魔法少女学-1限目〜黎明期〜 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 ：インキュベーター ：2012/01/17(火) 22:47:25.50 ID:bqvSXGbp0

・とりあえず、1が入院中に書いたぶんの投稿です。それ以降は書いておりません。
・評判により2限目以降を考えます。
・遅筆です。
・きゅっぷぃ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1326808045（SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中！）

1.5 ：荒巻＠管理人★(お知らせ) [Twitter]： ID:???

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渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 ＠ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
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二次小説の面白そうなクロス設定 ＠ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 ＠ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする（´；ω；｀）part56 ばばあ化気味 ＠ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 ＠ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
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笑えるな 君のせいだ ＠ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 ＠ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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2 ：インキュベーター ：2012/01/17(火) 22:47:54.28 ID:bqvSXGbp0

ほむら「放送が終わって、もうすぐ一年も経つのね」

キュゥべぇ「早いものだね。当時は『血だまりスケッチ』だの『マミった』だの賛否両論だったけど」

ほむら「途中、放送自粛なんてこともあったわね」

キュゥべぇ「いや、あれはテレビ全体が自粛してただけだから」

ほむら「それが今やゲーム化、カプセルトイ化、映画化の大ヒットアニメよ」

キュゥべぇ「わけがわからないよ」

ほむら「それ言いたいだけでしょう」

キュゥべぇ「ただゲーム化カプセルトイ化映画化は昨今そう珍しくないんだけどね」

ほむら「それはともかく、よ」




ほむら「キュゥべぇ。いえインキュベーター。アナタは勉強不足過ぎるわ」

キュゥべぇ「……暁美ほむら。今に始まったことじゃないが、キミは藪から棒に、はっきりひどいことを言うね」

ほむら「そもそも何？　アナタの文明は感情をエネルギーにする技術を手に入れた？　なによそれ」

キュゥべぇ「ちょ、そういう文句はウロブチに言うべきじゃないのかな」

ほむら「神に文句を言うほど私は愚かじゃないわ。これを見てみなさい」

3 ：インキュベーター ：2012/01/17(火) 22:57:00.05 ID:bqvSXGbp0

＜[たぬき]42巻＞

キュゥべぇ「これは……ボクのライバルの漫画じゃないか」

ほむら「別にそう思うのは勝手だけどね」




『感情エネルギーボンベ』

　怒りエネルギーを吸収し、そのエネルギーを利用してお湯を沸かしたり電気を点けたりできるという道具。
　物語では、

のび太「ラジコン貸して^^」
スネ夫「電池もったいないから駄目」
のび太「どらえも〜んT_T」

　そしてのび太が[たぬき]に泣きついて、この道具…という流れ。



ほむら「劇中では電池にエネルギーを入れたりお湯沸かしたりというひどく小規模なものだけど、理屈としては、人間の『怒り』からエネルギーを回収するという理屈は『絶望』から生まれた魔女からエネルギーを回収する、アナタの文明の『魔法少女システム』と技術・原理はほぼ同じだわ」

キュゥべぇ「……そう、かもしれない」

　この道具では、何回かのジャイアンの怒りで満タンになるほどの小さい容量だが、技術としてはこの[たぬき]世界での未来世界では確立されており、もっと大規模のもの……現代の発電所クラスのものが建造されている可能性もある。

キュゥべぇ「かもしれない。けどでもこれは漫ｇ」

ほむら「私達もね」

キュゥべぇ「」

ほむら「あなたの星がどれだけ文明が進んでいるかは知らない。でも、地球には既にこういう技術が“考案”されているのよ。
　それをアナタたちは何十年何百年前から地球人の女の子をいちいちいちいち……」

キュゥべぇ「待ってよ！　今日はその説教のためにここに呼んだのかい？！　ほら、グランドキャニオンバーガーも来たし、ポテトも来たし！　冷めたポテトなんて食べられたものじゃないよ」

　※筆者はこの時点でステロイドを35mg/日摂取しているため、過度の食事ができません。マック行きたいです。


ほむら「……そうね。今日は、勉強不足のアナタに、この地球の“正しい”魔法少女について教えようと思ったの」

キュゥべぇ「！　…へえ、それはありがたい」

4 ：インキュベーター ：2012/01/17(火) 23:06:42.18 ID:bqvSXGbp0

＜魔法少女史＞



-黎明期・はじまりの魔法少女-



ほむら「まずは、魔法少女の誕生から話していこうかしら」

キュゥべぇ「それは興味深いね」

ほむら「時代で言えば、1960年代…もう50年前ね」

キュゥべぇ「やれやれ、半世紀前かい。アニメ自体もまだ黎明期だった頃だね」

ほむら「そうね。発祥は、海外ドラマ『奥さまは魔女』よ」

キュゥべぇ「魔女」

ほむら「そこ、反応しない。日本でこのコメディドラマが男女問わずヒットしたことで、アニメーション会社『東映動画』が思ったの」



『少女向けアニメを作ったら売れるんじゃないか？』



ほむら「それまでは鉄腕アトムなど、どちらかといえば少年向けのものしか無かったの。そして生まれたのが、『魔法使いサリー』よ。アナタも聞いたことくらいは無いかしら」

キュゥべぇ「あれ？　僕が地球の文献で観たときは『魔法使いサニー』だったような」

ほむら「……変なところで目ざといわね」

キュゥべぇ「褒め言葉として受け取っておくよ」

ほむら「たしかに、原作は横山光輝の『魔法使いサニー』よ。ただ『東映動画』がアニメ化する際、ある問題があったの」

キュゥべぇ「問題？」

ほむら「既にこの時点で、日産という自動車メーカーが同名の車を発売していたの」

キュゥべぇ「……やれやれ。版権問題というわけかい。まったくこの惑星の人間ときたら」

ほむら「これに関しては反論の余地がないわ。だから、さっさと次に移るわ」

キュゥべぇ「ところでこのころはまだ、魔法少女という言葉もなく、『まだ『魔女っ子』と呼ばれていたわ。まぁ講義の便宜的にここでは『魔法少女』と呼ばせてもらうけど」

5 ：インキュベーター ：2012/01/17(火) 23:12:51.75 ID:bqvSXGbp0

・魔法使いサリー（夢野サリー）



キュゥべぇ「ところで、この魔法少女の始祖はどのような能力を持っていたんだい？」

ほむら「魔法よ」

キュゥべぇ「……僕はその魔法の内容を聞いたつもりなんだけどね」

ほむら「それ以外に表しようがないというのが事実ね。人智を越えた不思議な力、箒で空を飛ぶ、物をテレポートさせる、ある物体あるいは生物を別の存在に変身させる、または自身も自身以外の姿に変身させられる……などかしら」

キュゥべぇ「それはそれは」

ほむら「ただ今の『魔法少女』と決定的に違うのは、『変身』が無いことね。普段の状態から、アイテムもしくは何も使わずに、魔法を使用しているわ」

キュゥべぇ「能力だけを見れば万能だね」

ほむら「夢野サリー自体の目的は人助けであり敵対する存在がないから、戦闘能力は未知数」

キュゥべぇ「それだけの能力を持ちながら目的は人助けだなんて、もし契約できたらさぞ膨大な」

ﾀｰｰ-ﾝ


　 　 　 　 |＼　　 　 　 　 　 ／|
　 　 　 　 |＼＼　　 　 　 ／／| 　　　
　　　　 　 : 　,>　｀´￣｀´　<　 ′
.　　　　 　 Ｖ　 　　◎　 　 　 Ｖ　　　
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　　　　 　 八　 　 ､_,_, 　 　 八 　
. 　 　 　 /　个 . ＿　 ＿ . 个 ',　　　
　　　＿/ 　 il 　 ,'　　　 '.　 li　 ',＿_




　………。
　……。
　…。

キュゥべぇ「やれやれ。また機数が減ったよ」

ほむら「ところで、この『魔法使いサリー』もだけど、昔の『魔法少女』モノに存在したのは、物語の舞台である世界――多くは『人間界』だけど――とは異なる世界、いわゆる『魔法の世界』よ」

キュゥべぇ「僕らの母星のようなものだね」

ほむら「全然違うわ――……と言いたいところだけど、あながち間違ってはいないかもしれないわね。特にこの頃は最近のアニメのように、『魔法の世界』に細かい設定があるわけでもないし、ただ漠然と、“人智を越えた不思議な力が存在する世界”があるだけだったから」

キュゥべぇ「『魔法使いサリー』では、『魔法の国』って名前なんだっけ」

ほむら「そうね。『魔法使いサリー』は“『魔法の国』から『人間界』で修行を積むためにやって来た魔法少女”というお話……この設定は、後々の『魔法少女』でも多く使われることになるわ」

6 ：インキュベーター ：2012/01/17(火) 23:17:07.98 ID:bqvSXGbp0

-魔法の代償-



ほむら「魔法使いサリーの最終回で学校の火事を消すために魔法で雨を振らせてたけど、あれは例外中の例外ね。」

キュゥべぇ「どこぞの青いのが「奇跡も魔法もあるんだよ」って言ってたけど、本当に奇跡だよね。奇跡に払う代償もないし」

ほむら「無い…こともないわ。昔の『魔法少女』は、“自身の魔法の使用が普通の人間にばれると、人間以外の姿に強制的に変えられる”、“『魔法世界』に戻らなくてはならない”などなんらかの『デメリット』があった。これが、あなたのいう『奇跡の代償』かしら」

キュゥべぇ「……なんか微妙な代償じゃないかな。人間以外の姿に強制的に変えられる、というのは人間としての死を意味するのだとするならデメリットとして十分だけど」

ほむら「まぁ、『代償』というより、単に“魔法も使いたい放題じゃない”ということを視聴者に示すための制限……『戒め』と言えるかもしれないわね」

7 ：インキュベーター ：2012/01/17(火) 23:27:44.94 ID:bqvSXGbp0

・ひみつのアッコちゃん　



キュゥべぇ「これは聞いたことがあるよ。あのフジオ・アカツカが描いた魔法少女なんだっけ」

ほむら「そうよ」

キュゥべぇ「あ。そういえば『魔法少女サリー』の原作者も…」

ほむら「ええ、『三国志』や『鉄人28号』などで有名な横山光輝先生ね。この頃の漫画家は、いろんなジャンルを描いてるのよ」

キュゥべぇ「なるほどね」

ほむら「ただこの頃の『魔法少女』は定義が曖昧で、使える魔法も限られていたわ。主に使われていた能力は、『変身』よ」

8 ：インキュベーター ：2012/01/17(火) 23:40:56.36 ID:bqvSXGbp0

・変身



キュゥべぇ「ゴーカイチェンジとか宇宙キターってやつだね」
ほむら「違うわ」

キュゥべぇ「渾身の冗談を8バイトで蹴らないでほしいな」

ほむら「スルースキルを発動するわ。……自身の望む姿に姿を変える。小さなことのように見えるけど、それはそれで、十分な魔法よ」

キュゥべぇ「うーん……それもそうか」

ほむら「『変身』といっても戦闘目的ではなく、目的のためのいわゆる“変装”が主なの」

キュゥべぇ「変装かい？　それだけ言うと、魔法少女じゃなくても、誰でも出来そうな気がするね」

ほむら「一応この『魔法』は、魔法の国から貰ったアイテムを使用することで発動するわ」

キュゥべぇ「へえ。そのアイテムってなんだい」

ほむら「“コンパクト”よ。これは、後の『魔法少女』でもちょくちょく出てくるアイテムだから、アッコちゃんのそれは始祖と言ってもいいわ」

キュゥべぇ「コンパクト……よく成人女性が持っている手鏡だね。まどかの母親のカバンに入っているのを見たことがあるよ」

ほむら「――そう。いいこと言ったわね」

キュゥべぇ「池上彰は今更だよ？　2012年だよ？今」

ほむら「成人女性、つまり大人、これがキーポイントなの」

9 ：インキュベーター ：2012/01/17(火) 23:42:46.28 ID:bqvSXGbp0

　基本的に魔法少女――女の子向けアニメのメインターゲットは小学生。



　少なくとも、この頃は。

　この頃の女子の多くは“大人”に憧れを抱いている。そのため、大人の女性のアイテムである“コンパクト”が、変身アイテムに選ばれたのだ。

キュゥべぇ「なるほどね。ただギャグ漫画家が「これでいいのだ！」って思いついただけじゃないんだ」

ほむら「その可能性も否定できないけど……――当時、母親のコンパクトをこっそり借りて、アッコちゃんごっこで遊んだ……なんて話も聞くわ」



　言っておくけど、このころの『魔法少女』はまだ、視聴者（女の子）の願望を叶えるための存在なの。

　決して、大きいお友達イヤッホォォォォォウ！！な狙いじゃないんだから。

10 ：インキュベーター ：2012/01/17(火) 23:46:25.20 ID:bqvSXGbp0

ほむら「というわけで、今回の講義は終了するわ」

キュゥべぇ「え、これで終わりかい？」

ほむら「今回は第一回目だし、ポテトも無くなったことだしお開きにするわ」

キュゥべぇ「……ボクはポテトすら全然食べれなかったよ。別にいいけどさ」

ほむら「じゃあキュゥべぇ、次の講義を受けたかったら、教室にロッテリアかガストあたりを用意することね」

キュゥべぇ「……軽食屋ばかりだね。というかキミの押し付けがましさには呆れを通り越して感服するよ」

ほむら「それほどでもないわ」

キュゥべぇ「褒めてないよ」

11 ：インキュベーター ：2012/01/17(火) 23:53:22.93 ID:bqvSXGbp0

　1限目終了
　先月いきなり神経レーチェット病診断をうけて入院中に、外出して持ってきたノートPCで書いてました。
　書きためた分はここまでにため、授業は終了します。
　以降は評判がありましたら書くという流れで、一応退院はした1は薬の副作用とのリハビリ生活に戻ります。
　マック行きたいです。
　きゅっぷぃ

12 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岐阜県) ：2012/01/18(水) 00:55:54.75 ID:6+JXDckn0

>>1乙

13 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]：2012/01/19(木) 05:10:14.91 ID:93gC9esL0

期待

14 ：インキュベーター ：2012/01/19(木) 23:55:07.88 ID:WD0bRzSa0

　1です。リハビリしてました。

>>12
>>13
　もう少し頑張ってみます。が遅筆なので、2限目上げるのは明日以降になると思います。

15 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/01/20(金) 00:01:06.71 ID:1RvBxeLG0

リハビリ無理せずがんばって

16 ：インキュベーター ：2012/01/20(金) 21:56:16.30 ID:Gw7XuWrx0

　今思えば、スレッドのタイトルは『魔法少女学』だけにしておいて、1限目はサブタイトルにすればよかったです。
　それでは2限目。ぼちぼち進めます。

17 ：インキュベーター ：2012/01/20(金) 22:06:12.84 ID:Gw7XuWrx0

キュゥべぇ「センター試験も終わったね」

ほむら「受験生は一段落と言ったところかしら」

キュゥべぇ「試験が上手くいかなかった人や、2次試験控えてる人も、ボクと契約すれば、無線通信でカンニングもバッチリさ」

ほむら「…無事に大学生活を遅れるかは疑問だけれどね」

キュゥべぇ「そう言いながら撃鉄を起こさないでくれないかな。しかも左手でチキン食べながら」

ほむら「ロッテリア……問題ないチョイスね。さすがはインキュベーターと言ったところかしら」

キュゥべぇ「僕のほうは、キミはハンバーガーものを頼むと思ってたら、放課後ティータイムセットを頼むだなんて、わけがわからないよ」

ほむら「オマケがついてる期間限定モノには弱いのよ」
※当然ですが筆者は見かけただけで行ってません。ぐっと我慢です。

18 ：インキュベーター ：2012/01/20(金) 22:43:24.90 ID:Gw7XuWrx0

ほむら「それで、２限目を受講希望というわけね」

キュゥべぇ「僕としてももっと勉強したいし、わずかだけど期待してくれてる人もいるみたいだしね」

ほむら「いいわ。では講義を始めましょうか。フライドチキンも食べ終わったことだし」

キュゥべぇ「……早いね」



〜魔法少女学〜　2限目-揺籃期-

19 ：インキュベーター ：2012/01/20(金) 23:09:22.85 ID:Gw7XuWrx0

ほむら「前回紹介した『魔法使いサリー』、そして『ふしぎのアッコちゃん』以降、しばらく東映動画で『魔女っ子もの』が続くことになるわ」

キュゥべぇ「いわゆるシリーズものだね。今で言うなら日アサの8：30台かな」

ほむら「そうね。ただ、次の『魔法のマコちゃん』は少し異色なの」

キュゥべぇ「異色？　どういうことだい？」

ほむら「少し魔法少女、いえ魔女っ子とは異なるのよ。それまでの……というほどこの時点では数はないけど」

20 ：インキュベーター ：2012/01/20(金) 23:11:53.14 ID:Gw7XuWrx0

＜魔法のマコちゃん（浦島マコ)＞



ほむら「堀江美都子さんの主題歌が有名だけど、作品は知らないって人も多いんじゃないかしら」

キュゥべぇ「そもそもボクは作品自体知らなかったよ。それにしてもこの浦島マコって子は……バレーボールと共にナンバーワンになりそうだね」
＼ｶﾞﾁｬﾘ／
ほむら「それ以上は禁句よ。――まずこのマコは、人間じゃないの」

キュゥべぇ「夢野サリーと同じく、魔法の国から来たのかい？」

ほむら「異世界ではないわ。海よ」

キュゥべぇ「へぇ。浦島マコは侵略者だったのかい」
ほむら「違うわ」
キュゥべぇ「わかってるよ」

ほむら「マコは、深海の国の姫で、人魚よ。たまたま海上に出て助けた人間の男に恋してしまうの」

キュゥべぇ「…………あれ？」

ほむら「人魚に戻れないことを覚悟して人間になったマコは、地上に出て人間の世界でその男を探すの」

キュゥべぇ「あれ？あれ？」

ほむら「…気づいたようね」

キュゥべぇ「最後はマコは男と結ばれず、泡となって消えるのかい？」

ほむら「アナタにとっては残念だけど、きちんと男と結ばれてハッピーエンドよ。――でも、お察しの通り、これは童話『人魚姫』をベースとしているわ。一応魔法少女要素としては、父親である竜王から、魔法のペンダントは貰っているけど、能力はさしあたって目新しいものでもないので割愛するわ」

キュゥべぇ「へぇ、竜王ってことは父親は世界征服を企む魔王だったのかい」
ほむら「違うわ」

キュゥべぇ「……さっきもだけど、人のボケを三文字で雑に叩き落すのは止めてくれないかな」

ほむら「（…人じゃないでしょう…）――じゃあ、今後は完全に無視することにするわ」

キュゥべぇ「それは困るな」

ほむら「なら受け入れることね」

キュゥべぇ「(´・ω・｀)」

21 ：インキュベーター ：2012/01/20(金) 23:13:17.10 ID:Gw7XuWrx0

＜さるとびエッちゃん（猿飛エツ子）＞



ほむら「次番組はこれよ」

キュゥべぇ「魔法の文字が無くなったようだけど」

ほむら「主人公であり、魔女っ子ポジションの小学生・猿飛エツ子は自称・猿飛佐助の33代目の子孫なの」

キュゥべぇ「魔女っ子じゃないよね？　猿飛佐助って魔法少女と全然関係ないよね？」

22 ：インキュベーター ：2012/01/20(金) 23:19:24.06 ID:Gw7XuWrx0

-猿飛の能力-



ほむら「人並み外れた運動神経、そして怪力、動物との会話が可能。接近戦での能力は高そうね。流石は伝説の忍者の末裔と言ったところかしら」

キュゥべぇ「だから魔法少女関係ないよね」

ほむら「最後まで聞きなさい。注目すべきは転校してきた彼女といつも一緒にいる犬・ブクよ」

キュゥべぇ「…？　この犬がどうかしたのかい？」

ほむら「魔法少女といえば、魔法少女と一緒にいるお供――いわゆる『マスコット』の存在が不可欠なのよ。ケロちゃんにしろハミィにしろ、……一応アナタにしろ、ね」

キュゥべぇ「！」

ほむら「そして彼らは一様に人語を介し、魔法少女を時にサポートし、時に足を引っ張ったり、場を盛り上げるわ」

キュゥべぇ「……なるほどね。つまり、その犬が……」

ほむら「この『さるとびエッちゃん』以前にも、主人公のお供のペットはいたわ。でもそれほど出張っているわけでもないわ。でもこのブクは違う。なにしろ声が永井一郎さんよ」

キュゥべぇ「NAMIHEI？！　全然イメージ違うんだけど」

ほむら「今のマスコットとは、ね。声も外見も違うけど、でも『マスコット』の原型は、ここで生まれたのは事実よ」

キュゥべぇ「つまり……彼が、ボクのご先祖というわけかい」

23 ：インキュベーター ：2012/01/20(金) 23:32:10.71 ID:Gw7XuWrx0

＜魔法使いチャッピー（チャッピー・ハンスト・シャルル・グリム・アンド・イソップ・エトセトラ）＞



ほむら「『さるとびエッちゃん』の次に現れた魔法少女が、彼女よ」

キュゥべぇ「――。カッコ内ってことは、名前、だよね。なんか後半英語の文章みたいになってるけど」

ほむら「本名よ」

キュゥべぇ「……ゼロのルイズなんてメじゃないね。――しかし、こんな名前ということは、彼女も人間ではないんだね」

ほむら「ご明察。彼女も『魔法の国』から、弟とペットと共に人間の世界にやって来ているわ」

キュゥべぇ「……ひょっとして、これまで紹介した魔法少女達は、同じ世界の出身だったりするのかい？」

ほむら「残念ながら、そういう描写もないし、東映まんがまつりで共演ってことも無いわ」

キュゥべぇ「やれやれ。こう『魔法の国』が続くと、世界観が共通と錯覚しそうだよ」

24 ：インキュベーター ：2012/01/20(金) 23:35:53.36 ID:Gw7XuWrx0

-安定した能力-



ほむら「基本は変わらないわ。バトンを振り回すことで、不思議な魔法を使えるわ」

キュゥべぇ「また不思議な魔法かい。『魔法使いサリー』から、変化のない魔法少女だね」

ほむら「1限目に言ったでしょう。このころの『魔法少女』は、”視聴者（女の子）の願望を叶えるための存在”だって。女の子の願望は強さじゃないわ。
　悪と戦うわけでもなければ、新しくなるたびに新たな力を必要とするわけではないの。この中にはバッタの改造人間も、二人が一人になる超人も、変身する忍者も、良心回路に苦悩する人造人間も必要しないの。
　……ただ、人気は『サリー』や『アッコちゃん』ほど盛り上がらなかったようね。それまで続いていた東映動画の魔女っ子シリーズは、ここで一旦途切れて、次番組は『バビル2世』に移行するわ」

キュゥべぇ「魔女っ子は不人気という絶望によって神へと挑む塔へと姿を変えた、というわけかい」

ほむら「……不人気だったかどうかは知らないけど、魔女っ子シリーズは『バビル2世』の次に『ミラクル少女リミットちゃん』で復活するわ」

キュゥべぇ「なんだい終了でもなんでもないじゃないか。じゃあ次はそのミラクル少女とやらを紹介してくれるのかい？」

ほむら「いいえ。…再び始まった『魔女っ子シリーズ』とは別に、魔法少女の世界に新たな風を吹き込んだ存在がいるの」

25 ：インキュベーター ：2012/01/20(金) 23:43:04.64 ID:Gw7XuWrx0

＜キューティーハニー（如月ハニー）＞



キュゥべぇ「これはさすがにボクも知ってるよ。…ただ、そもそもこれ、女の子向け作品じゃ…」

ほむら「……まぁその辺りは微妙なところだし、そもそも彼女を魔法少女と位置づけるのも疑問なんだけどね」

キュゥべぇ「？　なにか引っかかる言い方だね」

ほむら「彼女サイボーグなのよ。人間でも、『魔法の国』の住人でもないわ。
　……ええ、何故ここで採り上げたのか？って疑問に持つのもわかるわ。でも、彼女にも、今の魔法少女に繋がる重要なポイントがあるの」

26 ：インキュベーター ：2012/01/20(金) 23:44:39.32 ID:Gw7XuWrx0

-元祖・戦うヒロイン-



ほむら「スイプリならマイナーランド、私達なら魔女…のように、今の魔法少女には敵がいて、それらとは戦いが生じているわ。『キューティーハニー』以前は、戦いは男の役目、女の子は戦いなんてしないーーというのが当たり前だったの」

キュゥべぇ「なるほどね。ここで、魔法少女に『戦闘』という要素が付いたわけか」

ほむら「まぁ本格的に魔法少女が戦闘能力を持ち始めるのはずっと先だけどね」

キュゥべぇ「( ﾟωﾟ)」

27 ：インキュベーター ：2012/01/20(金) 23:59:19.62 ID:Gw7XuWrx0

-サイボーグの能力-



キュゥべぇ「そういえば、キューティーハニーは魔法の力はないけど変身するんだっけ」

ほむら「『ハニーフラッシュ』って掛け声での変身はあるけど、あれは魔法ではなく空中元素固定装置という装置よ」

キュゥべぇ「……やれやれ、装置ときたかい。ちなみに、彼女の能力――いや、装備と言ったほうがいいか。どんなものがあるんだい？」

ほむら「腕のリボンのハートを変形させて放つ射撃武器・ハニーブーメラン。接近戦用の長剣・シルバーフルーレ……こちらは剣先から光線や炎を出すことも出来るわ。あと、首元のチョーカーからハニービームという必殺光線を」

キュゥべぇ「……どこのメタルヒーローだい…？」

28 ：インキュベーター ：2012/01/21(土) 00:25:31.08 ID:GdghnwuB0

ほむら「…ここで挙げるのはこれくらいかしら。それにしても、生徒がアナタだけじゃ少し物足りないわね」

キュゥべぇ「そうかい？」

ほむら「もう一人くらい生徒が欲しいんだけど、たとえばまどかとか、まどかとか、まどかとか……///」

キュゥべぇ「…うん、言うと思ったよ。暁美ほむら、キミはその点に関しての考えは非常にわかりやすく、読みやすいよ。それにしても、キミは、鹿目まどかを魔法少女に契約するのには断固反対していたのに、この講義には勧誘するんだね」
ほむら「当たり前じゃない」
キュゥべぇ「……。」

29 ：インキュベーター ：2012/01/21(土) 00:32:25.88 ID:GdghnwuB0

　と、ここで2限目を終了します。
　相変わらずステロイドの副作用は酷く、それとは別にリアル失敗をしてしまい、そのせいか病気の時のような頭痛をぶり返したりしています。

>>15
　ありがとうございます。リハビリ頑張ります。

30 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]：2012/01/22(日) 01:11:37.77 ID:juPBdWL70

乙っした!
>>9を読んで思ったけど、まどかの「人の役に立ちたい」ってのはある意味で「大人への憧れ」とも取れるのかな、と。
そう考えると、まどかの変身時のコスチュームが一番「魔法少女」っぽいのはある意味当然だったんだろうか、とか。

31 ：インキュベーター ：2012/01/22(日) 19:36:43.67 ID:UvH0sg/80

>>30
ありがとうございます。

ほむら「ハンバーガーの無料券貰いに行く前に覗いたけど……たしかに、言われてみるとそうかもしれないわね。まどか以外の魔法少女のコスチュームも、それぞれの想いが具現化したもの、として考察するのも面白いかもね」

32 ：VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) ：2012/01/27(金) 16:41:04.93 ID:dwZTxaHs0

マミ「今日も紅茶が美味しいわ」668からの分岐改変が起きない平行世界
もし改変が起きない平行世界のマミがシャルロッテに死ななかったら OR マミ死亡後にまどかがマミ、QBの蘇生願いを願ったら
魔法少女全員生存ワルプルギス撃破
誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって