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カゲロウデイズ -
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1 :
まっちゃ
:2012/02/08(水) 20:43:36.94 ID:nClwSbzn0
※注意※
これは じん(自然の敵P)様 の【カゲロウデイズ】を基にしたものです。
自分なりに解釈をさせていただき、それを文にしたもので
本家様とは全く関係がありません。
更新は不定期であり、頻度も低めです。
かなりの捏造を含む可能性もないとは言い切れないので
そこはご了承したうえで閲覧をお願いします。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1328701404
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にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
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にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/
2 :
まっちゃ
:2012/02/08(水) 21:35:41.72 ID:nClwSbzn0
それは、とてもむし暑い夏の日のことだった。
取り出した携帯電話に目をやれば
画面には 『8月15日(日曜日) 12:28』 とある。
ふっと視線を上にあげると、天気はよく、太陽がギラギラと照りつけていた。
このままでは病気になってしまうのではないか――
眩しい日差しのなか、ボンヤリとそんなことを考えていると横から声がとんできた。
「ねぇ、ワタシの話ちゃんと聞いてる?」
頬をふくれさせながらこちらに視線を向けてくるのは、クラスメイトの一人であり、幼馴染である少女だ。
肩にかかるくらいの長さに綺麗に整えられた黒髪が、風で涼しげにサラサラと靡いている。
ムスっとしていても崩れることのない容姿。第一印象を聞かれれば、カワイイと言う者が多いだろう。
そんな子となぜ二人きりでいるのかといえば、特別な理由はない。
今は夏休み真っ最中である。
大抵の子供なら、友達や家族と出かけたり、祭りやら海にも行くだろう。
ただ、自分にはソレをしたいという願望がない。
昔から両親は仕事が忙しく、現在も二人揃って出張中だ。
決して、愛されていないわけではない。
家族で一緒の時間が作れないことを申し訳なく思ってくれているし
仕事だってなるべく早く切り上げて帰ってきてくれる。
それに気付かないほど自分はもう子供ではないし、
そこまでしてくれている両親に文句を言うのは心が痛む。
泣いて我儘ばかり言う時期は既に終わった。
それは隣に座っている少女も同じことだった。
だからだろうか。お互いに通じ合う箇所が幾つもあった。
今日だって、特にする事もなかったからという理由で呼んだ。
それで来てくれるということは、どうやら向こうも自分と同じだったらしい。
「あぁ、ゴメンゴメン。」
いまだ不機嫌そうな彼女に、慌てて謝罪をいれる。
すると、それで満足したのか、さっきまでと同じように笑顔で話し始めた。
ただ、その話がどんな内容だったかは覚えていない。
―――ええと、なんの話だったかな・・・
少女の話に耳を傾けながら必死に思い出そうとするが、結果は同じだった。
こんなに暑い日なのだから、ボーッとしていることは仕方ない、と適当に理由をつけておく。
「でもまぁ、夏は嫌いかな・・・」
膝に座らせた猫を撫でながら、少女はふてぶてしく呟いた。
少年ががきょとんとした表情を見せると、まるで悪戯が成功したときのようにニコッと微笑まれた。
そんな見ていて微笑ましいやり取も、夏にとっては全く関係ない。
心なしか、さっきよりも気温が上がったような気がする。
このままでは本当に倒れてしまうと感じ、どちらかの家に行くことに決まった。
ベタといえばベタだが、幸い家も隣同士だ。あまり時間もかからないだろう。
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(兵庫県)
[sage]:2012/02/08(水) 22:11:45.53 ID:KNpAULiO0
あの曲良ぃよなぁ。個人的にはメ力クシコードも良いけど、カゲロウデイズのほうがサビが好きかな。
4 :
まっちゃ
:2012/02/08(水) 22:58:58.63 ID:nClwSbzn0
いつまでもこんな時が続けばいい―――
そんなほんわかとした考えが、頭に浮かんだ。
―――そのとき
何かが自分の中で引っ掛かった。でもそれが何なのかが分からない。
それはまるで、騙し絵を見ているような、そんな感覚。
あるいは、当たり前すぎて逆に気付けないような。
――少年がソレに気付くのに、あと1分27秒――
公園の入り口まできたとき、抱きかかえていた猫が少女の腕の中からするりと抜け出してしまった。
慌てて追いかけていくその少女の後ろ姿を、少年はぼんやりと見つめていた。
――少年がソレに気付くのに、あと43秒――
逃げ出した猫を捕まえようと、早足で駆けていく少女。
何気なく視線を横にやると、視界の端に、歩行者用の信号機が映った。
色は青。これがもし赤だったなら、大変なことになっていたかもしれない。少年はホッと息をついた。
神様というものは、そこまで残酷ではない。
―――けれど
神様というものは、そこまで情けをかけてくれる優しいものでもない。
少女が横断歩道に飛び出した瞬間、
信号機が
赤に変わった。
――少年がソレに気付くまで、あと ――
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関西地方)
[sage]:2012/02/08(水) 23:13:36.99 ID:RZN4F3ZV0
いたたたたた
6 :
まっちゃ
:2012/02/09(木) 16:28:30.78 ID:jol96cTr0
声をかける余裕すらなかった。
咄嗟に手を伸ばすが、少年と少女の間にはかなりの距離がある。
当然、その手は届くはずもなく――
それでも伸ばさずにはいられなかった。
やり場のない手は、宙を彷徨い――
直後、大きなクラクションの音が響いた―――
最初に視界に飛び込んできたのは、鮮やかすぎるほどの赤。
それは辺り一面に広がり花のようにも思える。
ナニが起きたのか、少年には理解できなかった。
否、脳が反射的に受け入れ理解することを拒否したのだ。
目の前で起こった映像が、頭の中でゆっくりとスローモーションのような映像になって流れていく。
指定速度で走ってきた大型トラックが、少女に向かって突っ込んだ。
それは一方的なものだった。当たり前といえば当たり前だが、人間の体はそこまで丈夫に作られてはいない。
寧ろ、とても繊細でデリケートな作りだといってもいいくらいだ。
いくら指定速度通りに走っていたとしても、歩行者からすれば高速で走る鉄の塊だ。
そんなものと生身の人間が衝突すれば、圧倒的な被害を受けるのはもちろん生身の人間のほうである。
少女は、トラックと衝突した地点から数メートル離れた処にいた。
跳ね飛ばされたのではなく、そのまま引きずられていったのだろう。
ふらふらとした足取りでゆっくりと少女に近づいていく。
近くでみなくても分かった。
手足が、決して曲がってはならない方向にグシャリと歪んでいる。
大量の血が、コンクリートでできた道路を汚した。内臓の一つでも飛び出ていないだけマシなのかもしれない。
まだ、ほんの僅かでも、息があることを願って、少年は、一歩一歩、歩みを、進めていく。
距離を縮めていくごとに鉄のような匂いが濃くなっていく。
あと一歩踏み出せば、その細く華奢な体を踏みつけてしまいそうな処まできた。
少女の首から上に目を向けようと、視線を上にあげ―――
「うっ、うぇ、、―――っ、ぁあ、ぅあ゛」
胃から込み上げてくる嘔吐物を我慢することができず、赤い水玉模様の上にボタボタと零してしまった。
・・
ゼェゼェと肩で荒く息をしながら、ボンヤリとしている視界でもう一度目の前のソレを凝視した。
最早そこで転がっているのは、少年の知る少女ではない。
――少女の顔は、ぐしゃぐしゃに潰れていた。
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/02/09(木) 18:08:33.44 ID:k6UJ8qfSO
これは…
8 :
まっちゃ
:2012/02/09(木) 22:55:19.79 ID:jol96cTr0
どこに目があって、鼻があって、口があるのか――
それすらもわからない程だった。
顔面の皮膚は3/4くらいが剥がれ落ちており、それと思われる赤黒いものが周りに散乱している。
恐らく、トラックのタイヤに潰されたのだろう。
優しい笑みを浮かべていた少女の面影は、もうどこにも存在しなかった。
ほんの少し、少しだが、洗剤特有のどこか柔らかい匂いがした。
それが血飛沫の色と混ざり合って、いまだ胃酸の味が残る喉を咽返らせる。
信じたくなかった。受け入れたくなかった。理解したくなかった。
目の前に倒れているのは少女でも人間でもない。
少女であり、人間だったものだ。これなら、全身バラバラの方がマシというものだろう。
自分が最後に見た少女の顔は笑っていた。このむし暑い夏の日にはあまりにも似合わない、爽やかで涼しげな笑顔。
――なのに、こんなのはあんまりだ。
夢なら今すぐ覚めてほしい。そうでなくても、こんなのは嘘に決まってる。幻想だ。空想だ。妄想だ。
きっともうすぐ大きな看板を持った人が飛び出してきて、それには「ドッキリ大成功」なんて言葉が書かれているに違いない。
頭の中で必死に目の前の現実を否定しようとしていた。
――そんな時、どこからか視線を感じた。
まるで真後ろでこちらをずっとジロジロ見られているような――そんな感覚。
重たい頭をのろのろと動かしながら視線の放たれる方向を探す。
誰かと、目があった。
歳は自分と同じくらいだろうか。
服装もなんとなく似ている気がする。
その「誰か」の顔を見て、思考が停止した。
「誰か」が口を動かして何か伝えようとしている。
口の動きに集中し、やっと何を言っているのか理解できた。
「 嘘 じゃ な い ぞ 」
「誰か」は、満足気にクスリと笑った。
その顔は自分と酷く似た人物だった。
―――ぶつん。と
テレビを消す時に似た音が鳴ると同時
目の前が
真っ暗になった。
9 :
まっちゃ
:2012/02/10(金) 00:45:59.88 ID:0z7/OD/10
――ピピピピ、ピピピピ、ピピp――
一定のリズムで規則正しく鳴るアラームの音に気づき、バッと勢いよく上半身を起こした。
どうやら唸されていたらしい。ゼェハァと荒い息を吐き、服は寝汗で少し湿っている。
当然だ。あんな悪夢を見れば、誰だって飛び起きるだろう。
―――夢でよかった。
心中でそんなことを思い一息つく。
現在時刻を知ろうと、未だ鳴り続けている携帯のアラームを止めて目をやった。
『8月14日(土曜日) 12:04』
約束した時刻までまだ余裕はある。
張り付いた汗が気持ち悪く、軽くシャワーを浴びて急いで支度を終えた。
再び携帯画面を覗くと約束の時刻から5分ほど遅れている。
慌てて家を出た。といっても、待ち合わせ場所の公園まではそう遠くない。
―――今日はやけに蝉の声が五月蠅いな
そんなことを考えながら足の速度を上げた。
案の定、少女はふくれっ面で待っていた。そういえば、夢の中の彼女もこんな顔をしていた気がする。
公園には自分たち以外の人影は見えない。
なんとか機嫌を直してもらい、近くにあったブランコに腰を下ろした。
今日のように会って話をするのは珍しくはない。
いつものように他愛のない話をして、二人で一緒に笑った。
―――あれ?
少年の中に、一つの疑問が生まれる。
今朝見たあの夢と今の状況が、あまりにも重なりすぎているからだ。
内容が頭の中にフラッシュバックする。
もしかしたら、これは正夢なのかもしれない。
そんなものがあるとは言い切れない。だが、ないとも言い切れない。
本当にこれが正夢ならこのままいけば少女はきっと―――
「ねぇ、どうしたの?顔色悪いよ・・・?」
心配そうに顔を覗き込んでくる少女の言葉に、意識が引き戻される。
用心に越したことはないはずだ。
「もう、今日は帰ろうか・・・」
不思議そうな顔をしている少女の手をとって、早足にその場を去ろうとする。
早く、早く。ただそれだけを考えて、スタスタと歩く。
入口から出た時、信号機の色は青だった。念のため左右を見て、トラックがきていないことを確認して――
何かがおかしかった。
通りかかる大勢の人がざわざわと騒いでいる。その中の半分が上を見上げて口をあけていた。
そこにナニかあるのかと、自分もつられて宙に視線を向ける。
10 :
まっちゃ
:2012/02/10(金) 00:47:08.31 ID:0z7/OD/10
――少年がソレに気付くのに、あと27秒――
太陽が眩しすぎて、視界にはチカチカとした光だけがうつる。
――少年がソレに気付くのに、あと14秒――
ナニかが空から降ってきた。
――少年がソレに気付くのに、あと6秒――
それは、建設中のビルに使われる鉄柱だった。
気付いた時にはもう遅い。
――鉄柱が落下してくるのに、あと3秒――
――少年がそれを避けるのに、あと10秒――
――ぐしゃっ
何かを潰したような、あるいは貫いたような、そんな音が聞こえた。
11 :
まっちゃ
:2012/02/11(土) 13:01:30.81 ID:UPSew1HJ0
落下してきた鉄柱を避けることもせず反射的に目を固く閉じる。
なにか生温かいものが全身にかかった。
きっとこれは自分の血だろうと思い、遅れてやってくる激痛に歯を食いしばろうとして――
―――あれ?
可笑しい。ナニが可笑しいって、全てがだ。
いつまで経っても痛みがこない。あんなものに体を貫かれれば、激痛どころでは済まないはずだ。
現に頬をゆっくりと伝っていく生温かいものは紛れもないソレで。
訳のわからない出来事に目を薄く開けば――
そこには、絶望があった。希望や期待など、微塵も存在しない世界。
それが少年の目の前にあった。それは、少年がいちばん恐れていた出来事で
コンクリートの上を赤が浸食していく。
じわじわと滲み出るソレは自分のものではなく
鉄柱が貫き、それに突き刺さっているのは自分ではなく、
それは
少年のよく知る顔で
少年の中の大切な人で
少年が思いを寄せていた
――少女だった――
12 :
まっちゃ
:2012/02/12(日) 00:18:44.47 ID:xm3Eura/0
とてつもなく今更なのですが、、、
グロテスクな表現にはお気をつけて(テヘペロ☆←
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/12(日) 11:30:44.26 ID:a/k6XRgKo
寒い
ペース遅い
無駄な改行多い
せめて書き貯めろ
14 :
まっちゃ
:2012/03/01(木) 20:42:04.75 ID:JkABLVxH0
>>13
はい、その通りですね。
申し訳ありません。
こういったものを上げるのは初めてなものですから(汗
更新については上の注意書きの通りでございます。
書き貯めは事情がありましてできません。ご了承よろしくお願いします。
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/01(木) 21:40:13.70 ID:oHEj9V7i0
>>13
ろくに説明も見ずに注意すんなks
16 :
まっちゃ
:2012/03/03(土) 17:41:42.40 ID:WC0t/lio0
耳をつんざくような悲鳴が聞こえた。
それが風鈴の音と一緒に木々の隙間で空回っている。
しかし少年にはそんなことどうでも良かった。
頭の中には疑問ばかり。
なぜ?
どうして?
ありえない。
だって。
そんなの。
ゼッタイ。
こんな。
自分は確かに落下してきた鉄柱の真下にいた。
本来ならば貫かれているのは自分のはずなのに
――なのに何故、目の前の少女は串刺しになっている?――
必死に考えた。頭の中で。脳にある全神経をフル稼働させて。そして一つの予想が生まれた。
「少女は自分を助けるために、身代りになったのではないか」――と。
それは、少年にとってあまりにも残酷で悲惨で無残な結末。
17 :
まっちゃ
:2012/03/03(土) 17:58:47.35 ID:WC0t/lio0
少女は自分を庇って死んだ。自分を助ける為に。自分を死なせない為に。
これがもしどこかの冒険マンガであったとして、「仲間を庇って死ぬ」なんていうのはベタすぎる展開だ。
それを見た読者の中には感動するものもいればどうとも思わないものもいる。
作者だってすぐにまた別の話を考えて感動ストーリーはそこで終了。
「次回!新たな敵現る!?」なんていうフレーズで次に進んでいくに違いない。
中のキャラクターだって、過ぎた事として何事もなかったような顔で冒険を再開する。
では「助けられた仲間」は?
誰だって自分の命を助けられれば感謝するだろう。
泣きながら何度も頭を下げて何度も感謝の言葉を繰り返すだろう。
中にはどう言葉で表していいのか分からずただ泣き続ける者もいるはずだ。
しかしそれは、大抵が庇った者が生きている前提での話ではないだろうか。
もし、庇った者が死んでしまったのならどうすれば良い?
自分を助ける為に、自分を死なせない為に、自分を生かす為に死んだ仲間。
涙溢れる感動ストーリー。
恰好良く「お前のぶんまで生きるよ」なんて言葉で締め括られるかもしれない。
「お前の死は無駄にしない」なんて言葉をキメ顔で言われるかもかもしれない。
だがそれは
仲間が自分を庇って死んだというのは
逆を云ってしまえば
自分のせいで死んだということにはならないだろうか?
それは助けられた方だって分かっているだろう。
「自分のせいで死んだ」という事実を分かっていて、それでも前へ進もうとする。
もしかしたらそのせいで誰かに恨まれるかもしれない。
死んだ仲間の家族・友人・恋人、たくさんの人から非難の声を浴びせられるかもしれない。
自分の仲間の中からだってそれは例外ではないかもしれない。
それでも行く。前へと。ただひたすらに。仲間の思いを背負って。
しかし――
少年の世界は、そんなマンガみたいなものではない。
突然自分は勇者だと告げられたり魔王が世界を侵略しようとするなんてお話は、少年の世界では全く存在しないのだ。
あるとすればもちろんアニメやマンガの中だけの話。
故に少年は知らない。
こんなときどうすれば良いのかを。
こんなときどんな顔をすればいいのかを。
こんなときどんなことを言えばいいのかを。
目の前の現実は少年のいた『日常』とはあまりにも掛け離れていて――
少年の小さな背中にはあまりにもその『現実』が――
重すぎた
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/03(土) 20:47:27.16 ID:0qZCynxN0
乙
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/04(日) 14:00:37.47 ID:Ysr7703Ao
楽しみにまってますよん
20 :
まっちゃ
:2012/03/10(土) 22:02:32.81 ID:h0ig18Ea0
少年は動けない。
だって、知らないから。
こんな時どうすれば良いのかを。
急いで少女に駆け寄れば良いのか、その場に崩れ落ちれば良いのか、それとも意識を手放してしまえば良いのか。
少年にはいくら頭を働かせてもソレが分からないし解らないし判らないしワカラナイ。
ゆっくりと口を動かし声帯を震わせ零れ出てきた言の葉は
少女に対する呼びかけでも目の前に広がる地獄に対する絶叫でも自分に対する憐れみでもなく――
「・・夢、、だ・・・」
在ないけれど、確かに其処に在る誰かに向けて放たれたものだった。
21 :
まっちゃ
:2012/03/11(日) 00:13:44.58 ID:U0YdO3mI0
どうも
>>1
です。
制作途中だったものがなんか吹っ飛んだのでもう何も信じられなくなりましt。
言葉にもなりません畜生め。
久しぶりにモチベーション上がったのに現在進行形で急降下中です。
何書いてたとかもうワカラン激しく誰かの頭パーンしたi
また、うん、いつかね。書けたら、、ね。
進行状況とかもう知らない何も考えたくない鬱だよし死のう。
なるべく、、頑張ります。
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
:2012/03/11(日) 01:41:48.18 ID:nZlm4v03o
ゆっくり続けてくださいな
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛知県)
[sage]:2012/03/11(日) 02:03:58.01 ID:z1iLTAFE0
応援してるよ!
24 :
まっちゃ
:2012/03/17(土) 20:45:24.68 ID:GDHeR6hE0
「嘘」ではなく『夢』。
これは悪夢に違いない、少年はそう思った。だから今の自分は幻想で、現実の自分はきっと悪夢に魘されていることだろう。
何があったのだろうか?少年は他人事のように考える。
もしかしたら怖いテレビかマンガでも見たのかもしれない。もしかしたら嫌なことでもあったのかもしれない。
理由がなんであれ夢ならば最後は必ず目覚めるはずだ。そう考えると気が楽になってきた。
脳内でも目の前の現実は「夢」だと判断し、自然と処理を進めてくれていた。
さっきまで五月蠅かった蝉の音が今は不思議とそう感じない。ふ、と視線を下に落とせば赤が自分の足もとまで浸食していた。
しかしこれも「夢」だと分かってしまえばどうとも思わなくなった。
朝がくれば必ず目覚める。そして、また少女の笑顔を見ることができる。それが少年のいた『日常』。
ならこんな幻想に怯える必要なんてない。苦しむ必要なんてない。理解する必要もない。
だんだんと意識が遠のいていく。まるで深い泥の中に沈んでいくような、そんな感覚。
だが、少年にはそれが不快に感じられなかった。寧ろどこか清々しい気分だ。
きっともうすぐ目覚めるのだろう、少年は悟る。
ゆっくりと目を閉じながら「寝る前は怖いものは見ないようにしよう」なんて考える自分に小さく笑って
波の流れに任せるように身体から力を抜いた。
―――その瞬間。
「 夢じゃないぞ 」
耳元で歌うように、楽しげな、そんな声が聞こえてきた。
25 :
まっちゃ
:2012/03/17(土) 23:13:26.09 ID:GDHeR6hE0
モチベーション下がりっぱなしで同時進行してるほう進めようと思ったけど結局ダメで結局こっちに投下した
>>1
です。
ほんとはたくさんあげたかったです。ほんとに。
でも夢は夢のままでも良いと思うんですよn
なるべく頑張ります。自然消滅はしない。
多分。
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/03/18(日) 21:49:48.73 ID:BNhrUVAWo
乙でーす
27 :
まっちゃ
:2012/03/18(日) 22:23:34.39 ID:aQDg85Ll0
まるで透き通ったようなクリアな声が頭の中にまで響いてきた。
泥に沈んでいた意識が一気に浮上していく。
それはまるで気持ちよく寝ている最中に顔面に冷水をかけられたような、そんな例えがしっくりきた。
さっきまで気にならなくなっていた蝉の声が何倍にも大きくなった気がする。
全身から普通とは違う嫌な汗が流れていた。無意識の内に身体が震え、金縛りにでもあったかのように動けない。
目だけがきょろきょろと忙しなく動いていた。声は真横から聞こえた。自分のすぐ隣から。
振り向きたい。けど振り向けない。振り向けばきっと自分の中の何かが壊れてしまう、そう第六感が告げていた。
けれど人間とは駄目と分かっていても好奇心には勝てない弱い生き物である。
もちろん例外も存在するが、それに当てはまる程少年は強い精神を持った人間ではなかった。
いつまでもこの状況に耐えきれず、振り向いてしまった。
少年がいた。自分と同じくらいの年齢で同じくらいの背格好をした少年。よく見れば服まで自分と同じものに似ている。
だがそんなこと少年にはどうでもいい。そんなことよりももっと大きな疑問が少年の頭を埋め尽くした。
横にいた少年は――
自分と同じ顔をしていた。
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/19(木) 20:07:03.54 ID:YjvLHfK2o
帰ってこねーな
小説発売が楽しみ
29 :
まっちゃ
:2012/04/27(金) 16:53:15.60 ID:ExxrO5Ul0
全身から血の気が引くのを感じた。暑さのせいだけではない汗が大量に噴き出る。
軽かった身体が今は全身に隙間なく泥を詰め込んだように重い。
意識が朦朧としていくのが分かった。のぼせたように頭がボーッとする。
トンッ、と
目の前の自分に軽く胸を押された。
そんな小さな衝撃に耐えることもできず、抵抗することなく重力に従って倒れていく。
ほんの数秒のことだったのだろう。しかし少年にはそれがゆっくりとした動きに思えた。
視界が眩みほとんど黒に塗りつぶされたなか、首をチラと横に振る。
そこには先ほどと寸分も変わらない真っ赤に染まった少女がいた。
細く華奢な身体には何本もの鉄柱が突き刺さっている。
――しかし
その見るからに悲惨な姿とは全く逆に
少女の横顔は僅かに口角が上がっていた。
少年にはそれが、
笑っているように見えた
……気がした。
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(チベット自治区)
[sage]:2012/04/30(月) 15:39:03.31 ID:pQO5xhTt0
乙乙ー
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