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妹「んんっ……はぁはぁ……兄さん……」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 09:47:07.43 ID:WelZO2aTo
妹「はぁっ!ふ……ぁ──」クチュクチュ

妹「だ、駄目……こえ、でちゃ、あふ……」チュクチュク

妹「あぁっ、はぁっ、ゆ、指……ぬるぬるしてる……」

妹「あっ、ふぁっ! んんっ! だ、駄目、い──ちゃ……」

妹「はあ……ぁぁっ────〜〜〜〜!!!」プシッビクビクビクッ

妹「はぁ……はぁ……はふ……また、兄さんで……」

VIPでやってたけどスレが途切れたのでこっちにきました
最初からうpしていく

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佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
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全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
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君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
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【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
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トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
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【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
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ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 09:47:51.59 ID:WelZO2aTo
ガチャ
トントントン……

妹「あ、兄さんが帰って来た……」

妹「ご飯の用意、しなきゃ」

トントントン

妹「あ、お、お帰りなさい、兄さん」

兄「……ん」

妹「ご飯すぐできますよ。 あ、それともお風呂先にしますか?」

兄「いい……寝る」

妹「あ、じゃあお風呂の用意を」

兄「いらねえって言ってるだろ!! しつこいんだよテメェ!!」

妹「ひっ」ビクッ

兄「──とっとと寝ろ」

ドッドッドッバタン!

妹「ご、ごめんなさい……」

妹「晩御飯冷蔵庫に入れておきますから……良かったら……食べてください」
3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 09:49:20.57 ID:WelZO2aTo
妹「……」

妹「今日も機嫌悪かったなぁ……」

妹「昔はあんなに……優しかったのに……」

妹「はぁ……もう夜中の二時……片付けないと」

妹「おなか空いてるけど、やっぱり一人じゃ……食べる気しないよ……」

妹「はぁ──兄さん」

 兄の部屋

兄「……」(また当たっちまった……)

兄(あいつは何も……悪くないのに……)

兄「──クソッ」
4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 09:50:08.60 ID:WelZO2aTo
翌日
チュン……チュンチュン(アサチュンッテイウナ!)

兄「……」(うげ、もうこんな時間か)

兄「遅刻ギリギリか……別にどってことないけど、急がないとうるさいのがいるし」

兄「ガッコ、行こ」


妹(兄さん遅いなぁ)

妹(結局晩御飯も手付かずだったし、きっとおなか空いてるよね)

妹(時間ないからトーストだけでも……)

ガチャ

妹「あ、兄さん、おはようございます」

兄「……」(なんで待ってるんだよ)
5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 09:50:44.69 ID:WelZO2aTo
妹「おなか空いてますよね? トーストできてますからこれだけでも」

兄「……なんでまだ家に居るんだよお前」

妹「え?」

兄「この時間だとお前もう間に合わねえだろうが! とっとと行け!」

妹「あ、で、でも兄さんの朝ご」

兄「っ!」ギロッ

妹「あ、あう──」

兄「……」

妹「そ、それじゃ……行って来ます」イソイソ

ガチャバタン

兄「全く……なんであいつは……」

兄「俺も早く行こ……」

グゥゥ〜

兄「……」

サクッ
6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 09:51:20.82 ID:WelZO2aTo
  兄の学校
女「おはー、相変わらず不景気な顔してるねぇ」チュルル

兄「おい、それよこせ」

女「はぁ? いきなり何言ってんのよあんた」

兄「パン食ってノド渇いてんだよ」

女「別にあたしは気にしないけどさ、異性にそれはちょっとどうかと思うわよ」ズイッ

兄「さんきゅ」ぢゅるる〜

女「あ、コラ全部飲むなバカ!」

兄「ほら返す」カラッ

女「てか空じゃん! 返せ!」

兄「……仕方ねえな」ケロケロッ

女「吐くな!」

兄「……仕方ねえな」ゴクッ

女「また飲むな!」

兄「どうすりゃいいんだよ」

兄友「相変わらず仲いいなおまえら……」
7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 09:51:48.73 ID:WelZO2aTo
女「こっちが付き合ってやってんのよ」

兄「お、女さんと……お付き合い」ポッ

女「そっちじゃねーよ」

兄友「お突き合い?」

女「[ピーーー]」

ガララッ

担任「はぁ〜い、早いとこ席つきましょうネ」

兄友「あ、オネエが来たぞ」

担任「早く席つかないと遅刻にしちゃうわよ、ホラホラ女ちゃんも早く自分の教室戻りなさい」

女「はいはい、じゃーねー担任ちゃーん」ガラガラ
8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 09:52:35.60 ID:WelZO2aTo
HR後
担任「あ、兄さん、ちょっとこっちいらっしゃい」クイクイ

兄「……うす」

兄友「またかよ、何やらかしたんだ?」

兄「してねーよ何にも」

  廊下の隅

兄「……何なんすかこんなとこで」

担任「ここなら……二人っきりになれるでしょ?」

兄「みたいっすね」

担任「誰もいないこの場所で……授業がはじまるまであと15分……あんまり時間はないから……急いで、しちゃいましょ?」カチャカチャジィーー

兄「……」


担任「進路希望まだ出してないの、あなただけよ?」

兄「なんでいつもカバン持ち歩いてんすかあんた」
9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 09:53:23.40 ID:WelZO2aTo
担任「そりゃあ大切な生徒達の情報をいつでも把握できるようによ」

兄「持ち歩く必要性はないと思うんすけど」

担任「うふふ、先生ったらうっかりさんだからすぐ忘れちゃうの。だから生徒名簿とかだけじゃなく大事な書類も入ってるのよ」

兄「そうですか」

担任「はいはい、話を逸らさない」

兄「一応出したじゃないすか」

担任「でもねぇ……就職、の二文字だけ書いて出されてもねぇ。今のご時世高卒を雇ってくれるところなんかないし、進学したほうがいいわよ? あなた学力は低くないんだから、上の大学狙う事だってできると思う」

兄「……うちそんな金ないすから」

担任「奨学金制度だってあるのよ? 生活に負担がかかるなら、あなたなら頑張って免除枠を狙う事だって」

兄「それに今、ちょっとそういう事考えられないので」

担任「それは夜中に怪しいところを出歩いてる事に関係してるのかしら?」

兄「──っ!」バッ
10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/20(月) 09:54:05.62 ID:WelZO2aTo
担任「やっぱり……図星ね」

兄「え、やっぱりって……」

担任「私って知り合いのやってるオネエバーにたまに遊びに行くの。昨日の夜も顔出しに行ってたんだけど、その帰りに兄君らしい人を見かけたとおもったから、ちょっと、ね」

兄「カマかけたんすか」

担任「そうよ、オカマだけにネ」パチッ

兄「きもいです」

担任「ああん」

担任「ま、とにかく教師としても大人としても、ああいうのはどうしても見過ごせないの。といっても、先生も昔はお金なかったから、そういう所でお仕事した事もあるわ。昔からこんなだったけど、両親はそういうの認めない人だったし。
家出して夜にお仕事して昼に学校行って。英語の先生があまい人だったからぐっすり眠れたのよねぇ」
11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/20(月) 09:54:36.87 ID:WelZO2aTo
担任「まぁそんなだから、私が兄君を叱っても、説得力なんかないわ。でも、私は兄君の味方でいるつもりだし、いたいつもり。教師としても大人としても間違ってるけど……ね」

兄「えっと……どういうことすか」

担任「何かあるなら遠慮なく相談しなさいって事よ。さっきも言ったけど、兄君は足踏みなんかしてちゃもったいないんだから。それとも、こんな大人は信用できない?」

兄「……」

担任「……」

兄「……どうも。何かあったらよろしくお願いします」

担任「よしっ。じゃあ今日の所は早く教室戻んなさい」

兄「先生、二つだけいいすか」

担任「あら、なあに?」

兄「これは俺だけの問題じゃないんです。家族の……家の問題でもありますから、そんなに相談できる事、ないと思います」

担任「……そう。でもそれを教えてくれただけでも嬉しいわ。わかった、力になれることがあったら、遠慮なく言ってね」

兄「それともう一つ」

兄「ヒゲ、剃り残してますよ」

担任「えっ!? いやぁん! もうっ」
12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/20(月) 09:56:21.85 ID:WelZO2aTo
  昼休み
  妹の学校
妹「いただきます」

妹友「妹ちゃん、今日も昨日の残りもの?」

妹「うん、だってもったいないもの」パクパク(食べてくれないし……)

妹友「いやそうじゃなくて、毎回凝ったもの作ってるなぁって」

妹「え? そ、そうかな……」

妹友「妹がそんなにしてくれるのに、なんであんたのお兄さんあんなになっちゃったの?」

妹「う、うーん……」

妹友「アタシが兄なら絶対こんな可愛い妹ほっとかないけどなぁ」

妹「兄さんは、優しいよ?」

妹友「昔は、でしょ」

妹「ううん。今は確かにちょっときつい事言うけど、暴力を振われてるわけじゃないし、それに兄さんが怒鳴るのって、私がちょっと無理しちゃった時が多いというか……」
13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/20(月) 09:58:46.96 ID:WelZO2aTo
妹友「それって妹ちゃんの思い込みじゃないの?」

妹「い、いやそんな事はないと……思うけど」

妹友「はぁ……ま、妹ちゃんがいいならいいけどね。恋する乙女は盲目だって言うし」

妹「え、ち、違! そんなのじゃないよ!」アセアセ

妹友「はいはい隠せ隠せ。禁断の恋心ってねー」

妹「そんなんじゃないってばっ!」

妹友「でもね妹ちゃん」

妹「え?」

妹友「もし妹ちゃんがお兄さんのせいで傷つくことがあったとしたら、アタシはお兄さんを絶対に許さない。例え妹ちゃんに嫌われても、絶対その報いを受けさせる」

妹「あ……えっと……」

妹友「──なんてね。さ、お昼食べてさっき出た宿題済ませちゃお」

妹「え? あ、う、うん……」
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 09:59:31.69 ID:WelZO2aTo
 兄妹宅
カチャカチャ ガチャッ
兄(誰もいないか……)

兄(そりゃそうか、あいつ部活あるし、そっから買い物して帰るし)

兄(……いつも通り部屋に居れば、顔合わせずに)

♪〜The flames in your eyes calls your bluff〜

兄(携帯──っ、この番号……まさか)

兄「〜〜〜〜っ!!!」ピッ

兄「……なんだよ」

男の声『なんだ、随分な言い方じゃないか、ははっ』

兄「今週は……もういいだろうが」

男の声『いやね、急なお客さんだ。わしだって一応断ったんだがどうしてもと言うから、仕方なく、ね』

兄「……」

男の声『毎回言うが断るのは自由だぞ?』

兄「──クソッタレ!」

男の声『ははは、それは君のほうだろう、自虐のつもりかね?』
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:00:11.76 ID:WelZO2aTo
兄「……時間と場所」

男の声『ふふふ、最初と比べて随分素直になったじゃないか。昨日の夜と同じだ。幸い君の学校は明日は休みだろう? 時間を気にする必要も……ないな』

兄「うるせえよクズ野郎! 用が済んだなら切るぞ!」

男の声『あの子は、元気かね?』

兄「……」ピッ
16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:00:42.66 ID:WelZO2aTo
兄(くそ……)

兄(仕方ないか……とりあえずどっかで時間潰さないと……)

ガチャ

妹「!?」

兄「あ……」

妹「に、兄さん……帰って、たんですね」

兄(なんでこんな時間に……今日部活は? 休みか?)

妹「すいません、ただいまです。今日は部活お休みになったのでそのまま帰ってきました」

兄「……」

妹「どこか出かけるんですか? 晩御飯どうします?」

兄「……いい」

妹「あの……遅くなるようなら冷蔵庫に」

兄「いいっつってんだろ!」

妹「あ、あぅ……ごめん、なさい」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:01:16.63 ID:WelZO2aTo
兄「──ふん」

ツカツカ

妹「い、行ってらっしゃい……その、早く帰ってきてくださいね」



 その日の夜
 某所ファミレス
兄「……」

中年男「やあ、相変わらず早いねぇ」

兄「……」

中年男「食事は済ませたかな? さっそく出発するが」

兄「いらねえよ、とっとと行こうぜ」

中年男「ははは、食べないともたんぞ? それとも……早く行きたいのかな?」

兄「うっせえ、余計なお世話だ……」

中年男「全くいつまで経っても注意しないと態度を正さないな……」

兄「……っ!」
18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:02:45.67 ID:WelZO2aTo
中年男「さあ、何かいう事は?」

兄「……も、申し訳、ありません────お父様」
19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:04:20.09 ID:WelZO2aTo
バタン ブロロロロ……
父親「さあ、着いたぞ」

兄「……はい」

父親「今日は二人だけだ。喜べ、一人目は若い女の子だぞ」

兄(……喜べるか)

父親「さて、中に入ろうか。クライアントはもう着いている筈だぞ」

 怪しげな建物内部

チンピラ風の男(以降男A)「ウッス、父親さん」

父親「ああ、また頼むぞ」

男A「へへへ、あんちゃん良かったなぁ。今日は攻めるほうだってよ」

兄「……」

父親「こら、私の大事な仕事仲間だぞ。ちゃんと挨拶しないか」

兄「──こんばんは」

男A「なんだよ、この間イジメた事まだ根に持ってやがんのか? ──あんだけ嬉しそうにヒイヒイ言ってたってのによ」
20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:04:46.54 ID:WelZO2aTo
兄「──っ!」

男A「ははは! あん時ゃオイシかったぜえ! セレブのババア達の前であんちゃんイジめるだけで一人二十万だぜ! あの後家までクソ漏らさずに帰れたか? 随分ケツの穴緩んじまってたからなぁ!」ギャハハハ

兄「──」

男A「そうそう、あの時一緒に相手した兄ちゃん覚えてっか? あいつアレ以来目覚めちまってなぁ! 今じゃ自分から金出してイジめられに来るんだぜ? 世の中どう転んじまうかわかんねえもんだ!」

兄「お客さん……待たせてるんじゃないでしょうか?」

男A「ぃんだよ、今日の客は、焦らした方が、な」

兄「……」

男A「そういえば男Bのやつ──ああ、俺と一緒にやってたうちの一人、ホラあいつさ。あいつはあんちゃんが気に入っちまったみたいでよぉ、多分、そう遠くないうちにまた一緒に仕事することになると思うぜ!」

兄「……」

男A「そうだなぁ、今度は女装してやるってのはどう? 今流行りの男の娘ってやつ? へへへ、やべえなぁ……勃起してきちまった」

兄「っ!」
21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:05:28.07 ID:WelZO2aTo
三十分後

父親「全く品の無い男だ。弁えというものを知らんからな、そう思わんか?」

兄「……はい」

父親「ははは、それにしても君は罪な男だ。あの女に似て美形に生まれてきてしまったばかりに、大勢を虜にしてしまった。まあおかげでお互い食うには困らんわけだが……っと、この部屋だ」

兄「……」

父親「今日は中で待っている女の子をひらすら甚振ってあげなさい。君のようなイケメンに痛めつけられるのが好きなのだそうだ。ちなみに、例の如く隣の部屋では”覗き見”の方々がいるからな。くれぐれも満足なさるように趣向を凝らすんだぞ」

兄「……わかり、ました」

バタン

父親(ククク……今日のお客はとびっきりだぞ? さぞかし驚くだろうな)
22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:06:08.79 ID:WelZO2aTo
バタン カチャッ

兄(また鍵かけたのか……)

兄(部屋の鍵が開くまでが時間制限……それまでは休むことなく仕事をこなせ、か……)

兄(……クソッ、切り替えろ、ここから先は本当の自分じゃない)

兄(演技だ演技、これは仕事、これは仕事、自分の意志じゃない、これは仕事、仕事仕事仕事仕事仕事──)

パチン(電気の点く音)

女の子「フーッ フーッ」

兄「よお雌豚、辛そうだな」

女の子「フーッ……」ビクッ

兄「目隠しされて口塞がれて……おーおー、鼻フックまで……」グイッ

女の子「フーーッ」プルプル

兄「ん? 喋りたいか? 豚に喋る権利なんてあると思ってんのか?」

女の子「フーーツ フーーッ」プルプル

兄「それにしてもだせえ服装してやがんな、よくそんなんで外歩けるじゃ……げ、涎でぐしょぐしょじゃねえかよ」

兄「全く雌豚が服来て歩くとか生意気にもほどがあんだろうが。ほら、さっさと脱げ」

女の子「フーーッ」フルフル

兄「あ? 縛られてんのかこいつ……ほんとどうしようもねえクズだな。縛り付けないと大人しく”待て”もできなかったのか……ああ、そっちは雌犬か」
23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:06:46.45 ID:WelZO2aTo
女の子「フーッ……ンン」

兄「仕方ねえなあ……じっとしてろ……よっ!」グッ
ビリビリッ!

女の子「ンーーッ!!」

兄「げ、手に涎ついちまった……くせえ涎してやがるぜ……」

女の子「ンー!ンー!」

兄「へぇ、雌犬のくせになかなかいい体してるじゃねえか」

女の子「ンフー ンフー」

兄「そういやお前甚振られるのが好きなんだってなぁ、そっちのケがある割にはあんまり傷痕とか見当たらないな」

兄「もしかして、”こういうところ”初挑戦だったか?」

女の子「ンフー……」──コク

兄「──っ!」

兄「…………こりゃいいや! つまりお前その辺の店じゃ満足しなくなっちまったってわけか!」

女の子「フー……」
24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:07:22.87 ID:WelZO2aTo
兄「安心しな──ここじゃお願いしても手加減なんかしねえ。最も、俺も手加減なんかしねえけどな」ゴソゴソ

女の子「フーッ フーッ フーッ」

兄「こんな、風に、なっ!」ビシッ

女の子「フグゥゥゥ!」

兄「ほら、もういっちょう!」ビシッ

女の子「フグッ! ウグゥゥ!」

兄「どうだ? 音ばっかりでかいやつと違ってすげえ痛えだろ? もっとやってほしいか?」

女の子「ウグ……ウウ」

兄「……安心しな、ここじゃお前の痴態は誰にも漏れねえ。素直になれよ」ヒソヒソ

女の子「ウ……グ……」

兄「……」

女の子「フ…」コク……コクコク

兄「ふ、あはははは! もっとやってほしいとか抜かしやがった! いいぜ、だらしない雌犬には躾が必要だからな 遠慮なくいたぶってやるぜ!」ビシッ!

女の子「ヒグゥゥゥッ!」

兄「はっ! 喜んじまうんじゃ躾になんねえか。ほらっ!」ビシッビシッ
25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:08:03.88 ID:WelZO2aTo
二時間後

兄「はぁ……はぁ……」

女の子「あ……はぁ……ぁ」猿ぐつわ取られて裸で横になってる状態

兄(……胸糞わりぃ……吐き気が……)
カチャッ

兄「──ふん、もうタイムリミットか。満足したか? 雌犬」(やっと……終わった……)

女の子「あは──もっと……もっとシテ──くださぃ」

兄「悪いけどよ、もう時間切れなんだ。最後にその顔、見せるのが決まりだけどな」

女の子「はぁ、はぁ……ごしゅじんさまのかお……みられる、のですね──あは、うれしいです」

兄「じゃあ目隠し外してやる」スルッ

兄「──あ……」

女の子「はふ……まぶしぃ──ぇ?」

兄「あ……ぁ、ああ……」

女の子「え──う、うそ……うそ……でしょ」


女「なんで……あんた、が──」
26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:08:59.48 ID:WelZO2aTo
 建物の裏 庭内

女「……」

兄「──コーヒー、飲むか?」

女「あ、う、うん」スッ

女「ぃっ……」

兄「──」

女「あ、あはは……兄が、無茶、するから……」

兄「──ごめん」

女「──っ! あ、謝らないで、よ。 うん、あんたは悪くない、と思う……いや、法的にはどうかと思う、かもしれない、けど……」

兄「それでも、謝らせてくれ……」

女「──、その、こっちこそ、ごめんなさい。嫌だったでしょ?」

兄「声で気付かなかった?」

女「お互い様でしょ。あの部屋結構声響いて……っ」ボッ

兄「──っ!」プイ

兄「……なぁ」

女「な、何よ」

兄「多分聞かない方がいいっていうか……聞いちゃ駄目なんだろうけど」

女「……」

兄「何でお前、こんなトコ」

女「そ、それを聞く!? フツー!? ありえない!!」

兄「だ、だって気になるだろ! お前、その、そんな風にちっとも」

女「──っ! ああそうよハイハイ! どうせもうぶっちゃけた相手だから言っちゃうけど、あたしはマゾよ! ドMよ! 変態よ!! これで満足!? バラしたければどうぞご自由に! そのかわり」

兄「バラさねえよ」

女「な、何よ弱みにでもしてつけ込もうっての?」

兄「そんな事するかバカ!」

女「……」

兄「ごめん、聞いた俺がバカだった……ほんと俺、バカだ……」
27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:09:53.87 ID:WelZO2aTo
女「──今のおあいこって事で」

兄「あ?」

女「……あんたこそなんでこんなコトやってんのよ」

兄「──」

女「……」

兄「──」

女「……」

女「……言いたくないなら別」
兄「妹のためなんだ」

女「え?」

兄「うち両親いなくなって金ないからさ、普段の生活もままならないんだ。でも、あいつにはせめてちゃんとしたとこに進学させてやりたいから……でも普通のバイトじゃ、学費と生活費なんて、稼げないだろ?」

女「うん、そうだね……」

兄「ほんとは学校も辞めて働きたいんだけど、俺が学校辞めたらあいつも辞めて働くとか言い出して……だから、その、学校行きながらでも収入が大きい仕事、探して……」

女「そうだったんだ……」

兄(──ごめん)
28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:10:25.24 ID:WelZO2aTo
カチャ

父親「おや、こんな所にいたのか。そろそろ休憩時間は終わりだぞ」

女 ビクッ

兄「……はい」

父親「さて、次の仕事だ。準備があるから部屋に入っていなさい」

兄「……はい」

父親「そういえばお嬢さん」

女「な、なんですか」

父親「君は運がいい。本来なら君が今日払った額の倍の料金が必要なんだが……今日のプレイで大満足なさったお客様がこの後のショーに是非とも君をお招きしたいそうだ」

女「いえ……遠慮しておきます」

父親「そう言わずに。確かに彼らは倒錯した趣向の持ち主ばかりだが、基本的には紳士淑女ばかりだよ。それにお金持ちばかりだから……それなりのお小遣いを貰えるかもしれないよ?」

女(う……お小遣い。き、今日ので○万円(冗談じゃない額)も使っちゃったしなぁ)

女「わ、わかりました」

父親「うむ、いい子だ。ああ、ショーが終わったらちゃんと送ってあげるから、安心したまえ」


父親(ふふふ……)
29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:11:39.96 ID:WelZO2aTo
バタン
女(うわ、何ここ……薄暗い)

紳士A「おお、君はさっきの!」

女「……」コクリ

紳士B「いやあよく来たよく来た。ささ、座りたまえ」ズズ

女「ひっ」

淑女A「ちょっと紳士B様? 悪戯が過ぎましてよ?」

淑女B「そうですわ、いくらこの女の子がマゾの雌犬でも、今はこちら側でショーを鑑賞するお仲間でしてよ?」

淑女C「でもそこの女の子がそちらのほうがいいとおっしゃるなら、かまいませんわ」

女「いえ……普通の、椅子で……」(ば、バイブ椅子……)

紳士B「ははは、いや失敬。昔から悪戯坊主が過ぎましてな。お嬢さんが私の好みで可愛らしいから、つい悪癖がでてしまった」

紳士A「それではこちらの椅子にかけなさい。もうすぐショーがはじまる」

女「し、失礼します」

紳士A「それにしても先ほどは見事だった。どうだい? 今度ウチで私の相手をしてみないかい? お金なら弾む」

女「え、えっと、その……」(うわ、よく見ると気持ち悪いオヤジじゃない……)

紳士A「そうだ、これは先ほどの君への敬意だ。はじめてで我々を満足させるなんて大したものだよ」スッ
30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:12:07.82 ID:WelZO2aTo
女「えっ、これは、あの」

紳士A「安心しなさい。これは本当に私からの心ばかりだ。相手をしろと言うのも冗談だよ。ここにいる者達はね、私を含めて鑑賞が好きな連中なんだ。でなければ今頃”あちら側”、ステージのほうにいる筈だよ」

女「じゃ、じゃあ、ありがとうございます……」(あちら側って……?)

パチッ

女「!?」

紳士B「しっはじまるぞ」

淑女B「ああ、楽しみですわ……」

淑女C「はぁ──どうしましょう、もうわたくし濡れてきてしまいました」

女(これって……まさか)

バチンッ

女「あっ!」

淑女B「そうですわ、先ほどアナタを責めていた彼が、今度は責められる側……」

女「え、こ、これって……」(ま、マジックミラーってやつ? じゃあ……さっきのも、こいつらに……)
31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:12:50.55 ID:WelZO2aTo
 十数分前
兄「……」

男A「へへ、次の仕事はあんちゃんが責められる番だ」

兄「……っ」

男A「ちゃんとこいつ飲んどけよ? ほら」

兄「……なんすかこれ」(また、こいつか……)

男A「毎回うるせえなぁ、単なる興奮剤だよ興奮剤」

兄(どうせまた媚薬か……麻薬かなんかじゃないのか?)

兄(こんな媚薬、ほんとに存在するわけないから、麻薬か? でも後遺症とか何もないし……ただの興奮剤か?)

兄 ゴクッ

男A「よーし、言っとくけど今日はチョーハードになるかもしれねえぞ? ほら、そろそろ部屋行きな」

兄「はい……」

 プレイルーム
兄「……女ものの服 う、下着も……」 

兄「今日はこれを着て──ん?」
32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:13:18.27 ID:WelZO2aTo
 男A『そうだなぁ、今度は女装してやるってのはどう? 今流行りの男の娘ってやつ?』

兄「そういう、事か……」ゴソゴソ

兄(よし、終わった……スカートって服ってか布だな……)

ガチャッ

兄「あ……」

男B「はぁ〜い、久しぶりねぇ、元気だったぁ?」

 男A『多分、そう遠くないうちにまた一緒に仕事することになると思うぜ!』

兄(そうか……)

男B「アタイこの間あなたとやった時から、一時もあなたの事忘れなかったわぁ。あれよ、忘れねばこそ何とやら、ってやつ? さ、はじめましょ、今日はアタイとマンツーマンよ。それにしても……女装姿も可愛いわねぇ……ああん、ホント取らなくてよかったぁ」ビクン

兄「う……」

男B「いい? 今晩アタイはあなたのお姉様よ? あなたはずっと女の子の言葉遣いね、いい?」

兄「は、はい……宜しくお願いします……お姉さま」
33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:13:46.68 ID:WelZO2aTo
女「ぁ……ぁ──」

紳士A「うむ、やはり生の臨場感は素晴らしいなぁ」

淑女B「ほらそこよ! はぁはぁ、もっと見せてください! ああんっ」

淑女A「あ、あんなに入ってるのに……あの子のがぷるぷると……いいわぁ」

紳士B「ほほっ、素晴らしい! 是非今回の録画も買っていくとしよう!」

淑女C「どう? お嬢さん? ”ご主人様”が女装して責め立てられるのは……」

女「あ……ぃ、ぃや」カチカチカチ…

紳士B「まだまだこんなものじゃないぞ? あの男Bというやつは、とにかく色んな性癖を持っている男だ……そら、おでました」

女「い、いや……」

 二時間後 車の中
兄「……」

女「……」

父親「もうすぐ女ちゃんを下ろす場所だ」

兄「……」

女「……」

父親(くくく……)
34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:14:25.76 ID:WelZO2aTo
父親「ほら、着いたぞ」

女「……どうも」

父親「是非また利用してくれたまえ、君の事を心から待っているぞ」

女「……っ」バタンッ
タッタッタッ……

父親「ふふ、どうだったんだ? 同じ学校の女の子を甚振った感想は」

兄「──てめえ、知っててやったのか」

父親「なんだその言い方は。気心のしれた相手のほうが緊張せずにすんだだろうという親切心だぞ?」

兄「ぐ……」(下衆屋郎が……っ!!)

父親「さて、夜ももう遅い。そろそろ我が家へ帰ろうか」

兄「……」

父親「と言っても、私はまだまだ仕事があるから家には戻れんがね。やれやれ、困ったものだ」

兄(ふざけるな……戻ってこられてたまるか!)

父親「では出発するとしよう」

ブロロロロ……
35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:14:53.96 ID:WelZO2aTo
 兄妹宅近く
兄「ここでいい」

父親「おや、家まで送るぞ?」

兄「家に寄り付かれたくないんだよ」

父親「だろうなぁ……ふふ」

兄「──」ギロッ

父親「わかったわかった、そんなに睨むな。ああそうそう、これは今日の報酬だ」スッ

兄「……」

父親「感謝してくれよ? 君の年でそんなに稼げる学生なんて、そうそうおらんぞ?」

兄「……」ガチャ

父親「ではな、また宜しくたのむぞ」

ブロロロロ……

兄「……」

兄「──クソ外道が」
36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:15:48.70 ID:WelZO2aTo
兄(ぐ……立ったら……痛みが……)

兄(くそ……気持ち悪ぃ……)

兄(疲れたし──ああそういえばもう日付変わってるか……)

自宅前
兄(この時間だ、いくらなんでも寝てるだろうから……)

兄(起こさないように……)

ソロソロ……

兄(あ……)

妹「スー……スー……」

兄(な、何でお前、部屋に戻ってないんだよ……)

妹「スー……スー……」

兄(何で……俺なんかに、こんな晩飯まで……)

妹「ん、んん……兄さん」
37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:16:14.34 ID:WelZO2aTo
兄「っ!」ビクッ ギシッ

妹「ん……にい、さん?」

兄「あ……」

妹「あ、兄さん、お帰りなさい。遅かったですね」

兄「……」

妹「バイトですか? こんな時間まで働くなら……その、私も」

兄「な、何で……」

妹「え?」

兄「何で寝てないんだよお前は!! 今何時だと思ってやがるっ!!」

妹「あ、その、兄さんのご飯とか、えっと」

兄「いらねえって言ってるだろうが! 余計なお世話なんだよっ!!」

妹「で、でも兄さん、私」

兄「いいからほっといてくれ! さっさろ寝」ドン

妹「きゃっ」ドタン!ガシャン!
38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:17:22.00 ID:WelZO2aTo
 自室
兄「はぁ、はぁ……」

兄「また……あたっちまった……」

兄「今度は……突き飛ばしちまって……ケガまで……最悪すぎるだろ」

兄「なんであいつは、こんな俺のために……あんなに……」

兄「いっそ嫌ってくれたほうが……いいっての……」


 同時刻 某オカマバー
男B「ごめんごめぇん、待ったぁ?」

担任「待ったじゃないわよ。全くこっちも暇じゃないんだからね?」

男B「さすが聖職者ねぇ。あ、マキちゃんやっほ♪」

マキ「あれ、Bせんぱぁい、今日オフですよね?」

男B「うふふ、今日はいいコトあったから、ゴキゲンなうちにお酒でもね」

担任「で、そのいいコトのために散々ヒトを待たせてたってわけ? オネエの時間は乙女より貴重なのよ?」

男B「ま、ま、そう言わずに。ホラ、今晩はおごったげるから」

担任「調子いいんだから……でもせっかくだから甘えちゃおっかな♪ マキちゃぁん、梅酒ちょーだい!」

マキ「はぁい! ゆっくりしてってくださいねぇ」
39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:17:48.53 ID:WelZO2aTo
担任「それにしてもおごりなんて随分羽振りがいいじゃない」

男B「うふふ、実は今やってるお仕事がこれまたおいしいのよぉ! 今日もいっぱいボーナス貰っちゃった」

担任「あんたまさか、また危ないことやってるんじゃないでしょうね?」

男B ギクッ「そんなことないわよぉ。接客業よ接客業」

担任「そう? ならいいけど、危ない橋だけは渡るんじゃないわよ? 今じゃあたしらも随分過ごしやすくなってきてるんだから」

男B「そうねぇ、昔は素の自分達を認めてくれるヒトなんて、本当にごく一部だったものねぇ」

担任「危ない橋といえば、最近うちの生徒が夜中に出歩いてるのよねぇ」

男B「あら夜遊び? 駄目じゃないちゃんと指導しなきゃぁ、そんな年頃から変な事覚えると後々大変よぉ」

担任「変なコトに首突っ込んでないかどうか……心配だけど、教師にできる事って少ないのよね。あーあ、この仕事向いてないのかなぁ」

男B「戻ってくるならいつでも歓迎するわよ♪ あなたがここ辞めたのってもう十年も前の事だけど、未だに古株のお客さんとか、あなたの事懐かしがってる人もいるんだから」

ガラガラガラ
マキ「いらっしゃいませー♪ あ……こんばんわ」

ヤクザA「おう、店長いるかぁ?」

マキ「……少々お待ちください」

男B「っ」ビクッ
40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:18:51.80 ID:WelZO2aTo
担任「あら……ケツ持ちの人?」

男B「……そうよ、ホラ、有沢組の」

担任「へぇ……まあこういうお店だから珍しくもないけど……教師としては反応に困るわねぇ」

男B「見てみぬフリすればいいのよっ」

担任「……何焦ってるのよアンタ」

男B「別に焦ってないけど……なんていうか、ヤクザの人の空気って苦手なのよねぇ」

担任「そんなの好きな人いないでしょうけど」


ヤクザB「兄貴、やっぱ俺ここの空気苦手っすよ……」

ヤクザA「あ? 何だ?」

ヤクザB「昔その……若頭に拾ってもらう前、ちょいとヘマしちゃって…………ケツを」

ヤクザA「く、くくくくっ!! まあ何だ、これも仕事だ。文句ぬかすな!」

41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:19:47.79 ID:WelZO2aTo
 翌日
 兄妹宅
兄「ん……」

兄「はぁ……朝か……うげ、もう昼じゃねえか」

兄「あいつは……確か部活で休日登校か」

トントントン
ガチャ
兄「あ……」

手紙「兄さんへ。昨日の夜はごめんなさい。肉じゃが作り直したので良ければ食べてください。お味噌汁も一緒に冷蔵庫に入れてあります。ご飯は炊きたてがジャーの中にあります。
お風呂洗ってありますので沸かしてください。夕方前には帰ります」

兄「……」(あいつは……なんで……こんな……)

兄「食べたほうが……いいよな」


兄「……」モグモグ

兄(うめぇ……なんだこれ、あいつこんなに料理うまかったっけ……)ズズ……

兄(味噌汁の味……母さんのに似てる気がする……)

兄 はぐっはぐっ(昔はひどかったっけな……)
42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:20:26.41 ID:WelZO2aTo
 回想
妹「兄さん、あの、ご飯できました」

兄「お、おお! 頑張ったな」

妹「その、一応レシピ見ながら作ったので、食べられないことはないと思うんですけど」

兄「大丈夫だ。俺ってバカ舌だから」

妹「え、と……あ、あはは」

兄「じゃあいただきます」(てゆうか初めてで肉じゃがとかハイレベルすぎないか?)パクッ

妹「……」

兄(う、薄っ! そのくせ妙に塩加減が……)モグモグ

妹「ど──どうです、か?」

兄(げ、よく見ると米もべちゃべちゃ……うわ何だこの味噌汁、明らかに味噌多いだろ……これ絶対塩分過多だって……ほんとにレシピみたのか? しょ、正直に言うべきか言わざるべきか……)

妹「あの……」

兄「……いいか妹よ」

妹「は、はい!」

兄「安西先生は言った、基本は大事だと」

妹「はぁ……」
43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:21:50.46 ID:WelZO2aTo
兄「だからまず基本からちゃんと学べ。その──母さんの見よう見まねだからレシピ見てもちょっと違っちゃうんだろ」

妹「あ……そう、ですね」

兄「とりあえず切り方から始めろ。それにこれ多分……いや絶対調味料も母さんの真似して目分量だろ」

妹「ご、ごめんなさい!」

兄「いいって。それに、いいセンはいってると思うぞ? 味自体は微調整のレベルだと思う。焦らなくていいから……今度こそうまい味噌汁飲ませてくれ」

妹「あ……はい、頑張り、ます──」ポッ
 回想おわり

兄「ごめんな……バカな兄貴で……」ポロッ

兄「あいつはいつだって俺に優しくしてくれて……こんなに世話焼いてくれてたのに……」

兄「──っ」グシッ

兄「そういえば、白メシついでないな。炊飯器の中にあるんだっけ」ガタガタ

兄「風呂も入ろう。しばらく湯船浸からずにシャワーだけだったし……」

カパッ

兄「……」

兄(あいつ……絶対目盛り間違えてるだろ……)
44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:22:18.83 ID:WelZO2aTo
 同時刻 妹の学校
妹「いただきます」ガサガサ

妹友「へえ珍しい。コンビニ?」

妹「うん、昨日は晩御飯残らなかったから」

妹友「あ、じゃああのお兄さん、やっと素直になったのね」

妹「う、うん」

妹友(ちょっと引きつってる……相変わらず嘘がヘタだなぁ……ん?)

妹友「あんたその手、どうしたの?」

妹「あ、これ昨日料理してる時に切っちゃって」

妹友「──嘘言わないで。どうやって包丁使ったらそんなトコ切るのよ」

妹「え、えっと……」

妹友「もう駄目、あたし限界」スクッ

妹「ち、ちょっと何!?」

妹友「お姉ちゃんに電話してあの兄貴の携帯番号聞き出す。絶対文句言ってやるんだから」

妹「そんな! これはほんとに関係ないの! 私が悪いの!」
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:23:09.60 ID:WelZO2aTo
妹友「何があったかは知らない、けど元々アタシはあんたの兄さんの事許せなかったし、丁度いいわ」

妹「そんな……兄さんは別に……」

妹友「アタシ言ったよね? 妹ちゃんがお兄さんのせいで傷つくことがあったら、絶対に許さない。あんたに嫌われても報いを受けさせるって」

妹「妹友ちゃん……」

妹友「とめても無駄だから、絶対に」ズカズカズカ……

妹「あ……」

プルルル プルルル プツッ
女『は〜い……』

妹友「あ、お姉ちゃん? すごい眠そうだけど、もしかしてこんな時間まで寝てたの? てゆうか昨日帰って来たの何時?」

女『うるさいわねぇ……何よ、悪い?』

妹友「ママもパパも放任主義だけど、あんまりひどいと流石に怒られるよ?」

女『説教するために電話してきたの? いい度胸じゃない妹のくせに……』

妹友「まあいいか。 ちょっと聞きたいんだけど……お姉ちゃんは妹のお兄さんと友達だったよね?」
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) :2012/02/20(月) 10:30:15.05 ID:dQILePrVo
はよはよ
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:32:47.79 ID:WelZO2aTo
女『うぇっ!?』ドタン!バタバタッ!

妹友「……何変な声だして」

女『な、何でもない! あ、あああんたアイツの何知ってるのよ!』

妹友「何っていうか……まあ、知らないから電話したというか」

女『は、はぁ!?』

妹友「あの人の電話番号、知ってたら教えて?」

女『な、なんでっ!?』

妹友「あっと、その、お姉ちゃんには正直に言うけど、さ」

女『う、うん』

妹友「アタシの大事な人が、あいつに傷つけられてるの」

女『──だ、大事な人が、傷つけられ……』

妹友「本人は お兄さんは関係ない、悪いのは自分だって主張してるんだけど」

女『へ、へぇ? 奇遇ね……じゃない、えっと』

妹友「一度文句言ってやらなきゃ気がすまないから、連絡先知りたいの。でも妹ちゃん絶対教えてくれそうにないから……」
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:33:27.01 ID:WelZO2aTo
女『だ、駄目よ!』

妹友「え?」

女『そんな……あんたは関わっちゃ駄目だから! ね! 解って!』

妹友「お、お姉ちゃん?」


妹友「──というわけなの」(電話代ヤバ……)

女『ああ……そう……なるほど……』

妹友「お願い、連絡先教えて」

女『う、う〜ん勝手に教えるのもなぁ……それにあんた流石にそれはお節介じゃない?』

妹友「アタシもそう思う。でもやっぱり何もしてあげられないのは嫌だから」

女『そこまで言うなら……でもあんた、それは偽善よ?』

妹友「やらない善よりやる偽善、って言葉があるの知ってる?」

女『何それ……』

妹友「なんか……たらこ唇の有名人が言ってたんだって」

女『はぁ……解ったわよ。でも勝手に番号教えるのは流石になぁ……帰りに直接行ったら?』

妹友「え゙、えっとそれは、大丈夫かなぁ?」(怖いってそんなの!)
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:34:20.29 ID:WelZO2aTo
女『大丈夫大丈夫、間違っても初対面の女に変なことするようなやつじゃ──』ピクッ




女『──ないから』

妹友「何よその間はっ!」

女『と、とにかく、文句言いたいなら直接自分で言いなさい! あと言いたいこと言ったらすぐに戻ってきなさい! 変に関わっちゃだめよ! いい!? じゃっ』プツッ

妹友「あっちょ!」

妹友「はぁ……なんか、おかしかったなぁお姉ちゃん」

妹友「もしかして……妹ちゃんのお兄さんに惚れてるとか……」

妹友「ありえる……あれで妙に惚れっぽいとこあるし……」

妹友「うーん肉親の恋路を応援するべきか、親友の禁断の恋心を応援するべきか……って相手が、今から文句言いに行く人ってのが引っかかるけど」
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:35:00.57 ID:WelZO2aTo
 兄妹宅

♪〜The flames in your eyes calls your bluff〜

兄「ん?誰だ?」ピッ

兄友『ようブラザー!』

兄「お前と兄弟の契りを交わした覚えはないが」

兄友『寂しいこと言うなよぉ。ま、いいや。ちょい忙しいから用件だけ言うぜ』

兄「何だまたか?」

兄友『ああ、実家の手伝いでまたしばらく学校休むわ。すまないけどまたノート頼めるか?』

兄「いいけど、試験近いぞ? 大丈夫か?」

兄友『お前のノートがある限りそっちは抜かりはない。問題は出席日数だな』

兄「そればっかりはどうしようもないな。にしても随分せわしない実家だよなぁ。何やってんだ? いい加減教えろよ」

兄友『いい男には秘密がつき物なんだよ。ま、俺も卒業したらちゃんと継ぐつもりだし、今の内からってね』

兄「いいなぁ卒業後の仕事が決まってるなんてさ。俺にも紹介してくれ」

兄友『うーんそうしてやりたいのはヤマヤマだが、生憎俺の一存じゃ紹介するのはなぁ』
51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:35:32.27 ID:WelZO2aTo
兄「そうか……」

兄友『ま、お前色々器用だし、何とかなるだろ。とりあえず目先の試験の事考えてろよ』

兄「その発言にはノートと言う下心が見え隠れしている気がするが」

兄友『いじわるね、でもそんなトコロが素敵』

兄「しばいたろかお前」

兄友『イヤンッ』

兄「はぁ……まあ、ノートの件は了解した。ガッコとオネエには自分で言えよ?」

兄友『わーってるよ』

兄「ああそれとな」

兄友『あん?』

兄「一週間分な」

兄友『あっちょ!』
プチッ
52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:38:00.56 ID:WelZO2aTo
 兄妹宅前
妹「あの……ほんとに……?」

妹友「もちろん、ここまで来て引き下がれないのよ。女に二言はなし!」

妹「う、うん……ちょっと待っててね」

ガチャ

妹「あっ」

兄「あ……」

妹「に、兄さん……」

妹友「よしっ」バッ

兄「──おかえり」

妹「え?」

妹友「え?」

兄「練習疲れただろ。お茶入れてやるから着替えてこいよ」

妹「え、えっと、その……」

妹友(え? 何? 何? 普通じゃんこれ……)
53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:38:29.63 ID:WelZO2aTo
妹「あの、兄さん……」

兄「ごめんな昨日は。大声出したり突き飛ばしたり」

妹「あ──」

妹友(ちょっとコレどうなってんの……?)

兄「それから今まで済まなかった。その、なんていうか、バイト思ったより大変でさ……上司が変なやつというか……ああもう、とにかくお前に当たっちまった」

妹「に、兄さ──」

兄「お前はあんなに俺に世話焼いてくれたのにな。正直鬱陶しいって感じちまう事もあったけど……そんなのは間違いだ」

妹「──っ」ジワ……

兄「ほんと、ごめん。バイトしてるのはお前のためでもあるのに……そのバイトでストレス溜まったからって、お前に当たっていいわけがないよ」

妹「うん……うん……」ポロッ

兄「許して貰おうなんて言わないけど……謝っておきたかった。ごめんな」

妹「いいです──だって私……怒ってなんか、ないです、から……」ポロポロ
54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:39:12.01 ID:WelZO2aTo
兄「あの、それとさ……」

妹「はい……なん、ですか──?」ポロポロ

兄「今日の味噌汁は……シジミで頼む」

妹「ぁ──は、はいっ」ニコッ

妹友(ど、どうしよう……この空気でとても出て行けない……かと言ってこのまま帰っても、いいの?)アセアセ

妹「あの──兄さん」

兄「ん?」

妹「今日は……スーパーが一割引の日なので……その、良かったら」

兄「──ああ、行こうか。荷物持つよ」

妹「……は、い」ボロボロボロ

兄「ったく……俺が言っちゃ駄目なんだろうけど、そんなに泣かないでくれ」

妹「だ、だって、兄さ──わた、し……」ボロボロボロ

兄「待ってろ、タオル濡らしてきてやるから、顔拭け。カバン下ろしとけよ」
トントントン

妹「あ……」

妹友(わ、私は、一体……)
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:39:41.43 ID:WelZO2aTo
兄「ほら、大丈夫か?」

妹「うん……ありがとうございます」グシグシ

兄「じゃ行こうか。財布も取ってきたぞ」

妹「はいっ」

ガチャガチャッ

兄「──ん?」

妹「──あ」

妹友「──げっ」


兄「そうか……ごめんな、妹友ちゃんにも心配かけちまって」

妹友「いえいえ、あたしこそ余計なお世話焼いちゃって……」

妹「──」(す、すっかり忘れてたよぉ……妹友ちゃんのこと)

妹友「毎日残り物ばっかり弁当に詰めてきてたけど、あれってお兄さんが食べなかった分でしょ?」

兄「ゔ……ま、まあ、うん」

妹「──」(兄さんと二人っきりで買い物行ける、って一瞬思っちゃった)

兄「実は今日久しぶりにこいつの食事食べたんだ」

妹友「ふっふー随分上達してたでしょう? あたしが弁当つき合わせてレクチャーしたんですよ」

妹「──」(うう……ちょっとがっかりしちゃったような……ほっとしたような……ああでも兄さんと二人だけだと絶対緊張しちゃうだろうし……)

兄「そうか指導してくれる人がいたんだな。通りで上達してたわけだ」
56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:41:54.93 ID:WelZO2aTo
妹友「大変でしたよー何しろ包丁の握り方からマトモじゃなかったですから」

妹「──」(それにしてもシジミのお味噌汁かぁ……お母さんがよく作ってたけど、兄さんの好物だったのかな)

兄「こいつはしっかりしてるようで色々抜けてるからな。何しろ初挑戦で肉じゃがにトライして調味料目分量で行くやつだ」

妹友「うわハードル高っ! そっか、だから泣きついてきたわけか……大変だったんですよ。特にお兄さんの態度が変わった頃なんか」

妹「──」(そういえば男の人が女の人にお味噌汁作ってくれっていうのは……あ!)カァァ

兄「あんまりその事言われると、なんか気が滅入るなぁ」

妹友「聞きなさいっ。泣きながら言ったんですよあの子。「兄さんがご飯を食べてくれない。きっと私の料理が下手だからだ」って……あんた大丈夫?」

妹「ぇえっ!?」

兄「……大丈夫か?」

妹「えっ、いえ、その、わ、私は兄さんさえよければ大丈夫というか、むしろやぶさかじゃないというか……」

妹友「何の話よ……変なの」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:42:29.80 ID:WelZO2aTo
妹友「ああそうそう、様子が変といえば……」

兄「ん?」

妹友「お兄さん、ウチの姉と何かありました?」

兄「あれ? お姉さんいたの? ガッコ俺と同じなの?」

妹友「あ、そっか。直接教えたことなかったですね。アタシお兄さんの学校の女の妹なんです」

兄「女……っ!!」ビックゥ!

妹友「──わっ」

兄「お、おお、女? 妹ぉ!?」

妹友「そんなに驚くことですか?」

兄「い、いや、べ、べべ別に驚くこと、じゃないな! うん、ていうか別に、驚いてないし」

妹友(動揺してる……お姉ちゃんと反応が同じ……いや、兄妹揃って嘘が下手なの?)

妹「?」
58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:47:50.86 ID:WelZO2aTo
 その日の夜
妹友「すいません、なんかご馳走になっちゃって」

兄「いいんだよ。ほんと世話かけちまったし。何もないけど、また遊びにきてくれ」

妹「今日はありがとうね。おかげで兄さんと仲直りできたし」

妹友「いや、アタシは別に何もしてないよ……はは。じゃあね、明日学校で会いましょ」

妹「うん、お休み」

バタン

兄「……」

妹「──」

兄(さて、この気まずい空気をどうしてくれよう)ドキドキ

妹(やっと兄さんと、二人っきりに……)ドキドキ

兄(散々怒鳴ったり無視したりしてたからなぁ……今更というか急にというか……)ドキドキ

妹(優しくしてくれるようになったし……お味噌汁も全部飲んでくれた……はぁ、幸せ……)ドキドキ

兄(や、やっぱ怒ってるのかなぁ……さっきから黙ってるし)ドキドキ

妹(こういうときって、えっと、ご飯にするかお風呂にするか聞くんだっけ? あ、違う)ドキドキ
59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:48:38.36 ID:WelZO2aTo
兄(──落ち着け、俺。もう妹に迷惑をかけたり不安にさせたりしないって決めたんだ。俺の勝手な気持ちを押し付けようとしたから……あんなことになったんじゃないか)

兄「なあ、妹」

妹「は、はい!」

兄「お疲れさん。風呂沸かすから、お前先入れ」

妹「あ……」

妹「はいっ」


同時刻 別の場所
ヤクザC「兄貴、尻尾掴みましたぜ」

ヤクザA「──なんだ……若い連中が中心になってるのかこりゃ。なるほど、隣ジマを隠れ蓑にして……上に隠れてやってるってトコか」

ヤクザC「金持ち連中の変態共の御用達状態みたいですね。どんなのが出入りしてるか、もうちょい調べますかい?」

ヤクザA「当然だ。いくら自分トコのシマの事とは言え、下手に藪をつっつくワケにゃあいかねえからな。金持ち連中だけじゃなく、見せる側のほうも調べ入れとけ」

ヤクザC「ウス」

ヤクザA「さて……若頭にどう報告したもんかなぁ……」
60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:49:12.22 ID:WelZO2aTo
翌日
チュン……チュンチュン(ココハワレワレノナワバリナリ!)

兄「……ふぁ」

兄(今日は少し余裕あるな……)

兄(なんか、久しぶりによく眠れた気がする)

兄「降りるか」

トントントン
ゴトゴトゴト……

兄(ん? この音は……)

兄「──おはよう」

妹「うぇ!? あ、に、兄さん!?」

兄「──こんな早くから洗濯機回してるのか?」

妹「あ、え、えっとその……あはは」

兄「なんか汚したのか?」

妹「い、いえその、寝汗を、少々……」カァァ

兄「ふーん……」(もうすぐ冬だけど……そんなに暑かったか? 昨日)
61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:49:45.78 ID:WelZO2aTo
兄「いただきます」

妹「い、いただきます」ジーン

兄「朝からこんなに作ってくれたのか……」

妹「ご、ごめんなさい。お弁当作るついでのつもりだったんですけど……」

兄「いや、うまいよ。ああ、こんなうまい朝食食わずにいたんだなぁ俺」

妹「──」(兄さんがご飯食べてくれてる……いけない、また涙でそう)ジーン

兄「今日は白メシの水加減も大丈夫だしな」

妹「う……ごめんなさい。その、今でもたまに間違えちゃうんです」

兄「いいって。それより早く食べちまおうぜ。お前ガッコ遠い」

♪〜The flames in your eyes calls your bluff〜

妹「あれ、電話ですか?」

兄「ん、誰だろこんな時間に──っ!」

プルプル……

妹「あの……兄さん?」
62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:50:40.22 ID:WelZO2aTo
♪〜Feel free to drown when you’ve had enough〜

妹「あの、鳴ってますよ?」

兄「あ、ああ……ちょっと出てくる」



ピッ

兄「……」

父親『やあ、おはよう。昨晩は良く眠れたかね?』

兄「……先週は立て続けに二回だぞ? まだ稼ぎ足りねえのか」

父親『仕事を紹介してあげてるのはこっちだよ? それも大金だ。もうちょっと感謝してくれてもいいんじゃないかな?』

兄「何が紹介だ……大金チラつかせた挙句脅しなんかしやがって……」

父親『脅しだなんて人聞きの悪い事を言わないでくれ。選択したのは君だよ? さて、今晩またお客さんだ。今回はちょっと……かなりハードだが、体調はどうかね?』

兄「いい加減にしやがれ……これ以上てめえみたいな外道の言いなりになんかなってたまるか」

父親「ほう……」

父親「忘れたわけではないな……あの女はこっちの手にあるんだぞ?」

兄「──っ!」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:51:57.59 ID:WelZO2aTo
父親『今は薬物中毒で入院中だが……その気になればこっそり退院させることもできる』

兄「く──」

父親『それに……娘のほうに稼いでもらうのもいいかな?』

兄「てめぇ……マジで──いい加減に──」

父親『言葉遣いに気をつけたまえ。もう一度私の神経を刺激するような事を言えば、今度こそあの女とその娘……君の妹のところに荒事専門の連中がお邪魔することになるかもしれんよ?』

兄「ぐ……」

父親『ははは! まあそう気に病むな。君は金の卵だ。私の言うとおりに金を集めてさえいれば、事を荒立てるつもりはない』

兄「──」

父親『時間と場所はこの間と同じだ。言っておくが、警察にも知り合いにも他言はするな? そんな事をされれば……私も何をしでかすか解らないんでね……ふふふ』
プツッ

兄「……」(ク──ソッタレ……)
ガチャ

妹「兄さん?」

兄「!?」
64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:52:28.87 ID:WelZO2aTo
妹「……どうかしました?」

兄「──なんでも、ない」

妹「でもなんか顔色が」

兄「何でもないって言ってるだろ!」

妹「──っ!」ビクッ

兄「あ……」

妹「に、にいさ……」

兄「……ごめん、デカい声だしちまって」

妹「い、いえ……」

兄「心配するような事はないよ。ほら、時間ないぞ。早く学校いきな」

妹「は、はい……」
65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:53:09.53 ID:WelZO2aTo
兄「あ、待て!」

妹「っ!」ビクッ

兄「俺も、行く……いっしょに、行こう」

妹「え、あ……」

妹「──はいっ」


 兄の学校
兄(今日は女こっちに来てないな……ま、しばらくは当然か……)

兄(兄友のやつも実家の都合で当分休みだし……)

兄(まあいいか、今誰かと話気分じゃないしな……)

ガラッ
担任「はいは〜い、みんな席ついてね〜。ホラそこ、早くして」

兄(とりあえず……今日は勉強するか)

兄(──夜が憂鬱だけどな……)


 妹の学校
妹「おはよう」

妹友「おはよ……って、どうしたの?」

妹「え? どうって?」

妹友「てっきり今日はもっと元気に入ってくると思ってたのに……」

妹「そ、そうかなぁ?」

妹友「もしかして、またあの後何かあったの?」

妹「ううん、何にもないよ。でも……なんか朝様子がおかしかったから……気になって」

妹友「ふ〜ん……」

妹友(そう言えば、今朝はお姉ちゃんも様子が変だったな)
66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:54:00.18 ID:WelZO2aTo
 昨晩深夜
女「ちょっと……それどういう事よ!?」

男の声『言った通りの意味だ。先日のお客さんが君の事をすっかり気に入っていてね。どうかまた来てほしいと言ってるんだ』

女「冗談じゃないわ。あたしはもう行かないわ」

男の声『お金の事なら心配ないぞ? 今度はこちらからのご指名という事だ。相応の報酬を支払うことだってできる』

女「それでも嫌よ! 二度と……あんな見世物になるなんて」

男の声『やれやれ……もうちょっと素直な子ならよかったんだが……』

女「──ぇ?」

電話の向こう『ふ、あはははは! もっとやってほしいとか抜かしやがった! いいぜ、だらしない雌犬には躾が必要だからな 遠慮なくいたぶってやるぜ!ビシッ  ヒグゥゥゥッ!』

女「──な!?」

 紳士B『ほほっ、素晴らしい! 是非今回の録画も買っていくとしよう!』

女(ま、まさ、か──)

男の声『今流れているのはね、希望するお客様向けのDVDだ。多くの隠しカメラで撮影された特殊仕様でね。君の痴態の全てが記録されている』

女「あ……ぁ」

男の声『ところがこのDVDがあまりに出来が良いものだから……店の人達がDVDを売り捌こうかという話をしているのだ』
67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:54:46.05 ID:WelZO2aTo
男の声『本来お客様だけに販売するためのDVDでそんな事をされたら、信用問題だ。今は私が説得して食い止めてはいるが……確かにこれを売り捌けば相当の儲けになるだろうなぁ……』

女「い──ぁ、う……」

男の声『ほう、これはすごい……あんなに広げられて……おお、あんなに入るのか。君は後ろの才能もあるのかな?』

女「い、いや……」

男の声『すごい声で啼いているな、上下の口からあんなに涎を……この顔は演技では到底できんな』

女「いや──いや……」

男の声『ははっ、叫び声までくっきりだぞ。さすが最新カメラ、あそこの細部までくっきりだ。おっ、この後は確か、ビーズを引きずり出された勢いで……』

女「いやぁぁぁぁぁっ!!」

男の声『おおっ今の叫び声のタイミングは良かったぞ! 丁度画面の君が達したシーンだ。ビーズを引きずりだされて……おお、よく出たものだ』

女「う……うう……」

男の声『ところで……今晩の事だが』
68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:55:11.12 ID:WelZO2aTo
 夕刻
妹「あ、兄さん!」

妹友「ホントにきた」

兄「よう」

妹友「どういう風の吹き回しですか?」

兄「どういうって……単に妹を迎えに来ただけだけど」

妹友「いやでも……」(いくらなんでも急接近すぎやしない?)

兄「最近物騒だしな、何起こるかわかんないし」

妹「もう兄さん、いきなり電話してくるから何かと思ったら、校門で待ってろ、なんて」テレテレ

兄「んじゃ帰るか。妹友ちゃんも一緒に行くか?」

妹「あ──」シュン

妹友「……アタシは、いいです。用事もありますから」(馬に蹴られたくないし)

兄「そか、じゃあ妹、行こうぜ」

妹「あ、は、はいっ」パァッ

妹「じゃあ妹友ちゃん、またね」

妹友「はいはい、おつかれー」
69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:55:58.49 ID:WelZO2aTo
妹「今日の練習、調子よかったんですよ」(兄さんと二人きりで登下校……はぁ……)

兄「テニスだよな。あんまりよく知らないけど。なんとかゾーンだっけ?」

妹「それは漫画の話ですよ」(夢じゃないよね……昔は当たり前だったのに……なんでこんなに……)

兄「あれって段々ギャグ漫画になってきたよな」

妹「そうなんですか? あんまり漫画とか読まないですけど……」(ああ、今晩も晩御飯、食べてくれるかなぁ……)

兄「俺もそんなに読まないけどさ、たまにパラ見するだけだけど、なんか叩き合いみたいになってたぞ」

妹「テニスで叩きあいって……想像できないです」(今日の夜は何作ろう……あ、これって新妻みたい♪ 兄さんまた食べてくれるよね)

兄「あ、そういえば妹。俺今晩バイトなんだ」

妹「え?」

兄「悪いな、急に入っちゃってさ」

妹「そうなんですか……」

兄「だから、さ。この間みたいに待ってなくていいから、ちゃんと風呂に入って、部屋で寝ててくれ」
70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:56:29.36 ID:WelZO2aTo
妹「でも……」

兄「お前が待つ必要なんてないよ。遅いのは俺の責任みたいなもんだし。それに帰ってくる時、気ぃ遣っちゃうから、さ」

妹「わかりました……」

兄「あ、でも」

妹「はい?」

兄「晩飯はちゃんと冷蔵庫入れといてくれな?」

妹「あ──はいっ」パァッ


 その日の夜
バタン

父親「さて……今晩は二組だ」

兄「二組?」

父親「前回と同じく、まずは相手を責める側だが……今回は初対面の女を君が甚振りながら絡ませるんだ」

兄「……悪趣味だな」

父親「そう言うシチュエーションに興奮する人もいるのだよ。世の中にはね。もう一組では、君が受けになってもらう。相手は四人、たっぷりと可愛がってもらいなさい……ふふふ」

兄「──っ」
71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:57:01.65 ID:WelZO2aTo
 プレイルーム
バタン ガチャ

女の子「はぁ……はぁ……」

別の子「ああっ、はやく……はやくぅ……」

兄「……」

兄(あの身体のアザ……、片方は女じゃないのか?)

女の子「はぁ……はぁ……グスッ」

兄(うわ、もう一人の子の身体も……ひどいな……)

兄「……」(演技だ演技、仕事だ仕事……)

兄「さて……雌犬共、調教の時間だ」

女の子「あ……ぁ……」ビクッ

別の子「ああっ! は、はや、く……はやくしてください……ご主人様ぁ……もう、我慢が……」
72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 10:58:35.82 ID:WelZO2aTo
ストック終わり
ちょっと昼食確保してくる
73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 12:32:54.58 ID:WelZO2aTo
 二時間後
兄「──ほら、コーヒー」

女「……」パッ

兄「……なんでお前、またこんなとこに来たんだよ」

女「──関係ないでしょバカ」

兄「ないことあるか。だってそうだろ? てゆうか、もうお前は来ないと思ってた」

女「……」

兄「──脅されたか」

女「っ!?」ピクッ

兄「図星か……おおかたこの間の事を弱みにでもされたんだろ」

女「──ぅぅ」

兄「ま、俺もその片棒担いでるみたいなもんだからな……文句あるならいくらでも言ってくれ」

女「……あんたも、仕方なく……やってるんでしょ?」

兄「──まあな」

女「あたしだって、仕方、ないのよ。悪いのは自分なんだから……」

兄「女……」

女「あたしが……好奇心でこんなトコロに来ちゃったばっかりに……あんたにも、迷惑かけちゃってるし……ほんと、最悪」

兄「迷惑だなんて思ってないよ。それに──誰が脅してきたかも、検討はつく」

女「……え?」
74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 12:42:29.27 ID:WelZO2aTo
兄「この間帰りの車運転してたおっさんだろ?」

女「そうだけど……」

兄「あいつ、俺の親父なんだ。義理のだけど」

女「え──?」

兄「……ごめん。この間嘘ついちまった。俺がこんな事やってるのは、金の為じゃない。まあ、妹のためってのは当たってるけどな……」

女「ちょ、ちょっと、どういう……?」

兄「俺と妹の本当の父親はさ、小さい頃に交通事故で死んじまったんだ。で、母さんが俺達兄妹を食わせるために、その、夜の仕事で生活費を稼ぐようになった」

兄「ある時にあいつが……父親が店で母さんに近づいて、……いや、目をつけたって言った方が正しいか……母さんと再婚したんだ」

女「──」

兄「所謂、新しい家族ってヤツでさ、最初の頃はギクシャクしてたけど、なんとか仲良くできるようになってきた」

女「そんな事が……」

兄「でもようやく落ち着いてきた頃……あいつが、あのクソ野郎は本性を表しやがった」

女「え──?」

兄「ヤクザとつるんでたあいつは、母さんにクスリを盛って……意識不明になった母さんに、男達の相手をさせて金を儲けるようになったんだ。──それが”ここ”の前身らしい」

女「まさか、そんな……」
75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 12:53:37.06 ID:WelZO2aTo
兄「段々母さんの中毒がひどくなって来た時……あいつは、妹にまで目をつけたんだ」

女「!!」

兄「もう俺は我慢できなかった。我慢の限界だった……。その時父親から、今話した全部の真実を聞き出して……妹の換わりに俺が稼ぐって言い出したんだ」

女「じゃあ、あんた……」

兄「俺が換わりに金を稼いでやるから、母さんと妹にはこれ以上手を出すな、ってな。結局俺はここで変態共のお気に入りとして、胸糞悪い仕事を続けさせられてる」

女「……」

兄「悪いな……お前に話したところで、何にもならないのに。似た様な境遇に引きずり込まれちまったお前見てると、なんか他人とは思えなくて、さ」

女「──ううん、話してくれて、よかった。辛かった、よね」

兄「正直言うと今だって辛いさ。でも、俺がやらないと、母さんは戻ってこないし、妹にも──辛い目を見せちまうかもしれない」

女「妹ちゃんは……大丈夫なの?」

兄「今のところはな。多分、俺がまだ稼げるうちは、口約束を破る必要もないんだろ。あるいはあんまりハデなことは出来ないのかもな……」

女「兄……」

兄「いいか、もう二度とこんなトコに来るなよ」

女「え? で、でも……」

兄「このまま向こうに行けば道路に出る。そのまま東側に進めば大通りに出るから、タクシーで帰れ」スッ

女「な、何よこのお金!」

兄「タクシー代持ってないだろ? いいからもう帰るんだ。この後の事とお前のDVDの件は……俺がなんとか交渉してみる」

女「ま、まさかあんた……だめ、だめよ、そんな……」
76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 13:06:42.80 ID:WelZO2aTo
兄「じゃあな、よかったらガッコでまた、バカ話やろうぜ」
ギィ バタン ガチャッ

女「あ……」

女「──」


 建物内
兄「父親を呼んでくれませんか」

男A「あん? 何でまた。今は休憩中だろあんちゃん。帰りには会えるんだから、今は次のプレイに備えとけって。なんせ今日は……すげえ事になるからなぁ」

兄「急いでるんです。お願いします」

男A「ふーん……まあ、急ぎだってんなら、取り次いでやってもいいけどよ」
クイクイ

兄「──なんでしょう」

男A「こっちの部屋来な……へへへ」ビクン


 大通り
女「はぁっ、はぁっ」タッタッタッ

女「誰か……け、警察……」

女「だ、駄目だ。きっと警察には……言えないんだ……」

女「でないととっとくにあいつが、通報してる筈だし……」

女「誰か──助けて、助けてあげて……」

女「助けて──助けてよぉ──っ!」

ガシッ

女「痛っ!」

担任「あなた……女ちゃん」

女「え?──ぁ」


 同時刻 某所

ヤクザA「若頭、ちょいと早計じゃあありませんか?」

若頭?「──オヤジには話通してる。それに今回の事は、若い連中が勝手にこっちの陣地でバカやらかしてるだけだ。戦争にはならねえよ」

ヤクザC「しかしですね若頭、出入りしてる人間の名簿を人目見ただけで、突撃を決行ってのは……」

若頭?「……どうでもいいけど、若頭って呼ばないでくれ。まだ正式な組員にすらなってないんだぜ俺」
77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 13:13:10.28 ID:WelZO2aTo
ヤクザA「……では兄貴、なぜこんなに事を急ぐんですかい?」

若頭?「俺も皆の調べた情報で気付いたんだけど、あそこで俺の恩人がいるんだよ」

ヤクザD「兄貴の、恩人さんですかい?」

若頭?「俺はあいつにデカい借りがある。一刻も早く開放してやりたい。だからお前等が止めても、俺は行くぜ。あいつは今絶対困ってるからな」

ヤクザB「若──兄貴、水臭いですぜ」

ヤクザD「兄貴の借りは俺らの借りだ。恩人にちょっかい出されて黙ってるようじゃ、俺らの義侠にも有沢の看板にも泥を塗っちまう」

若頭?「悪いな、俺の我侭に」

ヤクザA「なぁに、こっちには大義名分があるんだ。それに向こうは若い連中ばかり、喧嘩にもなりゃしません」

若頭?「よし……事は予定通りに、行くぞ!」

ヤクザ共「「「「へいっ!!」」」」
78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 13:20:18.57 ID:WelZO2aTo
 一時間後
兄「う……く」

男A「いやぁすげえよかったぜあんちゃん。こりゃ一種の才能だなぁ」

兄「──」

男A「そうだ! 次回のプレイには久しぶりに参加させてもらうぜ。今度はザーメンもションベンも満タンにしといてやっから、ハラ空っぽにしとけよ? へへへへ」

兄「父親を……呼んでください」

男A「おお、そうだったなぁ。夢中になってて忘れてたぜ。向こうの通路の奥にいる筈だ。裏口近くの部屋だ」

兄「……」トコトコ


ガチャッ
男B「あらっ?」

父親「誰だ、ノックくらい……なんだ君か。わざわざ何の用だね?」

兄「話がある」

父親「ふん、そんな生意気な口をきく息子の話を聞く気にはならんなぁ」

兄「……俺はあんたなんかの息子じゃない。だから──これで十分だ」

父親「頼みごとに来たんだろう? ならそれ相応の態度というものを示してもらわんと」

男B「そうよぉ、おねがいしますってちゃんと言えるコになりなさい、って先生に教わらなかったの?」

兄「……あいつの、女のDVDの事だ」

父親「ほう?」
79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 13:26:13.99 ID:WelZO2aTo
兄「あのDVDは消去しろ、全部だ。それから二度と女には近づくな」

父親「ふふふ……そんな頼みを聞くとでも思うかね?」

兄「その分俺が……もっと稼いでやる。だから、もうやめてくれ」

男B「あらぁ男らしいじゃないのぉ。でも欲張りなコね」

父親「君があの女とその娘、そしてあの少女の三人分を稼ぎ出すと? できるものなら構わんが……流石に無理だろう」

兄「だろうな……今まで通りの生活なら、無理だと思うけど」

父親「む?」

兄「俺は今日からあんたに忠誠を誓う。クソを食らわせようがケツに何ブチ込もうが好きに使え。報酬もいらない」

父親「……」

兄「学校も辞める。家にも帰らない。あんたらの奴隷として稼いでやるよ。儲け分は全額あんたらのもんだ……」

父親「ふ、ふふ、ふふふふ! い、いいだろう! そこまで言うなら、稼いで貰おうじゃあないか!」

男B「うう、泣けるじゃない。乙女を守るナイト様って感じ? ああん食べちゃいたくなってきちゃった」
80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 13:26:18.86 ID:fu2qffxwo
仁義的なやりとりを見ると涙がでる不思議
歳だな…支援(応援的な意味で)
81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 13:30:17.76 ID:WelZO2aTo
父親「それではさっそく、その誠意を見せてもらおうかな?」

兄「……」スル、スル

男B「ま、自分から脱いじゃって……いいわぁ、この後のプレイ飛び込みで参加しちゃおうかしら……ハァハァ」ビクビクッ

父親「さあ、跪いて誓いの言葉でもたててもらおうか?」

兄「……」(母さん……女……妹……ごめんな)

兄(こんな方法しか思いつかなかった)

兄(警察になんか言ったら、母さんの事、きっと大騒ぎになるし、それに相手はヤクザだ。何されるかわかったもんじゃない)

兄(これしか……なかった……)

兄(ごめんな……みんな)

兄「わたしは……あなたさまに……」

ドォォン!!
82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 13:32:18.43 ID:WelZO2aTo
兄「!?」

男B「な、なんの音っ!?」

ドン!ガタガタガタ──!!

父親「う、裏口からも音がしたぞ」

バァン!!

男B「きゃっ!」

父親「な、何だっ!?」

兄「──あ」


兄友「ようブラザー!」
83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 13:41:31.87 ID:WelZO2aTo
兄友「大丈夫か? お前露出狂のケでもあったのかよ、そのカッコ」

兄「お、お前……どうし、て……」

兄友「さて、帰るぞ。親父の仕事仲間も一緒なんだ。ウチまで送ってやるよ」

兄「あ、え、えっと」

兄友「ほらほら早く出ろ。あ、ちゃんと服着ろよ」

男B「ちょっとボウヤ……勝手に人様のウチに入り込んで来て随分じゃないの?」

兄友「……よく言うぜ。人んチで勝手やってるのはどっちだ」

男B「え──」

父親「何だね君は……全く、随分威勢のよさそうな少年だが、息子の友達かね? こんな所に飛び込んでくるとは無謀にも程がある」

兄友「──」

父親「ここは荒事専門の者達の息がかかっているからね。君のような少年を消すことなど造作もない」

兄友「──」

父親「とりあえず名前でも聞こうか? 一体どこのだ──ひ」ビクッ

兄友 ギン
兄友「今俺にドコの誰と名乗らせると──てめえのタマだけじゃ足りなくなっちまうぞ」

父親「あ──う」パクパク

兄友「最ももう手遅れだ。成田組の若いやつらが勝手に余所のシマでバカやらかしてたんだ。タダで済むわけないよな?」

男B「あ、ま、まさか……」

兄友「ま、俺は単に親友を助けに来ただけだ。めんどくさい事は本職の方々におまかせするぜ。じゃあな」

ドン!ガタガタガタ!オラァー!
84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 13:47:21.78 ID:WelZO2aTo
父親「う──な、何してる男B! さっさと捕まえて」

男B「む、無理言うんじゃないの……」

父親「何だと!? 貴様本職だろうが! たかがガキ一人くらい」

男B「まだわからないの──? 全くこっちの事には疎いわね!」

父親「な、何……?」

男B「あ、あいつは……カタギなんかじゃないわ──。と、とんでもない相手よ……もう、おしまいだわ……ボスにも、連中にもバレちゃったら……もう……」

父親「さっきから、何を言っている! 今の小僧は何者なんだ!? この騒ぎは何なんだ!」

男B「……今ここを襲撃してるのはね、おそらくここいら一帯を裏で取り仕切ってる、つまりはウチの組の隣ジマのヤクザ、有沢組。あの子はそこの……次期若頭、有沢組の四代目よ!」
85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 13:53:10.86 ID:WelZO2aTo
兄友「大丈夫か?」

兄「ああ、すまない……なんか、迷惑かけちまったみたいで」

兄友「気にするな。お前と俺の仲だ」

兄「てゆうかお前、ヤクザだったのか?」

兄友「はっきり言うなよぉ……一応黙っててくれると嬉しいぜ。ぶっちゃけ俺まだ正式な組員じゃないからさ、ここにいるのがバレたら結構面倒なんだ」

兄「……」

兄友「大丈夫、連中は誰一人も逃がしゃしないさ。あいつら自分の親にすら黙って勝手ぶっこいてたみたいだからな」

兄「俺……こんなデカい借り……どうすれば」

兄友「だから気にすんなって。お前が知らないだけで、俺はお前にすげえ借りがあったんだからよ。さ、もう車出してもらうから」

兄「でも……俺」

兄友「そうだな……そこまで言うなら」

兄「……ん?」

兄友「二週間分な」

兄「あっちょ」
バタン
ブロロロロ……
86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 14:03:40.23 ID:WelZO2aTo
タッタッタッ……
男B「はっはっはっ……」

男B「冗談じゃないわ……こんな、こんな事になるなんて……」

男B「急いで、逃げないと……県外……せめて県外に……」

ザッ
男B「っ!?」

担任「あら、奇遇じゃない。どうしたの? そんなに慌てて」

男B「あ、よ、良かった! ねえ、助けて! 匿ってほしいの!」

担任「何よあんた……どうせまた厄介な事に首突っ込んでたんでしょ? 全くだから言ったのに……」

男B「お願い! ねえアタシ達仲間でしょ!? 迷惑はかけないから! お願い!」

担任「──悪いけど」

ゲシッ!
男B「がふっ!」

担任「可愛い教え子を食い物にする連中を助ける義理はないわ」

男B「あ、あぐ……」

担任「さて、有沢さんのトコに突き出してやるわ」

男B「ひ、や、やめ、やめて……」

担任「ああ、そうそう──女ちゃん」

女「はい……」

男B「あ……」

担任「こいつがアナタをひどい目に合わせた連中の黒幕の一人よ。つまりは元凶。鬱憤が溜まってるなら、好きに晴らしちゃいなさい」

女「──」

男B「え……ひ、ひぃ」

女「──」
ゲシッ
キーーーン!

男B「あ──ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」

女「[ピーーー]! [ピーーー]! このクソ野郎! よくも……よくも!」
ゲシッ ゲシッゲシッ

男B「はぎゃぁぁぁぁぁぁ! ぉぉぉぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

担任「ふん、いつまでも取らないからよ」
87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 14:04:29.95 ID:WelZO2aTo
ピー入っちゃった

タヒね ね
88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/20(月) 14:11:18.71 ID:GjlVlHCUo
メール欄に「saga」
89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 14:13:56.48 ID:WelZO2aTo
 翌日
 兄の学校 屋上
担任「なるほど……そりゃ人には相談しにくいわけだ」

兄「──」

女「その、ごめん……勝手に全部、話ちゃって……」

兄「いや、いいんだ。結果オーライだったし」

担任「ああそうそう。事件の事だけどね、ヤクザの人達がなんとか隠してくれて、あまり公にはされないみたいよ。ただ、病院に軟禁状態だった兄くんのお母さんは、麻薬中毒の件で取り調べくらいはあると思うわ。ま、それも大事にはされないみたいだけど」

兄「オネエって一体……何者なんですか」

担任「ただのオネエよ。オネエの時間は乙女より貴重だけど、その分色んなものと関わるのよ。だからケイケン豊富なの」パチッ

兄 女「きもいです」

担任「ああん」

兄「そういえばオネエ、その、兄友の事だけど」

担任「あら? 聞いてるわよ? 実家の都合でお休みなんでしょ?」

兄「え……? あ、はい」

担任「別にこの流れで言う必要ないでしょうに……どうしたの?」

兄「いえその……なんもないです。ちょっと頭よぎっただけなので」

兄(ほんとに知らないみたいだな……)

兄(──黙っとこう)

90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/20(月) 14:27:09.49 ID:WelZO2aTo
 兄妹宅
兄(ただいま)

兄(あいつはまだ、部活か……)

兄(一応迎えにいってやろうかな。もう心配はないかもしれないけど……)

ガチャッ
妹「ただいま」

兄「え、あ、おかえり……早かったな、部活は?」

妹「えへへ、兄さんの顔が見たくて、今日はサボっちゃいました」

兄「なんだ……せっかく迎えにいこうとおもってたのに」

妹「えっ」ポッ

兄「何赤くなってんだよ」

妹「い、いえその……兄さんと歩くのはいいんですけど、なんとなく恥ずかしいというか……」(失敗したぁ ショボン)


 夕食時
妹「じゃあ、もうしばらくお母さんも帰れないんですね」

兄「ああ。お見舞い行ければいいんだけどな……俺達じゃ入れない病院らしいし」

妹「おとうさんも……どこいったのかなぁ」

兄「もう俺はアテにしてないよ、行方不明の人なんか。あんなヤツの事、もう忘れたほうがいい」

妹「でも……」
91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/20(月) 14:33:43.22 ID:WelZO2aTo
兄「それにしてもこの味噌汁、うまいな」

妹「あ、今日は玉ねぎとお豆腐にしてみたんです」

兄「これならいつ嫁に出しても大丈夫だ」

妹「えっ!? そ、そんな私は……」

兄「いつ嫁に行くか解らないけどさ、よかったら──それまでは毎日作ってくれるか?」

妹「え、あ……」


妹「はいっ」ニパッ

兄(色々あったけど……こいつを傷つけたりしちゃったけど……結局俺は何一つしてやれなかったんだろうな)

兄(事件を解決してくれたのも、女や俺を助けてくれたのも、周りの人達のおかげだった)

兄(でもこれからは今度こそ……今度こそ妹の事、守ってやりたい)

兄(妹は俺の……大事な家族だから)
92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/20(月) 14:39:31.91 ID:WelZO2aTo
兄妹を取り巻く忌々しい事件はこれにて終了です。

ここまで読んでくれた皆様、SS初挑戦の拙い書きなぐりに付き合っていただき、ありがとうございました。




ここからは180度方針が変わってスレタイ的なアレになってきます。
物語としては一旦ここで区切りなので、ここで閉じてくださっても支障はないでしょう。苦手な方やそっち方面を期待していない方は、どうぞ閉じてくださって結構です。
それではまた後ほど。
93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [sage]:2012/02/20(月) 14:41:06.24 ID:9XSSw3Ado
前編、ハード編乙です
続編も期待してます
94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage saga]:2012/02/20(月) 14:42:49.45 ID:GjlVlHCUo
「saga」で「死ね」「殺す」などが表示されます
95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) [sage]:2012/02/20(月) 14:48:25.45 ID:HMKYfW4l0
乙です
後半も楽しみにしています
96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/02/20(月) 15:04:30.62 ID:MG4vXAFc0
ハッピーエンドは大好物なんです
最初がひどくて最後がハッピーなほどいいんです
落差?がでかいほどいいんです
97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 15:20:56.36 ID:nunknTCIO
乙(`・ω・´)

では私はここで失礼しよう
98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 16:22:43.23 ID:TRHxiwvso

デレデレな妹は大好物ですので待ってます
99 :sage :2012/02/20(月) 16:38:38.50 ID:SBWozbjG0
乙!
昨日スレタイに釣られた人間としては最後まで読ませていただきましょう
100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/20(月) 17:04:16.20 ID:x8plKYf+0
乙です
後半にも期待しています
ハッピーエンドのようでよかったです
101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 17:46:12.99 ID:WelZO2aTo
ただいま それでは続きいきます


チュン……チュンチュン……(テメエオレノシマデカッテシテンジャネェ!)
妹「ふ……ぁ──」クチュクチュ

妹「ああっ、あ、あ、ふぁぁっ!……」チュクチュク

妹「だ、だめ……声もれちゃ……あふ、ぁ……」

妹「あ、だ、だめ、だめっ、あああっ、に、にいさ、はあ──」

妹「はあ……ぁぁっ────〜〜〜〜!!!」ビクビクッ ガクガクガクッ

妹「はぁ……はぁ……」

妹(また……兄さんでしちゃった……)

妹(……というよりもむしろ、するときは兄さん限定な気がする)

妹「はぁ──兄さん」



兄(あの事件から数ヶ月が経った)

兄(妹とは仲直りしてうまく行ってるし、兄友やオネエは相変わらずだし、女とも今まで通りにできてるし)

兄(──いや、女とはなんとなく気まずくなる事は、あったりする気がするけど)

兄(兄友にお願いして母さんの事確認してもらったら、経過は良好らしいし)

兄(あの悪夢が夢みたいだ……)

兄(だけど……なんだろう、この胸騒ぎは)

兄(なんとなくまだ何か……ありそうな気がするんだよなぁ)
102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 17:55:31.08 ID:WelZO2aTo
 朝 兄妹宅
 ゴウンゴウンゴウン……
兄「ん?」(……またか)

兄「おはよう」

妹「え、あ! お、おはようございます、兄さん」カァァ

兄「また朝から洗濯か?」

妹「え、えっとその、お、お茶をシーツにこぼしてしまったので」

兄「ふ〜ん……」

兄(流石に言い訳が寝汗は厳しいよな 今真冬だし)

妹「あ、朝ごはん準備できてますよ! 今日は久しぶりにパン食ですけど」

兄「ああ、たまにはパンもいいよな。じゃあ頂いてるぞ」

兄(ここ最近なんかあいつ洗濯物増えたよなぁ……なんかシーツとかよく洗ってるし)

兄(何なんだろ……)


 数十分後
妹「じゃあ行ってらっしゃい、兄さん」

兄「ちぇ、いいよなお前のガッコ創立記念日で。おまけに明日は祭日で休みだから連休だし」

妹「創立記念日は兄さんの学校にもあるでしょ? お天気いいみたいですから、久しぶりに家の掃除をしようと思ってます」

兄「ああ、たのむよ。ついでに俺の部屋も掃除頼んでいいか?」

妹「え? あ、は、はいっ!」ニパッ

兄「じゃあ行ってくるよ」

妹「はい、早く帰ってきてくださいね」

パタン

妹「……」
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 18:02:49.51 ID:WelZO2aTo
妹「ふぅ、一階の掃除はおしまいっと」

妹「二人しか住んでないのに一戸建ては広いですよねぇ」

妹「……でもマイホームに住む新婚夫婦みたいで……」ポッ

妹「じゃあ次は二階を……あ」

 兄『ついでに俺の部屋も掃除頼んでいいか?』

妹「兄さんの、部屋……」ゴクリ

妹「──」

妹「はっ、い、いけない。何考えてるの私……」

妹「掃除するだけ……うん、お願いされたから掃除するだけよ……」

ガチャ

妹「……」(これが……兄さんの部屋)

妹(昔入った時とあんまり変わってない……)

妹(物が少ないから、あんまりちらかってないなぁ。あ、でも服が脱ぎ散らかってる)

妹(とりあえず窓を拭いて埃を落として……それから机を片付けよう)

妹「──」(や、やだ私、何緊張してるんだろ)ドキドキドキ
104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 18:11:34.11 ID:WelZO2aTo
 兄の学校 昼休み

兄友「ようブラザー!」

兄「よう。ブラザーじゃねえけど」

兄友「今日も愛妹弁当か? いいねぇ」

兄「何だよアイマイ弁当って。アイマスの親戚か? 痛弁当か?」

兄友「音的にはむしろらきすただな。そうじゃなくて、妹だから愛妹」

兄「別に……普通の弁当だよ」

兄友「じゃー見せてみろ」ニヤニヤ

兄「お前に見せる義理はねえよ」

兄友「あ、こら隠すな!」

兄「うるせえ! メシくらいゆっくり」
ヒョイ カパッ

担任「あら〜すごく凝ってるじゃない」

兄・兄友「「あ」」

担任「ご飯にハートマークが普通のお弁当? うふふ、乙女ねぇ。ホントは桜でんぶでやりたかったんじゃないかしら」

兄「テメエ! 勝手に見るな!」

担任「先生にテメエなんて言うコのいう事なんか聞かないわ」

兄「教師なら生徒の弁当勝手に持ってくんじゃねえよ!」

担任「そんな事言わずに! あ、写メとっちゃお」♪

兄「やめろ! くっ! 兄友離せっ!」

兄友「オネエ! あとでそれ送れよ!」

担任「合点♪」

兄「おまえらぁぁぁ!!」
105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/20(月) 18:56:45.69 ID:WelZO2aTo
兄「……」モグモグ

兄友「で、どうよアレ」

兄「何だよ」

兄友「この間お前にあげたヤツ、役に立ったか?」

兄「嫌がらせ以外の何者でもねえよあんなもん。つーかトラウマを呼び起こしそうになった」

兄友「ゔ……そ、それは配慮が足りませんでした……」

兄「──大体、なんでお前は俺とあいつをくっつけようとすんだよ」

兄友「いやだってなぁ……端から見てると妹ちゃんお前の事しか見てないっていうか」

兄「考えすぎだろ。第一あいつと俺は兄妹だぞ?」

兄友「俺の勘では妹ちゃんはもうお前で何度か[田島「チ○コ破裂するっ!」]してると見た」

兄「ぶっ!」

兄友「何にも感じてないのはお前だけだって。オネエなんか弁当見ただけで確信してたからな」

兄「変な事言うんじゃねえよ!」
106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/02/20(月) 18:58:20.01 ID:5gahHi9eo
担任が尾木ママで再生される
107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/20(月) 19:09:25.66 ID:WelZO2aTo
 兄妹宅 兄の部屋

妹「よし……殆ど終了、かな」

妹「あれ? このカバンなんだろう」
ヒョイ ドサドサッ

妹「あ、開いてる! いけない、でてきちゃ──!?!?」ボッ

【お兄ちゃん大好きっ】【妹とのイチャラブライフ】【発情期の妹の躾方】
【妹操縦術】【ボクの妹は女王様】【清く正しい妹のハウツー】

妹「こっ、こここここここれは──」

妹「え、エッチな漫画……しかもこれ、兄妹、ばっかり……?」

妹「兄さん──こういう、ので……こ、こうふんして?」

妹「じゃ、じゃあ私ってもしかして、そっそういう目で、見られてるの……かな」

ジクッ

妹「あ──」

妹「ちょ、ちょっと中身を……」
チョイ

妹「あっや、やましい気持ちじゃなくて……そう、これは参考! 参考のために……」

妹「って一体何の参考なんですかっ!」ポカポカ
バサッ

妹「はぁはぁ……あ」(ぺ、ページが──)ヒョイ

妹「あ、ぁぁ……す、すごい……」ペラッ

妹「う──うぁ……これ、妹がお兄さんに……はぁぁぁっ」ペラッ

妹「うわ、うわぁ、ぁ、こんなに広がって……」ペラッ

妹「──っ!!!」バッ
ボフッ(ベッドに飛び込む音)
108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/20(月) 19:14:20.54 ID:WelZO2aTo
妹(あっあああ、あんなの……読んでるんだ……兄さん)

ジクジクッ

妹「……いけない、埃たっちゃった」

妹「──」(に、兄さんのベッド……)

妹(兄さんも、ベッドの上で……しちゃったりするの、かな……)

ジクジクッ

妹「は──ぁ」ボフッ
スーーハーー

妹「はぁ……にいさんの、においだ……」

ジクジクッ

妹「あ、だ、だめ……手が……」スルッ

妹「だめ……にいさん……ぁぁ」ジワッ

妹「え──? な、なんで……こんなに……」

妹「あふ、んん……濡れて……」
109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(栃木県) :2012/02/20(月) 19:22:20.32 ID:UPPB+mMr0
メ欄にsagaっていれれば規制ワード使い放題
110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/20(月) 19:27:52.89 ID:WelZO2aTo
妹「興奮、してる……兄さんの匂いで、私……あっ」コスコスコス

妹「んあっ、はぁ、ひゃぁ……ふ、ふぅ──あっ、ぁぁあっ」ピクッ

妹「すごい……あぅ、ぁ、なんか、いつもより……んあっ、あぅ、ぴ、ピリピリ、する……」コスコスコス

妹「だ、駄目なのに……いけないのに……あ、あ、でも……気持ち、いい」ピククッ ジワッ

妹「あ、ああ……」サワサワ

妹「ふぁ、あ……か、硬く、なって……ひゃうっ」コリッ

妹「ドキドキする……あふ……ふぁっ! あ、ぁあ」コリッ モミモミ
111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/20(月) 19:40:21.13 ID:WelZO2aTo
妹「あ、あ、だめ、声でちゃうよぅ……あ、あふ、あひぃっ! あぁんっ!」

妹「はぁっ、はぁっ、あ、あぁ! ん、ぅ──」スゥゥゥ

妹「は、ふ──に、にいさん……におい……ああっ!」クチュッ

妹「だめ、……これい、じょうはぁ……あ、あふ、ひゃぁっ!」

妹「あふ、も、がまん……でき──なぃ……」モゾモゾ スルッ

妹「ああぁ、す、すごい。糸──ひいてる……こんなに、濡れて」トロトロッ

妹「んっ、ふあぁ! あっ、んん……あぁあっ!」グチュグチュ

妹「す、すごい……直接だと、すごい、きちゃう……あふ、んっ、んはぁっ!」チュクチュクチュク

妹「んはっ! あ、ああ、お、おっぱいも……熱い──」プクッ コリコリ

妹「あああっ、あっ! あふぁ、ふぅんっ! こ、これ……すごい……」

妹「兄さんのベッドで……兄さんのにおいで……あくっ! おま○こ、すごいいじってる、ああっ!」クチュクチュクチュ

妹「ああっ、ど、どうして──こんなに……ああっ! あ、ああ! に、兄さんっ! 兄さんっっ!」キュンキュン!

妹「あ、だ、だめ……いっちゃう……いっちゃ──やだ」

妹「もっと、こうしていたい、ああっ! あっ、も、もっとさわりたい、ふぁぁっ!」チュプチュプチュプ

妹「あくっ! ふぁあっ! でも、がま──できない……ひゃんっ!」
112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/20(月) 19:44:16.91 ID:SBWozbjG0
(*´Д`)ハァハァ
113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/20(月) 19:47:24.39 ID:WelZO2aTo
妹「はぅ……あっ! あ、だ、だめ……もう、いっひゃ……あぅっ!」チュプッチュプチュプッ!

妹「だ、駄目、だめだめっ、もう───い、あぁっ!」

妹「あっ、あぁっっ、あぁぁぁーーーーーーーっ!!」プシャッ!ビクビクビクビクッ

妹「あぁ……ふぁ、あぁぁ……ん」プルプル

妹「え、あ、だ、だめ──それだけは……ぁあっ!」ビクッ チョロ、チョロロロロロ……

妹「ああああっ、と、とまって、とまってぇ……」チョロロロロ……

妹「ああ……どうしよう……おもらし、まで……」チョロロ……

妹「────い、いい、よね? ど、どうせ取り替えて、洗濯、する筈だったんだから……」

妹「急いで……片付けないと……」

妹「──」
スゥーー

妹「も、もうちょっと、だけ……はぁ」
114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/02/20(月) 19:51:44.13 ID:WelZO2aTo
ちょっとだけ離席







抜いてくれた人は是非一言オナシャス
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 19:55:11.57 ID:5COaxhNIO
チンコ抜いた
116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/20(月) 19:56:40.34 ID:x8plKYf+0
一気に進むな
だがそれも良い
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/20(月) 20:37:19.18 ID:9tWUkGKg0
まだ続いてるのか
兄友かっこよすぎ
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/20(月) 20:43:10.94 ID:Xm5IWJico
sag"e" じゃなくて、sag"a" ですぜ
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/20(月) 21:46:31.34 ID:NSm4Cd4Wo
sega?
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東) [sage]:2012/02/21(火) 01:19:42.00 ID:ES5FtAkAO
>>1頑張りすぎ(笑)
121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(徳島県) [sage]:2012/02/21(火) 14:11:56.90 ID:clsuw8oUo
またシリアス展開になるのか
122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/21(火) 20:39:20.95 ID:TfX+LLrIo
ちょっとだけ続き

 兄の学校 図書室
兄「ZZZ・・・」

兄友「ZZZ・・・」

ガラッ
女「センセー、遅れてた課題まだ受け取ってくれ……っていないじゃん。あーあ、もう間に合わないかなぁ」

女「──あれ?」

女「うわこいつら寝てる……図書室で昼寝するやつってマジでいたんだ……」

兄「ZZZ・・・」

兄友「ZZZ・・・」

女(……)

女(やっぱり──思い出しちゃうなぁ、こいつの顔見ると)

女(こんなに無邪気な寝顔して……)

女「──っ!!」ボッ

女(ま、全くだから顔合わせんの気まずいのよっ……!!)

女(なるべく顔合わせないようにしちゃってたけど、やっぱり意識してるって思われてるのかな……)

女(そりゃ……確かにあんな事忘れろって言う方が無茶だけどさ)

女(我ながら……あからさますぎたのかな)

ブーーッ!ブーーッ!(携帯のバイブ音)

女「わっ」ビクッ

兄「ん……ぁ、時間か──ぁ〜〜」

兄「んー……あ、何だ女じゃん。何してんだ?」

女「あ、あわわ……えっと、その〜」
123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/21(火) 20:52:40.30 ID:TfX+LLrIo
兄「図書室で本借りるってガラじゃないだろお前。もしかしてお前も寝てたの?」

女「えっと、いや、その、あのね」アセアセ

兄「──なに焦ってんだよ?」

女「あ、焦ってなんかないっての! 焦る理由がどこにあるの!?」

兄「お前声でけぇよ、場所考えろ」

女「うるさいっ!」ダッ

兄「うるさいのはそっち……っておい」

兄「……」

兄友「えへへ──ぶにょぶにょがいいですぅ……」

兄「……ぶ、ぶにょぶにょ?」


 廊下
女(〜〜〜っ!!)ダダダダッ

女(あ〜もう! 何なのよ一体!)ダダダダッ

女(顔熱っ! これって照れてるって事!? ありえない!)ダダダダッ

女(あいつに対して何を照れる事がっ!? いや心当たりはありまくりだけどっ!!)ダダダダッ

女(ど、どうしろってのよもうっ!!)ダダダダッ

担任「……あら女ちゃん、現国の先生が呼んでおわっ!」

ダダダダッ

担任「ちょ、ちょっと廊下を──行っちゃった。何かあったのかしら?」

担任「う〜ん、それにしても……今の女ちゃんの顔は……」

担任「──乙女ねぇ」キランッ

兄友「廊下で何一人でドヤ顔してんだよ」

担任「別に? ただ……他人の恋路は見てて面白いなぁって」

兄友「あ、奇遇っすね」

担任「特にそれが茨の道だったり……」

兄友「波乱万丈のロマンスだったり、背徳あふれる禁断の恋だったり?」

担任「──」

兄友「──」

担任・兄友「「グッ」」
124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/02/21(火) 21:28:17.95 ID:MLwknImXo
意気投合しやがったwwwwwwww
125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/21(火) 21:31:19.41 ID:TfX+LLrIo
 帰宅路
兄「あ、そういや今朝妹に部屋の掃除頼んだんだっけか」

兄「あいつには家事全般世話になりっぱなしだよなぁ……でも手伝おうとするとなんか怒るし」

兄「たまには何か買って帰るか……」


 某ドーナツチェーン店
店員「いらっしゃいませー」

兄「何にしよかなー……あいつ甘い物好きだったっけ?」

兄「金そんなにないからこういうのあんまり買わないしな」

兄(金といえば、新しいバイト見つかってないな……)

兄(あんな事やらされてたせいでバイトする時間もまともに取れなかったしな)

兄(──まあ報酬が良かったのがせめてもの救いか)

兄(ある程度貯えはできたし、ややこしい金は母さんの口座の預金があるから、生活くらいは……)

?「あの〜」

兄「ん? あれ!?」

妹友「こんにちはお兄さん」

兄「妹友ちゃんじゃん。その格好って事は、もしかしてバイト?」

妹友「はい」

兄(──妹友ちゃんの年でバイトって大丈夫なの?)ボソボソ

妹友(いいですかお兄さん。作中に出てくる人物は全員18歳以上なんですよ)ヒソヒソ

兄(なーんだ、そうか!)ボソボソ

妹友(そうですよー忘れてたんですかぁ?)ヒソヒソ

兄・妹友(あははははは!)


妹友「──実はパパがここを経営してる会社の偉い人でして、年齢ごまかしてバイトさせてもらってるんです」

兄「いいのかそんな事して」

妹友「ウチの親放任主義というか、小遣いくらい自分で稼げ! って感じで」

兄「じゃあ女もどっかバイトしてんの?」

妹友「はい、お姉ちゃんは○○のファミレスで」

兄「いい事聞いた、今度冷やかしにいってみるかなー」

妹友「いや……その、今はやめたほうがいいと思いますよ」
126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/21(火) 21:43:12.41 ID:TfX+LLrIo
兄「あーあいつなんか最近おかしいもんな」

妹友「学校でもそうなんですか?」

兄「どうかな。ただ最近こっちのクラスに顔出さなくなったな。あいつ友達多いから他の教室にちょこちょこ顔出すんだけど、最近ご無沙汰というか」

兄「今日ちょっと久しぶりに顔合わせたんだけど、様子変だったんだよ」

妹友「そうなんですよねぇ。ウチでもたまに何か変なんですよ」

兄「へえ、どんな風に?」

妹友「どうって……うーん、あからさまに何がオカシイって言われると困るんですけど……どことなく変というか」

兄「はっきりしないなぁ」

妹友「そう言うお兄さんはどうなんですか?」

兄「──なんか顔合わせた瞬間パニック起こしたみたいになってた」

妹友「……お兄さんそれって何か変なことして怒らせただけじゃないですか?」

兄「え? えっと……そんなこと、ない、と──思う」(ど、どう言えばいいかな……心当たりはあるものの絶対に言えるわけないし……)

妹友「──あるんですね? 心当たり」

兄「い、いやーどうかなー、あいつとはよくバカやってたから、何が心当たりかなー……」

妹友「……」ジー

兄「──」

店員「妹友ちゃーん! 4ばんお客さーん!」

妹「はーい! すみません、また今度。妹に宜しく!」

兄「ああ、また今度」(ナイスッ!)
127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/21(火) 21:44:55.31 ID:TfX+LLrIo
 兄妹宅
兄「ただいまー」

妹「あ、お、ぉかえり、なさい──」カァァ

兄「どうした? 顔、あかくないか?」

妹「な、なんでもないです。多分……夕日のせいかと」

兄「体調悪いとかじゃないな?」

妹「平気ですよ。もうすぐ晩御飯できますから……あら、兄さん?」

兄「ああこれ、はいおみやげ」

妹「わぁ、ドーナツですか、久しぶりです」パァッ

兄「普段お前には世話になってるからな。兄からのご褒美だ」

妹「あ、ありがとうございます……」(ご、ごほうび……ポッ)

兄「とりあえず着替えてくるよ。これデザートに一緒に食べよう」

妹「はい、預かります」

ズシッ

妹「わっ、沢山買ったんですね」

兄「いやなに……ちょっとした礼代わりに、な」

妹「?」
128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/21(火) 22:52:40.04 ID:mVmvlULbo
>>126
妹もバイト始めたか…
129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/22(水) 12:13:50.69 ID:HZjUHUxC0
シリアス一直線で行くのかと思ってたら、もう変わっていたで御座るの巻
シリアスパートのGoodEnd乙
勿論これからも楽しませていただきます
130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/22(水) 13:29:53.05 ID:FK3QpAz/o
131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/02/22(水) 15:02:19.81 ID:u4veo3cM0
もういちゃラブ路線で行くんだよね?
132 :1 ◆cIAQkzC3GI :2012/02/22(水) 19:38:21.67 ID:PPgevpm7o
>>126
最後の妹部分を妹友に訂正
今日は急がしいので多分続き書けませんすまぬ……すまぬ……
多少は真面目なシーンもあるけどハードな展開だけはないです
あとエロはできるだけ頑張ります





ハァハァしてくれたら是非一言オナシャス
133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/22(水) 19:59:10.44 ID:Vfb0mZ6/0
続き早よ・・・といいたいところだが

>>1の時間があるときでおk
この待ち時間もタマラナイ(*´д`*)
134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都) [sage]:2012/02/22(水) 21:55:35.27 ID:xxzh5kVa0
気長に待つぜ
135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(徳島県) [sage]:2012/02/22(水) 22:43:05.88 ID:f4qupu+po
ゆっくりでいいから必ず完結させろよ
136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) :2012/02/23(木) 04:05:52.88 ID:1SA6TBbN0
露骨なエロではハァハァしないよ?
137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/02/23(木) 15:55:21.66 ID:C5aLNHRA0
あげんなよ
138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/02/24(金) 00:07:16.55 ID:JOvqGxH9o
はよはよ
139 :!ninja [sage]:2012/02/24(金) 03:03:40.47 ID:rNG78oqGo
追いついた

支援
140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) :2012/02/24(金) 11:14:40.49 ID:plPpLoUYo
ちょっとだけ続き

女 妹友宅
妹友「ただいまー。あれ、お姉ちゃん今日バイトは?」

女「休み」ボー

妹友「あ、そうだったんだ。パパとママは?」

女「さーね」ボー

妹友「パパはまだ仕事かなー。ママどこいったんだろ。あ、TV見てないならチャンネル変えていい?」

女「どーぞ」ボー

妹友(うーん……おかしいっていうか、機嫌悪い?)

妹友「──そういえば今日アタシのバイト先にお兄さんが来たよ」

女「ぅえっ!?」ビクッ

妹友「な、何? 変な声出して」

女「な、なんでも……ない!」

妹友「いや何でもない事ないでしょ。さっきまで機嫌悪そうにしてたのに明らかに動揺しすぎだもん」

女「な、なによ……」ポリポリ

妹友「お姉ちゃん最近なんかおかしいよ? お兄さんもなんか心配してたし、何かあったの?」

女「──うるさい、ガキがしゃしゃり出て来んな」

妹友「もう……」

女「それとあいつの名前を今口にしないで、気分悪いから」

妹友「やっぱり何かあったわけね」

女「……」

妹友「アタシでよければ相談乗るよ? まあ、ガキなりに」

女「──言える訳ないでしょ、バカ」

トットットッバタン

妹友(……何あの態度。人が下手に出て心配してあげてるのに)

妹友(でもあの反応、間違いなくなにかあったんだろうなぁ、お兄さん絡みで)

妹友(……ちょっと探ってみるか)ゴソッ カチカチ
141 :1 ◆cIAQkzC3GI :2012/02/24(金) 11:27:59.84 ID:plPpLoUYo
女自室
女(はぁ、さっきのは態度悪かったなぁ)

女(でも妹相手ってなんか謝り辛いし……)

 妹友『アタシでよければ相談乗るよ? まあ、ガキなりに』

女(──言えるわけないじゃん。闇風俗で滅茶苦茶にされた相手の事が気になってる、なんて身内に打ち明けるバカがどこにいんのよ)

女(……)

女(気になってる、かぁ)

女(なんとなく気まずいだけだったんだけどなぁ)

女(はぁ……)

女(このままじゃアイツにもずっと変に思われたままだろうし)

女(相談……するべきかな)


翌日 兄の学校 屋上
担任「なるほど、兄君の事について相談ねぇ」

女「うん。あたし達の事全部知ってる人間の中で、相談できそうなの担任ちゃんだけだし……」

担任「さっきも言ったけど、オネエの貴重な時間を割くんだから、相応の見返りは……いいわよね?」

女「も、もちろん……もしかして」

担任「そ。先払いってやつで……この場でお願いしちゃおうかしら」

女「は、はぁ……」

担任「はぁ、最近できなかったからストレス溜まっちゃってるのよねぇ……うふふふふ」

女「ひ──」

担任「じゃあ、はじめましょうか?」カチャカチャジィーー

女「……」


担任「さっそく小顔に見せるテクとオススメのコスメについてレクチャーを」キラキラ

女「そのカバンメモ帳も入ってるんですね」(こ、怖い……)
142 :1 ◆cIAQkzC3GI :2012/02/24(金) 11:59:09.01 ID:plPpLoUYo
十数分後
担任「ふむふむ、なるほど……はる○愛の小顔テクはそれね」カキカキ

女「とりあえずあたしの知ってるのはそれくらいかな」

担任「ありがとっ。助かっちゃったわぁ、周りの知り合いにメイク上手なコって意外と少ないのよ」

女「専門店のおためしコーナーや店員さんと相談すればいいんじゃない?」

担任「こーんな人が化粧品売り場で吟味してたら周りがドン引きするでしょ。これでも世間に気を使って生きてるの。だから化粧品は通販が殆どなのよ」

女「最近は男子のメイクも一部で流行ってるって聞きましたけど」

担任「あんなのは週刊誌や化粧品メーカーの陰謀よ。さて、それじゃ本題に入りましょっか」

女「あ、うん……」

担任「兄君とあなたの二人だと……うーん厄介ねぇ」

女「あたしまだどういう相談かすら話してないんだけど……」

担任「え? 女ちゃんが露骨に兄君の事を気にしている件でしょ?」

女「そ、そんなに露骨だったの?」

担任「自分で思ってる以上におもし……あからさまよ」

女「今なんて言い掛けた?」

担任「──あんまり気にしすぎるな、って言っても無理よねぇ。実際あなたたちがどんな事をしたかは聞いてないけど」

女「う、うん……」(スルーされた──)

担任「正直に言って欲しいんだけど」

女「えっ」

担任「女ちゃん──もしかして兄君のこと好きになってる?」

女「っ!?!? な、何言ってんのよ担任ちゃん!」ボッ

担任「正直に」

女「あ──」

担任「……」

女「……正直、そういう方面でも、気になってるかもしれない」

担任「──なるほど。気まずいのを気にしてたらいつのまにか恋心に、って感じね。ま、よくある事ではあるけど……女ちゃんの場合事情がねぇ」

女「……」

担任「とりあえず、今私から言える事は、まず自分の気持ちを自覚して、整理する事ね」

女「自覚……?」

担任「本当に兄君に対しての気持ちが恋愛感情なのか、あるいは単なる過去に対する照れなのか。まずははっきりとさせなきゃ」

女「……」

担任「兄君とこれから友達として、あるいは女の子として付き合っていくなら、どちらにしても先に進めないわよ。自分の気持ちって意外に解らないものだけど、強い気持ちであればあるほど、自覚した時は腹を括れるものなの。だからそれだけでも、きっと違ってくると思うわ」

女「どうすれば……はっきりするのかな」

担任「……厳しい事を言っちゃうけど、私は答を出してあげることはできないわ。自分の気持ちは自分でケリをつけないと」

女「……」

担任「とりあえず、普段の露骨な態度をなるべく抑える方向で頑張ってみなさい。いつまでもそんな態度してると、周りが心配するわよ」

女「はぁ……」(もう心配かけちゃってるっぽいんだけど)

担任「さ、もうすぐ昼休み終わっちゃうから戻りなさい。何かあったらまた相談してね」

女「うん、ありがとうね」タタタッ

担任「……」
143 :1 ◆cIAQkzC3GI :2012/02/24(金) 12:12:34.51 ID:plPpLoUYo
担任「はぁ〜〜可愛いっ! もうたまんないっ!」グルグル……

担任「あの二人がどうなるか……こんなに間近に見れるなんてっ!」ハァハァ

担任「これはもうアレね! 最後まで見届けるしかないわねっ!」

担任「でも兄君……妹さんからも熱烈なラブコールを受けてるのよねぇ」

担任「あのこたち一体どうなっちゃうのかしら?」
144 :1 ◆cIAQkzC3GI :2012/02/24(金) 12:24:44.81 ID:plPpLoUYo
数十分前
兄の学校 昼休み
兄「……」(こ、この弁当は……)

兄 キョロキョロ

ガタッ

兄友「屋上は今立ち入り禁止みたいだぜ」

兄「っ!! な、なんで屋上?」

兄友「どうせ弁当を見られるのが恥ずかしいから一人で……とか思ってるつもりだろ」

兄「じ、実はハラの具合が悪くて……保健室へ」

兄友「何だ、大丈夫か?」ニヤニヤ

兄「大丈夫だけど、弁当はちょっと食えそうに、ないな」

兄友「よし、俺が代わりに食ってやろう」

兄「な、なんでそうなるんだよお前」

兄友「妹ちゃんがっかりするぞー、兄さんのために一生懸命作ったのに全部残すなんて。兄さんがお腹を壊したなんて聞いたら、今度は自分の料理が悪かったのか……とか」

兄友「そうならないためにも! さあ!」

兄「意味不明だろうが。少なくともお前に食わせる必要はないだろ」

兄友「……しかたねえ。このままだとお前本当に弁当食わなさそうだし、いい場所教えてやるよ。あそこなら弁当見られる事もないだろ」

兄「な、なんだよ急に。気持ち悪いな……」

兄友「つれない事言うなよブラザー。で、その場所だけどな」


中庭
兄「意外と普通の場所だったな……」

兄(確かに人は……いないな)

兄「弁当……食わなきゃな」カチャカチャ

兄「うわ、やっぱり……」ハートマークの桜でんぶ ハート型に切られた卵焼き ハート型にケチャップのついたハンバーグ その他諸々

兄(昨日まで海苔で作られてた白メシのハートがピンクになってる……)

兄(昨日の夜の事といい……これってマジで……)
145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/02/24(金) 22:46:44.31 ID:IMIWe9hw0
俺も追いついた

同じく支援
146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) [sage]:2012/02/28(火) 03:31:31.44 ID:C+8NUwZBo
乙でした!
147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟県) [sage]:2012/03/02(金) 17:16:07.79 ID:0xzR0JXpo
とりあえずメール欄に「saga」って入れたほうがいいと思う
148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2012/03/05(月) 10:55:41.37 ID:0Cr/Tzin0
saga
149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) [sage]:2012/03/05(月) 16:31:26.01 ID:WaTuK5B1o
ハァハァ
150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/05(月) 21:37:45.04 ID:HdObZSM1o
上がってたから読んでみたら放置かよ
151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 02:22:09.41 ID:gl493s/Io
なんで2週間もたってないのに放置扱いなんだよ
152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) :2012/03/06(火) 12:54:19.60 ID:4gVTEEIl0
一か月以上が放置だろ
153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県) [sage]:2012/03/06(火) 20:49:09.71 ID:Fux94mz30
sageようぜ
154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/07(水) 00:04:17.18 ID:r8vR/7sIO
男Aってどうなったけ?
155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/03/10(土) 16:15:11.39 ID:WRsiOpJ20
あ、さげわすれてたんだごめん
156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(兵庫県) [sage]:2012/03/18(日) 09:49:15.85 ID:ppm+N+fao
まだか
157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/18(日) 11:46:22.80 ID:tbKuANNIO
まぁ結局放置だろうな
158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/27(火) 11:19:27.66 ID:mOWgT35DO
放置だと………
159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(鹿児島県) [sage]:2012/03/28(水) 18:56:01.77 ID:AYpkhJIZ0
まじかよ
160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/31(土) 23:25:47.15 ID:B6Pgc1ZO0
はよ
161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中国四国) [sage]:2012/04/08(日) 14:22:56.24 ID:qIkKfuwIo
はよ
162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/14(土) 23:03:13.51 ID:kpg+TFmDO
はよ
163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/20(金) 01:47:52.45 ID:WPmAt8ajo

はよ
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