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絹旗「浜面がもう一度恋をした」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 14:36:13.40 ID:6BDJex3g0
小説「とある魔術の禁書目録」に、漫画「パパがもう一度恋をした」の設定を多少借りました
タイトルはそのためのリスペクトです
故に、物語は「禁書目録」単体で話を進めていくつもりです

*初スレ、初SSです
*駄文失礼します
*作品特性上BL要素を匂わせますが、直接的な行為の描写はない予定です
*作者は人と感性が違うらしいです

楽しんでいただけたら幸いです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1326864973(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 14:38:28.12 ID:6BDJex3g0

とある二階建ての一軒家。
表札には『浜面』とあり、男が一人と女が三人、共に住んでいる。

その二階からは毎日のように叫び声と扉を叩く音が響く。


「出てきてくださいよ。一緒にご飯食べましょうよー」


叫び、叩く少女の名は絹旗最愛。歳は18。スリーサイズは…………、……。
彼女は扉の向こう側から返事がないにも関わらず、そこにいる彼に向かって叫び続ける。


「いつまでへたれているつもりですか? 天国の滝壺さんがきっと超泣いていますよ!
 もう三年になるんですよ。いい加減、立ち直ってくださいよ」


彼女は毎日、友人たちが呼びかけるのをやめようとも、その扉を叩き続けている。

涙を流しながら。
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 14:40:21.13 ID:6BDJex3g0

       ***


髪や髭はぼさぼさで伸び放題、頬の肉は削げ落ち、アスリート並みだった筋肉たちは見る影もなく衰えている。
そこにかつての世紀末帝王HAMADURAはいない。いるのは引きこもり青年UMADURAだった。

彼は扉の向こうから聞こえる少女の声をぼんやりと聞きながら、亡き妻の遺影を胸に、涙を流していた。
彼もまた、この三年間、いくほどの涙を流したかわからない


『辛いのは浜面だけじゃないんですよ』


彼の耳にその言葉は届く。しかし、真意は届かない。


「……、違う」


幸せそうな笑顔のままの妻の瞳を見つめ、呟く。


「俺の方が、辛い」


彼は阿呆だ。

4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 14:42:03.74 ID:6BDJex3g0

       ***


長点上機の制服に身を包み、床に寝転がり課題を片付ける少女フレメア・セイヴェルンは呟く。


「絹旗また泣いてる。にゃあ」

「こら! フレメア、制服のまま寝転がってないで着替えてきな、シワになるでしょ」


キッチンから、そう話しかけたピンクのエプロン女、麦野沈利(24)はお皿にサケを盛り付けながら、さらに続ける。


「泣かせてあげなさい」


ちなみに親子ではない。

5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 14:43:57.96 ID:6BDJex3g0

       ***


「今日はカルパッチョですか。超おいしそうですね」


三十分の後、食卓には無理やりな笑みを見せる絹旗最愛の姿があった。
その眼の下についたままの涙の跡が二人の友人達の目に切なく映る。


「当たり前じゃない」

「いつも大体サケ」

「あら、フレメア。好き嫌いはダメよ、サケは栄養タップリなんだから」


その空元気を無駄にしないため、麦野もフレメアも明るくふるまう。
乙女三人のたわいもない会話(主にサケ)。

作り物の幸せの時間。

6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 14:46:17.63 ID:6BDJex3g0
食卓に三人の笑い声が響く。一瞬の沈黙。
そして、そのままに彼女らの間に沈黙が流れる。誰も話し出そうとはしなかった。










その沈黙を破壊したのはどこからか聞こえたドアの開き、そして閉まる音だった。
この家に住むのは彼女らと……、もう一人。
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 14:47:58.95 ID:6BDJex3g0







「浜面……?」






 
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 14:50:15.69 ID:6BDJex3g0

絹旗は夢中でリビングルームを飛び出した。
しかし、すぐに落胆することとなる。玄関に人がいた。

示すところは、浜面が部屋から出てきたわけではない、という事。


「なんだ……。麦野、お客さんですよ」


礼儀なんてものは考えず、リビングへと戻る。
麦野は急いでそれを取り繕う。それから、玄関に立つ顔に刺青のある男にむけて、定例句を並べる。

彼は、それについては何も言わず、代わりに、彼女にとって懐かしい口調でつげた。

9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 14:52:36.03 ID:6BDJex3g0







「久しぶり、むぎの。ただいま」







――To be continue…?
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 15:22:43.18 ID:VnjpEy660
はい、すいません。需要なんて知りません

あと、PCフリーズしてID変わったんで酉つけときます

こんな感じで進めていきたいと思います。
誰がとは言いませんが、初めは某第二位とどちらにするか迷いました

原作たたきでなければ、作者・作品たたき、雑談お好きにどうぞ

あ、書き溜めは少ないです
11 : ◆wfH9RNbiw6 [sage]:2012/01/18(水) 15:24:17.57 ID:VnjpEy660
テス
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/18(水) 16:23:52.07 ID:q038UtxVo
待ってるで!!
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 16:25:07.12 ID:/8BMjNhDO
期待
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/18(水) 18:07:12.88 ID:/bqRYXloo
これは尋常じゃないな
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 18:34:56.78 ID:UuTkmVLj0
俺得
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 19:19:04.43 ID:RaGg2sUDO
やろう、なんて切り方しやがる(笑)

舞ってる
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/01/18(水) 20:57:57.29 ID:QPP9malmo
超絶支援
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 21:08:23.20 ID:vcQPuOYU0
こりゃ期待だな
>>1
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/18(水) 21:22:37.59 ID:UuTkmVLj0
大期待
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 07:05:16.45 ID:UGBM55jDO
たまらん
21 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/19(木) 12:06:31.45 ID:VGmQR6kx0
皆様方、期待のレスありがとうございます
この喜びは異常ですね

それではゆったり投下させていただきます
22 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/19(木) 12:08:14.56 ID:VGmQR6kx0
漢が二人と乙女が三人。
リビングには五人の人間がいた。


麦野沈利は混乱していた。

彼女の目の前で繰り広げられるは、
三年間、引きずり出さない限りは決して部屋から出て来なかった妻一筋の男が、
 その愛する妻の名をかたる、顔に刺青のある白衣の客人の男の膝に甘えている
という、修羅の道を奔る女たちが好みそうな地獄。

自身の右隣では絹旗が無言で2人を睨み付け、
反対側ではフレメアが2人を見ないようにして一心不乱にプリンを食べていた。

その状況を一言で表すなら、それは『混沌(カオス)』。
23 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/19(木) 12:09:32.22 ID:VGmQR6kx0

彼女は、男同士で気色悪い。と自分に言い聞かせつつ、
学園都市でも指折りの頭脳をフル回転させて、自身が何に戸惑っているかを理解しようとする。


彼女の脳内動物会議が論点とするは、
 『浜面理后』と名のっている客人が誰なのか?
 フレメアの明日のお弁当は何作ろうか?
 この二人はどうすれば幸せになれるのか?
と、いう三点。

24 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/19(木) 12:10:41.37 ID:VGmQR6kx0







――まぁ、なんというか……、スゴクイイ。







それが混乱した彼女の出した最終的な結論だった。
25 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/19(木) 12:12:10.17 ID:VGmQR6kx0

       ***


そんな風に麦野が悶々していることなど知らず、客人に絹旗は問う。


「あなたはいったいぜんたい、浜面の超何なんですか?」

「何? って、きぬはたも知ってるでしょ。しあげの妻だよ」

「その顔でその口調はやめてください。滝壺さんを超バカにしているんですか?」

「大丈夫だよ。私は気にしてないから」


本人を名のるだけあって、当たり前のように彼、もとい彼女は答える。
ついでにニコリと笑いかけ、顔の刺青がわずかに歪む。



プツン――、ときた。


26 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/19(木) 12:14:17.61 ID:VGmQR6kx0










気が付いた時には、客人の右頬を能力全開で殴りつけていた。









 
27 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/19(木) 12:15:39.45 ID:VGmQR6kx0

「うぉぉぉい絹旗ぁ、理后に何やってくれてんのぉぉぉ」


浜面仕上が瞬間的にそう叫ぶ。彼がこのトーンで話すのは、やはり3年ぶりだろう。


「目を覚ましてください浜面! こんな超凶悪な顔をした男が滝壺さんなわけありえないです。
 だいたい滝壺さんは死んだんですよ。現実逃避は止めてください。そんな『オカルト』あるわけないじゃないですか!」

「現実逃避なんかしてねぇよ、目を見ればわかるんだ。こんな見た目でも、この人は理后だ!」

28 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/19(木) 12:16:55.83 ID:VGmQR6kx0









「うるさいです! 私が超みじめになるじゃないですか!」








 
29 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/19(木) 12:18:42.99 ID:VGmQR6kx0

       ***

このままつづけてもお互いが引くことはないだろう。
フレメアは、このいがみ合う二人を見てそう思う。


「フレメア、救急車呼んで! この人息してない!」


麦野の叫びが切なく響いた。


――To be continue...?

30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/01/19(木) 12:23:02.14 ID:A/Y6JSQW0

>>「うるさいです! 私が超みじめになるじゃないですか!」

泣いた
31 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/19(木) 12:38:30.53 ID:v/IFbMHr0
はい、すいません。会話文が苦手です

なんかまたPCフリーズしました

プロット段階では、なぜか某花畑さんが登場しました
登場をあきらめたら、なぜか内容が半分以下になってました
不思議ですね

その反動が麦のんに回ってました

麦のんと滝壺ファンの皆様、誠にすいません

しかし、反省はしません。次回は五和が標的です
合言葉は「上条もげろ」です
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/19(木) 12:39:02.02 ID:hwXoGRwDO
ラブコメなのか
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/19(木) 19:33:07.95 ID:kTQg7hJXo
浜面すげぇなぁ…愛だね
34 :!ninja [sage]:2012/01/19(木) 22:11:22.88 ID:4Wkw5l/Go
続きが気になるなwwww
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) :2012/01/20(金) 05:34:18.74 ID:d2Ktdjm6o
麦のん超絶支援
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 07:48:20.78 ID:qNriZ2IDO
なんという俺特、素晴らしい
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 10:38:34.60 ID:/92kKx8DO
自称滝壺が完璧にひろしヴォイスで脳内再生された(笑)

どうなってんのwww
38 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/20(金) 20:00:42.73 ID:UAi+TJrW0
皆様、レスありがとうございます。感動のあまりケーキ買ってきました

この物語はラブコメです。誰が何と言おうとラブコメです
浜面だからこそです。彼だからこその納得です

ヒ○シヴォイスは我慢してください。私の趣味です

それでは、まったり投下します
ごめんなさい
39 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/20(金) 20:08:55.34 ID:AUU65knT0




「――不幸だ」




数年前知り合いの女に腹を刺され巨大なトラウマを抱えた青年、上条当麻はその治療のため病院にいた。

彼の脳内にフラッシュバックするは1つの映像。
40 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/20(金) 20:29:13.89 ID:LZyEQric0

大通りのど真ん中にはられた半径一メートルの『人払い』の中、人ごみで行われた快楽を忘れた悪魔の行為。


出血により体力を失い性欲など存在しない状況で、勃起を強要し、なめまわし、自身の女性を押し付ける裸体。
『私だけを見てください』と懇願する唇、彼の19年間を共にした相棒を咀嚼する顎。


思い出の9割9分1厘がおしぼりと共にあった、そんな知り合いの女の姿。

41 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/20(金) 20:34:28.49 ID:I0iiXIhZ0


それ故に、彼は女性に深いトラウマを抱え、人ごみを歩くのが怖くなった。


そこにヒーローの姿は無い。
ある意味ではヒロインの姿。
42 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/20(金) 20:35:27.73 ID:I0iiXIhZ0

性欲はある。だが、女は怖い。
そんなジレンマと共に、フラフラと病院を歩く彼がふと覗き込んだ病室は、未知なる世界だった。

部屋の扉が開いているにもかかわらず、人目をはばからずいちゃつく2人。
妻を失って生きる気力をなくし、自分の説教でも自殺を食い止める位しかできなかった引きこもりの友人と、
顔に似合わないピンクのパジャマに身を包む見知らぬ顔面オワタな男がそこにいた。

何を話しているのかは聞こえないが、2人はのんびりと語り合う。
それはかつての友人と、その亡き妻の姿に重なった。

43 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/20(金) 20:36:37.89 ID:I0iiXIhZ0

上条は衝動を抑えきれず、病室に入り込む。入口のネームプレートには木原数多と、あった。

浜面はすぐに彼に気が付き、久しぶり、と挨拶をした。
おそらく木原だろうと思われる男も、それに続く。不思議と彼からは、上条にとって何か懐かしさを感じた。

上条はそれらに対しては簡単に返し、問う。

44 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/20(金) 20:37:25.43 ID:I0iiXIhZ0









「浜面、それで……幸せなのか?」








 
45 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/20(金) 20:38:08.79 ID:I0iiXIhZ0

色々と思うところはあるが、結論から言えば、彼には2人の姿は輝いて見えた。
だからこそ、それが気になった。

浜面はそれが当たり前とばかりに、ニカッと笑う。

46 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/20(金) 20:39:09.84 ID:I0iiXIhZ0









「当たり前じゃねぇか。だ――――」








 
47 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/20(金) 20:40:06.00 ID:I0iiXIhZ0

そのあとに何か続いたが、上条の頭にそれは入らない。
ただ前述の解答だけが頭を廻り、駆け回る。

上条は、幻想を抱くがゆえ、忘れていた真理にたどり着く。


それは、何度目かもわからない『上条当麻』の死。

 
48 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/20(金) 20:41:14.80 ID:I0iiXIhZ0








「世界の半分が絶望でも、もう半分があるじゃねぇか」








呟き、それを教えてくれた友人と木原に礼を言い、上条当麻は走り出す。

49 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/20(金) 20:42:48.88 ID:I0iiXIhZ0








次に彼がこの病院に訪れたのは、切れ痔の治療のためだった。








――To be continue.

50 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/20(金) 20:44:43.15 ID:I0iiXIhZ0

はい、すいません。地の文は好きなだけです

五和は無難に、公然猥褻女にしようと構想していたハズが、
気が付いた時には、病んでいました
カッ、となってやりました
五和大好きです。本当です

さて、次回投下は明るくいきましょう
某第二位が暗部落ちした理由でも書くことにします

51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 20:50:11.91 ID:aw92YHHDO
なにか狂気を感じる
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/20(金) 20:52:06.99 ID:MWdF6qFX0

切れ痔ならしょうがないな
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/01/20(金) 20:55:47.05 ID:X+2n2TSDo
二人がいるのって、精神科なのか
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 21:30:53.97 ID:RXEp8qvIO
乙でした
まさか上条さんあっちの世界へ…
55 :!ninja [sage]:2012/01/20(金) 21:33:05.31 ID:hNkP/PBoo
>>1

俺の五和がwwwwww
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/20(金) 21:42:21.64 ID:/90B65yNo
>>54
半分が絶望(女)だから、もう半分の希望(男)に逃げたって事か…
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/20(金) 21:45:33.08 ID:MubqGXf2o
駄目だこいつら……早くなんとかしないと乙
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/20(金) 21:49:03.48 ID:rnZNDIKgo
上条さんの処女は誰が奪ったのか
おう、早く説明しろよ
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/21(土) 08:16:46.68 ID:NumE7IIIO
濃厚なホモスレの予感
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/21(土) 10:26:44.97 ID:Sz2ed1uY0
61 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/21(土) 20:56:55.41 ID:NBn885A10
皆様、レスありがとうございます

二人の愛の力が上条さんを変えただけなんです

えっ、初春さん?
心の友です

さて、まったり投下させていただきます
62 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/21(土) 20:58:17.68 ID:NBn885A10
学園都市一と名高い名門高校、長点上機。

学園都市では珍しい、能力の強度に依存せず個人の能力に入学基準を設けている学校で、
7〜8年前の入学試験では当時の学園都市第2位にすら不合格の烙印を押したという伝説を持っている。

その学校の女子更衣室。

63 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/21(土) 20:59:04.18 ID:NBn885A10

「フレメアー、この後一緒にクレープ食べに行こうぜぇ、ってミサカはミサカは得意のナンパを披露してみたりー」

「ミサカは今日も大体元気、でも、今日は無理」

「ギャー、フラれたー、ってミサカはミサカはミサカの女子力の意外な低さに戦慄してみる」


天才たちが通う学校ではあれ、所詮は子供。色気の少ない下着姿のまま絡み合う。
需要というものもあるだろうから言っておくが、
下着の色は、フレメアはピンク、ミサカと呼ばれた少女は純白である。

64 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/21(土) 21:00:19.45 ID:NBn885A10

「そういえば、浜面さんやっとお部屋からでてきたんだってー、ってミサカはミサカはついに絹旗がやったのかって興味津々に聞いてみる」


ミサカの目は輝いていた。フレメアの目は濁っていた。


「神様って、大体残酷だよね」

「あ、……うん、ってミサカはミサカは絹旗の気持ちを案じてみたり」


少女は予期していたものとは違う回答に、焦りと戸惑いを覚えた。
しかし、そこは女の会話。話題は唐突に切り替わる。

65 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/21(土) 21:01:22.40 ID:NBn885A10

「そんなことより、ミサカ……? また、胸大きくなってない?」

「ん〜、わかんない、ってミサカはミサカはしらばくれてみる」

「ずるい。にゃあ」


そんな風に口をとがらせ、フレメアは自身の胸に両手をあてがう。


「フレメアだって結構あるじゃん、ってミサカはミサカはCだろって推理してみる」

「私はカップ数で言うとそんなでもない」

「暗い顔しないで、ってミサカはミサカはお姉さまの顔を思い浮かべながら励ましてみたり」

「ミサカ、ありがとう。元気、大体でた」

66 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/21(土) 21:03:05.49 ID:NBn885A10

女性恐怖症であるはずの思い人に話しかけられる唯一の女性である彼女の姉。
その事実を知らず、告白はまだかと待っている彼女の姉。


日頃の行いが悪かっただけであって、胸が悪いわけではないはずなのに、
その胸?を思い浮かべ、フレメアは涙を流す(イメージ)。

67 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/21(土) 21:03:57.62 ID:NBn885A10

「でもね、せっかく女らしくなったのに、あの人が振り向いてくれないの、ってミサカはミサカは心中の不安を吐露してみたり」

「ミサカ可愛いのに、見る目無い。にゃあ」

「だから直接的な手段にでようと思ってアド変を試みたの、ってミサカはミサカは実行できなかった一大決心を話すことにする」


直接的な手段と明言しているにもかかわらず、やることがアド変とはこれいかに? とは思うが、それが少女の限界だったのだろう。
しかも、実行に移せていないことも、なかなか初々しいものである。

68 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/21(土) 21:05:27.63 ID:NBn885A10








「Will-accelerator-marry-me@……にしとうと思ったの、ってミサカはミサカは頬を真っ赤に周りの人の興味を巻き込む作戦を語ってみる」







69 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/21(土) 21:06:37.05 ID:NBn885A10

初々しくなんてなかった。恐ろしい位にえげつない手だった。
それを踏まえて、彼女の親友フレメアは聞く。


「流石、ミサカ。何で実行しなかったの?」


彼女の性格ならば、躊躇なく実行するであろうことを知っている。
だからこそ、その疑問は大きかった。

ミサカはふぅー、と煙草を吸う真似をして、斜め上を見上げる。それから、


「もう使ってる人がいたの、ってミサカはミサカは一足遅かったかって遠い目をしてみたり」

「それは、残念。にゃ……、えっ!?」

70 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/21(土) 21:07:33.78 ID:NBn885A10







アクセラレータなんて名前、彼ぐらいしかいないだろう。








――To be continue...?

71 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/21(土) 21:09:34.57 ID:NBn885A10

はい、すいません。フレメアの美脚、書き忘れました



『Will-accelerator-marry-me@……』このアドレスの持ち主を下からお選びください
ルート1_結標淡希
ルート2_黒夜海鳥
ルート3_食蜂操祈
ルート4_青髪ピアス



アンケやってみたかっただけです。お気楽にどうぞ

次回は頑張ってラブ多めを意識して書きます
明日はこれません

72 :!ninja [sage]:2012/01/21(土) 21:13:13.22 ID:Uf7lFlzEo
>>71
いちおつ!

俺はルーチト3の食蜂さんで
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/21(土) 21:14:34.22 ID:APGT6mrao
あんま見ない組み合わせだから3
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/01/21(土) 21:14:37.54 ID:FzL2yzDMo

結標に一票
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/21(土) 21:19:36.30 ID:Y4adT4C3o
ここは2だわ
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/01/21(土) 21:25:44.69 ID:2qbLa7qAO
意表をついて3

流れ的には4っぽいけど3
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/21(土) 21:29:37.88 ID:U8WES9Fco
乙でした
やっぱ4っしょ
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/21(土) 21:55:54.83 ID:/zslmEtvo
3が見てみたい
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/21(土) 22:18:56.95 ID:xZLYrdnZo

4で
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北陸地方) [sage]:2012/01/21(土) 22:27:50.61 ID:kYRLIhgAO
4
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/21(土) 22:30:11.30 ID:hXqpeZa5o
3かなぁ・・・
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/21(土) 22:34:00.19 ID:Fqq2DRJIO
4だな…
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/01/21(土) 22:44:01.26 ID:Qot4ootAO
空気を読まず3で
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/21(土) 22:46:39.60 ID:JwHTo+/DO
4しかない
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/21(土) 22:48:17.55 ID:LasbR1DDO
黒夜ちゃん一択

2で
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/21(土) 23:08:28.69 ID:1sgqd/sDO
この流れは4しかない
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/21(土) 23:25:37.79 ID:gvgZzfh90
3珍しい見てみたい、ということで3
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/01/21(土) 23:42:44.15 ID:wYSQNY8IO
3で
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 00:07:33.21 ID:3Cey2t3Bo
4一択
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/22(日) 00:07:50.26 ID:TNahmlYyo
わりぃが3だ
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 00:26:20.10 ID:2Oo9zT3bo
4だろ
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/01/22(日) 00:31:32.05 ID:ipSfj7rZ0
よ……1で
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 00:33:15.43 ID:dSLuvx8DO
4
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 00:36:23.24 ID:ouzUhkBIO
天が知る神が知る子が知る
3を選べと轟き叫ぶ
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/22(日) 11:09:46.17 ID:95vIU1GKo
4だな
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 11:10:09.50 ID:Va0TFVaJ0


3で
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/22(日) 11:37:35.23 ID:U0SyyamUo
3を
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/01/22(日) 13:37:15.95 ID:nbFFApHAO
2だァ
99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) :2012/01/22(日) 14:21:57.39 ID:3Nfep1PB0
3だな3
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/22(日) 14:30:42.27 ID:SLm+vvYWo
3を所望するッ
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2012/01/22(日) 14:47:09.31 ID:NWCjpv4F0
4がいいな
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/22(日) 14:51:29.94 ID:95vIU1GKo
これアドレス的にセロリさんストーキングされてるんじゃ

刺されるよりマシか
103 :VIPに変わりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 14:53:48.71 ID:CvlMizGAO
4
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/01/22(日) 19:34:32.01 ID:NzV1wryL0
4しかねえ
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 19:50:05.81 ID:bG5PQZ02o
ここは4
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 19:56:38.34 ID:/EV4Hdx0o
まあ、4だろうな
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 20:27:59.50 ID:rPcL5TQDO
3だろ、3
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/01/22(日) 20:37:47.14 ID:mMe8UWvEo
3にしとこうよ
一人くらいまともなのがないと
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/22(日) 23:53:31.56 ID:Tar+vKRA0
3かな
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 00:30:34.20 ID:esKhDoGIO
4
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [saga sage]:2012/01/23(月) 01:58:28.92 ID:QGUAgevA0
はたして元ネタの漫画知ってる奴いるのか……?

A
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/01/23(月) 02:23:17.44 ID:p6zNeKSg0
>>112
俺の母が読んでる

113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/01/23(月) 02:35:42.45 ID:KEkADsxAO
どう考えても3です、本当にありがとうございました
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 02:50:36.25 ID:lN/BUR4IO
3
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 02:57:36.02 ID:ubMMZCADO
4
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 03:03:19.07 ID:fmYarLEJo
4
117 :VIPに変わりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 03:04:06.96 ID:kU4KeWdAO
四番で
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 03:17:29.62 ID:zkF6XF6Po
3で
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/23(月) 03:26:21.74 ID:SfogO5rdo
4
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 05:11:06.49 ID:VEfQ9VCko
流れ的に4だろ
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/23(月) 07:11:36.67 ID:PsmwLmVto
デッドヒートだなおい
3で
122 : ◆wfH9RNbiw6 [sage]:2012/01/23(月) 10:05:44.09 ID:gIlAVaws0
あはようございます
とりあえずここまで

数えてきます
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/23(月) 10:09:15.69 ID:zVneEpKQo
数えてないがなんだこの接戦w
124 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/23(月) 10:31:31.02 ID:FQM5bQf10
皆様、ご回答ありがとうございます
予想を超える回答者数に驚き、プレッシャーが半端ない>>1です

結果から言うと、3と4の同票でした

というわけで、このレスのコンマ末尾「12345→みさきちルート、67890→青ピルート」を書きます
ごめんなさい


とりあえず、ゆったり投下します
125 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/23(月) 10:32:22.50 ID:FQM5bQf10
浜面仕上は幸せの絶頂にいた。

今日、愛する亡き妻が正式に退院し帰ってきた。
わけのわからない文章ではあるが、浜面と作者は気にしていない。

テーブルに白いクロスを引き、真ん中に花瓶を置く。
愛する亡き妻には、3年間の汚れを3日間かけて念入りにおとした自室で待機してもらっている。
ちなみに自室のルビは「愛の巣」である。

126 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/23(月) 10:33:11.08 ID:FQM5bQf10

「浜面、本気なんですか? せめて、あの人の素性を根こそぎ超調べてからにしましょうよ」


浜面とリビングに2人きりでいることに心中穏やかではないままに、そう絹旗最愛は進言する。


「まだ信用してないのかよ。麦野を見ろよ、歓迎会の寿司を自分で取りに行く位信用してるじゃねぇか」

「今の麦野は……なんというか、ダメな麦野なんですよ」

「なんだよソレ? とにかく、あれは理后だ。」

127 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/23(月) 10:34:05.98 ID:FQM5bQf10

それだけ言って、浜面は準備のためにリビングを後にする。

絹旗の追撃も何もない、浜面は全く聞く耳を持たなかった。ずっと浜面のターンだった。
3年間の呼びかけと同じように、絹旗の言葉……いや、望みは届かない。

リビングに突っ立ったままの絹旗は拳を握りしめ、呟く。





「――――、――――」
128 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/23(月) 10:35:00.06 ID:FQM5bQf10

***


結論から言おう。そのパーティーの空気は酷いものだった。


――退院おめでとうございます。木原さん

――木原さんは何食べますか? 取ってさしあげますよ

――浜面とは超よく映画に行きました。木原さんはどんな任侠映画がお好きですか?

木原さん、木原さん、木原さん、おじさん、木原さん、……。

129 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/23(月) 10:35:51.40 ID:FQM5bQf10

***


時刻は02:00。辺りが寝静まり静寂の中、絹旗最愛は1人皿洗いをしていた。

歓迎会を無茶苦茶にしたことを怒られた。
腐りかけの麦野に怒られた。
浜面にもやっぱり怒られた。
フレメアは何も言わなかった。
1人だけが許してくれて、それが一番むかついた。
自分が悪いとわかっていても、やっぱり納得いかなくて、水音と共にぼやく。
130 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/23(月) 10:36:23.54 ID:FQM5bQf10








「どうして、浜面に私の言葉は届かないんですか……?」







131 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/23(月) 10:37:27.67 ID:FQM5bQf10

気が付いているとは思うが、彼女は浜面仕上に1つの感情を抱いている。

浅ましいものだが、友人でもある彼の妻の死に心のどこかで喜んでいる自分がいたのも事実であって。
それゆえ、彼女自身の手で彼を常闇から救い出す幻想を夢見た。

しかし、幻想殺しでも壊すことのできなかった幻想は、見知らぬ男に奪われた。

また浜面は自分以外を見ている。
いや、彼はずっと変わらず、1人を見続けている。
132 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/23(月) 10:38:21.34 ID:FQM5bQf10





「きぬはた、少し……、お話ししない?」





たった今、扉を開けて入ってきた『浜面理后』を……。



――To be continue...?

133 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/23(月) 10:40:20.05 ID:FQM5bQf10

はい、すいません。みさきちルートでいきます


会話パートでキャラの魅力が決まるというのが私の信条です

というわけで、キャラ殺し頑張ります


次回に続きます


134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/01/23(月) 11:34:03.25 ID:kbFfAgd/o
元ネタ知らないけど、絹旗が切なすぎる……
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/23(月) 11:47:11.51 ID:xD6tdbUCo

絹旗視点だとこれはキッツイよなぁ
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 15:03:57.50 ID:mR+ub/too
切ないんだが絵を想像すると…俺は人でなしかもしれない乙
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 18:41:32.96 ID:RsCZsfF+0
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/23(月) 20:34:39.37 ID:b///hW/5o
お話ししないってヒロシボイスだと完全に喧嘩売ってるヤツだよな
139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/23(月) 20:39:01.69 ID:VEfQ9VCko
コロシアイ
お話ししない?
140 :!ninja [sage]:2012/01/23(月) 20:41:59.28 ID:cvJKhLMHo
>>1

絹旗超切ない
141 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/24(火) 07:15:32.27 ID:+zKc+Q410
皆様、切ないのレスありがとうございます

元の漫画はギャグ寄りのラブコメです
設定に惚れて、書き始めたので未読で無問題です

ヒロシボイスは私の趣味です

まったり投下行きます
142 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/24(火) 07:16:28.66 ID:+zKc+Q410








「私にはあなたと話すことなんて超ありませんけど」








143 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/24(火) 07:17:26.40 ID:+zKc+Q410

話をしたら、何かに負けてしまいそうで、絹旗はぶっきらぼうにそう返す。


「きぬはたもやっぱり、しあげが大好きなんだね」

「な、何を言っているんですか? 超木原数多。何の事だかさっぱりです」


その独特なリズムは、絹旗の弱い部分を刺激する。

144 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/24(火) 07:19:12.45 ID:+zKc+Q410

「ごめんね、きぬはた。気付いてあげられなくて」

「違うって、言ってるじゃないですか!」


思わず声を荒げた。そして、同時に来る静寂。
それは解釈の次第では、肯定。

2人の間に静かに水道の音だけが響く。

先に口を開いたのは、背の高い方。


「でもね、はまづらは渡してあげられない」



145 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/24(火) 07:20:05.00 ID:+zKc+Q410

絹旗は本能的に知っていた。


「何様ですか? 私たちアイテムの絆を壊すのが目的なんですか?」


恋愛感情の前では、友情なんてもろいものだ。
故に、認められなかった。認めるのが怖かった。

姿は違えども、この人は滝壺理后なのだと。


「きぬはた……」


認めなければいけない。でなければ、絹旗はもう一度敗北の二文字を見るだろう。

故に認め、かつて戦わずして敗北を認めさせられた女の亡霊に向け、

146 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/24(火) 07:21:01.19 ID:+zKc+Q410










「木原数多、あなたに浜面は、し、し仕上は超渡しません」










147 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/24(火) 07:21:57.44 ID:+zKc+Q410


顔を真っ赤に、そう宣戦布告した。


その戦いに――、友情なんて甘ったるいものはいらない。






――To be continue...?

148 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/24(火) 07:25:18.53 ID:+zKc+Q410

はい、すいません。昼ドラ展開大好きです

徹夜明けのテンションで書いたので文法とかメタメタです

絹旗が嫌なキャラに見えますね
ファンの皆様、誠にすいません。仕方がなかったんです

ちなみにですが、選ばれなかったルートは
√1はロリコン一方通行でお送りする、ノーマルあわきんの前途多難な恋。オマケで海原×御坂
√2は黒夜、絹旗、姫神、ショチトルによる片思いの会。テーマは成就と失恋
√4では一方通行を女の子だと思っていた青髪ピアスは、一方通行が男だと気が付き逃げてしまう。しかし、一方通行はもうすでに本気になっており、青髪ピアスのストーカー、およびヤンデレ化。青髪ピアスに運悪くナンパされた女の子たち、結標、黒夜、食蜂などを次々と殺していく。青髪ピアスは、かつてデルタフォースとくくられた友人たちに相談しようと思い立つが、夜の公園で腰を振る金髪グラサンとツンツン頭を目撃する。青髪ピアスは絶望を感じ、一方通行を抱き、抱かれ、一夜を共にし、籍を入れる。そんな風にうちひしがれる彼の前に現れた少女、義妹となった打ち止めに心を奪われていく……。作者の趣味全開でお送りする一方さん唯一のBE√
位な展開を構想しておりました。

次回は敵をさらに作りそうな内容ですが、容赦はしません

149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/24(火) 07:37:12.86 ID:d0LpWHXDO
>>1

原作も死んだ嫁がオッサンに憑く話なのかな?
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/24(火) 07:42:00.44 ID:LARj5dJIO
おいw√4の濃さが半端ないぞwww
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県) [sage]:2012/01/24(火) 08:44:55.70 ID:+K8a+89ko
4が正解だったな
むしろそのルートで一作書いて欲しいくらいだ
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/24(火) 11:09:44.72 ID:pkyeboxIO
√1のオマケが激しく気になる
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/24(火) 16:03:08.97 ID:uCkLceQ8o
>>1

ルート4も面白そうだなwwwwww

御坂×海原も気になる
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/24(火) 17:26:51.65 ID:UebQTJal0
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/01/25(水) 00:46:59.73 ID:WIWa1Scno
ルート4はそれだけでも1作作れそうな濃さだな
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/25(水) 02:21:18.60 ID:hUYvArx0o

正直√4にならなくて良かった…
157 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/25(水) 21:13:52.21 ID:pMFTTAZN0
皆様、毎度レスありがとうございます
思わず次スレのネタ作りかけました
まぁ、二兎を追うもの一兎も得ずです

>>149
そうです

さぁ、まったり投下行きましょう。今回から√分岐しました
158 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/25(水) 21:14:36.48 ID:pMFTTAZN0









「結婚しようと思うンだ」








159 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/25(水) 21:15:17.49 ID:pMFTTAZN0


芳川家のリビングに響く、まぬけなほどにあっさりした報告。


旧姓、黄泉川愛穂はお腹に手を当て、お兄ちゃんが結婚するんだって、と話しかける。
芳川桔梗は、あら、私より先に幸せになる気かしら、と少々複雑な顔。
それでも、わかっていたかのように祝福の一言。

一方通行も、それに対して似合わない礼の言葉を述べる。心なしかその白い頬には朱が混じっていた。

160 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/25(水) 21:17:11.31 ID:b0x1DBw00







「で、どっちと結婚するんじゃん?」







そんな風に、それが当たり前とばかりに愛穂は問う。
横にいる芳川も、2人に抜かれるのねと、遠い目をして呟く。
161 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/25(水) 21:18:07.09 ID:b0x1DBw00
しかし、当の本人は怪訝な顔で、





「あァ? どっち、って何言ってンだ?」





そんな風に聞き返す。
162 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/25(水) 21:19:06.98 ID:b0x1DBw00

芳川はそれに対して、多少驚き、聞き返す。


「あら、片方は眼中にもなかったという事かしら?」

「だから、何でアイツが二人一組みたいな言い方してンだァ?」

「どう考えても二人一組じゃん」


保護者達と息子の言葉は、そんなふうに少しネジがかみ合わない。

163 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/25(水) 21:20:07.09 ID:b0x1DBw00

「いったい、二人一組って……、誰と誰の事言ってンだ?」

「そりゃ、打ち止めと番外個体の事じゃんよ」




「……勘違いしてやがったか、俺が一緒になろうとしてンの別の奴だ。
 そもそも、兄妹で結婚は出来ねェだろォが」


164 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/25(水) 21:20:55.47 ID:b0x1DBw00

『はぁ!?』




愛すべき保護者2人の声が重なった。




――To be continue...?

165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/01/25(水) 21:25:09.42 ID:KZ+U7YD+0
一方通行さん……
兄弟でも義理だから問題ないなのにな……
166 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/25(水) 21:29:40.38 ID:Z1+w36LF0

はい、すいません。みさきちの出番はまだです

黄泉川先生を結婚、妊娠させました。
これだけは譲りません。黄泉川先生ほどの人を未婚にはできません

しかしながら、夫は未定です。案としては建宮、半蔵、鉄装、才郷ですかね
希望がありましたらどうぞ

明日はこれません

というか、書いたの自分なのに、会話パートへたすぎてわろた
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/25(水) 22:00:29.48 ID:hUYvArx0o
夫は未定か
ここは俺の出番だn
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/25(水) 22:34:35.43 ID:UJd7QWRbo
>>167
オイオイ、俺の嫁になにいってんだ
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/25(水) 22:35:18.96 ID:UJd7QWRbo
>>167
オイオイ、俺の嫁になにいってんだ
170 :!ninja [sage]:2012/01/25(水) 23:00:16.11 ID:KpUW/aqGo
>>1

黄泉川の夫は半蔵でいいんじゃね?

てか、一方さん気にしなくてもいいのに・・・
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/26(木) 08:02:34.90 ID:Ylf7ah090
一方さんが良識のある人で良かった
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/26(木) 10:36:03.62 ID:McM+Dhgn0
建宮でどうなるのか気になる
173 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/27(金) 07:23:07.32 ID:UZ4Am7qS0
皆様、レスありがとうございます

>>165>>170>>171
ここの一方さんは純粋です。最近まで心のどこかでキャベツ畑を信じてました

>>167-168
ごめんなさい。一夫多妻制ルートは書きません

>>172
えろいめいどふくをもっているぞ!


それではまったり投下します
174 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/27(金) 07:24:26.24 ID:UZ4Am7qS0

テーブルの上に、沢山のビールの空き缶が転がっていた。

いつも通りの時間に起床した麦野は、その光景に戦慄した。
ソファーの上に転がって眠るは酒臭い2人。浜面理后と絹旗最愛。


――ブ チ コ ロ シ カ ク テ イ ネ。


いつもより早く起きてきたフレメアは、その光景が夢である事をせつに願った。


※ 未成年の飲酒は法律で超禁止されています

175 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/27(金) 07:25:06.16 ID:UZ4Am7qS0


***


(この人、昨日退院したのにまた来たの)


看護学校の研修生である春上衿衣は、仲間内で噂のオカマこと木原数多に点滴を行い、
その合間、彼の姿を横目で観察する。

噂どおりのウサギの書かれたピンクのパジャマは、やっぱり顔に合っていない。
それでも威風堂々としているその姿は、彼の今までの人生がそうさせるのだろうと想像し、応援したくなった。


「はい、終わりましたなの、頑張ってなの」

「ありがとう、はるうえ。わたしも頑張るあなたを応援してる」


顔に似合わず落ち着いた口調の木原が微笑みかけてくる。


(すっごく怖いの)


彼女はとりあえず、微笑み返した。

176 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/27(金) 07:25:42.05 ID:UZ4Am7qS0


***


その頃、浜面仕上は絹旗最愛のいる共同病室にいた。


「理后と飲み明かすなんて、仲良くなったみたいでよかったよ」

「違いますよ、浜面。あの人は超敵だってことを、理解したんです」


絹旗は腕を前で組み、強気に返し、浜面はそんな彼女を見て、残念、と返す。

絹旗はそんな他愛もないやり取りが好きだった。
けれど、この負けられない戦いは、それではだめだ。

177 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/27(金) 07:26:24.49 ID:UZ4Am7qS0









「浜面、退院したら、久しぶりに一緒に映画行ってください」









178 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/27(金) 07:28:38.44 ID:f8kjzN6l0

急にそんな誘いを受け、浜面はとりあえず、何を見るんだ? と、問う。
どうせ、B級作品だろうと、思っていた彼の耳に届いたのは、
昨日テレビでデカデカと宣伝していた恋愛映画のタイトル。
思わず、言葉一つで聞き返す。

「なんですか? 私が、興行収入位しか目的にしていないようなA級作品を見るのがそんなにおかしいですか?」

「おかしいも何も、今も毒吐いてたじゃねぇか!」

179 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/27(金) 07:29:08.37 ID:f8kjzN6l0

浜面は最も的確だと思われるツッコミを入れたわけだが、
絹旗は人差し指を立て、チッチッチッと、指先を左右に振る。


「わかってないですね、浜面。B級・C級作品の楽しみ方を忘れてしまったようですか?」


確か絹旗曰く、河原で新種の鉱石を見つける宝探しのようなモノ。

それを伝えると、絹旗はその通りと喜び、続いてA級作品について語る。

曰く、それは当たりの確定した宝くじ。

180 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/27(金) 07:30:48.03 ID:f8kjzN6l0

「つまり私は、浜面と退屈することのない楽しめる映画を見たいんですよ」

「ふーん、要は適材適所ってことか。いいぜ、行こうぜ」


浜面は恋愛映画であることも、彼女の放った顔から火が出るようなセリフにも微塵の動揺を見せず、あっさり返す。
それが彼の長所であるのだが、乙女の心にそれはマイナスにしか働かない。
それでも絹旗は、少々がっかりしたが、うれしくてその頬を緩ませる。

181 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/27(金) 07:31:37.63 ID:f8kjzN6l0
それから、一寸雑談をかわした後、浜面は言う。


「そろそろ、俺理后のとこに戻るわ」


『行く』ではなく、『戻る』。そんな些細な違いが絹旗を傷つける。

浜面にそんなことは知る由もなく、ベッドわきのパイプ椅子から立ち上がる。

思わず、絹旗は背を向けた浜面の上着の袖をつかむ。
左の頬から顔だけをこちらに向けた浜面に、上目づかいにそっと告げた。

182 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/27(金) 07:32:22.01 ID:f8kjzN6l0









「……し、し仕上。もうちょっと、そばにいてくれませんか?」









――To be continue…?
183 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/27(金) 07:33:07.46 ID:f8kjzN6l0

はい、すいません。病院再びです

禁書と言えば病院ってイメージがあるんですよね
上条さんのせいですかね?
ナースコス最高です。春上さんは私の嫁
もしかしたら、たびたび入院するかもしれません

次回に続きます

184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/27(金) 13:10:45.87 ID:Dk2VJXSDO
絹旗可愛ぇぇぇぇえええええ!!!!
185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/01/27(金) 13:49:05.67 ID:3NV00x3Zo
全力の乙!
超絹旗×上目遣い×乙女心=キタ - .∵・(゚∀゚)・∵. - ッ!!
186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/27(金) 19:40:31.12 ID:8TKC/gGIo
>>1

絹旗超可愛い!!俺はむぎのんのナースコスを求む
187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/27(金) 19:49:55.95 ID:woa2+XX10
188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(佐賀県) [sage]:2012/01/28(土) 01:06:45.63 ID:wARan+kyo
この超絹旗をもってしても木原滝壺に全く敵わないんだよな
流石馬面というべきか
189 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/28(土) 20:18:49.28 ID:gnD4pol90
皆様、レスありがとうございます
嬉しくて、スレ開くたびこ踊りしてます

それではまったり投下します
190 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/28(土) 20:19:43.04 ID:gnD4pol90








時間が止まったようだった。








191 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/28(土) 20:20:26.51 ID:gnD4pol90

浜面は、自身の袖を引っ張る少女の左の手をぼんやり見て、そういえば昔、と思う。
確か絹旗は、『ここまでベタなことをやってくれると、逆に新鮮ですね。なかなかの良作です』とか、言っていた。
そんな、少女と見た恋愛映画を、意味もなく、意識することなく思い出す。

絹旗は、自身でそれをやったくせして、その思考回路をショートさせ、その指先をじっと見ていた。

同じ病室の女たちも談笑をやめ、うっとりとした目で浜面達を仰ぎ見る。


時間が止まったようだった。

192 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/28(土) 20:21:06.51 ID:gnD4pol90

***


浜面理后は何をするでもなく、ただただ、ぼんやりしていた。





「ぺくちっ」

(くしゃみは、とっても可愛いなの)


193 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/28(土) 20:21:52.13 ID:gnD4pol90

       ***


――――――――、――――――――――――――――。

切なくも、その沈黙を破ったのは浜面仕上の方だった。


「んじゃあ、俺行くわ」


そんな風に言って、その顔が前を向く。つまりは、絹旗を完全に背にした状態。
彼はそのままに、歩を進める。

掴んでいた袖が意識を持ったように、スルリと抜け、彼を求めるように、絹旗の指が宙を舞う。
思わず、あっ、という声が口からこぼれた。

194 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/28(土) 20:22:44.67 ID:gnD4pol90

何か声をかけようとして、何も声をかけられなくて、そのままに浜面は病室を後にする。

宙を舞い続けていたその左が、マヌケな音をたて布団と出会う。
一寸の沈黙が流れる。





絹旗は、思い人に触れていたそれを右手で包み、見つめ、それから胸の前に抱く。
それから、ポツリと、彼女自身にしか聞こえないくらいの声で、何かを呟いた。

自身のセリフを鼻で笑い。大きく息を吐く。何かが涙腺を刺激して……。

195 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/28(土) 20:23:33.43 ID:gnD4pol90









病室の引き戸が、もう一度こすれる音をたてた。









196 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/28(土) 20:24:26.95 ID:gnD4pol90

そちらを見れば、半分開いた病室のとびらから、浜面が覗いていた。
いつものように、ニカッと、アホ面を晒し、それから口を動かした。
その言葉が、何を思い、紡がれたのかは彼にしかわからない。


「明日も来てやるから、もう泣くな」

「ばーか、大丈夫です。働け、ばーか」


絹旗は、顔を真っ赤にそう返す。

197 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/28(土) 20:25:11.55 ID:gnD4pol90








――好きです。好きです。超好きです。








――To be continue...?

198 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/28(土) 20:25:56.19 ID:gnD4pol90

はい、すいません。絹旗大好きです

展開が速すぎる気がしますが気にしないでください
次回はこの速さを超えます
メインは愛する女を人知れず守り続けた男
炎の魔術師、守貞ルです

たびたびですが、明日はこれません

199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/28(土) 20:28:54.47 ID:LPbF9FNdo
おつー
絹旗ちゃんはどうしてこう可愛いのか、あと浜面爆発な!
そしてステイルのその変換どうなってんの…
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/01/28(土) 20:34:16.90 ID:taakegjCo

絹旗刹那五月雨撃ち

守貞ル……童貞を守り続けるステイルか……
胸が熱くなるな
201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/28(土) 21:05:26.14 ID:s4Gtt9G1o
浜面は百回爆発して絹旗ちゃんの前で土下座しろ
202 :!ninja [sage]:2012/01/28(土) 21:32:37.44 ID:Y4iZie3Uo
絹旗可愛いすぎ・・・!
守貞ルwwwwww


あと、浜面は爆発してもう1回爆発しろ
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/29(日) 08:58:03.45 ID:XXqdq2790

204 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/30(月) 09:04:54.51 ID:jy+YSuZb0
皆様、レスありがとうございます
浜面、爆発は構想に入れておきます


ではまったり投下行きましょう
205 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/30(月) 09:05:38.41 ID:jy+YSuZb0









――抱いて、くれないかな?









206 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/30(月) 09:06:26.26 ID:jy+YSuZb0

ステイル・マグヌスは、その自分に向けられた問いかけに、思わず耳を疑った。
おかげで、気管を通ろうとしていた煙草の煙が可笑しなところに迷い込み、かつてないほどに咳き込んだ。
問いかけの主が気を利かせ、背中をさすってくれようとしたが、
先ほどの問いかけが頭を廻り、思わずその手から逃げるように、大丈夫だ、と遠慮を伝える。
灰皿に煙草を押し付け、テーブルの上にあったお茶を飲みほし、それから大きく息を吐く。

何の冗談だい? と、問う形でそれに返した。

問いかけの主もお茶を少し口にし、窓の外を見る。アホみたいに晴れていた。
ふぅ、と一息はき。ステイルにその視線を戻す。一瞬目が合い、その頬をわずかに赤らめる。

207 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/30(月) 09:07:23.52 ID:jy+YSuZb0

かわりに、ステイルが思わず目を反らす。

ステイルは自分の今いる地雷原を抜ける方法を思案する。
反らした先にあった段ボールに赤で書かれた『パソコン部品』という文字が目に入る。

キミがパソコン部品なんて物を買うなんて、意外だね。と、刺激を与えないようにと恐る恐る聞く。
話題を反らすのが目的なのは丸わかりであった。
とはいえ、今のステイルに浮かぶ手はそれくらいしかなかった。

けれど、案外にその会話は進む。
これ幸いと、ステイルは必死に話題を供給しようとする。
時間稼ぎに位にしかならないのは、必然である。

逆に言えば、時間稼ぎ程度になるのだ。
その間に、アイディアまとめようとする。

208 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/30(月) 09:08:29.61 ID:jy+YSuZb0

ステイルの脳内に浮かぶは、わが身が滅びようとも全てを捧げ護りとおすと誓った女の笑顔。





      彼は、ハジメテは好きな女と――、と考えていた。





守貞ルはそれを、素直に伝えてしまおう、と考えた。
辛辣に、キミには興味はない、と。

209 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/30(月) 09:09:26.85 ID:jy+YSuZb0








しかし、のんびりしている暇なんて、本当はなかった。
何も、時間稼ぎを有効に使えるのは彼だけというわけではないのだ。








210 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/30(月) 09:11:03.10 ID:/g3mBFme0

ステイルはなぜか、角度斜め75度に臨戦態勢であった。










なぜ――? なんて、考える暇はない。もう十分に時間稼ぎはした。
テーブルの上にあった彼の左手に何かが触れる。それは右手。
211 : ◆wfH9RNbiw6 [!orz_res]:2012/01/30(月) 09:12:26.10 ID:/g3mBFme0

あらゆる幻想を破壊してきたそれを重ねる、問いかけの主がそこにいた。








――や ら な い か ?









212 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/30(月) 09:13:20.11 ID:/g3mBFme0








その唇が、ステイルの唇に重なった。








――To be continue.
213 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/30(月) 09:14:01.71 ID:/g3mBFme0

はい、すいません。今日も私は元気です

守貞ルは捨貞ルにしんかしました
人は何か大切なものを失って、成長するんです

Q.問いかけの主、おにんにんついてるだろ!?
A.ついてません。それから非○女です

ちなみにこの先のシーンの構想はあります
自主規制ってこんなにも辛いんですね

214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/30(月) 18:17:37.17 ID:xiG4IgCco
え、ちょ



え?
215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/30(月) 20:05:22.88 ID:QCqr+ZHuo
もしかして・・・?

ステイルさん・・?
216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/01/30(月) 20:33:23.49 ID:rK0GCjdq0
Oh…
217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 02:35:14.89 ID:u94im8kl0
>>――To be continue.

あえて、言おう。
クエスチョンマークどこ行った。
218 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/31(火) 07:55:45.12 ID:zQTXSxMC0
レスありがとうございます

ステイルさんは犠牲になったのです
ファンの皆様ごめんなさい

それではまったり投下まいりましょう
219 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/31(火) 07:56:21.45 ID:zQTXSxMC0









「あの人が、結婚するんだってさ」









220 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/31(火) 07:57:06.98 ID:zQTXSxMC0

御坂美琴は、自身のクローンである妹、番外個体に呼び出され、彼女と共にファミレスにいた。
最初から、目の前の少女は元気がなくて、一方通行関連だな とか思っていた。
しかし、そこまで深くまでは踏み込まず、ただ一緒にパフェを口に運び、会話した。

そんな他愛もない話の、ちょっとした切れ目に沈黙が訪れる。
そのタイミングで番外個体が漏らすように言ったセリフがそれだった。


御坂は紅茶を一口飲み、一息。

あの人って、一方通行の事よね、と確認をとる。

221 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/31(火) 07:57:54.64 ID:zQTXSxMC0

本当は、確認をとる必要なんてない。

番外個体は一方通行のことが好きだ。
しかし、その遺伝子の影響か、それをひたむきに否定していた。
そもそも、本人はそれを隠し通しているつもりだった。

つまるところ、彼女の様子を見れば、わかりきったことだった。


「うん」


右に持ったスプーンの先を噛み、番外個体は簡潔に返す。その目は御坂を見ているようであって、御坂を見ていない。


でもね、ウチのおちびとじゃ無いんだよ、と虚ろに告げられ、御坂は驚いた。
そんなのお構いなしに番外個体は続ける。

222 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/31(火) 07:58:44.38 ID:zQTXSxMC0


もう付き合って三年にもなるんだって
ミサカ、2人でいた所に割り込んだ事もあるらしいよ
なんで、かな?
あの人がミサカたち以外の女と一緒にいるなんて
そんなに面白い事なかなか無いのに、全然覚えてないんだよ
なんて言ったかな、あの女の名前
あー、忘れちゃった
影薄すぎたんだよ、きっと


223 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/31(火) 07:59:22.41 ID:zQTXSxMC0









彼女は、一方通行だけを見るために生まれた個体だ。彼さえ居ればよかったのだ。
それが『誰と』なんて事は、関係なかった。









224 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/31(火) 08:00:12.59 ID:zQTXSxMC0

番外個体の目は虚ろで、出会った頃のように隈があった。
普段なら整えられている栗色の髪も、あのころのようにぼさぼさだった。


スプーンを口から離し、顔の前で2、3度空中を縦に行き来させる。


そうして、よく聞けば枯れている声で、呟くように言う。

225 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/31(火) 08:00:54.99 ID:zQTXSxMC0









「ミサカさ、あの人のことが……、好きだったんだよね」









226 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/31(火) 08:02:07.60 ID:zQTXSxMC0

コレ、ミサカのトップシークレットだよ、ぎゃは、なんて付け加えて、無理矢理に笑みを見せようとする。

知ってたわよ、と御坂は、妹のボサボサの頭を机越しになでる。

お姉さまにはかなわないな、なんて番外個体は自嘲気味に笑う。


「もっと、素直になれてたら、違ったのかな……」


これはオリジナルの遺伝子のせいだよね、とか嫌味っぽく言って、窓の外に広がる嫌味なくらいに青い空を見あげる。

227 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/31(火) 08:03:08.17 ID:zQTXSxMC0

「オリジナルも、告白は向こうから、なんてつまらない幻想抱いて、意地はってちゃだめだよ」


御坂は、わかったわよ、と答え、言う。


「泣いちゃいなさいよ」


番外個体は鼻で笑い、パフェのクリームをスプーンでひとすくいして、




――あっま……。




228 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/31(火) 08:04:01.98 ID:zQTXSxMC0








崩れるように、泣き出した。








――To be continue...?

229 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/31(火) 08:05:18.33 ID:zQTXSxMC0

はい、すいません。誰がなんと言おうとラブコメです

みさきちルートのもう一人のメインでした
それなのになぜか、みさきちより先に登場です
理由はあえて言うなら、このルートのテーマの1つが切望だからです

ちなみに、前回投下の内容と同じ時間での出来事です

230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 08:11:45.34 ID:qm0+Wfrjo
結婚、だと…なんかここも凄そうだな乙
231 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/01/31(火) 08:54:31.18 ID:Ry3syvfI0
ちょっと、本気ですいません

食蜂ルートの構想なんですが、逸脱(歪みからの去勢)と切望(断ち切れぬ思い)だったんですが
某スレでの食蜂さんと一方さん出会いの構図がかぶってしまいました
まぁ、私の文章力じゃ劣化にしかならないし、一方さんの設定もかなり違うので話は違うものになるんですが
この感じだとまた同じことがありそうなので、別構図というかプロットを練り直す時間をください


完結だけは絶対させます
本当にすいません
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/01/31(火) 09:22:52.26 ID:ADN6uOtc0
>>231
予想は付いた。
向こうの一方さんが特殊すぎるから、別にいいんじゃないかと思うけどもねぇ
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/01/31(火) 14:06:22.70 ID:fdIvEZ88o
いやというか基本あれ以外の出会い方ってなかなかないから大丈夫じゃないか?
新約読んでないから分からんけど原作も似たような感じな希ガス
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/01/31(火) 14:21:37.27 ID:dDk2WkM+o
うp主のやりたいようにやりゃ良いんじゃね?
つー訳でのんびり待たせてもらうよ
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/01/31(火) 18:24:01.40 ID:K9kTGDGk0
被ってもいいんじゃないかなぁ。
人によって色も形も変わるんだし、カップリングが被るのは問題ないと思うよ。
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 19:13:34.35 ID:rVazY8Y10
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/01/31(火) 21:09:43.29 ID:NTcyw/0ho
大丈夫、私はそんな>>1を応援してる
238 : ◆wfH9RNbiw6 [!orz_res]:2012/02/01(水) 11:26:18.95 ID:zNA7L5C90

皆様、励ましの言葉ありがとうございます
私の趣味50%増ぐらいになりましたが、新ルートできました。私マジ歓喜
ちなみに鬱ルートだったら3つ位できました。大学生暇杉ワロタ


私も始めは、>>232>>233>>235さんの言うとおり、この位問題ないか、と楽観視してたんですよ

何が問題だったかと言えば、プロットにみさきちの失○シーンがあったんですよね
ただでさえ、やろうぶっころしてやる状態が被っているのに、メインのネタまで被っちゃいますと……、構図が……ね

まぁ、ウチの一方さんはそれ見て、みさきちにカッコいい言葉かけて、猫背で去っていく予定だったんですけどネ。猫背で


※ >>237はヒ○シボイスで再生されます

とりあえず書き溜めの半数が融けたんで、投下ペースを守れるか不安です

239 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/01(水) 11:27:29.93 ID:zNA7L5C90
上のレスは長ったらしいので白抜きです


皆様、誠にご心配おかけしました

それでは、ぐったり投下します

240 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/01(水) 11:28:15.04 ID:zNA7L5C90


アンチスキル詰め所でのことだ。


麦野沈利は一寸だけやり過ぎてしまった為に、始末書を書いていた。
それを書き上げ、上司である――愛穂に提出し、自分のデスクに戻り、ふぅ、と一息ついた。
そのタイミングで、とある同僚の女に声をかけられる。


「麦野さん、ちょっとお伺いしたいことがあるんですが、――よろしいですか?」


頭上にお花畑のあるデスクワークを専門としたその女は、ニコリという擬音が似合いそうな微笑みをうかべ、彼女の斜め後ろに立っていた。
しかし、目だけは笑っておらず、麦野の目をじっと見つめて、その目を反らそうとはしなかった。
獲物を見定める、鷹の目であった。

241 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/01(水) 11:29:05.32 ID:zNA7L5C90

自分のデスクに腰を掛けたまま、麦野はその圧力に一寸した恐怖すら覚え、控えめに身を引いていた。
学園都市のトップであるレベル5であり、アンチスキルの中でも屈指の実力者である彼女が、だ。

そのため、詰め所に集う他の同僚たちの視線は全てが2人へと集まっていた。


――ゴクリ、という喉を鳴らす音が聞こえた。


それは詰め寄る女、初春飾利の発したものだった。

そして、彼女は麦野に問う。

242 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/01(水) 11:29:40.37 ID:zNA7L5C90









「どっちが……、攻めなんですか?」









243 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/01(水) 11:30:32.34 ID:zNA7L5C90

はっ? と、いう間の抜けたような声が、詰め所のいたる所からあがる。
麦野もその内の一人であった。

しかし、初春はそんな事お構いなしに続ける。


「もったいぶらずに教えてくださいよ!」


その目は、星が如く輝いていた。心なしか、頭の上のお花畑もざわついている気がする。

麦野は、何の事か? と、問う。

そこから、彼女の暴力は始まった。

244 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/01(水) 11:31:22.81 ID:zNA7L5C90




「何の事って、決まってるじゃないですか。麦野さんの所のカップル二人の話ですよ。質問なんてもちろん、鼻ピアスさん×刺青さんなんでしょうか? それとも、刺青さん×鼻ピアスさんなんですか? という事一択ですね。いや、そこんとこkwwskお願いしますよ。私的にはそうですね、鼻ピアスさん×刺青さんの方が好みですかね。とりあえず、見るからに鼻ピアスさんの方はヘタレじゃないですか。でも、あれは受けと見せかけた攻めだと思うんですよね。きっと、刺青さんが顔に刺青なんか入れてるのは、自分が目立つようにして他の男に見られることで、鼻ピアスさんの独占欲とか嫉妬心とかをかきたてるためのものだと思うんですよ、ヘタレっていうのは心の底では独占欲を強く持っている人達ですからね。愛しているからこそ分かるその気持ちを利用しているんですね。すっごい悪女的じゃないですか! 別の見方をすれば、ツンデレですよ、ツ・ン・デ・レ。やっぱりこの世界はY染色体だけでも問題ないんじゃないですかね。すいません、話がずれちゃいましたね。で、最終的に刺青さんは待ちきれずに自分から動き出すんです。二人っきりの所を押し倒して、でもやっぱり、愛が欲しい、というその気持ちからくるものですから、自分からは焦らすだけで抱いてくれるのを心で待っているんです。ヘタレ攻め×襲い受けの構図ですね。とはいっても、私は基本的にはカップリングに理解がある方ですから、逆でも全然いけますよ。そうですね、逆カプの刺青さん×鼻ピアスさんなら、少し煮え切らない鼻ピアスさんに刺青さんが襲いかかるっていうまさに、シンプルイズベストって感じですかね。本にするなら、過程よりもafterストーリーみたいなとある一日を描いた二人の不可侵領域の恋っていう感じが理想ですね。タイトルは『とある腐人(ふたり)の恋愛事情』とかどうですかね? おっと、すいません。麦野さんはどんなシチュがお好みですか?」




245 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/01(水) 11:32:25.57 ID:zNA7L5C90


――あ、えっ?


「あ、あんた……、何の話をしているのかしら?」

「何とぼけているんですか? 知っていますよね?」


やっとのことで、それを返した麦野に対し、初春はコンマの差で返す。
その口元はかすかに歪んでいた。

246 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/01(水) 11:33:28.96 ID:zNA7L5C90

麦野はそのセリフに、ばれないように驚きを見せる。

それは、麦野が知識は少ないながらに欲望に耐え切れず手を出したジャンルの、もはや堂々とした羅列であった。
そのジャンルは人前で声を大にして言うものではなく。
むしろ、その手の趣味があることなど、隠した方がいい。

麦野の持論としては、それを知られるなどあってはならない。それは一種の死を示す。

故に、麦野はいくつかの否定を並べていく。


しかし、初春はそんな言葉おかまいなしで、その内心うろたえる彼女の耳にそっと、口元を寄せる。

その耳に息を吹きかけ、体が強張った所を抱きしめる。


そして、微笑み、告げた。

247 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/01(水) 11:34:26.06 ID:zNA7L5C90









「麦野さんも、なんですよね。大丈夫です。味方は、ここにいますから」








――To be continue...?

248 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/01(水) 11:35:36.06 ID:zNA7L5C90

はい、すいません。初春さんはレヴェル6です

というわけで、初春さん登場でした
まるで、天使のような人でしたね
麦のんに忍び寄る触手といったところでしょうか

それと、もう一つ

――アンチスキルって教師なんだぜ

249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/01(水) 11:44:04.15 ID:HyTQnUb20
>>248

安心しろ、俺もだ
250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) :2012/02/01(水) 11:56:01.55 ID:XImGowRAO
くっそワロタwww
251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/01(水) 11:58:21.73 ID:VARalNtXo
乙!
初春は相変わらず腐なんだなwwwwww
やっぱ麦のん可愛いよ
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/01(水) 15:50:17.61 ID:GX689KRJo
安定の初春さんは置いといてむぎのんェ……
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/01(水) 17:55:34.73 ID:mCPCVfo10
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/01(水) 20:52:13.24 ID:RvJDo7X2o
麦のん超絶支援
255 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/02(木) 10:17:38.86 ID:BmXS+UD70
皆様、レスありがとうございます
麦のん大人気ですね

初春さんをそんなに褒めないでください

それではまったり投下します
256 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/02(木) 10:18:16.42 ID:BmXS+UD70

大学生、絹旗最愛は講義もそっちのけで頭を抱え、唸っていた。


『浜面をデートに誘ってしまった』


という、それに。

理由としては1つで、前日のテンションのままに彼と相対してしまったことにある。
彼を独占したいから。なんて、子供みたいな理由。それは同時に雌の本能でもあって。

そんな、考えの自分に絹旗は嫌気がさした。

257 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/02(木) 10:19:12.06 ID:BmXS+UD70









なんというか……、自分自身がとても汚く、汚らわしい、そんな存在である気がして。









258 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/02(木) 10:20:13.46 ID:BmXS+UD70

あの夜の選択は本当にあれでよかったのか

絹旗は、それも幾度となく悩む。

今さらどうにもできないが、どうにかなって欲しかった。

あれが、分かれ道だったのだ。無限にあった道は、今となっては足元のものしかない。

絹旗は勝つか、負けるか、それしかない修羅の道を選んでしまった。

汚い女になっていた。

かといって、2人を見続けることなんて、精神的にも、えづら的にも、できなかった。

259 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/02(木) 10:20:56.45 ID:BmXS+UD70









「――幸せになろうとして、いいんでしょうか?」









260 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/02(木) 10:21:45.59 ID:BmXS+UD70

絹旗は大きく溜息をついた。
そして今更ながらに、講義に集中しなきゃ、と前を見る。


「このレポート提出は三日後までよ。その代り、第一位が添削してくれるわ」


自分に甘い女、教授芳川桔梗のあくび交じりの適当な声が講堂に響き、講義が終わった。

261 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/02(木) 10:22:31.76 ID:BmXS+UD70

***


食堂の円形テーブルを囲む、三人娘。絹旗最愛、黒夜海鳥、ショチトル。
ほとんどの講義が被っているものだから、三人はその行動を共にしている。
そのためか2人は、退院してからの絹旗の様子がおかしい事にしっかりと気が付いていた。

真面目な彼女が講義中に溜息を吐き、聞き逃したと課題を確認してくる。

それだけでも何かおかしいという事には気が付ける。

そして、さっきの講義のさなかに彼女の漏らした台詞。それで2人は確信した。

262 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/02(木) 10:23:29.41 ID:BmXS+UD70









相手こそわからないが、――絹旗がもう一度恋をした。









263 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/02(木) 10:27:12.06 ID:zP3wDelt0

2人は素早いアイコンタクトを交わし、目の前で手作りのシャケ弁を頬張る彼女に話しかける。


「なぁなぁ、絹旗ちゃん」

「どうしたんですか? 黒夜。そんな風に指をうねうね動かして、超気持ち悪いですよ」

「絹旗、私はミニスカートがいいと思うぞ」

「ショチトルまで……、いったい超なんなんですか?」


絹旗は少々引き気味に聞く。同時にメインである焼き鮭に箸を伸ばす。口を開けたところで二人の声が重なった。


『幸せに、なるんだよ』

264 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/02(木) 10:27:46.57 ID:zP3wDelt0

大切なシャケが宙を舞う。というか、自由落下して……。







「どどおどどおdっどどおどどおどお、どうして、デートの事知ってるんですか?」







265 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/02(木) 10:29:23.08 ID:q4pddraH0

別に2人はデートがどうのと言っていたわけではないのだが、盛大に声を裏返し、絹旗最愛は叫ぶようにそう返す。
ショチトルがせめてものフォローにと、口を開こうとしたが、絹旗はそのままの勢いで叫び続ける。


「も、もしかして病院でのアレ見たんですか?」

『病院?』


絹旗は自身の墓穴を深くする。


「えっ! じゃあ、なんで……!?」


うろたえる彼女を見て、黒夜の口角が少し吊り上がった。


――To be continue...?

266 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/02(木) 10:30:30.41 ID:q4pddraH0

はい、すいません。女子○学生だったんです

恋愛において、友人の存在は大切だと思います
その為の『アイテム』とは別の絆を作らせていただきました

というわけで、今回は「絹旗がもう一度恋をした」でした
今更ですが、絹旗を描くにあたってのテーマは再燃です
漫画のタイトルが少女漫画風に噛み合うんですよ

今はまだ彼女の恋の結末は見えていませんが、応援してあげてください

267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/02(木) 15:57:48.22 ID:Td7DvBlco
乙!

大学生絹旗可愛いだろうな
ってか、芳川相変わらずダラけてんなwwwwwwww
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/02/02(木) 19:58:17.18 ID:q0DNPmAAO


絹旗が可愛いな

それでも馬面は木原クン一筋なんだろうなw
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/02(木) 20:01:10.67 ID:W/FurdHk0
270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/02(木) 21:29:11.86 ID:U1FrSEzLo
いいなぁこの雰囲気乙
271 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:08:16.16 ID:QijBP9mI0
皆様、レスありがとうございます

一寸数日間忙しくなりそうなので、多分これません
代わりに今日は二話投下です

それではほんのり投下しやす
272 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:08:50.60 ID:QijBP9mI0









「あっ、ぅあ」









273 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:09:30.29 ID:QijBP9mI0

浜面仕上は、自身の穴に愛する妻がその身体になってから愛用している棒を突っ込まれ、思わず声を漏らす。

時刻はAP10:00。この時間、家の中には彼らの同居人たちはいない。それぞれが、学校や仕事へ出かけていた。
故に、二人きり。


「気持ちいいの? しあげ?」

「あぁ、理后。最高だ」

「わかった。じゃあ、続きいくね」


そんな熱い声が、2人の部屋に響く。


…………………………。

274 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:10:07.66 ID:QijBP9mI0

浜面仕上は、その頭を浜面理后の膝に乗せ、耳掃除をしてもらっている。
だらしなく緩むその口角は、なんだかどうして、醜かった。


「しあげ、こっち、終わったよ、反対側向いて」

「やっぱり理后は最高だわ」


仕上は怠惰に体の向きだけを変え、そんな風に呟いた。

それを聞き、理后は顔を赤くする。口元にまで入った刺青がわずかに歪む。
それから、お礼とばかりにそのこめかみに唇をつけ、伝える。


「しあげはいつもかっこいいよ」


そして、2人は笑いあう。

275 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:10:50.93 ID:QijBP9mI0

「そういえば、あくせられーたが結婚するらしいよ」

「へー、一方通行はどっちと一緒になるんだ?」

「私も初めはそう思ったんだけどね、どうも、違う人と結婚するみたい」


仕上はそれを聞き、一瞬驚きを見せたが、すぐに冷静に、


「あの二人から、一方通行を奪うなんてすごい良い女なんだろうな」


と、返す。一番は滝壺だけどな、と付け加え。

それに関してはいつも通りスルーして、話を続ける


「確か……、■■っていう人とらしいよ」

「二人とも可哀想に。俺は3年前までの姿しか知らないけど、あんなにアピールしてたのにな」


仕上の目には、あの上条が2人の気持ちに気が付いたほどのアピールの数々を思い出す。
こんなことがあったよな、と理后と話す。
その思い出話は昨日の事のように紡がれる。

276 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:11:51.18 ID:QijBP9mI0

そして不意に……



「結婚式と言えば、ブーケトス、どうなるんだろうな?」



仕上は自分たちの結婚式でのブーケトス時の地獄を思い出し、呟いた。

能力が乱れ、跳び、荒れ狂う女の戦い。ブーケが散らなかったのは一種の奇跡だ。
最終的に、少し遠くで傍観していた黄泉川の手に収まった。

あの後、引きこもっていたから行かなかったが、黄泉川は結婚したらしい。だから今回はさらに荒れるだろう。

理后もそれを思いついたようで、難しい顔をしていた。

277 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:12:33.32 ID:QijBP9mI0

そうして、唐突に、思い出したように理后は問う。


「そういえば、しあげ、式服は大丈夫?」

「あーそういえばそうだな。まぁ、前にフリーサイズ買ったし大丈夫じゃねえかな?」


理后は、全盛期はアックアとタメを張れるほどだった彼の体を思い出し、そんなこともあったなと思う。
そして、ふと気が付き、今の彼を見て呟いた。

278 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:16:41.11 ID:5ooLOVRM0



















「しあげ、ふとってない?」

「えっ!」
279 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:17:28.80 ID:5ooLOVRM0








幸せ太りした浜面仕上の悲痛な叫びが、リビングに響き渡った。








――To be continue.

280 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:18:05.58 ID:5ooLOVRM0

はい、すいません。よくある手法ですね☆

それでは二話目。まったり連続投下です

281 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:18:47.65 ID:5ooLOVRM0














――私も馬鹿ねぇ。やんなっちゃうわぁ。














282 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:19:24.83 ID:5ooLOVRM0

食蜂操祈は自室のベッドに横になり、虚空に向けて溜息をつく。

彼女は手に持ったタッチ式の携帯電話を操作し、画像フォルダから一枚の画像を取り出す。
そうして、削除、と書かれたアイコンを人差し指でタッチする。
『本当に削除しますか? Yes or No』という未練がましいメッセージが表示される。

Yesのアイコンを押そうとすると、文字の裏に見える画像がその動作を否定させる。

その脳裏に浮かぶは、三年前に出会い、それ以来彼女が想い慕い続けてきた男性、一方通行と初めて出会ったその日である。

283 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:20:03.46 ID:5ooLOVRM0

       ***


――雨の激しい夜だった。


食蜂は傘を開き、夜の町へ繰り出した。
いつもなら、誰かがいる大通りには、誰ひとりとしていない、学生たちの喧騒に賑わう街は、ただ雨音だけを響かせる。
彼女はそんな、誰もいない町が好きだった。

オレンジ色の長靴が、水たまりを蹴り上げる。

そんな自身の子供っぽい行為がおかしくて、彼女は頬にくぼみをつける。


この雨の中では、周りに創りかためられた私が消える。

何より、誰の言葉も聞こえない。

284 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:22:51.52 ID:5yMo7H+Y0

――そんな中、私は一匹の猫を見つける。


ふと、目に入った段ボール。あのトラ柄の小猫はそこにいた。

雨に打たれ、元気はない。その四肢は伸び、ヒュー、という音がかすかに漏れていた。

消えかけた、『拾ってください』という文字が憎らしい。


「大丈夫? どうして、こんな雨の中にいるのよぉ」


思わず傘を放り投げ、子猫を羽織っていたニットのカーディガンで包み込み、抱きかかえる。
しかし、そこから先はどうしたらいいかわからない。

285 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:23:37.34 ID:5yMo7H+Y0

「え、えっとぉ『大丈夫よぉ、あなたは元気、元気なのよぉ』」


そんな風に、能力を使い、効果があるのかどうかもわからない暗示をかける。
例え効いたところで、それは残酷な死の道でしかない。
腕に抱き、なるべく、その体を温めようとする。


『にゃぁー』


雨に濡れた顔がこちらを見た。
何を言っているのかはわからない。


『この能力が、もっと別のものだったら良かったのに』


なんて、何度目かもわからない考えが浮かんだ。

そして、出会って三分もたたない命に、本気で涙していた。

286 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:24:20.88 ID:5yMo7H+Y0

――彼に出会ったのは、そんな激しい絶望の中だった。


カツーン、カツーンと、雨音以外の音が響く。

杖を突く音だった。


「あァ? おい、傘も差さないで何やってンだァ?」


振り向けば、白髪の、美しい少年がいた。
私は、何者かもわからなかった、彼に向かって、――望む。


「この子を――、助けて」


287 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:24:58.69 ID:5yMo7H+Y0

       ***


女々しい自分を鼻で笑い。また今度、とNoのアイコンをタッチする。

また今度がいつになるのかはわからない。
けれど、思い出は思い出であって、いつかは清算しなければならない。

彼女はそれが分かっているから、その言葉を選んでいた。

また1つ溜息。そうして、呟く。

288 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:25:49.67 ID:5yMo7H+Y0










――フラれ、ちゃったのねぇ。










――To be continue…?

289 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/03(金) 09:26:38.85 ID:5yMo7H+Y0

はい、すいません。これがこのルートの進み方です

一方×食蜂Happy endを見たく選んでいただいた方、誠にすいません
このルートのテーマは切望と成長となりました

いつものあとがきは、長ったらしいうえに暴走気味なので、下に白抜きにしておきます

290 : ◆wfH9RNbiw6 [!orz_res]:2012/02/03(金) 09:27:28.44 ID:5yMo7H+Y0

一話目
やっと投下できました、2人のいちゃラブでした
どうしてここまでかかってしまったんでしょうか? 不思議です

ちなみに、一番初期のプロットはほぼBLネタでした
浜×垣(滝)、上→守→禁、土×琴、一→青、ヤンデレ五和
とか、書いていました。超危なかったですね

今の浜面の体型イメージはハンタのミルキ位でお願いします

二話目
この食蜂さんの設定としては
内面は純粋な少女
能力へのコンプレックス
etc…
と、いったところです

うすうす気が付いてらっしゃる方もいるかもしれませんが
私はフラれて意気消沈している女の子が大好きな変態です

291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/03(金) 11:00:49.07 ID:bDuQvUiIO
乙でした
>変態です
うん、知ってた。ニ話目辺りで
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/03(金) 11:58:16.15 ID:n8RY0sPb0
あれ。
そうすると一方さんの結婚相手は……
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/03(金) 13:10:38.00 ID:W1I8txQ7o
乙で〜す
浜面の体型ワロタwwwwww

俺もフラれて落ち込んでる女の子大好きです
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/03(金) 14:43:13.25 ID:9j8G3Lr60
お…つ
295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/03(金) 21:11:45.50 ID:5l29rIU8o
ミルキっておいそりゃないだろ
俺絹旗全然気にしてなかったのになんか応援したくなってきたぞ乙
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/02/03(金) 21:58:23.68 ID:JChh4D3AO
一方操作だと思いきやまさかの■■さん登場か
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/03(金) 22:19:58.23 ID:c3+4d7wBo
■■さんならしかたがない
298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/04(土) 11:53:04.70 ID:rT9mMmPVo
ミルキクソワロタww
299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/02/04(土) 19:58:47.81 ID:v5dKKvs40
>2人の部屋に響く
   ↓
>リビングに響き渡った

……。あれ?
300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西・北陸) [sage]:2012/02/04(土) 20:18:48.19 ID:z09p9pvAO
乙!
301 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/05(日) 21:01:01.56 ID:Y8Ob/bi00
皆様、レスありがとうございます

>>299の変換はちゃんと意味ありますよ
気が付いてくれた方います?
もし、気がついても解説はしないでください


数日間これないとか言ったけどさ、何というか……、来ちゃった☆


それではほんのり投下します。いやっほう
302 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/05(日) 21:02:04.01 ID:Y8Ob/bi00
「大人二枚? そちらの方は……。すいません、大人二枚ですね」


受付嬢のそんな苦い笑みを見せられ、絹旗最愛は出ばなを盛大にくじかれる。
横では、浜面が凄まじい勢いで笑いを堪えているのが分かって、思わず受付の女を殴りつけたくなった。
とはいえ、そんなことをすればアンチスキルが呼ばれ、今日のデートは台無しになってしまう。

故に、絹旗は自身を押さえつけ、拳を握り、笑みを見せる。






「だ、大丈夫です。超。超慣れてますから」
303 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/05(日) 21:02:46.69 ID:Y8Ob/bi00









浜面仕上は噴き出した。









304 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/05(日) 21:03:48.52 ID:Y8Ob/bi00

       ***


シアタールームの前の通路。
むすぅ、と頬を膨らませる少女と、その後ろでヘコヘコする男がいる。


「俺が悪かったって、なっ、機嫌直してくれよ」


と浜面は、本日の主役である絹旗の顔を覗き込む。


「浜面なんか、超大嫌いです」

「許してくれよ。なっ?」


その動作は嫌に手馴れている事から、その男の性格は周りからも見て容易に想像がつく。

305 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/05(日) 21:04:24.16 ID:Y8Ob/bi00

絹旗は、立ち止まり、振り返り、浜面に人差し指を向ける。
彼は一瞬それに怯み、体を引かせる。それから、何だよ、と返した。


「私があんなにも超恥ずかしい思いをしたんです。浜面も同じぐらい恥ずかしい事やってくださいよ」

「えっと、絹旗さん。それはどのような事を……」


浜面はその気迫に、自身の口調を変え、似合わない敬語を使う。

306 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/05(日) 21:06:02.29 ID:Y8Ob/bi00

「馬にでも超なってください!」

「いやいやいや、それはレベルが違いすぎるだろ」

「そうですか? 仕方ないですね、椅子にでもなってください」

「それもあんまり変わりねぇから」


浜面仕上、最後の抵抗である。
とはいえ、所詮UMADURASIAGE。


「ほら、浜面。超早くしてくださいよ」

「んぐぐ、ち、ちくしょう」


無様にも馬になろうと膝をつく。

しかし、そこは通路のど真ん中。
307 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/05(日) 21:07:25.38 ID:Y8Ob/bi00

「お取込み中すまないにゃー、もう映画始まっちまうから、そこ通してほしいぜよ」


「あっ、超すいません」


と、絹旗は浜面を無視し通路の端による。

声をかけてきた男は、なぜかメイド服を着ている女とその間を仲睦まじげに通って行った。


普通のカップルの姿であった。
それが、絹旗には羨ましい。

308 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/05(日) 21:08:44.05 ID:Y8Ob/bi00



…………。



「浜面、別の奴考えたんで、立ち上がっていいですよ」


そのままの体勢でいた浜面は、その声でそっと立ち上がる。その目に希望という光は無い。


「なんだよ?」


絹旗は頬をかすかに染め、いま思いついたそれを命じる。

309 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/05(日) 21:09:36.96 ID:Y8Ob/bi00

「私と一緒に、恥ずかしい位べったべたに甘いカップルを演じてください」




















「はぁ?」


――To be continue…?

310 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/05(日) 21:10:43.25 ID:Y8Ob/bi00
はい、すいません。ベタですね

なんかさ、女王様な絹旗ルートでもいい気がしてきた

というわけで、絹旗デート編です

次回に続きます
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/06(月) 17:26:06.26 ID:0eTr+IBU0
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/02/06(月) 17:43:16.30 ID:EZJ1kmX6o
乙でした
依存系キャラに少しオドオドしながら襲われるとかご褒美です
313 : ◆wfH9RNbiw6 [sage]:2012/02/06(月) 22:16:40.86 ID:1cKKLHbb0
変態からのお知らせ

今日無理です
明日来ます
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/07(火) 02:37:54.34 ID:pK5IjB1D0
まってる
寒いけどまってる
315 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/07(火) 07:00:29.37 ID:7Fy1I+Dl0
皆様、レスありがとうございます

それではまったり投下します
316 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/07(火) 07:01:07.21 ID:7Fy1I+Dl0

ファミレスのテーブルに一組の男女がいる。


「はい仕上、あーん」


と、自身のパフェを幸せそうに差し出す少女。


「あ、あーん」


と、ぎこちなく口を開く男。

きっと、付き合い始めのカップルなの。と、横のテーブルの春上衿衣は横目でそう考える。

317 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/07(火) 07:02:12.25 ID:7Fy1I+Dl0

「おいしいですか? 仕上」

「あぁ、おいしいぜ、絹h……最愛」

「それは良かったです。仕上のやつも少し、分けてくれませんか?」


そう言って、その頬を緩ませ、笑いかけた。

浜面は、いいぜ、とパフェの容器ごと絹旗の方にスライドさせようとする。

それを見て絹旗は、自身の頬を膨らませ、言う。



――仕上も、あーん、ってやってくれなきゃ、超嫌です。



318 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/07(火) 07:02:53.85 ID:7Fy1I+Dl0

……。

…………。

……、…………。



あ、あーん。



絹旗はそのスプーンをパクリと口にする。
それは、クリーム以外の甘い味もした。



――超、浜面の味がしますね。超おいしかったですよ。



そんな風に、微笑みかける。

319 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/07(火) 07:03:42.96 ID:7Fy1I+Dl0





























「お、おぉ」
320 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/07(火) 07:04:52.06 ID:7Fy1I+Dl0

絹旗は、羞恥で顔を真っ赤にした、嘘の恋人を愛おしく仰ぎ見る。


――良かった。女として見らえていないわけではない


そんな思考が頭を廻る。
女なんて、打算的なものである。

そして、絹旗は同時に、


そうはいっても目の前のバカは、罰ゲーム、としか認識していない。


というそれに気が付いた。気が付いてしまった。故に、道化である自身を鼻で笑う。

321 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/07(火) 07:05:40.11 ID:7Fy1I+Dl0









「おい、絹旗?」









322 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/07(火) 07:06:56.92 ID:7Fy1I+Dl0

と、浜面が声をかけた。
絹旗は、今自分はどんな顔をしていたのだろう? と思いつも平静を装い返す。


「最愛って呼んでくださいって超言ってるじゃないですか。で、なんですか?」

「いやな、……なんでもねぇよ」


浜面はその発言を一度切る、そうして、いつも通りにニカッとアホ面をさらした。


「超キモイですよ」


絹旗は、普段通りにそう返す。

323 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/07(火) 07:07:59.10 ID:7Fy1I+Dl0









ただ――、その頬を涙がつたってさえいなければ……。








――To be continue...?
324 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/07(火) 07:09:14.14 ID:7Fy1I+Dl0

はい、すいません。余白ばかりですね

前回『恥ずかしい位べったべたに甘いカップル』と
銘打ちましたが、この程度です
砂糖が足りませんよね
むしろ、お塩を混ぜました


アンケートです

砂糖とお塩
どちらが――、お好きですか?

325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/02/07(火) 08:26:07.38 ID:NFSwFmrz0

激甘で頼む
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/07(火) 09:17:50.75 ID:TyL/qrHro
―――――――胡椒、かな。
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/02/07(火) 10:08:06.74 ID:eQ7syKZ50
この流れで塩はちょっと……甘めで頼む
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/02/07(火) 12:07:48.29 ID:aNszKJBAO
医者から塩分採るの控えろ言われたんで砂糖でお願いします
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(三重県) [sage]:2012/02/07(火) 13:10:17.86 ID:5QbJUFHAo
乙でした
確かに砂糖のほうが……いや、スイカに塩理論で俺は塩を選ぶぜ
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/07(火) 17:00:30.00 ID:hbS+586To
七味
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/07(火) 17:05:28.41 ID:2+Fa6hUAO
メリー「わたしメリーさん。今>>61に居るの…すごくわたし好みなの…」
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/07(火) 17:26:36.55 ID:2+Fa6hUAO
メリー「わたしメリーさん。今>>132に居るの。感情移入するとNTRって萌えるの!!」
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/07(火) 17:53:31.98 ID:2+Fa6hUAO
メリー「わたしメリーさん。今>>197に居るの。切ないの…好きなの…好きなの…あなたが超好きなの!ふりむいて!」
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/07(火) 18:19:33.34 ID:2+Fa6hUAO
メリー「わたしメリーさん。今>>323に居るの。…もう鈍感な♂なんて絶滅しやがれなの!乙女心弄ぶななの!責任取ってダーリンになりやがれなの!!」
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/07(火) 19:01:30.54 ID:ViCA1z0ao
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/07(火) 19:38:53.08 ID:dMWdzB0eo
337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/07(火) 20:15:21.10 ID:bSn+H89to
こーれーぐーす
338 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/08(水) 07:51:47.21 ID:UYjQhyAf0

砂糖3人、塩2人、その他4人ですね
ご協力ありがとうございました
何のアンケかは明かしませんが

>>331-334
一寸萌えた
でも、NTRじゃないです。ラブコメです
間違えないでください。舌入れますよ

それではまったり投下だぜ
339 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/08(水) 07:53:50.67 ID:UYjQhyAf0

番外個体は一杯のブラックコーヒーだけを頼み、テーブルに着く。
読みかけの文庫本を開き、読み始める。
そして、コーヒーを一口。
普段はカフェラテとかそんな甘いタイプのものを好む彼女にとって、それは少々苦い。

でも、それを我慢して、もう一口。

なんだかあの人に近づいた気がして、また一口。

そうして、カップの中身をゆらす。

340 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/08(水) 07:54:45.90 ID:UYjQhyAf0


「……、やっぱり、ミサカには苦すぎるかな」


番外個体は一方通行その人を[ピーーー]ために造られた個体であって、受け止めるための個体ではない。

彼女自身のその認識は、その体に深くのしかかる。


テーブルに身体を預け、大きな溜息を1つ。


「ばっかみたい」


341 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/08(水) 07:56:20.15 ID:UYjQhyAf0

数日前、泣きに泣いて全て発散したはずなのに、この数日でまた、フラストレーションが溜まっていた。



――自分は、ここまであの人だけの存在だったのか。


そんな想いが浮かび、


「ミサカ、この先、もう一度恋なんてできるのかな」


そんな言葉がついて出る。

342 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/08(水) 07:57:15.10 ID:UYjQhyAf0

       ***


そんな風にしんみりしていたら、馬鹿が五、六人ほど店の奥から近づいてきた。
その顔は醜く歪んで、気持ちが悪い。


「オウオウ、ネェチャン。ドウシタノォ? 彼氏ニスッポカサレチャッタノォ?」

「可哀想に。なぁなぁ、俺達と一緒に筍の里たべようぜ」

「馬鹿か、キノコの山一択だろうが」

「何言ってんだ? コアラのマーチだろ」

「そんなものより、俺のキノコ銜えねぇか?」


ぎゃははは、と品もない笑い方。

番外個体は、体を起こし一瞥。
腰掛けてから1ページも進んでいない文庫本にしおりを再び挟む。
そうして、また、コーヒーを一口。二口。

ニコリと笑みを浮かべる。

343 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/08(水) 07:58:03.98 ID:UYjQhyAf0









「あなたたちなんかじゃ、ミサカには釣り合わないんじゃないかな?」









344 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/08(水) 07:59:04.58 ID:UYjQhyAf0

空気が凍る。


「オウオウ、ネエチャン。何言ッテンダ?」


男の一人が、ドスをきかせた声で問う。


「あんたたちの素チンじゃ、ミサカは満足させられるわけないって言ってんのよ。大丈夫、日本語分かる? あゆー すぴーく じゃぱにーず?」


静かな喫茶に巨大な落雷が落ちた。

気の短いそいつらは、静かに番外個体を囲む。

345 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/08(水) 08:00:35.33 ID:UYjQhyAf0

       ***


カラーン、と間抜けな音が店内に響いた。
不運な客が、入ってきてしまったようだ。

可哀想に。

経験則からいえば、こういう場面に遭遇するのは一人なわけだが……。
まぁ、今回は違った。







「おや、あなたは――」


そこには、あの人の友人である常盤台中学理事の孫がいた。


――To be continue...?

346 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/08(水) 08:02:25.17 ID:UYjQhyAf0

はい、すいません。ちょっと最近ローテンションです

ヒーローぽい人が出てきましたね

ちなみにスキルアウトの方々はまだトイレに沢山の仲間を隠しています

次回に続きます

347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/08(水) 10:57:32.45 ID:rxLjo9LYo
編隊キタァァァァァァァ
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鳥取県) [sage]:2012/02/08(水) 13:49:09.38 ID:2zLDQnzgo
どっちだ、ストーカーか本物か
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/08(水) 19:43:19.25 ID:gcJR2YRe0
350 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/09(木) 06:47:42.33 ID:GmZja3R20
皆様、レスありがとうございます

今回はエツァリです
本物は上条処女消失編にでも出す予定です

それではぐったり投下します
351 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/09(木) 06:48:32.51 ID:GmZja3R20







「自分は――、始め学園都市の敵でした」







単身でスキルアウト30人を撃破したのち、番外個体の相談を受け、海原光輝はそう語り始めた。

352 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/09(木) 06:49:19.16 ID:GmZja3R20

「詳しく話すことはできませんが、自分はある組織を裏切ってここにいるんですよ」

「ふーん。まぁ、ミサカには関係なさそうだしどうでもいいけどね」


と、興味なさげにコーヒーを一口。

海原はその答えに笑みを浮かべる。それから、自分自身もコーヒーを口に運ぶ。


「自分の仕事は、幻想殺しとその周辺の観察でした」

「ヒーローさんの?」

「ええ。当時の学園都市は畏怖の塊でしたから、そんな中に生まれた魔術とかかわる彼を中心としたグループを恐れたんです。
 自分はスパイとして、やってきました。この顔はここだけの話、借り物なんですよ。
 まぁ、そのさなか、自分は一人の女性に出会ったんです」

「あぁ、その誰かと恋人になった、とかで裏切ったんだね」


流石は女の子と言うべきか、番外個体は敏感にその話題に食いつき。その目を輝かせる。
その目は、どうなの? どうなの? と、訴えかけていた。

353 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/09(木) 06:50:24.36 ID:GmZja3R20

海原は苦い笑みを見せ番外個体に語る。


「そうだったら良かったんですけれど。その方は幻想殺しの事しか見ていませんでした」

「うわー、それは辛い。じゃあ、どうしたの?」


フフッ、と海原は含み笑いを見せる



「男って馬鹿な生き物なんですよ。自分は幻想殺しを殺しにかかりました」



と、とんでもない告白。しかし、幻想殺し上条当麻は生きている。
海原はまたコーヒーを一口飲み、一息。

354 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/09(木) 06:51:20.20 ID:GmZja3R20

「自分は敗けました。その代りと言ってはなんですが、彼には


――彼女と彼女の周りの世界を守り、彼女の笑顔を絶やさない


そんな誓いを立ててもらいました」



今も、自分の誓いは守られているようですよ、と海原は遠い目を見せる。


「海原さんはそれでいいの?」


番外個体はそれを問う。そんなもの、わかりきっている。
いいはずなんてない。

しかし、海原は優しい目をしていた。

355 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/09(木) 06:52:42.69 ID:GmZja3R20










――彼女が幸せなら、自分なんていないんですよ










356 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/09(木) 06:53:40.40 ID:GmZja3R20

海原は、また一口コーヒーをすする。


「羨ましいなぁ、その人……」

「そうですね」

「じゃあ。諦めて、海原さんはどうしたの?」

「それはですね――」


番外個体の好奇心からきた質問を、海原は律儀に答えようとする。
しかし、海原の言葉を切るように、カラーン、という音が再び響く。
そこには褐色の肌をした少女が2人いた。


「おや、自分の待合わせ相手達が来たようです。長々と、失礼しました」


彼女たちは嫉妬深いですからね、とウインクし、海原はそっと立ちあがる。

357 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/09(木) 06:54:31.82 ID:GmZja3R20

番外個体はそのハーレム野郎の背中を見送り、ふぅ、と一息ついた。















――恋って、めんどくさいなぁ……。



358 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/09(木) 06:56:06.99 ID:GmZja3R20

紙でできたコップの縁を見つめ、またそれを一口。
苦いし、もう砂糖を入れちゃおう。と番外個体は机の上のスティックシュガーに手を伸ばす。

そこで、コップの中身がもうほとんど残っていないことに気が付いた。
彼女はその手をひっこめ、残っていたそれを喉の奥へと流し込む。


すいませーん、と手をあげて、今度は甘いカフェオレを頼む。




彼女がブラックコーヒーを飲みきったのは、これが、初めての事であった。


――To be continue...?
359 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/09(木) 06:57:26.35 ID:GmZja3R20

はい、すいません。会話パート全力投球です

エツァリ大好きです
どんなルートを選んでもエツァリは幸せです

でも今後の登場予定は無いです



次回は私のテンションあげる為、ほのぼの行きます。

360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/09(木) 07:55:59.25 ID:Ge/zz2XBo
乙!
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/09(木) 11:38:26.46 ID:tqfwU9ido
乙!

海原さんかっけぇっす
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/02/09(木) 11:52:57.35 ID:DzgvEV/00
乙乙!
真面目なエツァリはただのイケメンだからいじる要素がないな
363 : ◆wfH9RNbiw6 [sage]:2012/02/09(木) 22:29:08.54 ID:wbVrctfp0
すいません
明日の朝忙しいのでこれないです
夜か明後日来ます
364 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/11(土) 07:46:14.41 ID:VPh6lZS+0
あはようございます

エツァリは禁書で一番かっこいいキャラだと思ってます
友人は誰も賛同してくれません。なぜ?

まぁいいや。それではまったり投下だよ
365 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/11(土) 07:46:47.77 ID:VPh6lZS+0

浜面理后は土手に腰掛け、いつも通りにぼんやりしていた。

見上げる空には白い雲。

吹かれ流され、空を行く。青いパレットに伸びる白絵具。
あれはわたあめ、あれはとまと、あれはさといも、あれはさけをくわえたむぎの、……。
そんな風に形を想像していく

366 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/11(土) 07:47:36.16 ID:VPh6lZS+0

さといもが大きく広がり、くまとなり、むぎのへと襲い掛かっていった。
むぎのはさけを死守せんとするが、さけが霧散する。


「あっ」


くまが2つに別れた。く/ま、となる。


「流石、むぎの」


今度はとまとが膨らんで、大きならふれしあへと姿を変える。
らふれしあがわたあめを飲み込んで、巨大なしかくになった。
むぎのはなぜか、すかさず飛びつく。が、そのしかくに押しつぶされる。

空にはしかくだけが残された。

367 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/11(土) 07:48:05.13 ID:VPh6lZS+0

しかくが広がり、中心から青を見せる。

それが広がり続け、すくりーんを形成し、それにへばりつくこどもが現れる。
きぬはた、と名付けよう。

すくりーんには沢山のすぽーつかー。れーすの真っ最中だ。

いつの間にか、さらに画面は広がり、きぬはたは見えなくなっていた。
きっと、おとなしく席に着いたのだろう。

れーすは終盤にさしかかり、一台のくるまが列を抜け出す。
そのままごーるてーぷを切って、1着。

すぽーつかーのとびらが開き、一人のおとこが飛び出した。あたまがツンツンしている。かみじょうだ。

368 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/11(土) 07:48:54.53 ID:VPh6lZS+0


「ふこーだー」


こうぞくしゃに轢かれ、かみじょうが飛び散った。

新しい勝者は細く白い。あくせられーただ。

しかし、形の定まらない……ひと? と合わさって、風に流され消えていく。


「こっから先は一方通行だぁ」


残されたのは……。


「しあげ」


369 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/11(土) 07:49:44.56 ID:VPh6lZS+0

しあげはなぜか、おたちだいの一番上に立つ。
そして、こっちに向かって手を振っている。



「私もそんな繰上げ優勝でも大喜びなしあげは応援できないな」



しあげは凹み丸くなる。
そして、そのままどんどん広がって、ぱーん、と爆発した。

370 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/11(土) 07:54:45.80 ID:VPh6lZS+0

「ふれめあはいないのかな?」






いた。元気そうに遊んでいる。
それを、大男とベレー帽の細いのが覗き見ていた。


「ろりこんかな? 気を連れてね、ふれめあ」



静かに流れゆく赤い雲。


「そろそろ、帰ろうかな」


と、浜面理后は立ち上がる。
371 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/11(土) 07:59:15.19 ID:VPh6lZS+0

それをずっと見ていた男が二人。


「やっぱり、理后はかわいいな」


馬鹿と、





……。










……………………。














「いや、木原クンがいるわけねェよなァ……、うン」


息子。


――To be continue...?
372 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/11(土) 08:00:16.59 ID:VPh6lZS+0

はい、すいません。いいお天気ですね

今回は、浜面理后の日常でした
多分、これだけの映像見るには7時間くらいかかります
わたしは3時間が限度ですよ、理后さんまじぱねぇ

あと、希望通り浜面爆発させました

次回は『お人形遊び』でもしましょうか

ちなみにこれだけでスレ立て余裕です
需要、ある?

373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 14:07:18.23 ID:a8vuNVI4o
乙!

一方さん来たwwwwww

俺は、需要あると思われ
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/02/11(土) 14:22:26.60 ID:miaTfFDAO
滝壺はどんな姿でも可愛いことが証明された

375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 21:06:24.12 ID:0UMeevt10
おつ
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/02/11(土) 23:44:27.25 ID:cnXX7Q1AO
かれ
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/11(土) 23:59:49.66 ID:kuyItyNjo
なンだよ
378 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/12(日) 08:07:04.10 ID:oBNDyVPs0
皆様、レスありがとうございます

こんなどこに向かっているのかもわからないスレにかかわっていただき
嬉しさのあまり胸がうごめきブラがはじけ飛びそうです

私(♂)はこのまま走り続けます

それでは、ふんわり投下いっくよー
379 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/12(日) 08:07:39.75 ID:oBNDyVPs0

ヒューマンオールラウンダーこと青髪ピアスは目の前に横たわる人形≠抱きしめ、口づける。

柔らかい唇はそれを受け、かすかにその形を変える。

青髪は恍惚の表情を浮かべ、その巨大な胸を揉みしだく。
しかし、その抵抗は意外と大きく、あまり形を変えない。
かすかな音がその口から洩れる。少し空気が漏れたためだ。


肩までの黒髪が揺れ、乱れた。


青髪は左手を伸ばし、そっと、それを直す。
顔が少しほころんだように青髪は錯覚する。

380 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/12(日) 08:08:41.31 ID:oBNDyVPs0


「ホント、ふきよせたんは可愛いすぎやね」


青髪は人形≠ノつけた名を呼び、愛でる。

その胸にむしゃぶりつき、自身の唾液で湿らせる。
なんだか、女を犯している気分になって、彼の内部で何かが揺れる。

そのキリッとした人形≠フ両眼が、青髪を叱責しているようだった。
その目に光は宿っていないが、確かに青髪の熱い部分を刺激する。
『やめなさい、この馬鹿野郎』と罵る声まで幻聴した。

それが彼を決定づける。

381 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/12(日) 08:09:25.04 ID:oBNDyVPs0










「それは逆効果やで、ふきよせたん。僕にそれは快楽にしかならんのや」










382 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/12(日) 08:10:18.06 ID:oBNDyVPs0

人形≠ェ返事をしてくれるわけはない。しかし、彼は一切気にせず、腰を張る。
確かにその腰についたブツは天を力一杯突いていた。

フヒヒ、といやらしい笑みを浮かべる。
その目がゾックゾクくるんや、と漏らす。

すでに、固く熱い肉棒は先走りの液を漏らしていた。

興奮からか、青髪には人形≠フ顔が恐怖に歪んでいるようにも、見えた。
その妄想は、彼のたがを外さんとする。
そして思わず、


――ベロン


と、青髪は人形≠フ――――を舐めた。





そして…………。

383 : ◆wfH9RNbiw6 [!orz_res]:2012/02/12(日) 08:15:44.44 ID:oBNDyVPs0
『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』
384 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/12(日) 08:17:10.05 ID:oBNDyVPs0

自身の実際にやったならば『イカレてる』と称賛を受けることになるであろう行為に興奮し、先走りの汁を白く染めあげる。
叫びすらも幻聴した。


「ふぅ」


青髪は、長くも短くもある溜息をもらす。


「僕、人形¢且閧ノ何やっとるんやろ」


そう漏らし、また、溜息。

385 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/12(日) 08:18:14.31 ID:oBNDyVPs0

彼は、まだ、ヒューマンオールラウンダー。


「―――――、――――――――、―――――――」


青髪ピアスとふきよせたんは、『持ち主』と『人形』。


『おねがい。もう、やめて』


彼は人形を愛せない。


「―――――――――――――――――――――――――――――――――――――」

『―――――――――――――――――――――――――――――――――――――』


人形≠ニの間に愛など生まれない。


――To be continue...?
386 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/12(日) 08:19:18.90 ID:oBNDyVPs0









暗い部屋に、吐息とベッドのきしむ音が響く。









――No.
387 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/12(日) 08:20:31.03 ID:oBNDyVPs0

はい、すいません。石投げないでください

お人形遊びって聞いて、可愛い女の子だと思った?
残念、青髪ピアスでした

深読みなんて要りません

ただラブドール≠ニ戯れていただけです

明日はこれません。バレンタインにお会いしましょう

388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/12(日) 09:43:58.52 ID:p7jyyXuc0
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/12(日) 09:57:05.79 ID:Se1NZTfYo
能力者かと思ったじゃねえか乙
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/12(日) 15:01:39.98 ID:odnfva59o


さすが青ピ
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/14(火) 06:19:54.45 ID:nDznQRQ40

皆様、レスありがとうございます
前回の話でだいぶ人いなくなるだろうなとか思っている>>1です
故に人がいて歓喜の嵐です

ヴァレンタインなのでチョコの代わにを投下です

今回のお話は一番最初に出てくる男に『鋼盾』or『おまいら』の名前を入れて読んでください
女性の方は適当な男の名前入れといてください。もしくはチョコの代わりのレスください

それではやんわり投下だぜい
392 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/14(火) 06:21:19.04 ID:nDznQRQ40

愛を冠するホテルのベッドに、一人の男(←こいつ)が全裸で腰掛けていた。

彼は公園で出会ったそいつに連れられ、ここまでやってきた。
彼は、自分でもなぜついて行ってしまったのかわからない。
ただ、あの胸元を見せられた瞬間、思考の全てが奪われたようだった。

気が付いたその時にはここにいて、シャワーを浴びていた。
混乱したままの頭で、シャワールームを出ると、そいつがいた。
全裸だった。


「もう出たのか、早いな。一緒に入ろうと思ったのに」

「あははは」


と言うようなごまかしの笑みがあふれる。

393 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/14(火) 06:22:05.60 ID:nDznQRQ40


「まぁいいか、上条さんは一人さみしくシャワー浴びてくるから」


机の上のジュースは飲んでいいからな、と言い残し、彼は扉の奥へと消えていった。

絶望だけが残った。


シャワールームからは絶えず水とかの流れる音が響く。
その頭に浮かんだのは、


――逃げなければ


というソレ。

394 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/14(火) 06:23:25.40 ID:nDznQRQ40

善は急げとばかりに、服を着ようと思い立つが、服がない。


――隠された。


衝撃が走った。

とはいえ、服なんて言っている暇などない。急いで代わりになりそうなものを探す。
男は案外冷静だった。

しかし、その安っぽい部屋には何もない、部屋の隅には天狗のお面と仮設トイレが置いてあった。なぜ?
しかし、背に腹は変えられぬと、彼はその天狗の鼻を掴む。
お面は檜でできていた。裏を見ると、天狗の鼻は空洞だった。
男は急いで自身のものをそこに突っ込み、腰に力を入れた。

これで両手が使える。と、意気込み、部屋のドアに手をかける。





男は焦るあまりシーツの存在を忘れていた。
395 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/14(火) 06:24:43.71 ID:nDznQRQ40

扉を開き、飛び出し、そこにいた人物にぶつかった。
顔面に刺青を入れた金髪の男であった。
隣にいた鼻にピアスをした金髪の男が、胸元を掴み何か言ってきたが耳に入らなかった。


ただただ、顔面に刺青を入れた男に恐怖していた。

そして、刺青の口が動こうと、顎の筋肉が動く。


――や、ヤられる。


その思考が頭にあふれる。
男は鼻ピアスの腕を振りほどき、部屋へと戻る。
まだ、シャワーの音は響き続けていた。

396 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/14(火) 06:25:23.65 ID:nDznQRQ40

机の上にあった紫のジュースを飲みほし、そっと、扉に目をやる。
しかし、予想とは裏腹に、扉の外は静かだった。

男は思わず部屋の外をのぞく。誰もいない。
逃げるなら今、と思った瞬間。向かいの部屋の扉が開かれる。


「黒子さん、最高でした。また愛してくださいね」

「もちろんですわ、涙子」


お互いの体を抱くように密着させ、仲睦まじい2人の女が現れた。

彼女らと目が合った。

397 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/14(火) 06:26:35.58 ID:nDznQRQ40


沈黙。




――バタン




耐え切れず、男は扉を閉めた。

男は扉を背にし、ふぅ、と息をつく。


「そんな所で何をやってるんでせうか?」


水音は止んでいた。

398 : ◆wfH9RNbiw6 [!orz_res]:2012/02/14(火) 06:28:45.16 ID:nDznQRQ40









「さぁ、――や ら な い か ?」









399 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/14(火) 06:30:05.88 ID:nDznQRQ40


       ***


――上条○麻の手記より抜粋――


今日はとてもウッホな男と寝た。彼で丁度100人目だった。
ジュースに入れておいたアレのせいで彼の一物がデカくなり、天狗のお面が外れなかった。

仕方ないのでそのままつっこんでもらった。
いつもより太くてきつかったけどよかった。

幸せだぁ。


――To be continue.

400 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/14(火) 06:33:05.35 ID:nDznQRQ40

はい、すいません。アンケート結果はこれです。

その他の票が一番多かったので、こんな感じです
テーマは『カオス』です

何でこんなもん書いたんだろ?
まぁ、楽しかったからいいや

昨日即席で書いたから結構適当です
ごめんなさい
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/14(火) 07:06:52.04 ID:Zqmbr8plo
上条さんが帰らぬ人になったのは知っていた。浜面も幸せならいいとも
しかし女子二人に何が…よく分からない夢をそのまま文章に起こしたようなカオス感ですな
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/14(火) 08:06:16.61 ID:fXlx8VLRo
上条さん、浜面、佐天さん、鋼盾

なんという無能力者オールスター


403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/15(水) 20:16:56.60 ID:adYiGzKSo
乙!

上条さん終わったな

黒子と佐天さんの組み合わせは面白い
404 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/16(木) 07:53:42.45 ID:BdB7gnhN0
皆様、レスありがとうございます

鯖落ちの間になんとなく最終回のプロット作りました
そこまでの過程はまだですがね

女子二人は私の趣味です
今手一杯だから、誰か書いて

さて、今日もぐだぐだ投下します
405 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/16(木) 07:55:11.31 ID:BdB7gnhN0

絹旗最愛、黒夜海鳥、ショチトルの3人は、とある大手ハンバーガーチェーンの店内で会話していた。


「で、実際どうなのよ、絹旗ちゃん?」

「浜面、といったか? デートしたのだろう」


2人にあるのは一心の興味であって悪気ではない。

しかし、それは絹旗に少々重くのしかかる。
スプーンをくわえたまま絹旗は眉根を寄せた。

406 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/16(木) 07:56:15.57 ID:BdB7gnhN0


「超何もありませんでしたよ」


その表情にはいつもの天真爛漫さは無い。


「おいおい、絹旗ちゃん。どうしたの?」


絹旗をからかう為にその話題を出した黒夜は、その反応に思わず怯む。

ショチトルも黒夜から語られた事前情報によって、それの成功を疑っていなかった。
しかし、彼女は冷静に目の前でへたれる友人の趣味などからその原因を求めだそうとする。


「まさかB級映画をずっと見続けたわけじゃないだろうな?」


求めだされたソレは絹旗ならやりかねない。

流石に、デートでそれは無いだろうとは思うが、前に黒夜が似たようなことをやったからこそ、
彼女らは否定するだろうが、彼女に根本的な所でよく似た絹旗はそれをやった可能性は高い。

407 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/16(木) 07:59:02.87 ID:BdB7gnhN0


「ショチトルは私をなんだと思っているんですか?」

「超マイナー映画マニア」

「まぁ、そうなんですけど」

「否定しろよ、絹旗ちゃん」

「うるさいですよ、黒夜」


流れるように会話は流れる。
おそらく、この話題も発展はないだろう、とショチトルは思う。

そこで絹旗が、ふぅ、と溜息をついた。

408 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/16(木) 07:59:42.23 ID:BdB7gnhN0












――私一人が、超舞い上がっていただけだったんですよ。












409 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/16(木) 08:00:44.68 ID:BdB7gnhN0

そんな事より、黒夜はどうなんですか? と話の路線を変えんとする。


「そういえばそうだな、この前のデートは失敗だったのだろう?」

「ベ、別にデートなんかじゃねぇよ、あんな奴、何とも思ってねぇから」


ショチトルはそれに隠されたメッセージを受け取り、その質問に乗っかる。
黒夜はその軽い振りに鋭敏に反応してしまう。

そのままに友人達二人に蹂躙され、顔を真っ赤にした。
一つ一つの動作がそれらのヒントとあいなって、その情報は洩れていく。

410 : ◆wfH9RNbiw6 [!orz_res]:2012/02/16(木) 08:01:45.09 ID:BdB7gnhN0


実は、最近またデートしたこと。
実は、告白まがいの事はもうしていること。
実は、晩御飯を作りに行ったこと。
実は、そのまま家に泊まったこと
予想通り、全て根性云々で曖昧になっていること。


などなどが。
411 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/16(木) 08:02:45.51 ID:BdB7gnhN0

彼女の本質はその攻撃性にあり、防御性は薄いのだ。


「ショチトルはどうなんだよ? ハーレムの一員なんて辛いだろ?」


故に、そんな風に攻撃に転ずる。ちなみに少々涙目であった。

ショチトルはよしよし、と黒夜をあやしつつ。

412 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/16(木) 08:04:11.79 ID:BdB7gnhN0





「私か? この前4○というヤツに挑戦した」





当たり前と言わんばかりに言い放った。


――To be continue...?

413 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/16(木) 08:08:32.24 ID:BdB7gnhN0

はい、すいません。アニメで伏字はピーです

いやね、猥談カットしたらなんもなくなって困った
登場させる予定もないので、黒夜のお相手は秘密です

Q.登場するcpがいちいち異質すぎませんか?
A.世界は広いんです

それではまた次回ノシ
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/16(木) 09:35:57.68 ID:uhSo9ZNpo
削板×黒夜とか…胸あtいや胸薄か
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/02/16(木) 14:23:50.96 ID:z91YFdO10
着地点がまるで見えない…
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/16(木) 17:26:57.28 ID:qKKp1dAy0
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/16(木) 22:25:22.30 ID:GMUYcZfGo
乙!

ソギーと黒夜か・・・

期待してる
418 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/17(金) 06:45:56.12 ID:RQFVetTS0
皆様、レスありがとうございます

削黒は絡んだら絶対いい味出すと思ってます
いつか本格的に書きたいですね

>>415
墜落に安全な着地点なんてないんですよ
風の向き次第ではどうなるかわかりませんがね

それではまったり投下します
419 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/17(金) 06:46:46.27 ID:RQFVetTS0

精神科医、食蜂操祈は自身の職場である病院にいた。

彼女のいる診察室は、病院というよりは簡易の応接室に近い。
二つのソファーとテーブルだけが置いてあった。
その格好も白衣ではなく、白いシャツに黒のパンツというラフなものである。

精神科は基本的には同じ職場では無いという事を知らないにもかかわらず、
『好きな相手と同じ職場にいたいから』
という浅はかな動機から医者になった経歴を始め、彼女は、医者としてはかなりの異端であった。

しかしながら、学園都市全医学のトップに立つ冥土返し。
彼女はこの分野では並び立てるほどであった。流石はレベル5と、言ったところだろう。

420 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/17(金) 06:48:42.92 ID:RQFVetTS0

そんな彼女が相対するは、黒の修道服を着込んだ赤毛の巨人。
カルテにはステイル・マグヌスとあった。

彼の抱える問題は、
職場では口調のおかしい上司が自身の唇を噛みつかんとし、
自宅のベッドで寝ていれば、見た目幼い巨大組織の女ボスに単身で襲撃を受け、
愛する女の護衛の為、その後方20メートルを歩いていたら警察に職質をされる、
学園都市逃げてきたはいいが、公園で少年と戯れるサラシ女の奇行を止めようとし、ビール瓶で処女を失いかけ、
信頼しがたい嘘つき(土みーくん)によってその義妹との卑猥な行為のビデオを鑑賞させられ、
愛しやまない女にメールをすればいつもと同じ文面だったがノータイムで返信があり、そこで和まされたが、
ついでに、どうして返信がないのかという旨のメールが巨大組織の女ボスの妹から3分に4通のペースでいっぱいになっていた、
極めつけは、信頼できる強敵(トモ)のもとを訪れた際、卑怯な手を使われ、魔法使いになる資格を奪われてしまった。

これらに起因する一人を除いた対人恐怖症およびEDである。


それが、彼女が真摯に向き合い得た情報。

彼女は診察の際、能力を行使しない。

421 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/17(金) 06:49:14.24 ID:RQFVetTS0


***


食蜂操祈はその巨大な胸に猫を抱き、くるくる回る。


「なーご」


と、猫が鳴く。その鳴き声には昨日のような弱弱しさは無い。

食蜂はそれが嬉しくて、また、くるくるくるくる。
そして、ふと我に返り、すぐ横のソファーに横になる男を流し見る。
彼は、ふぁー、と大きなあくび。

その不意を衝くように抱きついて、胸に胸を押し当てる。
当ててんのよ。

422 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/17(金) 06:50:04.94 ID:RQFVetTS0


「ありがとぉ、本当にありがとぉ」

「ぬぁーご」

「ほらほら、この子も“ありがとう”って言ってるわぁ」

「そォかよ」


と、また一つ大あくび。
そんな風に興味なさげに返される。

まぁ無理もない、彼は一晩中猫に何らかの処置を加えていてくれた。
その目は充血して赤い、なぜか瞳まで赤い。

食蜂はその横顔に胸の鼓動を早くする。

423 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/17(金) 06:50:55.98 ID:RQFVetTS0


お礼の言葉だけでいいのかしらぁ?
とか
やっぱり行動で示した方がいいのかしらぁ?
とか
命を助けてもらったんだから、それに値するものじゃなきゃだめよねぇ
とか
そうなると……、わ、わたし!?
とか
う、うん今日は危険日だから大丈夫


424 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/17(金) 06:51:42.14 ID:RQFVetTS0

そんな考えが廻りゆく。
ちなみに抱きついたままである。

そんな風に一人で真っ赤になる彼女の妄想に終止符を打ったのは彼だった。


「で、その猫お前の猫じゃねェンだろ、飼うのか?」

「どうぞ、めしあが……、そうねぇ、もちろんよぉ」

「なぁーん」

「そうだ、この子に名前つけてあげなきゃいけないわねぇ」


と、彼を離し食蜂は腕組みをして考える。ただでさえ大きい胸は左右からの圧力でさらに強調される。
ほら、谷間よ、谷間。
425 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/17(金) 06:52:24.27 ID:RQFVetTS0

そのさなか彼を盗み見る。
一応、この学園都市の精神感応系トップであるのに、彼女は自身の心理を掌握しきれない。


「参考までにあなたの名前はぁ?」

「猫と一緒にするなよ」


眉根を寄せ、あきれ顔で彼は言う。
一方通行だ。と、一応に教えてくれた。よっしゃぁー。
あら、素敵な名前ねぇ。と、食蜂は言う。

それから、食蜂は少し考え口を開いた。

426 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/17(金) 06:53:10.25 ID:RQFVetTS0





「シュレディンガー」





「おいおい、大層な名前じゃねェか」


一方通行はそんな風に苦笑い。
食蜂はそんな彼を見て、むう、と顔をしかませる。

427 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/17(金) 06:54:03.06 ID:RQFVetTS0


「いいじゃない。じゃあ、あなたならなんて名づけるのよぉ?」

「ン? そうだなァ………………………………………………………………………………」

「わくわく」

「………………………………………………………………………………………………………」

「わくわく」

「………………………………………………………………、シュレディンガー」


大層な名前ねぇ、と食蜂は笑った。


――To be continue...?
428 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/17(金) 06:55:24.33 ID:RQFVetTS0

はい、すいません。駄文過ぎて笑えねえ

今回のはかなり苦戦しました
いつにもまして状況が分かりにくくなってます
ごめんなさい

次回は原点に返ってみます
需要なんて無視してな
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/17(金) 11:18:54.76 ID:1bVdHOWSO
ステイル…
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/02/17(金) 14:42:22.01 ID:zJMVFb1AO
ステイルモテモテやん、本命以外にだけど
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/17(金) 16:22:59.86 ID:szzr6Feuo
食蜂さんにほのぼのしてしまった…原点か。精神汚染に気をつけよう乙
432 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/17(金) 19:03:16.55 ID:mMLZsUw20
このままみさきちと一通さんは幸せにくっついてほしい
のに…
433 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/17(金) 22:14:32.97 ID:ASf0AFjCo
乙!
ステイル可哀そうwwww
みさきち可愛いっすね
434 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/18(土) 06:48:58.81 ID:zr3T0cpX0
皆様、レスありがとうございます

別にステイルさんが嫌いなわけではないです

それではまったり投下します
435 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/18(土) 06:50:23.65 ID:zr3T0cpX0

麦野沈利はPCのメールチェックをしていた。

新着のメールは13件。
職場から3件。宣伝メールが1件。友人から2件。メルマガが6件。師匠から1件。

それらを上から順に開いてゆく。

そして、残りは1通。


From:初春飾利 添付ファイル.1


それを開き、麦野はメルトダウンした。

436 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/18(土) 06:51:18.70 ID:zr3T0cpX0


***


螺旋の道を行く、一台の車。
ぐるぐる、ぐるぐる回って降りてゆく。

車は白のワゴン。目指し行くのは『おふろやさん』。

麦野の謎の能力暴走によって的確にお風呂場が壊滅し、ススほこりまみれとなったので、
ちゃんとしたお風呂に入りたいという願いからである。

螺旋の道を抜け、駐車場の一角に車が止まる。

後部座席の扉が開き、白のワンピース姿の少女、絹旗最愛が顔出す。
続いて、フレメア、麦野沈利と車を降り立つ。助手席からは浜面理后。運転席からは浜面仕上。

437 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/18(土) 06:51:56.35 ID:zr3T0cpX0


「ふぅ、やっと着きましたね。あの道、超うっとうしかったです」

「地下にあるんだから仕方無いだろ」

「しあげ、お疲れ様」

「そんな事よりさっさとお風呂行きましょ、埃っぽいの嫌んなっちゃう」

「壊したのは大体麦野。にゃあ」


そんな風に彼らは雑談しつつ行く。

入口に入り、のれんの先に別れようとして、「あっ」という声が浜面理后の口から洩れる。

438 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/18(土) 06:52:41.38 ID:zr3T0cpX0


「どうしたんだ? 理后」


立ち止まる彼女につられ、4人全員が立ち止まる。
浜面理后はそのほおをわずかに赤く染め、彼らの顔を一瞥する。


「私、男湯?」

『あっ』


彼女(?)のセリフに、四人は声を合わせた。

439 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/18(土) 06:53:21.17 ID:zr3T0cpX0


       ***


彼らは休憩スペースの一角を陣取り議論する。


「理后の裸を他の男にさらすなんて嫌だ」


流石はバカップルの片割れのバカの方、ドン、とテーブルを叩き口調を強くそれを言う。というか、先ほどからそれしか言っていない。
彼にとって見た目など二の次だ。おっきするから問題ない。


「黙ってください、仕上。こいつは木原ですよ。超男じゃないですか」

「そうよ浜面。黙ってその男と乳繰り合ってなさい」

「麦野、それはなんかおかしい。にゃあ」


それぞれの動機は違えども、彼女らはその意見に反対する。

440 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/18(土) 06:54:30.76 ID:zr3T0cpX0





――割愛――





441 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/18(土) 06:55:06.90 ID:zr3T0cpX0

そんな不毛な議論が続き半刻が過ぎたころ、


「私は、しあげと一緒なら男湯でもいいよ」


という浜面理后の言葉で幕を閉じる。

かと、思われた。


「何言っているんですか? あなたが仕上と一緒にお風呂なんて」


絹旗がハッとしたように声を荒げ、反論を述べる。

442 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/18(土) 06:55:34.16 ID:zr3T0cpX0


「何言ってんのよ、絹旗。これは嫉妬とエロスの入り混じった素晴らしいシチュエーションが……」

「麦野、あっちで男子学生が肩組んで歩いてたよ」

「ありがとう、フレメア。私見てくるわ。写真は何枚欲しいか考えておいて」


…………………………………………………………………………………………………………。
麦野はどこかへかけていく。

その一方では浜面と絹旗の議論は白熱していく。


「絹旗、他のお客さんの事を考えるなら理后はこっちの方がいいんだ」

「なんですか、あれですよ。理由は超あれだからです」

「私もそんな下心の塊なしあげは応援しにくいな」


彼らは阿呆だ。

443 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/18(土) 06:56:29.47 ID:zr3T0cpX0

騒ぐ彼らに一人の男が近づき、声をかける。


「失礼ですがお客様」


その声はおどおどしていた。
振り向けば、ネームプレートにアルバイト・天井≠ニある男がそこにいた。
これから起こるであろう男同士のムフフな出来事を妄想していた麦野が「何よ?」と、不機嫌そうに返す。というか、いつ戻ってきた。

そのドスのきいた声にビクンビクンしながらも、天井は告げる。


「申し訳ございません。当店では刺青の方のご入浴はお断りしております」

『えっ!?』


――To be continue...?
444 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/18(土) 06:58:01.17 ID:zr3T0cpX0

はい、すいません。原典に汚染されたのは麦野のようです

なんと言いますか、元ネタガン無視でやってきた為、元ネタとの絡みがかなり難しかったです
滝壺さんの設定が最後の砦? まぁ、これからも基本禁書単体で進めますけど……
でも、たまにはこんな話も書きたいものです
よくよく考えたら、絡んでない気もするのは内緒

明日はこれないです

445 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/18(土) 09:37:24.21 ID:Sul7gQos0
446 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/19(日) 01:25:50.72 ID:ri5jX8+/o
乙!

447 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/20(月) 07:48:30.09 ID:xiAVplv50
皆様、レスありがとうございます

今回は短編
本編とはあまり関係ないよ

それではまったり投下します
448 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/20(月) 07:49:18.00 ID:xiAVplv50

絹旗最愛は、一人。映画館にいた。

かつては浜面仕上に頼んでいた偽造ID。しかし、今の彼女は自身のIDで入ることができる。
R18。規制のかかった映画を視聴していた。

目の前のスクリーンでは血が飛び、肉塊が爆ぜ、叫びがあがる。
主人公が無駄にピンチを迎え、その右腕を飛ばされる。
しかし、ほどなくしてその右腕は生えてくる。適当な展開だな。

まぁ、つまりは……。


「ちょーつまんねー」


と、たった一人の観客である絹旗はうだー、と叫び背中を反らした。

449 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/20(月) 07:50:15.62 ID:xiAVplv50

スクリーンの主人公はそんなことは気に留めず、自身の決め台詞を叫ぶ。そげぶ。

その後、出番が1厘くらいしかなかったヒロインさんとテレパシー的な会話して、主人公死亡エンド。


それが終わっても絹旗は座り続ける、そのままに、次の映画が始まった。
とはいえ、観客席には絹旗のみ。


スクリーンに映るはだだっ広い荒野。
映像は段々に広がっていき、荒れ果てた田畑が映り込む。

1人の男が立っていた。

彼はその光景を目にし、呆然と立つ。


『――これはヒドイ』


そう呟いた。

450 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/20(月) 07:50:52.93 ID:xiAVplv50


       ***


夢。
そう、これは夢。
現実でない事なんて超わかっている。


けれど、私の身体は超正直で、彼を求める。

彼の唇が私の唇に少し斜めに重なる。私は身を任せ、彼の唇の甘さに酔いしれる。
唇が離れる、そして、代わりに抱きしめられた。


『最愛――』


耳に彼の息がかかる。脳みそが、その全てを記録しようとし、オーバーヒートを起こす。
全身の筋肉が痺れ、立っていられない。彼の腕に本格的に身を任す。

それは早すぎる絶頂。エクスタシーだ。

451 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/20(月) 07:51:30.61 ID:xiAVplv50


『――仕上』


と、私も呼びかける。
彼の手が私の背を抱き、少し、身体から離す。私たちは見つめ合う。

顔が近い。超恥ずかしくて、顔から火が出そうだ。


『最愛――』


ゼロ。
私は目をつむり、甘さを求める。貪るように……。

私を割り、侵入してきた彼の舌。
唇が、歯が、舌が、私が彼の全てに侵される。

私の唾液が奪われ、彼の唾液が注がれる。いや、私と彼が混じり合った愛の証し。

452 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/20(月) 07:52:36.89 ID:xiAVplv50








――ゴクン。








喉の奥まで彼に満たされる。犯される。
453 : ◆wfH9RNbiw6 [!桜_res]:2012/02/20(月) 07:56:42.65 ID:xiAVplv50

――ゴクン。                  ――ごくん。
        ――ごく ん。      ――ゴクン。
    ――ゴクン。                             ――ゴクン。
       ぁう。             ――ゴクン。
                ――ごくん。
    ――ごくん 。              ぅはぁ。        ――ゴクン。
 ――ゴクン。
             ――ごく ん。
   ――ごくん。           あぁ。
                              あっ
            ――ゴクン。
 
                                        あぁ
                     あぁ
454 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/20(月) 07:57:29.27 ID:xiAVplv50

彼の左は私の胸を揉む。そして、右。

手持ちぶさたにしていたそれが、私の女性に伸びる。


――――――。


思わず、声が漏れた。


そして……、

455 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/20(月) 07:59:07.41 ID:xiAVplv50


       ***


スクリーンの向こうでは、一人の女が喘ぐ。どうも借金の方に売り飛ばされた女の役らしい。
数人のやくざ者に囲まれ、その中の若い男が、彼女を濡らす。


それが、目を覚ましてしまった絹旗を出迎えた映画。


絹旗は、半ばイキかけたところで目が覚めたものだから、少々物足りなさを感じていた。

映画館の中には誰もいない。


手はのびる。


欲望はうごめき、自身の手はそれをひっそり慰める。



――あっ、あぁっ、ぁぁあああ。こ、こいつときたらぁぁぁ。



劇場に熱く響く女優の喘ぎに、少女の吐く息が、密かに混じった。


――To be continue...?
――No.
456 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/20(月) 08:01:11.98 ID:xiAVplv50

はい、すいません。制作.必要悪の教会

あまり、投下内容に意味はありません

あと、自慰の前にはきちんと手を洗いましょう
おねえさんとの約束だぞ

次回、病院
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 14:00:50.96 ID:5COaxhNIO
おねいさんだと…
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/20(月) 15:35:18.37 ID:f3D3n8Lso
おねえさんだと…
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 19:34:43.70 ID:OsN+tuAYo
乙!

お姉さんだと・・・?
460 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/21(火) 07:44:14.37 ID:SZGlmH6o0
皆様、レスありが……、なんのことですか?

間違えただけです。きにしないでください


それではまったり投下します

461 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/21(火) 07:45:23.94 ID:SZGlmH6o0

とある病院の診療室。そこで冥土帰しは苦悩していた。
先ほどまでここにいた青年、上条当麻の為。


冥土返しは、彼が冥土返しと呼ばれるようになってから、4度の敗北を味わっていた。

1度目はある少年の記憶を取り戻すことができなかった。
2度目は別のある少年の力の流失を止めることができなかった。
3度目は能力暴走した少女の命を助けることができなかった。
4度目はさる患者の求めるモノを与えることができなかった。



――また、彼を救う事が出来なかったのかな?



462 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/21(火) 07:45:59.51 ID:SZGlmH6o0

そして――、5度目だ。

上条当麻は、過去に起きた事件のある被害者であり、強烈なフラッシュバックに悩まされていた。
ほぼ全ての異性を恐れ、人混みを嫌い、なぜかおしぼりを深く恐れた。

冥土帰しは3年の時を使い、地道に治療を続けてきた。
おかげで、上条はナース服の女性とならば、話すことができる様になっていた。

463 : ◆wfH9RNbiw6 [!orz_res]:2012/02/21(火) 07:46:51.34 ID:SZGlmH6o0










あゝ、素晴らしきかなナース服










464 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/21(火) 07:47:34.10 ID:SZGlmH6o0

しかし上条は、ある日、ぱっと姿を現さなくなってしまった。


そして、今日だ。


彼が現れたのは、肛門科であった。
症状は、切れ痔。


彼は現実から逃げ出し、どすグロイ幻想と共にあった。

465 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/21(火) 07:48:25.05 ID:SZGlmH6o0


       ***


『現実逃避なんかじゃないですよ』


語るその目には、確かに敗者ゆえの弱さは無かった。
むしろ、挑発的な目を見せ、その口元はかすかに笑っている。
そうして、下半身を露出させたまま、足を組む。

それは今までに見たことのない彼だった。

なんて、ゲス条。

466 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/21(火) 07:49:08.77 ID:SZGlmH6o0

彼は、冥土帰しの問にもはきはき答え、何もかもを包み隠さず話す。


彼がその世界で見てきたモノ。

感じたこと。

女性にはない安心感。


『君は本当に上条君なのかい?』


癒者である彼が問う。

467 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/21(火) 07:50:01.07 ID:SZGlmH6o0


       ***


そこにいたのは確かに彼であって、けして彼ではなかった。
かつて、その身一つで世界を変えた男はいない。


「僕はどうも、彼という人を殺してしまったみたいだね?」


冥土帰しは、暗闇を歩く上条を光の中に連れ戻せなかった。

それを悔やみ、悩む。

468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [!orz_res]:2012/02/21(火) 07:51:27.49 ID:SZGlmH6o0
――まぁ、いい締め付けだったから、結果オーライかな?
469 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/21(火) 07:52:58.96 ID:SZGlmH6o0

切なげな溜息。
冥土帰しは椅子に掛けてあった白衣を羽織る。


中庭に広がる小さな緑を見つめ、冷めたコーヒーをそっとすすった。











――To be continue.
470 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/21(火) 07:55:10.35 ID:SZGlmH6o0

はい、すいません。看護師は見た

帰省するので、一週間ちょっと投下できません
ごめんなさい

どのくらいの方が残っているのかは知りませんが
その期間を利用して、上条さんのルートに関するアンケートです
お好きなものを下から1つ選んでください

ルート1_バッドエンド√
ルート2_ハッピーエンド√
ルート3_ライフエンド√

471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/21(火) 08:17:34.71 ID:A8pq+8sDO




全ルート嫌な予感しかしない
一応2で
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/21(火) 08:49:04.07 ID:ireeLcAEo
−どうあがいても絶望−
ふとフレーズが浮かんだ件
せっかくだから1で
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/21(火) 16:02:27.78 ID:eoZWIxfJo
乙!
上条さん・・・・

2で行かせてもらおう
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/02/21(火) 17:57:55.02 ID:2rKMcEGE0
じゃあ3で
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/21(火) 18:32:18.31 ID:GbROsRy00
そろそろホモ臭い展開は飽きてきたんで2
476 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/21(火) 20:03:35.56 ID:MD7o1CSeo
普通に考えたら1
477 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/21(火) 22:08:50.85 ID:ToYJsinqo
1
478 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/21(火) 22:26:09.29 ID:nBkQuoqQo
よし、1
479 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/21(火) 23:01:54.63 ID:tB/OxdEIo
飽きたとか言われてもここ>>1のスレですしおすし
それよりも>>1のいう「ハッピーエンド」が世間一般的のハッピーになる気がしないのはなぜだろう
480 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2012/02/22(水) 08:33:50.72 ID:NdKsltryo
2で
481 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/22(水) 08:52:53.21 ID:GoJ796dSO
482 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/22(水) 15:20:30.25 ID:oa2aWkwuo
じゃあ1
483 : ◆wfH9RNbiw6 [sage]:2012/02/29(水) 14:34:14.68 ID:1eTvK1ry0
お久しぶりです

ご協力ありがとうございました
というわけで上条さんはバッドエンド√です

書きあがり次第投下します
484 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/29(水) 22:40:28.29 ID:CJg5RD2I0

夜道を鼻歌交じりに歩く一人の女がいる。

街灯やなんかの淡い光に反射する肩くらいまである栗色の髪。
ジャケットにジーンズというカジュアルな服装からは考えられない女らしさ。
いくにんもの人間に胸さえあれば……と言われ続けてきたバスト、はた目には丁度いい具合の大きさ。パッドだ。

思わず、スキルアウトの男が彼女に声をかけようとするが、アイツは止めておけと仲間の男に引き止められる。
それでも、怖いもの知らずのスキルアウトの男はいつも通りにアホみたいな調子で声をかけた。

485 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/29(水) 22:41:13.71 ID:CJg5RD2I0

彼女は振り向き、ニカッと笑う。前髪のあたりに紫電が光る。

ご臨終。生きてるけど。
巻き込まれ、スキルアウトの男たちがまとめて焼かれた。

遠巻きに見ていた別のグループが分かりやすい殺気を見せる。

その視線を自身に集め、人をかきわけ暗闇をゆく彼女の姿はまるで女王。
彼女は学園都市最強の発電能力者、御坂美琴。
多分理想が高すぎて一生独身。処女。

486 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/29(水) 22:41:55.83 ID:CJg5RD2I0


「ちょろっと、遅くなっちゃたかしらね」


それらの視線を気にせず、御坂は呟く。

時刻は00;50。
彼女は大学生でありながら、自身の研究室を持っており、実験に没頭していたらこんな時間になってしまった、という訳だ。
かつて夢見た能力で人を助ける。それは叶っていた。

487 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/29(水) 22:42:25.87 ID:CJg5RD2I0

とはいえ、まだ十代。
あと40分でゲコ太のアニメが始まってしまう、と歩を早める。


「近道するしかないわね」


携帯で時計を確認し、それを導き出す。
彼女はレベル5であり、自身より強い奴なんて限られている。もちろん、特殊な機器を使われれば危ないが、そんなことはなかなか無い。
故に、軽い気持ちで路地裏に入った。

その足取りは比較的軽い。タッタターン、タッタターン、と靴音が響く。
彼女は非常に機嫌が良かった。

488 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/29(水) 22:43:02.00 ID:CJg5RD2I0









――それが、分かれ道だった。









489 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/29(水) 22:43:38.72 ID:CJg5RD2I0

       ***


丁度、裏路地のど真ん中、といったところだろうか、御坂は路地の脇道の向こうから、人のうめきみたいなものを聞いた。
一瞬空耳かと疑ったが、また聞こえた。

元来の性格からそういうのを見過ごせない彼女は迷わず脇にそれ、進む。


行けば、行くほどそのうめきは大きくなり、暗闇は深くなる。
御坂は足音に気を使いつつ、その歩を着実に詰めていく。

次の曲がり角の先。

490 : ◆wfH9RNbiw6 [初春「ホモが嫌いな創作キャラはいません」]:2012/02/29(水) 22:45:03.92 ID:CJg5RD2I0

その先では、2人の男が激しく愛し合っていた。


「うぇ」


そんな声が思わず喉からあふれる。

全身をぶつける様に躍動する男。
壁に手を付け、尻を突き出す女(♂)。

地獄絵図。
このデータは高く売れる。

思わず絶句。そして凝視。








凝視。
491 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/29(水) 22:46:01.74 ID:CJg5RD2I0

気付く。思わず、声を張り上げた。


「何やってんのよアンタ!」


彼らは驚き、その首を動かす。4つの瞳が御坂に集中する。
腰は止まらない。
静止。
それから、一人の男が口を開く。
この場面としては異常な冷静さを見せ。


「なんだ、ビリビリじゃねーか」見られてるとか興奮する。


それは知り合いの男。


――To be continue...?
492 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/02/29(水) 22:49:09.47 ID:CJg5RD2I0

はい、すいません。後半だらけた

御坂が嫌いなわけではないです
少し虐めたいだけです
ただの愛情です
ぐーぱんしてあげたいです

ナナとカオルの設定で書きたい
読んだ事無いけど



ホモネタに飽きた方ごめんなさい
もうチョイこれです
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/29(水) 23:16:29.55 ID:S7o5qZASO
>見られてるとか興奮する。
上条ェ…

494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/29(水) 23:33:35.17 ID:57XU9GBGo
分かるぞ
愛してるが故の苦行
495 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/02(金) 20:57:53.12 ID:Np3GqcKO0
風邪ひいたぜ

んじゃ、ゆったり投下
496 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/02(金) 20:58:41.26 ID:Np3GqcKO0









「おめでとうなんだよ、あいさ」









497 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/02(金) 20:59:12.93 ID:Np3GqcKO0

白い修道服に身を包みこんだ彼女は優しげなる口調でつげ、紅茶を口にする。
その一挙一動は、ここが何の変哲もないファミリーレストランであることを忘れさせるほどに優雅であった。
以前の彼女を知る者には驚きの光景である。
かつて学園都市のバイキングを恐怖に陥れた暴食のベルゼブブの少女はもういない。
流石は最大主教Index-Librorum-Prohibittorumと、いったところか。

まぁ、直前に注文したダース単位のケーキが届くまでの話ではあるのだが……。

498 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/02(金) 20:59:39.96 ID:Np3GqcKO0

そんな世界的VIPである彼女の前に座るは、友人である姫神秋沙。
トレードマークともいえる前髪ぱっつんの長い黒髪。上に伸ばせばゴンさん位はあるだろうか? いや、無い。
服装もいたって普通で、巫女服。もちろん下着はつけていない。
後は、えーと……、落ち着いた雰囲気でこれもまた清楚な雰囲気である。

彼女はブラックのコーヒーを口に運び、ありがとう。凄く嬉しい。と礼を言う。

そんな、どこにでもいそうな美少女。まさに大和撫子。
緊縛プレーを楽しみたい。
結婚してください。

499 : ◆wfH9RNbiw6 [!orz_res]:2012/03/02(金) 21:34:54.61 ID:eIWTIoU60
すいません。諸事情で明日続き投下します
500 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/03(土) 00:08:05.25 ID:tEC4VLuN0

文字消えてるよwwww
501 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/03(土) 00:12:57.75 ID:PctuIQD5o
うん、これはいいバッドエンド
502 : ◆wfH9RNbiw6 [!orz_res]:2012/03/03(土) 07:06:46.91 ID:ltVJqKFa0
そぉい
503 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/03(土) 07:07:50.77 ID:ltVJqKFa0









「まさか、あいさが白い人と一緒になるなんて思わなかったんだよ」









504 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/03(土) 07:08:22.64 ID:ltVJqKFa0

Indexはしみじみと呟く。
それに対し、姫神も緩やかな調子で返す。


「私も。初めて会ったときは。殺意しか抱いてなかった」

「うん、ファーストコンタクトは酷すぎたんだよ」

「出会ってそうそうに。[ピーーー]を[ピーーー]されて[ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー]からの[ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー]……」

「周りの人の視線がひどいからやめてほしいんだよ」

「わかった。でも今では。愛情しかわいてこない」

「私は、あいさに少し殺意が湧いたんだよ」


2人は仲睦まじく会話する。

505 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/03(土) 07:11:55.39 ID:pcZT74XY0

「でも、そういえば、短髪大と短髪小は納得してくれたの?」

「明日。正式に挨拶に行く。でも。一年位前に彼女です。って挨拶した」


そこから先は姫神の惚気。オハヨウのキスから明け方のホームランまで多岐にわたって話してくれた。

Index はそれを時折合いの手を入れたり、頬を染めたりしながら聞く。最後の方は拝聴。

Index の方もトップとしての愚痴。ストーカー男への愚痴をつづっていく。

506 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/03(土) 07:12:39.26 ID:pcZT74XY0

そのなかで二人の会話は移り変わる。暗転。


「でも。最近。少し変」

「白い人が?」

「そう。何かについて考えてる」

「仕事とかじゃないのかな?」

「多分違う」


姫神は胸の内の不安を紡ぐ。
疑惑。


――To be continue...?

507 : ◆wfH9RNbiw6 [!orz_res]:2012/03/03(土) 07:13:59.59 ID:pcZT74XY0

はい、すいません。短めです

昨日投下の途中でリバースしまして
時間空きました
ごめんなさい

次回、波動方程式

508 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/03(土) 09:50:38.82 ID:3CZv5ZB60
509 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/03(土) 10:48:08.48 ID:tEC4VLuN0
……一通産!?まじで!?まじか、落ち着け!
いやー姫神と一通さんのカップリングってもしかしたらコレがはじめて?
一通さんが考え事をしているのは木原君が生きていることなんだろうか
まあ何は友われ乙でした、体調には気をを使ってください
510 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/03(土) 18:20:51.90 ID:t7g8VbNuo
おちつけ、臭いぞ

>>1
511 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/04(日) 07:06:58.60 ID:PBnFx2+80
皆様、レスありがとうございます

>>509
確かに初めてかもしれませんね、白×透明

んじゃ、ほんわか投下すたーと
512 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/04(日) 07:08:07.24 ID:PBnFx2+80

道端。猫がいた。
思わず食蜂操祈は目を輝かせ、自身のバックからカメラを取り出す。

そして、その子を遠目に、フレームに収める。


「『そのままよぉ、じっとしててちょうだい』」


と、能力までも使って。

そういえば、シュレディンガーは元気かしらぁ? と思い出す。
一方通行の件があってから、愛猫の様子を聞いていない。

ごめんね、と呟き。携帯を開く。そして、例の画像を引っ張り出した。


そこには、シュレディンガーを抱く食蜂操祈と一方通行の姿が映っていた。

513 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/04(日) 07:08:52.14 ID:PBnFx2+80


       ***


「猫アレルギー?」


くしゅん――と、くしゃみをし、食蜂は問い返す。
その目には涙が溜まっている。また、1つくしゃみ。


「残念ながら、そのようだね?」


顔面に食蜂の唾をあびつつ、かえる顔の医師は告げる。
その目は悲しみに満ち、その背中には哀愁が漂っていた。

514 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/04(日) 07:09:21.30 ID:PBnFx2+80

食蜂の後ろに立っていた一方通行は、そいつ抱いてたらくしゃみとまンねェだろォが、と食蜂からシュレディンガーを奪い、問いかける。


「どうにかなンねェのか?」

「こればかりはこの僕にも難しいね?」


人類の課題でもあるアレルギー。それは遺伝子レベルの問題である。
もちろん、あらゆる技術力でトップに立つ学園都市でもそれは厳しい。


「そんなぁ」


と、食蜂はその肩を落とす。くしゅん、とまた一つくしゃみ。

515 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/04(日) 07:09:58.27 ID:PBnFx2+80

一方通行はそばにいた看護師ミサカ10032に猫を預け、食蜂の服からその毛を払い食蜂の頭に手を置き、問う。
その問いは言葉遊びみたいなものだが、一方通行は目の前のカエル顔が患者をぬか喜びさせないタイプの人間でない事を理解している。
だからこそ出た問だった。


「難しい、つーことは無理じゃねェって解釈でいいのか?」


食蜂はその言葉に目を輝かせ、その問いに喰いつく。

顔にかかった唾液をふき取っていた彼の表情が変わりゆく。
かえる顔の医師は苦い顔をし、重い口を開く。
いはく、それは。

開発中の新薬がある

とのこと。
516 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/04(日) 07:10:37.82 ID:PBnFx2+80


「ただし、これはかなりの劇薬なんだけどね?」

「具体的にはァ?」

「効果は1日。服用はひと月に一遍と、いったところかな?」


それは、現実的にはかなりの温情。
普通なら触れることで命を覚悟する人もいるのだ。

しかし、食蜂としては暗い顔。そして、弱弱しく口を開く。


「じゃあ、シュレディンガーとは一緒に暮らせないのぉ?」


もちろん、食蜂自身もそれがわがままでしかないことはわかっている。

517 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/04(日) 07:11:45.42 ID:PBnFx2+80

しかし、冥土返しは予想に反した言葉を吐く。


「猫の方に処置を施せば何とかならない事は無いけどね?」


食蜂は思わず目を輝かせる。

かえる顔はそれの利点と欠点を述べる。
しかしながら、それは猫には辛い選択。

食蜂の顔が見る見るうちに変わってゆく。

518 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/04(日) 07:12:40.77 ID:PBnFx2+80


「はァ」


と、一方通行が溜息。それから、食蜂に向かって


「俺のとこで面倒みてやンよ」


会うのは一ヶ月に一遍で我慢しろ、と。


「いいのぉ? あーくん、めんどくせェっていってたじゃなぁい?」

「だから、あーくンはやめろ」


519 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/04(日) 07:14:58.48 ID:PBnFx2+80

まぁ、食蜂としても彼に会う絶対的な口実ができただけ。


「あーくん。ありがとぉ」


食蜂は満天の笑みを浮かべる。

白に赤は映える。


「別にテメェの為じゃねェよ。シュレディンガーの為だかんな」

「記念に写真とりましょうよぉ」

「聞けよ」


雨はいつの間にか止み、雲の切れ間から、太陽が顔を出していた。
520 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/04(日) 07:15:44.57 ID:PBnFx2+80


       ***


意を決し、電話帳から一方通行のページを開いて、

ワンコール、ツーコール、スリーコール、……。

少し待ち、がちゃ、っと音が鳴る。


「ひ、久しぶり、げ、元気だったかしらぁ?」


と、とりあえずの定例句を並べる。その声は少し震えていた。
期待と恐怖の入り混じった感情。

521 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/04(日) 07:16:35.92 ID:PBnFx2+80


『えーと。食蜂さん? ×××なら携帯忘れて出かけて行ったみたい。後で。かけ直してくれない?』


しかし、電話口には知らない女が出て、私の知らない名前をいった。

それは、彼のフィアンセで。それは、彼の本名。


――私の中の何かが軋む音がした。


――To be continue...?
522 :よくわからないオマケ ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/04(日) 07:18:05.30 ID:PBnFx2+80

一方「黄泉川、この猫飼っていいかァ?」

黄泉川「」

一方「オイ、どォしたンだよ?」

黄泉川「えっ、ああ、いいじゃんよ」アクセラレータガネコヲ!

ラスト「あー、猫さんだーってミサカはミサカはもうだーしゅ」ビリビリ

番外「あひゃひゃひゃ、第一位が白猫抱いてる。同化してるwwww……、ずるいずるいずるいー、ミサカにも触らせてよ」ビリビリ

ねこ「にぎゃぁー」

芳川「ふわぁー。あら、おはよう」


一方通行は一人暮らしを始めた。

523 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/04(日) 07:19:00.68 ID:PBnFx2+80

はい、すいません。矛盾点あったら無視してください

みさきちの魅力が引き出せない
もっと、筆力が欲しいぜ
あと、みさきちは私的にはハッピーエンドな予定

アレルギー治す技術の発展を祈る
あと、明日はこれないです
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/04(日) 07:46:05.70 ID:FRkZNUm7o
猫アレルギー食蜂さん可愛いよ乙
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/04(日) 09:23:35.09 ID:V3hcpTcDO




>私的にはハッピーエンド
ものすごく嫌な予感
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/04(日) 14:14:58.04 ID:jpT77NGi0
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 00:17:39.03 ID:nLSZEafGo
乙!
みさきち可愛いよみさきち
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 02:27:32.22 ID:jzFJbryLo
猫にその名前は…ww
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 12:58:45.40 ID:b7+/7ew0o
姫さん……!
530 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/06(火) 07:15:21.98 ID:cPJiexfk0
皆様、レスありがとうございます

補足ですが、猫アレルギーでも猫を飼うことはできるらしいです
もちろん、オススメはできませんが

それではのっそり投下します
531 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/06(火) 07:15:56.90 ID:cPJiexfk0

フレメア・セイヴェルンは悩んでいる。

最近失恋をしたその友人が、どこをどう間違えたのか、百合へと走った。
というそれについてである。

始め、教室だろうが廊下だろうが街中であろうと絡んできた。
もちろん、肉体的な意味で。
フレメアは無理して元気にふるまっているんだろうな。くらいに思っていた。

しかし、それは徐々にエスカレートし、最近では唇まで奪われそうになっている。

フレメアとしてはそのような趣味は無いので、ただただ、迷惑なわけである。
しかし、友人が失恋でやけになっているだけだとわかっているので乱暴にもできない。

特に直接的な害もないし、そのうち冷静になるだろう。と放置しているかぎりであった。

しかし、最近、彼女の姉の妹(女子校的な意味で)と接触したらしい、という事が分かった。
そう、親友が一線を越えた可能性がある。

532 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/06(火) 07:19:46.76 ID:6UvegCvF0


そんな中、フレメアは、その友人の部屋にお邪魔している。
のこのこついて行ってしまったのだ。


本棚を見ればその人の性格が分かるというが、彼女のものには漫画ばかりがならんでいる。
『ゲコ太がもう一度恋をした』『世界の毒ガエル〜東京都町田区編〜』『好きっていいなよ』『三月のライオン』『ささめきこと』。
床には『マリア×マリア』というタイトルの漫画が放置されている。
仕方がない、あの表紙であのタイトルは期待せざるものが大きすぎた。畜生。
作者の本棚は太宰とかで埋まってるよ。マジでマジで。

とりあえずはまずい状況にあるらしい。

533 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/06(火) 07:20:24.54 ID:6UvegCvF0


「フレメアー、紅茶とコーヒーはどっちがいい?ってミサカはミサカは[禁則事項です]片手に聞いてみたり」


どうやら、本格的にまずいようだ。


「今、喉かわいてないから大丈夫。にゃあ」


フレメアは、危険回避の返事を伝える。舌打ちが聞こえた。

彼女は自分のコーヒーだけを手に部屋へと入る。

ガチャン。

534 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/06(火) 07:22:37.28 ID:5EmExpLX0


「一寸待ってミサカ。何で鍵閉めたの?」

「さぁ、何して遊ぶ? ってミサカはミサカは話を華麗に変えてみる」

「ミサカ。大体、変だよ」

「ミサカはプロレスがやりたいなってミサカはミサカは黒子お姉様から伝授されたセリフを言ってみる」

「ミサカ、現実から逃げないで、一方通行は別の人と結婚するんだよ」

「あーあーあーあーあーあーあー、聞こえないってミサカはミサカは現実逃避」

「ミサカ!」

「うるさいうるさいうるさい! フレメアはそこまで深く人を好きになったことがないからわからないんだよってミサカはミサカはミサカはミサカはミサカはぁぁぁぁぁぁぁぁ」

535 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/06(火) 07:23:04.00 ID:5EmExpLX0

打ち止めは、ベッドの上にあったぬいぐるみやクッションを掴み投げつける。
その顔は、涙で歪む。いつもの天真爛漫な笑顔の面影はない。


「ミサカ」


フレメアはただただ、それらを受け入れる。
彼女がどれほど辛いかなんてわかっている。

部屋には彼女の叫びがあふれ、漏れ出さんとする。

536 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/06(火) 07:23:58.63 ID:5EmExpLX0


「帰って! ってミサカはミサカはぁぁぁ」


フレメアはそっと、彼女を抱きしめる。


――舶来。


フレメアの涙など、とうの昔に枯れ果てている。


「わかるよ」


――To be continue...?
537 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/06(火) 07:25:09.31 ID:5EmExpLX0

はい、すいません。忘れられたフレンダ

この打ち止め情緒不安定過ぎワロタ
というか私の書くキャラ、総じて落ち着きねぇと思った

今回短かった代わりに、このスレ登場人物の恋愛関係を裏設定も含めて、一部適当にまとめてみた

滝壺?×浜面  一方通行×姫神  [未定]×黄泉川  土御門兄×妹  涙子×黒子
絹旗→浜面  打ち止め→一方通行  番外個体→一方通行  食蜂→一方通行
ステイル→禁書目録  禁書目録→上条  御坂→上条  五和→上条  かえる顔→☆
バーウェイ姉妹→ステイル  ローラ→ステイル  小萌→ステイル
結標容疑者→少年A  フレメア→(故)駒場←→(故)フレンダ  黒夜→根性→ニート

538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 08:14:37.40 ID:vN7AZIjOo
町田には本が一冊できるレベルで多彩な毒ガエルが生息してんのかww
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 13:39:41.50 ID:LGY+9CO/o
町田が区に昇格した…のか?
540 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽) [sage]:2012/03/06(火) 16:57:36.50 ID:hD8ox7uAO
冥土帰し×アレイスターとか誰得だよwwwwwwwwwwww

しかしこれだけ異質なカップリングばかりな中で土御門兄妹の安定感は凄い
541 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 21:39:22.47 ID:jCBwe2bco
乙!
異色の組み合わせwwwwww
町田って区じゃなくね?
542 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/07(水) 08:19:47.57 ID:GceH6kta0
すいません。町田区検察庁とかいうから素で区だと思ってました
町田市在住の方に深くお詫び申し上げます
町ですれ違っても石投げつけないでください

今日の内容は少しくどいよ

そんなこんなでビクビク投下
543 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/07(水) 08:20:31.00 ID:GceH6kta0

絹旗最愛はベランダから夜の空を見上げる。

この東京という街では、どうにも星を見ることができない。
それは、東京という街の中に存在する学園都市にも同じことが言える。

この先、技術が発展すればするほど、星は消えてゆくだろうか?
それとも、どんどん星が見える様になるのだろうか?

スモッグの雲に覆われた空には月だけが輝く。

544 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/07(水) 08:21:20.51 ID:GceH6kta0

「絹旗、何やってんだ?」


たたずむ絹旗に、後ろからそんな声がかけられる。浜面だ。


「星を見ていたんですよ」


と、絹旗は告げる。
それに対し、浜面は絹旗の横に立ち、空を見上げる。
しかし、同じ空を見上げているにもかかわらず、彼は星など見えない。とほざく。


「超何言っているんですか? 浜面。今日は特に星が輝いているじゃないですか」

「田舎の星空を知っている俺としては何も見えないんだよ」


それは、同じ空を同じ目線で見ることができないという事。
同じ場所で同じ気持ちを感じあえないという事。

545 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/07(水) 08:21:58.74 ID:GceH6kta0









――自分だけが、デートだ、と舞い上がっていたあの時のように。









546 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/07(水) 08:22:50.43 ID:GceH6kta0


「なんなんですか? 超自慢ですか」


絹旗は涙が溢れそうになって、思わず言葉の端を強くする。

――もういいですよ。
――いいんですよ。


「羨ましいのか?」


浜面はそんな風に少し自慢げに聞く。
ケンカ友達としてならそれでいい。それで正解だ。

547 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/07(水) 08:23:30.75 ID:GceH6kta0









――目の前のバカはやっぱり、私とは違うところを見ている。









548 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/07(水) 08:24:14.18 ID:GceH6kta0


「違いますよ」

「じゃあ、なんでいじけてるんだよ」

「いじけてないです。浜面には一生わかりませんよ」


そんな風に絹旗は、一人いじける。

あぁ、そうかい。と、浜面は


「どうしたんですか? 見えないなら、早く中入ればいいじゃないですか」


絹旗は隣で空を見上げ続ける浜面にそれを聞く。

549 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/07(水) 08:24:48.76 ID:GceH6kta0


「だってお前は、星、見えるんだろ」


だったら、俺にも見えるはずだろ? と。教えてくれよ、と。

同じ思いを感じれずとも、同じ場所に彼らはいる。

いつから、自分はこんなにもわがままになってしまったのか?
共に入れれば、満足だったのに。

一つ言えること、それは……。


――やっぱり、私は彼が好きなのだ。


550 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/07(水) 08:25:44.88 ID:GceH6kta0

空では、月がスモッグの雲をつらぬき、紫の光と共に回りめぐる。












「月が綺麗ですね、浜面」

「ん、あぁ、そうだな」


――To be continue...?

551 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/07(水) 08:27:12.97 ID:GceH6kta0

はい、すいません。久々の絹旗

満足で終わってはいけないなんて言葉がありますが
それをどう捉えるかは自分次第
見ているのは同じ空です

それではまた明日
552 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 20:21:57.44 ID:T7Nb9Bea0
553 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 23:15:42.00 ID:iT7VuWOXo
乙!
554 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/08(木) 09:12:03.65 ID:Z7NrKU950
レス、ありがとうございます
とても反応しにくい文でしたでしょうから
こんなもので良ければ、もう少しお付き合いください

とりあえずはまったり投下ですよ
555 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/08(木) 09:12:31.05 ID:Z7NrKU950

――最近のお気に入りである缶コーヒーが、いつもより苦く感じた。


公園のベンチに缶コーヒー片手に寄りかかり、空を見上げ、一方通行は溜息をつく。
白い顔に目立つ隈。最近、彼はなんだかよく眠れていない。
恋人との連日続いた夜の運動会も1つの原因となっているが、それだけではない。

あたまに廻るは一人の男の存在。
とは言っても、彼は別にホモではない。残念ながら。

身体を起こし、またコーヒーを一口すする。泥水みたいな味がした。
舌打ちし、右手でその美しい白髪をかきむしり、左の指の爪を噛む。

556 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/08(木) 09:13:02.23 ID:Z7NrKU950


「どォいうことだ?」


先日、恋人との放置プレイの最中に通りがかった河川敷で見た奇妙な男。
土手に横になり空を見上げ、瞬き一つせずに三時間。そして、そのさなかずっと何か呟き続けていたソイツ。
あの時は人違いだと思ったが、思い返せば思い返すほどに、その輪郭は一致していった。

あれは確かに木原数多であった。

ためしに、様々なデータにもぐりこんでみたところ、データはあった。

557 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/08(木) 09:16:27.59 ID:RbFbvN7e0

冥土帰しと食蜂操祈の勤める病院への入院記録。
それぞれの専門である外科と精神科。

御坂美琴の経営するファンシーショップでの職質記録。
受け持ったのは、麦野沈利。
しかも、改ざんされた跡がみられた。

上条当麻の勤める、月の売り上げの9割が御坂美琴によるものである人の来ない古本屋のメンバーズカード。

自分がたまに利用するラブホテルのアンケート。
なぜか、浜面仕上の名前と共に。

etc
etc
etc

558 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/08(木) 09:17:01.13 ID:RbFbvN7e0

いつの間にか這い寄ってきていたソイツ。

えも言えぬ不安。
何をしているのか。

ここ最近に至るまで、一切の記録が存在していない。
今になって――というソレ。


自身が結婚を決めたそのすぐ後に、やってきた強大な闇。


残されたのは恐怖。

559 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/08(木) 09:17:33.30 ID:RbFbvN7e0


――。

――警告か?

――。

――秋沙に迷惑をかけることになるのではないか?

――。

――先手を打つべきか?


まぁ、言ってしまえばマリッジブルー。
しかし、一方通行の胸に刻まれつつあるのは、そんな生易しいものではない。

560 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/08(木) 09:18:06.67 ID:RbFbvN7e0

そして、もう一つ。

画像データが存在し無いのだ。

アレイスターの残した負の遺産である滞空回線にさえそんざいしない。

改ざんした後もない。
仮に改ざんがあったとしても、滞空回線レベルのセキュリティに侵入するには
学園都市内でのレベルのウィザードクラスのハッカーが三人いたところで足りはしまい。

そんなハッカーが存在したとすれば、学園都市は壊滅である。

オカルト、魔術ならばと、その手の専門家である上条の元恋人、最大教主Index-Librorum-Prohibittorumに極秘に呼び寄せ、検閲してもらった。
かつて学園都市を壊滅の一歩手前まで追い込んだグレムリンのような手を探すため。

しかし、魔術が使用された痕跡など、見つかりもしなかった。

故に、不気味に痕跡だけが残されたそれらはまるで……。

561 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/08(木) 09:18:53.14 ID:RbFbvN7e0










『GHOST』










562 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/08(木) 09:19:21.26 ID:RbFbvN7e0

ふるえる天下の最大教主様に紹介されたのは、ロシア成教なる組織の特に幽霊退治を専門としたグループ『殲滅白書(Annihilatus)』。
この問題の個人的解決の為、彼女はそれらの訪問を依頼してくれた。

その待ち合わせに指定されたのがこの公園。

1人コーヒー片手に待つ一方通行は平常心を装いつつもその手は小刻みに震える。

武者震い? いや、そうではない。

ガチの、本気の恐怖。科学の街のトップクラスがオカルトに怯えていた。

カタカタと、響く貧乏ゆすり。

563 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/08(木) 09:37:19.58 ID:hizxBfyn0


「第一の質問ですが、あなたが依頼人の一方通行でよろしいですか?」


そんな風に後ろから呼びかけられる。


「おせェぞ。いったい何やってやがった?」


つのる不安をぶつける様に一方通行は声を荒げ、後ろを振り向く。


「第一の解答ですが、迷子になりました」


564 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/08(木) 09:38:30.14 ID:hizxBfyn0

そこにいたのは身長170くらいの少女。流石というべきか、聞いていた年齢より大人びて見える。
一方通行ほどではないが、白色の肌。緩くウェーブのかかった長い金髪。
そして、そのあふれんばかりのダイナマイトボディはワンピース型の下着にも似たスケスケの素材と黒いベルトで構成された拘束服に包まれている。
推定するにトップが100はあると思われる巨大な胸にいたっては、一本のベルトでその最上部だけが隠されていた。
まさにぼんきゅぼん。そんな理想の体型が赤い外套の中に見え隠れし、ところどころに赤い痕が残っている。
おまけにリード付きの首輪をしていた。
手にしているのは巨大なくぎ抜き。

彼女の名前はサーシャ。
565 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/08(木) 09:42:15.26 ID:ZFmINs7N0


「ゴメンナサイ、ヒトチガイデス」
 
















彼にも譲れないものはある。


――To be continue...?
566 : ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/08(木) 09:43:03.17 ID:ZFmINs7N0

はい、すいません。ワシサリーサはご健在です

かっこ悪い一方さん書いてみた
ファンの皆、ごめんね

あと、サーシャは18歳くらいです

明日はこれません

567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/08(木) 11:47:43.06 ID:5bB20ZnWo
あわわ…サーシャとんでもねぇ事に。いや元からだけども
取り敢えず秋沙たんの濃厚プレイどうなってるのかkwsk
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/08(木) 13:51:07.28 ID:KCQsmLFFo
乙!
サーシャ成長しすぎwwww
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/08(木) 18:58:38.17 ID:vYYeKlTo0
570 :マジごめん ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/09(金) 00:11:43.84 ID:sT8fp/lk0

無事幽霊問題を解決し、一方通行は結婚式晴れて挙げることになりました
客席には性転換した元ヒーロー
共にいた所を浮気相手と疑われたサーシャ
浮気問題を解決し、ついでに一方通行から唇を奪った食蜂操祈
上条に、御坂を傷つけたと本気で戦った海原(エツァリ)
愛するものを守るために●一方通行に立ち向かった○浜面
その他、大勢がいます

ちなみに御坂(勘違い乙)は海原(本物)を追いかけているのでいません

そして、神前式の結婚式は何事もなく終わりを迎え余す
そして、伝説のブーケトス
約一話分の女たちの死闘の果て
絹旗がブーケをキャッチしました

これを期に、思いを伝えようと思いましたが、
浜面に


「俺、もう一度結婚式あげようと思うんだ。理后と」


と、告げられました。


――To be continue…?


はい、すいません。急展開

このまま、最終回(ほとんどプロット前の草案そのまま)


571 :マジごめん ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/09(金) 00:12:13.40 ID:sT8fp/lk0

それは、そう遠くない未来の話。

―――――――――――――――――――――――

一方通行に迫るみさきち
それをはね返さんとする姫神

ステイルを拾った小萌
2人の朝の食卓

本物海原と御坂

晴れて女になった上条をナンパする男たち
上嬢「幸せだー」

他、ストーリー次第で追加

――――――――――――――――――――――――

572 :マジごめん ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/09(金) 00:12:48.03 ID:sT8fp/lk0

とある二階建ての一軒家。
表札には『浜面』とあり、男が二人と女が三人、共に住んでいる。

そこからは毎日のように笑い声が響く。


「いい写真が撮れたわ」

「リビングで超いちゃつかないでください」

「いや、ここ俺の家だからな」

「そうなの? 大体アイテムのアジトだと思ってた。にゃあ」

「大黒柱なのに威厳の無いそんな浜面を応援してる」


573 :マジごめん ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/09(金) 00:13:14.12 ID:sT8fp/lk0


***


窓の外に一人の女が立っていた。

すらっと伸びた脚。引き締まったバスト。少しパーマのかかった金髪。
そして、その小さな頭にはちょこんと1つベレー帽。

また、家の中から声が響く。
その中の1つに耳を傾け……。


「舶来……」


ドアは――、開いている。


――Fin.


574 :マジごめん ◆wfH9RNbiw6 :2012/03/09(金) 00:13:43.40 ID:sT8fp/lk0


はい、すいません。ガチですいません

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました
この物語はこれにて閉幕でございます

私の都合によりスレ存続が不可能となりました

誠に勝手ながら、ここでスレを切ることをお許しください
無理ですよね
ごめんなさい

バッドエンドが可愛く見えるレベルでごめんなさい

最後に一言。これはヒドイ
575 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/09(金) 01:47:18.45 ID:dnYz87JDO
一応おつ
途中までは本当におもしろかったよ
576 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州・沖縄) [sage]:2012/03/09(金) 14:06:45.96 ID:35Pax8sAO


最後はあれだけど基本的に面白かった
577 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/09(金) 17:37:57.58 ID:Mv2V2kzN0
578 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/10(土) 01:35:47.94 ID:6q/v+VR40

いつかまた暇が出来たら、是非完全版を作っていただきたい
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