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騎士「汝は人狼なりや?」賢狼「私は賢狼よ!」 -
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1 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
:2012/02/12(日) 11:03:49.36 ID:/wduNgUK0
@犬娘「ご主人…交尾…」男「ここ公園なんだが…」
http://logsoku.com/thread/hayabusa.2ch.net/news4vip/1328652730/
A勇者「魔王ぶっ[
ピーーー
]!」魔王「ぶっころす!」
http://logsoku.com/thread/hayabusa.2ch.net/news4vip/1328893239/
もともと考えていた犬娘の話を3つに分けました
今回が最終話
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1329012229
(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
1.5 :
荒巻@管理人★
(お知らせ)
[
Twitter
]: ID:???
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】
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もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。
どけ、馬鹿ども @ 2025/04/08(火) 17:50:19.05 ID:ZpOcDfR4O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1744102218/
=^・ω・^= ぬこ神社 Part127《ぬこみくじ・猫育成ゲーム》 @ 2025/04/08(火) 15:05:35.64 ID:ORnLfiWxO
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1744092335/
”巨大”とは感動である @ 2025/04/08(火) 01:19:24.07 ID:lXIr96Fs0
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1744042763/
イキスギ龍戦隊 トコロテンリュウチャーン @ 2025/04/07(月) 23:14:15.12 ID:Wirs8NLuo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1744035254/
ブラックホールを利用したスイングバイですか @ 2025/04/07(月) 22:24:09.84 ID:cNeF3kS2o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1744032249/
>>2
-
>>1000
←こいつらバカ @ 2025/04/07(月) 17:56:14.63 ID:EPGMr7I0O
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1744016174/
存在しないA雑の1コマbot @ 2025/04/07(月) 15:38:34.09 ID:ftcC9QE7o
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1744007913/
【安価】タイトルからあらすじを想像して架空の1クールアニメを作る 2025春 @ 2025/04/06(日) 18:59:59.85 ID:j7qPgZ470
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1743933599/
2 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
:2012/02/12(日) 11:06:10.90 ID:/wduNgUK0
まったりゆっくりいきたいのでお許しを
3 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
:2012/02/12(日) 11:07:17.71 ID:/wduNgUK0
賢狼「間違えないでちょうだい!」
騎士「……同じじゃないか」
賢狼「全然違うわよ! それじゃただの凡狼じゃない!」
賢狼「私はね、賢いの! いい? 賢狼よ? 次間違えたら噛み[
ピーーー
]から」
騎士「……」
騎士「狼どころか……犬の娘だろ、ぷぷ」
4 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
:2012/02/12(日) 11:08:33.36 ID:/wduNgUK0
賢狼「……! [
ピーーー
]……!」
騎士「うわーかまれちゃうーたすけてー……ぷくすすー」
賢狼「[
ピーーー
]!!!」ドカッ!
騎士「ぁぐ、おおぅ!? ……っううぅ……!!」
騎士「いっ痛たああ……この! 足を踏むな足を!!」
賢狼「うるさい! 噛まなかっただけでありがたく思いなさいよね!」
5 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/02/12(日) 11:10:42.69 ID:pzBw9IQ30
ゆけーかぜのごとくー
公園交尾の人か
6 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
:2012/02/12(日) 11:24:49.57 ID:/wduNgUK0
賢狼「私が本気で噛んだら、あんたなんかすぐ死んじゃうんだから!」
騎士「……なんで噛まなかったんだ? 犬の娘」
賢狼「……! ぐ、ぐ……」ぴくぴく
賢狼「……ふ、ふん! まあいいわ……特別に許してあげる」
賢狼「この私を『犬』呼ばわりする人間なんて初めてよ? たいしたもんだわあんた」
賢狼「私は賢い上に度量も大きいの、許してあげるから感謝しなさい!」
騎士(さっきぼくの足踏んだだろ……)
7 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/12(日) 13:29:18.97 ID:Q+cMMS3IO
sagaつけとけ
8 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2012/02/12(日) 13:33:28.78 ID:BZ9HB9bl0
はよ
9 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/12(日) 20:54:25.74 ID:3n3oQ5/b0
ちょ、ゆっくりしすぎwwwwwwww期待してるからはよ
10 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 10:54:35.56 ID:n+q+x0yB0
賢狼「……」
賢狼「そ、そんなことより……あ、あんたは何をしてるの?」
賢狼「み、見たところどこかに向かってるみたいだけど……どこかに行くわけ?」
騎士「うわあ……さすが犬娘、自分で賢いというだけあってするどいねえ!」
騎士「その通り! ぼくは今、『ギューイ』の街に向かっているんだよ!」
11 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 11:02:27.62 ID:n+q+x0yB0
騎士「よくわかったね、僕が旅してるってこと……さすが、さすが賢い、賢い!」
騎士「ぷぷーーーっ」
賢狼「あ……そ、そう? そんなに褒めなくても……あ、当たり前だし、賢狼だし……」かあっ〜
賢狼「……」ちら、ちら ぱたぱたぱた
騎士「……」
騎士(えええー……誰が見たってわかるから、ぼくが旅をしてるなんて……ていうか褒めてないぞ!)
12 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 11:11:43.31 ID:n+q+x0yB0
騎士「……」
騎士「そういえばお前こそ何をしているんだ?」
賢狼「え……」どきっ
騎士「……こんな森に囲まれた辺ぴな場所で……もしかしてこの辺に住んでるのか?」
賢狼「え……あ、その……え〜と……」
賢狼「わ、私もなの! 私もちょうど街に向かってる途中で……!」
13 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 11:22:04.36 ID:n+q+x0yB0
賢狼「……そ、そうそう! その……『ギューイ』!」
賢狼「わ、私も『偶然』、その『ギューイ』に向かう途中なのよ! あ、あはは……」
騎士「……」
騎士「へえー……(故郷を出た辺りからずっと誰かに後をつけられてる気がしてたけど……)」
騎士「……偶然ねえ……」
賢狼「ぐ、偶然ね……」どきどきどきどき
14 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 11:35:02.42 ID:n+q+x0yB0
騎士「……」
賢狼「……」
騎士「(まあ、いいか……)じゃあ、一緒に行くか?」
賢狼「……! あ、あぉ〜ん♪……じゃない……っ! な、ななななななんで私があんたと一緒に!」
騎士「……」
騎士「……だよね、見ず知らずの人間なんかと旅なんて……」
騎士「はあ、残念だけど……もともと一人だった訳だし、このまま寂しく旅を続けることにするよ」
15 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 11:53:40.33 ID:n+q+x0yB0
騎士「じゃ」
賢狼「ちょ、ちょっと……!! ま、待ちなさいよ!!」
騎士「……何?」
賢狼「こ、この辺りは危険な獣がたくさん住んでるのよ、夜とかは一人でいると危険だわ、す、すっごく危険だわ!」
騎士「はあ」
賢狼「よ、喜びなさい、その獣たちの頂点に位置する『賢狼』さまが側にいればもう安心よ!」
賢狼「し、ししししし仕方ないからこの私が街に着くまで守ってあげるわ!」
16 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/02/13(月) 12:00:25.82 ID:HF2Bz8CI0
賢いのかアホの子なのか分からん
17 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 12:12:17.63 ID:n+q+x0yB0
賢狼「そ、それに、どう? この姿……可愛いでしょ? 魅力的でしょ?」
賢狼「こ、こんな可愛い女の子と一緒に旅ができるのよ? その辺のオスどもなら指ついて逆に懇願するとこなんだから!」
賢狼「だ、だから……」
騎士「……」
賢狼「だから……」
騎士「……」
賢狼「う、うう〜……わ、私も一緒に連れてきなさいよ! もう!!」
18 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 12:18:21.48 ID:n+q+x0yB0
騎士「……だから最初にそう言ったじゃないか……」
賢狼「うううー……」がるる
騎士(はあ、面倒なのになつかれちゃったな……)ちら
賢狼「うううー!!!」がるる
騎士「……」
騎士(まあ、でも……確かに可愛い……かな)
19 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 12:30:38.88 ID:n+q+x0yB0
――――
騎士「……」
賢狼「……」
騎士「……」
賢狼「……ねえ、街には何しに行くつもりなの?」
賢狼「あの辺一帯はこの間まで他国との戦争による武装地域になってて……」
賢狼「確かまだ『ギューイ』の武装都市指定は解除されていなかったはずよ」
20 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 13:20:59.93 ID:n+q+x0yB0
賢狼「そんな物騒な街に……一体何しに行くの?」
騎士「……『この間まで』じゃない、正確には『まだ戦争中』なんだ……海の向こうの国とは」
騎士「確かに大規模な戦闘はここ数年なかったけど、局地的に小競り合いが続いてるんだよ」
賢狼「……」
騎士「……ぼくもいい年齢だからね、そろそろこの国の為に働こうかと思ってさ」
騎士「『ギューイ』は駐留する敵軍と向かい合うわが国の最前線の街……だからそこの市民軍に加わるつもりなんだ」
賢狼「……」
21 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/13(月) 13:52:27.96 ID:n+q+x0yB0
騎士「……どうしたの?」
賢狼「う、うん……」
騎士「?」
賢狼「……せ、戦争に参加するの……?」
騎士「もちろん。さっきもいったろ? 『騎士たるもの、常にわが国の……国王様の為に命を投げ打つ所存!』」
騎士「……この国の人間なら常識だよ……何でも識っている賢い犬娘ならわかるよね?」
賢狼「……!」
22 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/13(月) 15:18:57.89 ID:n+q+x0yB0
賢狼「も、もちろん知ってるわよ! た、ただあんたが『騎士』とか……全然似合わないし!」
騎士「……!」ジロッ
賢狼「……っ! ……だ、だって何かあんた顔つきもなんかオスらしくないし……」
賢狼「体躯だって細身じゃない……そ、そんなので戦争なんて……た、戦っても何の役にもたたないわよ……」
騎士「……」
賢狼「……」
23 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/14(火) 07:17:43.83 ID:vgxv8LVK0
騎士「……初対面の人間によくそんな失礼なことが言えるね」
騎士「役に立たないって……」
騎士「獣……犬の娘の世界には『礼儀』ってものがないのかい? それともお前が礼儀知らずなだけか?」
騎士「……ぼくは正直かなり傷ついたぞ、『騎士』としての誇りを踏みにじられた気分だ」
賢狼「あ……そ、そんなつもりじゃ……」
騎士「……」じーー
賢狼「あ……あぅ……」
24 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/14(火) 07:24:58.01 ID:vgxv8LVK0
騎士「……」じーー
賢狼「……きゅぅーん……ごめんなさい(お、怒らしちゃった……)」しゅん
騎士「……」
賢狼(う、うぅ……どうしよう、『もうお前とは旅を続けない』なんていわれたら……)
騎士「……ま、いっか」くるっ
騎士「旅の途中で喧嘩はしたくないからね、以後言葉には気をつけるように!」
騎士「……わかったかい?」
賢狼「う、うん……! うん! わかった!(よ、よかった……!)」
25 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/14(火) 07:39:23.65 ID:vgxv8LVK0
騎士「よし、じゃあ旅を続けよう! 早くしないとこの剣も錆付いちゃうからね」
賢狼「ぷぷ、あんた剣振ることできるの? その細い腕で」
騎士「……」ギロッ
賢狼「あわわわわ……じょ、冗談よ、冗談! さ、さっきちゃんと反省したんだから! 冗談よ、ごめんなさい!」
騎士「……」
騎士(『役に立たない』か……そんなことわかってるんだよ、自分でも)
騎士(でもそうじゃないんだ、だからといってこの戦いに参加しないわけにはいかないんだ……)
騎士「お前にはわからないよ……犬娘」
26 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/14(火) 08:03:22.73 ID:vgxv8LVK0
――――
勇者「……」てくてく
賢狼「……」てくてく すんすん
賢狼「くんくん……そういえば、もう葡萄の収穫期なのね」
賢狼「さっきからすごく甘くて良い匂いがするわ……」
騎士「あー……もうそんな時期か。今年は気候が良かったからね、全体的に作物が豊富に育ってるらしい」
騎士「葡萄もきっと実りが良いだろうし、今年は美味しい葡萄酒が造れるはずだよ」
賢狼「ふーん、この国は葡萄酒造りが盛んだものね、確かに一度飲んだことあるけど……」
27 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/14(火) 08:37:39.26 ID:gsvqnKwDO
占いCOとかそういうアレかと
28 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/02/14(火) 09:51:31.51 ID:h6bB+DN90
犬炉だと!!???
29 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/14(火) 10:06:27.13 ID:vgxv8LVK0
賢狼「あれってそんなに美味しいかしら?」
騎士「えー、美味しいだろ葡萄酒。ぼくは大好きだよ、犬娘は嫌いなのか?」
賢狼「んー、なんていうのかしら……葡萄のお酒っていうからすっごく甘い味を想像してたのに……」
賢狼「飲んだらすっごく苦くて……なのにみんな『甘いお酒だよ』っていうの、舌がどうかしてるわ」
賢狼「……あと匂いもなんかきついし、鼻がおかしくなっちゃうかと思ったんだから」
賢狼「あれを『美味しい』っていうのはちょっと、ね」
騎士「はは、そりゃ葡萄酒の『甘さ』と葡萄の『甘さ』は違うよ」
30 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/14(火) 10:46:12.35 ID:+RDkHAA1o
>>1
の2つのSS見ていたが、まさかこっちで見れるとは思わなんだ
31 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/14(火) 11:09:11.71 ID:vgxv8LVK0
騎士「それに香りだって、あの果実の風味豊かなところがいいんじゃないか」
騎士「この国の人はみんな葡萄酒が好きなんだぞ、犬娘は……あ、そっか、人じゃなかったね」
騎士「……ていうか葡萄酒の美味しさを知らないなんて、お前本当に賢狼か?」じー
賢狼「ふん! これだから愚者は困るのよ、美味しくないことを知ってるから賢狼なんだとは考えなかったの?」
騎士「!?」
賢狼「つまりあんたたち人間の舌と頭がおかしいってこと! ……そうじゃないって、あんた証明できる?」
騎士「ぐ……!」
32 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/02/14(火) 11:19:49.82 ID:h6bB+DN90
蜂蜜酒をあげやう
33 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/14(火) 11:33:55.12 ID:vgxv8LVK0
賢狼「くふふふ、悔しかったら私に『葡萄酒が美味しい』って言わせてみなさいよ」
賢狼「証明できないなら葡萄酒はマズイということで決まりね、わっふっふ♪」ぱたぱたぱた
騎士「ぐ……ぐ……(こ、この犬ころめ……!)」ぴくぴく
騎士(葡萄酒を馬鹿にされるとなぜかこの国が馬鹿にされてるみたいで悔しいぞ……!!)
騎士(さっき自分が侮辱されたときより悔しい!! ゆ、許さん……)
騎士「……」
騎士「……街についたら教えてやる」くるっ
34 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/14(火) 12:03:02.08 ID:vgxv8LVK0
騎士「街についたら……酒場がたくさんあるから、そこで葡萄酒の美味しさをたっぷりと教えてあげるよ」
賢狼「ふ、ふーん……望むところよ。何? 酒場に連れて行ってくれるんだ?」
騎士「うん、街についたらね」
賢狼「私が『美味しい』って言うまで……ずっと?」
騎士「うん、街についたらね」
賢狼「ま、毎晩……?」
騎士「うん、街についたらね(……毎晩?)」
35 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(神奈川県)
[sage]:2012/02/15(水) 15:51:55.56 ID:gN/JMRrGo
メール欄にsaga…
36 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[sage]:2012/02/15(水) 17:31:58.82 ID:7/Ls3j+AO
>>35
おまえsagaの意味も知らないの?
本当に賢狼?
37 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/15(水) 18:19:47.73 ID:LByuPxCx0
賢狼「そ、そう……しょ、しょうがないわね……」ぱたぱた
賢狼「の、飲まなきゃわからないものね、仕方ないから……我慢して付き合ってあげるわ……」ぱたぱたぱたぱた
騎士「……そうかそうか、街についたら覚悟しろよ」ニコ
賢狼「……!(や、やったぁ♪)」ぱたぱたぱたぱたぱたぱた
賢狼(ま、毎晩酒場に連れまわすなんて……! そ、その後はどうするのかしら……ごくり)
賢狼(聞いたことあるわ。人間のオスが可愛いメスを口説いたり、そ、その……交尾したりするときは酒を利用するって……)
38 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/15(水) 18:35:49.38 ID:LByuPxCx0
賢狼(そ、それに、『美味しい』って言わなきゃずっと連れ歩いてくれるって言ったわ!)
賢狼(ずっと、ずっと……騎士と一緒に……葡萄酒、口説いて……く、くふふふ……)
賢狼「わふふ、わっふっふっふ♪」ぱたぱたぱた
(絶対『美味しい』って言わない!!)
騎士「……」
騎士(なに喜んでるのかは知らないけど、後で『吠え面』をかくなよ……!)
騎士(葡萄酒を馬鹿にしたその罪は重い)
39 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/15(水) 18:47:39.78 ID:LByuPxCx0
騎士(例え気分が悪くなって吐いたとしても、お前が『美味しい』というまで連日連れまわしてやる!!)
騎士(くくく……目に浮かぶぞ、尻尾を振って許しを懇願する犬娘の姿が……、く、くく……)
騎士「くくくくく……」
犬娘「わふふふぅ……♪」
街につくのが楽しみだぞ(だわ)!!
40 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/15(水) 19:13:05.26 ID:LByuPxCx0
――――
騎士「……おっと、ここで別れ道か……確か、右だったよな」
犬娘「え、ちょっと、『ギューイ』はこっちよ、左よ?」
騎士「え? 『ギューイ』? ……ぼくが向かってるのは『イェンヌ』だよ?」
犬娘「……は?」
騎士「だから、ぼくの行き先は『イェンヌ』。あ、そっか……犬娘は『ギューイ』だったよね」
騎士「じゃあここでお別れか……短い旅だったけど楽しかったよ」
41 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/15(水) 19:16:07.90 ID:LByuPxCx0
失礼、犬娘「→賢狼「
間違えました
42 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/15(水) 19:26:29.99 ID:LByuPxCx0
騎士「というわけで……じゃ」
賢狼「ちょ、ちょっと待ってよ! なによそれ、あんた最初に『ギューイ』って言ってたじゃない!!」
騎士「言ってない」
賢狼「言ったわよ! ちゃんとこの耳で聞いたんだから! あんた確かに『ギューイ』って言ったわ!」
騎士「えー……じゃあ言い間違えたんだよ、きっと」
賢狼「どうやったら『ギューイ』と『イェンヌ』を言い間違えるのよ馬鹿!」
騎士「そんなこと言われても……」
43 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/15(水) 19:47:28.92 ID:LByuPxCx0
騎士「だいいち、ぼくが『イェンヌ』に行くからって何が悪いのさ」
騎士「犬娘は『ギューイ』に行く。ぼくは『イェンヌ』に行く。……それの何が駄目なの?」
賢狼「う……うぅ……」
騎士「……葡萄酒の件は残念だったね、犬娘と行き先が違うということをすっかり忘れてたよ」
騎士「まあ、これで嫌いな葡萄酒を無理に飲む必要がなくなったんだから良かったじゃないか」
賢狼「あ……あぅ……」
騎士「……それじゃ、ぼくは急ぐからこれで。犬娘も元気でね」ニコ
44 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/15(水) 19:59:41.70 ID:LByuPxCx0
賢狼「あ……あ……う、うぅ……うーーーーーー!!」
賢狼「わ、私も『イェンヌ』なの! 私も『イェンヌ』に行くの!!」
騎士「……『ギューイ』は?」
賢狼「言い間違えたのよ!!」
騎士「……」
賢狼「ううううう……」がるる
騎士「……」
騎士「はい、はい……じゃあお互い、行き先はやっぱり同じってことで……」くるり
45 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/15(水) 20:06:27.44 ID:LByuPxCx0
騎士「さっさと向かいますか……『ギューイ』に」にやり
犬娘「……!」
旅人「……あんたたち、『ギューイ』に向かってるのかい?」
46 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/15(水) 20:19:35.87 ID:LByuPxCx0
騎士「あ……は、はい、そうですけど……何ですか?」
賢狼「……」さっ
旅人「ふむ、その様子だと知らないようだね……」
騎士「?」
旅人「『ギューイ』なら……数日前に『陥落』したよ」
騎士「!?」
騎士「な……か、『陥落』って……どういうことですか!? ま、まさか敵国が……!!」
旅人「……いや、『反乱』が起きたんだ」
騎士「『反乱』……!?」
47 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/15(水) 21:45:52.21 ID:LByuPxCx0
旅人「そう、あそこの……『ギューイ』を含む地方を領する『フランド伯』が王都に反旗を翻したらしい」
騎士「……!」
旅人「ここ最近、長引く戦争のおかげで王都も混乱していてね」
旅人「敵国に対する立場の違いから、国中の諸侯を巻き込み重臣たちが二つの派閥に別れて互いに争うようになった……」
騎士「……ええ。それはぼくも知っています」
旅人「『フランド伯』はその中でも急進的な反国王派で知られている一人……」
賢狼「そこを敵国に利用されたってわけね」
旅人「……ほう」
48 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/15(水) 22:48:50.79 ID:LByuPxCx0
賢狼「なるほどね、時期がぴったりよ」
騎士「……どういうことだ?」
賢狼「あんた知らないの? 近々、王都の皇太子がこの国の王位継承を宣言をするんだって」
賢狼「これがどういうことなのか、あんただってわかるでしょ?」
騎士「?」
賢狼「ええええ……もしかして馬鹿? 本当にこの国の人間? よくそれで国の為にどうのって言えるわね」
騎士「ぐ……う、うるさい! つ、続けて!」
49 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/16(木) 11:05:00.93 ID:GqTOxPHSO
乙
50 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/16(木) 14:02:53.19 ID:uGTBawQA0
賢狼「はぁ……いい? ここ数年、敵国と大規模な交戦がなかったのはその「王位継承」についてとある約束がされていたからなの」
騎士「……約束?」
騎士「まさかあの、『先代国王の死後、わが国の皇女が敵国皇太子に嫁ぎ、もって同皇太子が二国の王位を同時継承する』ってやつか?」
賢狼「なんだ、知ってるんじゃない」
騎士「あれは『表向き』講和を装った仮初の約束だろ!?」
旅人「その通り、あんな約束はただの時間稼ぎです」
旅人「その間、一部の重臣たちによって敵国はもちろん、諸外国、さらには教皇庁にまで出向き別の和平工作を秘密裏に行ってきました」
51 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/16(木) 14:21:18.91 ID:uGTBawQA0
旅人「その甲斐あってか、先ほどの『約』を締結したときすでに先代国王様が心神耗弱していたことを理由に……」
旅人「『約』にわが国への拘束力、正当性がないと……いつでも主張することが出来る準備まで整っていたのです」
騎士「……」
旅人「この外交努力は……ほんの一部の者たちが重臣たちの二派閥をなんとか説得し、抑え、必死になって進めてきたことです」
旅人「あと一歩……あと一歩というところで……」
賢狼「この国の皇太子が王位継承を宣言するって話がでてきた」
騎士「……ふん、ふん」
52 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/17(金) 05:00:43.13 ID:kG3dGTgs0
賢狼「和平工作に関わってきた人間は身内、相手側を含め全員面子まるつぶれじゃない」
騎士「……たしかに。でもなんで? なぜ殿下はそのようなことを……」
旅人「皇太子殿下を擁立する『国王派』がしびれをきらしたのですよ」
旅人「王都の情勢は『反国王派』の勢力が徐々に圧倒していました……」
旅人「そこで皇太子殿下を担ぎ出し、国中の民を味方につけて一気に勢力を挽回するつもりなのでしょう」
騎士「……皇太子殿下は人気でございますからね」
賢狼「で、当然激怒したのが『反国王派』。つまり経緯からいって、『フランド伯』の反乱は別に不思議でもなんでもないの」
53 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/17(金) 05:21:05.76 ID:kG3dGTgs0
騎士「? それがどうして敵国に利用されたことになるの?」
賢狼「……あのね、いくら皇太子の王位継承に反発したからって、敵駐留軍の目と鼻の先にある『ギューイ』が反乱独立できると思う?」
賢狼「そんなことすれば挟み撃ちじゃない」
騎士「なるほど……でも反乱を起こした……」
賢狼「……後ろで手を引いてるのは敵国とみてまず間違いないわね」
賢狼「おそらく『国王派』の今回の動きも、あせってそう動くよう扇動された可能性もあるわ」
旅人「……素晴らしい」
54 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/17(金) 06:27:26.16 ID:kG3dGTgs0
賢狼「今はじめて知ったけど……実際に『ギューイ』が落ちたってことは……」
賢狼「来るわよすぐに、敵国の大攻勢が」
騎士「……!」
旅人「ええ、お膳立てが終わらないまま『約』を破った形になりますから……大義名分もあります」
旅人「『ギューイ』が落ちた報せはまもなく王都にも届くはずでしょう」
騎士「となると、次に危ないのは……『イェンヌ』……!」
旅人「はい、『イェンヌ』にはすでに事情を知っている市民軍がぞくぞくと各地から集結しています」
55 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/17(金) 06:43:27.47 ID:kG3dGTgs0
騎士「こうしちゃいられない! ぼくもはやく『イェンヌ』に向かわなきゃ!」
賢狼「え……ちょっと!」
旅人「……戦争に参加なさるおつもりで?」
騎士「もちろん! 最初から市民軍に加わる予定でこうして旅をしていたんですから」
旅人「……」
賢狼「ね、ねえ、事情が変わったわよ、危険すぎるわ」
賢狼「やっぱり街に行くのはやめにしない?(お願いだから……)」
56 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/17(金) 06:57:20.37 ID:kG3dGTgs0
騎士「今さらなに言ってるのさ、危険を承知で街に向かってたんだろ?」
賢狼「だ、だって! だって……! ……!(い、言えない……)」
賢狼(『ギューイ』に行ったってどうせ戦闘なんか……騎士の活躍できる場所なんかないと思ってたなんて……!)
騎士「?」
賢狼「あ……だ、だって……」
賢狼「ぶ、葡萄酒を飲む暇だってないかも……」ちら
騎士「馬鹿か」
57 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/17(金) 07:52:18.31 ID:kG3dGTgs0
騎士「祖国の危機にそんなこと言ってる場合じゃないだろ」
騎士「そういえば犬娘はどうするんだ? お前がさっき言ったように街はかなり危険だ」
騎士「葡萄酒のことは諦めて……この辺りで戻ったらどうだ?」
賢狼「い、嫌よ! どうして危険だからって私が戻らなきゃいけないのよ!」
賢狼「言っとくけどね、あんたみたいなへっぽこ騎士より私のほうがずぅっと強いんだから!」
騎士「へ、へっぽこ騎士……!? お、お前なあ……!」じろっ
旅人「あっはっはっはっ、お二人とも仲がよろしいようで……」
58 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/17(金) 08:50:54.86 ID:kG3dGTgs0
旅人「まるで夫婦のようですな」
騎士「!? な、ぜ、全然違います!! こいつとはこないだ逢ったばかりで……」
賢狼「そ、そうよ! な、なななななななんで私がこ、こんなやつと……!」かぁ〜
旅人「はっはっはっ、こないだ逢ったばかりでこんなに仲が良いということは……」
旅人「お二人はきっと、『前世』でもご一緒だったのですね」
騎士「? ……『前世』?」
旅人「あ、いえ……なんでもないです、失礼。変なことをいいましたね」
59 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/02/17(金) 08:57:18.27 ID:CCIZy3VX0
また犬狼って言ったーーーーー!!ヽ(`Д´)ノ
60 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/17(金) 09:01:58.28 ID:kG3dGTgs0
賢狼「……」
旅人「さて、それでは……行かれるのですね?」くるっ
旅人「眼前にある二つの道……右か、左か……それとも……」
騎士「もちろん右ですよ? だって『イェンヌ』に行くんですから」
旅人「……」
旅人「若き騎士どの、これは……私の独り言だと思い聞いてください」
騎士「?」
61 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/17(金) 09:21:31.30 ID:kG3dGTgs0
旅人「人生には、今のようにいくつもの岐路の前に立たされることがあります」
旅人「人は自分が正しいと思った道を進むのですが、結果としてそれが『良い』選択だったと……」
旅人「言えるかどうかは、すでに後に引き返せない場所……遠い未来にてわかることなのです」
騎士「……?」
旅人「ですが、人が道を選ぶとき……ほとんどの人間が気付かないだけで、実は『声』がするのです」
騎士「『声』……?」
旅人「はい、常にその人を……正しい選択、後の先にて『良かった』といえる道に導く『声』です」
62 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/17(金) 09:37:21.06 ID:kG3dGTgs0
旅人「その『声』を……決して聞き逃してはなりません」
騎士「……」
旅人「さて、それではもう一度聞きます……あなたは、本当に『イェンヌ』に……戦いに身を投じるのですか?」
騎士「……」
騎士「もちろん。ぼくは『騎士』です。祖国のために戦うことが……ぼくの『正しい道』なのです」
旅人「そうですか……」
旅人「では、ここでお別れですね……騎士どの、お嬢さん、どうかお元気で……御武運を祈っていますよ」
63 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/17(金) 09:59:56.78 ID:kG3dGTgs0
騎士「ええ……では、あなたもお元気で」
賢狼「……」ぺこ
騎士「……結局お前もついてくるのか」
賢狼「うーーーーー!! うるさい!」
――――
旅人「……行ったか」
64 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/17(金) 10:11:45.52 ID:kG3dGTgs0
旅人?「選んだか……その『道』を……」
旅人?「無理もない、あの若さ……前に進む途(みち)しか見えないのだろう……」
旅人?「見えなかったか……もうひとつの『道』……」
旅人?「前を向くだけでは見えない、後ろを振り返えらなければ見えなかった『道』が……」
『やっぱり街に行くのはやめにしない?(お願いだから……)』
旅人?「騎士よ……『声』を聞き逃してはならない……」
旅人?「お前を正しく導く『声』、常に傍らにいる賢き者の『声』……『賢者』の『声』を」
旅人?「……」
旅人?「願わくば、二人の征く道に幸あらんことを……」スッ
65 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/17(金) 10:47:00.17 ID:kG3dGTgs0
『序章』というか背景説明的なことはこれで終わりです
前スレ二つは独立したSSとなってますが、今回のと合わせて全部続き物です
VIPでは長くなるので無理やり3つにわけました
最初からここの存在を知っていればわけなかったのですが……
レスありがとうございます
読んでくださる方がいるということだけで励みになります
長編にするつもりはないですが、最後までお付き合いしてくださればとても嬉しいなと思いました。
66 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/02/17(金) 10:55:16.37 ID:CCIZy3VX0
おk
フォースのともにあらんことを。
67 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/17(金) 19:49:11.46 ID:kG3dGTgs0
――――
騎士「ここが『イェンヌ』か……すごい堅固な守りだな」
賢狼「もともと城塞都市だからね」
騎士「さて、入るとするか……」
騎士「犬娘、その耳と尻尾は外套で隠しておけよ。そんな姿が見つかったらすぐ捕まっちゃうぞ」
騎士「それで宗教裁判にかけられて即、魔女認定。火あぶりの刑だからね」
賢狼「ふん、私を捕まえれるもんなら捕まえてみなさいよ!」
賢狼「逆に木に縛り付けて森の獣たちと一緒に火あぶりにして遊んでやるわ!」
68 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/17(金) 19:57:55.48 ID:kG3dGTgs0
騎士「……お前はそれでいいかもしれんが、見つかったら一緒にいるぼくも同罪なんだからね」
賢狼「わかってるわよ、隠せばいいんでしょ、隠せば」ぷい
ワイ ワイ ガヤ ガヤ ……
騎士「……ふーむ、さすがに兵士が多いね、すれ違う人みんな腰に剣をぶら下げているよ」
賢狼「……」
賢狼「ねえ、ちょっと聞きたいんだけど……今日の夜はどこに泊まるの?」
騎士「あ……そういえばそうだった、先に今夜の宿を確保しなくちゃ」
69 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/17(金) 20:10:12.09 ID:kG3dGTgs0
主人「あるよ〜、いい宿あるよ〜」
騎士「!?」
主人「あんたら宿探してるんでしょ? 良かったね〜、お客さん良かったね〜」
主人「街の宿はあふれかえる兵士でどこもいっぱいですよ〜、うちを除いてね」
主人「ほんと良かったね〜お客さん、ベッドもあるよ〜、ふかふかなベッド」
主人「さ、こっちだから……ついてきな」
騎士「……」
70 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/17(金) 20:18:20.51 ID:kG3dGTgs0
騎士「いや、ついてきなって……」
騎士「……どうする?」
賢狼「別にいいんじゃない? 見たところ確かにあの禿頭の言うとおり、どこも宿はいっぱいみたいだし……」
賢狼「ついていって気に入らなければ泊まらなきゃいいわけだし」
騎士「なるほど……それじゃあ一応、ついていくか」
賢狼「すっごく怪しいけどね」
主人「はやく! はやくしないと駄目じゃないお客さん!」
71 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/17(金) 23:07:16.96 ID:LCRp8ycp0
追いついたぜ乙
72 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/02/18(土) 01:02:02.78 ID:oOr2GdjJo
わっちわっち
73 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/18(土) 19:56:20.66 ID:8vf1ebzz0
――――
騎士「お、おお……これは……」
賢狼「……意外と良さそうなところじゃない」
主人「でしょでしょ? うちは人気だからね、外観もそれなりだよ」
騎士「人気なのに部屋が空いてたんですか?」
主人「……お客さん駄目よ、余計な詮索しては駄目!」
主人「さ、どうするの? 泊まるの、泊まらないの?」
騎士「……ここに、するか?」
74 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/18(土) 20:00:46.17 ID:8vf1ebzz0
賢狼「……あんたに任せるわ」
騎士「じゃあ、今日はここでお世話になります」
主人「はい、毎度! 部屋は上の階の一番奥の部屋だから、はいこの帳簿に記入してね」
騎士「……」さらさら
主人「お嬢さん良かったね、今晩は久々に楽しめるんじゃない? いひひひ」
賢狼「……(こ、この禿……!!)」
騎士「じゃあとりあえず部屋に行って、その後食事に出かけるか」
75 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/18(土) 20:17:44.65 ID:8vf1ebzz0
賢狼「……うん!(その後、酒場にも行きたいわ!)」
騎士「えーと……一番奥の部屋は……」
??「あ……ぁあん……」
騎士「……」
賢狼「……」
??「あ、ぁ、あ……そ、そこぉ……っ!」
騎士&賢狼「!?」
76 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/18(土) 21:44:33.46 ID:8vf1ebzz0
??「ぁ、あ、い、いいっ……も、もっとぉ!」
騎士「は、はは……ほ、他にも宿泊客がいるみたいだね……」
賢狼「う、うん……」かぁ〜っ
ガチャ
騎士「お、結構良い部屋だね」
賢狼「……そ、そうね」
騎士「見てよ装飾もかなり凝ってるぞ、それにほら……ベッドも確かに柔らかそうだな……って」
騎士「一つ!?」
77 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(愛媛県)
[sage]:2012/02/19(日) 09:36:27.39 ID:wMVlxQgB0
丸い!?
78 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(新潟県)
[sage]:2012/02/19(日) 14:05:17.92 ID:WBTAnL+No
回るのっ⁉
79 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/19(日) 16:29:39.02 ID:noZFNlen0
騎士「べ、ベッドが一つしかないみたいだけど……」
騎士「さ、さすがにこれは駄目だよね……」ちら
賢狼「……」
騎士「駄目……だよな?」
賢狼「べ、ベッドが二つって、そ、そんな贅沢……言ってる場合じゃないんだし……」
賢狼「し、ししし仕方ないんじゃない? あんたは床で寝るってことで……」
騎士「なんでぼくが床で!?」
80 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/19(日) 16:32:45.15 ID:noZFNlen0
賢狼「な、なによ、私に床で寝ろっていうの?」
騎士「い、いや……そうじゃ……」
賢狼「女の子を床に転がして自分はベッドで寝るっていうのね? さすが騎士さま」
騎士「いやちょっと待って……!」
騎士「……い、一緒に寝るってのは……」
??「はぁん! や……っ、ひぁ……ああ! い、イクっ、イク、イクっ!」ぎしぎし
騎士&賢狼「〜〜〜っ」
81 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/19(日) 16:43:20.93 ID:noZFNlen0
賢狼「も、もう聞いてられないわ! なんでもいいから! 一緒に寝ていいからさっさと外行きましょ!!」かぁ〜
騎士「そ、そうだね……」
賢狼「ああっ、もう! 最悪!!」
騎士「ま、まあ帰ってくるころには、終わってるんじゃないかな? な、なんて……」
賢狼「……」
騎士「……」
賢狼「……」
騎士「……」
(き、気まずい……っ!)
82 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/19(日) 18:26:25.22 ID:noZFNlen0
――――
騎士「さて、ご飯はどこで食べようか……」キョロキョロ
賢狼「あ、そうだ……私ちょっと寄るところがあるのよね」
騎士「ん? どこに行くの?」
賢狼「ううん、ちょっとね。すぐ戻ってくるからあんたちょっと待ってて」タタッ
騎士「お、おい、俺も一緒に行くy……」
騎士「……」
騎士「……行っちゃった」
83 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/19(日) 18:38:46.46 ID:noZFNlen0
騎士「……はぁ、今晩どうしようかなあ……」
騎士「やっぱり床で寝たほうがいいよな……」
騎士「うーん……(もはやどこで寝るとかの話じゃないよね実際)」
兵士「……おい、そこの若ぇ騎士さんよ」
騎士「?」
兵士「お前ぇだよ、お前ぇのことだヤサ男」
騎士「……何か用か?」ジロッ
84 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/19(日) 18:49:14.05 ID:noZFNlen0
兵士「お前ぇ見たところ騎士のようだが……この街に何しにきたんだ?」
騎士「……決まってるだろう、敵国と戦うためだ」
兵士「へ、へへへ、『戦う』ねえ……女を連れてたいそうな身分だぜ」
騎士「……」
兵士「戦争はな、遊びじゃねえんだよ坊や。女と遊びたきゃ娼館にでも行ってきな。どうせあの女も娼婦なんだろ?」
兵士「で、満足したらお家に帰えんな、お前なんか戦に出たってなんの役にも立ちやしねえんだからよ」にやにや
騎士「な、何……!? お、お前もう一度言ってみろ!!」カシッ
85 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/19(日) 18:58:02.95 ID:noZFNlen0
兵士「おおっと、抜くのか剣を? へへ、やってみろよ」
兵士「そのひょろひょろの身体で剣なんか抜けるのか? ん〜?」
騎士「き、貴様ぁ……っ!!」ぷるぷる
兵士「抜けるもんなら抜いてみろ、抜いた瞬間、その生っちょろい首を飛ばしてやるぜ」
兵士「ほらどうした、はやくしろ」にやにや
騎士「く……くそ……!(手が……震えて……)」
賢狼「なにしてんのよあんた」
86 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/19(日) 19:04:24.45 ID:noZFNlen0
騎士「!? あ、い、犬娘……」
賢狼「私の買い物は終わったわ。お腹すいたし、とっとと食事にしましょ」
騎士「あ……う、うん……」
兵士「……待てよ、逃げるのか? へぼ騎士さんよ」
騎士「ぐ……!」
賢狼「ほっときなさい、ただの屑じゃない。騎士ともあろうものがあんなの相手にしちゃ駄目」
賢狼「相手にしたら……それこそ『騎士』の名折れよ?」にこ
87 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/19(日) 19:11:08.05 ID:noZFNlen0
>>82
騎士の一人称は「ぼく」です失礼しました
88 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/19(日) 19:40:42.60 ID:noZFNlen0
騎士「い、犬娘……」
賢狼「ほら、さっさと行くわよ!」グイッ
兵士「……おい」
賢狼「ねえねえ、なに食べるの? 私ね、葡萄酒が飲みたい!」
騎士「う、うん……」
兵士「おい! 無視してんじゃねえぞこのあばずれ……」ガシッ
ボキィッ!!!
兵士「!? っぐわぁあああああああああっ!!??」
89 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/19(日) 19:55:46.85 ID:noZFNlen0
兵士「う、腕が、腕がぁあ……!!!」
騎士「!? い、犬娘……!?(お、折った……? あの兵士の太い腕を!?)」ギョッ
賢狼「……汚い手で触らないでくれる?」
兵士「て、てめえ! てめええぇえっ! こ、殺す!!」
兵士「……! う……(け、剣が抜けねえ……!)」ぷるぷる
賢狼「……抜くの? その腕で、抜けるもんなら抜いてみなさいよ」
賢狼「言っとくけど、剣を抜いた瞬間その薄汚い首飛ばすわよ。それでもいいなら……抜けば?」
90 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/19(日) 20:06:34.08 ID:noZFNlen0
兵士「う、ぐ……ぐぐ……」
ざわ ざわ ざわ……
??「ま〜た、あの酔っ払い兵士、人に絡んで……」
??「女に負けたのか?」
??「うわぁ……あの腕、ありゃ戦には出れないぜ」ヒソヒソ
兵士「ぐ……ぐうぅ……!」
騎士「お、おい犬娘、この場ははやく立ち去ったほうが良さそうだ」
賢狼「ふん!」
91 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/19(日) 20:51:40.40 ID:noZFNlen0
――――
騎士「……ふう、今日はどこかで食べ物を買って宿で食べるしかないな」
賢狼「え、えー!? どうしてよ!?」
騎士「あれだけ目立っちゃったんだ、大通りに戻ったら面倒なことになるよ」
賢狼「うぅ、確かに……」
騎士「……」
騎士「……さっきはありがとう、犬娘」
92 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/19(日) 20:58:48.84 ID:noZFNlen0
賢狼「べ、別にお礼を言われることなんかしてないわよ!」
賢狼「あ、あいつが私の肩触ったのが頭にきただけなんだから!!」
騎士「……うん、ありがとう」
賢狼「だ、だから礼なんて……! い、いいってば……」
騎士「……そういえば、犬娘はさっき何を買いに行ってたの?」
賢狼「あ、こ、これ? な、何でもないわ、何でもないの」ささっ
騎士「?」
93 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/19(日) 21:25:38.95 ID:noZFNlen0
賢狼「それより、ほら! 美味しいお肉買いに行きましょ!」
賢娘「胡桃のパンも食べたいわ、あと葡萄酒も!」
騎士「はい、はい。今日は犬娘の食べたいものを買うよ」
賢狼「本当!? や、やったあ!! えへへへ♪」ぱたぱたぱた
騎士「……」
騎士(この笑顔、その辺にいる女の子と……いや、こんなに可愛い子はその辺にはいないけど……)
騎士(変わりないのに……あんなに強いなんて……)
騎士「……(それに比べてぼくは……)」ぎりっ
94 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/19(日) 22:06:20.17 ID:noZFNlen0
――――(その夜「宿」にて)
??「あん、やっ、はぁ……っ! ぁあん!」
騎士「……」
賢狼「……」
??「ぅん、ぅん、うん! あ、ぁあ……っ!」ぎしぎし
騎士「……」
賢狼「……」
??「ぁ、いいっ! だ、出してっ! 出してぇ!!」ぎしぎしぎし
95 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]:2012/02/19(日) 22:31:35.31 ID:noZFNlen0
騎士「ご、ご飯食べようか……」
賢狼「そ、そうね……なんか食欲なくなったけど……」
騎士「ほ、ほら……お前の飲みたがってた葡萄酒もあるから」
賢狼「う、うん……」もじもじ
??「き、気持ちいいっ……! あ、やあっ、いいのぉっ♪」
騎士(あわわわわわ……)
騎士「ほ、ほら犬娘、飲もう! 飲みまくろう!(よ、酔わないとこの状況は……無理!)」
96 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/02/22(水) 00:23:21.73 ID:Goyy423SO
まだかな
97 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(埼玉県)
[sage]:2012/02/29(水) 16:49:02.26 ID:52YdBe4X0
はよ
はよ
98 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/18(日) 14:10:39.48 ID:jkXVusXio
まだかな
99 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(長屋)
[sage]:2012/03/18(日) 14:10:52.79 ID:/be5P6MXo
まだかな
100 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage]:2012/04/09(月) 19:49:19.84 ID:OvU0dGQSO
わっちわっち
101 :
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(宮城県)
[sage]:2012/04/19(木) 15:10:58.20 ID:T7Knz11Ho
まだかな
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