……」

軍師「……」
442 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:10:45.58 ID:K/B3t6Zc0
468

--草原--

ザシュッ、ズブ

雷鳴と銀河に止めを刺したサムは額の汗を拭う。

サム「ふぅ……さて、すぐ見つかってくれればよいのだ、が……」

召喚師「自分の死に場所をでやんすか?」

サム「!」

召喚師は無数の蜂を従えて参上する。

サム「召喚師殿……また面倒くさい人が現れたものでござる……」

召喚師「む、面倒くさいとはなんでやんすか! せっかくこちとら持ち場を放棄して来てやったでやんすよ!」

サム(……そういう所も含めて面倒なんでござるよ)
443 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:11:52.19 ID:K/B3t6Zc0
469

--草原--

サムは左手で刀の鞘を持ち、集中力を高めている。

サム(古くからの戦人。キャリアは長く経験豊富。その戦略は多岐に渡り様々戦局に対応できるとか。……噂しか知らないでござるが)

ザッ!!

絵師「ふぅー!! 手間取っちゃったギャハハ!! てかダルい相手だから押し付けて逃げてきちった!!」

獣のように四足歩行で現れた絵師。

サム「絵師殿……まさか三強が二人も来るとは豪華でござるな……」

さすがのサムも冷や汗を垂らす。

召喚師「それだけ警戒しているということでやんすよ。出来るなら乱暴にしたくないでやんす、無抵抗で捕まってくれると嬉しいのでやんす」
444 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:12:38.69 ID:K/B3t6Zc0
470

--草原--

サム「……せっかくでござるが、拙者何も悪いことしてないゆえ、捕まるわけにはいかんのでござる」

サムはきっぱりと召喚師の目を見ていった。

絵師「ギャハハ!!」

召喚師「はぁ。堅いとことかお父上にそっくりでやんすなぁ」

召喚師は困ったように笑う。

ゆらっ

サム「」

その時サムは、視覚や聴覚では感知出来ない大気の僅かな揺れを感じとった。



そしてその場所へ音も無く刀をふるう。

ギィン!!

隠蔽兵(!! 接近に気付かれたか!)
445 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:13:12.02 ID:K/B3t6Zc0
471

--草原--

サム(もう一人……! だがこれは誰でござる……?)

ブゥン

剣を弾かれた隠蔽兵はその姿をあえて見せる。

サム「……」

隠蔽兵「侍様ほどの人に名乗らないのは失礼ですね……私は東の王国の隠蔽兵と申します。もしかしたらもこもこ討伐の際にお会いしたか

もしれませんが」

隠蔽兵はビシッと背筋を伸ばしサムに名乗りあげる。

サム(ツインテ殿達とさして変わらぬ少年(少女?)だというのにこの戦場に……)

隠蔽兵「もし侍様に東の王国に戻る意志が無いようならば」

隠蔽兵の瞳が暗くなっていく。

隠蔽兵「ここで倒してしまえ、との命令を私は受けています」
446 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:13:54.12 ID:K/B3t6Zc0
472

--草原--

サム「!?」

サムの反応速度を持ってしても、隠蔽兵が接近することに気付かなかった。

サッ
ギィン!!

サム「……!!」

隠蔽兵「! ……やはり弾かれますか、今のはやれたと思いましたが」

プシッ

サムの頬が裂ける。あと一瞬遅かったら……

サム(……ここにもいたか)

召喚師「さて手早く終わらせるでやんすよ」

絵師「自ペイント、カラーリングギャハハ!!」

絵師は自分の腕に絵を書き始める。

隠蔽兵「いきます」

サム(ツインテ殿達と同じく天賦の才を持つものが)
447 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:14:35.90 ID:K/B3t6Zc0
473

--草原--

ガガガ!!!

剣豪「ちぇいッ!!」

ツインテ「」

ドパッ!

全ての触手をかわした剣豪はその勢いのままツインテの首をはねた。

が、

ツインテ「〜〜かははっ!そんなのこの中じゃ意味ねぇんだよ!!」

瞬時に元通りになるツインテは振り向きざまに触手を放つ。

シャ

しかし剣豪はすでにツインテに触れられるほど近くに来ていた。

ガズン!!
448 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:15:16.48 ID:K/B3t6Zc0
474

--草原--

ツインテ「ぐッ」

剣豪「……どんな傷も治し、どんな死からも帰ってくると言うんならよ」

剣豪は胸に突き刺した刀をねじり、ツインテの上半身を両断する。

ブシッ!!

ツインテ「げっ」

剣豪「その魔力が尽きるまで痛め付けてやる」

ブシャーー!!

ツインテの血を浴びながら次の一撃に備える剣豪と、再生しながら剣豪に反撃しようと動くツインテの触手。

剣豪「奥義、」

ミシッ

剣豪の放つ闘気によって世界が止まる。
449 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:16:32.74 ID:K/B3t6Zc0
475

--草原--

ツインテ「やっ」

剣豪「天翔牙突六連ッッ!!」

ツインテ「」

キィン……ズッガガガガガガガガガガァァァァァァァァン!!!!

高速の突きの乱れ打ち。
それはいともたやすくツインテの肉体を粉微塵に変えてしまった。

剣豪「……」

じゅる、じゅるる

それでも、ツインテの体は一つに戻ろうと再生を始めている。

剣豪「……は」

剣豪の頭上をツインテのパーツが飛んでいる。

ツインテ「ま、まけ」

ばちん

ツインテ「負けられ、ない」

剣豪「……!」

グシャ!
450 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:17:14.07 ID:K/B3t6Zc0
476

--草原--

ガギギギギキィン!!

槍兵(な、なんだこれはよぉ!!)

ズシャ!

アッシュ「」

アッシュの猛烈な攻撃の嵐。思わず一歩退いた槍兵は太ももを裂かれる。

槍兵(ちっ……タイミングが取れねえし、気配が読めねぇ。こいつはまさか……)

アッシュ「ぎ。ぎ。ぎ。ぎ」

アッシュはぽたぽたと血を垂らしながら槍兵に走り寄る。

槍兵「……へ、わっかんねぇなぁ。どうしてそこまでして戦うかね」

槍兵は槍を強く握り締めた。
451 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:17:44.59 ID:K/B3t6Zc0
477

--草原--

ギギンギギギン!!!

槍兵「ほっときゃ後一時間もしないで死ぬ傷だぜ?そいつは」

ぽたぽた

アッシュ「ぎ。ぎ。ぎ。ぎ」



音もないアッシュの踏み込み。

槍兵「」

ギィガァン!

槍兵「ッちぃ!」

ガッギギッ、ガガガガ!

槍兵は小回りの効かないはずの槍で華麗に弾いていく。

槍兵(……やべぇ、ちっと楽しいじゃねぇか)
452 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:18:21.47 ID:K/B3t6Zc0
478

--草原--

ガゴッ!

槍がアッシュの肩を薙ぎ払い、容赦無用に骨を叩き折る。

アッシュ「」

どさっ

槍兵「しぇいっ!!」

バランスを崩したアッシュに渾身の力を込めた槍が迫るも、

しっ

アッシュは体を捻るだけでそれを避けて、

てっ、てっ

槍兵「ッ!」

がちぃん!!

ナイフで槍兵に斬り付けた。
453 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:19:06.05 ID:K/B3t6Zc0
479

--草原--

槍兵「はっふへぇ(危ねぇ)!」

ナイフを歯で受け止めた槍兵を見て、アッシュはもう片方のナイフで

ドガッ!!

アッシュ「ぎ」

斬ろうとするがそれよりも一瞬早く、槍兵がアッシュの腹部を蹴りあげた。

槍兵「べっ」

カラン

槍兵が吐き捨てたナイフ。それには毒も混じっていた。

槍兵(……スキルかけてなきゃとっくのとうにやられてるな……三強がなんてざまだ)
454 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:19:41.93 ID:K/B3t6Zc0
480

--草原--

くるん

槍兵が槍を回して最善の攻撃態勢に入る。すると、

アッシュ「〜〜」

槍兵「……?」

アッシュが何かをぶつぶつと呟いていた。

アッシュ「〜〜つは」

槍兵「……」

アッシュ「……あ、いつは……ずっと……俺たちに、気を使って、いた」

アッシュは肺を絞りだすように喋った。
455 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/04/23(月) 23:20:17.97 ID:K/B3t6Zc0
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/04/23(月) 23:21:37.60 ID:xLNP5FLT0
乙!!!
おもしろい!!!
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/04/24(火) 00:59:05.33 ID:gF3sP025o
>>455 乙!
レン、ポニテ組は優勢になったけど、ツインテとサムがピンチだな
アッシュもあまり安心できないし、結構厳しい選択だったのかな……
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/24(火) 16:14:21.54 ID:G+aJhW6SO
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/04/25(水) 07:35:55.24 ID:Zrz+CH0lo
おつ
460 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [sage]:2012/04/30(月) 23:12:49.68 ID:Dv/Rh7hDO
お待たせの所申し訳ありません。脱水症状で倒れたので二三日更新お待ちください……
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) [sage]:2012/04/30(月) 23:14:12.82 ID:Dtw1LD610
お大事に
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/04/30(月) 23:33:47.34 ID:fHxu3lwro
>>460
脱水症状で倒れるって、風邪でもひいたのか?
無理はするなよ。お大事にな
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/07(月) 22:52:27.81 ID:tK2ifv/20
来るかなー
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/05/07(月) 23:23:52.49 ID:e+9vUlm70
大丈夫なのか・・・
465 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:38:45.68 ID:pHCzqzie0
本当にお待たせいたしました。。  まさかのサウナで倒れました。初めてのことでした。

それでは物語もラストスパート、投下していきます。
466 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:39:46.49 ID:pHCzqzie0
481

--草原--

サム「……」

ぽた、ぽた

召喚士「プライドが傷つくでやんすね……三強が二人なんでやんすよ?こっちは」

頭部や腕から流血しているサムはじっとチャンスを待っている。サムは三人の猛攻をギリギリの所で耐えていた。

絵師「ぎゃははは!強いなぁ兄さん!」

サム「いやいやそんなことは……」

ギィヤン!

突然背後に向かって剣を振るったサム、そこには隠蔽兵が。

隠蔽兵「ぐっ!」
467 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:42:21.51 ID:pHCzqzie0
482

--草原--

サム「おや、今のはさすがに首を貰えたかと思ったのに……残念でござるなぁ」

隠蔽兵(ジャミング、だぞ?姿を隠すのとは違うのに!)

ガッギガ!!

打ち合いに押され隠蔽兵は後ろに後退していく。

召喚士(集中狙いはまずいでやんすよ)「二頭巨象!!」

二頭巨象「ぱぉぉん!!」

サム「!」

どがぁん!!
468 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:43:33.07 ID:pHCzqzie0
483

--草原--

サム(く、重く範囲の広い攻撃。少々やっかいでござる……やはり三人はきついでござるぜ)

どぉんどがぁん!

絵師「……ぎゃははは!いいや!奥義使っちゃうか!あんたはそれに値する敵だ!」

召喚士「!?」

体力と魔力を大量に消費することの多い奥義、それを使うということは戦線離脱もやむを得ないという意味である。戦争は一人倒せば終わるわけではない。どんな敵とこの後鉢合わせるかわからないのだ。

絵師「ぎゃははは!召喚士さん!本陣までエスコート頼むよ!」

召喚士「……わかったでやんすよ」

サム「」

その時サムは、表情を少しも変えることなく、笑った。
469 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:44:06.77 ID:pHCzqzie0
484

--草原--

絵師「ぎゃははは!いくぜ奥義!」



奥義発動の構えを取ろうとした絵師。決して油断していたわけではなく、発動までのラグもないのだが、

サム(それを待っていたのでござる)

がずん

絵師「」

誰にも反応出来ぬ早さで、サムの突きが絵師の喉を貫いた。

ぷしっ

絵師「げひゅ!」
470 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:44:59.88 ID:pHCzqzie0
485

--草原--

召喚士「!?」

サム「対奥義、奥義崩し」

ぶしゃぁぁぁ!!

召喚士「なっ!?」

隠蔽兵(早い!カウンターゆえの速度補正か!)

隠蔽兵が剣を構えた時、

隠蔽兵「!」

隠蔽兵は何かを感じ取った。
471 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:45:54.35 ID:pHCzqzie0
486

--草原--

隠蔽兵「この威圧感……」

隠蔽兵は遥か彼方の戦場に意識を向ける。

ドクン

脳裏に浮かぶのは、人が干からびるまで全てを吸い尽くしていたあの外道達。

隠蔽兵「……見つけた」

ダッ

召喚士「!?どどどどこいくでやんす少年!?」

隠蔽兵はあっという間に戦場に消えた。

サム「……おやおやこれはこう都合でござるなぁ」

召喚士「……」
472 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:46:42.61 ID:pHCzqzie0
487

--草原--

ポニテ「はっ、はっ、はっ……ぐぅ」

剣を杖がわりに立ち上がるポニテ。まさしく満身創痍だった。

レン「……、……」

白い頭髪が赤く染まったレン。それでも表情は機械的な無表情のまま。

変化師「ふ、ふーっ」

吟遊詩人「たらららぁん」(……ヘルプが無ければ危なかったかもしれないな〜)

変化師「す、スキル身体変化」

ポニテ「!」

変化師はポニテ目がけて飛んだ。

変化師「た、虎兎!」

右腕は虎の頭に、左腕は兎の頭にそれぞれ変化する。

ブシャァ!!
473 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:47:14.21 ID:pHCzqzie0
488

--草原--

ポニテ「ぐ、あっ!!」

ポニテの双剣では受けきれない動作。

変化師「も、もうやめろ。お、おでは君たちを殺したくなんてない」

ポニテは新たに出血した血を動かそうと試みるが、

ポニテ(ガス欠……)

レン「ッ」

レンは一瞬で巨大な槍を錬成し、同じく錬成したゴーレムに投げ飛ばさせようとするが、

バキャッ!

吟遊詩人「おいたはここまでだお嬢ちゃん〜」

吟遊詩人の何らかの攻撃で粉砕されてしまう。
474 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:47:44.65 ID:pHCzqzie0
489

--草原--

ぼたっ、ぼたぼた

ポニテ「はーっはーっ」

レン「……」

ぱきぃん

レンの背中の羽がガラスのように割れる。その直後、

レン「ごぷっ」

レンは大量の吐血をして倒れた。

吟遊詩人「でしょうね〜あれだけの常軌を逸した力……何かしらの反動が無いほうがおかしいね〜」

ポニテ「れ、レンちゃん!」



変化師のポニテを押さえ込む力が強くなる。

変化師「も、もうやめろ。わ、悪いようにはしないから」
475 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:48:31.61 ID:pHCzqzie0
490

--草原--

ポニテ「ッ……」

ポニテは涙を貯めた目で変化師を見る。

ポニテ「……でも……私達が戦わなかったら……亜人のみんなは助からない」

変化師「!!」

ポニテは大粒の涙を溢す。

ポニテ「私達が戦わなきゃ、誰も亜人の味方がいなくなっちゃうじゃんか」

変化師「……」

ポニテ「私嫌だ。亜人のみんなが差別されて、それを横目に裕福な暮らしをしたって、ちっとも幸せじゃない……!」
476 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:50:03.16 ID:pHCzqzie0
491

--草原--

吟遊詩人「……」

ぽた、ぽたぽた

ポニテ「これ以上……亜人の扱いがひどくなったら、きっとレンちゃんも……そうしたら私達は離れることになる……! それは、絶対に嫌!」

ばち

ポニテは自分の肉が引きちぎれることを承知で変化師の腕を振り払う。

ぶちぃっ!!

変化師「!」

ぽたぽたたっ

ポニテ「……レンちゃんは、ずっとよそよそしかったんだ……」
477 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:51:17.48 ID:pHCzqzie0
492

--草原--

あれから幾度となく剣豪の刃はツインテの息の根を止めた。だが、

うじゅるぶじゅる

剣豪「……」

悪臭を放つ肉が何度も寄り添って人の形を成す。肉が幾重にも積み重なり、大地に流れた血液が本体目がけて逆走する。それはまるで終わらない呪いのようだった。

北の弓兵士「……」

南の歩兵「……」

結界の外からツインテ達の戦いを見ていた兵士達は、そのあまりに凄惨な戦いに釘付けとなって、戦闘を放棄していた。

ちわわ亜人「これが……戦い」

初級兵「や、やだ……もう戦いたくない……」

周辺にいた者達は、戦意を根こそぎ喪失していた。
478 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:52:43.90 ID:pHCzqzie0
493

--草原--

剣豪「……もうやめろ」

ぐちゅるぶちゅる

剣豪「やめろ……」

にちゅるむちゅる

剣豪「……俺をここに束縛し続けるお前の目的は、もう十分に果たされただろ……?」

ぐじゅ

ツインテ「……くそ、何が六連だ。しこたま突いてきやがって」

頭部だけのツインテが悪態をつく。

剣豪「この空間を満たす魔力は枯渇しようとしている。もう戦闘は長引かない……痛みを我慢し続ける必要も、ない」
479 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:53:40.72 ID:pHCzqzie0
494

--草原--

ツインテ「……あぁ?まだ俺は終わって」

剣豪「嬢ちゃん」

ツインテ「ない……ぞ」

ツインテの言葉を遮るように言い放ち、ツインテの髪の結び目を交互に指差した。
そう、ツインテのリボンは二つ。

ツインテ「ま、まだ、俺は、戦える」

震える。

剣豪「死に貧するほどのダメージならば、お前の中の人格を気絶させられることはわかった」

ツインテ「!……」
480 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:55:15.93 ID:pHCzqzie0
495

--草原--

剣豪「だから途中で男口調のやつが気絶したのも知っている。そして女口調の奴があれから現れていないことから察するに、精神のダメージは簡単には治せないようだな」

ツインテ「あっ、う……」

剣豪「……かまだよ。もう少し秘密を守る表情作りを修行しないとな」

ツインテ「」

会話の途中で、ツインテの体は修復しきる。

剣豪「なんにせよ見上げた精神力だ。いや、異常なほどだ。何度も繰り返される死のダメージに、お前は、たった一人で耐え続けた。俺とて短時間にこれだけ殺されてはわからない。……見事だ」

剣豪はツインテに賛辞を送る。

剣豪「だがそれだけに気になるな。なぜそうまでして亜人の味方をするのか」

周囲の人間も固唾を飲んで見守っていた。

剣豪「人と国に決別してまで亜人が大切なのか?」
481 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:56:28.22 ID:pHCzqzie0
496

--草原--

ざわざわ

ツインテ「……」

ビキッ

ツインテはボロボロになった義手を無理やり引きちぎって捨てる。

ガシャ

ツインテ「……ボクは亜人さん達だけの味方というわけではありません」

ざわ

剣豪「なに……?」

ツインテ「ボクが今ここで戦っているのは、この戦いを止めたいから、です」

ざわ、ざわ

ツインテ「本当は、差別もいじめも、人の争いごとをみんな止めたい……。戦わなきゃダメなこともあるのかもしれませんが、ボクは戦争が嫌いです。お互いが傷つくだけに決まってます」

剣豪「……」

ツインテ「みんな無理してるんです。傷つける側だって辛いはずなんです」
482 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:57:34.18 ID:pHCzqzie0
497

--草原--

ざわざわ

ツインテ「剣以外でもきっとわかりあえる」

剣豪「そのためのこの奥義か。終わらない戦い、そして会話をするための」

ツインテ「……はい。この際時間を稼ぐために言ってしまいますけど、他には感覚区域の増大があります」

剣豪「?」

ツインテ「簡単に言うと、この中で戦った相手の戦法とか癖や動き方を学習してその対抗策や弱点を練るための領域でもあります」

剣豪「……!」

ツインテ「治すためにダメージ履歴を強引に閲覧したり、修復する際に体の構造を理解したり」

剣豪「!」

ぞく

剣豪(こいつ……)
483 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:58:35.15 ID:pHCzqzie0
498

--草原--

ツインテ「更に言えば、相手の体を修復した時に僕の魔力を付着させて、相手の位置情報が常にわかるようにすることも出来ます。そして極め付けに僕は、魔力暴発も扱える」

剣豪(……ただの修復だけの力だけではない……心を折ることが出来なかった場合、相手が説得に応じなかった場合、その敵を始末することも勘定に入れているのか?)

ツインテ「……」

びゅううん

そう言ったツインテは絶対回復領域を解いた。

剣豪「……瞬時に回復したから定かじゃねぇが、一撃か二撃、貰ってたのか?」

にっ

ツインテ「……さぁ、僕にはわからない」
484 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/07(月) 23:59:47.44 ID:pHCzqzie0
499

--草原--

アッシュ「レンは、仲間である、俺達にも、しばらく、猫語尾を、使わなかったんだ」

槍兵「?は?」

アッシュ「あいつは、フードをかぶり、亜人の特徴を、隠そうと、していたんだ」


--草原--


ポニテ「最初は一緒にお風呂に入るのすら嫌がった……それだけレンちゃんは今まで迫害されてきたんだ……」

吟遊詩人「?」


--草原--


ツインテ「……」

剣豪(錯覚か?今何か……)

ツインテ「……ボク達の仲間にも亜人がいることは知っていますよね?」

剣豪「?いや、しらん」

ツインテ「え?そう、ですか」
485 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/08(火) 00:00:37.48 ID:00PQDMDbo
しらんのかww
486 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/08(火) 00:00:58.51 ID:bv/Knv830
500

--草原--

ツインテ「ボク達にはレンさんという亜人の女の子の仲間がいるんです。レンさんは、最初会った時は亜人だってことを隠していました。それはきっとレンさんが今まで辛い日々を過ごしてきたからに違いありません」

剣豪「……」


--草原--


アッシュ「だが、心のかべ、なんてもの、は、同じ釜の飯を食う、うちに、なくなった」


--草原--


ポニテ「一緒に旅をしていくうちに、私達は本当に友達になれた……」


--草原--


ツインテ「ボクたちは家族も同然の」

アッシュ「かけがえのない、仲間に」

ポニテ「仲間に、なったんだ!」
487 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/08(火) 00:01:26.70 ID:bv/Knv830
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
488 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) [sage]:2012/05/08(火) 00:29:00.98 ID:F0mLmwu4o
>>487 乙!
まさかのサウナで脱水症状wwww
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/08(火) 08:05:09.61 ID:tsSeHqxSO
最近行き詰まってんのか?

批評スレで見て驚いたぞ
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/08(火) 12:26:05.23 ID:41wkZo2SO
>>487
胸熱展開だな
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/05/08(火) 19:27:18.43 ID:B1h/IjYp0
ゆっくりでいいから!
俺たちは見てやってるんじゃなくて見せてもらってる
だから気楽にやってくれ
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/09(水) 12:07:47.72 ID:PHcfbIpC0
毎回楽しんでるんだからな!
応援してるんだからな!

それはそうと、剣豪さんってるろ剣とか好きそうですねww
必殺技のネーミングセンス的にww
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/10(木) 19:32:12.32 ID:dTsEv/Wto
サムがかっこよすぎ!
そして展開も熱いな
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/14(月) 23:38:01.08 ID:kI0SZTV80
今日は来るかな、勇者ptのターンが楽しみだぜ
495 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/14(月) 23:48:57.87 ID:YcSCNQmt0
こんばんは投下しに来ました。

うぅ……なんかありがとうございます。頑張っていいものを皆さんに提供できるようがんばっていきたいです!

剣豪さんはるろ剣好きですよ!それでは開始します。
496 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/14(月) 23:49:50.96 ID:YcSCNQmt0
501

--草原--

吟遊詩人「……」

ツインテ「貴方達の決断は間違っている……ボク達でも仲良くなれたんだから、貴方達が仲良くなれないわけなんてないんです!」


--草原--


アッシュ「だという、のに、その手段を、考えず、安易に、武力で制圧、しようと、する、キサマラを」


--草原--


ポニテ「止めないわけにはいかない……私は亜人だけの味方じゃないよ。そんな差別はしない。私は、虐げられし者達を助ける。ただ単純に理不尽な暴力を許せないんだ!」


--草原--

ツインテ「だからボクは……ボクたちは、不条理を断ちます」

剣豪「……」
497 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/14(月) 23:52:00.13 ID:YcSCNQmt0
502

--草原--

アッシュ「そのためならば、人とだって、戦おう」


--草原--


ポニテ「私の未来の友達候補をいじめるのなら、私は戦う!」


--草原--

ツインテ「みんなが仲良くなれる時が来るまで……ボク達は戦う……!!」

きっといつかは魔王とだって、仲良くなれる。

剣豪は、最後にツインテがそう付け足した気がした。
498 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/14(月) 23:52:37.81 ID:YcSCNQmt0
503

--草原--

五代目「……」

伊達男(強い……まがまがしいオーラを感じるのに、なぜか心地よい。こんな感覚は初めてだ……)

メイド「五代目様、この守り、我ら三人おれば十分でございます」

番犬「ばう。他の兵はここにはいらないばう。巻き添えに巻き込むだけばう」

五代目「ふむ……というわけだ。兵を下げて休ませるか、一気に攻めるか、好きに選択するがいい」

鼠亜人「ちゅ、ちゅー!?いや、でもいくら助太刀してもらったからって、そこまで信用するわけにゃいかないちゅ……」

五代目「む、確かに」

守りの彼らが裏切ればたちまち城は落とされてしまうのだから。
499 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/14(月) 23:54:54.52 ID:YcSCNQmt0
504

--草原--

メイド「五代目様が信じられないでございますか!?」

番犬「お前達が邪魔なことにはかわらないバウよ……?」

鼠亜人「ちゅ、ちゅー……」

おほん、とわざとらしく咳をする伊達男。

伊達男「ではこれでどうでしょうか?私のスキル、約束で行動を制限してみては?」

鼠亜人「?へ?」

伊達男「一個の約束をさせてこの手錠をつけるのです。手錠をつけられた人物は約束を反古に出来なくなります。破れば、死」

メイド「!な、なんで善意で助けてやってるのに五代目様がそこまでしなきゃならんのでございますか!!」
500 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/14(月) 23:57:17.96 ID:YcSCNQmt0
505

--草原--

鼠亜人「……た、確かにそこまでされたら信じるしかないちゅが……」

五代目「……」

五代目は鼠亜人の顔を見る。

五代目「そんなことでいいのか。なら頼む」

番犬「!?」

メイド「五代目様!?」

伊達男「……よろしいので?」

五代目「あぁ。構わない。俺は弱きを守り、あの村を守り、そこにブラとともに住むのだ。そんなことで信用を得られるなら」

五代目は腕を差し出した。
501 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/14(月) 23:59:28.55 ID:YcSCNQmt0
506

--草原--

伊達男「鼠亜人さん。約束の文脈は貴女が決めてください」

鼠亜人「じゃ、じゃあ、私が戻るまでこの場所に留まり戦って欲しい」

伊達男「スキル約束、発動」

バシュッ

メイド「……それあなたが戻って来なかったらどうなるでございます?」

鼠亜人「ちゅ?」

伊達男「解除されませんね。でもその場合は約束相手が死ねば解除されますし、私が直に解除しますよ」

番犬「お前も死んだらどうなるバウ?」

伊達男「……その時も解除されますね」

ギラついた番犬の眼だった。
502 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/15(火) 00:03:03.61 ID:I1DTOHma0
507

--草原--

五代目「ふ、しかと約束、引き受けた」

鼠亜人「う、うん、頑張ってちゅ。私達は少し休んだ後前線で頑張ってくるちゅ」

南の兵士を引きつれて城壁の中に入る鼠亜人。

メイド「……はぁ。全く人がよすぎでございます。そのせいで人に裏切られたことを忘れたのでございますか?」

五代目「……あれはあれこれはこれだ。過去は過去だ」

五代目はメイドと番犬を見て笑みを浮かべた。

?「あれはあれ……?これはこれ……?」

五代目「!」

メイド「!この感覚は以前にも味わったでございます!」
503 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/15(火) 00:04:03.96 ID:I1DTOHma0
508

--草原--

番犬「!!屋敷でかバウ!」

スッ

?改め隠蔽兵「……」

五代目「連合の兵士か……見たところ随分と若いな」

メイド(そっか、五代目様はこいつを見たわけではないでございます)

隠蔽兵「……また、人を食らいに現われたのか……」

五代目「……いや」

隠蔽兵「……ふざけた奴だ」

ミシシッ

隠蔽兵は拳を強く握りしめる。
504 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/15(火) 00:05:41.16 ID:I1DTOHma0
509

--草原--

ぽたぽた

隠蔽兵「人を……村を壊滅させておいて、過去は過去……だと」

メイド「……!」

番犬(あの頃の五代目様と今では!)

隠蔽兵「貴様は、俺が始末する!」

ガギィャアン!!

激烈な飛び込み。その気迫は圧倒的な実力差のある五代目さえ押されてしまう。

五代目「む……」

ピキ

受けた鎌にひびが入る。
505 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/15(火) 00:08:09.30 ID:I1DTOHma0
510

--草原--

メイド「貴様!」

五代目「やめろメイド」

それを五代目が制止。

五代目「……成る程、あの村の生き残りか。それなら俺を憎むのもわかる」

隠蔽兵「ふっう!!」

五代目「あの時は記憶が曖昧だったんだ、すまん」

隠蔽兵「」

五代目はあっけらかんと、謝罪の言葉を口にした。

ぎり

隠蔽兵(何を、言ってるんだこいつは、あれだけのことをしておいて)

風が巻き起こる。

隠蔽兵「何を……言ってやがんだてめぇはぁぁぁぁ!!」
506 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/15(火) 00:09:21.56 ID:I1DTOHma0
511

--草原--

槍兵「……」


--草原--


変化師「……」


--草原--

剣豪「……」

剣豪はツインテを見つめたまま思い出に浸るように喋り始めた。

剣豪「……竜亜人の伝説というものがある」
507 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/15(火) 00:09:52.74 ID:I1DTOHma0
512

--草原--

剣豪は言葉を噛み締めるように声を発する。

剣豪「今から……そうさな、60年くらい前か?前の前の魔王が死んですぐに事件があったんだ」


--草原--

槍兵「竜亜人という伝説の亜人の生き残りが引き起こした大量虐殺だ。その時に犠牲になった人間は推定不能。魔王から受けた被害をはるかに上回る凄まじい事件だった」

アッシュ「!」


--草原--

変化師「と、当時の権力者が根回ししたのか、その事件を目の当たりにして生きていたものが少なかったせいなのかはわからないが、お、公の記録に残ることは無かった、とされている」
508 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/15(火) 00:12:52.53 ID:I1DTOHma0
513

--草原--

ポニテ「……」

吟遊詩人「この世に地獄を再現した竜亜人は〜、一部の亜人を率いて世界征服を開始したという〜。もっともその後すぐに、竜亜人は亜人王と鬼亜人によって仕留められるんだけどね〜」

レン「……」


--草原--

剣豪「これが記録に残らなかった闇の事件だ。記録には残らなかった分人々の記憶に強く残ったがな」

ツインテ「そんな歴史……知らないです」

剣豪「そりゃそうだ。三強以上の立場になると開示される情報の一つだからな。あの時代から生きていない限りまず知らないだろう」
509 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/15(火) 00:13:24.87 ID:I1DTOHma0
514

--草原--

剣豪「今でも脳裏に焼き付いて離れねぇ血の記憶。亜人と関わると自然とそれを思い出してぎこちなくなり、話したわけでもねぇのにそのしこりが子供に伝わりどうしようもない壁が作られる」

今のじじいばばぁしか直接には経験のないことなのによ、と剣豪。

ツインテ「……!」

剣豪「少しでも亜人がらみの事件があるとそれを連想しちまうんだ。次はどこであれが起きる?その前に全力で押さえ込んで止めなきゃならない、と」

かちん

剣豪は刀を鞘にしまった。

剣豪「俺らは、亜人が怖いんだよ。あのモンスターと見分けのつかない生物が」

剣豪は言った。
510 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/15(火) 00:14:24.02 ID:I1DTOHma0
515

--草原--

剣豪「人は臆病で脆弱なんだ。敵だかなんだかわからないものを、野放しに傍においては置けない」

剣豪は言った。

剣豪「だから仕方のないことだろう?これは侵略でも抑圧でもない、ただの防衛なんだ」

剣豪は言った。

ツインテ「……仕方ない、なんてこと、あるわけないじゃないですか」

ツインテは言った。

ツインテ「先人のやったことを、今の子供たちにまで押し付けるなんて、間違ってる……」

剣豪「……」

ツインテ「そんなの、犯罪者の家系は全員ダメだって、言ってるようなものじゃないですか……」
511 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/15(火) 00:16:23.19 ID:I1DTOHma0
516

--草原--

剣豪「……犯罪者の家族はその負い目から決して武器を持たないだろう。怪しい行動をすればすぐに糾弾される。……追い詰めない限り、やつらは無害だ。だが亜人は違う」

ツインテ「……生まれながらに強いから、ダメなんですか?」

剣豪「あぁ。あいつらの握力なら子供であっても、簡単に首をねじ切る。子供同士で遊んでるのを見るとひやひやするぜ」

ツインテ「……モンスターと見分けがつかないから、ダメなんですか?」

剣豪「あぁ。そもそも亜人とモンスターを明確に分ける手段すらない」

ざわ

ツインテ「……それなら……悪人と善人だって外見だけじゃわからないッ」

ざわ

剣豪「……」
512 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/15(火) 00:16:58.05 ID:I1DTOHma0
517

--草原--

ツインテ「……はっ、はっ」

ざわ、ざわ

剣豪「……生粋のお姫さまなんだな。さすがは言うことが違う。清廉潔白そのものだ……」

ツインテ「ボクは……お姫さまなんかじゃないです。それと……清廉潔白でも、ない」

剣豪「……」

ツインテは俯きながら声を弾く。

ツインテ「ボクは弱い……本当なら戦いなんて、したくはなかった」

ざわ

ツインテ「そんなボクがなんで……戦場に立って、東の王国最強の剣豪様と対峙しているのか……今でも正直不思議です」
513 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/15(火) 00:17:39.30 ID:I1DTOHma0
518

--草原--

ざわざわ

ツインテ「いつの間にか、ボクの拳も武器になってました……自分以外の血に濡れたりもしました……」

ざわざわ

ツインテ「……自分のふがいなさのせいで友達が傷つくことになっちゃったし、ボクも腕を失った……。いつからボクの手は人を殴るためのものになったんだろう……」

ざわざわざわ

ツインテ「本当なら、クッキーでも作って、みんなと紅茶でも飲んでいたかったのに……」

剣豪「……」

ツインテ「でも外にでなくちゃこんなことはわからなかった。こんなにも間違った世界だなんて……思わなかった」

ざわざわざわざわ

ツインテ「意志の通じる同胞を、差別して当たり前だと言い張る世界だなんて!」

ざわざわざわざわ!
514 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/15(火) 00:18:16.63 ID:I1DTOHma0
519

--草原--

ツインテ「意志を通すには力しか……ない。もうボクの手はクッキーを作らない。この拳は戦うために!」

ツインテは全ての魔力をその拳に集中させた。

ツインテ「勇者仮パーティ勇者候補その三、ツインテ。……参ります」


--草原--


アッシュ「過去のせいで、今生きてる者達を、殺させる、わけには、いかない」

アッシュが腰を沈めた。

アッシュ「勇者仮パーティ勇者候補その二、アッシュ、裂く」


--草原--

ポニテ「平和に終わらせるために……戦争をするよ!!」

ポニテは血の大剣を構えた。

ポニテ「勇者仮パーティ勇者候補その二、ポニテ……行くよ」
515 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/15(火) 00:18:56.11 ID:I1DTOHma0
520

--草原--

しゅううう

聖騎士「ぬぅぅぅ……中々ぁぁ楽しませてくれるではぁぁないかぁぁ」

服がボロボロになった聖騎士と鬼姫。

鬼姫「そりゃ、どうもっす」(やれやれ、一人対一人と一匹というハンデはあるっすが、少し押され気味っすね……)

鬼姫は構えを崩し深呼吸。

鬼姫(けど竜の羽は壊れたっす。地を這う程度ならあんまし怖くはないっす)

灰竜「ぐおるるるるううう」

聖騎士「……ぶるるるあぁあぁあっ!!久しぶりぃぃだぁああ!!この我えぇぇがぁああ本気で闘えるのはぁあなぁああ」

ざっ

聖騎士が地面に立つ。

鬼姫(竜から降りた?聖騎士が乗り物からおりるなんてどういうことっすか)

聖騎士「我は騎士でもあるがぁなぁあ。我は、単体のほうがぁ強いのよ」

ひゅ

鬼姫「」

鬼姫の反射速度をもってしても、捉えきれない速度で、

ゴッ

聖騎士の拳が鬼姫の顔面を打つ。

聖騎士「ふぅう……竜人モオオオオオドオオォ」

聖騎士の尻から尾が、頭部から角が生えた。
516 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/15(火) 00:19:39.11 ID:I1DTOHma0
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
517 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/05/15(火) 00:20:05.19 ID:G/t0E59U0
ツインテ3、アッシュ2、ポニテ2・・・・??
518 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/15(火) 00:21:08.71 ID:s1yDUwESO
ほう
519 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/15(火) 00:23:26.36 ID:ZhCA/K/u0
乙乙
竜亜人がラスボス候補なのかな。
って聖騎士さん竜亜人なん?
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/05/15(火) 00:38:01.23 ID:G/t0E59U0
てか聖騎士勇者より強そうだなww
勇者の見せ場が少なかっただけか?
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/05/15(火) 07:31:40.72 ID:7r9/e+r0o

アッシュとポニテにはコイツが勇者候補だって認めてる人がいるって事だろ
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/15(火) 23:14:23.69 ID:G/t0E59U0
>521
ああ、なるほどなぁ
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/05/16(水) 02:02:42.46 ID:gzme1YdP0
俺は本人達の自己評価だと思ってたんだが・・・
ツインテは他2人を上にして、アッシュとポニテは自分を2番目で1番をツインテ みたいな?
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/05/16(水) 20:28:33.31 ID:p0Pqq43To
>>523
>>521で言ってるじゃまいか
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/16(水) 20:59:45.33 ID:Wt/lUMGwo
突っ込む必要はなかろうww
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) :2012/05/17(木) 01:34:27.54 ID:mWHPrjLR0
いや、>>521が言っているのは不特定多数だろ
俺が言ってるのは少し違うぞ
ツインテは他二人が認めてるって言ってるしな
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/05/17(木) 07:25:49.39 ID:bhn+TRo0o
>>526
違うよ
>>521はわざとボカして言ったんだけど
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/17(木) 07:54:48.68 ID:CTy64wuSO
とりあえず貧乳マダー
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/17(木) 21:04:08.76 ID:SElbcDUc0
俺「勇者仮パーティ勇者候補その一、俺……おほとのごもる」
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/05/17(木) 22:54:55.50 ID:Fl/f7cNFo
>>529
なんで寝てばっかの奴が第一候補語ってんだよwwwwww
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/18(金) 07:39:06.32 ID:3br3RC3DO
>>529の寝殿に絶対回復領域が発生した模様
532 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/21(月) 23:57:06.95 ID:4WrZoB6b0
こんばんは。投下しにまいりました。

その3、2、2は皆様のご想像通り、ツインテは自分が三番目だと、アッシュとポニテは自分が二番目だとそれぞれ思っているようです。誰が一番なのかとかはご想像におまかせしまおほとのごもるww

それでは開始します。
533 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/21(月) 23:57:34.45 ID:4WrZoB6b0
521

--草原--

ガギギギギギィヤン!

メイド(押されている……!やはり五代目様はあのことに罪悪感を感じておられるでございます!)

番犬(……)

隠蔽兵「うあぁぁああぁ!!」

ギャギャァン!!

五代目(認識をずらしての斬撃……防げちゃあいるがこれは神経を削るな……)

ギィン!

隠蔽兵「っ」

五代目の鎌が隠蔽兵の剣を大きく弾くと、隠蔽兵の体勢が完全に崩される。
534 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/21(月) 23:58:05.61 ID:4WrZoB6b0
522

--草原--

五代目「俺はお前にあれだけのことをしたのだ……俺はお前に殺されるべきだったかもしれないが」

五代目の体が深く沈む。

五代目「……許せ。今はまだやることがある。罪は、全てが終わったら必ず償う」

渾身の力を乗せた大鎌が走る。

隠蔽兵「お前が殺した人間達は、後で死ぬという選択肢も与えられなかったんだぞ……!」

グス

刃先が肉に埋没した瞬間、

ぐるり

五代目「!」

それを起点に隠蔽兵は回転した。
535 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/21(月) 23:58:33.34 ID:4WrZoB6b0
523

--草原--

ぶちちっ!

肉が裂け血が弾ける。そして剣が、

フォン!

五代目「」

ズブシャッ!!

五代目に落ちた。

メイド「五代目様ー!!」

隠蔽兵「……今死ね。悪鬼」
536 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/21(月) 23:59:01.99 ID:4WrZoB6b0
524

--草原--

メイド「五代目様!」

番犬「!!」

倒れゆく五代目を目の当たりにした二人は隠蔽兵に迫る。

ザザザ!

隠蔽兵「くっ!」

これにはさすがにたまらず、隠蔽兵は後ろに引くしかなくなった。

メイド「五代目様!五代目様!」

五代目を抱え悲痛な声をかける。

五代目「……ぐ」
537 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/21(月) 23:59:38.22 ID:4WrZoB6b0
525

--草原--

番犬「ぐるるる……!」

隠蔽兵「……」

隠蔽兵と番犬が睨み合っている。
自力で言えば完全体になった番犬のほうが遥かに上なのだが、それでも番犬は動かない。

隠蔽兵「……」

隠蔽兵の向ける強烈な殺意は、ある程度の実力差なら吹き飛ばすだろうと予想できたし、何よりその殺意は正当なものであると感じたからだった。

番犬「……」

かつて人間だったからこそわかる。自分の親しい人間を、他人の都合のために蹂躙されるということを。それに対する恨みを。怒りを。悲しみを。

ぽろ

番犬には、自分たちが理不尽に奪う側になっていることを、痛いまでに感じていた。

番犬「…………狂ったままでいられたら、よかったのに」

番犬は
涙を溢した。
538 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/22(火) 00:00:09.97 ID:axUq8psR0
526

--草原--

五代目「……ふん。魔王は辛いな……悪夢から目覚めてもまた悪夢だ」

五代目の体が修復せず朽ちていく。まるで自身がそう望んでいるかのように。

五代目「……魔王のままであれたなら」

メイド「」

メイドは五代目のその言葉を聞いて止まった。


--過去--

メイド「はーっ、はーっ」

番犬「ぐ、人間どもめ……!やっと振り切ったバウ」

ナビ子「……五代目ちゃん、こんなボロボロに……!」

五代目に既に意識はなかった。
539 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/22(火) 00:00:52.84 ID:axUq8psR0
527

--過去--

メイド「……肉体は死にました……だが、まだ終わりにはしないでございます!」

番犬「!何をするつもりバウ!?」

メイド「我が奥義、メイドメイドで創造するのでございます」

ナビ子「!?メイドちゃん!?それって!」

メイド「全員の回復装置……きっとこれだけの傷……すぐには治らないでございます。回復に必要な魔力が途中で無くなれば、そのまま朽ちていくのみになるかもでございます……でも、でも……私は、悔しい!!」

ナビ子「……」

番犬「メイド……」

メイド「……なんで!なんでよ!!……私達は世界のためにと戦い続けたのに、なんで今度は世界のために滅ぼされなきゃいけないの!?こんな、こんなエンディングは嫌!!」

メイドは血の涙を流す。
540 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/22(火) 00:01:50.37 ID:axUq8psR0
528

--過去--

五代目「」

五代目の亡骸にメイドは触れる。

メイド「私は……絶対に認めない……五代目、様……」

メイドの指は五代目の顔にそっと触れた。

メイド「今度は迷わないように……今度は苦しまないように……人を憎んでだけいられるように作り変えてあげる……」

メイドから魔力が漏れ始める。魔力は周りの地形に作用し迷宮を作り上げる。

番犬「……次に目覚めるのはいつになろうな……バウ」

ナビ子「さぁ、もしかしたら目覚めないかもね」

番犬「縁起でもないバウ」

メイド「……」
541 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/22(火) 00:02:24.26 ID:axUq8psR0
529

--過去--

ナビ子「……うん、じゃあ私がその装置と一体化して管理してあげるよ」

番犬「!?何を言いだすかバウ!」

ナビ子「だってメイドちゃんもうそこまで魔力残ってないもん。五代目ちゃんとメイドちゃんと番犬ちゃんの分で精一杯だよ」

メイド「……」

番犬「……女にそんなことを任せられるかバウ。番犬らしく俺が番をするバウ」

ナビ子「あー男女差別発言だー。……いいんだよ。メイドちゃんと番犬ちゃんは五代目ちゃんを守る使命があるんだから。一番弱い私がその任を引き受ける」

メイド「……お願いするでございますナビ子」

番犬「メイド!」

ナビ子「私ももういい加減ボロボロだしね〜。ここいらが潮時だよ」

ほぼ頭部だけのナビ子は笑う。
542 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/22(火) 00:02:54.61 ID:axUq8psR0
530

--過去--

番犬「……」

メイド「……みんなで生きようでございます……憎き人間どもを根絶やしにしたら、みんなで」

ナビ子「いーねー」

番犬「……」

メイド「あの幸せだった日の続きを取り戻すために」


--草原--

メイド「うっ!うぅっ!」

メイドはボロボロと涙を溢す。

五代目「メイド……?」

メイド「ごめ、ごめんなさい五代目様!私が貴方にあんな行動を、させたのでございます……」

五代目「……?」
543 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/22(火) 00:03:33.18 ID:axUq8psR0
531

--草原--

メイド「目覚めた貴方が、また人に、勇者に滅ぼされないように、冷徹でいられるようにと」

五代目「……」

メイド「現代に蘇ってからの蛮行は、全て私のせいなんでございます!私が、私が人格に手を加えたから……」

五代目「……」

メイド「あの国を滅ぼしていた時は人を憎んでいたのに、最後に勇者に殺された時の貴方は」


--過去--

メイドの指が魔王のほおをなぞる。やっと呪縛から解放されたような安らかな死顔を……。
544 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/22(火) 00:04:01.96 ID:axUq8psR0
532

--草原--

五代目「……」

メイド「だから、あの者の怒りは私に向けられるべきものなのでございます……!その死は私のものでございます!五代目様!だから生きて!!」

五代目「……他にいじくった所はあるのか?」

メイド「え……いえ、人を滅ぼす魔王の使命と、殺すことに抵抗がないようにしただけで……ございます」

五代目「ふむ……なら、何も問題はない」

五代目はにっこりと笑う。

五代目「お前達への接し方や想いまでもが作られたものならば……と少し不安になったぞ」

メイド「……へ」

五代目「お前達の罪は全て俺の罪だメイド。それにあの町でやったことは俺の責任だ」

ぐぐ

五代目は立ち上がった。
545 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/22(火) 00:04:28.98 ID:axUq8psR0
533

--草原--

五代目「正直……スカッとしたところもある。俺は人を憎んでいたしな」

メイド「」

五代目「俺は悪役だ。正義には戻れない」

ガシュ!

番犬「……っあ」

隠蔽兵の剣により血の海に沈む番犬。

五代目「……迷ったか番犬」

倒されるはずもない番犬がやられるも、五代目は予想が的中したような表情。

メイド「あ……あ」

五代目「さて……お前達がくれた二度目の生、しかと生かしてくれよう」

だっ

メイド「……!」

ただ生きていたかった。
546 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/22(火) 00:04:55.07 ID:axUq8psR0
534

--草原--

鬼姫「が、っあああ!!」

ドギャギャギャギャ!!

縦横無尽に戦場を駆け抜け飛行する竜と戦った鬼姫だったが、聖騎士の攻撃を一度たりとも避けることができない。

ギャギャギャ!!

竜の攻撃をも受けきった鬼姫の強固な防御力ですら、聖騎士の拳はたやすくその肉を叩き破る。

北の人形師見習い「……す、すごい」

圧倒的戦力を持つ鬼姫、それが今は殴られる度に血を撒き散らす肉のサンドバックと化していた。

鬼姫(お、も゛、い)

聖騎士「どうしたどうしたどうしたぁぁぁぁぁん!!」

聖騎士はくるりと高速で回転し、

ベギャ!!

鬼姫「ぎゃ!!」

強烈な回転蹴りを鬼姫に見舞った。
547 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/22(火) 00:05:22.31 ID:axUq8psR0
535

--草原--

ズザザザザザー!

数十メートルも吹き飛ばされた鬼姫は岩に激突することでやっと止まった。

聖騎士(……後ろにぃぃ威力を流したかぁぁ)

ぱら

鬼姫「ぐ……」(まさかこれほどとは……さすがは厄災の代名詞っす、ね)

鬼姫はたたらを踏みながらなんとか立ち上がった。

聖騎士「……まさかその程度で本気などとぉぉ言うのではぁぁ、なかろうなぁ」

ズシャ

聖騎士は地面を踏み砕き一歩ずつ近づいていく。

ズシャ

それはまるで死刑宣告。鬼姫の命は聖騎士までの距離に比例する。
548 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/22(火) 00:05:50.83 ID:axUq8psR0
536

--草原--

ズシャ

聖騎士「どうしたぁぁ……貴様のぉぉ父はもう少しぃぃましであぁぁったぞぉ……」

鬼姫「!」

鬼姫は口を拭いて構えを取る。

鬼姫(……まだ近距離でのスピード勝負ならわからないっす)

シュ

鬼姫が弾かれたように飛び出す。

聖騎士「ぬぅぅあぁ」

ガガガガが!!

フェイントに次ぐフェイント、的を絞らせない動きで聖騎士を圧倒

ゴッ!

鬼姫「」

聖騎士の尾が鬼姫の首をはたき、大地に打ち付ける。
549 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/22(火) 00:06:28.00 ID:axUq8psR0
537

--草原--

鬼姫「くっ」

すぐさま走りだす鬼姫。が、

聖騎士「あの伝説の鬼がぁ、ちょろちょろちょろちょろ動き回りおってぇぇ、小蝿の真似事かぁぁ?」

鬼姫「」

聖騎士は鬼姫の後ろで腕を組んでいる。

鬼姫(このスピードに)

ゴシャッ!!

聖騎士はかかと落としを鬼姫に放つ。

鬼姫「だっ」

ぐらりと沈む鬼姫。

鬼姫(受け、ながせなかった、っす)

ダメージは大きい。
550 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/22(火) 00:07:01.58 ID:axUq8psR0
538

--草原--

聖騎士「……ぶるぁぁぁ。これは面白いぃ」

ざっ

鬼姫「……?」

足が震えて立ち上がれない鬼姫が顔をあげた。

ざっ

聖騎士「まるでぇぇあの時のようではないぃぃかぁぁ」

ざっ

亜人王「……」

聖騎士「久しいなぁ象よぉぉ……」

ざっ

亜人王「お前が来るのならば私も出なくてはなるまい。盟友よ」
551 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/22(火) 00:07:52.06 ID:axUq8psR0
539

--草原--

鬼姫「……亜人王」

亜人王はばさりと着ていた服を脱ぎ褌一つになる。

亜人王「……はぁぁ」

深く長い深呼吸。そして

亜人王「ふんっ!!」

ぼごごっ!!

鬼姫「!?」

弾けんばかりに筋肉が盛り上がる。

亜人王「しゅうぅ……」

聖騎士「……衰えたなぁ亜人王……」

亜人王「あぁ。肉体はな」

聖騎士「……?」

亜人王「だが心は違う。破壊しか知らなかったあの頃とは、強さのみを追い求めていたあの頃とは違う。私は、今こそが最強なのだ」

聖騎士「……」

亜人王「鬼子よ、共に竜を退治しよう。今こそ命は投げ捨てるもの!!」
552 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/22(火) 00:08:20.67 ID:axUq8psR0
540

--草原--

サム「……は!!」

サムはテレパシーのようなものを感じ取る。

サム「……こんなことしてる場合じゃないでござる。急がねば」

サムは生者のいない戦場で、ズボンをはいた。
553 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/22(火) 00:11:06.42 ID:axUq8psR0
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m


 
           次回予告



三人が出会ってのはあの酒場。そこから、彼らの冒険が始まった。

時間の長さよりも濃密な、長い長い旅路の末に、幼い彼らが選んだ答えとは……


           次回、


        最
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/22(火) 00:18:50.78 ID:cWH1WGC6o
乙!
まさか次回に最強の勇者くるのか!
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/22(火) 00:55:34.73 ID:mS6/S+iAo
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/22(火) 01:24:45.29 ID:gTmeSXuSO
サム何してた……?
まさか死姦?
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/22(火) 22:41:47.33 ID:uBXnO6pP0
乙!
最終回だけは勘弁・・・・
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/05/23(水) 00:38:32.00 ID:O70vxt0Ko


最の一文字にネウロのラスト並みのルビが振られたらワロス
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/27(日) 23:45:15.14 ID:QUtt4WIG0
ついに明日か・・・
皆は月曜しか身に来てない?
俺は毎日チェックしちゃうけど
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/28(月) 00:30:32.46 ID:ICJfFUC/o
janeだから書き込みがあったら
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/05/28(月) 02:37:21.24 ID:ooDxzdu3o
bb2cだから書き込みがあったら
janeも使うけど
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/28(月) 19:03:56.67 ID:74tPznHO0
俺も毎日だな
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/28(月) 21:20:21.92 ID:ykcfS8ne0
ついに今日か・・・
もう少しかな?
564 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:21:18.06 ID:0kaWWfGO0
お待たせいたしました。何度もチェックしていただいてるようですみません。
それでは投下します!
565 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:22:09.62 ID:0kaWWfGO0
541

--草原--

人造魔王「うほほーい! 強いのがいっぱい!」

そこに人造魔王が現われた。

亜人王「!」

聖騎士「……貴様はぁ西の……」

亜人王(増援か……きついな……)

人造魔王「あれれー困ったなぁ遊軍がいないからどっちにつけばいいのかわからないや!」

鬼姫「へ」

人造魔王は竜人になった聖騎士がわからないらしい。

人造魔王「じゃあじゃあ、弱いほうにつこうっと!」

そう言って、人造魔王は鬼姫と亜人王の傍に飛ぶ。

ざざっ

人造魔王「3対1! これでイーブンだね!」

聖騎士「……ふふふ、はははははぁ!」
566 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:22:54.33 ID:0kaWWfGO0
542

--草原--

ツインテ「ああぁぁぁ!!」

ビュオオオオ!!

ツインテの左拳を中心に、竜巻のような魔力の突風が吹き荒れる。

剣豪「……」

ツインテ「……」

剣豪とツインテは一歩も動かずタイミングをはかっている。

剣豪(……この歳でこの実力、こいつがこれから場数を踏んでいけばきっと厄介な存在になるだろう。……こいつの思想は世界の理を変えかねないし、自動蘇生スキル持ちということもある……)

ぎり

剣豪(……何かある前に、終わらせるか)

ツインテ「……」

ツインテは剣豪の目の色が変わったことに気付いていた。
567 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:23:22.62 ID:0kaWWfGO0
543

--草原--

周囲の人間の戦意を折るためとはいえ、三人はあまりに危険な行為を犯した。

アッシュ「」

ガキキキキキン!!

槍兵(くそ……こいつも暗殺組織の生き残りか? ……それとも)

キキキンブシッ!

あの槍兵が容易く間を詰められ、

ブシッ!

槍兵「ッ!」

受けに回るしかないこの現状は明らかに異常だった。

ガガキン!ブシッ!

名もなければ歳も若い、満足に体が出来上がってないような少年なんぞに、たったのナイフ一つで身体中に傷をつけられているのだ。
568 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:24:16.82 ID:0kaWWfGO0
544

--草原--

ブシャッ!

槍兵(驚いた……だがそれ以上に危険だ)

アッシュ「……」

彼ら三人の行動と言動は、軽視出来ないものだった。


--草原--

ポニテ「ああああ!!」

ポニテは全ての力を二つの大剣に込める。

吟遊詩人「……」

ビキビキ

変化師「……」

大剣はひび割れ、中からおぞましい光が漏れ始めた。

ビキキ

そしてそれを見た二人の顔つきが変わる……。
569 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:24:45.20 ID:0kaWWfGO0
545

--草原--

剣豪、槍兵、吟遊詩人、変化師(((この分だと、残りの二人も危険だ)))


彼らは強者ゆえに、ツインテ達が後に強大化することがわかっていた。
そしてその思想が自分達とは相いれぬものであるということも。

ひゅん

槍兵「……どんな凶悪なポテンシャルを持った奴でも、成長しきる前に死んじまったなら、そいつはポテンシャルがねぇのと一緒だぜ?」

しゃっ

アッシュ「……!」

槍兵の殺意が込められた槍はアッシュの頬を裂いた。

アッシュ「……」
570 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:25:13.45 ID:0kaWWfGO0
546

--草原--

ツインテ達三人は、最初に三強達と出会ったその時すでに、敗北を覚悟していた。

ツインテ(……)

埋まらない実力差、それでも役目を果たさんと彼らなりに努力したのだ。
571 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:25:52.20 ID:0kaWWfGO0
547

--草原--

アッシュ(……)

時間さえ稼げば、あのヤミならばこの戦局を変えられると信じて。
そして、


--草原--

ポニテ(……)

彼らは同時にあることを考えていた。


ツインテ、アッシュ、ポニテ(((この人達はきっと、自分を倒したら仲間の二人を始末しにいくだろう)))

と。
572 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:26:24.96 ID:0kaWWfGO0
548

--草原--

だから皮肉にも、

ツインテ、アッシュ、ポニテ(((なんとしても、ここで倒す)))

ツインテと剣豪が激突する。

ツインテ、アッシュ、ポニテ(((この人(達)だけは)))

アッシュが必殺の構えから槍兵の命を狙う。

ツインテ、アッシュ、ポニテ(((この命と引き替えにしてでも!!)))

ポニテが大剣を降りぬいた。

ドガァァン!!

……くしくも三人の少年少女は、同時にその考えにいきついてしまったのだ。
573 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:27:04.36 ID:0kaWWfGO0
549

--草原--

ズバッ!

ブシュ!

グチャ!

ツインテ、アッシュ、ポニテ((()))



三人の仲間を想うがゆえの自爆突攻は、非情にも裏目となり、


アッシュ(畜生、仲間が……欲しい)

ポニテ(みんなが傍にいれば、何だって出来るのに……)

ツインテ(せっかく……修行したのに)

ブシャ

ツインテ、アッシュ、ポニテ(((あとは、頼ん、だ)))

全滅することとなった。
574 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:27:30.84 ID:0kaWWfGO0
550

--草原--

五代目「……」

隠蔽兵「はぁ、はぁ」

傷ついた身でありなから、五代目は隠蔽兵の攻撃を捌き続けた。

五代目(やれやれ……戦争を止めるどころではなくなってしまった)

メイド(く!……私達にこの少年を殺すことは出来ないでございます)

それはスタンスを変えてしまったから。

隠蔽兵「いやぁぁぁぁ!!」

ギガァン!!

五代目(……!)

理性を失い、好き勝手に振る舞えたならどんなに楽か。
575 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:27:59.37 ID:0kaWWfGO0
551

--草原--

隠蔽兵「……!スキル」

隠蔽兵が構えを取る。

隠蔽兵「空断ち!!」

シャン!

隠蔽兵が剣を振るうと、飛翔する斬撃が放たれた。

五代目「!」

シャンシャンシャン!

それも一つや二つではなかった。

五代目「く!」

ガガン!

狙いを正確につけることが出来ないということが、逆に隠蔽兵にとって幸し、五代目にとって不幸だった。
576 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:28:36.35 ID:0kaWWfGO0
552

--草原--

五代目「!」

五代目が下手に弾きそこなうと、後ろの傷ついた兵達に当たってしまう。

ガンガンガギィン!

五代目(……ここで戦えば他のものに犠牲が出る……やむを得ない)

五代目は隠蔽兵との戦いの場を変えようとした。

ざっ

伊達男「!?ばっ!!」

ぎゅぎゅり

……そんな初歩的なミスをするほどに、隠蔽兵の件は五代目の心を揺さ振っていたのだ。


《約束、発動》

五代目「」

ぐしゅる

場所を動こうとした五代目の心臓が破壊される。

メイド「!!あぁああ!」
577 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:29:05.75 ID:0kaWWfGO0
553

--草原--

聖騎士「ぶるぅぅぅあぁぁぁ……」

何度にも渡り削られた聖騎士がよろめく。

亜人王「好機!超象パンチ!」

ドゴゴゴォン!!

聖騎士「っっ!!」

強力無比な亜人王の攻撃が聖騎士を吹き飛ばす。

ガッゴゴ!!

岩や地面を転がった先に、

人造魔王「にょー」

バチバチバチ!!

人造魔王はそれぞれの掌に、雷と氷の魔力球を生成。それらは接触すると互いに反発しあい、完全に融合が終わると凄まじい力を生みだしていた。

人造魔王「くーらえーい!」
578 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:29:41.07 ID:0kaWWfGO0
554

--草原--

ババババババババ!!

聖騎士「ぬっ」

強力な魔力砲を途絶えることなくたたき込む人造魔王。

ドバァン!ドバァン!ドババァン!!

鬼姫「スキル」

ギ、ギギギィン!!!!

鬼姫の右手の指先に高濃度の魔力が集約される。大気が震え、空間が歪むほどの恐ろしい力。

ドバァン!ドバァン!

砲撃の連打で動きが取れない聖騎士は、嬉しそうに口元を歪める。

聖騎士「……さすがにぃ、お前ら三人同時はぁぁ、きつかったかぁぁ」

そう、ボソリとつぶやいた。

鬼姫「鬼包丁!!」

ズバァァン!!

聖騎士の硬い鱗を軽々と裂き、戦場に血の花を咲かせた。
579 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:30:08.33 ID:0kaWWfGO0
555

--草原--

どしゃっ

亜人王「……ふぅ……」

鬼姫「はぁっ、はぁっ……なんとか、倒せたっすね」

人造魔王「あぶなかったねー!」

もぞ

亜人王「これで後は貯蔵魔力の量次第だ……奴があれを手に入れているのならの話だが」

鬼姫「貯蔵魔力?」

人造魔王「にょー?」

もぞぞ

亜人王「知らないかね?その昔の災厄の話を」
580 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:30:55.65 ID:0kaWWfGO0
556

--草原--

鬼姫「災厄……」

人造魔王「にょー」

もぞぞぞ

亜人王「今でも語りつがれているじゃあないか。災厄の象徴は二つ。竜亜人と」

鬼姫「!!」

人造魔王「……あれ?」



聖騎士「」

そこには倒したはずの聖騎士が立っていた。

鬼姫「……自動、蘇生者」

亜人王「……竜の生命力と人の生への執着が生み出す奇跡の技。竜亜人一族固有スキル、自動蘇生。竜亜人が災厄だからこそ、そのスキル持ちも災厄と呼ばれるのだ」

聖騎士「ふむ。第二ラウンドといこぅかぁぁ」

災厄が笑う。
581 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:31:32.09 ID:0kaWWfGO0
557

--草原--

秘書(はっ!この気配!)

秘書はナイフを抜き臨戦態勢に移るも、

すっ

一瞬早く、東の王の後ろに影が現われた。

シノビ「……お久しぶりでございます。姉様」

東の王「!?」

シノビのクナイが東の王の背中に突き付けられていた。

東の王「乱破め……」←一度言ってみたかった。

秘書「お前は!」

シノビ「十代目、すなわち現勇者より言伝を扱っています」

新王「!?」
582 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:32:03.08 ID:0kaWWfGO0
558

--草原--

戦士「やれやれ、戦争地域に近い村だと言うのに兵もおかないとは。無用心だな、うすっ!」

僧侶「きゃはは!でも安心してね!私達が来たからにはもう大丈夫!守ってあげるからね!」

花屋のおばちゃん「!そのひっくり返った蜘蛛のような紋章は!!」

ブラ「勇……者?」

村の警護に来た二人は笑う。


--草原--

聖騎士「……ぬ?」

??「う、く」

聖騎士の蹴りを間に入った鎧が受けとめていた。

聖騎士(我の蹴りを、受け切ったぁ?)

??「い、いったーい!やっぱし痛いじゃないっ!ばかばか!」

鎧の中から聞こえてきたのは女の子の声。
583 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:32:28.28 ID:0kaWWfGO0
559

--草原--

?「それはまだ鎧使いの受けが甘かったんだ」

??鎧使い「そんなことないそんなことない!あんたの見立てが甘かったのが悪いのよ!」

亜人王「……誰だ」

ざっ

フードを被ったものが歩いてくる。

鬼姫「……」

ざっ、ざっ

人造魔王「!!なにか、感じる!すごい感じる!!」

ざっざっざっ

?「……双方戦闘行為をやめよ」

聖騎士(声からさっするにぃぃまだ若いいぃぃ……)
584 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:32:55.23 ID:0kaWWfGO0
560

--草原--

ざり

聖騎士は向き変える。

聖騎士「いきぃぃなり来てぇぇいきなりぃぃだなぁぁ……何かをぉぉ訴えたいぃぃというのぉぉならぁぁ」

しゅ

聖騎士は跳躍した。

聖騎士「顔をぉぉ見せぇぇい!!」

びょっ!!

聖騎士の空中から放たれた飛び蹴り。

ふぁさ

それは絶妙にフードだけを取ることに成功した。

ぴょこ

?「それは最もな話だ。すまない」

亜人王「!?」

フードの下から現われたのは、青い髪、そして猫のような耳を持った少年。

聖騎士(……いや、我は首をはねるつもりで放ったのだぞ……?一体ぃぃ)

?「俺は、十代目勇者」
585 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:33:29.63 ID:0kaWWfGO0
561

--草原--

亜人王「!?」

聖騎士「!?」

鬼姫「!?」

人造魔王「勇者……」

?改め十代目「証明書はこれだ。わかったか?」

ぴら

亜人王「……北の国の印……抜け目のない国よ」

鎧使い「そういうわけだから、ただちにこの無益な戦いを停戦しなさい!め、命令とかじゃないんだからっ!」

聖騎士「……ただのぉ紙切れがなんだと言うのだぁぁ……まさか亜人風情がぁ勇者に選ばれるとでもぉぉ?」

鬼姫「……?」

十代目「言って納得するはずもないか。いいだろう。ならば、こい」
586 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:34:24.48 ID:0kaWWfGO0
562

--草原--

ばっ

ローブを脱ぐ十代目。短めの青いマントをなびかせて剣を抜く。

十代目「力で認めさせてやろう」


--草原上空--

魔導長「……」

疾風「なぁなぁ、あれどう思う?」

迅雷「うん……多分本物だよ」

遥か上空から聖騎士と勇者を名乗る亜人との戦いを見ている三人。

魔導長「……蒼天」

ボソリと魔導長は呟く。

ガギャァン

上空にまで響く戦闘音。
587 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:34:53.47 ID:0kaWWfGO0
563

--草原--

聖騎士「ぶるぅぅぅあぁぁぁ!!スキル雷拳ぇぇん!!」

十代目「土属性防御剣」

ギィン!!

聖騎士「ぬ!か細い軟弱な剣で我の拳をぉぉ!」

十代目(聞きしに勝る戦闘力だな、これは長引けない)

十代目は足で陣を描く。

十代目「供給要請、ステータス一段階上昇!」

ぶぅん

聖騎士(!なんだその強化魔法はあぁ)

十代目「更に六属性複合攻撃魔法、」

ぎゅぎゅ

一瞬で六つの属性魔力を融合させ、剣に宿らせた十代目。

聖騎士「な」

聖騎士が見惚れるほどの手際の良さだった。
そして、

十代目「受けよ我が秘剣、六色剣」

何食わぬ顔で聖騎士を斬り裂いた。

ズバシャアアアアア!!
588 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:35:26.21 ID:0kaWWfGO0
564

--草原--

ツインテ「……」

今際の際、ツインテは見た。
六色に輝く神々しき光を。

ツインテ「……」

それを見てツインテは確信する。
そう、なんてことはなかったのだ。

ドギャアアアアアアン!

ツインテ「……」

こんな結末も仕方が無い。なぜならば、

ツインテ「…」

ただ単にボク達は、勇者じゃなかったのだから。



      酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった
              第四部
            亜人解放戦争
               完
589 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:36:09.85 ID:0kaWWfGO0
565

--草原--

五代目「」

心臓を潰され倒れゆく微かな秒の間に、

???「……」

それは現われた。

五代目(こいつは……)

???「やぁ、久しぶり。元気だったかい?」

五代目の容姿にそっくりな巻角の少年、いや青年が立っていた。

???「まさかこんなことになっているとは思わなかったよ。なぜ今君が勝手に活動出来ているのか疑問に思う所はあるけど……まぁよしとしようか」

五代目(こいつは……!)

???「困るんだ。僕と彼で作ったルールがめちゃくちゃだ。まがい物とはいえ今の世には魔王と勇者が多すぎる」

巻角の青年は笑う。
590 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:36:38.27 ID:0kaWWfGO0
566

--草原--

???「いつだって一時代に魔王と勇者は一人ずつだ。今だって正規の魔王と勇者がいるんだからそれ以外は引っ込まないといけないよ」

五代目(!?正規の、魔王……今代の)

ズズズ

五代目が倒れようとしている先の地面が漆黒に染まり口を開けた。

???「そうさ、空白の時代は終わりだよ。新しい魔王の城で彼女がもうすぐ目を覚ます」

闇から血塗れた手が出現し五代目の体にまとわりついていく。

???「あぁ、君が心配しなくても彼女は優秀だ。無事に責務を果たすだろう。何せ歴代最弱の勇者だったんだ。魔王になった今、自動的に歴代最強の魔王になっている」

五代目()
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/28(月) 21:37:05.99 ID:ykcfS8ne0
いやああああああああああ!!!!
選択間違えたか・・・・
592 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:37:07.87 ID:0kaWWfGO0
567

--草原--

ズズズ

???「ほら、さっそく彼女が目覚めたようだよ。ルール違反だが今は君も魔王なんだ。感覚でわかるよね?」

五代目(これ、は)

五代目は、遥か遠くの地で目覚めたそれを感じとった。

???「『紅き絶壁』十代目魔王を」

そうして五代目は闇の中に引きずり込まれてしまった。


--草原--

ブラ「っ」

何か虫の知らせのようなものを感じたブラは空を見上げる。

ブラ「……ヤミ……様」

ブラは皆の無事を願って祈った。
593 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:38:27.58 ID:0kaWWfGO0
568

--魔王城--

ドクン、ドクン

?????「……」

主の目覚めとともに鼓動を再開する魔王城。

?????「……」

その玉座に座りたる赤髪の少女の瞳が開く。

?????「……と」



      酒場で戦士募集したら勇者が仲間になった

              完                                    ?
594 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/05/28(月) 21:45:01.01 ID:0kaWWfGO0
……というわけでした。長きに渡り読んで下さり、ありがとうござ(ry




……まだわかりません。

まだ終われません。

しかしついに、プロローグが終わった……


それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m


 











           次回予告

    これは脇役の人の物語。間を埋める物語。

      次回、番外編。黄金王国戦略侵略記。
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/28(月) 21:47:34.88 ID:vCbv8rRro
乙!
勇者ってのは勇ましいとか勇気がある人がなるものだから
勇者って証明なんて些細な問題だよね!
ツインテ…
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/28(月) 21:48:17.39 ID:ykcfS8ne0
面白かった!と共に哀愁が・・・
ツインテ達の報われない感が・・・

俺的にはあの三人が勇者のほうが良かったなぁ
まあまだわからんか!

次のって何代目か忘れたけど勇者追いかける人たちの話?

それとツインテ達はあのあとやっぱり蘇生できないようにされたの?

そして貧乳たんキタ━(゚∀゚)━!
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/05/28(月) 22:52:32.69 ID:8f2VdsJAO
素晴らしい


え、貧乳タソは結局魔王になっちゃうの?
盗賊もどうしているのだろうか…
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/05/28(月) 22:54:09.81 ID:Z3h4eq0L0
長い長いプロローグだったな・・・(モコモコとかって必要なかったんじゃね?)
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/29(火) 03:09:06.57 ID:KbjCYjI50
>>もこもこは旧人類の間接的に滅亡した理由って分かったし、
今回の戦争はもこもこの奴結構関係してね?
亜人の戦場での差別とかさ
あとフォーテがでたろ!
なによりは面白かったw
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/29(火) 12:37:50.68 ID:F3Q5ggdDO
れんちゃんどうなったんだっけ
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/05/29(火) 12:50:11.66 ID:6swuQSLF0
紅き絶壁
不覚にも吹くわこんにゃろーwwwwwwww
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/29(火) 16:11:15.13 ID:pVvTqKN9o

正史的には魔王化ENDか死亡ENDだからなぁ
魔王化ってことは盗賊は死んでるか
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/29(火) 22:51:09.15 ID:KbjCYjI50
>>602 正史は指輪使って生存ENDだっただろ?
だから何か不測の事態が起こったか
盗賊はミイラかサキュバスか、何か魔族になってるんじゃないかな
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/30(水) 00:17:39.03 ID:b+6MGC5vo
いやあれは2を空白を誘導だとして最多得票になったから選ばれただけでそもそもシナリオ展開的に選ばれる可能性が皆無の選択肢だろ
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/05/30(水) 00:18:17.28 ID:b+6MGC5vo
選ばられるというか選べない選択肢
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/05/30(水) 00:45:01.01 ID:PHxy8zH7o
404 名前:Qw0 ◆7b3JfpIY/2[saga] 投稿日:2010/07/03(土) 00:41:45.64 ID:8Xz3KdY0 [1/32]
いくつかルートを書きましたが、前レスで安価の末に成り立った一本の話、それを正史と呼ぶことにします。
本当のところハッピーではありませんが、闘士が死に、南の王国が占領された世界の続きとなっています。
正史からは外伝が生まれたり続編へと続いたりしますが、正史以外のルートからは外伝や続編は生まれないことにしています。

若干救われない所がありますが、皆様の協力の末に出来た正史を私は大切にしています。
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/30(水) 07:50:00.18 ID:J0WvPQ0SO
報われなさすぎだろ…四人とも…
何はともあれ乙!
しかしやっとプロローグ終わりか…続きが楽しみだ。
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/30(水) 17:30:07.19 ID:7BDawQRSO
4人ただの噛ませ犬じゃねぇか
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/30(水) 23:21:28.23 ID:47y19kvc0
>>606だから
結局>>603のでいいんだよね?
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/05/30(水) 23:23:31.60 ID:47y19kvc0
>>600れんたんも死んだだろうな・・・
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/04(月) 21:36:57.84 ID:ie8EsOMI0
wktk
612 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:02:45.38 ID:ztKAXr4t0
こんばんは。
長らくお待たせいたしました。本日より最終章までのつなぎである番外伝を始めさせていただきます。
あまり長くはなりません。それでは投下していきます。
613 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:03:14.85 ID:ztKAXr4t0


--ジャングル--

チチチッ

小鳥が囀る昼下がり。

?「あーっ! もーっ!」

木々生い茂るジャングルの中の一軒家で、長い髪の少女が暴れていた。

??「姫、暴れないでくだしあ」

?改め姫「うるしゃーいっ! これが暴れずにいられ……誰がアバズレだーっ!!」

姫と呼ばれた少女は男に向かって枕を投げ付ける。

ぼふっ

??「むぐ……姫、理由をお聞かせください。食事なら先ほどお取りになりましたでしょ?」

姫「ご飯が問題じゃないよっ! 領土だよ、領土問題だよ参謀長っ!!」
614 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:03:42.54 ID:ztKAXr4t0


--ジャングル--

??改め参謀長「……またその話ですか」

姫「当たり前だよっ! 何度だって言うよっ! なぜ我が王国、黄金王国の領土がこれほどまでに狭いのだっ!」

姫はガラスの無い窓からジャングルを指差して言った。

参謀長「我が王国は攻め滅ぼされましたからね。今はその名残です。というか王国ですらないです」

姫「むきーっ!」

姫はベッドに飛び込んで足をばたつかせる。

姫「ぐああっ! わたしにはそれが悔しくてならないんだっ! 何が悲しくてここまで落ちぶれなくてはならないのかっ!」

参謀長「姫は生まれた時からずっとここで生きてきたじゃないですか。国無くなったの何十年前の話だと思ってるんですか」

私だって見たことがないですと参謀長。

姫「あぁそうだよっ! 伝え聞くばかりで本当は知らないよっ! でもだからこそ恋い焦がれるんだよっ! 黄金に輝いたとされるかつての栄光をっ!」

参謀長「まぁ……ね」

姫「だから、領土取り返してきて」
615 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:04:13.63 ID:ztKAXr4t0


--ジャングル--

参謀長「へ?」

姫「黄金に輝く王国をわたしに返して」

参謀長「……いやいやいや」

姫「いやいやいやじゃないよっ! もうわたしやだもんこんなジャングル生活ーっ!」

参謀長ボソリ「ジャングル生活しか知らないくせに……」

姫「なんかゆったっ!?」

参謀長「いや……しかし我らでは無理ですよバカ姫」

姫「今なんてゆったっ!? すごいの聞こえたっ!! すごい前置詞ついてたっ!!」

参謀長(前置詞ェ……)

参謀長はこめかみを押さえる。

参謀長「……いいですか姫、まず我が王国には国民がいません」

姫「? いるよ? 参謀長と突撃長と潜入長。あとたんぽぽ星人」

姫は身体のついたたんぽぽのぬいぐるみを見ろとばかりにかかげる。
616 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:04:40.24 ID:ztKAXr4t0


--ジャングル--

参謀長「……」

姫「足りないか、足りないと申したいのだな参謀長」

参謀長「うん」

姫「うんてゆったっ!? くそーっ! 王族に対する礼儀がなってない奴めっ! じゃあいいよっ! 他の国民をご紹介しようっ!」

てててっ

参謀長「……」

姫「イースの大いなる種族」

参謀長「椅子じゃん」

姫「……」

姫はベッドから降りてベッドの下に手をのばす。

ごそごそ

そして何かをつかんで手を広げた。

姫「はいっ! ごき一号ちゃんでっすっ!!」

参謀長「そいつは侵略者だ!!」
617 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:05:35.21 ID:ztKAXr4t0


--ジャングル--

飛び跳ねて退く参謀長。

姫「えっ!? そうなのっ!?」

姫の手の中でわさわさしてるごき。

参謀長「まぁ窓とか開けっ放しだから入ってくるか……」

姫「こ、こいつ……王族であるわたしを騙したのかっ……!! ゆるせんっ!」

がぽ

参謀長「!?」

姫はごきをお口にお迎えした。

参謀長「」

参謀長ははいていたスリッパを掴むと力いっぱい姫の頭をたたいた。

すぱかーん!

姫「あいたっ!!」
618 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:06:31.26 ID:ztKAXr4t0


--ジャングル--

口から脱出するごき。

参謀長「な、なんばしょっとか……」

姫「いたたた……きさまっ! 王族の頭部をなんだと心得るっ!」

参謀長「……はぁ」

姫「はぁってゆったっ!? ため息ついたっ! この無礼者っ!」

ぽかぽかと参謀長を殴る姫。

参謀長「……姫。ろくな国民がいないじゃないですか」

姫「む、無能な国民などお断わりだっ!」

参謀長(暴君甚だしい)

姫「こ、国民は後からでも作れるっ! 領土さえあればっ!」

参謀長「その領土を取るための兵力がいるでしょう?」
619 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:07:12.50 ID:ztKAXr4t0


--ジャングル--

姫「参謀長と突撃長と潜入長がいる」

参謀長「……それだけじゃないですか」

姫「でもお前達は一騎当千の猛者なんだろっ? お父様がゆってたっ!」

参謀長「いや……」

姫「お前達三人が一騎当千なら、兵力に換算して三千っ!! たんぽぽ星人も合わせて四千っ!! 私も合わせれば二十五万四千もの兵力にっ!!」

参謀長「これ、ここみて」

姫「ん?」

参謀長はでこぴんのポーズ。それをなにかなー?と近づいてきて凝視する姫。

ばちん!

姫「いたいっ!」

参謀長「あなたはアホか。いや馬鹿でしたごめんなさい」

姫「また馬鹿ってゆ、謝ったっ!? 謝るとは何事だっ!!」
620 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:07:48.35 ID:ztKAXr4t0


--ジャングル--

参謀長「姫は、足し算も出来ない、馬鹿です」

姫「英訳文くせーっ!」

参謀長「……真面目な話、我々が一騎当千だと言うのは間違いです。先代、先々代の頃ならまだしも、私や潜入長に至ってはまともに実戦もしたことがない。加えて我々には資金も無い。こんな状態でどこかに攻め入るなどと」

姫「ふにゃ?」

参謀長「……だから我々には全てが足りないと言っています」

姫「あぁそゆこと? そゆことか。あはは。漢字ばっかでわかんなかったよっ」

参謀長「会話に漢字関係ねー!」

姫「むー。最初は攻め入るとかしなくてもいいよ。境界線が曖昧な所を少しずつじわりじわり取っていこう。西と南の間とか」

参謀長「国境警備隊いますけどね」

姫「いやいやあははっ! 警備隊ごときに軍隊が負けるかって!」

参謀長「負けるよ!てかいねんだっつのそもそも兵が!」
621 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:08:24.01 ID:ztKAXr4t0


--ジャングル--

姫「……へぇ(兵)〜。なんつって!くぷぷぷ!」

参謀長「……」

姫「いやぁ姫ちゃんは可愛いだけじゃなくて頭もいくて、その上ギャグセンスにも満ち溢れているなんてあれだねっ! 才能爆発だねっ! 才能ありすぎだから一個くらい誰かにわけ与えてやりたいよねぇっ!」

参謀長「これ、ここみて」

姫「ん?」

参謀長はでこぴんのポーズ。それをなにかなー?と近づいてきて凝視する姫。

ばちん!

姫「いたいっ!」
622 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:09:02.74 ID:ztKAXr4t0
10

--ジャングル--

参謀長「おい馬鹿野郎」

姫「ストレートにゆったっ!! 人に馬鹿馬鹿ゆっていいと思ってるのかっ!?」

参謀長「人?」

姫「わたし人だよっ!? いや姫だよっ!!」

参謀長「まぁなんにせよ兵力が足りません」

面倒くさくなってきちゃった参謀長。

姫「……やだー。姫ちゃん面倒くさい女じゃないよ?」

何かを察して近づいてきてくいくいと服を引っ張る姫。
623 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:09:39.23 ID:ztKAXr4t0
11

--ジャングル--

姫「むー……あれだよ。片っ端から動物とか人を助けていこうっ!」

参謀長「は?」

姫「姫ちゃん博識だから知ってる。昔話の本で読んだ鶴瓶の恩返し」

参謀長「多分同人誌かなんかですね」

といいつつも需要を考えて首を振る参謀長。

姫「助けた鶴瓶は恩返しに来てくれるんだおっ!あ、だおってゆっちゃったっ!」

参謀長「……」

姫「……まだわからないの?くぷぷぷ!だからー、私達が助けた奴らが恩を返すために仲間になってくれるっていう寸法よっ!」

参謀長「なる、かなぁ」
624 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:10:55.58 ID:ztKAXr4t0
12

--ジャングル--

姫「そんで兵にする」

参謀長「鬼畜!」

姫「いきなり最前線に配置する」

参謀長「鬼畜!!」

姫「これならばっちしっ!おっすおっす、ばっちし!」

参謀長(……一度現実を見せてやらなきゃあかんな)

姫「そういえば突撃長と潜入長はどこいったの?」

参謀長「突撃長は今日の夕飯探しに、潜入長は地元住人との親交を深めに」

姫「侵攻っ!?」

参謀長「もうそろそろ帰って来る頃ですかね」

無視する参謀長。
625 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:11:48.39 ID:ztKAXr4t0
13

--ジャングル--

???「甘いです。私は既に帰宅しています」

姫「!どこからか潜入長の声がするよっ!?」

参謀長「……無駄に潜入してやがる」

姫がどこかなどこかなと捜し回るも見つからない。

???改め潜入長「私はそんなところにはいませんよ。私は」

ずぼふっ!

ぬいぐるみのたんぽぽ星人の中から出現する潜入長。

姫「ぎゃあーっ!! たんぽぽ星人が脱皮したーっ!!」

驚愕半泣きの姫。

潜入長「にやり」
626 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:12:33.00 ID:ztKAXr4t0
14

--ジャングル--

潜入長「ふふ、お気付きになられなかったことでしょう」

参謀長「いや、いつからいたんだよ、って話。俺がここに来てからそのぬいぐるみの中に入った動作はみてないぞ」

潜入長「ならば簡単、貴方がこの部屋に来る前から忍び込んでいたのです」

参謀長「……いや、地元住人との親睦はどうしたのさ」

潜入長「失敗に終わりました」

参謀長「早すぎて駄目すぎる!!」

潜入長「もといやむなく断念」

参謀長「馬鹿なの!?」

潜入長「だって……私人が多い所苦手ですし」

よよよと泣き崩れる潜入長。

参謀長(最初から出来ないのになぜ立候補した……)
627 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:13:26.02 ID:ztKAXr4t0
15

--ジャングル--

姫「くっそーっ! このおっぱいがっ! このおっぱいがたんぽぽ星人を殺したのかっ!」

もみゅもみゅ

乳揉みマシーンと化した姫。

潜入長「あっ! ……いけませんっ、姫様っ」

むにょむにょ

姫「くっくっくっ〜! これがいいのかー? これがいいのかーっ!?」

すぱかーん!

姫「いたいっ!」

スリッパで頭を叩かれる姫。

参謀長「落ち着きなさい」
628 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:13:55.74 ID:ztKAXr4t0
16

--ジャングル--

姫「頭ぱかぱか叩いて馬鹿になったらどうすんだっ!!」

涙目になりながら頭をさする姫。

参謀長「どうせ大した量入ってませんよ」

姫「は、入ってるもんっ! プリッツの中に入ってるチョコばりにしっかり入ってるよ!!」

参謀長「ねぇじゃん!」

姫「え?」

潜入長「それはトッポと間違えたのでは?」

きょとん顔の姫。

姫「ふぇぇ……」

ばたん

????「今帰りましたですじゃ」
629 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:14:21.22 ID:ztKAXr4t0
17

--ジャングル--

参謀長「あぁお帰りなさい突撃長さん。お疲れ様でした」

????改め突撃長「うぬ。今日は大きな魚が取れましたですじゃ」

姫「やたーっ! 魚魚ー!」

小さな家の中をぴょんぴょん跳ね回る姫。

突撃長「ほっほっ。姫様は魚が好きですじゃ?」

姫「好きっ!」

参謀長「いやはやご老体にこんな役目を押しつけて申し訳ない」

突撃長「ほっほっ。なんのなんの。まだまだこの老骨、黄金王国の最大戦力として活躍しますですじゃ。それに姫様のお守りのほうが大変そうですじゃ」

参謀長「はは……いや全く」

潜入長「それでは食事の準備をします。姫様も片付けお願いしますね」

姫「わかったっ!」

参謀長「やれやれ……」
630 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:14:48.62 ID:ztKAXr4t0
18

--ジャングル--

潜入長「お待たせいたしました、ぶり大根です」

どん

潜入長はテーブルを埋めるほどの大きな皿を持ってきた。

ざわ

参謀長(あの魚ぶりだったか……?)

突撃長(ぴらるくとかそういう魚だとばっかり……ほっほっ)

姫「あれー? さっきのいるかはー?」

どんどん

フォークとナイフを握りしめて、テーブルを叩き続ける姫。
631 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:15:15.13 ID:ztKAXr4t0
19

--ジャングル--

ほーほー

その夜。
みんなが寝静まった夜。

姫「むにゃむにゃもうお腹いっぱいだよぉ入らないよぉ……あっ……あったかい」

参謀長「大丈夫!? ねぇ大丈夫!? なんの夢みてんの!?」

がばっ!

寝言に起きて突っ込んでしまう参謀長。

トントン

参謀長(む)

そして戸を叩く音。

参謀長(……こんな時間に? 一体誰だ)

みんなを起こさないようにと静かに寝床を出て(大声で突っ込んだけど)、念のためにナイフを持って玄関へ。

がちゃ

そこには、

ごき「あ、どうもー、今日ー、貴方様にー、助けていただいたー、ゴキブリなんですけどもー、恩返しにー、来たんですよー」

参謀長「……」

人並み大のゴキブリがいた。
632 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:15:41.81 ID:ztKAXr4t0
20

--ジャングル--

参謀長(てか最初に正体ばらしちゃってるしぃ……)

あまりの衝撃映像で逆に冷静になる参謀長。

ごき「そんでー、これからー、一族みんなでー、ご奉仕したいと思うんですよー、そう思ってー、みんなつれてきましたー」

ざわざわざわ!

真っ暗な中で見えないが、蠢く無数の何かが足元をすり抜け家に入っていった。

参謀長「」

ぞぞぞぞぞぞ!!

ごき「ふつつかー、ものですがー、よろしくお願いいたしますー」

参謀長「もう、こんな仕事、やってられるかー!!」

参謀長の嘆きがジャングルにこだまする。


       黄金王国戦略侵略記


ぴろりん

≪兵力増強≫
ゴキブリ三百体が仲間に加わった。



ちゃんちゃん
633 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/04(月) 22:16:34.48 ID:ztKAXr4t0
導入部分はこんなものでしょうか。次回からは戦略フェイズが、あるのかないのか。

それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/04(月) 22:41:56.08 ID:ie8EsOMI0
最終章ってのは酒場の奴が?
次のはあるのかな?

とりあえず乙!!!
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/04(月) 23:49:21.73 ID:4VKhFD+To
せ…戦力・・・?
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/06/05(火) 00:32:07.72 ID:ffIMwQ8AO
いやあああああああああああああ乙
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/06/05(火) 00:36:22.91 ID:r7NMas4V0
一区切りついた所だし、今夜は来られないのかなー
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/06/05(火) 00:43:04.38 ID:r7NMas4V0
ってあれ、誤爆してた……
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/05(火) 01:38:53.28 ID:8ZpjgRqSO
何が始まるというの?
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/11(月) 21:17:44.63 ID:dUNNJPkW0
ワクテカ
641 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:32:16.60 ID:2rLwucN/0
企画失敗なのか?……そんな不安が漂います……。



それでも投下します!お付き合いくださいm(__)m
642 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:33:29.45 ID:2rLwucN/0
21

--ジャングル--

姫「とゆわけで侵略を開始するよっ!」

突撃長「ほっほっ。何やら話が見えませんな」

潜入長「一体どういうことなんでしょうか」

参謀長「……いや姫様がね、なんか領土を広げたいとか言ってましてね」

姫「うんっ!」

突撃長「なんと……!いやはや立派になられて……じいは感激ですじゃ」

潜入長「それでこそ我が姫様……」

参謀長「あれれ!?」
643 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:33:58.36 ID:2rLwucN/0
22

--ジャングル--

姫「おおっ! よくぞゆったお主達っ!じゃあさっそく侵略にかかるぞっ!」

突撃長「ほっほっ。わたくしは戦闘しか能が無いおいぼれですじゃ。まず作戦を考えねばですじゃ」

潜入長「私は偵察や諜報活動は得意ですが作戦がないと動けません」

じっ、と参謀長を見る三人。

参謀長「しょ、正気ですか!? 遊びでやっていいことじゃないんですよこれは!!」

突撃長「ほっほっ。なぁに。もしもの時は私が責任をとりますですじゃ」

参謀長(一人責任取るだけじゃおさまらないよ! 国際問題だよ! ……いや国とみなされてないから国際問題にもなりえないか)
644 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:34:28.99 ID:2rLwucN/0
23

--ジャングル--

潜入長「三ヶ月前の戦争のせいで、今ゴタゴタしてますから案外いけるんじゃないでしょうか?」

参謀長(そんな時に侵略行為なんて、なおさら各国が怒りそうなもんですが……)

姫「大丈夫だよっ! 姫ちゃんがゆるすっ!」

参謀長「うぜぇ」

姫「今うざいってゆったっ!?」

姫の時だけ声に出ちゃった参謀長。

参謀長「はぁ……まぁ……言いだしたら止まらないですからね……仕方ない、少しだけ、ですよ」

参謀長は深いため息をついた。
645 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:35:07.45 ID:2rLwucN/0
24

--ジャングル--

《作戦フェイズ》

参謀長「とりあえず国民が少なすぎます。地元住民の人達に理解を仰ぎ国民になってもらいましょうか。あと資金集め、そして何より食料」

突撃長「ほっほっ。ジャングルに住む彼らは安定した食料を欲していたように思いますですじゃ」

潜入長「ジャングルは結構食料が豊富ですが、その分リスキーですね。この間も知らない間に虫に刺されたのが原因で三日間丸々寝込むことになりましたし」

参謀長「ジャングルの中に踏みいらなくても手に入る食糧を我々で提供するのです」

姫「お、おいこらーっ! 姫ちんわからないぞっ! 姫ちんにもわかるように説明しろいっ!」

参謀長「え、今の会話の一体どこがわからないのか。あぁ言葉か」

姫「ばかにしたなっ!?」
646 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:35:48.48 ID:2rLwucN/0
25

--ジャングル--

参謀長「いつも働きもせずに腹一杯飯を詰め込んでる姫にはわからないことですよねははは」

姫「ばかにしたなっ!? 姫は姫って職業なんだぞっ!? 無職じゃないぞっ!!」

参謀長(こいつめんどくせぇな。話が進まない……ん)

参謀長は立ち上がりたんぽぽ星人のぬいぐるみを持ちあげた。

参謀長「ほーらたんぽぽ星人だよー」

姫「わーいっ! たんぽぽ星人だーっ!」

参謀長は姫の頭の上で動かした後、窓の外に思いきり放り投げた。

しゅばっ!

すると姫もジャンプして窓の外へ。

参謀長「……うん。邪魔者はいなくなりました。さて……」

突撃長(姫様ェ……)

潜入長(バカワユ過ぎる!)

恍惚のヤンデレポーズ。
647 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:37:27.91 ID:2rLwucN/0
26

--ジャングル--

参謀長「では私は黄金王国から持ってきたとされるこの作物を持って、地元住民を懐柔してきます」

突撃長「ふむふむ。果たして物で釣れますかな?」

参謀長「これを渡し作り方を教えます。最初はこれの重要性がわからないでしょうがすぐにわかるでしょう。そうすれば彼らは自分で土地を耕し始める……。何度も見に行きそのつど気に掛けてあげれば彼らは我々に行為をもつでしょう」

段々悪い顔になっていく参謀長。

潜入長「しかしこんなジャングルでも育つとはすごいですよねこれ。場所を選びませんね」

それは黄金に輝くトウモロコシ。

参謀長「えぇ、黄金王国の栄華の一端を担った究極の作物です。一粒食べればお腹がいっぱいになり、更に傷も治るという」

突撃長「それ以上いけない!」

突撃長が眼鏡をかけた。
648 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:38:05.12 ID:2rLwucN/0
27

--ジャングル--

突撃長「しかし、それだけでこの王国に加わるでしょうかですじゃ。あちらにも王とか族長がいたですじゃ」

参謀長「まずはコミュニティ意識を芽生えさせるだけで充分ですよ。次のステップに行けば我らと組みたいと向こう側から言ってきます」

潜入長「で、今回我々の仕事は?」

参謀長「突撃長殿は……そうですね。この草とこのカエル、それとこのモンスターを狩って来て下さい」

参謀長は図鑑を指差す。

参謀長「潜入長さんは国境付近の状況を見てきてください。後出来たらでいいので、潜入してこのメモに書いてあることをチェックしてきてください」

メモを受け取る潜入長。

潜入長「出来たら……? ふふ……私を誰だと思っているんです……? 潜入と料理しか能が無い潜入長ですよ!? やったろうじゃないですか!!」

おっぱいをぶるんと揺らし立ち上がる潜入長。

参謀長「それはどうなのか……」
649 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:38:34.06 ID:2rLwucN/0
28

--ジャングル--

《実行フェイズ》

参謀長が地元住民に会いに行った。

地元住民「あ、村に入らない変な奴だ」

しかも警戒されている。

参謀長「今日はお話があってきました」

・・・
・・


地元住民に作物を与え、話をした。

地元住民「あいつ案外いいやつ?」

好感度が上昇し、地元住民と少し打ち解けた。
650 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:39:05.19 ID:2rLwucN/0
29

--ジャングル--

突撃長「あそこですか」

洞穴の入り口でメモにかかれたものを発見。

モンスター「がおー」

突撃長「!」

モンスターが現れた。

ぐしゃり

奇襲されたのにもかかわらず突撃長の先生攻撃、ハンマーがうなる。

モンスター「ぷぎゃーー」

モンスターを倒した。
651 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:39:38.15 ID:2rLwucN/0
30

--ジャングル--

姫「あれみんないなくなってるっ!」

泥だらけで姫が帰還した。

姫「むー……汚れてるからとりあえずお風呂はいる」

姫はたんぽぽ星人を引きずり風呂場へ。

たんぽぽ星人「よさないか姫。我は洗わなくていいといったら何度言えばわかる」

姫「えー? 一緒にながしっこしようよー。わたし一人だと髪の毛洗えないし」

たんぽぽ星人「怖いのか?後ろが」

こくんとうなずく姫。

たんぽぽ星人「やれやれ……その歳にもなって情けない」
652 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:40:06.77 ID:2rLwucN/0
31

--ジャングル--

姫「だってだってーっ!」

たんぽぽ星人「煩い騒ぐな。……仕方ない。今回だけだぞ」

姫「やほーいっ!」

参謀長「……………………」

その様子をじっと家の外から眺めていた参謀長。

参謀長「……今あいつ喋ってなかった? しかもめっちゃダンディーな声で……」
653 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:40:34.71 ID:2rLwucN/0
32

--ジャングル--

姫「ふにゃー!さっぱりー!」

ろくに拭きもせずびしょびしょのまま出てくる姫。

ぴちゃぴちゃ

参謀長「あぁもう姫、濡れたまま出てくるのはやめなさいとあれほど」

ぼふっ

参謀長は大きめのバスタオルを取り出して姫の顔にかけた。

姫「えへへー」

たんぽぽ星人「おい姫、風呂桶にちゃんと蓋をしろと」

ばったり
654 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:41:03.25 ID:2rLwucN/0
33

--ジャングル--

参謀長「……」

たんぽぽ星人「……」

姫「あはー、ごめんねーっ!」

ごしごし

姫は自分の髪の毛を拭いている。

参謀長「……」

たんぽぽ星人「……」

ぱたり

たんぽぽ星人は床に倒れこみ動かなくなった。
655 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:41:40.26 ID:2rLwucN/0
34

--ジャングル--

参謀長「……姫、今こいつ喋って」

姫「? そりゃ喋るよー? たんぽぽ星人だもん」

参謀長「……今こいつ動いて」

姫「? そりゃ動くよー? たんぽぽ星人だもん」

たんぽぽ星人「……」

参謀長「……」

沈黙。

姫「♪」

姫は我関せずと、わしわし髪の毛を拭いている。
656 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:42:06.15 ID:2rLwucN/0
35

--ジャングル--

参謀長(いやいや……これぬいぐるみだろ? ぬいぐるみじゃないの? だってこの前こいつの中に潜入長入ってたし。裂けた中身綿だったし……)

たんぽぽ星人「……」

ふぁさっ

参謀長は考えに考えた結果、靴下を脱ぎ、たんぽぽ星人の顔においた。

たんぽぽ星人「……ぬごっ!?」

参謀長(ぬごって言った……)

説明しよう、参謀長の足は兵器レベルで臭かったのだ。

参謀長(水虫も完備してます)
657 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:42:35.59 ID:2rLwucN/0
36

--ジャングル--

たんぽぽ星人「……すっ」

参謀長「……」

たんぽぽ星人「……げへっ!……」

参謀長「……」

たんぽぽ星人「……」

参謀長「……」

たんぽぽ星人「……た」

参謀長「……」

たんぽぽ星人「耐えられるかぁ!!」

べちーん!

靴下を参謀長の顔に投げ付けるたんぽぽ星人。
658 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:43:02.56 ID:2rLwucN/0
37

--ジャングル--

たんぽぽ星人「きっ、貴様!! 臭いにもほどがあるぞ! なんだそれは! 足にシュールストレミングでも飼っているのか!?」

参謀長「はははおもしろい言い回しだ。やっと口をきいていただけましたね」

たんぽぽ星人「はっ!?」

姫「♪」

ベッドの上で足をぱたぱたさせながら髪の毛を拭いている姫。

たんぽぽ星人「……」

参謀長「……」

たんぽぽ星人「……」

参謀長「……」

ぱたっ

死んだふりをするたんぽぽ星人。

参謀長「焼くぞぬいぐるみ!」
659 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:43:28.60 ID:2rLwucN/0
38

--ジャングル--

参謀長「成る程……まさかモンスターだったとは」

たんぽぽ星人「我は代々黄金王国の王家に支えし、誉れ高き戦士だ」

参謀長(たんぽぽ顔に人っぽい体がついたぬいぐるみにしか見えない)

たんぽぽ星人「今までは特殊な立ち位置ゆえ、皆には内緒にしていたのだがな、ばれてしまってはしかたない」

参謀長(めっちゃダンディーボイス……)

たんぽぽ星人「遂に姫がかつての領土を取り戻そうと決起したのだ。我も力を貸そう」

参謀長「……失礼ですが何が出来るんで?」

たんぽぽ星人「なんだとっ!?我の伝説を知らないのか!?」

姫「黄金の王国、黄金の作物を刈り取り、黄金の兵を従え、黄金の時代を築きたり」

参謀長「……黄金の兵?」
660 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:44:06.37 ID:2rLwucN/0
39

--ジャングル--

たんぽぽ星人「いかにも。我は水と太陽光と栄養があれば無限に増える」

参謀長「!?」

たんぽぽ星人「兵力など我一人で補えるのだ。これこそ王家を護る守護獣の力よ」

参謀長(それが本当なら領土奪還もかなり現実身をおびてくるぜ……)

ばたん

突撃長「今帰りましたですじゃ。今日はでかいいのししですじゃ」

姫「ひゃっほー!」

参謀長「あ、おかえりなさい。と、今日は食事を潜入長がいなから自分が作らないと」

姫「私も手伝うーっ!」

たんぽぽ星人「待ちな」

たんぽぽ星人は声をかける。

たんぽぽ星人「我が一体どれだけ優秀なのか教えてやる。今日は我が料理しよう」

姫「たんぽぽ星人がっ!? いぇーいっ!」

参謀長(まがりなりにも守護獣が料理……)
661 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:45:17.05 ID:2rLwucN/0
40

--ジャングル--

どすん

たんぽぽ星人「出来たぞ。さぁ食べてくだちい」

参謀長「ガンツ!?」

突撃長「ほっほっ。猪と言えば鍋ですじゃ」

ぐつぐつ

姫「わーい猪鍋だーっ!」

たんぽぽ星人「ふん。やたら目やにが多くて困ったぜこのイノシシ」

参謀長(この蒸し暑いジャングルで鍋……)



その夜。

参謀長(ん……なんか寝苦しいな……)

もそり

目を開ける参謀長。そこには、

もぞもぞ

月明かりを浴び、びくびくと体を痙攣させるたんぽぽ星人が。

参謀長(……一体何が?)

たんぽぽ星人「ぬぅ、にゅうぅぅ……ふぐりっ!」

にゅるん

たんぽぽ星人の背中が裂け、中からもう一人(?)のたんぽぽ星人があらわれた。

たんぽぽ星人「「ふぅ……分裂完了だぁ」」

参謀長「……」


ぴろりん

≪兵力増強≫
たんぽぽ星人二体?が仲間に加わった。



ちゃんちゃん
662 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/11(月) 21:46:07.95 ID:2rLwucN/0
本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
それでは、読んでいただきありがとうございました!m(__)m
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/06/11(月) 21:55:30.92 ID:3ytUXTp70
おつ!

参謀→にーちゃん
突撃→じーちゃん
潜入→ねーちゃん
姫→馬鹿
っていう認識でおk?役職名から見た目のイメージがちとし辛い……
しかしこのたんぽぽはチートの予感wwww
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/11(月) 22:03:30.85 ID:dUNNJPkW0
勢いがあるなww
乙!!
なかなかおもろいね
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/12(火) 10:29:16.31 ID:117Suk0SO
マジで何が始まったんだ……?
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/06/16(土) 22:55:25.08 ID:zUX/rfT6o
何だろうが見届けるぜ!
667 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/18(月) 23:43:58.33 ID:6FeAP96A0
こんばんはおまたせいたしました。

665さん
いぐざくとりぃぃ!!

えっと、不評なところ申し訳ありませんが、このスレ一杯、これでいかせていただきます。
この話は、酒場の最後から最終章との間に起こったことをやって行きたいと思います。すなわち、亜人解放戦争(ツインテ達敗北)のその後ということです。
それでは最終章まで、どうかお付き合いください。
668 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/18(月) 23:44:24.58 ID:6FeAP96A0
41

--ジャングル--

姫「むにゃむにゃ」

眼も開いてない姫はパジャマ姿でテーブルに現れた。

姫「おあよ〜」

突撃長「おはようございますですじゃ姫様」

参謀長「おはようございます。早く顔を洗って席ついてください」

姫「あい」

姫はふらふらと下水場に向かった。

参謀長「……なんだって!?」

まさに地の文の反乱である。
669 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/18(月) 23:44:52.92 ID:6FeAP96A0
42

--ジャングル--

参謀長「そんなものに反乱起こされたらたまったもんじゃねぇ!!」

参謀長は今真っ裸である。

参謀長「うぉい!」

参謀長はおもむろに突撃長の上着に手を掛けた。

突撃長「あっ」

参謀長「のるなのるな!!」

参謀長は突撃長の勇ましい胸板にそっと指を這わせる。そして胸毛をわしゃわしゃと

参謀長「ぎゃー!!」

姫「な、何をやっているんだっ……!?」
670 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/18(月) 23:45:26.14 ID:6FeAP96A0
43

--ジャングル--

そこにカイリキーも裸足で逃げ出すほどのたくましいボディの姫が現れた。

姫「にゃっ!?」

参謀長「いかん!逃げろ姫!」

姫「な、何が起こっているのっ!? わ、わたし、まっちょ!」

顔を膨らまし胸を突き出す姫。

参謀長「やめろ実際のあんたは華奢なままだ」

姫「ぷー」

そこに颯爽とあらわれたのはクールでダンディーな一匹狼、

たんぽぽ星人「騒がしいじゃねぇか。一体どうした?」

参謀長「!……?」
671 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/18(月) 23:47:11.08 ID:6FeAP96A0
44

--ジャングル--

たんぽぽ星人が歩いた後には花が咲き、たんぽぽ星人が発する美声は、まるで天使の歌声のようだった。

突撃長「ほっほっ。カオスですじゃ」

姫「あったんぽぽ星人! 助けてっ! わたしまっちょになったのっ!」

膨れてみる姫。

たんぽぽ星人「……なんも変わらねぇじゃねぇか」

参謀長「……」

たんぽぽ星人のあまりのワイルドさに、姫はいきなりぞっこんラブ。メロメロフォーリンラブだった。

参謀長「狂い始めた!」
672 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/18(月) 23:48:10.41 ID:6FeAP96A0
45

--ジャングル--

姫「はぅぅ! わ、わたしたんぽぽ星人のこと好きっ!」

だきっ

たんぽぽ星人「やめろこんなところで……恥ずかしいじゃねぇか」

cv松山○志。

参謀長「……」

そして突撃長は一人の男として参謀長を愛していた。

突撃長「はぅぅ! わ、わたし参謀長のこと好きっ!」

ダキっ

参謀長「ぎゃあああああ!!」

はははっ。

参謀長「!」
673 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/18(月) 23:48:45.46 ID:6FeAP96A0
46

--ジャングル--

姫「たんぽぽたんぽぽ〜っ!」

こうして四人は仲良く暮らしましたとさ。

参謀長「……」

突撃長「参謀長殿?」

参謀長「……しかしまったくもってたんぽぽ星人はバカだなぁ」

たんぽぽ星人「!?……」

たんぽぽ星人はバカではない。むしろ超がつくほどの天才だ。一説では東大を受験したこともあるとか。

参謀長「受かってはいないのかよ……色も汚れててうんこみたいだし」

たんぽぽ星人「!」

そんなことない!たんぽぽ星人はまばゆいばかりの光を放つ黄金そのものだった。その輝きは太陽すら霞むと民衆の間ではもっぱらの噂で

参謀長「不細工だし」

たんぽぽ星人「不細工じゃねぇよ!」

不細工じゃねぇよ!
674 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/18(月) 23:51:05.53 ID:6FeAP96A0
47

--ジャングル--

姫「! あれ?」

突撃長「今、被りましたな?」

たんぽぽ星人「!! しまっ」

参謀長「しっぽをだしやがったなくそたんぽぽ……」

目が光る参謀長。

たんぽぽ星人「……」

どごっ!

さばっ……参謀長の顔面パンチ。
ミス、たんぽぽ星人はダメージを受けなかった。

参謀長「めっちゃふるふる震えてるやん!」
675 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/18(月) 23:51:53.53 ID:6FeAP96A0
48

--ジャングル--

たんぽぽ星人「わ、我は無敵」

参謀長「……」

がすっ!

あっ!膝げり痛いっ!……ミス、たんぽぽ星人はダメージを受けなかった。
げほっ

参謀長「……」

ごしっ!

いってっ!!……た、たんぽぽ星人は歯を食い縛って耐えた……うっ。

どがっばぎっ!!

たんぽぽ星人「鬼かっ!?」

ぼこぼこになったたんぽぽ星人は号泣している。

参謀長「戻ったか……」
676 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/18(月) 23:52:25.57 ID:6FeAP96A0
49

--ジャングル--

参謀長「地の文をある程度操作する魔法!?」

たんぽぽ星人「うむ」

突撃長「ほっほっ。それはまた……」

姫「すごいすごーいっ!!」

参謀長「つええってもんじゃないけど、実際地の文と同じように変化させられるわけじゃないからなぁ」

たんぽぽ星人「頑張れば出来る」

参謀長「やべぇ!!」

突撃長「……え?しかしこれマジ話なんですかな?」

参謀長「……ん」

突撃長「地の文をいじるって、まるで文章の世界に生きているようですじゃよ?」

たんぽぽ星人「……」

参謀長「……」

姫「……?」

突撃長「……」
677 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/18(月) 23:53:32.10 ID:6FeAP96A0
50

--ジャングル--

がばっ!

参謀長「はっ! ……夢だったか……」

まさかの寝オチである。

たんぽぽ星人「……ニヤ」
678 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/18(月) 23:54:05.77 ID:6FeAP96A0
51

--ジャングル--

《作戦フェイズ》

参謀長「飯食ってここまでくるのになんでこんなに時間かかるのか……」

姫「病気だねーっ!」

参謀長「さてもう面倒だし姫ちゃんはおうちの外で遊んでこよー……ねっ!」

参謀長は目の前で骨をくるくると回した後、窓の外に思い切り放り投げた。

しゅばっ!

姫「わんっわんっ!!」

勢いよく飛び出す姫。

参謀長「……」

突撃長「国家元首ェ……」
679 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/18(月) 23:55:24.57 ID:6FeAP96A0
52

--ジャングル--

参謀長「じゃあ、前回突撃長さんにとってきてもらったものを調合した、これを持っていってきますかね」

突撃長「? 何を作ったのですじゃ?」

参謀長「内緒です。今回は突撃長さんは姫の護衛をお願いします。家の中でゆったりしてください」

突撃長「!? 今あなた外に放牧したよね!?」

参謀長「ちゃんとうんちは回収してくださいね」

突撃長「国家元首ェ!!」
680 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/18(月) 23:55:56.87 ID:6FeAP96A0
53

--ジャングル、上流--

参謀長は川の上流に向かい、誰もいないことを見計らうと、そっとそれを川に流した。

ぱしゃしゃっ

参謀長「……」

参謀長はにやりと笑った。
681 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/18(月) 23:56:32.68 ID:6FeAP96A0
54

--ジャングル--

姫「姫はわんわん好きだおっ! わんわんお! わんわんお! うまいっ!?」

骨をくわえてジャングルを駆け回る一国の姫。

突撃長「ほっほっ。お上手ですじゃ……! 姫様!」

突撃長はハンマーを構え、姫に駆け寄った。

姫「ほえ?」

がさがさ

狼「がるる」

狼が出現し姫に襲いかかった。
682 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/18(月) 23:58:05.11 ID:6FeAP96A0
55

--ジャングル--

《戦闘フェイズ》

条件・姫を無傷で助けろ

突撃長「やってやりますですじゃー!」

狼「がるる」

狼の攻撃。

がしゅ

姫に10ダメージ。

突撃長「早くもぎゃー!」

条件失敗

突撃長の攻撃。

ぐしゃ!

狼に230のダメージ。狼は生き絶えた。
683 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/18(月) 23:58:40.86 ID:6FeAP96A0
56

--ジャングル--

突撃長「姫様! じいがついていながら……申し訳ございませんですじゃ!」

姫「痛いんだおっ!」

姫の左腕にくっきりと歯形が。

突撃長「とりあえず応急措置を」

がさがさ

突撃長「!? またモンスターか!」

?「もきゅ〜……」

??「お腹減っちゃったもきゅ〜……」

???「何か食べるものないかもきゅ〜」

もきゅもきゅ言ってる生物が二人の前に現れた。
姫「何これ可愛いっ!」

?「もきゅっ!? に、人間もきゅっ!」

??「に、逃げるもきゅ……」

???「もうそんなエネルギー、ないもきゅ……」

ばたり

突撃長「……」

姫「突撃長っ! これ持って帰るっ!!」

突撃長「ええっ!?」
684 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/19(火) 00:00:38.55 ID:evs1efE70
57

--ジャングル--

参謀長(症状が出るのは二日後くらいか)

参謀長が家に帰ると、

かかかかかかっ

?「もきゅぷはっ! このご飯おいしいもきゅ!」

??「どこのもこもことも知らぬ僕たちにここまで……感謝してもしたりないもきゅ!」

???「姫ちゃん大好きもーきゅっ!」

姫「えへへへーっ!」

姫は満面の笑みでご飯をかっこむもこもこ達を撫でている。

参謀長「……」

突撃長「あ、お帰りなさいですじゃ。今夕飯の支度をしてるですじゃ。少し待っててですじゃ」

参謀長「あ、はい。それはいいんですが……これは一体」

たんぽぽ星人「……姫が連れてきちまったらしい。全くペットはダメだって言ったのによ」
685 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/19(火) 00:01:39.49 ID:evs1efE70
58

--ジャングル--

?「もこもこ達はペットじゃないもきゅ!」

??「この星の頂点に立っていた偉大なる種族、もこもこだもきゅ!」

???「家畜やペット等と一緒にしてもらっちゃこま、ふもきゅう〜」

姫に抱っこされて癒され顔のもこもこ。

姫「ふあぁ、めちゃめちゃ可愛い〜っ」

?、??、???「「「もっきゅきゅ〜」」」

参謀長「……とりあえず人語を介しているからモンスターだな」
686 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/19(火) 00:02:08.33 ID:evs1efE70
59

--ジャングル--

食後。

姫「ばばばば〜んっ! それでは名前を発表しますっ! 右からもこいちっ!」

?改めもこいち「もきゅ!」

姫「もこじっ!」

??改めもこじ「もきゅす!」

姫「もこぞうっ!」

???改めもこぞう「もきゅぷしっ!」

姫「そんなわけなのさっ!」

すぱかーん

スリッパで姫の頭を叩く参謀長。

姫「なんでぶったのっ!?」

参謀長「こんなペット拾ってきてどうするんですか! 何の役にも立たないどころかこの家のスペースがいっぱいになるでしょ!」

もこいち「姫ちゃんに暴力するなもきゅーっ!」

もこじ「このDV夫もきゅーっ!」

もこぞう「僕たち役立たずじゃないもきゅっ!」

参謀長「誰が夫だ誰が……そんなメリープみたいなフォルムで何か役に立てるのか?」

もこいち「ばかにすんなもきゅ! もこもこ達は有能なんだもきゅ! その力を今夜見せてやるもきゅ!」

参謀長「夜?何、エッチなことでもすんの?」
687 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/19(火) 00:03:03.21 ID:evs1efE70
60

--ジャングル--

その夜。

もこいち「もこもこが一匹!」

ほわん

もこいちが姫の顔の上を飛ぶ。

もこじ「もこもこが二匹っ!」

ほわん

もこじが姫の顔の上を飛ぶ。

もこぞう「もこもこが三匹っ!」

ほわん

もこぞうが姫の顔の上を飛ぶ。

姫「くーっ、くーっ」

参謀長「……」

もこいちボソボソ「どうもきゅ? 僕たちにかかればどんな不眠症なあなたでもたちまちぐっすり」

もこじボソボソ「素敵な睡眠生活をお届けもきゅ」

もこぞうボソボソ「この役立ちレベル、半端ないもきゅ」

姫を起こさないように小声でもきゅもきゅ喋るもこもこ。

参謀長「……まぁ」

最悪非常食にすればいいか。参謀長はそう自分を納得させた。

ぴろりん

≪兵力増強≫
もこもこ三体が仲間に加わった。



ちゃんちゃん
688 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/19(火) 00:05:18.94 ID:evs1efE70
本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
それでは、読んでいただきありがとうございました!m(__)m
689 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/19(火) 00:09:32.39 ID:evs1efE70
すいません、663だしたねごめんなさい!
690 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/19(火) 00:10:13.76 ID:evs1efE70
すいません、663さんでしたねごめんなさい!
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/19(火) 00:18:38.33 ID:8zV1LW5G0
乙!!

もこもことかやべぇな
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/06/19(火) 00:27:49.18 ID:EJt3uhQQ0
乙ー
……順調に戦力がおかしなことになっとる……
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/19(火) 00:58:29.67 ID:jQeK0aFfo
>>688 乙!
もこもこは言葉をしゃべって平和的なところを見る限り第2世代かな
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/19(火) 10:37:10.47 ID:LpLtlQFSO
中々ヤバい兵力wwwwww
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/19(火) 23:25:00.56 ID:8zV1LW5G0
このもこもこって多分最後に生き残った
創作グループにいた奴らだよね?

多分変化師のこと旧もこもこちゃんねるで知ってるんだろうなぁ
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/06/25(月) 23:01:54.33 ID:xgbus452o
wwktk
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/25(月) 23:14:13.17 ID:bRm6xu+F0
そろそろか
698 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:46:30.89 ID:hrEg79a70
遅くなりました!
それでは投下していきます
699 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:46:58.07 ID:hrEg79a70
61

--西の王国国境--

潜入長(それ見たことですか。国境の壁の中への潜入などお茶のこさいさいです)

数日の間内部を調べていた潜入長は最後の任務に当たろうとしていた。

潜入長(……三強クラスの実力を調べよ……か。確かにこれは難しい)

三強が戦うところを見るか、三強と戦わなくてはならないということ。

潜入長(今は西の王国ですから、三本角、ですよね。変化師、槍兵、それとろくに情報が開示されていない機械の兵隊……)

ざり

潜入長(!気配!)

西の見回り「ん? そこに誰かいるのか?」

西の見回りは蝋燭をこちらに向ける。潜入長は物陰に身を隠した。
700 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:47:45.42 ID:hrEg79a70
62

--西の王国国境--

西の見回り「……」

かつんかつん

潜入長(……さてどうしましょうか。騒ぎを起こして三強を呼び寄せるというのもありなんですが、問題なのは私一人では三強を相手取れない……)

かつんかつん

潜入長(……暗殺しますか)

潜入長はポケットから鼠を一匹放つ。

鼠「ちゅーちゅー」

西の見回り「なんだ、鼠か」
701 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:48:20.32 ID:hrEg79a70
63

--西の王国国境--

潜入長「……」

西の見回り「……一応確認しておくか」

潜入長(!)

西の見回りは足を止めなかった。

潜入長(仕方ない……スキル、インビジボォ)

ジジ

西の見回り「……やっぱり誰もいないか」

潜入長の姿は完全に消えていて見回りの目には映らない。

潜入長「……」
702 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:48:51.97 ID:hrEg79a70
64

--西の王国国境--

くる

西の見回りが後ろを向いた瞬間、

がぎっ

西の見回り「!?」

潜入長は見回りの両腕を捻あげ、首に腕を回し、絞める。

ぎぎぎ

西の見回り「が、ががっ」

ぎりぎりぎり

西の見回り「ぎひゅ……」

がくん
703 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:49:29.08 ID:hrEg79a70
65

--西の王国国境--

潜入長「……ふぅ」

潜入長は見回りを床に下ろし衣服を奪った。

潜入長(もう少し、接近してみますか)

潜入長は見回りの服を着る。

潜入長「とっ」

潜入長はのびた見回りに手をやる。

潜入長(このままではすぐに気づかれますね。スキル、インビジボォ)

ジジ

スキルを見回りにかけると、すぐさま姿が見えなくなる。

潜入長(よし)

立ち上がった潜入長。

潜入長(あ……精神に潜入すればよかった……)
704 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:49:55.63 ID:hrEg79a70
66

--西の王国国境--

かつんかつん

すれ違う兵と潜入長。

潜入長(制服のデザインに違いはない……見回りなんかじゃなくて三強の部隊に潜りこむことはできるかしら)

かつんかつん

潜入長(いや……戦闘部隊が互いに互いを知らないわけがない)

かつんかつん

潜入長(まて……鎧をつけていればわからないか……?そんな実習があればいいが)

その時、

かつんかつん

潜入長(ん、また兵か……!)
705 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:50:26.97 ID:hrEg79a70
67

--西の王国国境--

槍兵「ふぁぁあ」

あくびをしながら角を曲がってきたのは、

潜入長(西の三本角、槍兵!!)

目標とする三強だった。

どっどっどっどっ

潜入長(あ、慌てちゃいけない、殺気も抱いちゃだめだ、すぐに感付かれる……自然に)

槍兵「ん?」

潜入長「お勤めご苦労様であります!」

道を開け、直立不動で敬礼をする。
706 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:51:06.80 ID:hrEg79a70
68

--西の王国国境--

槍兵「おぉ」

かつんかつん

槍兵が潜入長の前を過ぎていく。

潜入長(!! 槍を、持っていない)

それは当然のことと言えた。この狭い城内で槍は邪魔なだけ。普段から持ち歩いているはずがないのだ。

どっどっどっどっ

潜入長(槍がない、のならいくら三強でも倒せるのではないでしょうか……)

どっどっどっどっ

心臓の鼓動が高まる。
707 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:51:49.80 ID:hrEg79a70
69

--西の王国国境--

潜入長(はっ、駄目、今倒しても意味がない。心を沈めないと)

槍兵「……」

潜入長「ッ!?」

歩き去ったと思われた槍兵は、振り返ってじっと潜入長を見ていた。

槍兵(今……微弱だが殺気を感じたぞ?心拍数も上がった)

槍兵の感知能力。

潜入長(まずいっ)

槍兵「……なぁお前、どこの部隊のもんだ?」

槍兵は踵を返した。
708 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:52:19.07 ID:hrEg79a70
70

--西の王国国境--

かつん、かつん

潜入長(まずい! 気付かれましたか!?)

槍兵「……」

潜入長(獲物を持っていないんですからいざとなれば実力行使も……)

潜入長ははやる心を沈める。

潜入長「私は国境警備隊城壁内部所属、見回り兵であります!」

槍兵「っと」

潜入長があまりにはっきりと言い切ったため、槍兵は鳩が豆でっぽうをくらったような顔になる。

槍兵(ん……)

槍兵は顎に手をあて、

槍兵「そっか。だがお前、なんで今俺に殺気を向けた?」
709 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:52:59.66 ID:hrEg79a70
71

--西の王国国境--

潜入長(やはりばれているか……!)

槍兵の質問という槍が潜入長の喉元に。

潜入長(……どうすれば切り抜けられる? ……この人はジョークが通じるのか……?)「それは……私が……私が狙っているのは……槍兵様だからです」

槍兵「! ……俺を狙う……だと?」

槍兵はまたも予想にしない返答で困惑している。

潜入長「お、恐れ多いことですが、わ、私の狙いは……この国の三強になることです!」

槍兵「! ……ほぉ……あぁそういうことか」

槍兵はなるほどなんて言いながらうれしそうな口角をあげ、獣のような目付きにかわる。

槍兵「お前、俺の場所を狙ってるのか。たかが見回りの分際で」

潜入長「は、はい!」
710 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:53:27.51 ID:hrEg79a70
72

--西の王国国境--

槍兵「それで殺気を……? ふん、おもしれぇ」

槍兵はクックッと笑う。

槍兵「殺したいほど俺が邪魔で、殺してでもこの座を奪い取ろう、ってか」



潜入長「!!」

滲み出る槍兵の魔力。
量そのものは大したことは無い、だが修練の厚みを感じる。

潜入長(ぐ!! ……ば、馬鹿だった、勝てない……槍が無くとも……勝てない)

槍兵「どうだ、手合わせでもしてみるか?」
711 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:53:55.59 ID:hrEg79a70
73

--西の王国国境--

潜入長(とんでもない……! 私は考えが甘かった……! 仮にもこの人はこの歳で国の三強なんだ……!)

潜入長は目を合わすことすら出来ない。

潜入長「……い、いえ、やめておきます」

槍兵「ふぅん、実力の程はわかるみたいだな。まぁいいや気に入った。いいぜ、いつでも殺しにこいよ」

槍兵は上機嫌になり、潜入長の背中を叩く。

ばんっ!

潜入長(いたっ)

槍兵「ん? なんだ男のわりに線が細いと思ったら女か?」

潜入長「は、はい」

槍兵「ふーん……まぁいいや、飯でも食いにいこうぜ」
712 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:54:42.70 ID:hrEg79a70
74

--西の王国国境--

潜入長「は、はい……はい?」

槍兵「あ? 飯だよ飯」

予想外の言葉に今度は潜入長が困惑する。

潜入長「え、え? い、いやでも私は仕事もありますし」

槍兵「だーいじょぶだって、俺がなんとかすっから。つれがいないと飯も美味くないし」

がしっ

潜入長「……え、ええぇえぇぇー!?」

ずるずるずる

連れていかれる潜入長。
713 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:55:21.23 ID:hrEg79a70
75

--ジャングル--

姫「きゃっきゃっ!」

もこいち「もっきゅもっきゅ!」

姫ともこもこ達はくんずほぐれつ遊んでいる。

突撃長「ほっほっ。賑やかになってきましたな」

たんぽぽ星人「あぁ……うるさいペット共だ、犬小屋が欲しいぜ……」

お茶してる二人(?)。

参謀長(お前もその小屋入れよ)
714 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:55:47.92 ID:hrEg79a70
76

--ジャングル--

だんだんっ!

その時家のドアが叩かれる。

突撃長「はいはいどちらさまですじゃ?」

ぎぃ

参謀長(きたか)

黒肌の青年「サンボウはいるか!」

息を荒くして青年は参謀長を呼んだ。

参謀長「……ん? どうしたんだ青年」

黒肌の青年「む、村のみんなの調子がおかしいんだ! たくさんのみんなが、苦しみ始めた!」
715 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:56:14.02 ID:hrEg79a70
77

--ジャングル--

参謀長「なんだって」

参謀長は立ち上がる。

黒肌の青年「たのむ、お前知識ある。力を貸してくれ……」

ばっ!

青年は腰を低くして頭を下げた。

参謀長「……わかった、すぐにいく」

参謀長は道具をカバンに次々と放り込む。

参謀長「突撃長さん、あとお願いします」

突撃長「あ、あぁ了解しましたですじゃ」

バタン

たんぽぽ星人「ひどい慌てようだったな……」

突撃長(……ろくに症状も聞かずに……?)

姫「きゃっきゃっ」

もこじ「もきゅう!」
716 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:57:00.60 ID:hrEg79a70
78

--ジャングル--

参謀長「……」

黒肌の青年「ど、どうだ?」

参謀長はうなされている十二人の子供と六人の大人を順に見て回った。

参謀長「嘔吐、発熱、痙攣……それと肌が若干赤く変色している……」

黒肌の青年「サンボウ! なんとかなりそうか?」

参謀長「際どいところだな……これはあるモンスターの毒だな」

黒肌の青年「モンスターの……!? 嘘だ、こんな症状みたことがないぞ!! 俺達このジャングルの全部知ってる!!」

参謀長「それはおごりだ青年。こいつは普段地中にいるんだ。それが数百年に一度だけ地表に姿を表す奇妙なモンスター、見たことがなくても当たり前だ」

黒肌の青年「! ……サンボウは見たことあるのか?」

参謀長「あぁ。違う土地に行った時に見た。そして俺も毒にあてられた」
717 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:57:54.49 ID:hrEg79a70
79

--ジャングル--

黒肌の青年「さ、サンボウは今生きてる! ならみんなも治るのか!?」

黒肌の青年は額に汗をにじませ、必死の表情で参謀長を見ている。

参謀長「あぁ毒さえなんとかすればな。青年、この間与えた作物はどうしている?」

黒肌の青年「さ、作物は、育てている! 土に入れたらあっという間に増えた!」

参謀長「よし、五本ばかり抜いてこい。そっちのあんたは川の水をくんできてくれ」

黒肌のおばさん「わ、わかったわ」

参謀長は手際よく指示を出していく。

参謀長「--! --!」

スッ

黒肌の刺青「……」

全身に刺青を彫った男が、ただじっと参謀長を見ていた。
718 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:59:03.05 ID:hrEg79a70
80

--ジャングル--

ぐつぐつ

参謀長は黄金もろこしを材料にコーンスープを作っている。

黒肌の青年「しっかり! しっかりするんだみんなっ! サンボウ! まだなのか!?」

参謀長「ん……よし、みんなにこれを少しずつ飲ませてやってくれ」

黒肌の青年「あちっ!? ……熱い水……?」

参謀長「火傷しないようにゆっくりとな」

黒肌のおばさん「? わ、わかった!」

参謀長は病人達がコーンスープを飲むところを見ている。

参謀長(やれやれ……これで一段落か)
719 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/06/26(火) 00:59:29.86 ID:hrEg79a70
本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
それでは、読んでいただきありがとうございました!m(__)m

720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/06/26(火) 01:08:01.06 ID:ZdTjFGmj0
乙!
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/26(火) 08:11:12.62 ID:nITmTWoSO
風呂に入ってる妲己を狙う太公望を思い出した

722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/26(火) 22:41:42.73 ID:+LnkqdV/0
乙!!
>>721
わかるww
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/06/26(火) 23:10:45.18 ID:+LnkqdV/0
しかし槍兵最初は弱そうだなーと思ってたのに
中々かっこいいな(笑)
724 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:13:57.80 ID:Wl36NQv60
81

--ジャングル--

次の日。

黒肌の青年「やった! やったよサンボウ! みんな元気になった!」

参謀長「よかった……俺も嬉しいよ青年」

黒肌のおばさん「ありがとう、ありがとうサンボウ!」

おばさんは泣きながら参謀長の手を握る。

参謀長「出来ることをしたまでだ。あとみんなもあれを飲んでくれ。お前達も知らないうちに毒を吸っているかもしれないだろ?それに栄養だっていい」

黒肌の青年「わかった!みんな飲もう! 作り方を教えてくれサンボウ!」

わいわいきゃっきゃっ

黒肌の刺青「……」

刺青の男が参謀長を遠くから睨み付けている。

黒肌の刺青(おかしい……なにかおかしい。あの男、なにかあやしい)
725 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:14:32.71 ID:Wl36NQv60
82

--ジャングル--

参謀長「ただいま戻りました」

突撃長「あ、お帰りなさいですじゃ。もうすぐご飯できますですじゃ」

参謀長「なぜに裸エプロンなんですか……」

老いてなお逞しいけつっぷりである。

突撃長「いや、姫さまが裸エプロンをご所望されましてな」

参謀長(どんな需要があるんだどんな)

そういいつつ、そのゴツゴツした傷だらけの背中から目を話せない。

たんぽぽ星人「おい……」
726 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:15:02.35 ID:Wl36NQv60
83

--ジャングル--

姫「わーいっ! キラーキャット鍋だーっ!」

参謀長「! このジャングルの中でもかなり強いモンスターじゃないですか。たしか立って近づくものを全て切り裂くという……一体誰が」

もこいち「僕達もきゅ」

もこもこ達はとことこと歩いて姫の足元に。

参謀長「……は?」

あからさまに、ねぇよ、って表情を作る。

もこじ「本当もきゅ。この程度なんらわけないもきゅ」

もこぞう「所詮僕らの劣化コピーもきゅ」

参謀長(何言ってんだこいつら)
727 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:15:46.61 ID:Wl36NQv60
84

--ジャングル--

ごきぶり長「参謀長様参謀長様」

かさかさかさ

参謀長「ひぃっ!? びっくりした! なんだ黒き長」

ごきぶり長「驚かしてすまないごき。ただ例の練習の成果を見てもらいたいごき」

参謀長「あぁ、なるほど。わかった」

ごきぶり長「それから、うちの若いのが言うにはこのジャングルに余所者が10くらい入ってきたらしいごき」

参謀長「……それは気になるな。そいつらをちゃんとマークさせておいてくれ」

ごきぶり長「了解ごき。大恩ある参謀長様の望みとあらば。では我らの特訓の成果を見て頂きたいごき」

参謀長「あぁ」

家の外に向かう参謀長。

参謀長(潜入長はしっかりやっているんでしょうか。無事に帰ってきて下さいよ)
728 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:16:15.89 ID:Wl36NQv60
85

--西の王国国境--

槍兵「おらーもっと飲めやー!」

潜入長「うぶ、私あまりお酒強くないんで……」
729 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:16:44.67 ID:Wl36NQv60
86

--ジャングル--

がさがさ

?「うーん……これめっちゃ道間違えてるよなぁ……」

??「多分……バジリスクを使えれば空から場所を確認できるのですが、今魔力が……」

小さな子供達を真ん中に集め、挟むようにして会話する二人。

緑毛の子供「ここ……怖いよぉ」

犬耳の子供「きゃうぅ……」
730 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:17:24.06 ID:Wl36NQv60
87

--ジャングル--

??「ごめんね。もう少しだけ我慢してね。もうすぐなんとかなるからね」

?「ち……ジャングルに入れば追っ手をまけると思ったが……ちと軽はずみだったなぁ」

ボリボリと頭をかく男。

がさがさ

きーきー

?「!……」

きょきょきょきょきょ

??「……何が潜んでいるかわからない……ジャングルは……怖いですね」
731 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:17:55.65 ID:Wl36NQv60
88

--ジャングル--

朝。

姫「姫ちゃんなう!」

参謀長「うるせえとってこい!」

ブン!

参謀長は骨を窓の外に放り投げる。

姫「わんわん!」

姫は窓から骨を追って飛び出していった。

たんぽぽ星人「ふぅ……姫の扱われ方が不憫でならないぜ」

参謀長「それでは作戦フェイズに移行する」
732 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:18:26.45 ID:Wl36NQv60
89

--ジャングル--

参謀長「まず今回の目的はずばり、原住民を我が王国に加入させることです」

突撃長「ふむ……しかしそう簡単にいきますかな」

参謀長「四日前に私達が力を貸して以来、彼らは友好的です。少なくとも悪く思ってはいない。後は理由さえ作ればいい」

突撃長「理由……?」

参謀長「私達が必要不可欠な存在なんだと思わせるような」

たんぽぽ星人(こいつ……)

参謀長「既に手は打ってあります。後は」

だんだん!

その時、ドアが強く叩かれた。
733 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:18:58.39 ID:Wl36NQv60
90

--ジャングル--

黒肌の青年「サンボウ! サンボウ!」

がちゃり

参謀長「どうした青年、そんなに慌てて」

ドアの向こうには息を切らした青年がいた。

黒肌の青年「はっ、はっ……! あ、悪魔が!悪魔があらわれたんだ! 俺達に力を貸してほしいサンボウ!」

突撃長「悪魔……?」

たんぽぽ星人「モンスターでも現れやがったか?」

参謀長「……」
734 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:19:31.27 ID:Wl36NQv60
91

--ジャングル--

《実行フェイズ》

黒肌の老夫人「う、うぅ……爺さま……」

参謀長「これはひどい……」

そこには全身を中から食い破られたような、無残な死体があった。

黒肌の青年「目撃した子供らが言うには真っ黒の毛皮の大きなモンスターだったらしい。あと鳴き声はバチバチだったそうだ」

突撃長「バチバチ……ふむ」

たんぽぽ星人「むごい殺しをしやがるぜ……」

突撃長「……どんな手段を使って殺したのかわからんですじゃ」

突撃長はそっと目を閉じてやる。
735 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:19:58.63 ID:Wl36NQv60
92

--ジャングル--

参謀長「突撃長さんとたんぽぽ星人はさっき言った通り、あの槍を持ってジャングルに」

突撃長「わかりましたですじゃ」

たんぽぽ星人「了解した」

黄金もろこしの葉で装飾された槍を二人は持っていた。

黒肌の青年「だ、大丈夫なのかサンボウ!」

参謀長「わからない。だが心配するな、この黄金もろこしにはモンスターが嫌がる力が備わっている……らしい」

黒肌の青年「ほ、本当なのか?」

参謀長「それをこれから試すんだ」

ざっ

黒肌の刺青「おい薄肌」
736 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:20:27.06 ID:Wl36NQv60
93

--ジャングル--

参謀長「!」

黒肌の青年「! 長の子!」

黒肌の人々が道をあける。

参謀長「……俺のことか? なんだ?」

黒肌の刺青「……」

刺青男は参謀長を品定めでもするかのように、周りをぐるりと回った。

黒肌の刺青「俺は、お前達を信じない」

ざわ

参謀長「……」

黒肌の青年「お、長の子!」
737 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:21:31.03 ID:Wl36NQv60
94

--ジャングル--

黒肌の刺青「お前達、何か嫌な臭いがする。何かがおかしい」

参謀長「……そう言われてもな」

黒肌の刺青「」

ひゅっ!

突撃長「!!」

ざわざわ

黒肌の刺青は参謀長の喉元に槍を近付ける。

じり

黒肌の刺青「……」

参謀長「……」
738 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:22:22.84 ID:Wl36NQv60
95

--ジャングル--

参謀長「……理由がよくわからないが、俺達のことが嫌いだというのなら、俺達はどうしたらいい? 素直に何もしないで帰ればいいのか?」

ざわ

黒肌のおばちゃん「それは困るよ」

黒肌の少年「サンボウは僕達を助けてくれたよ!」

ざわざわ

黒肌の刺青「黙れっ!!」

刺青の一喝で、村人達は静かになる。

黒肌の刺青「……俺も行く。それでお前達を見定める」

参謀長「危険かもしれないぞ?」

黒肌の刺青「はっ」

刺青は笑う。

黒肌の刺青「はははははっ! 俺達戦士は死を恐れない! 我らに宿る偉大なる先祖の血は、戦い、そして死ぬことこそ誇りを持つのだ!」

参謀長「……わかった、身の安全は保証出来ないが、同行してくれ」
739 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:23:05.04 ID:Wl36NQv60
96

--西の王国国境--

潜入長(ある程度戦闘力はわかりました。槍兵の部隊演習にも参加出来ましたし……長いは無用ですね。そろそろスキル効果も危うい)

潜入長は誰に気付かれることなく砦を移動し見張りのいる位置まで来る。

潜入長(ん、どうしましょうか。入ってきた時のように馬車が偶然通りかかるのを待つわけにはいかないですし)

潜入長は姿を透明にし、馬車の主に気付かれることなく潜りこんだのだった。

潜入長(さすがに……透明になったぐらいじゃ見張りの目は誤魔化せないですよね)

潜入長は物陰から見張りをじっと見ている。

潜入長(騒ぎを起こして注意をそちらに向けるのもありでしょうが、そんなことをしたら槍兵がくる可能性もありますし、得策じゃあないですね)

若い見張り「……」
740 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:23:40.25 ID:Wl36NQv60
97

--西の王国国境--

潜入長(あれくらいなら奇襲で二人やれますが……後々面倒になりそうですね。潜入していたことがばれてしまえば、兵の配置や砦の見取り図が役にたたないほど変更してくるでしょうし)

老見張り「……」

潜入長(はぁ……私は参謀長と違って考えるのは得意じゃないです……)

潜入長は立ち上がりナイフに手を伸ばす。

潜入長(あれこれ考えず、もういっちゃいます)

潜入長は姿を消した。

しゅ

若見張り「……」

老見張り「……」

二人の見張りの集中力は外に向けられているため、後ろから近づく潜入長には気付かなかった。
741 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:24:12.29 ID:Wl36NQv60
98

--西の王国国境--

ドプ

若見張り「!」

若い見張りの口を塞ぎ心臓を一突き。隣にいる老いた見張りがそれに気付いた時には

ズッ

同じく心臓を貫かれた後だった。

さっ

潜入長は素早く二人を座らせると城壁の外へ降りる。

潜入長(よし……あれなら……あ。そういえば最初に始末した兵が……あーあ。結局ばれてしまいますね……)

まぁ仕方ないと割り切り、潜入長は

槍兵「よっ、いいナイフだな」
742 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:25:00.87 ID:Wl36NQv60
99

--西の王国国境--

潜入長「」

森への入り口の前に、槍兵が立っていた。

槍兵「どこ行くんだ?」

潜入長「あ」

じり

槍兵は前とは違い、

槍兵「出かけるのなら、俺もついて行くぜ?」

今度は愛槍を右手に携えている。

潜入長(どこで……どこで、気付かれた……?)

槍兵「ははっ。気になっちまうたちなのさ。……気配がしないやつのことはな」
743 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:25:46.96 ID:Wl36NQv60
100

--西の王国国境--

《戦闘フェイズ》

槍兵「一つ手合わせを願うぜ」

潜入長「潜入します」

槍兵が
現れた。
744 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/02(月) 23:26:58.06 ID:Wl36NQv60
最初の挨拶を忘れてしまったorz
封神演義おもしろいですよね!!


本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
それでは、読んでいただきありがとうございました!m(__)m
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/02(月) 23:29:37.16 ID:DJLfwl3SO
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/04(水) 22:40:31.69 ID:kfnCPS6G0
乙!
久々の戦闘楽しみだなぁ
747 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:19:07.68 ID:1cXkFCCI0
こんばんは、お待たせいたしました。

そういえばパソコンが苦手な私は、この前初めてブログのコメントを読ませていただきました(ブログの表に表示されている以外の)。‏
いやー、生きるパワーを頂きました。ありがとうございます。

それでは投下していきます。
748 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:19:47.74 ID:1cXkFCCI0
101

--ジャングル--

がさがさ、がさがさ

たんぽぽ星人「しかし……こんな武器でどうにかなるのか?」

突撃長「さぁ、私にはわかりませんですじゃ」

二人は槍を持ってジャングルを歩いている。

たんぽぽ星人「というか参謀長をあいつと組ませて良かったのか? あいつ……殺意を抱いていたぞ」

突撃長「えぇ、我らと違って参謀長は戦えませんですじゃ。人目がつかない場所ならあっさり殺されてしまうはずですじゃ」

たんぽぽ星人「……なんだってあいつは自分からこの組み合わせに」

突撃長「わかりません……わかりませんですじゃ」
749 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:20:32.01 ID:1cXkFCCI0
102

--ジャングル--

黒肌の刺青「……」

がさがさ

参謀長(……統治者にとって、村人の意識が他に向けられているなど、看過出来る問題じゃないよな)

刺青の槍を握る手に力が入る。

参謀長(槍の黒虎部族のその腕前、見ておきたかったしな)

黒肌の刺青「……おい、本当にこっちにいるのか? 例のモンスターは」

参謀長「さぁ……」

黒肌の刺青「……」
750 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:21:13.39 ID:1cXkFCCI0
103

--ジャングル--

ジリ

参謀長(村人を襲ったモンスターより、俺を殺るほうを優先するのか?)

がさがさ

黒肌の刺青「……お前が川で何かをしていたことは見ている」

参謀長「!!」

黒肌の刺青「それからすぐに村人は苦しみだした。全て川遊びをした者や、川の水を飲んだものだ……」

参謀長(……へぇ)

黒肌の刺青「そして今度は得体の知れないモンスターだ。お前達と接触する前は一切そんなことはなかったのにだ、お前達が来てから不運が続く」

参謀長(裏打ちあってのものだったか。やるじゃないか……というよりやっぱり自分が行動すべきじゃなかったな……)

黒肌の刺青「だから俺はこう考える。全ての原因はお前達で、お前達は村を狙っている」

参謀長「……」
751 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:21:42.05 ID:1cXkFCCI0
104

--ジャングル--

黒肌の刺青「お前の吐く言葉は黒い。裏で何を考えいるのか」

ぐっ

刺青の槍が動く。

参謀長「平穏さ」

黒肌の刺青「? 何?」

参謀長「俺は君らに平穏を与えたいだけだ」

黒肌の刺青「……平穏など望んじゃいない」

参謀長「なんだと?」

黒肌の刺青「我らは先祖に顔向け出来るよう、胸をはった生き方さえ出来ればいい。部外者が与えてくる平穏なんぞに、飼い馴らされてたまるものか」

参謀長「……誇りじゃ腹は膨れない」

黒肌の刺青「誇りが無くば、自分の人生が閉じる時に後悔することになる」
752 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:22:16.93 ID:1cXkFCCI0
105

--ジャングル--

参謀長「」

魂の籠もった眼差し。参謀長は少しだけ呆然とする。それは参謀長には全く理解出来ないものだった。

参謀長「……誇り高き部族……か」

黒肌の刺青「お前達からは誇りを感じない。いつも1日を大事に、一生懸命生きているように思えない。だから我ら黒虎の一族はお前を認めない」

がさ

二人は話しているうちにジャングルの奥深くまで来ていた。

黒肌の刺青(ここなら誰も阻むものはいないッ)

参謀長「二つ、君に教えよう黒の一族の次期長」

黒肌の刺青「お前から教わることなど何もない!」

刺青は槍を構える。
753 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:22:52.26 ID:1cXkFCCI0
106

--ジャングル--

ザッ

黒肌の刺青「!?」

するとなぜか参謀長は座ってしまった。

黒肌の刺青(なぜこいつは……後ろの俺の動きがわかるのか?)

刺青は突き出そうとした槍を止めた。

参謀長「まぁそういうなよ。俺からの忠告はな……この世界で誇りなんてものは足を引っ張ることしかしないんだってこと。誇りを持ってる奴から死んでいく世界だ。いつまでも勇者を輩出した部族だからと、調子に乗ってちゃあいけない」

黒肌の刺青「!!!! きさまぁぁ!!」

シャッ!!

刺青は黒豹のように襲い掛かった。

キラーキャット「ギャシャアアアア!!」

黒肌の刺青「!?」

ガブシュッ!!

参謀長「……もう一つは、姿勢を低くしたほうがいい」
754 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:24:26.20 ID:1cXkFCCI0
107

--ジャングル--

ぽたっぽたたっ

キラーキャット「きしゃあきしゃあ!!」

がりごりっ

黒肌の刺青「ッッ!! ……っ!」

ぼたっぼたたっ

参謀長「ジャングルの奥はキラーキャットの縄張りだからな。下らぬ誇りとやらに心を動かされてなければ気付けたのにな」

ごきっごりり

黒肌の刺青「……」

だらん

参謀長「ふ」

参謀長は口角をゆがませて、はいはいでその場を後にした。
755 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:25:06.11 ID:1cXkFCCI0
108

--ジャングル--

がささ!!

謎のモンスターが現れた!!

突撃長「うわぁ! 本当にでたですじゃ!」

たんぽぽ星人「不定形なのかこいつ! ありえない動きしやがって!」

?「バチバチ!」

突撃長「やるしかないですじゃ! おりゃーですじゃ!」

ドス

突撃長の槍がモンスターの胸を貫いた。

?「バチバチ!」

すると溶けるように体が小さくなっていった。
756 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:25:32.06 ID:1cXkFCCI0
109

--ジャングル--

たんぽぽ星人「た、倒した……のか?」

ふしゅるるる、ぽふ

そこには黒い毛皮だけが残った。

突撃長(こ、これは前に私が狩ったモンスター?)

突撃長はモンスターの毛皮に心当たりがあった。

さわさわ

突撃長(……間違いない……私が前に刺した傷口もある……一体どういうことですじゃ?)

たんぽぽ星人「ん? なんだこりゃ、ゴキブリの死骸がくっついてやがる」

たんぽぽ星人は毛皮を持ちあげる。
757 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:26:19.50 ID:1cXkFCCI0
110

--西の王国国境--

ゴゴゴゴゴゴゴ

潜入長(まずい……まずい! とてもじゃないが真正面から戦える相手じゃない!)

槍兵「おらおらぁ、先に攻撃させてやるよ」

槍兵が先手を譲る。

潜入長のターン。

潜入長(攻撃なんて……取り敢えず森の中に入らねば!)

潜入長の敵前逃亡。

槍兵「……おいおい、俺を殺すとか言ってたくせに逃げようとしやがるのかぁ!?」

槍兵のターン。

槍兵「しっ!」

槍兵の通常攻撃。
それに対応し潜入長は防御した。

ヒュン、ギシャ!

潜入長(づっ!? 全力でガードしたのに弾きかえせなかった!!)

槍は潜入長の脇腹を抉る。180ダメージ。
758 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:27:06.38 ID:1cXkFCCI0
111

--西の王国国境--

ぽたっ

潜入長(ぐっ! ……だがこれで森の中に)

槍兵の通常攻撃。

潜入長(!? に、二回攻撃ッ!?)

潜入長は防御体勢を取れなかった。

ヒュン、ズブシャッ!!

潜入長「がっ!!」

槍兵の槍は潜入長の腹部を貫いた。650ダメージ。

潜入長「がはっ!!!!」

ドサリ
759 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:27:50.27 ID:1cXkFCCI0
112

--西の王国国境--

血を散らしながら潜入長は倒れこむ。

どくっどくっ

潜入長(ま、まずい……これは、まずい)

潜入長は足に力を入れてなんとか立ち上がる。

潜入長(ダメージが、でかい……このままでは……)

ぶしっ

潜入長の傷口から血が噴き出す。

槍兵「かー……だらしねぇスパイだぜ。もうちっとはやれるもんだと思ったのによ」

潜入長「……」

槍兵「……しまいだ」

チャキ

潜入長「奥義」
760 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:28:24.37 ID:1cXkFCCI0
113

--西の王国国境--

槍兵「!」

ぼしゅー

槍兵の槍の切っ先が潜入長に向いた瞬間、潜入長の体から霧が噴出する。

槍兵(霧? 水属性か……くそなんも見えねぇ!)

ヒュン、ヒュン

槍兵は闇雲に槍を振るうも空を裂くばかり。

潜入長(奥義、霧霧巣……)

ずり

潜入長は槍兵を無視し、足を引きずりながら森の中へと向かう。

潜入長(……この霧の中では全ての五感が封じられたも同然。視覚は意味をなさず、音は乱反射し、匂い、気配、方向感覚すらまともに機能しない……霧の中のことを把握出来るのは唯一私だけ……)

槍兵「うらー! 卑怯だぞー! でてきやがれー!」

潜入長(……奥義を使っても……逃げることしか出来ないなんて……)

潜入長は森の中へ隠れた。
761 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:29:00.44 ID:1cXkFCCI0
114

--西の王国国境--

槍兵「なんてな」

槍兵の通常攻撃。

ドズッ

潜入長「ッッ!?」

潜入長の胸から槍が突き出る。

ブシャッ!

潜入長「がっ!! な、なんで……」

槍兵「……」

ドサッ

槍兵(奥義乗り換えて正解だったぜ)

槍兵は潜入長の足を掴むと、ズルズルと引きずりながら砦へ向かった。
762 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:29:51.80 ID:1cXkFCCI0
115

--ジャングル--

黒肌の青年「次期長ぁぁ! なんでこんなことにぃ!!」

参謀長「……すまない」

参謀長は傷だらけの体とボロボロになった衣服のまま謝罪の言葉を口にした。

黒肌の老人「うっ、うっ……」

参謀長「それしか持ちかえることが出来なかった」

刺青が彫ってある右腕の肘から先、それが刺青の一部であることを部族のみんなは理解していた。

黒肌の青年「うぅ……! サンボウ、次期長は……勇敢に戦ったのか?」

ざわざわ

全員の視線が参謀長に集まる。

参謀長「あぁ、勇敢だった。例のモンスターを相手に最後まで立派に戦いぬいた……」

黒肌の青年「う、うあぁあぁああ次期長ぁぁ!!」

村のみんなは次期長の死を嘆いた。
763 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:30:32.16 ID:1cXkFCCI0
116

--ジャングル--

黒肌の青年「うっ、うう……次期長……戦いの中で高潔に死んでいったのか」

青年は悲しみながらも、嬉しそうだった。

黒肌の青年「勇敢な戦士である次期長を、コンボイ(彼らの部族の魂が行く場所)へ送り出そう!」

黒肌の青年は槍を持ち、皆へ叫ぶ。

参謀長「それより例のモンスターを片付けなければまた死人が出るぞ?」

黒肌の青年「!! ……そうか……」

がさがさがさ

突撃長「おやおや皆様おそろいで」

黒肌の青年「!!」

そこに突撃長達が毛皮を持って帰還する。
764 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:31:24.16 ID:1cXkFCCI0
117

--ジャングル--

黒肌の幼女「うわぁ!」

黒肌の熟女「これが……例のモンスター?」

黒肌の淑女「私が見たのと一緒!」

ざわざわ

黒肌の青年「我が部族最強の次期長でもかなわなかった相手を……?」

参謀長「……」

参謀長は青年の肩に手をのせる。

参謀長「腕っぷしの力だけが強さじゃない。それを俺達は使ったんだ」

黒肌の青年「! ……そんなものがあるのかサンボウ!?」
765 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:32:20.71 ID:1cXkFCCI0
118

--ジャングル--

どんどこどんどこ

黒肌の筋肉だるま「イボンコペッタンコ」

黒肌のショタ「イェーイ!」

黒肌のおばさん「イボンコペッタンコ」

黒肌のお兄さん「イェーイ!」

どんどこどんどこ

参謀長「……」

村で葬送の儀式が行われている。

ざり

黒肌の長「……薄肌」

参謀長(! 部族長か)

そこにひときわ目立つ装飾を身にまとった老人が参謀長の前に現れた。
766 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:32:48.61 ID:1cXkFCCI0
119

--ジャングル--

参謀長は立ち上がって長と向き直る。

黒肌の長「モンスター退治の件、礼を言おう」

参謀長「……いえ。次期長を助けられず申し訳ない」

参謀長は頭を下げる。

黒肌の長「それはお前のせいではない。ただ次期長のイボンコがペッタンコだったのだ」

参謀長(……何言ってっかわからん)

黒肌の長「……薄肌よ。お前達は我が村になんのため来たのだ」

参謀長(きた)

黒肌の長は参謀長の目を逃さぬように見つめている。

黒肌の長「何の目的もなく、我らに食料を恵んだり、我らの村を襲うモンスターを退治したのではあるまい」

参謀長「……理由は簡単だ、俺達はあなた方と仲間になりたいんだ」
767 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:33:20.80 ID:1cXkFCCI0
120

--ジャングル--

黒肌の青年「! サンボウ」

黒肌の長「……我が部族に入りたいと言うのか?」

参謀長「いや、違う」

黒肌の長「ならば……我らにお前達の下につけと、言うのか?」

ざわ

村人達は一斉に儀式をやめて参謀長達を見た。

たんぽぽ星人「……おいおい参謀長」

突撃長「いやな雰囲気に持ってかないで欲しいですじゃよ?」

ざわ

参謀長「……違う、俺達はあなた達と同等の立場で手を結びたいんだ」

ざわざわ

黒肌の長「……それをしてなんになる」

参謀長「今より、より強い集団になれる」

ざわざわ

村人達がざわめく。
768 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/09(月) 22:33:51.03 ID:1cXkFCCI0
本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
それでは、読んでいただきありがとうございました!m(__)m
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 23:00:34.37 ID:JbwHhacp0
乙乙!!

コメントずいぶん前に書いたわ(笑)
770 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/09(月) 23:34:31.75 ID:RXqjhgueo
イボンコペッタンコwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
イェーイwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
771 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/07/10(火) 01:06:44.20 ID:cn7GyWQ70
黒いな。ユーシャーズの面々が見たら許さなそうだ
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/10(火) 08:12:42.47 ID:Ib3qWZZSO
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/10(火) 23:00:39.72 ID:ue6rtcNO0
>>771
ユーシャーズじゃアッシュたんが仲間はずれwwww
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/10(火) 23:07:34.40 ID:+SX+FDAPo
イボンコペッタンコ!
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/16(月) 21:05:18.87 ID:DyVtvvF/0
wktk
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/07/17(火) 01:03:27.73 ID:WRA6OReUo
祝日につき閉店です
777 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:12:06.16 ID:CmKX94I40
遅くなりました!

ちなみにナビ子もビーストウォーズから参考にしていたり……それでは続き行きます。
778 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:12:36.18 ID:CmKX94I40
121

--ジャングル--

黒肌の長「……」

黒肌の青年「……長、サンボウ達はいい人です。何度も我らに力を貸してくれました」

黒肌の長「……」

長はただじっと参謀長を見ている。

参謀長「……」

黒肌の長「何を目的に……大きなものになるのか」

参謀長「広大な世界を手に入れるために」

黒肌の青年「!?」
779 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:13:03.73 ID:CmKX94I40
122

--ジャングル--

ざわざわ

参謀長「このジャングルだけではなく、その先に続く世界を手に入れるためにはあなた方の力が必要なんだ」

黒肌の長「なんだと……お前は我らに何を期待している?」

参謀長「あなた方の勇敢さと武力が欲しい」

ざわざわ!

黒肌の長「誇り高き我らに、侵略を侵せと言うのか?」

参謀長「しなければ逆にされるだけだ。諸外国はこのジャングルを狙っている」

黒肌の長「なん……だと?」
780 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:13:43.72 ID:CmKX94I40
123

--ジャングル--

ざわざわ!

参謀長「そうだな。もうネタを明かしてもいいだろう。……あのモンスターはとある国家の侵略兵器なんだ」

ラノベくさいざわわ!!

黒肌の長「……本当なのか?」

参謀長「あぁ。俺達がかつて住んでいた場所もあれに滅ぼされた……」

黒肌の長「! ……ふむ」

参謀長「最後の最後で倒す手段を手に入れたが、もはや後の祭りだった」

黒肌の長「……どこが送り込んできたのだ?」

参謀長「わからない。それを調べるには国家レベルの力がいる」
781 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:15:07.26 ID:CmKX94I40
124

--ジャングル--

黒肌の長「……」

参謀長「このままいけば、ここも同じ末路を辿る。もう既に目を付けられているんだからな」

黒肌の青年「お、長!」

ざわざわ

長い沈黙の後、

黒肌の長「……それが自然の摂理ならば仕方のないことだ」

ざわざわ!!

参謀長「……」

長はみじんも揺らがぬ意思を示した。
782 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:15:41.75 ID:CmKX94I40
125

--ジャングル--

黒肌の長「攻めてくるのなら迎えうつ。たとえそれで滅びたとしても……流れなのじゃ」

ざり

長は参謀長に背を向けた。

黒肌の長「話はこれで終わりだ。忠告には礼を言おう」

ざっざっ

参謀長「……」

そして家に向かって歩いていってしまう。

ざっざっ

参謀長「……っ」

黒肌の青年「お、長」

参謀長「あなたの意志に、幼い子供らも巻き込むつもりか!!」
783 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:16:36.29 ID:CmKX94I40
126

--ジャングル--

ざわざわ!!

参謀長が叫んだ。

黒肌の青年「さ、サンボウ」

黒肌のおばちゃん「サンボウ……」

黒肌の長「ぬ?」

長はその言葉で振り返る。

参謀長「掟や誇りより、大切なものがあるのではないか!?」

ざわわ!!

たんぽぽ星人(おいおい……ちとやりすぎじゃねぇか?)

突撃長(この感覚……参謀長殿、スキルを……)
784 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:17:12.32 ID:CmKX94I40
127

--ジャングル--

参謀長「全て奪われるぞ! 人や物、文化に土地!! そしてその誇りでさえも!」

黒肌の長「……」

ざわざわ!!

参謀長は普段とは違う様子で熱く語っている。

参謀長「なぁ。あんたと俺、本当にこの村のことを考えているのはどっちだ? 子供達の未来を思っているのはどっちだ!?」

ざわざわわ!!

黒肌の青年「サンボウ……!」

黒肌の長「……」

ざわわざわわざわわ!!

黒肌の長(……完全に村の者達は揺さ振られてしまったか……)

村人達は各自相談していた。

黒肌の長「だか断る」

参謀長「ナニッ!!」


黒肌の青年「……」
785 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:17:39.02 ID:CmKX94I40
128

--ジャングル--

ざっざっざっ

突撃長「残念でしたな。中々の演説でしたが」

村からの帰り道、突撃長は参謀長に話しかける。

参謀長「? いや、これでいいんです。目的は達成しましたよ」

たんぽぽ星人「どこがだよ。あのじいさんは頑固そうだぜ? ……俺達だけで交わされた会話ならまだしも、村のみんなの前であんなことになっちまったんだ、もう絶対首は縦にふらねぇよ」

突撃長「ですじゃ。次にその話を出したらそのまま抗争に発展するかもしれんですじゃ」

参謀長「ははは……そんなことにはならないですよ」

たんぽぽ星人「? どっからそんな自信がでてくるんだか……」

参謀長「……ふ」

次はないのだから

そう、ボソリと参謀長は呟いた。
786 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:18:13.39 ID:CmKX94I40
129

--ジャングル--

ほーほー

黒肌の青年「……」

ちゃき

青年は槍を握りしめた。
787 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:19:05.70 ID:CmKX94I40
130

--ジャングル--

次の日。

がやがやがや

突撃長「? 何やら外が騒がしいようで……」

がらら

黒肌の青年「サンボウ!」

突撃長「おやおや青年殿、これはまた……一体どうしたことで……?」

参謀長達の小屋の前に、黒肌の部族が集まっていた。

ざわざわ

参謀長「……」

それを家の中から眺めている参謀長。
788 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:19:34.22 ID:CmKX94I40
131

--ジャングル--

黒肌の青年「サンボウ! いるか!! 部族の長として、そちらの長に会いにきた!」

突撃長「!? 長ですじゃ!?」

たんぽぽ星人「何を言ってんだ」

参謀長「……長? おいおい青年、君は長じゃないだろ?」

黒肌の青年「……」

参謀長「……青年?」

黒肌の青年「長は、死んだ」

たんぽぽ星人「!?」

突撃長「なんと!?」

黒肌の青年「……」
789 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:20:04.09 ID:CmKX94I40
132

--ジャングル--

参謀長「……」

青年のわずかな表情の変化を見、参謀長は全てを理解する。

参謀長「……それは残念なことだ。だが成る程。新しい長は、俺達の意見をくんでくれる、と」

黒肌の青年「あぁ」

黒肌の青年は力強く頷いた。

参謀長「……わかった。我らの長、いや、王と合わせよう」

たんぽぽ星人「……王って……姫か」

手で顔を覆うたんぽぽ星人。

突撃長「姫様ですじゃ……」

手で顔を覆う突撃長。
790 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:20:36.05 ID:CmKX94I40
133

--ジャングル--

ぎぃ

小屋のドアが開く。

ざわ……ざわ

姫「……」

小屋の中から黄金の装飾をつけ、白く薄い衣装を身に纏った姫があらわれた。

!!

突撃長「」

たんぽぽ星人「」

普段からは想像も出来ない凛々しい表情と荘厳さを感じる振る舞いに、突撃長とたんぽぽ星人はただただ唖然としていた。
791 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:21:14.42 ID:CmKX94I40
134

--ジャングル--

もこいち、もこじ、もこぞう「「「もぎゅう」」」

のしっ

そして姫のまわりを黄金の金品でかためた力強くも美しい獣が三匹。

ざわ……ざわ

参謀長(……)

口が開く。

姫「余こそが黄金王国七代目国王、黄金姫じゃ」

ざわざわ!
792 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:21:47.80 ID:CmKX94I40
135

--ジャングル--

有象無象の血統無き大量生産とは一線を画す存在感。

姫「……」

黒肌の青年「う、美しい……」

姿を現し、たった一言発しただけで、その場にいる誰もを魅了した。

参謀長(……ははは)

姫「……」

いつもと違う険しくも凛々しい表情で姫は辺りを見回した。

姫「余の黄金王国に力を貸してくれるのはそなたたちか?」

黒肌の青年「……!? は、はっ!」

知らず傅いて返事をしてしまう。
793 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:22:17.07 ID:CmKX94I40
136

--ジャングル--

姫「そうか」

姫は歩を進めて青年の目の前に。

姫「余は……かつて不条理に奪われた余の領土を奪い返したいのだ」

そう言って姫は白く光る手のひらを青年に差し出す。

姫「それと同様に、助けを求める子らがいればもれなく助けたく思う」

参謀長「……」

姫「そなたらは余と共に突き進む覚悟があるのかどうか、それを知りたい」

凛とした美しい声が辺りを支配する。

黒肌の青年「わ、我々はあなたと手を組む……いや、あなたの仲間にしてもらいたい!」

姫「……」

黒肌の青年「あ、あなたについていけば、我々はきっと、繁栄の道をいける!」
794 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:23:02.65 ID:CmKX94I40
137

--ジャングル--

姫「そうか……なれば」

バッ

姫「今よりここにいるものらは、余すことなく余の子らだ!」

ざわわ!

姫は周りを見渡し手を広げる。

ざわ、ざわ!

細胞をくすぐるような姫の声と言葉に、その場にいた全ての者が心から沸き立った。

突撃長(こ、これは!!)

たんぽぽ星人(これが姫だって言うのかよ!?)

姫を中心に輪ができていた。
795 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:23:28.98 ID:CmKX94I40
138

--ジャングル--

姫「全て無駄なく愛し尽くし、全て護るとここに誓おう」

ざわざわ!!

姫「そなたらは今より黄金の民ぞ!!」

ばっ!!

「「「うっ、うおぉぉぉぉ!!」」」

黒肌の一族は歓喜の声をあげた。

参謀長「……」

ぎりり

参謀長は右腕で左腕を力いっぱい握りしめていた。

参謀長(……ははは)

それが彼の歓喜の表情だった。
796 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:24:14.11 ID:CmKX94I40
139

--ジャングル--

突撃長(ひ、姫さま、なんともご立派な……!)

突撃長は溢れかえる涙で何も見えない。

たんぽぽ星人「てかあれ? 王家の聖獣的ポジション奪われてね?」

姫「そなたらが望むのならば、余がそなたらに勝利を与えよう!」


その夜。

姫「ねーねー! 姫ちゃん可愛かった!? 可愛かった!?」

参謀長「……」

突撃長「……」

たんぽぽ星人「……これだよ」

姫「いやー! 姫ちゃん、人前であんなに演説するのはじめてだからさーっ! もー緊張しっぱなしでおしっこも垂れ流しだったよーっ!」

えへーっ、と姫。
797 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:26:10.06 ID:CmKX94I40
140

--ジャングル--

突撃長「……あ、あれ……あんなに立派だった姫様が……か、霞んで見えないですじゃ」

突撃長は溢れかえる涙で何も見えない。

たんぽぽ星人「……このギャップは……なぁ……」

参謀長「職務ご苦労さまでした」

姫「えへーっ! ねぇねぇ参謀長ー! 姫ちゃん可愛かった!? 可愛かった!?」

参謀長「そうですね、どうでもいいです。俺ツルペタに興味ないし」

姫「つるぺたってゆった!? つるぺた好きにあやまれっ!!」

うわーんと泣きだす姫。

突撃長「そうですじゃ!! 謝ってくださいですじゃ!!」

参謀長「え……なんですかその必死な表情、まさかそっち系……」

もこズ「「「姫ちゃん泣かすなもきゅ!!」」」

たんぽぽ星人「おいおい、女のどんな特徴であれ愛してやるのが男ってもんだぜ青年」

みんなにつめよられる参謀長。

参謀長「ぐ……わかりました。確かに言いすぎました。姫」

姫「ぐすっ……?」

参謀長「……今日は本当にご苦労さまでした。お綺麗でしたよ」

姫「ぐすっ……本当? 姫ちゃん可愛い……?」

参謀長「はいはい可愛い可愛い」

姫「おちんちんたつ?」

参謀長「たたねぇよバカ!」
798 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/17(火) 01:27:24.39 ID:CmKX94I40
番外編はこのスレいっぱいやりたいと思うので、もうしばらくお付き合いください。
最終章は新しく始めたいと思いますので。

それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/17(火) 07:58:36.97 ID:v68jkI+SO
太公望より冷徹で、王天君より人間的
そんなやつだな参謀
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/07/17(火) 13:10:47.54 ID:drnozudqo
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/17(火) 23:41:30.70 ID:fesNz18I0
乙!
皆封神演義好きやのう

次で最終章か・・・
プロローグの最終章?
酒場の最終章?
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/07/17(火) 23:42:09.21 ID:mbGoV7lO0
勘だけどこの姫様、伝勇伝のシオンみたいな能力を持ってそうだな
803 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:25:41.01 ID:XgsqyrWj0
こんばんは。
自分は聞仲が大好きです。理想的な死に方は天化です。っていうくらい封神演義が大好きですね。

後付けではありますが、
勇者募集〜が第一章、
酒場募集〜が第二章、
そして最終章の??募集〜

で、このシリーズ全体の話を終わらせる、という意味ですね。

伝勇伝はわかりません申し訳ないです。。。

それでは更新していきます。
804 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:26:21.13 ID:XgsqyrWj0
141

--ジャングル--

もこいち「姫ちゃんめっちゃ可愛かったもきゅ!」

もこじ「姫ちゃんめっちゃかっこよかったもきゅ!」

もこぞう「姫ちゃんめっちゃもっきゅもきゅだったもきゅ!」

可愛い姿に戻ったもこもこ達は姫にくっついてもきゅもきゅ言っている。

参謀長「あ、今日の晩御飯担当は俺か」

すたすた

参謀長はやり取りを無視して台所に。

姫「あーっ! 姫ちゃんのこと無視したっ!? いけないんだっ!! こっかげんしゅ無視したらいけないんだっ!!」

もこズ「「「そうもきゅそうもきゅ!!」」」

参謀長(うるせぇ)「今日は麻婆豆腐にしますね突撃長さん」

突撃長「ほっほっ、麻婆豆腐とはご馳走ですじゃ」

姫「まーぼーどうふって何っ!?」

もこズ「「「なにーっ!?」」」

たんぽぽ星人「愉悦」
805 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:26:57.24 ID:XgsqyrWj0
142

--ジャングル--

とんとんとん

台所で参謀長が調理を始める。

突撃長「いやしかし国民が一気に増えましたな。気になるところはありますが、まぁさすがは参謀長殿と言ったところですじゃ」

ズズ

突撃長は茶をすすった。

突撃長「……そういえば潜入長は大丈夫なのか心配ですじゃ」

たんぽぽ星人「あぁ……そういえばそうだな。参謀長に何を頼まれたか知らないが、少し帰りが遅いな」

姫「……」

スッ
806 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:27:55.89 ID:XgsqyrWj0
143

--ジャングル--

とんとんとん

参謀長(やれやれ、やっとスタート地点に立てるといったところか)

ばしゃ

参謀長は手慣れた手つきで料理をしている。

参謀長(思ったより手間取ったほうか? あまり間をおかずに次の行動を移した方がいいな)

ぎし

参謀長「ん?」

ぎし

姫「……」

いつのまにか参謀長の後ろには姫がいた。
807 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:28:36.60 ID:XgsqyrWj0
144

--ジャングル--

参謀長「……どうかしましたか姫。つまみ食いはダメですよ」

参謀長は床下に作った天然の冷蔵庫から豆腐を取り出した。

姫「……」

参謀長「? 姫?」

何も喋らない姫を不審に思い振りかえる参謀長。

ギシッ

そこには、

姫「こたびの働き、大義であったな」

参謀長「!!」

どくん!

眼を黄金に輝かせる姫の姿があった。
808 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:29:45.32 ID:XgsqyrWj0
145

--ジャングル--

参謀長「ど」

姫「そなたが裏で動いていたことなど余がわからぬはずもない」

参謀長「」

参謀長が言葉を発する前に、それに対応する返答が返ってくる。

姫「確かに余は領土を取り返せと命じた。だが醜い策謀を巡らせろと命じた覚えはないぞ」

参謀長「……はははっ」

参謀長は顔を歪ませて笑った。

参謀長「やっと……会えたな……やはり夢じゃあ無かった」

参謀長は顔を手で覆う。

姫「……」

ぎち
809 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:30:43.94 ID:XgsqyrWj0
146

--ジャングル--

参謀長「……あんたにはばれてるってことくらい百も承知さ。そしてあんたが俺のやり方を気に入らないだろうことも」

姫「……」

参謀長「会ってもいない部族のやつらの行動も、俺が頭の中で巡らせた策略も、全て読みきったからこそ、今日、あの格好で出てきたんだろう?」

姫「……」

参謀長「全く大したものだよ。普段からは想像もつかない……なのに王の言まで使ってあいつらを国民に加えたのは」

姫「あぁでもしなければ、破滅させられていただろう」

参謀長「……はははっ」

彼らが国民になるまで弱らせ続ける。
自分たちを便らざるを得なくなるまで作戦を続ける。
その果てに一族が滅ぶことになろうとも、参謀長は躊躇わない。

姫「……」

そんな参謀長の考えを姫はわかっていたのだろう。
810 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:32:00.91 ID:XgsqyrWj0
147

--ジャングル--

参謀長「やはりあんたは……おもしろい」

狂気で淀んだ瞳と黄金に輝く瞳が交差する。

参謀長「それだ、それでこそだ。俺が追い求める理想はあんたじゃあなきゃダメなんだ。あんたならきっと世界の王になれる……。俺は……あんたにどう思われようが構わない。あんたに嫌われ仲間に嫌われ、その果てに自分の全てを失っても構わない」

姫「……」

参謀長は姫の肩を掴む。

ぎっ

参謀長「必ずやあんたには天下を握ってもらう……俺が唯一持ってる信念のために」

姫「……」

黄金が、暗む。

参謀長「……俺の願いはただそれだけなのだから」

姫「……お前の主は己が信念であり、余ではないのだな……」

わかりきったこと、と参謀長は呟く。

姫「……黒虎の一族は余の民となった。以後、余の民を犠牲にすることを前提にした策を禁ず」

参謀長「……仰せのままに」
811 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:33:53.81 ID:XgsqyrWj0
148

--王国--

妃「新王さん……?」

ポタッ、ポタタッ

新王「ぐ……あ」

妃が部屋に入り視界に飛び込んできたものは、

大臣「ふふ……」

妃「新王さん!」

血まみれで机にしがみついている新王だった。

妃「大丈夫ですか!? しっかり!! ……己くそ大臣〜とうとうとち狂いやがりましたですか〜!?」

妃が新王に駆け寄る。

妃「!? ……それ、は」

大臣が手にしているものは螺旋状の剣。

妃「キング……キラー……」
812 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:34:27.87 ID:XgsqyrWj0
149

--王国--

大臣「はははっ、やっと気付きましたか。冷静に考えて、戦闘能力に乏しい私が新王様にダメージを与えられるはずがないでしょうに」

妃「なぜそれをお前が!!」

大臣「さぁ、なぜでしょう? 大体の推測はつくんじゃないですか?」

妃「……!」

新王「逃げ、るんだ妃さん……」

妃「何を言ってやがりますか!! こんなやつ私が!!」



妃「!?」

大臣「確かにこのキングキラーは対王兵装、貴女にはなんの力も発揮しません……が、そのために彼らを忍ばせているんです」

大臣の後ろには二人の男と一人の女がいた。

妃(いつの間に!? 私の感覚で感知出来ないなんて〜……というか)
813 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:35:09.94 ID:XgsqyrWj0
150

--王国--

軍師「……」

妃「貴方も……そっち側だったんですか〜」

軍師「申し訳ねぇだぜぃ」

大臣「くくく、表立って力を発揮するのは初めてですから多少不安です。くれぐれも私を失望させないで下さいよ?」

?「任せて大臣様、私達が真の成功作であることを見せてあげるおー」

トリコロールカラーの女性は元気よく手を挙げる。

??「やっちゃるけぇのぉ、覚悟せえやぁあねごおるぁっ!!」

いかにもなリーゼントの男性が力強く答える。

軍師「……」

その二人の後ろに立っている軍師。

妃「ふんっ! 私を誰だか知っているのですか〜!? 私は」

大臣「プロトタイプを滅せよ、新型人造勇者達よ」
814 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:35:40.32 ID:XgsqyrWj0
151

--王国--

新王、妃「「!!」」

二人が驚きで動きが一瞬止まったのを彼らは見逃さず、

軍師「オーズ、」

?改めオーズ「おーらい!」

シャッ

オーズが拳を叩きこんだ。

ドッガァァァン!!

妃(づっ!!)

部屋をも砕く一撃、二人は城の外に弾き出されてしまった。
815 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:36:11.85 ID:XgsqyrWj0
152

--王国--

ドッガァァァン!!

王国兵士「! 何だ!?」

がたたたっ

王国細兵士「あぁ、改装工事やるから王のいる塔には近づくな、って奴だろ? 今朝張り出されてたぜ」

ぱし

ポーカーをやっている兵士達。

王国兵士「そうだったか。いや敵国から砲弾でもぶち込まれたのかと」

王国太兵士「そんなことになってたらさすがに気付くは」

ははははっ、と笑い合う三人。

王国細兵士「……」
816 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:36:59.73 ID:XgsqyrWj0
153

--王国--

ズザザザー!!

妃「くっ……随分弾き飛ばされてしまいました〜……が」

妃は城の外を見張っている兵士たちと目が合った。

妃「残念暗殺失敗ですね〜! そこの者達〜! 力を貸しやがれです〜! 大臣が無謀をおこしやがりました〜!」

妃は兵士達にそう叫んだ。

王国見張り兵「……」

妃「? ……様子が」

ざん!

オーズ「あはは滑稽だおー」

??「まだ仲間がいるとおもっとるんかぬしゃあ!」

妃「!?」

新王「くそ……そういうことか」
817 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:37:53.33 ID:XgsqyrWj0
154

--王国--

軍師「フォーゼ」

??改めフォーゼ「おぅっ!!」

フォーゼは跳躍し、魔力を込めた蹴りを放つ。

ヒュンッ!!

妃「!!!! 舐めるなぁぁ!!」

それを迎え撃つ妃。

ガガガァァン!!

フォーゼ「おっ!」

妃「くっ!」

ざざざー!!!

二人はお互いの蹴りで弾かれた。
818 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:39:45.75 ID:XgsqyrWj0
155

--王国--

フォーゼ「おばんのくせに中々えぇキックじゃあのぉ!」

妃「ぶちっっ!?」

妃は新王をそっと地面に下ろす。

妃「あー……もう私キレちゃいましたよ〜……」

新王「ちょ、やめ」

妃「そもそも〜そういう裏でこそこそして仲間外れにしちゃうような姑息なやつが〜」

ぼぶんっ!

妃の脂肪が絞られる。

妃「いっちばん……嫌いなんですよ〜!!」

だんっ!

妃は跳躍しながら回転し、舞った。

オーズ「おあー、さすが魔王討伐パーティの一人だおー!」
819 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:40:19.73 ID:XgsqyrWj0
156

--王国--

ビキビキビキ!!

妃の右足に氷が巻き付いていく。

バリバリバリダァッ!!

フォーゼ「ちぃっ!! タイマンしたいとこじゃがぁ、今回ばっかは仕方ねぇ!」

軍師「元々おいら達はチーム用だぜぃ」

ひゅるひゅるひゅる

空中で一つの天災である妃が、今まさに狙いを定め落下しようとしていた。

妃「ハイパァァァーフローズンドリル蹴りぃぃぃ!!」

ギャギャギャギャギャ!!

天を裂く氷塊と化した妃の蹴りが新型達を襲う。
820 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:40:58.25 ID:XgsqyrWj0
157

--王国--

オーズ、フォーゼ「「二属性複合障壁魔法、はぁっ!!」」

ドッ、ギャギャギャギャ!!

咄嗟にオーズとフォーゼは障壁を展開し、妃の蹴りを受けとめた。

妃「……ふん、その程度!!」

ギャギャギャギャ!!

オーズ「おあ!? こりゃ中々凄いお……!」

フォーゼ「しゃらくせぇ!!」

ブブン!!

辺り一帯全てを吸い寄せるほどの螺旋回転、その威力を前にして障壁が歪みはじめていた。

軍師「……」

それを見て軍師は二人に手をかざした。

軍師「土と水属性の障壁を追加」
821 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:41:45.61 ID:XgsqyrWj0
158

--王国--

オーズ「おー!」

フォーゼ「しゃあねぇぜ!」

ブン!

妃「四属性複合障壁……!」

ぎゅるるる、るる

さすがの妃の蹴りも勢いを無くし始め、

軍師「よし、跳ね返せ」

オーズ「おーー」

フォーゼ「らぁぁぁ!!」

障壁の形が変化し、

妃「!!」

バチィン!!

妃を弾き飛ばす。

新王「だめ……だ……逃げるんだ、妃」
822 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:42:42.47 ID:XgsqyrWj0
159

--王国--

オーズ「おらおらいくですおー!」

オーズは追撃を加えんとばかりに走りだす。

妃「! くっ!」

ヒュッ、ガ!

妃の迎撃を片腕で受けてみせるオーズ。

ギシシっ

オーズ「……そんなもんじゃないお? もっと見せてくれお!」

ガガガガッ!!

魔力を込めた拳と足による打ち合い、その破壊力は衝撃で地面が凹むほどである。

妃(さすがは人造勇者! ため込んだ魔力を使ってやっとですか〜!)

ガガァン!!
823 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:43:24.48 ID:XgsqyrWj0
160

--王国--

オーズ(楽しいお! 楽しいお!!)

ガガガガッ!!

フォーゼ「ちぃっ。タイマンモードのスイッチが入っちまったぜオーズのやろぉ」

パキコキ

指を鳴らしその光景を見ているフォーゼ。

軍師「女の子にやろぉは駄目だぜぃ」

オーズ「きゃおーっ!」



ひゅおおおおお

?「……」

その戦いを遥か遠くから見ている者がいた。
824 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/23(月) 22:44:15.43 ID:XgsqyrWj0
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/07/23(月) 22:45:12.22 ID:1IeZ1SAi0
乙ー
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/23(月) 22:55:41.88 ID:6Pc/7dKSO
ピザとハゲ久々だな
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/23(月) 23:02:38.06 ID:LwGGtoZOo
>>824 乙!
久々に投下中に来れた。
ツインテが死亡してるか分からんが、ツインテ一家滅亡の危機?
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/07/23(月) 23:24:56.06 ID:as5gbBWm0
姫ちゃんは猫かぶりなのか多重人格なのか。
>>1がフジリュー好きというなら後者のがありそうだなー
乙乙。
829 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/25(水) 22:51:52.53 ID:leqjt/qF0
キングキラーが盗られてるってことは
変化師は・・・
830 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/07/27(金) 20:01:23.56 ID:5+L1QPoBo
>>829
クラブに退化した
831 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 21:56:13.69 ID:baDgqT6V0
こんばんは。
オリンピックが始まりましたね。サッカーがいい調子で見ていてとても楽しいです。
それでは投下していきます。
832 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 21:57:11.18 ID:baDgqT6V0
161

--王国--

ガガガッガンッ!!

オーズ「おっ」

緩急をつけた妃の攻撃にタイミングを崩され、オーズはガードをし損なった。

妃「しっ!」

決める。

フォーゼ「」

ギンッ!!

妃「!? ッく」

そのつもりで踏み込もうとしたのだが、その瞬間の隙をフォーゼがついてくることを予見し、妃はギリギリのところで踏み止まった。
833 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 21:57:46.70 ID:baDgqT6V0
162

--王国--

フォーゼ「おっ。なんだよ、俺ぁは横槍なんか入れねぇぞこるぁっ! タイマン大好きじゃこるぁっ!」

妃(どうだか〜……それに本人にその意志は無くても軍師が動かせばいいだけなんですし〜)

軍師「……」

オーズ「今のも面白いお! もっとやるおー!」

ガンッ!!

妃「ッ!!」

ビリビリビリビリ!

考えごとが一瞬ガードを遅らせてしまった。
そのため完全な態勢で受けることが出来ずに、衝撃は妃の体内で暴れ回る。

妃(ぐっ! ぎっ!)

フォーゼ「あ〜……ありゃ勝負ついちまったなこるぁっ」
834 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 21:58:41.92 ID:baDgqT6V0
163

--西の王国国境--

潜入兵「はぁっ、はぁっ」

ぎし

潜入長「ぐ……」

潜入長は患者用の衣服で砦内をうろついていた。

潜入長(縄で縛ったぐらいじゃ甘いですね……そんなの簡単ですよ。づっ!)

ジワリと傷口が開くのを感じる。

潜入長(くっ……逃亡防止のために、傷を作って完全に治癒しないのは、どこの国でも一緒ですか)

ずり、ずり

潜入長(ふふ)

潜入長は自分の胸の傷口に手を差し込んだ。

ずる

そして、体内から何かを取り出した。

潜入長(ただでは、負けないんですよ)
835 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 21:59:38.70 ID:baDgqT6V0
164

--西の王国国境--

こく

潜入長「ふぅ……」

潜入長は体内から取り出したカプセル状のものの中身を飲み込むと一気に顔の色が良くなった。

潜入長(生命酒、相変わらず効きますね、一瞬で全快です)

潜入長は体を動かしてみる。

潜入長(……よし、逃げますか)

潜入長は同じく取り出したナイフを装備した。

さささっ

潜入長(今までと普通の配置ですね。これならなんなくいける)

そして誰もいない通路に差し掛かった途端、

カツン

と、誰かの足音が聞こえた。
836 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 22:00:21.66 ID:baDgqT6V0
165

--西の王国国境--

潜入長(? この時間、ここには見張りがこないはずなんだけど……インビジボォ)

じゅじゅ

潜入長は姿を消してその足音の相手が角を曲がってくるのを待った。

カツン、カツン

潜入長(三強レベルじゃなければ一瞬で倒せます)

カツン、カツン、カツン

潜入長(今だ!)

カツン

潜入長(え……)

??「……なるほど。予め体の中に道具を仕込んでおいて、そこをわざと攻撃させることで回収しやすくすると。弱者の知恵というやつですか?」

潜入長(な……な)

??改め秘書「まぁ私には縁のないことですね」
837 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 22:00:51.08 ID:baDgqT6V0
166

--西の王国国境--

潜入長(こ、ここ、この人は!!)

しゃりん

秘書はナイフを抜いた。

潜入長(!! で、でも姿が見えない今ならこっちの方が有利!!)

ざぶしゅ

潜入長「え」

秘書「はぁ」

一瞬で秘書は潜入長の後ろに移動していた。
そして

潜入長「あ、が」

秘書「見えようが見えまいが、人には変わりありません」

ぶしゃああああああああああああああ

潜入長「」

大量の血を噴き出しながら潜入長は倒れた。
838 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 22:01:57.24 ID:baDgqT6V0
167

--王国--

ガガガドボォッ!!

妃「ッ!!」

間もなくして、オーズの拳が妃を完全に捕らえた。

妃「げほっ! がっ!」

妃は地面に倒れ、起き上がることも難しい。

オーズ「お〜、防御力はさっきの方があったお〜」

じゃり

オーズは

オーズ「もうちょい楽しみたかったのに残念お」

ババチ!!

オーズの右拳に今までの比ではないほどの魔力が一点に集められている。
839 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 22:02:25.28 ID:baDgqT6V0
168

--王国--

バチバチバチバチ!!!!

オーズ「ふっふっふおー」

ごごごご

妃は拳を握りしめている。

妃(っ!! ……こいつ……今まで手を抜いて〜……)

フォーゼ「ちぃっ! 俺の出番は無さそうじゃねぇかこるぁぁっ!」

オーズ「おさらばっ!」

妃「」

ぎゅん!!

妃を絶命させるためにオーズの拳が振り下ろされる。
840 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 22:02:55.44 ID:baDgqT6V0
169

--王国--

かたかたかた

王国太兵士「お?」

かたかたかた

テーブルが揺れている。

王国兵士「おい、良い手でもきたのか? 貧乏揺すりが激しいぞ」

王国太兵士「……いや、俺じゃねえ……地震か?」

王国濃兵士「……なんか寒気がするな」

それは全ての人類が抱く、遺伝子に刻まれた死への恐怖。

王国兵士「なんか……嫌な感じだ。外を見てくるか」

がたっ
841 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 22:03:31.49 ID:baDgqT6V0
170

--王国--

ぎゅおおおお!!

オーズ「!! これって」

フォーゼ「あれが噂のやつかこるぁっ!」

軍師「……」

ぎゅおおおお!!

妃の体から黒い力が勢いよく吹き出している。

ぶちっ!

妃の身体中の血管が破れ、そこから火や風などの各種属性の力が漏れる。

妃「もう、かんっっぺきに怒りました〜」

びきびきびき!!

大地が震えるほどのおぞましい力……。

妃「魔王化ですよ〜!!」
842 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 22:03:59.76 ID:baDgqT6V0
171

--王国--

オーズ「!」

フォーゼ「はははっ!」

軍師「残念だぜぃ」

バチバチバチ!!

妃「はぁぁ……」

妃は不完全ながらも魔王化を成功させる。漆黒の鎧を身に纏い、所々切れ目から魔力を噴出させていた。

妃「ぐ……なるべく使いたくなかったですが、背に腹は変えられないですからね〜」

ギン!

妃は強大な魔力が込められた眼で三人を見据える。
843 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 22:04:28.67 ID:baDgqT6V0
172

--王国--

ビリビリビリビリ!

オーズ「おおっ!?」

フォーゼ「いっちょ前にプレッシャーかこるぁっ!」

軍師(ん、睨まれただけで動けないだぜぃ)

三人は動きを束縛されてしまった。

妃「はぁ〜」

ビュオオオ!!

妃が力を込めると、右足を中心に黒い竜巻が発生する。

ババチ!!バチバチ!!
844 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 22:05:32.74 ID:baDgqT6V0
173

--王国--

オーズ「うわ、雷まで発生してるお」

フォーゼ「上等だこるぁっ!」

軍師「さすがにあれを食らったらおだぶつだぜぃ」

三人は込められた魔力からその威力を推し量る。

軍師「やっぱりこの状態じゃあ、魔王化した相手とは戦えないだぜぃ」

オーズ「死んじゃうお」

フォーゼ「余裕だこるぁっ!」

フォーゼだけは威勢がいい。

軍師「とはいえこのままじゃあ全滅だぜぃ。ならばやるべきことをやるだぜぃ」

軍師は息を吸った。
845 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 22:06:54.96 ID:baDgqT6V0
174

--王国--

軍師「というわけでこちらも全制限解除」

オーズ「」

フォーゼ「」

ピシッ

軍師の宣言とともに二人は動かなくなる。

妃「? 何をする気か知りませんが〜、こちとら待ってやる義理はねぇんですよ〜!! 魔王技!!」

妃が魔力を推進力に跳躍する。

妃「スパ」

軍師「魔殺モード発動」

ぎゅりり
846 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 22:07:32.07 ID:baDgqT6V0
175

--王国--

妃「!?」

その時妃は微かな違和感を感じた。

妃(なんだろう、てっきり魔王化してくるのだと思ってましたが〜……これは)

妃が空中で足を突き出すまでの僅かな時間に、

ずず

オーズ「」

フォーゼ「」

二人は妃の横にまで跳躍していた。

妃「!?」

ぎゅりり

全身を真っ赤に発光させて。
847 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 22:08:25.86 ID:baDgqT6V0
176

--王国--

ドゴガッ!!

腹部と背中に強烈な攻撃を受ける妃。

妃(がっあ!! っ今の私が反応出来ない速度です!?)

フォーゼ「おるぁっ!!」

ギャッ!

妃「ッ」

思考がまとまらぬまま、妃はフォーゼに蹴り落とされる。

ズンッ!

妃「くっ」

地面に落下し、なんとか受け身をとるも

バガキッ!!

接近していたオーズに顔を殴り付けられてしまう。
848 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 22:08:54.38 ID:baDgqT6V0
177

--王国--

ガガッ!ドバキッ!!

軍師「……」

ざり

大臣「ほぉ、当たり前ではあるが、うまくいっておるようだな」

軍師「大臣様」

大臣「くく、まともに魔王化もできない出来損ないと聞いていたから心配していたが……なるほど、さすがに意地は見せるか」

大臣はいやらしい笑みを浮かべながら戦いを眺めていた。

大臣「どうだ軍師、お前から見て魔殺モードは」

軍師「悪くないですだぜぃ、上手く機能していますだぜぃ」

大臣「そうか」

ガガガガッ!ゴッ!ガガッ!!

妃(ッ! なぜここまで圧倒的に!)
849 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 22:10:53.94 ID:baDgqT6V0
178

--王国--

ぼろっ

妃「? ……!」

その時妃は、自分の鎧が所々剥がれていっていることにようやく気付いた。

大臣「ふははははどうです!? 魔王の力を封じ込め、その力を自身に転用する新たな力……これこそが勇者の最終形態!!」

妃(!! 私の方が、弱くなっていたのですか!!)

バッキャ!!

妃「」

オーズ「終わりだお」

無慈悲なオーズの右腕が、妃の胸部を鎧ごと貫いた。

妃「ッッ〜〜!!」

声にならぬ絶叫。

ゴポッ

妃がせりあがってきた血を吐き出す頃には、全身の鎧は完全に剥がれ終わっていた。

フォーゼ「ち、初めての実戦とはいえよぉ、二人がかりとは情けねぇぜこるぁっ!」

軍師(三対一だってばだぜぃ)
850 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 22:11:46.44 ID:baDgqT6V0
179

--王国--

大臣「よくやった。その死体はお前達で処理しておけ」

軍師「はっ」

オーズ「めんどうなことは全部私達かお」

フォーゼ「ちぃっ」

大臣は城へと帰っていく。

軍師「じゃあまあ埋めてやるかだぜぃ。……正直嫌いじゃなかっただぜぃこの人達」

オーズ「そうなのかお? 私達は会ったことなかったから」

フォーゼ「……ふん! よぇぇから死ぬんじゃこるぁあっ!!」

軍師「優しい人達だっただぜぃ……せめて安らかに眠ってもらうのだぜぃ」

ざり

?「……」

フォーゼ「……ん! 誰だてめぇこるぁっ!?」

オーズ「!?」

軍師「……全身包帯巻きの不審者だぜぃ」

その時、どこからともなく、黒い包帯で全身を包んだ、謎の人物があらわれた。

軍師「顔まで包帯だぜぃ……」

フォーゼ「おるぁぁっ!! なんとかいえやこるぁあ!!」

フォーゼが激昂し掴みにかかると、



姿が消えた。
851 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 22:12:50.12 ID:baDgqT6V0
180

--王国--

オーズ「!! 後ろだおフォーゼ!!」

?「ひゅー、ひゅー」

か細い呼吸音をフォーゼの耳が拾う。

フォーゼ「なにっ!? こるぁっ!!」

振り向きざまに裏拳を放つがそこにはいない。
包帯の人物はフォーゼに攻撃をするでもなく、ただ新王達に向かって歩いていた。

オーズ「な、なんなんだお」

軍師「……」

得体の知れないその人物に警戒する三人。

すっ

そして包帯の人物は新王達の死体に手を伸ばした。

軍師「!! それが目的か! フォーゼ!」

くん!

軍師が命じるとフォーゼが走りだす。

フォーゼ「言われなくてもわかってるぁああ!! 食らえこるぁっ!!」

?「……」

しゅん

フォーゼの攻撃は空振った。そして、

オーズ「そんな……三人とも消えちゃったお……」

軍師「……」

新王と妃の死体が無くなっていた。
852 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/07/30(月) 22:13:25.27 ID:baDgqT6V0
時間があれば今年もコミケのに書いてみようかなと思う今日この頃です。

それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
853 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/30(月) 22:28:52.78 ID:QLLkb7Iw0


旧作のキャラが出ると貧乳と盗賊が恋しくなる
854 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/07/31(火) 06:22:39.51 ID:sbjDkjLho
盗賊は今でも大好き
あんなキャラでRPGやりたい
855 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/07/31(火) 10:48:21.89 ID:KrsQiROe0
元から勇者は魔王特攻だった気がしたけど、気のせいかな。
それとも人造勇者では再現されてない?
乙乙。
潜入長の戦闘相手が軒並み強過ぎて不憫だ……
856 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/01(水) 01:51:34.79 ID:cyhseoQB0
乙!

潜入兵ほんとは強そうなのに死んでばっか(笑)
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/06(月) 23:25:13.95 ID:QIZyIWr20
追い付いちまって嬉しいやら悲しいやら・・・
858 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 00:58:35.75 ID:M08JHtbz0
こんばんは!遅くなってしまいました……。
やっとこさ書き上がったので投下していきたいと思います。


あ、前作のキャラを好きでいてくれてありがとうございます……!嬉しいです。彼らはちゃんといつかどこかで出しますので!


えっと、勇者が魔王を倒す力というのは、正規の者以外は持ち得ない力になっています。ゆえに前作でトリガーも言っていたように、

トリガー「ははははっ!!こいつはお笑い草だww君らが勇者?違うだろ?似たような鍵をいくつ作ったところで鍵穴には合わないんだよ。魔王を倒せるのは真の勇者しかいないんだ!!」

という感じで、その時代の勇者以外では倒せる権利を持ちません。そうですね、勇者と魔王の持つ力は特攻レベルの話じゃないかもしれないです。これは戦闘力の問題ではないですね。

なので人造勇者や疑似魔王は戦闘力的には似たような力を持ちますが役割を全うすることはできません。全属性扱えるようになり戦闘力超絶アップくらいに考えていただけたらと思います。
今回の魔殺モードは魔王の力を抑え込むようですが果たしてほんものの魔王にも効くのでしょうかね?
859 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 00:59:01.19 ID:M08JHtbz0
181

--ジャングル--

参謀長「ふあぁあ……いい朝だ」

突撃長「おはようございますですじゃ参謀長殿」

参謀長「あ、おはようございます。早いですね」

突撃長「はは。老人は朝が早いものですじゃよ。玉子は目玉焼きとスクランブルエッグどっちがお好みかな?」

参謀長「奥さんか!……あ、いや……スクランブルをお願いします」

突撃長「はい喜んで」

ガチャ

参謀長「んー……」

外に出て背伸びをする参謀長。

参謀長「今日もいい策謀日和」
860 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 00:59:40.33 ID:M08JHtbz0
182

--ジャングル--

参謀長「んん……はぁ……ん?」

背伸を終えた参謀長は、小屋の前に見慣れぬ箱があるのを発見する。

参謀長「……まつろわぬ黒き民よ」

ささっ

ごき王「ははっ」

参謀長「あれはなんだ?」

ごき王「はっ、三時間前にジャングルの入り口に放置されたものでございます」

参謀長「……なぜそんなもの」

ごき王「この森にあったことは逐一報告せよとのことだったので」
861 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:00:24.93 ID:M08JHtbz0
183

--ジャングル--

参謀長「そうか、ご苦労」

ざっ

参謀長は箱に近づく。

参謀長「中身は調べたのか?」

ごき王「もちろんでございます。危険なものではございません」

参謀長「ん」

参謀長が箱に手をやる。

ごき王「ただ」

参謀長「ん?」

ごき王「お気を悪くされませぬように」
862 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:01:49.19 ID:M08JHtbz0
184

--ジャングル--

参謀長「?」

ガポ

ふたを開けるとそこには

参謀長「ッ!?」



     (^p^)


参謀長「……潜入、長」

潜入長の首が入っていた。
863 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:02:15.99 ID:M08JHtbz0
185

--遺跡--

びゅおおおおぉ

聖騎士「ぶるぅあぁあ……ばかなぁあ、やつよぉお前もぉ……折角生き延びぃぃぃたのだからぁあ、そのまま黙ってぇ余生を送ればよかったものをぉぉぉ」

亜人王「もう十分過ぎるほど余生を送った。それにお前なら気付いているのだろう? あの時溜めこんでいた力を解放してからというもの、力が抜けていくようだ」

もう長くは無い、と亜人王。

亜人王「一個の武人として、最後は戦いの中で散りたいのだ」

聖騎士「……ふるぅあぁあ。われええぇええをぉぉ、自殺のぉぉ手段にすると言うのかお前はぁぁ」

亜人王「違うわ。貴様を倒し、そして燃え尽きるまで」

聖騎士「……」

亜人王の純粋なる瞳を見て、聖騎士は何かを決心した。

聖騎士「……たわけぇぇ……。お前如きにやられると思うのかぁ、この老いぼれがぁあ」

亜人王「ふん、腰を抜かすなよ、小僧!!」
864 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:02:49.25 ID:M08JHtbz0
186

--巨大クレーター--

ずんっ!どどーんっ!

フォーテ「あははははーっ!! おもしろーいっ!! 強いなァっ! もしかしたらお兄ちゃんは、今まであった中で一番強いかもっ!! あっ! もちろんお姉ちゃんは除いてねっ!!」

カブト「KAGEROU」

デュゥウン!!

カブトが手をかざすと時が止まった。

カブト「……はっ……こいつは」

カブトは眼前に迫るフォーテと、自分の足元の影から伸びている血まみれの手から離れる。

カブト(出鱈目だ……だが)

カブトは魔力を込めた手刀でフォーテの首を落とそうと

フォーテ「」

カブト「!?」
865 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:04:08.57 ID:M08JHtbz0
187

--巨大クレーター--

バッ!!

フォーテ「」

カブト「……嫌な顔をしている」

時が止まった世界で動かないはずのフォーテの顔、それを見ただけでカブトは躊躇ってしまう。

カブト「くそ、時間だ」

……デュゥウン

フォーテ「あらっ?」

フォーテの攻撃が空振りするが、フォーテはすぐさまカブトの位置に目をやる。

花師「げほっ……さすがに強いですね……」

風水師「簡単に倒されちゃったある……」

ぼろぼろになったフォーテの仲間四人は遠くから二人の戦いを眺めていた。
866 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:04:49.65 ID:M08JHtbz0
188

--巨大クレーター--

ずずずずずずず

カブト「っ!!」

無数の腕がカブトを掴もうと出現する。

フォーテ「あははっ! 鬼ごっこなのっ!? なら捕まえちゃうよっ! 食べちゃうよっ! 私鬼だよっ!!」

ざわわ

フォーテの背中から黒い触手のような手が生えてくる。

カブト「KAGE」

フォーテ「あははははっ! でも時止められちゃうのはさすがの僕でもめんどくさいから……呪いかけちゃおうかな。次に時を止めたら、そのまま死ぬまで時が止まり続けちゃうような」

カブト「!!」

悪意と呪詛が世界を染め上げる。
867 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:05:23.46 ID:M08JHtbz0
189

--ジャングル--

<作戦フェイズ>

参謀長「作戦会議を行います」

突撃長「なんとまぁ……」

たんぽぽ星人「まさかこんなことになっちまうなんてよ……」

黒肌の青年改め族長「サンボウ……!」

ごき王「ざかざか」

姫「ねーっ! 何があったのー? 姫にも教えてよー」

参謀長「申し訳ありません。今はまだお教えできません。ごき王、眷属を使え」

ごき王「了解ー」

わさわさ!!

突撃長「ひっ!?」

屋根裏から這い出てきた無数のGが姫をさらっていった。

ずざざざざざ!!

姫「にゃーー!! おーぼーえーてーろーーー!」

もこもこズ「「「姫ちゃん待ってー!!」」」
868 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:06:17.71 ID:M08JHtbz0
190

--ジャングル--

ごとっ

テーブルの上に潜入長の首がおかれる。

突撃長「むごい……顔の皮が剥がされた形跡がありますですじゃ。他にも色々と痛々しい拷問の跡が……」

たんぽぽ星人「けっ、胸糞悪い話だぜ」

族長「お、おえっ!!」

たまらず台所に駆けこむ族長。

突撃長「それで、死亡時刻はわかったのですかじゃ?」

参謀長「えぇ、私の魔法、ダメージ履歴観覧で調べた所、約五時間前に殺害されたようです」

突撃長「なるほど……大体こちらの居場所の目星もついているようですじゃな……」

たんぽぽ星人「ん? どういうことだ? 今のそこからどうしてそこまでわかる? 潜入長が全部吐いたってことか?」

参謀長「簡単のことだ」

参謀長はテーブルにおいた紙に字を書き始める。

869 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:07:13.23 ID:M08JHtbz0
191

--ジャングル--

キュッキュー

参謀長「まず蘇生魔法が効くのは、対象が死亡してから24時間以内に限られるわけだ」

たんぽぽ星人「おう。久しぶりのルール確認だなこれ」

参謀長「そして相手は潜入長を殺害してからジャングルの入り口にこの箱に入れて置いておいたわけだ」

キュッキュー

たんぽぽ星人「? わかってることの確認しかしてねぇぞ」

参謀長「相手側の視点で考えてみろ、もしこの女が重要な存在だったらと。それならなんとしても生きた状態で取り返しに来ると思わないか?」

たんぽぽ星人「思うけど……もう死んでるじゃねぇか。首だけじゃ蘇生は無理だろう?」

参謀長「だから、首から下は預かってるから蘇生が可能な時間無いに取りにこい、ってことなんだよ」

たんぽぽ星人「!!!!」
870 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:07:43.15 ID:M08JHtbz0
192

--ジャングル--

突撃長「やられましたなぁ……」

たんぽぽ星人「……それでなんで俺達の場所に目星がついてるって話になるんだよ」

参謀長「全く関係ないところに置いておいて、首が24時間以内に発見されなかったら意味がないだろ? 足取りをたどられて潜入長がジャングルから来たことくらいはばれてるだろうさ」

たんぽぽ星人「!! ……じゃあ、場所がわかっているのに攻めてこない理由は?」

参謀長「あの砦に護りを残しつつ攻めるだけの兵がいない、とか、慣れないジャングルに攻め込むのは良い策ではない、とかか? 考えられるのは。後はそこまでに値する敵と思っていないのか」

突撃長「潜入長が吐いた、もしくは脳を探られて情報を割りだされたという可能性はどうですじゃ?」

参謀長「潜入長は潜入行動だけなら最高の人間だ。何をされても吐きはしないし、脳をいじり回されたとしても自分にロックをかけて漏らしたりはしなかったと思います」

突撃長「……思う?」

参謀長「履歴が改竄されています。死亡時間くらいしかわかりませんでした」

突撃長「なるほど……」
871 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:08:14.40 ID:M08JHtbz0
193

--ジャングル--

たんぽぽ星人「いやちょっとまてよ、そのダメージ履歴まで改竄することができるっていうんなら、五時間前に殺されてるっていうのも嘘かもしれねぇじゃねぇか」

参謀長「だな、その可能性もなくはない」

突撃長「ですじゃ」

たんぽぽ星人「だったら罠かもしれないだろ?」

参謀長「いや元々罠だ」

たんぽぽ星人「そうだが、かかる必要のない罠かもしれないだろってことを言ってんだよ」

突撃長「……」

参謀長「もう蘇生は不可能かもしれないから、諦めて行くのはやめよう、ってことか?」

たんぽぽ星人「……あぁ」

族長「話ワカラナイ……」
872 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:08:46.97 ID:M08JHtbz0
194

--ジャングル--

参謀長「これは勘に過ぎないが、この時間だけは信用できると思う」

たんぽぽ星人「なんでだよ」

参謀長「それ以外の情報を全て消して、この時間の情報だけ残したのは、俺達への宣戦布告でもあるんだろう」

突撃長「……」

参謀長「やつらは潜入長を見て中々の使い手であると感じ取ったはずだ。そして潜入長を送り込んだ組織が西の王国に対して何かを企んでいるということも」

突撃長(……あそこまで潜入に特化した人間が、たった一人で動いてるわけがないと思うのが普通ですじゃ)

参謀長「だが、本気を出して駆逐するまでもないと思ったんだろうよ。それなら例え今の状況がどうであれ、全力で狩りにきているはずだ」

たんぽぽ星人「……」

参謀長「俺が思うに、奴らは潜入長を倒し、数々の拷問をしたはいいが情報を得ることができなかった。みすみす簡単に捕まるようなスパイを送り込んでくるマヌケなバック、だが情報を渡すことはなかったスパイの意地。完全な脅威ではないものの、多少は気になる相手くらいには考えてるんだろう。だから」

参謀長は視点の合っていない潜入長の顔を見る。
873 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:09:20.09 ID:M08JHtbz0
195

--ジャングル--

だん

参謀長「やつらは挑戦状を送りつけてきたんだ。自分から出向くほどの価値はないが、歯向かうのなら潰す、ってな」

たんぽぽ星人「……はぁ……なるほどな。潜入長がなまじ優秀だったから、俺達が見捨てずに取り返しにくるだけの価値はあると、そう思われちまったってのもあるのか?」

参謀長「恐らく」

たんぽぽ星人「……いくのか? 罠だぞ」

突撃長「もちろんですじゃ……! 仲間をこうまでされて黙っていては武人の名折れ!」

ごき王「私は我が主のご意向のままに」

族長「よくわからないが、サンボウの仲間が殺されたのなら、報復するのに力を貸す! 仲間の仇はとる!」

参謀長「あぁ、大事な仲間を失うことはできないからな」

参謀長は小さく、

参謀長「姫のためにも」

と、呟いた。
874 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:10:15.19 ID:M08JHtbz0
196

--ジャングル--

参謀長「というわけでこれから西の王国、国境警備の砦にうってでます」

姫「はにゃ?」

泥だらけで返ってきた姫にいきなり宣言する参謀長。

姫「どうして?」

参謀長「領土を取るためです」

姫「ん〜? でもいきなりやっちゃったらこくさいしゃかいが黙ってないんじゃないのー?」

もこもこズ「「「そうだそうだそうだー!!」」」

参謀長「……潜入長がとらわれています」

姫「にゃっ!?」

もこもこズ「「「にゃっ!?」」」
875 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:10:43.45 ID:M08JHtbz0
197

--ジャングル--

参謀長「我々は潜入長を取り返し、ついでに領土も奪ってきます」

たんぽぽ星人「なんかすごいこと言いだした!?」

姫「わかった! 潜入長捕まえてるやつらぜんいんぶっころしてこいっ!!」

突撃長「姫様っ!?」

族長「それじゃあサンボウ! 俺は若いやつらに声かけてくるぞ!!」

ばたんっ

ごき王「では私めも」

がさささ

突撃長(しかし……どう解決するつもりなのでしょうか……これでは)
876 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:11:17.35 ID:M08JHtbz0
198

--ジャングル--

ザっ!!

族長「黒虎の部族、精鋭八名参上!!」

ごき王「まつろわぬ黒き民、だいたい七百匹参上!!」

たんぽぽ星人「黄金の獣、たんぽぽ星人、二十三名参上!!」

参謀長「うわっ・・・私の兵力、少なすぎ・・・?」

突撃長「っていうかGとたんぽぽ増えてるですじゃ」

たんぽぽ星人「急すぎたからな、今回じゃこれくらいが精いっぱいだぜ。どうだ? 俺ができるのはここまでだぜ? 後はお前の作戦次第だ。いけるのか?」

参謀長「……あぁ、やってみるさ」

ザザっ!!

参謀長「潜入長奪還作戦、開始!!」


タイムリミットは後、十五時間……
877 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:11:52.00 ID:M08JHtbz0
199

--西の王国国境--

ぴちょん

首の無い死体を前に秘書と槍兵が立っている。

槍兵(いちいちやることがえげつねぇなぁこの人)

秘書に見られないように舌をだす槍兵。

秘書「槍兵、あなた一度捉えた敵兵を脱走させてしまうだなどと、西の三本角にあるまじき行為ですよ?」

槍兵「そんなこと言ったってなぁ。俺の仕事は敵を倒すことだし、倒した後のことなんかしらねぇよ」

秘書「……」

ジロ

槍兵「うっ」

秘書「あなたはここで番をしていなさい」

カッカッ

槍兵(ちぇっ、国家の最高戦力がモルグで店番とは、ね)
878 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:12:35.93 ID:M08JHtbz0
200

--ジャングル--

姫「で、姫ちゃんおいてっちゃうしー」

もこじ「姫ちゃん、僕がいるもきゅよ! 一緒に遊ぼうもきゅ……ん?」

がささ

もこじ「何かいっぱいいるもきゅ!! 僕のうしろに隠れて姫ちゃん!!」

姫「姫ちゃんの方がもこじより体大きくて隠れきれないんだけどどうしたらいいもきゅっ!?」

がさっ

?「す、すまねぇが、水と食料を分けてくれないか……? 子供達もいるんだ……」

ボロボロの衣服で出てきたのはやせ細った男と、

??「お願いします。私たちに出来ることならなんでもいたしますので」

赤毛の猫耳少女と子供達だった。
879 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/07(火) 01:15:01.56 ID:M08JHtbz0
>857さん
追いついてきていただきありがとうございます。どこから見始めていただいたのかわかりませんが、一体どれだけ時間がかかったのか、私気になります!

それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m



……



テレビ<パッパッパラッ、パッパッパラッ! パッパッパラッ、パッパッパラッ! パッパッパラッ、パッパッパラッ! パッパッパラッパッ!

トリガー「……」

煎餅をぱりぱりしながらテレビを見ているトリガー。

テレビ<マンガカツブシキカヌユエー

トリガー「……妖精さんにしておけばよかったかな」ボソっ

880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/07(火) 01:51:17.32 ID:pNy3f44SO
881 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/07(火) 08:28:36.49 ID:V/oorGFI0
乙!

潜入兵の表情wwwww
882 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/08/07(火) 12:53:49.04 ID:emDK2RlDo
乙!
883 :857 [sage]:2012/08/08(水) 22:39:23.26 ID:ZwRd47MB0
勇者募集の最初からここまでで一ヶ月くらいです 3dsで細々と読んでますwwwwww
884 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福島県) [sage]:2012/08/09(木) 19:15:10.79 ID:oAiQNDIho
やっと追いついてしまった

赤毛の猫耳少女って調教師なんかなあ
乙乙
885 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:10:30.29 ID:yUyaJLLp0
こんばんは、またもや遅くなってしまいました!

一か月! そこまで長い文章になってしまいましたか。本当付き合って下さってる皆様には感謝です。 3dsでも読めるんですか? 機械音痴な私にはわかりません!

最近になって新しく追っていただけてる方が増えているのでしょうか? 何かあったのかな?

それでは投下していきます。
886 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:12:31.06 ID:yUyaJLLp0
201

--西の王国国境--

国境近くの森の終わりに、参謀長達は隠れていた。

参謀長「それでは……作戦開始!!」

黒肌の戦士「ウオオオオオオオオ!!!!」

木々の影からたくさんの兵士達が飛びだした。


見張り兵「!? 敵襲です!! 秘書様のもくろみ通り来ました!!」

秘書「……ですね。」(あの姿……ジャングルに住む原住民?)

兵達は蜘蛛の子を散らしたように一斉に走り始めた。
887 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:13:27.56 ID:yUyaJLLp0
202

--西の王国国境--

見張り兵「弓兵部隊、魔法攻撃部隊! 撃てー!!」

ヒュンヒュンボォォン!!

たんぽぽ星人「おいでなすったぜぇ!!」

ヒューン……ドッゴォーーン!!

族長「サンボウ! まるで雨のように降り注いでいるぞ!!」

族長は後ろの茂みから叫ぶ。

参謀長「ん? 突破できないかの?」

族長「ふっ! まさか!!」

ひゅんひゅん!!

見張り兵「!?」

黒肌の部族達は矢と魔法を交わして進んでいく。
888 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:14:04.87 ID:yUyaJLLp0
203

--西の王国国境--

族長「俺達は危険を肌で感じる! あんなもの、モンスターの攻撃に比べたら遅いぐらいだ!!」

たんぽぽ星人「俺はよけきれないがな!! ぐああああああああああああ!!」

火の魔法が着弾し、燃えていくたんぽぽ星人。

たんぽぽ星人「あぁ!! 俺が燃えている!? くそう!! おい参謀長!! 本当にこんな戦術でいいのか!?」

参謀長「まぁ、ダメで元々だ」

たんぽぽ星人「!?」

参謀長「それよりさっきの話は本当なんだな? お前はいくらでも分身できるし、分身が殺されてもお前自体が死ぬことはないっていうの
は」

たんぽぽ星人「あぁ。分身を生み出すのは時間と労力がかかるがな。俺さえ死ななければ大丈夫よ。あ!! また死んだあああああ!!」

参謀長(やれやれ。人形師やネクロマンサーも裸足で逃げ出す性能だぜ……)
889 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:14:53.62 ID:yUyaJLLp0
204

--西の王国国境--

見張り兵「……本当にこんな作戦でうまくいくと思っているのか? やぶれかぶれに突っ込んで来て……。黒肌の者達にはあまり当っていないようだが、それでもこのままじゃ全滅だぞ?」

秘書「相手の心配ですか?」

見張り兵「い、いえ! 決してそんなことでは! ただ何を考えてこんなことをと……」

秘書「そうですね。何かあると考えて動くべきでしょう。が、そう考えさせられているのが既に術中なのかもしれませんね」

ヒュン、ドズッ!!

見張り兵「ぐえ!?」

黒肌の超戦士「はっはー! あたったぜー!!」

大柄な男が投げた槍は見張り兵の喉を貫いた。

秘書「はぁ。視界の端に入っていたでしょうに。こんなものも避けられないのですか……国境警備の兵のことをもう少し考えねばならないかもしれませんね」
890 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:16:01.42 ID:yUyaJLLp0
205

--西の王国国境--

見渡すと、けして少なくはない犠牲者が出ていた。

秘書(こちらは城壁の上だというのに……。あちらの被害は植物系のモンスターだけですか)

ヒュン

秘書は飛んできた槍を軽々と避けて見せる。

秘書(ここで私が下りるのは敵の術中でしょうか? あの配置で紋章陣ということも無いと思いますが……)

ドッ!!

若い見張り「お、おい!! 火のついた槍が投げ込まれたぞ!!」

ドッガーン!!

爆発。

秘書(つっ! ……この城壁を崩す策があったとしたら……後手に回るのは危険ですか)

ザっ

秘書(あれこれ悩んでいる時間が何よりもったいない)「私がでて殲滅します!」
891 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:16:41.90 ID:yUyaJLLp0
206

--西の王国国境--

すたっ

秘書「……」

秘書が地上に降り立った瞬間、なぜか戦場が無音になる。

黒肌の戦士「……ごくり」

たんぽぽ星人「ふぅう。やりなれてる雰囲気出しちゃってまぁ、余裕すら感じるぜ」

ざざっ

黒づくめの醜男「女王」

族長「!? い、いきなり人が増えたぞ!?」

参謀長「……あれは強いな」
892 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:17:19.83 ID:yUyaJLLp0
206

--西の王国国境--

すたっ

秘書「……」

秘書が地上に降り立った瞬間、なぜか戦場が無音になる。

黒肌の戦士「……ごくり」

たんぽぽ星人「ふぅう。やりなれてる雰囲気出しちゃってまぁ、余裕すら感じるぜ」

ざざっ

黒づくめの醜男「女王」

族長「!? い、いきなり人が増えたぞ!?」

参謀長「……あれは強いな」
893 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:17:48.25 ID:yUyaJLLp0
206

--西の王国国境--

すたっ

秘書「……」

秘書が地上に降り立った瞬間、なぜか戦場が無音になる。

黒肌の戦士「……ごくり」

たんぽぽ星人「ふぅう。やりなれてる雰囲気出しちゃってまぁ、余裕すら感じるぜ」

ざざっ

黒づくめの醜男「女王」

族長「!? い、いきなり人が増えたぞ!?」

参謀長「……あれは強いな」
894 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:18:45.63 ID:yUyaJLLp0
207

--西の王国国境--

秘書「何をしていますか、私はあなたたちに出てくるよう連絡をした覚えはありませんが」

黒づくめの醜男「そう言ってくださるな女王。私らは貴女がいなくなってしまっては死ぬしかないのですよ」

秘書「それにしても余計なお世話です。今この状況のいて私は無敵です」

たんぽぽ星人「はん!! それはどうかな!!」

ダダ!!

たんぽぽ星人は巨大な丸太を抱きかかえ、走る。

黒づくめの醜男「!!」

たんぽぽ星人「あんたが強いのは人間にだけだろう!?」

秘書「!」

ブンッ!!
895 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:20:02.96 ID:yUyaJLLp0
208

--西の王国国境--

ドシャっ!!

醜男のナイフがたんぽぽ星人の首を斬り落とす。

黒づくめの醜男「くっくっくっ……あんなことをおっしゃっておりますが?」

秘書「……敵が誰なのか興味が出て来ました」

ビリっ

秘書はスカートを破くと、中から、ところどころに刃がついた鎖のようなものを取り出した。

黒づくめの醜男「ほっ? ……それを使うのですか?」

秘書「ええ」

ジャララ

たんぽぽ星人「結構長いのが入ってたんだなぁ」
896 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:21:18.66 ID:yUyaJLLp0
209

--西の王国国境--

ひゅーん、ひゅーん

それをグルグルと振りまわす。

たんぽぽ星人「それがどうしたっていうんだー!!」

ひゅ

どぶしゅっ!!

たんぽぽ星人の首が秘書の攻撃によって吹き飛ばされる。

族長「!! サンボウ!? あいつは人しか倒せないんじゃないのか!?」

参謀長「奥の手か……美学なんか持っているやつじゃなかったか」
897 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:22:21.14 ID:yUyaJLLp0
210

--西の王国国境--

ひゅーん、どばっ!!
ひゅーん、ずしゅっ!!

黒肌の女戦士「ぎゃああああああああああ!!」

たんぽぽ星人「ふぐぅぅん!!」

秘書が一振りするだけで三つの死体ができあがる。

族長「くっ!! 化物め!! サンボウ!! 俺が行く!!」

参謀長「いやその必要はない」

族長「だが!!」

参謀長「行ってももう、無駄だ」

ひゅーん、ひゅーん

悲鳴はもう聞こえなくなっている。
898 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:22:49.78 ID:yUyaJLLp0
211

--西の王国国境--

秘書「……」

秘書は参謀長を視認した。

参謀長(あれはなんだろうな。魔剣系の武器であることは間違いないんだろうが……。スキルを書き変える能力……とか?)

ひゅーん、ひゅーん

参謀長「あ、やば」

ズドン!!

木々を掻い潜った刃が参謀長の胸を貫いた。

ジャララララララララララ!!!

族長「さ、サンボウ!!」
899 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:23:22.66 ID:yUyaJLLp0
212

--西の王国国境--

がさがさがさ

ごき王「こっちの道は見張り一人だけです」

突撃長「……なんだかごき王殿の方が潜入するの得意な気がするのは私の勘違いなんですかじゃ?」

もこいち「もきゅー。ぼくの擬態能力を利用するなんて参謀長は人使い荒いもきゅー」

突撃長「適材適所というやつですじゃ。働かざるもの食うべからずですじゃ」

ごき王「盗み聞きしてきました。どうやらこの先の監房に胴体があるようです」

もこいち「もーさっさと死体回収しておさらばするもきゅー。僕もう姫ちゃんと遊びたいもきゅー」

突撃長「この仕事が終わって平和になったら飽きるほどあそべるですじゃ」

もこいち「本当もきゅかー? 僕をやる気にさせようと嘘ついてるんじゃないもきゅよねー?」

突撃長「嘘なんかついていませんですじゃ。さぁもうひとふんばりですじゃ!」

このもきゅもきゅ言ってる生物がかつて地球を支配していたこと、そして人類を抹殺しようとしていたことを突撃長達は知らない。
900 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:24:11.72 ID:yUyaJLLp0
213

--西の王国国境--

ごき王「ここですね」

突撃長「ふぅ。後ろから一撃とはいえ中々見張り殿の頭を叩き割るのも大変ですじゃ」

突撃長は斧についた血を拭う。

ごき王「……ん? ちょっと待ってください。中から気配が」

どっがあああああああああああああああああん!!!!

突撃長「!?」

もこいち「もきゅ!?」

ぱらぱら

槍兵「へへ……ここまで来やがったか。いやよくぞ来たと言うべきだな」

ドアから突きだしている槍。

槍兵「やっと俺も暴れられるってもんさ!!」
901 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:24:39.41 ID:yUyaJLLp0
214

--西の王国国境--

突撃長「!? こっ、これは槍兵殿!?」

槍兵「ほう、俺のこと知ってるのか? 俺よもうやく三強として名が知られてきたってところか?」

もこいち「なんてこったもきゅ! まさか槍兵だなんてもきゅ!!」

ごき王「えぇ、驚きですね」

槍兵「んん? 俺がこんなところにいるなんて想像もしなかったか? まあ三強が死体を見張ってるだなんて普通は思わねぇだろうからなぁ!!」

突撃長「い、いえまさかここまで予想通りに行くとは思わなかったものですからじゃ」

槍兵「……ん?」

突撃長「槍兵殿、お手合わせ願いますですじゃ!!」
902 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:25:07.52 ID:yUyaJLLp0
215

--西の王国国境--

秘書「!?」

黒づくめの醜男「これは……まさか」

ずらぁあぁあ

黒肌の戦士「あぁーあー」

黒肌の女戦士「あぁあああ」

たんぽぽ星人「にゅおおおおお」

秘書「死体が起きあがった……ネクロマンサーか!」

黒肌の戦士「ぐああああ!!」

武器を握りしめ秘書に殴りかかる戦士。

秘書「!?」

ごっ!!
903 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:25:33.27 ID:yUyaJLLp0
216

--西の王国国境--

族長「!? 入った!?」

たんぽぽ星人「ま、まじか、あの無敵の化物女に一撃入った!?」

ぽたっぽたたっ

秘書「ぐっ」

黒づくめの醜男「女王!! この!!」

醜男はナイフで切りつけるが、

黒肌の戦士「あぉあああ」

黒づくめの醜男「!! 死体相手では我らの技術は!!」

どごすっ!!

黒肌の女戦士「ああああああああ」

後ろから近寄ってきた女戦士の槍が醜男の背中に深々とめり込んだ。

ブシュッ

それは醜男の前の戦士まで刺してしまうほどに。
904 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:26:06.21 ID:yUyaJLLp0
217

--西の王国国境--

秘書「ぐっ!!」

ひゅーん、どがっ!!

黒肌の中年戦士「あああぁあ」

たんぽぽ星人「にょわあぁあ」

黒肌の超戦士「おっす! おっす! ばっちしっ!!」

吹き飛ばされては群がる死体の山。

秘書「ぐっ!」(モンスターに相性がよくなるだけの魔剣じゃあ、死体を相手にはできない!)

ひゅーん、がすっ!!

黒肌の女戦士「みゃああああ!」

がぶっ!!

秘書「!!」

後ろから秘書の右肩に齧りつく女戦士。
905 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:27:03.49 ID:yUyaJLLp0
218

--西の王国国境--

ぶしゃっ!!

秘書「くっ!!」

秘書はそれを振りほどく力すら持ち合わせていない。

秘書(……例え人型であろうとも……私のスキルは発動しない)

ばきめき

秘書(づっ!! ……死体は人ではない、から!)

どさっ!

組み伏せられて地面を這いつくばる秘書。

参謀長「ははは」

秘書「!? お前……」

ばたっぼたたっ

胸部に穴の空いた参謀長が立っていた。
906 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:27:31.31 ID:yUyaJLLp0
219

--西の王国国境--

秘書「……なぜその傷で立っていられる?」

参謀長「さぁ、なぜだと思いますか秘書殿」

秘書「ネクロマンサーの魔法では自我が保てないはずだ……細かい操作もできないゆえの死体操りなのだろう?」

参謀長「その通り」

秘書「なら、お前は一体どうやって死んだままそこにいるんだ!!」

参謀長「申し訳ないことですが、それにはお答えできません秘書殿」

秘書「……お前か。お前が私のことを知っていたのか。私を知る者など数えるほどしかいないというのに」

参謀長「俺のことなんかどうでもいいんです。秘書殿、今日はお願いがあってきました」

秘書「!?」
907 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:28:23.78 ID:yUyaJLLp0
220

--西の王国国境--

秘書「お願い……だと?」

参謀長「はい」

参謀長はしゃがみ込んで秘書の頭に手を伸ばす。

シュン

参謀長「あら?」

秘書が顔をあげ、口から剃刀のようなものを飛ばして参謀長の手首を切断する。

ぶしゅー

参謀長「無駄なことを」

秘書「! ……」

参謀長「お願いの内容を申し上げます秘書殿」

ゴッ

参謀長は秘書の頭を踏みつける。

参謀長「我らの国を、西の王国の同盟に加えて欲しいのです」
908 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/14(火) 00:29:57.86 ID:yUyaJLLp0
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m



……



テレビ<ピロピロピロピロ ゴーウィゴーウィヒカリッヘー

トリガー「BETAこえー」

咲<撃ってよおおこいつらに食われる前にいい

照<うああああああああ

トリガー「今期は中原さんすごいなー。舞HIMEの時からファンなんだよねー。秘書さんの声は中原さんだったら素敵かもー」

909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/14(火) 00:49:45.98 ID:iXW9B/NSO
1、2話からえぐいよなアレ
最初「どーせまた女子高生がキャーキャー騒ぎながらなんとかなるやつだろう」って思ったら
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/14(火) 01:32:41.96 ID:3esZruJ20
参謀長黒いなwww

さすが参謀してるだけあるわww
911 :883 [sage]:2012/08/17(金) 01:02:07.96 ID:ndarNc810
乙!!

久しぶりに勇者募集読んでたら
続編があると聞いて
急いで読んできましたwwww

今からまた名無しのromに戻ります
912 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:22:13.55 ID:kMbFyQSj0
遅れてしまってごめんなさい! 

>>911さんのおっしゃったことがきになって色々調べにいったら、どなたかがまとめサイト様にssの続きがあることを書いていてくれてました……本当に感謝がつきません。ありがとうございます!!

あ、自分が書いたんじゃないですからね!!??

それでは投下していきます。
番外編ももう少し・・・
913 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:22:49.22 ID:kMbFyQSj0
221

--西の王国国境--

秘書「……なぜこの国境の砦に私がいると考えたのですか?」

参謀長「? どういうことです? 秘書殿」

秘書「とぼけるな。私がこの戦場に出現した時、お前の兵達は身構えた。あれは私が現れるのを知っていて、私がどんな存在かわかった上での反応だった!」

参謀長「……」

秘書「私の力を知っている兵もいた。私への対応も悔しいが見事だ。だがそれは私がここにいることを知っていなければ対応できまい」

参謀長「……うーむ」

参謀長は腕を組んで考える。

参謀長「うん……そうですね。我々があなた方にとって有意義な存在であるとわかれば同盟も組みやすいでしょうし、一つ種明かしをしてみますか」

秘書「……」

秘書は参謀長の目を見つめていた。
914 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:23:17.05 ID:kMbFyQSj0
222

--西の王国国境--

参謀長「まず我々がこの砦を調べるように命じた潜入長ですが、彼女はあれで中々腕の立つ人物です。堅固な砦であれなんなく潜入し、必ずや中の情報を調べあげてくれるものだと確信していました」

たんぽぽ星人「回復班ー今のうちに回復たのむー」

周りは次のステップへと動き出していた。

参謀長「砦潜入までも含め、全部で二ヵ月以内には任務を完遂させて帰還してくるものだろうと考えていました。が、彼女は帰ってこなかった。これはきっと帰還不可能になる不足の事態が発生したのだと考えました」

秘書「……」

参謀長「簡単に考えれば彼女は倒された可能性がある。しかし彼女は逃げのエキスパート、多人数に発見され袋叩きに合うことはありえない。倒されるとしたらタイマン、それも実力的に言えば三本角以上の相手のみに限られる」

秘書「……それで私がいると?……違いますよ、私は彼女を倒していない」

参謀長「わかります。槍兵に倒されたんでしょう」

秘書「!?」
915 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:23:54.73 ID:kMbFyQSj0
223

--西の王国国境--

参謀長「彼女は槍兵に見つかり、倒され、それから数週間投獄させられていたんでしょうね。本国からの応援が来るまで」

秘書「待ちなさい。なぜ槍兵がここにいると考えたのですか。そもそも最高戦力である三本角がここに来ていることなど普通に考えればあり得ないことでしょう?」

参謀長「確かに確率は低いですが、簡単なことです秘書殿。先ほども述べました通り、潜入長が倒されるとしたら三本角レベルだけだ。だとしたらいる確率は低かろうが、いるに決まっている。私はそう強引に推理しました」

秘書「……」

参謀長(別に強引でもなんでもないけどな)

秘書「……そしてなぜ槍兵がいると考えたのですか」

参謀長「……もし他の三本角、変化師がいたのなら、潜入長を倒した後、彼女に変化してジャングルをうろつけばいい。そうすれば簡単に我らを一掃できたはず」

参謀長は秘書から足をどけた。

参謀長「他の三本角、テンテンがいたとするのなら、とっくに彼女の広域レーダーで我々の位置など把握されてしまっているはず。最も、真の最高戦力である彼女がこんな地方に来たりはしないでしょうが。おつむ的にも」

秘書(こいつ……)
916 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:24:27.71 ID:kMbFyQSj0
224

--西の王国国境--

参謀長「残るは秘書殿か人造魔王のお二方だけですが、秘書殿がここにいたのなら盗賊なぞせずにすぐに行動に移していたはず。投獄されているような期間があるはずもない。貴女は時間に厳しい人ですから」

秘書(どこかで……会ったことがあるのか?)

参謀長「最後の可能性である人造魔王ですが、馬鹿をこんな所に来させても何もできないでしょうからね。ゆえに推測した答えは、『潜入長が予定を大幅に過ぎているのに帰還しないのは三本角の槍兵に倒されたためである。そして対応を本国に報告したのちにやってきたのが秘書殿』 ってとこですか」

秘書「……なぜ私がここにいるのを知っていたのか、その答えを聞いていないぞ」

参謀長「だってあれは君が好きな拷問の仕方にそっくりだったんだもの」

そう、にやりと参謀長は笑った。

秘書「……!? まさか……まさかお前は……」

参謀長「……はい? 私は亡国のしがない付き人です」

秘書「殺した……はずだ」
917 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:24:54.20 ID:kMbFyQSj0
225

--西の王国国境--

槍兵「……」

突撃長「はっはっ!! 見事な槍捌きですじゃ……これほどの槍使い、二人といないでしょうですじゃ」

もこいち「そもそも接近戦で槍は最強もきゅよ。まともに行ったらかなわないんだもきゅ。さっさと参謀長の作戦通りやっちゃうもきゅよ」

ごき王「そうですね。三方向からの同時攻撃でしたね」

槍兵「……」

スッ

もこいち「あー、作戦ばらすから壁を背にしちゃったもきゅー」

槍兵「なんだ? 後ろから攻撃すりゃ勝てるってかよ」

そう言うと槍兵はあえて三人に近づいていく。
918 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:25:38.71 ID:kMbFyQSj0
226

--西の王国国境--

もこいち「うわー。挑戦的もきゅねー。こりゃー僕も本気を出さなきゃいけないもきゅね」

むき

突撃長「お?」

むききき

もこいち「ふしゅううぅう……」

もこいちの筋肉は数倍に膨れ上がり、先ほどまでの愛くるしい姿からは想像もつかない。

槍兵「……なんかお前見たことあるような気がするんだけど」

もこいち「気のせいもきゅ、僕は本編の第三部になんて出ていないもきゅよ?」
919 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:26:08.01 ID:kMbFyQSj0
227

--西の王国国境--

突撃長「ずあぁあーっっ!!」

ドギャン!!

踏み込んできた突撃長を槍先で貫き、

もこいち「もぎゅう!!」

バガッ!!

一瞬で引き抜いて横薙ぎでもこいちを弾き飛ばす。

ごき王「む、強い……!」

突撃長「げっふ……間合いに踏み込むことすらできないとは……」

もこいち「遊んでる場合じゃないもきゅよ突撃長!!」

突撃長「そう、ですじゃな」

突撃長は穴のあいた腹部を押さえている。
920 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:26:34.17 ID:kMbFyQSj0
228

--西の王国国境--

突撃長は自慢の斧を握る手に力を込める。

ぎちち

槍兵(じいさんが来るか?)

突撃長「スキル!!」

ダッ!!

駆けだす突撃長。

槍兵(歳か、おっせぇ)

ひゅ

槍兵が迎撃として放った槍は、突撃長の首に正確に向かっていく。

突撃長「槍破壊!!」

槍兵「!?」
921 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:27:05.11 ID:kMbFyQSj0
229

--西の王国国境--

バキャアア!!!!

槍兵「!!!!」

突撃長の斧が振り下ろされ、槍兵の槍が粉々に砕かれた。

カン、カラカラカラ

槍兵「なっ……」

突撃長「ほっほっ。斧をなめたらいけませんよ」

槍兵(高速で接近してくる槍に斧を当てるとは……スキルの速度補正か。ちっ! やっちまったぜ)

槍兵は柄だけになった槍を捨てる。

もこいち「これで僕達の勝利は確定もきゅ!!」

ごき王「……いやどうでしょうかね」
922 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:27:32.29 ID:kMbFyQSj0
230

--西の王国国境--

もこいち「へっ?」

ごき王「なんだかまだ、嫌な予感がするのですよ」

突撃長「ですじゃ」

槍兵「おいおい、攻めてこないのかよ。せっかく槍をぶっ壊したって言うのに。今俺は好きだらけなんだぜ?」

槍兵は両腕を広げてアピールする。

突撃長「……迷っていてもらちがあかないですじゃ。ならば!!」

突撃長は斧をふりかぶった。

がぎぃん!!

突撃長「!!」

槍兵は右腕で斧を受け止めた。

突撃長(さすがに小手だけで受け止めることが……この手ごたえ!!)
923 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:28:01.46 ID:kMbFyQSj0
231

--西の王国国境--

しゅる

槍兵は小手の下に槍を隠していた。

ガチン!ガチン!!

足にも隠していた四つのパーツはあっという間に組みあがる。

槍兵(そのまま追撃を加えてきたら刺し殺してやったのによ)

ふおん!!

槍兵はぐるりと回すように振るい、そして、

ドキャッ!!

もこいち「もきゅ」

ザシャッ!!

突撃長「が」

刺殺した。
924 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:28:29.43 ID:kMbFyQSj0
232

--西の王国国境--

どさどささっ

ごき王「……手を抜いていましたね」

槍兵「あー? たりめーだ。力の差がありすぎる。俺が本気だしたらあっちゅー間に終わっちまうだろ」

ただでさえ最近戦える機会が少ないのに、っと槍兵はぼやく。

ごき王「……」

槍兵「お前、喋ってるってことはモンスターなんだよな? ゴキブリなんてきもちわりぃ。仕方ねぇから全部ぷちぷちと潰すかぁ」

ひゅん

槍兵は一番戦闘にいたゴキブリに槍を振るった。

しゃっ

しかし槍は避けられてしまう。

槍兵「……あら?」

カサカサカサカサ

部屋中に集まってきたゴキブリは一斉に槍兵に飛びかかった。
925 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:28:58.41 ID:kMbFyQSj0
233

--西の王国国境--

槍兵「う、おおおおおおおおおおお!!!!」

バサバサバサバサバサ!!!!

槍兵はゴキブリの大群を目の当たりにし、高速で槍を回し始める。

槍兵「スキル!! 旋風槍!!」

びゅおおおおおおおおおお!!

ゴキブリ達は風で押し戻され壁に叩きつけられる。

べしっ、べしべしっ!

槍兵「こ、こえぇ……DTBのニカみたいな死に方だけはごめんだぞ……」

ごき王「やれやれ。この姿じゃあどうにもなりませんか」

かさ

槍兵「?」
926 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:29:34.17 ID:kMbFyQSj0
234

--西の王国国境--

かさ、かさかさかさ

ゴキブリ達は一か所に集まって、巨大な大きな塊になった。

槍兵「うっわ。蠢いてやがる……これはなんぼなんでもきもちわりぃ。くそ、範囲攻撃とか複数対象の技がなぁ……」

ぎゅちぎゅち

それは徐々に人のような姿へと変わっていく。

槍兵(! なんだ? こいついきなり魔力量が増えやがった!?)

ぎゅちぎゅち

たくさんのゴキブリは、一人の人間になった。

ごき王「……ふぅ……」

槍兵「はっ、気持ちのわりぃ外見じゃねぇならなんの抵抗もッ!?」

メギッ

槍兵の顔に拳が叩きこまれる。
927 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:30:17.86 ID:kMbFyQSj0
235

--西の王国国境--

ドッガアアアアアアアアアアアアアアン!!!!

それは分厚い壁をぶちぬくほどの威力。

ごき王「……立ちなさい。ノックアウトにはまだ早いでしょう?」

パラパラっ

槍兵「がっ……てめぇ」(この俺が油断していたとはいえ、避けられなかっただと?)

がらがらっ

槍兵「ぺっ……てめぇ……なんだか嫌な感じがしやがるぜ」

ごき王「ほう? わかりますか? 私の内に秘めるこの卑しき力が」

槍兵「どっかでお前みたいなのに会ったことがある……どこだったか、な!!」

ひゅん!!

槍兵の高速の突きを紙一重で交わし柄を握るごき王。

槍兵「なっ!!」
928 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:30:46.33 ID:kMbFyQSj0
236

--西の王国国境--

ゴッ!!!!

ごき王の右拳が槍兵の頭部を襲う。

槍兵「ッッ!!」

ごき王(すんでの所で防御したか)

シャッ!!

槍兵の左足がごき王に迫るが、それもごき王に掴まれてしまう。

槍兵「っく!!」

ごき王「槍以外で私と互角に戦えるものはないでしょう?」

どげしっ!!

槍兵「あがっ!!」

ごき王は無防備になっている槍兵の腹をけたぐった。
929 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:31:13.27 ID:kMbFyQSj0
237

--西の王国国境--

槍兵「てっめぇ!!」

ずぼっ!!

間髪いれずに二撃目、さすがの槍兵もたまらず、胃の中のものを吐きだした。

槍兵「げぇへっ!!」

ずぎゃっ!!

更に放たれる三撃目。槍兵は槍を手放して地面に倒れ込む。

どさっ!!

槍兵「ごほっ!! がほっ!! げほっ!!」

ごき王「自分の武器を手放すとは。おろかな。炎属性付加魔法、」

槍兵「!?」

ごき王の右足が燃えている。

ごき王「レベル2」
930 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:31:39.26 ID:kMbFyQSj0
238

--西の王国国境--

ごおおお!!

ごき王の蹴りを受けた槍兵は、部屋の壁にもたれるように延焼している。

ごき王「……」

からんからん

ごき王は槍を投げ捨てると、突撃長ともこいちに近づいた。

ごき王「水属性蘇生魔法、レベル3」

びゅわわあんん

突撃長「……む、む??」

もこいち「あ、あれ? 僕死んだはずもきゅが」

ごき王「もう大丈夫ですよ。槍兵は私が倒しましたから」

ずがっ!!

ごき王「……」

そう喋るごき王の胸から槍が突きでる。
931 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:32:06.05 ID:kMbFyQSj0
239

--西の王国国境--

槍兵「はぁーっ!! はぁーっ!!」

ぶすぶす

ごき王「驚いた。その状態でまだ動けるとは……」

ごき王は自分の体から槍を引き抜くと槍兵に向かって投げ返した。

ぎゅん!!

槍兵「!!」

どっ!!

槍兵「がはっ!!」

体力が減った今の槍兵に、その槍は防ぐこともかわすこともできず、そのまま壁に張りつけられてしまった。

突撃長「ごき王殿!! 大丈夫ですかじゃ!! ……ん? あれ? 穴がふさがってるですじゃ」

ごき王「心配には及びませんよ突撃長さん。私は群で個なのですから」

すっ

ごき王は立ち上がり槍兵に向かって歩いていく。
932 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:32:41.85 ID:kMbFyQSj0
240

--西の王国国境--

槍兵「……てめぇ……思いだしたぜその感覚をよ」

ごき王「ほう?」

槍兵「安心感とも恐怖ともとれる、どっちつかずのいけすかねぇオーラ……てめぇは……人造勇者だな」

突撃長、もこいち「「!?」」

ごき王「……ほう。感覚だけでわかるとは。いやはやすごい。……そうです。あなたのおっしゃる通り、私は人造勇者です」

突撃長、もこいち「「!?」」

ごき王「全てのゴキブリを愛し、群であり個である正義の人造勇者」

槍兵「……」

ごき王「私の名は、人造勇者G」

Gは深々とおじぎする。

ごき王あらためG「以後お見知りおきを」
933 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/22(水) 01:41:41.99 ID:kMbFyQSj0
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m



……



テレビ<みとめーていたー おくびょーなかーこー

トリガー「オンラインゲーム系の作品はおもしろいさよー」

ナギ様<キリト君!!

トリガー「僕学生の頃.hackにめちゃくちゃはまった過去があって、こんなおもしろい作品があるのかと当時は衝撃だったんだよなー。これ以上ネット世界の作品でおもしろいものはつくれないだろーってレベルでハマっちゃったんだよね。まぁゲーム自体はすごくつ(ry ……GUのpvをゲーム屋の店頭で見た時も痺れたなー。かつての敵だった八相が味方になるとかもうかっこよくてかっこよくて。そんな.hack厨な僕だけれど、これは普通におもしろいね。覇権とか言われてるだけあるとおもう。ちなみにオンラインゲーム自体にはまっていたこともあって、デ(ry」
934 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/22(水) 02:02:36.28 ID:BdsYXOOgo
>>933 乙!
G強ェェェ。けど、主人公にはなれないな……グロ過ぎる
935 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/22(水) 03:59:05.98 ID:KSZqDUD9o
乙乙
936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/23(木) 16:59:20.44 ID:j0vqizik0
乙!

G強いな・・・
937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/08/25(土) 10:11:15.56 ID:AvFlhjEoo
ごろーちゃん強えな
938 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:15:31.72 ID:hAlqkLKF0
こんばんは。 たまには不意打ちに来させていただきました。

それでは投下させていただきます。
939 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:16:22.24 ID:hAlqkLKF0
241

--西の王国国境--

とことこ

もこじ「もきゅー参謀長参謀長ー、もこいち達が槍兵倒して潜入長の死体を無事回収、今こっちに帰ってきてるもきゅよ」

参謀長「そうか、わかった」

秘書(!……砦内部の話をしているのですか……私を惑わそうとしているのでなければ、通信兵レベルの伝達能力を持つものがいるということですか)

参謀長「ならばこの戦は終わりですな」

参謀長は秘書を立たせて笑う。

参謀長「もこいち、姫様に打電」

もこいち「もきゅー、もこもこちゃんねるにインするもきゅ」

秘書「えっ、今もこもこって」

もこいち「言ってないもきゅ」
940 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:16:59.45 ID:hAlqkLKF0
242

--ジャングル--

もこぞう「ぴきゅーん! 姫ちゃん姫ちゃん、参謀長達から連絡あったもきゅよ!」

姫「本当!? ってことは潜入長助け出せたんだね!! やったー!!」

姫は急いでドアを開けた。

姫「あ、大きな音しちゃうかもしれないけど、みんなはゆっくり食べててね!! おかわりは台所にあるからっ!」

??「何から何までありがとうございます……」

がつむしゃがつむしゃ

姫「いいって調教師ちゃん! 困った時はお互い様だよっ!」

?「むっちゃええ子や……まるでツインテ様みたい……」

??改め調教師「えぇ……」
941 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:17:47.48 ID:hAlqkLKF0
243

--ジャングル--

姫「方角はあっちでいいの?」

もこぞう「そうもきゅ。あ、右に五度修正もきゅ。それじゃ参謀長達に当たるもきゅ」

姫「オッケー! じゃあいくよっ!」

すっ

姫の顔から普段のバカさ加減が消えて、高貴な顔つきになっていく。

姫「我が王族のみに代々伝わる重き力よ……」

ズン!!

調教師「!! こ、この魔力量は!? 賭博師様!」

?改め賭博師「あぁ……こりゃあすんげぇ……さっきまでの姫ちゃん様からは想像もつかねぇ」

調教師(!! ナチュラルに様付けになってる……)
942 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:19:08.00 ID:hAlqkLKF0
244

--ジャングル--

姫「天よりもたらせ……黄金属性魔法、黄金の星」

カッ!!


--西の王国国境--

がやがや

秘書「……戦闘態勢を解くとは……正気とは思えませんね」

参謀長「もう戦う理由は無くなりましたので」

秘書「我々にはありますよ。これは侵略行為です」

参謀長「……では、これを見ていただきましょう」

秘書「……?」

……ぅぅん

秘書(! 何かが高速で接近している?)
943 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:20:34.45 ID:hAlqkLKF0
245

--西の王国国境--

ウゥン!

秘書(空か!!)

秘書が上を向くと、

ドッガァァン!!

二十メートルはあろうかという巨大な金塊が落ちてきた。

シュウウ

クレーターを作るほどの質量を持ったそれは、

秘書「ッ……。!! こ、これは!!」

それは、

参謀長「示談金ということで一つどうでしょうか」

巨大な黄金の塊だった。
944 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:21:08.51 ID:hAlqkLKF0
246

--西の王国国境--

秘書(こんな巨大な黄金が自然にあるはずがない……これは……かつて社会の法則を乱すとされ、一人残らず淘汰された欠陥属性……黄金の持ち主か)

参謀長「……」

参謀長は秘書の反応からその心中を察する。

参謀長「数々の無礼、どうかお許しください。ですがこのひと騒動は、あなた方に我々の有用さを知っていただくためのデモンストレーションだとでも思っていただければと思います」

秘書「……」

参謀長「どうでしょう、先ほども言いましたが、我々と同盟を組みませんか?」

秘書「貴様たちは国と認められていない……」

参謀長「えぇ。ですから、我々の国を、黄金王国を、国と認めるように他の王国に計らっていただきたいのです」

秘書「黄金王国ッ!? ……よくもまぁいけしゃあしゃあと忌むべき呪われた王国の名を」
945 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:21:35.03 ID:hAlqkLKF0
247

--西の王国国境--

参謀長「うちの大事な姫君のためならば動かぬわけにはいきませんから」

秘書「……魔導大老……」

参謀長「……」

秘書「数々の禁術を生み出した、四代目勇者直系の一族の長」

参謀長「……」

秘書「私が殺した時には、すでに不死の魔法を完成していたのですね」

参謀長「……何のお話やら」

秘書は黙って参謀長の顔を見つめている。

秘書「……いいでしょう。我々とて仲間は多いほうがいいですから」
946 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:22:17.66 ID:hAlqkLKF0
248

--ジャングル--

姫「うーんっ! ちゃんとできたかなーっ!?」

もこぞう「報告あったもきゅ! 大丈夫もきゅよ!! たんぽぽ星人が三体潰れただけもきゅっ!!」

姫「それならよかった!! ……ありゃ?」

もこぞう「どうしたもきゅ? あ、なんか落ちてくるもきゅ」

ひゅーーん、どがーーん

姫「な、なにあれ!! ジャングルに落ちたよ!!」

もこぞう「三個だか四個落ちたもきゅね。行ってみるもきゅ?」

姫「うんっ!!」
947 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:22:43.28 ID:hAlqkLKF0
249

--ジャングル--

調教師「姫さん。何かあったのですか?」

姫「うん! なんかジャングルに落ちてきたから見てくるのっ!」

賭博師「おいおい、なんだか穏やかじゃねぇなぁ」

むしゃばく

調教師「では、この子をお貸しします」

調教師が超音波を発すると、

バサッ!!

バジリスク「ぎゃおーーーん!」

空からバジリスクが舞い降りた。

姫「うおっ!! かっこいい!! なにこれ!!」

調教師「この子がいれば墜落地点まですぐにいけるでしょうし、ボディーガードもこなせるかと」
948 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:23:14.69 ID:hAlqkLKF0
250

--ジャングル--

賭博師「本当は恩を返すために俺らがついていくべきなんだろうけど、まだ本調子じゃないんでな」

姫「ううん、ありがとう!! じゃあよろしくねバジちゃん!!」

姫は嬉しそうに笑うとバジリスクにまたがった。

ぽすっ

バジリスク「……!? この感触はノーパン!?」

賭博師「ガタタッ!?」

調教師「人語喋んなや」

それはそれは恐ろしい目つきだったという。
949 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:23:51.70 ID:hAlqkLKF0
251

--ジャングル--

ふしゅーーー

?「あたたー……さすがに今回は死ぬかと思いましたー……」

??「ごめんなさいですわ……エネルギーが、もう」

???「お腹減ったにょ……」

????「こんな所でギブアップだなんて」

機械の残骸が転がる地面で倒れている四人。

ブラックタイガー「しゃーー!!」

住処を破壊されたモンスターがぞろぞろと集まってくる。

?「あちゃー……潮時ですかー?」
950 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:24:18.63 ID:hAlqkLKF0
252

--ジャングル--

バジリスク「ぎゃおおおおおおおおおおお!!」

ばさっばさっ!!

その時空から姫ともこぞうが乗ったバジリスクが飛来する。

ブラックタイガー「ぎゃう!?」

ばさっばさっ。

ブラックタイガー「ぎゅ……ぎゅうう」

バジリスク「ぎゃおおぉ」

モンスターの生態系の頂点に座する竜種の出現に、ブラックタイガーの群れはたじろいだ。

バジリスク「ぎゃおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

ブラックタイガー「きゃんきゃんっ!!」

バジリスクの咆哮に驚いたブラックタイガーは散り散りになって逃げて行った。

?「た、助かったのですー?」
951 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:24:57.47 ID:hAlqkLKF0
253

--西の王国国境--

秘書「……」

参謀長「調印、確かに頂きました」

秘書「いつ頃行動を起こすつもりですか?」

参謀長「一年後、くらいでしょうか。それまでにもう少し国力をあげておきますから」

秘書「そうですか」

参謀長「それでは一年後、連合会議にて」

秘書「……了解しました」

バタン

秘書「……敵になるようならば、次こそ完全に殺しますから」

扉を睨みながら秘書はそう呟いた。



参謀長(……はぁ、よかった……作戦のためとはいえ秘書相手にあんな態度しちゃうなんて……未だに心臓バクバク言ってるよ……)
952 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:25:24.00 ID:hAlqkLKF0
254

--西の王国国境--

潜入長「ご迷惑をおかけしました!」

砦を出るや否や、潜入長は参謀長に頭を下げた。

参謀長「え?」

潜入長「今回私が自分の役目を果たせないばっかりにこんなに大それたことになってしまって……」

突撃長「そ、そんなことはないですじゃ! 潜入長殿のせいではないですじゃ!」

参謀長「あー」

参謀長はぽりぽりと頭をかく。

参謀長「突撃長さんの言う通りですよ、貴女のせいじゃない。どころかこの展開にもってこれたのは全て貴女の功績だ」

潜入長「……え?」

参謀長「潜入長さんが頑張ってくれたおかげです。責任があるとすれば全ては私にあります。相手の力も測りきれずに危険な目に合わせてしまって申し訳ない」

今度は参謀長が頭を下げた。
953 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:26:19.18 ID:hAlqkLKF0
255

--西の王国国境--

潜入長「あ、頭をあげてください! 参謀長さんは悪くないのですから!」

突撃長「……そうですじゃ。結果みんな無事だった。そして国として認めてもらえそうになったのですじゃ、結果オーライというやつですじゃよ」

参謀長「……ふ」

族長「サンボウ! 今日は勝利を祝って祭をやろう!!」

族長が駆け寄って来て参謀長と肩を組んだ。

もこいち「空気よめもきゅー」

もこじ「全くだもキュー」

参謀長「俺的にはちょっと休みたいんだが……」
954 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:27:17.83 ID:hAlqkLKF0
256

--西の王国国境--

参謀長「あ、そうだ、潜入長さん、今回の件でひどい目に合わせてしまったお詫びをしたいので、何かあれば言ってくださいね」

潜入長「え……い、いやそれでもでも私だけそんな」

突撃長「ほっほっ。男の責任というやつですじゃよ」

もこいち「僕達には褒美ないもきゅかー!」

もこじ「ストしてやるもきゅー!」

もこもこ達は参謀長の足にからみつく。

参謀長「えぇいやめろ! お前らは姫様から褒美がでるだろきっと!」

潜入長「……ほ、本当によろしいのですか?」

参謀長「え? あ、あぁいいですよ、何がいいですか?」

潜入長「じゃあ、この紙にサインをいただけたらと」

潜入長は一枚の紙を差し出す。
955 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:28:05.98 ID:hAlqkLKF0
257

--西の王国国境--

参謀長「紙? サイン? 僕は別にプロ野球選手とかじゃないんですけど……!?」

驚愕の表情の参謀長。

突撃長「? どうしましたですかじゃ参謀長殿……ぬあっ!?」

その紙は……婚姻届。

潜入長「私もそろそろ歳が気になる年頃なので、貰っていただけたらと」

もじもじしている潜入長。

参謀長「……」

突撃長「り、リアル男の責任……ですじゃ」

もこいち「結婚は人生の墓場もきゅ」

もこじ「だとすれば墓場への直送チケットってところもきゅ?」
956 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:28:49.95 ID:hAlqkLKF0
258

--西の王国国境--

参謀長「……そういうのはちょっと」

丁寧に返す参謀長。

潜入長「!? な、なんでですか!?」

参謀長「いやなんでっていうか……いきなりそんな……」

潜入長「私がアラサーだからですか!? アラサーの熟れた肉体はお嫌いですか!? それとも私の外見では貴方の趣味に合いませんか!?」

参謀長「いやそういうんじゃなくて……」

もこいち「にやにや」

もこじ「脂汗かいてるもきゅ」

突撃長「……今夜は祭ですじゃな!!」
957 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:29:26.46 ID:hAlqkLKF0
ずり

たんぽぽ星人「おいお前ら俺を忘れてるんじゃねぇぞ」

戦場で片足をうしなったたんぽぽ星人が、ずるずると参謀長達を追っていた。



259

--ジャングル--

姫「お帰りー!! みんなー!!」

参謀長「……」

潜入長「……」

突撃長「……」

我が家に到着したみんなだったが、小さな家の中には、

調教師「おかえりなさいませ」

猫耳メイドと、

賭博師「おう、姫ちゃん様から聞いてるよぉ。疲れてるだろ? 今鯖缶あけるから」

うさんくさそうなおっさんと、

きゃっきゃっきゃっ

後ろではしゃぐ子供達と、

?「いやはやにぎやかでよいですなー」

カエルヘッドと、

??、???、????「「「ロボチガウロボチガウロボチガウ」」」

充電中の機械人形が三体いた。
958 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:30:12.22 ID:hAlqkLKF0
260

--ジャングル--

ぎゅうぎゅう

姫「おおー!! じゃあ西の王国と同盟組めたんだねっ!? しかも来年にはうちも国として認められるんだねっ!?」

おおはしゃぎの姫。

参謀長「いやそれよりも姫……なんですかこいつらは」

潜入長(私が潜入してる間に随分と家臣が増えましたね……)

突撃長「これは一体どういうことなのですじゃ姫様」

姫「えっと、ジャングルに落ちてたから拾ったのっ!」

参謀長、潜入長、突撃長「「「犬かっ!!」」」

賭博長「ツインテ様を唯一至上の神とするなら、姫ちゃん様は唯一絶対の王だ。この恩は必ず返すぜぇ。な、研究員?」

?改め研究員「もちろんですよー。生まれて初めて人の温かさを感じた気持ちですー。私は一生姫ちゃん様についていきますよー」

??改めウーノ、???改めドゥーエ、????改めトーレ「「「ロボチガウロボチガウロボチガウ」」」

参謀長(研究員……うわーあいつかー)
959 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/26(日) 21:30:54.06 ID:hAlqkLKF0
もこもこの名前ずっと間違えてたー……orz

次回最終回予定になっております。

それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m



……



テレビ<ぐーりんだいのぽんぽこぴーのぽんぽこなーのちょうきゅうめいののちょ・う・す・け!

トリガー「相変わらずですね久米田先生。かってに改蔵はいまだにバイブルです」

メリー<つまんねーこと聞くなよ!!

トリガー「絶望先生の最終回……すばらしかったですよ」
960 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/08/26(日) 22:27:40.93 ID:hoLtIclAO
乙!!
961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/26(日) 23:05:56.37 ID:E1FzPmguo
調教師ちゃんキター
乙乙
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/08/26(日) 23:42:00.96 ID:AhA15HBK0
乙ー不意打ちとかやってくれるぜ
研究員ってうろ覚えなんだが、人造勇者の開発者がそれかな?
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/27(月) 01:44:39.99 ID:iaUa7niUP
>>959 乙!
更新は月曜日と思ってた。
次回で最終回ということはツインテたちの話に戻るってことだよね!
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/08/27(月) 21:20:40.44 ID:wT6mw74y0
研究員でたwww
絶対なんかトラブルな・・・

不意打ち久々w
965 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/31(金) 23:46:45.07 ID:UcJpdFwT0
こんばんは。最後の8月最後の更新です。

はい、研究員は勇者を研究したり人造勇者つくったりしてました。

主人公がツインテ達に戻るかは……皆様次第です。

では投下を開始します。
966 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/31(金) 23:47:50.42 ID:UcJpdFwT0
261

--ジャングル--

そして一年後。

参謀長「準備はよろしいですか姫」

姫「うんっ! 大丈夫だよっ!! ばっちしっ!! えへへ、どう? 姫ちゃん可愛い?」

姫はふりふりのドレスを着てふわりと回った。

参謀長「あー可愛い可愛い」

姫「ちんちんたつ?」

参謀長「たたねぇよ」

調教師「姫ちゃん様、こちらの準備は整いました」

バジリスク「ぎゃおー」

たしったしっ

調教師がバジリスクの手綱を引いてやってくる。
967 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/31(金) 23:48:26.46 ID:UcJpdFwT0
262

--ジャングル--

姫「よしっ!! じゃあ行ってくるね!!」

潜入長「行ってらっしゃいませ姫様、参謀長さん」

突撃長「お気をつけてですじゃ姫様。参謀長殿の言うことをしっかり聞くんですじゃぞ?」

たんぽぽ星人「へまぁすんじゃねぇぞ」

族長「いい報告を待ってるぞ! 王! サンボウ!」

G「カサカサ」
968 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/31(金) 23:49:21.53 ID:UcJpdFwT0
263

--ジャングル--

賭博師「東の王はきっとかたぶつだが、まぁ、姫ちゃん様ならなんとかなるだろ。調教師も道中気を抜くなよ」

調教師「わかっています我が主」

子供達「「「ひめちゃんがんばれぇーーー!!」」」

姫「おー! がんばってくるぞー!!」

研究員「私が手を加えたそのドレスはー緊急時には防護服にもなりますからねー」

ウーノ「私達が途中まで送っていかなくて本当に大丈夫なんでしょうかですわ」

ドゥーエ「撃ち落とされたりしたら危ないよー?」

トーレ「うん、心配だよね」
969 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/31(金) 23:50:40.38 ID:UcJpdFwT0
264

--ジャングル--

参謀長「調教師がいるから大丈夫だろう。それにそんなに戦力を持っていったら、相手側に身構えられてしまうからな」

姫「だってさっ!! じゃあ行ってくるから留守番よろしくねっ!! しゅっぱーつしんこーー!!」

調教師「かしこまりました。バジリスクっ!」

バジリスク「えっ!? 姫ちゃんまたノーパンッ!?」

どごっ!!

調教師に殴られるバジリスク。

ばさっばさっ

参謀長(……ちょっと不安)
970 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/31(金) 23:51:17.48 ID:UcJpdFwT0
265

--西の王国--

西の王「今日は各国の三強の情報更新日だが、恐らく勘のいい国は気付いているのだろうなぁ」

秘書「えぇ。この短期間で急成長しすぎですからね」

西の王「しかし研究員め、裏切って新しくできた国に移るとは」

秘書「中々侮れない国になってきましたことですし、ここで恩を売っておくのは得策かと」

西の王「あぁわかってる。これからの世界、もっと強くならねばいけないだろうしな」

秘書「……」

西の王「行くぞ秘書。我々同様、東の王国が手を組んだと言われるもう一つの新国家が気になる」

秘書「はっ」
971 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/31(金) 23:53:32.16 ID:UcJpdFwT0
266

--空--

ばさっばさっ

姫「ねーねーさんぼうちょー!」

参謀長「なんですか姫ー。酸素薄いんであんま話しかけないでくださいー」

姫「えっとねー。色々とありがとーねー!」

参謀長「はい? なんですってー?」

姫「いろいろやってくれてありがとーねー!! ちょっと好ましくない作戦とか、裏で色々あったっぽいけれど、それもこれも私を思ってやってくれたんだよねーーー。そのおかげで領土があんなに増えたー!!」

参謀長「はー? 寮母ー??」

姫「りょーどーーー。それと、いっぱい家族が増えた……」

参謀長「あいー?? 聞こえないんで後でお願いしますーー」

調教師(……耳がいいから全部聞こえてしまいました)
972 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/31(金) 23:54:12.23 ID:UcJpdFwT0
267

--北の王国--

北の王「やぁやぁ皆さん一年ぶりですなぁ。お元気してはりましたかー? 今日は遠い所をわざわざありがとうですー」

東の王「……」

北の王「いやー、今回は我が王国から勇者が出てしまったせいで、皆さんをこの国に呼び出さなくてはならんくて、心苦しい限りですわぁ」

東の王「ッ」

見るからにいらいらしている東の王。

西の王「お久しぶりですお二方」

東の王「西の……か。あぁ」

北の王「おぉ! お久しぶりでんがな〜!! 最近景気はどうでっか〜?」

西の王「まぁまぁですね。後の二人はまだ来ておられないのですか?」
973 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/31(金) 23:55:00.80 ID:UcJpdFwT0
268

--北の王国--

ザっ

?「遅れて申し訳ない」

東の王「!」

北の王「お〜! これはこれは、南の王様! お待ちしてましたで〜。と言っても約束の時間までまだありますさかい、ちっとも遅くなんてないでっせ!」

?改め南の王「そうですか、それはよかった」

東の王(あいつは確か……行方不明になっていた南の三獣、鷲男。亜人王が死んでその代わりを引き継いだのか)

北の王「これであと一人、王国の王様の到着を待つだけでんな〜」

南の王「王国の王は私とほぼ同じくして到着していましたよ。もうすぐ来るのではないですか?」

北の王「ありゃ、一緒に来られたんでっか? ならもう少し待ちまひょ」

かつんかつん

??「おや、もしや私が最後でしたかな? これは申し訳ない」
974 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/31(金) 23:55:55.42 ID:UcJpdFwT0
269

--北の王国--

北の王「王国の王さん!! よくぞいらっしゃいました〜!!」

??改め中央の王「いやぁ、私初めて北の国に来ましたが、すばらしい景色ですな。一目で気にいりましたよ。はっはっはっ」

東の王(たかだか大臣風情がいまや一国の王か)

南の王「全員そろったようですね」

西の王「えぇ」

北の王「それでは会議所にご案内いたします〜」

ざっざっ

五人の王は城の中へと入っていく。
975 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/31(金) 23:56:23.22 ID:UcJpdFwT0
270

--北の王国、待合室--

姫「うえー……無事着いたはいいけど寒いよこの国ー……」

姫はがくがくと震えている。

参謀長「そりゃそれだけ露出の高い服着てれば……」

姫「だって我が王国の民族的伝統的衣装だって突撃長がいっいっぶええっくし!!」

びしゃばちゃ!!

調教師「ふえぇ……」

姫「うぅ……お腹も冷えてきたぁ……」

参謀長「……王が列挙してる席で下痢を漏らしたりしないでくださいね……?」

姫「うぅ……」
976 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/31(金) 23:56:50.93 ID:UcJpdFwT0
271

--北の王国、待合室--

???「やれやれ落ち着きが無い娘なのー」

女性はそう言うと魔力を掌に集めた。

参謀長「……ん?」

???「無属性防御魔法、魔力衣」

ほややん

姫「お!! なんか寒くなくなった!?」

???「魔力のベールで外気との壁を作ったなの! これで寒さとは無縁でいられるなの」

姫「ありがとうお姉ちゃんっ!!」

参謀長(あれ? こいつもしかして)

???「どういたしましてなのっ!!」
977 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/31(金) 23:57:16.50 ID:UcJpdFwT0
272

--北の王国、待合室--

姫「ところでお姉ちゃん誰っ!?」

???「私のこと知らないなの? 私結構有名なのに……頭ひやそうか?」

調教師「!! まさか五柱の魔導長様!?」

???改め魔導長「ぴんぽんぴんぽん大正解なの〜」

参謀長(うわぁやっぱか……)

調教師「魔導長様がなぜこんなところに……」

魔導長「それはねぇ、きっと君達と同じなんじゃないかな〜って思うなの!」

姫「えっ!?」

ガチャ

秘書「姫様、どうぞこちらに。皆様の前にお越しください」

姫「あ、来た」
978 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/31(金) 23:57:51.16 ID:UcJpdFwT0
273

--北の王国、待合室--

姫「じゃあ行ってくるね参謀長!!」

手をぶんぶん振るう姫。

参謀長「お、おう、頑張ってください」

魔導長「あれ?」

魔導長は参謀長を凝視している。

魔導長「……どこかで私、あなたとあったことある? なの」

参謀長「いっ、いやいやそんなことないです私とあなた初めて会ったですなう」

調教師(あからさまに動揺しているっ!?)

魔導長「ふ〜ん?」

いぶかしげな表情な魔導長。
979 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/08/31(金) 23:58:50.46 ID:UcJpdFwT0
274

--北の王国--

ドアの前で立ち止まる姫。

姫「……」

秘書「どうしました?」

姫「いや、ちょっと、さすがに緊張しちゃってるっていうか、感慨深いっていうかっ!」

秘書「そうですか」

姫「……うん!」

姫は顔をあげる。

姫(やるよみんな! 私の、私達の一世一代の大勝負の始まりだっ!!)

ぎぃ


この日、中央、東、西、南、北の王国連合に、二つの王国が加わった。

ざっ

その一つである黄金王国の王、姫は、

ざっ

姫(よしっ!!)






ブリブリブリブリブリブリブリッ!!!!

王達の目の前で盛大に下痢をぶちまけた。



       黄金王国戦略侵略記
            完
980 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga]:2012/09/01(土) 00:02:15.04 ID:mKxkWM6H0
テレビ<胸の奥が高鳴ーるー熱い声に気付いーたーらー

トリガー「ピーエーワークスいいよね。true tearsの頃から大好きだったんだー。このアニメは男キャラもいいよねー」

アイリ<その歌を聞いて、あの子が私を思い出すの  

トリガー(あんた……あの花でも死んでたやないか……)

縁<若菜には内緒な 

トリガー「……」←ガン泣き

五月田根<捨てちゃった……!

トリガー「うぅ……今期の覇権だと思いましゅでしゅ……えぐっ」




さてどうにか終わりました。が、皆様に二つ安価があります。


安価A・最終章、勇者と魔王がアイを募集した、の主人こ……げふげふん!……流れを決める大事な選択肢です。かなり内容が変わってしまうので、選択肢が何を示しているのか、考えていただけたら幸いです。

1・ピカピカの宝石。
2・三本の枝。



安価B・更新の仕方についての質問です。どちらがいいかお願いします。※遅れることもあるかもしれません。

1・今までどおりの週一20レス更新。
2・毎日もしくは月水金の10レス更新。



それでは995レス目までにお多い方にしたいと思います。

なお次スレのための書き溜め時間が欲しいので、995レス目に到達したら、しばらくこのままにさせてください。
時期がきましたら次スレを立て、ここに次スレのことを書きこみたいとおもいます。

それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m

981 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/01(土) 00:16:46.88 ID:aRtsESUUo
姫それでいいのかwwwwwwwwwwww
982 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/09/01(土) 00:20:49.32 ID:aRtsESUUo
おっと安価忘れてた
A2B2

でも更新ペースは1の都合がいい感じでいいんだぜ
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/01(土) 00:38:37.48 ID:cNFKXTiwP
>>980 乙!
いろんな意味で姫と黄金王国は有名になったな

A とりあえず2。できれば1も。欲を言えば追加で3。
B ゆっくりで良いので1
984 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [bogey@mx2.tees.ne.jp]:2012/09/01(土) 00:45:46.91 ID:BEh8GcNN0
乙です!
Aは1、Bも1でお願いします
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/01(土) 01:12:31.88 ID:2Boj3diho
A2 Bはどちらでも
986 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) :2012/09/01(土) 02:43:23.57 ID:Hx6tEm3z0
最終章は貧乳さん&盗賊が主人公かと思ってた…
Aは2でBはゆっくり書いて欲しいから1で!
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/09/01(土) 07:37:54.78 ID:ayYFrqZEo
乙〜

A1
B1
かな
988 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/01(土) 07:46:44.25 ID:EM1BMxvDO
A1B1
989 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/01(土) 08:35:28.83 ID:1O9nylNvo
A2できれば両方
Bは都合がいいほうで
990 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/01(土) 16:20:12.08 ID:dlxtSRtI0
A1B1
991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(熊本県) [sage]:2012/09/01(土) 19:14:49.17 ID:6Ere96YEo

A1B2で
992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/01(土) 20:14:24.40 ID:4BsP1V9g0
乙!!

A2B2で!
でも重荷になるならもっとゆっくりやっても大丈夫だよー

A2は三本だからツインテ達だよね?
宝石は・・・
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/01(土) 22:15:38.55 ID:i0LjX3npo
A1B2
994 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/02(日) 01:07:59.01 ID:31P3vPHZ0
A1B2
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/02(日) 06:36:05.43 ID:0tbwU9nDO
A2できれば我が儘だけど、これは正直両方読みたい
B2けど、無理はなさらずに
996 :  [sage]:2012/09/03(月) 01:01:46.59 ID:2l23upvrP
A1B2
続き楽しみにしてます!
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/04(火) 12:46:11.48 ID:etQ0eEsIO
A2(出来れば両方)
B2

だな
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/09/04(火) 12:57:45.89 ID:y4fOpbndo
>>980
>>980
>>980
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/09/13(木) 07:37:43.23 ID:I9BMKKPDO
ご無沙汰しております。たくさんの安価ありがとうございました!
えと申し訳ないのですが、一応有効なのは995までということにさせていただきます。
しかし、同数表ですか。また面白いことになりました。これはCに行けということなのでしょうか……?



本来ならもうとっくに再開していていいレベルなのですが、不測の事態が発生してしまいました。今月はもうssに手がつけられる状況にありません……。

なので申し訳ないのですが、今しばらくこのままお待ちください。1000レス目にリンクを貼りたいと思います。もしこのスレが流れてしまうようなことがあればブログにurlを載せるつもりですが、出来ることなら999のままでお願いしたいです。

再開予定日は早ければ9/29、何も無ければ10/1、遅くとも10/5となっています。

それではまた会える日まで……皆様お元気で。


1000 :Qw0 ◆7b3JfpIY/2 [saga3]:2012/10/01(月) 21:48:27.96 ID:fhGCYRkA0
皆様お久しぶりです。残しておいていただきありがとうございました!!

A 7:7
B 6:6

同表……どちらでもないルート……まさかこちらでさえ考えてなかったCルートを選んでくるとは思いもしませんでした。
というわけで、多少手心を加えて謎のCルートを爆走しようと思います。


それでは……長きに渡って続いてきました募集シリーズ、最終章、
勇者と魔王がアイを募集した
を始めたいと思います。
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349094513/

それでは皆様よろしくおねがいします。
1001 :1001 :Over 1000 Thread
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1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
P「千早と雪歩だと…」 @ 2012/10/01(月) 21:39:26.81 ID:ydmj7l4c0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349095166/

勇者と魔王がアイを募集した @ 2012/10/01(月) 21:28:33.22 ID:fhGCYRkA0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349094513/

上条「安価の前じゃ主人公補正なんてなんも意味がない……」ルチア「ですね」 @ 2012/10/01(月) 21:27:43.71 ID:VITzYDxI0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349094463/

【咲安価】京太郎のサクセス @ 2012/10/01(月) 21:25:09.89 ID:+XOJKsGAO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349094309/

極悪人「レイプしてやろうか?」  お嬢様「ええっ!?」 @ 2012/10/01(月) 21:21:32.43 ID:og91ikSP0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349094092/

【Fate】ペルソナ使い「安価で聖杯戦争」【コンマ】 @ 2012/10/01(月) 21:11:15.10 ID:IxwoJr2d0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349093474/

【安価・コンマ】境界線上のホライゾンTRPG【X】 @ 2012/10/01(月) 21:07:27.68 ID:xSWKIJ5po
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349093247/

ここだけ学園都市と酷似した空間。コンマゾロ目で能力性能が上がる 12 @ 2012/10/01(月) 21:00:51.52 ID:0u4HuOiso
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