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フレンダ「言語矯正ストラップ-FRE/NDA-って訳よ!」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 14:20:03.89 ID:kQHHpIOAO

一方通行「なんだァ? このストラップ染みたオモチャはよォ」

FRE/NDA「ソンナゲンゴネェッツノ!ソンナゲンゴネェッツノ!」

一方通行「ガキにでも持ってくかァ」

FRE/NDA「ソンナゲンゴネェッツノ!」



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【安価スレ】あかるくたのしい傭兵生活 @ 2024/05/04(土) 01:17:50.63 ID:3fwRECJNO
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モバP「コンマ1桁が0でカオス・マジキチ化する安価SS?」 @ 2024/05/02(木) 12:55:16.10 ID:lZ9SQusw0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714622115/

酸 @ 2024/05/01(水) 23:00:19.57 ID:lK9RWrTc0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714572018/

【進撃の巨人】俺「安価で巨人を駆逐する」 二匹目 @ 2024/05/01(水) 21:08:53.38 ID:iiJDb4My0
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旅にでんちう @ 2024/05/01(水) 14:47:47.55 ID:KgjR8ljxO
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【クリスマス・年末・年始】連休暇ならアニソン聴こうぜ・・・【避難所】 @ 2024/04/30(火) 10:03:32.45 ID:GvIXvHlao
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1714439011/

VIPでガンダムVSシリーズ避難所【マキオン】 @ 2024/04/30(火) 07:03:33.32 ID:jpWgxnqGo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1714428212/

今日も人々に祝福 @ 2024/04/29(月) 23:42:06.06 ID:cZ/b8n+v0
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2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 14:22:56.24 ID:kQHHpIOAO

 黄泉川宅


一方通行「ただいま(ソンナゲンゴネェッツノ!)」

打ち止め「お帰りなさいアナタってミサカはミサカは幼妻!」

一方通行「そ(ソンナゲンゴネェッツノ!)かよ」

打ち止め「んー? なんだかアナタの声に重なって、何か聞こえるんだけどってミサカはミサカはちょっと困り気味」

一方通行「そこで拾った(ソンナゲンゴネェッツノ!)だ お前にやるよ」

打ち止め「拾ったモノを女の子にだなんて、ミサカはミサカはアナタのモラルを心配してみたり!」

一方通行「チッ、そ(ソンナゲンゴネェッツノ!)かよ んじゃ捨て(ソンナゲンゴネェッツノ!)ぞ」

一方通行「……(ソンナゲンゴネェッツノ!)?」

打ち止め「……捨てないの?」

一方通行「指から離れね(ソンナゲンゴネェッツノ!)」

打ち止め「えぇー!」

一方通行「能力を使っても駄目だっ! クソ! なんだってんだ(ソンナゲンゴネェッツノ!)」

3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 14:27:26.18 ID:kQHHpIOAO


打ち止め「そ、それってつまり物理法則とか力の向きとは違う、何かが要因になってるから? ってミサカはミサカは類推してみたり」

一方通行「みて(ソンナゲンゴネェッツノ!)だな(ソンナゲンゴネェッツノ!)! 解析すら出来ね(ソンナゲンゴネェッツノ!)」

打ち止め「どうしよう……これからワーストが来るんだよね? アナタの彼女にこんな姿――」

一方通行「チッ、関係ね(ソンナゲンゴネェッツノ!)っての 部屋に戻る」

打ち止め「……大丈夫かなぁ」

4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 14:29:17.24 ID:kQHHpIOAO


一時間後 一方通行の部屋


番外個体「やっほー」

一方通行「よ(ソンナゲンゴネェッツノ!)ま(ソンナゲンゴネェッツノ!)座れよ」

番外個体「は? いま何て?」

一方通行「あ(ソンナゲンゴネェッツノ!)? だから(ソンナゲンゴネェッツノ!)座れよ」

番外個体「……おちょくってんの?」

一方通行「チッ、何の話だ(ソンナゲンゴネェッツノ!)」

番外個体「何の話って、さっきからアンタ、何か変な声だしてなに言ってるか分かんないんだけど


一方通行「ふざけて(ソンナゲンゴネェッツノ!)じゃね(ソンナゲンゴネェッツノ!)ぞ!」

一方通行「……」

番外個体「……」

5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 14:34:59.18 ID:kQHHpIOAO

番外個体「もういい、帰る」

一方通行「わざととかそ(ソンナゲンゴネェッツノ!)な訳ね(ソンナゲンゴネェッツノ!)だろ(ソンナゲンゴネェッツノ!)が(ソンナゲンゴネェッツノ!)」

一方通行「ああああ(ソンナゲンゴネェッツノ!)(ソンナゲンゴネェッツノ!)!!!
      うっぜえ(ソンナゲンゴネェッツノ!)(ソンナゲンゴネェッツノ!)(ソンナゲンゴネェッツノ!)!
      このクソストラップがあ(ソンナゲンゴネェッツノ!)(ソンナゲンゴネェッツノ!)(ソンナゲンゴネェッツノ!)!」

番外個体「あーはいはい、どうせアンタは私と居るより、自分と戯れる方が楽しいってことね」

番外個体「よく分かった!」

一方通行「お(ソンナゲンゴネェッツノ!)、待てよ(ソンナゲンゴネェッツノ!)!」

番外個体「ばーか!」

一方通行「……」

一方通行「……も(ソンナゲンゴネェッツノ!)喋るのヤダ(ソンナゲンゴネェッツノ!)……」

6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 14:37:16.10 ID:kQHHpIOAO


二時間後 一方通行の部屋


黄泉川「で、このザマじゃん?」

一方通行「(YES)」←青い旗をあげてる

打ち止め「うん、そうなのってミサカ はミサカは体育座りで隅っこにいるアナタに、同情を禁じ得ない……」

黄泉川「どうにかするったって、会話中に横やりをいれてくるストラップだけじゃ、余りに情報が少なすぎるじゃん」

黄泉川「一回喋ってみるじゃん」

一方通行「(NO)」←赤い旗をあげてる

黄泉川「ならほっとくじゃん」

打ち止め「黄泉川ぁ……こうなったらミサカネットワークで、情報収集――分かった!」

一方通行「……」

打ち止め「アナタの発声が原因みたいって、ミサカはミサカは断言してみたり!」

打ち止め「アナタ、オクターブを変化させて喋るクセがあるでしょ? 凄むっていうか『あァ?』とか『あンだよ』みたいに
      ってミサカはミサカは慣れないモノマネで赤面してみたり!」

一方通行「……」

打ち止め「平坦な音波がドッカーンって波打つ時に、そのストラップが稼働するんだと思うよ!」

7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 14:38:18.32 ID:kQHHpIOAO

一方通行「……」

打ち止め「アナタ?」

一方通行「ひとりにしてくれ(ソンナゲンゴネェッツノ!)」

打ち止め「……うん、分かった 辛かったら呼んでねってミサカはミサカは通い妻!」

一方通行「……」

一方通行「あ(ソンナゲンゴネェッツノ!)
     い(ソンナゲンゴネェッツノ!)
     う(ソンナゲンゴネェッツノ!)
     え(ソンナゲンゴネェッツノ!)
     お(ソンナゲンゴネェッツノ!)」

一方通行「……」

一方通行「ヒーローなら治せるかな(ソンナゲンゴネェッツノ!)……」

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 14:39:41.02 ID:kQHHpIOAO

一方通行「どうすれば良いんだろ……」

FRE/NDA「ヤレバデキルッテワケヨ!」

一方通行「……え?」

FRE/NDA「ソノチョウシッテワケヨ!」

一方通行「!!!!!!!!!!!!」



一方通行は褒められる事が無かった人間だ。

無いことは無かったが、それはあくまで一方通行の力を自らの利益にするためにしていた、研究者達の褒めちぎりであり、上っ面の媚び。

だがこのストラップはどうだ?

ストラップが一方通行の言語を諭して、ストラップの得になるだろうか。

ストラップが一方通行の言語を褒めて、ストラップの得になるだろうか。

なるわけがない。

一方通行は気付ていたら、ストラップを抱きしめていた。

9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 14:44:56.52 ID:kQHHpIOAO
次の日

朝 黄泉川宅 リビング

打ち止め「あの人、あれから一度も部屋から出てこなかった……」

黄泉川「ったく、心配かけるじゃん」

一方通行「おはよう 朝ご飯か、俺も遅かれながら参加させてもらうぜ」モーニングマイスターッテワケヨ!

打ち止め「」

黄泉川「」

10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 14:46:09.01 ID:kQHHpIOAO

打ち止め「ああああなたっ!? 大丈夫!? 熱でもあるの!?」

一方通行「なに言ってるんだよ 打ち止めの方がずっと変だぜ」ヨッ!オダイカン!

一方通行「それよりも、頬に米粒がついてる だらしがないから取っておけよ」クチカズブギョウ!

打ち止め「」

一方通行「おはよう黄泉川」オレガアクセラダ!

黄泉川「あっ、あぁ……おはようじゃん」

一方通行「今日も仕事で出かけるのか 気をつけてな」アクセラカッコイイ!

黄泉川「」

11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 14:48:41.70 ID:kQHHpIOAO

一方通行「ごちそうさま じゃあ俺もでかけてくるから」イケテルッテワケヨ!

打ち止め「」

黄泉川「」


コンビニ


一方通行「缶コーヒー切らしてたんだ 買い溜めしておかないとな」チガイノワカルオトコッテワケヨ!

結標「一方通行じゃない なに、またコーヒー?」

一方通行「これがないと生きていけないんだよ」タブンネ!

結標「……? 一方通行」

一方通行「どうした」キットネ!

結標「今から私の言うことを復唱してみて――」

結標「『悪りィが、こっから先は一方通行だァ!』」

一方通行「悪いけど、ここから先は一方通行だ」ソウカモネ!

結標「」

12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 14:49:52.72 ID:kQHHpIOAO


一方通行「もういいか? どうでもいいけどさ、コンビニで大きい声だすなよな恥ずかしい」ハズカシイ!

結標「」

一方通行「まぁ、まともな羞恥心があったら、そんなツボ振りみたいな格好できないだろうけど」デキナイッテワケヨ!

結標「」

一方通行「またな」ツボフリオンナ!

結標「」

13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 14:51:15.09 ID:kQHHpIOAO

黄泉川宅 玄関


一方通行「ただいま」

打ち止め「お、おかえりなさいって、ミサカはミサカはアナタの様子を注視してみたり……」

一方通行「コンビニに行って来たんだ お菓子もあるぜ」

打ち止め「わーいわーい! って、ミサカはミサカはもう細かい事なんて忘れてお菓子に夢中になってみたり」

一方通行「ははっ」

打ち止め「あれ、アナタ……指にぶら下げてたあのストラップ、無くなってるね」

一方通行「あぁ、そうみたいだな」

一方通行「だけど良いんだ」


言葉をつかう度に思い出せる。

そう自覚できる程、自分の体には染み付いているのだから。

彼女(?)との思い出が。その名残が――。



おしまい
14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 14:54:04.70 ID:kQHHpIOAO


 第2話 フレンダ「花火チョコって訳よ!」
15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 14:54:53.37 ID:kQHHpIOAO

フレンダ「みんな見て見て、ほぉら花火チョコ」

滝壷「……」

フレンダ「結局、バレンタインに向けた試作品な訳なんだけど 見た目と機能はロケット花火に準拠 サイズは縮小されてて、爆発しても飛び散るのはチョコレートのみ!」

麦野「……」

フレンダ「チョコの受け取りを渋ったり、心身両面の距離がちょっと遠い彼のクチ目掛けて、真っ直ぐ飛んでいく優れものって訳よ!」

絹旗「……」

フレンダ「なはは! 来月辺りには、コンビニとかで普通に見掛ける事になると思うけど、結局みんなにはタダでプレゼント!」

16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 14:56:11.55 ID:kQHHpIOAO

麦野「おい」

フレンダ「へ?」

麦野「休暇が欲しいっつぅから一週間の暇を与えてみりゃあ、メンバー一人抜けた穴を埋める為に忙殺されていた私達を尻目に、テメェは……」

麦野「なぁに手に職つけて副業してんだゴラァアアアアア!?」

フレンダ「ヒィイイイイイ!?」
17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 14:58:03.39 ID:kQHHpIOAO

麦野「アレか? 遠回しに『アイテム無くなっても私、生きていけます宣言』か?
   『資格で先立つ私の未来☆』なんて、甘っちょろい考えでいんのかぁ?」

麦野「殉職以外の死がお望みならよぉ やり方なんていくらでもあるんだからなぁ? あぁ!?」

フレンダ「えぃ!」

麦野「暗部を舐m――んむっ!?」

絹旗「麦野の口に超花火チョコがぁー! フレンダぁ!?」

フレンダ「ぬ、ぬふふっ! 暗部を舐める代わりに、チョコを舐めさせてやったって訳よ」

絹旗「いや、上手くないし」

18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 14:59:40.24 ID:kQHHpIOAO

絹旗「それ以前に麦野を舐めてかかってますからっ! このままじゃやられ――」

麦野「フ レ ン ダ ぁ ?」

絹旗「ほらぁあああ! 滝壺さん待避です超待避っ!」

滝壺「私の脳内から信号がきてる」

絹旗「来なかったら人間じゃないでしょうがっ! ほら早くっ!」

滝壺「あっ、まだ花火チョコ全部食べてないのに……」

絹旗「後にしなさい」

滝壺「(´・ω・`)」

19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:02:22.16 ID:kQHHpIOAO

麦野「フレンダぁ……ブチ殺し、確て――うっ」

フレンダ「おっと! ぬふふ、麦野をお姫様抱っことか、役得な訳よ」

絹旗「え……? ちょっと、麦野寝てるじゃないですかっ!」

フレンダ「結局、無理やりチョコをブチ込んだ後のアフターフォロー用に、睡眠薬を含ませたチョコ花火も、同時発売されるって訳よ!」

絹旗「既成事実を作るんですね 超分かります」

フレンダ「催淫モノもあるし、レパートリーには事欠かないって訳よ!」

20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:03:45.00 ID:kQHHpIOAO

フレンダ「麦野は麦野で一度食べちゃったら、一時間は起きないから余裕!」

滝壺「麦野可愛い……」

フレンダ「えへへ、だよねぇ で、でも……ちょっと重かったりする訳よ」

麦野「ほぉおおお?」

フレンダ「そんなベタな起き方らめぇ」

21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:05:18.80 ID:kQHHpIOAO

昼 公園


フレンダ「な、何とか逃げ切れた……」

フレンダ「麦野の胆力マジ悪魔って訳よ……ひぃふぅ、とりあえずジュースでも買って――」

御坂「あっ」

フレンダ「あっ」

御坂「ア、アンタ……!」

フレンダ「ちょちょちょっと待ってよ! その放電やめてトラウマだからぁ!」

フレンダ「お詫びの印に、ほら! チョコとかイっとく? グイッとグイッと!」

御坂「……毒とか入ってんじゃないでしょうね」

フレンダ「げっ」

22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:06:53.72 ID:kQHHpIOAO

御坂「アンタねぇ……!」

フレンダ「ど、毒って言っても安全な毒な訳よ! イタズラ程度に済まされる安全な毒! パーティー等に必須なすんごい毒!」

御坂「なら、効能を言ってみなさい」

フレンダ「催淫効果!」

御坂「何のパーティーだぁああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:14:04.04 ID:kQHHpIOAO

公園 夕方


フレンダ「だ、第三位めえ……電気ショックで気絶させた相手を放置するなんて……血も涙もないって訳よ」

フレンダ「結局、超能力者なんててのはどこのどいつも幼女愛好家で根性馬鹿なメンヘラ集団な訳よ! こんちきしょー!」

垣根「ソイツは聞き捨てならねえな」

フレンダ「今度は永久就職の末 指名No.2のまま終わりそうなホストに話しかけられるし……もうイヤ……」

垣根「何で第七位を特徴を挙げられるのに、第二位の俺を知らねえんだよ!」

24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:15:40.57 ID:kQHHpIOAO

垣根「えっ? なに? マジ泣きぃ!? 泣きたいの俺だからね!?
   指名No.2なのに指名No.7より知名度ない俺の方だからねっ!」

垣根「あーほら涙でてきたー 泣くぜ! 絶対泣くぜ!? ほら泣くぜぇええええうわぁあああああああああああああああああん!」

インデックス「とうまー あれなにー?」

当麻「無理だろうけど 見なかった事にしなさい」

垣根・フレンダ「うわぁあああああああああああ! おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!」

25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:18:41.18 ID:kQHHpIOAO


垣根「落ち着いたか」

フレンダ「アンタこそ」

垣根「今まで女は泣かせた事ねぇし、女に泣かされた事も無かったんだがな……不覚だぜ」

フレンダ「私も同じって訳よ 結局、男と話す機会なんてあまりないし」

垣根「……さっきよ」

フレンダ「うん」

垣根「『超能力者』がどうのこうのって言ってよな 俺と会う前にソイツらと何かあったのか?」

フレンダ「やりたい事をやってたら、認められなかったってだけな訳よ」

フレンダ「私が考えた花火チョコっていう商品が、発売される事を超能力者の仲間に伝えたの」

フレンダ「そしたら『仕事やらずにくだらねぇ事してんじゃねぇ』って、怒られちゃったって訳」

26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:20:53.23 ID:kQHHpIOAO

フレンダ「喜んでくれると思ったんだけどなぁ」

垣根「花火チョコってどんなんだ?」

フレンダ「結局は、ロケット花火にチョコが付いてる感じ」

フレンダ「もちろん硝煙の臭いはしないし、薬莢とか棒みたいな食べれない部分は、口に入る前に空中でバラけて落ちるように計算してる」

垣根「半ば強制的に、チョコを食わせる事が出来るって訳か」

フレンダ「そうそう それで私が喜んで欲しかったその超能力者には、意中の相手がいるの」

フレンダ「でも、その超能力者の普段の行いから見て、素直にチョコを手渡すなんて結局ムリだと思ったから――」

垣根「そういや、もうすぐバレンタインデーだったな」

27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:22:17.29 ID:kQHHpIOAO

フレンダ「でも、結局は意味なかったって訳よ」

垣根「……負け犬根性が染み付いてんなぁ 俺もお前もよ」

フレンダ「え?」

垣根「俺も第一位になりたくてここまで来たが、昔ほどの熱意や向上が自分に見い出せねぇ」

垣根「進退もなく心まで慢性的になりつれ、やり遂げる意義や喜びも薄れてよ」

垣根「このまま二番手でいるのも悪くねぇ って思っちまってんだ」

垣根「ちょっと前までは、命だって賭けるつもりだったんだがな」

フレンダ「……」

28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:23:36.51 ID:kQHHpIOAO

垣根「お前はどうだ お前がソイツにしてやりたかった気持ちは、自分の一番と言えるモノだったか?」

垣根「命を二の次に出来るほどに」

フレンダ「……当たり前じゃない」

フレンダ「一番……そう、一番な訳よ!」

フレンダ「結局、麦野が認めてくれないなら、麦野が納得できるモノを作れるまで頑張ればいいって訳よ!」

垣根「へっ、妬けるねぇ……よし!」

垣根「俺も手伝うぜ」

29 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:25:52.07 ID:kQHHpIOAO

フレンダ「え?」

垣根「お前の独白を聞きながら、チョコ食わせてもらったが、これじゃ駄目だな」

垣根「花火特有の異物感は感じさせねぇが、チョコだけの味をみれば平均以下」

垣根「なによりこんな、まんなロケット花火な見た目じゃ、視覚的な食欲だって湧かねえ」

フレンダ「べ、別に無理やり食べさせるんだから、視覚的な食欲なんて――」

垣根「その非多角的な考えをやめろ 食う奴は十人十色だろうが、ロケット的な使用をしない奴の為も想定しねえとな」

フレンダ「そ、そうよね 麦野にも試食させなきゃいけなきゃいけない訳だし!」

垣根「よし そこで俺の未現物質の出番な訳だ」

垣根「この世に存在しない物質を作る俺と、チョコと花火に特化したお前がいれば――」

フレンダ「この世に存在しない物質って、性質まで自由自在な訳!?」

垣根「あぁ付加だって出来る これで俺たち二人のチョコ作りに常識は――」

フレンダ「通用しないって訳よ!」

30 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:27:04.53 ID:kQHHpIOAO

垣根「ってな感じに、ムードも高まってきた所で」

フレンダ「ちょ、顔近いからっ! ベンチだからこれ以上下がれなっひぅ!? 肩に手を回すなぁ!」

垣根「自分でも常識はずれなんだが、さっきからお前を見てると体が火照ってくるというか、ぶっちゃけ――」

垣根「ムラムラする」

フレンダ「それって結局、私のチョコ食べてから?」

垣根「うん だからチョコ作りする前に子作りしたい」

フレンダ「いや、上手くないから」

31 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:33:34.95 ID:kQHHpIOAO

フレンダ「催淫verのチョコでなし崩れになんて、嫌な訳よ!」

垣根「安心しろ 俺も初体験だ」

フレンダ「誰も聞いてないから!」

垣根「そうだな お前の声を聞き取るのは、俺だけでいい」

フレンダ「っていうか外でなんて有り得ない訳だし!」

垣根「恋ってのは外に出なきゃ永遠に未現のままだ
    そして愛は物質にしたがるモノ だろう?」

フレンダ「誰かこの屁理屈やろう黙らせろ ――んむっ!?」


※省略されました 続きを読みたい人は みじかびの きゃぷりきとれば すぎちょびれ すぎかきすらの はっぱふみふみ と書き込んで下さい

32 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:35:08.68 ID:kQHHpIOAO

一年後 ファミレス


麦野「フレンダと第二位が暗部抜けして、もう半月ね」

絹旗「チョコの生産利益が、能力による利益を超越えたらしいですからね」

絹旗「というのは建て前で、理事長がチョコに惚れ込んでるという、もっぱらの噂ですが」

滝壺「チョコうまうま」

浜面「麦野ー、今月もアジトに大量のチョコが届いてるけど、どーすんだ」

麦野「いつも通り、痛まないように保存しといて」

浜面「了解 そーだ、このチョコは麦野本人に渡してくれってよ ほら」

麦野「……『頑張れ』か」

麦野「ありがとな、フレンダ――」

33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:37:48.13 ID:kQHHpIOAO

公園


フレンダ「私は一番になれた 麦野だけじゃなく、他の誰かの一番にだって」

フレンダ「帝督はどうするって訳よ」

垣根「お前の一番でい続けるのが、いまの俺の一番だな」

一方通行「よォ」

垣根「!? 第一位か……!」

一方通行「そォ身構えンなよ 今日は頼みがあってきたンだ」

ガバッ

一方通行「俺を、弟子にして下さァい!」

フレンダ「」

垣根「」

34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:39:08.48 ID:kQHHpIOAO

フレンダ「結局、どうする?」

垣根「今まで通りチョコを作るだけだ 序列が変わろうが足手まといが一人二人いようがな」

一方通行「よろしくお願いしまァす!」

フレンダ「うん! じゃあ今日も元気よく――」

フレンダ「花火チョコな訳よ!」

35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:41:01.85 ID:kQHHpIOAO



おしまい


 第3話 フレンダ「アイテムって改名の余地ありじゃない?」


36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:42:17.53 ID:kQHHpIOAO

ファミレス


麦野「どうでもいい」

フレンダ「じゃあ私の名前を、チームの名前にあてがってもいい?」

絹旗「別にしてもいいですけど、みんな超口々に言うんでしょうね」

麦野「垣根『うわっ、フレンダと一緒の仕事かよ』」

滝壺「浜面『フレンダのパシリしてる浜面でっす』」

絹旗「電話の女『フレンダは今日をもって解体しまーす』」

フレンダ「チョイスに悪意を感じるって訳よ」

37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:47:26.44 ID:kQHHpIOAO

麦野「悪意も何も、フレンダちゃんの望みだからにゃーん」

フレンダ「や、やっぱりみんなで考えてみよっ? ね? ね?」

滝壺「チーム『タキツボ』」

絹旗「チーム『キヌハタ』」

麦野「チーム『ムギノン』」

フレンダ「麦野っ……む、むぎのんって……自分で自分をむぎのんって……ププッ」

麦野「は、はぁ!? 決まりよく四文字で統一しようとしただけだっつの! 他意なんてないから!」

滝壺「大丈夫 可愛い子ぶってるむぎのんを、私は応援してる」

麦野「うっさい! もぉ……」

38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:49:38.71 ID:kQHHpIOAO

絹旗「当然ですが、みんな超バラけてますね」

フレンダ「だったら結局、みんなの名前から頭文字だけとって、それをチーム名にすれば良いって訳よ!」

麦野「フタキム……?」

フレンダ「豚キムチみたいって訳よ」

滝壺「キムタフ?」

絹旗「国民的アイドルみたいですね」



浜面宅



浜面「はっ」

浜面「なんか俺の存亡を賭けた大事が、どこかで起こってる気がするんだけど」

浜面「気のせいか」

39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:51:21.01 ID:kQHHpIOAO

フレンダ「うーん、名前だけじゃ厳しいかもしれないって訳よ」

麦野「各々のトレードマークを使うってのはどう?」

フレンダ「麦野はオッパイ!」

絹旗「麦野は怖……超キレイですよ!」

滝壺「ビーム?」

麦野「よぉしお前ら全員そこに並べ 愉快な現代風“三人地蔵”にしてやんよ」

絹旗 フレンダ 滝壺「すんませんしたぁ!」

40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:53:36.55 ID:kQHHpIOAO

絹旗「滝壺さんは、黒髪ですかね」

麦野「ジャージって所かしら」

フレンダ「オッパイって訳よ!」

絹旗「無い物ねだりって、つくづく人の性(さが)ですよね」

フレンダ「……って訳よ」

滝壺「大丈夫 揉む胸がないフレンダでも、私は女の子だって信じてる」

フレンダ「そっから!?」

41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:54:41.50 ID:kQHHpIOAO

麦野「絹旗の窒素装甲にはいつも助けられてるわね」

フレンダ「ちっぱい!」

滝壺「可愛い」

絹旗「な、なんかありがとうございます 超ひとり以外は」

フレンダ「てへっ」

42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:56:05.13 ID:kQHHpIOAO

フレンダ「それでそれで私は!?」

滝壺「フレンダは日本語がお上手」

麦野「ベレー帽かしら」

絹旗「爆弾魔」

フレンダ「脚線美がない……だと……?」

麦野「いずれなくなる物を挙げ連ねてもねぇ」

フレンダ「経年劣化って意味だよね!? そうだよね!?」

43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 15:56:54.77 ID:kQHHpIOAO

フレンダ「結局、うまく纏まらなかったって訳よ」

絹旗「現状維持 超そういう事ですね」

麦野「ていうかそもそも、何でいきなりそんな事言い出したのよ」

フレンダ「いやぁ、みんな暇そうだったからさ 話題提供って訳よ」

滝壺「南南西で赤黄緑の信号機が光ってる」

絹旗「それは超誰でも分かります」

麦野「……ムードメーカー」

フレンダ「ん? 麦野いま何か言った?」

麦野「べっつにぃー」




おしまい

44 : [saga]:2012/02/21(火) 16:10:16.50 ID:9L7dFBFS0
おもしろかった乙
45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/21(火) 16:11:05.81 ID:9L7dFBFS0
>>44
すまん。名前変えるの忘れててた
46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/21(火) 16:18:40.51 ID:kQHHpIOAO

次回予告


闇夜で対立するは、愚鈍な人の子が二人

絢爛たる月光は、かすかな斜光にして銀線を想わせ

二人の身はその因果に絡まれ引かされて踊りゆく、としか思えぬ程の悠久

まるで意志も疲れも忘れたかのように、ただ無心に――

そして無情、近づく終焉


上条「メギドラオン食いしばれ最強」

上条「俺の最弱は……テンタラフーにも響くぞぉ!」


次回!


フレンダ『私の妹が最高って訳よ!』 エツェリ 土御門『は?』

フレンダ『女子会って訳よ!』

フレンダ『言語矯正ネックレスFRE/NDAって訳よ!』


お楽しみに!



>>44 サンクスオブライエン!
47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/21(火) 21:33:44.32 ID:Yv6wtnLDO
なにこれおもしろい
センスある文章だなぁ

あとフレンダかわいい
48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/24(金) 00:34:00.01 ID:jQhp/prSO
乙って訳よ!

最大主教に-FRE/NDA-をあげたい
49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/24(金) 09:30:59.95 ID:je7Y+ZdMo
>>48
それ絶対次回のネックレスのネt……なんでもない
50 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/02/28(火) 14:08:50.71 ID:Neb/d+BAO

3年K組ぃ! 上条先生ェー!



ここは阿鼻叫喚の無法地帯『3年K組』

老練の教師が束になっても誰ひとりとしてなびかない

札付きの不良が溢れ返った教室に今、伝説の教師『上条当麻』が現れた!


上条「まず俺が言いたいことは一つだ お前らみんな、毎日ちゃんと学校に来い!
    ダルかったり退屈だったりするかもしれねぇが、俺がそういうイメージを根本から叩き直してやる!
    それでもつまんなかったら、何も言わずに帰んねぇでまずは俺に話してほしい!
    俺に出来る事なら何でもやるし、お前らが何かに悩んでんなら力になってやる!
    それでもお前らがまだ、学校なんてクソだと思っているんなら、まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!」

神裂「うっせぇんだよド先公がッ!!!!!!
    唯閃!!!!!!!!!!!!!」


リハーサル中に上条先生が全治3ヶ月の大怪我を負ってしまったので

急遽、タイトルと主役を“姫神先生”に変えて、来週は放送します!

お楽しみに!

51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:14:09.49 ID:Neb/d+BAO


第四話 フレンダ「結局、私の妹が一番って訳よ!」 土御門「は?」

52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:16:12.56 ID:Neb/d+BAO

一年前 フレンダ/フレメア宅 リビング


フレメア「お姉ちゃーん」

フレンダ「きゃっ! フレメアったらいきなり抱きついて来たりして、どうしたって訳?」

フレメア「これ、かいたから、あげる にゃあ」

フレンダ「私とフレメアの絵だ……! ありがとうフレメア! ずっと大切にするね!」

フレメア「にゅううう! お、お姉ちゃぁああん 大体……苦しいぃよぉおお――」

フレンダ「あっ ゴ、ゴメンねフレメア! お姉ちゃんあまりに嬉しくてっ!」

フレメア「ううん 私も、お姉ちゃんとギューッて、したい」

フレメア「だから、もうちょっとやさしく……して? にゃあ」

53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:16:57.60 ID:Neb/d+BAO
昼 ファミレス


フレンダ「――まぁ腰回りでの合致なんてお互い不服だし、胸元にフレメアを抱き上げて、しばらくギューッとしてたの!」

麦野「ほー」

フレンダ「でー、結局ねむくなっちゃったフレメアが、私の胸の中でスヤスヤ寝息をたて始めるって訳っ!」

麦野「へー」

フレンダ「起こすのも可哀想だし、そのままベッドまで運んで横にさせたの!
      そのときの写真も結局あるから、麦野も見る?」

フレンダ「今なら麦野とわたし以外に誰もいないし、フレメアをふたりじめ出来るって訳よ! スゴくない!?」

麦野「なぁ」

フレンダ「なになに?」

麦野「その話を私に聞かせるの、何回目だ?」

フレンダ「100回くらい、だっけ?」

麦野「そのおおよそ五倍だっつのぉ! たった半年間でなぁ!」

フレンダ「そっかぁー、麦野ったら500回もフレメアの可愛さを味わっちゃったのかぁー!
      よっ、幸せ者! 世界一の第四位!」

麦野「世界一の第四位とかぜんっぜん幸せじゃねぇよ! 矛盾しまくりだってぇのバァアアアアアアアアカ!」

フレンダ「まぁそれも、フレメアの可愛さの前には結局、どうでもいい事だよねぇー、エヘヘヘ」

麦野「……」

54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:19:10.59 ID:Neb/d+BAO

麦野「てかさぁ……何で毎回おなじシーンなんだよ……」

麦野「それとも、テメェとテメェの妹は毎日、同じやりとりでちちくりあってんのかぁ……?」

フレンダ「ソコって訳よ」

麦野「は?」

フレンダ「結局はまだまだ引き出しを残してるし、私としても話したい気マンマンな訳よ」

フレンダ「でもさぁ、フレメアの話しを回数の飽きででも緩和させなきゃ
      あまりの可愛さにあてられた麦野達が、即倒しちゃわないか心配で心配で」

麦野「しねぇから話せ 何でもいいから話して下さいマジで」

フレンダ「そう? じゃあ、お話するって訳よ! とぉ!」

麦野「うわぁ……この大量のフォトアルバムを、能力でもってくるとか無意義にも程があるだろ……」
55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:24:31.92 ID:Neb/d+BAO
十一ヵ月前 フレンダ/フレメア宅 リビング


フレンダ「ご飯できたよー」

フレメア「はーい」

フレンダ「結局、手は洗った?」

フレメア「大体 にゃあ」

フレンダ「うがいもOK?」

フレメア「大体にゃあ!」

フレンダ「ならよしって訳よ!」

フレメア「わーい、おなべー」

フレンダ「ふふっ、よそってあげるからねー」

フレメア「私もやる!」

フレンダ「そう? フレメアも結局、姉譲りの頑張り屋って訳よ!」

フレメア「にゃあ 大体、がんばる!」

フレメア「にゃ にゃ にゃあ!」

フレンダ「よく出来ましたぁ! あっ、まだ食べちゃ駄目よ? フレメアったら猫舌だから、お姉ちゃんが冷ましてあげるって訳よ!」

フレンダ「ふー、ふー」

フレメア「あっ、私も大体、やる! ふーふー、ふーふー」

フレメア「ふーふー、お姉ちゃんと、ふーふーするの、楽しい にゃあ」


十分後


フレメア「大体……さめちゃった……」

56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:26:08.38 ID:Neb/d+BAO

フレンダ「アレはマジで冷め切ってたって訳よ! 鍋の醍醐味を忘れそうな位にね!」

フレンダ「まぁ結局は私たち姉妹の愛が熱すぎるあまりに、冷やしちゃったみたいなモンなんだけどさー いひひ」

麦野「あーはいはい、ごちそうさん」

フレンダ「どう? 可愛かったでしょ?」

麦野「……まぁ幾分かは その冷めたメシはどうしたんだ」

フレンダ「フレメアと気持ちを共有したかったし、私も冷めたのを一口たべて、結局はレンジでチンしたって訳よ」

麦野「ふぅん で、次の話は?」

フレンダ「おっ、麦野もノって来たねぇ! じゃあ次の写真は――」
57 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:28:20.00 ID:Neb/d+BAO
十ヶ月前 朝 レメアの部屋


フレメア「ふにゅう……」

フレンダ「フレメアー 新しい朝って訳よー」

フレメア「にゃあ……あと、大体【7:23:30:42】……まで」

フレンダ「大体じゃなくね!?」

フレメア「……あ、お姉ちゃん……おはよう にゃあ」

フレンダ「お、おはよう なんだ……寝言だったって訳ね」

フレメア「うれしいユメ、みてた……」

フレンダ「嬉しい夢?」

フレメア「にゃあ 大体、お姉ちゃんと、いっしょに遊んでる、ユメだった」

フレメア「覚めてちょっと、悲しかったけど、今、お姉ちゃんがいるからやっぱり、うれしい にゃあ」

58 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:29:16.22 ID:Neb/d+BAO

フレンダ「――寝ぼけ眼でこんな事いわれた日にゃあ、朝は低血圧の私も高血圧で出血多量って訳よ!」

麦野「そういやお前、鼻ん穴にティッシュ詰めて、ここに来た日があったな って言ってるそばからティッシュ詰めんなカス」

フレンダ「思い出しただけでもぉ駄目って訳よぉ……うへへ……帰りたぁい……」

麦野「これからミーティングだろが、妄想で我慢しなさい 口から垂れ流す許可はあげるから」

フレンダ「その権利は一生涯保証ですか隊長!」

麦野「ははははは! 権利を与えずとも勝手に喋りだす、壊れたラジオが何をいまさらぁ!」

59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:30:04.49 ID:Neb/d+BAO
九ヶ月前 自宅近くの公園


フレメア「ネーズミ花火で、目をつけてー」

フレンダ「鼻にフラスコ刺しましょうー」

フレメア「口ぃとマユ毛は、ショットガンー」←1/4スケールフィギュア

フレンダ「ベレー帽をかぶせればー、結局いう間に雪だるま!」

フレメア「にゃあ!」

60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:35:49.35 ID:Neb/d+BAO

麦野「――前衛的な雪だるまだなオイ」

絹旗「今でも家の前に飾ってあるんですか?」

絹旗「あと、おはようございます麦野、フレンダ」

麦野「おはよーさん」

フレンダ「おはようって訳よ!       もちろん飾ってるよ、私とフレメアがした共同作業の一片な訳だし!」

麦野「能力でコーティングしてもらったって所か」

フレンダ「ご名答って訳よ!」

フレンダ「まぁ結局こんな媒体に頼らなくてもさー、私とフレメアの気持ちを収める先は互いの心って、もう決まってるんだけどねー」

絹旗「相変わらずのイモ馬鹿っぷりですね あの時を思い出しますよ――」

61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:37:39.00 ID:Neb/d+BAO

八ヶ月前 フレンダ/フレメア宅 リビング


フレンダ「ただいまー 絹旗もいるよー」

絹旗「超おじゃまします」

フレメア「おかえり、にゃあ」

フレンダ「フーレーメーアー! 抱擁ジャンピングフォーユーって訳よ!」

フレメア「あ、きぬはた! 大体、久しぶり、にゃあ」

フレンダ「は、はれ? あぶっ」

絹旗「久しぶりですね 超元気でしたか?」

フレメア「にゃあ! ね、ね、いつものアレやってー」

絹旗「はい、どうぞ」

フレメア「わーい! うでブランコー!」

フレンダ「むむむむっ! 絹旗!」

絹旗「はい?」

フレンダ「私も腕ブランコするぅ!」

絹旗「はぁ!? 体格差を考えてくださいよ!
    何よりその脚線美が超邪魔です!」

フレンダ「ヤダヤダァー! 上下分断してでもやるのー!
      フレメアと一緒に絹ブラするのぉー!」

絹旗「き、絹ブラって略すなっ!」

フレメア「にゃあ お姉ちゃーん」

フレンダ「うぅ……結局、フレメアに必要なのは父性だったって訳よ……よよよよぉ」

絹旗「そのフレメアちゃんが腕ブランコから降りて、近くにいますよ?」

フレンダ「え!」

フレメア「きぬはた好き でもお姉ちゃんは、世界でいちばん好き にゃあ」

62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:40:53.97 ID:Neb/d+BAO

絹旗「――そうそう、この写真ですね 慣れてなかったのでピントが超ズレましたが」

フレンダ「そ、それはちょっと恥ずかしいって訳よ 涙目だったし
      ローアングルから見たフレメアが結局、最高過ぎたのも相まってるけどねっ」

麦野「なーんだ、絹旗に寝取られちまったのかと思ったのににゃーん」

絹旗「しませんよそんな事」

フレンダ「しないって……それって結局、私のフレメアに魅力がないって言いたい訳!?」

絹旗「そ、そんなことは有りませんよ! フレメアちゃんはモチロン超魅力的です」

フレンダ「魅力的って……まさかフレメアに色目使ってるの?
      ヒドいって訳よ……私、絹旗のこと信じてたのに!」

絹旗「なんだコイツ超面倒くせぇ」

麦野「いいからさっさと続き話せ 鼻穴に不相応な風穴あけられたくないなら、な?」

フレンダ「はい! 喜んで――」
63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:43:38.70 ID:Neb/d+BAO

七ヶ月前 朝 フレメアの部屋


フレメア「ふにゃあ……」

フレンダ「どう? フレメア、痛くない?」

フレメア「うん! 大体、だいじょうぶ」

フレンダ「そっか えへへっ……なんだか、フレメアの髪をとかしてると、お姉ちゃんも昔を思い出すって訳よ」

フレメア「にゃあ どーして?」

フレンダ「私にも結局、若い頃があったんだなーって」

フレメア「お姉ちゃん、高校生、ぜんぜん若いよ にゃあ」

フレンダ「ありがと はい出来たぁ!」

フレメア「ありがとーお姉ちゃん! ……お姉ちゃん」

フレンダ「どうしたの?」

フレメア「私も、お姉ちゃんのかみ、大体、といてみたい」

フレンダ「ほ、本当ぉ? じゃあ早速お願いするって訳よ!」

フレメア「にゃあ! えへへー……お姉ちゃん」

フレンダ「んー?」

フレメア「大学生でも、社会人でも、ずぅーと、お姉ちゃんと私で、かみ、とかし合おうね!」

64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:45:25.30 ID:Neb/d+BAO
絹旗「――こういうのは普通に憧れますね」

麦野「気心の通じ合う相手にしか、預けられないモンだしね 女の髪ってのは」

フレンダ「でしょでしょー、まぁ私としては髪どころか命預けてる訳だけどー」

麦野「そぉかい……ん? そういや、姉妹が二人で寄り添ってる時って、誰がシャッター下ろしてんの?」

絹旗「さっきの腕ブランコ時には私が撮っていましたが、確かに超不思議ですね」

フレンダ「結局はビデオカメラで盗撮した映像から、静止画を抽出してるって訳よ!」

麦野「さすがの私もそれは引くわ」

絹旗「いま私達が手にかけてるのって、超犯罪の片棒なのでは? 暗部が何をって感じですが」

フレンダ「ただのカメラだって家内に二十台あるもん! 絹旗が使ってたのはリビング担当って訳よ!」

麦野「免罪符にもなりゃしねえがな!?」

フレンダ「よぉし、次のフレメアはどれがいいかなぁー」

麦野「聞けよ!」

65 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:51:01.56 ID:Neb/d+BAO

六ヶ月前 夕方 小学校の校門


フレンダ「結局、スゴい雨って訳よ!」

フレンダ「フレメアー! 迎えに来たって訳よー!」

フレメア「お姉ちゃーん!」

フレンダ「あ、いたいた! フレメアったら大丈夫? どこも濡れてない?」

フレメア「小学校の屋根、がんじょう にゃあ」

フレンダ「そ、そっか 良かったぁ……じゃ、帰ろっか」

フレメア「うん! えへへー、お姉ちゃんとあいあいガサー」

フレンダ「結局、たまには雨も良いって訳よ」

フレメア「私は、お姉ちゃんが来てくれるから、大体、毎日がいいな にゃあ」

66 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:52:43.30 ID:Neb/d+BAO

滝壺「――どうも、アイテム屈指の雨女、たきつぼです」

麦野「アンタそんなキャラだったっけ?」

絹旗「ていうか外、超快晴ですけど」

フレンダ「滝壺ったら結局おそいよぉー ホラ、座って座って!
      今フレメアの話で、ちょー盛り上がってた訳だからさー」

滝壺「うん、聞いてた フレメアちゃんに必要なのは私」

フレンダ「」

麦野「珍しく好戦的ね」


67 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:54:44.02 ID:Neb/d+BAO

滝壺「アメ女だから、フレンダをいつも迎えに出せる」

絹旗「いや……だから、外……超晴れですけど」

フレンダ「滝壺」

滝壺「うん」

フレンダ「毎日、学校付近で待機してくれる?」

滝壺「はまづら付きでいいなら」

麦野「はいはいストップだアホ二人 放課後の時間帯に三人も欠員されちゃあ、アイテム回んねぇぞ」

麦野「あと、目の前で泣いてる絹旗に謝っておけ」

絹旗「そどぉ……! 晴れでまずってばぁ!」

フレンダ・滝壺「すいませんしたぁ!」

68 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:57:23.56 ID:Neb/d+BAO
五ヶ月前 昼 プール


フレンダ「準備運動ぉー!」

フレメア「にゃあ!」

フレンダ「いっちにっいっちにっ」

フレメア「にゃっにゃあ! にゃっにゃあ!」

フレンダ「さんしぃごろくなな、はちきゅう――じゅう!」

フレメア「大体にゃあにゃあ大体にゃあ!」

フレンダ「フレメアったら一つ抜かしたなー?」

フレメア「えへへ― にゃっ」

69 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 14:58:50.63 ID:Neb/d+BAO

フレンダ「――フレメアの水着姿ったら結局、可愛いすぎ! 耐水性のハンディカム持参して、馳せ参じた甲斐があったって訳よ!」

麦野「……大体にゃーんにゃーん大体にゃーん……口に含ませるとイマイチにゃーん大体」

絹旗「なに自分用に試行錯誤してるんですか」

フレンダ「くふふ フレメアの魅力は他の誰かの『自分だけの現実』すらも、かく乱させてしまうことが
      これで立証されたって訳よ!」

絹旗「あのビームのどこに『大体にゃーん』なる要素が!?」

滝壺「むむっ、能力が似てるライバルしゅつげん 体晶ふやさなきゃ」

絹旗「だ、駄目ですっ! まずはかかりつけの医師に超ご相談を――」

麦野「大体          

         にゃーん」

絹旗「こっちも要相談でしたぁああああ!」

フレンダ「そんじゃまぁ、次のフレメアはっじまるよぉー!」

絹旗「この惨状のまま始めないでくれません!? 超ま――」


70 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:03:18.95 ID:Neb/d+BAO


四ヶ月前 夜 夏祭り会場


フレメア「デメキン、とったよ!」

フレンダ「わぁ、滅茶苦茶おっきいって訳よ!」

フレメア「この子の名前、どうしよう にゃあ」

フレンダ「ファミリーネームは私たちのを入れるとして、結局は魚っぽい名前が良いんじゃない」

フレメア「しずり!」

フレンダ「そ、それは飼われる側じゃなくて狩りとる側の名前だから、結局やめた方がいいかなぁ」

フレメア「じゃあ、大体……メアンダ!」

フレンダ「ん? どこかで聞いたような響きって訳よ」

フレメア「私と、お姉ちゃんの名前 にゃあ」

71 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:04:07.34 ID:Neb/d+BAO

フレンダ「――てな感じに、家族が増えちゃったって訳よ!」

フレンダ「ウフッ 既存の名前を合わせた新しい家族を迎える通過儀礼ってさぁ
      結局もう“アレ”しかない訳と思わない?」

フレンダ「ア・レ キャアアアアアアアどうしよぉおおおおお!
      この歳でママになっちゃったって訳よぉー!」

絹旗「子供、超デメキンですけどね」

フレンダ「いいもーん 結局、フレメアと一緒に育てていく事に意味があるんだから」

絹旗「ハイハイそうですか で、まだ話しのストックは残ってるんですか?」

フレンダ「モチ! って、この二人の介抱はいいの?」

絹旗「大丈夫でしょう 無限ループが形成されてるんで」

滝壺「ねぇ麦野 体晶つかっていい?」

麦野「ニャーンダイタイニャーン」

滝壺「ねぇ麦野 体晶つかっていい?」

麦野「ニャーンダイタイニャーン」

フレンダ「oh……」

72 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:05:39.59 ID:Neb/d+BAO


三ヶ月前 朝 小学校 教室


フレメア「私のお姉ちゃんは、とても素敵な人です
      私がよくしてるホラーゲームをさせると、ハーブを使いすぎたり、RSIシステムで連打しすぎたりするけど、転ばぬ先のツエ、だと思います。
      でも、そうやって用意しゅうとうにしても、お姉ちゃんはだいたい失敗します。 ロケランあるのに弾を忘れるからです。
      そういう時は、私がナイフでついせき者を倒しています。
      でも、私がお姉ちゃんのために出来るのは、いつもそれくらいです。
      私が眠ってる時に、お姉ちゃんはお仕事をしています。
      私がテレビを見ている時に、お姉ちゃんはお料理とかおせんたくやおそうじをしています。
      私もやる。 というとお姉ちゃんは私に「フレメアは遊んでて良いって訳よ」と言います。
      そこで気づきました。 私がお姉ちゃんに出来ることなんて、ほんのわずかでした。
     だから、私は私の出来る事をもっと増やしたいです。
     お姉ちゃんはきっと、また断ります。 だってお姉ちゃんはいつも私の事を考えてくれるから、きっと遠慮します。
     でもねお姉ちゃん。 私は、一人で遊んだりするよりも、お姉ちゃんと二人で疲れたりする方が好きだよ。
    今は、私が出来ないほとんどを、お姉ちゃんにしてもらうしかないけど、
     これからは、私にしか出来ないほんの少しを少しでも多くして、お姉ちゃんといる時間をふやしたいです。 おしまい。 にゃあ。
     ……あれ? お姉ちゃん泣いてるの? ゴメンね。 お姉ちゃん、ゴメンなさい――」

73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:06:43.51 ID:Neb/d+BAO


浜面「――うぃーす……ってうわぁ……この席だけ別世界だな、ってか――」

浜面「フレンダと絹旗は何で泣いてるんだ」

絹旗「らっでぇ……! 家族ネタはぢょう卑怯でずぅ……!」

フレンダ「ブレメアァアアアアア! うわぁああああん!」

浜面「な、何が何やら――ん?」

麦野「ニャーンダイタイニャーン」

滝壺「ねぇ麦(ry)」

浜面「しっかりせい 両手チョップ」

麦野・滝壺「ニャ゛!?」

74 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:11:35.03 ID:Neb/d+BAO

麦野「はっ 今まで私は何を……?」

滝壺「国際救難信号が私を呼んでいる……」

絹旗「グズっ……メーデー……?」

浜面「――なるほどな 遅れてきたのが悔やまれるわ」

フレメア「は、浜面もブレメアズドーリー……聞ぐ?」

浜面「聞くよ! 聞くからお前ら二人は、まず顔を拭いてこいって、なっ――」

75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:12:13.06 ID:Neb/d+BAO


二ヶ月前 フレンダ/フレメア宅 お風呂


フレンダ「ふぅー、暖まるねー」

フレメア「このおフロ、モモの香りがする にゃあ」

フレンダ「入浴剤をもらってきたから、入れてみたって訳よ」

フレメア「のんでいい?」

フレンダ「大人になったらねー 結局、自覚するだろうし」

フレメア「じゃあ、お姉ちゃんは、のむ?」

フレンダ「え゛っ……いやいやぁ! 結局、お姉ちゃんもまだ大人じゃない訳だし……!」

フレンダ「み、見よ! この起伏の無いボディラインをっ!」

フレメア「大人は、体つきじゃ、ないと思う にゃあ」

フレンダ「ぐっ」

フレメア「私にとっては、お姉ちゃんは、大人だよ 一番のお手本です、にゃあ」

76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:13:49.09 ID:Neb/d+BAO

浜面「――妹さんをボクにください」

麦野「さすがの私もそれは引くわ」

滝壺「大丈夫、ロリコンの浜面でも私は応援してあげる――面会室のガラス越しに」

浜面「やめてぇえええええ! アンチスキルっ、黄泉川はいやぁああああ!」

浜面「違うって! 違うっつの!」

浜面「年齢とか関係なく言われてぇんだよ! 『アナタが私の一番のお手本だよ』って言われたいんですぅ!」

77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:15:38.90 ID:Neb/d+BAO

絹旗「元スキルアウトがお手本になるなら、この学園都市の人間みんな優良児ですよ」

浜面「ぐほっ い、いいじゃねぇかよぉ憧れる位ならっ! 賛美と尊敬の眼差しって奴をっ!」

浜面「しかもこんなに実直でスれてもなく、最大限の好意を相手に注ごうとする女の子、今時いねぇよ!?」

浜面「そういう子の憧れになること以上に、おとこ冥利につく事ないんだよぉおおおおおお!!!!!!!!!」

絹旗「ちょ、超キモイです……うっ、ちょっとお手洗いに……」

麦野「私も……」

滝壺「行こ、みんな 私ははまづらを応援するまえに、自分を応援しなきゃいけないことに気づいたの……」

浜面「そんなに!? 滝壺さんなんか重いよ!?」

フレンダ「にゃはは! さすがは変態の権化、浜面って訳よ!
      女の子を計る観察眼においては、他の追随を許さない!」

フレンダ「……まぁ乙女心の対応はてんで相変わらずだけど、おかげでみんな居なくなったし……」

浜面「んー? 今なんて――」

フレンダ「何でも無い無ーい フレメアのファンがまた増えた所で、つぎ行っちゃうって訳よ!」

浜面「お願いしまぁす!」

78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:16:52.39 ID:Neb/d+BAO

一ヶ月前 フレンダ/フレメア宅 ベランダ


フレンダ「涼しいねー」

フレメア「にゃあ」

フレンダ「あぁ! 流れ星だよ! フレメア!」

フレメア「お、お姉ちゃんとずっといっしょ――にゃあ……三回いえなかった」

フレンダ「あー残念 じゃ、もしもう一回流れたら、今度は二人で言うって訳よ」

フレメア「うん!」

79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:23:43.33 ID:Neb/d+BAO

浜面「――その後は?」

フレンダ「結局、もう一粒が無しでオジャンって訳」

浜面「……そっか、そん時は手伝うぜ」

フレンダ「え?」

浜面「その、人数集めりゃ三回の願いくらいすぐ言えるだろ 麦野達みんなでさ」

浜面「場所どりが面倒なら、ベランダ見てるときに電話してくれれば、一緒に祈るからよ」

フレンダ「……うん 嬉しいな」

浜面「ん?」

フレンダ「そりゃあフレメアといるのが一番嬉しいけどさ」

フレンダ「そのフレメアの話を聞いたみんなが、喜んだりしてくれるのが、スゴく嬉しい」

浜面「……だな」

フレンダ「それもこれも結局、私の妹が一番だからって訳よ! にゃはははは!」

土御門「そいつは聞き捨てならねぇニャー」

80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:24:22.22 ID:Neb/d+BAO

浜面「あっ? 後ろの席のテメェに――ゲッ」

上条「ど、どうもー お、おいっ土御門、あまり揉め事は――」

土御門「撤回してくれないかニャー、フレンダ・セイヴェルン」

フレンダ「えっと、その語尾……フレメアのファンって訳?」

土御門「ちげえよ! 自前だから! むしろ元祖を自負してるから!」

81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:26:00.04 ID:Neb/d+BAO

土御門「まぁ、そんな事はどうでもいい 大事なのはフレンダ、さっきのお前の発言なんだぜい」

フレンダ「もぉしつこいって訳よ! 金髪までフレメアのマネしてるくせに!」

土御門「だから自前だっつの!」

浜面「で、発言が何だって?」

上条「あっ、あぁ、コイツも重度のシスコンでさ さっきの妹が一番とかどうたらにキレてるみたいで……ははっ」

土御門「そういう事 で、撤回してくれないかニャー、事を穏便に済ませられるうちに」

フレンダ「えーと、アンタも結局、妹がいるの?」

土御門「あぁ」

フレンダ「アンタにとっての一番なんだ」

土御門「あぁ」

フレンダ「だったら、それで良いんじゃない?」

土御門「……どういう意味かニャー?」

82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:27:49.40 ID:Neb/d+BAO

フレンダ「いやぁだってさー、私はアンタの妹の事を知らないから、撤回のしようがないじゃん?
      比較しようがないし」

土御門「……」

フレンダ「アンタはフレメアの事を知ってたみたいだけど、それは100%じゃない
      私だってアンタの妹の魅力を100%知る手段なんてなって訳よ、たぶん一生ね」

フレンダ「何でだか分かる?」

土御門「……舞夏が俺にしか見せない、姿があるからか」

フレンダ「うん、私にもね だから必然的に、私たちは互いの妹を最良と思ってしまうって訳よ」

フレンダ「それならさ、相手の一番と自分の一番を比べてみるより、相手の一番がもつ良さを知った方が絶対楽しいって!」

フレンダ「まいかちゃんって言うんでしょ? アナタの妹さん!」

土御門「……あぁ」

フレンダ「その子とアナタの思い出話、聞かせて欲しいって訳よ!」

83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:28:42.60 ID:Neb/d+BAO


上条「――お前の負けだよ」

土御門「……そーみたいだニャー まっ、心構えって点では、だがな」

浜面「へへっ、どうよ、ウチのシスコン様もなかなかだろ」

土御門「はいはい んじゃあ、覚悟してご静聴いただくぜい
     余りのキュートさに気絶すんなよ フレンダ・セイヴェルン!」

フレンダ「望む所って訳よ!」


フレメア

フレメアのおかげで私、また嬉しいことが増えたって訳よ

フレメアはいつだって、目に見えない所からも私に喜びをくれるね

隣にいてもいなくても、フレメアを感じられる事が、何よりも嬉しいよ

フレメア

結局、結局結局っだーい好きだよ!


おしまい

84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:35:44.68 ID:Neb/d+BAO


第五話 フレンダ「女子会って訳よ!」

85 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:36:19.09 ID:Neb/d+BAO

ファミレス 昼


フレンダ「結局さぁ、ヒポポタマスの魅力は類い希なるその巨躯って訳よ」

麦野「はんっ! デカいだけの見たくれに気を取られてるから、生命の本質を見失うのよ」

麦野「いい? ヒポポタマスの魅力はね(ミジカビノ キャプリキト)――ん?」

フレンダ「あー、ゴメン、私の携帯だ (ピッ)」

フレンダ「もしもしー、明日? いいよー、うんうん、ひとまずバイバイって訳よ」

フレンダ「(ピッ) ゴメンね麦野、どこまで話したっけ?」

麦野「ん、あぁ……だからさ私はこう思うのよ ヒポポタマスの魅力ってのは(ミジカビノ キャプリキトレバ スギチョビレ)
    ……おい、また鳴ってんぞ……」

フレンダ「あわっ、本当だ! (ピッ)」

フレンダ「もしもし、えっ! 結局それって凄くない? 分かった! 絶対行くねー、はいはーい」

フレンダ「(ピッ) んー? 立て続けにかかってくるって訳よ たまたまかな」

麦野「……別にいいよ それで、ヒ(ミ)テメェエエエエエエエエエエエエ!」

フレンダ「ええええええ!?」

86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:37:26.97 ID:Neb/d+BAO
麦野「なんだそれ? ん? 近ごろ流行ってるアプリってヤツか?
    『嫌いな相手と話してる時に、偽の着信がかかってくる』アプリか?」

麦野「それとも『ヒポポタマスに対する愛を語ろうとしてる相手の会話を遮る』アプリかぁ?
    答、え、ろ、よぉおおおおおおおおおおおお!」

フレンダ「ごごごごご誤解ってわけけけけよ! アタマ振らないでぇええええええええ――」

麦野「なら着歴みせてみろオラァ!」

フレンダ「にょわ!」

麦野「……あん?」


1 7/17(金) 14:25
 お留守番センター(アレイスター クロウリー)

2 7/17(金) 14:25
 アレイスター クロウリー

3 7/17(金) 14:24
 オルソラ アクィナス

4 7/17(金) 14:23
 御坂 御琴


麦野「……」

麦野「は?」

87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:42:49.38 ID:Neb/d+BAO

麦野「フレンダ」

フレンダ「な、なに? 着信履歴ならちゃんと残ってた、よね?」

麦野「オルソラってのは知らねえがお前とは外人同士だ 何か通じるモンがあんだろう」

麦野「ムカつく第三位が列記されてんのも百歩譲って認める だがな――」

麦野「学園都市統括理事長の名前が書かれてるってぇのは、どういう事だぁあああああああああああ!?」

フレンダ「……」

麦野「……」

フレンダ「……」

麦野「……」

フレンダ「ウッソだー」

麦野「私が言いてぇんだよ! その反応は私がしたかったよ!」

88 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:44:00.09 ID:Neb/d+BAO

フレンダ「理事長ってもしかしてクロちゃんの事?」

麦野「そぉだよ! アレイスター=クロウリーだよ! 気さくだなぁオイ!」

フレンダ「でもクロちゃんは、ビーカーの中で逆さになってるのが好きなだけの、普通の女の子だよ?」

麦野「誰が聞いても普通じゃねえから! ビーカーだけでも充分だけど、逆さを持続させたまま生存してるなら、もう人間ですらねえから!」

麦野「……いや待て 女の子?」

フレンダ「うん 結局、自己紹介してくれたから」

フレンダ「『――最近悩んでる事は“老若男女”いずれにも見られ、いずれにも当てはまらない事かな』」

フレンダ「『――だから今の私は女の子として生きている』って訳よ!」

麦野「何だソレぇええええええええええええええええええええええええええ!」

89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:45:04.20 ID:Neb/d+BAO

麦野「若手のニューハーフでも、もっとマシな口実つけんぞ!」

フレンダ「さっきの電話の用件なんだったんだろ やっぱり女子会のお誘いかな」

麦野「女子会!? ビーカーが!? どこで!? やっぱりって何!? 予想つくくらい頻繁にしてんの!?
    ぁああああああああああ頭痛ぇええええええええええええええ!」

フレンダ「うーん……クロちゃんは結局、理事長じゃないって訳よ」

麦野「何でだよ!」

フレンダ「だって仕事できそうな姿勢してないし」

麦野「ありがと すっげー納得した」

フレンダ「でも電話はできてるって訳よ」

麦野「ごめん やっぱ無理だわ」
90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:45:53.06 ID:Neb/d+BAO

フレンダ「でも、本当に理事長なら凄いよね 広く浅い私の交友関係も、馬鹿に出来ないって訳よ!」

麦野「浅くねぇよ、暗部の最深部に絶賛突入中だよ……あー、阿呆らし」

フレンダ「えっ? 麦野ー、もう帰るの?」

麦野「あぁ、今日は集まり悪いし……電話帳にイタズラする馬鹿のせいで、頭が痛いのよ」

麦野「次までに理事長の名前なおしとけよ、消されっから じゃあバイにゃーん……」

フレンダ「うん、バイバーイ――うーん、理事長でもイタズラでもないのになぁ……」

91 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:46:36.31 ID:Neb/d+BAO


次の日 朝 ファミレス ドリンクバー付近


佐天「フーレーンーダっさぁーん!」

フレンダ「にょわ!」

初春「ぶっ」

佐天「黒タイツの下は純白ですかー、アクセント重視ですねぇ」

フレンダ「にひひ 最近のパンツテーマは結局、闇と光は表裏一体ゆえに暗躍せし純然、って訳よ!」

佐天「さっすがー! 厨二ぃー!」

初春「パンツテーマって何?」

92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:47:53.76 ID:Neb/d+BAO

フレンダ「ぬふふ さぁて涙子」

フレンダ「ドリンクバーの御前でスカート捲りたぁ、やってくれたって訳よ」

フレンダ「お返し、だぁー!」

佐天「きゃあ!」

初春「ぶっ」

フレンダ「さぁ初春も手伝うって訳よ! この世のスカートはすべからく、捲れ捲れずで成り立っているのだからっ!」

初春「持ちれ持たれずみたいに言わないで下さい! どんな世の中ですか!」

佐天「うーいはーるぅー!」

初春「キャアアアアアアアアアアアア!?」

フレンダ「油断大敵! これぞ捲りの三連結って訳よ!」

佐天「お尻も見えて三連ケツね!」

初春「いや、上手くないから」


同刻 ファミレス 客席


黒子「あのままですの?」

御坂「ほっときましょう……」


93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:55:03.79 ID:Neb/d+BAO

同日昼 イギリス 女子寮


オルソラ「まぁ、では学園都市でも、スカートめくりが流行っているのでございますか」

フレンダ「仲間内でね」

アンジェレネ「部隊のスカートめくり師範代を襲名してる私としては、聞き逃せませんね」

ルチア「初耳なのだけど」

シェリー「食事どきと比例するくらいにイキイキしてるわよ 今のコイツ」


94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:56:01.96 ID:Neb/d+BAO


アニューゼ「連ケツはシスターという立場からみると御法度ですから、ドミノ倒しの要領で固めましょうぜ」

シェリー「オンナ的にも御法度よ ていうか、お前はめくられるのが嫌いじゃなかったか」

アニューゼ「私は最後尾につきますんで」

シェリー「んな事だろうと思ったよ……」

フレンダ「ドミノ倒しかぁ 連結じゃなくて連鎖させるって訳ね!」

アンジェレネ「早速とりいれましょう!」

ルチア「認めません!」

アニューゼ・アンジェレネ・フレンダ「えぇー!」

95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:56:47.36 ID:Neb/d+BAO

オルソラ「私達の寮でも、流行っているのでございますよ?」

フレンダ「そうそう、流行ってるんだから認めちゃおうよー」

ルチア「そのような風説に流されていては、シスターなど務まりません!」

アンジェレネ「今に始まった事じゃないですよ!」

アニューゼ「発令を私用させてもらいますぜ」

ルチア「しないでください! アンジェレネも、どんだけめくりたいんですか!」

シェリー「エリスならスカートもきっと似合うわ 楽しみだぜ」

ルチア「ゴーレムに!?」

フレンダ「フリルもいっぱい付けてみるって訳よ!」

シェリー「えぇ、分かってるじゃないアンタ 世界一、ゴーレムの魅力を引き立てるゴシックを仕立ててやるよ」

ルチア「(´;ω;`)」

オルソラ「よしよし 辛かったでございますね」

96 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:57:29.63 ID:Neb/d+BAO


夕方 イギリス 離着場


フレンダ「はぁはぁ、ツッチー!」

土御門「よぉ! 同好の士!」

フレンダ「ふぅ、ごめんね……結局、遅くなったって訳よ」

土御門「いんや、わりと頃良いぜぇ 気にする事ないニャー」

土御門「そんなことより、楽しんできたか?」

フレンダ「大満足って訳よ!」

土御門「そりゃあ良かったニャー んじゃ飛ばすぜい? 超音速で学園都市までな」

フレンダ「合い言葉は!」

土御門・フレンダ「我らのすべては妹の為に!」

97 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 15:57:57.42 ID:Neb/d+BAO


夜 学園都市 窓のないビル 内部


フレンダ「って訳なんだけど、二人はどう思う?」

結標「スカートめくりかぁ、私には縁遠い話ね」

アレイスター「――私のスカートは、長さと重さを兼ね備えている 守りは任せたまえ」

結標「いや、それはスカートじゃなくてローブだから」

アレイスター「――これは一本とられたな」

フレンダ・アレイスター・結標「HAHAHAHAHAHA!」

98 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 16:02:37.97 ID:Neb/d+BAO

フレンダ「でも結局は、ローブかスカートかなんて、ささいな事って訳よ」

フレンダ「大事なのは……『中身』だからね」

結標「格好いいこと言ってるように見えるけど、今の流れにおける【中身】の定義は
    【着衣の下が何か】という完全な変態嗜好だから、まったく格好よくないわね」

アレイスター「――私のローブの下か 近いうち、めくらせてあげることも可能かもしれないな」

フレンダ「本当!?」

アレイスタ「――う・そ」

フレンダ「これは一本とられたって訳よ」

フレンダ・アレイスター・結標「HAHAHAHAHAHA!」

99 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 16:03:17.88 ID:Neb/d+BAO

フレンダ「淡希はめくられ歴いくつ?」

結標「めくり歴じゃなくてめくられ歴なの!?」

結標「答えはゼロ このスカートの長さはめくられる事に適してないし、むしろ覗かれる事の方が多いくらい」

アレイスター「――何故ミニスカートが、めくられる事に適していない事を知っているのかね」

結標「あ」

フレンダ「なぁるほど、流石はクロちゃん! 質問を変えるって訳よ淡希!」

フレンダ「淡希のめくり歴は結局、いくつなのか!」

結標「くっ……! これは一本とられたわね」

フレンダ・アレイスター・結標「HAHAHAHAHAHA!」

フレンダ・アレイスター「流れに乗じて逃がしはしない」

結標「スイマセン 小さい男の子に可愛いスカートを着せた後、めくられて涙目になってる姿にハマって早2年です
    ホント、生きててスイマセン」

100 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 16:03:56.37 ID:Neb/d+BAO

アレイスター「――結標だけが恥をかくのでは、些かアレだな」

結標「スイマセン スイマセンしか言えなくてスイマセン」

フレンダ「クロちゃんも何かあるって訳?」

アレイスター「――簡単にいうなら、この歳になってやっと、人の感情について理解できた
        といった所だろうか」

アレイスター「――私が練り完成させ進行してきたプラン 多少の誤差があれど、私が示した結果に導くモノになると信じてきたが――」

アレイスター「――プランのほとんどは頓挫 今となっては空上の卓論に過ぎない」

アレイスター「――そして、それを覆してきたのは、いつも人の感情だったと記憶している」


101 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 16:04:36.83 ID:Neb/d+BAO


アレイスター「――ありがとう フレンダ」

アレイスター「――間違いだらけだったプランの中で、君をここに導いたのは確かに、正解だった」

アレイスター「――メインプランにも及ぶ広く浅い交友関係をもち、かつ女性である君を導いたことは」

アレイスター「――他の誰でもない、私自身がそう断言できる」

フレンダ「クロちゃん……」

アレイスター「――やりたかった女子会も出来た 悔いはない」

アレイスター「――だがもしも、これ以上の望みが許されるのなら――」

アレイスター「――このビーカーから出でた私自身で、実際にスカートをめくり、めくられてみたいものだ」

結標「良いんじゃない? いままで散々、恥しらずな人生だったんだから」

結標「恥を知りまくるくらいの人生プランのほうが、ちょうど良いわよ」

フレンダ・アレイスター「いや、お前がいうなよ」

結標「ははっ、また一本とられちゃった」

フレンダ・アレイスター・結標「HAHAHAHAHAHA!」

102 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 16:05:41.50 ID:Neb/d+BAO


同刻 ファミレス


滝壺「zzz…」

浜面「そんでさぁヒポ(ブチコロシカクテイネ!ブチコロシカクテイネ!)……なんだその着信音……」

麦野「自作したのよ」

絹旗「超エコーかかってますもんね……メール見ないんですか?」

麦野「会話の途中に、携帯をいじるマナー違反からは卒業したの どーぞ、浜面」

浜面「あ、あぁ、やっぱヒポポタマスは――」


この後

化粧室に立ち寄った麦野が、ふと思い出して携帯を開き

メールに添付された、フレンダ達のスリーショット画像見た瞬間

盛大に噴き出したのは、言うまでもない。



おしまい
103 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 16:09:49.81 ID:Neb/d+BAO


第六話 フレンダ「言語矯正バレッタFRE/NDAって訳よ!」


104 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 16:17:11.23 ID:Neb/d+BAO
>>48 >>49
言語矯正が必要な人=最大主教+言語矯正ネックレス=第六話
真っ先に推理される最大主教カワイソスwwwwwwwwwwwwwwwwww



朝 学園都市 客室


ローラ「フーフフーン♪」

ローラ「あら、このような珍妙たる髪留め……誰かに貰うたかしら」

FRE/NDA「ソンナゲンゴネェッツノ!」

ローラ「魔翌力抑制の枷だけでは飽きにけるわね たまには変化を付けてたる事も必要」

FRE/NDA「ソンナゲンゴネェッツノ! ソンナゲンゴネェッツノ!」

ローラ「――これでよき ステイルを呼びましょう」

FRE/NDA「ソンナゲンゴネェッツノ! ソンナゲンゴネェッツノ! ソンナゲンゴネェッツノ!」


105 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 16:19:10.11 ID:Neb/d+BAO

30分後 テラス


ステイル「……今日は一段と、馬鹿な喋り方に拍車がかかってますね 最大主教」

ローラ「さ、(ソンナゲンゴネェッツノ!)わたくしが口にし(ソンナゲンゴネェッツノ!)ように、言わないでくれるかしら!」

ローラ「うぅ……この髪留めを身につけ(ソンナゲンゴネェッツノ!)して(ソンナゲンゴネェッツノ!)ら、こうなったのよ……」

ステイル「ならば取ればいいでしょう」

ローラ「取れ(ソンナゲンゴネェッツノ!)のならとっくに取り(ソンナゲンゴネェッツノ!)わ……」

ステイル「どうりで周囲が焼け野原なわけだ」

ローラ「(ソンナゲンゴネェッツノ!)な手段を取っても、駄目なのよ……」

ステイル「ふむ……私見でよければ意見しましょう」

ローラ「(ソンナゲンゴネェッツノ!)」


106 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 16:21:03.01 ID:Neb/d+BAO

ステイル「その髪留めは、最大主教の馬鹿な喋り方を咎めているのでは?」

ローラ「ば、馬鹿と言う(ソンナゲンゴネェッツノ!)なのよ!」

ステイル「いいから、試しに英語でも言ってみて下さい」

ローラ「……ok.if you are confident in what you can do everything you wish world destroy your fuck`n fantasy.」

FRE/NDA「ソゲブッテワケヨ!」

ローラ「ほ、本当な(ソンナゲンゴネェッツノ!)のよ!」

ステイル「……」

ローラ「……」


107 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 16:22:28.58 ID:Neb/d+BAO

ステイル「プッ」

ローラ「何がそれほどまでにおかし(ソンナゲンゴネェッツノ!)のよぉー!」

ステイル「クフッ……まぁまぁ、本日の定例会は自分が変わりに出ておきますから」

ステイル「存分にその髪留めとの戯れを楽しんでください 最大主ョップププ!」

ローラ「きぃいいいいい! 今に見(ソンナゲンゴネェッツノ!)のよー! ステイルマグヌスぅー!」


それからローラは客室にこもり、言語の矯正にあけくれた。

ただひたすらに復唱を繰り返し、正解と不正解を体で覚えるその姿はまるで

話す事すら出来ぬ赤子が、環境に紛れる言葉を分別して、自己のモノとする姿にも見えた。

環境とはすなわち、教示をもたらす発声のゆりかご。

そこに身を委ね、揺られるローラは次第に

久しく忘れかけていた母性との触れ合いを、このバレッタに見出していた。

108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 16:23:39.46 ID:Neb/d+BAO


次の日 昼 学園都市 歩道


ステイル「最大主教」

ローラ「何かしらって訳よ ステイル」ウリフタツッテワケヨ!

ステイル「今日の定例会もお休みしましょう いやもう本国に帰って下さい、今すぐにだっ!」

ローラ「それは結局、わたしの力が必要とされる状況になった そういう訳だからかしら?」ワケダカラカシラ!

ステイル「違います! アナタの馬鹿喋りがこれ以上、衆目に晒されるのも、隣り合わせになる僕自身も、もう耐えられないんだよぉ!」

109 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 16:29:43.03 ID:Neb/d+BAO


ローラ「そ、そのメラメラしたのはやめるべきって訳よ! ――え?」

ローラ「結局、治ってない?」

ステイル「土御門の臭いは消えましたが、新たなエッセンスが加わってます で、帰りますか? 帰りませんか?」

ローラ「に、逃げるが勝ちって訳なのよー!」

ステイル「待てぇええええええええええええ! 最大主教ゥウウウ!」

110 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 16:30:25.70 ID:Neb/d+BAO

同刻 第七学区 裏路地


ローラ「足の遅いステイルを撒くのは、簡単って訳なのよ」

ローラ「だ、だけれど結局、なんか薄暗い場所にたどり着いてしまったって訳ね……ひぅ!?」

麦野「――ブツブツブツ」

ローラ「お、驚いたわ こ、こんな所で座って何をしてるって訳なのかしら?」

麦野「……」

ローラ「髪がボサボサよ やつれてるけれど、大丈夫って訳?
     眼帯……って事は、目でも痛むの?」

麦野「……」

ローラ「……結局、わたしの顔に、なにか付いてるって訳なの?」

麦野「――ンダ」

ローラ「えっ?」

麦野「フレンダぁ!」

ローラ「えっ えぇえええええ!?」

111 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 16:31:08.47 ID:Neb/d+BAO


ローラ「い、いきなり抱きついてきたりして、どうしたって訳なのよぉ……!」

麦野「アダシ……ずっとアンタに謝りたくてぇ!」

麦野「でも――アンタはもう死んでた! アタシが殺したから! でもっでも、どうしても諦めきれなくっで……!」

麦野「フレンダぁぁぁ……! ゴメンナサイぃ……殺しでっごめんなさいぃぃぃ……!」

ローラ「……赦すわ」

麦野「え……?」

ローラ「赦す」

麦野「でもでも……! でもっ、でもぉぉ!」

ローラ「もちろん、私はフレンダって子じゃない」

ローラ「フレンダって子の言葉にもなれない でもさっきの私が使ってた言葉は、確かに彼女のモノ
     それはアナタが一番よく知ってることでしょう」

112 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 16:31:49.81 ID:Neb/d+BAO

麦野「ぐすっ……うん……」

ローラ「そして、私がその子の言葉を覚えたのは、わずか昨日の事よ」

麦野「じゃ、じゃあ……フレンダは生きて、るのっ……?」

ローラ「うん でも、今は事情があってあの子の方からアナタに会う事は出来ないし、逆もまた然りね」

麦野「だっ、だったら……! アタシはどうすればいいの!?
    アタシは、フレンダの為に何をすれば!?」

ローラ「普通でいなさい」

麦野「ふ、つう……?」

ローラ「そうよ、普通 アナタ、名前は?」

麦野「むぎの……しずり……」

ローラ「言ったでしょ?」

ローラ「結局、わたしはむぎのを赦すって訳なのよ」

麦野「ぁ……あぁぁ……! フレンダぁああ……フレンダぁあああああ――」

113 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/02/28(火) 16:33:09.93 ID:Neb/d+BAO


一時間後 第七学区 歩道


ステイル「ずいぶん似合わない真似をしてたんですね 最大主教」

ローラ「本当 あんな場面に出くわす事になるとは、夢にも思わなかったって訳なのよ」

ステイル「いい加減に、その猫かぶりをやめて下さい」

ローラ「あら残念ね」

ステイル「はぁ、まったく……」

ローラ「ステイル」

ステイル「なんですか?」

ローラ「私には、フレンダって子の生死を、判断するだけの材料はなかったわ」

ステイル「……」

ローラ「こんなに清々しい嘘がこの世にはあるのね」

ステイル「……何をいまさら」

ローラ「この学園都市でやることが、一つ増えちゃったみたい――ねぇ、ステイル」

ローラ「案内して欲しいって訳よ “禁書目録”のもとにね」


体は朽ちても、心は死せず

少なくとも、彼女の言葉を携えて生きる人間がいて

彼女の行く先に心を痛める誰かがいる限り

彼女も確かに、生きていけるのではないのだろうか

きっと、永遠に。


おしまい

114 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/02/28(火) 16:40:23.87 ID:JGx7rvz70
HAHAHAHAHAHA乙!
115 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/02/28(火) 16:55:13.68 ID:Neb/d+BAO


次回予告


時は輪廻転生にして、偶然を装う平行線

その線が弛みをきかせる度に見えるのは、陰りを見せた仲間達の可能性

幾多の変容が重なる絵本をめくり、観測者が選ぶ運命とは


上条「いいぜアトラクタフィールド テメェが何でも思い通りに出来るって言うんなら――」

上条「まずはその、ふざけた幻想をぶち殺すッ!」


次回!


フレンダ「アナタが落としたのはンダの右足? それともこのンダの左足って訳?」 垣根「どっちも違います」

フレンダ「私が上下を分かつまで、私を愛してくれますか?」

フレンダ「か、風邪ひいたって訳よ……」


お楽しみに!

116 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/02/28(火) 18:16:42.64 ID:vLGktRXAO
おまえがau新潟・東北のナンバーワンだ
117 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 20:16:52.17 ID:+b4BBflDO
イイハナシ……だと……?
乙!
118 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/02/28(火) 23:40:04.65 ID:76cczI7SO
乙って訳よ!
119 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/03/02(金) 01:01:10.14 ID:lQg9yU7C0
やべえ予想以上に面白かった、ブクマブクマ
そして次回予告が気になりすぎる
120 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/06(火) 13:55:39.54 ID:resgbaVAO


3年K組ぃ! 一通先生ェー!


ここは阿鼻叫喚の無法地帯『3年M組』

老練の教師が束になっても誰ひとりとしてなびかない、
約9000人のミサカが溢れ返った教室に今、
伝説の教師『一方通行』が現れた!


一方通行「よォ 早速だが出席をとンぞ」

一方通行「一番 妹達10032号」

御坂妹「はい、とミサカは宿敵であるアナタの顔を睨みつけながらも、生徒の義務を全うします」

一方通行「……二番 妹達10033号」

御坂妹「はい、とミサカは残忍極まりない教師の顔に不快感をあらわにしながら、生徒の義務を全うしました」

一方通行「さ、三番! 妹達10034号ォ!」

御坂妹「はい、とミサカはあまり気分が優れないので早退します 死ね」

一方通行「……」

一方通行「……」

一方通行「……以下略じゃ駄目ですかァ?」

10035〜20000号「早くしてください早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早(ry)」

一通先生はリハーサル中の不都合で、完治未定のノイローゼを患ってしまわれたので

急遽タイトルと主役を“浜面先生”に変えて、来週から放送します!

お楽しみに!


※なおリハーサル中に突如として消失した姫神先生の消息がつかめ次第、主役の権利を姫神先生に譲渡するものとします。

121 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:01:05.67 ID:resgbaVAO

深夜 学園都市 上空


垣根「アバラ数本に右足を欠損か ったく、翼さまさまだぜ」

垣根「右足は何とか回収できた、あとは冥土還しにコイツを渡して再起を図る――そして」

垣根「次こそ、あのクソ憎たらしい第一位をぉ? お? ぶぇっっっくしょんっっっ!」

垣根「……翼、羽ばたかせすぎたかな 鼻がムズムズするとは誤算だったぜ」

垣根「スクールの皆にはこう言い訳しておくか『鼻がムズムズしている隙をつかれて負けた』って」

垣根「いいかもしれない」

垣根「『鼻ムズがたたって足をちょん切られた』ってのも」

垣根「いいかもしれない」

垣根「……あれ?」

垣根「その右足が、ないんだけど」


         ● ←垣根



       
  右足→ ι


垣根「これは言い訳できねぇええええええええええええ!」

122 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:01:39.51 ID:resgbaVAO


第七話 フレンダ「アナタが落としたのはンダの右足? それともこのンダの左足って訳?」 垣根「どっちも違います」

123 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:05:51.03 ID:resgbaVAO

垣根「体の一部ごときが、この俺から離別しようなんて一万と二千年はぇえんだよッ!」

垣根「光る風を追い越したらぁあああ足にきっと会えるねぇえええええええええええええ」

垣根「ぅおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」


同刻 サバ養殖場


垣根「まぁ無理なんだけどね」

垣根「よっと……あーあ、この足場――金網の下にある水槽に落ちたな」

垣根「能力で保護膜を張ったから鮮度は保てるが、いかんせん、どうすくい上げるかが難題だな」

フレンダ「呼ばれて飛び出てニャニャニャニャーン!」

垣根「」


124 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:08:01.47 ID:resgbaVAO

フレンダ「突然ですがアナタに問題って訳よ!」

フレンダ「今、アナタが落としたのはンダの右足? それともこのンダの左足って訳?」

垣根「」

フレンダ「ノーコメントには参加賞のサバ缶をプレゼ――」

垣根「どっちも違います」

フレンダ「えっ?」

垣根「どっちも違います」

フレンダ「え、えーと、よく考えた方が良いんじゃないかなー
      偽装工作なんて結局、よくある話だし」

垣根「どっちも違います」

フレンダ「……」

125 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:09:00.38 ID:resgbaVAO

垣根「オラ さっさと俺の右足よこせ、ついでにそのサバ臭ぇ両足引っ込めろ」

フレンダ「乙女の足に向かってなんてことをっ!」

垣根「やっぱりお前のじゃねぇか!」

フレンダ「それに、サバは最高に良い匂いって訳よ!」

垣根「どうでもいいわそんなもん!」

126 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:10:27.49 ID:resgbaVAO

垣根「コスプレまでして泉の精霊ごっこしてぇなら、最後まで泉の精霊しろよクソが!」

フレンダ「ごっこじゃないって訳よ! 結局、アンタが記念すべき一人目のお客様って訳だけど……」

垣根「だろうな こんな場所にする落とし物なんて、エサくらいしかねぇだろうよ」

フレンダ「しかも私の区分は結局“人体の足”だから、それ以外は落とし物として定められないシビアな業界って訳よ」

垣根「へーそりゃしらなかったなー、泉の精霊にも段取りとかあるんだすごーい
    よし、足返せ」

フレンダ「興味なしっ!? 『ここ泉じゃなくて水槽だろ』とかまだまだツッコミ所だってある訳よ!」

垣根「知るかぁああああ! こちとら足もげた痛みと、狂った平衡感覚に耐えながら羽ばたいてんだよ!」

垣根「さっさと足出さねぇと、下にあるサバもろとも、テメェの住処ぶっ飛ばすぞゴラァ!」

127 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:16:56.41 ID:resgbaVAO

フレンダ「サ、サバの半身じゃ駄目?」

垣根「お前は俺を人魚にでもしたいの!?」

フレンダ「背中の翼と合わせてみると、非常にお似合いになられると思うって訳よ?」

垣根「メルヘン過多で俺が気絶するわっ!」

フレンダ「ほ、ほら結局、空のみならず水にも活動区域が増えるし!」

垣根「代わりに陸に行けなくなるっつーのぉおおおお!」

128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:18:20.02 ID:resgbaVAO

垣根「てか泉の精霊は、正直者に対するジャックポットだろうが」

垣根「にもかかわらず、お前が提示した品に、俺の物欲を揺さぶるモンが一切ないのは
    どういう了見だ」

フレンダ「えっ 男ってのは総じて、美少女の足を舐めまわしたいとか、常日頃に思案してるんじゃないの?」

垣根「舐め終わったらクズかごに、って訳にはいかねぇんだよボケェエエエエ!
    足だけもらっても始末に困るんですぅ!」

フレンダ「へぇえ?」

垣根「……なんだよ その笑みは」

フレンダ「舐めまわすのを思案してる、ってのは否定しない訳?」

垣根「……」

フレンダ「考えてるんだ?」

垣根「うっせぇ! 堪能できる部分が一糸でも多けりゃ、それにこした事はねぇだろうが!」

フレンダ「じゃあ両ンダいる?」

垣根「サバ臭いのは無理」

フレンダ「(´・ω・`)」

129 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:19:28.07 ID:resgbaVAO

フレンダ「足以外のモノでめぼしいモノか……あっ! そうだ!」

フレンダ「私が生前もっていたモノなら結局、能力でここに送り込めるけど」

垣根「能力者が精霊に転生してたとか世も末だな……」

フレンダ「同感って訳よ じゃあ、まずはベレー帽?」

垣根「いらん」

フレンダ「爆弾にする?」

垣根「いらない」

フレンダ「それともわ・た・し?」

垣根「おっとそうきたか」


130 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:20:20.66 ID:resgbaVAO

フレンダ「セールスポイントなら沢山あるから、試しに聞いてみるって訳よ!」

垣根「足以外なら聞いてやる」

フレンダ「……って訳よ」

垣根「……あれだけサバ臭いサバ臭い貶されて、まだ勧める気になれる精神力は誉めてやるよ」

フレンダ「ま、まだあるもん!」

フレンダ「長所を筆記する履歴書の項目だって、いつも黒で埋め尽くせる位に
      自己分析に優れてたって訳なんだから! 生前の私は!」

垣根「埋め尽くしちゃ読めねえだろうが!」

フレンダ「物理的な攻撃なら多分、無効化できるよ! 結局、精霊だし!
      あと爆弾とかだせるよ! 結局、元能力者だから!」

垣根「勝手に語りはじめやがった……」

フレンダ「まぁ、足をアナタに返したら泉の精霊がもつ契約の履行で結局、わたし消えちゃうから」

フレンダ「アナタに憑いていくとなると“足を返せなくなる”けどね!」

垣根「うん もう何もいらないから、さっさと足返せ」

131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:20:58.25 ID:resgbaVAO

五分後


フレンダ「ぷはぁ、はい アナタの右足って訳よ」

垣根「泳いで拾ってきやがった……サバ臭いし」

フレンダ「ねぇ」

垣根「なんだよ」

フレンダ「結局、また遊びにきてくれる?」

垣根「……気が向いたらな」

フレンダ「うん、待ってるって訳よ!」

フレンダ「足を落としてまたのお越しを!」

垣根「二度と来るか!」


一時間後 病院


カエル顔の医者「こりゃ臭くてくっつかないね?」

垣根「臭いを防護するの忘れてた……orz」


おしまい

132 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:27:29.55 ID:resgbaVAO

昼 結婚披露宴会場 アイテムの席


浜面「休日の昼間に二度寝を決め込んでいる最中、けたたましい音に目を覚めしたまではいい」

浜面「音源である携帯をいじって耳をかざしたら『ばかづら起きてるにゃーん? ファミレスまで至急』
    って、返答を待たずに切られるのも別にいい」

浜面「限界速度で車かっ飛ばし、汗水たらしながらファミレスに着いたけど、休む暇すらもらえず
    すぐさま足にされるのだって、日常茶飯事だよ」

浜面「だけどさぁ……その目的地が式場で、その主役がアイツだったってのは――」

浜面「一切合財しらないんですけどぉおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」

フレンダ「みんな、今日は来てくれてありがとうって訳よ!」

フレンダ「今日は結局、楽しんで行ってねー!」

133 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:28:03.12 ID:resgbaVAO


第八話 フレンダ「私が上下を分かつまで、私を愛してくれますか?」

134 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:28:48.41 ID:resgbaVAO

麦野「そりゃあ教えてないし」

浜面「教えろよっ! すっっっんげぇ疎外感だろうが!

浜面「仲間の輪に入れなかったのもだけど、周りがドレスやらスーツやら着こなしてんのに
    ジーパンジャージで出席してる俺の感情かんがえて!?」

絹旗「着こなしてるから良いじゃないですか」

浜面「嬉しくねぇよぉおおお!」

135 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:30:59.01 ID:resgbaVAO

滝壺「フレンダと、ゆっくり話したいな」

浜面「あ、あぁ だな、俺としても是非だ」

滝壺「円卓より長テーブルの方がすき」

浜面「そんな理由!?」

麦野「しっ その長テーブルの横にあるステージに、誰か上がったわよ」

インデックス「あーあー、マイクテストーマイクテストなんだよ」

ステイル「感度良好といったとこだね」

インデックス「うん! みんなこんにちは! 私は披露宴の司会進行を任せられた、インデックスっていうんだよ!」

ステイル「その補佐をすることになったステイルだ よろしく」

インデックス「フレンダは、行き倒れた私にサバ缶を恵んでくれた、命の恩人なんだよ!」

フレンダ「そんなこともあったねー 50もあったサバ缶が、ほんの15分で消化されるとは思わなかったって訳よ」

浜面「50ぅ!? どんだけ食い意地はってんの!?」

滝壺「行き倒れたら、それくらいふつう」

麦野「私ならその二倍はいけるわ」

絹旗「浜面ってもしかして行き倒れた事ないんですか? 超遅れてますね」

浜面「遅れてていいよ! 生死を左右される流行りなんか、喜んで乗り損ねるよ!」

136 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:37:43.39 ID:resgbaVAO

インデックス「新郎の人がちょっと遅れてて、式より宴が前倒しになっちゃったけど、宴は滞りなく進行するよ!」

インデックス「じゃあ、まずは乾杯の音頭だね!」

浜面「ほらぁあああああ!  ぜったい行き倒れ関係ないよっ! 
    色々すっ飛ばしてメシにもってってるもんあの子!」

インデックス「じゃあステイル! 後はよろしく頼むんだよ!」

ステイル「任せてくれ」

ステイル「はい、乾杯」

浜面「お前もグルかぁああああ!」

フレンダ 麦野 滝壺 絹旗「カンパーイ!」

浜面「いいの!? こんな流れでいいの!?」

137 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:39:06.93 ID:resgbaVAO

浜面「あぁ……ものの数分で、どっと疲れた」

麦野「慣れないことするからでしょ 自業自と、っむコレ美味いわね」

滝壺「はまづらも食べよう?」

浜面「おう、サンキュー にしてもだぜ、良識に欠けてるっつーかなんつーか……」

絹旗「良識も何も、超重要なのはフレンダがどう思ってるかでしょう」

絹旗「あの顔に憂いを見て取れるなら、眼科に超行った方がいいですよ」

浜面「……そう、だな ちょっと履き違えてたわ」

麦野「ははぁん 浜面は披露宴にどんな幻想もってたのかにゃーん?」

滝壺「大丈夫、意外とロマンチストなはまづらを私は応援してる」

浜面「うっ、うっせぇ!」

138 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:42:10.66 ID:resgbaVAO

ステイル「全員聞いてくれ」

ステイル「会食の途中だけど、同時進行で余興をすることになったみたいだから
      関係者はステージ側にきてほしい」

浜面「へぇ、余興ねぇ コレって何すんだっけ」

フレンダ「歌とか歌ったりお祝いの言葉を贈ったり、サプライズだったりでマチマチな訳よ」

浜面「ふうん、ってお前こっちに来ていいの!?」

フレンダ「結局、楽しそうな場所に私アリって訳よ!」

浜面「お前らしいっちゃあお前らしいよ……」

滝壺「隣、すわって」

フレンダ「ありがと!」

絹旗「ドレス、超キレイです」

麦野「ベレーの代わりにヴェールとなりゃあ、そりゃあ映えるんでしょうね
    式が楽しみだわ」

フレンダ「エヘヘ、ありがとう! でも、みんなの服も可愛いって訳よ!」

浜面「俺も!?」

フレンダ「結局、浜面いがいね」

浜面「ですよねー……」

139 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:43:52.47 ID:resgbaVAO

絹旗「あっ、誰かステージにあがりました……よ?」

一方通行「余興の一番手を任せられた一方通行だ」

浜面「ぶほっ」

絹旗「ちょ、超第一位じゃないですか!」

麦野「私は打ち合わせで知ってたけど、まぁ驚くわよね」

滝壺「……フレンダの知り合い?」

フレンダ「そだよー ストーカーまがいに言い寄られて、困ってるんだ――」

一方通行「フレンダさんとの関係は、いずれ家族にってトコだなァ フレンダさんは、俺の義姉さんにする」

フレンダ「――ウチの妹が」

一方通行「おォ!? 遠目に見えるはフレメアちゃんじゃねェか?
      そんな入り口で縮こまってちゃあ、可愛い顔が台無しだァ
      いま迎えに行くぜィヤッハァアアアアア!」

フレメア「にゃあああああ!」

絹旗「二人とも、超退場しましたね」

浜面「何しにきたんだ……」

フレンダ「まぁアレでも、フレメアの気持ちを第一にするから、心配ナッシンって訳よ!」

浜面「その気持ちを聞くまで滅茶苦茶しちゃあ、プラマイ0じゃね!?」

ステイル「じゃあ次の人あがってあがって」

浜面「アンタは何事もなかったように振る舞うなぁー!」


140 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:46:39.90 ID:resgbaVAO

上条「ど、どうもー、余興の二番手を任せられた上条当麻でーす」

浜面「ぶほっ な、なんか俺に対するサプライズに成り代わってねぇか……?」

滝壺「意外にせまい、学園都市」

上条「間柄はというと、そこでメシ食ってる進行役のシスターさんが、フレンダに助けられて
    芋づる式で友達にって感じです」

上条「じゃ、余興いきます 食峰たのむぜ」

食峰「はぁい この会場にいる誰かさんも、参加してもらっちゃうゾ☆」

141 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:53:50.06 ID:resgbaVAO

食峰「知ってる人もいると思うけどぉ、私は超能力者の第五位! 人の心を操れちゃいまぁーす
    という訳でサプラーイズ」

食峰「気になるあの人へ、なかなか思いを伝えられないアナタ達に、ブーケよりも確かな関係をプレゼントしちゃうゾ☆」

絹旗「……互いの心を超いじくって、恋仲にするって意味でしょうか」

浜面「そ、そんなの許されんのか!?」

食峰「聞こえてるゾ☆ 許されるかどうかは、みんなに聞いてみましょお!」

食峰「この会場にいるみなさーん、どうですかぁ?
    目の前にいる彼や彼女と、Let's らぶChuChuしたい人は、挙手をお願いしまぁす」

御坂・五和・姫神・神裂・オルソラ・インデックス・妹の総意代表10032号「ノ」

食峰「ちなみに上条党はそげぶの事情で、無効でぇす」

御坂・五和・姫神・神裂・オルソラ・インデックス・妹の総意代表10032号「(´・ω・`)」

142 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 14:56:29.25 ID:resgbaVAO

黒子「はいっはぁあああああああああい! ちょっと変わった趣向がお好みであれば、私が適任かと思われますわッッ!」

御坂「やめんか!」

黒子「ぎゃん!」

打ち止め「ノ……って、ミサカはミサカは負け犬のように煤けた背中をみせながら、恐る恐る手を上げてみたり」

食峰「アナタ、採☆用」

打ち止め「ほ、本当!?」

一方通行「……嫌われたかなァ、『ちゃんと祝わなきゃだめ! にゃあ!』って言われただけだけど……効くぜェ……」

一方通行「……あァ? なんだこの空気」

フレンダ「結局、フレメアから名目以上に離れなきゃならない、一方通行に対する憐れの視線って訳よ」

一方通行「ンな事あり得ませんよォ 俺はフレメアちゃン一筋(アヤツッチャウゾ☆)打ち止め、結婚しよう」

浜面「っていいながら二股したぁあああああ!?」

打ち止め「あっ……やっと私の気持ちが届いた、ってミサカはミサカは感涙してみたり!」

上条「――待てよ」

143 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/06(火) 14:58:17.92 ID:resgbaVAO

上条「自分の気持ちを叶えるのに他の誰かを介す事が、本当にお前の気持ちなのか!?」

打ち止め「でも……この人はもう、私の事なんか――こうでもしなきゃミサカはミサカは……」

上条「そうかもしれねえ だけどな、ここにいるフレンダは、その一歩を自分自身で踏み出したから、今こうしているんだ」

上条「そんなフレンダを祝いに来てるお前が、そんな事でいいのかよ!」

上条「いいぜ……まだお前が、フレンダのやって来た事を否定するって言うんなら――」

上条「まずはその、ふざけた幻想をぶち殺す!」

一方通行「何で俺ェエエエエ!!!!!????? ごふっ……」

上条「では、みなさーん」

食峰「お目汚し、失礼しましたぁ」

浜面「自覚してるならやめてくんない!?」

144 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:00:07.43 ID:resgbaVAO

打ち止め「……そうだよね 私が諦めちゃ駄目なんだよねって、ミサカはミサカは決意を新たにしてみたり!」

フレンダ「頑張ってね」

打ち止め「うん! あっ、この人を運ばなきゃ――」

御坂妹「手伝います、とミサカは想い人の説教で高ぶった気持ちのまま、上位個体に手を差し伸べます」

打ち止め「ありがと!」

滝壺「……行ったね」

麦野「諦めちゃ駄目、か」

絹旗「不思議な話でしたね 超胸が熱くなるような」

浜面「ほんと、相変わらずだな アイツは」

145 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:02:47.27 ID:resgbaVAO

ステイル「じゃ、次の人どうぞ」

削板「瓦百枚を割るぜ! すごいパーンチ!」

ステイル「ステージも割れたし、以降の余興は中止だね」

アックア・闇咲・ルチア「貴様……」

削板「えっ、ちょ待――ぉおおおお!? 根性ォオオオオオオ!!!!!!!」

滝壺「……行ったね」

浜面「途中脱落が過ぎるだろ、この披露宴……」

フレンダ「にゃははは!」

146 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:11:02.36 ID:resgbaVAO

浜面「駄目……もうツッコミ疲れて息絶えそう……」

黒妻「――おー居た居た よぉ、浜面」

絹旗「浜面、超呼ばれてますよ」

麦野「誰よ この革ジャンが似合いそうなナイスガイ」

浜面「あ? って――く、黒妻ぁ!?
    どうしてお前がここに!?」

フレンダ「わ、私も知らない人って訳よ――あれ? 黒妻ってたしか……」

黒妻「あぁ、顔合わせは初めてだったな 一応、新郎側に招かれた客にはなるから、安心してくれ」

浜面「ちょ、ちょっと待てよ」

浜面「元スキルアウトのお前に近しい新郎って、いったい誰なんだ!」

滝壺「いりぐちから、新たな信号がはっせいしてる」



――待たせたな、フレンダ



蛇谷「どかーんだぞ!」

147 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:13:29.89 ID:resgbaVAO

浜面「……」

御坂「……」

浜面・御坂「いやいや、それはないわ」

フレンダ「蛇ちゃーん! こっちこっちって訳よー!」

浜面「( ゚Д゚ )」

黒子「ぇええええええ!? あ、あ、あの時の前時代極まりない腹マイト男が
    新郎ですのぉおおおおおおおおお!?」

固法「そうよ 教えてなかったっけ?」

御坂「いやいや、はじめて聞きましたから!」

黒妻「おーおー、あの時の関係者がことごとく湧いてきたな」

蛇谷「はっ、はっ、遅れてすまねぇ 思い出の品を腹に巻いてたら、時間がかかっちまった」

フレンダ「待ちくたびれたけど楽しかったから問題ないって訳よ! あ、お腹へってる?
      食べさせてあげるね、はいあーん」

蛇谷「て、照れちまうぜ あーん」

浜面「( ゚Д゚ )」

滝壺「ごめんはまづら、こっちを見てるはまづらは応援できない」

浜面「目ぇ合わせんなってか!?」

絹旗「超やっと復活しましたね」

148 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:15:27.45 ID:resgbaVAO

フレンダ「じゃ、私達の席に行こ! みんなに挨拶しなきゃ」

蛇谷「おう! 固法さん、黒妻さん、またっす! フレンダのお仲間さんに風紀委員の人も」

黒妻「あぁ、またな」

固法「行ってらっしゃい」

麦野「またにゃーん」

滝壺「ばいばい」

御坂「ははっ……私は風紀委員じゃないけど」

黒子「なんか、色々と気分を削がれてしまいましたわ……席に戻りましょう、お姉様」

御坂「うん」

黒妻「俺達もそうするか じゃあな浜面」

浜面「あ、あぁ――」

絹旗「――相変わらずの美女と野獣っぷりでしたね」

浜面「それすら知らなかった俺って何なんだろうね!? 危うく心臓とまりかけたわ!」

麦野「蒸し返すなアホ ほら、はじまるわよ」

149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:17:02.09 ID:resgbaVAO

蛇谷「マイクテストマイクテストー、よし」

蛇谷「――えーと、何から話したモンですかね とりあえず、遅れてすいませんした!」

蛇谷「あと、俺たち二人を祝いに来てくれて、ありがとうございます!」

フレンダ「蛇ちゃんってば緊張して、頭さげてばっかりって訳よ」

蛇谷「ははっ、じゃあ気を取り直して俺たちの馴れ初めって奴を話さして下さい」

蛇谷「掻い摘んでいうと――彼女とは、ダイナマイトの縁で知り合いました」

蛇谷「マブダチとの決戦にむけ、ダイナマイトを探して街を放浪していた時、交差点でウロウロしてた彼女と
     偶然にも目があったんです」

滝壺「凄く、うんめいてき」

浜面「ダイナマイトが!?」

蛇谷「一目見て思ったんです 『あぁ、この子、ダイナマイト持ってそうな顔してるなぁ』って」

浜面「どんな顔だよっ!」

フレンダ「結局、私もそう思いました 『この人、ダイナマイト欲しそうな顔してるなぁ』って」

浜面「だからどんな顔なんだよ! 試しに作ってみろオラァ!」


150 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:19:12.39 ID:resgbaVAO

蛇谷「実際につかう事はなかったけど、マブダチの拳骨を顔面に受けたときの緩衝材になってくれて、俺を守ってくれました」

浜面「お前にとって腹は顔と同義なの!?」

蛇谷「防具としてもいいが、それより大事だったのは
    このダイナマイトと俺が地に伏せる瞬間、頭によぎったのがフレンダの姿だったって事です」

蛇谷「俺とフレンダを繋いでくれた、大事な代物なんです」

浜面「……」

蛇谷「いま腹に巻いてんのがそれです しなびてるから使い物にはなんねぇのもあって、多少ムリ言ったら引き取らせてもらえました」

蛇谷「――えっと、はい、そういう事っす」

蛇谷「ホント今日は色々、ありがとうございました!」


パチパチパチパチパチ――


フレンダ「ニャハハ! ウチの蛇ちゃんは、やるときはやる男って訳よ!」

ステイル「はい拍手は静粛に、えっと次はケーキ入刀だね インデックスが楽しみに……」

ステイル「えっ、あのケーキ食えないの?
      参ったな……えっ、ここは禁煙? 分かったよ外に行く」

浜面「お前はもう少し空気よめぇええええ!」

151 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:24:11.39 ID:resgbaVAO

滝壺「はこばれてきたよ」

絹旗「で、デカいです! あのケーキ超デカいです!」

麦野「軽い胸焼けがするわね」

神裂「僭越ながら、私の七天七刀を入刀にお使いください
    こうした形の祝福になることを、甘んじて受けてくれると幸いです」

フレンダ「ううん、ありがと――って重っ!」

蛇谷「任せろ――って重っ!」

浜面「なんつうグダグダな共同作業なんだ……」

上条「誰かああ! 物体を軽くする能力者の方はいらっしゃいませんかー!」

152 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:26:07.14 ID:resgbaVAO

十分後


インデックス「げふ、お腹いっぱいなんだよ」

ステイル「それは良かった」

浜面「おーいマイク入ってますよー だだ漏れですよー」

インデックス「じゃあご家族の方やご友人の方から、手紙を読み上げてもらうんだよ!」

フレメア「にゃあ……よし、あくせられいたー、いない」

フレメア「お姉ちゃんへ、お姉ちゃんはいつも優しくてはいつも私と遊んでくれたから、ホントはすごく寂しいです
      でもお姉ちゃんが、嬉しいなら私も嬉しいから、やとぱり嬉しいっ……
      グスッ……お姉ちゃん……幸せになってね……!」

フレンダ「うん……! 当ったり前って訳よ!」

黒妻「次は俺だな」

黒妻「蛇谷 あんなことで争って得たモンなんか、ほとんどねぇけどよ
    あの争いで、お前が自分の居場所ってやつを手に入れられたんなら、意味はたしかにあったよ、俺にとってもな
    ソイツを大切にな」

蛇谷「あ、ありがとうございましたぁ!」

153 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:28:33.99 ID:resgbaVAO

滝壺「いいなあ」

麦野「ホント、幸せそうな顔しちゃって」

絹旗「なんだか、私も超彼氏を探したくなりました」

浜面「だなあ……」

滝壺・麦野・絹旗「!?」

インデックス「じゃあみんなみんなー、式場に移動するんだよー」

ステイル「腹に優しい距離にあるから、安心してくれ」

浜面「お前らの基準はそればっかりか!」

154 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/06(火) 15:29:30.88 ID:resgbaVAO

十分後 挙式場


アレイスター「――汝、蛇谷次雄はこの女、フレンダセイヴェルンを妻とし
        良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず
        フレンダが上下を分かつまで愛を誓い、妻を想い、妻のみに添うことをここに誓いますか?」

浜面「……え? いまなんか不穏な発言が聞こえなかった!?」

蛇谷「誓います」

浜面「誓うの!? めっちゃ局所的な死因が条件だったのに!?」

アレイスター「――汝、フレンダセイヴェルンはこの男、蛇谷次雄を夫とし
        良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、他の者に依らず
        蛇谷が殴りとばされるまで愛を誓い、夫を想い、夫のみに添うことを、ここに誓いますか?」

浜面「こっちは条件簡単だなオイ! 裏路地いけばすぐに破棄されんぞ!?」

155 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:31:01.31 ID:resgbaVAO

フレンダ「誓います」

浜面「いいの!? お前らの愛はそれでいいの――」


答えを言うまでもなく、フレンダは振り返り、ブーケを高く掲げて投げた

皮切りに殺到する女性陣

その波に流され踏まれて苦悶する、不幸な少年の断末魔が響いても

真っ只中にいるフレンダの顔は、幸せの真っ只中にいるような満面の笑みだった



おしまい

156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:36:43.27 ID:resgbaVAO


第九話 フレンダ「か、風邪ひいたって訳よ……」

157 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:37:39.65 ID:resgbaVAO

昼 フレンダの部屋


フレンダ「やっべーやべー……暑すぎるって訳よ……(ピピピピ)」

フレンダ「た、体温計……ってうっわ39度ぉ!? ――ゥウェッックション!」

フレンダ「うぅぅぅ……結局、体すら起こせない気がしてきたぁ……これがプラシーボ効果って訳ぇ……?」

フレンダ「昨日の夜、調子に乗ってサバ缶アイス食べ過ぎたのが祟ったのかなぁ……?」

フレンダ「今日の集会……結局どうしよぉ……月一の大事なミーティングがあるのにぃー……」

フレンダ「もし行けないなんて伝えたら……」

フレンダ「麦野『いいから来い 熱を感じる事すらままならねぇ体になるよう、応急処置してやっからよぉ!』」

フレンダ「ひぃいいいい!!!!」

158 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/06(火) 15:38:41.32 ID:resgbaVAO

フレンダ「行ったら死ぬし、行かなくても死んじゃう袋小路……」

フレンダ「結局、脚線美薄命とはよく言ったものって訳よ……」※言いません

フレンダ「お母さん、お父さん、フレメア……志半ばで散る私を許してね」

フレメア「にゃあ お姉ちゃん、大体、はいるね」

フレンダ「フ、フレメアァ……? 部屋に入ってきちゃ駄目って訳よ……感染っちゃうからね……?」

フレメア「お姉ちゃん、しんぱいだから、大丈夫? ステータスいじょう?」

フレンダ「うん……風邪なんだ……」

フレメア「それならティアって、エレメントを使えば、なおるよ」

フレンダ「フレメアってば……ゲームばっかりしちゃ駄目って訳よ……?」

フレメア「にゃあ ゲームは1日、8時間」

フレンダ「……」

159 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:39:18.64 ID:resgbaVAO

フレンダ「……フレメアってゲーム……好きだよね」

フレメア「お姉ちゃんと、そうへきをなす にゃあ」

フレンダ「ならさ……ちょっと難しいイベントでも、こなせる筈だよね……?」

フレメア「にゃあ 大体のRPGはこなしたから、お使いだってできる」

フレンダ「うんうん……フレメアは……私に風邪を治して欲しいんだよね……?
      私に“生還”して欲しいんだよね……?」

フレメア「にゃあ!」

フレメア「ならさ――

フレンダ「私の代わりに、アイテムに行ってきて?」

フレメア「……お姉ちゃん」

フレンダ「……」

フレメア「アイテムは、行く場所じゃなくて、使うものだよ?」

フレンダ「絶対言うと思ってたって訳よ……」

160 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:40:06.24 ID:resgbaVAO

10分後


フレンダ「……結局、持つべきモノはコスプレ衣装って訳よ……」

フレメア「にゃあ……大体、お姉ちゃんはいつも、私をきせかえ人形に、する……」

フレンダ「エヘヘヘ……これでフレメアは、どこからどうみても私……
      似合ってるって訳よ?」

フレメア「本当? 嬉しい、にゃあ」

フレンダ「うん……じゃあ、今から行われるクエストの内容を、フレメアに通達するって訳よ……」

フレメア「にゃあ!」

フレンダ「目的地はファミレス これが地図よ……この青い×印が今の私達の位置で
      赤い×印が目的地のファミレスになってるから……」

フレメア「ここに行ってアイテムを手に入れれば、大体、クエスト達成?」

フレンダ「ううん……アイテムっていうのはね結局、使うアイテムの事じゃないんだ……
      人が複数あつまったチームの名前……」

フレメア「ギルド!」

フレンダ「あっ、うん……まぁそれでもいいや」

161 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:41:01.08 ID:resgbaVAO

フレンダ「……目的地について始めにするのは、そのギルドとの接触……」

フレメア「にゃあ 話しかける!」

フレンダ「うん……うん、ドンピシャって訳よ 後はその相手――この写真の人の隣に座って……
      そのまま話し続けてれば良いんだけど――」

フレンダ「その前に……そこのタンスの中にある……キーアイテムを使わなきゃ駄目って訳なのよ……」

フレメア「にゃあ――これ、何?」

フレンダ「うんとね……相手の情報(会話内容)を透視(録音)して
      弱点(私の)を補う為の、キーアイテム(レコーダー)って訳よ……

フレメア「おー 大体、カッコいい!」」

フレンダ「あはは……」

162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:45:52.17 ID:resgbaVAO

フレンダ「あと……会話を繋げる条件があって……私のフリを、フレメアにはしてもらわなきゃいけないの……」

フレメア「かんたん にゃあ」

フレンダ「……大体とにゃあは、使っちゃ駄目……私っぽく喋ってみて……?」

フレメア「けっきょくって、わけよ!」

フレンダ「よく、出来ました……」

フレメア「にゃあ――あ、エヘヘヘ」

フレンダ「その調子でやれば……クエスト達成も近いって訳よ……」

フレンダ「あと、ギルドが出会い頭に……『小さくない?』って……質問してくると思うから」

フレンダ「『明日には治るって訳よ』……ってだけ、答えてね……?」

フレンダ「その後に――始末とか待機ポイントとか聞こえるけど……困ったら、うんうんって適当に言っとけば……大丈夫だから……」

フレメア「わかったってわけよ! せんたくしは、けっきょく、とくい! フラグメイカー!」

フレンダ「フ、フラグ……?」

163 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:46:38.50 ID:resgbaVAO

フレンダ「よしよし……本当は、私が相手をしなければならないギルドだけど……フレメアならきっと、大丈夫……」

フレメア「うん!」

フレンダ「……エージェント“フレンダ”は代理人の証を、妹のフレメアに継承するって訳よ……」

フレメア「あ……お姉ちゃんの、ぼうし」

フレンダ「これは、ギルドに仇なす……エージェントだけに与えられる……伝説の防具、だから……!」

フレンダ「世界の命運は……フレメアに、託すって訳よ……!」

フレメア「――うん!
      けっきょく、行ってきますってわけよ!」

フレンダ「うん、行って……らっしゃい……」

フレンダ「……」

フレンダ「……」

フレンダ「つ、疲れた……」


164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:47:14.47 ID:resgbaVAO

フレンダ「……結局、ゲーム脳に話を合わせるとなると……ここまでの労力を要するって訳ね……」

フレンダ「……でもこれで、ゆっくり療養に勤しめるって訳よ……」

フレンダ「……」

フレンダ「……」

フレンダ「あ」

フレンダ「あっ……あぁ、あぁあああああああ」

フレンダ「滝壺の能力を忘れてたぁあああああああああああ!!!!!!!!!!」

フレンダ「フ、フ、フレメアに電話しなきゃ、ってあの子ってば携帯忘れてるぅううううう!?」

フレンダ「どっ、どうしよぉおおおおぇっエッゲホッ!」

フレンダ「フレメアー! カムバッァアアアアアク!」

165 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:47:40.10 ID:resgbaVAO

三十分後 ファミレス


麦野「……」

滝壺「……」

絹旗「……」

フレメア「こんにちは、ってわけよ! となり、すわるねー」

麦野「あ、あぁ……」

フレメア「あ、けっきょく、キーアイテム使わなきゃ(カチッ)」

絹旗「フ、フレンダ……? ですよね? 今の何ですか?
    超レコーダーのように見えましたけど……」

フレメア「キーアイテムはキーアイテムってわけよ!」

絹旗「そ、そうです……か?」

滝壺「……」

166 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:49:17.54 ID:resgbaVAO

麦野「フレンダ」

フレメア「なにって、わけよ!」

麦野「えと……何つぅか、今日のアンタさ――小さくない?」

フレメア「明日には、なおるってわけよ!」

麦野「な、治るんだ……」

絹旗「胸も、いつも以上に微力と化してますね」

フレメア「うん!」

絹旗「む、胸のネタなのに、超怒らないなんて……! 今日のフレンダは、超余裕です!」

滝壺「……」

167 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:52:52.58 ID:resgbaVAO

麦野「ちょ、ちょっと撫でてみてもいいか? フレンダ」

フレメア「うん!」

麦野「か……可愛い……よ、よしよーし 今日は、いくらでも抱きついていいからなぁ? フレンダ」

フレメア「うん!」

絹旗「不思議ですね……最先端科学の食指が、若返りにまで伸びた末の副産物でしょうか」

麦野「どうだっていいわよそんなの! こぉんなに可愛いんだから、ねー? フレンダー?」

フレメア「うん!」

麦野「はっふん!」

滝壺「……」

168 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:53:35.41 ID:resgbaVAO

数時間後 夕方 同所


麦野「じゃあ、今日はこれにて解散ね」

フレメア「うん! じゃあ、私は先に行くってわけよ!」

麦野「だ、大丈夫? 一人で帰れる?」

フレメア「うん!」

絹旗「麦野の溺愛っぷりが、超すさまじいですね……」

滝壺「……」

絹旗「……滝壺さん? 今日はやけに静かでしたけど、いつもの信号でも受信してたんですか?」

滝壺「……ううん、何でもない」
169 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:54:12.16 ID:resgbaVAO


一時間後 フレンダ/フレメア宅 リビング


フレンダ「開き直って寝そべってたら、歩ける程度にはよくなったって訳よ……」

フレンダ「逃げれるかは分からないけど、逃げるとしたら……結局、今しか(ピンポーン)――ひぅ!?」

フレンダ「チャ、チャイム!? フレメアは鳴らさないし、いったい何奴って訳よ!」

フレンダ「どどどどどうしよう!」

滝壺「お邪魔します」

フレメア「出たぁああああ!!!!! ――ってアレ?
      麦野は? 滝壺だけ?」

滝壺「いないよ でも代わりに――」

フレメア「お姉ちゃんの、うそつき!」

フレンダ「oh……」

170 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:54:55.51 ID:resgbaVAO


一時間後 フレンダの部屋


フレンダ「ほ、本当にごめんね……」

フレメア「にゃあ お姉ちゃんが、私をひつようとしてくれたの、うれしかった」

フレメア「私のしたことが、お姉ちゃんのためになるって、思ってたから」

フレンダ「はい……」

フレメア「でも今日、私がしたことは大体、お姉ちゃんのためにならないと思う」

フレンダ「その通りでございます……」

フレメア「お姉ちゃんを心配して、来てくれる人がいるのに、それを忘れてごまかすなんて、ダメ」

滝壺「にゃあ」

フレンダ「そ、それはフレメアの口癖って訳よ!」

フレメア「だまりなさい」

フレンダ「はい……」

171 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/06(火) 15:55:51.04 ID:resgbaVAO


次の日 朝 フレメアの部屋


フレメア「コホコホッ……にゃあぁあ……動けない……」

フレンダ「し、心配しないでいいからね」

フレンダ「今日は私が、フレメアに1日中つきっきりで看病するって訳よ!」

フレメア「――学校は、べつに……1日くらい、休んでも……大丈夫だけど、誰かが行ってくれたら、少したすかる……にゃあ」

フレンダ「えっ」

フレメア「たとえば……私に、にてる人が……代わりに、行くとか……」

フレンダ「あ、あのぉ……フレメアさん?」

麦野「ランドセルはここにあるわよぉ?」

フレンダ「む……麦野ぉ!?」

絹旗「赤いベレー帽も、特注しました」

フレンダ「絹旗までぇ! この家のセキュリティー、結局どうなってんのぉ!」

フレメア「じゃあお姉ちゃん……1日フレメアを、がんばってね……もちろん
      ――自発的に にゃあ」

フレンダ「や、や、この歳で小学生はイヤって訳よぉー! きゃ、きゃわぁああああ!」



おしまい

172 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/06(火) 16:13:00.21 ID:resgbaVAO


次回予告


完成された月下における、絶対なる条理は

発奮と狂気が渾然一体となった非日常と重複し、終わりに相応しき舞台を用意する

学び屋の天辺で振り仰ぎ、相対する二人が描く縦横無尽の殺陣が、風さえに決してさらえぬ熱気を生み、一帯の喚起を調和した

ここまでは予定外、ここからは予定の外か、否か――


上条「今からレナに見せてやる。俺たちが住んでいるこの世界には、まだまだ救いがあるって事を!」

上条「そして教えてやる。俺たちの罪滅ぼしで。
   居場所は、これくらいじゃ簡単に壊れはしないって事を!」

次回!


フレンダ「1日グループ体験デーって訳よ!」

フレンダ「し、死ぬ……! 早く逃げなきゃ結局――殺されちゃう!」

フレンダ「私のベレー帽の中はパルプンテ!」


お楽しみに!

173 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/06(火) 16:15:39.20 ID:Say5TFyno


毎度安定したおもしろさだな
一日グループたのしみにしてる
174 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 16:22:57.33 ID:x7GIe7VSO
くけけけけ!乙って訳よ!
175 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/03/06(火) 16:29:08.72 ID:AyNHlAz60

投下量から考えると更新速いな
垣フレも有りかなとか考え始めた今日この頃

そういえば>>1って他にSS書いてた?
フレンダの能力がアポーツ系っぽいから、前になんかそんな設定のSSを読んだような気するなーって
176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/06(火) 20:13:20.89 ID:IQI2A/fDO

ここの>>1のフレンダ愛は凄まじいな
177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/03/07(水) 12:06:08.30 ID:l91+oj8AO

>>173 いつもサンクスオブライエン!

>>174 いつか、ひぐらしのトラップマスターとのクロス書きたいぜ!

>>175 ブーン系を嗜む程度にやってたぜ!
    能力に関しては察しの通り、既存のフレンダSSを参考にさせてもらっています
    別次元にしまった物体を取り出すのか、同次元にある物体を手元に転移させるのか
    はたまたどちらも可能なのか、今の所は特に制約させてないぜ!

>>176 あぁ! アンタもな!

178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/10(土) 23:36:58.03 ID:WNFsaLwAO

夜 フレンダ/フレメアの家 リビング


フレンダ「ふぅ、良い湯加減だったって訳よ」

フレンダ「ん?」

フレメア「にゃーにゃーにゃーにゃー、にゃーにゃーにゃーにゃー、にゃーにゃーにゃーにゃー、にゃーにゃーにゃー」※歓喜の歌

フレンダ「もう深夜前なのに、フレメアってばまだ起きて……あぁそっかぁ、今日は――」

フレメア「ゲームセンターCXのほうそう日! にゃあ!」



番外編 フレンダ「たまに行くならこんなゲーセンって訳よ!」 フレメア「in学園都市 にゃあ」
  副題 とある遊戯の有野課長

179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/10(土) 23:39:54.86 ID:WNFsaLwAO

フレンダ「やっぱし!? 一緒に見るって訳よ! ソファー寄せて寄せて」

フレメア「お姉ちゃん、だがし、どれ食べる?」

フレンダ「ありがとう! うーん、悩むけど結局は“あたりめ”よねー うまうま」

フレメア「“ビスコ”こそが、大体のゲーマー受け 手をよごさず保つ母の味、にゃあにゃあ」

180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/10(土) 23:42:42.76 ID:WNFsaLwAO

フレンダ「今日のソフトも、難しそうって訳よ」

フレメア「こんど、買うから、2人でやろ?」

フレンダ「うん って事はこのゲーム、協力プレイ可なんだ ADさんも一緒にプレイするって訳ね」

フレメア「にゃあ 協力プレイがメリットになるかどうかは、ゲームの内容によるけど」

フレンダ「残機の分割とかあるもんねぇ、ゲーム側から恩恵がなければ結局は
     プレイヤーの腕に依存しちゃうのよね」

フレメア「にゃあ チームプレイは、互いの欠点をおぎない合って半人前、互いの長所を高め合って一人前 それ以外は――」

有野『なにやってんねんもぉー』

フレメア「こうなります にゃあ」

フレンダ「あはは! 結局、互いのプレイヤースキルが均等になる事って少ないよね、この番組
      その様式美が面白いって訳だけど」

181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/10(土) 23:44:03.83 ID:WNFsaLwAO

フレンダ「あっ、終わった 挑戦は一旦あと回しかぁ」

フレメア「にゃあ 次はたまゲー」

フレンダ「今日はどこに行くんだろうね」

有野『学園都市にやってまいりました すんごい都会です!』

フレンダ「」

フレメア「あっ、あの時の、にゃあ」

182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/10(土) 23:45:24.99 ID:WNFsaLwAO

有野『PNビリビリ姫さんからお葉書をいただきました ちぇいさー! ……これ挨拶なんかなぁ?
    ちぇいさー!』

フレメア「ちぇいさー!」

フレンダ「ちぇ、ちぇいさー!」

有野『ここは私の行きつけのゲームセンターなんですけど、能力を測定する筐体とかあって、学園都市ならではって感じです!
    暇があれば是非あそんでみて下さい!』

有野『能力って風とか火を起こすアレですよねぇ……? タレントパワーでイケるかな』

183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/10(土) 23:46:12.33 ID:WNFsaLwAO

フレメア「有野課長(ゲームマスター)なら大体、イケる」

フレンダ「あれって能力名だったの!?」

フレメア「にゃあ……最初は主任で、そこからしょうかくしたり、こうかくしたりしてきたから
      今はきっとLEVEL5くらいの強度……にゃあ」

フレンダ「第六位の秘匿性の理由が分かったって訳よ……」

184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/10(土) 23:47:09.69 ID:WNFsaLwAO

有野『けっこう歩いて、この近くみたいですね……うわっ、何やこの機械!』

有野『――清掃ロボット? 課長フィギュア落としたら、目も当てられん絵が撮れるなぁ ははっ』

フレメア「……」

フレンダ「棚の上にあるフィギュアを見つめながら、黙られると怖いからやめて!?」

フレメア「でも、課長が、やりたそう」

フレンダ「その課長が連れ去られるだけだから! ゴミと認識されて連れ去られる罪悪感つきだからぁ!」

185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/10(土) 23:51:34.13 ID:WNFsaLwAO

フレンダ「ほら、ゲームセンターに着いてるって訳よ 見よ見よ」

フレメア「にゃあ」

ナレーション『――既存の筐体機はもちろん 学園都市でしか見られない測定機も、備え付けられている有名スポットです』

有野『充実してるなぁ 学園都市のゲームセンターも』

有野『能力測定マシン、これですよね? “スキルアタック”って書いてるけど』

ナレーション『有野さんも、さっそく挑戦しますが』

有野『ミットに能力をぶつけて下さい……』

有野『……』

有野『……』

有野『今日DS忘れたわ(ビー レベル0 ムノウリョクシャデス)』

フレンダ・フレメア「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/10(土) 23:53:18.76 ID:WNFsaLwAO


有野『やっぱり猫拳6とかが無難かなぁ』

ナレーション『有野さんが次の目当てを探していると』

有野『(テマネキテマネキ)プリンセスキララがおるぞ』

フレメア『にゃあ、パーフェクト』

フレンダ「」

フレメア「私だー」

187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/10(土) 23:55:33.47 ID:WNFsaLwAO

ナレーション『地元の小学生でしょうか』

ナレーション『手慣れた様子でガンシューティングの銃を使いこなす女の子に、有野さんも驚いたご様子』

有野『次のステージから僕も参加させてくれへんか』

フレメア『わぁ、課長と協力プレイ にゃあ』

ナレーション『協力プレイを申し込むと、とても嬉しそうに笑う女の子に、有野さんも気をよくしたようで――』

有野『あ、全機なくなってもうた……』

ナレーション『プレイに精彩を欠きます』

フレメア『にゃあ 課長は見てて』

フレンダ「」

フレメア「お姉ちゃん?」

フレンダ「はっ」

188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/10(土) 23:56:20.05 ID:WNFsaLwAO

フレンダ「フ、フ、フレメアァ!? 課長に会ったの!?」

フレメア「にゃあ ブログで来るのは分かってたから、場所をだいたい特定して、先回り」

フレンダ「うぅ、いいなぁ……! 私も呼んでくれれば行ったのにぃ!」

フレメア「その日のお姉ちゃん、サバ缶を買いに行くって、すぐどこかに行ったから、にゃあ」

フレンダ「結局、身からでたサビって訳なのね……サバだけに」

フレメア「いや、上手くないよ」
189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/10(土) 23:58:32.70 ID:WNFsaLwAO

フレメア『にゃあ、今日は五位いないに入れなかった』

有野『あっという間にクリアしたなぁ――って、ちょっと阿部さん! 映して映して!』

ナレーション『慌てた有野さんが、カメラマンの阿部さんを呼びだします
        女の子がプレイしていた、ゲームの画面を映すと』


一位 スコア 125579 S.E.X
二位 スコア 123668 S.E.X
三位 スコア 102223 S.E.X
四位 スコア 090027 S.E.X
五位 スコア 081123 S.E.X


フレンダ「」

フレメア『にゃあ 課長のマネ』

有野『こういうファンの示し方をされたのは、初めてやわ』

190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/10(土) 23:59:42.65 ID:WNFsaLwAO

有野『放送枠が移動するかカットするかの瀬戸際になるから聞くけど、意味は分かってないんやろ?』

フレメア『?』

有野『分からんでいいからな分からんで』

フレメア「お姉ちゃん」

フレンダ「(ビクッ)」

フレメア「えす.いー.えっくすって、なに?」

フレンダ「ま、まだフレメアには早い!」

フレメア「にゃあ?」


191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/11(日) 00:00:53.30 ID:tTGvOkJAO

フレメア『オー、ガメオベール!』

有野『ははっ、時事ネタやな』

フレメア『こっちヒゲのオッサン一人やで!』

有野『……それもう六年くらい経つよ!? 僕自身わすれかけてたわ!』

ナレーション『ゲームに夢中な女の子と別れた有野さんが、新しく目を付けたのは――“NEAR FANTASY SPACE”』

ナレーション『全国規模で備えられた、王道シューティングゲームです』

192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/11(日) 00:07:24.32 ID:tTGvOkJAO

有野『今日は調子が良いからシューティングでも、イケる気がしますね』

ナレーション『当然そんな訳もなく』

有野『うわ負けた 僕もスコアにイタズラ出来んかったわ――って』


一位 スコア 25793 S.E.X
二位 スコア 15678 S.E.X
三位 スコア 12693 S.E.X

四位 スコア 9027 S.E.X

五位 スコア 6423 S.E.X



有野『また君か』

フレメア『アベさんの破れたジーパンは大体、買いかえないの? にゃあ』

阿部『(´・ω・`)』

有野『そこはイジらんといて……』


ナレーション『科学が進歩した街でも、小さな子に好かれる、有野さんなのでした』


おしまい

193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/11(日) 00:12:20.29 ID:tTGvOkJAO

鉄装さん出せなかったのが心残りだぜ!

13日の本編は、午後十時からの投下となります!
今回はそのお詫びも含めた投下でした!

ではおやすみなさい!

194 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/11(日) 07:54:58.70 ID:VDQar5K6o
おつ
195 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/03/11(日) 09:53:26.44 ID:tTGvOkJAO
小ネタ集


>>178 歓喜の歌 = ベートーベン交響曲第9番、CXの番組冒頭で流れる

>>182 ちぇいさー=我らが御坂美琴が自販キックの掛け声

>>184 課長フィギュア=有野課長のフィギュア ゲームの挑戦が進行した時によくする、ガッツポーズと満面の笑みが表現されている

>>185 スキルアタック=とある魔術の原作11巻で、御坂がフルボッコにした筐体機

>>186 プリンセスキララ=とあるファミコンゲームのヒロインの愛称

猫拳6=鉄拳6のパロディ とある科学アニメ17話とハヤテのごとく18話(第二期)で登場

>>191 NEAR FANTASY SPACE=とある魔術アニメ22話で登場 インデックス可愛いよインデックス

「こっちヒゲのオッサン一人やで」=世界一有名な配管工たった1人を、戦車やらモグラや目のついた砲弾やらで追い詰めてやまない
  さながら軍隊規模の攻勢を仕掛けてくる敵へと発した、課長のセリフ

>>192 破れたジーパン=ジーパンのダメージの事 某番組でイジられた


全部わかった人は僕と握手!
196 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/03/11(日) 12:07:11.65 ID:9ihfiPPAO
おまえこそAU新潟東北の希望の星
197 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/11(日) 20:28:13.28 ID:1RbcAYhSO
乙って訳よ!

>>177
同じ能力者?の共演に期待
198 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 22:18:48.62 ID:SrBzr6GAO

3年H組ぃ! 浜面先生ェー!


ここは阿鼻叫喚の無法地帯『3年H組』

イケメンの教師が束になっても誰ひとりとしてなびかない、
恋する乙女が溢れ返った教室に今、伝説の教師『浜面仕上』が現れた!


麦野「浜面せんせぇ、こんなつまらない所ブっちしてさぁ 私と一緒に、良いトコ行かなぁい?」

浜面「い、良いトコぉ!?」

滝壺「そんな猫なで声でスり寄るブリッ子ほっとこ? はまづらは、私の体が一番イイって言ってたもんね」

浜面「言ってない言ってない!」

絹旗「ちょ、超キモイです先生……私には、超近寄らないでくださいね……」

浜面「っていいながら制服ぬぐなぁああああ!」


リハーサルから発禁モノの演技が飛び交い、学園都市統括理事会から注意を受けてしまったので

急遽タイトルと主役を“インデックス先生”に変えて、来週から放送します!

お楽しみに!

199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 22:19:31.06 ID:SrBzr6GAO


第十話 フレンダ「1日グループ体験デーって訳よ!」

200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/13(火) 22:28:57.44 ID:SrBzr6GAO

昼 第七学区 歩道


フレンダ「今日もみんなとファミレス女子会ぃー」

フレンダ「麦野、絹旗、滝壺わたしぃー 4人で1つのアイテムにゃーん」

フレンダ「エヘヘヘ、すっごく幸せだなぁー 麦野はキレイで絹旗は可愛くて滝壺は癒し系」

フレンダ「今日はみんなに見せたいブツをたくさん持ってきたし、楽しみって訳よ」

フレンダ「今日もみんなで楽しくお喋りー」

フレンダ「むぎのん、きぬにゃん、たきたん私ぃー みんな合わせ(ミシカビノ キャプリ)
      あっ、麦野からだ!(ピッ)」

フレンダ「麦野ー、うんうん、今向かってるよー」

フレンダ「え? 今日は来なくていい?」

フレンダ「な、何で?」

フレンダ「ファミレスの音が聞こえるって事は、みんな居るって訳でしょ……? 結局、私の事が重荷になったの?」

フレンダ「やだやだやだぁ! 麦野ってば何でそんなこと言うのぉ!?」

フレンダ「うん……うん……グループに? うん……分かった
      結局、行ってみる……うん、バイバイ」

フレンダ「……グスン……」

201 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 22:34:01.74 ID:SrBzr6GAO

一時間後 第七学区 裏路地


フレンダ「童心めいて爛々とした瞳を、しきりに配らせては
      ちょこまかとしたジェスチャーを織り交ぜ、云時間にも及ぶB級シネマの内容を
      隅から隅まで、必死に伝達させようとする絹旗を見てると――」

海原「……」

フレンダ「大して興味がない映画の内容が、だんだん絹旗への興味に取って代わって
      そんな微笑ましい絹旗をいつまでも見ていたいから
      私も絹旗の話に合わせられるように、映画への興味を持ち始めたんだよね」

海原「……」

202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 22:35:03.28 ID:SrBzr6GAO

フレンダ「いつもの今頃なら、絹旗と映画の談義をしているのになぁ……」

海原「……」

フレンダ「代わり映えのない景色に、足音一つない無音の境地……寂しいよ……絹旗ぁあ……」

海原「……」

フレンダ「……」

海原「こんにちは」

フレンダ「のわぁ!?」

203 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 22:36:43.99 ID:SrBzr6GAO

海原「スイマセン、驚かせてしまいましたか?」

フレンダ「そ、そりゃあもう! 見知らぬ誰かさんの気配の消しっぷりが、卓越しているおかげでね」

海原「ははっ、ストーキングに殉じる身としては、まだまだ精進が必要ですが
    そういった評価を頂けるのは、嬉しい限りです」

海原「おっと失礼、申し遅れました」

海原「自分は海原光貴、グループの一員です フレンダさんをお迎えにあがりました
    偽名ではありますが、お見知りおき下さい」

204 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 22:40:04.57 ID:SrBzr6GAO

フレンダ「へー、へぇー」

海原「な、何ですか?」

フレンダ「容姿端麗で物腰も柔らか、たたえた微笑みが貴公子を連想させるなぁ」

フレンダ「光貴のような男に迎えにこられたら、たいがいの女子は大手を振って絡みつくって訳よ!」

海原「わっ、せ、積極的な方ですね フレンダさんは――ですが」

フレンダ「にゃ!?」

海原「自分には心に決めた女性がいますので」

フレンダ「しかも一途ときたか 結局やるねぇ、格好いいって訳よ光貴くん!」

海原「ははっ――時間にはまだ猶予がありますね」

海原「少し、お時間をとらせて頂いても構わないでしょうか フレンダさん」

205 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/13(火) 22:47:02.22 ID:SrBzr6GAO

二十分後 公園


海原「今からするストーキングは、普通のストーキングとは少し勝手が違ってきます」

海原「ストーキングの対象は御坂さん 学園都市“第三位”を冠した発電能力を持つ彼女は、個人の大まかな現在地を把握できますから
    うかつに近付く事は出来ません 何度も物陰に隠れたり、同じ場所に留まるなどもっての他でしょう」

フレンダ「うんうん、アレは厄介だったって訳よ」

海原「――? ですが、上記の手段はストーキングの常套であり本懐」

海原「なおかつ、突発的な危機にさらされやすい御坂さんの事です
    御坂さんを守る僕としては、いち早い対応ができるポジショニングがほしい」

海原「ではどうするのか、御坂さんに近付いても、同じ場所に留まっていても
    敵意を向けられない環境を、構築しなくてはいけません」

フレンダ「そうなりゃ変装は必須って訳よ!」

フレンダ「私も光貴くんも結局は、美琴に面識があるみたいだし」

海原「えっ、フレンダさんもですか? ど、どのような関係なのですか!?」

フレンダ「殺しあった関係って訳よ!」

海原「……僕の目の前で、悠然とそう口に出来る方に会ったのは初めてですよ……」

206 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/13(火) 22:52:57.00 ID:SrBzr6GAO

フレンダ「それより、美琴ってばめちゃくちゃ格好いいよねぇ!
      相対した者にした分からない風格を、あの時は私もビシビシ感じたって訳よ!」

フレンダ「なんていうか、目的の障害に対する目線が、決して揺るがないっての?
      その為ならどんな方法もいとわないし、能力もそんな思想にあやかってるのか
      実に多面的な戦いかたをするしねぇ、うん」

御坂「」

海原「アナタも分かりますか!?    芯が通りに通った、彼女がもつ双眸の魅力が!」

海原「そういった内面の強さを先天的に持つ人はまれにいますが、彼女は違います
    あの瞳は彼女がしてきた努力の賜物であり、人を惹きつけてやまない研磨された宝玉そのもの」

御坂「」

海原「そしてそれは、フレンダさんが提示した彼女の能力とは切っても切れない関係にあり、いわば一蓮托生の産物」

海原「増していく電圧を付き従え、伸びしろを増す彼女の瞳はさしずめ
    帯電する事で有名な宝石“トルマリン”のようではないでしょうか」

207 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 22:54:00.56 ID:SrBzr6GAO

フレンダ「トルマリン! 美琴の輝きに相応しい響きって訳よ!」

海原「トルマリンガール!」

フレンダ「みこトルマリン!」

御坂「誰が美琴ルマリンだゴラァアアアアアアアア!」

208 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 22:56:21.08 ID:SrBzr6GAO

二十分後 喫茶店


御坂「もう! 人が行き交うあんな往来で、一体なにやってんだか! もう!」

海原「スイマセン……」

フレンダ「本人がいるとは誤算だったって訳よ 店員さーん、サバ缶に合うコーヒーお願い」

御坂「で、一体わたしに何の用? 今度は二人で、命を狙いに来た訳じゃないでしょうね?」

海原「い、いいいいいえ! 滅相もありません!」

フレンダ「結局、二人で美琴をストーキングしようとしてたんだ」

海原「言っちゃうんですか!? 」

209 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 22:57:54.27 ID:SrBzr6GAO

御坂「ス、ストーキングって……さっきの様子からみて、信憑性はあるけど
    はぁ……あんまり好意的に捉えられる行為じゃないわね……」

海原「ス、スイマセン……」

フレンダ「でも、毎日ストーキングしてたんだよね?」

海原「それも言っちゃうんですか!?」

フレンダ「でも、美琴だって結局イヤがってないって訳よ 気付いてすらなかったみたいだし」

フレンダ「接触はせずに、影から美琴を見守るのが光貴の望みなら
      それってストーカーよりかは結局、護衛みたいじゃない?」

御坂「申告しない時点で立派なストーカーだけどね……」

210 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:00:17.49 ID:SrBzr6GAO

海原「うぅ……」

御坂「……ホントに私に手を出すつもりは、ないんでしょうね」

海原「それは……もちろんです 御坂さんの隣にいるべき人は
    御坂さんが決めるべきであると思っていますから」

御坂「なら今度からは、私の後ろに立ってなさい」

海原「え……?」

御坂「か、勘違いしないで! コソコソつけ回られるのが気持ち悪いだけだから!
    隣りはちょっとアレだし、後ろについてくるだけなら許すって言ってんの!」

フレンダ「ツンデレすなぁ」

211 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:02:29.01 ID:SrBzr6GAO

御坂「……確かに、不思議と不快じゃなかったから……それに、アイツの事を相談にのって貰いたいし……」

海原「――は、はい! 喜んで!」

フレンダ「やったね光貴! 美琴ルマリン!」

海原「トルマリン!」

御坂「それはやめて」


三十分後 第七学区 歩道


フレンダ「そういえば光貴はさ いつまでストーキングする予定だったって訳?」

海原「決まっていますよ」

海原「僕が御坂さんを守るのは、“彼”が御坂さんを守れない時間のみ」

海原「そう、決めていますから」

フレンダ「……やっぱり格好いいよ 光貴は」

212 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:09:03.59 ID:SrBzr6GAO

フレンダ「ストーキングも無くなったし、これからどうしよっか」

海原「合流まではまだまだ時間がありますね 美琴さんの近くにいるための、新たらしい顔でも――
    ん? アレは――」

結標「……」

フレンダ「うっひょー ものっそぃセクシーな子だね! 知り合い?」

海原「グループの一員です このビルの三階を目指しているみたいですが」

フレンダ「あっ、あそこ! 私もよくお世話になってる人形屋って訳よ!」

フレンダ「色々と非合法な人形も扱ってるのよねー」

フレンダ「等身大の人形とかもあって、目移りするし めちゃオススメって訳よ!」

海原「等身大ですか……なるほど」

海原「これは、ストーキングしがいがありますよ」

213 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:10:57.58 ID:SrBzr6GAO

夕方 第七学区 とあるビル三階 人形屋の入り口


結標「やっと買えたやっと買えたー」

海原「なにをでしょうか?」

結標「ぃっひぃいいいいいい!!!!????」

フレンダ「おぉ、壁と背をキスさせる凄い逃げっぷりって訳よ 美琴みたい」

海原「何ですって!? フレンダさん、詳しくお聞かせ願えますか」

結標「お前らがここにいる理由から聞かせろぉおおおお!!!」

214 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:13:14.91 ID:SrBzr6GAO

同刻 第七学区 空き地


結標「へぇ、1日グループ体験ねぇ」

フレンダ「そゆことー、結局、初めましてって訳よ! 私の名前はフレンダ!」

結標「私は結標淡希 それにしても、よく上の人間がそんな珍妙な企画を通したわね」

海原「僕もよくは知りません、土御門さんの通達を聞いただけですので――それより」

海原「腕に抱えた1メートル以上もの荷物は、人形か何かですか?」

結標「ロボットよロボット 可憐な少年タイプのね この軽さにもう萌えちゃうぅ」

フレンダ「ロボットかー、戦えるの?」

結標「そんな野蛮な用途に使う訳ないじゃない!」

結標「でも『僕も淡希お姉ちゃんと一緒に戦うよ!』みたいな、気持ちの芽生えもまた、そそるわよねぇ」


215 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/13(火) 23:16:02.20 ID:SrBzr6GAO

フレンダ「わかるわかる! 成長までの課程を見守れば見守るほど、その瞬間がより映えるって訳よ!」

結標「あらアンタ、意外と話せるわね さらに反抗期で、周囲への反発を押し殺してまで私になつく1シーンがあったら、なおグッド!」

フレンダ「強くなった後も怖い夢やらなんやで弱さを見せて、勝手に私の布団に潜り込まれた日には!」

結標・フレンダ「にしししし!!!!」

海原「もしもし、土御門さん 今から言う場所に、迎えをよこしてくれませんか?
    えぇ、少し耐えられそうにないので」

216 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:17:07.75 ID:SrBzr6GAO

十分後 グループ移動車内


土御門「思ったより大所帯になってるにゃー そのロボットはとりあえずテレポさせるぜよ」

結標「は? 私のワタル君をモノみたいに扱わないで!」

フレンダ「ワタル君って名付けたんだー 良い名前って訳よ!」

結標「でしょでしょ!」

土御門「……ちょっと海原の気持ちが分かったぜい」

海原「ご理解いただけて幸いです」

217 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:18:08.71 ID:SrBzr6GAO

フレンダ「あ、自己紹介を忘れてた! 私がアイテムのフレンダって訳よ! あなたは?」

土御門「土御門元春だにゃー」

フレンダ「うん覚えた! で、元春の好きな子って誰?」

土御門「」

結標「なんというかこの子って」

海原「発言がいちいち急転落下なんですよ」

218 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:23:41.01 ID:SrBzr6GAO

土御門「ちょ、ちょっとビビったが、質問には高らかに答えられるぜよ
     俺は、義妹(いもうと)が好きなんだにゃー」

フレンダ「本当!? 私にも妹がいるんだー、可愛いよね!
      そのアウトローでカッコイい着こなしも、妹さんの好みだったりするの?」

土御門「ま、まあな」

フレンダ「やっぱり妹の好みには合わせたくなるよねー
      常に妹の理想であるために、自分磨きも余念は許されないって訳よ!」

土御門「……海原」

海原「何ですか?」

土御門「やっぱお前の気持ちはわかんないわ」

海原「代わり身はやっ!」

結標「よしよしワタルくぅん? お着替えしましょうねー」

海原「こっちはキモっ!」

219 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:25:59.13 ID:SrBzr6GAO

土御門「(ソンナーヤサーシクシナイデー)おっと連絡ぜよ(ピッ)」

土御門「……なに? 分かった、切るぞ」

土御門「お前ら仕事だ っていうよりは私事だにゃー」

海原「どういう事ですか?」

土御門「一方通行の大切な人がさらわれた」

結標「へぇ、そりゃあ相手は跡形も残らないわね きっと」

フレンダ「一方通行って人、確かグループの一員だよね? 第一位の」

海原「はい 僕達の出る幕はあるんですか?」

土御門「あまりないにゃー 敵の勢力がものの数と質じゃない上に、一方通行の演算補助の件もしらないただのチンピラぜよ」

220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:28:01.15 ID:SrBzr6GAO

土御門「正直、俺たちが行く意義は薄いとみていい」

結標「私はワタル君と遊んでるから、みんな行ってきてよ」

フレンダ「分かった! ツッチー、敵の現在地を教えて」

土御門「そいつはちょい困るにゃー」

フレンダ「え?」

土御門「フレンダがここに居るのは、理事会の決定じゃない、アイテムのリーダーきってのお頼みだ」

フレンダ「麦野が……?」

土御門「あぁ、麦野沈利はお前のその性格に、俺達の色を付けたがったんだ
     だからお前はここにいるんだぜい?」

海原「僕たちの色、ですか?」

土御門「あぁ」

土御門「俺は舞夏、お前は超電磁砲、ソイツはショタ、アイツは打ち止めのため“だけ”にここにいる」

結標「あれ? 私の部分だけおかしくね?」


221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:29:41.94 ID:SrBzr6GAO

土御門「どいつもこいつも脇目を振らず、独り善がりなこの集団」

土御門「アイテムのリーダーはな、そんな俺達とはてんで真逆なお前の性質が、心配になったそうだ
     フレンダ セイヴェルン」

海原「なるほど……なんとなく理解できました」

フレンダ「け、結局、どういう事なの 光貴」

海原「フレンダさんは、わるく言えば八方美人 よく言えば社交的なんだと思います」

海原「相手の短所を省みず、長所だけを分別して接する、“誰に対して”も」

土御門「ほんと、俺には真似できないにゃー」

フレンダ「……」

222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/13(火) 23:31:38.25 ID:SrBzr6GAO

土御門「分かるか? 不特定多数の人間に依存し過ぎたお前が、そのうち誰か一人でも失ってしまった途端に
     壊れてしまうんじゃないかって、麦野沈利は心配してるんだ」

土御門「暗部という環境も相まってな」

フレンダ「そう、だったんだ……」

土御門「そんな最中、お前はまだ誰かを好こうとして今、戦場に向かおうとしている」

土御門「見た事もない誰かの為にだ」

土御門「どうする?」

フレンダ「……決まってるって訳よ 最初っからね」

フレンダ「結局、どちらもゆずれないのなら」

フレンダ「麦野の願いも、私の願いも、どちらも押し通すって訳よ!」

223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:36:21.55 ID:SrBzr6GAO

土御門「そうか」

土御門「フレンダ お前のグループ体験は今をもって終了する」

フレンダ「そ、それって結局――場所を教えてくれないの?」

土御門「お前はもう、グループの一員でもなんでもないからにゃー」

結標「そうね グループにはいらないわね」

海原「はい 同上です」

フレンダ「う、うん……分かった! 私一人で突き止め――」

土御門・結標・海原「だが」「だけど」「ですが」

224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:38:59.94 ID:SrBzr6GAO

土御門「俺、土御門元春は、舞夏の為にあるグループではなく
     いもうと仲間を助ける為だけに、自分を行使するぜよ」

結標「えぇ、みんなを助けるためのグループもいいけど、ショタコン仲間も大事になっちゃったみたい」

海原「同上です 麦野さんという方は、アナタを矯正しようとアナタをここに導きましたが
    もしかしたら、矯正されたのは僕たちの方なのかもしれませんね」

フレンダ「みんな……!」

土御門「さぁいくぜよ! 最初で最後の即興グループ送別会だぁ!」


    応ッ!!!!!

225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:39:58.57 ID:SrBzr6GAO

夜 廃ビル内部 三階


首領「コイツがどうなってもいいのかァアアア! お前がそこから一歩も動けば、俺の発火能力でコイツは消し炭だ!」

打ち止め「んっー! んっー!」

一方通行「チッ……あン? この気配は、アイツらか……」

首領「あぁ?」

土御門「に゛ゃ゛ー!」

首領「窓からぁ!? テメェ何者だ!」

土御門「何者だと? そうだな、強いていうなら」

土御門「 シ ス コ ン ぜ よ 」

首領「」

226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:45:23.77 ID:SrBzr6GAO

海原「せやぁ!」

首領「ま、また来やがった! テメェらは一体――」

海原「僕ですか? 初対面の方にこう口にするのは、誠に恐縮なのですが」

海原「 ミ サ コ ン で す 」

首領「恐縮がどうのこうのより日本語つかえよ!」

227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:46:29.46 ID:SrBzr6GAO

結標「ワタルくぅううん!」

首領「まだいるの!?」

結標「私? いいわよ教えてあげる、私はね――」

首領「いや聞いてないし」

結標「 シ ョ タ コ ン よ 」

首領「……」

フレンダ「隙あり!」

首領「がっ――くそっ、人質が!」

土御門「はぁーはっは! これは俺の戦果だにゃー」

海原「いえ、僕の造語っぷりに動揺したんですよ」

結標「ワタル君のあまりの可愛さに、目がくらんだに決まってるじゃない」

一方通行「どうでも良いわアホどもォ!」

228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:48:07.90 ID:SrBzr6GAO

打ち止め「初めましてありがとう! ってミサカはミサカは
      お礼と挨拶を同時にこなしながらも、お姉ちゃんの背中に避難!」

フレンダ「よしよし、私達が来たからにはもう大丈夫って訳よ」

打ち止め「うん! アナターってミサカはミサカは、アナタにダイブ!」

一方通行「……おォ」

フレンダ「結局、めちゃくちゃ可愛い子じゃん! もう放しちゃ駄目だよ」

フレンダ「ハグられて赤くなってる君の顔も、魅力的で可愛いけど!」

一方通行「チッ、うっせェよ……」

229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/13(火) 23:49:00.20 ID:SrBzr6GAO

首領「ひぃいいいい!」

フレンダ「戦意喪失って訳ね こりゃアンチスキルかなぁ」

一方通行「あァ? そんな手間いらねェよ、跡形もなく殺りゃあ良いだろォが」

フレンダ「駄目 この人にだって良い所があるんだから!」

一方通行「……ヒーローかよ、テメェは チッ、好きにしろ
      行くぞ、クソガキ」

打ち止め「うん! ってミサカはミサカは、疲れたアナタをいたわる為に、1日マッサージ券をプレゼントしてみたり!」

フレンダ「――行ったね」

土御門「いや俺が」

海原「僕ですから」

結標「私」

フレンダ「まだやってたんだ」

230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:50:28.54 ID:SrBzr6GAO

夜 廃ビル前の路地


土御門「ふぁああ、さぁて解散って流れだが、フレンダ、なんなら送ってくぜい?」

フレンダ「ううん、モーマンタイって訳よ!」

結標「遊びにくるときは連絡をちょうだい 私自身が歓迎するわ」

フレンダ「うん!」

海原「あなたには返しきれない借りが出来ましたね ではまた、いずれ」

土御門「麦野沈利はあぁ言ったが、俺たちは今のお前を支持するぜい」

フレンダ「ありがと! あ――そういえばさツッチー」

土御門「ん?」

フレンダ「結局なんで、ツッチーは麦野の言うことを聞いたって訳?」

土御門「舞夏の為になる、交換条件をもらったんだぜい」

土御門「けっこう無理難題をふっかけたんだが、アイツはお前の為といって難なくこなしたよ」

フレンダ「そう、なんだ――麦野……」

231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:51:23.41 ID:SrBzr6GAO

土御門「次は、アイツとお前の続報を、土産話にして来てくれにゃー」

海原「それもいいですが、土御門さん」

結標「仕事があるって言うからオフの日にわざわざ来たのに、結果的には私達
    アイテムのお使いをしてたって事よねぇ?」

海原「それなりの手当てを頂けると、嬉しいのですが」

土御門「は、ははっ――またなお前ら!」

海原・結標「まてぇええええい!!!!!」

フレンダ「ははは! うん、絶対またくるって訳よ! ――グループのみんな!」

232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:53:37.09 ID:SrBzr6GAO

深夜 第七学区 歩道


フレンダ「むーぎのっ!」

麦野「きゃっ! いきなり呼び出したと思ったら、抱きつく為に私を呼んだの?」

フレンダ「ううん、グループのみんなから聞いたから 麦野が私の為にしてくれた事」

麦野「……どうだった? アンタの気は変わった?」

フレンダ「変わらない 結局、もっと好きな人が増えて、麦野がもっと好きになっただけ」

麦野「そうか」

フレンダ「うん ありがとう、麦野! 私の為にいろいろしてくれて!」

麦野「……違ぇよ」

233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:54:37.39 ID:SrBzr6GAO

フレンダ「え?」

麦野「私がしたのは私の為だ お前の為にしてやることが、他にするどんな事より
    一番、私の為になるだけの話」

フレンダ「む、麦野――それって」

麦野「本当、私ってズルいわ」

麦野「フレンダの為になんて言ってもさ、別の事だって期待してたんだよ」

麦野「フレンダが独り善がりな人間になれば、私だけを見てくれるようになるかにゃーん――なんてさぁ」

麦野「虫がよすぎる」

麦野「私が好きになったのは“この”フレンダなのにな」

234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/13(火) 23:57:39.11 ID:SrBzr6GAO

麦野「ゴメンな フレンダ、私に勇気がないから、あんたに負担をかけたわよね」

麦野「アンタの性格を変えようだなんて……馬鹿げた負担を」

フレンダ「ふ、負担な訳ないって――」

麦野「あぁまたやっちまった――アンタがそう言うって分かってんのに、ゴメン
    ゴメンねフレンダ……だから、もう一言だけいわせて」

フレンダ「……」

麦野「色んな人を好きになれるアンタが、私は好き だからこそ――」

麦野「アンタが好きな大多数の中の一番に、私はなりたい」

麦野「フレンダ 大好き、私とずっと一緒にいてほしい」

フレンダ「――!」

フレンダ「……」


うん――!


おしまい

235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 00:06:48.82 ID:ZcVjNhcAO


第十一話 フレンダ「し、死ぬ……! 早く逃げなきゃ結局――殺されちゃう!」


※注 前話ラストむぎのんとの温度差がパネェのですwwwwwwwwwwwww
   余韻を楽しむ人は、時間おいてから見た方がいいかもだぜ!
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 00:08:58.51 ID:ZcVjNhcAO

麦野「喜べよぉおフレンダぁ?」

麦野「テメェの断末魔を聞く為だけに、ここら区域を囲って集まってんだぜぇ? 暗部の数千人がなぁ」

麦野「人生初にして最後のライヴホールだぁ! せいぜい歌って踊れ踊れぇ! まぁ――」

麦野「相手によっちゃあ、お触り有りのエロッパブになるかもだけどなぁあああ!」

麦野「オラオラぁ逃げ惑え逃げ惑えぇ! 詰まりに詰まった四面楚歌からよぉおおおお!」

麦野「ぃひゃひひはひぁああっはああああ!!!!!!」

237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 00:12:29.34 ID:ZcVjNhcAO

夜 素粒子工学研究所


フレンダ「どどどどどうしよう!」

フレンダ「どこから逃げればいいんだろう……研究所の外はもう囲われてるだろうし――」

フレンダ「そ、そうだ!」

フレンダ「メールで誰かに助けを呼べば、助けに来てくれるかも――でも、誰に……」

フレンダ「あぁもう! 場所のデータを添付、さらに概要を書いて結局は――」

フレンダ「電話帳にあるだけの相手に、一斉送信って訳よ!」

麦野「見ぃつけた」

238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 00:14:03.86 ID:ZcVjNhcAO

フレンダ「ひぃ!」

麦野「らぁ!」

フレンダ「わ、私の携帯が穴だらけに――くっ!」

麦野「ちっ、また外したか――悪運が強い奴ね」

麦野「建造物や所有物がテメェの身代わりになってくれんなら
    テメェ以外をぜんぶ消し飛ばせば、テメェに当たってくれんのかしらねぇえフレンダぁあ!」

麦野「壁も地面も服も毛だってサバ缶すらも、一糸一物まとわぬ愉快なマネキンに代えてから
    テメェをブチ殺してやんよぉおおおおお!!!!!」

239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 00:17:02.29 ID:ZcVjNhcAO

フレンダ「イヤ! 私はまだ生きていたいって訳よ!」

フレンダ「あ――」

麦野「ざんねぇん」

フレンダ「行き止まり……?」

麦野「悪運もつきたわね 観客が私だけってのも味気ないけど、ま、いっか――短い付き合いだったわねぇ」

麦野「フレンダぁ?」

フレンダ「――っ!」


――待ちなァ


麦野「あ? 下っ端が私に『待ちな』だと?
    振り向きざまにブチ殺し……て」

一方通行「よォ、第四位」

麦野「第、一位……!」

フレンダ「き、来てくれたんだぁ! 一方通行!」

麦野「――フレンダ テメェの加勢だってのか?
    馬鹿なぁ! どんな因果があって、こんな――」

一方通行「冥土の土産に聞かせてやるよ アレは、あくる極寒のま冬日に起きた一節だ――」

240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 00:18:53.66 ID:ZcVjNhcAO

去年 夜 コンビニ


一方通行「缶コーヒー補充しねェと……って、あぁ!?」

一方通行「店員てめぇコラァ! 缶コーヒーが一本も並んでねェじゃねェか!」

店員「さーせん、第七学区の缶コーヒーは、どこぞの金持ちがみんな買い占めたらしいんで入荷未定っス、さーせん」

一方通行「自販機のもかァ!?」

店員「さーせん」

241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 00:22:39.26 ID:ZcVjNhcAO

一方通行「チッ……缶コーヒーを買い占めるとか、どこの酔狂だよクソがァ――」

店員「パックのコーヒーなら有りますけど」

一方通行「分かってねェ分かってねェよお前ェ!」

店員「さーせん」

一方通行「手作りで注いだマグカップじゃ駄目なンだっつの!
      硬質かつ温度には甲斐甲斐しい鉄製の手触りは、缶コーヒーでしか味わえねェンだよ!」

一方通行「インド人はカレーを手で食う なぜか? 触覚が味覚を高めるって事実を、知ってるからなンですよォ!?」

店員「でも、コーヒーの液体を触って飲む訳じゃないし」

一方通行「あァ!?」

店員「さーせん」

242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 00:23:57.59 ID:ZcVjNhcAO

フレンダ「ねぇねぇ」

一方通行「あァ!? あんた誰ですかァ!? インド人ですかァ!?」

フレンダ「フレンダって訳よ! それよりさ、缶コーヒーを飲む方法ならあるよ」

一方通行「なに!?」

フレンダ「ここにサバ缶があります まずは全部食べます」

店員「さーせん ここ店内です、さーせん」

フレンダ「次にパックのコーヒーとお湯を、空になったサバ缶に注ぎます」

店員「いや、だから、ていうかレジに入って来ないで……」

フレンダ「最後に混ぜます はい出来上がり!」

一方通行「……アンタ」

店員「ほら怒ってるよ 缶コーヒーマニアも怒ってるよ」

一方通行「天才だな」

店員「」

243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 00:30:04.22 ID:ZcVjNhcAO

一方通行「という訳だ あ、長話してる内に電池切れかけてたわ
      またな、インド人」

フレンダ「って訳よ! ってぇええええええ!?」

フレンダ「帰るの!? 帰っちゃうの!? 私まだ助かってないんだけどぉおおお!」

一方通行「外にいる奴らなら大体けしといたからよ、またなァ――」

フレンダ「目の前の脅威を無視しちゃらめぇええ!」

244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 00:31:42.02 ID:ZcVjNhcAO

麦野「……」

フレンダ「……そ、そんな」

麦野「は、ははっ……やっぱテメェは死ぬ運命ってことよ
    こんどこそ、あばよフレンダ」


待て!


麦野「またぁ!?」

ステイル「『また』かい? 僕の記憶にはそぐわない情報だね」

フレンダ「ス、ステイルゥウ! 結局、待ってたよぉ……!」

ステイル「間に合ってよかった」

麦野「そのバーコードが次の加勢だと 随分とランクが落ちたじゃねぇか?」

麦野「何か言い残したいことはあるかにゃーん バーコードのお兄さぁん」

ステイル「イギリス聖教の僕がなぜ、フレンダに汲みしているのか知りたくはないかな? それと――」

ステイル「僕は十四歳だ」

麦野「」

ステイル「あれは、星が綺麗な夜だった 暦は冬」

245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 00:32:50.32 ID:ZcVjNhcAO

去年 夜 第七学区 草むら


ステイル「あー雪つめてー」

ステイル「こういう日はルーンを使った焚き火にかぎる……あれ?」

ステイル「ん? んん?」

ステイル「ルーン、忘れた……」

ステイル「くそっ、こんな事の為に雪まみれにされたのか」 ○雪まみれになった ×雪まみれにされた

ステイル「こうなったら、周りの木々を――」

フレンダ「サバ缶じゃ駄目かな?」

ステイル「わぁあああああああああああ!?」

フレンダ「木に何かしたら結局、アンチスキル呼ばれてお縄についちゃうって訳よ?」

フレンダ「という訳で、サバ缶どうぞ」

ステイル「いや、さすがに金属はちょっと」

フレンダ「どうぞ」

ステイル「はい……」

246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 00:34:37.25 ID:ZcVjNhcAO

ステイル「という訳さ」

麦野「どういう訳だ」

麦野「時間を無駄にしたわ もういい、死になさい」

フレンダ「よけて!」

ステイル「必要ないね」

麦野「なに!?」

ステイル「それは残像だ」

麦野「ならもう一回だぁ!」

ステイル「それも残像だ」

麦野「ぁあああああああああああああああ!」

ステイル「もいっこオマケに残像だ」

フレンダ「凄いって訳よ! 後は隙を見つけて攻撃すれば――」

ステイル「それは無理みたいだ」

フレンダ「えっ」

ステイル「攻勢に移るだけのルーンを用意するのを、忘れた サバ缶はないのかい」

フレンダ「う、うん――逃げるときに使ったから」

ステイル「困ったね、サバ缶さえあれば」

フレンダ「うん あのサバ缶があれば、逆転できるのに」

ステイル「あのサバ缶か 確かにあのサバ缶ならいけるだろうね」

麦野「サバ缶サバ缶うっせぇんだよ! なんの新興宗教だぁ!」


247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/03/14(水) 00:35:59.06 ID:uNf1JpaAO
なんというサバト
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 00:36:49.39 ID:ZcVjNhcAO

待たせたな!


麦野「またきたし……今度は窓から……」

削板「根性ぉおお!」

麦野「第七位ぃ……!」

削板「いま行くぞ! とぅ――ってアレ?」

削板「ま、窓のフチに、足をひっかけぇええええええええええええええええ!?」

麦野「……」

ステイル「……」

フレンダ「……」

ステイル「……頭からいったね」

フレンダ「……うん あの人ってさ、銃弾とかくらっても何ともないのに」

ステイル「……でも、気絶してるね」

フレンダ「うん……」

249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 00:46:22.14 ID:ZcVjNhcAO

待たせてすいません!


麦野「もう好きにしてくれ……」


初春「風紀委員です! フレンダさんの助太刀に参りました!」

フレンダ「えっ」

ステイル「えっ」

フレンダ「いやいやいや、ヤバいって! 呼んどいて何だけど、来ちゃ駄目って訳よ!」

初春「私とフレンダさんの仲じゃないですか! そうアレは、秋も過ぎ去った白銀の郷の話です」

麦野「オブラートに包んでるけど、テメェらぜんぶ冬の話じゃねーか!
    ネタか!? 打ち合わせたのか!?」

250 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 00:47:59.61 ID:ZcVjNhcAO

去年 昼 第七学区 歩道


初春「ホームページのサーバー、どこにしよっかなぁ」

フレンダ「これでどう?」

初春「わぁ、素敵なサバ缶ですね これは使えそうです」

麦野「まてェエエエエい!」

初春「人の思い出に水を差さないでください 常識ないんですか?」

麦野「サバとサーバーを混同する奴に、常識を語られたくねぇよぉおお!」

251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 00:51:32.77 ID:ZcVjNhcAO

フレンダ「よ、よけて初春!」

ステイル「くっ、間に合わない!」


待たせたな マイスイートハニー


垣根「大丈夫か?」

初春「は、はい――ありがとうございます」

ステイル「あの光線を一瞬にして……彼はいったい」

フレンダ「学園都市第二位の垣根帝督! 能力は未現物質、この世に存在しない物質を生成する能力って訳よ!」

ステイル「なるほどね 実に燃えにくそうだ」

麦野「はぁあああ!? ざけんなざけんなぁ!」

麦野「テメェらどいつもこいつも、そんな死に損ないの周りに飛び回りやがって」

麦野「なんなんだっ! なんなんだよぉお!」

垣根「なぁ、第四位」

麦野「あぁああ!?」

垣根「前世って信じるか?」

麦野「」

252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 00:53:31.50 ID:ZcVjNhcAO


垣根「俺は信じてる」

垣根「フレンダと、初めて眼を合わせた途端に感じたんだ」

垣根「絡めた視線よりも、キツく結ばれた輪廻の糸って奴が、俺とフレンダを繋げてたんだってな」

垣根「フレンダは俺と一緒にチョコを作っててよ、ソイツを養殖場に落とした途端にフレンダが泉の精霊で、俺の足が吹っ飛んで第一位だったんだ」

垣根「だから、俺はフレンダを失うわけにはいかねぇんだよ!」

フレンダ「帝督……」

ステイル「辛かったんだな……」

初春「いい話です」

麦野「今の話に感動できる場面あった!? メルヘン通り越して電波じゃねぇか!」

253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 00:58:23.99 ID:ZcVjNhcAO

垣根「で、どうする まだやるか?」

麦野「……っだよ! なんなんだよぉ!」

麦野「風紀委員やらバーコードやら暗部すら、そんな一時の感傷に流されてここまで来やがって!」

垣根「テメェが欲しがってたピンセットを、反故にしてまでさぁああああ」

垣根「何が悪いんだ」

麦野「……は?」

垣根「テメェにはねぇのか? 一時の感傷に、身を委ねても構わねぇって思える瞬間が
    ソイツを為す、大事な根幹が」

麦野「そいつを押し殺すのが私たちだろうが!」

垣根「押し殺したまま、仲間まで殺してどうすんだよ はい、携帯ぼっしゅー」

麦野「ちょテメっ! 返せ!」

垣根「うわ、電話帳の中身アイテムの連中だけじゃねーか フレンダとは大違いだな」

麦野「だ、だからなんなんだよ!」

垣根「まだわかんねーのか? お前は、お前が否定してきた一時の感傷って奴に負けたんだよ」

垣根「そういうモンを蔑ろにせずに培ってきたパイプラインが、フレンダの電話帳で――その結果が」

垣根「今、お前の目の前にいる俺達なんだからな」

初春「フンス!」

ステイル「ま、そういう事になるかな」

削板「根性ぉ!」

垣根・初春・ステイル「お前は何事もなかったかのように混ざるな」

削板「(´・ω・`)」

254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 01:03:39.06 ID:ZcVjNhcAO

フレンダ「ほ、ほんと助かったって訳よ!」

麦野「アンタたち、死ぬわよ? 暗部を敵に回したんだから――」

垣根「なら、感傷に流されるだけだな 来世まで待てねえし」

ステイル「それも一興かな 死ぬつもりはないけど」

フレンダ「……麦野も、行こう?」

初春「フ、フレンダさん!?」

麦野「……」

フレンダ「結局、携帯は壊れちゃって買い替えなきゃなんだけどさ
      新しい電話帳に、麦野の名前がないのは嫌だから」

削板「根性……」

麦野「……な、No.4じゃ承知しないから No.1に登録しなさい!」

フレンダ「当たり前って訳よ!」


――させると思うか?

255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 01:04:51.13 ID:ZcVjNhcAO

麦野「ぐっ――がぁああああ!!!!」

フレンダ「麦野……? 血がこんなに――やだ! 起きて麦野!」

アレイスター「――ピンセットの争奪戦一つが、まさかここまでの大事に発展するとは」

垣根「こいつは、まさか……!」

初春「ネットに流出された画像を検索――! 間違いありません!
    学園都市、統括理事会の長、アレイスター=クロウリーです!」

ステイル「……これは、マズいね」

削板「根性ぉお……?」

256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 01:06:06.77 ID:ZcVjNhcAO

アレイスター「――分子も結合を誤れば異分子となるだけ、君たちには消えてもらうしかない」

フレンダ「麦野! 起きてよ麦野!」

アレイスター「――死ぬがいい」


少し待ってもらうね?


アレイスター「――……冥土返しか」

冥土返し「少し違うな」

冥土返し「今の私はさしずめ、デリバリー・ヘヴンキャンセラー」

冥土返し「デリヘヴって呼んでね?(キラッ☆)」

257 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 01:07:17.25 ID:ZcVjNhcAO

アレイスター「――私が目の前にいてもか?」

冥土返し「あぁ、僕の性分は知ってるだろう? 患者を治す為なら何でもする」

フレンダ「先生! 麦野を、麦野を助けて!」

冥土返し「もちろんだ」

アレイスター「――どちらにせよ、私の抑止力にはなりえないがな」

冥土返し「抑止力? それならたくさんいるね?
      みんな」

アレイスター「――なに?」


土御門「おーおー、やっと見つけたぜよ」

フィアンマ「トゥットゥルー」

結標「うわ、アレイスターがいるんだけど」

御坂「まったく大所帯にも程があるわ、間に合ってよかったけど」

アックア「水が飲みたいのである」

258 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 01:08:39.38 ID:ZcVjNhcAO

上条「み、見知った顔ばかりだな」

闇咲「久しいな幻想殺し 来た甲斐があった」

ローラ「フレンダの窮地はここでよろしけるのかしらー」

神裂「まったく、いきなり呼ばれて来てみれば、場違いな気がしてなりませんね」

海原「み、御坂さんがいる……(コソコソ)」

シェリー「エリス、共に楽しみましょう」

食峰「操っちゃうゾ☆」

浜面「フレンダ、助けに来たぞ!」

絹旗「超疲れてるんですが、まぁ良いでしょう」

滝壺「信号が多すぎて酔いそう……」

スフィンクス「にゃー」

一方通行「充電完了ォ」

サーシャ「第一の回答ですが、死んで下さい」


アレイスター「リザインします」


おしまい

259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 01:12:43.35 ID:ZcVjNhcAO


第十二話 フレンダ「私のベレー帽の中は結局パルプンテ!」

260 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 01:14:10.43 ID:ZcVjNhcAO

夕方 ファミレス


麦野「それにしても変な能力よね フレンダの能力って」

フレンダ「ふぉーお? サバ缶うまうま」

絹旗「学園都市全域に届くアポートと言えば、聞こえは良いですが
    対象はランダムな上に、そのベレー帽の中に収まる体積の物体しか、超もってこれない能力ですからね」

絹旗「ぶっちゃけ、超つかえません」

フレンダ「なっにおー! これでも私のベレー帽は、日に日に大きくなってるんだから!」

麦野「そのおかげで私はこの前の仕事中ずっと、ノーブラで過ごす羽目になったんだけどな!?」

フレンダ「あれは溢れんばかりだったって訳よ! 良い匂いも含め――んブッ!」

261 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 01:15:07.77 ID:ZcVjNhcAO

麦野「てんめぇえ! 嗅いだのか!? 嗅いだんだな!?」

フレンダ「だ、だって、嗅がなきゃ誰のか分からないし」

絹旗「私は、嗅いだだけで持ち主を判別できる、フレンダの事が超分からなくなりましたよ……」

滝壺「店内の地中から信号がきてる」

絹旗「生き埋め!?」

262 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 01:17:18.52 ID:ZcVjNhcAO

フレンダ「そんなに言うんだったら、今度こそ実入りのある物をアポートしてやるって訳よ!」

麦野「おーおー、やってみなさいよ」

麦野「次に爆発寸前の空き缶やら、踏まれた焼きそばパンやら、帯電したコインやら、私の所有物をアポートした日には、どうなるか分かってんだろうな?」

フレンダ「け、結局、自己顕示はいつだって命がけな訳よ……!」

フレンダ「ちょ、ちょっと時間をちょうだい!
      悔いがないようにサバ缶だけは食い尽くすから!」

絹旗「ずいぶんと安い未練ですね……」

263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 01:20:45.31 ID:ZcVjNhcAO

同刻 第7学区 歩道


御坂「ちょっとアンタ、私と勝負しなさい!」

上条「はぁ? 残念ながら上条さんには、骨折した腕にギブスまで巻いた相手を、なぶる趣味はないんですよ」

御坂「うっさい! このくらい良いハンデよ!」

御坂「っていうか、こんな怪我はノーカン! ノーカンなんだから!」

御坂「超電磁砲を撃つ直前に、何故かコインが消えてさ……
    そのまま車にひかれるなんて、あーもう有り得ないー!」

上条「はいはい可哀想可哀想 だからいいよ、お前の不戦勝で」

御坂「きぃー!」


264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 01:22:49.46 ID:ZcVjNhcAO

数時間後 夜 ファミレス


フレンダ「ふぅ、お腹いっぱい……じゃあ行くって訳よ!」

麦野「フレンダ以外のアイテムは、全員たいひー」

滝壺・絹旗「はーい」

フレンダ「し、信用ないなぁ……アポート!」

フレンダ「ベレー帽の向こうは結局、不思議な国でし、た……?」

絹旗「何が来ました?」

フレンダ「コピー用紙の“束”って訳よ 変な紋様と、貼りつけるために必要な粘着性がまだ残ってる」

絹旗「超オカルトな仕様ですね」

麦野「儀式の途中だったのかもな 暗い部屋でブツブツ呟く陰険野郎の、驚愕したツラを思いうかべるだけで、笑えてくるわね」


265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 01:26:15.64 ID:ZcVjNhcAO

同刻 学生寮 廊下


ステイル「魔女狩りの王イノケンティウス――その意味は、『必ず殺す』」

上条「邪魔だ!」

ステイル「ははっ、無駄だよ! イノケンティウスは何度でも蘇えるさ!」

上条「なに!」

ステイル「……」

上条「……」

ステイル「……」

上条「……」

ステイル「……………………………………………………………………………………ん?」

ステイル「イノケンティウス! イノケンティウス!?」

上条「――だよな」

ステイル「ちょ、ちょっと待て! これは何かの間違い――」

上条「――なけりゃあ」

ステイル「待ってぇええええええええええええええ!」

上条「――上げてやるしか、ねぇよなぁあ!!!!!」


266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 01:29:50.01 ID:ZcVjNhcAO

数日後 夜 フレンダ/フレメア宅 ベランダ


フレンダ「んー、美味し」

フレンダ「結局、星々をつまみにして食べる風呂上がりのサバ缶は、格別って訳よねー」

フレンダ「こーんな良い気分にピッタリなのが、良いも悪いも未知数の
      運否天賦に等しき我が能力(チカラ)って訳よ!」

フレンダ「なーにかな、なーにかな、なにがでるかなー」

267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 01:30:44.32 ID:ZcVjNhcAO

同刻 小萌宅 居間


上条「――まずはその幻想をぶち殺すッ!」

インデックス「――再生、不可――」

上条「や、やったか――あ……羽が……インデックス!」

ステイル「能力者!」

神裂「それに触れては――」

上条「……」

上条「……羽が、なくなってる?」

268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 01:31:15.44 ID:ZcVjNhcAO

同刻 フレンダ/フレメア宅 二階 ベランダ


フレンダ「わぁ、すっごい綺麗な羽って訳よ 触ったらフワフワしてるのかな」

ハエ「ぷーんwwwwwwwwwwwwwwwwwwぷーんwwwwwwwwwwwwwwwwww」

フレンダ「うわっ、こっちくんなシッシッ」

ハエ「よさげなベレー帽の中にぷーんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

       あ                    」

フレンダ「……」

フレンダ「えっ」

269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 01:32:31.99 ID:ZcVjNhcAO


フレンダ「な、なにこの羽根ぇ!」

フレンダ「怖いから捨てちゃお! ベランダからバラまけばいいよね!」

フレンダ「えぃ!」

フレンダ「ふぅ、一仕事(ぐェ)おえたって訳よ」

フレンダ「結局、もうかなり涼んだし、用を足したらもう寝るって訳よ」


270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 01:33:20.61 ID:ZcVjNhcAO

同刻 フレンダ/フレメア宅 一階廊下


フレメア「お姉ちゃーん」

フレンダ「フレメア、どうしたって訳? 怖い夢でも見た?」

フレメア「ううん、こわい人が外で、ねてる にゃあ」

フレンダ「怖い人? 家の前に?」

フレメア「にゃあ」

フレンダ「うーん、ちょっとドアスコープ覗いてみるから、フレンダはもう寝ていいって訳よ」

フレンダ「じゃないと、お姉ちゃんみたいに大きくなれないぞ?」

フレメア「じゃあ、ねない」

フレンダ「……」

271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 01:33:55.82 ID:ZcVjNhcAO
フレンダ「さて、蛇がでるかサバがでるか、ドアスコープを覗いてみれば――」

一方通行「」

フレンダ「……」

フレンダ「た、大変! 救急車ぁ!」


数日後 昼 ファミレス


フレンダ「って事があってさぁ……」

麦野「……」

272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 01:35:01.26 ID:ZcVjNhcAO

フレンダ「第一発見者として付き添ったは良いけど、検査の結果は脳細胞がめちゃくちゃになっての記憶喪失」

フレンダ「身元はなんかよくわからなくて、超能力者の第一位らしいんだけど……
      起床したこの子が私を見て、とんでもない開口をしたって訳よ」

絹旗「で、超このザマってことですか」

一方通行「母さン、このお子様ランチ頼ンでいいか?」

フレンダ「はい……頼んでいいよ……」

滝壺「大丈夫、フレンダの隠し子だとしても、私は仲良くしてあげる」

フレンダ「勝手に子持ちにしないで!?」

273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 01:38:33.47 ID:ZcVjNhcAO

麦野「まぁ良い戦力じゃない 演算は出来るみたいだし」

麦野「統括理事会からも、アイテムの管轄下に置けっていわれたしね」

絹旗「超手に余る気がしますけどね……個人的な因縁も尾を引きますが
    まぁ、忘れてるなら仕方ないですね……」

一方通行「母さン、俺もベレー帽ほしいわ めちゃくちゃ黒ェ奴」

フレンダ「想像したら、意外とカジュアルだったって訳よ……」

滝壺「フレンダのお腹から新たな信号を感じる」

フレンダ「第二子!?」


274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 01:39:35.98 ID:ZcVjNhcAO

数時間後 夜 第七学区 歩道


一方通行「母さン どうだ、似合うか?」

フレンダ「ベリーグーって訳よ! ……はは、一緒に過ごしてると結局、愛着は厚くなるって訳よ」

フレンダ「財布は薄くなるけどねー……よぉし!」

一方通行「おォ!? どォした母さン!」

フレンダ「今から一発あててみるって訳よ! 私の能力でいざ一攫千金!」

フレンダ「どこかの金庫とつながってくれないかなー、アポート!」

275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 01:40:06.33 ID:ZcVjNhcAO


同刻 三沢塾 塾長の間


上条「――まずはその、ふざけた幻想をぶち殺す!」

ステイル「あー、床つめてー……」

アウレオウス「……」

上条「……」

アウレオウス「……あれ?」

アウレオウス「鍼がない、だと……?」

上条「ふん」

アウレオウス「ぶべらっ!」


276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 01:41:18.73 ID:ZcVjNhcAO

同刻 第七学区 歩道


フレンダ「おぉおおお!? ハリがどっさりって訳よ!」

一方通行「金になんのかァ? ねえンなら、俺が受け持ってもいいぜ
      記憶トぶまえは、金持ちだったっぽいしよ」

フレンダ「純金のような、そうでないような? まぁ明日には鑑定してもらうって訳よ!」

フレンダ「もし駄目だったら結局、甘えちゃおっかな? エヘヘヘ」

一方通行「お、おォ……任せてくれェ」

フレンダ「顔赤いよ? 風邪ならアレだし、早く帰ろっか!」

一方通行「あァ」


277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 01:42:27.07 ID:ZcVjNhcAO

十分後 フレンダ/フレメア宅 玄関


フレンダ「ん? 誰か立ってる、お客さんかな」

御坂妹「いえ、放浪者です とミサカは凍結された実験によって被った境遇を、簡潔に説明しました」

一方通行「実験……あァ、あの胸くそわりィ内容のか……」

御坂妹「そうです と貴方に殺される予定以外に、何も無いミサカは答えます」

一方通行「……」

一方通行「……お前は俺と一緒に来い 母さン、悪りィがアンタとはもうお別れだ」

278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/14(水) 01:43:38.67 ID:ZcVjNhcAO

フレンダ「分かってるって訳よ! その子も、一方通行と一緒に預かればいいんでしょ?」

一方通行「そうそうって、はァ!?」

フレンダ「缶コーヒーでも買ってくるの? 別れるのはいいけど、ちゃんと帰ってきてね」

一方通行「いや、だからなァ?」

フレンダ「フレメアだって、もう君になついてる」

フレンダ「いまさら私達の前から消えてもらったら、逆に迷惑って訳よ」

一方通行「……いいのかよ、本当に」

御坂妹「では、お邪魔します とミサカは新たな新居に心を踊らせながら、扉を開きます」

一方通行「っておォい!? なに人の家に勝手に入って――」

フレンダ「人の家、ねぇ」

一方通行「あ」

フレンダ「ははっ! ……結局、おかえりなさい 一方通行」

一方通行「……あァ」

一方通行「ただいま」


おしまい

279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/14(水) 02:09:03.22 ID:ZcVjNhcAO


次回予告



塵が舞い散りかぶさる視界の先にある、人がゆえの拠り所

雲の柔和にぬかるみ沈むは、重さがゆえの我が心

今こそはだけよ、その肉体ッ! ベストを尽くしてひた走れッ!


上条「どんとこい超常現象って、知ってるか?」


次回!


フレンダ「あなたが落としたのはフレの左手? それともフレの右手って訳?」 上条「不幸だ……」

フレンダ「サバ缶売りの少女って訳よ!」

フレンダ「結局、麦野のおしおきがクセになっちゃった……」

280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/03/14(水) 02:12:53.01 ID:ZcVjNhcAO

お楽しみに!


こんなに夜更かししたのは、遠足の前日いらいだぜ!

おやつが100円ぶんだけ、とかいわれちゃイライラして寝れねぇっつの!

ではおやすみなさい!

281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/14(水) 07:15:36.10 ID:tdnmNnRjo

毎回楽しみにしてるよ
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/14(水) 08:52:44.53 ID:lyO1nr2SO
乙って訳よ!
1のフレンダ愛はやっぱりすごいな
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/14(水) 11:31:04.00 ID:XzcPY5cXo
垣根の過去語りの下りで腹がよじれるかと思ったwwww
284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/03/14(水) 13:11:40.91 ID:aq25JLZt0
なんていうかなんだ、カオス面白い

一方通行がフレンダの息子の再構成物って書くとかなり不思議な感じだな
ちょっと長編で読みたい
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/14(水) 20:10:03.15 ID:qzgQj5kqo
やるねえ
286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/20(火) 14:03:30.71 ID:PdRVJWSAO

3年I組ぃ! インベスターズ先生ェー!


ここは阿鼻叫喚の無法地帯『3年I組』

ナイスバデーの教師が束になっても誰ひとりとしてなびかない

札付きのロリコンが溢れ返った教室に今、伝説の教師『イングランド』が現れた!


青ピ「せんせーせんせー、インターネットせんせー」

インデックス「違うんだよ! 私の名前はインデックスなんだよ!」

土御門「踏み台を使うぜよ 黒板に届かないにゃー
     インフォレスト先生」

インデックス「だーかーらぁー! 私はインデックスって言うんだよ! ちゃんと覚えるんだよ!」

一方通行「おいおい、インデックス先生の柔らかい足を、荷台なンかに預けるンじゃねェよ」

インデックス「あ、あくせられーたーはヒーローかも!」

一方通行「ま、まァな――あ? なンだお前、俺と先生の語らいを邪魔――え?
      給食を乗せたトラックが爆破されたから、今日は給食ぬき?」

インデックス「あくせられーたーなんて嫌いなんだよ!」

一方通行「いででででででェ!!!!!! あぎゃあああ――」


リハーサル中にインデックス先生が、ご飯を食べに行ってしまったので

急遽、タイトルと主役を“オルソラ先生”に変えて、来週は放送します!

お楽しみに!

287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:07:23.37 ID:PdRVJWSAO
第十三話 フレンダ「あなたが落としたのはフレの左手? それともフレの右手って訳?」 上条「不幸だ……」
288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:08:07.64 ID:PdRVJWSAO

深夜 学園都市 歩道


魔術師「お前の右手は俺が預かったぁ!」

上条「――ねえよ」

魔術師「えっ」

上条「お前をぶっ飛ばすのに、右手なんかいらねぇっつったんだよ!」

魔術師「ぐはあ!」

上条「はぁ……! はぁ……!」

魔術師「こ――このまま倒れてなるものか! 我ら派閥の後続がために、この右手だけはぁああああああ」

上条「えっ、ちょ待っ――右手投げちゃイヤァアアアアアアアアアア!」

289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:09:32.60 ID:PdRVJWSAO

上条「ふ、不幸だ……」

上条「新手の魔術師に右手を切り取られたあげく、負け惜しみに遠投されるとは……」

上条「これが腕丸ごとなら死んでたぜ……出血過多でさ まぁ時間経過によっては、同じだけど……」

上条「急ぐか……」


同刻 学園都市 養殖場


上条「たしか……ここらへんだったと思うけど」

上条「足元が危ういから、気をつけねぇと」

フレンダ「呼ばれて飛び出てニャニャニャニャーン!」

上条「」

290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:10:41.92 ID:PdRVJWSAO

フレンダ「突然ですがアナタに問題って訳よ!」

上条「」

フレンダ「アナタが落としたのはフレの左手? それともフレの右手って訳?」

上条「」

フレンダ「ノーコメントのアナタには、営業拡大に伴った限定サバ缶をプレゼント!」

上条「あ、ありがとうございます! 居候が喜びます!」

フレンダ「ギャグのつもりだったのに、受け取られちゃったって訳よ……」


291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:15:42.91 ID:PdRVJWSAO

上条「えっとそれで、アナタは一体なんなのでせうか?」

フレンダ「泉の精霊って訳よ! アナタが右手を落としたから結局、こうして顕現できたって訳!」

上条「落としたって……ここに?」

フレンダ「ここに」

上条「ふ、不幸だ……長年つれ添った右手が魚の餌になってしまうなんて……」

フレンダ「それには及ばないって訳よ! ほら魚って、人の皮膚についた老廃物を食べるって言うでしょ」

上条「それはドクターフィッシュだから! 下の魚どうみたってサバだから!」

292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:17:59.89 ID:PdRVJWSAO

上条「しかもなんで、ここのサバはみんな、サメ並みの巨体を誇ってるんだよ!
    口でつつくどころか、丸呑みじゃねーか!」

フレンダ「結局、遺伝子操作をされにされたサバって訳よ! サバ缶いくつ作れるか楽しみ!」

上条「人の右手が喪失するかどうかの瀬戸際を、楽しまないでくれませんか!?」

フレンダ「でも、男の人って腕に何かとハめて遊びたがるよね?」

フレンダ「誂えられたようにサバの方からハめに来てくれてるし、なおさら楽しまなきゃね!」

上条「ハめてるんじゃなくて、食べに来てるだけじゃないですかぁああ!
    竜王の顎が鯖王の顎になるのはイヤぁああああああ!」

293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:18:53.48 ID:PdRVJWSAO

フレンダ「じゃあさっさと質問に答えなきゃね! 右フレと左フレ、アナタの右手はどっち?」

上条「分かりきってるのに答えなきゃなのかよ……どっちも違います」

フレンダ「おっけーおけー、じゃあ取ってくるって訳よ」

上条「……はぁ、なんなんですかね 泉の精霊って
    風斬みたいなもんか?」

上条「……」

上条「……」

上条「それってマズくね!?」

294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:20:15.72 ID:PdRVJWSAO

上条「でも、いまの俺が泳いでも、精霊に追いつけるかどうか……クソっ! 右手さえあれば」

上条「ん? あれ!? 右手が手首から生えてきたぁああ!?
    気持ち悪っ! なんでなんでぇ!?」

フレンダ「はい、持ってきたよ! 君の右……手?」

上条「」

フレンダ「え?」

上条「」

フレンダ「」

上条「」

フレンダ「化け物って訳よぉおおおおお!」

上条「君にだけは言われたくないわ!」

フレンダ「乙女にむかって……ば、化け物だなんて……酷いって訳よぉ!
      うわぁあああああああん!!!!!!」

上条「あーもう、不幸だぁああああああああああ――」

295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:21:36.15 ID:PdRVJWSAO

数日後 深夜 養殖所


フレンダ「――ってな訳よ!」

フレンダ「ホント奇想天外な人間が、この世にはいるものよねー まさか手が生え替わる人間がいるとは」

垣根「肉体再生系の能力、ではないか 仮にそうなら、お前に頼る必要もないしよ」

フレンダ「あんなのがゴロゴロいる世の中には、なってほしくないなー
      私の仕事もなくなるし」

垣根「その仕事のせいで、義足になった人間がいることを忘れんな」

フレンダ「てへっ」

296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:23:37.29 ID:PdRVJWSAO

垣根「さて、帰るか」

フレンダ「明日も結局、また来てね!」

垣根「へいへい んじゃ俺の“元”右足を返せよ」

フレンダ「了解って訳よ! でもその前に質問させてねー」

フレンダ「果たして、アナタが落としたのはこの――」


おしまい

297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:29:09.64 ID:PdRVJWSAO


第十四話 フレンダ「サバ缶売りの少女って訳よ!」

298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:30:56.82 ID:PdRVJWSAO

朝 ファミレス


麦野「今日は大晦日 来年の良し悪しを占う1日が始まったばかりだってのに、私の気分はもう最悪の極み」

麦野「何故? 答えられるもんなら言ってみろぉお!」

麦野「なぁあ? フレンダちゃんよぉ!?」

フレンダ「うぅ……ごめんなさい」

麦野「ごめんなさいで済むならアイテムはいらねぇんだよぉおお!
    テメェら見ろこの発注書ぉ!」

絹旗「先月に依頼した、アイテムメンバーの備品要請でしたっけ――なになに
    サバ缶が一、十、百、千、万、じゅ……超十万ん!?」

滝壺「大丈夫、サバを読む絹旗でも私はいい子いい子してあげる」

絹旗「いやいや年齢じゃないです! ていうか上手くないです」

299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/20(火) 14:32:52.45 ID:PdRVJWSAO

麦野「フレンダ サバ缶の注文自体は確かに許してたが、それは割り振られる予算の範囲内の話だ
    この十万数のサバ缶が範囲内かって聞かれりゃ、四の五の言わずの超過ずみなんだっつのぉ!」

麦野「あっちの手違いかもと思って下っ端に連絡してみりゃあ
    『フレンダさんなら有り得るかな、と思って通しました』って何だそりゃあ!?」

麦野「丸っきりお前のせいどころか、万数もあるサバ缶を注文しても歯牙にかけられない
    お前のサバ缶狂っぷりが認知されてんのが、一番恥ずかしかったわぁ!」

フレンダ「うぅ……」

300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:36:04.15 ID:PdRVJWSAO

浜面「む、麦野 フレンダも反省してるみたいだし、それぐらいで勘弁してやんねぇか」

麦野「だったらこの損失をテメェが立て替えてみるか!?」

浜面「ぐっ さすがに一千万はちょっと……」

麦野「って訳だフレンダ 結局、いつのも常套句すら口に出せないお前の代わりに
    言ってやったついで通達するぞ」

麦野「お前、あのサバ缶をぜぇんぶ売りさばくまで、アイテムに帰ってくんな」

麦野「分かったなぁああ!?」

フレンダ「はぃいいいいいいい!」

滝壺「サバを売りサバくんだって」

絹旗「いや、上手くないです」


301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:40:51.42 ID:PdRVJWSAO

十分後 第七学区 歩道


フレンダ「麦野ってば、こんな寒空の下に人を放り出すなんて……血も涙もないって訳よ」

フレンダ「結局、桁を二つ間違えただけで、こんな事になるとは思わなかったなぁ」

フレンダ「逃げたりしたら滝壺に感知されるから、逃げ場もない……うぅ……」

フレンダ「と、とにかく頑張って売らなきゃよね! サバ缶と私自身の未来の為に 」

302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:46:11.00 ID:PdRVJWSAO

一時間後 第七学区 スーパー 駐車場


フレンダ「前向きになって色んなお店に買取をお願いしたけど
      やっぱりこの時期に売れるのはオードブルとかで、サバ缶を欲しがるお客さんは少ないって訳よ」

フレンダ「つまり学園都市内のサバ缶の需要は、今や前代未聞の最底辺! まずはそれを食い止めなくては!」

フレンダ「という訳で実演販売って訳よ!」

フレンダ「サバ缶の魅力を発信しなくては!」

303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:47:56.74 ID:PdRVJWSAO

フレンダ「皆さーん、いらっしゃいいらっしゃい! 世にも珍しいサバ缶行商って訳よー」

フレンダ「電気も火も能力もいらない、開けて食べるだけの簡単作業で食べるだけ!」

フレンダ「一缶なんと200円(ホントは100円)って訳よ!」

フレンダ「……」

フレンダ「……」

フレンダ「……」

フレンダ「見向きもされないって訳よ……」

上条「あのぉ……」

フレンダ「おぉう!? サバ缶かい? サバ缶いるかい!?」

上条「バイトの身分でこう言うのはアレなんだけど、これ撤収してくれませんか クレーム来てるんで」

フレンダ「」


サバ缶、のこり99999缶(1つは自分で食べた)

304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:53:55.82 ID:PdRVJWSAO

一時間後 第七学区 歩道


フレンダ「商売に受動的になるのは結局、命取りになるからちょうど良い機会よね!」

フレンダ「その教訓を生かして、営業をしてみるって訳よ!」

フレンダ「サバ缶の魅力は調理いらずの即効性!」

フレンダ「これを生かしていってみるって訳よ!」

305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:56:35.23 ID:PdRVJWSAO

数時間後 第二学区 アンチスキル訓練所 施設内廊下


黄泉川「ふぅ、腹減った腹減った」

鉄装「誰もが暖房でぬくぬくして至福を肥やしてるのに、アンチスキルはこんな時にも訓練しなくちゃいけなんですか?」

黄泉川「こんな時だからこそじゃん いーから食堂に行くぞー」

鉄装「はーい……」

フレンダ「スートッぉおおおプッッッッ!」

黄泉川 鉄装「!?」

306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:58:44.87 ID:PdRVJWSAO

フレンダ「そこのナイスバディのお姉さん方! ちょっと待ちんさいって訳よ!」

フレンダ「ここに有りますは無数のサバ缶!」

鉄装「何も無い所にサバ缶の塔を作った……空間転移系でしょうか」

黄泉川「タワーが五つできたじゃん」

フレンダ「今ならお一つ100円にござる!」

鉄装「この子、目が血走ってます……」

307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 14:59:45.07 ID:PdRVJWSAO

黄泉川「タワーを一つ分もらうじゃん」

フレンダ「毎度ありって訳よ!」

鉄装「買うんですか!? 怪しいなんてレベルじゃないですよ!?」

黄泉川「空腹と物珍しさには勝てないじゃん あと他のタワーはいらないからしまっていいぞ」

フレンダ「(´・ω・`)」


サバ缶、のこり99988缶(2つは自分で食べた)

308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 15:02:16.37 ID:PdRVJWSAO

数時間後 昼 学び舎の園


フレンダ「物珍しさをヒントに侵入してみたけど、制服の奪取に手間取ったって訳よ……」

フレンダ「でもこれで、この場所での販売権は得た! あとは手当たり次第に話かけまくるのみ」

フレンダ「ヘイ! そこの――ってぉおおお!?」

御坂「……? 今なにか聞こえなかった?」

佐天「そんな事より、もっと色々な所を回ってみましょうよぉー 久しぶりに来たんですから」

御坂「う、うん? でも気になる動きをした人が――」

黒子「気になる動きがご所望であれば、黒子がいくらでも再現してさしあげ――ヒンっ!」

初春「じゃあ、行きましょうか」

御坂「そうね」

309 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 15:04:20.59 ID:PdRVJWSAO

フレンダ「……あっぶねーあぶねー、 あの時の侵入者の超電磁砲だったって訳よ」

フレンダ「たくっ、たまには帰省して親孝行しろっての」

フレンダ「とにかく結局いまの内に――」

エカテリーナ「……」

フレンダ「……」

エカテリーナ「……」

フレンダ「えっと、支柱から伸びてるところ恐縮なんだけど――サバ缶でも食べる?」

エカテリーナ「……(コクン)」

310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 15:11:57.55 ID:PdRVJWSAO

婚后「エカテリーナちゃーん! どこに行きましたのー――あら?」

フレンダ「美味しい?」

エカテリーナ「しゃー」

婚后「エカテリーナちゃんが、あんなに美味しそうに食べるなんて、イチゴに継ぐ好物を発見ですわ!」

婚后「そこのアナタ!」

フレンダ「へ?」

311 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 15:17:25.14 ID:PdRVJWSAO

婚后「その手に持っているモノをお渡しなさい!」

フレンダ「ど、どうぞ?」

婚后「サバ、の缶詰? そこのアナタ!」

フレンダ「そこのアナタそこのアナタって、私はフレンダっていう名前があるって訳よ!」

婚后「し、失礼しましたわ それで、フレンダが差し支えなければですけど
    その缶詰めを引き取ってあげても、その……よろしくてよ?」

フレンダ「ほ、本当!? ぜんぶ買ってくれるって訳?」

婚后「きゃっ! あまり手を掴んで上下に振らないでくださいな!
    量があるなら、あるだけだして構いませんから」

フレンダ「わーい!」

婚后「だから振らないで……まったく、私を常盤台中学の婚后光子としっての狼藉なのかしら」

婚后「――ふふっ」

312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 15:19:27.82 ID:PdRVJWSAO

サバ缶、のこり0缶(4つはフレンダとエカテリーナで食べた)


夕方 常盤台女子寮 婚后の部屋


フレンダ「よいしょ、今はこれだけしか積めないけど、無くなったらメールして欲しいって訳よ
      いつでも届けに来るからさ」

婚后「と、当然ですわ!」

フレンダ「あはは」

婚后「……そそそそれと!? 私がフレンダの髪を触ってあげても構いませんわよ!?」

フレンダ「か、髪を? なんで髪――あー、なるほど」

婚后「な、何ですの! その訝しさ満点の視線は!」

フレンダ「どうぞ」

婚后「へ?」

313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 15:21:51.68 ID:PdRVJWSAO

フレンダ「人形みたいに大人しくはなれないけどね、結局は
      それでもいいなら」

婚后「ふ、ふんっ! 当然ですわ!」

婚后「わたくしの流麗な指先に髪を撫で回されるなんて光栄、フレンダが世界初なのですから、そのおつもりでいてくださいませ」

フレンダ「撫で回すのはダーメ」

婚后「(´・ω・`)」

314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 15:24:36.50 ID:PdRVJWSAO

十分後 同所


婚后「あぁ、いくらブラッシングしても飽きませんわぁ 羨ましコホンまぁ、私程ではありませんけど!?」

フレンダ「あはは(ミジカビ)あっ、浜面からだ(ピッ)」

フレンダ「うん、大丈夫 いま帰るから、分かった ありがとね
      バイバイ(ピッ)」

婚后「……もう、帰ってしまわれるんですの?」

フレンダ「うん、行かなきゃって訳よ……光子、ありがと」

フレンダ「私に頼まれるまでもなく、サバ缶をあんなに必要としてくれてさ
      スゴく、気持ちが楽になった」

315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 15:28:43.59 ID:PdRVJWSAO

婚后「べ、別に感謝されるほどのことでは――それに私だって少々、打算的な面はありましたから」

婚后「その髪を触らせてもらったことですし、わ、私もフレンダに感謝してあげてもよろしくてよ!」

フレンダ「うん、ありがとう! またいつでも触らせてあげるって訳よ!
      今度は友達としてね」

婚后「ぁ――はいっ!」


数時間後 夜 ファミレス


フレンダ「はい、一千万円!」

麦野「マ、マジであの量を捌いたのか?」

滝壺「サバだけに」

絹旗「そのネタはそろそろ鮮度切れです 魚だけに」

浜面「まぁ、助けに行く手間がはぶけて良かったよ ほら、イチゴオレでも飲むか?」

フレンダ「ありがとって訳よ! ――イチゴ、ね」

浜面「嫌いだったか? ならまた往復するけど」

フレンダ「ううん、ちょっと思い出してただけ」


フレンダがおもむろに開いた携帯の画面には

大口を開いたニシキヘビと、新しい友達の姿があった


おしまい

316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 15:33:43.25 ID:PdRVJWSAO


第十五話 フレンダ「結局、麦野のおしおきがクセになっちゃった……」

317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/20(火) 15:36:59.75 ID:PdRVJWSAO

昼 ファミレス 


絹旗「超珍しいですね 麦野が私に相談を持ちかけてくるなんて」

麦野「なぁ、絹旗」

絹旗「はい」

麦野「……この前は死にかけたよなぁ……?」

絹旗「死にかけましたね……余りに死にかけすぎて“この前”がどの状況を指しているのかが
    超わからないくらいに……」

318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 15:39:36.17 ID:PdRVJWSAO

麦野「それもこれも、あのフレンダのせいなんだよなぁ……?」

絹旗「あのフレンダのせいですね……」

麦野「縦にビルを倒落させて、敵を一網打尽にしようと目論んだはいいが……
    アイツが爆弾の設置を誤ったせいで、ビルは横なぎにドミノ倒し……」

絹旗「粉塵から逃げるために、5ビル分の距離を開けた私達の努力が、超無意味でしたからね……」
319 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/20(火) 15:41:43.48 ID:PdRVJWSAO


麦野「その前の任務ではよぉ……」

麦野「特殊な機材を学園都市外に輸送しようとした、トラックに的を絞って先回り……」

絹旗「橋の一部を爆破させ足止めを狙えば、爆薬が強すぎてトラックごと爆破
    その破片が、待機していた私達に超飛んできましたからね……」

麦野「挙げ句の果てにはだ……」

麦野「組織の裏切り者の粛清をしに、潜伏先の弁当屋まで赴いてみりゃあ
    私のっ!!!!!!! 鮭弁もろともぉ!!!!!!!!!!
    爆破しやがるしよぉおおおおおおおおおお!!!!!!!」

絹旗「いや、それに命懸けてるのは超麦野だけです……」

320 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 15:42:59.13 ID:PdRVJWSAO

絹旗「あと、火事場ドロボー未遂をほのめかすのは、超みっともないのでやめてください……
    アイテムのリーダーなんですから……」

麦野「分かってるんだがよぉ……! もどかしいんだ! クソッ!」

絹旗「麦野 それで、相談の内容というのは超なんですか?」

麦野「……絹旗ぁ」

絹旗「はい」

麦野「もしかしたら、っていうか……有り得ないってか、あくまで可能性の一つなんだけどさ」

絹旗「はい?」

麦野「アイツ……私のおしおきを楽しんでないか?」

絹旗「……」

321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 15:44:33.55 ID:PdRVJWSAO

絹旗「掻い摘んでいえば、わざとミスをして麦野を怒らせていると? おしおきを受けるために」

麦野「ミスをしたアイツが得られるメリットを類推してよ スパイの可能性も挙げてみたが、それは違った」

麦野「アイテムに損失を与えるのが目的じゃないとすれば、自分に損失を与えようとしている
    としか考えられないのよ」

絹旗「アイテムの損失云々は性急な気がしますが、自分の損失云々という点には
   少し心当たりがあります」
322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/20(火) 15:46:40.95 ID:PdRVJWSAO

麦野「言ってみろ」

絹旗「対人戦でつかう爆弾を仕込む人形が全て、超自家製の麦野フィギュアに代替わってるようなんですよ」

麦野「はあああぁ!? 初耳なんだけどぉ!?」

絹旗「私も昨日やっと気付きました」

麦野「そうかよ はぁああ……で、その惨状の程は?」

絹旗「意外と戦略的価値を見い出せてましたよ」

絹旗「フレンダ製のフィギュアが精巧からなのか、敵が特殊な人間だったからなのかは定かではありませんが
    麦野のフィギュアを満面の笑みで眺めながら、爆死していました」

麦野「私が美人だからに限るっつの」

絹旗「爆発しても跡形を残すように計算されているのか、フィギュアの有り様は家畜(ぶた)以下でしたけどね」

麦野「フゥゥウレンダァアアアアアアアア!?」

323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/20(火) 15:48:04.39 ID:PdRVJWSAO

絹旗「こうやって私達に危害を加えることなく、麦野を怒らせる方法が捻出されている時点で
    麦野の推測はより固くなりましたね」

麦野「あぁ……ほぼ間違いなくなったが これから更に固くなるわよ……? フフフ」

麦野「アイツさぁ……笑ってやがんだよ……おしおきを受けてる最中
    ずっっっっっっっとね!!!!」

絹旗「うわぁ……超うわぁ……」

麦野「殴ろうと蹴ろうと髪を掴もうと染めようとバリバリ削ごうとベレー帽サバ缶を遠ざけようとずっとずっとずっとぉおおおお!!!!!!!
    ニコニコニコニコニコニコニコニコさぁあああああああああ!?」

絹旗「うぇっ……そ、そんな見た目まるごと変わりそうなおしおきを?」

324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/20(火) 15:51:14.55 ID:PdRVJWSAO


麦野「脅しだけってのもあるわよ?」

麦野「ファミレスで座れるだけの見たくれは、保ってもらわなきゃ困るしさ」

絹旗「納得ですが、同時に超確定したみたいですね フレンダの目的が」

麦野「そこで絹旗に相談なのよ あのフレンダにする対策を、どうしたらいいか」

絹旗「なるほど……」

絹旗「……麦野自身も、出来れば“おしおきはしたい”んですよね?」

麦野「まぁねぇ、おしおきで済むレベルのミスなら、どんどんして欲しいくらい
    そのレベルを超過した上でのミスと、相手を喜ばせる程度のおしおきが、もうイヤなだけ」

絹旗「そうですか――」

絹旗「……一つ思い付きました 今のフレンダに対する、これ以上ないくらいのおしおきを」

325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 15:58:23.89 ID:PdRVJWSAO

数日後 昼 ファミレス


絹旗「――フレンダが私に相談を持ちかけるなんて、明日は超原子崩しでも降りますね」

フレンダ「え、縁起でもないこと言わないで欲しい訳よ!」

フレンダ「でもぉ死なない程度なら、そういう嗜好のおしおきもアリかなぁ? にしし」

絹旗「まったく、ここまで筋金入りでしたか」

絹旗「相談の内容は【麦野がおしおきしてくれない! どーしよー】
    という事で超よろしいですか?」

フレンダ「す、スゴい読みって訳よ! 絹旗ってばさすがに大能力者ね!」

絹旗「窒素に対する誤認が芽生える前に、話を進めますよ?」

326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/20(火) 15:59:57.59 ID:PdRVJWSAO

絹旗「おしおきをされない、というのは暗部中のミスに対するお咎めが、麦野から一切ないという事ですか」

フレンダ「うん……」

絹旗「でしょうね」

フレンダ「だんだん我慢できなくなって、麦野に飛びかかって胸を揉みしだいたり、首筋をペロペロしたりしても、無反応って訳なのよ……」

絹旗「でしょうね」

フレンダ「麦野の鮭弁を、横からつまみ食いしても駄目……」

絹旗「でしょうね」

絹旗「――私が、そうアドバイスしましたから」

フレンダ「……え? 絹旗ってば結局いま、なんか言った?」

絹旗「いえ何も」

327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 16:01:36.80 ID:PdRVJWSAO

絹旗「フレンダに対して素っ気ない理由なら、知っていますよ」

フレンダ「本当ぉ!? 何々って訳よ!」

絹旗「フレンダに対するおしおきをやめる事が最も、フレンダに対するおしおきになるからです」

絹旗「もちろん麦野は、そんなフレンダを見て超喜んでいます」

フレンダ「そ、それじゃあ麦野は、私がわざとミスをしてた事を――?」

絹旗「超知っています」

フレンダ「ガーン……って訳よ……」


328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/20(火) 16:03:50.26 ID:PdRVJWSAO

フレンダ「うぅ……どうすれば良いって訳よ……このままおしおきがないんじゃ、栄養失調で倒れちゃう……」

絹旗「そんなに超おしおきが好きなんですか? 何なら私が――」

フレンダ「麦野のおしおきだから意味があるって訳よ!」

フレンダ「恐怖を煽る眼光と手心を知らない暴力の嵐が、天災のようにとめどなく
      私の心身をイジめ抜いてる最中に、苦渋の先にある安息を想像するとさ、なんか気持ちよくて……」

フレンダ「あと、麦野ってばさヒヒッ……夢中になってると、肌着がズレてくるって訳よフフ
      私は痛みに憔悴しながら、そんな麦野をみてやっぱり興奮しちゃうんだよね……」

フレンダ「おしおきを受けてる私が反省もせず、利己的な思考に身をゆだねてるっていう背徳感
      それも結局、たまらなくそそるって訳よ……」

絹旗「お前はいったい何を言っているんだ」

329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 16:04:46.54 ID:PdRVJWSAO

フレンダ「だぁかぁらぁ……助けてよぉ……どうすれば私はあの素晴らしき日々を取り戻せるのぉ……?」

絹旗「麦野と超同じ態度をとってみたらどうでしょう」

フレンダ「それってつまり……私に麦野を無視しろって事!?」

フレンダ「必要最低限の社交辞令だけで、麦野とイチャイチャしなきゃなんて、耐えられないって訳よぉ!」

絹旗「社交辞令とイチャイチャが同義なら、この世界の人間のほとんどが常時イチャイチャしてますね」

330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 16:08:55.27 ID:PdRVJWSAO

絹旗「いいですか? 急がば回れですよフレンダ」

フレンダ「磯がサバに見舞われる?」

絹旗「目的の到達に確実性を求めるなら、時間を犠牲してまでもリスクを減らすべき みたいな教えです」

フレンダ「スルーされたって訳よ……」

絹旗「いいですか? 麦野がいま施行しているおしおきは、フレンダが不快な顔を見せて麦野を満足させる、という
    大前提の元に進行しています」

絹旗「つまり、フレンダが超顔色を変えずにいるだけで、麦野のおしおきは破綻するんですよ」

絹旗「そうなれば麦野も、アクションを起こさざるを得ないでしょう 超そういう人ですから」

フレンダ「た、確かに 分かった……ちょっとの間そうしてみる……」

絹旗「――まぁ、どちらも意地になって膠着が恒久される可能性も超ありますけど」

フレンダ「え? いま絹旗なんて言――」

絹旗「いえ、超……独り言です」

331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 16:12:08.45 ID:PdRVJWSAO

数日後 昼 ファミレス


絹旗「自分はいつから、アイテムの超ご意見番になったんでしょうか」

滝壺「ゴメンね きぬはたしか頼れる人がいないから」

絹旗「いえ、超ぼやいてみただけですから、続けて下さい」

滝壺「うん フレンダとむぎのがね、喧嘩してるみたい」

絹旗「……そうですか」

332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 16:12:58.05 ID:PdRVJWSAO

滝壺「二人ともあまり口を聞かなくて、フレンダが悪い事しても麦野は怒らないし
    フレンダは、麦野に甘えて擦りよったりもしない」

滝壺「どっちも淡々としてて、でも常に威嚇しあってる そんなピリピリした空気が苦しいの」

滝壺「こんなのおかしい……私の知ってるアイテムじゃない……」

絹旗「……滝壷さんは、いつものアイテムに戻って欲しいんですか?」

滝壺「うん」

絹旗「超難題ですね 二人のしたいことをどっちも通せば、再び亀裂が走るのは必至」

滝壷「きぬはたも、いつもアイテムがいいよね?」

絹旗「……どうでしょうか」

滝壷「え?」

333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 16:13:37.46 ID:PdRVJWSAO

絹旗「超ぶっちゃけますけど」

絹旗「いつからか、超腹が立つようになってたんです 麦野とフレンダを見ていると」

滝壺「……」

絹旗「麦野だけ、フレンダだけなら別になんとも無いんです……
    でも麦野とフレンダが一緒にいるのを見ていると、どうしようもなく腹がたって……」

絹旗「だからいっそ、このままでもいいかな なんて、超思ったりもしてるんですよ?」

滝壺「……」

絹旗「……実は、麦野とフレンダをけしかけたのも超私で、こうなるように仕向けたのも私なんです」

滝壺「……きぬはた」

絹旗「だから、私は――ってキャわぁ!?」

334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 16:14:15.15 ID:PdRVJWSAO

滝壺「よしよし」

絹旗「たたたた、滝壷さん!? ここファミレスですから!
    公共の場でそのっ、抱擁をかますというのはその……! はぅぅ……」

滝壺「きぬはたは寂しかったんだね ゴメン、気付いてあげられなくて」

絹旗「……ぅ」

滝壺「私はフレンダみたいに懐いたり、麦野みたいに虐めたりできないけど、いつでもこうしてあげるから」

滝壺「もう寂しくないよ?」

絹旗「こ、これじゃ……どっちが相談を受けてるのか、超わかりませんねっ……」

滝壺「うん」

335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 16:15:19.22 ID:PdRVJWSAO

絹旗「私、辛かったです……フレンダの相談をうけるのも、麦野の相談をうけるのも……
    ずっと、泣きたいのを我慢して、ずっど……無表情を装っで……!」

滝壺「うん」

絹旗「私といるのに、みんなはいづも別の人を見でるからぁ……! 私なんか、私なんか要らないんじゃないかっでぇ……!
    わぁあああああああああああああん!」

滝壺「うん――きぬはた、聞いて?」

絹旗「グスっ……」

滝壺「私もむぎのもフレンダもみんな、きぬはたを必要としてるんだから
    きぬはたも、私達を頼って良いんだよ?」

絹旗「ぅ……は、い……グスっ」

滝壺「よしよし」

336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 16:18:45.01 ID:PdRVJWSAO

数日後 昼 ファミレス


麦野 フレンダ「ご迷惑をおかけしましたぁあ!」

滝壺「よろしい」

絹旗「で、どうですか? 私の考えた代案は」

麦野「実践してるわよ 仕事中ではなく、プライベート中のミスにのみ、おしおきを適応する事にして」

フレンダ「おしおき中は目隠しその他もろもろを私が装着 表情を麦野にみせないようにしてるって訳」

滝壺「理想てきなSMライフ」

絹旗「永遠に知りたくない理想名ですね」

337 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/20(火) 16:19:47.35 ID:PdRVJWSAO

麦野「はは! ――悪かったな、絹旗」

フレンダ「私ってば結局、自分のことばかりで、絹旗のこと全く見えてなかったって訳よ」

絹旗「いえそれは、見せようともしなかった私の責任でもありますから」

麦野「そうか」

絹旗「ですからその代わり――これからは、私の相談をみんなには超受けてもらいますよっ
   ね! 滝壺さん?」

滝壺「大丈夫」


――私は、そんな絹旗をずっと応援してるからね


おしまい

338 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/20(火) 16:24:34.32 ID:HfwxURIDO
相変わらずフレンダ可愛い
むしろアイテム可愛い
サバになりたい
339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/20(火) 16:57:43.19 ID:PdRVJWSAO

一人が一人を救った余波が、やがて世界に波を及ぼす事象

世界に蔓延する影にかぶさる後光が、地平の彼方まで満ち照らし

ありふれた伝承が生きた伝説となって闊歩すれば、強いられた循環はすでに

打ち砕かれたも同然となる 銀と金が奏でるマーチの下に


上条「――神様」

上条「この物語(らせん)が、組織(セプテントリオン)の作った
   竜計画(けいかく)の通りに動いてるってんなら」

上条「まずはその幻想を――ぶち殺すッ!」


次回!


フレンダ「フリーマーケットって訳よ!」

フレンダ「私のベレー帽の中は結局、パルプンテって訳よ!」 一方通行「その2だァ」

フレンダ「とある二人の強制医療(デリバリーヘヴンキャンセラー)って訳よ!」


お楽しみに!

340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/20(火) 17:02:20.23 ID:qi2Z2kHMo

面白かったよ乙
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/20(火) 19:06:47.57 ID:CGCBbAoDO




ガンパレか…?
342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県) [sage]:2012/03/21(水) 01:40:50.94 ID:4pPZAUtv0

なんだかんだちゃんと通ってるんだな、垣根
343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/21(水) 03:53:08.50 ID:BEoNmQqRo
俺にとって最高に幸せなスレ
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/21(水) 06:57:05.76 ID:ZaMKDSRSO
>>314
こんな着メロねえっつの!

とにかく乙って訳よ
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) :2012/03/22(木) 20:39:03.47 ID:Mh4Lqaxv0
デリヘヴワロタ
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) [sage]:2012/03/22(木) 22:12:55.58 ID:kyZpvNFl0
乙!

できればこれとは別スレで長編やってほしい
誰かとイチャイチャする奴
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 14:07:23.39 ID:+Gp2+/gAO
>>341 >>346

 このスレを立てる前に 厚志「学園都市、ハッピーエンドを取り戻しにきた!」
 って長編クロスを立てようとした事実は、クラスのみんなにはナイショだよ!
 40レス分の書き溜めがすでにあるのもナイショだよ!

んじゃまあ再開するぜ!
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 14:10:26.90 ID:+Gp2+/gAO

3年O組ぃ! オルソラ先生ェー!


ここは阿鼻叫喚の無法地帯『3年O組』

百戦錬磨の教師が束になっても誰ひとりとして役にたつ事がない

文武両道の秀才が溢れ返った教室に今、伝説の教師『オルソラ アクィナス』が現れた!


オルソラ「私がこの英文を読み上げますから、皆さんにも復唱をお願いするのでございますよ」

オルソラ「ok.if you are confident in what you can do everything you wish world destroy your fuck`n fantasy.」

生徒全員「ok.if you are confident in what you can do everything you wish world destroy your fuck`n fantasy.」

オルソラ「良くできましたのでございますね では、私がこの英文を読み上げますから、皆さんにも復唱をお願いするのでございますよ」

オルソラ「ok.if you are confident in what you can do everything you wish world destroy your fuck`n fantasy.」

神裂「状況を繰り返してどうするんですか!」


リハーサルがまったく進行しないので

急遽、タイトルと主役を“アレイスター校長先生”に変えて、来週は放送します!

お楽しみに!

349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 14:14:04.34 ID:+Gp2+/gAO


第十六話 フレンダ「フリーマーケットって訳よ!」

350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 14:15:20.26 ID:+Gp2+/gAO

朝 麦野のマンション 麦野の部屋


麦野「今日はどのブランドで着飾ろうかにゃーん」

麦野「いちど身に着けた物を、何度も繰り返して身に着ける 浜面の経済力マジ浜面だわ」

麦野「波にさらわれるのは金じゃあなく、顔面だけにしろっての 浜面なんだから」

麦野「服は使い捨てが当たり前 例外はない」

麦野「これも着たこれも着たこれも着た む……新品がないわね
    押し入れの中にあったかしら」

麦野「ん……扉が固いわね 何か突っかかってんのかしら」

麦野「よいしょ、開いた開いた――ってぉおおおおおお!?」

麦野「な、なんだこりゃあああ! 服の雪崩じゃねぇかぁあ! こんなにぶち込んだ覚えねぇぞ!」

麦野「う……埋もれる……原子崩しは、クソ……家と服に穴を空けて、たまるかよ……!」

フレンダ「麦野! 助けに来たよ!」

麦野「そこは私んちの屋根裏のはずなんだがなぁ!?」

351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 14:16:47.62 ID:+Gp2+/gAO

フレンダ「友達の部屋に入るのに、理由なんて要らないって訳よ!」

麦野「家主の了承を得ずに、家に入らなければならない理由をもつのは、友人が獄中にいるような奴だけだろボケがぁ!」

フレンダ「こ、このスネについた傷は、犯罪者の証なんかじゃないもん!」

フレンダ「結局、マンションにこしらえた隠し通路を通る最中に、擦りむいただけなんだから!」

麦野「オーケー、後でコンクリ流し込んでおくわ」

352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 14:18:49.00 ID:+Gp2+/gAO

フレンダ「しまったって訳よ……」

フレンダ「こうなったら麦野を助けて恩を売り、合い鍵を預け合う仲まで
      発展させるしかないわね!」

麦野「テメェの悪事と相殺だボケ」

フレンダ「モチベーションが半壊したって訳よ……ま、いいや
      麦野のストッキングを上から垂らすから、掴まって!」

麦野「相殺じゃなく活殺カクテイだなぁあ!」

フレンダ「大丈夫! ストッキングを何足も使って編みに編んだから、耐久性は結局バッチリって訳よ!」

麦野「聞いてねぇから! なにより、昨日今日の作業じゃねぇなオイ!」

353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 14:24:38.44 ID:+Gp2+/gAO


五分後 麦野のマンション 屋根裏部屋


フレンダ「うぅ……オデコ痛い……」

麦野「私のデコピンは、コイン位なら軽く曲げるから当然」

フレンダ「麦野が第三位に返り咲けない理由と秘話が、いま明かされたって訳よ……」

麦野「序列の基準がいつから、超電磁砲を撃てるかどうかに変わったんだよ」

麦野「それにしてもどうすっかねー、部屋に降りらんないわよコレ」

フレンダ「本当よねぇ 結局、隠し通路から降りるしかないって訳よ」

麦野「はぁ……処分をしぶって新品と中古を押し入れ、渾然一体させたのが祟ったか
    玄関から回り込んで、一枚一枚かきだすしかないわね」

354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 14:27:26.69 ID:+Gp2+/gAO

フレンダ「中古はやっぱし捨てちゃうって訳?」

麦野「あぁ、欲しいなら持ってってもいいぞ」

フレンダ「マジ!? これで堂々と、麦野の残り香が楽しめるって訳よ!」

麦野「やっぱ駄目」

フレンダ「……そ、それは別に良いんだけどさー 中古なら中古なりの活用法が、他にもあるって訳よ!」

麦野「眉をひそめられながら言われても、説得力に欠けるがな
    ――活用法って?」

フレンダ「フリーマーケットって訳よ!」

麦野「はぁ? フリーマーケットってアレでしょ? 小銭を巡って小競り合う、小市民の中でもごく少数の少数民族の集会でしょ?」

フレンダ「塵にも等しい最悪の印象を抱かれてるって訳よ……」

355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 14:30:42.91 ID:+Gp2+/gAO

麦野「実際そうじゃない お金なら、見ての通り間に合ってるわ」

フレンダ「ちっち フリーマーケットの主旨は確かに売買のやりとりだけど
      麦野がフリーマーケットで目指す主旨は結局、売買である必要性はないのよ」

麦野「副次的な成果があるとでも?」

フレンダ「うん!」

フレンダ「そしてそれは、私達の前で目ざとくイチャつく、あの2人が起因になってるって訳よ!」

麦野「くくっ……アハハハ! なぁるほど合点がいったわ――」

麦野「滝壺と浜面のやろうねッ!」

356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 14:39:17.15 ID:+Gp2+/gAO

フレンダ「そう! あのバカップルの抑止力となるべく
      麦野は今こそ、男の一人や二人を引っ掛けておくべきって訳よ!」

麦野「フリーマーケットの規模は? 私に見合う男を、選り好みできる人数は集まってんだろうな」

フレンダ「いえす! 結局はもう、みんなの名前で申し込み済みって訳よ!」

麦野「よくやったぁ! 今に見てろよ浜壺ぉお!
    テメェらのピンク空間に匹敵する、幸せオーラを私もまとってやるからなぁあ!」

フレンダ「まとった後、節操がない男という生き物に絶望した麦野はやがて、私に惹かれ始めるって訳よ!」

麦野・フレンダ「はァーハッハ!!!!!」

麦野「それはない」

フレンダ「(´・ω・`)」


357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 14:41:34.06 ID:+Gp2+/gAO

なんやかんや麦野が服を着て一時間後 昼 ファミレス


麦野「という訳で、アイテム総出でフリーマーケットをしてみたいと思う」

絹旗「総出する意味が、超わからないんですが」

フレンダ「絹旗ってば、3ヶ月前に買った健康器具、まだ使ってる訳ぇ?
      いろいろと意気込んでたみたいだけどさ」

絹旗「う……そ、そんなの超関係ないじゃないですかっ!」

麦野「いいえ、関係あるわよ よく聞きなさい絹旗」

麦野「私達が今すべきことは、過去からの脱却を経た、確実な変革なの」

フレンダ「頼みの綱の器具がダメだったんなら、それを取り払ってこそ
      他のコトに目を向ける余裕と視野が、だんだん広がるって訳よ!」

麦野「私も今は捨て置くわ この嫉妬心と憎しみは
    だから絹旗、ともに行きましょう? フリーマーケットへ」

フレンダ「背……伸ばしたいんでしょ?」

絹旗「の、伸びる前に恥ずかしくて縮こまっちゃいますっ! あまり大声で言わないでぇえ!!」

358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 14:42:21.45 ID:+Gp2+/gAO

絹旗「分かりましたよ! 出れば良いんでしょ超出れば!」

フレンダ「やったー! 出席するには、人数が最低5人は必要だったからさー」

絹旗「C級にありがちな部活動の申請みたいですね……ん?
    って事は、あの2人も超呼ぶ――」

浜面「よぉ、遅れて悪かったな 何の話で盛り上がってんだ?」

滝壺「浜面と私の信号がドッキングしてる」

麦野「出たよ……」

359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 14:44:47.74 ID:+Gp2+/gAO

絹旗「……アイテムみんなで超フリーマーケットをする事になったので、話を進めてたんですよ」

浜面「そいつは渡りに船だな ちょうど金欠で困ってた所だからよっと
    滝壺、いいぞ」

滝壺「うん、はまづらの太モモの上は私の指定席」

麦野「……」

フレンダ「麦野ってば足ふまないでぇええ! 脚線が曲線を描いちゃうぅう!」

絹旗「どんな脚力ですか」

360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 14:45:25.72 ID:+Gp2+/gAO

滝壺「もしも私の足が無くなったら、はまづらはどうする?」

浜面「一生、お姫様だっこで付き添うにきまってんだろ」

滝壺「うれしい……」

浜面「滝壺……」

麦野「あぁあああああああ!!!!! 絹旗ぁ! トイレ!」

絹旗「わ、私はトイレじゃありません! ってうわぁ! 麦野っ、超引っ張らないでぇ――」

フレンダ「行っちゃったって訳よ……」

滝壺 浜面「イチャイチャ」

361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/27(火) 14:49:11.30 ID:M8bSL84IO
壁凹んじまったよ糞が
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 14:57:35.57 ID:+Gp2+/gAO

フレンダ「……えっと、2人は結局、フリマで何を出品するか決まってる訳?」

浜面「あー、どうすっかな」

浜面「俺のやることなすことは全て、滝壺に関連づけたいが
    滝壺と俺が関連した物は、売り払いたくないこの矛盾」

滝壺「ならさ、私とはまづらの記憶をしたためて売ってみようよ」

滝壺「そうすれば物も減らないし、フリーマーケットらしさもある」

浜面「いいなソレ! 使い古した思い出だって、掘り起こして書きとめれば
    俺達の思い出はいつまでも、鮮明なままで残ってくれる――ってフレンダ、どこ行くんだ?」

フレンダ「トイレ」

363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 15:01:49.49 ID:+Gp2+/gAO

数日後 朝 サッカー場 アイテム陣営テント


浜面「ふぃー、疲れた疲れた」

滝壺「設営お疲れ様 はまづら」

浜面「おっ、飲みもんサンキュー まさか……こんなだだっ広い芝生を往復して
    ブルーシート敷いたり、テントを設営した後
    フック陳列棚やら、投げ込み陳列カゴを運ぶとは思わなっかったぜ……」

滝壺「でも、本格的になったよ はまづらのおかげで」

浜面「そう言われると救われるな あ、滝壺も飲むか?
    飲みかけだけど」

滝壺「うん」

麦野「……(ギリギリ ブチ)」

フレンダ「その服は売り物だよ麦野ぉ!? 水にひたした雑巾じゃないって訳よ!?」

絹旗「雑巾はねじ切れませんけどね 普通」

364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 15:04:36.80 ID:+Gp2+/gAO

麦野「ちっ、まぁいい 商品はあらかた並んだな」

フレンダ「絹旗の健康器具はビニールに包装されてシートの上に、麦野の服はフックにかけてあるって訳よ!」

絹旗「あの二人のヒストリー本は、超投げ込みの方に積まれています」

麦野「よぉし、準備は出来――てねぇじゃねぇか!」

フレンダ「へ?」

麦野「お前の商品だよフレンダぁ? 影も形も見えないんだけど」

フレンダ「そりゃそうよ!」

フレンダ「私は結局、自分を売ることにしたって訳なんだから!」

麦野「」

365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 15:05:57.00 ID:+Gp2+/gAO

絹旗「じじじ自分を売るだなんて、超不潔ですフレンダ!」

麦野「フレンダ……いくらお前のパラメーターの九割が、容姿に振られていたとしても
    ソイツを自覚して認めちゃあ、女としてお終いだぞ……?」

フレンダ「えぇえ!? 何の話よ! ていうか、私のアイデンティティってそんなに偏って見えるの!?」

絹旗「フレンダぁ! 駄目です! お金に困ってるなら貸してあげますからっ!
    ――体を超担保に」

フレンダ「な、なんか良く分からないけど、同性2人が私のボディを魅力的に捉えてくれてるのは結局
      悪くない優越感って訳よ!」

麦野「絹旗の言う通りよ 私達がフレンダを好きなだけコキ使ってやるから、売春だけはやめなさい」

366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 15:07:28.16 ID:+Gp2+/gAO

フレンダ「えっ」

フレンダ「なに……? この捨てられたら子猫を見るような憐れみの視線……って
      ぇええええぇええええぇええええぇええええ!?」

フレンダ「ば、売春んん!? ハッ、いやいや自分を売るってのは結局、そういう意味じゃないからぁ!」

麦野「じゃあなによ」

フレンダ「ほ、ほらっ、私ってば体術に優れてるじゃん? そういうのを指南して、お金をもらおうかなぁって――」

黄泉川「そこの子ー、聞こえてるじゃん」

黄泉川「フリーの意味を履き違えたら駄目じゃん 自由に物を売るのと、物を自由に選んで売るのは全く別の意味だからな」

フレンダ「\(^O^)/」

367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 15:16:19.23 ID:+Gp2+/gAO


十分後 同所 グループ陣営


フレンダ「ベレー帽とサバ缶の予備は持たずじまい、体術や爆弾の販売権を失った私のアイデンティティは、もはや
      マジで見た目だけと化したって訳よ……」

フレンダ「用なしは邪魔だからって追い出されたし……仕方ない
      今は麦野のおつかいをして、大人しくポイントを稼ごっと」

フレンダ「さすがに数千人規模のフリマは、人が多くて酔いそうになるわね」

フレンダ「おっ、このお店のカウンターに、線の細いイケメンを発見!」

海原「いらっしゃいませ 1日の思い出に、宝石はいかがですか?」

フレンダ「プリクラってレベルじゃねーぞ」

368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 15:18:19.63 ID:+Gp2+/gAO

海原「はは、流石にワンコインでの取引は、控えさせて貰いますが
    個人的に研磨した趣味には違いないので、それ相応の値でお売りしますよ」

フレンダ「ホント?
      でも、こうやってディスプレイ越しに見ても、とても素人の仕事に見えないって訳よ」

フレンダ「どうみても宝飾用だし 規則的に角張ってて、オレンジ色の透明感もあってスゴく綺麗……」

海原「恐縮です では、1000円でいかがでしょう」

フレンダ「安っ!!!!! 本当にいいの!?」

369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 15:19:16.84 ID:+Gp2+/gAO

海原「モチロンです お金が欲しくてやってるわけでは有りませんから」

海原「彼女の瞳の輝きを、一人でも多くの人に伝えたいだけなので」

フレンダ「うーむ? なんだか分からないけど、身につまされる話って訳よ! よし買ったぁ!」

海原「ありがとうございます! 今、お包みしますね」

フレンダ「そーいや聞き忘れてたけど、この宝石の名前って――」

海原「ミコトルマリン 自分の愛する人の名を、象った宝石になります」

海原「お見知りおきついでに、周知していただければ幸いです」

370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 15:21:57.30 ID:+Gp2+/gAO

二十分後 昼 同所 陣営-天草式


フレンダ「エヘヘ、めちゃくちゃイイ買い物しちゃったって訳よ 名前を聞いた時、なぜか鳥肌たったけど」

フレンダ「ここは何があるのかなー?」

五和「いらっしゃいませ 使い古された晴れ着はいかがですか?」

フレンダ「わぁ、店員さんもみんな着物姿なのね 面白いって訳よ!」

五和「ふふ、ありがとうございます」

五和「和洋折衷とでも言いましょうか お客様も、大変お似合いになられると思いますよ?」

五和「(ポヨーン)」

フレンダ「そ、そぉ? でも胸がちょっとなぁ――」

神裂「五和 このレジという機械は、如何なる方法で操作をすれば……」

神裂「(ボイーン)」

フレンダ「」

神裂「あ、お客様がいましたか いらっしゃいませ」

神裂「(ボイーン)」

フレンダ「」

五和「私が代わりましょうか?」

五和「(ポヨーン)」

フレンダ「いつわの嘘つきぃいいいい!!!!」

五和「えぇええええ!?」


371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 15:23:53.81 ID:+Gp2+/gAO

二十分後 同所 とある高校の陣営


フレンダ「……はっ、目の前で揺れる大波を眺めてたら結局、衝動に任せて逃走しちゃったって訳よ」

フレンダ「アレはもう一種の催眠術よね それにしても――」

フレンダ「ここの商品は統一感がなくて、目新しいモノばかりって訳よ」

フレンダ「ねぇねぇ、これって結局なんの機械?」

吹寄「萌え萌えバックルたんよ」

フレンダ「どういった用途の物なのかを教えて欲しいんだけど」

吹寄「萌え萌えバックルたんよ」

フレンダ「いや、だから――」

吹寄「萌え萌えバックルたんは萌え萌えバックルたんなの!!!!!!!!
    これ以上は聞かないでぇ! いやむしろもう引き取ってよ!!! ほらっほらっ!」

フレンダ「トラウマの断末魔と一緒に、変なモノ押し付けられたって訳よ……」

372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 15:32:29.53 ID:+Gp2+/gAO

フレンダ「おっ、私みたいな金髪の美少女ハッケン!」

サーシャ「第一の質問ですが、この棒は一体なんなのですか?」

姫神「魔法の。ステッキ」

サーシャ「第二の質問ですが、それは拷問に用いる存在でしょうか」

姫神「多分。うん」

サーシャ「第一の回答ですが、購入してもよろしいか」

姫神「まいどあり」

フレンダ「……」

フレンダ「ここでツッコむのは、無粋……なのかな?」

373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 15:34:24.16 ID:+Gp2+/gAO


数時間後 夕方 同所 アイテム陣営


フレンダ「戻ってきてみたら賑わってるなぁ」

吹寄「げ」

フレンダ「げ――さっきの押し付け魔」

吹寄「わ、悪かったわよ 謝罪します」

フレンダ「別にいーけど、ウチの売り場に何か用って訳?」

吹寄「用というか……その……」

フレンダ「にゃはは、そんなに目配せされちゃバレバレって訳よ! ほら進んだ進んだ」

吹寄「せ、背中を押すなっ!」

フレンダ「絹旗ー! お客さんを連れて来たよー!」

絹旗「超フレンダですか 客寄せパンダと化してまぁ、さしずめ今のフレンダは
    フレパンダって所ですね」

フレンダ「いや、上手くないし」
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 15:39:06.56 ID:+Gp2+/gAO

吹寄「この健康器具……生体院に通わなくても体の歪みを矯正できるって うわさのヤツよね?」

絹旗「あっ、はい! 超そうです!
    お姉さん、なかなかイケる口ですね」

吹寄「ふふ、アナタこそ 伸びしろのある体つきをしてるわよ」

絹旗「嗚呼……伸・び・し・ろ……超イイ響きです! もっと言って下さい!」

フレンダ「二人の世界ができちゃってるし、結局、こっちは尚更だけど」

滝壺「はまづら、私達の本、完売しちゃったね」

浜面「俺達の愛が知らない誰かの記憶になるってのも、意外と悪くない気分だな」

滝壺「うん さっき、買っていった人も言ってくれたよ」

滝壺「続編を楽しみにしてるって――私達、いつまで書き続けられるかな」

浜面「んなの最初っから決まってるさ……死が俺たちを分かつまで、だろ?」

滝壺「はまづら……」

浜面「滝壺……」

フレンダ「やっぱこっちはいいや」

375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 15:40:33.68 ID:+Gp2+/gAO

フレンダ「むっぎのぉー! アナタのフレンダが帰ってきたよぉー!」

麦野「おかえりなさい で、良い男は見つかった?」

フレンダ「……」

麦野「おい、なんでいま顔そらした まさかテメェ、私の頼み事を忘れてたんじゃねぇんだろうな……?」

フレンダ「い、いやぁ、ついつい物あさりに夢中になっちゃって、アハハ――てへっ」

麦野「……私のモノを自称してるくせに、なんつぅ体たらくだフレンダァアアアアア!!!!!」

フレンダ「きゃあああ! 許してぇえ! 萌え萌えバックレ君あげるからぁ!」

吹寄「萌え萌えバックル君よ! 二度と間違えないで!」

フレンダ「どの面あげてこだわってるの!? 返品するぞコラァア!」

吹寄「さぁ、行きましょうか絹旗ちゃん ウチのフリマを案内してあげるわね」

フレンダ「逃げられたって訳よ……」

376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 15:42:20.00 ID:+Gp2+/gAO

麦野「さぁてフレンダちゃあん 楽しい楽しい公然オ・シ・オ・キショーの開幕よぉ?」

フレンダ「ヒィイイイ!!!!」

上条「あ、あのー」

麦野「いらっしゃいませー 何かお探しですか?」

フレンダ「ふぎゃ! 結局……アイアンクローからのポイ捨てコンボで、K.O.って訳よ……」

麦野「婦人服のみを扱っているのですが、彼女さんへのお土産ですか?」

上条「い、いえいえっ! むしろその、彼女を作りにというか――」

土御門「よぉ上やん」

上条「つ、土御門ぉ!? お前、クラスの持ち場から離れてどこいってたんだよ!」

土御門「あるときは高校生の古物商! またあるときはネセサリウスの古着屋!
     そしてまたあるときはグループで同人の即売! かくしてその正体は
     あらゆる側面から守銭を為す、多重店員といった所かにゃー」

377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 15:46:51.49 ID:+Gp2+/gAO

麦野「チッ、同業者かよ」

上条「えっ、今なんて――」

土御門「上やんがこんなブランド品ばかりに囲まれてると、身分不相応で転売目的と勘違いされるぜよ?」

上条「いやだから、別に買いにきたって訳じゃ……」

フレンダ「冷やかしならお断りって訳よ!」

上条「ふ、不こ……いや、言いっこ無しだな――
    麦野さん」

麦野「……私、お客様に名前を伝えましたっけ?」

フレンダ「私が呼んでた気がするけど……んん?」

上条「いや、けっこう前から知ってました 直接の面識はなかったけど、ファミレスで麦野さん達を見かけた時に」

上条「麦野さん!」

麦野「は、ひゃい!?」

上条「俺、あなたが好きです!」

麦野・フレンダ「(  Д ) ゚ ゚ 」

378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 15:48:00.21 ID:+Gp2+/gAO

上条「俺と、付き合ってくれませんか!」

麦野「」

フレンダ「む、麦野……? 結局、どうするの……?」

麦野「」

フレンダ「し、死んでる……」

麦野「死んでねぇよ!」

上条「あの」

麦野「!!!!?????」

上条「出来れば、返事をいただきたいのですが……」

麦野「あ、あは、ウフッ、ウフフフフウフフフフアハハハハハ――」

上条「えっ、ちょ、麦野さぁーん!?」

フレンダ「本職よりも速く、サッカー場を駆け抜けて行ったって訳よ」

土御門「……やれやれ、暗部に関われないようにと見張っていたが、上やんの意志なら仕方がないか――おっと、またなアイテム」

379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 15:50:14.62 ID:+Gp2+/gAO

刀夜「当麻!」

上条「こ、この声は……?」

詩菜「あらあら、当麻さん的には、刀夜さんみたいな情熱的な告白が好みなのかしら」

上条「か、母さんまで!? ――いやまて……告白、ってまさか」

刀夜「ふっふ、見てたぞ当麻!」

上条「い、一世一代の告白を両親に見られた挙げ句、こんな変態親父と挙動が似通っていたなんて
    な、なんという不幸ぉおおお!!!!!」

フレンダ「流石の私も、首吊りを考えるレベルって訳よ」

刀夜「あんなに顔を真っ赤にする初々しい子も、今どき珍しいぞ それに脈ありだ
    これは今の内に挨拶しておくべきかな、母さん?」

詩菜「あらあら、当夜さん的にはもう、初孫のビジョンでも見えてるのかしら
    奇遇ね 私もよ?」

上条「ちょっと待て! いや待って下さい!! そんな迷い無き歩調で、麦野さんを追わないでぇええええええ!!!!!」


380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 15:52:59.11 ID:+Gp2+/gAO


数時間後 夜 サッカー場前


麦野「こ、こっちからメールとか送ってもいいのかな?」

フレンダ「普通に喜ぶんじゃない?」

絹旗「吹寄さんから、オススメ器具を買っちゃいました!」

フレンダ「結局、歴史は繰り返すって訳よね!」

滝壺・浜面「明日のデートはどこに行こうか」

フレンダ「コイツらはマジでブレないって訳よ」

麦野「フレンダは、何を手に入れたの?」

麦野「ま、いくら積まれても私ほどじゃないけどさ」

フレンダ「私? にゃはは、まぁ――」

フレンダ「色々とね! エヘヘヘ」


おしまい


381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 15:57:09.01 ID:+Gp2+/gAO


第十七話 フレンダ「私のベレー帽の中は結局、パルプンテって訳よ!」 一方通行「その2だァ」

382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 15:58:13.21 ID:+Gp2+/gAO

朝 フレンダ/フレメア宅 リビング


フレンダ「第一回っ御坂妹! 検体番号9982号のぉ、名前決定戦って訳よぉー!」

一方通行「どんどんぱぷぱふー」

フレメア「にゃあにゃあにゃあにゃあー」

御坂妹「人の名前を巡って争う程度の低い輩どもに、自分の看板を任せなければならない恐怖を ミサカは身震いで表現します」

一方通行「アイス舐めながら言われても、説得力ねェがなァ それ何箱目だよ」

383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 16:00:46.09 ID:+Gp2+/gAO

フレンダ「やっぱり語呂合わせは定番よねー ク9 ク9 ヤ8 ニ2 みたいなさ!」

フレメア「にゃあ アイスが好きだからアイスちゃん、というのも大体、すてがたい」

フレンダ「可愛い缶バッチも付けてるし、バッチちゃんとか有りかも!」

御坂妹「……お腹がゴロゴロするので、すこし御手洗いに とミサカは、らしい口実でそのまま外出しようと思い立ち起立します」

一方通行「やめとけ 今の母さンと叔母上は、小学生レベルのあてつけでネーミングしてっからよォ」

御坂妹「気が変わったので着席します とミサカは、同時に回避したブリブリなどという蔑称に、畏怖を抱きました」

384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 16:08:58.39 ID:+Gp2+/gAO

フレンダ「そういうアっ君は結局、何か良い案あるって訳?」

一方通行「おォ! 当然だぜ母さン」

一方通行「その名も無限-インフィニティ コイツらには、無限の可能性って奴を信じて欲しいからな」

フレンダ「かっこいいじゃん! どうよ妹ちゃん! 無限で結局きまりじゃない?」

御坂妹「決まっていいわけねぇだろ、本気と書いてマジって読むレベルじゃねーか
     と、明日の朝刊の一面を飾る、ミサカ自身の姿を想像してすぐに破棄します」

385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 16:10:20.60 ID:+Gp2+/gAO

フレンダ「そっかー、これでも夜通し考えた妙案だったんだけどなぁ……」

フレメア「レッドゾーンとつにゃう中 にゃあ」

一方通行「こりゃ困ったぜ……第一位の頭脳もこの程度って事か……」

フレンダ「ならば、皆さんの意見も出揃ったところで、私のアポートで出した物体を9982号の名前にしましょう!」

御坂妹「今までの過程まるごと全否定じゃねーか」

フレンダ「大丈夫大丈夫! 最近の私ってば結局、色々と面白いモノも出せるようになったし!」

御坂妹「紙とかハリとかコインとか味気なさすぎて、名前にさせられる方は面白くないです
     と、ミサカの価値が18万円から100円均一へと下降する為のフラグが、整っていることに驚愕を隠せません」


386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 16:11:39.96 ID:+Gp2+/gAO

フレンダ「最近さぁ、ベレー帽の大きさが実感できるようになってきたのよね」

フレンダ「頭に乗せると結局、あまった部分が垂れ下がっちゃうしー 射程も日本国内全域まで伸びちゃったしー」

一方通行「か、母さンは綺麗だから何でも似合うがなァ……?」

フレメア「カワイイと思うよ、うらやましい にゃあ」

御坂妹「いや聞けよお前ら」

フレンダ「エヘヘヘ、ありがとうみんな! じゃあイっくよー! アポート!」

御坂妹「(´・ω・`)」

387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 16:15:44.39 ID:+Gp2+/gAO


同刻 第七学区 二車線道路


天井「一方通行が実験から自主的に脱退した時は、どうなることかと思ったが――」

天井「今となってはどうでもいいさ、このウィルスコードがあればなぁ ひひひっ」

天井「あとは隙をみて、上位個体にコイツを打ち込めば……おっと信号が赤になっていたな」

天井「交通事故などというくだらない事で、私の未来を頓挫させてしまっては、死んでも死にきれんよ」

天井「――は? あれ? ブレーキペダルが、ない?」

天井「うぁあああああ!!!!!!???? 芋川ぁあああああああ!!!!!!」

388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 16:17:18.17 ID:+Gp2+/gAO


同刻 フレンダ/フレメア宅 リビング


フレンダ「ペダルちゃんって訳よ!」

一方通行「よォペダルゥ」

フレメア「大体、ペダル にゃあ」

御坂妹「お前らの口の中にコレ突っ込んで、発言にブレーキかけてやろうか と、ミサカは無駄な脅しで業を煮やします」

フレンダ「ありゃ、ダメか じゃあ、ペダル(暫定)が納得できるまで頑張るね!
      アポート!」

御坂妹「……勝手にしてください もぅ……」

389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 16:21:33.59 ID:+Gp2+/gAO


同刻 上条家(新築) 内部


刀夜「じゃあ行こうか、母さん」

詩菜「はい あら、刀夜さん的には掃除が夏の風物詩なのかしら」

刀夜「ん? 掃除って何のことかな」

詩菜「だってここに、お土産が並んでたじゃありませんか」

刀夜「本当だ おかしいな……掃除なんてした覚えはないんだが」

詩菜「あらあら、刀夜さん的には物忘れが著しいのかしら」

刀夜「そ、そんな事はないぞ 乙姫ちゃんと合流することも、ちゃんと覚えてる」

詩菜「あらあら」

刀夜「――はずなんだが、奇妙だな」


390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 16:23:36.82 ID:+Gp2+/gAO

フレンダ「おぉ! なんか小物を沢山もってきたって訳よ!」

一方通行「この白虎の柄、悪くねェな シャツのヒントにでもするか」

御坂妹「……」

フレメア「ペダルもトラが気になるの? にゃあ」

御坂妹「ペダル言うな ……気になるといえば気になります」

フレンダ「ならぁ、白虎→ビャーコってのはいかがって訳よ! ペダルよりは良くない?」

御坂妹「ビャーコ……まぁ、今までの中では幾分かはマシですね とミサカは、妥協案にしぶしぶ首を縦にふりました」

一方通行「なら決まりだなァ ビャーコ」

フレメア「ビャーコ にゃあ」

フレンダ「改めてよろしくね! ビャーコ」

御坂妹「はい とミサカは気恥ずかしさに顔を背けながら、極めて冷静に肯定しました」

391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 16:26:02.19 ID:+Gp2+/gAO

数日後 昼 ファミレス


麦野「昨夜の仕事もお手柄だったわね アっ君」

絹旗「正直、仕事の効率があがりすぎて、私たちの出る幕が超ないくらいですもんね」

滝壺「相手をみんな、不殺で生け捕ってくるのもスゴい」

フレンダ「それを『駄目だろバカァー』って咎めてくる、理事会を押し込めるのはもっとスゴい!
     そして何より――」

一方通行「ならご褒美に、お子様ランチたくさん頼んでいーか?」

麦野「はっふん! 良いわよ良いわよ! いくらでも頼んでちょうだい!」

絹旗・滝壺・フレンダ「あの麦野を骨抜きにするのが、一番スゴい!!!!!!!」

392 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 16:29:16.10 ID:+Gp2+/gAO

一方通行「俺としては、母さンからのご褒美も欲しい所なンだがなァ」

フレンダ「おっと、ご指名って訳ね! そんじゃまあ、パパッと出してみるって訳よ!」

麦野「フレンダ以外のアイテムは全員たいひー」

一方通行・絹旗・滝壺「はーい」

フレンダ「アっ君まで!? 歩きながらランチ食べるのメッ!」

一方通行「はァい……」

麦野「アっ君のご褒美に得体のしれない物を出そうとする、フレンダもすこぶるメッ!」

フレンダ「はぁい……」

393 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 16:29:55.85 ID:+Gp2+/gAO


同刻 カフェテラス


上条「ふ、ふぅん 言われてみればそうかもな」

海原「そうですよ (ヒュン) エツァリ「全く」

御坂「」

上条「」

エツァリ「どうかしましたか? 二人とも」

上条「お、お前 海原じゃあ、ないのか?」

エツァリ「えっ 顔がない!? なんで!?」

上条「とりあえず怪しいから殴らせろ!」

エツァリ「ぐふぉ!!!!」

394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 16:33:35.00 ID:+Gp2+/gAO

フレンダ「……」つ(海原の顔皮)

麦野「……」

絹旗「……」

滝壺「……」

麦野「でさぁ、昨日のドラマの話なんだけど」

フレンダ「脈絡のない無難な話題にシフトされたぁああああ!!!!!!」

一方通行「母さンもランチのチキンライス食うか? あーん」

フレンダ「グスッ、慰めてくれるの? 優しいね……あーん」

麦野「その皮よこせフレンダァアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

滝壺「謎の皮から信号がきてる」

絹旗「残留思念!?」


395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 16:35:33.21 ID:+Gp2+/gAO


数時間後 夕方 フレンダ/フレメア宅 フレメアの部屋


フレメア「にゃあ 宿題、大体めんどくさい」

御坂妹「分からない所が有れば、ビャーコに言ってくれればネットワークに検索をかけますよ」

フレメア「にゃあ たのむ時が、あるかも」

一方通行「オイオイ叔母上、第一位の俺を忘れてもらっちゃ困るなァ」

フレンダ「ただいまー 見ないと思ったら、結局ここにいたのね」

御坂妹「はい とミサカinビャーコは簡潔に返答します」

一方通行「で、ドコがわかンねェンだ?」

フレメア「ココとココ」

一方通行「おーけー、ソコはなァ――」

396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 16:37:36.81 ID:+Gp2+/gAO

フレンダ「……」

御坂妹「……」

フレンダ・御坂妹「もしかして同じこと考えてる?」

フレンダ「ふ、二人の気を引く起死回生の何かをアポートしなきゃ!」

御坂妹「頑張って下さい とミサカinビャーコは、自分の存在感を運に任せなきゃいけない
     自分の不運を呪います」


夜 第七学区 ビルの屋上


インデックス「ねぇ、なんでこんなことをしたの?」

闇咲「……」

インデックス「アレ? 手のロープが外れてる……!? い、今の内に逃げちゃうんだよ――」

闇咲「……」

闇咲「……」

闇咲「お前には関係のな いない……だと?」

397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 16:40:12.81 ID:+Gp2+/gAO

フレンダ「……」

御坂妹「……」

フレンダ「ははっ、きっとコレは、能力にばかり頼ってちゃダメって言う、神様からのお達しな訳よ!」

御坂妹「自分の不手際を美化させて、まとめようとするんじゃねーよ と、ミサカinビャーコはお手上げ侍だわ」

フレンダ「いいからいいから、フレメアー、結局、お姉ちゃんも一緒に教えるって訳よ!」

フレメア「にゃ!?」

御坂妹「ミ、ミサカも構って下さい とミサカinビャーコは、背後に一方通行、両隣に2人の美少女をかかえたフレメアちゃんに
     期待と羨望の眼差しを向けます」

フレメア「にゃにゃあ!?」

一方通行「おォ! 家族総出で宿題をなンて1コマか、良いね良いねェ! 最高だねェ!!!」

フレンダ「答えを教え間違えた人は結局、罰ゲームって訳よ! ね、いいでしょビャーコ?」

御坂妹「……」

御坂妹「はい と、自らを窮地に追い込むフレンダに、理解は及びませんが――」

御坂妹「ひそかに修練を重ねてきた満面の笑みの使いどころを見つけ、ソレをたたえながら
     ビャーコは頷きます」


おしまい

398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) :2012/03/27(火) 16:50:40.44 ID:+Gp2+/gAO


第一八話 フレンダ「とある二人の強制医療(デリバリーヘヴンキャンセラー)って訳よ!」

399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 16:52:20.56 ID:+Gp2+/gAO


昼 第七学区 歩道



佐天「大変! 初春のお花が、私のスカートめくりに連動して飛んで行っちゃった!」

初春「」

佐天「え……初春?何で仰向けに倒れてるの?
    めくっちゃうぞぉ? パンモロだよぉ?」

初春「」

佐天「う、初春ぅ? 死んだふりなんかやめてよ! う、嘘、脈が止まってる……!」

初春「」

佐天「た、助けてぇ誰か初春を助けてよぉおお!!! 助けて! 助けてデリヘヴー!!!」


――愛と科学の脚線美 人の叫びに応じて駆ける、今宵も召します能力医療!

フレンダ「フレンダ・セイヴェルンって訳よ!」

――手術は腕利き両生類! 人為を越えて四つん這ったら、スカート短し隠せよ乙女!!

冥土帰し「カエル顔の医者とは、よく呼ばれるね?」

――とう!

冥土帰し・フレンダ「2人はデリヘヴ!」

400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 16:53:11.80 ID:+Gp2+/gAO

佐天「デリヘヴ! 来てくれたんですね!」

フレンダ「患者はこの子って訳ね!」

佐天「そうです! 助けてください!」

初春「」

冥土帰し「死因は、花粉欠乏症の発作といった所だ」

冥土帰し「継続的な呼吸をするたびに、適量の花粉を吸わなければ死に至る恐ろしい病だ」

401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 16:54:20.82 ID:+Gp2+/gAO

佐天「そんな……私はそんな大事な命綱を、ふっ飛ばして……」

冥土帰し「フレンダ君 食用の花を」

フレンダ「アポート! はい先生」

冥土帰し「この症状が末期に至った時点での、解決法はただ一つ――んむっ(ムシャムシャ)」

冥土帰し「花粉と酸素を、同時に供給させるしかない はい初春ちゃあん
      初キッスの時間ですよぉ んっー」

佐天・フレンダ「死ねぇええええ!!!!!!」

冥土帰し「ひでぶっ!」

402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 16:56:38.45 ID:+Gp2+/gAO

フレンダ「よし、対処法は結局わかったよね? 花ならここに置いておくから」

フレンダ「後は、アナタ次第って訳よ ほら行くよ先生」

冥土帰し「」ズルズル

佐天「後は、私次第――んむっ(ムシャムシャ)」

佐天「初春 ゴメンね……初春の初めて、もらっちゃうよ……」

佐天「私の初めてもあげるから ゴメン、初春――」


※省略されました 続きを読みたい人は みじかびの きゃぷりきとれば すぎちょびれ すぎかきすらの はっぱふみふみ と書き込んで下さい

403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 16:57:53.45 ID:+Gp2+/gAO


数時間後 夕方 とある高校の校門前 



青ピ「はぁ……いつも上やんばかり、何でワイはモテへんのやろ……」

青ピ「やっぱこの糸目がいけへんのかなぁ……? クソぉ、こうなったら――」

青ピ「デリヘヴに、おめめをパッチリさせてもらうしかない!」

青ピ「助けてぇー! デリヘヴぅうううう!」


――夢と勇気の脚線美! 人の願いに聞き入れ駆け寄る、今宵も召します能力医療!!!

フレンダ「フレンダ・セイヴェルン!」

――水掻き知らずの両生類! 乙女のキレイな柔肌を、弄りついでに完治する! 好きな言葉は仁王立ち!

冥土帰し「カエル顔の医者とは、よく言われるね?」

――とう!

フレンダ・冥土帰し「2人はデリヘヴ!!!」

404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 16:59:56.70 ID:+Gp2+/gAO

青ピ「さすが! なんだかんだいっても最後は、やっぱりデリヘヴやな!」

冥土帰し「フレンダ アンケート用紙を」

フレンダ「アポート! はい先生」

冥土帰し「まず最初に、君は自分がモテない理由を目元のせいにしてるみたいだけど、それはとんだ誤診だね?」

青ピ「えっ」

冥土帰し「胸よりも、目を見て話す事を覚えなさい(##歳 女性 吹寄ちゃん)
      あの万歳フリフリやめろ お前のあだ名、陰では妖怪クネクネだから(##歳 女性 モブ子ちゃん)」

フレンダ「まだあるって訳よ 時たまキモいにゃー(##歳 男性 とある暗部の多重スパイ)
      魔法少女の。なんたるかを。分かってない(##歳 女性 プリンセスゴッドちゃん)」

冥土帰し「まだあるね? えっと――」

青ピ「もうやめてぇえええええ!!!! 分かったからぁああ!!!!
   明日からクラスメートの顔まともに見れなくなるからぁ!!!!!」

405 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 17:00:37.76 ID:+Gp2+/gAO

冥土帰し「まったく、僕の若い頃はね 自己表現より先に自分磨きを重視させたもんだけどね?」

フレンダ「にゃはは! 磨きすぎて頂上まで煌めいてるって訳だけどねー」

冥土帰し「はっは でもまぁ、そう悪い事ばかりじゃないさ」

冥土帰し「こんなに可愛い助手が、付きっきりでサポートしてくるんだからね?」

フレンダ「先生……」

冥土帰し「フレンダくん……」

フレンダ「両生類の分際で口説いてんじゃねぇよ 生まれ変わってから出直せこの万年独身オヤジ」

冥土帰し「」

406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 17:01:23.04 ID:+Gp2+/gAO

フレンダ「とまぁ結局、診察は以上って訳よ 頑張ってね青髪くん」

青ピ「あ、はい、頑張ります」

フレンダ「個人的にはアナタ、嫌いなタイプじゃないよ? はいこれっ私のメアド
      相談したい事があったら、いつでも連絡してきてね」

青ピ「あ、はい、ありがとうございます」

フレンダ「ほら行くって訳よ先生 帰ったら机の引き出しにはいってる、私の下着を返してね」

冥土帰し「」ズルズル

青ピ「……」

青ピ「……」

青ピ「け、結果オーライなんかな?」

407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 17:01:57.97 ID:+Gp2+/gAO


数時間後 夜 上条宅



インデックス「お腹減ったお腹減ったお腹減ったぁああ!」

上条「だぁああさっき食べたばかりでしょうが!」

インデックス「もういいもん! 当麻がいなくても、学園都市には呼ぶだけで飛んできてくれる、凄いヒーローがいるんだから!」

インデックス「お腹減ったんだよぉお! デリヘヴぅー!」

〜略〜

フレンダ・冥土帰し「2人はデリヘヴ!!!」

上条「ベランダへの戸がバラバラに……不幸だ……」

インデックス「よく来てくれたんだよ! はやく何とかするんだよ!」

冥土帰し「そうかい? ならね、とりあえず触診するから」

冥土帰し「――全裸になってもらおうかな?」


野を行き夜を行き空を行き、今日もデリヘヴは走りつづける

蹴られ、騙され、引きずられようとも、彼らが足を止める時は訪れないだろう

命が、世界に限りあるまで!


おしまい

408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [saga]:2012/03/27(火) 17:02:59.01 ID:+Gp2+/gAO

次回予告


注がれた悪意の蓄積が溢れ、やがてこぼれ出す

滴る闇が群れとなって、大空の隅から隅を禍々しい紫色に染め上げる、その経緯とその結果は

ここにいる、因子をもつ8人の手に託された 彼の謀略にそって――


上条「プレイヤーが犠牲にならなきゃいけない、残酷な法則があるなら」

上条「まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!」


次回!


フレンダ「結局、私の妹が一番って訳よ!」 土御門「私の妹“も”だにゃー」

フレンダ「どんどん高くもっと高くー、空まで届けサバの塔ー」

婚后「見つけましたわ! お人形の敵!」 フレンダ「へ?」


お楽しみに!

409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/27(火) 19:19:22.70 ID:pTNeDcNDO


>>347
ドレス無し右手一本でスキュラに挑む上条さん
とか妄想して胸熱

立ったら貼りつく
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋) [sage]:2012/03/28(水) 09:54:43.17 ID:MnsU1F4zo
おつおつ
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/03/28(水) 19:56:51.32 ID:G2SLXph/o
カレー
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/03/29(木) 08:37:42.17 ID:xAAxTKmI0
>>411
……乙と言いたいのか?
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新潟・東北) [sage]:2012/03/30(金) 13:45:22.86 ID:4xTOiKhAO
おつカレ
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/03(火) 13:38:53.40 ID:hn/ebIsAo
まだかなー
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/04/19(木) 17:07:02.60 ID:Ce15I8oJ0
>>414俺が許すから気にするな、現>>1乙!
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank) [sage]:2012/04/19(木) 17:08:13.36 ID:Ce15I8oJ0
↑、、、誤爆…ごめん、本当にごめん、ごめん、ごめん
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2012/04/19(木) 18:01:33.11 ID:nxZkPQabo
>>416俺が許すから気にするな、>>416乙!
418 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方) [sage]:2012/05/19(土) 16:28:51.29 ID:rdaktvI5o
もう5月なんだが
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