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召喚士「行けっ!コカトリス!!」 その37 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/02/17(金) 21:33:41.37 ID:JXSpWCZKo
┏━ ノ ー‐  j  ji       |l|     _,,,,,_    ji     ji     i  i!  ,_,,xz   .|l| |l|   ┃
┃  -イ.ー┬‐ | ーチ‐      ||        |!  ーナ ̄|   ト-、  |  |!    /    ||  ||   ┃
┃.   │ _|   レ _ノ  `"⌒)  o     ,__,,」  ノ´ 、ノ   .|     丿   /^\  .o .o ━┛
                . ̄

――かつて、人間と魔族が共存し、争いを繰り広げていた時代……
   幻獣を召喚し魔物を倒す者がいた…。
   名を「召喚士」…。後に「救世主」と呼ばれる者である……。


                           ――かもしれない……。

〜前回までのあらすじ〜

召喚士、戦士、魔道士、盗賊からなる4人の冒険者達。
5年にも及ぶ人間対魔族の闘いはいよいよ佳境を迎えた。
君臨する魔王ベルゼブブの前に散りゆく仲間達。
はたして大戦の結末とはいかに……。

◆7xまとめ様(いつもありがとうございます!)
http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/summoner_ike_Cockatrice.html

◆かぎまとめ様(日々のまとめありがとうございます!)
http://hookey.blog106.fc2.com/blog-entry-3022.html

◆キャラクター人気投票所(ありがとうございます!)
http://vote3.ziyu.net/html/cocka.html

◆絵とかのあぷろだ(支援ありがとうございます!)
http://ux.getuploader.com/cockatrice/

◆雑談スレ(オマケみたいなSSがあったりするとかしないとか)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301828985/

◆前スレ(その36)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1327155768/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1329482009(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)
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ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
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木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
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いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
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【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/02/17(金) 21:34:58.73 ID:JXSpWCZKo
◆過去ログ(その1〜35)
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1256864948/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257265640/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1257266712/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258207232/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1258977379/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1259802767/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1260686779/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1261734559/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1262770503/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1263825599/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1264909048/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266505073/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1269413340/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1272349542/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1274882847/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1276786014/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1278595800/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1280599031/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282639369/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1285213402/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1288152937/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1290677469/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1292945466/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294929946/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297002187/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298556181/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1300871942/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1303216728/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1305623043/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308493316/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312161458/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1315821180/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318927989/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1322122521/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324391535/
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/18(土) 00:18:51.73 ID:sKoEAZG80
>>1おつんつん
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山梨県) [sage]:2012/02/18(土) 00:29:28.50 ID:PoU8UfpQo
おつんん
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/18(土) 01:06:55.95 ID:RGUAxq8co
あらすじ




~ジェノサイド☆~



6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/18(土) 01:32:36.30 ID:iH9/N5fAO
>>1おつ

1001が映画化決定になっててワロタ
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/18(土) 01:39:18.91 ID:kwl6y2kP0
>>1 おつ
いつもあり!
8 : ◆1otsuV0WFc [sage]:2012/02/18(土) 02:22:12.19 ID:tK4Bf/4Yo
 ゴゴゴゴゴゴ……

ベルゼブブ「フッククク、ハッハッハッ……ハーッハッハッハ!!」

 カアアァァァァッ!!

青龍士官「三男陛下ああぁぁ!!」

三男「――っ!!」

騎士団長「ぬおおおおぉぉぉぉ!!」

 ガシィッ!! ズシャッ!!

三男「騎士団ちょ――――」

 垂直に放ち落とされる悪魔の雷。それは僅か一瞬の出来事であった。

 轟音の直後、燃えさかる炎が築城中であった一夜城を襲い、

 積み重ねられた石や鉄、結界石の悉くが打ち上げられ、激しく散乱する。

 吹き飛ぶ大地。吹き飛ぶ工兵。そして、吹き飛ぶ召喚獣。

 駆け寄る青龍士官は、城の傍で蹲る三男と、その手前でおびただしい量の血を流し、

 巨大な結界石を手に立ちはだかる騎士団長の姿を視認した。

 そして悪魔の雷は、次なる光を照らし出す。
9 : ◆1otsuV0WFc [sage]:2012/02/18(土) 02:22:45.97 ID:tK4Bf/4Yo
 ガカアアァァァァ!! ズッガアアアアァァァァン!!

騎士団長「ぬ……っがああぁぁぁぁ!!」ザスッ

三男「もうやめよっ!! このままでは……」

ベルゼブブ「結界石を盾に身を守っているのか。凄い発想だな」

三男「騎士団長っ!!」

騎士団長「が……くか……っ」

青龍士官「え、援護だ! 援護しろぉ!!」

 ギュバッ!! シュイイィィィィン

ベルゼブブ「さて、3撃目は耐えられるかな?」

 ガカアアァァァァ!! ズッガアアアアァァァァン!!

騎士団長「ごああああぁぁぁぁ!!」

 ガシャッ……ズシィッ……

三男「騎士団長ぉーっ!」

騎士団長「な…なっ、何発撃とうが……変わらぬ……ぅ」

ベルゼブブ「……」
10 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/18(土) 02:23:24.87 ID:tK4Bf/4Yo
騎士団長「こっ、このわ……私がっ、居る限りぃ……っ」

 ズシッ……ズシッ……ジャッ

騎士団長「城はぁ……陥ちぬううぅぅぅぅ!!」

ベルゼブブ「フッククク。面白い、実に面白いぞ貴様」

青龍士官「ああぁぁぁぁ!!」

バハムート「ゴガアアァァァァーッ!!」ボシュッ!!

ベルゼブブ「召喚獣、バハムートか。フンッ、他愛ない事よ……」

 魔王は次なる一撃を救援に駆けつけたバハムートへと照準を変えた。

青龍士官「撃た……せるかああぁぁ!!」

 バッシュウウゥゥゥゥ!!

ベルゼブブ(……何だ、これは)

青龍士官「おああぁぁぁぁーっ!!」

ベルゼブブ「たかが召喚獣如きが、余の速度に追いつくというのか」

バハムート「ゴッガアアアアァァァァ!!」

ベルゼブブ「だが……何する事も無き、か。ただ特攻するだけの力しか残されておらぬとはな」
11 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/18(土) 02:24:21.19 ID:tK4Bf/4Yo
 青龍士官の残された魔力では、バハムートを操り、突撃させる以外に手はなかった。

 だがそれは、全身全霊で騎士団長を救うべく召喚したバハムートは、

 神速の速さを以ってして、ベルゼブブの雷をほんの刹那ほどであはあるが遅らせた。

 その結果、奇跡にも近しい刻を手に入れる。

青龍士官「(……あれはっ!!)

ベルゼブブ「まぁ良い。このままで十分か」

バハムート「ガオオオオォォォォン!!」

 ドッズオオオオォォォォン!!

竜騎士兵「何ぃ!? バハムートの体当たりを食らって……ビクともしねぇ……っ!」

青龍士官「違うっ、当たってすらいない……っ」

三男「っ!!」

ベルゼブブ「届かぬ攻撃、当たらぬ攻撃など、どれ程の威力を持とうが無に等しい」

 スゥッ

ベルゼブブ「余興にもならなかったな」

青龍士官「くぅ……っ!!」
12 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/18(土) 02:24:57.75 ID:tK4Bf/4Yo
ベルゼブブ「フッ、死ね」

 ガカアアアアァァァァ!!

――「撃つのらああぁぁ!!」

青龍士官「今だああぁぁ!!」

 シュイイィィィィン フッ

ベルゼブブ「召喚解除……?」

 バハムートの背後より1本の結界石で出来た巨大な矢が空を切る。

 巨龍の背後に迫った直前で、召喚獣は瞬く間に姿を消す。召喚解除である。

ベルゼブブ「……っ」

 魔王にとって、バハムートに視界を遮られていた完全なる視覚、

 突如目の前に現れ、結界石制のたバリスタより放たれた矢。

 さしものベルゼブブとてそれを回避する事は不可能であった。

 ザッシュウウウウゥゥゥゥ!!

 派手な音を立てて、矢はベルゼブブの頬を掠めて背後の地面へと突き刺さった。

 それを見ると、騎士団長は微笑みながらゆっくりと、目を閉じた。
13 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/18(土) 02:25:40.98 ID:tK4Bf/4Yo
 オオオオォォォォ……

博士「外した……っ?」

助手「軌道はバッチリだったわよんっ!? 何で……」

博士「魔王の結界なのら。バハムートが効かなかったのと同じなのら……っ」

青龍士官「騎士……団長……」

三男「……っ」

 オオオオォォォォ……

ベルゼブブ「……?」ツツーッ

 頬を伝う血。ベルゼブブは不可思議な顔でそれを指で拭う。

ベルゼブブ「血? 誰のだ? 余か? 余の血が流れたとでも言うのか?」

 ズゴゴゴゴゴゴゴゴ……

ベルゼブブ「ご自愛か、またアスタロスの小言を聞く羽目に遭うな」

 ズッガアアアアァァァァ!!

ベルゼブブ「後悔するが良い人間風情がッ、このベルゼブブ様を怒らせた事をなぁ!!」

青龍士官「ベル……ゼブブだとぉ!?」
14 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/18(土) 02:26:39.16 ID:tK4Bf/4Yo
三男「あ……あ……あぁっ」

博士「ベルゼブブ……!? まさかっ、魔王が直々に来たと言うのら!?」

ベルゼブブ「この地もろとも、消し去ってくれるわ! ハハハハハハッ!」

 キュイイイイィィィィ……ピクッ

ベルゼブブ「――ッ!?」

 ババッ

ベルゼブブ「……何だこの威圧はッ。アスタロスに匹敵……いや、それ以上か」

博士「な、何なのら……?」

ベルゼブブ「……ククッ、そうかそうか。人間に力添えしようと言うのか」クルッ

青龍士官「……っ?」

ベルゼブブ「良かろう。戯れはここまでだ。余は退いてやる、感謝するが良い。フッククク」

 フワァッ

ベルゼブブ「せいぜい、魔王城攻略に精を尽くすのだな。ハッハッハッハッハ!!」

 笑い声と共に、暗黒の王はその場より姿を消した。そして再び、雨が降った。

 もう騎士団長の血は止まっていた。流れるべき存在から全て出尽くしたのだから。
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) :2012/02/18(土) 02:29:56.72 ID:RYJuNt3AO
たまたま開いたらきてたー
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/02/18(土) 02:32:33.55 ID:tK4Bf/4Yo
では寝るのら。ご支援ありがとうございまし!
おやすみなさーい!ノシ

〜オマケ〜

騎士団長「……ここはどこだ?」

 テクテクテク

錦将軍「へいらっしゃい! あんた、新人だね?」

騎士団長「!?」

短髪「最近、新入りが増えに増えて嬉しいやら悲しいやらだな」

騎都尉「減ったのもいるけどな」

雷忍「カカカッ! ま、とにかく飲もうや!」

火忍「ああぁぁ、姫……元気かなぁ〜?」ウジウジ

水忍「いつまでウジウジしているのだ。お前は飲まないのか?」

火忍「……飲むに決まってんだろバカヤロー!」グビグビ

クラーケン「うふふ。盛り上がってて楽しいわね〜」

マーマン「お前は少しキャラを自重しろ」

青龍先生「ひょっひょっひょ!」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/18(土) 03:00:35.23 ID:b2bsznDNo
>>1乙!
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/18(土) 03:15:22.51 ID:pEmixtjro
乙!映画化ワロタ。切実に熱望だぞ!
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/18(土) 04:10:54.05 ID:/dcoTe0So
魔王かっけぇぇぇ
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/18(土) 04:28:54.38 ID:Yj2ypPD10
>>1おつんつん

ベルゼブブ△
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/18(土) 09:48:13.98 ID:2ryz6sNDO
ベルゼちゃんマジ魔王
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/18(土) 11:38:47.44 ID:x3WLVN3Bo
>>1

あの世オマケをリクエストしてくれたやつのお陰で、死んでもまだ救われるな
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/18(土) 11:48:18.36 ID:u9eJLgzw0
いちおつ
騎士道とは、守るに死する道。
今、己が生くるも、守られ生かされた証。
守られた命、守るために使うは、騎士の務めと思え。
騎士団長の騎士道精神かっこよかったよ
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/18(土) 21:32:11.09 ID:ttF50UJIO
>>22
この>>1ならそれだけでは終わらない気がする
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/18(土) 23:47:00.49 ID:M/KyX0ESO
後に、クラーケンが擬人化&復活して青年兵とくっつくとはまだ誰も思っていなかった……
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/19(日) 01:22:57.20 ID:n3vKKfrAO
>>1おつ
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/02/19(日) 09:35:25.05 ID:wMVlxQgB0
>>25
復活イカ娘乙
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(四国) [sage]:2012/02/19(日) 10:58:25.84 ID:RoZNFSUAO
>>1おつ
てか今日誕生日だった
俺もとうとう三十路か…
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/19(日) 12:46:12.89 ID:NV2DDXAIO
>>28
ハッピーバースデー!!
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/19(日) 13:28:10.34 ID:HVt1ILQMo
>>28
お誕生日おめでとう^^
誕生日近いね。こうして沢山読者がいるといろんな人がいるなあ〜
意外とご近所さんもいたりしてww

そういえば>>1の誕生日っていつかな?できれば知りたいな
年齢はやっぱりネタがわかる年齢っていうことで同年代なのかな?
このスレ同年代多そうだよね

こんなに長く同じスレにいるんだしそういうことも知っておきたいな〜なんて
お仕事は事務職してて女性ってことしかわからないのって変な感じ
あとはミクシーとPIXIVは知ってるけどツイッターはしてるんだっけ?
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/19(日) 13:30:29.74 ID:AvYgq/vfo
なにこれコピペ?
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/19(日) 13:55:52.59 ID:FobNvHVn0
なにこれこわい
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/19(日) 13:56:37.46 ID:HVt1ILQMo
なにが?
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/19(日) 14:02:22.54 ID:CfF+DMNIO
書き込みが怖いほど気持ち悪いだけです。ごめんなさい
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/19(日) 14:04:37.45 ID:XemIFM8Mo
これはひどい
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/02/19(日) 14:09:50.17 ID:wMVlxQgB0
ブログの米欄よりきめぇwwwwww
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/19(日) 14:18:40.56 ID:HVt1ILQMo
身バレが本当に嫌なら近況や体長のことレスしたりしないし
誕生日のネタに乗るのは>>1が率先してやってるじゃないの
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) :2012/02/19(日) 14:30:11.79 ID:zaM9gS4jo
わかったからしね
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/19(日) 14:38:05.76 ID:Fa0MPviGo
読者サービスだろしね
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/02/19(日) 15:04:40.16 ID:1gg6ZX9Wo
ヤバイ真性だこれ
41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/19(日) 16:12:54.03 ID:UCJ2vENEo
じつを言うと誕生日じゃないけど誕生日だって何回か言ってる
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/19(日) 16:34:59.95 ID:SanERCwso
キモすぎて顔面麻痺した
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山梨県) [sage]:2012/02/19(日) 16:45:59.35 ID:ervbXsVKo
コピペとしか思えなかった
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/19(日) 17:12:39.44 ID:2vdadjeDO
明日結婚式じゃー!!

相手の女性と出会った頃は「〜ッス」ってのが口癖だから女隊員にはとても親近感
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) :2012/02/19(日) 17:18:15.20 ID:zaM9gS4jo
        / ̄ヽ、
      /  あ l /\
    ハ|   あ |/   ヽ
.   / |      |    ヽ  /|
     |   そ |     |/  |
     |   う  |         |
     ヽ  :  |         |
      \  ∧  /\  ∧ /__
        ∨ ヽ、/  ヽ/ |    /
      ∧/ ̄ ̄    ̄ ̄`|   /
    /ヽ|  ≡≡  / ≡≡ |-、/
    〈(^l.|         |    |^/
    ヽ '゛      〉     レ'
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46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/19(日) 17:29:56.91 ID:9woe7iiSo
ほらー
お前らがキモいレスばっかしてるから
こんな真性が勘違いしちゃって
小学生並のレスしちゃったじゃん

もう演技はやめて殺伐なスレに戻ろうぜ
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/19(日) 18:32:53.66 ID:w+LIrxkKo
嵐のなかでも輝いてる俺と>>1

48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/19(日) 18:36:29.22 ID:rl8rb6ADO
進んでると思ったらキモいのが沸いているだけだった
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/19(日) 20:26:13.54 ID:cwSzY3Xt0
49get!!


1乙
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/19(日) 21:35:03.02 ID:Fmks501t0
ここで1が颯爽登場
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/19(日) 21:56:05.80 ID:usdFhFLAO
  __
  /。 \
 |ノ ゚|
 ノ ゴ ハ
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/19(日) 22:48:14.75 ID:AXv9RtRIO
この流れ久々だな
53 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/19(日) 23:53:45.98 ID:cvLAxjMFo


ジュニア「何が起きたぁ!!」

賢者「何だ、あの力は……ふぅ」

眼鏡「…………っ」

魔法剣士「眼鏡……?」

眼鏡(今の威圧……まさか、魔王が直々に……)

ジュニア「さっきの魔法っ、並大抵の威力じゃなかったぞ!?」

賢者「どうする? 戻るかい……ふぅ」

魔法剣士「いや、その必要はないと思う」

眼鏡「同感だね。敵はもう退いたみたいだし」

ジュニア「そうなのか?」

眼鏡「うん。気配はもうない。それに、本隊の連中だってさほど弱くはないだろう」

ジュニア「そうだな。数もいるわけだし、さっき言ったように今の内に隙を突くとしようぜ」

魔法剣士「ああ、それがいい。魔物の数が少ない今こそチャンスなのだ」

眼鏡(……西の方角から放たれた威圧。魔王とはまた別の……まさか、な)
54 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/19(日) 23:54:53.06 ID:cvLAxjMFo


 ドドッドドッドドッ ドドォ

皇太子「何があった!?」

騎士団「こ、これはひどい……っ。城が……」

エリート「近況を報告せよ! 一体、何が起きたのだ!?」

青龍士官「……突如、魔物の襲来を受けました」

皇太子「敵の数は!? 殲滅したのかっ!?」

青龍士官「敵は単独。攻撃を仕掛けた後、退却したものと思われます」

エリート「単独? 冗談ではないっ! たった1匹でこのような惨劇を行ったとでも言うのか!」

博士「残念なふがら、それが事実なのら」スタスタスタ

皇太子「博士か」

博士「遅くなって申し訳ないのら。それと、敵は自ら名を名乗っていたのら」

皇太子「名は?」

博士「……ベルゼブブ」

皇太子「――――っ!?」
55 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/19(日) 23:55:58.00 ID:cvLAxjMFo


衛生兵「……どうぞ」

皇太子「失礼する」バサッ

エリート「……っ!!」

皇太子「何と言う……事か……っ」

青龍士官「騎士団長殿は、三男様と城を守って……」

騎士団「た、隊長……? 隊長ぉ!!」

青龍士官「騎士団長殿の奮闘ぶりは、それは凄まじいものでした……」

皇太子「……」

青龍士官「敵の攻撃を、己の身と結界石を盾に、防ぎ続け……っ」ググッ

博士「……っ」

青龍士官「自らの命尽きるその刻まで……いえ、死してなお……立ち続けておりました」

博士「まさに立ち往生であったのら。彼は、本物の騎士であったのら」

エリート「……くそぉ!!」ドカッ

皇太子「ご苦労であった、騎士団長。そして諸君らも感謝するぞ」
56 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/19(日) 23:58:14.75 ID:cvLAxjMFo


青年兵「どうなったのだ!」

国軍兵「申し訳ありませんっ。現在、確認中であります!」

大軍師「急ぎなさい」

青年兵「……っ」

大軍師「如何なさいますか?」

青年兵「……後退出来る策はありますか?」

大軍師「ありませんね、正直」

青年兵「……」

大軍師「ここで兵を退かせてしいませば、戦線も後退致します」

青年兵「東側の戦局も無碍には出来ませんからね」

大軍師「信じるしかありません。仲間を」

国軍兵「西側の西国軍、魔王軍後方に突撃開始致しました!」

青年兵「……こちらも東側へ向けて布陣致する。各自、準備に取り掛かれ!」

大軍師「それで良いのです。貴方は大元帥なのですから……ふふふっ」
57 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 00:02:14.86 ID:kxJUQQ5Go


 フワッ……スタッ

ベルゼブブ「……言いたい事は分かっている」

アスタロス「我が主、傷を……」

ベルゼブブ「たかが掠り傷。心配は無用」

アスタロス「何者です?」

ベルゼブブ「さあな。後方より兵器で狙撃された」

アスタロス「……」

ベルゼブブ「貴様が気に病むような輩でもない。尤も、此処まで辿り付けるとは思えぬがな」

アスタロス「我……動きまする」

ベルゼブブ「貴様の忠告を聞いておきながら傷を負った。余に貴様を止める道理はない」

アスタロス「お任せを」

ベルゼブブ「だが、1日待つが良い。まだ余の兵が動いておる」

アスタロス「御意に」

ベルゼブブ「人間の策とやらも思った程ではないな。もう少し楽しめるものかと思ったがな」
58 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 00:09:08.01 ID:kxJUQQ5Go
 突然の魔王襲来。これより数時間は大きな動きもなく戦線は膠着する。

 西側からの奇襲を懸念していた連合軍だが、その心配も杞憂に終わり、

 本隊は無事に東側へと布陣。そして西国軍は魔王軍の背後を突く形で、

 東側へとなだれ込み、戦線は東へと大きく移る形となった。

エリート「築城の再開を急がせろ! 今日中は無理だとしても、とにかく急ぐのだ!」

皇太子「しかし、思った程の損害ではなかったようだな」

青龍士官「……騎士団長が身を挺して守った成果です」

皇太子「……三男殿は?」

衛生兵「錯乱状態で……。ようやく落ち着いてはきましたが、今は会われない方が……」

皇太子「分かった。安静に過ごすよう取り計らってくれ。エリート、東の戦線は?」

エリート「伝令の話では未だに交戦中との事。まぁ日没には状況も変わってくるでしょう」

博士「悪い方に変わる可能性もあるのら」

エリート「アンデッドか。しかし、青年兵と大軍師がそこまで無策とは思えん」

皇太子「それもそうであるな。よし、遊軍はもう1度城の前面に出るぞ!」

騎士団「了解でありますっ! 騎士団長の仇……必ずや!」
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/02/20(月) 00:12:15.51 ID:kxJUQQ5Go
お誕生日の方もご結婚の方もめでたい事は嬉しい限りです
え?別に悔しくなんてないし!おやすみなさいだし!
今日も多数のご支援ありがとうございました!それでは!ノシ
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2012/02/20(月) 00:14:35.21 ID:Km1rRFCAO
最速の>>1
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/20(月) 00:34:40.68 ID:dPNmGR+AO
>>1おつ
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 00:47:36.48 ID:MwM5eDWIO
1乙
真性わいててクソワロタ
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/20(月) 02:34:16.83 ID:4RtSvtfLo
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/20(月) 04:47:50.72 ID:9hOmokXg0
>>1 おつ
数でおされてるうえにアスタロスまで出てくるのか…
東方では力出せてなかったからなぁ

65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 07:22:36.71 ID:nEuiM7wIO
おつんぽ

威圧にワクテカ
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/20(月) 08:41:21.32 ID:EXN+CjZAO
相変わらず>>1乙んつん 最近読んでると不安感山盛り
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 10:18:31.07 ID:RgRQo5cK0
>>1おつんつん

アスタロスも動くのか。。。。。
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) :2012/02/20(月) 10:34:44.52 ID:2g7raQxk0
>>1
勝てる気がしないが思わぬ助っ人が助けてくれるはず
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 13:52:57.51 ID:wLboB0qDO
名士「私のこと忘れてません?」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 17:29:37.15 ID:nEuiM7wIO
インドラ「オレオレ!」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 17:47:26.91 ID:cm/q4bfIO
年末に発見してやっと今おいついた!
毎日読んでも追いつかないとかなんなん?
朝移動中に読み、仕事の休憩で読み、寝る前に読んでも2ヶ月かかったぞ!
面白いぞこの野郎!!これから毎日見るぞ!!
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 18:04:15.94 ID:1W/LHnmDO
はい
73 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 18:26:57.30 ID:M0SkH1wEo
 夜。魔王軍は戦況を打破すべく、前日同様、アンデッドタイプの魔物を導入する。

 ボゴッ ボコボコォ!!

ゾンビ「ウアアァァ……ッ」

グール「グウウゥゥル……」

足軽「ひぃっ! じ、地面から妖が……っ!」

東方司令「アンデッドが来たか。手間がかかるな」ザシュッ

東方参謀「アンデッドを完全に倒すには五行か結界石が必要だ。動きだけ封じれば良い」

 ドドッドドッドドッ……ヒュオッ

ゾンビ「――ッ!!」ズガシュウゥ!!

東方兵「……?」

帝「神野悪五郎の例があったから試してみたが、やはりそうか」チャキッ

旗本「上様の御刀ならば、不死の妖とて消滅出来るっ!」

女剣士「アンデッドの動きを止めるんだ! トドメは上様が差す!」

槍侶「了解! はああぁぁ……っ、石破ぁ!!」ドッゴオオオオォォォォン!!

名代「続くのだっ! 上様をお守り致せっ!」
74 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 18:27:30.20 ID:M0SkH1wEo
 ドドッドドッドドッ……

伝令「ご報告致します! アンデッド出現、東方軍を中心に激突致しました!」

大軍師「戦況は?」

伝令「はっ。東方陛下を中心に、これをよく抑えておられます!」

青年兵「西方司令部へ伝令を。精鋭魔道兵を援軍に」

伝令「了解致しました!」ザザッ

青年兵「大軍師殿」

大軍師「はい」

青年兵「これ、敵の数は多いですけれど、今なら叩けるのではないでしょうか」

大軍師「……魔王軍の戦線は南北へと長く伸びている形となっています」

 淡々と呟きながら、大軍師は棒で地面に1本の線を引く。

大軍師「そして我らは、夕方からの布陣でこの長い隊列の西側へ正面を向ける事が出来ました」

 描いた線の左側に幾つかの丸印を更に付け加える大軍師。

大軍師「北側、魔王軍の背後には西国軍とワーカー、白虎長率いる白虎隊が回り込んでいます」

 今度は線の上部分、北側に見立てた箇所へ、左側より矢印を記す。
75 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 18:28:34.38 ID:M0SkH1wEo
青年兵「ええ。それに西方司令部もその後に続いておりますね」

大軍師「対して、前線では東方軍、東方司令部、南方司令部の面々があたっております」

 今と同じように、線の下側へ大軍師は棒で矢印を付け加えた。

青年兵「この戦況を見るに、魔王軍を挟撃し、動きを封じていると思います」

大軍師「ええ、その通りですね」

青年兵「更にここへ、西側側面より本隊の攻撃を仕掛ければ……」

大軍師「……」

青年兵「やはり、難しいですか?」

大軍師「魔王軍の隊列は、森ではありませんが木々が多い所を進んでおります」

 ガリガリガリ

大軍師「側面より当たるにしても、突破は難しく、西側から攻撃を繰り返すに留まります」

青年兵「ですね」

大軍師「更に、木々に阻まれ、攻撃をしたとしても、魔王軍はかなり隊列を乱されます」

青年兵「……」

大軍師「平地であれば、これほど素晴らしい事はありませんが、密集した陣形ならいざしらず……」
76 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 18:29:28.03 ID:M0SkH1wEo
 ガリガリガリ……

大軍師「長く伸びた隊列は攻撃を受けた後、敗走するでしょうが……」

 地面に描いた簡易的な作戦図に、大軍師は会話を続けながら無数の矢印を書き足す。

大軍師「その際、こういった立地では、木々や敵を避け、四散する事になります」

青年兵「……っ」

大軍師「背後は塞がれており、魔王城への撤退は困難。そうなると?」

青年兵「他所への危険性が高くなる……っ」

大軍師「そういう事です魔王軍の進路から西側への被害は考えにくいですが」

 ガリリッ……ガリッ

大軍師「1番の懸念は、北関ですね」

青年兵「仮に、総攻撃へと踏み切ったとして、凌ぎきれますか?」

大軍師「予言がないのであくまで憶測ですが……五分五分ですかね」

青年兵「……」

大軍師「守戦を得意とする将軍殿が北関へ入ったという事なので、篭城すれば或いは……」

青年兵「あとはワーカーなどの援軍次第ですか」
77 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 18:30:27.10 ID:M0SkH1wEo
大軍師「いま入っている情報ですと、北方司令部からの援軍が北関へ向かっています」

青年兵「ええ」

大軍師「あとは駐屯しているワーカーと野良がどれ程か」

青年兵「……」

大軍師「あとは魔王軍の伏兵がうまく誘導してくれれば、叩けない事はないですね」

青年兵「今から各方面へ伝令を出している時間はありませんね」

大軍師「はい。そして正直、あまり時間を費やしている暇もありません」

青年兵「ここで仕掛けるか、もしくは明朝に賭けるか……」

大軍師「どちらにせよあとはもう、運ですね」

青年兵「運ですか。なるほど、ご助言ありがとうございます」

大軍師「大元帥殿の運が良ければ、明日にでも新たな援軍があるかもしれませんね」

青年兵「自分で言うのもなんですが、運は悪いです。疫病神と言っても過言ではないくらいにね」

大軍師「ふふふっ、成程。ではご自身で切り拓かれるしかありませんか」

青年兵「30分後に仕掛けます。手筈を整えて下さい」

大軍師「畏まりました」ヒラヒラ
78 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 18:30:58.15 ID:M0SkH1wEo


伝令「ご、ご報告致します!!」

大軍師「どうしました?」

伝令「先程、川中島にて現れた敵は……ま、魔王ベルゼブブとの事です!!」

青年兵「――っ!!」

大軍師「間違いは……ないのですか?」

伝令「確証はないそうですがっ、自らが名乗っていたのと、その力から本物ではないかとっ!!」

青年兵「魔王が単身……出てきたというのかっ!!」

伝令「魔王は既に退き……築城中の城は半壊! 騎士団長殿を含めた数十名が戦死と……」

青年兵「何だと……今、なんと言った……っ!?」

伝令「で、ですからっ! 騎士団長殿が……せ、戦死……」

青年兵「……くそっ!!」

大軍師「現状は?」

伝令「既に築城を再開し、遊軍護衛の下、援軍も加わりっ、建て直しておりまするっ!!」

大軍師「了解です。ご報告どうも」
79 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 18:31:38.83 ID:M0SkH1wEo
青年兵「騎士団長が……戦死……?」

大軍師「手痛いですね」

青年兵「……っ」

大軍師「ですが、騎士団長殿だからこそ全滅は免れたのも事実。悔やんでも仕方ありません」

青年兵「立ち止まっている暇は……ないですもんね……っ」ググッ

大軍師「如何なる死も辛いものです。しかし、今は思いに耽っている時間はありませぬ」

青年兵「分かっています、分かっていますよ。……伝令!!」

伝令「は、ははぁ!!」

青年兵「本陣にっ、東側からの魔物に注意し、出来るだけ追撃と伝えよ!」

伝令「かっ、かしこまりましたぁ!!」ダダッ

青年兵「……これで、四散した魔王軍の西側は押さえられるはずです」

大軍師「流石です」

青年兵「何が……ですか」

大軍師「精神力ですよ。すぐに行動を起こせる精神力。若くして大元帥になられただけの事はある」

青年兵「言ったでしょう? 疫病神なんですよ……僕は」
80 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 18:32:06.84 ID:M0SkH1wEo


 ドドッドドッドドッ……

国軍兵「もっと左っ、左だっての! 隊列を乱すなぁ!」

華国兵「……っ」

老将軍「強張るな。動きが固くなるぞ」

華国兵「は、はいっ!」

白馬騎士「相手は数十万ですからね。気持ちは分からなくもない」

剣士「ええ……。武者震いが止まりませんよ」

伝令「南方司令を先頭に、魔王軍を東へ1キロほど押し返しております!」

大軍師「剣士殿」

剣士「はい」

大軍師「……ヒソヒソ」

剣士「……っ」

大軍師「宜しくお願い致します」

剣士「……分かりました」
81 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 18:32:38.33 ID:M0SkH1wEo
 ザッザッザッ

青年兵「諸君、本隊はこれより魔王軍に対し、総攻撃を仕掛ける」

剣士「……」

青年兵「本陣が打撃を受け、後方支援は考えにくい状況だ」

白馬騎士「……」

青年兵「包囲する形となるが、数はこちらが不利であり、敵を多数、逃がす可能性がある」

老将軍「……」

青年兵「全てとは言いません。出来る限りを殲滅して下さい」

弓使い「難題ね……」

青年兵「もし大隊クラスで取り逃がせば、他の拠点に危険が生じます」

幼女「……っ」

青年兵「無理を申しているは百も承知。しかし、どうか諸君らの力を貸して頂きたい!」

老将軍「安心せい青年兵殿、ワシらは元よりそのつもりじゃわい!」

白馬騎士「みせてやりましょうぞ、人間の力を」

剣士「そうですよ。僕らは絶対に負けません。対等に戦える力があると思っていますから!」
82 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 18:33:05.52 ID:M0SkH1wEo
 ドドオオオオォォォォ

皇太子「何? 主力が動いた?」

エリート「随分と思いきったな」

伝令「本陣においてはっ、敗走ずる敵を追撃して頂きたいとの事でありますっ!!」

エリート「竜騎士隊、動けるか?」

青龍士官「フルメンバーであれば2時間程度。5、6名であれば交互に半日程度は」

エリート「兵器は?」

博士「200本程度はあるのら。あとは深夜になれば北関から輸送されてくるのら」

エリート「ワンチャンスだな……」

皇太子「大規模な殲滅は厳しい。的を絞るか、何かしらの必要があるな」

青龍士官「西側は無人となりますが、大丈夫でしょうか?」

エリート「本隊の判断だからな。こちらは従うだけだ」

皇太子「……よし、こちらも出るぞ。進路を東に取り、敗走する敵へ追い討ちをかける」

騎士団長「ははぁ!!」ザッ

皇太子「出陣だ、私に続け!」
83 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 18:33:32.87 ID:M0SkH1wEo
〜北の森、岩陰〜

天才「ったくよぉ、いつまで続くんだこの雨はよー」

戦士「予言で分かんねーのか?」

天才「何でもかんでも分かってたまるかボケ」

占い師「天候とか、自然が絡むものははっきり分からないのよ」

戦士「まぁそれもそうか。分かってりゃ天気予報なんざいらねーもんな」

魔道士「……でも、しばらくは止みそうにもないですよ」

盗賊「そうなのか?」

魔道士「ええ。空気がずっと、冷たいままですし……」

天才「月読か」

召喚士「具体的には分かりますか?」

魔道士「いえっ、そこまでは……」

戦士「どうする? いくら雨宿りとはいえ、あんまり休んでるのも気が引けるぜ」

盗賊「確かにそうだな」

天才「しゃーねぇ。ぼちぼち行くとすっか」
84 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 18:34:04.36 ID:M0SkH1wEo
召喚士「そうしましょうか」

天才「雨でぬかるんで足場は悪いし、視界も良くねぇ。一応は注意しとけよ」

戦士「言われんでも分かってるよ」スクッ

天才「テメーは俺様から離れんじゃねーぞ? お荷物なんだから大人しくしてろ」

占い師「はいはい」

召喚士「それじゃ行きましょうか」

戦士「あとどんくらいなんだ?」

天才「さぁなー。地図から考えた測量じゃ、朝には着くんじゃねーの?」

魔道士「まだだいぶありますね……」

盗賊「雨だから、余計に遅くなるしな」

戦士「他の連中が戦ってると思うと、もどかしいぜ」

天才「いいんだよ。お前らにゃベルゼブブの後に、本チャンが待ってんだからよ」

占い師「……そうなのかもね」

天才「こっちとしちゃ温存してくれた方がよっぽどありがてーわ。ハーッハッハッハ!」

召喚士「……」
85 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 18:34:33.68 ID:M0SkH1wEo
〜川中島、東側〜

白馬騎士「かかれえぇ!! 突撃ーっ!!」

華国兵「おおおおぉぉぉぉ!!」

 ドガアアァァァァ!!

剣士「押し負けるなよっ! 数人で固まりながら、左右に展開して攻撃するんだ!」

弓使い「幼女っ、剣士達を援護するわよっ!」

幼女「はいっ!」

 ズッガアアァァァァ!!

旗本「推して参る!!」

剣士「あれは……っ!」

 ドドッドドッドドッ

剣士「ご苦労様です! 戦況は!?」

旗本「おぉ、お味方かっ! 先陣の妖どもはなんとか退けていますが、不死の輩が多く……」

剣士「……なるほど。分かりました、本隊で何とか出来るよう話しておきます!」

旗本「かたじけないっ!」
86 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 18:35:06.36 ID:M0SkH1wEo
 ドドッドドッドドッ……

南方司令「どけどけええぇぇ!! ギャラクティカマグナムジャスティスパアアァァァンチ!!」

 ギュバッ!! バッゴオオオオォォォォン!!

南方副司令「道が開けたぞぉ! 雪崩れ込めぇ!」

名代「天狗、雪女、狛犬っ、各々を援護せよっ!」

僧兵長「騎馬が突撃した直後を狙え! 転がっている妖を逃すなよ!」

槍侶「はああぁぁぁぁ……石破ああぁぁーっ!!」ドッゴオオオオォォォォン!!

くの一「影奥義……百花繚乱っ!」バシュシュシュッ!!

東方司令「背後には逃がすなよ! 北へ押し戻せ!」

帝「どうする? 妖もかなり散っているが……」

東方司令「ボクにお任せを。上様はこのまま、本隊と合流して下さい」

帝「良いのか?」

東方司令「アンデッドでなくば、ボク1人でも痛手は負わせられます」ガカッ

女剣士「お姉様、私もお供致します!」ドドッドドッ……

帝「……良し。我らはこのまま真っ直ぐ、本隊まで突き抜けるぞ!」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/02/20(月) 18:38:03.00 ID:M0SkH1wEo
なんだか同じような投下ばかりで申し訳ないですの
そろそろサクっと転換したいですね。ひとまずここまでにて!
今日もご支援ありがとうございました!それでは失礼致します!ノシ

>>71
ありがとうございます〜!ゆっくりでいいですよ!ゆっくりで!
ほぼ毎日投下を目指してますがなにぶん遅いんもので…
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 18:50:11.44 ID:p/zB+T6zo
>>1乙!
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 19:10:03.79 ID:cm/q4bfIO
いちょつ!
リアルタイム遭遇して感動とか始めてだ
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 19:51:59.46 ID:wLboB0qDO
特殊遊撃おっさんズ「俺達の出番は?」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 20:11:27.31 ID:5et8IWvro
>>1乙!

>騎士団長「ははぁ!!」ザッ
キャアアアシャベッタアアアアアアアアアア
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/02/20(月) 21:04:46.12 ID:BMpW0Ca50
>>1おつ!

青年兵と大軍師コンビは安定感あるな
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/20(月) 22:58:49.33 ID:kdl+u0Fko
>>1

騎士団長は左翼長のフレンドだっけ?
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/20(月) 23:10:42.28 ID:Gwfsa/2r0
>>1 おつ
帝の刀は聖剣か
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/20(月) 23:35:15.64 ID:4RtSvtfLo
96 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 23:45:00.96 ID:kxJUQQ5Go


 ドドオオォォォォ

国軍兵「先鋒が東側の別働隊と接触した模様っ!」

青年兵「よし、ついに突破したか」

大軍師「これで連中がどう動くかですね」

 ドドッドドッドドッドドッ

剣士「大元帥、ご報告です!」

青年兵「どうしました!?」

剣士「前線はアンデッドが多数おり、膠着状態です」

青年兵「……出しますか」

大軍師「ええ。精鋭魔道兵、行きますよ」

西方魔道長「了解だよ。さぁ、見せてやろうじゃあないの」

魔道兵「おぉーっ!!」

剣士「精鋭魔道兵……ですか?」

大軍師「はい。まぁ見てて下さいませ。ふふふっ」ヒラヒラ
97 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 23:45:41.02 ID:kxJUQQ5Go


僧兵「おりゃおりゃおりゃおりゃああぁぁ!!」ズバババッ

グール「ムウウゥゥダアアァァァァ!!」ガスッ!!

僧兵「ごはぁっ!!」

足軽「怯むなっ、斬りかかれぇ!」

 バサッ バサッ バサァ……

ヴァンパイア「全く、何をてこずっているのです」

足軽「そ、空から妖が……ぐわああぁぁ!!」ザシュッ

ヴァンパイア「フッ、そこらのアンデッドと一緒にして欲しくはないですねぇ」

旗本「ええいっ、不死の妖め……何と面倒な事か!」

 ドドオオォォォォ

西方魔道士「Aチーム、火と雷……放てぇ!!」

魔道兵「いっけええぇぇ!!」

 ドッドオオオオォォォォン!!

帝「な、何事だ!?」
98 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 23:46:14.25 ID:kxJUQQ5Go
西方魔道長「Bチーム! 水と風……放て!」

魔道士「はあぁーっ!!」

 ドッドオオオオォォォォン!!

西方魔道士「Cチームはアタシと一緒に、土行いくよぉ!!」

魔道士「おおうっ!!」ドッゴオオォォォォン!!

大軍師「魔道兵3隊による合体5行です」

剣士「す、凄い……っ」

大軍師「均等にする魔力の加減が難しいので、精鋭中の精鋭」

青年兵「だからこそ簡単に失う事は出来ない。切り札です」

剣士「な、なるほど……。しかしこれならば、いける!」

弓使い「剣士、私達も戦線に戻りましょ!」

剣士「ああ、行こう!」ドドッドドッ

青年兵「大軍師さん、あとhの指揮はお任せします」

大軍師「承知致しました。お気を付けて」

青年兵「……出でよ、ワイバーン!」
99 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 23:47:29.41 ID:kxJUQQ5Go
 シュイイィィィィン……バッシュウウゥゥゥゥ

大軍師「うちの指揮官達は出たがりで困り者ですねぇ……ふふふっ」

 バッシュウウゥゥゥゥ

ワイバーン「青年兵、こう言っては悪いが、魔力が僅かだな」

青年兵「連戦続きだからね」

ワイバーン「持つのか?」

青年兵「分からないよ、やってみないと」

ワイバーン「……」

青年兵「まぁ正直、ここで無理するのが今の仕事だからね」

ワイバーン「苦労するのが本当に好きだな」

青年兵「そんな事はないけど、やらなきゃいけない刻だしね」

ワイバーン「……フン。そうこう言っているうちに正面から来たぞ」

青年兵「ガーゴイルと……大型の……ドラゴンじゃないな」

ワイバーン「あの大きさはズーか。どうする? 援護を待つか?」

青年兵「まさか。ドラゴンでなければ問題ないよ。このまま行こう!」バシュッ
100 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 23:48:11.50 ID:kxJUQQ5Go


 ドドッドドッドドッ

剣士「おおぉぉーっ!!」ザシュウウゥゥ!!

弓使い「ちょっと剣士っ、深入りしすぎじゃない!?」

剣士「2人はここまででいいからっ、馬首を返してくれ!」

弓使い「そうはいかないわよっ!」

幼女「うんうんっ」

剣士「とにかく、自分の身だけ守ってくれ! こっちは気にする必要ないから!」

弓使い「……了解っ」ドドッドドッ

ワーウルフ「正面からくんぞぉー!!」

トロル「おら、新入りども! ちゃっちゃと働け!」

ワーウルフ「だいたいテメーら、本当にやる気あんだろうな? おいサル! 聞いてんのか!」

ラクシャーサ「へいへい。聞いてますよー」

トロル「何だその態度はよぉ! さっさと盾になれって言ってんだよ!」

ラクシャーサ「俺らはただラーヴァナ様の仇を討ちたいだけなんすよー」
101 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 23:48:57.66 ID:kxJUQQ5Go
ワーウルフ「だからそのチャンスをやるって――」ヒュオッ……ブシュッ

ラクシャーサ「……てめぇらに指図される覚えはねぇんだよタコ」

トロル「テメェッ、何してやが――」ザンッ!!

――「……全く、もう少し我慢出来ぬのか」

ラクシャーサ「すんません。コイツらムカつくもんで」

――「まぁそろそろ、潮時であろうな。……伸びろ、如意棒!!」

 ズオォッ!! ギュウウゥゥゥゥン

オーガ「バッカヤロー! こんな狭い所で振り回す奴があるギャアアァァ――」バキィ!!

ラクシャーサ「さーて、暴れまわりましょうや。ハヌマーン様!」

ハヌマーン「行くぞ。このまま北へ走り抜ける!」ザザッ

コボルト「なんだぁ? あっちがやけに騒がしいな」

スケルトン「ニンゲンはいねーぞ?」

コボルト「おい豚。お前ちょっと見てこいや」

――「……オラ、豚じゃねぇです」

スケルトン「ゴチャゴチャうるせぇ――」ゴシャッ!!
102 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/20(月) 23:49:59.08 ID:kxJUQQ5Go
コボルト「なっ――――」バキッ!! ドゴォ!!

オーク「……ふーっ」

ゴブリン「オーク、ハヌマーン様が動いたぎゃー」

オーク「うん、分かってる。オラ達も合流しよう!」

 ゴッゴオオォォォォ

白馬騎士「敵の中段が何やら、騒がしいな」

 ドドッドドッドドッ

剣士「白馬騎士様、おそらくこの騒ぎ……埋伏しているハヌマーン軍です!」

白馬騎士「何っ!?」

剣士「先程、大軍師様から聞きました!僕が連絡を取ってきます!」

白馬騎士「うむ、頼む! くれぐれも気を付けてな!」

弓使い「はいっ!」ドドッドドッドドッ

白馬騎士「……しかし区別がつかぬ。同士討ちせぬよう、少し後退しようか」

老将軍「それが良かろう。者共っ、すこし退がるぞい!」

白馬騎士「しかし既に魔王軍内へ紛れ込ませているとは……大軍師殿、恐るべしだな」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 23:54:09.76 ID:NRdT26yIO
出てこねえと思ったらハヌマーン様そんなところにいたのか
かっこよすぎる
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/02/20(月) 23:54:59.25 ID:kxJUQQ5Go
〜オマケ〜

>>91
三男『ぎゃああぁぁ!! きききききききき騎士団長ががが生き返ったああぁ!?!?』

皇太子『なーんだ、死んだのかと思っていたぞ騎士団長』

騎士団長『フッ、ベルゼブブよ、貴様が吹き飛ばしたのは私のマスクだけだ』

エリート『お前は亀か』

青年兵『とにかく良かった。めでたしめでたし!』

三男『あははははは!!』



三男「あは……あははははは……っ」

衛生兵「三男様は錯乱状態でしてうんぬんかんぬん」

皇太子「……そうか。安静にうんぬんかんぬん」

……と、いう事でどうだろうか?

エリート「ふざけるなよ貴様……っ!」

……ごめんなさいでした。騎士団長ではなく、騎士団です。おやすみなさい……
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/21(火) 00:02:52.34 ID:A0YonXEjo
最速の>>1

誤字はわかってるつもりだけど
こういうオマケがあると指摘したくなっちゃうな
好きなコに意地悪するいじめっコみたいだが
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/21(火) 00:49:52.66 ID:kqlxG+fEo
>>1

喋ったのは騎士団か、瞬きもせずに俺達は光の渦だな

よくわからないと思うが、おれ自身も何を言ってるのか分からないんだ
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/21(火) 01:56:56.22 ID:XiV6ObnAO
>>1おつ

>>1の誤字で遊ぶのもこれの醍醐味だしな
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/21(火) 02:20:59.96 ID:Y38W3+xi0
いちおつ
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/21(火) 03:36:34.81 ID:1jpDZNlr0
>>1おつんつん
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/21(火) 11:47:58.41 ID:salhCAgEo
>>1
突っ込んじゃってごめんね、これがアイジョウナノヨー

三男様ご乱心すぎわろた
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/21(火) 18:03:25.68 ID:SX8VsSJIO
エリート様ぁぁぁ
エリートは、ツッコミのエリートでしたかあwwwwwwww
112 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/21(火) 18:27:51.54 ID:9iZRs5oAo
 ドドッドドッドドッ

剣士「どけどけどけぇ!!」ブンッブンッ

幼女「……っ」

弓使い「幼女っ、しっかりつかまっててね!」

 2頭の馬が木々を右へ左へと避けながら疾走している。

 先頭を駆る剣士。その後ろに弓使いとそれにしがみ付く幼女。

 極力、魔物の少ない道を北へ北へと突き進んでゆく。危険を避けているわけではない。

 勿論、そういう意味合いもあるが、魔物は最初から少ないわけではなく、

 何者かにやられ、地に伏せ、数が減っているのだ。しかし人間の姿はない。人の仕業ではない。

 剣士は確信する。これは魔物同士が戦った末の事。つまりその先に、探すべき者はいる。

 ワアアァァァァ

剣士「!?」

弓使い「何っ!? 戦闘中……?」

剣士「この先に……いる!」

 馬を走らせると、その先に見覚えのある魔物らが戦っていた。
113 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/21(火) 18:29:07.82 ID:9iZRs5oAo
 ザシュッ ドウッ

ハヌマーン「……」

猿兵「ハヌマーン様」

ハヌマーン「……?」

 ドドッドドッドドッ

剣士「ハヌマーン様!」

ハヌマーン「剣士殿か……っ!」ザッ

剣士「こちらは大丈夫ですか!?」

ハヌマーン「ああ、大事ない。内から崩せば意外と脆いものよ」

剣士「良かった。大軍師様より話を伺い、駆けつけました」

ハヌマーン「それはご苦労。此方も撹乱と情報収集はあらかた終了したところだ」

剣士「では……」

ハヌマーン「うむ。このまま北へ抜けて、西側より合流致そう」

剣士「了解ですっ! それではまた後ほど……!」ザッ

幼女「お気を付けてっ!」
114 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/21(火) 18:29:28.53 ID:9iZRs5oAo
 ザザッ ドドッドドッドドッ……

ハヌマーン「……さて、もう一仕事だぞ」

猿兵「了解です。集合させまするか?」

ハヌマーン「いや、合流場所は指示した。このまま各々、切り抜けるとしよう」

猿兵「その方が撹乱にも都合が良いですな」

ハヌマーン「そういう事だ。さぁ、行くぞ」ババッ

ドオオォォォォン

ラクシャーサ「前線は潰れたぁ! もうダメだ、逃げろー!」

ワーウルフ「つ、潰れたってあんだけいたのにか……?」

ラクシャーサ「ああ! 人間共め、ありゃあ100万はいるぞ!」

オーガ「ナニィ!? 聞イテナイゾォ!?」

ラクシャーサ「特に西側は危険だ! 城に戻るか東側に逃げた方がいい!」

ワーウルフ「ど、どうするよ……?」

オーガ「グヌウウゥゥ……ッ」

ラクシャーサ「俺ぁ命が惜しいんでなっ、城まで逃げるぜ……ケケッ!」
115 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/21(火) 18:30:58.22 ID:9iZRs5oAo


 バッシュウウゥゥゥゥ

青年兵「はあぁーっ!!」ドガアアァァァァ!!

ズー「ゲキャアアァァァァーッ!!」

ワイバーン「おい青年兵、あれを見ろ」

青年兵「!?」

ワイバーン「あのガーゴイル……飛び方が変だぞ」

青年兵「8の字を描いている……何か知らせようとしているようだな……っ」

 バシュウウゥゥゥゥ

青年兵「おいっ! お前はどっちだ?」

ガーゴイル「おぉ、ニンゲンか! 俺はハヌマーン様の手下だ!」

青年兵「味方か。それで、ハヌマーン様は?」

ガーゴイル「敵をかき回して、北に抜けてえぇと何だっけ? ああそう、そのまま合流するってよ!」

青年兵「了解した! 君達もそれに続いてくれ。気を付けて!」

ガーゴイル「あいあい。ありがとさんよー!」バサァッ
116 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/21(火) 18:31:37.12 ID:9iZRs5oAo


 ドドオオオオォォォォ

大軍師「……」

西方参謀「順調じゃあねぇか……ヒック」ザッザッザッ

大軍師「西方司令部は北側へ回ったのではないのですか?」

西方参謀「メインはな。俺は精鋭魔道兵の護衛だよ」

大軍師「西国軍に白虎隊もいますからね、安心ですか」

西方参謀「安心は出来んけどなぁ。あれだろ? 魔王様が直々に現れたって聞いたぜ」

大軍師「ええ」

西方参謀「もう1度出張ってきたらどうすんだよ? 凌ぎ切れんのか?」

大軍師「どうでしょうね、総力戦ならば押し切れるかもしれませんが」

西方参謀「まぁ確かに、いちいち篭城されるよりは、野戦で葬った方が早いわな……ヒック」

大軍師「もし魔王もそう考えているのならば、もう出て来る事はないでしょうねぇ」

西方参謀「あくまで様子見……って事かい」グビッ

大軍師「でなくば、全力でこちらを殲滅するよう、攻撃している事でしょうからね――」
117 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/21(火) 18:32:08.54 ID:9iZRs5oAo
 ズッドオオオオォォォォン

西方参謀「おーおーっ、騒がしくなってきやがった」

大軍師「いよいよ出てきましたね」

 ドドッドドッドドッ

伝令「東側にて火災が発生! 木々が燃え、炙り出される形で魔王軍がこちらに――」

西方参謀「んなモン見りゃあ分かんだよ!! 的を射た報告をしろっ!!」

伝令「し、失礼致しましたぁ!!」ガカッ

西方参謀「ったく、若いのが多いから体力はあるが、戦慣れしてねーってのが困るわなぁ」

大軍師「仕方ありませんよ。これだけ大規模な戦いは、私達とて始めての経験ですし」

西方参謀「そりゃあそうだけどな……ヒック」

大軍師「陛下率いる遊軍と兵器隊がいくようですね」

西方参謀「どーれ、支援に動くかねぇ……ヒーック」

大軍師「助かりますよ、西方参謀殿」

西方参謀「お前さんに褒められても不気味なだけだガハハッ! んじゃ西方隊、行くぞぉ!」

大軍師「これで出せるカードはほぼ全て切りました。あとは……引きの強さを信じるしかありませんね」
118 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/21(火) 18:34:15.05 ID:9iZRs5oAo
 ズドドドドオオォォォォ

エリート「さぁ、来たぞ!」

博士「バリスタっ、照準を定めるのら」

 ガゴッ キリキリキリッ……

博士「狙うのはアンデッドだけなのら。特に上空の奴。数に限りがあるから無駄撃ち出来ないのら」

助手「りょ〜かいっ♪」

騎士団「来たぞぉ!!」

博士「外すなよー。バリスタっ、一斉射撃……放つのらぁ!!」

助手「はいは〜い!」

 ズドドドドドドッ!! バッシュウウゥゥゥゥ

ヴァンパイア「な、なん……ゴグアアァァァァ――」ドッズウウゥゥゥゥ!!

博士「ちぃっ、3発も外れたのらっ! バカ! バカっ!」

助手「バカって言われた〜」シュン

ヴァンパイア「フウゥーッ。危ない危ない、結界石で出来ていましたか」

 ゴウッ!! ビョオオオォォォォ!!
119 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/21(火) 18:34:41.39 ID:9iZRs5oAo
ヴァンパイア「――ッ!?」

エリート「突風……?」

ヴァンパイア「グヌウウゥゥ! か、体が……押され――」

  ザッシュウウウウゥゥゥゥ!!

工兵「ぜ、全弾命中っ!!」

博士「神風……? まさかなのら」

 ヒュオオオオォォォォ

大軍師「ちょっと遠くてうまくコントロール出来るか心配でしたが、うまくいったようですね。ふふっ」

皇太子「バリスタの第2波に合わせて突撃するぞ。城には近づけるな!」

騎士団「おぉーっ!!」

博士「次っ、装填急ぐのら!」

助手「オッケー!」ガゴッ

ヴァンパイア「まだきますかッ! ええい、射程外まで浮上しますよぉ!」ブワッ

 ゴウッ!! ビュオオオオォォォォ!!

ヴァンパイア「んな……ッ! う、上から風が……押し……」
120 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/21(火) 18:35:15.88 ID:9iZRs5oAo
大軍師「逃がしませんよ。風の蓋で押し込んであげましょう。ふっふっふ」バッ

博士「チャンス到来なのらっ! 撃――」
助手「発射〜っ♪」

 バシュシュシュシュッ!! バシュウウウウゥゥゥゥ

エリート「弾道が低いぞ!? 大丈夫なのか?」

皇太子「構わぬ。突撃だ!!」

騎士団「おおぉぉぉぉ!!」

 ドドッ ドガガガガッ!!

ワーウルフ「大した数じゃねぇッ! 突き抜けろぉ!」

トロル「いやダメだッ、こっちの数が少ねぇ!」

ワーウルフ「何でこれしかいねぇんだよオオォォ!」ザシュッ!!

トロル「東が安全……って、みんな東にグベッ――」ドシュッ!!

皇太子「大した数ではないぞっ、一気に畳み掛けろ!」

エリート「随分と小規模だな。これはらっきーなのか、それとも……」

皇太子「どうしたエリート、行くぞ」

エリート「……どちらでも良い、か。重要なのは結果だ」ザッ
121 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/21(火) 18:36:01.67 ID:9iZRs5oAo


 ワアアアアァァァァ

ジュニア「あっちは随分とまぁ、盛り上がってるじゃないの……ハッハ!」

眼鏡「そうだね。やはり信じてこちらへ来て、良かったよ」

賢者「……どうだろうね……ふぅ」

ジュニア「あん?」

賢者「来たよ……ふぅ」

魔法剣士「……今までの雑魚とは違う連中だな」

 ドドオオォォォォ

サイクロプス「虫ケラ共ォ! ここから先が魔王城と知ってやってきたのかァ!?」

魔法剣士「ほぉ、そうだったのか。それはよいいい事を聞いた」

眼鏡「僕は知ってたけどね」

ジュニア「俺は初耳だな」

賢者「どちらでもいいさ……ふぅ」

サイクロプス「……ナメやがってエエェェ!!」ドンッ!!
122 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/21(火) 18:36:42.55 ID:9iZRs5oAo
魔法剣士「1体1体がかなりの強さだぞ! 気を付けろ!」

ジュニア「わぁってるよ! 気配がビンビンだぜ……ハッハ!」

 キュイイィィィィ……ドドオオオオォォォォン!!

眼鏡「こいつらの弱点は視野の狭さだ。背後に回り込めば……そう怖くはない!」

 ザシュウウゥゥゥゥ!!

ジュニア「かと言って、簡単に倒せるわけでもねぇけどなっ!」ドウンッ!!

サイクロプス「こざかしいいぃぃ!!」

ジュニア「眼鏡が囲まれたぞっ!」

魔法剣士「ちぃっ」

サイクロプス「グハハハハアアァァ!!」ブオンッ!!

 ヒュヒュッ ズバシュウウゥゥゥゥ!!

サイクロプス「な……何ィ!? よけただとぉ……ッ!!」

賢者「避けるどころか、反撃までしているよ……ふぅ」

サイクロプス「正面しか見てなかったってのにッ、まるで顔が複数あるみてぇな……」

眼鏡「残念だったね。君達と違って僕は、視野も広い方なんだ」
123 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/21(火) 18:37:31.18 ID:9iZRs5oAo
 ズザザザザザザッ

サイクロプス「何だぁ!? 援軍か……ッ?」

ハヌマーン「はああぁぁーっ!!」

 バギャッ!! ドッゴオオォォォォン!!

ガーゴイル「いっけーっ! 殴れ殴れぇ!」

オーク「ふんぬーっ!!」ドゴオオォォォォン!!

魔法剣士「何だ……!? 仲間割れか?」

賢者「いや、あれはどうやら味方のようだね……ふぅ」

眼鏡「味方……」

 ドドッドドッドドッ

王子「戦闘中だぞっ、援護しろぉ!」ドドッドドッ

白虎長「陛下っ、ハヌマーン軍がいますのでどうしましょう!?」ドドッドドッ

ジュニア「1つ目ヤローが敵っ! あとは味方だ!」

王子「了解した!!」

白虎長「ベヒーモスっ、このまま突っ込むわよぉ!」
124 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/21(火) 18:40:05.70 ID:9iZRs5oAo
 ドウンッ!! ドッズウウゥゥゥゥン!!

ベヒーモス「グッガアアアアァァァァーッ!!」

 キュイイィィィィ……ドッドオオオオォォォォン!!

サイクロプス「うおのれえぇぇ!! 召喚獣めがああぁぁぁぁ――」ドジュウウゥゥゥゥ

魔法剣士「これなら何とか、押し切れそうだな」

眼鏡「……」

魔法剣士「どうした?」

眼鏡「流石に、そう簡単には踏み入らせて貰えないか」

賢者「……ふぅ」

眼鏡「城を空にしたわけじゃない。最初から数なんてどうでも良かったんだ……っ」

魔法剣士「どういう事だ……?」

眼鏡「魔王城に入る以前の問題と言う事さ。一旦、退こう」

ジュニア「おいおい、ここまで来てかぁ!?」

眼鏡「事情はあとで説明する。サイクロプスを殲滅したら、戻ろう」

魔法剣士「……いいだろう。指示に従う」
125 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/21(火) 18:41:19.53 ID:9iZRs5oAo


西国兵「逃げた魔物は追いますか?」

王子「……いや、放っておけ。今は主力を叩くのが先決だ」

ジュニア「俺らは一旦、後退するぞ」

白虎長「了解。ご苦労様っ」

王子「我らも退がるか。流石に連戦で魔力が厳しい」

西国兵「そうですね。西国兵長も戻っている頃かと思いますし」

 ザッザッザッ

ハヌマーン「大軍師殿はどちらに?」

白虎長「あらっ? あなたは確か……ハヌマーンさん!」

王子「おぉ、噂のハヌマーン軍か! 無事のようで何より」

白虎長「大軍師なら南の本隊にいると思うわ。一緒に行きましょ」

ハヌマーン「すまんな。助かる」

ラクシャーサ「オーク、行くぞー」

オーク「はいですっ」
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/02/21(火) 18:45:13.08 ID:9iZRs5oAo
ひとまずこれにて失礼致します!
今日もご支援ありがとうございました!感謝!
それでは失礼致しますっ!ノシ
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/21(火) 18:45:51.11 ID:M6BHcNtXo
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/21(火) 18:46:15.97 ID:MmKhgNfDO
最速の>>1おつんぽ!
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/21(火) 18:48:46.65 ID:MmKhgNfDO
>>127
きさま・・・
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/02/21(火) 18:53:06.64 ID:1nB4bF8Xo
心和む情景だww
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/02/21(火) 19:22:02.75 ID:2qznwNiqo
ラクシャーサがハヌマーン軍に馴染んでるのがすごくいい
132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/21(火) 20:03:32.36 ID:8xKBeCSeo
>>129
ざまぁww
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/21(火) 21:54:18.04 ID:sF1r+9540
>>1 おつ
こう戦闘が続くと体力魔翌力が心配
特に王子・帝・幼女とかまだ子供だからな
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/21(火) 22:27:50.42 ID:XiV6ObnAO
>>1おつ

135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/22(水) 05:39:37.87 ID:C/fb9bAM0
>>1おつんつん

王子さんも立派になったなー
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/22(水) 14:13:54.18 ID:IyeHp2uDO
なんかいい感じだから最初から読み直してみた。

師匠死んだ。こっちじゃ生き返ってるのにあっちじゃ死んだ。

なんかワロタ


もっかい感動した
137 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/22(水) 17:57:34.63 ID:Y4ScXgJXo


騎士団「突撃いいぃぃ!!」

 ドッガアアァァァァ!!

皇太子「騎士団の騎馬突撃は、相変わらず凄まじい威力だな」

エリート「聖王時代から続く、伝統と積み重ねですからね」

ワーウルフ「クッソオオォォ!!」ガシュウウゥゥ!!

騎士団「騎士団長への手向けだ」

皇太子「大半は追討した、引き揚げるとしよう」

エリート「怪我をしているな。大丈夫か?」

騎士団「……騎士団長の痛みに比べれば、この程度……造作もありません」

 グググッ

ヴァンパイア「せ、せいぜい……勝ち誇っているが良いわッ。ベルゼブブ様が必ずや貴様らを――」

 ドンッ!! ボトッ

エリート「騒がしい首だな。バリスタの矢に貫かれて動けぬと言うのに」

皇太子「放っておくが良い。朝になれば消滅するさ。さて、後退するぞ」
138 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/22(水) 17:58:20.04 ID:Y4ScXgJXo


 パッカパッカパッカ

大軍師「ご苦労様です。大事ありませんか?」

皇太子「ああ。諸君らもご苦労であった」スタッ

エリート「青年兵はどうした?」

大軍師「上空より戦況を見据え、指揮しておられますよ」

皇太子「あれか? あれは指揮と言うより、完全に戦闘行為だと思うがな」

 バシュウウゥゥゥゥ

青年兵「くらえぇ!!」

ワイバーン「はあぁーっ!!」ズッガオオォォォォン!!

青年兵「……よし、ズーのほとんどは殲滅したか」

ワイバーン「ヴァンパイアも他の連中が封じたようだな」

青年兵「地上での掃討も落ち着いたみたいだし、そろそろ引き揚げようか」

ワイバーン「了解した」バシュッ

青年兵「あとは築城完了まで、何事もなく進めばいいけど……」
139 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/22(水) 17:59:05.75 ID:Y4ScXgJXo
〜北方、北関北部〜

 ドドッドドッドドッ

女剣士「魔物めっ、どこへ行ったのだ……っ」

東方司令「アンデッドタイプは日が出ればそれまでだ。放っておいていい」

女剣士「他の連中も見当たりませんね」

東方司令(そんなに足のある連中とは思わなかったが……見誤ったか?)

 ドガアアァァァァ!!

東方司令「!?」

女剣士「お姉様っ!!」

 ズシャアアァァッ ゴロゴロゴロッ!!

東方司令「心配するな。馬がやられただけだ」ザッ

女剣士「地面……っ!?」

 ボゴボゴボゴォ!!

グール「……グウウゥゥゥゥルウウゥゥゥゥ」ボゴォ

東方司令「……ボクの馬を潰した事、後悔するなよ」チャキッ
140 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/22(水) 18:00:47.73 ID:Y4ScXgJXo
女剣士「お姉様っ!!」

東方司令「ん?」

 バガァッ!!

馬「ヒッヒイイィィィィン!! ヒッヒッヒイイィィィィ!!」

東方司令「何っ!?」

女剣士「馬が発狂っ、いや……魔族化……!?」

 ボコボコボコボコオオォォ!!

女剣士「――っ!?」

ゾンビ「ウアアァァァァ……」

グール「……ウウゥゥ」

女剣士「アンデッド……な、なんて数……っ!!」

東方司令「さっきまではこんなに居なかった。どうやらマスタークラスが居るみたいだな」

女剣士「それって……」

――「アタクシの事でしょうかねぇ!!」ブンッ

東方司令「貴様がマスターか」
141 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/22(水) 18:01:26.34 ID:Y4ScXgJXo
リッチ「ククク……ッ」

ゴブリンゾンビ「ウウゥゥ……」

コボルトゾンビ「グウウゥゥ……ッ!」

女剣士「そ、そうかっ! マスタークラスが魔王軍を全て魔族化したという事か」

東方司令「思い切ったな。しかし、日の出まで6時間もないぞ?」ブンッ!!

リッチ「それまでにカタを付ければ良いだけの事ォ」

東方司令「出来るものなら、やってみろ!」

 ボゴゴオオォォ!! ザザザザッ

東方司令「……!?」

リッチ「これでざっと500と言うところですかね。さぁ、やってあげましょうか!」

 ガガガガッ!! ズシャアアァァ!!

東方司令「くぅ……っ」

女剣士「お姉様っ!」

リッチ「人の心配よりもォ、ご自身の身を案じた方が宜しいのでは?」

グール「グウウゥゥゥゥ!!」
142 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/22(水) 18:01:56.74 ID:Y4ScXgJXo
女剣士「くっ」ババッ

リッチ「そらそらそらそらアァ!」

女剣士「……っ」

リッチ「馬は潰しましたよォ? これでチョコマカ出来まいッ!」

 ガシィッ!! ググググッ

女剣士「はあ……うっ」

リッチ「そのまま殺してしまっても構いませんが、そうですね……」

 ザッザッザッ

リッチ「アンデッドとして働いて貰うのも面白いかもですねェ……クククッ!」

 バッゴオオォォォォン!!

リッチ「……?」クルッ

東方司令「はぁ……はぁ……はぁっ」

リッチ「包囲を突破するとは、大した力だ」

東方司令「ボクを……ナメるなよぉ!」

リッチ「良いでしょう。アタクシが直々にお相手致しましょうッ!」
143 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/22(水) 18:02:35.64 ID:Y4ScXgJXo
東方司令「はああぁぁーっ!!」ビュオッ!!

 ガキイイィィィィン!!

東方司令「……っ!?」

リッチ「なーんてネ。アタクシがわざわざ、下衆の相手をするわけがないでしょうヨ。クククッ!」

ゾンビ「アアアアァァァァ」ガシッ

東方司令「雑魚がっ、離せぇ!!」ググッ

馬「ヒッヒッヒイイィィィィ!!」

 ゴガァッ!! ドッズウウゥゥゥゥン!!

東方司令「……う……っ」

馬「ヒッハアアァァァァ!!」バゴゴゴゴゴッ!!

リッチ「どうですッ! 馬に馬乗りされる気分はッ! クックククク――」

 ゴシャッ!! ドザアアァァ……

東方司令「……はぁ……はぁはぁ……っ」グイッ

リッチ「……」

東方司令「ボクを笑わせたかったら、もっと面白いギャグを仕込んでくるんだな」
144 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/22(水) 18:03:02.14 ID:Y4ScXgJXo
〜川中島、一夜城〜

 バシュウウゥゥゥゥゥ……ザザァ

青年兵「皆さんお揃いですね」

大軍師「華国軍と東方軍、南方司令部、それに東方司令部はまだ前線にて交戦中です」

王子「確か、城は魔王の襲撃を受けたと聞いたが……?」

青龍士官「はい。しかし騎士団長殿が命がけで、半壊に留めたのです」

王子「……そうであったか。いや、思ったより損傷が少ないと思ってな」

エリート「ご覧の通り、一先ずは正面の攻撃に対して防御出来る目処は立っている」

西方参謀「裏は空っぽで、まるで張りぼてだけどなぁ……ヒック」

大軍師「元より簡易的な城ですから、背後を取られぬ限りはこれで十分、機能致しますよ」

青年兵「正面さえしっかり出来ていれば、相手には分かりませんからね」

皇太子「……さて、まずは各自の情報を集約するとしようか」

青年兵「ええ、そう致しましょう。それでは大軍師殿、お願いします

大軍師「はい。それでは現在の状況を、地図にてご説明させて頂きます」

 バサッ
145 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/22(水) 18:03:30.66 ID:Y4ScXgJXo
大軍師「まず、今回は大規模な衝突が発生致しました」

皇太子「東からの魔王軍だな?」

大軍師「はい。数は把握していない、というより出来ませんが、大軍を動員したようです」

エリート「今まで正面にあたっていた魔物も、全て東に回ったと考えて良いな?」

王子「それだけではないな。西側の魔物が完全に姿を消していた」

西方副司令「ええっ。つまり西側の魔物すらも、東側に回っていたと思われます」

大軍師「その通りです。おそらく、魔王軍は一点突破を画策し、全軍を東にぶつけたようです」

青年兵「初日の動きでこちらが東を厚くしておいたのに、ですね」

西方参謀「恐らく正攻法で押し切れると踏んでたんだろうなぁ……ヒック」

大軍師「まぁ、数では魔王軍が圧倒的に有利ですからね」

エリート「それにしては軽率だな。わざわざ木々の多い地形で戦うとは」

青年兵「同感ですね。平地であればこちらの損害もかなり多く出た事でしょう」

大軍師「そのあたりについては此方の方にお伺い致しましょう」

 スッ

ハヌマーン「……失礼する」ザッザッ
146 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/22(水) 18:03:57.88 ID:Y4ScXgJXo
皇太子「ハヌマーン殿か」

ハヌマーン「ここ3日程度、魔王軍に潜伏し、内部の情勢を探っていた」

青龍士官「……」

ハヌマーン「結論から申すと、魔王軍の隊列内に指揮官らしき者は居らぬ」

西方参謀「なるほど……道理で単調なわけだ……ヒック」

ハヌマーン「これは推測だが、ベルゼブブや幹部連中は、元より兵を率いるつもりはないのではないか」

皇太子「何? するとあの数十万は捨て駒にも等しいと言う事か?」

大軍師「もしくは、捨て駒にすら見ていないやもしれませんね」

青年兵「……」

エリート「その仮定に基づいた上での結論は?」

大軍師「……魔王ベルゼブブは非常に厄介であると思われます」

眼鏡「……」

大軍師「具体的に述べると、数十万の兵を必要としない、と言う事になりますね」

青年兵「つまり、ベルゼブブやその護衛は、それ程までに強いと言う自負がある」

西方参謀「更には魔王城もそんだけ強固なモンだって裏付けにとれるな」
147 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/22(水) 18:04:32.48 ID:Y4ScXgJXo
皇太子「厄介の真意はそういう事か」

大軍師「だけではありません。いざとなれば、数十万を簡単に捨てる可能性があります」

エリート「捨てる?」

大軍師「使い方ですね。特攻させたり或いは、アンデッド化して利用したり……」

ジュニア「足止めさせてもろとも消し飛ばす……なんて事もあるってか?」

大軍師「否定は出来ません」

ジュニア「おいおい、勘弁してくれよ……ハッハ」

大軍師「こうなればある程度の犠牲を出したにせよ、魔王軍を四散させたのは最善でしたね」

西方参謀「結果論だけどなぁ……ヒック」

エリート「結果論だろうが何だろうが構わん。それで、次の手はどうする?」

大軍師「引き続き、攻撃を仕掛け続ける事ですね」

青年兵「敵にまとまられると面倒です。分散して個々に叩くのが良いでしょうね」

大軍師「そういう事です。注意すべきはアンデッドのみですかね」

皇太子「あれは厄介だな。倒す術は兵器のみか?」

西方参謀「一応、西方司令部から精鋭魔道兵を用意しちゃいるが……」
148 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/22(水) 18:05:01.36 ID:Y4ScXgJXo
大軍師「分散させてあたらせるには危険ですね。失いたくない貴重な戦力です」

青年兵「精鋭魔道兵はこの城を中心に、護衛にあたって貰いましょう」

エリート「では個別にはどうするのだ? 南へ散ったアンデッドも居なくはないのだぞ?」

青年兵「ヴァンパイアなど飛行タイプも含まれていますから……」チラッ

青龍士官「任せてくれ。竜騎士隊の連中も魔力は徐々に回復しつつある」

青年兵「頼む。朝まで凌げばいいんだ」

青龍士官「ああ。殲滅出来る手段があれば良いが、流石にそうはいかんだろうからな」

大軍師「地上の魔王軍は、各隊が交代制であたりましょう」

西方参謀「それがいい。連戦続きじゃどの隊も強靭とはいえ、限界がある」

白虎長「白虎隊は余力があるわ。次は白虎隊が出ます」

西方副司令「西方司令部もいけるわよ」

西方司令「重い任務だな……。やるしかあるまいっ!!」ブワァ

王子「西国はすまぬが、一度休憩させて頂く」

大軍師「そうなさって下さい。召喚獣も出し続けており、疲労もございましょう」

王子「西国兵長が馬を連れて戻り次第、騎馬で出るとする」
149 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/22(水) 18:05:34.85 ID:Y4ScXgJXo
エリート「では南東国と東方は1度、後退させるとしよう」

皇太子「南方司令部と東方司令部は大丈夫か?」

エリート「確認の後、判断致します」

皇太子「宜しく頼む」

青年兵「明朝、アンデッドが退いた後は……こちらも仕掛けたいと思います」

青龍士官「いよいよ魔王城か」

大軍師「魔王城近辺の様子はどうです?」

魔法剣士「サイクロプスなど、割と強い魔物が周囲をうろついている」

賢者「簡単には近づけないね……ふぅ」

大軍師「手を考える必要がありますね」

眼鏡「ちょっといいかな?」

青年兵「……」

 ザッザッザッ

眼鏡「魔王城だけど、六道門の存在は知っているかな?」

大軍師「ええ。天才殿に話を伺っております」
150 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/22(水) 18:06:05.21 ID:Y4ScXgJXo
眼鏡「六道門を開門しない事には、魔王の下には辿り着けない」

西方参謀「……ほぉ」

眼鏡「それと問題がもう1つ」

青年兵「……?」

眼鏡「魔王城の周りに異様な威圧を感じるね。恐らく、何かしら仕掛けてくるだろう」

エリート「ちょっと待て。君は何やら詳しいようだが、魔王城について何か知っているのか?」

眼鏡「話に聞いただけさ」

エリート「誰に聞いたのだ?」

眼鏡「魔族かな」

エリート「どこの魔物だ? 味方か?」

皇太子「エリート、よさぬか」

エリート「もし情報提供者が居るならば、心強い味方となる。いや、何より……」

 ザッザッザッ……ザッ

エリート「どうも普通ではない。この者からはそんな何かを感じる」

皇太子「だから何だと言うのだ。今ここに居る者は志同じ仲間である事に間違いはないのだ」
151 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/22(水) 18:06:33.07 ID:Y4ScXgJXo
眼鏡「……」

皇太子「これ以上、何かあると言うならばエリート、君は此処から離れて貰う」

エリート「……っ」

皇太子「他の者も相違ないな? 眼鏡君、失礼したな」

眼鏡「いえ、お心遣い感謝します」

大軍師「眼鏡殿が申すように、魔王城への攻撃は容易ではないと考えます」

西方参謀「かと言って、行ってみない事には始まらんぜ……ヒック」

大軍師「大元帥、如何致しますか?」

青年兵「……このまま掃討作戦を継続し、明朝を待つ」

賢者「……ふぅ」

青年兵「アンデッドが消え次第、魔王城へ進軍致します!」

皇太子「了解だ。分かりやすくて良い」

青龍士官「アンデッド共は任せてくれ。必ずや追い払ってみせる!」バシッ

西方副司令「さぁ、こっちも準備しましょ!」

西方司令「……重い。重いぞぉ!」ブワワァッ
152 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/22(水) 18:07:08.60 ID:Y4ScXgJXo
〜川中島、東側〜

東方参謀「ふんぬおおぉぉぉ!!」ドッゴオオオオォォォォン!!

南方副司令「東方司令部っ、まだいけるかぁ!?」

東方参謀「いけるわけなかろうがっ! 老体にどれ程、鞭打つつもりか!」

南方参謀「全く、元気なジイサンね。なんやかんや、まだいけそうじゃないっ」

南方副司令「しかし東方先生のみだからな。そろそろ退がらせた方がいいかもしれん」

南方参謀「それもそうね。東方先生、一旦退くわよぉ!」

東方参謀「うむ。あとは任せたぞ!」バシュッ……シュルシュルシュルッ

南方参謀「東方や南東国も奮闘しているけれど、流石に士気が下がり始めたかしら」

南方副司令「……剣士殿」ドドッドドッ

剣士「はいっ」

南方副司令「本陣に戻り、指示を願い出てくれないか?」

剣士「分かりました。弓使い、幼女、行こう!」

幼女「はいっ!」ドドッドドッドドッ……

南方参謀「さぁーっ、剣士くんが戻るまでしっかり凌ぐわよぉ〜っ!」
153 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/22(水) 18:08:00.53 ID:Y4ScXgJXo
〜北関北側〜

リッチ「さぁさぁさぁーッ、どうしましたどうしましたァ!」

東方司令「調子に……のるなよおぉ!!」ズギャッ

リッチ「さきほどから随分と頑張ってはおりますがぁ、いつまで続きます? ん? んんー?」

女剣士「くっそぉ……っ、次から次へとぉ!!」

リッチ「クククッ!! 囲まれッ、しがみ付かれッ、マトモに戦えぬ姿で強がりを言うでないッ!」バシッ

女剣士「う、ぐうぅ……っ」

東方司令「どーれどれ。そろそろアタクシ達のお仲間になって頂きましょうかネェ〜ッ」

 フワッ……スタッ

東方司令「……ぐっ」

 ドカッ!! グリグリ

リッチ「生意気な目でネェ〜。しっかりィ、地べたにィ、頭を付けていなサイイィィ〜!!」ドカッドカッ

東方司令「ぐっ、くぅ……っ!」

女剣士「お姉様っ!!」

リッチ「さーて、いただきマ〜ス!」
154 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/22(水) 18:10:38.85 ID:Y4ScXgJXo
 ヒュオッ ガシュッ!!

東方司令「あっ、ぐううぅぅ…・・・っ!!」

リッチ「……クククッ」ジュルッ

東方司令「んあぁ……ふっ、あぁ……っ!!」

リッチ「……?」フワッ

東方司令「は、はぁ……はぁ……はぁ……っ」ググッ

リッチ「貴女ッ、魔族化が効かないイイィィ!?」

東方司令「ざ、ざまぁみろ……っ! ボクは……呪われてるから……はぁ、はぁ」

リッチ「呪われ……? クッ、まぁ良いでしょう! なればこちらの娘を魔族化するマデッ!」

女剣士「……っ!?」

東方司令「やめろっ、やめ――」ガシィ!!

グール「グウウゥゥゥゥル」

東方司令「離せぇっ!! こ……のぉ!!」グググッ

リッチ「クククッ、せいぜいそこで見ていなサイッ! どーれ、いただきマースマス!!」

女剣士「――――っ!!」ギュッ
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/02/22(水) 18:16:59.14 ID:Y4ScXgJXo
自分でも今日はドSなんじゃないかというタイミングで切ってしまった…
ほんとごめんなさい!もう少し書きたいんです!!本当はっ!!ゾクゾクッ

では失礼致します。ご支援ありがとうございました!ノシ
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/22(水) 18:22:17.62 ID:eIWGruyDO
今日こそ最速の>>1おつんぽ!
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/22(水) 19:13:55.54 ID:IPFBm0nDO
ドS乙
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/22(水) 19:18:13.85 ID:d8KTJmGAO
ドS乙
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/02/22(水) 19:39:12.69 ID:Mwq/BVLDO
ドS乙
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/22(水) 19:43:02.71 ID:7l1uUVpK0
ドS乙
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/22(水) 19:43:59.28 ID:9pyl2rrDO


魔族化は何かこう、快楽を伴うのか?
ロリババアの悲鳴がいかがわしい響きをですね……
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/22(水) 20:26:14.66 ID:gwAuzrImo
>>1

>>1が快感のあまりアへ顔さらしてるのが想像できる
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/22(水) 22:59:48.58 ID:jSb4Jlgoo
おそらく全て>>1の自演
なんて奴だ
164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/23(木) 01:38:56.39 ID:B82n39ZAO
>>1おつ

レズ患って>>153で東方司令がご乱心になったな
165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山梨県) [sage]:2012/02/23(木) 02:10:55.98 ID:I2n133dvo
これはひどいドS
一乙
166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/23(木) 02:31:23.00 ID:8s+Uu/N9o
167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/23(木) 02:50:22.29 ID:bkhS+Kvy0
>>1 ドsおつ
168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/23(木) 03:35:27.61 ID:ttyr33/b0
ドS乙
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/23(木) 04:53:56.33 ID:M2owjQtko
東方司令ってかませなのかそこそこ強いのかよく分らん
しかもその程度なのに女侍より強いっぽい描写があって、えぇぇって思った
こんぐらいのイメージだわ
天才>騎都尉>>>白馬騎士>>女侍>西方司令>隊長>魔法剣士>>戦士>東方司令>>南方司令
170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/23(木) 07:40:19.47 ID:5pPl8lbBo
きといは前の戦士よりも弱いけど威圧がすごい
敵が動けないだけ
5行剣使えてなお且つ攻撃読める天才は間違いなく人間最強
171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/23(木) 07:56:48.29 ID:91RZalCDO
どえいちょつ
人間の強い人ランキングよろ
172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/23(木) 08:01:47.15 ID:7r8Uq2+IO
一人での戦闘なら天才>>>眼鏡≧召喚士>>魔法剣士>隊長>>その他 位だろ。
一人の戦闘だと武器と魔法付与一人で出来ないとキツいだろうし、召喚士・眼鏡は例外的にチートキャラ
173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/23(木) 11:40:17.33 ID:NDKlGbUIO
どエス過ぎるな…ごくり
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/23(木) 16:47:35.91 ID:KtsxsU120
東方司令が弱いというより
アンデッドとの相性と数 それに奇襲によるものだと思うけどな
175 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/23(木) 18:11:39.39 ID:VdIT3ZoOo
 ゴッシャアアアアァァァァ!!

リッチ「……何ッ?」

東方司令「は……なせええぇぇ!!」ゴキッ

リッチ「しっかり押さえつけておきなサイッ、バカ共ッ!」

ゾンビ「ウウゥゥゥゥ」バッ

 ドシャッ!!

東方司令「……っ」

リッチ「たかが少女かと思いましたが、どこにそれ程の力があるのか不思議ですネェ〜」

東方司令「ぐぅっ!!」ドカッ

リッチ「華奢な体でッ、10倍以上のアンデッドをッ、延々とッ、相手にするなどッ!」

女剣士「お姉様っ!!」

リッチ「ましてや魔族化出来ない不可思議な存在ッ、不愉快ッ!」ゲシゲシゲシッ

 スゥッ……チラリ

リッチ「……フゥー。さて今度こそいただきマース!!」

東方司令「やめろおおぉぉぉぉ――」
176 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/23(木) 18:12:10.73 ID:VdIT3ZoOo
 ガシュウウゥゥゥゥ!!

リッチ「クククッ……ンンーッ!?」

グール「グウウゥゥゥゥ……ル」

リッチ「ペッッペッ!! 何でグールになって――」

 ズザアアァァ

お姉様「……っ?」

――「おやおや、騒がしいと思って顔出してりゃあ……ブサイク揃いとは肩透かしだねぇ」

東方司令「っ!!」

リッチ「……何者デス?」

女剣士「あ……あ、姉上……っ!」

女侍「どこの誰かは知らないけれど、よく会うねぇ」

 ドガガガガッ!! ドドォ

イヌ「……大丈夫ね?」

東方司令「す、すまん……っ」

リッチ「何だッ、何だッ、貴様等はアアァァ!!」
177 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/23(木) 18:13:02.30 ID:VdIT3ZoOo
 ザッ

サル「何だと言われると難しいんだよなぁ〜」

キジ「そうさー。俺達は何でもないさー」

女侍「アタイらはねぇ、正義の味方でもなけりゃあ勇者でも英雄でもない、ただの国賊さね」

リッチ「だったらどうして――」

女侍「決まってるじゃあないか。同じ人間だからだよ」

サル「魔物よりは国軍のがマシって事! んーふふふふっ」

リッチ「ゴッチャゴチャとォ、もういいデスッ。まとめて始末してやりましょう!」

イヌ「コイツら全部アンデッドね。これは勝ち目ないね」

キジ「前にもこんな事があったさー。あの時は疲労困ぱいだったさー」」

女侍「たった2人で何百のアンデッド相手にするとか、アンタらバカもいいとこだよっ」

東方司令「し……仕方ないだろうっ。ここで食い止めねば北関に被害が出る……けほっ」

女侍「それがバカだって言ってんだろぉ? 北関ってのはそんなにモロいのかい?」

東方司令「そんな事はない」

女侍「だったらいいじゃないか。北関の連中と一緒に迎撃すればさぁ!!」グイッ
178 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/23(木) 18:14:18.20 ID:VdIT3ZoOo
女剣士「あっ!?」

女侍「ほーれっ、逃げるよ〜!」タタタッ

東方司令「!?」

イヌ「お嬢ちゃんも行くね」ダキッ

東方司令「こっ、こら!」

リッチ「ににっ、逃がすかァ−ッ!!」

キジ「逃げるさー」

サル「ほいプレゼント。あ〜ばよ〜! んーふふふふっ」

 ボンッ!! ボシュウウウウゥゥゥゥ!!

ゾンビ「ッ!?」キョロキョロ

リッチ「ええいっ、ただの煙幕デス! 早く追いなサイッ!」

グール「グウウゥゥゥゥル」ザザッ

リッチ「北関……。人間共の拠点デスか。これは良いッ! まとめて魔族化して……」

 フワァッ

リッチ「そのまま人間共の都を襲うとしましょうカァ!! ククククッ!!」
179 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/23(木) 18:15:09.38 ID:VdIT3ZoOo
 ズザザザザッ

サル「来たぞおおぉぉ!!」

女侍「キジっ!」

キジ「あいあいさー!」

 ドドオオオオォォォォン!! ゴゴオオオオォォォォ

ゾンビ「ッ!!」

サル「よっしゃあぁ! 火で塞がれてっ、アンデッドは入ってこれねーぜ!」

 ザザザザッ

イヌ「回り込んできたね」

サル「何ぃ〜っ!?」

女侍「遊んでんじゃあないよっ!」スチャッ……ザシュウウゥゥゥゥ!!

ゾンビ「グ……ッオオォォォォ」

サル「遊んでねぇよっ!」

女侍「無視してさっさと走りなっ!」

女剣士「……っ」
180 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/23(木) 18:16:21.74 ID:VdIT3ZoOo
 ザザザザザザッ タタッ

東方司令「見えたぞっ、北関だ!」

女侍「……」

イヌ「お頭、どうしたね?」

女侍「おかしいねぇ。追ってくる気配がない……」

キジ「どういう事さ?」

女侍「アイツ、飛べるんだから、こんなに遅いとは思えないんだけどねぇ」

サル「諦めたんじゃねぇの?」

女侍「そうかい? アタイにはとてもそうは見えなかったけどねぇ」

東方司令「……」

女侍「まるで、餌を見つけた飢えた獣みたいな目ぇしてたよ」

リッチ「ご名答ッ」ヒュッ

女剣士「後ろぉーっ!!」

女侍「――っ!?」

リッチ「あまりに遅いので、追い抜いて先に着いてしまいましたヨォーッ」
181 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/23(木) 18:17:27.96 ID:VdIT3ZoOo
 ドズッ!!

女侍「っぐ!!」

キジ「お頭ぁ!!」ダッ

リッチ「おぉっと、動くなよォ!」

 ボゴボゴボゴオオォォッ ザザザザッ

女剣士「っ!!」

リッチ「あとから追ってくる連中も含めて、ざっと500。日の出までには十分、ですかネェ」

イヌ「か、囲まれたね……」

サル「冗談じゃねぇぞっ! こんな数っ、ましてやアンデッドなんざ相手に出来るかっての!」

リッチ「相手しなくても結構ですヨォー。ただし、この方はアタクシのお仲間になりますけれどネ」

 フワァッ

女侍「う……っぐ、離……せぇっ」ググッ

リッチ「あんまり暴れると、このまま地上に落としてしまいますヨォ? ククッ」

女侍「バケモノになるからいなら……っ、その方がマシ……だねぇ!」

リッチ「ククッ、せいぜい吠えていないさいナ。さぁ、諦めなサイッ――」
182 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/23(木) 18:18:34.58 ID:VdIT3ZoOo
 ビュオッ!! ゴアアアアァァァァ!!

 ――空を切り裂く巨大な矢。操るはバリスタの男。

 ガゴンッ!! ドカカッ ドカカッ

 ――疾走する赤い馬。跨るは赤い甲冑の男。

 ズザザァッ!! ズッギャアアアアァァァァ!!

 ――舞い躍る2本の槍。携えるは黒い甲冑の男。

 ギリギリギリッ バッシュウウウウゥゥゥゥ!!

 ――獲物を求め飛び立つ矢。放つは隻眼の男。

 ドッドオオオオォォォォン!! ガッカアアアアァァァァ!!

 ――地上へ落ちる轟雷。撃ち放つは笑う優男。

 バシュウウゥゥゥゥ!! ドガガアアァァァァ!!

 ――標的を食らうグリフォン。司るは陽気な優男。

東方司令「あ……あぁ……っ」

リッチ「ゴ……ゴハッ、アアァァ……ッ」

 北関正門より6人の男がゆっくりと魔物らの前にその姿を現した。
183 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/23(木) 18:19:22.71 ID:VdIT3ZoOo
 パッカパッカパッカパッカ

 その男、赤い甲冑に身を包み、かつて赤備えの異名で恐れられていた。

騎士長「赤備えの何相応しい良い馬だ。……いざ、参る!!」

赤兎「ブフウウゥゥゥゥ……ッ」

 その男、2本の槍を巧みに操り、かつて一番槍の異名で恐れられていた。

戦士父「行くか」ジャキジャキッ

 その男、弓の名手と馳せ、かつて国軍きっての弓取りとして恐れられていた。

左翼長「悪いがマトモに照準合わん。体感でいくから精密射撃は期待すんなよ」

 その男、バリスタとボウガンを得手とし、かつて特殊遊撃強襲隊隊長として恐れられていた。

バーテン「初代特遊勢ぞろいか……。ったく、同窓会じゃねぇんだぞ?」シュボッ

 その男、若くして魔法を極め、かつて再来の魔道士として恐れられていた。

マジシャン「このメンバーでまた戦う事になるなんて、涙が出ちゃうねぇ……ハッハ!」

 その男、戦友コカトリスと戦場を駆け巡り、かつて再来の朱雀先生を恐れられていた。

師匠「ガハハッ! 全員揃ってオダブツしねーように頑張るかねぇ」

 30年の時を経て、今再び、時間は動き出した。
184 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/23(木) 18:20:41.94 ID:VdIT3ZoOo
リッチ「こ、これは……ッ、結界石……ッ」ズググッ

 胸部をバリスタの矢で貫かれたリッチは、思わず触手を緩め、捕らえていた女侍を離す。

女侍「……っ」

 ヒュウウゥゥゥ……ガッシイィ!!

マジシャン「大丈夫かい?」

女侍「助かったよ、ありがと――」

 ムニッ モミモミッ

マジシャン「こりゃあ神クラスだな! 役得だわ、ハッハ!」

師匠「おら、エロ魔道士! サボってんじゃねぇぞ!」バシュッ

マジシャン「ハッハ! 怒られちゃったんでマジメにやりましょうかねぇ」スタッ

騎士長「はああぁぁーっ!!」

戦士父「くらえぇっ!!」

 ブンッ!! ドゴッシャアアアアァァァ!!

ゾンビ「ゲブウゥ……ッ!」

左翼長「やれやれ。みんな若返ちまって……明日どうなってもしらねーぞ」
185 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/23(木) 18:21:32.16 ID:VdIT3ZoOo
バーテン「明日?」

左翼長「筋肉痛だよ」

バーテン「アホか。筋肉痛はなぁ……明後日だ」

 ジャキッ

左翼長「……ぶはっ! それもそうだわな。明日くるなら若い証拠だわ」ギリリッ

バーテン「片目で狙えるか?」

左翼長「さっきも言ったが体感だ。確実性は期待すんな」

バーテン「バリスタの風見鶏でうまく調整してくれ。北北西、風速2メートルだ」

左翼長「やるだけやりますよ、隊長殿っ!」

バーテン「……やめろ」

左翼長「発射ぁ!!」

 バシュシュッ!! ドッシュウウウウゥゥゥゥ!!

グール「グウウゥゥゥゥッ!!」ザスッ!!

ゴブリンゾンビ「ウギャッ!!」

バーテン「結界石の矢だ。刺されば再生も出来まい。日の出までもがいてるんだな」
186 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/23(木) 18:22:14.79 ID:VdIT3ZoOo
 ドカカッ!! ズッガアアァァァァ!!

騎士長「おおぉぉぉぉっ!!」ドガ゙ァ!!

戦士父「怪我して腕が上がらんと聞いたが?」

騎士長「上がらんぞ。ほれ、突くのがやっとだ」グッグッ

戦士父「それにしては元気はないか」

騎士長「この馬が良い。今までで1番の騎馬だなこりゃ」

赤兎「……ブルルッ」

騎士長「つーかお前こそ怪我してたんじゃねーのかよ?」

戦士父「もう治った」ゴシャッ!!

騎士長「治ったって……相変わらずバケモンだな。あっははは!」ドカッ!!

戦士父「しかし斬っても突いてもキリがないなこれは」

騎士長「五行で消滅させるか日の出待ちだからな。ま、アイツに任せようぜ」

戦士父「だな。こっちは魔物の動きを封じれば良いか」

騎士長「そううい事! さぁ、もうひとふん張りやってやりましょうや! 一番槍!」

戦士父「……そうだな、赤備え!」
187 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/23(木) 18:22:59.69 ID:VdIT3ZoOo
 ドドオオォォォォン!! ズガアアァァァァッ!!

マジシャン「てめぇら! 俺にばっか五行使わせんじゃねぇ!」

師匠「お前しか使えるのいねーだろアホ!」

マジシャン「だからそれが問題だって言ってんだよ!!」ドウンッ!!

 ズザアアァァ

マジシャン「……あん?」

女剣士「あ……っ」

マジシャン「げっ」

女剣士「エロ魔道士」

マジシャン「お前まで言うな!」

師匠「おーう、お前らも戦えるなら援護しろ。無理なら早く北関に逃げろ!」

イヌ「逃げる? バカにしてるね?」

キジ「全然余裕で、戦うさー!」

サル「俺は逃げるぜぇ〜。んーふふふふっ」

 ドッサアアァァッ!!
188 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/23(木) 18:23:39.01 ID:VdIT3ZoOo
リッチ「……ク……ソォ」

サル「――っ!?」

リッチ「おのれ……おのれぇ……ッ!!」

サル「よ、寄るんじゃねぇ!!」ブンブンッ

 ザシュウウゥゥゥゥッ!!

リッチ「ガ……カッ……」

東方司令「さっきはよくもいたぶってくれたな」チャキッ

リッチ「――ッ!!」

東方司令「流石のボクも、頭に来たぞ」

左翼長「いつも沸点低いじゃねぇかよ」

騎士長「ははっ! 言えてる」

東方司令「うるさい加齢臭共が!」

左翼長「はぁ!? ババアのくせによくもまぁ……」

東方司令「ううぅぅるさいいぃぃぃぃ!!」ドッガアアァァァァ!!

リッチ「ゴヘエエェェッ!!」
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/02/23(木) 18:28:35.17 ID:VdIT3ZoOo
ではここまでにて失礼致します!ご支援ありがとうでした!
今日はドSじゃないから大丈夫ですね!それではまた!ノシ
190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/23(木) 18:30:41.02 ID:5pPl8lbBo
読者「ゴヘエエェェッ!!」
191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/23(木) 18:32:17.00 ID:lS5tRtyAO
>>1
再来キターッ
192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/02/23(木) 18:42:09.60 ID:XJRYVW1co
ババア結婚しtgぶるわッしゃーーーーーーーーーーーーィ
193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/02/23(木) 19:16:45.25 ID:AoG1flPlo
>>1

おっさんズかっけえ・・・
194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/23(木) 19:35:46.75 ID:NhMoeKHFo
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/23(木) 20:59:26.33 ID:fmf5aJd9o
お姉様「……っ?」

俺「……っ!!?」
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/23(木) 21:00:36.94 ID:xcfMGs71o
>>182-183が胸熱すぎる
おっさんズかっこよすぎだろ
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/23(木) 21:03:44.48 ID:x0dIR+vSO
おつ

おっさん達が一々かっこよすぎて困る。
てか赤兎さん生きてたんだなwwwwww
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/23(木) 21:29:51.01 ID:VFY5dohIO
赤馬さん身投げしたとおもってたけど生きてんのか
199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/23(木) 22:14:07.10 ID:m/KMysz/0
いちおつ
北の関もメンバーそろったし
この程度の魔物なら大丈夫そうだな
200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/23(木) 22:26:50.46 ID:PIChixODO
やっと主人公のおっさんズが出てきたか

201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/23(木) 22:34:15.48 ID:B82n39ZAO
>>1おつ

おっさんは年季が違うな
202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/23(木) 23:41:33.29 ID:ExcIdV2DO
>>1乙!
おっさんたち格好良すぎだろ!!
203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/24(金) 00:23:19.66 ID:cHfDD6wOo
>>1

脳内でオヤジーズの集合シーンが再生されたわ
鳥肌プルプルだなあ
204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/24(金) 03:23:53.02 ID:jTx+rv/R0
>>1おつんつん

おっ△
205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/24(金) 07:09:50.50 ID:MYhAQFjIO
ファイナルファンタジジーもそうだが、
これからは、オヤジの時代だなww
206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/02/24(金) 09:00:23.43 ID:Bl+wqmI40
ファイナルファンタジー?
野暮な事を言いなさんな、せめてVガンダムだよ

…あ、死亡旗…。
207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/24(金) 09:23:37.59 ID:Wskh/rjNo
他板でやれよ
208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/24(金) 16:50:50.12 ID:MYhAQFjIO
>>206
ジジーだ。意図的に
よく読め
空気も嫁
>>207はお前にだ
209 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:35:05.26 ID:Vyq11Hufo
 ズッシャアアァァァァ

リッチ「……クウッ!!」ババッ

東方司令「魔剣では相性が悪いな……っ」

マジシャン「どけどけぇ!!」

 ガオンッ!! ドッドオオオオォォォォン!!

リッチ「チイイィィーッ!!」ヒュバッ

マジシャン「ほれ見ろっ! モタモタしてっから避けられたじゃねぇか!」

東方司令「知るかっ!」

騎士長「いいから退がって、換装してこい!」

東方司令「……?」

左翼長「何のために、北関に工房があると思ってんだ!」

東方司令「あ……」

戦士父「一通りの武器は揃っていたぞ」

騎士長「各々の分がなっ! 見ろこの鎧、見た目は当時のままだが中身は別モノだ!」

バーテン「たった数十年でよくもまぁ、ここまで開発したもんだ」
210 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:35:39.83 ID:Vyq11Hufo
東方司令「……じゃあ、頼む」

マジシャン「おーう、行ってこい!」

女侍「さーて、それじゃあもう1回戦ヤろうかねぇ」スッ

女剣士「……はい」

 ズザァ

マジシャン「おっ、片腕か? 無理すんなよ?」

キジ「片腕だろうが、魔法くらいはなんくるないさー」

マジシャン「……ハッハ! 同感だ!」バサッ

キジ「!? 何だ、あんたもおんなじさー?」

師匠「おらぁ、行くぞ!!」バシュウウゥゥ

イヌ「近づかなければ、大した攻撃はないね!」ドガガガガッ!!

バーテン「ほぉ、土行か」

左翼長「日の出までは?」

バーテン「……4時間30分てとこか」

左翼長「使えるな。とりあえず攻撃あるのみだっ!」
211 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:36:06.78 ID:Vyq11Hufo
〜川中島、東側〜

帝「はぁーっ!!」ザシュウウゥゥ

名代「上様、すこし退きましょうぞ。他の隊と離れ始めておりまする」

帝「むっ、そうか。気を付けよう」

旗本「上様の良きところは、己の力を過信せず、臣の言葉に耳を傾ける事ですな」

名代「うむ。これぞまさに君主の務めよ――」

 ドドッドドッドドッ

皇太子「突撃だ突撃ぃ! このまま一気に最前線まで駆け抜けるぞ!」

騎士団「おおうっ!!」

エリート「陛下っ! 前線に出すぎですっ、自重なされ!」ドドッドドッ

南方司令「陛下に負けるなぁ!! 続けっ、正義の為にいいぃぃ!!」

南方参謀「だぁーっ、もうっ!!」ドドッドドッ……

名代「……」

旗本「……」

帝「良いではないか。あれも1つの、君主の形であろう」
212 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:36:35.84 ID:Vyq11Hufo
 ドドッドドッドドッ……

剣士「白馬騎士さんっ」

白馬騎士「剣士殿っ、本隊から伝言か?」

剣士「いえ……っ、伝言ではなく……」

白馬騎士「……?」

華国兵「あ、あれはっ!!」

 ドドドドドドオオォォォォ

白虎長「フェンリル隊っ! 私に続けー!」

白虎兵「おぉーっ!!」

竜騎士兵「あいつら……っ、フェンリルに乗って……」

青龍士官「白虎先生のベヒーモスを筆頭に、よく訓練されているな」

青龍兵「空と違い、地上は衝撃もあるし不安定だってのに……」

青龍士官「竜騎士隊も負けていられんな。どうする?」

竜騎士兵「あんなの見せ付けられたら、行くしかありませんよっ!」

青龍士官「よし、竜騎士隊出撃だ! 2チーム編成し、1時間ごとに入れ替えるぞ!」
213 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:37:04.59 ID:Vyq11Hufo
 バシュウウゥゥゥゥ

青年兵「……」

ワイバーン「上空の敵が見当たらんな」

青年兵「うん。尽きたのか温存しているのか、判断が難しいね」

 バサッバサッバサッ

ガーゴイル「そんなら、俺が探ってこようか?」

青年兵「頼めるかい?」

ガーゴイル「余裕余裕っちよ! んじゃ行ってくらぁー!」バサッ

座敷童子「行ってこーいっ!!」

青年兵「雨、少し弱まってきたかな」

ワイバーン「だが星は見えぬ。まだ晴れる事はないであろうな」

青年兵「……よし、偵察はガーゴイルに任せて、地上の魔物を殲滅しよう」

ワイバーン「おう」

 バシュウウゥゥゥゥ

青年兵「……あと……4時間っ」
214 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:37:34.70 ID:Vyq11Hufo
〜川中島、南側〜

ヴァンパイア「……ククッ。リッチに気を取られ、東へ移って行ったか人間共め」

 ドドドドドド……

ヴァンパイア「……ん?」

西国兵長「くそっ、雨でなければ今頃は到着――」

ヴァンパイア「馬群……? いやッ、人間が輸送しているのか」

馬「ヒッヒイイィィィィン!!」

 ズザザザザアアァァ

西国兵長「ま、魔物っ!?」

ヴァンパイア「こんばんは。お散歩ですかな?」

 ズズズズッ……

マミー「……アアァァ」

西国兵長「な……っ!!」

ヴァンパイア「お1人のところ申し訳ありませんが、死んで下さい」スッ

マミー「ウアアァァーッ!!」ガバッ!!
215 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:38:07.43 ID:Vyq11Hufo
西国兵長「こ……のぉ!」ザシュッ!!

ヴァンパイア「ククッ、これだけの数を相手に、どれ程もちますかねぇ……ッ」

西国兵長「力が……湧く……っ!」バシュッ

ヴァンパイア「……?」

西国兵長「貴様らのとうなアンデッドを見ると、あの時を思い出す……っ!」ザシュザシュッ!!

ヴァンパイア「気でも触れましたか?」

西国兵長「お前達みたいなのが居なければ……西国はっ! 西方はああぁぁ――」

 サクッ ポタタッ……ツツーッ

ヴァンパイア「……五月蝿いですね」ズズズッ

西国兵長「……か……はっ」

ヴァンパイア「ククッ、馬鹿な奴――」

 ガシィッ!!

ヴァンパイア「……?」

西国兵長「……違……うなぁ……ごぶ……っ!」グイッ

ヴァンパイア「心臓を貫いたんだぞ? まだ動けると言うのかッ!」
216 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:38:33.90 ID:Vyq11Hufo
西国兵長「お前らが居たから……西国は……変われたんだ……っ」ザッザッ

ヴァンパイア「ええいッ、離せ!」

西国兵長「お前ら……王子、召喚士さんが……神官様が……っ」ヨロッ

 バキィッ!! ドザザアァ

ヴァンパイア「……ッ?」

西国兵長「立て……。俺は……決して、倒れな……い」フラッ

ヴァンパイア「……マミー! 殺してしまいなさいッ!」

西国兵長「この馬達……はっ、必ず……王子の元へええぇぇ!!」

マミー「アアアアァァァ」

 ドゴッシャアアァァァァッ!!

マミー「――ッ!!」ゴロゴロゴロッ

ヴァンパイア「……ッ!?」

 テクテクテクテク

朱雀嬢「……何を……しているのかしら……っ?」

玄武娘「だ、大丈夫ですのっ!?」
217 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:39:14.79 ID:Vyq11Hufo
西国兵長「あ……んたら……」

 フラァッ……ドサッ

白虎嬢「どなたかっ、治療を!」

アマゾネス「応急薬しかないっ! 誰かっ、傷を塞げるものは!?」

衛生兵「どけどけぇ! 包帯と消毒を頼む!」

西国兵長「ごぽ……っ! がはごほっ!」

ヴァンパイア「チィッ、邪魔立てすれば貴様等も――」

朱雀嬢「邪魔?」

 ゴゴゴゴゴゴ……

ヴァンパイア「……ッ」

朱雀嬢「何が邪魔なのかしら? 邪魔って何? 邪魔なのはあなたでなくて?」

ヴァンパイア「ほっざけええぇぇぇぇ――」

 バギョッ!! ゴッシャアアアアァァァァ!!

グリフォン「……ウオオォォォォ」

朱雀嬢「……次」
218 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:39:48.11 ID:Vyq11Hufo
 バッシュウウゥゥゥゥ!!

ハーピー「やああぁぁーっ!!」

 ドガガガガッ!!

ヴァンパイア「な……ん……」

朱雀嬢「次っ」

サンダーバード「ゴガアアァァァァ!!」

 ドドオオオオォォォォン!! ガカアアァァァァッ!!

朱雀嬢「次ぃ!!」

白虎嬢「朱雀嬢ちゃん、どいてっ!!」

朱雀嬢「!?」

ベヒーモス「……コオオォォォォ」

玄武娘「絶対に……許さないんですのおおぉぉ!!」

リヴァイアサン「……ガアアアアァァァァーッ!!」

 キュイイイイィィィィ……ドッゴオオオオォォォォン!!

ヴァンパイア「なんだコイツ……ら――」ジュッ!!
219 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:40:21.75 ID:Vyq11Hufo
 ゴッゴオオオオォォォォ……

ワーカー「な、何だあの爆発は……!?」

おさげ「あまり気にしない方が良いと思いますよ」

ポニテ「ちょっと! 大きな音、立てるから馬が逃げちゃうじゃないっ!」

北方兵「馬を追え! なだめて落ち着かせるんだっ!」

衛生兵「駄目だ……っ、血が止まらない……」

白虎兵「何とかならんのか!?」

衛生兵「心臓を一突きされてる……っ。生きているのが……奇跡だ……っ」

弓兵「……っ」

西国兵長「……馬は……無……事か」

ワーカー「ああ、無事だ。アンタが守ったのさ」

西国兵長「……どこの……軍」

国軍兵「俺らは国軍……いや、あんたの味方、人間だ」

北方兵「輸送隊だけどな、色んな連中が合流して多国籍軍になっちまっただけさ」

西国兵長「馬……を頼……」
220 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:40:54.19 ID:Vyq11Hufo
 タッタッタッタッタッ

朱雀嬢「!?」

西国兵長「王子に……届けて……くれ。あの馬は……あれは……いいものだ――」

衛生兵「……心拍停止。亡くなりました……っ」

玄武娘「……っ!!」

白虎嬢「駄目……だったの……?」

ワーカー「……他の魔物は?」

朱雀嬢「……隊長みたいな奴が消滅したら、消えて行ったですわ」

弓兵「あれはアンデッドだったな。また復活するぞ?」

白虎兵「力の差は見せ付けた。恐らくだが、こっちにはもう近づかないだろうよ」

衛生兵「この方はどうします……?」

国軍兵「置いていけるかよ。遺体を西国の王に届ける。それが最後までの役目だ」

朱雀嬢「そう……ですわね」

白虎嬢「……行きましょう。みんな待ってしますわ」

玄武娘「……はいですの」
221 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:41:27.00 ID:Vyq11Hufo
〜川中島、東側〜

 ドッゴオオオオォォォォン!!

西方司令「重い使命を背負った我が一撃……食らうがいいっ!!」ツツーッ

西方参謀「押せ押せ押せええぇぇ!! 近づかせるなよっ!!」

大軍師「……」

 バサッ バサッ バサッ

ガーゴイル「あれ? ワイバーンに乗ったアンチャン見なかった?」

大軍師「大元帥の事ですか? 前線で戦っていると思いますよ」

ガーゴイル「あーそう。あのさ、さっき頼まれて偵察に行ってきたんだけど」

大軍師「何でしょう?」

ガーゴイル「空飛べる奴はもういないってよ」

白馬騎士「居ない?」

ガーゴイル「うん。ヴァンパイアも出払ってるし、ドラゴンももういないんだってさ」

大軍師「確かですか?」

ガーゴイル「うん。けっこう前にドラゴンの巣がやられて、数が少ないって言ってたぞ」
222 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:42:00.26 ID:Vyq11Hufo
大軍師「ドラゴンの巣……成程、そうですか。ありがとうございます」

ガーゴイル「あと、魔王城の近くに変な気配が広がってる。気を付けた方がいいぜ! じゃな!」

 バサッ バシュウウゥゥゥゥ……

白馬騎士「変な気配? 何の事でしょうか?」

大軍師「分かりませんが、考慮すべき必要がありそうですね」

白馬騎士「……」

大軍師「三男陛下の容態は?」

白馬騎士「あ、先程からようやく落ち着きをみせ、今は眠りについております」

大軍師「……ならば結構。今は安静になされるが良いでしょう」

白馬騎士「かたじけない……っ」

大軍師「いえいえ」

 ザッザッザッ

老将軍「白馬の。もう十分休んだぞい。そろそろ行くかの?」

白馬騎士「そう致しましょうか。では大軍師殿、華国軍……出ます」

大軍師「お願い致します。……あと3時間を切りましたか」
223 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:42:27.07 ID:Vyq11Hufo
〜北関、北側〜

師匠「おーらよおおぉぉ!!」

グリフォン「グガアアァァァァ!!」ドガアアァァ!!

グール「グウウゥゥゥゥ――」

サル「目ぇ瞑れっ! 閃光弾打つぞぉ!」

 ブンッ!! ガッカアアアアァァァァ!!

マジシャン「ナイスだ! ハッハ!」

女剣士「はあぁーっ!」ザシュッ!!

リッチ「こッ、こんなこと……ッ、こんな事がッ! アタクシ達が……ッ!」

左翼長「余所見してんじゃねぇぞ!!」バシュッ!!

リッチ「ヌグッ!!」ドスッ!!

左翼長「次いくぜぇっ!」

リッチ「……こッ、このままでは……やられるッ」

師匠「おいっ、大将ちゃんが逃げるぞ!!」

マジシャン「何ぃ!?」
224 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:43:22.70 ID:Vyq11Hufo
リッチ「クッ! これ以上……相手にしていられるかッ!」ババッ

バーテン「しぶてぇ奴だな。もう1発、どてっ腹にバリスタブチ込んでやるか?ジャキッ

 ガゴンッ!! ギイイイイィィィィ……

戦士父「……?」

騎士長「やっと来た……かいっ!!」ザシュッ!!

リッチ「……ッ」

 ザッザッザッ

東方司令「待たせたな、加齢臭共」

左翼長「@しつこいんだよテメーは!」

リッチ「な、何だッ……さっきの死にぞこないがたったの1匹か……ッ」

東方司令「ボクを見て安堵したな? 本当に不愉快な奴だ」

 ジャキッ……ドォン!!

女剣士「!?」

女侍「……ははっ! ずいぶんとまぁ、おっきな剣だねぇ!」

東方司令「これが元々、ボクの愛用だ!」シュバッ!!
225 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:44:58.74 ID:Vyq11Hufo
左翼長「ツヴァイハンダーかっ!」

――「しかも元司令が使っているオリジナルの、廉価版よ」

左翼長「お前らも出るのか……? 開発機関っ!」

局長「届けなくちゃならんモンが、たっぷりあるんでな」

鍛冶娘「そういう事よっ!」

バーテン「廉価版てのは?」

鍛冶娘「うん。五行鉱石付加。結界石コーティング、更には軽量化と見た目は一緒でも……」

局長「中身は完全な別モンの、。今までとは桁外れのツヴァイハンダーだ」

左翼長「五行って、大丈夫なのかよ!?」

局長「大した魔力も持ってねーんだし命には関わらない……はず」

鍛冶娘「うん」

バーテン「はず、っておい」

 ズシャアアァァァァッ

東方司令「はああぁぁぁぁ!!」

リッチ「――――ッ!!」
226 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:46:12.28 ID:Vyq11Hufo
 ズガッシュウウウウゥゥゥゥッ!!

東方司令「……」スタッ

リッチ「……」

東方司令「いい。やっぱりツヴァイハンダー最高っ」ブルッ

リッチ「……まッ、まさか……まさ……かッ、まっさカサ――」

 ザシュウウウウゥゥゥゥ……オオオオォォォォ……

サル「い……一撃……かよっ」

イヌ「……バケモノね」

東方司令「さーて、残りの魔物も……始末してやる」ジャキッ

グール「グウウゥゥゥゥ!!」

東方司令「でっやああああぁぁぁぁーっ!!」

 ズガッ!! バシュッ!! ザシュッ!! ズバアアァァ!!

マジシャン「すっげぇなおい……っ。次々と魔物を……」

師匠「五行に付加される魔力も最低限に抑えてやがるっ。とんでもねぇな……」

東方司令「……ふーっ。ボクをナメるからこうなるんだ雑魚が」チャキッ
227 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:46:41.93 ID:Vyq11Hufo
〜北の森〜

 ザザザザザザッ

女賢者「ちょっと待ってよぉ〜」タッタッタッ

男隊員「遅せぇんだよ……ったく」

格闘家「ペース落としますか?」タタッ

男隊員「急ぎだってのによぉ……」

女隊員「でも仕方がないッスよ。少しゆっくり行くッス」

ボス「……はぁ、はぁっ」

男隊員「おいおい、おめーまで何をヘバってんだよ?」

ボス「……ま、まだ行けます!」

男隊員「ヒャハハ! 膝が笑ってんぞおい。いいよ、少し休憩にしよう」ザッ

格闘家「しかし、師匠達は本当にこの森の中にいるんですかね?」

女隊員「全然見当たらないッスね。方角間違えたッスか?」

男隊員「アホか。北関で打ち合わた地図だぞ? こっちが間違ってたらあっちも間違ってるっての」

女賢者「早く着くといいですねぇ〜」ポワァ
228 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/24(金) 17:51:42.04 ID:Vyq11Hufo
〜北の森、北側〜

天才「おらー起きろー」ペイペチモミモニュッ

占い師「ん……ううん……っ」

盗賊「雨が弱まっているな」

魔道士「でもい、止む気配はまだなさそうですよ……」

天才「最後の休憩もこれで終わりだ。えーと、地図を見る限り……」バサッ

召喚士「……?」

天才「うーん……濡れて見えねぇ」

戦士「アホかっ!! 雨降ってる中でそんなん広げりゃ滲むに決まってんだろ!!」

天才「ハーッハッハ! ……誰がアホだこら!」ドカッ

召喚士「覚えてます?」

天才「当たり前だろ。もう地図は要らん、このまま北西へひたすら真っ直ぐだ!」バサァ

戦士「本当に合ってんだろうな?」

天才「ハーッハッハッハ! 最後くらい信じてろや!」

召喚士「……行きましょう、魔王城へ!」ザッ
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/02/24(金) 17:54:08.83 ID:Vyq11Hufo
週末だけど来られるかなぁ…頑張りまうす!
ひとまずここまでにて!ありがとうございました!

今日も沢山のご支援感謝!パワー頂きまくりです!
それではお疲れ様でした!失礼致しますっ!ノシ

それにしてもおっさんズ大人気だなぁ…
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/24(金) 17:56:45.00 ID:MYhAQFjIO
リアルタイム乙!!!

女賢者のポワァってなんか光とか出てるのかよwwwww
天才さん最後って…ェ
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/24(金) 18:16:26.04 ID:cC7Y8bDDO
いちょつ
ペイ占い師
ペチ魔道士
モミ盗賊
モニュッ召喚士でおけ?

前から気になってたけど西方司令何持ってるんだ今
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/24(金) 18:39:18.52 ID:XVSXqHrDO
加齢臭ズ乙
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2012/02/24(金) 19:02:34.98 ID:YMOs005V0
>>1おつ

西方司令はミノタウロスのもってた斧じゃなかったっけ?
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/24(金) 19:25:47.14 ID:rCVOWyaAO
>>1乙加齢臭
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/24(金) 19:42:13.05 ID:pSa0KCSfo
いち乙加齢臭
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/02/24(金) 19:44:38.70 ID:pLn2hGHio
うむ・・・東方司令ちゃん軽くエクスタシー?
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/24(金) 22:16:43.57 ID:l9z5MDgDO
>>1

おい天才、何揉んだんだ
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/24(金) 23:01:49.20 ID:mjAGRYOjo
東方司令の魔剣は新の悪五郎のやつだっけ
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/25(土) 00:54:01.62 ID:vAyDm7Seo
>>1おつ

ドラゴンの巣って戦士父が覚醒したところか・・?
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/25(土) 01:02:00.99 ID:5lSmPK5n0
>>1 おつ
王子の側近がみんな死んじゃったな
大臣・神官・親衛隊長・西国兵長…
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/25(土) 01:04:01.80 ID:abZJONcAO
玉子ざまあwwwwwwwwざまあ……
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/25(土) 01:13:27.63 ID:aaNCO8F10
>>1おつんつん

@ってなんだよww
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/25(土) 02:15:13.57 ID:ylalYd5AO
>>1おつ
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/25(土) 09:48:59.48 ID:2U8uTbpro
>>1

ジェノサイドデストロイは王子に降り注ぐ

お告げは本当だったんじゃ・・・っ!!


そして天才氏、悲しくなってくるな
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/25(土) 12:19:56.24 ID:1yevGyyIO
君、一体どんな顔してジェノサイドなんとかって打ち込んでるんだい?

お母さん泣くよ
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2012/02/25(土) 18:25:01.26 ID:BHejP5q60
おい!>>245あんまり>>244君をいじめるな
ちょっとあれな子なんだから・・・・
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/25(土) 21:04:33.35 ID:S6oejveDO
↓ここで颯爽と>>1登場
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) :2012/02/25(土) 21:28:01.49 ID:CRKF3NdEo
      ,−、
      !  !    /⌒i             ,, -―-、
      l  l   /  /           /     ヽ
      l  l  /  /     / ̄ ̄/  /i⌒ヽ、|
     l  l  /  /     /  (゜)/  / /
     l  l /  /   /     ト、.,../ ,ー-、
    /⌒ヽ  ̄  \ =彳      \\‘ ̄^    ,−.
 /{  /⌒丶 _   ',         \\ \   l  l   /⌒i
 |  \ ヽ       \l        /⌒ ヽ ヽ_>i l  l  / /
 i\   \ `T 'ー 、  }         /     `ー−' l  l  / /
 `ヽ丶 _厂     /     /             l  l__/ /
   \  l     /     ,.r''´           /   /⌒'.,
                            / _ノ⌒',  /',
                             l/     ,r' /,イ
                             ',  -一'ー'´T´ ノ
                             \     フ
                                 ``ー-一’
249 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/25(土) 23:40:17.74 ID:EhS4aOqoo
〜北関、北側〜

騎士長「おおおおぉぉぉぉっ!!」ザッシュウウゥゥゥゥ

戦士父「……ふんっ!!」ズババッ!!

バーテン「あと2匹いるぞ!」

師匠「おらぁ!!」ドガァッ!!

マジシャン「ていっ!!」

女侍「はぁっ!!」

東方司令「これでぇっ、最後だ!!」

 ザシュッ!! 

ゾンビ「――――ッ」

 グラァッ……ドシャッ

左翼長「これで全部かぁ!?」

イヌ「見える限りはこれで全部ね」

サル「やっと……終わったのか?」

女剣士「……いやっ、まだだ!!」
250 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/25(土) 23:45:08.28 ID:EhS4aOqoo
 ボゴボゴォ!! ズガガアァ!!

騎士長「何ぃ!?」

戦士父「北関側だっ! 五行!」

マジシャン「間に合わねぇ……っ」

師匠「大丈夫だろ」

左翼長「……?」

バーテン「いんだろ、北関には……守りのスペシャリストがよ」

 ガゴンッ!! ギイイイイィィィィ

将軍「ってええぇぇ!!」

 ガチャッ……ギギギギイイィィィィ

サル「んだありゃあ!?」

バーテン「バリスタさ。ただし、水平射撃用だけどな」

 バシュウウゥゥゥゥ!! ドッゴオオオオォォォォン!!

コボルトゾンビ「ゴガアアァァーッ!」

将軍「閉門ーっ!」
251 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/25(土) 23:45:40.85 ID:EhS4aOqoo
 ギイイィィィィ……ガッゴオオォォン!!

将軍「続いて左翼より、一斉射撃ぃ!」

弓兵「撃てええぇぇ!!」

ワーカー「おおぉぉーっ!!」

 バシュシュシュシュシュシュッ!!

東方司令「結界石とはいえ、ただの矢では意味がないぞ?」

将軍「分かっておる! 何の為に彼らがここに留まっておるかぁ!」

 ザッ

南方魔道長「やっと出番かい。待ちくたびれたよ」ポウッ

魔道兵「魔法付加っ、いっけえぇ!!」

 ドドオオオオォォォォン!! ゴオオォォォォ!!

南方魔道長「五行の最後は頼むぜ、再来のマジシャンさんよ」

マジシャン「ハッハ! 面倒事だけ押し付けやがって。これだから国軍は……よぉ!!」

 ドッドオオオオォォォォン!!

女侍「今度こそ、これで終わりかねぇ」
252 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/25(土) 23:49:30.75 ID:EhS4aOqoo


北関兵「お怪我は!?」

東方司令「ボクは問題ない。気にするな」

マジシャン「ネーチャンは?」

女侍「アタイも平気だよ」

南方魔道長「しっかし、まさかだよな」

左翼長「あん?」

南方魔道長「この面子だよ。マニアが見たら失神モノだぜ」

騎士長「このメンバーは……30年振りか」

バーテン「……ああ、そうだな」

将軍「今でもまだ鮮明に、あの時の事は脳裏に浮かぶよ」

左翼長「足りないモンもあるけどな……」

戦士父「……」

師匠「お前らの息子だったんだな。なんつーか、妙な縁だよな」

マジシャン「全くだよ。お前の弟子もだけど、これもめぐり合わせなんだろうなぁ。ハッハ」
253 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 01:13:09.23 ID:addoouTwo
〜川中島、北側〜

南方司令「正義の拳ぃ! ジャスティスハリケーンパーンチイイィィ!」

西方司令「我が重き魂の一撃を込めて……放つは命の華の舞うひとひらの――」

当方参謀「どけどええい! 石破ぁ!」

槍侶「石破ああぁぁ!!」

 ズッガオオオオォォォォン!! ドドオオォォォォ……

西方参謀「おい見ろっ! 朝日だ!」

魔法剣士「これでアンデッドは……」

賢者「ああ、僕達の勝ちだね……ふぅ」

ジュニア「やっとか……」

眼鏡「ひとまずは、だけどな」

足軽「見ろっ、妖が撤退していくぞ……っ!」

白虎嬢「勝ったんだわ……っ」

青年兵「ええ、でもまだ油断はしないように! 追い払った後、一夜城へ後退します」

剣士「了解ですっ!」
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/26(日) 01:13:43.63 ID:v/pRaF7DO
乙加齢臭ズ
255 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 01:13:51.23 ID:addoouTwo
〜川中島、一夜城〜

帝「……終わったようだな」

大軍師「ええ、何とか防衛成功ですね」

白馬騎士「とはいえ、これからが本戦ですね」

名代「ええ、左様」

 ドドッドドッドドッ

老将軍「南より輸送隊が到着したぞい!」

大軍師「おぉ」

 ドドドドオオォォォォ

白虎嬢「遅くなりました」

大軍師「いえいえ。そちらは大丈夫でしたか?」

国軍兵「何度か魔王軍と交戦しましたが……まぁ……」

朱雀嬢「西国の王様はいらっしゃるかしら」

王子「……?」ザッザッ

朱雀嬢「……」
256 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 01:14:21.77 ID:addoouTwo


王子「…………」

白虎嬢「この方は、最後まで立派に闘いました……」

ワーカー「ああ。この馬達を必ず、あなたに届けてくれってな」

王子「西国兵長……っ」

西国兵「こんな事って……あるかよ……っ」ダンッ!!

玄武娘「ごめんなさいですの……っ」

王子「貴方達のせいではありませんよ。責任は……私にある」

帝「……王子殿」

王子「……西国兵長……すまなかった」ジワッ

西国兵「うっ、うっ、うぅ……っ」

王子「私が……私……っが」

アマゾネス「……」

大軍師「遺体は冷凍し、丁重に西国へお送り致します」

王子「……世話に……なる」
257 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 01:14:50.93 ID:addoouTwo


博士「いいのら、よし……オッケーなのら」

助手「これでテントも設置完了! お城もバッチリ!」

博士「何とか魔王城突入の拠点は完成なのら」

大軍師「素晴らしいですね」

 ドドドドオオォォォォ

白馬騎士「おぉっ、皆も帰還してきたぞ!」

 バシュウウゥゥゥゥ

青年兵「こちらの首尾は?」

大軍師「一通りの手筈は整いました。あとは北関からの物資待ちですね」

青年兵「了解で……!?」

朱雀嬢「青年兵さん」

青年兵「朱雀嬢さん、それに……皆さんも」

アマゾネス「ここから先、多少なりとも力になれるのであれば……共に闘うぞ」

玄武娘「ですのっ!!」
258 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 01:15:31.07 ID:addoouTwo


ハヌマーン「半数は再び、魔王軍内へ潜り込ませた」

猿兵「白い鉢巻が目印です。それを身に付けておる者は味方です」

青年兵「了解です。さて、いよいよ魔王城突入の編成を行います」

旗本「何なりとっ!」

青年兵「まず先鋒は、ワーカーの皆様と南方、及び西方司令部」

西方参謀「けぇーっ。貧乏くじかよ」

大軍師「経験豊富ゆえのお願いです」

西方参謀「わぁってるって。仕方ねぇな〜ヒック」

西方副司令「司令、宜しいですわね?」

西方司令「重い使命を背負ったものだ……」ツツーッ

南方参謀「こっちも問題ないわよっ、ねぇ?」

南方司令「正義の旗の下、断る道理はない!」

南方副司令「……だ、そうだ」

青年兵「では宜しくお願いします」
259 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 01:16:15.95 ID:addoouTwo
大軍師「次に中軸は陛下、お願い致します」

皇太子「任せておけ」

エリート「中央から進むぞ」

騎士団「おうっ!!」

青年兵「その左右に西国、東方の皆様が続いて下さい」

帝「承知した」

名代「中軸と言う事は、援護と突撃を臨機応変にと言う事ですかな?」

大軍師「ええ、いかにも」

槍侶「前線でも援護でも、出来る限りの事は何でも致します」

槍兵長「うむ」

旗本「何が何でも落城させてみせる……っ!」

青年兵「後続は魔道兵、衛生兵、そして兵器隊」

博士「分かったのら」

助手「さぁ〜っ、頑張りましょうね♪」

西方魔道長「やれやれだねぇ……」
260 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 01:17:06.94 ID:addoouTwo
青年兵「ハヌマーン殿、剣士さんは遊軍として魔王軍をかき回して頂きたい」

ハヌマーン「慣れた任務だ。お任せあれ」

オーク「やってやるです……!」

ラクシャーサ「アンタらの為にやるわけじゃねぇ。だが、アンタらは好きだ。だからやる」

剣士「僕らも頑張ります!」

弓使い「ええっ。何としても成功させましょうっ」

幼女「うんっ!」

青年兵「一夜城の守りは南東国軍にお任せ致します」

白馬騎士「承知した。三男様の身もあるし、申し訳ないがそうさせて頂きます」

老将軍「ワシは出るぞい。戦場に出ずは武人の恥」

大軍師「構いませんよ。是非、お力を貸して頂きたい」

青年兵「最後に召喚隊、私と共に……本隊とは別に出ます」

白虎長「別?」

青龍士官「他のルートから行くという事か?」

青年兵「いや、本隊よりも先に、先行する」
261 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 01:18:26.37 ID:addoouTwo
竜騎士兵「!?」

青年兵「臆したか?」

青龍士官「……冗談言え。重大任務で興奮するよ」

朱雀嬢「私達ももちろん、ご一緒致しますわ」

玄武娘「ですのっ!」

白虎嬢「頑張りましょう、従姉さん」

白虎長「ええ。白虎隊の意地、みせてやるわよっ」

色黒「長っ、私たちもモチロンだよね?」

アマゾネス「ああ。やってやる!」

おさげ「そうだそうだっ! やってやるぞぉー!」

ポニテ「おーっ!」

ツインテ「おぉーっ!」

青年兵「あとは北関の皆が来るのを待つだけだ……っ」

大軍師「ええ。それに、北の森側の皆様も突破した頃ですかね」

青年兵「……召喚士さん」
262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/26(日) 02:11:11.66 ID:7H3v+V/AO
>>1おつ
263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/26(日) 02:39:15.33 ID:NV5J2HvSO
おつおつ!
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/26(日) 02:54:58.11 ID:DsOKNypw0
いちおつ
女剣士も結構いい歳なのに北の関では一番若そうだなwww
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/26(日) 11:29:58.59 ID:Mh//hj0Xo
>>1

召喚しジョブが一番華があるよなあ
俺もワルキューレ召喚して、1対9の夜のパーティー毎晩開きたい
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/26(日) 11:53:01.23 ID:/cjOj9dDO
まーた>>1が石破使ってるよ
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/26(日) 18:43:48.35 ID:sCFJ3QuZ0
>>1おつんつん

ラクシャーサさんのツンデレが見れた
268 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 23:36:08.43 ID:addoouTwo
〜川中島、南側〜

騎士長「急げぇ! 既に日の出は迎えているんだぞ!」

左翼長「……くそぉ」

マジシャン「あんだよ?」

左翼長「ハラ減った……」

マジシャン「はぁ!? 呑気な事、言ってんじゃねぇよ!」

サル「あながち呑気でもね〜ぜ? 腹が減っては戦は出来ぬって、なぁ?」

イヌ「……そうね」

キジ「どうしたイヌ? 顔色悪いさー」

イヌ「平気ね。さっきの戦闘でちょっと疲れただけね」

女侍「……?」

イヌ「さっさと終わらせて、のんびりするね」

サル「今抜けてもいいんだぜ? 俺達ぁ別に、正義のヒーローでもねぇんだかーよ」

イヌ「それは分かってるね。でも、なんだかやってやりたいね」

女侍「イヌ、アンタ……」
269 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 23:36:39.36 ID:addoouTwo
 ドクンッ

イヌ「――――っ!?」

戦士父「様子がおかしいっ、どうした!?」

イヌ「……おぉ……ごっぼ……!!」ビチャビチャッ

キジ「イヌ――」

 ズギャッ!! バリイイィィィィ!!

バーテン「くそぉ、やられた……っ! 敵はどこだぁ!」

女剣士「いやっ、違う! 敵は外に居なかった……っ」

マジシャン「どういう事だ!?」

師匠「アイツ、内側から胸を破られたようなカンジに見えた」

女剣士「ああ……っ。おそらく魔物は……」

マジシャン「体内に憑かれてたってかぁ! ちっくしょお!」

左翼長「とにかく救助だっ、急げ!」

イヌ「……無理……ネ」

サル「!?」
270 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 23:38:41.51 ID:addoouTwo
 ザザッ……ジャリッ

イヌ「……ククッ、このニンゲン……アタクシが乗っ取ったもの」

騎士長「!?」

イヌ「この……リッチ様がねええぇぇーッ!!」ズアッ!!

サル「……おい、イヌ……お前なに言ってんだよ……っ」ザッ

師匠「近寄るな!!」

サル「お前よぉ……さっき言ってたばっかじゃねぇか。なんだかやってやりたい……ってよぉ」

女侍「サル、退がりな」

サル「さっさと終わらせて……ノンビリするってよおおぉぉ――」

女侍「サル!!」

サル「……っ」

女侍「退がれって言ってんだよ」

サル「退がってどーすんだよ!! あぁ!?」

女侍「コイツはねぇ、もうイヌじゃあないんだよ。殺るしかないだろう?」チャキッ

サル「……本気で言ってんのかよ」
271 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 23:39:09.36 ID:addoouTwo
キジ「サル、お頭の心中を察するさ……」

サル「ざっけんなよ! イヌはどうする!? イヌはよぉ!!」

キジ「イヌは……」

 ザッザッザッ

リッチ「飛べない体は、不便ですデスネェ」

戦士父「援護する」ザッ

左翼長「さっさと片付けるぞ」

女侍「余計な手出しは無用だよ」

バーテン「言ってる場合か」

女侍「だからだよっ!」

マジシャン「……」

女侍「イヌはねぇ、アタイの……アタイ達の大事な仲間なんだよっ!」

キジ「そうさー。だから、最後くらいお頭の手で葬らせてやって欲しいさー」

東方司令「だけどな、相手はアンデッドだぞ?」

女侍「やってみなくちゃあ……分かんないだろ!」
272 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 23:39:37.67 ID:addoouTwo
 ダンッ!! グアァッ!!

女侍「……はぁ!!」

リッチ「甘いッ、甘いデスよおぉ!」

 ガキイイィィィィン!!

女侍「……っぐ」

リッチ「アタクシはねぇッ、アンデッドなの! そんな剣で倒せると……思ってるのかしらァ!」

 バキィッ!!……ズザザアアァァ

女侍「……っ」

東方司令「無理だ。幾ら名刀だろうが普通の刀じゃ攻撃は効かん」

バーテン「五行付加しかねぇな」

サル「待てよっ! んな事したらイヌの身体は……」

戦士父「……消滅する」

サル「――っ!!」

リッチ「ククッ、どうしましたァ? もう、打つ手なしデスかァ!」

東方司令「どけ、ボクがやる。この魔剣なら奴を……」
273 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 23:40:21.59 ID:addoouTwo
女侍「……なぁ。アンタのその刀、アタイに貸してくれよ」ザッ

東方司令「……何?」

女侍「その刀、魔剣なんだろう? それならアンデッドを倒せなくてもさ……」

左翼長「引きずり出すってか?」

女剣士「姉上っ! あの刀は駄目だっ!」

東方司令「あの時、居たよな?」

女侍「分かってる。でもさ、その刀なら出来るんだろ?」

東方司令「……」

女侍「イヌの身体を傷つけず、消滅させず、魔物を引き剥がす事をさぁ」

東方司令「魔剣に触れれば、その身は呪われる」

女侍「年を取らないんだろ? いいじゃないか、この身体が永遠に続くなんてさぁ」

女剣士「姉上っ!!」

女侍「もったいないじゃと思わないかい? こーんなナイスバディー」

東方司令「……本気で言ってるのか?」

女侍「本気に決まってんだろっ!! 遊びでやってんじゃあないんだよ!!」
274 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 23:41:08.09 ID:addoouTwo
東方司令「……」

女侍「キジは片腕を失った! イヌは……命を失った」

女剣士「あ、姉上……っ」

女侍「アタイが失うものなんて、それに比べたら安いモンだろうが!」

サル「お……前……っ」

東方司令「覚悟は分かった。だがその意味は本当に理解してるんだな?」

女侍「……一生背負う覚悟ってとこかねぇ」

マジシャン「男らしいじゃねぇか。男より男らしいよネーチャン」

師匠「いいぜ、やってやりなよ。その代わりしくじったら、そん時は俺らが面倒みてやるよ」

騎士長「だとよ、北方司令」

左翼長「……軍人じゃねぇんだし、勝手にしろよ」

東方司令「いいよ、そこまで覚悟があるんなら……好きにするがいい」

 ポイッ

女剣士「姉上……っ!!」

女侍「ありがとう、恩に着るよ」パシィッ!!
275 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 23:41:56.28 ID:addoouTwo
リッチ「……な、何ですッ?」

女侍「……」

 オオオオォォォォ

女侍「特に、変化は感じられないねぇ」

東方司令「鞘に収めているうちは平気だよ。抜刀したら……呪われる」

女侍「へぇ。それじゃあ好都合だね」

 ザッザッザッ…・・・スウッ

リッチ「たった1人で……何をしようと……」

女侍「見せてあげるよ、世界最高と自負する剣術をさぁ」

女剣士「……っ」

女侍「剣聖流……裏奥義」

 チャキッ

師匠「ほぉ、抜刀術か」

リッチ「たった……1人でエエェェェェ――」

女侍「……隼」
276 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 23:42:36.75 ID:addoouTwo
 ドンッ!!

戦士父「神速の抜刀……っ!!」

女侍「ええああぁぁぁぁーっ!!」

リッチ「……クゥーッ!!」

 バッシュウウウウゥゥゥゥ!!

左翼長「空振りっ!」

女剣士「いや……っ、これでいいんだ」

マジシャン「!?」

 ズザザアアァァァァ!! ギュルッ!!

騎士長「背後で急停止からの……反転っ!?」

師匠「そっから更に……」

東方司令「次の一撃っ!」

女剣士「抜刀の初撃で相手を硬直させ、背後から反転による……」

 ザッシュウウウウゥゥゥゥッ!!

リッチ「……突……きィ!?」
277 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 23:43:26.35 ID:addoouTwo
 ズググッ……ズズッ

リッチ「……だ、だがァ……こんなモノ」

女侍「――!?」

東方司令「魔剣の呪いがくるぞ」

 ドクンッ!!

女侍「がは……ぁ!!」ビクビクッ

リッチ「な、何だァ!? 身体が吸われ――」

 ズルゥ……

女侍(何だこれは……っ!! 全身の血が逆流するような感覚――)

 ブシュッ……ガクンッ

女剣士「姉上ぇ!!」

女侍「来るなあぁ!!」

女剣士「……っ」

女侍「まだ……っ、闘いは終わってない……!」ガクンッ

キジ「お頭……っ」
278 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/26(日) 23:44:16.17 ID:addoouTwo
リッチ「グ……ウガアアァァーッ!!」

 ズルゥッ……ズズズズッ

リッチ「カッ、身体がァ……溶けるウウゥゥ……ッ!!」

マジシャン「今、五行を撃てば完全に倒せる」

師匠「野暮な真似はよせっつーの。約束しただろうがよ」

 ググググッ

リッチ「オアアアアァァァァーッ!!」ドチャッ!!

バーテン「どうせ日が出てるんだ。長くは持つまい」

リッチ「アアアアァァァァ――」

 バチュンッ!! ウウゥゥゥゥ……

騎士長「消え……た?」

左翼長「倒したのか!? いや、そうは思えんな……」

戦士父「治療が先だ! 誰か回復出来る奴はいないのか!?」

騎士長「ここには居ないっ。北関まで退くしかあるまいっ!」

女侍「奴は…。…奴……っ」ドサッ
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/27(月) 00:50:03.02 ID:Z0OKECvfo
相変わらずドS乙
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山梨県) [sage]:2012/02/27(月) 01:01:23.68 ID:F+kpdZOTo
なんだと
281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/27(月) 01:01:56.38 ID:fuLq1mCLo
たまに寝落ちなんだろうなと思う
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/02/27(月) 01:17:52.43 ID:AHfsuwOQo
とりあえず乙
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/27(月) 01:38:33.15 ID:r4CBPGRx0
>>1 おつ
リッチしぶといな…
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/27(月) 01:45:29.33 ID:4uTc7QOAO
>>1おつ

リッチはオブリビオンとスカイリムでお世話になったな。うざいったりゃありゃしない
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/27(月) 01:50:26.22 ID:lTSa8+xSO
おつおつ!

おっさん達の戦い慣れっぷりと初代隊長の冷静な判断が何とも言えないおつ
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/27(月) 07:08:58.56 ID:7gTMgMHIO
乙加齢臭
287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/27(月) 08:20:17.75 ID:QyQeFU0Io
>>1

いつの間に乗っ取られてたんだ
イヌ残念だな
288 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:17:13.77 ID:6TFWAR1ro
……――

イヌ『お頭……お頭……』

女侍「……?」

イヌ『起きるね、お頭』

女侍「イヌ……アンタは……」

イヌ『気にする必要はないね。お頭に会わなければ、とっくに野垂れ死んでたね』

女侍「……っ」

イヌ『孤児だった俺に、家族が出来たね。それだけで幸せだったね』

女侍「何……言ってんだよ……バカっ」

イヌ『やっぱり悪党は正義の味方なんて気取っちゃダメね。罰が当たったね』

女侍「そうかもしれないね……こんな事になるならハナっから……」

イヌ『でもいいね。最後の最後に、胸張って死ねるね』

女侍「イ……ヌ……」

イヌ『それじゃ、先に行くね。バイバイ……お頭』

女侍「ちょいと待ってくれよっ! なぁっ、イヌ――」
289 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:17:41.76 ID:6TFWAR1ro
――……

女侍「……あ」パチッ

女剣士「姉上っ!!」

女侍「……ここは?」モゾッ

〜北関〜

衛生兵「大丈夫か!? 止血はしたが他に怪我や具合の悪いところはないか?」

女侍「……すまないねぇ。世話になって情けない限りだよ」

女剣士「まだ……寝ていた方が……」

女侍「構やしないよ。別に傷を負ったわけじゃあないんだ」ノソッ

女剣士「でもっ、呪い……って」

女侍「……ん? 他の連中はどうしたんだい?」

 ザッザッザッ

南方魔道長「先に北へ向かったよ。なんせ急ぎの輸送なもんでな」

将軍「君達はここで休むと良い。敵は追い払ったし、急ぐ必要もなかろう」

女侍「……っ」
290 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:18:22.39 ID:6TFWAR1ro
〜北の森〜

 ポツポツポツッ サアアァァァァ……

召喚士「また、降ってきましたね」

占い師「そうねぇ。しかも結構、強いみたいで嫌だわね……」

盗賊「……むっ!?」

魔道士「どうしましたか?」

戦士「おい……っ、あれって……」

 ザッザッザッ

天才「間違いねぇ、魔王城だ」

召喚士「あれが魔王城……っ!!」

天才「っつっても、まだ頭が見えただけだけどな」

戦士「でも、この森を抜けた先に……あるんだよな」

天才「もう1時間も歩けば着く距離だろ。感じねぇか? 威圧をよぉ。ハーッハッハ!」

盗賊「……確かに……まとわりつくような不気味な感じだ」

召喚士「……っ」
291 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:19:04.44 ID:6TFWAR1ro
〜川中島〜

青年兵「……出陣!!」

 ザザッ バッ!!

青龍士官「竜騎士隊っ、前へ!」

竜騎士兵「おぉーっ!」バシュッ

白虎長「フェンリル隊! 乗獣!」

白虎嬢「ベヒーモス、宜しくね」

ベヒーモス「ガウッ!」

朱雀嬢「私達も行きますわよ!」

玄武娘「はいですの! って、飛べませんし乗れませんの!」

アマゾネス「あとでゆっくり来れば良い。焦っても仕方ないさ」

玄武娘「うぅーっ」

おさげ「準備オッケー!」

大軍師「では先行、宜しくお願い致します」

青年兵「はいっ。……行くぞ!!」バシュウウゥゥゥゥ
292 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:19:34.23 ID:6TFWAR1ro
 ドドドドドドオオォォォォ

騎士長「おっ、あれは……」

戦士父「召喚獣。かなりの数だな」

左翼長「ヤベーな。始まっちまったかこりゃあ……」

バーテン「本隊じゃねぇだろ。音も静かなもんだし、本戦はこれからだな」

マジシャン「間一髪か。それじゃあ行こうかねぇ……ハッハ!」

師匠「おーう。肩慣らしは済んでるし、連中に合流してくるわ。ガハハッ!」バシュッ

騎士長「アイツら……勝手に……」

左翼長「国軍でもワーカーでもねぇんだ。抑止出来ん。そもそも出来ねー奴らだけどな」

バーテン「あの2人は泳がせておいた方が頼りになる。放っておけ」

 ガラガラガラッ……ドドオオォォォォ

局長「これが一夜城ってやつか? 背面がないじゃないか。あれで守りきれるのか?」

工兵「あんなもの飾りです。敵の居る正面だけ出来ていれば、実戦には何ら影響はありません」

局長「まぁ、それはそうだがな」

鍛冶娘「あっ」
293 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:20:40.05 ID:6TFWAR1ro
 ザッザッザッ

大軍師「ご苦労様です。お待ちしておりました」

局長「ひとまず完成した分を運んできた。製造は現在も北関で行っている」

鍛冶娘「武具や兵器も含め、順次、輸送予定でありますっ!」

大軍師「かしこまりました」

 ザワザワザワッ

大軍師「……ん?」

国軍兵「な、なぁ……あれって……」

北方兵「お、お前も気付いたか? やっぱ……そうだよな……っ」

戦士父「ん? 何だ?」

南方参謀「ちょっとちょっと! 初代特遊が揃ってるじゃないの……っ!!」

南方副司令「そりゃあ兵らもざわめきだすわなぁ」

西方参謀「今いる連中からすりゃ、尊敬っつーか崇拝してた奴らだもんな」

バーテン「ああ、そういう事か」

左翼長「おらおら、見せモンじゃねーぞ! 任務に戻れ!」
294 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:21:14.49 ID:6TFWAR1ro
騎士長「騎士団長がいてこの規律の乱れ。あとで灸をすえてやるとしようか」

騎士団「……騎士長様……その」

騎士長「何だ?」



騎士長「……」

騎士団「騎士団長様は最後まで、見事な働きぶりでありました……っ!」

騎士長「死んだ……のか? 騎士団長が……」

大軍師「我らが不甲斐ないばかりに、貴重な人材を失いました」

騎士長「……騎士団長はなぁ、昔っから真っ直ぐな奴で……上官として誇りだった」

左翼長「……」

騎士長「いずれは素晴らしい指揮官になるだろうと、ずっと思っていたものだよ」

騎士団「……う、うぅ」

騎士長「それが現実となり、とても嬉しかったよ……だが、情けないなぁ……」

戦士父「……お前のせいではないさ」

騎士長「俺は……っ、生きると言う事を教えてやれなかった……っ!」
295 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:21:53.04 ID:6TFWAR1ro


皇太子「諸君、それではこれより……魔王城攻略を目的とし、進軍を始める!」

 オオオオォォォォ!!

皇太子「この戦いこそ文字通り、総力戦になる事は諸君も明白であろう!」

 オオオオォォォォ!!

皇太子「ここに居る者は軍を越え、国を越え、そして種族を越え、集まった仲間だ」

 オオオオォォォォ!!

皇太子「いや、ここに居る者だけではない。まだまだ続々とこの地へ集まっている」

 オオオオォォォォ!!

皇太子「長年に渡り住む地を、この身を、命を、魔王に虐げられてきた」

 オオオオォォォォ!!

皇太子「今度こそ、魔王を倒し、必ずや自由を勝ち取るのだ!」

 オオオオォォォォ!!

皇太子「……進めぇ!! 出陣っ!!」

 オオオオォォォォ!!
296 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:22:32.65 ID:6TFWAR1ro


ジュニア「さぁ、行くぜ! ハッハ!」

魔法剣士「俺達が道案内になる。慎重に進むぞ」

眼鏡「そうだね」

賢者「……ふぅ」

 中央を進む4人の。その後ろをぞろぞろと、ワーカーが連なり、国軍の多数も続く。

 左には西方司令部。右には南方司令部の面々が脇を固める形で布陣し、

 中軸には皇太子率いる騎士団、本国兵らが規律正しく足並みを揃える。

 中軸の左右を固めるのは西国の兵と東方の兵。

王子「……」パッカパッカパッカ

帝「……ご気分は大丈夫か?」

王子「気分? ええ、何か……具合が悪そうに見えますか?」

帝「いや、そういうわけではないのだが……」

王子「ああ、西国兵長の事ですか。お気遣いなく。これは戦なのですから」

帝「……うん」
297 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:23:02.15 ID:6TFWAR1ro
王子「帝殿はお優しいのですね」

帝「……!?」

王子「才色兼備とはまさに貴女の事であるなぁ」

帝「そんな事は……」

王子「しかし、これは差別で言うわけではないが、貴女は女性であられる」

帝「分かっておる。腕力や体力は男子のものとは違うし、それに敵の手に落ちれば……」

王子「……ですから、いざと言う時は私を頼って欲しい」

帝「……相分かった。そうさせて貰う」

王子「命がけで守る事こそ男の務め。西国兵長が命を賭けて教えてくれた」

帝「……」

王子「勝ちましょう。本国だけではなく、我らの国の存亡にもかかっているのですから」

帝「うむ。今なお苦しんでいる人々を救う為にも」

王子「魔王を倒し平和になったら、一度、東方へ行ってみたいものです」

帝「ふふっ。世界は繋がったのだ。いつでも歓迎するぞ。そして、私も西国を訪ねるとしよう」

王子「是非にも。東方や本国にも負けぬ料理や娯楽で御持て成し致そうぞ」
298 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:23:30.97 ID:6TFWAR1ro


 パ゚ッカパッカパッカ……

エリート「大軍師、士気はどうだ?」

大軍師「陛下の演説で大いに昂っております。それに……」チラリ

左翼長「いいかぁ? 援護射撃はタイミングが重要っ、1人も乱れる事なく連携を――」

騎士長「私の赤母衣を目印に戦えば良い。無理して出る必要はないぞ」

国軍兵「は、はいっ!」

大軍師「初代特遊の面々が揃ってくれた事は大きいですねぇ」

エリート「確かにな。あの2人まで参戦してくれるとは……」チラリ

弓兵「ご、ご一緒に戦えるとは……夢のようですっ!」

バーテン「いいから前だけを見ていろ。いつ戦闘が始まってもおかしくねぇんだぞ」

本国兵「私の父は国軍の歩兵でして、一番槍のお噂は常に聞かされておりました!」

戦士父「……そうか」

大軍師「流石に疲労も目立ってきたかと思いましたが、何とか持ちそうですね」

エリート「今後の展開は?」
299 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:24:04.82 ID:6TFWAR1ro
大軍師「まず、この雨が厄介ですね」

エリート「どうせ雨天時の作戦も想定済みなのだろう?」

大軍師「まぁ、やるべき事は1つですからね」

エリート「ハヌマーン軍の密偵情報によれば、魔王軍の残りは30万程度」

大軍師「昨日、一昨日の工房で戦意を失った者もいるでしょうから実質、25万程度でしょうね」

エリート「かたやこちらの総力はかき集めて10万ほど」

大軍師「ふっふ。だいぶ差も埋まってきたではないですか」

エリート「君のそういうポジティブな発想は尊敬に値するよ」

大軍師「そうですか? 勝機の見える数字だと思いますよ?」

エリート「城攻めとは言え、包囲戦など利くような相手ではない」

大軍師「でしょうね。平地での戦いになるでしょう」

エリート「魔王城の手前でぶつかるか?」

大軍師「はい。その隙に精鋭を城内へ向かわせます」

エリート「……それしか方法はない、か」

大軍師「先程も申し上げたように、やるべき事は1つですから」
300 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:24:30.29 ID:6TFWAR1ro
〜北の森〜

魔道士「……っ」

盗賊「……」

戦士「……なぁ」

召喚士「……っ」

天才「着いたぜ。見ろ、魔王城だ」

占い師「気味悪いわね……っ」

天才「気味悪いなんて一言で済むテメーが羨ましいわ」

占い師「へっ?」

戦士「こ、こんなにもかよ……っ」

盗賊「胸が……押し潰されそうだ……」

魔道士「……気持ち悪いです」

召喚士「こ、こんな距離でこれ程とは。入城なんて出来るんですかね……っ」

天才「病は気から! 心が折れたらその時点で負けるぞ」

召喚士「はいっ。分かっています……!」
301 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:24:56.69 ID:6TFWAR1ro
〜魔王城、正面〜

 バシュウウゥゥゥゥ

青年兵「風が強まってきたな……っ」

ワイバーン「これは悪天候のせいだけではないぞ」

青年兵「え……っ?」

ワイバーン「あの城の内部からとてつもない力を感じる。何かしているはずだ」

青年兵「ま、まさかそんな……」

 ゴオオォォッ!! ブワッ!!

色黒「きゃああぁぁ!!」グラッ

 ガシイッ……ヒョイッ

色黒「……あ、ありがと」

師匠「気を付けろよ、ガハハッ!」

アマゾネス「色黒っ、大丈夫か?」

色黒「え、ええ。この人が助けてくれた……」

アマゾネス「……見ない顔だな。ワーカーか?」
302 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:25:29.40 ID:6TFWAR1ro
師匠「お前らこそ美女揃いで何モンだ?」

アマゾネス「ただの召喚士さ」

師匠「朱雀とは変わりモンだな。ガハハッ」

アマゾネス「あんたも朱雀だろ」

師匠「おうよ! 変わりモンだからなっ、ガハハハハ!」

 バッシュウウゥゥゥゥ……

おさげ「……はっや」

色黒「何者?」

アマゾネス「……何だろう、不思議な感じだ」

ポニテ「……?」

アマゾネス「あの男、初めて会ったのにそうでないような……不思議な感じ」

おさげ「長? 大丈夫?」

アマゾネス「あ、あぁ……。我らも続こう、行くぞ!」

色黒「おーう!」

 バッシュウウゥゥゥゥ……
303 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:26:00.44 ID:6TFWAR1ro
〜北の森、六道門・人〜

天才「ここは魔王城の背後にあたる。門はここだけだ」

魔道士「思ったより、小さいんですね」

戦士「盗賊、行けるか?」

盗賊「……ああ」グッグッ

天才「お前は城外で待機してろ」

占い師「こんな所で待てって言うの!?」

天才「どうせしばらくしたらこっちにも援軍がくる。そん時合流すりゃあいい」

占い師「……分かったわよっ」

召喚士「それで、どうやって開門するんですか?」

天才「そりゃ……力ずく。フルパワーで――」

 ゴオオォォォォン!! ギギギギギギイイィィィィ……

魔道士「……開きましたね」

天才「自ら開けるとは……余裕だってか……?」ピキピキッ

召喚士「お、落ち着いて下さいよっ!」
304 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:26:34.23 ID:6TFWAR1ro
天才「……あん?」

 スウウゥゥゥゥッ フワッ

魔道士「――っ!!」

戦士「……出やがったな、クソヤローが」チャキッ

召喚士「ネクロマンサー!!」

ネクロマンサー「ククッ、ようこそ……魔王城へ!」

天才「よう根暗ちゃん。最初の相手はテメーか?」ドズンッ

ネクロマンサー「まさか。私がいちいち相手すると思っているのですか?」

盗賊「貴様……っ」

ネクロマンサー「この六道門・人を抜けた先は……私のラボ。お相手は好きに選んで結構ですよ」

召喚士「ふざけるなよ……貴様ぁ!!」

ネクロマンサー「クククッ! まぁ良いでしょう。1人目は私が勝手に決めさせて頂きますよ」スッ

 ザッザッザッ

盗賊「何か……来るっ」

魔道士「……?」
305 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:27:02.33 ID:6TFWAR1ro


 ――ドクン

青年兵「このまま……突っ込む!!」
召喚士「だ、誰だ……?」

ワイバーン「突風が増して……これ以上はまずいぞ!!」
占い師「えっ? な、なに……? 女の子……?」

青年兵「な……っ!!」
召喚士「な……っ!!」

 ドッゴオオオオォォォォ!!

魔道士「きゃああぁぁ!!」

戦士「な、何だこの突風……いやっ、吹雪!?」

天才「魔王城からだな……くそっ」

盗賊「……召喚士?」

魔道士「え……っ?」

盗賊「召喚士が……消えた……っ」

戦士「消えた……って、どういう事だよ!」

盗賊「分からない……。つい今まで隣に居たのに……突然、消えた」
306 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/27(月) 18:27:33.77 ID:6TFWAR1ro
天才「それよりも前だ。来るぞ」

 ザッザッザッザッ

盗賊「――っ!!」

戦士「ふ……ざけんなよ……っ。冗談だろ!!」

占い師「やっぱり……女の子……」

魔道士「嘘……なんで、なん……で……」

 ザッザッザッ……ザッ

ネクロマンサー「さぁ、お相手してあげなさい。ククククッ!」

ウィッチ「はい」

魔道士「なんで……ウィッチちゃんが……」

ウィッチ「魔道士ちゃん」

魔道士「なんで……どうして……っ」

ウィッチ「魔道士ちゃん……魔道士ちゃん」

魔道士「いや……っ、いやああああぁぁぁぁ!!」

ネクロマンサー「クククッ、ハハハッ……アーッハッハッハッハ!!」
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/02/27(月) 18:28:22.95 ID:6TFWAR1ro
今日はここまでにて失礼します!
ご支援ありがとうでした!それではまた!ノシ
308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/27(月) 18:39:45.45 ID:c16a0IMIO
いちおつ

誰か>>305の解説を頼む
309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/27(月) 18:42:15.69 ID:yJbFNd4kP
座敷だろ
310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) :2012/02/27(月) 18:57:36.73 ID:HcPNK8fYo
魔道士ちゃんの土行怖い
311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/27(月) 18:59:48.95 ID:oHioXj82o
まさかとは思いますが、この「召喚師が消えた」とは、あなたの想像上の存在にすぎ ないのではないでしょうか。もしそうだとすれば、あなた自身が統合失 調症であることにほぼ間違いないと思います あるいは、「召喚師」消えておらず、すべてはあなたの妄想という可能性も読み 取れます。この場合も、あなた自身が統合失調症であることにほぼ間違 いないということになります いや、それは全くの的外れかもしれませんが
312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/27(月) 19:25:11.00 ID:89/TTaOAO
知らずに師匠親子対面か(´・ω・`)
マジシャン親子対面まだー?
313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/27(月) 19:57:36.91 ID:291yUqyDO
いちょつ

わんわんおぇ…と思ったら親子対面でウィッチたん出てきた
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/27(月) 20:01:24.50 ID:kx9AEYpa0
>>1 おつ
王子と帝がいい感じだな…
肝心なとこで召喚士飛ばされたか
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/27(月) 20:05:45.87 ID:AxWAnhE90
>>1

>>311懐かしいなこのコピペ
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/27(月) 22:05:50.09 ID:5cjDDJNJo
おつ
ベヒーモスかわいい
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/27(月) 22:19:48.98 ID:XmfCzBmeo
>>311
召喚師なんて奴は元からいない
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/28(火) 01:33:18.90 ID:qeBCNhSAO
>>1おつ
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 02:04:40.33 ID:VzV0as+DO
召喚師(♀)か
320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 06:08:27.45 ID:pQylmIlv0
>>1おつんつん

ウィッチちゃん・・・・・・
321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 08:14:33.35 ID:mn7cJ55IO
>>311
召喚師なんて奴は元からいない
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2012/02/28(火) 09:21:19.74 ID:qx6hLJk+o
>>1もSだが、お前らも召喚士に対してはSだなww
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 12:40:19.22 ID:Gy2PU28DO
>>297
もしも魔王を討伐して平和な世の中が訪れた時に、西国と東国が密接な関係を築く……ゆくゆくは統合してしまったらどうなるだろう?

その国力は本国に匹敵するまでとはいかなくとも相当な物になるだろう。
その時に王子の才能、性格を考えると戦争を起こしてしまう可能性は低くはないだろう。
また王子の代で戦争が起こらなかったとしても、ゆくゆく強大な国力はきっと火種の元になるであろう。

その火種を作らない為にも王子と帝がひっつくのを見過ごす訳にはいかない!!
諸君これは正義の行いである!王子と帝がひっつくのを全力で阻止するのだ!!
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/28(火) 12:44:25.17 ID:iNzgBtS7o
>>322
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 13:35:06.28 ID:mn7cJ55IO
>>323
>>323
>>323
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 13:38:05.15 ID:yE1pRj6DO
>>323
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 17:16:52.87 ID:9CC2dNGr0
>>323これにはさすがの>>1も苦笑い
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/02/28(火) 17:43:59.12 ID:g0QXuclAO
>>323
くっついたらなんで戦争の火種になるかkwsk
むしろ平和になるだけな希ガス

キャラクターへの思い入れがあるのは結構だが、暴走させたら殺人ストーカーと変わらんぞ

これだからもしもしは……wwww
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) :2012/02/28(火) 17:53:52.19 ID:esCgv7qVo
この臭い流れを断ち切れるのは>>1しかいない ↓
330 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/28(火) 17:55:30.75 ID:mOmktBKzo
 ボンッ!! シュウウゥゥゥゥ

召喚士「……へっ?」

 ゴアッ!! ビュオオオオォォォォ!!

召喚士「な、なんだこの吹……うわぁ!!」

 ガシッ!!

青年兵「召喚士さん!?」

召喚士「青年兵くん……? えぇ!?」

 バシュウウゥゥゥゥ

ワイバーン「何だ? 急に重くなったな……くっ」バシュッ

召喚士な、何で? 一体何が……あっ」

青年兵「ここは魔王城の正面ですっ! 今……進軍を……うわっ!」

ワイバーン「持たぬっ。一度……退くぞ!」

 バシュッ!! ゴオオオオォォォォ……

召喚士「……ん?」

青年兵「どうしましたっ!?」
331 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/28(火) 17:56:31.42 ID:mOmktBKzo
召喚士「いやっ、いま別の召喚獣が……グリフォン?」

青年兵「そうだ……っ、他のみんなは!?」ババッ

ワイバーン「悪いが限界だっ、着陸する!」

 バッシュウウウウゥゥゥゥ……ザザァ

召喚士「わっ!!」ゴロゴロゴロッ

青年兵「く……っ」ザザッ

召喚士「いってぇ……っ」

青年兵「召喚士さんっ、大丈夫ですか!?」

召喚士「う、うん……。しかし地上も猛吹雪か……」

青年兵「ついさっきまではこんな天気ではなかったんですけれど……」

召喚士「うん。俺らも北の森を抜けて魔王城の裏側……」

青年兵「……?」

召喚士「裏側に……居たのに……」

青年兵「すみません、おそらくは吹雪きの衝撃で……」

召喚士「……座敷か」
332 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/28(火) 17:57:12.62 ID:mOmktBKzo
 ビュオオオオォォォォ!!

召喚士「くっ!!」

青年兵「とにかくっ、吹雪を凌ぐ方法を考えましょう!」

召喚士「多分だけど、遠ざかれば吹雪は止んでいると思う」

青年兵「……?」

召喚士「以前、一度……同じような吹雪を体験した事があるんだ」

青年兵「……召喚士さんっ! あれを!」

召喚士「……!?」

青年兵「小屋があるっ! ひとまず、あの中に逃げ込みましょう!」

召喚士「うんっ!」ザザッ

 ザザザザッ……ザッザッ

青年兵「鍵は……ないな」ガチャッ

召喚士「……あれ?」

青年兵「召喚士さん、どうかし――」

召喚士「ここって……」
333 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/28(火) 17:57:56.09 ID:mOmktBKzo
青年兵「うわああぁぁっ!!」

――「きゃああぁぁぁぁ!!」

召喚士「へっ?」クルッ

 ドカッ!! ガシャン!!

召喚士「――っ!!」ポロッ……ドサッ

青年兵「す、すみません……朱雀嬢さんが居るとはっ、思いませんでして……!!」

朱雀嬢「い、今……着ますからっ、ちょっと待っててですわっ!!」アセアセッ

召喚士「……っつう……な、何が起き――」

青年兵「召喚士さんっ! ひとまず外に出ましょうっ!」バタンッ

召喚士「……?」

 ビュオオオオォォォォ!!

召喚士「やっぱりここ……そうだ」

青年兵「……?」

 カチャッ……ソローッ

朱雀嬢「……ど、どうぞ」
334 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/28(火) 17:59:10.75 ID:mOmktBKzo
〜魔王城、正面〜

 ビュオオオオォォォォ!!

南方兵「駄目ですっ! やはり近づけません!」

大軍師「……これは自然なものではありませんね」

槍侶「一体何が……どうなって……」

名代「大軍師殿っ、あれを見て下さい!」

大軍師「吹雪の境界がくっきりと出来ておりますね」

名代「つまり、あの境界より外へ後退すれば吹雪は……」

大軍師「伝令、今の内容は把握してますね?」

伝令「はっ。各隊に後退命令を発します!」ザザッ

名代「槍侶殿、東方軍も後退しますよ。指示を」

槍侶「はいっ!」

大軍師「やはり流石はベルゼブブ、易々とは攻めさせてくれませんねぇ」

国軍兵「後退ーっ、後退するぞーっ!」

大軍師「さて、道を切り拓くには……力ずく、ですかね」ヒラヒラ
335 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/28(火) 18:00:41.77 ID:mOmktBKzo
 ズザザアアァァ

青龍士官「……ちぃっ!」

竜騎士兵「隊長っ、ご無事で!」

青龍士官「他の者は!?」

竜騎士兵「分かりません……っ。突然の事でしたので、自分の身を守るのに精一杯で……」

 ビュオオオオォォォォ!!

青龍士官「くっ。急に天候が変わったというわけではなさそうだな」

竜騎士兵「これも、魔物の仕業でしょうか……?」

 ザッザッザッ

眼鏡「恐らく、そうだろうね」

青龍士官「確かワーカーの。そちらは無事か?」

眼鏡「多分ね。攻撃を受けたわけじゃないし、上空よりは被害も少ないはずだよ」

青龍士官「確かに。上空ではモロに突風を受けてしまい、皆、散り散りになってしまった」

眼鏡「こちらもさ。今、捜索をしている最中だから、僕らも少し後退しよう」テクテク

青龍士官「捜索している? あっ、おい……!」ザッザッザッ
336 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/28(火) 18:01:23.57 ID:mOmktBKzo
 ビュオオオオォォォォ……ゴアァッ!!

ジュニア「ハッハ! 魔道士ナメんじゃねぇっての!」

賢者「間一髪だったね……ふぅ」

ジュニア「だが、凌げたのは俺らだけか……んおっ?」

 ヒュルルルル……ズシャアァ

おさげ「いったいなぁ〜もうっ!!」

色黒「い、一体なんなのよ……っ」スリスリ

ジュニア「おぉ、空から女が降って来たぞ! 俺、ここに住もうかな……ハッハ!」

賢者「先行していた召喚士だろう……ふぅ」

ジュニア「分かってるっつーの……ノリ悪い奴だなおい。おっと、それより先に……」ザッ

色黒「ひっ!? だ、誰……っ!?」

ジュニア「味方だ味方っ。人間だよほれっ、こっち来い!」

おさげ「よ、良かった〜。味方みたいだわね」

色黒「助かったぁ〜」

賢者「……これ以上進むのは無理だね……ふぅ」
337 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/28(火) 18:02:17.23 ID:mOmktBKzo
 ビュオオオオォォォォ!!

ポニテ「さーむーいー!!」

ツインテ「ふにゃああぁぁ!! しぬううぅぅーっ!!」

 ザッザッザッ

魔法剣士「……人の声がしたと思ったが、気のせいではなかったか」

ポニテ「た、助かったぁ!」

ツインテ「命の恩人だにゃあ! ハロー! カモーン!」

魔法剣士「それだけ元気なら、怪我はなさそうだな」

ポニテ「召喚獣がクッションになってくれたからっ。それよりも寒い〜!」

ツインテ「このままじゃ、凍死しちゃうよぉ!」ブルブル

魔法剣士「騒ぐな。さっさと行くぞ」ザッザッ

ポニテ「待ってぇ〜!」

ツインテ「にゃああぁぁー!」

 タッタッタッ

魔法剣士「……はぁ」
338 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/28(火) 18:02:48.92 ID:mOmktBKzo
 ビュオオオオォォォォ!!

師匠「……っとぉ!」ズダッ

グリフォン「危なかったな」

師匠「急に吹雪きやがった。近づくと自動発動するタイプか……?」

 ドオオォォォォ

師匠「……何か聞こえたな」

グリフォン「ああ。この向こうだな」クイッ

 ザッザッザッ

師匠「……おやおや。息はあるな、間に合って良かったぜ」

アマゾネス「……」

師匠「グリちゃんよ、この子連れて先に戻っててくれや」

グリフォン「貴様はどうする?」

師匠「他にもまだ転がってるのがいるかもしんねぇ。探してくるわ」ザッ

グリフォン「ミイラ取りがミイラになるなよ?」

師匠「ガハハッ! 冗談言うなよ、んなつまんねーヘマはしねぇって」
339 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/28(火) 18:03:38.77 ID:mOmktBKzo
 ビュオオオオォォォォ!!

召喚士「つまり、ここは俺が白虎のお爺さんと出会った小屋なんだよ」

朱雀嬢「……っ!」

青年兵「つまり、ここがクジャタの……」

召喚士「そうそう。ここでクジャタを……」

 ハッ!!

青年兵「そ、そうですよ……っ」

召喚士「クジャタ……クジャタじゃん!」

朱雀嬢「……?」

青年兵「行きましょう召喚士さんっ! あなたが居れば……っ!」

召喚士「うんっ! クジャタを使えばこの猛吹雪だって……!」ニカッ

朱雀嬢「……男同士で気持ち悪いですわね」

青年兵「そうと決まれば早速、他のみんなと合流しましょう!」

召喚士「うんっ! 吹雪で足止めを食らっている人も居るかもしれないしね!」

朱雀嬢「……よく……分からないですわ」
340 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/28(火) 18:04:06.30 ID:mOmktBKzo
ヒュウウウウゥゥゥゥ……

眼鏡「……抜けた」

青龍士官「やはりこちらはただの雨。風も弱い」

竜騎士兵「な、なんだか気持ち悪いっていうか、不思議な感覚ですね……」

青龍士官「ああ。直ぐ目の前は猛吹雪だと言うのに」

 パッカパッカパッカ……

皇太子「おぉっ、無事であったか!」

青龍士官「陛下っ!!」

エリート「他の者らは?」

竜騎士兵「わ、分かりませんっ。皆……散り散りになってしまって……」

眼鏡「捜索ももうじき、帰ってくる頃だと思うんだけど」

エリート「……?」

 タタッタタッタタッ……ザザッ

犬「ワンワンワンッ!」

眼鏡「何人か見つけたみたいだね。救援、出せるかい?」
341 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/28(火) 18:04:38.22 ID:mOmktBKzo


 パッカパッカパッカ……

騎士団「ワーカーを2人ほど見つけたぞぉー!」

犬「ワンワンッ!」

 パッカパッカパッカ

国軍兵「こっちも竜騎士隊の奴が1人だ」

青龍兵「た、助かった……」

大軍師「あとは大元帥殿にアマゾネスさんらですか」

 ザッザッザッ

帝「むっ? 誰か戻ってきたようだぞ」

ジュニア「やーっと着いたぁ」

おさげ「助かったぁ……!」

 ザッザッザッ

ポニテ「あっ、おさげに色黒っ! 大丈夫だった!?」

魔法剣士「そっちも無事か」
342 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/28(火) 18:05:06.23 ID:mOmktBKzo
賢者「……とりあえずはね。ふぅ」

色黒「あれ? 長は……?」

ツインテ「こおちは見てないよぉ?」

名代「まさか……まだ、中に……」

 ドドッドドッドドッ……

白虎長「もうっ、いつまで続くのよこの雪は!」

白虎兵「白虎先生っ! 見て下さいあれ!」

王子「フェンリル隊も戻ってきたぞ」

大軍師「……おや?」

グリフォン「……」バサァッ

白虎長「このグリフォンは誰のー? 途中で合流したけど、一言も話してくれなくて……」

アマゾネス「……ん」ノソッ

色黒「長ーっ!!」

アマゾネス「あ、あれ……ここ……は?」

グリフォン「……」
343 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/28(火) 18:05:36.70 ID:mOmktBKzo
アマゾネス「グリフォン……? 誰のだ? おさげ、お前か?」

おさげ「違うよぉ」

アマゾネス「一体誰の……わっ」

 バサッ!! バシュウウゥゥゥゥ……

ポニテ「行っちゃった……」

 タッタッタッタッタッ

召喚士「あっ、みんないるみたいだ!」

青年兵「良かった。立て直しているみたいだ……っ」

朱雀嬢「助かったですわね」

青龍士官「青年兵に……朱雀先生も無事でしたか! 良かった!」

エリート「……いやいや待て。何故、召喚士がここにいる……!!」

皇太子「そういえば……」

 ザワッ

召喚士「ちちっ、違いますよ! 偽者じゃないですからね!?」

青年兵「間違いなく本人ですからっ! 僕もですよっ!?」
344 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/28(火) 18:06:33.20 ID:mOmktBKzo


名代「つまり、召喚士殿が青年兵殿に預けていた座敷童子の能力がそれなのです」

皇太子「便利なものだな」

青年兵「本当に申し訳ありません。僕がもっと注意していれば……」

召喚士「いや、気にしないで。魔道士さん達も気にはなるけど……」

青年兵「……」

召喚士「今必要なのは、クジャタの力だ。きっとその為に呼ばれたんだろうね」

大軍師「ふふっ。実に助かります」

青年兵「……それでは、行きましょうか」

召喚士「うん」

エリート「道を開けよ。召喚士を護衛しろ」

剣士「召喚士くん、頑張って!」

槍侶「召喚士殿……」

皇太子「さぁ、しっかりな」バシッ!!

召喚士「……はいっ!!」
345 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/28(火) 18:09:36.92 ID:mOmktBKzo


騎士団「朱雀先生の両脇に……整列ーっ!!」

 ガシャガシャガシャッ!! ザザッ

召喚士「……あ、あの……これはちょっと」

皇太子「良いではないか。優雅に行こう」

大軍師「賛成ですね。相手への牽制にもなりますでしょうし」

エリート「それもそうだな。この吹雪の壁を破れば……待つのは壮絶な戦いのみ」

王子「ここまで来たらどうせだ、楽しく行こうか。ははっ!」

帝「良いと思うぞ。辛かろうが、笑えば元気も出てくると言うものだ」

名代「左様。どうせです、派手に優雅に行きましょう」

槍侶「良いですねっ! 元気にっ、笑顔で!」ニカッ

青年兵「ええ。胸を張って……行きましょう!」

召喚士「……よし、それでは」

 ザッ

召喚士「行けっ、クジャタ!!」
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/02/28(火) 18:11:38.29 ID:mOmktBKzo
ここまででございまする
本日もご支援、まことにありがとうございました!
それでは失礼致します!また寒くなったので風邪には気を付けてね!ノシ
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2012/02/28(火) 18:14:19.11 ID:qx6hLJk+o
>>1乙
まじでええええ!!
いい所だったのに・・・
嫁が毎日読んでる俺を見て、よく飽きないねぇって・・・
ビンタくれてやりましたよ
脳内で・・・
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/28(火) 18:16:47.19 ID:8hX9fRFL0

なんというドS
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) :2012/02/28(火) 18:27:36.15 ID:JwyiXEMU0
>>1
仕事が始まる前に見るのが日課になってる
興は仕事おわりだが
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 18:45:40.75 ID:VzV0as+DO
クジャタマジ主人公
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 18:48:37.76 ID:8nk6jEgC0

ドSに磨きがかかってるな・・・。
352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/02/28(火) 19:12:38.72 ID:uolFlIcpo
>>1

関東圏は明日は雪らしいな
おのれベルゼブブ・・・
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 19:59:21.79 ID:lVthLrWDO
ベニスと師匠の再会はとっておきか

このドSめ!
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/28(火) 20:19:17.90 ID:3PQXPG/+0
いちおつ
10万人もの範囲を晴れさせるのか…相当魔翌力消費しそうだな
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/28(火) 20:44:41.50 ID:I6gGHa2eo
次スレからスレタイは
召喚士「行けっ、クジャタ!!」 
に変わるのか
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 20:54:11.82 ID:mn7cJ55IO
明日はベルゼバブが来るのか…
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sagesaga]:2012/02/28(火) 21:35:37.99 ID:mdFkpjfMo
今日の終わり方はなんだか
「召喚士達の戦いはこれからだ!
>>1先生の次回作にご期待下さい!」
って感じだな
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(宮城県) [sage]:2012/02/29(水) 00:39:16.56 ID:nn5daBaAo
359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/02/29(水) 01:40:05.11 ID:26oScGDAO
>>1おつ
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/29(水) 05:01:44.24 ID:q1ICMYyDO
いちょつ
ネクロマンサーさんマジ空気
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/29(水) 05:47:31.71 ID:rnHDVmAD0
>>1おつんつん
ドS過ぎてもうry
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/29(水) 08:27:40.07 ID:zFea9VvTo
>>1

因縁の対決だったのに青年兵め・・・
座敷暴発?させやがって!!
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2012/02/29(水) 11:58:43.06 ID:B2RZcS6AO
小屋って吹き飛んでなかったっけ?
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/29(水) 13:01:45.19 ID:+Z2KU+wdo
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297002187/157
吹き飛んでるな
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/29(水) 13:05:22.76 ID:Lj0JAWg7o
       ._>>364_
     /_ノ  ヽ、_\
    /( ─)/)(─)\
  /::::::⌒///)⌒::::: \
  |   /,.=゙''"/      |  こまけぇことだが気になるお ‥‥
  \. i f ,.r='"-‐'つ   /
  / i    _,.-‐'~    \
    i   ,二ニ⊃
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/29(水) 13:58:05.30 ID:ejOzkW++o
吹き飛んだのは宿泊所で、小屋は無事だったと解釈すればなんとか。
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/02/29(水) 14:11:45.59 ID:Kj6fVCGn0
小屋なんかまた生えてくらぁ
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/29(水) 14:14:56.09 ID:Y7+0gwrAo
小屋「残像だ」
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/29(水) 15:02:37.16 ID:3MJ0n5nDO
>>367
なんかワロタ
すごく悔しい
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/29(水) 17:33:36.15 ID:9BQhdh0IO
別の小屋か
もしくは
小屋も吹雪も幻覚か
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/29(水) 17:39:29.55 ID:zd/mLiH3o
いつからそこに小屋があると錯覚していた?
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/29(水) 18:11:22.34 ID:vdxua9c8o
ドンッ
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/29(水) 18:14:29.05 ID:ZnH2UK3IO
(小屋は)13kmや
374 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/29(水) 18:59:18.48 ID:q4d8BZZ4o
 道は開かれる。正面に1人立つ若い召喚士の男。

 彼の前に現れた巨大な黒牛。白虎召喚獣クジャタ。

 その姿は今までのどの召喚よりも大きく、まるで山のように立ちはだかっていた。

 クジャタは声にこそ出さないが思う。この地は心地が良い、と。

 容赦なく吹き付ける吹雪の中にその足を踏み入れてゆくと、

 クジャタはその猛吹雪を徐々に徐々に、弱まらせていった。

 力ずくではない。クジャタの周囲からまるで中和するかのように、風が止み、

 クジャタを中心にそれが広がっていく。吹雪が収まっていく。

 やがて、遠方より何やら懐かしい、心地良い人間の匂いをクジャタは感じ取る。

 ああ、あの匂いが心地良いのだ。あの人間の匂いが心地良いのだ、と。

 吹雪が雨に変わる。そしてその雨もまた、クジャタの力で天候を変える。

 雨は大気中で停止し、瞬時に魔王城へと意思を持つかのように吹き飛んだ。

 魔王城側からも抵抗するかのように、吹雪が止まる事なく吹き続ける。

 ぶつかりあう風、雪、雨。牡牛の召喚獣は懸命に力を振るう。

 その力の根源は背後に立つ若い召喚士の男……。
375 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/29(水) 18:59:47.49 ID:q4d8BZZ4o
召喚士「くっ、ああああぁぁぁぁーっ!!」

 ゴウッ!! ドッドオオオオォォォォ!!

召喚士「な……んてっ、力だ……っ!!」

クジャタ「…………」

 ドドンッ!! ゴッゴオオオオォォォォ!!

召喚士「で……っりゃああああぁぁぁぁ!!」ドウンッ!!

青年兵「召喚士さんっ!」

王子「頑張ってくれ……召喚士さんっ」

召喚士「う……ううぅぅ……ああぁぁぁぁ!!」

 ドォンッ!! ゴッゴオオオオォォォォ!!

召喚士「!?」

ジュニア「ハッハ! 足しになるか分からんが……援護すんぜぇ!」

召喚士「ジュニアさん……っ」

 ゴウッ!! ドッドオオオオォォォォ!!

青年兵「ワイバーン! もっとだ、もっと突風を!」
376 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/29(水) 19:00:59.83 ID:q4d8BZZ4o
青龍士官「竜騎士隊っ、追い風を送り込めぇ!」

召喚士「青年兵くん、青龍士官さん……っ」

 ドドオオォォォォ!! ゴアッ!!

名代「天狗……援護するのだ!」

幼女「私もっ、援護します!」

召喚士「名代さん、幼女ちゃん……」

 ゴアァッ!! ドッドオオオオォォォォ!!

西方魔道長「さぁ、あとひと踏ん張りだ! 頑張りなっ!」

大軍師「我らに出来る事は、ここまでですっ」

召喚士「みんなの力……確かに受け取りましたっ」ザッ

クジャタ「ブ……オオオオォォォォーッ!!」

召喚士「いっけええぇぇぇぇ!!」

左翼長「こっ、こいつはすげぇ……っ!」

帝「神風とでも言うべきか……」

剣士「召喚士くんっ! いけるよ!」
377 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/29(水) 19:01:29.82 ID:q4d8BZZ4o
 ドッゴアアアアァァァァ!!

皇太子「開いたぞ!!」

エリート「おぉ……っ!」

 バッシュウウウウゥゥゥゥン……

召喚士「や……った」ヨロッ

青年兵「と……突撃ぃ!」

 ワアアアアァァァァ!!

僧兵長「むっ、妖どもも来おったぞ!」

旗本「一番槍は頂き――」

 ザッ

旗本「!?」

 ザシュッ!! ズザァ

戦士父「悪いな。一番槍は譲れんのだ」

騎士長「騎馬隊、騎士団っ! 左右に展開し、魔王軍を押さえ込めぇ!」

バーテン「30秒後に援護射撃、終了後は魔道兵の背後まで後退しろ」
378 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/29(水) 19:02:02.95 ID:q4d8BZZ4o
工兵「は、はいぃ!!」ガション

左翼長「おいおい、ご隠居どもに先手取られて、恥ずかしくないのか?」

騎士団「と、突撃いいぃぃ!!」

 ドドオオオオォォォォ

大軍師「ふふふ。効果は絶大ですねぇ」

皇太子「初代特遊だけではない。東方に西国、士気旺盛だな」

エリート「本国が不甲斐なくさえ見える。恥ずかしくないのか!」

北方兵「ま、負けてられるかぁ!!」

弓兵「撃て撃て撃てええぇぇ!!」バシュシュシュッ!!

 タッタッタッ……

青年兵「召喚士さんっ!」

召喚士「だ、大丈夫……だと思う……っ」

青年兵「僕の肩に」

召喚士「あ、ありがとう」

青年兵「さぁ、共に行きましょう!」
379 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/29(水) 19:02:33.96 ID:q4d8BZZ4o
〜六道門・人〜

盗賊「吹雪が……止んだ……」

天才「来んぞ。構えろ」

魔道士「う、うぅ……っ」

 ザッザッザッ……

魔道士「はっ、はっ、は……っ。うぅ……」

ウィッチ「魔道士……ちゃん」

魔道士「違……う! あなたはウイィッチちゃんなんかじゃ……」

ウィッチ「魔道士ちゃん……魔道士ちゃん……」ザッザッザッ

魔道士「あなたは――」

天才「本物だろ。偽者だとでも思ってんのか?」

占い師「ち、ちょっと……っ」

天才「相手を見ろよ。お前だって知ってんだろ、あれ」

ネクロマンサー「クククッ! さぁっ、ショーの始まりですッ!」

ウィッチ「魔道士ちゃん……私……苦しかった」
380 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/29(水) 19:03:33.36 ID:q4d8BZZ4o
 キュイイィィィィ……ドドオオオオォォォォン!!

盗賊「っ!!」ババッ

戦士「ちぃ……っ!」ズザァ

天才「待て」

戦士「あんだよっ!」

天才「このまま、魔道士にやらせろ」

戦士「はぁ!?」

天才「魔道士ぃ!!」

魔道士「!?」

天才「てめぇだって分かってんだろうがっ!」

盗賊「……」

天才「そいつはなぁ、もう死んでんだよ。人間じゃねぇ」

魔道士「ウィッチちゃんは……」

天才「死んだって言ってんだよ! いい加減に認めろ! 受け入れろ!」

魔道士「でもっ、ウィッチちゃんは――」
381 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/29(水) 19:04:30.71 ID:q4d8BZZ4o
天才「甘ったれてんじゃねぇぞ!!」

魔道士「……っ」

天才「そこらの造作もねぇ魔物は殺せて、人間の姿をした魔物は殺せねぇってか?」

占い師「……」

天才「あー分かった。じゃあ勝手にお友達に殺されてろや」ザッ

魔道士「!?」

戦士「お、おい……っ」

天才「まさかここまで甘チャンだとは思わなかったわ」ザッザッ

占い師「ど、どこ行くのよ?」

天才「お前ら2人はそこの行き遅れを護衛してろ」

占い師「んなっ!」

天才「俺様はネクロちゃんと戯れてやるとするわ」

ネクロマンサー「ククッ、私の相手を? 貴方が?」

天才「……ふーっ」コキッコキッ

ネクロマンサー「笑わせてくれますねぇ。不死の私に――」
382 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/29(水) 19:05:02.42 ID:q4d8BZZ4o
 ドンッ!! ズッガアアアアァァァァン!!

ネクロマンサー「ゴ……ッフウゥ……!!」ギュルッ

天才「うっりゃああぁぁぁぁ!!」ドッゴオオオオォォォォン!!

 ガサガサガサガサッ ズドドオオォォォォ……

天才「やっべ、吹きっ飛ばしすぎたか」

戦士「おいっ」

天才「ヤローは俺様が引きつける。そっちは何とかしろよ」

盗賊「な、なんとかって……」

天才「アンデッドにこれ以上増えられたら厄介だ。さっさと始末しろって言ってんだよ」

盗賊「……始末」

天才「出来るだけ手は貸すなよ? どうしても仕方ねぇ時は、お前らが殺れ」

戦士「……」

天才「でないとアイツが後悔する。友人の手で葬ってやるのがせめてもの情けだ」シュバッ

戦士「……」

盗賊「戦士」
383 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/29(水) 19:05:27.02 ID:q4d8BZZ4o
戦士「分かってるよ。あいつの気持ちも……あいつの言ってる事も、両方分かってる」

盗賊「私は占い師さんに付いてる。戦士は……救ってやってくれ」

戦士「……ああ」

 ザッザッザッザッ

占い師「……大丈夫……なの?」

盗賊「ああ、大丈夫だ。戦士も魔道士も強いから」

 ドドオオオオォォォォン!! ズガガアアァァッ!!

魔道士「……っく!!」

ウィッチ「魔道士ちゃん、どうしたの?」

 ドドオオオオォォォォン!! ズガガガガッ!!

ウィッチ「一緒に……遊ぼうよぉ!!」

魔道士「ウィッチちゃん!!」

 ドッドオオオオォォォォン!! バチバチバチバチイイィィ!!

戦士「う……っお」ズザッ

盗賊「魔法がぶつかりあって……燻っているっ」
384 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/29(水) 19:06:01.86 ID:q4d8BZZ4o
魔道士「くっ、ううぅぅ……っ!!」ジジッ

ウィッチ「ねぇ、魔道士ちゃん、魔道士ちゃん。魔道士ちゃん!」

 ドゴアアァァァァッ!! ズザザアアァァァァ……

魔道士「う……っく」スクッ

戦士「魔道士、何やってんだ!」

魔道士「戦士さん……っ」

戦士「そいつは敵だっ! 手ぇ抜いてないで早く倒せ!」

魔道士「……手を抜くだなんて」

戦士「今のお前が、ウィッチに負けるわけねぇだろうが!」

魔道士「……っ」

戦士「意図的じゃねぇのかもしれねーけどなぁ、手ぇ抜いてるって事だろうがっ」

魔道士「私……」

戦士「……魔道士、お前が出来ねぇって言うなら……俺が代わる」ザッ

魔道士「戦士さん……!?」

戦士「但し、俺は魔法なんざ使えねぇ。こいつで斬り刻んで殺る以外にねぇぞ」ジャキッ
385 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/02/29(水) 19:10:05.31 ID:q4d8BZZ4o
魔道士「――っ!!」

戦士「ウィッチにゃ申し訳ねーけどな……っ」ザッザッ

ウィッチ「何よぉ、邪魔しないで……」

戦士「悪いな。俺もお前の事……助けてやれなかったって事だよな……」ザッザッ

ウィッチ「……戦士……さん?」

戦士「ああ。あの時、お前をドラゴンの巣から助けて、それで終わりのつもりだった」

ウィッチ「戦士さん……戦士さん……」

戦士「でも、お前の境遇を聞いて、余計な事しちまったんだよなぁ……」

ウィッチ「…………」

戦士「それが結果、こんな事になっちまったのかもしんねぇな……」ザッザッ

ウィッチ「……っ」ズキッ

戦士「ウィッチ、すまん。詫びはまた……あの世で――」

魔道士「私っ!!」

戦士「……」

魔道士「わ……私っ、が……相手します……っ」
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/02/29(水) 19:11:20.09 ID:q4d8BZZ4o
少なくってごめんなさいね。ちょっと忙しくなってきちゃったです
ひとまずここまでにて!今日も沢山のご支援ありがとうございました!

それでは失礼致します!ノシ

小屋?わ、忘れてないですけど?これからちゃんと形にしますけど?
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) :2012/02/29(水) 19:12:17.42 ID:I5S189xoo
>>386
神速の>>1乙チュッチュ
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/02/29(水) 19:23:11.50 ID:0CZyIjEU0
これからちゃんと形にしますけどワロタwwwww
まだ出来てねえって事はまじで残像か
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/29(水) 19:27:45.35 ID:9Ydg/sYyo

       /|
       |/__
       ヽ| l l│<ハーイ
       ┷┷┷

    A A パーン
   ⊂・・つ
   ( (_ω)
   ⊂彡☆====== /|
       __       |/
      ヽ| l l│
      ┷┷┷
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/29(水) 19:37:35.89 ID:Ivu2WtM8o
>>1

小屋がなければ、城を建てれば良いじゃない


その一言が一夜城プロジェクトの始まりだった…
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/29(水) 19:48:36.73 ID:/dpFbQk0o
>>390
風の中の昴〜
砂の中の銀河〜
392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/29(水) 20:21:51.00 ID:tgv3fknm0
>>1 おつ
家族にずっと虐待されて それで殺されて人形だもんなぁ
ウィッチには同情するわ……
393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/29(水) 20:48:46.41 ID:Q1OSJ0mDO
>>1

もう何をしようと召喚士が主人公の座に返り咲くことはない気がする
394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/29(水) 21:26:03.57 ID:HCEtbmSRo
ウィッチとなると、ドッペルが死ぬほど気になる

395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sagesaga]:2012/02/29(水) 21:29:20.69 ID:CZbQvaQko
>>391
ウィッチ「みんな何処へ行った
見送られる事もなく」
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/29(水) 21:32:13.02 ID:aJ5IwaCIo
戦士父がかっこよすぎる
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/01(木) 04:01:16.57 ID:1s0VdDgN0
>>1おつんつん

398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/01(木) 07:24:10.28 ID:gFOcqyFIO
ウィッチに自我がある、のか?
399 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/01(木) 18:07:28.09 ID:9PksXnEbo
〜魔王城、正面〜

旗本「かかれかかれぇ!」

帝「敵は横並びに展開しておるようだ。壁は厚くないぞ」

名代「城内へ突入するのは容易そうですね」

帝「うむ。だがやはり、数が多い。城外での交戦は長引きそうだ」

槍侶「あっ!!」

僧兵長「おぉ、彼らも無事であったか!」

 ドドオオォォォォ!!

南方司令「ライトニングジャスティスパアアァァァァンチ!!」ドッゴオオォォォォ!!

南方参謀「あっ! 他の連中も無事みたいよっ」

南方副司令「やはりさっきの吹雪は魔法か何かだったようだな」

東方参謀「おおぉぉりゃああぁぁ!!」ズギャッ

サイクロプス「ワハハハッ! 利かぬ利かぬウウゥゥ――」

 ザシュウウゥゥゥゥ!! スタッ

東方参謀「……!?」
400 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/01(木) 18:08:04.27 ID:9PksXnEbo
東方司令「何をやっているのだ。情けない」

東方参謀「誰のせいだと思っておる! 人任せにしおってプラプラと……」

東方司令「ボクだって好きであっちこっち行ってるわけじゃないっ!」

サイクロプス「ナ……ナメてんじゃねぇ!!」

 ザシュウウゥゥゥゥ!! バッゴオオォォォォン!!

東方参謀「ふん」

東方司令「ふんっ」ズザッ

東方参謀「……その剣はどうした?」

東方司令「新型だ。物資も届いてるぞ」

東方参謀「そうか」

東方司令「君も退いて、休憩するがいい」

東方参謀「ワシはまだ……」

東方司令「攻撃力が落ちてるではないか。無理をするな」

東方参謀「……」

東方司令「安心しろ。このツヴァイハンダーヤクトがあれば、ボク1人で……十分!」
401 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/01(木) 18:08:36.89 ID:9PksXnEbo
 タァンッ!! ザザザザザザッ……

東方参謀「……ふん、お言葉に甘えるとするか」

東方兵「司令に続けぇ!!」ドドッドドッ……

東方参謀「南方っ! 貴様らも退けい!」

南方副司令「あん?」

東方参謀「北関からの輸送が到着したようだ。武具の新調と食事えお摂るが良い」

南方司令「無用だな」

東方参謀「……そうか。ならば新型のナックルダスターはワシが貰い受けようぞ」

南方司令「……」

東方参謀「しかも今回の物は、武器という卑怯な物ではなくどちらかと言うと正義――」

南方司令「南方軍っ、後退!!」ダッ!!

南方参謀「えっ、後退!? こ、後退命令よっ!」

南方副司令「だいぶ疲労が見えてたからな。丁度いいっちゃ丁度いいか」

南方参謀「でも魔王軍は大丈夫かしら? ここを抜かれると南まで行かれるわよ?」

南方副司令「アンデッドもいねーし一夜城もある。問題はねーだろうよ」
402 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/01(木) 18:09:06.78 ID:9PksXnEbo
 ザッ

エリート「進めぇ!!」

皇太子「堂々とな。大義は我らにあり。胸を張って進むのだ」

大軍師「威風堂々たるや、魔王軍も躊躇しておりますよ」

王子「陛下に続け、我ら西国の勇姿も見せ付けてやれ」ザッ

西方参謀「楽隊がいねーのが寂しいところだけどなぁ……ヒック」

アマゾネス「楽隊か……」

大軍師「……?」

アマゾネス「行けっ、ワルキューレ!」

 シュイイィィィィン

ブリュンヒルデ「……演奏は……久々だな」

オルトリンデ「さぁーっ、はりきっていくわよ!」

 アマゾネスの召喚したワルキューレ達が、一斉に演奏を始めた。

 優雅で力強く、そして美しいそれはまるで、彼女らそのもののようである。

 上空から降り注ぐ戦乙女の曲に合わせ、一同は足場の悪い大地を力強く踏み進んで行った。
403 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/01(木) 18:09:33.70 ID:9PksXnEbo
〜魔王城〜

ベルゼブブ「……なかなか、素晴らしい曲ではないか」

詩人「ワルキューレの騎行、ですかね」

 〜♪

アスタロス「止めよ」

ベルゼブブ「良い良い。こやつは余に音を聞かせる為にここに居るのだからな」

詩人「……」

ベルゼブブ「ワルキューレの騎行か。大層な事だが、余には地獄の黙示録にしか感じ取れぬな」

アスタロス「……」

ベルゼブブ「ところでアスタロスよ、貴様の結界は破られたのか?」

アスタロス「……御意に」

ベルゼブブ「ハハハハッ。人間共、やるではないか」

アスタロス「我が主、心配は無用」

ベルゼブブ「心配? する必要があるのか?」

詩人「……」
404 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/01(木) 18:10:11.39 ID:9PksXnEbo
 〜♪

朱雀嬢「あれは、ワルキューレが奏でているのかしら……?」

 タッタッタッタッ

玄武娘「朱雀嬢ちゃーん!」

朱雀嬢「玄武娘、あなたも無事ですわね?」

玄武娘「はいですの! あれ、凄いですのー」

朱雀嬢「私にも出来るかしら……」

玄武娘「おぉ、朱雀嬢ちゃんもやってみるですの!」

朱雀嬢「……そうね」ザッ

 シュイイィィィィン

朱雀嬢「アマゾネスさん、私もお手伝いしますわよっ」

アマゾネス「ああ、是非」

 〜♪

西方参謀「よーしいいぞ! 歩兵どもは剣と盾を打ち鳴らせ〜ヒック!」

大軍師「……さて」
405 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/01(木) 18:10:42.96 ID:9PksXnEbo
 バサッ ジーッ

大軍師「…………」

本国兵「あ、あの……大軍師様?」

西方参謀「話かけん方がいいぞ。作戦会議中だからなぁ……ヒック」

本国兵「さ、作戦会議……?」

西方参謀「自分の頭ん中でな。何千通りもの計算をしてる最中だ」

本国兵「!?」

西方参謀「こいつはそういう奴だ。放っておけガハハッ……ヒック」

大軍師「どうも」

本国兵「し、しかも会話まで聞いて……」

 バサッ クルクルクルッ……トントン

大軍師「今のところ、問題はありませんね」

西方参謀「ほぉ」

大軍師「吹雪直後の前進で魔王軍は中央を取れず左右に展開を余儀なくされております」

西方参謀「中央突破ってか?」
406 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/01(木) 18:11:12.11 ID:9PksXnEbo
大軍師「何もなければ、ですがね」

西方参謀「挟撃されたら終わるぞ?」

大軍師「そこを防ぐのが、皆様のお仕事でしょう?」ヒラヒラ

西方参謀「へいへい。やりますよ、やりゃあいいんでしょうよ……ヒック」

大軍師「では、私は前線へ赴きます。お願い致しますね」

国軍兵「よーし、正面の道を閉ざすなぁ! 左右の魔王軍を押さえ込めぇ!」

 上空から見ると縦に伸びた劣悪にも感じ取れる陣形であったが、

 中央より魔王軍が迫っておらず、後方には一夜城を有する位置にあり、

 推定25万の魔王軍が左右に分かれ、およそ12万ずつ程度の隊が2つ。

 それを中央で交戦する10数万の兵。そこに大軍師の言う、問題ない点が含まれていた。

 数字上は倍の相手であるものの、実際の戦場では五分五分の戦いが出来るのである。

 片側が優位に立てば、余裕の出来た人員をもう一方の援護に回す事が出来るし、

 何より一夜城へと繋がっている事で、速やかな補給や移動が可能なのである。

 この形へ持ち込んだのは大軍師の意図かはたまた偶然か。それは本人にしか分からない。

 だが、この局面が魔王城突入までの活路を見出す事は容易に想像が出来るものであった。
407 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/01(木) 18:11:42.89 ID:9PksXnEbo


ジュニア「どけどけどけえぇ!」

 ドッドオオオオォォォォン!! ギキイイィィィィン!!

魔法剣士「はぁーっ!」ザシュッ!!

眼鏡「はっ」ズガシュウウゥゥ!!

ジュニア「……おっ?」

 タッタッタッ……ズザァ

召喚士「行けっ! コカトリス!!」
青年兵「出でよ、ワイバーン!!」

 シュイイィィィィン

ジュニア「ハッハ! アイツら、いいコンビだよなぁ」

賢者「かたや赤に身を包み、かたや青に身を包み……ふぅ」

大軍師「中身もですよ」ザッザッザッ

眼鏡「……?」

大軍師「召喚士殿は表向き冷静ですが、内に秘めたるは情熱的」

ジュニア「あー分かる。大人しそうに見えて結構、カッとなったり熱くなるもんな。ハッハ」
408 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/01(木) 18:12:11.65 ID:9PksXnEbo
大軍師「対して大元帥殿はいつでも明るく活発に見えますが、内には冷酷な面も垣間見えます」

魔法剣士「国軍のトップであるがゆえか」

大軍師「面白い2人ですよ。対称的ですが、だからこそ合うのでしょうね」

魔法剣士「火と水のような関係か」

大軍師「もっと複雑なものですよ。火と水が入れ替わったり、火と火であったり」

眼鏡「……」

大軍師「人間とは複雑で、面白いですよね?」

眼鏡「あ、ああ……そうだね」

大軍師「私は、あの2人の援護に回ります」

魔法剣士「こっちはこのまま……魔王城を目指す」チャキッ

大軍師「くれぐれもお気を付けて」

賢者「君もね……ふぅ」

大軍師「……貴方とは、この戦いが終わったらゆっくり語り合いたいものです。ふふっ」

眼鏡「そうだね。是非」

 両者が顔を合わせたのは、これが最後となった。
409 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/01(木) 18:13:06.49 ID:9PksXnEbo
 ズッドオオオオォォォォン!!

召喚士「……はぁ、はぁ」

青年兵「召喚士さんっ、大丈夫ですか!?」

召喚士「流石に少し……しんどくなってきたかな……っ」

青年兵「1度、退きましょうか」

召喚士「もうちょっとだ、今ここで退いてしまえば防衛線が乱れてしまう……」

青年兵「しかし……ん!?」

召喚士「……?」

青年兵「小屋だ……」

召喚士「小屋? あ、本当だ――」

青年兵「1つじゃない……そこにも……あっちにもある!」

召喚士「本当だ……っ。な、何でこんなに!?」

青年兵「魔物が寄り付いていない……? よし、あそこで待機しましょう!ダッ!!

召喚士「えっ!? あ……っ」グイッ

青年兵「召喚士さん、早く!」
410 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/01(木) 18:14:16.45 ID:9PksXnEbo
 ダダッ!! タッタッタッタッ

青年兵「……よし!」ガシィ

召喚士「……?」

青年兵「……」コンコン

召喚士「い、一応だね……」

青年兵「ええ……。さっきは想定外でしたから」

 カチャッ ソーッ

召喚士「大丈夫そうだね。無人だ」

青年兵「無人というか、無人になった……と言うべきですね」カラッ

召喚士「かなりの数だね。全部……人骨?」

青年兵「みたいです」

召喚士「……」

青年兵「……」

 ガチャッ

召喚士「わああぁぁ!!」
青年兵「――っ!!」
411 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/01(木) 18:14:47.34 ID:9PksXnEbo
大軍師「おや、お邪魔でしたかな?」

召喚士「だ、大軍師さんっ!?」

大軍師「どうやらここは、魔王城突入の拠点であったようですねぇ」

青年兵「やはり大軍師さんも、そうお考えで?」

大軍師「これほどまでに近い所で現存すると言う事は恐らく……」

 スタスタスタ……バリィッ!!

大軍師「やはり、芯は結界石ですね。結界石でコーティングされた小屋のようです」

召喚士「何でこんなものが……?」

大軍師「古の産物でしょうね。悲しいものです」

青年兵「……?」

大軍師「相当数の人骨です。恐らく、魔物の手から逃れる為にこの小屋へ逃げ込み……」

 テクテクテク……カラン

大軍師「結局は囲まれ、どうする事も出来ず餓死したのでしょうね」

青年兵「なるほど……だからこれだけの骨が小屋の中に……」

召喚士「白虎老人さんはクジャタの力で庭が、大地が持てた。だから食糧を作る事が出来たんだ」
412 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/01(木) 18:15:36.46 ID:9PksXnEbo
大軍師「同じような小屋でも、その差は大きかったわけですね」

召喚士「あれ? そういえばさっきの小屋……」

青年兵「朱雀嬢さんが……あ、いやっ! 僕らが逃げ込んだ小屋ですか?」

召喚士「畑がなかった。もしかして違う小屋だったのか……?」

大軍師「……どうやら、やはり古のもののようですよ」

青年兵「それは手記ですか?」

大軍師「ええ。随分と古い物ですが、かろうじて聖王時代の物だという事は分かりますね」

召喚士「すごい……」

大軍師「……ほうほう。読める、読めますね」

召喚士「な、なんて書いてあるんですか?」

大軍師「この小屋、魔王城討伐における決死の作戦であったようですね」

青年兵「……」

大軍師「もはや捨て身で、この小屋を建て、篭り、時に攻撃し、そして死んでいった」

召喚士「……っ」

大軍師「この手記は聖王直属の騎士団、ホーリーナイトの一員であった方のようですね」
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/03/01(木) 18:16:24.63 ID:9PksXnEbo
今日はここまでにて失礼を…連日あんま投下できなくてすみません
今日もご支援ありがとうございました!それではまた!ノシ
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/01(木) 18:21:24.04 ID:YmB09o3AO
>>1
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/03/01(木) 18:38:09.54 ID:qRqNxl5ao
ホーリーナイトってことは……!
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県) [sage]:2012/03/01(木) 18:39:47.31 ID:mEeuV4aA0
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/01(木) 19:34:55.97 ID:d2Q/yg/SO
凄い…小屋を作り上げてホーリーナイトに繋げるだなんて…いちおつ
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/01(木) 19:52:25.39 ID:uGfr5PRto
>>1

建った!建ったよ!!小屋が建った!!!
419 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/01(木) 20:14:05.12 ID:UP9gFuow0
いちおつ
詩人なぞだ…
420 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/01(木) 20:46:27.38 ID:T+CtGKfgo
大軍師さんがムスカすぎるwwwwww
>>1
421 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/01(木) 20:59:15.71 ID:gZ5eFpg3o
ツヴァイハンダーヤクルトに見えた
死にたい
422 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/01(木) 21:47:15.76 ID:uqoAW+CDO
さすがイナバ物小屋!
423 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/01(木) 22:37:15.84 ID:KuSpDWlDO
この>>1やりおる…
424 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/02(金) 02:00:53.33 ID:fouVsAqco
>>1の伏線回収能力は異常
425 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/02(金) 04:03:55.33 ID:ShQqwfMB0
>>1おつんつん

>>貴方とは、この戦いが終わったらゆっくり語り合いたいものです。ふふっ
死亡フラグうわあああああああ
426 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/02(金) 06:58:02.87 ID:qarxcURIO
眼鏡さんが、眼鏡さんがぁぁ…


聖王→聖夜→クリスマス
ホーリーナイト→サイレントナイト→クリスマス
つまり>>1はリア充と言いたいのだな
427 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/02(金) 07:01:18.98 ID:Po6O8HXAO
死ぬの眼鏡じゃなくて大軍師かも知れんよ(´・ω・`)
428 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) :2012/03/02(金) 08:59:01.93 ID:A8Xv+WS70
>>1
ついにケツアナルホルさんの出番か・・・
429 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/02(金) 10:42:40.32 ID:nEWTbbmDO
アナルさんはベルゼ戦で勝手に出てきてもう一回心臓抉られてくたばるネタキャラ
430 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/02(金) 14:11:06.72 ID:TFerWUHho
>>1
小屋生えまくっててワロタ
431 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/02(金) 15:31:29.88 ID:lqvMTJJ/0
>>大軍師「おや、お邪魔でしたかな?」
何言ってんだこいつwwwww
432 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:03:21.79 ID:Xb01xrPxo
召喚士「聖騎士団……」

青年兵「聖王が率いていた、直属の騎士団です」

大軍師「聖騎士団は活動時期がわずか数十年でありながら、聖王の逸話もあって
      古くから脚色された文献などが多く残り、今もなお人気がありますね」

召喚士「へぇ」

大軍師「とは申しても、煌びやかなイメージとは裏腹に、実際は真逆であったようですけれど」

青年兵「そうなんですか?」

大軍師「どの文献にも貴族のようなイメージで描かれておりますが、
      初めて編制された国王直属の護衛ですから。とにかく力のみを求めたようです」

召喚士「つまり……」

大軍師「ワーカーや果ては罪人でさえ取り立てていたようですからね」

召喚士「!?」

大軍師「彼らの仕事は王を守り、魔物と戦い、そして死ぬ事です。誰も異論はありませんよ」

青年兵「そうだったんですね……」

大軍師「手記の主である彼もまた、罪人であったようですよ」

召喚士「……」
433 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:04:33.26 ID:Xb01xrPxo
 ドクンッ

召喚士「……?」

大軍師「最初から狙っての事なのか分かりませんが、この者も聖騎士団として――」

召喚士(な……んだ、今の感じ……っ)

大軍師「聖騎士団として――罪を恥じ、何時の日か誇りを持って――」

青年兵「……召喚士さん?」

召喚士「えっ? あ、ああ……ごめん。何でもない」

青年兵「……?」

大軍師「ともかく、この人骨は補給戦も絶たれ、この小屋で餓死したようですね」

青年兵「なるほど。それが今もなおずっと、残っていた……と」

召喚士「白虎老人さん達も同じような策を用いて、挑んでたんだ……」

大軍師「数百年、いやもっとでしょうか。何度も挑戦し届かなかった、まさに難攻不落の城」

青年兵「それが魔王城……」

大軍師「まずは城内への突入を成し遂げる為、最初の難関が待ち受けています」

召喚士「それって……」
434 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:05:31.84 ID:Xb01xrPxo
大軍師「はい。六道門です」

召喚士「……っ」

大軍師「正面側には2つの門があります。まずはその開門を試みます」

召喚士「分かりました」

大軍師「朱雀先生は援護に回って下さい」

召喚士「え……っ?」

大軍師「天才殿から言われておりますので」

召喚士「ど、どうしてっ!?」

大軍師「貴方達には、次の戦いが待っているからです」

召喚士「……っ」

大軍師「ここで力を使い果たしてしまっては、元も子もありません」

召喚士「で、でも……」

大軍師「その為にこれだけの者らが集まったのです。任せて下さい」

召喚士「……」

大軍師「貴方もですよ、大元帥」
435 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:06:14.21 ID:Xb01xrPxo
青年兵「……分かりました」

召喚士「まずは、どの援護に回りますか?」

大軍師「そうですね。朱雀先生には援護すべき方々がいらっしゃるのではないですか?」

召喚士「……」

大軍師「不意に此方へきたのは巡りあわせかもしれません」

青年兵「ええ。お陰で猛吹雪を押さえ込む事が出来ました」

大軍師「しかし、本来援護すべき者らは、此処に居ないのではないしょうか?」

召喚士「……いいんですか?」

大軍師「ご覧下さい。此方にはこんなにも素晴らしき方々が揃っておられるのですから」

 ドドオオォォォォ

王子「もっと押すのだ! スフィンクスはどうしたっ!? 盾にならぬかっ!」

帝「西国を援護せよっ。長槍を前面に押し出し、妖を近づけるなっ!」

 ズドオオォォォォ

皇太子「南下はさせるなよっ、押した後は手際よく退くのだぞ!」

左翼長「さっきの吹雪を凌いだワーカーや前線が小屋に避難してる! 救助を優先しろぉ!」
436 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:06:42.13 ID:Xb01xrPxo
大軍師「連日の戦闘でどの隊も疲労は勿論、あります」

召喚士「……っ」

大軍師「しかし見ての通り、意思の疎通や連携も出来上がりつつあります」

青年兵「ええ、その通りです」

大軍師「ですからご心配なく。守るべき方々を守ってあげて下さい」

召喚士「……はい……っ」

大軍師「援護に特遊を派遣しておりますが、それでも数が少ないですねぇ」

召喚士「……?」

大軍師「手の空いている部隊を、共にお連れ頂けませんか?」

召喚士「分かりました」

大軍師「それでは、小屋から脱出すると致しましょうか」

青年兵「そうですね、と言いたいところですが……結構囲まれてますよ」

大軍師「おや、この程度の魔物は造作もないのでは?」

青年兵「……まぁ」

召喚士「そうと決まればモタモタしていられませんね」ザッ
437 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:07:11.03 ID:Xb01xrPxo
 ドバンッ!!

サイクロプス「やっぱりいやがったァ! コソコソ逃げ回りやが――」

召喚士「不意打ちでごめんよ!」ババッ

 ゴッゴオオオオォォォォ!! ピキッ……ピシピシッ

召喚士「次ぃ!!」

コカトリス「おおぉぉぉぉ!!」

青年兵「出でよ、アンフィスバエナ!!」

大軍師「流石ですね、ご両者っ!」ドッゴオオォォォォ!!

召喚士「大軍師さんこそっ!」

青年兵「このまま一気に駆け抜けますよ!」

大軍師「朱雀先生は無理せず、我らにお任せを」

召喚士「ありがとうございます……ん?」

青年兵「どうしました?」

召喚士「……コカトリス、どうか……した?」

コカトリス「……いや、何でもない。退くならば今のうちだぞ」
438 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:07:40.38 ID:Xb01xrPxo
〜別の小屋〜

師匠「あーしんど……」

 チラッ

師匠「吹雪止んだのはいいけど、今度は大量の魔物」

 ガチャッ

師匠「!?」

マジシャン「ハッハ! なーにビビってんだよ?」パタン

師匠「何だ、テメーか。何しにきやがった」

マジシャン「何しにってお前、単身、吹雪の中に突っ込んでった友人を助けにだな……」

師匠「へいへいそいつはありがとよ。俺はいいからそっちの連中助けてやってくれや」

ワーカー「う……ぐぐっ」

竜騎士兵「はぁ……はぁ……はぁ」

マジシャン「回復薬がいねぇってのは不便だ……っな、くそっ」

 ビリッ……シュルシュルッ

マジシャン「止血と添え木は気安めだ。痛みはしばらく我慢してくれや」
439 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:08:29.55 ID:Xb01xrPxo
師匠「さーてさて、どうすっかねぇ」

マジシャン「強行突破しかねぇだろ」

師匠「まぁそれはそうなんだが……怪我人はここに置いてくか?」

マジシャン「それしかねーだろ。流石に担いで行くのは無理だ」

師匠「だわな。幸い、この小屋は結界石で出来てるみてーだし」

マジシャン「魔物も囲んじゃいるが、攻めてこねーもんな……ハッハ」

師匠「下手に動かすより、小屋に寝かせておいて救助させた方がいい、か」

マジシャン「あんまり放っておいたらこうなっちまうけどな」カラッ

師匠「こりゃあ……避難所にしたはいいが、餓死したパターンだな」

マジシャン「ったく、無謀な作戦だよ。こんなんで魔王城陥とそうってんだからよ」

師匠「今ほど技術も魔法も武器も優れてなかったし、当時はこれが勇敢だったんだろうよ」

マジシャン「勇敢と無謀も時代の移り変わりで大きく変化するってか。悲しいねぇ」

師匠「ああ悲しいもんだよ、でもな、悲しいけどこれ……戦争なのよね」

マジシャン「しみったれた事ヌカしてねーで行くぞ!」

師匠「へいへい……ガハハッ!」
440 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:09:20.83 ID:Xb01xrPxo
マジシャン「せーの……っ!!」

 バンッ!!

マジシャン「――!?」

西方司令「デ ス ト ロ イ!! コロース!!」

 ヒュッ……ドゴッシャアアアアァァァァ!!

師匠「あっぶねぇな! 味方まで殺す気かぁ!」

西方司令「イエース!! 邪魔者は死あるのみ!! 死ねええええぇぇぇぇ!!」

マジシャン「イカれてやがるっ、離脱だ」

西方司令「ああぁぁぁぁのおおぉぉぉぉ世おおぉぉぉぉにいいぃぃぃぃ――」

南方司令「アルティメットジャスティスパアアァァンチ!!」

 ギュオッ!! ドゴッシャアアアアァァァァ!!

西方司令「邪魔すんじゃねぇぞコラアアァァァァ!!」

南方司令「ツヴァイハンダーを装備したからと言って、いい気になるなよ?」

西方司令「てめぇこそワケわかんねぇ武器握って図に乗ってんじゃねぇってか死ね!!」

南方司令「貴様ぁ、我が正義を愚弄するかぁ!」
441 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:10:00.05 ID:Xb01xrPxo


 タッタッタッタッ

剣士「召喚士くんっ、戦況は!?」

召喚士「俺らは大丈夫です! 前線はかなり混戦状態で……」

剣士「……よし、僕らも動くとしよう」

大軍師「いや、剣士殿らには朱雀先生と行動を共にして頂きたい」

弓使い「どういう事?」

召喚士「俺はこれから、魔王城の裏門へ救援に向かいます」

大軍師「宜しければ貴方達も、手を貸して頂きたいのです」

東方司令「いいよ。行こうじゃないか」

青年兵「よし、それでは準備を……」

大軍師「大元帥はこちらの指揮をお願い致します」

青年兵「しかし……」

召喚士「青年兵くん、俺らなら大丈夫」

青年兵「……確かにこちらの指揮官が消えるのはまずいですね。分かりました」
442 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:10:35.97 ID:Xb01xrPxo
 パッカパッカパッカ

剣士「大人数で向かっても逆に目立つな……」

召喚士「ええ。他の方の突入に合わせて、城壁沿いを一気に駆け抜けましょう」

弓使い「幼女、乗って!」

幼女「うんっ!」ザザッ

召喚士「では、行ってきます」

大軍師「魔王城内でお会いしましょう」

召喚士「はい。必ず!」

東方司令「はぁっ!」

 ドドッドドッドドッ……

博士「少人数で大丈夫なのら?」

大軍師「トップランカーが何人いらっしゃると思っておいでで?」

博士「……ま、それもそうなのら」

大軍師「さて、此方も引き続き、城攻めへと参りましょうかね」

青年兵「はい」
443 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:11:04.61 ID:Xb01xrPxo
 ドドッドドッドドッ

東方司令「どけええぇぇ!!」

コボルト「――ッ!?」ガシュッ!!

東方司令「やっぱりツヴァイハンダーは楽だな。騎乗したまま攻撃できるし」

召喚士「あ、そういえば……」

東方司令「ボクが盾になる。お前は後ろから付いて来い」

召喚士「あ、はいっ!」

東方司令「このまま城壁に張り付くぞ」

剣士「行けえぇ――」

 ズウウウウゥゥゥゥン

馬「ヒヒイイィィィィン!!」

 ズギャアッ!! ドシャアアァァァァッ

弓使い「剣士っ!!」

東方司令「止まれええぇぇ!!」

召喚士「くうっ!」
444 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:11:48.13 ID:Xb01xrPxo
 ガガガガッ……ドドオオォォ

召喚士「剣士さんっ!」バッ

剣士「ぐ……っくぅ」

東方司令「沼に近づくなっ! 何かいるぞ!」

召喚士「!?」

 ズググッ……ズズッ

 沼より姿を見せたのは、醜く恐ろしい姿をした巨人グレンデル。

グレンデル「……グフフウウゥゥ」

弓使い「お、大きい……っ」

グレンデル「ここから先にはァ、近づけさせるわけにはァいかぬ!!」

東方司令「問答無用!」タンッ!!

 ババババッ!! ガキイイィィィィン!!

東方司令「――っ!?」

グレンデル「不意を突いたァつもりか! 遅いッ、遅いぞォ!」

東方司令「ちいぃーっ」
445 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:12:17.91 ID:Xb01xrPxo
 バギャッ!! ズザザザザアアァァ

召喚士「東方司令さ――」

東方司令「魔物を追えぇ!!」

召喚士「!?」

東方司令「デカブツのくせに……早い!!」

幼女「後ろっ!」

グレンデル「グハハアアァァ!!」

東方司令「させるかぁ!!」ジャキッ

 バキイイィィィィン!! ゴロゴロゴロッ

東方司令「……ぺっ」

召喚士「上だぁ!!」

剣士「っ!!」

弓使い「剣士いいぃぃ!!」

グレンデル「ワハハハハ! ツマラン連中――」

剣士「…っ」
446 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:12:57.63 ID:Xb01xrPxo
 ォォォォオオオ……ゴシャッ!!

グレンデル「……?」

 剣士めがけ上空から襲いかかったグレンデルは、脇にある森の中から射出された、

 巨大な結界石の矢に貫かれ、そのまま魔王城の城壁へと突き刺さった。

グレンデル「……ブ……ランブ……ラ……」ガクッ

召喚士「な、何が……どこから……」

幼女「あれっ! 助けに来てくれたんだっ!」

召喚士「……あっ」

 ドガガッ ドドオオォォォォ

召喚士「バーテン……さん! 皆さんも……っ!」

バーテン「ほれ、任務なんだろ? 早く行け」

戦士父「立てるか?」

剣士「ありがとうございます……っ」

左翼長「馬が潰されたか。おい、オメーの馬貸してやれよ」

騎士長「……仕方ないな。気に入ったところだったんだが」スクッ
447 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:13:47.03 ID:Xb01xrPxo
 パッカパッカパッカ

剣士「……え……っ?」

弓使い「う、嘘……っ」

幼女「赤兎? 赤兎だぁっ!」ニパァッ

召喚士「赤兎は……スグリーヴァ様の城で確か……」

騎士長「コイツは南方司令部が北関へ連れてきた軍馬に混ざってたんだ」

赤兎「……ブルルウウゥゥ」

騎士長「その馬なのかどうかは知らんが、剣士くんだったか、君に縁があるようだ」

剣士「……?」

左翼長「今もコイツが急に駆けだしてな。行き着いた先がココだったってワケさ」

バーテン「きっとお前らの危機を察知して、駆け出したんだろうよ」

剣士「赤兎……っ」

赤兎「……」パッカパッカ

剣士「……本当に……いいんですか?」

騎士長「ああ。どうせ城に張り付くまでの道を作るのが俺達の仕事。お役ゴメンだしな」
448 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:14:47.78 ID:Xb01xrPxo
剣士「……分かりました。ありがたくお預かり致します!」ザッ

赤兎「ブルルウウゥゥ……ッ」

剣士「馬体といい……この乗り心地といい、赤兎としか思えない」ポンポンッ

東方司令「先を、急ぐぞ」スクッ

召喚士「大丈夫ですか?」

東方司令「直撃は受けていない。気にするな」ザッ

左翼長「そんじゃ、しっかりな」

召喚士「はいっ!」

騎士長「あ、そうそう。お前――」

バーテン「野暮な事はすんなって」

騎士長「……そうだな。余計なお世話か」

召喚士「……?」

バーテン「気にすんな。無事に帰ってくりゃ分かるよ」

召喚士「はいっ、行ってきます!」

剣士「さぁ行こう……赤兎!」ドンッ!!
449 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:15:30.87 ID:Xb01xrPxo


西方司令「消えろぉ! この世から! あの世から! 現在過去未来からああぁぁ!!」

南方司令「唸る正義の拳ぃ! 轟く正義の剛脚ぅ!」ズッバアアァァァァン!!

西方参謀「うるせえったらありゃしねぇ……ヒック」

西方副司令「でも、あの2人のお陰で魔王軍はまともに連携も取れてないわよっ」

青龍士官「続けぇーっ!!」

竜騎士兵「おおぉぉぉぉ!!」

 バッシュウウゥゥゥゥン!!

白虎長「壁は……あと1枚よぉ!!」

王子「押し込めっ、セクメト!!」

セクメト「グオオオオォォォォン!!」

白虎嬢「ベヒーモス!!」

アマゾネス「行けぇっ! ワルキューレ!」

名代「もう……一息ですよぉ!」

帝「はああぁぁーっ!!」
450 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:16:20.34 ID:Xb01xrPxo
 ドッガアアアアァァァァ!!

槍侶「破った……っ!」

僧兵長「いやっ、まだだ!」

 ドッズウウゥゥゥゥン!!

グレンデル「グハハアアァァ!!」グワッ

名代「上様ぁ!!」

帝「――っ!!」

 ドガッシュウウゥゥゥゥ!!

グレンデル「……ちっ」

 ポタッ……ポタポタポタッ

上様「……っ」

旗本「……ぐ……ぐぶっ」ドシャッ

名代「上様を守れぇ!」

王子「……ちっ」

グレンデル「こ……んのやらああぁぁぁぁ!!」グワァッ
451 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:16:54.27 ID:Xb01xrPxo
 バッゴオオオオォォォォン!!

グレンデル「ゴハアアァァーッ!!」

僧兵長「今のうちに旗本殿をっ!」

グレンデル「な……何者ダァ!?」

名代「あれは……っ」

リヴァイアサン「……コオオオオォォォォ」

 タッタッタッタッ

玄武娘「させませんのっ!」

朱雀嬢「お立ちなさい魔物っ。いえ、立たせてあげますわっ!」ビシッ

ハーピー「そーれっ!」

 ドガガガガガガッ!!

グレンデル「ゴウッ、オウッ、ウガァ……ッ! ゴフッ!」

朱雀嬢「さぁ玄武娘、とどめを――」

玄武娘「ふえぇ……魔力切れですのぉ〜」ヨロヨロ

朱雀嬢「――っ!?」
452 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:17:44.70 ID:Xb01xrPxo
王子「セクメト!」

 ガカアアァァァァッ!! ズッガアアアアァァァァン!!

グレンデル「――――」ドシャッ

王子「……大丈夫か?」スッ

帝「すまぬ……っ」グイッ

朱雀嬢「貴女は肝心なところで何をやっているのかしらっ!」ガミガミ

玄武娘「ごめんなさいですの〜びえぇ〜!」

名代「旗本殿……っ、旗本殿!!」

旗本「……上様……は?」

名代「ご無事だ。此処に居られるぞ」

帝「旗本……っ」ギュッ

旗本「ご無事で……何よ……り――」

帝「旗本っ、旗本!!」

名代「武士道に殉ずる、見事なる働きでありましたぞ……っ」

帝「……馬鹿者っ、馬鹿者め……っ」ポロポロポロッ
453 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:27:26.09 ID:Xb01xrPxo
王子「帝殿。気を落とされるな……と言っても、難しいかもしれぬが」

帝「……っ」

王子「私も西国兵長を失った。心中はお察しする」

帝「……」

王子「しかし今は戦の最中。弔うのは後だ」

帝「……お主は……強いな」

王子「痩せ我慢しているだけさ。男だからね」

帝「……」ゴシゴシ

王子「さぁ手を。共に行こう、魔王城も目前だ」

僧兵長「妖の壁は突破した。あとは門とやらを破戒するだけよ!」

東方参謀「そうカ簡単ではないぞ? 全員でしっかり、連携を取って挑む」

白虎長「ええ。壁は破ったと言っても左右は囲まれてるわけだしね」

青龍士官「上空からの援護は我らに任せてくれ」

東方参謀「あとは連中が……しっかし張り付いてくれれば良いだけだな」

帝「……」
454 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/02(金) 18:37:22.64 ID:Xb01xrPxo
 ドッゴオオオオォォォォン!!

西方司令「うおらああああぁぁぁぁ!! 死ね死ね死ね死ね死ね死ねええぇぇ!!」

グレンデル「クソウゼェ!! こんのヤロウ!!」

西方司令「ギャーッハッハッハ!! 利かねぇ利か――」

 ビュオンッ!! ガキイイィィィィン……スポンッ

西方司令「ぎゃああぁぁぁぁ!! 死んだーっ!!」

グレンデル「バカが! 武器を失ってパニクってやがらァ!」グオッ

 バッギョオオオオォォォォン!!

グレンデル「ゴハアアァァーッ!!」ドシャッ

南方司令「立てっ!」

 グイッ

西方司令「ひいいいいぃぃぃぃっ!!」

南方司令「私だっ!」

西方司令「えっ!? あぁ、ひいいぃぃぃぃ!!」

南方司令「さぁ、道は切り拓いたぞ!」
455 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/02(金) 18:38:27.13 ID:Xb01xrPxo
ひとまずここまでにて…またあとで来られたら来まする!
ご支援ありがとうございました!それでは失礼致します!ノシ
456 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/02(金) 18:44:52.53 ID:9fdE5TRDO
おつんぽ!!
457 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2012/03/02(金) 18:45:19.05 ID:5IgyHyJM0
>>1おつ
458 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/02(金) 18:59:04.11 ID:zAc81YsJo
上様「……っ」

俺「……っ!?」

>>1乙!
459 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/02(金) 19:25:50.43 ID:Wv1IOXmBo
さぁ手を、じゃねーよおおぉぉぉぉぉぉ
460 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/02(金) 19:40:03.36 ID:ivODv3Loo
>>1おつ

旗本の武士道をダシに使った王子は絶対に許さない…!
461 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/02(金) 20:10:42.28 ID:96iUZ04AO
悲しいけどこれ……戦争なのよね

フラグ立ててる方がいますなww
462 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/02(金) 23:30:57.52 ID:Siz3IAAbo
463 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/03(土) 02:39:11.03 ID:Z/B+pI8m0
>>1 おつ
464 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) :2012/03/03(土) 07:40:21.52 ID:RXgyaBKAO
>>1
師匠と再開楽しみすぎてやばい
465 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/03(土) 08:27:36.82 ID:tA6reMzAO
毎度>>1乙んつん 無理せず頑張って連載続けてくだサンシャイン!
466 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/03(土) 09:12:01.58 ID:KuRe7mpq0
>>1おつんつん

召喚士が一瞬だけかっこ良く見えた
467 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/03(土) 11:55:31.17 ID:haMs7UmSO
雑談の新スレ(´・ω・`)
http://ex14.vip2ch.com/test/mread.cgi/news4ssnip/1329994650/l20#foot
468 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/03(土) 20:18:04.00 ID:5KD3J+xVo
>>1
今日久しぶりにvipで>>1に似たSS書く人見たんだが、もうvipには書いたりしないのか?
469 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/03(土) 23:20:14.92 ID:Mfvu9EPIo
そんな歳でもなくなったんだろ
470 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/04(日) 00:27:04.96 ID:GYCna65DO
>>469
歳は関係なくね
471 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/04(日) 01:15:49.70 ID:mSnf2PZdo
VIPはもう中学生ぐらいしか使わないだろ

年齢にあった行動をするある程度の常識人でさえあれば
それなりに自分の頭も成長しているだろうし
VIPでスレ立てなんてほぼしないでしょ
472 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) :2012/03/04(日) 01:19:15.13 ID:K0w5qDS2o
つまり>>1は中学生のときスレ立てて今高校生ってわけか
473 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/04(日) 02:11:28.10 ID:PwBAD18go
わああああい!!
JKだ!JKだ!
474 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/04(日) 02:27:20.94 ID:jp45b/RTo
だがスレを立てなくとも、乗っ取るくらいの事はするぜ
475 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/04(日) 02:31:31.61 ID:ZCWcEcy2o
バレたか…いや嘘です。JKがこんなもん書くかーい!
vipは会社から繋げず、家はいつもいつも規制で…もうほとんど見てもイナイヨ
てかこれ毎日書きながら他の書くのは遅筆には無理無理でごわす!↓続き
476 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/04(日) 02:33:02.04 ID:ZCWcEcy2o
 ザッ

賢者「道が……開いたね。ふぅ」

ジュニア「ハッハ。そんじゃ行こうかね」

魔法剣士「ああ」チャキッ

眼鏡「このチャンス、無駄には出来ないね」

ジュニア「……さて、行くか」

魔法剣士「行こう」ザッザッ

眼鏡「……」

賢者「……」ピクッ

眼鏡「どうかしたかい?」

賢者「……何だろう、とても不愉快な感覚だ……ふぅ」

ジュニア「あ?」

眼鏡「さぁ見えてきたよ。あれが六道門・地獄だ」

魔法剣士「あの門の向こうに……」

眼鏡「そう。魔王ベルゼブブは居る」
477 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/04(日) 02:33:57.84 ID:ZCWcEcy2o
 ザッザッザッザッ

ジュニア「さぁて、どうやってこの門を開けるんだ?」

魔法剣士「力ずくだろう」

賢者「まぁ、それしかないだろうね……ふぅ」

 ザッザッ

眼鏡「いいよ、まず僕が行ってみよう」

魔法剣士「眼鏡……?」

眼鏡「うまくいけば、開けられるかもしれない」

ジュニア「……ど、どういう事だ?」

 ゾクッ

賢者「……やはり……不快感はここからだ。ふぅ」

 ザッザッザッ……ピタッ

眼鏡「……居る」

魔法剣士「……?」

眼鏡「地獄の門番。この門の番犬さ――」
478 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/04(日) 02:34:30.52 ID:ZCWcEcy2o
 それは一瞬の出来事であった。眼鏡が言葉を終える直前、

 六道門・地獄は開けられた。いや、内部より勝手に開いたと言うべきか。

 開門と同時に発せられた閃光は、バハムートやベヒーモスのそれらに匹敵し、

 門の前に立つ4人はその閃光を正面から一手に受ける事と相成った。

 ドッゴオオオオォォォォン!! ドドオオオオォォォォ……

ジュニア「な……んだぁ!?」

賢者「……結界……間に合ったね。ふぅ」

――「2匹は自ら結界を張って、攻撃を防いだか」ズシャッ

魔法剣士「眼……鏡?」

眼鏡「ああ、大丈夫。大した怪我じゃない」ツツーッ……ポタッ

魔法剣士「俺を庇って……」

眼鏡「それよりも来るよ。地獄門の主」

――「こっちの2匹もほぼ無傷。これは歯ごたえのありそうな奴らだ」

魔法剣士「あ……いつは!!」

眼鏡「そう。六道門・地獄の主……オルトロス」
479 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/04(日) 02:35:07.16 ID:ZCWcEcy2o
 ドドオオオオォォォォ……

ハヌマーン「攻城に入ったようだな」

猿兵「こちらも掛かりましょうか」

ハヌマーン「うむ」

 ザッ

ハヌマーン「ここが、六道門・畜生か」

ラクシャーサ「ご大層な名前だが、魔物の気配も何もねーし、楽に突破出来そうだな」

ハヌマーン「油断するな。何があるか分からぬぞ」

ラクシャーサ「この数ならどんなのがいようと大した事ぁねぇ!」

オーク「あっ」

ラクシャーサ「一気に突破してやらぁ!!」

 ザザザザザザッ

ハヌマーン「!?」

 ドッゴオオオオォォォォン!!

ラクシャーサ「な――っ!!」
480 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/04(日) 02:35:44.61 ID:ZCWcEcy2o
 ズシャアアアアァァァァ

ラクシャーサ「ご……ふぅ!」ゴシャッ

猿兵「馬鹿者めが……っ」ジャッ

ハヌマーン「動くなっ! 白煙の奥に居るぞ!」

オーク「……っ」

――「……グッフウウゥゥ」ズシャッ

オーク「あ……あ……ぁ」

――「コソコソとかき乱しておる連中が居ると思えば、貴様らかぁ!」

ハヌマーン(……強い)

猿兵「何者だっ!」

――「我が名はオルクス。魔王様に選ばれし眷族の一人よ!」

猿兵「オ……オルクス……!!」

オーク「あぁっ! あなたは……!!」

――「あぁん?」

オーク「キ……キング!!」
481 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/04(日) 02:36:21.59 ID:ZCWcEcy2o
キング「……貴様は一族の者か?」

ハヌマーン「知っているのか?」

オーク「オークキング……ッ。オラ達……オークの王様です」

ハヌマーン「――!!」

キング「まさか我が一族に裏切り者が存在するとはな……ッ」

 ジャッ

キング「魔王様へ恥をかかせるとは……死罪に値スルゾオオォォ!!」

 ゴアッ!! ドッグオオオオォォォォン!!

猿兵「がはああぁぁーっ!!」ズシャッ

オーク「くううぅぅ……っ」

ハヌマーン「槌の一撃で……これ程とは……っ」

キング「ヴァーッハッハッハ!! 裏切り者どもには死、あるのみイイィィ!!」

ハヌマーン「そう易々と何度も……させるかぁ!」

 ギュオッ!! ズオオォォォォ!!

キング「アッマアアァァァァイ!!」
482 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/04(日) 02:36:48.28 ID:ZCWcEcy2o
 グオンッ……ズッガアアァァァァ!!

ハヌマーン「ぐぬ……っ!」

猿兵「ハヌマーン様の如意を軽々と弾くとは……っ!」

オーク「ハヌマーン様!」ダッ

キング「一族の落ちこぼれガアアァァァァ!!」

 ガッギイイイイィィィィン!!

オーク「……ぐ……ううぅぅ」

キング「落ちこぼれの分際で……生意気なアアァァ!!」

 バッギャアアァァァァッ!! ズシャアアァァ……

ハヌマーン「オ……オーク」

オーク「うぅ……っ」ググッ

 ガシッ

オーク「あぐ……っ」

キング「情けない。腑抜けが。さっさと死ねい!」

オーク「……っ」
483 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/04(日) 02:37:15.91 ID:ZCWcEcy2o
 バキッ!! ドゴォッ!! ドガガガガッ!!

キング「そうらッ、そうらッ、そうらッ!!」

オーク「う……うっぐ……」

ハヌマーン「それ以上、させぬわぁ!!」ババッ

キング「ヴァーッハッハッハッハッハ!!」

ハヌマーン「うおおぉぉぉぉ!!」

キング「魔族の裏切り者めがッ! 恥さらしめがアアァァ!!」

ハヌマーン「ただ魔王に従いっ、陵辱、強奪、虐殺する事だけが魔族ではない!」

キング「吠えるなァ! ニンゲンでも気取る気かァ!」

 ボキィッ!! ドッゴオオォォォォン!!

ハヌマーン「が、がはぁ……っ!」ドシャッ

オーク「ハヌマーン様ぁ!!」

キング「所詮この程度よ。カス、カス、ゴミ! ヴァーッハッハッハ!」

 ザザッ

猿兵「ハヌマーン様を助けよ!」
484 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/04(日) 02:38:07.86 ID:ZCWcEcy2o
キング「何匹来ようがァ、変わらん事オオォォ!」バギャアアァァ!!

猿兵「ま、まだまだぁ!」

キング「猿程度がオルクス様に傷など負わせられるものかアアァァ!!」

 ドグッシャアアァァァァ!!

猿兵「……ご、はぁ」ドシャッ

キング「……フンッ」グシャッ

オーク「み……みん……な……」

キング「ヴァーッハッハッハッハ! 非力ッ、無力ッ! 何なのだコイツらは!」

オーク「もう……やめて下さい……っ」

キング「あぁ?」

オーク「みんなを……殺さないで……」

キング「何をぬかすか。これは裏切り者への罰だ! 死罪だ!」

オーク「う……うぅ……」

キング「貴様らに選択権など……ないのだアアァァ!!」ゴシャッ!!

オーク「――ッ!!」
485 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/04(日) 02:38:41.47 ID:ZCWcEcy2o
キング「……ヴァーッハッハッハッハ」

 ポイッ ドシャッ……

猿兵「――――」

キング「あれだけいた猿も、もうお前1匹だな」

ハヌマーン「……っ」ヨロッ

オーク「ハヌマーン様っ、に……逃げ……て」

キング「誰が逃がすか」ガシッ

ハヌマーン「うぐ……っ」

キング「このまま首の骨をへし折って、殺してくれるわッ」グググッ

ハヌマーン「ううぅぅ……っ」

オーク「ハヌマーン様!!」

キング「そういやぁ、猿の脳味噌は美味と聞いたなァ」

オーク「ハヌマーン様を……」

キング「どれ、額を勝ち割って、脳をすすり喰ろうてやるか。クククッ!」

オーク「離せ……。ハヌマーン様を……離せ!!」
486 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/04(日) 02:39:13.71 ID:ZCWcEcy2o
 ゴゴゴゴゴゴ……

キング「……あん?」

オーク「ハヌマーン様を……離せええぇぇぇぇーッ!!」

 ドッドオオオオォォォォン!!

キング「――ッ!?」

 パッ ドシャッ

ハヌマーン「う……ぐ……」

キング「な、何だ……?」

ハヌマーン「オ……クッ、やめ……よ……」

オーク「……ウ……ガアアァァァァ」

キング「何だッ、何だッ? 何だァ!?」

オーク「ウオオオオォォォォ!!」

 ビリビリビリビッ!!

キング「何なんだこの威圧はアアァァ!!」

オーク「アアアアァァァァーッ!!」
487 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/04(日) 02:39:39.77 ID:ZCWcEcy2o
 ドンッ!! ガッシイイィィィィ!!

キング「ヌッ……オオォォォォ」

オーク「ウッガアアァァァァ!!」

キング「こ、この俺様と同格の力……だとぉ!?」

 ググググッ

オーク「フウウゥゥゥゥ……ッ!」

キング「だがッ、だがッ、だがァ! この程度でッ、この程度で俺様が――」

 グワッ バッギャアアァァァァ!!

キング「にゃああにいいぃぃぃぃ!?」

 ドシャッ!! ゴロゴロゴロゴロッ

ハヌマーン「オ、オーク……いやっ、別の何かが……」

キング「だ、誰だぁ!?」

 ザッザッザッザッ

――「おっと、余計なお世話だったか?」

ハヌマーン「貴様……はっ!」
488 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/04(日) 02:40:06.72 ID:ZCWcEcy2o
紅孩児「俺のいない所で、面白そうな事してんじゃねぇか」

ハヌマーン「紅孩児……っ」

キング「ブッフウウゥゥ……。またしてもぉ、裏切り者かァ!」

紅孩児「だけじゃねぇけどなぁ」

キング「あぁ!?」

――「行け……フェニックス!!」

 ゴウッ!! ドッシュウウウウゥゥゥゥ

キング「グアアァァァァ!!」

 ゴッゴオオォォォォ!! メラメラッ……ジュウウゥゥゥゥ

キング「熱い熱いアヅウウイイィィィィ!!」ゴロゴロッ

ハヌマーン「お主は……っ」

紅孩児「悪りぃな。西で色々あったお陰でよぉ、遅れちまったぜ」

ハヌマーン「助けに……来てくれたのか?」ヨロッ

紅孩児「……っと、違った。たまたま通りかかっただけだ。なっ?」

同門「……当たり前だ」
489 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/04(日) 02:45:35.92 ID:ZCWcEcy2o
短くてごめーんね。それではおやすみなさいです!ノシ

〜オマケ〜

 テクテクテクテク

青年「……はぁ」

老人「やぁ、君もか」

青年「今日も休業か。魔道士さんどころか……まさか潰れてしまうのでは」

老人「北で戦が始まったと聞くが、バーテンさんにゃ関係ないしな」

青年「まさかっ、夜逃げ……!?」

 テクテクテクテク

女ワーカー「えーっ、うっそー! 休みぃ!?」

ギャル「ねーねー、ダンディカフェってここのことぉ?」

女ワーカー「ごっめーん。せっかく来たのに休みみたい」

ギャル「マジー? ちょっとどうするよー?」

青年「はぁ魔道士さん……。あと1回来店で握手券だったのに……」ガクッ

老人「近々、写真とやらを売り出すっつーから……予約したのに……」

世界が平和になった後、大陸港の町は『アキハバラ』という名に変わるとか変わらないとか。
490 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/04(日) 02:49:16.23 ID:me3RhUdlo
親父喫茶復活を待ち望む声も多かろう
491 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/04(日) 02:52:13.52 ID:vzhiut+5o
おつちんこ
492 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/04(日) 02:55:11.27 ID:zlQdQgOxo
いちおつ
眼鏡さん死なないで〜!
493 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) :2012/03/04(日) 03:32:48.51 ID:jp45b/RTo
紅&同、ツンツンコンビキタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!
494 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/04(日) 03:34:36.74 ID:jp45b/RTo
あぅ、興奮しすぎてsage忘れてた
495 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/04(日) 04:30:18.39 ID:tCz5uG6f0
>>1 おつ
オークの変身をハヌマーンが止めてたってことはそういうことなのか…
496 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/04(日) 06:37:02.18 ID:HKNQmw8a0
>>1おつんつん

ツンデレ同門&紅孩児キター
497 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/04(日) 10:42:55.43 ID:UZ4Uu4CAO
ハヌマーンさんの噛ませっぷり(´・ω・`)
がんばれ猿さん
498 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/05(月) 02:07:44.26 ID:7enmYG1Bo
499 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 17:48:52.79 ID:TjSwZWA4o
〜六道門・人〜

ウィッチ「魔道士ちゃん、私は……」

魔道士「……くうっ」

ウィッチ「私は……私はあなたが憎い!」

魔道士「――っ!!」

 ドドオオオオォォォォン!! ズギャギャギャアアァァ!!

魔道士「……っ」ザザァ

占い師「魔道士ちゃん、つらそうね……」

戦士「ああ、魔法に威力がこもってねぇ。疲労とかそういうんじゃなくてな」

盗賊「恐らく、精神的な問題だろう」

戦士「……ああ」

占い師「そんな状態で戦なんて、ましてや1人で……ちょっと酷じゃないかしら……っ」

戦士「手を貸す事はいつでも出来る。だが、それじゃあ駄目なんだ」

占い師「……」

戦士「天才も言ってたように、魔道士じゃなきゃ駄目なんだよ」
500 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 17:49:49.78 ID:TjSwZWA4o
 ドドオオオオォォォォン!!

ウィッチ「魔道士ちゃんが憎くて、憎くて、憎くて仕方がないの!」

魔道士「ウィッチちゃん……っ!」

 ガカアアァァァァッ!! バチバチバチバチイイィィ!!

ウィッチ「私と同じなのに……私と……私と!」

魔道士「もうやめてっ、ウィッチちゃん!」

ウィッチ「どうして魔道士ちゃんはああぁぁ!!」ゴウッ!!

魔道士「ウィッチちゃん!!」

 ドドオオオオォォォォン!! ゴッガアアァァァァ!!

ウィッチ「……っ」ジュウウゥゥ!!

戦士「やったか!?」

盗賊「……しかし、右腕と腹部。それに服を少し焦がしただけだな」

ウィッチ「……魔道士ちゃん」ブスブス……

魔道士「ウィッチちゃん、もう……いいでしょ?」

ウィッチ「ねぇ、答えてよ魔道士ちゃん」
501 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 17:50:32.61 ID:TjSwZWA4o
 ビリッ……バサッ

魔道士「……っ!!」

占い師「……戦士くん」

戦士「ああ、後ろ向いてるが……まずい時は大声出して知らせろよ」クルッ

盗賊「……っ」

ウィッチ「いつか、一緒にお風呂入って見たよね? この傷」スタスタ

魔道士「……ウ、ウィッチちゃん……っ」

ウィッチ「これね、魔物と戦ってついた傷じゃないんだよ?」スタスタ

魔道士「ウィッチちゃん……っ」

ウィッチ「私が家出して、初めて組んだパーティーのね、人達に……されたの」スタスタ

魔道士「ウィッチちゃんっ!」

ウィッチ「私を仲間に加えたのは、魔道士だからじゃなくって、女だから……少女だからって」ピタッ

魔道士「ウィッチちゃん!!」

ウィッチ「毎日毎日ずーっと。朝も夜も……何十人も何百人も……」ブスブス……

魔道士「もうっ、やめようよ! ウィッチちゃん!」
502 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 17:50:58.86 ID:TjSwZWA4o
ウィッチ「だから私ね、あの時……助けなかったんだ……」フラフラ

魔道士「……うっ、うぅ……っ」

ウィッチ「ドラゴンの卵って高く売れるんだって。だから、卵を取りに行くって」

魔道士「ひ……っぐ、うぐ……うぅ……っ」

ウィッチ「みんな、ドラゴンに気付かれて死んでいった。逃げようとしてた」

魔道士「ウィッチ……ちゃあん……っ」

ウィッチ「だからね、私ね……閉じ込めてやったの。魔法でね、入り口の石を崩して……」

魔道士「もうやめてよっ、ウィッチちゃん!!」

 ダッ!! ギュウウゥゥゥゥ

占い師「っ!!」

盗賊「大丈夫……だと思う」

占い師「でもっ、抱き締めるだなんて……。姿はそうだけど、魔物なのよ!?」

盗賊「もう、大丈夫なんだと思う」

占い師「……?」

盗賊「ウィッチ、何もしない……いや、出来ないみたいだから……っ」
503 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 17:51:27.81 ID:TjSwZWA4o
 ギュウウゥゥゥゥ

魔道士「ウィッチちゃん! もう、いいからっ! もうやめていいんだからねっ」

 下着姿をした傷だらけのウィッチに、マントを羽織らせ抱き締める魔道士。

ウィッチ「同じ任人間で、同じ女性で、同じ魔道士で……同じ落ちこぼれ」

魔道士「ひっ、ひ……っぐぅ」

ウィッチ「なのにどうして……どうして……」

戦士「お前が弱いからだよ!」

ウィッチ「……」

戦士「……確かに、生まれ育ちの違いはある」

ウィッチ「戦士さん」

戦士「でもなぁ! お前なんかよりよっぽど恵まれない奴だっていっぱい居たんだ!」

魔道士「ひっぐ……ひぐ……っ!」

戦士「親も兄弟も失って、何も出来ず死んでいった奴だって居たんだよ!」

盗賊「……っ」

戦士「魔道士とお前の違いは1つだけだ。それは、心だ」
504 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 17:51:56.01 ID:TjSwZWA4o
ウィッチ「心?」

戦士「魔道士はどんな辛い時だって、頑張って笑顔で、耐えてきた」

ウィッチ「……」

戦士「失敗しても次は同じ過ちを繰り返さないように、頑張って努力してきたっ!」

魔道士「えっ、えぐ……っ。ひっぐ……ぅ」

戦士「仲間に恵まれなかったってのは分かる。だけどなウィッチ、お前は弱かったんだ」

ウィッチ「私が……弱い?」

戦士「魔道士との違いは、心の弱さ、それだけだ」

魔道士「違うのよぉ、戦士さんっ!!」

戦士「……」

魔道士「ウィッチちゃんは分かってるの! 分かってるからぁ!」ギュウウゥゥ

ウィッチ「魔道士ちゃん……」

魔道士「だからぁっ、もう休もうよおおぉぉ!」

ウィッチ「……います」

魔道士「……っ!?」
505 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 17:52:29.86 ID:TjSwZWA4o
ウィッチ「魔道士ちゃん、ありがとうございます」

魔道士「ウィッチ……ちゃん……?」

ウィッチ「戦士さんの……言うとおりでございます」

魔道士「ウィッチちゃん? ウィッチちゃん!?」

ウィッチ「私は、弱かったでございます。心も……何もかも……」

戦士「口調が……」

盗賊「……変わ……った?」

ウィッチ「ただ父に、家族に負い目を感じ、逃げたんでございます……」

魔道士「ひっくひっく、うぐぅ……っ!」

ウィッチ「弱い自分が嫌いでございました。落ちこぼれの自分が……」

魔道士「うっ、うあぁ……ひっぐぅ……!!」

ウィッチ「でも、いくじがなかったでございます。強くなる、心が弱かったでございます」

魔道士「うああぁぁ……っ」ポロポロポロッ

ウィッチ「だから魔道士ちゃん、貴女が羨ましかった……輝いていたでございます……」

魔道士「ウィッチちゃああぁぁん!!」
506 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 17:52:55.82 ID:TjSwZWA4o
ウィッチ「憎む事なんて1度もなかったでございます。もっと違う……こう……」

魔道士「分かってるっ! 分かってるからぁ!」

ウィッチ「……ありがとうございます、魔道士ちゃん」

魔道士「ごめんねぇ! ごめ……っ、私がぁ……ウィッチちゃんの事もっとぉ……」

 ギュッ

ウィッチ「本当にありがとうございます」

魔道士「うっ、あぁ……ああああぁぁぁぁ!!」

ウィッチ「だから魔道士ちゃん、最後は貴女の手で楽にして欲しいでございます」

魔道士「あっ、うっぐううぅぅ……ううううぅぅぅぅ!!」

ウィッチ「私は、魔道士ちゃんに会えて、一緒に学んで冒険出来て……」

魔道士「うああああぁぁぁぁーっ!!」ボロボロボロッ

ウィッチ「ううん、この世界に生まれて……本当に良かったでございます」

占い師「……」ツツーッ

盗賊「……」グイッ……ゴシゴシ

ウィッチ「さぁ魔道士ちゃん、最後は魔道士ちゃんの手で……お願いでございます」ニコッ
507 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 17:54:00.49 ID:TjSwZWA4o
〜六道門・人、南〜

 シャキイイィィィィン!! ズザザザザアアァァ

ネクロマンサー「……?」

 スタッ

天才「おう、なーにを余所見してんだネクロちゃんよぉ!」ジャキッ

ネクロマンサー「……ククッ、貴方もしつこいお人ですねぇ」

天才「そりゃテメーだろうが。何百年もコソコソとよぉ!」

ネクロマンサー「ククッ、それもそうですね」

天才「最初は魔王に加担し、人間を滅ぼそうと企んでる下衆かと思ってたが……」

ネクロマンサー「……」

天才「どーもそういう素振りでもなさそうだなぁ」

ネクロマンサー「聞き捨てなりませんネェ。魔王のお耳に入ったらどうするのです」

天才「地獄耳ってか? ハーッハッハッハ! 笑えねぇよボケ!」

ネクロマンサー「貴方の仰りたい事がサッパリ分かりませ――」

天才「レメゲトン」
508 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 17:55:09.21 ID:TjSwZWA4o
 ピクッ

天才「グリモワールの1つだよな? 魔王パズズ様が語っていたそうじゃないか」

ネクロマンサー「……」

天才「古書によりゃ、パズズは己を崇拝する人間を集め、邪教を生み出した」

ネクロマンサー「……」

天才「その際の唱道として、レメゲトンの記述がある」

 ポイッ……バサッ

天才「邪教の経典だ。副司令が所持してたモンだがくれてやるよ」

ネクロマンサー「貴様……」

天才「かつて人間は、グリモワールより魔術を得て、天使の召喚を得たと言われてる」

ネクロマンサー「……」

天才「天使とは即ち召喚獣。今や召喚術として世に広まっているわな」

 沈黙を突けるネクロマンサーを横目に、天才は言葉を続ける。

天才「そんな中、グリモワールの中で1項目だけ世に出回らなかったものがある」

 ザッザッザッ
509 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 17:55:39.92 ID:TjSwZWA4o
天才「それがレメゲトン。即ち、悪魔召喚の書だ」

ネクロマンサー「……ほぉ」

天才「魔王達は自分達が人間に召喚される事を嫌い、レメゲトンの存在を消し去った」

ネクロマンサー「……」

天才「それからは何事もなかったかのように日々が過ぎたがある日……それは起こった」

ネクロマンサー「……」

天才「魔王パズズは他の魔王、特にサタンが疎ましく思い始めた。
    いや、パズズだけじゃねぇ。地獄の支配を目論む魔王達は、
    他の魔王の存在が邪魔だったはずだ」

ネクロマンサー「……」

天才「だが、どんなに徒党を組もうと、どうぢても勝てない相手がいる。それがサタンだ」

 ザッザッ

天才「6人が組んで挑もうとも勝てない絶対君主、サタン。そこでパズズは考えた」

 ザッ

天才「レメゲトンを使って、自分以外の魔物を人間に召喚させようとな」

ネクロマンサー「……ッ」
510 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 17:56:12.71 ID:TjSwZWA4o
天才「そこで人間を宗教的に取り込み服従させた。宗教ってのは裏切らねぇからな」

ネクロマンサー「……」

天才「だがパズズにとって誤算が生じる。ある時代の教祖に狂った奴がいた。お前だ」

ネクロマンサー「……ククッ」

天才「テメーはレメゲトンの力をパズズの為ではなく、自分自身のい為に用いようとした」

ネクロマンサー「……」

天才「しかしその手掛かりは一向に見当たらない。テメーにも寿命が近づく」

ネクロマンサー「……」

天才「テメーはパズズから不死の法を伝承し、自身をアンデッドと化して生き長らえた」

ネクロマンサー「……」

天才「そして数百年。ようやくその手掛かりが見付かった」

ネクロマンサー「手掛かり……ですか」

天才「ああそうさ。グリモワールはサタンの元にある」

ネクロマンサー「……ッ」 

天才「テメーは人間の計画を逆に利用し、魔王を討たせ、
    自分はグリモワールを入手しようとそーいう魂胆なんだろ?」
511 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 17:56:45.68 ID:TjSwZWA4o
ネクロマンサー「アーッハッハッハッハ!!」

天才「……」

ネクロマンサー「推測ですか?」

天才「ああ。俺様の完っ璧なる推測だ」

ネクロマンサー「面白い話ですね。ベストセラーは無理でしょうけれど」

天才「テメーは何を狙ってやがる? 魔物力を手に入れてどうするつもりだ?」

ネクロマンサー「ですから、推測で話を進めないで下さい」

天才「……」

ネクロマンサー「私は魔族となったのです。人間を始末する事こそ私の務め」

天才「やめとけやめとけ。ボロが出るぞ?」

ネクロマンサー「……」

天才「始末対象を人形遊びに興じて、言ってる事、矛盾してんぜ」

ネクロマンサー「詭弁を」

天才「お互い様だろ? ハーハッハッハ!」
512 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 17:57:39.08 ID:TjSwZWA4o
〜六道門・地獄〜

 ドドオオオオォォォォ……

オルトロス「人間共、ここがどのような場所か知っているのか?」

眼鏡「ああ、よーく知っているさ」

オルトロス「……貴様ァ」

眼鏡「さぁ、今ここでケリを着けようじゃないか」

オルトロス「ケルベロス……ッ!!」

魔法剣士「……な、何だ?」

ジュニア「知ってんのか……!?」

賢者「……ふぅ」

オルトロス「貴様だけはこのオルトロス様がッ、殺してくれるわアアァァ!!」

 キュイイイイィィィィ……

ジュニア「くんぞぉーっ!!」

賢者「……結界」フオオォォォ

オルトロス「まとめて……死ねええぇぇ!!」
513 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 17:58:34.88 ID:TjSwZWA4o
 ドッゴオオオオォォォォン!! ズッギャアアアアァァァァ!!

ジュニア「ぐ、くううぅぅ……っ!!」

賢者「……ふぅ、大丈夫かい?」

魔法剣士「あ、ああ……っ」

 ドッシュウウウウゥゥゥゥ……

オルトロス「……チィッ。またしても――」

眼鏡「はあぁーっ!!」

 シュバッ!! ザシュウウゥゥゥゥ!!

オルトロス「――ッ」

眼鏡「まだまだぁ!」

オルトロス「利くかよオオォォ!」

眼鏡「!?」

ジュニア「させっかぁ!!」

魔法剣士「はああぁぁーっ!!」

 ズガッシュウウゥゥゥゥッ!!

賢者「……ふぅ、援護するか」ポウッ
514 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 17:59:20.09 ID:TjSwZWA4o
 門の前に立ちはだかる地獄の番犬オルトロス。 その巨体めがけ、

 4人は入れ替わり立ち代わり、見事なコンビネーションを繰り出し攻撃する。

 一撃一撃に全身全霊の力を込め、オルトロスを倒すべく攻撃をし続けた。

 しかしそれが裏目に出る。無尽蔵と言える程の体力を持つオルトロスは、

 疲労により速度を落とす一同を徐々に捉え始めたのだ。

オルトロス「4人がかりでこの程度とはなぁーッ!!」

 キュイイイイィィィィ……ドッズオオオオォォォォン!!

ジュニア「……くっそやろうが」

賢者「キリがないね……ふぅ」

オルトロス「あの結界さえなければ、一瞬で片付くものを……ッ」ドズンッ

眼鏡「どうした? 苦戦しているじゃないか」ババッ

オルトロス「この程度で図に乗るなよ!」

眼鏡「どっちがだか……」

 〜♪

眼鏡「――ッ!!」
515 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 18:00:01.48 ID:TjSwZWA4o
 ギュウウウウゥゥゥゥン……

ジュニア「なっ、何だぁ……!?」

賢者「結界が……魔力が吸われている……!?」

 〜♪

眼鏡「くっ」ババッ!!

 ザッザッザッ

詩人「苦戦しているのかな?」

オルトロス「何だ貴様、邪魔をするな」

詩人「邪魔、か」

賢者「……彼の奏でる音色だ。あれが魔力を……ふぅ」

ジュニア「あいつ、人間じゃねぇのかよ……っ」

〜♪

詩人「素晴らしい歌だろう?」

眼鏡「力が漲るよ」

詩人「……魔王」
516 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 18:00:37.89 ID:TjSwZWA4o
魔法剣士「……?」

詩人「魔王の為に作り、魔王の為に奏でる曲」

眼鏡「……」

詩人「人間は魔力を奪われ、魔族は……」

 〜♪

詩人「魔力を増幅させる」

 ズギュウウウウゥゥゥゥッ!!

賢者「――っ!?」

ジュニア「ぐああぁぁぁぁ……っ!」ガクッ

魔法剣士「な、なん……だ!?」

ジュニア(魔力が……身体中から抜けていく……っ!!)

賢者(何なのだこの力は……っ!!)ドサッ

詩人「……さて、厄介なのは始末したよ」ザッ

オルトロス「余計な世話を」

詩人「……」
517 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 18:01:11.45 ID:TjSwZWA4o
  フワッ……スタッ

オルトロス「何をしている?」

詩人「ベルゼブブ様の下へ連れて行く」ズルズル

オルトロス「俺様の獲物だぞ!」

詩人「口を割らせる必要があるからね。そうはいかないよ」フワッ

オルトロス「待て貴様――」

眼鏡「はぁーっ!!」

 ズギャッ!! ドッゴオオオオォォォォン!!

オルトロス「――っ!!」ズザザザアァ

眼鏡「……うん、魔力もほぼ回復したようだ」

魔法剣士「眼鏡……?」

オルトロス「あの人間、面倒な事をしてくれたもんだ」

眼鏡「おや、自信喪失したか?」

オルトロス「殺ス!!」

眼鏡「貴様なんぞに殺されてたまるかっ」
518 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 18:02:56.12 ID:TjSwZWA4o
 ドウンッ!! ズギャアアァァァァ!!

魔法剣士「援護する!」ザッ

眼鏡「頼む!」

魔法剣士「魔法剣……3行」ジャキジャキッ

眼鏡「はああぁぁぁぁーっ!!」

 ズガシュウウウウゥゥゥゥ!!

オルトロス「ガアアァァーッ!」

 ズギャギャギャギャッ!! ドガガガガッ!!

眼鏡(……やはりオルトロス、ただでは倒せないか)

魔法剣士「はああぁぁ!!」

オルトロス「貴様も先程から魔力を使っていればァ!」

 ガキイイィィィィン!!

オルトロス「詩人の曲で楽に死ねたものを!!」

魔法剣士「……魔法剣っ、4行!!」

オルトロス「!?」
519 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/05(月) 18:05:19.08 ID:TjSwZWA4o
 ズゴゴゴゴゴゴ……ドウンッ!!

魔法剣士「はああぁぁぁぁーっ!!」

 ズッギャアアアアァァッァ!!

オルトロス「何ィ!?」

 右手の炎と左手の氷それぞれに、雷が宿り、更にそれを土行が補佐する。

 魔法剣士の均等に、緻密に割り当てられた完璧なる美しい4行の魔法剣。

 怒りによる金行、哀しみによる水行、楽しみによる火行。そして、怨みによる土行。

 魔法剣士の感情全てが糧となり、膨大でおびただしい魔力が込められていた。

 振り下ろす2本の剣はオルトロスめがけ瞬時のうちに襲いかかった。

 連撃を繰り出す魔法剣士。それをかわし、獰猛なツメと騎馬で襲いかかるオルトロス。

 一進一退の攻防は火花を散らし、雨の滴を蒸発させる程の凄まじい勢いである。

 互いの魔法と体内から湧き出る熱気が水蒸気を起こし周囲を曇らせる。

 その隙に乗じ、眼鏡の奥の瞳を光らせ、ハンターが物静かに動いた。

 間合いを詰め、渾身の一撃を急所に叩き込む。それで全てが終わる。

 だがそれは一瞬で頓挫する。眼鏡に飛び込んだ光景は血飛沫をあげ倒れる男の姿であった。
520 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/05(月) 18:07:28.55 ID:TjSwZWA4o
ここから暗い話ばっかり続くような気がする…すいません
その分、あっちのスレでギャグでも書こうかな!

ひとまず今日はここまでにて。ご支援ありがとーでした!
それではまた!失礼致しますですよ!ノシ
521 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 18:08:18.47 ID:Pz+9eywCo
522 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 18:18:48.51 ID:vL7I2aLRo
ウィッチちゃん・・・
523 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 18:35:49.30 ID:pzNGfbgDO
魔法剣士ちゃん…
524 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 19:13:51.85 ID:ghHvjJxDO
教祖ちゃん…
525 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 19:17:38.82 ID:kax+CQFyo
オルトロスちゃん…
526 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/05(月) 19:23:47.81 ID:N21fdQ1wo
ネクロちゃん…はどうでもいいか。
527 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 19:50:19.26 ID:SS4qagKDO
いちょつ
528 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 19:50:29.52 ID:59/A1C4IO
ネクロポーテンスちゃん…
529 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 20:30:32.21 ID:PiY2rh46o
でも魔道士ってレイプされたことないよね
魔道士レイプ
530 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 20:37:01.88 ID:kax+CQFyo
魔導士は温室育ちのまんまだからな
531 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/05(月) 20:46:28.01 ID:R6SU2oFW0
>>1 おつ
レメゲトン 魔王の召喚とかすごいな
532 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 01:41:40.61 ID:ZBEzI14u0
>>1おつんつん

ウィッチちゃんてレイプされたの?
533 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 02:19:25.64 ID:keHtuvCYP
みたいだねぇ
要らない要素な気がするけど
534 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/06(火) 05:17:38.89 ID:bSlEowOPo
読んで察しろの範囲だよ。
それとも、「私は強姦されましたよー♪」と言わせなきゃ分かんねーのかな。
535 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 06:16:55.06 ID:sun/PX0so
>>532
その程度の読解力もねえのかよ
半年ROMってろ
536 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 06:38:59.33 ID:A2YaLj4IO
レイープされたの?だってよwwwww

朝夜何百人もと毎日毎日って他に何するんだよ。おままごとでちゅかー?

流石に見かねたww
消防・厨坊なんだからおつんつんは静かに見てろ
537 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/06(火) 08:06:44.82 ID:iJeMMoCoo
落ち着けよ厨房
538 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/06(火) 08:27:51.49 ID:yVdk34wVo
>>1

根暗ってそんな黒幕だったのか
てっきり最期は魔王様お助けをーグシャアッ的な感じで魔王に消される存在だとばかり思ってたわ
539 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/06(火) 17:32:05.81 ID:Z2z1qg6AO
つまり召喚術にも魔行があると…
サタンとの決戦で他の魔王が召喚されるとか胸熱だなww
540 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/06(火) 18:07:54.26 ID:H93WElRLo
 ズガアアアアァァァァッ!!

魔法剣士「か……は……っ」ガクン

眼鏡「――っ!!」

 ドシャッ……

眼鏡(オルトロス……ではないッ。どこだ、どこから……)

 ズオオォォォォ バサッバサッ

ドラゴン「……グゴオオォォォォ」

――「クヒヒッ」カシャッ

 ドラゴンの背に乗り、腰にぶら下げた筒から矢を取り出し、手にする弓へあてがう魔物。

――「さぁ、このドラゴンライダー様の手にかかる次の獲物はどいつかなぁ〜クヒヒッ」

ドラゴン「ゴガアアァァァァッ!」

ライダー「どうした? 何を興奮しているんだ――」

 ゴゴゴゴゴゴ……

ライダー「――!?」

眼鏡「……あれか」
541 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/06(火) 18:08:30.62 ID:H93WElRLo
ライダー「な、何だぁ!? アイツ、本当に人間かァ!?」

 バシュウウゥゥゥゥ

ライダー「ええいっ! 何だろうと関係ねぇッ! この俺様が狙撃してやるッ、クヒヒ!」

眼鏡(上空か……厄介だな)

オルトロス「どこを見ているウウゥゥ!!」

眼鏡「!?」

 ドッグオオオオォォォォン!!

眼鏡「……っ」ズザザザザアアァァ

オルトロス「よもや、避けるのが精一杯ではないだろうなぁ」

眼鏡「……どうかな」

オルトロス「その姿のままで、勝てるとでも思っているのかァ!!」

 ギュバッ!! ズッシャアアァァァァ!!

眼鏡「言うだけの事はあるッ。やはり一筋縄ではいかないね」

オルトロス「そらそらそらそらアアァァ!!」

眼鏡「でも、この速度ならば避けられる」
542 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/06(火) 18:08:58.59 ID:H93WElRLo
 ズガガガガガガッ!! ズッドオオォォォォン!!

オルトロス「避けられる?」ペロッ

眼鏡「……?」

オルトロス「当たり前だろう。避けられる程度に攻撃してやってるんだからなァ!」

眼鏡「何ッ!?」

ライダー「クヒヒッ、貰ったぁ!!」

 ドバッシュウウウウゥゥゥゥ!!

眼鏡「――ッ!!」

 ザクウウゥゥッ!! ガッカアアアアァァァァ!!

眼鏡「ぐああぁぁーッ!!」

ライダー「っし! 命中ウウゥゥ!」

オルトロス「馬鹿がアアァァァァ!!」

 キュイイイイィィィィ……ドッドオオオオォォォォン!!

 至近距離にてオルトロスの閃光を受けた眼鏡は、

 その場より遥か後方へと吹き飛ばされ、姿を消した。
543 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/06(火) 18:11:02.40 ID:H93WElRLo
 コオオオオォォォォ

オルトロス「ハッ! 結局はこの程度かケルベロスよ!」

 ドシッ ドシッ ドスウウゥゥン

オルトロス「……まぁいい。まずはこのニンゲンを食い殺してくれようか」ガシィッ!!

魔法剣士「……ぐ……っ」

オルトロス「無力な分際で魔王城へ攻め入ろうなどと、馬鹿げた夢であったな」

魔法剣士「……っ」

オルトロス「地獄で同胞に詫びるが良いわッ! ハハハハハハッ――」

 ヒュンッ!! ドゴオオオオォォォォ!!

オルトロス「……ッ!?」

眼鏡「……まだ……終わりじゃあないさ、オルトロス!」

 ドシャァッ……ガシッ

眼鏡「……大丈夫か?」

魔法剣士「……っ!!」

オルトロス「……き、貴様ァ!!」
544 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/06(火) 18:11:59.39 ID:H93WElRLo
 ザアアアアァァァァ……

魔法剣士「……」

 うつろな目で空を眺めていると、降り注ぐ雨の滴がはっきりと分かった。

 泥に塗れ、激痛を伴い、意識も朦朧とする中、仰向けに地べたへ転がる。

 ……ああそうだった。魔物に攻撃を食らって、吹っ飛ばされたんだっけ。

 ちっ、またあの夢か。これでもう何度目になる事やら……。

 いつになったら見なくなるんだろうか。この悪夢は。早く、早く覚めてくれ。

……――

父『……逃……げ…ろ…』

母『……』

妹『ママーッ! 起きてーっ!! 足が痛いよぅ……!』

魔法剣士『父さん!! 母さんっ!! い、妹……っ!!』

オルトロス『グルオオオォォ!!』

魔法剣士『みっ、みんなぁ…!! やめて! もうやめてよぉー!!』

妹『ママーッ!! お兄ちゃ――』
545 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/06(火) 18:15:02.84 ID:H93WElRLo
 グシャアァァッ!!

魔法剣士『――!!』

オルトロス『オオォォォォ!!』

 僕を納屋へ隠してくれた隣のお姉ちゃんが、化物に食べられる光景が見えた。

 狼のような複数の頭部と巨大な全身は真っ赤に染まり、大きな遠吠えを上げる。

 でも、もう1匹の魔物が、追い払ってくれたんだっけ……。

オルトロス『……邪魔をするな。ケルベロス』

――……

オルトロス「……邪魔をするな。ケルベロス」

眼鏡「……」

魔法剣士「……眼……鏡」

眼鏡「生きているな、良かった。君は退がっていてくれ」

魔法剣士「……っ!?」

眼鏡「やはりここは僕1人で戦うよ。僕の為にもね」

魔法剣士「な……に……?」
546 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/06(火) 18:15:31.60 ID:H93WElRLo
オルトロス「そのまままとめて、消し去ってくれるわアアァァ!!」

眼鏡「ヒュイッ!!」

 ザザザザザザッ!! ドバァッ!!

魔獣「グガアアァァァァ!!」

オルトロス「な……ッ!?」

 眼鏡の口笛を合図に、無数の魔獣が地面より姿を現し、

 涎の滴る口を大きく開け、その牙でオルトロスへと一斉に食らいつく。

オルトロス「雑魚がッ!! 近寄るなアァ!!」

 キュイイィィィィ……ドッドオオオオォォォォン!!

魔獣「グゴオオォォォォ……ッ――」

オルトロス「雑魚が何匹群がろうとォ、雑魚は雑魚! 無駄な事よ!」

魔法剣士「……眼鏡っ」ヨロッ

眼鏡「済まない。まずは君に謝らなければならないね」

魔法剣士「……?」

眼鏡「別に君を騙すつもりであったわけじゃないんだ。それだけは分かって欲しい」
547 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/06(火) 18:16:11.83 ID:H93WElRLo
 ゴゴゴゴゴゴ……

眼鏡「僕は……人間じゃないんだ」

魔法剣士「眼……鏡……?」

眼鏡「僕の本当の名は……ケルベロス」

魔法剣士「っ!?」

眼鏡「今のうちに逃げてくれ。巻き込みたくない」

魔法剣士「何を――」

 ドクンッ ゴゴゴゴゴゴ……

魔法剣士「…………っ」

 目の前で起きる光景に、魔法剣士は言葉を発する事は出来なかった。

 突如眼鏡の男が巨大な魔物へと変貌する。巨大な3つ首の猛獣、

 それは目の前に君臨するオルトロスと酷似しており、両者がただならぬ、

 恐らくは何かしらの関与があるものと、容易に想像が出来た。

魔法剣士「眼鏡が……っ、魔物……」

 突如、受け入れ難き現実を突きつけられた魔法剣士は、ただその場に佇むしかなかった。
548 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/06(火) 18:16:40.31 ID:H93WElRLo
 ゴアッ!!

ケルベロス「さぁオルトロス」ゴゴゴゴゴゴ

オルトロス「――ッ」

ケルベロス「貴様に待つのは、死あるのみだ」

ドウッ!! ズッギャアアアアァァァァ!!

 世の悉くを斬り裂いてしまいそうな恐るべきケルベロスの爪がオルトロスを襲う。

 必死で応戦するもかわすオルトロスめがけ、ケルベロスの3つ首からは、

 悪意に満ちた実弟へとどめを差すべく、様々な魔法が口内より撃ち放たれる。

ケルベロス「オオオオォォォォ!!」

オルトロス「こ、こんな事……ッ、これがケルベロスの……」

 ズガガガガガッ!!

ケルベロス「オルトロスッ、貴様だけは私の手で――」

 バスンッ!! ガッカアアアアァァァァ!!

ケルベロス「――――ッ!!」

魔法剣士「!?」
549 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/06(火) 18:17:07.60 ID:H93WElRLo
 シュウウゥゥゥゥ

ライダー「クヒヒッ、そうはさせませんっての」

ケルベロス「グク……ッ、もう1匹のスナイパーかッ」

ライダー「まさか魔族だったとは焦ったがぁ、このまま仕留めるッ!」

 ジャキッ

ライダー「しかし頼むぜェ、オルトロスちゃんよぉ――」

 ドドドドドド……ピクッ

ライダー「……?」

オルトロス「……何だ?」

ケルベロス「……ッ」

ライダー「何か……近づいてくる……ッ!」

 ゴゴゴゴゴゴ……

ライダー「どッ、どこだ!? 来るなら来てみや――」

 ボンッ!! クルクルクルクルッ……

ライダー「……」ブシュッ
550 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/06(火) 18:17:35.84 ID:H93WElRLo
 どこからどのような攻撃かも分からず、一撃で頭部を失った首なしライダーは、

 ドラゴンの背中よりずるりと落ち、地面へとそのまま落下していった。

従者「……手は貸さないのでは?」

 ドドオオオオォォォォ……

名士「魔族と人間の争いにはね」

従者「ケルベロス様も魔族ですよ?」

名士「彼は私と同じだ。ただ静かに、争う事なく生きたいだけなのさ」

従者「そうですか」

名士「勿体ない事だよ。魔族と人間、その両方を理解出来る者なのにね」

従者「どういう事ですか?」

名士「失うのが惜しいという事だよ」

従者「……失う、ですか」

名士「そう。彼は死ぬつもりでいる。残念だけどね」

従者「助ける事は……出来ないのですか?」

名士「それは彼の意に反する事だ。そこまでの事は私には出来ない」
551 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/06(火) 18:18:02.30 ID:H93WElRLo
 ドグッシャアアァァァァ!!

オルトロス「……ッ!」

ケルベロス「……」ジロリ

ドラゴン「グゴアアアアァァァァ!!」バサァッ

ケルベロス(……ノーンハスヤか。粋な真似をしてくれる)

 名士、即ちノーンハスヤの援護をケルベロスは感謝した。

 自身を救い、オルトロスを倒すでもなく、ただ単純に1対1の兄弟喧嘩において、

 余計な手出しをする部外者を排除してくれたその心意気。

 自分の想いを汲み取ってくれた事にケルベロスは感謝をしたのだ。

ケルベロス「邪魔者は消えた。さぁ、続きだ」

オルトロス「……クッ」

ケルベロス「六道門・地獄で貴様と戦うのも、因果かもしれんな」ドズッ

オルトロス「……詩人めッ、余計な真似をしてくれたものだ」

ケルベロス「そして、地獄の番犬がその門を開けるのもそういうものなのだろうな」

オルトロス「長らく人間の真似事をしていた貴様如きがァ! 勝てると思っているのかアアァァ!」
552 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/06(火) 18:18:37.73 ID:H93WElRLo
ケルベロス「言ったはずだ! 相打つとなぁ!」

 ゴアァッ!! ズッガアアアアァァァァン!!

オルトロス「……ヌ……ググウゥ」

ケルベロス「オオオオォォォォ!!」

 互いに譲らぬ攻防。実力伯仲の2匹。長らくの均衡が続く。

 飛び散る血はその体を赤く染め、爪や牙をも真紅へと染まる。

 その光景を虚ろな顔で見つめる魔法剣士は、ふと脳裏に当時の景色が蘇った。

魔法剣士(この背中……見覚えがある……っ)

 幼き日、脳裏に焼きついたその光景が今と重なり合う。

魔法剣士(同じだ……。あ、あの日と全く同じ……)

ケルベロス「オアアアアァァァァーッ!!」

オルトロス「魔族の、一族の恥さらしめがアアァァ!!」

 ガブウウゥゥ!! ボタボタボタッ

魔法剣士「……眼鏡」

ケルベロス「フーッ、フーッ……フーッ!」ビチャッ
553 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/06(火) 18:19:09.59 ID:H93WElRLo
 ――あの時と同じだ。俺の命を救ってくれた魔物……っ。

ケルベロス「アアアアァァァァ!!」

 ――そうか……あんただったんだな眼鏡、いや……ケルベロス。

オルトロス「いつもいつもこの俺の前を行く貴様が……忌々しいのだよ!!」

 ――父も母も妹も……そして村の全員が死んで、俺だけが生き残った。

ケルベロス「どうした!! 隙が生じてきたぞっ!!」

 ――何故と恨んだ事もあった。死にたいと思った事もあった。

オルトロス「貴様とてええぇぇーッ!!」

 ――それでも必死で、泥水をすすって、地べたを這いずって生き抜いた。

ケルベロス「その首……頂くぞ!!」

 ――魔物を殺して殺して殺して、とにかく生きる事だけに精一杯だった。

オルトロス「させるかアアァァァァ!!」

 ――そしていつの日か人間である心ですら、閉ざしてしまった。

ケルベロス「まずは……1つ!!」ガブゥッ!!

 ――そんなある日……閉ざした心を溶かす仲間に出会えたんだ。
554 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/06(火) 18:25:27.14 ID:H93WElRLo
うひゃー全然進まねぇ!本日ここまでです!
ご支援ありがとうございました!それでは帰ります!ノシ
555 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 18:26:12.27 ID:HAwih4fDO
眼鏡ちゃんは殺さないで…
556 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 18:26:49.64 ID:0WceU0Wso
眼鏡…
557 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 18:27:08.27 ID:UP/MKi2DO
1乙

↓神速の1乙とか言うやつ
558 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/03/06(火) 18:30:09.46 ID:N0/cg1Dao
│  ↑
└─┘
( ゚д゚)オラッシャオラッシャー
559 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/06(火) 19:56:22.73 ID:mXjjE59u0
>>1 おつ
ノーンハスヤさんかっこいいです
560 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 19:59:32.60 ID:y7R5xugIO
561 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/06(火) 20:42:22.92 ID:t4MSU+Wgo
ノーン和也
562 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/06(火) 22:33:27.43 ID:bSlEowOPo
それより首なしライダーの呪いが
563 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 05:06:18.06 ID:ogdrwVtu0
>>1おつんつん

眼鏡・・・・・
564 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/07(水) 08:33:30.87 ID:TnfV8glNo
>>1

オールスターもとうとう1人消えてしまうのか
眼鏡も体の一部なのか、人間に変身した後の後付けなのさが気になるな
565 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 08:35:36.20 ID:vUOwT29DO
眼鏡が本体、人間部分が飾りに決まってんだろ……
566 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 13:42:30.84 ID:CbP+20mIO
いつから......眼鏡の肉体が本体だと錯覚していた?
567 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 13:50:46.59 ID:/iTEbfvDO
え?黒い炎纏うのは剣だから剣が本体ちがうの?
568 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/07(水) 13:54:10.14 ID:yWFOET8H0
オルトロスが割れて中から眼鏡さん出てくるよ
569 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 15:23:13.29 ID:GN1Iq/2DO
オルトロス「いつから首が二本だと錯覚していた…?」
570 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/07(水) 16:57:59.89 ID:CbmNk5wjo
 ケルベロスの牙がオルトロスの喉下を、オルトロスの牙がケルベロスの喉下を食らう。

 ――みんな変わった連中ばかりだった。俺もそう見られてたのかもしれないけどな。

ケルベロス「接近戦とは愚かなり! 貴様は2つ首、我は3つ首ぞ!」

オルトロス「小癪なァ!!」

 ――そんな中でも眼鏡、あんにたは不思議と惹かれるものがあった。

ケルベロス「このまま首を落としてくれよう!」

オルトロス「易々と……させると思うか!」

 ――強さだけじゃない何か。この5年近く、あんたと居る事が本当に多かった。

オルトロス「ヌアアアアァァァァ!!」ゴウッ!!

 ――いつのまにか俺は、あんたを仲間のように師のように、そして……兄のように。

 オルトロスの体に食らいつく魔獣がその血を受け、みるみると赤く染まり始める。

ケルベロス「――ッ!?」

オルトロス「馬鹿めがッ! 貴様に操れて俺に出来ぬわけがなかろうが!」

 真紅の魔獣は目の色を変え、その攻撃対象をオルトロスからケルベロスへと変えた。

 魔獣は自我を失い、容赦なく、かつての主へと襲いかかった。
571 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/07(水) 16:59:49.23 ID:CbmNk5wjo
〜六道門・畜生〜

キング「……ブフゥッ、よぐもやってくれたなァ!!」ブスブスッ

紅孩児「へっへっへ。さぁ、今度は俺が相手してやんぜ」

ハヌマーン「……ッ」グググッ

同門「……」

 ゴウッ!! ゴッゴオオオオォォォォ!!

ハヌマーン「!?」

キング「バ、バカだッ、味方を攻撃しやがった! その魔物は裏切り者ダヨーン!」

同門「……下らん」

キング「ハァ?」

 ゴオオオオォォォォ

ハヌマーン「き、傷が……ッ」

同門「フェニックスの回復はフェニックスに依存するものではない」

キング「ハアァ!?」

同門「ゆえに、魔物だろうが何だろうが、俺の意思で回復は容易」
572 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/07(水) 17:00:24.72 ID:CbmNk5wjo
ハヌマーン「お、お主……ッ」

同門「そしてひとたび魔力を攻撃に転換すれば……」ザッ

フェニックス「…………」

同門「魔物だろうが何だろうが、焼き尽くすのみ!!」

 ゴウッ!! ゴッゴオオオオォォォォ!!

紅孩児「てんめぇッ、抜け駆けすんじゃねぇッ!」

 ドドオオォォォォン!! ゴッゴオオオオォォォォ!!

キング「ゴハッ!」ジュウウゥゥ

ハヌマーン「え、援護だ!」

 同門のフェニックスと紅孩児による炎の攻撃は、ハヌマーンの風に煽られ、

 勢いを大きく増し、オークキングに更なるダメージを与える。

ハヌマーン「……オーク」ダッ

オーク「……ウウゥゥ」

ハヌマーン「我に帰るのだ、オークよ!」

オーク「グウウゥゥゥゥ」
573 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/07(水) 17:01:06.57 ID:CbmNk5wjo
ハヌマーン「……ちぃッ、駄目か」

 ドゴオオォォォォン!!

ハヌマーン「!?」

キング「いい加減に……しやがれェ!」

紅孩児「……あっぶね」

同門「どういう事だ……?」

キング「もう、テメーらの火遊びになんぞ付き合ってらんねーッ!」

同門「炎が……効かなくなっただとぉ!?」

キング「シッ!!」

 ビュオッ!! ズガアアァァァァッ!!

同門「くっ!」ズザァッ

キング「ヴァーハハハハ! いい事教えてやるよ。俺はなぁ……」ペロリ

ハヌマーン「……?」

キング「1度受けた攻撃にィ、耐性がつくんだよオオォォ!!」

同門「何……っ!?」
574 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/07(水) 17:02:06.63 ID:CbmNk5wjo
 ゴアッ!! ズガシャアアアアァァァ!!

紅孩児「ぐあぁ……っ!!」

ハヌマーン「紅孩児ッ!」

キング「そりゃああァァァァ!!」バゴォッ!!

フェニックス「――ッ!!」ズギャッ!!

同門「がふ……っ」ガクン

キング「ヴァーッハッハッハ! 終わった終わったァ」

同門「……こ、この程度で……っ」

紅孩児「終わったとか……言ってんじゃねぇッ」ヨロッ

キング「もう炎は利かん。つまーり、もう終わりも同然よ! ヴァーッハッハッハ!」

紅孩児「だったらああぁぁ」

 ズアァッ……シャキンッ

紅孩児「直に、斬り刻んでやんぜ!!」

同門「炎だけだと思うなよっ、行け……サンダーバード」

 シュイイィィィィン バシュウウゥゥゥゥ!!
575 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/07(水) 17:02:44.54 ID:CbmNk5wjo
紅孩児「ハアアァァーッ!」

同門「食らええぇぇ!!」

 ザシュウウゥゥ!! ガカアアアアァァァァ!!

キング「ゴヘエエェェェェーッ!!」ドズウウゥゥン

紅孩児「どうだぁ!」

キング「い、いでええぇぇッ! いでええぇけども……この痛み、覚えたぞオオォォ!」ムクッ

同門「ちいぃーっ!」

ハヌマーン「退けッ、一旦……退くのだ!」

紅孩児「退くだぁ!? 馬鹿言ってんじゃねぇよ!」

ハヌマーン「莫迦はお前だッ! 中途半端な攻撃を続けても意味がないのだ!」

紅孩児「中途半端ァ……? だーれが、中途半端だああぁぁ!!」

 グアッ!! ドゴッシャアアアアァァァァ!!

キング「ゲ……ゲペェ……ッ」

 ヨロヨロ……ドッズウウゥゥゥゥン

紅孩児「どうでぇッ、ざまーみろ!」
576 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/07(水) 17:03:06.57 ID:CbmNk5wjo
キング「……」シュウウゥゥゥゥ

同門「っ!!」

キング「……ブッ、ブホォ!」ヨロッ

紅孩児「……ッ」

キング「こ、これでおめぇの攻撃はァ……もう効かなイイィィ!」

紅孩児「ナッ、ナメんじゃねええぇぇ!!」

同門「戻れっ!」

 タァンッ!! グアァッ!!

紅孩児「紅孩児様の一撃を……食らええぇぇ!!」

 ズバッシュウウウウゥゥゥゥ!!

紅孩児「――――ッ!?」

キング「……ハハッ、ヴァーッハッハッハッハ!!」

ハヌマーン「やはりな……ッ。紅孩児の攻撃は完全に防がれた」

キング「おめぇの全力は覚えたッ! もう利かないぜエエェェ!」ガシィッ!!

紅孩児「てめッ――」
577 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/07(水) 17:03:46.77 ID:CbmNk5wjo
キング「ヴァーッハッハッハッハッハ!!」

 グオンッ!! ドッゴオオオオォォォォン!!

紅孩児「……カ……ハッ」ドサッ

 頭を掴まれ、力任せに地面へと叩きつけられた紅孩児はそのまま地中に埋まり、

 そのままおびただしい流血をを伴う事となった。

キング「まずはァ、1匹ィ!!」

同門「くっ!」ザザッ

ハヌマーン「お主も一旦、退くのだ!」

同門「……っ」

 かつての同門であれば制止を振り切り、飛び掛かっていたかもしれない。

 仲間でもない赤の他人。ましてや魔物。しかし同門はその言葉に無言で従った。

同門「……手は?」スタッ

ハヌマーン「正直、あるとは言えぬな」

同門「ちっ」

ハヌマーン「だが、あるとすれば1つ」
578 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/07(水) 17:04:23.77 ID:CbmNk5wjo
キング「ヴァーッハッハッハ! 仲良く遺言かァ!?」

 グアァッ!! ドッグオオオオォォォォン!!

ハヌマーン「……くッ」ズザッ

同門「それでっ、手は!?」

ハヌマーン「奴を一撃でしとめるしかない!」

同門「……?」

ハヌマーン「攻撃を吸収する、耐性をもつと言うならば……ッ」

キング「ウロウロウロウロ逃げ回ってんじゃねぇぞ!!」

 ドッグオオオオォォォォン!! パラパラパラッ……

ハヌマーン「なまじ中途半端な攻撃は逆効果。耐性を付けられてはどうしようもない」

同門「そんな事は見れば分かる! だから手はないか聞いたんだ!」

ハヌマーン「一撃で葬る以外に手は考えられぬ!」

同門「どうやって――」

 バッゴオオオオォォォォン!!

キング「さああぁぁ、追い詰めたぞオオォォ!」
579 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/07(水) 17:05:01.34 ID:CbmNk5wjo
同門「ちぃっ」

ハヌマーン「援護しろ!」バッ!!

同門「どうやって!」

ハヌマーン「任せる!」

 ザザザザザザッ

同門「くそっ! 行け、セイレーン!」

 シュイイィィィィン

同門「耳を塞げぇ!」

ハヌマーン「!?」

セイレーン「〜♪」

キング「ギイアアアアァァァァーッ!!」

ハヌマーン「……良しッ」

 ババッ!!

ハヌマーン「伸びろ……ッ、如意棒!!」

 ギュウウウウゥゥゥゥン!!
580 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/07(水) 17:05:45.07 ID:CbmNk5wjo
ハヌマーン「はああぁぁぁぁーっ!!」

キング「ゴッハアアァァ……ッ!!」

 ドガガガガッ……ズッズウウゥゥゥゥン

ハヌマーン「……はぁ、はぁ」スタッ

同門「……」

ハヌマーン「全力だ。これで駄目ならば……手はない」

同門「……っ」

 シュウウゥゥゥゥゥ

キング「…………」

同門「や……ったか?」

 ピクッ ズシャアアァァァァ!!

キング「ブッハアアアアァァァァ!」

同門「っ!!」

ハヌマーン「駄目、か……ッ。最早、打つ手はない」

同門「何か、何か手があるはずだ」

キング「ヴァーッハッハッハッハ!」
581 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/07(水) 17:06:23.22 ID:CbmNk5wjo
 ドウッ!! ザシャアアァァ!!

同門「!?」

キング「このサルがッ、痛かったぞオオォォ!」

 ゴキィッ!! ドッグオオオオォォォォン!!

ハヌマーン「カ……ゴハァッ」ドシャッ

キング「……次は、貴様だァ」

同門「くっ、行け――」

キング「貴様が逝けェーッ!!」

 ガシィッ!! ドッゴオオォォォォ!!

同門「ぐっ……がああぁぁぁぁ!」

キング「ヴァーッハッハッハ! これじゃあ何しに来たか、分からんナァーッ」

同門「……っぐ」

キング「ほれほれ、どうした? もう抵抗しないのか?」ズンッ

同門「うああぁぁっ!」ミシミシッ

キング「ヴァーッハッハッハッハ! そうらッ、死ね死ね死ねエエェェ!」
582 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/07(水) 17:07:10.08 ID:CbmNk5wjo
 ガスガスガスッ!! ドガァッ!!

オーク「……ウウゥゥ」

同門「ぐああぁぁぁぁっ!」

オーク「……ゥゥ」

紅孩児「……」

オーク「……ッ」

ハヌマーン「……」

オーク「……」

キング「この俺様にッ、オルクス様に逆らうからだこのバカッ! バーカ!」

 プツンッ

キング「ヴァーッハッハッハッ……ハ?」

 ゴゴゴゴゴゴ……

キング「……?」

オーク「みんな……倒れてる……」

 ザッザッザッ
583 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/07(水) 17:36:35.11 ID:CbmNk5wjo
オーク「こんなに……傷付いて……」スッ

ハヌマーン「……」

キング「ハ、ハハッ。落ちこぼれのオークがァ、今更なにが出来る!」

オーク「……オラは……いや、俺は……オークじゃねぇ」

キング「……は?」

オーク「俺は……オルクス。俺様はァ……オルクス様だああぁぁぁぁーッ!」

 ドゴオオォォォォッ!! ゴゴゴゴゴゴゴゴ……

キング「んな――」

オルクス「小僧、この俺様のナを勝手に名乗り……そしてええぇぇ!」

キング「ヒッ、ヒイィーッ!」

オルクス「俺様の仲間を傷付けた事ォ!! 万死に値するッ!!」

キング「そ、そんなハズはナイイィィ! 貴様がオルクスだなんてッ、オルクスはこの俺!」

オルクス「テメーが名乗る必要はネェ。一撃で地獄はおろか無に葬ってくれるわ!!」

キング「こんッ、こんのヤローッ!!」ギュバッ

オルクス「デヤッハアアアアァァァァーッ!!」
584 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/07(水) 17:56:22.71 ID:CbmNk5wjo
〜六道門・人、南側〜

シャキイイィィィィン!! ズザザアアァァ

ネクロマンサー「……」

天才「んで、テメーはそれを手に入れて何をしようってんだぁ!?」

ネクロマンサー「しつこいですねェ」キィンッ

天才「魔王でもはべらせて、世界を支配……いや、ぶっ壊そうってか?」

ネクロマンサー「ククッ、そんな事をしてどうするのです?」

天才「地上、地獄、召喚界を1つに束ねようって魂胆かぁ?」

ネクロマンサー「それは面白い発想ですねェ」ヒュバッ

天才「全世界を融合して、その上で全ての者を統べる王になる」

ネクロマンサー「私がですか? おこがましい話ですよ」

天才「じゃあ何が狙いだっ!」ガキイイィィン!!

ネクロマンサー「……ククッ。貴方如きに話しても理解出来ませんよ」

天才「……あぁ?」スタッ

ネクロマンサー「貴方のような凡人には理解出来ないと言ったのです」
585 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/07(水) 17:57:10.97 ID:CbmNk5wjo
天才「……」

ネクロマンサー「貴方では真理に到達する事は……出来ない」

天才「自分自身、天才だと思った事はあっても……凡人だと思った事はねぇぞコラ」

 ズゴゴゴゴゴゴ……

天才「ブッ殺す!!」

ネクロマンサー「殺せるならどうぞ。ククッ」

天才「本っ当、癪に障るヤローだなテメーはよぉ!!」

ネクロマンサー「それよりお仲間の方は宜しいのですか?」ヒョイッ

天才「余計な世話だ!」

ネクロマンサー「今回の彼女は、本体ですよ?」

天才「だから余計だって言ってんだよ!」ザッシュウウゥゥゥゥ!!

ネクロマンサー「……」ズルゥ……ボトッ

天才「本体だから強いだろうが、本体だからトドメを差せる」

ネクロマンサー「……身内である彼らが、ですか? クククッ」

天才「人間捨てて感情までなくなったか? 身内だからこそ出来んだろうがっ、ボケ!」
586 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/07(水) 18:18:26.61 ID:CbmNk5wjo
とりあえずここまでにて失礼致します!
たくさんのご支援ありがとうございました!それでは!ノシ

〜オマケ〜

眼鏡「僕の本体? ふふっ、いいよ。教えてあげるよ」

魔道士「さすが眼鏡さんっ! 優しい〜」
召喚士「そこにシビれる憧れるぅ〜!」

眼鏡「じゃあ行くよ」

 カチャッ

魔道士「眼鏡を地面においたっ!? まさかこれが……」
召喚士「眼鏡さんは眼鏡だったのか? ゾフ――」

 グッシャアアァァ!!

天才「おっと、メガネ踏んじまった。悪りぃ悪りぃ」
召喚士「絶対わざとだあぁーっ!!」

眼鏡「何してるんだい? 僕はこっちだよ?」

魔道士「!?」
召喚士「こっ、子犬!?」

天才「何だこのチワワ――」

眼鏡「くぅ〜ん」フリフリ

天才「――!?」ズキュウウゥゥゥゥン

魔道士「……天才さん×眼鏡さんか。……アリね」キラン
召喚士「!?」
587 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 18:20:50.49 ID:zSXOcgzlo
588 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 18:30:56.71 ID:/iTEbfvDO
お、おーくさん…!?
589 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 18:32:56.64 ID:q3P9j6Spo
豚だと思っていたら魔神でした
590 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 18:52:48.21 ID:vUOwT29DO
オルクス……ラテン語で瞳、だったか?
瞳たんハァハァ
591 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 19:01:45.42 ID:CbP+20mIO
ズキュウウゥゥゥゥゥンンン
592 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 19:22:45.00 ID:1u3lV21IO
593 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/07(水) 19:32:13.54 ID:+UvSx2bMo
おくさあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん
594 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/03/07(水) 19:33:38.61 ID:mm7n5ejpo
痛いなあ
595 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 19:33:56.00 ID:cQAlJBVMo
瞳たん(豚)とこういうわけだな!?
596 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/07(水) 19:51:10.70 ID:rzc8zzE/0
>>1 おつ
ケルベロスもオルクスも魔王の元眷属か…?
597 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/07(水) 20:34:19.59 ID:XfZnKYYAO
(´・ω・`)やっぱり噛ませ犬なハヌマーンさん……
猿なのに犬なハヌマーンさん
598 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 23:36:14.27 ID:lDgXcMXDO
>>586
パンツ引き裂いた
599 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/08(木) 05:25:37.05 ID:k0yFYYsh0
>>1おつんつん

天才×眼鏡・・・・・これは流行る
600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/03/08(木) 05:56:24.51 ID:q1MW1O1oo
>>1乙

アヌビス神が居たな
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2012/03/08(木) 08:45:43.58 ID:rM8vMn2AO
邪王炎殺剣はまだですか
602 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:01:52.96 ID:N0JOnUs6o
〜六道門・人〜

ウィッチ「さぁ魔道士ちゃん、お願いするでございます」スッ

魔道士「……ひ……っぐ」

占い師「ほ、本当に大丈夫なの……?」

戦士「天才は俺達に任せると言った。つまり、あのウィッチが本体だって事だ」

盗賊「人形ではどうしようもないが……本体ならば」

占い師「そうじゃなくって」

盗賊「……」

占い師「魔道士ちゃんの事よ。あの2人……友人なんでしょう?」

戦士「……ああ。それだったらもっと心配はいらねぇよ」

占い師「……?」

戦士「相手がウィッチだからこそ、魔道士はやるんだ」

ウィッチ「魔道士ちゃんっ、私の……意識があるうちに早くでございますっ!」

魔道士「……っ」グイッ

 もう魔道士の目にウィッチの笑顔は映らなかった。それほど、涙が溢れ視界を遮っていた。
603 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:02:49.81 ID:N0JOnUs6o
 彼女の脳裏に浮かんだのは、自分が始めて仲間を得た時の事だった。

魔道士『あ、あのっ、召喚士さん……ですか?』

召喚士『は、はいっ! えっと……』

魔道士『あのっ、あのぉ……』

召喚士『あっ、もしかして……』

魔道士『あのワークショップのパーティー募集を見て……っ』

召喚士『やっぱり!』

魔道士『魔道士と申します。あの……ダメでしょうか?』

召喚士『えっ…?』

魔道士『一緒に……パーティーを……』

召喚士『あっ、も……もちろん! 喜んでっ!!』

魔道士『本当ですかっ!? 良かったぁ……エヘヘ!!』

 ――初めて出会った召喚士さん。それから何日か、2人で仲間を探したっけ。

魔道士『やっぱり、なかなか見つからないですね……』

召喚士『そうですね……断られてばかりで』
604 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:03:19.11 ID:N0JOnUs6o
魔道士『やっぱりあれですかね、若すぎるから……』

召喚士『ええ、信用されてないですね。悔しいですけど……』

ザッザッザ

ヒゲの剣士『アンタらか? 召喚士と魔道士ってのは』

魔道士『は、はいっ! パーティー募集の方ですか!?』

ヒゲの剣士『……実績は?』

召喚士『……まだありません』

ヒゲの剣士『話にならねぇな、ムダ足だったぜ』

魔道士『あ……っ』

ザッザッザッ……

召喚士『……』

魔道士『はぁ……』

 ――探しても探しても駄目で、馬鹿にされて、全然見つからなくって。

召喚士『これで今日……10人目か』

魔道士『もう本国へ来て3日目ですし……』
605 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:03:56.51 ID:N0JOnUs6o
召喚士『本国でもこれじゃ、もう……』

ザッザッザ…

戦士『よう、パーティー募集……まだしてっか?』

召喚士『えっ!? あっ、も……もちろん!』

魔道士『おっ、お願い出来ませんか!?』

戦士『いや、情けない話……俺も断られてばっかでな』

魔道士『!?』

戦士『26の戦士で、ソロ経験しかない奴じゃ未熟だとさ。まったく……』

召喚士『そ、それじゃあ……』

戦士『おう! 俺の名は戦士。ぜひ一緒に組んで欲しい!』

召喚士『もちろん! 喜んで!!』

魔道士『あ、ありがとうございますっ!! エヘヘ!!』

戦士『前衛は俺に任せてくれっ』

召喚士『はいっ! こちらこそ!』

魔道士『二人とも後衛だったので頼もしいですっ!』
606 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:04:31.90 ID:N0JOnUs6o
 ――やっと、戦士さんと盗賊さんが見つかって、パーティー組んだんだっけ。

盗賊『……』

戦士『おう! よろし――』ビクゥッ!!

召喚士『!?』

戦士『な、何だお前!? いきなり……』

盗賊『………ゴニョゴニョ』

戦士『あ……? な、何だって?』

盗賊『……そ……その』

戦士『パーティー募集で来たのか?』

盗賊『……』コクン

召喚士『本当ですか!? 喜んでっ!!』

魔道士『宜しくお願いします〜っ! 女の子だ! 嬉しいなぁ……エヘヘ!』

盗賊『……よよ……よっ、よろ……しく』

 ――ウィッチちゃんだって、私みたいに……もっと早く、仲間に出会っていれば、

    きっと……きっと、違っていたのかな――。
607 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:05:07.18 ID:N0JOnUs6o
……――

魔道士『……うぅ』

 カラッ……テクテクテク

魔道士(あの子確か……ウィッチちゃんだっけ)

ウィッチ『……うぅ』

 カツカツカツ……ガラッ

水の先生『はぁ。また魔道士とウィッチか』

魔道士『先生〜』

水の先生『入学して早々、居残りの常連とは……勉強熱心だぁ〜』ピクピク

ウィッチ『笑顔が引きつってるでございます……』

水の先生『俺だからまだいいものを、火の先生だったら大変な目に遭ってるぞ?』

魔道士『反省します……』

ウィッチ『反省するでございます……』

水の先生『2人とも反省しているようだし、さっさと終わらせて帰ろう!』

魔道士『はいっ!』
608 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:05:38.83 ID:N0JOnUs6o


魔道士『……はぁ』トボトボ

ウィッチ『魔道士ちゃん』

魔道士『あ、ウィッチちゃん』

ウィッチ『今日も一緒でございましたね』

魔道士『う、うん。なんだか私達ばっかりだね……へへっ』

ウィッチ『もっと頑張らないといえkないでございますね……』

魔道士『私……魔法の才能ないのかなぁ……』

ウィッチ『……魔道士ちゃんは、どうして魔道学校に?』

魔道士『うん。昔なんだけど、小さい頃に魔物に襲われた時にね……』

ウィッチ『うんうん』

魔道士『魔道士の人に助けて貰って、それで憧れたったいうか……』

ウィッチ『なるほどでございますねぇ』

魔道士『それに、家の事もあって……』

ウィッチ『……家、でございますか』
609 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:06:23.41 ID:N0JOnUs6o
魔道士『うん。私の家は商家なんだけど……』

ウィッチ『え〜っ? お金持ちじゃないでございますかっ!』

魔道士『ど、どうなんだろ。でも……不自由はないの……かな』ポリポリ

ウィッチ『だったら尚更でございますわ』

魔道士『でも逆にそれが、私の中では嫌で……』

ウィッチ『……』

魔道士『自由のない、籠の中の鳥みたいで……』

ウィッチ『少し、分かるでございます』

魔道士『……ウィッチちゃんも?』

ウィッチ『私の父は、政府高官なのでございます』

魔道士『えぇっ!? うちより凄いじゃない!』

ウィッチ『母も本国務めで、姉も内定が決まっているでございます』

魔道士『うわぁ、エリート一家なんだね』

ウィッチ『だから、私もそうならなくちゃいけないでございます』

魔道士『あ……っ』
610 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:07:13.65 ID:N0JOnUs6o
ウィッチ『でも、こんな状態。本国に就職はおろか、卒業も出来るのかどうか……』

魔道士『ま、まだ入学して少しなんだし、分からないよ!』

ウィッチ『もし駄目だったらって考えると……怖いでございます』

魔道士『……』

ウィッチ『いっその事、家を出て生活するのも……』

魔道士『ウィッチちゃん……っ』

ウィッチ『父や家のためではなく、自分の為に頑張りたいでございます』

魔道士『それ、大事な事だよ! 私もそうだもんっ!』

ウィッチ『魔道士ちゃん』

魔道士『結果的に家の為かもしれないけれど、まずは自分の為に頑張らないとねっ!』

ウィッチ『……そうでございますね。魔法を見に付けるのは家の為ではなく……』

魔道士『そっ! 自分自身だって、したいからここに通っているはずだよ?』

ウィッチ『魔道士ちゃんの言う通りでございます。ありがとうございます、魔道士ちゃん』ペコリ

魔道士『えっ!? こっちこそだよウィッチちゃん! えへへっ!』ペコリッ

ウィッチ『ふふっ、えへへへっ!』
611 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:07:46.78 ID:N0JOnUs6o
――……

魔道士「うああああああああ!!」

 キュイイイイィィィィ……

占い師「だ、大丈夫なの!? あの魔力……っ」

戦士「魔道士はそこまでバカじゃねぇし、今じゃトップクラスの使い手だ」

盗賊「五行の加減も配分も……誤る可能性は微塵もない」

占い師(……この子達、何なの……っ。いつからこんなに……)

 ズドドドドド……

占い師(あの人が託す理由も……今なら何となく分かる気がするわ……っ)

魔道士「ああああぁぁぁぁ!!」

ウィッチ「ありがとうございます、魔道士ちゃん」ペコリッ

 ガッカアアアアァァァァーッ!!

 ――ウィッチちゃん、私……あの日あなたに出会えて本当に良かったよ。

 ――私もでございますわ、魔道士ちゃん。あなたに会えたからここまで来られたでございます。

 ――ちょっと早いけど、じゃあねウィッチちゃん。またね。そして……ありがとう。
612 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:08:14.63 ID:N0JOnUs6o
〜六道門・人、南側〜

ネクロマンサー「――ッ!?」

 ドドオオオオォォォォ……

天才「よーしよし、やりやがったな」スチャッ

ネクロマンサー「……バ、バカなッ。完全体だぞ? ましてや見知らぬ相手ではない……」

天才「テメーは本当に、人間の心まで失っちまったみてーだなぁ」

ネクロマンサー「……ッ」

天才「知り合いだからこそ、身内だからこそせめて自分の手で楽にしてやるんだろうがよ」

ネクロマンサー「……」

天才「アイツらを甘く見過ぎたな。札の切り方を間違ったテメーは、勝機を逃したわけだ」

ネクロマンサー「まだだ、まだ終わったわけではない」

天才「そうこう言って手札を全て失うなよ? ネクロちゃん♪」

ネクロマンサー「ククッ、せいぜい語っているが良いさ。足元を救われないようにねぇ」

天才「そりゃコッチの台詞だ。魂胆が分かった以上、テメーの好きにゃさせねーよ」

ネクロマンサー「……まだ言っているのですか? しつこい方ですねぇ」
613 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:09:11.94 ID:N0JOnUs6o
天才「ハーッハッハッハ! しつこさがウリでねぇ〜」

ネクロマンサー「……いいでしょう。では1つ、ヒントをお教え致します」

天才「あ?」

ネクロマンサー「レメゲトンなど、私の求めているものではありません」

天才「……」

ネクロマンサー「貴方は、神を信じますか?」

天才「……信じるのは俺様だけだ」

ネクロマンサー「ククッ、でしょうね。神など存在しないのですから」

天才「何が言いたいんだテメーは」

ネクロマンサー「では何故、人は生まれたのか? この世界は存在するのか?そして……」

 フワッァッ

ネクロマンサー「魔族は? 召喚獣は? 神が作り出した? しかし神は居ない」

天才「全く理解出来ねーな。頭おかしいんじゃねーの?」

ネクロマンサー「でしょうね。構いませんよ、凡人には理解出来ずともね。クククッ」

天才「んだとぉ!!」
614 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:09:54.94 ID:N0JOnUs6o
ネクロマンサー「万物の真理を得て、私はまさに神となるのです!」

天才「……。ハーッハッハッハ! それはそれは素晴らしい話だな!」

ネクロマンサー「レメゲトン? そんなもの、神の力の前には小さき事の1つ」

天才「ま、頑張ってくれや」

ネクロマンサー「……?」

天才「テメーと話すのもこれが最後だろーからな。出来るもんなら頑張ってくれって言ってんだよ」

ネクロマンサー「……何が……言いたいのです?」

天才「テメーは必ず殺される。俺様の……いや、人類の意思、全てにおいてな」

ネクロマンサー「……」

天才「人類の全てを背負ったアイツらに、テメーは必ず無に帰る」

ネクロマンサー「……出来るものならやってみるが良いさッ」

天才「ハーッハッハ! 残念ながらこれは確定事項。なんたって……」

 ザッ

天才「俺様の予言でハッキリ出てっからなぁ!」

ネクロマンサー「……凡人めがッ!!」
615 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:10:51.57 ID:N0JOnUs6o
 ドドオオオオォォォォ……

ネクロマンサー「まぁいいでしょう。1つの門が開いた、ただそれだけの事です」

天才「せいぜい次のお人形でも用意しておくんだな」

ネクロマンサー「ラボでお待ちしておりますよ、貴方のお弟子もね。ククッ」

天才「……ちっ」

 フッ……オオォォォォ……

天才「……神になるだ何だとヌカしてやがったな」

 ザッザッザッ

天才「奴の狙いはレメゲトン以上の何か……まだ何かあるのか?」

 オオオオォォォォ

天才「……まぁいい。今は目の前の事を済ますだけだ」

 バッ タッタッタッタッタ……

天才「しかし五行とはな。アイツら何だかんだで――」

 ズザァ

天才「……っ!?」
616 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:11:23.81 ID:N0JOnUs6o
 ドドオオオオォォォォ……

盗賊「……?」クルッ

戦士「……おう、終わったのか?」

天才「な……っ」

占い師「……」

天才「1人で……やったってのか?」

戦士「お前だってそう言ってたろ」

天才「五行以外にだっていくらでも手はあっただろ……っ」

盗賊「私達は、魔道士に託したから」

戦士「ああそうだ。俺らは手を出しちゃいけねぇんだ。ウィッチの為にも」

天才(……ヒヨッ子だと思ってたが、まさかここまでとはな……っ)

 ゾクゥッ ゴゴゴゴゴゴ……

魔道士「……う、うぅっ。う……っ」

天才「…………」

 今までとは明らかに違う魔道士の魔力。天才は思わず身震いする程であった。
617 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:12:40.90 ID:N0JOnUs6o
天才(化けた……っ。悲しみを乗り越える事で覚醒するとは思ったが……)

 ゴゴゴゴゴゴ……

天才(まさか、ここまでとはな……っ)

盗賊「魔道士」ザッザッ

魔道士「……うっ、うっ、ううぅぅ……ううぅぅぅぅーっ」

 ガバァッ!!

魔道士「うああああぁぁぁぁーっ!!」

盗賊「……よく……頑張ったな、魔道士」ナデナデ

戦士「なぁ」

天才「……?」

戦士「お前の狙いは、あえて魔道士にさせる事でその力を引き出そうって魂胆だったんだろ?」

天才「まぁな」

戦士「結果的にどうだ?」

天才「……まずはお前らに謝らなくちゃなんねーな」

戦士「……?」
618 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:13:23.90 ID:N0JOnUs6o
天才「まだまだ未熟かと思ってたが、お前らは1人1人でも立派に強えぇわ」

戦士「っ!?」

天才「お前らの場合、4人だととんでもねぇ力を発揮するが、ソロじゃ未熟だと思ってた」

戦士「……っ」

天才「だが、そんな心配は杞憂だったな。すまなかった」

戦士「ら、らしくねぇなおい」

天才「俺様は凡人だからよ、ハーッハッハッハ」

戦士「……?」

天才「ともかくだ、この先……お前らは1人1人を戦力として考える」

戦士「……ああ」

天才「五行だろうが壁だろうが、躊躇なく要求すっからな。覚悟しておけ」

戦士「最初からそのつもりで来てんだ。今更だよ」

占い師「ね、ねぇ! あれ見てっ!」

 ガッゴオオオオォォォォン!! ギギギギギギイイイイィィィィ……

占い師「も、門が……」
619 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:14:04.61 ID:N0JOnUs6o
戦士「開いた……っ!」

盗賊「……」

魔道士「ひぐっ、えぐ……っ」

天才「さーて、いよいよ魔王城突入だ」

 ピクッ

天才「!?」ババッ!!

 ガサッ……スタッ

男隊員「……お、おう」

天才「ちっ、テメーらか」カシャン

格闘家「師匠、こちらの状況は?」

戦士「たった今、開門したところだ」

女隊員「おぉっ!」

 タッタッタッ……

ボス「はぁ、はぁ……っ」

女賢者「ちょっとぉ〜待ってよぉ〜」
620 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:15:02.05 ID:N0JOnUs6o


男隊員「被害は?」

天才「なし。んじゃこのまま行くか」

女隊員「行くか……って、どこへッスか?」

天才「魔王城だよ。他にどこ行くってんだバカ」

格闘家「魔王城……っ」

天才「そっちはどうだ?」

盗賊「……魔道士、もう平気?」

魔道士「……はい」

天才「そんじゃ行くぞ。こっから先はおそらく、きっつい戦いになるだろうが――」

 ドドッドドッドドッ……

占い師「あっ!」

天才「……いいタイミングだ!」

魔道士「……召喚士さん」

召喚士「……!?」
621 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:15:50.30 ID:N0JOnUs6o


召喚士「……なるほど」

占い師「魔道士ちゃんは1人で、立派に戦ったわ」

戦士「1人で戦わせちまって、無理強いしちまったけどな」

魔道士「いいんです……」

盗賊「……」

魔道士「今まで、甘ったれてましたから。自分自身に」

弓使い「魔道士ちゃん……っ」

天才「魔道士がここまで頑張ったんだ。テメーらも頑張れよ」

幼女「へっ?」

東方司令「……?」

男隊員「そりゃ頑張るに決まってるっしょ。最終決戦なんだからよ」

天才「だったらいいけどな。何があっても死ぬんじゃねぇぞ? 生きて帰るまでが任務だ」

格闘家「はい」

女隊員「了解ッス!」
622 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/08(木) 18:16:35.30 ID:N0JOnUs6o
 ザッ

天才「んじゃ、魔王城突入だ」

ボス「……っ」

天才「お前ら2人は本陣に戻れ」

占い師「へっ?」

女賢者「本陣……ですか?」

天才「ああ。流石にこん中は危険すぎんだろ」

戦士「2人で大丈夫か?」

天才「あのなぁ、このアマは功績5位。お前らより格上だぞ?」

召喚士「そ、そうですね……っ」

剣士「ふーっ。いよいよ魔王城か」

男隊員「緊張するといざという時、力を出せねぇからな……ヒャハハ」

盗賊「魔道士、行こう」

魔道士「はい」

召喚士「こっちは突入だ。本隊は大丈夫かな……?」
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/08(木) 18:18:06.50 ID:N0JOnUs6o
ここまでにて失礼致します!
本日も多数のご支援感謝!ありがとうございます!
そいでは失礼致します〜!ノシ
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/08(木) 18:19:55.26 ID:tWqZfpaDO
最速の1乙
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/08(木) 18:20:02.45 ID:giyfQXnQo
>>1
相変わらずの召喚士だった…
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県) [sage]:2012/03/08(木) 18:20:46.19 ID:s65Cex+Ko
>>1
主人公って……
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県) [sage]:2012/03/08(木) 18:22:42.69 ID:ngZ7EOv/0
>>1おつ
いつから召喚士が主人公だと錯覚していた・・・
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/08(木) 20:33:14.80 ID:ZEPHylCf0
いちおつ
さすがです召喚士さん
629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/08(木) 20:41:40.89 ID:D4Hs39UDO
さすが名脇役の召喚士さん
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/08(木) 21:55:35.11 ID:VpFXfmLPo
>>1乙!

召喚士は、青年兵にまた座敷童子託したのかな?
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/03/08(木) 21:59:17.20 ID:B6IkMvX10
ネクロはラスボスっぽいのにどっか噛ませ臭がするな。
何はともあれ一乙
632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/08(木) 22:05:43.60 ID:ex66Fe3fo
レメゲトンでガーッと上がった気がしたが神になるで一気に下がったな
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/08(木) 22:31:31.18 ID:xYMb//lDO
>>632
愛染さんdisってんのか?13kmすっぞ?お?
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/08(木) 22:34:53.59 ID:giyfQXnQo
                    /⌒ヽ
                  ⊂( ^ω^)⊃ ←レメゲドン
                 ⊂c ノ__ ノ
             /⌒ヽ  | .|  | .|                 /⌒ヽ
            ( ^ν^) i i二 .ノ               _( ^ν^) il|
          (´  二二二 ノ                (´ \   \|il |il il|
         /    /:                  /  \. \ノ\. \il| |il|
        i===ロ==/                   i===ロ== ヘ. \. i|!l !l\il|
       ノ:::::::::::::::::ヽ                  ノ:::::::::::::::::ヽ \ ヽη /')/')
      /:::::::::::へ:::::::::ヽ                /:::::::::::へ:::::::::ヽ  ヽ_,,..)  /
     /::::::_/   \:::::::)              /::::::_/   \:::::::)   )  ( / /
   /::_ '´      |::::|            /::_ '´      |::::| ⊂(v 神 )⊃
   レ          しつ           レ          しつ`) \ 〆 (´ ̄
                                       /⌒Y⌒ヽ⌒\
   持ち上げるだけ持ち上げて              最後は一気に落とす
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/08(木) 22:45:39.75 ID:CA5hhZ7To
>>633
それ愛染さんちゃう、ギンさんや!

>>1
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/08(木) 23:50:11.89 ID:w6cKrZpso
ウィッチちゃん…
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/09(金) 08:02:32.75 ID:CXkUjv6IO
召喚士「一体いつから─────、私を主人公と錯覚していた?」
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/09(金) 08:24:12.04 ID:gAbo8qe8o
>>1

この世界の神になる!!
↑↑この台詞はヤバい、この台詞をはいて成功を納めた悪役を見たことがない
多分ジャスティスされて消滅するぞ…!!
それにしても魔導師ちゃんもホント成長したな、感無量だ
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/03/09(金) 08:30:36.92 ID:npqNSMOAO
新世界の神になる!!

うわーーーー!死にたくない!!
逝きたくないーーー!!


※とある神の死に際より
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/09(金) 08:59:23.31 ID:c1iZVXxto
わーい厨房だあ
厨房がわいてるぞお
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/09(金) 12:20:33.74 ID:eeVI4Th+0
この臭い流れでもッッッ……!!
>>1ならッ……!!
>>1なら変えてくれるッッ!!!!!
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/09(金) 12:52:19.22 ID:roqjBc9lo
お昼休みだからって流石にこんな時間には来ませんって、あははっ!
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/03/09(金) 12:56:58.54 ID:n9dzb3veo
>>642
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/09(金) 13:10:10.53 ID:4HbkjnHn0
>>642
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/09(金) 13:14:18.56 ID:GVFED4ADO
>>642

646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/09(金) 13:27:40.00 ID:X70Ipywz0
>>646
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/09(金) 16:03:06.06 ID:s56SDLUio
まあ全員が厨房だったってことで
厨房板行こうぜ
648 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/09(金) 18:33:03.03 ID:roqjBc9lo
〜六道門・畜生〜

 オークキングは巨大な右拳を握り締め、その拳よりも小さな、

 目の前のオークめがけて振り上げ、突き出す。

 自分はオークの王である。その一族の最も下等たる者に鉄槌を。

 そのはずだった。だが、何だろうかこの違和感、気配、感覚は。

 やがてキングは恥じた。己がオルクスを名乗った事を。そして死んだ。

 ゴッ……

 キングの鉄球のような右拳がオルクスと名乗ったオーク触れた。全身ではない、

 オークの突き出した左拳に触れた。つまり、互いの拳がぶつかりあったのだ。

キング「ヴァーッハッハッハッハアアァァァァ!!」

オルクス「ウオアアアアァァァァーッ!!」

 メシャッ……

 鈍い音がした。鉄球が水飛沫のように散乱する。オークの突きに押され、

 キングの拳は捲りあがるかのように、瞬く間に砕けていったのだ。

ハヌマーン「オ……ク……ッ」
649 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/09(金) 18:35:31.64 ID:roqjBc9lo
 ボゴォ……

 オルクスに痛みが到達する前に、オークは拳を突ききった。

 キングの巨体が宙に浮く。右拳は弾かれる事もなく、そのまま骨肉の全てを消失した。

キング「――――ッ!!」

 オルクスはそのまま右拳を体の後ろへと引き、先程と同様、キングめがけ突き放つ。

 腹部に接触すると、今度は自分ごとキングを後方へと大きく吹き飛ばした。

 背後の障害物に到達するまでの間、キングの腹が徐々に空洞化する。

 静かな水溜りに小石を落としたかのようにそれは外へ外へと描いてゆく。

 やがてキングの背後に障害物が現れる。そしてぶつかる。激しい音が響き渡る。

 ガッゴオオオオォォォォォォン!!

 その瞬間、まるで隕石でも落ちたかのような、とてつもない衝撃が周囲を襲う。

 オルクスの突きがようやく障害物、つまり六道門・畜生にぶつかる事で、

 その力を放出先となったのであった。地面、城壁、そして門、全てがこの世から消えた。

 そしてキングもまた、いつのまにかこの世から姿を消していた。

 大衝撃音と土煙の中、いつもと少し表情の違うオークだけが歩いていた。
650 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/09(金) 18:36:11.89 ID:roqjBc9lo
 ドドオオオオォォォォ……

同門「……」

紅孩児「……っ」

ハヌマーン「……オーク」

 ザッザッザッ

オルクス「……」

 粉塵を払う様子もなく、オルクスは左方をじっと見つめ、ポツリと呟く。

オルクス「自分が守ってきた門を、自分が開けるってのも皮肉なもんだよなぁ」

 ザッ

オルクス「……なぁ、ケルベロスよ」

 ドクンッ!! ギュオッ!!

オルクス「ウ……ッグ! ガハァ!」

 胸を押さえながら突如苦しみだすオルクス。やがて全身より真っ黒な血を噴き出した。

ハヌマーン「オークッ!!」ヨロッ

 オルクスは少しだけ微笑んだ後に意識を失い、その場に倒れた。
651 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/09(金) 18:36:38.15 ID:roqjBc9lo
〜六道門・地獄〜

魔獣「グルオアアァァッ!!」

 ガブゥッ!! ゴガガガガガッ!!

オルトロス「ガハッ、ハァーッ……ハァーッ」

ケルベロス「……」

オルトロス「ハ、ハハッ。どうした? 下僕だからとて情けをかけているとそのまま死ぬぞ?」

ケルベロス「……」

オルトロス「大切な下僕を奪われて、戦意を失くしたかぁ!?」

ケルベロス「貴様を殺す事が目的だ。戦意? 馬鹿げているな」

オルトロス「殺す!? 馬鹿は貴様だッ! このままでは俺を殺しても貴様も――」

ケルベロス「ああ死ぬな。だがそれでいい。それが理想的だ」

オルトロス「!?」

ケルベロス「貴様と共に私も死ぬ。そしてこの理は揺るぐ事はない」

オルトロス「最初から……相討つつもりで……ッ」

ケルベロス「今更だな。もう手遅れだ、あとは静かに死を――」
652 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/09(金) 18:37:11.11 ID:roqjBc9lo
 ザッザッザッ

ケルベロス「……?」

 ザッザッザッ

ケルベロス「……お、お前……ッ」

魔法剣士「……」

オルトロス「……何だ人間ッ! 邪魔をするなアアァァ!」

魔法剣士「邪魔? 俺は最初から居た。お前を倒す為に戦っていたはずだ」

オルトロス「……何を」

魔法剣士「もし手を貸す事が卑怯だと思うならば、それは間違いだ」

オルトロス「何ィ……!?」

魔法剣士「今まで大勢の罪もない村を襲い、人々を殺してきた貴様に対する復讐だ」

オルトロス「……何だとぉ!!」

魔法剣士「因果応報。貴様が殺してきた人間の復讐を俺と……俺と――」

ケルベロス「……」

魔法剣士「俺と、眼鏡が貴様に代行しているものと思えっ!!」
653 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/09(金) 18:37:42.60 ID:roqjBc9lo
ケルベロス「……ッ!!」

魔法剣士「眼鏡、そういう事だ。お前1人で戦おうなどと思うな」

ケルベロス「何故……逃げなかった……ッ」

魔法剣士「……仲間だからだ」

ケルベロス「――ッ!!」

魔法剣士「お前は俺の、大切な仲間だからだっ!!」ジャキジャキッ

ケルベロス「魔法剣士……」

魔法剣士「お前が何者だろうと、魔物であろうとそんな事は関係ない!」

ケルベロス「……」

魔法剣士「お前は人間なんだ! お前のの心は、人間そのものなんだよ!」

ケルベロス「……ッ」

オルトロス「何が人間だッ! こいつはなァ……散々、人間をブッ殺し――」

魔法剣士「そうだとしてもっ、今は違う! 眼鏡は改めたんだ」

オルトロス「フザけるなッ」

魔法剣士「だからっ、人の姿をしているんだろうが!」
654 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/09(金) 18:38:09.32 ID:roqjBc9lo
オルトロス「そんなものはただの能力だッ。力でどうにでもなるわッ!!」

魔法剣士「では貴様は出来るのか?」

オルトロス「……何?」

魔法剣士「貴様も眼鏡と同等の力を自負しているのだろう?」

オルトロス「……ッ」

魔法剣士「その獣とて、同じ力だからこそ操れたのだろう?」

オルトロス「グ……ッ」

魔法剣士「だったら人間に化けてみろ!! どうだっ、出来るのか!!」

オルトロス「この……人間風情がアァ……ッ」

魔法剣士「出来るはずがない。何故なら、貴様は人間の心を知らないからな」

ケルベロス「……もう……良い」

魔法剣士「人間の心を、痛みを知らぬ貴様がっ、人間になど化けられるわけがない!!」

ケルベロス「もう良いのだ魔法剣士!」

魔法剣士「……?」

ケルベロス「もう……良いのだ……ッ」
655 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/09(金) 18:38:36.36 ID:roqjBc9lo
 ドズンッ シュウウゥゥゥゥ……

魔法剣士「眼鏡……っ?」

ケルベロス「もう、終わりにしようではないか」

オルトロス「貴様ッ! 本当に相討つ気かァ!?」

ケルベロス「貴様も薄々気付いているのだろう? 既に逃げられぬ事をッ!」

オルトロス「ヌウウゥゥ……ッ」

ケルベロス「互いが互い喉下に食らいつき、決して逃げられぬ。攻めも守りも不可」

魔法剣士「……安心しろ眼鏡。俺が居る限りお前は――」

ケルベロス「そして、我が魔力は貴様の魔力と同調し、相殺し続けている」

オルトロス「続ければ、共に死は免れんぞ! その意味を貴様は分かっているのかッ!?」

ケルベロス「番犬の居ない地獄など、さぞ楽にゆけるであろうな」

魔法剣士「ど、どういう事だ……っ!?」

ケルベロス「魔力で生命を燃やしておるのさ。互いの生命をな」

魔法剣士「――っ!?」

ケルベロス「言ったであろう? もう良いのだ、とな」
656 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/09(金) 18:39:06.54 ID:roqjBc9lo
魔法剣士「まだだっ、まだ――」ザッ

ケルベロス「このまま共に、逝かせてくれ」

魔法剣士「駄目だっ!!」

ケルベロス「私はオルトロスの言う通り、人間を殺しすぎた。そして、魔族を殺しすぎた」

魔法剣士「……っ」

ケルベロス「その狭間で常に苛まれて、もがき苦しんだ」

魔法剣士「しかしっ」

ケルベロス「だからだろうな。人間にもなれず、魔族としても中途半端な存在だった」

オルトロス「な――ッ!?」

魔獣「……グ……ウウゥゥゥゥ」ドシャッ

ケルベロス「我らの魔力に飲み込まれ、息絶えておるのだ。先にな」

オルトロス「お……のれぇ……ッ!!」

ケルベロス「魔法剣士、退かぬと言うならば……お前が我らを討て!!」

魔法剣士「――――っ!!」

ケルベロス「私ともども、オルトロスを討ち、この門を開けるのだッ! 人々の為に!!」
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/09(金) 18:41:13.90 ID:roqjBc9lo
ひとまずここまで…またあとで来るつもりです!
毎度のご支援、本当にありがとうございます!
しかしこのスレのAA職人はお見事としか言い様がないな…

それでは残業に戻ります!ノシ
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/03/09(金) 18:51:51.92 ID:0km45yaj0
>>1おちゅっちゅ

オークたんジェノサイドしちゃったのかな
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/09(金) 18:57:52.80 ID:CXkUjv6IO
いちおつ!

>>643-645
まんま>>1の投下コメじゃねえか
>>1と分からず煽ったのかよwwwwww
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/09(金) 19:23:07.29 ID:jAG9k8EDO
眼鏡ちゃん…
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/09(金) 19:51:43.08 ID:9n4btbWwo
>>1乙!

オーク、オルクス、キング
ごっちゃになって、今日は三回読み直したぜ…
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/09(金) 20:05:10.06 ID:eeVI4Th+0
>>1

>>642
本物の>>1だったのか
煽ったやつピエロwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/09(金) 20:18:56.59 ID:Z7Ztat3DO
>>1
>>642>>1だったwwwwwwww

オークさんカッケェッス
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/09(金) 20:26:00.28 ID:gnvHwP/I0
>>1 おつ
オルクス力をつかいすぎたか…
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/09(金) 20:58:00.88 ID:yuQ4wqloo
オルクスカ・・・
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/09(金) 21:18:58.80 ID:GVFED4ADO
カスクルオ…
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/09(金) 21:53:16.84 ID:bmZZbh9DO
いちょつ
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/09(金) 22:05:39.68 ID:qQxNy/BAO
>>1
残業お疲れ様
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/03/09(金) 23:53:48.63 ID:vZ350W3IO
ごめん召喚士は戦士たちと合流したの?
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山梨県) [sage]:2012/03/10(土) 00:18:12.30 ID:MVguU4a+o
してるじゃない
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/10(土) 01:05:29.32 ID:seKNmeQSo
迷う
 ↓
やっと合流
 ↓
カエレ
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/10(土) 03:02:09.05 ID:y5bH5xXl0
>>1おつんつん
673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/10(土) 03:18:50.84 ID:42YjHP7yo
>>659
投下コ。。。メ。。。?
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) :2012/03/10(土) 03:57:30.08 ID:blHL8Rc/o
ニコ厨は死んだほうがいい
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/03/10(土) 05:54:06.94 ID:5XWb3gOS0
気付いた上での煽りだろ?

だよな?
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/10(土) 11:26:32.91 ID:5K354nq10
俺は[sage saga]で>>1だと思って煽ったけどなww

677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [sage]:2012/03/10(土) 12:32:32.90 ID:Y2pgY2Ezo
だからなんなのだろう
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/10(土) 14:42:38.36 ID:lLrgUF4yo
この安易に草使っている所が厨房丸出しだよね
679 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/10(土) 20:46:59.46 ID:uBMkOTpKo
魔法剣士「……で、出来ないっ! 俺には出来ない!」

ケルベロス「お前なら出来る。出来るはずだッ」

魔法剣士「俺には……眼鏡っ、アンタを殺す事など出来ないっ!」

オルトロス「そうだッ! 人間にそのような真似が出来るはずがないッ!」

ケルベロス「いや、やるのだ。お前だからこそ出来るはずだ」

魔法剣士「あんたは俺の恩人なんだっ! それなのに……」

ケルベロス「お前は言った。これは人々の復讐なのだと」

魔法剣士「でもあんたは――」

ケルベロス「私はな、地獄の番犬と呼ばれている」

魔法剣士「……っ」

ケルベロス「地獄へ通じる門の番犬なのだ。それがこのケルベロスの役目」

オルトロス「そうだッ!! なのに貴様は、魔王を裏切って――」

ケルベロス「だからこそ分かる。お前の背後に、お前の背負った者らの魂が見える」

魔法剣士「っ!!」

ケルベロス「そして叫んでいるのだ。憎き魔物を倒せ、とな」
680 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/10(土) 20:48:01.58 ID:uBMkOTpKo
オルトロス「出来ないッ! 出来るはずがないッ!!」

ケルベロス「オルトロス、貴様は人を知らぬ」

オルトロス「……何?」

ケルベロス「人は情に厚い。だからこそ出来るのだ」

魔法剣士「……」

ケルベロス「お前は強い。だからこそ分かっているはずだ、魔法剣士よ」

オルトロス「出来るものかァ!!」

ケルベロス「黙っていろ!!」ドガァッ!!

魔法剣士「……っ」

ケルベロス「私もオルトロスも、このままではどのみち助からぬ」

オルトロス「一緒にするなよッ、生きる術はある! 俺様はこんな所で死んでたまるかァ!」

 グアッ!!

魔法剣士「――っ!?」

ライダー「……」ムクリ

ケルベロス「何ッ!?」
681 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/10(土) 20:48:50.87 ID:uBMkOTpKo
オルトロス「さぁ撃て! 背後からケルベロスにトドメを――」

ケルベロス「させるものかアアァァ!!」

 ゴウアッ!! ゴゴゴゴゴゴ……

オルトロス「き、貴様ッ! まだ魔力を……ッ」

ケルベロス「この命、尽きる前に……貴様も道連れだッ!!」

オルトロス「こ、このままでは……ッ」

ライダー「……」ザッ

 カチャッ……ギリギリッ

ケルベロス「魔法剣士ッ、早くしろ! この私もろとも……オルトロスを討てぇ!!」

オルトロス「させぬさせぬさせぬッ!! 先に貴様を――」

ケルベロス「さぁッ、早くしろぉ!!」

魔法剣士「…………っ」グッ

 ザッザッザッ……ジャキッ

魔法剣士「……分かった。俺は……討つ!!」

ケルベロス「そうだ、それで良いのだ。魔法剣士」
682 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/10(土) 20:49:21.61 ID:uBMkOTpKo
 ドドドドドド……

 ――どう足掻いても魔法剣五行に到達する事は出来なかった。

オルトロス「や、やめろ……ッ! 出来るわけがないのだ!」

 ――怒り、哀しみ、楽しみ、恨み。どうしても届かなかった。

ケルベロス「オルトロス、貴様だけは絶対に……離さぬぞッ」

 ――会得出来なかった木行。その感情は……喜び。

ライダー「……」カチャッ

 ――今なら、出来そうな気がする。眼鏡、お前が教えてくれたから。

魔法剣士「……魔法剣」

 ――お前と出会えた喜びを、俺は決して……。

魔法剣士「……五行」ズアッ!!

 キュイイイイィィィィ……

ケルベロス「……ありがとう、魔法剣士」



 ありがとう眼鏡。俺は君を……忘れない――――。
683 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/10(土) 20:49:52.21 ID:uBMkOTpKo
 魔法剣士の両手に握る剣が、金色に輝く。 それは即ち五行の光。

 魔法剣士は今まで為し得なかった魔法剣五行をこの時まさに会得した。

 涙はなかった。何よりも喜びが勝っていた。眼鏡と呼ばれた男との出会い。

 ケルベロスと呼ばれた魔物に助けられたこの命。

 それは運命か宿命か、魔法剣士にとて、そんなもんはどうでも良かった。

 自分の人生のほとんどに影響したと言っても良い存在。それを今、失う。

 しかしそれは哀しい事ではなかった。感謝で胸が一杯であった。

 2匹の獣めがけ疾走する魔法剣士の前に、ライダーが姿を見せる。

 部外者は黙っていろと言わんばかりに、魔法剣士は気迫を見せる。

 その気迫の反動か、ドラゴンライダーは首のない体を後方へと飛ばされる。

 その先にはオルトロスの背とその動きを封じるべく食らいつき、全身でしがみつく

 ケルベロスの姿。2つの首はオルトロスの喉元に牙を突き刺している。

 もう1つの首は既に目の色を失い、首を垂れていた。

 それでもケルベロスは笑っていた。魔物とは思えぬ優しさで笑っていた。

 それを見て魔法剣士も笑った。涙はない。涙の代わりに雨が降り注いでくれているから。
684 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/10(土) 20:50:39.01 ID:uBMkOTpKo
 ドッドオオオオォォォォ……

ケルベロス「討てええぇぇ!! 今こそ我が苦しみを……ッ」

魔法剣士「……っ」

ケルベロス「そしてッ、お前の仇を……ッ! 人々の無念を――」

 金色に輝く五行の光は、いつもよりも優しく、暖かくみえた。

 魔法剣士は両手を大きく広げ、2本の剣を高々と振り上げた。

 相討ちになどさせない。自分とケルベロスの勝利を。その思いを一身に秘め、

 魔法剣五行は鮮やかに振り下ろされた。光が広がった。

 ガッカアアアアァァァァ――

オルトロス「――――ッ」

ケルベロス「そうだ、それで良いのだ……魔法剣士……」

魔法剣士「眼鏡……ッ、眼鏡ーっ!!」

 五行の光が柱となって天へ上る。ケルベロスとオルトロスを連れて。

魔法剣士「…………っ」

 自分の前に広がる光柱を見て、魔法剣士はようやく涙した。
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/10(土) 22:21:28.52 ID:SQL/CkZAO
>>1
眼鏡ェ…
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/10(土) 22:32:02.91 ID:WNVxzMXso
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/10(土) 22:42:54.11 ID:WJmGX867o
いちおつ
眼鏡さん…
魔法剣士も一人で五行使って大丈夫なの?
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/10(土) 23:05:15.05 ID:M6Vy2SwYo
>>1
魔法剣士さんは流石主人公の一人だな…脇役は見習えよ
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/10(土) 23:07:40.02 ID:EL9TU7qRo
690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/10(土) 23:28:14.64 ID:Avg+HoHro
1乙

眼鏡さんが五行で…うわぁ
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/11(日) 00:09:59.72 ID:IE1dGoiDO
眼鏡たん…
692 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/11(日) 00:10:36.68 ID:yYJt92M1o
 ドッドオオオオォォォォ……

魔法剣士「……眼……鏡っ」ザッ

 地面に膝をついた魔法剣士の体内に、徐々に激痛が広がる。

魔法剣士「……っ!!」ズキイイィィ!!

 今までの戦闘で受けた傷に加え、単身、五行を放った反動である。

 魔法剣士は肉体も精神も、既に限界に近い状態を迎えていた。

 雨が急に冷たく感じた。今までは何ら気にもならなかったのに。

魔法剣士「…………」

 足取り重くその場を後にしようとする魔法剣士だったが、

 背後の物音に気付き、その足を止めた。そして振り返った。

魔法剣士「……?」

 ザッ……ザッ……ザッ

魔法剣士「――っ!!」

 そこに伏せていたのは紛れもなく人間の姿をした男の姿。

魔法剣士「……眼鏡っ!!」
693 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/11(日) 00:11:37.68 ID:yYJt92M1o
 ダダッ!! ザッ

魔法剣士「眼鏡っ!!」

眼鏡「…………」

魔法剣士「しっかりしろっ!! 今……」

眼鏡「……魔法……剣士か」

魔法剣士「ああ、そうだ! 今、助け――」

眼鏡「オル……トロスは……」

魔法剣士「倒したさ! 俺と……お前の力でっ!」

眼鏡「……そうか。良かった」

魔法剣士「もう喋るなっ、すぐに誰か回復出来る奴を――」

 ボロッ……

魔法剣士「……?」

眼鏡「もう……いいんだ」ボロボロッ

魔法剣士「!?」

眼鏡「肉体はもう持たない。だから、いいんだ……」
694 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/11(日) 00:12:23.50 ID:yYJt92M1o
魔法剣士「眼鏡!!」

眼鏡「僕は君に……礼を……」

魔法剣士「……それは、俺の方さ」

眼鏡「……」

魔法剣士「あんたのお陰で俺は何度も救われた! 俺の命は眼鏡っ、あんたのお陰であるんだ!」

眼鏡「魔法剣士……」ボロッ

魔法剣士「あんたがいてくれたから俺はっ、今もこうして生きてる!」

眼鏡「……」

魔法剣士「あんたが教えてくれたからっ、俺は生きる喜びをこうして……」ポロポロ

眼鏡「俺の為に……泣いてくれるのか」

魔法剣士「だからっ、俺はあんたを救う!」

眼鏡「……なぁ、魔法剣士」

魔法剣士「……っ」ゴシゴシ

眼鏡「最後に伝えたい事が……ある」

魔法剣士「最後だなんて……言うなよ……っ」
695 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/11(日) 00:13:00.62 ID:yYJt92M1o
眼鏡「詩人、彼を信じてやってくれ」

魔法剣士「……」

眼鏡「彼もまた……僕と同じだ」

魔法剣士「詩人……っ」

眼鏡「人の心と魔王との狭間で……生きている哀しい男なんだ」

魔法剣士「……ど、どういう」

眼鏡「彼は決して、敵ではない」

魔法剣士「……奴は、ジュニアと賢者を」

眼鏡「きっと無事だ。だから、信じてくれ」ボロボロッ

魔法剣士「……っ」

眼鏡「いよいよ……これまでのようだ」

魔法剣士「眼鏡っ!?」

眼鏡「君と居た……この数年間、楽しかったよ」

魔法剣士「眼鏡……っ! 眼鏡ぇ!」

眼鏡「本当にありがとう。心から……感謝する」
696 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/11(日) 00:13:39.51 ID:yYJt92M1o
 グイッ!!

魔法剣士「まだだっ! あんたは俺が……全体に連れて帰るんだ!!」

眼鏡「……僕を……1人の人間として接してくれて……ありがとう」

魔法剣士「眼鏡ぇ!!」

眼鏡「ああそうだ、最後に1つ……頼みを聞いてくれないかな?」

魔法剣士「……!!」

眼鏡「あの子だけは……拾ったんだ。魔族じゃないんだ……」

魔法剣士「……っ」

眼鏡「甘えん坊でね、君が面倒を見てくれると……嬉しいな……」

魔法剣士「……名……は?」

眼鏡「……そういえば……付けてないなぁ。君の好きに……付けてやってくれ」

 ボロボロッ ボロッ……

魔法剣士「――!?」

眼鏡「次に生まれてくる時は……人間であります……ように――」

魔法剣士「眼鏡ええぇぇぇぇーっ!!」
697 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/11(日) 00:14:07.89 ID:yYJt92M1o
 ザアアアアァァァァ……

魔法剣士「…………」ザシャッ

 肉体は土のように崩れ、地に消えていった。

魔法剣士「……ぐ……っ」

 同時に、六道門・地獄は、静かにその扉を開いた。

魔法剣士「……ああああぁぁぁぁ!!」

 タッタッタッタッタッ……バシャッ

犬「ハッハッハッ」

魔法剣士「……お前の主人は……逝った」

犬「クゥーン」ペロペロ

魔法剣士「慰めて……くれているのか……」

犬「……ワンッ」フリフリ

魔法剣士「……帰ろう……ケルベロス」

犬「ワンワンッ!」

 ケルベロスと名付けた犬と共に、魔法剣士は六道門・地獄を後にし、本陣へと戻って行った。



〜第五十九部、完〜
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/11(日) 00:21:39.69 ID:yYJt92M1o
ひとまずここまでにて。投下少なくてすみません…
あと本日は追悼の意も含め、投下は休載とさせて頂きたいと思います
暗い展開ばっかなので、あってもギャグのオマケになるかなと

それではおやすみなさい!ご支援ありがとうでした!ノシ

〜超久々の次回予告〜

皆さんお待ちかね!

アンデッドと化したネクロマンサーの人形に立ち向かう召喚士達!

その中で、兄様の悲しい宿命を目の当たりにする盗賊!

そして彼女は、愛する兄達を呪いから解き放つため、五行を放つのです!

召喚士「行けっ!コカトリス!!」、「影忍散る! 盗賊、涙の必殺拳」に、レディ・ゴー!
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sagesaga]:2012/03/11(日) 00:39:42.48 ID:HVrsKd2Do
>>1
今日は休載か
もし休載じゃなくても玄武娘は登場させられないな
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/11(日) 00:57:13.57 ID:DplToIgCo
残念だけどしょうがないね
黙祷!
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/11(日) 00:58:36.25 ID:IE1dGoiDO
眼鏡が死ぬとは無念

昨日お迎えした兎の名前はケルベロスにしよう…
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/03/11(日) 01:00:42.69 ID:2ay1kqTro
ケルベロスちゃんとかこえーよ
実際はバフォメットクラスに気持ち悪い犬っころだぞ
703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/11(日) 01:32:36.33 ID:j4fLyBa1o
そこはそれ・・・
胡散臭い関西弁で喋るクロウカードの守護者とかで再生しときなさいよ
704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2012/03/11(日) 01:38:17.66 ID:XmADHfCAO
色々混ざってるな
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/11(日) 01:54:26.05 ID:CViiuVPxo
>>1

ケルベロスはブルドックなイメージ
だからどうしたと言われればどうもないのだが、ただ言いたかった。
ケルベロスはブルドックなイメージだ。
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) [sage]:2012/03/11(日) 02:43:37.32 ID:90vs4K4j0
五行でケルベロスは消滅したけど眼鏡は残っていた。 とかいうオチかと思ったけどそんなことはなかった
707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/11(日) 03:00:35.35 ID:/1gR75AAO
顔がパグのケルベロスとか怖い
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/11(日) 03:28:09.62 ID:94jD6IC2o
ケルベロスと名づけて自分を舐めさせる魔法剣士
魔道士がアップを始めるな
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/11(日) 03:41:11.56 ID:cQYHv0fIO
奇遇だな
俺のチンチンもケルベロスって名だ
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/11(日) 04:02:06.04 ID:YRvPlhxE0
>>1 おつ
眼鏡さん……
詩人はわけありか
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/11(日) 04:46:27.38 ID:Dq+TT0ad0
>>1おつんつん

眼鏡さん死んじゃった・・・・
712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/11(日) 07:24:23.97 ID:cPg/eSKoo
>>709
チワワ乙
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/11(日) 07:38:13.14 ID:o+a981lDO
>>709
童貞をまだ守ってるとは優秀なチワワだ
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/11(日) 13:33:39.55 ID:kre1Bfkuo
ケルベロス(CV 久川綾)
715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/12(月) 08:32:52.76 ID:n1r5LHWDO
こういった本性隠してる系のキャラって、大体の場合に於いて仮の姿と本性で口調が変わるよな。
本性見られた後で再び仮の姿に戻ったときに、またお出掛け用の口調に戻すのって気恥ずかしくないもんかな……
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/12(月) 09:25:25.28 ID:Xjy91pqq0
一々気にしていては前へ進めぬでござるよ薫どの
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/12(月) 14:55:03.74 ID:U5DtUWaDO
おろろ
718 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/12(月) 17:36:46.17 ID:mBzbUnljo


大軍師「眼鏡殿が……死んだ?」

伝令「はっ。それにジュニア殿、賢者殿も行方不明……っ。更には……」

エリート「……」

伝令「魔法剣士殿も交戦の末、戦闘不能の状態との事です……っ!」

皇太子「……トップクラスのランカーが……そんなにもか」

伝令「ですが、六道門・地獄は開かれました」

大軍師「そうですか」

 ドドッドドッドドッ……

北方兵「たっ、大変です!」

大軍師「!?」

北方兵「ハヌマーン軍っ、壊滅! 退却しております!」

エリート「何ぃ!?」

大軍師「壊滅? 損害の規模は……?」

北方兵「間もなく、ハヌマーン殿らが到着致します!」
719 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/12(月) 17:37:35.04 ID:mBzbUnljo


 ザッザッザッ

ハヌマーン「……」

オーク「…………ん」

ハヌマーン「オーク!? 気付いたか……?」

オーク「こ……こは……?」

ハヌマーン「一夜城だ。我らは今、退却している」

オーク「ハヌマーン……オラ、重いでしょ? 降ろして下さい」

ハヌマーン「良いからそのまま背に乗っておるが良い」

オーク「……ッ」

紅孩児「よぉ、お前……凄かったな」

オーク「へ……っ?」

紅孩児「何だ、覚えてねーのか。お前があの、門番を倒したんだぜ?」

オーク「門番? あ……ッ、そういえばキング……!!」

同門「……」
720 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/12(月) 17:38:20.93 ID:mBzbUnljo


大軍師「ハヌマーン殿っ!」

ハヌマーン「済まぬ。此方は皆、限界のようだ」ザッ

皇太子「壊滅と伺ったが?」

ハヌマーン「……貴重な仲間を多数、失ってしまった」

白馬騎士「……っ」

ハヌマーン「だが、六道門・畜生は開いたぞ。後は……頼む」グラッ

オーク「!?」

ハヌマーン「少し……休む……ッ」ドサッ

オーク「ハヌマーン!? ハヌマーン!!」

紅孩児「コイツも限界だったんだろうな」

同門「……」ザッ

紅孩児「どこへ行く?」

同門「魔王城に決まっているだろう」ザッザッ

紅孩児「お、おい! お前だってダメージ受けてんだろ!」
721 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/12(月) 17:39:15.27 ID:mBzbUnljo
同門「関係ない」ザッザッ

大軍師「お待ち下さい。まずは現状の把握が必要です」

エリート「大軍師の言う通りだ。開門したからとて突入するのは危険すぎる」

同門「時間がない」

大軍師「それはご尤もですが、適材適所で編制する必要がございます」

同門「……っ」

皇太子「焦りは禁物だぞ、死んでしまっては意味がない」

同門「……どうすればいいっ!」

大軍師「要人を招集致します。しばし小休止を」

エリート「伝令っ! 急がせよ!」

伝令「はっ!」ザザッ

皇太子「いよいよ魔王城突入か……」

大軍師「ええ。ここからが本当の戦いと言えるのかもしれませんね」

皇太子「戦いに真も偽りもないさ。だが、重要な局面である事に違いはないだろうな」

大軍師「……」
722 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/12(月) 17:40:13.08 ID:mBzbUnljo


 バシュウウゥゥゥゥ……スタッ

青龍士官「大元帥、状況は!?」

青年兵「これより説明する。あとは上様と名代殿だ」

 ドドッドドッドドッ……

帝「すまぬっ、梃子摺った」

大軍師「いえいえ。これで揃いましたね」

西方参謀「門が開いたらしいな」

白虎長「私も直に見たわっ。確かに……開いていた」

南方副司令「しかし敵が出てくる様子もなかったな」

大軍師「内部にはほとんど、魔物は居ないと言う事でしょう」

王子「全て、外に出払っているという事か……」

大軍師「あとは、1匹で万に相当する魔物が控えているという事です」

エリート「門の護衛もその類だろうな。まぁ、2匹イコール2万は消したわけだ」

大軍師「こちらも1万に匹敵するワーカーを4人も失いましたがね」
723 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/12(月) 17:40:46.79 ID:mBzbUnljo


大軍師「では全員揃ったところで始めます」バサッ

青年兵「……」

大軍師「ここ、魔王城を中心に現在の状況を把握したいと思います。
     まず、魔王城より南西に位置するここ一夜城。一夜城には現在、
     我らが集結しており、また、ここより魔王城へめがけて、12万余りの
     兵が南北へ分断するように、魔王軍を抑え込んでおります」

名代「……ふむ」

大軍師「12万の兵は現在、各司令部、本国、東方、西国、そしてワーカー、
     これらが総力をもって対応致しております。この均衡が破られれば、
     それは即ち戦線を絶たれ、今作戦の大幅な遅れを意味します」

皇太子「つまり、この状態を保ち、崩すわけにはいかぬと言うのだな?」

大軍師「そうです。その為には魔王城へ大軍を進める事も出来ません」

エリート「どのみちそのつもりもないのだろう?」

大軍師「ふっふっふ、まぁそうですね。さて、ここで戦力の把握です。
     先にここ以外の状況をご説明致しましょう。まずは魔王城の裏手。
     こちらには天才殿と朱雀先生パーティー。更には剣士殿パーティー、
     東方司令、特遊の面々が北の森を抜け、対応しております」

南方参謀「そんな数で大丈夫なの?」
724 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/12(月) 17:41:22.87 ID:mBzbUnljo
大軍師「何度も申し上げますが、個々の強さは格段ですから」

青年兵「それに、隠密ですから少人数の方が有利ですね」

大軍師「他にも斥候を務める国軍兵やワーカーが数名、魔王城近辺を探っております」

帝「ふむ」

大軍師「そしてここより南東にあたる北関。こちらには将軍殿を中心に、
      軍の者とワーカーがおよそ3万〜5万ほど駐屯しております」

博士「ずいぶnアバウトなのら」

大軍師「遊撃に出ているワーカーもいますでしょうし……」

左翼長「死んでるのもいるだろうからな」

大軍師「離れている為、伝令の回数も少なく、明確な数は把握出来ません」

騎士長「主戦場ではないし、まぁ問題にはなるまい」

バーテン「重要なのは輸送だ。これを潰されると長くはもたん」

大軍師「仰る通り。先程、北関から物資の輸送がありましたが、今後もこれを継続致します」

西方副司令「食糧はともかく、武具や結界石は不足がちだしね……」

大軍師「問題なのは魔王軍の進軍を許すかどうか、それだけです」

エリート「そうだ。魔王軍を食い止め、北関にさえ向かわせなければそれで良いのだ」
725 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/12(月) 17:42:13.46 ID:mBzbUnljo
大軍師「そして此処より南西に位置する……北方司令部。
     此方には参謀殿率いる若干の兵らが万が一に備え、
     最終防衛線として、護衛に務めております」

西方参謀「ここが打撃を受ければ最終防衛線なぞ無意味だ。押し上げたらどうだ?」

大軍師「頃合いを見てですね。ワーカーもまだ、全てが揃っているわけではありませんから」

東方参謀「どうせ今から来る連中なんぞ、大した役にも立たぬわ」

大軍師「まぁまぁ。役に立つかどうかは使い方次第ですよ」

皇太子「現状はおおよそ理解した。それで、どうするのだ?」

大軍師「いよいよ突入に関しての作戦を申し上げます」

青龍士官「……」

大軍師「華国は現状通り、一夜城の護衛をお願い致します」

白馬騎士「了解致しました」

大軍師「次に初代特遊の皆様は、一夜城を中心に兵の指揮を」

左翼長「俺らをダシに士気を上げようってか?」

騎士長「相変わらず抜け目ない策士だな」

大軍師「……ふっふ」
726 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/12(月) 17:42:47.38 ID:mBzbUnljo
バーテン「ま、ワーカーでも軍人でもねぇ俺らはそれが丁度いいわな」

戦士父「ああ、そうだな」

大軍師「宜しくお願い致します。次にハヌマーン軍」

ハヌマーン「うむ」

大軍師「ハヌマーン軍の損害は大きい。ここはひとまず遊軍に徹して下さい」

ハヌマーン「承知した。数も減ってしまった事だし、撹乱に努めるとしようか」

オーク「はいです!」

大軍師「東方、西国の皆様は、魔王軍迎撃に集中して頂けますか?」

王子「お言葉だが、それは魔王城突入の戦力として不足という事か?」

大軍師「いえいえ、そうではありません、あくまで余力を残して頂きたいのです」

帝「余力……?」

大軍師「この戦いは確かに、世界中から見ればまさに最終決戦」

名代「……いかにも」

大軍師「しかし、まだ最後の最後には本当の敵が待っているのです」

王子「……っ!!」
727 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/12(月) 17:43:26.25 ID:mBzbUnljo
大軍師「それは即ち、魔王サタン」

青年兵「……っ」

大軍師「サタンを討つべく指名されたのは、皆様もご存知の通り……」

王子「召喚士さん達か」

大軍師「……どうか、彼らのお力になって頂きたいのです」

帝「……そうい事ならば、今回は自重する以外になさそうだな」

僧兵長「旗本殿の仇は……この手で討ってみせるぞ……っ」ググッ

王子「分かりました大軍師殿。そういう事情ならば最初から言ってくれれば良いものを」

大軍師「すみません。どうも回りくどい性格でして」

白虎長「私達、召喚隊はどうするの?」

大軍師「魔王城の前に布陣して頂きます」

青龍士官「!?」

大軍師「内部、外部ともに連携、援護が出来るよう。過酷な任務ですが……出来ますか?」

白虎長「やるしかないんでしょう? いいわよ」

青龍士官「……それだけ我らの実力を買ってくれているという事だな」
728 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/12(月) 17:44:01.53 ID:mBzbUnljo
大軍師「さて、残る本国、各司令部の面々は……」

皇太子「魔王城だな?」

エリート「やるしかないか。まぁここまで来れば、どこに居ても危険に代わりはない」

南方司令「腕が鳴るな。正義の為に」

西方司令「意味不明なんだよテメェは。殺すぞ! あ?」

大軍師「博士、西方魔道長らは一夜城にて支援攻撃を」

博士「了解なのら」

西方魔道長「精鋭魔道兵もまだ健在さね」

大軍師「これで以上ですね」

青年兵「あの、他のワーカーはどうしますか?」

大軍師「大元帥殿にお任せ致しますよ。ご自由に指示なさって下さい」

青年兵「……了解です」

西方参謀「よーし。そうと決めればすぐに準備へ取り掛かれ! 時間は限られてるぞ!」

東方参謀「……雨も止んできたか?」

大軍師「恵みの雨だったのかそうでないのか。終わってみないと分かりませんかねぇ」ヒラヒラ
729 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/12(月) 17:44:46.22 ID:mBzbUnljo
 天からの涙が止んだ時、魔王城の門が3つ開いた。

 雨があがっても哀しみが止まるわけではない。人の宿命<さだめ>か。

 ここに集いし一同の数奇なる宿命と、そして別れ。その先にあるものとは?

戦士「おっし、行くぞ」

盗賊「ああ」

東方司令「「……魔王城……か」

男隊員「門の先は……1本道か」

女隊員「何だか、気味悪いッスねぇ……」

女賢者「それじゃ、本陣に戻ります〜」

幼女「お、お気を付けてっ!」

天才「……」

召喚士「どうしました? 天才さん」

天才「……皮肉ってか、こういうモンなのかねぇ。ま、そうなんだろうな」

召喚士「……?」

天才「おら、さっさと行くぞ」

召喚士「は、はいっ!」
730 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/12(月) 17:46:41.20 ID:mBzbUnljo



 召喚士「行けっ!コカトリス!!」

      〜第六十部〜
731 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/12(月) 17:48:41.49 ID:mBzbUnljo
〜一夜城、医務室〜

魔法剣士「…………」

 意識はある。しかし目はうつろに見知らぬ天井を眺め、終始無言であった。

衛生兵「あ、あの……どこか痛みますか?」

魔法剣士「…………」

 ただ先程の出来事を、頭の中がぐるぐるとよぎっていた。

 ふと、犬の鳴き声が聞こえ、魔法剣士はそれに反応してベッドから身体を起こした。

衛生兵「あっ! あの……まだ傷が……」

魔法剣士「こんなもの、傷のうちに入らん」

 上半身に巻かれた包帯を撫で、その上から上着を羽織り、医務室を出た。

犬「ワンワンッ」

魔法剣士「ケルベロス……」

犬「……ワンッ!」フリフリ

魔法剣士「腹が減ったのか? 何か……食いに行くか」ザッ

犬「ワンッ!!」
732 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/12(月) 17:49:26.82 ID:mBzbUnljo
 功績ランク2である眼鏡の死。それに加え3位のジュニアが魔物の手により失踪。

 4位の魔法剣士もオルトロスとの激しい交戦の末に魔力枯渇で戦闘不能。

 その報は戦場を瞬く間に駆け巡り、各戦地での士気を著しく下げた。

 ドッドオオオオォォォォン!!

左翼長「何だってんだ! 急に動きが鈍くなりやがった……っ」

騎士長「眼鏡らの情報が広まって、混乱を招いてるらしいぞ」

左翼長「バカヤロウ! すぐに収拾しろ!」

エリート「南側の魔王軍が押し込んでいる! 抜かれれば北関だぞ! 兵を回せっ!」

騎士団「了解でありますっ!!」ドドッ

青年兵「六道門の開門よりも、やはり眼鏡さんの死が影響しましたね」

大軍師「ええ。噂というものは良い噂よりも悪い噂が広まるものです」

青年兵「しかしここで崩れるわけにはいかない。何とか堪えなくては」

大軍師「少し早いですが、突入隊を進めましょう」

青年兵「……ええ、そうしましょう」

大軍師「では皆様、突入準備を」
733 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/12(月) 17:51:29.66 ID:mBzbUnljo


大軍師「突入隊、前衛は南方司令、西方司令、東方参謀、南方副司令。
      後衛に陛下、右大臣殿、南方参謀、西方副司令、そして私」

西方参謀「全滅したら本国は権力取り放題だな……ガハハッ」

南方参謀「笑い事じゃないわよ……っ」

皇太子「構わんさ。これだけ密集していた方が、むしろ清々しい」

南方司令「陛下の申す通り。清々しい正義の力だ!」

西方司令「やっぱりテメェは殺す!!」

エリート「静かにせんか! 全く……」

大軍師「大元帥殿。ワーカーは貴方にお任せ致しますよ」

青年兵「了解です。どちらの門を行かれますか?」

大軍師「我らは奥の、六道門・畜生を進みます」

青年兵「分かりました。それではお気を付けて」

大軍師「では参りましょう」

皇太子「出発だ。あとの指揮は任せる」
734 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/12(月) 17:52:15.42 ID:mBzbUnljo
王子「了解した」

帝「ご武運を」

 ザザッ ドドッドドッドドッ……

王子「あれだけ本国要人達の本気を見せられてしまうと……」

帝「此方もやるしかないな」

王子「……西国の者らよ、本国の皆は陛下や要職の者が先陣切って戦っているぞ!」

帝「東方の皆、我らもまけてはいられぬぞっ」

名代「上様に続けっ、お守りするのだ!」

槍侶「おぉーっ!!」

西国兵「スフィンクス! 突撃ーっ!」

王子「さぁ、我らも」

帝「うむ。参ろうぞ」ザッ

王子「彼らの為に、道を切り拓けぇ!!」

帝「露払いじゃっ! 妖を蹴散らし、道を作るのだっ!」

 西と東。それぞれの王が共に居並び、突入隊の道を大いに作り上げた。
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/12(月) 18:01:25.49 ID:mBzbUnljo
第六十部突入というところでひとまずここまでにて
しかし全然進まないですね…なんとか4年目突入は避けたい…

本日もご支援ありがとうございました!そいではっ!ノシ
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/12(月) 18:04:49.75 ID:c3+hhXIvo
いちおつ
4年程度で終わるわけないじゃないか
737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/12(月) 18:10:10.71 ID:w6O6tkWUo
乙です
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/12(月) 18:21:57.32 ID:9JZj+XpAo
>>1

4年www
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2012/03/12(月) 18:56:52.01 ID:UcaCv2yzo
もう、3年も見てるのか
月日が経つのも早いものだな
あっという間だった
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/03/12(月) 19:08:40.38 ID:/MUcXgmBo
>>1ヲツ
3年かけてプロローグ終盤とか壮大過ぎワロリ
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/12(月) 19:25:54.23 ID:NcTBWFZWo
>>1
最初から長期連載になるのはわかっていただろうwwwwww
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/12(月) 19:52:39.34 ID:bb0sW1zgo
>>1

もう、4年目を意識する時期になったのか…
懐かしいな魔導師男とか断髪とか
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/12(月) 20:03:15.84 ID:SIO24Ni5o
いやいやペニスからは想像できんわ
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/12(月) 20:57:30.65 ID:4IGVnlNl0
>>1

そんな長いのか…
100スレとかいったい何時になるんだろうな
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/12(月) 21:35:51.40 ID:HCMoCjxro
SSVIP史上最長になるん?
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/12(月) 23:07:55.54 ID:XbE5dyWDO
クリトリス乙
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/12(月) 23:13:57.68 ID:7rXvlGsIO
何万字位書いてんだろうな。
文庫にしたら20巻は超えてそう
748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 01:21:13.93 ID:o6fLSX54o
本体ありのはきっと救えるって信じてたのに

ウィッチちゃん不憫すぎる


なにより今さらこの鬱設定なんの意味があるんだよ
いくらなんでも救われない
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 01:33:41.83 ID:CqvDwrgko
いちおつ
魔法剣士、犬の言葉がわかるようになったのか?
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/13(火) 01:53:43.13 ID:Hwvw2vMko
>>748
そうか?
ウィッチを救う、というかネクロマンから解放するなら、あれでいいと思う
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 02:10:37.84 ID:8psmddIro
SS最長はどれだろうな…
既にママレさんとかジムさんのSSは超えた気がする
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2012/03/13(火) 02:11:57.34 ID:egDVuxdD0
>>1 おつ
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山梨県) [sage]:2012/03/13(火) 02:28:57.80 ID:MG7NV/kxo
SS自体のながさはママレのがあるかもね
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 02:54:21.73 ID:ex4ECCXDO
年数だけならアルファベットとかじゃね?投下速度は遅かったけど一話一話は長かった気がする。完結まで5年2ヶ月の大作だし
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 02:56:48.81 ID:ex4ECCXDO
あっこの板での話か、早とちりしちまった
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 05:47:06.40 ID:VLB45vy0o
アルファベット完結してたんだな
知らなかった
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 07:46:56.62 ID:Tg73uBQIO
コカトリスはアルファを超えて100スレか…胸厚
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/13(火) 07:52:21.47 ID:UlTqwSX4o
アルファは最後の2話出すまでに時間かかりすぎじゃ…
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/13(火) 08:19:24.33 ID:YMrPavJLo
こんなもん雑談スレでやれよ
つーか議論すんならさっさと文字数カウントしてこいや。ほら早くしろよ
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2012/03/13(火) 08:31:11.16 ID:OKiHr+2jo
>>759
五字(誤字)
761 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/13(火) 18:05:28.69 ID:XBviLHtdo
〜魔王城、六道門・人〜

 城内を走る一同の足音が、カンカンと城内に響き渡る。

 先頭を無言で駆ける天才と盗賊は周囲に警戒を払いながら、

 決して広いとは言えないその通路をひたすら前へ前へと進んだ。

 薄暗い城内は召喚士のサラマンダーが松明代わりを務め、

 ほのかな明かりとして皆の視界を若干ながら切り拓く。

 やがて通路は広い部屋へと代わり、そこには上下2つの階段があった。

 ズザァ

天才「さーてさて」

召喚士「……どっちですかね」

天才「まー当然、魔王様は上だろうな」

戦士「んじゃ、上に行くか」

天才「あーまぁ別にいいけど、お前らは下の方がいいんじゃねぇの?」

魔道士「……?」

天才「下は多分、根暗ヤローのラボだぜ」
762 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/13(火) 18:06:11.00 ID:XBviLHtdo
召喚士「!?」

天才「ここでぶっ倒す必要もないっちゃないけど、ラボを野放しは厄介なんじゃねぇの?」

戦士「なんじゃねぇのって、他人事だなおい」

天才「他人事だよ。どうせ俺様、ここで死ぬ予定ですし。ハーッハッハ!」

召喚士「……っ」

剣士「でも確かに、ラボは潰しておく方が後々の面倒にならないんじゃないかな?」

戦士「ああ、そうだな。それに、精神的にもスッキリするしな」

盗賊「……」

天才「別にどっちでもいいぞ。魔王倒したらこの城が健在とも限らんし」

魔道士「どう……します……?」

召喚士「俺は……」

戦士「行くだろ? ラボによ」

盗賊「悩むまでもないな」

召喚士「……みんな」

魔道士「私……っ、ウィッチちゃんの為にも……絶対に倒したい」
763 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/13(火) 18:06:43.44 ID:XBviLHtdo
天才「決まりだな。んじゃ頼んだぜ」

男隊員「俺らはあんたの援護に回る。いいよな?」

格闘家「もちろんです。師匠の役に立てるのならば」

ボス「俺は、従うだけです」

女隊員「今の隊長はあんたッスから。隊長に任せるッスよ」

男隊員「ヒャハハッ。んじゃ、そういう事で」

天才「足手纏いになんなよ?」

格闘家「頑張ります」

弓使い「私達は……どうする?」

剣士「召喚士くん達の援護に回ろうか」

幼女「うんっ、そうしよう!」

召喚士「ありがとう、剣士さん」

剣士「いやいや。ネクロマンサーには僕も、貸しがあるんでね」

盗賊「……っ」

剣士「みんなで、あの悪魔を倒そう!」
764 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/13(火) 18:07:28.87 ID:XBviLHtdo


天才「いいか? 魔王城内への突入は人類史上初めての出来事だ」

召喚士「ええ」

天才「何があるか全く分からん。くれぐれも用心しろよ」

魔道士「……はいっ」

天才「危ういと思ったら躊躇わず退け。いいな?」

戦士「おう。あんたもな」

天才「ハーッハッハッハ! ……じゃあな」ザッ

魔道士「……あ、あのっ!」

天才「……」

魔道士「あの、天才さん……」

 ザッザッザッ……ザッ

天才「……いいか? お前の中には王家の血が流れてる」

魔道士「……っ」

天才「その力は必ず、役に立つ。今のお前は哀しみを乗り越えた強さがある。自信を持て」クシャッ
765 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/13(火) 18:09:26.24 ID:XBviLHtdo
魔道士「あ……っ!」

天才「お前の手料理、美味かったぜ。んじゃな!」バッ

 タッタッタッタッタッ……

女隊員「それじゃっ、またあとで必ず合流するッスよ!」

戦士「おうっ!」

格闘家「ご武運を」

盗賊「……そっちもな」

ボス「失礼します」ザッ

召喚士「お互い、頑張りましょう!」

 タッタッタッ……

戦士「……さて、準備はいいか?」

弓使い「オッケーよ」

剣士「このメンバーだけっていうのもも久し振りだね。見せてやろうよ、僕らのチームワークを」

魔道士「はいっ!」

召喚士「さぁ、行きましょう!」ザッ
766 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/13(火) 18:10:04.09 ID:XBviLHtdo
〜魔王城、正面〜

 ズッドオオオオォォォォン!!

西方魔道長「どうせこれで最後なんだっ。枯渇するまで撃ち続けなぁ!」

精鋭魔道兵「イエッサー!!」

博士「北関からの補給は完了したのら。さぁ、次の補給が来るまで撃ち続けるのらっ!」

助手「はいはーい♪」ガシャコン

左翼長「……マズイな」

騎士長「ああ。魔王軍が開門以降、中央を捨てて外に流れてやがる」

左翼長「陣形を変えて遮断したいところだが、戦力差がありすぎるからな……」

バーテン「今の状態のまんま逆になるわけだ」

戦士父「……中央の12万が2手に別れ、6万ずつで20万以上を包囲か? 無謀すぎるな」

騎士長「出来る事といえば?」

左翼長「……どちらかを捨てて片方に全力であたる」

バーテン「ま、それしかないだろうな」

戦士父「どちらが優先だ?」
767 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/13(火) 18:10:51.13 ID:XBviLHtdo
左翼長「決まってんだろ、南側の北関だよ」

騎士長「北側は一夜城からも近いし、対応はしやすい。だが北方司令部は……」

バーテン「放棄するしかないな。北方司令部だけならマシだけどな」

左翼長「……北の港まで進軍するとは思えないが、どんな事態も想定しておく必要がある」

戦士父「ましてや民間人が大勢いるのだ。危険には晒せん」

騎士長「かと言って、北関が陥落すれば、それは事実上の敗戦に繋がる」

バーテン「一気に本国や大陸へ、魔物が流れ込むからな」

戦士父「さぁ、決断の刻だ」ザッ

左翼長「……俺らは南側に、全軍を率いて魔王軍とあたるぞ」

騎士長「了解」

左翼長「伝令っ! 北方司令部へ全軍出撃命令を出せっ!」

伝令「ははっ!」

左翼長「最北の村や近辺の村にも同様だ。拠点は放棄し、必要物資を持って出撃!」

伝令「了解致しました!」ザザッ

左翼長「さて……次が過酷な問題だな。英雄となるか、愚者となるか……」
768 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/13(火) 18:13:12.38 ID:XBviLHtdo


 ザッ

王子「火急と聞いたが、どうした?」

左翼長「お集まり頂き、感謝します」

帝「良い。それよりも何事なのだ?」

左翼長「魔王城が開門した事により、魔物の動きに変化が生じております」

名代「それは私も薄々、感じておりました」

左翼長「魔王軍は白の防衛、及び我ら中央にいる本隊を排除する動きから、
      徐々に退路を確保しながらの戦闘に変化しております」

王子「それで、どうすると?」

騎士長「このまま挟撃に移行しても、倍の数を挟み込むのは困難極まりない」

王子「……どちらか一方を集中攻撃という事か?」

左翼長「察しが宜しくて助かりますわ」

名代「しかしそれならば、我らを呼ぶ必要はありませんよね?」

左翼長「……これまた察しが宜しいようで」
769 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/13(火) 18:14:04.78 ID:XBviLHtdo
 ザッ!!

騎士長「我ら国軍が命に代えて、南側を死守致します」

左翼長「皆々様には……北の魔物にあたって頂きたいっ!」

帝「北……」

王子「……頭を上げられよ左翼長殿」

左翼長「……」

王子「そういう事ならば、喜んで引き受けるぞ」

左翼長「申し訳ありませぬ……っ」

名代「良いですから、どうか頭を上げて下さいませ」

帝「そうじゃ。ここまで来れば何をしようとも生か死か、二つに一つじゃ」

バーテン「……」

帝「寧ろ寡兵で我らに戦わせるなど、信頼して頂き、感謝するぞ」ニコッ

騎士長「……は、ははぁ」

王子「それで、北側にあたるのは私らのみか?」

戦士父「……丁度、来たようだ」
770 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/13(火) 18:15:31.14 ID:XBviLHtdo
 ザッザッザッ

アマゾネス「あの、何か……」

左翼長「あんたらの召喚獣は大いに助けになる。どうか合流して欲しい」

おさげ「へっ?」

バーテン「これからもう一仕事してもらうって事よ」

色黒「ちゃーんと報酬はくれるんでしょうねぇ〜?」

ポニテ「タダ働きはイヤよっ」

左翼長「あー分かってるって。俺が約束する。報酬は倍以上を保証するよ」

ツインテ「ふにゃああぁぁ! やったーっ!」

左翼長「んで、アンタらもオーケーか?」

玄武娘「……朱雀嬢ちゃん」

朱雀嬢「もちろんですわ。断る理由がりませんもの」

玄武娘「だそうですの!」

騎士長「これで相当、質の良い面々が整ったな。あとは……」

左翼長「……アイツら、どこで油を売ってやがる……っ」
771 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/13(火) 18:16:16.94 ID:XBviLHtdo
〜魔王城、北側〜

 ズッガオオオオォォォォン!!

マジシャン「ふーっ。もういいだろ」ザッ

師匠「魔物の侵攻方向が変わってんな」

マジシャン「門を突破されて諦めたんだろ」

師匠「どうせ退路なんざねーってのによ」

マジシャン「退路がねーってのはマズイな。近辺の村を襲われたら面倒だぞ?」

師匠「ちっ、しゃーねぇな。もっと頑張れや国軍よぉ……ガハハッ」

マジシャン「ハッハ! 仕方ねぇ。もうちょいとばかし手伝ってやっか?」

師匠「あんまり魔力は使いたくねーけどな」

マジシャン「死ぬよりマシだ。俺らも、仲間も、他の連中もなぁ」

師匠「だわな。まずは北に向かってる連中を食い止めんぞ!」

マジシャン「おうよっ!」

師匠「さっさと終わらせて、ゆっくりしようや! ガハハッ!」

マジシャン「同感だっ! ハッハ!」
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/13(火) 18:18:21.50 ID:XBviLHtdo
うえー全然進まない…今週はちょっとスローペースです…
ひとまずここまで!沢山のご支援ありがとうございました!
それでは失礼致しますね!ノシ
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 18:19:17.73 ID:RIefS7yto
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 19:07:44.12 ID:Sd7dMZZL0
おっつっつ

根暗もついに年貢の納め時か
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/13(火) 19:18:42.57 ID:ZY1lBiwlo
>>1

早く、早く師匠と出会ってくれよ名脇役!!ムズムズするじゃないかー!!
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 19:19:51.60 ID:o5dbMacIO
ネクラはしぶとそうだな。確実に倒す手段がないし
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/13(火) 19:28:47.89 ID:77iAB4BDO
いちょつ

師匠とマジシャンやっぱつえーんだな
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2012/03/13(火) 20:14:12.68 ID:XVQDMOAW0
>>1 おつ
夜になってアンデッドが出てきたらやっかいだな…
リッチもまだいるみたいだし
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/14(水) 05:03:44.05 ID:Wqdoabju0
>>1おつんつん
780 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/14(水) 18:20:10.81 ID:ISasBzC0o


 既に正午を回り、日没を迎えようかという北の戦場。

 連合軍は全軍を右翼、つまり南側へと陣形を大きく移し、

 およそ10万程度の将兵は横1列の布陣を何十にも重ね、それはまるで壁のようであった。

 その前方、無数の魔物が居並ぶ中を、その布陣へ近づけまいと、

 騎士団と一夜城から出陣した華国の精鋭が孤軍奮闘している。

騎士団「陣形が完成するまでっ、決して魔物を近づけるでないぞ!!」

老将軍「老骨に鞭打つのは……今日で最後とするかのぅ」

白馬騎士「先程までの威勢はどうしたのですっ、老将軍殿」

老将軍「気は盛んであろうと、身体は老いるものよ。痛感したわい」

騎士長「壁が出来たぞ! 兵器と精鋭魔道兵はその背後に回りこめ!」

博士「ほらっ、早くするのら!」

助手「はーいっ。それじゃあ出発〜♪」

左翼長「急げよぉ、敵は待っちゃくんねぇぞ!」

西方魔道長「こっちも早くしなっ。魔王軍が迫っているよっ!」
781 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/14(水) 18:20:59.66 ID:ISasBzC0o


 対して左翼、北側には打って変わり、大軍とは言えない数の将兵が集う。

 西国、東方、そしてワーカーを合わせても3万に満たないその軍勢。

 しかしそこには名うてのワーカーなども多く存在し、質では負けてはいない。

玄武娘「うぅー。緊張してきたですの……っ」

朱雀嬢「普段通りやれば大丈夫ですわよ。リラックスですわ」

玄武娘「リラックス……リラックスリラックス……ふあぁ〜」

 チョロロ

玄武娘「ひゃああぁぁ!! リラックスしすぎてっ、緩んだから少し出ちゃったですのー!!」

朱雀嬢「!?」

王子「……動いたな」

玄武娘「ごめんなさいですの……」

帝「うむ。ちと早い気もするが、後手に回ってしまっては不利だ」

玄武娘「ほえ?」

王子「皆の者、よく聞いてくれ。これより我らは魔王軍に対し、総攻撃をかける」
782 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/14(水) 18:21:32.29 ID:ISasBzC0o
色黒「!?」

アマゾネス「……やるのか」

王子「こちらは数が少ないのだ。ここに留まって陣を組んでいては逆に不利」

名代「確かに。狙い打ちされる危険性が御座いますな」

王子「よってここは最初から攻撃に特化し、魔王軍を撹乱する」

朱雀嬢「……宜しくってよ」ザッ

王子「この先の魔王城側には、国軍の召喚隊もいる。まずは一気に抜けるぞ」

帝「その後、全軍で反転しこの地点まで引き返す。それを繰り返すのだ」

僧兵長「おぉーっ!!」

槍侶「一番槍はお任せを」チャキッ

王子「頼りにしている。先方は西国召喚隊と東方軍! 他の者は後から続けい!」

朱雀嬢「ほらっ、行きますわよ!」

玄武娘「は、はいですの……っ!」

アマゾネス「さぁ、こちらも行くぞ。行けっ! ワルキューレ!」シュイイィィィィン

おさげ「やってやるわよぉ〜!!」
783 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/14(水) 18:22:29.20 ID:ISasBzC0o
 戦場が一気に慌しくなる。北側の王子率いる西国召喚隊と、

 帝率いる東方軍が魔王軍めがけ突撃し、交戦は激しさを増す一方であった。

 それとほぼ同時刻、南側においても小競り合いが勃発し、北側に押されるような形で、

 国軍が誇る壁と、倍以上の魔王軍が激突する事となった。

 この時点で魔王軍の戦力はおよそ25万程度と推測されるが、

 現場で戦う彼らがそんな事は知る由もなく、とにかく南下を防ぐべく戦っていた。

 南北では大きく戦力差が変わるが、数の少ない北側が不利かと言うとそうでもない。

 少ない数だからこそ、その場に布陣し留まらず、戦場を縦横無尽に動き回り

 移動する事で、魔王軍の攻撃を一手に受けず、かわす役目も兼ねている。

 それに対し南側の国軍兵らは、横1列の壁となり、その場に留まり、攻撃を食い止めている。

 交戦は1ヶ所のみにならず、被害は明らかにこちらの方が多かった。

 そして、何重にも及ぶ壁ではあるが、1点を突破されると、

 他の場所からその防衛に回るのは事実上、不可能に近いものである。

 魔王軍が城を捨て決死の突破を試みる背景には、諸々の事情があるが、

 最も大きいものとしては、魔王城開門がその理由である事は容易に想像が出来た。
784 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/14(水) 18:23:00.07 ID:ISasBzC0o
〜魔王城、玉座〜

ベルゼブブ「……所詮、寄せ集めの雑魚でしかないか」

アスタロス「制裁を」

ベルゼブブ「良い良い、放っておけ。それに無駄な行動ではなさそうだ」

アスタロス「……」

ベルゼブブ「突破を図り人間共の背後を強襲出来れば、それは脅威となる」

アスタロス「……我が主の意のままに」

ベルゼブブ「それよりも問題は六道門だ。よもや、突破されるとはなぁ」

アスタロス「……」

ベルゼブブ「貴様もそろそろ、迎え撃ってはどうだ?」

アスタロス「……御意に」フッ

ベルゼブブ「……」

 魔王ベルゼブブは何ら焦りや不安など覚えていなかった。しかし、多少の苛立ちを覚えた。

 それは自身の求心力と人間に対して抱いていたものが過小評価であった事。

ベルゼブブ「余に自身を苛立たせるとは、楽には死なせぬぞ……人間共」
785 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/14(水) 18:23:40.65 ID:ISasBzC0o
〜魔王城、六道門・人〜

 タッタッタッ……

女賢者「おかしいなぁ〜」

 タッタッタッ

女賢者「どこ行っちゃったんだろう……占い師さぁ〜ん!」ウルッ

 タッタッ……トボトボ

女賢者「……うぅ。はぐれた挙句、迷子になっちゃった」ウルウル

 トボトボトボ……ジーッ

女賢者「……もしかして、お城の中に行ったのかな? 行ってみよ!」ダッ



占い師「もうっ! あの女賢者って人、どこに行ったのよ!」

 ガサッ!!

占い師「――!?」ビクゥ!!

くの一「あ……っ、人……だ」

占い師「!?」
786 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/14(水) 18:24:25.31 ID:ISasBzC0o
女剣士「くの一、どうした!?」ドドッドドッ

占い師「味方っ! 良かったぁ〜!」

くの一「人がいます」

斥候「あっ! 占い師様!? どうしてこんな所へ……?」

占い師「元司令や朱雀先生と同行してたんだけど、はぐれちゃって……」

女剣士「はぐれた?」

占い師「まぁ正確に説明すると……」



くの一「……成程」

女剣士「それで、その女賢者という人は?」

占い師「知らないわよぉ。勝手にどっか行っちゃったんだもんっ」

斥候「ひとまず本陣へ戻りましょう。単独では危険です」

占い師「……でも」

女剣士「女賢者は功績5位なんだろう? だったら心配はしなくてもいいと思うけど……」

斥候「捜索は我らが引き受けますので」
787 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/14(水) 18:25:27.76 ID:ISasBzC0o
占い師「う、うん……」

女剣士「それで、召喚士達は……無事に?」

占い師「まぁ無事といえるか分からないけれど、とにかく城内には潜入したわよ」

斥候「それは良かった」

占い師「そっちは?」

斥候「今は分かりませんが、まだ魔王軍との交戦は続いております」

占い師「そう……」

女剣士「まだ何日かは続くだろうな。厳しい戦いだ」

占い師「ええ、そうね……っ」

くの一「……あの、それじゃあ戻りましょうか」

占い師「あ、そうね。それじゃ宜しく頼むわ」

女剣士「馬は? 乗れるならば私の馬を使うといい」

占い師「ありがとう」ザッ

斥候「では、後は我らにお任せ下さい」

占い師「助かるわっ、お願いするわね!」ドドッ
788 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/14(水) 18:26:05.04 ID:ISasBzC0o
〜魔王城、二階〜

 カンカンカンカンカンッ

天才「……」

東方司令「……しかし、部屋が全く見当たらないな」

女隊員「そういえばそうッスねぇ」

男隊員「余計なモンは不要って事じゃねぇの?」

天才「恐らくそれが正解だろうな」

ボス「……はぁ……はぁっ」

天才「警備の魔物もいなけりゃ、罠らしきモンも見当たらねぇ」

格闘家「……このまま、魔王の所へ繋がっているのでしょうか」

天才「おっと、この話題やめやめっ!」

東方司令「……?」

天才「噂をすれば何とやらってな」ザッ

男隊員「見えてから言うなっての……」

格闘家「……これは」
789 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/14(水) 18:26:38.75 ID:ISasBzC0o
 立ち止まる一同の前にはガラス張りのような球体の部屋が見えていた。

天才「あからさまに罠だろうな」

女隊員「でも、道はここしかないッスよ?」

男隊員「行くっきゃねぇか。ヒャハハ」

天才「さーて、誰が行く?」

東方司令「ボクが行くよ」ザッ

ボス「だ、大丈夫……すか?」

天才「どのみち進まにゃならん道だ」

東方司令「そういう事だ」ザッザッザッ

 バチィイイィッ!!

東方司令「……?」

 ゴゴゴゴゴゴ……ヴウウウウゥゥゥゥン!!

東方司令「な……に……ぃ!?」

 バシュン!! シュウウウウゥゥゥゥ……

女隊員「き、消えた……っ!!」
790 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/14(水) 18:27:07.20 ID:ISasBzC0o
男隊員「どうなってやがる!?」

格闘家「……師匠っ」

天才「分からん。攻撃とかそんな素振りは一切なかった」

ボス「な、何が一体……」

――「キャーッキャッキャッキャッキャ!!」

格闘家「!?」ババッ

――「アイツとの約束だからネッ! 1人借りる代わりに1人あげるってサ!」

天才「……何だテメーは?」ザッ

――「オイラの名はウォッチマン。えーとだネ、ここ……六道門・修羅の門番サッ!」

ボス「ウォッチマン……っ!!」

ウォッチマン「さぁさぁ、潔く死ぬがいいヨッ!!」

 ギュルンッ!!

男隊員「んな――っ!?」

 突如、上下逆さになる球体状の部屋。一同はその不意打ちでバランスを崩し、

 落下しその場に倒れこんだ。更に追い討ちの如く、上部より何かが降り注ぐ。
791 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/14(水) 18:28:18.28 ID:ISasBzC0o
女隊員「……砂?」パラッ

ウォッチマン「ねぇねぇ、ここが何か分かる?」

格闘家「……」

ウォッチマン「六道門・修羅はあるものの形になっているのサッ!」

天才「……砂時計か」

ウォッチマン「キャーッキャッキャッキャ! ご名答ご名答ッ! 察しがイイネッ!」

男隊員「だから何だってんだよコラ! 東方司令をどこに――」

ウォッチマン「それはね〜ヒミツ! さぁ、オイラが刻を動かしてあげるヨッ!」

 パチン

 ウォッチマンが指を鳴らすと同時に、天井の砂が一塊となり、一気に地面めがけ降ってきた。

男隊員「何ぃ!?」

 ゴッゴオオオオォォォォ……ズシイイイイィィィィン!!

ボス「ぐ……っく!!」

ウォッチマン「キャーッキャッキャッキャ! 1人でも力尽きたり気を抜くと、全滅だヨォ〜?」

天才「……クソヤローが」
792 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/14(水) 18:29:12.67 ID:ISasBzC0o
〜魔王城、地下〜

 コオオオオォォォォ……

戦士「……なんつーか、嫌な感じだな」

魔道士「はい……っ」

剣士「この感じ、あの遺跡に似ているね」

召喚士「確かに似てますね」

戦士「重い空気っつーか、命が圧し掛かっているようなそんな感覚だな」

盗賊「……」

召喚士「だからこそ分かる。この奥に、ネクロマンサーは居る」

弓使い「……倒せる……かしら」

剣士「倒すさ。何が何でもね」

幼女「うん……っ」

サラマンダー「おっ、もうじき部屋に出るでぇ」

戦士「盗賊、俺が先頭を行くからお前はすぐ後ろを頼む」

盗賊「了解だ」
793 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/14(水) 18:30:02.94 ID:ISasBzC0o
剣士「弓使い、君は魔道士ちゃんと幼女を任せる」

弓使い「後列から援護ね、了解よ」

魔道士「幼女ちゃん宜しくね。幼女ちゃんの事は私が絶対に守るから」

幼女「……うんっ!」

召喚士「そして、俺と剣士さんが……」

剣士「遊撃……だね」

召喚士「はい。臨機応変に前線と後方をカバーします」

剣士「……あははははっ!!」

召喚士「……?」

剣士「陣形といい、その台詞といい、あの時の全く同じだね」

召喚士「……あっ」

弓使い「ふふっ! あの頃から私達、なーんにも成長してないのかしらね」

戦士「昔っから強かったって事にしとこうぜ。ははっ」

魔道士「それに、増えたものだってちゃーんとありますよ! ねっ、幼女ちゃん!」

幼女「そうよっ。私の事……忘れないでよ?」
794 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/14(水) 18:32:19.08 ID:ISasBzC0o
弓使い「忘れてなんていないわよ――」

 ゾクゥ!!

盗賊「――――っ!!」

戦士「な……っ!!」

 緊張が解れた一同であったが、全身に纏わり付くような不気味な感覚が襲い掛かり、

 再び一気に緊張へとその心を誘われる事となった。

剣士「な、なんて冷たくて……気持ち悪い威圧なんだ……っ」

幼女「……すっごく……寒い」

召喚士「冷たさの理由は分かってる」

盗賊「……ああ」チャキッ

 暗い暗い通路の奥に、ぼんやりと灯る赤い炎。そして薬品や腐臭といった独特の臭い。

 彼らですら今すぐにでも逃げ出したかったであろうその部屋は、

 常人ならば入っただけで気を失うか、その気配で正常な判断を失うであろう。

 部屋の奥に潜む陰から、見慣れた黒ずくめの男がゆっくりと歩き、近づいてきた。

ネクロマンサー「……ようこそ、私のラボへ」
795 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/14(水) 18:34:53.04 ID:ISasBzC0o
ひとまずここまでにて!今日はホワイトデーだ!
それでは失礼致します。今日もご支援、ありがとーでした!ノシ
796 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/14(水) 19:23:08.72 ID:EpxbYpbDO
最速のおつんぽ
797 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/14(水) 19:25:12.63 ID:ZbbModPIO
798 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) :2012/03/14(水) 19:26:23.38 ID:l0Z3yzHXo
玄武娘はもう色々とユルすぎるだろう
799 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/03/14(水) 19:28:00.81 ID:5qXFQMLQo
おつ
800 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/14(水) 20:00:12.36 ID:2ouoq5kIo
ネクロマンサー「……ようこそ、私のラブボへ」
に見えてスレ間違ったかと思った>>1
801 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/03/14(水) 20:03:28.28 ID:P6SFNpUgo
>>1

>>800
おい、そんなこと書いたらあっちで・・・
802 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/15(木) 00:00:27.51 ID:pHMwNAja0
いちおつ
自ら聖水を出すとは…さすが玄武娘
803 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東) [sage]:2012/03/15(木) 00:24:19.96 ID:8RLKHXkAO
ペロペロ
804 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage ]:2012/03/15(木) 00:44:45.71 ID:B/SFSQuxo
一乙
俺は色黒が色男に見えて、こんな新キャラ居たかと、自分を疑ったわ
805 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/15(木) 13:27:30.93 ID:IeW1R7xAO
天才とかエリートは居るけどイケメンとかハンサムは居ないね
806 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/15(木) 17:59:44.85 ID:Em+qsWEDO
これが俺のハンサム顔だ、とか抜かす噛ませ犬が登場したらどうすんだ
807 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/15(木) 18:01:48.35 ID:EkrbdbCFo
戦士「出やがったなクソヤローが」

ネクロマンサー「ククッ。まぁまぁ、まずは穏やかにいきましょうよ」

召喚士「ふざけるなよ……貴様っ!」

ネクロマンサー「怒りは冷静さを失いますよぉ? クククッ!」

剣士「召喚士くん、徴発に乗れば奴の思うつぼだ。冷静に行こう」ザッ

召喚士「……っ」

 奇しくも同日、大軍師が言っていた。召喚士は冷静な反面、熱くなると。

 長きに渡り遺恨のある憎き相手、ネクロマンサーを前に激情する召喚士だが、

 この時ばかりは剣士が居てくれて、内心、その心遣いに感謝した。

ネクロマンサー「思ったよりも冷静ですねぇ」

召喚士「お前の野心もここまでだ。今ここで、全てを終わらせる!」

ネクロマンサー「やってみるがいいッ、召喚士」

召喚士「行けっ! コカト――」

 ブゥン……ガゴンッ!!

召喚士「!?」
808 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/15(木) 18:02:35.31 ID:EkrbdbCFo
ネクロマンサー「……ククッ」

戦士「な……んだ!?」

ネクロマンサー「いつもいつも多勢に無勢ですからねぇ」

盗賊(壁……? いやしかし、透き通って、奥は見える……)

ネクロマンサー「私のラボでくらいゆっくりと、個々にお楽しみ下さいな」

 ズオオオオォォォォ……

弓使い「なっ、何なのよ……っ」

剣士「幼女!! 僕の傍を離れるなよっ!!」

幼女「お父さんっ、お母さん!」

魔道士「剣士さん達と離れ離れに……っ」

召喚士「……こちらもそうみたいですね」

魔道士「戦士さん、盗賊さんっ!?」

戦士「……ちっ」ザッ

盗賊「隔離されたか」コンコン

ネクロマンサー「さて、では各々のお相手をご紹介致しましょうか」
809 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/15(木) 18:03:17.11 ID:EkrbdbCFo
 ザッ……ザッザッザッ

ネクロマンサー「こういうのってあれですか? 貴方達の言う、宿命というやつですかねぇ」

盗賊「……っ!!」

 ザッザッザッ

兄様「……」

盗賊「兄様……っ」

ネクロマンサー「貴方とは東方での因縁もありますからねぇ」

盗賊「貴様……ぁ」

ネクロマンサー「今度は正真正銘のオリジナルですよ。存分にどうぞ」

 ザッザッザッ

戦士「……どういう……事だよ……っ!!」

偽戦士「……」

ネクロマンサー「ククッ、ご自身と戦うのは初めてですか?」

戦士「お前、まさか……」

ネクロマンサー「今度の彼は槍特化です。簡単にはいかないでしょうねぇ」
810 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/15(木) 18:04:26.29 ID:EkrbdbCFo
 ザッザッザッ

幼女「……お………父」

お父「……」

ネクロマンサー「久し振りの再開はいかがですか?」

幼女「そんな……そ……んな……」

ネクロマンサー「再開に水を差すものは居りません。ごゆっくり……ククッ!」

剣士「貴様はどこまで腐っているんだ」

ネクロマンサー「ククッ、褒め言葉ですね。ほら、彼が相手をして欲しいと手招きしてますよ?」

召喚士「ネクロマンサー!!」

ネクロマンサー「召喚士、貴方の相手はこの私です」

召喚士「望むところだ」

ネクロマンサー「そうそう、そこのお嬢さん」

魔道士「……っ」

ネクロマンサー「貴方、召喚士と懇意なのでしょう? 手助けして構いませんよ」

召喚士「貴様ぁ!!」
811 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/15(木) 18:04:56.27 ID:EkrbdbCFo
ネクロマンサー「既に私の余興はこなしたようですし……ククッ」

召喚士「余興だと……?」

 ゴゴゴゴゴゴ……

召喚士「ウィッチさんがどんな思いで……貴様は畜生にも劣るクズだな!」

ネクロマンサー「勝手に吠えているがいい。口では何とでも言える事よッ! ククククッ!」

魔道士「……くっ」

ネクロマンサー「ああ、そうそう。貴方の相手をする前に1つ」

召喚士「……」

ネクロマンサー「1体貸して欲しいと言うので、新たな素材を1体よこすように言ったんですよ」

召喚士「何を……言っている……?」

 フワッ……ズオオォォォォ

ネクロマンサー「ほぉ、これまたなかなか、可愛らしいレディーがきたものですね」

召喚士「東方司令さんっ!?」

東方司令「……」

ネクロマンサー「吉報ですよ。何せ、この者らが六道門・修羅に到達したという事ですから」
812 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/15(木) 18:05:36.85 ID:EkrbdbCFo
魔道士「ど、どういう事なんですか!?」

召喚士「……分かりません。しかしあの東方司令は偽者でもなさそうですし」

ネクロマンサー「ククッ、生きたまま施すのは気が引けますが、仕方ないでしょう」

東方司令「……」

 蔓のようなものに吊られた東方司令は気を失っているようで、ネクロマンサーが近づき、

 頬をそっと撫でても、目を閉じたまま無言の表情であった。

ネクロマンサー「……では」

召喚士「やめろぉ!! 何をするつもりだ!!」

ネクロマンサー「分かっているのでしょう?」

 ドスッ!!

召喚士「――っ!!」

ネクロマンサー「急所は外しているよ、ご安心を。このまま殺さず、まずは魔族化――」

 パチッ

東方司令「……」

ネクロマンサー「……?」
813 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/15(木) 18:06:04.07 ID:EkrbdbCFo
東方司令「……何だ貴様は」

ネクロマンサー「どういう事です……?」

東方司令「痛みの原因はこれか」ググッ

 ズボオオォォ

ネクロマンサー「何故……魔族化しないのですッ!?」

東方司令「何を言っているのかよく分からんが、貴様が敵なのは理解している」

ネクロマンサー「ッ!?」

東方司令「ボクに……触れるなっ! 下衆がっ!」

 ザッシュウウウウゥゥゥゥ!!

 東方司令のツヴァイハンダーヤクトが、ネクロマンサーを縦真っ二つに斬り裂く。

ネクロマンサー「……グ……クゥ」

 ジュウウゥゥゥゥ

ネクロマンサー「な……ッ!?」

東方司令「新たなツヴァイハンダーをナメるなよ? 結界石のオマケ付きだ」

ネクロマンサー「……余計な魔力を使わせてくれる……ッ」
814 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/15(木) 18:06:40.81 ID:EkrbdbCFo
 シュウウウウゥゥゥゥ

東方司令「……ん? 何をしているのだ?」

召喚士「ネクロマンサーに何か仕掛けられて、個別に隔離されているんです!」

東方司令「何かとは何だ?」スタッ

召喚士「分かりませんっ!」

東方司令「……ふー。じゃあ知らん、自力で何とかしろ」

召喚士「……っ」

ネクロマンサー「貴様ぁ、よくも……やってくれましたねぇ」ズズッ

東方司令「やはりアンデッドか。ん? ネクロマンサー?」

召喚士「そうですよっ! そいつが諸悪の根源……」

東方司令「そうだっけか? まぁいい、とにかく敵は……殺すだけだ」ジャキッ

ネクロマンサー「敵は殺すだけ……ねぇ。ククッ、良いでしょう良いでしょう」

東方司令「……?」

ネクロマンサー「貴女にも余興を1つ、与えてあげましょう!」

東方司令「……?」
815 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/15(木) 18:07:30.92 ID:EkrbdbCFo
 ザッザッザッ

ネクロマンサー「同じような武器を得手にしているようですし、顔見知りでしょう?」

東方司令「……最悪だ……っ」ツツーッ

魔道士「あ……あ……ぁっ」

東方司令「……兄くん」ギリッ

北方司令「……」

ネクロマンサー「さぁ、それでは始めましょう。素晴らしき舞台の幕開けですッ!!」

盗賊「……兄様」

戦士「……お前、ドッペルゲンガーなんだろ? なぁっ! 思い出せよっ!」

幼女「お父……どうして……」

弓使い「剣士……っ」

剣士「分かってる。僕が何とかするから、弓使いは幼女と一緒に退がっていてくれ」

魔道士「召喚士さんっ、私達……」

召喚士「すみません魔道士さん、いざという時は援護をお願いします……!」

ネクロマンサー「さぁ、来るが良いッ……召喚士!」
816 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/15(木) 18:08:43.25 ID:EkrbdbCFo
〜魔王城、玉座〜

ベルゼブブ「……」

 カツカツカツ……

ベルゼブブ「どこへ行っていた?」

詩人「戦場へ」

ベルゼブブ「ほう、何ゆえだ?」

詩人「命の灯火が終わるその瞬間は、儚くも美しいものですから」

ベルゼブブ「ふっ。お前のそういう感覚が面白いものだ」

詩人「貴方はお感じになられないので?」

ベルゼブブ「生死などその世界における肉体の維持、その役目に過ぎぬ」

詩人「……」

ベルゼブブ「美しいなどと言う感情的なものは、余には全く感じられぬな」

詩人「そうですか」

ベルゼブブ「地獄においても同様。無になれば再び、有が生まれるというものよ」

詩人「私には難しすぎて、理解出来ませぬ」
817 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/15(木) 18:09:29.88 ID:EkrbdbCFo
 〜♪

ベルゼブブ「……」

詩人「……っ」

 〜♪

ベルゼブブ「旋律が少し、外れかけているぞ」

詩人「……申し訳ありません。えも言われぬ緊張感がありまする」

ベルゼブブ「……この曲は?」

詩人「交響曲第9番ニ短調作品125第4楽章」

ベルゼブブ「……」

詩人「別名……歓喜の歌です」

ベルゼブブ「……歓喜とは余に対してか? それとも人間に対してか?」

詩人「……」

ベルゼブブ「お前が余を裏切れば、愛しき者の命は一瞬にして尽きる事となるぞ」

詩人「……っ」

ベルゼブブ「また旋律が乱れかけているぞ。動揺せずそのまま奏で続けよ」
818 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/15(木) 18:10:09.75 ID:EkrbdbCFo
〜六道門・餓鬼〜

 タッタッタッタッタッ

西方参謀「んだぁ? この音楽は……?」

南方参謀「城内全体に響き渡っているようだけど……どういう事なのかしら……っ」

南方司令「何でも構わんさ。勇気が出るような、良い曲ではないか!」

青年兵「罠とは思えないな」

大軍師「例の詩人、という方ですかねぇ」

青年兵「……どう思います?」

大軍師「魔法剣士殿の話によれば、臨終の間際、眼鏡殿が申されたという言葉……」

青年兵「ええ」

大軍師「貴方は信じますか?」

青年兵「……眼鏡さんが何者であろうと、僕は信じています」

大軍師「宜しい。それならばそれは、軍全体の意見とみなされます」

青年兵「……」

大軍師「何せ貴方は、大元帥なのですから。ふふふっ」
819 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/15(木) 18:11:04.16 ID:EkrbdbCFo
 カンカンカンカンカンッ

皇太子「……むっ」ズザッ

エリート「部屋……か?」

西方参謀「部屋にしちゃあ、殺風景だな」

南方副司令「部屋というよりは……闘技場といった感じだな」

大軍師「恐らくそれが正解でしょうね」ヒラヒラ

 ピクンッ……ゾクウウゥゥゥゥ!!

青年兵「――っ!?」

西方副司令「何か……いる……っ!!」

東方参謀「どうやら門番のようだな」

 ズズッ……ズズズズッ

青年兵「あいつは……っ!!」

皇太子「知っているのか?」

青年兵「確か……アスタロスとかいう……っ」

アスタロス「邪魔者は……排除する」ズズッ
820 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/15(木) 18:13:26.58 ID:EkrbdbCFo
今日はここまでにて失礼致しまする!
ご支援ありがとうございました!ではまた明日っ!ノシ
821 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/03/15(木) 18:15:27.38 ID:Kf4x0qJMo
822 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/15(木) 18:42:25.75 ID:BCeb4OYDO
ドッペルちゃん…
823 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/15(木) 19:25:55.13 ID:ixEWuPDlo
>>1

やっと出てきたと思えばドッベルゲンガーは情けないことに操られていたと言う…
同門さん何してたのさーーー!!!!?
824 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/15(木) 19:28:35.99 ID:4Y7/X4wRo
>>1乙!

東方司令万能過ぎワロタ
825 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/15(木) 19:43:05.91 ID:WsTGALIs0
>>1 おつ
少女は魔王に監禁されてるのか…?
826 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/15(木) 19:49:05.77 ID:o7SPMz0DO
いちょつ

同門さんマジやくたたず
827 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/15(木) 20:48:23.48 ID:37Lk/NG10
>>1おっつっつ


北方司令って誰の兄だっけ…
いかんド忘れした
828 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/15(木) 21:15:49.48 ID:Em+qsWEDO
>>827
東方司令の兄。
元来戦闘に長けるわけでもないが、東方司令が天才への弟子入りを強行したため、
保護者としてついてきた感じだったはず。
829 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/16(金) 17:55:44.53 ID:rV2zz5zro
〜六道門・修羅〜

 ズッシイイイイィィィィ

男隊員「ぐ……おぉ!!」

ウォッチマン「キャーキャッキャッキャ! ほらッ、頑張れ頑張れェ!」

天才「調子に乗るなよ三下ぁ……!!」グググッ

ウォッチマン「キャキャッ! 何とでもほざいてロッ。そのままおしつぶされて死んじゃえッ!」

天才「この程度で死ぬかってんだよ……ボケ!!」

女隊員「そうッスよ! こんなものおおぉぉ!」グググッ

ウォッチマン「凄い凄いッ! 流石に簡単には死なないネェ〜!」

格闘家「……っ」

ボス「だけどよっ、こんな状態じゃ攻撃も出来ない……ぞっ」

ウォッチマン「そういう事ッ! このままいずれ訪れる死に怯えながら、頑張ってネッ」

天才「だからナメんなって言ってんだよコラ」

ウォッチマン「ハァ?」

天才「こんなモンなぁ、俺様1人で十分なんだよ!!」
830 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/16(金) 17:56:30.83 ID:rV2zz5zro
 グオォッ!! ズッガアアアアァァァァ!!

格闘家「――!?」

ウォッチマン「何ィ〜!?」

天才「数分は粘ってやっから、今のうちに全力であの雑魚を叩け!!」

ウォッチマン「雑魚だアアァァ!?」

格闘家「……行きましょう!」ダッ!!

男隊員「ちぃっ、死ぬなよ!!」

天才「誰にモノを言ってんだテメーは……っ!」グググッ

女隊員「覚悟するッス!!」ババッ

ウォッチマン「まっさかァ〜1人で持ち堪えるなんてネッ」

 ズッギュウウウウゥゥゥゥン!!

ボス「な……んんだっ!?」

男隊員「景色が変わった……?」

女隊員「夜みたいッスね……っ。一面に……星空が」

格闘家「……師匠?」
831 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/16(金) 17:58:26.85 ID:rV2zz5zro
 オオオオォォォォ……

天才「……何……しやがった!」ググッ

ウォッチマン「ハアッ、ハアッ、ハアッ……キャッキャッキャ!」

天才「答えろや雑魚ぉ!!」

ウォッチマン「時空って分かります? まっ、馬鹿そうだら分からないヨネッ」

天才「殺すぞ!」

ウォッチマン「簡単に言えば、時間と時間の間に閉じ込めてやったのサッ!」

天才「何だと?」

ウォッチマン「もし彼らを救いたければ、答えは1つ!」

天才「……」

ウォッチマン「その砂時計を再び動かせば良いのサッ」

天才「……あ?」グググッ

ウォッチマン「キミが必死で抑えている砂を、器に落とせばいいって言ってるのッ」

天才「んだとぉ……!?」

ウォッチマン「そう。つまりキミの命はなくなるのだッ。どちらを取るかはキミの事由だヨォン!」
832 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/16(金) 18:02:02.84 ID:rV2zz5zro
天才「雑魚のくせに……ナメやがってぇ……っ」

ウォッチマン「キャーッキャッキャッキャ! さぁッ、どうするどうする!?」

天才「……っ」

ウォッチマン「と言っても、止まった時間の中にただ居るだけじゃあ、彼らも暇そうだしィ〜」

天才「!?」

ウォッチマン「ちょっとプレゼントでも贈ろうかナッ?」

 ザッ

天才「――っ!?」

ウォッチマン「おや? 知り合い? このお人形サンと」

隊長「……」

ウォッチマン「さっきの少女と引き換えに、ネクロマンサーから借りたのサッ! キャキャッ!」

天才「どうする……つもりだぁ!!」ググッ……

ウォッチマン「言ったダロ? 彼らの暇潰しに……プ・レ・ゼ・ン・ト♪ キャーッキャキャキャ!」

天才「や……めろやこの雑魚がああぁぁ!!」

ウォッチマン「せいぜい指を咥えながら、そこで見てるといいヨッ! それじゃ、行ってらっしゃ〜い!」
833 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/16(金) 18:03:08.50 ID:rV2zz5zro
 ブオッ

ボス「……?」

 ザッザッザッ

男隊員「誰……だ……?」

 ザッザッザッ……ザッ

格闘家「――っ!!」

女隊員「……隊……長!?」

隊長「……」

男隊員「……ははっ、ハハハハッ! ヒャハハハハッ!」

格闘家「……っ」

男隊員「魔物サンよぉ、なかなかやってくれるじゃねーか」

ボス「あ、あの……っ」

男隊員「まさかここで隊長の幻影とはねぇ! こりゃおったまげたわ! ヒャハハ!」

女隊員「しっかりするッスよ……。あの隊長には、確かに気配が感じられるッス……」

男隊員「……」
834 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/16(金) 18:04:07.15 ID:rV2zz5zro
格闘家「てっきり東方で……。だが、あれは明らかに……」

女隊員「……アンデッド……ッスね」

男隊員「ふざけんなよっ!!」

ボス「……っ」

男隊員「隊長はなぁっ、俺達を救って……死んだんだよ!!」

女隊員「でもあれは……」

男隊員「隊長なわけがねぇっ! 俺は認めねぇぞ……!」

隊長「……員」

男隊員「!?」

隊長「男……隊員……」

男隊員「や……めろっ! やめろっ! 隊長を騙るなぁ!」バッ!!

女隊員「早まるなッス!!」

格闘家「くそっ、援護だ!」ダッ!!

ボス「了解!」

男隊員「おああぁぁぁぁーっ!!」
835 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/16(金) 18:05:35.24 ID:rV2zz5zro
 サクッ

男隊員「――っ」

隊長「いつも、言っていただろう。脇が甘いとな」

男隊員「……ご……ふっ」ゴポッ

 ドシャアッ

格闘家「はあぁーっ!」

女隊員「隊長……申し訳ないッス!」グアッ

隊長「……」

 ドドオオオオォォォォン!! ゴガガアアアアァァァァ!!

ボス「これは……っ」

格闘家「土行まで隊長そのもの……っ。やはりこれは……」

女隊員「隊長本人っすよ……」ズザッ

隊長「不甲斐ないお前らに引導を渡す。この俺、直々にな」チャキッ

女隊員「隊長……っ」

男隊員「お……れはっ、認めねぇぞ……」ビチャッ
836 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/16(金) 18:06:12.06 ID:rV2zz5zro
〜ネクロマンサーのラボ〜

ネクロマンサー「おぉ、この音楽……詩人さんですかねぇ」

魔道士「……っ」

ネクロマンサー「この素晴らしき舞台に相応しい、壮大なる旋律ッ」

召喚士「皆を、解放しろ」

ネクロマンサー「……私はね、音楽に関しては魔王のように拘りがあるわけではありません」

召喚士「話を聞け!」

ネクロマンサー「しかし、こと舞台の演出については拘りを持っていましてねぇ」

召喚士「だからどうしたっ!!」

ネクロマンサー「意図したわけではないのです。しかしどうですか? この舞台はッ!」

魔道士「……くっ」

ネクロマンサー「各々が縁のある者と対峙し、死闘を演じるなどと、最高ではないですかッ!」

召喚士「貴様ぁ……!!」

ネクロマンサー「召喚士ッ、貴方だけは、私が自らの手で相手してあげましょう」

召喚士「望むところだ!!」
837 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/16(金) 18:07:01.27 ID:rV2zz5zro
ネクロマンサー「その上で、貴方を人形として、私の……私の……クククッ!」

召喚士「俺を利用して、レメゲトンというやつを完成させるつもりかっ!」

ネクロマンサー「レメゲトン?」

召喚士「天才さんに、お前の野望は聞いた!」

ネクロマンサー「ほぉ、そこまで知っていましたか」

召喚士「とぼけるな!」

ネクロマンサー「いや、まぁ……どう解釈して頂いても結構ですがね」

召喚士「だったら、お前の目的は何なんだ!」

ネクロマンサー「もう良いでしょう? それとも、折角の舞台を放って、私と問答を続けますか?」

召喚士「!?」

ネクロマンサー「いよいよ始まりますよ。貴方もご観覧なさってはどうです?」

召喚士「ふざけるなっ!!」

ネクロマンサー「ククッ、観客はお嫌いですか。あくまで演者としてご参加しますか」

魔道士「召喚士さんっ、援護します! でもっ、みんなは……」

召喚士「大丈夫ですよ。皆……強いですから。絶対に打ち勝って戻ってきますから!」
838 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/16(金) 18:08:20.78 ID:rV2zz5zro
 ザッ

戦士「……っ」

偽戦士「……」

戦士「問い掛けに反応なし、か」

偽戦士「……」

戦士「お前とやり合いたくはねぇんだが……仕方ねぇ」

 ザッザッ……チャキッ

戦士「目ぇ覚ましてやるよ。きなっ!」

 ドウン!! ビュオオッ!!

偽戦士「……」

戦士「……やるじゃねぇか。我ながら言うのもおかしな話だけどな――」

 ヒュオッ……チリッ

戦士「……っ!!」

偽戦士「……」

戦士(こ……この速さ……っ)
839 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/16(金) 18:09:13.18 ID:rV2zz5zro
 ヒュン……スタッ

戦士「そういや槍特化とか、よく分からん事ぬかしてたっけか」

偽戦士「……」

戦士「にしてもだ。今の俺とお前じゃあ……差がありすぎんだよっ!」

 ドンッ!!

戦士「ひとまず寝ててくれやっ!!」

 ズゴゴゴゴゴゴ……

戦士「――っ!!」

 ビタァ!! ザザザッ

戦士「……っ」

偽戦士「……」チャキッ

戦士「今の威圧っ、俺のモンじゃねぇ……っ」

偽戦士「……」ザッザッザッ

戦士「あんな狂気染みたっ、高圧で恐ろしい威圧は……っ」

偽戦士「……オオォォ」ニヤリ
840 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/16(金) 18:10:46.13 ID:rV2zz5zro
 ダァン!! ビュオォッ!!

戦士「ちいぃっ!!」

 ガッキイイイイィィィィン!!

偽戦士「オオオオォォォォ!!」

 ググッ……ズズズズッ

戦士「押されてる……だとぉ!?」

偽戦士「オアアァァァァーッ!!」

 ドッゴオオォォォォン!! ズザザザアアァァ……

偽戦士「……」スタッ

戦士「……っ」ヨロッ

 ザッザッザッ

戦士「ま、間違いねぇ……この動き、この感じ……っ」

偽戦士「……オオォォ」チャキッ

戦士「騎都尉の……威圧と動きだ……っ!」

偽戦士「オオオオォォォォ!」
841 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/16(金) 18:13:45.32 ID:rV2zz5zro
ひとまずここまで。また後で来たいと思います!
今日も暖かいご支援、本当にありがとうございました!
それでは失礼致します!ノシ
842 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/16(金) 18:47:17.66 ID:l+En92AIO
843 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/16(金) 18:47:22.40 ID:wUJWfRvIO
おっつん
844 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/16(金) 19:08:06.83 ID:+km9Nk5DO
なんとゆう絶望的な

おつんぽ!
845 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/16(金) 19:29:49.17 ID:TTKHnDV6o
>>1

ウォッチマンなんてふざけた名前のやつに苦戦している天才さん…
846 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/16(金) 19:56:05.80 ID:WUEcLNgRo
それってヲチ民ですよね
847 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/16(金) 23:24:47.52 ID:s9xdQJqfo
乙乙
848 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/17(土) 01:02:22.77 ID:lOexDA6I0
>>1 おつ
849 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/17(土) 01:09:33.39 ID:YHuXs7Ywo
 ジャリッ

幼女「お父……っ」

お父「……」

幼女「お父っ、私だよ? 私なんだよっ! ねぇっ、お父――」

 バキイイィィィィ!! ドサッ

幼女「う……っ」

剣士「お父さんっ! 本当に分からないのか!? 幼女なんだぞっ!?」

お父「……」

弓使い「駄目……みたいね……っ」

剣士「やるしか……ないのか」

お父「……」スウッ

剣士「弓使い、援護を頼むっ!」ダッ!!

弓使い「仕方ないわよねっ、哀しい事だけれど……っ」

 ギリギリッ……バシュッ!!

お父「……」ダッ
850 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/17(土) 01:11:28.82 ID:YHuXs7Ywo
 フオンッ!! チリッ

剣士「はああぁぁーっ!」

 ガキイイィィィィン!!

剣士「――っ!?」

弓使い「素手で剣を……」

お父「……」

 バゴォッ!!

剣士「ご……っはぁ!」ドシャッ

弓使い「剣士っ!!」

剣士「く……そっ」ヨロッ

弓使い「剣士っ、今……助け――」

 グイッ!! ガシィ!!

弓使い「くうっ」

お父「……」

幼女「お……父、もうやめて……よぉ」
851 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/17(土) 01:12:15.74 ID:YHuXs7Ywo
 バッゴオォッ!! ドシャッ

剣士「ゆ、弓使い……っ!」

弓使い「……ぅ」

幼女「お母さんっ!?」

剣士「もうっ、これ以上は……させないっ」ザッ

お父「……」クルッ

剣士「幼女っ、何とかここから……逃げてくれっ!」ダッ!!

幼女「お父さぁんっ!!」

剣士「お父さん! どうか目を……覚ましてくれええぇぇ!!」

 ドッ!! ズシャッ!!

お父「……」

剣士「駄目……なのか……っ」ドサッ

幼女「……違う」

剣士「ぐああぁぁ!」

幼女「こんなの……こんなのっ、お父じゃないよぉ!」
852 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/17(土) 01:12:56.91 ID:YHuXs7Ywo
お父「……」

バキィッ!! ドカッ!!

幼女「私のお父は……っ、私の知ってるお父はぁ! こんな事しないもんっ!」

 ドッドオオオオォォォォン!! ゴガアアァァァァ!!

お父「……?」シュウウゥゥ

幼女「お父はこんな事、決してしないっ! あなたは……お父の偽者なんだっ!」

剣士「幼……女……」

幼女「お父は、無愛想でぇっ、無口だしっ、顔だって怖いよっ!」

お父「……」

幼女「でもっ! 絶対にこんな事は……しないんだからぁ!!」

 ドッドオオオオォォォォン!! ゴゴオオオオォォォォ!!

お父「……ッ」

弓使い「う、うぅ……っ」

剣士「お父さんの動きが……少し変わった……?」

お父「グ……ウウ……ウウゥゥ」
853 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/17(土) 01:13:25.35 ID:YHuXs7Ywo
幼女「だから私はっ、お父を騙る偽者を倒すのっ!!」

 ドッドオオオオォォォォン!!

幼女「――っ!?」

剣士「かわしたのかっ!?」

お父「……オオォォ!」

 ガシィッ!! ドガガガガッ!!

幼女「あっぐううぅぅ……っ!」ドシャッ

 ドガァッ!!

幼女「あ……う……ううぅぅ」ググッ

剣士「や……めろぉ!」

お父「……ウウ……オオオオォォォォ!」

 ズシッ!! ボキベキィッ!!

幼女「ああああぁぁぁぁ!!」ミシィッ

弓使い「幼女おおぉぉ!!」

剣士「貴……様ああぁぁ!」
854 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/17(土) 01:14:11.88 ID:YHuXs7Ywo
 ググッ ザッ

お父「……フーッ、フーッ」

剣士「もう幼女すら分からないのか」ザッザッ

お父「……フウウゥゥ」

剣士「その足をどけろ。お前の相手は、この僕だ!」ザッ

お父「ウウゥゥ……ッ」

剣士「幼女は僕が、命がけで守る! あんたの役目でもあったはずなんだ! それなのに……」

お父「……ウウ……オオォォォォ!」

剣士「この命が尽きようともっ、幼女だけは必ず守るんだ!!」

 ズガッシュウウウウゥゥゥゥ!!

剣士「……」ザザッ

お父「……ゴフッ」ポタポタッ

弓使い「効いてるわよっ」

剣士「……いや」ガクン

弓使い「!?」
855 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/17(土) 01:14:58.00 ID:YHuXs7Ywo
剣士「アンデッドの上に……鋼のような硬さ……っ。致命傷は……無理かっ」ドサッ

弓使い「剣士っ!?」

お父「……フウウゥゥ」

 ザッザッザッ……ガシッ

剣士「……ぐっ」

お父「フウウウウゥゥゥゥ」

 グイッ……ギリギリギリッ

剣士「ど……したっ、そんなものか……はっ」

お父「……」

剣士「このま……まっ、首……へし折る……か?」

お父「オオオオォォォォ!!」

 ボキイイィィィィ!!

弓使い「嫌ああぁぁぁぁーっ!!」

 ドシャッ……ピクピクッ……ピクッ

剣士「…………」
856 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/17(土) 01:26:27.78 ID:YHuXs7Ywo
幼女「お……父さ……」

弓使い「うっ、うぐ……っ。うぅ……っ」

お父「……フーッ」ザッザッ

弓使い「ごめんね幼女……私達っ、あなたを守れなか……った」

幼女「やめ……てぇ!!」

弓使い「剣士ぃ……ごめ――」

お父「オオオオォォォォ!!」

 ゴシャッ!!

幼女「――っ!!」

お父「……?」ポタタッ

弓使い「な……に……?」

幼女「!?」

 タッタッタッ……タタッ

幼女「……女賢者……さんっ!?」

女賢者「はぁ……はぁはぁっ」ザッ
857 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/17(土) 02:20:45.95 ID:lOexDA6I0
いちおつ
女賢者やっと戦闘に合流か
858 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/17(土) 02:25:59.16 ID:gJjHk3NDO
うわぁ……
859 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/17(土) 08:14:02.39 ID:c8NioR2DO
瀕死から回復されてスーパー剣士人になるのか
860 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/17(土) 10:16:32.35 ID:suEw358Eo
首折れたら死ぬだろ
861 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/17(土) 10:26:41.84 ID:ANEtebwDO
首が折れても即死はせんよ。
脳からの命令が身体に届かなくなり、結果生命活動が停止するだけだから。
即座に対処出来ればなんとかなる。魔法なら一発さ。

そうだと言ってくれ。
862 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/17(土) 10:46:22.86 ID:1/az+CGhP
首が折れて死ぬのは神経が圧迫されたり損傷したり気管がふさがるから
863 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/17(土) 16:06:05.17 ID:97rzAuGSO
(首の骨が折れても)ただちに命への影響は無いレベル
864 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/17(土) 17:44:53.32 ID:4KXOIgWIO
そんなに助けたいのかよ
ただの骨折でなくて力任せにへし折られたんだぜ
軽くて脊髄損傷だろうし普通に助からんだろjk
865 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/17(土) 18:04:38.14 ID:Mf8cHAXr0
おっつっつ

剣士の霊圧が…消えた……!?
866 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長崎県) [sage]:2012/03/17(土) 18:17:42.58 ID:zts32LaFo
>>865
なんという生存フラグ
867 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/17(土) 20:54:44.63 ID:6kG5t8IDO
>>1乙!

>>865
フラグGJ!
868 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/17(土) 22:53:33.63 ID:pGbzs61po
くっさ[ピーーー]よ
869 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(京都府) [sage]:2012/03/18(日) 00:11:33.80 ID:FXNRW6N90
剣士は予言の対象となる程度の立場は確立してるから
こんな志半ばみたいな不完全燃焼な死に方はしないだろう
870 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/18(日) 02:47:10.13 ID:97gRmhuVo
たまにはあっけなく死んでもいいんじゃないか?
871 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/18(日) 08:45:08.82 ID:KvYBe/LQo
>>870
同意
872 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/18(日) 09:33:45.48 ID:etkeRuEko
どこのギュネイだよ
873 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/18(日) 22:06:21.42 ID:yaZZdqpR0
展開としてしょうがないのかもしれないけど
やっぱ思い入れのあるキャラが死ぬのは厭だよね
874 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/18(日) 23:44:36.20 ID:ePxZksclo
死んでからじゃなきゃ華は咲かないだろ
875 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(九州) [sage]:2012/03/19(月) 00:40:25.67 ID:g//av9nAO
そういえば朱雀嬢も一回首の骨折られてなかったっけ
魔王戦のあたりで
876 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/19(月) 01:42:39.43 ID:hryuYrXDO
なんだよ。首折れるのが流行ってるだけじゃねーか。
焦らせんな
877 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/19(月) 07:57:15.37 ID:0XqWHC+No
キモい流れだ…。凄くどうでもいい
878 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/19(月) 08:24:07.88 ID:Hhw23a2+o
>>1

剣士さんも弓使いも結局根暗関連で死ぬのか、しかも仇もとれずに
無念だな
879 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/19(月) 09:28:12.97 ID:e2wIMloDO
>>877
それを出しちゃう時点で、すでにどうでもいいと思ってない
880 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/19(月) 17:57:04.40 ID:ZlXDiOZro
昨日は腰痛くてこれませんでした…ゴメンね!↓続き
881 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 17:57:33.60 ID:ZlXDiOZro
弓使い「女……賢者さ……」

女賢者「道に迷っちゃって……」ウルッ

 ザッザッザッ

女賢者「それでっ、来てみたら……こんな……こんな事……っ」

お父「……」

女賢者「どういう事なの? 誰が……こんな事を――」

お父「……?」
女賢者「……?」

お父「……ウ……ウゥ」
女賢者「……あ、頭が……痛……っ」

 ズキイイィィ!!

 それは偶然か宿命か。お父と女賢者は互いの顔を見合わせると、

 同時に頭痛に見舞われ、頭を抑えしゃがみこんだ。

弓使い「な、何……?」

お父「ウ……ウグオオォォ」

女賢者「頭がっ、割れるように……痛い――」
882 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 17:57:59.26 ID:ZlXDiOZro
 ピッキイイイイィィィィン!!

お父「ウ……ッガアアアアァァァァ!!」
女賢者「――――っ!!」

……――

 1人の若い優男が、1人の若い大男に言葉をかけていた。

優男『本当にすまんっ!』

大男『何を言っている。めでたい事じゃないか、気にするな』

 1人の若い優女が1人の若い大男の言葉に重ねて声を発した。

優女『でもっ、私が抜けてこの人も不在じゃあ……』

大男『しばらくはソロで野良でもやるさ』

優男『お前の技量ならソロでも心配はないが……』

大男『他のパーティ−を組む気はない。勝手だが、俺はお前らと一緒だからここまでこれた』

優女『……っ』

優男『……ふー、分かったよ。そんな嬉しい事を言われちまったら、何も言い換えせねぇよ』

大男『俺は待ってるぞ。だから、しっかりと元気な赤ん坊を産んで、戻ってきてくれ』

優女『……うんっ、ありがとう』
883 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 17:58:26.91 ID:ZlXDiOZro


赤ん坊『ほぎゃーっ、ほぎゃーっ!』

 コンコン カチャッ

大男『この鳴き声からすると、元気そうだな』

優男『来てくれたのかっ! ああ、見てくれ! 元気な女の子だよっ』

大男『これ、つまらんものだが……』ガサッ

優女『気を遣ってくれなくてもいいのに〜。ありがとうっ』

大男『……うーん。どっちにも似ているような似ていないようなだな』

優男『まだ生まれて間もないし、これからさ』

優女『どう? あなたも結婚して、子供が欲しくなったんじゃない?』

大男『冗談じゃない。この俺が父親などと……』

優男『いやー、俺は結構……良い父親になると思うけどなぁ』

大男『馬鹿を言え。俺が欲するものは力だけだ』ムスッ

優男『こういう男が、意外とコロッと代わったりするんだよな。あははっ!』

優女『ふふふっ、あははははっ!』

大男『……っ』ポリポリ
884 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 17:58:58.33 ID:ZlXDiOZro


大男『本当にいいのか?』

優男『ああ。娘も3歳になった。もうそろそろ大丈夫だろう』

優女『久々だから鈍ってるでしょうし、まずは簡単な任務が良いわね』

大男『もちろんそのつもりだ。任務は好きに任せる。徐々に慣らしていこう』

優男『お前がいれば百人力さ。この数年間で更に強くなった力、見せてくれ』

大男『ああ。心配するな』バシッ

優女『それじゃ行きましょうか。まずは本国へ向かいましょ』

優男『……それでは村長、娘をお願い致します』

村長『気を付けるのじゃぞ? この子の為にもな』

優男『もちろんです!』

大男『……』

優女『それじゃ、行ってくるわね……幼女』

幼女『いってらっしゃい』

優男『すぐに戻るから、大人しくしているんだぞ。じゃあ行ってくるよ』
885 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 17:59:28.07 ID:ZlXDiOZro


大男『ふんっ!!』ドッゴオオォォォォ!!

魔物『……グウウ……ウアアァァ!!』

大男『!?』

 ザシュッ!! ツツーッ

優男『この……野郎っ!!』ビュオッ!!

魔物『……チッ』ババッ

優男『大丈夫かっ!?』タッ

大男『俺はいいっ。それよりも……魔物は?』

優女『逃げたわ。さ、腕を出して』

 パアアアアァァァァ……

優女『……はいっ。これで良し』

大男『たかがかすり傷で、こんな……』

優女『いいのいいの。私もだいぶ実戦で勘を取り戻してきたし、魔力もバンバン使わないと!』

優男『そうそう。剣も魔力も拳も、使わなければ錆び付いて鈍っちまうってわけさ』
886 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 18:00:00.09 ID:ZlXDiOZro


優男『国軍からの指名任務?』

大男『無論、拒否権はある。割と困難なものだし無理をする必要はない』

優女『でも、国軍が直に言ってきたって事は……』

大男『……ああ。それだけ報酬も高いし、成果や功績も大きいものだ』

優男『だったらやるべきなんじゃないか?』

優女『でも、危険も伴うわけでしょ?』

優男『指名の場合は仮に任務失敗しても補償金が出るからね』

大男『まぁ、いざとなれば退いても、そこまでの評価で補償はされるわけだ』

優男「何より、お金よりも国軍に認められたってのが大きいよな!』

優女『確かにそうかもね。私達もついに……ってカンジね!』

大男『それで、どうする?』

優男『受けるだけ受けてみよう。やっぱりただ断るってのは気が引けるよ』

優女『せっかくの国軍依頼だしねっ』

大男『分かった。だが無理だけはするなよ? それが条件だ』
887 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 18:00:32.45 ID:ZlXDiOZro


大男『ど、どういう事だ……!?』

優女『同士討ち……っ?』

優男『おそらく幻術の類だろう。どこかに術士が居るはずだ』

大男『俺が行く』ザッ

優女『1人で大丈夫?』

大男『むしろ1人の方が、術にかからずに済む』ザッザッ

優男『俺らはこの同士討ちを収拾しよう』

優女『そうねっ』

 タタッ ザザザザザザッ

大男『……あれか』ピクッ

道士『……?』

大男『はああぁぁーっ!!』ズッガアアァァ!!

道士『んな――』ドシャッ

大男『……あっけなかったな』
888 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 18:01:04.59 ID:ZlXDiOZro


優女『はい、大丈夫?』パアアァァァァ

ワーカー『……プリーストかっ、助かったぜ』

大男『そっちはどうだ?』ザッザッ

優男『今、片付いたところさ。術士の方は?』

大男『あの崖の所、見えるか?』

優男『……いや、何もないが』

大男『――!? しまった……あれも幻術か……っ』

優男『逃したか? まぁいいさ。俺らの任務である救出は成功したんだからな』

優女『……よしっ、回復おしまい! これで全員よ』

ワーカー『ありがてぇ……助かったぜ。しかしアンタすげーな、こんな回復初めてだぜ!』

優男『さぁ、ここから脱出しよう。動ける者は怪我人をサポートしてくれ』

一同『おぉーっ!』ザッザッザッ……

 フワッ

道士『……厄介な人間だな。殺しておくか』
889 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 18:01:31.19 ID:ZlXDiOZro


大男『……』ザッザッザッ

 ピタッ……ドサッ

大男『……こ……れは……っ!?』

 タッタッタッタッタッ……バンッ!!

大男『――――!!』

優男『…………』

大男『優男っ!!』ガバッ

優男『……幼……女、頼……っ』

大男『何があった!? 何故、村が……っ!!』

優男『魔物……幻……術……』ゴポッ

大男『他の連中は!? 幼女はっ!!』

優男『よ……女……地下……』

大男『……優女はっ!!』

優男『頼む……ぞ……お父――』ガクッ
890 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 18:01:59.77 ID:ZlXDiOZro
お父『――っ!!』

優男『…………』

お父『……うおおおおぉぉぉぉ!!』

 ガンッ!! フルフルフルッ

お父『どうしてだっ、どうして……こんな……』

 カタッ

お父『……? 地下……そうだっ、幼女!』ガバッ

 タンタンタンッ……ザッ

幼女『……』

お父『息は……あるっ! 気を失っているだけか……っ』スクッ

幼女『……』

お父『優男は死んだ……っ。優女も……くそっ!』

幼女『…………』

お父『こんな幼い娘を残してっ、どうしてだ……どうしてっ!!』

幼女『……お……父さ』ムニャッ
891 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 18:02:31.61 ID:ZlXDiOZro


 ザッザッザッ……

幼女『……んっ』モゾッ

お父『……』

幼女『!?』

お父『起きたか』

幼女『降ろしてっ、降ろしてー!』ジタバタ

お父『暴れるな。今、降ろしてやる』スッ

幼女『……っ』

お父『泣くなよ。俺だって好きでやってるわけじゃない』

幼女『お父さんと……お母さんは……?』

お父『……』

幼女『村は? ここは……どこ?』

お父『幼女、村に戻りたいか? だとすればこれから目に映る光景をしっかりと理解するしかない』

幼女『……?』
892 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 18:02:58.50 ID:ZlXDiOZro


幼女『…………』

お父『村は、魔物に襲われ……そしてお前の父と母も……死んだ』

幼女『……』

 フラッ……バタッ

お父『……まだ3歳なんだぞっ、神はこの子に何故っ、こんな試練を与えるのだ!!』

 ダキッ

お父『優男、女賢者。俺はお前らの忘れ形見を絶対に……死なせたりはしない!』

 ザッザッザッ……

優女『……ぅ』

 ゴトッ ガラガラッ

優女『……痛……ったぁ。何よ……もぅ』

 ヨロッ キョロキョロ

優女『……ここは……どこ? っていうか、私は……誰?』

 ヨロヨロッ テクテクテクテク……
893 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 18:03:28.56 ID:ZlXDiOZro


道士「……」

 フワッ スタッ

道士「……何か?」

ネクロマンサー「こんな小さな村、消したところで何もありませんよ?」

道士「気になる人間がおりましてね」

ネクロマンサー「そうですか。しかし貴方が恐れる程の感覚はありませんでしたが」

道士「何も五行や攻撃だけが脅威ではないと言う事です」

ネクロマンサー「……」

道士「回復。それもとてつもない治癒能力を持った人間もいるかと」

ネクロマンサー「ああ、そういう事ですか。確かにそれはありますねぇ。ククッ」

道士「人間は蘇生の術を持たない。しかし命ある限り、必ず治癒する事は出来なくもない」

ネクロマンサー「己の生命力を相手に与えるというあれですね」

道士「あの女はその力を持っていた。だから消しました」スッ

ネクロマンサー「……ククッ。人は蘇生する術を持たない。だからこそ私はこの道を選んだのです」フッ
894 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 18:04:01.49 ID:ZlXDiOZro
――……

 ピッキイイイイィィィィン!!

女賢者「――――っ!!」ハッ!!

お父「……グ……ウゥ」

女賢者「……そう、だったのね」スッ

お父「!?」

 タァンッ!! ズザァ

女賢者「……酷い有様ね、でももう大丈夫だから」

 パアアアアァァァァ

剣士「…………ん」

弓使い「剣士!!」ダッ

剣士「……ぼ、僕は……っ」

弓使い「……何とも……ないのっ!?」

剣士「ああ。不思議だ……っ。痛みも何も……感じない」ググッ

弓使い「……っ」
895 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 18:04:28.84 ID:ZlXDiOZro
女賢者「次は……幼女」スクッ

 パアアアアァァァ

幼女(……何だろう、とってもあったかい)

女賢者「……っ」

幼女(何だかとっても懐かしいし、いい匂いがする。これって……)

女賢者「お願いっ、治って」グッ

幼女「……う、うぅ」

女賢者「幼女っ!!」

幼女「……女賢者……さん?」

女賢者「折れた右腕は治したわ。もう骨も痛みも、大丈夫」

幼女「……!?」グイッ

女賢者「最後は弓使いさん。待たせてゴメンね」スッ

弓使い「わ、私は別に……」

女賢者「いいからっ」グイッ

 パアアアアァァァァ
896 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 18:04:58.73 ID:ZlXDiOZro
弓使い「……っ!!」

剣士「女賢者さんっ、あなたのこの力は一体……っ」

女賢者「……よしっ、これで大丈夫! それじゃ退がってて」スクッ

弓使い「!?」

女賢者「あの人は……私が倒すから!」クルッ

お父「……」

女賢者「……久し振りね、お父」ザッザッ

剣士「――!?」

幼女「お父を……知っているの!?」

女賢者「あなたは……あなたはずっと幼女の事を……」ツツー

お父「……オ……アアァァッ」

女賢者「私のせいで、私達のせいで……あなたまで……っ」ボロボロボロッ

お父「……ガ……アアアアァァァァ!!」ドンッ!!

女賢者「私があなたをっ、開放するからぁ!!」

お父「……!?」
897 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 18:10:46.76 ID:ZlXDiOZro
 ゴゴゴゴゴゴ……

ネクロマンサー「何です? そんな事が……ッ」

召喚士「どこを見ている! ネクロマンサー!」ズバッ

 シュイイィィィィン

コカトリス「ハアァーッ!!」

ネクロマンサー「ちッ、いつもいつもコカトリス。忌々しい」ババッ

召喚士「……逃がすかっ!」

ネクロマンサー「しかし、瀕死であったはずの人間がまるで無傷のような状態に……」

魔道士「やあっ!!」ドドオオォォォォン!!

ネクロマンサー「……それよりも、私の領域にいとも容易く侵入してきた……?」

コカトリス「食らうがいいっ!」

 ゴッゴオオオオォォォォ!! ビシビシビキッ!!

ネクロマンサー「因果だとでも言うのですか……ッ」

召喚士「……やはり石化しても、無駄かっ」

ネクロマンサー「……まぁいいでしょう。舞台にハプニングは付き物ですからね」
898 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 18:11:33.29 ID:ZlXDiOZro


 ズガガガガガッ!! ガガガガッ!!

盗賊「……っ」

兄様「……」キィン

盗賊(この数年っ、戦いに身を置き……腕を磨いてきたつもりでいた……っ)

 ガガガガガガッ!! ズザァ……

盗賊(それでもこの状況……っ、兄様には到底、辿り着けぬというのか……っ)

兄様「……」スッ

盗賊「っ!?」

兄様「……」ヒュオッ!!

 ゴガガガガッ!! キィン……ガキンッ!! ズガガガッ!!

盗賊「くっ!」

兄様「……」ブオッ

盗賊「しま――」

 ガッキイイィィィィン!!
899 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 18:12:12.19 ID:ZlXDiOZro
盗賊「…………っ?」

兄様「……?」

 ブンッ スタッ

盗賊「……あ……っ」

影忍「何をしているっ、盗賊!」

盗賊「兄様っ!」

影忍「お前の実力は……こんなものいではないはずだっ!」

 ビュオッ ドッゴオオォォォォン!!

影忍「……」スタッ

盗賊「兄様……っ、一体……」

影忍「あれが私の本体か?」

盗賊「!?」

兄様「……」ムクリ

影忍「……いや、今の手応え……そんな感じはなかった」

盗賊「じゃあ……」
900 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 18:12:53.93 ID:ZlXDiOZro
影忍「本体はまだ別にいる。とにかく、あの偽者を倒すのが先決だ」

盗賊「はいっ!」チャキッ

兄様「……」

影忍「しかし、自分と戦うのは気が引けるが……」ズザッ

 タアンッ!! ズガガガガガッ!!

影忍「手加減はせぬぞ! 偽者めがっ!」

兄様「……っ」

 スガガガガッ!! ドドオオォォ!!

影忍「盗賊っ、左右から挟撃で攻めるぞ!」

盗賊「は、はいっ!」ザザッ

兄様「……」チャキッ

影忍「奥義……疾風!!」

盗賊「怒濤っ!!」

 ギュバッ!! ドッゴオオオオォォォォン!!

盗賊「……や……った?」
901 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 18:13:37.01 ID:ZlXDiOZro
 シュウウゥゥゥゥ……

兄様「……」ムクリ

盗賊「!?」

影忍「やはり、五行しかないか」

盗賊「……っ」

影忍「しかし……」チラッ

盗賊「……兄様、私がやります」

影忍「……」

盗賊「私が……五行で……」

影忍「盗賊、今のお前ならば出来るかもしれん。しかしだ、完全ではない」

盗賊「……はい」

影忍「少なくとも時間を要するし、動く相手に撃つには精度に欠ける」

盗賊「しかしっ、それ以外に手は……」

影忍「分かっている。ここは任せてるぞ。今のお前ならば、五分以上に戦えるはずだ!」バッ!!

盗賊「……兄様」
902 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 18:14:15.04 ID:ZlXDiOZro


 ガッキイイイイィィィィン!!

戦士「……ぐくっ」

偽戦士「……っ」ギリギリッ

戦士(どういうこった!? 俺のはずなのに……俺じゃねぇ……っ!!)

偽戦士「……アアァァァァ!」

 ドッガアアァァァァ!! ズザザアアァァ……

戦士「くそっ――」

ネクロマンサー『ククッ、貴方の中にある脅威。それを表面化しているのですよ』

戦士「!?」

ネクロマンサー『騎都尉、とか言いましたっけ? その槍捌き……いかがです?』

戦士「うおっ!」

偽戦士「アアアアァァァァ!!」

 ババババッ!! ズガガアアァァァァ!!

ネクロマンサー『貴方が絶対に勝てないと恐怖を抱いている相手。クククッ!』
903 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/19(月) 18:15:16.41 ID:ZlXDiOZro
戦士「ナメんなっ! 俺は……騎都尉っ、アンタを越える!!」

偽戦士「……」

 ズガガガガッ!! ドドオオォォ

戦士「ぐあっ!」ドシャッ

ネクロマンサー『しかも実力ではなく、貴方の抱く想像上のもの』

戦士「……くっ」

ネクロマンサー『その思いは遥かに実力を凌ぐ、恐怖、脅威でしょうねぇ。ククッ』

戦士「……要は、俺の想像上にある騎都尉がそのまま反映されてるってんだろ?」

ネクロマンサー『ご名答ッ』

戦士「だったら大した事はねぇ!」

ネクロマンサー『……?』

戦士「本物の騎都尉はなぁっ、こんなに弱かねぇんだよ!!」バッ!!

偽戦士「……ッ」

 ズッギャアアアアァァァァ!!

戦士「ドッペルゲンガー!! 目を覚ましてくれっ!! 俺に……気付いてくれぇ!!」
904 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/19(月) 18:15:55.46 ID:ZlXDiOZro
今日はここまで…いや、またあとで来ます!
沢山のご支援ありがとうございました!感謝!
それではひとまず失礼しますっ!ノシ
905 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/19(月) 18:25:55.17 ID:63XQueur0
>>1乙!!!
906 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/19(月) 18:44:54.51 ID:uV7AQWZDO
これはまた予想の斜め上にきたな

おつんぽ!
907 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/19(月) 19:13:00.20 ID:du+/9ZsQ0
おっつっつ

腰痛って…おいおいナニしてたんだよ
908 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/19(月) 19:31:37.43 ID:rACbrd2Fo
>>1

あれ、剣士さん甦ったよ
てか、女賢者ってそうだったのか
909 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/19(月) 20:12:00.24 ID:no1czCV50
>>1 おつ
女賢者は生命力を相手に与えて治癒してるのか…大丈夫なのか
910 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/19(月) 20:30:54.31 ID:Unug1ZzDO
分け与えているのは生命力に見せかけた方向感覚
911 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/19(月) 20:57:41.19 ID:AZGz0kZAO
>>1
お身体お大事に〜
912 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/19(月) 23:39:08.69 ID:7+ZJ8iWIO
スレ残り少ないから向こういこうぜ
913 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/20(火) 00:46:39.02 ID:vCbJkugco
〜六道門・修羅〜

隊長「立て。一撃で楽にしてやる」ジャキッ

男隊員「……っ」ポタポタポタッ

女隊員「隊長っ!!」

隊長「……」

女隊員「隊長っ、私達が分かるんスよねっ!?」

隊長「五月蝿い奴だな。先にお前から殺してやるか」

女隊員「隊長っ! だったら……目を覚ますッスよぉ!」

隊長「……死ね」ビュオッ!!

 ググググッ

格闘家「……っ」

隊長「邪魔をするな。お前から死にたいのか?」

ボス「来いっ! ヨルムンガンドおぉ!」

 シュイイィィィィン……ゴッゴオオォォォォ!!

隊長「ぬ……っぐ!」
914 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/20(火) 00:47:10.76 ID:vCbJkugco
 ドシャアアアアァァァァ……

ボス「頭冷やして、目ぇ冷めたか!」

格闘家「話して分かる状況とは思えない。ここは――」

男隊員「あれは……隊長なんだろ?」ガシッ

女隊員「!?」

男隊員「俺は……俺達はっ、隊長によぉ……」

隊長「……」ザッザッザッ

男隊員「隊長に救われてっ、命貰って……ここまできたんだろうがよっ!!」

女隊員「……そんなの分かってるっ! 分かってるッスよ……っ」

男隊員「だったらぁ!!」ザッ

女隊員「!?」

男隊員「俺は……隊長に殺されるなら、それで本望だ」スッ

隊長「それで守っているつもりか? 仲間を……」ジャキッ

男隊員「両手を広げる意味は……受け入れるって事だろうが! アンタが言った事だろうがっ!」

隊長「……」
915 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/20(火) 00:47:50.39 ID:vCbJkugco
……――

兵士『……おいガキ、生きてるか?』ツンツン

少年『生きてるよっ! つっつくな!』

兵士『元気そうだな、じゃあ心配はいらんか』ザッ

少年『おっちゃん!』

兵士『……まだ26だ!』

少年『俺の村……どうなっちまったんだよ……』

兵士『残念だが壊滅だ。見ろ、もう何も残っちゃいねぇ』

少年『……』

兵士『家族は?』

少年『孤児だからっ、そんなのいねーし!』

兵士『そうか。まぁ気の毒だったな。もうこの村は放棄するしかねぇ』

少年『……俺は……どうなるんだよっ』

兵士『本国の孤児私設行きだな。しばらくはタダメシが食えるぞ』

少年『……っ』
916 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/20(火) 00:48:47.01 ID:vCbJkugco


少年『……なぁ、おっちゃん』テクテク

兵士『おっちゃんじゃねぇって言ってんだろ!』テクテク

少年『名前』

兵士『……あ?』

少年『おっちゃんの名前!』

兵士『ああ……俺は隊長だ。つーか名前聞くならテメーから名乗るモンだぞ』

少年『そうなの?』キョトン

隊長『……そうか。勉強もままならん状況だったんだな』

少年『勉強なんて役に立たないよ。なぁ隊長さん、俺に……剣を教えてくれよっ!』

隊長『だったらお前も国軍に入るんだな。そしたら嫌でも教えてやるよ』

少年『国軍……?』

隊長『まぁ、バカなお前にはちょっと無理かな? 勉強が必要だし〜』

少年『――っ!! 勉強するっ、勉強するよ!』

隊長『そうだな。まずはしっかりと卒業する事だ。出来るもんならな。ハハハッ!』
917 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/20(火) 00:49:56.39 ID:vCbJkugco
少年『するよっ! 絶対する!』

隊長『孤児施設なら、模範児童になれば奨学金も出る』

少年『何それ?』

隊長『タダで学校に行けるって事だ。但し、優秀な奴だけな』

少年『……』

隊長『学校行くって言ってもだ、金がかかる。金なんざねーだろ?』

少年『……ない』テクテクテク

隊長『だったらイイ子にしてな。模範児童になりゃタダで学校に行けるぜ』

少年『……頑張る!』ムスッ

隊長『ハハハッ! ああそうだ、そういやお前の名前を聞いてなかったな』

少年『俺は男隊員! しっかり覚えておきたまえっ!』

隊長『んだとぉ!? 生意気なヤローだな!』

男隊員『ヒャハハ!』

隊長『お、着いた着いた。ここが孤児施設だ』

男隊員『おぉーっ、デケー!!』
918 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/20(火) 00:50:51.03 ID:vCbJkugco


職員『かしこまりました。それでは、お預かり致しましょう』

隊長『これが国軍からの書類と……身元引受書だ』

職員『身元引受人は隊長さん……つまり、あなたですか?』

男隊員『……!?』

隊長『何か問題あるか?』

職員『い、いえ……っ。しかし問題を起こした場合など、全てあなたに……』

隊長『ああ構わんさ。コイツと約束したからな』

職員『……?』

男隊員『俺っ、頑張って模範自動になるからさっ! 問題なんて起こさねーし!』

隊長『だ、そうだ』

職員『わ、分かりました……』カキカキ

隊長『んじゃ頑張れよ。たま〜には会いに来てやるよ』

男隊員『隊長こそ死ぬなよな! んじゃ色々とありがと!』

隊長『おう』スタスタスタ
919 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/20(火) 00:52:07.51 ID:vCbJkugco
〜数年後〜

男隊員『隊長っ!!』タッタッタッ

隊長『入学が決まったんだってな、おめでとさん』

男隊員『へへっ、見ろよ! しっかり模範児童の資格も得たぜ!』

隊長『よく頑張ったな。ほれ、前祝いだ』ポイッ

男隊員『……?』

 バサッ……ガサガサッ

男隊員『……こ、これ……っ!!』

隊長『国立の制服、それで合ってたよな?』

男隊員『隊長……っ』

??『……ぐすっ』テクテク

隊長『……?』

男隊員『ああコイツ、女隊員ってんだ。俺より5つ下で11歳』

女隊員『うぅ……っ』

隊長『何で泣いてるんだ? 誰かにイジめられたか?』
920 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/20(火) 00:53:14.84 ID:vCbJkugco


隊長『なるほど。まだ施設に来たばかりの新米だったのか』

男隊員『毎日コレなんだよ……。膝抱えて、泣きっぱなし』

女隊員『……ぐすっ、ぐすっ』

隊長『気持ちは分かるぜ。辛いよな、哀しいよな』

女隊員『うぐぅっ、ひ……っぐ』

隊長『でもな、甘ったれんな。ここにいる奴らはみんなお前と一緒なんだ』

女隊員『……っ!?』

隊長『お前以上に酷い目にあった奴だっている。見てみろ』

男隊員『……』

隊長『まだ幼いのに家族を失った奴。家族だけじゃなく目の光まで失った奴……』

女隊員『ひっく……ひ……っぐ』

隊長『それでもみんな笑って、元気で、そして必死に生きてるんだ』

 ザッザッザッ スッ

隊長『その両手は膝を抱える為にあるんじゃねぇ。広げて、受け入れる為にあるんだよ』

女隊員『うあ……っ、うああぁぁぁぁ』ポロポロポロッ
921 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/20(火) 00:54:59.52 ID:vCbJkugco
――……

隊長「……」

女隊員「そうッス。両手は広げて、受け入れる為にあるんスよ! 隊長っ!」

男隊員「アンタが教えてくれた事なんだっ! だから俺はっ、アンタを受け入れる!」

隊長「…………」

男隊員「それでもまだ俺を斬るってんなら……好きにしろ」

隊長「……」チャキッ

男隊員「どうせアンタに救われた命だ。アンタにやられるならそれで本望」

ボス「お、おい……」

男隊員「だが、特遊隊長として、託された任務がある! だから他の連中は見逃してくれっ!」

格闘家「……っ」

男隊員「アンタなら分かるはずだろっ! 特遊の誇りがっ! 任務にかける魂がよっ!」

隊長「……言いたい事は……それだけか?」スッ

男隊員「……ああ。それだけさ、隊長!!」

隊長「……死ね」
922 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/20(火) 00:56:27.88 ID:vCbJkugco
 ジャキッ……ビュオオォォッ!!

男隊員「――――っ」

女隊員「隊長おおぉぉぉぉ!!」

 ビタアアァァッ!!

男隊員「…………っ?」

隊長「……ぐ……くく……っく!」ガチガチ

 ガシャンッ……ドサッ

隊長「体が……くそっ、コイツ……どうして……っ!!」

女隊員「隊……長……?」

格闘家「様子がおかしいですよ」

男隊員「……」

隊長「う……うう……うおおおおぉぉぉぉ!!」

 ガバァッ!!

隊長「……はぁ、はぁ、はぁっ、はぁーっ!!」

男隊員「隊長……?」
923 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/20(火) 01:00:14.46 ID:vCbJkugco
隊長「……くぞ」

男隊員「!?」

隊長「行くぞ、テメーら。こっから脱出すんぞ!」カシャッ

女隊員「隊長っ!!」

ボス「意識が……戻ったのか……っ?」

隊長「……」

男隊員「……」

 ザッザッザッ……ガシッ

隊長「強くなったな、お前はもう……立派な隊長だよ」

男隊員「……バッカヤロウ」ゴシゴシ

格闘家「しかしどうやって、ここから脱出を?」

隊長「ゴリ押しだ。一定以上の付加をかければブチ破れる」

女隊員「そ、そうなんスか?」

隊長「魔物になったからよく分かる。俺を信じろ」チャキッ

男隊員「いつだってアンタの事は信じてんだよ。そんじゃあやるかっ、ヒャハハ!!」
924 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(奈良県) [sage]:2012/03/20(火) 02:00:39.94 ID:VK7hEY38o
>>1
俺も信じてるぜヒャハハ
925 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/20(火) 02:44:52.79 ID:bRIdhdhB0
いちおつ
926 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(空) :2012/03/20(火) 06:43:23.39 ID:lYaDRo1L0
>>1
隊長の精神力の強さは異常
927 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/20(火) 15:21:11.08 ID:Cg5pRx/DO
根暗さんが自分の手駒全然操れてなくてわろた
928 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/20(火) 17:14:05.69 ID:7aOaYaego
根暗だけにKYなんだろww
929 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/20(火) 17:31:59.40 ID:6fC064fzo
>>1

隊長さん、涙ぐむじゃないか…

さすが根暗マンは人の心がわかっちゃいないと散々モブ喚士に言われ続けてたからな
ザマミロだな
930 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/20(火) 23:56:43.11 ID:vCbJkugco
〜ネクロマンサーのラボ〜

 ズババババッ!! ジャキイイィィィィン!!

戦士「ちいいぃぃーっ!」ズザザァ

偽戦士「……」

戦士(だっ、ダメだ……っ)

偽戦士「……」ザッザッ

戦士(中身どころか、外見まで騎都尉に見えてきやがった)

偽戦士「……」

戦士「情っさけねぇな、俺……っ」

偽戦士「……」ニヤッ

戦士「そりゃ笑いたくもなるよなぁ」

偽戦士「……オオォォォォ」

戦士「笑いたきゃ笑うがいいさ。笑われるなんて百も承知だ!」

偽戦士「……」スチャッ

戦士「笑われようが罵られようが、俺は生きてる限り……闘い続けるんだよっ!」
931 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/20(火) 23:57:15.34 ID:vCbJkugco
 ゴウッ!! ゴゴゴゴゴゴ……

戦士「まだだっ、まだ足りねぇ……っ」

 ゴゴゴゴゴゴオオォォォォ

戦士「こんなモンかよ! 俺の力はぁ!!」

 ズッゴオオオオォォォォ!!

戦士「騎都尉を……親父を……そしてぇ、自分を越える!!」

 ダァンッ!!

戦士「その先にこそっ、俺の求める本当の強さがあるんだろうがよぉ!!」

 自分の姿をしたモノが戟での強烈な突きを繰り出す。

 戦士は顔を右へ傾け、それを紙一重でかわすと、一気に懐へと飛び込む。

 そのまま戟を振りかぶると、自分の姿はそれに呼応し、戟を払う為に振り上げる。

戦士「何度も味わった感覚だ!」

 己自身の戦術、技量を受け止めていれば自ずとその答えは見えていた。

 カウンターの更にカウンター。戦士はがら空きになった腹部を強く蹴り飛ばし、

 ドッペルゲンガーはバランスを崩しながら大きく後方へ仰け反った。
932 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/20(火) 23:57:45.55 ID:vCbJkugco
戦士「ここだああぁぁーっ!!」ダンッ!!

 再び一気に間合いを詰める戦士。対応するドッペルゲンガー。

 戦士は勢い良く戟を下から一気に振り上げた。そして……。

 ブオオォォォォン!!

偽戦士「……アアァァ!!」

 空振った戟がドッペルゲンガーの眼前で空を切った。戦士の攻撃は当たらなかった。

 隙だらけとなった戦士の胸部に戟が真っ直ぐ突き放たれる。

戦士「……っだりゃああああぁぁぁぁ!!」

 突きつけられた戟を、絡め取るように両腕を伸ばす戦士。

 ギュルッ!! ガッシイイイイィィィィ!!

偽戦士「――!?」

戦士「外したんじゃねぇっ。外れるように放った一撃だ!」

 偽戦士「……っ」グッグッ

 間合いを離れぬよう懸命に戟を抑える戦士は言葉を続けた。

戦士「疑問に思わねぇのか? どうして俺が戟を持ってねーのか」
933 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/20(火) 23:58:45.07 ID:vCbJkugco
偽戦士「……?」

 戟を振り上げ空振った瞬間、戦士は既に戟を手放していた。

 いや、最初から劇を上空に放り投げたという表現の方が自然であろう。

戦士「だからこうして、テメーの間合いを離さねぇようにしてんだよ!」

 上空から微かに聞こえる空を切り裂く金属の音。そして、それは到達する。

 ザッシュウウウウゥゥゥゥ!!

 戦士が上空へ放った戟が、ドッペルゲンガーの突き伸ばした両腕に落ちた。

 突き刺さる戟。両腕はその投擲で肘の下辺りより切断される事と相成った。

 ドサッ……ドサッ

偽戦士「ウ……ググウウゥゥ……ッ」

戦士「……はぁ……はぁ」ザシャッ

偽戦士「……グウウゥゥ」

戦士「普通のやり方じゃあ勝ち目はねぇ。俺もお前も考えはさほど変わらねぇんだからな」

 ザッザッザッ……グイッ

戦士「勝負……あったな」
934 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/20(火) 23:59:31.54 ID:vCbJkugco


東方司令「……っ」

北方司令「……」スッ

東方司令(まさか……兄くんが相手とはね)

北方司令「……?」

東方司令(負けるはずもないけれど、やはり気が重い……)

北方司令「……な……ん」

東方司令「……?」

北方司令「東方……司令……?」

東方司令「!?」

北方司令「私……だっ、北方……司令……」ガクッ

東方司令「兄くん……っ!」

北方司令「頭が……割れるように痛い……っ!」ググッ

東方司令「意識があるのかっ!? ボクが……分かるのか!?」

北方司令「当たり前だろう……ッ、たった1人の妹なのだから」
935 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 00:01:35.03 ID:wNm5PD/Oo
東方司令「兄くん……っ」フラッ

 タッタッタッタッ……ドズッ

東方司令「……え?」ポタタッ

北方司令「……甘いんだよ、お前は」ズググッ

東方司令「かっ、は……っ」

北方司令「洞察力、行動力、情報収集。この3つが何か分かるか?」

東方司令「ごほっ、ごほ……っ!!」ビチャッ

北方司令「この3つ、弱者が強者に勝つ為の必須条件だ」

東方司令「貴様……ぁ」

北方司令「ツヴァイハンダー、持っているか? いないだろう?」ドカァッ!!

東方司令「ごほぉっ!」

北方司令「腕力のない私が間合いを詰め易く、小剣を持っているッ!」ドゴォ!!

東方司令「がはぁっ!!」ビチャッ

北方司令「洞察力、観察力を働かせれば簡単に推測出来る事だッ!」バキィッ!!

東方司令「――っ!!」ドシャッ
936 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/21(水) 00:38:46.21 ID:3uDjNiBIo
東方司令がちょろすぎんだろおい
まあ北方司令がちょろったのがいけないけど
937 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/21(水) 03:10:25.78 ID:d9Hd+2xK0
>>1 おつ
東方司令やばそうだな
938 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/21(水) 06:06:36.85 ID:LNQFKA8Y0
>>1おつんつん
939 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/21(水) 08:50:22.32 ID:gXwKLFkAO
相変わらずの>>1乙んつん
いやぁ爽やかな朝だよ
940 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/21(水) 10:17:15.09 ID:Wcn57EcDO
いちょつ
東方司令は鼻血も併せると一番出血してるな
にしてもやられすぎw
941 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/21(水) 13:56:45.49 ID:R8BxsgmW0
>>1おっつっつ


根暗の操り人形って生前よりはるかに強いよな
942 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海) [sage]:2012/03/21(水) 14:07:50.78 ID:THPzxbjAO
>>1

>>941
生物が無意識下で掛けてるリミッターが、根暗が操る事で意識も無意識も消えて外れる
と俺は思ってる
943 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 17:57:48.76 ID:qPeVpA/2o
北方司令「立て、東方司令。立たぬのならこれまでだな」

東方司令「……ふ、ふふっ」

 ヨロッ ポタタッ

東方司令「図に……乗るなよ、兄くん」

北方司令「……」

東方司令「いや、お前は兄くんではない。兄くんならばもっと……」

北方司令「戯言はここまでだ」

東方司令「こんな回りくどい真似はせず、一撃で仕留めにくる」

北方司令「……?」

東方司令「兄くんはボクの強さを分かっている。恐れている」

北方司令「何を……」

東方司令「所詮、お前は上辺だけの兄くんに過ぎないって事だ」

北方司令「何を……言っているッ!」

東方司令「ま、兄くんの深層を理解せず、上辺だけの知識を得たなら、そんなものだろうな」ペッ

北方司令「生意気なのだよッ、貴様はぁ!」
944 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 17:59:58.99 ID:qPeVpA/2o
 ビュオッ!! ガギギイイィィィィ!!

北方司令「……ッ」

東方司令「兄くんはどんなに自分が優位であろうと、決してボクには斬りかかったりはしない」

北方司令「……!?」

東方司令「何故か? いちいちそんな事h秋至りするなよ?」

 ゴゴゴゴゴゴゴ……

北方司令「……ッ」

東方司令「威圧が萎縮しているのが、手に取るように分かるよ……兄くん」

北方司令「何……故だッ、私は……兄だぞ!」

東方司令「その考えが既に兄くんのものではない」

北方司令「……ッ」

東方司令「いちいち話すのもバカらしいけど、まぁいっか」ググッ

北方司令「ッ!?」

東方司令「しっかり踏ん張らないと、このまま真っ二つだぞ?」グググッ

北方司令「グ……クゥ!!」
945 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 18:01:54.03 ID:qPeVpA/2o
 ビキキッ!! バキイイィィィィン!!

北方司令「!?」

東方司令「そんな剣でコレを防げるわけないだろ。バカか」ザシャッ

北方司令「――ッ!!」ドシャッ

東方司令「……兄くんは昔から、尊敬する人がいてね」

北方司令「……ああ」

東方司令「その人のように強くなりたいと、剣術を磨いていた」

北方司令「それが……何だ」

東方司令「剣の腕を磨き、軍略を学び、心身共に鍛えてきた」

北方司令「だからッ、何だと言うのだ!」

東方司令「しかし兄くんは悟った。凡夫であると。自分は弱者だと」

北方司令「ああそうさッ。だから――」

東方司令「どうして悟った?」

北方司令「……そ……れは」

東方司令「そうだ。ボクが居たからだ。自分よりも圧倒的な才能を持つ者に出会ってしまったからだ」
946 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 18:02:30.91 ID:qPeVpA/2o
北方司令「……ッ」

東方司令「しかもそれが実の妹。常に目の前に居る存在。兄くんは毎日感じただろうな」

北方司令「屈辱をか? ククッ、そうかもしれんな」

東方司令「違う」

北方司令「……?」

東方司令「そうか……。そこまでの深層心理は分からないのか」

北方司令「何を……言っている」

東方司令「兄くんは……そうか……」

北方司令「……ッ。もう良いッ! お喋りはここまでだァ!!」

東方司令「兄くんは……そこまで……想って……っ」ツツー

北方司令「何を涙しているッ! 実の兄に剣を向けてッ、懺悔したかァ!?」

 ドズッ!! ブシュウウゥゥゥゥ

北方司令「あ……グウゥ!?」

東方司令「……お前は兄くんなんかじゃない。本物の兄くんはどこだ?」ズグッ

北方司令「ッガアアァァ……ッ!」ビシャッ
947 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 18:02:59.04 ID:qPeVpA/2o
東方司令「言え。言わぬのならこのまま殺す」ズググッ

北方司令「な、何を……言って……ッ、本物はこのッ、私――」

 ザンッ!! ポタタッ……ドサッ

東方司令「……」カシャッ

北方司令「…………」

東方司令「どこかにあるはずだ。本物の兄くんが。本体が……」

 ザッザッザッ……

東方司令「こんなものは本物なんかじゃない……っ。本物の兄くんはもっと……」

 ザッザッ……ザッ……

東方司令「強くて……優しくて……っ」

 ザッ……ドサッ

東方司令「……兄……くん」

 アンデッドである北方司令を破った東方司令は出血により意識を失い、

 重い足取りの後、その場へと力なく倒れこんだ。

 朦朧とする意識の中、幼き日々の記憶がぼんやりと浮かび上がっていた。
948 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 18:03:31.70 ID:qPeVpA/2o
……――

東方司令『……なぁ、兄くん』

北方司令『ん?』

東方司令『兄くんはどうして、お師匠に弟子入りしたんだ?』

北方司令『私はあの方に憧れていたからだよ。あの方のように強くありたいと願ったからだ』

東方司令『そう、か』

北方司令『だが、私にそんな才能は微塵もなかった』

東方司令『……』

北方司令『そんな私がどうして、弟子入り出来たと思う?』

東方司令『……ボクが……いたから』

北方司令『そうだ。お前のお陰で私も弟子入りする事だ出来たんだ』

東方司令『でもっ、そんなの……』

北方司令『なぁ東方司令、お前の剣は超一流だ』

東方司令『……』

北方司令『私はおろか、兄弟子すらをも越えている。いずれはお師匠に匹敵するやもしれん』
949 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 18:04:00.69 ID:qPeVpA/2o
東方司令『兄くん……』

北方司令『そんなお前の傍に居て、私はとても悔しかった。羨ましかったさ』

東方司令『……っ』

北方司令『だが不思議なものだな。最も身近な存在であるお前が天賦の才を持っている』

東方司令『……みたいだね。ボクは何とも思わないけど』

北方司令『それで良いんだよ。それが1番なのさ』

東方司令『どういう事だよ? それに、兄くんは自分が強くなりたかったんだろ?』

北方司令『ああ、強くなりたかった。でもそれは自分の為じゃない』

東方司令『……?』

北方司令『たった1人の家族である東方司令、お前を守る為に強くなりたかった』

東方司令『――――っ!!』

北方司令『だからそんな東方司令が、自衛出来る強さを持つならば、それが1番理想的なのさ』

東方司令『兄……くん……っ!』

北方司令『私の夢は叶った。だから私は他人の夢を叶えるべく、国軍に入る事にしたんだよ』

――……
950 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 18:04:47.78 ID:qPeVpA/2o
 ピクッ

ネクロマンサー「……」

召喚士「どこを見ている!!」ゴガアアァァ!!

ネクロマンサー「クッ、ククッ!」

召喚士「何がおかしいっ!」

ネクロマンサー「いえいえ。ある程度の予想はしていましたが、まさかここまでとはねぇ」

魔道士「……っ」

ネクロマンサー「全てが思い通りになってしまえば面白いものも面白くはない」

召喚士「何を言う……」

ネクロマンサー「しかし、こうも思い通り事が進まないとなると……些か、頭に来ますね」

召喚士「来ないのなら、このままトドメをさしてやるっ!」ザッ

魔道士「召喚士さんっ!」

召喚士「大丈夫です。魔力はグッと抑えますから!」

 キュイイイイィィィィ ゴゴオオォォォォ!!

ネクロマンサー「!?」
951 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 18:05:28.14 ID:qPeVpA/2o
召喚士「行けっ! シルフ! サラマンダー! ノーム! ウンディーネ!」

 シュイイイイィィィィン

ネクロマンサー「こ、これは……ッ」ズザッ

召喚士「行くぞ……4属性合体……!!」

ネクロマンサー「……面倒ですね、仕方ない」フワッ

魔道士「逃がしませんっ!!」

 ドッドオオオオォォォォン!!

ネクロマンサー「……ククッ」バッ

 シャキイイィィィィン!! ズザザアァ

召喚士「!?」

魔道士「こ、この人は……っ」

ネクロマンサー「あとは頼みましたよ、ククッ」ブンッ

召喚士「待てっ、逃がすか――」

 ザッザッザッ……ジャキッ

魔剣士「……」
952 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 18:05:59.46 ID:qPeVpA/2o


 ガシィ!!

女賢者「さぁ、逃がしはしないわよっ」

お父「……グウ……ウッ!!」

女賢者「力で振り解こうったってそうはいかないっ! 魔力で固定しているからね」

お父「貴……様ッ」

女賢者「あとは五行を放てば、貴方も消滅よ」

お父「やめ……っろ、やめろおおぉぉ!!」

女賢者「もうっ、遅いのよ! 何もかもぉ!」

お父「違うっ!! やめろと言っているのだっ!!」

女賢者「……?」

剣士「な、何か様子が……おかしい……」

弓使い「……っ」

幼女「お父……っ、お父……なのっ?」

お父「やめねばお前まで……っ、死ぬと言っているのだ……優女!」
953 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 18:06:47.98 ID:qPeVpA/2o
女賢者「――!?」

お父「そっ、れに……このままではお前は五行を撃てぬ……っ」ググッ

女賢者「お父っ、あなた……記憶がっ、意識が戻ったのね!?」

お父「優女、早く離れろっ。ケリは自分で……つける!」

女賢者「駄目よっ。離れたところであなたっ、暴走を防げるの!?」

お父「……やってみなくては分からん」

女賢者「それにケリをつけるって、五行もないのにどうやって……」

お父「お前が撃てばいい」

女賢者「……1分」

お父「……?」

女賢者「私が五行を放つまで最短でも1分。制御出来るの?」

お父「……やってみなくては分からん」

女賢者「それじゃ駄目なのよっ! 私達はともかく……他のみんなを……」

お父「……」

女賢者「幼女をっ、死なせるような真似は出来ないのっ!」
954 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 18:07:22.85 ID:qPeVpA/2o
幼女「……お父!!」

お父「……っ!」

幼女「やっぱりお父だ……お父なんだ……っ」ポロポロポロッ

お父「……幼女」

幼女「お父っ、私――」

女賢者「幼女!!」

幼女「!?」

女賢者「この人はもうお父じゃないの。お父は……死んだんでしょ?」

幼女「……っ」

女賢者「よく聞きなさい幼女。あなたなら出来る、あなたがやるの」

幼女「……?」

女賢者「五行を撃ちなさい。私とっ、お父めがけて!」

幼女「――っ!!」

剣士「ちょっと待ってくれ女賢者さん! それでは幼女の身に危険が……」

女賢者「大丈夫。幼女の手元を離れた五行は、1度……私が受け止めるから」
955 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 18:07:50.94 ID:qPeVpA/2o
弓使い「受け止め……っ、そんなの……」

女賢者「いいえ、出来るわ。限りなく同じに近い性質の魔力なら……出来るはずよ」

幼女「ど、どういう……事?」

女賢者「五行を撃ってもあなたは死なない! いやっ、死なせない……絶対に!」

幼女「……!?」

女賢者「だから撃ちなさい……五行を」

幼女「そんなの……っ、出来ないよっ!」

女賢者「幼女、あなたなら出来るわ。絶対に」

幼女「違うよぉ! お父や……女賢者さんに……五行なんて――」

お父「甘ったれるな!」

幼女「っ!?」

お父「こいつが今さっき言っただろう。俺はお前の知るお父じゃない。ただの記憶だ」

幼女「お……父?」

お父「肉体に宿る記憶があたかも人格を生み出しているように感じるだけの事だ」

幼女「でもっ、それでも! お父はお父なんだよっ!」
956 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 18:08:21.42 ID:qPeVpA/2o
お父「幼女!!」

幼女「……っ」ビクッ

お父「頼む。俺の意識がこうして芽生えているうちに、早く撃つんだ!」

剣士「女賢者さんっ! どうしてあなたまで……っ」

女賢者「こうする以外に方法がないのよ……。ごめんなさい」

弓使い「何もっ、そんな犠牲になるなんて……っ」

女賢者「違うの。これは犠牲なんかじゃない」

剣士「……」

女賢者「私に課せられた償いであり、宿命なのよ……っ」

剣士「……どういう事なんです!? そんな事っ、納得出来ませんよ!」

女賢者「お願い……。今はこの思いだけを……受け取って」

剣士「女賢者さ――」

 ガシッ

剣士「……?」

弓使い「……っ」ギュッ
957 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 18:08:52.04 ID:qPeVpA/2o
剣士「ゆ、弓使い……?」

弓使い「……私、分か……ったかも」

剣士「……?」

弓使い「女賢者さん……っ、もしそうなら……うん」ギュッ

剣士「弓使い?」

弓使い「……幼女。あなたが五行を撃てないのなら、私達に勝ち目はないわ」

幼女「……でもぉ」

弓使い「女賢者さんの魔力だってそんなに長くは続かない」

剣士「もし……それでお父さんが制御出来なくなったら……」

弓使い「暴走したお父さんを止める術は皆無に等しいのよ……っ」

幼女「でもっ、五行を撃ったら……女賢者さんは……」

女賢者「死ぬわ。でもそれでいいの! いいのよっ!」

幼女「良くないよっ!」

女賢者「私もお父と同じ、既に死んだ身なの。だから……いいの」

幼女「そんなのおかしいよっ! だって、女賢者さんは生きててっ、それで……」
958 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 18:09:54.76 ID:qPeVpA/2o
女賢者「お父と対峙した瞬間、失われていた記憶が全て蘇ったわ」

剣士「やはり記憶が……」

女賢者「私はもう戻れない。かと言って、未来もない」

幼女「そんな事ないもんっ!!」

女賢者「ううん、いいのよもう」

幼女「良くないもんっ!!」ボロボロ

女賢者「剣士くん、弓使いちゃん。あなた達には分かるでしょう?」

弓使い「私……はっ、あなたを救いたい……っ!」ポロポロ

剣士「……っ」

弓使い「でもぉっ、どの答えが本当の幸せなのか……分からないのよっ!」ガクンッ

剣士「弓使いっ」

 その場に座り込み号泣する弓使い。剣士はそっと肩にてをやり、自身の涙を拭った。

女賢者「ありがとう、その気持ちだけで十分よ」

お父「ああそうだ。これは宿命。自分の事は……自分で決める。それが本当の幸せだ」

幼女「……っ!!」
959 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 18:10:41.33 ID:qPeVpA/2o
 弓使いの尋常ではない落胆ぶりと、女賢者の命を賭けた思いを受けて、

 この時、剣士は始めて全ての真相を理解するに至った。

剣士「……そうかっ、そういう事なのか……っ」ギリッ

幼女「私は……撃てないっ! 撃てないよぉ!」

お父「撃つんだ! こうなってはもはや、それ以外に道はない!」

女賢者「お願い幼女、理解してっ!」

幼女「そんなのっ」

女賢者「あなたは……あなた達はこんな所で立ち止まっている暇はないはずよっ!」

幼女「だからって、だって……女賢者さんは人間で……生きてて……っ!」

剣士「……幼女」スクッ

幼女「お父さんも止めてよっ! このままじゃ女賢者さんも……お父も――」

剣士「撃つんだ、幼女」

幼女「――っ!?」

剣士「確かに女賢者さんの言う通りだ。僕達はここが終点じゃない。まだ、先があるんだ」

幼女「お父……さ……」
960 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/21(水) 18:11:40.80 ID:qPeVpA/2o
剣士「女賢者さんの思いを、幼女が受け止めるんだ。理解するんだっ!」

幼女「……嫌だよぉ!! そんなの……そんなのぉ!!」ブワッ

剣士「……幼女、お前の気持ちもよーく分かる。僕だってかつて……似たような思いをした」

幼女「……」

剣士「自らの手で親友を……何度もあれは違うものだと言い聞かせた」

幼女「……ひっぐ……ひっく」

剣士「ましてや女賢者さんは……生身の……でもな幼女、君にしか出来ないんだ」

幼女「……うあ……ひっぐ」ボロボロボロ

剣士「こんな小さな少女にこんな事をさせるのは酷だと思ってる。だけど、だけど……」

弓使い「……う、うぐ……っ」

剣士「幼女、君じゃないと駄目なんだ。女賢者さんだからこそ、君じゃないと……っ!」ギュッ

幼女「うぅーっ!!」

女賢者「幼女、あなたの魔法……ちゃーんと私が受け止めるから。だから……」

お父「……」

女賢者「心配しないで撃って! 見せてみてっ、あなたの立派に成長した姿を!」
961 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/21(水) 18:17:28.21 ID:qPeVpA/2o
ひとまずここまでにておしまいにしまするん!
今日も沢山のご支援ありがとうございましたー!
それでは失礼致しますよ!ノシ
962 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/21(水) 18:19:21.26 ID:huF2UsOuo
963 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/03/21(水) 18:27:16.03 ID:ibtGjP2so
激アツ展開
ちょっとブラックな方だけど王道
964 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/21(水) 19:29:31.44 ID:i823uIdDO
>>1乙っす
965 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/21(水) 19:43:03.80 ID:VAt5+ZAwo
>>1

ボス前にこんなに死んで大丈夫なのか?
966 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/21(水) 19:48:14.69 ID:0WKDiyyDO
ボスは天才が死ぬからいいだろ

サタンは五行召喚でペニスころすか
967 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/21(水) 20:14:44.75 ID:HrcIZgNj0
>>1 おつ
生身の人間はきついな…
968 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 17:24:11.80 ID:6f/NPL2uP
人間には五行通じないんじゃなかったか?
969 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/22(木) 18:11:17.95 ID:A6iT1g3co


 ズギャギャギャッ!!

盗賊(……身体が……軽い)

兄様「……」

盗賊(さっきまでの自分の動きとは……思えない程に違う)

 タンッ ザシュッ!! タタッ……ズギャッ!!

盗賊(兄様には到底、届かぬものかと思っていたけれど……)

影忍「そうだ盗賊、お前は十分に強い。強くなっているのだ」

盗賊「……っ」

影忍「要は気持ちの問題。精神的な問題だ」

盗賊「……はいっ」

影忍「お前は俺を越えられない。そういう鎖に縛られているだけだ」

盗賊「……私は」

影忍「解き放て! 俺を……その男を越えて見せよ、盗賊!」

盗賊「はいっ、兄様!」
970 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/22(木) 18:11:42.90 ID:A6iT1g3co
 ジャララッ

盗賊「はぁっ!」ビュオッ!!

兄様「……ッ!」

 ギュルルッ!! ガッシイイィィィィ!!

盗賊「く……っ」グイッ

兄様「……」ギチッ

影忍「良しっ。そのまま捕らえておくのだ盗賊!」

盗賊「はいっ!」ガシィ

兄様「……」ニヤリ

盗賊「!?」

 シュルッ

盗賊「逃がしはしないっ!」

 ババババッ キュイイィィィィ……

盗賊「土遁っ、蟻地獄!」ドウンッ!!

兄様「――ッ」ズザァ!!
971 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/22(木) 18:12:11.55 ID:A6iT1g3co
盗賊「水遁っ、水竜巻!」

 ドドオオォォォォン!! ズゴゴゴゴッ!!

影忍「砂で身動きを封じた上に、水を吸収させ凝固するとは……考えたな」

盗賊「今までの私とは違う……っ! みんなの……意思を継いだからっ!」

 その言葉通り、盗賊の忍術は以前のものと比べ、格段に上昇していた。

 盗賊による魔力の最大量が増加した事もあるが、全ては五輪の書の存在に所以する。

 藤蔵の五遁全てを扱う事の出来る盗賊は、今までの素早さによる回避能力に加え、

 後衛顔負けの火力を誇る魔法を得たと言っても過言ではない。

 言わば護衛の要らぬ動く魔法詠唱者。高速移動兵器とでも言うべきだろうか。

兄様「……ッ」ズズズッ

盗賊「鎖に加え、水で固めた砂。これでもう……動けまい!」

 しかし敵はアンデッド。如何に捕らえようともその命を奪うには至らない。

影忍「……」スッ

盗賊「……く……ぬっ」

影忍「やはり駄目か。これは恐らく、ネクロマンサーの特殊な結界のような何かであろう」
972 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/22(木) 18:12:45.93 ID:A6iT1g3co
盗賊「兄様っ、どうします!?」

影忍「……」ザッザッザッ

兄様「……ッ」

影忍「……本体ではないな。つまり、本体はまだラボの中心部にあるわけか」スクッ

盗賊「兄様っ」

影忍「盗賊、この結界を突破するには、やはりそれを倒す以外にはなさそうだ」

盗賊「しかしどうやって……っ」

影忍「今のお前ならば出来るはずだ。……五行を」

盗賊「!?」

影忍「以前、お前に五行のクナイを渡した事、覚えているな?」

盗賊「……は、はい」

影忍「あれと同様に、お前がクナイへ五行を付加し、放つのだ」

盗賊「……私……っが」ギュッ

影忍「案ずるな。配分を違わねば自身に降りかかる事はない」

盗賊「私が……五行……」
973 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/22(木) 18:13:15.51 ID:A6iT1g3co
 スタッ

影忍「鎖を」

盗賊「あ……っ」スッ

影忍「ここは俺が代わる。お前は専念してくれ」

盗賊「……はい」

影忍「良いか? お前は身近な環境で、何度も五行を見てきたはずだ」

盗賊「……」スッ

影忍「その力、動き、感覚、全てを思い出し会得しろ」

盗賊(……そうだ)

影忍「そしてその目に焼き付けた、命を賭した奴らの魂を思い出せっ!」

盗賊(私は散々、見てきたではないか……っ)

 キュイイィィィィ

盗賊(召喚士の五行、魔道士の魔法制御、そして……戦士のゾディアック)

 ゴゴゴゴゴゴ……

盗賊(その全てを併せれば、このクナイ五行も必ずや……出来るっ!)
974 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/22(木) 18:13:54.60 ID:A6iT1g3co
 ゴウッ!! ズゴゴゴゴゴ……

影忍「いいぞ、その調子だ」

盗賊「……ふーっ」

影忍(しかしこれ程までとは……。嬉しい反面、悲しくもあるな)

盗賊「……良し。このまま……っ」

影忍「火がやや弱い。そんな事では火忍に泣きつかれてしまうぞ?」

盗賊「……っ」フオッ

影忍「そうだ。そのままゆっくり焦る必要はない」

盗賊「……多分、大丈夫」

影忍「見事也。良し、それでは仕上げると致そう。間合いを取れ、合図と同時に放つのだ」

盗賊「……はいっ」ザッ

影忍「行くぞっ、藤蔵最終究極奥義……」

盗賊「風林火――」

影忍「陰」

盗賊「山雷っ!!」
975 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/22(木) 18:14:31.20 ID:A6iT1g3co
 バッシュウウウウゥゥゥゥ!!

 金色の尾を引きながら静寂に空を切り裂くクナイを見つめ、影忍は不思議と綺麗だと思った。

 その金色のクナイの真下、まるで陰のように同じ軌道で追尾する漆黒のクナイ。

 下半身を砂に取られ身動きの取れぬ兄様もどきのアンデッドは、

 光と影のクナイを受け、激しい閃光に見舞われ、飲み込まれていった。

 ガッカアアァァァァ――!!

盗賊「――っ!!」

影忍「大丈夫だっ! うまくいった!」

 ドッドオオオオォォォォ!! ゴゴゴゴゴゴ……

影忍「良くやった、見事だぞ盗賊」

盗賊「私のツイからじゃないよ。兄様や火忍達……それに、仲間のお陰」

影忍「だがその支えをもって為し得た事は、やはりお前の力だ」

盗賊「……」

影忍「強くなったな。兄として、誇らしく思うぞ」

盗賊「……兄様……っ」
976 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/22(木) 18:15:20.02 ID:A6iT1g3co
 フッ……ピシピシッ……パキィン!!

盗賊「……!?」

影忍「空間に亀裂、やはり結界の類であったか」

盗賊「じゃあこれで……」

影忍「ああ。ようやく元の世界へ戻れるようだな」ザッ

盗賊「あの、兄様」

影忍「ん?」

盗賊「さっきの兄様は一体……」

影忍「お前も以前、東方で遭遇したよな」

盗賊「……ええ」

影忍「俺と同様のコピーさ。とは言っても、濃度はかなり低いものだろうが」

盗賊「……?」

影忍「付いて来い。進みながら話すぞ」ザッザッ

盗賊「あ、はいっ」

 タッタッタッタッタッ……
977 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/22(木) 18:16:08.75 ID:A6iT1g3co


お父「早く撃てっ、幼女!」

女賢者「幼女……早くっ、撃ちなさい!」

幼女「……っ」

剣士「……幼女」ザッ

幼女「……う、うぐっ」

剣士「君はもしかしたら重い十字架を背負う事になるかもしれない」

幼女「うぐっ、う……っうぅ」

剣士「でも、僕がずっと傍にいる。僕と弓使いがずっと傍で支える」

弓使い「うん……うんっ」

剣士「だから、君の手でお父さんを……そして女賢者さんを解放してやってくれ」

幼女「うっ、ううぅぅ……うぐっ」ボロボロ

女賢者「あなたが私を殺すわけじゃないの。あなたの魔力を私が借りるんだから」

幼女「一緒だよそんなのぉ!!」

女賢者「お願いよ! あなたにしか出来ない事なのよっ、幼女!]
978 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/22(木) 18:17:02.49 ID:A6iT1g3co
幼女「意味が分からないよっ! 何で私が……私にしか出来ないって……」

女賢者「それはあなたが――」

幼女「……っ」

女賢者「あなたが……あなたがっ、私の……」

幼女「……」

女賢者「私のっ! 私達の希望だからよ!」

幼女「……ひっぐ」

女賢者「さぁ撃ちなさい幼女。それでもまだ迷いがあるのなら、後ろを振り返りなさい」

幼女「……っ」

女賢者「あなたには支えてくれる素敵な家族がいる。父と母がいる……っ」

幼女「……ひっく、ひっく……ひぐぅ……っ」

女賢者「あなたの五行、私に見せて頂戴っ」

幼女「……」

 何故ここまで女賢者が必死であろうのか、幼女はあえて理解しようとはしなかった。

 限りなく可能性の低い答えに結び付けたくなかったからだ。
979 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/22(木) 18:17:33.22 ID:A6iT1g3co
幼女「……っ」

 そして幼い少女は覚悟を決めた。その線新緑たるや尋常のものではないだろう。

 死地において人間は成長する。哀しみの局面を迎えて、人間は成長する。

 その最もたるや環境がここにある。幼女はある種、その全てを乗り越えたと言えよう。

 キュイイイイィィィィ……

弓使い「!?」

幼女「うっぐ、うぐ……ひっぐ……!!」

 その表情は涙や鼻水でお世辞にも普段の愛くるしい可愛さはない。

女賢者「まだ乱れているわよっ。もっと集中して!」

お父「……剣士」

剣士「!?」

お父「安心してくれ。俺は……オリジナルだ」

剣士「……?」

お父「ネクロマンサーの人形には幾つかの種類がある。だが、俺はオリジナルの本体だ」

剣士「――っ!!」
980 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/22(木) 18:18:14.25 ID:A6iT1g3co
お父「しかし他の者らには、本体を囚われたままの者もいる」

弓使い「……っ」ポロポロポロ

お父「彼らもまた苦しんでいるのだ。どうか、君達の力で救ってやってくれ」

剣士「……約束しますっ、必ず……!!」

 キュイイイイィィィィ……

女賢者「綺麗な魔法。透き通っていて淀みないわ」

幼女「……っく」

女賢者「でもそれは逆に、この年齢で様々な喜怒哀楽を経験した事の証……」

幼女「……ぐっ、くうぅ」バチチッ

女賢者「喜びや楽しみだけでなく、哀しみや怨みまで……」

幼女「うぐううぅぅぅぅーっ!!」

女賢者「辛い思いををさせてしまったわね。その思い、全てを私に……」

幼女「うああああぁぁぁぁーっ!!」

女賢者「あなたをそんな目に遭わせてしまったこの私へっ! 撃ちなさい!」

 金色に輝くその光は、ゆっくりと幼女の手を離れ、女賢者を飲み込んでいった。
981 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/22(木) 18:18:44.77 ID:A6iT1g3co
弓使い「ひっぐぅ……ぐすっ」

剣士「……っ」

お父「幼女、それでいい……それでいいんだ」

幼女「……お父ーっ!!」

女賢者「ありがとう幼女……あなたの五行、とても暖かいわ」

幼女「女賢者さああぁぁぁぁん!!」

女賢者「ありがとう幼女……そして……」

 ガシィッ!! キュイイイイィィィィ

女賢者「覚悟はいいわね、お父」

お父「何度も言わせるな。俺は既にお父ではない存在だ」

女賢者「幼女から受けたこの五行。これにほんの少し、私の魔法を加えれば……」

お父「五行の均等されたバランスは崩れ、暴発する」

女賢者「そう。そして暴発した魔力は……全て私に跳ね返る」

お父「魔法付加の弱点を逆手にとったという事だな」

女賢者「これで幼女は無傷。そして私の魔力で拘束しているあなたは……」
982 : ◆1otsuV0WFc [sage saga]:2012/03/22(木) 18:21:44.35 ID:A6iT1g3co
お父「暴発した魔力によって、優女……お前と共に散る」

優女「そういう事」ファサッ

お父「……いいのか? 幼女に本当の事を伝えなくて」

優女「……私はあなたと同じよ。もう既に死んだ身なの」

お父「……」

優女「幼女の両親はほら、いつも幼女の傍にいてくれてるの」ニコッ

お父「ああ、そうだな。俺も父代わりは終えたんだ」

優女「ありがとう……お父。ずっと幼女を見守ってくれて」

お父「俺は、お前ら2人がいたから救われたのだ。生きていたのだ」

優女「お父……」

お父「ふっ。お前と共に逝ったら、優男に叱られてしまうかもしれんな」

優女「……んふっ、そうね。あの人ああ見えて意外とやきもち焼きさんだし」

お父「さて、弁明の内容でも考えておくか」

優女「大丈夫、きっと1人で寂しい思いしてただろうし、喜んでくれるよ――」

お父「ああ、そうだな。きっと……そうだよな――」
983 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/22(木) 18:24:18.91 ID:A6iT1g3co
今日は花粉が酷い…これまでにて失礼致します…
本日もご支援毎度ありがとうございます!
しかし皆さん、細部まで色々と覚えてて凄いですね…

それではまた…ってか残りレス少な!
あとでたぶん次スレ立てに来ます!ノシ
984 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/22(木) 18:36:54.88 ID:InltSHBv0
おつ
985 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2012/03/22(木) 19:00:31.79 ID:cGZOQZ+Eo
>>1おつ
花粉がホントひどいな
涙まで出てきやがるぜ・・・
986 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 19:52:49.22 ID:kq8rNHDIO
987 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 20:01:10.76 ID:5iMadyWd0
>>1おっつっつ


伏線とか設定がどんどん回収されていく
988 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/22(木) 20:25:45.93 ID:/CSqfG6o0
いちおつ
幼女試練多すぎ…幼女こそ勇者だな
989 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage saga]:2012/03/22(木) 21:57:02.64 ID:wdhTVgwfo
次スレです!!その…38…
この次もヨロシクね!☆ミ はぁ…
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1332420059/

〜オマケ〜

 諸兄が今か今かと心待ちにしているあの男が……ついに北へ!

 ドッゴオオォォォォン!!

西国兵「駄目だぁ! 何だコイツはぁ!?」

オーガ「ガオオォォォォ!!」

北方兵「電撃をまとったオーガの亜種だ! 俺達じゃあ勝ち目はない……」

オーガ「アオッ! アオッ!」ギュルルルッ!!

足軽「回転して突っ込んできたぁ!」

本国兵「あっ! そのこワーカー! んなとこでしゃがんでると危な――」

 ザザッ!!

??「サマソオオオオォォォォ!!」ドッギャアアァァァァ!!

オーガ「アオウッ……アオウッ……アオウッ……」ドシャッ

 YOU WIN!!

??「くにへかえるんだな。おまえにも かぞくが いるだろう……」

 チャラッチャー チャラララッ
990 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 22:10:10.33 ID:/xwp7HvDO
>>1乙っす
991 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/22(木) 22:14:33.82 ID:eLT7xkJIO
ウーワァ、ウーワァ、ウーワァ…
992 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/22(木) 22:16:44.08 ID:mkwTzYwWo
        _____
.       __`ヽ   ,トr,' ´ ,.へ   ,≡三< ̄ ̄ ̄>
.      ,イ,ィ'⌒"゙f''ト、!ヽ, ィ゙ ./       .≡ ̄>/
       バ, k,ゝ└ト、└ ''゙ ,ス     ≡三/ /
      j、 ` ーク'ー-‐ぅ7',´ ,ノ      ≡/  <___/|
     .f`'`ー-R,,__   `'<,グ.     ≡三|______/
      |    、  `' .、  
        ',  .  ',__    ゙Y
       ',    | ',   .|   こ、これは>>1乙じゃなくてソニックブームなんだから
    ,r''゙~    〉 . い  |   変な勘違いしないでよね!
  ,rァ弋   _,ァ-‐'゙  `'i"~i!
  ぃ_f_⌒"´.        ,ト、入_
  `'.ー┘.        └┴‐‐`'
993 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/03/23(金) 00:49:48.83 ID:+hV2Jgb6o
うめ
994 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/23(金) 00:59:06.64 ID:/dELuCGzo
>>1

デッキブラシヘッド△
995 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/03/23(金) 02:31:54.33 ID:kpiwpkua0
埋め
996 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/23(金) 02:36:11.73 ID:/JOPt/CDO
いちょつ

何でそいつが来たw
997 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越) [sage]:2012/03/23(金) 08:34:19.69 ID:waMGr+VAO
梅干し
998 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(石川県) [sage]:2012/03/23(金) 09:02:57.79 ID:LyTKQ1i1o
産める
999 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛媛県) [sage]:2012/03/23(金) 10:09:25.92 ID:TG49KO6y0
1000なら
1000 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) :2012/03/23(金) 10:15:25.01 ID:UgCroPzn0
おまえかーーーー
1001 :1001 :Over 1000 Thread
    ´⌒(⌒(⌒`⌒,⌒ヽ
   (()@(ヽノ(@)ノ(ノヽ)
   (o)ゝノ`ー'ゝーヽ-' /8)
   ゝー '_ W   (9)ノ(@)
   「 ̄ ・| 「 ̄ ̄|─-r ヽ
   `、_ノol・__ノ    ノ   
   ノ          /     
   ヽ⌒ー⌒ー⌒ー ノ      
    `ー─┬─ l´-、    
        /:::::::::::::::::l   /77
       /::::::::::i:i:::::::i,../ / |
       l:::/::::::::i:i:::、:::/ / |
       l;;ノ:::::::::::::::l l;.,.,.!  |
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1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
【おっぱいは】道でJS拾ったら嫁ができそう★5【魅惑の響き】 @ 2012/03/23(金) 07:15:56.25 ID:kpGG4iMIO
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工事業者さんに恋した @ 2012/03/23(金) 07:07:02.79 ID:hlGgFCEAO
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これってどうよ @ 2012/03/23(金) 04:26:44.38 ID:z5caJl0O0
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誰か僕を慰めてください。 @ 2012/03/23(金) 03:55:25.98
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父親が犯罪者だけど質問ある? @ 2012/03/23(金) 02:40:58.34 ID:pVi+WoA50
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暇だからみんなで安価画像うp◆59(sage進行) @ 2012/03/23(金) 02:37:59.15 ID:JerC5hOPo
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【みんな】変態供は過疎すぎワロチ【元気?】 @ 2012/03/23(金) 02:23:57.08 ID:ML2UuSgEo
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【Fate】聖杯欲すれば勝ち残れ【安価とコンマで聖杯戦争】 @ 2012/03/23(金) 02:02:00.59 ID:6pTQ4fmMo
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